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#1
第075回国会 物価等対策特別委員会 第4号
昭和五十年六月四日(水曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                鳩山威一郎君
                安田 隆明君
                森下 昭司君
                中沢伊登子君
    委 員
                大鷹 淑子君
                神田  博君
                斎藤栄三郎君
                平井 卓志君
                藤川 一秋君
                増田  盛君
                赤桐  操君
                粕谷 照美君
                対馬 孝且君
                村田 秀三君
                田代富士男君
                山中 郁子君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       福田 赳夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  後藤 英輔君
       皇室経済主管   石川 一郎君
       経済企画政務次
       官        安田 貴六君
       経済企画庁長官
       官房参事官    有松  晃君
       経済企画庁国民
       生活局長     岩田 幸基君
       経済企画庁物価
       局長       喜多村治雄君
       経済企画庁総合
       計画局長     小島 英敏君
       大蔵大臣官房審
       議官       後藤 達太君
       農林省食品流通
       局長       森  整治君
       通商産業大臣官
       房審議官     宮本 四郎君
       資源エネルギー
       庁石油部長    左近友三郎君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  大永 勇作君
       自治大臣官房審
       議官       山本 成美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       内閣参事官    山地  進君
       農林大臣官房秘
       書課長      渡邊 五郎君
   参考人
       日本銀行理事   中村  進君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価抑制問題に関する件)
 (砂糖価格問題に関する件)
 (灯油価格問題に関する件)
 (預金者保護問題に関する件等)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 まず参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、当面の物価等対策樹立に関する調査のため、日本銀行の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(岡本悟君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○対馬孝且君 副総理に対して物価対策の基本的なあり方につきまして質問いたしたいと思います。それと、時間がないようでありますから、いわゆる家庭用灯油の問題に関しまして、指導価格をなぜ撤廃をしたかという問題につきまして質問いたしてまいりたいと存じます。
 まず最初に、三月の十四日の物価特別委員会で福田副総理からかなり強調されましたことは、ともあれ物価は三月でひとつ一五%にする。本年度一けた台にするんだ、静かなる低成長にこたえて、賃金をひとつ安定をしてもらいたい、こういうことで、ずいぶんぶたれたわけでありますが、そのときに強調されましたのは、同時に経営者側に対してもひとつ自粛を求めると。つまりまあ利潤なり株配当についても十分にひとつ抑制をしていく、こういう基本方針を出されました。それから大臣ね、ことしの春闘見ますと、これは総評幹部以下もう組合幹部はいま首かかっているわけですよ。この政府のガイドラインに全くやられたと、福田副総理ペースに全く破れ去ったというのが今日の春闘の実態ですよ。組合幹部が首かかっているわけですから、これは物価問題ではやっぱり福田副総理に首かけてもらいたい、こう私は言わなければなりません。
 そこで問題は、ひとつお伺いをするんでありますが、一体一けた台になるのかという問題なんですが、盛んにこの間本会議でも、聞いておったら、副総理はそこを強調されていますけれども、現実にたばこが上がる、酒が上がる、郵便料金が上がる、そして今度終わったら、その後にバス料金がすでに申請をされる。砂糖はすでに農林省、後で申し上げますけれども、農林省が一方的に上げちゃったと。そこへもってきて元売り灯油の指導価格が撤廃されて、これは基本的な、後でお伺いしますけれども、北海道ではきのう現在ですでにもう六十円、七十円、八十円というばらつきの値上げがもうすでに出てしまっているわけですよ。そこにもってきて消費者米価が次に控えている。こうなってくると、これは結果的には大臣は一けたに抑えると言ったって抑えようがないじゃないかと。大体国民の関心はそんな一けたとか、物価が下がったと思っていませんよ、ぼくは北海道へ帰って聞いたら。政府は下がった下がったと言うけれども、何も下がってないじゃないかと。主婦のアンケート見たって、一年前より楽になったか、苦しくなったかというアンケート見たら、八二%の人は苦しくなったという答えなんでんよ。これではやっぱり、私も自分の家内に聞いたけれども、物価が下がったなんと思った感じはせぬと、こう言うんだ。やっぱり大臣、これはここらあたり本当に一けたにするためにはどういう具体的な対策を持ってやろうとするのか。この基本姿勢をまずお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) 物価を下げるというのは、これは非常にむずかしいことです。私が申し上げておるのは物価の上昇速度を下げる、こういうことなんです。いま対馬さんはいろいろな物資につきまして上がりそうだというお話がありましたが、いろいろそれは上がるものもあるんです。しかしながら、そういういまお話のようなものが上がらなけりゃもうほとんど物価は横ばいとか、あるいはちょっと上がるという程度で済んじゃう。しかし上がるものもあるもんですから、そこで九・九%、一けた台という上昇は、これはやむを得ないんだということを申し上げておるわけです。春闘がああいう形で済んだ、大変私はよかったと思うんです。福田さん、まあなだらかに済んでよかったなあと、こう言われますが、しかし、私はよかったという感じよりは――これはもうよかったです。よかったですが、そういう感じよりはまあとにかく物価政策に対する責任が重いなあと、こういう責任の重さの方をむしろ感ずるんです。そういうことで、とにかく一けた台の物価目標、これはいろいろ議論をする人もありまするけれども、私どもとしては自信を持って、また責任を持ってこれを実行したい、こういう決意でやっていきます。
#7
○対馬孝且君 責任を持って一けた台にしたいという、いまの副総理の強調でありますけれども、そこでお伺いしたいんですけれども、具体的にね。一けた台になるのかという国民の核心の問題ですけれども、いま大臣は春闘は非常によかったと、こう言うんだけれども、片方では泣いているんですよ。働く者は泣いてますよ、率直に申し上げて。それは大臣はよかったと言うけれども、もう働く者は全く泣いているというのが実態ですよ。
 それで、総理府統計局の五月の消費者物価指数によりますと、東京都区の場合で前年同月比で対比すると一六・四%で一%上昇してますね。それから四月の段階では二・五%の上昇で、これ二カ月合わせただけでもう三分の一行っているわけですよ。そうすると、後の三分の二というのは、月に直すと大体六月以降は〇・六三%ぐらいの水準でいかなければ大臣が言うように九・九にならないわけです。この点からいくと、私は結果的にはこれからの公共料金というものを抑えなければ、あるいは企業の物価値上がりというものを抑えていかなければ毎月、月々六・三%に抑え切れるか。もうすでに三分の一食ってしまっているんですよ、たった二カ月間で。きわめて安定とは言うけれども、非常に危険な要素があると、こう国民は受けとめるのは当然じゃないですか。この間の新聞で前月比一%と五月がこう出ているわけですよ。この点について、いま三木内閣の使命として物価安定対策が重点だと言いながら、こういうものについて一体どういうふうに具体的にそれじゃ抑えていくんだという点でお聞きするんでありますが、そういう意味でやっぱり、酒、たばこ、郵便料金というのはひとつたな上げしたら、凍結したらどうだと、こういう考え方を持っているんですがね、この点いかがですか。
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 物価だけの見地から言いますと、そうすれば非常にいいんですけれども、また国家財政の見地もあります。また郵政事業、これの運営の秩序を維持するというような見地もあるので、これは公共料金全体とすると抑制方針をとったわけですが、事、これらの例外的なものにつきましては、どうしても特別の措置をしなけりゃならぬ、こういう結論に到達したわけなんです。
 私は、いまことしの物価をめぐる背景というものはそう暗くないと、こういう見方をしておるんです。つまり、昨年、消費者物価が一四%上がった。その背景を見ますと、経済全体の流れはもう需給インフレ的要素はなかったんです。コストインフレ――コストという面で一番大事な問題は原材料でありますが、原材料で動くのは、これは海外から輸入する物資です。この海外物資、これは昨年は軒並みというくらい上がり続けたわけであります。それがことしはどうかと言いますると、大体これは頭打ちの状態になってきておる。農作物なんかになりますると、これはもう半年の間に半値あるいはそれ以下になる、こういうものも多々あると、こういうような状態です。その辺は非常な変わり方をしているわけですね。第二のコスト要因である賃金、これは昨年は三二・九%の大幅な引き上げであったわけです。それがことしはまだ完全に集計ができておりませんけれども、十三、四%で済んでいる。これももう大変な変化です。第三の要素は何だと言うと公共料金です。公共料金は昨年は六月の電気料金を皮切りに軒並みこれも上がった。電力料金のごときは、業務用になると七割以上上がったんじゃないかと思います。家庭の電力もこれも三割以上上がっておる。ガスがそうだ。それから私鉄、国鉄がそうだ。バス、トラック、タクシーがそうだ。それから米価のごときは三二%上がったと、こういうような状態。その他細々した公共料金ですね、相当の数が上がっているんです。
 それでこれは机の上の話ですが、公共料金の上がりで物価への圧力というか、これは三%と言われたんですが、ことしは酒とたばこと郵便料金、それに米の問題、麦の問題がこれはどうなるかという問題はありまするけれども、全部加えてみましても一%をちょっと上回るというような程度であろうと、こういうふうに思うんです。そうすると、公共料金の面でもかなりことしは抑制です、これは。そういういろんな背景を考えてみると、これから特別な国際情勢の変化だとか、そういうようなことがなければ、私はこれは去年は一四%であった、ことしは九%台だと、これを実現できると、こういうふうに思っているんです。ただ注意しなければならぬただ一点と思っておる点があるんです。それは企業の商品値上げの動きであります。これは非常に気がかりなんです。いま企業が経営不振といいますか、経理が悪化しておる、その改善を図らなければならぬ、そういうような立場から考えれば売り値を上げると、これが一番安易な方法ですから、どうしてもそうなりがちだ。そういうことがあったらこれは物価政策は元も子もないわけでありますから、これはどうしてもこれを自粛してもらわなければいかぬと、自粛要請しておるんです。かたがた政府が自粛するというだけでもこれは十分ではありませんので、政府といたしましては、かりに値上げしても売れませんというような状態をつくっておく必要がある。そのためには総需要管理政策を堅持する必要がある、そういうふうに考えております。それから値上げを引き起こす一つの要因は、やはり一つ一つの物資の需給が適正にいっているかどうかと、こういう問題であります。そこで、一つ一つの物資につきまして物資の需給、これには厳重に目を光らせていきたい。同時に、価格の面につきましても一つ一つ監視いたし、これが物価体系を乱すことのないような誘導をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけですが、それだけの背景を持ち、それだけの努力をすれば私は一けた台という物価目標は必ず実現できると、こういうふうに考え、自信を持ってこれに取り組んでまいりたいと、かように考えております。
#9
○対馬孝且君 いま再度自信を持って強調されましたけれども、これはわれわれから言わせると、悪名高かった田中内閣でさえ国鉄運賃の値上げは四十八年四月一日当時実施と、それが延びて四十九年三月三十一日、さらに四十九年の十月まで延びたんですよ。これはやっぱり国民の物価に対するかなり反響が田中総理といえども、これを認めざるを得なかったということで、国会のコンセンサスの中で一年半延ばしているわけですね。しかし、いま聞くと、とにかくそう影響はないんだと、こう言うけれども、私はその点、副総理、これはやっぱり国民が納得できないというのは、田中内閣よりまだ三木内閣というものは悪いんじゃないかと。田中内閣はやっぱり半年なり一年延ばしたじゃないかと。しかし、たばこと酒と郵便料金は強行するというような姿勢はかえって田中内閣より悪質であるという見方も最近出てきているんですよ。かわって福田総理になったらどうかという声もあるようだけれども。(笑声)それは別にいたしまして、とにかくいずれにしても国民はやっぱりそういうふんまんやるせない気持ちですよ。
 そこで私は具体的に聞くんだけれども、いま大臣はそうおっしゃっていますけれども、これも経済企画庁で試算した内容ですけれども、これはたばこの平均四八%を指数で換算をしていくと〇・六と、酒の二二%が〇・一%指数に変わっていく、公共料金の値上がり率ですよ。それで郵便料金は、これははがきが二倍、封書が二・五倍で〇・二%、これに米代とかバス料金とか、その前にこれははっきり申し上げますけれども、きょう自治省の責任者に来てもらっていますけれども、これははっきり地方公共料金が、大臣は物価安定のためにできるだけ抑えたいと言っているのに、自治省は去る十六日に次官通達というのをばあっんと出しているじゃありませんか。この次官通達を見ると、地方財政の財政打開のためには、物価対策の安定どころか、物価値上がりですよ、全部。あるいは学校の授業料、水道料金、ここに全部出ているじゃないですか。給食費の値上がり、一連の全部公共料金を自治省の次官通達ですでに地方の公共料金は全部上げれと、入浴料金、環境料金全部ですよ。こういったことを片方でやらしておいて、片方では事務次官通達を出さしておいて地方公共料金を上げる。これで物価は鎮静しますと言ったって、大臣、これは現在もうすでに北海道では水道料金の値上げは各市で提案されているんですよ。こういう兼ね合いというものをやっぱりはっきりしてもらわなければ、先ほど私は具体的な数字を挙げましたけれども、私の試算でいくと、いま政府が考えておるような公共料金の値上がりでいったら、これは第一点はですね、絶対九・九%でおさまらぬですよ、大臣がそんなこと言ったって。これからまだ国鉄運賃が出てくる、米価が出てくるでしょう。米価の見通しもあわしてちょっと聞きたいんですけれども、値上がりをどうするのかということをちょっと聞きたいんです、生産者米価、消費者米価。こういう一連のものを換算していくと、九・九なんて話にならぬですよ。これが第一点。
 それから、自治省のこの事務次官通達を物価担当大臣としてどう考えるかと。地方公共料金が上がったらプラスじゃないですか、これは。われわれ庶民にとってはダブルパンチですよ、あんた。それは上で公共料金では値上げをされ、またぞろあんた現地の地方自治体ではまた公共料金値上げをされる。やれ水道料金だ、学校の授業料だ、入浴料金だ、環境料金だと、ばんばん上げられるんだよ。これじゃダブルパンチだということでしょう。それは大臣は、恐らくおれは中央財政をやっておるんだから、わしゃ知らぬと言うかしらぬけれども、そういうことにはまいらぬと思うんですよ、これは政府がやっておる限り。これをやっぱり歯どめをかけなければ、私はいかに言葉で言ったって国民は納得しないということですよ。この点が二つ。
 そこで、三つ目の問題は、これひとつ率直に大臣にお伺いするんでありますが、現実に公共料金をばんばん上げておいて、地方公共料金を上げてですよ、第三の問題は――すでにバス料金の値上げ申請しておるじゃないですか。鉄鋼はもうこれも上がっているんじゃないですか。砂糖料金は農林省が一方的にもう上げちゃったじゃないですか。そうして、民間がこう言っていますよ。ぼくはいま北海道の民間業者にこれは聞いているんだけれども、現実に政府が公共料金を上げておって――政府が公共料金を凍結して民間に抑えてくれというのはわかると言うんだよ。ところが、政府みずから値上げをしておいて、民間の値上げを抑えるなんというのはとんでもない話だと。まずその前に政府が公共料金をとめてきてからわれわれに言ってこいと。こういうのが民間の率直な感情ですよ、民間企業の。大臣は再三財界に向かって努力を払われておるようですけれども、これは言うことを聞いていないですよ、これは率直に申し上げるけれども。その点ずばり三点についてひとつ基本的な考え方をお聞きしたいと思うんです。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) まず米につきましては、これは七月中に生産者米価を決めます。その際に消費者米価をどうするかという問題が関連して起こるわけでありますが、この消費者米価をどうするかということをにらみながら、生産者米価の方も決めなければならぬと、こういうふうに思います。これはまだデータが出そろっておりませんので、生産者米価はどうするか、どんな見当になるか、これはまだ申し上げる段階にはなっておりませんけれども、消費者米価をその際どうするかということにつきましては、これはまあ慎重にその時点の物価の情勢、一けた台の目標との関係いかん、そういうことをよく見詰めまして慎重に決めていきたいと、かように考えております。
 それから第二は地方の公共料金、これはいまお言葉でございますが、実は私もあの通牒を見ましてびっくりしているんですよ。ああいう通牒が出ておると、これの受けとめ方によっては非常な影響がある、かように考えまして、あの通牒の実施についてどういうふうに物価政策との調整をとるか、これは自治省と企画庁との間でいま話し合いをしておりますので、できる限り物価大作戦の枠内においてこれを処置したい、かように考えております。
 それから民間の動きですが、いま対馬さんが政府が公共料金を上げておいて民間だけ抑えるのはという、そういう感情を国民が持ちがちであるという――国民というか、まあ企業側ですね、企業側は持ちがちである、こういうことにつきましては、私はそのとおりだと思います。ただ、これはよほど説明しないと納得いかないと思うんですが、民間企業におきましては、石油が昨年の一月一挙に四倍の値上がりをしたわけです。それに順応してのいわゆる新価格体系というか、それへの順応を大方の企業がしておるわけであります。ところが、政府の方は公共料金、これにつきまして、その順応をせずに、ほとんどのものが今日に至っておるわけなんです。そうしますと、大変な収支上大きな欠陥を生ずる。これを長い目で見て企業自体がやっていけるかどうかということに非常に危惧を感ずるような状態なんです。また、たとえばたばこのような財政上の事情ですね。そういうものもある。そういうことを考えますと、まあたくさんそういうもので公共料金の是正をしなけりゃならぬものがあるんです。しかし、その中で基本的なものである国鉄の料金でありますとか、あるいは電信電話の料金でありますとか、そういうものは、これは抑える。しかし、この際緊急度が強く、かつ、これをやっても電信電話だとか、あるいは国鉄だとかというほどの影響はあるまいという幾つかのものにつきましてこの際これをやると、こういうことにいたしたわけであります。そういう事情をいま企業家側にもよく説明をしておるんです。私はもう大体納得を得ておると、こういうふうに思いますが、なお今後ともこの公共料金の引き上げを必要とする理由につきましてはPRに努めていきたいと、かように考えております。
#11
○対馬孝且君 時間がありませんので、いまの問題は特に地方自治体の問題ね、これひとつ大臣がいま自治省と調整をしておると言うんですが、これは早急に物価担当大臣としてやつぱり地方に――びっくりしたなんて言わぬで、これひとつ、びっくりしたのは国民の方であって、これは率直に申し上げるんだけれども、これはやっぱり早急に通達なり、担当大臣としての行政指導を、自治省から通達を出すようにひとつしてもらいたい。
 それから米の問題は、いま時間ありませんから、できるだけ早い機会にひとつ消費者米価をやっぱり値上げをしないということでひとつ考えてもらいたい。これは一つ申し上げます。
 それから民間の問題は、これはわれわれ見守っていきたいと思います。
 そこで、時間ありませんので、あと簡単ですけれども、根本的な問題だけちょっと……。
 いま北海道では、元売り灯油指導価格を撤廃したということで、いまは北海道は全くもう消費者が大運動に立ち上がっているんですよ。この間も生協の代表が来て、きょうおります左近部長にお会いしておりますけれども、大臣の基本的な考え方を聞きたいんですが、指導価格を撤廃するということは、これは値上げするということに通ずるわけですよ。これがわかっておって値上げをするというあたり、どうも物価大臣らしくないことをやっているじゃないかということを私は率直に言わなけりゃならんのですよ。北海道はまだ灯油たいているんですよ。稚内の果て、礼文の果てに行ったら一年じゅうたいているんだから。しかも、ここでお伺いしたいことは、私は、著しく高騰した場合については標準価格を定めるということは、石油業法の第十五条にあるんだよ、これ、はっきり。しかも、供給が問題だと、こう言っているんだが、供給に対しては、石油業法第十条によって、これは主管大臣がこの計画に対して勧告することができるわけだ。しかも、ここにあります消費者保護基本法の第二十条−業界の言うことばっかり聞いて値上げをして、国民の言うことは一回も聞いてないじゃないですか。このことについて大臣どう思いますか、これ。少なくとも国民生活審議会に、あんた、消費者保護基本法の第二十条からいけば、国民生活審議会というものがあるんだから、少なくともこの灯油問題というのは、ここ二、三年来東北六県、北海道は大変な問題なんですよ。これ米と同じですよ、主食と。これ大臣も北海道に来ておわかりのとおりなんですよ。それを簡単に指導価格を撤廃するということ、この間も私商工委員会でも私言いましたけれども、つまり基本的には、こういう法律がありながらどうして撤廃をするのか。しかも、日石はちゃんと本社の広報課で試算した数字を見ると、元売価格二万五千三百円プラス六千七百円、もうすでに十八リットル百二十六円という答えが出ているのですよ。私は、きのう現在、北海道の道消費者協会――石油部長も来ておりますから、はっきり申し上げますけれども、道庁が指導している北海道の道消費者協会で、この札幌市内における十八リッター灯油がすでに六十円、七十円、八十円というばらつきが出ているじゃないですか。もう上がっているじゃありませんか。一日に指導価格を撤廃してきのうもう上がっておるじゃないですか。こういう状態で一体国民に物価が安定をしましたということになりますか。私は、まず一つ聞きたいのは、この石油業法に従わないでどうして指導価格を撤廃したのか。逆に今度は標準価格を定めるべきじゃないか。供給が足りないというなら政策指導として、どうして主務大臣として――これは第十条に従って勧告すべきですよ。工業用灯油よりも家庭用灯油の生産指数を高めろと、こういう勧告ができることになっているのだから、これでいくと。法律をつくっておいて法律を運用しないで、しかも業界の意見を聞いて上げましたと、われわれ国民の意見はさっぱり聞かない。こういうことではやっぱり問題があるんじゃないですか、基本的に。
 私は、第一点お伺いしたいことは、指導価格はもう撤廃してしまったんだから、撤廃したということについては納得がいかないということです、第一点。どうして国民の声を聞かないで、国民生活審議会等を通して議論することができなかったかということが第一点。
 第二点は、指導価格は撤廃しちゃったのだから、今日の段階ではすでにこういうばらつきが出て、上昇傾向であります。これに対して私は、やっぱりせっかく石油業法をつくったんだから、狂乱物価の際にでき上がったんだから、この際もう一回やっぱり指導価格を出すという副総理の考え方があるかないか。こういった物価が、どんどん石油価格が上がってきたという状態の中で再度検討して、その指導価格を出すという考え方があるかないか。私は出してもらいたい。異常な価格になった場合には発動してもらいたい。これが第二であります。
 第三は、これは石油部長に来ておりますから、ひとつ申し上げますけれども、北海道に、現地に係官を派遣して、当面こういった業界のこの指導価格撤廃に件う値上がりに対して現地に調査団を派遣してもらいたい。調査員を。この三点をお伺いします。
#12
○国務大臣(福田赳夫君) 今回灯油の元売価格の指導価格を撤廃するということにいたしましたのは、いまの元売価格でありますと、これは非常な逆ざやになるわけでありまして、メーカー側で生産意欲というものを喪失する、そういう状態です。その状態で冬の需要期を迎えるということになると、これは大変な事態になってきやしないか。そこで、いま最善の方策は、メーカーがここで進んで灯油の生産体制に入れるというような環境をつくる。それには若干の元売価格の引き上げを必要とすると、そういう考え方です。その考え方の上に立って、そして増産が行われ、そして備蓄がかさまりまして、そして冬の需要期になりまして灯油がだぶつきぎみな状態に置かれるという状態で、初めて灯油価格の安定ができるんではないか。そういう見地に基づきまして、今回この灯油価格の、灯油につきましての指導価格を撤廃すると、こういうことにしたわけです。したがって、当面灯油の元売仕切り価格は多少上がる、こういうふうには考えておりまするけれども、末端の方は、これはさほど影響はないのではないか。そういうふうな見通しに基づきましてやっておるわけでございます。それで、しかしいまいろんな現象がすでに起きているというようなお話でありますが、それはよくその状態を、一体現実にどうなっておるか、また、ここ一、二カ月、二、三カ月の動きはどうなるか、そういうものをよく見てまいります。そして、万一末端価格でどうも好ましい状態じゃないというような状態が起こりますれば、その際には適当な措置をとるという考えでございます。なお、そういう現実の今日の動き、そういうものがどうなっておるかという調査につきましては、通産省で出先機関もありますから、それで調査しておると思いまするけれども、なお必要がありますれば、通産省も本省調査なんということを考えてもいいんじゃないかと思いますが、ちょうど石油部長が来ておりますから、そのの点は石油部長の方からお答え申し上げます。
#13
○政府委員(左近友三郎君) お話のとおりでございまして、われわれも心配なのはやはり北海道でございます。おっしゃるとおり、現在の時点で灯油を使っておりますのは北海道が中心でございますので、これの影響が、北海道に大きな影響を与えるということはわれわれとしても望ましくございませんので、実は本日も北海道の通産局の担当部長も呼びまして、今後の方針を協議するわけでございますが、その事実を見ながら、それからまた先生がおっしゃったように、近い将来私たちの方の担当の課長を現地へ派遣いたしまして、十分調査をいたしまして、この措置が混乱を起こさないような手を十分打ちたいというふうに考えております。
#14
○対馬孝且君 時間がきたようでありますから、次の森下委員の質問もありますから、これで打ち切りますけれでも、ともあれ灯油問題だけは大臣ひとつ体を張ってやってもらいたいということを特に申し上げておきます。それいかんによっては、やっぱり総理にするかしないかを決断しなければならないと、こういうふうに思います。(笑声)
#15
○森下昭司君 それでは、私もいま対馬委員の御質問にありましたので、若干私からもお尋ねいたしておきたいと思います。
 異常な物価上昇の中で、指数を一けた台で押え込むという点について自信がおありのようでありますが、経済企画庁は、本年五月の物価上昇率を毎年の過去の経緯から見まして微増、余り大きく消費指数は伸びないであろう。大体〇・三%程度の上昇を見込んでおったと言われているのです。ところが、実際には先ほど御質問がありましたように、四月に比較をいたしまして東京都区部は一%の上昇であります。これは全く私は経済企画庁の見通しの甘さ、誤算だと言っても過言ではないと思うのでありますが、この点について副総理の御見解をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
#16
○国務大臣(福田赳夫君) 昨年の四月の消費者物価の上昇率が〇・三だったわけです。それで、まあことしの五月もまたよくなることを期待をいたしておったのですが、結果はお話のような一%上昇ということになっておるわけです。ただ、四月もそうなんですが、五月につきましても臨時的な要素というのがあるわけなんです。たとえばレモンの値段が衛生上の見地、そういう対策から五倍にはね上がったというようなことがある。それから、東京ではふろの代金がこれが上がったというような要素もありまして、一%という高い上昇率を記録するようになりましたが、私は全国水準というものは、東京のようなことじゃないんじゃないか、そういうふうに見ておりますが、いずれにいたしましても、物価鎮静の基調に対しましては、いささかの変化があったというふうにも考えておりません。これから鋭意物価安定に努力いたしますれば、私は所期の目標を到達することができるという考えにつきましては、これは揺るいでおるというようなことは全然ございません。
#17
○森下昭司君 レモンのいまお話が出ましたが、レモンは私の知り得たところによりますれば、五月だけで指数にはね返ったのは〇・一%であるというふうに実は聞いておるわけでありまして、一%の大きお要因になりましたものは、やはり入浴料金を初めといたしました諸物価の高騰の結果であるというふうに、私ども実は考えておるのでありまして、いま副総理が言われました物価鎮静の基調は変わっていないというお話でありますが、これは私見解を実は異にいたしておるわけであります。副総理は、よく委員会、本会議を通じまして、景気刺激と、それから物価政策との危ない綱渡たりをしているのだというお話がありまして、第一次の公定歩合の引き下げもありました。近々、第二次の公定歩合引き下げがあるようでありますが、これは自民党側から一%の要求に対しまして、日銀側は〇・五%というようなことになっているわけでありまして、先ほど対馬委員が具体的にお尋ねいたしておりましたように、いわゆる、石油化学、それから鉄鋼、自動車、家電、ガラス、紙パルプ、こう一つ一つ取り上げてまいりますと、いわば副総理の期待感にもかかわらず、企業は価格への転嫁を非常に求めていることが毎日のごとく実は報道されているわけであります。二、三日前に経団連でお会いになったようでありますが、私は物価鎮静の基調は変わっていないという見解ではなく、景気刺激策をとるかわり、その景気の刺激に応じて便乗的に各企業が価格へ転嫁をさせて物価を値上げさせようとする動きが具体的に出ている、こういうような判断をいたしておるのでありますが、この点について先ほどは自信がおありになるようでありましたが、いま申し上げたような鉄鋼、石油、石油化学あるいは自動車、家電、現実に板ガラスはもう上がっておりますが、ガラス、紙パルプなどなど、今後民間企業を中心といたしました物価上昇率を年間具体的にどの程度お見込みになっているのか。ただ単に自信があるというのではなくて、こういう問題については広く深く理解を得ているとおっしゃっていますけれども、値上げをしないことはないわけなんでありますから、年間どの程度の上昇率をお見込みになっているのか、具体的にひとつ数字を明らかにしていただきたい。
#18
○国務大臣(福田赳夫君) 大きな日本経済でありますので、その中での物資、商品、そういう個々につきますと上がるものもあれば下がるものもあるし、いろいろまちまちです。ですけれども、そういうものを総合いたしまして、これは年間上昇率一けた台、九・九%と、こういうふうに申し上げておるわけですけれども、要するに一けた台、九・九%というけれども、それより低い方がいいわけでございます。九・九%、それ以下の水準におさめたいということを目標といたしまして諸施策を進めておる、こういうことであります。決して先ほどからるる申し上げておりますように、これが実現不可能だというような背景、要素というものは私はないと、こういうふうに考えております。
#19
○森下昭司君 非常に残念なことなんですが、先ほどははっきりと公共料金がもしもたとえば酒、たばこ、郵便料金、こういったものがいま政府提案のものがそのまま通るということを前提にいたしまして、物価指数へのはね返りを約一%、〇・九%という数字が出ておりますけれども、一%だとすると、これは明らかに出ているわけですね。それで、これに先ほど質問ありました地方公共団体の公共料金の値上げというものが加わってくるわけなんです。これも物価政策上、企画庁と自治省との間においていま協議を行っている最中だというお話がありました。私は、やはりこれもある一定年間の物価政策上から指数を見込まなくちゃいかぬと思うのです。同じく民間産業においても同様であります。深くまた広く理解されつつあるなんという抽象論で、いや一けた台になりますよと言ったって国民は納得しませんし、私ども自身だってわからないのですよ。ですから、やはり私は、先ほど対馬委員が言ったように、春闘一三・何がしというガイドラインで押え込んで、一応これはあなた自身は成功だとおっしゃっている。コストインフレの要因をなくした一つの原因だと言っている。とすれば、もう一つの責任は物価上昇を抑えるのが政府の責任だということもあなたは言明された。とすれば、やはり国民に一定の安定感と今後の見通しを明らかにすることも、私は政府の責任ではないかと思うのです。そういった数字がついて具体的な試算数字すらないというならば、やみくもで一体物価政策をおやりになっているのですか。
#20
○国務大臣(福田赳夫君) まあ統制経済やっているわけじゃないのですから、これは公共料金を幾ら上げる、民間を幾ら上げる、そういうようなことの積み重ねが、これが九・九%になるという、そういう考え方をとっているんじゃないのです。ないのでありますが、しかし広く日本経済の動き、そういうものを観察し、昨年の動きを見、そしてことしの動きを展望いたしまして、これはどうしても一けた台の消費者物価水準というものは実現しなければならぬ事情がある。そういうことを考えた場合に、それが実現不可能かと、こういうとそうは考えない。私はこれは実現できると。先ほど背景というか、そういうことを申し上げました。それからそれを背景といたしまして、各種の個別の物資について需給価格、これを厳重に監視する、またそれを誘導をする、それから同時に需給を緊迫させちゃならぬというために、総需要管理政策を、これを堅持してまいる、こういうことを申し上げたのであります。これだけ大きな日本経済ですから、いろいろな商品が製造されるわけですが、その一つ一つに多少の動きがある。ありますけれども、総体としては、私は一けた台にこれはおさめていくと、こういうふうに考えているわけであります。
#21
○森下昭司君 それでは最後に、この問題は私は見解の相違の問題で非常に残念でありますが、また次の機会に譲りたいと思います。
 最後に、私は副総理のお見えになりまする時間の中で、三月十九日、私自身が参議院予算委員会で指摘をいたしました砂糖値上げの問題でありますが、私は副総理の答弁からいたしますと、先日抜き打ち的な砂糖の値上げは非常に遺憾な行為だと思うのであります。そのことはともかくといたしまして、その値段が妥当であるかどうかという論議も時間がありません。ただ私一点お伺いいたしておきたいことは、いわゆる二百十ポンドという最低の下限価格がございます。これは関税の免税下限価格でありますが。したがって、原糖の輸入価格は、これが百五十ポンド、現在割っておりますけれども、それにつれまして結局百五十ポンドと仮定すれば、六十ポンド関税は復活をするわけであります。これは糖価安定法に弾力条項をお使いになっていますから、そういうことになります。ところが、精糖工業会は関税の復活を理由にいたしまして、再び小売り価格に転嫁しようとする動きが見えます。一方、農林省側のお考えの中には、もう指導価格制度を廃止して自由価格に戻そうではないかという意見が支配的だとお聞きをいたしております。先ほど副総理は対馬委員の質問に物価を下げることは非常にむずかしいというお話がございました。参議院の予算委員会では原糖の価格が下がれば、砂糖の値段を下げる場合もあるのですよというようなお話も実は記録に残っておるわけでありまするけれども、この指導価格制の撤廃をどう考えのるか。続いて弾力条項をお使いになっておりまするけれども、それは糖価安定法というたてまえからいけば関税の復活になりますけれども、物価安定という立場でいけば関税をさらに私は免除する方法が妥当ではないかと思うのでありますが、この二点について最後に後質問いたします。
#22
○国務大臣(福田赳夫君) 砂糖の値段というものは、私ども非常に勉強いたしましても、なかなかつかみ方のむずかしい問題のように思うのでありますが、つまり国産というものが少ない。そこで原糖のほとんど大部分を海外から輸入する。その海外の原糖価格というものが上がったり下がったりひどく変動するわけであります。そこで今日の状態は原糖価格が非常にいま下がってきておるわけです。下がってきておるのに、国内の砂糖価格引き上げをするのは一体どうなんだという、こういう素朴な考え方を私どもは持つわけなんです。ところが、よく聞いたり調べたりしてみますると、いま確かに、原糖価格は下がっておる。こういう状態ではありますけれども、いま現にわが国に入着しつつある砂糖、これは高いときの契約に基づくものが入ってきておる、こういう状態で、これは夏とか秋以降にならぬと、新しい安い価格に基づく契約の砂糖は入ってこない、こういうことなんです。そこで精糖業者から言いますと、今日大変な収支赤字の状態にある。とてもつなぎがつかぬ。私どもとすると、それはつなぎをつけて、そしてどうせいずれは安い物が入ってくるのだから、そのとき穴埋めをするという手はないかということもずいぶん話してみたわけでございまするけれども、とにかく今日のこの事態をしのぎがつかぬと、こういうことで、とにかく精糖業者の言うような値上げじゃございません。先に下がってくるという要素も取り入れまして、消費者段階におきましては一けた、それから営業者の段階においては二けた以内ということでひとつしばらくやってみようじゃないかということを決定いたしたわけでございますが、この砂糖の価格を一体どうするか。これはいま農産物の中でただ一つ事前承認制をとっておったわけでありますが、他の農作物につきましても事前承認制というのは全部これを撤廃した。そういう際でありますので、砂糖につきましてもこれを撤廃し、そしてその需給の上から価格の安定の指定をいたしたらどうだろうと。これもこの際そういう方向を打ち出した方がよかろうと、こういうふうにいたしたわけですが、この上とも糖価安定法とかいろいろ法的な根拠もありますが、砂糖の価格につきましては国民生活に非常に深い関係がありますので、十分これは行政上指導を徹底させまして、国民に不安を生ぜしめない、そういうふうにいたしたい、かように考えております。
#23
○森下昭司君 関税、関税。
#24
○政府委員(森整治君) 関税につきましては確かに副総理おっしゃいましたように、いま高いコストが入ってきておるわけでございます。安定帯の制度がいま機能しておりません。そこで関税の減免ということで上限価格を上回った場合には、これは全部まけましょう、こういうシステムで運営しているわけです。そこで珍現象が起こったわけでございますが、コストが高いにもかかわらず関税がかかるということは関税のかける、何といいますか、基準と申しますか、そのコストの算定方法が過去半月、それから過去三カ月、それの平均価格をもって考えてしまうということで、六月からその二百十ポンドという関税の限界、それを割るという事態になりますので、その差額だけノミナルに下がったと考えまして取る、こういうふうに関税の運用上そうせざるを得ない事態になったわけです。しかし、下がりましたから、私どもが考えておりましたコストより下がるはずでございまして、その差し引き計算をいたしますと、決して値上げ要因にはならない。ただ、しかし資金繰りといたしましては、メーカーは非常に苦しくなってまいる。それについては別途われわれも何らかのあっせん措置をとろうと、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、ただいま私ども先般決めました価格改定、これをさらに値上げをするという意図は全然持っておりません。
#25
○田代富士男君 きょうはいまの理事会で福田副総理の時間が短いということで、短い時間で質問をすることになりました。まとめてお聞きいたしますから、ひとつよろしくお願いいたします。
 最初に、麦の政府売り渡し価格についてお尋ねをいたします。
 政府は、昭和五十年度の予算編成との関係で公共料金の五十年度中の運用方針を決定されているわけなんですが、それによりますと、塩と麦価は当面据え置くという取り扱いが行われておりますけれども、六月に開かれる麦価米審を前にいたしまして大蔵、農林サイドからは、財政支出抑制の観点から早くも麦の政府売り渡し価格の引き上げに関するアドバルーンが上がっておる現状であります。これは副総理も御承知のとおりだと思います。
 そこで春に政府が決定いたしました麦価の当面据え置き措置というものは、現時点で政府部内でどう理解されているのか。特に経企庁の物価局から物価レポートも出されておりますが、その中にも当面据え置くということが発表されております。そういうことから最近の報道によりますと、麦価米審では五十年産国内麦の政府買い入れ価格と輸入麦の政府売り渡し価格が同時に諮問されるだろうと言われておるけれども、事実はどうなのか、この点を明確にお願いしたい。それから小麦の海外相場はこのところ著しい下落傾向を強めておりまして、最近の米国産の小麦は一ブッシェル三ドル台に達しております。このような海外相場を反映いたしまして、政府買い入れ価格は予算編成の基礎となった買い入れ予定価格トン当たり七万二千円を大幅に下回っているのが現状でありますから、現在の売り渡し価格を据え置いただけでも財政支出は減少することになる。したがって、六月の米審に輸入麦の政府売り渡し価格を引き上げを諮問する必要はないと考えられるわけなんです。輸入麦の政府売り渡し価格は夏から秋の海外の市況の変化を見て考えるべきで、当面の据え置き措置は六月以降も継続さるべきではないかと、これは私の主張であります。そこで、いまもお話しいたしましたとおり、経済企画庁は据え置きを主張している。農林、大蔵省関係は大幅引き上げ、政府所管物価として物価安定の見地からの統一的な見解がないじゃないか、このように思うんですが、特に三木内閣の経済政策の最高責任者であります福田副総理にお尋ねをしたいと思います。
#26
○国務大臣(福田赳夫君) まず麦価の五十年度における取り扱いが一体どういうふうにいま理解されているか、こういう問題でありますが、これは公共料金全体につきまして、昭和五十年度予算編成のときいろいろ論議が行われたわけです。そのうち大方の公共料金は据え置く。しかし、例外として酒、たばこ、それから郵便料金、これの引き上げはこの際行う。その際、麦価につきましては、国会に法律案としてお願いする事項でございませんので、方針を決めておく必要が実はなかったんです。そういうことで、その時点で生産者麦価、これが決まる時点において消費者麦価をどうするか、それを決めようということで、実はペンデングになっておるという、そういう性質のものでございます。さてペンデングになっておる消費者麦価を決めなければならぬ時期がもう迫ってきた。今月中には生産者麦価を決めるわけです。そういう時期に一体消費者麦価をどうするか、こういう問題が連動して起こるわけでありますが、いま生産者麦価が上がる、これはどの幅になりますか、ある程度上がらざるを得ない傾向かと思うんです。その際、消費者麦価を一体どうするかということになるわけでございますが、これはもう少し物価政策全体の動きを見、それからかたがた財政上の立場等も検討いたしまして、そしてかたがた麦価の問題ばかりじゃありません。米価の問題もある、あるいは財源欠陥というような問題もある。幅広い見地から、まして消費者麦価をどうするかということを考えてみたいと、こういうふうにしておるわけであります。
 そこで、いま御指摘のように、外麦が非常な値下がりをしておる。そういう際に、生産者麦価が上がるのは、一体どういうわけだと、こういう議論が起こってくる。これは非常に平たく考えますと、そういう議論が当然起こるだろうと、こういうふうに考えておるわけですが、これはいま麦価は大変な逆ざや現象になっておるわけであります。そういうことで、一部には日本国民の税負担において外国の小麦生産者を援助するというようなかっこうになっておるじゃないかというような意見さえあるわけでありますが、そういう事情もありますので、さあ、外麦が非常に下がってきたと、そして外麦勘定の方は改善はされるものの、国家財政全体として見るときに、この際、生産者麦価が上がるこの機会に、生産者麦価を改善、引き上げる。そして逆ざや現象、これを少しでも改善しておくことが、これは妥当ではないかと、こういう議論があるわけなんです。そういうPRが農林省やあるいは大蔵省あたりからされておるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、企画庁といたしましては、そういう簡単なものじゃない。これは総合的に広く検討しなけりゃならぬ問題だという見解でございまして、まだ消費者麦価をどうするかということにつきましては、意見はまだ決めない。とにかく物価政策を担当する企画庁でございますので、そう簡単に消費者麦価もこの際引き上げるという結論は出しがたい、こういう状態で推移しておる、こういうことでございます。そういう際に生産者麦価、消費者麦価、これを同時諮問をするかと、こういうお話でございますが、まあ同時諮問という形をとりますかどうか、これはまだ決めておりませんけれども、いずれにいたしましても、生産者麦価を決める場合に、消費者麦価の問題を考えないで決めるというわけにはいかぬ、こういうふうに考えておるので、実質的には双方、両方にらみながら、これを決めるということ、これはぜひそういうふうにいたしたいと、こういうふうに考える次第でございます。
#27
○田代富士男君 いまの質問だけで十五分たってしまいまして、これで後、時間がなくなるので……。一問で、じゃ、まとめて飛ばしていろいろお尋ねしますが、政府の今後の景気の、経済成長率の見通しについてお尋ねいたしますが、政府の見通しでは四・三%の実質経済成長率となっておりますけれども、いま各方面では四・三%は無理じゃないかと。極端なことを言いますと、ゼロ成長というようなことも言われておりますけれども、四・三%の成長は果して可能なのか、もし、四・三%を達成しようと思うならば、夏以降に七%ぐらいの成長に持っていかなくちゃならないし、景気の回復がおそかったならば、秋以降となった場合には一〇%の成長がなければ年内四・三%は見込まれないじゃないかと、そうした場合に一番心配されるのは、短期間に急激な経済成長率を図りますと、福田副総理が一番問題に取り組んでいらっしゃいます、再びインフレを招く危険性が起こるんじゃないかと、この点に対してどのように対処されるのか、時間の関係もありますから、広略要、要点をひとつお願いいたします。
#28
○国務大臣(福田赳夫君) ことしの成長率につきましては四・三%という見通しでございますが、これが実際問題としてゼロ%になるとか、マイナスになるとか、そういう要素は考えられません。ただ、多少景気の回復のテンポがおくれぎみであるということを考えますと、四・三というところまでいけるか、いけないか、その辺に多少問題があろうと、こういうふうに思います。
 しかし、私はこれは四・三という、そういう数字自体にそう大きなウエートは置かないんです。景気が徐々に回復過程に乗っていくと、そうしてまあ大方四%がらみの成長ということが年間において実現されるということこそが経済見通しの目標でなけりゃならぬし、そういう状態が実現されることにつきましては、それを目標といたしまして諸政策を運用する、また、そうなるだろう。つまり、なだらかにずっとしり上がりに上昇の過程を通るであろうと、こういうふうに見ております。しかし、ちょっと率直に申し上げますと、景気のずれがありますので、多少の年平均といたしますると、ずれがというか、成長率の減少、低下が出てくる。これはそういうふうな傾向にあるんじゃないか、そんな感じがしております。
#29
○田代富士男君 この問題については、副総理がかつて静かで控え目な成長というようなことをおっしゃいまして、最近は控え目な成長ということを余り強調されなくなった。その問題点もいろいろ理由を聞きたかったんですが、時間がありませんから、また、午後時間がありましたらお尋ねしたいと思います。
 次に、経済計画について、これはちょっとまとめてお尋ねをしたいと思います。
 現行の経済社会基本計画は、現在の経済動向、さらに将来の日本経済を取り巻くもろもろの要因から判断をいたしまして、そのまま機能できるというわけにはいかないと思います。そこでその改定を考えていらっしゃるようでありますけれども、経済審議会の諮問はいつごろされるのかと、それから新しい経済計画の年度を五十一年度と言っていたのが、最近の新聞報道でも言われておりますけれども、五十二年度を出発の年度にするように改められております。なぜ五十二年度に改めざるを得ないのか。そういたしますと、五十年あるいは五十一年の二年間、場合によりましては、五十二年度も長期の経済見通しと運営指針が国民に明らかにされないままの結果になるんではないか、まあこれは好ましいことではないじゃないかと、この点についてどう思われるのか。
 それから政府は五十年度を調整の年とか、あるいは安定成長へのかけ橋の年とか、いろいろなそういう表現をなさっておりますが、結局、五十年度で調整が終わらないということになりますが、何が原因となって調整が終わらないのか、どういう要因が五十一年度からの長期経済計画の出発を妨げているのか、この点についてお尋ねをしたい。
 また、時間がありませんから、続けてお尋ねいたしますが、低成長経済のもとでは消費と投資、需要と供給、福祉と負担、さらに就職難とか、倒産とかいったさまざまな矛盾が発生をするわけなんです。こうした矛盾は、高度成長のもとでは余り表面化せずに処理されてきましたけれども、低成長に移行すると表面化いたしまして、社会的不安定の要因となりやすいと私は思います。そこで、経済問題の責任者であります福田副総理は、こうした低成長下の不安定要因をどう判断し、この長期経済計画でどう対処しようと考えられておるのか。
 その次の問題は、低成長下では矛盾や不安定がふえる可能性が強い。これを調整するものとして最も大切なことは、社会的公正の確保と所得の再配分機能を最大限に回復させ、実行することだと考えますが、この点はどうか。そして、長期経済計画の中には具体的に織り込んでいく考えがあるかどうか、その点をまずお尋ねをしいとた思います。
#30
○国務大臣(福田赳夫君) 経済計画についての新しいものをいま構想しておるわけですが、その諮問の時期いかんと、こういうことですが、今月中に経済審議会に対しまして諮問をいたしたいと、かような考えであります。
 それから、新経済計画のこの初年度を一体どういうところにとるか、五十二年度という説があるがどうだと、こういうお話ですが、五十二年度という考えは持っておりません。これは五十一年度を初年度とするという考えであります。で、来年度の予算編成、これに間に合わせるように、概略なものは今年中に決めたいと、かようにいま考えております。
 それから第三は、低成長下ではいろんな矛盾が生ずるが、これにどういうふうに対処するのかというお話ですが、これは低成長と申しましても、別にゼロ成長だとか、一、二%成長とか、そういうことを考えておるわけじゃないんです、これは。私が申し上げております安定成長水準というのは、国際社会で大体先端を行っている国、この国々と肩を並べる水準をもって最もよしとすると、こういうような考え方でありまして、そういう水準下において矛盾が生ずるなんということはないと、高成長のもとにおいて生ずる矛盾、それを克服し、そういう矛盾の出ないようにしよと、これが適正成長路線、安定成長路線、そういうことでございますので、何も低成長、成長率がいままでより低くなったからいろんな矛盾が出ようなんとは夢々考えておりせん。
 ただ、最後に御指摘のように、成長率が下がりますと、これは特に社会的公正というか、そういう問題には配意しなきゃならぬと思うんです。つまり、成長が六〇年代のごときは先進諸国の二倍以上の速度で発展した。そういう中では、成長の先端をいく大企業、そういうものに追随いたしまして中小企業、これも繁栄する。また、経済全体の繁栄のおこぼれというか、影響を受けまして国民全体すみずみまで成長の成果が均てんをする。こいうう状態でありましたが、その均てんの度合いというものは、私はこれは低下すると、こういうことになること、これは必然そうならざるを得ないと思うんです。さらばこそ、この社会的公正というか、この所得の配分といいますか、そういう問題につきましては、これからはさらに格段の配意をしなきゃならぬ。その配意の基本的な考え方につきましては、今度の新経済計画にこれを織り込んでまいりたいと、かように考えております。
#31
○田代富士男君 ただいま心配されました社会的公正の確保ということに対しましては、今後も配慮していくし、今度の経済計画の中にも織り込んでいくという副総理のお考えでありますが、私は、経企庁の所得分配に関する研究委員会の提言といたしまして、預貯金の金利に物価スライド制の導入、それから一定の所得水準を下回る人に給付金を出す、いわゆる負の所得税の導入につきまして、福田副総理は、公正の確保と、いまも申されました配慮していくということでございますから、所得再配分の点から私はこういうことをお述べになっていらっしゃることを私は非常に高く評価したいと思うのです。そこで、所得分配に関する研究委員会の中間報告の提言、これは新しい経済計画の主要な柱の一つになるんじゃないかと思うわけなんです。
 そこで、私はこの研究委員会の提言というものは福田副総理のもとでなされているものでございますから、こういうことはいまの経済計画の中に入れていただけるのかどうか、そこらあたりもうちょっと詳しく御説明願います。
#32
○国務大臣(福田赳夫君) いま物価スライド、これは非常に重大な問題であり、かついろんな弊害を伴う問題でありますので、そういう考え方を取り入れるということはいたしたくないんですが、そういう考え方の起こらないような状態にしたいと思っております。つまり物価を安定させる、そしてとにかく、預金の目減り問題なんというようなことが云々せられないような状態をつくると、これが最善の行き方である、こういうふうに考えております。預金についてのスライド制、これはそんなことを考えるようなことのないように政策誘導をしてまいりたい、かように考えております。
 それから負の所得税、これは学者の間にそういう意見があるんです。理論としては私はわかります。わかりますけれども、これは実際問題として負の所得税、こういうようなことは非常にむずかしい問題であり、どこの国でも負の所得税なんというのはやったこともないと、こういうようなものでありまして、これはなおよく検討はいたしまするけれども、さあ実際の政治としてこれを具体化できるかというと、これはなかなかむずかしいと思うのです。ですから、新経済計画の中にこの負の所得税の導入というようなことは、私はいまこの段階では考えられない、こういうふうに見ております。
#33
○田代富士男君 後ありますけれども、中途半端になりますから、午後の時間をもらいましたから、午後の時間にやります。いまやればもう後二分くらいしかないですから、中途半端になりますから、午後にやります。
#34
○中沢伊登子君 初め質問をおろさしていただくことにしておりましたけれども、共産党さんの方がおりられたもんですから、私に順番が回ってきまして大変幸せでございます。
 先ほど来いろいろ御質問が繰り返されております問題と同じような問題を質問するわけですけれども、ずいぶんたくさん新聞の切り抜きを実は持ってきておったわけです。最近の新聞をいろいろ見ますと、当然のこととは言いながら、経企庁長官は、物価を鎮静させるんだ、このことで一生懸命で、九・九%、一けた台におさめるのには自信がある、こういうふうな発表をしていらっしゃるかと思いますと、また河本通産大臣にしてみれば、やっぱり景気は浮揚させなければいけない、こういうような演説をされてみたりということで、どっちが本当だか政府の方でも統一見解ができてないんではなかろうかと、こんなような感じがするわけですが、長官にお伺いをしますと、当然物価を一けた台に抑えるべきだ、こうおっしゃられると思いますが、その辺の兼ね合いはどのように考えておられますか。
#35
○国務大臣(福田赳夫君) いま私どもの経済運営の課題は、一方においては物価の安定を図る、その目標としては五十年度一けた台――消費者物価水準ということでございますが、同時に景気問題につきましても配慮しなければならぬ。そしてこれ以上景気が停滞を続けるという状態から脱出させなければならない、こういうふうに考えております。この二つの相矛盾し合う政策をどういうふうに同時に目的を達成するかと、これが当面の問題であり、非常にこれはむずかしいことなんです。しかし、私はこのむずかしい二つの問題を同時に解決をする、こういう構えを持って、いま政策運営に当たっておるわけでございますが、私はそういう中において、万一さあ物価問題か景気問題かという選択に迫られる、迫られるという事態にはならぬと思うんですが、迫られるという事態に仮になったとすれば、これは物価を優先させるということであります。通産大臣が産業担当大臣といたしまして、景気のことを非常に心配される。そういう立場で景気政策のことを強調される。これは私もその立場からそういう発言があることはよく理解できますが、これは意見統一は十分してあるんです。物価が最優先だと、その物価政策の枠内において景気政策をとる、そしてその物価、景気両々、これを同時に妥当に解決すると。これを目標として政策を進めておると。これにつきましては、政府部内においていささかの分裂でありますとか、乖離でありますとか、そういう状態はございませんのです。
#36
○中沢伊登子君 それにつきましては、やっぱり景気対策として、公定歩合の引き下げの問題がいま当面の焦点になっているわけですが、この日銀総裁の方では〇・五%引き下げると、こう言っているかと思いますと、通産大臣の方はいや〇・七%引き下げてもらわなければ困る。自民党の方ではいやそれはそうではなくて一%以上、こう言っておられるわけですが、大臣どうお考えになるんですか。
#37
○国務大臣(福田赳夫君) 公定歩合の問題は、日本銀行が全国の金融機関の状態等をよくにらんで、そして自主的に決定をするということになっておるわけですが、その日本銀行の決定に対しまして、各方面からこうやってほしいという要望が述べられておるわけであります。財界からは財界、あるいは自民党からは自民党の考え方、あるいは通産大臣としては通産大臣の考え方、いろいろ述べられておるわけでありますが、これは要するに日本銀行が公定歩合を決める場合に対する希望意見の表明である、こういうふうに私は理解しておりますが、終局は日本銀行がそういう希望なんかのことも考えるでしょう。また、この全国の金融行政ということをつぶさに検討されるでしょう。そういうような中で、日本銀行が独自な見解で決めるという性格のものでありまして、私としては、日本銀行が妥当な結論を出すであろうということを御期待申し上げております。
#38
○中沢伊登子君 長官が物価を一けた台におさめたい。これに相当執念を燃やしていらっしゃるようですね。それについては先ほども社会党さんの方から御質問があったわけですが、ことしの春闘が、恐らく大臣の予想を超えて一三%程度にとどまったと、いわゆるなだらかな春闘に終わった。恐らく私は一五%程度を目標にしていらっしゃったかと思いますけれども、一三%におさまったと、こういうことですね。そういたしますと、昭和四十五年の春闘は、大体一八・五%だったんです。そのときの物価の値上がりが七・三%。昭和四十六年が一六・九%の春闘の賃上げのパーセントで、そのときの物価の値上がりが五・七%であったわけなんです。昭和四十九年、つまり昨年が相当大幅な賃上げをやりましたのが三二・九%。そのときの物価上昇が一四・九%と普通言われているわけですね。これもう少し計算をしてみないとわからないと、先ほど御答弁だったようですけれども、そうなりますと、ことしの春闘が一三%ぐらいにおさまったとすれば、一けた台、九・九%に物価を抑えますと、こう大臣は盛んに言っていらっしゃるわけですけれども、それは私は本当言ったら、余まり自慢にならないと思っております。もう石油の問題も済みましたし、先ほど言いましたように、昭和四十六年が一六・九%のベア、その中で五・七%でございましたから、物価上昇が。そうなりますと一三%あれば、本当は五%ぐらいでいいと、こう申し上げてもしかるべきでしょうけれども、しかし、いろいろな要因がございますから、それは五%にはとどまらないということは、もう常識で私どもわかっておるわけですね。もうすでに四月、五月でげたが三・二%あるわけですね。そうなりますと、とてもじゃありません、五%でおさまるなんていうことは、私どもは思っておりませんけれども、九・九%に本当におさめられるかどうかということ、大変危惧の念を持っているわけです。しかし、長官が非常にこのことに執念をお燃やしになって、一けた台にどうしても抑えると、こう言っていらっしゃるところを拝見しておりますと、ひょっとしたらことしじゅうに総選挙が行われる、あるいはそういう中で、ひょっとしたら国民の目をごまかすムードづくりをいま言っていらっしゃるのじゃないかと、皮肉な見方をすればこういうことも言えるのではなかろうかと、こんな感じがするんですけれども、その点いかがですか。
#39
○国務大臣(福田赳夫君) 選挙はいつか、これは私もちょっと見当はつきませんけれども、選挙で一番私は国民から期待される問題は、何だと、また関心を持たれておる問題は何だというと、これは物価ですよ。この物価が現実にどういうふうになっていくかということについて、国民が最大の関心を持っているだろうと、こういうふうに思っています。別に選挙のことを考えるわけじゃございませんけれども、そういう関心を持っておる問題と真っ正面に取り組む。これは私は三木内閣とすると最大の政治課題だと、こういうふうに考えておるわけでございます。いまお話のように、これはとにかく賃金がなだらかな解決になったということは、私は非常な大きな出来事だったと思うのです。しかし、賃金がとにかく一三%にせよ、一四%にせよ上がったということが物価にいい影響があるわけじゃないんです。それは悪い影響があることの度合いが少なくて済んだということなんですね。とにかくそういう意味において私は、ではありまするけれども、去年三二・九%上がった。それが一三、四%で済むということ。これはもうこれだけ大きなことしの出来事はないというくらいに私はこれを高く見ておるわけでございますが、そのことを考えましても、これはどうしても政府の責任は非常に重いです。なだらかに春闘がそこまでいったというその背景は、やはり四十九年度一四%の物価上昇で済んだ。また政府が五十年度においては一けた台を実現をすると言っておる。そういう物価の現実あるいは将来の展望、これが大きな背景になっている。そのことを考えますと、物価問題、これは非常に政府に責任が重くなってきておる。この責任はぜひとも果たさなきゃならない、こういう心境でございます。
#40
○中沢伊登子君 そこで最後に、国民の関心も物価に一番大きなウエートがかかっておるわけですね。それからいまの三木内閣の第一の政治課題が、やっぱり物価問題だ、こういうふうにおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、いまの独禁法ですね、この独禁法もちょうどいま衆議院の方で議論がされているわけですが、そのために大臣ももう十二時には向こうにおいでになるわけですが、この独禁法の改正の中で、私どもが非常に望んでおりました製品価格の抑制を、政府の方から勧告をする、そういう一項が抜けてしまっているわけでございますね。ただ、製品をどうして値上げするか、原価がこうなったというのを届け出制にいたしましたね。そういうことでございますから、本当は政府がそれほど物価問題を政治課題の第一と考えていらっしゃるならば、独禁法があのようなことにもしもなるとすれば、民間の製品の価格抑制を具体的にやらせるためにも、値下げ勧告ができるような制度をおつくりになってはいかがでしょうか、それがそれこそ国民の目に映る第一の物価問題、物価対策だと、このように考えるんですが。たとえばもうすぐビールの値上げがございますね。もうサッポロビールがきのうかきょうかぐらいでしょうか。そうすると、それに引き続いてキリンビールがございます。いろんな寡占業種、そういったものもこれからまた値上げになろうかと思いますが、政府の方が製品の価格に手を出すことは好ましくないということをこの間の本会議で福田長官もお話しになっておられましたけれども、そういったような価格に政府が手をつける、これはすでに西ドイツでもイギリスでもやっているわけでございますから、日本政府もこの製品価格を抑制するために、値下げ勧告、そういうものをやるような制度をおつくりになってはいかがかしらん、このように思いますが、大臣はどうお考えになりますか。
#41
○国務大臣(福田赳夫君) 政府が個々の商品の価格に介入するというのは、これは非常にむずかしいことかと思うんです。つまり原価計算ですね、これができない限り、この値段が正しいんだとか、悪いんだとか、そういう発言は、これはできないんです。
 そこで、製品の価格、これは需給の関係で決まっていくという仕組みをとっておるわけですが、ただ、そういう大原則でありまするものの、特殊な場合がある。たとえばいわゆる同調値上げ、そういうような場合におきましては、これを公正取引委員会に報告をさせるというような仕組みで同調値上げを牽制をいたしますとか、あるいは業者が相携えまして、そうして値上げをする、あるいは値下がり支えをする、こういうようないわゆるカルテルですね。これに対しましては、これは介入するとか、特殊な場合にそういう特殊な形で介入する、これは私は考えられることだかと思いまするけれども、一般的にどうも物の価格に政府が介入するとかということは言うべくしてなかなかむずかしい問題であります。しかし、主要な生活必需物資、そういうものにつきましては、いわゆる個々の商品に対する介入ではございませんけれども、あるいは上限下限を設けて、政府がある程度の基金を設定するというような形で、その値段の安定を図るというようなことは積極的にこの上とも考えるべきかと、かように考えております。
#42
○委員長(岡本悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#43
○委員長(岡本悟君) ただいまから物価等対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、当面の物価等対策樹立に関する調査を進めます。質疑のある方は順次御発言願います。
#44
○森下昭司君 それでは最初に物価局長にお尋ねをいたしたいと思います。
 午前中福田副総理からいろんな御答弁をいただいたわけでありますが、この酒、たばこ、それから郵便料金など、当面の公共料金の値上げによる物価指数は一%という御答弁が午前中にあったわけでありますけれども、しかし、私はいつも申し上げておるのでありますが、この公共料金の値上げに基づきまする物価指数の上昇というものは、ただ単に公共料金の値上げだけに限定をされないで、関連するものそれに付随して上がるということは、通常過去の経緯からして明らかであります。したがって、たとえば酒、たばこ、郵便料金の中で最も関連の、もう物価が上がると思われるのは酒があるわけでありますが、いわゆる酒がいまの税金のアップだけで〇・一%と試算をされておりますが、関連した物価の上昇を推定をいたしますときに、どの程度の物価上昇指数なのか、試算があれば、まず最初にそれをお聞かせ願いたいと思うんです。
#45
○政府委員(喜多村治雄君) 酒につきましては公共料金じゃございませんが、酒税がいま先生の仰せのとおりの税率のアップが認められますと、〇・一になるということは御承知のとおりでございますが、この酒を上げますことによって、関連したところへどう波及するかという計算は実はいたしておりません。と申しますのは、酒は最終商品でございますので、一番末端のところでのことでございますので、そこから先に行くというのは社用消費のようなもの、あるいはそのほか酒を使って何か製品をつくるということがございましても、きわめて小そうございますし、それが家計消費の中に――これはCPIというのは家計消費でございます――占めていく割合というものはきわめて小そうございますので、計算はいたしておりませんが、比較的小さいものと推測いたします。
#46
○森下昭司君 しかし、この間、これはいま大蔵委員会等で審議されておりますので、きょうは深く触れませんけれども、先日東京都の一部で麒麟麦酒とサントリービールがまだ値上げをしていないというようなことから、卸売並びに小売業者がそれぞれ手数料を独自の判断で値上げをした。これは全国的に波及するだろうという報道がなされたのでありますが、私の住んでおります名古屋地方も、翌日やはり同じようなことになりまして、市内の九卸売業者がすべてこの手数料を東京都内の卸売業者と同じように値上げをしておる。問題になりますのは、その値上げしたこと自体も私どもは一つの便乗値上げとみなすし、それからもう一点問題になりますのは、いつもこれもよく出るのでありますが、卸売がこの手数料は二円五十銭、小売は大体五円五十銭、合計いたしますと、これが八円なんですね。ところが、いまサントリーとキリンは、大びん一びんは百六十円でありますから、百六十八円と改定をするのが一番正しいのでありますが、八円のつり銭を出す手数を省くとか、まあ一円のアルミ貨が不足していることかもしれませんけれども、端数を四捨五入といいますか、切り上げまして一びん十円だと。これは全く再々便乗というようなかっこうになっておるわけなんですよ。
 こういうように一つのものを上げますと、全体として関連するものが上げられて、しかも四捨五入ではございませんけれども、端数が十円、二十円というようなかっこうで上げられている。これは物価局長は、非常に家計に及ぼす――というよりも物価指数に反映する指数としては少ないと、こうおっしゃいますけれども、これが米になりますと、町の一杯のカレーライスの御飯は何円の値上げになると。しかし実際には二十円、三十円という端数になる。考えてまいりますと、こういう小さなものでもちりも積もれば山となるではございませんが、相当大きなこれは物価上昇の指数の押し上げの原因になると私は見ているんでありますが、こういう点についてはどういうお考えを持っておいでになるんですか。
#47
○政府委員(喜多村治雄君) 先ほど酒、ビールの例で申し上げましたけれども、米、小麦になりますと、先生仰せのとおり確かに間接効果、波及効果というものが大きゅうございます。したがって、私どもは直接的な計数の計算はいたしましても、実際はそれでおさまらないということを実は懸念いたしております。で、去年お米を三二%上げましたときにも、実はお米の関連ではなくて、小麦関係が上がったということもございますし、そういう便乗値上げ的なものございますので、仰せのとおり非常に問題が多い物資だと思います。そこで、私どもはこの便乗値上げを何とか防ぐ方法はないかということで、当時もそうでございましたが、農林省及び各都道府県及び市町村にもお願いいたしまして、監視というようなこと、ある場合には、これは値下げをしろというわけにもまいりませんけれども、ある程度の行政指導を含めますそういう監視を続けておるわけでございまして、今後も公共料金のそういった値上げが行われます場合の値乗値上げというものは、そういうもので対処していきたいと考えております。
#48
○森下昭司君 それはなかなか私は言葉の上では簡単のようでありますが、むずかしい問題だと実は考えておるわけでありまして、具体的にやはり私はことしも、午前中質疑がありましたように、生産者米価の引き上げ、これは麦も同様であります。当然政府売り渡し米あるいは政府売り渡しの麦も上げざるを得ないということになってくるのでありまして、影響は非常に大きいと。こういうものをやっぱり私は具体的に試算推計をいたしませんと、幾ら一けた台に抑える自信があると言っても、なかなか納得できるものではありませんし、また説得力も私はないと思います。そういう点で、私はさらにこの問題についてはいま物価局長からお話がありましたように、相当な決意を持って、やはり関係各省と御相談の上、二度と再び同じようなことは繰り返さないというたてまえに立って努力を願っておきたいと思うわけでありますが、そこで、政務次官お見えになりましたので、ちょっとお聞きいたしますが、在来はこの消費者米価という問題なり、あるいは政府売り渡しの消費者麦の値段と申しますか、そういうものがいわゆる話題になってまいりますと、昨年は盛んに経済企画庁は、二〇%程度の消費者米価の値上げにとどめないと、物価政策上適当ではないというような御発言が盛んにあったように私記憶をいたしておりますし、またこの物価対策委員会でもそういう御議論をなさったと思います。ことしは、先ほど午前中の福田大臣のお話ではありませんが、まだ麦についても試算できるような資料が集まってないので、明らかにできないというお話でありますが、少なくとも六月下旬に米価審議会で麦の売り渡しなり、また生産者のいわゆる麦の値段が決まるというような状沢下に置かれ、あるいは七月の下旬に、私どもは同時答申というのは反対でありますが、とにかく生産者米価なり消費者米価が決まろうといたしております。そうだといたしますと、たとえば試算ができてないにしても、物価政策というたてまえでいけば、経済企画庁としては何%程度の消費者米価の値上げならば、今日の一けた台物価公約の指数の範囲内で消化できるんだというような見通しを、これを天下に御公表なさるお考え方があるかどうか、これをまず最初に伺います。
#49
○政府委員(安田貴六君) いま森下委員より麦価並びに米価についての御質問でございますが、これは経済企画庁としては、もう物価抑制という観点からも、国民生活の安定という観点からも、極力値上げをしないで済むならば、しないようにすることが一番望ましい立場にあるわけでありまして、したがいまして、そういう立場をとっておりますが、いまのところでは御承知のとおり、農林省の方からも何らこの問題については具体的な協議も受けておりませんし、したがいまして、同じ政府部内の問題でありますから、これは経済企画庁だけが先走るわけにもまいりませんし、農林省あるいは経済企画庁あるいは大蔵省、特に関連の深い各省庁間の一つの農林省からの材料を基本にして、十分に協議をいたしまして、方向づけをいたすのが大体たてまえであろうと存じまするので、いま御指摘のありましたように、経済企画庁としてはどの程度までの値上げが適当だということをあらかじめ天下に公表すると申しましょうか、まあ意見を公表するというようなことは差し控えるべきことではないかと、私自身は考えております。現在のところでは御案内のとおり、何ら経済企画庁には具体的に相談がございません。したがいまして、相談があった暁には、いまの御指摘のような公表はできませんけれども、十分に物価抑制という観点に立って経済企画庁としては対処してまいりたい、こう考えております。
#50
○森下昭司君 私は何といいますか、昨年は大幅消費者米価の値上げだということで、盛んに米審が開かれる前に経済企画庁あたりが物価政策のたてまえから二〇%程度の消費者米価の値上げならばというようなことを盛んに公表なさっていた事実があるので、ことしもやはり役所でいえば慣習と言っちゃ語弊がありますけれども、その例年の例にならって、消費者米価について経済企画庁として物価政策上こうあるべきだ、こうあるべき姿だということは、ものを言う機会があっていいのではないかという考え方を実は持っておるのであります。そういう点について大胆、率直に機会があれば、そういう物価政策のたてまえから消費者米価等について具体的に意見を述べる、そういう考え方があるかどうかということをお尋ねしているのですが。
#51
○政府委員(安田貴六君) たっての御質問でございますが、いま御答弁申し上げましたように、いまの段階では農林省の方からも何ら麦価ないし米価の問題については、いろいろと協議を受けておらない段階でございまするので、十分に協議がだんだん進んでまいりまする過程の中で発表いたしましても適当であるという、やはりタイミングがございますから、そういう時期を選んで必要があれば発表いたしたいと思いますが、いまの段階ではそういう考え方は持っておりません。
#52
○森下昭司君 実は新聞の報道するところによりますれば、大蔵省はたとえば生産者米価というものは二〇%引き上げたらどうだとか、いや春闘で賃金が予想以上に低く抑えられたので、一一%程度値上げしたらどうだとか、あるいは麦もその程度だとか、いろいろなことが実は報道がなされているわけであります。私は先ほど午前中の福田大臣の御答弁ではありませんけれども、いわゆる本年物価上昇の要因と見られた三つの問題について、一応の要因がなくなったということで、引き続き一けた以内の公約を実現することができるのだという自信ある御答弁があったわけでありますが、そういうことを前提にいたしますと、やはり生産者米価というものは、春闘の賃上げあるいはパリテイ方式等をおとりになるならば、パリティ方式の指数からいってどの程度のものが予想されるであろう。それからいって財政上の問題で最後には高度な政治的判断になると思いますが、消費者米価については物価対策上はこうあるべきだという経済企画庁の私はやはり独自の判断があっていいのではないだろうか。大蔵省もぶち上げている、農林省もぶち上げている、にかかわらず、物価総本山の経済企画庁が相談がないからまだやりませんよ、相談があればものは言いましょうというような消極的な態度では、私は物価政策上非常に好ましくないというような考え方があるのでありますが、その点について、私はやはり現在事前に大蔵省なり農林省がぶち上げておる実態を前にいたしまして、経済企画庁としてどうすべきかということを重ねてひとつお尋ねをいたします。
#53
○政府委員(安田貴六君) 経済企画庁といたしましては、米価にしましても、麦価にいたしましても、極力値上げをしたくないという立場なんでございますから、ですから値上げをしたくないという立場で、やむを得ずそれは農林省なり大蔵省なりの立場におきまして、消費者米価、麦価というものを値上げしなければならぬという問題が提起された段階において、極力物価抑制という観点からその上げ幅を縮めるという立場をとらなければならぬわけですから、私どもの立場は、その立場にありながら、あらかじめ農林省や大蔵省の方の御意見もないままにこの程度まではいいんだという公表は、やはりどうしても私どもは慎まなければならぬ、こう考えておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#54
○森下昭司君 まあいろいろお立場があるようでありますので、そういった点について私は深くは追及いたしませんけれども、私はやはり物価政策上から消費者米価はこうあるべきだというような経済企画庁の一つの判断があってしかるべきではないか。昨年は盛んに消費者米価について指数までお挙げになって、いろいろとお話があったわけでありますから、そういう観点からいたしますと、ことしも例年にならってそういうようなお考え方に立つべきであろうというふうに考えております。しかし、この問題は非常にむずかしい問題でもありますので、一応今後の、いまお話があったように、消費者米価はできるだけ低く抑えたいという態度を貫かれることを特に希望いたしておきたいと思います。
 それから、次は時間の関係もありますので、砂糖の問題に入らしていただきます。午前中に福田副総理から実はお話があったのでありますが、それで私、森局長に具体的にちょっとお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。
 まず、午前中の答弁でいわゆる輸入原糖が非常に安くなりまして、弾力条項で関税がだんだんまた復活をしてまいりますが、その結果、関税をかけても、決して小売り値段のコストアップの原因にはならないというような御答弁があったわけでありますが、精糖工業会は逆に関税倒産という言葉を使って、関税がまた復活をすることによって赤字の会社もあるので、倒産をする危険性もあるというようなことを述べておるのでありますが、関税が復活することによって赤字が増大するということはないというふうに確認してよろしいですか。
#55
○政府委員(森整治君) 午前中の御答弁で申し上げましたように、関税が予想外に早く手配をしなければならないという時期に来た、六月の上期から若干の関税の徴収を行うということでございますが、そのことは逆に申しますと、われわれがコスト計算をいたしました時点から、予想外にまたロンドンの相場が突っ込んできているということでございます。ですから、われわれのコスト計算よりも安くなるはずでございます。取られる分と、そういうものが厳密に毎日毎日変わっておるわけで、これはわれわれ今後ずっと追跡はいたしてまいります。われわれがいま把握しているところでは決してそういう事態にはなっておらないということでございまして、重ねて申し上げますが、値上げ要因というふうにはわれわれは考えておりません。資金繰りの問題であろうということでわれわれは対処いたしたい、こう思っております。
#56
○森下昭司君 いまお話があったわけでありますが、たとえばいまの三百十五円という小売り値段の一応の原糖輸入価格の標準は三百十七ポンドというふうに試算をされているわけでありまして、でありまするから、たとえば関税が仮に付与されたといたしましても、三百十七ポンドを超えない限り、現在の状態で会社経営は成り立っていくという理解で、ここ数年といいますか、当分の間はいいというふうでいいですか。
#57
○政府委員(森整治君) 御指摘のとおりでございます。
#58
○森下昭司君 そこで午前中、福田大臣は自由価格の問題に移行したいというような御発言があったわけでありますが、きょうの午前中の答弁の中でも需給の状況、安定の問題等を取り上げられて大臣からも御答弁があったのでありますが、いまの砂糖の現在の状況をながめてみますると、需給に関係なく小売り値段が実は上げられているわけであります。言葉をかえて言えば、二百八十七円の値段のときも、三百十五円の値段の今日のときも製糖会社の倉庫には砂糖がだぶついておる、卸売り業者の手元にも、小売り業者の手元にも砂糖が幾分従前よりも多く滞貨をされておるというような状況下でありまして、むしろ砂糖の値段というのは需給と関係なく価格が決められてきているというように私ども実は考えているわけであります。需給が緩めば多少値段は下がるのではないだろうかという期待は持ち得ないのが今日の砂糖業界の実態ではないかと思うのでありますが、そういう点で私は自由価格に移行する場合には、その時期が相当重要な問題になるのではないかと思うのでありますが、その点について局長のひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
#59
○政府委員(森整治君) 御承知のように、確かに一時ことしの一、二月、それから三月の初めまではむしろ生産が非常に減りまして、出荷も落ちたということでございますが、その後出荷も生産も順調に伸びてきておりまして、一応供給問題については問題はない。だぶついているというほどのことでは私はないと思っております。ただ、御指摘のように、こういう相場商品に対しましてわれわれ価格の行政指導をしておりまして非常に早く、はっきり申しますと、撤廃すべきであるという考え方を持っております。何せやはり家庭用の小袋につきましては、現在のたとえば日経相場をとりましても、現在売られているコストでは低く抑えられておるわけであります。業務用は高くなっておる、こういう事態でやはり家庭の小袋を守るために行政指導は続けざるを得ないと思っておりますけれども、これが私どもあくまでも最初政府でいろいろ事前協議制をとりました考え方も臨時応急の措置でございます。ですから、何も価格を底支えするという意図は毛頭ございません。それがむしろ邪魔になるという時期が来れば、当然私どもは協議制を撤廃いたし、自由価格に、需給による価格調整という、そういう価格調整による需給安定という体制に早く戻りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#60
○森下昭司君 しかし原糖はいま百五十ポンド程度に値下がりをいたしておりますが、局長が期待するように三百十五円以下に家庭用の一キロ小袋入りが値が下がるということは、私はなかなかいまの精糖工業会の考え方からいたしますれば、実現はむずかしいのではないかというような率直な感じがいたします。でありまするから、私は国際市況の原糖輸入の価格が下落をすれば、それに付随をいたしまして一年後、二年後に、その下落をした分に応じて値が下がってくるというような時期でありますれば、自由価格制度に移行することについてはあえて抵抗を感じないのでありますが、それにいたしましても、関税倒産というようなことまで言うような精糖工業会が原糖輸入価格が下落をいたしましても、砂糖の値段を値下げするというようなことは期待できないと考えるのが妥当ではないかと思っておるのでありまして、そういう点で私は時間がありませんので、詳しく論議いたしませんが、言うならば自由価格移行については、やはり慎重な私は考慮を払っていただきたいということをまず希望しておきます。
 それから糖価安定事業団の機能の回復はどうしたら具体的に機能回復ができるとお考えですか。
#61
○政府委員(森整治君) 糖価安定制度の基本は安定帯の上限と下限を決めて、その中に国内の価格を落ちつけていこうと、こういうことでございます。国産の問題もございます。消費者対策としてはそういうことでございます。そういたしますと、その幅をどこに置くかということが非常に問題でございます。御承知のように、一昨年来から始まりました砂糖の大暴騰に、正直申しまして制度がついていけなかったということだと思います。したがいまして、最近逆に下落をしてきておりますけれども、その下落がどの水準にいくか、これは非常にむずかしゅうございますけれども、ともかく下がってきておることは事実でございます。またどの水準が適当かということも非常に見きわめはむずかしゅうございますけれども、その中へおさめていくという安定帯の価格改定問題、また価格をどういうふうに位置づけていくかということによって事業団のただいまの売買操作の機能回復を図りたいというふうに考えておるわけでございます。
#62
○森下昭司君 その場合でも、この機能した前の下限価格トン当たり二万七千円、上限価格トン当たり五万四千円、これは改定する必要があるとお考えですか。
#63
○政府委員(森整治君) いま先生が申されました数字は去年の価格でございます。ただいまは約倍になっておる。その価格をことしの九月に毎年改定をするということになっております。これにつきましては九月までの国際糖価の推移を見まして、その安定帯価格を据え置くか、上げるか、――まあ下げるということはちょっと考えておりません。その判断を九月の時点で行いたいというふうに考えておるわけでございます。
#64
○森下昭司君 それから、ことしでありますが、オーストラリアと五年間、年間六十万トン、一トン当たり二百二十八・八ポンドという輸入契約を商社がなさったわけでありますが、これはロンドン市場の原糖の下落の状況からまいりますと、むしろ足かせ手かせのような、いわばお荷物をしょったような実はかっこうになっているのです。この輸入契約ができました当時は、ロンドンで二百五十ないしは三百ポンドの時代でありましたから、これで糖価安定の一つの大きな役割りを果たすのではないかということで大いに歓迎されたところでありますが、現在の状況ではこれはむしろお荷物のような状況になっております。この契約は国際信義上商社は守らなければならぬと思うのでありますが、いわゆるコストの関係、小売値段の関係等から、このオーストラリアとの契約による原糖の輸入を拒否をするというような製糖会社――商社は拒否ができませんが、製糖会社が出てくるのではないかと思うのでありますが、そういう心配はありませんか。
#65
○政府委員(森整治君) 先生御指摘のように、もう国際相場が六百五十ポンドまで行きました。あのときに非常に見きわめはむずかしかったわけでございますが、ともかく私どもは日豪の取り決めによりまして、国際相場を下げたという認識を実は持っておるわけでございます。そのとき考えましたことは、結局一年限りのものでなしに五年間ということでございます。で、いま、たまたまその五年間でトン当たり二百二十九ポンド、ともかく変えにい価格ということでございますから、その価格よりもロンドンの相場が高くなったり安くなったりすることは、私は当然だと思います。ただ、いまたまたま市況が下がっておるからどうこうということは精製糖メーカーからは出ておりません。そのことは逆に申しますと、この長期契約の締結に当たりまして、通産省におきまして輸入カルテルの認可を行っております。公取とも協議いたし、農林省とも協議いたしまして輸入カルテルの協定をつくっております。
 それが一つと、それからもう一つ、糖価安定制度の中で、例の午前中御指摘ございました平均輸入価格という制度がございます。それを目安にしていろいろ安定資金を調整するということになっておりますが、その平均輸入価格を算定いたします場合に、豪州糖が六十万トン入ってくるわけですから、その比率で加重平均をいたしまして、現実に高く入ってくるものは高く入ってくるということで見ていくという政令改正をすでに処置しておるわけでございます。そういうことによりまして日豪協定の担保を政府としてもいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#66
○森下昭司君 しかし実際問題といたしましては、仮にそうであったといたしましても、世界の原糖相場が下がっておりまするから、大変な私は負担を受けたというふうに考えております。もちろん私は、この二、三の会社の決算だけでありますが、たとえば値上げを激しく申請いたしました台糖はことしの三月期でありますが、三億九千七百四十五万円の当期利益を上げておりまするし、あるいはまた明治製糖会社も一億三千二百八十六万七千六百七十六円というような当期利益金が実は決算報告されておるわけであります。総じて精糖業界はいろんな立場もございますが、世間で言われるように、あるいは精糖工業会自身が強調するように、余り経営が困難な状況ではないというふうに私ども実は見ているわけであります。そして、もとを言えば、ロンドン市場で高値の原糖を買った、つまり砂糖の相場の見通しを誤った、いわば見通しの甘さというもの、言葉をかえて言えば経営手腕の失敗である。こういう会社の経営の失敗を小売価格の上昇ということによって国民に転嫁をしていく、この安易な私はやはり経営方法というものが、今日、精糖工業会に所属をしておりまする製糖会社の中にあるのではないだろうかというふうに実は思う一人でありまして、今後、私は、そういう点について精糖工業会に対しまして謙虚に反省して、国民の側に立った、物価政策の上に立った私はやはり健全な経営をしていくべきだということを、強く農林省は指導するように希望いたしまして、砂糖の関係はこれをもって終わりたいと思います。
 次に、私は、引き続いて各省庁大臣の大臣賞の問題について、この機会にお伺いをいたしておきたいと思うんであります。
 まず最初に、非常にこれ申しわけないんでありますが、とりあえず内閣官房の方から御答弁を最初に承りたいのでありますが、総理大臣賞を初めといたしまして、各省庁の大臣賞というものがいろんな催しに下付されておりますが、各省庁それぞれ独自の判断と申しますか、独自の内規に従って、いわゆる大臣賞等が下付されているようであります。いわば政府に統一的な基準というものがあって大臣賞というのは下付されていないというふうに私は思うんでありますが、こういう大臣賞というような大臣の権威にかかわるような問題について政府に統一的な基準がないというのは、非常に私は遺憾なことだと思うんでありますが、その点について内閣官房の方からひとつ御見解があれば承りたいと思います。
#67
○説明員(山地進君) 先生の御指摘のとおり、各省それぞれ基準がございまして、統一的な基準は現在のところないわけでございますが、これは案じまするに、いろいろの賞というのは、各省のそれぞれの対象によりましてかなり違いがあるのが現状だろうと思います。また各省の基準については私もつまびらかにはしておりませんが、もちろん各省それぞれに他の省の優秀な基準というものを参考にしながら、その改善には努められるべきだ、かように思いますが、現在のところ統一的なものをつくるというような必要があるかどうかについては、そういうふうには思っておりませんです。
#68
○森下昭司君 私は、やはり統一的な基準というものは今後検討事項として考えてもらいたいと思うんであります。具体的に申し上げますと、たとえば同一業種の催しについて、一つは輸出振興というたてまえから通産大臣賞、もう一つは農水産振興というたてまえから農林大臣賞が出ているのがあるんであります。たとえば、具体的に言えば錦鯉品評会、これは農林大臣賞が四点出ております。そして輸出振興というたてまえで、同じ催しではありませんが、同じ種類の錦鯉品評会に通産大臣賞が四十九年中に一点出ているわけであります。あるいはカナリヤ品評会。カナリヤは私は農林水産の振興という意味で出されるのかもしれませんが、とにかく農林大臣賞が二点、カナリヤをアメリカに輸出しているというので、通産大臣賞が一点出ています。こういう私は、何といいますか、矛盾といいますか、下付の基準のないところ、省庁ばらばらのところに問題が残されておるのじゃないだろうかと思うのでありまして、いま検討する考え方はないという御答弁でありますが、これは私は、こういう具体的な矛盾が出ている以上は、統一的なやはり政府は各省庁大臣の大臣賞の下付については検討する必要があると私はむしろ思うんでありますが、重ねてお尋ねします。
#69
○説明員(山地進君) いまのように各省間で競合と申しますか、同じような賞状が出ているということでございますが、恐らく輸出の観点からと、それからあるいは国内の産業の振興というような観点から見方が違って、恐らく同じ品物に出るということではない。あるいは鯉の場合でしたら外国人の好みと日本人の好みと違うかもしれませんし、そういうものをつくるという意味はそれぞれあるのかもしれません。私は、その基準が悪いんじゃなくて、恐らくどういう観点から出されたかという方に問題があるのではないだろうかと思うので、いまの基準の問題とは別によく調べてみたいと思います。
#70
○森下昭司君 これは後ほど具体的に聞きますが、基準の中に目的が明確でない。ですから、農林省なんかもう何回も秘書課長名で通達を出さざるを得ないようなことになっているんです。これは後からまた具体的にお尋ねいたします。
 そこで、宮内庁関係を最初にお尋ねをいたします。
 最近私、町を歩いてまいりますと、宮内庁御用達という看板のかかった店によく出会うのでありますが、御用達制度というのはどういうものか、まず御説明いただきたい。
#71
○政府委員(石川一郎君) お答えいたします。
 かつて宮内省には宮内省御用達に関して内規が定められておりまして、宮内省出入りの商人で一定の要件を具備する者に限って宮内省御用達というように標章することを許可しておったのでございます。しかし現在はこのような制度はございません。宮内庁におきましては、よい品物であれば随時必要に応じて購入する、こういうことにいたしておるのでございます。ただこれらの業者のうちには、いまお話がございましたように、自動車でありますとか、看板でありますとか、その他のものに宮内庁御用とか、あるいは宮内庁御用達と、こういう標示をいたしているものがあるのでございます。これらの標示につきましては、宮内庁に出入りをしていることが事実である、またその標示すること自体が弊害が伴わないということでありますれば、特にこれを規制するという必要はないのではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、そういう標示をすることが行き過ぎになっておる、皇室を利用するとか、そういうような意味での行き過ぎのような点がありますれば、これは具体的なケースに応じていろいろ御注意を申し上げるとか、そういうことをしなければならないというように考えております。いずれにいたしましても、かつてのような御用達という制度そのものはございませんけれども、出入りをしている意味での標示が行われているということは事実であろうと思うのでございます。
#72
○森下昭司君 かつてというのは、たとえば時期的に申しますと、旧憲法時代ですか。
#73
○政府委員(石川一郎君) これは明治二十四年から始まっております。それで、具体的にその御用達としての許可を最終的にいたしましたのは、昭和二十四年でございますね。これは有効期間が五年ということになっておりますので、そうした旧制度のものは二十九年で大体終了いたしておると、こういうふうに考えております。
#74
○森下昭司君 現在宮内庁関係の皇室の方々の御利用になりまするものも、いわば一般の法に基づいている。簡単に言えば指名競争入札とか、一般競争入札とか、特定なものについては随意契約とか、この一般法の規制に基づいて御購入なさっているという理解でいいですか。
#75
○政府委員(石川一郎君) 宮内庁で購入いたしますのは、これは役所でございますので、一般と何ら異なっておりません。皇族方が御購入になります場合は、これは役所ではございませんで、それぞれのところで必要に応じて購入する、こういうことになっております。
#76
○森下昭司君 私は先ほど弊害がなければ、現行制度としては存在しないけれども、御用達というような看板を掲げておってもいいのではないかというお話がありますが、いまいみじくも御答弁ありましたように、宮内庁御用達というそのものは、いまお聞きいたしますと、宮内庁関係の備品があるんだと。天皇陛下を初めとする皇室方のものは一般のものと変わらないということになりますと、実際理屈の上ではそういう分け方をされますけれども、一般の庶民の側から見ますと、宮内庁御用達は天皇家にもお出入りを許されているという理解で、いわば私は皇室を利用するという印象を非常に強く受けると実は思うのであります。そういう点で、私はこれはやはり、弊害が伴わなければというお話がありますが、実態は弊害を伴っているというふうに私は思うのでありますが、実態についてはどうお考えですか。
#77
○政府委員(石川一郎君) これはなかなかむずかしい問題だと思うのでございます。たとえば名刺に宮内庁御用達としていることが直ちにいけないか。事実としてそういうことで、ただその事実を表示しているということでございますと、ちょっとこれは差し支えがあるというように申し上げることもなかなかむずかしいというふうに考えるわけでございます。事実問題としての処理でございまして、そういう点で、現在のところは実は特別の規制はいたしておらない、こういう実情にあるわけでございます。
#78
○森下昭司君 最初に御答弁がありましたように、自動車に使ったり、看板につけたり、あるいはまた包装紙に使っているところもありましたり、あるいは店先に麗々しく掲げているところも実はあるわけでありまして、私は実は非常に皇室を利用するような商売が行われているのではないだろうか。これは後ほど不当表示その他大臣賞の問題と関連をして、まとめて公正取引委員会の方にお伺いをいたします。
 次に、農林大臣賞についてお尋ねをいたします。
 この農林大臣賞の根拠は、昭和三十六年の一月十日の秘書課長名で出されました通牒内規があります。その中で、「共進会等における農林大臣賞状の取扱いについて」の内規の中で、「ドック・レース大会、鳩レース大会、菊花大会、つり大会等農林省の施策に直接関件がないものについては、秘書課長に提出する」という一項目があります。私は、農林大臣賞というものは、農林漁業の振興が目的で下付されると思うのでありますが、農林省施策に直接関係のないものについてなぜ下付をするのか、この根拠をひとつ説明してもらいたいと思います。
#79
○説明員(渡邊五郎君) お答えいたします。農林省の内規につきましては、御指摘のように、三十六年に秘書課長名の内規をもちまして書いてございますが、その中に、「ドッグ・レース大会、鳩レース大会、菊花大会、つり大会等」というふうな表示をいたしております。これらは農林省の施策に直接関係のないということでしておりまして、間接的な関連を有する場合、たとえば菊花大会におきましては花卉の生産振興というような、花の生産振興でございますが、こうした関係からの賞状を交付するという問題がございますし、鳩レースにつきましても、従前は家畜改良の精液輸送等にも使われたというような事実もございまして、この種の限られたものにだけ農林大臣賞を交付している。したがいまして事例のものすべてに交付しているわけではございませんので、きわめて限られたものだけに交付している。この場合「秘書課長に提出」というのは、各担当部局でも判断のつかないものについては直接私どもが判断してその実態に応じて交付する、こういうふうにしておりまして、きわめて限定されたものについてしか交付しておりません。
#80
○森下昭司君 私はその答弁は実は納得できないのであります。農林省の施策に関係ないものになぜ農林大臣賞を出すのか。関連があるからと言う。関連があるからというのなら、農林水産漁業に関連のあるものは、もっともっとたくさんありますよ。なぜ釣りや菊花や鳩レースやドッグ・レースに限定するのですか。私はそんな答弁は納得できないと思います。
 これは先ほど官房の参事官にもお尋ねしましたが、大臣賞の下付の目的が明らかでないから、こういうことになるのですよ。大臣賞というものを何のために出すのか、それが明確でないから、各省庁勝手にばらばらに、おれのところは関連性のある関連事業にだけ出しますよ、私のところは私のところの当該施策だけですよというような、まちまちの見解が行われているのです。こういうばらばらの大臣賞の出し方が今日の国民常識からすると妥当とお考えですか、一体。妥当論ですよ。常識上から言って、おかしいじゃないですか、おかしいと思いませんか。
#81
○説明員(山地進君) いまのドッグ・レース、鳩レース等、おそらく競馬等から派生をして、こういうことのお考えをお持ちになったのかと思いますが……
#82
○森下昭司君 競馬は農林省の所管に入っているのだよ。そらしちゃいかぬよ。施策に関係がないと言っているじゃないか。秘書課長名でちゃんと文書を出しているじゃないか。競馬は農林省の所管だよ。だから最初の答弁を変えなさいよ。あなたは、検討しますなどと言っているけれども。
#83
○説明員(山地進君) 先ほど私が申し上げましたとおり、各省それぞれの内規については、よその省の内規等十分検討して改善に努力すべきであると、私はそのように申し上げまして、ただ統一的な基準が必要かどうかについては問題があると、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
#84
○森下昭司君 問題がないのではなくて、問題があり過ぎるのですよ。たとえば菊花大会どうですか。総理大臣賞出ているでしょう。出ていませんか、菊花大会に。出ているよ。全国菊花コンクール。自分ところの資料ぐらい読んでこいよ。時間がないんだよ。
#85
○説明員(山地進君) 全日本菊花コンクールにつきましては、朝日新聞の主催で、文部省より上申がございまして総理大臣賞を出しております。
#86
○森下昭司君 私が聞いておるのは、農林省でも、施策に関係はないけれども、菊花大会には農林大臣賞を出すと言っているんです。総理大臣賞も、これ目的何もはっきり書いてないんですよ。だから出すんでしょう。もっと後で秋田県保存会なんという形でみんなありますよ、私は問題はないどころか、問題はありますよ。それから動物愛護ポスター、農林省で大臣賞は出ておりますね。野鳥保護を主体にした動物愛護ポスターなら農林大臣賞の私は価値はあると思うんだな。ところが、総理大臣賞も動物愛護ポスターは出ておりますよ、一点。出ているでしょう。
#87
○説明員(山地進君) 菊花コンクールその他動物等について総理大臣賞をお出ししておりますが、それは各省から上申を待ちまして出しておりまして、各大臣と競合して出してはいないと、かように理解しております。
#88
○森下昭司君 私は競合のことをとやかく言っているんじゃないんですよ。そういう各省庁からまちまちに出されて、これは総理府から出された総理大臣賞、これはどこどこから出されたやつというのは、今度は逆によその省庁とまたがっておるわけでしょう。動物愛護ポスターだって農林省で出しているんですよ、農林大臣賞を。そして同じ動物愛護ポスターを今度は総理府を通じて総理大臣賞の申請があるんです。私が言うなら、動物愛護ポスター、統一的な基準があるんなら、何で農林省は総理大臣賞を推薦せぬのですか。なぜ総理府が推薦するのですか。主催者団体が違うんでしょう。規模も違うんでしょう。そういうことをなぜ問題がないとあなたは言い切るんですか。問題があり過ぎるんだよ。
#89
○説明員(山地進君) 実情についてつまびらかにしませんで、まことに申しわけございません。動物愛護ポスター、総理府で出しておりますのは、これは総理府が動物保護法をやりましたので、これをやったんで、これは、農林省の方と競合とかいうことにはなっておりません。
 それから、一般的に各省から出ておりますのは、各省のいろいろ基準の上で、さらにこれは総理大臣のものが必要であるという御認定のもとに総理大臣賞を申請されていると、かように私どもは理解しております。
#90
○森下昭司君 時間がありませんから、それ以上追及いたしません。
 そこで、農林省の方にお尋ねいたしますが、最近、百貨店や観光地のみやげ店で、主につけものが多いんでありますが、農林大臣賞受賞という、袋に印刷がしてありまして、盛んに売られているわけであります。菓子類も同じような傾向がございます。こういうものは、やはり農林省の大臣賞の下付の中に、「単に営利を目的とすると認められるもの」に私は該当すると。申請のときには営利に使わないと言っており、受賞してしまうと、あたかもこれは全部――その製品だけでなく、当該種類の全製品、中には当該会社の全製品が受賞の対象になったかのごとき行為でもって売られているというような実態があるということについて御存じですか。
#91
○説明員(渡邊五郎君) ええ。ただいまの御指摘のような事実が最近新聞等にもあらわれましたことはまことに遺憾でございます。まさに御指摘のとおり、そうした事実につきまして、過去におきましてもそうした事実がございまして、先ほど申し上げました三十六年の秘書課長名の内規を出した以降におきまして問題が生じまして、四十一年に秘書課長名をもちまして、本来の趣旨を逸脱いたしまして、御指摘のような問題につきまして厳に慎むよう通達を出しまして、営利を目的として品質保証を印象づけるような農林大臣賞の受賞の広告または表示は厳に慎むように指示したところでございますが、最近またそうした事例も出ておるとうことを私ども二、三承知いたしております。
#92
○森下昭司君 昭和四十一年に、あなたがいま言った実態というものを当時の秘書課長は御存じになって、改めて大臣賞の取り扱いについて通達を出しております。私が指摘いたしましたように、あたかも関連の全製品、ときには当該会社が受賞の対象になったような過大な広告または表示が行われるというように、非常に営利に利用されているということは農林省自体がもう当時からお認めになっているわけです。したがって、私はこういった点についてさらに厳重に是正をしてもらいたいということを希望しておきます。
 時間がありませんので、次に通産大臣賞について伺います。たくさんありますが、時間がございませんので、一点だけ聞きます。
 通産大臣賞の中に優秀外国映画輸入配給賞というものがございます。これはどういうものですか、説明していただきたい。資料の第二項、「国民生活」の中……。
#93
○政府委員(宮本四郎君) お答えいたします。
 優秀外国映画輸入配給賞と申しますのは、社団法人外国映画輸入配給協会の主催で、興行を通じまして日本映画に好影響を与えたことによる日本映画の発展に寄与するということを目的といたしまして実施しているものでございます。
#94
○森下昭司君 もう時間が本当にないんで、申しわけないんですが、飛ばしますが、私は、配給会社が日本にどれだけあるかと言えば、それはもう指折り数える程度しかないと思うんです、受け入れ会社はね。そうして、見る場合は、大体映画というものは、優秀映画は文部省推薦が通常の常識であります。私は、これも目的というものが明確でないから、こういうような通産大臣賞が出る根拠がそこにあるわけであります。ただ単に、いまお話がありました「通商の振興に寄与すると認められるとき。」、そんなことしか書いてないんです。そうして「開催の意図が少数者の利益のみを目的とすると認められるとき。」は出しちゃいかぬと、こんなような程度しか書いてありませんから、私は少数の映画配給会員に対しまして大臣賞が出るというような結果が出ていると思うんで、こういうものは是正していかなくちゃならぬと思うんであります。
 それからもう一つ、総理大臣賞の中に、全国漆器展に対する総理大臣賞は通産省から申請されております。ただ、通産省の中の通産大臣賞が出ていないのは、これはどういうわけですか。
#95
○政府委員(宮本四郎君) 私どもは通商産業の振興になるということを念願といたしておりまして、そういう観点から、さらに常に実態をよく検討いたしておりまして、通産大臣賞を出すべきか、あるいは内閣総理大臣賞をお願いすべきか、そういうところの重複はなるべくないように、個数もできるだけ限定するようにという運営をいたしておりますので、たまたまこういう結果になったんだと思います。
#96
○森下昭司君 これはおかしな話ですね、参事官。各省庁は、当該、自分の手を経た場合には必ず自分のところが大臣賞を出して、そうしてそれに総理大臣賞をというのが通常の出し方なんです。それが全国漆器展だけは通産省が申請書を……。総理大臣賞は出ているんです。ただ、通産大臣賞は出てないんです。これは全く私は、目的は、いま申したように、統一基準がないからこういうばらばらなことが行われるんですよ。問題だと思うんです。是正を今後求めていきたいと思います。
 時間がありません。そこで、この問題で最後にお伺いいたしておきますが、自衛隊の美術展、これは防衛庁から申請がありまして、主催団体は防衛庁共済組合本部。官公庁の中には共済組合というものはたくさんございまして、いろいろとそれなりに文化行事が行われています。私は、なぜ自衛隊の美術展だけ総理大臣賞が出ているのか、その点について御説明いただきたい。
#97
○説明員(山地進君) 総理大臣賞の受賞の内規でございます、申請を待ってというふうになっておりまして、各省の中から、こちらが積極的にこういうのをやるからどうだというふうなことにはなっておりませんのでございます。
 それから総理大臣賞を出すことがいいかどうかの点でございますが、防衛庁は総理府の外局でございますし、自衛隊の最高の責任者、指揮監督権は総理大臣にありますので、そういう観点も考えまして……
#98
○森下昭司君 日本の場合、全官公庁そうじゃないか。政府がそうだ。行政機構そうなっている。同じじゃないか。
#99
○説明員(山地進君) 各大臣が出すかということにつきましては、特に緊密な関係があるということで総理大臣賞を出しておると、かように思っております。
#100
○森下昭司君 全くでたらめな答弁ですね。何が防衛庁は内閣総理大臣に指揮命令権ある。指揮命令権から言ったら行政府の長は総理大臣じゃないですか。全省官庁に何ですよ、総理大臣の指揮命令権がありますよ。そんな答弁であなたいけると思うんですか。まるでこれは本当に街頭の演説会のやりとりですよ。国会の本当に質問者に対する答弁じゃないです。全く失礼です。申請があったら出す。申請があったらみんな出すんですか。ちゃんとえり分けるんでしょう。こんな自衛隊の美術展なんというものは逆に言えば、ほかの官公庁から申請がないんだから、あなたのところはお引き取り願いたい、防衛大臣賞で御勘弁をと言えばいいじゃないですか。なんで麗々しく総理大臣賞出すんですか。何か自衛隊だけを宣伝して、そうして軍備を強調するあるいは軍国主義化傾向に拍車をかけたいというような御意図があるんですか。
#101
○説明員(山地進君) 毛頭さようなことは考えておりませんで、自衛隊、常々軍備等いろいろ粗野の方にわたっておりますので、かような美術展というのが……。
#102
○森下昭司君 どこでもやってんだ、どこでも。何が自衛隊が粗野だ。それも暴言だ。自衛隊が聞いたら怒るぞ。鉄砲撃つのは粗野か。
#103
○説明員(山地進君) いまの発言は訂正さしていただきます。
 かような心情的なことにつきましても研さんを積むということは有意義であろうという観点で出しておる、かように考えます。
#104
○森下昭司君 きょうの官房の、内閣官房の答弁は全くなっておりません。本当なら私はここで官房長官に出席を要求したいところでありますが、福田副総理もお見えになったし、別の質問者もおりますので、それ以上きょうはやめておきますが、別の機会に改めて私やらしていただきたいと考えております。
 そこで、最後に公正取引委員会の取引部長にお尋ねいたします。
 先ほどの御討議で宮内庁御用達の問題を取り上げました。あるいは農林大臣賞の問題も取り上げました。錦鯉の品評会に農林大臣賞が出る。そうするとこの鯉は農林大臣賞受賞だというので、非常に高く競りに出される。あるいは一般の人も参加して競り市が行われるという現状であります。これはもう錦鯉だけでなく、カナリアもそうであります。そして通産大臣賞の中には建具の大会だとか、あるいは織物の大会だとか、洋装の大会などにも通産大臣賞が出ております。その技術だけに大臣賞が出されているにもかかわらず、店頭には麗々しく掲げられております。こういうようにいろいろと大臣賞が、言うならば消費者のいわゆる購買欲をそそるというように、非常に利用されがちな傾向にあるわけであります。きょうは具体的な問題は指摘をいたしませんでしたが、こういった問題は私は不当表示法の問題として残るのではないかと思うのでありまして、最後に公正取引委員会の見解を聞きたいと思います。
#105
○政府委員(後藤英輔君) 公正取引委員会で所掌しております不当景品類及び不当表示防止法の不当表示という問題といたしまして、業者が自分の売る商品について、品質について一般消費者に誤認をさせるような表示、これを不当表示としておるわけでございまして、したがって、いろいろなコンクールとかあるいは何か等でもって、そのコンクールの権威を高めるために出されている賞というようなものについては、直接の取引との関係がないということで、これは不当表示防止法の関係には問題になっておりません。したがって、一般の消費者を誤認さして品物がいかにも優秀だ、優良だというような場合について、不当表示をとられております。したがいまして、受賞がないのにいかにも受賞があったと、これはもちろん虚偽でございますからいけません。それから賞を出されておりますけれども、その賞が権威あるものではないのにいかにも権威があるようなものというような場合、あるいはまた一部のある品物について賞はもらっているけれども、それがいかにもすべての品物、自分の売っているすべての品物に賞があるというような場合、こういうような場合も不当表示ということで取り締まっております。
 それから先ほどの宮内庁御用達の問題につきましては、これは品物自体についての品質誤認というよりも、その店の信用をいかにも消費者に植えつけて、したがって、自分のところで売っている品物はすべて優良なんだと、こういうようなところからこれについて事実と反していたりいたしますれば、これもやはり不当表示の問題として取り上げる場合もございます。したがいまして、一般的にはそういうふうな規制を不当表示防止法でしておりますけれども、同時にそういう賞を売り物にしたような商品というものがございます。たとえば先ほど御指摘のようなみやげ品なんかの場合にはございます。みやげ品なんかにつきましては、業界の自主規制でもって、賞を出す場合の、表示する場合の基準というものを自主的に決めさせまして、そして本当の場合以外にはそういう表示を出さないように、たとえばお買い上げとか献上とかいうような場合につきましては、それぞれの官庁あるいは団体等でもってそういう表示をしていいと言うもの以外には表示してはならないというふうにして、観光みやげ品等についての表示についての基準が定められております。それで、観光みやげ品につきましては、特にそういう問題がございますので、これは各都道府県等でもって毎年数カ所試買検査をいたしまして、そういうような点あるいはまたそのほか過大包装の問題等について、そういうことのないようにということで、逐次是正に努めさしております。
#106
○田代富士男君 じゃあ、午前中に引き続きまして、まとめてお尋ねをしたいと思います。
 最初に、預金の目減り補償の問題についてであります。預金目減りの対策といたしまして、政府としてもいろいろ対策を検討されたと思います。その結果、一つは対象を年金受給者に限る、二つ目には一年の定期で金利一%、三番目には限度額を一人五十万ということのようですけれども、この目減りはもっと広範囲の預金者の損失が起きているのではないかと。いま、一、二、三点を申し上げましたけれども、このような範囲内とするならば、矮小化し過ぎの処置ではないかと考える点が第一点であります。
 第二点は、銀行協会筋では預金目減りと言わずに、福祉預金と呼んでいるようでありますけれども、これでは預金目減り対策という範囲は狭過ぎるんではないかと私は思います。そこで、範囲の拡大について何らかの検討を考えるべきではないか、少なくとも一世帯で幾らぐらいという程度まで拡大いたしまして、それまでしなければ預金の目減り対策と言えないじゃないか。それともいま先のような福祉預金等と言っているならば、老人等の福祉預金程度のものであるか、この点についてでございます。
 第三点は、いまもちょっと触れましたけれども、この貯金の目減りを政府は矮小化せざるを得なかった。なぜか。まあこれは高度成長下での企業の借金を保護するためには、低金利政策と今日でも訣別できないためではないか、このように疑われても仕方がないじゃないかと思うんです。そういうことを考えますと、やはり消費者保護という立場から考えますと、国民大衆の家計を保護する見地に立ちまして、低金利政策の修正に踏み切るべきではないか。そして、貸し出し金利の引き上げと銀行のもうけ過ぎの是正で貯金の目減り補償を行うべきではないか。これが第三点。
 第四点は、三木内閣は昨年の所信表明で高度成長と訣別すると公約されました。しかし、その実行というものは遅々として進んでいないと思われます。福田副総理は、四十年不況時の国債発行のときに当たりまして、国が借金して家計に資産をという意味の御発言をなさっております。まあそのとおりになったか疑問がありますけれど、今回貯金の目減りを補償しまして、家計の資産保護をしないといけないんじゃないかと思うんです。それをやらずに貯蓄奨励をされますならば、企業のために貯金を奨励するような結果になるんじゃないか、国民は疑問を持たざるを得ないわけなんです。こういう点、四点を時間がありませんから、まとめて申し上げましたけれども、本当は一問一問お尋ねして、質問したかったんですけれども、時間がないのでまとめてやりましたから、ひとつまとめて御答弁をお願いします。
#107
○国務大臣(福田赳夫君) 目減りの問題についての御質問でございますが、今回のいわゆる福祉預金の対象を福祉年金受給者に限るというのは狭過ぎやしないかと、こういう御意見を交えての御質問でございますが、目減り問題に対する対策、これはいかように考えましても完全な対策というものはむずかしゅうございます。これはひとり預金だけにあるわけじゃないんです。金銭債券、これ全体に及ぶ問題でありますので、それを網羅いたしまして対策をとる、これは非常にむずかしい。そこで、最善の対策は何だと、こう言えば、これはもうインフレをとめることです。これが最善にして唯一の対策である、こういうふうに思うわけでありますが、そういう中におきまして、しかし、インフレは軽度にはなりましたけれども、それでも進行すると、そういうことを考えますと、何らかの対策が必要じゃあるまいか。十分ではないが、何らかの対策が必要だと、こういうことになるわけであります。そこで今度福祉預金という一種の特別金制度ができるわけでございますが、そういう臨時的な、あるいは非常に特殊的な対策でありますので、その対象を広くするということにいたしますると、いわゆる目減り一般論に対しまして出てくる議論、そういうものにつながっていくわけであります。そういうことを考えまして、とにかくインフレはとめる努力はする、そういう中におきまして弱い、小さい立場にある年金受給者、この方々の行う預金に対しましては、特別の配慮をしようというので、非常にささやかな形にはなりましたけれども、この福祉定期預金という名称の新しい預金が実行されようとしておる、こういうことなんであります。
 また、これに関連いたしまして、低金利政策をとるべきではないか、こういうお話でございますが、低金利政策、これはもう私はそういうことを真剣に考える時期にきておる、こういうふうに思うんです。もっとも低金利と言っても、そう非常に低い水準というわけにはいかぬ、逐次そういう方向へ向かっていこうということ、こういうことかと思いまするけれども、この低金利体制をつくるためには、やっぱり預金金利をどうするかと、こういう問題があるわけであります。いま軽度ではありまするけれども、インフレが進行しておる過程だと、その過程におきまして、この福祉定期預金という制度までつくろうとしておる、そういうときに一般の貯金の金利を下げるということは、非常にこれまたそれ自身問題があるわけであります。そういうことを考えますと、貸し出し金利の側の低金利政策、これはもちろんこれを推進しなければなりませんけれども、その見合いになる預金の水準、これをどうするかということは、物価の情勢ともにらみ合わせながら、かなり慎重に見ていかなければならぬ問題だろう、こういうふうに思うわけであります。
 それから、高度成長政策をやめると、こういう問題に関連いたしまして、国は借金をしても家庭に蓄積をというような所見を私が述べたということに触れられましたが、私はいまでもそう考えております。これはとにかく一つ一つの家庭、これがゆとりもあり、あるいは蓄えもあるという形の経済をつくり上げる、これが最終の経済の目標でなければならぬと、こういうふうに考えており、そのためには経済の発展ということが必要である。まあしかし、経済の発展が余り行き過ぎますると、これはまたインフレを起こし、あるいは国際収支を悪化させ、あるいは国土を荒廃させる、こういうようないろんな結果を醸し出しますので、その成長の速度というものは、これはいろんな経済要件とのバランスを見ながら適度のものでなければならぬ、そういうふうに考えますが、安定的な経済成長、発展、これを持続させまして、そうして家庭にゆとりがあり、また、蓄えもある、こういう状態をつくり上げていく、これを今日もなお目標として推進しなければならぬ、かように考えております。
#108
○田代富士男君 いま申し上げました目減りの問題、キャピタルロスの問題は、一応は利息が少なくなる程度でありますが、次に私が申し上げたいのは、通称睡眠口座、福田副総理もいろいろ新しい言葉をおつくりになりますが、睡眠口座といいますか、利子よりも元金そのものの、国民のものが銀行にかすめ取られてしまうという、言葉が睡眠口座といいますか、銀行が普通預金の利息を千円未満の端数にはつけてないわけなんです。それをいままで追及されまして、百円以上には利息をつけるようにしようという、これが検討されたわけです。この睡眠口座そのものはどういうふうにして起きるかという、具体的な例を私申し上げたいと思うのです。
 預金口座に残った預金を一年間たちますと、利息をつけない勘定に入れてしまう。そうして五年たつと、時効だと言って自動的に銀行の雑収入に入れてしまう、こういう手口がなされているわけなんです。私は、この実態は許すわけにはいかないと思うのです。いろいろ聞いてみました。そこで消費者が通帳を持ちまして、通帳の残高をおろしに行った場合、銀行側が解約ですかと念を押されなかった場合には、消費者のその奥さんは、この銀行の通帳にある残高だけを引き出すわけなんです。そうした場合、銀行は年に二回利息の計算をしておりますけれども、その残高を全額引き出して、本人はどこかの転宅のために移転をしたとしましょう。本人はこういう一年に二回利息をつけられる月があるということを知らずに、全額もらったからと。しかし現実にはそれに利息がついている。その利息というものは、本来は消費者のものでありますけれども、銀行の雑収入として入れられてしまう、銀行の不当利益になってしまう、こういう現実の問題がある。また千円未満で、いまも話しましたけれども、一年間出入りのない預金口座に残った預金、千円未満、一年たちますと、利息をつけない勘定に入れて、五年たつと時効だと言う、これは現行制度で行われております。自動的に銀行の雑収入に入れられてしまう、これは預金のかすめ取りです。だから、こういうことを私ずっと調べまして、東京都の労働金庫の実績を調べてみました。そしたら、いま私が言っている睡眠口座というものの発生率は四・二五%で、これは労働金庫の場合は百円未満の残高を対象にしたものでございます。ところが、都市銀行におきましては千円未満を睡眠口座にしてしまう。だから、そのように考えた場合に、睡眠口座の発生率というものは、この東京労働金庫の場合と違いましてもっと高いんじゃないかと私は思うわけなんです。だから、仮に一〇%あったと、これは数字を仮定しますよ、一〇%あったとしますと、現在全国の銀行の普通預金の口座が約九千三百二十八万余口座あります。このうちの個人口座は約八千九百万口座になっている。そうしますと、いま言うとおりに仮に一〇%とみなした場合に、八百九十万口座となるわけなんです。それで平均金額は、いろいろな金額がありましょうが、それを平均しまして五百円とした場合、五百円掛けるの八百九十万といたしますと、四十四億五千万円という大きな額が銀行に転がり込んでくる、これが私が言う睡眠口座なるものなんです。こういうことを大蔵省として許してよいものか、どのように把握し、どういう対処をされるのか。また経企庁といたしますれば、消費者保護の立場から、こういうことがまかり通って消費者保護ということが言えるか、両省の立場から見解を聞きたい。特に福田副総理は、大蔵大臣ではありませんけれども、三木内閣の経済政策の総元締めでありますし、大蔵省も所轄される立場にありますから、両方の立場からこういうことは許してよいかどうか、お答えを願いたいと思います。最初に大蔵省からお願いいたします。
#109
○政府委員(後藤達太君) ただいま先生御指摘の睡眠口座の件につきまして、まず私からお答え申し上げます。
 睡眠口座と申しますのは、いわば銀行の中の事務扱いの俗称のようなものでございまして、銀行によりまして若干その取り扱いの方法が違っておるかと存じますが、私どもが承知しておりますところでは、普通預金の口座につきまして、この少額のもので出入りがない、出入りが非常に少ない、預け入れも払い出しも非常に少ないというときに、その預け入れなり払い出しが一年――これは銀行によって一年たったもの、あるいは二年たったものと違うようでございますが、ある期間たちますと元帳を別にいたしまして、そうして管理をすると、こういうことが現実に行われておりまして、その別に管理をしております預金口座のことを俗に睡眠口座あるいは整理口とか、こういう俗称で呼んでおるものでございます。ただ、この口座を別にいたしますのは管理の都合上のことでございまして、それを直ちにどうこうという――預金者に対する関係で別な扱いをしているといのふうには私どもは承知をいたしておりません。ただ、この預金につきましても、御指摘のような商法の時効の規定によりまして、五年たちますると時効の援用ができることに相なっております。ただ、銀行といたしましては、これはかなり古くからの慣習でございますけれども、そういう睡眠口座と申しますか、別扱いの口座にし、かつ五年を経過いたしました段階で時効が援用できるようになりましても、その別な管理の扱いはいたしておりますが、預金者が払い戻しの請求に見えると、こういうときには払い戻しをいたしておる、こう承知をいたしております。ただ、これまた大変技術的なことで恐縮でございますけれども、銀行によりましては五年たちました時点で雑益に計上の経理をするというところがございます。したがいまして、その元帳の――総勘定の上からはその預金の額は減るわけでございます。ただ、そういう預金口座につきましても預金者が払い戻しの請求がございますと、これは払い戻しをいたしておりまして、そのときにまた雑損に計上をすると、こういう経理をいたしますのが一般的な銀行の取り扱いでございます。
 で、なお、それに関連をいたしまして、その預金の払い戻しのときに、まあ普通預金でございますと、いつの時点でも完全に利盛りをいたしておりません。先生御指摘のように、二月と八月に利盛りをいたしております。したがいまして、たとえば五月なり六月なりに払い戻しをいたしますと、それまでの利息分というのは通帳に書いてございません。したがいまして、預金者が通帳の残高の払い戻しをいたしましたときに、おっしゃるようにその利息部分というのが後へ残った勘定になることは現実に起こることでございます。で、まあこういう際には銀行の方では大体、元帳の残高ゼロという払い戻し請求をするわけでございますから、まあ、これから引き続き取引を願いますかとか、あるいは解約なさいますかとか、お尋ねしていることが多いかとは存じますけれども、あるいはまた最近事務の繁閑などもございまして、あるいはそういうところまで親切が行き届いてないというところも御指摘のように確かにあり得ることだと存じます。この点につきましては、私どもはやはりこういう際、預金者に対する親切心と申しますか、サービスと申しますか、そういうところの行き届いたような処理をするべきではないかと。また、預金者で長い間出し入れをしないで忘れている方もあるわけでございます。そういう方に注意を喚起するとか、こういうようなことをやった方がいいんではないかということで、これは現在協会などでもその方法などを検討しておるように私ども伺っておるところでございます。
 なお、さらにその睡眠口座が普通銀行の場合に非常に多いんではないかと、こういう御指摘のように伺いましたが、これは先ほど申し上げましたように、銀行によりまして、その睡眠口座という事務扱いをいたしますのが若干いろいろずれておりますので、私ども全体として把握はいたしておりませんが、二、三承知しておりますところでは、非常にばらつきがございまして、先生おっしゃいましたように一割程度――普通預金の口座数の一割程度が睡眠口として管理されておるところもございます。それから、それより多いところもございます。それからまた、それより大変少ないところもございます。二、三%になっているところもございます。これはいまの睡眠口座として別勘定をするときの取り扱い方が銀行の内部の事務の規定によりまして、少しずつ違っておる結果だと存じますが、そういう状況に相なっております。
#110
○国務大臣(福田赳夫君) 田代さん御指摘の問題は、結局銀行のサービスが行き届いておるかおらぬかと、こういう問題に帰すると、こういうふうに考えます。かつての国会でも、私が大蔵大臣をしておるとき、この睡眠口座のお話がありました。それで当時まあ睡眠口座というのは、一体どのくらいあるんだろうというようなことを調べたことを記憶いたしておるんですが、結局、金融機関で幾ら気をつけましても預金者があらわれないというようなケースが間々あるわけなんです。そういうようなことですが、まあ、いま後藤審議官から説明したようなサービスの問題につきましては、なお銀行局当局にお願いいたしまして、銀行でさらに気をつけるということで、この問題は片づけるほかはないのではないか。それにもかかわらず、どうも睡眠口座というものが残るという事態があると思うんですが、それは結局銀行の利益になる、銀行の利益になれば、それが貸し出しの金利が下がる原因になるか、あるいは一般の預金の率を引き上げる要素になるか、とにかく、結局それで銀行自体が利得して終わっちゃうという性質のもんじゃないんです。結局回り回って社会、公共のどっかに還元をされておると、こういうことではございますが、個人とすると問題ですからね。これは気をつけるということにさらに努力する、そういうこと以外にはないんじゃないか、さように考えます。
#111
○田代富士男君 何か副総理がもう帰してもらいたいということでございますから、ここで。端切れ端切れの質問になって……。もう一問だけ副総理にお願いします。いろいろ聞いてから最後にお尋ねしたいと思ったんですが、一言で言えば消費者主権の確立のためにこういう問題を一人で訴訟するということは不可能です。御承知だと思います。そういうことで御承知のクラスアクションの問題ですが、これを私は消費者保護という立場から、こういうことも検討すべきじゃないかと思いますけれど、いかがでございますか。
#112
○国務大臣(福田赳夫君) クラスアクションにつきましては、そういう制度を採用したらどうかというような提言も受けております。ただ、この制度は訴訟制度として見まする場合に、これは非常に複雑な困難な諸問題をはらんでおりますので、これを直ちに採用するという決心はなかなかつきかねるように思います。これはまあアメリカの一部においてそういう考え方が採用されておりますが、その他のどこの国でもその制度は採用してない。こういう種類のものでありますが、いま国民生活審議会、こういうところで消費者保護部会というのがありますが、そういうところでこれがわが国として採用できるかできないか、よく検討をお願いいたしておるわけでございますが、まあ見通しとすると、これは相当むずかしい問題である、よほどこれは慎重な検討を経ないと、これが採用に踏み切るということは困難な問題である、そういうことだけは申し上げることができると思うんですが、なお鋭意検討してみるということにいたしたいと思います。
#113
○田代富士男君 じゃどうぞ。
 いま大蔵省から御答弁をいただきまして、窓口の方においては声をかけているところ、かけてないところもあるかと思う。ほとんど声をかけてないのが事実であります。私もこれは調べました。それからまた、こういうことにならないために通知を出すようにしておりますということ、ほとんど通知を出されていないのが実情でございます。そういうところから私はこの問題を取り上げたわけなんですが、いま申し上げたのは千円未満でございますが、この睡眠口座に最近は準睡眠口座というものができ上がりつつあるんです。準睡眠口座、これは残高が五千円、この五千円クラスが、この口座が一年間使われないとそっくりこれが睡眠口座に入れられる。また二年間そのままだと、今度――まず五千円の残高クラスが一年間口座が動かないと、準睡眠口座に入れられて、二年間そのままだと今度は睡眠口座入りをするという、そういたしますと、銀行の不当利益というものは大変なものになるわけなんですね。またある銀行によりますと、一万円未満でもこのようにされていることがあるということを聞きました。そういたしますと、いまもお話承りましたが、この睡眠口座という制度、いま商法の規定によって五年間とかいろいろ申されました。昔からの慣習であるとか、そういうことでありますが、いま問題が現実に起こってきているから私は申し上げているわけなんですが、利息を渡さないで済ますことによって発生する利益、あるいは取引がないことをいいことにしてかすめ取る預金残高、これは不当利益です。このような不当利益をいま副総理はどこかへそれが回されておりますと言うけど、回されておりません、あくまで銀行のものです。それも私に時間があったらどこに回しているのかとはっきり言いなさいということを聞こうと思いましたが、もうお帰りになりましたから、いいときに帰られたと思いますけれども、私は不当利益をどのくらい大蔵省として捕捉していらっしゃるのか。所得税と、これは経企庁長官がお帰りになりましたから、経企庁の消費者保護の立場から、これはどのようにしたらよいか、これも大蔵省と経企庁の立場からもう一度私はお尋ねしたいと思います。
#114
○政府委員(後藤達太君) ただいま御指摘の睡眠口座に扱うものが五千円あるいは一万円と、こういうふうなところもあるということでございますが、私ども承知しております限りではございませんので、なおそこら辺はよく調べてみなければいかぬかと思いますが、ただ、その睡眠口座にいたしますというのは、先ほども申し上げましたように、あくまでも銀行の内部の事務管理の問題でございます。そこで、その睡眠口座になって五年たちました、つまり時効期限が来ましたときに、これをどう扱うかというところがいままさに御指摘の点であろうかと存じますが、その際の、これは銀行によりましてそういうことをしないところもございます、それからしておるところもございますので、そのしておるところにつきましては、五年たちまして利益に計上してしまう、つまり雑益に計上してしまう、こういうところにつきましては、これはその分は銀行の所得として法人税は課税されております。
 それからもう一つ、預金者に対する関係におきましては、そういうような後で預金者が気がつかれて払い戻しに見える、こういう際には全部口座を復活をいたしまして、その間の利息を計算をして支払いをいたしておるはずでございます。もしそういうときに利息を計算してないとか、こういうことがあれば、それは商法的には時効は援用できるのですけれども、銀行のやり方としては不適当なことではないかと私は存じます。ただ、私どもが承知しております限りは、時効期限が過ぎましたものでも、預金の払い戻しの際には元本並びにそれまでの利息を計算をして払っておる。これは検査のときなどにも調べておりますけれども、私どもが承知しております限りはその扱いをしております。
 で、もう一つ、その利益に計上をしてしまうということによりまして、これを余り計上したりしなかったりということを銀行がやるというのは、利益操作的に大変問題でございますから、これはそれぞれの銀行につきまして継続的に同じことをやるという方が経理の処理としては適当なんではないか。そうしていま申し上げたように実行いたしておれば、預金者に御迷惑をかけることがないというふうに私どもは存じております。ただ、先生先ほど御指摘のように、そういうふうな預金口座が忘れられたままになっておるとか、あるいは忘れられた状態が発生しやすいようになっておる、こういう点につきましての銀行のサービスの行き届かないところ、これはまさに改めるべきところではないかと存じます。そういう点につきましては、先ほども申し上げましたように、協会などでいろいろ検討をしておるようでございます。ただ、口座の性質が間々一年なり二年なり取引をされない普通預金の口座でございますので、銀行によりましてはその通知を出したりしたところがあったようでございますけれども、その通知状があなかなか届かないというところが現実にはかなりあますので、この知らせ方と申しますか、注意の喚起の仕方というのもいろいろちょっと工夫を要するところではないかと存じておりますので、なおよく専門家の方で検討してもらいたいと私どもは考えておる次第でございます。
#115
○政府委員(安田貴六君) いま田代委員の御質問については、福田長官からも御答弁申し上げたところでございますが、さらにいま再度の御質問に対して大蔵省の方からも御答弁がございました。私自身の考え方を申し上げますと、これはやはり田代委員の御指摘になっておりまするように、銀行の都合だけで預金者の利益が侵害されるということであってはいかぬと私は考えておりますが、いろいろしかし銀行側には銀行側なりの事務処理上のいろんな問題もあると思いまするから、この点については経企庁としても国民生活上の問題でもありまするし、十分に大蔵省と協議をいたしまして、そして不当な、銀行だけが利益を上げておるような不当な内容が十分に見られるようなところがあるのかないのか、よくひとつさらに精査をいたしまして、そして善処いたしてまいりたいと、こう考えております。
#116
○田代富士男君 この問題は主に都市銀行が多うございますけれども、日本銀行の中村理事がおいでいただいておりますけれども、いま実情は日本銀行にはこういう細かいことは少ないと思いますですけれども、この実情をどういうふうにお考えでございましょうか。どうあるべきとお考えでございましょうか。いまの大蔵省の立場とすれば、事務の効率化のために、あるいは昔からの慣習のために、ただ単なるそういうことだけで、いま私が一〇%の立場で約四十四億という、言うなれば国民のささいなお金でございますから、これはこういうものにしてもよいものか。指導的にあるべき立場の日本銀行のお立場からひとつお願いいたします。
#117
○参考人(中村進君) その問題につきまして、実ははなはだ申しわけないんでございますが、私、事実関係詳細に存じておりませんので、満足なお答えは申しかねると思いますが、一般的、抽象的な考え方として申し上げますと、やはり昨今の金融機関のあり方といたしまして、やはり預金者の立場に立って物事を考える、そのサービス向上に努めるというのはもう時代の要請であり、当然のことだと思います。現に金融機関のしぶりも昨今はこの点に非常に反省が行われまして、逐次その方向に向かっているわけでございまして、今後もその方向にさらに前進あるよう、私どもも期待いたしているわけでございます。
#118
○田代富士男君 もう時間が来てしまいまして――。それで、お尋ねしたいことはいろいろありますが、いまのこの睡眠口座のことにつきまして、去る五月の二日に日本消費者連盟から都市銀行に対しまして質問状が出されております。この質問状に対しまして何らの返答がまだ来ておりません。昨日やっと全国銀行協会の職員の人が消費者連盟の事務所に質問の趣旨を聞きに来たというような、そういうような姿勢なんです。だから、こういうような消費者の代表がこういう疑問を持つという、こういうことに対しまして返事ができない、答えができない、それがまかり通ってよいという、そういう姿勢で銀行というものはよいものか。やはり国民大衆の皆さん方を相手とした銀行であるならば、そういう疑問点を明らかに、そういう質問を通じても明らかにすべきじゃないかと、そういうところに疑わしい点があるんじゃないかと思いますし、だからそういう銀行の態度に対してどのように思い、今後どういうそういう銀行に対して指導をされるのか。そしてこの五項目の質問状に対してどのようにお考えであるのか。時間も私の与えられた時間が来てしまっておりますけれども、お答えを願いたいと思います。
#119
○政府委員(後藤達太君) 五月二日に消費者連盟から各都市銀行に対しまして質問状が出ておりますのは、私も拝見をいたしました。で、これに対する答えができていないということは、いろいろ銀行の方も都合があったのかとは思いますけれども、しかし先生御指摘のように、こういう問題につきましては、大事な、銀行として取引先の関係でございますから、なるべく早く銀行の考え方を御説明し、また質問者の方の御意見を伺い、そうして相互に理解を深めていくべきものだと思います。したがいまして、私ども聞いておりますのでは、この質問者の方と協会の方でお話をしつつあるやに伺っておりますけれども、なお早くそういう何と申しますか、話し合いを進めまして、相互に理解を深めていく。そして銀行としては、指摘をされて正すべきところは謙虚に正していくという態度をとるべきものだと思います。そういう方向で私どもは銀行に対してまして指導をいたしたいと思います。
#120
○田代富士男君 農林省関係の質問は時間がありませんから、省略いたします。
#121
○対馬孝且君 午前中大臣に対しまして物価問題の基本的な姿勢など、それから灯油問題、自治省の通達をめぐる地方公共料金の値上げなどの一連の基本的な考え方がわかりました。
 そこで局長にひとつ具体的な問題で確かめたいんですがね。確認しておきたいんですが、午前中大臣が私の答弁に、自治省の通達に対してはびっくりしたということで、地方の公共料金の水道、高校授業料、学校、病院など一連の問題が出されておるわけですが、ところが、具体的にこれ質問したいんですが、すでに一部の都市では水道料金なり、たとえば高校の授業料がこの示達によって具体化されつつあるわけですよ。だから、もしこれをただ調整をして善処したいという先ほどのあれだったんですがね。これこのまま野放しにされたんでは、結果的には地方的な計画が進行しちゃって、後から訂正通達を出したころにはもう終わっておったなんというんじゃこれは困るわけですよ。現実にこの産炭地の赤字財政を抱えておるところではいま非常に問題になっておるんですよ、率直に申し上げますけれども。たとえば具体的な例を申し上げますと、北海道では歌志内であるとか、あるいは赤平市だとか、芦別市とか、産炭地炭鉱ではもうすでに炭鉱が疲弊をして鉱産税も入らなければ、固定資産税も軽減をしておるという中でもうにっちもさっちも動きがとれぬということでしょう。そういうところへすでにこの通達、示達が行っているわけでしょう。これをどういう具体的に、やっぱり当面、具体的に経済企画庁として当面この出した示達に対してやっぱり一応の手直しと言いますかね、当面調整をしているからとりあえずその計画を待てとか何とかいうようなことをやってもらわぬと、これはもう産炭地でも大変な疲弊しているこの過疎の都市では大変なことですからね。この点の具体化をどういうふうに考えておるか、ちょっとお伺いしたいんです。
#122
○政府委員(喜多村治雄君) 自治省の通達でございますけれども、これは「昭和五十年度地方財政の運営について」という通達の一つの中に「地方公営企業等に関する事項」というのがございまして、その中で、これ、今後非常に窮乏化する地方財政の中で地方公営企業をどう考えたらいいかということが書かれております。まず第一番目は、人件費等諸経費の節減をしなさいということがまず書いてあるわけでございます。そしてこの給与水準でありますとか、あるいはそのほかの経費の適正化等ちゃんとやりなさいというのが第一項目でございます。第二項目で適正な料金水準の確保ということが書いてございまして、この中には適正化が図られているものもあるけれども、全般的になお適正化がおくれ、また改定額が十分でないものがあると、したがって、こういうことについて適時適切に料金改定をしなさいということが書いてあるわけでございます。このくだりが問題であろうかと思うんでございますが、自治省ときのうあたりから、私はもうその前からでございますけれども、この件について、これが自治省通達でございますので、別にこちらと協議があるわけではございませんが、その真意についてただしたところが、これは毎年地方財政の運営についてということでお出しになっておる通達のようでございます、毎年同じようなトーンで。で、今回に限って特に改めてここを力説しているわけではないのでございますけれども、私どももこういう物価が非常にむずかしいところでございますので、これは副総理も先ほどお答え申し上げましたように、自治省次官と私の次官、あるいは局長限りでの御相談をいま申し上げているところでございます。確かに、先生いま御指摘がありましたように、水道料金等につきまして非常に経営が苦しいところがございまして、申請を出しておるところがあるように聞いております。これはそういう地方行政の中での水道料金問題は小さな案件として企画庁に協議があるわけじゃございませんけれども、またこれも地方公共団体で議会の承認を得たりなんかするような手続もございますので、そういう希望を持っているところがたくさんございますけれども、それが果たしてどの程度議会で認めてもらえるのか、あるいは自治省の御方針としてどうお考えなのか、これから副総理の御指示も先ほどございましたので、自治省とよくお打ち合わせをしてまいりたいと、こう思っております。
#123
○対馬孝且君 自治省の通達だって言うのだけれども、自治省の通達ならこれ問題になるわけないんですよ。これ、私に言わせれば、これは法政大学の高橋先生も言っていますけれども、行政の統制ですよ、これ。統制活動ですよ。これはもう明らかにあんた自治法の違反ですよ。行き過ぎですよ、こんなことは。これをやっぱりはっきりしてもらわなきゃね。いま局長は、これは第一章第一条、第二条の目的はと、こう言われましたけれども、こんなことは、あんた、いままで公然と表面に出たことないですよ、そんなこと言ったって、あんた。具体的に書いてるんですよ、これあんたはっきり。読み上げますか、これはっきり。時間ないから読み上げることやめますけれども。まあいずれにしたってやっぱりこういうことは明らかに行政統制ということを私は問題にしたいんですよ。こういうことをどんどんやられたら、あんた、経済企画庁は物価安定するって言う。片方ではどんどん地方公共料金上げて物価安定すると。適時適正なんて、あんた、局長言ってますけれども、適時適正とは何ぞやということになるんですよ。そんな感覚で物価が安定できるわけないじゃないですか、あんた。やっぱり標準価格なり、その指定価格を出すということの今日の段階に来ているということは、いかに国民の生活が安定をする最低のものを、やっぱり標準というものを考えていくかといのところに物価政策があるんだから、何と言われようと、これはひとつ先ほど言ったように、早く自治省と調整をして、緊急の指示をひとつ出してもらいたいと思います。よろしゅうございますね。
#124
○政府委員(喜多村治雄君) そのとおりいたしておる最中でございますが、適時適切という意味でございますけれども、これは通達の中に書いてある言葉を私申し上げたのでございまして、……
#125
○対馬孝且君 そんな適当な言葉じゃだめだよ。
#126
○政府委員(喜多村治雄君) でございますので、いま申し上げましたような手続をとって自治省と相談してまいりたいと思います。
#127
○対馬孝且君 それでは次の問題。
 ちょっと私は物価指数の取り上げ方について一、二質問をしたいんですがね。どうもこのごろ物価指数、消費者物価の統計の取り方についてやっぱり疑問があるという考え方持っているわけです。現に国民の間にも一部出ているわけですがね。これはいわゆる最近ケースバイケースで、現行法による価格格差というものを出して、指数化をしているようでありますけれども、五年ごとに品目改定をいまやっているわけですね。ところが、これはまあ一九七四年には一年間では二十一品目、そのうちの七品目だけは指数化されて、残りの十四品目は現行法で用いられていると。それから次の一月に二十九品目のうちの銘柄変更行なわれて十一品目だけが入れられて、後はここに入れられてないと。何かこう適当に物価指数を総理府でやっぱり扱ったり、経済企画庁で指数を扱っているんじゃないかと。何か無理くり一五%に合わせるために、具体的な例を挙げますけれども、たとえばこの指数の中に家賃調査時の機利金だとか、そういう敷金なんかはもう全部除外されているというんだね。いままで入っておったのがこれ全部除外されちゃう。その分だけ物価が安くなっていくというようなことが現実に出ているというようなことが率直に訴えられてきています。それから店頭の場合、調査でも、これは私、札幌の調査員に聞いたんですけれども、店頭価格じゃなくて、値引きしたときの価格を調査してこいというようなことを指示を受けておると言うんだな。これは具体的に、札幌の場合ですよ。これ札幌の調査員が言うんだから。こういうものを出して、そして指数だけただ一四%何になりましたと、そして春闘は一五%でと、こういうごまかしのような、これは全く数字の魔術だと。手品師、まあ三木内閣を称して手品師と、こう私言っているんだけれども、そのいう手品を使うようなやり方では国民は納得しませんよ。
 したがって、ここらあたり、フードウイークの問題、この前質問しましたけれども、これだって明らかですよ、これ私はっきり調べてまいりましたけれども。三月の七日から二十日まで十大都市でフードウイークをやったわけだ。これ見ると、調査日が、CPIのあれの日がちゃんとこれ重なっているんです、ちゃんと。たとえば三月五日から始まって七日、十二日、十三日、十四日、十九円、二十日というようなフードウイーク日とちゃんと調査日と重なっている、CPIの調査日と。で、調査員にこれも聞いてみたんだよ。そうしたら、これはとても、あんた、アルバイトで子供持って四十店持っていると、ぼくが聞いた、具体的に。四十店の店の調査が与えられる。とてもそんな四十の店を、あんた、一々歩いてやるわけにいかぬというんだ。まあ早い話が言葉は悪いけれども、適当にその辺の二、三軒歩いて、拾い上げて出してやったと。これが実態報告なんですよ。それをもって何か経済企画庁はもっともらしく、いや、本物価指数に関しましてはなんて麗々しくしゃべっているけれども、こんなのは、こういうことを現地の連中から聞くと、国民はこれはもう憤慨しますよ、これ。私に言わせれば一五%なんていうのはごまかしのうその統計だということを言わざぬを得ないということが一つと、その点調査のあり方、統計のあり方についてひとつ基本的な考え方をはっきり示してもらいたいということが一つ。
 それからもう一つは、ぼくはこれぜひ直してもらいたいと思うんだが、こんなことでは信用しませんよ、はっきり申し上げますけれども。これははっきり、これうそだったら指摘してもらっていいんだけれども、統計審議会というのがあるわけですね。学識経験者が七人で、各省担当委員が七人、利用者代表が四人と、こうなっているんですよ。この構成はいいですよ、これはまあまあと仮にしてみたって。この利用者代表の四人は一体だれかと言うんだ、これ。これもぼく調べてみたんですよ。ところが日本銀行統計局長だとか、経済企画庁調査局長、人口問題研究所長、経済団体連合会専務理事、これが、あんた、利用者の代表だと言ったら、これはもう企業と官僚だけじゃないか、あんた、こんなもの。一体その辺の、あんた、日本主婦の会の実際に店を歩いている方々が、家計簿をつけている方々が一人も入っているわけじゃなし、勤労者の代表、労働者の代表が入っているわけじゃなし、こんな統計審議会で統計の審議を、いやりっぱにでき上がっておりますと言ったって、こんな数字は信用にならないということですよ。まずこの点少なくともやっぱり国民が納得するような、こういう審議会を改組してもらって、もう少し民主的にやっぱり実際に家計簿をつけている主婦のお母ちゃん方を入れるとか、あるいは生協の代表を入れるとか、あるいは労働組合の代表を入れるとかと、これが真の利用者でしょう。あんた。そんな年間何百万、何千万の金取っている者が何が利用者だかって私言いたいんですよ。そんな官僚と経済団体の専務理事が集まって利用者だなんて言うんならとんでもない間違いだと思うんだよ。この辺から狂ってくるんでないか、数字が狂ってくるんじゃないかと思う。この点どうですか。
#128
○政府委員(喜多村治雄君) この件につきましては統計局の御所管でございますので、私から答えるのは不都合かと思いますけれども、まず調査でございますけれども、この調査はもちろん物価指数をつくる上で非常に統計学的にきちんとした方法論を用い、そして調査の方法論もきちんとしたものであると私はそう思っております。先生御指摘のようなことがあるかないか、私はつぶさに知りませんけれども、恐らくそういうことはないんじゃないかと思います。もしそういうことがあって、統計をゆがめるならば、これは確かにおっしゃるようにゆゆしい問題でございますけれども、少なくとも統計局という権威のある局でもって調査員を委託し、あるいは都道府県知事に委任したというようなことでございますか、ということになっているとすれば、恐らく私はそういったことは間違ったことをやっているとは思いません。思いませんので、統計局長に私は先生からのこういう御指摘があったことをお伝えいたします。
 それから第二番目の統計審議会もこれも私の所管ではございませんので、何ともお答え申しかねますが、調査局長が私の方から入っておりますのは、これは確かに最近は物価問題というのが非常に問題になりますのでございますけれども、むしろこれは統計利用をする立場ということで調査局長が私の方から推薦して入っておるということでございます。で、消費者の関係の方を入れろということにつきましても、こういう御要望があったことをお伝えするという以上に私は申し上げられませんけれども、そういうことにいたしたいと思います。
#129
○対馬孝且君 局長、これは事実ですから、私は名前挙げろというんなら挙げてもいいですよ、その調査員の名前を。国会へ出て、参考人として呼んでもらうんならちゃんと説明しますと言っているんだから。そして、しかも最近のアルバイト料が安くて困ると、こう言っているんだから、それははっきり申し上げますよ。ただ、その点は率直に、きょうは私は統計局は経済企画庁だと思ったもんだから、こういう質問しているわけですけれども、統計局に対してはっきりやっぱりそういう実態をこれは申し上げてもらうと同時に、ぼくはやっぱり審議会は、こういう審議会のあり方では国民は問題にしますよ、これ納得できないですよ、こんなことでは。これが民主的であり、しかも消費者のための統計審議会だなんてだれも考えませんよ、こんなことを、こんなメンバーを見たら。これはどなたが見たって、客観的に見たって言えるんじゃないですか。これはひとつそういう点で十分に統計局と話し合うということですから、そういう答えが出ることをひとつ期待をして、次の問題に進みたいと思います。
 そこで、私は先ほど灯油の問題でちょっと時間がなかったから大臣だけにお伺いしているんですけれども、物価担当をしているわけですから、ちょっとお伺いしたいんでありますが、国民生活安定緊急措置法第三条、これは局長、どういう場合に一体発動されるかという問題ですよ。これは少なくとも今回のようなせめて、どうもオイルショックが起きて、そして狂乱物価になったのは石油から問題を、端を発したわけだ。そして、あえてわざわざ指定価格にしておったものを外したと。それは先ほど大臣が供給の関係で外したと、こう言っているんだけれども、これは理屈にならないんですよ。きのう商工委員会開かれて、商工委員会でも解明しましたけれども、これ率直に申し上げますけれども、きのう参考人を呼んでいるんですよ、商工委員会で。これはアブダビの石油の社長をやっている方も呼んだし、公団の総裁も呼んでいます。ところが、石油備蓄のために一兆五千億の金をつぎ込むと、こういうわけでしょう、きのうの商工委員会で。私は担当していますから、森下先生もいますけれども、これは一兆五千億ですよ、石油備蓄のために。それは公団を通すけれども、結果的にはどこへ行くかと言ったら、日石なり、三菱なり、丸善なり、あるいは共同石油に対して利権を結局公団を通していくわけですよ。言うならば、一兆五千億という金が、つまり石油業界に国民の税金は使っているわけですよ。そうして、一方では供給がどうにもならぬと、こういうわけだ。供給の関係で指導価格を外すと、これは経済企画庁という立場から考えた場合に、ここに法律あるけれども、国民生活安定緊急措置法の第三条というのは、このときこそぼくはやっぱり発動されるべきではないのかというふうに考えるんですが、この点について。しかも、供給の問題をおっしゃるなら中華人民共和国との、これも商工委員会で、私の質問で明らかになりましたけれども、年間大体八百万トンは入りますと、河本通産大臣のきのうのそういう答弁なんですよ。しゃべっているとおり。供給量、供給量と盛んにおっしゃるけれども、大体昨年並みの供給は維持できるということは答えはっきりしているわけだ、きのうの商工委員会の答弁で。そうすると、指導価格を撤廃するというのは、結果的には私に言わせれば業界の言い分だけを聞いて指導価格を撤廃をしたということよりならないんじゃないか。
 それからもう一つ聞きたいことは、国民生活審議会があるんですから、せめて消費者の声というものをこういう場を通して、やっぱり撤廃をする場合に聞いてからだって撤廃したって遅くないんじゃないか。それが無理くり何か六月一日に指導価格をはずした途端に灯油がばんと北海道で上がっているわけだ、さっき言ったように。はなはだしきは日石なんてとんでもない話ですよ、現在の二万五千三百円の元売指導価格に六千八百円積み重ねるというんだから。そうすると十八リッターの石油かん一かんの売り値がどうなるかと言ったら百六十八円現在の六百三十円の価格に積み重ねるわけですよ。こういう問題について、やっぱり経済企画庁は主務官庁である通産省にお任せをするというのではなくて、法律があるんですから、私はそういう点ではこの国民生活安定緊急措置法というのは、こういう時点で法律を生かしていくべきじゃないかと、そういう経済企画庁の指導力といいますか、こういうものがなかったら物価は安定しませんよ、はっきり申し上げて。それこそ法律をつくって何にも発動しないと、それならこんな法律つくらなければいいんだよ。積極的にやっぱり国民の狂乱物価を安定させようということでつくった法律をこの段階で発動できないといののは一体どういうことかということですよ。それからどうして消費者側の声を聞かないで指導価格を撤廃したのかということを私はどうしても納得いかないのです。納得いかないということは私は次に申し上げますから、その点ひとつもっと突っこんだ答えを願いたいんです。
#130
○政府委員(喜多村治雄君) 国民生活安定緊急措置法がいかなるときに発動されるかということでございますが、この第三条は「物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合」という一般的な物価の要件がございますが、それが一つ。それから国民生活との関係の深い物資、これを一般的に生活関連物資と申しておりますが、この生活関連物資の「価格が著しく上昇し又は上昇するおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を特に価格の安定を図るべき物資として指定する」という要件としては三つございます。
 まず、第一番目の「物価が高騰し又は高騰するおそれがある」ということでございますけれども、現在の段階はどちらかと言いますと、比較的これは石油ショック直後のああいう異常事態を脱しまして、比較的いま鎮静化している状態にあるということがございますのが一つ。それから、物資の条件でございますけれども、これは灯油が非常に価格がきわめて著しく上昇するかあるいは上昇する可能性があるかどうかという判断でございますけれども、これにつきましては現在の段階では需給が比較的ゆるくなっております関係上、これが著しく上昇しているという事態もありませんし、私どもとしてはむしろ将来備蓄を多くふやすことによってこの上昇するおそれをなくそうと、消去しようとしておりますために、この条件もないということでございますために、現在標準価格につきましてこれを設定するということをいたしておらないわけでございまして、むしろ去年の段階におきまして標準価格を解除したわけでございます。で、これはちょっとそのときの様子を申し上げますと、もし三百八十円の灯油価格をむしろコスト計算でもって計算したならば、恐らく六百円を超えるという標準価格を設定しなければならなかったという事態でございました。ところがそのことをやる条件というのは、恐らく需給関係が非常にタイトになっておるとき、そのときにこそそういう心配が起こってくるわけでございますけれども、むしろ標準価格はそういう需給がルーズになっておりますときは、そういう標準価格が下支えになる可能性すら出てまいります。そのことを恐れまして、そして通産省の考えもございましたんですけれども、私たちの考えも入れまして、標準価格をむしろ入れない方がいい。むしろ九月の段階でそれ以降の需要期において価格が上がらないだけの備蓄をすることの方がいいという判断から、この標準価格の設定をいたさなかったという事情がございまして、現在の段階でもむしろ標準価格を設定するというよりも、むしろ備蓄を大目にいたしまして、標準価格を設定しなくてもいい環境をつくっていくということもまた一つの物価の対策だと考えておるわけでございます。
#131
○対馬孝且君 それなりに備蓄をふやして、競争さして価格を下げるということもやり方の一つでしょう。ところが今回、六月一日で元売指導価格を撤廃した途端に、その指導した途端に上がっているじゃないですか、局長、どんなことを言ったって。そこが問題の一つだと。外すということはは、この物価安定のために外すというならわかるのですよ。あるいは安くなると言って外したというなら、そんならあなたそのように指導してくださいよ。ところが、ずっとこれ違うんじゃないですか、私はっきり申し上げますが。先ほどもちょっと言ったけれども、現にあんた、日石が試算したPRのあれは、先ほど言ったように、二万五千三百円プラス六千八百円でしょう、元売り、指導価格が撤廃された後に。六千八百円プラスされているんですよ。だから、十八リッターが百六十八円高くなるということですよ、その点では。そればかりでなくて、きのう現在の――北海道消費者協会と言ったら道庁が指導しているのですよ。道庁が肝いれしてつくった協会ですよ。この協会が調べたところでは、札幌市ではすでに六月一日に、おとつい外されて、きのうの時点でどういうことができ上がっているかといったら、もう六十円、七十円、八十円というのが出てきていると、こう言うのですよ、私は。それじゃいまあんた、喜多村局長が言うように、指導価格を撤廃をしたということは、逆に価格を安くするために、あるいは安定するためにやったというなら、そういう指導をしてもらわなければなりませんよ。そうなってないじゃありませんか。それじゃあなた方の言っている目的意識と現実の出た答えが違う。私はそんなことはごまかしだと思うのですよ。指導価格を撤廃したということは、おのずからある程度元売価格が高くなると、高くさせると、高くさせることにおいて工業用灯油よりも家庭用灯油の方を多く生産をさせると、そして今年の秋の需要期に備えようということが政府の考え方じゃないですか。だから高くなってもやむを得ないという考え方で外したと私は思うのです。ところが、いま聞くとそれが違うというなら、違うような指導をしてもらわなければなりませんよ。この点明確な答弁してもらいましょうか。
#132
○政府委員(喜多村治雄君) 細かいことはおそらく通産省からお答え下さると思いますけれども、私が申し上げましたのは、石油価格が確かに去年の灯油の元売仕切り価格を決めましたときより四千円ばかり高くなっているだろうと思うのでございます。そうしますと、業者としてみれば、そのコスト要因を自分の中で吸収してしまうか、あるいは価格に転嫁しなければならないか、どちらかでございますけれども、ほっておきますと、恐らくいまの価格ではとても買えないような状況が次の需要期にやってくるということを私は懸念するわけでございます。確かに元売仕切り価格を外しました段階で若干上がることはあるかもしれませんけれども、この冬の需要期にもっと高くならないようにさせるためには、現在備蓄を五百九十万キロリッターでございますか、というところまで備蓄させることの方がもっと需要期における価格を安定させると私は思うわけでございます。
 それから、確かに先生御指摘ございましたように、北海道で上がっているというような御指摘ございまして、私ども実は通産省とのお話し合いもありまして、私たち独自で各県からどういう事情にあるかということを聞いておる最中でございます。きのう参りましたのでは、二つの県がございまして、宮崎県がございますけれども、ここでは小売価格に値上げの傾向は六月の二日段階ではなかったというようなことでございますし、北海道につきましては、北海道から参りましたのでは、十四支庁の所在地の小売店について二日、三日と調査したところで、現在取りまとめている最中でございますけれども、若干先生が仰せになっているようなものもないわけではございませんけれども、全般的に値上がりというのはまだ見られていないというようなことでございます。先ほど石油部長に対しましてもっとよく調べろというお話がございましたので、当然所管省であります通産省のお調べもございますけれども、私たちの方からもまた一緒になって調査もしてみたいと思っておりますが、現在の段階ではそういうことでございます。
#133
○対馬孝且君 これは私は率直に、最後ですから、時間も来ましたから、言いたいことは、通産省に、主務官庁だけに灯油価格を任し切るというか、主務官庁だけに任しておけばいいんだという指導ではだめだということなんです、私が言いたいことは。そのために物価安定のやっぱり経済企画庁があるんだから。通産省というのは、率直に言うと、業界との関係が、これは密接な関係があるんだから、率直に言うけれども。悪い言葉で言うなら癒着しているんですよ、やっぱり。通産省自身の計算の答えというのは持っておりませんよ、はっきり言うけれども。いままでずいぶん標準価格なんてうまいこと言っていますけれども。ぼくは調べてみたけれども、結果的には業界から出してきた言い値を通産省が多少手心を加えて、それを標準価格として直したというだけであって、通産省自身が科学的に計算して、仕入れ値を計算して通産省試案というものをばんと出したなんというためしはありませんわ、はっきり言うけれども。これは私ははっきり指摘しますけれども。そういう点では、やっぱり経済企画庁というのは物価安定のそれはやっぱり主務官庁なんだから、私は、その点では通産省のひとつまあ言い分だけ聞いているという形ではなくて、いま局長は経済企画庁としても自主的な調査をすること、こう言うから、自主的なやっぱり調査をしていただいて、あるいは現地に派遣をするなりして、そうして経済企画庁として逆に通産省に対しては、消費者の立場から安定的な価格のためにはこういうやっぱり指導が必要ではないかと、こういう行政指導をしてもらいたいということですよ。そういう指導がやっぱりなけりゃ経済企画庁なんという存在はないじゃないかと私は言いたいんですよ。その点がどうかということを私は聞いているわけですよ。
#134
○政府委員(喜多村治雄君) まさに先生の仰せのとおりでございまして、私どもこの標準価格なり、あるいは元売仕切り価格のときに通産省が持ってこられたものをそのままのんでおるわけではございません。そして、まあ中身の話を申し上げるつもりはございませんけれども、相当私たちの言い分も聞いていただきましたし、そして私たちが疑問に思っているところは、疑問のようにしてまた解明していただきましたし――というようなことは繰り返し繰り返しやっております。したがいまして、先生の仰せのとおり、私どもはやはり物価を預かっておるという責任も非常に強うございますので、そういう観点から今後も物価行政をやっていきたい、このことには間違いございませんので、申し上げておきます。
#135
○対馬孝且君 最後に、この問題ではやっぱり時期を見て、経済企画庁として、特に北海道、積雪地北海道では、先ほども午前中申し上げたように、これは安田次官もおりますけれども、御存じのとおりで、これはほかの県と違うですよ、東北六県と北海道だけは、ドラムかん十本近くたくんですから。これはもう安田次官のところなんかこれは年じゅうストーブつけているわけですから、これはもう次官の方がよく体験しているところですよ。だから、そういう点では、やっぱり現地にこれはひとつ調査員を派遣していただいて、ひとつ実態把握をやっぱり経済企画庁でしてもらいたい。それによって適切な措置をとるということについて、この段階ですから、まあ次官にひとつお答えを、現地調査を行うかどうかということについて、次官にひとつお伺いをいたします。
#136
○政府委員(安田貴六君) 対馬委員よりるる灯油問題の御質問がありました。私も一々ごもっともな点が多いことを実は傾聴いたしておったわけですが、いま最後に御意見のございました点については、通産省とも十分に連絡をとりながら、また経済企画庁としても適当な職員を派遣をいたしまして、そしてこの灯油の小売価格の動向等については十分な把握の上に立ってこれからの処置方法を検討いたしたい、こう考えますので、御了承いただきたいと思います。
#137
○対馬孝且君 以上でもって質問終わります。
#138
○渡辺武君 私は砂糖価格の値上げについて若干質問したいと思います。
 先月の十六日に申し上げるまでもなく、農林省が家庭用小売価格を九・八%、それから業務用の工場出し値を一六・六%値上げを認めたということになっております。これは昨年七月のこの引き上げ以来、一年間に三回目の引き上げというふうに見て差し支えないわけでありますが、いままでの値上げは、原糖の価格がどんどん上がっているという状況のもとで、一般国民の不満をそういう点でそらすことができたというふうに見て差し支えないと思うんですが、今度はまさに昨年の暮れから原糖価格が急落しているという状況のもとでの値上げで、これは十分に検討しなきゃならぬ問題を含んでいるんじゃないかというふうに考えられるわけでありますが、いまの砂糖の国際価格の動き、それから今後の見通し、この辺をまず最初に伺いたいと思います。
#139
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、昨年のたしか十一月でございますか、六百五十ポンドという瞬間風速、そういう価格を出しまして、平均としましては、月平均では五百六十六ポンド――ポンドで申し上げます。ロンドンを一応基準にいたします――その後、十二月、一月、二月、三月、三月の時点に二百六十二ポンド。四月、五月の時点では百七十九、約百八十ポンド。ただいまの時点では、最近時点では百五十八ポンド。きのうになりますか、若干下がっておると思いますが、そういう水準になってきておるということでございます。
 私どもいろいろな情報をとっておりますけれども、どのくらい下がるかということになりますと、百ポンドを割っておったわけでございます。それが四十八年の十月から百ポンドを超えまして、去年の暮れにかけまして六倍も上がった。それがまた下がってきている。そこで、全体の穀物相場、あるいは石油ショック以来の全体の穀物相場等を勘案いたしますと、小麦にいたしましても、トウモロコシにいたしましても、大豆にいたしましても、砂糖にいたしましても石油ショック以前の水準に戻ることはないのではないだろうかというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございます。そうすると、一体どこでとまるのだろうかというのは非常にむずかしい問題でございますけれども、先物にいたしましてもまあ百四十ポンド台ということでございますが、そろそろ底に来ているのではなかろうかというふうにわれわれは見ておるわけでございます。
#140
○渡辺武君 原糖の国際価格がいまおっしゃったように非常に急落している。もう昨年の一月の水準さえも下回ってきておるというような状況に加えて、私は国内の砂糖に対する需要、これもいま非常にふるわないんじゃないかというふうに考えております。ある資料によりますと、スーパー「ダイエー」の砂糖の売上高がことしの一、二月では昨年の一、二月に比べて四割も下がっておる、三、四月は二割も下がっているというような資料もございまして、全く売れ行き不振という状況になっていると思うのですが、その辺どうでしょう。
#141
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、去年からことしの一月、二月相当需要はダウンしたというふうに思っております。で、基本はやはり私ども業務用の売れ行きが落ちたというふうに見ておりまして、これは総需要引き締めという問題からいろいろ砂糖についての業務用の需要が非常に落ちてきているというふうに見ておるわけでございますが、全般といたしまして、三月、四月というふうにかけまして、春先、それから今後の夏物の清涼飲料等の仕込み時期に入ってまいり、需要は相当程度回復してきておるというふうに見ておりますけれども、いまの情勢、まあ引き締めがどの程度続けられるかということにもよりましょうけれども、私どもの見通しとしましては、年間約五%ぐらいは昨年に比べて落ちるのではなかろうかという一応見込みを立てていろいろ推計をしておるわけでございます。
#142
○渡辺武君 そうすると、どうしても今回の値上げはおかしいなという気にならざるを得ないのですよ。大体品物の売れ行きが悪けりゃ値段が下がるというのが普通の経済の法則だと思うのです。しかも、原料価格は急落しているといるというような状況のもとで値段を引き上げた。これはまことに奇怪なものでして、いま総需要引き締め政策で、砂糖の消費が落ちているのだとおっしゃったけれども、これは抽象的な話ならそうも言えるでしょうけれども、一番直接的な原因は砂糖の値上がりでしょう。昨年の二月の上白糖の小売価格が百八十六円というのが大体標準価格になっておりました。それが十月の二十八日に認可した価格が二百八十七円という状況でありますから、一年足らずの間に一キログラムで百円も上がっているというような状況ですね。これがやはり砂糖の消費を減退さしていっている大きな直接的な原因だというふうに見なければならんと思うのですね。そういう時期に、上げ幅はメーカーの協議価格よりも少ないにしても、やっぱり砂糖の値段を上げるということは全く奇怪な政策だというふうに考えざるを得ないですね。一体メーカーの値上げ申請の理由ですね。それから、また、どういうところまで値立げを要請してきているのか。それらの詳しい資料をいただきたいと思うのです。その前に、ちょっとその内容の御説明をいただきたいと思います、どうでしょう。
#143
○政府委員(森整治君) メーカーの申請の内容というのは、結局原糖価格が上がっておりますと、こういうことでございます。結局端的に申しますと、昨年の暮れ十一月、十二月にかけての異常暴騰時の山が数カ月おくれて四月、五月にきておるということでございます。メーカーの申請は、四月から九月にかけて値上げを認めてほしいということで、要するに半年分につきましての値上げの申請であったわけでございまして、平均で申しますと、家庭用の小袋につきましては九十六円上げてほしいという内容であって、パーセントにいたしますと三三・四%ということでございます。今回の特徴は、これらの全部、われわれに出てきておりますのは小袋用では十八社でございます。非常に各社とも――各社ともといいますか、各社の申請の幅が非常にございます。安いのから言いますと四十九円、一番高いのは百三十五円、平均九十六円ということでございまして、私どもあの相場の高騰、それから暴落というわけでございますけれども、そこで、どういう時点で物をつかんだかという、その買い方に非常に差があるというふうに見ておるわけでございます。非常にわれわれも理解できないわけではないんでございまして、当時千ポンド説も出たくらいでございます。非常にわれわれ相場やったことございませんけれども、あの数字の異常さから考えますと、メーカーの原料の手当てに非常に差があった。差がある中で、やはりあの高い時期でわれわれも社会的な供給責任はやっぱり砂糖会社にあるということを力説しておりました関係上、まあいろんな原糖をつかんでおるというのが実態ではなかったかというふうに思います。その山がきまして、すでに百五十ポンド台に現物相場が下った。これはやはりまた四、五カ月後に入ってくるわけでございますけれども、この高値をどう処理していくかということにつきまして、事前協議制をとっております関係上、政府に値上げを協議をしてまいったということが実態でございます。
#144
○渡辺武君 この十八社の値上げ申請、四十九円から百三十五円、それぞれ幅があっていろいろ違っておる。その平均をとって九十六円にしたのだ。九十六円という計算で、ここに私も資料いただいてありますが、そういう上げ幅で出されているわけですね。これも各社ごとにそれぞれ理由があると思いますね。こういう値上げの申請の出されてくる数字が違うわけですから。それから、そういう各社別の違った申請に対して、農林省が一応指導価格としてさっき言ったように家庭用の小売価格については九・八%、業務用の場合は一六・六%というふうに上げ幅も決めたわけですが、そういうきめた理由、根拠、これはどういうことですか。
#145
○政府委員(森整治君) 平均九十六円の申請の中身は、原糖コストのほかに人件費等の製造コストも上昇しているということで出てきておりましたけれども、私どもの考え方といたしまして、この際非常に原糖価格のコストアップが大きいということで、原糖コストアップだけは何とか考えましょうということで、今回の値上げの算定を行ったわけでございます。それからもう一つ大きな点は、四月から九月の間――三月から四月の初めにかけて申請が出ておりますけれども、その四月から九月までの半年分として三十数%の引き上げを要請してきたわけでございます。私どもは、十月以降下がるんではないかということで、一年間を計算をしてみたということが大きな違いではなかろうかというふうに思うわけでございます。いずれにいたしましても、原糖価格しか見なかったということと、一年間ならしてやればもっと下がるはずであるということで計算をいたしましたということでございます。
#146
○渡辺武君 どうも伺っていても、話は数字の話なんですよね。ところが、非常に抽象的でよくわからないのですよ。たとえば、原糖価格についても昨年十一月の瞬間風速と言われましたが、非常な高値のときの原糖が、これが四カ月か五カ月後で入ってくるのだと、しかしその後は下がるだろうという話はわかりました。わかったのだけれども、しかしそれが値上げ率九・九%というような形になってくるという、そこのところの計算、どういうふうな計算になるのか、その辺はどうですか。
#147
○政府委員(森整治君) 先ほど申しましたように、原糖のコストを年間ならして見ますと、このならし方がいろいろございます。正直に申しまして、要するに先物相場を、買ってないものを先物で買うと仮定して計算をするという前提がございます。一応そういう計算をいたしまして、原糖コストは三百十七ポンドというふうに見たわけでございます。それから、その結果、大体原糖コストが約四十円アップする。家庭用につきましては、副総理もいろいろ申されましたように、物価問題、非常に重要であるし、農林大臣といたしましても、ともかくできるだけ抑えたい、こういう観点から積算の基礎といたしましては七掛けをして、七割しか見なかったということでございます。それから、あと企業全体としましては、それは累積赤字を持っているところもあるし、黒字を持っているところもある。で、端的に言えば価格変動準備金として内部留保のあるところもございます。そういうものは二円を全部、キロ当たりに直しますと二円持っているはずである、だからそれは吐き出していただきたいということで、二円は三角に立てております。それからもう一つ、加工経費等は一切動かしておりません、消費税も動かしておりません、まあ当然でございますけれども。そういうことで、あとなるたけ家庭用を抑えるという観点で業務用との格差を設けまして、三百十五円という積算をしたわけでございます。平均価格でいたしますと、業務用と家庭用に差をつけたわけでございます。で、家庭用はともかく一割以内に抑えると、端的に申しますと、そこをめどに強いてコスト計算をしたということでございます。で、平均的に申しますと、二百九十二円というコストになります。工場出し値が。それを開きまして、家庭用は二百八十五円、それに三十円マージンを、流通マージンを足しますと三百十五円、それから家庭用を抑えたはね返りが業務用にまいりますから、業務用に三円回ります。二百九十五円という計算をしたわけでございます。ただし二百九十五円というのは、コスト計算上そうなりましたということを業界に示したにとどまります。実需者にもお示しし、あとはその需給の実態によりまして取引を、価格を決めていただきたいということで、指導価格といいますか、事前に今後協議するという制度は廃止する、業務用につきまして。したがいまして、現在いま日経相場で見ますと、三百八十九円という水準のようでございます。
#148
○渡辺武君 なお細かく伺いたいのですが、短い時間でございますから、だから業界からのその値上げの申請の理由、根拠等を書いてある資料、それから農林省がいま言った指導価格を決めるに至った根拠資料、これをひとつ資料として御提出いただきたいと思います、委員長、よろしく。
#149
○政府委員(森整治君) ただいま私どもやっておりますのは、完全な行政指導でいろいろやっておるわけでございます。したがいまして、やはり企業秘密という問題は守っていかなければいけないと思います。したがいまして、できるだけ先生の御趣旨に沿うよう資料は御提出するよう努力はいたしたいと思います。委員長と御相談いたしまして、資料等につきまして中身につきましてお打ち合わせの上、御提出をいたしたいと思います。
#150
○渡辺武君 できるだけ詳しいやつを、われわれの検討に値するようなやつを、ぜひ出していただきたいと思います。
 それからなおその点についてさらに伺いたいのは、こうした農林省と協議して決めてということになっておりますが、認可というのか、指導というのか、この砂糖の価格についての何といいますか計算の基準といいますか、農林省のですよ。指導上の計算の基準というようなものは何か法定されているのでしょうか。それともあるいは省令などで決まっているのか、その辺どうでしょうか。
#151
○政府委員(森整治君) これは別に法律に基づいてやっているわけではございません。農林省、われわれがこういう方法がよかろうという方法として計算をしているというにすぎません。
#152
○渡辺武君 そうすると、何か客観的な基準というようなものはないのですか。そのときどきの行政上の都合で決めると、こういうことになっているのですか。
#153
○政府委員(森整治君) そのときどきと申しますか、原則としてこの問題は、砂糖問題は原糖問題。したがいまして、原糖を、どういう原糖が使われておるかというのがポイントではなかろうかというふうに思います。原糖に比べますと、人件費等その他は大した問題ではございません、価格的には。ほとんど原糖の問題です。したがいまして、原糖をどういうふうにつかむかということにつきまして、われわれとしては一応の考え方を持って、いままで価格算定をしてまいったというわけでございます。
#154
○渡辺武君 どうもそういうふうに言われると、非常に疑問が出てきますね。何か客観的な根拠が、基準があって、それに基づいて行政指導上の、価格上の行政指導をするというのだったら、その基準の妥当性というような問題はわれわれの審議の対象になり得ると思うのですね。しかしどうもそういうものもないというようなことですと、相手は民間の企業でしょう。利潤ということが非常に重大な問題になるわけです。その点についてはどう考えるのですか。
#155
○政府委員(森整治君) これは非常に物価が異常に上がりました際に、何とかやはり価格を抑えていきたいということから行政指導としてとった措置でございます。あくまでも私どもそういう中身に、ことに相場商品でございます、そういう中身に非常に入りたくないという気持はございました。しかし、ともかくやむなくその計算をしておるわけでございます。ですから、私ども完璧なものを求めることは当然われわれの義務と思います。御指摘のようにいろいろ原糖の事情というのをつかむということは非常に困難な問題がございます。
 ちなみに申しますと、今回やりましたことは、ともかくサンプル的に各社の全部もうすでに買ったというトン数と値段全部押さえたわけでございます。買わない、買ってない物につきまして、現物は押さえてあるけれども、まだ値段を決めておりませんというものにつきましては押さえません。そうすると、あとどのくらい買うつもりかという、全然買ってないものも押さえたつもりでございます。そういう値段が決まっていないものについては先物の相場を見ながら、われわれは一定のルールでともかく平均的なものとして考えたわけでございます。
 それから、最初に申し上げました現に買っておって、これだけ高い物をつかんでおるんですと言うんならということで証拠を出せということで、これは全部ではございません。非常に膨大な資料になります。サンプル的にこの証拠を持って来いということで、全部チェックをいたしたつもりでございます。ですから、私どもいま役所といたしまして、企業に対して本当はそこまで要求できるのかどうか疑問でございますけれども、私どもが納得のいく限りの手は打ったつもりでございます。
#156
○渡辺武君 砂糖の販売価格という場合は、それは原糖の値段が非常に大きな比重を占めることはわかります。しかし、私企業の場合ですから、利潤という問題も非常に重大な問題になるわけですよ。まさに私どもは今度の砂糖価格のこの指導価格の決定に当たって一体この利潤をどういうふうに見たのかと非常に大きな疑惑を持っている。一体利潤については全然考えなかったんですか。
#157
○政府委員(森整治君) 従来からといいますか、去年の二月でございますか、大騒ぎになりました、決めましたときに一応三円という利潤を見ております。その後一切、その三円の利潤というのはそのまんま使っておると言えば使っておるし、値上げにつきましては一切考えておらないということでございます。
#158
○渡辺武君 そうすると、その三円の利潤というのは農林省からいただいた資料の中で加工、販売経費、流通マージン六十八円というものの中に含まれているわけですか。
#159
○政府委員(森整治君) 入ってございます。その中に一応三円というふうに見ておる数字は入っております。
#160
○渡辺武君 利潤三円ということになりますと、いま大体月間の溶糖量が十三万トンというふうに言われておりますね、月ですよ。そうすると、それで単純に計算すると約三億円か四億円の月間利益と、こういうことになりますね。どうですか。
#161
○政府委員(森整治君) どういう御趣旨での御質問かどうかわかりませんけれども、考え方といたしまして、やはり企業でございますから、それで株式会社でございますから、一応の利潤というのは見ないといけないということで、去年設定をしました三円というのはそのまんま観念として据え置いておるということでございます。ただし、今回家庭用の小袋につきましては、それは全然見ないということで、非常に引き下げの材料に使っておるということもございます。
#162
○渡辺武君 ぼくはわざと利潤の問題を申し上げておるのは、最近の精糖メーカーのもうけというのは非常に大きいのです。一時はこれはもう赤字の典型的な企業だと言われておりましたけれども、しかしながら、昨年来の値上げが恐らく大きな原因だというふうに見られますけれども、かなり大きな利潤を上げておる、上げ始めてきておるというのが実情だと思うのです。
 たとえば、私どもが調べてみますと、昨年九月期決算で大手十一社の前の年の九月期から昨年の九月期までの年間の利潤ですが、これは百二十一億円に及んでおる。なお、累積赤字のある会社もあるようです。しかし、相当の大きな利益を上げておるというのが実情です。しかも、さっきもちょっと御答弁の中にありましたけれども、一部上場会社ですね、精糖メーカーの、約六社ですが、これの引当金、これはいま言った大手十一社の年間純益よりも大きいですね。百二十九億円になっているというのが実情です。その百二十九億円の内部留保というのは、その前の三月期の決算における引当金に比べて六三%もふえている。かなり手厚い内部留保の積み増しをやっておる。その上に十一社で百二十一億円ものもうけを上げているのが実情です。特に明治製糖などは有価証券報告書に書かれております公認会計士の業務監査報告を見てみますと、限定意見がついている。どういう限定意見かと言いますと、たな卸し価格調整引当金というのを九月期に一億円明治製糖は計上している。これは利益準備金なんだということを限定意見で書いている。公認会計士が監査報告で限定意見を書くというのは、これはつまり異常な状態があるからこそ、そういう特別な限定意見を書かざるを得ないということであって、つまり明治製糖が一億円だけのもうけを利益準備金として計上しないで、引当金という形でいわば利益隠しをやったということを意味しておると見て差し支えないと思う。これだけの大幅な黒字を上げている、最近の精製メーカーは。
 さらにそれじゃことしの三月期はどうなんだ。これは日本経済新聞の調査でありますが、二部上場会社七百八十社の中で四十九年度の「経営指標順位」というのを出しております。これで見てみますと、使用総資本利益率では大日本製糖は第一位。昨年調べたときには七百八十位だった。それが一躍第一位に躍進している。東洋精糖は前回は七百七十八位であったのが今度は第三位に躍進している。三井製糖は前回は七百七十五位であったのが今度は四十三位に躍進している、こういう状態です。いかに高収益を上げているかということがこのことではっきり示されている。つまり先ほどの御答弁で言われました国際価格がずっと上がっているその過程でこれだけの黒字を上げている。農林省がこの一年間三回にわたって彼らの値上げを認めたということは、いかに彼らに分厚い利潤を保証したかということがこれで示されているんじゃないでしょうか。今度の指導価格の決定、これについても利益は一キログラム当たり三円というふうに言われましたけれども、結局こういう大きな精糖会社の高利潤を保証するということが含まれているんじゃないでしょうか、その点どうでしょうか。
#163
○政府委員(森整治君) 前段に御質問ございました御指摘の会社のあれはたな卸しの引当金だったと思いますが、ほかにもございますが、やっぱり価格変動準備金的な要素を持っておると思います。御承知のように結局精糖会社の八十何%というのは原糖コストなんです。これが非常に大きく変動いたします。したがいまして、たまたま利益が出たからといって、これはいろいろ使われては、むしろ次期に繰り越しまして、価格変動ございます。今回もそうだと思います。非常に下がっておると、そういうようなときのために使うということで、それは税制上当然認められておる措置だと思います。そういうふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
 それから後段の御指摘の問題につきまして、具体的に御指摘がございましたから、私どもも承知いたしております。一番トップに挙げられました会社につきましては、実はわれわれも押さえましたけれども、海外の利益として、海外の定期ヘッジの利益が相当出ております、この会社は。この会社はトップでございます、そういう意味では。それから別に今度使用総資本の中に、東日本精糖というのがございます。これが含まれておらないわけです。むしろこれを含めまして考えますと、恐らくあの数字からは百社の中に入らないというようなことでございます。概して申しますと、いろいろ資本が、数字の見方でございますけれども、一例として私そういうことを申し上げたいと思いますが、一般的に申しまして、ただいま全体でございますけれども、全体といたしまして約六十二億の繰り越しの損を持っておるわけです、全部足しますと。もちろん黒字を出しているところもございますが、全般といたしまして、いまの最後の資本の利用率といいますか、そういう観点からいたしますと、むしろ施設が古いわりに装置産業でございまして、そういうことで、むしろ資本が全体的に小さくなっているという問題は一つ基本的にあろうかと思います。そういういろいろな数字の問題でございますから、われわれの一応の考え方を申し上げましたけれども、いずれにいたしましても、われわれが押さえております数字では、三月末で一応締めてみて、それは決算期いろいろございますから、なかなか把握しがたい問題ございますが、一応三月末で締めてみて、収支とんとんになっておったのではないかと思います、原糖のコストから見まして。
 そこで、もうけている人は、利益を出している人は、本来はやはりそういう今後の四月以降、非常に苦しい事態に入っておるわけで、現に入っておるわけですから、そういうのを内部留保として積み立てていただいて対処をしていただく。われわれも査定上は繰り越し益があるものを二円見たということは、それは吐き出してほしいということで計算をしておるのもそういうことでございます。そういうことで考えていくべきものだと思います。したがいまして、私申し上げたいことは、これからの決算あるいはいろいろございますが、九月なり、来年の三月の決算、その時点でそう大もうけをする会社というのがあるだろうかという問題になると思います。いまから私そういうことをいろいろ断言するのはおかしゅうございますが、非常にこれからは大変な事態に入っていくというふうにひとつわれわれは認識しているわけでございます。いままでの益というのは、大いにそのために使ってほしいということでございます。
#164
○渡辺武君 それはおかしいですよ。とにかく海外原糖価格は十一月までは上がったと、それは客観的な事実ですよ。しかし、それからはずっと急落しているんですよ。その安い原糖がいずれ日本に着糖してるわけですよ、そうでしょう。いままでだって原糖価格が急上昇しているその過程で、いま申しましたように内部留保もたっぷり積み増すと、わずか半期で六十数%も内部留保を積み増して、そうして、しかもかなりの利益を上げている。こういうもうけを上げているんですよ。十一月に原糖価格が上がったからといって、いずれ安いものがくるわけですから、それも十分に考慮して考えてみれば、大体今度値上げをするというのはおかしいんです。そりゃ確かに一時は高い原糖を買い付ければ、もうけの減るのは当然のことでしょう。これはいずれカバーできるんです。今度の値上げというのは、どうしたって納得できない。しかもいま砂糖の需要が落ちて、本来ならば値段が下がらなきゃならないという状況にある。そういう状況を現実に目の前にしておきながら、値段を上げる。こんなばかな行政指導というものはあるもんじゃないと思うんです。私はいまの説明は納得しません。それだけじゃないんです。
 時間が来たようですから、簡単に申し上げますけれども、原糖価格の値上がりというけれども、しかし、精糖会社は安いときに買い付けた砂糖の在庫を持っているはずです。大体平均すると、どのくらいの在庫があると、あなた方、見込んでおられますか。
#165
○政府委員(森整治君) いま、先生御指摘の問題は、こういうことだと思います。十月に改定いたしました。それは二百六十七ポンドという水準で見ておりました。当時、確かに安いものが入っておりました。百ポンド台のものが入っておりました。それからその後だんだん高くなってきた。それを結果的に締めてみまして、私ども、三月の時点で全部いままでの過去の精査をしてみたわけです。その場合に二百六十九ポンドという原糖コストになっておりました、三月の時点で。したがいまして、これはわれわれいばるわけではない、偶然当たったと思います。しかし、これは偶然で当たった。ただ、そのときのコストといたしましては四百ポンド、五百ポンド、そういうものは入っておりません。それがいま、要するに上げ残りと申しますか、そういうものがいま残っておるというわけでございます
 それから先生御指摘のように、先下がり、すでに百四十ポンド台、先物になっている。それは事実でございます。そういうものが入ってまいります。ただ、ちょっと一つだけ、そのとおりにならない問題がございます。それは関税の問題でございます。上限価格は二百十ポンドでございます。十ポンドを割るものにつきましては、それは関税を徴収するということでございます。二百十ポンドを割っているものにつきましては、幾ら安く入ってきましてもそれはそこのラインでとめられる。これはやっぱり安定制度のルールでございます。関税もそういう取り方をするわけでございます。ですから、外糖は下がりましても関税を取られるとコスト的にはそういう二百十ポンド台になるということもございます。その点を全体勘案していただきませんと、いま百五十ポンドだから、すぐそれに、そういうもっと低くなるはずだし、価格も上げないで済むんじゃないかという問題には直ちにならないという問題だけ、ひとつ御理解をいただきたい。
#166
○渡辺武君 在庫の問題で一例だけ挙げておきますけれども、明治製糖の有価証券報告書の中に、平均その期の原糖の何といいますか、買い入れ価格というのが計上されておりますね。それで計算をいたしますと、四十九年の九月期決算、したがって四月から九月までの半期ですね。原糖処理の実績は六万二千八十一トン、そしてそのときの平均価格はトン十三万一千六百二十八円だった。ところが、そのときに前期からの繰り越しの在庫量が四万六千八百十一トンあった。したがって、十三万一千六百二十八円の原糖を使った量というのは、この在庫量を原糖処理実績から引いた一万五千二百七十トン、これが値段の上がった買い入れ価格の原糖の使用量と、こういうことになります。この在庫四万六千八百十一トンという、これの買い付けの価格は六万四千五百七十四円。四十九年九月期決算に比べて半分ぐらいの買い入れ価格で済んでいるわけです。それこれ勘案してみまする、大体当時のキロ当たりの価格は八十一円くらいで済んでいるはずなんです。ところがその当時の農林省の指導価格、これ見てみますと、四十九年の七月十七日の出荷分については百五十四円、十月二十八日の出荷分では二百三円、こういうことになっている。八十一円くらいの原糖を使って製品をつくっているのに、農林省の指導価格は七月には百五十四円、十月には二百三円、ずいぶん高いところで行政指導をしているということになります。これは、これほど在庫量のないほかのメーカーについてもほぼ同じような数字をはじき出すことができる。もちろん、私どももその後の原糖価格の値上がりというのは当然見なきゃならぬというふうに思っておりますけれども、それにしても余りに現実と離れ過ぎた高い指導価格を設定しているということは、この一例で私はわかると思う。今度の場合もそうとしか考えられない。と申しますのは、日本精糖工業会のこの調査だというので、新聞に出ているのですが、二月の溶糖量は十三万八百トン、ところがその同じ二月の原糖の在庫は四十一万六千二百十一トン、つまり約三カ月分くらいの在庫量を持っているという。二月に在庫として持っている砂糖というのは、これはあの十一月の暴騰した以前に買い付けたものであるはず、そうでしょう。あなたの計算によりますと、大体この四カ月から五カ月ぐらいの後に着糖するということになっているから、昨年の少なくとも九月か十月ごろの相場で買い付けたものが、ことしの二月の在庫量として三カ月分もまだ眠っているはずなんです。そういうことを考えてみますと、今度の値上げというのがどうしても私は不当だと思う。この点どうお考えになりますか。簡単にお答えいただきたい。
#167
○政府委員(森整治君) 個々会社の、結局決算見ないとわかりませんけれども、われわれとしましては先ほど申しましたように、原糖の実態の把握にともかく証拠も全部取りまして算定をしておりますということと、それからもう一つは、その価格というのは、役所でございますから、やっぱりコストとして見なければいかぬ。その価格というものが本当に需給実勢に合っている価格であるかどうか、要するに売れるのか売れないのか、これはわれわれの判断できない問題でございます。したがいまして、今回取りましたことは、家庭用はともかく最小限度に抑えよう、業務用につきましては一応コスト上その関係でこういうふうになりましたということは明らかにする。こういう計算もいたしましたということは明らかに出しまして、これは指導価格を外したわけでございます。したがいまして、需給の実勢によって決まってくる、あるいは需要のついてくるついてこないによって決まってくる、総需要引き締めの中で決まってくるということで、いたずらな価格介入はやめるということによりまして、われわれのいま御指摘のような個々の会社がどうで、コストがどうだ、それが正しいか正しくないか、こういう真理の探求みたいな話に入ってまいりますと、われわれといたしましては非常に行政の限界を越えているのではないかという判断をいたしました。事実、むしろ私ども行政指導価格を撤廃したことは非常によかったのではないだろうか、いまの動きを見ておりますと。まあ大変恐縮でございますが、石油とは違いまして、むしろ需要がついてきてない、ついてきてないから値段が下がっている。これは非常にむしろわれわれがコストを計算するよりも需給実勢に合わした価格が形成されてきておるというふうに、むしろ結果といいますか、そういうものをひとつ御理解をいただきたいと思います。
#168
○渡辺武君 時間が来たから、最後に一問だけしますが、どうも答弁にならぬですね。とにかく家庭用の砂糖については採算を度外視して設定したんだと。採算を度外視して設定するなら、政府が物価問題は最優先の課題だと言っていることに従って、何で値上げをしないでおかないのか、この点まずひとつお答えいただきたい。
 それからもう一つ、これから先、一体この輸入価格が下がってくるだろうということはもう火を見るより明らかなんです。先ほどおっしゃった関税等々があるといたしましても、十一月のあの暴騰の状態よりも下がってくることは明らかなんです。今度下がってきた場合に、一体価格の引き下げについての行政を指導をするのか、私はすべきだと思う。この点どうでしょう。
#169
○政府委員(森整治君) 第一の問題につきましては、逆ざやを据え置きますと、逆ざやといいますか、家庭用と業務用の価格との逆ざやができます。要するに業務用にかぶせなければならない。この価格が著しいものである、流通マージンを度外視したものでありますと、結局家庭用を業務用が持っていってしまうということで、供給パニックが起こります。そういう観点から据え置きが困難でございました。
 それから、二番目の問題につきましては、もし価格指導というものが下支え的なものになってきたという判断をいたしました時点におきましては、行政指導を撤廃いたしたいというふうに考えて去ります。
#170
○委員長(岡本悟君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
  牛後四時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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