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#1
第075回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第8号
昭和五十年六月二十七日(金曜日)
   午後三時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     橘  直治君     山崎 竜男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 一郎君
    理 事
                剱木 亨弘君
                小林 国司君
                片山 甚市君
                峯山 昭範君
                内藤  功君
    委 員
                有田 一寿君
                斎藤 十朗君
                高橋 邦雄君
                橘  直治君
                戸塚 進也君
                秦野  章君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                秋山 長造君
                戸田 菊雄君
                中村 波男君
                秦   豊君
                多田 省吾君
                橋本  敦君
                和田 春生君
   衆議院議員
       修正案提出者   山田 芳治君
       修正案提出者   小沢 貞孝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  福田  一君
   政府委員
       警察庁刑事局長  田村 宣明君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       自治省行政局選
       挙部長      土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      吉田 淳一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(秦豊
 君外二名発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(峯山
 昭範君外一名発議)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(第七十四
 回国会内藤功君外一名発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(岩間
 正男君外一名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中西一郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
#3
○峯山昭範君 委員長。
#4
○委員長(中西一郎君) 峯山さん。
#5
○峯山昭範君 委員長に一言申し上げておきたいと思うんですが、ただいまの理事会ですね、私は、きょうの理事会の議題がプリントされておりますように、第一案件、第二案件、第三案件と出ております。にもかかわらず、第一案件を決めた段階で、要するに自民党さんと社会党さんの賛成だけで、われわれの意見全く聞かないで理事会を休憩にして委員会にさっと入るというのは非常によくない。私は、委員長は中立的立場から少なくともわれわれの意見もちゃんと聞いて休憩に入るべきだ、われわれ反対しているわけじゃないですよ、すぐ入った方がいいという考えを持っているわけですからね。そのことを一言意見を聞いてそれから運営をすると、そういう方向で運営をしていただきたい、委員長の答弁を一言聞いてきょうの審議に入ってください。
#6
○委員長(中西一郎君) 峯山委員からの御注意、十分承りました。よくわかりました。そういうふうに今後は善処いたしたいと思います。
#7
○内藤功君 委員長、私からも一言。
#8
○委員長(中西一郎君) 内藤さん。
#9
○内藤功君 すでに委員長が理事会を運営する、委員会を運営する場合には、各党の理事の意見をよく聞いて、そうして十分に意見を聞いて進行するというようにということを先日私は理事会で委員長に懇々と申し上げたつもりです。すでに、そんなにたくさんの日にちがたってない。だのに、きょうのやり方は、われわれ理事には何のお諮りもなく、突如理事会を休憩しますということを宣告された。何のことかわからない。ちゃんとこの理事会の協議事項には、一が委員会の運営、二が視察に関する件、休憩なんというのは全然書いてないです。こういうことはわれわれに一言相談してくれれば、道理のあることだったら賛成しますよ。いきなり自民党の理事が席を立たれる、こういうやり方ははなはだよくない。私は厳重にこれを抗議しておきます。
#10
○委員長(中西一郎君) ただいま峯山さんにお答えしたとおりでございますが、今後善処いたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(中西一郎君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)、同じく(参第一八号)、同じく(参第二八号)、公職選挙法の一部を改正する法律案(第七十四回国会参第五号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第二七号)、以上六法案を一括して議題といたします。
 前回に引き続いて質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
 速記ちょっととめてください。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(中西一郎君) 速記を始めて。
#13
○斎藤十朗君 私は、ただいま議題となっておりますいわゆる公選法、そして政治資金規正法のうち、与えられました時間が短うございますので、政治資金規正法の改正について総論的な御質問をさしていただきたいと思います。
 長年いろいろな形で懸案になっておりました政治資金規正法がこのたび改正をされ、審議をされておるわけでございますが、この政治資金規正法は、いわゆるいままで野放し状態であった政治資金を一つの政治資金確保のルール、または拠出のルール、そういったものを確立をしたものであるわけでございまして、その内容は、まず、その政治資金の量と質の制限、そしてまた政党収支の公開、広く国民参加という意味からの個人献金の優遇といいましょうか奨励、そしてまた政党その他政治団体の概念のようなものを確立をする一歩になったと、このように評価されておるわけでございます。そこで、大臣は審議の過程で、やりとりの中で、政治資金規正法もなおまだ不十分である、しかし、一歩前進したものであるからというような御答弁をされておるわけでございますが、どういった点が不十分であり、なおまたどういった点が理想として残されている点だとお考えでありますか、お伺いをいたしたいと思います。
#14
○国務大臣(福田一君) 私がこの法案の提案者として、この点が足りない、この点がよいと、こういう発言をすることは提案者としては私は適当ではないと、この段階において私はこれが適当な案であると思って提案をいたしました、こういうことであります。しかし、あなたのおっしゃった気持ちは、問題としていろいろあるのであるけれども、そういうことがなかなか解明されておらないじゃないかという御質問と承ってお答えをいたしますというと、私はまず問題になることは、これは個人献金に限るべきではないかという強い意見がございます。総理もそういうようなことを発言をされておりますし、また、その他においても個人献金がいいではないかという御発言の党もあるようでございます。そういう点を踏まえてみまして、それでは個人献金でやっていまの実態に合うであろうかということを考えますというと、私は理想としては個人献金ということはいいことだと思いますけれども、この段階ではやはり政治というものは一つの継続性というものがございまして、革命ならば一挙に片づくんでありますけれども、革新というか斬新というか、そういう形をとらざるを得ないと思います。そういう点から考えてみますというと、一挙にそういうところへ持っていくということは私は一つ問題があると思います。
 もう一つの問題として私が考えておるのは、それでは果たしてこの企業献金というものが絶対悪であるかどうかということになると、ここにも問題があります。実際に諸外国にいたしましても、企業が献金をしておる場合もあるところもかなり私はあるように聞いておりますし、それからまた法律的に見ましても、企業というものは自然人とは違ってはおる、その内容が違っておってもやっぱり社会活動というものをしておるわけであり、その社会活動の面においては政治活動というものもあってしかるべきではないかという一つの理念がございます。この問題を考えてみましたときに、一挙にそういうような理想論にいってもなかなか私はむずかしいのであって、やはり個人献金という一挙にそこまでいかないで企業献金ということも認めていく、そしてそれは必ずしも法律違反とか絶対悪であるという考え方には立っておりません。ただ問題は、企業と政党が癒着をしてそうして企業の利益を図るというような、そういうことがよく指摘されておりますので、そういうことのないようにするという意味では私は考えなければならない。それには野放しではいけないからある一定の限度を設けなければいけない、こういうたてまえでこの法案を出しておるということを御理解をしていただきたいと思います。
#15
○斎藤十朗君 次にお伺いをいたしたいことをもう全部お答えをいただいてしまったような感じでございます。この政治資金規正法がこうして国会に提案され、もういまや可決されんというようなところに来ている。これはやはり去年の参議院選挙のころにいわゆる金権政治というような形で非常な国民の批判を受け、世論の大きな盛り上がりというものが一つの大きな背景であったと思うわけでございます。それはすなわち、企業献金というものはよくないものだというような観点からこういった世論が形成されてき、個人献金にすべきだというような世論になってきたことだと思うわけでございまして、そういうものを受けてこの政治資金規正法が改正されていくということでありますが、いま大臣からお話がございましたように、企業献金というものを廃止をする方向で進むのが前進であり、存続を認めるということが後退だというような、そういう議論は私はおかしいような気がするわけでございます。企業献金は本当に悪なんであろうかということを考えますときに、自由主義社会を守ろうという自由主義政党に対して、その自由主義のもとにある企業が発展をし、また自由主義そのものが発展をし、そういった中で国民の雇用なり所得というものを増大をしていき、国民の幸福、福祉というものが前進をしていくんだ、そういう政治形態の中でそういった自由主義社会を守っていこうという政党に支援をしていこうということは当然のことであると私は思うわけでございます。でありますから、いまよく、去年あたり議論されておりました、企業献金は悪だという議論はすなわち自由企業は悪だということに根差した議論であるわけでございまして、私たちはそれに承服することができないわけであります。
 いまもおっしゃられましたように、法人といえども法人格という人格を持っておるわけでありまして、自然人と同様にその法人実存説というものを日本の法体系というものはとっておるわけでございます。昭和四十五年の最高裁の判決におきましても、私ちょっと調べてみましたんでありますが、次のように――これは昭和四十五年のいわゆる八幡判決でございますが、「政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素であるから、会社の政党に対する政治資金の寄附も、会社の目的内の行為として許される。憲法の基本的人権の条項は、性質上可能な限り、内国法人にも適用のあるものであるから、会社が納税の義務を有し、自然人たる国民とひとしく税負担に任ずるものである以上、納税者としての立場で政治的行為の自由を有し、その意味で政治資金の寄附も認められる。」、このように最高裁の判決も出ておるわけでございまして、まさに私は企業献金そのものは悪ではない。ただそれが、その企業献金というものが、ややもすると一部の大企業が特殊な利益のために莫大な献金をする、また、そういったことによって政治の進められ方というものが特定な方向に曲げられるというような印象を醸し出すということが私は一番の問題である。やはり浄財としての政治資金というものを広く多く集めて政治を円滑に動かしていくということはこれは必要なことであり、ここが一番大事なところであり確認をしておきたい、このように私は思うわけでございます。そういった点につきましては大臣の先ほどのお話と私とは全く一致をするわけでございまして、もう質問という形は避けたいと思うわけでありますが、それと同列視されていま議論されております労働組合の政治資金をどう考えるかという問題でございますが、労働組合は何といっても労働条件に関する個人の集まりであり、個人の集まりをいわゆる機関決定ということである党またはある政党のある候補者にという形でカンパしようと、こういう機関決定を決めるということに対して組合内部においてもすでに異論が出ている。そういう組合が多々もう出てきておるわけでありますが、そういったような背景なども考えまして、組合の献金というものについて大臣はどのようにお考えになっておられるか、お伺いをいたしたいと思う次第でございます。
#16
○国務大臣(福田一君) ただいまは企業献金の問題に触れられて私と同じお考えであると私も承りまして結構だと思うのでありますが、組合の場合もそれが度を過ぎて、そして組合の利益のためにのみ、その組合のための仕事をしてくれという意味で結びついて、そしてあれをします場合には、これはわれわれとしても考えなければならないと思いますが、しかし、これがそういうことではなくして、とにかく労働者の権利を守るという意味で、ある程度常識的にそういう自分の組合のことじゃないと、働く者の味方になってやってもらいたいのだという意味でやられる分について、そういう限度を考えておやりになることまでも全部が全部私とめなければならぬものだとは思っておりません。その意味では企業の場合と私は同じような考え方に立っていいと思うのであります。労働組合というものも個々の組合員とは別個の社会的な存在である、こう考えますというと、労働組合の政治献金を認めることが個々の組合員の政党支持を、それじゃその組合がある程度のことをしたと、そうするとその組合全部が何々党に全部入れなければならない、そういうものじゃないと思うのですね。企業献金も同じなんです。私は、企業ぐるみというような言葉はよくありますが、これはずいぶんいろんな――全部が全部一緒になってやるなんて、そんな企業ぐるみなんてありっこありません。いまは企業の中で組合の方が強いのです。社長はきゅうきゅうとして組合の意見を伺っているような状況下において、企業ぐるみ選挙などというのはおかしな話です。
 しかし、私は、その意味では同じように労働組合といえども組合長が言ったらもう全部号令どおり動くかというとなかなかそうは私はいっておらないのじゃないかと思うが、しかし、うちの組合のことは別にしても、まあまあとにかく労働者のために働いてもらうのだからという意味の献金をされるということは少しも差し支えない。しかし、うちの組合のために、これだけのことをやってくれるためにこれだけの金を出すのだということになれば、いままで言われている企業献金の弊害と同じようなことができると思うのでありまして、私は、労働組合が政治献金をしたからといって、個々の組合員の政党支持の自由を侵しているものではない、こういうふうな考え方に立っておるわけであります。
#17
○斎藤十朗君 御答弁で基本的には私もそのように思うわけでございます。ただ、いろいろ実際の例に接してみますと、私の非常に仲のいい連中とかまた知っている人たちの場合でも、会社にいるから組合にいる、また、勤めているから組合に入っている、そういうだけのことであって何も革新政党支持ではないのに革新政党に政治献金をしなければならない、カンパをしなければならないということで給料から天引きをされて、金まで取られて、また戸別訪問までしないと怒られるというような話を実際問題聞くわけでありますが、事務当局の方で結構でございますが、組合からの献金の場合、組合会計から――いわゆる組合が集めた会計がございますね、その会計の中から献金をされるということにいては組合の商店決定があれば何ら差し支えないわけですね。
#18
○政府委員(土屋佳照君) おっしゃるとおりでございます。今回の改正でそれについては限度額が設けられているような点がございます。
#19
○斎藤十朗君 そこで、第二十二条の七の2にいわゆるチェックオフと、こう言われている条項のようでございますが、個人からのカンパを政治的な信条に基づいてこれを拒否した場合には、機関決定のとおりのカンパをしなくてもいいというようなふうに理解をしておるわけでございますが、それでよろしいわけですか。
#20
○政府委員(土屋佳照君) 今回の改正案の二十二条の七は、ここに表題にもございますように、寄付のあっせんに関する事項でございまして、寄付のあっせんを組合等がやります場合に、この天引きは寄付をしようとする者の意思に反してやってはいけないと、こういうことがあるわけでございます。したがいまして組合が組合費として集められたものの中から限度内においてお出しになることは、これはこれと関係がないわけでございまして、組合員の、たとえば選挙の際に個々の人がある政党に献金をされる、その中継ぎとしてあっせんをされるという場合には、献金されるのは個々の人の名前で献金されるわけでございますから、やはり今回の改正の一つの任意性と申しますか、その人個人の意思を尊重するという立場で献金をされるということになっておるわけでありますから、そういった意味で、その場合は寄付をしようとする者の意思に反してやるというのはどうであろうかという意味でこの規定が入ったということに御了解願いたいと思います。
#21
○斎藤十朗君 よくわかりました。
 次に移りたいと思うわけでありますが、先ほどからの大臣の御答弁の中で大体私の考えていることともほとんど一緒なんでありますが、一つだけちょっと言葉じりをとるようなことかもしれませんが、気になりますのは、理想としては個人献金がよいというふうにおっしゃられました。たびたびそういうお言葉がいままでにも出ておるわけであります。私は個人献金が理想なんであろうかということをよく考えてみたいと思うわけでございます。この場合の理想というのは、いま余りにも個人献金が少な過ぎるから、何かないものに対するあこがれみたいな気持ちの理想みたいな、そういうような感じがしてならないわけであります。なぜならばこれが定着をして、個人献金というものが定着をしてきた場合には、先ほどから話のあります政治献金と政治上の行動といいましょうか、政治家の行動というものがいかに切り離されるかということに重要な点があるわけでございまして、そういうことから考えますと、たとえばある個人が年間に五十万円なら五十万円ある政治家に献金をしたといたしますと、個人の出す五十万円というものは相当な重みになると思うのです。その相当な重みというものは何か、それの見返りとして政治家に相当な利益をもたらしてもらいたいという気持ちが当然私は生まれてくるものだろうと思うわけです。いまは少ないからそういう議論が余りありませんが、これが定着をしてくると、そういうことになってきて、いわゆる企業献金よりもなお悪い面が出てくるんではないかという私ば心配をするわけでございますが、そういった考え方に対してどうお考えでございますか。
#22
○国務大臣(福田一君) いまお話しのようなことがありますから、個人献金にも実は限度額をある程度設けておるわけであります。それで、私が理想ということを言っているのは、いまいかにもこの企業献金に対する反対があって、その企業献金の悪というのは結びつきが悪いんだと、こういうことですからね、だから、個々の人が出されれば、献金は個々でやるんですから、企業との結びつきというものはなくなるわけですね。そういう弊害を根絶するのには、理想として個人にしてしまえば問題ないんだという意味で私は申し上げておるつもりなんで、これが将来、じゃ完全に五年の後に全部個人献金になし得るかどうか、現実問題としてそのときに考えなければならぬ。しかし考え方としては、そういう企業のために利益を図るような政治というものはしないがいい。個々の企業のために図る政治はしない方がいいという点を強く――またそれを絶対なくするということになれば、個人献金になるよりほか仕方がないということになるわけですね。それは絶対にない、もう疑いを一切差しはさまないようにしようということになればそういうことになるという意味で一応理想ということを言ったわけです。だから、そこは、私は決して現実というものを無視した理想というものはやはりあり得ない。それは、考えは高く持っておっても現実にはやはりその度合いを踏まえながらやっていくというのが政治だと私は思っているわけです。だから、そういう意味と御理解をしていただきたいんで、個人の献金が理想だというのは、その企業献金というものが企業と結びついた政治ということを根絶するためにはそれよりほかに方法がないじゃないかという意味において私が使っておると御理解をしていただきたいと思います。
#23
○斎藤十朗君 私の申し上げたいのは、それはよくわかるんです、企業の献金が企業の利益に結びつくような政治行動になってはいけない、これを根絶するために理想としてはそれをなくしていく、それにかわるものとして個人献金をということはよくわかるんです。しかし、個人献金そのものが全くきれいなものであるということにはならないわけです。個人献金というものが個人の利益のために結びついてくるときが必ず来るんではないか、個人献金というものが一般化してくればですね。そういうことを考えるときに、個人献金はいかにもきれいな献金であると、すばらしいものであるというような印象を与えるということは、私はちょっと間違いではないかというふうに思うんです。で、限度額が決められておるとおっしゃいますけれども、政党に対しては二千万円、個人に対しては一千万円ということですし、受け取る方は個人の場合には百五十万円というようなことになるわけでしょうけれども、しかし、そういう額を考えますと、個人における十万円、五十万円という金額というものは相当な値打ちのある、価値のあるものでありますから、それだけに私は心配がある、また、あるからこそ、必ずしも個人献金というものが全くきれいなものとは言い切れないんじゃないかと、こういうことを申し上げているわけでございます。何か、もしか御意見がございましたらお願いします。
#24
○国務大臣(福田一君) 私は、個人献金でも弊害を起こす場合があるということについては同意でございます。同じこと、そういうことなんです。しかし、いずれにしても、政党というものがあるいは政治家というものが活動をするには経済力が必要でございます。その経済力をどこに求めるかという方法論になってくるわけです。だから、弊害が起きればまたそのときにそれを考えていくと、こういうふうになろうかと私は考えておるわけでございます。
#25
○斎藤十朗君 そういうことでございますから、結局、企業献金をやめにして個人献金に頼るというよりも、そのバランスをとっていく、企業献金もあり個人献金もあり、そしてそれが不特定多数といいましょうか、非常に幅の広い広範囲なところから、そしてできるだけ少額の額を集めると、こういうことが私は理想だろうと思うんです。でありますから、結局私は、個人献金がいいということじゃなくて、いま現状は個人献金が余りにも少な過ぎるからバランスの上でもう少し個人献金も伸ばして、両方のバランスをとりながら政治資金というものを確保していく、こういうことが本当の筋じゃないんだろうかというふうに考えるわけであります。しかしながら、いろいろ考えてみますと、個人献金というものはいまの日本の国民的な風習といいましょうか習慣の中になかなかまだなじんでいないというのが実態だろうと思うわけでありまして、これから、こういった法改正が一つのショックになりまして、そういったいい方向に進んでいくことを期待をするわけであります。
 そこで、個人献金の税の優遇などについて今度は処置をされておるわけでございますが、調べてみましたら、たとえば総所得が一千万ある個人の方は二百四十九万円まで献金ができると。そうすると、その献金を引いた上での支払いの税額というものは百三万七千円ということに大ざっぱな計算でなるようでございます。そして、全くその一千万の人が献金をしなかった場合には税金が二百七十三万三千円取られる、まあこういうことでありまして、そこで、献金をした場合には、いわゆる税を支払った後の残りとでもいいましょうか、そういうものとまた献金をした場合の残りというものがかなり違うということになると、なかなか個人献金もしにくくなるというか、しても余り税制上得ではないということになるわけでありますが、今回のこの改正でどの程度どういった優遇がされるのか、少し具体的なあれがございましたら教えていただければありがたいと思います。
#26
○政府委員(土屋佳照君) ただいまおっしゃいましたようなことで、要するに政党が国民の中に広く入っていくということが望ましいという意味で党費なり個人献金がふえていくということを目指している、そのためにいわゆる所得税における所得控除という制度で優遇措置を考えるということでございまして、それが今回の一つの措置でございます。
#27
○斎藤十朗君 その優遇措置というのが実際上どのぐらい優遇になるか、計算上おわかりですか。
#28
○政府委員(土屋佳照君) 方式はいまお示しのとおりの方式でございますから、所得の二五%から一万引いたものが所得控除の対象になる、したがって、どういう方々がそれぞれどの程度寄付をなさるか、それによってもちろん上積み税率も違いますし、全然ケースによってそれは変わってくるわけでございますから、どの程度どうなるかということはちょっと私どもとしては想像できかねるわけでございます。
#29
○斎藤十朗君 それじゃ具体的に申し上げますと、たとえば一千万の所得のある方が限度いっぱい献金をされますと二百四十九万円であって、その献金を引いたものが七百五十一万円と、こういうことになるわけです。で、その七百五十一万円にかかる税額が百七十四万一千円と、こういうふうになるわけでありますから、いわゆる手取りといいましょうか、税を支払ったあとの手取りというものが五百八十万円程度になる、こういうことでございますね。それと、その一千万の方が全く献金をしなかった場合、まるまる一千万に税がかかった場合には二百七十三万三千円の税額になる。そうなりますと、税を引いた額というものが七百二十七万円程度になる、こういうことです。そこにはやはり政治資金を出した場合には、相当それなりの優遇とは言うもののかなりの差があるということ、私はそこを指摘をしたいわけです。
#30
○政府委員(土屋佳照君) いま例を挙げられたわけでございますが、私どもも五百万円の場合はどうなるとか一千万円の場合はどうなるとかいうことで、その所得の方が限度いっぱい寄付をされた場合というような想定のいろいろなことはやっておるわけでございます。たとえばいま一千万の例をお挙げになりましたけれども、大体この場合は二百四十九万寄付をされたということになりますと約百万ぐらいの――七百五十一万に税がそのままかかるということになりますと二百七十七万幾らになるということでございますけれども、そこで、……
#31
○斎藤十朗君 いや百七十四万。
#32
○政府委員(土屋佳照君) 控除をされますと、それが所得控除というかっこうでされた場合は百七十四万幾らかになりますので、結局百万ぐらいが安くなるということになろうかと思うのでございます。しかし現実的には二百四十九万という所得は、所得の中からそのままそっくり寄付をしておるわけでございますから、その点は手元にはないということでございますから、税の計算上、それが全然二百四十九万を、ただそのまま寄付をされたとなれば、もともと一千万あったというかっこうでかかるわけでございますから、その差の百万ぐらいは非常に楽になるということは言えるわけでございます。
#33
○斎藤十朗君 いや、私のだから申し上げたいのは、政治資金を出さなかった方は、いま一千万の場合ですよ、税金を引いて七百二十六万七千円は手元にあるということです。そして二百四十九万円政治献金された方は手元に五百七十七万円しかないということですね。そういうことでしょう。そうしますと、そこに大体百五十万円ぐらいの差がある。そうすると約二百五十万円の献金をして、その税で優遇された部分がそれほど、言うほど優遇措置をしたということにはならないんじゃないかと、そういうお話をしているわけです。
#34
○政府委員(土屋佳照君) 本来ならば寄付をするという場合は本人の意思で寄付をされたわけでございますから、可処分所得から払われたということで、それはもう減らざるを得ないわけでございます。しかしながら、それではやっぱり所得控除というものがないと特に重くなるわけでございますから、そこで他の地方団体や国等に寄付をした場合と同じように、準じて扱おうということでこういう制度を設けたわけでございますから、やはりそれなりの大きなメリットはあるだろと考えるわけでございます。
#35
○斎藤十朗君 これは一例でありますし、これをどうしようということでもないわけですが、なおまだその個人個人による政治資金の拠出というものに対して推進をするいろんな方策があれば、今後とも進めていただきたいというようなふうに思うわけでございます。
 次に政治資金の公開の問題でございますが、今回は特に政党の政治資金の公開が全面的になったと、こういうことになるわけでございますが、私は公開ということが必ずしもいいことなのだろうかというふうに考えるわけです。先進民主主義国と言われる英国なんかにいたしましても、公開をいたしてないわけです。その理由は、英国の保守党の場合が企業献金が多いと。それに比べて労働党は、政治資金そのものは少ないけれども、労働組合が日常の活動として政党活動のようなことをしている、社会主義のキャンペーンを行っているというようなことで、そういった部分も政党の政治活動であり、政治資金に入ってくるのじゃないか。そういうことから公平に公開をするという意味においてはなかなかむずかしいというような観点。また有権者が政治資金を出すということは、いわゆる有権者が政治に参加をするということであり、有権者のまず第一の政治に参加をするということは、選挙に投票をする。それは秘密投票で行われておるわけであって、その投票になおまたそれ以上の支持を表明するということが献金である。そういうことから、この献金についても秘密であるべきだと、なおまた民主主義社会における個人の秘密の尊重も必要だというような、プライバシーの観点からというようなことから公開がされてないわけでございますが、そういった一つの考え方もあるということを申しておきたいと思うわけでございますが、日本のいまの置かれている現状から考えますと、これはある程度やむを得ないことであり、国民の世論にこたえていくということについては、今回の改正はまず妥当なところだろうというふうに私も考えておるわけでございます。
 で、先ほどからもお話がございますように、政治には金がかかるものである。どの政党においても金がかかるわけでございますが、ちなみにいまの五大政党の政治資金、これを調べてみまするときに、たとえば昭和四十八年は自民党が百八十六億円、共産党が六十一億円、公明党が三十八億円、社会党が七億円、民社党が五億三千万円と、こういうふうに大まかに言いますとこういった報告がなされておるわけであります。で、マスコミなどを通じて自民党の政治資金というものは大変なものだと、第二位の共産党の六十一億円を三倍にも上回って百八十六億円にもなっておるじゃないかということで批判を浴びておるわけでありますが、私は、やはり政党の政治資金というものは当然その政党の規模、活動範囲、そういったようなものに批例をして考えなければいけないのじゃないかというふうに考えるわけであります。そういうことからいろんな見方、いろいろな分析がされると思うわけですが、たとえば議員数でこの政党の政治資金というものを割り算をしてみますと――自民党は四百十四名、共産党が五十一名、公明党が五十三名、社会党が百七十八名、民社党が三十一名と、こういうことになってくるわけです。その割り算をいたして一人当たりの額をとってみますと、自民党が四千五百万円、共産党が一億一千九百万円、公明党が七千百七十万円、社会党が三百九十万円、民社党が千七百万円というふうなことになるわけであります。そうなりますと、これが実際の一人当たりの使われる政治資金というもの、これを考えますと、共産党が一億一千万円で群を抜いておる、こういうことが言えるわけです。次に公明党の七千万円であり、自民党は多い多いと言われながら四千五百万円しかないと、こういうことになってくるわけでありまして、こういったようなことを率直に国民の皆さん方にお知らせをするということでなければならないと思うわけであります。この中で顕著にあらわれておりますのは、社会党や民社党が、たとえば社会党が三百九十万円で、民社党が千七百万円というふうに圧倒的に低いということであります。これは先ほど英国の例でも申し上げましたように、政党そのものの活動に加えて、通常の労働組合の活動、そういったものが政党の政治活動にイコールのような形で行われている、そういうものが入ってこないのでこういったことになるんではないかという批判があるわけであります。なおまた、その他の政党でも党費また寄付というようなものが支部、下部機関でいろいろと差し引きをされて、本部に上がっていく金額というものは非常に少ない。なおまた、ある政党のごときは、その政党の中心的な方が個人で巨額な献金をした形になっている、そういうようなことで実態というものはなかなかつかめないわけであります。今回の改正でも、その政党の本当の、真の政治資金というものはあらわれにくいんではないかということを私は指摘をいたしておきたいと思います。
 与えられました時間が非常に追ってまいりましたので、もうこれはお答えをいただかないことで先に進めたいと思いますが、こういうふうに考えてみまして、各政党とも政治活動に相当な資金がかかるということはやむを得ないわけであります。そして、それが先ほど言われるようにきれいな形で、また秩序ある形で集められる。政党は企業体でないわけでありますから、商売をしてもうけて利益を上げていくというようなことはできないわけでありまして、その調達がいま申し上げるように秩序ある形で調達されていく、そして、それは、いま先ほど議論がありましたように、法人の献金と個人の献金とをバランスをとっていくということであります。
#36
○委員長(中西一郎君) 斎藤君、時間になりました。
#37
○斎藤十朗君 個人を育てる、個人献金を育てていくということで個人献金を定着していく、それがすなわち国民的な政治参加につながっていく、そして、それを推し進めていきますと税の形による個人献金というものにつながってくるんではないかというふうに思うわけです。たとえば、西ドイツで行われておりますような政党の経費の半分ぐらいはその政党が取った票に応じて国が政治資金をまかなう、こういうようなことがなされておるようでございまして、西ドイツは一票三・五マルクの金が出るというふうに聞いておるわけでありますが、そういうようなことになっていくのがやはり理想的な形である。五年後の見直しということがよく言われておりますが、五年後の見直しも企業献金をゼロにする方向での見直しということだけではないと思うんです。こういう私が申し上げたような国民全体が負担をするというような形に進んでいくことも一つの大きな理想ではないか。そういう場合には政党法などというものも必要になってくるわけでありますが、そういったところをひっくるめて、ひとつお答えというのか御感想をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
 大変時間が短いもので非常に要領を得ないようなことでありますが、どうぞよろしく。
#38
○国務大臣(福田一君) 政治に金が要る、その金をどういう形で調達するか、それに弊害のないような形にするということが理想であります。と同時に、あなたが御指摘になったように、われわれも個人献金が悪だからとらないという意味で、悪い、できないことであるからというのでとらないのではなくて、いままではそれによって何か利益を与えるような、疑惑を起こさしたじゃないか、その疑惑を起こさせないために一定の限度を設けている、今後もそういうことのないようにしていこう、こういう考え方でございますから、私はあなたのお考えと少しも隔たっておらないというふうに考えておるわけでございます。
#39
○戸塚進也君 大臣、通告のない点で一点だけ、申しわけありませんが、密約ブームでございまして、この間も共産党の内藤先生からも密約というようなお話がありましたが、新聞にも何かいろいろこうちらちら出ておるんで、もちろん政党同士が話し合う中ではいろいろな経過がありますから約束事もあるかもしれませんけれども、少なくとも大臣と今回のこの二つの法律に関して何か特定の政党間とか、そういういろんな団体とかにおいて密約ということは私はないと、こういうふうに信じますが、その点一点だけ伺います。
#40
○国務大臣(福田一君) 私はそういう密約をいたした覚えはございません。何らありません。
#41
○戸塚進也君 よくわかりました。それでは通告に従って申し上げます。
 諸悪の根源ということがよく言われますが、私はやはり金のかかる選挙ということが諸悪の根源につながるもとだというふうに思います。そこで、衆議院の場合四年以内という任期が決められているわけでございますが、過去数回二年半平均で解散が行われておる。私は参議院議員でありまして、申すべきじゃないかもしれませんが、金のかかる選挙ということを改めていくには、万たび万たび選挙のことばっかり心配して、国会審議もどうも上のそらにならざるを得ないというような、そういう状態というのは私は正常な状態ではないと思うんです。戦争が起こるかもしらぬとか、経済の問題がどうするとかというときには、それは解散半年でも結構でしょうが、いまのように解散することが何かあたりまえのような形で二年半ごとに行われているということは改めていくべきだ、衆議院議員の方も平常時においては四年いっぱい任期を務めるべきだ、こういうふうに考えますが、この点、自治大臣いかがお考えでしょうか。
#42
○国務大臣(福田一君) 私も同じような考えに立っております。いままでよく解散が行われたのはそれなりの事情があったと思いますが、とにかく選挙があって、選挙のために地方へ、自分の選挙区を育てるということに努めておるといういまの姿は望ましい姿ではありません。そこで、そうなると本当は小選挙区にして、政党法をつくって小選挙区にして、そして政党がやると、政党の代表として出てくるという姿になればそういう心配が要らなくなると、こう私は思うんであります。もちろん、それをやるとまたその意味での弊害もありますが、今日のような私は弊害は少ないのではないか。われわれがいやしくも議員になった以上は、その政治に専念できる、政策に専念できるということになるかと思うので、そういう意味ではあなたの御意見に賛成でございます。
#43
○戸塚進也君 全く同感で名大臣だと思います。
 そこで、参議院の選挙制度を今後改めていかなきゃならぬという問題は議論されておるところでありますけれども、選挙制度、参議院を考えた場合は地方区と全国区と二つのものがある、これを分離して地方区だけをどうする、全国区だけをどうするということは、私はこれは参議院の選挙制度というものを正しく是正することにはならぬと思うんであります。やはり是正するからには地方区の選挙制度もこのように是正するが全国区もこのように是正する、どこまでも一体でなくてはならぬと思います。総理も次期の選挙までには何らかの形でということを言っていらっしゃいますが、その場合に私は、やはり全国区の制度と地方区の制度、どこまでも一体として政府は御提案なさるべきだと考えますが、お考えを伺います。
#44
○国務大臣(福田一君) 私は、いまあなたがおっしゃったように、この参議院というのは衆議院と違った姿において選挙が行われておる、地方区という区域と全国の区域とに分かれておる、しかも、地方区も全国区も三年ごとに選挙が行われるという、これはもう解散というものなしに行われるという姿であって、そこに衆議院との差があると思われるのであります。したがって、その地方区がなぜできたか、全国区がなぜできたかという立法の当時の法典を見ましても、地方区というのには地域も加味してあるということは明瞭になっております。そういうこともございますが、いずれにしても参議院全体としての私は改革という問題を今後大いに研究をいたすべきものであると思うのであります。そうしていきますが、しかし、その場合にですよ、たとえば地方区の問題では合意ができたと、全国区はどうしてもできなかったということになればですね、これは私は各党の合意ができれば、これはもうその地方区だけでいく場合もあり得ると思いますが、理想としては、両方ともこれは今後研究する場合に十分考えていくべき筋合いのものであるというのが私の考えでございます。
#45
○戸塚進也君 先日小委員会におきまして、剱木先生から、わが自由民主党の剱木試案といいますか、あくまで私案という形で示されたその御説明の過程の中で、地方区の一人一区制、先般の私の質問の中にありました一人一区制ということについて、そういう意見が強いということについて剱木先生からお話があったやに伺っておりますが、この一人一区制という問題について、政府もこれは一つの貴重な提案だと、こういうことで真剣に検討する意思があるかどうか、一言で伺っておきます。
#46
○国務大臣(福田一君) これは私は、われわれとして検討はいたしますが、この場合に一区一人制というたてまえを腹の中に持って、そして検討をするということは私は差し控えたいと思っております。全体としていかがあるべきかということを大局的に見、そして地方区はいかがあるべきか、全国区はいかがあるべきかということ、そういう立場からわれわれとしては研究をさしていただきたいと思います。もちろん、この剱木さんの御意見がこういうことでございますから、そういうものを私は無視するというのではございません。しかし、政府としては、常に皆さん方の御意見を十分尊重するというたてまえで検討に当たりたい、かように考えております。
#47
○戸塚進也君 ビラ規制の問題についてお伺いいたします。
 ビラ規制につきましては一部国民の間に、これは言論統制やあるいは政治活動の自由を抑圧するというようなおそれありというような意見が、その後も私どものところへも承っておるわけであります、一つの意見として。で、今回の改正については前回も伺いましたが、絶対にその意思はないと、そういう言論を抑圧したり、そういうことはないんだということを、もう一度重ねて伺いますとともに、先般労働組合の問題がこの委員会で論議されたわけでありますが、同じく選挙に関する報道評論の中で、中小企業とかあるいは農業団体等が会員に通常――もちろんこれは会費を払っているわけですから、その機関紙一枚一枚について金を払わなくても、会費の中で運営している、そういう機関紙の中で、選挙に関する報道評論をやって配布する行為、これについては差し支えないと、労働組合と同じように差し支えないと、こう考えてよろしいかどうかということが一点。
 それからさらに、先般も申し上げましたが、証紙を三十万枚のものに張るという、これは法律に書いてあるわけでございますが、こういうことは私は金のかかる選挙に逆行するもんだと、これはやはり私はあえて修正していただかなきゃならぬのじゃないかと思いますが、この点、政府のお考えをもう一度承っておきます。
#48
○国務大臣(福田一君) 私は選挙について制限を加える、選挙活動に制限を加えるということについては、できるだけ少な目にすべきものである、必要最小限にすべきであると思うんでありまして、極力これは自由にできるようにしたいと思います。しかし、それだからといって、公正な選挙を行う場合には限度があるのでございますから、その限度において考えなければなりません。ただいまあなたのおっしゃった中小企業のビラの問題等は、これは当然その中小企業の人たちが金を出して、そしてやっておるわけなんですから、その費用の一部がその中に入っておる、それはなさって少しも差し支えないもんだと思っております。
#49
○委員長(中西一郎君) 戸塚さんに申し上げます。自民党の割り当て時間が六十分、十五時四十二分から始まりまして、斎藤さんが少し食い込まれましたので、四十二分を目途に……。
#50
○戸塚進也君 いま委員長がおっしゃっている時間だけひとつお願いします。
 それでは、もうそういうことでございますから、警察庁に一括して伺います。そして自治省、祝儀寄付の点だけ一点だけ伺います。
 まず、ベニヤ張りポスター等は今回禁止されるわけです。だから、電信柱なんかにそういったものはもう出てこないんです。ところが電信柱やあるいは鉄道のガード下なんかに、ぺたぺたぺたぺた張るポスターあります、あれ、無秩序に。ああいうことに対しては、これまでもいろいろ御努力なさったと思うけれども、今回こうして一つのルールをこしらえるからには、ああしたただ無秩序にべたベた張って歩くという行為については、これは徹底的にやはり取り締まるべきじゃないかと、こういうふうに思いますが、これについての見解を承ります。
 次に、選挙違反として、被疑者として警察に行った場合のことについて伺いますが、私は買収とか供応とかという悪質な問題については、これはもう警察でとことんまで、ある意味じゃ多少の言葉が行き過ぎといってもしようがないかもしれませんが、単純な形式犯、たとえばビラをちょっと配ったとか、あるいは室内用ポスターだとかというときに、全く犯罪者扱いのようなふうにして、本当に清らかな気持ちで選挙をやって、何かちょっと法律を知らなかったということによってやった善意の人に対して、もう選挙なんかこんりんざいだと、こういうことを思わせるようなことは、私はこれは民主国家としてよろしくないと思う。だから、そうした形式犯等のような場合については、その相手方の人権、社会的な立場、将来性というものを十分考えて、そうしてこれは丁重に扱うというとおかしいですけれども、緩やかにしてやっていただかないといかぬと思うが、この点警察のお考えを伺いたい。
 それから祝儀寄付等を、これは花輪とか何か全部禁止だ、これは金のかからない選挙について大賛成です。しかし、問題は国会議員は会合に招かれればただ飯を食い、ただ酒を飲むのか、こういう問題については、これは私は一社会人として考えてみるときに、やはり結婚式へ招かれれば、ごちそうがあれば、自分がそれに対してそのごちそう相当分くらいをお祝いとして、祝儀として包みたい、これは私はあたりまえじゃないかと思うんですね。だけど、まじめにこの条文を解釈すると、結婚式へ祝い持っていってもひっくくられやしないか、あるいはまた常会で会費を取らないでまあ議員さんだからと呼んでくれたけれども、それ相当分について御祝儀を持っていった、このときも一々考えをして、戸塚進也と書いちゃいけないから、かあちゃんの名前でも書かにゃいかぬとかいろいろなことを考える、それは私はちょっとどうも行き過ぎじゃないかと思う。この点については、社会通念上でこれは通常当然だと、だれが考えてもというような、言うならば会費相当分とかこういう点については、これはもう社会常識としてお許しを願えると解釈してよろしいか、以上三点簡単に答弁してください。
#51
○政府委員(田村宣明君) ただいま御質問の、まずこのビラ等の問題でございますが、これは御質問のとおり法に触れるものにつきましては公正な立場で取り締まりをいたしてまいりたいというふうに考えております。公職選挙法といたしましては百二十九条、百四十三条、百四十六条等を引用して取り締まりをいたしてまいりたい、こういうふうに考えます。
 それからいわゆる悪意、悪質でない形式犯等に対する関係者、参考人等の取り扱いでございますが、これはもう言われるとおりでございまして^従来から被疑者や参考人等の取り扱いにつきましては、基本的人権の尊重という立場に立って慎重な捜査をするように指導をして、ずっと努力を重ねておるところでございますが、今後ともさらにその点については一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから祝儀寄付等の問題でございますが、まあいろいろその種の行為で罰則規定に触れる場合には、この取り締まりの対象ということになることは当然でございますけれども……
#52
○委員長(中西一郎君) 時間の関係がありますから簡単にやってください。
#53
○政府委員(田村宣明君) ただいまおっしゃいましたように、善意の場合というものにつきましては、もちろん法に触れるか触れないかという問題ございますけれども、社交の程度を超えて寄付をしたというものでなければ、二百四十八条の罰条には触れないということでございますので、そういうふうな場合については当然取り締まりの対象にはならないということでございます。
#54
○戸塚進也君 時間がもったいないですから、有能な委員長からの御命令ですから、もう全部まとめて最後の一問にいたします。
 その前に、選挙違反被疑者につきましては前の選挙でもこういう事例はありますよ。私はやっぱりこれは通達をぜひ出もていただいて、きちっとしていただきたい、そのことをお願いをいたします。
 最後に、政治資金規制の問題について四点ほど自治大臣にお伺いをして私の質問を終わります。
 第一点は、国会議員が通常一カ月にまじめにともかく政治に取り組んで、そうしてもう兼職したり変なことをしないでやって一カ月どのくらい金がかかと考えるか、私はできたら自治大臣が一カ月どのくらいかかるかということを伺いたかったが時間がない。私がこの五月に自分が使った金を公開します。明細も言いたかったんですが、時間がないからやめます。私は五人家族で生活費が十五万、東京の生活費十万、二十五万使わしていただいていますが、それを入れて百二十四万円かかっています。そうして国からいただく歳費等では、これはいろんなものを引かれますので、交通通信費も入れて約七十万ちょっと欠けるぐらいでした。そうなると毎月これだけの赤字が出るが、これはもう絶対縮めようたって縮められようがないんです。本当にやっぱりこれはまじめにやればやるほど金がかかるんです。そういうことを国民にもっと明らかにして、国会議員の支出というものも明らかにし、また、かかるものについては公費で認めていただけるものはやはり必要最小限公費で認めていただけるように今後も改善をしていくべきではないだろうか、金を集めるということばかりが能じゃないと思うんです。そういう点について、恥しいことだけれども、ぼくはいつでも公開します、自分の支出金については。そういう点を大臣どうお考えか。
 そして、先ほど斎藤十朗先生からも政党法の問題が出ましたが、いま政党法を制定して、そして政党本位の選挙をやって、金の問題についてもいま私が申し上げたような点についても改善していく、こういう強い要望がありますけれども、これについて自治大臣はどのように考えていらっしゃるか。将来、政党法について与野党の間で相当な合意が進むならば、これは国会にそうした法律を提案されるようなお気持ちがあるか。
 次に、個人献金に対する特別措置、これは今回は所得控除になっているわけです。しかし、これからは五年間になるべく全部個人献金にしていくんだということ――なるべくじゃない、個人献金にしていくんだということですから、それなら、個人献金を出しやすいような、きれいなお金を一般国民が――何百万じゃなくて、一人が三万とか五万とかという金をさらに出しやすいように改善していくべきだと思うんです。そのためには、そのうちの一部をたとえば税額控除にすると、こういうようなさらに前進した特別措置がとられないだろうか。さらに、アメリカのように、いわゆる税金を払うときに指定をして、そしてこれをある特定の政党のために使ってくれというような形で、指定寄付制度といいますか、そういう形をやることも私は大きな前進だと思いますが、来るべきこうした政治資金規正法改正等に当たっては、こうした問題について前向きに検討していただく気持ちがあるか。
 最後に、政治資金規正法の対象に、現在特別市の市会議員とか市長さんは対象にされていないわけです。しかし、都道府県議会議員とこの特別市の市長さんや市会議員さんを比べますと、政治活動に要する費用とかそういったことは大体同じぐらいかかってそれだけの活動をしておるのが現状だと思うんです。ならば、この方々も、将来、政治資金規正法の対象に加えていくお考えがないか。以上を伺って私の質問を終わります。
#55
○国務大臣(福田一君) まず、経費が非常におかかりになるということでございますが、その程度は必ずかかるだろうと私も考えております。私の方がよけいかかっておると思っております。それは、実を言うと、いわゆる後援会その他がやってくれておる面があるわけでございます。しかし、その点は十分これからも、どういう形にするか、私はあなたのような有能な若い政治家が育つことを心から念願しておりますから、場合によっては御相談に乗っても結構だと思っております。
 その次に、したがって政党法による選挙をやるようにした方がいいじゃないかということは私は理想として賛成でございます。
 もう一つ、個人献金の問題、それを税額控除することはどうかと。実は、今度の場合もそれでずいぶん大蔵省と折衝したんです、その方でやれという。ところが、まあまあいまはここでひとつがまんしてくれというんでここへ落ちついたということを申し上げておく。したがって将来はそういうことを考えます。
 次に、市会議員の選挙等々についても、同じように政治資金の問題を適用するようにというお話でありますが、これも、実は、大蔵大臣と折衝するときにそこまでやるかやらないかというんでずいぶん議論をいたしましたが、今度はひとつこの程度に、この次はひとつ考えようと、こういうことになっておるということを御報告申し上げます。
#56
○戸塚進也君 自治大臣ね、自治大臣個人から別に、援助していただくということはありがたいことですけれども、しかし、私が申し上げたのは、その必要最小限かかる費用は公費で賄えるような改善というものを大臣やっぱりしていくべきじゃないだろうかということを伺ったわけなんでございます。この点の御答弁をいただきたい。私はそのほかの質問は全部やめましたが、さらにまた、今後の質問を期待をしておりますが、これだけ大臣お願いします。
#57
○国務大臣(福田一君) 私が少し言い過ぎたことを言って申しわけないんですが、それで派閥とかなんとかいうような問題もあるわけなんですね、実際を言うと。それと同時に、いまの政治をやるには自分の経済というものをよく考えられて、それに自分を応援する人を極力求める努力をされることがやはり必要だと思っております。
#58
○戸塚進也君 終わります。
#59
○秋山長造君 私に与えられた時間は一時間しかございませんから、ごく整理してお尋ねしますから、できるだけ簡明率直にお答え願いたい。まず、総論的なことについて御質問いたします。
 元来、選挙法というものは、その性格上、国民にとって一番わかりやすい法律でなければならぬと思う。ところが、選挙法の実態は一番わかりにくい法律になってしまっている。これは、国民に一番関係の深い税法等についても同じことが言えると思う。その結果、いわゆる選挙の玄人はもっぱら法網をくぐることに知恵を使う。また、いわゆる素人の方は――これが圧倒的多数ですが、素人の方は、君子危うきに近寄らず、選挙はこわいものだということになってしまっておるのが偽らざる実態だと思うんです。これでは、幾ら声を大にして明るく正しい選挙というようなことを言われましてもその実現の見込みはないと思うんですよ。つまり、いまの選挙法というものが国民のための選挙法になっていないと言わざるを得ない。いまの選挙法ができてちょうど二十五年になるわけです。この際、国民の選挙、国民のための選挙法という原点に返って選挙法というものを根本的に考え直す必要があるんじゃないか、こう思うんですが、自治大臣の御見解をお伺いしたい。
 なお、私の案ですが、たとえば、現在の選挙法を、国会選挙法といいますか、国会関係の選挙法とそれからいわゆる地方選挙に関する地方選挙法、国会選挙法と地方選挙法というように二つに分けるとか、あるいはその他選挙法というものを根本的に洗い直し、整理し、そして簡略化して、もっとわかりやすい選挙法につくり変えるべきではないか、こう思うんですが、御見解を伺いたい。
#60
○国務大臣(福田一君) まことにごもっともな御意見だと私思っております。われわれも、実は、選挙法の条文の解釈とか、そういう面でなかなかむずかしいものもあると思っております。御案内のように、あなたがおっしゃったようにもう二十五年たっておるわけでありますからして、ここいらでもっと――法律というもの自体がそうなんですけれども、わかりよくするということは非常に大事なことだと思うんでございます。その意味では賛成でありますが、しかし、長い間の慣行であり、また、日本の国民性というものから見て、なかなか――選挙を公正にやるというたてまえから言いますというと、相当細かくしないと取り締まりができないという面もあったりいたしまして、結果においてはなかなかそれが実行されておりませんが、趣旨としては私は御趣旨に賛成でございます。
 そこで問題は、国会議員の選挙と地方議員の選挙、国会議員の選挙とその他の選挙に分けてはどうかというお話でございますが、そうすれば、まあ国会議員、知事選挙はどうするか、あるいは県会の選挙はどうするかというような問題等々に触れてくる問題かと考えるのでありますけれども、これも一つの御意見として、一応、われわれは今後研究をさしていただきたいと思うのであります。それじゃ、そういうふうに分けたら非常にわかりやすくなるだろうかということになると、なかなか、そこは、同じく選挙という制度でありますというとかなり困難、それでわかりやすくなるかどうかということはにわかに私は断定できないものといまのところ考えております。
#61
○秋山長造君 第二にお伺いしたいのは、今回衆議院の定数がまた改正されたわけでございますが、衆議院の定数は元来選挙法の四条一項で決まっておるわけです。それからさらに、その具体的な選挙区割りは別表第一で決められておるわけです。にもかかわらず、何回改正をされてもその本則の方をちっともいじらないで、全部附則でおやりになるというのはどういう理由なんですか、大臣。
#62
○国務大臣(福田一君) 定数の改正は本来その前提となる選挙区の区画のあり方とか、さらには選挙区制の根本的な検討とあわせてやらなければならないものだろうと思うのでありますが、いままでにやらなかったのはどうかということは別といたしましても、今回の定数改正は、これらの根本的な問題をやっておりますとなかなかそこまで意見がまとまりませんので、とにもかくにも不均衡の是正をしようというたてまえで各党がお話をいたしまして、そうして決定をいたしました。その決定に基づいて是正をやったわけでありますが、御案内のように、これからやりますということになりますと、もう建物の内容からしてこれ以上数をふやすわけにはまいりません。衆議院においてはですよ、衆議院においては。したがって区割りの問題、区制の問題を当然考えなければならないということになると、今後の課題としては根本的な問題と含めて検討しつつ、いわゆる人口問題を加味した――加味するというか人口問題を十分取り入れたような案も考えていかなければならないのではないかと私は考えておるわけでございます。
#63
○秋山長造君 衆議院の議場の入れ物がどうこうという問題は、それは本質的な問題ではないと思うのです。それはただ実際の便宜の問題なんです。そんなこと私は聞いておらないです。選挙法ではっきり定数は幾ら、そうしてその内容、区分けは別表第一で決める、こう決めておきながら、いまの御答弁では根本的な改正云々と言って、根本的根本的ということをおっしゃるのですけれども、それはどういう意味ですか。どこに書いてあるのですか、根本的な改正をするときだけ本則を改めると。その他の改正は全部附則であるということどこに書いてあるのですか。どこにも書いてないでしょう。法律にはっきり衆議院の定数は四百七十一名とすると、こう書いてある。それを改正するのを、なぜそこをそのままにして、何かこう、こそこそというと語弊があるけれども、附則で次から次くっつけるような、継ぎはぎ細工するようなことをやられるのか。根本的ということはどういう意味なんですか。たとえば、数から言いましても、この選挙法ができた二十五年には四百六十六ですね。四百六十六から出発をしまして、今度の改正では五百十一になるわけです。実に四十五名増員になるわけでしょう。定員の一割ふえるわけです。変更されるわけです、数字が。これは根本的な改正でない、じゃ、ほかにどういう改正があるのですか。
 大臣は先般来参議院の定数是正が衆議院の定数是正と同じようにはいかぬということの理由としていろいろなことを言われましたが、その際、必ず大臣は、各党の話がまとまらぬとかなんとかいう言葉のほかに、この別表第一の一番最後の後書きに、本表は五年ごとの国勢調査の結果によって更正するのを例とすると、こう書いてある、衆議院の方はこうわざわざ書いてある、参議院の方には書いてないじゃないか、これを一つの根拠にしておられるようですけれども、そこまでおっしゃりながら、何回改正してもこの別表はちっとも改正しない、手をつけない。これも全く論理の一貫せぬ話ですがね、これはいかがですか。根本的改正の場合でなければ改めぬというこの根拠はどこにあるんですか。どこにも書いてないですよ、この選挙法に。どこか前書きにでも書いてありますか。この数字を改めるときは根本的改正のときだけに限るんだということは書いてないじゃないですか。
#64
○政府委員(土屋佳照君) ただいまおっしゃいましたように、この法律自体にいまおっしゃったようなことは書いてないわけでございますが、従来から、御承知のように、衆議院の問題につきまして、選挙制度につきましては選挙制度審議会等で長い間かかって議論がされてきたわけでございますが、その過程で、御承知のように、三十九年に一回定数是正が行われております。これはその当時でも、この定数をふやす場合に、一体最低のところと最高のところと比べた比率というようなことになりますと、一番低いところはもう減らすかといったようなことになりますと、いまの三人ないし五人の選挙区制にも触れてくるとかいろいろ議論があったようでございまして、根本的なというのはそういった意味で選挙制度の全体的な仕組みの改善をちょうど研究しておられる、そういうさなかであるから、そういうことがあるまでは一応暫定的な措置として附則で改正をされたといった経緯があるわけでございまして、その意味では今回のその定数是正につきましても一応現行制度を前提として、当面極端な選挙区別定数の不均衡を是正しようということであるので、前の例にならって附則で改正をするというようなことに扱われたわけでございまして、それでは法律でどの規定に基づいてそうしたんだということについては、別にそういうことはないわけでございます。判断の問題でございます。
#65
○秋山長造君 ですから、これは前例とおっしゃるけれども、これは三十九年の改正のときにこういう附則でちょこちょこっと改正するということをやられたんですけれども、これは私は正道じゃないと思うんですよ。やっぱり堂々と第四条を改正されてしかるべきだと思うし、それを改正したからおかしいとかなんとかいうことにはならぬと思うんです。
 そこで、いま大臣のおっしゃる根本的な改正あるいは部長のおっしゃる御答弁から考えますと、あなた方は――現在の公職選挙法というものは、いま行われておるいわゆる中選挙区制、これはもう明治以来、選挙制度が始まって以来ずいぶんいろいろな変遷はありますけれども、一番長く行われておる、一番いわばわが国情に定着をした選挙区制として行われておるわけでしょう。大正十四年、普通選挙制がしかれて以来五十年間、途中にちょっと、終戦直後にありましたけれども、大体ずっと一貫して行われておる。したがって現在の選挙法といのものはいわゆる中選挙区制というものを前提にしてつくられた選挙法であることは間違いないですよ。しかも、今日ただいまも中選挙区制をとっておるんですからね。だから、本則を改正するについて何の不都合があるんですか。むしろ、何か根本的な改正というようなことを言われることの方がおかしいんじゃないか。つまり、現在の中選挙区制以外の選挙区制というものをあなた方はいつも想定されて、何とかそこへ持っていこうという、たとえば小選挙区制もその一つですよ、そういうことがいつも前提にあってこういう変則的な改正の方法をとっておられるんじゃないだろうか。これは疑わざるを得ぬですよ。私の疑いの方が本当じゃないですか。いかがですか、その店。
#66
○国務大臣(福田一君) いま御指摘のように、根本的という言葉遣いが適当でないというお話でございますれば、それはお説のとおりかもしれませんが、しかし、私たちはそれだからといって小選挙区制というものを前提にして、それが根本的な改正とは思っておりません。たとえば区割りの、非常に人口の少ないところと大きいところがある、それを一部合併するなり、合わせるなり、合わせて二つに割るなり、いろいろのやり方があると思うんです。そういう区割りを変更することも一つの大きな改正ではなかろうかと私は考えておりますので、そういうことも含めて考えてはおりますが、小選挙区の問題ということになりますと、これは事は非常に大問題でございまして、一時大騒ぎが起きたようなわけで、私はやっぱりこういうことをやるには、相当程度世論が盛り上がるなり、あるいはまたそれをやるための選挙を行ってみるとか、何かそういうようなことでもないと、なかなか小選挙区制に踏み切るということは、すでに定着した中選挙区制というものを変えるということは非常に困難ではなかろうかと私は考えております。
#67
○秋山長造君 それならばなおさらのこと、その根本的改正、根本的な改正ということを口にされることの方がおかしいんで、今度のようないわゆる大改正と――三木総理の言葉をもって言えば選挙法始まって以来の大改正でしょう。この機会を逸しては、もう二度と当分改正の見込みがないというような御説明すらあるんですよ。それならば、何も附則で次から次くっつける必要はちっともないんで、堂々とあんた、この公選法四条一項の数字を改正し、さらに区割りは別表を改正することによって行われたらいいと思う。めんどうなことも何にもないでしょう、ずいぶん複雑な、込み入った法律の改正、どんどんやっておられるんですからね。これだけの表をこう変えるのがそれほどこれはむずかしいことですか。私はこれはもう附則なんかで次から次にくっつけるというやり方は邪道だと思うし、先例先例と言うけれども、そういう悪しき先例はもう一回きりでやめられて、本筋にお返りになるべきだと、こう思うんです。もう時間がありませんからそれ以上は申し上げませんが、もう一度その点明確に答弁していただきたいことと、あわせて、いま参議院地方区の定数の問題が大問題になっておりますが、何らかの形で定数是正というものを、ここまでの、天下のこれは大勢ですからね、また、十分客観的な要求でもあるわけですが、地方区の定数是正を行われる場合には、別表第二で堂々とおやりになるのか、やっぱりまた附則で便宜的におやりになるのか、その点も参考のためお伺いしておきたい。
#68
○国務大臣(福田一君) 私はこの選挙法の改正というのは、これは各政党がそこで選挙を行って国民の批判を受ける一つの土俵でございますから、そこでその土俵というものを政府が恣意といいますか、自分のこれが一番いいんだというような考え方で出すということにはあまり意欲を持っておりません。むしろ、各政党の間でお話し合いをしていただきまして、こういうところでやろうではないかというお考えがまとまったものを基幹としてやることの方が、私は独断専行みたいな形にならないと思う。また、政府が幾らそんなことを考えても、各政党の皆さんが反対なら、これは法案は通りませんから、絵にかいたもちになってしまうわけでございます。今度の場合において、衆議院で二十名の定数是正というのは各党の御意見が一致しましたから、それを基にいたしましてやるという場合に、大体どことどこと、どことどこにふやすと、こういうことになりました。そこで、ふやすという場合には中選挙区制ということでございますからして、六人以上のところは分区をするという形で、今度そういう、このような案ができてきたということは、御案内のとおりでございます。私は将来のこの参議院の定数是正の問題が起きましたときにも、極力、皆様方の御意見を参考にいたしまして案の作成に当たりたいと、政府としてはそのように考えておるわけでございます。
#69
○秋山長造君 時間がもう大分たちますが、私はそれを大臣に聞いておるのじゃないので、結論が出て、参議院の地方区の定数是正をやる場合、選挙区をいじらなきゃいけませんね、その場合に、やっぱり同じように、私をして言わしむれば、衆議院の一つの悪しき先例だと思うんですが、そのひそみにならって、やっぱりまたこの附則でやられるのか、それとも堂々と別表第二を改正してやられるのかと、こういうことを聞いておるのです。
#70
○国務大臣(福田一君) その場合におきましても、どちらでやったがいいかということを御相談願って、その説に従いたいと思います。
#71
○秋山長造君 私は附則でやるというやり方は邪道だということを申し上げたいし、大臣もそれはお認めになるんじゃないですか。
 それと、それからもう一つ、立ったこの機会に聞いておきますが、大臣がよくおっしゃるその別表第一の後書きの「更正するのを例とする。」、更正という言葉が使ってある、この更正という言葉はどういう意味ですか。私は更正という言葉はやはり厳密に解釈すべきだと思うんで、本来から言うと、四条一項で決められた定数の範囲内でこの各選挙区別の定数をこう更正すると、まあ国勢調査の結果に基づいて改め正すといいますか、言葉どおり、改め正すと、こういうことであって、総枠をふやすとか減らすとかいうことは本来この更正という言葉の中には含んでないんじゃないかと思うんですよ。恐らく皆さんも、そういうことがあるから、どうもこれをいきなり――別表第一を変えるべきではあるけれども、それへいきなり手をつけるのはどうもぐあいが悪いというので、こう附則ということを考え出されて、それに先例だ先例だと言ってくっつけていかれておるんじゃないかという気がするんですが、その点はいかがですか。
#72
○政府委員(土屋佳照君) 別表の最後に書いてあるのは御指摘のとおりでございますが、これがいま言われましたように、こういうことと絡んであったわけではございませんで、やはり根本的な制度が議論されておるときであったので、三十九年にああいった附則による改正の仕方があったということでございまして、今回もいろいろとその第七次審議会の後、問題が残されたままになっておる、それがすぐいまどうするというわけではございませんけれども、そういった意味では、現行のままで暫定的にやるといったような考えで前の例に従ったということでございまして、別に、別表第一をいじるとどうこうというような深い意味でやっておるわけではございません。
#73
○秋山長造君 それならば、もう一度申しますけれども、この悪しき附則で便宜的に変えていくというやり方はもうおやめになって、堂々と本則と別表を改正ということで取り組んでいくというようにぜひお考え直しを願いたいと思います。
 それから次は、選挙公営の拡充の問題ですが、今度の改正によって相当項目にわたって公営の拡充が行われておることはこれは評価いたしますけれども、現行法で行われておる公営の範囲はどれどれかということと、それからあわせて今度の公営拡充をそれにプラスして、一体候補者一人当たりどれくらい選挙費の負担の軽減になるのかということをお答え願いたい。もちろん、候補者といっても、これは数がいろいろ動きますから、厳密なことは言えないと思うのです。大体、どれくらいな軽減になるのかということをお尋ねしたい。
#74
○政府委員(土屋佳照君) 現在、すでにいろいろな公営が行われておるわけでございますが、一通り挙げてみますと、御承知のように、通常はがきの交付、それからポスター掲示場の設置の公営、それから新聞、候補者個人の新聞広告、それからテレビ、ラジオによります政見放送、それから経歴放送、それから立会演説会の開催、個人演説会の公営施設の使用の公営、それから選挙公報の発行、それから候補者の氏名掲示、それから投票所内の氏名掲示、それから特殊乗車券等の無料交付、こういったものが現在行われておるわけでございます。それに、ただいま御指摘のように、今回の公営拡充でポスター、それから自動車、個人ビラ及びはがきについて拡充が行われることになっておるわけでございますが、一人当たりの国庫負担は、最近の選挙で見ますと、この前の選挙等の候補者をもとにして考えますと、公営の費用が大体衆議院で二百二十五万、今回の改正で二百二十五万。それから参議院全国区で五百三十五万、それから地方区で二百八十五万というふうに、今回の公営拡充によって負担がされるということに見込まれるわけでございます。全体でどれくらいになるかということでございますが、現行の公営費の候補者一人当たりの国庫負担額は、最近の選挙について見ざるを得ません。それによって見ますと、衆議院で二百七十九万、参議院でこの前の通常選挙で全国区が八百五十九万、地方区で九百七十七万ということになっております。これをその後の物価の上昇等がございますので、仮にざっとということで三割程度上がっておるというふうに見てまいりますと、衆議院で三百六十三万、全国区が千百十六万、それから地方区が千二百七十万という数字になってくるわけでございます。そこで、最初に申し上げたような、今回の改正によります拡充費というものを見てまいりますと、衆議院で五百八十八万、それから参議院全国区で千六百五十万、地方区で千五百五十万程度と見込まれますので、それに相当する額が候補者の負担の軽減になっておると言えば言えるということでございます。
#75
○秋山長造君 次に、選挙制度審議会について一言お尋ねいたします。設置法はそのまま存続しておることは御承知のとおりですが、審議会そのものは、四十七年の暮れに第七次選挙制度審議会が参議院地方区の十名増その他を含む中間報告を出したままで任期切れになって、現在なくなっておる。これを一体今後政府としてどうされるおつもりなのか。先ほど、最初に私お尋ねいたしました現在の選挙法の根本的な再検討という問題一つとってみましても、速やかに新委員を任命されて、そして選挙制度審議会を発足させ、活動をさせるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#76
○国務大臣(福田一君) 私は選挙制度審議会をこの際設けるということも一つの考え方だと思います。結構な考えだと思いますが、従来やってみますというと、なかなかその結論を得るのに二年も三年もかかりまして、そうして早急に間に合わない場合があると。また選挙制度審議会というものに籍口して、現実にやらなければならないことが行われなかったようなこともなしといたしません。私は審議会というものは非常に有効なものであり、またいわゆる民間の意見をくみ取る意味では非常にいい案ではありますが、またなかなかそれがまとまらないために、かえってこれが問題の解決をおくらせる場合もあり得ると思うのでございます。で、そういう意味から言いますと、今度の参議院のこの問題等を解決するには、むしろ審議会等よりは、各党の間でよくお話し合いをしていただく。その各党のお話し合いをするについて、各党で何か別のひとつ審議会で第三者の意見を聞こうではないかというんでおつくりになるのは、私は結構なことであると思いますけれども、政府がまたここで審議会というものをつくってやり出しますと、なかなか委員の人選から何から大変問題が起きまして、かえって問題を遷延させる可能性もあるんじゃないかということを恐れております。しかし、先ほどあなたが、この秋山さんのおっしゃったように、衆議院のこの問題あるいは参議院の問題をもっともっと根本的に考えることがあるから、この際ひとつそういうものをつくってはどうか、こういう御意見であれば、私は結構な御意見であると考えておるわけでございます。
#77
○秋山長造君 大臣のお考えの方へこう引っ張っていってもらっちゃ困るんです。私は衆議院、参議院の制度を根本的に変えるために審議会をと言っているんじゃないんです。私が言ったのは、選挙法そのものを――最初に御質問したことですよ、現在の選挙法は国民のものになっていないじゃないか。だから、選挙法そのものの立て方というものを、もっとわかりやすい、国民に親しみやすい選挙法というものにやりかえるべきではないかと。そういうことのためにも、選挙制度審議会というものを考えたらどうかということを言っておるのですからね、何か小選挙区でも、こう結論へ持っていくためにこれを新しく発足させるというような意味のような、まあそうもおっしゃらぬけれども、そういうような方向へ勝手に解釈してもらっちゃ困る。これははっきり誤解のないように申し上げておきますがね。もし、いまおっしゃるようなことなら、設置法を廃止されたらどうですか。設置法をそのままにしておいて、そうして実際に審議会をつくる意思がないというようなことでは、これはもうこの際いろいろなものを、不必要なものを整理しておるんでしょう、政府自身も、行管が中心になって。だから、こんな設置法なんというものは早いこと整理してくださいよ。いかがですか。
#78
○国務大臣(福田一君) 御趣旨はわかりますが、やはり法律がございますので、いまあなたのおっしゃったような意味で、すなわちわかりやすい選挙法にするためにやる必要があるということであれば、そういうことも考慮しながらやはり考えることがあり得る。いろいろの目的をもって、やはりそれは設置することがあってしかるべきであると私は思うのでありまして、廃止することは、かえってそういうことを必要ないじゃないかということになりますから、これは残さしていただいた方がいいんじゃないかと思っております。
#79
○秋山長造君 時間がたちますから、まあ十分考えてくださいね。
 で、次にお尋ねいたします。これは百四十八条の一般紙誌の規制、特にこの前問題になりました労働組合の機関紙の問題ですが、労働組合の機関紙は、単組、すなわち単位組合ですね、単組のそれであれ、また共闘組織、たとえば公務員共闘だとか、総評、同盟というようなものもある意味の共闘組織だと思いますが、そういう単組のそれであれ、共闘組織のそれであれ、関係組合員の負担する組合費によって賄われておるのですから、これを街頭配布等不特定多数人に無差別に配布するというようなことでない限り、有償配布とみなすべきではないかと私は思うんですが、いかがでしょう。
#80
○国務大臣(福田一君) ただいまの御説明でございますれば、私は差し支えないと思っております。
#81
○片山甚市君 関連。いま大臣からお答えがあったんですが、組合機関紙の頒布の態様について見解をお聞きしたいんですが、それは労働組合の機関紙は、いま秋山委員が申しましたように、組合員が組合費で負担しているので、これを有償とみなすということでいいのか。二つ目には、職場内において第一組合、第二組合などが併存している場合に、双方の組合に機関紙を配布しても合法とみなすのか。三つ目に、公務員共闘の場合のように、私鉄総連の機関紙が全日通または国鉄、動労などに配られる。あるいは国労の機関紙が私鉄や全日通に配られる場合に、相互に交換される点に配意して友誼組合間における配布はこれまでどおり適法と解釈したいのですが、いかがなものでございましょうか。
#82
○国務大臣(福田一君) まず第一の問題でございますが、第一組合と第二組合があるというような場合等々におきましても、われわれとしては有償ということを原則にいたしておりますから、その原則はやはり守っていただきたいと思うのでありますが、しかし実際問題として何かそれによって非常に不便が起きることも考えられるので、そういうときには第一組合や第二組合にいたしましても、そういう関係のまあ経費の負担を、会費の負担、あるいはこの会費を納めておられる場合に、その会費のうちにはそういう関係のある組合の機関紙の購入も行うのであるということを、私は書き入れるようにしておいていただければ、問題は非常に解決すると思うんであります。
 それからまた、同じように、今度は同じ工場の中でなくて、たとえば国鉄の場合において、動労とそれから国労の場合においても、関係のものあるいはこの労働組合、ほかのたとえば運輸、日通などのものも見たいということもあるでしょう。そういうものも購入するということを、ちゃんと組合の規約かあるいはその会計の名目のうちに加えておいていただければ有償とみなし得ると思うんでありますが、これは非常にひとつ疑義がありますから、もし私はこの法案が通った暁におきましては、そういうことを選挙管理委員会その他を通じて十分下部にというか、各組合等に徹底をさせるように努力をいたしたいと思います。
 われわれは、従来いままでやっていたことを余りむやみに変えることを目的としてやっておるんではないのでありまして、そういうような必要のあるものは法のたてまえを尊重しつつ、それを実施するようにしていただければいいのではないか。法としては有償ということをちゃんと決めておりますから、その有償に準ずる措置をとっていただきたいというのがわれわれの考えでございます。
#83
○片山甚市君 もう一つですが、組合機関紙あるいはいまの御答弁ありました内部連絡的文書は、街頭で配布しない限り従来どおりの扱いでよいのか。といいますのは、通常の方法による配布である限り、有償配布と解することができるし、組合相互で交換配布をすることも許されてよいのではないかと考えます。昨日、前の委員会の模様を聞いていますと、もう一度確かめておきたい、こういう気持ちが起こりまして、関連でございますがお尋ねをいたします。
#84
○国務大臣(福田一君) いわゆるこの内部連絡用の文書は、新聞紙や機関紙ではございませんので、今回の改正案には関係がございません。したがって、従来のままでよろしゅうございます。従来のままおやりになっても違法というわけではございません。
#85
○秋山長造君 次に、政治資金規正法二十二条の六に規定されております匿名寄付の禁止について若干ご質問いたします。この匿名寄付の禁止ということを規定されたそのねらいは何ですか。まあねらいと、通俗な言葉で恐縮ですけれども、この趣旨は何ですか
#86
○政府委員(土屋佳照君) 今回の政治資金規正法の改正の大きなねらいの一つが、公開の原則ということでございます。政党その他の政治団体が資金を集めて活動するのは、これは当然のことでございますが、それがどこから出たかということを明らかにするということは、これは当然のことだろうと思うのでございます。そういった意味では、まあ率直に申し上げて匿名の寄付というような場合、日本の古来の風習から、おれは名前は出したくないんだといったようなお気持ちの方もあろうかと思いますけれども、やはり金がどこから入ってきたかということはきちんとしておきませんと、まあわからない部分が残ってしまうと、一まとめにしてそういうものがわからないままにあるということは、これはやっぱりおかしいのではないかということで、やはり収支報告はこれは一定の額以下はやりませんけれども、整理をするのはどこから入ってきたんだということはきちっとしていただきたいと、こういう趣旨でございます。
#87
○秋山長造君 匿名匿名とこう言うわけですけれども、ここで決められておる匿名ということは内容は何ですか。まあ私は匿名というのは読んで字のごとく名前を秘匿すると、名前を隠すということだと思うんですね。そうしますと、名前を隠すという一つの意思、意図というものの存在がやっぱり私は前提になると思うんですよ。そこで、単に隠すというはっきりした意図はないけれども、単に無記名だ、記名しない、しなかったという単なる無記名ということと、匿名、名前を秘匿するということはやっぱり分けて考えにゃいかぬのじゃないか、違うんじゃないかという気がするんですがいかがですか。といいますのは、もう時間がありませんからさらに申し上げますが、よく問題になる、今度の場合も非常にある意味では問題になっている大衆集会あるいは街頭、こういうようなところで、公開の場所で、まあいわば衆人環視の中で、公開の場所で零細な資金カンパを行う機会がわりあい多い、そういう場合に、一体それがここでいう匿名寄付の禁止ということで厳密に解釈されますと、これはいろいろ私問題が出てくるんじゃないかと思うんですよ。その点いかがですか。
#88
○政府委員(土屋佳照君) まあ匿名の寄付ということは、名前を秘匿するということをおっしゃったわけでございますが、要するにその寄付をする者の氏名あるいは名称を表示しないでされる寄付ということになろうかと思うのでございます。いろいろと、漢字自体からのいろんなことで、本人の主観的な意図等が絡んでくるんじゃないかというお話でございますが、やはり客観的に見て氏名、名称というものがない寄付のことでございまして、寄付者の主観的な意図とはかかわりがないというふうに私どもは考えております。
 そこで、いま例を挙げてお話がございましたが、匿名の寄付というのは、いろいろと大きな集会等では公然として集めておるんだから問題ではないんじゃないかというようなことでございますけれども、やはり先ほども申し上げましたとおり、だれがやったということをはっきりさせるのがこれはもう当然のことだと思うのでございまして、この点については現在の公職選挙法や政治資金規正法でも選挙に関しては禁止もされておるわけでございますし、御承知のように、第五次の審議会の答申でもこれは出されておるわけでございまして、政治活動の公明と公正を確保するというためには、当然に必要な措置であるというふうに考えておりまして、まあ政治資金の公開という大きな目的のためには、多少手続を必要とすることもこれはやむを得ないというふうに考えております。確かに、大衆カンパの際は大変ではないかということでございますが、帳簿を整理する際には、たとえば入り口に一つの帳簿でも置いておって、寄付をされる方はこれへ書いてひとつやってくださいと、された方は書いておいてくださいと言えば、それはちゃんと補助簿みたいになるわけでございますから、そういうことで整理をしていただきまして、しかもまた、それはもとへちゃんと取っておかれれば、収支報告をする際は、それはある程度一定額以上をまとめておやりいただくということでございますから、これはやれると私どもは考えておるわけでございます。
#89
○秋山長造君 その点は大臣、そのとおりですか。
#90
○国務大臣(福田一君) ただいま、事務の説明したように考えております。
#91
○秋山長造君 次に、選挙法二百一条の五以下各条文に掲げてあります「政党その他の政治団体」、これを今度ば改正案では、「政党その他の政治活動を行う団体」というように改められておるんですが、その理由を御説明願いたい。
#92
○国務大臣(福田一君) 内容は事務から説明をいたさせますが、選挙期間中における政治活動につきましては、現行の公職選挙法のとおりでありまして、今回の改正案によってその取り扱いを異にするものではないということを明らかにさしていただきます。
#93
○秋山長造君 大臣の御答弁は、これはもう一番最後の結論を先におっしゃったわけですが、なぜそういう結論が出るのかというところが問題なんで、その途中のところを具体的な御説明をよくわかるようにひとつお願いしたい。
#94
○政府委員(土屋佳照君) まず形式的な面から申し上げますと、政治資金規正法の改正案において公職選挙法を改正いたしましたのは、政治資金規正法を変えることによって、それと同じ意味合いを持った公選法の意味合いが変わってくるから、やはり関係のある法律で意味を変えたと申しますか、変わったときはそれに対応する法律を変えるという一般のやり方に従ってやったわけでございまして、その趣旨は何度も申し上げておるわけでございますが、現在のこの二百一条の五という規定が、これは五以下の規定が政治活動に関する規定でございますが、この規定については、政治活動について特別なポスターの掲示とかあるいはビラの頒布とかいったような行動について制限をしておるわけでございまして、これは選挙の際に政治活動であってもやはりこの選挙活動と紛らわしいということになると、それは選挙の公正を害するといったことから一定の規制を加えておるわけでございます。もちろん、確認団体についてはまた一定の範囲の間で許されておるわけでございますけれども、一般的に禁止しておる。その際に、その禁止されるものは、「政党その他の政治団体ということにされておるわけでございまして、「その他の政治団体」というものが政治資金規正法上の「協会その他の団体」といったような考え方でございまして、そこの考え方というものは、率直に申し上げて主たる政治活動をしておるもののほかに、従たる活動をしておるものも含むということにされておるわけでございます。
 しかしながら、今回そこの「政治団体」というもの自体の定義というものが、政治資金規正法の改正によりまして、政治活動を行うことを本来の目的とするもの、または政治活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行うものというふうに定義をされたわけでございまして、従来政治目的を有するものというふうに広く解釈されておりました考え方が、ある程度狭められたということになるわけでございます。要するに、狭められたのは、いまのような、政治活動を行うことを本来の目的としないで、政治活動がその団体の活動として従たる活動であるといったようなたぐいのものが抜けてしまうということになるわけでございます。
 そこで、私どもとしては、幅を広げるというのではなくて、従来と同じ扱いにするためにそういった特定のものが含まれるように、この「政治団体」という政治資金規正法上狭められた概念を少しもとどおりに広げなければならないということで、「政治活動を行う団体」としたわけでございまして、「政治活動を行う団体」というのは、従来から考えられた政治目的を有するものということとちっとも変わらないということに考えておるわけでございます。
#95
○秋山長造君 いま、前段でおっしゃった現行選挙法の政治団体の意味は、現行法の政治資金規正法に言う「協会その他の団体」といったような考え方に解釈してきたと、こうおっしゃったんですが、それはどこかにそういうことを書いてあるんですか。あるいは施行規則か何か書いたものがあるんですか。選挙法の二百一条の五以下に言う「政治団体」とは、政治資金規正法の三条二項に言う「協会その他の団体」という意味だということは、何か根拠があってそういう解釈をされてきておるんですか。
#96
○政府委員(土屋佳照君) 特別に法律等でそれはその意味を指すものであるという規定はございません。この政治資金規正法と公職選挙法とはきわめて深い関係のあるものでもございますし、まあ「政治団体」というこの考え方というものが、従来からこの政治資金規正法の「協会その他の団体」というもので解釈されております、いろいろな政治上の目的を有しておりますこういったものと、同じに現実にも扱われておるわけでございます。解釈上当然これが当てはまるというふうにしておったわけでございます。
#97
○秋山長造君 現行選挙法に言う「政治団体」というのは、特に定義はないけれども、いまのおっしゃるような解釈でほぼまあいわば熟した概念ということになっておると、こういうことのようです。
 そこへ、今度新しく「政治活動を行う団体」という、まあ法律用語としては熟してない、全く初めて出てくる言葉ですね。しかも「政治活動を行う団体」とは何ぞやということは、どこにも書いてないというところに、その熟しない、聞きなれない、見なれない言葉が、通俗の用語として使われるならいいけれども、厳密を旨とする法律の条文の中に入ってくるというところにいろいろ疑問、疑惑、不安、混乱というようなものが、あるいはあなた方から言えば誤解とおっしゃるかもしれぬが、そういうものが出てきて、非常に混乱をしている面があると思うんですよ。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
 で、私はこういう熟しない言葉を、しかも「政治活動」という言葉そのものが非常に定義のむつかしい、厳密な定義のむつかしい言葉ですね。そういうものを新しく入れるよりも、むしろ選挙法の方は現行法のままにして、その解釈もいままでどおりの解釈にしておかれた方が、かえってよかったのではないかという気がするのですよ。何もこれ、選挙法は選挙法で独立した一つの法律ですからね。政治資金規正法がどうなったから、選挙法もどう変えにやならぬということにもならぬのではないかと思うんですがね、別々の法律なのですから。と思うのですが、その点いかがですか。
#98
○政府委員(土屋佳照君) 確かに、法律はそれぞれ別個のものでございますから、それぞれに解釈があってよろしいのだという意見を言われたわけでございますけれども、政治団体という言葉は、これはまあ先ほどから申し上げましたように、ある程度熟してきておったことでございますし、同じ関係のある法律で、政治団体というものについてはっきりと明確な定義がされたわけでございまして、それが一方の方では、全然と申しますか違った意味で使われるということは、やはりどうかと思うのでございまして、やはり政治団体という定義をつけた以上は、同じことを使っておるものは、大体同じような概念でとらえなければならないということになろうかと思うのでございます。そういった意味で、若干従来よりもむしろ幅が狭くなって、二百一条の五以下で考えておった規制の趣旨というものが変わってしまうと困るということで、今回、政治活動を行う団体としたわけでございまして、政治活動というのは判例上からも、この政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、またはこの公職の候補者を推薦、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為を言うというふうに言われておるわけでございまして、そういった点から見て非常にこの政治活動というのは熟した言葉でございます。そういうことを行うということは、そういった目的をもって行う団体なんだということになりますから、従来考えられておったことと変わらないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#99
○秋山長造君 大事な点ですからもう一度念を押しますが、そうしますと、今回の政治資金規正法の改正で、新たに政治団体の定義が明定された結果、現行選挙法に言う政治団体の中から、政治活動を一時的あるいは従たる活動として行う団体が抜けるので、そのすき間を埋めるために、新たに政治活動を行う団体という概念を導入したにすぎない。その意味、内容、範囲等は従来の政治団体といささかの変わりもないと受け取ってよろしゅうございますか。そのとおりかどうかを、重ねて大臣から明確に御答弁願いたい。
#100
○国務大臣(福田一君) ただいま御説明がございましたとおりに、私はこれについては考えております。
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
#101
○秋山長造君 やはり、選挙法の問題は、特に警察当局と非常に関係の深い問題なんで、この際警察当局の御見解も明らかにしておいていただきたいと思います。
#102
○政府委員(田村宣明君) 先ほど来、自治省の方から御説明のございました見解と同様に考えております。
#103
○秋山長造君 ちょうど時間がきましたから。ありがとうございました。
#104
○秦豊君 これまでの先輩議員とか同僚議員等の質疑応答の中で、かなり明確になったポイントもあります。したがって、一切のポイントの重複を避けまして、全然変わったアングルから自治大臣ほか皆さんに質問をしたいと思いますが、主に選挙の公営に関連した問題を中心にしたいと思いますが、その前に一つだけ自治大臣のいわゆるあなたの腹を多少たたいておきたい問題があります。それは、われわれ野党が熱望をし、国会外のあらゆる世論もこぞって熱烈に支持をしていただいている、参議院地方区のいわゆる定数是正の問題について、いままでの本委員会のやりとりの中では、あなたから出た答弁の中で一番新しいものは、つまりわが党の先輩議員である中村波男委員に対して、政治というものには腹と腹ということもありますと。また同時に、いつまでも定数をふやさないというふうなことはありません。このことを多くのマスコミの報道のニュアンスはかなり微妙であると、つまり含みのある自治省答弁という小見出しがついていた。私も大体そのようにとっている。そこで、一つの基準としまして、目安としまして、たとえば三木総理以下政府側の態度は、次に行われる参議院選挙は第十一回、つまり昭和五十二年ですね。それまでには参議院の定数是正はもう具体的に実現をするような方向でやりましょう。つまり、特段の努力という表現になって、衆議院の決議で附帯されています。そうなりますと、次の選挙に間に合わせるためには、遅くとも事務上のあらゆることを考えてみると、来年のいまごろには実現していなければいけませんね。これは常識でしょうね。そうしますと、何らかの目安が必要になる。方法は煮詰めるとしましても、まず自治大臣に端的に伺って――端的に答えにくい問題かもしれぬが、一つの私自身の感触としましては、四十五年の十二月から四十七年の十二月二十日まで第七次の選挙制度審議会が開かれて存置されていて、あれはもちろん総理の諮問機関ですよね。そこが参議院地方区の定数是正については減員、つまりマイナスは行うことなく、なるべく小さな範囲の修正によるということを、七次制度審の小委員会の決定として出しておりますね。つまり、各地方区のいろいろな問題はあるだろうが、マイナスにはしないのだということを、なぜかというと事実上不可能だからしないのだ、しようにもできないからだというニュアンスで決定を打ち出しているのですよ。その結果出ましたのが参議院の現定数二百五十二名をプラス十にして、そうして全国区は百のままであるが、地方区は百六十二である。東京都の場合が十、大阪八、神奈川六、そうして宮城と岐阜をそれぞれ四人とする。これでなるほどプラス十になるのですよね。われわれ野党はもう御存じのように四党一致して、この点は一致して、二十六名増を強く要求をしているのです。しかし、いままでの一応の目安としてはこの十名増の、これは答申じゃなくて中間報告ですから、拘束力は多少落つるけれども、しかし、政府の権威ある審議会の一応のめどになっている、いままで出された唯一のものです。これについて、福田自治大臣はこのようなものは一顧だに値しないというふうな考え方をしていらっしゃるのか。ある程度今後自治大臣が構想をまとめられる上についても、何がしかの参考にはなるというふうなお考えなのか。その辺はどうです。
#105
○国務大臣(福田一君) 大変答弁をいたしますとむずかしい問題が出てきまして、この間、腹と腹などということを育ったのでおしかりを受けて、おまえはよけいなことを言うなという実は御批判もあるわけであります。それほど、各党間においてこの問題はまた対立した問題であると思うのでございまして、それについて私がとやかくここで発言をするということは、この際ひとつ秦さんのお話だから、秦さんだからまあ言ったらいいじゃないかというわけにもいかない。そこは非常につらいところでございます。しかし、あなたが言われたこの第七次の小委員会の答申がございます。それから、第六次のときは定員増をするなという答申、これは答申として出ております。定員はふやさないで是正をしなさいと、こういう。第七次の場合にはこれは答申にはなりませんでしたが、小委員会としてはふやすだけのことで、こういう案があってはどうかという案が出ておることも私は承知をいたしております。
 そこで、まあこれをどういうふうに取り扱っていくかということについては、私は政府としてはもっぱら各党間のお話し合いをひとつ進めていただきたい。お話し合いが決まればそれに反対するものではありませんと、こう言っておるのでございまして、ふやすということに反対だということも申し上げなければ、あるいはまた絶対ふやさないということを申し上げるわけでもない。しかし、政党というものがお互いがまあ話しをしていくときには、まあそれはいろいろの経緯がございまして、きのうまでは絶対反対だと思っていたら、一夜にして変わるようなときもありまして、(笑声)そうそう余り窮屈に考えぬで、やっぱりこの腹と腹というのはなかなかいい言葉だと私は思っておるんですよ。それは要するに打ち割ってという意味なんですね。腹を打ち割って話をせられたらどうですかと。いま、政府にこのことについて御意見を求められれば、そういうお考えでいろいろお話し合いを進めておられるが、次の参議院の選挙までには何とかして間に合わしたいという非常な熱意を持っておりますということだけは、これは総理も言っておるし、私も申し上げておるところでございまして、案の内容についてとやかく言うことだけは、これはまああなたにおほめいただくと、こっちの方からおしかり受けるかもしれないんで、これはひとつ差し控えさしていただきたいと、こう、まことにすげない言葉のようでございますが、私のつらい立場もひとつ御理解をお願いをいたしたいと思うんであります。
#106
○秦豊君 まあこの問題は、すぱっとした回答をこの段階、この時期にあなたからもらえるとはとても思ってはいない。特に自治省という行政官庁は、一種の調整者というか、受け皿というか、コーディネーターですからね、だからよくあなたの好きな言葉は、各党皆さんが一致すればと、こういう言葉が出るんであって、私も腹と腹という言葉、まんざらきらいでもないから、今後われわれ野党は大いに閉会中といえどもこの問題は押していく。また七月四日まで最大限度の努力をするというのは、われわれの共通の常識ですが、この問題はこれ以上質問の項目に含めません。
 本論に入りますけれども、今度の政府側ないしわれわれとの話し合いによる公選法の改正、修正案において、テレビの公営が幾つかの項目について前進を見つつあると。まだ結着を見ていませんけれども。これは確かに一定の評価に値すると思います。たとえば、はがきの枚数の増加であるとか、ポスターの一部公費負担であるとか、さらには個人版広報ビラが禁止されていたものを新規に認めて、さらにそれを一部公費負担とする。あるいは選挙用自動車の一部公費負担、さらには政党の新聞の、新聞掲載の政策広告を四回公営としたことなどは、私はやはり漸進的な評価として値すると思う。ところが、非常に抜けている点もまたあるわけです。私はここに一つのデータを提示して、ぜひとも自治大臣の基本的な方針というか、考え方をあらかじめ聞いておきたい問題があります。つまり、せっかく何項目にもわたる選挙の公営を漸進的に拡大をしながら、最も情報化社会的というか、あるいはマスメディア型選挙の中で一番有力な武器を置き忘れている。それはつまりテレビの活用です。なぜ、いままでの衆議院の段階でもっと、たとえばテレビの政見放送について突っ込んだ話が自治大臣側となかったのか、土屋さんともっとなぜ話が詰まらなかったのか、こういう不満を持っていますので、それを裏づける資料というものをここに出して、大臣のまずあらかじめの答弁をいただきたい。
 つまり、公明選挙連盟というのがありまして、第十回の昨年七月の参議院選挙の実態をかなり細細と分析をして、三百数十ページのリポートを交換しています。その中で、特に参議院に限定いたしますけれども、たとえば地方区の選挙においてあなたの判断でお役に立った媒体は何ですかという質問に対しまして、実に圧倒的にテレビの政見放送とお答えになった方が二九・一%、これはもう断然群を抜いているんですね。第二位は各戸配布の例の選挙公報である。しかし、これは二一・六%であってかなり高い率ではあるが、水があいている。第三位は家族との話し合いというちょっとこれは意外な御回答であったのですが、家族との話し合いが一一%。以下候補者のポスター六・五、それから候補者が出した新聞広告ですね、これが六・三というふうな順位で並んでいます。このような傾向は、全国区になりますと一層顕著になっていまして、何が最も役に立ったか、投票を決めるに当たって。これはテレビの政見放送と答えられた方が何と三〇・七%で、断然としてトップなんです。第二位はこれは選挙公報。これは地方区の場合よりもさらに率が落ちまして、一八・六%にとどまっている。以下、煩瑣を避けて省略しますけれども、新聞の選挙報道、いわゆるシリーズものの特集企画ですね、ああいうものが一一・四%。それからまた家族との話し合いが一〇・六、こういうふうに続いています。このようなデータは部分的なデータにすぎないと言い捨て方もできましょうけれども、やはりかなりなサンプル数をもって丹念に渉猟したこれは有権者皆さんの動向であると、こう評価してしかるべきだと思う。それならば、少なくとも公営拡大の方向というものがテレビを除いておくということは、テレビをおろそかにするということは、あるいはテレビを現行のままに据え置くということは、私はやはり有権者皆さんの心情とは、動向とはかみ合わないものだと思う。つまり、ズレがあるのではないかと、こういうことが言いたいわけです。この点について、基本的に福田大臣はどうお考えですか。
#107
○国務大臣(福田一君) ただいま秦さんがお示しになりました数字は、私もよく承知をいたしております。すなわち、テレビというものが有権者の意思決定をするに非常に役立っておる。特に、お茶の間においてでも候補者の意見がよく聞ける。しかも、声も聞けるし態度も聞ける。すなわち、顔も容貌も皆わかる。非常に有効なものであると思うのです。立会演説などになりますと、これはもうわあわあ騒いだり、何というか後援者ばかりが集まってヤジの応酬にすぎなかったりする場合もありますが、テレビの場合はそういうことは絶対ございません。でありますから、これが非常に有効ないわゆる選挙運動の媒体といいますか、意思を決定する媒体になっておるということについては、私は全くあなたと同じ意見を持っております。したがって、この問題については、衆議院においても実は御意見がございました。社会党の方から御意見があったことは事実でございます。で、私、いろいろそのそばにテレビ局の関係のお方にも来ていただいておりまして、相談をいたしたのでありますが、ただまあこれは候補者数というものと放送時間との関係というものがございまして、たとえばテレビ放送をもう一回ふやすということになりますと、真夜中まで使わないというと、いまの有権者に二回放送してもらうわけにいかないというようなことがあります。一つはそういうことも考えて、あの供託金の問題をわれわれはかさ上げをした一つの実は大きな原因はそこにあるわけなんです。泡沫候補と言っては悪いけれども、権利があるのだから当然立候補はできるが、せっかくもうまじめな意味、まじめな意味というか、有力な議員が、候補者がおられるのに、その方がテレビその他を通じてお話ができないということはまことに残念であるという意味で、二回にするということは非常にむずかしいということでございましたが、衆参両院を通じまして行われておりますところの個人の放送ですね、これがいま四分半ということになっておりますが、実は私もいままでにずいぶん何度もあの放送をやらしていただいておるんですが、原稿を書いてみますと、私などはしゃべり方が下手なものですから、どうしても五百字は読むには少し自分では早口になる。聞いて見ているというと、もう少しゆっくりやった方がいいなんていうことを言われるわけですが、もうせめて二百字ほどあるとよほど楽だと、自分の思うことが言えるという気がいたしましたので、これだけは何としても一分くらいは延ばしてもらいたいと一あれ四分半と言いますけど、実際は前に紹介をされたり、後でこれはどなた様でございますなんていう放送やられるというと、実際しゃべるのは四分十秒ぐらいなんです、われわれがしゃべれるのは。これをせめて五分十秒までには何としてもしてもらいたいということを言いまして、それならば何とか工夫がつくだろうと思いますから、十分検討するというところまでお話をいただいておるし、また十分に考慮いただいておると思うわけであります。私は、テレビをもっと利用しようという、うまく利用することについては、全くあなたと同意見でございます。これはもう非常に大事な、いわゆる選挙運動として、また有権者として候補者を選ぶ場合に、これが非常に役立つ媒体であるという意味において、あなたと同じ意見であるということを重ねて申し上げておきます。
#108
○秦豊君 時間が大変短くなっていますので、端的に私自身の提案を含めてお答えを引き出したいと思いますが、確かに、大臣一つだけ間違っていらっしゃるのは、いま生で四分半なんですよ、候補者は。枠をつけて五分になるわけですから、話の中身は四分半ございます。ございますけれども、私などのテンポで話をしましても一千三百字、四百字詰めの原稿用紙にして三・三枚というわけですから、省略の美という言い方はできますし、簡潔をもってよしとするという評価もあるし、長きをもってたっとからずという反応もあるんだけれども、私も大臣と同じように、恐らくこれは選挙を闘ってこられた議員の方はどなたも、政見放送がいまより短くてよいという方は恐らくいらっしゃらないのではないだろうか。一分くらいはせめて欲しいというのが共通の願望だろうと思うんです。そこで、余りうじうじなさらないで、つまり放送局側の条件が整うのを待っていたら五十二年に間に合いませんよ。放送局側とも私よく会ってまいりました。名前は避けますけれども、民放連とかあるいはNHKの担当理事とかお会いをしておりますし、それぞれの腹はたたいている、それこそたたいているつもりです。そこで、これは非常にエゴイスティックな言い方になるかもしれませんが、たとえば衆議院とか参議院地方区になった場合、特にサービスエリアが非常に重複する関東とか近畿とかいうふうにになりますと、各県を選挙母体にする地方区とか、特に細分化された衆議院の場合には、もう電波が錯綜してとても技術的に無理であろう。そうしますと、いまのNHKの場合には総合テレビの第一チャンネルと教育テレビの第三チャンネルを使って、特に第一チャンネルの場合には夜の十一時以降、仮に最終ニュースが十一時十分に終わるとすると十一時十分以降、あるいは変則に十一時十五分以降、こういう深夜の時間帯、民放のセンスで言うとCタイムですね、これをたとえば一時間延長をし、それでも網羅できない場合には、第三チャンネルの教育テレビを部分的に開放することによって、全国区のテレビ政見放送をあと一回ふやして、序盤、中盤、終盤、全期間三回にするということは事実的に可能だという感触を強く私は得ているんです。したがって、これは各党もちろん一致が望ましいけれども、ぜひともこのいまの国会の審議中に何らかの合意を見出して、そして放送従事者のNHKなり民間放送連盟に強く要求をする。一方では一分の延長とあわせ、テレビの政見放送は五分半、全国区の回数は三回、これをせめて実現をさせようじゃありませんか。そういう意味では、問題は裏づけになる条件を提示しないと、放送局側の方も困惑をされます。当然です。そこでやはりNHKの場合には、たとえばマイクロウエーブの回線料ですね。これをたとえばいま大体政見放送が十一日ないし十二日しか行われていません、制作の関係がありますから。そうしますと、仮に十二日としても数百万円という出費増、マイクロウエーブの回線を確保する、つまり時間延長による、こういうものをいわゆる国庫が裏づけることによっては俄然現実性が加わってくる、こういうことがすでに言われている。民放については全国区の場合ありませんからね。これはちょっと圏外にあると思います。いま申したことについて、やっぱり実現の方向で、条件ができるのを待つんじゃなくて、条件をつくるという前提で私はお尋ねしているんですが、大臣、どうお考えですか。
#109
○政府委員(土屋佳照君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、現在ではいろいろな諸条件をもとにして、テレビによる政見放送の時間延長の問題ということについて検討をしておる最中でございますが、その場合でも、仮に一分間延長するといたしましても、昨年の通常選挙の候補者数を前提として計算をいたしますと、いままでの放送時間でやっていけば二日放送実施期日を増加しなきゃならぬと、そういったようなことになるようでございまして、なかなか申し込み締め切り日から政見放送の開始日まで中三日しか余裕がないというようなことから、番組編成を考えますと、なかなかこれでも円滑な実施ということは放送局側じゃ苦慮しておられるようでございます。しかし、それは前向きで漸進的に考えていくというお考えでございますが、さらにこの放送を一回増加するということになりますと、番組編成上の余裕がないので、結果的にはいまおっしゃいましたように、夜十一時十五分以後に放送時間を設定をすると、夜中になってしまうということになるわけでございますが、そういうことになってくるといろいろ問題もございますし、その他の条件でどうであろうかということで、私どもがNHKといろいろ接触をした限りでは、なかなか一回ふやすことは容易でないというようなことを言っておるのでございます。ただ、先生が接触された感じは若干違うというようなことでございますが、私どもとしてはやはり実施をする側の条件、それがだめだと言われればこれはなかなか簡単には言えないわけでございますので、いまのようなお話も伺いましたわけでございますけれども、私どもはどうも困難だと聞いております。なおよく放送局側とも相談をいたしてみたいと思っております。
#110
○秦豊君 そこで、恐らくこれからは、たとえばさっき私が引用したデータ以外にも、テレビに対するそういう有権者側の皆さんのリアクションがもっと鋭くなると思うのです。さっきちょっと漏れていましたけれども、たとえばNHKが調査をしたデータによりますと、総合テレビで政見放送を見た人が八九・一%といいますから、これはアポロの宇宙中継とか、あるいはニクソン訪中とか、あるいはその他のあるいはエリザベス女王の中継とか、どんな中継番組に比べても高い率なんですね。だから、ほとんど百分の九十がテレビの政見放送に接して、しかも見た方のうち、役に立った方がまた九〇%以上ということですから、この問題は選挙の公営として最も現代的なパンチの効いた方法として、ぜひとも実現の方向で努力をしていただきたい、こう注文を特にいたしておきたいと思います。要望したいと思います。それについても、いままでたとえば国民政治協会という団体とか、あるいはその他の団体のアンケートによりますと、テレビの政見放送はなるほど重要だと、これは言われなくてもわかっている。ただ、どうもそれにしては無味乾燥ではないかとか、あるいは千編一律ではないかという反応もかなりあるんですね。しかし、これについてはたとえば四分半のうちで、あるいは今度五分半になれば、その放送単位時間の中で百字とか百五十字という字数を限ってテロップを併用すると、ちょうどブラウン管の十四インチでも十六インチでもいいですが、あの画面のフレームの中で、こっち側には福田自治大臣が政見放送を述べていらっしゃるとしますね、あるいは秦豊が。その画面の左なら左のすみに、一分間に一回くらい、余り目ざわりにならぬ程度で、あなたの実績とか私の公約とか、あるいは話自体の要約何でもいいけれども、候補と放送局側が話し合って、そういうものを併用することによって視聴効果を高める。この方法はすでに放送局側と打診を終えていますけれども、これはかなり実現の可能性が高い。しかも高いばかりではなくて、いま各地の不自由な方々の団体から言われております、たとえば栃木方式なんて言われている御不自由な方の手話ですね、これの対策にもなる。さまざまなまあ一石三鳥的な方法だと思うんですけれども、こういうふうなことは、やはり今度のテレビの政見放送改善の際につけ加えるべき具体的なポイントではないかと思いますが、これは土屋さんですかな、ちょっと伺っておきたい。
#111
○政府委員(土屋佳照君) テロップで流すということも一つの発想であろうかと思うのでございますが、候補者の演説をそのままテロップにして流すということは、これは技術的にどうも不可能であろうと思います。そこで、いまおっしゃいましたような演説の要旨をテロップにして流すといったようなことでございますと、どの程度か、それも限度はあろうかと思いますけれども、技術的には不可能とは言えないんだろうと私どもも思いますし、技術的にもそういうことだろうと存じます。ただ、要旨の内容をどうして作成するのか、またその出し方、と申しますのはいろんなテレビに出すときの書き方の問題とかいろいろ問題があるそうでございます。そういったこと等を検討しなければならぬと思うのでございますけれども、いまのようなお話でございますので、私どももNHK側なりとそれほど詰めたわけでもございませんので、よく話を聞いてみたいと思っております。
#112
○秦豊君 テレビの政見放送関係は、もう一点だけで終わって次の項目に移りたいと思いますが、選挙公報を配布するときに、テレビの政見放送の放送予定一覧表もあわせて配布をしてみてはどうか。その程度の親切があると、たとえば新聞――日刊新聞の特に朝刊、夕刊のあの番組欄はもういっぱいでして、非常に整理部のデスクは苦労しているわけですね。あれ以上はとても無理だと。選挙だからという特別サービスもできない。いつ政見放送が行われるのかほとんどわからないままで終わった場合もあるし、そういう御不満も強い。それを補う具体的な方法は、選挙公報の別刷りのところに全国区の候補、恐らく百数十名、多くても百三、四十名だと思いますけれどもね、普通の場合。だから、そう大きなページ数ではないわけだから、やはり事前にもう立候補届け出をした段階で抽選が行われますね、したがって選挙公報を各戸配布するころには放送の予定も決まっていると思うんですね。それをあわせて公報に添える、添付するというふうな親切は土屋さん、考えられませんか。
#113
○政府委員(土屋佳照君) いまお話しのことは、確かに有権者にとっては非常に便利なことだし、お話としては非常に結構なことだと思うわけでございます。公報を配る時期にもよるわけでございますけれども、それまでに候補者全体の時間帯がぴしっと決まるのかどうか。あるいはまた支障があって移動するということ等もございますし、そこらがうまくいくかどうかということはございますが、公報の余白あたりを利用してやるということは、いまのような問題等が片づけば、必ずしもできないことではないと思いますが、いろいろ選管等の作業の関係もございますので、これは一つの研究課題にさしていただきたいと存じます。
#114
○秦豊君 次の問題に移りたいと思うんです。同じくテレビには関連がありますけれども、例の政党のスポット広告のはんらん、それと選挙運動の公正という問題、バランスという問題を少し調べてみたんですが、言うまでもなく、今度の国会では先ほど私が引用いたしましたように、新聞による政策広告の公営、つまり新設が行われようとしているわけです。三段抜き、横三十八・五センチメートルというと、かなり目を引く空間だろうと思うんですよね、スペースだろうと思うんです。それはしかし国庫負担で出すことができるようになりそうです。それには政党の行う演説会の告知などもできますから、あわせて効果が大きいわけなんですね。ところが、このような観点から見ると、ここで追及されていることは、候補者数にかかわりなくある程度の公平を実現しようという改正の趣旨なんですよね、そうでしょう。そうしますと、このような観点からすると、たとえば去年の参議院選挙の実態は、自由民主党によるいわゆる政策スポットがマスメディアでどんどんはんらんをしたわけですね。これはどういうことかというと、たとえば東京の在京のキーステーションを調べてみると、参議院選挙期間中に日本テレビでは七十五本、これは一番少ない方ですね。それからTBSの場合が九十五本、NETが百二十本、フジテレビ百二十五本、そうして12チャンネルが百四十八本のスポットが流れた。これを全部足しますと五百二十三本なんですよ。しかもネットでしょう。12チャンネルのネット数は一番少ないけれども、たとえばフジテレビにしてもTBSにしても二十局以上の全国ネットを持っていますね。そうすると、時間帯はさまざまバラエティーがあるけれども、ほとんど全国のサービスエリアに、全国の空に茶の間に自民党提供、電通制作の十五秒スポットあるいは三十秒スポットが振りまかれて、にこやかな顔をした女優さんがストライキが多くて困ったものねとか、そんなスポットをどんどん出していく。しかも、これは一方的に自由民主党によるスポットでしかない。つまり、これはプロモーターたる電通が各党に当たったんだけれども、聞いてみると余り高過ぎる。たとえば一本平均で二十五万円の電波料がかかる、十五秒で。それはしかもネットじゃないんですね。東京地区だけ単でやったとして二十五万。ネットになったらこの十倍とか十五倍を計算しなければ甘くなるわけですね。したがって、制作費がたとえば平均してやはりカラーで三十万かかりますから五十五万、つまり一本について十五秒で六十万近い金を覚悟しなければ、出費を覚悟しなければ、とてもうんとは言えないわけです。その結果生まれたことが、ほとんど自由民主党の独走になっちゃって、百対ゼロというふうな不均衡に結果的にはなったわけです。したがって、ネットで放送をせず、東京地区だけに自民党が平均の時間帯、ほどよい時間で放送をして、五百二十三本でどれぐらい払ったかというと、一億三千七十五万円払っているんですってね、局側に対して。しかもこれは制作費が入っていない、別枠だと。こうなると相当な負担である。総選挙の場合には、各党ともやったことがあるそうです。ところが、去年は例のインフレ選挙で、特にうちの党なんかはまずやめたんです、とても負担ができない。残念ながら指をくわえて見ていた。そうしますと、これは自準大臣、これはあなたに伺わなければいけないんだけれども、たとえば公職選挙法の二百一条の五という条文、つまり「総選挙における政治活動の規制」というところにこれは当てはまるのですけれども、ここでは政談演説会、それから街頭演説の開催、ポスターの掲示、立て札や看板のたぐいの掲示、及びビラの頒布並びに宣伝告知のための自動車の使用については一定の制限がある、こういう条項のはずですね。そうすると、テレビのスポット、自民党があれほど圧倒的に駆使した、有力な武器に化したあのテレビのスポットは、この二百一条の五の制限には含まれないんですか、あるいは含まれるんですか、どうでしょう。
#115
○政府委員(土屋佳照君) これは政策としてお流しになる限り、別に差し支えないわけでございます。
#116
○秦豊君 政策としてとあなたはおっしゃるけれども、かなり表現がきわどいんですよ、どぎついんですよね。あえて言えば他党誹謗。他党ってもちろん野党だけども、野党をおしなべて切りつける、切り捨ててさっと涼しい顔をするという、非常に政策と言えば格調が高くて聞こえはいいけども、野党誹謗の内容が多いのですよ。しかもそれが全然ノーチェックで、あなたの言う二百一条の五には該当しないから御自由だと。もし仮に、あなた方の解釈がそうであるといたしますと、これは著しく政治活動の公平を害するわけですよ。一方は資金に恵まれているという理由だけをもって、五百二十三本オン・エアができる。全国の空に振りまける。われわれ野党は指をくわえて見ていなければならぬ。くやしかったらやってみろと、あなた方は言われるかもしれないけれども、このような無差別な、テレビの爆弾みたいな、こんなものが無差別にあなた全国の空から流れて、一方では選挙期間中の運動というのは一定のルールに従うべきだと、ゆるやかにお互いに手足を縛ろうじゃないかなんて話をしながら、一方では堂堂と、法の規定には当てはまりません、どうぞ御自由になんて言ったら、ことしじゅうの解散、総選挙なんて言ったら、自民党どうやるかわかりませんよ。これはやはり条文にないじゃなくて、明らかにどなたがお考えになったって、百対ゼロでしょう、これは、まるで。こういうふうな不公平なありようを全然チェックできないというのはおかしいじゃないですか、そうお思いになりませんか、大臣。
#117
○国務大臣(福田一君) われわれから考えれば、法の問題で、選挙運動というものは一つの法というもので一定の規制をすると、こういうことでございますから、法で規制をしていないことであれば、これを禁止するというわけにはいかないと思うわけであります。私はよそのことはあまり詳しくは知りませんが、諸外国あたりでは、それぞれの政党がこのような種類のことをやっておるんじゃないですか。そういうところもあるように私聞いておりますが。だから、これを禁止するべきかどうか、その範囲をどういうふうに規定するがいいだろうかというようなことは、検討はさしていただきますけれども、いまここでそれを禁止するという、修正するという考えはいまのところわれわれとしては持っておりません。
#118
○秦豊君 それはやっぱり大臣、物足りませんね、あなたの答弁にしては。つまり、政見放送が始まったのが、テレビの、昭和四十四年以降ですよね。非常にこれは新しいわけですよ、実施規定が変わったのは、四十四年なんですよ。六年きりたってないんですよ。そう経験豊かじゃないんですよ。したがって、公選法二百一条の五だって、これほどのテレビ時代を迎えようとは予見せずにつくられた条項なんです。その古い条項、テンポのずれた条項にないから許されるんだと、もちろんそれはあなた方は法の番人なんだから、条項にないものを取り締まることはできません、これはわかります。わかり切った話です。しかし、足りない法律であれば、明らかにこれは補うのがむしろ現実に即したあなた方の態度ではないかと思うんですよ。やはり、確かにかなりずれてます、二百一条の五は。これほどの圧倒的なテレビ時代を迎えて、恐らくこれからますます効果を上げるであろうテレビの政党スポット、これを今後とも規制できないというのは、これは大問題ですよ。やり得ですよ。これは不公平ですよ。そういう意味では、ここでいきなり禁止なんというあなたの歯切れのいい答えを予測する方が甘過ぎるのだから、そんなのは期待しませんけれども、やはりこれは法改正をして、やはり特に自民党に対する犠牲を強いる。これがむしろ公平な選挙行政を監督していらっしゃる最高の責任者である自治大臣の基本的な態度ではありませんか、今後どうされますか。
#119
○国務大臣(福田一君) 私はそのスポットの内容によるのじゃないかと考えて、先ほどのお話をしたわけです。そのスポットというものが明らかに選挙に関係があるのかどうかというような、そういうことに関係なく、日常やはりそういうことをやっておるというものもあるのかどうか、実は私寡聞にしてそういうことをよくつまびらかにいたしておりません。実はあなたからいま承っておるわけなんで、それで法律には書いてないので違法ではないということを申し上げただけで、今後研究しないと申し上げたわけではございません。
#120
○秋山長造君 関連。いまの問題は実に私は重大な問題だと思うんですよ。このテレビの影響力、圧倒的な影響力ということから考えた場合に、これはもう考えようによっては二百一条の五にずっと決めてあるいろいろな項目なんかいうのはへみたいなものですよ、テレビの圧倒的な影響力から比べたら。いま選挙に関係があるかどうかというようなものじゃないですよ。これはずばり選挙向けのスポットですよ。これはわれわれだけではありません。一般の国民の皆さんだって、どうしてあれしてはいかぬ、かれしてはいかぬというて、細かいことまで禁止したり、規制したりしておるのに、テレビのスポットだけをどうして野放しに何でも自由にやれるんかなというて、不思議がっていますよ。にもかかわらず、こういう大きな改正をするときに、しかもさっきちょっと私質問をいたしましたが、「政治団体」というのを「政治活動を行う団体」というように書き変えるということで、二百一条の五以下をずっと改正をされる、こういう機会に、なぜこのテレビのスポットということが問題にならなかったのかと思うのですが、あなた方立案過程で問題にならなかったのですか、改正案の立案過程で。問題にならなかったとすれば、これは弘法も筆の誤りというような簡単なことではないですよ。重大なミスじゃないかと思うんですよ、あなた方にとって。どうですか、これは。
#121
○政府委員(土屋佳照君) まあ政治活動は自由であるべきであるという原則を曲げなければならぬのは、選挙運動と紛らわしいかっこうで使用されるようなものがある場合は、これは規制をするという立場をいままでとっておるわけでございます。スポット放送――政党が行う政策のスポット放送というものを規制すべきであるという御提案でございますが、純粋に政治活動として行われる限りは規制はないわけでございますけれども、選挙運動にわたるということになれば、その面からこれはもちろん取り締まりの対象になるということは言えるわけでございます。私も実は前の総選挙のとき、いろいろな党がやっておられるのは目にしたことがございますが、実は通常選挙のときは余りそれを見た記憶がないわけでございまして、いまのような実態が、あるところだけがやられたというようなことも実は知らなかったわけでございますけれども、選挙運動にわたらないようなものをどう規制するかということになりますと、いまのテレビのお話でございましたが、いまは新聞広告も許されておるわけでございますね。それから、パンフレットとかいったようなことも許されておる。そういった全体の問題について、政治活動の規制のあり方という観点から、どう考えるかということを総合的に検討しなければならないと考えておりますけれども、そういった点で私どもも勉強してみたいというふうに考えております。
#122
○秋山長造君 印刷したものですね、文書――ビラでも何でもいいですが、先般来問題になったもの。この活字になったものについては、いろいろ規制があるんですね。それで、目に見えぬ電波、記録には残らぬ電波、この電波については、これだけの影響力がありながら、何のこれについて規制もない。印刷物――印刷したものについて、活字のものについて規制があるなら、電波についてもやはりこれは全面的に全部禁止してしまえというのは暴論かもしれないけれども、いま選挙部長がおっしゃるような一つの枠というぐらいのものはあってしかるべきではないですか。これはコマーシャルと同じように、これはもうずいぶんやってますよ。コマーシャルがあって、ぱっとスポットが出るでしょう。これはちょっといまのような御答弁では、これは得心がいきません。われわれはもちろんですけれども、一般の国民の皆さんも私は得心がいかぬと思うのですよ、全然野放しというのは。だから、それについて、内容についての規制ぐらいはあってしかるべきだと思うのです。活字になったものについての規制ということと、これは均衡を失してますよ、余りにも。いかがですか。
#123
○政府委員(土屋佳照君) いまお話しのように、テレビというものが純粋に政策としてやられるということであれば、いまのところ規制がないわけでございますが、それをやるということになると、現実に中身の問題になってくると思うのでございますが、中身の問題になれば、現在でも選挙運動にわたってやることは、これはいけないということにはっきりしておるわけでございます。したがって、選挙運動にわたらないような、そういった政策を、政治活動というものをどう規制するかとなりますと、いま申し上げましたように、新聞広告等もいまできるわけでございますが、そういったいろんな問題等をあわせて均衡、権衡もございましょうから、いろいろと検討する必要があろうと思っておるわけでございます。
#124
○秦豊君 土屋さんはもう選挙のある部門の神様なんて言われているぐらい、あなたの答弁はすきがなさ過ぎて、ちょっとおもしろくないんだけどね、ただ、問題は二百一条の五だけをぼくは言っているけれども、秋山先生もおっしゃったんだけれども、やはりテレビ時代と歯車が合っていない以上、あなたの見解を無理に合法化するのじゃなくて、むしろ現実に合わして、法の改正をするというようなアクティブな姿勢がなかったら、あなたは、自治省おくれているよと言われますよ、あなた。それはやっぱりもっと誠意を持って、こんな話を国会でするというのは余りないんだから、やっぱりテレビ時代の選挙にふさわしいならふさわしいで、確かに法は不備でしょうと、足りないけど、盲点をついているのですよ、自由民主党というのは。一〇〇%合法なんですよ。だから、あなた方はもうお手上げなんですよ。巧みに盲点をついてんですよ。しかし、それがあなた方の大好きな選挙の公正を害している以上、選挙運動の、やはりこれは具体的に検討しますとか、たとえば次の国会までには準備したものを出しますとか、御検討くださいとか、そういうふうなちょっと一歩踏み込んだ答弁がないと、何だかもう話にならないという感じがするので、この項目についてのだめ押しとしては最後にして、自治大臣も食事もまだなすってないようだから、これはやや基本的人権に類する問題だから、その点社会党はヒューマニズムにあふれる政党だから、その点ぐらいの理解はあるんですから、この点について最後に福田さんなり土屋さんなりこの項について答えていただいて、どうぞお食事に行ってくださいよ、どうぞ。
#125
○国務大臣(福田一君) ごもっともな御意見なんですが、私、実は、まことにそういうことをよく知らなかったわけです、実を言うと。おしかりを受けても仕方がないんですが。しかし、先ほどもちょっと申し上げたように、検討をさしていただきますということは、先ほども申し上げたわけなんです、御指摘があったから。ただ問題は、もしそういう法文のあれをしなくても、選挙にわたるようなことをやっておったとすれば、これはわれわれとしても、自民党がやっておっても取り締まるべきであると、こう私は考えて申し上げておったということも御理解をしていただきたいと思うわけであります。
 それじゃ、ちょっと失礼をさしていただきます。
#126
○秦豊君 土屋さんどうですか。
#127
○委員長(中西一郎君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#128
○委員長(中西一郎君) 速記を始めてください。
#129
○政府委員(土屋佳照君) 答弁を求められましたので……。大臣から申し上げたとおりでございますが、先ほど申し上げましたように、私、いままでの例で、各党いろいろ道が開かれておって、おやりになっておったのを見ておったものですから、今回は、私、通常選挙のときほとんど記憶がないものですから、まあいろいろみんなやっておられるんだろうと実は思っておったわけでございます。それが、ほかのところは余りやっておらないというわけでございますが、やろうと思えばできるんだと、こう言えば非常におしかりを受けることになるわけでございます。で、私もそういった趣旨ではございませんけれども、選挙運動にわたらない範囲で政治活動としてやっておられるなら、そういう道があったっていいんだという気持ちでお答えをしておったわけでございます。
 なお、どんな中身であったのかどうかということも、いま申しましたように大変申しわけないですが、私見ていなかったものですから、よく実態等も聞いてみたいと思っておりますが、その上で十分検討をしてみたいとは思いますが。
#130
○秦豊君 その点はそれでいいでしょう。全くあなたの方に情報がなかったわけだから、ここで即断しろという方が無理だから。ただ、具体的にひとつ詰めてくださいね、それは。特に、政見放送を一分増加するとか、回数を一回ふやすとかいうふうな問題とあわせて、必ず具体的に検討をしてください。いいですね。
 それから、今度の改正案のたとえば百四十三条の十四項は、いわゆる現職の国会議員あるいは公職の候補者あるいは公職の候補者たろうとする者にかかわるポスターについての一つの制限条項ですね、これは。このポスターの問題を、さまざまな混乱や誤解があるやに流布されていますので、それをただすというか、確認する意味を含めて、以下、土屋さんでこれはいいんですが、伺ってみたいと思いますが。いま仮に去年の参議院選挙に例をとりますと、たとえば三色刷りのポスターにベニヤ板で裏打ちをして針金つけて張ってもらうという一貫作業をやりますと、一枚について大体三百円かかるですね。これを事前運動の一環として全国区の場合、列島じゅうを張りめぐらせると最低で三十万枚だと言われている。人によっては五十万以上という人がざらに、特に自民党にはいらしゃったわけですよ。こうしますと、大体三十万つくるとしましたら、それだけでもう九千万円ですね。事前のこれは運動ですよ。しかも、事前のポスターは薄汚く方々の街角やへいにべたべた張られて、本番になってもぶら下がっているという風景はもうごらんのとおりでしょう。そうして、そういう事前運動の結果が選挙期間中にも放置されて、そのことはつまり早くから運動をし、列島じゅうを紙くずの山にしたような候補の方が有利であるという、ここでもまた選挙の公正を害しているわけですね。やり得になっている。したがって、この百四十三条の選挙運動のために使用できる文書図画の厳格な制限の規定というのは、実は去年の参議院選挙について言う限り、特に金権候補のばらまいた、あのいち早い出足の、あの圧倒的な枚数のビラによって踏みにじられているという言い方ができます、あなた方がどう思っても。実際にやってみてそう思う。そこで、こうした弊害を防ぐために、事前の運動も含めてこれを禁止するんだというこの百四十三条、この条項は、その意味ではある程度の反省を踏まえた、金のかからぬ選挙と直結をする、やや技術的な修正という評価はできると思うんです。できると思う、ここまでは。ところが、問題はそこから後にあるわけであって、こういう候補者たちの選挙運動につながる面での制限が、われわれ政党のふだんの政治活動を害するということになっては当然いけないわけであって、そのいわゆるふだんの政治活動と選挙運動というものは区別して、政治活動というのは十全に保障されるような措置がとられなければならぬことは言うまでもありませんね、これは。そこで、衆議院であなたがお述べになった答弁、六月四日の答弁をポスターに関連して整理をしてみたので、間違っていたらあなたの方から指摘をしてください。これは本条項の文言どおり、後援団体の政治活動のために使用される政治活動用のポスターは確かに禁止される、それから、しかし政党は特定の候補者を特に推薦しているという意味での後援団体とは、公選法上異なった概念である。したがって、政党が主体となってする政治活動において、ベニヤ板の裏打ちを使ったポスターを使用する場合に、あくまでも主体が政党であり、その政治活動の一環として候補者等の氏名が掲載されていても、これは本条項によっても禁止はされず、したがって自由であると、こういう答弁をなすっているはずだが、間違いありませんか。
#131
○政府委員(土屋佳照君) その趣旨はいまでも変わらないつもりでございます。
#132
○秦豊君 もし、それが誤りなければ、実はこれ、うちの社会党の同僚議員や先輩議員の中にもずいぶんわれわれ、秋山さんや片山理事や私を含めて、中村さんや戸田さんにどんどんどんどん質問をしてくるんですよ。百四十三言ったってわからない。全然わからないという質問がどんどん来まして困りまして、片山理事と相談をして、やや視覚化したポスターのサンプルあるので、百四十三条の解釈に照らして、その社会党の案は間違っている、これは使えない、これは使えるというのを一々具体的にひとつ的確に示してください。つまり、抽象的な論議よりその方が視覚的になってわかりやすいと思うんです。
 そこで、ちょっとサンプルを出してあなた方に見せて、そしてどれがいい、どれが悪いということをやってもらいたい。このたとえば日本社会党国会報告演説会、報告者片山甚市、秦豊、時、場所というふうな、こういうポスターがあったとしますね。これはだめなんですか、いいんですか、百四十三条に照らして。こういうやつですけどね。
#133
○政府委員(土屋佳照君) 政党が一つの政治活動としておやりになるわけでございますから、いまのようなものは差し支えない。ただ、まあその中で特定の人を特に大きく色刷りで名前だけを目立たすとか、選挙運動になるようなかっこうならば悪いんですが、それはいま見た限りでは……
#134
○秦豊君 大きいのは党の名前ですよ。
#135
○政府委員(土屋佳照君) はい。
#136
○秦豊君 「秦」や「片山」なんというのは小さく書いてある。
#137
○政府委員(土屋佳照君) 今回の規制の対象にはならないであろうと存じます。
#138
○秦豊君 いいんですね、これは。
#139
○政府委員(土屋佳照君) はい。
#140
○秦豊君 じゃ、これはいいと。(笑声)
 それから、「日本社会党演説会」で、「弁士」として「成田」委員長や「秦」や「片山」を並べて、日時を明示した純然たる党による政談演説会という場合ですね、これはどうなんですか、これ。――見えますか、そこから。小さいから見えないでしょう。
#141
○政府委員(土屋佳照君) 前のと同じように差し支えありません。
#142
○秦豊君 いいわけですね。――そしたらですね、こんなのはいけないんですか。「秦豊と語ろう」といって、「石垣純二」さんとか「望月優子」さんとしゃべろうというふうな、「秦豊」が表に出た場合。写真は使わないという、これ、よく使うんですよね、うちの党の場合。これはだめですか。
#143
○政府委員(土屋佳照君) これは、個人の名前を特に表示をしてやられておるものでございますから、激賞の活動と離れておりますし、今回の親御の対象になると思います。
#144
○秦豊君 これは使えない。
#145
○政府委員(土屋佳照君) はい。
#146
○秦豊君 それから、「独禁法改正を促進しよう」「秦豊国会報告会」、これは自民党に特に聞いてもらいたいようなスローガンだけど、これはだめですか、こういう場合ですね。あるスローガンをメインタイトルにしている、名前は従であるという場合。これはどうなんですか。これもよく使いますよ。
#147
○政府委員(土屋佳照君) やはり、秦さん個人の報告会でございますし、個人の名前が表示されておりますので、それはやっぱり問題があると……
#148
○秦豊君 いや、しかしスローガン「独禁法改正を促進しよう」というのが主たる目的であって、それを報告する会ですよ。
#149
○政府委員(土屋佳照君) それはやはりやっておるのは、もちろん先ほどの政党がやったものとは違いまして、御本人自身の名前、氏名を出して、それを国会報告会ということでおやりになるわけでございますから、やっぱり個人が主体でやっておられるわけでございまして、それはやっぱり問題があるというふうに考えます。
#150
○秦豊君 そうですか、これはだめと。あとはごく一般的に各野党の党首の名前を書いたりして、何々来たると。たとえば、うちの場合は成田さんですから、「成田委員長来る」というのをばあっと張りめぐらせることがあります。「成田委員長来る」「七月二日」「浦和駅北口」「日本社会党埼玉県本部」というふうな、これはもう俗に使っているんですよ。こんなのはどうなんですか。
#151
○政府委員(土屋佳照君) 政党の政治活動としておやりになっておりますし、「成田委員長」というのが大きく表示されておりますが、それは党首としての一般的な形で表示されておるわけでございますから、特にそれは問題はないというふうに考えます。
#152
○秦豊君 いいんですね。あと一つだけ。これはたとえば「防衛二法を廃案に追い込もう」「日本社会党主催緊急大集会」ならばいいわけでしょう。
#153
○政府委員(土屋佳照君) 政党の活動として差し支えないと存じます。
#154
○秦豊君 以下は類似のケースですから省略をします。
 それでは、私に与えられた時間はこれで終わっていますので、再確認の意味で申し上げたいんですが、大臣を含めて先ほどのテレビの政見放送については、特に全国区は二回プラス一、時間は四分半プラス一分、そして選挙公報の別刷りまたは余白には政見放送の予定一覧表、これを有権者の皆さんへのサービスとしてやるとか、あるいは自民党がいま圧倒的に猛威をふるっている政党スポットについては、ちゃんとよく調べて、実態を把握した上で次の国会までにしかるべき手段を、解釈を打ち出す、そういう基準を設定するというふうなことについては、厳格に実施をしていただきたいという、これは要望をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#155
○委員長(中西一郎君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#156
○委員長(中西一郎君) 速記を起こしてください。
#157
○多田省吾君 初めに選挙部長にお尋ねしたいと思いますが、政治資金規正法による全国の政治団体は、四十九年下半期の分につきまして、また四十九年の前期後期合わせた部分につきましては、本年の一月十日までに自治省に報告がいき、そしていつも大体半年後、選挙等が格別なければ公表されているわけですね。今度の四十九年下期また四十九年の一年を通じた報告に対する公表ですね。それはもうそろそろ時期が来ていると思うのですが、いつごろ発表の御予定でございますか。
#158
○政府委員(土屋佳照君) 四十九年度の下期は、来月早々に公表する手続を進めております。
#159
○多田省吾君 来月早々と言いますと、たとえば七月一日とか、もう数日後でごさいますが、そのころでございますか。
#160
○政府委員(土屋佳照君) 一日はちょっと手続上無理だと思っておりますが、きわめてそれに近い時期にはできるだろうと思っております。
#161
○多田省吾君 普通ですと、大体選挙のないときは、例年六月の末ごろ発表になるんじゃないですか。
#162
○政府委員(土屋佳照君) 四十八年は七月だったと存じますが、年によって違うと思います。私もずっと毎年それを経験しておるわけではございませんけれども、膨大な資料でございますので、官報なり印刷局等といろいろ詰めて作業を進めるわけでございます。
#163
○多田省吾君 七月一日は準備の都合上発表できないと。それにきわめて近い日にちであるといたしますと、七月二日でございますか。
#164
○政府委員(土屋佳照君) 一応その二日を予定として、めどとして進めております。
#165
○多田省吾君 われわれはこういう十数年来という政治資金規正法改正を論議しているわけでございますから。ところが、その実際の内容を討議するとなりますと、一年間を通じての発表済みのものは四十八年しかないわけですね。すでに五十年の六月の末にもなろうというのに、四十八年度分の各政治団体の政治献金の状況を論議しながら、今後のことも考えていかなければならない。きわめて不十分な資料しか与えられておりません。四十九年度は上半期の分につきましては本年の初頭発表されておりますから論議できますけれども、やはり四十九年の上期と下期というものは、参議院選挙の問題も含められておりまして、非常に各政党においても政治献金の金額もかけ離れておりますから、なかなか討議するのに大変でございます。幸い、と申しましょうか、七月の二日ごろ四十九年度の下期の分とそれから上期、下期合わせた分、四十九年全部の分の全国の政党ないしは政治団体と申しますと千四百九十五ぐらいあるのですから、そのほぼいつも七割方が届け出をしているわけでございますが、それが公表をされるとなりますと、私どもはこの政治資金規正法改正案につきましても、そういった七月二日に自治省から発表された四十九年度分の政治資金の流れというものについて、やはり十分な論議をしていかなければならない、このように考えるわけです。そういう意味におきましても、私は七月二日と言わず、なるべく早く公表していただきたい。また必ず公表していただきたい、このように思うわけでございます。そうしなければ、今度の政治資金規正法の論議なんかはそんな抽象的な論議に終始して、肝心な四十九年度分の政治資金の流れがどうなっているのかということを調査もしないで、なかなか論議が進まないと思うのですよ。そういう意味で、公表の方はひとつしっかりとお願いしたいと思いますがいかがですか。
#166
○政府委員(土屋佳照君) 率直に申しまして、私どもはもうちょっと早くできないかと思って努力をしたわけでございますが、官報の方がぎりぎりがもう二日ごろということだったものでございまして、やむを得ずそういうことになっているわけでございます。
#167
○多田省吾君 そうしますと、七月二日の官報に出るということになりますと、いわゆる通例ですね、マスコミの方々にはもう七月一日の夕方等に発表される、こういうことでございますね。
#168
○政府委員(土屋佳照君) いまのところは、やはり新聞で内容を紹介してもらうということが一番国民にわかりやすいものでございますから、やはり二日に出せるように、取材のための準備はその前に差し上げるということにしております。
#169
○多田省吾君 そうしますと、官報は七月二日付の官報に載る。また、各新聞には七月の二日の朝刊に載るように準備を進められるということでございますね。
#170
○政府委員(土屋佳照君) そのとおりでございます。
#171
○多田省吾君 次に、前々回にお願いをいたしましたいわゆる今度の修正案で出てまいりました個人ビラの頒布につきましては、修正案によりますと新聞販売店の新聞折り込みにいまのところ限っておりまして、その他は政令によるということになっております。ですから、私もこの前御質問をいたしまして、新聞折り込みだけでございますと、こちらが全国区三十五万枚とかあるいは衆院選の際、六万枚ないし十万枚というものを新聞販売店にお願いした場合に、やはり断られることも自由であるということで、全部断られたような場合は、頒布できないことになる。また、罰則等も非常に厳しくて、選挙の自由妨害罪なんというものが成立いたしまして、善意で頒布をやってくださる新聞販売店の方々にも、心ならずも御迷惑をかけるようなおそれも非常に強いということで、これは非常に政令で、その他に行う方法というものが提示されなければ、どうしても審議が進まないということで、政令のすべてにわたって全部明らかにしていただきたいとは、これは事の性質上申しませんけれども、やはり考えられる政令内に含まれるものが、たとえばどのようなものがありますかということをお尋ねしたわけでございますが、まあ委員長のお計らいもございまして、今週中にはそれを示すように努力いたしましょうということで、大臣もお約束していただいたわけでございますが、その政令の部分、何らかの方法が考えられましたですか。
#172
○政府委員(土屋佳照君) まあ先般もお答え申し上げましたとおり、これは修正で入ったものでございますから、提案をされました各党の御意見等も十分聞かなければならない。それともちろん、これは政策費について国費で負担するということになっておりますので、そういったものを頒布する際は公正でなければなりませんし、また粗雑にこれ扱われるのも困ると。いろいろな配慮もしながら相談をしておるところでございますけれども、現在まだ最終的に詰まっておりませんけれども、いまのところこの新聞折り込みのほかに、たとえば個人演説会場における頒布とか、立会演説会場あたりの入り口あたりで頒布ということもできるようにしてはどうかと、選挙事務所に備えつけて、出入りされる方に持っていただいてもらうということも一つの方法ではないかというようなこと等を頭に置きながら、いま検討しておるところでございまして、できるだけ早く政令を詰めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#173
○多田省吾君 まあ、私はもっと考えられる可能なしっかりしたものの提示があると思ったのですが、お答えによりますと、個人演説会等において頒布できるように考えたい。あるいは立会演説会、各党が全部入りまじっているあの立会演説会において頒布できるようなことを考えたい。それから選挙事務所に置いて、持っていけるようにするということですね。そのほかは何ですか。
#174
○政府委員(土屋佳照君) 形態としてはいろいろな方法というものが考えられると思います。ただ、十分関係方面の意見をも詰めなければなりませんので、ここでこうしますと私から申し上げにくいので、まあ大体はっきりした点だけ申し上げておるわけで、立会演説会は、会場内はこれはやっぱりできないと思っております。やはり、入り口といっても非常にそこら表現がむずかしくなると思うのですが、自由に来られる方に、まあまけると、演説を聞く前にそういった政見等を知っておくということも一つの手かなということで考えておるということでございます。
#175
○多田省吾君 各方面とも相談しなくちゃいけない、確かに提案した方々にも相談しなくちゃいけないでしょう。それはしかし一週間前にもそれと同じようなことをおっしゃっていたわけですよ。一週間たってまだ御相談もしてないということは、私は非常に怠慢だと思うのです。(「今週中に出すという約束だろう」と呼ぶ者あり)そしてまた、いま提示された三方法につきましても、非常に難点がありますよ。個人演説会場、個人演説会をやらない候補だってたくさんいますよ。じゃこの個人ビラを頒布するためにわざわざ、いままで全然やっていなかった個人演説会を開かなければならないのかなんということにもなりかねない。個人演説会はこれはやるもやらないも自由なんですから、やってない候補は非常に多いですよ、国会議員選挙において。これは立会演説会場も、会場内ではできない、入り口だ。それだっていろいろな演説会場あります。エキサイトをする場合もあります。入り口、どのぐらいの広さかわかりません、まちまちですよ。狭いところもたくさんあるでしょう。そういったところで、だれが一体それじゃ立会演説会なんかではやるのか。運動員がやるのか、選管がやるのか、その辺も詰めなくちゃいけません。それから、選挙事務所に置くということでも非常にいろいろな問題があろうかと思います。これをただ考えている、頭に置いて考えたいということだけで、これをまだ政令に入れたいということでもないらしい。こういう私は難点の多い不満足なことでは納得できませんよ、これじゃ。今週中に示しますという内容に私はこれは入ってないと思うんです、これじゃ。今週中というものは当然きょうしかないんですから。
#176
○委員長(中西一郎君) 委員長から申し上げます。先般の委員会で今週中に出せるように努力していただきたいと申し上げました。で、その後の経過、いま承ったとおりなんですが、むずかしいとは思いまするが、なお立案者等とも十分相談されまして、今週中ということができるかどうか、できなきゃしょうがないと思うんですけれども、努力をしていただきたいと思います。御答弁いただけますか。
#177
○国務大臣(福田一君) 私、実は、速記を見てみないとわかりませんけれど、私お答えしたのは審議が終わるまでにと言うた……
#178
○多田省吾君 そうじゃないですよ。今週中に努力しますとはっきり……
#179
○国務大臣(福田一君) いや、それはあなたの方でおっしゃったんで、私の方はそのようにお答えをしたつもりでおります。いずれにしても、極力提案者とよくお話を進めてみたい、かように考えておるわけでございます。
#180
○多田省吾君 委員長がおっしゃったように、委員長が今週中に出すように努力してくださいとお願いして、それで自治省当局ははっきり努力しますとおっしゃったじゃありませんか。じゃ速記録調べてくださいよ。
#181
○委員長(中西一郎君) 委員長から申し上げます。私は、来週中に提出できるように努力していただきたいということを申し上げました。
#182
○多田省吾君 了承したじゃありませんか。
#183
○委員長(中西一郎君) 了承ということの正確な言葉は別といたしまして、私は努力してくださいと申し上げましたので、努力することを御了承いただいたんだ、こう思っておりますが……
#184
○多田省吾君 了承してないという、それはおかしいですよ。
#185
○委員長(中西一郎君) 大臣、御答弁いただきます。私は提出できるように御努力いただきたいと申し上げました。大臣了承したというふうにわれわれ承っておるんですけれども、その前置きは別といたしまして、来週中か審議が終わるかということは別として、努力するということは御了承いただいたと思っております。それで間違いございませんでしょうか。
#186
○国務大臣(福田一君) 努力をいたすことにいたします。
#187
○多田省吾君 じゃ、きょうじゅうに出してくださるんですか。
#188
○政府委員(土屋佳照君) 私どもも今週中にまとめたいということで努力をいたしたわけでございまして、先ほど申し上げたようなことが大体これは政令に入れるということで固まっておる点でございます。なお、あるいはいろいろな御意見があるかもしれませんので、その点を私若干保留したような言い方をしておりますが、いま申し上げたようなことを大体頭に置いておるということでございます。
#189
○委員長(中西一郎君) 委員長から申し上げます。いままでの審議の経過で前進した点もあり、前進してない点もあろうかと思うのですけれども、なお時間もあることですから、十分に検討をしていただきたいと思います。御答弁いただけますか。
#190
○政府委員(土屋佳照君) 早急にこれは詰めて、次の機会にでもお話をするということにいたします。
#191
○多田省吾君 それでは次の機会にひとつ、こういうあやふやなものではなしに、提案者ともよく相談された上、ひとつもっとはっきりしたものを出していただきたい。というのは、新聞販売店の新聞折り込みそのほかはいまのところできないわけですよ。政令によると。この政令に含める内容にしましても、いま私が指摘したようにいろいろなまだ問題を含んでいるわけですよ。個人演説会にしてもだれが配れるのか、あるいはそれを破いた場合はどうなるのか。個人演説会なんかでも政治信条を異にする方だって見えている場合もあるでしょう。そういう人が勝手に渡されて破く場合だってありますわ。それからだれが渡せるのかあるいは立会演説会等におきまして非常に最近はエキサイトするような場合もありますし、そういう入り口で運動員なんかがやって不祥事が起きないのか、あるいは選挙管理委員会等にお願いするのか、そういった問題もありましょうし、それから事務所においてもこれはかなりまたさらに新たな問題が起こる可能性もあります。この三つの提示だけでは、三十五万枚もあろうという全国区のビラなんか、あるいは衆議院の選挙でも六万枚ないし十万枚の個人ビラが、しかも国費でつくったものがむだにならずにきちっと役立つように頒布できるかどうか、その辺も問題であり、国民の税金でつくっているだけにこれは本当にあやふやな態度で済まされる問題では私はないと思うんですよ。こういう点が一切明確にならないでこのまま審議が終わったら一体どうなりますか。衆議院では何らこういった問題はほとんど――私は議事録も見ました――論議されずに来ております。ただ、新聞販売店はどの販売店でもいいんだとか、何新聞でも結構なんだとか、そういったちょっとふざけたような答弁ぐらいしか出てないじゃありませんか。それから枚数だって三百五十万世帯になんなんとする東京都民の方々に参議院地方区においてまける枚数は三十万枚でしょう。二回に分ければ十五万枚でしょう。そうすれば二十五分の一の方々にしか、世帯数にしか渡りませんよ。そういった問題もありますわ。いろいろな問題があるんですよ、罰則の問題もあります。本当に快く善意で引き受けてくださった方々に対して、そんな選挙の自由妨害罪なんてね、四年以下の懲役、禁錮なんという罪になるようなことが実現した場合申しわけないですよ、お願いした方だって。そうして新聞を配布してくださる方々は未成年の方もかなりおりますよ。そういった方々に精神的負担をかけないのかどうか。非常にいろいろな問題があります。ですから心配して言っているのです。参議院はやはり衆議院の行き過ぎをチェックし、衆議院の足らない点をどうしてもここで討議して、そうして国民の前に明らかにする責務がこの参議院の当委員会にありますよ。それが一切明らかにされないで、こんな法案が二つとも通ってしまったとしたら一体どうなりますか。国会の審議なんか当てにならない、必要じゃない、また特に参議院というものがあるのにさっぱり衆議院の審議の結果をチェックしてないじゃないか、こういうことになりますよ。参議院無用論がまた台頭しますよ、これじゃ。われわれは参議院議員としてそんな審議を続けるわけにいきませんよ。大問題ですよ。国費だってもう一つの衆議院選、一つの参議院選で何億円も国費を使うんじゃありませんか。各政党だってまたそれ以上のお金を使って頒布するわけですよ、これは。参議院全国区なんか全部新聞販売店の方々にお願いした場合は七十七万円かかるんじゃありませんか。ひとつ選挙部長、次の機会までにまた提案者とも相談してもっと明らかなものを出すとおっしゃっておりますから、それはひとつしっかりとお約束していただきたい、どうですか。
#192
○政府委員(土屋佳照君) 次の機会までに十分相談をいたします。
#193
○多田省吾君 それに関連しまして前回もお聞きしたんでございますが、こういった個人ビラの頒布代あるいは個人ビラの無料になった部分の代金、あるいは無料にならない場合の印刷代とか、そういったお金、それから新たに加わる自動車の無料になった部分とか、あるいはポスター代で無料になった部分とか、こういったものは全部法定費用の中に含めると、この前御答弁がありましたけれども、それは間違いありませんね。
    ―――――――――――――
#194
○委員長(中西一郎君) ちょっと待ってください。質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、橘直治君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#195
○委員長(中西一郎君) 質疑を続けます。
#196
○政府委員(土屋佳照君) 全部と申し上げましたが、もし私がいまのようなものを全部と申し上げておるとすれば、大変失礼でございました。自動車は、これは現行法でも法定費用の中に含まれておりませんので、それは外だということでございまして、あとは法定費用に一度は含んで、そして後で金が出るんだと、こういうことに考えております。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
#197
○多田省吾君 じゃ、どうしていままでの、たとえば選挙はがきは無料ですね、これは公営ですから。それは同じ公営でも、法定費用の中に入っておりませんね。それはどうして同じ公営費なのに、公営費の中に含まれる、法定得票以上取った場合に、まあ、無料にはなってもあれじゃないですか、ポスター代とか、それからいま言ったような個人ビラとか、頒布代、紙代、印刷代も含めて全部入るのでしょう。同じ法定費用の中で、法定費用の中に含めるのと含めないのと両方出てくる、どういうわけですか、こんなおかしな点は。どう考えるのですか、これは。
#198
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、この収入、支出の定義というのは、百七十九条にあるわけでございまして、相当のものがみんな入るわけでございます。それともう一つ、今度違っておる点は、たとえばはがきの場合と違いますのは、自動車とか、ポスターとかといったたぐいのものは、これはいわゆる泡沫候補、法定得票数以下の人にはやらないわけでございます。あとで払わない、そういうことになりますと、そういった方々は一応全部やるといたしますと、それについての費用というものはかかるわけでございますから、それは全体の経費として考えなければならない。で、そうでない人と、後で金がいくという人と区分けするわけにもまいらないわけでございまして、やはりかかったものはかかったものということで支出したのだけれども、その支出が後で国庫が負担をして無料になるという形にしなければならないのではなかろうか、そういう点も考慮したわけでございます。
#199
○多田省吾君 ですから、同じ公営費の中に入っていても、法定選挙費用の中に含めるのと含めないものと両方出てきたというのは、ちょっと私は非常におかしいと思うんですよ。それは今度政令でそういうふうに決めるのですか、政令で決めたとしてもちょっとおかしいですね、この点どうですか。
#200
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたが、百七十九条で支出をする支出の中には、これはもちろんいまの自動車にしても、ポスターにしても、一応本人が契約をされて、いわゆる契約という行為があるわけでございますから、やっぱり約束というものもあるわけでございます。はがきについては最初から支出を伴わないということもありましょうし、いま申しましたように、法定得票数以下の人との差ということもあるわけでございますから、それを別々に後で法定得票数の以下の方と違ってしまうというのもこれまたおかしいというようなことも配慮したわけでございます。
#201
○多田省吾君 ですからいま言ったようなポスターや個人ビラの場合は、法定選挙費用の中に、無料になっても含めるとか含めないとか、そういうことは別段政令やなんかでうたわないわけですか、いまのままでいくのですか。
#202
○政府委員(土屋佳照君) いまの総体的にどれだけ支出されるかという場合には、この支出の概念等から考えてやるわけでございまして、それをもとにして個人割り、固定割りといったような形で数字を出すわけでございますから、一応これは要るとか要らないとかという、わざわざ書くということはいたさない、この支出に入るか入らぬかということで判断をするということにしております。
#203
○多田省吾君 それはあれですか、自治省だけが判断して、政令にもよらないということですか。じゃ、一般の方は、それは入るのか入らないかということは、どういうことで知ることができるんですか。
#204
○政府委員(土屋佳照君) 総体的には支出というようなことで、その支出したものが総体にかかる費用だということでございますから解釈上当然いけると思うわけでございますけれども、いまの点につきましては、これはもう法施行の際に明確に私どもとしても、単に通達のみならずいろんなものを私ども発行しておりますので、その点がはっきりするようにいたしたいと思います。
#205
○多田省吾君 はっきり申しますと、個人ビラそれからポスター、確かにお金がかかります。しかし、法定得票以上の得票を取りまして、後で国からその費用をいただきました、そして、この法律にも無料ってはっきりあります。ポスターを無料で作成することができる、あるいは個人ビラに対しても無料で作成することができる、無料なんだから法定費用の中に含めなくてもいいだろう、だれだってそう考えますよ、無料なんですから。そうして、そういう報告書を出してしまった場合、やっぱり罰せられるわけですか。
#206
○政府委員(土屋佳照君) それを含めて法定費用を決めておるわけでございますから、それはやっぱり超過してはいけないということになるわけでございます。
 なお、御承知のように百九十七条で支出というものが一応決まっておって、これは選挙運動に関する支出でないとみなすものだけは、これは法律ではっきりしておるわけでございますから、それ以外のものは入るんだというふうに言わざるを得ないと思います。
#207
○多田省吾君 その場合に、それじゃ百九十七条の五号に選挙運動に関し支払う国の手数料なんてありますけれども、そのように考えて、これは無料で、もうお金が来たんだからということで出さないということも考えられるんじゃないですか。それには入らないんですか。
#208
○政府委員(土屋佳照君) これはまことに私ども特に意図的にやったわけじゃございませんが、いま申し上げましたように、選挙が済んでみないと、たとえば、ある人がいまのポスターなり車を使った、使ったけれども金を払われなかったという方は後にならなきゃわからないわけですね、無料になるかならぬか。結果的にはその人はやはり自分で払わなきゃならないという結果になったとしますと、やはりそれは法定費用の中へ含めないとどうもぐあいが悪かろう、そういうことになりますから、そこで差をつけるわけにもいくまいという考えで申し上げておるわけでございます。
#209
○多田省吾君 まだよくわからないんですが、やっぱり法定得票以上取りますと、法定得票以上取ったなということは、もう投票日の翌日ごろわかるわけですよ、みんな。ですから、これはある程度政令で定められた金額は無料になるんだということは全部次の日わかる。しかしあれでしょう、この報告を出すのは一週間後ですか十日後ですか、それぐらいの期間があるわけですよね。だから、だれしも無料になったものはこれは法定費用の中に含めなくてもいいんじゃないかなと考える場合が多いんじゃないですか。
#210
○政府委員(土屋佳照君) 私どもとしては、法定費用の中には、それが後で仮に無料になったといたしましても、その分は一応含むんだと言う以上は法定費用の中に当然含めて法定費用をそれだけかさ上げをするということにするつもりでおるわけでございますから、それは後ではっきりしたときに、いわゆるもらえなかった人とのあれは十分差がつくだけのことでありますから、まあはっきりするんじゃないかと思っております。
#211
○多田省吾君 時間がなくなりますので、次の問題に移りますが、個人ビラのことで一つだけ聞いておきたいんですが、この前もお聞きしたんですが、個人ビラをその候補者の運動員が戸別に配布するということは考えられないんですか。
#212
○政府委員(土屋佳照君) いまおっしゃいましたようなことも頒布の方法の一つであろうかと思うのでございます。ただ、戸別に頒布するという場合に、現行法の戸別訪問の禁止の規定との関連等をどう判断するといったような問題がございますので、そこらがいろいろ各党提案者の方との意見の調整も要るであろうといったようなことでございます。
#213
○多田省吾君 ですから、せっかくつくった個人ビラが、運動員がたとえ腕章を巻いてでも各戸配布するとなると、戸別訪問との兼ね合いでなかなかできないということになれば、この個人ビラの頒布そのものが非常に困難であり、無理があるんです。この修正案自体が問題なんですよ。これも政府案がはなはだよくないからそれが動機になってこういう修正案が出てきたんですから、こういう原案つくること自体、それからやはり修正案自体も非常に私は問題だと思うんですよ。ですからこの法案、修正案一緒に含めて撤回されたらどうですか、こういう問題のある法案は。どうですか。
#214
○政府委員(土屋佳照君) 一応国会に提出し、衆議院で修正を受けてきたわけでございますから、そういった修正をされたところの部分を含めて私どもから撤回するということは、これはちょっと申し上げにくいわけでございます。
#215
○多田省吾君 私は政府が撤回されないのなら、参議院の良識の上からも、各党一致で撤回していただきたい法案だと、このように思います。
 それから前回、選挙に関する報道評論は機関紙の号外でやったものは配布できないということで、これは本当に機関紙規制、もう本当に一番政党にとって大事な機関紙を、政策論争を最も闘わさなければならない選挙時において事実上禁止になるということで、非常に問題があるということを申し上げたわけでございまして、その場合、総理大臣や自治大臣は、初め政策に関するもの、政策を掲載したビラは規制されないのだと、こう述べられました。ところが統一見解なるものが出まして、どうも非常に厳しい。選挙に関するということは、いままでの自治省の解釈でも、もう選挙についての一切のものだと、またある場合には、選挙に際し、選挙を動機としているものは一切この選挙に関するということになるのだと、こういうお答えもあったわけです。しかしながら、私は昭和四十年に自治省選挙局で出された「参議院選挙における政党・政治団体の政治活動の手引」というものがあるわけです。この六十七ページに、選挙に関する報道評論と、それから選挙運動となる記事との差を述べているわけです。それで選挙に関する報道評論を行った場合に、結果的に見ればこれが選挙運動になるような記事であっても許されるんだということが解説されているわけです。そうしますと、私はこの政策を掲載したビラも、結果的には選挙に関する報道評論となるような記事であっても許されるものがあると思うんですよ、同じような理屈を言えば。そうでしょう。選挙運動にわたってはならない、しかし選挙に関する報道評論は行える、だから結果として選挙運動になるような記事であってもこれは選挙に関する報道評論として許されるものがあるのだということをはっきりおっしゃっているわけです。それだったら、結果的に選挙に関する報道評論と受け取られるような場合でもやはりかなりのいろいろな政策は掲載できる、たとえ結果的に選挙に関する報道評論にわたるような場合でもですよ。そのように思うのですが、どうですか。
#216
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどの四十年ごろ出たということは存じておりますが、ちょっと私は中身を確かめておりませんが、従来からそういった言い方をしております。その結果的にというのは結局、選挙に関する報道評論といっても、評論の中にいろいろな政策も載ればいろいろなこともあるわけですから、それが政治活動は結果的に選挙運動に結びつくことはあり得るわけです、選挙のために一生懸命政策活動をやっておるわけですから。そういった意味であるわけですから、いまの、選挙に関する報道評論でないもの、すなわち、たとえば純粋の政策をお出しになったとして、それはやっぱりその党の姿勢であり施策であるわけでございますから、そういうものを見て結果的にはそれは選挙に反応するということはあり得るわけでございます。そういうものはしかしここで言っておる直截的なものではないという意味では同じかとは存じます。
#217
○多田省吾君 ですから、政策だけではなしに、たとえば報道でも評論でも、あるいはたとえば解説とか、こういうものであっても、結果的には選挙に関する報道評論とみなされるようなものでも許される場合があるのじゃないですか。
#218
○政府委員(土屋佳照君) いま、解説というようなお話でございましたが、解説という場合いろいろな形態がこれはあるわけでございますから、一概には申せませんけれども、今度の選挙、その選挙についていろいろ分析をしたりするということになりますと、まさにその選挙に関して言っておるということにならざるを得ない場合の方が多いと思うのです。ただ、具体的にあるいはそういうものにならないような何かあるかもしれないとおっしゃれば、あるいはあるかもしれませんが、具体的な問題が出ませんとちょっとここでは申し上げかねるわけでございます。
#219
○多田省吾君 ですから、その選挙に関する報道評論が選挙運動になるかどうかということに対する解説がぴしゃっと出ているのですから、私は選挙に関する報道評論も統一見解は出ましたけれども、やっぱり結果的にそう見られてもこういう場合はいいのだという場合がかなりあるのじゃないかと思うのです、特に解説とか報道の場合は。ですからその判断は、結局選挙部長がこの前おっしゃったように、最終的には司法当局の判断によるということですから、それは自治省の方々は罪にもならないから結構ですけれども、選挙運動にあるいはこういった政治活動に携わる者はこれは大変な問題ですよ。具体的に、たとえばこの前も政党の委員長が選挙演説なんかやった場合、そういったものは絶対一言も載せちゃいけないのだということがありました。それは選挙に関する報道評論になるのだという。じゃ「選挙」という文字を伏せて、たとえばある政党の委員長が〇月〇日名古屋市に行きました、で、そこで記者会見をやって、こういうことを言いましたと、そういった事実の行動を号外に書いた場合に、それは選挙期間中であれば、あるいは事実その政党の委員長が選挙演説等の選挙運動のために行ったとなれば、そういう報道すらできない、ということですか。
#220
○政府委員(土屋佳照君) まあいまの例で申しますと、委員長がある所へ行かれて会見をされた、それは選挙に関するとは言えないと思うのです。ただその選挙の応援のために行ったとかどうとか出てまいりますと関連してくるんだろうと思うのです。ただもちろん、その方が候補者でございますと、修正によって、候補者の名を挙げた者は問題があるということがございますので「いわゆる機関紙の号外の場合はその問題が別途あるかと思いますが、いまの場合は別に、その委員長の事実をただ言われるというだけであったら、それは差し支えないだろうというふうに考えます。
#221
○多田省吾君 だから、その委員長が衆議院選挙で候補者であっても、その区域内で〇〇委員長という記事をまかなければ、その他の区域では幾らまいてもその名前に関しては問題ないんでしょう。
#222
○政府委員(土屋佳照君) この修正案では、その氏名または氏名が類推されるような事項が記載されておるときは、当該選挙区内においてはとなっておりますから、これはこの趣旨もそういうことだろうと思います。
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
#223
○多田省吾君 これは質問にあったかとは思いますが、六月の十二日に政府統一見解を出して、六月十五日に朝日新聞に「政府見解で自治省解釈」ということで、「選挙用の明示なければビラ規制しない」という見出しで、「内容は選挙公約と全く同一のものでも、」選挙用の明示をしないで「党の一般的な政策として掲載したものは規制に該当しない」という記事がありますね。これは正しいんでしょうね。
#224
○政府委員(土屋佳照君) この解釈は、私どもが口述をして書かれたものではございませんので、必ずしも正確ではないかと思いますけれども、たとえばある選挙、国政選挙の場合でいままで言っておられる政策をそのままお載せになるというのは、そこで掲げられておる政策と同じであっても、それは差し支えないだろうと思うんです。ただ、たとえばある地方の選挙あたりにおいて、まあ一つのそこの地域による最も先鋭的な問題を争っておるような選挙で、まさにそれだけをやるということになりますと、それはやっぱり選挙に関連しておるということもあり得るかもしれないという感じがするのでございます。まあ結局は、その内容自体から特定の選挙に関連しておるまさにこの政策を支持しようということが、すなわちその選挙、その人を応援している、支持するということに結びつくという場合もあり得るんではなかろうかと思います。
#225
○多田省吾君 じゃ、その記事がはっきりあるわけですから、その記事は一応は正しいということですね。
#226
○政府委員(土屋佳照君) 純粋な政策ということで書いてございますから、一般的な政策として掲載したものは規制に該当しない」と、そういった限りにおいては誤りではないと思いますが、ただ、必ずしもこれ十分中身をあらわしておるとも言えないと……。
#227
○多田省吾君 先ほどおっしゃったことでちょっと気になるんですが、その地方において先鋭的にその問題が争われているような場合は、選挙政策と書かなくても、そういう政策を書いた場合はやはり「選挙に関する報道、評論」になるということですか。
#228
○政府委員(土屋佳照君) やはりその文意によるんだろうと思います。たとえば、こういう例が当たるかどうか、ちょっといま思いつきかもしれませんが、ある町であるコンビナート基地なり何なりを誘致するかしないか、それが両派に分かれて争っておるというような場合に、誘致すべきではないと、そういう政策はとるべきでないというようなことをもっぱらそれを宣伝するということになりますと、その特定の選挙に全然結びついてないとは言えない場合があるんじゃなかろうかという感じがするわけでございます。
#229
○多田省吾君 だったら、規制が非常に強まるということ以外にないですね。なるほどこの前自治大臣は戸塚委員の質問に答えて、何だ、地方選挙で外交防衛の政策なんかを書いて――みたようなことをおっしゃっている。だけども、その町で○○基地返還闘争なんという問題だとだめになる。その判断も非常に、と思われるとか、非常にあやふやで、最後は司法当局だと。われわれはこれは安心して政治活動できませんよね、これじゃ、機関紙活動も。じゃ、たとえばその地方等において争われている問題というならば、国会選挙において、たとえばいま大きな問題になっている覇権問題なんというのが各党とも、本当に国を挙げて問題になっているとか、あるいは独占禁止法の問題なんて、国を挙げて各党で選挙の争点となっているなんという場合はどうなのかということも考えられる。そして、国の場合はいいけれども、地方の争点だけはだめだなんて、そんなおかしなことも私たちは納得できないし、その点はどうなんですか。
#230
○政府委員(土屋佳照君) 国政選挙で国政についての一つの意見というのをかねがねつくっておられると、そういう政策を発表されると、これはよろしいと。それからもう一つは、地方の場合でも、たとえばまあまあ一般的に瀬戸内海にこういった基地はもうつくるべきじゃないんだというような政策を持っておられて、そういうものがそういう形でそのまま出されるならいいんですが、いま申しましたように、ある選挙でそれだけが争点になったときに、それを一つの意見としてそのときにつくってやられるということになれば、選挙に関してということがあり得るのではなかろうかと……。
#231
○多田省吾君 じゃ、この問題で最後にお聞きしますけれども、その朝日新聞の記事は、私が示した五行のところは、十分とは言えないけれども決して誤りではないと、正しいと、これはよろしいですね。
#232
○政府委員(土屋佳照君) 一般的にはこういう考えがとれると思います。
#233
○多田省吾君 だから、前回において附則の十条並びに政規法三条一項三号に関しまして、政治団体の充足条件として目的というものが取られているにかかわらず、それを読み込むんだとか何とか、変な御答弁がありたわけでございますけれども、その問題に関しましては私は改めてまた御質問したいと思います。
 附則十条によりますと、いわゆる二百一条の五におきましても、いままでは「政治団体」となっていたのが「政治活動を行う団体」というように変わりましたので、市民団体あるいは婦人団体、消費者団体、労働団体等が、これはもう新しく政治活動を規制されるんだというおそれを強く抱いているわけです。また十分なそれなりの理由があるわけです。で、そのよって来るところは、何といっても、このたびの政規法の三条の改正に端を発しているわけです。いままでは政治資金規正法の三条の一項におきまして、「この法律において政党とは、」として、「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本来の目的とする団体をいう。」と。第二項におきまして、「この法律において協会その他の団体とは、政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するものをいう。」となっております。そして、前の一項の方は今度の新しい第三条「この法律において「政治団体」とは、次に掲げる団体をいう。」という中に、一号において、あるいは二号において、これは「本来の目的とする団体」ということで、いまは、旧来の現行法の一項と相対するような形で出ております。今回の新しい三号ですか、これは「前二号に掲げるもののほか、次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体」、「イ」として「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること。」、「ロ」として「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること。」、前には「目的を有するものをいう。」とあったのに、今度は行為だけをとらえて規制しているわけなんです。述べているわけですよ。そして選挙部長の解釈では前は範囲は広かったんだと、今度は範囲が狭められたんだと、その一つの例として消費者団体連合会なんかは前は届け出もしていたと、だけど今度はこれに入らないんだと、一つの例としてそうおっしゃったんです。しかし、私はそう思わないんです。かえって政治団体の範囲が広がったと思うんです。なぜならば、この「目的を有するもの」というのが削られて、ただ単に行為だけでとらえられているからです。目的を持っていなくても、行為だけあればもう政治団体と見なされるからです、ここで。その上に今度は、附則十条で、新しい三号に入るものは全部、それから前の抜けた分も含めて全部「政治活動を行う団体」として全部もうそれを規制するんだということになりますと、私はますます範囲が広がると思うんです。ですから、市民団体、婦人団体、消費者団体、労働団体等の民主団体等のやはり政治活動に対する規制が非常に私は従来よりも強まると思うんです。前は「目的を有する」となってるんですよ。今度は「目的を有する」というのが消えちゃって、行為だけで判断するんです。すると私は、消費者団体連合会なんかは前の規定でも私は目的を持ってないんですから何も届ける必要はなかったと思うんですよ。それを善意で届けただけじゃありませんか。それを例に引くなんてのはおかしいですよ。いままでは「目的を有するもの」、これが政治団体だということでとらえていたのを、今度は目的を外したんじゃないですか。行為だけで政治団体と規制するんじゃないですか。範囲はふえますよ。どうしてこの「目的を有する」というのを外したんですか。ですから私は「前二号に掲げるもののほか、次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う」、ここに行うことを目的とする団体と入れなければおかしいと思うのです。なぜこの目的を外したんですか。
#234
○政府委員(土屋佳照君) 前にもお話し申し上げましたが、今回の改正案では、政治団体に対する寄付はすべてこの政治活動に関する寄付として制限あるいは禁止の規制を受けるということになるわけでございますので、政治団体の範囲を明確にしなければならぬという必要性は出てきたわけでございまして、これは寄付をする側から見ても必要なことであろうと思うのでございます。そこで、現行法におきますこの「協会その他の団体」の定義によりますと、先ほどお示しがございましたように、およそ政治活動を行う目的を有する団体はすべてこれに含まるということになってまいりまして、今度の規制をはっきりしました点から見れば広過ぎるきらいがないわけじゃございません。そこで、この今回の改正案では、政治活動を行うことを本来の目的とする団体のほかに、その団体の設立目的が政治活動を行うことを本来の目的としていない団体でございましても、政治活動を主たる活動として、かつまた外形的にわかるように、「組織的かつ継続的に行う団体」ということにしたわけでございまして、これを政治団体としてとらえたわけでございます。その範囲を明確にした。むしろしたがって、政治活動を本来の目的としないで、従たる目的とする団体につきましては、その目的の有無よりも現実に、主たる活動として現実に組織的、継続的に行う――というかどうかということで判定をするわけでございますから、それは実態上客観的にはっきりするわけでございますね。主たる活動であり、かつまた組織的、継続的だというと、当然外形的に、それは客観的に判断されるわけでございまして、そういったことで明確になるということでございますので、特に目的ということを言わなかったということでございます。それははっきりするであろうという考えでおるわけでございます。まあ、そこらの考え方は、政治資金規正法が当初立案されたときに、政党法及び選挙法に関する特別委員会というところでいろいろと議論されたこと等を勘案しながら、明確にわかる主たる活動としてかつ組織的、継続的という、そういった形で行われる行為に着目をして範囲を明確にするのが適当だと、こういうふうに考えたわけでございます。
#235
○多田省吾君 私は全然納得できません。本来の目的とする団体というのは前も今回も同じですよ。問題は前の二項であり今度の三号になっている、前は政治活動を目的とした団体だけであったのが今度は目的が消えて活動だけをとらえてこれを政治団体としているじゃありませんか。私はかえって目的が外されたためにその団体の数はふえると思うんです。いままできちっと本来の目的ないしは目的を主体にして考えていたのになぜ今回はこの目的を外しちゃって行為だけで判断しょうとしたのかですね。その説明はありませんし、選挙部長は狭まるんだと言いましたけれども私はふえると思うんです、目的が外されたんだもの、行為だけを見て判断するんだもの。政治活動を目的としてない団体でも、そういう活動だけをやっていれば、活動だけの側面をとらえてもう政治団体と認定されちゃうわけですよ。なぜ「目的を有する」というのを外したんですか。私は加えるべきだと思う、いままでどおり。どうですか。
#236
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたように、今回はその団体につきましても外形的に見るんだと、「目的」を外したのはなぜだとおっしゃいますが、その主たる活動として組織的かつ継続的に行うんだということになりますと……
#237
○多田省吾君 それはあくまでも行為じゃありませんか。
#238
○政府委員(土屋佳照君) それは、しかし外形的にはっきりわかるわけでございますね。それはそう広がるものではないと思うんです。主たる活動としてやるというようなものでございますから、ある程度そういう形で外形的に客観的に見られるところでとらえられるというふうに考えるわけでございまして、まあやはり従来のこの立法当時の議論等を全部見てみましても、そういった行為に着目をして議論されておるわけでございます。まあそういった点から見ても、こういった制限をはっきりと、主たる活動とか組織的、継続的にと、客観的にわかるものをやっておるわけでございますから、それはもう従たるものでやっておるようなところは、これは全部落ちてしまう。たとえば労働組合等でも、現在政治団体として届け出られておるものがいっぱいあるわけでございますが、そういったものにつきましても、それは主たる活動とかどうとかというものではないわけで、労働組合の場合はこれは従たる活動としてやっておるということが従来から考えられておって、主としてもうやるというわけにはこれは組合法上問題があるということになっておりますから、そういったものはみんなこれは外れていくわけでございます。そういったことで、まあ従来と範囲を変えてはならないというふうな気持ちで、このような制度にしたわけでございます。本来のこの政治資金規正法上の政治団体というのは、むしろ従来よりもふえてはいけないということで、いま申し上げましたような客観的な表現で十分――そんないいかげんなものが組織的、継続的に主たる活動としてやるはずはございませんので、私どもはこれによって十分わかるというふうに考えておるわけでございまして、決して広くはならないと思っております。
#239
○多田省吾君 いままで全国で届けられた千四百九十五の団体にしましても、それは中には消費者団体連合会のように善意的に届けられている団体もあろうかと思いますけれども、主に政党あるいは派閥研究会、あるいは個人後援会等が大部分であって、そんな民主団体とか消費者団体、婦人団体、労働団体とか、そういったものはほとんど届けなくても済んだわけですよ、目的がそうじゃないんですから。刑法だって、私は詳しいことは知りませんけれども、目的犯というようなものがあって、行為があっても目的がなければ適用されないということがあるわけですよ。いかに主たる活動なんと言っても、行為は行為、活動は活動ですよ。やっぱり従来どおり「目的を有するもの」、主たる活動として組織的かつ継続的に行うことを目的とする団体と、やはり団体である以上は「目的」というものを入れなければ、これを認定するのはおかしいですよ。断じて私はこれは広がると思いますよ。いままではあれですもの、「目的」とはっきり明示してあったんですもの。「目的」を取っちゃったんじゃないですか。目的と行為というのは大事な二つの重大な問題ですよ。いままでは全部「本来の目的」目的と、目的で考えてきたんです。「本来の目的」の一、二はまあいままでどおりですが、「目的」というのを消しちゃって、今度は活動、行為自体でとらえようとしているんです。で、その政治だけをやるという目的はなくても、今度はそういう行為、行動があれば全部政治団体として届けなくちゃいけないとなるんじゃないですか。それが附則十条にもまた関係してくるので、ここに入ったものは全部含められちゃうんだ。だから「目的」を取った理由にはなりませんよ。納得できませんね。もう一回答弁してください。
#240
○政府委員(土屋佳照君) ここにございますように、その政治活動というものを主たる――まさに政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、反対するという活動を主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体ということでございまして、その施策を推進し、支持し、反対するということを主たる活動とする以上は、当然にそれはもう、しかも主たる部分としてやっておるわけですから、それはもう目的性ということは当然先行しているはずのものでございます。しかも、組織的、継続的ということになるわけですから、それはもう当然言えることじゃないかと思うのでございます。そういった意味では、私は、はっきりと、従来からの本来の目的とはしないけれども、従たる活動としてやっておったいまのような消費団体にしても組合にしても、それはそういう目的というものは持ち得るわけでございますから、いままで全然あるべきでなかったのだというわけではないと思うんです。やはりそういう前提で届け出もされておる、そうして収支をされておるということになっておるわけでございまして、私は、そういうただいま申し上げたような点から見ても、決してそれは広がるものだとは考えておりません。
#241
○多田省吾君 選挙部長は、それは当然この目的ということを、法案には入っていないけれども、それは前提に考えているんだというようなことをおっしゃるわけですよ。附則十条などのときも同じですよ。政治活動を行う団体、だけれども政治活動を目的とするというように考えるのだと、こういうことをおっしゃるわけですよ。考えるんだったらどうして目的というのを入れないんですか。取り外しておいて考えるんだと言ったって通用しませんよ、それは。外したんですから、そして完全に行為だけでとらえようとしているんですから、私は広がると思うんですよ。危険ですよ。そこのところを質問している、なぜ取ったのかと。
#242
○政府委員(土屋佳照君) まあいろいろな政治団体の行動というのは団体の定款とか規約とかに定められておりますその団体自体の意思決定の方法によって政治目的を有した行為をすることを決定をするというのがこれは通常だろうと思うんですね。主たる活動としてそういうことをやる以上は、当然組織的、継続的にやっておるわけでございますから、そういった主たる目的として一年を通じて主たる政治活動をやるということでございますから、そういった団体は通常政治活動をする目的を有する団体であるというふうに当然認められると私は思っておるわけでございます。
#243
○多田省吾君 そう言うんだったら、当然、目的入るんだったら継続的に行うことを目的とする団体と、従来も目的が入っているんですから、入れた方がいいんじゃないですか、そう考えるというんだったら。それを取り去っている以上おかしいですよ。ならこれははっきり言って選挙部長が考えたものじゃないんですよ。昭和四十二年に政府の第一案にこれは入っていたことなんです。だから、その立法の趣旨なんかは本当に申し上げないけれども、選挙部長、その当時どういう役職におられたか知りませんけれども、携わっていないんでしょう、きっと。ただ前からまねしている。残念ながら昭和四十二年における政府の最初の答申を骨抜きにした案というものは審議の対象にならなかったわけですよ。自民党が率先してそれを廃案にしちゃった。だから審議すらされなかったんです、あの当時は。初めて、それをずっと第二回目のさらに骨抜きになった案とか今回の案も同じに来ていますからね。だから八年前につくったものなんですよ。だから選挙部長の何とかこれを言い逃れようという気持ちはよくわかりますけれども、それじゃあ私たち納得できませんよ。目的を消しているんだもの。目的を有すると、なぜ目的――主たる活動として組織的かつ継続的に行うことを目的とする団体って、従来どおり目的をなぜ入れないんですか。だから目的を取った以上は行為だけを考えてそして政治団体と認定されるということになれば範囲が広がるおそれがある、広がりますよ。それを狭まる、狭まると言う。前提が違っているじゃありませんか。
#244
○政府委員(土屋佳照君) 確かに政治活動をする目的を有する団体という言い方もあろうかと思うのでございますけれども、ただ、そういった表現をいたしますと、むしろこの目的を有するというのは結局、どこで判断をするかということになってくるわけですね。それで結局団体の定款とか、あるいは規約に明らかにその目的が明記されておればそれはそれでわかるわけですけれども、そういうものも何も書いてないというようなことになりますと、一体そのものは該当するのかしないのかということになりますと、やはり活動ということで見ていかざるを得ない。その活動も客観的にわかるような形で行われるときに初めて把握されるのであって、それも政治団体としてきわめて一時的にやったというのではなくて、主たる部分が組織的、継続的だということになるわけです。だから、目的を有する、とこう書いても、それはなかなかその点規約等に書いてなければ一体どうなるのだという誤解等も出てまいります。判断は結局そういう活動という実態で見ていかなければならぬということになるのではなかろうか、そう思うのでございます。
#245
○多田省吾君 狭まっているなんていうことは何にもならないじゃないですか。私はむしろ広がると思うのです、目的を取ったために。行為だけで見られますから。その上にまた附則十条で今度は、選挙部長の説明によれば前に抜けたものまで今度入れようというんでしょう、三条二項が消えちゃったものだから。そうだったらますます広がって、二百一条の五等による政治活動の規制というものが狭まる一方じゃありませんか。ここに継続的に行うことを目的とする団体、従来どおり目的ということも入れておけば、行為はこれでいいでしょう。目的を入れればかえってはっきりするのです。そして附則十条の読みかえなんかは必要なくなるのです、はっきりと。そうでしょう。目的を取ったのはおかしいですよ、どうも。だから附則十条もおかしくなるんです。
#246
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたように、今度の政治資金の規制という場合は、寄付の規制あるいは禁止の規制を非常に多くの団体が受けることになるわけですから、政治団体の範囲を明確にするということが前提になっておるわけでございます。そういった意味で、従来どおりの政治活動を行う目的を有する団体ということになりますと、非常に目的性というものの判断から広く入ってしまうということになると思うのですが、私どもはそういう前提で、本来政治活動を目的とするか、そうでなければ、目的とするといっても、ただいま申し上げましたように非常に誤解――その規約等に書いてなければわからない場合もあるわけでございます。結局実態で見るんですから、その実態の中で客観的に分量的に見てその主たる活動として組織的かつ継続的にやるということでございますから、もう一部的なものは入らぬということははっきりしておるわけでございますね。だからその点で私は決してこれは広くなってはいないんで、むしろ狭くなっておるというふうに解するのが普通ではなかろうかと私は思うわけでございますが。
#247
○多田省吾君 主たる活動というのは、その方面は前と同じなんですよ。前の三条一項に本来の――いや主たる活動じゃなくて本来の目的。前の三条一項にも「本来の目的とする団体」と、それは今度の場合も同じじゃないですか。本来の目的、それはいいんですよ。問題は、政治団体で、目的を有するものでまとめていたものを、今度は目的を消して行為だけで、活動だけでそれをとらえようとしたことですよ。広がりますよ。だったら、いま選挙部長も今度は政治献金をもらう団体がたくさんに広がるとおっしゃったじゃないですか。刑法だって行為があっても目的がなければだめというものだってあるじゃありませんか。行為だけでとらえるというのはそれだけ広がることじゃないですか。行為だけあっても目的はそうじゃなかったと言えば、目的でやれば狭まるんじゃないですか。目的を消しちゃって行為だけで見て狭まるなんていう理屈は通りませんよ、広がりますよ。その上に附則十条では、さらにそれをまた広げようというんですから。ですから民主団体や消費者団体、婦人団体等が危機感を抱くのは当然ですよ。その点おかしいです。
 それからもう一点。附則十条の、いままでの政治団体から「政治活動を行う団体」と、こうした。そして、選挙部長は今度消え去る部分の三条二項の「目的を有するもの」と同じ考えで、その部分を考えているんだとおっしゃった。だけれども、その部分はあれじゃないですか、衆議院で全部そうおっしゃっているんじゃないですか、林委員の質問に対する答弁では。だけれども、このいままでの三条二項なんというのはもう消え去っているんですよ。そういうように考えるとか何とか言ったって、「政治活動を行う団体」とこうなれば、政治活動を行っている民主団体とか消費者団体とか婦人団体とか、みんなこれは規制される、そういうおそれを抱くのは当然じゃありませんか。どう弁明されるんですか。
#248
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどから申し上げておりますが、政治活動をする目的を有するとやりましても、それはまさに規約等にむしろ書いてないというような場合、それはやっぱり実態から判断していくことになるわけでございます。だからそういう場合、むしろ目的が明記されていないような場合は、かえって誤解を与える場合があり、一体それはどういう団体なんだろうか、目的を持っているか持っていないかといったようなそういう場合もあると思うのです。むしろ、そういった行動に着目をして考えた方がいいと。そこで、しかも私は先ほど申し上げたのは、政治活動を行う目的を有する団体ということにしてしまいますと、むしろ政治団体の考え方が広く入ってしまう、入ってしまうから今度の政治資金規正法において厳重に届け出をし、規制を受けるという団体は明確にするという意味でこういう規定にしたわけでございまして、たとえば先ほどおっしゃいましたけれども、本来、組合等はそうではないんだとおっしゃいますが、現行法の解釈においても、本来の目的としていないけれども政治活動がその団体の活動として従たる活動である、一時的に行うような団体というのは、これは政治団体という解釈に入っておったわけでございます。だから現実に資金の収支をされる場合に消費者連合会等申し上げましたが、主婦連合会、婦人と生活の会とか、あるいは日本保育推進連盟というのもございますし、炭鉱労働組合あるいは日本港湾労働組合、中部電力労働組合本部とかずいぶんいろいろなものが現実に政治団体として届け出られて、そういった三条二項に入るという形で来ておるわけでございます。そういうものは今回の「主たる活動として組織的かつ継続的に行う」ということには入らないことになります。だから、そういうものはやはり従来と同じ扱いにしようということで今回の改正をしたということになろう、私どもはそういうふうに考えておるわけでございます。
#249
○多田省吾君 私は絶対そういう説明じゃ納得できません。附則十条で「政治団体」を「政治活動を行う団体」とした、そして衆議院においても本委員会においても、もともとの目的を有する団体も含める考えなんだと、こういうことをおっしゃいますけれども、もとの法案の方は消えてなくなっているんじゃありませんか、日本の法律にはなくなっているんですよ。それでもそう考えるなんて、あなたは考えてくれるかもしれませんけれども、選挙部長がまたかわったり大臣がかわったりしたらまたどうなるのですか。憲法においてすら政府の解釈がたびたび変わるじゃありませんか。明文化されていても変わる場合があるのに、明文化が全然なくなってそれをそう読む、そう読むと、いつまでそれは通用するのですか。もう一回はっきり今度の「政治活動を行う団体」というのはどういう団体を指すのか、はっきりおっしゃってください。
#250
○政府委員(土屋佳照君) 若干私はこれは誤解ではないかと思うのでございますが、私が衆議院でお答えしたときは、従来の政治団体というのは現行の政治資金規正法三条二項の「協会その他の団体」ということになっておる、しかしながら今度はそれを全部変えてしまって「政治団体」という定義を置いたので、それはよれなくなったということは私認めておるわけでございまして、あの三条二項が消えたのにいまでもそれを使っておるとは決して申し上げていないわけでございます。ただ、このいまの「政治活動を行う団体」という表現は、客観的な解釈としまして政治活動というものはこれはもう非常に言葉としても定着しておるということを申し上げて、それは慣熟しした言葉なんであって、政治上の主義もしくは施策を支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対する目的を有する団体、そういうふうに考えられるということはもう定着しておるということで、私どもはいまのような表現で十分であろう、いま申し上げましたような、午前中も申し上げたわけでございますが、判決等においても、「政治活動とは、政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為をいうものと解すべき」である、こういったこともございますので、それははっきりしておるのだというふうに考えておるわけでございます。
#251
○多田省吾君 そうしますとあれですか、そういう政治活動の認定になりますと、政治団体でなければ政治活動は行えないという考え方をもとにしておられるんですか。
#252
○政府委員(土屋佳照君) 今回の改正になりますと政治団体というものが一つの定義ができるわけでございますが、それ以外のものでも政治活動はできるわけでございます。
#253
○多田省吾君 だけれども矛盾していますよね。政治活動を行う目的を持たない団体すらあれですよ、行為によって政治団体と判断されちゃうんですよ、そうでしょう。
#254
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどから申し上げますように、その二百一条の五の場合は、本来の目的としないで従たる活動であっても含むということで、これはいままでと変わりはないということを申し上げておるわけでございまして、政治団体という場合は行為だけといってもそれはだめなんで、その主たる活動として組織的かつ継続的に行うと、そういったかなり活動というものが明確に政治活動を行っていることがはっきりしているような団体ということに規定をしておるわけでございます。
#255
○多田省吾君 先ほど判例によってもこうだと、政治活動というものはとおっしゃって、もういまこれからまさに消えんとしている旧政規法の三条二項を持ち出してきて、それと同じことをおっしゃって、それが社会通念上そうなっているのだということをおっしゃっていますけれども、その部分はもう法律案としては消えちゃっているのですよ、はっきり言って。ですから、これから新たな判例としてそれをさらにそのまま持ち出すとは限らないと思うのです、私は。どうですか。
#256
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどから申し上げましたように、政治活動ということについて判例が、先ほども申し上げたように、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為をいうもの」というふうに言っておるわけでございます。だから、そういったものを行う団体だということになりますと、それは定義としては大体はっきりしておると私どもは考えておるわけでございます。
#257
○多田省吾君 それだけの答弁では、どうしても国民が恐れている附則十条を、いままでの政治団体から「政治活動を行う団体」に変えた、その説明によってまだまだ納得できませんよ。三条において、目的というのを消して、行為だけで政治団体を判断するという、むしろ広がったようなとらえ方。先ほど選挙部長が、消費者団体連合会も届けておられると言いましたけれども、私は届ける必要のないものを善意で届けていると判断しますよ。政治活動を目的としていないのだもの。消費者を守ることを目的にしている団体じゃありませんか。善意で届けているわけです。届けなくちゃいけないという理由がありますか、目的としていないのだから。それが届けなくちゃいけないといったら全部入っちゃうじゃないですか、あらゆるものが。おかしいですよ、それは。いまだってあれじゃないですか、千四百九十五の自治省に届けてある団体だってそういうもので届けていないものはたくさんありますよ。それでも通っているのじゃありませんか。今度は一括して行為だけで判断されて規制されるのですよ。いままでの実態から考えてもおかしいですよ、それは。どうも納得できない。まだほかにたくさん聞きたいことがありますので、もう本当に残念ですけれども、政治資金規正法の問題で若干お聞きします。
 これはきょうの午後からの質疑でも行われましたけれども、今度は個人の匿名の献金が罰則を設けられて三年以下の禁錮というような罰則まで、または二十万円以下の罰金ということになっています。これは大きな変更です。いままでは間接的に禁止はあったかもしれませんけれども、罰則なんかもありませんでしたし、それは個人個人が寄付をされる場合は、それは十分考えて行うでしょう。しかし街頭とかあるいは会場等でやる場合、これはどうしても善意の個人の献金が匿名で行われる場合も間々あると思うのです。もう一つはあっせん寄付というのがあるでしょう、あっせん寄付の場合は、金額とあっせん者だけの名前の届け出で済むわけですよ。まあそういったことを考えますと、私は、この善意の匿名の個人献金の場合に、まあ一万円以下は匿名でもいいと、善意の場合は許すとか、ある場合は、会合とかあるいは街頭等で行う場合等は善意の寄付と考えて罰則を厳しく適用しないとか、そういう考えが私は必要かと思いますけれども、どういう態度で臨まれるのですか。あっせんの場合はおっしゃらなくても結構です。あっせんの場合はまた別に、会社、法人のあっせんの政治献金のところでまあ改めてお聞きしますから。いま言ったような善意の個人献金の場合はどうなるのか。
#258
○委員長(中西一郎君) 時間がなくなってまいりましたので、答弁は簡単にしてください。
#259
○政府委員(土屋佳照君) 申し上げるまでもなく、選挙に関する匿名の寄付というのは、これは現行の規定でもあるわけでございますが、政治活動の公明、公正ということを確保するために、これは第五次の選挙制度審議会の答申にもありましたとおり、選挙に関すると否とを問わず禁止の対象とすることが必要であるということでございまして、審議会の答申等を受けてやっておるわけでございます。それをやる以上、実効を担保するということになりますと、関係者の、これは道徳的に法を遵守するというお立場でやっていただければそれが一番いいわけでございますけれども、やはり実効を担保するという以上は行政罰を設けるということはやむを得ないのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#260
○委員長(中西一郎君) 大分、時間がちょうどくらいになってまいりましたので、簡単にお願いします。
#261
○多田省吾君 何分までですか。何分ありますか。
#262
○委員長(中西一郎君) 十八分までです。
#263
○多田省吾君 私は、企業献金なんかは野放しにしておいて、個人の善意の献金に対しましてこういう厳しい罰則を設けるというのは非常にけしからぬ話だと思うんですよ。だから、善意のそういう献金の場合はどうされますかと聞いたんです。会合とか、あるいは街頭なんかで一般の政治活動と言えば三百六十五日いつも続くんですよ。そういう場合あるじゃありませんか。そういう場合も厳しい罰則を適用するんですか。どういうお考えで臨むんですか。
#264
○政府委員(土屋佳照君) 基本的には、私はただいま申し上げましたように、この審議会の答申にもございますので、やはり収支報告には一々出さないにいたしましても、やはり金を出した以上はだれが出したということで整理をしておいていただくということで、そこら辺記帳して入れてもらうという方法をとっていただきたいと思うのでございます。ただ、たまたまそこでやったけれども、つい記帳をし損なったといったような場合、善意の場合あろうかと思います。そういった場合に、一体刑罰をかけるのかと言われると……
#265
○多田省吾君 だから街頭とか、会合とか、そういうはっきり限定して言っているじゃないですか。
#266
○政府委員(土屋佳照君) まあ、街頭、会合ということでおっしゃいましたので、それを受けて、記帳するのを忘れたといったような場合があろうと思います。それを一々これ罰則で全部やるかどうかとなりますと、私はちょっとその関係ではございませんので言いにくいのでございますけれども、それが一々大きな問題として取り上げられるということはないのではなかろうかという気がいたします。私は直接その取り締まりの関係ではござませんので、それ以上はちょっと申し上げにくいのでございます。
#267
○委員長(中西一郎君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#268
○委員長(中西一郎君) 速記を起こしてください。
#269
○内藤功君 労働組合の機関紙の頒布問題について質問したいと思います。
 まず、質問に入る前に私の立場を誤解がないように明らかにしておきたい。この前も申しましたように、選挙法改正案の百四十八条の二項において「通常の方法」、有償の方法とすると、ここのところが問題なんです。労働組合の機関紙などは選挙の報道評論を書いたものは選挙期間中無償で配れなくなるという幾つかの事例を前回聞いたわけなんです。私は、こういうような点から見ても、今度の改正案は労働組合その他の団体の人たちの権利を、言論の自由を制限をするという問題のある法律だと思う。またしかし、私は同時に、こういう不当な法律の適用のあり方について労働組合の代表の人が自治大臣兼国家公安委員長に会っていろいろと問いただすということをされることは、これは当然だと思います。こういう前提に立って私は福田大臣にお聞きをしたい。
 前回の委員会の一番最後のところで福田大臣は、私はこの内容、つまり、総評の発文書に書いてある街頭における不特定多数人に対する配布以外はこれは全部現行どおりとして、有償違反にならない、処罰の対象にならないということを言ったということ、その内容をそのままお受けしているわけではございません、こういうふうに一番最後のところで福田大臣は答えておられる。そうすると大臣、この総評の通達に書いてある、街頭における無差別の不特定多数に対する配布以外は、云々というこの考え方は、あなたが労働組合の代表、総評の代表にお話しになった趣旨とは違う、こういうことなんですか。
#270
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げましたのは、そういうようなことでお会いしたことについて、法案の審議をしている最中に私がそういう内容についていろいろと、この見解といいますか、こうしますとか、そういうようなことを言った覚えがない、したがって、それを基準にして御質問がございましてもお答えはできません、ということを申し上げたわけであります。
#271
○内藤功君 言った覚えがないということなんですね。いま私が言ったような、街頭における機関紙の不特定多数に対する配布以外は現行どおりとし、有償配布違反として取り締まり対象としないと、そういうことを言った覚えはないと、こういうことですね。
#272
○国務大臣(福田一君) 言ったか言わないかを申し上げることはできないと申し上げているんです。
#273
○内藤功君 そうすると、言ったか言わないかを申し上げることができないのか、言った覚えがないのか、どっちなんです。
#274
○国務大臣(福田一君) 両方でございます。
#275
○内藤功君 言ったか言わないか、言うことができないということと、言った覚えがないということは違いますね。両方ということはあり得ないと思いますが、どうですか。
#276
○国務大臣(福田一君) 私は、いずれにしても、そういうことについては、ここで申し上げる意思がないということを明確にする意味で申し上げておるわけであります。
#277
○内藤功君 そうすると、これは答弁を拒否されるわけですか。
#278
○国務大臣(福田一君) そのようなことは申し上げる必要が――私は申し上げるべきではないと信じているということでございます。
#279
○内藤功君 ところが、前回あなたはこういうふうに言っているんですね。向こうの方からこういうふうに出されたということであれば、果たして言ったかどうかということについてお答えする義務があるかと思います、ということを私の質問に対して答えている。初めはそういうふうに言ってたんです。ところが、後の方でこの文書の中身を見てから、向こうの方でそういうふうに出されたということであれば、果たして言ったかどうかということについてお答えする義務があるかと思います、こう言っているんです。ですからあなたは、いまここでは答える必要がないと言っていますが、この前の委員会では、お答えする義務があると思っている、こういうふうに答えているんですね。こういうふうに前の答弁ときょうの答弁とそれぞれくるくるくるくる変わってくる。あなたは答弁する義務があると思うと、前回はそう言っていますよ。
#280
○国務大臣(福田一君) 私はこの前も、そういうことについては申し上げる意思がないということをしばしばあなたに申し上げた。そうしたら、あなたが新聞を持ってこられて、こういうふうに書いてあるがどうか、こういうことで御質問があったわけであります。そこで私は、その新聞についてのことでいろいろ御質問がありましたけれども、私はそういうことについて当初から申し上げる義務がないということをはっきり言っておるのですから、だから、まあしかし、これはどうだとかあれはどうだとか言われるから、あるいは言葉の端々には何かそういうような意味のことが出たかもしれませんが、はっきり言って、そういうことは申し上げる義務がない、また申し上げるべきではない。政治家というものはいろいろの人にお目にかかることはあります。そして、そのことば申し上げなければならない場合もあるかもしれませんし、それはいろいろあるでしょう。私は、今回のような法案のこのあれをしておるときに、審議をしておるような段階において、私個人がすでに個人として――自治大臣として法案を出しておる。それで、そういうような個人として会ったような問題があっても、そういうことは申し上げるべきではない、そういうふうに私はお答えていたしておるわけでございます。
#281
○内藤功君 これはおかしいですね。前回はっきりと、そういうことについてはお答えする義務があると思いますと、こう言っておるのです。きょうは大臣の答弁、ぐるっと変わっています。
 それから、私があなたに示したのは新聞じゃありません。これは総評のこの問題について福田自治大臣兼国家公安委員長と会ってそして合意確認した事項、つまり「労働組合の機関紙は街頭で不特定多数の者に配布しない限り現行どうりとし、有償配付違反として、取締り対象としない。」、この問題を一体どうなのかと、こういうことを、この資料をあなたにお見せしてそれで聞いたわけです。新聞のじゃありませんね。
 そこで、もう一つお伺いしたいのは、それでは、あなたは前回、選挙部長があなたの隣で答えられた、第一組合員が第二組合員に、つまり門の前で、第一組合員が第二組合員や職制の人、非組合員の人にビラまきをする、このビラは機関紙である、労働組合の機関紙をいままでと同じように無償で配る、これについては一体どういうふうに考えているかと、こういう質問に対して、自治省の選挙部長は、それは許されないと、こう答えた。それについては、大臣は同じ見解ですか。
#282
○国務大臣(福田一君) 私は、有償頒布を原則とするという部長の意見と同様でございます。
#283
○内藤功君 そうすると、工場の門の前で、第一組合員が第二組合員に対して、あるいは未組織の労働者や職制に対して、臨時工に対して、この機関紙の号外を選挙中、無償でまくということは、これは違法だと、こういう見解なんですか。
#284
○国務大臣(福田一君) 私は、工場の前ではいけないと思います。街頭と紛らわしくなりますからいけないと思います。
#285
○内藤功君 それじゃ、工場の中ではどうです。
#286
○国務大臣(福田一君) 工場の中では、これは組合員にまかれることは当然でございます。
#287
○内藤功君 そうすると、工場の中で、第一組合員が第二組合員、あるいは職制あるいは臨時工、非組合員にまくのはどうなんです、大事な問題ですよ、これは。
#288
○国務大臣(福田一君) 私は、従来の解釈ではそれも正しくないというか、いけないことだと思いますが、しかし、政治的な、事実上行われておったということをあなた方がおっしゃるところを見ると、必要性、同じ工場の中で同じ仕事をしておるのに、一つの組合、第一組合がそういう考え方を持っておるということは第二組合でも知りたいであろう、そういうようなことであれば、これは私はこれから法律をどうつくるかという立場においては、私は第二組合も第一組合もそうでありますが、そういう新聞とか、いろんなものを購読したりするような場合において、その組合の関係のある、特に重要な関係のある号外等も買うことができると、そういうものに経費を使うことができるということにしておかれればいいのではないかと、こういう解釈をとっておるわけです。
#289
○内藤功君 端的に答えていただきゃいいんですが、工場の中で第一組合員が第二組合員、非組合員、その中には臨時工や職制も入りますね、そういう人に対して無償で選挙期間中に機関紙をまくことはいいんですか、悪いんですか。この点だけです。
#290
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げるのは、この法律ができた場合においては、第二組合の方にしても、第一組合の方にしても、会費を払っておいでになるでしょう、もちろん。これは組合に属さない人はまた別ですよ。私の言うのは、第一組合と第二組合の場合をまず分けて申し上げるんですが、そういう場合に、組合をつくっておられる人が新聞を購読したり、あるいはそういうような雑誌を買われたりするような経費というものは、当然、会計の中に入れておかれるだろうと思うのです、経費のうちに。で、そのときに、特にそういうような、私は、ほかの第一組合のものでも賞って差し支えないということにしておおきになればいいのではないかと、今後はそういうふうにしていってはどうかと、こういうようなことを先ほども社会党のお方にそのお話がございましたから、お答えをいたしておるところであります。
#291
○内藤功君 あなたは労働組合の実態をよく御存じかどうかわからないけれども、第一組合と第二組合というのは会社の第一課、第二課とは違うのですね。第一組合と第二組合は非常に鋭い対立をしている場合が多いのです。そうして第二組合の人は第一組合に会費なんか払いませんよ。これは払っていません。それはごく例外的にはあるかもしれないけれども、払っていないのが普通なんだ。これはとんでもない話です。ですから第一組合から第二組合にビラをまくということ、機関紙を配るということは、これは無償がもう当然の前提なんですよ。ですから私は質問のときに無償でと、そこに力を入れて言ったのです。私は今後どうなるかを労働組合の人にはっきりお知らせしなきゃならぬから聞いているのです。第一組合が工場の門の中で第二組合や非組合員に無償で機関紙号外を選挙中にまくということは、これはこの法案が通ると許されるかどうかという、この問題です。
#292
○国務大臣(福田一君) そういうような問題について、私はだから組合費のうちでそういうものを購入することができるということを入れておおきになれば取り締まりの対象にしないようにしたいと、こういうことを言っているわけです。
#293
○内藤功君 しかし、第一組合と第二組合は組合は別なんですからね。第二組合の人が第一組合に組合費払うわけないんですよ。この前提がまず狂っているのですね。これ、わかりますか、あなた、この理屈が。
#294
○国務大臣(福田一君) 私はそういう払われるとか払われないとかいうことよりは、払う場合もあるかもしれませんね。それは非常に対立しておれば、対立しておって、どうもどういうことをしておるかということを知りたければ、場合によっては払う場合もあり得るでしょう。しかし、私はそういうようなことについて、特にそれを余り何というか、厳しくして、そういうことを違法にするということは、社会通念から見てもこれはおかしいと思います。おかしいというか、不適当であると考えますから、それであるから、組合がとにかくそういう自分に関係のある組合のビラとかそういうようなものを……、選挙に関する機関紙、選挙に関係のある機関紙を買うことができるというように書いておかれるようにこれから指導しようと思っております、この法律が通れば。そうすればそういう不便はなくなるであろう。私は、第一組合も第二組合……。ただしですよ、ただし(「それはちょっとおかしいね、やっぱり」と呼ぶ者あり)いやおかしいというて、おかしいおかしくないは、判断の問題でございますから……
#295
○委員長(中西一郎君) 委員外の発言は慎んでください。
#296
○国務大臣(福田一君) それはひとつどういうふうにでも、御審議に当たって私の言っておることがいけないということでございますれば反対をしていただくことはこれは当然でございまして、私が申し上げておるのは、社会的な通念に従ってそういうようなものは、これはまあ第二組合の人は第一組合がどういうことをしておるかというようなことも知りたいであろうと、だから、そういう場合には、まあ無償でもらえるのだということにしておくというと法律違反になりますから、だからそれは買えるんだということにしておいて、できたら少しでも出しておかれればいいと思いますが、そういうような態度で、そういうような取り締まりの方法を選管を通じてすべての組合に徹底させる、こういうことにいたしたいということを申し上げておるのです。
#297
○内藤功君 無償であってはいかぬという原則は認めたようです。ところが、あなたは自分で言っていることがおかしいというのがわからない。それでまじめに言っているからみんな腹を抱えて笑うのです、これは。いいですか。たとえば造船の会社で、第一組合は総評系の労働組合なんです。ところが、第二組合というのは、いろんな御事情があって、私はそれ以上言わないが、激しい内部抗争もあって、それで分裂した後にできたのが第二組合、ある工場では第一組合と第二組合は口をきかないところもあるのですね。そういうところもあるのです。財産の取り合いをやっているところもあるんです、よくないことですけれども。したがって、第二組合の組合員が乏しい財布の中から第二組合の自分の組合にお金を払っておっておまけに第一組合にもお金を払えなんということはできますか。いわんやどうして自治大臣や国家公安委員長の名前でそんなことを労働組合に指導できますか。笑いものになりますよ。あなたそれ自分でおかしいと思わないかね。第二組合というものは第一組合には会費を払わない。ですから第一組合が第二組合に払うものは無償なんです。この前提が狂うとあなたとんでもない結論を法律解釈のときやることになりますよ。
#298
○国務大臣(福田一君) 私の申し上げておることは、そういう場合においても第二組合がどんなにけんかをしておっても、できるならば第一組合に金が払うことができるような規約をつくっておきなさい、そうすればけんかを、そういうことがあってもそれは違法として取り扱わないように努力というか、違法として取り扱わないことにいたします、こう言っておるんです。
#299
○内藤功君 第二組合が第一組合に会費をどうして払わなければならないのです。その義務、その道理はどこにありますか。
#300
○国務大臣(福田一君) 私の申し上げておることは義務の問題を言っておるのではありません。その組合の規約の中にそういう文言を入れておけば、そうすればこれはその意思……(「払わぬでもいいと」と呼ぶ者あり)払わぬでいいとは申しません。払う払わぬは別問題です。とにかくそういうことが書いてあれば、まあそれは多分読みたいことであろうと、こういうふうに理解をして法の適用で余りあなた方が御心配になるようなことがないようにいたしましょうと、こういうことを言っておるわけです。できるだけ皆さんの御趣旨を尊重して法律を実行しようと、こういうことを言っておるのに私が怒られるのはおかしい。
#301
○内藤功君 第一組合のまくビラは第二組合の人には時々頭の痛いことがあるんですよ。だけれども、ただでくれるからもらってね、おお、いいこと書いてあると喜んでいるんだね。それを第二組合が何で喜んで第一組合にビラをまきますか。少し労働組合のことを知っている人だったらもう大笑いだ、これは。
 そこであなたに聞く。それじゃ規約に会費の支払い義務を書くと言うのですけれども、それはあれですか、第二組合の組合規約に書くのですか、第一組合の規約に書くのですか、どっちに書くのですか。
#302
○国務大臣(福田一君) どちらの組合も書かなければいけません。(笑声)
#303
○内藤功君 これはもう収拾がつかないですね、これは。(笑声)組合費というものは組合員が自分の組合に払うものなんだ。これはたとえて言いますと、三井銀行と三菱銀行があって、三井銀行の労働組合の人が三井銀行の組合だけじゃなくて三菱銀行の組合にも払えと書くのと同じことなんです、組合としては独立なんですから。それをあなたは行政指導しようと言うのですか、本気で言うのですか。
#304
○国務大臣(福田一君) そういうふうにあなたは、銀行なら銀行でまた別に銀行では別の一つの組合、上から下への組合もあるかもしれません、総合した。そういうものがあるかもしれない。いろいろあるのですよ、その組合にも、あなた御存じのように。そこでその組合がそういうような選挙に関するそういうものを出そう、出したような場合には恐らく金を出す出さないにかかわらず読みたいと思うでしょうよ、やはり相手は何をしているかということで。そういうことをいままでは黙ってやっておったけれども本当はこれは違法なんです。このいままでの法律でも、このいままでの法律でも無償で配ってはいけないということになっておる。そこで今度の場合においては無償で配ってはいけないということだが、そういうふうにあなた方がそういうことでは非常に困ると言われるから、それならば買うことができるというように組合の規約でお書きになっておれば、これはそういう善意であるという意味において、この何と言いますか、法を適用しないようにしましょうと、こういうことを言っておる。これだけはっきりしておるんですよ、それは。
#305
○委員長(中西一郎君) ちょっと待ってください、選挙部長、補足は要りませんか。補足をしなくていい……。
#306
○内藤功君 何かあるのですか。
 これはもうお話しになりません。労働組合に属している、A組合に属している人が、A組合と対立関係にもある第二組合のB組合に、組合費を払う義務を規約に書けというようなことを、労働大臣でもない、自治大臣兼国家公安委員長が全国の労働組合に指導する。これはもう抱腹絶倒です。何が抱腹絶倒かという理由はいまわからぬでしょう。よくこれは考えてもらいたいと思うのです。
 そこで、私はこの問答をやっていますと、これは本筋へ入りませんから、私は最後にお聞きしたい。そうすると、そういうような組合費の支払い義務を規約などで明記をしなかった、組合費を払うということを明記しなかった、有償だということを明記しなかった、そういう場合には、これは無償で配ることは一切できないのですね。
#307
○国務大臣(福田一君) そう私は解釈をいたします。――ちょっと、さっきの御質問のうちでちょっと違っておる。あなたは第二組合が会費を集めたときに、第一組合のそういうものを買うことを書いておかなければいけないのかとおっしゃったけれども、私はそういう意味で申し上げておるのじゃないのですよ。そういうような組合の何といいますか、選挙のときのいろいろな、第一組合がこういうことを、機関紙というような、労働組合の機関紙をお出しになった、そういう場合に自分に関係のある組合の機関紙を買うことを、会費を集めるときにこの会費のうちから、選挙でもあって、そういうように自分らが直接関係のある、あるいはぜひ知りたいと思うようなところの機関紙を買う意思を、買うことをちゃんと、新聞を買うとか何を買うとかということも一つあるでしょうが、そういうことを明記しておくようにしなさい、そうすればそれは悪意のないものであるし、たとえそれは金を払わなくても法を適用しないようにしましょう。それは従来、実際は無償でやってたわけなんですよね。だけれどそれはしかし法違反をやっているのですよ、法違反を。その法違反をやっていたのをいまここで私はとやかく言おうとは思わない。そこでこれからの問題としてはそういうふうにやはり一つの何といいますか、けじめをつけていただきたい。そうすれば私はいままでのようなことを、実際は金を払わないかもしれないけれども、まあそういうことは一応やむを得ないものとして、法を適用するということはしないようにいたしたい。じゃ、それはどうしてできるのだということになれば、この法律が通った暁には、そういうことは組合によく通達をするというか、知らせるように選挙管理委員会等々を通じ、あるいはまた自治省のPR等を通じて、よく皆にわからせるようにいたしましょう、こう言っているわけです。――これは非常に温情のある、本当を言えばいまごろ……
#308
○内藤功君 これはあなたはいろいろ言われましたが、誤解をされていると思うのは、大きな組合、たとえば総評の中の国鉄労組と日通、国鉄労組と私鉄総連という間でもって同じ部数ずつ交換することがよくあるのですね。その問題と、工場の中で労働組合の組合員が、オルグがほかの組合の人にも機関紙をまく、この問題を初めから混同しているのですね。混同しているからさっきのようなこっけいな問題が起きるのです。種を明かすとそういう問題だと私は思うのですよ。
 そこで、私は先に進みたいと思うのです。あなたは結局のところいろいろ否定しておられるけれども、総評の幹部との会談のときには、やはりこの労働組合の機関紙は、街頭で不特定多数の者に配布しない限りは、これは取り締まり対象にしませんよ、取り締まり対象にしないということをやはり言ったのじゃないのですか。あなたは言わないようなことをずっと言っているけれども、結局そういうことを確認をしたのじゃないですか。総評の文書は、これは総評の役員が幹事会にかけてそうしてつくる文書で、私はこれなりに権威のあるものだと思う、そこに書いてあるんですからね。どうなんですか。あなたはここの答弁では、そういうことは考えてもいないし、違法だし、言わないように言っているけれども、このこれだけ堂々たる総評の各単産に対する通達が出ている。この現状で私は考える。あなたは、やはりこの総評通達に書いてあるような、街頭で不特定多数の者に配布しない限りこの取り締まり対象にしないというようなことを、これと同じ言葉でなくても、こういう趣旨のことを総評の幹部に言ったんじゃないですか。もう一遍私は聞きたい。
#309
○国務大臣(福田一君) 会見の内容については、何度御質問があっても、申し上げることはできません。
#310
○内藤功君 これは、非常に私はけしからぬことだと思うんですね。答弁拒否ですね、これは一種の。しかも、この前の委員会の最後には、先方からそういうことが出てきた以上は自分の方でも答える義務があると思いますということを前回認めている。ところがきょうになりますと、かたく口をつぐんで答弁をなさろうとしない。これは非常に不当なことだと、不当な答弁拒否だと、私は非常にけしからぬ態度だと思います。もしそうでなくて、自分はこういう内容を言っていないと。こういう内容を言っていないということであれば、これは結果的には四百万人の総評傘下の労働者とその関係者の人たちを、自分の言葉によって、こういうふうにするからと言ってだました結果にもなるじゃありませんか。私は、この点ははっきりとやはり答弁される必要があると思う。
#311
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 どういうことでございましょうとも、私は内容については申し上げる意思はございません。
#312
○内藤功君 この問題は、百四十八条二項の範囲に関する、つまり「通常の方法」という範囲に関する問題、「通常の方法」の範囲というのは、労働組合はどういうふうにビラをまいたら今度の改正案で処罰されることになるか、どういう場合に処罰されないか、まさに人間の活動の自由に関する非常に大事な限界なんで、私ども国会議員としてこの問題をきっぱり解決をしない限りは一歩もこれは引くことができない、そういう問題なんです。だけれども、それについて答えることができない。一つの話の中身だから答えることができない。一般論はそうかもしれない。しかし、その話の内容が権利の範囲ですね、表現の自由の範囲、団結権の範囲、機関紙配布の範囲というものに関している問題だから、私はしつこくこれをあなたに聞いているんですね。あくまであなたが答弁を拒否されるということであれば、これは重大な問題。これは国会の審議権というものを非常に軽視したものだと私は思います。まあ、あなたの答えは、恐らく何回聞いてもその繰り返しだろうと。何かほかにおっしゃりたいことがあれば、私は切り捨て御免はしませんから、どうぞお答えください。
#313
○国務大臣(福田一君) 大変おしかりを受け、御不満のことかと存じますが、私としてはお答えをするわけにはまいりません。
#314
○内藤功君 私は、こういうような審議はまあ前代未聞だと思うんですね。こういうような問題について、自分が総評のこういう文書を見て、こういうふうに言ったのか言わないのか、あるいはどういうふうに自分は言ったのかということが、この法案審議の重要な参考である問題であるにかかわらず、答弁を拒否される、非常に遺憾なことだと思います。
 そこで私は次の問題、きょうの本論に入りたいと思う。それは「政治活動を行う団体」の問題であります。まず選挙部長に伺いたい。「政治活動を行う団体」の定義規定は法文上ないが、ずばり「政治活動を行う団体」とは何か、これをまず答えてください。
#315
○政府委員(土屋佳照君) 「政治活動を行う団体」というのは、「政治活動」ということが判例等でも示されておりますように、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為をいうもの」と解するわけでございまして、したがって、「政治活動を行う団体」と言えば、そういう行為を行う団体であるというふうに解するわけでございます。
#316
○内藤功君 委員長、済みませんがね、いま聞こえなかったんですよ。
#317
○委員長(中西一郎君) もう一度、少し声を大きくして御答弁願います。
#318
○内藤功君 疲れているかもしれないけれども、土屋さんね、もう少しでかい、ぼくぐらいの声出して答えてくださいよ。
#319
○政府委員(土屋佳照君) 「政治活動」というのは、考え方としては私はこれは慣熟しておると思います。それは判例等にもございますように、「政治活動とは、政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為をいうもの」と解すべきであるというふうに考えておりますので、その「政治活動を行う団体」ということははっきりするというふうに考えております。
#320
○内藤功君 その定義を、法文上に定義規定を設けなかった理由は何ですか。
#321
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、公職選挙法には、はっきりしないものには定義をしておる場合もございますが、「選挙運動」とか、あるいは「政治活動」とかいったような一般的に判例その他で慣熟しておる言葉は、それは通常、従来から「政治活動」ということで規定しておるわけでございまして、今回の改正以前からも「政治活動」という言葉は使っておるわけでございます。
#322
○内藤功君 そういう概念論争を幾らやっても、さっぱり国民にはわからない。そこで、具体的に聞いていきたいと思うんです。まず「政治活動を行う団体」は、選挙期間中どんな行為が禁止されるか、条文を列挙して答えてください。
#323
○政府委員(土屋佳照君) 二百一条の五にございますが、それ以外にも二百一条の六以下それぞれの選挙について関連があるわけでございますが、「その政治活動のうち、政談演説会及び街頭政談演説の開催、ポスターの掲示、立札及び看板の類の掲示及びビラの頒布並びに宣伝告知のための自動車の使用について」選挙期間中はできないということにされております。
#324
○内藤功君 それに対する罰則、刑の上限と、どういう行為者が処罰されるか。
#325
○政府委員(土屋佳照君) 公職選挙法二百五十二条の三にございまして、この規定に反しました場合は「その政党その他の政治団体の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。」という規定がございます。
#326
○内藤功君 いまの答弁、漏れていませんか。
#327
○政府委員(土屋佳照君) 漏れております。それからいまの同じ条文でございますが、第二項の規定がございまして、「次の各号の一に該当する行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。」ということで、一つは二百一条の十一第三項または第八項の規定に違反して表示をしなかったときとか、それから同じく二百一条の十一第四項、第五項もしくは第九項の規定もしくは同条十一第六項において準用する第百四十五条一項あるいは二項の規定に違反してポスター、立て札あるいは看板の類を掲示し、あるいは二百一条の十一の第五項の規定に違反してビラを頒布した場合、それから二百一条の十一第十一項の規定による撤去の処分に従わなかったときという場合に、いまのような罰金に処する規定がございます。
#328
○内藤功君 まず具体的に、そのようにポスターだとか立て看板、宣伝カーの使用、あるいは街頭政談演説、政談演説会、こういう具体的な活動が処罰されることになっている、しかも行為者がすべて三十万以下の罰金だと、大変な規則であります。
 そこで、まず具体的な例を挙げて言うと労働組合、労働組合がこの「政治活動を行う団体」に当たる場合がありますか。それはどういう場合ですか。
#329
○政府委員(土屋佳照君) 「政治活動」を行うことを本来の目的としていない労働団体でございましても、「政治活動」がその団体の活動として従たる活動として行われる場合は、先ほど申し上げましたこの「政治活動」という定義に照らして、そういった活動行為をされる場合は入るということになる場合がございます。
#330
○内藤功君 労働組合が従たる目的としてそのような「政治活動」をする場合というのは、その労働組合の綱領、規約、運動方針、そういった文書で判断するのか。あるいはその労働組合のいままでやった活動、ストライキとかビラまきとか集会とか、そういう活動の実際の状況から判断するのか。あるいは両方か。
#331
○政府委員(土屋佳照君) 先ほど申したような従たる活動をしておるというところは、現在でも先ほど申し上げましたように、いろいろな労働組合なり、あるいはその他の団体等でも「政治団体」として届けておるわけでございまして、それは現実にいま申しましたような政治的な行為をするという実態に即して判断をしておる。特に規約等に明示してあれば、それはなおはっきりするわけでございますが、それでない場合でも、先ほど申しました政治目的を持ってやると、そういう団体でこういうことをやろうと決定をしておやりになるわけでございますから、当然目的を持っておやりになるわけでございます。そういう場合は入ってくるということになろうかと思います。
#332
○内藤功君 答弁になっていませんな。私の質問は、その認定は「政治活動を行う団体」に労働組合がなるかならぬか、これは処罰されるかどうかの分かれ目なんですからね。それはその組合の綱領、規約、運動方針、そういった文書で判断するのか、それともその組合のいままでやってきた活動実績で判断するのか、あるいはその両方かと、こういうきわめてわかりやすい質問なんですよ。どうなんです。
#333
○政府委員(土屋佳照君) 両方で判断をされるということになろうかと思います。
#334
○内藤功君 そうすると、この組合の発表している公式の文書、規約などと、それから組合の実際の行動、これを両方を含めて判断するのですね。あとどんな要素を判断の基準にしますか、私のいま言った以外に。
#335
○政府委員(土屋佳照君) 規約等で目的がはっきり書いてございますれば、それははっきりするわけでございましょうし、そうでなくても、現実的に活動されるその実態によって総合的に判断をするということになろうかと思います。
#336
○内藤功君 そうしますと、ある労働組合がここにあります、金属でも、鉄鋼でもいいですがね。その組合は、規約にも綱領にも、運動方針にも「政治活動」のことは何も書いてない、しかしたまたま安保条約反対の闘争に組合の決議で参加をした、それからあるいは小選挙区制反対の闘争に組合として決議をして参加をした、それから最低賃金法改正の闘争に参加をした、こういう場合は、この規約や運動方針には政治目的が書いてなくても認定されますね。
#337
○政府委員(土屋佳照君) 当該組合でそういう政治的な行為を行うということを、いまのお話によりますと、はっきり決めて、そういうことの政治行為をおやりになるということでございますから、その場合は、いま申し上げましたようなビラの頒布とか、ここに書いてございますようなことはできないということになろうかと思います。
#338
○内藤功君 つまり、「政治活動を行う団体」になるということですね。そうすると、この組合が、たとえば昭和二十一年にできた二十九年の歴史を持つ組合で、その間一回だけこの安保反対の活動に組合大会の決議で参加をしたという場合であっても、それはなるということですね。
#339
○政府委員(土屋佳照君) 組合の決議をもってそういう「政治活動」を選挙期間中にやられる場合は、この二百一条の五で先ほど例示いたしましたような行為は、やはりできないということになろうかと思います。
#340
○内藤功君 ちょっといま混同していると思うんです。選挙期間中でなくてもいいわけでしょう。選挙期間中でなくても、組合の二十九年あるいは三十一年の歴史のうち、もう三十年の組合ずいぶん多いですからね、その組合が、たとえば一回安保反対、あるいは小選挙区制反対、最低賃金法改正というようなものを一回でもやっても、それが組合の決議であれば、それは「政治活動を行う団体」と認定されると、こういうことですね。
#341
○政府委員(土屋佳照君) いまおっしゃいましたように、選挙期間中以外で、ほとんど「政治活動」はやっていないという団体が一回参加を、別の選挙期間中でないときに参加をされた、それをもってその団体は、ある選挙がその後やってきたときに、直ちに「政治活動を行う団体」であるかということになりますと、それはやっぱりそのときの状態で考えるべきであって、過去の実績が一回あったということだけでは判定できないと思います。
#342
○内藤功君 おかしいじゃないですか。さっきは、選挙期間中に組合大会の決議でそうして安保反対などに参加すればそれは「行う団体」になる、いまは、選挙中でない一回だけの参加ではこれは「行う団体」にならない、いろいろな事情で判断する、こういうことなんですか。そのいろいろな事情というのはどういう事情なんです。
#343
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、ここの規定は、選挙期間中に関してこういうことをやってはいけないと、こういう規定でございますね。だから、その前に一度それをやられたからといって、今回のある選挙の際におやりになるときの、その選挙をおやりになるときにある目的をもって「政治活動」をおやりになれば、それはその時点で判断できるのであって、一回やられたからといって、永久にそれは「政治団体」だというような言い方はできないのではなかろうかと、こういう趣旨で申し上げたわけであります。
#344
○内藤功君 いま私の聞いているのは政治団体性、「政治活動」を行う団体性、その団体としての性格を、この団体は「政治活動を行う団体」、これは違うということで、認定の基準があるわけでしょう。その認定の基準は、組合の規約などの文書、それから実績、両方判断をする、こう言った。そうして、この実績の場合は、一回でも組合の決議でやった場合にはそれは「政治活動を行う団体」になるのか、団体性の認定の問題ですよ。そういうことでお答え願いたい。どうなんです。
#345
○政府委員(土屋佳照君) 何度も申し上げますように、これは団体性を言っておられるわけであることは私もわかるわけでございますが、現実に選挙の際に、選挙期間中にこういうことは行ってはいけないと禁止があるわけでございます。それをやられる際に、それが政治目的を持った行為を行っておられるかどうか、そこで判定するわけでございまして、全般的に団体性ということになりますと、やはり過去の実績等を見て考えなければならないことは、先ほどもたびたび申し上げましたように、現実に「政治団体」として現行法で届け出てある組合がいっぱいあるわけでございます。それはまさに従たる活動としてやっておられるからそういう届け出をしておられるわけでございまして、そういうものはある程度はっきりしておると。しかし、そうでないものは、実態に、実績によって判断せざるを得ない。ただ、何十年の間に何か一回どっかに参加されたというだけで、直ちにそれが「政治活動を行う団体」であるかどうかということには、なかなか言いにくいだろう。ただ、やはりそれをやるのは選挙の期間でおやりになるときに、そこで判定をされることになるだろうというふうに考えるわけでございます。
#346
○内藤功君 そうすると、だんだんはっきりしてきましたが、過去の実績というのは、それじゃ一回だけでは、何十年に一回というだけではこれに当たらない。それでは大体どのくらいの基準でやるのか、そこの基準はありますか。
#347
○政府委員(土屋佳照君) それは、何回やったかということではなくって、やはりその団体の目的なり、規約等で目的が書いてあるのかないのか、いろんなことで総合的に判断をせざるを得ないと思います。
#348
○内藤功君 そうすると、労働組合の規約、綱領の中によくあるんですがね、この組合は組合員の労働条件の維持、向上を目的とし、あわせて民主的な社会、民主的な国家の建設を目的とする、民主的な社会、国家の建設を目的とする、こう書いてあった場合はどうですか。
#349
○政府委員(土屋佳照君) 民主的な政治を目指してやるということになれば、それはもう政治的な目的を有しておると言わざるを得ないと思います。
#350
○内藤功君 ああ、そうですか。こういう組合規約は非常に多いわけなんですね、民主政治を実現する。それでは、この労働者の労働条件の維持、向上を目的とし、憲法の改悪に反対して現行憲法を擁護する、こういう目的、規約を持っている、そういう労働組合はどうです。
#351
○政府委員(土屋佳照君) やはり書いてあることは「政治活動」の範疇に入るわけでございまして、それを行うことを目的とするということになりますと、やはり「政治活動を行う団体」だということに――いや、行うといいますか、いわゆる政治的目的を持っておる団体であるというふうに認定されるかと思います。
#352
○内藤功君 非常に重大な問題ですね。そうすると今度は、ある労働組合が国会の立法に対し改正または反対の目的をもって行動した場合、たとえばストライキ権の回復あるいは最低賃金法の改正、こういうことを要求して運動している、そういう実績があった場合、その労働組合はいかがです。
#353
○政府委員(土屋佳照君) その前に繰り返して申し上げますが、二百一条の五というのは、選挙期間中にこういうことをしてはいけないという団体を言うておるわけでございまして、したがって、そこにおける問題になるわけでございます。いまおっしゃいましたようなものは、一つの政治目的を掲げておるんだと言わざるを得ない……
#354
○内藤功君 一つの何ですか。
#355
○政府委員(土屋佳照君) 政治目的を掲げておるというふうに認定されるのではないかと思います。
#356
○内藤功君 相当重大ですね。
 いま労働組合にしぼって聞きましたが、次に、この純然たる業者団体あるいは純然たる公益団体の例を一つ挙げてみましょう。たとえば刑法改正反対を、本来法律家の団体である、学者でも弁護士でもいいです、その団体が刑法改正反対の運動を運動方針に掲げて行動している、こういうのはどうなります。
#357
○政府委員(土屋佳照君) 一つの何と申しますか、政治上の主義、施策のこれはやはり推進をしようということで掲げておることでございますから、それは一つの政治的目的を持っておるものと言わざるを得ないと思うのでございます。ただ問題は、やっぱり選挙のときにこういうことをおやりになるかならぬかの問題であるということを、繰り返し申し上げておるわけでございます。
#358
○内藤功君 たとえば、いま日本弁護士連合会とか東京弁護士会というような会がもう刑法改正反対ですね、そうして大きなたれ幕を掲げてやっていますよ。こういうのも、あなたは選挙中にやっておれば「政治活動を行う団体」と認定される、これは非常に重大な私は発言だと思うんですね。
 それからもう一つ、この全国の理容師、美容師の団体、こういう団体が、たとえば先刻問題になった管理理・美容師法反対というような目的を掲げて――本来は業者団体なんだけれども、運動している、こういう場合どうです。
#359
○政府委員(土屋佳照君) 選挙期間中にそういう目的を掲げたものがそういうことを行われるのは、これは当然「政治団体」として認定されると思います。
#360
○内藤功君 非常に恐ろしい法律だということがだんだん明らかになってきた。たとえば建築公害から日照権を守っていくという住民団体が、目黒、世田谷区といっぱいありますよ。こういうような団体が、政府や地方自治体に対して条例改正などの運動をする場合はどうですか。
#361
○政府委員(土屋佳照君) まさに、条例を改正してこういう施策をしようといったようなことで働きかけられるのは、これはもう「政治活動」ということになるだろうと思います。したがいまして、選挙期間中におやりになると、問題が出てくるというふうに考えます。
#362
○内藤功君 これは大変な法律だということが、こういう具体的な問答を通して明らかになってきた。
 それでは、憲法改悪阻止の団体があって、憲法の改悪に反対しましょうという運動をやる。これは憲法問題なんですけれども、これもいけないんですか。
#363
○政府委員(土屋佳照君) この点は、先ほどから申し上げておりますように、選挙期間中のものを禁止しており、従来どおりだと私どもは言っておるわけでございますから、いまのようなことで政治目的を持って活動される、ここで言われておる活動をされることになれば、それは当然規制の対象になるということでございます。
#364
○内藤功君 たとえばですね、婦人の団体が、公立の高等学校をたくさんつくってくださいと、そのために土地を政府はしっかり確保してほしい、また土地を買う資金も確保してほしいと、こういう要求を国に対してする、場合によっては都に対してする、こういうような婦人団体の運動、それからその婦人団体はどうなります。
#365
○政府委員(土屋佳照君) そういった婦人が相集って、そういったことを推進してくれという陳情をされるといったようなことは、これは特に「政治活動」を行っていると言うわけにはいかぬだろうと思いますが、それが、選挙時において、そういうことをわれわれはやっておるということで大いにビラをまいたり、そのための施策を推進しろということで活躍をされますと、それは二百一条の五の問題が出てくるわけで、その点は従来から全然変わってないと私どもは考えるわけでございます。新しく解釈を変えたわけではございませんし、たとえば団地生活向上政治連盟なんというのもございまして、団地の生活の向上ということでも、ちゃんとそういった規約をつくって「政治活動」をしておられるというものもあるわけでございますから、やはりそれらの現実に動いておられる実態というもので判定をせざるを得ないというふうに考えます。
#366
○内藤功君 そうすると、選挙中であれば、いま言ったような、高校をたくさんつくってくださいという運動にしても、これが特定の政党とか特定の候補者をこれを支持してくれということは何にも言わないんですよ。いいですか、何にも言わないけれども、それでもやはり「政治活動を行う団体」ということになるわけですね。
#367
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたように、ある県なら県へ、市へと陳情でもされるというものであれば、それは特別政治的な目的を持って動いておられるわけじゃないと思うのでございます。そうじゃなくて、例として申し上げましたように、選挙期間中に、そういうことをやるということでビラをまいたりされますと、それは「政治活動」を行うということがはっきりしてくる場合があるだろうというふうに考えます。
#368
○内藤功君 もう幾つかの例で、この「政治活動を行う団体」というのが他の同僚議員諸氏からも質問されて、非常に高邁な論争が行われたけれども、具体的ないま私が心配している例を挙げていったところ、非常にこれは危険な要素を持った条文だということがはっきりしました。これはどうしても私は削除しなければならぬ条文だと思う、附則十条というのは。この間市川房枝さんたちの婦人有権者同盟、キリスト教矯風会などの団体が、この衆議院の第二議員会館の第二会議室で大集会を開いた。そのとき、私も行った。社会党、公明党の方も行った。そのときに、社会党のたしかあれは佐藤さんだったか山田さんだったか、衆議院の、いろいろ質問に会われて、社会党のその代表の方も、これは削除するために一生懸命がんばるということを言ったわけです。私は、これは当然削除すべき条文だ。大変な条文ですよ。反対するのはあたりまえだ。
 そこで、さらに私は聞いていきたい。いろいろ労働組合の例を挙げて基準を聞いたけれども、そういうことをいまの警察はどう考えているかです。警察庁にお聞きしたい。いま自治省の答えを聞いておられて、警察庁のこの「政治活動を行う団体」の基準についての考えをお聞かせ願いたい。自治省と同じか、違うところがあるか。
#369
○政府委員(田村宣明君) 「政治団体」の解釈でございますが……。
#370
○内藤功君 「政治団体」じゃないですよ、「政治活動を行う団体」だ。
#371
○政府委員(田村宣明君) 「政治活動を行う団体」、これにつきましては、従来の団体というものと同様に理解をするという解釈につきましては、自治省の見解と私どもは同じように考えております。それで、その場合に、目的を有する団体ということになるわけでございますが、いまいろいろ例を挙げられましたけれども、目的を有する団体であることが明らかであればいいわけですけれども、しかし現実の問題といたしましては、それがそういう目的を有する団体であるかどうかということの判断は、なかなか一概に決めるということは非常に実務上むずかしい問題がございまして、それは先ほど来出ておりますように、規約なり綱領なり、あるいは「政治活動」その他活動の実績なり、組織なり、そういうものから、比較的何と申しますか、わかりやすい場合と、やはり相当資料を集め、あるいはまた時期的にも相当期間にわたって見なければ判断しがたいというようなものもあると思いますので、いま挙げられましたようないろいろな団体がございますけれども、こういうものがこういう目的を有したらどうかというようなことで、直ちに右から左にそういうふうなものに該当するというような判断は、直ちに明快に現実の団体について判断するということは、なかなかできる場合は少ないじゃないかというふうに思われますので、われわれとしては、やはり慎重にいろいろな要素というものを総合いたしまして、果たしてそういうものに該当するのかどうかということを判断していかなければならない、こういうふうに考えております。
#372
○内藤功君 そうすると、いま警察庁が言われたところによると、綱領、規約、実績、組織というものを総合的に判断する、それから時間的には相当の期間にわたって判断する、そして慎重にやるということですな。
#373
○政府委員(田村宣明君) それは一番最初に申し上げましたけれども、それぞれのケースケースによって異なると思うのでございまして、非常にはっきりしておるものも中にはあろうと思いますし、それからまたケースによりましては、いま申し上げましたように、いまも四つほど例を挙げられましたけれども、そのほかにも、できるだけの資料を集めてなおかつ直ちには判断しがたいという場合もございましょうし、それはやはりそれぞれの場合場合に応じて考えていかなければならない、こういうふうに思います。
#374
○内藤功君 そうすると、日ごろから警察としては、「政治活動を行う団体」ではなかろうかと思う団体についての資料を集めるということなんですね。
#375
○政府委員(田村宣明君) 警察の仕事をやっていきます上に必要な程度の管内のいろいろな状況というものは、把握をする必要があると思います。そういうふうなものがなければ、警察の仕事を十分果たすということはむずかしいと思います。しかし、このいろいろな団体につきまして、それが別に何といいますか、活発な「政治活動」を日ごろやっておるというような疑いというようなものも別にないと、あるいは従来からも選挙運動の期間中に「政治活動」というものをやっておるような形跡もほとんどないというような場合に、そういうものについて、日ごろから「政治活動」をやるかどうかというようなことについての調査というようなことは、これはやるというようなことはないというふうに考えます。
#376
○内藤功君 まず、あなたの言われたその団体の綱領、規約、運動方針あるいは活動報告と、あるいは機関紙、ビラというような資料は、どのような方法でふだんから集めますか。
#377
○政府委員(田村宣明君) いま申し上げましたのは、そういうふうなものについて、ふだんからいろんな団体について、そういうものを全部集めるというようなことを私は申し上げておるわけではございませんので、やはり具体的な問題としては「政治活動」、公職選挙法に規定する「政治活動」の章に定めますそれぞれの条文に該当して違反の疑いがあるというような場合に、やはり捜査としてそういうことを考えるということでございまして、平常は、やはり管内全般の一般的な警察の仕事をやる上に必要な資料なり情報というものは集めますけれども、いま申し上げましたようないろんなことをその特定の団体について集中的に日ごろから収集するというようなことはやらないと、こういうことでございます。
#378
○内藤功君 しかし実際には、警察官に対する指導として、平素からそういうものを集めていざというときに捜査ができるように、立証のために必要なものを用意をしておけということをやっておかないといけないんじゃないですか。そういうことを実際やっているんじゃないですか。
#379
○政府委員(田村宣明君) 私は、この公職選挙法の違反ということに関しまして、そういうふうな指示とか指導とかいうことは私どもの方としてはいたしておりません。
#380
○内藤功君 しかし、あなたの言葉にもかかわらず、実際にはそういう資料を短期間には集められないから、平素から当該団体に関係があると思われる資料を少しずつでも蓄積していくという指導を警察官にしておりませんか。
#381
○政府委員(田村宣明君) いまの、当該団体と言われましたが、その当該団体が最近の終わった選挙等から見て、次の選挙において「政治活動」の違反をやる疑いが濃厚である、疑いがあるというような場合については、そういう配意は私は必要だと思いますが、しかし、一般的にいろんな団体について、そういうふうな資料を集中的に特に集めるというようなことはやっておりません。
#382
○内藤功君 ここに私が持ってきたのは、あなたの刑事局の方の書いた「各種選挙違反の適正な取締りについて」という論文なんですよ。あなたの部下が書いた論文だろうと思います。私はこういう論文は手に入れることができるけれども、毎回言っているように、警察の選挙関係問答集というものを、これをどうしても出してもらいたいと私は言っておったんです、選挙関係問答集。委員長もお骨折り願ったらしいが、力がまだまだ弱いらしい。これは、別途私は問題にする。時間が足りないから、委員長いじめてもしようがないから、ここではやりませんよ。委員長は要求したとばっかり思っておったら、要求してないと言う。これはまあいい。私はそういうことがあるから、こういう問答集というのははっきりさせるということを言ってたんです。この論文は何と書いてあるか。「警察時報」の去年の四月号です。あなたの部下だから、あなたの指導のよろしきを得て書いたんだろうと思うんですね。こういうふうに言ってますよ。これは公選法百九十九条の五のいわゆる「後援団体」、それから現行法の「政治団体」というものについて触れている。よく気持ちを落ちつけて聞きなさい。「団体の綱領、規約」、つまり、後援団体の立証のためには、「団体の綱領、規約、各種集会の開催状況の詳細、ビラ、パンフレット等の文書、関係者の動向、その他団体の性格、活動方針、活動実態等を知るに必要な資料を収集しなければなりませんが、これらの資料は短期間では収集することはできませんから、選挙に関係のある団体と思われるものについては、平素から少しずつでも資料を収集蓄積しておかなくてはなりません。また、選挙の期間中および当日における政治団体の政治活動を規制する場合も同様に平素から当該団体の政治団体性を立証しておかないと実効ある取締りを期待することはできません。」と、はっきり書いてある。重大問題です。これは、昔の治安警察法下の問題をわざわざ引き出すまでもない。平素からこういう団体に対する材料を集めておく。こうなると、綱領、規約、運動方針なんていうのは簡単に手に入りませんよ、これは。どうして手に入れるんですか。集会の開催状況、これどうやってやるんです。ビラ、パンフレット、どうやって手に入れるんです。けさの私どもの新聞によると、世田谷区の方で、警察官が、世田谷区北烏山の「緑にする会」という住民団体がある、その住民団体でグリーンベルトをつくれという運動を進めてきた、その「緑にする会」がビラを配ったら、そのビラが入っていたらもらいたいと言って、数軒の家を巡査が訪ねていった。こういうようなよけいなことをやっておるのですね。私は、こういう活動をあなたは日ごろからやっておりませんということを言っているけれども、ちゃんとこういうふうに指導しているじゃないですか、この点どうなんですか。
#383
○政府委員(田村宣明君) いま挙げられました、この、何ですか、論文につきましては、それは「政治活動」の違反というものを捜査するためにはこういうものが必要だということを挙げたものでありましょう。そうしてまたそれは、その観点からだけ考えれば、そういうふうなものが集まれば実証には都合がいいということは、これは申すまでもないと思います。しかし私どもは、選挙違反の取り締まりという立場から、日ごろその管内にあるいろんな選挙に少しでも関係のあるような団体について、そういうふうなものを、いま申されましたようなものを、日ごろから全部できるだけたくさん精力的に、集中的にそういうものを集めておくようにというような指導はいたしておりません。ただ、過去からの状況、あるいは最近の状況等から見て、「政治活動」に関する選挙違反を犯すような疑いがうかがわれるというようなものについてはそういう必要あろうかと思いますけれども、一般的にそういうふうな指導はいたしておりません。
#384
○内藤功君 ここにははっきりこう書いてある。「選挙の期間中および当日における政治団体の政治活動を規制する場合」、あなたの言う選挙違反というのはこれなんでしょうね。つまり、今度はこれが「政治活動を行う団体」になる。選挙期間中における「政治活動を行う団体」の「政治活動」を規制する場合に、選挙中じゃなくて、平素から、選挙の前からそういう団体の資料を集めておけと、こういうことを言ってるんです。これ重大な問題です。ですから、これは市川房枝さんの婦人団体を初めとして、労働組合、各団体がこれは危険だと思うのはあたりまえなんですね。どうなんですか。精力的かどうかは確かにこの文書には書いてない。しかし「平素から少しずつでも」集めておけというのは、つまり一生懸命集めておけということでしょう、だらだら集めておけとは書いてないですからね。私は非常に危険な規定だと思う。
 で、次に私はもう一つ、法務省来ておられますか。――法務省のだれですか、あなたは。
#385
○説明員(吉田淳一君) 刑事課長の吉田です。
#386
○内藤功君 局長はどこへ行ったんですか、刑事局長は。
#387
○説明員(吉田淳一君) まだ執務のためにこちらに出席できません。
#388
○内藤功君 冗談じゃないですよ。これは憲法問題を含む論議をするのに――あなたがどうのこうのと言うんじゃないよ。刑事局長を呼んだんです、私は。警察庁はちゃんと局長が来ている。どういうことですか、これは。委員長、局長にさらに連絡をとって、来るように要求してください。それまでちょっと休憩してください。
#389
○委員長(中西一郎君) 委員長から申し上げます。
 刑事課長で答弁できることもあろうと思いますので、質問を続行していただきたいと思います。
#390
○内藤功君 いや、委員長、それは局長がいまの時間まで待って来られないかどうか、一遍課長から確かめさしてください。
#391
○委員長(中西一郎君) 速記とめてください。
  〔速記中止〕
#392
○委員長(中西一郎君) 速記を起こして。
 十分間休憩いたします。
   午後九時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後九時五十三分開会
#393
○委員長(中西一郎君) 特別委員会を再開いたします。
 十数分休みましたが、この時間は、当然のことですが、内藤先生の質疑時間に入れません。あと残っておるのはおおむね十五分だと思います。よろしく御協力をお願いいたします。
#394
○内藤功君 法務省の政府委員ということで要求しておったんですが、御出席をお待ちして十五分費やしたことははなはだ遺憾であります。
 そこで、早速お聞きしたいんですが、刑事局長、あなたは、この改正案の政治資金規正法附則十条「政治活動を行う団体」、これは御存じだと思うけれども、この附則十条の問題について自治省当局から、こういうような法文にしたいというようなことで御相談にあずかったことがありますか、ありませんか。
#395
○委員長(中西一郎君) ちょっとお待ちください。
 内藤先生、御要求で小沢貞孝先生、山田芳治先生、衆議院から修正案提出者として来ておられるのですけれども、先ほどお伺いしたら、時間の都合で質問ができそうにもないというようなお話でございますが、お引取り願ってよろしゅうございますか。
#396
○内藤功君 これは、前回もおいで願っていたんですが、政府側の答弁その他が大分時間かかっていましたものですから、ここまで入れない。これはやむを得ません。
#397
○委員長(中西一郎君) 本当に申しわけございません。お引き取り願って結構でございます。ありがとうございました。御苦労さまでございます。
#398
○政府委員(安原美穂君) 従来から法務省は、罰則に関係のある法案の改正につきましては当刑事局は所管各省から御相談を受けておりますので、この件につきましても御相談を受けて協議いたしました。
#399
○内藤功君 「政治活動を行う団体」、この概念については、法務省として、法をつかさどるお役所として、しかも、あなたは刑事局長として第一線の検事を指揮する、一般的な指揮をされる立場にある。そういうお立場ですね。この概念は明確だと考えておられますか。
#400
○政府委員(安原美穂君) 結論から申しますと、十分に理解できることであって、解釈の困難な規定の仕方ではないというふうに考えております。
#401
○内藤功君 「政治活動を行う団体」というのは、あなたには理解は困難でないかもしれません。法律の専門家であるあなたには困難でないかもしれない。しかし、法の適用を受ける一般国民は、これを見てすぐに理解できるという概念じゃないと思うのですね。あなたは理解が困難じゃないとおっしゃる。どういうふうに理解をしておられるか、あなたの理解をお話し願いたい。
#402
○政府委員(安原美穂君) まず結論から申しますと、現行法の「その他の政治団体」ということに該当するものというふうに理解をいたしております。
#403
○内藤功君 そうしますと、現行法の政治資金規正法三条二項にいう「協会その他の団体」と同じだ、こう解釈されるわけですか。
#404
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり、現行の政治資金規正法の第三条二項にいう「協会その他の団体」と同義であるというふうに理解をいたしております。
#405
○内藤功君 「協会その他の団体」と同義であるということは法文のどこにもありませんが、これを法文で明記しておくべきではありませんか。
#406
○政府委員(安原美穂君) いま申し上げましたように、「政治活動を行う団体」とは、現行の政治資金規正法第三条二項の「協会その他の団体」と同じであるというふうに理解すると申しますことは、要するに「政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するもの」というふうに理解できるということでございますが、それならば内藤委員御指摘のように、そのように書けばよいのではないかという御議論でございますが、そう書かなければ読めないかということに相なろうかと思います。そういうふうに書かないことの技術的な理由につきましては、私どもとしては、それ自体は法務省の所管法律でもございませんので、要はそのように読めるかどうかということがわれわれの問題であろうと思います。そこで、「政治活動を行う団体」というものが、いま申し上げました三条二項の「協会その他の団体」の、要するにこれこれの目的を有するものであるということに読めるかどうかという問題でございますが、まず現行の「政治団体」をそのように理解するのだということは、内藤委員は御専門でいらっしゃいますから御案内のとおり、すでに昭和四十四年の九月二十五日の名古屋高裁の判決で、現在の公職選挙法の「政治団体」とはそういう「協会その他の団体」、政治資金規正法の第三条二項の目的を有する団体と同じであるということははっきりしておるわけでございますが、さらに「政治活動」を行う、「政治活動」とはということにつきましても、すでに公職選挙法の関係で名古屋高裁の判決がございまして、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為をいうものと解すべき」であるということで、「政治活動」につきましても判例はそれを最高裁でも是認をいたしておりますので、判例といたしましても、「政治活動」というものはこの「協会その他の団体」の目的とする事柄と内容が一致しておるわけでございますので、判例上も一応確立しておるということが言えるわけでございまするから、「政治活動」の内容につきましては、「政治活動」という言葉だけで理解できるように判例上はなっておる。あとは、それが「政治活動」を行うときというのを「政治活動を行う団体」というのじゃ、目的というようなことも書いてないので明確ではないではないかということもあろうかと思いまするけれども、これにつきましては、団体が「政治活動」を行うときというようなことではなくて、「政治活動を行う団体」というふうに、団体をこの表現をもって形容しておるものでございますから、いわばこれは「政治活動」を行うという団体の性格をここで明確にしておるという意味におきまして、これは先ほど申しました「政治活動」を行う性格のもの、すなわち、「政治活動」を行うことを目的とする団体であるというふうに理解できるという意味におきまして、決して従来の「政治団体」の解釈と違う解釈は起こり得ないものというふうに私どもは理解した次第でございます。
#407
○内藤功君 「政治活動」とは何ぞや、それから旧来の「政治団体」とは何ぞや、これは私は意見がありますが、判例を一応引用された、そこまではかりにわかったとします、わかったことにしておきます。ところが、もう一歩進んで、「政治活動を行う団体」というのは、これは局長に言うまでもなく判例はないですね、判例はない。そうすると、全く新しい法上の概念がここに現出したわけであります。こういう場合に法務省は、法務省のお立場としては、自治省がつくってきてもそれは自治省の管轄の法律だからというのじゃなくて、それは定義をきちんとしておかないといけませんよと、判例もない、それからいままでそういう学説上の概念もない、その場合には「政治活動を行う団体」とは、たとえば現行法三条二項のこの「協会その他の団体」と同じでありますよという定義でも何でもいいですよね、あるいはこれをそのまま写してもいいですよね、これは法律家としては概念を決めるのは当然だと思うんですね。そういう意見具申は、法務省は自治省にしましたか。
#408
○政府委員(安原美穂君) 御指摘の一般論としてはそのとおりでございまして、自治省から持ち込まれましても、いわゆる法務省として、罰則の適用をあずかる者として、それがあいまいな概念では国民を規制するということは無理であるという一般論は確かにおっしゃるとおりでございますが、先ほど申しましたように、「政治活動」とは何かということは一応判例で確立しておるといたしますれば、「政治活動を行う団体」とは、団体の性格が「政治活動」を行うという性格を持っておるものということになれば、おのずからそれは「政治活動」を行うことを目的とする団体であると理解することはさほどむずかしいことではないという意味におきまして、特にこれを現在の三条二項の規定のような規定の仕方をしてはどうか、というアドバイスはするだけの一つの疑問を持たなかったというのが実情でございます。
#409
○内藤功君 そこが問題なんですね。「政治活動を行う団体」というのを、いま局長が言ったように、それを目的とする団体というふうに短絡することもできる。それもできる。しかし同時に、目的がそうじゃなくても、目的はほかの経済とか、文化とかいう目的であっても行動においてそういう行動をする、あるいはする可能性のある、あるいは過去においてした団体と、こういうふうにとることもできるわけです。これはできるということは、常識上できる、日本語の解釈上できる。それからさらに言えば、ひとしく常識の上に立たなければいけない一線の検事、あなたの指揮下にある高検、地検の第一線検事、これは両方の解釈が成り立ち得ると思うのです。その場合に、第一線の検事に対して――法律にはっきり定義を与える、これ以外に彼らを適正、公平な法の適用におもむかしめる、第一線の検事を、そういう方法はないのじゃないかと思うのです。恣意的な解釈も出てくる余地が私はあると思うのですね。したがって、あなたはやはり自治省に対して法務省として、ここは定義を入れた方がいいのじゃないかという意見は述べられなかったのですか。
#410
○委員長(中西一郎君) あと時間が三分少々しか残っておりませんので、簡単に。残り時間が三分ですから、御質問もあるでしょうから御答弁は明快にお願いしたいと思います。
#411
○内藤功君 簡単にと言うけれども、委員長ね、そう簡単にいきませんよ、この問題は。
#412
○政府委員(安原美穂君) 先ほど申しましたようなことで、特にそのような内藤委員御指摘のようなことを書かなくても理解できるという見解に立ちましたので、そのような勧告はしなかったというのが実情でございます。
#413
○内藤功君 言うまでもなく、この「政治活動を行う団体」が期間中にビラまきですとか、宣伝カーの使用ですとか、演説会ですとかやりますと、行為者が三十万以下の罰金になるわけですね。したがって、この刑罰を科する上の構成要件が明確でなくちゃいけない。しかも、この「政治活動を行う団体」というのは、「政治活動」という概念はある程度熟しておるとしても、「行う団体」というのは一体どうなのか、「行う団体」に結んだ場合どうなのかということは、初めての概念なんですから、ここにおいて明確なやはり概念規定なしにこういう法律を出発させるということは、私は罪刑法定主義の立場からいって、構成要件の明確化の立場からいって、非常に問題だと思うのですね。これは憲法三十一条、法律によらなければ処罰を受けない、明確な構成要件のもとでなければ処罰を受けないという原則からいっても、これは非常に問題だと思うのですね。明確なやはり定義規定を置くべきではないか、これが欠けているということは非常に危険ではないかというふうに思うのですが、いかがです。
#414
○政府委員(安原美穂君) 同じ議論の繰り返しで恐縮でございますが、一般論としては内藤委員の御指摘のとおり、明確にすべきであるということはもう明らかにそのとおりでございますが、私は先ほど来るる申し上げますように「政治活動を行う団体」ということで、現行法の政治資金規正法の三条二項の「協会その他の団体」と内容が同じように読めることは十分に可能であるということでございますので、結論においては異なることになるわけでございますが、その心配はないというふうに理解をいたしております。
#415
○委員長(中西一郎君) 時間になりましたので……
#416
○内藤功君 ここに法務省のあなたの恐らく部下でありましょう、刑事局付検事の堀田力さん、御存じですね。この方が昭和四十六年五月の雑誌「法律のひろば」で「公職選挙法の解釈上の諸問題」という論文を書いています。読んだことありますか。
#417
○政府委員(安原美穂君) 遺憾ながら読んだことはございませんが、大体刑事局の解釈を明確に書いておるものと私は思います。
#418
○内藤功君 この中に――あとで役所に帰ってゆっくりこれ読んでいただきたいと思うのですがね、「選挙運動」と「政治活動」というもののこの区分についてこう言っているのですね。時間がないから要点を言うと、「取締まりの実情をみると、さほど弊害を生じない、社会的に認められたような政党の機関紙などについては、告示前における政治活動は、見方によっては実質的な選挙運動であると思われるものであっても必ずしも厳格な措置は採っておらないようであるが、このような実情や、政党選挙の実現という理念を考慮し、健全な常識による判断をするほかないようである。」、結局、最後は、こういう選挙法の解釈というのは健全な常識による判断でいくしかない。この法務省の取り締まりの立場に当たる刑事局付検事でさえ、こういうことに結局ならざるを得ないという状況なんですね。私は、それなるがゆえに、法律をつくるときには、選挙法というものは、これはどの党に有利とか不利とかいう問題じゃなくて、法の適正な適用のために明確な概念をつくっておく必要がきわめて大きいと思う、私は。そういう点で、さっきあなたが、憲法問題について違反ではないという、非常に形式的な、安原さんにも似合わない形式的な答弁をされたのは、私は非常に遺憾なんだ。私は、この問題についてあなたの考えを伺っておきたい。
#419
○政府委員(安原美穂君) いま堀田君の書いた著述でございますが、従来から「政治活動」ということ自体が、先ほど申しましたように「公職の候補者を推せんし、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行なう直接間接の一切の行為」でございますし、「選挙運動」も特定の候補者の当選を得しめるために行う運動であるというふうに理解されておりますから、「政治活動」の中には一つのオーバーラップするところがあるわけでございまして、本来「政治活動」と「選挙運動」ということでは、そういうオーバーラップする部分についてはなかなかその区別が明確にならない。あるいはオーバーラップしているんですから、どちらの性格も持つということもあろうというふうで、なかなか「政治活動」と「選挙運動」の区別というものは、「政治活動」の定義がそうであるがゆえに、なかなか明確に区別しがたいところがあろうかと思いますが、お尋ねの、この「政治活動を行う団体」ということにつきましては、先ほど私が申しましたように、そう不明確なものではないと、十分に理解し得ると。
 それから一線の検察庁の運用につきましては、そういう解釈が数等に分かれないように、これはいわゆる一般的な指示ということで、いま私が申し上げている解釈を一線の検察官に徹底させる努力はするつもりでございます。
#420
○委員長(中西一郎君) 時間でございますので、簡単に。
#421
○内藤功君 いまの答弁は私は納得できません。それは一線の検事には内部的な指導通達でできるかもしれないけれども、この「政治活動を行う団体」というのは、さっきあなたの来る前に警察や自治省に詰めたけれども、非常に広い、広範な団体に適用されるわけですよ。どこでその限界を切るかという問題についてあなたの答弁を待ったわけだが、あなたの答弁をもってしても、私は、これは憲法違反である、構成要件が不明確であるという疑惑は晴れません。
 残念ながら時間が来たので、私はこの質問は、憲法問題を含めて、後日できれば稻葉法務大臣に私はこれを聞きたい、憲法問題の権威であるから、ということを含めてこの問題の質問を留保したい。
 以上。
#422
○和田春生君 大分時間が経過をいたしておりまして、私の持ち時間よりも物理的な時間の方がせっぱ詰まってきたわけでございますが、いままで政治資金規正法関係について質問いたしておりませんので幾つか質問いたしたいと思います。なお、大変時間経過いたしておりますから、予定しておった質問でも、いままでの同僚各委員の質問や、また答弁のやりとりで大体了解できた点につきましては質問を省略をいたしまして、いままで特に触れられていない問題を幾つかお伺いをいたしたいと思います。
 まず最初に、今度新たに「政党」あるいは「政治団体」という定義が政治資金規正法で設けられました。このことについてはなお若干の疑義は残しておりますが、おおむね法改正の意図についてはわかってきたわけでございますが、その中で第五条の第二項、これは自治省選挙部長にお伺いしたいと思うのですが、「この法律の規定を適用するについては、法人その他の団体が負担する党費又は会費は、寄附とみなす。」、こういう項目が入っているわけであります。もちろん、これは政治資金規正法の寄付その他の公開の原則を徹底するために設けられたと、その趣旨については私どもも是とするものであります。恐らくいままでいろいろ「政治団体」その他の名目をつけておりますが、法人とか、あるいは資金を集めるためのトンネル団体と言えば恐縮かもわかりませんけれども、そういう機関が会費とか賛助会員とかそういう形で入っておって、党費あるいは会費の名目で資金だけを出している。そして、その党その他と「政治団体」と特定の権利義務関係というものがはっきりしていないということが逃げ道として使われてはいけない、こういうようなこともいろいろ議論をされてきたと思うのです。しかし、たとえばイギリス労働党の場合には、御承知のように、労働組合が機関で、大会で決定をいたしまして、団体加盟としてイギリス労働党の加盟組織の資格を持っておる。そして団体加盟党費を納めている。大会には一定の代議員権を持っているわけであります。また党則において、それぞれ権利義務規定というものが決められている。そうすると、こういうものは、単に資金を拠出する上の便宜的にその党費とか会費とかいう名目でやっているわけではありません。わが国の場合においても団体加盟と、こういう規定を持って、その団体の加盟人員に応じて団体党費というものを決めて、そしてその団体党費に応じて代議員を割り当てて、党の大会においてはその代議員が表決権を持つ、あるいは中央委員その他の機関要員も員数に定めて出す、そして党則のもとにコントロールを受けている、こういう場合があるわけです。そういうような団体の負担する党費も寄付ということになるんですか。もしそうなると、この寄付という概念は、全く言葉の意味そのものから根本的に検討しなくちゃいかぬことになるが、それはどうかということをひとつ確かめたいと思います。
#423
○政府委員(土屋佳照君) いろいろなケースをお話をいただきまして、英国の例などもお話しいただいたわけでございますが、「政治団体」というものは、そもそもがやはり一つの主義、主張等を同じくする者が集まって、そういう形で人的な構成ということになってくるんだろうと思うのでございます。したがって、それを構成し、それを支持していくためのもの、それを支える会費と党費といったようなものを出すのは、やはり自然人というものが大体通常ではないかと。しかし、形態として団体加盟といったようなこともおありのようでございますけれども、この法律によりますと、政党の規約などで法人その他の団体を党員として取り扱う定めがされている場合でございましても、当該団体の党費は、先ほどお示しがございました第五条第二項で政治資金規正法上は寄付として取り扱いをされるということになるわけでございます。
#424
○和田春生君 そうすると、これは非常に重大な問題に発展すると思いますよ。いいですか、自然人がその党の構成員になるのが普通だというのは、それはあなたの独断にすぎないわけだ。現に外国には、いまイギリス労働党の例を一つ引いたのだけれども、団体加盟という規定を持っているところがあるわけだ。自然人の集まりが団体として構成員になる。そうして権利義務関係を持つ、その構成のメンバー数に応じて党費を納める、メンバー数に応じて代議員を認める、メンバー数に応じて機関の役員を選出される、その構成員は被選挙権も持っている、明確に団体で団体を構成するという場合もあるわけです。単に会費とか、寄付とかいう名目で資金を提供するためになっておって、そうしてそれは単にそういう名目であって、実態はその党における権利義務関係、あるいは統制、そういう問題から外れておる。名目的なものは別だけれども、あなたの言うように、「政治団体」、「政党」においては自然人がそのメンバーになることが当然だなんというのは、あなたの独断でしょう。どっからそういう解釈がきますか。どうですか。
#425
○政府委員(土屋佳照君) 私が申し上げましたのは、そういった人が集まって団体を構成して、それを維持していくのが通常であろうと言ったわけで、それが全部という独断的に申し上げたつもりはなかったわけで、お話のように、いろいろと団体の規約で、団体が党員として取り扱うという定めがされておることはあるわけでございます。ただ、されておりますけれども、その党費というのは、企業その他の場合でも、これは団体として一応党則なりなんなりで党員として、あるいは会員として納めるという場合を今回は一応寄付として取り扱うということにしておりますので、まあ扱いとしては同じであるという意味で申し上げたのでございます。
#426
○和田春生君 それなら、政治資金規正法で、そういう団体が、団体を構成員としてこしらえるということを不当に規制することになりはしませんか。じゃ一般的に、あなた方は寄付という概念のときに、その寄付は特定の権利義務を伴うんですか。寄付という言葉の概念から答えてください。
#427
○政府委員(土屋佳照君) 寄付として寄付をした場合は、別にそれは特定の権利義務というものは生じないだろうと思います。
#428
○和田春生君 それならば、「政党その他の政治団体」でも、団体が構成員になっておって、その団体の構成メンバーであって権利義務を持っているという場合に、寄付じゃないでしょう。それは一般の民間の、たとえば政党じゃない場合の、いろんな協同組合とか団体とかいう場合でも、団体が集まって連合会をつくる。団体が構成メンバーである、加盟員の資格は団体として持っている。その団体が、そのメンバーないしはその地位に応じて費用を納めておって権利義務関係を持っているという場合に、それが納めるものも寄付という形で扱わなければ、法律としての一貫性がなくなるはずだ。そんなべらぼうな政治資金規正法の、そんなものないでしょう。あなたが、団体というものは自然人でつくるのがあたりまえだと言うのは、ぼくが言ったように、あなたのそれは独断だって言っているんです。世の中には、団体が集まって団体をつくるという場合もあると言うんです。当然のことなんであります。その団体が権利義務関係を持って、その規約ないしは定款において縛られている。そしてそれに基づいて義務として会費なり党費を納めているというものは寄付というのは、一体どこから出てくるんですか。そんなべらぼうな法律解釈はないでしょう。それがもし寄付とみなすんで、それが寄付だと言うなら、寄付という概念を変えなきゃいかぬ。あらゆる団体で構成している団体の会費は、全部寄付扱いにしなくちゃいかぬことになる。どうですか。
#429
○政府委員(土屋佳照君) ちょっと私の申し上げ方が悪かったかもしれませんが、そういった規約などで党員なり会員なりということを決めておるということは、それは事実そういう形であるだろうと思います。
#430
○和田春生君 党員なり会員なりを決めているのじゃないの。ちゃんとそれが一定の権利義務関係によって、その組織の構成メンバーとしての地位が確立されている場合を聞いるいるわけだ。
#431
○政府委員(土屋佳照君) そういった形で一つの構成団体、構成員と申しますか、構成をする団体ということになっておるわけでございましょうが、そういった意味で、会員であるということはそうでございましょうけれども、そこで会費なり党費なりというような扱いをいたします場合に、今回はその一つの団体というものについては、法人その他の団体というものが負担する党費、会費は、それはそのとおり党費であり会費であろうけれども、この寄付の取り扱い上の公開という場合は寄付というかっこうでひとつ公開をしてもらう、そういう扱いをするということになっておるわけでございまして、その他の個人後援団体にしても、いろいろ企業そのものが団体として会員になるということは、事実それはあると思うのでございます。ただ、その扱いを公表する際にどうするかということだろうといま申し上げておるわけでございます。
#432
○和田春生君 あなたと押し問答しておっても仕方がないので自治大臣に確かめますが、もしいまの選挙部長の解釈どおりであるとするならば、この規定は全く不当な規定だと思う。いままでもよく後援会とか何かに、いわゆる会員という名目で、賛助会員とかいって会費を納めている、党費という名目で出しているけれども、それは資金的に援助するだけであって、その団体ときちんとした権利義務関係というものが設定されていない。本来の意味の構成メンバーではないという場合にはこれでいいと思うのです、抜け道をふさぐという意味で。しかし、きちんと規約に定められた権利義務関係を持ってその団体自体が団体の構成メンバーになっておるというときに、それも寄付とするのだなんていうのは、寄付という言葉の概念の乱用じゃないでしょうか。いかがお考えですか、自治大臣。
#433
○国務大臣(福田一君) これはなかなかむずかしい問題だと思うのですけれども、「寄附とみなす。」という意味では、そういうものを、いまおっしゃったような種類のものを「寄附とみなす。」という解釈で取り扱っていきたいという考え方でございます。
#434
○和田春生君 そうすると、イギリス労働党が日本におったとすると、イギリス労働党のメンバーの八割強は全部団体加盟なんです。党費収入の大方は団体加盟党員の党費なんです。大会において代議員権をやるのも、何十何万人と言えば何十何万人で表決権を行使するわけです。それに与えられた表決権があるわけです。もし、そのイギリス労働党が来ると、イギリス労働党の党費のほとんどは全部寄付になるわけですな、この法律でいけば。
#435
○国務大臣(福田一君) いまあなたのおっしゃったのは、イギリスの労働党のような組織が日本にできたならばという前提でおっしゃっているわけでございますか。
#436
○和田春生君 来れば全部寄付になりますなと言うんです、いま。
#437
○国務大臣(福田一君) そういう団体ができればでしょう。
#438
○和田春生君 いや、いまのイギリス労働党が日本にあったとすれば。
#439
○国務大臣(福田一君) あったとすれば……。だから、できればということで、そういうものができれば……。ちょっとむずかしい問題ですね、それは。
#440
○和田春生君 どうもちょっと質問の意味がよくわからぬし、混乱しておるようなんですが、これ押し問答をしておっても仕方がないんですけれども、もし、選挙部長の答弁しているようなことでありますと、「政党」とか組織というものに対する根本概念を、政治資金規正法でおかしくひん曲げるということになりかねないわけです。これはもう少し、しかとその点の解釈というものをしてもらわないと、いまの答弁のまんまで、はい、そうですか、というふうに済ますわけにはいきませんから、その点についてはひとつ注文をつけておいて、また、質問の機会にしっかりした答弁をしてもらいたい、こう思います。答弁いかんによっては、これに対しては反対をしなくてはならぬ、こういう形にもなるわけであります。
 それでは、次に進めることにいたします。次に、第二十二条の七、第一項はほとんど問題がないと思うんです。第二項で「政治活動に関する寄附のあっせん」という中に、「賃金、工賃、下請代金その他性質上これらに類するものからの控除による方法で、当該寄附を集めてはならない。」、こういうことになっているわけであります。ところで、わが国の労働組合の場合には、一般にチェックオフと、給料から組合費その他を控除する、こういうシステムがあるわけであります。で、これは別に意思に反してチェックオフされているわけではない。戦後初期には、社員全部から組合費という名目で頭から賃金から天引きするというような乱暴なことも行われておりましたけれども、最近では組合員のリストを払う、あるいは組合費天引きに対する同意書をつけて出す。その名簿に基づいて組合費を、あるいはその他の組合の資金を賃金から天引きをするということが広く一般的慣行として行われているわけであります。この場合、これは「政治活動に関する寄附のあっせん」という形になっているわけですが、たとえば組合の機関で政治的な資金カンパをやろうということを決める。そしてその資金カンパについて、同意した者については、一々いま金を集めるということになってもなかなかめんどうであるから、それではたとえば給料日にそれに対して賛成した者の名簿を出して、それを賃金から控除してもらうと、一般的なチェックオフの約款に基づいてそういう処理をすると、こういう場合にこれにかかりますか。
#441
○政府委員(土屋佳照君) ただいまの場合、当然、「寄附のあっせん」という形で行われた場合でございましょうが、資金カンパにちゃんと同意をして、その人が名前を連ねてやっておる場合は、意思に反して控除の方法でやっちゃいかぬということですから、当然にそれはできるということでございます。
#442
○和田春生君 そこで一つの問題が起こるんです。これは私たち自身も経験し、また、そういうことを見てきたわけですけれども、組合員の中にはいろんな人もおるわけです。また、組合の組織の外部から、いろいろと組合の組織の中にいろんな形で介入をしようと、そういうような存在もあるわけです。たとえばチェックオフのばあいでも、こういうことが当然決まった組合費の場合でも、それは一たんは同意をしたようなかっこうをしておって、よろしかろうと思って組合が処理する。後から、あれはだまされたとか、おれの意思じゃなかったとか、こう言ってすったもんだ、すったもんだが起きるという例がまれにあるわけです。それは組合の内部の問題ですと、統制委員会とか調査委員会を開いて、その事実が反するという形になればそれはそういうことを言った組合員が不当であったという形になる。著しく悪意の場合には、それは権利停止とか、そういうような統制違反処分に問われるという形で内部で処理できるわけです。しかし、こういう政治資金カンパのときに、カンパをやろうとする、一応賛成したような顔をしていると。行われた後で、あれはおれの意思に反してやられたのだ、不当であると言って訴えたときに、これ、違反の容疑になりますか、どうでしょうか。
#443
○政府委員(土屋佳照君) まあ、それは実態に応じて解釈をせざるを得ないと思うのでございますけれども、まあ最初のときに明らかに同意をしておったと、反してなかったというかっこうでやった後でそう言われても、それはまあ問題にならないのじゃなかろうかと思いますが、非常に不明なままでいまのような事態が起こったときは、これはやっぱりその事実を確かめて、意に反しておったかどうかということをはっきりさせなければ、これはもうしょうがないと思うわけでございます。
#444
○和田春生君 そうしますと、一応これは政治資金規正法という法律ですから、法律に違反した容疑として取り調べられたり、あるいは警察権が介入をしてくると。さんざん調べた結果、結局それは意識的にひっかけたものであって、組織の方には悪意がなかったという形になればそれは無罪放免ということになるでしょうけれども、えらいややこしい問題が起こる可能性がありますね、こういう点がありますと。何か代金を支払うときに取らぬけれども、なぜ私はこのことを問題にするかと言えば、いま日本の労働組合においては、チェックオフというのが一般的な慣行として非常に広く行われているわけです。政治資金カンパだけではありません。ある場合においてはストライキをやったと、そういう場合に闘争資金についても、ストライキ中にはそんなことやりませんが、平和の状況になれば団体交渉で決まれば賃金からチェックオフするということも、本質論的にそれが正しいか正しくないかという議論は別にして、いわゆる企業別の、事業所別の従業員組織というのが一般的形態である日本の労働組合の場合には、そういうことの慣行も行われている。そうすると、この規定が存在することによって不法な干渉を受ける可能性ないしは危険性がある、こういうふうにいまの選挙部長の答弁を伺っていると懸念を持たざるを得ない。いかがでしょう。
#445
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお話のございましたように、一般的にチェックオフということはいろいろなところで、かなり多くのところがやっておると存じます。いわゆる労働基準法の規定で一括して支払うという原則は、協約によってチェックオフができる規定もあるわけでございます。それにのっとってやっておると、そういう場合に、いわゆる組合費ではなくて「寄附のあっせん」ということでやります場合は、やはり出す人の個々人の意思、任意性というものをはっきりさせなければなりませんので、たとえば先ほどおっしゃいましたような、資金カンパに同意した者は同意したということでまあ名前をとっておくと、簡単に、そういうことでもしておけば後トラブルはないと思うのでございますが、それじゃそれをしなかった場合にいまのような問題が起こらないという保証はないではないかと、こうおっしゃいますれば、あるいは故意にやったような場合等はないとはこれ言い得ないと思いますけれども、それはチェックの最初のときにきちんと整理しておけば、免れ得るのじゃなかろうかと存じます。
#446
○和田春生君 それでは、この点なかなか問題の多い規定だというふうに、現在の日本の労働団体の実情から見て考えるわけです。もちろん組合員の意思も確かめずに、これは政治カンパだ、選挙カンパだと言って、ばあっと言って、経営者に言って天引きするなんということは、これはもうけしからぬことで、これは許してはならぬことですけれども、やはりそういうような問題が起こり得る可能性があるという点については、重大な疑問を表せざるを得ないと思います。そのことを特に指摘をしておいて、次の質問に移りたいと思うのです。
 国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律、昭和二十八年七月七日、法律第五十二号があるわけです。この第一条に、「(ここにいう会派には、政治資金規正法第六条第一項の規定による届出のあった政党で議院におけるその所属議員が一人の場合を含む。以下同じ。)に対し立法事務費を交付する。」と、こうなっている。ここで「政党」という言葉が出てきております。この政治資金規正法で「政党その他の団体」の規定がはっきりしてまいりました。ところが、たとえば本院には二院クラブというような会派があるわけであります。今度政治資金規正法が改正されて、この立法事務費の交付に関する法律の第一条は別に差し支えございませんか。従来どおりであって何ら差し支えないというんならばいいんですけれども、これに影響することになると、この改正を落としておくとややこしい問題が国会運営上起きかねない。その点を確かめておきたい。
#447
○政府委員(土屋佳照君) 確かに、この国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律第一条では、政治資金規正法を引用いたしまして、「政党」という言葉を使っております。そういうことで、私ども法改正の際は国会の事務局の方とも相談をいたしまして、こういうことで何か改正した方がいいじゃないかという相談はしたわけでございます。ただ、国会の方のいろいろな事務的な都合もございまして、それはいずれ国会の方で全般として考えるということでございましたので、私の方で直接改正はしなかったということでございます。
#448
○和田春生君 そうしますと、この点については問題が残ると、しかしそれは国会の問題として処理するということは、国会の法制局ないしは事務当局だろうと思うんですが、私も国会議員だけれども相談受けてないわけですけれども、それは問題になっていると。当面は政治資金規正法が改正になっても、この立法事務費の交付に関する法律では、まあ自民党とか、社会党とか、民社党とか、公明党、共産党という政党の場合には問題ありませんが、現に二院クラブという会派もあるわけです。いろいろなものができるかもわからない。当面は差し支えないが必要がある場合には処置をするということについては、話し合いが行われているということですね。
#449
○政府委員(土屋佳照君) そのとおりでございます。問題意識は持って対処されるということでございます。
#450
○和田春生君 大分時間が進んでまいりまして、本来ですと、きょうの理事会で予定された日程によれば、十時半に私の質問が終わる。この後で小委員会も予定をされておる、理事会も予定をされているというわけであります。余り時間をとることは他の委員各位にも大変御迷惑をかけると思いますので、また特に質問をしたいこともございますが、自治大臣に政治資金規正法の抜本的改正ということに対する政治姿勢ということで確かめてみたいと思うのです。
 で、三木総理は、政治資金は個人献金に限るのが理想であるというようなこともしばしば言われておりました。それが本当にいいか悪いかということについては、けさほど来同僚委員の質疑応答等もございました。議論のあるところだと思います。しかし、個人に限ろうが団体に限ろうが、やはり政治資金というものを国民の前にすっきりしたものにするということについては、政党その他すべての政治団体について一切の収支を全部公開にすると、ガラス張りにすると、たくさん金が集まってもこれだけこういうふうに使いましたという形をはっきりさせれば、非常に明朗なものになると思う。そういう点で今度の政治資金規正法の改正案は、従来のまるでざる法と言うよりも底の抜けたバケツと同じような政治資金規正法に比べれば、それは二歩も三歩も前進であると思いますが、まだまだ不徹底である。そういう点について五年後に見直すと、こういうことを言われておるのですが、五年と言うとずいぶんこれ長い期間、短いようでもありますが、長い期間でもあるわけですね。そこで、まず政治資金については公開の原則を徹底する、明朗なガラス張りのものにしていく、そういうことをまず軸にしながら、もっとやはり徹底的に改正をしていくということが、政治に対する信頼回復のゆえんである。私はそう考えているわけです。この五年をもっと短縮をする、さらにその政府自体がイニシアチブをとってこの政治資金規正法の改正について積極的に取り組んでいく、そういう姿勢があるかどうかということをお伺いしたいと思う。
#451
○国務大臣(福田一君) いまお話がございましたとおり、このままにしておきまして意見が合わないということで法律をつくりませんと、一歩の前進もないということになりますので、一応こういうふうな法律を提示したわけでございます。その間において個人献金、五年後に個人献金ということを言うております。その意味は、政治と、いわゆる一つの利益に結びついた、ある特定のものに結びついた政治はやっちゃいけないのだ。個人であろうと会社であろうとどこであろうと、そういう意味で政治資金というものは明朗化しなければいけない、こういう意味でございます。私は、こういうふうな法文はつくって出しておりますが、私はいつも申しておるのでありますが、将来また必要がある場合、そういう要望が出てくれば、何もあえて私はこの期限に限る必要はないという考え方を持っております。これは私個人の考えでありますけれども、しかし、それじゃそれまでできるかと言われると、いまの政治の実態から言っては、なかなかむずかしかろうということもそれば言わざるを得ないと思うので、あなたから言えば、非常に何かわかったようなわからないようなことを言うてるじゃないかと言われればごもっともでありますけれども、私のお答えできる範囲は、いまはこの段階においてはこの法律でひとつ一応認めていただきたい、こういうことを申し上げる以外にはお答えのしようがないものと存じております。
#452
○和田春生君 実は自治大臣も御記憶と思いますが、政治資金規正法の改正は三木内閣の最大の公約の一つでありまして、当初には三年とか言っていたのが、四年になり、五年になる。いま自治大臣のお答えを聞くと、要望が出てくればこだわらないかもしらぬけれども、やれるかどうかわからないという大変あいまいなお答え。当面の責任者の自治大臣がそういうことでは、自治大臣にやにやしておりますが、これは笑っておる問題では私はないと思うのです。しかし、これは三木総理に、やはり総理・総裁として、自民党の、自民党自体にかなり政治資金規正法には抵抗があるというわけですから、確かめなくちゃならぬと思います。いずれ公選法の改正、また資金規正法の改正等についても、総理の出席を求めて質問をする機会があると思います。そのときにこの点についてはさらに厳しくただしたいと思いますから、この前の参議院地方区の定数是正の問題、全国区制の問題も含めて、総理の答弁の際には腹を据えて答弁をしていただくように、自治大臣からとくとお伝えを願うということを要望して、きょうのところの私の質問は自余を保留をいたしまして、これで終わりたいと思います。
#453
○委員長(中西一郎君) 他に御発言がなければ、本日はこの程度といたします。
 これにて散会いたします。
   午後十時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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