くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 予算委員会 第13号
昭和五十年三月二十日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     案納  勝君     野口 忠夫君
     小柳  勇君     田中寿美子君
     小笠原貞子君     星野  力君
     木島 則夫君     中沢伊登子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大谷藤之助君
    理 事
                岩動 道行君
                矢野  登君
                柳田桃太郎君
                藤田  進君
                宮之原貞光君
                矢追 秀彦君
                渡辺  武君
                向井 長年君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                石破 二朗君
                亀井 久興君
                黒住 忠行君
                玉置 和郎君
                徳永 正利君
                中村 太郎君
                秦野  章君
                鳩山威一郎君
                最上  進君
                八木 一郎君
                吉田  実君
                久保  亘君
                小柳  勇君
                田中寿美子君
                対馬 孝且君
                寺田 熊雄君
                野口 忠夫君
                和田 静夫君
                桑名 義治君
                三木 忠雄君
                矢原 秀男君
                神谷信之助君
                須藤 五郎君
                星野  力君
                中沢伊登子君
                市川 房枝君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       福田 赳夫君
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
       文 部 大 臣  永井 道雄君
       厚 生 大 臣  田中 正巳君
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
       通商産業大臣   河本 敏夫君
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (北海道開発庁
       長官)      福田  一君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       佐々木義武君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       警察庁刑事局保
       安部長      荒木 貞一君
       警察庁警備局長  三井  脩君
       科学技術庁研究
       調整局長     伊原 義徳君
       環境庁企画調整
       局長       城戸 謙次君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  橋本 道夫君
       環境庁水質保全
       局長       大場 敏彦君
       国土庁長官官房
       審議官      横手  正君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        西沢 公慶君
       大蔵省主計局長  竹内 道雄君
       国税庁次長    磯辺 律男君
       文部省学術国際
       局長       木田  宏君
       文部省社会教育
       局長       安養寺重夫君
       文部省体育局長  諸沢 正道君
       文部省管理局長  今村 武俊君
       厚生省環境衛生
       局長       石丸 隆治君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部長  福田  勉君
       厚生省医務局長  滝沢  正君
       厚生省薬務局長  宮嶋  剛君
       厚生省社会局長  翁 久次郎君
       厚生省児童家庭
       局長       上村  一君
       厚生省保険局長  北川 力夫君
       厚生省年金局長  曾根田郁夫君
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林大臣官房技
       術審議官     川田 則雄君
       農林大臣官房審
       議官       高須 儼明君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       農林省農蚕園芸
       局長       松元 威雄君
       農林水産技術会
       議事務局長    小山 義夫君
       食糧庁長官    三善 信二君
       水産庁長官    内村 良英君
       通商産業省産業
       政策局長     和田 敏信君
       通商産業省立地
       公害局長     佐藤淳一郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     矢野俊比古君
       通商産業省機械
       情報産業局長   森口 八郎君
       資源エネルギー
       庁長官      増田  実君
       資源エネルギー
       庁石油部長    左近友三郎君
       運輸大臣官房審
       議官       中村 四郎君
       運輸省港湾局長  竹内 良夫君
       海上保安庁長官  寺井 久美君
       労働省労働基準
       局長       東村金之助君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  中西 正雄君
       労働省婦人少年
       局長       森山 眞弓君
       労働省職業訓練
       局長       藤繩 正勝君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  増岡 康治君
       建設省道路局長  井上  孝君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
       建設省住宅局参
       事官         救仁郷 斉君
       自治省行政局選
       挙部長        土屋 佳照君
       自治省財政局長    松浦  功君
       自治省税務局長    首藤  堯君
       消防庁長官     佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員          山本 正雄君
   説明員
       国土地理院長     井上 英二君
       日本国有鉄道総
       裁          藤井松太郎君
   参考人
       日本道路公団総
       裁          前田 光嘉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 昭和五十年度一般会計予算
 昭和五十年度特別会計予算
 昭和五十年度政府関係機関予算.
 以上三案を一括して議題といたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 三案審査のため、本日、日本道路公団総裁を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#4
○委員長(大谷藤之助君) 前回に引き続き、質疑を行います。矢原秀男君。
#5
○矢原秀男君 まず、石油たん白について質疑をいたします。
 公害、環境汚染と農業の荒廃、そして生命の危機などをテーマとした、いま朝日新聞に連載中の有吉佐和子さん作の「複合汚染」というのが出ております。これについての感想を、まず安倍農林大臣にお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(安倍晋太郎君) 朝日新聞の「複合汚染」の小説は、ときどき読んでおるわけでございますが、農薬等の汚染問題につきましては、農林省としても十分これに対処していかなければならないというふうな感じを強く持っておるわけでございます。
#7
○矢原秀男君 続いて田中厚生大臣、感想をお願いいたします。
#8
○国務大臣(田中正巳君) 食品衛生を扱う当省としては、あの御意見に十分耳を傾けるべきものと思っております。
#9
○矢原秀男君 農林大臣も厚生大臣も、為政者の立場から非常に努力をされていることがわかるわけでございますが、私は、きょうは三木さんがおりませんけれども、次期総理としては大平さんではないかなとも考えておるわけでございますが、総理大臣にかわって、大平大蔵大臣、あなたはどういうふうにこの有吉さんの「複合汚染」に対する感想というものを持っていらっしゃるか、お願いいたします。
#10
○国務大臣(大平正芳君) いま両大胆から言われたことと感想を共通にいたしております。
#11
○矢原秀男君 この「複合汚染」の小説の概略を私もいつも考えておりますが、これは現代の循環を無視した薬づけ農法に対する問題、薬づけ畜産に対する痛烈な批判というものがあるわけでございます。これについては農林大臣も厚生大臣も非常に真剣な答弁をいただいたわけでございますが、いずれにしても、人間と自然を見失った現代の農業に対する告発であることは間違いございません。われわれはこのまま推移すれば自然と農業の荒廃を招いて、人間の破壊への道に突入してしまうことをこの作品は警告をいたしております。こういうことを考えますと、いまほど農政の根本的な転換を求められているときはないのでございます。
 もう一度農林大臣に、この農政に対する根本的な現代の転換、こういうふうな基本的なものを伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在、わが国の農業を取り巻く情勢は非常に厳しいものがあると思うわけでございます。特に食糧につきましては、国際的にも食糧事情が逼迫をするという基調にこの数年来なってまいったわけでございますし、また、水産関係につきましても、御案内のように、経済水域二百海里というふうな非常に厳しい事態が生じておるわけでありまして、そういう中にあって、わが国の農村を取り巻く情勢も、これまでの高度成長から安定成長へと経済的な構造も変化する情勢にあって、農政自体が見直されるといいますか、転換期を迎えておることは私も痛感をいたしておるわけでありまして、そういう中にあります農政に取り組んでいく姿勢といたしましては、やはり何としてもわが国における食糧の自給力を可能な限り高めていくという基本的な姿勢をあらゆる施策の面に貫いていかなきゃならぬと思うわけでございますし、同時にまた、自給が非常にむずかしい農作物については外国からの安定的な供給を図っていく、そういうことによりまして国民食糧の確保を図り、国民に対する食糧問題についての安心感を与えていくということがきわめて重要な課題であろうと思うわけでございます。
 われわれといたしましては、自給力を高めていくために今後とも生産対策あるいは価格対策、あるいはさらに、いま御指摘のありましたような科学技術の改善等を通じまして、農薬であるとか、あるいは飼料であるというものが国民生活に悪い影響を与えないような農業の進歩というものを技術的にも図っていかなきゃならぬわけでございまして、そういういろいろの観点からしまして、今日におきましては、まさに一つの農政の転換期、これに対して新しい決意を持って進んでいかなければならないという考え方を持つわけでございます。
#13
○矢原秀男君 農林大臣、いま農業の基本をお伺いいたしましたが、逆に今度は、農政を進める中で、あなたは農政の危機とは何か、問題点は何かということを一つだけ言ってください。
#14
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり私は、農政におきまして一番基本的に求められておるのは、先ほど申し上げましたが、食糧の自給力を高めていくとともに、農業に従事しておられるいわゆる農家の方々の生産意欲というものを高めていくということが基本的な今後の課題であろう、こういうふうに思うわけでございます。
#15
○矢原秀男君 厚生大臣、この「複合汚染」を読んでみましても、また現在の厚生行政を見ましても、生命の危機について実際にあなたが心配されていらっしゃる、そういう点だけを一点お伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(田中正巳君) 恐らく先生の志向するところは食品公害問題について十分留意をせよということだろうと思いますが、この点については私どもとしても全く同感でございます。最近いろいろな添加物あるいはその他、要するに本来自然的でないものが食品等々に使われるということについて十分な留意をしていかなければならないものというふうに私どもは考え、常日ごろ、そういったようなことについて行政の面を通じていろいろと督励をいたしておるところでありますが、今後ともその方面については十分ひとつ気をつけなければならないと思っております。
#17
○矢原秀男君 薬づけ農業の実態について、農薬、肥料、動物用医薬品、飼料添加物等の生産量であるとか使用量の推移を報告していただきたい。
#18
○政府委員(松元威雄君) ただいま、関連の農薬でございますとか飼料でございますが、当面私のところで所管しております農薬についてまず申し上げますが、農薬のお話が出ましたのですが、農薬の生産動向でございますが、これは実量で申し上げますと、農薬は四十五年は六十五万トンの生産でございまして、四十六年は五十九万トン、四十七年は五十六万トン、四十八年は五十八万トンということでございまして、四十六年以降は御案内の米の生産調整の影響もございまして、若干農薬の量は減ったわけでございますが、四十九年はかなりふえまして、七十万トンというふうにふえているわけでございます。これも、四十九年は異常にいもち病が発生したという関係もございまして生産がふえたわけでございますが、基本的には大体、ときどきの作物の需要によって違いますが、まあ微増傾向にあると、こういう生産動向でございます。
 まず農薬について申し上げました。
#19
○矢原秀男君 飼料の添加物について答えてください。
#20
○政府委員(高須儼明君) 畜産局審議官でございますが、飼料添加物につきまして最近の動向を申し上げます。
 四十七年の配合飼料は大体百八十万トンぐらいでございますが、ここに添加されております微量添加物は約六万六千トンでございます。
#21
○矢原秀男君 動物用の医薬品、答えてくださいよ。
#22
○委員長(大谷藤之助君) 質問の点に対して明確に。
#23
○政府委員(高須儼明君) 農薬品につきましては、一般医薬品の中で農薬品として使用されておるものも相当ございます。ただいまちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、すぐ調査いたしまして……。
#24
○矢原秀男君 いま農薬、肥料、飼料の添加物――動物用の医薬品についてはまだでございますが、動物用の医薬品も平均約三百億ぐらいの金額になっておりますが、このように見ておりますと、環境とか、そして人体、動物の体内にばらまかれて注入していることがわかりますし、そうしてわれわれの人体に蓄積をされている、特に有害物質や化学物質、その量が急激にふえている、こういうふうに感じるわけでございます。その蓄積の量が危険レベルに達していないとは、これはだれも断言できないわけでございます。そういう点について、厚生大臣、いまの関係の数字的なそういう諸問題を考えながら、あなたはどういう考え方をしていらっしゃるのか、その点お願いいたします。
#25
○国務大臣(田中正巳君) いまの御質問の中にいろいろありますが、残留農薬については当省がしさいに検討をいたしております。それで、薬の方は農薬は二十種類、そして農作物については四十三食品でございますが、両方について、こうグラフになるわけでございますが、これをできるだけチェックをしていくということで現在やっているわけであります。今後ともこれらについては鋭意ひとつ、たとえて申すならば、砒素は一体キュウリにどういう影響があるだろうかとか、あるいはBHCはブドウにどういう影響があるだろうかと、こういうふうな組み合わせで現在調査をいたしているところでございます。
#26
○矢原秀男君 公害や汚染による人類の大量死、この警告については笑って済まされるものではないわけでございます。こういう徴候の中で、現在奇形児の発生、そうして自然界の昆虫、鳥獣絶滅、こういうことが出ております。また家畜においても、異常疾病であるとか異常死であるとか、奇形化の現象が出ているわけでございます。そういう中で、この薬づけ農業に対して、農林大臣、あなたはどのような反省をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国は夏季高温多湿のモンスーン地帯でございまして、そのために農作物の病害虫の種類及びその発生が非常に多く、被害が多いことから、農薬はやはり農業生産の上においては不可欠な資材であると私たちは基本的には考えておるわけでありますが、その場合、農薬の使用によりまして人畜に被害を与えたり、あるいは国民の生活環境を悪化してはならないということは当然のことでありまして、過度に農薬を使用しないようにするということが、これまた非常に大事なことでありまして、こういう観点から、農林省としても、農薬の安全性を確保するための農薬取締法がございますが、この取締法に基づきまして、毒性及び残留性の強い農薬の禁止または使用の規制を図っておるわけであります。また、厚生大臣も答弁いたしましたが、食品の安全性を確保するため、食品衛生法に基づくいわゆる食品中の残留基準に対応いたしまして、農薬の安全使用基準の設定をいたしまして、その指導等の措置を講じておるところでございます。また農薬につきましては、病害虫防除に必要な最小限にとどまるような的確な発生予察情報に基づいて、適期に効率的かつ適正に使用するように指導しておるところでありまして、また農薬によらないで病害虫の発生を未然に回避軽減するための手段として、品種の改良あるいは輪作体系の導入等、栽培方法の改善を図りまして、総合的な防除を推進をしておるわけでございます。こうした対策を通じまして、農薬の適正な使用と安全な農産物の生産流通の確保を図ってまいるということで、われわれとしても鋭意努力をいたしておるわけでございます。
#28
○矢原秀男君 農薬、肥料、添加物、医薬品、こういうものの大量使用と無関係でないことが人体、家畜を見てもわかるわけでございます。いずれにしても、多頭羽の飼育であるとか密室飼い、こういうようなことで、効率性というものから生産性一辺倒の大量飼育の方法に、やはり薬づけ飼育というものが大きく関係することがはっきりわかるわけでございます。この点については、政府もしっかりした対策をとっていただきたいと思います。
 約二年前でございますが、国民の猛烈な反対に遭って企業化ストップという問題が出ました石油たん白でございますが、これがまた再び登場して、消費者の不安を高めておるわけでございます。まず最初に、農林省が五十年度の予算で大蔵省とする折衝の段階から最終的に予算が決定した、そういう経過を説明していただきたいと思います。
#29
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回、微生物たん白の研究につきまして予算措置を講ずることといたしまして、予算でお願いをいたしておるわけでございますが、これは、最近における食糧の自給力を向上していかなきゃならぬという大きな農政の課題の中にありまして、配合飼料等は外国に依然として強く依存をしなきゃならぬという情勢にあるわけでございます。国内においても、こうした配合飼料等につきましてもできるだけこれが生産をされるように努力をしていかなきゃならぬ、研究もしていかなきゃならない、こういうふうな基本的な考え方のもとに、農林水産の廃棄物の微生物たん白を研究をして、これによりまして新しい飼料をつくり出していこう、こういうふうな考え方で大蔵省に対して予算の措置をお願いをいたしまして計上いたしたわけでございまして、これは世間で言われておるところのいわゆる石油たん白ではないわけでございます。微生物たん白でございまして、私たちはあくまでもその点は峻厳に区別をいたしておるわけでございます。また、その研究につきましては、安全等につきまして十分な研究をやっていくというふうなことでございます。まあ基本的には、私たちとしては農産物の廃棄物の活用と、そしてそれを飼料にしていくというふうな基本的な今日の農政の課題に取り組んでいくという考え方で、こうした予算をお願いをしているところでございます。
#30
○矢原秀男君 予算獲得の段階で、五カ年計画で十一億円の予算を計上して大蔵省と折衝されたんですか、農林大臣。
#31
○政府委員(小山義夫君) この予算は非常に大型プロジェクト研究として扱っておりますので、五カ年計画で研究全体を進めたいということで、大蔵省に対する予算の要求書にはそういう説明で出しております。そのときの金額でございますが、いま御指摘の十一億何がしという数字は、五カ年間にほぼこのくらいになるだろうかという試算として、説明の参考の中で出したことがございます。ただ、その数字が今回の査定で将来にわたってまで認められておる数字ということではございません。
#32
○矢原秀男君 そういう中で一億四千万円という年度予算がついたと思いますが、こういういきさつを見ておりますと、石油たん白の開発及び企業化を本格的に推進しているんではないかと思うわけでございます。農林省は、そういう国民の声に対しては、石油たん白はやらない、いま農林大臣も言われておりますが、やるのは農業廃棄物を利用したたん白資源の開発研究であると、こういうふうに言われておりますが、農林省発行の諸資料の随所に散見されるところを見ますと、石油たん白の企業化に対応する研究開発――これは先ほど申し上げた予算化の経過を見ておりましてもこういう膨大な金額が組まれておりますから、私は石油たん白の企業化に対応した研究開発ではないのか、こういうふうに考えるわけです。農林大臣、明らかにしてください。
#33
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはあくまでも農林水産物の廃棄物を対象とした研究でございまして、石油たん白の研究は全然考えておらないわけでございます。石油たん白につきましては、かねてから御議論もあるわけでありますし、国民感情の面もあるわけでございますから、これは国内においては企業化はしないという結論がはっきり出ておるわけでありまして、この点については、はっきり私たちは区別をして研究の対象にいたしておるわけであります。
#34
○矢原秀男君 農林大臣ね、農産廃棄物、これも最近はSCPという名前の中でやっていらっしゃるわけでございますが、この農産廃棄物でも、先ほどの有吉さんの小説の中から、私の質問の中から、一つは農薬の問題、それから飼料の問題、重金属の問題、抗生物質の問題、多量に入っている危険性があるわけです。ですから、農産廃棄物、これからというふうな、そういうふうな安易な考え方だけではいかぬと思うわけです。
 そこで、石油たん白、これを最近はSCP、微生物たん白、このように呼び名を変えていらっしゃるわけでございますが、こういうふうな中でSCPの本命は石油たん白である、こういうふうに言われている筋もあるわけでございますが、この点についてどうですか、もう一度。
#35
○国務大臣(安倍晋太郎君) この微生物たん白についての研究につきましては、あくまでも農産廃棄物の飼料化を進めるという目的のための研究でございまして、その間にあっては十分な安全性を確保していくという研究が重点になるわけでございますが、私たちは石油たん白とははっきりこれを区別をいたしまして、石油たん白につきましては研究の対象にはいたしておらないということを、ここにはっきりと申し上げる次第でございます。
#36
○矢原秀男君 国会論議の質疑を私ずっと読ましていただきましたが、SCP論議の中で非常にはっきりした点が出ていないわけでございます。ですから、SCPの中に含まれるもの、たとえば石油からノルマルパラフィン、メタノール、天然ガスからはメタノール、そうして石油化学合成品からはメタノール、そうして石炭からはエタノール、こういうエネルギー物質を原料としたもの、こういうものは石油たん白であるという概念をやはり持たないと、人体に対して問題が出てくるわけです。その点について農林大臣。
#37
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどからしばしば申し上げておるわけでございますが、われわれといたしましては、微生物たん白、これも農産廃棄物に限っての微生物たん白の研究でございまして、石油たん白の研究ということは、これはもう研究の対象にしておらないわけでありまして、石油たん白につきましては、一部の国においてすでに企業化されておることは御承知のとおりでありますが、わが国においては四十八年二月にノルマルパラフィンを利用する酵母の企業化が中止された経緯があるわけであります。石油たん白の飼料化に当たっては、その安全性が確認をされ、国民的合意が得られない限り企業化は認められない、こういうことになっておるわけでございますから、農林省としては、この石油たん白については研究の対象からもちろん除外をいたしておるわけであります。
#38
○矢原秀男君 では、いま農林大臣の答弁から私二点を集約してみたいと思いますが、エネルギー物質を原料とする、このときには石油たん白というものはエネルギー物質そのもの全体を見るものである、こういう観点の中から私、話を進めさせていただきますが、石油たん白の開発に対する国の方針の確認をしたいと思います。農林省は石油たん白の利用開発は、いま答弁がございましたように、国民の合意が得られなければその企業化は考えない、こういうふうに、四十八年来から農林省の方針、前の櫻内農林大臣ですか、この発言を堅持されて、そのまま姿勢が変わっていない、こういうように確認していいですね。
#39
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全くそのとおりでございます。たん白なり、SCPたん白、これが今後食料、飼料として利用されることの是非、及び再度登場した場合にはどのように対処されるのか。
#40
○国務大臣(田中正巳君) 俗にいう石油たん白、この中で、私素人でございますが、一番進んだのがノルマルパラフィンによるものでありますが、要は、この種のものが人体に悪影響があってはいけないという見地から、二段のチェックを実は厚生省で考えているわけであります。そこで、ノルマルパラフィンについては、私どもの方の食品衛生調査会でいろいろ検討をいたしました。昭和四十七年十二月に、えさ、飼料としてのものについては、これは実験段階では一応いろいろな検査をいたしましたが、まあ安全であろうと、こういうふうに認められたわけではございますが、これを企業化してやる場合には、やはりいろいろの問題がまた別に考えられますものですから、工業段階における再検査を行うという条件を付しておるわけでありまして、したがって、もし企業化されるような場合においては、再度諸種の検査を行って、食品衛生調査会において再評価をしてみなければならないというふうな、チェックを二通りしておるわけであります。
 その他のSCPについては、私どものところではまだ関係をいたしておらないようでございます。
#41
○矢原秀男君 厚生省では石油たん白は実験段階、こういうふうないろんな問題の中で、やはり齋藤前厚相との話というものが完全に生きている、こういうふうに私も解釈をするわけですが、いま厚生大臣が言われました中で、農林省が飼料については安全だと、こういうふうな話がありましたが、これはしかし、学者の中にはまだ心配であるというデータも出ているわけです。厚生大臣、どうなんですか、その点は。
#42
○国務大臣(田中正巳君) SCPのうち、ノルマルパラフィンだけを使ったものについては一応わが方の食品衛生調査会では安全であるというふうに認められたようでございますが、それ以上の詳しい話については政府委員から答弁をさせることにいたしたいと思います。
#43
○政府委員(石丸隆治君) SCP全般のいろんな毒性問題につきましては、ただいま、まだ学問的にいろんな問題がある段階でございまして、わが方の食品衛生調査会におきましても、まだ正式にこの検討に入っていない段階でございます。学界でいろんな意見があること、先生ただいま御指摘のような反対の――反対の意見と申し上げましょうか、毒性があるというような意見も出ておることは承知いたしております。
#44
○矢原秀男君 現在、企業の石油たん白、この開発の企業化の状況というものがうわさをされているわけでございますが、石油たん白製造プラント、そしてその企業名、プラントの種類、生産可能量について、通産大臣、報告してください。
#45
○政府委員(矢野俊比古君) 現在、御指摘の石油たん白の試験研究をやっているわけでございますが、この企業の名前を申し上げますと、三菱油化、大日本インキ化学工業、三菱ガス化学、協和醗酵工業、旭化成工業、ユニチカ、興人、それから鐘淵化学工業の八社でございます。
 それから、それでは具体的にどの程度の量かということでございますが、いわゆる四十八年六月の政府統一見解がございまして、企業化というのは一切進めておりませんので、生産量というものは全然出てきておりません。あくまでも試験研究の範囲にとどまっておりまして、個々の会社自身が、現実的な現有能力というふうな、いわゆる能力というところまで至っていないというのが実情と存じます。
#46
○矢原秀男君 では、試験の最というものはどうですか。
#47
○政府委員(矢野俊比古君) 現実の試験量と申しますより、当時の政府の統一見解で、試験研究用のサンプル輸出を認めるということになっております。むしろ、この輸出量というのが即生産量と見ていただいたらよろしかろうと存じますが、その点を申し上げますと、昭和四十八年四月六日の政府統一見解以来、今年五十年一月までに四十四トンが輸出されております。内容を申し上げますと、ルーマニアが二十七トン、オーストラリアに十トン、インドネシアに六・五トン、ポーランドに〇・九トン、オランダに〇・一四トン、合計四十四・五四トンということで、これが一つの、何と申しますか、目標になると思います。
#48
○矢原秀男君 通産大臣にもう一度お願いいたしますが、石油たん白が市場に出回らないように企業への立ち入り調査とか、そうして稼働状況をチェックするとか、こういうことに対してはどうされるんですか、通産大臣。
#49
○国務大臣(河本敏夫君) 十分に監視をいたしております。
#50
○矢原秀男君 どうも誠意のないような答弁でございますが、農林大臣、企業は昭和五十五年を一応のめどとした石油たん白の開発計画、これがあると聞きますけれども、詳細に報告してください。
#51
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林省といたしましては、石油たん白につきましては、先ほど申し上げましたように、これを飼料化するということにつきまして、国民感情等もありまして、昭和四十八年以来、もちろんその研究もいたしておらないわけでありますし、これが国内において飼料化され、そしてこれが使われておるということはあり得ないというふうに考えてもおりますし、また、あり得ないわけでございますが、その民間における研究の実態等につきましては政府委員から答弁をいたさせます。
#52
○政府委員(高須儼明君) お答え申し上げます。
 先ほど、研究いたしております企業の名前につきましては通産省の方からお答えがございまして、私どもも同様な数字をいただいております。現在、それぞれ試験研究の段階と聞いておりますが、それぞれの企業の御予定の詳細については私ども詳細に心得ておりません。
#53
○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
#55
○矢原秀男君 通産省も農林省も、私が、昭和五十五年を一応のめどとして石油たん白、SCPの開発計画があると言っているんですから、出しなさいと言っているんですよ。それを、何も数字を報告しない。問題じゃないですか。
#56
○政府委員(高須儼明君) 現在、先ほど通産省からお話がございました、たとえば三菱ガス化学の場合でございますが、一応企業化等につきます目標年次は未定というふうに私ども承知いたしております。現在は大体四万トンから五万トンのものでテストプラントを予定いたしておりまして、一部実施中というふうに承知いたしております。そのほか、先ほどの八社でございますが、それぞれ予定につきましては未定ということで、将来の生産規模といたしましては、大体企業規模としては六万トン以上なければ成立しないであろうということでございまして、現在のそれぞれの会社、たとえば月一、二トンであるとか、あるいは三トン、ユニチカの場合には三トンでございますが、大きなところで鐘淵が千トン程度のテスト。プラントで実施中というふうに承知いたしております。
#57
○矢原秀男君 五十五年の製造計画ですね。農林省で決めて企業に流してやってるんでしょう。はっきりしなさいよ、それ。
#58
○政府委員(高須儼明君) お答え申し上げます。
 農林省でそのような計画を決めて推進しておるということは、私どもやっておりません。
#59
○矢原秀男君 農林省の資料にあるんですよ。
#60
○政府委員(高須儼明君) いま農林省の資料と申しますのは、恐らく「蛋白質・油脂資源の開発利用について(未定稿)」という大臣官房企画室の資料であろうかと思いますが、この四十四ページには「無間生産目標」というのがございまして、三十万トン、十三万トン、五万トン、二千トンというような具体的な数字が確かに入っております。これはまあこうした企業化の計画があるというふうな情報によって書いたものと思われます。
#61
○矢原秀男君 いまの報告のように、ノルマルパテフィンが三十万トン、メタノールが十三万トン、エタノールが五万トン、合計四十八万トンも五十五年度には計画し、それが農林省からそして企業へ、そうしてこの生産計画に基づいてすべて計画立てられているじゃないですか。なぜいまそういうようなことはっきりしないんですか。六十年度はどうなんですか、答えてください。
#62
○政府委員(高須儼明君) もう一度申し上げますが、このような数字は私どもの方で計画した数字でも何でもございません。個別企業についての具体的な企業化計画と申しますのは、正確な実態を把握することがきわめて困難でございまして、この数値も検討過程におきますところの未確認の数値でございます。一応の参考として引用したにすぎないわけでございます。
#63
○矢原秀男君 では、いま申し上げた四十八万二千トンの製造計画は一切進めないと、白紙ですね、農林大臣。
#64
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど申し上げましたように、石油たん白の飼料化に当たっては、その安全性が確認をされ、さらに国民的合意が得られない限りは企業化は認めないというのが農林省の基本的な考え方でございます。いま国会に提案をいたしておりまする飼料の品質改善に関する法律の改正につきましても、この点については製造上明らかにする考えでございます。
#65
○矢原秀男君 安全性が認められない、そういうふうな中で、五カ年計画で十一億円も農林省の中で予算を計画されている。これは企業化そのもの以外ないじゃないですか。見てみなさい、六十年度には二千九百万トンの製造でしょう。この中に石油たん白というものが、通称三%から五%は農林省の計算によっては飼料の配合割合となっているわけです。そうなってくると、実に六十年度には約五〇%からの石油たん白というものが含まれる計算になるわけです。こういう点はどうなんですか。
#66
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちが予算化をお願いをいたしておりますのは、農産廃棄物の微生物の飼料化のための研究でございまして、これはあくまでも石油たん白ではないわけでございますので、これはやはり今日の食糧の自給力の向上、そういうために配合飼料等の、濃厚飼料等の確保を図っていかなければなりませんから、そういう現在の農政上の観点に立って研究をやろうということでありますから、石油たん白はあくまでも農林省としては研究の対象にもしておりませんし、企業化に対してはこれを認めないと、国民的合意、安全性確保をされない限りは認めないということでありますから、微生物たん白と石油たん白につきましては、私たちははっきり区別をして研究の対象にいたしておるわけであります。
#67
○矢原秀男君 協和醗酵等のノルマルパラフィン、石油たん白三十万トン、これは本命ですけれども、こういう数字が農林省の中に出ている。どうですか、協和醗酵との関連の協和銀行の調査部の本がここにあるんですが、この中にどういうふうに書かれておりますか。調査月報の一九七四年の八月、協和銀行調査部の発行です。石油たん白、この問題についても「先に石油蛋白生産計画の際、安全性確認の積上げ不足からミソをつけた形で頓座をしたが、近く本格生産も始まる見込になり、農林省も総合的な安全性チェックシステム開発に本格取組の構えである。」と、あなた方の資料とぴたっと合うじゃないですか。協和醗酵の最一大株主協和銀行、四百万株、時価十億六千四百万円のこれは後押しなんです。その協和銀行の再務宮田さんというのは協和醗酵の監査役なんです。こういう農林省のデータの中から、きちっとタイアップできているじゃないですか。農林大臣答えてください。
#68
○国務大臣(安倍晋太郎君) 企業におきましては、試験開発、試験研究が石油たん白について行われておることは事実でありますが、しかし、農林省としては、先ほども申し上げましたように、これが飼料化については安全性が確認をされ、あるいは国民的合意が得られない限りは認めないと、こういうふうなはっきりした考え方を持っておるわけでございまして、現在農林省が予算でお願いをしておる農産廃棄物の微生物たん白についての研究開発とはあくまでも違っておると、私はそういうふうな認識を持っておるわけであります。
#69
○矢原秀男君 いま農林大臣が答弁の中で、企業が石油たん白の企業化を進めていることは事実であるとおっしゃいましたが、もう一回確認いたします。
#70
○国務大臣(安倍晋太郎君) 企業化といいますか、実験研究を進めておるということは聞いておるわけであります。
#71
○矢原秀男君 通産大臣、どうなんですか。
#72
○国務大臣(河本敏夫君) この点につきましては、先ほど農林大臣が基本的な考え方といたしまして、まず安全性が確認されるということと、それから国民的な合意が得られると、それが企業化の前提条件であるということを明確に言われましたが、通産大臣といたしましても同じ見解でございます。
#73
○矢原秀男君 では農林省は、安全性の問題をたな上げして石油たん白の企業化への準備というものは一切やらせない、こういうことですね。
#74
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどもお答えをいたしましたように、安全性が確保され、国民的な合意が得られない限りは、企業化は一切認めないということでございます。
#75
○矢原秀男君 まあそういうようなことですけれども、実際は国民の合意が得られない限り、企業化というものはしたらいかぬ。しかし、農林省の蛋白質・油脂資源の開発利用、農政審議会の需給部会の報告、こういうふうな問題から見ると、SCPの開発に非常に熱心であるということがわかるわけです。こういうふうな問題について、農林省の安全性試験というものの発表がございましたけれども、この点についてはどうなんですか。
#76
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府委員から答弁させます。
#77
○政府委員(小山義夫君) いまお尋ねの安全性の試験の発表と申しますのは何の安全性でございましょうか、ちょっとよくわかりかねるんでございますけれども。これから予算化して進めようとしておりますのは、まさに今後開発するものでございますので、それについての安全性の試験というのは……
#78
○矢原秀男君 飼料について。鶏とか、いろんな動物の飼料。
#79
○政府委員(小山義夫君) 試験結果のデータでございますか――これから行います試験についてはそういうものはあり得ないわけでございますけれども、あるいは、かつて石油たん白そのものの試験をしたことがございます。それについてでございましょうか。――それでございますと、鶏につきまして六代、六世代にわたって飼養試験をいたしました。その六代にわたって飼養試験をして、そして産卵率、その他生育状況が問題がないかどうか、それから、疑われております三・四ベンツピレンといったような発がん物質が出てまいるかどうかと、こういうふうな試験をしたことがございますが、その試験の限りにおいては全く普通の飼料を食べさせた場合との異状は、差異はございませんでした。しかし、これはかつて行いました試験、もうすでにそれだけのことで打ち切っております。といいますのは、先ほどから農林大臣が申し上げておりますように、政府としましては、安全性の確認なり国民の合意が得られない限りは石油たん白は扱わないということになっておりますので、これはそれ限りで打ち切っておるわけでございます。
#80
○矢原秀男君 最初厚生大臣も、安全性に対しての報告は農林省からあった、こういうふうなこともお話がございましたが、ここで一言加えていきたいことは、安全性と判断されたデータを厳密に解析しておりますと、アレルギー性の肺炎であるとか甲状線肥大とか性殖器の異常、こういうものがやはり鶏の中で出ている、こういう指摘をする学者もおるわけでございます。それと、申し上げますのは、「農林省石油タンパクのニワトリ実験の分析結果と問題点」という題で、東大の講師の高橋晄正さんが分析結果に対しての問題点というものを指摘いたしております。これを見ますと、この石油たん白の安全性の中で疑惑があるという問題点、一つは体重の増加が悪い、飼料の摂取量が低い、性の成熟期に達するのが遅い、産卵率が低い、卵一個を生産するのに対照群より飼料を多く取らなければならない、必須アミノ酸メチオニン、ビタミンBの含有が低い。また、問題点についても十二点にわたって指摘いたしております。私は、こういうふうな問題点が提起された段階の中においては、調査会の見解というものは白紙に戻す、そういうのが正しいと思うのです。どうです、農林大臣。
#81
○政府委員(石丸隆治君) ただいま先生御指摘の安全性の問題は、あるいは食品衛生調査会における結論についての御指摘かとも思いますので、お答え申し上げたいと思います。
 この安全性の試験につきましては、食品衛生調査会がノルマルパラフィンを使っての微生物たん白の安全性を検討する前に、一応の石油たん白の安全性の評価の方法というものをつくったわけでございます。これが昭和四十五年十二月十九日につくったわけでございまして、この安全性の評価方法に基づきまして昭和四十七年に一応の結論を出したわけでございます。ただその後、工業化の段階におきましては、必ずしもこれのみでは安全性を確保できないということでございまして、再度工業化の段階において再検査の必要性を指摘して報告書を出したわけでございます。したがいまして、その後、その工業化の方向が打ち出せないままになっておるわけでございまして、この研究が一応とんざしている、かような形になっておる次第でございます。
#82
○矢原秀男君 こういう調査会等について政府の関係する学者だけではなしに、常に人間の命を心配している、そういう立場から研究をしている学者等も入れて、調査会というものは幅広くしていく、そうして反対意見も十分に参考にしながら討議をしていく、こういう調査会のあり方というものが今後大事だと思います。それについては厚生大臣、どうですか。
#83
○国務大臣(田中正巳君) お説のとおりだというふうに思っております。
#84
○矢原秀男君 やはりこの石油たん白については、微生物の学者というものは菌というものを非常に問題にしているわけでございます。ですから、使用する酵母の安全性というものは今後相当やはり真剣にやっていただかなくちゃならないと思います。
 まあ時間もございませんが、いずれにいたしましても、国民は石油たん白、SCPについては非常に心配と疑惑を持っております。一つは、石油資源の国である米国が石油たん白の開発をなぜ中止をしたのであろうか、これだけ人命尊重の立場からやっているアメリカと日本との違いはどこにあるのか、また二番目には、石油資源が約三十年から五十年ぐらいには枯渇するのではないか、こういうふうな中で、たん白資源の不足、そういうふうなものの解決になり得るのかどうか、そして人類がこれまで使用したことのないカンジダ菌という最も下等な菌と言われる、そういうふうなものを使っていく危険性、こういうふうないろいろな心配をしているわけでございます。石油たん白については、私はこういう疑点の中で、やはり中止の方向にいかなくてはならない、こういうふうに要望をして、この問題、終わりたいと思います。
 次に農機具をやります。
 無鉛ガソリン対策について質疑を重ねてまいります。昭和四十五年、東京都新宿区牛込柳町で鉛公害事件が発生したわけでございますが、それに対して政府としてはどのような対策をとられたのですか。
#85
○政府委員(佐藤淳一郎君) 昭和四十五年に柳町におきまして、ガソリンに入っておりますところの鉛の公害についていろいろ御指摘を受けましたので、通産省といたしましては、長期計画といたしまして、ガソリンから鉛を抜きまして、いわゆる無鉛化計画を立てたわけでございます。それにつきましては、通産省の中にございます産業構造審議会の中で自動車小委員会を設けまして、いろいろ関係の方々の御参加を得まして相当慎重にやってまいったわけでございますが、昨年の三月にいよいよ実施の段階に参りましたので、さらに具体的に検討いたしました結果、昨年の九月の末に一応の結論を得まして、若干実施の時期が予定より延びたわけでございますけれども、本年の二月一日から生産されますガソリンについての鉛は、生産段階では鉛を入れないということで決定いたしまして、ただいま大体その方向で、特に自動車、農業用機械、それから陸用の内燃機関等々のユーザーにつきまして十分に徹底する方策を立てながら、いま逐次実施を進めておる段階でございます。
#86
○矢原秀男君 ガソリンの無鉛化の実施の大体の日程、はっきりしてください。
#87
○政府委員(佐藤淳一郎君) 完全に無鉛化を完了いたします時期につきましては、いろいろ産業構造審議会の中での関係者の方々の御意見もございますし、現実に未対策の自動車が相当ございますし、それから特に農業用の機械につきましても、無鉛ガソリンが使えないような機械も相当数残っておりますので、われわれとしましては、こういう未対策工ンジンを積んでおります機械についての今後の残存台数を十分に注意しながら、なおかつ、環境庁におきますところの中央公害対策審議会におきます鉛の環境基準の制定の状況、審議の状況等も見守りながら、慎重に検討いたしました上で決定するということでございまして、いまの段階では実施の時期は決定いたしておりません。
#88
○矢原秀男君 農機対策がなぜおくれたのか、その理由。
#89
○政府委員(佐藤淳一郎君) 農業用の機械といいますか、農業用の機械に積んでおりますエンジンの関係につきましては、自動車の機械と並行いたしまして、いろいろ御検討は願っておったわけでございますが、どちらかといいますと、自動車の方が安全上の問題ということでいろいろ関心があったわけでございます。われわれとしましても非常に心配をいたしましたのは、若干オクタン価が低下いたすために、走行上の、特に安全上の問題を一番心配したわけでございます。そういうことでございますが、一方、農業用の機械につきましては、そういうことで相当数の数もございますし、これはまた、現実に相当末端の方でガソリン供給を受けざるを得ないという立地上の条件もございますので、その辺は農林省とも御協議しながらいろいろやってまいったわけでございますが、決して、特に農業用の機械だけを区別しておくらしたつもりはございません。
#90
○矢原秀男君 ここで問題になりますのは、全国で農業用機械が五百万台、未対策機が。そうして、その他を入れますと七百万台、金額にして五千億円というふうな状態になるわけでございますが、農業機械にどのように影響するのか、こういう問題をお願いいたします。
#91
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業機械につきましては、ただいまも通産省から申し述べましたように、通産省とも密接な連携をとりまして無鉛化対策を講じていかなければならないと思うわけですが、現在の生産中の農業機械はすでに無鉛化ガソリン対策機となっておるわけでありまして、大部分の機種ではすでに販売をされておるわけでありますが、すでに導入をされておる耕運機等の小型農業機械は引き続き有鉛ガソリンを必要とするわけでございます。したがって、有鉛ガソリンの必要分についての増産による必要量の確保、あるいはまた、ガソリンスタンドにおける有鉛ガソリンに対する有鉛ガソリンの円滑な供給の確保を図っていかなければならないわけであります。さらに、農業放送とか、あるいは農林放送とか、市町村広報等を利用して農業者に対しましてガソリン無鉛化対策の趣旨、あるいはガソリン使用の適正化についても周知徹底を図っておるわけでございまして、このガソリンの無鉛化の実施時期につきましては、今後とも引き続き検討を行うことにいたしておるわけでございますが、私たちとしては、農業者の農業機械の使用につきまして悪影響が出ないように万全の措置を講じておるところでございます。
#92
○矢原秀男君 具体的にお伺いしますが、農業機械における対策機のエンジンの生産はいつから入ったのか、販売はいつからされているのか、この二点をお願いいたします。
#93
○政府委員(森口八郎君) お尋ねの無鉛化対策機でございますが、生産にぼつぼつ入りましたのは四十九年の夏ごろから入りまして、大体各機種ともほぼ完了いたしましたのは四十九年の十月からであります。販売の方は若干ダブっておりますが、大体、本年五十年に入りましてからはほぼ対策機が市場に出回っておるはずであります。
#94
○矢原秀男君 農業機械が五百万台あるわけです。その五百万台の未対策のエンジン、これが無鉛化が五十二年度からされるわけでございます。で、無鉛化ガソリンを使って農業機械のエンジンがどのようになるのか、問題点を話してください。
#95
○政府委員(松元威雄君) 農業機械の中にも無鉛ガソリンを使えるものもございますが、ただいま先生御指摘の約五百万台のものにつきましては、これは有鉛ガソリン一でないと使えないわけでございます。もしこれに無鉛ガソリンを使いますと急速にパルブシートが摩滅いたしまして、はなはだしい場合にはエンストを起こす、こういうことになるわけでございますから、無鉛ガソリンは使えない、そういう影響でございます。
#96
○矢原秀男君 いま無鉛化ガソリン使用について、農業機械を持っていらっしゃる農家の方が五千億円の損害を受けるわけです。だから、いま無鉛化ガソリンをこの農業機械に使ったらどういう問題点が出るのか。それは未対策の四サイクル・ガソリンエンジンを動力源とする耕運機、チラー、田植え機、バインダー、防除機などについて、無鉛のガソリン一を使用すると排気バルブシートが急速に摩耗して、はなはだしい場合はエンストをする、その改造は、自動車のようにシリンダーヘッドの交換は技術的に不可能である、エンジンは全面的に交換を必要とする。そうして、しかも耐用年数は五年から七年の減価償却のこの法律的なものは出ておりますが、実際には十年は自由に使えるわけです。そういうふうな問題の中で、なぜ農業機械だけの対策をおくらしたのか、私はいまこの問題を取り上げているわけなんです。それに対しての対策は全然できてないんです。答えてください。
#97
○政府委員(松元威雄君) 先ほど農業機械の対策がおくれているということにつきまして通産省から御答弁があったわけでございますが、当時この需要者側たる農業側においての受けとめ方は、当初の考え方では、農業機械は一般の自動車とは使用の場所が違うわけでございますし、態様も違うと。つまり非常に込んだ道路で多数の農業機械が動いて、いわば排気ガスを出すというのではないわけでございますから、そういった使用の場所とか態様が違いますから、そういうものは除外されるということでございまして、したがって、農業機械を除いて通常の自動車のみを対象としてという方向で検討が当時進められたという経緯がございます。したがいまして、まずこれは別だと思っておったわけでございます。かたがた当時は無鉛ガソリンの供給法につきましても、レギュラーガソリンをすべて無鉛ガソリンにするという方向はまだ決まっていなかったわけでございます。そういう事情から、農業機械の場合でございますと、これは圃場で使うわけでございますから、いわゆる有鉛による弊害はまずないというように思ったわけでございますから、除外と思っておったわけでございます。しかしながら、全体の大勢といたしまして無鉛ガソリンという方向が決まったわけでございますから、そうなりますと、農業だけ別というわけにはまいらないというわけで、若干おくれましたが対策を講じたわけでございますが、その場合の対策が大きく申して二点あるわけでございます。一つは、これからつくるものは対策機にする、これが第一点でございます。それから第二点は、御指摘のとおり約五百万台の未対策機がございまして、これが動かなくなっては大変な問題になるわけでございます。したがって、これが稼働し得るためには有鉛ガソリンの供給を続けなければならないわけでございます。したがいまして、この未対策機に対しまして有鉛ガソリンが円滑に供給されるように、まず生産量を確保するということ、同時に、それが末端のスタンドにおきまして的確に農家に販売されるということが必要でございますから、そういう対策を講じまして、その方法につきまして通産省とも十分打ち合わせいたしまして、この未対策機の残っている間はその稼働に支障がないようにするということで対策を講じている次第でございます。
#98
○矢原秀男君 そういう理由で農業機械の対策がおくれたと言っております。で、私がいま問題にしているのは、善良な農家が大きな損害を受けている。ところが、メーカーはどうなんですか。四十九年の夏ごろからすでに生産開始しているんでしょう。四十九年の十月から五十年にわたっては販売をしていると言うんです。しかし、それまで買わされた農家は有鉛のガソリンでなかったら使えないんでしょう。では、企業がもうけて農家がなぜ被害を受けなくてはいけないのか、農家に対して無鉛ガソリン対策として、たとえば農業機械、買うのを控えなさいとか、そうして、いつからこういうふうに転換をするからその間はこうしなさいとか、なぜやらないんですか。企業と政府だけはぴたっと癒着をして、平気でもうけているじゃないですか。知らない農家は全部買わされているんです。こんなものが五十二年から無鉛化になってみなさい。石油メーカーやなんかは、売れないもの、商売ですから、有鉛のガソリンなんか扱いませんよ。そのときに、十年も使える農業機械をいま買っている農家は、五千億円ですよ、損害。企業と政府だけがべたっと密着して、何ですかへこれは。その点、はっきりしてください。
#99
○政府委員(佐藤淳一郎君) これは四十五年の柳町の問題から発生いたしましてすでに五年を経過いたしておるわけでございまして、したがいまして、ここにたどり着くまでには相当いろんな議論が中にあったわけでございます。特に農業用機械の無鉛化につきましては、この協議会におきましても農林省あるいはまた農協の方々の相当の御意見が確かにございまして、したがいまして、この協議会としましても、そういう実勢を踏まえて、いつからこれを実施するかということが相当問題になりまして、なかなか踏み切れなかったわけでございます。しかし、国民の健康にかかわる問題ということで、自動車が中心でございますけれども、やはり農業機械につきましても御協力願うということに踏み切ったわけでございますけれども、しかし、当初この審議会といたしましては、先生がいまおっしゃいましたように、五十二年四月をめどに完全無鉛化をしたらどうかという一応のお考え方は出されたわけでございますけれども、いろいろそういう農民の方々の声もございましたので、通産省といたしましては、あるいはまた協議会の最終結論といたしましては、五十二年四月ということは今回は決めない、やはり実際に残っております未対策の農業用機械の実際困らないようなことの見きわめを十分にしながらその時期を決めていきたいと、その間の扱いとしましては、十分に農民の方がお困りにならないように有鉛のガソリンを手配するように石油業界を指導してまいっておるわけでございます。それから一方、研究開発といたしましては、鉛にかわりまして何か別の添加物を入れることによりましてバルブシート・リセッションが起こらないような仕組みも、いまいろいろ研究さしております。そういうことで、われわれは、これを実施することによりまして農民の方々に御迷惑をかけるようなことは一切しないという考え方で進んでおりますので、その点は御了承を願いたいと思います。
#100
○矢原秀男君 あなたの答弁を聞いていると、農民には御迷惑かけないと言うけれども、実際かけているじゃないですか。ですから、私、この具体例一つ出しますから答えてください。四十八年の農機具の生産台数とか出荷台数、答えてください。
#101
○政府委員(森口八郎君) お答え申し上げます。
 農業用トラクターにつきましては、四十八年の生産は、台数にいたしまして九万九千三百九十四台であります。それから耕運機につきましては三十五万千九百二十一台であります。主なものは以上のとおりであります。
#102
○矢原秀男君 四十五年から、四十六、四十七、四十八、四十九年と、通産省で出ていますのは項目別の十五項目ぐらいと思いますが、その在庫がふえていったのか、年次的に。それとも、この計画の話が四十五年から出て、農機具関係の在庫がだんだん減っていくのか、その在庫の数を言ってください。
#103
○政府委員(森口八郎君) お答え申します。
 農業用トラクターにつきましては、四十五年末の在庫は九千七百二十七台、四十六年末につきましては七千二百八十一台、四十七年末につきましては三千六百九十台、四十八年末につきましては三千四百五十九台であります。耕運機につきましては、四十五年末が九万五百十九台、四十六年末が六万三千六百七十一台、四十七年末が四万三千三荷三十二台、四十八年末が二万六千七百三十二台であります。
#104
○矢原秀男君 メーカーの在庫の数、生産を見ておりますと、昨年の農業機械の生産実績は四千六再億、そうしてメーカーでは五官億円もとにかく設備投資、こういうふうなことで非常にもう張り切っているわけなんですね。ところが、どうですか、この無鉛化対策に該当する未対策の機械が四十五年、四十六年、四十七年、四十八年とだんだん在庫の数が減るわけです。たとえば動力の噴霧機の場合は、四十五年が二万三千、それが二万、それから三万五千、こういうふうに、いろんな各種の在庫が皆徐々に減るわけですが、四十九年度になれば在庫がぴたっとゼロなんです、ゼロ。ということは、未対策の機械は全部農家に売りつけているわけなんです。そうして、対策用のエンジンに皆切りかえていっているわけなんです。この数字を見て、きちっと出てるんです。農家をどのように救済するんですか、答えてください。
#105
○政府委員(森口八郎君) お答え申し上げます。
 最近の年次別在庫は減少しておりますことは、先生御指摘のとおり、事実であります。これは、ここ数年来の農家の近代化意欲の高まりによりまして、農業機械の生産がふえておることは先生御高承のとおりであります。こういうような理由によりまして、在庫が逐月減少したものというように考えておるわけであります。なお、無鉛化のためにメーカーが在庫を一掃したという先生の御意見でありますけれども、農業機械の無鉛化の問題は、先ほど農林省から御答弁がありましたとおり、四十九年になってにわかに浮上してきたという問題でありますので、四十五年当時の在庫減少は、そういうような点はないのではないかというように考えております。
#106
○矢原秀男君 四十九年の在庫が、二万も三万も、十万台もあるようなものが一挙にゼロになった、そういうデータは、四十四年、四十五年、そうして田んぼの休耕地の問題、そういうふうな時点を通り過ぎた後でも非常に生産も在庫も皆きちっとふえている。それが、すぱっと谷間に落としたようにゼロになっているということは、これはもう未対策についての機械を早く売り払ってしまわなくちゃいけないと。こういうことの証拠は、政府が農村に対して、農家に対して、未対策のために有鉛のガソリンと無鉛化のガソリンについてはどうするのか、そういう啓蒙やなんか全然徹底してないでしょう。どういうふうにやっておりますか。
#107
○政府委員(松元威雄君) 先ほども申し上げたとおり、無鉛化に伴って農家に悪影響を起こしてはならぬこと、当然でございます。したがいまして、先ほどのように、一方では対策機を早く進めるということと、他方では既導入の有鉛ガソリンを必要とするものに対しては確実に有鉛ガソリンを供給する、しかも末端でそれが的確に行われるということが必要であるわけです。したがいまして、農林省も通産省と協議しまして、その点は十分にPRと申しますか、指示の普及、徹底を図るようにしたわけでございまして、具体的には、まず農林省系統としますと、関係の県等を通じまして市町村に対してもいろいろ文書も流す指導をいたしましたし、片や農業団体におきましても、同様に末端におきまして、あるいは農林放送、あるいは有線放送とか、さらにチラシも配りまして末端に周知徹底を図りまして、末端のスタンドにおいて、もしや無鉛と有鉛とを間違えて配給するということがあってはならぬことでございます。そうならぬように、これは私どももいま言った放送手段、さらにチラシ、文書等、各案をもって指示の普及徹底を図っている次第でございます。
#108
○矢原秀男君 あなたが言われるように、政府が行政指導をしたと認めましょう。認めた上で――私たちはそのために九州へ一カ月行っていたんです。農家の方にどんな指導徹底が国からあったか。あなたは、では行きましたか、流しただけですか、農家のところを調べたんですか。早く言ってください、答弁。
#109
○政府委員(松元威雄君) もちろん私が個々の末端へ行ったわけではございません。中央で流しまして、たとえばチラシ等は数百万枚つくられておりますから、これは末端に行ったというように理解をいたしているわけでございます。
#110
○矢原秀男君 理解でいいんですか。答えてください。
#111
○政府委員(松元威雄君) いまのように、放送でございますとかチラシの配布等でやったわけでございますから大丈夫と思いますが、さらに、末端に徹底しなければいけませんから、現地の実態を十分把握いたしまして、より一層趣旨が徹底するようにいたします。
#112
○矢原秀男君 遅いですよ。在庫ゼロじゃないですか。通産大臣、どのような通達を出されて、あなたは、農家の人たちが犠牲を、損害を受けないように、手厚い行政の指導というものはどのようにされたんですか、答えてください。通産大臣、答えてくださいよ。
#113
○政府委員(森口八郎君) 先ほどの先生の御質問でございますが、通商産業省といたしましても、農業機械のガソリン無鉛化状況の実際については、御指摘のとおり末端に浸透しておるかどうかということをチェックしなければいけませんので、五十年の二月じゅうにおきまして、計五回にわたりまして、担当者を茨城県、愛知県、三重県、富山県、山形県、青森県等に派遣をいたしまして、どういうふうに把握をしておるかということの状況把握に努めております。ただ、御指摘のように、まだ周知の点について十分でない点がございますので、こういう点についてはさらに今後徹底をしていきたいと、関係者を督励していきたいというように考えております。
#114
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど農林省と通産省の政府委員から答弁をいたしましたが、さらに十分徹底させるようにいたします。
#115
○矢原秀男君 農林大臣、どうですか。
#116
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業機械につきましては、現在その無鉛化のガソリンを使う農業機械と有鉛ガソリンを使う機械が農家の方に使われておるわけでございまして、この有鉛ガソリンを便っておるところの既導入の農業者に対しましては周知徹底をさせなければならないということで、先ほど局長も答弁をいたしましたように、農林放送であるとか、あるいは市町村の広報を通じ、さらに農協等々も通じまして周知徹底の方法を行っておるわけでございます。同時にまた、有鉛ガソリンにつきましては、今後やはりその生産が先細りをするわけでございますが、そういう中にあって有鉛ガソリンを使っておる農業機械の農家の方方がガソリンの量を確保できるように、この点につきましては通産省と十分な協議をいたしまして、今後万全の措置を講じていくつもりでございます。
#117
○桑名義治君 関連。
 先ほどからの質疑を聞いておりますと、このガソリンの無鉛化についてのいわゆる行政指導というものが農家になされているということだけであって、なぜこのような無鉛化がどんどん進められている中で、業界にいわゆる販売中止の勧告を出さなかったか、そこが私は一番問題だと思いますが、この点について通産大臣と農林大臣にお伺いいたします。
#118
○国務大臣(河本敏夫君) 従前のタイプの農業用機械の必要といたします有鉛ガソリンにつきましては、これはまあ十分その量が確保できますように手配をいたします。ただ、先ほど来いろいろ質疑応答がございましたが、要するに、従来のタイプのものでございましても有鉛ガソリンを使えば引き続いて相当期間使えるわけでありますから、それは使ってはいけないということではございませんので、その点は十分徹底をさせまして、そういうタイプの農機具を買った農家が迷惑をせられないように、十分農林省とも打ち合わせをいたしまして手配をいたします。
#119
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林省といたしましては、やはり無鉛化対策が進む中にあって、有鉛ガソリンを使っておられるところの農家の方々にこの周知徹底を図らなきゃならないというふうな観点から、先ほど申し上げましたような広報等を通じまして、その趣旨の徹底を図っておるわけでございます。
#120
○矢追秀彦君 関連。
 通産大臣ね、質問者にきちんと答弁していただきたいんですよ。いまの質問は、業界に対して販売中止の行政指導をどうしてしなかったのかと、それに対する答弁としては不服だと思うんですよ、私はね。何だかんだ言われましたけども、悪いものなんでしょう、これ。よくないわけですよね。それがずっと在庫ゼロになるまで売りさばいておいて、そして今日のような状態、質問者が指摘しているような、矢原委員の指摘しているような状況になったわけですから、もっと早い段階に、もう無鉛化なんというのは相当前から言われているわけですから。要するに、業界に対する行政指導は全然なされていないわけです。中止も含めた行政指導をすべきであったと、それをどうしてしなかったのかという質問です。重ねて御答弁いただきたい。
#121
○国務大臣(河本敏夫君) これは、有鉛ガソリンを使う従来の機械は、ガソリンさえ供給すればこの使用期間は使えるわけでございますから、こういうふうな無鉛化が進むという態勢ではありますけれども、従来の機械を引き続いて使ってはいけないということではございませんので、買われた農家が今後は御迷惑をせられませんように、十分有鉛ガソリンを供給いたしまして、そして御迷惑のかからぬようにしたいと、こういうことを申し上げておるわけでございます。つくった機械の販売を中止を命令するというのは私はいささか行き過ぎでないかと、こう思います。
#122
○矢原秀男君 いま通産大臣の答弁を聞いておりますと、四十九年に農家の方が買った未対策の機械というのは十年間は使えるわけです、十年間は。無鉛化は、五十二年度になると一切無鉛化のガソリンにするわけでしょう。そうなれば石油業界は、商売ですから、国が行政指導しても、補助金を出してあげようと言わなければ、有鉛のガソリンタンクを別に設置をするとかいうふうなこと、そうして、すべて石油の状態がそういう体制で流れるわけですから、有鉛のガソリン、そういうふうなものは、やはりどうしても、いま業界はすでにこの対策機械をつくって生産をして出しているわけですからね、何も有鉛のガソリンを使うような農業機械、そういうのが一台になるまで、じゃ見てあげよう、そういうふうな人はおらないわけですから、通産大臣の答弁は全然もう的外れになっているわけです。
 こういうふうな中で、私どもが調査をしたそういう段階では、政府が八百万円も使って資料を流しました、農家の方はみんな万全です、だから四十八年とか四十九年に、買わなくてはいけないなという有鉛用のガソリンを使う農業機械は、無鉛化が始まっているから買わなくてもいいんだと、そういうふうに、今度は無鉛化の製品を買おうというふうに手控えていくような啓蒙は一つもなされていないんです。八百万円でつくり上げた皆さん方の資料の大半が、農協やいろんなところへ積み上げてありました。持って返っておりますが。そうして五十年に販売を推進する、そういう販売員がどう言いました、農家の方に。一つも言っておりませんよ。そうして未対策の機械をどんどん勧めている。私たちの調査の中では、そういうところばかりです。どうなんですか、これ、政府は。
#123
○政府委員(佐藤淳一郎君) われわれもこの無鉛化の実施の段階では、農業用機械につきましての対策が最大の議論になったわけでございまして、問題点、先生のおっしゃったことは十分にわれわれとしては承知しておるつもりでございますけれども、ただ、現実お使いになっている農民の方々の実態を今後十分にフォローいたしまして、しかも最終の実施の時期につきましても、いま先生、五十二年とおっしゃっていますけれども、政府としては五十二年ということはいま決定いたしておりませんので、その点は十分に農業用機械の今後の残存台数をにらみながら、なおかつわれわれとしては、一方その害のないような添加物によりまして同じ効能が発揮できるかというような研究開発も急いでやっております。その辺の両面の情勢を十分に把握した上で、農民の方々に御迷惑をかけない考え方で対処してまいりたいと思います。
#124
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど政府委員が答弁をいたしましたように、今後の取り扱いにつきましては十分配慮をいたしまして、農家が迷惑をされませんようにやっていきたいと思います。
#125
○矢原秀男君 では、農林省、行政指導、この農機具製造大メーカーとの中で、いま申し上げたように四十九年にみごとに未対策の在庫がゼロになった、しかも実績は大きな売り上げである。そうして、農家は一般の機械も入れて七百万台、金額にして五千億円以上、しかも、耐用年数が十年間もかかる、そういうふうな使用年数が十年間かかる機械、そういう中で農家が最大の被害者になっているわけです。そういうことについて、国がどのように、一部的に補償するのか、それとも真心のある行政をやっていくのか、ただこれだけを答弁していただ、きたいと思います。
#126
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、このガソリンの無鉛化対策が進むにつきまして、農家に非常に悪い影響が出てくるということは、何としてもこれは避けなければならぬわけでございまして、そういう点につきましては、農家の皆様方に使用上の問題につきまして周知徹底させるということにつきましては、さらに今後とも行政指導として全力を尽していきたいと思うわけでありますし、また同時に、有鉛ガソリンを使っておられるところの農家につきましては、何としても有鉛ガソリンを使う農機具につきましては耐用年数というものがあるわけでございます。いまもお話がございましたように、相当長期間にわたって今後も使う農業機械があるわけでございますから、こういう農業機械に対しましては、有鉛ガソリンが十分に確保され、そして配給されるということを通産省とも十分協議して、これについても責任を持って万全の措置をとっていきたいと、こういうふうに考えております。
#127
○矢原秀男君 では次に、農業傷害問題をやってまいります。
 いま農林省でつかんでいる農家の人口と、農業の就業人口について答えてください。
#128
○国務大臣(安倍晋太郎君) 昭和四十七年度農家人口が二千四百六十七万人、農業の就業人口が四十七年度で六百八十七万人になっております。
#129
○矢原秀男君 最近の農業機械の普及台数、最新の分をお願いします。
#130
○政府委員(松元威雄君) これは昭和四十九年でございまして、若干推計も入っておりますが、主な種類別に申し上げます。
 トラクターでございますが、歩行型トラクターが三百三十八万台。それから乗用型のトラクターが三十三万台。それから田植え機が四十七万台。それから動力噴霧機が百二十七万台、動力散粉機が百三十八万台。それから稲麦用動力刈取機が百二十五万台。それからコンバインでございますが、これは資料の関係で、一年前、四十八年しかわかっておりませんが、自脱型コンバインが二十四万台、いわゆる普通型の大型コンバインが約千台。それからあと、乾燥機でございますが、これが百七十八万台。主要なものは以上のようでございます。
#131
○矢原秀男君 いま答弁がございましたように、非常に農機具がふえております。私は、そういう中で、まず一点は、農機具を作製する大メーカーに対して、政府が生命安全の立場から行政指導をしているのかどうかということについて質問いたします。
 まず、全国的に農機具による作業中の傷害、明確に答えてください。
#132
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業機械による事故につきましては、現在これを的確に把握する資料に乏しいわけでございますが、厚生省人口動態統計によると、農耕地における農作業中の、交通事故以外の不慮の事故死亡者数は、昭和四十六年に百五十、一名、昭和四十七年に百五十名、昭和四十八年に百九十二名となっておるわけでございますが、この数値には農業機械によるもの以外の事故死亡者が含まれておるわけでございまして、農業機械によるものを区分することはできないわけでございます。農林省といたしましては、昭和四十九年度に、農作業事故の実態を詳細に把握するための農作業事故調査を実施しておりまして、現在集計中でございます。
#133
○矢原秀男君 農林大臣、いまの事故数の御説明を聞きましたけれども、農林省としても不明確です。人命尊重の立場から、徹底的な調査をして実態の把握をまずしてください。どうですか。
#134
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も、現在の段階におきましては、まさに御指摘のとおり、農作業によるところの事故等についての調査は不徹底であると思います。四十九年度に調査をいたしておって、現在集計中でございますが、この点につきましては集計し次第御報告を申し上げます。
#135
○矢原秀男君 四十七年度の状態を見ておりましても、全国死亡数の概算は五千二百にわたっております。また、大分、岡山、富山、北海道、四県の合計、これは四十七年度でございますが、死者が二十八人、手や指や腕を取られたのが二百七十四人、胴体が七十三人、足が百十人、その他六十五人、こういうふうに四十七年だけでも出ているわけです。だから、この問題については、しっかりまず調査をする。そうして対策を考えていただきたいと思います。
 そういう中で、事故の原因についてお尋ねをしたいんでございますが、その一つをとりますと、メーカーによる新しい機種、高級機の相次ぐ開発によって、そうして農家の人が対応できない、こういうことで事故が出ております。このことについてはどういうふうに対策を打っていらっしゃるのか、お伺いします。
#136
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業機械による事故の多発は、もちろん重大な問題でございます。最近は、高性能な農業機械等も出ておるわけでございます。そういう立場に立って、農業者の知識、操作技術の向上を図るとともに、農業機械の安全性を高め、農作業が安全に行えるような条件を整備するということが基本的な課題であろうと思うわけでございまして、このために従来から農林省としてとっております措置は、都道府県に補助をいたしまして、農業者に対する安全の啓蒙普及活動、研修、技能の認定等を実施しておるほか、農作業安全確保のための農業者に対する啓蒙指導の指針として農作業安全基準を、また、安全性の向上を図るための農業機械の構造、装備についての基準として農業機械安全装備基準をつくりまして、安全性に関する指導を行っておるわけでございます。また、農業機械をより安全なものとするよう、検査基準に安全性に関する事項を加え、装備の改良にも力を入れておるわけであります。さらに、農作業安全性に関する調査研究を行っておるわけでございますが、今後とも農作業の事故の実態調査を踏まえて、さらに各般の施策を総合的に推進していかなければならないと、こういうふうに考えております。
#137
○矢原秀男君 いま農林大臣から対策を答えていただきましたが、安全基準は本当に人命尊重の立場の中から煮詰められておるのかどうか、安全装備に対して最近大メーカーに対してどういうふうにやっているのか、答えてください。
#138
○政府委員(松元威雄君) 農作業の安全ということはきわめて重要な問題でございますから、そのために、ただいま大臣が基本的なお考え方を御説明したわけでございますが、さらに具体的に申し上げますと、安全基準の考え方でございますが、これは農作業の安全対策といたしまして、安全性の高い機械の生産を促進するということによりまして、機械の構造、装備等の不備によって起こりまする事故を防止し、それから使用者の不注意等による事故の程度を軽減するために、農業機械に備えられるべき構造、装備等についての基準を定めると、こういう考え方でございます。
 そこで、これを具体的に指導いたしますために、一つには、昭和四十五年度から、農業機械製造業者等に対しまする統一的な指導の指針といたしまして、農業機械安全装備基準というのを定めておりまして、その中で、この構造装備等につきまして安全性を確保するための基準を設けているわけでございます。これは行政指導の指針でございます。
 もう一つには、従来から、機械化の促進を図りますために、機械の性能等についての検査を行いまして、農業者がすぐれた機械を選択するように、いわゆる型式検査を行っているわけでございます。その場合、これまで検査におきましては、農業機械は、たとえば走行のスピードが遅いといった特性がございますから、通常の操作を行います場合には危険も少ないという考え方がございまして、したがいまして、この検査におきまして、もちろん安全性に関する分も含めてはおりましたものの、どうしても中心は性能面でございました。ところが、最近安全性に関する関心が高まってまいりましたものですから、もっと直接的に型式検査の中に安全性に関する事項を取り込むことが必要となりました。したがいまして、それ以前から事実上はメーカーに対しまして安全についての基準を指導していたわけでございますが、さらに的確に、この型式検査の基準の中に安全面の基準を取り入れるということを四十九年度からいたしたわけでございまして、私ども四十五年以来の行政指導で機械の安全に関して装備の基準というものを指導する、同時に型式検査に取り込むということによりまして、安全につきましてはより一層――面接メーカーに対する指導は、これは生産は通産省ではございますけれども、私たち需要者の立場といたしまして、農家が使うわけでございますから、そういった指導をいたしているわけでございます。
#139
○矢原秀男君 言うことだけきちっと言われても、実際にできなかったらだめですね。私具体的に申し上げますから、答えてください。
 新開発の便利な機械、こういうふうなものができて、電動式茶摘み採取機の問題を取り上げてみますと、茶の適栽地が一番事故が多いわけですね。四十五年ごろから導入されて現在まで約四年間に一〇%を超える事故発生率となっている。部落によっては二一%を超えている。これの状態は、静岡、鹿児島、三重、京都、埼玉、たとえば十万台当たりに二千五百件から三千件の事故があるんです。そういう事故の内容の中では、一つは、少々使用を誤ってすぐに指が飛んでなくなるというんでしょう。そうして、ひざ小僧を砕くというんです。太ももの肉をそぐような、そういう状態になっているというんです。それが新しい開発、しかも普及後四年間しかたっていないという若い機械でございます。ところが、安全保持に対してのそういうふうな状態が非常に弱い。こういうふうなことで、実際には指やなんかであれば年間に二千から三千本の指が落ちるというんでしょう。こういうふうなことに対して、メーカーに対して農林省は安全基準の問題とか、安全装備の問題とか、実際どういうふうにやられているのか、通産省でもどちらでもいいです、答えてください。
#140
○政府委員(松元威雄君) ただいま動力茶摘み機につきましての災害のことにつきまして御指摘があったわけでございますが、御指摘のとおり、そういう災害が起こっております。その場合の原因といたしまして、これはやはり操作の問題と、それから機械の問題、両方あるわけでございます。したがいまして、通常の操作をいたし、もちろん事故が起こらぬ場合でございましても、ついどうしてもうっかりするということもございます。現に、はさまれて指を折るということが起こるわけでございます。したがいまして、操作技術を高めることが一点と、もう一点は、いまの動力茶摘み機につきましても、これは新しく、先ほど申し上げました安全装備基準に追加をいたしまして基準は示したわけでございまして、私どもそれに対しまして、この基準に従ってやってほしいという指導はいたしているわけでございます。特に、どうも事故の起こりますのは、危ない部分にカバーがない、あるいは鋭い突起物があるというのが大きな原因でございますから、これに対しては必ずカバーをつけさせるように指導いたしております。したがいまして、私ども、操作技術の向上と、さらに機械のより安全度を高めるように一層指導を徹底しなきゃならぬというふうに思っております。
#141
○矢原秀男君 では、通産省や農林省は、メーカーに対して、こういうふうな事故に対する安全装備の問題について本当にやるんですね、はっきり答えてください。
#142
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほど局長が答弁をいたしましたように、安全操作技術の獲得のための研修その他のあらゆる努力をやっておると同時に、メーカーに対しましても、安全装備基準あるいはまた安全基準等につきまして行政指導をいたしており、また型式検査もいたしておるわけでございますが、しかし、いま御指摘がございましたように、最近における農業機械というものが非常に高性能なものが出ておるわけでございますから、それだけに、先ほどから申し上げましたような指導、行政措置等も強力にやっていかなければならぬと思いますし、同時にまた、現在の検査の体制といったものを、もう一回、事故の実態調査とともに見直していく時期に来ておるというふうに私自身は判断をいたしておるわけでございまして、事務当局に対してもそのことを指示いたしておるわけであります。
#143
○矢原秀男君 そこで、けがをされた方、農業従事者に対する救済でございますが、先ほども話がありましたように、メーカーに対しての不備というものは余り言わずに、使う方が問題であると、こういうふうに言われておりますが、これは一面から考えますと、いわゆる農業近代化を昭和三十年代に打ち出した政府が、農村から高度経済成長のために都市部へ労働力を送り込んでいった、農村には中高年であるとか、婦女子とか、そういう人たちが残ってきた、そうして農業近代化の中で、融資制度、機械を買う、借金が残る、これは一つは日本の農業政策の失敗なんです。逆に言えば、農村は犠牲者なんです。こういうふうな中から^こういうけがをした農業従事者、それに対する関係救済法、そういうものにどういうものがあるか、労働大臣含めて答弁願います。
#144
○政府委員(東村金之助君) お答えいたします。
 農業従事者と申しまする中に、いわゆる労働者の方と自営業者の方があるわけでございます。そこで、労働者の方について見ますと、個人で五人未満の労働者を使っているような方、こういう事業場につきましては、これは任意適用となっておりますが、それ以外につきましては労災保険の強制適用、こういう形になっております。なお、自営業者の方、つまり、労働者を使っているわけではございません自営業者の方は、労災保険法のたてまえで言いますと本来の対象ではございませんが、やはりこういう方も、一定の危険度のある作業に従事しているような場合には、労働基準法上の労働者に準じて補償、保護する必要があるというので、特別加入制度という制度を実施しているところでございます。
#145
○矢原秀男君 農業でけがをした方々、これの救済というのが、国民健康保険の任意給付というところしかないんですね。全供連とか民間保険、任意加入はございますけれども、この任意給付の場合、これに入っていない人が非常に多い。こういうふうなことで、まず一つは、国民健康保険の任意給付に入っている数、そうして二番目には、そういう市町村で補助金を出している数、この二点を答えてください。
#146
○国務大臣(田中正巳君) お説のとおり、国民健康保険では傷病手当金は任意給付制度になっているわけであります。したがいまして、こういうけがをなさった節に、傷病の方はいいんですが、傷病手当金が出ないということでございましょう。現在、この任意給付を採用している保険者、つまりこれは市町村でございますが、全国で三つしかございません。国保組合の方には百十三というふうに、かなりございますが、ほとんどの農民が入っておられると考えまする地域国保、市町村国保においては、傷病手当金の支給をするような仕組みになっているものは三つでございます。
 以上でございます。
#147
○矢原秀男君 いまの実態を見ておりましても、農業近代化の中で、大メーカーで農機具はどんどん売らしている。そうして農家の人たちは非常な被害というものがいろんな角度から出ている。そしてけがをする。しかしながら、救済をされていく制度というものは、いまお話があったとおりです。ですから、国民健康保険の任意給付のところ、そういうところをやっているわずかな市町村、それからまた、やってないところもそれを水準を上げて、そういう自治体に政府が補助金を出す態勢があるか、それとも、そのほかの救済制度を考えていくのか、この点を答えてください。
#148
○国務大臣(田中正巳君) 国保サイドの点についてだけ、主管でございますから申し上げますが、現在国民健康保険は、御案内のとおり、財政が非常に各保険者とも悪く、これ以上の給付を上げるということは私はなかなか困難だというふうに思います。しかし、国民健康保険については、他の健康保険制度と違いまして、使用者がいないということで、四割五分程度の療養給付金等を出しておりますし、そのほかに相当多額の臨時財政調整交付金を交付いたしておりまするが、なお各地域保険の保険者は財政が全くどうも、かつかつでございますし、また、この種の保険者についてはこれ以上保険料を増徴するということもなかなか困難であるということから、国保制度の抜本的見直しを待たない限り、これに傷病手当金制度を導入せよということを申すわけには私はなかなか実際問題としてできないのが実情だというふうに申し上げます。
#149
○矢原秀男君 最後に、農林大臣、あなたの所轄の立場から、こういうふうな被害者の人たち、そういうふうな全国的な農業者の方々に対して、手厚い、温かい、そういう手を差し伸べる、こういうことは、いままでの実態とかいろいろな質疑でおわかりだと思いますが、どういうふうに対処されて救済をするのか、そういう一つの方途をはっきりと言ってください。
#150
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業機械による事故が起こらないように万全の措置を講じていくということが大前提でございまして、それに対しましては、先ほどから申し上げましたように、検査体制等についてもひとつ十分再検討も加えて、われわれとしても対策を強化していきたいと考えておるわけでございますが、不幸にして事故が発生した場合の農業者の災害補償につきましては、先ほど労働省からもお答えをいたしましたように、労働者災害補償保険法による補償制度への特別加入の道が開かれておりまして、昭和四十九年四月より適用対象機種の範囲が拡大をされ、主要な農業機械については適用をされておるわけでございます。同時にまた、農協共済等につきましても、労災保険を補完する意味もあるので、その活用につきましては十分指導をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#151
○国務大臣(長谷川峻君) 農業機械による災害についての大変な御心配をいただきましたが、ただいままで労働省の局長からも御答弁申し上げましたが、労災において保険給付を特別加入してやってもらってもおりますが、さらにいまお話しのような危険度の高い、あるいは重度の障害を起こす、そういうおそれのある動力耕運機その他の農業用トラクターを使用して行うものに特別加入を認めておりますし、さらに、いま農林大臣からお話のあったように、四十九年の四月一日からは自走式田植え機、動力脱穀機等、六種類の農業機械についても適用の拡大を図って――けがをされないことが第一でございますが、そういうけがをした人にはこういうことによって保険給付をして守ってあげたい、こう思っております。
#152
○矢原秀男君 いま労働大臣から労災保険の特別加入の枠について非常に前向きなお話をいただきまして、私も喜んでおります。この問題はこれで打ち切ります。
 続いて、水島コンビナートの問題を取り上げますが、国会でまだ質疑もされておらない問題点も含めて質疑を重ねてまいりたいと思います。
 まず、水島事故原因について、どこに原因があったのか、お答えください。
#153
○政府委員(佐々木喜久治君) 今回の三菱石油水島製油所の事故につきましては、その原因調査のために事故原因調査委員会を設けまして、現在までに委員会を八回開催いたしました。また、さらにその専門に応じまして数回の現地調査も実施いたして、現在鋭意究明に努めているところでございまして、大体今月中に一応の中間報告を出していただきたいというふうに考えております。
#154
○矢原秀男君 被害補償はどのようにされましたか。
#155
○政府委員(内村良英君) 今回の水島事故によります漁業被害につきましては、現在被害を受けました四県の漁連が日本海事検定協会に、三菱石油がインテコに依頼いたしまして、漁業被害額を調査中でございます。そこで、この調査が完了次第、最終的な補償交渉が行われることになっておりまして、私どもが聞いているところでは、大体四月の中旬にははっきり被害額が確定するというふうに聞いております。
#156
○矢原秀男君 二月の二十一日から二十三日、瀬戸内海に台風並みの風速、秒速二十一メートル等の風も吹いたわけでございますが、五色、一宮の漁業組合でノリの被害が数億円に及びました。この問題についてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#157
○政府委員(内村良英君) 去る二月二十四日に、淡路島の西岸で養殖ノリに油が付着する被害が発生したとの報告を受けております。そこで、水産庁は瀬戸内海漁業調整事務局を通じまして被害状況の把握に努めるとともに、係官を派遣して実態の把握に当たっております。私どもが県から受けている報告によりますと、被害柵数は一万七千五百九十四柵でございまして、被害額はまだ正確な報告を受けておりません。
 そこで、この油の原因が何であるかということでございますが、油はC重油でございます。C重油は水島事故の際三菱石油の製油所から流れた油と同じでございます。そこで、マットが流れてきまして、そのマットが原因ではないかということが想定されるわけでございます。そこで、漂着したマットにつきましては水島重油流出事故の際に使用された吸着マットと同一のものであることに三菱石油側も異論はないとの報告を受けております。そこで、そのC重油が三菱石油から流れたC重油と同じであるかどうかということにつきまして、漂着油につきましては水島事故の流出油との関係を海上保安部の海上保安大学校に精密検査を依頼しております。この検査はあと二週間ぐらいで結果がわかるということを聞いておりまして、私どもといたしましては、その結果を待って、汚染者負担の原則にのっとって被害補償については措置すべきものというふうに考えております。
#158
○矢原秀男君 吸着マットと一緒にノリの被害があったということでございますから、それだけでも、三菱のこの流出事故、それに原因がある、因果関係がある、こういうふうに考えるわけですが、どうですか。
#159
○政府委員(内村良英君) 私どもが承知しておりますところでは、ノリの柵があるところを吸着マットが通りまして、それが海岸に漂着しているということなので、多分そうではないかと思いますけれども、なお詳細な点につきましては、そのC重油の成分について分析中でございますので、これも二週間ぐらいで結果がわかるということでございますから、その結果を待って正確に判断すべき問題と考えております。
#160
○矢原秀男君 私は、吸着マットが大量にノリの周辺に流れて被害が起きた、それだけで十分であるのに、C重油の問題については、三菱はその日に来て、その明くる日に、いやこれは三菱の重油とは違います、こういうことです。県は、国の態度がわかりませんからといって態度をはっきりしない。そういうふうな中で、三菱にC重油はどうなのかと言えば、硫黄分の含有率がうちのとは違います、こういうふうに言っているわけです。これは化学的に学問的に見ても、長い間そういう波の中でいろいろ揺さぶられた重油というものが硫黄分が分離しないのかどうなのか、こういう問題はどうなんですか。
#161
○政府委員(内村良英君) 私、専門家でございませんので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、私どもが聞いているところでは、化学的にそのようなことがあるということを聞いております。
#162
○矢原秀男君 三菱は、とにかく瀬戸内海のこういう被害については、時期がはずれているからうちの油と違う、こういうふうに言われているけれども、現実には吸着マットを持ってきておりますけれども、現場に行って私は見ているんです。そうして、化学的な変化をしたあの油のかたまりもついている。それでも分析をしなかったら、うちのとは違いますというふうにして県も国もみんな実際は右へならえではないですか。もう一回はっきりと、この問題について三菱に補償させるのかどうか、答えてください。
#163
○政府委員(内村良英君) 私どもは分析結果を待って、三菱に汚染者負担の原則によって補償を請求すべきものと考えております。
#164
○矢原秀男君 では、吸着マットはどこの吸着マットなんですか。アメリカなんですか。言うてください、はっきり。
#165
○政府委員(内村良英君) 三菱側は、吸着マットは三菱のあの油の事故の際使ったものであるということを認めております。
#166
○矢原秀男君 では、風や波やそういうふうな動きの中で吸着マットに多量に含まれた油、そういうものがノリに被害を与えたということははっきりしているんでしょう。答えてください。
#167
○政府委員(内村良英君) 状況から見ますと、私どもも先生御指摘のことと同じような判断を持っております。しかし、三菱側がその分析を求めておりますので、分析結果を待って最終的には決定すべきものと、状況的には先生御指摘のとおりという判断を私ども持っております。
#168
○矢原秀男君 とにかく、この問題では現地へも赴いて、皆さん方もよく事情を聞いていただきたいと思います。
 三菱石油の今回のタンクで、問題点になりますのは地盤関係でございますけれども、地盤関係について政府はどういうふうな掌握をされておられますか。
#169
○政府委員(佐々木喜久治君) タンクの地盤につきましては、その基礎工事も含めまして原因の一つとして予想されるところでございますので、現在その地盤関係も原因究明の対象として、私どもいま調査をやっております。
#170
○矢原秀男君 基礎を担当しました千代田化工の地質資料というものを私手に入れておりますけれども、これを見る限りでは、非常に軟弱な土地である、重量物を加えたものだけで自然的に十六メーターまでは沈んでいく、こういうふうなデータがきちっと出ているわけです。こういうことについて今後とも深く研究をされて対処されるのか、答えてください。
#171
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在のタンクの安全基準におきまして、その基礎につきましての基準がやや明確を欠いているという点もございますので、今回の事故調査委員会の結論を待ちまして、基礎につきましては、その施工基準も含めまして具体的な安全基準をつくっていきたいというふうに考えております。
#172
○矢原秀男君 時間がないので進めてまいりますが、安全基準について私も尼崎や水島、調査の比較をしておりますが、尼崎では三十五メーター、コンクリートのくいを打っているところは、沈下が一センチしかしてないんです。一年間も地固めのためにそのままにしている。水島は全然違うんです、ここでもう時間がありませんから言いませんが、新聞報道や皆さん方の調査で。大企業がそういうふうなことをして、尼崎のように地盤が低いところでは非常に慎重にして対処している。どういうふうに考えておられますか。
#173
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、御指摘のタンクの基礎工事につきましては、地盤沈下の状況を総点検いたしておりますが、それと並行いたしまして、基礎工事の内容についての調査もあわせていま行っております。ただいま御指摘のとおり、基礎工事につきまして相当注意を払った工事を行っているところは、大体――まだ総体的な数字は出ておりませんけれども、大体中間的には地盤沈下が非常に少ないという結果が出ているようでございます。そういう意味におきまして、基礎工事につきましても具体的な安全基準を決めていく必要があるというふうに考えております。
#174
○矢原秀男君 今後APIの基準を生かしていくのかどうか、答えてください。
#175
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、ほとんどのタンクがAPI基準によって大型タンクの場合には工事が行われておりますけれども、このAPI基準につきまして、日本の地盤というものに合わせてある程度のこれは修正を加えた、新しいいわば日本的なAPI基準というものを作成する必要があるのではないかと、こういうことで、これからそうした安全基準についての具体的な基準作成の作業に入りたいというふうに考えております。
#176
○桑名義治君 関連。
 いま質問者が、今回の事故につきましての最大の原因は、それは地盤沈下の問題ではないかと、こういうふうに疑問を投げかけているわけでございますが、皆さんもすでに御存じと思いますが、千葉大学の川崎助教授が、航空写真で千葉のコンビナートについての調査を行っているわけでございます。この提起している問題を基礎にして考えますと、いまから先のいわゆるコンビナート建設に対する調査の概要、あるいはまた参考にしなければならない問題として、もちろんいままでのコンビナートの総点検をすることは当然でございますが、地盤については土質の圧力、あるいは水脈の高低、それから土質改良、こういった一連の調査をやった上でさらに決定をしていく、こういつた方法がなされなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、その点についての考え方はどのようになさっておられるか、まず質問しておきたいと思います。
#177
○政府委員(佐々木喜久治君) タンク建設に当たっての全体的な地質、地盤の調査という点につきましては、やはり今後そういう点検を行いながら、それに対応する基礎工事というものが必要であろうというふうに考えております。したがいまして、今後安全基準を具体化いたします段階におきまして、そういう配慮を十分行ってまいりたいというふうに考えております。
#178
○桑名義治君 今後の問題もさることながら、現益のコンビナートに対する総点検がもう一度必要だと思うんです。前回消防庁の行いました総点検というものは、コンビナートがどの程度のいわゆる沈下をしているかという、言うならば、病院の先生の診察ならば、ちょうど打診をしたような程度であるということは消防庁の長官自身がおっしゃっているわけでございますから、当然この千葉大学の助教授が航空写真を撮ってみて、埋立地におけるコンビナートの地盤が相当な緩みを生じているということが明らかになっているわけですから、全国的にこれを調査をする必要が私はあると思う。そういった意味で今後とも――今後の問題もさることながら、現在のコンビナートがほとんど埋立地にでき上がっているわけですから、そういった調査も必要だと思いますが、この点については通産大臣、どのようにお考えでございますか。
#179
○国務大臣(河本敏夫君) 産業政策上から考えまして、コンビナートにおける保安対策というものは、これからの最大の課題であろうと思います。そういう観点にかんがみまして、いま自治省を中心といたしまして、コンビナートにおける防災体制をどうすべきかということについて総合的に検討しておられるわけでございますが、通産省もそれに積極的に協力いたしまして、今後コンビナートにおける防災体制の万全を期してまいりたいと、かように考えております。
#180
○矢原秀男君 国の責任というのは、たとえば埋立地にコンビナート地区を建設する、そういうときには、測定点を設けてプラス、マイナスの変動がどれだけあるか、毎年やるのがあたりまえなんです。全然やってないんです。これはどうなんですか、国は。
#181
○政府委員(佐々木喜久治君) コンビナート地帯につきましての安全の点検という問題につきましては、御指摘のとおり、建設当時における調査以後における消防機関による点検は行っておりません。したがいまして、消防機関といたしましては随時予防査察という観点で行っておりますけれども、そうした地盤関係についての調査を行っておらないという点は、確かに問題があったというふうに考えています。今後コンビナートにつきましての防災法等の制定に当たりましては、事後における点検義務並びに国または地方公共団体側における定期検査というものは実施するような体制をとってまいりたいというふうに考えております。
#182
○矢原秀男君 これは必ずとっていただきたいと思います。
 法規の問題で、多くを挙げることはできませんが、私の調査で二点だけ改正をお願いしたいと思いますが、消防法における危険物の規制に関する規則の、どの点がこれに該当するけれども、どのように改正しなければならないか、答えてください。
#183
○政府委員(佐々木喜久治君) タンクにつきましての技術基準というものが、石油タンクの大型化に対応しきれないという面がございました。この点は私ども十分反省をし、今後この具体的な技術基準の設定を急いでまいりたいというふうに考えております。さらに、今回の流出事故に当たりまして、防油堤につきまして、やはり一個の防油堤だけでは防災体制上は非常に不十分であるというようなことが実証されてまいりましたので、二次防油堤というものについてどういう基準でこれをつくるかということについて、これは早急に結論を出して具体的な実施に移してまいりたいというふうに考えております。
#184
○矢原秀男君 危険物の二十一条で問題になるのは、「堅固な地盤又は基礎の上に固定したものとする。」というふうにして、非常にあいまいなんですね。この点についてはどうなんですか。
#185
○政府委員(佐々木喜久治君) 地盤の問題、基礎工事の問題につきましては、ただいま御指摘のとおり、非常にその基準が明確を欠いているという点は私どもも感じております。したがいまして、今後そうした安全基準をつくります場合には、基礎工事につきましても具体的な施工基準というものをつくってまいりたいというふうに考えております。
#186
○矢原秀男君 これは地震と風圧についての「堅固な地盤」また「基礎の上」ですから、みんな骨抜きになっているわけです。ですからこれは断固として改正をしていただかなくちゃなりません。その理由は、これに取り締まり法規がないから、「日本損害保険協会による指針」、これは問題を起こした千代田化工の一人の方が執筆者なんです。それが言っているんです。「消防法では、タンクは堅固な地盤また基礎の上に固定したものとするとあるが、別に基礎の形式または計算法などの規定はない。」と言っているんです。だから「タンク径の二百分の一程度までの不等沈下を許容限度としている。」、このぐらいにしなさいというふうな骨抜きのことをやっているんです。両方変えなさい、国で。いいですか、答えて下さい。
#187
○政府委員(佐々木喜久治君) 基礎工事につきましては、具体的な施工基準をつくってまいるというつもりでございます。現在、ただいま指摘されました二百分の一の問題でございますが、これは別に安全基準でも何でもございませんで、一応二百分の一以上の不等沈下がありました場合には精密検査をしていきたい、こういうことで、いま暫定的に基準を定めて総点検を実施をしているということでございまして、これらの具体的な基準につきましては、タンクの安全基準を作成いたします場合にさらに具体化してまいりたいというふうに考えております。
#188
○矢原秀男君 私がいま激しく言っておりますのは、九十日備蓄で今度も全国に拠点がきめられているからです。それを明確にして下さい。基地、候補地。
#189
○政府委員(増田実君) 九十日備蓄を達成いたしますために、現在六十日ありますものをさらに三十日ふやすということで、この計画を五年間やるという計画を立てておるわけでございますが、現実に先生いまお尋ねの、どこの地域に石油基地を設けるかについては、現在まだ何ら決定はいたしておりません。
#190
○矢原秀男君 通産大臣、資料にあるじゃないですか。二十一の基地が全国でどことどこときちっとしているんですが、答えて下さい。
#191
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどエネルギー庁の長官が答弁をいたしましたように、これからの五ヵ年計画による備蓄の増強計画、これをどこにするかということは、これは決定しておらぬわけであります。これからきめるわけであります。
#192
○矢原秀男君 資料に出ているじゃないですか。答えて下さい。二十一候補地。それよりふえておればまだやってください。
#193
○政府委員(増田実君) この備蓄政策につきましては、いろいろのところから私ども相談も受けておりますし、また備蓄の候補地として名のりを上げている地域もあるわけでございますが、いま先生のおっしゃいましたような何地点というものを私どもの方で備蓄予定地としてはつくっておるわけでございません。ただ、そういういろいろ話がありましたものを参考資料にまとめたものがあるいはあるかと思いますが、それはいまお尋ねになりました基地としての候補地として決定いたしておるわけでございませんし、また、いまの二十一地点が検討の対象になっているというものも基礎になっているわけではございません。
#194
○矢原秀男君 この資料は白紙ではないわけですから、はっきりと答えて下さいよ。そうしないとコンビナートのこの問題というのは、水島が解決しないのに全国にこのように、相談を受けたのではなしに通産省が石連に指導して、石連とタイアップしてつくっているんでしょう。それは生きているんですから。二十一項目明確になっております。これはあまり皆さん方が本当に水島を解決せずにこういうことをやっている。そうなってくると私は、全国で石油の業者が八十四団体に寄付をしているわけです、福田さんとか、大平さんとか、三木総理とか。疑わざるを得ないですよ、こういうことになると。コンビナートをつくっていく、きちっとした安全体系もやらないのに、平気でこういう資料が業界と政府の方に厳存しているわけでしょう。答えなさいよ、はっきり。白紙なら白紙と。
#195
○政府委員(増田実君) いまの先生のお持ちの資料については私ども存じませんが、三、四年前にCTS候補地ということでまとめた資料がありますが、あるいはそれではないかと思います。それで、先ほどから御答弁申し上げておりますように、石油基地をどこに設けるかということについてはまだ何ら決定をしておりません。
#196
○矢原秀男君 では、これはもう白紙で、水島のそういうふうな問題点がはっきりして国民が安心するまでは、一切九十日備蓄の基地についてはこれはすべて撤回であると、そういうことですね。
#197
○政府委員(増田実君) 私が申し上げましたのは、いまの資料につきましては、これは過去のCTSの関係の資料としてつくられたものでありまして、今回の九十日備蓄政策につきましての関連資料ではございません。それから今後の九十日備蓄につきましては、私どもはこの保安、防災の問題その他十分検討いたしまして、これをやっていきたいというふうに思っております。
#198
○矢原秀男君 一兆五千億円以上の問題について、業界にはきちっと通産省から行っているじゃないですか。では、これをもう白紙にしなさいよ、これ。水島が解決できないのに、こういうものを平気で業界では進めていっているんですが、それが一兆五千億円以上のあなた方の予算計画じゃないですか。もう一度はっきりと答えてください。
#199
○政府委員(増田実君) 九十日備蓄につきましては、これは保安の問題、防災の問題、非常に重要でございますが、また、石油を日本がほとんど全部外国に依存しております現状におきまして、やはり備蓄政策は進めていかなければならないと思います。ただ先生が御指摘になりましたように、防災の問題につきましては十分にこれに対する対策を行いまして、そしてこれを進めていきたい、こういうふうに思います。
#200
○矢原秀男君 最後に通産大臣、二十一の候補地を、通産省の資料というものが業界に渡り、業界もそれに対応してつくり、そうしてこういうふうな現況の中で、日本列島改造の計画と全く同じものがここになされている。田中総理のときと三木総理大臣のときの計画、一つも変わってない。田中総理以上のことを三木総理の中でこれはやっておられるんです。そういうふうな問題点は、きょうは時間がないからはっきりしませんけれども、明確にきちっとなっているんです。そういう中で、この二十一の候補地というものがこのように発表されておりますけれども、これは本当に通産大臣、事実なんでしょう。これで推進しているんでしょう。はっきり言ってくださいよ。
#201
○国務大臣(河本敏夫君) それは備蓄計画を二十一の個所に限って推進しておるという事実はありません。ただ、いまお願いしております予算も通り、それから新しい法律もできましたならば、それに従いまして九十日備蓄ということはどうしてもこれはやらなければならぬことでございますから、防災等を十分考慮しながらぜひ実現をしたいと、かように考えております。
#202
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして矢原秀男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十七分開会
#203
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。神谷信之助君。
#204
○神谷信之助君 まず最初に、福田副総理にお尋ねしたいと思います。
 今日、地方財政の危機はきわめて深刻になっておりますが、この問題についての政府の見解と、これを打開するための具体的な対策について、まずお伺いしたいと思います。
#205
○国務大臣(福田赳夫君) 御説のとおり、地方財政も大変な深刻な状態でありますが、これから先を考えますと、ますますこれはむずかしくなるんじゃないか、つまり、経済が低成長時代になる、そうしますと、財源もしたがって小さくなる。したがって、これは国もそうでありますが、地方も、もう本当に時代が変わってきたんだという認識で財政を洗い直してみる必要があるんじゃないか、そういうふうに考えます。
 そういう角度に立ちまして地方財政というものを考えるときは、問題の所在は国と大体似ているというふうに思いますが、いままでの調子の高度成長というか、その線に従ってでき上がってきておる諸制度、また諸慣行、そういうものを、これはもうここで考え直してみる必要があるんじゃないかと、こういうふうに思います。非常に財政もふくらんできております。そういうことはどうしてそういうふうになったのか、わりあいに気楽な、安易なというか、そういう気持ちでやってきた、これはああいう時世でありましたから当然でございましたでしょうが、もうそうは.いかないんだという意識のもとに、例の見直し、考え直し、こういうことが必要になってきているんだろうと思います。地方財政の問題に関連いたしまして、国の地方財政に対するいろいろの見直しということも必要だろうと思います。たとえば超過負担の問題、そういう問題について思いを新たにして、これが是正に取り組まなきゃならぬと、こういう問題もあります。あるいは、いま地方で人件費が伸びている、そういう問題もあります。その半面には、地方と中央との仕事の配分、その配分の結果、地方に人を必要とする、こういうようなことも出てきたと思います。それから中央でも考えなきゃならぬ問題がありますが、基本的には地方が、先ほども申し上げましたように、これはもう見直しだ、特にいま人件費問題というのが非常に大きな話題になっておりますが、そういう問題につきましては、これはとにかく地方がみずからの立場において見直しをするということが必要であろうかと、かように考えます。
#206
○神谷信之助君 地方財政の今日の深刻な危機について、政府の責任についてはどうお考えですか。
#207
○国務大臣(福田赳夫君) 国の運営、社会の運営につきまして、国と地方は車の両輪だと、そういう立場にありますので、国と地方との間の仕事の交錯、これは非常に濃度の高いものがある。そういう状況でありますから、これは地方財政といいますけれども、やっぱり国が地方財政の見直し、出直しといいますか、そういうことに協力をするという姿勢はどうしても必要である。また、国の諸問題につきましても地方が協力する、こういう立場が必要であろう、こういうふうに思いますが、何か、いま地方財政が非常にむずかしい段階であると、その責任は一体どこにあるんだというようなことを考えますと、それはいろいろお互いに交錯している行政でございまするから、お互いにいろいろこれからやっていかなきゃならぬ問題、こういうことが出てくるだろうと思いますが、そういう問題を一つ一つ誠実にお互いに片づけていくということがお互いの責任である、そういうふうに考えます。
#208
○神谷信之助君 お互いに責任があるという言い方では納得することはできません。具体的に超過負担の解消の問題や、その他おっしゃっている見直しの具体的な対策は、五十年度でどのようにお考えか、その点をお聞きしたいと思います。
#209
○国務大臣(福田一君) 五十年度の地方財政計画の中におきまして、超過負担の問題については、学校とか保育所、住宅というような問題については、四十九年度の補正予算のときに二〇数%の超過負担の解消――この問題は単価ですよ、単価の解消を行ったんですが、まあ五十年度は国の経済成長、それから物価の上昇というようなものを見た場合に、大体八%から九%くらいは伸びるんじゃないか、上がるのではないかということもありますから、八・五%を加えて、そしていわゆる施設費についてはめんどうを見ました。しかし、運営費の問題につきましては、これは五十年と五十一年でできるだけ解消をする、もちろん五十年度においてはめんどう見てありますが、同時に、五十年と五十一年で解消する、ということで予算を組んで出しておるわけでございます。
#210
○神谷信之助君 地方制度調査会では今日まで、国庫補助制度の整理合理化、莫大な委任事務の見直し、そしてまた地方への権限の移譲、さらには超過負担の解消、税財源の地方配分への強化など、地方行政制度、それから財政、税制制度についての根本問題の解決について繰り返し答申をしてきているわけです。こういう危機打開については、このような基本的な問題について抜本的に改善をしなければならぬと思うのですけれども、この点についてのお考えはいかがですか。
#211
○国務大臣(福田一君) 地方制度調査会の答申がございますたびに、われわれとしてはできる限り可能なものからこれを実行に移してまいっておるつもりでございまして、もし、細かい資料が必要ならば政府委員から答弁させます。
#212
○神谷信之助君 政府のそういう考え方では、今日の深刻な地方財政の危機の問題を解決することもできませんし、先ほど福田副総理がおっしゃった見直しの内容というのも、その程度の範囲ではこれは大変なことだと私は思うんです。
 そこで、超過負担の非常に大きい一つの典型例として、保育所の超過負担問題、特に運営費問題を通じて明らかにしていきたいと思うんです。
 そこで厚生大臣にお伺いをいたしますが、昨年、全国の五十七市が、「保育所の設置及び運営に要する経費にかかる国の支出金の算定に関する意見書」というのを地方財政法の第二十条に基づいて内閣に提出をし、その改善を迫っております。厚生大臣はこれをどう受けとめておられるか、まずお伺いしたいと思います。
#213
○国務大臣(田中正巳君) 確かに、旭川市長ほか五十六市長の意見書というものをいただいております。これについては、できるだけこれを、一日も早くこうした趣旨を生かすようにしなければならないというふうに思っておるわけであります。
#214
○神谷信之助君 厚生大臣、具体的に五十年度の予算案でこれがどのように改善をされているんですか。
#215
○国務大臣(田中正巳君) 保育所関係の超過負担、これは幾つかの面から考えられるわけでございまして、まず、施設整備費につきましての超過負担、運営費の超過負担等々がございます。
 そこで、施設整備費の超過負担問題につきましては、四十九年度に、当初一四%ですか、これを補正で、また年度当初から二七%、つまり四五・五%四十九年度ではやりまして、かなりなアプローチがききましたが、ことしまた、これについてさらに八・四%程度の単価アップをいたしましたものですから、単価については私はほぼ実勢に近くなってきたというふうに思っております。しかし、問題はまだそのほかに残っているはずでございまして、たとえば対象基準面積等々についてやはり改善を加えなければならない問題があろうと思われますが、この面についての単価問題については、今後またこれが上がりましたらさらに修正をいたしていきますが、現在のところ、大体において単価問題は実勢値に近くなってきたというふうに思っておりまして、対象等について今後考究をしなければならぬというふうに思っております。
 運営費につきましてもいろいろと超過負担問題がございましたので、四十九年度に実態調査をいたしまして、五十年度を初年度とする二カ年計画をやりまして、その一部を実施しているわけであります。施設長、調理員の本俸の格づけ是正とか、また管理費のうちの庁費なら庁費とか、補修費の増額ということを行うことによって、この問題の解消に努めておるわけであります。
 そのほかもう一つ、これは後でまた御質問があろうかと思いますが、いわゆる職員の定数問題に絡んだ問題もございまして、これについても、二カ年計画でございますが、ある程度のことをやって、逐次解消に努めているところでございます。
#216
○神谷信之助君 ところで、厚生大臣にお伺いしますが、保育所に働いている職員の健康状態について調査をなさったことがありますか。
#217
○国務大臣(田中正巳君) 保育所に働く職員の健康調査ということについてはやっておらないはずでございます。
#218
○神谷信之助君 国民の保健衛生について責任を持つ厚生省が、自分のところの担当の保育所で働いている職員の健康状態について調査をしていないというのはきわめて怠慢だと言わなきゃならぬと思うんです。そこで、保育所の人たちの健康状態、今日、保育所の保母さんの不足というのはもう慢性的な状況になっていますが、その主要な原因である健康破壊について、これは、保育所に働く人たち自身の手で調査をされているわけです、厚生省がやらぬものですから。それを見ますと、これは東京都の保育労働組合の健康調査ですが、約八〇%の人たちが異常な状態の自覚症状を訴えています。それについて、調査をした保母さんの五〇%以上の人が訴えている項目というのは十一項目ですね。腰痛だとか、あるいは体がだるいとか、そういう問題です。そして現在、腰痛症とか頸腕症候群に冒されている保母さん、あるいは失調症に陥っている人たち、こういう人々が激増してきています。こういう状況をなくして少しでも健康を回復をしていくためには、保育所の場合は特に休憩時間を確保するというのがきわめて重要になっているわけです。あるいは、休暇をちゃんととれるような状態にする、これが非常に重要になっていますが、そういう点で、ひとつ労働大臣にお伺いしたいと思うんです。基準監督局の方で、特にこの社会福祉施設についての労働基準法違反の調査、監督、これをなさっていると思いますが、やっておられますか。
#219
○国務大臣(長谷川峻君) 特別にやっているわけじゃありませんが、ときには一つの局がそういうことに熱心にいろいろな問題を研究している、そういう事例はあります。
#220
○神谷信之助君 特に基準局の監督の業務で今日重点に挙げて進めておられる施策、それの中には基準法違反の多いワーストスリーの一つとして、この社会福祉施設の労働基準法違反について特別に調査をし、そして改善の監督をする、こういうことをやっておられるんじゃないですか。
#221
○政府委員(東村金之助君) お答えいたします。
 社会福祉施設に対しましては、御指摘のように、いろいろ従来から労働基準法上問題がございました。そこで、われわれといたしましても一つの重点といたしまして、監督、指導を実施してまいりました。その結果、労働時間であるとか休日割り増し賃金、こういう点において違反ないし不適正な点が認められております。これに対しましては、その都度是正勧告というものを出しております。また、問題がやはり人員確保等に関連してまいりますので、厚生省等に対してもその辺のことを配慮方お願いしているところでございまして、先ほど厚生大臣から御答弁がございましたが、せっかく御努力願っているところでございます。
#222
○神谷信之助君 社会福祉施設に対する監督、指導結果によれば、違反の施設というのは全体で何%になっていますか。
#223
○政府委員(東村金之助君) 違反の出し方でございますが、少しでも違反があるというものを全部拾い上げますると、全体で七九・四%という数字でございます。これは少しでも問題があるという数字でございます。
#224
○神谷信之助君 続いて、そのうち保育所の場合の基準法違反など、違反の施設というのは何%ですか。私立、公立に分けて言ってもらいたいと思います。
#225
○政府委員(東村金之助君) 保育所についての違反の率は、公立が六二・〇%、私立が七六・二%と相なっております。
#226
○神谷信之助君 公立の保育所でも六二%からめ基準法違反の施設があるわけです。
 そこで引き続いて、保育所の場合の違反ですが、どんな法違反が多いですか。
#227
○政府委員(東村金之助君) 保育所について申し上げますと、労働時間の関係、休憩の関係、割り増し賃金の関係、健康診断の関係等が目立つところでございます。
#228
○神谷信之助君 それぞれひとつパーセントも一緒に報告してもらいたいと思うんです、公立と私立に分けて。
#229
○政府委員(東村金之助君) 労働時間について申し上げますと、これは男子と女子というふうになっておりまして、細かい数字は、私立……
#230
○神谷信之助君 女子でいいですよ。
#231
○政府委員(東村金之助君) 私立だけについて申し上げますと、女子については、残業の協定がないと時間外労働をさせることができないわけでございますが、その協定がないというのが三一・七%、それから労働基準法六十一条という法律によりますと、女子については、協定があっても一日二時間、週六時間、年百五十時間以上はやらせてはならないわけでございますが、それを上回るものが三・九%、それから休憩については二六・四%、これは時間が不足しているというようなものでございます。それから自由利用がなされていないというのが三〇・四%、割り増し賃金が法定以下であるというのが一一・四%等々でございます。
#232
○神谷信之助君 その休憩時間のは、公立の場合はどうですか。
#233
○政府委員(東村金之助君) 休憩時間は、公立保育所でございますが、二七・四%でございます。それから自由利用がなされていないというのが、公立で二九・八%となっております。
#234
○神谷信之助君 さらに、政府委員にお尋ねしますが、京都の基準局で調査をしておりますが、この休暇の問題についての結果を報告してもらいたいと思います。
#235
○政府委員(東村金之助君) ただいまの、年次有給休暇のことだと思いますが、昭和四十八年九月の一カ月間について見ますと、私立保育所の労働者九百二十二人について、そのうち百九十九名、つまり二一・六%の方がこの一カ月間に有給休暇をとっていると、こういうことが報告されております。
#236
○神谷信之助君 続いて、保母さんの職業病の申請の状況と、その認定の状況について報告してください。
#237
○政府委員(東村金之助君) 保母さんの職業病については、主として腰痛の問題がございます。実は、保育所の保母さんについてどういう数字になっているかということを申し上げたいと思うわけでございますが、これ、ちょっと特別集計しておりませんので、全体の、つまり保育所の保母さんだけでなくて、全体の数字で恐れ入りますが、それは休業四日以上のものでございまして、労災保険を給付している件数が昭和四十六年度三千三百十二件、昭和四十七年度三千二百七十六件、昭和四十八年度四千六百六十件と、こういうふうになっております。
#238
○神谷信之助君 いま報告をしてもらいましたように、保育所で働く人たちの労働条件というのは大変ひどい状況になってきているわけです。で、年休をとっても補充ができないというのが、年休制度のある施設でも――年休制度のない施設もあるんですよ。年休制度がちゃんとある施設でも、そのうちの半数以上が補充をされていないという状況がこの資料からも明らかになっています。ですから、一人が病気で倒れて欠席をしますと、その職場に次から次と病気で倒れる人が生まれてくる、そういう状況が生まれています。先日も、岐阜県で五人の保母さんを使っている園長さんが、三人の保母さんがそういうことでやめると、補充がきかないということで自殺をするという悲劇も起こっているわけです。こういう状況ですね。労働基準法の違反が保育所の職場の中に、特に休憩時間もとれない、年休もとれないという状況、この中でこういう状況が生まれているんですが、この基準法違反の原因について、労働大臣、どういうようにお考えですか。
#239
○国務大臣(長谷川峻君) 保育所は、いま非常に要請もされておりますし、そしてまた働く諸君が、労働時間の問題あるいは賃金の問題、有給休暇の問題、私どもで調べた関係では非常に違反が多い。ですからこれは、私の方ではただ摘発するだけが能じゃございませんから、常時いろんな問題があった場合に厚生省の所管課長と私の方の課長が実情をずうっと報告し合って、そして来年度予算にはこういうことをしようというふうに私の方からも申し上げ、そしてときには、予算編成のときには厚生大臣ともどもに私の方でも協力して予算獲得すると、こういう形をとっております。
#240
○神谷信之助君 端的にお伺いしますが、こういう状態というような問題は、やっぱり人員が足らぬということでしまう。
#241
○国務大臣(長谷川峻君) そういうことですから、先ほど厚生大臣からちらっと御答弁があったようですが、五十年度予算においてはよく前進したと、それをまたそういう意味で進めていきたいと、こういうふうに私も考えております。
#242
○神谷信之助君 それじゃ厚生大臣にお伺いしますが、児童福祉法やあるいは労働基準法が制定をされて、もう今日まで二十七年たっています。ところが、この社会福祉の施設ではこのように違反施設が多いし、いわゆる前近代的な労働条件というのが現実の姿になっている。これについて厚生大臣としてはどうお考えか、お伺いしたいと思います。
#243
○国務大臣(田中正巳君) お説のとおり、社会福祉施設、また特にいま問題になっている保育所等について労基法違反の事実が重なっておるということを私も就任早々聞きまして、これはいかぬと、こういうふうに思いまして、何とかこれを解消するように努力をいたさなければならないと考えまして、まあ率直に申しまして、五十年度予算編成の最も力を入れたところでございますが、遺憾ながら、これを解消するのには二カ年かかるという、二年計画に終わっているわけでございます。これについては、まあ単なる財政上の問題だけではなしに、現実に有資格者等が得られないという実際上の問題もあったと思いますが、いずれにいたしましても、二カ年計画でこのような状態というものを解消するように今日計画を策定し、その初年度を今日実行をいたそうとしているところでございます。
#244
○神谷信之助君 具体的にお伺いしますが、その問題の休憩時間を確保するために基準法を尊重し得る職員の増員、これについては、この五十年度予算案ではどのように改善をされているわけですか。
#245
○国務大臣(田中正巳君) これはいろいろの施設の規模によっても違いますが、六十人以下の施設には、まあ二カ年計画でございますが、常勤職員を配置できるようにいたしまして、また六十一人以上の施設には非常勤職員の時間数を二時間加えて五時間とするようなことを考えておりまして、その一部が五十年度において実施されているわけでありまして、六十人以下の施設にあっては常勤保母の数が約二千四百名、六十一人以上の施設にあっては四時間分の非常勤職員を配置するように増員を図っておるわけでありまして、明年度はこの残余を確実に実行いたさなければならないというふうに考えているわけであります。
#246
○神谷信之助君 それで二年たてば休憩時間に基づく労働基準法違反はなくなるんですか。
#247
○国務大臣(田中正巳君) 私どもの計算では、一応これで基準法違反というものはなくなるという見込みでございます。
#248
○神谷信之助君 全国の社会福祉協議会が四十九年の三月、労働省の調査の約四倍の保育所を対象にして労働条件の調査をやっております。それによりますと、東京都では都の独自の措置で、公立、私立をも含めまして、国の保母職員配置基準の倍近くを配置している。そういう措置をとっているにもかかわらず、なお労働基準法をちゃんと守れる職場というのは二五%にすぎないわけです。倍近くの人数を配置をしてもなお十分に休憩がとれない、年休がとれない、こういう状況になっているんですが、わずか一名ほどの人数を配置をしただけでそれが可能なんですか。
#249
○国務大臣(田中正巳君) これは、地方公共団体におきましては、それぞれ自分の考える基準で配置をいたしておるもののようでございますが、まあ当方といたしまして、基準法違反をなくするためには、さっき申したような措置でいけるというふうに思っておりますが、この問題については、いま基準法違反のみならず、さらに配置の基準と申しますか、人員の基準というものをさらに前進をさせようというような要望がございまして、これに合わせてやっているところはさらに数が多いということになりまして、私どももこの問題も将来の一つの課題だというふうに考えております。
#250
○神谷信之助君 現在の基準はそれじゃどうなっていますか、職員の配置基準。
#251
○国務大臣(田中正巳君) 基準は、二歳児までは六対一、三歳児は二十対一、四歳児以上は三十対一というふうなのが現在の国の基準でございます。
#252
○神谷信之助君 先ほどの五十七市の意見書がありますね。あの中で、これは桶川市ですが、国の保母の定数最低基準、いわゆる保育基準では七人の保母を必要とする、ところが桶川市の公立保育所の北保育所、九十人定員ですが、ここでは国の単価計算でいきますと五人しか来ない。だからいわゆる最低保育基準を下回る補助単価しか来てない。実際それじゃ何人おるかというと、十四人でやっておる。そうして、やっと保育業務をやっているわけです。えらく話が違うんですが、この点はどうですか。
#253
○国務大臣(田中正巳君) いま申したのが私どもの方の基準でございますが、いまおっしゃるような実例については、私どもちょっといま理解ができないでおるところであります。
#254
○神谷信之助君 いや、基準が低いんでしょうが。実態に合わないんでしょうが。その点はどうなんですか、お認めにならないんですか。
#255
○国務大臣(田中正巳君) 配置基準、これについては、いまの国の定める基準よりもさらに前進させなければならないというふうな意見がございますが、ただいまのところ、これについては踏み切れないわけであります。もっと率直に申しますると、もう労基法違反状況を何とか脱却しようというので精いっぱいでございまして、いまこれからさらに配置基準を前進させるということについて、やりたいのでございますけれども、そこまで手が回らないというのが実情であろうと思います。
#256
○神谷信之助君 病気休暇あるいは有給休暇について、それに対する代替職員の配置とか、こういった問題については、この五十年度予算案では改善されていますか。
#257
○国務大臣(田中正巳君) 病気代替の問題につきましては、残念ながら今年度では予算化をすることができませんでした。その理由については、いろいろと技術的な詰めが甘かったために遺憾ながらことしはできませんでしたが、近い将来これについてはもう少し仕組みを詰めまして、何とか実現をいたさなければならないというふうに思っております。
#258
○神谷信之助君 そうすると、五十年度の予算案では、労働基準法違反の施設というのがほとんど残っているという状況になります。
 労働大臣にお伺いしますが、こういう状況を労働大臣としてお認めになることができますか、こういう状況を。
#259
○国務大臣(長谷川峻君) いまの有給休暇の問題にいたしましても、それぞれのところでは、仮に予備員の勤務とか、あるいはパート、臨時労働者の雇い入れ等々で工夫をしているところもあります。後段の、全体的な問題といたしますと、なるべくそういう労働基準法違反というものをなくすために、一遍にできないでしょうけれども、やはりこれは一生懸命努力していかなければならぬ、ともどもに努力していかなければならぬ、こう思っておる次第です。
#260
○神谷信之助君 いいですか、公立の保育所でも、二七%から三分の一近くが基準法違反の状況ですよ。しかもそれは、政府の基準でやっていればもっとひどくなるわけです。上乗せをしておってもまだそれだけの違反が出ているのです。労働基準法を指導し監督しなきゃならぬ労働省が、そういう基準そのものを認めておって、これで民間の企業に対して指導、監督ができるということになるのですか。――大臣に聞いている。大臣の政治責任を聞いているのだから。
#261
○委員長(大谷藤之助君) まず東村労働基準局長に答弁を求め、重ねて労働大臣にいたさせます。
#262
○神谷信之助君 労働大臣、ちゃんとはっきりしなさいよ。政治方針の問題だ、政治姿勢の問題だ。
#263
○国務大臣(長谷川峻君) 直ちにそういう解決ができないのは遺憾でございますが、いま具体的なものは持っておりません。
#264
○神谷信之助君 そうすると、政府みずから労働基準法違反を認めるわけですね。放置するわけですね。労働大臣、はっきりしなさい、基準法違反を認めるのですか。
#265
○国務大臣(長谷川峻君) そういう違反があることをいま解消すべく懸命にやっている、こういうことで御理解いただきたいと思います。
#266
○神谷信之助君 政府はやらないでいいんですかと言うのです。労働大臣、改善すると言うたって、現に基準法違反は残っているのでしょう。
#267
○国務大臣(長谷川峻君) 基準法違反が残っているということは、いままで厚生大臣のお話でもわかりますように、それを私たちはともどもに解消するために努力をしている。だから現在は違反が残っている、それは事実でございます。その解消のために努力している、この苦心というものをひとつ御理解いただきたい、こう思う次第でございます。
#268
○神谷信之助君 それじゃ、厚生大臣、基準法違反をなくするためには、政府としてはどういう措置をしたらいいのですか。
#269
○国務大臣(田中正巳君) 今日われわれは、現在に対して、保育所の数はちょっと私知りませんけれども、社会福祉施設全体で一万五千名ほどの増員をしなければならないということでありまして、これを確実に実行する以外に方法がないと思っております。しかし、残念ながら、ことしは二カ年計画ということになりまして、その初年度で六千名の定員が認められただけでございますので、率直に申しまして、ここ一両年はまだ解消し切れずにおるというのが実情であろうというふうに思います。
#270
○神谷信之助君 老人ホームやその他の社会福祉施設も同様の状況なんですよ。それを全部合わせて一万五千人やったら大体基準法違反がなくなるという認識も私は大変に間違っていると思うのです。保育所の数だけでも一万七千からあるのですよ、保育所の数だけでも。六十一人以上のところで一万カ所でしょう。それから六十人以下のところで七千五百ですか、七千ほどでしょう。ですから、一万五千人というのは一体どういうことですか。
#271
○国務大臣(田中正巳君) 数はそうなりますが、施設の規模が違いますから、したがって、六十人以下については一名増員をする、六十名以上の場合は一名ではございませんで、要するに非常勤職員の時間数でいくということですから、こういうことになるだろうというふうに思います。
#272
○神谷信之助君 それは机の上の仕事です。三時間なら三時間、四時間分のパートタイマーを入れればそれで休憩がとれるというように、机の上では計算ができる。実はそれで職場はやっていますか。
#273
○国務大臣(田中正巳君) パートを雇ったりなんかいたしまして、そういうことでやっているというところが多いというふうには聞いております。
#274
○神谷信之助君 そういう小手先のことでやっておったって問題は解決しないのですよ。問題は、先ほど言われた職員の配置基準ですよ。これはやはり根本的に変えなければならぬ。だから保育所の職場に働いている人たちの要求は、二歳児未満三人については保母一人にしてくれ、乳幼児ですね。そうしなかったら、もし一大事のあったときに、三人なら、一人は背中に背負って、あと二人を両わきに抱えて逃げ出すこともできるけれども、いま六人に一人でしょう。もしものことがあったらどうなるのだ、こう言っていますよ。こういった現場の実際に子供に責任を持つような保育ができる、そういう基準というものをはっきりさせないで、とにかく当面を糊塗するような、そういうやり方というのが問題だと思うのですよ。
 また、保母さんの要求の中にこういうのがありました。完全給食を実施をする、その算定基準を最低二十五日にしてほしいと言うのですよ、二十五日に。現在は一体何日になっているのだと言ったら、二十二日と言うのですよ。なぜ減らされるのだと言うたら、子供が休むのが多いからと言うのです。それじゃどうなっているのだ、実際には職場では。ですからそれだけの分、休むことを見込んで給食の準備をして、子供が全部出てきたら配給を少なくする。まさにみみっちいやり方でやっているのでしょう。これで児童福祉法に基づく保育の最低基準が守られるということになるのかどうか、厚生大臣、はっきりしてもらいたいと思います。
#275
○国務大臣(田中正巳君) 率直に言うと、大変困る御質問でございますが、私どもとしては一応この基準で何とかやっていけるということで予算を組んでいるわけでございますが、今後これらの点についてはさらに改善をいたすべきものはしなければならぬということだろうと思います。
#276
○神谷信之助君 それじゃ自治省に聞きますが、公立の保育所で設置基準を上回って人員を配置したり、あるいは運営費の問題で上積みをしなければならぬという状態が起こっているということについて御存じか、御存じであれば報告してもらいたいと思うのです。
#277
○政府委員(松浦功君) 寄り寄り地方団体の関係者からそういう話は承っております。
#278
○神谷信之助君 先ほどの五十七市の請求ですね、意見書です。これに数字が出ているものをずっと計算をする、運営費だけですね、運営費の超過負担の額を足してみますと、それだけでも四十数億円に上っています。これは自治大臣にお伺いしますが、まさにこういうような運営費の超過負担がなかなか解決しないということが今日の財政危機の一つの重要な要因になっているというように思いますが、どうですか。
#279
○国務大臣(福田一君) それは先ほどから厚生大臣、労働大臣が申し述べておるように、今後の努力で解決するようにしていただきたいと、かように考えております。
#280
○神谷信之助君 基準法違反の職場をなくすために厚生大臣は二年間で完全に解決するとおっしゃるんですが、それでいいんですね、確認をしますが。
#281
○国務大臣(田中正巳君) 私どもの計算では、二年間でいまの数字をこなせば一応できるというふうに思っております。
#282
○神谷信之助君 計算の問題ではない。現実に職場に労働基準法違反がなくなるのかどうかということです。
#283
○国務大臣(田中正巳君) なくなると存じております。
#284
○神谷信之助君 その点もう一遍、責任を持ちますね、いいですか。
#285
○国務大臣(田中正巳君) そういうことでございます。
#286
○神谷信之助君 自治大臣、先ほど四十数億からの――これは五十七市だけです。それだけのところで超過負担が大体四十数億、運営費だけですよ、施設費は別ですから。四十数億ある。この問題について、自治大臣としては積極的に責任を持って解決する意思をお持ちですか。
#287
○国務大臣(福田一君) 先ほども申し上げましたように、厚生省とよく連絡をとり、大蔵省とも連絡をとって、この解決は図っていきたいと思います。ただ、私から申し上げるのはいかがかと思いますけれども、託児所に預ける子供の数というものは、われわれが予定していたより年々非常な増加をしておることは御存じのとおりです。だから予算措置をいたしましても、その予算以上に数がふえますと、政府としてはこれで大体やれると思ったのができない場合も起こり得る。しかし、これは文化生活が向上していくという意味においては当然のことでありますが、予算というものはそういうものでございまして、前の一応の計算というものを基礎にして、そして数字を出さなければなりませんので、この点はひとつ御了承を願いたいと思うわけです。
#288
○神谷信之助君 余りにも大きいでしょう、問題は。それで大蔵大臣、いま自治大臣はそういうようにおっしゃっているんですが、大蔵大臣として、自治体の財政に非常に大きな影響を持っているこの超過負担の問題について、大蔵大臣としても積極的にこれを解決する意思をお持ちかどうか。
#289
○国務大臣(大平正芳君) 毎年度の予算編成に当たりまして、適正な補助単価をまず設定することに努めなければならぬと思うのでございます。それからさらに超過負担が問題となっておる補助事業につきましては、関係各省と共同いたしまして実態調査を行いまして、その結果に基づきまして、補助単価の是正すべきものは是正してまいるということを今日までやってまいりましたし、今後もやってまいるつもりでございます。五十年度予算におきましてもそういう方針で、国費ベースで千八百五十九億円計上いたしておりますことは御案内のとおりでございまして、そういう方法で極力努めてまいりまして、国と地方との間の財政秩序というものは何とか維持してまいりたいと考えております。
#290
○神谷信之助君 先ほど厚生大臣が言った二カ年計画ですね、基準法の違反の職場をなくすという二カ年の計画、五十年度は三分の一程度です。残りは五十一年度に残されている、しかもさらに病休対策、それから年休対策、これは五十年度の予算要求では削られておる、こういった問題を含めまして、大蔵大臣としてはどのようにお考えか。
#291
○国務大臣(大平正芳君) 五十年度にも実態調査を予定いたしておると聞いております。保母増員後の保育所の運営の実態調査でございますが、この調査に基づきまして五十一年度の保母の増員をどのように考えてまいりますか、厚生省と相談をいたしまして対処してまいりたいと思っております。
#292
○神谷信之助君 そこで、副総理にこの問題について最後にお伺いしたいと思うのですが、いまお聞きのように、政府が責任を持っている保育所の職場、公立、私立を問わず、出している補助金に基づいて、どうしたってこれは仕事ができないという状況に実際にはなってくる。上積みをされています。それでもなお労働基準法違反が、お聞きのように七九%からあるわけです。これは重大な問題だと思う。政府みずから労働基準法違反にならざるを得ないような財政措置しかしてない。しかも、そのように上積みをしても基準法違反になっている。これは重大な問題だと思いますが、この問題の解決について三木内閣としてどういうようにお考えか、どういう姿勢で解決されるか、お聞きしたいと思います。
#293
○国務大臣(福田赳夫君) 超過負担問題は、これは非常に重大な問題としてただいま取り組んでおりますが、特に、御指摘の保育所につきましては基準法違反がある、こういう御指摘なんで、政府側でも、どうもそういう事実があるようだ、こういうふうに考えておるように私承知しておりますので、まあ法律違反があるというのじゃこれは非常に困る事態でありまして、さような事態になっていることをまことに遺憾と思います。これが解消につきましては、厚生大臣からもお話がありましたように、これは政府といたしまして全力を尽くしたいと思います。
#294
○神谷信之助君 次の問題に移ります。
 自治体の方はこういう超過負担が非常に大きいわけです。そういう中から地方財政の危機は深刻になっているのですが、そういう中で、自治体は独自の自主財源を拡充する政策を模索をしております。たとえば東京都やあるいは大阪府、あるいはその他の大都市で新財源構想を研究をする、そうして、法人課税の強化ですね、超過課税や不均一課税だのの強化を考えておりますが、こういった問題についてどうお考えか、見解をお聞きしたいと思います。
#295
○国務大臣(福田一君) この不均一課税の問題も、一定の限度においてはこれは認めざるを得ないことは、もうあなたが御承知のとおりであります。ただまあ、足りない足りないというようなお話もいろいろありますけれども、先ほどの場合でも、これはちょっと申し上げておいた方がいいと思うのですけれども、東京とか大阪のような人口急増地域の公立の保育所あたりは、これは徴収金というのがありますね、大体まあそういうものがある。私立ですと一人三万円とかなんとかいう場合があるのですね。ところが公立の場合、一万円でみんな、能力があろうがなかろうが、もう金が出せる人からの金も取ってないというような場合もございますからね、こういう点はひとつ東京都その他におきましても、そういう面ではやっぱり段階をつけるというか、能力のある人からは取ってもらうようにすべきじゃないかと。私立に入れればもう当然三万円かかるわけです。ところが公立に入ったら一万円。それはだれだって少ない方がいいわけですから、出さない方がいいわけですけれども、そういう問題もあって、一律にそういうことをやるということが政治的に見て公正を欠かないかどうかという問題は、われわれとしてはやはり検討をしなければならないと、こう考えております。
#296
○神谷信之助君 けしからぬことを言うですね。私立並みに公立の方も三万円から保育料を取りなさいということになれば、二人の子供を持っていれば六万円になってくる。三人抱えれば九万円になってくる。そういう状況に、私立の高いところに公立を並べなさいというようなことは、どうしても私はこれは国民に対する挑戦だというように思います。
 それはそれとして、それで論争しようとは思わぬのだから。いいですか、一方で大企業に対する減免を行っていますが、特に国の租税特別措置と地方税の特権的な減免措置、これがありますが、地方税の減収額、これは過去五年間で累積で一体それぞれ幾らになりますか、また昭和五十年度分はどれぐらいになるか、お尋ねしたいと思います。
#297
○国務大臣(福田一君) 先ほどのお話、ちょっと誤解を生むといけませんからお答えをいたしておきますが、能力あるというか、収入が非常に多い方で、当然それくらいの金が払える人でも一万円しか取らないというようなことが公正であるかどうか。これはやはり非常に収入の少ない人は……
#298
○神谷信之助君 収入に応じて……
#299
○国務大臣(福田一君) いやいや、だからその問題をもう少し合理的にやっていただく必要があるんじゃないか。
#300
○神谷信之助君 収入に応じて決まっていますよ。
#301
○国務大臣(福田一君) いや、それが一律でやっているところもあるんです、所によって。それは私どもの方でも……
#302
○神谷信之助君 少数の部分を、わずかの部分をとらえて言うんじゃないんだよ。(「収入の個所はわかっているんです、ちゃんと」と呼ぶ者あり)
#303
○委員長(大谷藤之助君) 答弁を聞いてから――不規則発言は慎んでください。
#304
○国務大臣(福田一君) 私の申し上げておることは、もしそれが完全に取っておるということであれば、たとえば民間の場合において三万円の場合に、月に二十万、三十万の収入のあるような人が子供を預けるときに、ちゃんと三万円取っているようにやっておられるのならいいと思いますが、私はそうではないと思うんです。やっぱり公立へ入れた場合でも民間と同じくらいは、能力のある人には負担してもらうというのは当然だと思うので、いま二万円というようなお話もありますが、二万円でいいかどうかというのは、私立の場合との比較もありますから、私立の場合、入れればどうしても三万円かかるんなら、やっぱり三万円くらいはそういうところからは取るというような配慮もしていただきたい、こういうことを申し上げておきます。
#305
○神谷信之助君 私立の方を下げにゃいかぬのですよ。
#306
○国務大臣(福田一君) そうなれば、これはもう……
#307
○神谷信之助君 補助基準が低いから下げられないのですよ。
#308
○委員長(大谷藤之助君) 発言は立って願います。
#309
○神谷信之助君 答弁をしてないのです。
#310
○政府委員(首藤堯君) 租税特別措置の地方税収に及ぼす影響でございますが、先生御案内のように、国の租税特別措置、これが地方税に影響を及ぼしておりますもの、これが五十年度の場合には千四百七十二億ほどと思っております。それから、地方税の独自の非課税措置によりますものが二千五百十億ほど五十年度でございます。したがいまして、五十年度は合計三千九百八十二億の減収でございます。
 なお、五十年度を含みました四十六年度以降の累計額という御指摘でございますが、これは租税特別措置に伴いますものが六千九百九十一億、それから地方税独自の非課税の五年分合計が九千九百五十六億、合計一兆六千九百億余りに相なります。
#311
○神谷信之助君 このように一兆六千億を超える非課税措置がなされております。これが地方財政に及ぼす影響は非常に大きいと思うんです。その中で、いわゆる産業用電気税に対する非課税措置、これはどのぐらいになりますか。
#312
○政府委員(首藤堯君) 昭和五十年度の見込みで七百六十八億ほどに相なると推定をいたしております。
#313
○神谷信之助君 それはいわゆる地方税の非課税額の約三分の一ぐらいに相当すると思いますが、そうですか。
#314
○政府委員(首藤堯君) 地方税の非課税総額が五十年度見込み、先ほど申し上げましたように二千五百億程度でございますから、そういった見当に相なります。
#315
○神谷信之助君 御承知のように、三月の十三日に大牟田の市会がこの電気税の非課税措置について損害賠償の請求をすることを決定をしました。大牟田は、御承知のように保守の市長さんのところです。そこでもこういう電気税の問題が地方財政に非常に大きな影響を与えるということで訴訟に踏み切ったわけですが、大牟田市の場合の非課税額は一体幾らになりますか。
#316
○政府委員(首藤堯君) ただいま私どもの手元にございます資料で、四十八年度決算をいただいておりますが、それの例で申し上げますと、非課税措置の分を徴収をしたとすれば五億六千四百万ほどに相なります。
#317
○神谷信之助君 非常に大きな額になります。
 そこで、特に基幹産業が集中している新産、工特地区あるいは大規模の拠点開発地区、こういうところほどこの影響は甚大なわけですが、産業電気税の問題で、川崎市あるいは倉敷、市原、大牟田市、これらについての市税、それから課税額、非課税額、これについて最近の数字を述べてもらいたい。
#318
○政府委員(首藤堯君) 先ほどと同じように四十八年度の決算が参っておりますので、その数字で申し上げますと、大牟田市の場合は、市税総額が三十六億五百万、それに対しまして産業用電気の非課税額が五億六千四百万でございますので、その比率が一五%程度でございます。
 それから倉敷でございますが……。
#319
○神谷信之助君 電気税の課税額は。
#320
○政府委員(首藤堯君) 電気税の課税額でございますか、課税額は一億九千万。
 それから倉敷市でございますが、市税総額が百八十三億、これに対しまして電気税の課税額が八億四千万、産業用電気の非課税額が十一億五千万。
 それから市原は、市税総額は百七億、電気ガス税が四億七千万、非課税額が約十億。
 それから川崎は、市税総額が四百十一億、電気ガス税が十五億、非課税額が十億、こういった見当でございます。
#321
○神谷信之助君 電気税の収入よりも非課税額の方が大きい、こういう状況があらわれています。大牟田市の場合は電気税の収入が一億九千万、非課税措置の分は五億六千万、だから四倍以上の額が非課税措置にされているという状況になっています。この点は自治省の方は、この電気税非課税措置について縮小、見直しを言明してこられましたが、五十年度はどういうように措置されましたか。
#322
○政府委員(首藤堯君) 先生御案内のように、電気税は電気の消費に対してかけます税金でございますので、家庭用電気の場合には免税点という措置をとりまして、平均的な消費以下の消費に課税をしない。それから産業用電気につきましては、原料課税をなるたけ避けるという意味で、製品コストの中に占めております電気代のコストが五%以上のもの、この原則で採択をいたしました百二十九品目が非課税に相なっておるわけでございます。ことしの措置といたしましては、その百二十九品目のうち二十四品目を撤廃をいたしまして、この二十四品目について課税をする、こういう改正をただいま御審議をいただいておるところでございます。
#323
○神谷信之助君 その根拠を言ってください。
#324
○政府委員(首藤堯君) 産業用電気の非課税措置につきましては、私どもの立場といたしましては、なるたけこれを整理をしていくという方向をとりたいのでございますが、今回の措置におきましては、なお基本的な、抜本的な見直しはなお今後検討をするということに税制調査会の御決定で相なりましたので、現行基準の五%の基本的な基準、それに基づきまして洗い直しを行いまして、二十四品目、これを撤廃をする、課税に持ち込む、こういう措置をとったのでございます。
#325
○神谷信之助君 だから、二十四品目は非課税措置を外さなきゃならぬのを、怠慢でいままで非課税措置をとっていたということになるわけですね。
 そこで、電気税の当初の税率から今日の五%までの推移について述べてもらいたいと思います。
#326
○政府委員(首藤堯君) 電気税でございますが、昭和二十五年に税率が一〇%でございましたものが、三十七年に九%、三十八年に八%、それから三十九年に七%、そのように移ってまいりまして、四十八年では六号でございましたものを四十九年度には税率五%と、このように推移をいたしてまいっております。
#327
○神谷信之助君 五%条項というんですか、五%基準というのは、いつ決められたんですか。
#328
○政府委員(首藤堯君) 製品コスト中に占めます電気料のウエートが五%、この基準でございます。
#329
○神谷信之助君 いつ決めましたか。
#330
○政府委員(首藤堯君) それは三十七年でございます。
#331
○神谷信之助君 三十七年以前はなかったんですか。
#332
○政府委員(首藤堯君) 仰せのとおりでございます。
#333
○神谷信之助君 全然非課税措置をとってなかったというんですか。
#334
○政府委員(首藤堯君) 非課税措置はございましたのですが、その非課税品目を設定いたします電気代のコストの基準、これを定めましたのが、いま申し上げましたように三十七年、こういうことでございます。
#335
○神谷信之助君 大体二十五年以来いわゆる一〇%の税率の場合も、五%の基準でほぼこの非課税措置をとってきたわけです。現在税率は五%になっているんですよ。これについては非常に不公正ではないかと思いますが、この点についての見解はいかがですか。
#336
○政府委員(首藤堯君) 産業用電気におきます非課税措置は、先ほども申し上げましたように原料課税という形態になることをなるたけ慎む、こういう意図に出たものでございまして、その基準が製品コスト中に占める電気代のウエート五%ということに三十七年になったわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましてはこの基準の見直しを行って、なるたけ非課税措置は整理をしていくべきである、こういう考え方を持ちまして、税制調査会そのほかにお諮りを申し上げたのでございますが、なお検討を要するということで、まあ検討を継続すると、このようなことに相なりました次第でございます。
#337
○神谷信之助君 自治省では、一昨年の税調でしたか、これを三〇%まで引き上げてはどうかという主張をされたように聞いておりますが、いかがですか。
#338
○政府委員(首藤堯君) 五%という基準を見直してはどうかという考え方に立ちましたので、いろいろな案を提示をいたしたことがございます。まあ三〇%以上というのは最もきつい基準であろうかと思いますが、そのような考え方も一時は持ったこともございます。
#339
○神谷信之助君 三〇%以上にすれば何品目になりますか。
#340
○政府委員(首藤堯君) ほとんどなくなってしまいまして、七品目が残るだけということに相なります。
#341
○神谷信之助君 この非課税措置をする論拠として、先ほどからいわゆるコスト抑制の論拠を言われてますが、この論拠を進めていけば、基幹産業の人件費まで国が助成をせざるを得ないということになると思うのですが、この点はいかがですか。
#342
○政府委員(首藤堯君) 先ほど申し上げましたように、やはり電気税は消費税でございますので、まあ原料課税というものはいかがであろうかと、こういう考え方がもともと根っこからあるわけでございます。そこで、どの程度の比率を占めれば原料課税というかっこうでコストに非常に響いてくると判断をするかという、その判断におけるコンセンサスの問題ではなかろうかと、こう考えます。
#343
○神谷信之助君 ところが、それが地方自治体の財政には非常に大きな影響を与えるわけです。それで、地方税の一つの重要な内容である電気税にそういう国の政策で非課税措置をとると、そのために税収は減るわけです。これについてどのような措置をとっておられるのですか。
#344
○政府委員(首藤堯君) 地方税におきます地方税法で定めました非課税措置、電気税だけでなくいろいろなケースにあり得るわけでございますが、一応制度として地方税制に組み込まれますと、その組み込まれました後の制度としての通常取り得ます、標準税率で取り得ます税収入の額、これを基礎として交付税算定の際の基準財政収入額が算定をされる、こういうことに相なるわけでございまして、交付税との関連で基準財政需要額を満たします分の一般財源所要額が交付税及び税収入で確保される、こういう仕掛けになっておると存じております。
#345
○神谷信之助君 具体的にどれだけ補てんをされているんですか。
#346
○政府委員(首藤堯君) 当該税収が得られた場合のケースと比較をいたしますと、基準収入算定率が七五%でございますから、非課税になりました措置の七五%の額は交付税で補てんをされておると、このように逆算をしていただいてよろしかろうかと考えます。
#347
○神谷信之助君 地方団体に交付される交付税は、地方団体自身の固有の財源なんでしょう。この点はどうですか。
#348
○政府委員(首藤堯君) もちろん御指摘のように、地方交付税は地方団体にもともと交付され得るべき固有な財源でございます。その交付税の額と、それから地方税制上認められております、決まりましたその制度上の収入額、こういうものを合わせまして地方財政計画が策定をされ、全般としての財源措置の額の適否が計算をされると、このように私ども理解をいたしておるのでございます。
#349
○神谷信之助君 そこで大臣にお伺いします。先ほどから明らかになりましたように、一つは電気税の税率が二十五年一〇%のものが、逐次税率は下げられて今日五%になっておる。ところが、いまなおこの非課税措置の基準が五%のままで据え置かれている。自治省としてはこれを縮小するという方向を国会答弁でも繰り返しやられておるわけです。ところが、一向にこれは三十七年以来変わってない。この点についてどうお考えですか。
#350
○国務大臣(福田一君) 自治省としてはそういう意味で努力をいたしておるのでありますが、これは税制の問題ですから国との関係その他いろいろございまして、今日まで予定のパーセンテージにいかなかったという点について御指摘をいただいておるわけでありますけれども、それには遺憾だと存じております。しかし、自治省としてはそういう努力はいたしておるつもりでございます。
#351
○神谷信之助君 努力をされているということですが、三十七年以来ずっと五%そのままなんですよ。しかも、先ほど明らかになりましたように、大牟田のように電気税の収入の四倍からの金を非課税措置にしているわけです。これが地方財政の重要な圧迫要因になっているということは明らかだと思うんですが、そういう点について自治大臣の見解を聞きたいと思うんです。
#352
○国務大臣(福田一君) 今後の問題として、やはり順次地方自治体の財源をふやすという意味で処置をしてまいりたいと考えております。
#353
○神谷信之助君 副総理、最初に今日の自治体財政の深刻な状況についての打開の具体的な対策を問うたわけですが、こういった問題、これは電気税だけじゃありません。固定資産税の大企業に対する減免の措置もあります。あるいは新産、工特で立地企業に対しては減免措置をして交付税で補てんをするというような、そういうやり方もやっています。こういった問題が地方財政に対して非常に大きな圧迫要因になっておるということについてはお認めになりますか。
#354
○国務大臣(福田赳夫君) 私は先ほど地方財政全般、支出の面もまた収入の面も見直しをする必要がある、こういうふうに申し上げましたが、特に租税特別措置ですね、地方の特別措置、これにつきましても、特別措置というのは要するに特別措置なんです。これは原則にいつの日にか返らなきゃならぬ、こういうものであり、まあ私いま質疑応答を伺っておりますと、この電気税についての特別措置は三十七年にできた。あのころはちょうどわが国の経済をどんどん発展させる、そういうような時期にそういう措置がとられたんだろうと、こういうふうに思いますが、時世は移り変わりましていわゆる低成長時代と、こういうふうな時代になる。その際に、こういう特別措置をどうするかということ、これは本当に真剣に、もう根っこから考え直していい問題であろうと、こういうふうに思います。そういう改正が地方財政の強化にまた貢献をするということになれば、これはまた大変いいことであると、かように考えます。
#355
○神谷信之助君 いま副総理もおっしゃったように、この電気税の非課税措置、それから新産、工特による大企業の固定資産税の減免措置、これ皆、高度成長政策のもとでこれを進めるためにとられてきている措置なんです。ですから、今日の段階で見直しをしなきゃならぬということは、私はこれは廃止に踏み切るべきだと思うんです。この点についての御見解を再度承りたいと思います。
#356
○国務大臣(福田赳夫君) 御見解に私もうなずくところが多々あるわけでありますが、御意見も踏まえまして、税制調査会に諮って結論を得たいと、かように存じます。
#357
○神谷信之助君 さらに、自治大臣にこれはお伺いしますが、そういう地方税の税収を、新産、工特という政策、地域開発政策、拠点開発政策を進めるとか、あるいは基礎産業に対して一定の援助を与えるというような形で、交付税で補てんを七五%しているわけです。ところが、交付税自身は一体何かといったら、これは地方の財源ですよ。地方税が減った分を地方の財源である交付税で補てんをするということは、まさにこれはタコの足食いになっているわけです。その分がなければ、全地方団体に配分される額というのはふえてくるわけです。まさにそういう状況になっている。この点についてはどうお考えですか。
#358
○国務大臣(福田一君) 電気税の問題では、いま副総理からも言われたようなことでありますが、これは問題をちょっと考えてみなきやならぬことがあると思うのは、そういう電気税を全部非課税にしたことによって非常に利益を受ける地方公共団体と、それほど利益を受けないものとございまして、そこいらに差ができるわけです。こういうことも一応考えてみる必要がある、こう思っておるわけですが、全体の考え方としては副総理が申し上げたとおりでございます。
#359
○神谷信之助君 政府の政策、国の政策をやるために地方税が減収になる。電気税の非課税措置についても、あるいは新産、工特なんかのそういう固定資産税に対する減免措置、それについてはちゃんと交付税で七五%市町村の場合は見るわけです。だから交付税はそれだけ減るわけでしょう。本来全地方団体に回さなきゃならぬものが減るわけです。だから自分の足を食ってるようなものでしょう。こういう制度自身が問題だと思うんです。
 これはこの間の一月の決算委員会で、特に倉敷の問題で自治省に、大臣や財政局長に質問いたしました。交付税をそういう政府の政策を進めるための誘導措置で補助金的な使い方をすることについては問題があるじゃないか、こういう指摘をしたら、確かにそうなんです、そう思うから再検討する必要があるという答弁をされています。この点はひとつ再検討される意思があるかどうか確認をしておきたいと思うんですが、どうですか。
#360
○政府委員(松浦功君) お答えを申し上げます。
 ただいまのお話は一つの考え方であろうかと思いますけれども、御承知のように、地方財政計画においては非課税になりました税金は収入面に立てておらないわけでございます。したがって、歳入と歳出とは地方財政計画でバランスがとれております。しかも、ある特定の団体で非課税部分が多い、これは全体の枠の中の配分の問題でございますから、国策でどうのこうのということでなくて、むしろ税制で決められたものを後は交付税制度と税との関係で裏打ちをしていくと、こういうふうに御理解をいただければ十分御納得をいただける問題ではなかろうかというふうに考えております。
#361
○国務大臣(福田一君) ただいま局長が申し上げたとおりでございます。
#362
○神谷信之助君 いや、はっきりしてますよ。三二%の交付税財源はあるんですよ。そこへ政府の政策で固定資産税が減収をするとか電気税が減収をするんです。その減収する措置をしたのは、国の政策で決めてやったんですから、それで地方が収入が減る分については、少なくとも三二%の別枠から渡すならまだわかりますよ。交付税から渡していって、そして全体でプールしなさいと、こういう仕組みでしょう。だからタコの足食いだと言う。もう一つは、交付税というのは自由に使える財源であるのに、そういう特定財源の補てんという形で使われるやり方自身、これは補助金的な性格を与えることになる。これは交付税の性格からいっても問題があるじゃないかという、そういう質問をしているわけです。これはいまお答えになった財政局長も、そういう点については再検討する必要があるということをすでに答弁をしているんです。これをひっくり返すんですか。
#363
○政府委員(松浦功君) ほかの問題で国の政策を交付税の中に入れ込むということは、一般論として私はできるだけ考えなきゃいかぬということはお答えを申し上げておりますけれども、今度の問題は、国の政策での補てん財源という考え方ではございません。もともと国の税法によって非課税になって取れないものでございますから、仮定を置いて埋めたというふうに観念を私どもはしておるだけでございまして、これは交付税制度上真っ当な考え方だというふうに私どもは理解をいたしております。
#364
○神谷信之助君 非課税措置をすべきでないものを国が非課税措置をしたわけですよ。地方団体が非課税措置をしているのじゃないんだ。まさにそれは調弁であります。
 そこでもう一つは、五十年度で電気税の税収は千二百九十九億円です。一般用の、家庭用、業務用の電気税の収入がそのうち七百六十一億円。先ほど電気税の非課税措置は約七百億余りと言います。したがって、少なくとも大衆課税になっている、生活費課税になっている家庭用の電気税について、これを廃止をする意思はおありかどうか、お伺いしたいと思います。
#365
○政府委員(首藤堯君) 電気税は消費税でございますので、家庭用の電気の場合におきましては、非常に零細な消費とでも申しますか、そういったものについては課税をすべきでないという考え方で免税点の決めを設けておるわけでございまして、月額二千円までの電気ガス料に対しては免税をいたしております。この免税比率がほぼ半分というところでございまして、全世帯がたしか三千四百万世帯ぐらいあるかと思いますが、そのうち免税世帯が千七百万世帯ぐらいに達しておると、このように考えておる次第でございます。
#366
○神谷信之助君 そこで大臣にお聞きしますが、いまお話しのように、約三千四百万世帯のうちの半分の千七百万世帯、これが家庭用電気税の対象になっている。もうわずかの額になって、それは業務用の電気税を入れましても七百億余りです。したがって、この産業用の非課税措置を廃止をすれば、少なくとも家庭用の電気税を廃止をしてもおつりがくるという状況です。これを直ちに全廃をされる意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
#367
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 市町村の一つの重要な財源になっておりますから、急に廃止をするということは困難かと存じます。
#368
○神谷信之助君 国民のためにはなかなか非課税措置をとらない、廃止をしない。しかし、大企業のためにはまさに五%条項、税率が変わってもそのまま維持をする。しかも、国会で共産党の衆議院の多田議員が追及をして、そしてやっと改めて調査をしてみて、今度の二十四品目を非課税措置から外すという措置が生まれてくる。まさに大企業に対しては手厚くしている。しかも、一般国民に対しては何だかんだの理屈を言ってなかなか税負担を少なくするという措置はおとりにならない。ここに私は今日の三木内閣の政治姿勢があると思うんです。この点を一日も早く解決を、大企業中心の政治姿勢そのものを変えなければ、今日の地方財政の危機は打開できないということを明らかにして、この質問を終わりたいと思います。
#369
○国務大臣(福田一君) 御指摘の点はよく理解するわけでございますが、大企業を擁護するというような意味でなく、原料、物価の問題に影響があるからという意味でやっておることでございまして、大企業擁護のためにやったとわれわれは考えておらないわけでございます。
 それから家庭用の電気の問題については、今後やはり考えてはいかなければならないと思うが、ここで全部やめてしまうというようなことは非常に困難であろう、かように申し上げているわけでございます。
#370
○神谷信之助君 大企業の利潤を少し減らせば価格には影響しないんですよ、大企業はうんともうけておるんですから。私は、まだそういうことを四の五の言っている大臣の考え方自身が問題だと思います。
 以上で質問を終わります。
#371
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして神谷信之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#372
○委員長(大谷藤之助君) 中沢伊登子君。
#373
○中沢伊登子君 私は、初めに少年少女の非行についてお伺いをしたいと思います。
 ことし一月に警察庁の防犯少年課のまとめられました昭和四十九年の少年非行の概況によりますと、特に刑法犯によって検挙された女子少年は昭和四十五年以降激増をし、戦後最高を記録したとのことですが、その概況を伺いたいと思います。
#374
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 少年の非行につきましては、近年減少を続けておりましたが、少年犯罪が最近再び増加いたしておりまして、学童生徒の非行や女子少年の非行が著しく増加し、また広く蔓延する様相が見られて、質的に見ても高校生によるハイジャック事件とか、中学生による爆破事件や殺人事件など悪質な事件が発生し、注目すべき傾向にあると存じます。このような少年非行の傾向にかんがみまして、警察におきましては少年非行の実態を広く国民に知らせてその協力を求めますとともに、学校等関係機関と緊密な連携を図って少年非行の防止に努めておる次第でございますが、なお詳細のことにつきましては政府委員に答弁をさせたいと存じます。
#375
○政府委員(荒木貞一君) ただいま御質問の重点は、少女非行の概況という点にございました。ただいま先生が御指摘のとおり、女子少年の非行が四十九年度におきまして一万七千二百八十六人で、前年に比較しまして二〇数%の増加でございます。しかもその内容は、中・高校生の窃盗が増加し、ヌンチャクその他を持参して、男のような粗暴犯を敢行するような女子も出てまいっておるわけでございまして、さらに、性の逸脱行為が相当目立つような状況になっておるわけでございます。
#376
○中沢伊登子君 そのよって来るところの背景や原因は、どういうところにあるんでしょう。
#377
○政府委員(荒木貞一君) 一概に、これがすべてであるという原因のお話はできませんけれども、家庭におけるしつけの問題、あるいは学校における、非常に進学率が向上いたしまして、中にはその勉強についていけない者が相当出てまいります。そういうふうなドロップアウトした少年たちのグループが相当増加し、そのグループ同士の闘争というものも出てまいります。さらに程度の低い週刊誌あるいは映画等によって性的な刺激を与えられ、あるいは暴力を礼賛するような状況も出てまいりまして、そのような非行が激増しているものと見ております。
#378
○中沢伊登子君 いまお聞きのとおりでございますが、大変失礼なことを伺いますけれども、文部大臣の永井さんは大変お若うございますが、あなたのお子さまは何人で、何歳と何歳で、どういうお子さんでございますか。
#379
○国務大臣(永井道雄君) 私は子供が三人おります。ことし十四になります女の子と十二歳の男の子、間もなく六月になりますと一つずつ上がりますが、それからもう一人の女の子がおりまして、それは非常に小さいですが、四歳でございます。
#380
○中沢伊登子君 まだ大変かわいいお子さんをお持ちでございますが、いまお聞きのとおり、学校におけるドロップアウトだのいろんな問題がこの非行にかかっているわけですが、学校に対する生徒の指導の要請はしておられるんでしょうか。
#381
○国務大臣(永井道雄君) 先ほどから非行の話が出ましたが、非行というふうにいくまでのいろいろな、学校の子供の暴力あるいは道徳的でない行動というものもございます。そこで文部省といたしましても、この問題は非常に重要でありますからいろいろな形の指導をいたしておりますが、それは学校教育全体というものが、ある意味ではどの場面でも道徳教育という側面を持っておりますけれども、そのほかに学級指導あるいはホームルーム、クラブ活動、そういうものの教育活動の充実に努めるということ、また、文部省が直接学校を通すということよりも、学校以外で考えておりますこともたくさんありますが、主なものを申し上げますと、たとえば優秀な映画をつくってそれを子供に見せるとか、あるいは青少年のための芸術劇場を開催するとか、それから特に子供のための子供芸術劇場というものを開催いたしますとか、それから家庭向けの教育番組を助けますとか、そのほかに公立の少年及び青年自然の家のほかに国立のものを整備いたしますとか、あるいは青少年団体の活動を促進いたしますとか、いろいろなことがございます。しかし、それだけでも足りないという問題が起こりますときに、初中局から各都道府県に対して、生徒指導の充実強化に対する通達というものも出すことを繰り返してきております。
#382
○中沢伊登子君 子供の教育というのは、やっぱり学校教育と家庭教育と社会教育と、この三つが重ならなければ上手に子供の教育はできないわけですけれども、いま学校教育に対するお話を伺ったわけですが、最近しばしば新聞紙上で見られるのは、中・高校生による教師に対する暴行事件、こういうものがよくあるわけですが、この原因と、実態はどうなっているんでしょう。
#383
○国務大臣(永井道雄君) まず実態の方から申し上げますと、中学生、高校生の教師に対する暴行事件というのは、これは警察庁の調べでございますが、この一年間に二百件余り発生いたしております。これは文部省として大変遺憾に思っていることでございます。
 さて、こういう事柄が起きました原因の問題でございますが、これは先ほど自治省の政府委員の方も言われましたように、それぞれのケースについて見ますと、やはりなかなか一つの原因というものによって起こるということは考えにくいのではないか。また、遠因というものもありますし、近因と申しましょうか、非常に近い原因もあるわけです。幾つかの、相当数のケースというものの報告も受けておりますが、恐らく重要なことの一つは、学校の場におきましてはやはり現在、連帯ということよりも競争ということが非常に強くなってまいりますと、その中で落後的な意識を持つような子供たちに対して十分の指導が行き届かないというようなことは、非常に重要なことの一つと思います。ただ、人間の行動というのは社会ないしは家庭と関連いたしておりますから、学校は全力を挙げるべきでございますけれども、しかし、学校だけで解決し得ないかなり複雑な要素を含んでいるというふうに理解いたしております。
#384
○中沢伊登子君 私の近くにも、実は、暴行事件とは言い得ないのですけれども、ある学校で大量にトランペットを一括購入した際、業者から代金の一部がリベートとして同校に払い戻されているのに、その使途が不明と疑惑が持たれ、同学院の教員や生徒会が調査に乗り出した、こういう事件が実はあるわけです。この学校は、昭和四十八年の十一月の韓国修学旅行の際、一部の引率教師が宿舎でキーセンパーティーを開いたこともあった。こういうようなことが学校で起こりますと、また生徒が先生に対する信頼感を失って、そういうところからも学校ぎらいになったりするような場面もございます。先ほどの調査によりますと、学童生徒の何らかの非行を犯した者は七四・四%ということで、十人の生徒のうち八人までが何らかの非行をやっている。これは本当にゆゆしい問題だと思いますが、生徒だけではなくて、先生と生徒との信頼関係も得られるように御指導をいただきたいと思いますが、その点はいかがですか。
#385
○国務大臣(永井道雄君) 実は、いま先生が御指摘になりました学校の問題についても若干存じておりますけれども、確かにそういうふうに、先生方の行動というものに対する信頼が失われる場合もございます。他方において、非常によく御努力になっている先生もございます。われわれいま大いに努力いたしております点は、やはり先生方が現在子供に接触していく場合に、学校以外の進学塾のようなものも非常に盛んになってきておりまして、これは世の中でほとんどすべての人が知っている事柄と言っていいと思いますが、なるべくそういう状態を少しでもなくすことによって、学校教育という場面が教育の場になっていくということ。学校教育といいます場合に、正規の授業のほかにクラブ活動がございます。このクラブ活動というものも学校で必ずやっていただくようにお願いをいたしておりますが、そのクラブ活動の時間というものも比較的少ないのが現状でございます。それはそれぞれの学校でお考えになって、時間をふやせるときはふやしていただくわけですが、なかなかそういうことがむずかしい。そこで、やはり先生と生徒の信頼関係というものをつくっていくのには、本当に密度の濃い接触というものが必要と思います。そうしますと、いわゆる詰め込み勉強ということだけではなくて、それの過程で努力をして先生と密度が濃い関係を持つこともございますが、やはりそれだけではなくて、スポーツでありますとか、クラブ活動であるとか、あるいはホームルームであるとか、そういう場面における教育というものの時間、そしてそういうところでの先生の御活動の場というものを広げていくように努力したい。これはなかなか時間のかかることでございますけれども、そこに力を入れたいと考えて努力している次第でございます。たけれども、実はこのごろ塾が大変はやっておりまして、マンションなんかの一室を借りて塾を開いているところがございます。そうすると、親は恐らく知らないのでしょうけれども、学校で友達になった男女の生徒が、夕御飯のお弁当を持って塾に通ってくるわけですね。そうすると、その帰りに階段でもうややこしいことが行われて、そのマンションにいる人が上がりおりのたびにどならなくちゃいけない。邪魔になるからのきなさいというふうなことを言わなくちゃいけない。ところが、どう言われたってこう言われたって、男の生徒と女の生徒と、もうそれは抱き合ったりなんかして見るにたえられない、こういうようなことも行われているということを最近よく耳にするわけです。大変いいところのお子さんであろうにということで、マンションの人が大変心配をしていると。こういうようなこともございますから、今後とも学校教育の場面におきましては、文部省の指導よろしきを得ながら、警察庁との連携の中で、こういうことのないように御指導をいただきたいと思います。
 しかし、それは文部省だけにお任せするわけにはいきませんで、やっぱり社会環境というものを守っていかなければならない問題だと思います。先ほど週刊誌の問題が出ましたが、最近はまた特に週刊誌がえげつなくなっております。もう興味本位で挑発的で、これをどうして取り締まらないのかなあということを私はしみじみ感じるわけです。私はいままでにも二遍、週刊誌をこの場で取り上げたことがございます。一番初めは中村梅吉文部大臣でしたけれども、幾ら申し上げても、これは言論の自由、表現の自由があるから取り締まるわけにはいかない、その次が灘尾文部大臣でしたけれども、そのときも相当ひどいのを持ってまいりましたけれども、これもまた言論の自由、表現の自由があるから、これではだめだ、取り締まるわけにいかないと。こういうことで、またこれを集めてきました。これをひとつ見ていただいて、こんなのでもまだ刑法の百七十五条で取り締まれないのかどうか。永井さんのお子様は大変お小さいのですが、あなたのお子さんがこんなのをごらんになったらどうごらんになるか。まだあんなにあるんですけれども、もうあと見てもあほらしいから私見ませんけれども、これを見た人が私のところへ持ってきてくれましたから……。
#386
○国務大臣(永井道雄君) 実は文部省で準備をいたしました青少年指導のための資料がございますが、これは昨年の秋、夏の終わりでございますか、出たものでございます。それは思春期における子供の指導についてという問題でございます。実は、文部省が最近刊行いたしましたものの中で最も広く読まれたものの一つであります。
 思春期の問題は、いま先生、性の問題を御指摘になりましたが、実は性以外にも、大人になっていく過程においていろいろむずかしい問題に直面をいたします。いろいろな意味で自立をしていかなければならないのですが、それまで依存をしてきております。そこで思春期の問題をどう考えるかということを広く読んでいただいておりますが、私はその時分はまだ文部省に参ります前ですが、そういうものを読んでよく考え、つくづく考え、またどうしていくべきかということですが、それはこういういまの雑誌が望ましいかということをおっしゃれば、私は望ましくないと思います。そこで、これは当然警察などで考えるべきものについてはお考えになることがあるのでありましょうが、教育として重要な問題は、性の問題などが起こった場合、その資料が言っておりますことは、率直に子供と話し合うということに親が努めること。また、親も自分が子供だった思春期のころにはやはり悩みがあったのです。しかし、親が相当年をとりますと、思春期のことを忘れてしまうのが普通でございます。自分もその悩み多き年をどうやって通り過ぎてきたかということを考え、そして率直に子供と話し合いながら、子供自身の判断によってしっかり伸びていくようにということの力になる。しかし、力になるといいましても、大事なことは子供自身が自立していくことだ。
 この資料は相当長くいろいろな問題を論じておりますが、やはり社会にこういう事実がございますし、そして性というのはとりわけむずかしい問題の一つだと思いますが、その場合に、目をそらしまして本当に子供が悩んでいる問題に直面していかないということは、私は教育的に望ましくないんだと思います。親も先生もなかなかそういう問題を子供と胸襟を開きながら、しかもまたきちんとした指導の立場をとっていくということは、私自身も含めましてむずかしいことだと思います。とりわけ、先生が御指摘になりましたような激しいこの文化の変化が起こっているときには苦労も多いことと思いますが、私は教育の側面から申しますと、これは子供だけが困ったものだということよりも、やはり大人の方が、学校におきましても家庭におきましても、私自身を含めまして相当努力をしてこの問題というものに直面して、本当に子供の立場に立って、個々にむずかしい状況の中を生き伸びていく力をつけるように全力を挙げなければいけないんだと考えております。
#387
○中沢伊登子君 いま福田国家公安委員長、それから仮谷建設大臣、その週刊誌をごらんになりましたが、それはわいせつには当たりませんでしょうか。ちょっとお調べになってください。折ったところです。
#388
○国務大臣(福田一君) どうも私、わいせつ罪というもののあれを明らかにしておりませんが、まあちょっとひどいなという感じがいたします。
#389
○中沢伊登子君 私、きょうはこの週刊誌、三遍目だと初めに申し上げましたけれども、この前の文部大臣は皆お年を召しておられた。きょうの永井文部大臣は大変お若いし、小さいお子さんを抱えていらっしゃるので、きょうは何とかこれは決着をつけたいと思って持ってきたわけです。これが本当に刑法の百七十五条で取り締まれるものか取り締まれないものか、一度お考えいただきたいと思います。
#390
○政府委員(荒木貞一君) お示しのような週刊誌につきましては鋭意取り締まりをいたしておりまして、四十九年中わいせつ物で検挙いたしましたのは四千二百十二件になっております。そういうふうなものばかりでなく、外国から参りますポルノ雑誌等につきましても、警視庁に一つの班をつくりまして、毎日、そういう意味での検討をいたしておるわけでございます。単に、その一冊の週刊誌というものが、それだけで済むものではございませんので、いろいろな犯罪を生み出すような事案になるというような観点において積極的に対処していくように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
#391
○中沢伊登子君 ちょっと待ってくださいよ。あなた、これを見て、これはわいせつにならないかどうか、見てください。
#392
○政府委員(荒木貞一君) 当然問擬して検討に値するものと存じますので、十分研究をさせていただきたいと思います。
#393
○中沢伊登子君 みんなそうやっていままで何だかスルスル逃げられちゃったんです。きょうはどうしてもこれ一遍やってもらいたいと思うんですけれども、この前私はここで一つ申し上げました。そうして、この私の質問が済むか済まないうちに電話が鳴りました。私は週刊誌の編集長に一時間けんかを吹っかけられました。出てこいということですから、私は出る必要がないと言ったのですけれども、とうとう出ていきまして約一時間けんかをいたしました。そういうこともありますものですからね。
 そうして、この週刊誌というのは、このごろ学校では回し読みをするのが常識になっているんです。お父さんはうちに持って帰らないから大丈夫だなんて思っていたらとんでもない間違いでして、パーマ屋さんにも散髪屋さんにも皆置いてあるのです。これを集めてきてくれた人がこれを私にくれたわけですけれども、実はこれ以上にすごいのが女性週刊誌なんです。女性週刊誌にはもっとすごいのが載っている。そういうものを検閲を何ぼしたとかおっしゃるけれども、それが挙がっていないではありませんか。こういうことからも私は相当、真っすぐに伸びていこうという子供たちがゆがめられてしまう、こういうことに原因が一つあると思いますので、何とかきょうはしっかりしたお返事をいただきたいと思います。検閲に値するなんということでは――もうこの週刊誌はだいぶ出て日がたっているんですからね。三月の二十一日号。一体こういうものが見逃されていていいものかどうか、もう一遍お答えをいただきます。
#394
○政府委員(荒木貞一君) 百七十五条によって問擬すべきものは鋭意いたしておるわけでございまして、今後具体的な結果をお示ししながらひとつ努力をしてみたいと思います。どうぞよろしく。
#395
○中沢伊登子君 それじゃ、これを持っていって調べてください、一遍。みんな差し上げますから、持っていってください。
 次に伺いますが、各都道府県に青少年愛護条例とか育成条例とかというものがあるのですね。ところが、それがほとんど用をなしていないわけです。ただ、これをわいせつだと指定をしました、青少年に与える害があるからこれはわいせつだと、こういうふうなことは公報には出すのですけれども、全然それが用をなしていない。私は、各都道府県のその青少年愛護条例というものが本当に力を発揮しなければうそだと思うのですが、その辺はいかがでしょう。
#396
○政府委員(荒木貞一君) お話のように、各県に青少年保護条例がございまして、それぞれの立場においてそういう問題に対処し、できる限り少年の目に触れないような努力はされておるわけでございまして、先生も非常に慨嘆されるところありましょうけれども、ある程度成果の上がりつつあることもお認めいただきたいと思うのでございます。御承知のとおり、警察の取り締まりだけですべてが解決する問題ではございませんし、需要供給の関係もあると思うのでございますけれども、警察といたしましてもできる限り警察の立場で、そういうふうなものが犯罪の誘因になっておるというような生きた事例をお示ししながら国民の御協力を願うと同時に、青少年問題協議会等にも反映をいたしまして、十分ひとつ成果の上がるようにしていきたい。取り締まりの問題につきましては、具体的なものについて検討をさせていただきたいと思うのでございます。
#397
○中沢伊登子君 そうしたら一体、百七十五条というのはどこまでの範囲を言うのですか。
#398
○政府委員(荒木貞一君) 具体的にはいろいろ考え方がございますけれども、それを見ることによって性的な刺激を与えるとか、あるいは性的道義観念に反するとか、最高裁の一つの判例というものがありますけれども、客観的なやはり影響等も考えて、ある程度ひとつ拡大するなり、あるいはいろんな立場において検討すべきものだと思いますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
#399
○中沢伊登子君 そうすると、いま渡した週刊誌のあれでは、わいせつにならないと言うのでしょうか。
 私、それではもう一つ例を言います。私のおります兵庫県のある高等学校ですが、山の近くにある高等学校です。そこでは高等学校の男女の生徒が、お昼の食事時間には三々五々男女の生徒が腕を組みながら夫婦気取りで山の中に入っていく。その山の中を調べてみたら、マットレスがあっちにもこっちにも敷いてある。そしてその辺には非常にいろんなものが散らかっている。こういうところを現実に私の秘書のお父さんが見てまいりまして、私の方に注進があったわけでございます。これは親が恐らく知らないことだろうと。私は実はきょうまでにそこの写真を写して、きょう拡大してお渡しをしたかったんです。ところが二十二日の質問だと思っていたのが、急にきょうに繰り上がったものですから、実は間に合いませんでした。それで一昨晩、映画の看板広告、これも大変激しいのがありましたので、それも写真に写してきたわけです、夜。ところが、それがきょうはここに間に合わなかったわけです。そういうようなことがずいぶんあっちにもこっちにもありますので、ひとつきょうここでいいかげんに答弁をしておけばそれで済んじゃうだろう、忘れてしまうだろう、需要と供給があるから、やっぱり需要は満たさなくちゃいけないだろうというふうなことでいいかげんに過ごされてしまうと、これは大変なことになる。私がこの前にこれを取り上げましたときに、すでにこの問題がもう少し片づいていれば、こんなあくどいことにならなかったんじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
#400
○政府委員(荒木貞一君) わいせつの問題につきましては、それをいただきまして、具体的な問題として処理させていただきます。先ほど申し上げましたとおり、四千二百件以上の取り締まりをいたしておりますので、その中には取り締まりに当たっておったものもあるかもしれませんし、具体的にそういうふうなことをやらしていただきます。
 ただいま需要供給の問題というようなことが、お話し申し上げて、かんにさわったような感じもいたしますけれども、結局われわれの方がそういう問題について、先ほど来申し上げましたとおり、その性的な写真というものが青少年の犯罪とかそういうふうなものに影響することが多いので積極的な取り締まりをするけれども、それは大人が見るような形において、大人が興味本位でやっている、その大人の反省というものも実は求めたいという意味でお話し申し上げたわけでございまして、御了承いただきます。
#401
○向井長年君 関連。
 国家公安委員長にお尋ねしますが、最近、何と言いますか、一部の暴力団がわいせつなる図画を写真に撮って、そして適宜販売していることがあるわけです。その内容を見たときに、ここに出ておるようなこういう状態が写真に撮られて高く売っておるんですね。そういうものはやはりこの刑法に触れるのか触れないのか。それが触れるとするならば、当然こういう写真が配布されておるという問題については刑法に触れるという感じを私たちするんですよ、常識的に考えて。この点どうですか。そういう写真図画を販売しておる、それに対しては警察は、やはり違反であるということからこれに対する捜査をしておると思います。そうなれば、これと同じようなことが週刊誌に載せられて堂々と白昼各駅でも売られておる、こういう問題と比較した場合どう考えられるか。あわせてお伺いいたします。
#402
○国務大臣(福田一君) お示しの写真は具体的な問題であると思いますから、政府委員から答弁させます。
#403
○政府委員(荒木貞一君) 私どもの警察の仕事は、具体的な問題について取り調べをいたしまして、どういう人がどういうふうな過程においてそれを印刷発行しておるかということを調べることが私どもの責任だと思いますので、いまお示しいただきましたようなことは十分ひとつ私どもの資料として参考にさせていただきますので、その上に立って皆さんの御期待に沿うような、やるべき事案については当然対処していくということで御理解をいただきます。
#404
○中沢伊登子君 それでは、映画の看板広告についても御存じだと思いますね。激しい広告がありますね、映画でも。ああいうのはなぜやめさせないんですか。
#405
○政府委員(荒木貞一君) 具体的には警察の保安係等において、あるいはその地区における青少年関係の補導員その他の方からいろいろな形において警告をしてやっておるわけでございますが、いろいろと目につくことがある場合もあるかもしれませんが、今後十分努力してまいりたいと思います。
#406
○中沢伊登子君 私はこの映画の看板広告も、もう徹底的にやってほしいと思いますよ。
 それで、テレビにも問題がございますね。この間、人口会議で外国に行きましたときに、ある外務省の書記官が、ああ外国へよこしてもらってよかったと。なぜよかったかと言うと、朝から晩まで日本ではどのチャンネルでも回せば映画とかいろいろなものが出てくる。それには大変ややこしいのもあるし、残酷性のものもあるし、残忍性のものもあるし、そういうものから子供が守られて、外国へ来さしてもらってよかったと、こういう述懐をしている書記官もございました。ですから、青少年を守るためには、学校ばかりではなくて、こういったような週刊誌やテレビや映画の看板広告、こういったものも十分に取り締まってほしいと思います。
 それからもう一つの問題は、お酒やたばこや週刊誌の自動販売機についてでございます。最近はお酒もたばこも、そしてこの週刊誌も自動販売機によってどんどん売られるようになっているんですが、これも私は大変問題だと思いますが、その点いかがでしょう。
#407
○政府委員(荒木貞一君) お話にございました酒、たばこの自動販売につきましては、子供の不良化につながる問題でございまして、専売関係その他、酒類のそういう販売機を設備しておるところに対して、それに対する夜間における販売の禁止等、子供に利用されないような形の申し入れをいたしまして御協力を求めておる現状でございます。
#408
○中沢伊登子君 この酒やたばこの自動販売の収益はどこに入るんですか、利益は。
#409
○政府委員(磯辺律男君) 酒につきましては酒の小売店、たばこにつきましてはたばこの小売店の収益になるかと思います。
#410
○中沢伊登子君 私は必ずしも、いま酒屋さんやたばこ屋さんにも人手がないということで、省力化のために自動販売機を使われるということが全部悪いとは思いませんけれども、しかし、これが夜の十一時から朝の五時までだけは販売をしないということに決めても――お酒やたばこを売っている人たちが店を閉めるときに同時に閉めるべきだと思うのですが、その点はどうなんでしょう。
#411
○政府委員(磯辺律男君) 先生御指摘のように、この自動販売機による酒とかたばこの終日販売の問題につきましては、もちろんこれは労働力不足を背景とする省力化とか、あるいは消費者の利便のためにこういった販売方式というものがとられるようになったわけでありますけれども、しかし、この酒あるいはたばこ等につきましては、先生御指摘のように未成年の飲酒あるいは喫煙の悪弊に染まるような恐れもある。それからかたがた、また酒につきましてはそれが飲酒運転につながる恐れもあるというふうなことございまして、いろいろと世論の御批判もございます。それから警察当局の方からもそういった問題の御指摘もございましたし、それからまた、国会におきましてもそういった点についての自粛すべきであるというふうな御意見もちょうだいいたしております。また国税庁といたしましては、もちろんそういったいろいろな問題を背景にいたしまして、この自動販売機による酒の小売免許につきましては逐次縮小の方向で現在まで進んできております。
 具体的に申しますと、昭和四十六年には、必ずこういった自動販売機につきましては未成年の飲酒は禁じられておりますということをはっきり表示さして青少年の自覚を促す、また同時に親御さんの自覚も促すというようなことをやりましたし、それからまた四十八年には、自動販売機だけによる酒の小売免許というものは、これは原則として免許はしないということもやっております。それから昨年の暮れにそういった問題もまたさらに御指摘いただきまして、これは業界の方の自主的な動きもございまして、本年の四月から必ず夜の十一時から翌朝の五時までは自動販売機の機能を閉鎖するという方法をとることになったばかりでございます。しばらくはその様子を見守っていきたいと思いますけれども、一方におきましては省力化という問題もございますし、それからまた一般の善良な消費者の方の利便ということも考えますので、一挙にこれを閉店と同時に自動販売機をストップさせるということもこれもまたいかがかと思いますので、しばらくはそういった業界の自粛措置というものを見守ってまいりまして、その成果を見ながら適切な措置をとっていきたいと、かように考えております。
#412
○中沢伊登子君 先ほど聞いたところでは、お酒の自動販売機でいま売れているのは全部の売り上げの二%ぐらいだと。これを待って、どのくらいの効果があるかということを待つよりも、これだけ青少年の非行の問題が大きくなっているのですから、せっかく通達は出されたようですけれども、これは閉店と同時にやって、家庭の人たちも子供の非行につながらないように少し余分に買って帰るとか、そういうことで子供の非行の問題を防ぐ方に重点を置くような方法をとったり世論を起こしたりする方が私はいいと思いますが。週刊誌の自動販売なんというものは全然私は必要ないと思います。こんなものはやめたらいいと思いますが、私はいまのいろんなお話がありましたけれども、ぜひとも閉店と同時に、目が届かなくなるから、夜中に十一時ごろまで売ったりすることは私はやめてほしいと、こういうふうに要望をしておきます。お考えをいただいておきたいと思いますが、直接関係があるのは大蔵大臣だと思いますが、大蔵大臣、いかがでございますか。
#413
○国務大臣(大平正芳君) せっかくの御注意でございます。検討させていただきます。
#414
○中沢伊登子君 私は、たばこは――お酒はどうかわかりませんが、たばこの方は、昔よく歌った歌に「向う横丁の煙草屋の可愛い看板娘」という歌がありますね、ああいうふうに、たばこを買いに行くというのは味気ない自動販売機で買うんじゃなくて、やっぱりかわいい娘さんがいればそれを見に行く。「だから毎朝毎晩タバコを買いに行く」という歌もあるくらいですからね。やっぱり人間関係をつけるという意味でも私はなるべく自動販売機というものは自粛した方がいいと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それからもう一つ、高等学校の生徒を最近大変悩ましているのにマルチ商法がございます。これはけさのテレビでも大きく取り上げられておりましたが、それは東京で起こった問題ですけれども、このごろ神戸の方にこのマルチ商法が高校生にも触手を伸ばし始めまして、大変いまこれは問題になっているわけでございますが、こういうものについての御答弁は、どこでいただいたらいいんでしょうか。
#415
○政府委員(荒木貞一君) 警察的な立場において御答弁をいたします。
 マルチ商法が、ネズミ講と同時にいま非常に問題になっていることは御承知のとおりでございまして、特に高校生を対象として、判断力の少ないそういうふうな階層に対してマルチ商法的な誘惑をするということについても相当問題がございます。兵庫県等におきまして具体的な事案がございましたので、直ちに法律を適用してこれを処置することができないような内容でございましたので、本年の三月十五日に責任者を呼びまして十分警告をいたしますと同時に、県・市教育委員会、私学総連に対しまして、学生等が会員になることのないように御指導していただくようにお願いをいたしました。
 以上でございます。
#416
○中沢伊登子君 これは会則には、十八歳未満及び十八歳以上であっても高校生の入会はできないと、こうなっているんですけれども、繁華街やなんかを高校生が歩いていると、三、四人の者ががっと取り囲んで、そうしてある部屋へ連れていってしまって、そこで写真を写して、母印を押さして、そうしてお前さんはもう会員だから二万八千円払いなさい、それがいやだったら何人とかふやしてきなさい、こういうような方法をとりまして、家へ帰ると子供が大変しょげているので親がどうしたのかと聞いたら、その二万八千円を払うのだけれども自分の小遣いは五千円しかない、こういうようなことで、親からこういうことが警察に届けられたわけでございますけれども、これも十分取り締まっていただくように要望をしておきます。
 このようにいろんな問題があるわけですけれども、こういった問題を取り締まるのに、警察庁の方はどういう方法をとっておられますか。
#417
○政府委員(荒木貞一君) 御承知のとおりマルチ商法は、物を販売するというよりも、販売員を拡張するというような手を使うわけでございまして、マルチ商法に対する取り締まりの問題につきましては、現在通産省等において、産業構造審議会等において法的規制をどうするかについて御検討いただいておるところでございます。しかし、法律ができる前にそういうふうな事案が起きておりますので、中には強迫的な行動に出て、金を貸してやるから払い込みなさいと、そうして貸し借りの契約においてその者から金を取っているというようなこともございますので、できる限り適用すべき法律を検討して、ひと積極的に対処していくようにいたしておるところでございます。
#418
○中沢伊登子君 私はいままでのお話をずっと伺ってみましても、週刊誌の問題にしても何にしても、これは社会教育の見地から国が総合的な新しい青少年対策を考えなければならないと思いますが、いかがでございますか。どなたか答弁してください。
#419
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御指摘がございましたように、社会教育というものの充実は非常に大事であると考えております。一方で悪質なものを排除していくという努力が必要でありますが、他方におきまして良質なものを伸ばしていくということが非常に大事なのだと思います。そこで、良質なものを伸ばしていく上で、いいテレビを助成いたしますとか、あるいは子供劇場というものを助けるということを先ほど申し上げました。しかし、社会教育というのは、文部省が直接行ってまいります国立少年自然の家のようなものもございますけれども、しかし、社会全般において民間の自主性において行われているものも非常に多いのでございます。そこで、文部省だけで考えるのではなく、現在もそうなっておりますけれども、総理府の中に青少年対策を検討する機関もございます。で、関係省庁というものがいろいろな問題について協力して考えていかなければならない。
 しかし、恐らくきわめて重要でありますことは、確かに青少年の問題でありますが、しかし、社会全体に、これは大人も含めまして、きわめて建設的で、そして理想を求めていくような、そうした社会というものをつくるということが恐らく根本にあるのではなかろうかと考えます。それはもちろん一省庁の解き得る問題ではなく、また役所だけが解き得ることではなくて、官民あるいは立場を異にする人の協力によるものと思いますが、そのような考えを一方で持ちながら、私たちは、文部省としてできるだけのことをやり、また他の省庁と協力をいたしまして、今後の社会教育のあり方を考えていきたい。
 で、文部省に最近文明問題懇談会というものがございますのも、今日の文明問題というのは非常にむずかしい複雑なことがあり、先ほどから御指摘の点は、単に日本にとどまる問題ではなく、相当広く世界の各地域に見られを点であるかと考えます。こうした事柄について十分に基本的な問題というものを明らかにしていく、先生方にしていただいていく過程を経まして、でき得る限り根本的な問題の解決に向けて長期的に根気よく努力していくという、そういう立場で私は臨んでいきたいと考えておりますので、こうした問題についても一層いろいろなお立場の方々の御理解を得られれば幸いであると考えております。
#420
○中沢伊登子君 それでは次の質問に移ります。再三ここでも取り上げられたかもしれませんけれども、歯科医師の問題でございます。
 現在社会問題化している歯科の差額徴収についてお尋ねをしてまいりたいと思います。歯科医の診療は今日かつてない不信の時を迎えております。このまま診療側の混乱が続きますと、医療制度全体の崩壊につながりかねない状況にございます。厚生省も歯科医師会も何ら有効な手を打たない。むしろ打てないというのが今日の実情であろうかと思いますが、何もしょうとしない関係者に見切りをつけて、神戸市の消費者協会から始まり、各地の主婦たちが歯の一一〇番などの自衛策に出たのは当然でございます。医療の貧困と、告発し続けるこれらの動きをどのように厚生大臣は評価しておられますか。また、今日の問題はどこに原因があって起こってきたのかとお考えでございましょうか。
#421
○国務大臣(田中正巳君) 今日社会保険の歯科診療に関して差額徴収問題と言われているものについては、いろいろ調べてみますると、単なる、つまり厳密な意味の差額徴収問題だけではなさそうであります。まあ差額徴収そのものに関する問題もございますし、あるいはまた、元来保険で給付ができるものを、だめだと、こういうふうに患者に言いまして、保険以外で診療をしたとか、あるいは子供の診療はできないとか、ないしはまた、時間のアポイント制度をとるためにお金を取るとか、いろんな問題が苦情として山積をしているようであります。
 しかし、一番の問題は、やはり差額徴収問題だろうと思いますが、これにつきましては、要するに差額徴収制度というものが非常にむずかしい背景を持っておりますものですから、したがいまして、患者さんが一体歯科における差額徴収というものはどんなものであるかということの認識がなかなかできなかったというところに、この問題が発生をしたというふうに私は考えております。
 一定の分野について、たとえて申すならば、金ないしは金合金、白金とか、そういったようなものについてだけ、これは特殊な事情があるものですから差額徴収を認めておるわけでございますが、これについても、差額徴収でありまするけれども、やはり歯科医師と患者の間でよく相談をして料金をきめて、理解と納得の上にこれをやるのが普通なのでございますが、これを何も言わずに後で法外に高い料金を取ったなどというのが一番大きな苦情になっているようであります。
 そこで、いままでわれわれは何も手を打たなかったというわけではございません。そうしたことを踏まえまして、いろいろと注意を喚起いたしました。それぞれの歯科の診療室あるいは待合室等に対し、この種のことを、歯科の差額徴収というものはこういうものでございますと、また、こういうふうにしておやりなさいということを、PRを実はやっておったわけでございますが、これがなかなか思ったより周知徹底をしなかったということであろうと思います。厚生省でも、おくればせながらでございますが、苦情相談所を全国にかなり多く実はつくりまして、
  〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕
いろいろと世間の方々の意見をくみ取っておりまして、これを行政ルートに乗せて処理をいたすようにいたしております。また、再三にわたっていろいろと、この種のことをやっておる者については、監査あるいは指導監査をいたしまして、はなはだしい者に至りましては、これについて保険医の健康保険法による処分をいたした実例もございますが、なお今日社会問題化していることはまことに遺憾でありまして、何とか一日も早くこのような社会事象を私は解消をいたさなければならないものと思っております。
#422
○中沢伊登子君 私、この間神戸へ行って具体的な例を調べてまいりましたので、お聞きをいただきたいと思います。
 それは、神戸市の消費者協会を中心とする歯の一一〇番の受け付け件数は、わずか二月の十九日から二十八日までの十日間で六百八十七件を数えております。そのうちの四百十三件が、保険が使えず、差額料金が高過ぎるなどの差額診療の実態や、診療拒否などを訴えているわけですが、たとえて申し上げますと、わざわざ神戸まで高知県から電話がかかりました。これは、歯を治療したら全部で二百万円かかるということで、保険はきかない、こういうようなことを訴えてこられました。またあるところでは、前歯二本を治療したら、一本十万円を支払う、これも保険はききません。安いのは六万円ぐらいからありますけれども、それは割れるかもしれないが、それは責任を持ちません、こういうようなことやら、右の上の二本、下の二本、合計で四十五万円と言われた、健康保険はだめだと言われました一まるで口の中に一台自動車が入っているみたいな感じです。
 それから、前歯二本さし歯にしてもらい四十万円取られました、人に聞くともっと安くできたと言う。一体標準価格は幾らぐらいなのだろうか、こういうような訴えもございましたし、歯の治療をしたいと申し込んでいたが、予約制なのでまだ一年先になるということで、連絡がないので聞くと、電話をするというだけで、そのまま歯は見てもらえませんと言う。あるいはまた、全部で十四万七千円支払ったが、分割払いをしたので三万円分の領収書しかもらっていない、それもしぶしぶ出してくれた、全部の領収書がほしいのだが頼んでも出してくれない。あるいはまた、虫歯一本の治療代として二十万円、三本で六十万円取られて泣いている被害者がおります。これははがきで言ってきたものでございます。予約料と称して平均千円、特急料と称してグリーン券を発行して平均二千円を取っているお医者さんも多い、もちろん、これらは完全な脱税である、こういうようなことを、はがきで訴えてきた人もございます。あるいはまた、前歯二本虫が食ってうずくのでお医者さんに行ったら、領収書は一万円を請求された、領収書を書くだけが一万円。あるいは、技術に不信を持っている方やら、まあ治療ミスだの、いろいろな事例がありまして、私一つ一つ、こういう事例ということを持ってきたわけですが、もうこんなにたまっておりますよ。それから、老人の診療をいやがるという問題、あるいは子供がいやだと、こういうようないろんな問題がございます。
 もちろん、これはお医者さんのモラルの問題ではございますが、法外な料金を取るべきではないと、私どももこう思っておりますが、一方、これは患者の側にも私は多少問題があると思います。たとえば、子供を甘やかし過ぎているとか、お年寄りが約束の時間におくれて来るとか、愚痴が多過ぎるとか、こういうような問題がないわけではありませんけれども、お医者さんが余りにも乱暴過ぎはしないか、こういうふうに思うわけです。
 そこで、歯の二〇番の人は初めは単純な気持ちで始めたけれども、余りひど過ぎるし、歯科医師のほうからも勝手を言い過ぎるし、いやがらせの電話や苦情の電話がお医者さんからもかかってくる。中には歯科大へ入学した子供の母親からエゴまる出しの苦情の電話もかかってくる。あるいはインターンの人から、せっかくここまで来たのにこんな問題が起こっては泣くにも泣けない――ということは、多額のもうけを予想してインターンにまでなったのにこんな問題が起こって、しゃくにさわってしようがない、こういうような苦情の電話もかかってくる。こうなると、正義の味方として最後までやり遂げなくてはいけない、こういうふうな執念を神戸の消費者協会の一一〇番は持っているわけでございます。
 そこで、日本歯科医師会の全国代表者会議での、慣行料金は下限を定めるべきだとする方針を厚生大臣はどのようにお考えでございますか。また、各地域の歯科医師会で決めている二世養成費とともに、これは自分にかかった費用も含めているんですから、往復の費用を取っているわけですね。こういうようなものまでも算出して、患者不在の高値安定の統一料金をつくっているということに対して、どのように指導していくお考えでございますか、お答えをいただきたい。
#423
○国務大臣(田中正巳君) 私は、基本的に、今日これは全部ということは私は絶対申しませんけれども、一部の心ない歯科医師の状態というものは全く困ったものだというふうに思っております。先生も御指摘のとおり、基本的には私はモラルの問題だと思うのでありまして、このようなモラルの状態であったならば、いかに制度を精細につくっても、私はだめだというふうに思います。で、一部にはまた、歯科医師の数が少ない、需給がアンバランスになっているという向きもあろうと思います。これも私は事実だと思う。したがって、歯科医師のほうが売り手市場になってこのような状況を生んだものというふうにも思われますが、基本的にはやはりモラルの問題であるというふうに思っておるわけであります。
 そうした中にあって、いろいろな要因がこれに重なっているようであります。率直に申しまして、日本歯科医師会で脱保険というようなことを――これは意味が違うんだということを私どものところへ申してはおりまするけれども、このように誤解をされるような表現を下部に流したといったようなことも、私は混乱を招いた原因の一つであったのではなかろうかというふうに思っておりますが、こうした中にあって、日本歯科医師会が差額徴収料金について下限を定めるということは、私は今日の時勢ではこれは意味がないというふうに思っておるわけであります。
 また、いわゆる子弟の養育費の問題を差額徴収料金の中に織り込んで計算をしておるということですが、これは私は一概に悪いとは言いかねると思うのであります。と申しまするのは、やはり診療報酬の中で子弟の教育までできないということであったならば問題だと思いますので、したがいまして、このようなものについてこれを織り込んでいくというのも程度問題だろうと思います。ただ、差額徴収料金にだけ子弟の教育費を含めるということは私はいかがと思うのでありまして、全体の歯科診療の、つまり歯科の社会保険診療における診療報酬の中においてこの子弟の教育費が適当に見込まれるということが必要であろうと思いますし、その部分にやはり何といっても差額徴収のシェアというものはあるはずでございまするから、その中に応分のことを含めることはいいんですが、これに全部を含めるということについては私は問題があろうというふうに思われるわけであります。
#424
○中沢伊登子君 私は、いまの厚生大臣の御答弁では大変納得がいきません。というのは、歯科大に入学させるときの入学料金が余り膨大過ぎるわけですね。ここら辺に問題があるのであって、自分の子供をそんな三千万円もするような入学金を払ってそういうところへ入れるという入れなければならないというような国の教育方針が、私はここが問題だと思います。だから、それだけ使ったから当然それを取り返すために相当高い料金を取ってもあたりまえだというような考え方は私は納得できません。
#425
○国務大臣(田中正巳君) 私はそういうものを対象にしての子弟の教育費ということを言っているわけでございませんで、常識的な子弟の教育費、これはサラリーマンの場合でも、すべて理論的に申しますると、自分自身が教育を受けたものについての利用度というものがあるだろうと思いますし、また、家族給その他で子供の養育費というものもある程度見てやるというふうなことを考えると、これは全部ネグって、これは認めませんというのもいかがかと。しかし、いま言うように、法外に高い、俗に言われる裏口入学のお金ですか、こういったようなものを含めなければ承知をしないということについては、私はこれを是認するものではございませんから、その点は言葉が足りなければ足していただきます。
#426
○中沢伊登子君 せっかく健康保険があるのに、そうしてわれわれ健康保険料を払っているのです。それに健康保険が使えないとか、保険ではいい歯ができないというようなことに対して、私はこれはどうしてもやはり保険医さんに考えてもらわなくちゃならない問題だと思いますね。もちろん、いまの点数では少し安過ぎるかもしれません。それはいろいろな資料がございますね。だから、その点で保険医さんも生活するのに困らないだけの診療報酬、技術料、そういうものは一応これから厚生省できちんときめるべきだと思います。そこで、健康保険による歯科治療の給付範囲をもっともっと拡大する必要があるのじゃないですか。歯科治療の健康保険による給付範囲、それはどう思われますか。
#427
○国務大臣(田中正巳君) いろいろなお話がございましたので答弁漏れがございましたが、さっき先生のおっしゃったようなあのクレームの実情というのは、現在の社会保険でできるものをできないと言っている事例が、実は先生がお読みになったものに多いわけでありまして、あれは私は問題にならない、差額徴収の範疇の外であるということであろうと思います。
 しからば、今日の歯科の社会保険診療における保険給付の内容でございますが、ほとんどのものが保険給付ができるように実はなっているわけでございまして、一部の本当に高い材料を使うもの等々について一部差額徴収制度を認めているわけでございますが、この差額徴収制度の今後のあり方について、いかようにいたすべきかということについては考究をいたさなければならないと思うわけであります。率直に申しまして、私は、日本の社会保険というのはどうも点数単価によってしばられており、もう少し何とか自由の息吹を入れたらどうだろうかということを実は個人的にひそかに考えておった時代がございました。また、ヨーロッパの社会保険というのは大体そういう制度になっているわけでございますので、いろいろな医療担当者のフラストレーションというのもそういうところにあるというふうに受けとめておったものですから、そういう方向において検討したらどうかと思っておりましたが、今日の状況では、とてもじゃないが問題にならないといって私もやや鼻白んでいるというのが私の現在の心境であります。
 また、いろいろな診療報酬について、これを今後あるべき姿に直していくべきだということについては、私は先生と全く所説を一緒にいたしますが、これはしかし、厚生省単独ではできません。中医協でもってこれを策定していただかなければなりませんが、さればといって、中医協が定めることであるからといって厚生省が手をこまねいて見ているというわけではございません。やはり適当な時期と適当な機会に中医協に対しそのようなことを審議をしていただくという方向があらなければならぬと思いますが、率直に申して、いまの一体社会的な雰囲気の中にこのことを直ちに取り上げるということができるであろうかどうか、これは私も厚生大臣として考えさせられるわけでございますので、先般も日本歯科医師協会の幹部が私方はえりを正してくださいと、そうしてこの問題が社会的におさまったところで、少なくとも全部おさまらなくても、ある程度おさまったところでひとつそういう方向に進まなければ、社会的な抵抗が強くていけないじゃないですかということを私は申し上げたわけでございまして、そうしたような情勢を踏まえつつ、私はこの診療報酬のあり方については検討することについてやぶさかではございません。
#428
○中沢伊登子君 いま中医協の問題が出てまいりましたけれども、この保険の診療報酬について、中医協内部に歯科の専門部会を設けたのですね。で、差額徴収問題について検討を始めたやさきに今度こういう問題が起こってしまって、三師会の委員を引き揚げてストップしたままになっておりますね。ですから、この中医協を再開するということはずいぶん難儀中の難渋だろうと思いますが、ひとつぜひともこれはやり遂げていただきたいと思います。というのは、お医者さん同士の学閥の争いもございますね、今度の問題の中には。そういったようなことで、それが全部患者さんにおっかぶせられるなんて、こんな不合理なことは私どもはがまんできませんですからね。ひとつその辺は厚生大臣の努力を十分期待をしておきたいと思います。
 それから歯科の診療報酬は一般医科並みに、またはそれ以上に引き上げられてきましたけれども、検査や投薬への依存度が低いですね、歯科医のほうは。そういう中で実収入の伸びが相対的に低くなっていると言われておりますが、厚生省当局は歯科の診療報酬についてこれからも十分考えていただかなければいけませんが、その所感をひとつお伺いしておきたいと思います。
#429
○国務大臣(田中正巳君) 歯科の学閥問題でございますが、これは今日の日本歯科医師会の紛争には確かにそのようなことがあるというふうに聞いておりますが、差額徴収問題と言われる社会事象には、このことは直接は関係がないのではないかというふうに思います。ただ、地域的にこの問題が歯科医師さんの間で若干の考え方の違いがあることは、私も承っております。
 それから、社会保険診療の中における歯科のシェアというものが次第に下がってきたという御指摘がございましたが、これは計数としてはさようであることは私も心得ております。それが一体いかなる理由で、またどういうところにそういう結果が出てきたか、これについて、もしお尋ねがございますれば政府委員から答弁をいたさせます。
#430
○中沢伊登子君 私もそれは資料持っておりますから、結構でございます。
 最後に、このように診療報酬をめぐって混乱を続けていたのでは、五十年度税制改正で問題になっている社会保険診療報酬に対する課税の適正化、こういった緊急解決を迫られている問題に取り組めないのではないかと思われますが、いかがでございますか。
#431
○国務大臣(田中正巳君) 診療報酬の改定はやはり法律によって中医協の決めるところでございますから、したがって、中医協が有効に作動をいたさなければこれは引き上げができないわけでございまして、厚生大臣としてもいかんともいたしがたいというのが、この制度の仕組みであります。ところが今日中医協については、医療側委員は医師会、歯科医師会、薬剤師会と、理由は多少ずつ違うようでございますが、全部一時辞任をいたしたいということで、辞任届を私のところに持ってきております。私はこれをお預かりしておりまして、何とか復帰するように実はいろいろと説得工作をいたしておりますが、いろいろな理由がありまして、三師会それぞれ実はニュアンスも違うようであります。何とかひとつこの問題が早く解決をしていただかなければ診療報酬は上がりませんし、また診療報酬が上がらなければ、皆さん御承知のとおり、いまおっしゃった問題についてもこれは解決をする機会がございませんから、したがいまして、私どもとしては中医協が有効に動くように何とかいたさなければならないと、日夜これについては私は腐心をいたしておるところでございします。
#432
○中沢伊登子君 税制の問題、どうですか。いまの七二%の問題。
#433
○国務大臣(田中正巳君) これにつきましては、もともとあの制度は診療報酬が低いということから議員立法でできた制度でございますので、したがって、診療報酬の見合いにおいてこれを考えるべきことでございますので、診療報酬が今後どういうふうに推移をするかということによって、この問題の解決の糸口が少なくともつかめるということだろうと思いますので、中医協がこのような状態では診療報酬を動かすことができませんから、したがって、そういったようなことについての手をつけるモメントがない、こういうことになるということでございます。
  〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕
#434
○中沢伊登子君 それでは次の問題に移りたいと思います。
 ことしは国連が提唱した国際婦人年に当たる年でございますが、そこで私は、先進各国の中で婦人問題について国民の自覚がまだ十分とは言えないわが国にとって、この国際婦人年はその前進への大きな機会であると認識しておりますが、政府は国際婦人年の目的をどのように考え、また国際婦人年にふさわしい事業について具体的なお考えがあったら教えていただきたい。
#435
○政府委員(森山眞弓君) 国際婦人年は、先生御承知のとおり男女の平等を促進し、経済、社会、文化の発展と国際協力に婦人の参加を促すということを目的といたしまして、国連が提唱しているものでございます。この目的に沿いまして、世界的にまた各国の中におきまして、集中的な活動を行うということを趣旨にしているわけでございます。
 わが国におきましても、その趣旨に従いまして、できるだけのことをやりたいと思いまして、政府といたしましてはいろいろな行事を予定いたしております。国際婦人年記念式典の開催、また内外の婦人問題有識者によります巡回講演会の開催、また国際婦人年世界会議などへの参加協力、また国際婦人年記念コンテストの実施、さらに例年やっております四月の婦人週間、また九月の働く婦人の福祉運動などを通じまして、特にこの趣旨を徹底する啓蒙活動をいたしたいと考えておりますし、またことしは、アメリカの労働省との共同によります勤労婦人の役割りと地位に関する共同研究ということもいたしたいと考えております。さらに、就業における男女平等問題研究会議を発足させまして、特に就業上の平等の問題につきまして深く研究に着手したいというふうに考えております。
#436
○中沢伊登子君 私が調べたところによりますと、国際婦人年の事業予算は、五十年度一般会計で二千二百万円が計上されておりますが、この予算とても、カナダ、オーストラリアなどでは六億から八億も計上しております。婦人議員懇談会では、過去二回にわたって三木総理大臣に予算等あらかじめ要望をしたはずでしたのに、この程度しか予算を計上していただいておりません。こうしたことからも、わが国は婦人問題の熱意が国際的に劣っていることが認識できると思いますが、この点についていかがでございますか。
#437
○政府委員(森山眞弓君) 国際婦人年に関します予算、いま先生がおっしゃいました二千二百万と申しますのは、労働省関係の直接的な事業として予定されているものでございます。この経費を使いまして、先ほど申し上げましたいろいろな事業の多くを実施したいというふうに考えているわけでございますが、聞くところによりますと、このほかに、国際婦人年の国連への特別の拠出金といたしまして、外務省の方から三万ドルを出される予定であるということを聞いております。この額は、ほかの外国に比べましても決して少な過ぎる額ではないというふうに考えます。また二千二百万円の特別のことしの経費のほかに、わが国におきましては例年やっております婦人週間、それからその他の婦人の地位向上のための政策がございますので、その経費の中でさらにこの趣旨を徹底さしていきたいというふうに考えます。ほかの国の予算のことにつきましては詳細を存じておりませんが、日本の政府の予算といたしましては、以上のような次第でございます。
#438
○中沢伊登子君 大蔵大臣、これくらいでよろしいとお考えでございますか、予算。
#439
○国務大臣(大平正芳君) いま政府委員からお話がありましたように、直接経費のほか、婦人の地位向上のために、去年に比べましてたしか相当奮発しまして六億数十万円計上さしていただいたように記憶いたしておるわけでございます。これでもって十分とは決して考えておるわけじゃございませんで、なお関係当局とよく相談をして、今後とも努力してまいるつもりでございます。
#440
○中沢伊登子君 私どもは先ほど言いましたように、三木総理大臣に二遍も皆さんでお伺いをして、もう少し予算を取って、決して大蔵省に削られないようにと要望しておったんですが、二千二百万に削られてしまった。どうぞ来年からは、婦人のためには予算を削らないように盛り込んでいただきたいと要望いたしておきます。
 その次の問題に移りますが、今日、米国やカナダ、スウェーデン、イギリスなどでは、すでに男女平等の実現が社会的な課題になっていると言われて、すでに数年前から政府自身あるいは大統領、総理の直属の特別委員会などが女性差別の撤廃について具体的に検討され、法律の制定準備にも取りかかっていると言われています。わが国でも先進国にふさわしく、この問題に対して真剣に取り組んではいかがでございましょうか。すなわち、国際婦人年にふさわしい記念事業として検討機構をつくっていただきたいと思いますが、その点どうですか。
#441
○政府委員(森山眞弓君) ただいま、先ほどの御説明でもちょっと触れましたように、ことしは国際婦人年でありますからということを十分に認識いたしまして、労働省といたしましては就業における男女平等の促進ということのために、この研究会議を発足させたわけでございます。私の承知しておりますところでは、労働省ばかりではなくて、たとえば総理府におきましては、昭和四十七、八年度の二年にわたりまして婦人に関する諸問題の調査会議を設けられておりますし、その調査会議の御調査の結果も総合調査としてまとまっております。先生も御承知とは存じますが、その結果を婦人に関する施策に反映させますために、四十九年度からまた婦人に関する諸問題の懇談会が設置されているというふうに承知いたしております。
#442
○中沢伊登子君 赤松課長さんがアメリカへ行って調査をされました、日本で言うならば駆け込み寺みたいなものをつくりたいという話をちらっと聞いたんですが、それはどうですか。
#443
○政府委員(森山眞弓君) 先生のおっしゃいますのは、米国の平等雇用機会委員会のことではないかと存じますが、これはアメリカにおきまして一九六四年からできておりますもので、特に七二年以来非常に権限が強化されて、男女の平等の問題にも有効に活動しているということを聞いております。このようなものを参考にいたしまして、先ほど申し上げました研究会におきまして、わが国においてはどのような方法が最も適当であるかということを探っていきたいというふうに考えている次第でございます。
#444
○中沢伊登子君 ILOがまとめた勤労婦人の機会均等と待遇の平等という報告書によりますと、働く婦人は現在でも男性と同じ仕事をしていても半分の給与、家事を含めると男性のほぼ二倍の時間を働いていると言われています。そこで最大の問題点は、同一労働に対する不平等の賃金である。このことは男性中心の社会の中で婦人の労働が理由なく低く評価されることでございますが、この問題は労働省が発表した昭和四十八年版の「婦人労働の実情」にも明らかになっておりますね。たとえば一九七二年の場合、西ドイツでは男子を一〇〇とすると女子が七〇、フランスは八七・七、オーストラリアは七八・四であるのに対して、わが国は五〇・二という大変低い賃金でございます。男子に対して女子の労働価値は五〇%という評価しか出てこないわけです。こうした不公正の是正が、社会的不公正の是正を看板とする三木内閣の大きな課題でございますし、義務ではないかと思いますが、どうお考えでございますか。
#445
○国務大臣(長谷川峻君) 前の政府委員からも話が出たかと思いますが、先生方非常に御関心を持っていただきますように、ことしは国際婦人年、世界的に男女の平等ということは先進国でもそれだけ差がある、日本でもまだ五〇%という数字が出ております。それをやっぱりよその国に負けないように一生懸命やっていくというところに、国際婦人年でもある機会に私たちは婦人の地位の向上、そういうものを一生懸命がんばりたい、こういうふうに願っているところであります。
#446
○中沢伊登子君 次に、今後日本では老齢化社会に移行する中で一段と大きな社会問題が顕著になるものに、中高年の独身婦人の問題がございます。特に、現在の好んで独身でいる人とは違って、戦争の被害を受けてきた中高年独身婦人の問題がございます。それは、ここで特に問題としているのは、戦争激化の第二次大戦の最中に結婚適齢期を迎えたのに、働く婦人はその結婚の相手を見つけることができなかった問題です。男性が戦地に召集されている間に祖国を守ってきたこれらの女性が、終戦後もうすでに三十年を迎えて、当時結婚適齢期を迎えていた人たちは、いま四十七歳前後になっております。この人たちの問題がこれから大きな問題になろうかと思いますが、これらの独身婦人は終戦当時十五歳から二十六歳の人でございました。この人たちの一番大きな問題というのはどこら辺にあるのか、お考えでございましょうか。またさらに、わが国で四十五歳から五十五歳までの独身婦人がどのくらいいるかを調査したことがございますでしょうか。
#447
○政府委員(森山眞弓君) 昭和四十五年の国勢調査の報告によりますと、四十五歳から五十四歳で独身の婦人は約百二十万と出ております。
#448
○中沢伊登子君 そして、この戦争で被害を受けた人たちの問題は、どんなところにありますか。
#449
○政府委員(森山眞弓君) 一般の婦人に比べまして非常に有業率が高うございまして、これは就業構造基本調査によりますと八五・九%ということでございます。一般の婦人の場合は三〇%ぐらいであったと記憶いたしておりますが、独身の婦人の場合は、中高年になりましても非常に有業率が高いということが特徴であると考えます。
#450
○中沢伊登子君 東京都が調査した資料によりますと、これらの独身婦人は、戦争によって影響を受けた人が約全体の六二%に及んでおりますが、その内容は、家財の被害に遭った、家財が被災をした、よい配偶者に恵まれなかった、挺身隊なんかに強制的に行かされて十分な教育が受けられなかった、あるいは家族の死亡のために弟妹のめんどうを見てきたと、こういうような影響を大変受けているわけでございます。そこで、今後この人たちにとって一番深刻な問題は、老後の不安の問題です。すでに定年を迎えようとしておりますが、この老後の問題、あるいはまた住居の問題、あるいは孤独の問題、こういったような問題がこの人たちの一番深刻な悩みでございますが、戦争犠牲者の中高年の独身の婦人に対して、国の責任、責務であると私は思いますけれども、基本的に政府はどのような姿勢を持っておられるか、お尋ねをしたいと思います。
#451
○国務大臣(長谷川峻君) まさに戦時中のいろんな問題がこういう方々にしわ寄せされているところがございまして、労働省といたしますと、独身中高年婦人を含めて、婦人の就職促進を図るために、もっぱら婦人を対象とする公共職業訓練校を設け、家政科の訓練を行ってもおります。御案内のように、家政科の訓練はその教科内容から見ても、ホームヘルパー等になるのにふさわしい、そういうことをやっておりまして、なお、夜間で行うよりも昼間こうした訓練を受けやすくするように援助措置を考えている次第でございます。
#452
○中沢伊登子君 いま森山局長が言われましたように、有業率が八三・三%ということなんです。平均の賃金が八万五千円です。それから男女の定年の差が三・三年ということになっているわけですね。ですから、この人たちは、もういよいよ定年になる前に次の職業をもう十年ぐらいは続けていきたいと、こういう大変意欲に燃えていらっしゃるわけですね。そこで、いま働いている間に、夜間でいいからそのホームヘルパーの資格をとるために、あるいは、老人シッターといいますか、老人シッターになるためには、挺身隊に行っていてお料理の勉強もろくにしていないから、老人の食事の献立を教えてもらったり、食事の仕方を教えてもらったり、あるいは老人の介護の仕方を教えてもらったりと、こういう要求があるわけです。ですから、昼間の職業訓練ではなくて、夜間に特に職業訓練をしてほしいと大変望んでいるのですが、それはできませんのですか。
#453
○政府委員(藤繩正勝君) ただいまのお尋ねにお答えを申し上げます。
 先ほど基本的には大臣から申し上げましたように、もっぱら女性を対象に、特に、いまお尋ねのような問題のためには家政科を中心に職業訓練を行っております。せっかくの御提案でありますから、研究させていただきたいと思いますが、何せやっぱり御婦人でございますので、できれば夜間よりも昼間と私どもは考えております。従来ですと、昼間ができにくいという事情がございましたが一幸い雇用保険法が成立をいたしましていろいろな援助措置が可能になりましたので、そういったものを工夫いたしまして、何とかできれば昼間でそういう訓練を実施していきたいというふうに思っておる次第でございます。
#454
○中沢伊登子君 この間もたくさん見えましたときに、どうしても夜間でしてほしいという要望が強かったのですが、それは一度また御相談になっていただきたいものだと思います。
 そこで、この人たちが一人で安心して生活ができるように生活の保障がなされたいと、あるいは、年金もいまは十分ではありませんし、もしも病気をしたときにはどうなるだろうかということを大変心配しております。そこで、病気をしたときにはホームヘルパーを、今度自分がホームヘルパ一になるのではなくて、ホームヘルパーを派遣してほしいと。その制度は、いま有資格者のホームヘルパーというのは大変高いのです。一日に大体五千二百五十円から六千三百五十円だということなんです。そうすると、この女子挺身隊員なんかに行った人たちは、そう大きな会社には勤めていないはずでございます。ひょっとすると、五人未満のようなところに勤めているかもしれません。そういうところで、賃金も先ほど言ったように男性と比べれば女性は五〇%だ、そういう大変低い賃金の中で病気をしたときにはどうしようかと、こういう心配がありますから、特にそういうホームヘルパ一を国が補助をして地方自治体で幾らかのお金を出して安く派遣をしてほしいと、それもずいぶん心配なことだと言っていましたが、その辺はどうなるんでしょう。
#455
○政府委員(上村一君) いまのお話、正直申し上げてなかなかむずかしゅうございます。子供を抱えた母親などにつきましては、ことしのいま御審議いただいております予算案で、介護人を派遣することを考えたわけでございますが、独身の人が病気になった場合にホームヘルパーを派遣するという問題は、すべての人が病気になってめんどうを見る人がない問題に共通する問題になるわけでございますので、ちょっと手をつけることはむずかしかろうというふうに考えます。
#456
○中沢伊登子君 それでは、見殺しにするんですか。
#457
○政府委員(上村一君) どう申し上げたらよろしゅうございましょうか、入院ということになるのじゃないかというふうに考えますが。
#458
○中沢伊登子君 入院をすればずいぶん差額ベットを取られるわけです。ですから、何とか、一人ですから、一人で家に寝ているんだったらホームヘルパーを派遣してもらえないだろうかという強い要望があるわけですよ。一ぺん考えてみてください、それは。
#459
○国務大臣(田中正巳君) 心情的には私もわからぬわけではございませんが、今日、いわゆる乳幼児を抱えた母子家庭にやっと介護人を出すというところまできた程度でございまして、これについていま直ちにというわけにはなかなかいくまいと思いますが、社会問題の一つとしてやはり考えてみなきやならぬというふうな意識もあります。
#460
○中沢伊登子君 それでは、住宅の問題に移りますけれども、友達や何かと近くにいてお互いに助け合えるような、そういう住宅が必要になってまいるわけですね。それで、さっきの東京都の調査によりますと、中高年の独身婦人のうち、家を持っている人というのは三八・八%しかないわけです。あとは民間のアパートが二八・七%、借家に住んでいる人が一一%と、こういう順番になっているわけですね。したがって、四〇%の独身婦人は家賃の高い住宅に入っていることになっているわけです。しかし、賃金が安くて家賃も高いのは骨身にこたえるわけでございます。これらの戦争犠牲者に対する住宅対策について建設大臣は真剣にお考えになるべきだと思いますが、いかがですか。
#461
○国務大臣(仮谷忠男君) 戦時中に挺身隊等で青春を犠牲にしたいわゆる戦争犠牲者、中高婦人のための住宅問題は、私も御指摘のとおりだと思います。せめてそういう犠牲者に対して住宅ぐらいはという気持ちを持っておりますし、今後努力いたしてまいるつもりでありますが、ただ、一、二点ぜひ御理解を願っておきたいと思いますのは、公営住宅は独身者ではいけないわけでありまして、しかも、当面一般世帯向けの公営住宅が非常に少なくて、これにいま全力を挙げているわけですから、この面は少し無理だと思います。
 問題は公団住宅でありまして、実は四十一年まで公団住宅として独身者の住宅が約一万戸近く建っているのですね。その中に二千戸余りが婦人用のものができておったわけで、これが四十一年から中止になっているわけですよ。なぜ中止になったかと調べてみますと、これは四十一年から第一次住宅五カ年計画というのができました。それから五カ年してまた第二次五カ年計画が続いておりますが、この計画では、やはり当時まだ世帯用の住宅が非常に逼迫をしておりまして、これに最重点を置くべきだという考え方から、単身用のものが一時中止されたような形になってきました。ところが、最近になって、私どもずっと住宅の意識調査をしてみますと、量はともかくとして、質をもっとよくしてください、部屋ももっと広くしてください、設備もよくしてくださいという意見が非常に強くなってきました。これはぜひ私どもは取り上げていかなければならぬと思っておりますので、幸い五十一年度から今度第三期の住宅五カ年計画が始まるわけでありますから、この第三期の五カ年計画では、お説のとおり、単身の中高婦人層を含めた単身者の住宅需要に十分こたえていきたいと、こういうつもりで努力をいたしてまいるつもりであります。
#462
○中沢伊登子君 田中寿美子先生が前に厚生大臣と約束をされたミニ老人ホームの件、これをお調べいただいていると思いますが、それはどうなっているんでしょうか。
#463
○国務大臣(田中正巳君) 田中寿美子さんが四十八年七月に質問をなさったのに対して齋藤元厚生大臣が答弁していますが、別にお約束というわけでは実はなかったようでございまして、よく考えてみたいと、こういうことを言っているようでございます。
#464
○中沢伊登子君 それを考えておられるのですか。
#465
○国務大臣(田中正巳君) そこで、大規模年金保養基地に関連しての御質問だったようでございますが、大規模年金保養基地のマスタープランは今日、年金福祉事業団で策定中でございまして、これがどうなりまするか、今後の作業の推移を見なければわからぬと思います。
#466
○中沢伊登子君 建設大臣は……。それでは先に、大蔵大臣にひとつ最後にお伺いしておきます。
 いままで戦争の犠牲を受けてこられた中高年の婦人、もう四十七歳が平均年齢ですか、この人たちは租税の負担能力の大変弱い人たちです、平均の収入が八万五千円というような。こういう人たちを対象に配慮していくことを検討するお考えは、税制面でないでしょうか。たとえば軍人軍属には恩給がありますね。ところが、強制的にやられた女子挺身隊の人たちは何もないんです。この点は大臣はいかがお考えになられるでしょうか。
 それから、時間がありませんから建設大臣にもう一つ、ついでにお伺いをしておきたいと思います。それは、先ほど公営住宅は無理だと、こういうふうにおっしゃられましたね。いま私、大蔵大臣に税制面でも大変この人たちは負担能力が弱いから配慮してみてはどうかという提案をしているわけですけれども、そこで、単身者というのは基礎控除以外にありませんから、税金もありったけ納めているわけですよね。普通、男の人が結婚すれば奥さんの扶養控除があったり基礎控除があったり、いろんなことをして、そして、そういう人たちは公営住宅に入れる。ところが、この単身の女子は、税金は率からいったら最高の率を払っているのに、公営住宅に単身なるがゆえに法律によって入ることができない。それならば法律を改正して、単身者も当然公営住宅に入れるべきではなかろうか、それがいままでの独身の中高年にこたえる道ではなかろうかと、このように考えるわけでございます。
 その二点について、建設大臣と大蔵大臣からお答えをいただいて、私、質問を終わらしていただきます。
#467
○国務大臣(仮谷忠男君) 先ほどは失礼しました。
 公営住宅は御承知のとおり、「現に同居し、又は同居しようとする親族があること」ということになっておりまして、単身では入れないことになっていますが、御説のような問題もありますから、第三期の計画では、こういうことも含めて、場合によれば法改正も考えてみたいと思いますが、努力いたしてまいります。
#468
○中沢伊登子君 それからついでに、前の公団住宅二千百六十二戸建てましたね、単身者用の。それに入れなかったとか、それが後また家族持ちの方に回されましたね。単身者の人はいろいろ夢を描いていますからね、ひとつ今度おつくりになるときは、こういう人たちの意見も聞いてプランを立てていただきたい、要望しておきます。
#469
○国務大臣(仮谷忠男君) 住宅審議会の中間報告でも、内容の問題につきましていろいろ答申が出ておりますから、そういったものを参考にして考えていきたいと思います。
#470
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように独身者控除というのはございませんで、確かに仰せのような制度になっていないわけでございまして、税制上の問題としてなお検討をいたしてみます。
#471
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして中沢伊登子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
#472
○委員長(大谷藤之助君) 寺田熊雄君。
#473
○寺田熊雄君 いわゆる川崎市の直下型地震につきまして、政府はその発生の確率について、いまどのように受けとめておられますか。
#474
○説明員(井上英二君) お答えいたします。
 川崎の地震につきましては、いままでいろいろ報告がありましたように、昨年の暮れに地震予知連絡会におきまして、あそこに異常隆起があるということで、それを調査いたしまして、そのときいろいろ議論が出ましたわけでございますけれども、やはりこれは徹底的に調べてみる必要があるということで、各省それぞれ計画を持ちまして、科学技術庁の地震予知研究推進連絡会議と協議をいたしながらいろいろな調査を進めようということで、そういう計画をつくりまして、現在それを実施中でございます。
 その結果によりまして、二月の二十七日に次の地震予知連絡会が開かれましたが、そのときまでの情報によりますと、あそこの地下水位が異常に隆起している。と申しますのは、地下水の規制をしたら当然水位が戻るわけですけれども、その戻り以上に大きく戻っている、その地下水位の上昇と地盤の隆起とが非常に相関関係があるように見える。この地盤の隆起と、これは相関関係ございますけれども、この地下水位の上昇が、果たしてその下の方から起こっているものか、あるいは規制によってそういうような地下水位が上昇したのか、この辺の検討がまだいろいろ議論が分かれまして、それがどちらから来ているかということで、これをもう少し地球科学的――と申しますと、ラドンの測定だとかトリチウムの測定だとかというようなそういうものの測定から、地表から供給されたものか、地下から供給されたものか、仮に地下から供給されたものとしますと、これは地殻の中の異状であると考えられる。地上から供給されたとしますと、水規制によるものが非常に大きいであろうというようなことで、二十七日の結論としましては、そのような相関関係があるので、さらにこれを詳しく、いままでの調査、たとえば水平変動の調査あるいは地質調査あるいは地下水位の調査、そういう調査に加えまして、そのようなラドンの測定につきまして、特に東京大学の理学部の協力を得まして現在実施中でございます。
 現在まだその結果は出ておりませんけれども、後は、現在までのところそういう資料が余り十分ございませんので、だからそれを検討するには若干の時間が要るのじゃないかと思いますが、そういう資料が判明し次第、やはりまた地震予知連絡会を臨時に開くようなこともあろうかと思いますが、そういう資料が判明し次第また次の、どういう状況かを検討していきたいというような、そういう状況でございます。
#475
○寺田熊雄君 いや、発生の確率についてはどうか。
#476
○説明員(井上英二君) 実は、それが言えるだけ地震予知がまだそこまで進んでおらないんです。これは、まことにこういうことは申し上げにくいのでございますけれども、その確率がどの程度かはまだ言えないので、現在言えますのは、地震の前兆につきましていろいろの事実が現在までに観測されている。しかし、いままで地震予知を前提にしていろいろ調査したということは、わりに少のうございます。たとえば測地測量でいいますと、われわれ地図をつくっておりますけれども、そういう測量を繰り返した測量をしている、あるいは関東震災の後で地面の動いたのを調べるというようなこと一あるいは新潟で地盤沈下のために水準測量をしていた、その結果新潟の前兆現象がある程度つかめたというような、断片的な資料が非常に多うございます。
 今度、基礎的にやり出しましたのは、地震予知連絡で文部省の測地学審議会が第一回の建議を出してから初めて本式に取りかかったというような段階でございまして、現在までなかなか、そういうものと地震と直接ぶつかった――こういうことを申しますのはまことに不謹慎な話でございますけれども、一種の地震が起こらないと、普通の実験なら、室内の実験ならいろいろ実験できるわけですけれども、われわれやっておりますのが何と申しましても地球を相手にしているものでございますので、やはり地震が起こらないとその辺の感じがわからないということで、まあ非常にその辺の資料が不十分でございまして、ただ、確率的にいままで申しておりますのは、統計的な資料からいままでのたとえば川角先生の六十九年説だとか、要するに、いままで起こった地震の資料から、統計的に確率が幾らというような計算はいままで出される方がございますけれども、現在の川崎の場合に、これが地上から供給されるのか、地下から供給されるのか、実はそれもよくわかっていないような段階でございまして、ちょっと確率を申し上げるような段階に至っていないというの一が現状でございます。
#477
○寺田熊雄君 担当大臣からも承りたい。
#478
○国務大臣(金丸信君) 国土庁が中央防災会議の事務主管の担当庁でありまして、そういう関係から、いま地震の関係の省庁が十八あるわけでありますが、窓口をどこにするかというようなことで、いろいろの不平もありますし、そういうことから窓口を一つにして、これをまとめていくべきだということで大都市震災対策連絡会議というものをつくりまして、先般十二月末、あの地震の予知をいたしました直後ですが、会議をいたしたわけでございます。その会議でも、いろいろ申し合わせをいたしまして、いわゆる防災体制の確立とか、あるいはコンビナート対策とか、あるいは給水、給食、あるいは救護、医療というような問題までいろいろ検討をいたしまして、しかし、国土庁がまだ発足間もないわけでございますから、中央防災会議を開いておらないわけでありますが、本庁といたしましては、この防災会議もできるだけ早く開く。開くためには各省庁と連絡会議を開いてその対策をすべきじゃないかと。
 実は、国土庁の斉藤政務次官は一昨々日川崎へ参りまして、その報告を受けてまいりますと、東京あるいは横浜と比べると川崎はまさに谷間だ、いわゆる急激に工場地帯、コンビナート地帯というようなものができ上がった、雑居しておるというような中で、この対策というものは横浜、東京に比べて非常におくれておるというような状況を聞きまして、また私は、川崎市自体がこの問題について相当な投資もしなければ、防火の壁をつくるというようなことで相当な金額がかかる。しかし、実際は川崎市自体にそれだけの資力はない。しかし何とかしなくちゃならぬ。そういうようなことを考えてみますと、川崎ばかり、よそを構わずに政府が投資するというわけには法律もあることだからできませんが、どちらにしても、都市計画なりしっかりしたものをつくって、そして政府もその話に乗りながら、起債の問題とかあるいは融資の問題とか、そういう問題も詰めて、なお、防災関係の会議をやる前に各省庁の連絡会議をして詰めてくれないかというようないま指示をして、この川崎の地震の問題につきましては神経をとがらしていろいろ対策を講じておるところでございます。
#479
○寺田熊雄君 いま国土地理院長の方では、確率についてはまだはっきりしないという御答弁がありましたけれども、私が政府から非常に手厚い厚遇を受けておりますかなり高い権威を持った学者に聞きますと、やはり発生の可能性というものは、現在のところフィフティ・フィフティーに考えるべきだということをはっきり言うわけです。ですから、いまの地理院長の御答弁は満足できないですね。と同時に、政府の対策について何かなまぬるいという印象を、のんきだという印象を非常に一般に与えている理由もそういうところにあるのじゃないかと思うんですが、ただ、これは発生しますと人口の密集地帯でありますし、コンビナートもありますので、非常に恐ろしいことになるわけです。
 そこで、各省の大臣にお伺いしたいんですが、関係各省は、これをやはり国の基本的任務と受けとめていらっしゃるのか、自治体にげたを預ければいいと考えていらっしゃるのか、どちらか、その基本的な認識を承りたい。と同時に、どういう具体的な対応策をいま樹立していらっしゃるのか、その具体策をお伺いしたい。
#480
○国務大臣(福田一君) お答えいたします。
 国が国土並びに国民の生命財産を守るという重大な責務があるわけでございますので、同時に、地方公共団体もそういう一つの使命を持っておることは御案内のとおりでございますが、いずれにしても、この地震対策についてはわれわれとして万全を期して努力をいたさなければならない、かように考えておるわけでございます。
 そこで、それではいまさしあたり具体的なことは何を考えているかといいますと、先ほども国土庁長官が申し上げましたように、いろいろの災害の予防とか災害の応急対策、災害の復旧等の防災計画について中央防災会議でもって話をいたしまして、そして緊密な連絡をとりながら問題の解決に当たりたいというのが一応の方針でございます。しかし、その方針があっても、具体的にやってなければ何にもならないじゃないかというのがあなたの御意見であろうかと思うのでございますが、さしあたりの問題といたしましては、われわれの方では一つは消防関係を扱っております。そういう意味では初期の消火の方法とか延焼拡大の防止策とか、それから地域住民の安全な避難対策、こういうようなことを考えて、これは私は国家公安委員長をいたしておりますからですが、そういう意味も含めてこれは万全の対策を考えていきたいと思います。
 しかし問題は、川崎とか横浜とか東京というようなところに起きますと、一番心配なのは避難場所がないということじゃないかと私は思うのです。どうせ火事になると想定しなければなりません。そうすると、その避難場所をつくる。つくっておけばある程度の安心感が出ると思うのですが、ところが、ここいらは非常な密集地帯で、人を動かすということになったら、これは大変なことであります。そうなると国も、場合によっては、そういう計画ができればそれは国もある程度めんどう見なければいかぬし、起債等の問題ももちろん考えなければいかぬが、問題は当該の市あるいは区等において、どうしたらいいかという具体的な案を住民の意見を聞きながら考える。そして避難場所がないということなら、これはつくるのにはどうしたらいいかとか、そういうことを具体的に地方自治体も腹を決めて入っていきませんというと、ただ何とかしてくれということだけでは国としても何とも、いま申し上げたような方策以外にはないと思うわけであります。
 公害等の問題からいっても、過密地帯というものが非常にいろいろな問題を起こしていますから、そういう意味からいっても、本当をいえばそういうある種の公園であるとか、ふだんは公園に使っているが、いざというときには避難というような目的に使うとか、あるいは施設をたくさんつくって、子供の遊び場所みたいなものをつくって、ふだんは公園として使うが、いざというときにはそういう方面に使うというようなことを考える。そして考えたときに、どれだけの人を動かし、どれだけの金が要るかというような具体的なことですね。例のごみ処理の問題なんかでも、あれだけでもなかなか解決がいきませんから、私はたとえば国でもし物事を決めても、とても住民の同意を得ることはなかなかむずかしいと思う。だから、当該地域の住民の総意というものが一つ結集されることが私としてはまず第一義ではなかろうか。それが望ましいことである。それが結集されれば国としてもこれに対応するところの措置をとる。全部が全部それを持つというわけには私は無理があると思いますが、みんな密集地帯の都市の住民のためとはいいながら、それはやはり地方団体も、またその住民も自分の身体や生命を守るためのことでもありますから、そこいらをどういうふうに見るかは別としても、とにかくまず自治体内の創意をひとつ考えて、そしてそういう避難する場所ができればそこで避難道路の問題も考えねばいけないし、あとは、そこができれば私はわりあいにまだ方法があるんじゃないかと思うのですが、これはまだ十分なあれではございませんけれども、これを要するに、国と地方が一体になって、まず地方の考え方から築き上げてきてもらわぬと私は困難ではなかろうか、かように考えております。
#481
○国務大臣(佐々木義武君) 私どもの方は地震の予知の問題でございまして、地震予知研究推進連絡会議というものを関係各省で集まりましてつくって、実は研究を進めてございます。今年度は、自民党の方の御要望もございまして、核融合とがん対策と地震予知を国の大きい柱として取り上げようじゃないかということで、予算等も、したがいまして最優先にこれにはつけてまいりたいということで、必要な予算はつけていただいたように考えております。
 先ほどお話ございました川崎の問題でございますけれども、あの地震予知連絡会の方、すなわち国土地理院の方の書面によりますと、関係各機関が協力して各種の観測を集中的に行うことが必要であると考えますということでございますので、その勧告を受けまして、先ほど申しましたように、ちょうだいいたしました予算を各省でそれぞれ分配いたしまして、ただいま予知の研究を集約的に進めているところでございます。
#482
○国務大臣(仮谷忠男君) 地震対策は国の責任か地方の責任かという問題ですが、基本的には国が責任を負うべきものだと思います。ただしかし、いつどこへ起こるかわからぬですから、地方公共団体がみずからの防災対策を立てることは当然であります。そういう意味において国と地方公共団体が一体となって処置すべきであると思っております。
 なお、建設省がとりあえず行っておる問題は、御承知のように、四十六年ロサンゼルスの地震がありまして、これにかんがみて全国一斉の点検をやって、橋梁や堤防等応急補修をするものは全部しました。これはもうはっきりでき上がっておりますが、ただ、今回の川崎地震の問題は、私どもは川崎の地盤隆起の問題が直ちに地震につながるとは思っておりませんけれども、いろいろと最近これが問題になり、また、ある現象もあらわれているわけでありますから、そういう意味で、先生から先ほど御指摘がありましたように、確かに予知問題について、これはもう少し早く学術的に科学的にこれを解明し、一日も早く確実な予知ができるようにしなきゃならぬ。これが私ども先決問題だと思っております。そういう意味において、国土地理院や土木研究所においてはさらに一層研究開発を続けるように、そのために費用が要るなら特別な費用も相談をせなけりゃならぬと、かように存じて実は努力をいたしておるわけであります。
 なお、当面の問題は、先ほど自治大臣からもお話がありました避難広場あるいは避難路というものをつくらなきゃならぬ。これはもう当面の問題としてやらなきゃならぬのでありまして、これについて、特に川崎市に対しましては明年度直ちに着工できる事業として、川崎市内の移転工場の跡地があるわけであります。とにかく、少なくとも多少でも移転跡地があれば、それを避難広場として取得するというふうに努力すべきであるということで、いま折衝させておりまして、それがまとまれば土地開発資金によって解決つけていきたい、かように思っております。なお、緩衝緑地あるいは避難緑地といったものも、早急にできるものから手をつけていこう、こういうつもりで市当局と十分連絡をとっておるのが、いまの建設省の方向であります。
#483
○国務大臣(木村睦男君) 気象庁の方で二十四時間地殻変動の調査をやっておりますが、最近の川崎市を中心にいたしました地殻変動の、気象庁のここで調べております徴候から見ますと、そう特別にそういう危険があるというような状況ではないように気象庁からの報告を受けております。しかし、一たん緊急事態が起きた場合の運輸省の対策といたしましては、何といたしましても災害にかかった人の輸送、それから救援物資、食糧等の輸送、非常に重要な仕事を担当しておるわけでございます。
 そこで、こういう緊急事態になりますというと、災害救助法が当然発動されまして、その対策本部長の傘下に全部入るわけでございますが、当然自衛隊等の協力も得まして、緊急輸送に従事しなければなりません。しかし、道路その他交通機関もそういう災害でずたずたになることもありますので、そのときには順次応急の措置を講じなければなりませんが、運輸省といたしましても、平素から物資緊急輸送対策協議会というものを中央地方を通じてそういう組織をつくっておりまして、いざというときにはそれが発動する、それをして発動さす。そして緊急対策を立てる。あるいは国鉄また民間の輸送機関に対して緊急輸送の措置をとる、法律によってこういう場合には輸送命令も出せますので、そういう命令も出す。それから物資の割引等の措置も講じ得ることになっておりますから、そういうことを発動させまして、できるだけ機動的に、しかも多方面にわたって輸送の応力というものが動員できるような体制をつくっていくつもりでございます。なお、臨港地帯でございますから、海上における緊急対策、これは海上保安庁をして海上の緊急輸送、安全確保、そういうことにも緊急措置を講ずるような体制をつくらしておるのでございます。
  〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕
#484
○国務大臣(永井道雄君) 文部省として、この問題に対処いたしてまいります上での考え方は、先ほど建設大臣が言われましたのと同じでありまして、地方自治体と協力して進めていくということであります。
 文部省がこの問題に関連いたしまして行っておりますことは、大要三つに分かれるかと思います。第一は、予知の研究でございます。第二は、危険な建物などをなくしていくという防災の問題でございます。第三は、児童生徒が地震に当たって避難することについての指導を行うことでございます。そのそれぞれについて簡略に御説明申し上げます。
 まず、第一に地震の予知でございますが、川崎におきまして異常隆起が発生しているということがございます。これとの関連におきまして、文部省では南関東、東海地域の地殻活動研究のために、昭和四十九年度から特別観測事業を実施しておりまして、隆起現象につきまして目下、北海道、東北、東京、名古屋、京都の五大学が協力して、総合的集中的調査観測を行っております。さらに微小地震観測につきまして、本年の一月から東大理学部、名古屋大学理学部、京都大学理学部及び防災研究所の三大学が、川崎地区に地震計を設置し観測を継続中でございます。近く北海道大学、東北大学が観測に参加の予定でございます。
 現在までの観測の結果では、地震の前兆と思われる微小地震は観測されておりません。ただし、今回の地震の問題に関連して、地下水位のことが問題にされておりますが、これにつきましては、昨年十二月から東大理学部が川崎地区の地下水くみ上げ用井戸について水位観測を継続しており、この結果、巌近急速な水位上昇が認められ、同地区の土地隆起地帯との相関が深く、土地隆起の中心部におきまして水位上昇十二メートルに達しているというものが認められております。しかしながら、水位の上昇が地震に結びつくか否かについての判断が困難でございます。地下水が、地下深部に由来するものか、雨水などに由来するかについて、なお精密な調査を行うことが必要であり、それについての検査を行っている状況であります。こうした研究というものを一層昭和五十年度において進め、関東、東海地区地殻活動特別観測経費というものをもって集中的有機的に研究を進めていく、これが予知の強化のために各大学、研究所などで行っていることであります。
 二番目は防災問題でありまして、防災は、川崎に限らず、全国的に木造の危険校舎の改築、そして学校施設の不燃堅牢化の促進のための助成措置を講じておりますが、川崎、東京都下の木造危険校につきましてはこれを調べておりますが、川崎の震源地と目される地点から十二キロメートル以内の危険校舎が一校あります。東京都の大田区、品川区につきましては、いずれも危険校舎かございません。そこで、地震対策に必要な場合におきましては、木造校舎改造のためには点数制をとっておりますが、点数の範囲を広げて整備するという原則を立てて進めております。
 第三番目に、児童生徒の避難対策につきましては、中学校並びに小学校におきまして安全指導の手引きというものをつくっておりますが、これは小学校についてはすでに指導が行われており、中学校について作成中でございますが、文部省はこれらの手引きを一層徹底いたしますために講習会、研究協議会というものを開催して強化していくということをやっております。
 以上三点が、この問題に対する文部省の対策でございます。
#485
○国務大臣(安倍晋太郎君) 地震等非常災害の場合における応急対策用の主食としては、従来から主として米で対応しておるわけでありまして、現在配給米は、消費地においては通常一・五カ月分の手持ちを保有することとしておりますが、東京、神奈川については、特に二カ月分以上の在庫を保有しております。二月末現在で政府、卸、小売り販売業者の手持ち在庫は約二十万トンで、両都県の必要量の二カ月分強になっております。なお、東京都、神奈川県の在庫のみならず、近隣県にも相当量の在庫がありまして、被害状況に応じてこれを供給することができるので、米の供給には不安はないと考えておるわけでございます。
 災害の場合の応急対策として、次の措置をとることとしておるわけでございまして、災害時の米穀の応急配給といたしまして、地震等非常災害の場合における罹災者に対する炊き出し、配給機関の、罹災により通常配給が不能となったときの消費者に対する配給、救助、または復旧作業に従事する者に対する給食等のための応急配給の必要があると都道府県知事が認めたときは、知事は市町村等を指定して、これに給食または配給を行わせております。また食糧庁は、災害対策用乾パンを備蓄いたしておりまして、約二十六万食でありますが、災害時における応急配給に備えるとともに、この備蓄数量が不足する場合には、自衛隊から乾パンの補給が受けられるように措置を講じているので、被災者に対する乾パンの供給には不安はないと考えております。
#486
○国務大臣(田中正巳君) 中央防災会議の基本決定を受けて、厚生省は主として救急、給水、薬品供給等についての対策について各県に指示しておりまして、府県は、それぞれこれに基づいて具体的な計画を立てているところであります。
 個々の内容につきましては、救急医療についてはそれぞれ災害対策本部を設置して、救護班の編成など必要な医療対策を実施することになります。東京都の場合は、その防災計画では、保健所、都立病院、国立病院、日赤等に百六十八班の救護班が結成される見込みでありますし、川崎の場合の防災計画では、保健所と医師会に二十一班の救護隊が編成され救護活動を行うことになっております。このほかに日赤独自の救護班も編成されることになっておるはずであります。また、当省が所管しておりまする災害救助法によって、医療関係者に救助に関する仕事を命ずることができることになっております。また厚生省としては、こうした場合に、国立病院の全機能を挙げてこれを応援するという体制もとっております。
 水道用水につきましては、多摩川河口付近における直下型地震の発生を見た場合、恐らくかなりの配水管等の折損が見込まれるわけでございますので、これについては川崎、横浜、東京都において水道用水の確保を図るため、周辺都市水道や関係機関の応援を受けて、給水車等による運搬給水を実施するということにいたしておりますし、また、これを応急に復旧させなければなりませんので復旧資材が必要となると思いますので、この復旧資材について備蓄を行っておるわけであります。
 また、医薬品につきましてはなかなか問題は複雑でございまして、一番心配なのはワクチン、血清類であろうと思われますが、特にガスえその抗毒素については国が買い上げて備蓄をしております。また破傷風の抗毒素やトキソイドについては関係業者に指示をいたしまして、緊急確保に応じられる体制をとっておるわけであります。問題は輸血用血液でございまして、これは長く保存ができませんものですから仕方がございません。したがって、近隣府県の血液センターから必要量を応急に運ぶという体制をとる以外に方法はないというふうに考えております。
 おおむね以上であります。
#487
○説明員(藤井松太郎君) お答え申し上げます。
 国有鉄道といたしましては、関東大震災程度の地震、つまり震度六に該当しますか、これに耐えるように、コンクリートの構造物であるとか鉄製げたであるとか、こういうものは全部それに耐えるようにできておる。しかしながら、盛り土とかなんとかのにわかに解析不明なところは、これは崩れるかもしれませんので、震度が五になったら列車をとめ、四になったら徐行をするということになりまして、一応その列車の安全を図るということになりまして、次は、その地震が起こった場合にお客さんをいかにして安全に守るかということでございまして、これは旅客のそういう場合の誘導方法、これは安全な場所への誘導等を市その他の地方団体とも御協議申し上げまして打ち合わせをしておるということでございまして、最後にはその復旧体制、つまりある地区で起こった場合には物質を集めなくちゃいけませんので、その復旧体制の復旧班というようなものを想定し、いかなる輸送をとるかということも研究いたしております。
 以上でございます。
#488
○政府委員(三井脩君) 警察におきましては、この川崎地区の問題について、特に警視庁及び神奈川県警察において計画を立てておるわけでございます。
 基本的な考え方といたしましては、まず、交通の混乱を防止をする、避難路の確保と消火活動、救護活動等が円滑に行われるように、東京都と神奈川県下の一定の地域につきまして車両の通行どめを行います。次いで、その後の状況に応じまして、主として緊急救護活動のための緊急輸送路を指定をする、緊急用務の車両以外は一定地域内への通行立ち入りを禁止する、こういうような交通規制を行います。同時に、このような大災害時における交通規制の実効を確保するために、警察官を動員して要所に配置をいたします。情報収集と広報、交通の現場における整理ということをいたしまして、避難誘導に努めてまいるというのが方針でございます。
#489
○寺田熊雄君 大蔵省はおりますか。
#490
○国務大臣(大平正芳君) 大規模な地震が大都市に発生した場合に備えて、中央防災会議が四十六年五月「大都市震災対策推進要綱」というのを決められております。当面、地震予知の推進、都市防災化の推進、防災体制の強化、この三点を重点に置くことが申し合わされて、国土庁を中心に関係省庁におきまして連絡会議が持たれて、総合的な対策が練られておると聞いておりました。このラインに沿いまして財政的な措置を講じていかなければならぬわけでございますが、五十年度の予算では、まず地震の予知対策でございます。先般本委員会で秦野委員の御指摘になりました二十億というのは予知対策でございます。このほか各種の調査研究訓練費、これが十二億七千八百万円計上いたしてございます。
 それから地震が発生した場合の直接の災害救護施設、公園、住宅地区の改良、市街地の再開発、学校、病院等の耐震化等の防災的な施設の整備事業、そういったもの、さらには江東地区に見られるような護岸でございますとか、あるいは地盤沈下対策等、それから応急の災害救助費、地震再保険関係の経費等を全部合わしますと、五十年度の計上額は約千七十一億円に上るということでございます。
#491
○寺田熊雄君 先ほど自治大臣は、まず自治体の方から何らかの対応策が上がってこないと、国としてなかなか具体的なものが生み出せないという御答弁がありましたね。しかし、私が川崎市長に直接確かめたところによりますと、もう今年の一月に国土庁に対していろいろな緊急の施策、重大要望書というものを提出しておるのですが、御存じないですか。
#492
○国務大臣(福田一君) 私のところへも川崎市長さんがお見えになりまして、何かそういうような意味のことをおっしゃいましたけれども、具体的な内容は国土庁の方へお出しになったんじゃないかと思うのです。私は、書類を受け取ったいま覚えがちょっとありませんけど、しかしその内容は、必要なものはもちろん国としてもめんどう見なきやならないことあると思いますけれども、具体的にこれとこれということ、いま私覚えておりませんから、わかりませんから、ここではちょっとお答えをいたしかねると思っておるんです。しかし実際問題としては、それはもう緊急対策はきまっておることなんですよ、大体だれが考えてみても。しかし、そんなことで一体この問題、解決するのかという根本的な問題にひとつメスを入れてみる必要があるんじゃないかということを私はさきに申し上げたわけなんです。
 同時に、これは過密過疎の問題にも関係してくるんです。私は、都会へ余り人口が集中するようなことを何らかの方法によって抑えませんと、こればかりではございません、学校の問題にしても保育所の問題、全部そうなんです。そういうことも含めて考えるべき時期に来ておるんじゃないかと私は思っております。
#493
○寺田熊雄君 国土庁長官いかがですか、重大要
#494
○国務大臣(金丸信君) 川崎市の市長が参りまして、私も会いまして、要望書が出ておりますが、一々……。
  〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕
#495
○寺田熊雄君 内容をちょっと……。
#496
○国務大臣(金丸信君) 国の施策に関する要望については「防災遮断帯について」「備蓄米倉庫の建設について」「血液の確保について」「救急医療班の派遣方について」「応急復旧資材の確保について」 財政援助に関する要望といたしましては「被災者に対する食料品及び応急救護物資の備蓄に関する財政援助について」「広域避難所に通ずる救護道路の整備に関する財政援助について」「消防施設等の整備に関する財政援助について」「水道事業に関する財政援助について」「救急医療活動に関する財政援助について」 法令及び制度の改正に関する要望につきましては「震災対策事業に関連する諸法令及び制度の整備、改善について」「危険物施設等に関する法改正について」「各種応急復旧用資材の輸送の円滑化を図るための立法措置について」「災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付に関する法律の改正について」「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の改正について」というようなことについて要望がありました。
#497
○寺田熊雄君 長官はやはりそういう川崎市の具体的な要望について、防災会議を通じて各省庁にそれをお伝えになったんでしょうね。
#498
○国務大臣(金丸信君) 各省の連絡会議がありますから、その連絡会議でこれを申し伝えてあるわけでございますが、先生が御心配になる、いままた自治大臣からもお話がありましたように、私は先ほども申し上げましたように、中央防災会議を開くための各省連絡会議を速急に開き、なおかつ根回しを、各省、各省のすべての考え方を煮詰めて、それを中央防災会議に出すための速急な成果をおさめるように、事務手続を進めてもらいたいということで、いま国土庁では各省と連絡をとりながらこれを進め、その大体の見通しがつくところで連絡会議を開きたいというような考え方を持っているわけでございます。
#499
○寺田熊雄君 いまの川崎市の一番希望しておるのは、先ほど自治大臣初め関係の大臣から言われましたように、避難場所と避難道路なんです。それから火災が発生した場合の水の問題なんです。この点厚生大臣まだ御答弁いただかなかったんですが、水が十分かどうかということについては現地は自信がない言うてますよ、確信がないと。それから避難路、避難場所について、これはいずれも、川崎市も東京都の消防庁も自信がないと言っています。そのためには家屋の除去も必要でしょうし、道路を広げることも必要でしょう。問題は財政問題になってきますね。いま大蔵大臣は全部総合して千七十一億今年度の予算で見ているとおっしゃいましたね。だけど、川崎市は、一体国土庁長官、この震災対策に幾らの経費が必要だと考えているか、御存じですか。
#500
○国務大臣(金丸信君) 私の聞くところによりますと、一兆円を少し切って九千億というような話に聞いておりますが、どちらにしても私はこの問題は自治省の大臣が申し上げましたように、川崎市自体もこうやりたいと、こういう計画でやる、都市計画もこうやる、こういうような一つの計画をやりたいんだがということで相談をしながらいくような体制を、一日も早くつくってもらいたいということを私はこいねがっておるわけですが、こっちにまかせっ放しでおられても、これも問題だと思いますが、まあ相当川崎市自体もやる気であるようでありますから、都市計画をつくるということはなかなか住民のコンセンサスも得なくちゃならぬというような問題もあるんですが、それを建設省なり国土庁でやれと言われてみても、まずやる気になってもらわなければ始まらないということじゃないかと私は思うわけであります。
#501
○寺田熊雄君 いま国土庁がおっしゃったように、川崎市は川崎市民の生命と安全を守るためには、少なくとも一兆円の財源が必要だと言っているわけです。ところが自治大臣、川崎市の一般会計の予算と税収はどのぐらいか御存じでしょうか。
#502
○国務大臣(福田一君) 関係の政府委員がおりませんので、ちょっとお答えをいたしかねます。
#503
○寺田熊雄君 ちょっとそれは、委員長、関係の政府委員を呼んでいただきたいです。
#504
○国務大臣(福田一君) 私は、いま川崎の財政の問題をおっしゃっていられるのは、こんな小さい歳入で一兆円が賄えるか、というおつもりではないかとまあ拝察して、いまここで立ち上がったわけでございますがね、こういうものはやっぱり住民が、本当にそれじゃおれらの生命、財産を守るんだから、自分らもひとつ相当な機牲を払って、立ち退く人ばかりではなくて、全部立ち退かない人でも、何とかして、そして自分らもある程度持つつもりだと、こういうことになってこないと、国にだけこれだけ金くれればやるとおっしゃっても、私は現実にはなかなかできないんじゃないか。だから、川崎市なら川崎市がここにこういうものをつくって、こういうことをしたいんだと。それにはひとつそこらの住民も承知してもらいたい。そして承知してもらうという承諾があって、さてそれではそれをするにはどれだけの金がかかるかと、こういうようなふうに持ってきていただかぬと、いまここで金の問題だけをいかに私どもがお話を申し上げても実行が非常にむずかしいんじゃないか。それはあのごみ処理の問題お考えになってもすぐわかるんでね。そんなことはおれらだけ何で地震のことで犠牲にならなければいけないんだとかなんとかいうことになりますと、なかなかこれ解決しない問題があることはあなたもおわかりを願えると思うんです。だから、そこでやっぱり住民のそういうような一つの総意というものがここへ出てくることでありませんと、なかなか具体化をいたさないんじゃないか。言うだけは言っても、実際に実現しないということでは意味がないわけです。そこらをひとつお考え合わせ願ってはいかがかと、まあ失礼ですけれども、ちょっとまだ政府委員が来ませんから、その前にお答をいたしたわけであります。
#505
○寺田熊雄君 自治大臣は、住民に期待をかけ、住民の立ち上がりというものをまず第一に必要だとおっしゃるんですが、まとまりのない住民が立ち上がるといっても、それを住民に期待することはやっぱりちょっと無理でしょう。どうしても自治体がそれをまとめて、代表者である市長が国に要望書を提出するということになりますね。すでに川崎市は要望書を提出しておるわけです、二カ月前に。それで、その一番大切な眼目である防災遮断帯というものがありますね。これはいま国土庁長官が言われた九千億かかるんです。これに九千億かかるんです。それから、コンビナートの問題がそこに関係がしてくるわけですね。コンビナートがあるので、マグニチュード六の地震が起きた場合にどういう災害が起きるかということで、防災遮断帯の問題が出てくるわけです。それからコンビナート規制法について自治大臣は、何かあなたが所管大臣のように承っておりますが、どういうところまでいっておるんでしょうか。
 それから、通産大臣は、いまのコンビナートの安全についてどういうふうに考えていらっしゃるのか。
 それから大蔵大臣、いまの川崎市は、私の方から申し上げますが、五十年度で約三十億の防災予算を組んでいるんです。ところが、千七十億ということをおっしゃったけれども、川崎市のそういう財政状態で、あなたは特別な補助がなくして、川崎市あるいは東京都というものが十分震災対策を賄えると思っておられるか、その認識を伺いたいのです。
#506
○政府委員(佐々木喜久治君) コンビナート地帯の防災法につきましては、私ども大臣の御指示によりまして、いま各省といろいろ意見調整をしながら立法の作業を進めております。この内容につきましては、一つは国、地方公共団体側の防災計画、あるいは防災体制というものをできるだけ元化していくということが一つでございます。
 それから企業における自衛体制を強化をしていく、そのために保安防災組織、あるいはまた、コンビナート地帯の全企業を一丸とする共同防災体制を相当に強化をしていくという問題、さらにそれらを主体にしたところの総合訓練計画というようなものの立案、さらにはまた、現在の各種法規にございますいろいろな点検制度がございますが、これらの見直しを行って、企業の自主的な点検と、さらに国、地方公共団体側の定期的な検査、こういうような、これまでの個々の立法で行っておりましたところの、いわば施設ごとの防災体制を、コンビナート地帯のいわば全体としての防災体制というものをその上に規定をしていきたいということで作業をいたしておりますが、まだこの作業は終わっておりませんで、できる限り今月中に政府案としてまとめていきたいというふうなつもりで、いま作業をいたしております。
#507
○国務大臣(大平正芳君) 川崎市ばかりではなく、どの都市、地方団体におきましても、そういう巨大な財政需要をひとりで賄えるなんて私は考えられません。しかし同時に、そういうものを持ち込まれましても、おいそれと国の方で賄えるとも思えないのであります。予算は飛躍せずと言われております。したがって、ことしいろんな地震対策をいろいろ寄せ集めてみまして、各省庁にわたって御配賦申し上げた予算が千七十一億だということでございます。これはしかも全国にわたってでございます。したがって、そういう地震対策への配慮がことしの予算といたしましては精いっぱいのところでございます。来年それじゃどれだけの期待ができるかというと、そう大きく飛躍は考えられない。だとすれば、中央防災会議でいろいろ案を練られて財政当局に御要求があるのでございましょうが、財政当局としてもまた、これはとても賄い切れませんということで押し返して、英知のあらん限りをひとつしぼってみてくれということでお考えいただかなければならぬのじゃないかと思いまして、そういうことをいろいろ繰り返している間に、いずれにせよ、こういう問題につきましては、われわれ民族の持つ能力をフルに有形無形の能力を発揮して対応していかなきゃいかぬのではないかと私は思います。
#508
○国務大臣(河本敏夫君) 防災体制につきましては、コンビナート地区における各企業の自主的な防災体制を強化するということがまず第一番でございますが、その点につきましては、すでに何回か厳重に指示をいたしております。ただしかし、強力な防災体制をつくり上げるためには、やはり先般の水島事故に見られますように、一元的な体制というものが必要であります。一元的な体制がありませんと機敏な行動もできませんし、とにかく強力な体制はできない。そういうことのために、先ほど自治省からお述べになりましたような、速やかに一元的な防災体制を確立するためにはどうすればよいかということについて、いま作業を進めておりますので、それができ上がるのを待って企業の個々の防災体制の強化と相まってやっていきたいと、かように考えております。
#509
○寺田熊雄君 大蔵大臣は、いま予算に飛躍なしと、結局ない袖は振れないのだという御趣旨の御答弁がありましたね。ただ、ここで皆さんに考えていただきたいのは、国民の生命の安全を守るということは、これは国家の基本的な任務でしょう。それはもう他の何物をおいてもやはり全力をふるわなければいけないはずです。ところがいま承ってますと、地震が起きるかどうか直ちにわからないとか、地震の発生に結びつくものでないとか、はなはだのんきなんですよ、皆さんは。それから大蔵大臣はない袖は振れないと言う。じゃ、もし地震が発生して現実に何千というとうとい生命が失われたら、あなた方はこれはどういうふうに弁解なさるんでしょうか。それは本当に怠慢からとうとい国民の生命を失ったということになるでしょう。それはもうある意味では国家賠償の対象にもなりますよ。大蔵大臣いかがですか。
#510
○国務大臣(大平正芳君) 人命尊重第一でいかなけりゃならぬということは、私も寺田さんに劣らずそう思います。そのために全力を挙げて当たらなけりゃならぬと存じます。したがって、私申し上げておりますように、われわれの民族が持つ力というものをやっぱり最善を尽くしてしぼり出してこういうことに対応していかにゃいかぬと思うわけでございます。気前のいい数字をいろいろ並べてみても、これはとても絵にかいたもちになりかねないわけでございまして、現実の財政計画にいたしましても、防災計画にいたしましても、やっぱり練りに練って実効性のあるものを、人命第主義であるだけに真剣に対処していくべきだと私は思います。
#511
○寺田熊雄君 いま大蔵大臣が、有形無形の能力をフルに行使して当たらなければいけないと、そこのところは非常に私は同感なんですよ。ですからわれわれは、たとえば法人税についての累進税率を採用することによって財源を得ろとか、あるいは交際費課税を強化しろとか、あるいは広告税にメスを入れろとか、設けよとか、それから租税特別措置法を廃止して、そこから非常な財源が得られるじゃないかという提案までしているわけですよ、現実にね。その提案はあなた方は全部排除して、財源がない、財源がないとおっしゃる、そして自治体にだけ責任をおっかぶせていらっしゃる、そこにあなたは矛盾をお感じにならぬのでしょうか。
#512
○国務大臣(大平正芳君) 税源を涵養しながらマキシマムの財源を確保していくということで、われわれも真剣に考えておるわけでございまして、われわれもだてに租税特別措置を死守いたしておるわけじゃないわけでございます。また、いま申しました各種の税目につきましても、真剣な洗い直しを年々歳々やっておるわけでございまして、寺田さんの考え方と私どもの考え方は違いますけれども、われわれはわれわれなりに真剣に財源をどうして確保するかということに努力をいたしておるわけでございまして、本件につきましては、大蔵委員会等を通じまして終始御論議をいただいておるところでございますけれども、これからもいろいろ御教示を仰がなきゃいかぬと思いますが、申し上げたいことは、私どもも精いっぱい考えておるということでございます。
#513
○国務大臣(福田一君) 先ほど御質問がございました川崎市の歳入でございますが、四十八年度は合計九百五十三億円、そのうちで税収は四百十一億円でございます。
#514
○寺田熊雄君 まあ四百十一億の税収でとても一兆円の防災対策をまかなえないということはこれは自明の理ですからね。これはよほど大蔵大垣を初め国土庁長官もがんばっていただいて、この点をうまくやりませんと大変な結果が生ずるということだけを御指摘して、いまのところでは非常に何か安易に考えていらっしゃる、これでは現実に危険が生じた場合に政府の責任というものは非常に大きいということだけを指摘して、私のこの問題に関する質問を終わります。
#515
○和田静夫君 関連。
 大蔵大臣、この川崎だけに限りませんでしょうが、いま問題になっている川崎の場合で、地震の問題について客観的にちゃんと一つのものが整理をされたら特別に地方財政について措置をされる、こういうことに具体的に承っておいてよろしいですか、いまの答弁。
#516
○国務大臣(大平正芳君) 先ほどもお答え申し上げましたように、国土庁を中心といたしまして中央防災会議というものが設けられて、各省庁の連絡が密にとられて、そこでいろいろの対策が練られておると承知いたしております。それで、われわれ財政当局といたしましても、そこで練られました御計画というものを財政的にできるだけ尊重してまいりまして、それを達成できるようにしなければならぬと考えておるわけでございます。ただ、地震対策というものは、地震財政というものはこれからのことでございまして、中央、地方、どういう負担になるのか、どういう構造を持つべきものになるのか、まだ定立した考え方もないようでございますが、とりあえずのことといたしましては、そういうところで練られつつある基本的な構想というものをよく伺いながら、われわれもそれに照応いたしまして、財政計画も十分練っていかなければならぬものでないかと私は考えております。
#517
○和田静夫君 きょう三木総理は、自由民主党の総裁として、地方財政の危機的な状態について、人件費攻撃だけではどうにもならぬということを、選挙戦に当たって街頭に出てみてよくわかった。したがって、中曽根幹事長に対して、党としてもあるいは政府としても、早急に財政の危機的な問題についての対策を出しなさいということを命じたようです。いま、一斉に夕刊が報じていますから。そして、この知事選挙の中間的なところまでで何か方針が出るようですけれども、この地震の問題との兼ね合いで考えてみますと、交付税率の中でこの問題を処理をするというようなお考えであっては私はいけないと思うんで、そういう意味では、いま大蔵大臣の答弁を、中央防災会議の科学的な結論に基づいて、それ以外で十分に措置をするというような形、もう端的に言えば予備費の中からでも捻出をしていくんだという、そういう姿勢であるというふうに受け取っておいてよろしいですか。
#518
○国務大臣(大平正芳君) まず、中央防災会議なるものの基本的な御構想をよく伺わないと、何とも答えられないと思うのでございます。できるだけそういう御専門の方々がよく練られました御計画を尊重して、それの達成に寄与するような方向で財政計画というものは考えていくべきものと私は考えておりまして、それがどういう仕組み、どういう構造を持ってしかるべきかというところまでまだいっていないわけでございます。
#519
○寺田熊雄君 自治大臣が御用件おありでしょうから、自治大臣に関係したことをお尋ねしますが、身障者の在宅投票制は現在どうなっておりますか。
#520
○国務大臣(福田一君) 御案内のように、政府は身体に重度の障害がある者については、選挙権行使の手続を拡充するために、昨年の第七十二国会に改正法案を提案して、郵便による不在者投票制度の創設を図ったことは御案内のとおりでございますが、その後、この改正法に基づきまして関係政令を整備いたしまして、そして本年三月からこれを実施に移したわけでございますね。そこでわれわれといたしましては、この制度については、対象者の範囲の拡大、手続の簡素化等種々の御意見もあろうかと私は思っておるんですけれども、やはり過去の経緯にかんがみまして、選挙の公正の確保がきわめて重要でもありますし、今回の制度はこれらについて周到な配慮を加えて実施することにいたしたわけでございます。しかし、とにかく新しくスタートした制度でございますから、これを実施に移しまして、そしてその結果を見て、今後も身体障害者に対する選挙制度、選挙権の拡充といいますか、選挙権行使の便宜を与えることについて努力をいたしたい、かように考えておるところでございます。
#521
○寺田熊雄君 ただいまの自治大臣の前向きの御答弁で非常に、まあ大体において満足なんですが、いま身体障害者の中で歩行の困難な人につきましては、二つの足、両下肢とも支障がないと認められておらないんですよ。ところが、片一方の足が不自由でも、実際上無理して行くと生命に危険のある人が現実におるわけです。私のところへもその手紙が来ておりまして、「郵便局に四十年間勤務して停年退職後約半年余りで脳卒中で倒れ左半身不随になり約五ケ月の病院生活を経て自宅療養中です。今では座敷で杖をたよりにやっと歩いていますがベッドの生活が限界です。電話が鳴って急いだり人が来られて緊張すれば歩行困難になります。」無理をすればやはり生命に関係するという切々たる訴えがあるわけです。ですから、一律に両下肢でなきゃいけないということでなくて、そういう点のあることもよくお考えになって、よく検討して、前向きに法の改正、あなたの御所管ですからお考えいただきたいと思いますがどうでしょう。
#522
○国務大臣(福田一君) 先ほども申し上げましたように、問題は前向きに考えることにはいたしますが、法を改正してこの三月から実施をしたのを、いますぐにまた改正するというのは、お気持ちはよくわかりますけれども、まあ一応実施をいたしまして、そのお方だけではなくて、まだほかにも何か御要望も出てくるかと思うんです。そういう点も十分勘案をいたしまして対処をいたしてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#523
○寺田熊雄君 次は、イタイイタイ病についてお尋ねをいたしますが、ことしの二月二十六日に衆議院の予算第一分科会で、自民党の小坂善太郎議員がこの問題についての厚生省の見解、再検討の必要の有無をただしたのに対しまして、小沢環境庁長官の答弁がいろいろと伝えられております。この真相はどうか、ちょっとお答え願いたいと思いますが。
#524
○国務大臣(小沢辰男君) 真相と言われますと、私の答弁は速記録にあるとおりなんでございますが、恐らく御趣旨は、たしか毎日新聞でございましたか、イタイイタイ病を見直すというふうな記事、見出しになっており、私はそういう趣旨の答弁をしたわけではありませんので、イタイイタイ病につきましては、医学者がお集まりいただいていろいろ検討、各地の症例について問題点を解明しながら討論をしていただいておりますので、そういう科学的な、医学的な知見がいろいろ変わってくるような場合がありました場合には、当然念を押していろいろ学者の検討を願うという趣旨で申し上げております。なお詳しい御質問があればお答えしたいと思いますけれども。
#525
○寺田熊雄君 そういたしますと、昭和四十三年五月八日、園田厚生大臣のときに出されました厚生省の富山県におけるイタイイタイ病に関する厚生省の見解というものは、いまだにこれは環境庁長官として維持なさるわけですね。
#526
○国務大臣(小沢辰男君) 当時、厚生省が四十三年五月に見解を公表いたしました。それは当時における医学的な最大限の得られる知見というものをもとにいたしまして、同時にそれがすっかり学問的、医学的に解明をされた結果というわけではないけれども、当時の医学的な知見というものを基礎にしまして、ただ問題は行政責任の立場から考えてみますと、患者さんの救済ということをやはり主に考えていかなきゃいかぬものですから、そういう意味で人命の保護というものを重視した立場から行政が責任ある行動をとった、すなわち責任ある決定を下して患者の救済を図ったと、こういうのが四十三年五月の厚生省見解でございます。したがって、もろ学問的にも医学的にも全く疑問がないというふうに言い切った所見ではないわけでございます。腎臓から骨軟化症に至る因果関係については、いまなおいろいろな所見があるわけでございますので、これらを四十八年以来毎年研究費を計上いたしまして、なお十分医学的にも検討を加えつつあるというのが現状でございます。
#527
○寺田熊雄君 あなたは医学的にということをしきりにおっしゃるのですがね、この医学的というのは病理学的という意味ですか。――いや、これは大臣が言ったんだから大臣に聞いている。
#528
○国務大臣(小沢辰男君) 病理学的な検討ももちろんでございますが、同時にやはり、臨床的に骨軟化症の問題をいろいろ分析したりする、これは両方合わさって医学的な検討ということでございます。
#529
○寺田熊雄君 だから困るんですよ、そういう認識不足で。病理学的と臨床的なものを医学的というのじゃないんですよ。これはもう根本的にあなたの認識を変えていただかなきゃいけない。病理学的と臨床的な見地から言いますと、いまあなたが言ったような結論にならざるを得ないわけで、一番大切なのは、この問題の解決は疫学的な見地からする検討なんです。どう思われますか。
#530
○国務大臣(小沢辰男君) 水俣病のときもいろいろございますが、疫学的な検討だけでは私はやっぱりこの問題の結論として不十分だと思うのですよ。水俣病の認定審査会においても、疫学的所見だけで決定をいたしておりません。それにプラス神経症状的な面の医学的な検討を加えた結論をあわせて水俣病の認定をしているわけでございますから、先生はそういう医学的な非常な高度な専門的技術をお持ちになるかもしれませんが、私も余り、医学者ではありませんので、その点もし間違った点があれば私の方でお医者さんの部長もおりますから答弁させます。
#531
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘は、疫学的な問題が一番大事ではないかとおっしゃった点で、疫学は確かに大事でございますが、いま一番論争になっております点は、どういうぐあいに腎臓から骨の病変に及ぶかという病態生理というような問題がございまして、それに対しては、生化学とか病理とか動物実験とか臨床とかそれらのすべてが絡んでまいるということでございます。そういう問題について疫学が果たす役割りは何かということになりますと、全国各地を調べた場合に、同じような患者さんがどの程度見当たるかというところに問題点があるのでございまして、疫学だけを重視してそれだけで決めるものではございません。
#532
○寺田熊雄君 何も私は疫学だけでというふうなことを一言も言うてないですよ。その点あなた方は何かしきりに病理学、それから臨床的なことだけを重視するようにおっしゃるから、そこで私が疫学的な検討が必要だということを言うただけです。全く病理とそれから臨床とを捨象するわけにはいきません。それは当然のこと。しかしあなた方のはどうもその方に重点を置いているんじゃないかと思いますが、このイタイイタイ病の判決、これはどういうふうな見地から法律的な因果関係を肯定したか御存じですか。
#533
○政府委員(橋本道夫君) どういう点から因果関係を決めたかという御質問でございますが、一つは、やはり読んでみますと、厚生省見解の基礎になった調査資料というのはかなり大きく生きておるものだということを考えております。そういう点で、一点は、その汚染物質が鉱山からまず出ておるということと、それから汚染物質が富山のところに到達しておると、その問題の中で、この鉱山に起因するもの以外にはごくわずかに自然なものしかないという問題、それからもう一つは、今度は患者さんの中に見られる病変というものの中に、それまで特に金沢大学を中心にして行われましたイタイイタイ病の総合医学研究班の知見を非常に重んじられましてやられました。腎臓から骨へという問題は、腎性骨軟化症というあくまでも仮説そのもので最もよく説明がつくということでこれを踏み切られたわけでございます。そういうことで、疫学の問題はイタイイタイ病を確定する途上におきまして一つの手段としては用いられておりますけれども、疫学だけが判決の基礎になっているものとは考えておりません。
#534
○寺田熊雄君 ちょっと橋本部長これを見てください。
#535
○政府委員(橋本道夫君) いま御指摘の点をお読みいたしますが、これは判決の一部でございます。
 「およそ、公害訴訟における因果関係の存否を判断するに当っては、企業活動に伴って発生する大気汚染、水質汚濁等による被害は空間的にも広く、時間的にも長く隔った不特定多数の広範囲に及ぶことが多いことに鑑み、臨床医学や病理学の側面からの検討のみによっては因果関係の解明が十分達せられない場合においても、疫学を活用していわゆる疫学的因果関係が証明された場合には原因物質が証明されたものとして、法的因果関係も存在するものと解するのが相当である。」。
#536
○寺田熊雄君 いま橋本さんが読まれたように、臨床的、病理学的には多分に疑問があることは判決も認めているわけですよ。しかし、そういう疑問もあることはあるけれども、疫学的に証明された場合には因果関係があると判断すべきであるということであの判決を下して、そうして三井金属鉱業もそれに服して確定しているわけですね。その事実をよく踏まえていただかにゃいけないんで、あなた方は、いまの行政的な措置の問題で病理学的、臨床的な議論があるからといって、行政的な措置についてまで何かそれに対して疑問を持って行政措置をしないというところまでいっているのかどうか。どうでしょう。
#537
○国務大臣(小沢辰男君) 先生ちょっと誤解していただくと困るんですが、私どもはあの判決なり当時の厚生省見解の洗い直しをするために、特に研究班を設けて検討していただいているわけじゃないのであります。腎障害から骨軟化症に移行する、果たしてそこに、いろんな複雑な要因があろうけれども、カドミがどの程度かんでおるのか、あるいは腎障害からそのまま骨軟化症に至るのか、イタイイタイ病について医学的な解明を、もっとひとつ厳密に詳細にしたいというので、研究班でいまやっておるわけでございますから、これは当然他にもまたいろいろな例が出てきた場合のことも考えまして、環境庁として公害被害の健康補償を扱う責任者としては、そうした研究はあくまでも厳密に科学的に医学的にやっていかなきゃいかぬということでやっておるわけでございますから、その辺のところを、すぐ例の富山の神通川の判決の見直しだとか、あるいは厚生省見解の洗い直しだとかというふうに結びついてお考えいただくのは――それとは私どもは別個のいま申し上げましたような立場でやっておることだけは、これはよく御認識をいただきたいんです。
#538
○寺田熊雄君 行政的な措置が影響を受けるのかどうかということです。それをお尋ねしておる。
#539
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃる意味はよくわかりませんが、その四十三年五月の厚生省見解に基づく園田厚生大臣のときの行政上の措置を変更するのかという、あれを変更するためにいま調査をやっているんではないということをるる申し上げておるわけでございますから……
#540
○寺田熊雄君 だから、変更しないなら変更しないと、はっきりおっしゃっていただきたいんです、答弁。
#541
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど来申し上げておりますように、私どもの研究調査の目的そのものが、あれを見直すためだとか、そういうことでなくて、この腎の障害から骨軟化症なり、そういうものに至る過程でカドミがどの程度影響を持っているのか、そういう点を学問的に全部検討をしているわけでございますから、もしその結果が出れば、それは当然あの当時において、厚生省が四十三年五月に厚生省見解を出しましたときはその当時における医学的な知見をもとにして行政上の判断を加えてやった措置でございますので、その当時求められた、得た医学的な知見というものが変わってくれば、そのときにおいては、またいろいろわれわれとしてそのデータによってどういうように処置するかということを考えなきゃいけませんけれども、いま研究をやっている結論が当然そう出るとは限りませんし、まだわれわれとしては最も医学的に、科学的にそのデータを早くつかみたいと、こういうことで熱心にやっておるんですから、それをすぐそういう目的に結びつけたり、そういうような考え方でなくて、もっと純粋に医学的な検討をやっていただいている、こういうことでございますから、その結論がどっちに出るかを想像して、いま、こういう結果が出たらこうしますというようなことを、私はやっぱり、学者の討論に対して影響を与えるような公式な場における所管の大臣が見解を発表することはいかがと思いますので、その点はひとつ御理解をいただいておきたいと考えております。
#542
○寺田熊雄君 いや、そういうことを伺っているんじゃないんでね。そういう病理学的な検討をしておるからといって、イタイイタイ病の患者を救済するという行政目的の遂行にはいささかの影響もないのか、あるのかと言って伺っているんです。
#543
○国務大臣(小沢辰男君) それは全然ございません、そんな考えは。
#544
○寺田熊雄君 ところで、富山県では公害病の認定が比較的スムーズに行っておるように思います。これは、カドミウム説を肯定する金沢大学の石崎教授が委員長となってその鑑別診断をしておるからなんですが、そのほかの県における患者の発生状態はどうでしょうか。
#545
○政府委員(橋本道夫君) そのほかの地域におきましては、現在までのところ、イタイイタイ病は発生をいたしておりません。なお、研究をもう少し進めなければならないというケースは、四十九年に兵庫で一名、それから長崎で二名ございますが、長崎は典型的なイタイイタイ病ではない。ただ、骨軟化症があるかどうかということでございます。兵庫の一例がいま一番問題のケースでございまして、これに現在研究班が鋭意取り組んでいるところでございます。
#546
○寺田熊雄君 ちょっと、いま早口であなたが答えられるので、よくわからなかったが、長崎県と兵庫県のをもう一ぺん詳しく。
#547
○政府委員(橋本道夫君) 長崎県におきましては、昭和四十一年以来、四十二年を除きまして、ずっと毎年検診をいたしております。そうして、四十九年度の検診の結果、十二名のケースに腎細尿管障害が認められ、かつ、カドミウムの影響がなかなかこれは否定できるかどうかというケースがございます。これは骨ではございません。それから、五名のケースにつきまして腎の機能が非常に低下をしておる。十七名のケースにつきまして鑑別診断研究班にかかりました。これは、全体の鑑別診断研究班の委員の完全に合意した表現といたしまして、典型的なイタイイタイ病患者はないということでございます。ただ、二例につきまして、骨軟化症があるかどうかということを、骨の一部を取って病理学的な検査をしてみる必要があると、そういう問題が残っておりまして、全体の総合判断は、腎臓の問題も絡みますから、三月十五日、十六日にしました研究成果を踏まえて、さらにそれにつきましての最終の鑑別診断結果を検討しようと、そういう事態にございます。
#548
○寺田熊雄君 兵庫県。
#549
○政府委員(橋本道夫君) 兵庫県につきましては、二例の亡くなられたケースの剖検例が出されてまいりまして、このうちの一例はイタイイタイ病と非常に似通ったケースでございます。参議院におきまして昨年問題になりまして、その後鋭意――不幸にして亡くなられて、病理解剖の結果を最終的に十二月末に全部を得られたものでございますが、その一例につきましては、病理学的な検査におきましては、骨軟化症の部分がどうもほとんどないということでございます。病理学的に骨軟化症がないということと、もう一つは臨床の方の方の、四十七年でございましたか、それ以来その患者さんをレントゲンで見て薬で治療をしてやってきた経過から見ると、骨軟化症があったと臨床的には言えるのではないかと、そういう臨床の議論と病理の議論との若干の食い違いがございます。そういうことで、骨軟化症云々の問題につきましては、今後これの検討に当たることになっております。また、腎臓につきましては、これは腎臓の細尿管障害があったということで、その点につきましては、近く研究班として議論をして結論を整理をしていこうと、こういう段階にございます。
#550
○寺田熊雄君 骨軟化症の所見を見出すことができなくても、いま政府委員が言われたように、カドミウムのために腎臓障害を起こしたと、尿にアミノ酸が排出される、あるいは糖が出るというような患者がずいぶん各地にあるようですが、これは救済の対象にはしてないですか。
#551
○政府委員(橋本道夫君) ずいぶんたくさん各地にあるという問題ではございませんが、鑑別診断研究班にかかった中で、現在十六名の方が要観察という形になっております。それから五十年度のケースの中で、先ほど申し上げました長崎県の十七例のケースと、それから兵庫の二例のケースがかかっております。これは腎細尿管の機能障害というところまでは一致している議論でございますが、従来の臨床医学から見て、その機能障害の程度では、医療するといっても特別に医療する問題がないのではないかという議論がございます。そういうことで、その病気は果たして病気と言い得るものか否かというところが一番の問題点でございまして、研究班の結論といたしましては、この腎細尿管障害を臨床医学的な立場から評価をする尺度を早急に決めるべきであるということで、早速次の研究、それに取りかかるということになっております。その結果によりまして、病気とするかどうかというところに決まります。病気と健康の間というのはスペクトルのようにつながっておりますから、どこから先を病気とするかという非常にむずかしい領域に入っておりまして、現在その問題に研究の焦点が当てられた、こういうことでございます。
#552
○寺田熊雄君 いまの御答弁は非常に私どもの調査とは違うので、私どもの調査では、兵庫県生野鉱山の周辺にそういうカドミウムによる腎臓障害を起こしている者は二百名、秋田県の小坂鉱山では五、六十人、山形県の吉野川流域に二名、石川県の梯川流域に二十名、こういうような調査結果が出ておるのですが、非常に何かあなた方はカドミウムによるこの診断というものを、原因説というものを余りにも厳しく否定しようという傾向があるのじゃないだろうか、どうでしょうか。
#553
○政府委員(橋本道夫君) 私のお答えいたしましたのは、国の鑑別診断研究班にかかって国として鑑別し得たケースのみを申し上げましたので、先生のお挙げになりましたのは、恐らく各県がやった第三次検診の中で、この腎細尿管障害に相当するものがあったとされておる人数のものをお挙げになったものであろうと思います。報告書だけを見ますと、先生のおっしゃったことは、私は全く、そういう報告があるということは事実でございますが、この腎臓の腎細尿管障害というものが病気であるか否かということは、これは年をとった老人をいろいろ調べてみますと、八十から九十ぐらいのところで腎細尿管障害というのはわりにあらわれてくるという調査がございます。カドミウムの汚染地域では少しそれよりも早く、五十から六十の辺でその山があらわれてくるというのがございまして、そういうことで現在いま一番公害でむずかしい問題は、健康と不健康と、病気というところをどういうぐあいに制度的にはっきり扱うかという、医学の最もむずかしい点に入っておりますので、これはカドミウムを否定しようというような魂胆はいささかもございません。カドミウムの影響につきまして、日本の研究というものは最高の水準の研究をやっておりますから、それを基礎にして行政としてやるべきことをいたしたい、こういうことでございます。
#554
○寺田熊雄君 そういうカドミウムによる腎臓障害を起こしている人というのは、これは普通の診断で糖尿病等と非常に誤解されやすくて、糖尿病の薬を飲むと瞬間的に倒れたりして生命の危険があるということ、あなた御存じですか。
#555
○政府委員(橋本道夫君) 私は臨床医ではございませんが、そのようなことを御指摘になっておられることは十分承知をいたしております。
#556
○寺田熊雄君 そこで、そういうものを、長官、救済する必要はお感じになりませんか。
#557
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど保健部長がお答えしましたように、病気であるかどうかということのいま非常にめんどうな段階の研究の結論を待っているようでございます。結論が出れば当然救済の対象になると思いますが、それまでの間は各都道府県で、兵庫県等においても現在厚生省に持っているいろいろな問題を含めまして救済の措置に当たっているようでございまして、私どもの、法律による救済はやはり公害の被害ということが認定されてきませんと救済の対象にならぬものでございますから、先ほど保健部長がお答えしましたように、医学的に結論を出してもらうということを急いでおるという段階であります。
#558
○寺田熊雄君 じゃ、その公害による被害ということを認定する鑑別診断のメンバーに、カドミウムによるイタイイタイ病の発生を否定する学者が、有力な学者が入っておるんです、それを認められますか。
#559
○国務大臣(小沢辰男君) 詳しいことは保健部長からお答えしますが、私の聞いているところでは、とにかく肯定する側も否定する側もいろいろ入りまして、この研究班は最高のメンバーをもって組織しておると、こういうことでございます。私どもは強いて意図的に反対をする人だけを集めるとか、あるいは賛成側だけを集めるとか、そういうようなことはいたしておりません。
#560
○寺田熊雄君 その鑑別診断の委員会のメンバ一に喜田村正次教授がおられる。「米食と日本人の栄養」の中で、はっきりとカドミウム説を否定していることを御存じですか。
#561
○政府委員(橋本道夫君) 喜田村教授の御意見は、兵庫県で発生したイタイイタイ病とそっくりの患者は、厚生省見解にある腎性骨軟化症ではないからイタイイタイ病ではないということで否定をしておられるわけでございまして、カドミウムは腎障害に対して影響を及ぼすことがあるということは決して喜田村教授は否定しておるわけではございません。
#562
○寺田熊雄君 それもまたはなはだしき認識不足で、あなたこの論文を読まれましたか。
#563
○政府委員(橋本道夫君) 私、寡聞にして生のものを読んでおりません。喜田村先生とは十分お話をいたしております。
#564
○寺田熊雄君 高瀬武平教授はどうです。
#565
○政府委員(橋本道夫君) 高瀬先生はこの骨軟化症の問題につきまして整形外科の専門家の立場からかまれるわけでございまして、高瀬先生はカドミウム説を否定しておられるという方ではございません。カドミウムだけで起こると言っておられる方でもございません。ただ、カドミウムによって起こるかどうかということは一つの分野の学者だけで決定できる話ではございません。
#566
○寺田熊雄君 このカドミウム・イタイイタイ病事件の判決を読みますと、高瀬教授はむしろ否定説として扱われているんですよ。それで委員長は高瀬教授、それからいまの否定していらっしゃる喜田村教授がおられて、こういうカドミウムによるイタイイタイ病の発生そのものを否定する人がどうしてカドミウムによる患者というものの存在を肯定して、これを救済するということができるでしょうか。だから、そういう臨床的な病理学的な研究はよろしい。しかし、それが行政方面に入ってきて、イタイイタイ病を救済するという行政目的を阻害するようなことは許せないと思うが、どうか。
#567
○国務大臣(小沢辰男君) 学者の研究班のいろいろな研究は私どもの行政に何も関与いたしておりません。
 それから、研究班にはやっぱり否定的な見解の方も肯定的な見解の方もいろいろ集まっていただいて、そうして自由に自己の医学的良心と見識に基づいて討議していただく方が私はより公平だと考えております。
#568
○政府委員(橋本道夫君) 高瀬先生は否定をしておられる学者だというお言葉でございますが、高瀬先生は判決で学問のすべてを膠着さすことに対して否定をしておられる方でございまして、高瀬先生はこのイタイイタイ病のカドミウムの問題につきましての金沢大学の研究班の重要な役割りを果たした方でございますし、富山県におきましてイタイイタイ病の認定審査会の委員をして、いままでイタイイタイ病の認定をしてこられた方でございます。そういうことで、判決や行政によって学問の自由や進歩を阻害するということに対して高瀬先生が非常に強い態度を表明されたことが、そのように誤解をされたのではないかと思います。
#569
○寺田熊雄君 あなたは、いまの判決を、先ほども読んでいただいたわけですが、精読なさる必要がありますよ。それから喜田村教授の論文も、これは現実にお読みになる必要がある。病理学的な臨床的な研究は非常にこれはいいけれども、それはそういう研究班のメンバーに入れるべきであって、イタイイタイ病の患者を救済するというそのための鑑別診断班に入れるべきではないですよ、どうでしょう、大臣。
#570
○政府委員(橋本道夫君) 鑑別診断研究班と申しますのは、このイタイイタイ病とほかの疾病を鑑別するということでございまして、しかもこれは学問としての研究でございます。認定とも審査とも違います。それはもう明白に学問としての立場をとっておられるわけでございまして、そういうことで、その学問としての議論の場合に、あの人はクロの意見であるから入れないというようなものは、学問の自由に非常に反することだというようにわれわれ思っておりますので、いずれの議論の方もそこに入っていただいて自由に議論をおっしゃっていただくと、意見が合わないときでも、意見が合わなければ合わないままに出していただいて、私ども行政的に決断するときにはする、そういうぐあいに申し上げて、学者の自由は十分確保する努力をいたしたいと思います。
#571
○寺田熊雄君 それは大臣の答弁と違うでしょう。大臣はやはりその鑑別診断の学者の意見を聞いて考えると言われるでしょう。いまの政府委員の御答弁では、それがどうあろうと自分たちで判断すると言う、どちらですか。
#572
○国務大臣(小沢辰男君) その医学的な検討を集まってしていただいて、その結論を受け取りますが、われわれはその中には統一した全員一致の結論はなかなか出てこないと思うんですよ。先生も御承知のように、医学的な判断というものは、非常に個人的な見解が入ってまいります、いろいろ。まあ真理は一つかもしれませんけれども、やっぱり医学的な判断というものは、個々の開業医でも、あるいはわれわれが健康診断してもらった場合でも、治療に当たる場合でも、いろいろ違うものがございます。で、いま私と政府委員の方の答弁は一つも違っておりません。その研究の結果をいただいた上で、私どもは行政的な判断を加えていくわけでございます。全くそれとは別個に、またそれと無関係に、あるいはそういう必要なく、ただ行政庁だけ判断をするなら、強いて三年も四年も経費をかけてこの研究班を構成して研究を依頼する必要はないことでございますので、私どもはその研究の成果を一応いただいて、その上でわれわれはわれわれとしての行政的な決断を下す、こういうことでございます。
#573
○政府委員(橋本道夫君) 私の申し方が少し言葉足らずで、どうあろうとも行政が判断するというようにおとりになったようでございますが、決してさような乱暴なことは考えておりません。十分調査、議論をしていただきます。しかも、四十四年から現在に至るまでの六年余の研究蓄積と海外の文献等がすべてございますから、それを基礎にいたしまして、この点は一致する、この点は一致しないということを出していただいて、そうして一致しない点について蓋然性はどうかということの問題の場合に、疫学は非常に有力な道具でもございますが、疫学だけではございません、そのほかにいろいろ私どもは判断するわけでございます。
#574
○寺田熊雄君 そんなこと言うていないじゃないか、疫学だけだなんということは私言うてないでしよう。
#575
○政府委員(橋本道夫君) いや私は、いま先生の御質問にお答えしている中で、疫学だけではと先生がおっしゃったわけではございませんが、私はその疫学は大切な役割りを果たしますが、疫学だけの問題ではないものがあるということを申し上げたわけでございます。
#576
○寺田熊雄君 答弁がどちらもはっきりしないけれども、結局いまカドミウムによる腎障害を生じている患者というのがたくさんおるわけですよ、全国的に。それが救済の対象になっていない。糖尿の薬を臨床医に盛られて倒れて、生命にも影響があるような人がおるので、それを救済する行政的な必要があるかどうか、もう一遍答えてください。
#577
○国務大臣(小沢辰男君) 私、その点も先ほど申し上げたつもりなんですが、カドミの汚染によって健康被害が起こったということになれば、これはまさに私どもが所管しております公害健康被害の補償法の対象として取り扱うことは当然でございます。
#578
○寺田熊雄君 それを鑑別する医者の中に、カドミウム説を否定する学者がおるからこの結果が得られないじゃないかということをさっきから申し上げておるのですよ。
#579
○国務大臣(小沢辰男君) やっぱりお医者さんが集まって相談をする場合に、そのお医者さんの中にはそういう点についていろいろ疑問を持ったり、あるいは別の医学的な所見を持つ方があるということは、これはもう私は否定できないのじゃないかと思うのでございまして、しかしそういう人がおられても、結論としてカドミの汚染によって健康の被害が明らかにこの人についてはあると判定されれば、私どもはこの補償法の対象にして救済の措置を講ずるということでございます。
#580
○寺田熊雄君 これは堂々めぐりでいつまでやっても解決せぬので、これはまた別に譲りますが、その次に神通川の汚染土壌防止対策はどうなっていますか。
#581
○政府委員(大場敏彦君) 土壌汚染防止法に基づきまして、富山県は四十六年から四十九年にかけまして土壌汚染のための細密調査を実施してございます。その結果、神通川は左岸と右岸に分かれるわけでございますけれども、まず左岸につきましては、四十九年の八月に六百四十七ヘクタールにつきまして対策地域に指定をしてございます。それから右岸地域につきましては、これも調査はほぼ完了してございますので、その調査結果を踏まえながら、県では県公害対策審議会で対策地域に指定を行うべく諮問中でございます。
#582
○寺田熊雄君 その事業を行う場合、三井金属鉱業の負担どのぐらいになりますか。
#583
○政府委員(大場敏彦君) これから全体につきましては対策計画をつくりまして、そこで事業費、負担割合を県の審議会で決めるわけでございますが、まずその前に、事業費が幾らになるのかということがございます。これにつきましては、左岸は先ほど六百数十ヘクタールと申し上げました。それから右岸につきましては、まだ決まっておりませんが、これもかなり、二百ないしは三百ぐらいの面積がありまして、されるのじゃないかと想像されるわけでございますが、全体としてはほぼ千ヘクタールぐらいになるのじゃなかろうかと想像されます。そういたしますと、具体的な事業は土の入れかえということになりまして、客土でございますが、その客土の量を幾らにするかによりましてかなり事業量も変わってくる。反当たり普通百万円でございますから、仮に千ヘクタールといたしますと百億ぐらいの金がかかるわけでございます。
 それからあと、それをどういうぐあいに三井に負担させるか、こういった問題につきましては県の公害対策審議会で計画の中で決める、こういつたことでございます。
#584
○寺田熊雄君 問題は、環境庁がしっかりとした姿勢を持ってもらわないと、三井金属鉱業が百億の中の四分の三の原因者負担を負うか負わないかということに影響してくるわけですよ。環境庁長官、問題はそこにあるんですよ。だから私は、裏で三井金属鉱業が暗躍する可能性が強いと見ている。環境庁長官も農林大臣も、その点はしっかりと御認識いただきたいと思うんだが、どうですか。
#585
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御指摘の点は十分認識して対処してまいりたいと思います。
#586
○寺田熊雄君 環境庁長官、いかがですか。
#587
○国務大臣(小沢辰男君) 問題は、こういう場合に、先生、いま四分の三とおっしゃいましたが、この原因をつくった、この原因に対するどれぐらいの寄与率が、どの程度、どういうところからあるかということが、やはり大事になってくるわけでございます。私どもは、やはりそうしたものを正確に把握しまして、それでやっていかなければいけないと思っておりますので、この点については、なおよく県の意向も聞きまして検討してまいりますが、これは私どもが実施する事業でございません、環境庁が実施する事業でございませんので、基本的な考えだけを申し上げておきます。
#588
○寺田熊雄君 いや、環境庁長官ね、あなたの御答弁が企業寄りにとられるんですよね。いまはカドミウムによるイタイイタイ病の発生じゃないですよ。つまり、土壌がカドミウムによって汚染されたかどうかを論じているときですよ。それが、企業がどの程度それに寄与したかどうか、そんなことはもう明らかじゃありませんか。あなたは、あのときに三井金属鉱業、鉱山以外にカドミウムをあの地域に流したものが他にあるというようなことを少しでもお疑いになりますか。
#589
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、そういう地質学的ないろんな調査をやった者でもございませんので、科学的な知見がないのに、どちらとも判断はできないわけでございまして、いま、先生がそのほかにあるかと言われても、私はそれはもう環境庁の長官として、そんな調査も環境庁でしたことがございませんから、お答えできませんよ。
#590
○寺田熊雄君 大変いま企業寄りの御答弁で不満ですが、ほかにもう一つありますので。
 次は鉄鋼産業における肺がんの問題について御質問しますが、四十八年六月六日、川崎製鉄水島工場の第二圧延整備課勤務の福沢照男氏が死亡したこと、これがいま労災認定を求めておりますが、この点、どうなっておりますか。
#591
○国務大臣(長谷川峻君) 政府委員をして答弁させます。
#592
○政府委員(中西正雄君) お答えいたします。
 倉敷の川崎製鉄所水島工場におきまして、がんが多く発生、御指摘のこの事業場の圧延ロールの整備作業に従事している労働者の遺族から労災保険の請求が一件ございまして、所轄の労働基準監督署で、当該労働者の就業の状態とか、症状あるいはその後の医療の内容等の調査を実施いたしております。なお、作業環境を的確に把握するため、作業現場の粉じん等の測定を専門の機関に依頼をいたしまして現在調査をいたしておりまして、まだその最終結果がまとまっておりません。しかし、ごく近いうちにその結果がまとまるという報告を受けております。
 本件のような肺がんと業務との関係、関連は、非常に医学的にむずかしい問題があるのでございますが、専門家の御意見を伺いまして、実態調査の結果等も十分勘案しまして、業務上、業務外の判断をいたしたいと考えております。
#593
○寺田熊雄君 いまの審査の場合に、倉敷労働基準監督署が二回、不認定の通知を出しまして、遺族から非常な不満を受けて審査をやり直しておることは御存じでしょうか。
#594
○政府委員(中西正雄君) 御指摘の点でございますが、先ほども申し上げましたように、現在調査中の段階でございまして、まだ決定をいたしておりません。本件につきまして、いま御指摘のような、一たん却下されたというような誤解を生じましたのは、再調査をする必要がございまして、その再調査をするということについて、何か一たん却下をされたというふうに誤解されたんだと思うんでございますけれども、現在再調査をいたしまして、先ほど申し上げましたように、その結果も近く出ると思いますので、それをさらに専門家会議において検討をいたしまして結論を出したい、かように考えておるわけでございます。
#595
○寺田熊雄君 その職場から発がん物質が出てまいりましたか。
#596
○政府委員(中西正雄君) まだ実態調査の結果の報告は受けており衣ぜんので、具体的にどの程度あったかということはわかっておりませんけれども、発がんの原因となるベンツピレンが若干あったという程度のことは聞いております。
#597
○寺田熊雄君 なお、調査は、岡山大学の工学部機械工学科の助手の藤原正男さんという人が立会したようですが、それが一回限りの調査で、全体の操業状態を把握してない、正確なデータによるものでなく、観察による確認であるというような証明書を出しておりますね。
 それから岡山大学衛生学教室の柳楽医師が出している意見書はお読みになりましたか。
#598
○政府委員(中西正雄君) 先ほど再調査と申し上げましたのは、先生御指摘のように、当初岡山大学の工学部に調査を依頼したんでございますが、その調査が必ずしも十分でないということがわかりまして、改めて別の機関に調査を依頼しているわけでございます。
 それから、後の問題の論文等は私読んでおりません。
#599
○寺田熊雄君 これは、私どもの調査では、最初の一回、二回、いずれも不認定の通知を遺族に出しましてね、それで遺族からの抗議を受けて調査をやり直したのが実態なんですが、まあそれはあなた方を余り責めてもしょうがないから、これは慎重な調査をお願いすることにして、この川崎製鉄全体で、いままでにどの程度在職者の中で最近に肺がんで死亡した人がおるか、把握しておられますか。
#600
○政府委員(中西正雄君) 川崎製鉄につきましてはわかっておりません。
#601
○寺田熊雄君 その点の調査をしないと疫学的の調査というものが不可能になるんじゃないですか。
#602
○政府委員(中西正雄君) 先生おっしゃいますように、果たしてその肺がんが業務と因果関係があるかどうかということを調べるためには、疫学調査をまずやるということが必要でございまして、現在までにやっておりますのは、これは製鉄用のコークス炉の従業者の肺がんにつきましては全国的に調査をいたしまして、そしてその結果、有意の差があるということで、関係労働者、当該事務に従事した人のうちから肺がんにがかった方々について、相当数の業務上の死亡者と認定をいたしているわけでございますが、川鉄の圧延ロールの関係につきましては、まだ疫学的調査は実施をしておりません。
#603
○寺田熊雄君 あなたは専門家の意見を聞いてということをおっしゃった。また、調査をしてとおっしゃったが、これはやはり疫学的な調査をしてという意味でしょうか。
#604
○政府委員(中西正雄君) これは現在実態調査をしておりまして、その結果に基づいて――調査といいますのは作業環境だけではございません。もちろん本人の経歴なり、また本人の嗜好、その他いろいろ調査するわけでございますが、その調査の結果について専門家に検討していただく。その結果だけで業務上の肺がんとわかればそれだけでよろしいわけでございますが、それで判断がつかないという場合には、さらに疫学的な調査を実施いたしたいと考えているわけでございます。
#605
○寺田熊雄君 これは、労働大臣、非常に日本でおくれておるわけですよ。いま担当の部長が、川崎製鉄で最近在職者が肺がんで何人死んでいるか把握していないとおっしゃったでしょう。私の方は把握しておるのです。一昨年、四十八年中だけで、肺がんによる死亡者が五人おるのです。だから、本家本元のあなた方がそういう実態を把握していなくちゃ労災の認定なんかできないわけですよ。これ、どう思われます。
#606
○国務大臣(長谷川峻君) 御承知のとおり、川崎の場合はいま政府委員が答えたようなことかもしれませんけれども、製鉄業におけるガス発生、高炉の職業性肺がんですね、それが発見されたのが四十八年から四十九年にかけて。そういうことですから、早速私の方はそれを疫学調査を実施しまして、そうしてその結果、これは全体のことですけれども、製鉄業関係退職者六百七十四名、その中から八名の肺がん患者を発見した。そういうふうにして、具体的にはわかったところは調査をしているということを御理解いただきたいと思います。川崎の場合はいまのようなことかもしれませんが、四十八年に出た途端にこういうふうに調査しているということです。
#607
○寺田熊雄君 いま担当の部長もあなたもコークス炉を主としておっしゃったが、コークス炉以外の職場でも発がん物質であるベンツピレンが同じように出ていることは御存じですか。
#608
○政府委員(中西正雄君) 先生御承知かと存じますが、ベンツピレンは、私どもの生活環境の中、ほとんどの場所にあるわけでございまして、それが製鉄所等では濃度が確かに他の場所よりも高いという実態があるわけでございますが、それらにつきましては、今後、肺がんの発生状況も私ども順次把握しておりますので、疫学的な調査も順次実施をしていきたいと考えて計画をしているところでございます。当面は、コークス炉作業者以外の一般ガス製造事業等について実態を調査しておりまして、疫学的調査は非常に手数がかかりまして、そう一度に全部を実施するわけにもまいりませんので、順次実施していきたい、かように考えているわけでございます。
#609
○寺田熊雄君 これはあなた方を決して非難するわけじゃないけれども、ちょっと調査が余りにもずさんなので申しておきますが、これは新日鉄の担当の課長がアメリカの「アーチ・エンバイロン・ヘルス」という専門雑誌に、「鉄鋼工場におけるベンツピレン」という題名の「ベンツピレン・イナン・アイアン・アンド・スティール・ワークス」という論文を出している。御存じですか。
#610
○政府委員(中西正雄君) 知っております。
#611
○寺田熊雄君 知っておれば、この論文を読んでみると、明らかにコークス炉の職場以外の、圧延その他の工場でもベンツピレンが非常に多量に存在するということが明らかになっていますが、どうでしょう。
#612
○政府委員(中西正雄君) 昔は、圧延炉ですね、これにコールタールを使っておりましたけれども、最近はコールタールを使っておりません。御承知のように、コールタールは非常にベンツピレンが多いわけでございまして、確かに論文に書かれたような問題があったと存じます。しかし、決して私ども圧延炉作業者に肺がん患者が発生しないなどということを考えているわけでございませんので、今後順次調査を進めていきたいと考えておるわけでございます。
#613
○寺田熊雄君 それでは、最近の鉄鋼産業における肺がんの死亡者についてのデータをちょっとおっしゃってください。
#614
○政府委員(中西正雄君) 鉄鋼業関係の元労働者の遺族等から肺がんにつきまして労災保険の請求がございますが、この請求件数を見ますと、現在まで四十七名でございます。そのうち、現在までに業務上と認定いたしたものが三十六名でございます。残り十一名につきましては、さらに検討をいたしているところでございます。
#615
○寺田熊雄君 そのほかの鉄鋼産業における在籍者でがんで死亡した人の総計は把握しておられますか。
#616
○政府委員(中西正雄君) 把握しておりません。今後、疫学的調査を実施する過程で順次把握し、調査していきたいと考えておるわけでございます。
#617
○寺田熊雄君 労働大臣、労働省は、こういう業務上の災害を受けた労働者を救うことの唯一の官庁ですよね。それが一体、鉄鋼産業という重要な日本の基幹産業の中で在籍の労働者ががんで何人死んでいるのかというのが統計一つないわけです。これは疫学的な調査をする上に基本的な大切なことなんです。それがないということは大変なことなんですが、どうでしょうか。
#618
○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるように、労働者を守る立場の私たちでございます。いま先生のおっしゃったようなことなども、また肝に銘じていろいろ勉強してみたいと、こう思います。
#619
○寺田熊雄君 いま担当の部長に鉄鋼労連が調査しましたデータを渡しましたので、ちょっと担当のところを読んでもらえますか。
#620
○政府委員(中西正雄君) これは、がんによる死亡者数の表のようでございますが、各工場別になっております。これは工場別も……
#621
○寺田熊雄君 工場別の在籍者だけでいいですから。
#622
○政府委員(中西正雄君) 在籍中に死亡した者について申し上げますと、新日鉄釜石では肺がんで十一名、その他のがんで四十五名、合計で五十六名でございます。それから同じく新日鉄広畑では肺がんで四名、その他のがんで七十五名、合計七十九名。新日鉄名古屋が、その他のがんで一名。それから日本鋼管全体で肺がんで亡くなられた方五名、その他のがんが百四十九名、合計で百五十四名になっております。それから、先ほど申し上げましたのは日本鋼管連合会となっておりますが、日本鋼管京浜製鉄所では肺がん死亡者五名、その他のがん百四十五名、合計百五十名。川崎製鉄連合会、肺がん五各、その他のがん十六名、計二十一名、中山製鋼、肺がんなし、その他のがん四名、計四名。以上でございます。
#623
○寺田熊雄君 この表で大切なことは、これは、退職者の中で肺がんで死んでいる人が幾らか、それからその他のがんで死亡している人が幾らかということの調査が全くなされていないという点に特色があるわけです。これはなかなか鉄鋼労連の財力、人員ではできないわけですよ。これは国家が、労働省がやってくださらないと、退職者の追跡調査というものは不可能なわけです。大臣、それを今後疫学調査の大切な一環としてやっていただくことをお約束願えますか。
#624
○国務大臣(長谷川峻君) 先ほど政府委員がお答えしましたように、鉄鋼関係の元労働者の御遺族から労災保険の給付申請などがあった、そういう問題に対しましても、四十七名、それを業務上と認定したものが三十六名というふうに、出てきたものに対してはいろいろ研究し、調査しながら、しっかり私はやっておると思うんです。いまの数字の問題等々につきましても、これは研究する資料、問題であるならば、内部でひとつ勉強してみたいと、こう思います。
#625
○寺田熊雄君 これが問題とするものであるならばという条件つきなんですね、あなたのおっしゃるのは。しかし、いまもお話ししましたように、肺がんによる死亡が在籍者が三十名、同じくその他のがんによる死亡者が在籍者で四百三十五名、合計して五百人近い人ががんでいま死亡しているわけですよ。そういう集団的な、大量の問題をとらえなければ、それはそういう疫学的な調査をやっていかないというと、いま現に肺がんで悩んでおる人、その遺族、それを救うことができないわけですよ。どうしてもそういう疫学的な調査の前提として必要なわけですよ。どうでしょうか。
#626
○国務大臣(長谷川峻君) 一つの問題提起として研究さしてもらいたいと思います。
#627
○寺田熊雄君 これは、大臣、研究の問題じゃないんですよ。どうしてもその疫学的な調査をやらなければ、いま現に病んでいる人あるいは死んだ人の遺族が、それが本当に業務上の疾病かどうかを判断できないでしょう。あなた、これ研究じゃないんですよ。明らかにこれは現実の問題ですよ。
#628
○政府委員(中西正雄君) 労働省では、現在職業がん一般問題を検討するための特別の専門家会議を持っておりますので、先ほど先生からいただいたデータ等もこの専門委員会に検討してもらいまして、その後具体的にどう検討を進めていくか決めて処理いたしたいと考えております。
#629
○寺田熊雄君 退職者はどうします。追跡調査。
#630
○政府委員(中西正雄君) 退職者は、先生御承知のように非常に手数が食いますので、そう一遍に全部国の手でやるということはきわめて困難だと思いますけれども、問題が問題でございますので、いま申し上げた専門家会議の検討の結果によって、特に問題のあるものから調査を進めていかなきゃならぬじゃなかろうかと考えておる次第でございます。
#631
○寺田熊雄君 これは、大臣、外国ではこういう調査というものは非常に進んでいるわけですよ。だから文献も多いし統計も多いわけです。これは大臣がやらなければ、国家が困難であるものが民間や学者にできるわけはないでしょう。あなたがやはり労働者の生命を大切にする、それを守るんだという気概に燃えてその任務をしっかりと自覚して、そのために予算を要求してがんばるという気持ちがなかったらだめですよ。どうでしょう。
#632
○国務大臣(長谷川峻君) その気持ちはありますけれども、素人の私が、いままでの経過とか、そういう現状とか、それだけの困っているとか、さらにまたいま認定されている者とか、御遺族のこととかということになりますというと、ここで勉強したものですから、すぐ結論が出ないのですよ。ですから、日本の研究がおくれているということは、先生の御指摘もありますし、私もわかってもおります。そういうことで、先ほど政府委員が言うたように、研究会とかいろんなものをいまやっておることでございますから、そういう場所においても、国会においてこういう話があると、鉄鋼労連があれだけ強いけれども自分の方でできない、自分たちの職場においてこういう者がたくさん肺がんでやられて、各場所にそういう者があるというふうなことなども、私の方でも改めて調べることがいいのかどうか、いろいろな資料を集めるようにして、ひとつ研究してみたい、こう思います。
#633
○寺田熊雄君 やはりこれは何か、あなた方のお話を伺うと、事務当局はかなり前向きだけれども、大臣、あなたがどうも、労働者の生命を守るためには困難な予算の獲得もしよう、全力を挙げて取り組んでみようという、その意気込みが感じられないわけですよ。まあ研究してとか、必要があればとか言ってお逃げになる。しかし、それではあなたの職務をおろそかにすることになりはしませんか。
#634
○国務大臣(長谷川峻君) そうおしかりいただくのは本当に恐縮ですが、私たちが何か――私なんかもあなたと同じように政治家ですよ。一つのことをやる場合に、自分の心の中に理論武装ができないと、突っかかっていけないんですよ。そういう意味で、いまのような問題をここで私が初めて言われて、さあということになりますから、少し勉強さしてください。そうして私はあなたの御期待に沿えるようなかっこうになるならば一生懸命やりたい、こう思っております。
#635
○寺田熊雄君 勉強をしてとおっしゃるが、大臣、労働大臣というのはやはりその所管の大臣なわけですよね。全くの素人であるというふうに私どもは理解してはいけないんですよね。やっぱりあなたはそれに対して見識を持ち、現実に勉強もして、そして一応の抱負も持っていらっしゃらなきゃならぬお方でしょう。そうでしょう。何にも知らないんだと、研究してませんと、抱負もありませんというんじゃ大臣の職は私勤まらぬと思いますよ。そうでしょう。だから、私はあなたがそういう御任務を持っていらっしゃって、勉強もしていらっしゃって、そして抱負を持っていらっしゃる担当の大臣としてお尋ねをしているわけです。だから、あなたは当然、労災の認定には、職業病でしょう、職業病というのはそういう疫学的な調査をして、集団的にまた長い年月の状態などを調べなければ結論が出ないということは、これは常識だからおわかりになるでしょう。そのためには単に在職者だけの調査じゃいけないわけですよ。退職して死んだ人の調査もなければ完全でないわけです。だから、あなたはそういう点をはっきりとおっしゃっていただきたい。
 それからもう一つは、企業秘密の壁がこういう調査に非常に障害になっているわけですよ。だから、そういう企業秘密の壁を恐れずに破るという決意、この二つを明確にお答えください。
#636
○国務大臣(長谷川峻君) 製鉄業だからというわけじゃありませんけれども、日本の製鉄業がやっぱりここまで伸びてきたのは勤労者のおかげでございます、一億トン以上の生産量というものは。そういうことですから、私もそこに働く勤労者の諸君のそれこそ大事なことということはよく認識しておりますから、それは本当に御期待にすぐ沿えるというかっこうには、いまのところなりませんけれども、そういうところの勤労者は一番大事なものである、特に大事なものである、しかも毎日働いている厳しいところ、そしていまのような肺がんも出ている、職業病も出てくるというふうなことでございますから、自信を持って勉強しながら、しっかりやりたいと、こう思っております。
#637
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして寺田熊雄君の質疑は終了いたしました。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#638
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
 次回は三月二十四日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後七時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト