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#1
第075回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第3号
昭和五十年二月二十一日(金曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     沢田 政治君     神沢  浄君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     山崎 竜男君
     上原 正吉君     川野辺 静君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴園 哲夫君
    理 事
                森下  泰君
                山内 一郎君
                栗原 俊夫君
                内田 善利君
    委 員
                金井 元彦君
                川野辺 静君
                原 文兵衛君
                藤井 丙午君
                山崎 竜男君
                神沢  浄君
                久保  亘君
                矢田部 理君
                小平 芳平君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
       発  議  者  栗原 俊夫君
       発  議  者  内田 善利君
       発  議  者  近藤 忠孝君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        信澤  清君
       環境庁大気保全
       局長       春日  斉君
       工業技術院長   松本 敬信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       自治省税務局府
       県税課長     福島  深君
   参考人
       日本自動車工業
       会事務局技術部
       長        青木 道一君
       日産自動車株式
       会社取締役社長  岩越 忠恕君
       朝日新聞編集委
       員        岡  並木君
       東洋工業株式会
       社常務取締役   河野 良雄君
       本田技研工業株
       式会社常務取締
       役        杉浦 英男君
       新技術開発事業
       団理事長     鈴江 康平君
       日本自動車工業
       会会長      豊田 英二君
       東京大学生産技
       術研究所教授   平尾  収君
       前中央公害対策
       審議会自動車公
       害専門委員会委
       員        家本  潔君
       中央公害対策審
       議会会長     和達 清夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(第七
 十四回国会栗原俊夫君外三名発議)
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (自動車排出ガスの昭和五十一年度規制に関す
 る件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 二月二十日、沢田政治君が委員を辞任され、その補欠として神沢浄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鶴園哲夫君) 大気汚染防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、国会回次が変わりましたので、発議者栗原俊夫君から説明を聴取いたします。栗原俊夫君。
#4
○栗原俊夫君 日本社会党、公明党及び日本共産党並びに第二院クラブを代表し、大気汚染防止法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を説明いたします。
 近年、わが国の大気汚染の現状はきわめて深刻なものがあります。特に大都市においては、固定発生源とともに、自動車排出ガスの影響が重大であり、窒素酸化物については、ほとんど環境基準に達していないような状況であります。幹線道路沿線などでは、環境基準の十倍もの窒素酸化物が測定され、また沿線住民の健康障害の報告も数多く出されてきています。平地面積当たりでは、アメリカの十倍とも言われるわが国の自動車台数の現状から見ても、この自動車排ガスを厳しく規制することが強く求められています。
 環境庁では昭和四十七年に自動車排出ガスの量の許容限度の設定方針を定め、昭和五十年の二段階の規制方針を告示しました。ところが、五十年度の規制については、一応告示どおり実施することになったものの、近く定めることになっている五十一年度以降の規制については、環境庁は自動車業界の主張をうのみにし、これを延期しようとしておるのであります。もしこうしたことが許されるならば、各自治体が住民の健康を守る立場から作成した公害防止計画が根底から覆されるだけでなく、環境庁自身が五−八年以内に窒素酸化物の環境基準を達成するとした計画さえみずから覆すことになるのです。
 国民の健康を守る立場に立つなら、いまどうしてもこの五十一年度規制を完全に実施することが必要になっています。しかし、現状では、環境庁は企業秘密を盾に資料提出を渋る業界を擁譲し、事実上経済との調和論を復活させるなど、とうてい予定どおりの実施は期待できません。したがって、ここに法律により、この五十一年度規制の後退に歯どめをかけることとし、大気汚染防止法の一部改正案の提出を行うものであります。
 以下、法律案の内容を簡単に説明いたします。
 現行大気汚染防止法十九条一項で、自動車排出ガスの許容限度は環境庁長官が告示することとなっておりますが、附則に一項を設け、環境庁長官が昭和五十一年度以降に生産される自動車排出ガスの許容限度を定めるに当たっては、昭和四十七年の設定方針に定めたCO二・一グラム・パー・キロメートル、HC〇・二五グラム・パー・キロメートル、NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルの平均値以下となるように定めなければならないこととしました。
 以上、本法案の提案理由及びその内容を説明いたしましたが、慎重御審議の上、すみやかに可決されるようお願いいたします。
#5
○委員長(鶴園哲夫君) 以上で説明の聴取を終わりました。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、自動車排出ガスの昭和五十一年度規制に関する件について調査を行います。
 参考人の方々には御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。感謝申し上げます。速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○森下泰君 本日おいでをいただきました参考人の方々に御意見を賜りたいと存じますが、その前に、御質問さしていただきます私の基本的な立場、また考え方につきまして一言申し上げさしていただきたいと存じます。
 昨年の七月、私は本院に着任をさしていただきましたが、それ以来、当委員会の審議をつぶさに拝聴いたしてまいりました。また、いろいろと勉強をさしていただいてまいった次第でございます。そして、その結果、強く感じておりますことは、審議の論調が少しく片寄っておるのではないかと、私から見まして少しく片寄った感じがするというのが率直な私自身の疑問でございます。また、そのことはマスコミュニケートに基づきます一般の風潮についても私は率直に同じような感じを抱いてまいりました。特に二つの点においてその感が深いことを申し上げたいと思います。
 その第一は、企業は悪であると、あるいは経営者は悪人だと、そういう発想が根強く存在をしておるのではないかと、こういう疑問であります。
 その第二は、ガス規制、たとえばNOx〇・二五GPKという数値の持っております意味、その客観性とそして実現可能性との相関関係、客観性と実現可能性の相関関係について十分に私は納得することができません。
 この二つの問題でありますが、初めの問題であります企業は悪であるという考え方につきまして、私は潜越ではございますが、三十年企業経営者をいたしてまいりました、そういう立場から、どうしてもことさらに強く反発をいたし、また反論をいたしておきたいと思います。申すまでもなく、百年の昔はともかくといたしまして、現在、資本と経営はほとんど完全に分離をいたしております。人民を搾取する資本家などという存在はもはやどこにも見ることができません。国家、政府あるいは労働組合などの台頭進出によりまして、いわゆる資本主義社会は大きく、かつ適切に修正されておると、かように私は考えてまいりました。そしてまた、今日の企業経営者は本当に真剣に社会への奉仕、国民大衆への貢献を念願として日夜努力をいたしておるはずでございます。「消費者は王様」ということわざがございますし、またプライスメカニズムの作用ということもございます。だから企業者は懸命に努力をするんだという要素ももちろん存在をいたしますが、私がここでわけて強調して申し上げたいのはそのことではございません。そうではなくて、企業経営者も一個の人間であり、一人の善良な市民であります。それがどうして他の人々に災害を与え、害毒を流しても、もってみずからの利益を追求するなどという発想が持つことができるでありましょうか。私はどうしてもさようなことが考えられない一人でございます。もちろん人間の営みでありますので、不注意、過失、あるいは例外ということはあり得るでございましょう。しかし、それは他の人間集団におけると全く同じでございます。しかし、大多数の企業経営者が故意に大衆に災害を与えてまで利得を得ようとしておるなどということは断じてございません。私も経営者の一員として、そのことにつきましては特に申し上げておきたい次第でございます。本日は自動車工業の経営者の方々も多数御出席をいただいておると思いますが、私は今日の企業経営者は国民大衆の一員として善意の、かつ真摯な努力を傾倒しておるものであるということを特に強調して申し上げておきたい次第でございます。
 次に、自動車排気ガス規制自体の問題でありますが、私は、自動車自体のユーティリティーあるいは社会的貢献と環境の保全あるいはその改善という、この二つの問題は相関関係にあってしかるべきものだと、かような考えを持ってまいりました。適切な例ではないかわかりませんが、ガスを出さないが全く動かない自動車、あるいはばい菌、細菌が多いからといって、たとえばいまの現実のこの部屋をいま直ちに無菌室にしてしまえというような、さような考え方は私は具体性を持たないものと、ナンセンスではないかと、かようにあえて申し上げたい次第でございます。
 右のような考え方を持ちまして、本日特にお願いを申し上げさせていただきました東京大学工学部教授生産技術研究所主任研究員であられます平尾収参考人に御質問をさしていただきたいと思います。御質問をいたしたい要点は三つでございます。
 第一には、ガス規制の規制値自体の工学的意味並びにその定義。
 第二に、五十一年規制案NOx〇・二五GPKの技術的可能性とその問題点。
 第三に、工学技術上望ましいと考えられます規制の方法。
 以上の三点につきまして平尾参考人の御意見を承りたい次第でございます。お願いをいたします。
#9
○参考人(平尾収君) お答えいたします。
 まず私は大学において自動車工学の研究に携わっております。私たちの研究は、未知の分野に踏み込んで、そこでの新しい可能性、これを追求すると、まあこういう立場でございます。そういう立場からただいまの御質問にお答えをしていきたい、こういうふうに思います。
 まず第一に、規制値自体の工学的な意味というようなことについての御質問にお答えしたいと思います。これはいろいろ御承知のことかと思いますが、米国のマスキー議員が自動車の排気をきれいにする目標として、十分の一というところを目標にしようと、こういうことでそれを計算して見ますと、ちょうど〇・二五グラム・パー・キロメーターと、こういうような値になるということから出てきた数字でございます。ですから、とりあえずきれいにする目標として、いまの十分の一に減らそうじゃないかと、こういうことが基礎でございますから、そうすれば何かがどうなる、そういうことから出てきた数字ではございませんで、場合によれば百分の一にしようじゃないかということでもよかったわけでございます。あるいはもうゼロを目指して進もうじゃないかと、こういうことであってもよかった、そういう数字だと私は考えております。ですから私はむしろそのマスキー議員が言い出した当時は、この〇・二五というのは、一般の私たちエンジンの研究者にとっては全く到達不能点と思っていた、そういう感じを持っておったわけでございます。そういう意味で、これが百分の一であっても、十分の一であっても同じような受け取り方をしたわけでございます。しかし、その後いろいろ研究を進めて一応の努力目標としてこれをやっていきますと、研究室レベルでは必ずしも初め考えたほど何といいますか、現実離れしたものではない、やればできるかもしれないと、まあこういうような気がしてきたわけでございます。これはすべて科学研究の発達の歴史を考えてみますと、やはり初めは不能だと思っても、それを目標として努力していると、だんだん身近なものになってくる、こういうことでございます。まあ私の学生時代には、月へ行くということは全くおとぎ話の世界でございましたが、四分の一世紀ほど過ぎる間にそれは現実のものとなってきたと、そういうような感じでございます。
 そこで、私はむしろ、いまはそういうその当時のような到達不能点というような感じが薄れてきておりますので、これはいろいろな意味での科学研究の進歩の結果だと思うんですが、もう一けた下げてそこを目標にしてもいいぐらいのものではないかと、むしろ現在の一番精度の高い測定器ではかっても針が振れないと、そういう意味でゼロを目指すということで研究を進めてもいいんではないかと、これは大学におりましてそういう未知の分野の開発ということに携わっておる立場からのいわば夢のような目標であると、こういうふうに受け取っていただいてもよろしゅうございますが、そういうふうに思っております。ですから、これが達成されればそれで一安心とか、あるいは達成されなかったら重大であると、そういうふうには思っておりません。一つの一里塚としての意味があるのではないかと、私はそういうふうに受け取って、むしろもっと少ないところへ、百分の一あるいはゼロというところを目指して研究の努力をいたしておる次第でございます。
 それから第二点で、五十一年規制のこの数値の可能性についてのお尋ねでございますが、これは実験室で、先ほども申しましたように、初めはそういうことはできないんではないかと思っていたわけでございますが、いろいろ研究をしてまいりますと、必ずしも不可能ではない、場合によればいろいろな策を、新しい未知の分野の研究開発によってさらにその先をねらうことも可能ではなかろうかと、こういうふうに思っております。しかし、それは研究室レベルでの話でございまして、まだまだ実用という面から見ますと、ちょっと時間がかかるのではないかと思っております。ですから、こういう工学の産物としての近代の文明の利器というものは、研究室でその可能性が明らかにされてから、それが実用化されるまでのところにむしろむずかしい、苦しい開発の道が横たわっているのが普通でございます。そういう意味では実用になるように、この規制値に適合したエンジンが実用化されるというまでに技術的な完成度を高めるためにはまだかなりの時間がかかるのではないかと思っております。それはたとえば、飛行機並みの整備をしながら使えば、これは私十分に機能を発揮するということは可能であろうかと思います。しかし、素人が現在の自動車を使う感覚でそういう車を使いますとたちまち問題が起こると、こういう状態であろうかと思います。そういう感覚で使われても問題が起こらないように、これはたいへん技術的にはむずかしい点がたくさんあるわけで、ちょっと時間がかかるのではなかろうかと思います。それから特に排気触媒のようなものを使う、そうしてきれいにするという手法をとりますと、とかくその装置が破壊される、ぐあいが悪くなりますと、かえってエンジンの調子がよくなる、こういうような現象も起こりますので壊れているのを知らずに使うと、こういうことが非常にこわいと私は思います。普通のほかの点ですと、エンジンのどこかがぐあい悪くなりますと性能が悪くなって走らなくなりますので、これは使う側ですぐにわかって修理をすると、こういうことでございますが、なかなか壊れたことがわからないというのは大変こわいわけでございます。そういうこともありまして、考えようによりますと、実験室レベルでは可能でありますが、実用という意味から言うと、まだ少し時間がかかるように思っております。
 それから、その問題点について、どういうところに問題があるかというお尋ねでございますが、まず、むずかしい点を具体的に申しますと、燃焼の過程でNOxをさらに減らすには燃料の供給量の精度を上げる必要がございます。大体現状の程度の規制値でありますと、燃料供給の精度は二〇%程度の許容誤差がございます。しかし、これをさらにマスキーレベルに合格するところまで持ってまいるためには、その精度を五%程度に高める必要がございます。しかも、一つのシリンダーへ供給する燃料の量は、一回当たり約一ミリグラム程度の微少量になる場合もございます。この一ミリグラムの燃料といいますのは、大体米粒ぐらいの容積になります。これを、これぐらいの少量のものを五%の精度で、しかも一分間に数百回供給する、こういうことは大変技術的に見ましてむずかしい問題でございます。で、しかも、現在市販されている燃料をスタンドから買いましてつぶさに調べてみますと、その比重は〇・七四から〇・七八の間にばらついております。こういうように、比重が五%ばらついているもののどの燃料を使ってもきめられた一定量を正確にはかって供給するということは、技術的に考えましてもほとんど不可能に近いむずかしい問題でございます。このようなことを考えますと、排出規制を強化するのと並行に、市販の燃料の質をそろえるということが並行して行われませんと、試験のときにある燃料を使って成績がよかったからといって、市販された場合に、町でそれと同じ排出量で走っているとは言えなくなるわけでございます。そういう意味で、その燃料のほうの質もそろえるということを並行していきませんと、実質的な効果が望めないと考えております。で、私は研究者の立場といたしまして、このようなことも含めて、今後は高性能、低公害燃料の開発研究、これが非常に重要な急務であると考えております。たとえばアルコール系の燃料、これを使いますと、現在のエンジンに多少の改良を加えただけでマスキーレベルを十分クリアできるということも私たちの研究で明らかになっております。ですから、エンジンの改良、これは大変重要でございますが、それと相まって低公害の高性能燃料、供給と開発、これが非常に重要であろうかと思っております。私は現在そういう高性能、低公害燃料としてアルコール系それからエーテル系にも可能性があると思っております。で、こういうようにガソリン燃料を使う限り非常にむずかしい壁にぶつかるわけですが、その壁を回避するような燃料を開発してガソリンにつきまとうむずかしい問題を回避していくということも取り入れながら進むことがこの問題の解決のかぎになるのではないかと考えております。いずれにしても、現在ある第一線の技術を組み合わせただけでは、この現在突き当たっている壁を破ることは非常にむずかしいと思っております。むしろ未知の分野で新しい技術を開発して、そうしてそれをも使っていくというところにどうしても重要なポイントが今後はあるのではないかと思っております。
 それから排出ガスの排気の浄化というために触媒を使うということも考えられておりますが、この場合には触媒が効率よく作動するためには温度が四百度程度以上、それから八百度を超えてはならないという――まあおおよそでございますが――ことが一つございます。それからもう一つ、その触媒を通る排気ガスの中の酸素濃度の制御、これが非常に重要な問題になってまいります。この温度の制御とガスの組成の制御、これは技術的に考えますとたいへんむずかしい問題でございます。そういう点にむずかしい点が幾つか――まだほかにもありますが、主な点だけにいたします。
 それから第三に、工学技術上望ましいと考えられる規制の方法と、こういうお話でございますが、いま申しましたように、エンジンの改良、それと同時に燃料の均質化、市販されるものの、これは大きなメーカーから出る場合にはJISの規格がございましてかなりわかっておるわけです、末端のスタンドになりますとかなりいろいろなことが起こっているように思っておりますが。そういう両面からの規制が非常に重要であろうかと、こういうふうに思っております。
 それからもう一つ、こういうように現在われわれが持ち合わせている技術を駆使して進歩を図るというだけでは達成しにくくて、新しい未知の分野を開拓しながら新技術を導入していくと、こういうことの必要な段階の研究というものは、うまくいけば努力の上に一つインスピレーションがやはり一般的に必要でございます。そういうことがうまくいきますと、あすにもいい方法が出てくるということがあるわけですが、幾ら努力してもとうとう見つからないという場合だってあるわけでございます。それで、なかなか、来年までにできるか再来年にはどうかという御質問をいただいても、やってみないとわかりませんというのがこの未知の分野の開発によゆ創造開発の研究の特性でございます。限られた期限までに必ず計画を立てて達成できるというのは、すでに既存の技術をうまく組み合わせると、そういう場合のことで、比較的これはやさしくといいますか、そのとおり努力すればできるわけでございますが、まあそういう意味でこの〇・二五という値はやはり既存の技術だけではいろいろむずかしい点があるんではないかと、私は実際研究室で研究を手がけた立場から考えております。しかし、それはいまのガソリン燃料を使ったときの話でございます。しかし、先ほど申しましたようなガソリン系以外の、あるいはそれにさらに高性能の低公害燃料を加味しながらいけばこれはだんだん開けるのではなかろうか、そういうことで私は、基礎的な研究としましては、今後高性能低公害燃料、新しいそういう燃料を開発する、とりあえずは、私はいまメタノールを燃料として使った場合にどこまで極限として排気をきれいにできるか、こういうことを最重点研究としてやっております。これは三年ほど前から始めておるんでございますが、最近はアメリカの情勢、ヨーロッパの情勢を見ましても、このメタノールを燃料とした研究が非常にたくさん発表されるようになっております。先ほど申しましたように、エーテル系の燃料を使ってさらに排出ガスをきれいにするという研究もまさに始まろうとしております。そういうことをやはり全体として考えて進めば案外経済的にさらにきれいにしていくということができるのではないか、こう思います。
 それからもう一つ、ちょっと言い落としましたが、同じ程度のエンジン技術で比較的大き目のエンジンを自動車に積みますとNOxの排出量は減るということがございます。そういう意味で、私は排気をきれいにするということが非常に重要になった現在、自動車の排気量を押え込むような制度はできるだけ早く廃止の方向でお考え願いたい、こういうふうに思っております。これは、自動車の大きさというものは何人乗りあるいは何トン積み、こういうことで決まってくるわけですが、それにどういう大きさ、何ccのエンジンを積むか、これは全く工学的なデザインの問題でございます。そのときに小さなエンジンを積めばNOxの排出量はふえる、大きなエンジンにしていけばだんだん減る、こういうことがございます。しかし、やたらに大きくしてもこれはいけないわけで、最適なエンジンの大きさというものがおのずから技術的に決まってくるわけでございます。現在は、そういう意味でccの規制というものがある意味で排出量をもう少しきれいにするということの一つの指標になっているように私は専門的な立場から考えております。
 一応これでお答え終わりたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#10
○森下泰君 たいへんありがとうございました。時間がございませんので私の責任において申し上げますが、ただいま御意見を承っておりまして、実は私も、規制値自体はターゲットであり得てもプロジェクトではない、かような考えを持っております。また、現在の時点におきまして技術的な諸問題、わけて燃料等につきましてのいろんな問題があるということにつきまして勉強さしていただきました。ありがとうございました。
 それでは、次に岡参考人にお伺いをいたしたいと思いますが、その前に、たまたま環境庁長官もおいででございますので一言私見を申し上げさしていただきたいのでありますが、それは、私も自民党員でございまして、去る四十六年でございますか、いわゆる公害国会におきまして公害基本法の条文の中から経済との調和という字句が削除されております。私はその当時議席を持っておりませんので、はなはだ残念でございましたが、もし議席を持たしていただいておりますれば真っ向から反対をさしていただいたはずでございますが、残念でございますが、さようなわけにまいりません。したがいまして、その上で、そのことをお認めになりました上で自由民主党に入党いたしておりますので、もとよりその御意見に従い、またそれを尊重することにやぶさかではございません。なお、しかしその上で申し上げさしていただきたい。私は、かつて鉄は国家なりという言葉がございましたが、細々したデータは時間がございませんので省略をいたしますが、現在の日本におきましては、鉄は国家なりではなくて自動車は国家なりというぐらいのウエートを現在の日本経済において自動車産業は持っておるのではないか、かような見解を持っております。そうした立場から、はなはだ恐縮でございますが、現在の自動車産業に問題が起きました場合にいろいろに発生いたします事態は非常にゆゆしきものがある。そうした問題との関連におきまして、私は、環境公害、大気汚染の問題につきましても慎重な配慮と、そして改善が行われるべきではないか、かように申し上げたい次第でございます。
 さような立場から、それでは本日特にお願いを申し上げました朝日新聞編集委員の岡並木参考人に、次の二点につきましてお伺いをさしていただきたいと思います。第一点は、米国マスキー法の経過とその考え方についてでございます。第二点は、日本の現状に望ましい形の排気ガス規制についての御意見を承りたい。お願いを申し上げます。
#11
○参考人(岡並木君) お答えさしていただきます。
 私は新聞記者でございまして、できるだけ私なりにファクツをとらえて、それを報道するというのが仕事でございます。そのファクツに基づいて、そのファクツが一つのヒントとなって皆様のいろんなお考え方がまとまっていけばと、そういうことを任務にしている新聞記者でございます。
 マスキー法の経過でございますけれども、これはマスキー法の成立のときの話を少し申し上げた方がいいんじゃないかと思います。マスキーは彼自身、ガソリン内燃機関で彼の考えております基準を達成できるとは思っていなかったと思われる節がございます。と申しますのは、一九七〇年の春から秋にかけましてマスキー法の上院案が上院で審議されておりますときに、マスキーは再三こういうことを言っております。メーカーはガソリン内燃機関を温存することにしか関心がないようだと言って厳しく追及しているわけであります。そのころアメリカのエンジン関係の話題と申しますと、ガソリン内燃機関にかわってスチームエンジン、あるいはそのほかフレオンとかそういったような作動流体を使います新しいベーパーエンジン、そういったものがかなり実現性が近いというニュースがアメリカの話題になっていたわけであります。マスキーの念頭にもそういうことがあったと聞いております。私もマスキー事務所の公害関係の特別秘書と会ったわけですけれども、彼もそのことに触れておりました。そうしてマスキーさらに議会でもって再三強調したことは、とにかくメーカーは反対ばかりしないでやるだけやって、それからもしできなければやっぱりできなかったということを言ってこいという言い方をしております。事実そのマスキー法の中にはそういうマスキーの趣旨を生かすような項目があるわけであります。つまり、EPAの長官の判断でもって一年延期ができる、さらにむずかしいときには法律そのものを変えることができるというような条項が入っているわけであります。ところが、このマスキー法は上院案と下院案と――マスキー法と申しますのは間違いで、七〇年大気浄化法は上院案と下院案と非常に食い違っておりました。そのために上下両院の協議会で決めなければいけなくなっていたわけであります。それは七〇年の十二月の中ごろに行われる予定であったわけでありますけれども、その直前、私はたまたま取材にワシントンにおりました。そこでマスキー事務所とかあるいは下院の方のマスキーのシンパの議員たちを訪ねて取材をいたしました。そのとき彼らから受けました印象は、このマスキー法が今度の国会ではとてももう成立しまい、そういうあきらめに似た空気がございました。ところが思いがけなく十二月の十八日に成立をして、そしてニクソンのサインということになったわけであります。
 ところで、さらにそのマスキー法のその後のあれを見ますと、思いがけないことに日本の技術が七五年規制を達成する内燃機関を完成したわけであります。しかもそれは触媒なしにミートする、そういう技術を開発したわけであります。当時マスキー自身がやはり考えていなかったようなその技術の成果がここに生まれてきたんじゃないかと思います。この点では私は日本の技術陣はよくやったという気がいたすわけであります。実はなぜ私がそういうことを申し上げるかと申しますと、当時そのアメリカの下院議員の、このマスキー派の一人でありますロイボルという議員がおりました。その議員に特に私は呼ばれまして、話を聞かれた。それはどういうことかといいますと、世界の自動車の生産国の一つである日本の交通関係の、交通専門のジャーナリストとして話を聞きたいということで聞かれたわけなんですが、彼の質問は、このマスキー法をアメリカが通すべきかどうか、つまり日本から考えて通すべきかどうかということを私は聞かれたわけであります。そのときに私が申し上げたことは、ぜひ通していただきたい、いま非常に不可能なように思われていることであっても日本の技術陣というのは非常に優秀である、目標が与えられればそれを何とかこなしていくのが日本の技術陣の特質であるんだから、もしこれをアメリカが通せば日本も似たような法律をつくることになろう、そうすれば日本の技術は恐らくこれを追いかけて、ある水準までの開発ができるんじゃないか、それはやがてアメリカにとってもプラスになると思う、そういう意味で私はアメリカのマスキー法を日本の立場から考えても通してほしいということを申し上げたわけです。ところが翌日私はまたそのマスキーの事務所からも呼ばれて同じことを聞かれました。それで同じことを答えました。ですけれども、そのときにやはり今度の成立はむずかしかろうということを事務所でも言っておりました。それから私はロサンゼルスへ行ったわけですけれども、ロサンゼルスのホテルにある日電話が朝かかってまいりました、ロイボルの秘書から。その彼が言いますには、君との会談は非常に重要であったと、あの夜からロイボルは精力的に動き回っていると、事態は好転しかかっていると、ニュースに気をつけていてくれという電話だったわけです。そうしてその夕方上下両院でもってマスキー法が成立したわけであります。そういったような経過がありまして、私、ロイボルとの約束と言っちゃおかしいけれども、ロイボルにうそをつかないで済んだ、そういう意味で日本の技術陣に感謝をしたいわけであります。
 ところで、きょうの御質問の中にマスキー法の経過とその考え方とありますが、恐らくその御質問の御趣旨は、エネルギーショックに際しましてアメリカのマスキー法が後退しかけたというようなことについての御質問ではないかと思います。事実、EPA長官の公聴会における演説をよく見ておりますと、七二年の演説と七三年の演説との間に非常に大きな変化がございました。それは、七二年の演説では大気汚染の浄化ということを非常に強調しておりました。ところが七三年の演説は、そこで強調されたものは国民的な利益という言葉に変わっております。この国民的な利益というのは何を指すかというと、当時アメリカの最大の焦点はエネルギーに変わりつつあった、まだいわゆる石油ショックの前でございますが、アメリカとしてはそのエネルギーの問題に非常に関心を持ち出したのはテヘラン協定成立以後でありまして、そしてそういったような空気がだんだん濃くなってきて、それが七三年の二月のEPA長官の演説に反映してきたものだと思われます。そして七三年の四月に七五年規制を一年延期という発表がありました。やがて中東が油の禁輸を始めまして七三年の十一月にアメリカの国会で七〇年大気浄化法の延期が提案されたわけであります。
 御存じのようにマスキー法はタイトルワンとタイトルツーに分かれておりまして、そのタイトルワンという方は環境基準に関係する内容でありますけれども、その延期の提案をしたのはマスキー自身であります。アメリカがそういったような燃料不足、燃料節約という点からこの排出規制の問題を検討し始めたわけでありますけれども、これはアメリカにはアメリカなりの背景があったわけでありまして、これをすぐ日本も同じようにその燃料をよけいに食うからといって排出規制を延ばすとか、そういったような理由にするのは少し筋が違うんではないかという気がいたします。なぜかと申しますと、アメリカの場合は全石油総消費量の四四%、年間にしまして三・八億キロリットル、これは日本の全部の石油総消費量二・三億キロリットルでございますから、それよりはるかにたくさんのものを自動車にガソリンとして使っているわけであります。それで、結局その石油総消費量の四四%がガソリンに使われておるわけでありまして、この四四%という量は石油精製の際の自然得率をはるかに超えております。そこで、アメリカ――ヨーロッパもそうなんですけれども、重油とか軽油とか灯油分の油を接触分解でガソリンに変えて使っているわけであります。したがって、アメリカの自動車のガソリンというものは家庭で使う暖房用の燃料とか、あるいは工場で生産に使うそういった燃料とか、そういったものと競合する関係にあるわけでありまして、アメリカでの乗用車のガソリンの節約ということは非常に大きな問題で重要な問題である。ところが、それに対しまして日本はどうかと申しますと、総消費量の一一、二%でしかガソリン量がないわけであります。この一一、二%という数字は石油精製の自然得率から自然に得られる数字でありまして、このガソリンは決して灯油とか軽油とか重油とかいうものと競合しているわけではないわけでありまして、ここでもって仮に一割ぐらい浄化装置によってよけいにガソリンを食うことになったとしても、そのぐらい、もしそれで自然得率の分をガソリンが超すようなことになったとすれば、そのときは自動車の動きを減らすことで、そのぐらいは節約をすればいいと私は考えます。したがいまして、短期的にこの石油の問題を考えた場合に、日本もアメリカと同じようにエネルギー節約のために浄化政策を変えるということは筋が通らないと思うわけであります。
 で、その次でございますけれども、日本の現状に望ましい規制のあり方ということでございますが、私は科学者でございませんので、〇・二五グラム・パー・キロメートルというものがどうしても必要なものであるか、あるいはそうでないかということは私はわかりません。ただ、そういった問題を考えるときに、その考える背景にあるいろいろなファクツがいま混乱しているんじゃないかという気がいまします。たとえば日本の大気汚染の有効な対策を立てようとするならば、自動車の台数でものを考えるという考え方よりも燃料消費量で考えるべきではないかと思うわけであります。自動車は動いているときに問題を起こしているからであります。そういった点から考えますと、日本のマスキー法の成立したときの考え方、どうもそのアメリカのマスキー法のあれをそのままならったようでありますけれども、日本の事情とアメリカの事情とはかなり違っているわけであります。アメリカのマスキー法は最初に特に乗用車に中心を置いたわけでありますけれども、アメリカの場合、燃料消費量の比較をしてみますと、トラックとバスが一に対しまして乗用車が使っている燃料は五であります。ですから、アメリカが乗用車に浄化の重点を置いたことはよくわかるわけであります。ところが、日本はどうかと申しますと、トラック、バスの燃料の使用量一に対しまして乗用車が使っている燃料総消費量は〇・六でございます。つまりアメリカの乗用車の燃料の使い方と、それから日本の乗用車の燃料の使い方とは全くトラックに対して逆の関係にあるんですね。そうしますと、当然日本の場合はトラックと乗用車と両方を最初から対象にしなければいけなかったんではないかという気が一つするわけであります。
 それから第二に、日本は可住地面積当たりの台数がアメリカの八倍ある、だからアメリカよりも厳しい規制をしなければいけないんだという、その点についてであります。
#12
○委員長(鶴園哲夫君) 参考人、森下さんの時間か四十分でございまして、少しばかり過ぎておりますので。
#13
○参考人(岡並木君) はい、じゃ簡単にいたします。
 これは、細かいことはもう省略いたしますけれども、一平方キロメートル当たりで使われている自動車の燃料を比較いたしますと、アメリカの場合は、五万人以上の都市部、それは九万七千平方キロメートルございますが、そこで一平方キロメートル当たり二千二百六十二キロリットルの乗用車ガソリンが使われております。ところが日本の五万人以上の都市と申しますのは五万九千平方キロメートルでございますが、残念ながら、そこで使われているガソリン消費量の統計を私はまだ入手いたしておりません。そこで日本全国が使っておりますガソリンをここで、都市部で使ったとしましても、その数字は乗用車の場合に二百七十三キロリットルでございます。それからバスとトラックのガソリンを含めても四百六十一キロリットルでございます。さらに軽油その他自動車の燃料一切を含めても七百三十四キロリットルでございます。それから東京の場合は少し多くなりまして、LPGを除いて千九百二十六キロリットル、これにLPGを加えますとアメリカの平均値ととんとんかあるいはそれよりやや多くなるかもしれない、そういったようなことがあるんではないだろうか。したがって、日本の大気汚染がアメリカに比べてまだまだいいから対策はしなくていいということじゃなくて、対策というものはやはりファクツに基づいてこそ有効な対策が立てられると思いますので、そういった一つの、いままでのいろいろな考え方に対する疑問として私はそのことを申し上げたいと思います。
 じゃ一応これで終わらせていただきます。
#14
○森下泰君 ありがとうございました。質問を終わります。
#15
○委員長(鶴園哲夫君) 久保君、久保君の持ち時間は五十分でございます。ですので、答弁もできるだけ簡潔にお願いをしたいと思います。
#16
○久保亘君 私は、先ほど森下委員の発言の中で、当委員会における質疑を聞きながら考えたこと、感じたことということで前置きをされましたので、当委員会においてずっと発言をいたしてまいりました私の立場もまた申し上げておかなければならないだろうと考えます。
 私は、自動車自体のユーティリティーや社会的貢献を否定するものではありません。むしろ、それらのものを認めているからこそ排ガス規制措置を考えなければならないと思っております。もしこれを否定するものであるならば排ガス規制措置などは必要がなくなってくるのであります。車の生産をやめてしまえばよい、こういうことになるんであります。私どもはそういうような立場でこの排ガス規制に対してその可能性を真剣に追求をしておるわけでありまして、ユーティリティーや社会的な貢献を強調するあまりに公害をある程度やむを得ない必要悪として許容する考え方の中に、経営者が一人の人間、一人の市民であることはそのとおりであるとしても、経営者としてはそのような人間性を取り去って、資本あるいは企業の論理に徹しなければならない現実を私どもは感ずるのであります。企業は悪とか経営者は悪人であるという立場で質問をしているのでもありません。私は、企業や経営者は企業、経営者であるがゆえに絶えずその社会的な責任を問われていなければならないと考えております。また、その責任に対応するだけの社会的、経済的一定の保障も得られているはずであります。私はそのような立場に立ってこれまでも論議をいたしてまいりましたし、本日の質問もそのような立場でいたしたいと思いますので、率直なお答えをいただきたいと思います。
 最初に、中公審答申に見られます暫定規制の、五十一年度が終わります五十二年四月における各メーカーの到達の度合いなどについて、先般通産省並びに運輸省に対して、自動車工業会が主要六メーカーのそのような立場をまとめて提出をされたと聞いております。この資料について、私はこの委員会の質問に先立って提示を求めたのでありますが、残念ながら、政府側からは、内部資料であるので公開できないという返事をいただきました。大変私は不愉快に思っております。できれば、この資料について、提示できないということでありますから、私はここで業界の各メーカーの代表の方々にお尋ねしたいと思うのであります。で、この提出されたと言われる資料によれば、東洋工業、本田技研は――本日お見えになっているところだけお尋ねいたします。東洋工業、本田技研は、五十二年の四月には一〇〇%五十一年度規制をクリアするという報告を出されたと聞いておりますが、間違いありませんか。
#17
○参考人(河野良雄君) 東洋工業でございます。
 五十一年規制を五十一年度じゅうに、すなわち五十二年の三月末までに完成させる予定で作業を進めております。
#18
○参考人(杉浦英男君) 私どもも五十二年三月までに完成をさせる予定で作業を進めております。
#19
○久保亘君 この際お尋ねいたしますが、東洋工業においては、五十一年規制を、大半のものについて五十年末にはクリアできる見込みであるという資料をおつくりになっているように思うのでありますが、それも間違いございませんか。
#20
○参考人(河野良雄君) 東洋工業におきましては、前回のこの参議院の聴聞会で申し上げましたように、なるべく早く五十一年規制値到達車を出したい、それにつきましては非常にやはり費用もかかります、ユーザーの負担もかかりますので、何らかの措置をお願いしたいと申し上げております。政府の方でもその点について御考慮にあずかっているというふうに聞き及んでおりますので、なるべく早く、五十年度中に五十一年規制値に到達したものをなるべくたくさん出したいというつもりで作業を進めております。
#21
○久保亘君 東洋工業の生産されております車につきましては、すでに運輸省の公式テストを終えました結果、五十一年暫定規制値をすでにクリアしたものが大半であって、これをいまだにわずかの差でクリアできないでいるのがカペラ一八〇〇AP、ルーチェ一八〇〇APの二つの車種だと思いますが、間違いございませんか。
#22
○参考人(河野良雄君) 大半と申し上げますとあれでございますが、ロータリーの12Aを積みました一トン二百五十キロクラスのものは、十分今度の優遇税制の措置ができましたらそれに対応することができますので、優遇税制措置が出次第に申請する予定にいたしております。
#23
○久保亘君 13B型ロータリーエンジン塔載低公害車及びレシプロエンジン、サーマルリアクター方式塔載低公害車は現在のところでは五十年規制値をクリアするレベルであるが、技術的にはすでに五十一年規制を達成する見通しがついていると東洋工業の方ではお考えになっているのではありませんか。
#24
○参考人(河野良雄君) ロータリーエンジンについては優遇税制措置が公布され次第に申請いたしますが、レシプロにつきましては少々時間がかかりますので、レシプロの触媒使わないもの、キャタリスト使わないもの、サーマルリアクターつきのものは逐次五十年度じゅうに五十一年規制値合格車を出したいと作業を進めております。
#25
○久保亘君 そうすれば、東洋工業としては、五十一年規制については五十一年末を待たず、五十年度内に五十一年規制値をクリアしていく見通しがあるので、それに対してはぜひ政府の方でそのものについてしかるべき優遇の措置をとってもらいたい、このような御発言と承ってよろしゅうございますか。
#26
○参考人(河野良雄君) そうでございます。ただ、キャタリストつきのものは大分おくれると思いますので、サーマルリアクターつきのものは五十年度じゅうになるべく早い時期に出したいと考えております。
#27
○久保亘君 次に、日産並びにトヨタの参考人にお尋ねをいたしますが、この通産、運輸両省に提出された資料では、トヨタは五十一年十二月に五十一年規制をクリアできる車は生産台数のわずかに一〇%であって五十二年四月ぎりぎり、五十一年度の末まで待っても二〇%である、五十二年の末に至って一〇〇%である、このような報告を出されたと聞いておりますが、間違いございませんか。
 また、日産は五十一年十二月で五〇%、五十二年の四月で八〇%、一〇〇%到達するには五十二年の十月までかかる、このような報告を出されていると聞いておりますが、間違いございませんか。
#28
○参考人(豊田英二君) 間違いございません。
#29
○参考人(岩越忠恕君) いまの数字に間違いございません。
#30
○久保亘君 そうすれば、すでに大手メーカーでありますトヨタ、日産によって中公審の答申は困難であるという、まあ言ってみれば和達さんの方には挑戦状が突きつけられているわけでありますが、あなた方は、技術的な内容を検討しながら到達可能だということで規制値を決めたと、このように言われているのでありますが、トヨタはもしも環境庁の告示が五十一年度末となりましても一〇%しか達成できない、こういうことになるんです。それから日産は五〇%しか達成できない。政府側は資料出さないと言われたけれども、いま両社の最高責任者によってそのとおりであると言われているのであります。であるとするならば、中公審の会長としてはどのような御見解をお持ちでありますか。
#31
○参考人(和達清夫君) 中公審は、専門部会において専門的にまた良心的に十分審議をしてこの答申を出したものでありまして、この答申は昭和五十一年度から適用可能な窒素酸化物の量の許容限度、すなわち平均値を示して出したものであります。政府におかれてはこれを重要な参考として処置をとられることを希望いたします。
#32
○久保亘君 私どもは、先ほど法案の説明もございましたとおり、すでに中公審が以前にまとめました方針に沿って〇・二五の規制をクリアできる車で五十一年度から出発すべきである、このように考えているのでありますが、中公審が大幅に後退をされた答申でさえも、もう大部分のシェアを持っている日産、トヨタから一〇%とか五〇%しかできないのだと言ってみえているのです。当然私は中公審のこの非常に後退をした答申によって告示が行われたとしても問題が起きてくると思うのでありますが、環境庁長官としては、そのような事態になった場合には、クリアしない車の生産はストップさせざるを得ないとお考えになっておりますか。
#33
○国務大臣(小沢辰男君) これから考えましてここ二年ございますから、当然告示が行われました場合は、各社がそれに応ずる技術的な開発の体制をとっていただけるものと確信をいたしております。もし規制値に合わないような車は、一応リードタイムを若干設けますけれども、それを過ぎた場合にはこれらの方は合格しないわけでございますので、これは落第になると、こういうことでございます。
#34
○久保亘君 落第になるということは生産がストップさせられると、こういうことであると思います。環境庁長官がそのような立場をおとりになりますとすれば、もしもいまトヨタや日産が一〇%、五〇%しか到達できないと言っておられる事態になりました場合にはかなり大きな問題となってくるだろうと考えておりますが、この際その問題に対する議論は少し私としては留保をいたしておきまして、トヨタや日産はなぜ、車種が多いというだけではなくて、この等価慣性重量から見ましても、他のメーカーにおいてはかなり重量級に属する車でも五十年には五十一年規制をクリアするというような技術を持っておられる、これはロータリー、レシプロ両方にわたってそうであります。それにもかかわらず、自動車産業界の旗頭とみずから自負しておられるはずの日産とトヨタが技術の開発について非常に立ちおくれておられるということは、私どもとしては大変不可解なことなのであります。すでに私は前の委員会において、この際、社会的、国民的要請にこたえて、自動車産業界は技術を相互に公開提供し合って、そして一日も早く〇・二五の規制に到達できるところまで努力をすべきであると申し上げたことがありました。その際にも、それぞれ代表の方々は、技術を相互に提供し合うことについてはそのとおり考えているとお答えになったはずであります。ところが今日、あなた方よりも二年も早くクリアできる企業があるにもかかわらず、リードタイムの上からいったって、それらの技術の相互提供を受けられれば可能なのではありませんか。トヨタ、日産があくまでも一〇%や五〇%しかわれわれは到達できないと言われる根拠は何でありますか。両参考人からお答えいただきたいと思います。
#35
○参考人(豊田英二君) お答えを申し上げます。
 私どもは、さきにお示しをいただきました〇・二五グラム・パー・キロメーターという目標に向かって努力をしてまいりまして、その結果その点に致達することが不可能であるということを先般申し上げ、改めて暫定値の答申がなされたわけでありますが、この暫定値に対して私どもはまだめどのつかない車種が多数あるわけでございます。それは前回の本会においても申し上げましたように、私どもの進めました方式によりますと、中間の値を求めることができないような方法でやってまいりましたので、改めて私どもはお示しになりました数字をもとにして開発を進めなければならないという立場になっておるのでございます。かようなわけでございますので、現在鋭意これに向かって努力をいたしております。しかしながら、まだ私どもといたしましては多くの不確定要素を持っておりまして、そういった関係で現在としてはまだ残念ながら全部の車種についてこれが達成できる見込みが立ってございません。で、先ほどお話がございました数字につきましても一応の予想数字を立てた次第でございまして、今後の開発状況によりましてこれは若干の異同が起こり得るものと考えておる次第であります。すなわち、早まることもありますし、またおくれることもあり得るというふうに考えておる次第でございまして、現状の私どもの実情は以上の状況にございます。
 なお、技術を導入したらどうかというお話がございました。それに対しまして、私どもは本田さんの技術を一部導入はさしていただいておりますが、同時に、この排気ガス防止のための技術というものは現在まだ非常に流動的でございますので、私どもとしては本田さんの技術によるものもの、私ども自身の技術によるもの、それらを総合して解決をしていきたいということを考えておる次第でございます。
#36
○参考人(岩越忠恕君) ただいまの久保先生の御質問に対してお答え申し上げます。
 当社といたしましては、五十一年規制につきましては、なるべく早く適合車を市場に供給できるように努力をいたすつもりで現在研究を進めさしております。いずれにいたしましても、当社といたしましては〇・二五という数値を目標に研究をしてまいったわけであります。したがいまして、先般も暫定値を、どの程度のものかということで途中の暫定値を出せというお話がありまして、その暫定値に向かって研究をさしておったわけであります。しかるところ、今回出ております答申案というのはそれをまた上回る数値が出ておるということでございまして、その数値をクリアするために当社としてはまた研究を進めなければならない、こういう段階にあるわけであります。したがいまして、目標というものはそう始終変えられては研究者として非常に困るということでございます。その初め決まった目標値の数値ができるかできないかということで努力をしておったということと、中間にできたものに対してすぐに適応できるかどうかとは別個の問題ではないか、こういうふうに考えます。したがいまして、現在の開発状況から考えまして先ほどのような数量を申しておりますけれども、当社といたしましては、五十一年規制の数値というものが出た場合には、それに対して適合軍の供給ができるように努力する考えは持っております。
 なお、種類が多いと申しますのは、いろいろの種類がたくさんございますが、ただ一通りではなくて、あるいはトルクコンバーターの車もそれに合格するようにならなければならないとか、そういう問題もございますし、ただ単に一つの装置をつけるということではなくて、この装置をつけるためには車の床から全部改造しなければならないという大変な仕事を持っているわけでありまして、この部品を一つ取りつければ車ができ上がるという、そういうものではないということを御承知願いたいと思います。われわれとしては研究をしないとか努力をしないということではなくて、こういう規制値というものが出れば、それに対してどう対応するかということに対しては最善の努力をするつもりであります。もちろん、できなければ生産は中止しなければならない、そういう覚悟は決めております。
#37
○久保亘君 私は、いまの参考人のお話を伺いながらどうしてもやっぱり疑問が残りますのは、東洋も本田もやはり〇・二五のクリアを目指して研究をやられたんだと思うんです。その過程で〇・二五に近づく努力というのが行われて今日の成果が生まれてきているんではないか、このように考えております。トヨタや日産、最も資金も人員も豊富なトヨタや日産が〇・二五がだめならまた全然別問題であるという考えを持たれたり、それから自動車の一部分を変えればいいという問題ではないということは、これは東洋工業や本田の車だって同じことではなかろうか、私はそう思うんです。本田や東洋の車は大変簡単な車であってすぐできるが、トヨタや日産の車だけはそういう低公害車になるためにはいろいろなところから全部変えにゃならぬと、こういうことではなかろうと、これは私の素人の見解でありますが、どうもそんな気持ちがしてなりません。
 まだいろいろお聞きしたいことがありますので、時間がありませんから、この問題は、いまもしも暫定値について指定の期日までにクリアできない場合には環境庁としては当然生産がストップさせられなければならないということでしたし、いま参考人のほうからは、そうなった場合には生産をストップする覚悟である、こう申されておりますから、私どもはそのことが実行されるものと考えております。
 で、ここで今度は東洋の参考人にお尋ねしたいのは、いまあなたのところで五十一年規制をクリアする低公害車が税制上ハンディがなくなるような優遇措置を必要とするとすれば、既存の高公害車と全く同じ条件に立つためにはどれぐらいの金額にして優遇措置が必要だとお考えになっておりますか。
#38
○参考人(河野良雄君) 東洋工業の河野でございます。
 ただいまの久保委員の御質問にございましたが、インセンティブの幅は、人間は欲なものでございまして、大きいほど歓迎されますんでございますけど、政府のほうにもいろいろ御都合もございましょうし、いま新聞発表なんかでいろいろと言われております優遇税制、あれで結構でございますから、要は、これを早く実施していただくということが一番現代では必要なことじゃないかと考えております。この数値がどうとかなんとか言ってだんだんおくれますと、低公害車の普及というものがますますおくれていくんではないだろうか。一日も早くこの優遇税制を実施していただきまして、早くユーザーが喜んで使うという状況にしていただきますのが最善ではないかというふうに考えております。金額の面につきましては、あまり欲なことは、これはもう多いにこしたことはございませんけれども、ただいま政府にもいろいろ御都合がございましょうから、政府のお決めになります額でやっていきたいと考えておりますので、どうぞ早く実施できるように御配慮願いたいと考えております。
#39
○久保亘君 あなたのお立場でなかなか言いにくい点もあろうかと思いますが、私が聞いているのは多いにこしたことはないとかいうようなことじゃなくて、あなたの方が五十一年規制をクリアさせるために、それをつくるためには――五十年規制車、四十八年規制車もことしはまだ出ていくんですね。そういうような車と比べてどれだけのハンディを負っていますかと聞いているんです。
#40
○参考人(河野良雄君) 五十一年対策車をつくります上においてのコストアップは、四十八年現在の未対策車に比べまして十数万円高くなります。五十年対策車に比べまして五十一年対策車は、機種によっていろいろ違いますが、四万円から六万円高くなるというふうに考えております。
#41
○久保亘君 よくわかりました。
 今度は日産とトヨタの参考人にお尋ねいたしますが、五十年内において五十一年規制をクリアした車に対して、公害対策促進のために、そのハンディを埋めてやる優遇措置がとられるということについては御異存はなかろうと思うんですが、高公害車に対してペナルティー――重課税を行うという方針を少し、衆議院でですか、御説明になっているようでありますが、この点については先行しているメーカーの立場、それから公害対策というものを考える場合には、あえてそのことは受けざるを得ない、このようにお考えでしょうか。
#42
○参考人(豊田英二君) 従来の車、すなわち四十八年の車にしましても、これから出てまいります五十年の車にいたしましても、いずれも決められた規制に合格したもので、そのときどきの決められた規制に合格した車でございます。かような車をお使いいただいております自動車の使用者、ユーザーの方に対しましては、私どもはすでに自動車に対する課税が非常に過大であるという見解を持っておりますので、さらにこれらのユーザーに税金が課せられるという問題については賛成をいたしかねるのでございます。低公害車に対する優遇という問題については、私どもは賛成をいたしたいと考えております。
#43
○参考人(岩越忠恕君) ただいま豊田さんがおっしゃいましたように、低公害車に対してのインセンティブということにつきましてはわれわれも賛成いたしますけれども、現在の基準でつくっておる車あるいは従来の基準でつくった車に対して、それが悪いということではなくて、そのときにはその基準でつくれという中に入っている車に対してさらに課税をされるということに対しては、現在の自動車重量税が昨年から倍になった、あるいは取引高税が三%から五%になったというように、自動車に対しては非常に高い税金が課されております。車を買った価格よりも、車を五年も保有すれば車から取られる税金あるいは保険料等、そういったものが車価格以上であるということから言いまして、車を使われる方に非常に大きな負担になっている。ことに中小企業の方々は車を自分の仕事の上に使われる、あるいは所得の低い方方も現在は中古車を使われるということで、それぞれ車を利用されて仕事をされておるという点から申しまして、新たなる税金が課されるということに対しては私たちは賛成いたしません。反対申し上げます。
#44
○久保亘君 メーカーの立場からいたしますと当然そういう御意見であろうと思いますが、ただ、五十年内には四十八年規制をクリアしている車がある、まだ五十年規制に到達していない車が、五十年度内十二月までは生産ができるようになっておりますね。だから、その点でやっぱり四十八年規制の卓は確かに法的な制約の中にはあるとしても、公害対策の促進という立場、すぐあとに五十一年規制も控えているという立場からしますならば、ある程度これに重課が行われるということはやむを得ないと考えております。環境庁長官がそのような立場を明らかにされておりますことは私どもは当然のことであろう、こう思っておるわけであります。ただ、どなたも一致して言っておられます五十一年規制をクリアした車に対して税制上の優遇措置をとってもらいたいということについては、これは運輸省の税制改正成立後の事務的な取り扱いということがこの実施に非常に影響をしてくると思うのでありますが、報ぜられるところでは、すでに運輸省の公式テストをパスして今日市販されているこれらの車などについては書類審査をもって直ちに税制の改正が行われれば適用する、このようなお考えのように報ぜられておりますが、そのとおりかどうか。
 それから、大体いま運輸省かとの辺を――まだこれは税法の改正が成立しておりませんからなかなかむずかしいと思うのですが、運輸省自身はもし改正が行われればどの辺からこれの実施が可能だと考えておられるか、もしお答えができれば言ってください。
 それから自治省にお尋ねいたしますが、地方自治体が自動車の取得税について低公害車に対して優遇措置を行い、高公害車に対してはペナルティーを課するというようなことを考えられている県などがあるようでありますが、この点については自治省としてはこれを支持されるものと思いますが、そのような立場でしょうか、自治省の方からお答えいただきたい。
#45
○説明員(福島深君) ただいま先生の御指摘のございました、地方税の中の自動車取得税というお話でございましたが、これは五十年の改正におきまして取得税関係は五十一年規制車について優遇措置をとることになっておりますので、おそらく自動車税の関係ではないかと思いますが、それについてお答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございましたように、自動車税につきまして一部の府県におきましてこの税率を若干引き上げる、あるいは軽減をするというような措置を講ずるような話があるわけでございますが、御案内のように、地方税におきます自動車税の税率というものは標準税率ということになっておりまして、法律の規定を読んでまいりますと、その団体に財政上の特別の事情がある場合には、特別の必要がある場合にはその税率によることを要しないということになっているわけでございます。したがって、その県が、ただいまの地方財政の状況は御案内のようなことでございますので、財政上の特別な必要ということから自動車税の税率を標準税率によらないで異なった税率を用いるということは、その要件に該当する限りにおきましてはそれは適法に行い得るものであろうというふうに考えているわけでございます。
#46
○久保亘君 私のほうでうっかりしておりまして、運輸省の御出席を願っていないそうでありますから、環境庁長官、この税制上の措置についてはできるだけ早い時期に実施をしてもらいたいという要請もあるんですが、この点については、環境庁として極力早い時期にそのような措置がとられるように要請をされるお考えでしょうか。
#47
○国務大臣(小沢辰男君) 御承知のように、国会に税法改正の提案がなされているわけでございまして、これを速やかに御成立願えれば大変ありがたい。
 それから、おっしゃる意味は、きっとそのほかに、中公審の答申にありますような、〇・六を基準にして上下に格差を設けるような税制のあり方を検討しろ、それから低公害車といいますか、に買いかえを促進するための中古車について何らかの措置を考えると、こういう御答申に基づく行政上の措置を早くとるのかとらぬのか、こういうお尋ねであろうと思いますが、過般来申し上げておりますように、ただいま閣僚協のもとで、各省の事務次官をもって構成する幹事会で、税制等を含めまして四つの中公審の答申の中にあります総合的な対策について鋭意検討中でございますので、できるだけ早く成案を得たいと考えております。
 ただ、先生にこの際ちょっと申し上げておきたいのでありますが、税の理論というものは、物品税にいたしますと、これはそれだけの担税力があるというので、たとえば六十万なり七十万なり、あるいは百万の物品を買い求める担税力があるということで一定の税を課しているのが物品税でございます。したがって、物品税の理論から言いますと、その車そのものが他の公的な目的にどういうような寄与をするかどうかによって物品税で差を設けるというのは、これは物品税の理論からいたしますとちょっと別の考え方になるわけでございますので、その辺の税制でやる場合の制約等もあるわけでございますので、われわれは御答申の趣旨に沿いまして、どういうようにしたらできるだけ低公害車の利用を促進することができるかということについて目下鋭意いろんな角度から検討中だと、かように御了解を願いたいと思います。
#48
○久保亘君 時間がもうほとんどなくなりましたので、あと二つだけお尋ねいたします。
 一つは、五十一年規制が行われました場合に、規制後の中古車の継続使用中のものはやむを得ないとしても、中古車が販売されることについてはどのような立場をとっておられますか、長官どうお考えですか。
#49
○国務大臣(小沢辰男君) 中古車そのものは五十一年規制から見ますと規制のゆるいものでそれだけに大気汚染の量が大きいわけでございますから、私どもなるべく少なくして低公害車に移っていただくことが望ましいわけでございますけれども、これの使用制限をやるとかということになりますと、販売禁止ということになれば使用制限と同じでございます。固定発生源についてはそのものずばりで、いろいろな基準をつくって排出基準で、それ以上出してはいけないということでやっておるわけでございますが、移動発生源についてそういうことが可能であるかどうか、これはその車を所有するいろいろな大衆、国民の納得を得なければいけない問題でございますので、むしろそういうことよりは他の誘導策によってできるだけ所期の目的を達するような手段、方法を考えるべきではないかという、そういう御意見がいろんな方面にむしろ強いわけでございまして、非常にいまその点でどうしたらいいか悩んでおるところでございます。
#50
○久保亘君 別に長官悩まぬでもいいわけでして、私がなぜこうお聞きしているかといいますと、規制が行われる時点までに規制を達成していない、生産車が未使用のまま存在した場合に、この車はどうにもならなくなるわけです。そのときに、その規制の告示期日の寸前に中古車の処理を行うということによって、この車はかなり長い間生き延びるという盲点があるわけですよ。だから、その点については時間がありませんから私質問しませんが、きちんとやってもらいたい。
 それから最後に、新技術開発事業団の理事長お見えになっておりますのでお尋ねいたしますが、自動車のエンジンとか公害対策というようなことになりますと、個人のかなり進んだ研究開発が行われましても、エンジンの性格上試作を行われなければ、これらのものは実用化の段階に進んでこないわけであります。そこで、その試作ということになりますと、工作機械が専門的になってまいります関係などもありまして、当然自動車の業界の企業の側にその試作権というものは完全に掌握されているという事情があります。で、私はそういう意味では、この際新規の、――先ほど平尾教授も言われましたけれども、新しいエンジン技術の開発というものが、もっと広範な人たちの手によって行われて、それが成果を上げていくということのためには、政府がエンジンの性能や実用化の可能性などについて専門的に評価のできる評価組織を持つ必要はないのか。それから、これらの新しい研究開発が試作を経て実用化への過程を准むことができるように、この新技術開発事業団などはこれらのものに対しても援助を行い、そしてできるならば政府自身がこれらの試作に取り組める体制を金がかかっても持たなければ、企業が技術も情報も生産も全部独占しているという状態の中では、企業の恣意によって技術の開発が操作がてきる――やっておられるとは言いませんよ、操作ができる可能性を非常に持つわけであります。だから、そういう点について新技術開発事業団が取り組むことができるのかどうか。それから環境庁長官は、いま私が申し上げましたような立場についてどのようにお考えでありますか、最後にお答えいただきたいと思います。
#51
○参考人(鈴江康平君) お答え申し上げます。
 新技術開発事業団と申しまするところは、研究者がいろいろ研究成果を持っておりますが、世の中でさっぱり使ってもらえない、自分は非常にいいと思うけれども使ってもらえないので、何とかこれを世の中に出したいという方の要望にこたえてできておる機関でございまして、そういった方々のテーマ、これは直接その会社の方で採用されれば結構なんでございますが、そうでないものが集まるわけでございますので、自然と実際化するにはなかなかリスクが多いというような問題が多いわけでございます。御承知のように、非常に日本の技術革新には外国の技術が入っておるわけでございますが、外国の技術はすでにもう実際化されておりますので安心して使える。ところが、研究者の研究成果というのは、実際の規模でやってみたら果たしてそのとおりいくかどうか非常に疑問であるということで使われないわけでございますので、事業団といたしましては、私どもの中でも専門家も相当おりますのでよく検討いたしまして、なおかつまた、それを取り上げてみようというときには、私どものほうに委員会がございまして、ここにいらっしゃいます平尾先生なんかも委員としてこの間来ていただいたわけでございますが、そういった方々の御判断も得まして、これはリスクがあるけれどもやってみればうまくいくかもしらぬというような問題を取り上げるわけでございます。
 そのやり方は、そういうテーマをいただきまして、それを事業団自身が別に工場を持っておるわけでもありませんので、結局その成果をうまく使ってもらえそうな会社を大ぜい呼びまして、それに説明をいたしまして、これをやってみるところはないだろうかということをいたします。そのときに、実際にやりますのですから、企業的規模でもってそれを開発するということでございます。その資金は事業団が出すわけでございまして、もちろんこれは担保も取るわけでありませんし、利子も取るわけではございませんが、その必要な資金を事業団が出しまして、それが所期の、研究者の言ったとおり、うまく実際にそれが企業的規模でできたということになりますと、これは成功になりますので、成功いたしますと、その会社がそれを企業に使えるわけでございますから使ってもらう、そのかわり出しました金は返してもらうわけでございます。それでもし研究者が言ったとおりうまくいかなければ、これは不成功でございますので、それは事業団がその金を回収しませんで、リスクは事業団が負うわけでございます。そして、これがうまく売れるようになりますと、売り上げの何%かのロイヤルティーをもらいまして、発明者にその約半分を差し上げ、あとの半分は、失敗したときにはもらいませんので、そのためにためておくというようなことをやっておるわけでございます。したがいまして、開発に必要な資金と、それからリスクをしようのが事業団の使命でございます。
 でございますので、このエンジンの問題につきましても、これは私の方で現在のところ六つか七つぐらいテーマが出ておったわけでございます。中でもいろいろテーマを検討いたしているわけでございますが、私の方はこれを自動車問題だけじゃなくていろいろなことをやっておりますものですから、資金量も限られておりますので、全部はとても取り上げるわけにはいきませんので、そのうちでおもしろそうなものを取り上げてやったこともございますので、一例として申し上げますと、これはいわば町の発明家と言われますか、大西さんという方と由井さんという方、二人の方の発明を私どもへ持っておいでになりまして、これは私の方で十分調べましたところ、非常におもしろい。これは実は小型のエンジン、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのちょうど中間的なものでございますので公害としてもCOとかハイドロカーボンがかなり少ない――むしろこれは多いのでございますが、NOxは従来ツー・サイクル・エンジンでは少ないのですが、HCとかCOはわりあい多い。これを由井さんの技術によりますと、かなり減らせる見込みもあるというようなことで、そんなこともございまして取り上げたわけでございますが、で、それを企業に呼びかけましたときには、新聞にも出して募集するわけでございますが、自動車工業会にもお願いしたりして、いろいろな自動車メーカーの方も来ていただきました。約三十社ぐらい集まったのでございますが、やはりこのエンジンには噴射弁が必要なわけでございまして、これは普通のいままでの自動車メーカーの方、あまり噴射弁をお使いになっておりませんので、やはり手を挙げなかったことがございます。
 結局――ヤンマーディーゼルという会社がございますが、これは農業発動機をやっておりますので、この会社はディーゼルをやっておりますので、わりあいに自分のところならやれるのじゃないかということでそれを引き受けられまして、私の方も最初予算一億五、六千万円要るだろうというような用意をしておったのですけれども、そんなにも要りませんで、実際には五千万円程度の金で済んだわけでございます。これを初め一年半ぐらいでできるかと思いましたのが、いろいろやはりむずかしい問題がございまして、三年間かかりまして、やっと昨年の秋それが終わったということでテストいたしましたところ、大体所期の目的を得られましたので、これを成功ということにいたして、ヤンマーとしては、さらに当方のユーザーにテストをしてもらうとか、いろいろなことをやっておりますのですが、将来これが同社の製品の一つになるかと思います。しかし、これはまあ非常に小型でございますので、普通の自動車メーカーがお使いになるようなエンジンには、ちょっとほど遠いのじゃないかというような気がいたしております。その発明者の方は、また普通のキャブレーターを使う、もう少し低公審のエンジンをやはりアイデアを持っておられまして、私の方でまたお手伝いしようかと思っておりましたところ、最近の話では、自動車メーカーの方と話し合われまして、共同開発をするからということになりましたので、私の方はお手伝いいたしませんけれども、非常に結構なことだというふうに考えておるわけでございます。そういうことでございます。
#52
○国務大臣(小沢辰男君) 中公審の御答申の中にも技術開発について積極的に推進を図るようにという御答中がございますので、私どもも当然これは国民のためにやっていかなければいけない、メーカー、業界任せというわけにいきませんので、できるだけ今後はあらゆる面で技術開発の促進に役立つ研究なり、あるいはその他の問題があれば援助を惜しまないつもりでございます。
#53
○久保亘君 どうもありがとうございました。終わります。
#54
○矢田部理君 排ガス五十一年規制、この問題と三木内閣は一体どう取り扱うのだろうか、新しい内閣のクリーン度を占う最初の試金石が私はこれだったと思うのです。三木さんは総理になられてから確かに中公審の総会などを開いて、慎重に審議をしてほしいという注文をつけはいたしました。その表向きの言葉とは別に、すでに中公審の答申が出る前に、経済団体の会合で重大な事実を明らかにしております。昨年の暮れが押し詰まった十二月二十六日であります。御承知のように、翌二十七日には中公審の総会が予定をされていた。その前日の二十六日に、新内閣ができると恒例だと言われておりますけれども、経団連の首脳部辻会見をいたしました。この会合は約三十分程度で終わったそうでありますけれども、終わって一たん席を立った三木さんが再び座り直して、隣の席におられた川又克二経団連副会長、御承知のように日産自動車の会長であります、その川又克会長に向かって次のように述べたとある雑誌が報道しております。「あゝ、明日の件ネ。そう心配することはないと思うよ」と、もちろん隣の席にいた川又会長はすぐにその意味がわかって深々と頭を下げたということであります。その雑誌の記事は、中公審総会前にすでに出ていた結論という見出しでそのことを書いています。中公審の総会や取り扱いについては改めて私はいまからお聞きしようと思いますけれども、その前に環境庁長官に伺いたいのは、一方で中公審に慎重審議を求めておりながら、すでに総理は、もう中公審の問題は心配要らないんだと、財界の首脳、日産自動車の会長に打ち明けているという事実、環境庁長官どう思われますか。その点をまず伺いたい。
#55
○国務大臣(小沢辰男君) 三木総理がその会合でそういうようなお話をされたかどうか、私寡聞にして知りませんけれども、総理が、私が着任するときに辞令を私に渡しながら、この問題は非常に国民的な関心の高い重要な問題であるから特に慎重に審議をお願いをしてくれということもございまして、また翌日の初閣議の席上でもそういう御指示がございました。したがって、私はその記事を信用するよりも、私が直接総理から御指示を得た総理のお言葉のほうを信用したいと思います。
#56
○矢田部理君 本当は総理に直接伺うべき筋の内容かもしれませんけれども、表向き小ぎれいな装いをしながら――これだけの記事は少なくとも現場にいた人でなければ書けません。現場にいた人でなければこういうニュアンスの記事は書けるはずがありません。言葉は生ではなかったようですけれども、これが三木内閣の第一の出発点だったわけです。その後も確かに中公審の慎重審議を求めはいたしましたけれども、結局は後退に後退を重ねておるのが排ガス規制の今日的問題点じゃありませんか。中公審を隠れみのにして、すべて中公審に逃げ込んでおる。その中公審の審議の経過がどうであったのか、自動車公害専門委員会のあのでたらめなやり方を私たちは非常に驚きをもって知りました。そのことについて引き続き中公審の会長であられる和達さんにお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、五十一年排ガス規制をめぐって中公審として検討を求められた課題は一体何であったのか、環境庁から再審議といいますか、改めて検討をしてほしいと、求められた課題、テーマはどういうことだったのか、どういうふうに受け取っておられたのか、その点をまず和達参考人からお尋ねをしたいと思います。
#57
○参考人(和達清夫君) お許しを得て、それにすぐ答える前に少し申させていただきたいと思います。
 ただいま、三木総理大臣から慎重を期せよというお話があったというお話でありますが、本件は、私が大気部会から答申案を受け取ったときに、従来は部会の決議をもって中公審の決議としたのが例でありましたが、この件の重大性にかんがみて、私は、すぐこれを中公審の答申といたさず、さらに広い検討を要すると考えており、たまたま三木総理大臣の慎重ということと一致いたしました。それ以外、中公審は、私は、自主性を持ち、ほかから指示されて動いたことはないと信じております。
 そこで、五十一年自動車排気ガスにつきまして、これは前に諮問されておったものの続きとして、この前に目標値として答申いたしました、これが、いろいろ目標はそうであったが実際には困難であるからというので、再び、新しい諮問でなく、その諮問の続きとして検討を開始したものであります。
#58
○矢田部理君 もう少し端的に、時間もありませんので、お答えいただきたいと思いますが、環境庁が私どもに説明をしてきたのは、五十一年規制が技術的に見て、専門的に見て可能かどうかを改めて中公審に検討をお願いしたというふうに伺っているのです。まさに専門的な立場、技術的な立場から依頼をされたのかどうか、諮問を受けたのかどうか、あるいはそれ以外の部面についても検討を要請されたのかどうか、その点をお尋ねをしているのです。
#59
○参考人(和達清夫君) 私は、審議会というものは、そもそも学識経験者としてその学識経験をもとに論ずるものだと思っております。したがって、専門部会においてはその専門的知識をもって審議をいたすところであります。しかし、本件が非常に実際問題とつながっておるので、専門委員会の報告というものが相当に広い範囲を考えたものになっておったことは事実であります。
#60
○矢田部理君 どうもきょうは歯切れが悪いお答えしかいただけないのですけれども、こういうことじゃないのですか、五十一規制を当初政府なり環境庁は予定をしておった。ところが、六月段階だったと思いますが、企業のほうから、なかなかあの規制値をクリアすることはむずかしいということをヒヤリングなどをやって環境庁が知った。果たしてそれが技術的に可能なのかどうか、そのことをまさに科学的、技術的見地から詰めてはしい、中公審、とりわけ自動車公害専門委員会で検討をしてほしいと、こういう要請だったのじゃありませんか。それとも、それ以外のテーマの検討も求められていたのでしょうか。まず、その検討を求められたテーマ、これは厳格に一体どういうものであったのか、そのことをお尋ねしているのです。
#61
○参考人(和達清夫君) 私は、中公審の運営について、いろいろありますので、これから検討すると申し、またその段階にあります。
 いまお尋ねの件は、非常に恐れ入りますが、環境庁からお聞き願いたいと思います。
#62
○矢田部理君 環境庁から私がどう聞くかではなくて、まず、あなた方が何を頼まれたのか、どの検討を依頼されたのかがわからずに、あるいは答えられずに、それは環境庁に聞いてくれと言うのは少し無責任過ぎやしませんか。答えてください。
#63
○国務大臣(小沢辰男君) ちょっと先生に……。
#64
○矢田部理君 ちょっと待ってください、私は求めておりませんから。
#65
○委員長(鶴園哲夫君) それでは、小沢環境庁長官、しばらくお待ちください。
#66
○参考人(和達清夫君) 私は常識的に、先ほど申しました抽象的という御批判もあると思いますが、中公審らしい前からの諮問の続きとして審議を開始したと私は信じております。
#67
○矢田部理君 中公審の会長ですよ。それが総会も開いた、専門委員会にも付託をした。信じているとかいないとかいう問題じゃないでしょう。何がテーマだったのかわからないで何をやってきたのです。明快に答えてほしいのです。
#68
○参考人(和達清夫君) 申し上げます。
 実は、私は、あれが新しい諮問でありますかということを伺いに環境庁に行きました。私は新聞でそのことを知ったのであります。
#69
○矢田部理君 環境庁にお尋ねに行ったり、新聞て知らなければ――新聞で知ったということであなたは諮問を受けたのですか。何を言っているのですか。
#70
○参考人(和達清夫君) 私に手違いで通知がおくれたのだと思います。したがって私は伺いに行ったのであります。そうしてその諮問は前の続きであり、いろいろ情勢があるから新しく大気部会にそれを検討をしてもらうことになっておるということを伺ったのであります。で、私は、通知のおくれたのは非常に残念であるが、わかりましたと言ってそれで帰ったのであります。
#71
○矢田部理君 そうすると、もう一回確認的に伺いますけれども、会長にはまず諮問がなかった、会長は新聞で知って、何事であろうかといって環境庁に出かけて行って初めて知ったという話ですか。ひどい話だと思うのですが、環境庁、どういうことなんでしょうか。
#72
○国務大臣(小沢辰男君) 和達先生にそうおっしゃっても無理なんで、これはなぜかと言いますと、四十七年の何月でございましたか、例の告示を理想図として私どものほうが出しましたのですね、四十七年十月に。その前に和達会長に正式に、自動車排ガス規制について長期的な目標値を決定することについての御審議をお願いしたいという諮問を出しているわけでございます。それ以来、ずっと続いている問題でございます。ところが、いよいよ私どもが中間答申を得まして理想の旗を掲げました〇・二五という行政方針を、そのまま大気汚染防止法の許容限度の告示としての性格を持たすかどうかにつきまして検討した結果、当時の中間報告でも、技術の開発の状況を勘案をして決めるべきであるという答申の内容が中間報告にもございましたので、当時の毛利環境長官が大気部会にこの点について各委員の御意見を求めたい、お伺いしたいということで、八月からまた前の諮問の継続として行われているわけでございます。したがって、いま和達会長がおっしゃいましたのは、中公審の全体の会長としての和達先生にそういう連絡がなかったと、ただ新聞で見たら大気部会でそういう審議が始まっているように聞いたので、重要な点だから環境庁に会長としておいでになってお問い合わせをされたと、こういうことでございます。ですから、八月の時点で改めて環境庁が和達会長に暫定規制値いかんという諮問を出したのではない。この点は以上述べたような経過になっておるわけでございます。
#73
○矢田部理君 これもまた驚くべき話なんですね。中公審の大気部会、和達さん自身がその委員をやっておられるんじゃありませんか。あなたは担当委員ですよ。会長としての立場と大気部会の委員としての立場、両方持っておられるわけでしょう。いま大臣のお話によると、大気部会に話をしたんだから会長には話をしなかったんだと、こう言っている。その大気部会の委員であるあなた自身がわからずに、新聞見て環境庁に尋ねに行った。ここでも事実は全く説明――支離滅裂じゃありませんか。どういうことになっているんですか。
#74
○国務大臣(小沢辰男君) 政府委員から当時の状況を……。
#75
○矢田部理君 ちょっと待ってください。
 あまり詳しい説明をしてもらわなくてもいいですよ。私はどういう経過で再審議をするようになったのかということを聞いているんじゃなくて、もともと中公審として検討を要請されたテーマは何であったかを聞いているわけです。一々詳しい経過を、時間もありませんから、くどくど聞く必要はないんです、次の質問もありますから。だから、そのテーマもわからないで言ってみれば中公審は審議をしてきたのか、これじゃろくな答申が出るわけないはずであります。そのテーマという点にしぼってもう一回和達会長に答えていただけませんか。経過はいいですよ、そういうことでわかりましたから。
#76
○参考人(和達清夫君) テーマは、先ほど環境庁長官のおっしゃったとおりであると思います。
 なお、私は大気部会の部員でありますが、八月三日の大気部会に所用があって欠席いたして、その間で御迷惑をかけたかもしれません。それだけは申し上げます。
#77
○矢田部理君 どうも非常に心もとないのでありますが、慎重審議をしたという中公審が、その慎重審議の対象であるテーマは何であったのかについて、信じているとか、環境庁の言ったとおりだと思うというばかな話をしておられる。テーマが決まらない、会長がテーマについてわからない、委員であるあなたがはっきりしないで何を議論してきたのですか。だから、これからも問題にしていくいろんな議論の内容が、専門的、技術的な検討とはおよそ縁遠い、別の角度から議論がなされているんじゃありませんか。
 そこで、会長に伺います。和達さんに伺います。あなたは、自動車公害専門委員会がずっと行われてきましたけれども、その専門委員会の議事録を読んでおられますか。
#78
○参考人(和達清夫君) 読みました。
#79
○矢田部理君 その議事録を読んでいただければ、すでに幾つかの問題点が明らかにされておるわけでありますけれども、本来環境庁から依頼をされた検討すべき課題ではない、あるいは人命を尊重する立場から技術的に詰めろというテーマではない問題を非常にたくさん議論しているじゃありませんか。すでに、これはもう衆議院等でも明らかにされておりますので、あまりこまかく繰り返すつもりはありませんけれども、本来、八田委員長をお呼びして私はきょう追及しようと思っていたんでありますけれども、残念ながら出席しないということでありますので、和達さんにお尋ねをしますけれども、たとえば八田委員長がエネルギー問題も配慮した上で結論を出すべきだと、あるいは非常に厳しい規制をすれば、非関税障壁のおそれがあり、はね返りが心配だという経済や輸出入の問題まで話を提起をしている。こういうことも中公審が頼まれた、あるいは大気部会なり自動車専門委員会が委嘱をされた検討のテーマだったのですか、その点いかがですか。
#80
○参考人(和達清夫君) 私は、それらは専門的の審議の幅広い背景を話しているものと思います。したがって、私は、その審議のそれ自身の問題ではなかったのではないかと思います。
#81
○矢田部理君 いまおっしゃられたように、本来、要請をされた審議の対象ではない。ところが、このての話が至るところに実は出てくるわけですね。先ほどあなたは他の委員の質問に答えて、専門的に一生懸命にやってきたんだから、それを信頼すると言われておりますけれども、議事録読まれて本当に専門的、技術的見地から真摯に取り組んできたというふうにあなたは受け取られますか。
 まだ、ちょっとお待ちください。たとえば、八田さんはエンジンの専門家です。しかし、排ガス問題をめぐるエンジンについて、そう詳しいとは私は考えられない。そこで八田委員長から、エンジンの専門家を呼んで五十一年規制についての考え方や暫定値の考え方について専門的な立場から意見を聞こうじゃないかということで、エンジンの問題で専門家であるはずの八田さん自身が専門委員会で提起をした。そうしたら、片山委員は何と言ったかといえば、技術上の問題は専門家の先生がメーカーよりすぐれているとは思えない、メーカーのほうが上なんだと、こう言うのですね。いいですか。同時に、この自動車専門委員会に事務方として参加しておられた、後で聞きますけれども、小林課長、二十三回の自動車公害専門委員会で、本当にどこまでできるのかの判断はメーカーしかできないんだと、こう言うのですよ。こういう言い方をされる中で、結局エンジンの専門家にも当たらずにこの答申を出した。八田さん自身が自分のエンジン知識だけでは不十分だと思ったんでしょう。そういう提起をしているのに、石油連盟の代表や環境庁の役人の手によってこの問題はつぶされてしまった。その後、エンジン問題については専門的な研究をほとんどやった形跡なしにこの答申が出されているんですよ。議事録を見ればそのことは非常にはっきりしてきているわけですね。そうして、政治的な配慮だとか経済問題だとか、もともと専門家でもない人たちがあれこれと議論をしている。頼まれない配慮をしている。環境庁長官は衆議院の委員会で、圧力をかけてはいないとか、政治的配慮を求めたこともないということを言っておられるにもかかわらず、みずから政治的配慮をし、業界から、業界以上にすぐれた専門家はいないと言われると、エンジンに対する追求も怠り、これでどうしてまともな答申だと言えるんですか。報告書だと言えるんですか。その点もう一度見解を伺いたいと思う。
#82
○参考人(和達清夫君) 議事録を見まして、私は遺憾な点があったと思いまして、率直に反省します。しかし、それは第一に議事録についても現在検討する段階にありますので、その点もありますが、しかし、議事録にあらわれているのは別として、この専門委員会が熱心に良心的に私はやられたと信じておりますし、また、その技術においても、専門委員会から、ここに「自動車の窒素酸化物排出低減のための技術に関する評価」という本当に技術的の報告が出ております。もちろん、あの任命されたる専門委員がどういう非難もないほど正確、十分に行い得たかどうかということには、私も断言いたしかねるところありますけれども、審議会といたしましては、私はあの人たちが最善を尽くしてこの報告を出されたことを信じております。
#83
○矢田部理君 それは技術的な面、専門的な角度から真実を明らかにするということに最善を尽くされたのではなくて、政治的な配慮、企業に対するおもねりという点で大変最善を尽くされたんじゃありませんか。議事録が残された一番大きな証拠だと私は思うのですね。議事録にあらわれたことは別としてという言い方はないでしょう。その議事録によれば、これはもう取り上げたら切りがないほど幾つかの問題点があるわけですよ。いいですか、たとえば暫定値を決めるについても、燃費とドライバビリティーから決めたということになれば、世論に対する説得力がなくなってしまうと、だから、健康を一義的に考えて決めたんだと説明をした方が説得力があるという、別の観点から値を決めておる、どうやったら国民をごまかせるかという議論をしている感。専門委員会、良心的にまじめにやったと言えますか。昔、どこかの政治家に、足して二で割る方式というのがありましたね。〇・八と〇・九が出て、しょうがないから足して二に割ろうじゃないかと提案した八田委員長。さすがに委員の中からも、それは少し私はひっかかるという反論があった。中で決められた〇・八五という数値、これがどうしてまじめで良心的にやったと言えるんですか。再度、私たちに本当に会長としての気持ち、伺いたいと思う。
#84
○参考人(和達清夫君) 先ほどの議事録というのは、議事録でなくっていわゆる家本メモであります。しかし、それが全く根も葉もないものだとは私は申しませんから、遺憾に存ずる旨を申し上げました。しかし、専門委員会がこういうような話によってゆがめられたる結論を出して報告したとは思っておりません。私は専門委員会を、良心的に技術的に行ったということを信じております。
#85
○矢田部理君 あなたは、信じているとかそう思っているとかいう話が多過ぎるんですがね、その論拠といいますか、信じている根拠については何らの説明がない。会長としてテーマすらも明快に答えられない。ここまでくると、もう中公審の答申なんていうのはあなたは信用できても国民が信頼できますか。まともに取り組んだ専門家の良心に従った結論だと国民を納得させることができますか。こういう答申で国民の健康がなお一層これから冒され続けるとしたならば、あなた方の責任はきわめて重大じゃありませんか。八田委員長はやめるということを言われた。日本的責任のとり方の一つではありましょうけれども、八田委員長がやめたからといって国民の健康は守られません。これだけでたらめな審議の経過が明らかになったわけでありますから、そしてあなたは私ども以上に議事録その他の資料が手に入り読める立場にあるわけでありますから、もう一回まともにそういう角度から読み直してみて、あの答申は間違っていた、いろんなあれこれを考え過ぎてしまった、純粋な技術的、科学的結論ではないと、そういう本格的な見直しをすべきじゃないでしょうか。そういう立場に立つならば、私は、むしろあの答申はいろんな問題があったので中公審として撤回をすると、もう一回構成その他も考え直して再検討するというのが本当の中公審の立場じゃありませんか。環境行政はこれまでずっと中公審を隠れみのにして動いてきた。環境庁自身の誠実性もこれから詰めなきゃなりません。そういう意味で中公審は利用されてきた、その利用された中身がいま私が幾つか申し上げたとおり内容になっているとするならば、これはもはや何をか言わん。その点で会長としてもう一回自動車専門委員会を再編成して、改めて純技術的な観点から、専門的な立場から真実を詰めていく、その結論ならば私たちもあるいは国民も恐らく納得するかもしれませんけれども、これほどでたらめを天下の前にさらして、なおかつ信じていますと会長が言っても、それは国民はおそらく信用しないでありましょう。その点で反省しているとかいう言葉もあなたにはありましたけれども、もう一回あなたの態度を伺いたいと思います。
#86
○参考人(和達清夫君) ただいまのお話のようなことはすでに中公審の総合部会でも委員の中から出ております。しかし、中公審としましては、これだけ審議をいたしまして答申したものを再び白紙に戻して検討するということは重大なことでありまして、これは中公審の委員が決めるべきものであります。したがって、私はおっしゃる意味は、お言葉はよくわかりました。これを中公審の委員に伝えますとともに、中公審委員の意見をまとめたいと思う次第でありまして、私の意見を申し上げることは今日差し控えさしていただきたいと思います。
#87
○矢田部理君 中公審にとって重大だということじゃなしに、もっと重大なのは国民の健康と生活環境じゃありませんか。そのためにもし過ちがあったということを反省しているとするならば、謙虚に改めることにはばかっちゃならぬというのが私の考え方なんですよ。その意味で改めて中公審としてあの答申を撤回をし再検討するように強く要請をしておきたいと思います。
 それからもう一、二点和達さんにお伺いをしたいんでありますが、この答申の中で二年延期をするという内容が期間的になっております。ところが、この二年延期論をめぐって自動車専門委員会では、とてもじゃないが二年では無理だという話があった、三年にしろという要求もあった、ところが最終的に二年にまとめるに当たっては、二年先にもう一回暫定値考えればいいじゃないか、いま必要なのは政治的配慮なんだという発言があった、そうして二年にきまったとも議事録は伝えているわけです。そうすると、いま国民の世論が高まっていろんな追及を受けている、だから当面をごまかすためにきわめて政治的に二年延期論が自動車専門委員会から上がってきた、二年先はそのときのことでということで含みがあると言われておるけれど、その点会長としてどう考えられますか。
#88
○参考人(和達清夫君) 答申を読んでいただければよくおわかりいただけると思いますが、中公審としては最も厳しいというところの可能性があるのはここであるという趣旨で終始通しております。この文句の表現の問題かとも思いますけれども、中公審としてはもう少なくともこれにしていただきたいんであります。先ほど平尾参考人からの意見もありましたけれども、新しい技術開発というものを科学者的立場から強い目標に掲げるという意味でそういう表現もあるかと思います。
#89
○矢田部理君 きわめて心もとない返事なので、本当はもう少し詰めたお話を、質問をしたいと思ったわけでありますが、時間がありませんので、もう一つだけお尋ねをしたいのは、中公審の審議内容を記載した議事録あるいは自動車公害専門委員会のやつも同じでありますけれども、これを外に見せろ、公開しろという話が再三にわたってあります。環境庁は最初やや前向きの姿勢を示したようだけれど、結局は中公審自体の問題だというような言い方もしているようなんです。どうなんですか、中公審として。これだけ疑惑を深めた中公審として、内外にその事実を明らかにし、あなたがまじめにやってきたと信じたほうが正しいのか、国民の疑惑が正しいのか、それを明らかにするつもりはありませんか。
#90
○参考人(和達清夫君) 抽象的で恐れ入りますが、それらも今回の批判、疑惑の反省として真剣に考えて処理いたしたいと思いますが、いま中公審でそういうことを検討するという段階になっておりまして、私はそれをまとめる者といたしまして、ここで私の意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
#91
○矢田部理君 いずれにしても、中公審としてそのことを要請に従って検討をし、前向きに取り組んでみるというぐらいのお答えはできませんか。
#92
○参考人(和達清夫君) おっしゃるとおりであります。
#93
○矢田部理君 それから環境庁にお尋ねをしたいと思いますが、環境庁の役人の方が中公審や自動車公害専門委員会に事務方としてずっと参加をしてきたようですが、それはどういう立場、どういう任務で参加をしてきたのでしょうか、その点まず伺いたいと思います。
#94
○政府委員(信澤清君) 一般論でございますから私から御答弁申し上げます。
 二つの立場で参加いたしております。一つは中公審の事務を処理する、いわば中公審の事務局の立場でございます。もう一つは、諮問をいたしております環境庁の考え方を委員のお尋ね等に応じてお答えをするとか、あるいは資料を整えてお配りをするとか、この二つの立場で参加をいたしております。
#95
○矢田部理君 お尋ねもないのに積極的に環境庁としての意見を言う、あるいはその会議をリードするような立場にあったんでしょうか。
#96
○政府委員(信澤清君) 本件の場合は具体的な問題でございますので、直接その場に居合わしております大気局長から御答弁させていただきます。
#97
○政府委員(春日斉君) ただいま官房長から申し上げましたように、二つの立場で私どもは中公審の自動車専門委員会の席上に出席いたしておるので、したがいまして、私どもは、いわば私どもが諮問いたしておりますことの説明を主体にいたしておりますから、私どもが独自にその会をリードするようなことはないわけでございます。お尋ねがあればそれに対してお答えは申しますが、積極的に主導権を握ってお話をするというようなことは絶対に十六回の審議を通じてもなかったと思います。
#98
○矢田部理君 もう御存じだと思いますけれども、外に漏れ伝わった議事の内容等によれば、とりわけ小林環境庁自動車公害課長の発言が方々に出てくるわけであります。むしろ委員の議論をリードしている部分もある。のみならず、さっき私が一部を紹介いたしましたけれども、燐費とドライバビリティーから暫定値をきめたというときには世論に対して説得力がなくなる、だから、健康を一義的に考えたと説明をした方がいいんだという知恵までつけているんですよ、環境庁は。それだけではありません。技術の問題についても専門家などに聞くよりはメーカーの方がよっぽど上なんだ、できるかできないかの判断は結局メーカーにしかできないんだ、こういう発言まで小林課長はしている。いま言った環境庁の役人が参加した任務とは全く違うじゃありませんか。明らかに今回の中公審の答申というのは、私は環境庁とメーカーとそして中公審の共同謀議に基づくものだとしか言えないような内容なんです。もともと審議会が、言ってみれば規制を受ける側と、する方の立場に立つ人がまさに混淆して、規制を受ける側しかその技術能力については判断できないんだという環境庁の立場に立って進められるとしたならば、ろくな結論が出ないことはもうはっきりしているじゃありませんか。裁判官と被告が一緒になって、この問題の真否は被告しか判断できないんだという態度を裁判官がとったときにどういう結論が出ると思いますか。環境庁のとってきたこれまでの姿勢、審議会に関与した態度、非常に多くの疑惑が持たれています。これから姿勢を正すということではもとに戻らないんです。
 その意味で環境庁長官に最後にお尋ねをしたいと思うのでありますが、そういう一連の経過、環境庁の小林課長などがとってきた態度、これをまず第一にどう考え、どう責任をとるのか、これが一つであります。まずそれだけ。
#99
○国務大臣(小沢辰男君) どうも矢田部先生は、先ほど来から中公審の審議がこれほどでたらめだというようなことをおっしゃるんですが、これは四十六年に諮問しまして、四十七年の中間答申……
#100
○矢田部理君 経過は知っていますから、詳しいことは要りません。
#101
○国務大臣(小沢辰男君) そういう点をよく理解願えれば、私は、中公審の自動車専門委員会あるいは大気部会等が、先生のおっしゃるようなでたらめな審議をやってきておるというそういう批評は、われわれのほうからいたしますと、ぜひこれは御返上申し上げたいのであります。
 また、ただいま、いろいろ一部どちらのほうから流れたメモでございますか、この前私も共産党の不破書記局長から予算委員会において審議のメモ要旨につきましていただいて拝見をいたしたわけでございますが、これが公式な議事録でもございません。いろいろ、確かに委員の中で、業界にそういう状況を報告をされたりしたしたことについて、あるいはまた出席をいたしました委員の書記、あるいは手足として傍聴を許したというようなことについての不注意、手落ちというものは認めなければいけませんけれども、受ける側のみで業界とまさにぐるになって審議をした、これではろくな結論が出るはずがないとおっしゃいますけれども、私ども環境庁の立場は、本当に国民のための健康を守る立場から、できるだけ厳しい規制をもって、この技術開発の現状から見てできる限りの厳しい内容によってこの大気の汚染状態を改善したいというそういう気持ちで、また当然そういう任務で環境庁が立っておりますので、いわば規制を受ける側の立場でございませんで、むしろ規制を望む立場で、われわれがこの専門委員会等においていろいろ求められれば課長や局長が答弁をいたしておるわけでございますし、また御説明もし、自分たちの気持ちも率直に述べているわけでございまして、そういう点は、私、自動車公害課長にいたしましても、とにかくこの五十一年規制が相当の反対がありましても、ぜひ理想を達成するための手段として、五十年規制に追っかけてさらに五十一年規制というものを実現しょうというこの熱意だけでは、先生も率直にひとつお認めをいただきたいと思うわけでございまして、私は、小林君が責任というよりも本当にまじめに、熱心に、むしろ自分の職責を果たしておられる、かように最高責任者として考えておるわけでございます。
#102
○矢田部理君 最後に、長官は議事録を読んでまともにそうお答になるんですか。あれがまじめだという評価をするんじゃ私はがまんできませんね、あの発言が。
 時間もありませんから最後の質問に入りたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、非常に審議の経過や内容について疑惑を持たれている。疑惑を持つ根拠がある。これまで私たちは何度か議事録の公開を要求してきました。むしろ見せられないわけがそこにあったんだと見ざるを得ないわけです。委員の自由な発言を確保するためだという公式的な説明を今日までしてきました。しかし、委員ともなれば、それぞれの学識経験者などが選ばれるわけでありますから、自分の学識経験に基づいて、毅然たる発言をすればいいじゃないですか。それが批判にさらされることは当然のことじゃありませんか。とりわけこういう疑惑を持たれた段階では、一刻も早く議事録を公開をして、中公審や環境庁が言っていることが正しいのか、国民の疑惑が本当なのか、このことを明らかにする責任が環境庁としてあるだろうと思う。中公審もいま私の要望を入れて、改めて検討してみる、前向きで検討してみるという答えを出されました。環境庁としても、これから単に議事録を見せるというだけではなく、国民の健康にかかわる重大な問題については、その審議会は公開にすべきだ。議事録が外に漏れたことも問題かもしれませんが、それ以上に問題なのは、そこで審議されている中身なんであります。その点で、議事録の公開あるいは傍聴を含む審議会の公開について、これからどうされるつもりなのか、前向きで取り組む姿勢があるのかどうか、その点が一点であります。
 それからもう一点は、きょうこの委員会の冒頭で私どもは大気汚染防止法の一部改正案を提案いたしました。これは従来予定をされていた五十一年規制の中身を法案化しようということに尽きます。いよいよ提案をされましたから、この審議が当委員会を中心にこれから行われるはずでありますから、少なくともその審議の結論が出るまでの間は告示はやめるべきだというふうに私たちは考えています。立法府の審議を重視をして、行政先行型のようなやり方をやるべきでないというのが私たちの考え方であります。その点で、大気汚染防止法の一部改正案の審議が終了するまでは告示をしない、これまでの、あるいはこれの審議の経過の会議録等については公表をする、そして和達会長にもお願いをしたわけでありますけれども、いろんな疑惑に包まれた審議経過と答申でありますから、その答申の撤回を求めて、業界代表等は入れずに新しい委員を編成して再審議をさせる、こういう態度について明快な答弁、考え方を最後に承りたいと思います。
#103
○国務大臣(小沢辰男君) 公開の問題につきましては、和達会長がせっかく総合部会等をお開きになりまして、いま審議会の内部でいろいろと検討をされておられます。したがって、私の発言が、先ほども言いましたように、何らかこの審議会の自主的な運営の御相談、態度の決定に影響を持ってはいけませんので、私はここで明確に先生にお答えすることはいかがかと思います。
 ただ、この問題は議事録の公表との問題とも関連いたします。また、国民の声を聞く方法は他にも幾らでも考えられる道がございます。これら身含めまして、いま御検討願っておるわけでございますから、いましばらく御猶予をいただきたいと思います。
 ただいまは今後の問題を申し上げたわけでありますが、すでに行われました専門委員会なり大気部会なりの議事録の要旨を公開すべきではないかというお尋ねも含んでおりますので、この点については私は委員の先生方の御了解をまず得ることが第一だと思います。
 それから第二には、なぜ御理解を得なきゃいけないか、御了解を得なきゃいかぬかといいますと、やはり議事録というものは、先生のいまの御質疑を速記録で読んだ場合と、あるいはそれを要旨として適当に整理して書きまして出した場合、その先生のきょうの御審議のいろいろなニュアンスというものが読んだ人に果たして正しく伝達されるかどうかという点もこれは当然議事録の場合には出てまいりますので、重要な技術的な専門委員会の立場に立ちますと、やはりこの点が誤解を与えたりするような御懸念等もあると思いますので、私どもが正確に事務局としてつくりました議事録の要旨につきまして、先生方に十分見ていただきまして、御了解を得てやるべきものと思っているわけでございます。その場合に、過ぎ去ったいままでの討議の議事録につきまして、公表といいますか、必要な、たとえば国会の先生方なり各中公審の委員の方々なりにお上げするかどうかという問題につきましては、なお中公審の八田先生等、委員の先生方と私どもよく御相談を申し上げまして、同時に両院の委員長とも、お二人ともよく相談をして何らかの方途を見つけ出したいと、かように考えております。
 それから法案との関連でございますが、先生ももう十分おわかりのように、今度のものは、われわれが現行法の大気汚染防止法に基づいてこの許容限度をできるだけ早くきめまして、それに応ずる対応の仕方を早くとらせなければならないわけでございますから、行政庁としての当然の任務でございます。ただ、おっしゃるように、その内容等に関します重要な法案が提出中でございますから、御意見のようなお立場の御主張もあろうかと思いますけれども、告示はまさにこれは御承知のとおり法律、政令、省令、告示と、こうなるわけでございますので、行政上の措置でございますから、法案がもしかりに御審議の結果、当然どちらかに決定をされるわけでございまして、この法律が成立をいたした場合には、当然告示は法律上無効になるわけでございますので、法律が優先するわけでございますから、待つ待たぬの問題は、全然法律の審議なり法律の制定、成立とは関係がないわけでございます。影響がないわけでございます。その意味で私どもは先生方に十分御理解を願いまして、行政上の、先ほど言いましたように、例の告示は大気汚染防止法との関係におきますと、許容限度設定の告示ではございませんので、おくれればおくれるほど、やはりこれは受けざらとしてのメーカーの方はおくれた方がいいかもしれませんけれども、国民の健康を守る立場からすれば、できるだけ早く五十一年規制というものを告示しまして、その準備対応をとっていただく方がより重要だと思いますので、この点はぜひ御了解を得たいものだと考えておるわけでございます。
#104
○矢田部理君 いまの環境庁の長官の答弁には全く納得できません。しかし、時間がないからこれでやめたいと思いますけれども、やはり法案審議がそれにかかわるものとして出てきているわけですから、国会の審議について十分に傾聴し尊重する立場をとるべきだというふうに私は思うし、大幅に後退をした告示を出すことは、健康を守るなどという言い方をしておりますけれども、健康をかえって損なうことになる、国民の健康の立場から非常に重大な問題だというふうに私たちは考えますので、審議録の公開、あるいはその審議会の再構成等々の問題も含めて、あるいは答申の撤回の問題も含めて再度環境庁として検討をするよう強く要請して私の質問を終わります。
#105
○委員長(鶴園哲夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。
#107
○内田善利君 前者の各委員会の質問に関連しまして、私は、ただいま一番最後に入間の健康を守るという立場から云々という言葉がございましたが、それでは大気部会におきましてどの専門部会で――人間の健康を守ると、NO2の毒性あるいは光化学スモッグ、こういった点がどれだけ排気ガスとの関係があるか、そういった点についてどのような専門部会が開かれたのか、お聞かせ願いたいと思います。
#108
○政府委員(春日斉君) 自動車公害専門委員会の中でも再三にわたりましてその点は討議が行われております。
#109
○内田善利君 その内容が、私は、今回の答申の一番基本にならなきゃいけないと思うんです。国民がそういった光化学スモッグで突然倒れるような、あの四人のような、ああいう被害が起こらないようにするためには、ここのところを基本に私は諮問すべきじゃないかと、こう思います。最初、企業悪というような言葉が出ましたが、やはり基本は私たちはそこに置きたい、こういうふうに考えるわけです。そのNO2と、あるいは環境基準、あるいは光化学スモッグ、これと排気ガスとの関係、これについてまずお聞かせ願いたいと思う、簡単に。
#110
○政府委員(春日斉君) 自動車公害専門委員会でもたびたびにわたりまして光化学スモッグの専門家それから窒素酸化物の専門家を招きまして、参考人として招きまして討議を行われておるわけでございますが、それぞれの構成しておりますメンバーはそのような大気汚染に関する専門家を数多く含んでおりまして、そういったことから自動車の窒素酸化物規制との関連は十分に討議され、またそれが先生御指摘のようにスタートとなって〇・二五達成可能かどうかという工学的な、自動車工学的な検討がなされたように私は見受けております。
#111
○内田善利君 具体的にどういうことが論議されたのか、これが聞きたいんです。
 それじゃ聞きますけれども、あのような光化学スモッグは、この〇・六と〇・八五が実現した場合、そういう自動車が動き出した場合にああいう光化学スモッグは起こらないと断言されますか。
#112
○政府委員(春日斉君) 私どもは、専門委員会の中でも、あるいは大気部会の中でも、いわゆる〇・二五グラムの目標値を達成した場合、それから暫定値を二年間行ってその後〇・二五に移行した場合、あるいは五十年度規制、すなわち平均値一・二グラムで移行した場合、しからば、自動車の交通総量の方向とあわせ考えてみるとどういうふうになるか、これは専門委員会でも論議され、算定されております。したがいまして、先生がおっしゃいますように、光化学スモッグがいつになったらなくなるかというお尋ねでございますが、光化学スモッグ自身の未解明の問題が、まだ窒素酸化物及び炭化水素だけでは解決できないものがございます。なかなかむずかしいわけでございますが、少なくとも数年後、五、六年後、あるいはもう少しかかる、地域によってはかかるところもございますけれども、昭和四十年当時の空を取り戻すというようなこと、十分可能であるということが論議されたわけでございます。なお、固定発生源の窒素酸化物の低減の努力というものと組み合わせてまいりまして暫定値あるいは目標値そのまま適用したような場合に、環境基準をいつになったらどのようなぐあいで達成することができるか、こういったことも討議されております。
#113
○内田善利君 それではその専門部会にどういうお医者さんが、呼吸器系統ですね、あるいはその他のお医者さんが出られたわけですか。その医者の名前をお聞かせ願いたいと思います。
#114
○政府委員(春日斉君) 自動車専門委員会では慶応大学の公衆衛生の教授である外山教授が中心でございます。それから先ほども申しましたように、光化学スモッグの参考人を招聘いたしましてお話を伺っておるわけでございます。
#115
○内田善利君 先ほど岡参考人からいろいろお聞きしたわけですが、日本の現状に見合う規制値として、自動車台数よりも燃料の消費量を考えていくべきであると、こういうことでしたが、この燃料消費量だけを考えていきますと、光化学スモッグによる被害、これとの関係ですね、燃料の消費量を考えていく、その場合に、光化学スモッグとの関係、この点はどのようにお考えでしょうか。
#116
○参考人(岡並木君) 私先ほど実はその点にも触れたいと思ったのでございますけれども、アメリカの石油の使い方と日本の石油の使い方とを比較してみますと、たとえば自動車の燃料の比較ですと、ガソリンで一対二十四、それからすべての自動車を含めました場合に一対十七の開きがあるわけです。ところが、自動車、交通機関が使っている燃料以外の燃料、つまり固定汚染源が使っている燃料を比較してみますと、日本の一に対してアメリカは二・五と、非常にその比率が近づいてくるわけです。それでさらにアメリカと日本との違いは、つまり、固定汚染源と言っていいか、そういった工場のようなものがある場所が、都市よりかなり離れたところにあるチャンスが多いわけであります。ところが日本の場合は、それが都市のすぐ中に混在しているという事情があるわけであります。したがいまして、私が必配いたしますのは、自動車の吐き出す大気汚染物質というものはアメリカに比べて非常に少ないかもしれないけれども、その吐き出された汚染物質がひょっとしたらその固定汚染源から出てきている排出物に拡散を妨げられているんじゃないだろうか、あるいはそういったものとの混合、複合汚染が日本独特の何か問題を引き起こしているのじゃないだろうか、これは私すべて疑問であります、科学者じゃないからわかりませんけれども、そういう可能性があるんじゃないかということなんです。
 それからもう一つ私申し上げたいことは、沿道ではかりますと非常に高い濃度が出てくる場合があるわけです。ところが、それがあるメートル、ある距離を離れますと、非常に希釈されてまいります。その濃厚な地帯の中に居住する場所がどのくらい日本の場合はあるか、向こうの場合は、それが、その濃度な地帯に住まないで、もうちょっとバッファーゾーンを置いたところで住んでいるか、そういったようなことで、つまり実感として日本の自動車による汚染はひどいという実感はあるかもしれない、十分そういったようないろんな角度からこの問題を考えていただきたいと思って私は先ほどあれを申し上げたのです。
#117
○内田善利君 それと、もう一つお聞きしたいことは、酸化触媒を使った場合にこの触媒コンバーターから出てくる硫酸ですね、硫酸が非常によくないんじゃないかということを聞くわけですが、アメリカでも自動車に酸化触媒を使った場分に、一酸化炭素あるいはハイドロカーボンを除く、浄化のために使うわけですが、これらがだんだん低減ですか、少なくなっていくよりは、出てくる硫酸のほうが非常に人体に影響を与える、このようにアメリカの環境庁――EPAの聴聞会でこういう発言があった、こう聞いておりますが、こういった硫酸による被害、こういったことについてはどのように論議されておるわけですか。
#118
○政府委員(春日斉君) 酸化触媒に起きます硫酸ミストの問題は数年前からアメリカでも問題になり、わが国でも、もちろん環境庁でも注目いたしてきたところです。ただ、これなガソリン中の硫黄分が、SがSO2になり、さらに酸化されてSO3になり、それに水か加わってH2SO4硫酸になるわけでございますが、幸いなことには日本のガソリンは、レギュラーでもプレミアムのガソリンにいたしましてもアメリカのほぼ二分の一程度の硫黄分より含まれていないということから、硫酸ミストのできる割合がきわめて少ないようでございます。私ども環境庁でも四十八年に委託事業の一環といたしまして酸化触媒の硫酸ミストの問題を検討したことがございますが、測定法の今後検討もしていかなければいけませんが、ほとんど検出できない程度であるということで、私どもはそれほどこの硫酸ミストの問題は心配しているわけではございません。ただ、今後の問題といたしまして、私どもはアメリカが硫酸ミストの対策として考えておることはガソリン中から硫黄分を取るという手段、これは日本のガソリン程度のものにしたらどうか。それからもう一つは、何と申しましても硫酸ミストによる健康被害の実態がまだわかっていない、あるいら可能性もわかっていない、そういったことを検討しようということ。それから一番いいのはもちろん触媒を使わなくて済むような方法の検討でございます。それからもう一つは、酸化触媒をどうしても使う場合は、その酸化触媒の硫酸ミストに対する一つの基準値というものを設けてはどうかということをアメリカは提案しておるわけでございます。そういったことは私どもも十分承知の上今後この酸化触媒対策はさらに続けてまいりたいと思います。現状といたしましては申し上げたとおりでございます。
#119
○内田善利君 私はこれを聞きまして、NOxの場合はPCBとか水銀等とは違って蓄積性もないし、薄まっていくわけですけれども、この亜硫酸あるいは硫酸の場合は何といいますか、非常に残るわけですね。私もかつて四年間ぐらいその実験服を着たことがありますが、結局すそのほうがぼろぼろになるのは硫酸なんですね。一年あるいは二年たってぼろぼろ穴かあいてくるのは硫酸――いま少量だったら大したことはないと、こういうお話ですけれども、少量であってもH2SO4がくっついたら最後ぼろぼろになっていく、脱水性が強いから。ですから、私はこの硫酸が排気ガスの中から出てくるということになるとこれは大変だ、こう思います。まして、これが重金属と一緒になって粉じんと一緒になって肺の中に入るとかいうことになれば、これは大変だと思います。そう簡単に日本の場合は安全だと思うと、こう言ってもらっては困るわけです。そういったことを専門家部会でお話しになったんだろうかと、こう思うわけですね。私がえらそうなことを言ったって間違いが多いと思いますけれども、そう簡単に硫酸が少量だから大丈夫だと――ガソリンにしてもサルファは〇・〇三%は含んでいるわけですから、アメリカよりも少ないと言ったって、それだけ含まれておれば――あるいは軽油になるとまた多いわけです。ですから、これが排気ガススの中から出てくることになれば、やっぱりCOとかHCも悪いけれども、硫酸の場合は特に悪いんじゃないか、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#120
○政府委員(春日斉君) 先ほども申しましたように、環境庁もこの問題について決して無関心で分るわけではございませんので、つとに、四十八年度にはそういった実験も行ってきたわけでございます。今後そういったことはさらにフォローアップしていかなければならないと考えております。
#121
○内田善利君 それから還元触媒はどうなっているんでしょうか。これは使用されるおつもりなのか。東洋工業の河野参考人あるいは杉浦参考人、あるいは岩越参考人にお聞きしたいと思いますが、還元触媒についてはどのようにされるつもりか。
#122
○参考人(河野良雄君) 還元触媒につきましてはただいま研究中でございまして、まだ何とも結論めいたことを申し上げることができない状態でございます。
#123
○参考人(杉浦英男君) 私どもも還元触媒について勉強はいろいろとしておりますけれども、私どもとしては使わないでいきたいと考えております。
#124
○参考人(岩越忠恕君) ただいままだ研究の途中でございまして、どういうふうに使っていくかということについてのまだ結論を得ておりませんので、お答えがいたしかねる状態でございます。
#125
○内田善利君 鈴江参考人はこの点についてはどのように討議されておりますか。
#126
○参考人(鈴江康平君) せっかくの御質問でございますけれども、私その専門家でございませんものですから、お答え申しかねるわけでございます。
#127
○内田善利君 私質問間違ったかもしれませんが、新技術開発事業団の理事長ということで、新技術の開発ということで還元触媒等は研究あるいは討議、検討されておると、このように思ったんですけれども、全然やっていらっしゃらないわけですね。
#128
○参考人(鈴江康平君) はい。
#129
○内田善利君 わかりました。還元触媒が開発されればNOxのほうは〇・二五不可能ではないと思うんですけれども、なかなか技術的にむずかしい問題があるようでございますが、わかりました。
 その次に質問したいことは、岩越参考人にお聞きしたいんですが、お話の中で五十一年規制は何とかして早く市場に出したいと、そういうことで研究してきたと、〇・二五を目標にしてやってきたがどうしてもできなかったと。そこで暫定値を出せということでこれに向かって努力をしてきたと。ところが今回暫定値が出て、これはさきの目標値を上回っているので、これに対してまた努力している、非常に困っているということですが、暫定値を出せということでこれに向かって努力をしたということですが、この暫定値は環境庁から言ってきたと思いますが、いつ、どういう暫定値で努力をしようと言ってきたのか、その点をお聞きしたいのですが。
#130
○参考人(岩越忠恕君) ちょっと、私、日にちについては記憶が定かでない点がございますけれども、昨年の六月の二十日ぐらいだったと思いますけれども、五十一年規制値の〇・二五の数値が可能かどうかということについての御調査があったわけでございますが、そのときに、当社といたしましては〇・二五を達成することは不可能であるということを御返答いたしたわけであります。そのときに、それでは暫定値というものについて考えるかというお話がございましたけれども、当社といたしましてはその当時暫定値というようなことは考えておりませんでした。したがいまして、それについてお答えするのには当社の研究の実態から判断してお答えをしなければならないということで、七月二十日までそれでは猶予を出すからそのときに、期日に数値を出せということで、当社としての研究目標、それでは急にそういうお話でございますから一応目標値はわれわれのほうとしては決めてお答えをいたします、しかし、それが実際に可能であるかどうかということについてはなお時間をいただきたい、こういうお話をいたしまして、その御回答が出してございます。そういうことが実情でございます。
#131
○内田善利君 その暫定値は幾らにされたのですか、そのときの研究目標値は。
#132
○参考人(岩越忠恕君) 大体五十年の数値の二五%減ということを一つの研究の目標にするということで御回答いたしました。
#133
○内田善利君 五十年規制値の二五%減ですか。
#134
○参考人(岩越忠恕君) そうです。五十年の数値の一・二グラムに対して二五%減らすという御回答をいたしました。
#135
○内田善利君 それでは、一・二グラムの二五%減を目標にやったのは幾らですか、〇・九ですか、で努力してきた、研究してきた、こういうことですね。そして、その後暫定値が出たのでまた困っている、こういうお話だったのですか。
#136
○参考人(岩越忠恕君) いま内田先生がおっしゃるとおりでございまして、二五%減らすということは〇・九でございます。それに対して、それができるようにということで一応研究目標として研究員に示したわけでありますから、それの数値が可能を確かめておる最中でございましたところが、だんだんそうではなくて、実際にいま中公審から出ております、一応われわれが新聞で知っておりますところの数値というのは〇・六と〇・八五、こういうことになっておりまして、われわれのお答えした数値とは違っておる、こういうことで、研究者としてはもう一回またそれについてやらなければならない、こういうことでございます。
#137
○内田善利君 〇・九を目標にしてがんばってきたけれども、また〇・六になって困っておる、そういうことのようですが、平尾参考人あるいは家本参考人にお聞きしたいと思いますけれども、昭和四十五年に運輸省の運輸審議会の自動車部会の委員でもあられたわけですね。その結論はどのようになっておりますか。平尾参考人からお伺いしたい。
#138
○参考人(平尾収君) ちょっといまそういう御質問をいただくと予期しておらなかったので、いまちょっと記憶がございませんが、そのときに暫定値という、〇・九とかそういう話は出てなかったと思っております。
#139
○参考人(家本潔君) 私もとっさのことでその当時の設定目標値をいまお答えするほど記憶しておりません。
#140
○内田善利君 そのときの結論は、報告書は〇・六なんですね、NOxが。思い出していただけたと思いますが、NOxが五十年達成目標〇・六グラム。これは昭和四十五年です。昭和四十五年に〇・六グラムの規制値を目標にされておるわけです。昭和四十五年にあのような目標が立って、そしていま言われるような〇・九――一・二から〇・九、また〇・九から〇・六となっては困っているということですけれども、運輸審議会の自動車部会では昭和五十年達成目標〇・六と、こういう目標が出ているわけですから、私は突然だったとか、また〇・二五は非常にむずかしいとか、そういうことはなかなか言えないんじゃないかと思うのですけれどもね。もう四十五年にあのような結論が出されておる。目標値、もちろん低減目標値でありますけれども、そうやろうということが行われておりながら、〇・九あるいは〇・六というようなことが大きなメーカーの代表者の方で言われているということはどうも納得がいかないんです。いかがでしょうか。
#141
○参考人(平尾収君) いま〇・六というのが出ていたということを伺いましたが、どうもちょっと私記憶にございませんが、私はむしろこの七十年、あるいはその少し前でございますが、研究者といたしまして排気浄化のことが非常に重要だということにやはり気がつきまして、それで常に私としては研究の目標は現在の測定技術で針が振れないところをやはり目標にしたい――これは大学などにおる立場で、ある意味では少し夢のような話だと言っていろいろひやかされたりもいたしましたけれども、結局、研究というものはやはりどういうことでどこまで進むものか、これはやってみなければわからないものでございます。そこで、私はむしろ、そういう中間的な〇・六を目標にする、そうすると、それが達成できればもう万々歳という一種の気のたるみも出ますので、私としてはいつでもゼロをねらおう、こういうことでいろいろ批判も受けた次第でございますが、そういうようなことでございましたので、やはりそのときのいきさつは記憶がなくて申しわけないんですが、達成できる数値として出されたものではなかったんではなかろうかというふうに思っております。これは実際やってみますと、その当時でもそういうふうにきれいにできるとは事実研究者の一人として、思えなかったわけでございます。それで現在の五十年規制の達成も、どうやればできるかということすらなかなか思いつかなかった時代でございます。
#142
○内田善利君 お話、わからないでもありませんが、この場合、COは七グラムになっております。ですから、COは七グラムでNOxが〇・六ですから、そういった関係でこのような目標ができたのかなと思ったりしておるわけですが、いずれにしても先ほども日産とトヨタの代表、参考人の方から、トヨタは五十一年末までに生産台数の一〇%、日産の方では五十一年末に五〇%と、こういうことですから、私は日本の自動車メーカーの技術でこれが達成できないというのはどうも不思議でならないんですけれども、やはりもう少し技術陣を総動員して、企業秘密ということじゃなくて、こういった問題は国家的な立場で技術開発をしていただきたいと、こう思うんですね。それと同時に、中公審の審議会のことが現在問題になっているわけですが、あまりにも秘密過ぎる、ところが秘密じゃないんですね、たくさんの、通産省、運輸省、環境庁、各課員も参加している。私たち議員が参考人として、審議中に、和達会長あるいは八田委員長を呼ぼうと、こう論議したことがあります、理事会で。しかし行政面にタッチするのは圧力をかけることにもなりかねないから、まだ呼ぶのはやめようと、やっぱり三権分立という立場から、答申が出るまで待とうと、こういう紳士的な理事会を開いたわけです。ところが、あにはからんや、内容は、そういった傍聴者がたくさん行っておられたと、こういうことなんですが、私は、それならばそれなりで、もう少しいまの審議会のやり方を変えるべきじゃないかと思います。もう少し公聴会をどんどん開いて、国民の皆さんの声を聞く、また一般の専門家の意見を聞く、もっともっと理学的な立場で論争していただく先生方も呼ぶと、こういう姿勢が今後は欲しいと思いますね。公聴会で意見も具申する、提言もする、そうしていって、国民のコンセンサスを得た上でこういう規制ははっきりしていただきたい、そして、できたならば完全に守っていくという姿勢が必要ではないかと、何回も何回も暫定値をつくって、そして最初に決めた目標を達成していくというやり方じゃなくて、公聴会制度をもっと広げていったらどうかと、このように思うんですけれども、長官、いかがでしょう。
#143
○国務大臣(小沢辰男君) 中公審の審議の過程において、公聴会等の、やり方にもいろいろやり方があろうと思いますが、そうした方向を考えていただくことは一つの私はたいへんいい考え方だと思いますので、わが国の公聴会のやり方は国会の公聴会がございますが、環境庁なりあるいは中公審そのものがいろいろ整理なりあるいは規制を加える権限がございませんので、どういうような公聴会のやり方をしていったらいいかということも検討をいたしまして、しかし、先生がおっしゃるような必要性は非常にあると思いますので、何らか方途につきまして検討を進めていきたいと考えております。
#144
○近藤忠孝君 午前中の最後ですので、もうしばらくごしんぼうください。
 最初に、和達参考人にお伺いいたしますが、先ほどの矢田部委員の質問に対して、いろいろ問題のある審議経過があったので、再審議、再検討、中公審の委員に伝えて、その判断に従う、こういうお話がありました。総合部会が三月上旬にあると聞いております。そうしますと、その場でそのような判断をお求めになるのかどうか。となりますと、その前に環境庁のほうが告示をすることはまたおかしくなってまいりますが、大体、いつごろこの部会を開いて、どのように再検討のお話をされるのか、これについてお答えいただきたいと思います。
#145
○参考人(和達清夫君) 少なくとも三月六日の中公審総合部会において検討いたします。ただし、その日に結論が得られるかどうかは申し上げかねると思います。
#146
○近藤忠孝君 そうすると、環境庁長官、その前には少なくとも告示はできないということになりますが、いかがでしょうか。
#147
○国務大臣(小沢辰男君) 先生の論理のようには私ども考えられないのでございまして、中公審でまたそういうような結論のありましときは、そのときに私どもはやっぱりそれに処していきたいと思います。私どもは四十六年からもう諮問をいたしておりましたのが、非常に長い間の御検討を経て今日まで来ておりますので、また先ほども言いましたように、この点は先生方と若干考え方の違う面もあるかもしれませんが、やっぱりなるべく早く告示をして、そうして規制の対応をさせませんと、やはりこの五十一年規制の実現というのがそれだけおくれることになりますので、私どもとしてなるべく早くやはり告示をして、急いで技術的な対応をとらすべきだと、かように考えておるわけでございます。
#148
○近藤忠孝君 いまのお話によりましても、少なくとも三月六日の以前には告示はできない、このように判断できますが、どうでしょうか。
#149
○国務大臣(小沢辰男君) 私は最初に申し上げましたように、先生の論理のような帰結には私はならぬという意味で御説明申し上げておったわけでございます。
#150
○近藤忠孝君 しかし、答申をした中公審が、もう一度再検討すると、そうしていまの長官の答弁では、そういったことも十分に考慮してと、そのときになってみなきゃわからぬと、こうなれば、少なくとも三月六日以前には告示をしたらおかしいことになるんじゃないでしょうか。
#151
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは告示をいたしましても、その後の技術開発が何らかの方途で非常に進んできて、十分可能性が、いまの暫定値あるいはそれ以上の――先ほどちょうど平尾参考人の御意見を承っておりましたら、燃料の革命と言うんですか、メタノールそのものがあるわけでございますが、それが十分確保されるというようなことになれば、一万キロ走った実験では、〇・一七という数字も出ているそうでございますので、そういう事態が出れば、これは告示にこだわらず、いっても――告示というものは行政のやり方でございますので、法律でございますと、法律の改正は、国会が開かれて、その審議が終わらなけりゃできませんけれども、告示というものは、性質上いかようにでも変更できるわけでございます。したかいまして、その点は、私どもが今日たとえ告示をいたしましても何ら影響はないんじゃないかと、かように考えておるわけでございます。
#152
○近藤忠孝君 まあここでそのことをこれ以上議論するつもりはありませんが、少なくとも答申をした中公審が、再検討についてもう一度諮りたいというわけでありますから、そのことは十分に重視するように求めたいと思います。
 次に、豊田参考人にお伺いいたしますが、これは専門委員会でも問題になりました。トヨタでは窒素酸化物一・〇から一・一でなきゃならない、こう言っておったわけでありますが、〇・九ができるという資料が、ある先生から環境庁長官に渡ったと、この事実が大詰めの十二月五日の専門委員会で明らかになりました。八巻委員から、そんなものあったのか、委員会に配られた資料との関係でどうなるのか、こういうことで大騒ぎになりました。これは御承知だと思います。この〇・九が可能であるという、この資料はどこに提出されたのか、御答弁願いたいと思います。
#153
○参考人(豊田英二君) お答えを申し上げます。
 私どもは〇・九は可能だということを申し上げたつもりはございませんで、〇・九を目標にして研究を進めることにいたします、その結果は、一年後にもう一度お聞き取りをいただきたいというようなことを申し上げたことはございます。先生のおっしゃる点については、ちょっと私わかりかねるのであります。
#154
○近藤忠孝君 その中身についてはこれから開こうと思っておったんですが、いまこの議事メモでも明らかになりましたが、書いた人ここにおるわけですが、どういう中身にしろ、ともかくいままで言っておったことと違うことを長官に渡したという、その渡した経路ですね。しかもある先生とまでなっています。このある先生とはだれなのか、どういう経路でいつ渡したのか、この点をお聞きしているのです。
#155
○参考人(豊田英二君) その点について私は存じません。
#156
○近藤忠孝君 知らないとは大変不見識な話だと思うのです。と申しますのは、この問題はすでに一月三十一日の衆議院予算委員会におきまして、不破哲三氏が具体的に資料をもって明らかにしました。となれば、このことはトヨタ自工が中公審をごまかし、さらに国民をごまかし、いわば利益のためには健康までも人をごまかすことによって阻害する可能性があるという、こういった疑いを日本じゅうに明らかにしたという事実であります。いわばそういったことが疑われている会社の社長として、果たしてそんな事実があったのかどうか、この事実は確かめてしかるべきだと思うのです。こういった事実が明らかになったこと自身を知らなかったのかどうか、まずお答えいただきたいと思います。
#157
○参考人(豊田英二君) 私としては、その事実について存じないことを申し上げたいと思います。
#158
○近藤忠孝君 私が聞いておるのは、不破哲三氏が衆議院の予算委員会で明らかにした事実、要するに公表されたという事実ですね。その中でいま、ある先生を通じて〇・九ということが環境庁長官に渡ったという、そのことが公表された事実をあなた知っているのかどうかという、そういうことなんです。
#159
○参考人(豊田英二君) 不破先生がお話しになったことは承知いたしております。しかしながら、私どもが〇・九が可能であるということを申し上げた事実については存じません。
#160
○近藤忠孝君 ですから、一月三十一日に大変重大なトヨタ自工の名誉にかかわる大問題が明らかになった。となれば、その会社の最高責任者として当然どういうことなのか、ある先生を通じて長官に渡ったとなれば、そのことがあったのか、なかったのか調べてしかるべきじゃないでしょうか。しかも、きょうのこの当委員会に出席される当然準備をされたと思うのです。となれば、この重大な事実について当然調べてしかるべきだと思うのです。その事実を調べないで来られたのかどうか、いかがですか。時間ないんで早く言ってください。
#161
○参考人(豊田英二君) 事実については、申しわけありませんが、調べておりませんので、私としては存じないのでございます、〇・九の問題につきましては。
#162
○近藤忠孝君 その事実を聞いているんじゃないですよ。その事実はまた後で聞くんだから。
 となりますとね、この事実を国会で当然――昨日も衆議院で中島議員が聞いております。となれば、当然聞かれるのはわかっておってしらを切る。ということは、この事実はまさに事実だ。そう言ったということをよけい立証したものと思います。
 それじゃあ、逆にいま言われた中身の問題ですが、もう一度、どういう中身であるのか、〇・九の問題について中身について御答弁願いたいと思うのです。
#163
○参考人(豊田英二君) 先ほど申し上げました〇・九については、私どもはこれを目標にして研究をいたしますということを申し上げてきたわけであります。で、その目標はおおむね五十二年ないし五十三年をめどにして研究を進めますということを申し上げてきたことを承知いたしております。
#164
○近藤忠孝君 議事メモによりますと、これは、そんな研究という、そんな段階のものじゃなくて、これは小林さんの発言です、トヨタは〇・九ならできると言っていると。ですから〇・九という数字をもらっても、それは事務当局としてはどうしようもない、こういった発言まで出ているたいへん具体性のあるものなんです。こういう議論されているその数値が単なる研究段階のものだという、そういったことはだれも信用しないんですよ。その事実をあなたの部下ならわかるでしょうから聞いて、ちょっと明らかにしてください。
#165
○参考人(豊田英二君) 先ほど来申し上げておりますように、私どもは〇・九ができるということを申し上げた覚えは一切ございません。目標にして研究をいたしますということを申し上げた段階でございます。
#166
○近藤忠孝君 こういう重大な場所で、当然予想される質問に対しても準備もしてこなかった、いわばこれはしらを切ろうということしか考えられません。ですから、いまの研究段階だというお話も私どもはとうていいただけない。やはりこの議事メモのとおり大変重要な資料が渡されている。しかもそのことをトヨタ自工は隠そうとしている、このことを指摘しなければならないと思います。要するにこの議事メモの経過を見ましても、ともかくも専門委員会としては、いままでのトヨタの数字、一・〇−一・一というそういう数字を信用してきたのが、最後にどんでん返しになって、〇・九ということで大あわてにあわてた、こういう事実が残っているわけであります。要するにメーカーの言いなりになる専門委員会であるということ。しかも小林課長怒っています。メーカーの言うことが信用できないと、こうまで言っているのですね。しかも、このメモはここにおられる青木さん、家本さん、この関係として書かれている。いわばあなた方の身内が、自分たちは信用されないと、こういったことが小林課長の発言中出ているわけですね。となりますと、こういうような環境庁すらもが信用できないと言っているこの数字、いわば信用できない数字によって数値を決めてしまったと、これが経過であります。
 そこで長官、あなたの部下が信用できないと言っているこういう数字で決めたことについて、一体どうお考えになるのか、御答弁願いたいと思います。
#167
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、私どもの小林自動車課長は、この答申の一トン未満〇・六、一トン以上〇・八五というやつを信用できないとか、そういうようなことを言うとは考えておりませんし、これは当然中公審て相談――慎重に審議をされた結果の答申でございますから、その点は小林君が決めた数字でもありませんし、ちょっと御質問の趣旨がよく受け取れない。
#168
○近藤忠孝君 いまも言ったとおり、疑われる側のメーカー側から来ている二人の関係でできたメモの中で、いわば自分たちの不利なことが書いてあるわけですね、はっきりと小林さんがこの中でメーカーの言うこと信用できないと、こうまで言っているわけなんです。ですから、そういう点ではいまの長官の答弁ちょっと私ども納得できませんけれども、時間がありませんので次の点に移りたいと思います。
 青木参考人が来ておりますのでお伺いいたしますが、青木さんはいまの職につかれる前はどこにおられたか。
#169
○参考人(青木道一君) 私は自動車工業会へ参りますまでは、通産省の工業品検査所というところに勤務をいたしておりました。
#170
○近藤忠孝君 それは昭和四十七年まで工業品検査所の総務部長をやっておられた。
#171
○参考人(青木道一君) 昭和四十七年の一月いっぱい、ただいまのとおりでございます。
#172
○近藤忠孝君 そこで岩越参考人にお伺いいたしますが、八月三日の中公審大気部会に川又氏の代理で出席しましたが、これは日産自動車の社長としてお出になったのでしょうか。
#173
○参考人(岩越忠恕君) 中公審の大気部会に、会長が委員でございましたが、病気のために欠席をすると、こういうことでございました。なかなか大変な委員を仰せつかっていらっしゃるというふうにわれわれ思っておったものですから、その模様を知らずに次の委員会に出るということでは責任が全うされないんではないだろうかと、こういうふうにお考えになって、かわりに傍聴、出席をさしていただけますかということを伺いました。私が伺ったんではないんですけれども、秘書から伺いましたところが、代理として出席することは認められない。したがいまして、委員の席には着くことはできないということでありまして、私は後ろの方で傍聴をいたしておりました。
#174
○近藤忠孝君 要するに日産の社長としてお出になったということのようですが、そこでお伺いしたいのは、青木参考人はたとえば専門委員会の出席は家本氏の指示に基づいた、それからさらに大気部会の出席は中村専務理事の指示に基づいたということでありますが、いわばこれは自工会の一員としてですね。それが日産の社長の秘書にいつなったんですか、この点伺いたいと思います。
#175
○参考人(青木道一君) お答え申し上げます。
 いまお話がございましたように、岩越社長さんに随行いたしました件につきましては、岩越さんから私どもの方の専務理事の方へ、随行してもらうのに適当な人をというお話があったそうでございまして、専務理事のほうから私へ随行するようにという御指示がございましたので随行をさせていただいたものでございます。
#176
○近藤忠孝君 結局どんな理屈をつけましても自工会の人々、いわば中公審に対してフリーパスだったということがますます浮き彫りになったと思うんです。
 そこで、時間がありませんので、最後に和達会長にこれは要望いたします。いまの経過、さらに環境庁の課長ですらもが信用できないと言うメーカーのデータ、そんなものが問題になっております。ですから、三月六日に開かれます総合部会、そこではぜひとももう一度慎重に検討して、さらにいい結果を出すように、このことを求めて私の質問を終わりたいと思います。
#177
○参考人(和達清夫君) 御趣旨、よく承知いたしました。
#178
○委員長(鶴園哲夫君) それでは、午前中の審議はこれで……。一時間休憩をいたしまして、三時五分から再開いたしたいと思います。
   午後二時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時六分開会
  〔理事山内一郎君委員長席に着く〕
#179
○理事(山内一郎君) それでは委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 井上吉夫君、上原正吉君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君、川野辺静君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#180
○理事(山内一郎君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#181
○栗原俊夫君 同僚委員からおおむね質疑は尽くされておりますか、数点について、わずか二十分ですけれども、質問さしていただきます。
 先ほど話を聞いておりますと、今回の五十一年自動車排ガス規制についての答申について、一体これはどういう諮問に対して答えているんだというようなことが論議され、政府の説明では、これは長期設定についての諮問についての継続なんだと、こういうような説明があったわけなんですが、中間報告で報告がされ、それが四十七年の目標設置告示になっておって、五十年の実施告示をする段階ではこのような事態はあったのかなかったのか、私は議席を持っておらぬからわからぬのですけれども、五十年度規制の実施告示をする段階で、四十七年規制にこういう数字を出したけれども、それでいいのか悪いのかというようなことを特に審議してもらったのかどうか、その経過をひとつ。
#182
○政府委員(春日斉君) 四十七年の十月に出しました中間答申には、「許容限度の設定にあたっては、防止技術の開発状況を勘案して行なうべきであり、その場合においても、許容限度の設定年次をいたずらに遅らせることは厳にさけるとともに、技術的に可能な限り最もきびしい許容限度の設定を行なうものとする。」、こうございまして、私どもが五十年度の実施に当たりまして各メーカーの技術を勘案するに、これはできるということで、これは最も厳しい設定を行ったわけでございますので、特に自動車公害専門委員会でこの件についてお尋ねをした経過はございません。
#183
○栗原俊夫君 そうすると、今回は特に五十一年の実施告示をするに当たって四十七年の目標告示の内容は少しく酷である、酷であるというよりも技術的に少し困難がある、こういう判断は環境庁がして、そういう観点に立ってどうなんだということを審議してもらうということを、先ほど話によれば大気部会にお願いを申した、こういう経過ですか。
#184
○政府委員(春日斉君) そのとおりでございまして、私どもは五十一年度規制を行うに当たりまして、四十七年度の答申にありますように、先ほど申しましたように防止技術の開発状況を勘案して許容限度の設定を行えということでございますので、六月から各社を呼びましてヒヤリングをいたしました。ところが、五十年度規制のときと違いまして、すべてどのメーカーもできない、技術的に不可能であるという答えが返ってまいりました。そこで、しからばどうしたらよろしいか、そういったことを大気部会にお願いしたわけでございます。
#185
○栗原俊夫君 和達参考人にお尋ねしますけれども、私は、中央公害審議会なるものは環境庁の行政を行う上で最大の諮問機関というか指針を示す組織である、したがってこれは国民の命と健康を守る、言うならば最大のとりでである、このように考えております。もちろん中公審から答申されたものをそのまま環境庁がうのみにしておるなどと環境庁をないがしろにするような考え方はございません。もちろん答申を十分参考にして環境庁の責任において諸行政が行われておる、それは当然だと思うんでありますけれども、しかし、実際にはやはり何といっても中公審の答申そのものが重大な意義を持つ。そこで和達参考人は中公審の会長として、われこそ日本一億一千万の国民の命を守り健康を守る、そのとりでの長なんだという決意がありますか。そういう自覚がありますか。私は朝来からのあなたの態度を見ておると、その決意がありながらまさにたな上げされ、ピエロにされておる、言うならば答申の署名人にだけ使われておる、こういう怒りが胸の中にぎりぎりして耐えられないという態度を見ておるんですけれども、この辺の心境を率直に吐露していただきたい。
#186
○参考人(和達清夫君) 私は公害問題にはずっと前から及ばずながら私なりの努力をいたしてきたつもりであります。中央公害審議会の会長を仰せつかりましても、私は公害問題の重大性を思い、責任を感じ、誠意をもって努力しておるつもりでございます。
#187
○栗原俊夫君 どうも和達さんが会長として日本の国民の命と健康を守ると、いま少し元気出してやってもらいたいですね、どうも。全く頼りない。そんなことで日本の国民の命と健康が守れますか。いま少し元気出してもらわなきゃとても信頼ができませんよ。あなたにかかっているんですからね。端的に言えば、いま中公審の会長として、言うならば環境庁行政の正当性を裏づける隠れみのの長として、私はピエロに使われておる、こう言うんですけれども、先般テレビ放送で世界の文明の発達と興亡の放送がありました。日本は、日本文明はどうやって滅びるか、公害で滅びるだろうということが大体結論のようでありました。端的に言えばアウシュビッツの日本版の仕掛け人になる、そういう危険があるのが、和達さん、あなたの立場じゃないですか。いまこそあなたは本当に腹をくくってがんばってもらわなきゃなりません。先ほど来のいろいろな論議の中で、もちろんそれぞれの部門で審議がされたことはわかっておりますけれども、決して完全ではない。特に自動車専門委員会では、あの目標数値が達成できるかできないかの技術的な論議がされる場所であると思いますけれども、少なくとも中公審の答申としては、もしそれが達成できないならば、環境基準を守るにはそこでへこんだ部分をどうするのかという具体的な方向までやはり出すべきであると思うのですよ。〇・二五グラムはただ単にマスキー法で言ったからといってでたらめにまねをしたとは私は考えません。少なくとも日本におけるいろいろな状況から科学的に勘案して、環境基準を守るには、この〇・二五グラムというものをなし遂げて、そうして数年の後に環境基準、国民の命と健康を守る条件をつくり出すんだと、こうあったはずだと私は信じておる。ただ技術的にできなかったから後退する、そうして税制等の優遇措置でこれを糊塗していく、こんなことではとても命と健康を守る立場を本当に守り抜いていく中公審の立場としてはわれわれは納得できませんが、あなたはこれで万全を期しておる、これで一億一千万国民にこたえられるのだ、こういう自信がありますか。
#188
○参考人(和達清夫君) 中公審において委員が誠意をもって熱意をもって行ったことであります。はなはだこの結論は遺憾な点もありますけれども、現状においてはやむを得ないということにおいてこの答申案を出した次第であります。
#189
○栗原俊夫君 どうもいま少し責任を持った立場をとってもらいたいんですよ。同僚議員からいろいろと審議の過程等も論議されてきております。実証もされてきております。技術的にはそれでは自動車専門委員会でやったと。それでは命と暮らしを守る中公審としてはそれだけ後退してもいいんだと、これで命と健康が守れるんだという論議をどこでどうやったんですか。そこではっきり自信が持てる自動車専門委員会でやったと同じような、これは言うならば技術の面から、もっと端的に言えば、自動車資本を守る面から徹底的にこれはやられているのですよ。人間の命と健康を守るという立場でどの場所でどれだけ真剣にやられたんですか、説明してください。
#190
○参考人(和達清夫君) 命と健康を守る点においては私も人後に落ちないものと思いますし、中公審の委員ことごとくそう思っていると思います。この自動車排気ガスの問題をできるだけシビアに決めまして、問題は大気をきれいにすることでありまして、もちろんほかにも大気をきれいにすることもございますが、それらをあわせまして現状においては排気ガスについてはこの程度の規制やむなしと判断した次第であります。
#191
○栗原俊夫君 これは技術的に一応いまの段階ではそこまでしかいけないということを一応認めるとしたら、それならば、とにかく〇・二五グラムというものを設定した皆さんなんですから、これが必要だということを認めた皆さんなんですから、それを後退したならば、じゃどこで命と暮らしを守るんだと。具体的に言えば、技術がそれまで到達するまでは、特別な区域へは、その段取りのできない車は乗り入れることはできないとか、何とかそうした具体的なものを示さない限り、国民は了承しませんよ。国民の命と暮らしを守るはずの中公審が、自動車資本に完全に引き回されておると、これがいまの国民の中公審に対する評価ですよ。あなたも先ほど、必ずしも完璧でなかったということを反省しておると、こういうことを述べました。そして、撤回せよという要求に対しては、私一人ではそういうことは決められません、中公審の皆さんと十分相談して配慮いたしましょうと、もちろん、結論はどうなるかはわかりませんけれども。そうした、本当にこれこそ私は和達さんの良心が言わしめておる言葉だったと思います。普通ならば、信じております。信じておりますのでそういうことはできませんと、こうくるはずだと私は思っておったら、まさにこの場において私達会長の良心は叫んだ、あなたの良心が叫んだ。そうは言い切れない、撤回なんかできません、再審なんぞはできませんと、こう言わねばならない経過の中から、あなたは一度中公審の皆さんに諮りましょうと叫んだ。まさに、あなたの良心の叫びだと私は思う。その気持ちを本当に、単にここで受け答えの中で言っておる、その場逃れの言葉でなくて、中公審会長和達は一億一千万の国民の命を守るんだと、健康を守るんだと、それが守れないならば堂々と環境庁とでも対決すると、それが一億一千万の命と健康を守る立場のあなたのいま置かれておる重大な責務だと思うんです。
 重ねてお尋ねいたします。先ほど御発言になった、中公審の人々といま一度語ろうと、それならば一方、長官が、答申によっていま自主告示をしようとする、出されておる法律案とはそれは関係ないんだと、こういう発言をしておりますけれども、われわれの出した答申について、いま一度相談してみるから、それは撤回ということまでは言えぬかもしれませんけれども、相談はしてみるから、告示については。ぜひ告示についてはそれまで待ってくれと言えませんか、どうでしょう。
#192
○参考人(和達清夫君) 近く中公審の総合部会がありますから、そこで十分に検討いたしたいと思います。なお、中公審答申を出してございますので、こういうような中公審の審議の現状は環境庁長官によく御説明し、御参考に願っております。
#193
○栗原俊夫君 長官にお尋ねします。従来の審議の中で、今回のこの答申ができる経過については十分お聞き及びと思います。恐らく長官の立場に立たずにこちらへ座れば、われわれと同じことを言っていると思う。たまたま長官という立場に立ったから、まあまあなかなか心にもないと言えば言い過ぎかもしれませんけれども、言わざるを得ない立場で申している。とにかく事は単純な経済問題ではありませんからね、これは。一億一千万の民族の生命にかかわる問題ですからね。それはいつも私が言います。ぽんころりと死ぬだけの事態が起これば、あるいはそれに近い事態が起これば、DDTもBHCも製造禁止にまで持っていく、ただ影響がそういう形に出ていないから何とかものを糊塗していける、こういうことです。推理小説にもありますが、ガラスの粉をめしにかけて食わせておけば、すぐには死なぬけれども、やがて死ぬ。たくさんは食わさぬけれども、少しぼりぼり食わせるのは、これはしようがないじゃないかというようなことになってはいかぬと思うのですよ。やはり環境基準というものをどうして守るか、たまたま排気ガスではそこまでいけなければ、それでは具体的にどうして環境基準をこう置きかえて守るのだ、こういうことをやっていかなければならぬと思います。
 そこで、ただいまもお話がありました。すでに答申は出ている、しかしその答申について、答申者自身がいま一度相談してみましょう、こう言っておるのですから、そのことの決するまで、われわれは法案提案者でありますから、議会人としてこの法案が決着のつくまで告示を出すべきではないと、こう考えておりますけれども、少なくともこれで間違いないのだという確言が中公審から得られる前に、言うならばきずのある答申を中心にして告示はなさらぬだろうと思いますけれども、長官の御決意のほどをお伺いします。
#194
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほどか来さら和達会長にいろいろ先生方からお話がございますが、中公審というのは私が国民の健康を守る上で進めてまいります環境行政の、私のいわば諮問機関でございます。ただ、環境問題は私どもの役所だけで解決ができませんので、したがって、内閣の総理大臣任命にかかわる諮問機関という重要な性格を与えられておるわけでございます。しかし、直接的には、平たく言いますと、私が最終的な国民の健康を守る責任者でございまして、私が行政を決定する際の、いわば御相談相手と、こういう、もちろん平たく言えばの話でございますが、そういう立場でございますので、最終決定は私責任も権限もあるわけでございます。先ほど五十年規制についてお問い合わせがありましたように、私どもは四十七年の十月に中間答申をいただきまして、私どもの役所の上に高々と自動車の排ガス規制についての理想の旗を掲げておるわけでございますが、その理想の旗をやはり技術開発の現状をよく勘案しながら、そこにできれば一日でも早く到達をしたいというのがあの告示の性格でございます。したがって、私どもはそれに至る間放置はできませんので、五十年規制、さらに先ほど局長が説明いたしましたように、できないできないというだけではいけないから、大気部会の先生方に御検討願って、それでは暫定的にでもより厳しい規制の内容は専門的にいかがでございましょうかということをお願いをいたしまして、十数回にわたる討議の結果いただいた答申でございます。もちろん、その答申の中には、一部その理想の旗のまま実現をすべきであるという御意見やら、あるいはまた〇・六と〇・八五というような二本立てでなくて一本に規制を決めるべきだという御意見もあったわけでございますが、それらの御意見がありましたにもかかわらず、総体的にはやはり今日の技術開発の現状から見て、当面五十一年規制についてこの答申にありますような内容が妥当であろうと、やむを得まいと、こういうことでいただきました。私は、その答申の中の重要な点は、さらに小型トラックなりあるいはディーゼル車なりの規制をできるだけ進めること、税制の優遇政策によって低公害車の普及を図ること、あるいは中古車の対策を考えまして新しい低公害車に買いかえの促進を図ること、あるいは総量規制の交通規制等について一部例示をされまして、相当強い四つの総合的な対策を特に私どもに答申を願っておるわけでございますので、それらを総合的に対策として進めてまいりまして、おっしゃるような環境基準をできるだけ早い機会に達成し得るような方途をわれわれ行政の責任者として見出していきたい、かように考えておるものでございますから、また法的に見ましても、この中公審で、いま先牛のお話でございますが、いろいろまた、再度新しいいろいろな技術的な考え方から意見が出されまして、もし中公審全体としてこの告示の変更を求めるような御意見が、建議としても権限がございますので、出てまいりましたときには、そのときの事態において率直に中公審のその意見を十分私は行政に反映するような努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございますので、ぜひ御了承をいただいて一日も早くこの自動車業界に、無理ではあろうけれども、その規制値に向かって早急に安全な車の生産を図っていただくように対応措置をどうしてもとっていただきたいと、かように私は念願をいたしておるわけでございます。
#195
○栗原俊夫君 時間が来たのでやめます。
  〔理事山内一郎君退席、理事栗原俊夫君着席〕
#196
○小平芳平君 春日局長に最初お尋ねしたいのですが、先ほどの内田委員の質問に対して局長は、健康問題は、あるいは光化学スモッグの原因等十分審議を尽くしてきましたと、こういうような答弁をされましたが、そうしますと、この自動車公害専門委員会というここでは、そうした技術の問題とともに健康の問題も審議したわけですか。
#197
○政府委員(春日斉君) 自動車公害専門委員会で五十一年度規制の窒素酸化物の規制値を決めるに当たりましては、最もそのバックグラウンドとなるいろいろのものを一応検討する必要がある、中でも光化学スモッグの問題あるいは窒素酸化物の大気汚染の問題、こういったことを検討する必要があろうというのが当初の自動車公害専門委員会の運営の仕方のところで論ぜられまして、そういうふうに決まりました。そこで、もちろん自動車公害専門委員会の中で光化学スモッグのすべてについて解明するというようなことはできませんけれども、専門家を種々呼びまして検討をいたしたような次第でございます。
#198
○小平芳平君 そうして局長は、先ほど慶應大学医学部外山敏夫教授、この方が専門家だというふうに、光化学スモッグの専門家だというふうに名前を挙げられましたが、そのほかにも入っておられますか。
#199
○政府委員(春日斉君) 私、外山教授が光化学の専門家――含めてでございますが、外山教授はむしろ公衆衛生の立場からの健康の専門家という意味でございます。もちろん光化学スモッグについても御見識がございます。たとえば千葉大学の工学部鈴木教授あるいは環境庁の新谷専門官とか、そういった専門家を招いて議論をいたしたというわけでございます。
#200
○小平芳平君 この国立衛生試験所の山手昇委員はどういう方ですか。
#201
○政府委員(春日斉君) 測定の専門家でございます。
#202
○小平芳平君 私がこういうことを申し上げる趣旨は、自動車公害専門委員会では健康問題に対する討議が十分なされてなかったのではないか。したがって、何ヵ月も前から衆参両院を通じて再三この問題が取り上げられております。しかし何とも納得のいかない大きな原因は、健康問題が十分な討議がなされてない、ただ技術開発、技術開発ということを繰り返されるだけであって。
 そこで、もう一つ局長に伺いますが、中公審の公害保健部会というのはどういう部会ですか。
#203
○政府委員(春日斉君) これは企画調整局の所管でございまして、恐らく私は所管外でございますので……。
#204
○政府委員(信澤清君) 公害保健部会とおっしゃいましたけれども、環境保健部会ではございませんでしょうか。――環境保健部会というのかございまして、これは先般御審議いただきました公害健康被害補償法関係の問題についていろいろ御審議をいただく部会でございます。
#205
○小平芳平君 もう一遍言ってください。
#206
○政府委員(信澤清君) 環境保健部会の御所管は、先般ここで御審議いただきまして成立いたしました公害健康被害補償法にいろいろ規定がございまして中公審の御意見を伺うようになっておりますが、その問題に関する審議を主としてやっていただく部会と、こういうことでございます。
#207
○小平芳平君 そうすると、直接自動車の排ガスに関係があると言えばあるのですけれども、これは環境庁長官、そういう点に一番手抜かりがあったということをお認めになりませんか。ただ技術開発、技術開発という、その段階がどうのこうのということは再三繰り返して答弁しておられますけれども、健康問題についてこの規制値がどういう影響をするかということが果たして十分に討議を尽くされたのかどうか。私は、そこが欠けている。これはむしろ中公審の中にそういう部会を設けるなら設ける、あるいは環境庁が中心となって、厚生省とか、そういう問題を扱う省の中心となっていかにして健康を守るかという、そういう点をもう一遍練り直さなくちゃいけない、そう思いませんか。
#208
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、先生、この自動車の排ガスの規制の目的は、おっしゃるように国民の健康に被害を与える窒素酸化物その他の有害物質の排出量を規制することによって大気の汚染を防止し、そして国民の健康を守るその手段だと思います。したがって、その手段を決定するに当たって、この国民の健康を守るためにどの程度のものならばいいとか悪いとかということも当然これは先生おっしゃるように頭に置かなければならないとは思いますが、私ども大気部会の中にそうした点の有害物質に対する環境基準を設定するための専門の委員会を持っております。したがって、そこで環境基準を一日平均〇・〇二というものを御決定を願って、その環境基準を達成するために自動車排ガスの規制、いわゆる移動発生源を抑えていかなければならない、固定発生源もこういうふうにしなければならないということを決めていくわけでございますから、したがって、今度は自動車専門委員会の方では、その目的を達成するために自動車から出る窒素酸化物はどの程度のものがいいのか、それを果たして技術開発の現状からしてできるか、またどうすればできる、いつごろできるんだという点を専門的に検討願っているわけでございますので、両々相まってその目的を達していると、こういうようにお考え願いたいと思うのです。
#209
○小平芳平君 両々相まってということは、もっと簡単におっしゃっていただかないと、ちょっと答弁の中身がつかめないわけですよ。両々相まってということは、自動車専門委員会で両方とも検討したという御趣旨ですか。
#210
○国務大臣(小沢辰男君) むしろ、それも先ほど局長が言いましたように、若干討議の内容としてございますが、これを受ける排気ガスの方での比術的な討議を主としてやるのはこれは自動車専門委員会の性格上当然ではないかと、かように申し上げているわけでございます。
#211
○小平芳平君 そうすると、局長はでたらめなことを言っていることになるじゃないですか。自動車専門委員会で十分健康問題を討議したと、それと答弁違うじゃないですか。
#212
○政府委員(春日斉君) 長官も申しておりますように、健康問題――窒素酸化物の健康問題あるいは光化学スモッグの健康問題、これは他の委員会なりあるいは環境庁みずからいろいろ調査研究いたしております。しかし、自動車排出ガス規制を討議するに当たりましては、そういった経過あるいはその成果というものを十分に参考にしながら、これは検討する必要があるであろうということで、私どもは専門家を自動車公害専門委員会にお招きし討議をしたわけでございます。
#213
○小平芳平君 そういうふうに局長はもう朝から言われますけれども、この「中央公害対策審議会議事メモ」ですか、「会議の直後に日本自動車工業会から加盟各社に配布された議事メモをまとめたもの」というこれを各地でみんな見ているんだけれども、健康問題なんか出てきませんよ、局長。NOxはスモッグのみではないとか、NOxとスモッグの一般の誤解を解きたいとか、とにかくここへ出てくる討議の内容はいかにして健康を守るかなんて全然出てきてないですよ。
#214
○政府委員(春日斉君) 恐らく、いわゆる家本メモと申しますか、不破メモと申しますか、その中には入っていないんでございますが、中公審の自動車公害専門委員会の第二十八回の会議の節、先ほども申しましたように、千葉大学の工学部の教授の鈴木伸先生とかあるいは環境庁の光化学スモッグの専門官である新谷君とかそれから工業技術院の柳原さんとか、こういった方をお招きいたし、さらに大阪府の生活環境部の担当官も、あるいは東京都の担当官も招きまして光化学スモッグを中心といたします健康問題について討議が行われております。
#215
○小平芳平君 一回だけね。
#216
○政府委員(春日斉君) 光化学スモッグにつきましては、主として外部からお招きしたのはこのときだけでございますが、数回にわたりまして討議は行われております。
#217
○小平芳平君 そういうように数回というのはいつといつですか。ですから、そういう点からしても、どういう討議をしたかということをはっきり長官、発表すべきですよ。ただうやむやのうちに健康問題をやったやったと言うだけで、健康問題がどういう討議されたか全然わからないじゃないですか。国会でもわからない、国民もわからない。
#218
○政府委員(春日斉君) たとえば十月三日の第二十九回の委員会におきましても、委員の中の喜多委員を中心として長時間にわたりまして光化学スモッグの問題が討議されております。
#219
○小平芳平君 それで、どういう意見が出ていますか。
#220
○政府委員(春日斉君) 光化学スモッグの成因につきましては、種々のまだ未解決の問題がある、こういった問題をこれから詰めていく必要があるであろう、こういうことが中心でございます。
#221
○小平芳平君 何が中心ですか。
#222
○政府委員(春日斉君) 重症被害の問題が中心になって論ぜられておったと記憶いたしております。
#223
○小平芳平君 ですから、それだけで十分討議したなんて言っては間違いでしょう、どうですか。
#224
○政府委員(春日斉君) 先ほども申しておりますように、光化学スモッグあるいは窒素酸化物の健康に及ぼす影響というのは、ほかのしかるべきところでいろいろ検討をされております。環境庁みずからも行っておりますが、そういった成果、経過、そういったものが紹介され検討されておるわけでございます。したがいまして、自動車専門委員会ですべて光化学スモッグの問題、窒素酸化物の健康被害の問題を究明したとは私、強弁するつもりはございません。その点は先生のおっしゃるとおりです。
#225
○小平芳平君 ですから長官、先ほどの春日局長の答弁もおかしいですよね、最初の答弁は。ですから、あくまで健康を中心にした排気ガス規制についての研究討議がなされなくてはいけない。当然でしょう。それがただ技術的に技術的にということだけでほおかぶりしていこうとするところに一番納得できないもとができるんじゃないですか。ということが一つと、それからもう一つは、議事録を公開するについて、いろいろ先ほども答弁なさっていらっしゃったから繰り返してくださらなくてもいいですが、簡単にこうしたものが巷間流布される、そしてまた春日局長が小出しにいまのような答弁をされる、ますます不可解きわまる、そういう印象のまま物事を押し切ろうということできませんでしょう、もう。以上二点について簡単に御答弁いただきたい。
#226
○国務大臣(小沢辰男君) 光化学スモッグの問題は非常に学問的にもまだめんどうな問題でございますから、自動車公害専門委員会でこの問題に終始かかり切るわけにいきません、別の委員会で十分討議を願っておるわけでございます。ただ問題は、こういう点を御承知願いたいわけでございます。私ども光化学スモッグ等が全然発生しなかった少なくとも昭和四十年以前の状況にこの東京なりあるいは人口棚密の都市の大気を持っていきたい、そのためには一体いまの大気中に有害物質が固定発生源と移動発生源の割合でどの程度寄与しているのか、そういう点も分析しまして、そこで自動車の排ガス規制の目標を定めていく、そしてそこに至るようにできるだけ毎年規制を強めていくというような考え方できたわけでございますから、この点は御理解をいただきたいと思うのでございます。
 それから議事録の公開問題でございますが、この点は先ほども申し上げましたように、私としては、いま先生がおっしゃるように一部のメモ、しかも私ども公的な責任を持てないメモについていろいろな議論がなされることは確かにあまりいいことではございません。でき得れば議事の経過がわかるような資料をお出しすべきがむしろそういういろいろな御疑問の解消にはいいのじゃないかと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、この点は従来非公開の原則であり、議事手続としても中央公害対策審議会で非公開の原則をとっておりますものですから、この点は私どもこの中公審の先生方の御討議を願って、われわれもそれについていまの先生方の意見を十分申し上げまして、御検討願って、態度が御了解を得れば配布にやぶさかじゃないわけでございますけれども、なお両院の委員長によく御相談をしましてその点の問題を検討していきたいということを私ずっと申し上げているわけでございます。
#227
○小平芳平君 それじゃ時間の都合で私まとめて次の問題を質問いたしますのでお答えいただきたい。
 まず、長官は一月二十二日ですか、世田谷区の上馬交差点で大気汚染の状況を視察なさった。このときに、有症率をもとにした先ほどの答申ですね、中公審の答申の有症率の見直し、地域指定の見直し等も必要があればやろうというように発言なさったように報道されておりますが、その辺の真意をお聞きしたい。
 それから先ほど来規制についていろいろ論議されてきましたが、輸入車の規制はどうしているのか、五十年規制についてはどうするおつもりか、どうなさったか。それから次の規制、新しい規制についてはどうなさいますか。
 それから豊田参考人に伺いたいのですが、触媒による二次公害の恐れということが非常に言われておりますが、杉浦参考人にも伺いたいのですが、触媒による第二次公害の危険というものはいまのところ問題にされておりませんかどうか。杉浦参考人は前回当委員会で御意見を述べられたときに、第二次公害がないという保障はないというふうにお答えいただいておりますが、その後なおまた新しい報道などもされておりますので、最近の状況についてお述べいただければ幸いだと思います。
 それから豊田参考人にもう一つ伺いますが、販売競争がきわめて激しいということがしきりと報道されておりますが、これらについてどのようにお考えか。以上です。
#228
○国務大臣(小沢辰男君) 東京都で五区ですが、地域指定から外れている所がございます。ところが、この世田谷あるいは目黒、中央、墨田、そういう所でございましたが、地域の住民の方々から見ますと、自分たちの置かれた現状から見てどうもおかしいじゃないかという御疑問があり、そこで状況視察も兼ねまして私参ったわけでございますが、この地域指定の条件は、有症率と、それから有害物質の排出の量と、この両々を一定の基準で地域を指定するしないをきめているわけでございます。この五つの中で、ある地区は、有症率は高いが、どうも排出基準に合致してあまり排出物の量が多くない、ある地区は、排出のほうは多くて有症率は逆に低いというような点もあったりして、それで指定をしないで今日まで来ておるようでございます。そこで私は、この基準の中に、窒素酸化物に対する基準がまだきまっておりません、どうしてもその原因の中に窒素酸化物が影響していることはやはり事実だろうと思うのです。ただ、どの程度までいけば指定するかということまではまだきまっていないということで、鋭意それを急がせているわけでございますが、いずれにしましても、東京都に再調査をお願いしました。したがって、その調査の結果が出れば、この地域指定の基準に合致するかどうかが、もう一度調存することによって最近の状況がわかりますので、その結果を見て決定をしたい、かように思います。
 それから輸入車の問題につきましては、全国的に、たしか昨年か一昨年までの実績ではわずか三万ちょっと、三万台ぐらいだと思います。全国的に、日本全体で三万でございますから、したがって環境汚染についてはほとんど実は計数的にはネグリジブルな問題でございますので、そう国内車と違って神経質になる必要はないと思います。また一方、御承知のとおり五十年規制では一年半日本の規制よりも廷ばしておったわけでございますが、外国貿易関係から見まして五十年規制で一年半延ばしたわけで、五十年十二月まででございますか、そういうことで、また非関税障壁の問題から見ても何か非常な問題があるようでございますので、この点は慎重に考えたい、かように思っております。
#229
○参考人(豊田英二君) お答えを申し上げます。
 まず触媒による二次公害の問題でありますが、私ども排気規制に対しましていろいろな対策を検討いたしてまいりました。で、そういった目的で検討した装置なり方法が新たにいわゆる二次公害を発生するようでは、せっかくのことが目的を外れますので、その点につきましては、私どもは常に十分注意を払いながら研究開発を進めておる状況でございます。御指摘のありました酸化触媒によるSOx、いわゆる硫黄の酸化物でありますが、硫黄の酸化物が排出される問題につきましても、私どもは十分検討を加えておるわけであります。現在幸いなことに、日本におきます市販されておりますガソリン中の硫黄の含有量は、米国等に比べればかなり少ない、ほぼ二分の一程度の量ではないかと予測しておるのでありますが、そういったこともございまして、現実に出てまいります硫黄酸化物SO3の排出量はアメリカに比べまして十分の一以下というふうに考えられ、また私どもの測定をもとにしてそういったことが考えられます。で、現在の状況では特に危険があるとは思っておりませんし、また、問題が問題でありますので、研究は引き続き進めることにいたしております。
 次に、販売競争の問題でございますが、私、工業会長をいたしておりますので、そういった立場もあわせましてお答えさしていただきたいと思います。販売競争の問題は、おっしゃるように、いろいろ問題にされております。工業会といたしましても、この点は十分考えてやっておるつもりでございまして、まず、工業会の立場から言いますと、正常なる販売競争はむしろ奨励すべきものであろうということであります。ただ、行き過ぎた販売競争、不当な販売競争、そういったものはよろしくないという考え方が基本でございまして、そういった面で私どもは行動をいたしております。その一つといたしまして、自動車の販売店の連合会であります自動車販売協会連合会、そういった関係の方面ともお話し合いをいたしながら、不当な販売競争を自粛するようにいろいろ手を打っておるのが現状でございます。
 以上のような実情を御報告申し上げます。
#230
○参考人(杉浦英男君) 杉浦でございます。
 触媒の二次公害の問題が最近またちょっと取りざたされておりますけれども、私どもの考え方は、この前のこの会議の陳述でも申し上げましたように、やはり新しい技術を導入していくことによってそういうものが起こらないという保証がない、いつまでたってもそういうものが見つからないというのではこれは困る、一方、時期を画して排気処理の問題はしなければならないというふうなことから、現在の私どものシステムを開発をいたしたような次第でございます。したがって、御質問でありましたように、最近また出てきているなということもありますが、実はこういった問題は前々からささやかれていたことでありまして、どこからもいいとも悪いともいう証拠が出てきていないということであったわけでございます。私どもとしては、先ほどもどちらからかの御質問に対してお答えいたしましたように、今後とも触媒はなるべく使わないでいく、使わないでいかせたいというふうに考えて対策を進めてまいりたいと、こう考えております。
#231
○理事(栗原俊夫君) 小沢長官から特に発言を求められております。小沢長官。
#232
○国務大臣(小沢辰男君) どうも小平先生、大変私間違った答弁しまして恐縮でございました。
 五十年の規制の場合の輸入車のリードタイムー――余裕期間はまるまる一年でございました。一年半と申し上げたのは間違いでございます。
#233
○小平芳平君 ちょっと一言長官に念を押しておきたいんですが、長官が先ほど答弁されたことを訂正される点、その点は了解いたしますが、環境問題についての先ほどの御答弁は、私は間違いじゃないかと思うんです。これはアメリカで、御承知と思いますが、許可なくたき火をしたら罰金幾らというふうな、そういう、それが環境問題に対する姿勢であって、いや輸入車なんか数が少ないから知れているよというような取り組み――私は、もう時間ありませんから、トラックその他については触れる時間がありませんのでいたしませんけれども、やはりそういう点、非関税障壁と言われようともやらなくてはならないことも起きてきはしないか、場合もありはしないかというふうに取り組むのが環境問題に対する姿勢だと思います。いかがですか。
#234
○国務大臣(小沢辰男君) 姿勢としては先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ問題は外交問題にも関連することでございますので、この点は慎重に対拠しなきゃいけないということを申し上げているわけでございます。
#235
○内田善利君 関連。
#236
○理事(栗原俊夫君) それでは時間がないけれども、関連で短く。
#237
○内田善利君 関連で一言質問します。
 先ほどの長官の答弁の中に、自動車排気ガスと健康の問題は他の委員会でやっているのでという答弁がありましたが、これはどこの委員会なのか。先ほど春日局長は、公害健康被害補償法による環境保健部会でやっているのは別のことだと、補償法による指定地域の検討であって、別の委員会でやっていると。その別の委員会とはどこか。また、その別の委員会でやっていることでこの暫定基準あるいは五十年規制をきめておられるのか。これは重大問題だと思うのです。こういった自動車の排気ガスと健康の問題は、どこか専門部会を設けてでもやってこそ、この規制値は国民が納得すると思うのです。われわれ国民の健康と今度の自動車の排気ガスの問題はどういう関係があるのだろうというのが国民の最大の関心事なんです。その辺が一つも究明されない。われわれの健康と排気ガスの問題はこうなんですよという――どこの専門部会でやったのか。これは重大問題ですから、時間をとって申しわけないですけれども、あえてお聞きします。
#238
○国務大臣(小沢辰男君) 私が申し上げましたのは、窒素酸化物の環境基準、一日平均〇・〇二、それから光化学オキシダントの環境基準、これらをつくり――もうつくってしまったわけでございまして、かつてこれらをつくるときにそうした点を十分専門的な討議を願って、そうしてその環境基準を達成するために、一体移動発生源である自動車の排ガス規制をどうしたらいいかということでございますので、しかし、そういうことではありますが、いまの自動車公害専門委員会でやはり検討する際には、その点の実情もよくさらにいろいろ検討しようというので、先ほど大気保全局長が言われましたような審議の経過になっておると、こういうふうに御了解いただきたいと思うんでございます。大気部会の中に、やはりこの基準を設けますときに、専門家を委嘱しましていろいろと何回か討議をやっておる、そういう実情を申し上げたわけでございます。
#239
○理事(栗原俊夫君) 沓脱君、持ち時間四十分。
#240
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間でございますので、端的にお伺いをしていきたいと思います。
 和達参考人に一言お聞きをしたかったんですけれども、おかげんがお悪いそうなんで、これはたいへん残念だと思います。
 最初にお伺いをいたしたいのは、豊田参考人にお伺いをしたいんですが、トヨタ自動車のトヨタ新聞という社内報ですね、ことしの一月一日号に豊田社長の「新年のメッセージ」というところに、こういうふうに書かれているんですね。「規制値の決定は総合的かつ慎重にしてもらうよう関係方面に対して大いに働きかけた。」というふうな項目があるわけでございますけれども、関係各方面というのは、具体的にどこへ、どのように働きかけられたのか、ちょっと具体的に端的にお聞かせをいただきたい。
#241
○参考人(豊田英二君) 私どもは、この排気規制の問題につきまして、そのためにいろんな問題が起こるであろうということがいろいろ予想される点もございますので、そういった事柄について、十分慎重に、また高い立場で御判断をいただくことができますように、十分御理解を賜りますように、各方面に御説明を申し上げたということでございます。で、どういった方面かという御質問でありますが、具体的に、いろいろ回りましたので、いま覚えておらないのでございますが、関係の方面、たとえば通産省とかいろいろお願い、御説明に上がったと思います。
#242
○沓脱タケ子君 いや、あれですね、方々回ったから覚えておらないといって、そんなあんた、どこかお寺参りを幾つか回って、どことどこと回ったか忘れたみたいな話と違いますよ。社運をかけて、あなた、一月一日のメッセージに、わざわざ社員にもそう言って各方面に働きかけをしたんだということで、力強いメッセージをお出しになっているのに、たくさん回ったからどこへ行ったか忘れたと、まあ通産省その他だと。たくさん回ってというのは、何十ヵ所お回りになったか知りませんよ、そのうち一ヵ所しか覚えてないのですか。しかしまあ、通産省だけは確かなんですね。
#243
○参考人(豊田英二君) やはりいま、私どもいろいろ手分けしてお話をして歩きましたので、私としてどこまで全部あるのかよく知らない点もありますし、そういった点で、まあよく覚えていないというふうにお答えを申し上げたわけであります。
#244
○沓脱タケ子君 昨日も私衆議院で伺っておりましたけれども、忘れた忘れたとおっしゃるんですね。手分けして回ったとおっしゃるのだけれども、これは、あなた社長でしょう。社長が社員に幾つか手分けして回した場合、どことどこと対策に回ったかというようなことを私は覚えておりません、そんなこと、いまごろの世の中に通用する御答弁じゃないんですよ。まともな答弁をしてくださるんですか。実際そんな、本当にじゃらじゃらし過ぎていますよ。時間の関係がありますから、その問題にだけかかずらわっておられませんけれども……。
 次に、河野参考人にお伺いをしたいと思います。
 昨年の十二月の六日に当委員会で同じ河野参考人からお伺いをいたしましたが、そのときにはロータリーエンジン12Aは千二百五十キログラムの車で〇・四クリア可能だと。12Aのエンジン生産量は現時点で約八五%から九〇%だというふうにあのときには御答弁をいただいたと思います。で、その際に私が重ねてお伺いをいたしました御答弁で、環境庁のヒヤリングのときには、〇・四を示唆する資料は提出をしておったが、車種別のディスカッションをしなかったというふうに御答弁をいただいたと思います。そのときにもお伺いをいたしましたが、十一月の末に東京の都議会で〇・四グラムというのを御発表になられて、その後十二月四日に中公審の自動車専門委員会に呼ばれて説明をされたというふうに伺いました。そこでお伺いをしたいんですけれども、実はそのことを私よく覚えておりましたんですが、十二月五日の中公審の大気部会、自動車公害専門委員会の「自動車の窒素酸化物排出低減のための技術に関する評価」という、いわゆる技術評価の報告書がございますね。これを拝見いたしますと、「ロータリ・エンジン方式」という、これの四十三ページでございますが、こういうふうに記載されているんですね。「なお、一部のエンジンでは五十一年四月より平均値で〇・四グラム・パー・キロの車を量産することが可能であるといっている。」というふうに表現がされているのです。私はこれはおかしいなと思ったんですが、その「可能であるといっている」と――技術評価ですよ。で、チータも何もついてないわけです。で、私はその点で十二月の六日に河野参考人にお伺いをしたときには――ヒヤリングのときですから、昨年の六月ですね、六月にそれを示唆する資料を出しておったと、しかし車種別のディスカッションはしていなかったんだというふうな御説明を聞いていた。さらに十二月四日に自動車専門委員会に呼ばれて御説明をされたということですから、当然技術的な検討というのがなされて、これは技術評価の中にデータでも出ているのかと思っていたんですよ。ところが出ていないんですね。だから示唆する資料を出したという資料は根拠がなかったのかどうかですね、これちょっとお伺いしておきたいと思うんです。
#245
○参考人(河野良雄君) ただいまの御質問にお答え申します。
 ロータリーエンジンは八五%ないし九〇%できると申し上げましたことは、ロータリー・エンジン・グループの中で八五%から九〇%という意味でございます。私のほうはレシプロもございますので、全体の八五から九〇%という意味ではございません。その点は御了承願いたいと思います。
 それから技術評価の内容につきましては、私よく存じておりませんけれども、環境庁に出しました資料の中に、示唆する資料は出しましたと申しております。これはいろいろなやり方によって12Aエンジンはどこまでできるという、いわゆる壁があるところを13Bエンジンではお示しして、12Aエンジンでもここに壁かございますということをグラフでお示ししてございます。その資料は一ページだけでございますが、自動車専門委員会の方にも行っておるというふうに私承っております。それから根拠がないものではございません。その表の中にはございます。ただディスカッスはいたしておりません。
#246
○沓脱タケ子君 それじゃわかりました。それじゃ、その根拠なしにおっしゃったのではないということは明らかなんで、その部分の資料だけいただけませんか。
#247
○参考人(河野良雄君) これは一度帰りましてよく相談いたしまして御返事申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
#248
○沓脱タケ子君 といいますのは、それは御相談いただいても結構ですが、あなたの方が証拠になる資料なりデータなりをお出しになっているのに、技術評価ではできると言っているというふうな評価の仕方になっているところに、技術的評価を慎重かつ科学的におやりになったと言っておられるんだから、だから私どもはその点については若干不思議に思いますので、そういった点でお願いを申し上げているわけです。
#249
○参考人(河野良雄君) ただいまのお話の、できると言っているという評価になっていますのは、あの表をごらんになった場合にはそういうふうにお感じになるのじゃないかと思います。それに対しては何ら説明は加えておりません。ここに壁がございますよということを言っているという意味じゃないかと考えております。
#250
○沓脱タケ子君 河野参考人の御理解は別といたしまして、私どもの方ではその点について疑義を感じておりますので、お願いをしたいと思います。
 次に、杉浦参考人にお伺いをしたいと思いますが、これもやはり技術評価の四十三ページなんですが、こういうふうに書かれているんですね、「また、〇・二五グラム・パー・キロないし〇・六グラム・パー・キロまでの値における実用車の可能性については判断できるデータがないが、〇・六グラム・パー・キロより下げうる可能性は考えられる。」と、こういうふうに技術評価には書かれている。そこでお伺いしたいんですけれども、「データがないが、」というふうに書かれておりますが、本田さんには本当にデータがあるのかないのか、その点をお伺いしたい。
#251
○参考人(杉浦英男君) お答えします。
 本当に〇・二五と〇・六の間のデータというのはございませんのです。〇・二五の車とそのデータ、それから〇・六の車とそのデータ、これははっきりとございますけれども、中間のがございません。
#252
○沓脱タケ子君 〇・二五のはあるんですね。
#253
○参考人(杉浦英男君) 〇・二五のはございます。
#254
○沓脱タケ子君 それはいただけませんか。
#255
○参考人(杉浦英男君) データでございますか。
#256
○沓脱タケ子君 ええ、データを。
#257
○参考人(杉浦英男君) それは手元にないけれども……
#258
○沓脱タケ子君 いまじゃなくていいですよ。
#259
○参考人(杉浦英男君) 〇・二四というデータがあることを御報告してございますので、もしこちらの委員会なりあるいは議会なりの御命令があればお出しいたします。
#260
○沓脱タケ子君 それで、この技術評価と関連をいたしまして、さらに杉浦参考人にお伺いをいたしたいんですけれども、いわゆる家本メモによりますと、これは家本メモの九ページにこういうふうに書かれているんですね。小林課長が「本田は〇・二五の車は出来ているがメーカーとしては車としては出せない。国民がよいというなら出せますという態度」だと発言をいたしております。この点の真偽について簡単にお伺いをしたい。
#261
○参考人(杉浦英男君) お答えします。
 その何ですか、家本メモというんでしょうか、私、それを読んでおりませんので、何とも言えませんが、いま先生がおっしゃったふうに、もし小林課長が御発言であったとするならば、それは多少誤解を含んでいると考えます。私、中公審の自公専の皆様方が私ども研究所を視察においでいただきましたときに、全部データをごらんに入れまして、そして〇・二五の車がここにございますと、私どもがドライバビリティーが悪いと申し上げたのはこういうことなんです、乗ってみてくださいというふうにして乗ってみていただきました。そのときに、私どものテストコースの中でございまして、その単一台だけを走らせたものですから、どうも私がドライバビリティーが悪いと申し上げていることの内容が具体的に把握していただけなかった向きもあろうかと思います。で、そういうふうなことから、いま先生がおっしゃいましたような〇・二五何ですか、車としては出せないということを私、申し上げましたけれども、車として世の中の皆さんに、まあ安全に使っていただける車ではないと思いますというふうに申し上げまして、これでもいいと言うなら出しますけれどもという、これは冗談話でございますけれども、申し上げた、そういうことでございます。
#262
○沓脱タケ子君 いや、それはもちろん家本メモで発言が書かれているんですから、これは正確かどうか、私どもは審議の内容をうかがい知ることができませんので、残念ながらそういうものに頼ってお伺いをしているわけです。で、規制値〇・二五はできておるが、国民がよいというなら出すがというふうに言われておりますと、〇・二五というのはとにかくできていると、規制値が〇・二五ならドライバビリティーとか燃費だとかいうふうな不十分さを克服するためにうんと努力するけれども、〇・六というふうに後退したんだから努力は続けますとは言いながら、当公見送りになるのと違いますかということを感じるわけですよ。その点を、これはそうだとはおっしゃらないと思います。しかし、私どもがそういうことを拝見いたしますと、明らかにせっかくある水準まで前進をしている技術水準が規制値が緩んだために、その努力も、努力はすると言っても構えが違うであろうということにならざるを得ない。これはきわめて残念だと思うので、これはまあちょっとお伺いをしたわけです。いかがでしょう。
#263
○参考人(杉浦英男君) 大変御質問は私にとりましては心外でございまして、やっぱりこういったものは、一つは企業の社会的な責任という問題が一つございますのと、それからやはり、先ほど豊田会長もおっしゃいましたように、こういう業界の中でも正当な競争というのは、いろいろあってしかるべきだと考えます。私どもとしても技術の面で常に一頭地を抜きたいと、それによって何といいますか、私ども企業というものをもっと前へ出していきたいと考えております。したがって、規制値が〇・六になったから〇・五に達する努力を、ちょっとまあ何というか、ドライブをやめちゃうなんてことは決してやるつもりはありません。できることならば、一刻も早くそういうもので仕上げて、何といいましょうか、まあできたなと言ってほしいわけでございます。
#264
○沓脱タケ子君 次にまいりますが、昨年の十二月に、新聞の報道によりますと、自工会と通産省で五十年の乗用車の年間需要見通しを策定したというふうに報道されております。その新聞報道によりますと、年間二百三十万台で、五十年規制対策車はそのうち六十万台であると、二六%だというふうに報道されています。
 そこで、豊田参考人にお伺いをいたしたいのですが、トヨタでは、最近CVCCを発売し始めたというふうに先ほども参考人申しておられましたが、月間台数がどのぐらいで、今後継続生産車の猶予期間が切れるまでの間の五十年規制対策車の生産販売計画というのはどの程度なのか、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。
#265
○参考人(豊田英二君) お答えを申し上げます。
 先ほど申し上げましたCVCCの方式のエンジンをつけた車は最近発売を開始いたしたわけでありますが、こういった低公害車をできるだけ早く出していきたいという趣旨から、十分なる生産の準備ができないのに、これの発売を開始いたした関係上、現在は月に三百台程度ではないかと思います。もちろん逐次準備のでき次第数はふやしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、もう一つの御質問であります五十年にどの程度低公害車を出すか、五十年規制車を出すかという御質問に対しましては、私どもとしては現在できるものから出してまいりたいと考えて、鋭意努力をいたしておりまして、その関係上もございますので、十分なる数字的な予定はまだ現在できておりません。といいますのは、一つには本年の販売予測といいますか、生産予測といいますか、そういったものが現在の経済情勢の中からなかなかこれを設定することがむずかしい関係上逐次計画を立ててやっておりますので、御質問にお答えができないのは残念であります。
#266
○沓脱タケ子君 五十年規制が四月一日から実施されるというのに、私は自工全体として対策車が二六%しか売らないというか、売れないというのですかね、そういう計画だということ、それからまあトップメーカーであるトヨタさんのCVCC車にしても、いまおっしゃったように月間三百台という程度だというと、全く世間の目をごまかすポーズのようにしか受け取れないわけですよ。だからそういうことは一方では三百台――月間三百台というのは中小企業じゃあるまいしという感じがするわけですがね。だからそういうことだというのは、これでは客観的には継続生産車の規制猶予期間を最大限利用して未対策車を最大限売り込もうという考え方だと見られても、これはやむを得ないと思うんですがね。その点御見解どうでしょう。
#267
○参考人(豊田英二君) ただいま先生がおっしゃいましたようにごらんをいただくということは、私どもとしてはきわめて残念に存ずるのであります。少しでも早く低公害軍を出したいということから、十分なる準備ができない状態でもこれを発売することにいたしたわけでありまして、それを逆におとりいただくのは非常に残念に存じております。
#268
○沓脱タケ子君 それじゃ豊田さんに違った角度でお伺いいたしますが、昨年の六月、七月にはT23作戦と称しまして大販売攻勢を出したと。しかも猛烈な値引きを行って、ついに昨年の十二月の三日は自工会の秘密社長会ではこの問題で三菱の久保社長が大幅な値引きでシェアを高めようとするトヨタこそ問題だということで内ゲバ的発言が起こったというのが新聞で報道されております。こういう事実はあったかどうか、端的にお伺いしたい。
#269
○参考人(豊田英二君) 先ほどの御質問でもお答えしましたように自動車の乱売という問題についてはいろいろ取りざたがございまして、私どもの工業会並びに自販連とあわせましてこれの是正といいますか、自粛といいますか、そういったことに努めておるのが現状でございます。いまトヨタのことをおっしゃいましたけれども、私どもとして極端な乱売をいたしておると思っておりませんけれども、十分注意をするように各販売店に注意を喚起しておる実情でございます。
#270
○沓脱タケ子君 各販売店に注意を喚起されたというのはいつごろでしょうか。
#271
○参考人(豊田英二君) 昨年の夏にも行ないましたし、本年の――本年と言いますか、昨年の暮れと言いますか、本年の初めになるかと思いますが、にもやっております。
#272
○沓脱タケ子君 ところがトヨタ自販の神谷正太郎社長が昨年の十二月に販売店主に対してこういうことを言うているんです。これはずっとたくさん言っておられますので、そのうちの主なところを私ピックアップして申し上げますが、どういうことを言っているかというと、「特に十月以降では」――自工というのはトヨタ自工さんのことだと思います。
  〔理事栗原俊夫君退席、委員長着席〕
「自工の増産台数の完全販売を命題とする年内三ヵ月の大特販企画を実施中」である。またある個所には「台当たり販売経費増については、自工ならびに当社の負担となっておりますので、販売店各位の段階ではこれが乱売という不名誉な非難を受ける理由は何一つない」、またある個所では、新型クラウンシリーズは、「計画以上に販売できるとなりますと、関係店での収益性は飛躍的に向上することが約束されたも同然であります。」、またある個所では、「関係店各位に久々に只儲けのできる新型車を」「提出できたことは、当社ならびに自工企画の大ヒットといえましょう。」、まあこういうくだりのことが述べられて、こういう趣旨のことを言って駆け込み乱売を奨励している。これはお話なんですね。そこで、先ほども同僚委員に対する御答弁でもありましたが、豊田参考人は自工の会長としても不当な販売競争には自粛をするようにと言っておられると言うんですけれども、こういうことが出てきているわけで、そこでお伺いをしたいんですが、昨年末、年内三ヵ月の大特販企画、これを実施したということは御承知でございますか。
#273
○参考人(豊田英二君) 私ども、自動車の販売といいますのは、やはりある程度積極的な販売をしていかなければしりつぼみになるおそれがありますので、ときどき積極販売の期間を設けて実施することは従来からの慣例でございます。昨年の十月ごろにもそういったことを言ったと思います。
#274
○沓脱タケ子君 特売企画はそのときどきおやりになっておるということでございますね。
 で、時間の都合がありますので次に移りますが、次には税金の関係の問題についてお伺いをしたいんです。
 で、今回こう決定をされました五十一年対策車に対する税制措置の政府案に対する――政府案が出ましたですね、この政府案に対するメーカーの皆さん方の御見解をお伺いをいたしたい。で、トヨタさん、それから本田さん、東洋さんですね、それぞれ御見解をお伺いしたい。
#275
○参考人(豊田英二君) 先生からいまお話がありましたものは、私どもよくずばりわからない点がありますが、五十年に五十一年規制に到達した車を売った場合に、インセンティブの意味で減税を行われるということではないかと存じますが、その点ならば私どもは賛成でございます。
#276
○参考人(杉浦英男君) けさほど河野参考人が似たような問題点に触れておいででしたけれども、私どもも、この金額の多寡はともかくも、早くこれが実施されていくことが大変大事なことだと考えております。同時に、今後に向かってもユーザーさんか低公害車――やはり低公害車は多少高くつくわけですから、低公害車をお買いになるのに抵抗がないように、あるいは喜んで買っていただけるような継続的な措置がぜひ望ましいと考えております。
#277
○参考人(河野良雄君) けさほど久保先生の御質問にお答えしましたとおりでございますが、新聞報道なんかによりますと、先取り優遇税制というのを政府の方ではお考えいただいておるそうでございまして、非常に感謝いたしております。けさほども申し上げましたように、一日も早くこれが法制化されて実行に移されることがいま一番重要なことではないかと考えております。その点、どうぞ十分の御配慮をお願いしたいと考えております。
#278
○沓脱タケ子君 そうしますと、豊田参考人は賛成だと、それから本田、東洋両社の参考人の方からは早く実施をしてほしいと、こういう御意見ですね。で、これはずいぶんたくさんいろんな角度で報道されておりますが、私ども不可解だと思っておりますのは、この税制問題で昨年の年末とで政府の態度ががらりと変わった。昨年の十二月の二十七日に中公審の答申直後には、答申を受けて、大蔵省、環境庁とも未対策車に対する増税案などというものも持っておりました。ところが、年が明けると同時にこの方針が変わって、対策車に対する優遇措置だけになった。これはメーカー側の圧力によるものではないかというふうな意見も各方面にございます。
 最初にお伺いをしたいんですが、この関係官庁にメーカー側からこういったインセンティブについての、あるいはペナルティーを含めて、税問題に関する圧力というふうなものがあったのかなかったのか、その辺をひとつ最初にお伺いをしておきたいと思います。環境庁。
#279
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、中公審の答申を受けまして、中公審の答申では〇・六を基準として上下に格差を設けた方がいいと、こういう御提言でございました。私どもは、この税制につきまして、いまおいでの参考人にお会いしたり、その要望を承ったりしたことは全くございません。
#280
○沓脱タケ子君 いや、何でお伺いをするかといいますと、中公審の答申には非常に明確に、先ほども長官も言われましたね、税対策等を含めて答申の3に、「低公害車の開発と普及の促進を図り、低公害車の生産者及び使用者が不利となることのないよう税制上の措置を講ずべきである。」、「昭和五十一年度規制の適用を受ける自動車については、次のような趣旨にかんがみ、税制上、窒素酸化物の排出量〇・六グラム・パー・キロメートルを基準としてその上下に十分な格差を設けること。」、その後(2)というふうに出ておりますが、この点について、こういうふうにまあ中公審の答申が明確に片方ではされている。で、これは先ほどもどなたかの御質疑で言っておられましたけれども、それでは四十八年の車と――いわゆる現行の車ですね、現行の車と五十年対策車とのコストアップが幾らで、さらに五十一年度のコストアップが幾らかというふうな点で、これは新聞報道でございましたけれども、本田のCVCCハイデラックス、七十六万二千円の車を基準にすると、五十年対策車では五万円高になり、それから五十一年対策車ではさらに三万円高になり、合わせて八万円高になると。ところが、今度の政府の原案による優遇措置が具体化すると減税分がわずかに三万二千円だということになりますと、これは国民の側から言いますと、これはやはり高くなるわけですよね。そうしたら、本当に低公害車が普及をするかどうかという点で非常に問題だということで、これはどうも大手優遇の税制じゃないかというふうな意見もこれは広く出ております。で、そういう問題が含まれているのに、しかも年末と年が明けてからと全く手の平を表と裏を返すほど画然と違うというふうなことになってまいりますと、何らかあったんではないかと、これはだれでも考えるんですが、いま環境庁長官は一切そういうことは存じませんと、こういうふうにおっしゃっておられます。
 そこで、豊田参考人にお伺いをいたしたいと思いますが、昨年からことしの初めにかけて自工会として政府や自民党に対して猛烈に圧力をかけて、おおむねその自工会としての目標は達成されたんだというふうに言われておるようでございますけれども、具体的にそういうことがあったかどうか、その点をお伺いしたい。
#281
○参考人(豊田英二君) 自工会としては、五十年の対策車について相当コストが上昇いたしますので、これに対する奨励策をお考えいただきたいということを申し上げた記憶はございます。五十一年の車の関係ではただいま記憶をいたしておりません。
#282
○沓脱タケ子君 ほんとに自工会としてはやっておいてにならないんですか。――記憶がないということは、やったかどうかわからない。はっきりやってないのかどうか、その辺ちょっとはっきりしていただきたいんですがね。
#283
○参考人(豊田英二君) 私どもが五十年の車についてお願いをしましたんですが、これはお取り上げをいただかなかったのであります。で、その結果五十一年についてのお願いにこれを切りかえまして、先ほど先生がお示しいただきましたインセンティブ税制になったのであろうと考えます。
#284
○沓脱タケ子君 そうすると、自工会としてはそういうふうに要請運動をなさったということでございますね。どこどこへなさったのか。
#285
○参考人(豊田英二君) 通産省並びに税の関係でありますので、大蔵省にもお願いに行ったと思います。
#286
○沓脱タケ子君 そうすると、自工会としてそういうふうに関係各省にお願いに行かれて、で、五十年対策車についてはお取り上げいただけなかったけれども、五十一年対策車についてのインセンティブについてはほぼ皆さんの御要望どおりに政府原案は落ちついたということでございますか。
#287
○参考人(豊田英二君) 私どもが御要望申し上げたものの半分お認めをいただきました。
#288
○沓脱タケ子君 まあ自工会として要請運動をなさったということでございますから、これはそれ以上申し上げませんけれども、巷間伝わるところが事実であったということが明らかにされたわけです。
 で、最後に、もう時間がありませんので、最後に私は家本参考人にちょっとお伺いをしたいと思っていたんですけれども、実は予定時間がございませんので、一点だけお伺いをしたいんですが、家本参考人は、自動車専門委員会の委員をおやめになられましたね。おやめになられた真意というのは何ですか。
#289
○参考人(家本潔君) 私、環境庁発足以来、専門委員を命ぜられまして、四十七年の答申以来、五十年の実施にかかわる答申を通じまして、誠心誠意やってまいりました。で、私のその専門委員としての仕事もずいぶん長くなりましたし、まあかねてからこの五十一年の答申を機に、まあ自分がもう任務を終わったという気持ちもございました。そういう考えでおりましたところ、たまたま、ほんの自分の心覚えとしてつくりましたいわゆる家本メモそのものが、自分としては自分の心覚えとして外部に出すつもりでなくつくりましたものが、はからずも外へ漏れたという形でいろいろ皆さまに御迷惑をおかけしてまことにこれは遺憾である。同時にまた、先ほど来お伺いしておりますと、私自身の心覚えでございますから、私自身に関心のある部分だけが取り上げてあるものでございます。したがって、そのメモそのものが議事の全貌を示しておるものでもございませんし、また、その考え方や表現にも、私自身のあやといいますか、それが入っているわけです。したがいまして、そういうことから各方面にいろいろの誤解を生じているようです。こういう点については私大変責任を感じました。まあ発言をお許しいただければ、実は冒頭にそのことを申し上げておきたかった。したがいまして、いままで諸先生方からいろいろな御発言がございまして、たとえばどなたがこう言った、こう言ったというようなことについてのその表現のニュアンスは、決してこれは絶対正確なものではございませんということを改めてここで釈明をさせていただきたいと思います。
#290
○沓脱タケ子君 それじゃ最後に。
 いま前委員の家本参考人がおっしゃったんですが、自分のメモが公開をされているということでいろいろと誤解も起こってきているというふうなことで、大変御迷惑をかけて申しわけないというふうに言っておられるわけですが、私はそれ以上のことを申し上げる時間がありませんから申し上げないんですが、環境庁長官に特に言うておかなきゃいかぬのは、家本メモがこういうふうに皆さんの中に公開をされると、私どもは各委員から言われたように、委員会の審議の内容というのは、もうわずかに家本メモを手がかりにする以外に何にもわからぬというふうにされているわけですよ、国会の審議でも。これは家本さん自身だって御迷惑だと言っているんです。だから当然正式な会議録、従来の会議録は出して、国民の疑惑をこれはもう明らかにするという点を早くやるべきだと思います。同時に、やはり一昨日も追及をして明らかになったように、メーカー側には傍聴だ、やれ秘書だのといって自由に出はいりさせて、国民は傍聴させない、こういう非公開が原則だということを盾にとってやるというふうなやり方、これは一日も早く改善をするべきです。そのことをおやりにならない限り、国民の疑惑は晴れないと同時に、これだけ全国民が疑惑を持っているのに、なおかつ公正かつ慎重で、科学的な検討をしていただいた御答申ですから、これを尊重いたしますということを長官が一貫して強弁しようとするならば、まさに事実に目を覆って、大企業べったりの姿勢だと言われてもやむを得ないと思うんです。その点、最後に明確にしていただきたい。
#291
○国務大臣(小沢辰男君) 私はたびたび申し上げておりますが、私どもの方針の決定について、メーカー側あるいはそれを指導し、監督し、また助長、奨励、いろいろな面で担当しております行政官庁である通産省、こういう側といろいろ相談をしたり、またその内容、御希望を聞いたりして行政をきめて――少なくとも私、着任以来はそういう事実は全くございませんので、また今度の答申につきましても、私は、その経過いろいろについて言われましたけれども、やっぱり行政の責任というのは結果に基づいて、私どもは最後の方針をきめるわけでございますから、その経過が大事じゃなくて、結果が大事だと、かように考えております。その結果から見まして、五十年の規制にさらに追っかけて五十一年規制をやり、昭和四十八年度規制からさらに四分の一に減らそう、それをまた半分に減らそう、こういう規制の内容から見まして、それをトラックの規制とあわせて今後努力するならば、環境基準が達成できるだけの私は基準だということで、それを重要視しておるわけでございます。したがいまして、この答申については私ども十分尊重をしてしかるべきものと考えているわけでございますが、なお公開の問題につきましては、先ほど各委員に御答弁申し上げたとおりでございます。
 特に議事録についてお話がございましたが、この点も慎重に委員の先生方の御意見を承って、中公審の御意見を十分お伺いした上で最終的な判断を下したいと、かように考えておるわけでございます。ただ、今後の問題としてはいろいろな反省をいたしまして、私は私なりに会議の運営のあり方について、今後のあるべき姿については十分先生方の御意見を反映して、会長にも意見を具申したいと、かように考えております。
#292
○三治重信君 大分時間もたちましたので、ことに平尾先生と岡先生には遅くまでお残りいただいて申しわけございませんが、初めて新しいことをお聞きしたものですから、ぜひ一言、森下委員の質問に対しての御答弁を基礎にして御質問いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 平尾教授のお話で一番私が関心を持ちましたのは、エンジンの改良もさることながら、ガソリン、いわゆる燃料の改善も相当望みがあると、また、そういうふうな関心を非常にお持ちのようですが、いままで何回かこの公害委員会のほうで、参考人に対する御質問、審議が行われたわけなんですけれども、私もかねてそういうふうな気持ちを持っておったのですけれども、何しろ素人なものですから、あまりガソリンとか、そちらのほうの燃料の方面のことについて、お伺いする機会がなかったわけなんです。そこでアルコール分とか、エーテル系とか、こういうようなのはガソリンにまぜて使うといいということですか。全然ガソリンと別個のこういう燃料を使う開発に進むべきだと、こういう御意見なんですか。
#293
○参考人(平尾収君) お答えいたします。
 これはいろいろな段階がございまして、私どもはやはり立場上極限、どこまでいくかと、こういうことに一番関心がございますので、そういう意味で、現在はメタノールに適当に水をまぜるわけでございますが、そういうことによってどこまできれいになるか、その極限を追求しておる次第でございます。その極限が明らかになりますと、ガソリンにどれぐらいまぜればどの程度になると、そういうようなことは、おのずから今度は、そこから戻ってまいりますと、いろいろなことがよく理解ができる、そういう立場で、いまのところは極限の問題としてやっております。ですから、もちろんいま先生がおっしゃいましたように、これを実用化する段階では徐々にガソリンにこれを加えていく、その場合に加え方にいろいろ問題がございます。これはガソリンにすぐには溶けませんで、これは純粋なアルコールですと、よく溶けるわけでございます。水分が少しでも入っておりますと、とかく分離してくる。そういうことで、実用上まぜて使うというのには、まだちょっといろいろ問題もございます。
#294
○三治重信君 そうしますと、まだ研究段階ということなんですが、そうするともう一つは、当分ガソリンそのものでこの五十一年規制、あるいは〇・二五グラムヘの到達のエンジン並びに触媒関係で果たしていくようになるというふうなことが考えられるわけなんですが、そうしますと、いまのガソリンそのものの改良というのですか、先ほど硫黄分では、アメリカよりかこちらのほうがタイプが非常にいいようですけれども、まだガソリンそのもので非常に空気の清浄化に、排気ガスの清浄化に役立つ部分が相当努力目標としてはあるものかどうか、ひとつ……。
#295
○参考人(平尾収君) お答えいたします。
 これは現在のガソリンを改良して排気をきれいにしようという研究は、もう世界じゅうのガソリンメーカーがやっております、自動車メーカーももちろん関与しておりますけれども。そういう意味で、現在どういうことをすればどこまできれいになると、そういうガソリンの改良の方向とその成果というものについては、ほぼわかっているということが言えるかと思います。しかし、その範囲で幾ら探してみましても、いま問題になっておりますマスキーレベルを実用化するというのには、あまり大きな影響が、これ以上期待できないというところであろう。そういう意味で、私はガソリンにつきまとった一つの壁と、こういう言い方を午前中にも申し上げたわけですが、それをやはり、現在少し発想を転換しまして新しいものの開拓ということで可能性をいま感じておるわけでございます。
#296
○三治重信君 それから触媒を使う場合に無鉛化をする問題で、いま通産省の方でマークをいろいろ変えてやっているようなんですか、またあとこれ岡先生にもアメリカの状況をちょっと聞きたいと思うんですが、ガソリンスタンドの対応策で、無鉛ガソリンの準備と、それからいままでの車のやつだと、何か無鉛ガソリンが出て、それからいままでのハイオクのガソリンとで利用者がまぜて使うように指導するというようなことがちょっと新聞で出たような気がするんですが、そういうふうなことをやっていった場合に、平尾先生として、素人が、地方にたくさん自動車というものを使うものなんですね、そういうふうなことをやっていっていいもんかどうか、ちょっと御意見をお伺いしたいと思います。
#297
○参考人(平尾収君) いま燃料の無鉛化ということが進んでおりますが、中古車の中には無鉛燃料で走りますといろいろ故障が出てくるものがございます。それがだんだんそういうことがわかって改良の手が打たれまして、いろいろの段階の中古車がございます。現在生産されているものは無鉛燃料で結構ということになっておるわけですが、時間的に過去に生産されたものの中には有鉛でなければだめだという自動車と、都市内のような走り方によっては無鉛でよろしいと、しかし、高速道路のようなところ、あるいは山を登るというような場合には有鉛でなければいけないと、そういう車と、それから全体を通じて、ごくわずか鉛を入れておかないといけないと、そういうようないろんな段階の車が市場にあるわけでございます。それで、そういうものを区別してユーザーに徹底させて指導しているのだと思います。これ私その方の専門でもございませんので、そういうふうに私は承知しておりますが、それは、私は専門的な立場で見ますと、多少有鉛でなければならないのを間違って無鉛を入れたということが一回ぐらいあったからどうこうというほどのものでもございません。ですから、それほど、一応そのことは頭に置いて注意していていただければ大丈夫なことではないかと、そういうふうに思っております。
#298
○三治重信君 それからもう一つお聞きいたしますが、五十年規制車は各社いま製造段階でやったろうと思うんですが、すぐ追って五十一年規制にこうやると、その規制の問題でいま議論になっているわけなんですけれども、一応答申は出たと、私は、元来確かに排気ガスの規制というものが重要であるということでこういうふうに進んだけれども、非常にメーカー側と実際の何と申しますか、都会の大気汚染の浄化の早急性というものとのかみ合いが非常に議論になってしまって、どうもそれが平行線をたどった議論になっていると思うんですが、学者の方、この前のほかの先生にもお聞きしたんですけれども、エンジンの改良だけで、本田さんが大分、非常にいい開発をされたんですけれども、エンジンの改良で窒素酸化物を早急に、技術的には試験室ではできても、実用化するにはやはり相当な期間がかかると思うんですけれども、そういう実用化に対する考え方を、いろいろ研究やそういうものができたと、しかし、それを実際にメーカーが実用化するときに、できるだけ早く実用化するためのめの方策、そういうものについてまだ御意見があったらひとつぜひ……。いままでの議論というのは、やはりそういう実用段階のものをみんなメーカーに握られているから、それで何か実際試験車なり、ある程度の可能性ができると、それをなぜつくって早く販売しないんだと、こういうような議論に非常になっているような気がいたします。メーカー側にしてみれば、非常な素人が乗る車で、安全性も必要だし、また操縦性や経済性も持ってユーザーは考えるので、そう実験段階で車が試作ができたからといってすぐそういうものを量産化しろといっても無理だと、こういうような議論がいままでの一つの平行線をたどってきた議論だと思うんですが、平尾先生のそういうエンジンの改良、非常にこういうのはインスピレーションによってぽっと改良するこぬがあるのだと、発明には確かにそうだろうと思うんですが、そういうのを実用化していく手段についてもっといい方法なり、指導体制が何かいい方法が考えられるかどうか。
#299
○参考人(平尾収君) これは、私のように大学に籍を置いて工学の研究をしておりますと、その工学というものはやはり社会の役に立つと、こういうことを生み出していく学問でございますから、やはり社会に役に立つこのを目指して研究するわけでございます。そこで、そのときに私たちの役目は、新しい未知の分野を開拓して、そうしてその中から卵を育てて社会の役に立つ芽を生み出す、これはある意味では夢を育てると、こういうふうにお考えいただいて結構かと思います。そして夢を育てただけではこれは夢で終わってしまいましてものの役に立ちません。それではそれを役に立てるのは何かと、その夢を食べてくれるバクが必要なわけでございます。その夢を食べるのが私はメーカーの研究陣だと思っております。この夢を食べて、そうして適当に消化をして、世の中の推移を見て、適当なときに社会が要請するものを製品として出すと、これがやはりメーカーの責任であろうかと思います。私たちはそういうつもりで夢を育て、それを発表しますと、それをメーカーの研究陣が食べて、消化して、そして商品にして社会に供給してくれることを祈っておるわけであります。食べてしまってからおなかの中でどうなっているのかと、これは夢のおぜん立てを、料理をこしらえて差し上げた側としてはなかなか全部がわかるというわけにはまいらないことが多いわけでございます。しかし、製品を見ておりまして、あれはあの夢の一部が中へ入っているなという感じは持ちます。そういう感じで見ますと、私たちが夢の献立を立ててから一番短い場合で三年でございます。私の体験で最も長かったのが十五年かかっております。ですから、大体三年ないし五年というのが早い方ではないかと思います。私が自動車の研究を始めましたのは終戦後間もなくでございます。昭和二十四年ごろから文部省の科学試験研究費で自動車の研究費をいただけるようになりまして、そうしてだんだん育てた夢が、大体それぐらいの時間差で見ておりますとどうも製品になっていったような気がしております。それは私のひとりよがりかもしれませんが、そういう意味で、何か夢が多少はお役に立って今日の日本の状態になるまでに、あるいは貢献したのか、害をなしたという見方もあるいはあるかもしれませんけれども、あるインパクトを与えたかなと、こう思っております。
#300
○三治重信君 ありがとうございました。
 それでは朝日の岡編集委員にお伺いしますが、ガソリン使用の乗用車の比率がえらい日本とアメリカと違うということをお聞きして、私もなぜ乗用車だけマスキー法で排気ガスを規制するのか、トラックや、ことに日本では乗用車と貨物と両方兼ねるようなバン式な車もあったりして、どうして乗用車だけがなと、こういうような感じを持つていたわけなんですが、きょう御説明を聞いて、アメリカが乗用車だけを規制したのは、なるほど国情に合った規制の仕方をして問題にしたんだなという感じを非常に持ったわけなんですが、それで、その点について岡参考人は、これを日本がマスキー法的に進めていくためにはやはり乗用車だけでは足らない、やはりトラックやバスという、そちらの方もやらぬと、アメリカとのマスキー法の関係や大気汚染の浄化という関係からいくと、ただ〇・二五ばっか追うよりかそちらの方がやはり実際的じゃないかと、こういう御意見ですか。
#301
○参考人(岡並木君) 私直接お答えする前に、ちょっとこういうことを申し上げたいんですけれども、大体、さっきも長官のお話がありましたけれども、環境基準というものが出てまいります。そして、その環境基準を満たすためにその排出規制と、それからもう一つこちらに、あるコントロールプランニング、そういったものが両方相まってその環境基準を満たしていくということが筋ではないかと思うわけであります。ところが日本の場合は、それがちょっと片ちんばなスタートをしたように思います。そして、その〇・二五という目標値に到達できないというところで、その分の埋め合わせとして交通量を減らすというようなことが特に強く言われてきているような気がいたします。ですから本来は、片方で〇・二五、これは結構なんでありまして、そうして同時にこちらの方でもって、やはり技術の足りないところを補う、つまり両方補い合う、そういった計画があってほしかったというふうに考えます。
 ですから、先ほど私トラックのことを申しましたけれども、トラックの排出規制技術ということになりますと、私素人でございますけれども、乗用車以上にいろいろむずかしい問題がやはり出てくるかもしれないと思います。ですから、乗用車ほど厳しいスタンダードはあるいは技術的に不可能かもしれない。そうなってまいりますと、やはりいまから、少し遅れはしましたけれども、交通コントロール計画というものを具体的に煮詰めていく必要があるんじゃないだろうか。そういうもので、技術――つまり、どっちかというと、変な言い方ですけれども、何か日本の公害行政がいままでのところは技術偏重であったような気がいたします。もうちょっとやはり人間の知恵を使うと申しますか、ソフトウエアを使うと申しますか、そういった面であわせてこれを地域ごとの実情に合った計画にしていくべきじゃないかという気がいたします。
#302
○三治重信君 それからもう一つ、アメリカは非常に乗用車のガソリンの使用が多いために無理してガソリン比率を上げている。日本はどちらかというと重油や灯油の方をよけい使って、ガソリンがどちらかといえばだぶつきぎみなんだから、ガソリンが少々よけい要るエンジンでも、車がきれいになるなら、日本とアメリカとそういうふうなガソリンの事情が違うんだから、少々ガソリンをよけい食う車でも、そういうふうな浄化の規制のやつはある程度それでいいじゃないかという御意見に拝聴したんですけれども、そういうお考えであるかどうか。
#303
○参考人(岡並木君) まさにそうでございます。ただ、乗用車の燃費のことを問題にする場合に、そういった問題の仕方のアプローチが一つあると思うんですが、それは、たとえば騒音の問題とか、そういうことを考えますと、たとえばトラックの騒音をいまのディーゼル機関のままで減らすというのは大変なことだと聞いております。そこで、平尾先生もよくおっしゃっていらしゃるんですけれども、トラックのエンジンをガソリンにかえたらどうだということをよく提案なさるわけです。それからもう一つ、タクシーの問題がございます。これは東京都公害研究所の調査のデータなんでございますけれども、同じ気筒容積ですと、LPGの乗用車はガソリンの乗用車の一・六倍のNOxを排出しているというデータがあるわけでございます。そうしますと、これはどういうことかと申しますと、現在東京都内を走っております一日の乗用車の総走行キロというのは大体三千五百万キロメートルだといわれております、一日でございます、これも東京都の調査でございますけれども。そうして、タクシーが大体一日に一千万キロから一千百万キロ走ってるわけです。そうしますと、このタクシーが、たとえばかりに一千万キロ走ってるといたしますと、これはガソリンの乗用車に直しますと一千六百万キロ走ってると、NOxという観点から見ますと、そういうことになってまいります。そうしますと、乗用車の吐き出しておりますNOxの大体四二%はタクシーが吐き出してるということにもなってまいります。で、この点で今度の排気浄化装置がそのタクシーのLPGのことまで念頭に置いて五十年規制にミートするとか、こういうようなことに確かめておられるのかどうか、その点私非常に疑問を持っておりますけれども、いずれにしましても、もしそれが非常にむずかしいとなりますと、タクシーをガソリンにかえる必要が出てくるかもしれない、その方が手っ取り早く空気をきれいにするのに役に立つのかもしれない。そうなってまいりますと、トラック並びにタクシーにガソリンを使わせるということになりますと、いまのガソリン車が使ってるガソリンでは足りなくなってくるわけなんです。そこで初めて日本の場合もガソリンの燃費ということが問題になってくるかもしれないというふうに考えるわけでございます。
#304
○三治重信君 まあその点で、結局石油が安いときには非常に参考になる御意見かと思っておったんですが、やはり何と申しますか、いままでの値段でもガソリンからLPGへかわったり、それからディーゼルにかわって燃費を節約しておったと思うんですが、それがまあ非常にアラブの独占価格で原油が四倍もしてきたと、そういうふうな状況下でもやはりなおこのユーザーにがまんをしてもらうべく、ガソリンの使用を将励していくような方策の方がベターだというふうなお考えですか。非常に今後のガソリンの値段の動きもあると思うんですが、一応いまの十ドルから十一ドルの範囲の現在の値段がいくとして、むしろそういうふうなまあガソリンエンジンを使わしていく方が、非常な無理をした技術開発よりか大気汚染浄化には貢献度が多いじゃないかと、こういう御議論になりますか。
#305
○参考人(岡並木君) 実は私もその点を考えたわけでございますけれども、いろいろタクシーの運転手の話とかいろいろ聞いておりますと、やはり、まあガソリンよりもLPGのほうが安いわけでございますね。その分をいまガソリンの値段の差額ほどでない差額ぐらいの補てんをすれば十分使えるような可能性があるようなんでございます。そうしますと、先ほどいろんな点、税制でもってインセンティブをつけるというようなお話がございますけれども、たとえばタクシーとかバスとかあるいは路線トラックとか、そういったいわゆる公共的に使われているものの燃料をそういうふうに転換させようとする場合には、たとえば燃料税の還元とかそういったような方法が――そのほかの方法もございますけれども、つまり、いままでLPGやディーゼルを使っていた人たちの負担を上げないで済むような、そうしてやっぱり空気をきれいにするような、そういった方法を何かやはり考えなければいけないんじゃないかという気がいたします。
#306
○三治重信君 非常にそういうふうな何と申しますか、まあ中公審が技術を中心にしていろいろ議論されてきて、結局その排気量の問題ばかりで議論されて、きょうお二人の議論を聞きまして、もう少し幅広く考えていく手があるんじゃないかということで、一番最後までお残り願ったわけなんですが、そういうことを前提にして、本当は和達中公審会長にいろいろお聞きしたいと思っておったんですが、そのかわりにひとつ環境庁長官と局長さんのほうにぜひお願いをしておきたいと思うんですけれども、われわれは確かに一たん決めたことをなぜ実行しないという追及の議論は一つの議論としてもっともだと思うんですけれども、やはりまだ世界がやってない、日本だけ、この五十年規制でも非常に世界の一番進んだ自動車エンジン並びに排気規制の装置をつけた自動車を日本国内で販売しなくちゃならぬということ、それは必ずしも私はメーカー側がサボっているというふうには思っておりません。相当、何百億と試験の費用をかけ、しかも非常なたくさんの人員、技術陣を使ってやっているメーカー側の努力に対して、本当にどろをかぶせるような議論も若干なきにしもあらずだと思うわけなんです。したがって、そういう意味において、技術ばっかりでなくして、全体のそういう、先ほど、大気の当初五十年規制やなんかを決めるときよりもあとに〇・〇二PPmが決まったんだということなんですけれども、その〇・〇二PPmに到達する手段には、単に自動車メーカーの技術のサボを責めるだけでなくして、ひとつぜひそういう幅広い検討をやっていただけるのが中公審であり、いま若干の議論が漏れたとか、どこでだれが言ったとかいうことをあまりせんさくすると、私も、審議会というのにはずいぶん出席してやったことあるんですけれども、本当に学者の良心というのはあっても、なかなかそれがすぐあとでとやかく言われるとなると、みんなつぼの中に入ってしまって正規な議論をやらないようなことになるという心配を非常に私は持つわけなんです。そういう意味において、ひとつ私は、中公審のいままでにおいていろんな方の御質問で不行き届きな点は改めてもらわなくちゃいけないけれども、基本的に審議会という場における各個人の発言を自由にやって、そのあとそれぞれで、ああだ、こうだととかく言われることのないように、意見は意見としてあって、参考人として聞くことは結構だけれども、あのときはこう言ったんだろう、このときはおまえどうだと、余りとっちめてやることはまずい。また、そういうことが漏れるということは、やはり行政当局ももう少し細心の注意を払って、審議会を運営――運営と言っちゃ語弊があるかもしれぬが、審議会に対してサービスをしていくべきじゃないかと、こう思うわけなんですが、そういう意味において、私は、これ余り個々の人の発言を言挙げしてやっていくと、中公審のような審議会の委員になり手がなくなるんじゃないかという感じを持つのですが、そういうことについてひとつ今後の中公審の運営についての心構えといいますか、環境庁としての考え方をひとつお聞かせ願いたいと思うんです。
#307
○国務大臣(小沢辰男君) 本日の各先生方の御意見十分私拝聴いたしまして、また三治先生の御心配も、私も経験を持つ者として十分わかるわけでございます。公正な専門的な審議が行われますようにいたすことが一番大事でございますので、その手段方法等についてはいろいろな御意見を参照いたしまして、十分今後私どもは気をつけて運営の公正を期していくようにお願いをしたいと考えております。特に、最後におっしゃいました人選の問題で、いろいろな御意見はあろうと思いますけれども、現在の委員の先生方が、どうもすっかり何といいますか、いやになってやめるなんというようなことになりますと、大変なまた行政の渋滞にもなりますので、私としてはできるだけ御理解を願いつつ、また、いろいろな御批判も頭に置いて今後の運営に十分万全を期すように努力したい、かように考えます。
#308
○委員長(鶴園哲夫君) 先ほど沓脱君の方から、河野参考人と杉浦参考人に資料の要求がございましたが、お出しいただけますか。
#309
○参考人(河野良雄君) 先ほど御了承得ましたと思いますが、帰りましてよく相談して、できるだけ御希望に沿うようにいたしたいと思います。一応私の独断では、ここではっきり何とも申し上げかねますので、その点御了承願いたいと思います。
#310
○参考人(杉浦英男君) 先ほどの御要求は、〇・二五のデータというふうなことであると理解いたしております。その数字であるならば、御命令ならお出しいたします。
#311
○委員長(鶴園哲夫君) それでは河野参考人の方の話はそのとおりで、杉浦参考人の方はそれではお出しいただくことにいたしたいと思います。よろしくお願いします。
 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 参考人の方々には、朝以来長時間にわたりまして御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。感謝申し上げます。
    ―――――――――――――
#312
○委員長(鶴園哲夫君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため、二月二十八日参考人の出席を求め、三菱石油株式会社水島製油所重油流出事故に関する件について、この意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#313
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#314
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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