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#1
第075回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第6号
昭和五十年三月二十六日(水曜日)
   午前十一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     浜本 万三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴園 哲夫君
    理 事
                森下  泰君
                山内 一郎君
                栗原 俊夫君
                内田 善利君
    委 員
                青木 一男君
                金井 元彦君
                菅野 儀作君
                藤井 丙午君
                神沢  浄君
                浜本 万三君
                矢田部 理君
                小平 芳平君
                沓脱タケ子君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        信澤  清君
       環境庁水質保全
       局長       大場 敏彦君
       厚生省環境衛生
       局長       石丸 隆治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       文部省体育局学
       校給食課長    加戸 守行君
       厚生省環境衛生
       局食品化学課長  宮沢  香君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    国川 建二君
       農林省農蚕園芸
       局植物防疫課長  福田 秀夫君
       通商産業省基礎
       産業局化学製品
       課長       太田 耕二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (合成洗剤と環境問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 久保亘君が委員を辞任され、その補欠として浜本万三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、合成洗剤と環境問題に関する件について調査を行います。
 本日は、まず厚生省から合成洗剤の安全性につきましてその経緯について説明を聴取し、その後これに対し質疑を行います。
 それではまず説明を求めます。石丸環境衛生局長。
#4
○政府委員(石丸隆治君) それでは合成洗剤の安全性に関します従来の経過につきまして御説明申し上げたいと思います。
 合成洗剤にはいろんな種類があるわけでございますが、現在われわれがいろんな実験を行っております合成洗剤はABS、LAS、AOS及びAES、この四種類の洗剤でございますが、この四種類でほとんど現段階において使用されております合成洗剤の大部分を占めるわけでございますので、便宜この四種類の洗剤を合成洗剤と総称いたして御説明申し上げたいと思います。それと合成洗剤の安全性に関するいろんな問題でございますが、この問題を大きく分けますと二つの問題になるんではなかろうかと思うわけでございます。一つは合成洗剤が人体に面接作用いたしましてそこに起きるいろんな毒性の問題でございます。もう一つは、これが環境汚染物質として環境を汚染するというそういった有害性と申し上げましょうか、そういった害の問題、この二つの問題が大きく現在論議の的になっていると思うわけでございますが、現在厚生省の方で所管いたしております問題は、この人体に対する影響の問題がわれわれの方の研究課題になっておるわけでございます。それで人体に対します合成洗剤のいろんな毒性という問題もこれは大きく分けて二つの問題に分かれようかと思うわけでございます。一つはいわゆる台所と申し上げましょうか、食品関係でこれを使用いたしまして経口的にわれわれ人体内に合成洗剤が取り込まれてそこに起きる毒性の問題、すなわち経口毒性の問題と、もう一つは洗たく用の洗剤、あるいはいろんな家庭用の洗剤としてこういったものが使われます際に、この洗剤にわれわれが接触いたしまして皮膚から入って起こるいろんな毒性の問題、すなわち経皮毒性の問題、この二つの大きな問題に分かれようかと思うわけでございます。それで、こういったいろんな問題が時代とともにいろんな問題を起こし、また、それに対していろんな研究が行われてまいったわけでございまして、そういった点につきまして年次を追いまして御説明申し上げたいと思うわけでございます。
 合成洗剤は非常に古くから使われている物質でございますが、この毒性がわが国で問題にされ始めましたのが昭和三十七年ごろからでございます。すなわち当時合成洗剤のうちのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを投与いたしました動物の血清中総カルシウムが減少するというような報告が学者からなされたわけでございまして、こういった血清中のカルシウム量の減少というようなことから考えて合成洗剤が生体に対して有害であるんではなかろうかというような研究報告が昭和三十七年以降学会誌あるいは関係学会等で発表されたわけでございます。こういうふうにその毒性を疑うような研究結果が発表された経緯にかんがみまして厚生省といたしましては、昭和三十七年から科学技術庁の特別研究調整費をいただいたわけでございましたが、この特別研究調整費によりまして厚生省、通産省、労働省等関係各省が共同研究班を編成いたしまして、合成洗剤の安全性に関する諸問題を検討いたしたわけでございます。
 なお、これは話は別のことでございますが、この安全性に関する研究班を発足させました当時、その直後でございますけれども、昭和三十七年九月二十日、粉ミルクと間違えましてこの合成洗剤を誤飲いたしまして死亡した事故が発生いたしたわけでございます。そうしたことで合成洗剤に対する国民の不安というものが非常に大きくなってまいったわけでございます。ただ、この昭和三十七年九月二十日に発生いたしました事故は、その後昭和三十八年八月二十一日、国、関係会社等を相手取りまして損害賠償訴訟が提起されたわけでございますが、その後裁判の結果――裁判の経過中はサル、ネコ等を用いた動物実験の結果等も提出されたわけでございますが、昭和四十二年六月十五日、この死亡事故は死因は合成洗剤によるものではないという判断がなされまして、原告らの請求は却下されておる、かような経過がございます。これはまたその間の経過をずっとこれから御説明申し上げますが、そういった事件がその際発生いたしておるわけでございます。
 それで、昭和三十七年から科学技術庁の特別研究調整費により厚生省、通産省、労働省等が行いました研究でございますが、これは大きく分けまして六つの分野につきましてこの研究班が編成されたわけでございます。第一の問題は食品衛生上の問題点でございます。これはまた後ほど詳しく御説明申し上げたいと思いますが、食品衛生上の問題、それから二番目が皮膚障害に関する研究の問題、三番目が製造工場の従業員に発生するであろうと考えられる障害、それから四番目の問題といたしまして、これがいわゆる環境汚染物質といたしまして上水道等へいかなる影響が起こるであろうかという、そういった研究、それから五番目の研究といたしまして下水へどういうような影響、この下水処理の面でこれがいかなる影響を与えるであろうかという、かような研究、六番目といたしましてこの当時研究いたしましたのが合成洗済の中のABSでございますが、いわゆるハード型の合成洗剤でございまして、非常に分解が遅いというような問題があったわけでございまして、このABSを分解するいわゆるそういった能力を持った細菌を分離できないかどうかというようなそういった研究班、この六班によりましてこの研究班が編成されたわけでございます。
 それで、厚生省の特に受け持ちました問題が一番目の食品衛生上の問題を研究する研究班でございまして、この食品衛生上の問題といたしまして検討いたしましたのがいわゆる急性毒性に関する試験、二番目といたしまして慢性毒性試験、三番目といたしまして生化学的試験、四番目といたしまして皮膚からの吸収試験、それから五番目といたしまして野菜浸透試験、これを厚生省の研究班によって行ったわけでございます。さらに、当時下水等も厚生省の方で所管いたしておった関係上、いわゆる水質汚濁の問題も厚生省で当時所管いたしておりましたので、上水、下水への影響等も厚生省でこの研究班をお世話しておったわけでございます。さらに、製造工場の従業員の障害ということは、これは労働衛生の問題として労働省の方でこの研究班を所管いたしたわけでございます。
 この研究班がいろんな研究を行っておりますその同じ時点におきまして、やはり厚生省といたしまして、当時合成洗剤の安全性をめぐりましていろんな社会不安が醸成されたわけでございますので、こういったことをさらに専門的立場から検討していただこうということで、昭和三十七年四月十九日に食品衛生調査会に対しまして、中性洗剤を野菜、果物類、食品等の洗浄に使用することについて、食品衛生法第二十五条の規定に基づき会の意見を求めると、かような諮問書を提出いたしたわけでございます。したがいまして、この特別研究調整費によります研究と並行いたしまして食品衛生調査会でいろんな審議が行われたわけでございます。この食品衛生調査会におきましては、大体その当時発表されておりました内外のいろんな文献をもとにいたしまして審議を行ったわけでございますが、それと同時に、それと並行して行っておりました研究班の研究のいろんな途中報告もあったわけでございまして、そういった報告も参考にいたしまして、数次にわたりまして審議を行ったわけでございます。
 で、この調査会の結論につきましては、すでに御承知かと思うわけでございますが、昭和三十七年十一月十四日、厚生大臣に対しまして答申が行われたわけでございます。これがいわゆる世上よく厚生省が中性洗剤の安全性を声明したと言われるものでございますが、その答申は、中性洗剤を野菜、果実類、食器等に使用することは、洗浄の目的から著しく逸脱しない限り、人の健康を損なうおそれはない、かような結論を答申いたしたわけでございます。これが食品衛生調査会の昭和三十七年当時の結論でございます。
 先ほど御説明申し上げました三十七年から行いました特別研究調整費によります特別研究の結果でございますが、これが昭和四十年七月、科学技術庁の研究調整局の方でこの結果がまとめられておるわけでございます。これは科学技術庁の方から御報告願った方がいいかとも思いますが、便宜、私の方でこの当時の報告書を持っておりますので、その概要につきまして御説明申し上げたいと思います。
 食品衛生上の問題点につきましては、先ほど食品衛生調査会において審議、答申をされました線と大体同じ結論が出ておるわけでございます。すなわち、当時の実験によりますと、経口的な五〇%致死量、いわゆるLD五〇というものが、ABSについて申し上げますと二・二グラム・パー・キログラム、これは体重一キログラムに対して二・二グラム、急性五〇%致死量でございますが、そういう数値が出ております。それと同時に、慢性毒性につきましての一日の最大安全量、これは経口投与でございますが、三百ミリグラムパー・キログラム、かような結果が出ておるわけでございます。
 さらにいろんな代謝試験等の結果をごく簡単にまとめて申し上げますと、ABSを六十ないし九十ミリグラム・パー・キログラムの経口投与によって、血液あるいは体内酵素等に特に影響が認められないと、かような、これはいろいろ細かい数字があるわけでございますが、そういうようないわゆる動物実験によりまして一つの安全性の目安として考えられる数値が、ただいま申し上げましたような数値が報告をされたわけでございます。それと同時に、その片一方におきまして野菜あるいは食器、そういったいわゆる洗浄に使用いたしました場合に、野菜の中にどのぐらい入っていくであろうかという片一方の実験、それとあわせまして、通常の状態で野菜等を洗浄いたしました場合、体内に摂取されるABSの量は、最悪の場合を考慮しても〇・六ミリグラム・パー・キログラム程度である、すなわち一つの慢性磁性についての一日最大安全量が、先ほど御説明申し上げましたように体重一キログラム当たり三百ミリグラムという数字が出ておるのに対しまして、現在の使用状況から考えると〇・六ミリグラム程度、すなわち約五百倍の安全率が考えられるわけでございます。これは昭和三十七年の当時におきます実態からの数値でございますが、そういう結論が出まして、そういったいろんなことを考え合わして、この調査班といたしまして、中性洗剤を通常の使用濃度、方法で洗浄のため使用するならば、食品衛生上問題はない、かような結論が提出されております。
 それから二番目の皮膚障害の点でございますが、これは皮膚障害はまたいろんな問題がその後に起きておりますが、当時の一応の報告を読ましていただきますと、動物実験によりますと〇・一%のABS溶液は皮膚に対してほとんど影響がないという、こういう結果を出しております。したがいまして、中性洗剤を通常の使用濃度、方法で洗浄のために使用するならば、皮膚障害は特に問題とする必要はない、かような結論が提出されております。
 それから次は労働衛生の問題といたしまして、製造工場の従業員の問題といたしまして報告がされておるわけでございますが、当時この合成洗剤の製造工場八カ所でございますが、八カ所につきましてABSの濃度を測定いたしておりますが、その工場の空気中の平均濃度が一・五ミリグラム・パー・立米、一立方メーター当たり一・五ミリグラム、かような濃度であったようでございますが、そういう濃度で計算いたしますと、その合成洗剤工場に従事いたしております労働者が呼吸により一日約三十ミリグラム程度吸収する、これは防具を装着しない場合に一日三十ミリグラム、かような計算を行っておるわけでございます。したがいまして中性洗剤、これは言葉がいろいろ合成洗剤、中性洗剤という言葉が出てまいりますが、とりあえず合成洗剤一本でまとめさせていただきますが、合成洗剤製造工場において、労働衛生上の立場から環境の空気中のABSの濃度をできるだけ下げる等の努力をすることが望ましい、かような結論が報告をされております。
 それから次は上水道に対します影響のいろんな調査でございますが、当時十都道府県にございます主要浄水場二十カ所及び井戸五百ヵ所を調査いたしております。これは調査期間が昭和三十七年六月から昭和三十八年一月の間でございますが、この間五百二十カ所のところを調査をやっておりますが、水道水については特に対策を要するほどの汚染は認められなかったが、例外的に東京都玉川浄水場の原水が、ABS濃度平均〇・六PPmになっていた、それから井戸水については少数例では〇・五PPm以上のABSが存在した、ただそういった高濃度のABSの存在した井戸は、いずれも構造環境の不備のものであった、かような報告がなされております。したがいまして、以上によりABSは浄水施設のろ過効果に悪影響を及ぼしたり、地下水の汚染を促進するものでないと考えられるが、水道水中のABS濃度が高くなると発泡しやすくなり、好ましくないので、今後ABS使用量の増大を考慮して、水道原水のABS濃度を下げるよう措置することが望ましい、そのような報告が行われております。
 五番目の問題といたしまして、下水への影響でございます。当時やはり同じ期間に八都市の下水終末処理施設の下水中のABS濃度を測定いたしておるわけでございますが、その下水の処理場に入ってくるところのABS濃度が、平均五PPm、最高一〇PPm前後という数字が出ております。それから、これを下水処理場で処理をいたしまして放流する放流水の濃度につきましての結果は、二PPmないし四PPm。すなわち五ないし一OPPmのものが二ないし四PPmに処理後下がっている、そういう当時の結果が出ておるわけでございます。さらに、下水処理能力に及ぼす影響から考えて、下水中のABSの恕限度は日間平均一OPPm、最高二OPPm以下が適当と考えられる、かような報告がなされております。したがって、この三十七年当時の調査時点におきましては、この下水に対する悪影響は、その時点においては認められなかったわけでございますが、今後のABS使用量の増大に伴い、将来下水処理施設においていろんな障害が問題化すると考えられるので、下水処理施設機能の改善、分解性のよいABSの採用等の対策をとることが望ましい、かような見解が述べられております。これが昭和三十七年当時行いました研究班の結論でございます。こういった結論に基づきましてその後いろんな措置がとられたわけでございます。ただいま申し上げましたように、分解性のよいABSを採用しろ、すなわちABSからLASへの転換というようなことも行われたわけでございます。それから、これも建設省の方の所管でございますけれども、下水処理施設につきまして三次処理というような問題も出てまいっておるわけでございます。
 それから厚生省といたしまして、合成洗剤の成分規格及び使用基準を設定いたしたわけでございます。これは、むしろこういった洗剤というようなものあるいは食品加工上使用されますいろんな化学物質というものはできるだけ必要最小限にとどめるべきであるという基本原則に立ちまして、野菜等に使用した場合の洗浄効果を考慮いたしまして、使用濃度等を必要最小限にすることを内容といたしました基準を昭和四十八年四月二十八日に告示をしたわけでございます。この告示の内容がちょっと非常に専門的でございますが、お手元にこの告示をお配りしてございます。このように三十七年の研究班の結果に基づきましていろんな対策を講じてまいったわけでございますが、その間またさらに昭和四十四年――これはまた話が途中に返りますが、昭和四十四年に開かれました先天異常学会におきまして、合成洗剤に催奇形成作用があることが発表され、合成洗剤の安全性論議が全く別の角度から行われるようになったわけでございます。すなわち、従来昭和三十七年当時は、食品の取り扱い上こういった合成洗剤を使用いたしまして、これが経口毒性としてわれわれにいかなる影響が及ぶかというようなことが問題になっておったわけでございます。これを三十七年から、いろいろ先ほど来御説明申し上げましたように、研究班によりましていろんな検討を加えて一つの結論を御答申いただいた。特に食品衛生調査会から御答申をいただいたわけでございますが、その後昭和四十四年に全然別の角度からこの合成洗剤の催奇形性ということが新しい問題として取り上げられた、こういう経過になっておるわけでございます。
 かように昭和三十七年に答申を受けていろんなことをやったわけでございますが、この合成洗剤の使用量というものが年々増加の傾向にあるわけでございます。それにまた並行いたしまして四十四年に新しい問題としての催奇形性の問題が提起されたわけでございまして、そういった情勢を考えまして、昭和四十八年に合成洗剤の安全性をさらに慎重に追試することを目的といたしまして、また科学技術庁の特別研究調整費をいただきまして研究を行うことになったわけでございまして、その四十八年からこの研究班を編成いたしたわけでございますが、昨年十二月五日、各実験者から口頭による中間報告をいただいたわけでございます。この新たに昭和四十八年から特別研究促進調整費によりまして行っている実験は大きく分けまして三つの班から編成をされておるわけでございます。一つは皮膚からの吸収すなわち経皮吸収による生体影響に関する研究ということでございまして、これを厚生省と労働省が一応お世話をしている、かような形になっております。それから皮膚障害に関する研究、これを厚生省がやっております。それから三番目といたしまして、今度は全然別の角度から洗剤の洗浄効果及び残留性に関する研究、これを科学技術庁の方、すなわち残留農薬に対する洗浄効果の研究を科学技術庁、細菌に対する洗浄効果の研究同じく科学技術庁、それから洗剤の残留性に関する研究、これを厚生省がやっておるわけでございます。さらに経皮吸収によります生体への影響に関する研究というものが三つの小委員会に分かれていろいろな検討を加えておるわけでございますが、一つが慢性毒性に関する研究班、それから二番目が催奇形性に関する研究班、それから三番目が代謝に関する研究班、この代謝に関する研究班を労働省の方にお願いいたしておる、かようなことになっておるわけでございます。
 それからこの研究班のメンバーにつきましてはお手元にお配りしてございますこの資料の最後のページにこの研究班の研究員の名簿を添えてございますので御参考にしていただきたいと思います。
 それで、昨年十二月に一応の中間報告を口頭でいただいたわけでございますが、その内容について概略御説明申し上げたいと思います。
 慢性毒性の分野につきましてこれを行っておりますのが北里大学、東京医大、大阪市の市立衛生研究所でございますが、この三ヵ所で慢性毒性の実験をやっております。昨年の十二月五日の時点におきましてはまだ研究が完成をいたしていなかったわけでございまして、研究の途中でございましたが、十二月五日発表時点までには体重減少などのそういった現象は見られず、異常の報告はなかったわけでございます。さらに、この慢性毒性実験につきましては、現在この実験を継続中でございます。
 それから二番目の催奇形性の試験、これが一つの大きな問題でございますが、この催奇形性につきましては京都大学、三重大学、広島大学の三カ所でこの実験を行ったわけでございます。これはまたちょっと後ほど御説明申し上げたいと思います。
 それで皮膚障害試験につきましては信州大学、東邦大、慈恵医大、それと国立衛生試験所、ここでやっておるわけでございますが、この皮膚障害試験につきましては、粘膜に対する刺激性は弱く、またアレルギー作用は認められない、高濃度で塗布した皮膚に刺激性を見たが、低濃度では刺激性はなかった、この限界が〇・四%という数字、すなわち〇・四%以下の濃度では皮膚に対する塗布実験で刺激性が認められなかった、かような一致したデータが報告をされております。
 それから代謝試験につきましては、これは国立衛生試験所が担当いたしたわけでございます。これ一ヵ所でございますが、この経皮的に吸収される量はきわめて少なく、吸収後二十四時間以内にそのほとんどが屎尿中より排せつされ、排せつ成分は分解した破片であることから生体内ですみやかに分解されるものと考えられる、かような中間報告がなされたわけでございます。
 それで、残りました催奇形性の研究班でございますが、これが意見が現在のところ割れておるわけでございます。すなわち、京都大学、広島大学で、これはまだ実験が完全に完了したことにはなっていないわけでございますが、まあその実験の途中の結果でございますが、京都大学、広島大学ではその催奇形性を認めていない、三重大学で催奇形性が認められたと、かような中間報告が出されておるわけでございます。で、なぜこのような食い違いが起きたかということを先日のこの会議でいろいろ検討をされたわけでございますが、なかなか結論を得ることには至らなかったわけでございます。それで今後さらに実験条件等を厳格に定めて研究を続行しようと、かような結論になったわけでございます。
 それでこの十二月の段階におきまして今後さらにこの催奇形性の研究班においては、実験結果等をいろいろ検討して、お互いにこの実験等に立ち会うというようなことも必要ではなかろうかというようなことで、その打ち合わせ会を本年一月開いたわけでございまして、このやはり催奇形性につきまして意見が分かれた。一つのところは出る、奇形の発生が認められるということ、他のところでは認められないと、なぜこういう違いが出てくるか、それではやはり出たというところの実験を再度確認の意味においてほかのところでも同じようにやってみようではないかということになったわけでございます。すなわち、この動物の種類、系統等がこれは一つの大きな問題になるわけで、動物の種類、系統が違いますと同じものをやりましても、たとえばがんの問題にいたしましても発生する場合と発生しない場合とがあるわけでございまして、動物の種類、系統等を統一しようじゃないか、それから飼育方法も同じようにしよう。御承知のように、こういった実験を行います場合に一つの大きな問題になりますのは、他の条件、合成洗剤を各種の濃度で塗布するという行為以外のいろんな条件というものはやはりみんな同じにしていないと、えさが違ったりあるいはいろんな飼い方の違いによるそういった影響によって片一方では奇形が発生し片一方では奇形が発生しないというような問題もあるわけでございまして、そういった点も十分考慮して、飼育方法も統一をとろうではないかと、さらにこれは非常に専門的な問題になるわけでございますが、実験を終わった動物をあとで顕微鏡等で見るためにいろんな処理を行うわけでございますが、その処理方法などについても一統一をとろうということでございまして、まあそういった細かい打ち合わせをこの一月の会議で行ったわけでございまして、さらにその際そういったいろんな方法をお互いに立ち会って確認しようじゃないかというようなことまで取り決められたわけでございまして、現在この計画に基づきまして動物の手配を行っている段階でございまして、これは非常に特殊な動物、特に無菌的な動物等の使用も考慮いたさなければならないわけでございますので、現在そういった動物の手配を行っておるわけでございまして、その入手ができ次第、次の実験に着手する予定で現在進めておるわけでございます。なお、実験の終了期日等につきましては、これいろんな実験者の研究室の処理能力等もございまして、一定にはなかなかできないんではなかろうかと思っておりますが、極力早期に結論を出すように現在お願いをしている段階でございます。
 それで、催奇形性につきましていろんな意見があるわけでございます。まあいままでいろんな人からいろんな報告が出されておるわけでございますが、経口投与によります催奇形性及び繁殖性試験結果、これがいろんな学者から報告をされておるわけでございまして、その報告を一表にまとめましたのがお手元にお配りしてございますこの資料の十ページ、十一ページでございますが、かように現在まで世界――やはり合成洗剤、世界各国で非常に多く使われているものでございまして、この問題はわが国だけの問題ではないわけでございまして、世界各国いろんな研究所でいろんな実験が行われておるわけでございますが、ここにその一覧表を掲げてございます。それで昭和四十四年の学会にこの催奇形性ありということで発表されまして、その後いろんなところで、特に官公立の研究所でもこのことは重大だということでいろんな実験をやったわけでございますが、たとえば東京都立の衛生研究所、これが昭和四十八年五月に発表しておりますマウスについての実験、それからイギリスのハンチングトン研究所、これはラット、マウスを使っての実験でございますが、昭和四十八年十一月発表、それから大阪府衛生研究所、これはマウスを使っての実験で、これは非常に新しい実験でございますが、四十九年十三月発表いたしておるわけです。この三つのその後の研究等において、結果はいずれも奇形の発生を認めないという報告がなされておるわけでございます。それもここに一応この表の中に加えてございます。まあ、これいずれにいたしましても、そういうここにこれだけの報告がございまして、こういう結果、これは事実をここに出したわけでございます。こういういままでの内外の文献によります調査によりますと、かような結果になる。
 以上をもちまして報告を終わりたいと思います。
#5
○委員長(鶴園哲夫君) 以上で説明の聴取を終わりました。
 午前中の調査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十三分開会
#6
○委員長(鶴園哲夫君) 委員会を再開いたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○森下泰君 先ほど厚生省の環境衛生局長から詳細の御説明がありまして、本件につきましての大筋はほぼ理解をいたしました。なお、昭和三十七年以来、国会における本件の審議を私調べてみましたところ、衆議院におきましては、予算、決算、社労、商工、内閣、法務、公害環境並びに科学技術の各委員会におきまして十六回、参議院におきましては三十七年二月に坂本、阿具根両委員の柳沢参考人に対する御質問以来、社労、予算、決算、物対の各委員会におきまして十一回、両院合わせまして二十七回の御審議が行われております。かつ、先ほど御説明のとおり、厚生省においてその後適切な処置がとられておりますので、私の意見では、すでに本件は一応の解決を見たものではないかと、かように考えるものでありますが、国民生活に及ぼす影響の非常に大きい重大な問題になりますので、この際、さらに明確にしておきたい、かように考えました。特に監督官庁であります厚生省の御見解をただしたい、かように考える次第でございます。
 合成洗剤は、昭和三十年代の電気洗たく機の普及に伴って、使用量が爆発的に増加したのは周知のとおりであります。その結果、主婦にとってつらい仕事であった炊事、洗たくが大幅に改善されました。しかし、三十七年の庵島事件以来一部の学者、消費者の間から合成洗剤には手荒れ、発がん性、催奇形性等の原因となる有害説を唱える声が上がってまいりました。この声を聞くたびに、私は率直に申しまして、中世の魔女裁判、またガリレオの地動説に対する非難の声を思い起こさざるを得ない次第でございます。特に催奇形性に関しましては、国立衛生研究所、京都大学、東京都衛生局、イギリスのハンチングトン・リサーチセンター、そして昨年末の大阪府衛生部の実験結果と、いずれも催奇形性はないという否定の公式発表がございました。先ほど御説明のとおりであります。さらにまた、わが国より十数年も前からアメリカ、ヨーロッパにおいて合成洗剤が使用されている事実、言いかえますれば、延べ十数億人の人々の生体実験が行われたことになるわけでありますが、そのアメリカ、ヨーロッパにおいては合成洗剤有害論や、あるいは追放運動は全く起きておりません。ましてや、いかなる規制もなされていないと聞き及んでおります。いまわれわれの身の周りを見渡して見ますと、一〇〇%安全というものはあり得ません。洗剤と同様に台所にあります砂糖でも、人間の体重一キロ当たり八グラムから十二グラム食べれば急性毒性で致死量になりますし、同様に飲用アルコールは一キロ当たり七・四ないし八グラム、食塩はキロ当たり三・七五グラム、ふくらし粉が三グラムないし四グラム、そして合成洗剤は、衣料用で四グラムから七グラム、台所用で六グラムから十グラムが致死量という結果が出ております。で、反合成洗剤をお唱えになる方々が、こうした結果から食塩の追放、飲用アルコールの禁止あるいは砂糖の追放を唱えられるでありましょうか。恐らく一度にそれだけの量は体内に入るはずがないとお答えになるはずでございます。さらにまた、合成洗剤有害説を唱えられる方々のおっしゃるとおり、合成洗剤を粉石けんに切りかえました場合、必要とされる原料である牛脂は四十六万七千トン、ヤシ油は十一万七千トン、これは牛脂の世界輸出量の四割、ヤシ油の二割を日本が買い占めなければならない、かような計算に相なります。これら牛脂、ヤシ油は本来食糧用であり、食糧危機が叫ばれております折から、または世界的に資源問題が大きくクローズアップされておりますときに、このような主張が適切かどうか、私には大変疑問に思われてなりません。また、粉石けんに転換しました場合、天然油脂の輸入増により年間六百億円の外貨がいまよりよけいに必要となるわけであります。さらに、いま述べましたことから、現在より洗剤というものが当然にコストアップになることは申すまでもございません。私は、何も値段が高くなるから、あるいは外貨が多く要るから、というのではなくて、年間約一千万トンという合成洗剤が世界じゅうで生産されておりますが、その中でわずか八十三万トンを生産しております日本だけに限って、どうして合成洗剤の追放という声が起きるのか、ましてや、多くの学者、専門家の実験からも有毒性が否定されております中にあって、なぜ特別に取り上げられなければならないのか、まさしく合成洗剤追放運動は、他の最近やかましい排気ガスの問題あるいは騒音公害などについてのヒステリックな論調と同様に、魔女狩り以外の何ものでもない、率直に私はかように考えるものでございます。
 さような立場から、そこで監督官庁である厚生省の御意見をただしておきたいと考えます。お伺いいたしたいことは七つございます。
 第一に基本的な問題として、合成洗剤の安全性について、厚生省は基本的にいかにお考えでございますか、お伺いをいたしたいと思います。
#8
○政府委員(石丸隆治君) 合成洗剤の安全性の考え方につきましては、本日午前中に御説明申し上げたところでございまして、二つの点からこれを論じなければならないのではなかろうかと考えておるわけでございます。
 まず、野菜、果実あるいは食器具等の洗浄の用に用いまして、これが経口的に入ってきたときの毒性の問題でございますが、この点につきましては、昭和三十七年度科学技術庁の特別研究促進調整費によりまして研究いたしました結果、通常の洗浄の目的で使用する場合におきましては、人体に対する影響はないとの結論を得ているところでございます。なお、この点につきましては、同じく昭和三十七年の食品衛生調査会におきましても、大臣の諮問に対しまして調査会の方から同じ趣旨の御答申をいただいているところでございます。しかしながら、最近に至りまして、この経口毒性に加えまして、経皮毒性の問題が新たに提起されたわけでございまして、そういった状況にかんがみまして、厚生省といたしましてはさらに慎重を期するため、昨年度科学技術庁の特別研究促進調整費をいただいて、労働省、科学技術庁等の研究機関の御協力を得まして、現在経皮毒性あるいは催奇形性試験等、総合的にその毒性の検討を行っておるところでございまして、昭和五十年度におきましても引き続いてこれらの試験を続行してまいる所存でございます。なお、現在果実、野菜あるいは食器具の洗浄剤につきましては、品質を確保し適正な使用を行わせるために規格、基準を設定しているところでございます。さらに、一般に使用されております中性洗剤あるいは合成洗剤は、人によって手の荒れ等の問題が起きておるわけでございます。これはまた使用者のいろんな個人的な体質の関係等があろうかと思うわけでございますが、手の荒れ等の訴えのある人も出てまいっておるわけでございまして、こういった点にかんがみまして、現在家庭用品品質表示法に基づきまして、適正濃度の使用と使用後の手入れ等の方法につきまして、洗剤の容器にそういった意味での表示を行わせているところでございます。
 さらに、この合成洗剤に比しまして洗浄力は劣りますけれども、より作用の緩和と申し上げましょうか、人体の皮膚刺激等のさらに弱い石けん等、脂肪酸系の洗剤の規格もこの食品衛生法で定めておるわけでございまして、これを定めましたということは、関係省の御協力を得まして消費者が選択の自由を確保できるよう、すなわち、どちらでも自由に使えるように、そういった生産等もお願いしている、こういう状況でございます。
#9
○森下泰君 ただいまの御意見では適切な使用が行われ得る限り安全であると、基本的にはさような御意見と了解してよろしゅうございますか。
#10
○政府委員(石丸隆治君) 御指摘のとおりでございます。
#11
○森下泰君 じゃ次に、具体的な問題でございますが、先ほどの御説明の中で合成洗剤の催奇形性についてクロスチェックの実験を行うと、かような御説明がございました。私、先ほどの資料を拝見いたしておりましたが、私の信じております範囲で、多くの資料の中でほとんどの学者の御意見が催奇形性につきましては否定をされておりまして、ごく少数、極端に申せば御一名の御意見がさようでないと、かような状態のように理解をいたしておりますが、さような状態のときに、なおかつクロス実験をしてさらに検討を加えるという必要があるのかどうか、あるいは具体的におやりになるとすればどういう方法でお進めになるのか、その点について御意見を伺いたいと思います。
#12
○政府委員(石丸隆治君) この合成洗剤の特に催奇形性の問題につきまして意見の分かれているところは、先生ただいま御指摘のとおりでございます。それで、まあこれいろんな意見が実験結果から出てくるのはやむを得ざるところだと思うわけでございますが、先日この研究班を開きまして、こういったデータの食い違いがいかなる理由によってそういった食い違いが出てきたものか、御検討を願ったわけでございますけれども、先日の委員会におきましては、そのデータの食い違いというものを学問的に説明し得るような結論を得られなかったわけでございます。まあそういった場合に、やはりそういったデータの食い違いというものを学問的に正確に証明し得れば、それで一つの問題が片がつくのではなかろうかと思うわけでございますが、不幸にいたしまして、この問題につきましては、先日の委員会におきましていろいろ御検討願ったわけでございますけれども、それを説明し得るだけの結論には達しなかったわけで、したがいまして、これはやはり実験の方法の食い違いというようなものが一応考えられるわけでございますので、今後の問題といたしまして、両者の間で実験の方法等を統一いたしまして、同じ方法でやってなおかつそういった食い違いが出るものか、あるいは実験の方法を同一にすれば同じ結果を得るものであるか、そこをもう一度御検討願うということで、現在この研究班の計画を立案中でございます。
#13
○森下泰君 わかりました。
 第三問、第三点をお伺いいたします。
 合成洗剤には発がん補助性があるという御意見を耳にいたしたことがございますが、この点につきましては厚生省の御見解いかがでございますか。
#14
○政府委員(石丸隆治君) 合成洗剤の発がん性の問題、すなわち合成洗剤ががん原性を持っているかどうかという問題につきましては、多くの研究報告が出されておりまして、合成洗剤そのものの発がん作用ということは認められていないという結論になっているというふうにわれわれは理解いたしておるわけでございます。
 それで、先生御指摘のような合成洗剤の発がん補助作用というものがあるかどうかという点でございますが、これは理論的には考えられるところでございますけれども、まだこれを実験的に立証している事例はないわけでございまして、そういった意味におきまして、高濃度のABS、すなわち合成洗剤と――四−NQOという、これは自然界には存在しない物質でございます。四−NQOという強力な発がん物質、これは人工的につくった物質でございますが、この物質と両方をこうかけ合わせまして発がん率が高まるかどうかという実験が必要なわけでございますが、まあ非常にABSの高濃度のところで実験をやりますと、この発がん率が高まるという、かような報告はあるわけでございますが、現在の通常の使用の濃度、そういったところでこういった作用があるのかないのか、まだ実験的に証明されておらない段階でございまして、そういった点につきましては、さらに今後検討してまいりたいと思っております。
#15
○森下泰君 ただいまの御意見は、発がん補助性は現在の時点においては認められないと、かような御見解と解釈いたしますが、よろしゅうございますか。
#16
○政府委員(石丸隆治君) 現時点におきまして、現在通常使用される濃度域においては証明されていない、かようにわれわれは理解しております。
#17
○森下泰君 ありがとうございました。
 第四点、水田で作業をしておられた婦人が合成洗剤がその水田に流れ込んだということによって肝臓障害を起こしたという事例を耳にいたしましたが、この事実並びに御見解を伺います。
#18
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘の事例に、私がこれから申し上げるのがぴったり当たるかどうか、ちょっとわからないわけでございますが、恐らく島根県浜田市で農業に従事しておられる婦人の事例ではなかろうかと思うわけでございますので、その事例について御報告申し上げますと、本件につきまして、われわれの方は県からの報告を受けておるわけでございまして、その経過を承知しておるわけでございます。なお、この事例についてはっきりこの合成洗剤のための肝障害という結論はまだ出ていないというふうにわれわれ承知いたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、従来いろいろこの合成洗剤の毒性の検討は行っておるわけでございますが、特に普通の濃度におきまして肝臓障害というような――これは動物実験の結果でございますけれども、動物実験による肝臓障害というような結果を得ていないわけでございまして、現在のところこの事例が果たしてこの合成洗剤の影響による肝障害か否かということはまだ不明の段階になっております。
#19
○森下泰君 現状について、ただいまの御意見は現状については取り上げるに値しない事例である、客観性という点においてなおそういう意味で検討を要する、かように了解してよろしいですか。
#20
○政府委員(石丸隆治君) やはりこういった問題につきましては、われわれといたしましてはどちらかの結論が出るまで徹底的にやりたいわけでございますけれども、現状におきまして県の方からの報告によりますと、まだどちらとも結論を得るに至っていない段階というふうに承知いたしております。
#21
○森下泰君 ちょっとしつこく伺いますが、非常に重大な問題であれば何らかの措置を要するはずでございますが、本件につきましては早急に何らかの措置をしなければならないという問題ではない、かようにお考えであると了解してよろしいですか。
#22
○政府委員(石丸隆治君) この動物実験との関連から考えまして、合成洗剤による影響ということは非常に考えにくいというふうにわれわれ理解しておるわけでございますけれども、そういった点につきましてさらに確証を得るために県の方に対しまして調査を依頼している、かような状況でございます。
#23
○森下泰君 ありがとうございました。
 第五点をお伺いいたします。実は昨年末東京都において野菜及び果実については水洗いだけでよいという見解の発表があったようでありますが、国民の健康を預かる厚生省とされて、東京都の言われたように日本全国で生産される野菜のすべてが水洗いだけで国民の食卓へ運ばれることが望ましい、かようにお考えでありますか、御意見を伺います。
#24
○政府委員(石丸隆治君) これは非常にお答えしにくい御質問だと思うわけでございますが、われわれ食品衛生を担当しておる者といたしましては、こういった化学的な合成品をいろんな食品の取り扱いの過程において使用いたします場合に、やはりこの毒性の問題を離れましてできるだけそういった化学物質というものがわれわれの食生活の中に入り込まないような方法をとっていくという、そういう原則的な方法を考えておるわけでございます。したがいまして、東京都が最近学校給食用の野菜、果実の洗浄につきまして合成洗剤を中止する方針を決めた、水洗いだけで十分だという方針を決められたやに聞いておるわけでございますが、これが果たして合成洗剤の毒性のためにそういう措置をとられたのか、あるいはその他のいま私が申し上げましたような食品衛生の基本的な姿勢としてそういう方法をとられたのかという点が問題ではなかろうかと思うわけでございます。これにつきましては、一つは野菜や果実に付着いたしておりまする寄生虫卵、あるいは農薬による汚染、そういったものが、だんだん現在関係各省庁の努力によりましてそういった点が非常に改善されてきておるわけでございまして、そういう状態の中で寄生虫なんかが減少しておる状態の中では水洗いだけで十分ではなかろうかということでそういう御決定がされたというふうにわれわれは判断いたしておるわけでございます。その一つの証拠といたしまして、もし有害性ということでそういった中止が行われたものとすれば、やはり学校給食の食器の洗浄にこの合成洗剤を使うこともおやめになると思うわけでございますけれども、食器の洗浄については中性洗剤の使用を継続されているという、かような状況でございますので、やはりいまの野菜、果実等の寄生虫卵あるいは農薬による汚染、その現状から考えて合成洗剤の使用の必要性がないという点からその使用をとめられたというふうにわれわれは理解しておるわけでございまして、そういった点につきましては東京都に入荷する野菜、果実等についてそういう状況にあるということは理解できるわけでございまして、その他の都市、全国的にこれが当てはまるか否かということにつきましては、それぞれの地方の実態によって異なってこようかと思っております。
#25
○森下泰君 ただいまの御意見では、東京都へ入ってきます野菜と大阪や名古屋あるいは長崎県で使われます野菜とは入ってくるときの条件が違うんだというふうに伺いましたが、そう解釈してよろしいですか。
#26
○政府委員(石丸隆治君) この寄生虫卵による野菜、果実の汚染の実態というものをただいまわれわれデータとして持ち合わせておりませんけれども、やはり人間の寄生虫卵保有率というものを地域別に見ますと相当地方によってその格差があるわけでございまして、そういう実態から考えますと、やはりそれぞれの生産地で生産される野菜の寄生虫卵による汚染率というものも相当地域性があるんではなかろうかと推定いたしております。
#27
○森下泰君 私ども素人の考えですと、むしろ東京の野菜の方が大気汚染やいろいろ要素を含めまして汚染されておりまして、地方の方がむしろその要素が少ないというのが常識的な見解ではないかと思いますが、なお伺いたいのは、さように各地におきまして条件が違いますから、ですからそれぞれの府県の判断でよろしいと、厚生省としてはそういうことについては特に指導を要さない、こういう御見解ですか。
#28
○政府委員(石丸隆治君) ただいま私申し上げましたのは、そういった先生御指摘のような大気汚染に伴う化学物質による汚染ということではなく、一つのインデックスといたしまして寄生虫卵の問題を取り上げたわけでございまして、たとえば寄生虫卵保有率を見ますと、滋賀県に比べますと東京は約九分の一というような状況になっておるわけでございまして、そういう点から考えますと、やはり東京に入荷している野菜等は寄生虫卵に関する限りは相当きれいなものではなかろうかと思っております。そういったふうに非常に地域的な偏差と申し上げましょうか偏りがあるわけでございまして、やはりそういった点につきましては国が統一して全国を同じ方法でやるというよりは、やはり各地域の実情に応じてそれぞれの都道府県で御処置願った方がいいんではなかろうかと思っております。
#29
○森下泰君 ただいまの問題につきましては、私は、合成洗剤が仮に悪いということで、そして使わない、水洗いでよろしい、ところが当然考えられますことはいまお話しの寄生虫あるいは細菌、いろんな問題がございまして、その方のマイナスがたくさん出るという場合が当然に考えられると思います。したがいまして合成洗剤が悪い場合でもなおかつさように比較して相対的に考えるべきことではないか、ましていわんや合成洗剤に問題がないといたしますれば全くばかげた考え方でございまして、そういう考え方で仮に東京はおやりになる、勝手にやればよろしいということで、厚生省の監督官庁、責任官庁として、将来そのために寄生虫がふえた、あるいはいろんな問題が発生すると思いますが、さような場合に非常に、どういうふうに御措置になるのか大変問題があると思いますので、なお御検討いただきたい。希望だけを申し上げておきます。
 第六番目の質問を申し上げます。中性洗剤による先ほど話もございましたが、皮膚障害の問題でございますが、現在、日本の主婦のほとんどというよりも完全に一〇〇%の主婦の方々が合成洗剤を使っておられると私は確信をいたすものでございますが、その全日本の主婦の方々の間で皮膚障害が実際にどのように起こっておりますのか、もし起こっておりますとすれば厚生省としてはどのような措置、対策を講じておられますか、お伺いいたします。
#30
○政府委員(石丸隆治君) この調査そのものが非常に全国民を対象に調査することはむずかしいわけでございますが、この消費科学連合会が国民生活センターに委託いたしまして調査した事例で申し上げますと、二千九百人のこれは調査でございますが、そのうち皮膚障害の経験があるという回答を寄せられましたのが三五%の千十七名でございます。それから皮膚障害の経験がないという回答を寄せられましたのが六二%の千八百十四名、それから回答がなかったのが三%の七十名、かような結果を得ておるわけでございます。で、この皮膚障害も、これはいろいろ程度があるわけでございますが、御承知のように、この合成洗剤は非常に脂肪を取り去る力が強いわけでございまして、われわれの皮膚から皮膚の脂肪を取り去る作用を持っておるわけでございまして、まあそういった意味では人によって手の荒れを防止することは不可能になってくるんではなかろうかと思うわけでございます。この手の荒れというものが一体どういう性格のもので、どうしてそういったことが起きるかというさらに細かい検討につきましては、現在、厚生省の方でつくっております研究班で、皮膚障害の研究班の方におきまして、いろいろどういう人にこういったことが起きるのかというような点につきましてさらに現在研究を進めているところでございますが、いずれにいたしましても、そういった手の脂肪を取り去るという作用を持っておるわけでございますので、何らかのそういった作用があろうかと思うわけでございます。このため、そういったことを防止するために、家庭用品品質表示法に基づきまして、適正濃度でこれを使用する、それぞれの商品の適正濃度あるいはその使用後の手の手入れ方法等につきまして、洗剤の容器にこれを表示させるという方法をとっておるわけでございます。そういったようないろんな方法でこの手の荒れ等の問題につきましても対処しておるわけでございます。さらに、どうしても合成洗剤で手の荒れを防ぎ得ないというような人もおられるわけでございまして、そういった意味におきまして、先ほど申し上げましたように、食品衛生法の一部改正によりましてこの洗浄剤の規格基準の中で脂肪酸糸の洗浄剤の規格基準を定めておるわけでございまして、やはりその消費者の選択の自由を確保し得るよう、われわれといたしましては通産省の方とも御相談申し上げていると、かような状況でございます。
#31
○森下泰君 先ほどの冒頭の局長の御説明の中で、私は聞き違いかもわかりませんが、十二月五日の中間報告の内容として、皮膚の問題についてはアレルギーはない、それから濃い濃度の〇・四%以上でなければ、ほとんどというよりも全く問題がないと、こういう中間報告であったというお話ですが、間違いございませんか。
#32
○政府委員(石丸隆治君) 先ほど申し上げました十二月五日の委員会の結論はただいま先生御指摘のとおりでございます。
#33
○森下泰君 じゃ、最後の御質問を申し上げます。
 諸外国特に文明諸国と言われておりますヨーロッパ、アメリカにおきましては中性洗剤の安全性を問題にしている国があるのか、また独自の使用法などが各国で明示されておるのか、そういった点について御説明をいただきたいと思います。
#34
○政府委員(石丸隆治君) 御承知のように、合成洗剤は世界各国、非常に幅広く使用されている洗剤でございまして、世界各国それぞれの国におきましていろいろ検討を行っておるわけでございまするけれども、いままでのところ、その安全性について問題にしている国というものについてはいま聞いていないところでございます。ただ使用方法等につきまして、これいろいろ規制を行っているところがあるわけでございますが、これはまあほとんどがアメリカでございますけれども、アメリカにおきましていろんな洗浄剤についての規制を行っておるわけでございます。先ほどわが国の現状につきまして適正な濃度でこれを使用するということを表示する義務を課しているということを申し上げたわけでございますけれども、特にアメリカ等は容器の規制を行っておるわけでございまして、特殊な容器の使用を義務づけておりまして、その容器を使いますと一定量以上は出ないというようなそういう容器の使用を義務づけたり、いろんな使用上の規制は行っておるところでございますが、アメリカ以外の国におきましてそういった規制をやっているということは聞いておりません。さらに、アメリカにおきましては、粘膜に対する刺激性というようなことで、容器に特に乳幼児の粘膜に対する刺激性の注意ということの表示を義務づけておる、こういう状況でございます。
#35
○森下泰君 特に先ほど来問題としてお伺いいたしました催奇形性あるいは発がん補助性等につきましては諸外国では全く問題になった事例はないと、かように理解してよろしいですか。
#36
○政府委員(石丸隆治君) 発がん性の問題あるいは催奇形性の問題、これにつきまして諸外国におきましてもいろいろ実験は行っておるところでございますが、いままでわれわれが入手いたしております報告によりますと、そういったがん原性あるいは催奇形性を証明したという学術論文にはまだ目を通していないところでございます。
#37
○森下泰君 その場合に問題にしておるという内容でございますが、個々の学者が問題にして研究されるのはもちろん当然あると思いますが、政府あるいは政府機関において政府の予算を使いましてそうした検討が行われておると、さような事例はございますか。
#38
○政府委員(石丸隆治君) ちょっとそういう事例、われわれ特に世界各国それぞれの国について調べたことがございませんので、お答えいたしかねる状況でございます。
#39
○森下泰君 質問終わります。ありがとうございました。
#40
○浜本万三君 まず私、自分自体が勉強すると、こういう意味もございますので、そういう意味を含めまして通産省の方からまず質問をしていきたいと思います。
 需要と供給の関係なんでございますが、実際の実情を踏まえるために質問をしたいと思うのですが、まず供給側の方ですが、特に洗剤がたくさん利用されるような時期になりまして問題が出ますのが三十七年でございますから、三十七年と十年たった今日の状況を比較されまして、石けんと洗剤が一体どの程度生産をされておるかということからまずお尋ねをしたいと思います。
#41
○説明員(太田耕二君) お答えいたします。
 三十七年におきます合成洗剤の生産でございますが、これは十八万九千トンでございます。石けんでございますが、これは十七万一千トンでございますが、このうち粉末の石けんが六万トンばかり、その他固形が十一万トンということになっております。そのほか化粧石けんがあるわけでございます。十年後と申しますか、昨年の実績を申し上げます。昭和四十九年でございますが、合成洗剤の生産実績は八十三万一千トンになっておりまして、一方洗たく用石けんにつきましては三万二千トンということでございます。粉石けんにつきましては、そのうち約一万六千トン、固形石けんが一万七千トンばかしということになっておるわけでございます。そのほか、いわゆる化粧石けんが十万トン強出ております。ここでちょっと注意、目につきますことは、実は昭和四十八年でございますが、昭和四十八年ごろからいわゆるこの粉石けんへの転換の声が非常に高くなりました。四十九年、昨年はその声が非常にさらにアクセルレートされたというふうに私どもは感じておるわけでございますが、粉石けんにつきましては、昭和四十八年度二万一千トン弱の実は生産がございましたが、四十九年は一万六千トン弱ということになっておりまして、約二五%ぐらいの減ということに実はなっております。これは実は供給を十分しなかったということではなくて、実際の問題といたしまして、実は売れなかったという実態に基づくものだと私どもは解釈いたしております。
#42
○浜本万三君 いまのこの生産の状況を伺いますと、結局合成洗剤が十年前に比べると十六、七倍大体生産をされるようになって、逆に天然の石けんが非常に少なくなったということなんですが、そういう合成洗剤を製造するメーカーですね、主として大きいところはどういうところがあるんでしょうか。
#43
○説明員(太田耕二君) ちょっとただいまの御質問にお答えする前でございますが、十年間で非常に大きな倍率というお話でございますが、これは念のために申し上げますと、昭和三十七年が十八万九千トンで、四十九年が八十三万トンでございますので、四・数倍ということでございます。この辺、念のために再報告さしていただきます。
 合成洗剤の主なるメーカーでございますが、これは花王石鹸、ライオン油脂それから外資系のP&Gサンホームという会社がございますが、そのほかにニッサン石鹸、ミヨシ油脂、こういったところが主なるところでございまして、そのほかに中小メーカーが十数社ございます。合計二十社ばかしというふうに御理解いただきたいと思います。
#44
○浜本万三君 そのうち、たとえばライオン油脂とかそれから花王などですね、大手五社とか聞いておるんですけれども、それの占有率は大体どのぐらいでしょうか。
#45
○説明員(太田耕二君) これは台所といわゆる衣料用の洗たくとは若干違いますけれども、大筋で申し上げますというと、中小メーカーのシェアは大体一〇ないし一五%、それ以外がしたがいまして、この大メーカーということになるわけでございます。
#46
○浜本万三君 これまで洗剤が、その性質が多少変化をしてきておるわけです。たとえば従来のABSがLASに変わるとか、そのほかいろんな変化があったと思うんですが、そういうこの合成洗剤の変化した主な内容と、それから、そういうふうに性質を変えなきゃならなかった理由、これを伺いたいと思います。
#47
○説明員(太田耕二君) 成分の変化でございますが、これは先ほど厚生省の方からお話がございました分解性の問題で、実はABSからLAS、正確に申しますとこれはLABSということなんでございますが、いわゆるこのベンゼン核に枝がついているわけでございますが、その枝が分岐したものでありますというと、分解能力が悪いということで、直鎖、いわゆるリニアナABSということでLASと呼んでおりますが、そちらの方に実は変わったわけでございます。これにつきましては、昭和四十二年に通産省でも変えるようにという通達を出しまして、変更させましたいきさつがございまして、現在では、国内向けと申しますか、全量LASに変わっておると。したがって、界面活性剤分、いわゆる衣料用、洗たく用の洗剤で申し上げますというと約二〇%弱、そういった界面活性剤が入っております。このABSからいわゆるLASに変わったというふうな基本的な違い以外は、その後は変化はございません。
#48
○浜本万三君 外国もそういう経路をたどって成分を変えてきておるんですが、私の調べたところによりますと、一番早いのが西ドイツが三十九年ソフト化しておりますが、アメリカが四十年、イギリスはABSの製造を禁止したという資料があるんでございますが、日本の場合にはようやく通産省が四十二年にその指導をなさるということは、非常に鋭敏な通産省としては、この問題に限って手ぬるいんじゃないかというふうに思うんですが、先ほど聞きますと、大手五社が相当の占有率を占めておる、あるいはここでも大企業の製品を擁護するという指導が残っておるんじゃないかという疑いがあるんですが、それはございませんか。
#49
○説明員(太田耕二君) いまのお尋ねの件でございますけれども、実は日本といわゆる大陸と国情が違います。と申しますのは、一つの例でございますライン川をとりましても、いろんな国を非常に長期間流れるわけでございますから、この内陸における滞留期間が非常に日本と比べて比較にならないくらい長いわけでございます。そういたしますというと、やはりいち早く分解性につきまして大きく問題になった。ところが、日本の場合はいわゆる水、山岳から海までの距離が非常に短うございますし、なおかつ雨量が多いものでございますから、そういった内水と申しますか、その滞留期間が非常に短い。したがいまして、いわゆる分解性、いわゆるあわ立ちの問題につきましても、問題のなり方がよりシリアスじゃなかったということ、それからしたがって、この時期も若干おくれる事情にあったと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございまして、決して大企業擁護とかなんとかということではございません。
#50
○浜本万三君 分解性の問題から言いますと、大体三〇%まで分解するのが五時間とか、さっきちょっと時間のことをおっしゃいましたけれども、そうなってまいりますと、日本は川が急流であって、したがって、早く分解せずに海に放流をされる、こういう危険性があるから、なお外国よりは危険度が高いんじゃないかと思うんですね。にもかかわらず、日本のこれは厚生省か通産省か両方だろうと思うんですが、外国の打つ手よりもおくれたということは、相当問題があるんじゃないかというように思うんですが、いかがですか。
#51
○説明員(太田耕二君) その場合、海に流れました場合の残留ABSの濃度が問題になってしかるべきだと思うわけでございますが、その件につきましては、実は環境庁の方で調査しているやに伺っております。で、そういった海域におけるABSのいわゆる残留濃度というものは、それがある一定水準以上であるがゆえに、これは非常に問題であるということには現在までなっておりません。したがいまして、御質問の件につきましては、いわゆる野放しというふうなことにはならないんではなかろうかというふうに私どもは実は了解している次第でございます。
#52
○浜本万三君 いずれしましても、こういう化学物質を使うことはできるだけ避けたいという厚生省からのいまお話がありました。まさにそのとおりだというふうに私も思うわけですね。ところが、そういう中で一方ではいわゆる有毒性の問題もあるし、そしてこれは無害なんだという議論もありますけれども、いずれにしても大きく議論があって、今日、国民が非常に不安を持っておる時期なんですが、その時期になお洗剤の広告というものが朝から晩まで相当な頻度で行われておる。そうすれば、安全という問題よりもやはり買わされるという状態が今日の流通関係の中あるいはマスコミの中では行われているんじゃないかと思うんですが、いま問題であるとするならば、洗剤の広告自粛について通産省はもっと指導すべきではないかと思うんですが、いかがですか。
#53
○説明員(太田耕二君) 広告の自粛ということになりますと、結局安全性からくるのか、またほかの面からくるのかということによって観点が違ってまいると思います。安全性からくる問題であるとすれば、先ほど来いろいろ御議論、御質問なり、御警告なりあったわけでございまして、私どももいまのところ危険であるというふうには了解しておりません。したがってその面からいきますというと、いわゆる現在実施しております広告について、その行為自身がいわゆる常識を越えて逸脱しているかどうかということは必ずしも何とも言えないような段階かと思います。一方、広告料そのものがいわゆる過大ではないかというふうな問題はまた別な論点から論ぜられるといたしますというと、ここではちょっと公害、毒性の立場から言うと違った見方で議論しなければいかぬ問題ではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。
#54
○浜本万三君 いずれにいたしましても、天然の石けんがよろしいということは間違いない。ただコストの問題もあるでしょうが、そこで一つお尋ねをするんですが、今後天然石けんと合成洗剤をスーパーその他小売り店では両方とも消費者が選択できるように販売をする体制を指導されておるということを聞いておるんですが、今後ともそういう天然石けんの生産を強化いたしまして、いまの体制を一層強化するような指導をする考え方はございますんですか。
#55
○説明員(太田耕二君) ただいま先生のお話の線に沿いまして私ども過去にも何回か工業会並びにいわゆる流通段階等につきまして、いわゆる行政指導の形で要望しておったわけでございますが、当事者の話によりますというと結局売れないということを言うわけでございます。合成洗剤と違いまして、いわゆる石けんは時間がたちますと変質いたします。そういった問題がございまして、先ほど昭和四十八年度の粉石けんの数字と四十九年度の数字を申し上げまして減っておるということを申し上げた次第でございます。しかし私どもはやはり消費者のいわゆる選択の自由というのは確保すべきであるという立場から、折に触れて今後ともいわゆるそういった選択の余地を侵さない、すなわち求めたい人が手に入れることができるようにというふうに指導するつもりでございます。実は洗剤排斥運動、粉石けんへ切りかえろという運動が私どもの省にも再三実は来ておりまして、そのとき、もし手に入らなかった場合には言うてくれ、そういたしますと私どもは手に入るように手配をいたしますというふうな実はお約束をしている次第でございます。現実の例を申し上げますというと、実はスーパーでも一時置いたものが売れないもので引っ込めてしまう。これは商品の回転の問題もございます。それから大体においてクリーニング店に参りますというと粉石けんを分けてくれます。そういった事情を申し上げまして、なおかつそれでも手に入らないという場合には私どももしくは工業会の方に申し入れてください、手に入らないということがないようにいたしましょうというふうに実は指導と申しますか、御報告と申しますか、そういったことをやっている次第でございます。
#56
○浜本万三君 いずれにしましてもやはり店頭販売、並列販売の義務づけということは当面非常に必要なんじゃないかというふうに思いますので、なお積極的にそういう体制が確立できるようにひとつ指導してほしいというふうに思います。
 それからもう一つ通産省にお尋ねするんですが、さっき、適量を使いなさい、あるいはまた使った後はこういうふうに処理しなさい、手入れをしなさいというような使用上の細かい注意をしておるんだというふうにおっしゃいましたが、私もちょっと洗剤の容器を見たんですが、とてもじゃないがなかなか小さい字でたくさん書いておりますのでむずかしいというふうに思うわけですね。そのわりにどっさり出るような仕組みになっておりますので、非常にやっぱり幾ら注意されても問題が残るんじゃないかと思うんです。そこで、先ほど森下委員のお話のように、たとえば一定量しか出ないという容器をつくらせるとかというふうにいたしまして、実際使用する上において問題の起こらないような容器の作製であるとかあるいは表示のやり方について、もう少しきめ細かく適切な指導をするお気持ちはございませんか。
#57
○説明員(太田耕二君) ただいま先生のお話に関連いたしまして、家庭用品品質表示法という法律に基づきまして使用上の注意事項というものを義務づけておるわけでございますが、何分いわゆる台所洗剤容器でございますとそうがさも大きくございませんので、どうしてもいろんなものをPRしようといたしますというと字が小さくなりがちでございます。それにいたしましても、合理的な使用法を書かせておるつもりでございますが、先ほどの容器の件、直ちに義務づけるということはいろんな問題があろうかと思いますが、いろいろ私どもも考えてみたい、かように考えておる次第でございます。
#58
○浜本万三君 通産省の方これでよろしゅうございます。
 次は、厚生省の方の関係についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、まず午前中のお話で相当系統的に理解をすることができました。しかし、やっぱり洗剤が人体に、環境に相当影響するかもわからない、その疑問はどうしても取り除くことができません。そこで、まず人体に与える影響の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。先ほど人体に与える影響で幾つかお話が出ましたが、また午前中でもお話があったわけなんですが、その中で一番端的なのが皮膚障害だというふうに思うんですが、皮膚障害の実情について厚生省として直接把握されていないというお話でございました。確かに資料としていま説明されましたように、国民生活センターで発表されました資料、私も手元にいただいておるわけなのでありますが、そういう状況でございます。これは要約すれば三五%の人がやはり皮膚障害を起こしたという事実は間違いないというふうに思うんですが、まず、この資料の信憑性について厚生省はどういうふうな判断をなさっておるか、そこから伺いたいと思います。
#59
○政府委員(石丸隆治君) これは国民の総数から比べますと非常に少ない数の調査でございますので、統計的ないろんな誤差の問題はあろうかと思いますが、やはり一つの実態としての調査でございますので、大体このあたりの数字が精密な調査をやっても出てまいるのではなかろうかと考えております。
#60
○浜本万三君 そういたしますと、一応非常に狭い範囲の資料ではあるけれども、この報告については相当信憑性をもって判断なさっていらっしゃるということになりますが、間違いございませんか。
#61
○政府委員(石丸隆治君) 御指摘のとおりでございます。
#62
○浜本万三君 そうしますと、いずれにしましても、これは国民全体から言えば相当大きな被害が起きておるというふうに類推しなければ、推定しなければならぬと考えるわけなんです。そういう推定を普通われわれはするんですけれども、役所の方とされまして四十八年八月三十日の発表なんですよ、四十八年八月三十日の国民生活センターの発表なんですから、もう少しこの調査結果の意味、統計の意味を理解をされまして、全国的にさらに実態を把握されるという努力をなぜされなかったんですか。
#63
○政府委員(石丸隆治君) 先ほど、あるいは説明の中で落としたかとも思いますけれども、昨年から行っております共同研究班の中で、この皮膚障害の研究班を一つつくっておるわけでございまして、その研究班の中におきまして、こういった調査の問題を担当しておるわけでございます。この全国民を対象としてのこういった実態調査とかということは非常に困難が多いわけでございまして、この研究班に所属しておられる先生の病院に受診に来た患者さんについてのこういった実態の調査ということを現在実施いたしておるところでございます。
#64
○浜本万三君 この新聞によりますと、日本石鹸洗剤工業会の佐藤さんという専務理事も、合成洗剤の皮膚障害は国会でも問題になり、この十一月までには各メーカーともはだ荒れの少ない脂肪酸系の洗剤に切りかえ発売することにしておるというふうに言われておるわけなんですが、つまり、メーカーの方も手荒れ、湿疹については問題があると、こういう理解に立ってこのような発表をなさったんじゃないんですか。
#65
○政府委員(石丸隆治君) 先ほど来御答弁申し上げておるところでございますけれども、やはり先生御指摘のように、この皮膚障害の問題が、現在のところはっきりした合成洗剤の障害として表面にあらわれているところだと思います。それに対しまして、ただいま先生御指摘のように、脂肪酸系の洗剤を新たに出すということでございますが、こういった点につきましても、やはり人によって相当この反応が違うわけでございますので、合成洗剤使用によって手の障害を、この皮膚障害を訴えるような人について、やはり他のこれにかわるべき洗剤を自由に選択できるようにというようなことで、実は通産省の方にもお願いいたしまして、脂肪酸系あるいはお台所用の洗剤といたしましては高級アルコールエステル系のそういった新たな洗剤を、現在、できるだけ自由に購入できるよう、その生産をお願いいたしておるところでございます。
#66
○浜本万三君 いずれにしましても、この脂肪酸系の洗剤というのは、いわゆる合成洗剤よりははだ荒れは少ないという前提に立った指導であることは間違いございませんですね。
#67
○政府委員(石丸隆治君) やはり先ほど来御説明申し上げておりますように、皮膚から脂肪を取り去るという作用があるわけでございまして、そういった脱脂力の点につきまして合成洗剤の方が脂肪酸系より強いわけでございますので、やはりそういった意味での手荒れ等の皮膚障害というものは、脂肪酸系の洗剤に比べれば合成洗剤の方が強かろうとかように推察いたしております。
#68
○浜本万三君 いずれにいたしましても、この皮膚障害はあると、こういう判断に立たざるを得ないというふうに思います。
 次は、さっき問題になりました催奇形性の問題なんでございますが、この心配があるというふうに唱えていらっしゃるのは三上教授一人だというお話でございますが、ほかにはございませんか。
#69
○政府委員(石丸隆治君) われわれのところへ正式に御連絡があった、あるいは学会で発表されているのが三上先生というふうに理解いたしております。
#70
○浜本万三君 催奇形性ではないが、そのほかの有害説を唱える学者の方もたくさんあるというふうに私聞いておりますが、たとえばどういう先生が、どういう有害説を唱えていらっしゃるのか、これは簡単でいいですから説明してもらいたいと思います。
#71
○政府委員(石丸隆治君) けさほど御説明申し上げたところでございますが、昭和三十七年の時点におきまして、柳沢――これは当時東京都の都立衛研におられたと思いますが、柳沢文正先生が、けさほど申し上げたような、いわゆる血清中のカルシウムの減少というようなことについて御報告になっております。
#72
○浜本万三君 そのほかに、京都大学の糸川先生が複合汚染の問題、それから水産庁の藤谷さんという方が魚の舌の感覚が麻痺する問題、それから名古屋大学の高橋さん、佐藤先生が発がん性を助ける危険性があるというようなそういう発表をなさっていらっしゃることは聞いておりませんですか。
#73
○政府委員(石丸隆治君) そういうことは聞いております。
#74
○浜本万三君 そういうふうに相当の学者先生ないしは役所の方、こういう方がいわゆる有毒説、この有毒説の意味はそれぞれ違うでしょうけれども、いずれにしましても有毒説というものを唱えていらっしゃるわけなんです。こういう説に対しまして、後ほど研究班をおつくりになって、さらに研究を重ねられるということなんでございますが、ともかくほとんどの国民が使用して、そうして問題を提起しておるということになりますと、これらの危険だという説に対して厚生省はやっぱり目を向けて、国民を守る立場の行政をやっていかなきゃいかぬと思うんですけれども、こういう先生方に対してどのような態度を持っていらっしゃるのか、厚生省の御見解を聞きたいと思います。
#75
○政府委員(石丸隆治君) けさほど御説明申し上げましたように、その合成洗剤の有毒性という表現がいいか、あるいは有害性といいましょうか、あるいは安全性に関する問題と申し上げましょうか、まあいろいろあるわけでございまして、それについては、いわゆる人体に対する化学物質としての有害性ということと、環境汚染という問題の二つに大きく分けることができるということを御説明申し上げたのでございまして、厚生省の所管いたしております点は、その経口的あるいは経皮的に人体に及ぼす化学的ないわゆる有毒性という、ここが厚生省の所管いたしておるところでございまして、ただいま先生御指摘の点につきましては、むしろ、それの範疇を超えておる問題ではなかろうかと考えております。
#76
○浜本万三君 それからもう一つ伺うんですが、最近のある資料によりますと、四十六年ごろの資料と昭和三十二年ごろの資料比べてみますと、乳児の死亡原因の中に、先天性異常死亡というものが相当ふえておるということを聞いておるわけです。たとえば、四十六年の場合には、三十二年よりも千三百人ふえたということが言われております。また、診断の割合を調べましても、十年前に比べると、九倍になったというふうに言われておるんですが、この実態について、この報告について、厚生省はどういう見解を持っていらっしゃいますか。
#77
○政府委員(石丸隆治君) そういった統計をどういうふうに解釈するかという問題は、ちょっと私の所管ではないわけでございますが、私自体の考えを申し述べさしていただきたいと思うわけでございます。
 ただいま先生御指摘のような説、これはたしか国立がんセンターの平山さんと国立公衆衛生院の木村さんとの合作の論文だと理解するわけでございますが、これに対しましていろんな意見が現在出ておるわけでございます。昭和三十二年と昭和四十六年では統計のとり方も違っておるとか、いろんな問題があるわけでございまして、そういった統計以外の面での影響をどういうふうに解釈するか、これは統計技術的な問題があるわけでございますが、そういった点の問題を、いかにこの数字を修正していくかというようなことを、現在これは統計情報部の方で検討を行っておるところでございまして、いろんな医学の雑誌等につきましても、この論文について、いろんな意見が出ておるところでございまして、これについて行政当局でございますわれわれが学問的な一つの結論を申し上げるのは差し控えたいと思うところでございますが、いずれにいたしましても、そういった問題につきまして、いろんな現在学説があるということはよく存じておるわけでございまして、そういったいろいろな問題につきましてわれわれといたしましてもやはり学問的な立場でどういう結論が出るか注目をいたしておるところでございます。
#78
○浜本万三君 いま学問的な立場に立った結論を早急に求めたいということなのですが、先ほど反対の立場の先生と、それから賛成の立場の先生も加わった例の委員会をおつくりになって、同一資料、同一条件で研究を始めるということなんですが、この結果はいつごろ出るのでしょうか。
#79
○政府委員(石丸隆治君) けさほど御説明申し上げたところでございますが、現在そういった動物の手配等を行っておる段階でございまして、きょういつまでに結論が出るということを申し上げる段階ではないわけでございますけれども、先日の会合におきましても、できるだけ早く結論をお出し願いたいというふうにお願いいたしておるところでございます。
#80
○浜本万三君 うわさによると、三年かかるというふうな報告をしておる資料もあるのですが、そんなにかかるのでしょうか。そんなことをしておったんではこれは困るのですが、もうちょっと早く期限が切れぬものでしょうか。
#81
○政府委員(石丸隆治君) 恐らく、三年かかるというのは、これは慢性毒性の問題ではなかろうかと思います。やはり慢性毒性は三年間継続投与をいたしまして、その結果によって判断するもので、恐らく三年ということが言われたと思うのでございますが、ただいま問題になっております毒性というのは催奇形性の問題でございますので、やはりそんなに長く――一年以内でこれは結論が出るというものでございます。
#82
○浜本万三君 最後に厚生省に、時間がございませんので希望したいことがあるのですが、なお必要によってはひとつ答弁を求めたいと思うのですが、一つは食品、食器に残留する洗剤の調査、規制を早急に行いまして、それからABS、LASの慢性毒性及び相乗作用ですか、などについての追跡調査、それから研究を早急に行うと同時に、その研究の結果というものを公表してもらいたいと思います。公表することによって、これだけ国民的な大きな課題になっておるものを、国民全体の立場で解明をし、早急にやはり決着をつけなければならぬというふうに思うのですが、これについてはいかがでしょうか。
#83
○政府委員(石丸隆治君) 先日、衆議院の予算委員会におきましても大臣から御答弁申し上げたところでございますが、われわれといたしましては、食品衛生調査会で使用いたしました、そういったいろいろな資料につきましては、今後公開するという態度でまいっておるわけでございまして、できるだけそういった問題についてはオープンにしてまいりたいと思っております。
#84
○浜本万三君 それからもう一つは、いずれにしても問題になっておることでございますから、疑いのあるものは使わない、これはまあ人の命と健康を守る厚生省としては役所の省是だろうと私は思うのですが、そこで学校とか保育所とか病院とか食堂などは、これらの洗剤の使用を制限するというような指導ができないかということについてお尋ねしたいと思います。
#85
○政府委員(石丸隆治君) 全国的に統一をとってそういったものの使用を制限するということはひとつ問題があろうかと思うわけでございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、それぞれ野菜等の汚染というものは地方の実情が違うわけでございますので、それぞれの地方の実情に合わせながら各都道府県知事に御指導願いたいと思っておりますが、しかしながら一つの基本的な態度といたしましては、やはり不必要なものは使わない、毒性の問題を抜きにいたしましても、やはり不必要なものは使わないという基本的態度をわれわれはとっておるわけでございまして、そういう意味におきましては、寄生虫病等の減少の現状というものを考えまして、食品衛生上洗剤を使用することの意味というものが、やはり時代とともに相当変わってきている、そういう態度で今後指導してまいりたいと思っております。
#86
○浜本万三君 いずれにしましても、国民の健康を守る立場で、早く適切な結論並びに指導をしてもらうように特に要望しておきたいと思います。
 次に文部省の方にひとつお尋ねしたいのですが、先ほど東京都の衛生局で発表されました資料につきましては承知をしておりますが、その結果かどうかわかりませんけれども、東京都の教育長が学校給食の場合の野菜、果物ですか、この洗浄は洗剤を使わない、こういう指導をなさっていらっしゃるというのですが、全国的に給食関係で合成洗剤の使用をしていないところを、わかっておれば教えてもらいたい。
#87
○説明員(加戸守行君) ただいま先生から御指摘がございました東京都の問題につきましては、すでに四十八年の五月二十九日に教育長から通達を出しまして、野菜、果物等の洗浄については中性洗剤を避けるように指導が行われておりまして、ほぼ時期を同じくいたしまして六月から七月にかけまして埼玉県、愛知県、大阪府、兵庫県、宮崎県といった府県におきまして、ほぼ東京と同様な観点から、現在の寄生虫卵の汚染状況あるいは農薬等の状況にかんがみて中性洗剤を使う必要はないという観点から、学校給食の野菜、果物等の生野菜類の洗浄については中性洗剤を避けるような指導が行われております。なお、そのほかの府県では特に一般的な意味におきます食品の洗浄等についての適正な措置をいろんな通達等を出されておりますが、具体的にいま申し上げました六都府県において野菜、果物等の洗浄は避けるというような指導が行われているような実態でございます。
#88
○浜本万三君 いまのお話によりますと、毒性問題というのは議論になったのですか、ならないのですか。
#89
○説明員(加戸守行君) いま申し上げました六都府県におきましては直接表面上その毒性とかそういった観点からの表現はいたしませんで、現在の寄生虫卵あるいは農薬等の汚染状況にかんがみて中性洗剤を使う必要はないというそういう表現の仕方をとっております。
#90
○浜本万三君 表面的にはという言葉があったのですが、表面でも裏面でもいいのですが、要するに毒性の危険性があるかないかということがいまわれわれにとっては非常に重要なのですから、そこは表面、裏面を問わずどうだったのですか。
#91
○説明員(加戸守行君) 洗剤の毒性等の問題につきましては文部省あるいは教育委員会等で独自にこれを判断する能力に欠けているわけでございまして、そういう意味では私どもの立場としては、厚生省でいろいろ御検討をいただいた結果を受けていろんなアクションを起こすという形になるわけでございますが、実態的に、いま先生から御指摘のございましたように、たとえば消費者サイドでございますと選択の自由があるけれども、給食の場合には、使用をいたしますれば児童、生徒の口にいやおうなしに入る、そういった観点からの心理的な反応もございます関係上、実質的な意味としてはそういった要素も加味されたのではなかろうかと判断をしております。
#92
○浜本万三君 文部省の指導でこういうことを六都府県がやったのじゃないので、むしろ私が聞きたいのは、実施された六都府県はその害の問題についてはちっともないという判断でおやりになったと聞いておられるのか、もしくは、それも加えて、さっきあなたがおっしゃった問題を含めて洗浄のときに洗剤を使わないでもよろしいということになったのか、そこはどういうふうに報告を受けておられますか。
#93
○説明員(加戸守行君) これらの府県が通達等で指導いたしまする前に、文部省側といたしましても洗剤の使用に当たりましては適正な処理を行うようにという一般的な指導を行ったわけでございます。その結果といたしまして、いま申し上げた具体的な事実が生じたわけでございますが、こういう洗剤を使うことをできるだけ避けたいという、そういう気持ちのあらわれが出たのだろうというぐあいに理解しております。
#94
○浜本万三君 そこで文部省に希望しておくのですが、やはり避けたいという六都府県のこの精神的な行動です、ぼくが思うと。そういう実態に基づいてさらに検討されますね。全体にこういう姿勢を拡大するようにしてほしいということです。それから洗剤は、もう本当に相当国民生活の中に定着というんですか、いま実際九十何%使っておられるんですから相当拡大をされておるわけなんですが、学校教育の面でも洗剤の正しい知識を掲載をいたしまして、そして子供のときから指導するというふうな指導も必要ではないかというふうに思いますが、この二つの点について最後にひとつ答弁をしてください。
#95
○説明員(加戸守行君) 第一点でございますが、こういうような全国的な状況、あるいは住民側の強い希望等もございまして、実は本年の二月一日に開催いたしました学校給食関係の主管課長会議におきまして、文部省側といたしましては、野菜、果物等の洗浄につきましては中性洗剤をできる限り避けるように指導は全国的にいたしております。
 それから第二点の問題でございますが、これは所管が初等中等教育局の方でございまして所管外のお答えになりますが、ただいま先生の御指摘になりました趣旨を帰りまして申し伝えたいと思います。
#96
○浜本万三君 環境庁の方に質問があったんですけれども、もう私の時間がなくなりましたので次の機会にいたしたいと思います。
#97
○栗原俊夫君 時間が二十分ということできわめて制約されております。
 合成洗剤が大変洗料としてすぐれておるということで非常な広い範囲で使われておる。ところがその反面、具体的な現象として皮膚障害、あるいは環境汚染、さらには催奇性の問題等が具体的にいま論議される日程になりました。これは本質的にはあるいは違うかもしれません、私は本職でありませんからわかりませんけれども、これとよく似た形のものに農薬で非常に珍重されたDDTとかBHCとか、こういう農薬があります。しかもこれは非常に病虫害に効力がある。そして、その結果非常に増産にも結びついた。こういうことで、農民にとっては神様のように珍重されたものですけれども、しかし、これがやがて農薬取締法に基づく省令として販売禁止の措置がとられた。しかし、これはある日突然、販売禁止になったんじゃないと思うんです。――どなたがお答えに当たってもらえるか、あらかじめお話ししてあるから準備しておいていただいたと思いますが、農薬としてのDDT、BHCが入ってきて、そして非常に効力があるんだけれども、これには反面大変な毒性がある。これがどう論議され、そして販売禁止にまでなったかという経過をきわめて取りまとめてお話をしていただければ結構だと思うんですが。
#98
○説明員(福田秀夫君) お答えいたします。ただいま先生御指摘のように、BHC、DDTは大変有名な薬でございまして、わが国にも昭和の二十三年ごろから導入されまして広く農業生産に寄与してまいったわけでございますが、こういった塩素系の殺虫剤は作物とか環境に残留しやすいという性質が近年わかってまいりました。そこで、まずこのBHC、DDTに対する規制としましては、最初は四十三年であったかと思いますが、厚生省のほうで食品衛生法に基づきまして食品の中の残留基準をつくられました。農林省としましては、その残留基準を超えないような使い方というようなことで安全使用基準をつくりまして、これを指導してまいったわけでございます。しかしながら、非常に広く使われておった薬で、BHCはことに、DDTはそれほど広くはございませんけれども、農薬の方では。DDTはむしろ衛生、害虫のほうで広く使われておりましたけれども、BHCは農薬として非常に広く使われておりましたものですから、広く環境の中に残留している、環境を汚染しているということが感ぜられまして、こういった塩素系のものはやめていったほうがいいんではないかというような考えから、ほかの薬で、もっと安全なもので代用できるならば、これをかえたいという考え方で、四十四年には農林省はDDT、BHCの国内向けの原体の製造を中止するように業界を指導したわけでございます。たまたま翌四十五年になりまして、御承知のとおり有名な事件でございましたが、牛乳からBHCが検出されるという騒ぎが起こりました。それで、非常に幼児の食品であったり栄養食である牛乳からBHCが出てくるのではこれは大変だということで一大調査を行いまして、その原因が稲にまいたBHCが稲わらに残り、それを牛がえさとして食べ、それが牛乳に出るという経路が明らかになりましたので、四十五年に稲にBHCを使うことを一切禁止したわけでございます。で、たまたま四十五年末にいわゆる公害国会が開かれまして農薬取締法の大改正が行われました。その改正された農薬取締法に基づきまして、四十六年の五月からDDTは一切販売と使用を禁止したわけでございます。DDTは牛乳から検出されたわけではございませんけれども、DDTの方がBHCよりもなお残留性が強いということが明らかになりましたのでDDTを禁止いたしました。そのときBHCは林業だけ使用を認める、それ以外は一切禁止するという処置をとったわけでございます。これは実は林業のほうでタマバエの防除にBHCがないと非常に困るというお話がございまして、そのタマバエ防除のためにもつとほかの薬を開発してそれを切りかえたいという努力を続けながら、林業だけ残さざるを得ないということで残しましたのですが、このことをお諮りいたしました農業資材審議会農薬部会の御答申の中にも、一日も早くほかの薬に切りかえる努力をせよという御答申がありましたので、林業だけ残しましたが、その年の暮れ、四十六年暮れには林業もほかの薬が使えるということがわかりましたので、BHCをやめるということにいたしまして、そこでBHCの販売、使用を禁止するということになりまして今日に至ったわけでございます。
#99
○栗原俊夫君 まあ残留することが大変問題であるということで、使用の方法等が論議され、経過的には使用の方法を制限する、あるいは特殊なものに使わないと、いろいろな経過を経て、最終的には結局販売禁止、それは即製造の禁止に通なるわけですが、そういうことになった。これがいま言う農薬のたどった経過ですが、顧みて、途中そういう使用の制限をやるとかあるいは使用の相手、対象品種――稲に使わないとか、こういう過程があったけれども、やはり顧みれば初めからどんずばりとやった方が本当だったなと、こういうやはり反省というか、そういう評価があるんではないか、なぜなれば最終的には禁止するという決断にまで行ったんですから。その辺はどうですか。
#100
○説明員(福田秀夫君) 最終的には禁止したわけでございますので、おっしゃられますとおりに、なるべく早くぴたり禁止できればよろしいわけでございますけれども、稲の大害虫である二化メイ虫の防除、ウンカの防除に代替の農薬が、これを使えばいいということがわかっていましても量的に生産体制がなかったということもあって、四十四年にはできなかったわけでございますが、四十五年には牛乳の話が出ましたので、そんなことを言っていられないということで稲には全部やめたわけでございます。しかし、稲以外のものに残しましたのは、そのように切りかえる薬の生産体制がなかったということがございまして、また、何もないと、それ以外の野菜とか果樹におきましての害虫を防げないということがございましたものですから、四十六年の五月になりましてDDTは全部禁止する、それからBHCは林業だけ残すということにせざるを得ない状態になったわけでございます。一方、牛乳に出ましたときも、食品衛生調査会のほうの御答申は、たしかいま直ちに危険であるとは思われないけれども、このままの状態が続くことは好ましくないので、この牛乳の中のBHCの濃度が減少するような努力を農林省、厚生省とも全力をふるってやるようにといった趣旨の御答申があったかと思いますので、ただいま申したような手を打ちながら切りかえていきたいということでございます。
#101
○栗原俊夫君 そこで厚生省にお尋ねするわけですが、三つの被害の中でやはり一番私は重要な問題は催奇形性の問題だと思うのですね。いま研究中であると、しかし、一方では奇形性があると、こういう論者がおる。しかも実験的にもそういうものを持っておる。一方ではそういう異常をまだ認めなかった、こうおっしゃっておる。しかし、絶対に安全だとは言い切っていない。そこがいろいろ経過があった患い事けれども、前回われわれが決定した参考人の会がうまく成立しなかった一つの理由でもあると私は思うのですよ。
 そこで私はお尋ねするのですけれども、だからある程度いろいろな注意をし、指導しながらやっていくのだと言うけれども、これでは有害になるという結論が出た場合に、すでに人間の体が冒されるというような事態が起こったら一体責任はどこが持つのだ。私は厚生省が持たなければならぬと思うのですよ、実際。まあまあ罪は疑わしきは罰せずというけれども、こういう問題は疑わしきは罰すの方向で行くのが原則だと思うのですね。ただ問題は、企業というものがあるからそれへすぐ手がけることができないと、先ほどこちらからも話があったけれども、どうもやっぱりいまの行政府は企業サイドのような歩み方をしておるような気がしてなりません。
 そこで私は端的に言うのだけれども、異常が出なかった、こうおっしゃる人が本当に安全性を信じておるのかどうか。そしてそれを受けて結論が出るまではどうにもならぬというあなたが安全性を信じておるかどうか。信じておるならあなたの子供に注射がしてみられるか。皮膚に塗りつけてみられるか。かつて種痘はわが子にみずからやって実験をしたと、こういうように一私たちは聞いておりますけれども、人間の命に関連する問題ですし、特に民族の今後のあり方に関連する問題ですからね。ほかの問題とはこれは違うと思うのですよ。したがって、この際いま少し厳しい方向をとらなければならぬ、このように思うのです。私は結論を見通すと、やはりこれはBHC、DDTの経過をたどると思うのですよ。この点御所見はいかがですか。
#102
○政府委員(石丸隆治君) 疑わしきは罰するといいましょうか、あるいは食品衛生上は疑わしきは使用せず、この原則は先生御指摘のとおりだと思うわけでございます。それで、疑わしきは使用せずというよりは、先ほど私御答弁申し上げたところでございますが、疑わしくなくても不必要なものは使わないというもっと積極的な姿勢でわれわれ食品衛生行政を進めているところでございまして、そういった意味では、この疑わしきは使用せず、あるいは罰するという先生の御意見、私非常にごもっとものことだと思うわけでございます。ただ、「疑わしきは」というその表現でございますが、非常に学問的な問題になろうかと思うわけでございますけれども、合成洗剤というものは先ほど来お話申し上げておりますように、世界各国いろんな研究機関でいろんなやはり研究を行っておるところでございますが、
  〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
そういったところにおきましてもそういった事実が証明されていない、あるいはわが国におきましてもいろんな大学でこれを実験しているのに必ずしもそういった証明がされていない、こういった時点におきまして一つの「疑わしき」というものをどう評価するかという問題に尽きるのではなかろうかと思うわけでございまして、そういった点につきましては、大臣の諮問機関でございます――これは法律に基づく諮問機関でございます食品衛生調査会にそういったあらゆるデータをわれわれ提供いたしまして、そこで専門の先生方に学問的に御審議願って、その決定に従って行政の措置をとっておる、かような段階でございます。
 もう一つ、ただいま先生御指摘のように、DDT、BHCの経過との関連でございますが、やはりDDT、BHCというものが有機燐性剤に変わっていった、そのやはり変わっていく段階におきまして代替性ということがあったわけでございます。合成洗剤を食品衛生上使用いたしますのは、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな化学物質によるわれわれの食品の自然汚染あるいは環境汚染あるいは寄生虫卵の問題、あるいは消化器系伝染病の問題、そういったいわゆる他の疾病予防という点からの一つの目的も持っておるわけでございまして、そういう目的を達成するための一つの代替性のあるいろいろな物質がやはり生産されて、それがわれわれの生活に十分取り入れられるだけの自信がなければ、なかなかそれを全面的に切りかえることも不可能に近いのではなかろうかと思っております。
#103
○栗原俊夫君 非常にやはり命よりも洗剤の方が大事なような議論をしているのだけれども、そんなばかなことはないですよ、これは。生命に危険があれば、代替物があろうとあるまいと、あかで人は死にやせぬのですから、そういう点はいま少しぴしりとやはりやってもらいたいと思うのですね。そして現に先ほどのお話によれば、調査会で二千数百名調べたところが三割何分は皮膚にも障害を起こしておる。まあ三割何分というのは数では少ないと考えるかもしれないが、これは大変ですよ、被害がそれだけ出るということになれば。これは、そういうものは使用にたえないというものじゃないですか、率直に言って。三割の人たちが障害を受けるような品物を天下に横行さしておいて、厚生省でございますなどと局長が言っておるようじゃ局長として価値はないですよ。おやめになった方がいいですね、これは。どういう責務でもってその職責に座っているのか存じませんけれども。それは企業の方で傷みが出るかもしれないけれども、それは通産省の方に任しゃいいんで、あなたはやはり国民の生命健康を守るというサイドに立って、これはだめだとはっきり言ったらいいんですよ、どうですか。
#104
○政府委員(石丸隆治君) われわれは合成洗剤の有害性ということを科学的に証明をしておるところでございまして、それが一体わが国の企業にどういう影響を与えるかということにつきましては、これは先生御指摘のように、通産省の問題でございまして、われわれといたしましてはそういうことは一切考慮せずに、純学術的にその毒性の証明ということに取り組り組んでいるところでございます。
#105
○栗原俊夫君 学問的に証明されると言えば、それは一番正しい裏づけかもしれませんけれども、現実に、現象的に、合成洗剤をつくることによって、たまに一人あったとかそういうことじゃなくて、二千数百人――これは一億一千万に比べればわずかですけれども、その中で三割を超える皮膚障害が出たということは、それを科学的に立証するとか何とかする以前に、すでに具体的に実態が出ているんですから。こういうものは、やはりいま少しく厳しくやってもらわなきゃならぬと思うのですね。
 そしてまた環境庁の長官にもお尋ねしますが、いろいろと上水道の問題、それから井戸を五百試験をした。こういう問題、やはり汚れておる、こういうのですね。それからいま一つ、これはもうむずかしくてわからぬけれど、何というのですか、分解の非常にむずかしいABSからLASという分解の非常にしやすい方向へ向かっておる。しかし、日本ではどうも川の流れも短かくて急流であって、分解しないうちにそのまま海へ行く、まあ海も汚れておる、こういうような問題も起こって、このことがすぐそれではわれわれ人の生活、健康にどうはね返ってくるかということは、いまのような論法でいけば、まだ科学的に立証、裏づけがないと、こういうことかもしれませんけれども、これは必ず将来出てくるに間違いありませんわ。おかげでよくなるなんていうことは絶対にこれはあり得えないんですから。これらについても、出てから動くのではなくて、少なくとも環境庁においては、やはりそうした予防的な先取りをして環境行政をやるべきだと、こう思うんですが御所見はいかがでしょう。
#106
○国務大臣(小沢辰男君) 合成洗剤による水質の汚染、それが私の方の任務でございます。先ほど来お話を聞いておりますと、まあ人体に対するいろいろな障害関係は、一応昭和三十七年いろいろ合同研究をやりまして、その時点では科学的、医学的に支障がない、こういう結論になった。しかし、その後やっぱりたとえ少数説であってもいろいろな意見が出てきたものですから、その疑念を解消するために、さらにいま政府として厚生省が中心になってその疑念を解明をしていると、こういうずっと経過、段階だと思うんです。しかし、環境庁から見ますと、水質汚染の点についてちょうど、何と言いますか、あと二つの問題がございます。一つは例の発泡の問題、あわ立ちの問題、これは大分品質を改良していただいてソフト化をやっていただきましたから、これは一応原則的には解決したようなことでございますけれども、場合によって流し方によってはまだそれが残っておるという状況がございます。
 一番私の方が問題なのは、先生も御承知のように、この助剤で使っております燐の問題でございます。これが、いわゆる富栄養化の問題が水質の中に起こってくるということでございますし、当然、例の赤潮問題もこういうところがやはり原因の一つである、それだけではもちろんありませんけれども。そういうことでございますから、毒性の問題、一応昭和三十七年にもそういう点の解明ができたが、さらに疑念ができたんで、それをいま厚生省で解明をしていただいているわけでございますが、したがって私ども環境庁から言えば、洗剤をお使いにならんで、まあ丁寧に一生懸命に水だけでやっていただくことになれば、これにこしたことはないわけでございます。これは当然でございます。うるさいから自動車走らぬほうがいいにきまっているんで、また汽車もうるさいから走らぬほうがいいにきまっているわけでございます。しかし、まあ世の中の生活の実態というものがそういうことでこうやってきておられますから、やむを得ず防御と言いますか、守る側としてはいろいろなまた手段を考えていかなきゃいかぬわけでございまして、これはもっぱら下水の普及と終末処理の、もっと高度な――燐使っておっても第三処理をやってもらえばこれは解決するわけでございます。下水関係の普及を徹底的に図って、それから終末処理をしっかりやってもらうということが、私どもとしてはどうしてもこの二つの問題を解決するのに必要じゃないか。いますぐそれじゃやめたらいいじゃないか。おまえの方の立場から言ってもそういう問題があるんだから、それじゃ一体先ほどの御議論聞いておって石けんに変わった場合によりいいか。私どもある面においてはより環境問題から言うと問題があるわけでございまして、御承知のBODなんかについては、石けんに変わりました場合には二十五倍ないし五十倍のいわゆる、何といいますか、汚れというものが起こってくる心配があります。非常にこう何かいろいろな面で二律背反の点がございますので、その辺のところを考えますと、やはりまあ人体に影響がないという毒性の問題で、この秋にはおそらく厚生省も結論をきちんとつけてくれるだろうと思いますが、その結果を待ってそういう点についてもはっきりした態度をとると。行政というのはやっぱり今日の時点における科学的な知見というものをもとにして、それをもとにしたやっぱり行政上の措置をやっていくということがまあ行政としてはこれは――先生方は政治論でございますけれども、行政としてはこれはやっぱりやむを得ないんじゃなかろうかと、私はまあかように考えております。ただどっちがいいかといえば、自然にもう水でやっていただいて、もう化学的なものは一切ない方がいいにきまっておるのでございますので、私どもとしてはさように考えております。
#107
○栗原俊夫君 時間がなくなったから最後に。
 どうも長官大分気に入らない発言をしているので、少し時間かけたいと思うんだけれどもね。まあまあ便利なものは少しは人の命に危険があってもいいではないかというようなどうも発言をするんだけれども、それば確かに二律背反なんですよ。だけれども、音とか何とかいう問題とは違って、人体に直接心配があるという問題は、音がうるさいとかなんかというよりもまた違ったやはりカテゴリーになってくると思うんですね。そういう点で、やはり何といっても命や健康を守ってくれるのは厚生省、環境庁、これがわれわれの生命、健康の第一線なんですからね。これが多く妥協されちゃったんじゃ話になりませんよ。ここがぴっちりがんばっててくれなきゃ。それをがんばろうとしたって――もちろんほかに行政機関もあって、そしてそれは闘わなければならぬ、行政機関内の闘いになっていくと思うんですよ。しかし、そういう中で命をどう守るか、健康をどう守るか、こういうところにやっぱり工面もあるわけですから、まあそういう点については余り妥協することなしに、命を守る、健康を守るというサイドにぴしりと立って、しっかり闘ってもらうことを特に希望して、一応終わります。
#108
○内田善利君 午前中からいろいろお聞きしておりまして、
  〔理事山内一郎君退席、理事栗原俊夫君着席〕
果たして行政当局は国民の健康を守る立場にあるのかどうかということを非常に心配するわけですが。というのは、いろいろ質問の中から申し上げていきたいと思いますけれども、他の委員の質問の中で、現在合成洗剤は適切な使用をすれば安全であると、こういう御答弁がありました。ところが、発がん性の問題、催奇性の問題いろいろ問題があるので、目下研究班は研究中であると、そういう非常に矛盾する御答弁なんですが、さらに他の委員が幾つかの例をいろいろ挙げられたわけですが、それは承知しておると。それは申し上げませんが、ところが、そういった多数の、幾らかの学者の合成洗剤に対する有害説、これは厚生省にとっては範疇外であると、こういう答弁が返ってまいりました、範疇外であると。同じ合成洗剤の毒性について担当している行政当局の局長さんが、そういった問題は厚生省の範疇外であるという答弁に対して私は非常に疑問を感じたわけです。そういう問題があれば積極的に先生方の御意見を伺って対処していきたいという答弁ならば私は納得しますけれども、そういう先生方の発表は厚生省にとっては範構外であると、こういう答弁なんですが、これは非常に無責任な答弁だと思うんですが。
#109
○政府委員(石丸隆治君) どうも先ほど私の答弁、言葉が足りなくって先生に誤解を与えたようで、その点おわび申し上げるところでございます。先ほど御指摘になりました反対の意見というのが環境汚染の問題の論文が多かったように私とったものでございますので、その環境汚染の汚染物質としての合成洗剤の問題はわれわれのところの所管でないと、そういう意味で申し上げたわけでございまして、事人体に対する毒性の問題につきましてはすべて厚生省が所管いたしております。
#110
○内田善利君 三重大学の三上教授は奇形児が生まれる危険性があると――先ほどの委員の質問にですね。それから複合汚染でネズミの睾丸が小さくなったり精子をつくる細胞が死ぬという糸川先生の、先ほどの委員の質問。水産庁の藤谷さんは、魚の舌の感覚が麻痺する。それから名古屋市立大学の高橋、佐藤両教授は発がんを助けると、こういうことを御存じかと。――これ環境汚染ですか。
#111
○政府委員(石丸隆治君) たとえば魚の問題、ちょっと私別の意味にとっておったものでございますのでそういう御答弁になったと思うんでございますが、少なくとも毒性あるいは有害性という問題につきましてはすべて厚生省が所管しておるところでございまして、たとえば三上先生も厚生省の研究班の研究員の一員に入っていただいているところでございまして、三上先生の御意見等はこの研究班で余すところなくお聞きしていると、かような状況でございます。
#112
○内田善利君 私は何もあなたの揚げ足を取るわけじゃないですけれども、やはりこういった審議は慎重に――国民がいま心配しているのは安全性を心配しているわけですから、非常に便利だと、使いやすいと、たとえ店頭に行って石けんがあっても合成洗剤を買っていきたい、だけども何だかこう心配だという国民にこたえていただきたいと思うんです。安全だ、毒性があるということには、われわれは、何といいますか、心配であってもどうすることもできないわけですから、先生方にお任せする以外にないわけですから。そういった意味でいま御質問しておるわけですが。
 これは御存じですか、昭和三十五年国際医学会でパリ大学のトルー教授が、合成洗剤は発がん補助物質であるという講義をされて、これについて国立衛生試験所長の川城巌氏が日本食品衛生協会でこれを紹介しておられる、これについては御存じですか。
#113
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生の御指摘の川城先生の発言は、これは食品衛生学会での発言だったというふうにわれわれ理解しておるわけでございますが、あの川城先生の紹介に対しまして、その後われわれその原文を手に入れたいということでいろいろ努力をいたしたわけでございますが、その後トルー教授から御書簡が参っておるわけでございますが、あの紹介が必ずしも私の真意を伝えたものではないというようなことで取り消しの手紙をいただいていると、こういう状況がございます。
#114
○内田善利君 それからもう一つは、合成洗剤が奇形児を生ずるという研究、これが田中領主博士によって行われておりますが、これは御存じですか。
#115
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘の点につきましては、われわれまだ聞いておりません。
#116
○内田善利君 三重大学の三上教授がメダカとネズミの発育に及ぼす影響について研究されておりますが、水道法の規制量のABSをかなり下回る量でもメダカがふ化しない、あるいは卵膜内にとどまって脊柱湾曲をした奇形児になることが実証されておるということですが、この点は御存じですか。
#117
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘の実験につきましては、そのデータをいただいております。
#118
○内田善利君 まだたくさんありますけど、これ一々言っておったんでは時間がありませんので言いませんが、まあこういうことから、先ほどは領域外だからということでしたけれども、範疇外ということですけれども、これは発がん性の問題であり、催奇性の問題でございますから、この問題については厚生省としても発がん性についてやはり積極的に研究すべきですが、この点についてはどのようにされておりますか。
#119
○政府委員(石丸隆治君) 発がん性その他、慢性毒性あるいは催奇形性、そういったいわゆる化学物質の生物体に与える影響につきましては、われわれといたしましてもいろんなデータ等をまとめるのに努力いたしておるところでございまして、さらにこの研究班等の研究成果等の取りまとめに今後も努力してまいりたいと思っております。
#120
○内田善利君 そうすると、厚生省自体で積極的にこの発がん性、催奇性についての研究調査、実験、こういうことはどこか委託されてなさってたのかどうか。昭和三十七年に問題になっておるわけですが、この点についてはどのような調査をなさっているのか、ただデータを集めるだけですか。
#121
○政府委員(石丸隆治君) 三十七年の調査班の結果と、それから現在行っている、四十八年から実施いたしております調査班の問題と、この二つの問題があろうかと思うわけでございます。
 で、昭和三十七年のこの調査班の結論でございますが、これにつきましてはけさほど御説明申し上げましたように、急性毒性、慢性毒性、生化学試験、それから経皮吸収試験、野菜浸透試験、この五つの項目につきまして食品衛生上の問題といたしまして検討を加えたわけでございますが、これらの試験は当時はほとんど国立衛生試験所でこれを実施いたしております、一部、慶応大学及び労働科学研究所、国立公衆衛生院、ここに委託をいたしておるところでございますが。まあこの昭和三十七年の研究班の結果に基づきまして、やはり今後の使用最の増加による環境への蓄積というような問題が一つの問題になりまして、先ほど来説明がございましたようなABSからLASへの転換というようなこともこの研究班の成果ではなかろうかと思っておるわけでございまして、それと同時に、食品衛生上使用いたします合成洗剤の規格基準等につきましても、昭和四十八年にこの基準が告示されている、かような状況でございます。
 で、さらに四十八年度から実施いたしておりますこの研究班につきましては、現在まだ実験を継続中でございまして、早急にこれらの結論をまとめて今後の対策を検討いたしたいと思っております。
#122
○内田善利君 非常に重要なこういった研究が非常に遅々として進まないように思うんです。こういった問題は、まあ慢性毒性は別として、急性毒性については十分私はできたんじゃないかと、こう思うんですけれども、その点、なかなか思うような答弁が返ってこないので心配なわけですが、それと同時に、ことしからいよいよ合同研究が始まるわけですが、秋には結論が大体出るということですけれども、この結論が催奇性ありと、あるいは毒性ありと、こう出た場合にはどうするのか、無毒であると出た場合にはどうするのか、これはいままでどおりだと思いますけれども、この点はどういうふうにお考えですか。
#123
○政府委員(石丸隆治君) その研究結果の取り扱いでございますが、従来からこういったいろいろな学問的な問題あるいは食品衛生上の重要な一つの行政の決定をなす場合には、やはり法律の規定に基づきまして、大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会に諮問いたしましてその判断を願う、かようなことになろうかと思うわけでございますが、いずれにいたしましても食品衛生調査に提出いたしますいろんな科学的なデータにつきまして、現在この研究班にいろいろそのデータの収集等をお願いしている段階でございます。
#124
○内田善利君 もし有毒と出た場合に、局長自身はどのようにお考えですか。衛生調査会に諮問するということは当然ですけれども、局長さん自身としてもし有毒だとこういう判定が出た場合、どうされますか。
#125
○政府委員(石丸隆治君) もし学問的に有毒であると、あるいは催奇形性ありという結論が出れば、これはもちろん形式的には食品衛生調査会の御意見を聞くことになろうかと思いますけれども、やはり行政当局といたしましてはその学問的な結論に従いまして、たとえば製造中止ですと恐らく通産省の方の所管になろうかと思いますけれども、関係各省庁に至急に連絡をとりまして対策を講じたいと思います。
#126
○内田善利君 まあ予想的な質問で申しわけないと思いますけれども、いままでどの先生方も安全だということならばいいんですけれども、やはり何人かの、まあ私に言わせれば多数の先生方が有毒性を実験しておられるわけですし、こういったことについては十分行政当局としては注意を払っていただきたいと、このように思うわけですね。先ほどからの答弁聞いておりますと、非常に適切な使用をすれば安全だとか、そういうことはいままで皆さんの方からは言い尽くされてきておるわけです。ところが、あちこちの先生方の実験によると催奇性が出たとか、あるいは異常児が出たとか、あるいは皮膚に十五日間そのまま原液を塗布したら死亡したとかなんとか、そういう報告ありますもので御心配するわけですけども、現在非常に小児がんが多くなっている。この小児がんと水道水のABSあるいはPCBその他の問題が関係はないのかあるのか非常に心配なわけです。そういったことで質問をしているわけですが、端的に言って小児がんとABSと関係はないかどうかお聞きしたいと思います。
#127
○政府委員(石丸隆治君) まあ小児がんの発生そのものがどういう状況になっていくかという点でございますが、これは先生御指摘のような一つの傾向にあろうかとは思うわけでございますが、しかし、一体そういった現象というものが現在のわれわれの周囲を取り巻く生活環境といかなる関係を持っているかと、その結論づけということは非常にこれはむずかしい問題ではなかろうかと思うわけでございまして、やはりそういった一つの結論というものは学問的に十分御検討願って、われわれ行政当局といたしましてはその学問的な結論に従いましていろんな対策を今後立ててまいりたいと思っております。
#128
○内田善利君 非常に答弁しにくい質問で申しわけないんですが、もう一つは、非常に端的な質問で申しわけないんですが、毎日主婦が朝、昼、晩、合成洗剤を使って、適度の、言われるとおりの使用をしていって、本当に皮膚障害は起こらないのかどうか。安全基準内で使用すれば安全であるということですけれども、本当に起こらないのかどうかですね。私たち党でもあちこちで合成洗剤の使用による被害状況のアンケート調査をいたしました。先ほど厚生省の方でおっしゃったそのようなデータが出ております。先ほど三五%の皮膚障害ですが、私どもがやったのでは北九州では四三・四%というふうに出ておるわけですが、本当にこの安全基準内で毎日普通の洗い方で洗っていて障害はないのかどうか、この辺いかがでしょう。
#129
○政府委員(石丸隆治君) 非常にお答えしにくい御質問でございまして、あるいは的確な御答弁かどうか疑問に思うものでございますが、やはりいろいろ現在研究班におきましてこの皮膚障害の問題を検討願っておるところでございますが、普通の人でございますと現在通常使用する濃度においてこれ手荒れ試験を行っておるわけでございますが、その結果によりますと、まあ普通に使用いたします濃度で皮膚に接触いたしました場合にはまあ正常な人では皮膚障害は起こさないと、かような一応の実験結果は出ておるわけでございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、この合成洗剤の作用というものが皮膚の脂肪を除去する作用を持っておるわけでございまして、まあ通常の人ですとこれが一たん除去された脂肪がある一定時間内にまた出てくるというようなことのようでございますが、これは実験結果でございますが、人によってはその一たん取り去られた脂肪が再び出てくるのに相当の長時間を要するというような人もおられるようでございまして、そういう人ではやはり手の荒れ等の問題があろうかと思うわけでございます。したがいまして、あくまで先ほど申し上げました通常の使用濃度で接触した場合には手の荒れ等の皮膚障害は生じないということを申し上げたのは、一つの統計的な観察に基づく結論でございますが、個々の人につきましてはただいま申し上げたような問題があろうかと存じます。
#130
○内田善利君 まあ界面活性剤はおっしゃるとおりに脂肪を取ってしまいますから、非常に皮膚が何といいますか、きれいになるかもしれませんけれども、それだけ非常に危険に陥りやすいと、そういうことじゃないかと、こう素人ながらわかるわけですが、まあそういったことですから、あとの処置ですね、界面活性剤を使った場合の後の処置法等については十分PRする必要があるのじゃないかとこう思います。
 また、この四三%あるいは先ほど発表になりました三五%の皮膚障害を受けた方々が本当にその基準内で使っておられたのか、あるいは基準オーバーの使用をなさっていたのか、この辺わからないわけですが、まあ原理から考えれば皮膚の脂分を全部取ってしまうわけですから危険性は強いなとこう思うわけですね。
 それともう一つは、今度は経皮毒性という言葉を使っておりましたが、皮膚から体内に吸収されていく、そういうことはあり得るわけですか。
#131
○政府委員(石丸隆治君) まず第一の御指摘でございますが、合成洗剤あるいは界面活性剤を使用いたしました後の手入れ等の方法でございますが、これにつきましては、使用後の手入れ方法等につきまして洗剤の容器にそういった注意を表示してもらうよう、現在業界を指導いたしておるところでございます。
 それからさらに経皮毒性でございますが、これも四十八年度からの実験で現在実験を継続中でございますが、先日、十二月五日の中間報告の段階におきまして、やはりこの皮膚を通しまして人体内に吸収されるというこの実験結果は出ておるわけでございますが、まあその吸収の、ただいま細かい数字は持っておりませんけれども、一応の結論といたしましては皮膚からの吸収はまあわりに少なくて、吸収後二十四時間以内にその大部分がふん便あるいは尿中に排出される。で、その排出をされたものはこのもとのABSあるいはLAS、そういったものの化学構造の一部分の破片であるということが証明されておるわけでございまして、やはり生体内でわりに早い時間内にこれが分解されるというふうに解釈いたしております。
#132
○内田善利君 そのABSもLASも肝臓で分解されるわけですか。私は肝臓でほとんど分解されないと、このように聞いておりますがどうなんですか。
#133
○政府委員(石丸隆治君) どこで分解されるか、これはまだ報告を受けていないところでございますが、ふん便あるいは尿の中に出てくる物質が分解された物質であるというところが現在証明されておるところでございます。
#134
○内田善利君 それから、ソフト化による安全性ですけれども、工ASになればほんとうに安全なのかどうかですね、この点はどうなんですか。
#135
○政府委員(石丸隆治君) 食品衛生上の問題といたしまして、経口的な、いわゆる口から入ってきた毒性につきましてはABSもLASもこれ変わらない、同じだというふうにわれわれ承知いたしております。
#136
○内田善利君 そうすると、ソフト化の効用というのはこれはどういうことなんですか。
#137
○政府委員(石丸隆治君) これは環境庁あるいは通産省の方からお答え願う方がいいかとも思うわけでございますが、やはり環境中にこれが放出されました場合に分解が早いという、これが一つの特徴でしかもメリットだというふうに理解いたしております。
#138
○内田善利君 では環境庁にお伺いしますけれども、この間も飛行機で羽田におりてくる途中に、川にいっぱいあわが浮いているわけですが、ソフト化されてあわが出なくなったということですけれども、そう変わってないように思うんですが、八五%ぐらいは分解されるということですけれども、あとの一五%が残っているのかどうか。河川のこういったあわ、発泡状態、これを見ますと、やっぱり合成洗剤は環境を汚染しているなという感じが非常に強いわけですが、この分解性はどうなっているんでしょうか。
#139
○政府委員(大場敏彦君) 発泡の問題は、これは毒性とはただいまお話ありましたように別の問題として、飲料水の基準からむしろ出てきている問題で、あるいは下水道の処理機能があわ立ちによって低下する、そういうことを防止する意味から出てきている問題で、いわゆる毒性の問題とは別の問題でございます。まあ難分解性のABSからいわゆるソフト化した形でのLASに通産省の指導で切りかえられました結果、その生分解率は約九五%だというふうに聞いておりますが、かなり分解度は高まってきているというふうに理解しております。
 ただ、いま先生が御指摘になっておりましたように、LASに切りかえました結果、下水道の処理がしやすくなったということはございます。ございますが、下水道がまだ敷かれていないところにつきましては依然として発泡の問題はまだ根本的には解決されていないと。下水道網が敷かれているところは、LASに切りかえソフト化することによって処理技術が容易になったために、発泡の問題はほぼ解決したと見ていいと思います。しかしながら、まだそれが敷かれてないところにつきましては、依然としてあわ立ちの問題は残っていると、こういうふうに理解をしております。
#140
○内田善利君 東京都の調査によりましても、まだ井戸水の中にABSを検出しているということが発表になっているわけですが、井戸水にこのようにABS、合成洗剤がまだ認められるということは今後まだ問題があるんじゃないかとこう思うんですが、井戸水についてABSの規制、これは〇・五PPmということですが、井戸水の中に、すなわち飲料水の中にABSが入ってくるということは問題じゃないかと思いますが、この点はどうでしょう。
#141
○政府委員(大場敏彦君) これは、〇.五PPmという基準は飲料水の基準という形で厚生省でお決めになった事柄でございますが、便宜私の方から御説明申し上げますと、これはいわゆる毒性がどうかというこういう判断ではなくて、いわゆる飲み水として水道のじゃ口をひねったときにあわが立ってはこれはいかにも人間に不快感を与えると、こういった形での発泡限界からきている事柄でございまして、そういう意味で〇・五というものを決めているわけであります。アメリカ等におきましても同様な数値で飲料水基準を決めていると、こういうことでございます。そういう意味で、東京都周辺の井戸水のお話がございましたけれども、河川の状況等を見ますと、これは上水として使っている河川でございますが、御参考までに簡単に申し上げておきますと、荒川等におきましては、大体〇・五ないしは〇・四というところが一部下流のところにございますが、大体のところはO・O三とか〇・〇四と、そういったところでございます。江戸川も大体そういったオーダー、〇・一とかそういったオーダーでございます。また、いわゆる多摩川等におきましてもこれも問題になっておりますが、ここでは下流の方では〇・一あるいは〇・三というオーダーもございますが、上流の方に行きますと〇・〇七とか〇・〇一とかいうぐあいで、おおむね〇・五という基準に、上水として使用している川につきましてはそれ以下におさまっていると。ごく例外に、ある地点においては、下流の地点においてはなきにしもあらずという程度でございますが、大体そういう状況でございます。
#142
○内田善利君 厚生省にお聞きしますが、飲料水中のPCBの基準はどうなっていますか。
#143
○説明員(国川建二君) お答えいたします。
 PCBの点でございますが、現在水道法の中に飲料水の水質基準を定めておりますけれども、現在のところは省令として定めておりませんけれども、実態的にPCBは検出されないことという基準を運用するよう指導いたしておるところでございます。
#144
○内田善利君 河川中に、あるいは湖沼の中にPCBが相当まだふえつつあるわけですが、環境が汚染されつつあるわけですが、その河川の中のPCBは一体飲料水、上水道にする場合にどこで除去しているのか非常に疑問に思うんですが、PCBあるいはBHC等は飲料水、上水道ではどこで除去しているのかという問題ですね。
 それとあわせて、このABSとの複合汚染、この問題については京都の衛研の藤原先生が問題を提起しておられるわけですが、この点いかがですか。
#145
○説明員(国川建二君) PCBが問題になりましたときに、私どもの方でも、全国的に主要水系並びに地下水等につきまして、水道が水源としております地点での調査を全国的に行いましたが、その結果は、原水の段階ではまあほとんど検出されないようなレベルの程度でございました。したがいまして、当然ではございますが、あわせて主要都市の水道等につきましても、いわゆる給水栓につきまして実態調査を行いましたところは今日まで検出限界以下というように報告を受けておりまして、私どももそのように考えておるわけでございます。
 なお、後段のお尋ねのABSとの相乗作用と申しますか、そこらの点につきましては現在なおまだ十分解明されていないというように考えておるわけでございます。
#146
○内田善利君 藤原邦達氏はABSのような界面活性剤がなければPCBのように水に溶けない物質の蓄積、生物汚染はなかったかもしれないと、このように言っておるわけですね。このことについて、PCBとABSの相互関連性、それといろいろな重金属との関連性、こういったことについては研究はなされておるわけですか。
#147
○政府委員(大場敏彦君) 便宜私の方から手元にあるデータで御説明申し上げますと、環境庁が一昨年委託研究でいただいた調査でございますが、ABSとPCBとが環境水の中で共存した場合に、プランクトン等に及ぼす影響というものをいろいろ実験したデータがございますが、ABSだけの場合と、それからABSとPCBが同居、併存した場合に比べますと、かなり影響の度合いというものは、併存した場合の方が強いということがいわれております。ABSとPCBとの毒性物質が水域中に共存する場合にはプランクトンに対するABSの致死濃度は非常に高くなる、確実だと、こういった結論が出ております。
#148
○内田善利君 厚生省、その点はどうなんですか。
#149
○説明員(国川建二君) 現在まだ十分私どもの方としまして解明されて研究が進んでいないわけでございますが、今後とも種々の物質との相互作用と申しますか、そういった問題は今後の課題としまして十分検討を進めていきたいと思っております。
#150
○内田善利君 空気と同じように飲み水というのは人間にとって一番大事なものなんですね。空気が汚染、水が汚染ということは重大問題だと私は思うんです。毎日水なくしてはわれわれは生きられないんですから、その水の中に問題になっているABSがどうか、PCBがどうか、重金属との相関性、複合汚染はないかどうか、大事な問題だと思うんですがね。まだ何も研究していないと、今後検討していくということですけれども、私は空気と同じように水は大事な問題だと思いますので、今後ひとつよろしくお願いします。というのは基準を決められたわけでしょう。昭和四十八年、食品衛生法を改正して、五月二十四日にこの食品、添加物等の規格基準を決められた。この中で洗浄剤については成分規格を、砒素の場合はその含有限度は〇・〇五PPm以下とする。それから重金属の検出、その含有の限度として、鉛一PPm以下とする。PHは六・〇から一〇・五とする。脂肪酸系の洗浄剤以外の洗浄剤については六・〇から八・〇とすると、こういうふうに合成洗剤の成分規格を決めておられるわけですね。そういうことを決めておられるわけですから、これは恐らくいま言ったようなことを含んでこういう規格ができたんだと思うんですが、この規格ができた基準は一体何なんでしょうか。
#151
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 一般にこういった化学物質をつくる場合にいろいろな原料を使いまして、先生御指摘のようないろいろな重金属とか、あるいは危険な砒素等も入ってくることがあるので、極力その品質を安全の純度の高いものにすると、こういうことで一般の化学物質のいろんな規格をつくっておりますが、その一環として、特に食品等について洗浄するようなことに用いるものですから純度を非常に高めたと、こういうような精神でつくっております。
#152
○内田善利君 私は鉛とか砒素とか、こういったものが成分規格の中で、これだけ含まれてよろしいということがいいのだろうかと、特に砒素〇・〇五PPm以下とすると、あるいは鉛は一PPm以下とすると、こういうことですが、こういうものが含まれておっていいのか、ABSとの関係性はどうなのか、PCBとの関係性はどうなのかと、そういうことを考えてこれがつくられたものなのかどうか。飲料水中に入ってくる、あるいは食品を洗浄した場合に食品の中から残留ABSとして入ってくる、そういうことを考えますと、こういった基準ももう少し毒性テストをやった学者の意見等も聞いてつくるべきであると、このように思うのですが、この点はいかがですか。
#153
○説明員(宮沢香君) 一般にいろいろな化学物質を合成します際に用います原材料は、天燃界から自然にそういう地核の中からいま先生御指摘になったような金属等を吸い上げたりして持っておるわけでございますが、そういうものの中でも特に除去し得る限り除去して、そしてあとう限りそういうレベルを低くする、こういうようなことで、特に私どもの生活に密接な関係のあるような化学物質については、砒素であるとか、鉛であるとかという、生体に対して悪い影響を与えるような金属についてはでき得る限り純度の高い、そういう値の低いものをつくるような精神でやっておりまして、洗剤も非常に身近なものである、食品を通して入る恐れもあるということですので、その純度を非常に高めるというふうに努力した値でございます。
#154
○内田善利君 この螢光染料が飲料水の中に残っているという記事を見たんですが、東京慈恵医大の小机教授他の研究で、井戸水や水道水に紫外線を照射したときの光りぐあいがABS混入量とほぼ一致し、その螢光を発する物質は洗剤に添加されている螢光増白剤であることがわかったということなんですが、この螢光増白剤はいまでも使っておるわけですか。
#155
○説明員(宮沢香君) 台所用の洗剤つまり食器とか、食品を洗うこの洗剤でございますが、これは洗浄力が私どもの主眼でございまして、色をつけるとかそういうようなことは必要ないということで、螢光増白剤の混入は許しておりません。ただ、いま先生の御指摘のその検出されたというのは、恐らくは衣料用の洗たく剤の中で、これはワイシャツ等白いようなものに増白した美しい色を与えるというようなことで、何種類かの螢光増白剤が使用されておるということは聞いておりますが、恐らくそちらからのものではなかろうかと考えております。
#156
○内田善利君 最後に、トリポリ燐酸ナトリウムですか、これは何のために合成洗剤に使っているのか、またこれがあるために、先ほどもお話がありましたように、赤潮の原因になったり、いろいろ問題を提起しているわけですが、これは使わなければならないものなのかどうか、この点はどうですか。
#157
○説明員(太田耕二君) トリポリ燐酸ソーダのいわゆる役目と申しますか、効能でございますが、これは台所には使っておりません。洗たく用いわゆる衣料用にだけ使っております。洗浄力助剤と申しますか、それを入れることによって洗浄力が上がるというようなこと、それからいわゆる水にはメタルが入っておりまして、これを、いわゆる金属石けんと申しますが、そういった石けんに使います場合ですと石けんあかが出ますが、たとえばそういったものを防ぐような作用をさせるというふうなことで、現状のところ、いろいろな代替品を考えたのでございますが、適当なものがございませんので、まあ洗浄力との見合いも考え合わせながら、できるだけ減らす方向に目下努力しようとしている段階でございます。
#158
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間だと思うので端的に聞いていきたいと思うのですけれども、合成洗剤が国民の中で大変に大きく不安が広がってきている。これは従来の政府のこういった化学物質に対する姿勢というのが、たとえばAF2の場合でも、PCBの場合でも国民が信頼できるというふうな行政に近づくためには、実現するためにはかなり大きな国民的な運動が背景にないとなかなか実現できないという政府の行政の姿勢というんですか、そういった点もありまして、非常に国民の不安というのは一層広がっているというのがいま実情だと思うのです。国民の健康と生命に責任を持つ政府、特に直接の厚生省としては早く国民の不安を解消するということが早急に望まれていると思うんですよ。そういう点で、私はきょう午前中の御報告を伺っていて思ったんですが、三十七年から厚生省としては対処してきていると、そうして四十年に厚生省が科技庁を中心にした一・定の報告を出した。そうして四十四年に三重大の三上教授が催奇形性の問題提起を学界でやられた。ところが、厚生省としてそういった問題の新たな研究チームをつくったというのが四十八年だ。少なくとも少数意見であれ、多数意見であれ、しかも人体に甚大な影響を及ぼすというふうな点が学問的に提起をされた場合には、国民の中に不安が広がるのは当然なんです。ところが四年間も放置してきたという、やはり厚生省、政府の責任、そういった姿勢が国民の中に一層大きく不安を拡大してきた責任があると思うのですよ。その点で、まず最初に四年間一体どういうふうに考えて放置してきたのか、その点まずお聞きしたいと思う。
#159
○政府委員(石丸隆治君) 時間的経過は、ただいま先生御指摘のとおりでございます。この研究班としては、たしかこの三重大学の三上先生が御発表になって、研究班を編成するまでの間に四年の歳月を費やしている。これは事実でございますが、その間何もやっていなかったということではないわけでございまして、やはりこれは、研究班は編成いたしておりませんですけれども、国立の研究所等ではその報告につきましていろいろ御検討を願っておった、こういう経過がございます。
#160
○沓脱タケ子君 いま前提としてそういうところがありますから、特に国民の日常生活の中では化学物質が非常にたくさんいろんな形で使われるという中で、化学物質に対する知識というのは、これは国民の中で十分知らされていないというふうな中で、危険だといわれたらこれは不安が広がるのは当然なんですよ。そういう前提に立って対処するということがきわめて大事だと思うのです。私も医者の一人として、問題提起をされております催奇形性の問題、皮膚障害の問題、あるいは発がん性を助成するというふうな問題、あるいは味蕾を麻痺させるというふうな問題等々、それぞれの学者が一定の実験に基づいた発表をされております。これはそういうふうに問題提起された点について何点かはすでに研究班として進められておるわけですけれども、たとえば発がん性の補助剤あるいは助成をするというふうな見解も出ているわけですね。ですから、疑問の出ている点は全部やはり解明をするというふうな立場をおとりになるということが国民の立場から言いますと、これは疑問を解明していく上で必要不可欠なんです。その点どうですか。
#161
○政府委員(石丸隆治君) 先生御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても早急にそういった一つの御意見が提案された場合に、それに対応してそれを追試するだけの能力を持ちまして、できるだけ短時間の間にそれに対応できるよう、現在その機構等の整備に努力いたしておるところでございます。
#162
○沓脱タケ子君 それで、さっきの御質疑で問題になる点は、全部出尽くしておりますから私は繰り返す気はないのですけれども、そういった点でできるだけ早く国民に結論を明確にすると、しかも何となく疑わしいままで結果だけが報告をされるというふうなことになりますと、先ほど環境庁長官、うるさいから自動車に乗らなければいいというふうに言われましたけれども、やはり五十一年規制のときのような疑惑を残さないように、少なくともやるべきだというふうに私は痛切に感じるわけです。そういう点で、これはもう研究を進めておられるのだから、純然たる化学的な結論というものを本当に国民が信頼できる形で公表すると、そういうことをして結論を明らかにするということ、これは保証できますか。
#163
○政府委員(石丸隆治君) 研究班といたしまして報告書をまとめまして、これを食品衛生調査会に提出した段階でこういったデータはすべて公表いたしたいと思っております。
#164
○沓脱タケ子君 で、そういう点で時期が早ければ早いほどいいというふうに思うのです。で、その上に立って私は特に申し上げたいのですが、たとえば皮膚障害がいまの中間報告ではありませんと、こう言われても、実際に使っている国民は自覚症状があるのですよ、その都度、都度。それが界面活性作用が非常に強力で、洗浄能力が高いのでと、そういうふうに言われても、自分で自覚症状があると、一方では人体影響があるという報告があると、これでは国民安心できないわけですよ。その点を取り除く努力というのは、どうしたらいいかという点だって必要だと思うのです。そこで、私は先ほどからも論議になりましたから、その問題に関連して言っておきたいと思うのですけれども、東京都を初め、あるいは大阪、名古屋、埼玉で、教育委員会では、野菜、果物の洗浄はやめさしたと、それで文部省の方もそういう通達を出したと、こう言っているのですが、これは結論が出るまでの間は、たとえ三カ月であろうが、六カ月であろうが疑いがあるという限りにおいては、やはりそういった措置をとるということが賢明だと思うのですよ。そこで東京都では、どういうふうに書って教育委員会に指導しているかというと、こういうふうに言っているのです。
 寄生虫の卵の関係では、寄生虫卵の保有者というのは、ここ両三年来検査の結果ゼロだ。消化器系の急性伝染病も著しく減少している。しかも野菜への浸透力というのは、浸透力が強くて、相当量が浸透しておる。したがって化学的な合成物の人体への侵入が可能な限り避けるべきであるという立場でやめているというわけですね。そうしますと、人体の、体内に入る量というのが、何が一番多いかというと、これはまあ研究結果によりますと、一日一人当たり七ミリグラムという中で、これは研究をされておりますけれども、野菜と果物、野菜のその水洗というのが、野菜の洗剤洗浄というのが一番量が多いと、六ミリ以上だ、果物がその次に多いということが研究結果では出ているわけですね。で、その他食器等あるいは皮膚を通しての吸収というのは、その点から見ればごく微量だと、したがって、体内に吸収をさせないということになれば、これは野菜、果物の洗浄をやめるということがいま一番大事だということで、これは教育委員会が御指導になっているというのは、報告書を見たらわかります。
 そこで私は厚生省にお伺いをしたいのですけれども、厚生省がお出しになっております洗浄剤の使用基準、これは改める必要がないのかどうか。――進めておられるわけでしょう。これを改められるつもりはないですか。依然として野菜や果物は合成洗剤で洗うがよろしいということを進めていかれますか。教育委員会が賢明な措置をとっているのだからその措置というのは国民の中に疑惑がある。で、幾らまだわからぬ、いや大丈夫だと言われてみても、自覚症状もあると、こういう中で出てきている問題なので、この点はやはり先ほど局長がおっしゃったように、不必要に体内に取り入れる必要はないので、客観的に必要性がなければその点は改善をする必要があるのではないかと思いますが、その点についての御見解を聞きたいと思う。
#165
○政府委員(石丸隆治君) この食品衛生法に基づきます洗浄剤の使用基準でございますが、こういう使用基準を定めておるところでございます。ただこの意味が、ただいま先生御指摘のように、こういう方法で使いなさいという奨励的な意味でこれをつくっておるわけではないわけでございまして、御承知のように、食品衛生法というのは、取り締まり法規でございまして、一応洗浄剤を使用する場合にはこういう方法で使用しなさいと、こういう意味での、これはしかも営業上使用する場合にのみこういった規制を受けるという、こういう法律のたてまえでございます。で、たしかこの洗浄剤の使用につきまして、かつて昭和三十年初頭におきまして、まだわが国に寄生虫の非常に多かった時代におきましては、むしろ野菜等に合成洗剤を使うようにという奨励を行っておったところでございますが、現状におきまして、こういうふうにもう寄生虫の患者も減っていると、こういう状況下におきましては、洗浄剤を使うことを奨励するということではなくて、こういう法律のたてまえ上、洗浄剤を営業上使用する場合にはこういう方法で使いなさい、かような意味でこの使用基準を定めておるところでございます。
#166
○沓脱タケ子君 それじゃ、使用基準を定めていると言うけれども、野菜、果物を洗いなさいということを奨励する必要はもうないんじゃないかというのです。その辺、明確にしたらどうですかというのです。だって結論が出るまで国民が不安のままでやらなきゃならぬというような、そんな状態をほうっておく手はないですよ。現に教育委員会は、野菜、果物は浸透力があって、体内に取り入れる量としては一番多いのだから、これはもう不必要に、体内に取り入れる必要はないということでやめているというのです。しかも文部省もそういう指示をしているというのですから、これはもう教育委員会に学んで、当然厚生省としてもやるべきだと思うのですが、どうですか。
#167
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生の御意見でございますが、食品衛生法によりまして、この洗浄剤の使用基準におきまして、まあむしろ野菜、果物等に、決めるとすれば洗浄剤として使用してはならないという、こういう決め方になるかと思うわけでございまして、まあそういうふうに法律をもちまして使用を禁止する段階にまだ立ち至っていないと、かように考えておるわけでございまして、先生御指摘のように、われわれといたしまして、現在野菜を合成洗剤で洗いなさいという、そういう指導は昭和三十年初頭とは違いまして、現在ではそういう奨励はやっておりません。
#168
○沓脱タケ子君 それで、まあ状況が変わったのだからそれは当然指導も変わってあたりまえだということを私は申し上げたかったのですよ。いま言うてないというけれども、三十年ごろ力説をされたのがそのまま生きているというところが問題なんです。
 ちょっと長官が予算委員会の関係で早く退席されるというから、先に環境汚染のところに触れておきたいと思うのですが、合成洗剤の本体のABS、LASがかなり深く論議をされていっておるんですけれども、合成洗剤の中にはいわゆるビルダーというものが配合されておって、その量というものもかなり大きいわけですね。で、長官、先ほど言われたように、このビルダーが大分問題だということを言っておられるのですけれども、最初に聞いておきたいのは、上水の基準では、ABSの方の基準も〇・五PPmですか、基準があるんだけれども、環境基準ないんですね。環境基準決めてないでしょう。それなら上水の方は〇・五PPmというけれども、環境基準が決めてなかったら、これはどんどん汚染も増強されていくというふうなおそれは十分あるんですが、環境基準決めるつもりはないですか。
#169
○政府委員(大場敏彦君) 先ほど上水につきまして、上水といいますか、飲料水の基準といたしまして〇・五PPmというABSの基準があるということを申し上げました。環境基準は御指摘のとおり決まっておりません。おりませんが、この〇・五PPmというのは毒性という観点からの問題ではなくて、発泡限界という形から決まっているわけであります。そういう意味で、環境水域の環境基準を決める場合には、毒性の観点からどのくらいあったらいいか、一切禁止しなければいけないかどうか、こういった形で決めるわけでございますから、早く厚生省の方で科学的知見を出していただいて、それに従って環境基準を決めていきたい、かように思っております。
#170
○沓脱タケ子君 それからいわゆる補助剤といいますか、ビルダー、これの燐と窒素が赤潮あるいは臭い水というふうなものをつくる最大の原因であると、まあ環境庁としてはそこが最大の頭痛む点だということを先ほどもおっしゃったとおりなんですけれども、そこで、洗剤のJIS規格を見ますと、いわゆる問題になっておる燐のもとになるトリポリ燐酸ナトリウムというのは、この規格では八%ないし二〇%というふうに書かれているのですね。これを入れることによって洗剤の本体であるABSあるいはLASの作用をうんと強化するという関係になっておると思うのですけれども、このおかげで赤潮ができ、環境汚染が増強されるということであるならば、これは変更を求めたらどうですか。で、従来からもうすでに環境庁では再三申し入れをして、五十年一月からこのトリポリ燐酸ナトリウムは上限一五%までにするというふうなことを通産省に行政指導させているのですね。もっとやはりそういった環境汚染につながる部分については、その結論が出るまででも、少なくとも環境を守るという立場からは明確な態度を出すべきだと思うのです。いままでやってきておるんだから、それはいいわけですから、少なくともこれはJIS規格を変えさせるというふうなことまでやって環境汚染を防止するというふうなつもりはないですか。
#171
○国務大臣(小沢辰男君) これはもう先生のおっしゃるまでもなく、私どもはその点に着目しまして一五%以下にしてくれと、今年一月から。さらに新しいやはり助剤の開発をやってもらうということでいま強くお願いをいたしておるわけでございます。先ほども言いましたように、私どもとしては、水質の汚濁の点から考えますと、とにかく望ましくないことは事実でございます。ただ、さりとて別のものをこう使われた場合にかえって悪くなっては困りますので、先ほど言いました石けん関係のものでございますとそういう点もありますので、もうできるだけ早くひとつ技術開発を進めてもらってこの問題の解決をするようにぜひ強力にひとつ指導してもらいたいと思って、常時通産には申し入れをして、一緒になってメーカーを指導したいと、かように考えております。
#172
○沓脱タケ子君 それで、通産省に聞きたいのですが、いわゆる洗剤のJIS規格の二〇%をことしの一月から製造の分については一五%の上限で行政指導しているというのですが、これはJIS規格を変えさせて、もっと私は、この環境汚染に一番大きな影響を持っておるトリポリ燐酸ナトリウムについては対処するというつもりはないですか。
#173
○説明員(太田耕二君) ただいま環境庁長官の方のお話もございましたように、実は環境庁からかねて来強く要請を受けております。まあJISの規格を変えるにはいろいろな手続が要るわけでございますので、それまでの暫定的な措置といたしまして、とりあえず合成洗剤の品質にそう影響がない範囲においてできるものからすぐやっていこうということで、今年の一月から一五%にマキシマムの値を決めてそれを実行させているということでございます。で、JIS規格の改定につきましては、工業技術院の方とも十分連絡をとりまして、なるべく早くやるようにというふうに実は作業を進めておりますが、一番肝心な洗浄力の試験方法というのが実は規格で決まっておらないわけでございます。したがって、このトリポリ燐酸ソーダを一挙に減らしたわ、その品質が非常に悪くなってまあ実質的に洗たくに支障を及ぼすということでも、これは消費者に対するメリットと申しますか、利益を損うおそれがあるものでございますから、合成洗剤の試験方法をなるべく早く確立して、しかもまた、いろんな配合を変えるなり、代替品の開発をやって、この一五%というマキシマムの数値にわれわれはこだわっているわけではございません。できるだけもっともっと下げたいわけでございますが、そういった観点で作業をしておりまして、少なくとも一五%という数字は、JIS規格の改正は五十年度中に実施いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
#174
○沓脱タケ子君 ちょっとその問題も続きあるんですけれどもね。長官時間がないからもう一つ聞いておきたいんですがね。これは下水道の整備が大事だということ、長官も先ほど言われたんですが、非常に大事だと思う。現状ではその処理、いわゆる下水の普及率というのは、全国的には二〇%余りですね。三〇%ないですよ、全国的にはね。東京でも六〇%そこそこでしょう。大阪が大変進んでおって、大阪市内でも八〇%を超している程度なんですね。しかも、それは二次処理なんですよ。私は二次処理でももっと急速に普及をすることが、環境汚染から汚染をなくしていく、緩和していくという上で大事だと思いますのは、先ほどから論議の中のABSをソフト化しても、これはそのままでは分解しないわけですよね。比較的しやすいというのであって、処理場を通れば二次処理でもこれは分解しやすいわけですからね。その辺では、環境汚染から守るという立場から言えば、この下水の普及という点について、もっと環境庁は洗剤の――洗剤だけではないですけれども、洗剤の側面から見ても、もっと急速に普及をさせていく必要があるんではないかと思いますが、その点はどうです。
#175
○国務大臣(小沢辰男君) 私はもう着任以来それが一番大事だと思いまして、私の予算折衝のときの大臣折衝でも、私の省のやつはその前に片づけてしまって、大臣折衝ではもつ。ばら下水のことをやったわけでございます。どうしてもひとつ、私どもとしては普及率を向上すると同時に、やっぱり三次処理の点をできるだけ早く普及をさしていきたい、まあ私せっかく努力します。それでなければなかなか水がきれいになりませんので。
#176
○沓脱タケ子君 それじゃ大臣いいですよ。
 あと続けて聞かしてもらいたいのは、局長に続けてお聞きしたいんだけれども、三次処理ができれば、これは三次処理を普及できれば私、特別に文句ないですよ。いま大都会でも三次処理がまだ不可能なというふうな段階で、三次処理の論議をしていてもしょうがないんですよ。なぜ下水の普及の問題を言っているかというと、活性汚泥処理をしたら、これは分解は非常にされやすいわけですね。ソフト化されたという効果というのは出るわけですよ。そういう点で、これは当然そういった点についての意見というのを、これは通産省だって製品つくらせて使わせているわけだから、そういった関係でももっと明確にして、普及をさせるというふうな立場というのは大切ではないかというふうに思うのと、もう一つ環境庁に聞きたいのは、その燐はチェックしておられるのですけれども、窒素ですね。合成洗剤からの窒素はチェックしてないんですね。――してますか。してないんですよね。
#177
○説明員(太田耕二君) ちょっと私の方から便宜お答えさしていただきますが、合成洗剤には大体において窒素は入っておらないわけなんです。結局富栄養化の問題では、燐だけが問題になっております。
#178
○政府委員(大場敏彦君) いま御指摘になりましたように下水道の問題は、これは窒素、燐を除去するという意味で、いまの二次処理から高度化した三次処理ということを進めることは大事なことは大臣が申し上げたとおりでございますが、しかし、またこれは非常にコストがかかるという難点もございますし、それから二次処理、現在の活性汚泥方式の二次処理の下水すら、まだ十分に普及していないという現状でございますから、二次処理をできるだけ早く普及させるというところに、やっぱり重点を置いて進めていくと。同時に、窒素、燐というものの富栄養化ということの防止のために三次処理ということも開発していくと、こういう立場ではないかと思って、建設省にもそのように申し入れはしてございます。
 それから、いまお尋ねになりました窒素の問題は、通産省の方から答弁申し上げましたように、合成洗剤の問題は主として燐の問題でございまして、燐につきましては、これはたとえば琵琶湖だとか諏訪湖だとか、そういった閉鎖性水域に、あるいは瀬戸内海、そういったところに排出される燐の中で家庭排水が占める割合が非常に多く、しかも、その中で合成洗剤から排出される燐の割合は非常に多いということで、これはかなり大きな寄与をしているというふうに思っておりますので、その点は非常にわれわれは重視しております。
#179
○沓脱タケ子君 全然入ってないんじゃなくて、ビルダーの中には尿素なども使っておりますから、厳密に言うと入ってないことはないんで、量が少ないというだけのことです、全体の中で。だから正確に言うてもらわぬと困りますよ。それでね、そのことを論議するつもりはないんで、富栄養化をする物質についてが問題だから言っているんであって、燐が最大の問題だということは、もう明らかなんですよ。
 もう一つ聞きたいのは、少なくとも結論が出るまで国民の中で不安が広がっているという中では、もう一つやらなきゃならぬ問題があると思う。それは先ほどからも皮膚障害の問題を御説明になるのに、ずっと洗浄の目的に適合した濃度で云々ということを盛んに言うんですよね。ところが全国使っている人、ほとんど自覚症状を持っているんですよ。それは何かと言うんです。きょう私、あそこで買うてきたんですがね、参議院の会館の売店で売っている分だけ買うてみた。これこんなもの書いていますけれどもわからへんですよ。ちょっと読んでみましょうか。何て書いてあるか言うたらね、合成洗剤、これは「ママレモン」と言いましてね、ライオン油脂株式会社、それでね、「品名合成洗剤 成分陰イオン系 種類中性 用途食器・野菜・果物洗い用」「標準使用量水一リットルに対し一・五ミリリットル」こう書いてある。それでね、使用上の注意には、これはめがねをかけぬと見えないほど小ちゃい字ですよ。「使い方――・キャップの先端を引きあげて使います閉じる場合は強く押し下げてください」と。それから「水二リットルに三%の割合でうすめて使うのが正しい使い方です(キャップ一杯は約八ミリリットルです)」と、こう書いてある。で、使用上の注意で後「五分以上つけたままにしないでください 水をとりかえて二回以上すすいでください」いろいろ書いてありますがね。「(キャップ一杯は約八ミリリットルです)」と書いてあるんですけれども、これはキャップで使うようになってないんですよ。これこう引っ張ってこうやったら出るんですよ。キャップも何もついてないです、いま買うてきたばかりです。こういうことで適切な指導法、あるいは洗浄の目的にかなう指導法で云々と言われても、こんなことではどれだけたらしたらいいのかわからぬですよ、実際。それで、国民不特定多数の人たちが全部使うものを、一リットルに対して一・五ミリリットルというそんなこと言うたって間に合わないです、実際。その点はこれは品質表示法でもっとまともに使えるように改めるということが早急に必要だと思うのです。だから、どの程度にしたらいいのかわからぬわけでしょう。洗浄効果がどの程度まであるのかわからぬ。で、落ちるであろうと思って洗浄した、そうしたら手には自覚症状がある、片方では有害性があると言われたら、これは国民の中に不安が広がるのは当然なんですがね、その点通産省どうですか。
#180
○説明員(太田耕二君) ただいま先生実物をお示しになられまして御指摘がございました。いまのお話の件、私ども実は来る前に昼に調べてまいりまして、おっしゃるとおりでございます。一般的に台所洗剤につきましては、確かに使い過ぎの傾向があろうかと思います。したがいまして、ただいまのお話につきまして、もっとより適切な方法があるかどうか、より業界等とも一緒に私どもが考えをまとめた上で業界に指示するなり何なり検討さしていただきたいと思います。
 それから公正取引委員会の指示指導でもって公正競争規約案というものをいま業界と公取の間で練っておりますから、これは家庭用品品質表示法に準拠した形でもつ七、ただいまのお話しの件が盛られることになっております。この辺の機会をとらえまして、いまのお話、御指摘のありました件、どう改正すべきか、またよりいい方法があればそちらの方向に検討するように考えてみたいと、かように考えております。
#181
○沓脱タケ子君 それはやればということだけど、絶対やらんといかぬと思うんですよ。こんなもの、ふたぴょっとあけたら何ぼでも出るものをね、キャップ一杯というキャップ何もついていないんですよ。実際どのキャップかわからへんです、そんなもの。それで手が荒れたら、それはその人は異常体質だとか何とか言っておったってこれは始まらぬのですよ。ここで話していると、洗浄の目的に適合する量云々というようなことを言っておりますけれども、日常生活でこれキャップついていてもほんまに使うだろうか、お台所でお茶わん洗うときに一々キャップで。そんなことをしませんよ、実際。当面安全性が確認される三カ月、半年の間でも、そういう不安を解消するというために必要な措置は、あらゆる措置をとるべきだというふうに思うんですよ。その点ではこれは濃過ぎるというんだったら、もっと薄めて大きな器へ入れて売ってもいいんですよ。実際そうなんです。本当にそうですよ。だってたわし直接こうかけてお使いになるというような場合だって、これはないとは言えないわけです。かなりの方々ありますからね。これはアンケートをとっても、二十数%はそうしているというのが出ていますよね。そういう点から考えたら、よい方法があったらなんというのんびりしたことを言うてもらったら困る、不安が広がっているんだから。少なくとも不安が広がっている中で、少しでも心配のないような配慮というのは、行政的にやるべきだというふうに思いますが、もう一遍言うてください。
#182
○説明員(太田耕二君) 御指摘の点は十分理解いたしまして検討をしてみたいと思います。
#183
○理事(栗原俊夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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