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#1
第075回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和五十年二月十九日(水曜日)
   午後零時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                黒住 忠行君
                中村 登美君
               目黒今朝次郎君
                阿部 憲一君
    委 員
                小川 半次君
                加藤 武徳君
                土屋 義彦君
                中村 太郎君
                小柳  勇君
                太田 淳夫君
                河田 賢治君
                安武 洋子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       植木 光教君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    福田  一君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       竹岡 勝美君
       警察庁交通局長  勝田 俊男君
       運輸大臣官房審
       議官       中村 四郎君
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       建設省道路局長  井上  孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       日本国有鉄道理
       事        山岸 勘六君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通安全対策の基本方針に関する件)
 (昭和五十年度における道路の交通安全対策関
 係予算に関する件)
 (昭和五十年度における陸上交通安全対策関係
 予算に関する件)
 (昭和五十年度における海上交通及び航空交通
 安全対策関係予算に関する件)
 (昭和五十年度における交通警察の運営に関す
 る件)
 (北陸トンネル内における列車火災事故に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開催いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、交通安全対策の基本方針について関係大臣から所信を聴取いたします。最初に、植木総理府総務長官。
#3
○国務大臣(植木光教君) 最初にごあいさつを申し上げます。
 昨年十二月、三木内閣発足に当たりまして、総理府総務長官を拝命いたしました。微力でございますが、懸命の努力をいたしたいと連日精進をいたしておりますので、どうぞ、委員各位におかれましては、何とぞ御協力、御指導を賜りますようにお願いを申し上げます。
 今国会における交通安全対策特別委員会の審議が開始されるに当たり、交通安全対策に関する所信を申し述べます。
 昨年中の道路交通事故による死者数は一万一千四百三十二人、負傷者数は六十五万一千四百二十人であり、前年の昭和四十八年中に比べ、死者数において三千百四十二人、二一・六%の減、負傷者数において約十四万人、約一八%の減と大幅な減少を示しております。
 政府といたしましては、昭和四十五年に制定されました交通安全対策基本法に基づき、昭和四十六年度から昭和五十年度までの五カ年間を対象として、交通安全基本計画を策定し、関係行政機関、地方公共団体及び国民の協力のもとに諸般の施策を講じてまいりました。昭和四十六年以降毎年交通事故が減少するという成果をみましたのも、このような総合的な交通安全対策が効果を上げてきた結果と考えられます。
 しかしながら、死傷者の数は、なお年間六十五万人を超えており、国民生活に多大の不安を与えております。特に、交通上最も弱い立場にある幼児や老人に多数の犠牲者が出ていることは、まことに憂慮にたえません。
 私は、昨年十二月総理府総務長官に就任したのでありますが、その際、交通事故の大幅な減少を明るいニュースとして受けとめるとともに、今後さらに交通事故を大幅に減少させていかなければならないという決意を固めました。
 本年は、交通安全基本計画の最終年度に当たりますが、この計画に基づき、現在の交通情勢に適合した総合的かつ計画的な諸施策を効果的に推進するよう努めていくつもりであります。
 このような施策の実現を図るため、昭和五十年度の予算編成に際しましては、関係省庁の交通安全対策関係の予算の調整を行い、その結果、総額約四千四百七十四億円を計上いたしました。
 総理府所管の予算といたしましては、民間における交通安全活動の推進及び交通事故被害者の救済を重点施策としております。民間における交通安全活動の推進については、交通安全指導事業に対して助成を行うダンプカー協会の数を増加することとし、また、新たに交通安全母親活動の推進のための事業を委託することといたしました。被害者救済対策としては、都道府県交通事故相談所の支所の増設などを図っております。
 以上、交通安全対策に関する所信を述べましたが、委員の皆様方の一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
#4
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、木村運輸大臣。
#5
○国務大臣(木村睦男君) 昨年末に運輸大臣を命ぜられました。交通安全対策につきましては特に力を入れていきたいと思いますので、委員各位の皆さんの格別の御指導をお願い申し上げる次第ででございます。
 運輸大臣といたしまして交通安全対策についての所信を以下申し述べます。
 およそ、運輸行政を担当する責任者といたしましては、交通安全の確保こそ最も重要な課題であり、官民一体となって第一に取り組んでいかなければならないと考えております。
 なかんずく、人命尊重が何物にも優先するという認識のもとに、交通業務従事者の自覚と知識・技能の向上、安全管理体制の充実、安全施設の整備を含む総合的な安全対策を長期的視野に立って強力に推進していく必要があります。
 私は、就任とともに、この点に深く思いをいたし、機会あるごとに、事業者から現場第一線の人々に至るまで、およそ交通に携わる一人一人に事故の絶滅を呼びかけてまいりました。にもかかわらず、昨年来、大型タンカー、新幹線鉄道等の事故・故障が相次いで発生するという事態を惹起いたしましたことはまことに遺憾であります。今後は更に決意を新たにして、陸・海・空すべての分野において、交通安全の確保のための施策を一層強力に推進し、再び事故が起こることのないよう努めてまいる決意でございます。
 まず、海上交通の安全の確保につきましては、昨年十一月の東京湾におけるタンカー衝突事故、今年初めのマラッカ・シンガポール海峡におけるタンカー座礁事故等を教訓として、航行管制システム、航路・港湾・航路標識の整備等、海上交通環境整備の推進を図るとともに、危険物積載船舶等の構造・設備の改良、運航要員の資質の向上、水先制度の改善等、船舶の構造・設備及び運航面における安全性の向上に配慮するほか、海事関係法令の必要な見直し及び航行指導の強化等による海上交通ルールの徹底を図り、事故の再発防止に努めてまいる所存であります。
 また、不幸にして海難が発生した場合の救助体制及び大量流出油防除体制の充実・強化等、被害の拡大の防止に努めてまいることは申すまでもありません。
 さらに、わが国外航船舶の海外における安全運航に関しましては、国際的な動向に十分配慮しつつ、適切な対策についての検討を進めてまいる所存であります。
 以上のほか、モーターボート、遊漁船等の小型船舶につきましても、昨年創設された検査制度及び小型船舶操縦士の免許制度の実施体制の充実を図るとともに、海上安全指導員による指導の実施等によりその安全確保に努めることといたしております。
 次に、陸上交通のうち鉄道交通の安全確保につきましては、踏切道の立体交差化、構造改良、踏切保安設備並びに信号保安設備等、鉄道交通環境の整備を図ってまいるほか、鉄道事業者の安全管理の徹底及び運転関係従事者に対する指導訓練の強化にも意を用いてまいりたいと考えております。
 特に昨年多発いたしました新幹線鉄道等の事故・故障に関しましては、線路、架線の強化、車両の取り替え、工事施行体制の整備等を図り、事故・故障の再発防止に万全を期してまいる所存であります。
 このほか、地下鉄道等における火災事故対策として、車両の不燃化の推進、設備の安全基準の検討等を図ってまいる所存であります。
 自動車交通につきましては、ここ数年、事故件数、死傷者数とも着実に減少しておりますが、運輸省といたしましても、自動車運送事業者の安全管理の徹底、自動車の構造、装置等に対する安全規制の強化、検査登録体制の充実等の施策を強力に推進してまいってきたところであります。したがって、今後とも引き続きこれら施策を強化し、その効果を上げてまいりたいと考えておりますが、先般のスキー客送迎用バスの青木湖転落事故にかんがみ、大量レジャー施設への送迎に係る自動車交通の安全対策についても、関係機関と緊密な連絡をとりながら、事故の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
 このほか、自動車事故対策センターに対して、自動車事故被害者への生活資金貸し付けの充実、全国的な支所網の整備等に必要な助成を行う等、事故の未然防止と被害者の救済対策の充実に意を用いてまいる所存であります。
 次に、航空の安全確保につきましては、航空保安施設、航空管制施設及び航空気象業務の整備・拡充を強力に推進するとともに、運航ルールに関する法規制の強化、騒音対策を含む空港整備、ハイジャック防止のための警備体制の確立、航空機乗員及び航空保安要員の養成体制の強化等を図ることといたしております。また、同時に、航空会社に対しましては、機材の点検整備の強化、運航乗務員の資質の向上等、安全運航管理体制の整備を強力に指導し、安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、運輸省が所管いたしております気象業務につきまして、気象の的確な予報や情報の提供が交通安全に深い関係がありますことに留意し、気象業務の充実に努めてまいる所存であります。
 以上、交通安全関係の重点施策について、私の所信の一端を申し述べてまいりました。私は、交通の安全行政の重要性を深く認識し、一層の努力をしてまいりたいと存じますので、何とぞ、委員各位の格別の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
#6
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、仮谷建設大臣。
#7
○国務大臣(仮谷忠男君) 交通安全対策に関する諸施策について御審議をお願いするに当たり、一言所信を申し述べたいと存じます。
 御承知のとおり、わが国の経済、社会の発展に伴う自動車輸送需要の増加と多様化に対処するため、政府としては、昭和四十八年度を初年度とする第七次道路整備五カ年計画を策定し、これに基づいて道路事業の推進を図っているところであります。
 しかしながら、このような自動車輸送の増加は、反面交通事故の多発をもたらし、昭和四十五年には、交通事故による死者数が一万六千七百六十五人の多きに達しております。その後は関係者の懸命の努力により、死傷者は漸次減少の傾向にありますが、昨年一年間で、なお一万一千四百余人の死者と六十五万一千四百余人の負傷者の発生をみるといういまだ憂慮すべき状況にあります。
 このような事態に対処するため、昭和五十年度は、総需要抑制策下の緊縮予算ではありますが、交通安全対策につきましては、その重要性にかんがみ、一層強力な推進を図ってまいる所存であります。
 まず、道路の新設または改築に当たりましては、交通安全対策基本法の精神にのっとり、交通安全施設等の完備した道路を整備することとしております。
 次に、既存道路につきましては、昭和四十六年度以降、交通安全施設等整備事業五カ年計画により、総合的かつ計画的に交通安全施設の整備拡充を図ってまいりましたが、昭和五十年度はその最終年度として一層の交通安全施設の整備を進めてまいりたいと考えております。特に道路交通上弱い立場にある歩行者、自転車利用者を交通事故から守るための施設の整備に重点を置くこととしております。
 また、既存道路における危険箇所の解消を図るべく道路防災事業を強力に推進してまいることとしております。
 第三に、踏切道における交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、日本国有鉄道、地方鉄道等における踏切道の立体交差事業を推進することとしております。
 第四に、道路管理体制を強化して道路交通の安全の確保と交通の円滑化を図ることとしております。特に、大型車両による交通事故の発生を防止するため、道路法に基づき、これら大型車両の通行に対する指導、取り締まりを強化し、その秩序正しい通行を確保するとともに、道路交通に関する情報の収集、提供体制の強化拡充を推進することとしております。
 なお、交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、都市公園等整備五カ年計画の第四年度として、都市における国民の日常生活に密着した児童公園等の基幹公園の緊急かつ計画的な整備の推進を図ることといたしております。
 以上、交通安全に関する諸施策について所信の一端を申し上べましたが、交通事故防止のため今後一層徹底した総合的な交通安全施策を強力に推進していく決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、昭和五十年度における道路の交通安全対策関係予算について説明を求めます。建設省井上道路局長。
#9
○政府委員(井上孝君) お手元に「建設省」といたしましたパンフレットかお配りしてございます。これに詳しく書いてございますが、要点のみをかいつまんで御説明させていただきます。
 一ページは、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づきまして昭和四十六年から昭和五十年に至ります五カ年計画を策定して実施をいたしております交通安全施設につきまして、その整備の内容を申し上げますが、来年度におきましては、この五カ年計画の最終年度といたしまして、特に歩行者、自転車利用者の安全を図るため、歩道あるいは自転車道の整備を最重点にして実施をする予定でございます。実は、御承知のように、総需要抑制の予算でございまして、道路整備事業費は、対前年比九三%、国費で七%減という予算編成になっておりますが、特にこの交通安全施設につきましては、法の示す緊急整備という観点から、最終年度の昭和五十年度も、こういう厳しい予算の中ではございますが、二ページの中ほどに書いてございますように、五百五十七億、対前年比わずかではございますが、五%増という予算を計上いたしまして整備をはかることにいたしたわけでございます。これは実は五カ年計画の最終年度でございますので、五カ年の枠といたしましては四百五十億ばかりしか残っておりませんが、この枠を超えまして今年度よりも五%増の事業計画を立てておる次第でございます。
 また、この緊急措置法以外に、いわゆる歩道を設置しようにも、人家害檐でございまして非常に歩道が設置しにくい、そういうところには、交通安全上小規模なバイパス工事を行いまして、いわゆる道路整備の改築工事と申しておりますが、バイパスを行って現道の交通の事故の防止を図ろうと、こういう事業を積算いたしますと、昭和五十年度で二千二百四十九億円、この程度のものを予定いたしております。
 次に五ページに参りまして、大規模自転車道の整備事業でございますが、昭和四十八年度から大規模自転車道の整備に国の助成をする方途を開きまして現在実施中でございますが、四十九年度におきまして事業費三十三億円をもって全国三十路線の整備をいたしておりますが、来年度はさらに九路線を増加いたしまして、四十三億円、三十九路線の整備を見込んでおります。
 次に七ページに道路防災対策事業でございますが、御承知のように、昭和四十三年度に発生いたしました飛騨川バスの転落事故にかんがみまして、全国の主要道路につきまして災害危険個所の点検をいたしましてその防災工事を逐次進めておりますが、四十六年度に再度調査をいたしました結果、全国で約三万五千カ所の防災工事の必要個所がございまして、特に緊急に整備を必要とする約九千カ所につきまして四十八年度末におきましておおむね防災工事を完了いたしております。四十九年度以降は、残りの二万六千カ所につきまして逐次その整備を図っております。昭和五十年度におきましては、七ページの一番下にありますように、五百七十四億円をもちましてこの事業を推進する予定でございます。
 八ページ、九ページに踏切道の立体交差化事業について書いてございます。昭和三十六年の踏切道改良促進法の制定を契機に、今日まで踏切道の立体交差化あるいは構造の改良というのを実施いたしております。その実施の結果がここに八ページ、九ページにるる書いてございます。来年度は、十一ページの最後に書いてございますが、六百五十九億円をもちまして単独立体交差事業四百二十九ヵ所、連続立体交差事業六十六ヵ所について立体交差化事業を進める予定でございます。
 十三ページ以降に都市公園整備事業について書いてございます。都市公園は外国に比べましてわが国は非常におくれておることは十分御案内のとおりでございますが、現在、昭和四十八年度末で一人当たり公園面積が三平方米でございますが、昭和六十年にはこれを三倍の九平方メーターにするということを目標にいたしまして都市公園の整備を進めております。特に、交通安全に関係いたします交通公園につきましては、十四ページの一番下以降に書いてございますが、十五ページの上から五行目に「昭和四十八年度末において開設されている都市公園」と書いてございますが、これはミスプリントでございまして「交通公園」でございます。恐縮でございますが、御訂正願いたいと思います。昭和四十八年度末におきまして交通公園は百三十一ヵ所、来年度昭和五十年度につきましては、十五ページの表にございますように、千九百四十四ヵ所、五百二十六億七千九百万円をもって実施する予定でございます。
 十六、十七ページに駐車場整備事業が書いてございます。駐車場の整備につきましては、特に都市計画駐車場につきまして融資制度等を従来からやっておりましたが、道路管理者である地方公共団体が道路の付属物として設置する駐車場に対しまして道路整備特別会計から無利子の資金を融資するという制度を四十八年度から実施いたしております。十八、十九ページにその辺のことは書いてございますが、五十年度は、新規四ヵ所を増加させまして、継続四ヵ所と合わせて八ヵ所について十八億円の費用をもって実施する予定でございます。
 次に、二十ページに高速自動車国道におきます救急対策でございます。交通安全基本計画の定めるところによりまして日本道路公団が基地を設置して行います自主救急、あるいは関係市町村長に対する日本道路公団による財政措置、こういったことで救急対策を講じておるわけでございますが、二十ページの下の方にありますように、十億円をもちまして来年度は実施する予定にいたしております。
 二十一ページに、建設省において行っております道路交通の安全に関する調査研究でございますが、この表にありますように、三億七千万円をもちまして調査研究を継続いたす予定でございます。
 二十二ページには、道路の管理につきまして、交通安全上不法占用物件の排除、あるいは地下埋設物に対する監査、特に道路のたび重なる堀り返しを予防するために共同溝の建設を進めておりますが、二十四ページの表にございますように、来年度は公益事業者の負担も含めますと百五十億ばかりの事業費をもちまして共同溝の整備を進める予定でございます。
 二十五ページには、大型車両等による事故防止対策でございますが、特に過積載トラック等による事故が非常に多く、かつ、これが大きな事故につながりますので、警察関係機関と緊密な連絡をとりまして、道路管理者サイドといたしましては、主として重量計等の取り締まり機材を整備するということで、警察と一緒になって事故防止対策を講じております。
 二十六、二十七ページには、車両の安全な運転に資するための道路交通情報の充実について書いてございますが、特に昭和四十五年度に発足いたしました財団法人日本道路交通情報センターの活躍によりまして、逐次通行者に対する的確な道路交通情報の徹底を図っておる次第でございます。
 最後に、二十八、二十九ページには、交通事故の相当部分がダンプトラックを主体とする建設業者による事故でございますので、私ども建設省といたしましては、あらゆる手段を講じましてあらゆる機会にこの建設業者に対してダンプトラック等による事故防止対策をいろいろと指導、指示いたしておりますが、特に悪質な者につきましては、三十ページの上に書いてございますように、指名停止等の措置を講じまして、建設業者のダンプトラック等による交通事故の防止の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 まことに取り急ぎまして恐縮でございましたが、以上で説明を終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、昭和五十年度における陸上交通安全対策関係予算についての説明を求めます。総理府竹岡交通安全対策室長。
#11
○政府委員(竹岡勝美君) 昭和五十年度陸上交通安全対策予算につきまして総理府からお手元に配付しておりますこの予算調書によりまして、関係各省庁の分を合わせて一括御報告申し上げたいと思います。
 この調書の一ページの上段欄外に書いておりますとおり、経費の総額は四千四百七十四億一千八百万円でございます。昭和四十九年度の予算額四千二百八十億一千万円に比べまして、百九十四億八百万円、約四・五%の増加となっております。これは一般会計予算の伸び率二四・五%に比しますと低くなっておりますけれども、交通安全予算全体の約八〇%強を占めております公共事業関係予算が総需要抑制のために前年度並みに抑えられたということから影響しておると思いますが、その中でも警察庁、建設省の特定交通安全施設にうきましては若干の増額が図られておるところでございます。また、道路交通環境の整備に要する経費以外の経費につきましては、前年度に比べまして約四二%の増加となっております。
 まず、調書一ページの一の道路交通環境の整備につきましては、三千八百二十五億四千九百万円を計上し、昨年とほぼ同額になっております。
 その内容の(1)の交通安全施設等の整備は、特定交通安全施設等整備事業五ヵ年計画に基づくものでございます。これの内容といたしまして、(7)の交通管制システムの整備(警察庁分)は、九十五億八千九百万円、対前年度比七・五%増を計上しておりますが、交通管制センター施設二十四ヵ所の整備、あるいは新設六ヵ所の増設、さらには約七千三百基の信号機の増設、その他警察関係の道路標識等の交通管理施設等の整備に要する費用につきまして補助するための経費でございます。(4)の特定交通安全施設等の整備(建設省分)は、先ほど道路局長から説明があったと思いますが、歩道約千百八十キロ、自転車道七百四十キロ、立体横断施設百十三カ所、約一千六百基の道路照明等、道路管理者分として負担しまたは補助する経費でございます。
 (2)の改築事業による交通安全対策事業(建設省分)、これも先ほど御説明になりましたが、この経費は、小規模なバイパス等の建設の整備に要します経費につきまして負担しまたは補助する経費ででございます。
 (3)の道路防災対策事業(建設省分)、この経費は、落石、なだれ等を防止するための道路施設の整備、路肩整備、交通危険個所の居部的改良等に要する費用について負担しまたは補助する経費でございます。
 (4)踏切道の立体交差化等、これは(運輸省分)(建設省分)がございますが、四百五十四億二千六百万円、対前年度比二・三%の減となっておりますが、(7)の約二百六十ヵ所の踏切に対します保安設備の整備、それから二ページに入りまして、(4)の新規、継続を含めまして約四百二十九ヵ所の立体交差、六十六ヵ所の鉄道高架等、踏切道の立体交差の整備に要します費用につきまして負担しまたは補助するための経費でございます。
 (5)交通安全対策特別交付金(自治省分)は、御承知のとおり、交通反則金収入額に相当します金額を地方公共団体が行います交通安全施設の設置等に要します費用に充てるため、地方公共団体に交付するものでございます。四百九十五億九千五百万円、対前年度比二一・六%の増加となっております。
 次に、(6)基幹公園の整備(建設省分)は、道路局長の説明がございましたが、二百十三億五千七百万円、対前年度比二三%の増加となっております。この経費によりまして約千五百十九基幹公園、四百二十五ヵ所の都市基幹公園等、児童及び青少年の遊び場を確保するための費用につきまして補助するための経費でございます。
 (7)校庭開放事業(文部省分)は、三億七千四百万円、対前年度比一一・一%の増となっております。本年度さらに五百校を増設いたしまして、全体五千校に対します費用につきまして補助するための経費でございます。
 2の交通安全思想の普及につきましては、九千百万円と少額ではございますが、対前年度比五二・六%と大幅な増額をいたしております。
 その内容は、(1)の総理府所管のダンプカー事業者の交通安全指導のための経費七百万円、(2)の警察庁所管の全日本交通安全協会に対します交通安全に関する広報事業等の委託費及び日本道路交通情報センターに対します道路交通情報提供業務の委託費等合わせて二千三百万円、三ページに移りまして、(3)の文部省所管の日本交通安全教育普及協会に対します交通安全教育研究等の委託費六百万円、(4)家庭児童の交通事故防止を図るため、交通安全巡回等を行います母親クラブの活動に要する厚生省所管の経費五千五百万円でございます。
 3の安全運転の確保につきましては、合計で百九十一億一千四百万円、対前年度比三〇・四%の増となっております。
 (1)の安全運転センターの設立(警察庁分)は、交通事故の防止を図るため、運転に関します各種資料の提供サービス、交通事故に関する調査研究等を行うことにより、自動車運者科等の利便増進に資することを目的といたします自動車安全運転センターを新たに設立するための出資金五千万円を計上しております。
 (2)の運転者管理センターの運営(警察庁分)は、四億九千七百万円で、四十九年度に比べて若干減少しておりますが、電子計算組織によります同センターの運営経費でございます。
 (3)交通取締用車両等の整備(警察庁分)は、八億七千三百万円で、わずかではございますが前年度に比べて減少しております。交通取り締まり用四輪車、同二輪車、交通事故処理車等を整備するための経費でございます。
 (4)交通取締体制の充実強化(警察庁分)は、九億六百万円、対前年度比一四・四%の増となっております。ひき逃げ事件あるいは悪質な重要交通事故事件等の捜査活動の強化及び違法駐車の取り締まりの強化等に要する経費でございます。
 四ページに移りまして、(5)の交通事件裁判処理体制の整備(裁判所分)は、一億九百万円、対前年度比二・七倍となっておりますが、これは交通事件裁判処理要員といたしまして十三名増員する等、交通事件にかかわります裁判の処理体制を充実強化するための経費でございます。
 (6)の交通事件処理体制の整備(法務省分)は、八億九千二百万円、対前年度比八・八%の増となっております。交通事件検察処理要員五十人の増員等に要する経費でございます。
 (7)自動車事故防止対策等(運輸省、沖繩開発庁分)は、一億八千二百万円、対前年度比四二%の増でございます。自動車運送事業者、鉄軌道事業者等の監査指導を行うための経費でございます。
 (8)自動車検査登録業務の処理体制の整備(運輸省分)は、百五十五億八千七百万円で、対前年度比三五・七%の増となっております。この経費は、検査施設の増設、検査登録要員の増員等、自動車検査登録業務の処理体制を整備するための経費でございます。
 (9)自動車運転者労務改善対策(労働省分)は、千八百万円で、ほぼ前年度と同額でございます。自動車運転者の労務管理の改善を促進するための自動車乗務員手帳制度の普及等に要します経費でございます。
 4の被害者の救済につきましては、四百五十一億四千万円、対前年度比四八・四%と大幅に増額しております。
 (1)の救急業務施設の整備(自治省分)は、七千三百万円、対前年度比三〇・八%増となっております。救急活動の迅速化を図るため、救急指令装置四十基の整備等に要します費用でございます。
 (2)の救急医療施設の整備等(厚生省、沖繩開発庁分)でございますが、九億七百万円、対前年度比四・五%の増でございます。この経費は、適切な交通傷害に対します治療を行うため、救急医療センターの整備等に要する費用について補助するための経費でございます。
 五ページに移りまして、(3)のむち打ち症対策(労働省分)は、四十九年度と同額の六百万円を計上して調査研究の委託を行うものであります。
 (4)の通勤災害保護制度の実施(労働省分)は、四百六億七千六百万円、対前年度比五〇・七%増を計上しております。被災労働者及びその遺族の給付金の増額等を図ろうというものであります。
 (5)の交通事故相談活動の強化(総理府分)は、一億五千五百万円、対前年度比三四・七%の増となっております。この経費は、既設の交通事故相談所八十九ヵ所の充実を図るほか、新たに支所九ヵ所を増設するための費用を補助するための経費でございます。
 (6)法律扶助事業の強化(法務省分)は、七千二百万円、四十九年度よりわずかばかり増加しております。法律扶助協会が行います貧困者に対する交通事故の法律扶助事業に要する費用について補助するための経費でございます。
 (7)自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助等(運輸省分)は、三十二億五千百万円、対前年度比四二・八%増を計上しております。(7)の交通遺児の助成金増額等を図るための自動車事故対策センターを助成増額するほか、(4)の交通事故相談の業務あるいは救急医療機器の整備等に要する費用について補助を行うものでございます。
 (8)の脳神経外科等の充実(文部省分)は、整備可能な大学におきましては四十九年度で一応終了いたしましたので、五十年度は予算を計上いたしておりません。
 六ページに移りまして、5のその他の欄でございますが、内容は、(1)の自動車安全性向上に関します研究等に要する経費(通産省分)、(2)自動車事故防止に関する研究開発に要する経費(運輸省分)、(3)道路交通安全対策に関します調査研究に要する経費(建設省分)及び(4)交通安全に関する調査を実施するとともに、母親の交通安全意識の高揚を図るための事業を全国交通安全母の会に委託するのに要する経費(総理府分)等、合計五億二千四百万円、対前年度比一九・九%の増となっております。
 以上、概括いたしまして、昭和五十年の陸上交通安全対策関係予算について御報告をいたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、昭和五十年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。運輸省中村審議官。
#13
○政府委員(中村四郎君) 昭和五十年度におきます海上交通及び航空交通安全対策関係予算について御説明申し上げます。
 お手元に、縦長の用紙で横書きの「運輸省」と書いてある資料をお配りしてございますので、これに沿って御説明申し上げます。
 まず、海上交通安全対策関係予算でございますが、一部夫定のものを除きまして合計百九十三億六千九百万円を計上してございます。これは前年度と比較いたしまして十六億七千万円、およそ九・四%の増加と相なっております。
 その内訳を御説明申し上げますと、まず第一に、交通環境交通安全施設等の整備といたしまして百三十億八千二百万円を計上してございます。
 内容としましては、東京湾口、瀬戸内海、関門航路等の航路整備のための経費七十七億四千百万円、避難港におきます防波提の建設、泊地のしゅんせつ等のための経費四億八千八百万円でございます。そのほか、シーバース建設調査のための経費がございますが、これは港湾事業調査費の一部でございまして、現在実施計画を作成中でございますので、金額は未定となっております。以上の港湾関係予算は、第四次港湾整備五ヵ年計画に基づく最終年度分のものでございます。次に(4)航路標識の整備のための経費として四十八億五千三百万円を計上してございますが、この中には、船舶の動向を把握して、その管制、情報提供等を行います海上交通情報機構整備のための経費が含まれておる次第でございます。
 第二に、船舶の安全性の確保といたしまして一億三千百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、当省が船舶の検査を行いますための経費が七千四百万円、小型船舶の検査を実施するため昨年設立されました日本小型船舶検査機構に対する出資等のための経費が四千万円でございます。それから、船舶の安全対策として、各種船舶の安全基準の整備等のための経費が千七百万円ございますが、これが前年度に比較して若干減少しておりますのは、安全基準等の作成が終わったものがあるためでございます。
 次のページに参りまして、第三に、安全運航の確保といたしまして一億九千二百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、海上交通安全対策として海上交通安全関係法令の円滑な施行のために関係者に対する法令内容の周知等を行うための経費一億二百万円がございます。次に(2)から(4)までといたしまして、旅客船の安全対策のための経費、乗船指導監査のための経費、船員災害防止指導のための経費が掲げられてございます。それから海技従事者国家試験等の実施のための経費七千五百万円がございます。これが前年度に比べて減少しておりますのは、前年度予算に含まれておりました小型船舶操縦士の実技試験を実施する機関に対する助成が終了したためでございます。
 第四に、警備救難体制の整備といたしまして五十九億三千九百万円を計上してございます。
 内容といたしましては、海上保安庁においては海難の防止と救助のため毎年その体制の強化を図ってきておりますが、巡視船艇及び航空機の整備強化のための経費として五十三億百万円を計上し、巡視船艇の代替建造等を行うとともに、航空機及び航空基地の整備を行うこととしております。また、海難救助体制の整備のための経費として六億三千八百万円を計上し、海上保安通信体制及び救難防災対策の充実強化を図ることといたしております。
 最後に、海難防止に関する研究開発のための経費として、備考にございますとおりの諸研究を実施するための経費二千六百万円を計上してございます。
 以上が海上交通安全対策関係の経費でございます。
 次に、ページを繰っていただきまして、航空交通安全対策関係予算でございますが、合計七百九億七千七百万円を計上してございます。これは前年度と比較いたしまして百億八千五百万円、およそ一六・六%の増加と相なっております。
 その内訳を御説明申し上げますと、まず、交通環境交通安全施設等の整備といたしまして五百八十六億六千七百万円を計上しております。
 その内容といたしましては、空港の整備のための経費として四百四十四億五千万円を計上し、滑走路、誘導路、エプロン等の基本施設及びILS等の航空保安施設の整備を推進することといたております。また、航空路整備のための経費は百三十五億八千九百万円でありまして、これにより航空路監視レーダー、管制情報処理システム等の管制施設、VOR、DME等の航空保安無線施設等の整備を行うことといたしております。それから(3)といたしまして、航空気象業務の整備のための経費六億二千八百万円がございます。
 次に、第二として、安全運航の確保でございますが、これには九十億九千万円を充てております。
 その内容といたしましては、空港の維持運営のための経費六十億一千万円、航空路施設の維持運営のための経費十九億七千二百万円及び航空保安施設の検査のための経費十一億八百万円であります。このうち航空保安施設の検査のための経費が二十二億円余減少いたしておりますが、これは前年度に航空保安施設の作動状況について検査を行うための航空機を購入したという特別な理由によるものでございます。
 第三に、航空従事者の教育訓練の充実でございますが、これには三十一億四千四百万円を計上いたしております。
 その内容といたしましては、航空保安大学校及び航空大学校の運営及び教育施設の整備を図るため、航空保安大学校関係経費六億二千四百万円、航空大学校関係経費二十五億二千万円を計上いたしております。
 最後に、航空事故防止に関する研究開発につきましても、備考欄にございますとおりの研究を実施するために必要な経費七千六百万円を計上してございます。
 以上が航空交通安全対策関係予算でございます。
 簡単でございますが、これをもちまして海上交通安全対策及び航空交通定全対策関係予算の説明を終わらせていただきます。
#14
○委員長(吉田忠三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(吉田忠三郎君) 速記を起こして。
#16
○委員長(吉田忠三郎君) 国家公安委員長から所信を聴取いたします。福田国家公安委員長。
#17
○国務大臣(福田一君) 本委員会の開催に当たりまして、国家公安委員会の委員長といたしまして一言ごあいさつを申し上げますとともに、所信の一端を申し述べて、一層の御指導と御協力を賜りたいと存ずる次第であります。
 委員各位には、平素から交通問題について多大の御尽力をいただいておりまして、まことに感謝にたえません。
 御承知のように、わが国の交通事故は、関係機関を初め、国民各層の方々の懸命な努力によりまして、昨年で四年連続して減少するという画期的な成果をおさめ、特に死者数においては、昭和三十七年と同じ一万一千人台にとどめることができたのであります。
 しかしながら、年間の交通事故による死者数は、いまなお六十五万人を超え、国民生活に重大な脅威を与えており、特に子供や老人層に依然として多くの犠牲者を見ておりますことは、憂慮にたえないところでございます。また、都市を中心とした交通渋滞や排出ガス、騒音等による生活環境の悪化も、なお深刻な問題であります。
 そこで、本年は、関係機関と一層の緊密な連絡のもとに、歩行者及び自転車利用者の保護を最重点として、交通事故による死者数の減少傾向を長期的に定着させ、過去の最高であった昭和四十五年の一万六千七百六十五人の半減を目標に、ここ二、三年のうちに一万以下に抑えることを目指すとともに、住みよい生活環境の実現を期すべく、真に実効のある諸対策を実施してまいる所存であります。
 このため、都市総合交通規制の推進、交通安全施設の計画的整備、交通指導取り締まり活動の活発化、運転者を初め広く国民一般に対する交通安全教育の充実・強化を強力に進める考えでございます。特に、運転者対策の充実・強化については、自動車安全運転センターの設置など、格別の配意をしてまいる所存でございます。
 委員各位の一層の御高示と御鞭撻を賜りますようお願いいたしまして、私のあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#18
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、昭和五十年度における交通警察の運営についての説明を求めます。警察庁勝田交通局長。
#19
○政府委員(勝田俊男君) 二月一日付で警察庁交通局長を命ぜられました勝田でございます。何とぞよろしく御指導をいただきますようお願いいたします。
 昨年中の交通事故は、お手元に配付しました資料にもありますとおり、発生件数、死者数、負傷者数とも大幅に減少し、史上最高の減少数を記録いたしました。特に死者は昭和四十六年以降四年連続して減少してまいりましたが、特に昨年は約三千百人も減少し、昭和三十七年と同じ一万一千人台にとどめることができたのであります。
 このような成果を上げ得ました要因には種々あると思われますが、関係行政機関、団体を初め、国民各層の方々による長年にわたる総合的な交通安全対策の積み重ねがようやく実を結びつつあることを示していると考えます。
 申すまでもなく交通事故は、直接人命を損傷するほか、平和な家庭生活を一瞬にして崩壊するものであるだけに、最近における交通事故の大幅な減少は、国民生活の安全と福祉に大きく寄与するものであり、その社会的意義ははかり知れないものがあります。
 しかしながら、交通事故の実態を分析してみますと、なお問題点が残っているのであります。
 その一つは、交通事故全体の中で、歩行者、自転車利用者と老人、子供の死者の占める割合がきわめて高いことであります。死者の中で、歩行者が三六%、自転車利用者が一一%を占めており。合わせて四七%にもなり、欧米各国における歩行者の死者の割合が、イギリスを除いていずれもわが国より低く二〇%前後にとどまっているのに比較し、問題であります。また、十五歳以下の子供の死者は一三%、六十歳以上の高齢者の死者は二三%であり、合わせて三六%となっております。
 次は、都道府県間や都市間といった地域間の事故率の格差が大きいことであります。たとえば昨年中の人口十万人当たりの死者数は、都道府県別では、一番少ない東京都の三・八人に対し、一番多い茨城県では二一・四人であり、また、都市別に見ますと、同様に都下東村山市の死者の死者ゼロに対し、山口市の二八・四人となっており、このような大きな地域間の格差を解消していくことが今後の課題であります。
 これらの問題のほか、都市を中心とする交通渋滞の激化、自動車排出ガス、騒音等による生活環境の悪化などの問題も次第に深刻化しつつあります。
 このような諸問題を抱えて、また、史上最高の死者減少率を記録した昨年の後を受けて、今後引き続き死者の減少傾向を持続させていくためには格段の努力が必要であると考えております。道路交通の問題はきわめてむずかしい時期に差しかかっているといえますが、警察といたしましては、最近の交通事故の減少傾向を長期的に定着化させ、死者数を過去の最高であった昭和四十五年の一万六千七百六十五人の半分以下にすることを目標に諸施策を結集し、ここ二、三年のうちに一万人以下に抑えることを目指しております。
 本年においては、この目標を達成するため、歩行者と自転車利用者の保護を最重点に関係機関との連絡を密にして、都市総合交通規制の推進、交通安全施設の計画的整備、街頭における交通指導取り締まり活動の充実、交通安全思想の普及徹底などの諸施策のほか、ただいま大臣のあいさつにもありました自動車安全運転センターを軸とする運転者対策の強化など新たな施策を取り入れて、総合的な交通対策を展開してまいる所存であります。
 以下、これらの対策の主な点について申し上げたいと思います。
 第一に、都市総合交通規制でありますが、人口十万人以上の都市を中心に、種々の規制を組み合わせた総合的な交通規制を、昨年から三年を目途に進めていますが、今年も引き続き重点施策として進めることといたしております。住宅地、商店街等の日常生活の営まれるいわゆる生活ゾーンについては、歩行者天国、遊戯道路を設けるなど、自動車の通行禁止、一方通行、あるいは最高速度の大幅制限、駐車禁止等の規制を面的に実施し、通過交通を初め自動車を裏通りから締め出し、安全で静かな生活環境の確保を図りたいと考えております。
 また、大量輸送機関であるバスについては、バス専用レーンの大幅な拡大を図るとともに、バスの近接を感知するバス優先信号の設置もさらに進めるなど、バスの優先対策を大幅に強化することといたしております。
 駐車対策としては、都市中心部を中心に広域にわたる駐車禁止規制を強化するとともに、駐車需要の大きい業務地域等については、パーシングメーターを設置して駐車時間制限の規制を推進する考えであります。
 なお、五十一年規制の延期に伴う排出ガスによる公害防止についても、さきに申し上げました生活ゾーン対策、バス優先対策、広域駐車規制などの間接的な方針を通じ、大都市における自動車交通量のおおむね一割を目標に交通総量の削減を図るとともに、信号機の調整などによって交通の流れをよくし、停止回数を少なくすることにより、一酸化炭素、窒素酸化物等の排出ガスの減少に努めてまいりたいと考えています。
 また、速度規制については、単に事故防止のためのみでなく、排出ガス、騒音、振動といった交通公害の削減を図り、また、ガソリンの消費節約にも資するといった観点から、都市においては原則として四十キロメートル毎時の規制を進めているところであります。
 なお、自転車の安全利用の促進を図るため、自転車専用通行帯、自転車歩道通行可などの交通規制を、自転車安全利用モデル都市はもちろん、その他の地域についても積極的に推進し、連続的に組み合わさった自転車道路網の整備に資してまいりたいと考えております。
 第二の交通安全施設の計画的整備については、都市総合交通規制とうらはらの関係にあるものであり、交通規制の推進と相まって、信号機、道路標識等の交通安全施設の早急な整備を図る必要があります。
 特に、さきに申しました都道府県間や都市間における地域格差を是正するためにも、地方都市における交通安全施設の整備が急務とされているところでありますので、公共事業抑制方針の中においても、人命にかかる緊急度の高い事業であることにかんがみまして、投資規模を落とさないよう関係機関に特段の配意をお願いしている次第であります。
 第三に、運転者対策の充実強化を進める一環として、自動車安全運転センターの設立を進めてまいりたいと考えております。
 この自動車安全運転センターは、警察庁が持っております運転者に関する資料を活用して、交通違反等により行政処分を受けることとなる直前の運転者に対しあらかじめ注意を喚起すること、無事故、無違反運転者等に対して運転経歴を証明すること、交通事故の証明をすることなどの資料提供を行うほか、安全運転のための研修、交通事故防止のための調査研究等を推進し、交通事故の防止と運転者等に対する利便の増進を図ろうとするものであります。
 以上は、本年度推進しようとする施策のうちの主なものでありますが、その他の対策につきましては、お手元に配付の資料より御理解くださるようお願いいたします。
#20
○委員長(吉田忠三郎君) 以上で関係省庁の説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#21
○委員長(吉田忠三郎君) 続きまして、北陸トンネル内における列車火災事故に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#22
○目黒今朝次郎君 きょうは、北陸トンネルの事故の性格から、公安委員会や関係の大臣が全部いる中でただしたいと思ったわけでありますが、国会の御都合でおりませんから、当面必要な点だけ一応質問いたしまして、関係方面その他については引き続いて質問していきたいと思っております。
 北陸トンネル事故は、昭和四十七年十一月五日夜、北陸線の北陸トンネルで発生したものでありまして、亡くなった方が三十名、一酸化炭素などで負傷者が五百六十九名、非常な社会問題になった事故であります。この問題については、四十七年から国会の運輸委員会あるいは交通安全委員会で取り上げられてきたわけでありますが、昨年の十二月二十七日、福井地方検察庁がこれを起訴したと、こういうことになったわけであります。したがって、われわれといたしましては、あらゆる委員会で努力してきたことが最終的には起訴という状態になったわけでありますが、この時点で運輸省なりあるいは国鉄側に聞きたいのは、時間がありませんから、いままで約二年有半、国会においてこの問題に対する取り扱いについていままで答弁したことについて、起訴という事実があっても変更があるかないかという点をまず冒頭確認したいと思います。いままで国鉄総裁、運輸大臣あるいは関係政府委員、説明員、すべての方々が行った証言については、この時点でも変わりがないということを私は確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
#23
○説明員(山岸勘六君) 国鉄といたしましましては、いままで申し上げたことについての考え方の変更は毛頭ございません。
#24
○目黒今朝次郎君 そうしますと、この起訴状についておたくのほうでも読んでおると思うのでありますが、この起訴状の中で言っている車掌の石川さん、それから機関士の辻さんの起訴の事実は、国鉄側なりあるいは運輸大臣が答弁した事実と食い違いがあるかどうかという点について見解を聞かしてもらいたい。まず運輸省、それから国鉄側と、両者からお願いします。
#25
○政府委員(後藤茂也君) 突然のお尋ねでございますので、起訴状をよく調べ、かつ、過去における大臣、政府委員、説明員の御説明を詳細に調べた上で御返事いたします。
#26
○目黒今朝次郎君 納得できませんね。この起訴状は少なくとも十二月の二十七日に入っているんですよ。もうきょうは二月の十九日です。これだけの期間がたっておって、鉄監局を中心とした運輸省がいまだに検討していないなんということは、私は答弁は満足できません。それはどういうわけですか。三十人が亡くなって、五百六十九人も負傷しているんですよ。これだけの大事故に遭った事案について全然調査をしていないという怠慢は、これは承認できません。
#27
○説明員(山岸勘六君) 先ほどもお答え申し上げましたように、国鉄といたしましては、かねて来申し上げましたことに変動はございません。起訴状の一つ一つの事項に対します食い違いと申しますか、起訴状、検察庁の言い分との食い違い等につきましては、また法廷その他におきまして私どもの方あるいは弁護人を通じまして私どもの一貫した考え方を申し述べていきたいと、このように考える次第であります。
#28
○目黒今朝次郎君 私が聞いているのは、前段で、衆議院も参議院も交通安全特別委員会なり運輸委員会で大臣も総裁も答弁したことと変わっていないとすれば、私の見解では、これは全然食い違っていると思うんですよ、この起訴状は。それについておたくの――簡単なものですからね。四枚か五枚です、これは。焦点は二カ所しかないんですよ、焦点は。なぜとまったのか、なぜ走らなかったのか、それだけですよ。ところが、列車火災が起きた際にはまずとまって消しなさいというのが国鉄の規則でしょう。それをやって機関助手は殉職したんでしょう。機関士はかろうじて生きた。かろうじて生きた職員に対して、国鉄側は総裁表彰までやってほんとうに御苦労であったと。当時の新聞も御苦労であったと。それを全部否定しているんですよ、この起訴状は。ですから、私は、ここで公安委員長と運輸大臣と総裁と三人おって、一体いままでの国会の権威とその関係はどうなのかということを聞きたいと思ったんです。きょうは遺憾ながら公安委員長はおりませんから、これについては不満なんだけれども、これ以上答弁しなければどうしようもないですな。きわめて怠慢ですね。返事できませんか、運輸省。
#29
○政府委員(後藤茂也君) お尋ねの点につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
#30
○委員長(吉田忠三郎君) 鉄監局長ね、そういうことだけでは質疑者も納得しない、こういうことですね。委員長として聞いておっても、あなたのその程度の答弁ではちょっと理解できませんね。質疑者は、具体的にトンネルの事故の問題を提起して、それに新たに起訴されたという事実、それと同時に、起訴された方にも、当時は、関係省庁の諸規定、諸法に従って行動した、表彰も受けている、それをなぜ起訴されるのかという疑念を持っているとぼくは思うんですがね。その関係を答えなければ質疑者はやはり納得しないと思いますから、もう一回あなた答弁してください。
#31
○政府委員(後藤茂也君) お尋ねは、起訴状に書いてあることと、この事件について大臣、政府委員、説明員がこれまで御説明したことと食い違いがあるのかないのか、そういう御趣旨に承っております。この事件は、たびたび御説明いたしましたように、四十七年に起こり、一年前に書類が送検され、そこで検察当局がいろいろと検討をいたしました上で起訴したものと承知しております。で、起訴状の細かな点につきまして、さらに、この過去二年間における、あるいはそれ以上かもしれませんが、国会におきます政府関係者の御説明につきまして、詳細にこれを点検せずにここで軽々しく御説明することは適当でないと存じます。それで、私は先ほど御説明申し上げたような御返事をしただけでございまして、その点検の上で御説明することがあればその時点で詳しく私どもの御説明をさせていただきたいと思います。
#32
○目黒今朝次郎君 じゃ、逆に質問しますが、この北陸トンネル事故が起きてから運輸省なり国鉄側として列車運転にかかわるトンネル内のこういう火災について、取り扱い規程を改正したか改正しないか、改正したとすればどういう点を改正したのか、その政正した点があれば改正とこの起訴がどういう関係があるかということについて説明してもらいたい。私の聞く範囲では、具体的には改正していない、指導強化はしておるけれども改正はしていないと、このように存じておりますが、その点についてお答え願いたい。
#33
○説明員(山岸勘六君) 四十七年の十一月六日、この大事故発生以来、私ども、部外の先生方をも含め、鋭意現在の国鉄の設備あるいは取り扱いを含めまして問題点の解明、さらには、狩勝の実験線区、あるいは宮古線におきますトンネル内の実物実験試験等を通じまして、最近にようやくこの二年の研究を踏まえまして私ども取り扱い物につきましても今後改正をしていく必要があるという段階に現在到達いたしております。したがいまして、その過程におきます新しい勉強あるいは新しい設備等の増強等につきましても第一線の職員にできるだけ知らせてまいっておりますけれども、実際の取り扱い方についての基準の改正というものは、いま申し上げましたように、部外の先生方を入れた委員会におきましてようやくその方向での結論がなされつつある段階であります。三月中には最終的なこの委員会からの報告を総裁あてにちょうだいすることになっております。現在私どもそれに並行して勉強いたしておりますが、改正はできるだけ早く取り扱い等の改正もいたしたい、このように考えておるわけであります。
#34
○目黒今朝次郎君 結局、結論は、いま長々の説明がありましたけれども、結論は、改正をしていないと、改正の内容について現在検討中だと、そういうことですね。そうしますと、現在の規定に従って自分の命をかけて努力した辻機関士が起訴された、車掌も起訴された。もうこれから裁判でやられるわけですね。現実には列車は運転しているわけですよ。北陸トンネルは条件のいいトンネルですね、複線化で。もっと悪いトンネルが一ぱいあるわけですよ。三月十日の博多新幹線では四〇%以上がトンネルだ。こういう状況の中で一体現にハンドルを持っている機関士であるとか車掌さんはどういうふうにすればいいんだろうか、北陸トンネルと同じような類似事故が発生した場合に、われわれ国鉄の職員としてどういう処置をするのがいいんだろうかと非常に迷っているんですよ、これは遺憾ながらも。毎日送っている。こういう迷った状態で機関士なり車掌さんが運輸事業に携わるということは、これは交通安全から見れば最大の悪ですよ。ですから、早急にこれは、きょうは逃げられてもしょうがありませんが、こういうきわめて矛盾した条件で置かれていることについて、運輸省、国鉄側、公安委員長を含めて、やはり私の質問に対して答えられるような調査と意見の調整をしてもらって、ぜひこの問題について私はやりたい。
 私の見解から言わせれば、辻機関士も、それから石川さんという車掌さんも、これは食堂車が火災を発生した、こういう火災発生の被害者ですよ。そうでしょう。国鉄が老朽車両を使って食堂車の火災さえ発生しなければ、こういう案件はなかったんでしょう。本当の犯人は老朽車両ですよ、そうじゃないでしょうか。その点を全然検察側は追及しないで、国鉄側も追及しないで、単に車掌と運転士さえ罰すればいいと。亡くなった機関助手は殉職ですよ、そうですね。助手は亡くなったんですから、これは殉職ですよ。本当に国鉄神社に祭られておる殉職で、生き残った車掌と機関士は罪人ですよ、これは。私はこんなばかげた社会的不公平はないと思うんです。私に言わせれば、本当にそこまでくるとすれば、加害者はやっぱり国鉄だ、社会に対しては。私は、桜木町事件であるとか、そういう事件のように、国鉄総裁なりあるいは運輸大臣が責めを負うべきだ、社会に対しては。一機関士、車掌を罰したってしようがないという気持ちなんです。私は、この二人は被害者だと、そういう観点から物事をとらえておりますから、ぜひ早急に意見調整をして次の委員会で継続してもらいたい。
 同時に、私は、これは聞くところによりますと、非常にトンネルの多い区間については機関士一人では大変だと、こういう事故も想定しますと、やっぱり二人乗せてこういう特殊条件にしてやるべきだということについても考えを持っていますから、これらの問題についても、きょうは時間がありませんから、職員局長が来ているようでありますが、ぜひやってもらいたい。
 それからもう一つ、北陸トンネルに事故が起きていろいろな防災設備をつくりましたね、何億という金をかけて。あの何億という金をかけた北陸トンネルの整備について全国のトンネルにやってもらいたい。それから整備した後の補修の責任者がだれなのか。検査したり点検したりですね。補修の責任がきわめて不明確だ、機械はつけたけれどもだめだということが言われていますから、そういうことについても私はきょうは委員会で問題を提起をしておきますから、次の委員会でこの問題について相当時間をとって私は追及したい、あるいは考え方を聞きたいと、こう思っておりますから、きょうは時間の関係で問題点を提起しておきます。次回は継続してやりますから答弁できるように御準備を関係庁間でやってもらいたいと、これを含めて終わります。
#35
○委員長(吉田忠三郎君) 鉄監局長ね、きわめて質疑者は明快だと思うんですね。ですからあんたの答えもきわめて慎重なんですけれどもね。この委員会はいつ開かれるか、これから理事会で決めてもらいますが、いずれにいたしましても、質疑者が言っておられますように、早急に運輸省それから国家公安委員長――まあ警察庁でも無論いいですよ、それと国鉄が、この起訴状と当時国鉄がとった措置と、それから当時衆参で当然国会で問題になりまして、それぞれの省庁大臣、関係者が明確な答弁をされています。これは会議録を調べればすぐわかりますから、お答えのようにぜひそういうものを精査をして、つまり統一的な答弁をしなければならないと思いますよね。そのように努力いたしますことを私からも求めておきたいと思います。
 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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