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#1
第075回国会 災害対策特別委員会 第6号
昭和五十年六月十三日(金曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     原田  立君     塩出 啓典君
     塚田 大願君     春日 正一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 静夫君
    理 事
                上田  稔君
                高田 浩運君
                青木 薪次君
                神谷信之助君
    委 員
                上條 勝久君
                川野辺 静君
                古賀雷四郎君
                佐藤  隆君
                八木 一郎君
                鈴木  力君
                塩出 啓典君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官      横手  正君
       国土庁計画・調
       整局長      下河辺 淳君
       農林大臣官房審
       議官       今村 宣夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       科学技術庁研究
       調整局生活科学
       技術課長     渡辺 重幸君
       文部省学術国際
       局学術課長    七田 基弘君
       気象庁予報部予
       報課長      藤範 晃雄君
       気象庁観測部長  有住 直介君
       建設省道路局高
       速国道課長    山根  孟君
       国土地理院地殻
       調査部長     田島  稔君
       日本専売公社生
       産本部副本部長  小松 伸雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (五月下旬から六月上旬にかけての降ひょうに
 よる被害に関する件)
 (地震に伴う津波警報に関する件)
 (地震予知に関する件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田静夫君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 本年五月下旬から六月上旬にかけての降ひょうによる被害に関する件について政府から報告を聴取いたします。農林省今村審議官。
#3
○政府委員(今村宣夫君) 五月の二十日から六月の十日にかけて中国、四国、関東、東北地方を中心に降ひょうがございまして、それによる農作物等に相当の被害が発生をいたしております。その関係県は二十八府県でございまして、相当広範囲にわたっておるわけであります。六月十二日現在の県の報告によりますれば、総被害額は約二百五十三億円ということになっております。被害を受けました農作物はナシ、リンゴ、ブドウ等の果樹、これが約百二億円、全体の四〇%を占めております。それからスイカ、キュウリ、ナス等の野菜が約六十一億円で全体の二四%、それからたばこ、かんぴょう等の工芸作物が約四十八億で、全体の二〇%となっております。特に被害の著しかった県は、鳥取、これが七十四億円、それから群馬が三十四億円、福島が二十億円、山形が十五億円、新潟が十五億円、長野が十億円、千葉が九億円ということになっております。これは六月十二日現在の県の報告でございます。
 そこで私たちといたしましては、被害の実態を正確に把握いたしますために、目下地方農政局の統計情報事務所、それから同出張所の組織を挙げまして被害の調査を実施中であります。できる限りこれを早期に取りまとめる努力をいたしておるわけであります。被害結果の取りまとめは、できる限り急ぐつもりでおりますが、大体月末になる予定であります。なお、被害の著しい県につきましては、農林省の担当官を現地に派遣して被害の状況を調査をいたしておるところでございます。
 そこで、今回の被害の状況にかんがみまして、今後の対策といたしまして、天災融資法の問題、それから自作農維持資金の問題、それから共済金の支払いの問題、それから金融機関の償還の問題等につきまして検討を行っておるところであります。また、ナシ、リンゴ等につきましては、ことしの収穫だけではなくて来年の収穫まで影響が考えられますので、地方農政局を通じて所要の技術指導を実施をいたしておるところでございます。
#4
○委員長(和田静夫君) 次に、地震に伴う津波警報に関する件について政府から報告を聴取いたします。気象庁有住観測部長。
#5
○説明員(有住直介君) まず初めに、六月十日の北海道東方沖の地震につきまして現象的なことをお話し申し上げたいと思います。
 六月十日の二十二時四十七分ごろ北海道東部で震度一の地震がありました。震源地は北海道の東方沖、正確に申しますと東北東でありますが、根室から約二百五十キロ離れたところで深さは四十キロ、マグニチュードは七くらいと思われるものでございました。各地の震度は、根室、網走、浦河、釧路で一でございまして、この地震によりまして津波が発生しまして、北海道地方、東北地方の太平洋沿岸に津波がまいりました。各地の津波の状況は、根室に二十三時三十二分に第一波がまいりまして、最大の津波の高さは、第一波のときは八十センチぐらいでございましたが、最大になりましたのは九十三センチ、このときの時刻が二十三時五十六分でございます。釧路では第一波が二十三時五十四分で十二センチぐらい、八戸では零時七分で十七センチメートル、宮古では二十三時四十七分で十三センチメートルというようなことでございました。
 以上が現象的な説明でございまして、次に、気象庁のこのときに行いましたことを簡単に御説明申し上げたいと思います。
 地震発生後に札幌の管区気象台とそれから本庁地震課は、太平洋の津波警報を国際組織からの入電等も参考にいたしまして、根室の東北東沖約二百五十キロを震源とする規模七前後の地震であるということを判定いたしました。この情報を流しましたのが二十三時十分に地震情報第一報として発表いたしました。それからこの地震の規模の七という気象庁の判定は、国際組織から得ました情報とも大体一致しております。これらの資料をもとにいたしまして津波警報発表の判定図、津波予報図と申しておりますが、これを適用いたしますと、津波警報発表の範囲外となりました。また、時刻といたしましては干潮時を少し過ぎた時点であるということも考慮いたしまして、警報発表に踏み切りませんでした。この処置は現行津波業務規程に従ったものでございますけれども、作業上はこの判定につきまして特に間違いはなかったというふうにわれわれは判断しております。その後、根室からの情報に基づきまして零時七分に津波警報を発表したわけでございます。これは根室測候所の方で津波があったらしいという情報が入り、津波と申しますか、船に海震を感じたという情報が入りまして、念のためにということで根室の測候所の職員が花咲港にございます検潮儀を見に行ったわけでございます。少し離れておりますために時間がかかりましたけれども、そのときに予想よりは数十センチの高い波が来ているということがわかりまして、直ちに根室測候所から札幌の方に連絡が入りまして、札幌では急遽零時七分に弱い津波ということを発表いたしたわけでございます。
 この判定図でございますけれども、予想図でございますけれども、これは歴史時代からの資料に基づいて作成いたしまして、過去三十年近く津波警報実施に使っておりましたんですけれども、特に問題はございませんで、今回初めてこの特異なことに出っくわしたわけでございますが、まあ専門家の考えでは海底の地震の発震機構がわりに特殊であったんではないかというようなことを言われておりますけれども、とにかくこの予想図の改良につきましては私ども急遽検討したいというふうに考えております。
 それから、外国の遠地地震とか、それから日本近海の大地震によって被害を起こすというような津波につきましては、現行で十分な体制はとられているというふうにわれわれは思っておりますので、無警報で津波が来るということはないと私信じておる次第でございます。この津波判定予想図の中には地震の記録を入れますというと、それによりましてそのどの位置に落ちているかということで、弱い津波であるか大きい津波であるか、津波警報は出さなくてもいいかという判定が、緊急で現業員も非常にあせっておりますことなので、比較的機械的に出せるというふうにつくられているわけでございますが、その図の中で、そのデータが津波には心配ないというところに落ちているということで判定されたわけなんでございます。まあそういうことで、大変津波警報がおくれたということのために漁船その他関係の方々に大変御迷惑をかけまして、私ども大変申しわけないと思って反省しておる次第でございます。なおおくれたためもありまして非常に職員が、そうでなくても大きな津波を起こすような地震というのはそう再三ないものでございますから、特に夜間に起きたために非常にあわてふためくのが通常でございますけれども、今回特に津波は心配ないと思っていたところ、どうもそういう情報が入りまして、非常にあわてたために手続上若干手ぬかりがあったんではないかというようなこともありまして、私どもも反省いたしまして十分職員には注意を喚起しておる次第でございます。
 簡単でございますが……。
#6
○委員長(和田静夫君) これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○佐藤隆君 いま、若干の報告が政府側からございましたが、このたびの降ひょう被害、降ひょう災害について個条的に質問をいたしたいと思いますから、簡便にひとつ答えていただきたいと思います。
 当面の措置と、それからこういう機会に降ひょう被害としては珍しい北海道を除く二十八府県にということで、広範囲であり、また被害額も約二百六十億、二百五十何億というものが出ておるわけでありますし、まだあるいは若干はふえるのではないのかとも私どもは推測をいたしておりますし、そういう意味においてすぐ措置すべきことと、それからこういう機会に検討すべき、近い将来にやってもらわなければならない、やるべきであるというこの二つに分けてひとつ質問をいたしたいと思います。
 最初に過去のいろんな災害で、もう基礎的なことでありますけれども、このたびの降ひょう災害というものがきわめて大規模ではあるけれども、大規模であるから天災融資法云々、あるいは激甚災云々と、こういうことが災害の規模によっていろいろ言われるわけであります。その基本は何かというと、気象庁でその気象条件、気象実績からしてかくかくしかじかであるという理由づけがないとなかなか、大きな被害にまとめてくれという言い方はおかしな言い方でありますけれども、やっぱりどこかで線を引かなければいけませんから、そういう意味でこの際気象庁に確認の意味でお尋ねをいたしておきたいと思いますけれども、東北中心、六月九日にひょうが降った、あるいは鳥取では五月三十一日、六月一日、二日と、あるいはその他の県でも五月二十六日とか三十一日とか六月一日とか、とにかくばらばらに降っておるんですが、積乱雲から降ひょうという一つの事態が出てくるということは私ども聞いておりますけれども、そういう局部的な積乱雲による降ひょうであっても一連の寒気塊というか寒気団というか、きょうの新聞なんかにも寒気団というような言葉で報道しておる新聞もありますけれども、気象庁ではこれを一連の災害、一つの気象条件のもとにおける一連の災害である、こういうことが言えると思うんですけれども、その点を確かめておきたいと思いますが、簡単にひとつ答えてください。
#8
○説明員(藤範晃雄君) お答えします。
 五月二十日ごろから現在までにかけて、大きな意味で日本付近は大きな気圧の谷に入っております。そしてその気圧の谷の日本付近がちょうど谷底付近に当たるわけでして、そこに向かってシベリア方面から上空の寒気塊が最初は五月二十日ごろから約数日間にわたって、それから第二回目は五月三十一日から六月三日ごろまで、それから第三回目には六月九日からごく最近までずっと南下して日本付近に近づいております。この寒気塊は非常に冷たくて重い空気でありまして、地上付近は夏に近づいて気温が高くて軽いものですから気柱としては上空が重たくて下が軽い、そういうことで非常に激しい上昇気流を起こします。この激しい上昇気流が雷雨とひょうの生成の原因でございまして、三度にわたって寒気塊が南下しておりますけれども、そのバックグラウンドの大きな気圧の谷というのはこの三度の寒気塊の南下に共通して働いたものでありますので、私どもとしてはある意味で共通のバックグラウンドのもとに起こった現象というふうに考えております。
#9
○佐藤隆君 それではっきりいたしましたから結構でありますが、たまたまいま一天災一政令という仕組みの中にあるわけですから念を押したわけであります。
 そこでいろいろこれも報道されておりますけれども、やはり一番最初に出てくる関心を持たれる議論は何であるかというと、こういう場合に天災融資法の適用が受けられるかどうか、それはまたいつごろになるのであろうか、こういうことで心配をされるわけでありますが、きのうきょうあたりの新聞でも、もう二十日ごろには天災融資法の発動をいたしたいという、するであろうとか、そういう推測記事もありますけれども、こうした公の場でひとつはっきり天災融資法の適用、発動の時期、これをひとつ答えていただきたいと、こう思います。
#10
○政府委員(今村宣夫君) 被害の状況につきましては、目下私たちは農林省統計情報部において鋭意調査を取りまとめ中でございます。実は六月の三日の降ひょうの時期に天災融資法の発動問題というのを検討いたしておったわけでありますが、六月九日にまたひょうが降りましたので、先ほどもお話のございましたように、一連の災害としてこれをとらえて天災融資法を発動するということになりますと、やはり六月の九日の結果を取りまとめる必要がございますので、これはいろいろ私たちは急がしておりますが、統計情報部の結果が出ますのは大体月末の予定でございます。そこで月末を待っておってその問題を検討するということではございませんで、大体今回の災害の被害の程度、あるいはその広がり等、それから降ひょうであるという災害の性格等から見まして、私たちといたしましては、天災融資法を発動する方向で鋭意その検討を取り進めております。したがいまして、被害が大体六月の末にわかりますれば、直ちに政令、閣議決定というふうな手続が行えるように、大体それまでに事務的な手続を取り進めておくというふうな考えで事務処理をいたしております。したがいまして、できれば七月の初め早々の閣議に、といいますのは七月初めの週の閣議に天災融資法の政令がかけられるような、そのくらいなつもりで現在検討を取り進めておるところであります。
#11
○佐藤隆君 いまの時点では恐らく正式に言えるのはその程度だろうと思います。思いますが、統計情報部の調査というものが、私どもたとえば米価の時期でも生産費所得補償方式をとる場合なんかでも、もっと統計がうまく早くとれないかなんてしょっちゅう言っているのですが、こういうときは多少従来のいろいろなやり方があると思いますけれども、ひとつなるべく急いで取りまとめをしていただいて、六月末という目途だそうでありますが、なるべく早目にひとつお願いをいたしたいと思います。なお、いま言われるように、もうすでに天災融資法の適用は決定的である、これはもうはっきり言える、こういうことに理解をいたしておきたいと思います。それからその適用の時期はいつであるか、これはもう遅くとも六月末には統計情報部の数字が出る、とするならば、ひとつ七月早々に政令を出したいと、こういうことではっきりしたということで承っておきたいと思います。
 ついででありますが、この天災融資法の貸付限度について、これは実は四十六年に改正をいたしました。当時私政府部内におりましたけれども、あれからまだ期間はわずかしかたっておりません。従来のパターンから言うと、大体五、六年とか、そういう一定の期間を置きながら見直しをするというのが従来のパターンでありましたけれども、たまたま今日までの間には狂乱物価という時代を通り過ぎてきたわけであります。そういう意味でこの天災融資法に基づく融資の貸付限度、これはやはり見直さなければいかぬのじゃないか。実は私自身このたびの降ひょうの被害を聞いて、あの狂乱物価の時代を通り過ぎたのだから、去年の暮れあたりに天災融資法の貸付限度の限度アップの問題を議論しておけばよかったなと私反省しておるんです。これは政府だけを言ったって、それじゃあおまえら黙ってたのかと、何で黙ってたんだなんということを言うはずはございませんが、言いたい気持ちがあると思うんです。実は私はそういう意味で反省をしているのですが、この機会に天災融資法の貸付限度の限度アップについて取り組んでいただきたいと思うんです。大蔵はきょうは私特に来てくれとは言っておりませんでしたが、農林省とこれは大蔵と至急に検討をしていただきたいと思うのです。結果的に、そんなことをやったんじゃ、これは法律事項でありますから、今国会に間に合わないということになりますと、物理的に不可能だということもあるいは出てくるかもしれません。しれませんが、いずれにいたしましてもいまの貸付限度ではだめだと、このたびの降ひょうに間に合う、間に合わないは別として、限度額の改正をすべきであると、こういう結論は当然出てしかるべきだと思いますし、私どもはまたほかの面からも天災融資法に基づく融資の貸付限度のアップについてはひとつ進めたいと思っておりますので、農林省のいまの気持ちを伺っておきたいと思うんです。
#12
○政府委員(今村宣夫君) 非常にお詳しい佐藤先生にくどくどと御説明申し上げる必要は毫もないわけでございますが、貸付限度額につきまして、いま私たちが昭和四十八年度の農家経済調査、これはよるべき一番新しいのですが、それによって農業の現金経営費を融資するというたてまえに立っておりますから、それを営農類型別にいろいろチェックをいたしてみますと、たとえば稲作農家の例をとりますと、道府県で大体一町から二町、一ヘクタールから二ヘクタール階層の平均の現金経営費が大体三十七万円ぐらいになっています。それから、ミカンの主業農家では一ヘクタールから一・五ヘクタール階層平均で見まして、大体七十九万円ぐらいになっています。それからリンゴの主業農家では同じく一ヘクタールから一・五ヘクタール階層で平均百十万円ぐらいになっておると、こういうかっこうでございます。そこで貸付限度額を見てみますと、一般農家の場合は四十万円、それから果樹、家畜等の主業者に貸し付けられる政令で定める資金というのがございますが、それが百万円になっております。なおまたそのほかにいろいろな加算がございますが、大体そういうことからにらみ合わして、四十八年度の農家経済調査で見る限りは、まあまあ、ほぼ大体カバーしておるのではあるまいかと思いますが、先ほどもお話のございましたように、四十八年から四十九年へかけてのいろいろな資材費の増高でございますとか、その他の問題がございます。したがいまして、私たちとしては、四十九年度の農家経済調査の結果等も踏まえまして、今後限度額を含めて、天災資金制度の改善について、災害の態様でありますとか、農家経済の動向を見守りつつ検討をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#13
○佐藤隆君 役所は見守りつつひとつやってもらう。私どもの感覚からいえば、当然限度アップをすべきであるという結論は、私どもすでに腹の中で出しておりますから、ひとつその線に沿って、それを含んでひとつ即刻検討をいただきたい、大蔵側とも。これは私はレートの問題にさわろうとは思っておりません、レートの問題は。これは四十六年に十分議論しましたから。ただ貸付限度については、これは早急にやるべきだ。これは相当しつこくやりますから、ひとつお含みおきをいただきたいと思います。
 その次に、これはいつものことでありますけれども、念のために申し上げておきたいと思いますけれども、自作農創設維持資金の災害枠の設定の問題、それから、農業災害補償法による共済金の仮払いの問題、特に今度は果樹が被害が多いわけでありますから、果樹共済の仮渡金、仮払い、これを相当積極的にひとつ考えていただく必要があると思います。その問題、あるいはその他の農林漁業金融公庫資金の償還猶予とか、あるいは中間据え置き設定とか、そういう条件緩和という措置について、従来こういう金融措置等については、経済局長通達あたりをもうすぐぱっと出したりやっております。当然これももうやられたのかもしれないし、いつ幾日やられるということも決まっているのかもしれませんけれども、いま申し上げたようなことについて、念のために、当然のことではありますが聞いておきたいと思います。
#14
○政府委員(今村宣夫君) 自創資金の災害枠は五十年度の資金貸付枠としまして、七十三億円を用意いたしておりますから、天災融資法との関連で、この災害枠から自創資金を融通するということを検討いたしております。したがいまして、天災融資法の発動と同時に、これらのそれぞれの希望をとりました各県の自創資金の融通枠につきましても、早急に決めたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから、果樹共済の仮払いにつきましては、被害の激甚な地域において、はなはだしい被害を受けた農家に対しまして仮渡しを実施することにいたしておりますので、今後早期に実施するように、県や共済団体をいま現在指導をいたしておるところでございます。これもできる限り早く仮払いができるように、県及び農業団体を指導してまいりたいというふうに考えております。なお、また既借入資金に対する償還条件の緩和の措置でございますが、これも被害農林漁業者の経営の実情に即した条件緩和措置をとるように指導してまいりたいと考えております。それの所要通達につきましては今週末ないし来週早々にでも指導通達を発するように措置をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#15
○佐藤隆君 重ねて申し上げておきますけれども、果樹共済については早急にと、こういうお話がありましたから、これ以上言いませんけれども、本当に早目に、もう一カ月ぐらいのうちに片づけてしまうということでないと、仮払い、仮渡しの意味がないということになります。そういう意味で、特に重ねてお願いをいたしておきます。
 それから、具体的な問題ですが、被害のあった葉たばこについて専売からおいでをいただいておりますが、これは葉たばこは新潟県だけでも五億程度の被害があったということで、現地でも大変な騒ぎをいたしております。ところが、その葉たばこのどこがやられたかというと、しんがやられているわけです。そうして、しんがやられて、わき芽が残っているわけです。わき芽は普通まじめな農家というと言い方が悪いのですけれども、わき芽は普通カットするのです。それがまあ常識です。ところがこういう災害になりますと、わき芽が残っていると、しんはやられてもわき芽が残っているではないかということで、減収査定というのですか、専売公社の方では減収査定と言わないで、減収基準とかそういう言葉でなくて、補償基準というのだそうですが、そういう具体的な作業に入ると全く農家が不可解、理解をしにくい基準によって、基準というか、そういうものによって査定をされる。しんがやられたらもう全損と見てもらってもいいのだ。こういう主張が葉たばこ農家から、耕作農民から主張が従来ともあったし、またこのたびもそういう意見が非常に強く出ております。この点についてひとつどう考えておられるのか。
#16
○説明員(小松伸雄君) お答えいたします。いま先生からお話がございましたように、このたびのひょう害によりまして、全国各地でたばこの被害が出ておるわけでございます。たばこがひょう害を受けますと、程度によって非常に違いはあるわけでございますが、はなはだしい場合は茎が折れる、あるいはしんの部分が折れてしまう、こういうような被害がございます。その際に、こういう災害を受けた際に、そのたばこがどういう生育のステージにあるかによって技術的な対策は変わってくるわけでございます。早いステージで被害を受けた場合には、いまお話ございましたわき芽を伸ばすことによってそれに葉がつきまして、その葉を収穫することによって被害程度を軽減することができるというのは事実でございます。ただ、このたばこの管理作業の中におきまして、伸びてくるわき芽を取るという管理をいたしておりまして、このたばこのわき芽は一つの葉のつけ根のところから大体三本ぐらい出るわけでございますが、これを取って――第二次芽と申しますが、この場合には芽の伸び方が非常に遅くって、大きい収穫を期待することはできない、こういう事情がございます。したがいまして、公社の方におきましては、災害が起きますと、すぐ技術員が現地に参りまして、それぞれの畑の生育状況と、それからわき芽の今後の伸びる可能性、こういうものを見きわめまして、農家の方と対策を相談いたしながら可能性がある場合にはわき芽を伸ばしてその収穫を期待いたす、こういうような対策をとっておるのが現状でございます。
#17
○佐藤隆君 私は専門家でもありませんし、実際に被害調査を私が査定するわけでもありませんから、そう詰めたことは言いませんけれども、従来ともいろいろこのことについては意見があったんです。ですから、実際にその査定をされる方がやっぱりもう少し弾力的にやっていただくべきではないかなと。もちろん、農民のそのわがままとも言うべき、こういう機会にひとつということで、わがままと言われるようなことは、これは許されないと思いますよ。だけれども、私どもいろいろ聞いている範囲では、どうもやっぱり農民のわがままと片づけるわけにはいかないなと、現地で査定をされる専売の方々が、やっぱり基準にきわめて忠実で、専売の企業採算性にきわめて理解が深くて、そして実情にそぐわない場合があるのではないか、こう思うんですよ。ですから、このたび葉たばこの被害があったところに何らかの形でひとつ実情にそぐうように――しかし、いままでも実情にそぐうようにやってきたんだけれども、やっぱりそういう不満がありますから、ただ、葉たばこの耕作農民というのは非常に立場が弱くて専売様にそんな食ってかかるようなことはできないのですよ。だからといって、われわれが食ってかかるわけじゃなくて、いま私が申し上げているようにきわめて丁重にお願いをいたしておるわけでありますから、ひとつ、実情に合うようにやってはきただろうけれども、なおかつ陰の声というものは非常不満が大きいのだと、だから、よくよく注意をして、そして、なるべく耕作農民に理解を仰がれるようにやりなさいということを何かの形でこういう機会にやっていただきたいと思うのです。ひとつ、それ、お願いいたします。その点、一言意見を聞かしてください。
#18
○説明員(小松伸雄君) 先生のお話ございます災害の実情、また農家の気持ちに合うような指導につきましては十分心してやってまいりたい、かように考えております。
#19
○佐藤隆君 それから、今度、実は降ひょうのひょうによる水稲の被害というのは私ども余り聞いたことないんですが、これは新潟県が一番多いんですけれども、きょういただいた資料にもありますように、金額にして八億、面積にして約五千三百ヘクタール、全国で一万一千八百五十ヘクタール、こういう水稲の被害があるんだということになっているわけですが、これは私もなおまた、幾日かたっておりますから現地を見てみたいと思っておりますけれども、何とか寝たものが立ち上がるんじゃないかというささやかな希望は私ども持ち続けておりますけれども、これは、この問題につきましても水稲共済の問題が出てくる部分が出てくると思うんです。これ、ひとつ降ひょうによる水稲の被害というのは珍しい形、そういままでしょっちゅう例があったことではございませんので、ひとつ慎重に、いま私が専売に申し上げたような、お願いをしたような考え方でひとつ配慮しておいていただきたいと、こう思いますが。
#20
○政府委員(今村宣夫君) 御趣旨のようなことで、よく私たちも今後対処したいと思っております。
#21
○佐藤隆君 それじゃ、時間が三十分しかいただいておりませんので、最後に一つ。
 当面の措置はいままで大体お伺いをいたしましたので、いま農業災害補償制度の改善、農業共済制度の見直しというか、この問題が各方面で俎上に上っております。私どもも、私どもの立場で農業災害補償制度の見直しというものを検討いたしております。役所においても次の国会ぐらいをめどに農業災害補償制度の見直しをすべきだということで作業が進みつつあるということも聞いております。たとえば補償の充実とか、あるいは農家単位制度の推進をどう図っていったらいいのだろうかとか、あるいは損害防止事業、これも必要なことでありますし、あるいは積立金の弾力的な使用をどう考えていくかとか、いろんなそういうことを私どもも議論をしておるわけですけれども、このたびの降ひょうによる農作物の被害、これをひとつ十二分に参考にして、そして早々にして農業災害補償制度の見直しが図られるようにお願いをしておきたいと思うんです。そこで、この問題はあるいは農林水産委員会等でも次の国会あたりで相当議論はされると思いますけれども、せっかくのこういう機会でありますから、今日の検討の中間的な報告というまでもいかなくても、何かこのことについて、たまたまこういう農作物の大変な被害を出した時期でもありますので、現況をひとつ聞かしておいていただきたいと思います。
#22
○政府委員(今村宣夫君) 最近におきます、いろいろ農業事情の変化に対応しまして農災制度が農業経営の安定に役立つようにするということがどうしても必要でありますし、同時に、制度の運営の効率化、合理化を図っていくということが必要でございます。そういう観点から、次期の通常国会に改正法案を提出することを目途にいたしまして、いま私たちは学識経験者の協力も得まして、補償内容の充実でありますとか、あるいは制度の弾力的運営といった点を中心に鋭意具体的な改善案を検討いたしておるところであります。たとえば桑の樹体被害というふうなものを取り上げてみましても、冬季間におきます、いろいろなけだものの被害でありますとか、あるいは雪害というふうなものも共済事故の対象に加えてはどうかというふうなお話もございます。こういう問題につきましては、いろいろ保険という観点から見まして、引き受けでありますとか、あるいは損害評価を的確に行うという観点から見ますといろいろ問題があるわけでありますが、私たちといたしましては、制度改正の一環といたしまして、今後十分検討をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#23
○佐藤隆君 終わります。
#24
○青木薪次君 いま佐藤委員からも御質問がありましたことなんでありますが、私は重複を避けるために、ひとつ提案をいたしていきたいと思うんでありますが、委員長においてひとつ採択をしていただきたいと思いますが、この農林省の被害額の調査一覧表によりますると、一番最高が鳥取県の七十三億五千五百万円という概況が出ております。その次に、群馬県の三十三億九千四百万円という被害額があるわけでありますが、鳥取県と言いましても、中村前委員長はこの関係できょうはお見えにならないわけでありますが、本院としても各党代表一名からなる、群馬県へ、相当な被害があるようでありますから、ひとつ早急に調査に出かける、直ちに出かけるということで、ひとつまずもってお取り上げをいただきたいというようにお願いしたいと思います。
#25
○委員長(和田静夫君) それじゃ後ほど理事会で協議をいたしまして、結論を出したいと思います。
#26
○青木薪次君 私は、先ほど気象庁の方からいろいろ地震に対する説明があったのでありますが、きょうは国土庁長官がお見えでありますので、一番これからの大きな問題は、政府に強く要請しなきゃならない課題といたしまして、何としてもやはりこの震災対策ということがきわめて大きな問題だというように考えているわけであります。震災対策は、いまいろいろこう新聞紙上その他を見ましても騒がれているけれども、あるようで全くないというのが震災対策だと思うんであります。そういう意味から、これは国でやるのかあるいはまた地方自治体でやるのか、あるいはまた両方でやるのか、そういう点について、まず長官からお聞きいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(金丸信君) 震災対策は広範多岐にわたっておるわけでありまして、事務的に検討すべき問題も多いわけでありますが、中央防災会議という事務局も国土庁が持っておるわけでございまして、ただいまの御質問でございますが、自治体と国、または実際問題、仮に東京に大きな震災が起きたという場合に、自治体にだけ任しておくというわけにはいかないという問題は当然あるわけでありまして、たとえて言えば、交通の問題、情報の問題あるいは医療の問題あるいは食糧の問題、その他万般にわたりまして、そういうものに対して政府は対処していかなければならぬわけでございますから、そういう意味で関連の省庁がたくさんあるわけでありまして、そのためには連絡会というものもつくっておりましてやっておるわけでございますが、しかし、これでよろしいということはなかなかでき得ないわけでございますが、私も、国土庁長官になりまして、大正十二年の震災をちょうど私が尋常二年か三年のとき目のあたりに見、あるいは新潟の地震を見、こういうものを目で見、はだで感じて、いまのこの対策でいいのか、私も国土庁の横手審議官とも話し、あるいは官房長とも話し、いろいろ私は私なりに詰めておるわけでございますが、そういう意味で万全の対策を講ずべくあらゆる努力をいたしておるわけでございますが、ただいまの御質問の要旨は、いわゆる自治体も中央もともどもやらなくちゃならぬが、その主導権はいわゆる政府が持っておることは当然だと思うわけであります。
#28
○青木薪次君 長官も前に建設大臣をやられたし、田中内閣の有力な閣僚だったわけですから、高度成長論者と私は考えております。そういう意味から、高度経済成長とそれからそれに基づく都市における人口集中というものは、これは何とかしなければならないところにいま来ていると思うのでありますが、これがしりぬぐいが地方自治体等に任せっきりだという点がいま批判されているわけであります。そういう点から、たとえば地震が起こった場合に、分離帯一つない、それから分離帯をつくるには土地を買わなければならないというようなことから始まって、それじゃ一体火事が起こった、火事が起こった場合に、ビル火災というものは、これはまことにみじめな災害を起こす。そうすると、それに対する水もない。ビルも、新宿の副都心あたりに行きますと、四十何階というものも四つも五つもでき、またできつつある。そういうときに、これらの関係等について、それじゃ一体水をどこにためておくか。地下に水をためなければ許可しないぞといったようなことが考えられたりしているけれども、こんな対策はいま何にもないというようなことから、水の問題と震災対策というのは私は全くこれはうらはらの関係で、きわめて重大な問題だと思うのでありまして、そういう点について、これは私が聞きたいのは、新全総の総点検をいまやっておられますね。あなたは、昭和五十一年度に対して、八%なり三%なり、いわゆる高度成長的な考え方で成長をやっていくか、あるいはまた福田副総理がよく言うように静かで控え目な成長というようなことで三%論というようなものもあるようでありまするけれども、一体この中で社会投資をどういうようにしていくのかという点について、私はまずお伺いしておきたいと思っているわけであります。
#29
○国務大臣(金丸信君) 昭和五十一年から六十年度を踏まえまして第三次の新全総の計画をいま作業を進めておるわけでございますが、しかしこういうような激動している経済情勢の中で、いわゆる何%であるかということを把握することは、なかなか現実むずかしいわけでありまして、しかし来年度の骨格予算もつくもなくちゃならぬという事態になりつつあるきょう、国土庁が策がないということではならぬじゃないか、そういうことで、三%の場合はどうなる、及ぼす影響はどうなって、どういうことにしわ寄せが出てくるか、八%にした場合はどういうことになるだろうかというようないわゆる試案をいま作業を進めておるわけでありますが、それは、それによって今後の新全総を決めるということでなくて、一つの何かよりどころのあるものをつくらなければ、あるいはこれを進めていくたたき台がなければならぬじゃないかというような考え方の中でこの作業をいたしておるわけでございますが、いろいろ三%の場合あるいは八%の場合あるいは六%の場合、いろいろの問題点は出てくると私はいま考えておるわけでありまして、こういう時代になりまして、いわゆる高度成長というようなことを考えておったらこれは大きな間違いが出てくるであろうということは、私も十分わかるわけでありますが、しかしこの経済の成長率というものがどこで把握できるか、実はこの問題について経済企画庁とも寄り寄り相談をし、また連絡調整もいたしてきょうまで進んでおるわけですが、その問題につきましては、詳しく事務当局から説明を申し上げることにいたします。
#30
○政府委員(下河辺淳君) ただいま長官から御説明したとおりでございますが、目下作業をしておりますところを御説明申し上げます。
 従来高度成長期にありましては、毎年一〇%から一三%ぐらいの実質成長を遂げておりました。計画の方は約七、八%ぐらいの成長を前提に開発計画を立てておりましたために、高度成長期におきましては、開発行政がおくれがちであることを再三御指摘をいただいた面もございますが、最近の石油ショックその他の国際環境の問題あるいは国内の公害問題あるいは土地問題というようなもの、国内外の環境の問題から、経済成長についてどのような形が望ましいかということにつきましては、国土庁あるいは経済企画庁におきまして鋭意現在勉強しているところであります。その作業の前提といたしまして、長官から申しましたように、三%と八%の比較検討をしております。三%につきましては、三%程度の成長を続けることを前提にいたします場合には、環境問題あるいは公害問題などに対しましてある安定した行政を進めることが可能であるというふうに見ておりますが、しかし、生活を中心として福祉水準を上げるための財源については、三%成長を維持するということではなかなか十分な成果を上げることが期待し得ないというような点でありますとか、あるいは不況的な感じ、あるいは雇用上の失業対策その他の問題が非常に深刻化するというようなこともございまして、三%についてもいい点と悪い点とがあるということが言われておりますが、八%成長の場合につきましては、かつての高度成長のような成長を前提にすることはできませんけれども、八%程度の成長がどうであろうかという作業をしております。その八%成長につきましては、ある程度の生活水準を確保することが可能になってくるというふうに考えられますし、これから自然増加によりまして人口が増加することに対応して雇用の条件を改善することがある程度可能であるというふうに思いますけれども、しかしやはり石油問題あるいは公害問題あるいは自然環境問題から考えますと、なかなか相当な努力をいたしませんと安定した国土にならないというような面を持っておりますので、三%と八%という比較的極端な例について比較検討を進めているというのが現状でございまして、そういったようないい点、悪い点の比較検討を通じて好ましい適正な成長率を見出すことに努力したいということでございまして、目下のところはそういった検討の段階でございますが、作業が進むにつれて控え目な適正な成長率というものを企画庁を中心に政府として決める段階が来ると考えております。
#31
○青木薪次君 きょうは基本的なことをちょっとお伺いをしておいたわけでありますが、特に私は、八%成長とか三%成長というようなことだけにとらわれずに、どうしたらこれからのいわゆる――成長が全然悪いと言っているわけじゃありませんから、そういう意味で、いわゆる国土の保全とそれから防災対策それから福祉の向上といったようなこれから起こるであろう国民生活の態様というものを一つの新しいパターンとして描きませんと、従来のように、安い石油を買ってくる、安い資源を買ってくる、安いものを投げ売りする、ダンピングする、安い米を買ってくるというようなことでやられないという条件下に来ていることを考えて、古いノスタルジアにこだわらないでやらないと大変な問題になってくるということを私は考えます。しかもその中でいま局長のおっしゃったように、用地問題、用水の問題、環境の問題、その他雇用の問題等もいろいろ考えつつ、ただ、私はこれからの生活様式や産業方式が集約されたものであればいい、コストが下がればいいというだけの問題ではなくて、やっぱり今日見直されておりますのは、たとえば町に八百屋さんがあっていい、豆腐屋さんがあっていい、魚屋さんがあっていい。それが一カ所に固まっちゃって大きなスーパー化したことが必ずしもいいことじゃないというようなことなどを考えつつ、これから私どもは国土の保全、大衆のための優秀な国土の総合的な利用というような問題等に対して災害等の問題を含めて、これからひとついろいろ検討していきたいと思いますので、この問題はこれで終わりたいと思っております。
 それから先ほど説明のありました六月十日の北海道の東方沖二百五十キロと言われましたけれども、震源の深さ四十キロ、震度は一、これは微震だと言われておりまするけれども、このことがこの前の昭和五十年度予算の説明のときに、あなた方から説明を受けたのは、地震予知の研究については、昭和四十九年度から始めてきたけれども、今回は特に海底地震の常時観測システムの研究を推進するとともに、西太平洋海底の動きと構造の解明を行う国際地球内部のダイナミックス計画に基づいて総合研究をしているから、もうこれからどんなことがあっても大丈夫だという大みえを切ったわけです。それと今回のこの問題との関連においてちょっと説明をしてもらいたい。
#32
○説明員(有住直介君) 気象庁といたしましては、確かに先生のお話がございましたように、大きく二つございまして、地震がありましたときにすぐ情報をお伝えいたしますということ、それから地震予知の研究のために資料を整備いたしまして、予知の研究に対しては大いに推進をやりたいというのが気象庁のたてまえでございまして、その線に沿いまして進めさしていただいているわけでございます。
 そういう意味でたとえば海底地震計を太平洋岸の、静岡県沖の方に設置するというような研究も進めておりますし、またひずみ観測網等を本年度におきましては東海地方につきまして整備していきたいというようなことで進めさしていただいているわけであります。しかしやはり完全にということになりますと、これは五カ年計画というようなこと――今度も第三次でございますけれども、第一次から順次整備を進めておりまして、まだ完全ということにはやっぱりいっていないかと思います。ただいま先生からお話がありましたダイナミックの海底の動きの問題というようなことにつきましては、気象庁だけということではございませんで、これは主として文部省が御中心になっていると思いますが、研究を進めていくというようなことでございます。
 またこの予知関係につきましては、地震予知連絡会というものがございまして、その中に三つの、これは気象庁を含めまして、国土地理院の方、大学関係の方、科学技術庁の方等が協力しまして進めておるようなわけでございまして、この気象庁のやります先ほどの海底地震の問題とか、そういうこともその地震予知連絡会等で御議論もいただいて進めているというようなことでございます。
 以上でございます。
#33
○青木薪次君 あなたは少し声が小さくて説明がよくわからぬからもっと大きい声で歯切れよく言ってもらいたいと思います。
 この地震は震度一だ。それじゃマグニチュードは幾つあったのですか。
#34
○説明員(有住直介君) 七前後でございます。
#35
○青木薪次君 七・五だとこれは危険な状態だという認識はないでしょうか。
#36
○説明員(有住直介君) お答えいたします。ただいま七前後と申しましたが、七・〇というふうに気象庁は発表しているそうでございますので、訂正させていただきます。
 それから七以上ということですと確かに大きな地震でございまして、危険を伴うということでございます。これもその震源からの距離によるわけでございますけれども、近くでは非常に大きな被害がございますし、離れれば震度というものは小さくなるわけでございますけれども、まあ二百五十キロ離れていたということで震度一というのが観測されているわけでございます。この津波に関連いたしましても、七以上というのは注意すべき地震でございますけれども、この実際に津波についてどれほど問題があるかということになりますと、先ほどの津波予想図というようなことで判定するという手段をとっているわけでございます。
#37
○青木薪次君 実際には根室花咲港においては九十三センチの津波が来たと言いましたね。そこでこの方面の漁船は七十隻が急いで港外へ異常な潮位を観測したものだから、港外に去って避難をした。それからその住民は高台に避難した。こういうことなんですね。あなたはあわてたからしようがないと、こういうことだけに私は聞いているわけでありますが、じゃ一体この地震を予知するための管区気象台は大体幾つあるんですか。
#38
○説明員(有住直介君) 津波に関しましては、全国に津波予報中枢というのが六つございます。札幌がその一つでございまして、札幌、仙台、東京、大阪、福岡、那覇にそれぞれあるわけでございます。
#39
○青木薪次君 那覇で震度一の北海道の地震を私は観測しろなんと言ってるんじゃないんですよ。これに関連するものについてはこれで、地震で予知したら、これについて今度はコンピューターで相互にいろいろ作用し合って津波が来るかどうか、地震の震度はどうか、マグニチュードはどうかということを総合判断して津波の警報出すわけでしょう。実際に津波が去っちゃってから、津波を観測してからおたくは警報出したわけでしょう。津波の警報。この関係について説明を願いたいと、こう言っているんです。
#40
○説明員(有住直介君) お答えいたします。
 この地震の観測がありますと、幾つかの方法で津波中枢に連絡されるわけでございますけれども、一つは電気的にすぐに入るのがございます。それからもう一つは地震計を観測いたしまして、それの情報を中枢に直ちに流すということでございます。中枢ではそれらのデータを使いまして、震源地、それからその地震のマグニチュードの大きさ、そういうものを判定いたしまして、そしてそれを情報として流すわけでございます。必要があればそれを津波警報として発表するということでございます。先生いま御指摘にありましたように、非常におくれましたのですが、これはこの情報とりまして判定いたしましたときに七であるとか、二百五十キロぐらい離れた沖であるとか、どこどこでは震度が一であるとかということはわかりまして、それを地震情報第一号として発表いたしましたのが、二十三時十分に発表したわけでございますが、その時点で津波警報を出すかどうかということを検討いたしたわけでございますけれども、そのときに津波予報図というものを使って、警報を出すべきかどうかという判定をするわけでございますけれども、そのときに、その図に、いままでの三十年来やってきた方法としては、いままでは、まあ問題なかったわけなんでございますけれども、その図によって判定した結果は津波の心配はないであろうという結論であったわけでございます。それで、それを津波の心配はないということで津波警報を出さなかったわけでございますので、問題は、その津波の判定図に一つの問題点はあるというふうにわれわれ思っているわけでございます。その弱い津波というものを出しますのは、最高の津波の高さが二メートル、それからそのほかのところで数十センチというようなおそれがあるときに弱い津波というものを発表するわけでございます。つまり、その時点ではそれほどのことはなかろうという判断だったわけでございます。ところがそれを発表しませんでしているうちに、根室からの情報で津波が来たということがわかりましたので、急遽津波警報を発表した。まあその津波警報を発表しましたのは零時七分でございましたので、先生御指摘のように大変おくれたということになったわけでございます。
#41
○青木薪次君 この津波がやってきてから三十分たってから零時七分に警報が出たんじゃ警報の価値なんかないんですね。このことについてはそれはいろいろあるでしょう。そのことを私はわからぬと言っているわけじゃない。問題は新しい計器、近代化された予報の機械というものを持っておって、しかも相互に、お互いに連携し合っているときにこの問題が起こったということについて、恐らく津波が来ないじゃないかと思ったところが、九十三センチの、私としてはやっぱり大津波と言わなければならない、この津波が来たということについては、これやはり重大な私は観測ミスと言わなきゃならない。しかし、現地の人は、今後もっと大きな津波が来たら一体どうしましょうということで、非常にいま危険な毎日を送っているというように、私は現地から来た同僚の国会議員に聞いたわけであります。ですから、このことについて、ひとつ気象庁は本委員会に対して事のてんまつについて、これ以上私は追及しませんからこれをひとつ出してもらいたい。そのことについてひとつ委員長諮ってください。
#42
○説明員(有住直介君) この津波の警報でございますけれども、先ほどもお話いたしましたが、弱い津波ということで警報出しますのは一番大きな津波として二メートル、まあそのほかは数十センチ程度というようなこと、そういうおそれがありますときに弱い津波ということで警報を発します。それから最大で三メートルぐらいになるんじゃないかという、非常なおそれがありますときには、これを大津波ということで発表するわけであります。確かに今回の判定いたしましたときには、もちろんその警報のおそれは出す必要ないだろうと判定いたしましたのは、たかだか十センチとか数センチ程度のものは津波はあるかもしれぬ、潮が上がるということはあるかもしれないけれども、特に警報を流して喚起をするという必要はなかろうということであったわけですけれども、まあ九十三センチというものが観測されたというわけでございます。その原因はいまもお話しましたが、津波予想図の図でいきますとおそれのないような地域に落ちているということでございまして、もし、じゃあ大きな津波のときはどうかと申しますと、そのときには予想図によります判断というものは、その点の落ちる位置というのはかなり大きな津波が起こるおそれがあるときには、そういう意味での判断を誤るというようなことはございませんとわれわれは思っておりまして、また外国の遠地大地震とかそれから大地震によって被害が起こるというような津波につきましては、現行の体制でも十分やっていけるというふうにわれわれ考えているわけなんでございますけれども。
#43
○委員長(和田静夫君) 気象庁、質問者の要点に沿った答弁をもっと明確にしてもらわないと、これからもちょっと……。
 それで、きょうの調査のいわゆる報告が口頭でしょう。したがって、いままで答弁されたことをまとめられて、そして本委員会に資料として経過を含んで提出をしてください。それに基づいて、必要があれば次回の委員会等で質問を継続をする、こういう形にしましょう、時間だけとりますから。よろしいですか――。
#44
○青木薪次君 じゃ、そういうようにしていただきたいと思います。
 静岡県の清水市の庵原地区に、東名高速道路ができてからミカンが相当、三十町歩から四十町歩にかけて立ち枯れを生じた。このことは樹脂病だということを言われておるんでありまするけれども、地元の、私も調査を何回もしたわけでありますが、庵原たんぼというたんぼから、ごうど山から、高山から、原から尾羽という方向に向かって馬蹄形になっている地域なんでありまするけれども、冬の冷たい空気が相当海の方から立ち込めてきて、これが東名高速道路で遮断されて一つのいわゆる冷気の固まりのようなものを生ずる。片方、吉原か伊佐布方面を通ってきた暖かい空気が上をかすめて通ってしまう。暖かいから上へ空気がこう上るというようなことから、ここに気流の冷たい固まりが生ずる。このことが道路公団で依頼いたしました産業公害研究所の研究結果でも三月末に結果として出たわけでありますが、この問題について、いままで建設省としては影響がないというように思われるというようなことを言ったわけでありますけれども、結果としてその影響がある。被害の程度がどの程度であるかという議論はまだこれから残っておるにいたしましても、百四十メートルだと一定の結果が出ている。しかし、実際は北側へ向かって七百から八百メートルが枯れちゃっているというような状態で、この問題について建設省としてはどういう理解をしているかお聞きいたしたい。
#45
○説明員(山根孟君) お答え申し上げます。
 先生お話しになりました産業公害科学研究所の報告が二月にまとまって、現在その内容につきまして検討をいたしておる段階であります。この産業公害科学研究所の結論は、先ほど先生の御指摘のように、二つありまして、一つは東名高速道路の影響がなかったとは言えないという因果関係を明らかにしている点が第一点。それから、第二点が、影響の範囲でありますが、この範囲につきましては、この研究所のリポートによりますと、北側七十メートルないし百四十メートルが一般的に影響を受ける可能性のある範囲というような結論になっております。したがいまして、因果関係、その範囲等につきまして一応の結論が出てまいりましたので、これに基づきまして、今後、静岡県、清水市、清水農協等の機関と今後十分検討して具体的な方法等につきまして検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#46
○青木薪次君 時間がありませんから、私はきょうはこの程度でとどめておきますが、次回にこの問題について、さらにひとつ調査した結果と、それから建設省なり、あるいはまた、きょうは時間の関係ありまして公団は呼びませんでしたけれども、公団もまた要求したい。それから、農林省も見えてますね。農林省の方も、この問題についてひとつ建設省なり関係――いわゆるこれは人災ですから、いわゆる加害者側と言われる立場の人とよく相談をいたしまして、そうしてこの問題に対する対策の一定の結論を持ってひとつ本委員会に臨んでいただきたいということを要請いたしまして私の質問を終わります。
#47
○塩出啓典君 まず最初に、ひょう災害の問題についてお伺いいたします。
 まず、天災融資法の政令閣議決定が七月の初めになるということでございますが、非常に遅いわけですね。やはり農民の皆さんに農林省の真剣な姿勢を示すためにも、早くやっぱりやるべきではないかと思いますけれどもね。それで、県の調査の上にまた国がやると、これはやはりこういうことは必要なのかどうか。私が聞いている範囲では、大体災害が起きてから二週間以内に天災融資法をやっぱり決定するようなことになっているように理解をしておったわけでありますが、その点どうでございますか。
#48
○政府委員(今村宣夫君) 一つは、県の被害の報告があるのに、さらに統計調査事務所の農林省の機関の調査が必要ではないではないかというお話でございますが、これは県の被害報告といいますのは、とにもかくにも早く被害の報告をしてもらうということでありますから、被害が生じた後、直ちに県としましては所要の調査をして報告を上げてくるわけであります。したがいまして、県としては一生懸命に被害の調査をいたしておるわけでございますが、どうしてもそれは速報であり、また概数であることを避けられない状態であろうと思います。天災融資法を発動します場合には、御存じのとおり、特別被害農林漁業者を決めたり、あるいは特別被害地域を決めたりする必要がございますので、そういう点から見ましても、確実な被害額を把握するということはぜひとも必要なことでございます。
  〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
そういう意味合いにおきまして、従来から農林省の機関であります統計情報部組織の被害に基づいて処理をするということがまあルール化されておるところでございまして、従来からの被害の状況を見てみますと、大体県の被害そのままということではございませんで、どうしてもその内数に、なっておるのが現実であります。非常にひどいときには、相当数の開きがありますし、あるいはそうでないところもありまして、一概には言えませんけれども、ある一定の開きがあることは避けられない状況であります。そういう意味合いにおきまして、私たちとしては天災融資法の発動につきましてできるだけ早く農林省の機関であります統計情報部の被害の取りまとめに努力をいたしておるわけでありまして、これはいかに努力をしても、やはり被害後二十日程度はどうしても要するということに相なるわけであります。そこで、私たちの事務の処理といたしましては、やはりそれを待たないでも、大体の被害の強さを見れば、これは天災融資法の検討をなすべきであるというふうに判断をいたしました時点でそういう事務的なすべての判断をやっていくわけであります。同時にまた、天災融資法を発動します場合には、資金金額、融資金額をとらなければいけません。これは各県からそれぞれどの程度の所要の融資額が要るかということも県から報告をしてもらわなければいけないわけでありまして、そういうことを考えますと、災害が生じまして、まあ今回の処理のように来月早々、来月に始まります週に
  〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
閣議決定を行ないますという方針は、これは私たちとしてはまあ最大限度の努力を払った結果であるというふうに考えておるわけでございます。
#49
○塩出啓典君 ひとつこれからは、やっぱり行政の効率化ということも非常に国全体として大きな問題じゃないかと思うんです。それで、県の速報ならば速報として、県としてまた独自の調査を、速報でない調査をやるとか、いずれにしても県の農林部とか、またそれに対してやはり統計情報部というものが、そこのあたりが二重行政になるということは非常によろしくないんではないかと、いつも天災融資法の発動というのは、大体四週間ぐらいかかってしまう。そういうことは非常に国民の印象としても、一体政府は何をやっているんだと、こういう印象は免れない問題でございまして、これはひとつ農林省だけの問題ではないわけで、ひとつ災害担当の国土庁長官にやはりこういう問題もひとつ検討してもらいたい。これを要望したいと思いますが、検討していただけますか。
#50
○国務大臣(金丸信君) ただいま農林省からお答えがあったわけでございますが、私も政治家の末席を汚している者の一人として、先生といわゆる同じような考え方は持っておるわけでございますが、しかしいわゆる事務機構のいろいろな手続等は、私たちが考えているよりまことに複雑多岐にわたっておるようでありまして、そういうものを打破しなければなかなかでき得ないようなこともあるわけでありまして、まあ会計検査院もある、大蔵省もある。それから金も出させなくちゃならぬというようなことでございますから、確たる資料も出さなくちゃならぬというようなところに時間がかかるという問題もあろうと思うんですが、できるだけこれは早くやるということは当然だと私は思うわけであります。
#51
○塩出啓典君 先ほどの質問で限度額の問題でございますが、昭和四十六年に決められた四十万円、これは当然時代の推移とともに検討していかなければいかぬと思うのでありますが、先ほど農林省からの発表では、四十八年の、いわゆる農業経営調査、これは去年の経営調査というのはいつできるのか。もう今年度に入って大分たっておるわけでありますが、その調査を誇る農林統計情報がこういうことでは困るんじゃないかと思うのですけれども、四十九年度のやつはいつできるのか。それから四十八年度については、いまリンゴまではあったわけですが、ナシについて、今回一番被害の多かったのは鳥取県のナシでございますが、ナシについてはどうなっているのか。
#52
○政府委員(今村宣夫君) 四十九年度の農家経済調査の全体の姿といいますか、平均的な数値は大体わかっておるわけでありますが、私が御説明をしましたのは、農林漁家の現金の経営費を階層別に分解をしまして、どれだけ要るかという数字でございまして、これは統計調査、経済調査のさらに詳しい分類と集計を要するわけでございますので、これはまだ現段階においては出ておりません。そう遠からず外へ公表し得るような状態になるかと思っております。
 それから、ミカンが話があったのに、ナシのそういう経営階層別の現金経営費の話はなかったということでございますが、現在の農林省の農家経済調査によります農林漁家の現金経営費を調べております分類の中にナシはございませんで、現在、果樹についてはリンゴとミカンをやっておる状況でございます。
#53
○塩出啓典君 ナシがなしでは困るわけですが、大体しかしどうなんですか、私もリンゴはつくったことはございませんが、ミカンとナシを比べてみましても、ナシというのは非常に暇がかかるわけですね、小さな紙袋をしたり。そういうことで大体どの程度に推定しているのか。それと昨年と今年度の全体の動きがわかれば、大体昨年のに何%アップしているかというのを掛ければ大体の推定も出ると思うんですけれども、四十八年に比べて四十九年はどれぐらいアップしていますか。
#54
○政府委員(今村宣夫君) 四十九年度の農家経済調査の現金経営費だけについてのアップ率というのは、これ大体大きなアップ率で判定することはなかなかむずかしゅうございまして、御存じの農家経済調査というのは非常に詳細な調査をいたしておりますから、私がここで大体このくらい上がりますでしょうということを申し上げることはいかがかと思いますので、それはよくできる限り早く農業の現金経営費を出すようにいたしまして、御連絡を申し上げたい、そのような取り扱いにさせていただきたいと思っております。
#55
○塩出啓典君 ナシの場合は大体二百万円ぐらいですね、そのように私聞いておるわけですけれども、まあ私も現地へ、鳥取の方に行ってまいりました。また災害委員の藤原議員も福島へ行って、こういうようにいろいろ持って帰ったわけですが、これは国土庁長官もひとつ参考に、ナシが、これはリンゴですけれども、スイカがこういうようにひょうでやられておる。こういうのを持ってきたわけですけれども、これは後でよく見てもらいたいのですけれども、ナシの場合は、こういうようにいまでもこういう袋に入っているわけですね。一つ一つこうやって袋に入れておる。それで、この上からひょうにやられるわけですけれども、実際に中がどうやってやられているかどうかということは、実際これをひとつあけて見なければわからないわけですね。それでやっぱりだめになっても、後やはりちゃんとやっていかなければ、来年の収獲にまた響いていくと、そういうことで災害を受けることによりまして、これはたばこの場合でも同じじゃないかと思うのですけれども、非常によけいの手間がかかる。それからまた、いわゆる消毒薬とか、あるいは肥料とか、そういうものが特にナシの場合はたくさん要るわけですが、そういうような意味から、私はこの天災融資法の限度額を早急に農林省としても検討してもらいたい。それで、この天災融資法では、すべての農家が限度額を借りられるわけではない。結局、被害額の五五%か四五%か、そういう枠があるわけですから、限度額を上げたからといって、すべての農家が限度額が借りられるのでなしに、やっぱり狭い規模の人は、それ相応の金額しか借りられないようになっているわけですから、そういう点で、先ほど佐藤先生のお話がありましたように、この問題については、この法律はもともと議員立法でございますので、やはりわれわれも超党派で推進をしていきたいと思っておりますが、この点については農林省としても検討をしていただきたい。このことは要望しておきます。
#56
○政府委員(今村宣夫君) 四十九年度の農家経済調査の動向等も踏まえまして、私たちとしましては、天災融資金制度の改善につきまして、農家経済の動向、あるいは災害の態様等を十分見守って検討してまいりたいというふうに考えております。
#57
○塩出啓典君 それから政令指定によって、果樹とかあるいは畜産農家の場合は百万円というのがございますが、これはあれでございますか、たとえば今回はナシとそれからリンゴが果樹として一番ひどかったわけでありますが、ナシとリンゴの場合は、百万円の限度額に政令で指定する方向なのかどうか。
#58
○政府委員(今村宣夫君) 資金の百万円というのは、これは法律に書いてございますから、限度額百万円というのは法律に書いてあるわけであります。天災融資金、ですからそこは法律改正をしなければいけませんけれども、どういうたとえば果樹なら果樹の種類をやるかということはこれは政令に書いてございまして、ナシもその政令の中に入っておりますから、同様にリンゴと同じように百万円ということになるわけでございます。
#59
○塩出啓典君 そうするとナシとリンゴはこれはもう天災法の政令指定になれば自動的に限度額百万円は借りられると、こう判断していいわけですね。――わかりました。
 それから特別被害地域というものを、これが県が指定をするようになっていると思うんでありますが、その特別被害地域を指定できる県というのは、きょうのこの報告を見ますと鳥取県が一番ひどい。その次に福島県とか、このようにございますが、これはどうなりますか、これは。
#60
○政府委員(今村宣夫君) 特別被害地域の指定の要件は、大体旧市町村単位で特別被害農業者が天災融資法が適用される農家の大体一〇%以上あるということが基準になっております。といいますのは、御存じのとおり天災融資法の適用金利は被害の程度によりまして六・二%、それから五・二%、それから三%というふうにいろいろ被害の程度によって分かれておりますが、特別被害地域を指定をいたしまして、その中の特別被害農林漁業者というのが三%の適用を受けるわけでございますから、特別被害農林漁業者の適用を受ける者が大体全体の被害農林漁業者の一〇%あれば特別被害地域の指定ができるというふうに相なるわけであります。
 そこで、そういうふうな基準を見ますと、いかにも、たとえば特別被害農林漁業者の指定の基準というのはわりと厳しいような印象を受けますけれども、これは市町村長が認定をいたしますものですから、そこは非常に実情に即したような取り扱いが行われておると、決してルーズであるという意味ではありませんが、実情に即したような取り扱いが行われておると私たちは考えております。現に天災融資法で融通いたします資金の大体八〇%以上が三分資金の資金でございますから、そういう点から見ましてもそこの適用につきましては実情に即した運用が行われておるものというふうに考えておる次第でございます。
#61
○塩出啓典君 いまのお話では、そうすると今回のひょうの災害を受けている市町村において、これは旧の市町村ですね、においていわゆる特別被害農家が一割以上あればどの県においてもこの地域は特別被害地域であると、このように市町村長の申請に基づいて県が認定できると、そう判断していいわけですか。いまのお話ではそうなりますよ。
#62
○政府委員(今村宣夫君) 特別被害地域を指定し得る県というのは政令で書くわけでございます。要するにこの県は特別被害地域を指定することができますよということは政令で書きます。その中で実際に特別被害地域を指定するのは都道府県知事がやるわけであります。先ほど申しましたように特別被害農林漁業者の指定というのはこれは市町村長がやるというかっこうになっております。
#63
○塩出啓典君 それで、鳥取県が一位、二位が群馬県、三位が福島県、山形県と、こういうようになっておりますが、このあたりはどのあたりまで大体特別被害地域を指定できる県と政府が認定できるのか、このあたりどうなんですか。
#64
○政府委員(今村宣夫君) これは具体的な県につきましては、もうしばらくやはり統計情報部の被害の把握を待ってみなければ、具体的にこの県は大丈夫でございます、この県はちょっといかがでございましょうかということまでは現段階で申し上げられませんけれども、ひょう害の場合には局部集中的に被害を受けます。これは一般の災害と非常に異なる点でございまして、地域の局部集中的に受けますから、したがいまして特別被害農林漁業者というものの数もその地域においては非常に数が多いというのが災害の実態でございますから、特別地域の指定県というのは、それほど私たちは被害の実態から見まして窮屈には考えておらないわけでありますが、これらにつきましては、いずれにしましても、統計情報部の結果を踏まえまして、県と十分打ち合わせをしてまいりたいというふうに考えております。
#65
○塩出啓典君 それで農家の意見としては非常に枠が少ないために結局審査が非常に厳しくなると、こういうような意見があるわけなんですが、たとえば三分資金にいたしましても、あるいは五分資金、六分資金、そういうものがそれぞれやはり市町村長が認定をして、これはこれに該当すると、そういう場合には十分その希望に沿えるだけの枠は確保できるのかどうか。あるいはどうしても全体においてこれだけしかできないという枠があるのかどうか。できるだけ希望に沿えるようにやっぱりすべきではないかと思う。その点はどうですか。
#66
○政府委員(今村宣夫君) 私たちは天災融資資金の枠を決めます場合には県と十分打ち合わせをして、資金需要を十分把握して取っておるつもりでございます。したがいまして決して資金枠について私たちは県との関係で御迷惑をかけておるというようなことはないと思っておりますが、あるいは末端にいきますと、たとえば農協のビヘービア等がございまして、あるいは一部にそういうことがあるかもしれませんけれども、従来までの経験によりますれば、大体天災資金はそう言っては悪いんですが、被害の態様によっては場合によっては余すというケースもないことはないわけでございまして、決して私たちは天災融資金の融通につきまして、その枠を非常に窮屈に扱うというようなつもりは毫もございませんし、いまからもそのつもりで取り扱ってまいりたいというふうに考えております。
#67
○塩出啓典君 その点ひとつよろしくお願いいたします。
 それから先ほどお話のありました自作農維持資金、これは今年度の融資枠が七十三億円と、こういうようなお話でございますが、このやはり融資条件の緩和あるいは枠の拡大、そういうことも強く各県において望まれておりますので、農林省としても、やっぱりこういう災害を受けたときにできる限りのめんどうを見ていくことは国の姿勢ではないかと思いますので、この点もひとつ早急に手を打っていただきたい、このことを要望しておきます。
 それから果樹共済の問題でございますが、果樹共済のみならず、一般的には共済への加入率が非常に低い現状であります。鳥取県の場合は大体八六%、二十世紀ナシの場合ですね。これはまだ非常に高い方と聞いておるわけなんですが、全般的には非常に低い。やはりこれは一つには実際に、掛けても災害を受けたときにもらう金額が非常に少ない。鳥取の場合でも三割以上の被害がなければ結局はもらえない、こういうことで、やはりいやしくも共済ができれば全部の農家の人が喜んで入れるようなそういう共済制度にしてこそ意義があるのではないかと思います。農林省としてはそういう点をどう考えておるのか。先ほど検討しているというお話はあったわけですけれども、この点どうですか。
#68
○政府委員(今村宣夫君) 果樹共済の普及率が、必ずしも加入率がよくないということがございますが、これは御存じのとおり、果樹共済の本格実施を始めましたのは四十八年からでございますから、まだ十分に行き渡ってないといいますか、これは制度の普及においてはまだ必ずしも十分ではないし、まだ加入率は非常に低いというのは事実でございます。私たちといたしましては、そういう加入率、できるだけ農家の方に果樹共済に加入していただくように今後とも十分な努力を払ってまいりたいと思っております。ただ、その果樹共済は、付保割合といいますか、支払い割合といいますか、それはほかの共済制度と比べてみても、決して遜色がないように私たちは考えておりますが、ただ、農家の加入しますときのいろいろな態度といたしまして、共済金額のそんなに高いところは選ばないけれども、その地域の全部の農家は入りましょうというふうな、そういう選択の仕方をする場合もございますし、あるいは掛金が高くても高い共済金額がもらえるような入り方をしましょうというふうに考える方もおりますし、災害を受けたときは受けたときだから、共済に入れ、入れと言うからしようがなしに安いところでも入っておこうかというふうな、そういう選択をする農家もございまして、選択のビヘービアは必ずしも一定ではないわけでございます。私たちとしましては、災害のときのことを考えれば、高い共済金額を選べば共済掛金も高くなりますけれども、そのかわりに、災害を受けたときには共済金額は、まず、ほぼ相当の額がいくというふうなかっこうの選択をしていただくことは最も望ましいわけでございますけれども、いろいろ農家の方もお考えがあって選択をしておるわけでございます。そういうことをベースにして共済保険といいますか、保険制度というのは成り立っておるわけでございますから、その災害を受けたときに、掛金が非常に少なくてたくさんもらえてよかったというふうな形の保険設定をすることは、なかなかこれはむずかしゅうございますけれども、私たちとしましても、今後ともできる限り保険内容の充実、加入の促進ということについては十分努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#69
○塩出啓典君 それから、この果樹共済の仮渡しですね。仮渡しについては農林省としても各県に指導をしておると、こういうようなお話でございますが、やはり先ほど申しましたように、いろいろ余分の肥料とか農薬とか、それからいろいろなそういう手間とか、そういうものが大変要るわけでございまして、この仮払いは早くやはり始めてもらいたい。
 それともう一つは、各県の共済組合といたしまして、そういう資金が足りなかった場合、これは国へ再保険をしておるわけでありますから、国からのやはり仮渡しをやってもらいたいと、こういうような要望があるわけですけれども、これはどうなんですか。
#70
○政府委員(今村宣夫君) 果樹共済の共済金の仮渡しにつきましては、できるだけ早くやるように私たちは県や共済団体等を指導しておりまして、共済団体で農家の被害の状況を、現在調査をいたしております。できるだけ早く仮渡しを実施するようにしたいと思っております。
 なお、再保険につながるものにつきましては、再保険金の概算払いの措置を講ずるように私たちとしてはいたしてまいりたいと考えております。
#71
○塩出啓典君 それから、これは専売公社の方にお尋ねをしたいと思うわけでございますが――その前に、これは農林省にも、これはたばこ、これは専売公社も両方含んで、やはりこういう災害を受けた場合に、後どうするか、こういう技術指導を、これ、十分にやってもらいたい。
 そこで、専売公社にお聞きいたしますけれども、いま先ほどお話がありましたように、幹をある程度の高さのところで切って、そして新しい芽を出させるように、このように指導をしておるわけなんですね。全損のところももちろんあるわけなんですけれども、ところがそういうことをすると、結局いろいろ枯れた葉っぱを片づけなければならぬ、あるいは病気の起こらぬように消毒もしなければならない、肥料もよけいにやらなくてはならぬ、そういうことで、実際は災害を受けたためによけいの手間がかかるわけですね。そうして、よけいの手間や肥料や農薬かけて、そうして多少できても、結局はもういまの段階で全損にしてしまった方が、全損であれば五〇%の補償金が出るわけですね。そういうことで、現在の専売公社の指導に対して非常に皆心配しているというんですかね。果たして専売公社のとおりやっておって得するのかどうかと、これで全損にしたらば得なのに、手間をかけて結局損するんではないか、こういう心配を持っておるわけですね。これは私たちも、いまひょう害を受けたたばこを切っちゃって、後、育った場合にどの程度できるかということは、われわれも経験がないわけで、わかりませんけれども、その点、おそらく専売公社としても、絶対その方が手間賃とか農薬を入れても全損にするよりは農家にとっても得なんだと、こういうことがはっきり確信を持てるのかどうかですね、この点はどうなんですかね。
#72
○説明員(小松伸雄君) お尋ねの災害を受けた場合の技術的な対策でございますが、先ほどもお話いたしましたように、この技術的な対策といたしましては、そのたばこの生育のステージと、どの程度の生育状態を示しておるたばこがどの程度の災害を受けたか、これによりまして対策は異なるわけでございます。軽微なひょう害でございますと、これはいまお話ございます、折れた葉っぱを整理いたしまして、後、病気が出ないような薬剤散布等をいたして管理を続けることによってこれはかなりな程度に回復するわけでございます。それから、もう少しひどい被害を受けまして、しんの部分等が折れてしまっておる場合には、これはほっておきますと、そのまま非常に損害は大きくなりますので、地際十センチくらいのところから幹を切り取りまして、新しい芽を伸ばして、それにつく葉を収穫する、こういうような技術的な指導をいたしておるわけでございます。その場合に、先ほども申しましたように、生育のステージがうんと進んでおる場合には、そういう処置をとりましても、二次芽の生育が非常に遅いために思ったような回復状態を示さない場合もあるわけでございまして、この判断につきましては、圃地圃地の実情を十分調査して技術的な判断を下さざるを得ない、かように考えております。その際に、公社の指導といたしましては、そういう処置をとることによりまして、確かに労力とか薬の代金、こういうものもかかるわけでございますが、それをかけてもそういう措置をとる方が農家の方が有利になるかどうか、こういうことも十分考えながら指導いたしておる。かように私は考えております。
#73
○塩出啓典君 その点、私が言いたかったのは、公社の方だけの利益ではなしに、やっぱり農家の方たちのことも考えて、やはり得する方にやってあげる方がぼくはいいんではないか、そう思うんですがね。
 それから、特に新潟県中条町、あるいは大分県の野津町、こういうところからも特にたばこの問題についていろんな要望がきているわけでありますが、たとえば児玉さんという人などは、二町八反ですね。ところが二町歩が全損だそうですよ。だからそこへ訪問したときは、雨戸を閉めて中で考えておったと、そういうことで二町八反のうち二町歩が全損であるということは非常な打撃で、全損の五〇%の補償をしてもらっても、余りにも金額の差は大きいわけですけどね、そういう場合にそういう人たちが立ち直っていくためには、全損五〇%という補償制度そのものも検討してもらいたいと思うんですけどね。やっぱり現実の問題としてそういう葉たばこ耕作者に対しても、公社としてはいろいろ融資とか、そういうことをやはり検討しているのかどうか、その点どうなんですか。
#74
○説明員(小松伸雄君) 葉たばこの場合におきましては、こういう種類の天災による災害が発生いたしました場合は、たばこ災害補償制度によりましていま先生お話ございますように……。
#75
○塩出啓典君 簡単にね、もう時間も、できるだけひとつすみませんけど。
#76
○説明員(小松伸雄君) 一筆全損の場合には五割の補償と、こういう措置をとっておるわけでございます。しかし、お話の融資の関係等々につきましては、公社にそういう制度がございません。そのために農林省の方の天災融資法あるいは農協、県等々にお話いたしまして、融資の道を講じていただけるような働きかけは公社は生産団体と一緒になっていたしておるのが実情でございます。
#77
○塩出啓典君 これは葉たばこの場合もこれは当然天災融資法の適用を受けて、それはできるわけですね。
#78
○政府委員(今村宣夫君) 適用がございます。
#79
○塩出啓典君 それでは時間もございませんので、あとこのひょう災害の方は各省においても万全の体制を速やかにとっていただきたい。このことを要望いたしまして、あと国土庁長官にお尋ねしたいわけでございますが、この中央防災会議が二年前に開かれただけで余り開かれていないと、何も会議を開くことは即災害対策を推進したとはならないかもしれませんけどね、やはり災害対策基本法において決められておるこの中央防災会議が開かれない理由は、開く必要がないということなのか、その点どうなんですか。
#80
○国務大臣(金丸信君) 開く必要がないということではないわけでございますが、国土庁になりましてまだ一度も開いたことはないわけでございます。そこで私も国会中なかなか時間がとれませんから、国会が終わりましたら、中央防災会議をいたす所存でございますが、しかし、中央防災会議の中で別に大都市震災対策連絡会というものがありまして、これは十八省庁が寄りて各省庁専門部会をつくってまあ各省庁の関係の対策はやって、また連絡会もやって積み重ねはいたしておるわけでございます。それが万全だと言い切るわけにはいかぬと思うわけでありますが、国会終わりましたら速急にやりたい、こう考えておる次第であります。
#81
○塩出啓典君 非常に各県における地域防災計画等も先般の行政監察では、これは何年か前でございましたけどね、非常につくったり、つくってなかったり、やはり決められた法律がきちっと守られていない。何もそういう一連のものができたから災害が起こる起こらないというものじゃないかもしれませんけどね、やはり国の姿勢、県の姿勢としては災害のないときに、あるときに備える体制をとっておく必要があるのじゃないかと思うので、そういう意味で国土庁長官に対しては、新しく発足をしたことを機会にひとついままでと違った姿勢を示してもらいたい、このことを要望しておきます。
 それから最後に、地震の問題につきましてお尋ねしたいわけでございますが、今回の問題については、いろいろ先ほどお話ございましたが、たしか私が何年か前に気象庁へ一度参りましたときに、地震が起きた場合にどこで地震が起きたのか、それからどこに起こったかということがわかってから、結局津波の予報というのを出すわけですね。そのどこに地震があったかというのを調べるのにやっぱり各地で観測されたデータを集めるわけですね。その集めるのは地震が起きたときにぱっと自動的に集まるところじゃなしに、電話で連絡する、それからもう地震がどこに起こったかというのを見るというので、そのようになっておりましたよ。これは全く話にならぬ、やっぱり地震が起きたらさっと各地の震度計が自動的に集まるように、そのようにしなきゃならぬと、そういう方向になったのですが、いまそれはうまくいっているんですか。
#82
○説明員(有住直介君) いま先生お話になりましたような、すぐにデータを集めるという意味では地震ががたがたときましたときに、一番最初にP波というのが参りますんですけれども、それをいち早く電波に乗せて津波予報中枢に集まるようなシステムというものがことしの四月から運用開始をいたしております。もちろんそれだけでは不十分でございますので、先生おっしゃるように観測したものを解析して電報で打つという仕事とあります、両方ございます。
#83
○塩出啓典君 今回はどうなんですか。この津波予想図の予想どおりこなかったということですけどね、大体今回の地震程度では何センチぐらいの津波と予想しておったのか。それが九十三センチここにずれがあったわけですね。このずれがどれぐらいあったのか、過去のやはりいろいろそういう災害の、地震の津波の場合はいわゆる気象庁の予測ときた津波の高さというのは大体どの程度の割合で違いがあったのか、過去の例と今回の場合、どうなんですか。
#84
○説明員(有住直介君) その津波のいままでの経験から言いますと、せいぜい十センチ程度のような予想をしておったわけでございますが、それが実際は九十三センチであったということなんです。過去の資料を古い歴史時代のから全部、津波の被害やなんか全部、地震の大きさと被害というものとを全部一枚の図にプロットいたしまして、被害の大きな方を基準にしながらつくったものがその津波予報図というものでございまして、それで判定しているということなわけなんでございます。
#85
○塩出啓典君 この点はひとつ何か特殊な地震だというけど、地震にはそんなに特殊なものは余りないんじゃないかと思うんですけどね。この点はよくひとつ原因を調べていただいて国民の人たちが安心するようにしてもらいたいと思うのですよ。
 それからNHKへの通報が遅れたということを新聞で見たんですけどね。やっぱり地震警報出しておきながらNHKに連絡してないと、こういうんですがね、ラジオの方が何か言ったとか、やっぱりそういう気象庁が何とか警報を出した場合には、これは自動的にNHKの方へ流れていく、人間が言わなくちゃ忘れる、いまさっき非常にあわてたと言いましたけどね、あわててもやっぱりちゃんといくところへはいくような、そういう体制にしておかぬと、人間というのはやっぱりあわてる場合がありますからね、やっぱりだれでも。あわてちゃいかぬと思ってもあわてる場合あるんだから、あわてるとつい忘れてしまうようなシステムじゃ、これはわれわれ心配するわけでね。やっぱり災害が起きたときは普通はあわてるのが普通じゃないかと思うんですよ。そういう点のシステムはどうなっていますか。これだけお聞きしてきょう終わりますから。
#86
○説明員(有住直介君) 地震情報第一報が出ましたときも二十三時十分にNHKの方には直ちに伝えてございまして、それは二十三時二十五分にラジオ電波に乗ったというふうに聞いております。それから、津波警報が出ましたときも直ちにNHKの方には出しておるというふうにわれわれ思っておりますが。
#87
○塩出啓典君 どこかテレビの放送局が来てなかったといって――そんなことはなかったんですか。
#88
○説明員(有住直介君) はい。テレビとラジオということではなく、NHKに対しまして通知する場合には……
#89
○塩出啓典君 連絡するわけですか。
#90
○説明員(有住直介君) はい。通知いたすようになっているんでございますけれども……。
#91
○塩出啓典君 それではこれで。
#92
○神谷信之助君 まず最初に、前回の委員会で地震対策についていろいろ質問をしたんですが、特に長官の出席を要請したんですけれど、先約とはいえ私用で出席できないという状況になりました。その際、私はこれはきわめて重大だと、まあ、国会も延長されたというのがありますから、延長されない状況で約束をされたんだろうと思いますけれども、国会が延長されて、そしてしかも主管の担当の長官が出席できないというのはこれは国会の軽視だということで注意を喚起をしたんですが、まずその点について所見をお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(金丸信君) その点につきましてはまことに私も申しわけないと思っておるところでありまして、平に御容赦を願いたいと思います。
#94
○神谷信之助君 そこで、前回長官にお聞きできなかった点について再度質問をしたいと思います。細かくはもう前回言っていますから、特に長官に見解を聞かなきゃならぬ点にしぼってお伺いしたいと思います。
 先ほどもお話がありましたが、中央防災会議が少なくとも国土庁が設置をされて以来まだ開かれていないということで、長官はこの国会終了後には早速開きたいという、私はその点は一歩前進だと思うんです。そして、すでに大都市震災対策推進要綱がつくられ、それに基づいてこの防災対策の強化というのが進められているとは思うんですが、しかし実際にその進捗状況なんか見てみますと、一向私はまだ具体的には進んでないというようにこの間の質問の答弁を聞いて思うわけです。ところが、実際には地震はいつ起こるかわからぬ。川崎なんかでは直下型地震が起こりそうだという地震予知連絡会議の発表があったり、あるいは沈下したのが今度は隆起したとかいろいろまあ話が出たりしております。いずれにしても、そういうことで非常に多くの住民の方が心配をしていられる。心配の内容を川崎でアンケートをとると、これは前回言いましたけれども、避難場所、それから避難道路、こういったものについての不安というもの、とりわけコンビナート地域と住宅とが結びついている、密着している。そこで、非常に大きな心配を持っている。そういうことで、すでに川崎の方は今年度でも予算を組んで地震対策を進めようとしておるわけですね。しかし、実際にはこれは一自治体で私はなかなかできるものじゃない。川崎で、ことしは幾らでしたか、約五十億でしたかね、相当の予算を組んで、横浜にしてもそういう地震対策をやらにゃいかぬ。ところが実際問題としてこのコンビナートの地域と住宅街とを緑地帯をつくって隔離をするということになりますと、立ち退きの問題やいろいろな問題が起こってくる。なかなかちょっとやそっとではできぬということなんですね。ですから、これを本当にやろうとすれば、それこそ私は中央防災会議、わざわざ会長は総理になっておるわけですから、これが本当に中心になって強力な政治力を発揮をして指導しなかったら、国が前面に出てやる気にならなかったらこれはできない事業ではないか、こう思うのですが、この点についてひとつ長官の御意見を聞きたいと思います。
#95
○国務大臣(金丸信君) 川崎の土地隆起の問題から直下型地震が起こるというような話もあったわけでございますが、それにつきまして、まあ川崎の市長からも私のところにいろいろの陳情もありました。また私も一度川崎の、ことにコンビナート地域、またスプロール化しておる住宅街等も見せていただいてと、こういうことでおったんですが、なかなか国会で、出発するわけにもいかない。また、来るのであるのならば建設大臣と一緒に同行してくれと、こういうような話もあったわけでありまして、まだ見ておらないのですが、できるだけ早い機会に見せていただきたいと、まあ私も事務的にいろいろ話を聞き、いたしておるわけでございますが、とても川崎市自体で遮断帯をつくってみたり避難路をつくってみたり避難場所をつくるなんということはでき得ないと、こういうことを私も思います。このままおいてですね、地震が起きた、こういうことを私はいつもまあ念頭から離れないわけでありますが、これは国の力で推進しなければやれないという考え方に私も到達をいたしておるわけでございますが、なかなかいわゆる国には国のおきて、法律等があってむずかしい問題もあるのですが、まあ実際問題、川崎の一つの例をとって、本当に完全なものに遮断帯等をつくるということであれば九百億かかると、とてもその金が川崎で賄うことができるはずのものじゃない。そういうことですから政府が融資の制度をとるとかあるいは公共事業で都市計画を立てながら遮断帯を立てていくとかいろいろの計画を立てていかなくちゃならぬ。まあ私も見て、今度市長ととことんまでお話して、ひとつ詰めてみたいとこのように考えておるわけでございます。
#96
○神谷信之助君 たとえばね、川崎だけじゃないんですがね、東京都で百二十カ所余りの避難場所を設置した。しかしそれは決めただけであってね、空き地について。その土地は民有地であったりするわけですね。そうすると、それはいつ家が建つかわからぬという問題もあるし、避難道路は火災が起こったときに避難するわけですからその道路周辺は不燃化物で囲まれなきゃならぬ、避難場所にしても道路にしても。というようなことをやらないと、実際には避難場所なり避難道路を決めてみたって意味がないわけです。これやるというと大変な事業です。ですから私は本当にやるならば、こういった大都市災害に対して特別のやっぱり立法措置を行って、いわゆる大都市防災対策の特別措置法というようなものをつくってでも、しかも全国で一遍にというわけにはいきませんから、一定の地域地域に適応しながらそうして強力にやっていく。もし前回の、まあ長官も先ほどおっしゃったあの関東大震災のような事態が起これば一体どういうことになるかというのもまあ前回話をしておったんですけれども、これはまあちょっとやそっとで考えられぬような膨大な損害を人的にもまた経済的にも受けるわけです。ですからそのことを考えれば私は国が責任を持ってそういう対策を、事業を進めないと、これはもう自治体ではどうにもこうにもお手上げだと、こういうことの繰り返しになると思うのですが、こういう特別立法を考えられる、検討されるというお気持ちはあるかどうかお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(金丸信君) 先生の御心配なさっておられることと私の考えておることは同じだと思うわけであります。そういう意味でどうすればこれが救われるのだということでよりより国土庁の中でもこの問題を詰めておるわけでございますが、その詰めの結果法律をつくらなくちゃだめだということであるならばつくらなくちゃ、これは実際問題はそういうような方法をとらなけりゃだめだ。こういう私も結論的な考え方を持っておるんですが、これ各省庁との連携もあることでございますから、十分ひとつ積み重ねてできるだけ早い機会に先生のお考えのようなことに持っていきたい、こう考えておるわけであります。
#98
○神谷信之助君 そこで、中央防災会議を近々お開きになるわけですから、先ほどの十八省の連絡会議でもまたそれとは別個にやられているわけですね。そして、各省ごとにそれぞれが学者なんかも御協力を願って、合計すると八十人ぐらいの学者が参加もしてやっているんですが、それぞればらばらになっているわけですよ。そうすればそれを連絡会議で連絡し合うということ。ですから私は。中央防災会議今度お開きになったらひとつもっと一元的に集中的にその対策を立てるためにも、災害対策基本法にありますから、この防災会議の中に専門部会を設ける、そしてそこで必要な人を集めて集中的にひとつ急いでやる必要があるだろう、こういう点をひとつ提起しておきたいと思います。
 それからもう一つは、私はそういう特別立法はやっぱり急いでつくらなきゃならぬと思うんですが、その中身として、一つは災害危険区域というものを設定をする。これは現行法でもいろいろ区域設定の規定ありますが、水害、高潮、津波、これについての危険区域の設定というのが現行法であります。しかし、地震とか火災、これらを含めたものを考える必要があるだろう。その場合、指定は知事が市町村長と協議をして議会で議決をして国の承認を求めるというように、自治体が住民の意思、それらを含めて危険区域の設定をせい。住民が、立ち退きの問題、いろいろ出てきますから、そういう意味では政府が一方的にこれはこうだと言ってきめつけていくんじゃなしに、民主的にやっぱりやって住民の協力を得るということがこの事業を進める上で一つは大事じゃないか。
 第二の問題は、都市改造をどうしてもやらにゃいかぬですね。ですから、そのための防災拠点の設定、避難道路、あるいは上下水道が一本の幹線でしぼられるんじゃなしに複数にせんならぬとかいろんな事業をやらなきゃならない。この点については相当の大きい仕事なんです。さらにそのためには大幅な国庫補助の督励をやる必要があるだろう。個別立法でいろいろそういうものをつけてますけれども、できるだけ短期間に集中的にやっていくということで考えるならば、ひとつ現行法規にとらわれないような大幅な、まあ言うたら国自身がやるぐらいの構えで予算を考えないとできない。
 さらに、第三番目の問題としては、危険物に対する規制の強化、これもまた各省ごとにばらばらになっていて、最近水島の事故以来少しそれぞれ規制を変えたりして規制をする、あるいは点検を強化するということが起こっていますけれども、こういった点もきわめてまだまだ不十分な点があります。そういった、その他いろいろ地盤沈下の防止の問題、あるいは地下街の建設の規制、それから生活再建のための特別の措置ですね。移ってもらわなきゃなりませんし、それに対してどうするか。それから工事に伴う休業補償なんかも含めて相当われわれ考えないと、本当に住民の協力を得てそして防災都市をつくるということがなかなかできない。こういった点なんかを含めて、私は、政府として早急に中央防災会議で大綱、まあ一応出ているんですが、ところがそれがそのままで出しっぱなしで終わっているわけですから、それを具体化を進めて、そして、非常に不安を感じているわけですから急いでやっぱりそういう対策を進めてもらうという点を提起をしたいと思いますが、この点について再度長官の見解を聞きたいと思うんです。
#99
○国務大臣(金丸信君) 防災という問題はなかなかむずかしい問題で、先ほども申し上げましたように、これでよろしいという時点は私はないと考えます。さりとてこのままこまねいておったんでは、人命、財産、国土保全という立場から考えてもこれはやらなければならない仕事だと思っておるわけでありまして、まあ東京で墨田区の白鬚地区という地区で防災も兼ねた都市再開発をいたしておるわけでありますが、これには膨大な費用もかかっておるわけでありますが、このような計画と相まちながらこのようなことを東京ばかりでなくて考えていかなくちゃならぬ問題もあるだろうと私は思います。
 そういう意味で、ただいま御提案になりましたもろもろの御意見につきましては十分ひとつ踏まえまして今後の参考にし、推進してまいりたい、こう考えております。
#100
○神谷信之助君 では続いて次はひょうの問題ですが、先ほどから話が出ておりますように非常に大きな被害が出ておりますし、しかも関東から東北に多かった降ひょうが関西地域一帯にまで広がるという異例な降ひょうによる被害です。
 そこで、先ほどからいろいろもう話が出ていますから重なる部分は除きますが、先ほども出ていましたけれども、天災融資の適用ですね、あれは見込みでそれをもう決めるという、あるいはそういう措置をとるというように先ほどの答弁は聞いてていいですか。
#101
○政府委員(今村宣夫君) 見込みで処置をとるということではございませんで、私たちの統計情報部の被害結果を鋭意現在正確な被害の状況を取りまとめ中でございます。それの取りまとめが行われるのは大体月末、どんなに急ぎましても月末ということになるわけですが、月末を待っておってそれから天災融資法の取り扱いを検討しておりましては遅くなりますから、そういうふうな被害の取りまとめを急ぎますと同時に、大体今回の被害の状況を県の報告その他から考えまするに、これは天災融資法の発動をなすべきものであろうという心構えのもとにいろいろな事務的な検討といいますか、準備を行って、そうして統計情報部の被害結果が出ますればそれによって、たとえば先ほど話のありました特別被害農林漁業者の地域でありますとか、特別被害農林漁業者の数でありますとか、そういうようなことがわかってきますから、それに基づきまして地域の、たとえば指定すべき県をそこへ、まあ早く言うと政令案をつくっておきましてそこへ入れ込んでいくというふうな手順といいますか、事務的なおくれない手順を払いながら月末の被害把握を待って、そして速やかに措置をしたい、こういうふうなことでございます。
#102
○神谷信之助君 全体とすれば、適用になるというやつは三十億以上ですか、被害総額。そうすると、もうすでに二百五十三億から出ているわけですから、これの適用というのは決まってくる。何ぼ多過ぎるといったって、多過ぎる報告だといったって大体決まってくる。あとは今度は特別被害地域をどうするか。これも各県、たとえば鳥取とかどうとかいう、大体何ぼこれ水増しされておって減ってきたって大体適用だということ決まるわけでしょう。わかるところからどんどん決めていくということはいかぬのですか。あるいは内定をする、こうなりますよと。これは前々回の委員会ですか、長官、大分の地震の問題で、そういうのが全部決まらぬとやらぬというんじゃなしに、大体もうわかったらそれで内定なり何なりの措置をすると、そうすることが大事だという発言をなさっていましたけれども、ですから、そういうことから考えれば、かかるその地域に入るから、特別被害地域に入るかどうかというぎりぎりのところはもう少し見んならぬとしても、決まっているところはどんどん決めていって、あるいは決めて、あるいは内定をしてやって、そうして自治体の方でそれに即応してすぐ対策がとれるというようにしないとぐあいが悪いと私思うんですが、この辺ひとつ長官どうでしょうか。
#103
○政府委員(今村宣夫君) 被害農林漁業地域が、特別被害地域の指定だけではございませんで、もう一つたとえば資金量がどれだけ要るかという問題もあるわけでございます。これは、各県のそれぞれの資金要望をとりまして、そうしてそのうち三分資金がどれだけ、六分五厘資金はどれだけというふうなこともやらなければいけませんし、またそういうことになりますと、その利子補給をする金が要るわけですから、それにつきまして大蔵省との折衝も要するわけでありまするし、それから発動政令をかけなけりゃいけませんから、これは法制局の審査も経る必要があるわけでございますから、決して私たちは被害の取りまとめを待ってから行動を起こすということではなくて、そういう行動、事務的に処理をなすべき行動というのはそのときどきの状況に応じましてやっていくということでございますが、しかしその被害が県が言ってきたとおりの状況のもとで天災融資法の三十億以上の金額を超えるから、それでどんどん決められるところは決めていくということはなかなか実際問題としてはできがたい。政治のお立場としましては、一日も早く発動することは望ましいことは確かでございます。この前の地震のときにも、たとえば災害査定を待たないで激甚災害法の発動をなすべきではないかというお話もございましたけれども、政治のお立場としてはそれは私たちとしてはよくわかるわけでございますけれども、行政の事務の処理といたしましては、やはり災害査定をできるだけすみやかに了して、しかる後、激甚災害法を発動する。天災融資法につきましても、統計調査部の災害の取りまとめをできるだけ急ぎ、できるだけ行政の事務としておくれないように処理をするという心構えでやってまいるということではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
#104
○国務大臣(金丸信君) ただいま農林省からお話があった、これは事務当局としては当然なことだと私も思うんですが、私は政治家としては一つの災害に遭って非常に苦しい立場になっておる国民の一人一人が――これを事務当局の方から言えば遊んでいるわけでもない、やることはやっているんだと言うんですが、まだるっこくて見ていられないという場面は私にももどかしさを感ずるわけでありますが、また事務当局の中に入ってみると、なるほどそれもやらにゃならぬな、これもやらなゃならぬなと、こう私もうなづかざる得ないという場面もあるということを御理解いただきたい。
#105
○神谷信之助君 長官ね、やっぱりだから確かに事務的にもそれはちゃんとしなきゃいかぬわけですけれども、しかしそれをやっぱりそこでうなづいてしまうと、やっぱりお役所仕事になるわけですよね。私はだからそれはちゃんと農林省の統計の方で調べたらポイントの被害じゃなしにもっと少ないということになるかもしれぬけれども、たとえば鳥取とか群馬とか、被害の大きいところというのは幾らやったって、何ですか、むちゃくちゃな数字を報告しているわけじゃないわけですから、ですから大体いままでの経験からいっても、どれぐらいの報告に対して、何ぼ実際はもっと低くかったにしても、その差というのはどれくらいまで保証できる――そんなむちゃなことはなというやつもわかる。経験者なんです、私は。ですから、そういうところは事務的にはおくれるなら、それは内定としてそうやってやる。それから、もう一つ先ほど融資の話も出てましたけれども、災害のための融資枠とかいうやつは、やっぱりいろいろな公共事業、災害復旧事業もそうですけれども、優先的に枠を認めるというのがずっと来ているわけですから、公共事業に対する災害復旧ではなしに、そういう個人の受けた被害に対する融資制度ですから、より一層厳しい枠をやるんじゃなしに、優先的に大蔵省から資金融資枠を取ってもらう。こういうことをひとつ、長官、特にひとつ政治力を発揮をしてがんばってもらう。そういうことを前提にしてある程度事務当局の方も進めてもらう、こういうことをしないと、少しでも早くそういうことが内定で入れば、当該の知事にしても市町村長にしてもあるいは農協なり農業共済の責任者にしても腹づもりができて仕事ができるわけですからね。そういうことで安心をしてもらい、被害を受けた人もそれに基づいて検討、自分の考えをまとめることもできる、こういうことをやっぱりやらないとぐあい悪いと思うんです。ひとつ……。
#106
○国務大臣(金丸信君) 先ほど私の考え方を申し上げたんですが、ただそれだけで理解いただきたいということだけでおったんではそういう壁にぶつかっている問題は解決しないことでございますから、極力――全額を渡すわけにはいかないと、三分の一とか半分とか一時支払いをするとか、こういうようないろいろの改善すべきことはあると私は思うんですよ。ひとつ英知をしぼって今後努力してみたいと思います。
#107
○神谷信之助君 それはひとつよろしくお願いしたいと思うんです。
 それから特に最大の被害を受けている鳥取県の場合ですが、先ほども話かありましたが、ナシ――二十世紀ですね、果樹共済の加入ですが、鳥取県の加入率というのは全国平均から言うと高いわけですが、その中で特に鳥取県の東伯町ですね、ここの加入状況を聞かしてもらいたいと思います。
#108
○政府委員(今村宣夫君) 東伯町の収穫共済の共済金額の選択状況は四七・〇%ということに相なっております。
#109
○神谷信之助君 基準は七割ですね、七〇%で、そして四〇から六〇ぐらいまでの選択をされているわけですけれども、これ、この被害を受ける、したがって四七%で半分以下ですから、実際には被害総額の半分以下しか共済金をもらえないと、こうなってくるわけですね。これではなかなか意味をなさない。なぜそういう選択率が四七%というように低くなっているのか、その点についての農林省の指導の方向というのはどうなっているのか。
#110
○政府委員(今村宣夫君) 果樹共済には御存じのとおり実が減収した場合に共済金を支払います収穫共済というのが一つございます。それからもう一つは樹体が損害を受けた場合に共済金をもらえるという樹体共済という二つの二本立てになっております。基準共済というのは、基準収穫金額の大体四割から七割という範囲内で農家が選択する、樹体共済にありましては共済価額の四割から八割ということで、その間で農家がどういうふうに加入するかということを農家が選択するという制度になっておるわけであります。その選択状況を全国で見てみますと、たとえばナシでございますと六五%のところを選択をしておる。それからリンゴの場合は七〇%のところを選択しておる。それから樹体共済の共済金の選択状況を見ますと、対象果樹によって若干差が見られますけれども、大体六一%から七九%というところを選択しておるわけであります。そういう幅の中で農家は選択いたします関係上、どういうふうにその地域の農家がそれを選択するかということはいろいろ事情によって違います。東伯町の場合は近年その地方において比較的災害が少なかったという背景もございまして、当面は果樹共済には農家の掛金負担が余り多くならない範囲内で選択をしようじゃないかというふうなことで、そのかわりに果樹栽培農家のすべてが加入をするようにしようということで果樹組合でそういう推進をいたしたというふうに聞いております。したがいまして農家の加入率は一〇〇%になっておりますが、選択の範囲は先ほど申し上げましたように四七%という状況でございます。そしてそういうふうにして加入された後徐々に共済金額を高く選択するようにしようというのが当該地域の農家の果樹共済を選択したビヘービアであったのであろうと思います。ちなみに鳥取県の平均をとりますと六五・八%でございますし、郡家町をとりましても六九・四%というふうになっておるわけで、東伯町の場合は四七・〇というのはいま私が申し上げたようなそういう農家の考え方で選択をいたしておるというふうに理解をいたしております。
 農林省におきましては共済金額の選択について補償の充実という観点から高額な共済金額を選択するように共済団体を指導をいたしておるところでありますが、そのそれぞれの地域のそういう実情に基づくものでありますので、農林省としてはできるだけ高いところを選択をしてもらうというのが指導の方針でございます。
#111
○神谷信之助君 また、掛金もやっぱりできるだけ低くしないとなかなか加入する人がふえない。加入の確保数はふえないわけですから、この点ひとつ農林省の方も考えてもらいたいと思うのですが、特に長官、閣僚の一人として、いま農林大臣おられませんから。農業というのは非常に生産性は低いし、そして非常に経営も困難な状況です。したがって、そこに国の方から、政府の方からの農業に対する投資というのも非常に工業生産に対する投資から言えばきわめて少ないという状況です。その農家にいろいろ災害が起こる、天候――自然に左右されるわけですね。ですから、そういう農家が共済をして、そして自分たちも自己資金も出しながら災害補償するということでやられておるのですけれども、そういう農業の今日の条件、それから国民の食糧の自給率を高めるという観点からも、いま掛金については国と農家が半々になっていますね。この国の出資分というやつをさらにふやして農家の負担分を減らして、そして農家が喜んでもっともっと共済になるべく加入ができるようにこの辺の検討をこれを機会にひとつやってもらうように特に要請したいと思うのですが、いかがですか。
#112
○国務大臣(金丸信君) 私は百姓の生まれで百姓の学校を出て、農家に対して相当関心を私は持っているつもりでございますが、先生のおっしゃられるように農家の所得水準等も考え、また現状の食糧自給率を高めるというようなことから考えてみましても、こういうことについてはできるだけ一つの大きな社会政策ですから推進することは当然だと私も考えております。たまたま農林大臣は私の仲間でございますから、ひとつ農林大臣も大蔵大臣もよく話をして、そういうような方向にもっていくように微力でありますが努力したい、こう考えております。
#113
○神谷信之助君 それで、そういう意味からも委員会としては先ほど委員会としての現地派遣の問題が提起されまして、理事会で論議されるわけですが、政府の方も農林大臣あたりがひとつ直ちに先頭になって調査団を派遣して、農民の直接なまの声を聞いて迅速にその対策を講ずるということをひとつ検討していただきたいというように思います。
 それから、果樹とか桑の被害が出ていますが、これらの病虫害の防除など樹体保護のための対策ですね、それを自治体が行う場合に大幅なひとつ国庫補助を政府としてやってもらう、あるいはその際の資材の供給とか技術の指導それについて農林省の方が責任を持ってひとつ手当てを行う必要があるというように思うんですが、この点いかがですか。
#114
○政府委員(今村宣夫君) 一つは技術指導の面につきましては、私たちは農政局及び県を通じまして、たとえば果樹でございますと翌年にまで被害が、災害が残ると、こういうことでありますので、たとえばいまある災害を受けておる実でも簡単に取ってはいけないというようなことの、摘果の状況でありますとかあるいは施肥の状況等につきまして十分指導をいたしておるところであります。また、その施設につきましては大体そういうことで防除施設等につきましてはリンゴでありますとかナシでありますとか、そういう果樹地帯につきまして大体施設は整備されておるというふうに考えております。従来農薬――そういう災害を受けましたときの農薬補助が問題になるわけでございますが、これは農薬の補助等につきましては、従来からそれは国の補助の対象としないという方針で処理をしてきておるわけでございまして、それにつきましてはいろいろ現地におきまする技術指導と相まって農家に適切に対応をしていただくという考え方で処理をしてまいっておりますので、今回のひょうにつきまして農薬の補助を特に行うというような点につきましては、私たちとしては特に考えておらないところでございます。
#115
○神谷信之助君 長官、これはいまも話がありましたが、農薬の補助なんかについて鳥取県も一応要求が出ましてそれについて援助をするということを回答しているところが出ておりますし、市町村で農薬の補助をやるといううわさが出ておるんですがね。農薬に対しては補助しないというようなことが、そうなっているのでやりませんという話ですが、これはひとつ先ほど――農業を大事にしないで国民の食糧は守れない。この点はひとつ長官の方で農林大臣と話をしてもらって検討をしてもらって、いままではそうかもしれぬけれども、ひとつそういう点については前向きに検討してもらうように要請をしておきたいと思います。
#116
○国務大臣(金丸信君) いままでなかなかその問題が解決つかなかったのは、解決つかない理由があろうと私は思います。しかし、先生のお話ですから農林大臣に、こういう時節ですから、なお強くお話しをしてみたいと思います。
#117
○神谷信之助君 それからこれも担当大臣がおりませんから、なにですが、特に被災農家に対する税の減免措置ですね、それから融資を受けた農家の返済金の相当額、これが課税対象にならないように所得控除というようなこと、それから希望者に対しては世帯更生資金も貸せるようにひとつその条件の緩和、枠の拡大、こういった点もひとつ災害対策室で特に中心になって進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#118
○政府委員(横手正君) 被災農家に対します税の減免措置でございますが、これは天災融資法が発動されますと、農家の所得の計算の際にはそうしたことが配慮されておると、かように聞いております。
#119
○神谷信之助君 次に専売公社の方ですがね、これも先ほどから話が出ておりますが、特に被害の査定で十分農家の耕作農民の希望を聞いてもらいたいということが先ほどからたびたび出ておりますね。たびたび出るほどなかなか公社の方に農家の方が率直に言うのがむずかしいという状況があるんです。ひとつこれはこの被害の評価の仕方ですね、このときに当たっては、先ほども出ておりましたけれども、私からも特に公社の方に要請をしておきたいのは、被害の状況によっては残っているものはもう抜いてしまって、そして全損にしてやりたいと、ところがそうはなかなか見てもらえなくて八割とか九割ということになってしまう。そうするとそれはわき芽をつくってそしてやりなさいとこうなる。これはそういう災害を受けたやつですから、よけいに先ほどの話があるようになる。いまたばこの場合ですと、夏は比較的手が省けるから、ですからほかの収入を得るというようなことが一つのメリットになっているわけでしょう。ところが、それがもう今度はなくなっていくわけですね、そういうことによって。そういうことで、それらと被害による補償金との関係で一体どうなるかということは非常にむずかしい問題になっているんですね。特に鳥取支局と農民の方が十分話し合ってもらって、こういう点をひとつ公社の側からだけじゃなしに、本当に農家の人が自分たちで十分に考えられるようにし、その考えに従って適切な措置をとってもらうというようにしてもらいたいと思いますが、その点は約束をしていただけますか。
#120
○説明員(小松伸雄君) いま先生のお話ございますのは、恐らく被害の程度が非常に大きくて、この時期で全損としてたばこ耕作を廃止してしまって、後に何か作付するのがいいのか、あるいはそれに先ほど来申しておりますようなわき芽を伸ばして管理することによって、全損にしたよりも農家にとって収入が多くなるかどうか、この辺の判断の問題、その判断をする際の考え方の問題、こういうぐあいに私は考えます。先ほど来繰り返しておりますように、大きい被害を受けた場合にもう手入れをよして廃作してしまうのが有利か、あるいは多少の労力、それから資材等かかっても管理を続ける方が農家に有利か、この辺につきましては農家サイドの立場も十分配慮しながら技術的な判断を下してまいりたい、かように考えております。
#121
○神谷信之助君 そこで、全損――一〇〇%被害の農家に対する補償が五〇%ですね。これは四十一年ぐらいからですか、いま五〇%になったのはね。これはやっぱり低過ぎるんじゃないかと思うんですがね。徐々に三〇%からずっと上がってきたという話ですが、われわれはいま反対をしているんですが、たばこはまた値上げになるんだしね。値上げをしようとされているんですから、だからこの耕作農家の葉たばこの買い入れ価格を引き上げる問題と同時に、この補償についてこの五〇%をさらに引き上げるという、そういう考えはお持ちなのかどうか、あるいは検討されているかどうか、この点はいかがですか。
#122
○説明員(小松伸雄君) 全損の場合のたばこ災害補償制度における補償率はおっしゃるとおり五〇%でございます。たばこの場合の補償制度におきましては他の農作物と違いまして掛金なしの補償制度でございます。したがいまして、国庫の負担分ということになりますと、たばこの場合、他の農産物の場合五〇%でございましても決して劣っていないと、こういうような判断をいたしておりまして、全損受けられた農家には非常にお気の毒ではございますが、この補償率を引き上げるのは非常にむずかしい、こういうぐあいに私は考えております。
#123
○神谷信之助君 むずかしいということで検討もしないんですか、率を引き上げるのは。片一方でたばこ増収をしながら、増収案、まあこれ決まればですよ、増収すると。それに対して被害五割の状況を、収入の方、専売公社ふえます。それに対して、その時期にでもこの五割を引き上げるということを検討するという、そういう余地さえない問題ですか。
#124
○説明員(小松伸雄君) 先ほどから申しておりますような制度の実態でございまして、非常にお答えしにくいわけでございますが、一般農産物の災害補償制度についても農林省の方で検討が進んでおる、こういうぐあいに伺っております。われわれの方もそちらとのつり合い等々も判断しながら検討はいたしていきたいと、かように考えます。
#125
○神谷信之助君 というのは専売公社は何と言ったって大蔵省のおひざ元なんだから、そこがぐっと強く引き上げることを要求してやられぬと農林省やその他のところのやつを上げるというのはなかなかむずかしい。ですから農林省の方でもこの補償の国庫負担の問題を検討するとおっしゃっているんですから、専売公社の方でもひとつ歩調をとって農家の災害に対して少しでも援助していく、そういう立場に立ってこれは十分ひとつぜひ検討するだけじゃなしにできるだけ早くこの引き上げを実現をしてもらうように要求したい。実は長官の方もひとつこの点は先ほどから再三おっしゃってますけれども、ひとつ関係大蔵大臣、農林大臣に強く要求してもらって早くそういう実現を図ってもらうようにお願いしたいと思うんですが、この点どうでしょう。
#126
○国務大臣(金丸信君) 仰せのように大蔵大臣、農林大臣にお話をいたしたいと思います。
#127
○神谷信之助君 じゃ、終わります。
#128
○柄谷道一君 降ひょうによる農作物等の被害に対する救済につきましては各委員から質問が行われました。時間の関係からあえて重複することを避けたいと思います。ただ長官の方から非常に前向きの答弁があったわけでございますが、国土庁長官というよりも国務大臣として本日の答弁をぜひ実現させるために格段の努力を行われますこと私の方からも強く要請をいたしたい、こう思います。したがいまして、本日は主として防災と震災予防対策にしぼって御質問を申し上げたいと思う次第でございます。
 昨年の十二月二十六日、地震予知連絡会が川崎など多摩川下流域にマグニチュード六、震度五の直下型大地震が早ければ本年の暮れぐらいに発生する可能性があるという予告を行ったことはもう御承知のとおりでございます。本年の五月六日の予知連は水平のひずみがないということで、最終的な結論を述べる段階ではないけれども、ややその危険は薄らいだ、しかし古い地下水という点からなおこれは不気味であって継続した観測体制を強化する必要があるという発表をされたことも事実御承知のとおりでございます。昨年の予告以来すでに半年を経過いたしておるわけでございますけれども、この間政府はこの予告をどう受けとめ具体的にどのような対策を進めてこられたのか、まずお伺いをいたします。
#129
○政府委員(横手正君) 昨年末地震予知連絡会の発表があったわけでございますが、この発表を受けましてまず多摩川下流地域における各種の研究対策――水準測量あるいは検潮、こうしたものでございますが、こうした研究観測を政府の関係研究機関それから各大学、こうしたところで協力して集中的に実施するということを決めましてその実施を続けてまいってきております。また中央防災会議の事務局に川崎地区の震災対策連絡会議、こういうものを設けまして従来から進めてまいってきております大都市の震災対策を一層推進し、必要があればこの見直しを行うということの申し合わせを行ったわけでございます。その後この連絡会議は現在までに五回ほど開いております。この申し合わせに基づきまして、関係省庁では地方公共団体と緊密な連携をとりながら、公共施設等の点検、整備あるいは避難誘導体制の確立、見直しあるいは給食、給水、医療等の救護対策の見直しと整備、またコンビナート対策の推進、こうした各般の措置に万全を期してきてまいっております。今後も一層大都市震災対策を推進してまいりたい、かように考えております。
#130
○柄谷道一君 たしか私の記憶では一九六六年にソ連のタンケット地域に起きた地震に際しまして、地下水のラドンの含有量、トリチウムの含有量を分析することによって、その予知のためにきわめて有効であったということが発表されていると思います。今回の十二月の予知連の発表の際もこの点に着目をして地下水の分析を東大で行い、五月の予知連にその分析結果を発表することによってその大きな参考資料としたいということがマスコミによって報道されていると思うわけでございますけれども、五月のこの予知連で地下水の含有量分析というものが発表されたのか。その分析結果によってどのような判断を現在持っておられるのか、お伺いいたします。
#131
○説明員(田島稔君) ラドン、トリチウムその他につきましては、東京大学が一月から観測を開始いたしまして、その結果につきましては、中間報告といたしまして五月に発表いたしました。
 その内容は、一つはソ連で成功したといわれるラドンでございますが、これは地下の深部から水が出てきている場合に、それに含まれるラドンの含有量が普通の値よりもふえるということになっておるわけでございますか、現在までの結果――四月までの結果でございますが、ラドンの含有量は一定でございます。なお、今後についてもこのラドンの含有量が時間的にどう変化するかという観測は現在実施中でございます。
 それから、トリチウムの件でございますが、このトリチウムというのは、いわゆる原爆実験等によりまして生じた大気中の物質、それが河川等におりてきまして、それが地下水にもぐってくるということで、つまり、トリチウムの含有量が多いということは浅い、若い水ということを意味するわけでございますが、その結果は多摩川の異常隆起をしております地域の西側の部分につきましてはトリチウムの含有量が多い。したがいまして、それは主として多摩川からしみ込んだ水であるというふうな結論に至っております。
 最後に炭素14というのがございます。これはこの調査も行っておるんでございますが、その結果は異常隆起をしております地域の水が古くて、深いところから出てきているというふうな中間結果が出ておりまして、そのことも五月の段階で報告してあります。
#132
○柄谷道一君 いま言いましたような経緯の中から、恐らく予告の若干の修正が行われたと思うわけでありますが、予知連は私の聞くところ年四回の会合を定例的に持っている、こう聞いておりますけれども、次回のこの予知連がいつごろ開かれるのか、その予知連の際にはただいま継続中と答弁されました結果というものがより詳細に分析をされて、また国民を納得させるような新しいデータというものが発表されることを期待していいのかどうか、お伺いをいたします。
#133
○説明員(田島稔君) 次回の地震予知連絡会は八月七日に開催する予定でございます。その前に、本会議は年四回でございますけれども、川崎等の問題が生じました場合には関係機関の担当者が随時集まりまして、データ、意見の交換を詳しく行う、そういうふうなことを行っております。そういうふうなことは七月中にも実施いたしたいと、そういうふうに思っております。
 それから川崎のその後の調査結果につきましては、現在川崎市を中心といたしまして約百五十キロ程度に及びます水準測量を現在実施中でございます。また大学その他におきましても、一月から始めました地震観測、それから先ほどの水位、水質調査、それを現在も継続して実施中でございますので、それらの結果を八月七日に持ち寄りまして、現在よりは相当はっきりした結果が、判断が出されるのではないかと期待しております。
#134
○柄谷道一君 予知連の萩原会長は、十二月の予告を行いました際に、京浜地区の市民の御協力をお願いをしたいということをあわせて申されております。一体これは市民に対して何の協力を頼むと言っておられるのか、また市民に対して何を準備せよと示唆されているのか、単に御協力をお願いしたいということではその真意が明確でございませんので、わかりましたらその内容を具体的に示していただきたいと思います。
#135
○説明員(田島稔君) 御指摘のように、十二月七日に発表いたしましたことは、川崎に異常な土地の隆起が見られる。その原因がいわゆる地震の前兆であるのか、それとも地下水規制等のそういう人為的な影響によるものなのか判断できないので原因がつかめないので、それらを詳しく調査する必要がある。そういう発表であったわけであります。その調査をするためには地方自治体あるいは会社、企業等が所有いたします井戸、そういうものに地震計あるいは地下水の水質を観測する器械を設置しなければならないわけでありまして、そういう自治体、企業等の敷地の中に立ち入りまして器械を設置したいと、そういうための御協力をお願いしたいということが一点でございます。
 それからもう一つは、自治体その他が持っておりますいろいろな情報、データ、そういうふうなものもいただきたい、特に地下水の容水量そういったデータにつきましていただきたいと、そういうふうな二点のお願いをしたわけでございます。
#136
○柄谷道一君 私ども冒頭の質問に対して審議官からの御答弁があったわけでございますけれども、東京都の総務局が予想される震度五の直下型地震というものが起きた場合の被害状況の推定を行っております。私の入手しておりますそれによりますと、建物の倒壊、焼失による損失が二万六千戸、被害世帯五万九千戸、死傷約四万四千人と発表いたしているわけでございます。これはいわゆる震度五程度の直下型の中地震が起きた場合の推測でございまして、長官も指摘されましたような、かつての関東大震災程度の大規模の地震というものが発生した場合の被害というものはこれははかり知ることができないものがある、こう思うわけでございます。ある評論家によりますと、被害数値は恐ろしくて公表できない程度のものであるとも言っている人もあるわけでございます。もし、この予告どおりの震災というものがこの京浜地区に発生した場合、国土庁としてはどの程度の被害が起きるものと予測されていますか。
#137
○政府委員(横手正君) 東京都の被害想定は私ども存じております。ただ、昨年十二月末に地震予知連絡会から発表ありました中では、地震がすぐに起きるというようなことは発表の中にはございませんが、仮に起きるとしてもということで、マグニチュードが五ないし六、中心及びその周辺で震度五と、こういうような発表になっております。震度五というような場合には大体壁に割れ目が入り、石灯籠等が倒れたり、あるいは石垣などが破損する程度の地震ということでございます。震度六――震度五の一つ上の震度六でございますが、この程度になりますと家屋の倒壊がかなり見られる、こういうようなことでございます。東京都の被害想定、まあ地震予知連絡会からの発表ありました直後に、東京都、川崎市、横浜市、それぞれ被害想定をしておりますが、万一のことを考えまして、震度五より一つ上の震度六の地震が川崎周辺に起きるというふうに被害を大きく立てまして、それに対する対策を立てておけば万全の措置が講ぜられるだろう、こういうようなことから想定をいたしております。この結果によりますと、東京都、川崎、横浜市では倒壊家屋が約四万八千余り、罹災世帯が十四万五千人余り、罹災人口にしまして四十数万人というような見通しを立てております。いままで申し上げましたように、これは地震予知連絡会の想定いたしております震度五よりも一回り大きい地震、これが起きた場合の被害想定、これを考えておるわけでございます。
#138
○柄谷道一君 一度、各地方自治団体のいま推定いたしております震度六程度における罹災状況につきましてデータがございましたら後ほどでも結構でございますから御提示をお願いをしたい、こう思います。
 しかし私の聞いておるところによりますと、その震度六程度による罹災程度にいたしましても、たとえば風速については秒速八メートル程度を前提としておる。風はこれ以上に吹かないという保証は全くないわけでございます。さらにこの大都市周辺に走っております自動車、これがどのような状況に立ち至るかということも一応想定の外に置いているということとも聞いております。さらにこれ、東京都だけをとってみましても、高温加熱炉を持つ事業所が千六百十七事業所、ボイラー、冷暖房設備を持つ事業所は四万三千四百、危険物製造及び取扱所約千、開放タンク二百五十七、LPGの販売所百六十、こういった危険物というものがどのような影響といいますか、をもたらすかということについても、なお緻密な分析というものが必要であることも指摘いたしております。東京都で二百九十四件の火災が発生する。うち六〇%は初期消防によって鎮火できるであろうという推定をしておるわけでありますが、果たして平常時のごとくに消防自動車がこの震災時において自由に活動が行い得るかどうかということに対しても疑問がございます。私は、この被害状況の推定というものは非常にまだ甘く見ていると言っても過言ではない。いずれにいたしましても、相当程度の被害が出ることは事実でございまして、冒頭、審議官の申されました対策というものは、私は、何もしていないということは申しませんけれども、これは甚大な罹災というものと対比するならば、その対策がきわめて立ちおくれであるということをこれは指摘せざるを得ないわけでございます。先ほどの委員の御指摘にもございましたように、たとえば川崎市で防災体制を完備するには九百億要る。東京都の場合は、四十八年当時の算出において、約一兆二千億という資金が必要ではないかということも言われている。一地方自治体のとうていこれは賄い得る資金量ではないわけであります。私どもこうして考えますと、私自身もまた特別立法の制定というものが必要であると思いますと同時に、緊急対策と合わした中期計画の策定というものがもう一度見直されなければならない、こう思うわけでございます。長官は、本国会の終わり次第中央防災会議を早急に開催するというお話であったわけでございますが、この防災会議では、これらの想定される罹災状況に照らして、これら特別立法を制定する必要及び中期計画の策定と、これに対して中央及び地方の受け持つべき分野、こういう問題についての抜本的な検討が防災会議で行われることを私は期待したいんでございますが、長官としての御意見を明確にお示しを願いたい。
#139
○国務大臣(金丸信君) 東京都の、地震が起きた、あるいは第二次火災が起きたというような場面、その推定が御承知のような発表もあったわけでございますが、私はいまもっと深刻に考えています。大正十二年の震災で人命が十四万損耗されておる。倒壊家屋あるいは焼けた家屋も入れて四十四、五万も損失をしておる。いま先生がおっしゃるように、高速自動車道路ができた、あるいはガソリンスタンドができる。また、当時と比べて自動車はおびただしい、渋滞するような状況にある。そして東京の人口は、その当時よりより一層のいわゆる密集地帯になってきておる。こういうことを考えてみますと、大正十二年に起きた損害の私は十倍も十五倍も大きな損害になってくるのじゃないかということを考えていきますと、この人命という問題について最大の関心を持たざるを得ない。こういうことで、私も日夜その問題は頭から離れないわけでございますが、ただいま私も、審議官やあるいは官房長に、自分のまことに愚問でありますが、いろいろ問題を出して質問し、いろいろこう想定した中でいろいろの質問に答えることを聞きながら、こういうものをしてみると、これでいいのかと、こう思うとちょっと背中に冷や汗を感ずる感じもないわけではありません。ですから、こういう問題については、ただいまお話のありましたように、ひとついろいろの問題点を出して中央防災会議であらゆる角度から検討してもらって、その上で法律をつくる必要があるならば法律をつくるというような前向きの方向で進むということがこの震災対策に対する私は国民にこたえる姿でなければならぬと、こう考えております。
#140
○柄谷道一君 非常に心強い御答弁をいただいたわけでございますけれども、そのような趣旨に沿って御努力願いますと同時に、昭和五十一年度から新経済社会発展計画が発足するわけでございますから、私は応急対策とともに、これらの防災の中期計画というものが本当にいま長官のお示し願ったような意欲をこの長期計画にぜひ織り込むように長官としての御努力をこれは強く求めておきたいと、こう思う次第でございます。
 私は、きょうは、地下鉄に毎日乗って登院しているんですけれども、ある乗客がきょうは十三日の金曜日だと、それで、この地下鉄にいま乗っているんだけれども、ここでぐらっときたら地下鉄に乗っているわれわれはどうするんだろうなあということを話している乗客がございました。本当に、私、いろいろこう考えてみると、都民の頭の中に、また、川崎並びに近郊の国民の中に、やはりそういう心配といいますか、本当に払拭されないものが私はあると思うんです。そういう意味で、地震国と言われる日本でございますから、やはり行政の姿勢としては、これに対応する明確な対策、所信というものを明らかにすることが何よりも政治家にとって、また、行政当局にとって必要なことではないかと、こう思いますので、たまたま、きょう地下鉄のそういった乗客の、私、対話を聞いておりまして、つくづくわれわれ自身のまた責任の重大さも痛感したような次第でございます。長官の努力を求めておきたいと思います。
 時間もございませんので次に問題を移しますが、現在、わが国の行っている地震の予知対策、予知研究、これは現体制で十分とお考えになっておりますか。
#141
○説明員(渡辺重幸君) お答え申し上げます。
 先生もよく御案内のように、地震の予知というものは非常にむずかしいことでございます。現在のところ、地殻の岩盤の破壊現象が地震のもとであろうと、こういうふうにされているわけですが、もともと、わが国は地震の災害を非常にたくさん受けてきました関係上、世界的にこの学問は進んでいたわけでございます。それで、この地震の予知をしようという研究が組織的に始められるようになりましたのは、世界に初めて、日本で昭和四十年から始まったわけでございますが、その間、相当に地震の予算あるいは研究体制というものも拡充されまして年々充実してきております。それで、今後ともこの地震予知の研究に期待されるところが非常に大きいわけですから、われわれといたしましても、昨年の十一月に地震予知研究推進連絡会議というものを関係省庁でつくりました。この会議の活発な運営を通しまして、今後とも大いに予算並びに組織の拡充に努めてまいりたいと、このように考えております。
#142
○柄谷道一君 聞くところによりますと、中国ではプロ千人、アマ二千人がこの予知研究に従っている。このような発表も行われているわけでございますけれども、わが国でこの地震予知というものに従事している人員は、一体どれぐらいございますか。
#143
○説明員(渡辺重幸君) 地震の予知の研究そのものは大学が主体でございますが、大学の方は後ほど文部省の方からお答えいただくことにいたしまして、行政機関並びにその試験研究機関で、現在、地震予知の研究並びに観測に従事しております従事者は、気象庁で各測候所等におきましては地震と気象観測が兼務で行われておりますが、そういう方々を全部含めますと千人を超えております。
#144
○説明員(七田基弘君) 大学関係でございますが、国立大学が中心でございます。国立大学におきます研究者、これは助手以上と、それから技官でございますが、大体二百人というようになっております。
#145
○柄谷道一君 地震予知連絡会でございますけれども、国土地理院で現在約二十名がその事務局的な役割りに当たっていると聞いております。しかし、いまも御答弁の中にありましたこの予知という問題の重要性から考えますならば、さらに、この事務局体制を一層拡充する必要があるんではないか、こう思いますけれども、現在、その予定がありますかどうか。
#146
○説明員(田島稔君) 先生御指摘のとおり、現在二十数名で発足いたしております。事務局の組織も昨年度までは二つの室が行っておりましたが、これらを統廃合いたしまして、今年度から地殻調査部というのが発足し、つまり組織的に一段と強化されたわけでございます。しかし、私どもとしましては、なお不十分な点もあるので、御指摘のとおり、もっと拡充強化していかなけりゃならないというふうに現在考えております。特に、いろいろな地震予知に直接間接に役に立つ情報の収集、それからより広い研究頭脳を集約すると、そういうような仕事。そういうふうな二つの点につきましては、現在まで十分だったとは思えないと思います。
#147
○柄谷道一君 五月十五日付の毎日新聞に、東大理学部の石橋助手が地震発生直前の圧縮力変化の観測によって地震を予知するという新しい予知方法を発表されております。六月十一日の夕刊フジによりますと、東大名誉教授の末広恭雄教授が動物の異常現象による地震の予知についてデータを収集している。今後、これは中国ではございませんけれども、一つの新しい予知方法ではないかということが指摘されております。従来の予知に対する研究を一層充実することは当然でございますけれども、こういう新しい地震予知の手法を開発していくということもまたきわめて必要なことではないか、これらの地震予知の手法開発について、それを補助するのは一体文部省なのかどこなのか、これらに対して積極的な助成を国で行うという現在気持ちがあるのかどうか、その用意があるのかどうか、これをお伺いをいたします。
#148
○説明員(七田基弘君) ただいま先生からお話がございました東大理学部の石橋助手の研究につきまして、これは非常に注目すべき研究であるというようにわれわれも考えております。それからいまその後おっしゃいました末広先生のいわゆる何といいますか、地震生物学的な新しい手法の問題につきましても、従来の地震研究といいますものが非常にどちらかといいますと地球物理学的な方法論に非常に強く頼っておるというわけでございまして、やはり新しい意味での地球化学的な、あるいは地震生物学と申しますか、そういう問題につきましても、そういう研究の方からの要請がございますれば、文部省といたしましては、科学研究費あるいは国の経費によりましてそれを推進していくという準備はいたしております。
#149
○柄谷道一君 時間がございませんので、最後にこれ、長官といいますか、国務大臣としてお願いをいたしておきたいと思うわけでございますけれども、防災対策と合わせまして現在の予知研究体制というものも、いま、質問によって明らかにされましたように、必ずしも十分という状態ではございませんし、なお、新しい手法を開発していくということは、これ、きわめて重要な問題だろうと思うわけでございます。したがいまして、この方面に対しましても政府が本腰を入れて手法開発のためのやっぱり手厚い助成を行っていくということが、私は防災対策のまたきわめて一つの大きな柱になると思います。この点について、これまた、長官の今後の御努力について要請をしたいわけでございますが、その決意のほどを承りまして私の質問を終わりたいと思います。
#150
○国務大臣(金丸信君) 地震問題で国会におきましても非常に論議を呼び、また、世論としても非常に強いそういうものに対する関心というものが出てまいりまして、先般気象庁あるいは国土地理院から川崎地震の結果を報告に来たときにいろいろお話を承ったり、私も考え方を述べたわけでございますが、これから、予知という問題については重大だから、ときに機械器具というようなものは整っておるのかと、実はおかげさまでそういうものも順次、いろいろの問題が国会で論議されたおかげでこのようになってきておりますというお話も承ったわけでございますが、予知という問題は人命の問題にも、的確に当たるということならば相当な人命を助けることにもなるでありましょうし、またいろいろの心の準備も出ることでありますから、そういうことが的確に出るためには、国は惜しげなく金を出すべきだと。そういう意味で、国土地理院の院長にも、気象台の総務課長ですか、参りましたが、ひとつ来年度の予算等についてもわれわれも片棒を担いで一生懸命やるからどんどんひとつ持ってきてくれないかと、こういう申し入れを私からもいたしておるわけでありますが、今後地震対策すべてに対して最善の努力をしてまいりたい、こう考えております。
#151
○柄谷道一君 終わります。
#152
○委員長(和田静夫君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#153
○委員長(和田静夫君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 降ひょうによる農作物等被害の実情調査のため、鳥取県及び群馬県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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