くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 建設委員会 第5号
昭和五十年三月十八日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小野  明君
    理 事
                上田  稔君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                遠藤  要君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                中村 波男君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                春日 正一君
                三治 重信君
   国務大臣
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        粟屋 敏信君
       国土庁長官官房
       会計課長     重元 良夫君
       国土庁計画・調
       整局長      下河辺 淳君
       国土庁土地局長  河野 正三君
       国土庁水資源局
       長        宮崎  明君
       国土庁地方振興
       局長       近藤 隆之君
       建設政務次官   中村 弘海君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設大臣官房会
       計課長      丸山 良仁君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  増岡 康治君
       建設省道路局長  井上  孝君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       環境庁自然保護
       局企画調整課長  新谷 鐵郎君
       大蔵省主計局主
       計官       西垣  昭君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      宮本 保孝君
       林野庁指導部長  藍原 義邦君
       自治大臣官房地
       域政策課長    久世 公堯君
       自治省財政局調
       整室長      高田 信也君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政及び国土行政の基本施策並びに建設
 省及び国土庁関係予算に関する件)
○下水道事業センター法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小野明君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、本案の趣旨説明を聴取いたします。金丸国土庁長官
#3
○国務大臣(金丸信君) ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 奄美群島につきましては、昭和四十九年六月に新たに策定された奄美群島振興開発計画に基づき、各種の事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、その基盤整備と地域の特性に即した産業の振興を図っているところであります。
 昨年十一月、一般国道の路線を指定する政令の一部改正により、奄美群島内にも一般国道の路線が指定されることとなりましたが、群島内の道路整備の推進を図るためには、奄美群島振興開発計画に基づく事業のうち一般国道の新設、改築または修繕に要する経費についても国の負担の割合の特例を定める必要があります。
 以上が、本法律案を提案した理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 現在の奄美群島振興開発特別措置法におきましては、国の負担または補助の割合の特例の対象となる道路は、県道及び市町村道に限られておりますが、これを、道路法第二条第一項に規定する道路に範囲を拡大し、一般国道の新設、改築または修繕に要する経費に対する国の負担の割合についても十分の九以内とすることとしております。
 なお、この法律は、本年四月一日から施行することとしております。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#4
○委員長(小野明君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(小野明君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、建設行政及び国土行政の基本施策並びに建設省及び国土庁関係予算について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中村波男君 私は、本日は国土利用計画法を中心にいたしまして、それに関係する問題について質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、国土庁にお尋ねをいたすのでありますが、去る二月の三日に発表されました地価動向によりますれば、五十年一月一日現在において、前年同月比で住宅地は東京都で一一・七%、全国平均で九・四%の値下がりをしたとありましたが、この地価動向調査の要領を簡単に説明願いたいと思います。
#7
○政府委員(河野正三君) 本年一月一日現在で全国約一万五千地点にわたりまして地価調査を行いまして、その結果を大体いまのところは五月一日、官報で発表する予定にいたしております。その中で、全国の県庁所在地にございます主要標準地、地価公示で対象といたしております一万五千地点の中の特に主要な代表的な標準地を約三百八十強選びまして、一月一日現在における地価水準を速報で発表いたしましたのが二月三日のいま先生おっしゃった地価の動向でございます。実は国土庁設立以来、七月一日、十月一日、今回の一月一日と、三カ月ごとに三百八十数地点の代表地の地価動向を調査をいたしておりまして、その一環という形で、今回の地価公示対象地域一万五千地点の中のその三百八十数地点についての地価動向を発表さしていただいたようなわけでございます。
#8
○中村波男君 まず最初に、国土庁所管の金丸さんに御質問いたしたいと思うんでありますが、私が見聞するところによりましても、不動産売買というものは沈滞をしておる、土地のバーゲンを実施する業者さえも出てきておる。この調子で地価の鎮静化がどんどん進むのであろうかどうか、これが国民の大きな関心と期待を寄せておるところであろうと思うのであります。
 そこで、長官に具体的にお尋ねをいたしたいのでありますが、一月一日現在の地価公示価格がいわゆる初めて前年を下回ったのでありますが、下回ったという主なるまず原因をどう分析をしていらっしゃるか。それから第二は、土地の価格というのはどのように今後動くと見ていらっしゃるのか。この二点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(金丸信君) お答えいたします。
 土地の現在鎮静いたしておりますのは、総需要抑制というような中で、金融引き締め、税制の改善、それに議員立法していただきました国土利用計画法というのが昨年十二月末期に施行されたわけでございますが、そういうことにより私は鎮静したと思うわけでございますが、しかし、根強い反発の空気もないわけでないという私は心配をいたしておるわけでございますが、ことに土地の騰貴という問題が出てくるということになりますと、高騰という問題が出てくると、国土庁存立の問題にもかかわると私は非常に憂慮いたしておりまして、そういう関係で、この点につきましては地方公共団体、いわゆる都道府県等と十分な連絡をとりつつこの問題の精密な調査もし、指導もし、そして大体土地の値上がりするという状況は大消費地あるいはその周辺、こういうようなところをにらんで、十分ないま各都道府県と連絡をとりながら調査、監視をいたしておるわけでございます。そういうような中で、今後値上がりするという場合はどうするんだと、そういうことにつきましてはこの国土利用計画法の運営を適確にやるべきだ。いろいろ適確にやるためにはこの法律の中に少し盲点があるんじゃないかというような問題点もあるわけでございますが、しかし、適確にこれをまず運用していくということが最大の私はポイントでなければならぬというように考えておる次第であります。
#10
○中村波男君 そこで、この国土法とは直接関係はないわけでありますが、国の補助事業、直轄事業の用地は地方自治体が先行取得をする、こういう制度が発足をいたしまして、各県等には土地開発公社等が創立をせられて相当先行投資を行い、今日運用が行われておるわけであります。そこで、最近建設省としてこの先行取得方式をやめたいと、こういう意向が強く出てきておりまして、地建等を通じて各都道府県あるいは開発公社等にそのような意向が伝えられておるということを聞くのでありますが、建設省として先行取得について今後の方針が変わったのかどうか、この機会にひとつお尋ねをしておきたいと、こう思うわけでございます。
#11
○政府委員(大塩洋一郎君) 先行取得制度につきまして、これを廃止したい、あるいはやめたいというような方針を現在とっていることはございません。ただ、ただいま国土庁長官からもございましたように、地価の鎮静化に伴いまして、先行取得制度の一つの意味である、土地の値上がりに先行いたしまして国費の有効な利用を図るということにつきましては慎重に対処すべき時期に来たというふうな感覚を持って指導しておるという状態でございまして、制度をやめたいということを考えておるわけではございません。
#12
○中村波男君 やめたいという意向は固めたわけじゃないというお話でありますが、しかし、出先では相当慎重に取り扱っておるし、場合によってはもう用地の取得については建設省みずからがこれから行うんだというような、こういう意向が伝えられておりまして、そこで私の知る範囲でも、かなり動揺といいますか、混乱が起きる状況にあるということを知っておるわけであります。
 そこで、その問題についてさらに御質問を申し上げます前に、まず建設省関係の国の補助事業、直轄事業で、各都道府県、市町村も含めて、それらの数字がわかればありがたいわけでありますが、どれぐらいいま先行取得した用地の、金額的に持っておるか、こういうのをまず御報告いただきたいと思うわけです。
#13
○政府委員(大塩洋一郎君) 建設省の所管分の公共事業関係における先行いたしております土地の保有量は、まず直轄で申し上げますと、直轄工事でございますと二千百十八ヘクタールと、金額で申しまして約一千七百二十八億円でございまして、補助事業――これは都市計画事業等でございますか――の場合におきましては、四十八年度末で先行して持っております保有量が二千四百八十六ヘクタール、金額で二千三百五十六億円となっておりまして、したがって、直轄補助合わせまして現在の保有量の合計は四千六百四ヘクタール、約四千六百ヘクタールぐらいでございます。金額といたしまして四千八十四億円ということになっております。
#14
○中村波男君 それはまあ四十八年末でありますから、四十九年度は的確な数字がなければ推定でもやむを得ぬと思いますが、どれくらいあると見ていらっしゃいますか。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
#15
○政府委員(大塩洋一郎君) 九年度につきましては、現在調査がありませんので、現在正確な数字を申し上げることはできません。したがって、八年度末の数字で御勘弁願いたいと思います。
#16
○中村波男君 いや、的確な数字は持っていらっしゃらぬということでありますから、それをお尋ねしたわけではないのでありますが、しかし、直轄事業、補助事業の総額というのは、建設省はわかっておらなければならぬわけでありますし、それから事前確認を申請して、それによって買い入れておるのでありますから、大体の推定額というのは掌握していらして当然じゃないかという感じがしますが、全然わかりませんか。
#17
○政府委員(大塩洋一郎君) ただいま申し上げましたように、四十八年度末におけるいままでのすべての総量をただいま申し上げた次第でございます。四十九年度分に取得した面積につきましては調査がまだ未了でございます。これはもう間もなくわかりますけれども、しばらく時間をかけませんと現在のところ正確につかめません。
#18
○中村波男君 いや、正確な数字を求めておるわけじゃないんですが、推定額がわからないかということを聞いているんですが、それがわからぬというとおかしいじゃないですか。
#19
○政府委員(大塩洋一郎君) 正確な数字ではございませんけれども、見込みで申し上げるならば、取得の量といたしましては、四十九年度の先行の確認をいたしましたものの量は、四十九年度分で五千百六十六億円でございます。
#20
○中村波男君 続きまして、これのいわゆる取り扱いについて具体的にお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、都道府県等が先行取得をいたしました用地を今度は建設省が買い上げる場合は、要綱によりますと、いわゆる時価主義がとられておる。時価主義がとられておるということは、従来のように毎年毎年土地が値上がりをすると、まあ極端な値上がりの例を挙げれば四十七年、四十八年ともに三〇%以上値上がりをしたと、そういうときにはいわゆる時価主義でも損をするというようなことはなかったわけでありますが、まだそこまで考えるのは思い過ごしだと言えばそれまででありますが、とにかくいま現在は土地というのは鎮静化しつつある、これが今後続くのかどうか。ほとんどの学者、評論家、また私もそう思うのでありますが、これは一時的な総需要抑制あるいは金融引き締め等によっていま鎮静化しておるのであって、これが総需要抑制が緩和され景気刺激政策がとられるようになればまた地価というのはぶり返すと、この危険は多分にはらんでおるというふうに見るわけであります。長官もそういう点を大変いま心配をしておるという御答弁でございました。
 さて、そういうことになれば問題はありませんけれども、しかし、建設省は鎮静化したというこの現実の上に立って、相当用地の先行取得については慎重に検討をし直す段階だという、こういう方針だと私は見ておるわけです。そのことは、下がるかもわからないということに大きな原因があるのじゃないだろうか、こう考えるわけです。したがいまして、少なくとも制度として先行取得というものも始めたのでありますから、したがって、現在までに取得した用地について買い上げるときには、それは時価主義でなくて原価主義、すなわち用地を買った価格、それに要した利息、それに要した諸掛かり、いわゆる事務費等々を加えて、少なくとも地方公共団体や開発公社が損をしないような、そういうことを約束されるべきではないか、こう思うのでありますが、そういう点で、今後の運用についてどうされるかということをこの機会に聞いておきたい、こう思うわけです。
#21
○政府委員(大塩洋一郎君) お説のとおり、現在地方公共団体等におきましてはその点を非常に憂慮いたしております。しかし、現実にはまだそういう事態が発生しているところがございません。将来このような事態が生ずるときにはどうするかということで、私のところにも府県等からそういう要望あるいはそういう照会が参っております。で、現在のところではまだそういう事態は発生しておりませんけれども、この先行取得制度につきましては、いま先生おっしゃいましたように、現在は再取得価格の範囲内において、それに事務費あるいは経費等を加えた額をもって計算することをルールとしておりますけれども、このやり方が地価が下がるというような事態になりますと、いま申しましたような保有量を抱えております地方公共団体の財政問題になりますので、このような事態にいましばらく様子を見ました上で、関係行政機関とも十分相談いたしまして、検討につきまして慎重に検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
#22
○中村波男君 私は、先行取得制度に検討を加えて、今後いわゆる混乱の起きないような方策というのを指示されることについては、これは当然情勢が変わった場合にはやむを得ぬと思うんですよ。しかし、建設大臣からはっきりとお答えいただきたいと思うんでありますが、いままではいわゆる時価主義で買い上げてきた、何も矛盾はなかったわけですね。もし下がったときにはこれは大変な赤字を引き起こすということだってあり得るわけですね。
 たとえば岐阜県の例で言いますと、全部建設省所管のものだけではありませんけれども、五十年度の見込みまで入れますと、県の開発公社が持っておる先行用地は二百八十八億あるわけですね。一割下がれば二十八億という土地代だけで穴があくという、こういう結果になるわけですね。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
そういうことから建設省が先行取得を打ち切るんじゃないか、それから時価主義を変えない限りは大変な赤字を背負うんじゃないか、こういう不安が出ておりまして、これが県議会でも問題になり、県も建設省あるいは大蔵省、自治省に対してそのようなことのならないように強く要請をしていくという答弁をしておるわけでありますが、これについて少なくとも買い入れ分については地方自治体、公共団体には損をかけない、これをはっきりひとつされるべきではないか、また大蔵省と早急に話を詰めていただきたい、こう思うわけであります。
#23
○国務大臣(仮谷忠男君) 最初に、先行投資自体を建設省は少し方向を変えるのではないか、見直すのではないかという御質問があったのですが、私どもはそこまで態度をはっきりしておりませんけれども、先行投資というのは、ほっておけば土地がどんどん値上がりする、やはり先へ買って、そうして土地を確保していくことが公共事業を推進するために必要だというところから先行取得というものの趣旨が生きてくるわけで、逆に地価が鎮静してだんだん下がっていくなら無理に先買いする必要ないわけなんです。そこに問題があるわけで、いま地価がだんだん鎮静をしてきて、しかも場合によったら先細りするかもしれないという状態の中で、これから従来どおり先行取得をどんどん続けていくということはこれは考えていきません。これは先行取得自体の制度をやめるわけじゃありませんけれども、事態に即応して、よく事態を見きわめて、その時期に適応するような処置を考えていかなければならぬ、そういうことを考えております。これは地方団体にもそういうことを申しておるわけであります。ただ、現在までに取得をしたものが値下がりをしたために、いわゆる時価主義でとった場合には地方団体が大変損をするというものは、これはほっておくわけにはいかないのですよ。これは大蔵省とも話し合いの上で次官通達をやったわけでありますから、私は建設省の分に対しては値下がりの分に対して地方団体に迷惑をかけてはならない、責任を負わなければならぬ、そう思っております。しかし、いまのところそういうまだ事態はできておりません。おりませんけれども、そういう事態があるとすれば十分検討しなければならぬ時期に来ておる、あわせて先行投資をいままでのようにどんどん進めていくわけにはいきませんから、しばらく時期を見て適当に処置を考えていかなければならぬ、そういうふうに考えております。
#24
○中村波男君 いまやや明快な大臣から御答弁をいただいたのであります。したがって、私の理解としては、建設省の責任において地方公共団体等々に損をかけるようなことはやらない、こういう御答弁であったというふうに確認を申し上げたいと思います。
 そこで、いま大臣のおっしゃった中に少し私は意見を異にするのでありますが、先行投資についてですよ、四十三年の五月二十一日付でありますか、先行投資について建設省の次官通達が出ておるわけでありますが、それによりますと、先行取得の取り扱いとして、一番に、「地価が著しく高騰し、又は移転を要する物件が多数建設されることが予想されるため、数年後に取得することが著しく不利又は困難と認められる土地」、二番目は、「公共の利害に特に重大な関係があり、かつ、緊急に施行することを要する事業の完成を確保するため、あらかじめ取得しておくことが必要と認められる土地」「用地交渉を円滑に行なうため、一括して取得することが要請される特別の事情があると認められる土地」、こういうことが並べられておるわけですね。したがって、私は、先行取得というのは用地が高騰するから安いうちに買っておけばよいという、それだけが目的で発足したのでもないし、いま私が挙げた、地価が著しく高騰するというのを除外した場合には、地価が鎮静いたしましても先行取得をやることにおいていろいろなメリットというものはあると思うんです。そういう点から、ただ、高くなるから先行取得を発足させて、高くなるのがとまったからやめるという、そういう朝令暮改的な取り扱いではいけないんじゃないか、こう考えるのでありますが、いかがですか。
#25
○国務大臣(仮谷忠男君) お説のとおりです。私が少し言葉が足らなかったけれども、大体前段の方がいままでは主として考えられておったわけで、やはり土地を一括購入することによって公共事業をスムーズにやる場合は、これは当然その取得の方法は考えなければなりません。現実に取得を始めましても、一定の区切りをつけて、じゃここまでやってあとはやらないというわけにはいかない、一括して全部やらなければ取得のできない性質のものもあるわけでありますから、推進するために必要とすれば当然それはやらなければならない。いまの後段の理論は当然でありまして、それは今後も生かしていかなければならぬ、かように存じております。少し言葉が足しませんでした。
#26
○中村波男君 次に、これに関連して自治省にお尋ねいたしたいと思うわけでありますが、先般新聞等によりますと、自治省は、地方の土地開発公社が本年度中に確保しなければならない土地取得資金のうち、都道府県人口急増地域の公社分だけで千六百億円がまだ調達できないことがわかった、したがって、これらの資金確保について大蔵省、日銀等に対して資金手当てについて要請をした、こういう新聞報道があったわけでありますがこの具体的な内容についてこの機会に御報告を受けたい。
#27
○説明員(高田信也君) 御質問のございました、千六百億円の学校用地等の資金確保について資金手当ての要請をしたというお話でございますが、これにつきましては、先般特に学校用地等について必要欠くべからざるものにつきまして、資金手当てを大蔵省並びに日銀当局に要請をしたところでありますが、実はこの問題は官房の方で扱っておりまして、私ども直接担当しておりませんので詳細お答えできません。
#28
○中村波男君 これ、きのうこのような質問を申し上げるということを政府委員室の方を通じて連絡申し上げてあったと思うのでありますが、お答えできない方に御出席をいただきましても、これ以上質問ができないわけでありますので、できたら早急にひとつお答えのできる方と御交代をいただくようにお願いをしたいと思います。
#29
○委員長(小野明君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#30
○委員長(小野明君) 速記を起こして。
#31
○中村波男君 そこで、国土利用計画法の問題点について若干ただしてみたいというふうに思うわけでありますが、この法律は、端的に申し上げれば供給量をふやすということはそもそもねらっていないと思うんですね。宅地等の供給量をふやすということはこの法律ではねらわれていない。したがって、この法律によって供給量拡大ということは望むべくもなくて、この法律の中心的なねらいというのは適正な取引資料をつくることにあると考えるのでありますが、したがって、この法律が供給量に今後どう響くかといいますと、マイナスに響くことはあってもプラスに響くことは決してないのではないか。ゆえに、土地の供給量をふやす強力な対策というのは別途講ずる必要があるんじゃないか。強力な手法をもって土地の値上がりを抑制するばかりでなく、供給をふやすという、こういう対策が私は必要だというふうに思うわけであります。この点について両大臣からひとつまず所見をお聞かせいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(金丸信君) 国土利用計画法というものを適確に運用してまいりますと、いま先生のようなお考え方になろうと私は思うわけであります。私自体も、これを余りに強くやって、たとえば規制地域を指定して網をかけて凍結するというような問題が出てくれば、宅地の供給あるいは宅地造成の意欲というものを減退していくということを考えなくちゃならない。そういう意味で非常にその辺が微妙であると思うのですが、慎重に調和のとれた運営をしていかなくちゃならぬという私は考えを持っておるわけであります。
#33
○国務大臣(仮谷忠男君) 国土庁長官からもお話がありましたように、国土利用計画は土地の有効な利用の計画であります。そして私どもは地価を鎮静さすためには大変役に立つと思っておりますし、またそうなってもらわなきゃならぬと思っておりますから、むしろ鎮静したその時点において、われわれ宅地政策をわれわれの立場から積極的に進めていかなきゃならぬ、かように存じております。
#34
○中村波男君 先刻から両大臣の答弁を聞きましても、引き続いて土地が鎮静化すると、どんどんと下がっていくと、そういう確信のある見通しというのはお聞かせいただけないし、そういう確信はお持ちになっておらないと私は見ておるわけであります。したがって、土地対策というのが従来のままで、ただ国土利用計画法に大きな期待をかけましても、ただいま指摘をいたしましたように私は期待倒れに終わるのじゃないか。そこで、今後景気が幾分でも上向けば地価は再びかなりの速さで上昇し始めることは間違いないのじゃないか。そうなれば、幾ら不公正是正を唱えても、福祉社会の実現を唱えても絵にかいたもちになってしまう。住宅問題だけをとってみましても、いまのばか高い地価では一般の勤労者にはマイホームは高ねの花となってしまうのじゃないか。したがいまして、いま必要なのは地価を大幅に引き下げるという完全な鎮静をさせることであると私は思うわけであります。従来の型の対策に依存しておる限りにおいては成功する可能性というのはきわめて薄いのじゃないか。そういう意味で、この国土利用計画法というのはせいぜい地価の今後の高騰、特に局地的高騰を防ぐ役割りはあるかもしれませんけれども期待ができない。そういうことについて、いま私が質問いたしましたように、別途地価を引き下げるという強力な対策、対応策というのを考えられなければならぬと思いますが、それについて具体的な御答弁がないわけでありますが、ほかには強力な対策というのはお持ちになっておらぬと、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#35
○政府委員(河野正三君) 先生大変鋭くおつきいただいておりますが、元来、先ほどの御質問、まだお答えしていない点があるわけでございますが、土地の価格がなぜ上がるかという点でございます。これは本来から他の商品と同じように需要供給で商品の価格というのは決まるわけでございますが、土地に関しましては非常に投機的な投資対象になりやすい。まあ、はやりすたりもなければ、盗まれることもなければ管理費用もかからない、土地は動かないというような特性がございまして非常に投機的な投資の対象になりやすい。そこで、通常の商品の価格形成とやや異にする点がございまして、この需要供給で決まるべき市場価格に対しまして、投機的な投資というものが非常に悪い働きをすると申しますか、地価高騰に拍車をかけると申しますか、そういう点があったわけでございます。その点に着眼をいたしまして、昨年の国会で四党の諸先生御心配になりまして、その理由が一つとなりまして国土利用計画法が策定された、こういうふうに私ども理解をいたしております。したがいまして、国土利用計画法の適確な運営、これ長官も言っておられますが、適確な運営を努めてまいりますというと、投機的な投資的な土地取得というものが排除されることに相当に役に立つ。そこで、今後におきましては庶民のマイホームの圧力というものも相当強いわけですから、実需要というものも強いということを念頭に置いておかなければならないかと思いますけれども、いわゆる企業等による買い占め買い進みというものがいままでよりはずっともう排除される。そこで、まあ今後長期的にながめますというと、両大臣の言われましたように、土地の価格というものはそういう実需要の強さが、根強さがあるから、どこまでもどんどん下がっていくということがなかなか言えない点がございます。しかしながら、景気が仮に回復をいたしましても、かつてのような企業の土地買い占めによる、あおられたような地価高騰という事態は再び起きないという感じがするわけでございます。もちろんこれは適確な運用というものを私どもが努力をした上での話でございますが、そういう構造になっていると思うわけでございます。
 そこで、問題は、今度この国土利用計画法によるいろんな規制関係と、今後の土地の供給の側面に対するその影響ということであろうかと思います。で、いま申し上げましたように、投機的な需要は土地取得段階でカットされますが、実際の需要というものが残っている以上は、ある程度供給を即応してやっていかないと、需給のバランス、実需要と実供給のバランスがとれないということは先生おっしゃるとおりでございます。しかし、この法律で非常に大きな働きをしている点があるということをわれわれ感ずるのでございます。それは何かと申しますと、いままでも民間宅地開発業者が約六、七割、公的機関が四割程度の宅地供給をやってまいりましたが、この中の民間の供給いたします供給価格というものは、やはり周辺の投機的投資等でつり上がりました地価に追随をいたしまして分譲価格を決めがちでございます。こういうことで供給促進を幾らいたしましても悪循環でございまして、民間の株式会社が土地を分譲する際に、原価で十万円でできたといたしましても、周辺の地価が投機的投資その他でもって十六万円に上がっているというような場合には十六万以上で売ろうという運動法則が働く、これは株式会社の一つの当然の倫理でございますが、そういうようなことで悪循環がいつまでも断ち切れないという点があるわけでございます。
 今回の国土利用計画法は、当面は一定規模以上の土地の分譲につきまして、届け出ないしは届け出にかわる事前確認制度で価格のチェックを厳重にいたしております。現に先回の委員会でも御報告を申し上げましたが、相当分譲価格面にこの制度の運営がいい方向で影響を与えているわけでございます。今後も供給の際に周辺地価に引きずられたような高い不当な価格による分譲というものを、今回の国土利用計画法の運用よろしきを得るならば押えていくことができる、適正な価格による分譲を進めていくことができる、そういう枠組みを今回の法律はつくったわけでございます。したがいまして、今後はこの枠組みを尊重しながら、この枠組みをりっぱに運用しながら供給の促進策というものが別途講ぜられていく必要がある、こういうことになるわけでございます。そこで、政府といたしましては、今後はそういう方向に政策の主眼を置かなきゃいかぬという考えを持っておりますが、幸せなことに、建設省におきましては、前国会以来、公的開発の促進ということのためにいろいろな施策を用意されておりますので、こういった施策ができる限り早く実施に入ることができるようにということを国土庁としても期待をいたしているところでございます。
#36
○中村波男君 私が言いたいのは、聞きたいのは、なるほど現在一〇%程度引き下がった。しかし、四十七年三〇%、四十八年三〇%、それが一〇%引き下がりましても、庶民がいわゆるマイホームをつくるための宅地を買うというような経済的余裕が出るわけじゃないわけですね。高過ぎるということですよ。したがって、この高過ぎるのをもっともっと引き下げるという積極的な対策というのは、この土地利用計画では期待することが無理ではないか、こういうふうに思うわけですね。これでさらにさらに引き下げることができるのだという、そういうことでありますならば、ひとつ具体的にこの利用計画法をどのように運用をして引き下げる手だてがあるのか。たとえて言うなら、いままでの実例から言いますと、公示価格というのは取引事例比較法と申しますか、言いかえますならば、鑑定士の経験的な勘に頼った鑑定方式がとられて、それがいわゆる地価公示法による公示価格として示されておる。これを基準にして今後規制をすると言いましても、これは実効が上がらないのじゃないか。
 したがって、私は後から聞きたいと思っておりましたが、今回幸いに不動産鑑定評価基準の中に収益還元法を取り入れると、こういう建議がなされまして、何かそれを活用しようという方針のようでありますが、そういうことも一つの方法ではありましょうけれども、それによって大きく期待をすることはできないのじゃないか。そういうふうにも私は考えて、そういう基本的な考えの上に立って、いま少し私の意見も申し上げてみたいというふうに思うわけであります。
 私は、いま申し上げましたように、とにかくいま国民が望んでおるのは、地価を大幅に引き下げて完全な鎮静をさせてもらいたい。したがって、そのためにどのような手があるか、これはいろいろあると思うのであります。そう簡単に、これをやれば下がるというような、そういう私は安易な道ではないということは十分承知をいたしております。
 そこで、時間もありませんから、時間も限られておりますから、この問題だけに質問を集中するわけにもまいりませんので、参考までに、朝日ジャーナルに評論家の飯田久一郎さんが提言をしておられる。私はこれも一つの考え方だと大いに賛成する部分があるわけであります。それをひとつ御紹介いたしまして、すでに局長なり大臣はお読みになっておるかもわかりませんけれども、具体的な問題を提起する中から所信をお伺いした方がより掘り下げた意見が聞かれるのではないかというふうに思いますので、重要な部分だけ申し上げてみたいというふうに思うわけであります。
 飯田さんは、土地の供給不足の原因が、いわゆる土地が最も有利な資産だという状態が続く限りは土地は下がらない、これを消滅させる方法を強力に実行に移す以外にないのじゃないか、したがって、その方策としては、固定資産税などの土地保有税の強化をしたらどうか。「土地の所有に対して経常的に賦課される保有税は、それを重くすれば、それだけ土地の資産としての有利さと魅力が減少し、その結果、土地を売ろうとする人は増え、土地を新しく持とうとする人は減るから」効果が出るんだと、まあこういうふうに言っておるわけであります。「しかし保有税のこの働きは、税を重くすることによってどれほどでも大きくすることができるため、もし政府が、基礎控除制度や累進税率制度などの採用によって小土地所有者や借地借家人を十分保護したうえ、その働きを十分に活用すれば、土地の需給を著しく緩和させ地価を大幅に引き下げることも可能だろう。」、こう述べておるわけですね。私は、昨年政府が行おうとしました宅地並み課税、農地の。こういう手法は、これは全く農業を市街化区域から締め出す以外の何ものでもないのであって、また零細な所有者をいわゆる宅地並み課税によって手離させようとするこういう手法というのは、これは私賛成できない。しかし、飯田さんは、いまの地価から言いまして、三千万とか五千万というものについては従来の固定資産税より重くするような方法は避けるべきだ、こういうことを具体的に述べておられるわけであります。
 そこで、次の問題として述べておられるのは、「地価の直接規制という第二の方法であり、国土利用計画法の意図しているのも、この方法による地価の抑制である。ではなぜこの方法に大きな効果が期待できるのだろうか。よくいわれるように、この方法が、上昇しようとする地価を無理におさえ込むためではない。最も有利な資産という現在の土地の性質を消滅させることによって、人々の土地に対する執着を弱め、土地の供給を増加し、需要を減少させることによって自然に地価を抑える働きを持っているからである。いうまでもなく、土地の所有によって得られる利益には、二種類ある。第一は土地を利用することによって得られる利益であり、第二は土地の値上がりによって得られる利益である。地価が正常な状態においては、両者のうち前者の利益の方がはるかに大きい。この場合は、地価を規制し、値上がり益の大きさを制限しても、土地所有の有利さにはほとんど影響せず、したがって、土地の需給にも変化はないだろう。ところが最近のわが国のように、土地の利用によって得られる利益に比べて地価が異常に高くなり、しかも値上がりの速度がきわめて大きい場合、事情は全く違ったものとなる。すなわち、きわめて利回りの低くなった土地所有の有利さは、もっぱら土地の値上がり益の大きさに依存するようになり、値上がりの幅を厳しく規制すれば、土地の持つ最良の資産としての特性は完全に消滅するからである。したがって、もし地価の規制によって値上がり幅が著しく小さくなり、しかもそういう規制が相当長期間にわたって堅持される可能性が大きいと考えられるようになれば、人々は土地について次のような行動をするようになるだろう。まず、土地を有効に利用していない所有者の中には、経常利益も値上がり益も小さい土地を持ち続けるよりは、それを売却して代金を預金するか、それで有価証券を買う、あるいは所有地を貸すか、また」――まあ長いですから要約して申し上げてみたいと思うんでありますが、そこで私は地価の直接規制という方法を考えなければならぬのじゃないかというふうに思うわけであります。
 それはいまおっしゃったように、最も有利な資産という現在の土地の性質を消滅させるということで、人々の土地に対する執着を弱める。これを徹底すれば土地の供給は増加して、現在行われている仮需要は減少すると思うのです。自然に地価は抑える働きを持つことになると思うのです。いまの地価は言うまでもなく土地利用価値を全く無視した高い水準にある。この土地の地価規制をねらった国土利用計画法を適正に活用すれば相当な効果が発揮できると期待してきたのでありますが、実際の運用を見てみますと、いろいろな私は欠陥が出てきているというふうに思うわけであります。したがって、これから国土利用計画法の問題点について二、三指摘をいたしてみたいというふうに思うわけであります。
 そこで、第一にお聞きしたいのは、地価が少なくとも年率一〇%程度今後も上昇するんじゃないかという前提で法律の運用が実際行われるのでないかと私は疑いを持っておるのでありますが、この点どうなんですか。
#37
○政府委員(河野正三君) 私ども地価の上昇率に関しましては、少なくとも国民所得の上昇率以下にしたい、でき得べくんば預金金利等を下回るようにしたいという気持ちで当たっております。なお、先生おっしゃいましたように、現在まあ一〇%ほど下がったが、所得との相対関係でもっともっと庶民が買いやすい土地価格にするということを目標にして土地政策を展開しなければいかぬということもわれわれの念頭に常にあることでございます。
 問題は、いまお尋ねの点をちょっと外れるかもしれませんが、その大幅な値下げと申しますか、国民所得との関連における土地価格の位置づけというものを下げるということのためには、先生おっしゃる権力的な構造、直接規制方式が必要じゃないか、こうおっしゃるわけなんですが、まあ方式としては、飯田先生もおっしゃっておられるように、その対症療法的な地価をカットするという、抑えるという、抑え込んでいくという方式、これがとかくまあ対症療法的な効果しか生まないという点もございまして、もっと根本的な根治方式を考えなければいかぬ。その根治方式を考えるには、やはり権力主義的な構造に余り頼り過ぎないように、やはり基本は需要供給の関係ですから、それもまた念頭に置いて両々バランスのとれた形でやっていかなければいかぬ。これはうちの長官が先ほどお答えしたとおりでございます。そういう点が問題でございますが、固定資産税の強化につきましても、あるいは直接規制方式の態度そのものの問題、直接規制に踏み出しているわけですから、いまわれわれは。それの意味というものの取り上げ方、ともかくそこら辺には飯田久一郎先生と私どもとは大変似通った考え方がいっぱいあるということだけを申し上げておきたいと思います。
#38
○中村波男君 大臣、いま私が指摘したように、特に固定資産税を引き上げると、もちろん零細な土地所有者にはそういう措置はこれはやるべきじゃない、もちろんでありますが、このことについては全くお考えはないわけですか。
#39
○国務大臣(金丸信君) 土地というものは、買えば、転がせばもうかるもんだという国民の強い思想が私はあると思うのですよ。しかし、それをぬぐい去らなければこの問題は解決つかぬじゃないかということも考えるわけでありますが、そういう意味で税制の問題等については十分な配慮をすべきだ。実は特別土地保有税の問題等につきまして、大きく土地を買い占めておるところは、保有税というものはあれは悪税だと私のところへ言ってくるわけでありますが、いやとんでもないと、そういうことによって土地というものが有効に利用されるということを考えるならば、廃止どころじゃない、私は上げるべきだという考え方を持っておる。そんな考え方でおったんでは、もう今後土地を買ってもうけるという考え方はこれはだめだということを私は強く言うわけでございますが、まあ税制の改善とあわせまして今後土地対策につきましては十分な配慮をしてまいりたいと、こう考えておりますが、私は現在の税制等については、上げればと言っても、下げるべきではない、もっと改善して、より土地が放出されて、宅地が手やすく入るような方法を講ずべきだと、こういう考え方を持っておるわけであります。
#40
○中村波男君 私がいま指摘しました飯田久一郎さんの所論というのは検討に値するんじゃないかと考えますので、大蔵省等とも十分ひとつ打ち合わせを願って、前向きで検討をしていただきたいと思うわけです。
 そこで、いま御質問いたしましたこの利用計画法の運用に当たって、少なくとも年率一〇%程度土地が上昇するんだと、こういうことを国土庁として認めた上で手を打っていこうとされておると思うのでありますが、いかがですか。
#41
○政府委員(河野正三君) そういう点は法令のどこからも出てこないわけでございます。ただ、おそらく規制区域の指定をやりました際に、その価格が凍結になりますが、その凍結時点から後は物価変動修正は見ると、これが法律の趣旨でございます。ただ、物価の変動の修正を見るというのは、まあ凍結時点での実質価格、貨幣価値の低落がその後物価変動であった場合に、実質価格は見ていこうという趣旨で法律ができているかと思いますが、この参議院建設委員会の先国会における御論議等の趣旨もございまして、ここ二、三年続いたような異常物価はこれは見るのはおかしいじゃないかという点もございまして、政令で実は過去五カ年間の物価上昇率の平均を上回る部分は見ないよと、物価変動修正をしてやらないということに政令でしたわけでございます。その後たまたま過去五カ年の平均をいまの時点でとると、まあ一〇%ぐらいになると、だから一〇%ぐらいまでの物価変動が将来に向かってあった場合は、一〇%までは凍結価格自体もふくらましてやるという制度だなと、こういう点に飯田先生等も多少の異論を言っておられるわけでございます。その点を先生おっしゃっておられるのじゃないかと思いますが、いかがでございましょう。
#42
○中村波男君 そういういま一連の政令を出される基礎になったいろいろな動向等から、多分にそういう疑いといいますか、一〇%程度は是認した上で、それ以上の値上がりを抑えていこうというような考えが動いておるんじゃないか、こういうように私も疑問を持っておりましたから指摘をいたしたわけであります。一〇%値上げを認めれば、預金利子より高いわけでありますから、やはり土地を手放さずに持っておった方が得なんだと、こういうことでありますから、したがって、こういう疑問、こういう疑いを払拭するような、断固とした今後の取り扱いの中で示していく必要が国土庁にあるんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。
 第二の欠点といたしまして、規制のための取引価格の適否の判定を取引の都度行うことになっていると思うのでありますが、この点、そうではないですか。
#43
○政府委員(河野正三君) まず第一点、先生おっしゃるのが、仮に規制区域の凍結価格の物価変動修正率の問題であるとするならば、これは一〇%――たまたま現在の時点で過去五カ年の平均をとると一〇%になるんだけれども、その一〇%を認めましても、税制その他で譲渡益の中で社会に吸い上げられてしまいます部分が相当ございまして、計算をいたしますと、残りは五%ぐらいになるわけでございまして、土地による利益というものは預金利息以下という点には当てはまっていると考えております。要するに、凍結をいたしました以後の物価変動がなければいいわけでございます。過去二年間のように二七%も年率上がるというようなことがそもそも問題なわけでございまして、こういう異常な場合に一〇%までしか見ないよということでございまして、地価の将来の目標水準を年率一〇%に置いているというようなことでは全然ないということをこの際申し上げておきたいと思います。
 なお、第二のお尋ねでございますが、取引の段階ごとに届け出ないしは許可になるのかというお尋ねでございますが、そのとおりでございます。
#44
○中村波男君 そこで、土地の価格というのはまあ千差万別でありまして、短期のうちに公正に査定をしませんと、大きな矛盾が私は出てくるのじゃないかというふうに思うわけであります。したがって、現在とられようとしておる取引価格の適否の判断を、取引の都度に行うように改正をすべきじゃないか、こう考えて御質問を申し上げかわけですが、いかがですか、その点は。
#45
○政府委員(河野正三君) お尋ねの趣旨がよくわかりませんが、取引の都度届け出をし、審査を受けていくと、それからまた規制区域の指定があれば取引の都度許可を受けていかなければいけないという仕組みに法律はなっておりますが。
#46
○中村波男君 次に、衆議院の建設委員会の審議で長官が御答弁になったと思うのでありますが、届け出面積の市街化区域の二千平方メーターの問題について、これは少し高過ぎると、引き下げるようなことを示唆されたというようなふうに新聞等も報道しておったと思うのでありますが、私もこの二千平米というのは少し高過ぎるんじゃないか、しからばどれだけが適正かというと、なかなかこれは基準というものははかり切れないものがありますが、しかし、面積だけで規制をいたすわけでありますが、昭和四十八年でありましたか、新宿で一坪二千万円で土地が取引された。一万円札を並べますと、十坪並ぶようでありますね、二千万円というのは。そういうこれはもう市場性というのを越えた価格で取引をされる、そういう面もあるわけでありますから、やはりもう少しこの基準を下げた方が適当ではないか、こういうふうに思うわけであります。事務局の皆さんに聞きますと、下げると大変な事務量になるから、こういう事務的能力からなかなかできないんだというような説明もされる向きもあるようでありますが、それはまた別途考えるべきことではないだろうかと、こう思うわけでありますが、大臣としてその検討もされておると思いますので、この機会にこの問題についての大臣の所見を重ねてただしたいと思います。
#47
○国務大臣(金丸信君) 実は、建設委員会の佐野憲治委員からそんなような話も出たわけでございますが、これはこの法律を四党でつくるとき議論もあったところだと私も思うわけでございますが、その以下のものはどうもつかないんじゃないか、ことに都市の中の問題で、そんな広い土地はないんじゃないかというような考え方もあるが、しかし、それを今度千にしたらどうだと、こういうことになりますと、またそれ以下はどうなるんだと、こういうようなことで非常に議論があったと思うわけでありますが、私も先生のおっしゃられるようにそういう一つの危惧は持っておるわけであります。しかし、議員立法でこの法律が施行されて、この法律を相当に私は評価してしかるべきだと、こういうことを考えておるわけでありまして、いましばらくこの動向を見ながら――先生のおっしゃるようなことについても考えておらぬわけではありません。しかし、動向を見ながらこの問題とも十分研究しながら対処していきたいと、こういうように考えておる次第であります。
#48
○中村波男君 もう一つ私は問題だと思っておりますのは、土地の取引を許可しない場合の都道府県の買い取り義務の範囲なんですね。いま土地が動かなくなったというようなこともありまして、相当高い価格で買って抱え込んでおるけれども売れない、そういうことになると、何とか金利その他から多少損をしても売らなきゃならぬという、そういう場合も業者の中の事情としてあると思うんですね。そうしますと、規制価格は十万円だが、実際には八万円で売れない土地を買い上げてもらうために、不許可を覚悟で取引価格を十二万円として擬装の契約書をつくって許可申請をする。すると、十万円という公示価格がありますから、それは許可できない。そうなったときには、今度は許可しない場合は地方公共団体が買い上げなければならぬ。こういう抜け道といいますか、こういうことで買わされておってはこれは大変なことになる。しかし、それが事実買わないということになれば、これは法律の条項は死ぬわけでありますから買わなきゃならぬ。私も買わなきゃならぬと思うわけですね、法律がある以上。そういう点について問題点ではないかと思いますが、このことについての御見解はいかがでしょうか。
#49
○政府委員(河野正三君) 先生御指摘の問題、大変私どもも心配した点でございます。これ、いろいろ法務省等とも打ち合わせをしたわけでございますが、公示価格が十万円で現実には八万円でもなかなか売れない。それを十二万円ということで買い手と売り手とが並んで届け出なり許可申請なりをしてきた、この場合は許可でございます、規制区域の買い取りですから。許可申請をしてきた、不許可にせざるを得ない、規制価格が十万円ですから。そうすると、十万円で買い取ってくれという買い取り請求に及ぶということでございます。そこで、このことについて考えを詰めてまいりますと、買いたい、売りたいということで、十二万円で許可申請が出てきたわけでございますから、知事さんが十二万円じゃ高過ぎるから十万円で売買しなさいと、こういう気持ちがあるとしますと、いうと、十二万円で買いたいといった人は安くなるわけですから、十万円でも当然買わなきゃおかしい、こういうことになります。
 そこで、行政でございますから親切にしなければいけないかと思いますが、直ちに不許可処分というようなことでなくて、両者呼び出しまして、十万円でしかるべしと思うから十万円でなければ売っちゃいけない、それで買い手は十万円で買ったらいいじゃないか、こういう指導をいたします。そのときに大抵まとまってしまうと思います。が、それでもいやだといって、十万円であっても知事じゃなければ売りたくない。初め買いたい、売りたいといって相手方を選んで許可申請したのだが、あの人には十万円で売りたくない、こういうケースだけが残るわけでございます。そのときには正当な理由があるということで、買い取り請求を拒むことができるというふうに解釈を立てております。都道府県にはそういう連絡をいたしております。
#50
○中村波男君 そんなに多く出る事例ではないとは思いますけれども、それは最初から県に買ってもらう、十万円では一般には売れないのだ、買えないのだというときに起こる問題でありますから、知事が幾ら調停をして相手に十万円で買いなさいといっても、そのときは考えますといって引き下がる、しばらくたってから、どうしても買ってくれないから県に買ってください、こうなったときに不許可処分にすることができる道はありますけれども、そういう論法でいくならば、買い取り権というのは全く何といいますか、法律どおりには動かなくて、県の都合によって処理される、こういうことにもなりかねないと思いますので、具体的な例を挙げて国土庁の御見解を聞いたわけであります。
 まだその他いろいろ問題点を私持っておるわけでありますが、すでに時間も迫っておりますので、規制の問題については本日はこれで取りやめまして、次の問題に移ってまいりたいと思います。
 新聞によりますと、自治省が地方公共団体、地方開発公社等等の土地取得資金を確保するために大蔵省などへ要請をされた。したがって、この実情といいますか、要請をされた理由、原因というものがあると思いますが、その内容をこの際御報告いただいて、大蔵省に要請されたその結果、大蔵省なり日銀はどういう返事をしたか、これにどう対処してくれそうなのか、あわせてお聞きをしておきたい、こう思うわけです。
#51
○説明員(久世公堯君) ただいまの御質疑の点でございますが、私どもといたしましては土地開発公社を直接所管をいたしておりますので、土地開発公社の資金需要に関しましては調査をいたしますとともに、特に昨年以来選別融資規制の対象になっておりましたために非常に窮屈な状態が展開されてきたわけでございます。したがいまして、四十九年度数回にわたりまして大蔵省及び日銀に対して資金需要につきまして調査結果を報告いたしますとともに、特に困っております土地開発公社に対して資金のあっせん方を陳情あるいは依頼をしてまいったわけでございます。
 最近の問題でございますが、私どもといたしまして一月三十一日現在で土地聞発公社の事情を調査いたしましたところ、今年度の総事業費の中で、これは中間報告でございまして、実はまだ本集計ができておりません関係から、都道府県公社と指定都市公社と、それから人口急増の十三都道府県の公社につきまして調査をいたしましたところ、二月から三月までに必要とされる資金量が三千二百一億でございます。その中で資金のめどがついてないものが千六百二十六億円あるわけでございます。そこで、この千六百二十六億円につきまして大蔵省及び日本銀行に対してこの結果を報告いたしますとともに、一つには、全体としてあと二カ月の間にこの千六百二十六億円が不足であるという状況でございますので、もちろんその後資金対策のついているものもあろうかと思いますけれども、しかしながら、緊要なものとしてこの資金あっせん方を依頼したわけでございます。
 二つには、この千六百二十六億円と申しましても、団体によって千差万別でございます。特に人口急増地域における教育あるいは住宅そのほか福祉施設、そういう住民生活にとりまして非常に緊急を必要とするようなものにつきましては、どうしても緊急に手当てをしなければいけない関係から、個別の団体がいろいろと持ち込んでまいった場合には、その個別の団体の資金あっせんについてよろしくお願いをしたいという旨を先週大蔵省及び日銀に申し入れた次第でございます。
#52
○中村波男君 申し入れをなさったことは新聞で知ったわけでありますが、申し入れられて具体的に大蔵省なり銀行局が資金の手当てを約束しておるのかどうか、具体的にどう対処してくれるのか、この点はどうなんですか。
#53
○説明員(久世公堯君) ただいま申し上げました千六百二十六億円が一月三十一日現在におきまして不足であるという実態については了承をいただいたわけでございますが、問題は、ただいま申し上げましたように個別の団体の個別の事業に関する資金でございますので、これにつきましては、また団体の方から個別に持ち込まれた場合にお願いするという依頼をしてまいったわけでございます。大蔵省の方といたしましても、一般的には了承いただき、そういう事態が生じたならば個別にまた協議をするということを約束をしていただいたわけでございます。
#54
○中村波男君 大蔵省、見えておられますね。最初にお尋ねをしたわけでありますが、土地の先行取得についてもし値下がりをしたときに、いわゆる地方公共団体なり開発公社が赤字になる、損をする、そういう点について自治省からも大蔵省に対して手当てを願うように申し入れたということも聞いておるわけでありますが、大蔵省としては、これらの点について建設省の大臣からは損をかけないよりにはしたいという確約をいただいたわけでありますが、大蔵省はもちろん金を出していただくわけでありますから、大蔵省もうんと言われないと、建設省がやろうとしてもやれないという結果にもなると思いますが、その点、御検討いただいておると思いますが、いかがですか。
#55
○説明員(西垣昭君) 地方公共団体が先行取得いたしました用地の取得価格の問題につきましては、先ほど建設大臣からおっしゃいましたようなことでございまして、具体にまだそのような事態が発生したというふうには承知しておりません。ただ、万一そういう事態が起こりまして御協議がありましたときには、私どもといたしましても十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#56
○中村波男君 最初に触れた問題でありますが、これから国土利用計画法を運用していきます中でいわゆる地価の規制の物差しになりますのは、従来よりとられてまいりました地価公示法による公示価格、それから国土利用計画法の運用に当たって基準地点というものをつくられまして、そうしてそれを評価の物差しにしていくということを聞いておるわけでありますが、その不動産鑑定評価基準の運用方法についてお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、いままでは先刻も指摘をいたしましたように取引事例比較法がとられておりまして、全く科学性がないといいますか、いわゆる狂乱物価の中で土地が投機的に悪用されて、地価が高騰し狂乱状態を引き起こした、それがいわゆる取引価格として大きな基礎になった、これが否定できない今日までの姿であったと思うのでありますが、そこで今回土地鑑定委員会から建議がなされまして、収益還元法を取り入れよ、こういう建議がなされたということについては私たち高く評価をするわけです。当然もう前にこういう手法を不動産鑑定の中に取り入れるべきだったと思うのでありますが、それが取り入れられなかったことにかんがみまして、これは適切な建議であったと思うわけであります。したがって、これを今後具体的にどのように運用されるのか、私は収益還元法あるいは原価法等を取り入れるということについてかなりウエートを大きくとらなければならぬのではないかそうしないと、政策的にいわゆる土地価格を引き下げるということを考えるならば、その物差し、基準になるのでありますから、この公示地価をぐっと引き下げるようなことを行う必要がある、こういうふうに考えて質問を申し上げたのでありますか、この運用について御説明をいただきます。
#57
○政府委員(河野正三君) 先生おっしゃいますように、国土庁に買かれております土地鑑定委員会から昨年十一月初旬であったかと思いますが建議が出されました。この建議の内容は、おっしゃるとおり幾つか事項がありますが、まず収益還元法の重視ということに重点の一つが置かれております。私どもも従前の鑑定評価基準が全然この点をネグレクトしていたとは思いませんけれども、現実の鑑定評価に当たって三方式の中で取引事例比較法のみに片寄りがちであった運用実態がございましたので、これはこの建議に基づいて改める必要があるということで、各方面にこの建議に基づく通達も出しましたし、今回の政令を制定する際にもこれは反映されております。
 そこで、お尋ねのこれを確保するような運営方策はどうしているかという点でございますが、地価公示等におきましては土地鑑定委員会自体が各鑑定評価書を全部審査判定いたしますので、その際に各鑑定士がこの建議を遵守しておるかどうかというふうに審査の重点を置いております。それから都道府県に関しましては、都道府県の調査というものをさせておりますので、都道府県が鑑定士を使って二万数千地点の調査を昨年もやりましたし、来年も三万数千地点の調査を都道府県がやります。その際には知事に対しまして、この建議の内容である収益還元法を十分に重視したかどうか、それから収益還元法の適用における純収益の見通し、見方がこの建議どおりになっているかどうか、それから取引事例比較法を使う場合、これは三方式同等に使わなければいけないと言っておりますが、取引事例比較法の適用におきましては、おっしゃるような投機的な取引事例その他の非常な買い進みと思われるような取引事例を排除する、ないしはその事情補正をするということが守られているかどうか等々、七つばかりの項目、チェック項目を指示いたしまして、都道府県サイドで鑑定士の鑑定評価書をチェックさせて最終価格を出していく、こういうふうに綿密な通達を出しております。
#58
○中村波男君 私は官庁行政の悪弊だと思うんですが、通達を出しました、こういうふうに指示しました、だからうまくいっていますと言うだけですね。私は少なくともこういう新しい手法を取り入れるというのであるならば、一つの地価を決めるのに、これは一つの基準でありますが、標準として、いま申し上げましたように収益還元法による計算を五なら五入れる、あるいは原価法等をどれだけ入れる、そして時価というものをどれだけ入れるというふうに具体的に標準をつくって、しかし標準どおりに、各地域とも多様な価格という状況の中でそのとおりいかないことは私も認めます。しかし、収益還元法を取り入れなさい、重視するように通達を出しました、重視しておるでしょうだけでは、実際もいままでも惰性、また鑑定士自身がそういうやり方をやってきておりますから改めるということはなかなかできないのではないか。また、個人個人の主観でそういうものを運用されたら全国的にばらつきが出る。そういう点で、鑑定された価格についてチェックするような体制もあわせ考えないと大変なことになるんじゃないか、こういうふうに思いますが、この点について、私の言うことは暴論であり、素人の意見であるかどうか、もう一度ひとつ御見解を承りたいと思うんです。
#59
○政府委員(河野正三君) 大変適切な御提言でございます。で、私どもも、実はこの建議の書き方自体が問題でございますが、収益価格、基準価格は等しく妥当性があるものとして尊重しなければならない、等しくというようなことを言っておりますか、これはまさに対等の立場で考えるということでございまして、六、四とか七、三で見るという意味ではないという趣旨でございます。おのずから算出の仕方もそこにあらわれてくるわけでございます。
 それからなお来年度、全国地価公示一万五千地点と、それから都道府県調査地点が三万数千地点ございまして、合計しますと四万八千地点ぐらいになりますが、この基準地の中で、地価公示の一万五千地点につきましては土地鑑定委員会自体が全部詳しく審査をして値づけを、吟味を、判定をいたしまして決めておりますか、これと都道府県の調査による残りの三万数千地点との関係がバランスがとれているかどうかについては常時調査をさしていただいております。
#60
○中村波男君 すでに割り当ての時間が経過しておりますから、最後に建設大臣にこの機会に明らかにしておいていただきたいと思いますのは、地下水法ですね。地下水法案を出すと、われわれの法案説明のレクチュアにおいても係官からそういう出す予定だということを報告を受けておったわけでありますが、三、四日前の新聞によりますと、提出は見送ると建設省の次官が言明されたというようなことも承っておるわけでありますが、今国会には地下水法案は見送られるのか、見送られるということになるならば、どういう事情で見送ることになるのか、あとどういう手続等が残されておるのか、こういう点についてこの機会にお聞きをしておきたいのと、もう一つは、これは建設大臣から御答弁をいただく事項ではないかと思うのでありますが、時間がありませんから簡単に言いますが、住友信託が住宅難解消の新制度として土地信託を始めたと、こういう記事が五十年の三月九日の新聞であったと思いますが、出ておるわけでありますが、この土地信託による住宅建設というものを建設省としてはどう評価し、これについて推進をされるような立場にあるのかないのか。この点をひとつあわせてお聞きをいたしたいと思います。
#61
○国務大臣(仮谷忠男君) 前段のお答えを申し上げますが、地下水法案の問題でありますが、率直に申し上げまして、私どもは今国会に地下水法案を提出するという最初から予定をいたしておりませんでした。これはなぜかと申しますと、地下水のくみ上げによって地盤沈下が非常にはなはだしい、この規制をせなければならないということはもう十分承知をいたしておりますし、その点では環境庁やそれぞれのところからの要望もあっておるわけでありますが、規制をするだけではいけないので、規制をした後の代替用水をどうするか、対処をどうするかという問題を、これをあわせて考えないと、規制だけではどうも十分ではないということで、そういたしますと、あとの地下水の保全の問題あるいは利用の問題、規制の後、代替用水をどうするかといった問題、そういった問題を十分検討して、両々相まって完全な法律にせないといけないという考え方を私どもは持っております。そういう意味で、実は環境庁、あるいは通産省、建設省、それぞれの所管で決してなわ張り争いしておるわけではありません。十分に意見調整いたしておりまして、出すとすればこれは大法案になるわけでありますから、十分用意をして遺憾なきを期していきたい、かように考えまして、いささか提案というところまでまだ事務的に進んでいないというのが実態でございまして、したがいまして、今国会に提出するのはできないと、かように存じておるわけであります。
 今度の問題はちょっと私存じておりませんから、局長が来ておりますから、あと局長からお答えをいたさせます。
#62
○政府委員(山岡一男君) いまの信託の問題につきましては、実は詳細承知いたしておりません。ただ、いままで信託によります住宅の供給、土地の供給等についてはいろいろと勉強したこともございます。一時、土地、住宅関係の信託制度についての検討を進めましたときには、特に土地所有者の方の信託ということでございますが、信託制度では所有権の移転がございます。したがいまして、所有権を移転するよりは、むしろ皆さん方の方から土地を借り受けてやるような制度を考えようということで、現在のところはレンタル制という方法で検討いたしておりますが、三菱の方でお進めになりますという土地信託につきましても、十分中身を拝聴いたしまして、いいものであれば応援したい。とにかくりっぱな家ができることについては何でも応援したいというのがわれわれの態度でございます。
#63
○中村波男君 時間が来ましたので質問を終わらせていただきますが、いまのは住友信託ですよ。住友信託が土地所有者から土地の信託を受けて経営するというのでありますが、従来農協主導による土地信託というのが行われてきておった実績があるわけでありますが、今度は銀行が、信託会社がこれに乗り出したということについて、ひとつ建設省としても実態を十分把握していただきまして、そしてできたら私たちにも後日でよろしいから御報告を受けたい、こう思うわけであります。
 以上で質問を終わります。
#64
○二宮文造君 私も引き続きまして、さきの所信表明につきまして若干質問を続けたいと思うわけであります。
 まず建設大臣。建設大臣、先日の所信表明で住宅対策につきまして、「より良い住まいを求める国民の切実な要求に応え、住宅事情の改善を図ることが現下緊要の課題であります」、このように表明をされておりますが、さてその五十年度の住宅予算、これを拝見しましたときに、賃貸し住宅の建設が戸数において減っております。もう数字的には明らかになっている問題ですが、計画におきまして国庫補助住宅では前年度から一万二千戸減って九万一千、それから公団住宅では賃貸しが前年度の三万五千戸からまた一万一千減って二万四千戸と、こういうふうに賃貸し住宅の建設の戸数が減っておりますが、この賃貸し住宅の規模の拡大とか、あるいは建設単価のかさ上げとか、そういうものの手直しはよくわかりますが、国民が求めている賃貸し住宅の戸数の絶対数が減っていくという問題については、ちょっと私どももせっかくの大臣の提案であるけれども、ちょっと乗れない面があるんですが、この点は大臣はどうりお考えになりますか。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
#65
○国務大臣(仮谷忠男君) 予算の戸数で見る限り、おっしゃるとおりでありまして、その点は現実にそうならざるを得なかったことではありますけれども、私どもまことに残念なことだと思っております。ただ、五十年度分譲の方にかなりウエートが置かれたというのは、住宅金融公庫の持ち家の希望が非常に大きくて、その融資を非常に大幅に伸ばしたということが、結局非常に伸びた大きな原因になっております。反面に公庫、公団のいわゆる公的住宅が非常に低滞をしたということは、御承知のようにいろいろ事情があります。公営の場合においては、もちろん単価の問題もありますし、用地の問題等もありますけれども、実質的には大都会を中心にして公営住宅の新設というものは激減をしている、大阪や東京あたりではほとんどできなかったというような状態等もありまして、そういう面で公的住宅が、特に賃貸の方が非常に減ったという現象を示しておるわけであります。私どもも、数字の面ではそういう形になっておりますけれども、たとえば公営住宅にしても公団住宅にしましても前年度からの繰り越し等がかなり多うございまして、そういうものも五十年度では消化をしてしまいたいと思っております。五十一年度から第三期の住宅五カ年計画が出発するわけでありますから、五十年度では一遍全部けじめをつけたいと思っておるわけであります。そういう意味で戸数の問題よりも実質的に五十年度では一区切りをつけて、そして五十年度、第二期までになぜこれだけ公営住宅あるいは賃貸住宅か進まなかったかというひとつ問題点を掘り下げて、それをひとつ五十一年度から生かして第三期計画は十分なものにしていきたいと、こういう考え方を持っているわけであります。決して賃貸そのものを軽視したわけではございませんが、実績からいってそうならざるを得なかったという実情があるわけでございまして、これはよく御理解をいただきたいと思うわけであります。なお、具体的な問題については局長から答弁をさせたいと思います。
#66
○二宮文造君 それで、いまいみじくも大臣から第三次の五カ年計画の面も触れたわけですが、どうもことしのこういう状況から判断しまして、政府の住宅政策が持ち家に志向するように変わったんじゃないか、重点が、こういうふうにも私見受けられる面があるんですが、しかし、反面、いま大臣も言われたように、いまのやはり国民の収入、あるいは住宅事情、そういうものから考えますと、やはり賃貸住宅、賃貸し住宅への希望、期待というのは非常に強いわけですから、第三期計画を組むに当たって一体持ち家の方を志向するのか、あるいは賃貸というものを重視してやっていくのか、この辺のお考えはどうなんですか。
#67
○国務大臣(仮谷忠男君) 基本的には、持ち家か賃貸しかということは国民の需要の動向によって決定をしなきゃいかぬものでありまして、私どもが勝手に計画決めるものではないと思っております。ただしかし、私どもは特に大都市を中心にして低所得層の人に対する賃貸し住宅、賃貸住宅ですね、これはどうしても確保しなきゃならぬと思っております。そういう意味において、低所得の人やら母子家庭あるいは老人家庭等の大都市の要望される賃貸し住宅の量だけはいかなることがあっても確保せなけりゃならぬ、そういう考え方を持って臨んでおるわけであります。そのためには、やはり公営住宅に重点を置かなきゃならぬことは当然でありますが、公営住宅は地方公共団体との関連もございます。地方公共団体では、たとえば東京都や大阪のように、今年あたりはほとんど公営住宅ができなかった実例があるわけでありますから、これはなぜできなかったかという問題も十分究明をせなけりゃなりませんが、もう少し地方公共団体からの何と申しますか計画を事前に吸い上げて、そしてその積み上げたものを私どもは計画の数字にして、一たん決定をしたら、地方公共団体も国も一体になってその責任はあくまでも確保していく、こういう形のものを考えていきたいと思っております。
 それからもう一つ、公団住宅の場合に比較的賃貸が少なくなっておるケースがございます。これはどうしても大都市周辺のあの住宅団地をつくる場合に、地方の団体の方です、府県の知事あたりが公営住宅お断りということをよく言われております。それは単なる賃貸しだけの住宅にしてもらったのじゃ、自分の土地にせっかく住宅を建ててつくっておきながら、それは単にベッドタウンにすぎないというようなことで、入ってくる人は全く市民としての責任を感じてもらえない。しかも若い人が入ってきて、子供ができる、そのために学校も保育園もつくらなきゃならぬ、関連公共事業はどんどんやらなきゃならぬ、そういう負担はふえるといったようなことで、そういう点で比較的反対が強いわけであります。だから、分譲住宅を主にしてもらって、そこで、入ってきた人は本当に住民になって責任も義務も果たしてもらう、そういう本当のいわゆるその地域の市民としてのはっきりした立場をとってもらう人でないと困るといったようなそういう空気もありまして、したがって、賃貸と分譲との比率を、たとえば率を、非常に極端に、ときには八〇%、二〇%――二〇%が賃貸であります。それでしないと団地お断りという地方団体もございまして、そういうところが関連をして、実は公団住宅の賃貸が戸数が非常に縮小された原因もあるわけでありますが、これも第三次の場合には、そういった面も事前にもう少し相談をして、調整をして、そしてやはり賃貸を、それぞれの地区の希望にこたえるように、お説の趣旨に沿うような方向で努力をしていかなきゃならぬじゃないかと、かように存じております。
#68
○二宮文造君 なるほど大臣のおっしゃるとおり、持ち家にするかあるいは賃貸し住宅にするか、これは施策の側で決めるのじゃなくて国民の要望の方からそれが上がってくる、これは理解できます。しかし、その一端として、たとえばその持ち家制度というものを推進をする、こういう考え方に立つとしても、いまの政府の施策では持ち家政策も中途半端になる。賃貸の方も用地の取得難だとかあるいはその団地お断りとかいうことで、大都市周辺では賃貸しのほうも頭打ちしている。持ち家の方もいまのやり方では頭打ち。要するに私は、やはり何といいますか、もしそういう持ち家政策を政府が志向していくならば、それなりにより多くの国民、いわば平均的国民といいますか、国民像といいますか、そういうような人たちが持ち家が可能になるようなやり方を推進しなければならぬ。たとえば、いまのような住宅ローンを少し緩和してくれって金融機関に指導するとか、あるいは公庫融資の若干の改善というようなことだけでは、これはとてもじゃないが持ち家政策も進むものではない、こう思うのですが、この点はどうでしょう。
#69
○国務大臣(仮谷忠男君) 細かいことは局長からお答えさせますが、賃貸にしても持ち家にしても住宅問題は非常にいま一つの私は壁に当たっておると思っております。持ち家問題にしてもそのとおりであります。五十年度は公庫融資もふやしたし、それから一戸当たりの貸し付けの額もふやしたし、いろいろ実はやっておりますけれども、それだけで十分ではないということを私ども十分承知をいたしておりますし、しかも、一つのニュータウンをつくる場合においても、御承知のようにそれに関連した公共施設というものがいろいろあるわけでありまして、その負担をだれが持つかという問題、それを全部、いま原価主義でありますから、全部家賃に、あるいは住宅を買う者に全部それを負担させるということにも大変大きな問題がすでに起こっておるのでありまして、そういう問題を今後どういう形で解決つけていくかということがこれからの住宅政策の一番大きな課題であると私ども実は考えておるわけであります。
#70
○二宮文造君 大臣も御承知であると思いますが、先ごろ住友銀行が一つの数字を発表しました。去年のマイホーム建設の平均像、これは年収が三百十八万円であった。それから標準住宅価格が千三百六十二万円。この年収と住宅価格の関係では四十七年の四・三倍から五・五倍に上がっている、こうなっているわけですね。そして現行の住宅ローン九・四八%、この利率で計算をしますと、一千万円を二十年借りますと二千二百三十四万円返済しなきゃならない。そうしますと、一千万円借りられるローンの利用者の年収を三百五十万円として、年に百十二万円に近い返済額をやっていかなきゃならぬ。年収三百五十万円で百十二万円払っていかなきゃならぬ、二十年間。これはおそらく国民の能力の限界を超える金額ではないか、こういう壁に突き当たるとしますと、持ち家政策を進めるにしても、これは大都市周辺ですが、進めるにしても、こういう問題をやはり施策の中で何か打開をしなければ進んでいかないと思いますが、この辺どうでしょう、こういう現状。
#71
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますとおり、民間の住宅ローンだけでございますとそういうようなことになります。したがいまして、たとえばわれわれといたしましても、金融公庫の住宅ローン等に相当力を入れてまいっておるわけでございます。仮に、ちょっと試算をしてみますと、いまの一千万円を限度といたしまして、公庫がいま六百五十万円の融資をいたします。それに対して民間の借入額が三百五十万円、両方とも借金でやったという場合を想定いたしましても、民間金利はおっしゃるとおり九分四厘八毛の二十年でございます。公庫が五分五厘の三十五年でございます。そういうのを新年度の五十年度からの条件によりまして積算をしてみますと、確かに毎月払い等を全部平均いたしまして、月収の中から二五%以下で買えるのはどれぐらいだと逆算をしてみますと、三百二十三万円という数字を一応積算をしてみております。三百二十三万円と申しますと、例の五分位で申しまして、大体第四分位の初めぐらいというところに相なろうかと思います。で、今後さらに住宅金融公庫の借入額等の増加等にも大いに力を入れていきたいと思いますので、さらに頭金といたしまして積み立て等を大いに奨励をするというようなことをやっていきますと、相当まあいわゆる持ち家の可能の範囲がだんだんふえていくだろうというふうに想像いたしております。
#72
○二宮文造君 もう一つ、金融公庫の融資制限額を引き上げていく。それからもう一つ、やはりローンの、公庫の限度額をそう無制限に引き上げることはできませんから、今度は逆に住宅ローンの方の金利を国の方から補完をする、引き下げのために。こういうこともあわせ考える何といいますか方法はありませんか、頭の中に。要するに金融機関の、逆ざやになりますね、いまのところでは。逆ざやを利子補給をしていく、こういうふうにしていきますと、もう一歩持ち家政策というものは進むんじゃないか。利子補給なり、あわせて公庫の融資限度額を引き上げることも両々相まちますがね、こういうことを考えなければ進まないのじゃないか、こう思いますが、この点はどうでしょう。
#73
○政府委員(山岡一男君) 現在、大蔵省の相当強い御指導を願っておりまして、プライムレートよりは大体〇・五ぐらいは低いというのが現在標準になっております。ただ、現在のところ、大蔵省の金融制度調査会でも皆さんがお集まりになっていろいろ御議論なさいましたけれども、やはりコマーシャルベースでやっている民間の住宅金利等について何らかの手を打つためには国等の応分の措置が必要であるというのが結論になっております。で、レートそのものはプライムレートのような長期のものに連動すべきだという二つの結論が出ております。したがいまして、先生おっしゃいますような利子補給というのも一つの手だと思います。手ではあると思いますが、現在民間の住宅ローンの出ておりますのは何兆円という額でございます。したがいまして、そういうものに直ちに利子補給するのがいいのか、やはり公庫の方をうんとふやすのがいいのか、さらに持ち家対策といたしましては、そういう民間資金を活用いたしまして、住宅公団等が長期特別分譲というのをやっております。年度の初めの方の十年間は五分五厘、あとは財投金利、特に前半の五年間は元金を据え置く。われわれは賃貸並み分譲というキャッチフレーズを出したわけでございますが、そういうものを大いに拡充していくということが当面の施策ではあるまいかと実は考えておる次第でございます。
#74
○二宮文造君 住宅の態様にも問題があるわけですよ。長期分譲、まあいま公団等で考えられている、いわゆる何といいますか、高層化建築の中での長期分譲、これも結構ですが、やはり住宅の態様というのも、いわゆる一戸建てといいますか、これがいまの大都市の環境にそのままなじまないことはわかりますけれども、しかし、そういうものを求める国民の気持ちというのは非常に強いわけですね、持ち家の方については。したがいまして、やはり選択の自由を与えるためには、そういう長期分譲の方に公団住宅等方向を向けるからそれでよしとするのではなくて、やはり国民の期待に沿うような方向で持ち家政策が推進するようなやり方を考えられるべきではないか。これはまあ意見ですから、これはかみ合いませんし、要望のようなかっこうで残しておきます。
 さて、いま私、大都市周辺のことを中心に論議をしてきましたが、この住宅難というのは、やはり県庁所在地、いわゆる地方の中核都市にも大都市に似たものがあるわけです。ところが、公団の場合は、特定分譲住宅はいままでにもありましたけれども、いわゆる公団の賃貸住宅というのは地方都市にはもうほとんどないわけですね。この点はやはり地方、県庁所在地、地方の中核都市でも、公団の住宅、賃貸住宅という要望があるわけです。この辺について、今後加えていく、そういう要望にこたえるという考え方はあるのですか、ないのですか。
#75
○政府委員(山岡一男君) 先生御案内のとおり、日本住宅公団は、その目的の中で、「住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために」住宅を供給するということになっております。これは現在までそういうような住宅難が主としてやはり四大圏に多いというところで、いままでの過去の賃貸住宅等の建築実績はおっしゃるとおり四大圏の方にかたまっております。しかし、そういうふうなだんだん地方の実情等も変わってまいっております。したがいまして、現在のところ大体地方都市で中心市が四十万というところまではだんだん手を伸ばすようにいたしております。さらに、今後事態の推移を見まして、そういうふうな人口圏が四十万ぐらいのところ等がございましたら、いろんな地域につきまして十分検討を加えて審査をするようにいたしたいというふうなことを内部で検討しておるところでございます。
#76
○二宮文造君 そうですか。四十万というのを限度って、まだ伸びていませんよ。伸びていますか、四十万まで。公団住宅の場合ですよ。北海道は札幌がありましょう。宮城は仙台がありますね。四国の愛媛の松山は四十万ですよ、もう。まだおっしゃるように四十万には伸びていませんよ。
#77
○政府委員(山岡一男君) 四国・松山は都市圏として大体四十万ということでございますので、本年度一部着工の予定でございます。
#78
○二宮文造君 そこで、私は地元の新聞で見たので、それをちょっとちらっと見ただけでまだはっきりしたそれ頭の中にはないんですが、香川県で塩田の跡地を使って公団が分譲住宅の建設を計画していると、こういうふうな話があったのですが、その点はどうなんですか。
#79
○参考人(南部哲也君) ただいまお尋ねの高松市の屋島の下の塩田の区画整理、これにつきましてぜひ公団住宅を建ててもらいたいという御要望がございまして、この三月に分譲住宅二百戸ばかりを着手する予定にしております。
#80
○政府委員(山岡一男君) 先生、私先ほど間違えまして高松のことでございました。松山と申しましたけれども高松でございました。
#81
○二宮文造君 私、個別に我田引水的な論法をしようというつもりはないわけで、ただ、私の頭の中に知っている範囲が非常に狭いもんですから固定的な名前を出しましたけれども、県庁所在地、いわゆる地方の中核都市、こういうところは大都市にまさるとは言いませんけれども、劣らない程度の住宅困窮の状態はあるわけです。すでにもう家賃なんかも非常に上がってきまして、勤労者は困っていることは事実です。したがいまして、なるほどいままでは大都市中心に、こういう四大圏中心に施策が進められてきたことはわかりますけれども、幸いにして第三次計画というのを策定する、五十一年から始まるわけですから、ここにやはりそれを入れることと、先ほど申し上げました持ち家を推進するならば、これが可能になるような、より広い範囲で国民の皆さんに可能になるように、たとえば利子補給なりあるいは公庫融資の限度額を上げるなり実情にマッチするように上げるなり、こういう施策相まってでなければ、壁に来ていると言いながら、その壁を押し広げない住宅政策にとどまってしまう。こういう感じがしてならないわけです。時間もございませんので住宅対策の問題はこの程度にしたいのですが、私のいまのことについて、大臣、最後に一言。
#82
○国務大臣(仮谷忠男君) 私は賛成です、二宮先生のおっしゃることには。私は、大体住宅公団が大都市を中心にしてやっていること、これは住宅が非常に困窮しているから始めたのですけれども、率直に申し上げまして、いま東京都を中心にして周辺の住宅公団のやっていることで喜ばれておるのは一つもない。みんな悪口言われて、しかも地元の公共団体もみんなお断りするといった空気があるんですね。一体だれのために住宅を建てるのかということすらわれわれは自己ジレンマに陥るわけなんですよ。だから、住宅対策はこっちからの押し売りであってはならないということ。そういうことを考えてみると、地方都市であっても、県庁所在地であって相当に住宅が必要だということで、しかもその地方が非常に要望しておるところならむしろ積極的に行ってやるべきだと、それが公団の使命だと、こういう感じを持っております。そういう意味から、私は地方都市に本当に要望されるなら進出してよろしいと、こういう考え方を持っておりまして、むしろ進めるべきだと、こういう考え方を持っております。
#83
○二宮文造君 問題、次にまいりまして、建設業をめぐる諸問題について若干お伺いをしたいわけであります。
 昨年の建設業の倒産件数、これは四十八年の二千五百十二件ですか、それを大きく上回りまして三千六百九十九件、負債金額も三兆五千六百億円、こういうふうに民間の機関で調査をし、発表しております。いわば建設業は繊維と並んで不況産業だ、こういうふうに言われておりますが、非常に深刻な状況、これを一体どのように把握されているのか、これをお伺いしたい。
#84
○国務大臣(仮谷忠男君) これもお説のとおりであります。特に建設業は九九・四%までは中小業者でありまして、しかもこの中小業者の中には半分以上が個人企業といったような形のものもありまして、非常に体質が弱いのであります。そういう意味において、中小業者のまず体質を強固にしていくということ、あるいは受注の場合の共同態勢を整えていくといったこと、これは私ども積極的に指導していかなきゃならぬと思っておりますし、しかも特に総需要抑制等で公共事業がこういうふうになってきておりますし、金融もかなり抑圧されておりますから、その痛手をもろにかぶっておるのがむしろ中小業者でありますから、発注に当たっても特に中小業者を重点に、地方はもう至上命題として中小業者に重点を置いてやれというふうに私どもは努力をいたしておるわけでありますが、そういうふうに当面の問題は受注を中小業者を対象に積極的に進めるということと、さらに九九%近い中小業者の体質改善のためにわれわれは今後積極的に努力をしていかなきゃならぬ、そういうふうに考えております。
#85
○二宮文造君 そういう意味でしょうか、大臣の所信表明の最後に、「建設業の近代化、合理化を促進し、その体質の改善を図るため建設業振興基金(仮称)を設立する等建設業の振興に関する施策を推進する」と、こういうふうに言われて、私の手元にも「建設業振興基金(仮称)の新設について」と、こういう計画局のパンフレットをいただいておりますが、これひとつ建設業振興基金の構想について御説明をいただきたいと思うんです。
#86
○政府委員(大塩洋一郎君) そのパンフレットには相当詳しく書いてございますのではしょって概要を申し上げます。建設業の体質の改善の必要はただいま大臣が申し上げたとおりでございます。その体質を改善する方策といたしましてはいろいろな方法がございますけれども、まず共同化によってこれらの零細あるいは中小の企業がその能力をつけ加え、専門化、分業化できる足固めをするということがまず何よりも必要であろうと考えまして、この建設業基金は体質改善を図るという趣旨から、これはいま財団法人を考えておりますけれども、政府から二十億、民間から三十億という五十億の基金を設けまして設立するということでございまして、その業務の大体の内容は共同事業に係る債務保証ということをまず考えております。大体五百億円を限度とする債務保証を行いたい。それから共同施設、いろんな労働あるいは資財購入、工場、その他の共同施設に対する助成金を給付いたしたい。それから建設業の近代化のための諸種の調査研究を行いますために五千万円ほどの研究費を出したい。それから建設業の経営の改善指導ということにぜひ力を入れていきたいというようなことを内容といたします業務を行いますためにこの基金を設けたような次第でございまして、昭和五十年度におきましては、債務保証としてただいま申しました五百億円を限度といたしまして、助成金の給付につきましては大体二%程度の利子補給を行いたいということで、また調査研究、経営指導につきましては、具体的な方法等につきまして、ただいま中建審の部会を開きまして、そこで最も有効な方法をどうしたらいいかというようなことを業界も入りまして検討をしている次第でございます。概要を申し上げました。
#87
○二宮文造君 いま伺いますと、この考え方は要するに建設業界の体質を改善すると、その趣旨は中小あるいは零細、そういうものに対していわば共同事業化、これを推進して、それに誘導していこうということが基金設定の目的のようでありますが、しかし、先ほど大臣もおっしゃったように、確かに建設業というのは零細ですね、中小並びに零細です。たとえばこのパンフレットにもありますけれども、従業員の規模別に見ますと、従業員が一人から四人というのが五九・八%ある。あるいはその資本階層別に見ますと、個人企業が五七・六%もあると、要するにこの数字を見てもいかに零細であるかということがわかる。いわゆる一人親方というのが特徴ですね。これはもう現在までこういうかっこうで来たわけです。それがこの基金設定によって共同事業化できましょうか。これははなはだ至難なことであって、おっしゃるような体質改善がいわゆる共同事業を推進させるということに結びつくかどうか、私非常に疑問を持つんですが、確信ありますか。
#88
○政府委員(大塩洋一郎君) 確かにおっしゃるとおり、建設業界の実態は体質的なものがございまして、これは多角的な社会的な背景があるわけでございます。ですから、一律の制度でもって一挙にこの体質を改善するということにはなかなか大きな壁がございます。しかしながら、その困難な壁を最も有効な方法で一つ一つ改善に近づけていくということが行政の責任だというふうに考えまして、この基金につきましては、近代化、合理化を図っていくということが究極の目的でございますから、この零細中小の企業につきましてできるだけこれを共同化の方向へ導くことによってその体質の改善を図っていく、この道を開くということに主眼を置きまして設けられたものでございまして、なおそのほかの具体的なもっと近代化、合理化のための有効な方法等につきましては、この基金の中におきまして調査研究費というものを設けております。今後の課題といたしまして、これにつけ加えるべき具体的な有効な方法をも今後この基金をてこといたしまして検討するということをまあ考えておる次第でございます。したがって、今回の基金はまず何よりもそういう趣旨で共同化ということをてこにしなから出発するというところに意義があり、今後とも、こういった業界の意思でもありますので、それらを踏まえましてこれを強化し、助成していく方針でございます。
#89
○二宮文造君 この基金は、建設業界の各団体から三十億円、この基金の拠出を求めるというんですが、この方法はどうなんですか。
#90
○政府委員(大塩洋一郎君) ただいま申し上げました三十億円につきまして、業界からの拠出を求めるわけでございますが、業界は個々の企業ではなくして、団体あるいは事業体といった団体からの拠出を求めるという方法によって調達いたしたいと思っております。
#91
○二宮文造君 そうしますと、今度は共同施設整備費、これに係る債務保証ですね、債務保証はこれは一律なんですか、それとも拠出金に応じて債務保証をするのか、この考えどうですか。
#92
○政府委員(大塩洋一郎君) 拠出された資金の量に応じて、比例して保証するということは考えておりません。その事業の内容なりあるいは緊急度なりというものも勘案して、拠出金額も勘案いたしますけれども、五百億円という枠がございますので、その中で事業量の緊急度等を総合的に勘案して保証額を決めたいと考えております。
#93
○二宮文造君 そうしますと、前からのやりとりを考えますと、中小零細の体質改善を図っていくのが主眼ですね。そうしますと、大手がいわゆる共同事業を進めようというときに排除されますか、債務保証は。大手は排除されますか。
#94
○政府委員(大塩洋一郎君) この基金は先ほど申しましたとおり、中小企業の圧倒的に多い建設業の体質改善のために設けたものでございます。したがいまして、大手のために設けたものではございませんので、大手に保証することは考えておりません。
#95
○二宮文造君 しかし、大手の業界からの拠出は求めるわけですね。
#96
○政府委員(大塩洋一郎君) ただいまその割り当て及び拠出の方法につきましては具体的に現在それをまとめつつありますけれども、大手からも拠出を求めたいと考えております。
#97
○二宮文造君 いま頭の中にある割合はどうなんですか、拠出金の割合は。
#98
○政府委員(大塩洋一郎君) 三十億円の割合につきましては、現在全中建あるいは全建が中心になりまして、中小企業団体が中核となり、それに大手であります日建連その他の団体がこれを後援するという形において現在協議中でございまして、その割り当ての方法等についてはまだ決めておりません。
#99
○二宮文造君 私、前々から、前任の大臣から伺っていたことと方向が全然違うわけです。これ、青いのを見ただけでもおわかりなんでしょうが、私こちら賛成なんです。四十九年八月、これは共同事業なんてそういうことを言っているわけではないんです。全然目的なり運営なりが違いまして、こちらの方か中小零細の業者が非常に要望するわけですよ。といいますのは、業務を申しますと、「債務の保証」として「基金に拠出を行った建設業者及び業者団体が、銀行その他の金融機関から資金の貸付けを受ける場合に、その債務の保証を行う。」、しかもそれは無担保であり、保証額のあれもあれしておりますが、それから「融資のあっせん」「資金の貸付け」、そして「近代化事業の助成」、いわゆる「労働福祉の充実、職業訓練、資材の共同購入、設備の近代化等のために必要な設備を計画的に整備する場合において、その借入れた設備資金に対する利子補給等の助成を行う。」ここにはいま説明のあったような共同事業化を進めていくというのは全然ないわけです。
 まさにこれは業界の体質をよく理解した基金設定のやり方であり、しかも特殊法人というかっこうで構想を進めてきた。ところが、その特殊法人に難点が出たものですから、政府部内での折衝で難点が出たものですから、急速こちらのような共同事業というふうに方向が変わってきたわけですが、私、前の考え方と後の考え方か全く違うというところから、むしろ逆に何が何でもこれは財団法人を設立するのだと、基金を設立するのだということに主力があり、その業務はかえってつけ足しになっているんじゃないかというふうな気がしますかね。これは言いたくもありませんけれども、天下り先をつくるとか、そういう世間でも風評も出てきますが、現在のこの構想では建設大臣のおっしゃっているような体質改善には私は直ちにつながらない、こう思いますが、この点はどうですか。
#100
○国務大臣(仮谷忠男君) 率直に申し上げます。
 最初の予定では特殊法人をつくろう、建設業振興公団をつくろうと、こういう考え方で私どもは出発した。前任者からもそういう考え方を引き継いでおります。それで実は大蔵省と折衝をやってきた。これもしかも基金は五十億、五十億で百億の基金で出発をしようということで出発をいたしたわけでありますが、若干金の貸し付けとか保証とかいうものになりますと、ほかの金融機関との関連もあるということで難色かあったということと、それから新設の新規公団あるいは公庫といったものは一切認めないという行政管理庁の基本的な方針もありましたものですから、そういうことでこの公団はやむを得ずわれわれは一歩退くよりほかに仕方がなかったわけです。
 それじゃそのままに泣き寝入りするかという問題ですけれども、それならひとつこの基金は何とかして発足をさして、まあ小さく発足をするけれども、将来大きく育てていこう、その一つの基礎にしようということでただいま提案をいたしておりますような振興基金に実はなったわけでありして、私ども、内容はある程度違っておりますけれども、精神においてはそう違ってはいないと思いますし、特に中小企業体の体質の改善ということがいま非常に重要なときでもありますから、むしろ大手あたりから基金の出資をさして、その応援を求めて零細企業の体質改善を図っていくということも当面の大きな問題である、かように考えまして、これは決して十分ではありませんが、次善の策としてこの問題を考えたわけであります。これは率直に実情を申し上げます。
#101
○二宮文造君 まあお話は、筋は、流れとしてはわかりますけれども、やむを得ずこういうかっこうになったということですが、しかし、これで果たして基金設定の直接的な効果が中小企業の体質改善につながるかどうか私は疑問だと思います。むしろ繊維工業の場合、構造改善事業を進めている。これは通産省が政府資金をもちまして、そして府県に補助金を出し、そして構造改善事業を進めていった。合併あるいは機械の設置、こういうものをやってきたわけですね。そして徐々に体質改善を進める、構造改善を進めているわけですが、本気で建設業の体質改善をやらなければならぬということであれば、こういう回り道的な基金のあり方ではなくって、むしろこの設定はおくれてももっと直接的な効果が出る方法が私はよろしいんではないか、こういう気持ちがします。ひとつこれはそういう意味で、これから生まれてくるものについてけちをつけてはなはだ恐縮ですけれども、どうも基金をつくることが先決問題で、業務は後からつけたという感じがしてならないということだけは私は率直に申し上げておきたい。運営の方法についてせっかくお考えを願いたい、このように思うわけです。
 それから、あと私は建設業法施行令の一部改正の問題をお伺いしようかと思ったんですが、これはちょっと時間がありませんのでまた次に譲りまして、次に、国土庁長官にお伺いしたいんですが、国土利用計画法施行後にいろいろな問題が出ております。先ほどから取引価格の問題等々については、中村委員とのやりとりもありましたので省略をしまして、そのままずばりお伺いしたいのですが、まず国土利用計画法の附則第二条で、一定規模以上の土地で、四十四年一月以降取得して、利用せずに放置されているものについては、知事が遊休地としての通知を行い、必要な措置をとることができることになっておりますが、法施行後まだ遊休地の通知が行われたということは一つも聞きません。これはなぜそうなっているのか、どのように理解されているのかお伺いしたい。
#102
○政府委員(河野正三君) おっしゃるとおり、私どもも遊休地の指定につきましては促進をしたいということで具体的な指導をいたしておりますが、各都道府県とも調査がまだ不十分でございまして、目下それぞれの都道府県内にある四十四年一月一日以降の取得土地を対象といたしまして、遊休地の悉皆調査をやっている段階でございます。
#103
○二宮文造君 いまそのお話が出まして、いわば遊休地の通知が行われないのは、やはり買い取り請求というのが出てきますから、通知をやりますと。ですから、その買い取り請求に応じなきゃならぬというようなことで、買い上げの財源がまだ確保されていないというようなことも一部の理由にあろうかと思いますが、さていまお話のあった悉皆調査をやっておりますが、やろうとされておりますその調査結果が出るのは一体いつごろと、こういうふうにめどを置いておりますか。また、その結果に基づいてどういう指導をなさろうとしているのか、この点をお伺いしたい。
#104
○政府委員(河野正三君) 悉皆調査の結果は、大体六月ぐらい、当初よりも大分おくれておりまして、六月ぐらいになるというふうに聞いております。ただ、悉皆調査全部完了いたしませんでも、必要なところにつきましては通知し得るという指導をやっておりまして、ある公共団体は、ごく最近にひとつ通知、発動したいのでということで、最近のうちに国土庁の方に相談に上がってくるというふうな連絡も受けているわけでございます。
 なお、資金の面がなかなか心配でというような御趣旨の御質問がございましたが、この点につきましては、本年度の四百八十億の公共団体に対します公共用地先行取得債の中で運営するが、なお必要が本当に出た場合にはその枠にこだわらず、弾力的に起債を認めていこうと、こういう打ち合わせに自治省との間もなっておりまして、起債の申請が出た場合には十分前向きの形で、国土庁、自治省、両方とも承認事務に当たりたいという打ち合わせになっております。
#105
○二宮文造君 ちょっと質疑の順序が逆になって大変恐縮なんですが、法施行後の土地の取引規制の状況、これを国土庁は取りまとめたと聞いておるんでありますけれども、最近の事情、ちょっと報告をいただきたい。
#106
○政府委員(河野正三君) 二月二十日現在で取りまとめた資料がございます。それによりますと、法施行後二月二十日まで、約二カ月弱でございますが、の間に、法律に基づきまして届け出がありました件数が七百七十八件。それから事前確認申請のありました件数が三千百五十九件となっております。で、この中で届け出の七百七十八件のうち、審査を完了いたしました件数をまず申し上げますと、二百六十二件でございまして、届け出総体の三四%を処理したことになっております。なお、この二百六十二件のうち勧告を具体的にいたしましたのが二十九件でございます。それから勧告をしない旨の通知をいたしましたのが二百三十三件でございます。
 それからもう一つ、この届け出制にかわる制度といたしまして政令、府令で確立いたしました住宅地の分譲地の事前確認の制度でございますが、この方に入ってきた件数は届け出を要しないことになっておりますが、この件数が非常に多うございまして、確認申請件数、事前確認の申請件数が三千百五十九件、先ほど申し上げたとおりでございます。そのうち、すでに確認をいたしました件数が二千百九十件、六九%でございます。この中で申請どおり確認をいたしました件数が千六百三十九件、それから価格指導をやりまして修正後確認をいたしましたのが五百五十一件、これはこの確認いたしました件数の中の二六%に相当いたしております。
 以上でございます。
#107
○二宮文造君 その一番最後の、どの程度に価格引き下げをさしたのか、実例を引いてちょっと御説明いただきたいと思います。
#108
○政府委員(河野正三君) この確認をいたしました二六%の中身、そのケースケースによりましていろいろ幅があるわけでございますが、最も修正幅の、減額修正幅の集中しておりますのが大体一〇%から二〇%ぐらいのところでございます。そのぐらい下げさしたということでございます。先般も申し上げましたが、私ども把握いたしております範囲内では平米当たり六万円下げさした例というのが一番極端に大きな例であったということでございます。
#109
○二宮文造君 さて、この国土利用計画法の土地取引制限を、規制を担当する都道府県やあるいは政令指定都市、土地取引の事前確認の申請や都道府県の審査に追われて最近の事情としてはまた土地の取引が若干ふえてきている、こういう金融緩和の兆しもあったりなんかして再びふえてきているようなかっこうになって、これらの第一線の審査に当たる人は人手をふやさないと処理し切れない、こういう心配を持って、法が予定する六週間中の審査は結果的には確保できなくなるんじゃないか、こういう心配をしている。しかも人件費等の大幅増加等もあって地方財政が悪化しているので自治体も容易に人員を増加できない、こういう情勢が一方にはネックとしてある。こうなってきますと、いわゆる審査を円滑に進めていくためには国庫補助といいますか、そういうものを大幅に確保しなければせっかくの審査の体制が進まないんじゃないか、こういう心配もあるわけですが、この点はどうですか。
#110
○政府委員(河野正三君) 全く仰せのごとく、この実際の事務に当たります都道府県の執行体制の整備ということが非常に大事なことでございます。で、四十九年度中は残念ながら人件費補助がついていないわけでございます。そこで、五十年度に向かいましては、この点を全国知事会等の御意見等も十分参酌いたしまして、非常な配慮を政府としてはいたしたわけでございます。で、昭和五十年度予算案におきましては、初めて人件費補助という道を開きまして各都道府県につきましては規制区域の指定や許可関係あるいは土地取引の届け出、勧告関係、遊休土地関係、地価調査関係、いろんな事務がございますので、それを全部足しますと合計十二名分、標準団体におきまして十二名分でございます。標準団体といいますと岡山県ぐらいが当たるかと思いますが、それよりも大きい県はもう少し人数が多く小さい県は少なくと、こういうことになります、この十二名分の人件費補助の道を開いたわけでございます。なお、この国庫補助のほかに地方交付税の方で昨年は七名のこの土地関係職員が認められておりましたが、これに対しまして五名プラスということが認められたわけでございまして、したがいまして、地方交付税の関係とこの国庫補助の対象とを足しますと標準団体二十四名ということになるわけでございます。まあ都道府県の中には非常に事務量に追われてなおいろんな不満を持っている団体も皆無ではないと思いますが、今後とも充実に努力してまいりたいというふうに考えております。
#111
○二宮文造君 ちょっと私、さきに戻りますけれども、私この前四十八年十一月に公共工事の前払金の保証業務、あの保証会社の問題で質問をしまして、そのときにいろいろ提案もしましたし、当時亀岡建設大臣が、前払金保証制度が当初の目的を達成しているとはいうものの、反面いままで指摘されてきたところでうーんと首をひねりたくなるものもある、保証料の率が少し何とかなるのではないか、またこの会社は建設大臣の監督下にあり、役員報酬も行政的にしっかり指導していきたい、また建設労務者に対する御提案の趣旨についても関係各省とも十分連絡をつけて早急に案を立てるよう考えていきたい、こういう気持ちであるという答弁をいただいてもう一年有余たったわけですが、四十八年決算あるいは四十九年度もほとんど終わりましたが、この三つの保証会社の最近の経営内容というのをちょっと御紹介いただきたい。
#112
○政府委員(大塩洋一郎君) 保証会社の最近の五カ年をとりまして申し上げますと、保証料の収入は四十五年で六十億円でございました。これが現在四十九年度におきましては百七億円というふうになっております。年々増加してまいっております。大体四十五年を一〇〇といたしますと一七八ぐらいになっております。それから弁済額の方でございますが、四十五年が三億五千万、四十六年が一億九千万、四十七年が一億一千万とちょっと減少しましたけれども、四十八年度五億七千万、四十九年度が七億一千万、四十五年を一〇〇といたしますと四十八年、四十九年は一六三、二〇二というふうに弁済額がここ二年間時勢の影響もありまして増加しているというような状況でございます。大体弁済金額について、あるいは保証料についてそういう経営内容を申し上げました。
#113
○二宮文造君 東日本が一番大きいですから、東日本を例にとって私やっぱり四十八年に申し上げた状況が相変わらず野放しになっているということを指摘をさしていただきたいと思うんです。といいますのは、よろしいですか、これはもう公立工事の前渡金を受けたらこの保証会社に保証料を託して保証を受けなければならぬことになっているわけですね。いわば強制的にそういうものがあるわけです。それで東の場合をしますと、四十八年度に入った収入保証料は五十三億一千六百二十一万六千円、五十三億ですよ。そしてその四十八年度非常に公共工事の繰り延べもあったり、業者の資金繰りも苦しくなったり、それで弁済が出たわけですが、その弁済金が前年度のほぼ六倍出たとはいっても四億六百五十七万一千円、収入が五十三億で弁済が四億、これが一年間の損益です。この会社は、しかも東日本建設保証会社は十億円の資本金ですね。十億円の資本金で四十八年度の報告書を見ますと、現金預金が二十八億円、有価証券が百八十二億円、流動資産合計が二百十三億六千二百七十七万六千円、借入金一切なし。資本金十億円で二百二十億もの流動資産を持つ。なるほど優良会社です。こういう指導されてきたのは、まことに建設行政の指導、結構ですが、この保証料は建設会社が払うわけです。それだけ建設会社、これほど厳しくなってきた状況で、なおこれほど資産状況がよくなるほどの保証料を取らなければならないのかということが、私はこの前も指摘しましたけれども、そのときに料率を考えると言いながらいまだに放置している。
 そこで、四十九年度を見ますと、ことしは二月までの表がここに出ておりますが、ことしは建設業にとってはそれこそ大変な年です。しかし、東の場合は四十九年の二月までに収入保証料が五十八億円、弁済金額が四億二千万、これはこんなに保証料を取らなくてもいいのじゃないでしょうか。また、これだけ取るならば、そのときのたしか答弁に、建設業の振興のために各地の建設業界に賛助会費として送っていると、こういうようなお話でしたが、大体地方の建設業協会に出されているのは、賛助会費として月に四万円相当の金額だったと私記憶しております。こんなことしないで、それこそ労働災害に遭われた方の見舞い金だとか、あるいは福祉の方に使うとか、また労働災害で亡くなった方の遺族の子弟、これに育英金をお渡しするなり、いわゆる建設労務者の福祉関係にもっとお使いになったらどうでしょうかと、これはもちろん営利会社ではないはずなんです、株式会社ではあるけれども。こんなに会社に資産を残さないで、業界に還元することが必要じゃないかということを言われたのですが、まずその保証料が四十八年の九月に改定されたまま今日もなおそのまま据え置かれているということの問題が第一点。この前に大臣がこれほどの答弁をされながら、何ら方針に変更あるいは改善を加えていないという点が二点。この点、私指摘しておきたいのですが、これはひとつ担当の方から御説明をいただき、大臣にもひとつ考えていただきたい。こんなべらぼうな会社はありません。
#114
○政府委員(大塩洋一郎君) 先生御指摘のとおりでございまして、先回亀岡大臣のときにも料率の引き下げをやりますということをお答え申し上げたのでございます。そこで、われわれといたしましても、三社を集めまして料率の引き下げにつきまして昭和四十八年に四回目の料率の引き下げを行ったのであるが、なおまだ引き下げの余地が十分あるからこれについて検討するようにということを強く指示し、その後三社ともこの料率引き下げ問題について検討をしてきておるところでございますが、近くその結論出ますけれども、その後倒産その他の事情等が悪化したというようなこともございまして、若干日にちがおくれていることは申しわけございませんが、この料率の問題を含めまして、先ほど御指摘になりましたような業界への還元策につきまして具体策を検討中でありまして、近くその結果が出るはずでございますので、その結果を待ちまして、料率を含めまして具体化を進めてまいりたいと思っている次第でございます。なお、その後先生御指摘……
#115
○二宮文造君 還元策の中身はどういうふうな具体案が出てくるのか。
#116
○政府委員(大塩洋一郎君) 具体的には、まず一つは預金額を大幅に増加いたしまして、四十九年三月末で約二十七億円でありましたのが、五十年の二月には八十六億円にふやしまして、大体この預金をふやして、中小企業への融資の見返りにするようにということで大体四・二倍ぐらいに回っておりますが、これを増額いたしましたということが一つございます。
 それから公共工事の金融保証制度につきまして、新たに特例措置を設けまして、たとえば請負代金から前払金を控除した額、残りの額につきまして、大臣承認があったものとして債務保証をするというような方法を講じているところでございますが、ただいまの料率等につきましては、その還元策を含めまして近く結論を出すように鋭意検討中でございます。
#117
○国務大臣(仮谷忠男君) いまの局長から申し上げましたとおり、私も実はこの問題初めてでありますから、早急に結論を出すようにいたします。
#118
○二宮文造君 これは本当に私ふっと気がつきまして、どうもこういう、私、口癖ですが、天下り団体になりますと措置が甘いわけです。要するに、お声がかりでつくったわけでしょう、義務的にかけるわけですよ。そうするとお金がどんどん残ってくる、そうして何か倒産が激しくなったからと、だからちょっと様子を見ておりましたなんて言ったって、いま申し上げたように弁済金額は変わっていないわけです。要するに工事請負人が、公共工事を請け負う人というのは相当に資本力もあり、信用もあり、いざというときには施主に迷惑をかけない、信用第一をもってやっている業者が公共工事の落札者ですよ。施工者ですよ。それを対象にやっていくのに、倒産がふえるとかなんとかいうことでは私はやっぱり説明にならない。余りにも会社を弁護し過ぎると思うのですね。ですから、これはひとつできれば定款を改正するなりして、株式会社とは言いながら公益法人的な性格にこの保証会社を持っていくべきではないか。これは私は必要ならば定款改正をしてよろしいと思う。そういうようにひとつ方向づけをしていただきたい、こう思います。
 それはそれでその結果を見さしていただくことにして、次にあともう十分か十五分しかないわけですが、ちょっと私具体的な例を申し上げてお願いしたいのですが、
 私は唯一の財産として十年ほど前に九州に買った土地があります。多少の借金もあり、利子もかさみ、催促されますので、この土地を手放して、借金を清算し、残りの金は生活の足しにしたいと思い、金を借りた人に売る話も決まり、土地の権利書を先方に渡し、さて差額を受け取る段階になって、先方より、この土地は調べた結果、風致地区とかで電信柱も立てることができず、木を植えることも抜くこともできないような土地だから土地は買わない、貸した金を返してくれたら権利書は返すと、こう言ってきた。私がこの土地を買った当時は自由にできる土地であったはずだ。風致地区に指定される折、当家に何の連絡もなかった。県の方で買い取ってもらえたらと、県の方に依頼したんですが、一部分ではめんどうだから、まとめてだったら買おうとの返事でした。当時、明治不動産から買った人は五十世帯ほどあり、住所もわからず、大変手数も入り込んで、まとめるにも思うようになりません。何とか一部分でも県で買っていただくとか、または見返りの土地を都合をつけていただくとかの方法はないものかと思います。
 こういう手紙を私いただいたわけです。当該の土地は阿蘇国立公園の土地なんです。当時、自分の自由にできるように思っていたというのは御本人の記憶の間違いでした。ここにいろいろな問題があると思うのです。とにかく本人は、たとえば明治不動産――倒産しております、例の明治不動産ですから。倒産しておる。これが周知義務というものをやったかどうかという、ここに一つ問題があります。本人は知らなかったと、こう言っております。それから今度は、いずれにしてもそういうふうに買って、それがもう抜き差しならない規制の土地であり、借金して買った、支払いもできない、売れもしない、こういう問題がここに起こっているわけです。これをひとつ頭に置いていただいて、私はこういう関係で出てくるのは、保安林とかあるいは自然公園法に基づく規制地区とか、こういう問題に、まあこれは悪徳不動産業者も中に一枚かんでおりますが、こういう問題が間々これからも起こってくるのではないか、こう思います。
 そこで、ちょっと環境庁にお伺いしたいわけですが、こういう自然公園法の指定地域というものはどういう手続を経て指定されるのか。もう時間がありませんから、簡単にお願いしたいと思います
#119
○説明員(新谷鐵郎君) 自然公園法に基づきます公園の種類といたしましては、国立公園、国定公園、県立自然公園がございますが、国立公園の場合の例で申し上げますと、これは環境庁の方で計画を立てまして、それで関係市町村長の意見、それから県の意見を聞きまして審議会にかけて地域を指定するということでございまして、個々の住民の方お一人一人の承諾をとって指定をするという手続にはなっておりません。
#120
○二宮文造君 いわゆる審議会等を通し、あるいは府県のあれを通して、公的な機関を通して網打ちをする、規制をする。個々の人は対象にしない、こういうわけですね。そしてもし指定をしますと、それはどういう手続で――官報に記載されるだけですか。どっか関係地のところに閲覧場所があるとかなんとかという、一般国民に対する周知徹底の方法というのはどういうふうにされているか。
#121
○説明員(新谷鐵郎君) 官報に告示されますと同時に、その公園計画の地図が関係市町村に送られまして、その地元の市町村では住民の方が縦覧できるというたてまえになっております。
#122
○二宮文造君 それから林野庁の方は、保安林の指定の手続はどうされますか。
#123
○説明員(藍原義邦君) 保安林の指定につきましては、森林法に決められたところによりまして、都道府県に委任いたしまして都道府県知事がこれを告示いたします。その後四十日間に異議の申し立て等、意見を十分徴することになりまして、その後四十日たちましてから確定通知をするという形にいたしております。
#124
○二宮文造君 保安林の場合は、土地の謄本ですね、謄本に保安林であるということが記載されますね、どうですか。
#125
○説明員(藍原義邦君) 地目に保安林と記載されます。
#126
○二宮文造君 公園法の場合は、土地の謄本に、そういう謄本をとった場合、登記簿謄本を閲覧した場合に、これが自然公園法に基づく規制地域であるという、そういう方式はとられませんね。
#127
○説明員(新谷鐵郎君) そのとおりでございます
#128
○二宮文造君 そこに私は問題が出てくるのじゃないかと思うんですね。大体よく似たものです、その規制というのは。林野庁の場合、保安林の場合はいわゆる立木の伐採を一つの問題にしますが、中でもやっぱり風致保安林もありますから、景観を保つためにという保安林もあるわけですね。自然公園法の場合、そうやって、たとえば特別保護地域だとか、それから第一種だ、第二種、第三種特別地域ですか、三種までありますね。それから普通地域ですか、こういうふうにそれぞれ規制は違いますけれども、しかし、特別保護地域でも、特別地域でも、特別地域の一種とか、特別保護地域とかというのはもう大変な規制ですよね。この中に民有地もあるわけです。しかも最近では財産区がどんどんどんどん売られておるわけですね。これは財産区というのは準公有地みたいなものでしょうが、これがどんどん売られているわけです。そして宅建業者を通じて買った人間が非常に困るわけです。これは登記簿謄本に保安林のように地目の中に入れていけば、これはもうだれだって土地を買うときには謄本を見ますから、閲覧しますから、大分こういう問題が避けられると思うんですが、その作業をなぜやらないのでしょう。
#129
○説明員(新谷鐵郎君) 御指摘のように、公園内の規制は最近は特に強くなってきておりますので、一般の方々にここが公園であるということを周知徹底される手段につきましては、確かに問題があると思っております。で、お話ございましたようなそういう登記簿の問題も含めまして、どういう形で住民の方に具体的に公園の範囲を知っていただくかということにつきましては十分検討いたしたいと考えております。
#130
○二宮文造君 それで、環境庁の場合ですね、たとえば土地を買う、土地を買いますね。そしていざ建物を建てようというときには、買った人がいわゆる届け出をし、許可を受けなければなりませんね。それから有姿分譲といいますか、宅建業者は有姿のまま売るのなら野放しですね、野放し。しかも今度は有姿分譲、有姿のまま私なら私が買ったとしましょうか。そこには道路も何もない、現状のままですね。その道路も何もないときに建物を建てようと許可申請を出してもこれは受理されませんね、取りつけ道路もありませんから。そうすると、まるっきり有姿分譲を野放しにしているところにこういう問題は当然のこととして私は派生してくると思うんですが、これはどうでしょう。その辺の許可の手続の問題、ちょっと教えていただけませんか。
#131
○説明員(新谷鐵郎君) 確かに御指摘のような問題が出てくるわけでございますけれども、私ども通常処理しております大部分のケースは、公園内でそういう宅地を造成するというような場合には、やはり実際には道路などを造成いたしまして、その上で一般の方に売ると、売買するという形がとられておるのが大部分でございますので、そういう場合には、宅地造成の申請がありましたときに、許可の条件といたしまして、これはどういう土地であって、どういうような制約があるかというようなことを周知徹底されることを条件とさせております。ただ、お話ございましたように、何ら手を加えずに、ただ不動産業者からほかの方に売られるという場合には、現在の自然公園法の体系ではその土地の売買について規制をする形になっておりませんので、御指摘のような問題が確かに出てくるわけでございます。
#132
○二宮文造君 これはしかし、何か改正をするというか、やらなければ、問題は次々に起こりますがね、何かお考えありませんか。
#133
○説明員(新谷鐵郎君) 公園内の土地の売買の規制ということになりますと、国土利用計画法のいろいろ御議論のありましたような非常にむずかしい問題いろいろ出てくるわけでございまして、現在の段階では公園の中であれば一切の開発行為を認めないと言っているわけじゃございませんので、やはり場所によりまして、どうしてもその開発を認めない場所、条件づきで開発を認める場所ということを区分いたしまして、土地の効用を一切否定するというようなことは、民有地につきましては場合によっては避けるということで臨んでおるわけでございます。しかしながら、どうしても民有地で私権の救済という観点から、景観を守るという観点からは許可できないけれども、しかし、その方の私権を救済する必要があるという場合につきましては、四十七年から民有地の買い上げ制度を発足いたしておりまして、県が買い上げる、それに対しましで国が高率の補助をするという形で対応いたしておるわけでございます。
#134
○二宮文造君 ただ、買い上げとおっしゃいますがね、買い上げは特別保護地域と一種地域だけでしょう。問題は二種地域に非常に多いわけです。二種地域については買い上げの意思は毛頭ないわけでしょう。どうですか。
#135
○説明員(新谷鐵郎君) 現在の制度では買い上げの対象になっておりません。
#136
○二宮文造君 そうしますと、網は打つは、審議会を通して打つ、景観を保つために網は打つ、規制はする。買った人は持ちも下げもならぬ、買い上げもしてもらえない。その泣き言は一体どこへ持っていけばいいんですか。
#137
○説明員(新谷鐵郎君) 確かに御指摘のような問題があるわけでございまして、私どもそういう二種地域、三種地域につきましていろいろ申請が出てまいります段階で、どこまでがとにかく公園の景観を守るという観点からは非常にこれを認めることは困難だ、しかし、その方の私権も尊重しなくてはいけない、そういうジレンマにいつも立つわけでございますけれども、今日私権と申しましても、やはり公共の福祉という観点からその行使につきましては当然制約があるわけでございまして、その方の受忍の限度というものが一体どこまであるか。たとえば、高さが何メートルというふうに制限されている、あるいは建蔽率はこれだけにしていただきたいというような条件をつけておるわけでございますけれども、そういう制約というものはやはり今日ではいわば受忍の限度として御了承いただかなくちゃいけない部分もあるのではないか。しかし、さらにそれを越えて明らかに個人に損害を与えたというような場合につきましては、自然公園法上は、通常生ずべき損失を補償するという規定があるわけでございますけれども、実際にその損失の額の算定ということになりますと非常にむずかしい問題がございまして、制度としては動いてないわけでございます。そういう具体的な建物を建てる場合だけではございませんで、いろいろ自然を守るためにその地域の開発が抑制される。その場合に、地元に個人の私権者だとか、あるいはそうでなくて、もっと公共団体にいろいろマイナスが生ずる、そういう問題をどう考えるか。つまり、自然を保護するためにもやはり費用が要るわけでございまして、そういう費用はそもそもだれがどういう形で負担すべきであるかというような基本的な問題を抱えておるわけでございまして、自然環境保全審議会の中にそういう自然保護のための費用負担問題の小委員会を設けまして、ただいまそういう問題について検討をしていただいておるところでございます。
#138
○二宮文造君 それで、いま国土庁のいま問題の有姿分譲です。これは北海道でいわゆる山林野、原野を図面の上だけで宅地並みに線を引いて――図面の上ですよ、そして道路予定地まで書き込んで、そして、あたかも開発予定地のようなかっこうで土地をどんどん分譲してしまう、いわゆる有姿分譲ですね。そういうふうなかっこうで問題になって、道庁としてはこのような分譲方式に対して国土利用計画法上の勧告制度、これを適用して取引の中止を勧告した。ところが、業者が勧告に応じない、そういう場合には、業者の氏名と勧告内容を公表することになっておりますが、しかし、それだけでこういう方法をとめるということはできないわけです。悪徳業者というのはますますやっているわけですね。こういう悪徳業者に対して制裁が現状では非常に弱いわけです。それで大衆か非常に迷惑をこうむる。この勧告に応じない業者に制裁を強化するということが、自然公園法に関するのも含めると思うのです。こういうあっちゃならぬ分譲、これをとめることになると思いますが、この点についてのお考えはありませんか。
#139
○政府委員(河野正三君) 大変国土利用計画法の運用には限界があることはよく御承知だと思います。しかし、一応利用目的の面と価格の面と両方から勧告を出すことになっておりまして、北海道の場合にはこの両方の面からふさわしくない取引であるということで中止勧告を十八件いたしました。そもそもは八十八件の届け出があったわけでございます。これにつきまして行政指導を厳重にやって、これは勧告を出すぞ、こういう形を態度として示しましたところが、七十件が取り下げをいたしました。残り十八件がどうしても言うことを聞かないので勧告をいたしました。勧告をいたしましたら十三件は勧告に従いまして取引を中止しますという報告が参っております。残り五件でございますが、これは勧告に基づく措置をとる報告、この報告の期限がまだ来ておりませんので、勧告を聞くのか、聞かないのかということはまだ定かにはっきり現段階ではならないという段階でございます。
 そこで、この勧告に従わなかった、仮に五件が期限が経過いたしましても勧告に応じなかったという場合の何か罰則なり何なりの措置は考えていないかというお尋ねだと思いますけれども、この国土利用計画法が元来届け出、勧告、それから新聞への公表という制度でできておりますのは、いろんなバランス上そういうことになっていると思われますので、これにつきまして国土利用計画法でこういった業者に対する措置を直ちに講ずるというような規定を加えるということはなかなかむずかしいかと思います。むしろこれは宅地建物取引業法の中で著しく不当な営業行為であるというような認定になれば、北海道知事がしかるべき業者に対する監督処分が宅建業法の方でできるかもしれないという感じはいたしますが、国土利用計画法という本来の枠組みの中では、そういった業者に対して特にねらい撃ち的な勧告を聞かないから罰則というようなことには、ちょっと勧告制度の本質からいたしましてむずかしい点があろうかというように思うわけでございます。
#140
○二宮文造君 一問だけ。どうも時間がありませんので、これは建設大臣にお伺いしても、国土庁長官にお伺いしても非常にその答弁に困ると思うのです。ですが、国務大臣として御答弁いただきたいのですが、要するに自然公園法、保安林は登記簿にありますから、ここで網打ちをされた消費者を守るためにはやはり謄本等に記載するようにして、だれが見てもこれは規制区域であるということがわかるようにすべきではないか、今後問題をなくするためにこういうことを私は考えるわけです。
 それからこの手紙の人のように、事情を知らされないで買わされて、いま持ちも下げもならない。しかもそういう規制もあるために利用もできない。こういう土地については二種、三種であろうとも何らかこれは救済の手段を考えるべきではないか。
 第三に、そういういわゆる宅建業のあり方ですね、宅建業のあり方というものを、未然に防止するそういう方法が必要ではないか。私、救済と、それから将来の防御策と、それから罰則主義と、この三つがどうしても必要だろうと思うんですが、この点について御答弁いただきたい。
#141
○国務大臣(金丸信君) 二宮先生のおっしゃられるとおり、またただいまのいろいろな話し合いのやりとりを承っておりまして、個人の財産を守るという立場から国がこれに無関心でおるということはできないと思いますし、十分この問題については今後検討して御期待に沿うようにいたしたいと私は考えております。
#142
○理事(沢田政治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#143
○理事(沢田政治君) 速記をつけて。
#144
○三治重信君 どうもたいへん遅くなって申しわけないんですが、昨年御質問しようと思って機会がなくて遅くなったものですから、五十年度予算案の御質問前にちょっとお伺いしたいんですけれども、木曽川右岸の下水道計画で、これは岐阜県の方の流域下水道の処理の終末処理場の問題なんですけれども、この木曽川へ終末処理場をつくってそこへ放出するについて、そのすぐ下流で木曽川の水を一宮の水道並びに名古屋市の水道を引いているわけなんですが、それについて岐阜県からの計画、これはまあ恐らく建設省の御指導もあったんだろうと思うんですけれども、県の方並びに市の方は非常にマスコミにも何回か昨年来取り上げられて問題にしているところなんですが、いよいよこの新聞によると岐阜県の方から愛知県の方へ正式回答を求められて、送るようになって、その案ができたためでしょうが、いろいろ問題点を書いてありますが、この問題について、やはり建設省の方、あるいは岐阜県の方は、この計画を持ってこられると、この場所であくまで建設を進められる腹づもりでおられるかどうか。
#145
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のように、木曽川右岸の流域下水道の計画につきましてはいろいろと地元で問題になっております。それと申しますのが、放流先から約二十キロメートル下流の地点に名古屋市などの上水道の取水場所があるというようなことであります。もう私どもいろいろこの計画を策定していく段階で、あるいはその後におきましても場所をいろいろ探しましたけれども、結局この場所をおいてはなかなか他の適地は見つからない。したがいまして、当面は上流の開発もさほど進んでいませんので、二次処理の処理水を放流することによって、上水道の上流に放流されましても支障はないと考えておりますが、しかし、次第に上流が開発されてまいりますと汚濁付加量もふえてまいりますので、そういう場合に対処すべく三次処理等も建設することを予定する、こういう考えのもとに、やはりどうしてもこの場所以外には処理場の適地は見つからないという考えでございます。
#146
○三治重信君 これについて、名古屋市民の方にすると、岐阜県側のふん尿を浄化すると言いながら、それをまた再度飲むというかっこうの先鞭になりますと、とてもじゃないが、感情的にもなかなか承服しがたい問題になると思うのです。これをここへ、木曽川へ放流しないで、ほかのところへ流す計画というものは絶対だめですか。たとえば工業用水に使うとか、もう少しこの下流までそのパイプで持っていって流すとか、そういうことは考えられないのか、どうですか。
#147
○政府委員(吉田泰夫君) この木曽川右岸流域下水道の集水区域は大部分木曽川流域なんですけれども、一部隣の長良川水系にほうっておけば流れ込むはずの汚水を入れる計画になっております。地元の名古屋市等の市民の方々の感情もわかりますものですから、私どもはこの計画におきましては、もともと長良川に流れるべき水系の区域の中から発生したものは、ここで、処理場で一括して処理はしますけれども、放流先は、その流量に応じまして、あえて木曽川に入れずに長良川の方に還元するということを考えております。そうしますと、木曽川水系から発生した汚水だけが木曽川に結局還流されるということでありまして、木曽川沿線の方々にも幾らかその気持ちがわかっていただけるのじゃないか、そのように考えまして、ちょうどこの場所は現在河川敷内になっているような適地でございまして、まあ水道の上流と言いましても相当距離もあるわけでございますし、当面二次処理ですが、先ほど申したように、将来計画としては三次処理までやるということによりまして十分水道の利用にも供されるわけでありますので、まあ気分としておもしろくないという点もおありでしょうが、十分これを進めさせていただくことによりましてこの計画は進めてまいりたいと、このように考えます。
#148
○三治重信君 そういう気持ちだと、愛知県側の、また長島の了解が得られなくても着工をしていくつもりなんですか。
#149
○政府委員(吉田泰夫君) この種の事業につきましては、事を分けて御説明し、先ほど申し上げましたようなこともお約束しながら、専門的な認識も含めまして御相談いたせば必ずや了解をいただけるのではないか、そういうふうに考えておりますので、御了解なしにうかつに事業を進めるという乱暴な気持ちもありませんけれども、一方、何と言われても気分的にいやだというようなことでも困りますわけでございまして、先ほどのように、同じ処理場で処理した水ですらもとの流域に戻すというようなことまで考えるわけでありますから、何とか御理解をいただくべくさらに努力を重ねたいと思います。
#150
○三治重信君 まあひとつその点はいろいろ決意はかたいようなんですけれども、これはやはり何といっても二百万の市民の感情問題が入っておりますので安易に考えてもらいたくないわけなんで、それと皆さん方、問題点は十分御存じだろうと思うんですけれども、ただ、理屈だけでは通らない問題、いわゆる自分達の飲む水へこの水系の浄化水を――汚水を浄化したと言いながら、水道の上へ持ってきて放流するというのはとても納得できないという空気が充満しています。それだから、もう少し少なくとも上水道の取り口よりか下流まで持っていくか、ほかのところへ、何といいますか、その水道の取り口の下か、またはほかのところへ持っていって放流することをやはり検討してもらわぬと、これだけの下水道の処理の推進というのは私も非常に必要なことだと思うんですけれども、そういう上水道の問題がからんでくると、理屈では解決できない問題を地元としてつくづく感じているわけなんで、下水道の処理の問題について、ひとつ放流する場所についてはよほど考えていただきたいと思っております。まあそういう問題をやっていると時間が過ぎてしまいますので、これは予算外の問題ですから、ひとつその点だけ意見として申し上げておきます。
 それで、五十年度予算の関連でひとつお伺いしますが、住宅問題で大変単価を直されたり規模を大きくされたりして非常に前進を図られていると思うんです。いずれにしても、これだけインフレになって建設費が上がってまいりますと、建設戸数の問題で非常に制約を受けておられることと思うんです。それを私は今後解消していく一つの方法として、今度頭を出された借地方式による住宅建設の促進と、こういうことを昨年御質問して同意を得たんですが、まあいまこれは五十年度では基本計画を策定する経費の一部の補助だと、こういうふうになっているわけなんですが、この借地方式による住宅建設の基本計画というものをどういうふうにデッサンされておられるのか、基本的な問題だけひとつお知らせ願いたい。
#151
○政府委員(山岡一男君) これから先の住宅建設を進めます場合に、土地所有者の方の協力が非常に重要なウエートを占めることになります。いままでに土地所有者の方がみずから賃貸住宅を経営なさるという場合には、融資なり利子補給なりの方途を講じてまいっておりますけれども、最近全農、全中あたりを中心といたしまして、いま先生おっしゃいました土地を貸し付けるということで地代を得ながら、まあ従来のたとえば農民の方等は地代によって生活をされる。一方、地方公共団体、公団、公社、それから農協、中央農協等が、単位農協等が中心となられました協会等が事業主体となられまして、その上に賃貸なり分譲なりの住宅を経営なさる、で、適当な時期に、たとえば遺産相続が行われる、もしくは十年たったというような時期には、請求があればそれを買い上げるということを骨子にいたしております。なお、地代につきましては、近隣の地代の値上がり等を勘案いたしまして、三年に一度ぐらいはひとつ見直しをするというようなことにしたらどうかというようなことを現在考えております。具体の場所につきましては現在のところまだ出ておりません。しかし、候補地はずいぶんあるそうでございまして、全農、全中の皆さんの方から、来年度は五カ所を選びましてモデル的にやりたいということでございますので、われわれもどこにするかにつきまして現在相談を進めておるというのが現状でございます。
#152
○三治重信君 私は前の大臣にもお話しして、ごく簡単な御意見にしておいたんですけれども、これだけ土地が高くなった、ことにこの予算の中でも三大都市圏には特別の予算措置も講ぜられておるようなんですが、これぐらいの予算では、とても大都市の中における賃貸住宅にしても分譲住宅にしても、土地の価格がひっかかってくるとまあ前進が非常にむずかしいんじゃないかと思うわけです。ぜひひとつ土地の分譲にしても、土地と住宅とを切り離した住宅政策を、大臣がいつも言っておられる、来年から新しく立てられる住宅計画には本当に検討していただきたいと私は思います。
 と申しますのは、やはり勤労者がマイホームの夢が薄れたと、なくなったと、こういうときに、いろいろ方策を考えてみましても、土地の価格がこれだけ高くなってきた場合に、土地と住宅とを切り離して、そうして土地は借地で、住宅は買い求めて、いわゆる財形なり、あるいは融資なり、また補助金なりで、賃貸なり分譲を受けて勤労者が自分の住まいとしていける体制を今度の計画にはぜひ入れていただきたいと思うのです。その場合に、ことにこの三大都市圏、非常に土地の高いところにおいて、私はまた後で具体的な資料を立てて御質問したいと思うんですが、きょうは時間がないものですからほんのわずかな例だけで申し上げておきますが、非常に高い土地であると、新聞広告やほかのを見ても、十何坪とか二十坪以下のような、分譲して家を建てているような、東京のような大都会の中でこういうふうなことが行われますと、それでいながら一千万円以上の値段で売り出されているわけなんですね。本当に将来考えると、そんな十坪や十五坪の土地を分譲して、そこへ家を建てていくような大都会の開発が行われていくということは、今後の住宅政策なり都市計画からいくと非常な障害になるんじゃないかと、土地の再分割を本当に防除しながら住宅の供給をやることをやはり基本的に考えていただきたい、こう思うわけなんです。
 それには私は土地の借地方式よりほかにない。その借地の場合に一定の土地を、住宅を建てるに、本当の住宅の地主が、たくさんのちょっとしたまとまった地域で地主が百五十人も百人もというときに、どうしてそれをまとめて利用する借地形式ができるかということを今後考えて、そういう政策について相当国としてのお金を使っていって、都市計画を、将来ここに住宅が建ってもすぐじゃまになるとか、非常にスラム化するようなことのないような住宅計画ができるようなことをやはり考えるべきじゃないかと、かように思っているわけなんですが、大臣の御所見を。
#153
○国務大臣(仮谷忠男君) 私は、この案はこれからの住宅政策を進めていくために一つめ大きな目玉になると思うんですよ。たびたび議論をしておりますように、住宅建設の一番の隘路は宅地の問題なんです。そこで、大量供給をしようということで、法案もまた御審議をいただいておりますが、住宅開発公団法等もお願いをいたしておるわけでありますけれども、本来なれば宅地を持っておる人が宅地を貸してくれて、そしてスムーズに家が建つということになれば、これは一番低廉な家ができますし、入居もしやすいということはもう当然のことであります。従来は土地を持った人がみずから家を建てて住宅供給をする、それに対して国は何がしかの協力をするという形をとっておりましたけれども、これは農地等を貸していただいて、これは農民自体が案外農地を手放すことはいやがりますけれども、確かな人で、将来保証されれば賃貸することも決して不都合でないと思いますし、そういうような面をむしろ活用することによって、土地の利用をできれば私は住宅政策の中で、いま特に住宅の建設費あるいは宅地費といったものが非常に高くなって入居がむずかしくなっておるときに、おっしゃるように宅地と建物とを切り離して進めていくことが可能になれば、これは私はいまの場合非常にいい方法じゃないかと思っております。幸い五十年度は一応モデルとして考えてみようということを進めておりますが、これはぜひひとつ積極的に私どもは進めてまいりたいと、かように思っております。
#154
○三治重信君 農家の方々の都市計画の中の農地については、いま大臣がおっしゃるような、これはわりあいにスムーズにいくんじゃないかと、最初はわりあいに一番着手しやすいところだと思うんです。その場合に、私は考えていただきたいのは、地主さんの土地をそういう住宅に提供した後の生活手段にも手を伸ばしていただきたい。それは住宅の、そういうアパートの、たとえ分譲にしてもそれが管理権を得て、その中から自分たちの働く場所、環境整備やそういうやつや、管理会社とかいうことで、共同的に相当雇用の機会や収益も得られるような住宅政策というものを考えていただきたいと思います。その点を要望して、ぜひひとつ私は、この都市計画区域内における、ことにまた土地が十万円かかるとか、少なくとも二十万円超すようなところは、もうこれは何ぼ金をつぎ込んでも土地を買い上げて住宅をつくっていくという政策では、現に東京、大阪が何ぼ予算をつけても何も一つもできないと同じように、これは予算措置だけでは不可能な問題で、土地問題なり、その地主をどういうふうにして新しいこの住宅建設なり住宅供給に協力をさすかと、土地を買い上げるんじゃなくて、それを地主に、そこにりっぱな住宅を建てることによって、その住宅を中心にして自分たちも、何と申しますか、生活ができていけるというような、ある程度一定の規模の計画を立てていかないとまずいんではないかと、これにはひとつそういう新しい観念をもっていく必要があるんじゃないかと思っておりますので、ひとつ御検討願いたいと思います。
 それからこの狭いやつですが、住宅局の予算説明の七ぺ−ジに「家賃収入補助金」というのがあるんですが、この中の説明が全然ないんですが……。それから最近公営住宅なんかで応能家賃負担という問題も出ているということを聞いていますが、それとの関連はどうも家賃収入補助金というのはないような気がするんですが、これはどういう家賃収入補助ですか。
#155
○政府委員(山岡一男君) 実は、公営住宅につきましては、数年前までは国の方から補助金を出しておりました。上物と同じように、一種公営住宅では二分の一、それから二種の場合は三分の二という国庫補助を出しておったわけでございます。それを最近では全部起債に切りかえております。起債に切りかえておりますので、その起債の償還額がまるまる家賃に入りますと、従来の補助金分を差っ引いて決めておりました家賃より割り高になります。したがいまして、従前の補助金を出しておったと同じところになるまでまあ家賃の収入を補助しようということでございまして、管理を開始しました公営住宅の値段が昔用地について補助金をもらった場合と差がないというところまでを埋める補助金でございます。
#156
○三治重信君 そうすると、これは市町村に入る金なんですか。
#157
○政府委員(山岡一男君) 公営住宅の事業主体に入ります。都道府県営の場合には都道府県に入りますし、市町村営の場合には市町村に入ります。
#158
○三治重信君 わかりました。
 で、それと家賃の問題で応能負担の問題、いわゆる最初入ったときには低家賃住宅なり何なりの資格で入られたけれども、その後非常に賃金が上がったとか、また所得が上がったという場合、この家賃の――非常にまあ急激なインフレで、だんだんだんだんこう建設費が高くなって、新しいほど物すごく家賃が高くなって、古い前の家等は本当にまあたばこ銭にも満たぬようなのだと、こういうことを聞いているわけなんですが、それを応能負担にするというと、ある程度新旧はあるのでしょうけれども、どういうかっこうでやれと、こういうことになるわけですか。
#159
○政府委員(山岡一男君) 実は、われわれのところにございます住宅宅地審議会からも、そういうような適正家賃を前に置きまして応能的な家賃負担を考えることを検討せよという中間の御報告をいただいております。ただ、この応能負担制度の骨子につきましては、どの程度のものを基準に皆さんに提供するのか、それから実際の現実の所得が十分に把握できるのか、それから家が古い新しい、遠い近い、大きい小さい等がございますけれども、そういうものに対してどの程度応能の範囲を基準として考えるのか等々、まだ数え上げれば非常に問題が多うございます。現在われわれも、ヨーロッパにもそういう先行制度ございますので検討いたしておりますが、ヨーロッパの方でも必ずしも成功していらっしゃらない。したがいまして、これは家賃の基本にかかわる問題でございます。したがいまして、日本的な本当にいい応能家賃負担制度ができればよかろうということで鋭意検討いたしておるところでございます。引き続き審議会の方でも小委員会等をつくって御検討いただくことになっております。
 その場合に、やはりもり一つの問題点といたしまして、いま先生おっしゃいましたような、たとえば公営住宅を例にとりますと、既存のストックは百三十万戸以上ございます。そういうものの中にも家賃のアンバランスという現在でも問題があるものがございます。そこへもってきて応能負担か入ってくるということになりますと、それをどのような時間をかけて、どのようなやり方でまあ応能に切りかえていくかというような問題につきましては、よほど慎重にやりませんと、なかなかうまくいかない問題だろうかと思います。十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#160
○三治重信君 大臣、この家賃の問題をよほど考えていただかないと、この賃貸住宅、ことにいかに市町村営はその損得は考えないと言いながら、損することばっかし、地方市町村の財政の負担になることばっかしの賃貸住宅では、いかに革新の市長でも何しても、私はまあ腹の中では、建てろとまあ大変なことになるということで、すった転んだで建てぬようになると思うんですね。したがって、まあこれは実施する方としては大変なことだろうけれども、家賃の問題を応能負担なら応能負担なり、何か原理、原則を、いままでの建設費を中心にした単価の家賃という原理を変えないことには、これからの住宅建設にしても、そういう公営住宅関係のまあ経営というものについてもうり本当にデッドロックになってしまうのじゃないかと、こういう感じを持っているわけなんです。
 それで、これ、家賃補助の補助金がこんなにつくようになっているわけなんですけれども、やはりもう少しそういうふうな収益の部面や考え方を変えないと、住宅供給に対して入居者を本当に、負担能力というんですか、生活保護世帯みたいに全部国なり公共団体が援助しなければ生活できない人と、それぞれちゃんと収入を持って生活している人を公営的な住宅でやるというのと、非常な国の施策についてアンバランスが出てきておる。この観念をひとつ生活水準、底辺の基準から下の人については、これはもう本当に国がめんどうを見るのは結構なんです。だから、その水準から上の人はある程度できるだけ負担をしてもらう体制を、家賃と体制で考えていただかないと、私は、言うはやすくても、現実に公営住宅の拡充と口では叫んでも実際上の実行がいかないじゃないか。これはぜひ建設省の住宅行政として家賃問題は、建てる側の市町村も家主になるわけなんだから、またそういうものを単に家主で、市町村でできなければ、先ほど申し上げましたように、やはり地主にもっと補助金を出して、そういう家賃が負担できないなら地主の方で管理してもらうという、ある程度の世話をしながらやっていくとか、総合的に相当考えていただく必要が絶対あるんじゃないかと思うのです。ことに、来年から住宅の新しい計画を立てられるということについて、まあ、ただでみんな住宅が供給されるなら別ですけれども、そういう家賃というものや収益を相当考えるということになると、この点の思想をしっかり据えつけて国民に対処していただきたいと思うわけなんです。それを一つ要望しておきます。
 それからもう一つ、この中で、何と申しますか、業界に対する補助金が出ておりますが、これは計画局関係ですか。それで私は、ことにこういうふうにして業界の指導体制をとられるのは非常に賛成なんですが、いま一つこの中で考えていただきたいのは、これから現実の住宅政策をやっていく場合に、民間でも市町村でも変わらぬと思うのですけれども、土地を借地したり、あるいは借地で地主とは話がついても、今度は建築になってくると周りとの、いわゆる住民パワーによる、またそういうものに対する日照権とか道路の問題とか、非常にわれわれ最近見ていると、一たん建てる住宅を、マンショムなり高層住宅を建てる、あるいはそうでなくても、住宅を建てる場合に、建設業者が大変な根回しやいろいろなトラブルを解決しないと、せっかく設計を役所から許可をとっても着手できない。これを業者はずいぶん困っているんじゃないかと思うのです。いままでは余り周りのめんどうを、周りに迷惑をかけても知らぬ顔をしてどんどん工事が幾らでもできたという、その反動もあるのだと思うのですけれども、今後この建設を進めていく場合に、周りの住民の了解手段、理解手段をとるやり方、それから、ひとつこれでやったっていいと思ったが、今度はまたそっち側から文句がくると、こういうことについては業界は手なれていないと思うのですね。それからまた、一業者でこれをやるというのもなかなか大変な費用かかかる。しかしながら、いまからもしも不景気が来て、住宅なり公共事業を優先的にやっていくと、こういった予算を配賦してやっていっても、一たん現実に着手をしようと思っても、建設業者が実際周りの者と全部話がつかなければ着手できないとなると、実際は計画といっても着手にすぐ三月や半年おくれてしまうのが実情じゃないかと思うのですが、こういう問題に対してどういうふうな施策をとっていこうとするのか。それがこのような業界の業者の指導やそういう周りの人やいわゆる住民パワーに対する対策とかいうものに対する研究や何かも入っているのかどうか。
#161
○政府委員(大塩洋一郎君) お説のような事態が最近の工事が特に大型化するにつれて頻発しておること、御指摘のとおりでございます。建設省としましては、これらの公共事業の発注に当たりましては、そういった設計面において、特に環境を重視したような設計面における改善策をとるということが一つの方向であると考えます。たとえば阪神高速道路公団等におきましても、両側に緩衝帯みたいなものを設けるような企画を、設計上考慮するというようなことを採用したのもその一つの例であります。
 もう一つは、住民の、便乗的なものは別といたしまして、事前にやはり公共側が発注するに当たりまして、その設計なりあるいら工事の方向なりにつきまして、事前に地元との了解を根気よくつけるということの、いわばソフトなそういった面の根回しの慣習というものが欠けていたというようなことを反省するものでございまして、こういう面のいわば感情的なものがしばしば発端になることが多うございますので、こういう面に十分配慮いたしまして、事情及び事業の種類によって違いますけれども、事前のそういった調整をするということについて特に留意することが必要だと考えておりまして、そういう面の指導を強化してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#162
○理事(沢田政治君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
#163
○理事(沢田政治君) 下水道事業センター法の一部を改正する法律案を議題とし、本案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#164
○中村禎二君 私は下水道事業につきまして御質問いたしたいのでございますが、大臣が予算委員会の関係で二時十分までしか御出席できないということでございわすので、順序を変えまして、まず大臣にお尋ねを申し上げます。
 当初、建設省は、下水道公団の設立を要求しておられたようでございますが、それが事業団となったその経緯と、公団要求との相違点をまず大臣にお尋ねをいたします。
#165
○国務大臣(仮谷忠男君) 下水道事業団は、公団に、特殊法人ということで、私どもはそういう方向で大蔵省との折衝を実は続けたわけでありますが、先生御承知のように、行政管理庁の強い指示もありまして、新設の部局や新設の公庫、公団はまかりならないと、こういうことで公団に、特殊法人としてもっていくことがどうしてもできなかったわけであります。そうかと言って、いまの下水道センターでは、なかなかこれからのいろんな事業の方、背負っていくためには重荷でありまして、十分期待にこたえることができないから、最善ではありませんけれども事業団に切りかえて、そして実質の仕事の面においては公団とほとんど変わらない仕事をやれるような態勢を整えようではないかということで実は事業団にいたしたわけであります。経緯はそのとおりであります。
#166
○中村禎二君 そこで、実は大臣にお尋ね申し上げたかったわけでございますが、冒頭にこれは、さきに本委員会で坂野委員から御質問があったようでございますが、その際公共事業の早期発注について、建設省はすでに早期発注の事務的な準備はほとんど完了しておる、そこで早期に発注をするというような御答弁のようでございます。ところが、私ども地方に参ってみますと、御案内のように低成長政策への転換によって公共事業が非常に圧縮をされた、実質的に圧縮をされている。中小業者は非常に困窮しておるわけでございます。まあ業者等の倒産の例を見ましても、ほとんど建設業あるいは不動産業者等が倒産をしておるという現状でございます。どうにもならないような窮境に立たされております。本省としては仮に四月早々早期発注をなさるといたしましても、それが県に流されて実際に入札に付するまでには相当の時間を要するわけでございます。いま地方においても非常に技術者が不足いたしておりますから、事務的にどうしてもそう一カ月やそこらでは発注する段階にはまいりません。
 それと、また今年は統一地方選挙がございますので、知事あるいは市町村長の選挙で半数ぐらいは首長がかわる。そこで、五十年度の議会においてはほとんど暫定の予算を組んでおります。そうなりますと、仮に本省から早期発注、事務的にそういう手続きをなさっても、県においてそれを予算化しないわけでございます、暫定で組んでおりますから。そうなりますと、地方議会は六月が次の定例議会でございますから、六月の議会でなければ予算化することができない。そうなると、やはり例年のとおり八月以降でなければ仕事にならないというような問題がございます。この点をどうお考えになっておるのであるか。ただ、早期発注をするということで業者に対して関心と期待を持たしておるけれども、実際には仕事にならないということになりますと、これはどうも絵にかいたもちに等しいということになりますので、一応その点を私は確認をいたしておきたいと存じます。これはもう大臣がいらっしゃいませんから、私は局長さんなり事務の方でひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#167
○政府委員(中村弘海君) 先生のおっしゃるとおりのような情勢でございまして、私たちも非常に気にしておるところでございます。ただ、まあこのたびの統一地方選挙は十七県くらいでございまして、そういった兼ね合いもございます。また、直轄なり公団なりというものは独自に進められるわけでございますから、私たちといたしましては、政府の早期発注の基本方針が決まれば直ちに着手できるようにというように考えているわけでございます。特に上半期の事業分につきましては、六四・五%というような計画を私たちはいましておるわけでございます。詳しくはまた会計課長から。
#168
○政府委員(丸山良仁君) いま政務次官から御答弁がありましたとおりでございますけれども、建設省といたしましては、現在の状況にかんがみまして、四月早々に発注ができますように、予算が通ったらすぐ活動できますように現在事務的には準備を進めておる最中でございます。
 それからもう一点は、政務次官からお話しございましたように、十七県だけが選挙があるだけでございまして、大部分の県はないわけでございますし、それから一つは、繰り延べの分が大体八%あるわけでございますが、これは年度当初からすでに予算は県が組んであるわけでございますから出るわけでございます。それから公団、公庫等につきましては、もちろん直ちに出しまして、直轄につきましても出るわけでございまして、そういうようなことを考えますと、現在各局で試算しているところによりますと、去年は抑制の年でございまして、第一・四半期の六月までに大体三二%ぐらいしか発注はできなかったわけでございますが、いまの見通しでは六月までに大体それの五割増し程度、四五、六%の発注はできるのではないか、そのように考えております。それから発注に当たりましては、かねがね建設省といたしましては、中小企業優先ということで、分割発注とかあるいは小規模の小型のものから先に出すとか、そういうことをやっておりますのでございますが、今後ともそれを進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#169
○中村禎二君 そこで、お尋ねいたしますが、本省といたしましてはそういう事務的な処理をなさっておる、しかし、地方ではやはり個所づけなとを早期に――確定的なものでなくても、おおよそ今年度はここはやるというような、おおよその個所づけをされて準備を整えるようにさしておかなければ、なかなか県や市町村では直ちにそれを発注するという段階までいかないと、こう思うわけでございます。そこで、すでにそういうことはなさっておるのかどうかということをお伺いいたします。
#170
○政府委員(丸山良仁君) 先ほど申し上げましたように、すでに準備といたしまして、各県に来ていただきまして、いわゆる設計協議と申しますか、そういう打ち合わせをしているわけでございます。全くの新規個所につきましては、なかなかそういうことは困離でございますが、たとえば道路、ここまでやっておりましてその隣をやるとか、提防、ここまでやってその隣をやるというように、いわゆる継続事業に近いようなものにつきましてはそういう準備を進めているわけでございます。
#171
○中村禎二君 そこで、私の当初申しました下水道事業につきましての質問を続けてまいります。
 わが国の下水道事業は、先進諸国に比べまして大幅に立ちおくれおるということは、これは論をまたないことであります。これは都市の屎尿を古くから肥料として農村に還元するという型で行い得たことでございます。また、都市の人口集中が今日のごとく激しくなかったためでもあります。そうして下水道に対する国民の認識が非常に低かった。それにまた社会資本の立ちおくれはこれは歴然たるものがあったわけであります。近年の経済発展に伴い水質保全の問題、生活環境の破壊問題などが発生いたしまして、下水道事業に対する認識は急速に高くなってまいりました。政府は下水道事業の長期計画を立てておられます。本年度はその第三次五カ年計画の最終年度でありますが、そこで質問をいたします。
 第三次五カ年計画の予想達成率はいかほどになりますか。また、この結果、全国の下水道普及率はどの程度になるかお尋ねをいたします。
#172
○政府委員(吉田泰夫君) 五十年度で最終年度を迎えます第三次の下水道整備五カ年計画、総額二兆六千億でございますが、そのうち予備費で取り崩していない分を差し引きますと約二兆五千億円余りになるわけでありまして、これにつきましては、明年度予算案の額まで計上いたしますと大体一〇〇%ちょっと超える程度になります。これによりまして、実際の下水道整備が行われ、新しく処理対象の人口がふえてまいりました結果、四十五年度末におきまして全国で約千六百万人という処理人口が九百万人分ふえまして二千五百万人分ぐらいになる予定でございます。この二千五百万人というのを五十年度末の総人口約一億一千万人で割りますと、総人口に対する普及率というものは二二・六%となる見込みでございます。
#173
○中村禎二君 次に、第四次五カ年計画についてお尋ねをいたします。現在鋭意作業中と考えられますが、建設省が現段階で考えているもので結構ですが、まずその整備目標についてお答えを願います。
 これに関連いたしまして、最近の地方行政の硬直化は歴然といたしてまいりましたが、新規事業の繰り延べ、補助金の返納などなど各地方公共団体の財政逼迫による公共事業施行能力は一段と低下してまいりました。そこで、お尋ねいたしますが、下水道事業の大半を占める公共下水道の補助率は現行では五・七%となっております。決して高い補助率とも考えられないのでありますが、今次改定の五カ年計画で補助率のアップを考えておられるかどうか。この点も含めてお答えを願います。
#174
○政府委員(吉田泰夫君) 実は、第三次の五カ年計画終了待たずして五十年度から第四次計画に切りかえるべく予算要求をいたしましたが、非常に激動している経済情勢のもとに新しく国全体の経済社会の基本計画あるいは新全総計画等の見直しを行うということになりまして、それを見直した上で下水道初め各種五カ年計画等も五十一年度から発足させるという政府の方針になったものですから、今回は見送られたというわけでありますが、そういう次第でございますので、五十一年度予算要求におきまして、下水道につきましても新しい第四次の計画を要求することにいたしております。ただ、従来のただ単なる延長的な発想でいいものかどうか。国全体の経済政策、将来見通し、それから逆算された当面五カ年の社会資本全体の投資のあり方、いろいろ根本的に議論されると思われますので、その方を見比べながら全体としての位置づけを下水道についてしっかり持ってもらおう、こういうかっこうでおるわけでございます。したがいまして、現段階で私ども考えていることと申しましても、余り具体化されているわけではございませんで、ただ、下水道につきましては、特に各都市で公害防止計画が定まっておりますし、それから公共水域では水質環境基準というのが定められておりまして、いずれも達成目標年次等がおよそ示されているわけでありますから、これを何としても達成できるようなスピードで事業を進めなければならぬ、そういう考えで整備目標は立てたいと思います。
 次に、地方財政の問題とからみまして、御質問の趣旨は補助対象率のことかと存じますが、御指摘のように公共下水道の全国平均の補助対象率というのは五七%ということになっております。これは七大都市が四一.六%、その他の一般都市が七四%という複合した数字が五七%というわけでありまして、これにつきましては、四十九年度からすでに大幅な引き上げを終えました補助率そのものとは違いまして、最近には改善を見ていないわけでありますので、新しい五カ年計画改定の際に何らかの検討を加える必要があるんではないか、こう考えております。ただ、補助率を非常に引き上げたものですから、補助対象率をどの程度引き上げる必要があるか、あるいは引き上げることができるかという点が問題でありまして、先ほど来の全体目標とのからみで十分検討させていただきたいと思います。
#175
○中村禎二君 次に、お尋ねいたします。下水道事業の大半の実施母体であります市町村においては技術員不足に悩んでおり、せっかくの計画の実施段階において技術員の質的、量的不足から繰り越しあるいは施工不能となっております。これを解決するため政府では下水道事業センターを設立し、本年度から公団組織に改組強化されるよう今国会に法案提出中でございますが、この機関において研修指導を受けられた、これに従事されたその実績あるいは今後の対策をお聞かせ願います。
#176
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、下水道事業センターが設立されましてまだ日もさほど長くないわけでありますが、今回地方公共団体の下水道整備の技術者不足に対処するために、さらに抜本的に内容を充実し、権限も拡大して下水道事業団と改組し、この新しく改組されました事業団の組織、陣容をもって従来のセンターでは十分要請にこたえ得なかった事業の消化に努力を傾けたいと考えているところでございます。
 下水道センターが四十七年十一月から発足したわけでありまして、その間に、一方では地方公共団体の下水道担当者あるいは担当予定者を集めまして研修を実施してきました。また、一方では地方公共団体からの要請に応じまして、技術指導という形で各種設計の作成に従事したりしてまいりました。たとえば研修の実績を申し上げますと、まだ発足当初でございますが、四十八年度には二百二十六の都市につきまして四百五名の研修生を受け入れ、四十九年度は三百四十一の都市につきまして五百十七名の研修生を受け入れてまいりました。間もなく研修センターの本庁舎も現地に完成することになっておりますので、明年度からはさらにこれを一段と飛躍して千名を超える研修を実施し、さらに内容の充実とともに、将来は年間千五百名程度の各種の研修を実施したいと考えております。
#177
○中村禎二君 下水道事業センターが日本下水道事業団となることによって業務の範囲はどうなるのか、局長にお尋ねいたします。
#178
○政府委員(吉田泰夫君) センターから事業団になりますが、この事業団は同一性を持ってセンターの業務を引き継ぎますので、まず従来センター時代から行ってきました業務をそのままそっくり引き継ぎますとともに、この際新しい業務を追加いたしております。すなわち、従来センターが行ってきました業務は、第一に、地方公共団体からの委託に基づきまして終末処理場等の建設を行うことであり、第二に、同じく地方公共団体の委託に基づきまして下水道に関する技術的援助を行うことであり、第三番目に、先ほど申し上げました下水道担当者の養成訓練であり、第四番目に、下水道に関する技術の開発及びその実用化の促進のための研究、調査、試験と、こういうことであります。
 今回新しく加えます業務は、まず地方公共団体の委託に基づきまして、これは経過的にでございますが、終末処理場等の完成いたしましたものにつきまして、若干の期間、維持管理を行うということも加えております。それから新しく地方公共団体職員としての下水道担当者の技術検定ということも加えております。さらに、下水道に流入させる工場等につきまして、水質が悪い場合にはその障害を除くという除害施設というものを設置することになっているわけでございますが、この除害施設に関する技術の開発、実用化の促進ということも加えております。さらに、本来の一般業務に支障のない範囲内でやれる場合には、日本住宅公団等の委託に基づきまして終末処理場等の建設、技術援助等も行えると、従来は地方公共団体からの委託のみに限られておったわけでございますが、こういった特別の法律に基づく公的機関から受託できる道も開くというような点が新しく拡大されまして、従来の業務と相まちまして相当下水道事業の推進に寄与できるものと考えております。
#179
○中村禎二君 最後に、地元のことで大変恐縮に存じますが、私の長崎県の下水道普及率はわずかに九・三%と、全国平均に比べはなはだ低率でございます。現在、長崎、佐世保の中核都市を中心に鋭意その普及に努めておりますが、新規大規模住宅団地の造成、工場団地の完成などその整備は急務であると申さねばなりません。幸いにいたしまして、五十年度から大村湾沿岸流域下水道調査事業を実施することになりまして、県央地区の開発に先行して本調査が実施されますことは、汚染が進行しつつある大村湾を生き返らせるものと地元民一同非常に感謝しているところでございます。
 そこで、お尋ねいたしますが、本調査は何年計画で完了いたしますか、また、本事業実施の見通しについてお答えを願います。
#180
○政府委員(中村弘海君) 私も選挙区でございまして、中村先生、答えさしていただきたいと思います。
 先生おっしゃいますとおり、大村湾流域の下水道の整備につきましては、現在、佐世保、諫早、大村におきまして公共下水道事業を実施中でございます。大村湾の水質環境基準を達成するためには、大村湾流域下水道整備総合計画の策定が先生のおっしゃるとおり必要でございまして、国庫補助により、長崎県が本計画策定のための調査を五十年度に先生がおっしゃるとおり実施するようになったわけであります。本調査は五十年度中に終了いたしまして、五十一年から本計画の策定を完了する予定でございます。特に、流域下水道とするか、公共下水道として整備するかは、本計画の検討によってその地域における下水道の整備を進めたいと思いますが、この件につきましては、また先生のお力もいろいろとおかりしなきゃならないかと思っておりますので、よろしくひとつお願い申し上げます。
#181
○中村禎二君 御答弁ありがとうございました。今後とも下水道事業の推進につきましては、より一層の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#182
○理事(沢田政治君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト