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第075回国会 建設委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会 第1号
昭和五十年六月十六日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
   建設委員
    委員長         中村 波男君
    理 事         上田  稔君
    理 事         大森 久司君
    理 事         増田  盛君
    理 事         沢田 政治君
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                小野  明君
                小谷  守君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                上田耕一郎君
                春日 正一君
                三治 重信君
   地方行政委員
    委員長         原 文兵衛君
    理 事         金井 元彦君
    理 事         安田 隆明君
    理 事         野口 忠夫君
    理 事         神谷信之助君
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                岩男 頴一君
                大谷藤之助君
                夏目 忠雄君
                鍋島 直紹君
                橋本 繁蔵君
                赤桐  操君
                加瀬  完君
                小山 一平君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                市川 房枝君
                福間 知之君
   農林水産委員
    委員長         佐藤  隆君
    理 事         小林 国司君
    理 事         高橋雄之助君
    理 事         神沢  浄君
    理 事         川村 清一君
    理 事         原田  立君
                青井 政美君
                岩上 妙子君
                大島 友治君
               久次米健太郎君
                鈴木 省吾君
                園田 清充君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                工藤 良平君
                栗原 俊夫君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                向井 長年君
                喜屋武眞榮君
   運輸委員
    委員長         宮崎 正義君
    理 事         黒住 忠行君
    理 事         平井 卓志君
    理 事         瀬谷 英行君
    理 事         三木 忠雄君
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                江藤  智君
                岡本  悟君
                佐藤 信二君
                橘  直治君
                永野 嚴雄君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                杉山善太郎君
                戸田 菊雄君
                前川  旦君
                岩間 正男君
                和田 春生君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   建設委員会
    委員長         中村 波男君
    理 事
                上田  稔君
                大森 久司君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                小谷  守君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                春日 正一君
                三治 重信君
  地方行政委員会
   委員長          原 文兵衛君
   理 事
                金井 元彦君
                安田 隆明君
                野口 忠夫君
                神谷信之助君
   委 員
                安孫子藤吉君
                岩男 頴一君
                大谷藤之助君
                小山 一平君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                市川 房枝君
                福間 知之君
  農林水産委員会
   委員長          佐藤  隆君
   理 事
                小林 国司君
                高橋雄之助君
                神沢  浄君
                川村 清一君
                原田  立君
    委 員
                青井 政美君
                岩上 妙子君
                大島 友治君
                初村滝一郎君
                山内 一郎君
                志苫  裕君
                向井 長年君
                喜屋武眞榮君
   運輸委員会
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                前川  旦君
                岩間 正男君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
   政府委員
       行政管理政務次
       官        阿部 喜元君
       行政管理庁行政
       管理局長     小田村四郎君
       国土庁土地局長  河野 正三君
       農林政務次官   柴立 芳文君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省計画局参
       事官       大富  宏君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  増岡 康治君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
       自治政務次官   左藤  恵君
       自治省行政局長  林  忠雄君
       自治省財政局長  松浦  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       国土庁土地局土
       地利用調整課長  佐竹 五六君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
       日本住宅公団理
       事        播磨 雅雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宅地開発公団法案(第七十二回国会内閣提出、
 第七十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔建設委員長中村波男君委員長席に着く〕
#2
○委員長(中村波男君) ただいまから建設委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 宅地開発公団法案を議題といたします。
 本案についての趣旨説明はお手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。
 この際、政府側にお願いをいたします。質疑者の持ち時間は答弁時間を含めた時間でありますので、簡潔、適切な御答弁を賜りますようお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小山一平君 公社、公団等特殊法人の数は非常に多いわけでありますが、今日までこれら特殊法人の整理あるいは統合等について臨時行政調査会、行政監理委員会等から多くの改革意見が出されております。その内容を検討いたしてみますと幾つかの問題があります。
 まず、中には設立当初の目的がすでに達成されたものとして廃止の勧告を受けましても、一たん設立された法人はなかなか勧告のように進まないというのがまず一つであります。また同じような目的、任務を持った公社、公団等がありまして、これは統合することが適当であるという勧告が出されましても、これまた勧告が尊重されないという事例が非常に目につきますことは、そもそもこういうような公社、公団の設立が最初から適切であったのかどうかということを考え直してみる必要があると思うのです。またしばしば問題になりますこれら法人への官僚の天下りでございますが、すでに新聞などでも報じているように、この宅地開発公団の役員のポストについてもすでに激しい争奪戦が行われているなどと報じておりますように、勘ぐって言えば天下りの受け皿をつくることが目的なのではないかと言いたいような点もなしとしないように思いますので、私は公社、公団等特殊法人の設立というものについてはよほど慎重に配慮する必要があるように思います。
 まず私は、この宅地開発公団が地方自治あるいは地方行政に深いかかわり合いのある中で問題と考えられるような点について幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず第一に日本住宅公団がございます。地域振興整備公団がございます。説明によりますと、この宅地開発公団、この三つでそれぞれの分担をいかにももっともなように示されておりますが、私は、あるいは日本宅地公団の拡充あるいはそれを廃止をして開発公団という新しい構想の中で合理的、能率的業務を執行していくというようなことがどうしてできないのか、これが疑問に思われてなりませんので、まずその点についてお尋ねをいたします。
#4
○国務大臣(仮谷忠男君) 新しい公社、公団あるいは新規の機構の拡充等は、むしろおっしゃるとおりに整理すべき段階であって、そういう面から考えると、屋上屋を重ねるようなものはこの際考えるべきではないか、しかも住宅公団が当然やっておる仕事であるからそれでやられればいいじゃないかというような意見は、この法案を審議する過程で、主管の委員会でも各党からずいぶん議論をされた問題であります。ただ率直に申し上げまして、いま住宅政策というのは、公営公団の問題にしましても、いろんな問題が重なりまして、非常に大きな壁に当たっておるわけでありまして、それかといって、住宅に対する需要というものあるいは国民の希望、特に大都市中心にした地域の人々の深刻な願いというものはますます大きくなるわけでありまして、こういう問題を解決つけるために、何らかの新しい道を選ばなければならないということを私どもは真剣に考えておるわけであります。そういった住宅難を解消するための一番の問題は、宅地の造成にあることは申し上げるまでもございません。ところが御承知のように、最近は都市周辺では団地お断り、こういうことを言われております。これは結局団地をつくり、宅地をつくりますと、それに付随した関係公共施設等が地方自治体の負担になるものですから、負担過重であって、そういうものは困るというのが大体団地お断りという一つの大きな原因になっております。そういう意味から考えますと、地方自治体に特別な負担をかけないような方策も考えていかなければならないということと、それをいままでのように住宅公団だけでやらせるかどうかという問題、住宅公団自体が今日一つの行き詰まりを来しております。御承知のように、もうすでに八十万ぐらいの既存の住宅管理をしなければなりませんし、私は公団自体は住宅建設に主力を置くべきであって、その公団がさらに宅地開発といったような特別な仕事をするには私は能力に限界がむしろ来ておるのではないかというふうに考えますと、この際は強力に宅地を供給するための一つの機構をつくって、そして宅地問題の解決即住宅問題の解決に前進することが必要だ、かように考えまして、この御提案をいたしたわけであります。
#5
○小山一平君 インフレ、土地の高騰を背景にしまして、特に昭和四十五年以降八年ぐらいの間にずいぶん土地の思惑買いが行われました。大手、中堅の不動産業者等々の土地買い占めがずいぶん世間をにぎわしたことは記憶に新たでございますが、いかがですか。現在、これら不動産業者がすでに取得をしている土地、あるいは日本住宅公団が取得をしている土地、その土地がどのぐらいに推定されるのか。その土地がありながら、これが逼迫している住宅用地として利用することができないでいる。いま大臣は地方団体が財政負担が重くなるからというようなことを言われましたが、そればっかりじゃないんですよ。これはやはり地方自治体にはそれぞれの都市計画があり、土地の利用構想があり、独自的な計画を持っております。ところがこの買い占められた土地などは、その自治体の施行するところと一致しないというさまざまな問題がある。たとえば調整区域として今後保有していこうというような土地が買い占められてみたところが、これはとうてい住宅用地として利用することはできるはずがありません。こういう問題もございます。
 そこでまず、いま土地が買い上げられていながらその活用ができずにいると思われる推定面積というものは一体どのぐらいになっておるのか、おわかりでしたらお答え願いたいと思います。
#6
○政府委員(大塩洋一郎君) 概略でございますが、日本住宅公団が着手いたしました土地は、大体昭和三十年以降今日までに二万二千ヘクタール、予算上の計算では三万ヘクタールと言っておりますが、実際には二万二千ヘクタールぐらいに着手しておりまして、現在まだ施行中であるものは、その中の大体一万一千ヘクタールぐらいを現在着手中でございます。すでに譲渡し終わったものが、九千ヘクタールでございますから、大体二万二千から九千引きまして一万二、三千というところを現在着手をしておると、こういうような状況でございます。
#7
○小山一平君 民間の方はどう。
#8
○政府委員(大塩洋一郎君) 民間につきましてはいろんなデータがございますが、民間の現在取得しております土地は、民間の不動産業の実態調査によりますと、昭和四十九年の三月末現在で持っております土地というのが千四百業者全体で見まして合計で約二十八万ヘクタール。これは事業用資産を含んでおりますので、たな卸し資産というものはそのうちの約十一万ヘクタールと推定されております。これは全国の計算でございまして、三大都市圏内では、たな卸し資産としましては約三万八千ヘクタールを有しており、そのうち三割が市街化区域に、約四割が調整地域に、その他二八%がその他の都市計画区域外あるいは都市計画区域内であっても白い地域にと、こういう分布で所有いたしております。
#9
○小山一平君 開発公団は調整区域をこれからどのように考えていくつもりですか。調整区域も含めて事業を実施していくというお考えですか。
#10
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地開発公団が行います事業用地は、大都市圏域の外周部において現在人口の集中がそこに広がっておって、都市が拡大しつつある、そういうところを事業用地といたします。したがいまして、そういうところにはできるだけ大規模に事業用地をまとめましてこれを施行する必要があるということで、その中には現在市街化区域でない地域、すなわち調整区域であったりあるいは白い地域であったりする地域も再検討いたしまして、これを適正な計画的な事業用地として市街化区域の中に編入した上で、整備いたしまして事業に取りかかると、このように考えておりますので、現在の調整地域でありましても、これを事業用地の中に取り入れることがございます。
#11
○小山一平君 市街化区域であるとか調整区域であるとか、こういう決定をしていくには、これは私はあくまでもその当該地方自治体の独自的な考え方、方針というもので決定さるべきものだと思います。これを建設省あるいは公団がそういう地方自治体の独自的な計画や構想というようなものを圧迫をするとか、そういうおそれが私は非常にあると思いますが、どのようにお考えですか。
#12
○政府委員(大塩洋一郎君) おっしゃるとおり都市計画法におきましても市街化区域、調整区域のいわゆる線引きと申しておりますが、指定ということは都道府県知事の任務とされております。それを行います場合には、地元の縦覧あるいは意見書の処理等の諸手続を経まして、最終的には建設大臣の認可に係らしめている。主体は地方公共団体の長である都道府県知事ということになっております。
#13
○小山一平君 先ほどもお話があったように、不動産業者がたくさんの土地を取得し、しかも、それが調整区域に含まれるものが四〇%もある。資金の関係その他でこれを放出しようという姿勢が非常に強いわけでございますが、これが自治体の拒否にあって大変困っているということはすでに明らかだと思います。公団は勘ぐるわけじゃありませんが、こうして土地は買ったが、その始末に困っている不動産業者の土地を、公団の手によって処分をしていくということが裏にあるのではないか、こういうことが盛んに言われております。恐らく、結果的にはこれが進んでいけばそういうことに私はなろうかと思いますが、そういう点はどういうふうにお考えですか。
#14
○政府委員(大塩洋一郎君) 公団の予定いたします事業区域は、当然先ほど申しましたような外周部の地域におきまして、その立地条件なり自然条件あるいは社会条件を整えた上で、地元との調整を完了いたしまして、それを事業用地に選択するわけでございます。その区域の中には調整区域等もあるいは入る場合があるかもしれませんが、その地域の中にその事業区域が、だから適正なものであり、それがどうしても事業用地として必要であるということが決まりますれば、これは法人が持っていようと個人が持っていようと、これはどうしても必要な地域であるわけでありまして、法人の所有地をねらい撃ちと申しますか、そういう形で取るというようなことは毛頭考えておりませんし、それを取得いたします場合には適正な時価でもってこれを取得するということにいたしますので、法人のいわば肩がわり的なことということはこの事業の中では毛頭考えていないわけでございます。
#15
○小山一平君 時間がありませんからいろいろお尋ねできないわけでございますが、しかし、すでに日本住宅公団あたりがそういう結果を招いているという事実が指摘をされたりいたしておりますが、まあそれはそれといたしまして、この調整区域の問題は、これは農業経営あるいは食糧問題等とも深いかかわり合いがありますが、皆さんの方ではこの区域の決定に当たって、知事がそれぞれ関係市町村と合意の上に立って決めていくわけですけれども、これに対してその自主性、独自性というものを絶対に侵すことはないというお約束ができますか。
#16
○政府委員(大塩洋一郎君) この公団の事業というものは地元の協力ということなしにはとうてい実施することは事実上不可能であります。したがいまして、当然地元の地方公共団体の考え、あるいは地元公共団体の協力を得るためのいろんな措置をこの公団の機構なりあるいはその能力の中に織り込んだのもそういう意味でありまして、その際都市計画事業としてこの事業は行われるわけでありますから、地元地方公共団体の意見の調整という面につきましても、その過程の中で十分反映させながらいかなければならず、また地元地方公共団体が絶対反対であるということであれば、それなりの理由がどこかにあるはずでありますので、そういう調整が完全にし切れないままでこの事業を遂行するというようなことはございません。
#17
○小山一平君 建設省は各県の土木部長をほとんど派遣をしておりますから、どうも地方は建設省から見れば隷属機関のように安易に私は考えるようなことがあってはならない、またその危険が存在するように思うんです。この地方、特にその土地の存在する市町村の意思というものは、これは今日まで開発に拒否反応を示しているその実態というものは、ただ単にさまざまの財政負担が多くなるからなどというそんな単純なものじゃないんです。これは非常に複雑な独自的な考え方に基づいております。このことをいろいろお尋ねしていますと時間がなくなりますから、とにかく皆さんが考えているほどこの地域の住宅開発ということが容易なものではない、その拒否反応の根底には非常に重大な要素がある、しかもこれを国は尊重をするという立場を失ってはならない、このことを特に強調をいたしておきたいと思います。
 それから、この法律を見てまいりますと、特に第二十四条から七条にかけて、本来地方公共団体の事務あるいは他の省庁の範囲というような部分に対して公団が直接その事業をかわって行っていくということがございますね。ちょっとその考え方についてお答えを願いたいと思うんですが。
#18
○政府委員(大塩洋一郎君) この公団法におきまして直接代行権と仮に呼んでおりますけれども、特定公共施設につきまして地元地方公共団体の同意を得た上でその事業を法律上かわって行うことができるようにいたしました。これを直接施行権を与えた、こう言っておりますが、その理由につきましては、これだけの大きな規模の住宅、市街地をつくりますと、関連公共公益施設のうち、特に道路、公園、下水道といったような基幹的な施設につきましての地元の負担のみならず、その施行の計画能力、それを一時的に、かつ集中的にそれを行わなければならないというような事務がたいへん地元の能力上問題があるということにかんがみまして、地元の同意を得た上で、これを一括して施行者である宅地開発公団がこれを施行することが地元地方公共団体の物的、人的なその能力の肩がわりとなり、ひいては事業施行の円滑化に資するゆえんであるというふうに考えたからでございます。
#19
○小山一平君 賛成しない場合はどういうふうに扱うんですか。
#20
○政府委員(大塩洋一郎君) 法律上「同意を得て、」ということでございますから、その中には全面的拒否ということもありましょうし、それからこれとこれはいいが、これとこれはだめだ、うちがやるからいいとか、そういう選択も行われ得ると思っております。
#21
○小山一平君 私はこれが非常に重大なことだと思いますことは、地方自治体の固有の責任、権利である事業を公団が直接行う、この発想そのものが私は非常に問題があると思うんです。学校もつくりましょう、幼稚園も保育園もやりましょう、私の方でつくるからそのお仕着せで適当に管理をしなさいという、こういう姿勢というものは、これは地方自治を大切にし、その発展を深く配慮しているとはどうしても思えないんです。いかがでしょうか。
#22
○政府委員(大塩洋一郎君) そのゆえに二十四条におきましては議会の同意を得てというふうな規定を置いておるのでありまして、地方公共団体の本来の管理者の管理権限に属する問題であるがゆえに法律上議会の議決にまでかからしめて、同意を得ることを前提としているのでありまして、これはそれぞれの管理法上管理者であるということを前提としたがゆえでございます。したがいまして本来の権限を奪うというようなものではなく、むしろ逆にその本来の管理権を尊重し、したがって法律上の代行権を与えたのでありまして、無理やりにこれを地方公共団体の意思に反して代行するということは考えていないわけでございます。
#23
○小山一平君 それは意思に反してはやらないと言いましても、日ごろ何だかんだと頭を下げて出入りする建設省が交渉をして、特に市町村段階などで、それはわれわれの本来の事務だからお断り申し上げますなんということは簡単にできないのですよ、実際問題として。
 そこで私は、かわってやるという発想の前に、地方自治体が財政的にも技術的にもできるような措置を講じるのが国の当然の任務であるというふうに思うんです。地方自治というものを尊重して、その育成発展を考えるということであれば、これは当然じゃないでしょうか。どうしてそういう方法が考えられないのですか。
#24
○国務大臣(仮谷忠男君) 大きな宅地開発をやって、そして住宅を供給しようというのが本当のねらいでありまして、まずその立地条件やら宅地の開発用地をまず選定し、決定すること自体に私は非常に大きな問題がこれからあると思うんです。まずそれ自体が地方の公共団体と十分に相談をして、御了解を得、協力を得るということにならなければまずこの問題は出発できないと思います。
 さて、出発するとして、これをやる場合にはいろいろの特定公共施設もあるし、関連公共施設もあります。そんなものを全部地方自治体が抱えておっては財政負担が大変ですからということが、これが団地お断りの大きな原因になっておることも御承知のとおりであります。そういうことを考えてみると、じゃあ地方団体でどうしてもできないものは公団の方でひとつ代行してやりましょう、あるいは立てかえ施行をいたしましょうと、こういうのが私は順序だと思うんであります。決して地方団体でできるものをこの宅開公団が無理をしてそういうふうな仕事をやるなんということは、私どもは絶対に考えておりません。あくまでも地方団体がどうしてもいろいろな財政問題のためにできないというようなものは、それじゃやはり宅地開発が主目的でありますから、そのための
 一つの条件として別の施設をせなきゃならぬとすれば私どもの手でじゃあやらしてください、やりましょう、それはどこまでもしかし同意の上でやりましょうと、こういうわけでありまして、決して地方団体がやろうというものを無理やりこちらが何か役人がこちらから出向いておるからというような従来の官僚式権限で問題を処理しようなんでことは絶対に考えておりません。御理解をいただきたいと思います。
#25
○小山一平君 私は、法律の案文を読んでまいりますと、そういう配慮がどこにもうかがうことができないんですよ。そこで私はこういうお尋ねをしているのですがね。地方財政法の第二条の二項にはこう書いてあります。「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と、こう規定いたしております。ですから私は、なるほど財政的にもいろいろ問題がありましょう、事業によっては、あるいは技術その他の問題にも全く問題はなしとはしないと思いますが、特に財政的な面では、どうも皆さんの方は財政の問題を重視しておるようだが、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、」と、こう書いてある、負担を転嫁するようなことをやってはならないと書いてある。としたらば、公団でそれだけの財源を持つことができるのだからその財源をどうして地方自治体が独自の責任として任務を果たすことができるような措置ができないのか。私は、ここに問題があると思います。
 私は、下手をすると、この二十四条から七条にかかわる範囲においては、こういう現行体制の中においても非常に大きな矛盾を持っているというふうに思うんです。ですから、特に地方自治体が学校、幼稚園、保育園、上下水道、こういう日ごろ管理をしている範囲内ぐらいのものは、その自治体が独自にその事業を実施できるような財政措置と、足らぬところがあったら指導を強化するという方法が考えられないですか。だめならわれわれがやってあげますよという、こういうことは地方自治や地方行政をどういうふうに考えているかということに疑問を抱かざるを得ない私は発想のように思うんです。いかがですか。
#26
○国務大臣(仮谷忠男君) 細かいことは局長からまた御答弁をさせますが、住宅公団で実は団地をつくって一番に問題になりますのは、やっぱり学校や保育園等の施設の問題であります。団地ができた、すぐもう保育園をつくらなきゃならぬ、学校をつくらなきゃならぬ、そんなこと困るんだというのが実は地方の自治体の考え方でありまして、それじゃ私の方で立てかえをしてつくりますから払える時期に払っていただきましょうと、こういう式に実はやってきております。それを今度公団の場合にはさらにもっと拡大をしていこうと。たとえば学校、これは当然地方自治体の手によってやるべきものでありますけれども、学校施設に対してはこれは一応御承知のとおりの補助率も決まっておりまして、特に団地をやるから特別に補助が出るというわけのものでもないことは御承知のとおりであります。そういうふうに考えますと、まず学校を私の方でとりあえず建てましょうと、そして十年間の間――これは特に大型のものでありますね。十年間の間は無利息でしかも据え置きにいたしましょうと、そして十一年目から支払いをしてもらって、三十年間で措置をしてもらうようにいたしましょうと、こういうふうな条件等もつくりまして、それならひとつやってもらおうかというふうなところで実は話し合いがついていくという状態に相なっておりますので、決して地方自治体の権限を侵そうとかいうような考え方は持っておりません。地方自治体でやってもらうにこしたことはありませんけれども、いま言ったような現実から考えてみまして、やはりこちらの方がそこまで手を入れてやることが宅地を開発するための、あるいは住宅を建設するための一つの推進策と考えて実はやっておるわけでありまして、御理解をいただきたいと思います。
#27
○小山一平君 私はその考えが実に不思議に思うんですよ。学校をつくる場合には補助金が決まっています、あるいは起債も決まってます、自己財源も。そうしたらね、どうして公団が十年据え置いて後年賦で払えばよろしゅうございますよという、起債を自治体にそのまま認めて、そして地方自治体の自主性に基づいて学校建設なり、幼稚園、保育園の建設をするという道をとらないんですか。これは地方自治体の重要な事業でございまして、これはどこでも学校であろうが、幼稚園であろうが、保育園であろうが、これは長い年月、あるいは教育委員会、あるいは福祉事務所、あるいは水道であれば水道局、それぞれの担当の機関において研究をし、苦心をし、そして市民の日常的な希望とか不満とか、そういうようなものをみんな織り込んでやってるんです。しかも、これはすべての市町村が画一的なものじゃありません。それぞれの独自性あるいは創造性を持って、そしてこういう事業をやって効果を上げようとしているんです。ですから、それを尊重をして、信頼をして、その事業をやってもらうと、こういうことがとるべき態度であって、君たちの方じゃ金ないから、おれの方でつくっておいて、後でゆっくり払ったらよかろう。これはね、地方自治を全く無能者扱いにした大変これはよくない考え方である。どうしてそういう財源を公団が持つことができ、その運営をする力を備えることがこの法律によってできるとしたならば、いま私が申し上げたような方法によって、同じ金でも、同じ条件でも、地方自治体の独自性を尊重する、固有の任務、権限を尊重するというやり方ができないんでしょうか。
#28
○国務大臣(仮谷忠男君) 地方行政は先生専門ですから、むしろ先生の方が実態をよくつかんでおると思いますが、お言葉を返すようでありますけれども、いま私どもが宅地を開発し、住宅を建てよう、団地をつくろうというのは、やはり大都市周辺の人口急増地帯であります人口急増のその県や市町村は、本当は人口流入をお断りということで、そうでなくてさえも、もう学校や幼稚園をつくるのに手いっぱい、これ以上来られちゃ困るというのが本当の気持ち、実態ではないかと思っています。それへもっていって、これは住宅をどうしてもつくらなければならぬ、そのために宅地をつくらなければならぬからといって、まず宅地をつくり、住宅を建てる、団地をつくること自体を、私どもは地方の自治体にその点で御協力を特にお願いをしておるわけでありまして、そうすると、それ以上の学校やその他のものをほかで手いっぱいのものを、ここへまた特別にひとつやってくださいということは、なかなか言いにくいし、実際にそれを言うと受け付けてもらえないと、現実がそうでありまして、そういうところから、いま言ったようないろいろな案を出して御協力をいただいておるようなことが実態であります。それだけの余裕ができるなら、当然それで地方団体にやらしていいじゃないかというふうなことも考えられますけれども、私どもも、いま申し上げたような一つの例を見ましても、住宅が必要であり、宅地開発がどうしても必要だということで、これは特に大蔵省と折衝をして、宅地公団がこれを進めていくためには、そこまでひとつ思い切らなければ、宅地は開発できませんよということで、大蔵省と折衝しながら、ようやっとそういうふうな条件までつくり上げたどいうのが現在の真意でありまして、先生のお考え方は私よくわかりますけれども、現実の問題として、何とか地方自治体の皆さん方に御協力をいただくという方策として考えておるんでありまして、決してその権限をわれわれ侵そうなんて、そんな考え方で進めたものではございませんから、これはぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#29
○小山一平君 大臣大分そういう受け入れを、問題のある地域のことも、現実御承知のようですが、それは違うんですよ。なぜ学校をつくるようなことになることが困るかといえば、大変なここには補助や起債だけでは賄うことのできないいわゆる超過負担があるからです。学校を一つつくりますと、おおむね自己財源は起債を除いても、現在の条件の中では四〇%要ります。五億円の学校を一つつくれば、その建設だけで二億円の自己財源を持ち出さなければ学校ができないんです。ですから困るというんであって、五億円そっくり起債なり何なりの財源の保障があるというならば、われわれができないから公団でやってくれなんて、そんなことを言わないですよ。そんなこと言うはずがないんです。私の方がよっぽどそのことはよく知っています。それはそこにある超過負担というものが伴って困る。ですから公団のこの計画のように、どんな規模のもの――これも簡単じゃないんですよ、皆さんのおつくりになろうというやつか、建設省の――建設省じゃない、文部省の基準のものをつくったら学校になりませんよ。学校の機能を十分発揮することができません。そこで、建設省が実際に現在市町村の教育委員会が最低これだけの規模の学校が必要である、これだけの経費が必要であるという範囲を、これは一方的でなくもいいですけれども、協議で認めた上で、起債ではない補助金以外の財源を皆さんが、ここに書いてあるように保障をしてくれるということであれば、学校まで公団でつくってくれる、それは学校つくるのは土建屋さんですけれども、しかし、これはただ、学校だとか保育園というのは、かっこうができるだけじゃないんですよ。これにはさまざまな経験や理想や願いがあって、心がこの中には十分生かされるような形で、どんな小さな学校でも、どんな小さな保育園一つでも、自治体というものはやっているんです。ですから皆さんは財源は保障しても、自己負担が自治体がなくっても、なおかつ公団に学校や保育園つくってもらいたいなどと関係の大都市周辺の市あたりで言っている人があるとしたら、具体的に私に示してください。どうですか。
#30
○政府委員(大塩洋一郎君) まず最初に直接代行権を行いますのは特定公共施設だけでございまして、他の学校その他幼稚園、保育所等はこれは直接施行権を与えておりません。これは五省協定というものに基づきまして、これは建てかえ施行ということで、当然管理者がやるべき責任とその負担というものを、ある一定期間肩がわりして、これを代行しておくというだけの措置でございまして、先生おっしゃるように、本来の管理者の責任と権限である学校、これをどうしてもこれだけはつくらなければならないというものを相協議いたしまして、それはかわるというだけでございますから、その本来の財源、その負担を軽減するという意味のものではございません。ですから、借金として最後に残るわけであります。したがって、従来われわれといたしましては、学童児童急増市町村等におきましては、補助率を上げるとか、あるいは用地についても特別の補助を認めるとか、いままで順次改善措置を加えてきて、本来の負担部分を減らすように努力してきたところでございますが、まだ十分でございません。したがいまして、この問題につきましては、今後の地方財政の大きな基本的な問題として残っている問題でございます。これにつきましては今後とも各省庁とも相協議いたしまして、この本来の負担が少なくなるようにということを重点に、今後とも進めていく必要があると思っております。
#31
○和田静夫君 関連。
 建設大臣、いまいろいろお聞きをしていて、どうしても何か逆さまになっているという感じを受けるんですが、それは、この法律案が地方自治体におけるところの財政上の困窮なり、あるいはその運営の円滑化がいかないということを理由にしながら、その自治体でできないから、わが方でもって公団をつくってやってやりますよと、こういうようなどうも発想に聞こえる。
 そうして翻ってこの法律案の提案の時期を考えてみますと、田中角榮内閣のときのいわゆる法律案であります。日本列島改造論というものを推し進めていく、そうして日本で猛烈な都市化現象が過密過疎という関係で起こる。そういう状態からインフレや不況やスタグフレーションという今日的な事態を迎えた推移というものが、いまの答弁の中では反省として一つも組み入れられていないということを痛感をするわけです。三木内閣総理大臣は、たとえば、地方制度調査会に対して、税制上の大きな構造的な一つの変化というものを考えていきたい、こういうような形で諮問を、たとえば、されております。それは行政機構の上において、あるいは財税制の体制の上において、すべてをもう一遍もとに返って原点から見直してみようというところに発想があるはずです。ところが、その発想とこの法律というものを照らし合わせてみると、格段の差があると思うんです。これは三木内閣がこの法律案を取り扱うということは、三木内閣の性格からいっても、私は継続審議されてきたものでありますけれども、誤っているのではないだろうかということを第一に考えるので、そこの見解をまずひとつ承りたいと思います。
 それから、法律案全体を読んでみますと、さあ宅地は用意はします、住宅はつくりますわ、あるいは水はどうしますわ、軌道はどうしますわ、鉄道はどうしますわというような形で、全部ここでやるということになってくれば、これは最も民主主義の基本であるところの自治、その中における最も基礎的なコミュニティというものを壊していく危険性をこの法律案というものは持っていると、自治省が考え、施策として進めてきているものと相矛盾をするものをこの法律案は持っているということを第二に考えます。
 それから第三には、こういう形でもって一体成功していくのだろうか。たとえば成田国際空港で多くの税金が浪費をされた形に結果的にはなっていますね。あるいは地方高速道はいつまでたったって住民運動との関係においては御存じのとおりどこかでストップしている、こういう状態が起こっていますね。こういう住民の意思との関係において、地方議会の意思というものを尊重するからそれでよいんだということを述べられるのでありますが、自治体で十分に配慮をしていろいろの建設計画を進めるときにおいてさえ今日たくさんの問題が起こるんです。その自治体から遠く離れたところに存在をする公社、公団などがこういうものを取り扱っていこうとすれば、これはもう多くの問題が起こることは想像するにかたくありませんよ。したがって私は、この機会にはこの法律案というものはやっぱりもう一遍根底から内閣そのものとして問い直してみる必要がある、そういうふうに実は考えているんです。この三つの基本についてお答えを願います。
#32
○国務大臣(仮谷忠男君) いまのような議論はずうっと衆議院からこの委員会においても野党の皆さん方からもかなり厳しい意見として私ども聞いてまいったわけであります。私自体も、この立法の時限が二年前でありますから、時限がすでにずれておることも承知をいたしております。それから屋上屋のようなこんなものをつくってやるよりも、日本住宅公団があるじゃないかと、それを強化していけばいいんじゃないかと、こういう議論のあることも十分承知をいたしておるわけでありまして、確かに立法時限においては若干違った面もあるかと思うんですけれども、またその反面に、現実の住宅問題を取り上げて考えてみますと、日本住宅公団で、あるいは公営住宅等にいたしましても、私どもは積極的に努力はいたしておりますものの、第二次の計画も思うとおりに完成することができないことは御承知のとおりでありまして、しかも住宅に対する期待、希望、批判というものはますます強くなっておりますし、大都市を中心にしてなおさら放任することのできない状態になっていることは御承知のとおりであります。そういう面から考えてみると、その住宅問題を解決する第一の手段は、やはり宅地の大量供給にあるということは、これはもうどなたも否むことのできない事実だと思います。その住宅を大量に供給する際にどうすればよいかというものを考えてみると、やはり立法時限は古くありましても、宅開公団法に基づいて強力な機構に基づいて大量の宅地開発をすることが、これはいまの場合どうしても必要なことだというふうに私ども考えて、法案の審議をお願いをいたしておるわけであります。
 したがいまして、宅地の大量供給が第一義でありまして、大量供給のために宅地を開発した場合に、やはりそれに関連する特定公共事業も必要でございます。いわゆる水も足も必要であります。あるいは学校等の公益施設も必要でありますから、そういうものは第二義的にどうしても考えていかなきゃならぬ。それをやる場合にこの問題がいままで団地お断わりの一番大きな原因になっておりますから、地方自治体だけに無理を言ってもいけないから公団でできる限り責任を負って処置をいたしていこうというのが公共関係施設に対する公団の姿勢であります。
 もちろんこれが決して私は簡単にいくとは思っておりません。非常にいまいろんな公共の問題を見ましてもむずかしい問題がありまして、なかなか容易に解決するとは思っておりませんが、それかといって一切放棄してしまうわけにはいきませんから、そういう問題を一つ一つ、むずかしいことであっても、特に地元の公共団体や関係の人々の協力を得て、同意を得ながら一つ一つ解決をしていくということがこれは政治の課題であり、努力すべき問題ではないかと、かように存じておりまして、非常にむずかしいことは百も承知をいたしておりますけれども、しかしいまの場合住宅問題を解決する方法としては、これより方向に行く道はないではないかと、こういう考え方からこの法案の御審議をお願いをいたしておるわけであります。
 確かに高度経済成長の時点でいろいろ考えられた問題と現時点の三木内閣の姿勢とにおいてはこれまたいろいろ考えなければならぬ問題もありますけれども、その現時点の三木内閣においても住宅あるいは下水道等の国民生活関連事業は最優先して取り上げなきゃならぬというのが一つの課題でありますから、その課題の中の一つの方策としてこの法案を取り上げ実現に邁進をいたしたい、こういう考え方であります。
#33
○和田静夫君 関連ですからもう一問でやめますが、一つだけ明確に答えてもらいたいのは、どうしてもわからないのは、自治体に財源を付与をしてそうしてこういうような仕事をもっと力を持たせてやらしたらいいじゃないですか。なぜ三木内閣はその方向をおとりにならないんですか。たとえば自治体の首長たちは地方交付税率現行三二%を四〇%に引き上げなさいと、こういう要求を、これはもう保守も革新もなくずっとやってきているわけですね。そういうような要求になぜおこたえにならないんですか。そういう形のことを通じながら、その自治体の自発性、自主性においてこの宅地問題なりあるいは住宅問題というものを進めていくということが最もやっぱり大切なんですよ。そうしてそのことを三木内閣がみずからの政策として後押しをしていくということがいま求められておることなんですね。その辺が明確にこたえられておらない。それで私は自治大臣に、いまこの法律案に同意をされた――同意をされなければ出てこないわけですから、その経過も実はちょっと承りたいんです。まあ出っぱなしでありますから、いまの自治大臣、いやおれはその閣議でもってというようなことになるかもしれませんけれども、両者からちょっとここら辺のことをつまびらかにしてください。
#34
○国務大臣(仮谷忠男君) おっしゃるとおりです。地方自治体にもう少し財源を付与して強力なものにしていかなきゃならぬという考え方は、これは私どももそうあるべきだと思っておりますし、それは三木内閣においてもそういう方針のもとにいろいろ今後検討をし努力をしていかなきゃならぬということは、これはしばしば申し上げておるとおりでありますが、しかしそれはやはりこれから今後の大きな検討課題であって、なかなかそう一朝一夕に結論が出るものでないことは、これは先生も一番御存じだと思うわけです。しかし、それができるまで、じゃこの法案をそのまま見過ごしておくのかと、あるいは住宅の問題、宅地の問題をいまのままでほっておいていいのかというと、そうは現実が許さないわけでありますから、決して私どもは満足とは思っておりませんけれども、現在の事態の中でせめて少しでも前進することを考えるべきだと、こういう考え方で法案の審議をお願いをいたしておるわけであります。
#35
○政府委員(左藤恵君) 自治省といたしましてもこの問題につきまして法案を提出いたします段階においての検討ももちろんいたしました。そのときの考え方といたしまして、地方財政が御承知のようないろいろ問題を含んでおる、いま非常に大きな一つの危機と、今国会におきましてもそういった問題についての再検討ということをいたしましたが、ただいま地方財政につきましては地方制度調査会で抜本的な検討というものもやっていただいておりますが、宅地の開発という問題が非常に緊急性があり、非常に国民の要望といたしましても急がなければならない対策の問題でありますので、そうしたこともありまして、こういった道を開くことは決して地方自治権の侵害にもならないと、このように考えまして建設省の考え方というものに対して同意をした次第でございます。
#36
○小山一平君 私は建設省のやり方はこれは大変なことだと、たとえば学校をつくる、同じ条件を自治体に保障をして、あなたの方でやりますか、私の方でやりますかと、こうやりますか。――やらないでしょう。自治体が独自でやろうと言えば、現在の法律の中で決まっている範囲でやって自己負担は四〇%も負担をしてやりなさいと、それができないなら私の方で一〇〇%出してやってあげますよと言えば、どうして、どんな負担をしても、私の権限だから、私の義務だから私がやりますと言えないでしょう。同じ条件を保障しますか。
#37
○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど来大臣の答弁にもありましたように、本来のやはりあるべき姿は管理者である地方公共団体がその管理すべき公共公益施設を自分でやるということがたてまえ、原則でありますが、しかし、このような大規模な計画の中において一時に多量に発生するという場合に、これを肩がわりして、そして立てかえ施行するという方法をとったのであります。
#38
○小山一平君 そんなことを聞いてないんですよ。同じ条件で財源を保障するかと聞いているんだよ。
#39
○政府委員(大塩洋一郎君) ですから、その財源の問題、特に地方財政の問題につきましては、補助率のアップあるいは採択率の強化その他によりまして逐次改善してきたところでございますが、今後ともなおこれの強化については――これで十分だとは思っておりません、今後とも自治省その他と協力して、特に財源問題等について配慮すべきものだと考えております。
#40
○小山一平君 全く私は納得ができません。地方自治体が固有の事務だから自分でやろうと、こう言えば相当の自己負担を余儀なくされる。公団がやればその負担を、いずれ払うにもせよ、当面負担せずに済む、そんな条件をこしらえておいて、どちらか選びなさいなんて思い上がりがありますか。自己負担のない方でやらざるを得ないじゃないですか、そうなれば。同じ条件を保障しますか。十年据え置きで二十年年賦で払ってよろしいという財源を、自治体が独自でやりますと言えばそれを保障しますか。
#41
○政府委員(大塩洋一郎君) 公団の立てかえ期間中の、たとえば十年間の据え置き期間中においては利子は私の方で持ちますというのは、一種の開発者の原因者負担というような意味において構成したものであります。基本的には、いま申しましたように、地方の財源の拡充という問題が、あるいは財政力の強化という問題が最終的には残る問題でありまして、この立てかえ制度とそれから地方財源の問題とは、ですから、その時期をずらすことによって地方財政の負担を幾らかでも軽くしようと、こういう趣旨に出たものでありまして、この立てかえ制度をとるかあるいは自分でやるかという問題につきましては、あくまでもこれは公団の方でやった方が得であるかあるいは地方財政上自分の方でやるかということは、これは選択の問題でありまして、公団でやった方が必ずしも得だというふうにわれわれは考えておりません。これは選択の問題であります。
#42
○小山一平君 全くとんでもない話で、公団でやればそれだけの財源を持って自治体が有利なようにできるようにこしらえておいて、自治体独自でやればとうていそれができないようにこしらえておいて、どっちでも好きな方を選びなさいと。何を言ってるんですか。私はとうてい納得することはできませんが、もう時間になりました。
 もう一つ私は、できれば、公営住宅の抜本的な改革ということなしには住宅問題の解決はできない、こういう問題についての論議もいたしたかったんですが、これはまた機会を改めて十分論議さしていただきたいと思います。何としてもこれは納得ができません。
#43
○神沢浄君 時間が非常に窮屈ですから、簡明な御答弁をいただきやすいように私は最初自分の質問の趣意を申し述べておきたいと思うわけなんですが、私は農林水産委員会の立場からこの連合審査に参加をいたしているわけなんです。農業サイドからこの法案をながめてみますと、これは御承知のように、農業振興法が策定をされましたときに、こういうことが言われました。いままでどうもほとんど見返られもしなかった農業というものに対してやっと主権が見直しをされて、これは領土宣言的な性格を持っておる法律だと、こういうように言われたわけであります。ところが、今度この宅開公団法という法律案を見てみますと、どうもまた農業の側から言うと、主権が大変脅かされるんではないか、ごく簡単な言い方をすると、これはどうも侵略宣言みたような性格を持っておるんじゃないか。
  〔委員長退席、建設委員会理事沢田政治君着席〕
最近の言葉を借りれば、どうも覇権主義に満ちた法律になっていくんじゃないかというような疑問なしとしないわけでありまして、したがって、それらの点を解明をしていただきたいという点が一つ。
 それから、何といっても、一方においてはこの公団法が示しておるように、開発政策がある。また、いま申し上げたように、やっと主権が認められてきたところの農業政策がある。しかも、いま食糧の自給度の向上等を目指して見直された農業というものは日本の政治課題の最大のものになってきておる。そういたしますと、この宅開公団というものができ上がっていよいよ事業を開始したということになれば、おそらく前線では、防衛のための農業の立場と、それから、侵略ということはちょっと語弊があるかしれぬけれども、攻め込んでくるこの開発政策の立場で火花を散らすような前線の状況というものが避けられない。そういう際にいま一番必要としておることは、この重大な農業政策と、それからこの法案の目指す開発政策との関係の調整の原則というものを明確にしておきませんとこれは大変なことになってくるじゃないかというような点を大きく疑問として感じますので、それらの点をできるだけ明らかにしていただきたい。これが私の質問の趣意でありますから先に申し上げておきたいと思うんです。
 そこで――住宅公団の方いらっしゃっていただいておりますか。――日本住宅公団というのはいままでどういう仕事をしてきておるのか、こういう点をまずお尋ねをいたしたいと思います。
#44
○参考人(南部哲也君) お答えいたします。
 住宅公団は設立以来本年度でちょうど二十年目になりますが、この間に住宅九十一万戸以上の発注をいたしておりまして、現在七十八万戸の住宅が完成して供給されております。約二百五十万ほどの人々がここに入っておるわけでございます。そうした住宅建設とあわせまして、大規模な宅地開発ということで、住宅用地、工業用地、流通用地、さらには研究学園都市、合わせまして二万五千ヘクタールの宅地造成に着手いたしまして約一万ヘクタールの完成を今日まで見ておるというのが現状でございます。
#45
○神沢浄君 宅地の造成の事業もなさっておるわけですね。そういたしますと、率直にお尋ねをするんですけれども、いまの日本住宅公団なるものにもつといわゆる機能的なものを拡大して付与すれば、私は、特に宅開公団なんというものをつくらなくたっても十分間に合うという感じを持つんですけれども、これはいろいろ、対政府なんかの関係でもってお答えがむずかしい点かもしれませんですが、どうなんでしょう、その辺率直に御説明をいただきたいと思うんです。
#46
○参考人(南部哲也君) 本年度で当公団の事業費は一兆円を超しております。先ほど申し上げましたように、住宅の管理も八十万戸という管理をいたすことになるわけでございまして、両方の仕事ということで、いままで宅地開発と両方やってきておりますが、実は宅地開発の方で現実に宅地分譲ができたというのはこの二十年間で九百ヘクタール以下でございます。あとは全部集合住宅の用地その他に追われまして、もしもこれから十年の間にただいまこの法案提案のような広大な一万ヘクタールを超えるようなニードがあるとするならば、これは別の機関で住宅公団と二大馬力で当たるということでいった方が事業の進捗にはプラスになるのではないか。私どもの方もいろいろ隘路にぶつかっておりまして、それらのこともいろいろ政府にはお願いしておるわけでございますけれども、とにかく住宅、特に公共賃貸住宅の供給を中心に毎年一兆円以上の仕事をやっていくということになりますと、さらに付加したこれらの事業を速やかにやるためには新しい機関がある方がベターではないか、このように考えておる次第でございます。
#47
○神沢浄君 まあわかったようなわからぬようなことですけれども、二大馬力でやった方がそれは一つよりかよけいもちろん仕事はできるという理屈にもなりますが、いまの規模ではニードに十分にこたえ得ない。規模をでかくすればいいじゃないですか。規模をでかくしたものが今度の宅開公団というものだろうと思うのだけれども、規模をでかくすれば何もわざわざ宅開公団をつくらなくても、私はいま現在ある、せっかくつくってある住宅公団でもって十分間に合うと思うのだけれども、これはいろいろと関係がありますからなかなかお答えはむずかしい点だろうと思いますので御答弁は要りません。
 そこで、今度は建設省の方へお尋ねをいたしますが、これはどうしても二本立てでなければぐあいが悪いですか。宅開公団というようなものをつくれば、もう住宅公団要らないじゃないかという……。どうしても要るのだというならそこをよくわかるようにひとつ御説明をいただきたいと思うのです。
#48
○国務大臣(仮谷忠男君) 具体的な問題はまた局長から答弁をいたさせますが、確かに、屋上屋を重ねるようなことをしなくて、いまの住宅公団をもう少し強化をしてやればやれるじゃないかという意見があります。それは私もごもっともな意見だと思います。そういった面で私どもも検討を重ねてもみたのでありますけれども、御承知のように、いま住宅問題が非常に国会でも大きく議論をされており、国民からも切実な要望となっておることは先生御承知のとおりであります。住宅公団は、率直に言って住宅建設に私は大きなウエートを置き、むしろいま積極的にそれに重点を置いてやらなければならぬ時期にきておるのではないかと思います。住宅公団がいろいろ議会でも議論をされており、一つの大きな壁にぶつかっておりますのは、やはり宅地開発といった面が一つの大きな障害になってきておるのであります。特に、三大都市圏における宅地開発がいまいろいろ問題が起こっておる。住宅公団もいろいろ厳しい批判を受けておりますが、それはすべて宅地開発に関連した問題であります。そういうことになりますと、特に三大都市圏内の宅地開発といった面は、大型の宅地開発といった面はむしろ分離をして宅開公団に、それに専念せしめる。そして、住宅公団自体はむしろ住宅建設に専念せしめる。さらに、これから住宅建設の問題についてはさらに研究する余地も幾らでもありますし、ただし、自分で建設する用地、いわゆる自家用の宅地だけは自分で開発をしていく。現実には自分で自家用の宅地を開発すること自体にも非常な大都市周辺には問題が起こり、それが一つの大きな障害にぶつかっておることも御承知のとおりであります。
 もう一つはやはり、宅開公団は三大都市圏を中心に周辺を考えておるわけでありまして、住宅公団はそれ以外のところはやはり宅地の建設もやっていかなきゃなりませんから、そういう意味で、やはりこの際思い切って大口の宅地開発をやり、供給をしていくためには、この際機構を分離して強力な機能を与えることが国民の期待にこたえるゆえんではないか、こういうふうに考えまして公団法をつくることにいたしたわけであります。
#49
○神沢浄君 さきの質問者も、同じような公団が幾つもあって、これはむしろ何か天下り用のためにつくられているんじゃないかというようなことにも触れておりました。そういうものを整理するというのは行管などのやっぱり方針でもあるようであります。私は率直な感じとして、学校もつくれば幼稚園もつくれば保育園もつくる、鉄道まで引くというんでしょう。だから、今度生まれる宅開公団が住宅をつくるぐらいのことはそれはもう本来の目的なんだから、そういうふうに整理をすれば、私はわざわざ二頭立てにする必要というようなものはないじゃないか。これはおそらく大臣だって同じようにお考えになっているんじゃないかと思うんですよ。ただ、それがなかなかいろいろな関係でもって、そうまいらぬところに問題がある、こういうことだろうと思うんですが、その点はどうですか。大臣の、本当に三大都市圏は特にいまそういう求められる情勢がはなはだしくあるのだというようなことだったんですが、私はそういう地域的なものは理由にならないと思うのですね。これは宅開公団が何も三大都市圏だけじゃなくて日本全国に向かってやればいいわけですから、これはどうもその辺の、どうしても二頭立てでなければならないという理由はちょっとはっきりわからない点なんです。ちょっと、そのものどんずばりで御説明をいただけぬでしょうかね。
#50
○政府委員(大塩洋一郎君) ただいまの大臣の答弁に尽きるわけでございます。補足して簡単に申し上げますと、行管におきましても一年にわたりましてその問題に重点を置いて検討してきたところであります。要するに、現在の住宅難の最も集中しておりますところは三大都市圏を中心とする大都市であります。その住宅難の一番の隘路となっておりますものは宅地問題であります。その宅地問題を解決するということにつきまして、一番住宅問題解決のかぎとしてこれに対処いたしますためにはどうしたらいいかということに関連いたしまして考えてみますときに、住宅公団は先ほどの総裁のお話にありましたように、現在、年六万戸、七万戸という戸数の消化だけでも、その自家用の宅地につきまして一千ヘクタール年々ネットとして要るわけであります。しかも最近、三大都市圏等におきましては新しい情勢の変化が生まれて、水、足その他財政負担の問題等、諸種の隘路が出てきておる。この中において、戦後に残されたわが国の住宅難解決という最終の内政問題を解決していくための抜本的な措置を図ろう、そういうためには新しい強力な権限を持たせることが必要だ。それを住宅公団にいま持たせることがいいか、あるいは新しい別の専門的な宅地だけの市街地造成だけの専門の機関をつくるがいいか、ここに問題の焦点があったわけであります。したがって、われわれの判断といたしましては、この専門店と申しますか、大規模宅地開発を三大都市圏において行う場合には、それのみに専念するところの機構をつくって、それに新しい強力な権限を与えて専念させた方が能率的であり、むしろ住宅公団に、全国公団でございますが、この住宅公団にその任務を与えることはかえってこういった現状の問題から見ましても、また今後住宅公団が抱えております、もう四年もすれば百万戸になんなんとする戸数の管理の比重の増大ということを考えてみましても、質量ともにその管理問題というのは今後大きな問題になってくるというようなことを考えてみましても、やはりこの際、専門の強力な新機構をつくって、これに対処することが最もふさわしい方法ではないかということで、新たに機能を分けて、目的的、機能的に住宅公団と分けまして、三大都市圏内におきましてはそういう相分担関係をはっきりさせることによってこの難関、難局に対処すべきであるというふうに考えた次第でございます。
#51
○神沢浄君 それだけの説明では、どうして二頭立てにしなきゃならぬかということの理由には私はならないと思うんです。しかし、こんなことにだけ取っかかっていたんじゃ、これ、時間がなくなっちまうから、時間がちょっと余ったらもう少しやり合いましょう。
 そこで、私の記憶によりますと、たしか、新聞の報道で覚えておるんですけれども、おととしの予算編成の時期に、自民党の中でもってこの問題が提起されましたときに、一方においては、列島改造論に立つところの当時の橋本幹事長がこの構想を出された。ところが、いまの副総理の福田行管庁の長官が、それは屋上屋でなじまないと、こういうことでもって一時立ち消えになったという、私はそういう記憶がありますよ、そういう報道の記憶が。それがまたこうやって出てきているわけでして、私は、したがって、そこに何か問題点が二つばかり考えさせられるわけなんです。
 一つは、これは大臣にお伺いをしたいんですけれども、やはり依然として列島改造論は生きながらえてここに顔を出してきているのか、こういう点が一つですね。
 それからもう一つは、これが私が侵略宣言だというような点で非常に懸念に思うところなんですけれども、やっぱりいままでみたような住宅公団的な性格のものでもだめ、自治体でもだめ、したがって、非常に強い――これは大体ミニ政府みたいなもんですからね、この宅開公団というのは。何でもできるというんだから、内閣と同じくらいの、小なりといえども権能を持つような性格のものをつくって、そういう有力なものをつくらなければ、とてもちっとやそっとの力では、それはまあ攻め立てていけないという、そういうような目的のためにこの宅開公団法なるものは再び出てきておるのか、ここら辺がどうもまことにわかりかねるところなんでして、その辺の御答弁を、これは大臣からお願いをいたしたいと思うんです。
#52
○国務大臣(仮谷忠男君) 列島改造論の何か延長ではないかというお話しのようでありますけれども、この法案を、立法の場合のいろいろの経緯等私はつまびらかにいたしておりませんけれども、あるいはそういうような経緯もあったかもしれません。私どもは、その列島改造と、この宅開公団法のこれからやっていこうという仕事、その目的、そういうようなものとは決して関連して考えてはおりません。ただ、こういう問題を私どもが議論をする場合においても、それよりもまず第一に都市へ人口を集中することを排除する、そういう大きなことがまず第一じゃないかと、むしろ、こんなことをやることによって逆に都市へ人口集中するんじゃないかという議論すらも、野党の皆さん方からいただいたこともあるわけでありまして、そういう面から考えると、大都市への人口集中を排除してそうして過疎地域にそれなりの対策を立てて、いわゆる過疎過密の解消をし、均衡ある国土の発展を図っていくということが、これが列島改造と言うんなら、私はこれは政治の高邁な理想だと、そう思っております。だから、田中さんの言う列島改造論と――これはあの人の論文でありますから――このことと関連さしてというようには考えておりません。そういう意味で、現実の問題として、何といっても三木内閣の一つの大きな看板である住宅政策、この住宅政策を積極的に進めていくための隘路が宅地である。その宅地開発のための方策としてこの問題を考えておりますということを申し上げておるわけでございます。
 それからあのあとの御質問、少し聞き漏らしましたけれども、これは農業関係等の関連した問題ではないかと思いますが、私は率直に申しまして、私も農水の関係の議員もずっとやらしてもらってきた一人でありますから、農業振興の問題については、自分なりに一つの意見も持っておるつもりでありまして、そういう意味からこれが農地をどんどんつぶし、農地振興法に抵触するといったようなことがあってはならないということは、もう基本的にすっきりとしておかなきゃならぬと思うのであります。ただ、大都市周辺地域には調整地域というのがたくさんあるわけでありまして、それの周辺地域にまでこのごろはだんだんと人口がどんどん伸びて、スプロール化しておることは御承知のとおりでありまして、このままほうっておくと、無秩序にむしろ農地が乱開発される恐れもあるといったようなことを考えますと、都市計画によってこの問題をぴしっとけじめをつけて、そうして農民や農協や県の皆さん方が十分に納得し、承知することになれば、それに基づいて合意の上でこの宅開の仕事を進めていきたいと、かように存じておるわけであります。
#53
○政府委員(大塩洋一郎君) 大臣のただいまの答弁に尽きるわけでございまして、特に第二の点につきまして、これほどまでに強力な機関をつくって、そして開発しなければならない理由ということにつきましては、強力という、権限の問題でございますけれども、新しい拒否反応の原因を考えてみますと、やはり足、水、それから地方財政負担、こういった問題を原点として、それらに悩む地方公共団体のそういう拒否反応の姿勢というものの、原因をなくしなければ開発が進んでいかないということに原因があるわけでございますから、これに対処するためにはやはり手段を、道具を持って出発しなければならないということで、われわれとしましては、現時点においては相当思い切ったそういう権限を与えたつもりでございますが、これによって先ほど来の議論のありますように、だから完全に円滑にいくというふうには、まだまだ不十分な点があろうかと思います。しかし、これだけの権限を備えさせまして、そして地元との協調体制を図りながら進んでいかなければならない、どうしてもやらなければならないというのが、現状の宅地開発におけるわれわれの認識でございますので、そういう意味で、強力な権限とおっしゃいましたけれども、せめてこれだけのものは必須の道具立てとして考えたわけでございます。
#54
○神沢浄君 強力な権限であることは間違いないですよね。これをいただいて私読んだんですが、「宅地開発公団について」という――これで見ると、これは建設省と運輸省の共同で出しているんだけれども、このPR文書で見ると、「大都市周辺に残された適地でおおむね五〇〇ヘクタールを基準とする大規模な新市街地の形成を図ります。」と、これが基本目標になって、そのためには、まず工業団地をつくるというのでしょう。これはまあ通産省あたりの仕事でしょうね。それから流通業務団地の造成も行うというのでしょう。さらに、そのためには土地区画整理事業もやる、新住宅市街地開発事業もやる、新都市基盤整備事業もやる、水面の埋め立て事業までやると。それからそれに関しては、この住宅用地の造成に合わして道路、公園、下水道、学校、幼稚園、保育所、店舗、上水道、それから鉄道敷設までみんなやると、こういうふうになっているわけですね。こうなると、もう都市周辺の宅地開発などという程度のことではなくて、全く新しい独立した町をつくる、都市を建設をする、こういうようなことになっているわけですけれども、だから私はさっきミニ政府だと言ったけれども、これだけ、これは各省庁全部の権能にわたって、みんな、たとえ小型なりといえどもすべて総合してやるというのですから、これは一個の政府と変わらぬですよ。これを強力でないなんてだれもそれは言えないと、こう思うわけなんですが、そういうようなことになってまいりますと、これは自治体なんかが少しぐらい抵抗したってひとたまりもなくやられざるを得ない。たとえばもう一つ、私は本職の農業問題の方へ移るわけですけれども、大臣もお見えになりましたから、これは冒頭申し上げたように、せっかくやっと農業の主権が尊重されて、いまいろいろな法律の再整備なども行われているわけですけれども、これはまたこれが爆音をたてて動き出したときには、恐らく最前線においては農業だって一たまりもなくやられてしまわなきゃならぬと、こういう点が私としては大変不安、懸念に思われる点であります。ですから大体そういう性格なものであると私は考えますけれども、そうでないというような反論がありましたらば聞かしていただきたいと思います。
 それからちょっと寄り道をして恐縮ですが、私はこのパンフを見たときにちょっと疑問に思ったわけですけれども、これは建設省、運輸省というのでもって出しているんですね。ところがこれを見てみますと、このPRの文書の中で運輸省の関係というのは「鉄道」という二文字あるだけでもってあとは何も関係のものは入っていない。これは何で、これだったらこの公団の性格からいえば各省みんなここへ並べて出さなきゃおかしなようなものでありまして、代表させるんだったらまあ国土庁あたりが常識的だと思うのですが、これは少し寄り道の質問で申しわけありませんけれども、これ何で建設省と運輸省だけでもってこういうものを出さにやならぬかというようなこともついでにひとつ御説明をいただきたいと思うのです。
#55
○政府委員(大塩洋一郎君) 最初に運輸省との共管の問題につきまして御説明いたします。この法律の中でも、たとえば自治体管理者固有の権限でありますところの道路、公園、下水道、街路といったようなものにつきましては、法律上それぞれ管理法がございますから、それをたとえ同意を得るにせよ、かわってやるということにつきましては法律上の規定が要るのと同じように、鉄道につきましてはこの公団の一つの権能として与えます以上、この鉄道を監督するところの、交通を監督するところの運輸省のその管理法をこの中に一部を移す、管理権を移す必要がございますので、そういう意味で運輸省との共管の法律としたわけでありまして、もとよりこれだけの町づくりをいたします以上、その関連するところはすべての省庁、まあ防衛庁は違うかもしれませんが、に関連するわけでございます。ですからそういう意味で運輸省との共管の規定を置いたのでございまして、他の省庁と無関係というわけではもちろんございません。もちろん各省庁等の協力を得ながら財政問題、農業問題等々につきましても十分調整をとっていかなければとうていできない仕事であることは言うまでもありません。
 それから次に、ミニ政府的なものではないかと、非常に大きな権限を与えているのではないかということについて若干釈明いたしますと、第一の土地区画整理事業、新住法、あるいは新都市基盤整備事業法、工業、流通までやるではないかと、この1から6まで掲げておりますところのこのパンフレットの権能は、現在の住宅公団にも書かれておる権能でありまして、これは手法を並べたのでございまして、これが全部これを同一の団地について行うのではなく、この中で選択いたしまして、ここは土地区画整理事業でやった方がいいか、ここは新住事業でやった方がいいか、ここは埋め立てでやった方がいいかということを選ぶ。選ぶときのその手法を与えたものでありまして、これらの権能を与えている。これがで、きるという権限を与えておきませんと宅地造成ができない、そこでそういう権能を与えたものであります。なお工業、流通につきましては、これは伴って必要となる場合に限るのでありまして、これは附則でもそのように書いております。要は、重点は、住宅中心の市街地をつくることに目的があるのでありまして、やはりそうなりますと、相当の一千ヘクタールぐらいになりますと、その中に都市的な工業、たとえば自動車修理工場等も要る。そんなのをまとめて横に置いた方がいいというときには、首都圏における工業団地の造成に関する法律という法律を使ってその団地を分けてむしろつくった方がいいというような選択的な場合に伴って必要となるので、流通業務団地、あるいは工業団地造成事業の権能も与えたというようなことでございます。
 鉄道につきましては、先ほど来御説明いたしておりますように、もしできれば鉄建公団等でやっていただければそれでいいのでございますけれども、やはりこれだけの町をつくる場合に、それが見通しがつかないというときにはその足を自分でやはり用意する必要があるというので、鉄道の権限あるいは上水道の権限を与えて、町が経営できないというときにはかわって引き継ぐまでの間それを経営させることが必要だというふうに考えましてそういう規定を置いたのでございまして、やはり町をつくるということにつきましては、一種の市街地づくりをするわけでございますから、住環境をよくしなければならない以上は、もろもろのそういった学校あるいは保育所、各省にわたるそういった施設につきましても、公団がその施設をつくる権限をやはりこの中で与えておく必要があると思ったからでございます。
 それから先ほど、二番目の農業の問題でございますが、まあ比喩的に先生は領土宣言とかあるいはその主権とかいう言葉をもっておっしゃいましたけれども、私どもはやはり都市と農業というものの関係は、特に都市計画区域内における農業との調整ということにつきましては、これは総合的に同じ目で、その利用調整の目で見て安定的な農業の供給を図るということもこれはひとつ都市の問題である。都市の側にとってもゆゆしい問題であるというふうに考えておりまして、そこでそのために諸外国の立法例では、都市計画のサイドでここは農業だというふうに、農業専用地区なんかを決める例もございますけれども、わが国におきましてはそういうことは法律上とっておりません。かつて余談でございますが、特別都市計画法という法律で、緑地地域という制度をつくったことはございますが、それだけでございます。いまはございません。
 そこで、市街化区域、調整区域という線引きを行いまして、その線引きの際に農林大臣と法律上協議をするということを、規定をわざわざ置いたのはそういう意味でございまして、この規定によってその調整地域を指定したりあるいは変更したりする際に、都市の中における農業との土地利用上の調整を前提としてこの制度が成り立っているというふうにわれわれは考えております。したがってその際に、十分農業の安定的供給ということを両省の間で話し合い、もちろん地元の市町村段階あるいは県段階においても調整を整えた上でその都市区域の中における農業のあり方ということにつきまして、その線引きの際によく協議すると、こういう仕組みをとっておる次第でございます。
#56
○神沢浄君 いまの御答弁に関連して、私も質問の本題へ入らしてもらいますけれども、農業との調整は十分配慮していくんだと、こうおっしゃっておられるんですが、この宅開事業を、いよいよ法律ができ上がって遂行していく上におきましては、まず第一に必要とするものは、これは土地でございましょう。その土地をどう確保していくかというところに問題が生じてくるわけだと思います。
 そこで、これは、大体市街化区域内だけで事が済めば、そうせんさくをしなければならぬこともないと思うのですが、この構想に基づけば五十キロ圏内で五百ヘクタール、四百ヘクタール、三百ヘクタールというようなことになりますと、これはもういやおうなしにいわゆる都市計画法に基づく調整区域に及ばざるを得ないと思います。まあ調整区域へ及ぶということになりますと、調整区域の中には農振地域もあるわけです。農振地域によって線引きされたいわゆる農用地もあるわけなんです。こういうようなものは、もうはっきり、さっきから申し上げておるように、農業の主権を尊重して、はっきりこれは残しておくと、こういうようなことがこれはきちんと決まっておるとすれば、私はそんなに問題にはするつもりはないんです。ただその辺がまことにあいまいのようです。衆議院の会議録なんかをちょっと一べつしてみましても、場合によっては線引きの変更をやるんだというようなことを局長言われていますね。さっき言うような、いわゆる強力な権力をもってそうして一押しに押してしまうというようなことのあらわれがどうもその辺にありそうでございまして、これはもう宅開公団の事業のために必要だということになれば、その取得のためには線引きの変更までやると、こうなってまいりますと、その辺の原則をしっかりとしておいてもらわないとこれはどうにもならないと思うのでありまして、その辺はどうなんですか。
#57
○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほども申しましたように、線引きの変更ということは、これだけの大規模な宅地造成を行います場合に、しかも計画的にまとまりのある土地を周辺部に確保いたしますためには、調整地域の中に入っていくことも当然あり得ると思います。その際には、先ほど申しましたように、農林大臣との法定協議の規定もございます。さらに、都市計画法制定の際において、農地局長、建設省計画局長あるいは都市局長の三局長の覚書、通牒が出してございます。その中には集団的優良農地は原則としてこれを避けることという原則はいまでもわれわれは十分尊重して指導しておるところでありまして、やむなく相当大規模な優良農地がその中に含まれることとなる場合で、しかもそれはどうしても農業生産上必要であると、残すべきであるというときには、それを断念するか、あるいはそれを残してそれは調整地域のままその穴抜きと申しますか、そういうような形で――できるものならばそういう形でやらざるを得ないし、それから事情の変更によってこの程度ならばいいけれどもこっちの方は困るとか、こういった話し合いが当然あり得るだろうと思います。やはり都市というものは一つの生き物として現在も動いており、そして周辺部でもまあスプロール化が非常に盛んに行われておると、先ほど大臣の答弁にありましたように、それをむしろ計画的にそこで受けとめて、このような大きな市街地の中にそういうスプロール化をむしろ計画的に受けとめていくことの方が全体としましての都市、全体としての農業の土地利用のためにもむしろ有効であるというふうに考えまして、農業のその優良集団農地は残すという前提のもとで農林大臣との協議を経て、この線引きの見直しあるいは変更等をやる場合には十分そういう点を配慮する所存でございます。
#58
○神沢浄君 まあ私ども、つい先ごろ農業振興地域の整備にかかる法律の改正案の審議を終わったところなんですね。申し上げるまでもなくいま重大な食糧問題に際会をして、農業も見直されて、優良農用地などはそれはもう一片の土地といえどもこれは尊重されていかなきゃならぬ、農業再建のためにはこれは喫緊の問題だと、こういうようないま情勢に日本は入ってきているわけなんです。
  〔委員長代理沢田政治君退席、委員長着席〕
で、そういう際に、私はやっぱりこの宅開公団法というものの目的もそれはよくわかります。わかりますけれども、いやそれ以上にいまの日本の農業の置かれておるところの重大なその立場というものは、これは認識をしてもらっていかなきゃならぬ点だと、こう思うわけなんです。ですから、むしろそれが可能ならば、これはもうこの宅開事業というのは市街地区域だけに限るということを原則にしてもらえば、これはこれにこしたことはないと思う。私はそのくらいの原則的姿勢というものは、これはなきゃいけないんじゃないか。そうでないとどうもそれは力関係でもって農業の方がどんどんと押し倒されていく危険というものを感ずるがゆえに申し上げるわけなんです。
 これは私、農林大臣にもちょっとお聞きしておきたいんですけれども、そういう意見についてはどうでしょうかね。原則的な考え方として、これはひとつはっきりとこの宅開事業というのはもう市街化地域に限ってやるんたと、これはもし調整地域――調整地域というところは本来あれは開発を抑制するために法律の中でもって決めた地域ですからね。しかし五十キロ圏なんていうことになると、これは現実の問題としていやおうなしにとてもそれは市街化区域だけなんかでもって済む問題じゃなかろうと、こう思うわけなんですよ。ですからそういうふうな原則だけはここでもってそれこそきっちりと確認をしておかなければ、これはもういまは大臣にしても局長にしても運用に当たる立場の皆さんがきわめて真摯な良心的な考え方というものでもって取り組んでおられても、これは法律がそういう原則を明瞭にしないままに出発をしてしまうと、将来、大臣だって生涯続けて大臣をなさっておられるというわけでもないでしょうから、これは大変なことになってくる。この辺をひとつ私はまあ農林大臣からも建設大臣からもここではっきりお聞きをしておきたい、こう思います。
#59
○国務大臣(仮谷忠男君) 私の方はいま局長から御答弁を申し上げたとおりでありまして、私どもも農地の食糧増産上重要なことであることは十分承知をいたしております。したがいまして農業振興地域ですか、農用地域、これは原則として開発をしないということを守っていきたいと思っております。ただいろいろ仕事を進めていくために、先ほど局長が申し上げましたような例外ができる場合があるかもしれません。そういう場合においては農林大臣や関係当局と十分相談をして、そして合意の上で進めていくと、こういうことを申し上げたいと思います。
#60
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちは、農政の基本の目標といたしまして、優良農用地の確保ということを考えておるわけでございまして、そのためには農地の確保を図っていかなきゃならぬわけで、いろいろの施策を講じておるわけで、いま御指摘がございましたように、農振法の改正によりまして農用地区域の開発規制等も行うわけでありますが、この宅地公団法はいまも局長からも答弁いたしましたように、市街化区域は原則でございます。しかしいまおっしゃいましたように、大規模な宅地開発をやるということになりますれば、さらにそれを越えるということもあるわけでございますが、まあそうした問題が起こったときは、これはやはりたとえば農用地区域といった場合には、これは宅地開発公団によるところの宅地開発ができないわけでございますから、これはまた調整区域にいたしましても市街化区域に編入するというふうなことを行わなきゃならぬ、その際には農林大臣、建設大臣が十分調整をいたしまして、そして都市的な利用あるいは農地の利用と、そういった面から総合的に判断をして決められるべきものであると、こういうふうに思うわけでありまして、われわれとしては農用地区域につきましては開発規制、そして優良農用地を確保するということが農政上の大原則であると、こういうふうに考えておるわけであります。
#61
○神沢浄君 まあその点をひとつ明確にされたものと私は受け取っておきたいと思うんですが、ところがなかなか現実問題になると、まあ何といってもいままで私流に言えば農業の主権が軽視をされておったような時期が長かっただけに、大変まだ懸念も解消し切れぬようなものがあるんです。
 関連して、日本住宅公団にお尋ねをしたいんですけれども、この間新聞に報道されておりましたね。「住宅公団、農用地二十七ヘクタールムダな買い物」「雑草茂る二十億円」「転用できぬ美田地帯」「宙に浮き一年、害虫の巣」というようななかなかはでな見出しですけれども、小山市の間々田で起こった事件です。これちょっとひとつ概要でいいですから説明をしていただきまして、ついでに後どうやっていくかと、後の問題を、これは二十億円そのまま使えぬものを抱いておるなんていうわけにもいかぬでしょうし、しかもそれがここに書いてあるようないわゆる美田地帯であるならば、これはやっぱり農業のためにすぐにも活用されていかなきゃならぬ問題だろうと思うし、というようなことを含めて、公団の方からお聞きをして、そしてそれぞれ農林大臣などもそのお立場から御意見があれば聞かしていただきたい、こう思います。
#62
○参考人(播磨雅雄君) ただいま御質問になりました栃木県の間々田の問題でございますが、私どもも新しい都市計画法、農業振興法が施行になりまして、昭和四十六年、四十七年ごろは私ども宅開部門で土地を買います場合には市街化区域に限定したいということで、市街化区域内の土地の買収に努めておったんでありますが、たまたま民間におきましても、非常に投資意欲の旺盛な時期であったこともございまして、非常に四十六、四十七年という年度は土地が買えなかった年であったわけでございます。
 一方、昭和四十八年になりまして、先ほど先生がおっしゃいましたとおり、例の宅開公団法という話が出まして、一年見送りになりましたときに、実は住宅公団でそういった仕事も手がけてみないかということで、非常に用地買収の予算が要求以上にふえたというふうなこともありましたものでございますので、私ども関係の省とも相談いたしまして、やはり若干従来の態度を改めないととても土地が買えないと、こういうことで四十八年度におきましては調整区域でございましても、あるいは市街化区域に隣接いたしておりますとか、そういった土地の形状等によりまして、将来何とか市街化区域に編入していただけそうなところについては、この際若干先行的になりましても買収に踏み切らざるを得ないだろうというふうなことで、若干買収の選考基準といいますか、そういったものを広げまして買収にかかっておったわけでございます。
 で、当地区につきましては四十八年の一月ごろに当公団の首都圏宅地開発本部に対しまして塚本総業という宅建業者からお話があった土地でございますが、ここは東北線の間々田駅のちょうど東側にございまして、この東側は大体家が余りございませんで、かなり空いておるわけでございますが、その辺の約一キロぐらいの地点に二十五ヘクタールばかりのお話があったわけでございます。そこで私どもはこの間々田駅東側一体の開発の可能性――現在調整区域てございますけれども、少し時間をかしていただければ開発の可能性がどんなものであろうか、それから当該土地ばかりでなく、周辺の土地の所有者を含めまして現在土地を持っておられる方、住んでおられる方の御意向というものがどういったものであろうか、関係公共団体の将来構想というものも十分に検討いたしまして、たまたま当該問題になっております二十七ヘクタールの土地は、大部分が耕作が行われていないというふうな状況になっておったこともございまして、四十九年の三月になりまして、ただいま御指摘のありました二十七ヘクタールを買収することに踏み切った次第でございます。
 で、この土地は現在都市計画法でいいまして調整区域、農振法でいいまして農用地に指定になっておる部分が、ほとんどいま大部分が農用地になっておるわけでございます。そういったことで、これの開発ということには法律上の手続から申しましてもかなり順序を踏んでやってまいらなければなりませんし、ただいま地元の公共団体等と十分連絡をいたしまして、住民の意向をもう一度固めた上で諸般の手続を進めさせていただきたいと、こういうことで交渉を進めておるところでございます。
#63
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御指摘の問題についての経過はいま公団側から説明したとおりであると思いますが、この問題になっております農地等はすべて都市計画法に基づく市街化調整区域であります。これは御存じのとおりでありまして、なお農業振興地域の整備に関する法律に基づく農用地区域にあるわけでございますから、このままでは農地転用は認められないということははっきりいたしておるわけであります。
 また、日本住宅公団の具体的な事業計画につきましては、農地転用について事前審査を受けておらないで、その内容は承知をいたしておらないわけでございますが、この開発の取り扱いにつきましては、市街化調整区域と市街化区域との線引き及び農振法の農用地区域の変更に係る問題でもございますので、地元の県あるいは市及び地域農民等の意向も配慮しながら慎重に対処してまいらなければならないと考えております。
#64
○神沢浄君 私の与えられた時間は零時四分まででもって、もう時間がなくなってまいりましたが、大変重要な問題ですけれども、このことをさらに詳しく掘り下げておる余裕がありません。ですから、これはまたいずれ別の機会に譲ることにしたいと思いますが、しかし、大臣お聞き及びのように、きょうのこの論議を通じて私は大臣の御趣意はお聞きをいたしました。しかし、実際にはいまのような問題が現実に起こるわけなんです。私は、この問題の中から幾つかの点が取り上げられると考えるんです。
 一つはさっきもちょっと御答弁の中でもってはしなくも触れておりますように、政府関係の団体が農地法を知らぬわけはないですよ。農振地域の中の農用地を買って、それが使えないくらいのことは百も承知で、それを知らなんだなんと言ったら、これは責任問題だけれども、それは百も承知だったろうと思うんです。おそらく想定するところでは、いずれは宅開公団法が出る、そのときには何とかなると、こういうことがあっての上だろうと私は善意に解釈をいたします。そうなりますと、これは宅開公団法というものは非常に危険な性格を持つことになるわけでありまして、これはよほどしっかりしていただかなきゃならぬと、こう思う点が一つ。
 それからもう一点は、これは塚本総業というデベロッパーから買ったというわけなんです。よく言われておりますように、いま農振地域内に、あるいは調整地域全体の中に仮登記になっておるところの、企業や開発業者がすでに買収をして仮登記のままで放置をされておるような土地は、これは莫大なものがあると思うんです。ですから、これはもう推測が過ぎるのかもしれませんけれども、ある一部の人からは、今度の宅開公団法というのはいわばいろいろな規制のために、買うには買ったけれどもにっちもさっちもいかず始末に困っておるところの業者や企業たちのためにこれはつくられる法律ではないかというふうなことすらも言われておるのが現実であります。結果的に見てやはりそれは事実だったなということにこれはなっては私は大変だと、こう思うわけでありますから、特にその点はこの際重大なる御注意として申し上げておきたいと、こう思うわけであります。
 それから、時間の関係がありますから、国土庁にも来ていただいておると思いますので国土庁からも御答弁をいただいておきたいと思うんですが、いま要するにそれぞれの開発のための地域とか農業のための地域とかという線引きを国土庁の方では進められておると思いますけれども、今度のこの宅開公団法的構想からいくと、かなり第一線にはダブる、どちらにするかというダブる地域がこれは出てくるだろうと思うんです。この際、強調し続けてまいっておりますように、そういう際にきょうまでのあの列島改造論的な考え方の延長線上でもってやっぱり農業の方がどうも軽視されがちになっては困るという懸念が正直言ってあります。そういうようなことがないように、ダブるような場所については、国土庁としてはどういうような基本的な考え方でもって対応されていくかというような点が一つ。
 それからこの宅開事業が始まりますと、これは当然その周辺の地価というようなものはかなり刺激を受けるだろうと、こう思うわけであります。今度の国土庁の担当されておる例のあの規制地域ですか、そのための規制をする地域、これは当然そういう地域に該当してしかるべきだと、こう思いますが、それらの点を二点だけひとつこの際お尋ねをしておきたいと思うんです。
 またそれに先立って、先ほど私から申し上げてまいりましたように、この間々田事件等に基づいて、そして今後建設省としてはどういうふうな態度でもって望まれるか、この法ができ上がったときにはこの法運用のためにどういうような基本姿勢でもって望まれるかというような点をひとつ最後に承っておきたいと、こう思います。
#65
○国務大臣(仮谷忠男君) 先ほどの問題、私も実は新聞を見て驚いて、早速その現地を十分に把握しなさいということで、ただいま御答弁を申し上げたとおりでありますが、当時先行投資を積極的に進めようという機運の中にありましたし、公共団体も、その地域の住民や農民の人々も、できるだけ将来は開発するというような、そういう基本的な考え方がずいぶんあったようでありまして、それに基づいて買った。ただし、その場合には、停止条件つき買収といいますか、もし農用地が転用されない場合にはこの農地は買い戻すと、こういう約束で塚本総業からは買っておるようでありますから、いろいろ調整をして、もしそれが農用地として転用されないということがはっきりきまれば、これは約束どおり買い戻しをさすと、こういうことにしていきたいと思っております。
 それから後段でお話のありましたように、宅開公団法が何か業者や企業を救済するためのそういうことに使われるんじゃないかということ、これはもういろいろと議論をされておるのでありまして、そういうふうないろいろな御疑念の出ることも私はいままでの経緯から申し上げまして無理もないと思います。しかしそういう懸念があってはならないし、われわれは大きな宅開法の目的のとおりにやっていかなきゃなりませんから、厳正な姿勢のもとにこの問題を行使していきたいと、かように存じております。
#66
○説明員(佐竹五六君) ただいま国土庁といたしましては、各都道府県に対し土地利用基本計画の策定を指導しているところでございますが、先生御指摘のように、都市地域と農業地域につきまして相当部分の重複が生じている事実はございます。かような地域の土地利用の方針につきましては、土地利用基本計画の調整利用方針といたしまして、都市地域と農業地域とが重複する場合において、その地域が農用地区域に属する場合におきましては農業的利用を優先する、それからその他の地域、つまり農用地区域以外の農振地域でございますが、かような地域につきましては、土地利用の現況に留意しつつ農業上の利用との調整を図りながら都市的な利用をも認めていくと、かような方針で対処することといたしている次第でございます。
 それからもう一点、大規模な面的開発に伴いまして、周辺地域に対して非常に地価の上昇を、高騰を及ぼすのではないか、かような御懸念でございますが、国土庁といたしましては、国土利用計画法を通じまして、御案内のように、届け出に対する勧告制度の活用、それからさらに投機的取引の集中、あるいは地価の高騰のおそれのある地域につきましては、規制区域の指定を行うように都道府県の指導をしているところでございます。
 確かに宅開公団等が大規模な面的開発事業を行います場合には、従来の経験からかんがみまして、周辺地域に地価の上昇の影響を及ぼすおそれなしとしないわけでございまして、かような地域につきましては、国土庁といたしましては、常日ごろ事前に土地取引の動向、地価の動向等を詳細に調査いたしまして、必要な場合には直ちに規制区域の指定が行われるよう都道府県を指導しているところでございます。かような方針に基づきまして、先生御指摘のような事実については対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
#67
○神沢浄君 終わります。
#68
○瀬谷英行君 この目的に掲げられていることを実際に行おうとすると、これは大変大きな仕事になってまいります。いま数ある公団の中でこんな大きな仕事をやる公団というのは他にないのじゃないかと思いますね。しかし、人口や産業の大都市集中の調整をだれが行うのか、あるいは全国的な土地利用計画の確立を行う権限はだれが行使をするのか。こういう問題は、率直に言って、いささか公団の手に余るような問題ではないかなという気がするわけなんですが、その点は大臣としてどのようにお考えになっておりますか、その点をお伺いしたいと思います。
#69
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地開発公団の目的は、法案にもございますように、大都市地域におきまする宅地難の解消ということが一番の大きな目的でございます。で、一方におきまして、基本的に大都市地域において生じているこの住宅難の現象をなくしようと思えば、地方分散ということを図って地方に地方都市を育てて定着性を強めていくと、こういうことをやらなければなりませんが、この政策の遂行は、これはこの公団の目的では必ずしもないのでありまして、これは国土総合開発計画その他あらゆる計画の中におきまして、また建設省の長期構想の中におきましても、地方の都市の整備を促進するということが他方の一つの大きな柱であり、他方、現に人口が集中しておって、その住宅難に対処する緊急の課題にどうこたえるかという問題に対処すべく、一つの組織法として、住宅公団に加えまして、宅地を供給するという使命を持たせたものがこの公団であります。両々相まって――大都市対策とそれから地方分散政策というものは相まって同時的に並行して行われなければならない課題だというふうに考えておりまして、両者とも非常に大きな総合的な対策を含んだ大きな問題でございまして、これからの政策の大きな柱でございます。
#70
○瀬谷英行君 きれいごとを並べてみても始まらないんでね。実際問題としてそれじゃ地価を安定させるということが公団にできるのかと言うのです。そんなことは恐らく簡単にはできないと思いますよ。地価を安定させないで宅地の供給をするというようなことができるかというのですね、絵にかいた餅みたいなことになるわけだ。
 そこで、問題を根本的に解決するためには、いささか公団の平面、的に書かれた機構だけで行い得るとは思われないんですけれども、資本金五億円の公団でそんな結構なことがすらすらできるようだったら、私は三木内閣だって苦労はしないと思うんですよ。それが一体この公団によって行い得る自信があるのかどうかということですね。特に運輸関係から言うならば、今日まで住宅公団が住宅をどんどん建てる。ところが建てたところに住まう人はみんな東京中心、この近辺で言えば、首都圏で言えば東京に通う人だ。そうすると、たちまち鉄道の方はどうにもならなくなってくる。通勤地獄に拍車をかけることになる。これらの足の問題と住宅の問題とは今日まで必ずしも十分な関連を持って実行されていなかったというのが実態ではないかと思うんです。そういう事実を考えたならば、ますますこれはむずかしいことになってくると思うんですけれども、特に「地方鉄道業」から「軌道業」まで「行うことができる」と、こうありますけれども、鉄道を敷くなんということは今日簡単にできることじゃないわけですよ。地下鉄一キロ建設するのに一体どれくらい金がかかるか、郊外に地下鉄を延長するのにどれだけ莫大な予算を必要とするか、これは天文学的な数字を必要とするわけです。それだけの仕事がこういった公団にできるとは思われない。どうやってやるのか、そのやり方を具体的に説明してもらいたいと思うんです。
#71
○政府委員(大塩洋一郎君) 第一番目の問題でございますが、おっしゃるとおり地価対策の前提なくして開発供給をいたしましても、それはこのような非常に大都市圏のような需要が非常に厳しいところでは、かえって地価をつり上げるような一緒の共同作業になりかねないというふうに考えます。したがいまして、この公団法はその意味におきましては、地価対策をみずからやると、そういう意味の公団ではなくて、これは地価対策の中の一つの柱である需給のアンバランスを解消するための三大都市圏における大規模開発という任務を受け持つという意味において関連がございますけれども、地価対策全般に対してこの公団がその地価対策の場を引き受けるというようなものではない、一つの組織法でございます。
 地価対策の問題につきましては従来から土地の利用規制とか、あるいは税制、金融面の強化等によって投機的な土地利用をまず鎮静化させるということに重点を置いて行ってまいりました。また宅地の大量供給をこれに並行して需給のバランスを直すということをやってまいりました。これ、四十年以来の地価対策閣僚協議会の決定した一貫した今日までの姿勢であったわけであります。幸い、今日におきましては地価は鎮静化に向かいつつありますけれども、しかし今後ともこういった土地関連融資の規制とか、あるいは法人の土地譲渡・益の重課等による投機的な土地の需要の抑制という面におきましては、なおこの方針を堅持する必要があり、さらに地価安定につきまして税制その他の面におきましてまだ今後とも強力な手法を使っていかなければならないというふうに考えております。
 第二段の交通問題でございますけれども、従来から大規模な工業団地、住宅団地あるいは流通団地等の形成をいたします場合には農林大臣の意見を聞かなければならないというような法律の規定も首都圏、近畿圏の工業団地造成法とかあるいは新住宅市街地開発法とか、あるいは流通業務市街地の整備に関する法律の中にも明定いたしておりまして、そういう両者の調整は図ってきたつもりでございますが、しかし鉄道と宅地開発というものとは主体が必ずしも一緒でありませんために、必ずしもタイミングよくこれを合わせるということができなかったということにかんがみまして、今回この宅地開発公団におきましては鉄道の権能も与えたのでありますが、おっしゃるとおり、鉄道というものにつきましては非常に多くの費用及び経営上の問題点がございます。そこでまず第一義的には、鉄道建設公団であるとかあるいは国鉄であるとか私鉄であるとかいうものの計画と調整することを第一に考え、どうしてもそれらができないという場合に、この公団に団地をつくる以上はその鉄道の権限も与えなければその団地を円滑に遂行することができませんので、こういう権限を与えた次第でありまして、主としてこの公団のつくります団地鉄道というのは、最寄りの駅までの鉄道の足を確保するということに主眼が置かれた、そういう性格の鉄道となるものと考えております。
#72
○瀬谷英行君 今日まで、公団住宅はできたけれども、水が出ないとかあるいは鉄道の方がどうにもならぬとか、こういう例は多々あったのですよ。鉄道及び軌道業を行うことができるというけれども、できるといったって、資本金は大変なものだと思うのですね。第一、団地の通勤者だけ運ぶということで乗り出す私鉄はないわけですよ。私鉄だって今日もうからないところに線路を敷くほど、そんな気のいいのはおりませんからね。じゃ国鉄にやらせるかといったって、赤字で首が回らなくなっている国鉄が、もうからないところにさらに乗り出すという気遣いはないわけですね。そうするとそれを一体どれだけの資本金を用意してだれがやるのかというのですよ。これも鉄道業、軌道業を行うことができるというと体裁がいいけれども、現実の問題として可能性があるというふうに思ってるのかどうかですね。特にこの首都圏の通勤問題を解決するために一体どうやって今日の通勤者の輸送体制を確保するという自信があるのか、それは一体だれが主体となってやるということなのか、その点をお伺いしたいと思います。
#73
○政府委員(後藤茂也君) たまたま宅地開発公団が鉄道を運営することができるという規定を法案の中に入れておりますということと、これでもって大都市圏の交通問題を一挙に解決できるとは毛頭私どもも考えておりません。先生もよく御承知のように、大都市圏の交通問題というものは、それ自体として大変な金をかけてまた年月を要する大工事をしながら、基本的なバス路線、鉄道路線を総合的につくり上げながら、住民のお方々の通勤の足を確保するという方向でなければならぬと思っておりますし、そのことにつきましては、旧都市交通審議会、現在の運輸政策審議会でもって各都市圏別に基本的な御構想の答申をいただいて、その線に沿いまして鋭意その実現に努めておるところでございます。その手法といたしまして、鉄道について申せば、いわゆる私鉄のニュータウン鉄道についての特別な公団による建設方式というようなものを考えまして、それでいろいろな努力を積み重ねておるわけでございます。
 ただ、いま先生が御指摘の宅地開発公団が行います宅地における足を確保する、この点につきましては、計画局長さんがいまも御説明申し上げたとおり、その団地から最寄りの駅までの鉄道について御指摘のように、現在存在しております地方鉄道業者、軌道業者あるいは国鉄がその足をみずから確保するという計画がどうしてもない場合に、その最寄りの駅までのおそらくこれは具体的な地理的なことがなければ具体的に描くわけにはいきませんが、比較的短い距離になると思いますが、そういった鉄道を建設し運営するというのが、この宅地開発公団法の考え方であるというふうに理解しております。
#74
○瀬谷英行君 大臣にお伺いしたいんですが、きれいごと言ってみたところで、簡単にできることじゃないんですよ、これは。特に、幾ら宅地を供給するんだと言ったって地価の安定もなくて宅地の供給なんかできっこないわけですよ。これは農業との関係もあるし、地方自治体との関係もあるし、特に過密過疎といったような問題を解決しないで問題の解決方法はないと思う。そうすると、テクニックのことだけで問題は解決しないと思うんでね。根本的には、大事なことは一体人口なり産業の大都市集中をどうやって調整するかという根本問題に触れるわけですよ。それにはたとえば東京を一体どうするのか、首都圏を一体どうするのか、こういう問題になりますね。このままほっといて幾ら宅地開発公団が逆立ちして騒いでみたところでそう簡単にはいかないです、これは。とかると、政府として抜本的に問題を解決するということを考えなきゃいかぬでしょう。たとえば具体的には東京から政府も国会も、あるいは皇居も全部地方へ移転してしまう、あるいは大学もあらかたどっかへ、地方へ持ってっちまうというぐらいの荒療治をしないと首都圏に関する限りは問題は解決しないんじゃないかという気がするわけです。これは首都圏だけの問題じゃありませんけれども、たとえば首都圏に例をとってみても、問題はそのくらいの思い切った対策を講じないとどうにもならぬだろうというのが現実の認識でなきゃいかぬと思うんですが、大臣としてはそれらの点についてどのような構想をお持ちになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(仮谷忠男君) 大変大きな問題でして、私の構想と言うことには少しおこがましいからそれはその意味でお聞き取りをいただきたいと思うんですけれども、確かに大都市、特に東京に対する人口の集中、これ分散を考えなければこれから先のどんな施策をしても本当に徹底をしないということ、逆立ちしても絶対できないとまで言わないようにひとつ御協力をお願いしたいわけでありますけれども、いろんな税制の問題とかその他の誘導策をとってみましても、強制立ち退き権を持たない限りはなかなか簡単に人口集中をやめることはむずかしいということは私ども承知をいたしております。そのためにいろいろな施策をやっておりますけれども、大体人口の集中はだんだんと従来とは違って少なくなっておるようでありますけれども、しかしそれにしてもやはり自然増もありますからこのままの状態でいかないことは申し上げるまでもありません。
 そこで、いまおっしゃいました首都圏の移転の問題あるいは大学移転の問題、こういう問題がすでに大きな政治的な議論として行われておることも承知をいたしておりますし、国土庁の方でもこれは超党派で関係各党からのそれぞれの人々にも集ってもらってこの問題についての意見を聞いておるようでありますが、私は、そこまでいきますとこれは単なる一党一派の問題ではない、全国民の一つのコンセンサスを得なければならない重大な政治課題であると思うのであります。そういう意味から、この問題は当然今後も各党が一緒になって考えていかなきゃならぬ重大な問題であろうかと思っております。しかしそれかといって、その構想が決まり、その実現がするまで手を挙げてそれぞれ行政庁が見逃していくわけにはいきませんから、先ほど局長が話しましたように、現実の問題として現在の住宅対策、宅地対策をどうするかということになれば、われわれの力の及ぶ限りの範囲で最大限の努力をすることが、これはまた政治の課題であることもこれは御承知のとおりかと思うのであります。
 最近地価問題は、国土利用計画法もできたしあるいは税制その他の問題で、もちろん総需要抑制の面もありますけれども、だんだんと鎮静化していることは御承知のとおりでありまして、こういう時期にむしろ私どもはいわゆる宅地供給、需給のバランスをとるためにも思い切って宅地の大量供給をやることはむしろ現時点においてはかえって時宜を得たものではないかというくらいの感じを持っておるわけであります。
 さて、実際にやっている場合に、決して私どもはきれいごとを言っておりません。きれいごととは思っておりません、非常にむずかしい問題だと思っております。第一番に立地を考えること、そうしてその土地が先ほどから申しましたように農用地であったりあるいはいろいろの関連の問題がありますから、そういう問題がまず関係者と十分に話をされて合意に達することがまず第一の問題、そしていよいよ宅地開発ができることになりましても、宅地を開発するだけではこれは意味をなさない、住宅が建たなければならないし、住宅が建つことの条件としてはその住居を持つ人の住まいをする人のための水の問題、足の問題をこれは必須条件として解決せなけりゃならぬ問題でありまして、解決する手法としていろいろ法文化せられておりますことは御理解をいただけると思うのであります。
 足の問題を一つとってみても、鉄道建設をすると言ったら、そんないまの自治体にばかなことができるかというふうに率直に私どもも考えられるわけでありますけれども、これは鉄道をみずからすぐやるというわけでもありません。できることなれば最寄りの駅までのその間の足を私設の機関でやってもらえばぜひお願いをしたいし、国鉄にできることなれば国鉄でぜひやってもらいたいと思っておりますし、どうしてもできない場合にはバス運行によってとりあえずの交通を考えていく、そしてその間にいまこれまた新しい交通システムというものがいろいろ議論されまして、検討されております。都会の中の、これは住宅団地に限った問題じゃありませんが、短距離間の交通改善をどうするかということで、交通の新しいシステムがいろいろと検討されておるときでありますから、あわせてそういうものを検討しながら足を確保することはこれは絶対条件として考えなければならぬ問題等もあるわけでありまして、そういう意味でいろいろな面の手法を法律で与えてあるわけであります。
 いずれにいたしましても、非常にむずかしい問題ではありますけれども、さらばといって現状をこのままで放任するわけにはいきませんから、最大限の努力をして突破口を見出していくということが私どもに与えられた課題であると考えまして、一生懸命に実は努力をいたしておるわけであります。どうぞそういう意味でひとつ御理解を賜り、御協力をいただくようにお願いをいたしたいと存じます。
#76
○原田立君 今回の法案は大都市での地域で住宅建設促進はすでに飽和状態となったが、そのためその周辺地域のいわゆる首都圏に加え、大阪圏、名古屋圏の周辺を大規模宅地造成を行おうとするものである、これに関連して公共施設、交通施設も行い、新市街地をつくろうとするもので、いわゆる「日本列島改造」の延長であり、これ以上の乱開発、人口集中、大都市肥大を促進するのは時代に逆行するものであります。また単なる宅地造成だけでなく、団地内に学校、公園などの公共施設や住民のための利便施設などもつくり、自治体に譲渡する、また土地区画整理事業の施行や工業団地、さらに水面の埋め立て事業、また鉄道も建設できる大型団地であります。これに対し乱開発の防止、優良農用地の確保あるいは各自治体に対する超過負担の過重等、種々問題を含んでいるのであります。個々の具体的問題に入る前に最も大事なことは、国と各自治体、地方公共団体との協力関係が前提条件となって整備されない限り、宅地開発公団を新設しても実効は望めないと、こう思うのであります。先ほど来、建設大臣もその点は何度も表明しておりますが、大事な問題なので再度お伺いするわけでありますが、この協力関係また、実際問題関東圏の各自治体では宅開公団設立など強く反対している。これらの自治体とは十分なる協力関係が得られ、実効ある計画が推進できるかどうか、まず建設大臣よりお伺いします。
#77
○国務大臣(仮谷忠男君) 特に大都市周辺の地方公共団体が非常に反対をされておるという御意見もございますが、これは宅開公団そのものよりも団地お断り、団地が来ることによって必要以上の地方公共団体は負担を強いられ、その他に財政を圧迫しておるというところに大きな問題点がありまして、そういう面から比較的団地お断り、人口集中お断りという、そういう機運があることは十分に承知をいたしております。しかし、もういま住宅の問題、宅地の問題に限らず、道路にしてもその他の問題にしても、これを実施するためにはその地域の公共団体あるいは地方住民の方々の同意がなければ、完全に協力をしてもらう態勢ができなければこれを実施することは非常にむずかしい、実際に不可能なところまで来ておることは御承知のとおりの政治情勢でありますから、そういう意味から考えまして私どもはこの宅開公団法をつくって大量宅地を開発するにいたしましても、立地の問題その他の条件の問題は十分に地方の公共団体と相談をし、住民と相談をして、その同意の上でこの問題を進めていく、こういう基本姿勢は通してまいりたいと考えております。
#78
○原田立君 大臣、いまのお話の中の地方団体の同意を得て、そして協力してもらって進めていくんだと、こういうことでありますけれども、各自治体の強い反対の中でもし協力が得られない場合、そういう場合でも強行するんですか。
#79
○国務大臣(仮谷忠男君) 話し合いをして完全に同意を得られるどいうことがこれを実施する前提条件でありますから、絶対反対というものを強硬に押し切ってやる考えは持っておりませんし、またそれでは実行できようはずもありませんから、そういうことのないようにしたいと思っております。
#80
○原田立君 各自治体では将来の人口増に対する計画があると思うし、住宅経営は各自治体が中心となって進めるべきであると思うのであります。もし地元住民が反対したとしても強行することになるのかどうか。自治体及びその住民の反対ですね、現在住民運動いろいろなかなか盛んであります。大いに結構なことだと思うのでありますが、先ほど前段でお伺いしたのは、自治体の協力があるかどうか、今度は地元住民の反対があった場合どうしますか、こういうことです。
#81
○政府委員(大塩洋一郎君) 地元の住民の意思の尊重ということもこれまた事業の実施上の前提条件でございます。したがいまして、われわれとしましてはまずこれらの事業を行いますためには、これは都市計画事業として行うわけであります。したがって、その計画段階におきましてあらかじめ、ただいま大臣の答弁にありましたように、地方公共団体の意見を聞くとともにその都市計画を決定する事前の社会的、自然的な事前の調査を十分に行うとともに、これをよく徹底的に住民にPRする必要がございます。それでもなおかつ住民が反対しているという場合には、理由なくして反対しているとは考えられない、そこに何らかの原因があろうと思います。それを努力いたすべきでございますが、最終的に非常な猛反対があるということにつきましては、そこに何らかの計画上の大きな問題があると思いますので、そういう場合には再検討すべきであり、それを強引に断行するということはかえって事業の進捗を害する、したがって遂行はできないというふうに考えております。
#82
○原田立君 局長、そういう場合にはやりませんと、こうはっきり言えばいいわけです。回りくどい説明だから……。
#83
○政府委員(大塩洋一郎君) 反対にもいろいろあろうかと思いましてそのような説明をいたしたわけでありまして、住民こぞって全部反対であるということになれば、これは計画を撤回するしかないというふうに思います。
#84
○原田立君 農林大臣が三十分くらいで出かけるというので先にやります。
 その前に、宅開公団法での地域指定は当然調整区域より市街化区域になると思いますが、どのような地域を指定し、団地造成を考えているのかお伺いします。
#85
○政府委員(大塩洋一郎君) 私から事務的な話として申し上げますと、調整区域を含んで計画される場合が、この公団の事業の性格から言いまして、大規模でありますが故にしばしば起こるというふうに考えます。そのときの手続といたしましては、事前に農林当局との調整を得、農林漁業との調整を図って線引きの変更をいたしまして市街化区域の中に編入いたしました上で事業を実施することを考えておりまして、その際十分県段階におきましてもあるいは市町村段階におきましても都市計画部局と開発部局と農林当局との間の調整を先行させまして、最終的には農林、建設両大臣の協議にかからしめるというような手続でやりたいと考えております。
#86
○原田立君 農林大臣とよく協議してと言うんだけれども、今度の宅開公団法の中に第四十五条「主務大臣は、次のとおりとする。」として建設大臣、運輸大臣及び自治大臣、大蔵大臣、これはずっと並べてあるけれども、この中には農林大臣が入っていませんね、これはどういうことなんですか。
#87
○国務大臣(安倍晋太郎君) 宅地開発公団事業につきましては、大規模な宅地開発を内容とするものでありますので、その対象地域の選定に当たっては農業上の土地利用との調整が問題になるわけでございまして、この調整におきまして都市計画法に基づき市街化区域の設定については農林大臣との協議を行うことになっており、また農地転用につきましては農地法による許可を要することになっているわけであります。これらの措置によりまして、宅地公団事業の用地の選定については、所要の調整が十分行われるわけでございますから、両省間の緊密な連絡調整のもとに優良農地、農用地の保全には遺憾のないようにやらなければならぬわけでありますし、またやるわけでございますので、いわゆる十分事前に農林大臣、建設大臣協議をして決めるわけでございますから、これについては私は心配はないものと判断をいたしております。
#88
○原田立君 農林大臣心配ないと言ったっても、この第四十五条「主務大臣」のところ、四十四条「協議」のところ、ここには農林大臣の「の」の字も出ていませんよ。建設大臣、農林大臣とよく協議してやるということを再々言っていますけれども、「協議」も、「主務大臣」のところも、この宅開法には――ほかの法律には出ているかどうか知らないけれども、宅開法には出ていませんよ。
#89
○政府委員(大塩洋一郎君) この宅地開発公団法は組織法として事業法規を含んだ協議の規定はこの中では書いておりません。したがって先生御指摘の大蔵大臣、自治大臣、運輸大臣等の協議の規定は、これはそれぞれこの公団を設立、運用する場合における地方財政負担との関係あるいは財政の関係、あるいは鉄道の関係につきましてその協議規定を置いたものでありまして、農地との関係あるいは農林漁業との調整の関係におきましては新住宅市街地開発法とか、あるいは都市計画法の線引きとか、そういった実体の事業運営のそれぞれの規定の法律がございます。その法律の中に法定協議が明定してあるという意味でございます。
#90
○原田立君 この宅開公団法で指定する地域のうち、農振地域に指定されている地域も含まれております。全国で農振地域に指定されているところは三千四十九カ所ありますが、このうち三大都市圏に当たるものはどれぐらいあるのか。
#91
○政府委員(大山一生君) 沖繩を除きまして現在全国で三千二十四地域が指定されているわけでございます。その中で三圏におきます振興地域数、これは首都圏で四百五十八、中部圏で五百八十九、それから近畿圏で三百六十九、合わせて千二百六十六地区でございます。
#92
○原田立君 伝え聞くところによると、この法律にもまたあるわけですが、首都圏は東京を中心にして五トキロ圏、大阪は、近畿は四十キロ圏それから名古屋関係については三十キロ圏と、こういうふうに大体のアウトラインが引かれているわけですけれども、その中で農振地域に指定されているのは何カ所ぐらいかということを聞いたんで、関東圏だとか近畿圏だとか、そんなべらぼうな大きな話を聞いているのじゃない。その点あたりは、三大都市圏てはどうてすか。――もうわからなきゃ結構です。次へ進みましょう。
 農振地区に指定されている場合の計画はどのようにするつもりでいるのか、調整をどのように考えているのか、これは建設省の方にお伺いします。
#93
○政府委員(大塩洋一郎君) 公団の施行予定の地域に農振地域が指定され、あるいは農用地が指定されているというような場合には、先ほど申しました市街化区域へ編入する手続の前段階におきまして、農林当局と十分これを調整し、協議する段階におきまして、これをどの程度編入できるか、あるいはこれは残すべきかどうかというような点を含めまして協議いたします。その段階でできるだけ優良集団農地は残すという原則を保ちながらも、諸般の都市開発の点と、農業の保全の面からする面省の協調をそこの場でとりたいと考えております。
#94
○原田立君 ちょっときょう私聞きたいことが逆だったのですけれども、建設大臣、大臣は衆議院において、調整区域に入るのはやむを得ない農業振興地域が入ることになれば、代替地をどう設けるか、その対策をどうするかなど地域と十分相談し結論を出したいと、このような答弁を衆議院で行っておりますが、どのような代替地を実際問題考えているのか、地域住民の納得が得られるまで話し合い、トラブルが起きないよう対処されることを要請したいのです。いかがですか。
#95
○国務大臣(仮谷忠男君) 農振地域そのものが仮に宅開公団法の宅地開発地域としてその中に入るということになれば、原則として私どもは農振地域あるいは農用地域はそれははずしていきたいと、こういうのが原則であります。それでも一部どうしてもその地域が宅地開発にかかると、現状から言ってそれははずすわけにいかないという問題のときにそれをどうするかという、それはそれなりの一応法的な手続ももちろん必要でありましょう。ただ問題は、その場合にその地域の公共団体、特に農民の皆さん方がそれで承知をするか、納得するかという問題がこれは一番大きな問題であります。もしその場合に、どうしてもその地域を開発する必要があるということになった場合に、その土地を手放してもらうためには、場合によれば別の農民の諸君と相談をしながら、別の用地をどこかで確保すること、代替地を確保することによって解決するとなれば、それも一つの方法として考えるべきであると、こういうふうに私どもは思っておるわけでありまして、いずれにいたしましても、農振地域、農用地としてぴしっと指定をして、それで当然保護さるべきものが転用をせなきゃならぬという事態になれば、どこまでもその事態で農民の皆さん方の御意見を十分に尊重して、円満に解決をつけていくと、こういうことがこれは当然のことだと思っております。
#96
○原田立君 前段の話の、要するに農用地は確保していく、それは貫いてもらいたいと思うんですよ、その点は。それでもしどうしてもという特例の場合として代替地の話が出たのだろうと思うのですけれども、それもいまのように調整区域あるいは農振地域とぴしっとこう指定がされていて、ほとんどそんな代替地なんていうのはそう言ったって見つからないのじゃないですか。となると、私しろうと判断でありますけれども、もし替え地を用意するだなんて言ったっても、奥地や山の上に追いやるようなことになるのじゃないかと、こう思うんですよ。そんなことがあっては相ならないし、代替地だなんという考え方は、むしろ捨てるべきではないかと、優良農用地は確保すると、そういう姿勢を最初から最後まで貫き通すべきじゃないか、いかがですか。
#97
○国務大臣(仮谷忠男君) 基本的にはそのつもりでおります。そのために指定をされておるところでありますから。それからまた、代替地といいましても、その地域が振興地域、農用地域として指定をされておるのであって、そこの農民の所有者が承知をしたからといって、地域がそれじゃあ振興地域あるいは農用地域として必要がなくなったかというわけのものではないわけでありまして、これは現実の問題としていろいろ相談しながら、解決をつけていかなければいけません。原則として私どもはそういうものは宅地開発の土地から除外をしていくということは、これはたびたび申し上げておるとおりでありますけれども、現実の問題は、あるいは一部どうしてもその地区だけを除いて開発ができれば結構、除くこともできないし、除くことがかえって宅地開発のためにそれが思わしくないことになるということになれば、そういう問題は地方自治体や農民の諸君と相談をしながら現実に合う処置をしていかにゃならぬ。これは現実の問題として申し上げておるのでありまして、原則は先ほど申し上げたとおりであります。
#98
○原田立君 農林大臣、宅開公団法の計画、指定の中に、農振地域に指定され、かつ優良農用地もかなり含まれているわけでありますが、建設大臣の話のようにそれは省くように努力するというわけであります。だけれども、ただし特別の場合には云々というような言葉がついているわけなんですが、この農林省のいわゆる「農産物の需要と生産の長期見通し」によると、昭和六十年を目標に造成面積を八十六万ヘクタール確保することになっているわけでありますけれども、今回の宅開公団法が成立し、宅地造成がどんどん進むことになれば、見通しがますます暗くなると、こう心配するわけなんです。計画では八十六万ヘクタールの造成面積を確保しょうというわけでありますが、この長期見通しの八十六万ヘクタールの造成目標は果たしてこんな状態で、こんなことで確保する自信がおありなんですかどうですか。
#99
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちはいま新土地改良長期計画というのを進行いたしておるわけでございますが、この計画によりまして、大体四十八年から五十八年までの十カ年で七十万ヘクタール、そして六十年目標でいまお話のように八十六万ヘクタールということを計画いたしておるわけであります。しかしその実施状況につきましては、総需要の抑制等もありまして思うように進んでないということは事実でございますが、しかし、われわれは食糧の自給力を確保していくという見地から見まして、この長期目標は何としても貫徹をしなければならない、まあ貫徹をしなければ国民食糧の確保ということは非常に困難である、こういうことから、何としてもこれを確保するために今後とも、これはもう相当困難な面も確かにあるわけでございますが、努力をしていかなきゃならぬ、その決意でございます。
 なお、宅地開発公団との関係におきましては、いま建設大臣も申し上げましたように、農用地についての確保、優良農地を確保するということにつきましては、これは公団が発足をいたしまして事業を進めるに当たりましても、十分建設大臣とも調整を図りながらこの農用地確保は貫いてまいるという決意でございます。
#100
○原田立君 世界的食糧難に伴い国内自給率の向上が急務となり、今回も農振法の改正が行われたのでありますが、農振地域内の農用地区域の中の農用地は転用できないことになっておる。もし、この農用地が宅地造成に含まれている場合にはどのように対処するつもりなのか、基本的考えをお伺いしたいと思うんであります。
#101
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農用地区域につきましては、いまお話しのように、これは宅地事業を認めないということでございます。しかし、農用地区域内において、今後発足をするところの事業団においてどうしてもこれを必要とするということになりますと、これは計画変更をしなければならぬ。農用地区域内においてはできないわけですから、農用地区域の計画変更をしなければならないわけでございますが、そうした状況が起こったときにおきましては、これは、先ほど建設大臣も申し上げましたように、地元の農民を初め関係者――公共事業体、関係市町村とも、さらにまた建設省とも十分協議をして慎重に対処しなければならない。しかし、その前提は、あくまでも農用地の確保ということが前提にならなければならない こういうふうに考えておるわけであります。
#102
○原田立君 農地転用の場合、農振地域整備計画を改正して、いわゆる農振地域の指定から除外しなければならないわけでありますが、そうすると当然農振整備計画を改正しなければならない。そうなった場合、長用地の農業利用の確保、農用地保護のための農振法、ついこの間通した農振法自身が骨抜きになって意味がなくなるおそれがないかと心配するわけなんです。その点はどうですか。
#103
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちは、先ほどからしばしば申し上げましたように、今後のわが国の国民食糧を確保するという上におきましては農用地の確保というものは一番大事なことである、したがって農用地区域というものを、これを守っていく、むしろこれを拡大をしていくというふうな考え方も持っておるわけでございます。農用地区域外の農地につきましても、農地法というものを厳正に適用をいたしまして農地が壊廃することを防いでいかなきゃならないという大前提に立っておるわけでございますが、その中にあって、宅地開発公団との、いわゆる宅地開発との問題につきましては、これは十分協議しながら慎重に対処をしていく。私たちは、農用地が壊廃される、優良農地が壊廃されるということは、これは絶対に防いでいく、こういうたてまえで今後進んでまいりたいと思うわけであります。
#104
○原田立君 転用の場合、地元の自治体から要望があれば許可されることになるが、優良農用地であり農業利用の確保の面から考えても転用すべきでないところでも地元からの要望があった場合には許可するのかどうか、これが一つ。
 農用地確保の面からも簡単には許可すべきではないと思うが、基本的な考え方をどうお立てになっておるか、お伺いします。
#105
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、われわれは優良農用地の確保というたてまえに立つわけでございますから、やはりこれが壊廃をされる、そういう中にあって地元からのいろいろの要請もあるということも当然予想しなきゃならぬわけでございます。また、そういう事実もなきにしもあらずでございますが、そういう場合においても、われわれの方針としては優良農用地を確保するという大前提はこれを貫いていかなきゃならぬ。ですから、軽々にこの農地の転用等は認めるわけにはいかない、こういうふうに思うわけでございます。
#106
○原田立君 十二日の参議院建設委員会での参考人の御指摘の中で、農業者年金基金理事の小沼参考人は、農地の壊廃と宅地造成が同じテンポで進められている、政府はまず農用地の確保に努力してほしい、同時に、人口が一気に流れ込むと水利用の調整が重要な問題となる、農業の実態を十分に配慮し、周辺の農業と共存できるようにしてほしい、こういうふうな強い要請がございましたが、この要請に対してどのように配慮し対策を講ずる考えであるのか、お伺いします。
#107
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちは、農地を守る手段としては、先ほど申し上げましたように、農地法の厳正な適用、さらにまた農用地区域におきましては、今回御改正をいただきました開発規制、こういうふうなこと等によりまして農用地の確保、さらにまた先ほどから申し上げておりましたように、農用地の積極的な造成等も図っていくわけでございますが、そういうふうないろいろの施策を総合的に、集中的に行って、そしてわが国の自給力を高めるための長期計画を推進する上における農地の確保だけは何としてもこれはしていかなければならない、こういう決意でこれからも進んでいくわけでございます。宅地公団の関係につきましては、そういう前提のもとに慎重に十分協議をいたしまして対処をいたしたいということでございます。
#108
○原田立君 農林大臣、結構ですから……。
 地価が急上昇のときは各都道府県知事が規制区域の指定をすることになっているが、団地計画が決定し、鉄道、道路等の計画があれば当然土地は急騰する、どの時点で規制区域の指定にするのかが大きな問題となるわけでございますが、計画内定の段階で指定するのか、どの段階で指定するのか、その点はいかがですか。
#109
○政府委員(河野正三君) 国土利用計画法に基づきますというと、規制区域の指定につきましては二つの要件がございます。地価の異常な上昇または上昇のおそれがあること、これが一つでございます。もう一つは、投機的な投資が相当範囲にわたって行われ、または行われるおそれがあるということでございます。この二つの要件は両方とも知事の判断するところでございます。知事の判断に当たりまして、現実の宅地開発公団の事業の内容と対象地域との関係、計画の整備の段階、これは地域地域で違うと思いますので、ただいま申し上げました二つの要件に対します影響の度合いというものもそのケース・バイ・ケースで違ってくるかと思います。が、いずれにせよ都道府県知事が判断をして指定をすることになっております。
#110
○原田立君 だから、どの時点で規制区域の指定にするのかということを聞いているわけですよ。
#111
○政府委員(河野正三君) ただいま答弁申し上げましたとおり、地価上昇のおそれ、投機的投資の相当範囲にわたって集中して行われるおそれというものがケース・バイ・ケースで違いますので、どの時点ということを明確に一律的に申し上げることができないという趣旨の答弁を申し上げたつもりでございます。
#112
○原田立君 地価の高騰を防止し、実効ある計画を推進するためにも、主務大臣、公団、各都道府県知事間の密接な連絡協議が必要となるわけでありますが、時期を失することのないよう、特に協議、連絡には十分気を使ってやるべきだと思う。いかがですか。
#113
○政府委員(河野正三君) まことにおっしゃるとおりだと思います。したがいまして国土庁といたしましては、全国にわたりまして国土面積の一六%に当たるものを現在要指定地域として指定をしておりますが、この二八%の面積のものにつきましては、将来の宅地開発予定地域等が具体に固まりますその都度拡充をして、厳重な監視的な調査を行い、必要な場合には直ちに規制区域の指定ができるよう今後とも指導をしてまいるつもりでおります。
#114
○原田立君 運用面について伺いますが、国土利用計画法に基づく利用計画が各自治体から検討されたものが上がってくるのが、本年末か明年初頭になるのではないかと思うんでありますが、そこで本法運用に当たっては、各自治体からの国土利用計画を十分尊重し、対処すべきであると思うが、この点についていかが考えておるか。要するに各地方自治体からの国土利用計画を十分尊重し、対処すべきであると、その点はいかがですか。
#115
○政府委員(河野正三君) 先般来この連合審査におきましても、種々諸先生の御指摘があったわけでございますが、全国にわたります人口、産業がどういう形で配置になるべきであるか、あるいはまた過密過疎の問題につきましてどういう基本的な対処の仕方を国としてとるべきか等々の問題もございまして、国土庁といたしましては、現在全国にわたります国土利用計画の策定に努力を傾注しているところでございます。この作業とあわせまして、各都道府県ごとに県計画というものを並行して策定を進めていくという作業段階になっておりまして、またこの県計画とうらはらの関係に土地利用基本計画というのがございますが、これがそれぞれ都道府県の都道府県国土利用計画審議会の議を経まして都道府県知事が策定をすることになっておりますが、こういう民主的な手続の上に決まりました都道府県別の土地利用の基本計画、これにつきましては十分の尊重を政府としてはやるべきものと考えております。
#116
○原田立君 今回の法案の趣旨は、三大都市圏に集中している人口をいかに分散、抑制するかが問題であり、大手デベロッパーの救済策であってはならないと思うんであります。先ほどもこの問題は取り上げられた問題でありますけれども、建設省の調査では、三大都市圏における買い占めの実態は、先ほど数字を若干お聞きしたけれども、メモし損なったんですが、いかがですか。
#117
○政府委員(大塩洋一郎君) 幾つかの資料があります中で、御質問に一番適当だと思われるものにつきまして、昭和四十九年度末の千四百業者について行いました不動産業の実態調査結果報告について申し上げます。千四百業者、これは大臣免許業者全部と信託銀行全部と、その他の資本金一億円以上の知事免許業者について、千七百四十五社の中で八十数%の回答を得て求めた資料でございます。
 これによりますと、千四百業者が持っております全国の合計の土地は二十八万六千五百ヘクタールでございます。そのうち問題になりますのはたな卸し資産でございまして、そのたな卸し資産の合計は十一万五百ヘクタールでございます。これをさらに三大都市圏で申しますと、その千四百業者が持っております土地は六万七千二百七十一ヘクタールでございまして、その中のたな卸し資産は三万八千ヘクタールというふうになっております。
#118
○原田立君 大手開発業者が買い占めた地域は、恐らく大部分が市街化調整区域内の農地、山林であろうと思うのであります。これらの買い占められた土地は、水の問題であるとか、交通不便あるいは調整区域の規制などでほとんど放置されたものになっており、にっちもさっちもいかずもてあましているようなそういう土地でありますが、買い占めの実態などから言って、宅開公団法はこれら大手企業の救済を目的としたものとしか考えられないと、こういう世間一般の声があるわけでありますが、この点に対してどうお考えですか。
#119
○政府委員(大塩洋一郎君) おっしゃるとおり大手の持っております土地の約四割というものが調整地域の中に存在いたしております。しかしながら、宅地開発公団が行います場所に――これは具体的に調べないとわかりませんけれども、この大手の持っております土地は、必ずしも宅地開発公団の行い得るようなそういう土地に、適地に持っているというふうには限りませんけれども、宅地開発公団が事業を行います場合には、その適地選定につきまして十分調査の上、この適地を選定し、その中にもしこれらの企業が持っておる土地が含まれているといたしましても、これは必要な土地の中に含まれているならば、これは適正な価格において他と不均衡のないように取得するのでありまして、その企業が持っておる土地を取得することによってその救済を考えるものではない、要はその企業が他に比して不当なそういう利益を得ないように、不公平感を除去するということが大事なのでありまして、われわれはその点を十分考慮しながら慎重に対処をする予定でございます。
#120
○原田立君 局長や大臣は、ときどき慎重に対処するという言葉で表現するんですけれども、その救済対策であってはならないと、この一点強く指摘したわけなんです。それで、そうしたらば、いまの局長の答弁は、不均衡をなくす、あるいはまた適正な値段で買う、こういう話があったわけなんですけれども、救済対策でないというのであれば、このような莫大な思惑買いの土地を買い上げの場合、売買時の原価に合った買い入れにするという考えで臨むべきであろうと思うが、この点はどういうふうに考えるか。
#121
○政府委員(大塩洋一郎君) 法人の取得した原価がわかれば、それについてももちろん調査する予定でございますが、問題は、適正な価格でもってこれを取得するということが基本でございます。したがいまして、他に税制その他の措置もございます。それらの点を考えあわせまして、先ほど慎重に対処いたしたいと申しましたのは、そういう事前の調査をできるだけいたしますが、最終的には適正な時価で、価格で取得するということを原則としてまいりたいということを申し上げた次第でございます。
#122
○原田立君 「首都通勤交通現状打開のための提言」と題して、国鉄首都圏交通体制調査会の発表に、慢性的ないわゆる通勤地獄解消のための方策の一つとして、通勤輸送の余力のない沿線にはこれ以上団地などをふやすべきではないとの提言がございますが、いまですら通勤時の混雑は、毎日電車のガラスは割れ、負傷者を出す、まさしく酷電、ひどいものであります。通勤地獄と言う以外にありません。この上、五万人あるいは十万人の団地を造成し、輸送するとなると、何らかの輸送増強対策が必要であり、当然この対策も考えておられると思うが、この点に対しては運輸省いかがですか。
#123
○政府委員(後藤茂也君) 先生の御指摘のとおりでございまして、ただいま御提案申し上げております宅地開発公団を設立して宅地が新たに造成されるということも一つ、東京圏を第一として大都市圏の交通問題は確かに非常に問題であり、それに対しては、先ほども御説明申し上げましたとおり、私どもは基本的な構想を都市交通審議会の御答申をいただいた上で鋭意その問題の解決に努力しているところでございます。そのためには、国鉄自身のいわゆる五方面作戦、私鉄各社が立てておりますそれぞれのプロジェクト、そういった構想というものを運輸省、政府といたしましていろんな形でそれを支援をいたしまして、さらにはバス路線あるいは都市内高速地下鉄道、あるいは将来の問題といたしまして都市交通システム、あらゆる方策を講じつつ、通勤者の足を確保するということは、これ自身はいろいろと対策を立て進行しているところでございます。宅地開発公団で将来団地を造成し、仮に、この公団法が述べておりますように、この公団が団地のための足を確保する枝線をつくれば、それは当然にその枝線につながる幹線の輸送力の新たなる輸送需要をその部分については喚起することは当然でございます。そういったことも含めまして、私どもといたしましては、新たなる団地をどこにどのような規模でつくるかという段階から、関係省とよく御相談をしながら、しかし一方ではいま申し上げました大都市圏の通勤問題解決のためのいわば基本的な交通ネットワークをより強く、より利便よく建設するための方策を今後とも進めてまいりたいと思っております。
#124
○原田立君 ターミナルの拡充も含めて、本線の増強についての費用負担、また事業開始時期の調整等は公団がやるのか、国鉄がやるのか、私鉄がやるのか、一体どこでやるのか。また宅開公団は、最寄り駅までの直接施工ができ、あたかも足の確保ができるかのような印象を与えているが、大規模開発に伴う既存鉄道本線への接続は簡単に解決できるものではないと思うが、政府の見解はどうか。
#125
○政府委員(後藤茂也君) この宅地開発公団が団地の通勤者の足のための鉄道を運営するといたしました場合に、具体的に――私は抽象的に最寄りの駅までと御説明申し上げておりますが、具体的にどのようなかっこうでどのような土地で線を引くことになるか、そのケース・バイ・ケースで決まることでございますけれども、いわゆる最寄りの駅まで建設するその経費につきましては、これは当然公団が負担をいたします。その公団に対していかなる助成をするかということはまた別個の問題といたします。
 さらに、その接続点から先のいわば幹線、その部分につきましては、先ほども申し上げました現在あるいは将来とられます方策によりまして、それが国鉄でありまするならば国鉄の通常の線路建設あるいは増設の費用、私鉄でございますならば私鉄のそういった線路を増設するあるいは新設する場合の費用という形で、ただいまあるいは将来の国の助成を受けつつそれを実現することになると思います。
#126
○原田立君 話題を変えますが、人口が増加してくれば役所の中の仕事も多くなる。自治体の窓口は戸籍事務や外国人登録事務等々とふえてくるわけでありますが、これはすべて国の事務であります。この機関委任事務は全部で七百八十二項目にも及んでいるわけでありますが、ここでも自治体は超過負担を強いられている。このような超過負担や委任事務の解消を自治省はどう計画づけていくのかどうか。その点はいかがですか。
#127
○政府委員(松浦功君) お答え申し上げます。
 ただいまお尋ねの機関委任事務というお話でございますが、地方と国との負担関係の問題は機関委任事務であるかないかという差別では全然考えられておりません。先生御承知のように、機関委任事務であろうと固有事務であろうと、すべて地方財政法の九条によって、原則として地方公共団体の負担ということになっておるわけでございまして、国の利害関係がこれに伴います部分については、地方財政法の十条以下でそれぞれどういう割合で国が負担をする、あるいは補助をする、こういうたてまえになっております。したがって機関委任事務についての超過負担という観念は実はないわけでございまして、固有事務であろうと機関委任事務であろうと、地方財政法に定める負担割合、それについて超過負担が生ずるというふうにわれわれとしては理解をいたしております。超過負担につきましては、これは国の責任であって、本来存在することはいけないというのが私どもの考え方でございますので、関係省庁ともよく協力をいたしまして、超過負担の解消に今後努力をしていくということは当然政府の責任であろうというふうに理解をいたしております。
#128
○原田立君 私は超過負担や委任事務の解消を自治省はどう計画づけているのかということを聞いたわけなんです。
 問題は、自治省の超過負担のとらえ方が自治体と基本的に違うわけでありますが、自治体側は、超過負担を単価差、数量差、対象差の三つからはじき出してこの埋め合わせを要求しているわけでありますが、自治省は、単価差については実態を掌握して手直ししていくとはいうものの、あとの二つの数量差、対象差は超過負担の範囲内ではないとの判断に立っているようでありますが、このような片手落ちの判断は地方自治無視であると、こう私は思うのであります。
 ここで一つの提言として、公明党が提案している超過負担解消法案を早急に実現して、地方六団体、関係行政機関、学識経験者によって構成された調査会を総理府に置いて、その解消に全力を尽くすことが先決であると、こういう意見があるわけでありますが、その点についていかがですか。
#129
○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきました対象差、数量差、この問題については自治省としては厳密な意味での超過負担とは考えておりません。しかし数量差や対象差というものは現実の地方財政にいろいろ大きな問題を起こし得る問題であるというふうに考えておりますので、超過負担としてとらえなくても、補助政策の問題として、社会経済情勢の進展に伴って、現実の実態が常識から離れないように、その点については各省に今後とも強く御要請を申し上げてまいりたい。そういう意味では補助対象差、あるいは数量差、こういったものが地方団体から余り苦情が出ないような形にすべきであるという観念は先生と考え方を異にするものではございませんが、先ほど来申し上げておりますように、厳密な意味での超過負担という形で私どもは理解はできない、こういう考え方でございます。
 それからまた後段で超過負担解消のための協議会等の御指摘がございましたが、現在地方六団体が地方超過負担解消対策特別委員会というものを設けております。当省としてはこの委員会から参加要請を受けてこれに参加をする等十分地方団体の意見を取り入れながら地方の超過負担の解消に努力をしていきたいと、こう考えておるところでございます。
#130
○委員長(中村波男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後四時まで休憩いたします。
   午後一時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三分開会
#131
○委員長(中村波男君) ただいまから建設委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#132
○小林国司君 私は主として農業サイドから時間が四時半まででございますので、きわめて時間が短うございますから簡潔にお答えを願いたいと同時に、私の方も端的に問題をとらえて御質問をお願い申し上げたいと思います。
 まず第一は、宅地開発公団は昭和六十年までにどれだけの宅地造成とさらに別機関による住宅建設が行われる予定になっているのか、この点について大臣から御報告をお願いしたいと思う。
#133
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地開発公団の計画でございますが、現在のところ考えております一応のめどといたしましては、大体六十年までに三万ヘクタールに着手いたしまして、そのうちで一万一千ヘクタールの宅地を生み出す、こういう中身を考えております。でございますから、一万一千ヘクタールと申しますと、大体これを戸数に換算いたしますと、集合住宅、個人住宅の比率によっても違いはありますが、大体五十万戸ないし六十万戸程度ぐらいにはなるというふうな戸数の見通しを持っております。
#134
○小林国司君 次に、三大都市圏の中の市街化区域の面積は約五十万ヘクタールぐらいと推察しておりますが、その中で団地を、一団地が三百ヘクタールぐらいな団地をつくっていきたいという御計画と聞いております。三百ヘクタールの団地を昭和六十年までにとにかく三万ヘクタール着手したいということになりますと、三百ヘクタールの一団地と見ても約千団地ですか、百ですか、百団地ぐらいになりますが、なかなか三百ヘクタールの団地というものは三大都市圏の中でも地域を設定することがきわめてむずかしいように思います。ただいまのお話によりますと、とにかく一万一千ヘクタールの宅地を造成して五、六十万戸は入居させたい、こういう御計画だと聞いておりますが、日本住宅公団の二十年の実績等と比べてみて、これから十年間にこれだけのものをやるというのはよほど骨が折れると思いますが、それを乗り越えて宅地開発公団が事業実施にこれからやろうという、こういう決意に対して建設大臣は絶対やれるんだという御確信があるかどうか、この点を伺います。
#135
○国務大臣(仮谷忠男君) これは私は、午前中から申し上げておりますように、非常に厳しい条件の中でやり上げていかなければなりませんから容易なことではないと思っております。しかし、今日の宅地の需要の状態を見、それから住宅に対する国民の要望等にこたえていくためには、少なくとも最小限度その程度のものはわれわれは確保していかなければならぬという、そういう計画のもとに努力を続けていかなければならぬ、これはもう重大な使命だと、かように存じておりますし、非常にむずかしい問題だと思いますけれども、その中を乗り切っていかなければならないと思っております。
#136
○小林国司君 次にお尋ね申し上げたいと思いますことは、最近の傾向では市街化区域内の農地がこの三大都市圏で約十一万ヘクタールほどございます。その中で、A、B、C農地にこの分類が行われますが、特に最近の傾向では、B、C農地については依然としてこれからも農業を継続したいという希望者が非常にふえてきたというふうに推察されております。こういう事態の中で、ただいま三万ヘクタールの用地買収を六十年までに行ってとにかく事業に着手したいと。きわめてこれはまあ困難な情勢にあるやに推察されるわけでございますが、特にこのB、C農地についてはそういう傾向が出てきたということの御認識については、大臣、いかがなものでございましょうか。
#137
○政府委員(大塩洋一郎君) いま御指摘のありましたとおり、三大都市圏内の農地は十三万ヘクタール強ございますが、その中でA農地を除きますものは約十一万ヘクタール。これらの農地は、まあ市街化区域の中にもございますし、あるいは調整区域の中にもございます。われわれとしましては、周辺部にこの宅地開発公団の事業地を求めるわけでございますので、その際にはできるだけ優良農地の集団的なものは避けるようにいたしたいと、できるだけ山林とか、あるいは農地でありましても優良農地を避けた形にして、それを計画的な開発の中に取り入れたいと、かように考えておるわけであります。
 いまおっしゃいました拒否反応と申しますか、農民の側の農業を継続したい、あるいは人口をこれ以上持ってきてくれては困る、こういった拒否反応が最近顕著に三大都市圏の周辺で出てきております。特に関東に強いわけでございます。これらに対しましては、一つは公共団体の側の拒否反応と、それから地元の土地所有者としての農民の側におけるいろんな条件あるいは不満というものの両方の問題を同時に解決しなければできないというふうにわれわれは考えておりまして、その際やはり地元と十分計画の調整をあわせて、地元の意向なり、あるいは開発の意思とあわせていかなければいけない。それにはいろんな手法はございますけれども、われわれはまず第一に前提となるいろんな調査をやりまして、その調査に基づいてよくPRをし、そういう手続を経て地元の方々とその協議をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#138
○小林国司君 一団地三百ヘクタールぐらいの計画で進められるやにいろいろな資料で拝見するわけでございますが、これはそういう予定でございますか。小さなものをてんでんばらばらに行うのではなくて、相当集団したところで、そして三百ヘクタールが正しいかどうかわかりませんが、おおむねこの見当のまとまったところを宅地造成をやっていきたいということに間違いございませんでしょうか。
#139
○政府委員(大塩洋一郎君) 三百ヘクタールという基準は、三百ヘクタール以上ということでございまして、できるだけ三百ヘクタールを超える規模、すなわち、できれば一千ヘクタールぐらいの適地がまとまるならば、同じやるならば、そういう個所を数多くやるのではなくて、まとめて、しかも大都市の周辺部に計画的に配置するような形で、大都市の一つの計画ということで開発候補地を選定いたしたいと思っております。
#140
○小林国司君 ただいま局長さんのお話によりますと、一団地は三百ヘクタールから、できれば一千ヘクタールぐらいな大きなところでまとまった宅造をやって、そして住宅供給を円滑に行ないたいという希望であると、まあこういう御説明がございましたが、いまの三大都市圏の中で、市街化区域の中だけで、とてもその三百ヘクタールから一千ヘクタールぐらいなまとまった団地が空いているところはきわめて少ないんじゃないかと、こう思われます。で、一方では、けさほどからいろいろ質疑が行われておりましたが、調整区域に一部宅地造成が手がつけられるのではなかろうかという心配、特に線引きを場合によっては変更して、そうしてやむを得ない場合には調整区域も市街化区域の中に線引きを変更して取り込んで、その中で宅造計画を行わなければならないような事態になるかもしれない、こういう御説明がございましたが、一方では、大臣は、農用地はきわめてこれは今後に優良農地は残していかなきゃならぬという、そういう事態も考えられるので、線引きを大幅に変更してそして調整区域の中の優良農地を大量につぶすというようなことはこれは考えていないんだと、こういう御説明もございましたが、しかし、三百ヘクタール以上、一千ヘクタールになんなんとする一団地の大きいものを、調整区域に手をつけないで、現在の市街化区域を中心にして、そういうまとまったものが本当に取れるかどうかということについては、大変私疑問に思っておりますので、この点の解明をひとつお願い申し上げたい。
#141
○政府委員(大塩洋一郎君) お説のとおり、現在の市街化区域の中に、大きくなればなるほどそういう適地をまとまって確保するということは実際問題として困難でありまして、われわれの、まだ候補地は決めておりませんけれども、計画する適地というのは、もちろん市街化区域に接近しておりまして、市街化区域は含んでおりますが、その中には当然手直しをして、現在調整地域になっておるとか、あるいは白地地域と申しまして線引きを予定してないようなところになっているとか、こういうところを取り込まなければいけない、また、そういうところにも現在大都市におけるスプロールの一つの波が押し寄せてきていると、こういうことを考えますときに、東京圏で言えば五十キロ圏、関西で言えば四十キロ圏ぐらいのところのそういう山林、農地の、現状におきましては調整区域なり、いま申しました白地地域のところも取り入れて、その中で、現時点においては予想していないのでございますけれども、そういう新しい計画のもとに組み入れることが必要になる場合が多いというふうに考えております。
#142
○小林国司君 そういたしますと、ただいまの御説明では、調整区域に一部入り得ることは想定されると、しかし、いま主として考えているのは、いわゆる都市計画区域の白地地区及び山林の部分を対象に主として考えているので、調整区域の中の優良農地を大量につぶすということは考えていないと、こういうふうに理解してよろしいですね。まあ大量というのがどの程度か、これは限度がございましょうが、宅地造成の関連上、一小部分のこれは計画上切り離すことができなくて、よんどころなく調整区域に一部入らなきゃならぬけれども、それは面積的にはきわめて少量なものであるとこう解釈してよろしいかどうか、もう一度お願い申し上げます。
#143
○政府委員(大塩洋一郎君) そのとおりでございます。
#144
○小林国司君 すでに大臣も御承知と思いますが、いまから一週間か十日ほど前に、今国会で農振法の改正案が国会を通過いたしました。で、この農振法の改正案というのは、申し上げるまでもございませんが、調整区域を初めとする全国の優良農地をできるだけこれから食糧の自給率向上に当てたいと、でなければ、いまお米は余っておりますけれども、日本の食糧全体の半分は外国に依存しなきゃならぬ、こういう苦しい状況でございますが、いずれこの問題は国際的に大きな壁にぶつかるであろうときが来る、そうなりますというと、資源の少ないわが国は、できるだけ農地というものを温存して、食糧自給率の向上に充てなきゃならぬ、同時に、経営規模の拡大等を志しながら農業というもののあり方を変えるべきである、こういうことから、農振法の改正案が先般国会を通ったわけでございます。で、その農振計画に指定をされている農地までも宅造計画によって計画がばらばらに分断されるということになってはこれは困りますし、特にこの際、お願いを申し上げておきたいと思いますことは、これから三百ヘクタールから一千ヘクタールになんなんとするような大きな団地の計画をなるべく早くひとつ団地ごとにお示しをいただいて、このことによって各都道府県なり、まあ三大都市圏でございますから道はございません。都県でございますが、並びに関係市町村におきまして、いわゆる農振地域あるいは調整区域等について農業振興上のいわゆる基盤整備事業であるとか、あるいはその他いろいろな農業を振興するための実施計画というものが将来にわたってあるわけでございます。この計画が、せっかく計画を立てて実施しておる後から、宅地造成によってこれが分断されるということになっては、まことに計画上ゆゆしき問題に相なりますので、できることならば、団地ごとに早目に計画をお示しくださいまして、それを関係各機関に御連絡相なって、そして農業振興上手戻りの生じないように特に御配慮をお願い申し上げたい。これは要望でございますが、これについての大臣の御意見をひとつお願い申し上げたいと思います。
#145
○国務大臣(仮谷忠男君) 小林議員さんは、その道の人で、ずいぶんいろいろと農業、農地関係の問題は御研究されて専門にやられておるのでありますが、実はこの間成立しました農振法にしましても、一応これは私は昨年衆議院の方の農水委員長をやらしてもらっておりまして、私の方も実は継続でぜひ今年お願いしようということをやった一人であります。そういう意味においてはいまの農業、特に農地利用というものが、新しくひとつ活用しようという時点に立って大きな食糧政策を考えていこうという、そういう時代であることは十分承知をいたしております。従来と若干違って農地に対する農民の考え方がまた変わってきまして、やっぱりもう一回Uターンをして農業をしてみようという考え方の若い人もだんだんできてきております。少なくともそういう芽を摘むような――ほかの行政で、ことがあってはならぬということは、もう十分に私ども承知をいたしておるわけであります。したがいまして宅地開発をやる場合におきましても、まず原則的には、午前中から申し上げておりますように、振興地域、農用地というのはできるだけ除外をして、まず計画を考えると、これはもう前提条件であります。除外をして考えていくと、こういうふうに考えております。
 それから、三百ヘクタールといいましても、そんなにどこへ行っても適当に三百ヘクタールという用地があるとは思いません。私どもは、先ほど局長が話しましたように、できる限りもう少し大型に考えて、あんまりそこ掘れここ掘れじゃなしに、ひとつ本当に立地の条件を見ながら、いま言ったような農振、農用地域というものをできるだけ除外をしながら、これやはり検討していけば、山林地域あるいは原野地域、そういうものを大部分にしてやれるところも私はあり得ると思うわけであります。そういうものを十分に検討する必要があるのじゃないか。そうして、たまたまその中に調整区域が一部かかることがあるかもしれません。調整区域でやるわけにいきませんから、そうなれば地方自治体や農民ともよく相談して、これ都市計画の変更をせなきゃなりませんけれども、そういう手続ができるのかどうかという問題、いずれにしても農業の振興地域、農用地というものは、これはもう地方の住民としては、それは大変な基盤でありますから、そういうものを除外しながら、そういった面の、その他の面において御協力願えることがあれば、できるだけ御協力いただいて、この問題を解決つけていかなきゃならぬと思っております。だんだんと都市周辺がスプロール化してきまして、その中にはまた農民もできるだけ農地をひとついい値でどこかへ売ったらいいじゃないかというのも中にはあるわけでありまして、だんだんそういうことで、いやおうなしに都市周辺農地がスプロール化されていくということも現実にあり得るわけでありまして、そういうふうなものをむしろ秩序ある開発に結びつけていくということも一つの方法ではないかと思いますが、これはどこまでも地域の人々や関係団体と十分相談の上で決定をせなければいかぬ問題でありまして、いずれにしてもお説には十分私どもは留意をしながら、むしろそれを原則としてこの問題を進めていかなきゃならぬ、かように思っております。
 それから、早く団地の候補地を見つけて計画をということでありますけれども、一応法律が成立することになりましたなれば、そういった問題は、これはひとつよく地域の人々と相談しながら、私どもも調査をしてみなければならぬと思っております。
#146
○小林国司君 次に、大臣も御承知と思いますが、いま地下水をくみ上げて地盤沈下が起こっておりまして、全国至るところで地盤沈下のおそれのあるところが発生をいたしております。特にひどいところについては早急に手を打たなければならぬ、こういう問題がいまありまして、これを立法措置によって何とか処置しなければならぬという動きがあることも大臣、御承知のとおりでございます。
 そこで、三大都市圏につきまして大規模な宅地造成がこれから行われていくと、三万町歩というのは相当な大きな面積でございますし、そこに五、六十万戸の住宅が十年ぐらいの間にセットされるということになりますと、それに必要な都市用水というものも相当大量なものが必要になってくると思います。いま私どもが大変心配しておりますのは、三大都市圏の中で地下水をくみ上げて地盤沈下を起こしておるという現象が現に続いております。この問題を解消するためには、ただ単に地下水の規制をするということだけでは、これはもう大混乱を起こしますので、そこでかわりの水をどうするか、水源をどうして求めるか、そしてその供給をどうするのかということが並行していかなければ、地下水の規制ということを先に行うわけにいかない。そこで、三大都市圏につきましては、地下水をくみ上げることを規制するかわりに、非常に多くの水を何とかして見つけなければならぬという、こういう日本のいまの行政の中ではきわめて重大な問題が発生しております。そういう中で、ただいま御計画の三大都市園に大規模の宅地造成を行って、その都市用水というものが十分に確保できる見通しがあるのかどうなのか、この問題については、いずれまた地域別に細かい計画をお立てになることと思いますが、私は総括的に新規需要、つまり宅造による新しい住宅団地の建造に当たりまして、都市用水の新規需要に対する供給計画が、いま問題になっている地下水の規制、採取規制などとにらみ合わせて、果たしてうまくいくのかどうなのかという、非常な心配を持っておりますが、これについて大局的な見地からお答えを願えれば幸いでございます。
#147
○国務大臣(仮谷忠男君) 地下水対策がいろいろと議論をされて研究、これは各省でも、建設省も中へ入っておりますが、農林省あるいは通産省、それぞれ国土庁が中心になりまして、この問題の研究をいたしておりますし、議員の皆さん方でもいろいろ研究されて、場合によれば議員立法でというようなことも、いろいろ新聞でも見せていただいておるわけであります。確かに地下水の吸い上げによりまして地盤沈下を来す、そのことによってこれが災害に結びついていく、あるいは塩水化するといったようなことで、これは地下水の規制をせなければならぬということは、これは私どもよくわかっている問題であります。しかし規制をしたら後一体代替用水をどうして補給をするかという問題が、その裏に裏づけというものがないと、ただ規制するだけでは、これは大変な問題になると思うわけであります。
 さてしからば特に三大都市圏の水の問題はどうかと申しますと、これはわれわれが計算するだけでも、昭和六十年までには相当量の水が足らない。現象では足らないということになる。その水をつくるにはどうするかと言えば、申し上げるまでもありません、ダム建設等をやってひとつ新しい水を供給することを考えなければならぬ、これはそれなりにまた建設省は努力をいたしておりますが、これまたいろいろと大きな問題等がありまして、なかなか予定どおり進んでいかないところにも大きな問題点があるわけであります。したがいまして、新しい水対策を積極的にダム建設等によってこれからも進めていくということが第一点。
 しかしそれだけではなかなか水需要に追っつかないという現状を考えてみますと、現在の使われた水の節約、何か太陽と空気と水は、みんなただだと思っておった時代はもう過ぎております。水は少なくともこれだけ無理をし、将来大変な不足を来す状態でありますから、そういう意味において水の節約を考える。保全を考える。そしてむしろ再利用を考えていくと、これは最近の大きな問題、還流システムと申しますか、やはり一たん使った水を再利用していくことは、これは当然考えなければならぬ問題、そうしてできる限りひとつ水の問題の解決をつけるように大きな面として努力をしていかなければならぬ、かように思っておるわけであります。
 団地の場合に、やはり団地をつくれば一番問題は水と足の問題でありまして、その水をどうするかということが、これは必須の条件になってくるわけであります。まだどこをやろうかということには決定いたしておるわけじゃありませんから、私は団地の立地を決定する一つの条件としても、水の補給ができるかできないかということも一つの大きな条件になるんじゃないかと、かように考えておりまして、そういうような方面も十分に検討しながら指定を考えていかなければならぬと思っております。
#148
○小林国司君 十年間に五、六十万戸の宅造を終わった後に住宅建設もやり遂げたいと。そういたしますと、それに必要ないわゆる上水道というものはその前に確保されていなければならぬ。そうなりますと、いま大臣が決意のほどをお述べになりましたけれども、具体的には非常にこれはもう足の問題以上に水の問題はせっぱ詰まった問題だと。住宅ができてからそれからおもむろに水源を求めるということでは、とうてい間に合いませんので、先に水を求めるぐらいなことが必要になってまいります。きょうは、じゃ、どこにどういう具体的な計画があるかということまでは伺いませんけれども、非常にこれは急ぐ問題で、足の問題やそのほかいろんなこともございますけれども、何にもまして水というのは一番急ぐ問題だと思いますので、この点については建設省におかれて抜かりのないように格段のひとつ御努力をお願い申し上げたい。これはそうでなければ宅造計画はできませんよということを申し上げておるわけでございます。
 時間が参りましたので、最後に一つお伺いいたしておきますが、いままで宅地造成、これは日本住宅公団だけではございません。民間の宅地造成、それから住宅公団もございますし、それから各都道府県で行っておる住宅建設もございます。それから工場の進出等によりまして農業用水がきわめて汚染をされまして、そして農業用水に利用できないということで非常に悩んでいる地区が全国並数に発生いたしております。いまから数年前に土地改良法の改正を行いまして、五十七条の三に、ここで時間の関係で条文等は読みませんけれども、そういう悪い水が農業用水路に入り込んできたときにはそれを減量させるかあるいはかわるべき施設を、求めさせるかあるいは全面的に停止を命ずるか、それを発生している原因者に向かって求めることができると、こういう法律改正が数年前に土地改良法の五十七条の三の中に設けられたわけでございます。しかし相手方が不特定多数でございますというと、求めることができるということになっておりましても具体的にだれにぶつけたらいいのかという問題で、まだこの法律というものが発動されておりません。そこで、そういう被害を受けたいわゆる土地改良区、農業団体というものは泣き寝入りいたしまして、だからといってその悪い水を使うわけにまいりませんので、別途自分たちの費用負担において全面パイプラインに切りかえる。パイプラインというのは水道と同じようなシステムでございます。こういうことによって自衛しなければ農業が経営できない。こういうケースが全国非常に多く発生いたしております。
 で、この問題につきましては、これは私ども絶えず相談を受けてそしてアドバイスをしておるのでございますが、これからもこういう問題がひっきりなしに起こってくることも想像されます。したがいまして、このたび新しい法律をおつくりになって宅地開発公団ができて、公団が汚水を農業用水路に流し込むとは限りませんけれども、全国にいま起こっておるという事態を建設大臣も踏まえられまして、少なくも市街化区域であってもその汚水というのはいわゆる調整区域の中に、農業振興地域の中に流れ出てくるという、こういう入り組んでおりますから、地域が、市街化区域と調整区域とがもう複雑怪奇に入り組んでおりますから、そこで市街化区域の中で宅地造成を行ってもそういう懸念なしといたしませんので、今後こういう事業をお進めになります際にはいま起こっている現象を十分ひとつ御推察を賜りまして、農業用水に汚水が流れ込まないように、もし流れ込んだ場合には、土地改良法の五十七条の三によって適当な処置のできますように格段の御配意をお願い申し上げたい。これは希望でございますけれども、これにつきまして大臣の所見を最後に一つお伺いすれば結構でございます。
#149
○国務大臣(仮谷忠男君) 団地をつくって、その団地の家庭用水あるいはその他の下水対策を十分にせなければいかぬということは、これはもういま団地に限った問題じゃありません。私どもは下水対策で、またこれは五十一年から新しい下水五カ年計画を立てるわけでありますが、一番の問題は家庭用水やらその他の汚水の、下水の処理の問題をいま積極的にやらなければならぬ。これが日本の国ではいま一番おくれておるわけでございまして、そういう意味で、それが下水を処理して川へ流す、その川からまた農地へ流れ込んでいくというケースもありましょうし、あるいはその他のいろいろなところを伝わって農地へ流れ込んでいく場合もありましょうが、私どもは少くとも下水の処理、終末処理だけはこれは十分完全なものにして、そうしてその出した水が影響することのないように、最近は五十年度からは第三次処理まで水の処理の問題を考えていこうということで実は努力をいたしておるわけであります。もちろんその汚水の原因者がわかればこれは原因者に当然負担させなければなりませんし、私ども下水道法においても負担をさせることができると思っておりますから、そういう面ではこれは最善の努力をせなければならぬし、いわんや新しい団地をつくって、その団地から流した排水が農業に影響するといったようなことになってはこれは大変でありますから、十分に下水対策を配慮しなければならぬということは当然でありまして、努力をいたしてまいります。
#150
○小林国司君 どうもありがとうございました。(拍手)
#151
○神谷信之助君 最初に午前中も質疑がありました住宅公団による栃木県の間々田の農用地の買収問題に関連をしてお伺いしたいと思うんです。私どもの調査では、この塚本総業は二十七ヘクタールの土地を四十七年の一月から四十八年の一月、この一カ年間に買収しております。そして塚本総業が宅建業法に基づく大臣の免許を受けたのは四十八年の六月二十一日であります。したがって、この買収行為は無免許買収ということで、例の田中金脈問題で問題になりました新星企業の場合と同様の宅建業法違反の疑いがあるんじゃないかと思うんですが、この点建設省は調査をされたことがあるかどうかお伺いしたいと思います。
#152
○政府委員(大塩洋一郎君) 塚本総業につきましては、現在知っております限りにおきましては、昭和四十八年の六月二十一日に大臣の免許を与えておりまして、大臣免許以前には知事免許は持っていなかったのでございます。塚本総業が、したがってそれ以前の段階におきまして、昭和四十七年の終わりから八年の初めにかけまして買収をしたという事実につきましては、先ほど来公団の方からも説明があったとおりでございますが、この事実につきまして、これが直ちに宅建業法違反であるかどうかということの結論は、ここではまだ調査いたしておりませんし、申し上げられないのでございます。一般的に申し上げるしかないのでございますが、一般に法人は何らかの自己所有あるいは自己が利用するというような目的で営業用に買った土地であるというような場合であとで売却するというようなことはしばしばあり得ることでございますが、大体取引物件の七〇%はこういった事例が多いわけでございます。本件の場合どうであったかということについては事実を調査してみなければ、これを開発してやると言って買ったということだけでは直ちに宅建業法違反となるかどうかということにつきましての結論は現在の段階では出しにくい現状でございます。
#153
○神谷信之助君 しかし、私どもの調査したところでは宅建業の免許をとっていない四十七年の暮れあるいは四十八年冒頭に、公団の方からこの土地の買収の依頼を行ったというそういう話も聞いておるわけです。午前中の公団の方の話では、四十八年にそういう話があったというように報告されましたが、この時期が一つは問題ですが、もしこれが事実とすればこの宅建業法違反というのは明らかになってきます。したがって、この点をひとつ建設省の方は具体的に調査をして、この疑惑を明らかにする責任があると思うんですが、調査をおやりになりますかどうですか。
#154
○政府委員(大塩洋一郎君) 事実をよく調査した上でないと申し上げられませんので、調査いたします。
#155
○神谷信之助君 ちゃんと調査をして報告をしてもらいたいと思うんです。
 いずれにしても、住宅公団はこの塚本総業からこの土地が農業振興地域の農用地区域であるということを十分承知しながら買い取っていると言わなきゃならぬと思うんです。そのことを知らないで買うというようなことはこれはもう考えられない。
 そこで、農振法によれば、先ほどからも話がありますように、十七条によってこの農振地域内の農用地は農業以外の用途には使ってはならないということになっていますし、それから十六条では、国や地方公共団体が農業利用が確保されるように努力をしなきゃならぬということも義務づけられています。公的機関である住宅公団がこのような農振法の規定を無視をして、あくまで農地の転用の許可を申し入れをして開発をやるという、そういうつもりを今日もなお持っておられるのかどうか、この点を公団の方にお聞きをしたいと思います。
#156
○参考人(播磨雅雄君) ただいま問題になりました間々田の土地につきましては、住宅公団は、けさも申し上げましたとおり、農用地であることを存じながら買収いたしたものなのでございます。それなりに土地所有者、売っていただきましたもとの土地所有者、並びに周辺の地主さんたちの御意向でありますとか、そのほか公共団体の御意向であるとか、いろいろ――断定的な御回答は得てないわけでありますけれども、いろいろと御相談いたしまして、公団なりの判断で買収したわけでございます。それにつきましては、先般も申し上げましたとおり、当時のいろいろ土地の買いにくかった状態でありますとか、住宅公団の四十八年度の予算が非常に多かったというふうなこともございましてそういった結果になったのでありますが、こういった問題につきましては、今日の時点におきましては私なりにいろいろ反省しているところもございます。そういったことで、今後住宅公団の用地買収が公団住宅を建設する用地を造成することを主眼といたしましてやってまいるわけになりますれば、こういったことにつきましては特に慎重を期しましてやりたいと、こういうふうに思っております。
#157
○神谷信之助君 いや、質問に答えてないですよ。これからも農地の転用許可を申し入れてやってそれを進めるのかどうかと言っているんです。
#158
○参考人(播磨雅雄君) ただいま申し上げましたように、公団の宅地開発事業の規模も四十八年度当時に比べますと縮小するわけでございますので、こういったことはしないようにやってまいりたいと思っております。
#159
○神谷信之助君 どうもはっきりしないですよ。この間々田の土地はもう開発するのをやめるのかと言っているんですよ。それともあくまで開発するために農地の転用許可を進めていくというのか。もしそのままやるとしたら、これは公団は農地取りつぶしの先兵になっている、そういうことを言わなきゃならぬ。この辺一体どうなんですか、はっきりしなさいよ。
#160
○参考人(播磨雅雄君) 当公団が買収いたしましたこの間々田の土地につきましては、先ほども申し上げましたように、関係の方々と意見の交換をいたしながら……
#161
○神谷信之助君 簡単でいいんですよ。
#162
○参考人(播磨雅雄君) ……買収した土地でございますので、今後とも御理解を得ながら法律上の手続を進めまして開発いたしたいと、かように思っております。
#163
○神谷信之助君 これは大問題ですよね。優良農地ですよ。しかし公団はいまだにこれを、断固として農地をつぶして開発をやると言っているんですよ。ですから、宅開公団法に基づいて行われる開発も、こういう主として市街化調整区域での開発というのが考えられているわけですから、この調整区域の相当部分というのは、この地域同様、農業振興地域指定が重複して入ってくるというのが実態になってくると思う。建設省は先ほどから、大臣も、宅開公団の開発で優良農地をつぶすことはやらぬということを何遍も答弁されているけれども、実際上それをやらないという法律上の歯どめは何にもない。それから、建設省が監督をしてるところの住宅公団は、現にこの問題にもはっきりしてるように、農地をつぶすと、で、朝から指摘をされてもやっぱりつぶすと、この方針を変えぬと言ってるんですよ。ですから、こういう事実を見ましても、宅開公団が農地つぶしをやらないという保証はないと言わざるを得ぬのですが、この点、建設大臣はこの農振地域の開発をやらぬということをはっきり言明できるんですか、この点答弁を求めておきます。
#164
○国務大臣(仮谷忠男君) 午前中からいろいろ議論されておりますのは、農振地域、農用地域は原則として宅開事業から除外をしていくと、こういうことを私どもは申しておりますし、そのつもりでやるつもりであります。それならいま住宅公団のやっておるのは、現に農用地を買っておるじゃないか、どうするかと、これは当然のお言葉だと思うわけでありまして、まあ事情のいかんにかかわらず、農振、農用地域自体を住宅公団が買ったということについては、私はきわめて軽率であったと、さように思っております。
 ただ、私も実は二、三日前に新聞を見て驚いたわけで、せっかく宅開公団法をやって皆さん方からいろいろ議論をしておる真っ最中にこういうものが出てくることはまことに残念なことだと思ったから、直ちに、これはどういういきさつかはっきりしたことを知らしなさいということで、公団の方にも実は申し入れしてあって、一応経過は聞いたわけであります。そのことを正当づけるわけではございませんけれども、経過を聞いてみますと、この地域はやはり東京から一時間ぐらいの通勤圏内にあるという地域であること、そういうことで、地方公共団体もその地域の住民も、その売った農民もその周辺の地域の農民の人々も、これはぜひひとつ開発をしてもらいたいという機運が非常に大きい、全般的にその機運のある地域だということを実は聞いております。まあそういうこともあるので、将来じゃあその農地が転用されて開発してよろしいということになれば、それじゃあ責任を持って買いましょうと、もし将来、いろんな事情があって農用地が転用できないということになれば買い主に戻しますよという条件つきで何か取引をしておるようであります。そういうところまで聞いたわけでありますが、いずれにいたしましてもこの問題はもう少しひとつ――私も新聞を見、いまの程度のさきの買い入れの調査の報告を聞いた程度でありますから、もう少し内容を少し十分に検討をし、調査をしてみたいと思っております。
 そこで、一体これについての、その関係市町村や関係農民、地域の団体の人々はどういうふうにこれに対して考えを持っておられるのかどうか、そういうことを十分に検討してみたいと思いますし、検討の結果、その地域の住民や農民の皆さん方がぜひそうしてもらいたいということになれば、これは、その地域が本当に農振、農用地域として絶対に確保しておかなければその地域の農業発展に重大な支障を来たす程度のものかどうか、そういうものも私どもはもう少し具体的に調査をしてみたいと思います。その結果いずれにしても結論を出したいと思っておりますが、率直に申し上げますことは、いずれの、どういう事情があるにもせよ、住宅公団が振興地域、農用地域を買い取ったということについては、これはきわめて軽率な行動であったと、こういうことは私どもは思っておりますけれども、今後はそういった面については十分に留意をし、絶対にかくのごときことの起こらないように注意をせなきゃならぬ、かように思っております。
#165
○神谷信之助君 いまの大臣の答弁でも私は納得することはできないんです。農業というのは御承知のように生産性は低いわけですね。そして政府の方としても農業に対して一貫した政策を出しておらない、農地を取りつぶしてみたりいろいろなことをやってるんですから。あるいは米をつくるなと言ってみたり、いろいろなことをやって困らしてきた。そこへ札束で面を張られたら、見通しのない農業よりは、それじゃあ土地を売ろうかという問題になってしまうし、それですでに金が渡っていれば、いまさら返してくれといったってどうなるんだと、こうなってくるでしょう。ですから、これは、問題は本当に農地を守るということを大事にしてそしてやろうとするのかどうかというのにかかわってくるんですよね。そういう問題をやりながら一年間もこの転用許可がおりないで、そして優良農地にペンペン草が生える、病虫害が発生する、そういう形で野放しにされてるんですよ。このこと自身が日本の農業を破壊をするその先兵を公団はやった。この宅開公団、今度はそれをやらぬという保証はない。まさにこの一つを見ても、その調整地域にある民間不動産業者が買い占めをして困っている土地を、これを救済をするためにこの宅開公団法案が出ているんだという批判がなされているが、それもまさにその指摘が正しいと言わざるを得ないような事態が起こっている。しかも、それはあくまで開発をやるんだと言っているんですから。しかも、午前中の農林大臣の答弁では、事前の審査もやってないし、そういう話もされているわけですね。だから、そういう状態で、強引に札束で張って塚本総業が買い占めたやつを、今度はその困っているやつを住宅公団の方で救ってやって、そうして住宅公団という政府機関の力で農用地の転用をやるというようなことがやられるということが、これ一つ具体的な事実として出てきた。これは私は重大な問題だと思うので、この点はひとつ、先ほどの塚本総業の宅建業法違反の調査の問題と同時に、この間々田の問題については再検討をするということをはっきりさしてもらいたいと思いますが、どうですか。
#166
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅建業法の関連する問題につきましては調査いたします。
 それから、ただいま大臣の答弁にありましたが、この当該間々田の土地につきましては、買い戻し停止条件つきだけではなくて、都道府県知事及び市町村長からもそういう条件がついておりまして、法制的な結論、諸条件が整うまでは、あるいは社会的、経済的条件が整うまでは留保することを条件として、先行取得はやむを得ない、こういう条件がついております。したがいまして、その条件が整わなければこれをやることはいたしません。
#167
○神谷信之助君 事ほどさように宅開公団法の問題は問題を含んでいるということ、これを私は指摘しておきたいと思うんです。
 その次に、先ほども建設省の方からの答弁の中で、人口の増大について自治体とそれから地元の住民とこれが拒否反応を示しているという、そういうお話がありましたが、その自治体が拒否反応、住民の方は別にして、自治体が拒否反応を起こしているという理由についてどのようにお考えですか。
#168
○政府委員(大塩洋一郎君) 私どもは、その大きな原因の一つは交通問題にあると思います。それからもう一つは水の問題でございます。さらに、なかんづく重要な問題は、そこに人口が張りつくことによって急激に、一時にいろんな条件が、社会条件が変わりまして、地元の財政負担が急増する。この大体三つの点が最大公約数的に大きな原因となって拒否反応のような現象を示しているというふうに理解いたしております。
#169
○神谷信之助君 自治省の方は、この点どういうようにお考えですか。
#170
○政府委員(松浦功君) 建設省と同様に考えております。
#171
○神谷信之助君 それじゃ、建設省にお聞きしますが、この宅開公団法案でこれらの困難な拒否反応を示す理由ですね、これは解決されるということになりますか。
#172
○政府委員(大塩洋一郎君) われわれは、このこういった事態に対処いたしますためにいろんな手法、道具というものを早急に講ずる必要があるということで、鉄道の問題あるいは直接施行権をこの公団に与える問題、あるいは地方の財政を助成いたしますための立てかえ施行の強化によって十年間据え置き、三十年長期の立てかえ施行制度というものをこの公団の事業に与えたというような、相当思い切った措置をとったつもりでございます。これによりますれば、少なくとも人口が定着し始めるであろう十一年以降のその財政の支払いが生ずる、そのときまでは公団が肩がわりするという措置をとったことによりまして、相当大幅な地元の財政上の軽減措置になるというふうに考えておりまして、もちろんこれだけで十分だとは考えませんが、これはあくまでも立てかえでございますので、そのもとになる地方財政の負担の軽減という措置につきましては、
  〔委員長退席、建設委員会理事沢田政治君着席〕従来から人口急増地域あるいは児童学童急増地域における諸種の補助制度なりあるいは起債等の枠の拡大なり、そういう面における施策を今後とも拡充していかなければならないと思っておりますが、少なくとも以上のような措置をとることによって大幅に軽減できるというふうに考えております。
#173
○神谷信之助君 建設省の方で千ヘクタールの開発を宅開公団が行った場合どうなるかということをいろいろお聞きをしたわけです。そうしますと、関連公共公益施設ですね、学校とか幼稚園、保育所、病院、市役所の支所、警察、こういった整備の事業費は六百十四億円、こういうように見ておられる。その六百十四億円の事業費の負担割合はどうかというと、国が二百三十億、三七・五%、それから地方団体が百六十二億、二六・四%、公団が二百二十一億、三六%、こういうことだと。そしていまおっしゃるように、自治体の負担分は建設後十一年目から公団に償還をすると。こうしますと、十一年目以後どれだけ自治体が償還をするかといえば、元利二・五倍ということで計算をして約二十億円になるのですね、年間。こういう話でございます。ところが、ここでその千ヘクタール開発をしたときに人口が十二万前後ふえるわけですね。しかし、その税収を見込んでみましても、
  〔委員長代理沢田政治君退席、委員長着席〕
これは莫大な財政負担、年間約二十億というのは。しかも、それにプラス、先ほども出ていましたが、超過負担が出てきます。だから、建設省試算の年間約二十億をはるかに上回る負担を自治体はしなきゃならぬということになります。こういう問題についての財源措置について国は、建設省はどういうように考えておられるのか、あるいは交付税措置と起債措置なんかを当然講じなきゃならぬと思うんですが、その場合、現在の人口急増市町村に対して、学校の建設及び用地取得の際に限って元利の四〇%の交付税算入をやっておりますね。だから、これをさらにその他の公共施設にも拡大をしていくと、そうして財政負担を軽減をする、そういう措置まで検討されているのかどうか、あるいはそういう用意があるのかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。
#174
○政府委員(大塩洋一郎君) いま御指摘の点は、大都市圏における人口急増地域における最も基本的な財政問題でございますので、とりあえず大型のこのような事業につきましては、いま申しましたような措置をとりましたけれども、先ほど申しましたように、その実施の状況を見ながら、自治省あるいは大蔵省その他関係省庁とともに、いまおっしゃいましたような人口急増地域における諸制度の強化拡充を図ってまいりたい。それをどのようにするかということについては、お互いにそういう関係省庁の連絡会議を持っていますから、それによって相諮りながら検討を進めてまいりたいと思うのでございます。
 なお、いま先生が御指摘になりました、十一年目からの支払いについて若干申し上げますと、まあ一つのモデル計算でございますけれども、十一年目から二十一年目まではだんだんこう上がっていって、二十一年目から三十年目までは一定になって、それから下がっていくというようなかっこうにモデルとしてはなっております。したがって、人口の定着の非常に薄い十一年目から二十年目までは最初は一億四千万程度から、十五年目で八億七千万程度、それから最盛期に十四億程度、毎年、それから下がっていくと、こういったモデルの、モデルではありますが、大体そういう傾向になっております。
#175
○神谷信之助君 それは千ヘクタールね。
#176
○政府委員(大塩洋一郎君) 千ヘクタールの場合の試算でございます。
#177
○神谷信之助君 建設省を呼んで聞いたら、先ほど二十億という話ですかね。大分話が違うんですが、いずれにしてもそれだけじゃなしにいろんな負担がかかってくるんですね。たとえば市街化区域内の未開発地域、これを開発地点に設定した場合、それからあるいは市街化区域とそれから調整区域とを境界線にまたがって開発をする場合と、いずれにしてもそういう場合開発地域の周辺が開発が許可されますと、市街化区域になるわけですから当然その地域一帯に波及効果が生まれてきます。民間なんかによる周辺開発が進むというようになってくるんですが、その場合関連公共施設の整備が当然宅開公団がやる地域以外に必要になってくるわけですね。こういった場合、自治体がこれらのいわゆる宅開公団の開発区域以外の財政負担をやらなきゃならぬ。それで新たな財政負担を負わなきゃならぬという状況起きますがね、そういう開発に対して公団の立てかえ施行制度あるいは十年無利子据え置きによって財政負担の軽減がある程度図られるけれども、周辺の開発ですね、これに対してはそれへの追加的な公共施設の整備というのは、公団の方で立てかえ施行する、そういう対象になるのかどうか、これならないわけでしょう。
#178
○政府委員(大塩洋一郎君) 場所によっても違いますが、この公団がやりますような場所におきましては、周辺はおおむね原野であったり、市街化されていないところが大部分でございますから、当然その周辺には調整地域等を適当に残してその波及が余り急激に周辺に波及しないようにそういった計画的な抑制のもとに行われることがむしろ望ましいというふうに考えております。で、たとえば千里等において例があったわけでございますけれども、豊中でございますか、周辺の地域とたとえば幼稚園におきましても落差がつくと、この点を何とかしろというような問題につきましては、場所によって違いますけれども、あれは相当近いところでございますが、起こり得ることでございます。それにつきましては、一般的な財政上の助成の問題でありまして、この公団がそこまで関連公共公益施設ということで手を広げるということは、この公団の権限としてもまた適当ではないと思う次第でございます。
#179
○神谷信之助君 だからその分は自治体の方が責任を持たなきゃいかぬということになってきますわね。あるいは新都市基盤整備事業やあるいは区画整理方式で開発を行う場合、四〇%が地主の所有で残されると、そこに個人住宅とかアパートですね、こういったものがどんどんと建てられると、これは規制することができないわけです。そうすると、宅開公団の予定をした地域で規模なり人口なりに見合ってそうして公共施設を整備をしても、いわゆる四割の地域については、これはうんとふえるわけですから、どうなるかわからぬと、これについては一体どのように保障されるのか、この辺はひとつ明らかになっていないんじゃないかと思うんですがどうですか。
#180
○政府委員(大塩洋一郎君) 公団が区画整理によって施行いたします場合に、四割買収をいたしましてそれを集合換地する、その周辺も同時に同じような都市の水準にいたしますために、公共施設あるいは公益施設等の配置計画をつくって整備するわけでございますけれども、その公団のところだけは早く市街化するけれども、家が建つけれども、その周辺の方につきましては、一般の場合はおくれてなかなか、松戸の住宅公団がやりました区画整理の例でもなかなか建たないので、むしろ促進策が問題になるというような例があるぐらいでございます。だから、一挙に公団の市街地と一緒に周辺が市街化するということは一般にはないと思いますけれども、しかし、当初考えていたよりも人口のその集中があるいは集合住宅等がそこにうんと建って、そうして幼稚園が足りない、保育所が足りないというようなこともあるいは考えられるのでございますが、一番いいのはやはり区画整理が終わってから手当てするのでは、これは一般の市街地の場合と同様でございまして、どうにもその段階では処理できないので公団としても処理できない。したがって、あらかじめ健全な市街地とするためにその周辺の民地部分も健全な市街地でなければいけませんから、あらかじめそういった公共公益施設の必要量というものを測定いたしまして、できるだけ先行買収いたしまして、それを民地部分にもそれを私有地として確保して適正な配置をしておくということがこれは一番望ましい方向でありますけれども、当初の計画で予期したものすら十分、いま言いましたように、財政負担等があります上に予期しない余分なものを計画以上にそれを保有しておくということは言うべくしてなかなかむずかしい問題であろうかと思います。だから問題は、要は健全な市街地となるような水準を民地についても確保するということが、われわれとしては最大限そういう方向で努力いたしたいと考えております。
#181
○神谷信之助君 最後に大臣にお伺いしますが、いまも話がありましたように、その周辺あるいは残された民地、これらについてどういうように人口が集中するか、あるいはそれに応じて必要な公共関連施設をやらなきゃならぬかというような問題はなかなか計画どおりにはいかぬわけですね。ところが、宅開公団がやるところだけは特別のそういう三十年間の措置をするというような措置をなさるわけですが、これではやっぱり片手落ちだと私は思うのですね。周辺の波及、開発に伴う財政負担軽減のための財政措置を抜本的に私はやらにゃいかぬ。そのためにはわが党が言っております人口急増市町村に対して財政的な特別措置を行う立法化を同時に考えないと、これではその部分だけは少しめんどう見てもらえるけれども、そのほかはさっぱり進まない、そして格差が起こってくる。いろんなこれは自治体の長としても実際に公平な仕事をやらなきゃいかぬ、その責任からいっても不合理が生ずるわけです。したがって、そういう特別立法がどうしても緊急に必要だと思うのですが、この点についての見解を伺って私の質問を終わりたいと思うんです。
#182
○国務大臣(仮谷忠男君) お説はよくわかります。私どもはこの問題はやはり人口の急増地域にどうしても宅地開発をやらなきゃいかぬ状態になっておりますから、その意味において宅地開発そのものにも、その地域だけでもなかなか容易にできないという、これは大変な問題だと思います。だから、団地お断りという声も出てきておるわけでありますが、その地域にはそれなりにいろいろ国の援助や手当てをして何とか開発するとしても、それの周辺はそのままほっておくのかということは確かにそのとおりであります。私ども宅地開発問題、これは率直に言って手いっぱいでやっておりまして、それから周辺のものまでなかなかいま考えてどうこうするという御返答はできませんが、しかし、いずれにしても人口急増地域に対する何らかの対策、国の方策が必要であることはお説のとおりであります。立法化することがどうかという問題を含めまして、こういった問題は十分検討せなけりゃならぬ大きな課題であると思っております。
#183
○向井長年君 私は時間が短時間のようでございますから、要点を率直に質問いたしますのでお答えいただきたいと思います。
 まず建設大臣にお伺いいたしますが、この法律案は特にかつての前総理の田中総理の列島改造論の一環としてこういう問題が法案として今日出てきておるのではないかと、その前に橋本氏の一つの構想があったと思いますが、必ずしも私は列島改造論すべてがいかぬとは言っておりませんが、その一環のこの宅開公団という形で今日提出されているのじゃないかと、こう思いますが、この点いかがです。
#184
○国務大臣(仮谷忠男君) 列島改造論というのは、これは田中さんのいわゆる改造論、論文でありまして、私どもも現在でもいろいろこの宅開公団を進めていく上においてもいろいろ議論をいただいております。むしろそういうことをやって都市へ人口がさらに集中するんじゃないか、分散にならぬじゃないかということを逆に言われておる面もありまして、そういう大きな面から考えますと、大都市の都市集中を排除するという大きな政治的課題を持っていることは間違いない。そのためには過疎地域、地方分散をしながらいわゆる過密過疎の問題を解決する、日本全国の均衡ある発展を図っていくという意味の列島改造なら私は一つの政治の理想だと思っております。たまたまあの当時、田中さんがそういう論文を書いたそのことが経済成長の波に乗って、いろいろと批判をされておりますことは承知をいたしております。ただ、この法律がそういう時点からいろいろ議論されて、二年前に実は立法されたものでありますから、その立法の時点としてはいろいろそういうふうな議論もあったかと思うんでありますが、現実に私どもは継続審査でこの法律をお願いをいたしておるわけでありますが、それはそれとしてもやはり現在の住宅問題、宅地問題を解決していくためにはまずこの法律によって努力をしていく以外にこれといういまは決め手はないではないかという考え方のもとに、いろいろ議論はありますけれども、とにかくやらなきゃならぬという考え方のもとに御協力をいただいておるわけでありまして、いろいろ御検討いただき、議論をされた問題は十分私どもはそれを今後の条件とし、あるいは参考にしながら新しい目的達成のために努力をしなきゃならぬ、こういう考え方を持っております。
#185
○向井長年君 この法律案の趣旨は、一つには投機と乱開発の排除、こういうことをうたわれておりますね。そして第二番目には、勤労者の大量住宅の供給と、この二点が中心ではないかと思います、いろいろありましょうが。この趣旨そのものは私たちは必ずしもいけないとは言いません。しかしながら、現在その地点は何かといえばやはり調整区域、これが中心になっておる。いま、日本の農業を見たときに、食糧の自給率がどんどん減っておると、こういう中で少なくともいま住宅も必要であるし、食糧が必要である。こういうときに、今日までのあの日本列島改造論からくる地価の高騰、騰貴という問題、ここに農民は、いま申しました一つの農業耕作のために努力する熱意をやはりそういう中から失ってきておるということも言えると思います。そこで、私は少なくとも住宅も確保しなければならぬと同時に、農業の立場から言うならば少なくともいま市街化区域と調整区域の場合においてもしかるように、これは調整区域の場合は認可制になっておると思います。そこに一つの問題は、やはり農業は進めなけりゃならぬと、こういう立場があると思いますよ。こういう点について建設大臣も農林大臣もどう考えておられるか。ただ、この法律が出た、早く宅地造成をやらなけりゃならぬという形だけではなくて、農民の立場から考えた場合に、いま一生懸命に汗水たらして農業やっても効率が悪い、収入が少ない、それよりもこれを売ってしまう方が得であるというような感じを起こさすようないわゆる施策になっておるのではないかと、こういう感じがいたしますが、どうでしょう。
#186
○国務大臣(仮谷忠男君) 午前中からいろいろ議論されておりますように、その農振地域、農用地、特にこの宅開の仕事を進めていこうということになれば、大都市の周辺でありますから市街地よりもむしろ調整地域が重点になるということもお説のとおりであります。たまたま食糧問題がきわめて重大な時期にきておるし、農民の意欲をそれによって阻害してはならない、むしろさらに今後意欲を大いに旺盛にせなきゃいかぬときにおっしゃるような金にかえさえすればそれでいいというような形にすることはこれは厳に戒めなければならぬ問題であります。そういう意味で農振地域や農用地域というものはできる限り避ける、原則としてこれを避けて、そうしてその他の立地を選んで私どもは考えていかなきゃならぬと思っておりますが、それにしても最小限度やはり市街化地域はともかくとして調整地域の中にも食い込まなければならぬ事態が現実の問題としてできるかもしれないのであります。その場合に農民と農業とどう調整をするかということが私はこれも大きな一つの問題点であろうかと思うのであります。ただ、それかといっていまの状態で住宅を建てなきゃならぬ。そのための宅地も供給せなきゃならぬという切実な大都市の要望も先生御承知のとおりでありますから、これはまあ大きな観点に立って、住宅もほしいし、農地も確保せなきゃならぬというそういう問題をどこで一致点を見出すかという、これまた考えてみれば大きな政治的な一つの課題ではないかという感じもいたしておるのでありまして、私どもはできるだけ農民にしわ寄せをしないように、農地をつぶさないようにしながらできる限り宅地を供給して住宅も期待に沿うようにしたい、はなはだ虫のいい話かもしれませんけれども、もうそういう方向で努力をすると、最善の現実に即した努力をするというほかに道がないのではないかと、いまの場合。そういう考え方で努力をいたしてまいりたいと思っておるわけであります。――お答えになったかどうかわかりませんけれども。
#187
○向井長年君 大臣ね。ただ、現実の問題もそれですけれども、やはり農民に与える精神ですよ。ここに私は問題が一つあると思う。宅地どんどん高く売れる。だから農業やめてやろうではないかという精神の何が――政府としてですよ、これは、建設省だけではなくて――一貫してないではないか。もしそれが必要であるとするならば、市街化区域ならばこれはまずそういうかっこうにならざるを得ないかもしれない。調整区域を加えるということをここに言っておることについては私は問題が一つあるのではないかと、この点農林大臣どうですか。
#188
○政府委員(柴立芳文君) いま先生おっしゃるように大変問題があることは農林省としては考えているわけでありますけれども、建設大臣おっしゃいますように、まあ住宅問題の解決というのは重大な課題であるということも考えるわけであります。そこで、いわゆる市街化の調整区域の問題につきましては、農地法の運用を適切にいたしましてそしてこれを適切な調整を図るようにいたしたいと、こういうふうなことと、いまおっしゃいましたように食糧問題を背景とした優良農地の確保ということは非常に重大な問題であることは申し上げるまでもありません。そこでまあ宅地開発公団は、人口及び産業の集中が著しい大都市の周辺地域において大規模な宅地の造成等を行うこととなっているようでありますが、都市計画法上市街化を抑制すべき地域とされている市街化調整区域におきましては、一般的に農業振興地域の指定を行い総合的に農業振興を図るための諸施策を講じていることであり、これらの地域において宅地開発公団の事業を行うことは適当ではございませんけれども、あらかじめ必要があれば農業用の土地利用との調整が十分行われなければいかぬと、こういうふうに農林省としては考えている次第でございます。
#189
○向井長年君 農林省はまあそういう調整という言葉を使うけど、実際はね、これは農民の精神は、先ほど言った効率化というかね、自分の利益というものを考えればそういうことを仕向けている結果なんです。だからここで一番この精神が投機と乱開発を排除するのだという精神を打ち上げながらですよ、これは言うなれば乱開発の方向を向いていると、調整区域については。こう言わざるを得ないと思う。この点はね、調整をすると言うが、農林省は農林省としての立場でね、いまの食糧自給から考えて、やはりこれは確保して、農民が意欲をもってやれる政策を打ち立てて、そういうものには他の地域、たとえば市街化区域は百二十万ヘクタールあるんでしょう、現在。その中にでも二十五万ぐらいの農地があるはずであるわけですよ。そういうところを中心にして考えてですね、調整区域というものはこのランクからできるだけ外すと、こういう立場をまずとらなければならぬということを私は主張いたしたいと思います。
 それと、続いて申し上げますが、このいま新しいこういう宅開公団をつくるというわけですけれども、大臣、いま日本住宅公団があるんでしょう、現在。機能は違うと言うかもしらぬけれども、建設省が所管する住宅公団という一つの公団があるわけです。しかもそこには宅地部もあるはずだ。こういうところの関係はどうなんです。ということは、大きな基盤を整備するんだとあんたたち言おうとするでしょう。もちろんそうでしょう。しかしながら住宅公団も目的は一緒だと思う。住宅の確保であるはず。ただ、住宅確保は住宅公団で建ててそれを貸すだけの問題ではない。宅地部があり、宅地供給もしょうとすればできるはず、開発もできるはず、この点についての関係はどう考えておられるのか、機能を。
#190
○国務大臣(仮谷忠男君) 具体的な問題は局長からお答えをさせますが、基本的に住宅公団でなぜやれないかという議論はずっともういままで議論されてきた野党の先生方の強い御意見でありました。私どもも、現在の住宅公団でむしろ強化をして、権限を強化すれば住宅公団強化してもいいんじゃないか、宅地部があるんだからしてそれ強化してやればいいじゃないかということも当然の理論としていろいろと検討をいたしてみました。また中には、もうそんならいっそ住宅公団の中で住宅部と宅地部とはっきり二つに分けてそれでやらしたらいいじゃないかと、そういう議論もあって、これも一理ある問題でありまして、いろいろ議論をいたしてみましたが、私どもは、住宅公団の仕事はこれは全国的な一つの視野でやっておる問題であります。いま特に私どもが重点的に宅地の大量供給を考えたいというのは、三大都市圏を中心にしてその周辺を考えていこう、こういうわけであります。これを重点的にやっていくということになりますと、住宅公団に、じゃあ三大都市圏だけを重点的に宅地だけをやらすということになりますと、これはいろいろと仕事をしていく上においていろいろ支障も生じてくるのではないか。現実に住宅公団は八十万近いもうすでに管理住宅をもっておりますし、この住宅そのものにも、二十年前につくった住宅そのものも再検討せなきゃならぬ。住宅公団は住宅建設にまず主力を置いていく。そのために、自分で建設するための自分の自家用地だけは開発してもいいけれども、その他に分譲するといったような住宅まで公団がつくるという、そういうことはこの際はむしろ廃止をしたらいいじゃないかという感じを持っておりますし、率直に言って、住宅公団も昨年、今年あたりいろいろ団地経営をやっておりますけれども、団地お断りという声も出てきましたり、いろいろ実は壁にぶつかっております。その一番大きな問題が宅地の造成の問題、それに関連した公共関連施設の地元公共団体の負担財源の問題、そういう問題にもうほとんど、何と申しますか没頭しておるというのが現実の状態でありまして、それでは本来の住宅の建設がおろそかになるんじゃないか、そういうふうに考えますと、自分の建設するいわゆる自家用だけは仕方ないけれども、住宅建設に重点を置いてこれから住宅公団はやらなきゃならぬ仕事が幾らでもあるはずであります。
 そういうふうに考えますと、大都市を中心にした三大都市圏だけは区切って思い切って宅開公団でひとつ宅地の大量供給をやることを考えたらいいのじゃないかということで、いろいろ相談した結果そういう方向に実は決定をいたしたわけであります。これは私はそれで最高だとは思っておりません。思っておりませんけれども、いろいろ考えた結果その方向がいいのじゃないかということで、これは前任者もそういう意味でこの法律をつくったんだと思いますから、昨年からの継続にもなっておりますことですし、御理解をいただいてひとつぜひそういう方向で進ましていただくようにお願いをいたしておると、かように思っておるわけであります。
#191
○向井長年君 宅開公団は土地の供給だけですか。
#192
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地開発公団は、宅地を大規模に良好な市街地の環境のもとに造成するということでございまして、上物は建てません。上物の住宅の建設はそれぞれの公営住宅あるいは公団住宅あるいは協会その他がございます。あるいは一般の個人、こういうものにそれぞれ譲渡するわけでございます。
#193
○向井長年君 そうすると、土地を造成してその土地を売るということであって、みずから建てないと、それは住宅公団なりその他がやる。そうすると、土地の卸売ですね、土地の卸売。個人にも小売もやるんでしょう。小売もやるんですよ。主眼はどっちですか。
#194
○政府委員(大塩洋一郎君) いわゆる住宅公団の造成いたします宅地は市街地をつくるということでございまして、その宅地を造成いたしますためにはいろんな関連公共公益施設を備えた市街地として造成いたします。それを譲渡する場合は、これはあらかじめ開発計画の段階におきまして、もうここは住宅公団にとか、ここは公営住宅にというふうな計画を立てておりますが、一般にわれわれが考えておりますのは、大体集合住宅のためのものと、それから個人分譲のためのものと両方あり得るというふうに考えておりまして、前者の割合は戸数でいえば六、後者の割合が四ぐらいかというふうなことを一つのモデルとして申し上げてきておるのでございますが、場所により、またその周辺の需要の実態によってその比率は変わり得るのでございます。
 いずれにしても、これが単調な町にならないで、そういうやはり社会構成あるいは住区構成よろしきを得て一つの生きた町として動き得るように、そして住宅難の実態に合うような供給がなされるように計画段階においてしっかりとそこは地元公共団体等と連絡をとりながらその計画をまとめたいと思っている次第でございます。
#195
○向井長年君 建設大臣、国の金で国が土地売買を、言うならば卸売をやる、そして小売もやる、この二つですね。そこで、そうなれば住宅公団は住宅を建てるだけである任務ですかこれもやはり宅地部というものがあって宅地の造成をやり、宅地を売ることもできるし、あるいは場合によればやはり基盤整備をやってそこへ建てなければならぬのでしょう。他の地を公団が買い受けてやるんでしょう。同じことじゃないですか、それ。
#196
○政府委員(大塩洋一郎君) この宅地開発公団の附則におきまして日本住宅公団の一部を改正いたしておりまして、三大都市圏を含む大都市地域におきましては、宅地開発公団が施行するような地域におきましては、日本住宅公団は、自己の住宅の用に供する土地に限定してその宅地をつくり上げる、そして自分が建てるというふうに目的を分け合って、分担関係を分け合っております。それ以外の土地につきまして日本住宅公団は義務を持っております。その他の住宅難の著しい地域につきまして、日本の、たとえば北九州であるとか札幌であるとか仙台であるとか、そういったところまで住宅公団はその責任を持っております。そういうところにおきましては宅地分譲も行うわけでございます。
#197
○向井長年君 行管おりますか。――大体、これはだれがどう言おうと金は国の金を出すんだということ、そして人も国がつくるんだということ、そしてこれは国民、勤労者の住宅だと。これは住宅公団がやろうと宅開公団がやろうと全く同じことだ、性格は。したがって私は、住宅公団が不備であるならば、いまつくろうとする公団に吸収されて住宅一本に引き受けてやっていいのではないか。あるいは住宅公団がやれるならばそこの部局を大きくして技術者も入れて、そして効率的に簡素化をしてやるべきではないか。にもかかわらずこれを屋上屋――同じ住宅目的のために、乱開発排除目的のためにつくる公団が、この分野まではこれだ、この分野まではこうだというような分け方をしておるということは、これは役所の仕事であってかえって国民から見れば迷惑ですよ。これに対する経費もたくさん要るんですから、その点やはり行管がもっとこれははっきりする必要あるんじゃないか、私はこういう感じがいたしますが、どうなんですか。
#198
○政府委員(阿部喜元君) 向井先生も御承知のように、大都市、特に三大都市圏における住宅事情というものは非常に困難であるということはもう私が申し上げるまでもないと思います。一例を挙げますと、東京都において一部屋住まいは、二二・二%の人が一部屋住まいでございます。そういうような実例から見ましても、一般の勤労者が本当に住宅に夢と希望が持てない、こういう実情は申し上げるまでもなくよく御存じと思いますが、そういう一般勤労者の夢をかなえるために、やはりこれはどうしても住宅公団にない、何といいますか、規模を大きくした、希望が満てるようなものでなくちゃならない。そういうようなことで、御存じのとおり、これはやはり公共事業あるいは鉄道の問題等もかみ合わして新たな事業量が非常に膨大な問題でございますので、御指摘のような重複になるというような考え、これもある意味で考えられると思うのでございますが、そういう点も考慮いたしまして、わが役所でも特別に行政監理委員会にも諮問をいたしまして、四十八年だと思いますが、そういうことで考え、また国と地方公共団体が共同出資でひとつ運営をやってこの勤労者の夢と希望をかなえようと、こういう意味で認めたような次第でございます。
#199
○向井長年君 この勤労者の夢をかなえると言うが、どうですか。土地の価格は、たとえばこの公団が土地を取得し、整備をし、そしてその価格が少なくとも売る段になればどのくらいになるか知らぬけれども、そういう価格の設定がされるでしょう。買うために勤労者は、それはまあ公団から買うのか、どこから買うのか知りませんが、大変な資金が必要でしょう。土地を取得しても、合わせてそこへ建設資金というものがまたかかってきますね。建設資金がかかるとすれば、住宅金融公庫で金を借りなければならぬ。住宅金融公庫の金の現在の状態はどうですか。先般ももう一日でいっぱいになってしまってどうもできないということでしょう。こういう状態が続いている中で、実際に勤労者の夢をかなえると言うが、そんな簡単なもんじゃありませんよ、次官。金、どうするのだって。じゃあ国からもっと金を貸してあげるとか、私はそんなことよりも、たとえば本当に夢をかなえるとするならば、一つの機構の中で、住宅公団でも結構、あるいは宅開公団でも結構、これによって家を建ててやるのです。そうして建てて、勤労者はこれを買うわけだ。買うのに一遍に金がないから、まず第一に頭金だけ納めて、毎月のいわゆる家賃でそうして十年間、二十年間すれば持ち家になる、こういう形をつくっていけば夢はかなえられる。現状の中で夢はどうしてかなえられる、現実の問題として。そこらをあなたたちはどう考えているのだ。いまの働く人たちが、都市周辺で、遠い所から通っていろいろな不自由をしておるけれども、何とか自分のマイホームを持ちたいといって努力をされておるが、現実にそう簡単にいけない。その趣旨に従ってこの公団をつくっておるのだとあなたたちは言えると思う。なるほどそうだと思う、趣旨は。趣旨はそうであっても現実はそうはいかない。現実は月給のうちから毎月払っていく中で、何年間すれば自分の家になるという形をつくりあげてやるのが私は夢をかなえることだ、こういうことをやれますか、大臣、どうなんですか。
#200
○政府委員(大塩洋一郎君) われわれといたしましては、これがもちろん住宅公団あるいは公社等の集合住宅の用地にも大部分を割くわけでございますが、いま御質問の中心になっておりますのは一戸建て等の住宅を建てようとする人たちの夢、これをかなえさせるような価格になるかどうか、またそのような用意があるかということと解しまして申し上げますと、私どもはそれは結局支払いやすいような長期延べ払いみたいなそういう制度をフルに活用いたしまして、さらに現在でもやっておりますような宅地債券、住宅債券というようなものの欠点を補いながらイージーペイメントと申しますか、そういうようなことがなければ買いにくいのではないかというふうに考えております。
 そこでこの公団につきましては、現在日本住宅公団が行っておりますような、宅地債券なりあるいは住宅債券をこの公団にも適用すると同時に、これの支払いを、もっと支払いやすいように改善する用意がございます。そうしてこれをまあ財形貯蓄等との組み合わせも考慮いたしたい、かような考え方でその土地を取得いたしましたならば二年以内に住宅を建て得るものとして、住宅と土地と両方でわれわれの推定によれば大体千三百八十万円ぐらいかかると思いますけれども、これが支払い可能となるような計算をいたしておりまして、今後ともこういった支払い方の改善につきましては検討いたしまして努力いたしたいと思っております。
#201
○向井長年君 土地を買って二年以内にその住宅を建てられると言うが、実際そんなもの建てられますか。そんな金ありますか。それだけの金貸しますか。ここなんですよ、問題は。だから、ただ形だけをつくっても、現実の問題として、いま勤労者が家を持とうとしてもそれだけの金がない。したがって、やはり銀行で借りるか、労金で借りるか、あるいはまた金融公庫で借りるか、各所で借りなければならぬことになりますよ。したがって、そういう金は、建てようとしても二年間に建てられるかどうかという問題が一つ残ると思う。こういう問題もあわせて今後の中で検討が必要だと思います。
 時間がございませんから、最後にこれ、地方自治はこれに対しては相当私は自治権の侵害になるんじゃないかという心配があるわけですよ。現にこういう問題に対しては反対しておるところもあると思います。というのは、各県においても、これ土地開発公社とかいろんなものをつくっておるでしょう。こういうところとの関係はどういうかっこうで調整しておるわけですか。
#202
○政府委員(大塩洋一郎君) 地方にもそれぞれ公社があり、また公営住宅を建てるために各公共団体が困っております。その用地を確保するためにも、こういったスプロールを周辺部において計画的に食いとめて新しい市街地の中にそれを用意するということは、その一つの大きな解決にもなるし、促進にもなる。財政的な措置が問題でございますが、それについてもこの公団は、地方公共団体と緊密な連絡のもとにその計画を進めようとして、その公団法の中におきましても、公団の実施計画をつくります場合にはあらかじめ地方公共団体とよく協議しなければならないという規定を置きましたり、あるいはその他、別に出しております大都市圏の宅地開発の供給の促進に関する法案の中におきましても「宅地開発協議会」という協議会をつくることにいたしておりますが、こういった諸種の協議の手続規定を置き、さらに都市計画事業でございますから、これを進めていく前には、前提といたしましてその協議を十分するような、そういう手続を経てまいるようになっております。
#203
○向井長年君 もう最後に、時間ございませんからやめますが、大臣、これは先ほどぼくが冒頭に言いましたように、ただ、いま申しましたような趣旨においては必ずしも反対しませんけれども、しかし問題はたくさん残していますよ。たとえば最近の行管の方でも、いろいろとこういう公団とか事業団はできるだけなくしていくんだと言いながらこういうものを拡大していく、そしてその事業については高級官僚の言うならば職場をつくっていくというような状態が現にあらわれてきている。こういう問題を十分やはり審査をしてやらなければならぬのではないか、こういうことを私は進言しておきましてこの質問を終わります。
#204
○委員長(中村波男君) ほかに御発言もなければ、本連合審査会はこれをもって終了いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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