くにさくロゴ
1974/03/14 第75回国会 参議院 参議院会議録情報 第075回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
姉妹サイト
 
1974/03/14 第75回国会 参議院

参議院会議録情報 第075回国会 交通安全対策特別委員会 第4号

#1
第075回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
昭和五十年三月十四日(金曜日)
   午後二時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                黒住 忠行君
                中村 登美君
               目黒今朝次郎君
                阿部 憲一君
                栗林 卓司君
    委 員
                加藤 武徳君
                土屋 義彦君
                中村 太郎君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
                瀬谷 英行君
                安武 洋子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       竹岡 勝美君
       運輸省船舶局長  内田  守君
       運輸省港湾局長  竹内 良夫君
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       運輸省航空局長  中村 大造君
       海上保安庁長官  寺井 久美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      友藤 一隆君
       日本国有鉄道理
       事        山岸 勘六君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通安全対策の基本方針等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策の基本方針等について質疑を行います。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○目黒今朝次郎君 この前大臣から所信表明があったわけでありますが、輸送機関においては人命尊重、安全確保と、こういう立場で運輸行政をやりたいと、これが基調になってあると思うのでありますが、その中で、私は、時間もありませんから、三つ、四つちょっと要点だけ聞きたいと思うのです。
 その前に、この前の当委員会で北陸トンネルの事故の問題について関係局長に提案をして検討をお願いしておったわけでありますが、まずその懸案事項から大臣の方で検討されたらどういう考えか、お伺いしたいと、こう思います。――大臣。
#4
○政府委員(後藤茂也君) 前回の委員会におきまして先生から御質問のございました点、直ちに私からお答えができませんで、後日に保留をさしていただきました。大臣の御答弁の前に私から御説明をさしていただきます。
 御質問の趣旨は、北陸トンネルの事故について、国鉄乗務員の二人の人が昨年の十二月に起訴されたけれども、その起訴状を検討して、この事件に関連して従来国会において運輸大臣あるいは運輸省の政府委員が御説明申し上げた事柄との間に食い違いがあるかないか、そこいらについての見解を明らかにせよと、こういう趣旨であったと存じます。私どもは、その後、起訴状につきまして詳細に検討いたしますとともに、過去におきます運輸大臣その他のお方の国会における御発言を詳細に改めて検討をさせていただきました。問題は、ただいま不幸にして二人の国鉄乗務員の方が法廷に起訴されて、現実にそのお方の刑事責任をめぐって法の手続が進行いたそうとするところでございますので、立ち入った意見をいま国会において申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、従来私どもの役所の説明で申し上げましたことを起訴状を検討いたしました上で何ら変更する必要はないように思われます。
#5
○目黒今朝次郎君 そうしますと、当該車掌さんと機関士さんがきわめて国鉄職員として万全の措置をしたと、努力をしたと、あの許された段階で最大の努力をしたと、そういう意味で国鉄総裁の表彰の候補に挙がったり、あるいは地元管理局の管理局長が総裁表彰に匹敵するような二号俸の抜てき昇給をしたと、そういうことを踏まえて最大の努力をしたいと、こういうふうに受けとめて結構ですか、鉄監局長。
#6
○政府委員(後藤茂也君) 従来この事件に関連いたしまして運輸大臣あるいは運輸省の政府委員が御説明申し上げましたことは、考え方は、この具体的な事件について具体的にこの衝に当たった乗務員の方々の措置について、これをよくやった人だという考え方はあれ、個々の具体的な措置のここにどういう過失があったというふうな考え方はないという趣旨であったと承知しております。
#7
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのような立場に立って法廷で万全の措置を国鉄側なり運輸省側として努力してもらいたいということを私の方からも重ねて要請をしておきます。
  〔委員長退席、理事黒住忠行君着席〕
 それで、国鉄の再建という問題についていろいろ議論されて、来年の五十一年から見直しをすると、そういう形でいろいろ作業が進められていると聞いておりますが、これらの国鉄再建に対する具体的な展望なり方法なりと、いろいろな委員会が開かれておるということも聞いておるわけでありますが、これらの展望について大臣から一言あったら教えてもらいたいと、こう思うわけであります。
#8
○国務大臣(木村睦男君) 御承知のように、国鉄の財政の状況はまことに憂慮すべき点があるのでございまして、十年以前からの連続の赤字ですでに累積の負債から申しましても四兆円を超すということでございます。これが民間の会社ですと、もうとっくに倒産しておるわけなんでございますが、国有鉄道であるがゆえに今日なおその運営を一生懸命やっておるような状況でございます。
 そこで、すでにこの十年の間に何とか再建をしようということで二回にわたって再建の計画を立てたのでございます。ことに、最近は、三十八年から十カ年計画を立てまして、そして一つは政府側も大いに融資あるいは財政援助等をやると。また、国鉄自体といたしましては、合理化によりまして経費の節約、人員の縮減を図る。また、利用される旅客の側にも御協力をいただきたいということで、五十七年までの十年間に合計四回の運賃改定をやることによって何とか再建をやろうということでスタートいたしたのでございますけれども、一つには、予定をしておりました運賃改定が、四十八年に実施すべきところが昨年の十月になってようやく実施せざるを得なかったというふうなことで、その間に非常に蹉跌があったわけでございます。また、人員の削減につきましても、おおむね毎年一万人の整理をやるという方針でございましたけれども、これが意のままにいかなかった。それに加えまして、ベースアップ等で人件費の総額が予想以上に上がってきた。まあそういうふうないろいろな事情がありまして、このままではとうていあの十ヵ年計画は実施できない、こう結論をせざるを得なくなったわけでございます。
 そこで、五十年度におきまして、この再建計画を見直さざるを得ない段階になるわけでございますが、御承知のように、高度成長経済から低成長へと経済情勢が変わってまいりました。政府の長期計画は、あらゆる面におきまして五十年一年間の推移を見まして、そしてその上に立って将来の経済あるいは国家財政の展望を一応明らかにいたしました上で、それに即応した長期計画をつくるということになりましたので、国鉄の再建計画も実は五十一年度からやろうということに方針を決めたわけでございます。
 そこで、その再建計画の展望なりあるいは構想でございますけれども、これが実はなかなかむずかしいわけでございます。過去の二回にわたります再建計画それぞれについても考えてみますというと、従来のままの再建計画の多少の焼き直し程度ではとうてい再建ができないであろう、私はかように考えておるわけでございます。そこで、再建の骨格的な基本構想をつくり上げますためにも、まず、一体その再建の目安をどうするかということで、どこに一体国鉄の再建のメスを入れるべき個所があるか、また、その中で何が一番重要であり、次いで何が重要であるかというふうなことまで一応よく洗ってみなければいけないということを考えまして、現在は、国鉄の中におきましても、その検討のための委員会を設けて検討をいたしております。運輸省におきましても、所管の鉄道監督局長を中心に再建の部内の委員会をつくりまして、いまメスで患部を探っておるという状況でございます。いずれその点がほぼ明瞭になりました時点におきまして再建の計画の骨子をつくっていきたいと思うのでございますが、これにはやはり運輸省や国鉄という部内の者だけの考え方ではとうてい再建の計画を立てることはむずかしいと、こう判断いたしております。ことに、国有鉄道は国民のものであり、国民に提供された重要な輸送施設であるわけでございますので、国会関係の皆さんの御意見はもとより、広く世間一般の利用者の立場からの御協力あるいは御批判、そういうものを聞きながら最終的に再建計画をつくっていきたい。しかしながら、五十一年度スタートを目途といたしておりますので、五十一年度の予算の概算は大体八月末までにつくって大蔵省に出すということになっておることから考えまして、一応の目途を八月いっぱいに置きましてこの再建計画を立てていきたい、かように考えておりますので、現在のところ再建の骨格とか方向というものをいまそうやって一生懸命になって探っておる状況でございますので、もうしばらくそれらについては時間をかしていただきたいと思います。
#9
○目黒今朝次郎君 わかりました。私は、特に、再建計画をやる際に、最近における国鉄の新幹線の事故なり在来線の事故なりを見ますと、こういう再建といえ美名に隠れて安全性が軽く見られると、そういうことについては非常に危倶を持っておるのであります。でありますから、この委員会の性格上、国鉄の運営その他については運輸委員会でやるとしても、やはりここは安全の委員会でありますから、いかなるものがあっても安全が犠牲になってはならないという大原則で十分な配慮をお願いしたい、こういうことを要請しておきたいと思っております。
 次に、もう要点だけさわっていきますが、「しれとこ丸」の遭難について、これはどういうことかひとつお伺いしたいのですが、一つは、新聞に報ずるとおり、五十キロの電話しかなかったと、こういうことも言われておりますし、発見の時期が非常に時間がかかったと、こういう点から見てみますと、カーフェリーの管理運航といいますか、非常にずさんな点があったのではないかと、こんな気がいたしますが、この事故に対する大臣の見解なりあるいは今後の安全の確保についてどういう措置をやっているのか、この点についてお考えを聞かせてもらいたい、こう思うのです。
#10
○国務大臣(木村睦男君) 詳細にわたりますことは後で事務当局から御回答申し上げると思いますが、実は、率直に言いまして、私も非常にびっくりしたわけでございます。というのは、あの事故のときに、あれだけの大きい船の行方がわからぬということが一体あるのだろうかということに非常に疑問を持ったわけでございます。すでに明らかにされておりますように、現在の制度のもとにおきましては、ああいうフェリー等につきましては、通信設備といたしまして無線電信設備を設けることになっておりますが、なお、それにかえて無線電話をつけてもよろしいということになっておるわけでございます。無線電信の場合ですと、ほとんど距離には関係なくどんな遠距離でも通信が可能でございますけれども、無線電話でございますと、通信の限界というものがございまして、あの船にはVHFの波の無線電話が取りつけてあったわけでございます。これは機能します範囲がおおむね九十キロ、百キロ未満という辺が限界であるわけでございます。ところで、ああいう沿岸フェリーは、沿岸から大体二十海里の幅の中で沿岸を進んで目的地に行くというのでございますので、普通の場合ですと、沿岸から二十海里以内のところを通りながら目的地へ行くのでございますから、どんな事故がありましてもこの無線電話で十分用が達するわけでございます。まかり間違えてその倍、四十海里のところへ出たといたしましても、これはまだまだ可能でございます。あの場合には、百キロ以上の地点まであのあらしの中で航行の安全を期するために船長の判断で出たわけでございます。まあ普通はそういう遠洋まで出かけるということはまずまずいままでもほとんど例がないということでございまして、百キロを出たものですからそこで通信が途絶した。船長にしてみれば、別にそう危険を感じておるわけではなくて、合理的にその暴風雨に対して船の安全を図りながら外海まで出たわけでございますので、ここから先は無線電話が聞こえない地域に入るというところで、これからそっちへ出るということの通信はしたようでございますが、その後は通信のしまうがございませんので、会社の方としてはどこでどうしておるかということの捜しようもないということで、われわれも非常に心配をしたわけでございます。
 幸いにして船長の賢明な判断で大変時間はかかりましたが無事目的地に達し、百キロ以内に入ったときに初めて交信ができまして無事であることがわかって、われわれもほっとしたのでございますが、そこで考えましたのは、沿岸二十海里の中を走ってはおりますものの、よもや百キロ以上、百二、三十キロから百五十キロのところまで出るとは思っていなかったのが、とにかく出たわけでございます。一遍でもそういう事実があります以上は、そういうときに通信途絶の状況であってはいけない。今後絶対ないということは保障できませんので、そういう意味で、今後の措置といたしましては、本則に戻って無線電信設備をつけるようにという指導をいたしたわけでございまして、特に長距離を走ります、しかも、太平洋に面してとかあるいは日本海に面してとか、内海等は別といたしまして、ああいう外洋に面して長距離の沿岸フェリーの場合には、電話ではいけない、無線電信設備をつけるようにという指導をいたしておるのでございます。実情はそういうことでございますので、まずああいった事例は非常に珍しいのでございますけれども、その万が一の事例に対してもそういうことのないように今後は対処していきたい、こういうことでそういう処置をとったわけでございます。
#11
○目黒今朝次郎君 海員の方々に聞いたのですけれども、無線通信をつけないのは通信士の合理化のためにやったんだという話を聞いているのですが、それはどういうことですか。
#12
○政府委員(内田守君) いま大臣から御説明がございましたように、無線設備の強制は船舶安全法で規制しておるわけでございますけれども、それはあくまでも無線電信が原則でございますけれども、これは法律の中で陸岸から二十海里以内の区域をずっと陸岸沿いに走る船につきましては無線電話で代用し得るということになっているわけでございます。この船は、御承知のように、沿海区域、つまり陸岸から二十海里以内を航行することに制限されている船でございまして、したがいまして、この船は、先ほど御説明いたしましたように、無線電話で代用しているということで、通信士云々という問題は少なくとも船に強制する段階での直接的な問題ではなかったわけでございます。
#13
○目黒今朝次郎君 代行し得るということであって、たてまえはやっぱり人命を預かって歩くのですから無線をつけると。しかし、どうしてもそれがいろいろな事情でつけられない場合には電話で代行し得るとしても、たてまえは無線をやっていくというような行政指導をするのが安全という立場から見ると妥当ではなかろうかと、私はこんなふうに思うのですが、これも海員組合の方のお話ですから、そういう論争をこの問題をめぐって具体的に安全という角度から労使の論争をやったことがあるかどうか、わかっていれば教えてもらいたいと、こう思うのです。
#14
○政府委員(内田守君) 私、そのこと自身は聞いておりません。ただ、先ほど来から申し上げておりますように、いわゆる無線電話、VHFが通常陸岸から五十海里、まあキロ数で言いますと九十キロぐらいでございますから、本来制限されている区域が二十海里でございますから、二倍以上の無線通達距離を本来持っておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、現実にこういうことがあったわけでございますので、先ほど申し上げましたように、今後はこの種長距離外洋フェリーにつきましては無線電信をつけさせるという指導をしていくということにしておるわけでございます。
#15
○目黒今朝次郎君 まあ設備の点はわかりましたけれども、運航管理者の管理のずさんさもあるのじゃないでしょうか。これは新聞ですから私は実態はちょっとわかりませんが、「しれとこ丸」は、いま大臣が言ったとおり、午後七時三十六分現在地をやってからこう抜けて行ったわけですね。それで、抜けて行ったということについては全然音信がないままに、会社の方では、この船は朝着く予定だった、それが午後一時になっても着かないので、それでやっと海上保安庁に連絡したと。朝着く予定の到着時刻から午後一時まで四時間か五時間、全然その問題について海上保安部にも連絡しないでそのまま放置しておくというこの感覚ですね。
 それからもう一つ、時間がありませんから、同じカーフェリーで「ひろしま」の火事の問題について見ましても、午後九時四十五分に火事が発生して、それが海上保安庁に入ったのが十時五分、ここにも二十五分間のずれがあるんですがね。いろいろ異常事態が発生した際に、三時間も二十五分間も発生の時刻とそれを受けとめて応急対策をする時間にずれがある。その辺は、カーフェリーを扱っている方々が運航管理にずさんではないのか、そういう気が私はこの二つの事故を見てするのですが、設備の方に聞きましたが、こういう管理の面に非常に手抜かりがあるのじゃなかろうかと、こんな気がいたしますが、その辺の実情と、今後の管理の仕方、強化などについてお考えがあれば聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
#16
○国務大臣(木村睦男君) 「しれとこ丸」の場合は、私たちも報告が非常におそかったんではないかという疑問を持ちました。それで、いろいろ調べてみましたところが、やはり少なくとも運輸省に対する報告が遅かったということは事実でございます。そこで、これは厳重に注意を与えました。
 それからもう一つの「ひろしま」のことにつきましては、いまの報告の時間の点は、海上保安庁が参りましたので、長官から御説明いたします。――「ひろしま」の火災の事故でございますが、いまこの手元にあります資料でわかったのですが、事故が起きましたのが三月五日の午後九時四十五分、それで船舶電話で今治の海上保安部へ通報されましたのが午後十時五分でございますから、これはその間二十分ぐらいの時間しかたっていないようでございますので、それほど遅かったということでもないように私は思いますが。
  〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕
#17
○目黒今朝次郎君 私は、火災ということから見ますと、北陸トンネルの火災とか、トンネル内の火災を経験しておる目から見ますと、二十分という時間は相当燃え上がる時間だと、こういう感覚があるものですから、いや、船は心配するなというなら私は何とも言いませんが、しかし、火災時の二十分というのは相当なものだろう。しかも、運航時ですから。やはりこれも聞いてみると電話らしいですね。無線機をつけていなかった。ですから、やっぱり無線機があればすぐ海上保安部に来たのじゃなかろうかと、そんな感じがするものですからその点の事情を聞いたわけでございます。
 もう一つ、雫石の航空事故の判決があったわけでありますが、これを読んでみますと、航空行政について、運輸省と防衛庁の関係であるとか、あるいは高速度の飛行経路の問題であるとか、いろいろな問題が言われておりますが、この雫石の判決について率直に言って大臣はどういう感懐を持っておりますか、聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
#18
○国務大臣(木村睦男君) 先日、雫石の事件について刑事判決があったわけでございます。私は、この機会に、あの大事故で犠牲になられた方々並びにその御遺族の方々に心から哀悼の意を表わしたいと思うわけでございます。
 あの判決を見ますというと、われわれにとりましては、刑事責任がいずれにありやという前に、航空行政に対していろいろと指摘されておるところが多いのでございます。われわれといたしましても、あの事故発生以来、航空の安全確保のためにいろいろと今日まで必要な施策を講じてまいったのでございます。事故直後に航空審議会やらあるいは航空の専門家の意見を聞きまして、直ちに航空法の改正にも着手いたしたのでございましたが、この航空法の方は、その後いろいろの事情で延び延びになりまして、継続審議となり、今回衆議院で審議をしていただいておりますが、この航空法の成立を待つまでもなく、航空法の改正法の中に盛られておりますいろいろな措置すべき事項は、行政指導によってそれぞれ実施できるものから今日までいたしてまいっておるのでございます。ことに、当時、反省いたしますというと、自衛隊と運輸省との飛行する場合の調整協議等が不十分であったという点は率直に認めざるを得ません。したがって、その後、この点につきましても十分両者の間で協議をいたしまして、粗漏のないように措置を講じてまいっております。
 まあそういうふうな経過を経まして今日に立ち至っておるわけでございますが、今後は、一切ああいった悲惨な航空事故が起こらないように、いろいろな施設の面でさらに一層注意をしていきたいと思っております。その後、日本の上空の航空路の監視レーダー、これも日本の上空に関する限りは一〇〇%カバーできるようにということで第二次空港五カ年計画を実施してまいりまして、四十九年で完成する予定でございましたけれども、用地の買収その他で若干おくれまして、現在四カ所、さらに五十年度中にももう一カ所で五カ所完成いたしまして、残る三カ所は五十二年度中に完成いたす見通しが立ったのでございますが、これが全部完成いたしますというと、ほとんど日本の空はこの監視レーダーでカバーできるというふうにもなりますので、今後、航空事故の防止には非常に役に立ちますし、また、防衛庁との今後の連絡調整等も一層緊密にいたしまして、再びこういった事故の起こらないように一生懸命になって努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#19
○目黒今朝次郎君 私も判決を一通り読ましてもらったのですけれども、いま大臣が言ったことも含めて、自衛隊機と民間機ということを考えますと、やはり、われわれとしては、民間機が優先と、その許容範囲内で自衛隊機が練習をすると、そういう大原則を確立をすべきじゃなかろうかと、私はこんなふうに考えるわけでありますが、同時に、いま大臣が言われた航空監視レーダーですね、これはここに資料があるのを見ますと、ちょうどこの事故ができた直後、丹羽運輸大臣は、いま言った第二次空港整備計画の五カ年計画を繰り上げて三年で完成すると、そういうことがあったわけでありますが、いろいろな諸事情があって、いま、四つのことしとあと五十一年、こういう話があったのですが、これは万難を排してやはり一年でも半年でも繰り上げる、そして空の安全を守ると、こういうふうに重点項目として最大の努力をしてもらいたいと、こう思うのですがいかがでしょうか。
#20
○国務大臣(木村睦男君) 先ほど申し上げましたような見通しでございますが、五基目が五十年度中にもうでき上がりますので、その後の三基につきましては五十一年度に入りましてできるだけ早く完成するように努力をいたします。
#21
○目黒今朝次郎君 時間が来ましたから、ただ一つ国鉄側に要請いたしますが、新幹線の三回にわたる一斉調査をやって、これで大丈夫だと、こういう太鼓判を押しながら、相次いで二月三月と、しかもATC、CTCという神経部門でまた事故が出ていると、こういう点は非常に遺憾なことでありますから、早急に一いま陸、海、空と三つになるのですが、新幹線を中心とした安全について最大の努力をしてほしいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#22
○説明員(山岸勘六君) 総点検の後も数件の故障を起こしまして、あるいはまた、取り扱いの面からのお客さんへの御迷惑をおかけいたしまして、まことに申しわけなく存じておるわけでありますが、いま御指摘のCTCに関しましては、昨年の八月に機械を全部かえまして、さらにこれに新しい大型コンピューターをくっつけまして、いわゆるCOMTRACシステムというものをつくり上げてきておったわけでありますが、この過程におきまして、点検期間中といえどもこの工事の一環といたしましてほとんど毎晩技術研究所あるいは電気工事局あるいは専門の業者ともどもにこの完成に邁進してまいったわけでありまして、したがいまして、四回の総点検というものには該当しなくても、また、該当して一般に点検するという状態でもなかったわけであります。その点を御了解いただきたいと思うのでありますが、なお、おそらくこのシステムは世界にまだないわけでありますけれども、こういう新しい最新の機械といえども最後は人間との接点があるわけでありまして、この点の配慮につきまして、私ども、機械の面から、あるいはまた指令員の教育の面からの手落ちがあったのではないかというふうな反省もいたしておりまして、今後そういった人間工学的な面からの再チェックというものも含めまして万全を期してまいりたいと、このように存じております。
#23
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、阿部君の発言を許します。
#24
○阿部憲一君 ただいまカーフェリーの事故についてお尋ねがあったのですけども、このような事故を含めまして海上におきまする船舶の事故というのは残念ながら相変わらず頻発しておりまするし、いろいろな問題にもなっているわけでございますが、大臣の所信の中にもお述べになりましたように、このような事故、特に私の指摘したいのは、巨大船の事故でございますが、昨年の暮れに「第十雄洋丸」が事故を起こしました。その後も、まあこれは遠くでございますけれども、マラッカ海峡の事故など相次いでおりますが、このような巨大船の事故、まあフェリーも大分最近大型になりましたので巨大船と言えるかもしれませんが、このような大型の事故というのは、それだけにまた損害も大きいわけでございまして、私ども、このような事故に対して、事故の起こらないような対策というものは.ぜひさらに強化しなければならぬ、こう思うわけでございますけれども、それについて大臣はいまどのようなお考えをもってこれに対処しようと、こうお考えですか、お伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(木村睦男君) 最近、特に大型船の衝突とかあるいは座礁とか事故が、相次いで湾内あるいは外洋において起きておりますことは、私も非常に残念に思いますし、また、憂慮をいたして一おるわけでございます。ことに、大型化になればなるほど、一たび起きた事故が量質ともに非常に大きくなるのでございまして、その点におきましても非常に心配をいたしておるのでございます。
 こういうふうに相次いでいろいろと海上の事故が起きますのは、やはり一つは、特に湾内あるいは狭水道等船舶のいわゆる交通量が非常に激しくなってきた、これは陸上の場合と全く同じでございますが、交通量のふくそうということが非常に大きな原因であろうかと思います。そこへもってきて、船のずうたいが大きいということは、一層交通障害の点においてそれだけの理由を与えておる、かように思うわけでございます。
 また、もう一つは、外国船がわりに事故を起こしておるということも注目しなければいけないと思います。これは、たびたび東京湾とか日本の港湾地帯に入ってきて初めてではない外国船でも、やはり日本船の場合とは手勝手が違う場合もございまして、そういった事故の原因になっておる点もあろうかと思います。
 そういうふうなことをいろいろ検討いたしますというと、対策といたしまして考えられますことは、航行管制のシステムを確立するとか、あるいは航路、港湾、航路標識、そういった交通環境の整備をもっともっと推進していかなければならないと思っております。同時に、油等危険物を積載しております船舶の構造あるいは設備の改良、あるいは乗組員の質の向上、それから水先人制度、これも現在はきちっと水先案内人を乗せるところはきめてあるわけでございますが、これらについても、いまのままでよろしいか、さらに強制水先の水路をふやすべきではないかとか、そういう問題は現在委員会に諮問もいたしておりますが、この点も今後検討し改善をしていかなければならない。こういういろいろな要素を考えまして、それらが法律の改正を必要とするものであれば法律の改正をやりますし、法律の改正をまたなくても行政指導でできるという面は強力な行政指導をやっていく、こういういろいろな面からの防衛策を的確なものをとりまして、海上の交通事故の防止の徹底を図りたい、かように考えまして、関係部局を督励いたしましてそれらの措置を講じさしておるのでございます。
#26
○阿部憲一君 大臣のお話、対策をざっとお伺いしたわけでございますけれども、私ども、特に海上船舶、あるいは乗組員とか、いろいろの問題、さらに航路標識とかという問題もありますが、当然これは推進していかなきゃならぬと思いますが、陸上のたとえば自動車の事故なんかとも比べますと、やっぱりスピードというものが相当問題だと思います。陸上では、御承知のように、非常に交通のスピード制限ということを実施しておりますけれども、海上では遺憾ながらあまりスピード制限ということをやっておりません。そんなことから、やはり巨大船の事故が発生するということは、小さな船になればすぐ危険を避けてかじを変えればいいわけですけれども、でかい船では急には変えることはできませんで、みすみす衝突してしまうということが多いわけです。したがいまして、東京湾だとか伊勢湾というようなところにおきましては、ある程度スピード制限というものが必要だと思いますが、この辺について、大臣、どのようにお考えですか。
#27
○政府委員(寺井久美君) ただいま先生御指摘のとおり、船のスピードというものが衝突事故とかなり密接な関係があるということも事実でございます。ただ、船が大きくなりますと、スピードはある限度より落としますとかえって操縦性能が悪くなる、このような点もございまして、一律にスピード制限をするということについてはさらに慎重に検討しなければならないというふうに考えておりますが、御案内のとおり、海上交通安全法に基づきます航路筋では、一応十二ノットというスピード制限を行っております。この前事故の起こりました中ノ瀬の先の点でございますが、中ノ瀬航路は実はその当時まだスピード制限をしておりませんでした。しかしながら、この事故にかんがみまして、中ノ瀬航路につきましても現在十二ノットということでスピード制限を指導をいたしておりますし、その十二ノットが守られておりますが、ただ、航路を出ますとスピード制限がなくなるというのも現状でございます。したがいまして、先生御指摘のように、東京湾全体の流れとしてのスピード制限というものも今後の課題として十分検討していかなければならぬというふうに考えておりますが、現在のところは、海上交通安全法に基づく航路の中でのスピード制限を実施しておりまして、その外側は実施しておらないという現状にございます。
#28
○阿部憲一君 長官に伺いますけれども、今度のいま私が申し上げました「第十雄洋丸」ですか、この場合、この船がどのくらいの速さで走っていたものなんですか、お調べでしたら。
#29
○政府委員(寺井久美君) 私の了解しているところでは、当時十三ノットで走っておったと思います。
#30
○阿部憲一君 十三ノットといえば、別にスピードを出していたとは言い切れませんけれども、それにしてもやっぱりああいった事故が起きるわけですから、いまのフェリーボートとか、あるいはもっと普通の船、相当スピードの出せる船でしたらば、もっとスピードを出していると思います。普通それだけに事故の発生の可能性もふえてくるわけでございますから、そんなことで、私、やはりスピード制限を、特定の水路が十二ノットですかという制限をお出しになっているのを、東京湾だとか、あるいはまた、伊勢湾ないしは瀬戸内海の特定の部分、それに船の航行の激しいところあたりにこのスピード制限というものを施行しなければいけないのじゃないかと、こう思います。
 現に、東京湾では、あれですか、いま、「第十雄洋丸」の後、何かスピードについての措置はおやりになっていらっしゃいますか。
#31
○政府委員(寺井久美君) ただいまお答え申し上げましたように、中ノ瀬航路は実はあの当時まだスピード制限をしておらない航路でございまして、事故の後で十二ノットという制限をいたしております。航路以外のところについては、港内は別でございますが、特段のスピード制限ということをやっておりません。この点につきまして、やはり今後の課題として検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
#32
○阿部憲一君 いまの十二ノットですか、これは行政指導としてやっておりますか。
#33
○政府委員(寺井久美君) 中ノ瀬航路につきましては現在行政指導でございまして、その他はちゃんと告示をしております。
#34
○阿部憲一君 やっぱり、行政指導よりも、法的な拘束をした方が徹底するのじゃないかというふうにも思いますが、それにつきましてはひとつ御検討をお願いしたいと思います。
 時間があまりありませんので、はしょります。もう一言スピード制限のほかに、自動車につきましても、いま警察庁あたりでおやりになっているいわゆる総量規制ですね、船舶についての総量規制ということについてはお考えになりませんですか。
#35
○政府委員(寺井久美君) 船舶についての総量規制というのも、実は考え方として十分検討に値することでございますので、私ども検討しなければならぬというふうに考えております。ただ、たとえば東京湾につきましてどの程度の船舶の流れというものが限度であるかということが簡単に出しにくいということもございます。それからある特定の時間に非常に船舶が集中して混雑する、それが海難につながっておるわけでございまして、これをならすことによると相当の量まで十分さばけるというような計算もあるようでございまして、この点につきましては、私どもは、これも十分検討をして、ある時期に実行に移せればそういうことも考えなければならぬというふうに考えておりますが、現在のところは、まず湾内の船の流れをどうするかということのほうが先決であろうかということで、実はこれの検討に着手しておる次第でございます。
#36
○阿部憲一君 もう一問、運輸大臣にお伺いしますけれども、例の問題になっておりました原子力船「むつ」でございますけれども、私の聞くところによりますと、たしか四月いっぱいで母港をお決めになるというような御方針かと承りましたが、もう四月といえばすぐでございますし、何かそういうことについて具体的にいまどうなっているかということについてお聞かせ願いたいと思います。
#37
○国務大臣(木村睦男君) 原子力船「むつ」につきましては、当時の約束であれから六ヵ月以内に定係港をきめるということになっておりまして、その六カ月目がたしか四月がそれにかかるわけでございます。そこで、いま、科学技術庁を中心にいたしまして、その定係港について、若干の候補地もあるようでございまして、いろいろ検討をいたしております。四月の中旬をめどに決めたいということでいまやっておりますが、まだどこがどうということのようなことについては申し上げるような段階ではないのが現状でございます。
#38
○阿部憲一君 そうすると、「むつ」は、やはりあくまでも、母港といいましょうか、定係港をお見つけになるという御方針でいらっしゃるわけですね。ということは、よくうわさにも聞くのですけれども、あれはもう処置がないから売却してしまうとか、あるいははほかの用途に使うんだというようなことも耳に入っておりますが、その辺についての大臣のお考えを承りたいと思います。
#39
○政府委員(内田守君) いま御指摘になるようなことは、われわれのベースでは全然考えておりません。ただ、具体的に「むつ」をどういうふうにこれからの実験で使っていくとかいろいろな問題については、これからいろいろ原子力委員会等を中心にして考えていくわけでございますけれども、御指摘のような問題は、少なくともわれわれは検討しておりません。
#40
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、安武君の発言を許します。
#41
○安武洋子君 新日本製鉄株式会社広畑製鉄所の爆弾不法投棄事件についてお伺いいたします。
 この事件は、新日鉄の強い要請によって、運輸省の第三港湾建設局が、大量輸送によるコストダウンをねらった航路のしゅんせつ工事を計画して、四十六年から五カ年計画で工事が行われ、四十七年の七月ごろまでに測量などを終えて、四十七年の七月から海底探査にかかっております。
 四十七年は、五洋建設など三業者が海底探査をしておりますけれども、この海域というのは、御存じのように、旧陸軍の弾薬二千三百発以上が投げ捨てられたのではないかといわれている危険水域です。だから、四十七年八月三十日、第一号の十キロ爆弾三発発見後、十二月二十二日までに四百一発もの爆弾類が発見され、届け出られております。これは資料があるわけです。
 ところで、四十八年の海底探査というのは、これは新日鉄に委託して契約を結んでおりますが、それに先立つ四十七年の七月ごろから、新日鉄に探査を請け負わせた際の現場責任者になるわけですけれども、運輸省の第三港湾建設局神戸工事事務所の姫路工場長が、新日鉄の京見社宅五十三号という幹部職員の住む約百平方メートルの家で庭つきの社宅、ここにわずか五千四百円の家賃で住んでいた、このことは間違いないでしょうか。
 それとともに、三港建の神戸事務所の所長が宿舎貸与についての依頼状を出していた、こういう事実があるかないか。
 社宅を借りた事実があるかどうか、その依頼状を出した事実があるかどうか、この二点をイエスかノーかで結構ですのでお答えくださいませ。
#42
○政府委員(竹内良夫君) 現場の主任技師が宿舎
 を借りておりました。
 それからそれに対しまして神戸工事事務所から広畑の製鉄所のほうに依頼があったと思います。
#43
○安武洋子君 いまのお答えでもわかるように、監督官庁が企業に供応を受けていると言われても仕方のないような大企業との癒着ぶりだと、私はこう思います。事務所もその光熱費もただで供与してもらっている。もっとも、新日鉄に聞きますと、出入りの下請業者にはこのような便宜を図っていると言っておりますけれども、監督官庁が下請業者並みに扱われているわけです。だから、四十八年に探査業務を新日鉄が請け負ってから、それまで四カ月間で四百一発も出ていた爆弾がぴったり一発も出なくなった。それを全く不思議とも思っていないわけです。不思議と思えばもちろん対応した処置をとるわけですから、今回のような不祥事件は起こらなかった。これはなぜ放置してきたのかと疑問を持たざるを得ないわけです。言葉をかえれば、爆弾を不法に処理していることを知りながら黙認していた。つまり、監督官庁が事もあろうに、このような犯罪行為に手をかしていたという疑いを抱かざるを得ないような大企業との癒着ぶりだと、こう申し上げても私は言い過ぎではないと思います。
 私は、この大企業との癒着をどうしても改めていただかなければならない、こう思うわけです。ですから、全国的にもこのようなことがほかでも行われていないかということを点検して、三港建の管理者の姿勢を改めていただきたいということを強く要望したいわけです。三港建の管理者に対して通達ぐらいお出しになればと思いますが、運輸大臣、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(木村睦男君) こういう仕事の場合に、いやしくも外部から疑惑の目で見られるようなことがあっては絶対にいけないと、私はかように思っておるわけでございます。事の実情は、いまお話しがございましたように、広畑の宿舎のあいていたのを、家賃を払ってはおりますが、要するに借りておったということも事実のようでございます。
 まあ、ここの爆弾の処理の不始末とそれとは私は必ずしも関係づけて考えることはできないと思いますが、それとは別に、やはり公務員たる者がこういうことであってはいけないと思いますので、今後こういう点については十分注意いたしまして、もしも他にもそういう事例があるとすれば、私は即刻改めさすように指導いたします。
#45
○安武洋子君 新日鉄は、四十八年の二月からペレット工場の操業のために大型の鉱石船を入港させる、そのためのしゅんせつ工事を早くやらなければならない、こういう事情があったわけです。
 ところが、爆弾が見つかると約一週間は工事を中止するので、工期がおくれる。また、四十七年の九月ですけれども、姫路の海上保安署は、新日鉄に対して、爆弾の発見地点を通る喫水十二メートル以上の大型鉱石船はエンジンをとめること、こういう指示を出しております。そのために、出入りには時間がかかり、タグボートのチャーター料がかさむ、新日鉄の操業にも響く、こういうようなことで、爆弾が見つかれば新日鉄は大きな影響を受け、企業利益に響いたわけです。それと、三港建には工場長の宿舎なども貸している。爆弾が出れば企業にとっても大きなマイナスが出る。こういう中で、新日鉄は、この潜水探査を直接に委託を受けて、爆弾が見つかっても届け出ずに下請業者に不法投棄をさせていたわけです。
 結果的に見ますと、新日鉄がこの潜水探査を請け負ったのは、爆弾を不法に処理して工期を早めるためだとしか言えないわけです。優秀な磁気探査を発明したから委託を受けたんだと、新日鉄の副所長はこのように言っておりますけれども、とんでもない話で、優秀な磁気探査を使って爆弾が出なくなった、それには疑問も持たないというから、これはますますつじつまが合わなくなってくるわけです。工期を早めそして企業利益を守るために委託契約をとって受託者となった新日鉄の幹部の責任は私は大変大きいと思いますけれども、運輸大臣はいかがお考えでございましょう。――運輸大臣です。
#46
○委員長(吉田忠三郎君) 質問者は運輸大臣と言っております。
#47
○国務大臣(木村睦男君) 非常に内容が細かいものですから、港湾局長から……。
#48
○政府委員(竹内良夫君) いまの一連のお話、ある面におきましてはいろいろ解釈される面がございますけれども、実際の仕事といたしましては、潜水探査というのは非常にむずかしい仕事でございまして、三港建のほうもずいぶん悩んでいた仕事でございます。新日鉄が非常によいシステムを開発いたしましたので、第三港湾建設局は新日鉄に委託をいたしまして工事の前に爆弾等の危険物の探査を頼んだわけでございます。
 ただ、遺憾ながら、このときに爆発物等を見つけた場合には直ちに三港建の、先ほど先生の申しておられました現場の三港建の所長のほうに報告しなくちゃいかぬと、こういう約束でございましたのですが、全くこの報告がなかったということは事実でございます。三港建といたしましては、これが全く知らないうちに行われていたという事実がございます。
#49
○安武洋子君 優秀な磁気探査で委託業務を請け負わされたとおっしゃるのに、爆弾が一発も出なくなったということに疑問もお感じにならないということがそもそもおかしいわけです。
 私は、ここに、委託契約書とそれから仕様書の写し、これを持ってきておりますけれども、仕様書には、先ほどおっしゃったように、「爆発物が発見された場合は直ちに当局係官に報告しその指示に従うものとする。」と書かれているわけです。新日鉄は仕様書どおりやっていないということになるわけです。契約書には、委託された探査は仕様書に基づいて行われなければならないと書かれているわけです。ですから、明らかに新日鉄はこの契約に違反しているわけです。契約書には、契約に違反したときには「違約金として契約金額の一割相当額を支払うものとする。」と、こういうふうになっているわけです。
 新日鉄は、三千百四十五万円の当初契約金額では足りなくて、まあ爆弾などの不法処理に費用がかさんだ、こういうふうに思うわけですけれども、三百三十五万円も委託料を追加請求しているわけです。これは国民の大切な税金なわけですけれども、税金の不法使用だと、このように言っても言い過ぎじゃないと思います。
 この契約違反に対して、どのような処置をとられるのか、運輸大臣、明らかにしてください。――大臣です。
#50
○委員長(吉田忠三郎君) 事務的なことですから、大臣はそういう細かいことはわからぬと思いますから、港湾局長。
#51
○政府委員(竹内良夫君) この契約いたしました委託の仕事につきましては、実際のこの契約の内容でございますけれども、潜水探査というのを行います、その後で確認探査というものをいたしまして完全に見つかった磁気物が取れたかどうかということを検討しながら探査を進めていくと、このようなシステムになっております。そういたしますと、請負のような形で全部取るか取らないかということよりも、あとに残っているか残っていないかを探査しながら仕事を進めていく。したがって、どれだけ実は仕事が長引くかとか、そういう点は終わってみなければわからないという性質のものでございます。
 この場合に、そういうような性質でございましたので、新日鉄に委託をいたしまして、それをそのあとを探査いたしまして、延びた場合には精算するというような内容になっております。
 今回の場合には、その延び、実際の部分といたしまして延びた点につきまして、精算を行っていると……
#52
○安武洋子君 工期は延びておりませんですよ。
#53
○政府委員(竹内良夫君) いや、延びているというよりも、その回数でございますね。実際に行う実施に対して精算をいたします。しかしながら、確かに報告をしなかったということにつきましては契約とは違っております。したがいまして、その意味におきまして、やはりその点は罰しなくちゃいかぬというわけでございますので、第三港湾建設局といたしましては、一カ月の指名停止というような処置をとっている次第でございます。
 金額に関しましては、この委託の目的に対して十分果たしているというように考えておりまして、そのような精算をさせて結構であるというように考えておるわけでございます。
#54
○安武洋子君 金額については違反でないと、こういう御解釈ですね。それでしたら、さらにお伺いいたしますけれども、企業合理化促進法第八条による産業関連施設の整備についての国の費用負担については、港湾法、道路法、漁港法、こういうものに基づいて行われているものです。ですから、港湾法によれば、費用負担の前提としては、その工事の目的が「一般公衆の利用に供する目的」でなければならないと。さらに、同法第四十三条の四で、受益者が利益を受ける限度において費用負担をさせると、こういうことになっています。
 今回問題になっている姫路港広畑航路のしゅんせつ工事は、水深十三メートルを十七メートルにする、つまり十数万トンクラスの船が入れるようにするのが主な目的です。だから、一般公衆の利用に供するという目的から離れております。さらに、受益者は新日鉄一社であり、一〇〇%受益することになります。このような事業に国がお金を出すのは、港湾法の精神に反するものだと、こういうふうに思います。また、同じような工事が行われているのに国が補助を行うのは、私は再検討すべきだと思います。このことを運輸大臣にお伺いします。
 それから防衛庁さんにお伺いします。個条書きにお伺いしますので、ちょっと控えてください。回答漏れのないようにお願いします。
 それは、新日鉄が爆弾を不法投棄した場所、これはガット船が緊急避難する場所です。いま処理はどうなっているのか、これは費用は当然新日鉄が持つべきだと思いますが、この点はどうなのか。また、危険区域はまだあると思うのです、日本近海には。それで、日本海の沿岸とかそういうところに爆弾類、機雷類が一体どれぐらいあるのか、瀬戸内海にはどれぐらいあるのか、これをお教え願いたい。それからいままでなぜ放置してきたのか、今後掃海の見通しはどういうふうにお持ちなのか、こういうことです。
 それから海上保安庁さんにお伺いいたします。
 いまのこの事件の捜査の進展状況、これをお聞かせ願いとうございます。
#55
○国務大臣(木村睦男君) 港湾局長から……。
#56
○政府委員(竹内良夫君) あの計画は港湾管理者がつくった計画でございまして、あの部分につきましては工業整備特別措置法等の基本計画にも入っている仕事でございます。また、手続的には、先生さっき申されましたように、企業合理化促進法、またその前には特定港湾施設整備特別措置法等の法律を受けまして実施しているものでございます。また、予算の措置等に関しましては、あの部分がやはり公共的な意味を含めるという分も考えておりますが、それは、左側といいますか、網干というところのほうに行く航路の一部をなしておるというようなことも含めまして考えた次第でございます。全般的に考えまして、いろいろ管理者の考え方、あるいは計画の進め方等々考えますと、一特定の企業のみを考えているということは言えないと私は考えております。
#57
○説明員(友藤一隆君) お答えいたします。
 まず、いままでの掃海の実績でございますが、第二次大戦中米軍によってわが国周辺海域に相当数の機雷が投下されておりますが、その米側の情報によりますと、約一万一千個あると、特に瀬戸内海では約七千個敷設されたというふうに言われておるわけでございます。そのうち、現在まで約六千五十二個、瀬戸内海では三千八百三十二個処分済みでございます。これは四十九年の十二月現在でございます。残存機雷は、したがいまして、約五千個、瀬戸内で約三千二百個程度になりますか、その程度残っておるという計算になるわけでございますが、これは米側の推定資料でございまして、どの程度海中に落ちたか、あるいは陸上にばらまかれたものも若干あるのではないかということで、その数については必ずしもはっきりしないわけでございます。
 それで、私どもとしましては、御案内のとおり、機雷の除去と申しますのは、自衛隊法九十九条によりまして海上における機雷その他の危険物の除去及び処理を行うということで、海上を航行いたします船舶の安全に支障がないようにするということが主目的でございまして、掃海の方法といたしましては海上において船舶が航行いたしましたときに機雷が爆発しないというための掃海をやるということで、長年経過いたしましたために機雷が無力化いたしましたり、あるいは掃海によって無力化したというようなものにつきましてこれを一々引き揚げて処分をするということまではいたしておりませんので、海底には、そういった信管機構は死んでおるが中の炸薬はまだ残っておるというようなものは相当数あろうかと思われます。
 したがいまして、しゅんせつ等の事業がなされますときには、私どもも、そういった工事その他で直接機械等が無力化しました機雷等に激しくぶつかるというような場合には爆発のおそれがございますので、事前に探査等をされるようにいま申し上げておるわけでございます。この関係は、したがいまして、自衛隊では直接能力もございませんし、任務ということにもなっておりませんので、そういった海底に沈んでおります無力化された機雷そのものを処分するということは現在やっておりません。
 それから残っております掃海海面につきましては、そのほとんどが掃海艇の入らない水深の浅いところ、あるいは海中におきまして養殖等が行われておりましてその海面で掃海艇の活動をすることが困難な場所等でございまして、地元等と話がつきましてぜひ掃海をしてもらいたいということになりました場合には、計画を立てまして、逐次掃海を実施いたしておるということでございます。
 それから機雷等が発見されました場合、当然爆発物としての処分は私どもでお引き受けするわけでございますが、これは自衛隊法の規定によりまして自衛隊の任務として実施をいたしますので、その費用については国費で負担をいたしておる、こういう次第でございます。
#58
○委員長(吉田忠三郎君) 運輸大臣にお伝えを申し上げますが、衆議院側から御出席の御連絡が参りました。当委員会としても当初大臣の出席の時間をあらかじめ承知いたしておりますから、直ちに衆議院側に御出席願いたいと思います。
#59
○国務大臣(木村睦男君) ありがとうございました。
#60
○政府委員(寺井久美君) 姫路港の爆弾類の事件の捜査概要についての御質問でございますが、本件につきましては目下姫路海上保安署で港則法違反の疑いで捜査中でございます。現在までに発見確認されました爆弾は合計八発でございまして、また、関係者五名を逮捕いたしまして、現在捜査を進めておる段階でございます。爆弾につきましては、まだその他にも不法投棄されたものがある.模様でありますけれども、現在の段階では確認されておりません。
#61
○委員長(吉田忠三郎君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト