くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 建設委員会 第7号
昭和五十年三月二十五日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小野  明君
    理 事
                上田  稔君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                松本 英一君
                田代富士男君
                上田耕一郎君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       味村  治君
       国土庁長官官房
       長        粟屋 敏信君
       国土庁計画・調
       整局長      下河辺 淳君
       国土庁地方振興
       局長       近藤 隆之君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設大臣官房会
       計課長      丸山 良仁君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  増岡 康治君
       建設省道路局長  井上  孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       水産庁漁港部長  矢野 照重君
       通商産業省立地
       公害局公害防止
       指導課長     山中 正美君
       運輸省港湾局計
       画課長      大塚 友則君
       運輸省航空局飛
       行場部長     梶原  清君
       建設省都市局下
       水道部長     久保  赳君
       自治省財政局地
       方債課長     小林 悦夫君
       日本国有鉄道建
       設局長      高橋 浩二君
   参考人
       下水道事業セン
       ター理事長    関盛 吉雄君
       下水道事業セン
       ター理事     胡子 英幸君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○下水道事業センター法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小野明君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 下水道事業センター法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じて下水道事業センターの役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小野明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(小野明君) 下水道事業センター法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○古賀雷四郎君 下水道事業センター法の一部を改正する法律案につきまして、それに関連して御質問をいたしたいと存じます。
 まず、私は、下水道事業が最近非常に地域の生活環境あるいは生活水準の向上とともに、排水問題と関連しまして非常に需要が多いということが最近いろいろと私らに陳情も参りますし、またそういう必要性も十分認められているわけでございます。そこで、今回下水道事業センターを下水道事業団としまして画期的な執行体制の拡充を図るという形につきましてはまことに御同慶にたえません。ぜひ事業団の執行を十分指導監督していただきまして、そして今後の下水道事業の促進に全力を挙げていただきたいと私は存じます。
 そこで、私はこれらの関連におきまして五、六点だけ御質問申し上げたいと存じます。
 第一点は、下水道事業の五カ年計画についてでございます。五カ年計画は、ことし出そうというところが、国土庁の関係で五十一年度、頭をそろえて各種長期計画を出すというようなことになっております。長期計画が必要なことはもちろんでありますが、五十一年度に全部出そろえて発足した場合に、果たして各種長期計画の調整というものをどういうぐあいにやっていくのか、その問題をひとつぜひお答え願いたい。たとえば下水道をやった場合に、その下流にある河川の問題はどうなるのかとか、あるいは都市計画と下水道の関係はどうなるのか、いろんな問題が錯綜しているだろうと思います。この前の災害におきましても、都市計画街路ができてないため下水道の管が入れられない、そのために水害が起きたという実例もこの前の災害で起きております。したがいまして、こういった調整問題は個別に一つ一つ地域的に取り上げられて調整されなければなかなか事業というのは円滑に進行しないだろうというふうに考えます。
 そこで、国土庁からおいでになっておりますから、ひとつこの長期計画の今後の問題として、それらの問題について御答弁を願いたいと思います。
#6
○政府委員(下河辺淳君) ただいま御指摘いただきました下水道五カ年計画、その他重要な公共事業の五カ年計画が各省から昨年提出されましたけれども、国土庁といたしましては、五十年度の経済情勢その他なかなか方向づけをすることが困難な側面を持っておりましたので一年延ばしていただきまして、五十一年度からの五カ年計画で検討さしていただきたいということで、御指摘のように本年は長期計画を新しくつくることを中止していただいた経緯がございますので、私どもといたしましては、関係公共事業の五カ年計画の調整の仕事を精力的に実施するといいますか、行うということで現在検討し始めておりますが、いま先生が御指摘になった点でありますけれども、五カ年計画の調整に当たりましては各段階があるというふうに考えておりまして、まず最初に経済計画なり、あるいは全国総合開発計画なりの作業との調整という問題が一つはあろうかと思います。
 それからさらには、この公共事業の政策の重点の選択という問題で、現在では福祉優先あるいは環境優先という政策の中でどのような事業に重点を置いて五カ年計画を決めるかということが第二段としてあろうと思います。
 そして第三段としては、いま具体的に御指摘いただきましたような工事ごとのその地域におきます事業間の調整ということがあろうかというふうに考えておりますので、五カ年計画の策定の段階で、その第一の段階、第二の段階というところまでわれわれとしてもいろいろ検討しておりますけれども、第三段階の工事別のその地域のことになりますと、あるいは五カ年計画の実施の段階で調整をさしていただくということを残すと思っておりますが、しかし各事業間として、たとえば下水道の場合に、水質との関係、あるいは住宅との関係、あるいは水資源としての再利用との関係、あるいは国土保全と申しますか、都市河川との関係というようなあたりは、相当建設省からお伺いをして勉強して必要な調整をしたいという態度でおります。
#7
○古賀雷四郎君 私が申し上げましたのは、要するに最近の各種事業というのは、地域的におる程度調整しておかないとなかなか円滑に進まない。たとえば道路をつくって、後で掘り返して電線を入れるとか、あるいは下水道を入れるとかいう問題が各地に起こって住民の非難を招いていることは御承知のとおりでございまして、その辺の調整というのはやはり住民サイドとしては非常に大事な問題であって、この大事な問題が調整されずにやられるためにいろいろな問題が起こるということを指摘しておきたいと思うのです。だから、地域調整という問題がいかに大事であるかということをひとつ御理解賜りたい。もちろん経済計画とかそういう段階的な問題はありましょう。しかし、実際事業を実施するとき住民サイドが困らないような処置をちゃんと五カ年計画の中で調整しておいていただきたい。たとえば地域別配分の問題とかいろいろな問題、予算関係もありましょう。そういった問題からずっとやっていかなければいかぬじゃないかということを申し上げているわけでございまして、よろしくひとつ御配慮を賜りたいと思います。
 そこで、下水道整備は非常に要望が強いということは先ほど申し上げましたが、これに対しまして、今後の五カ年計画の策定につきましてどのように考えておられるか、具体的な考え方を都市局長、あるいは最後に大臣にこの考え方についてお伺いしたいと思います。よろしく。
#8
○政府委員(吉田泰夫君) いろいろ国全体の経済社会計画の根本的な見直しという時期に遭遇いたしましたので、五十年度改定をもくろんでおりました五カ年計画は、御指摘のとおり五十一年から発足させたいと考えておりまして、その場合に、各地方公共団体を通じまして全国的に非常に要望が強く、事業の促進を強く推進しようとしておられる地方公共団体が数多いものですから、そういう要請にこたえるということを図らなければならないと考えております。
 なかんずく、公共用水域の水質環境基準が定められております地域は、その水質環境基準を達成せしめるためになおのことその促進を図らなければならない事情にあるわけでございますので、そういったものには最大限の重点を置くとともに、なおそういう汚水関係ばかりでなくて、近年の災害等でよく見られる都市内のはんらん、浸水ということにも対処するため、そういった排水対策としての下水道もゆるがせにできない。それからそれを支える根幹施設である流域下水道、これは根幹であるだけに非常に重要な地位を占めるだろうというようなことであります。五カ年計画の規模等は、いま申し上げましたような緊急な必要な事情を十分勘案いたしまして、全体の調整の中でぜひとも所期の目的が最小限度は達成できるようなものを考えておるわけでございますが、具体的にはこれからの作業になりますので、明確にはお答えできない点は御了解いただきたいと存じます。
#9
○古賀雷四郎君 大臣の御所見もひとつあわせてお聞かせ願いたい。
#10
○国務大臣(仮谷忠男君) 先ほど国土庁からもお話がありましたし、いま局長からもいろいろ申し上げましたが、大体五十年度発足するというのを五十一年度に延ばしたというのは、新しい経済計画もあるし、新総合開発計画もあるし、そういったものとの調和をしながら時代に即応したものを考えようということですが、大体方針としては、住宅下水道は最重点として――福祉環境施設の充実を重点にいたしておりますから、そういうことを重点に五カ年計画を立てなければならぬことは当然のことでありまして、しかもいろいろ環境水質基準等が決められましたから、そのために下水道を完備していくことは国家的な一つの使命になってきておりますから、その使命を果たしていくことを考えなければならぬ、こういう観点から計画は進めていかなければならぬと思います。地方公共団体からも非常に強い御要望がありますし、それと同時にまた地方財政の問題等も考えなければならぬ。そうすると、補助率というか、補助対象率の問題等も考えなければならぬし、そういうようなものも考えながら、大きな目的に沿った計画を立てながら、その計画が順調に遂行できるような対策を考えなければならぬ、こういうところに使命があると思いますし、留意していきたいと思います。
#11
○古賀雷四郎君 大臣から地方財政問題に触れられたことにつきまして敬意を表します。
 そこで、私は、ことしの予算におきまして特別の地方債が認められたということですが、この地方債の考えを見ますと、償還問題とかいろいろな問題がかなり問題になってくるだろうと思うのです。そこで、この特別地方債を今後続けるのか続けないのか、五カ年計画でどういう位置を占めるのか、そういった問題をひとつお答えできるならばお答え願いたいと思います。
#12
○政府委員(吉田泰夫君) 五十年度予算から初めて採用されます特別の地方債というのは、私どもは熾烈な下水道整備の要請に対処するための一つのいわば新しい財源対策であると考えております。もっとも御指摘のように一方では国庫補助金を五カ年で分割して交付する。後年度になる五分の四の分を特別の地方債で当年度に充当し、補助率の分割された分を後年度に国庫補助金として支出し償還するというシステムでありますので、言うならば五年間を限度として返してしまわなければならないという意味で、さほど長期の役には立たないといううらみがあります。しかしながら、従来は当年度の事業は当年度の国費のみしか充てられなかったのに比べれば、いわばそれを五倍に使えるというメリットがありますし、下水道のような性格の事業に新しい国費以外の資金を投入するとすれば一つの工夫ではないかと私ども考えておる次第でございます。
 そういうことで、この特別の地方債は五十年度限りのものとしてではなく、五十一年度以降も当分の間これを続けることを私ども考えておるわけでありまして、当分の間というのは、環境基準達成等の要請から緊急に下水道の整備が必要である、つまり大幅に事業量を伸ばしていかなければならない期間が続く限りと、こういう気持ちでございます。したがいまして、五十一年度発足予定の新五カ年計画におきましても、特別の地方債はその全体財源構成の中に一つの位置づけを与えまして積算してまいりたい。もっとも、かなり短期に償還しなければならない地方債でありますから、今後の予算の組み方にはよほど配慮を要する。つまり国費そのものも相当伸ばしていくという配慮のもとに、特別の地方債の償還のみに国費が食われるというようなことがあってはならない。そういう点では注意を要しますけれども、そういう注意を払いつつ運用するならば、当面相当の効果をおさめ得るのではないか、こう考えておる次第でございます。
#13
○古賀雷四郎君 五カ年計画でも特別地方債を入れるというお話でございますけれども、よくわかりました。特に私は財政の硬直化を来さないように配慮を要するのではないかという気がいたします。そういう意味で、何らかのほかの財源の措置ができるものならば、そういった考え方も当然同時に並行して検討する必要があるのじゃないかという気がいたしますので、その点だけ指摘申し上げて終わります。
 それから次に、これは技術的な問題ですが、下水道の都市排水施設、これの問題につきまして、これは大体五年に一回ぐらいの洪水であふれるような計画を立てられているように私は聞いております。果たしてそうかどうかということと、都市内で五年に一回という降雨は過去のデータによるものでしょうが、舗装とかいろいろなことがだんだん進んできますと、かなり溢水、はんらんという問題が起きてくる。そういう問題に対処して、今後五カ年計画で降雨強度等の採択の問題をどういうふうに考えておられるか、私はひとつお伺いをいたしたいと思います。
#14
○政府委員(吉田泰夫君) 確かに御指摘のように、下水道施設の設計基準として、計画降雨強度は五年ないし十年に一回程度のものを前提としているわけであります。これは確かに一般の河川改修計画などに採用されている大規模河川はもとより中小の河川につきましても、もっと長期の確率をとって、それだけ安全性を見ておられるわけでありますが、しかし、下水道が都市河川あるいは一般河川と分担を分けておりますものも比較的排水区域の小さな小範囲のものを下水道として整備するということにもいたしておりますし、そういう全体の規模の小さいこと及び市街地そのものでありますので、流速も河川に比べてはるかに少ないというようなことで、計画降雨量を超えるような場合には、これは超えるわけですから溢水は免れませんけれども、しかし、それはゆるやかに流れるというようなはんらん状況でありますために、家を流失するとか、その他一般河川が破堤したような深刻な被害とはならないと考えております。もとより長期の確率の年数を基礎に、より万全なものに仕上げることが望ましいわけでありますが、現地点におきましての整備水準としては、一応そういったことでいま進んでおりまして、河川との対比におきましても、さほどの実質的な差ということにはならないのではないかと思います。もちろん今後いろいろな社会経済情勢の推移、市街地の整備の程度等によりまして、できるならばこの確率年数を延ばしていくという方向をもって検討さしていただきたいと思います。
#15
○古賀雷四郎君 金がかかるからということだろうと私は思うのですけれども、金がかかるのはなかなか財源的に措置ができなければやむを得ない点もあろうかと思います。しかし、やはり住民は下水道ができたらこれは水につからぬでも済むというような考え方をすぐ浮かべます。河川もそうだ、もう堤防ができれば安全だという。ところが、河川そのものは、たとえば五十年に一回の洪水に対処をしてやる、災害は五十年に一回はやはり来るということになるわけですね。そうしますと、やはりそういった程度を知らせておかないと、住民の方に理解してもらっておかないと、私は下水道ができたから水害はもう来ないという感覚になってもらっては非常に下水道の整備に対する不信感というものが強くなるという気がいたしますので、従来からいろいろ言われていることですから、ぜひひとつこの堤防の強度は幾らだとか、この下水道の強度はこのくらいであって、このくらい降りましたらどうしてもだめですよ、浸水免れませんよといったようなことはある程度考えておかなければならない。そうして浸水の被害をできるだけ最小限にとどめる措置を考えていただきたいと私は存じます。それは私の老婆心でございますので、ひとつよろしくお願いします。
 それから第四点に、従来も私質問したことがございますが、都市河川と下水道の関係をどうするかという問題は、都市にとってはいろいろと考えていかなきゃいかぬ問題がたくさんございます。したがいまして、これについてたとえば都市河川と下水道の管理をするところがどういうことになっているのか、それから果たして下水道の整備は非常に金を入れてやられると、そうしますと都市河川の整備ができない、おくれてくるということになったら、先ほど申し上げましたそういった事業費の五カ年計画の配分の問題まで関連してまいる、また地域的な問題にも関連してくる、調整の問題にも関連してくる。だから、この辺はひとつ私は御要望をいたしておきます、聞きたいけれども時間が余りありませんので。ひとつ都市河川と下水道の管理区分を十分合理的に決めて、そしてから、そごのないような計画にしていただきたいということをぜひお願いしておきます。これはお願いでございます。
 それから三次処理等につきましてもかなり進んで、事業化の見通しもだんだんついてきておるようですが、三次処理の事業化の見通しといったものについて簡単にお答え願いたいと思います。
 それから特に私は、下水道処理場から流れる合成洗剤のあのあわぶくというのは、どうももう全国各地でございまして、この問題は三次処理と関連するだろうと思いますけれども、ひとつその点について簡単にお答え願いたい、時間がありませんので。都市局長の答弁はちょっと長過ぎるから少し簡単にしていただきたい。
#16
○政府委員(吉田泰夫君) 三次処理のうちで、主としてBODとか浮遊物質を除却する技術につきましてはすでに実用段階に入っておりまして、五十年度から新しく二カ所の流域下水道の処場場で実施する予定にしております。もう一つの窒素、燐を除去する三次処理につきましては、まだ技術的に実用化の解明に至っておりませんので、パイロットプラントによる試験研究を進めている段階でありまして、早急にその成果を得たいと思います。
 なお、合成洗剤の問題は、下水道の大変悩ましい問題でありますが、特にその中でも燐酸塩を含まない洗剤の開発とか、そういった燐酸塩を軽減するための研究を進めまして、この燐の総量を減らすという方向で総合的に検討する必要があると考えております。
#17
○古賀雷四郎君 この合成洗剤の問題について、燐酸塩の問題があるでしょうけれど、大体見通しはどうですか。下水道部長さんどうですか。たとえばこういった合成洗剤のあわを出さないようにしてやる方法がいつごろ見通しがつきますか。
#18
○説明員(久保赳君) 合成洗剤のあわの問題とそれから燐酸塩の問題はちょっと性質が違うわけでございますが、あわの問題につきましては、下水処理場の中で生物処理でも分解しないいわゆるハードと言われている合成洗剤が過去において非常に多く使われておったわけでございます。しかし、その後生物処理によって分解をする性質の合成洗剤が開発され、最近大分市場にも出回っておりますので、最近は以前に比べるとあわの問題は大分解消いたしてきております。将来このソフトの生物処理によって分解されるものが多く使われることによりまして、あわの問題は大部分解消し得るのではないかというふうに考えております。
 それから燐酸塩の問題、燐酸塩を合成洗剤に使うために、特に湖とかあるいは閉鎖性水域、湾その他の閉鎖性水域で、赤潮であるとかあるいは富栄養化の問題の原因に燐酸がなりますので、そういう富栄養化対策としての燐酸を使わない合成洗剤の開発、これにつきましては関係方面にも燐酸塩をなるべく使わない、使っても量を少なくするような合成洗剤の開発をしてほしいということを要請しているところでございまして、今後とも広く関係方面に協力をお願いしてまいりたいと、かように考えておるところであります。
#19
○古賀雷四郎君 ぜひひとつ早期にこの問題を解消できるように御尽力をお願いしたいと思います。
 それから五カ年計画と関連いたしまして、補助対象率という問題がいろいろ今日まで議論になっておりますが、特に地方財政の硬直化とかいろんな問題もありまして、また地方財源の貧困という問題もありまして、地方では下水道事業を実施するのに非常に困るわけですね。したがいまして、この補助対象率を引き上げる考えはないのかどうか。もう結論だけで結構ですから、今後引き上げていきたいならいきたいというようなことでひとつ御答弁願えれば一番ありがたい。
#20
○国務大臣(仮谷忠男君) この問題は先日のこの委員会でもいろいろ議論されたんでありますが、大体第三次の計画でこれは決められたんでありますから、第四次、五十一年度の計画においてはこの問題はひとつ再検討をして、できるなれば対象率を引き上げていきたいと、こういう気持ちで努力してみたいと思っております。
#21
○古賀雷四郎君 前向きの御答弁をいただきましてありがとうございました。特に私は補助率、対象率の引き上げもさることながら、自治省にお伺いしたいんですが、地方財政の問題が下水道の進捗に非常に関係してくるという点で、自治省はこういった問題に対してどういうぐあいに対処するつもりか、お伺いしたいと思います。
#22
○説明員(小林悦夫君) 最近の地方財政が非常に硬直化していることは事実でございます。これに対しまして当省といたしましては地方財政計画を現在御審議いただいておるところでございますが、必要な公共事業に要する財源は十分手当てをしておるところであります。
 なお、下水道事業につきましては、今年度補助率の引き上げに伴いまして、起債の充当率のアップも行いまして、受益者負担金を除く分についてはすべて補助金、地方債で対処できるようにいたしておるわけでございます。また、起債の元利償還等につきましては交付税で必要な措置を講じておりまして、下水道に関する限り必要な財源は十分交付できておるのではないか、こういうふうに考えます。ただ、御指摘になりましたような補助対象率の引き上げ等につきましては、私の方としても今後引き上げられるよう希望いたしておるような次第でございます。
#23
○古賀雷四郎君 そうすると、自治省のお答えによると、下水道事業を相当大幅にふやしても地方財源に対しては心配要らぬというぐあいに理解していいですね――。
 それからその次に、下水道事業団に今後センター法の一部改正によってなりますが、下水道技術者というのが非常に少ないという点と、それから事業が拡大していくという点で人の問題が一番私は大きな問題になるんじゃないかという気がいたしております。ことしも若干の人員をふやして事業団の組織体系を整えられるようにされているようでございますが、直接事業団を持とうとされる理事長に、ひとつそういう点についてどういうぐあいにお考えなのか。実際今日までやってみてセンターでも十分でなかったと私は思いますし、事業団になってさらに地方の要請が多くなって事業が多くなれば当然の人員が必要であると思うんです。そういった点についてのお考えをひとつお伺いしておきたいと思います。
#24
○参考人(関盛吉雄君) ただいまお尋ねの点は、われわれが今日まで仕事を公共団体から要請によって実施いたします一番重要な問題でございます。現在、下水道事業センターでは百三十七名程度の専門の技術者を擁しておりますが、その大部分は国及び大都市その他一般都市等から出向していただきまして仕事をやっていただいておる技術者でございます。その仕事の内容は、やはりまず設計の問題から始まりまして、現地に工事個所を持っておりますので、その工事の施工の監督、また具体の個所についての工事内容の決定をするということが一番大きな仕事でございます。したがって、今日二十数カ所の工事をやっておりますが、明年度の事業計画ではその個所数もおおむね倍以上になるというふうなことでございますし、今後標準的な設計の樹立にかかっていくような仕事も始めなきゃいかぬと思っております。それはやはり今日の下水道事業の一番終局的であり、かつ困難な個所が乙の終末処理場でございますので、したがって、これはそういうふうな仕事についての設計標準みたいなものを早くつくってあげなきゃいかぬのじゃないか。と同時に、個所数がふえますと、やはり現場の工事の担当技術者の職員数をうんとふやさなければならない。こういうことでございまして、目下建設省を中心に大蔵省と協議を進めていただいておりますが、われわれの気持ちでは現在の程度の職員の技術者数の少なくとも倍以上の人が必要ではなかろうか、こういうふうに考えて、そのことの実現をお願いをしておる、こういう状況でございます。
#25
○古賀雷四郎君 私は、現在大都市に事業所税をかけていろいろやるという話がございますが、今回下水道センターの、下水道事業団の支所を東京、大阪に設けるような構成になっておるようですが、私はその東京、大阪でやられるのも結構でございますが、やはり地方の汚れてない地域を一日も早くそれを汚れないようなシステムをやっていくということも、今後過密過疎対策上もいろんな点でも大事な点だろうと。そういった点につきましてひとつお考えがあるならばぜひお願いしたいし、また下水道自体が大都市は整備率が非常に高い。ところが、地方においては整備率はほとんどゼロに近いところが多い。そういったアンバランスな整備率をいつまでも続けていってはどうかと。私は支所ができれば、支所のできたところが一番よくできると思うんですよ。いままで実際そうですもの。だから、そういうアンバランスなやり方が、整備率のアンバランスがあっていいのかどうかという問題そういった点につきまして今後の対策をどう考えておられるか、ひとつお願いしたいと思う。
#26
○参考人(関盛吉雄君) ただいまお尋ねのございました支所の問題でございますが、私たちはこの下水道事業センター、これは全国的にその技術者の数の少ない今日の状況に対処いたしまして、やはり専門技術者の一つの集団企業体をつくっていくと、こういう考え方で人の集積、人の集まりを今日まで努力してまいったわけでございます。先ほど申しましたように、この中心になるところというのは、やはり設計から始まりまして工事の段取りその他、土木と建築はもとより、機械、電気、水処理関係の施設の工事現場における整合性を図っていくという、つまりそういう仕事が基本になるわけでございます。したがって、数少ない技術者をどういうところでまとめるかということになりますと、今日のわれわれに与えられました任務の上から見まして、東日本と西日本に全国をまず分けまして、その中心のところに、参謀本部になるところにその技術者を集めまして、もちろん工事現場にはそれ相応の技術者を配置するわけでございます。そういう形で今日までまいっておりまして、五十年度の施工個所との東日本、西日本のバランスを考えますと、おおむね東京中心で東日本を担当し、そしてまた西日本を大阪中心ということでございまして、何も大阪、東京の大都市中心の仕事をやると、こういうわけではございません。そういう大都市にはまた出向してきてくれる技術者も多いわけでございますので、そういうところに中心になる勢力をかためて、いくいくは九州なりあるいは東北なりその他の下水道のおくれている地域で、かつ公害対策の緊急な必要性のある地域について仕事を進めていくためにだんだんとその組織を拡大していく、網を広げていく、こういうことを考えなければならないと思っておる次第でございます。
#27
○古賀雷四郎君 御趣旨はよくわかりますが、私はいままで下水道等が公害の後追い行政をやってきたという点を率直に認めざるを得ないと思います。そこで私は、その後追い行政はある程度断ち切らないと、いつになっても、今度たとえば東京、大阪は公害で非常にひどいということになって、だんだん下水道の整備率が高くなってきて、よくなるときにはもうすでに各地の下水道が悪くなっているというような問題が起こる。それからまたたとえば九州とか東北とかいろんなところは下水道事業センターに要請が非常に少ない。少ないというのは事業所がないから少ないんで、そういった点の配慮を今後ぼくはしていかなきゃいかぬのじゃないかという気がするわけです。これは御答弁要りません。どうかそういった点で、早期にそういった問題をひとつ解決して、やはり理事長が言われるような、たとえば設計の問題とかいろいろな問題を合理的に援助しながら、ひとつ地方の整備率も上げるような方向で私はやっていただきたいと思うんです。まあ後追い行政はもう断ち切る時代でございますから、ひとつその点の御配慮を事務当局にもお願いしておきたいし、事業センターとしてもそういった構想をある程度考えておいていただきたいということを念願いたしております。
 定員の問題でもう少し聞きたいんですが、たとえば地方公共団体の下水道処理場とか、あるいは排水ポンプとか、いろんな問題で維持管理を新たに法案の中に入れてあるようでございます。維持管理というのは地方公共団体の委託によってやると書いてありますが、委託によってやるのだけど、それはやはり事業団の定員の中をやるのか、そういった問題の検討がどういうぐあいになっているのかよくわかりませんし、しかし、いずれにしましてもやはり専門家となれば事業団の付属の定員だろうと思うんです。そうすれば、よほどこれをうまく委託の関係をどうするかという問題を考えていただかないと――。それから委託をずっと一生やるのかどうかと、一生というのはちょっとおかしいですが、永久にやるのかどうかというような問題もあります。だから、これは定員問題と関連してきますので、ひとつこの辺を十分彼此勘案して問題を処理していただきたい。御要望いたしておきます。答弁は要りません。もっと聞きたいですが、時間がありませんから。
 それから私はこの下水道事業センターでやられる工事発注がどちらかと言えば大手業界に偏重しているのじゃないかという気もいたします。地方建設業者も非常にいま困っておりますので、こういった発注の段階で地方建設業者の育成指導という立場も十分ひとつ御配慮を願いたいということを強く要望いたしておきます。もちろん下水道事業というのはいろいろ特殊な事業もありましょう。だから、いろいろとそういった点で御配慮のあった末だと思いますので、あえて異論は申し上げませんが、業界の育成という指導に立つ建設省の役目もございますので、そういった意味もかねまして、ひとつ業界の育成指導のために私はがんばっていただきたいと思っております。よろしくお願いして、これは御配慮をお願いします。
 それから私はそういう建設業界の問題に関連しまして、若干下水道事業公団と趣旨は離れますけど、たとえば地方自治体において契約保証金をとっているところもある。これは指名入札である限りは業界を信用して指名入札するわけですね。そうすれば契約保証金は要らないんじゃないか。それからまた国鉄ではまあ若干の鉄道利用債を買わしておるというようなことでございます。最近は鉄道の利用債が上がっているという話ですから、まあ余り問題はないように思いますけれども、しかし、前渡金から五〇%あるいは総契約金から五%取るということになりますと、やはり若干業界の金融が詰まっている段階におきましていささか問題があるんじゃないかという気がいたしますので、この二点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
#28
○説明員(小林悦夫君) 地方公共団体におきましても国と同様に契約保証金を取ることにいたしておるわけでございますが、実態といたしまして保険会社との間に保険の履行契約がなされている場合であるとか、地方公共団体との間に同種または同規模の契約の実績があった、こういう場合には契約保証金を減免することができるようにいたしておるわけでございます。実態といたしまして契約を履行できない場合も考えられますので、この規定自身を廃するわけにはまいらぬと思いますが、実態といたしましてはこれらの規定を十分勘案いたしまして適切な運用がなされておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○説明員(高橋浩二君) いま先生から国鉄が請負業の関連業者等に鉄道債券を引き受けさせているんじゃないかということかと思います。いま先生利用債とおっしゃいましたけれども、鉄道債券だと思います。御承知のように国鉄は設備投資の資金を確保するために多額の鉄道債券を毎年実は発行しておりました。四十九年度は予算上約三千七百億円ぐらいの鉄道債券を予定いたしております。この大部分は金融機関等にお願いをしておりますけれども、この三千七百億円の約五%程度を関連いたします建設会社等にお願いを実は申し上げる。四十九年度は約二百億円ぐらいになりますけれども、そういう債券をお願いして国鉄の資金を確保しているというのが実態でございます。この二百億につきましては、毎年のことでございますけれども、できるだけ関連の方々、しかも比較的大きくおつき合いをしていただいている会社の方々にお願いを申し上げる。決して強制するとかというような性格のものでございませんので、十分そこの会社の資金事情等をよく御相談申し上げてお引き受けを願っている次第でございます。御了承いただきたいと思います。
#30
○古賀雷四郎君 これで質問を終わりたいと思いますが、特に業界はいま苦しい段階でございますので、業界の実態に合ったような措置をぜひお願いしたい。まあ関係官庁全部そういう立場でひとつ業界を育成指導していただくならば私は非常に業界も助かるだろうと思いますので、その点を特に例を出して申し上げた次第でございます。長い間どうも時間を超過しまして相済みません。
#31
○春日正一君 下水道事業センターを改善して事業団にするという法律はこれは一つの改善だと思います。しかし、そういう仕組みができても魂が入らなければ十分成功というわけにはいかぬわけですから、私、下水道一般について幾つかの問題点をお聞きしたいと思います。
 最初に、下水道五カ年計画の問題ですけれども、いまの下水道整備五カ年計画、これは五十年度で最終年度を迎えるわけですけれども、政府からいただいた資料によりますと、この五年間で予算として二兆五千二百七十九億、予備費一千億を除くと五カ年計画の当初予定というのは一〇〇・六%、ほぼ予定額はこなされておるということになっております。ところが、その整備の最初の見込みと実績を比べてみますと非常に大きく食い違っている。処理区域面積あるいは処理人口、こういうものについても食い違って、総人口普及率では一五・六%を五年間で三七・二%にするという予定が、実際には二〇・五%、それから処理区域面積普及率、これが二二・八%から三八%にするというのが二五・五%、処理人口普及率三四.七%から五五%にするというのが三九・六%というように、金は全部使ったけれども目標に対して見ると非常な何といいますか立ちおくれというかギャップが出ておる。四年間にたとえば処理面積普及率は二・七%だということで、整備見込みの伸び一五・二%の約六分の一、そのくらいしかいっていない。それから処理人口の普及率、これが四年間で四・九%、整備見込みの二〇・三%に比べて四分の一というような非常に立ちおくれを来しておるわけでありますけれども、一体計画どおりの資金を投入しながら、なぜ整備状況では見込みと実績にこれほど大きな違いが出てくるのか。これは計画当初の投資額が行き過ぎたのではないだろうかというふうに思うのですけれども、その点をひとつ説明してほしいと思うんですが。
#32
○政府委員(吉田泰夫君) 下水道の整備、同じく処理人口とか処理区域と申しましても、いろいろ前提になる数量自体がここ数年非常に強化の一途をたどりましたことと、それから近年の物価の著しい高騰、この二つに分けて考えられるわけでございます。
 まず、物価の上昇によりまして、平均いたしますと当初予定いたしました単価に対し約四割強の単価アップになっているわけであります。
 それから物価以外の要因といたしましては、たとえば管渠の工事につきましては、騒音とか振動等の公害対策をかっちりとやるために、地上から開削して埋め込むというような工法がとりにくくなってきたために、たとえばシールド工法、地中深く単価のかかる工法をとらなければならなくなったというようなことがあります。あるいは問題となった薬液注入の問題で、これまた経費のかかる工法によらざるを得ないというような事情もございます。
 また、処理場につきましては、計画設定当初以後に各地方公共団体におきましていわゆる上乗せ排水基準というものが続々決められ、それをも満足するような処理能力を確保しなければならなくなったということによる処理場の規模の増大、あるいは処理場自体いろいろ周辺の環境を害するというようなことで、においを防いだり環境をよくするために、一部場所では、ふたをしたり、その他の大気汚染防止対策をとったり、植樹をしたりという経費がかさむというようなことが積み重なりまして、まあ金額的には一〇〇%になったけれども、実質達成率は四四、五%程度にとどまったというのが実情でございます。まあ今後はいまのような要因は大幅に軽減すると思いますので、若干の物価上昇等は今後もあり得るかもしれませんが、金額とほぼ見合うような事業が実質進められる時代になるんではないか、こう考えております。
#33
○春日正一君 結局まあ物価も四割ぐらい上がったけれども、しかし、そのほかいろいろ予期しない要因が出てきて、そのために予算が食われて事業としては伸びなんだと、こういうことですね。だから見込み違いがあったと、そういうことだと思うんです。これは当然今後は計算に入れていかなきゃならぬ問題だと思うんですけれども、しかし、それだけではないと思うんですね。たとえば政府の経済社会基本計画、四十八年から五十二年のものを見ますと、五十二年度までに五兆六千五百億円、総人口普及率四二%というのを目標にしておるわけですね。だから、これの五カ年計画の総人口の普及率三七・二%よりも少し多くはなっていますけれども、これはそうすると、この目標で、いまの続きでいってやれるのかどうかということですね、そういう点をあれしますと。これはどういうことになります。この計画、五十二年度に五兆六千五百億円、五年間にかけて四二%を目標としておると、こういうことになっているんですけれども、これは実際実現できる計画になりますか。
#34
○政府委員(吉田泰夫君) 経済社会基本計画は昭和四十八年度から五十二年度までの五年を対象にして定められたわけですが、確かにその中ではおっしゃるような数字、目標が掲げられているわけであります。もっともこの経済社会基本計画自体が再び見直すということで現在作業中でありますので、そういう意味では少し過去の計画ということになりますが、この中では四十八年度からでございますから四十七年度単価を採用しておったというようなこと、それから現在の五カ年計画も当初予定になかった先ほどの要因などもある程度取り込みました。四十七年度策定としてはその時代の新しい要因をおよそ盛り込んだ内容であります。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
そのうち、四十八、四十九、五十と、三年の予算が執行され、あるいは執行されようとしているわけですけれども、この総額はこの三カ年で一兆六千億程度でありますから、金額だけ見ましてもなお四兆円程度が残るということでありまして、よほど努力しないと、たとえば五十二年までに間に合うということは申しがたいと思います。
 まあ、先ほど申したように金額的には一〇〇%になりましたが、実質的にかなりダウンした計画のまま、特にここ一両年、まあ他の事業に比べれば相当伸びたとはいえ、本来のぺースから比べればダウンした伸びしか見なかったものですから、後年度にちょっとしわが寄っているということであります。まあ新しい経済社会基本計画等が今後策定されるわけでありますが、その中におきまして諸般の調整は要するでしょうけれども、ぜひ過去においてすら見込んだような水準というものは何とか確保していくように努力したいと考えます。
#35
○春日正一君 この計画で言いますと、五十年までに一兆六千二百三十四億円大体使うということになるわけですから、残りが四兆円。五十一、五十二と二年間で毎年二兆円ずつ組むということになるわけですね。だから、これが実際できる可能性があるのかという問題です。それで経済社会五カ年計画を洗い直すとか、新全総を洗い直すという問題もありますけれども、恐らくまともに考えて洗い直すということになれば、高度成長のための高速道路とか工場、産業基地の整備とかというようなものが、いまの経済状況、いわゆるそういうものから考えておくらせられるとか縮小されるということはあっても、下水道というような国民生活基盤を整備していくというような事業が縮められるという道理は私はないと思うし、これはむしろ当然比重としては高まってこなきゃならぬものだと、そう思うんですけれども、大体大臣はどうお考えですか、その点に対して。
#36
○国務大臣(仮谷忠男君) 第三次が予定どおり進まなかったのは、先ほど局長からいろいろと申し上げたとおりでありまして、五十年度が第三次のちょうど三年目になるわけですが、ただいま局長からも挙げましたように、経済社会基本計画が新しい経済事態に沿って再検討されておる、これは恐らく五十一年度からこの新計画は進むと思います。下水道の方も五十一年度初年度で第四次を計画いたしておりますから、そういう意味から考えますと、第三次の残り四兆円ですか、これを二カ年間で直ちに消化するということは非常に困難だと思いますが、そういうものを含めたやはり第四次の計画を進めなければならぬと思いますし、第四次計画は御承知のとおりにやはり福祉優先という立場から問題をとらえていかなきゃなりませんから、ほかの公共事業等についてはあるいは圧縮があるといたしましても、下水道とか住宅とかいったようなそういうふうな生活環境に関する問題は、やはり従来のウエートより以上伸ばすという考え方で計画は進めていかなきゃならぬと思っておるわけであります。ただ、金額の問題についてはここでなかなか的確なことを申し上げることはできませんが、方向としてはそういう方向で進むべきであると、かように存じております。
#37
○春日正一君 いまの、こういう金は使ったけれども伸びないという問題、これ、結局問題は国費をつけるという問題だと思うんですよ。現に四十九年度では補助率を相当引き上げたわけですね。しかし、それに対応する国費がふえてないために事業の進展がおくれておるという事実があるわけですね。これを見ますと、補助率は公共下水道が十分の四から十分の六と一・五倍になった。流域下水道が二分の一から三分の二、都市下水路が三分の一から十分の四と、まあ相当引き上げられておるわけですけれども、しかし、事業費と国費の関係で見ますと、四十七年では事業費五千三百六億に対して千四百八十三億、三八%、事業費に対比する前年の伸びですね。ところが、四十八年では五千四百五十八億、そして国費が千五百五十九億、対前年の伸びが二%。四十九年になりますと、補助率が引き上げられた年に事業費が四千七百三十七億と、マイナス一三%ということになっておる。そうして国費は千八百八十三億ですから、これでは千五百五十九億よりも若干伸びておりますけれども、補助率を一・五倍に引き上げたという点から見れば、これはつけ方が比率としては減ってきておるわけですよ。だから、事業全体がこういう形で事業費も減ってくる、こういうことになっている。五十年度には若干持ち直しておりますけれども、こういう事実を見ますと、やはり下水道整備の事業費というものは必要なだけつけられていないということがはっきり言えると思うのですよ。そうしてそういうことが、先ほどいろいろ要件があって見積もり違いがありました、こういうことでおくれましたと言うけれども、そういうふうにできるだけ予算使わぬようにして、それで何とかおっつけていこうということが計画に狂いが来た根本じゃないだろうか。だから、そういう意味で、やはりもっと大胆に必要な国費は出すという態度をとらなければこの問題の解決つかないんじゃないか、こう思うんですけれども、これは大臣の御答弁お願いしたいと思うんです。
#38
○国務大臣(仮谷忠男君) お説のとおり、本当は思い切って予算をつけたいことはわれわれも同じような考え方を持っておりますが、四十九年度は御承知のとおり非常に大幅な補助率アップいたしたわけです。これはほかの公共事業と比較いたしますと、かなり補助率アップいたしたので、私はその点では非常に優遇したと思っておりますが、やはり補助率アップをし、さらに事業量も大幅に伸ばすということには財政当局との折衝ということにもなりまして、四十九年度はむしろ事業量よりも補助率アップに重点、後年度のことを考えて補助率のアップに重点を置いた、こういうのが実態でありまして、お説のとおりのような事態になっております。ただ、四十九年度のそういうふうな補助率アップしたことが五十年度にはかなりそれが影響しておりまして、そういう意味では五十年度は今後は事業量アップ、これも国費は若干いろんな事態で減ってはおりますが、事業そのものは特別起債等によって大幅にふやしておることは御承知のとおりでございまして、今後は積極的にやはり予算の獲得に努力する、国費を投入することがもう何といっても先決問題でありますから、努力をいたしてまいらなければならぬと思っております。
#39
○春日正一君 「下水道整備の今後のあり方についての答申」という中央都計審の答申があって、ここでも下水道整備の長期目標について「都市の市街地のみならず農山漁村等にも下水道を整備し、およそ昭和六十年頃に下水処理人口の普及率を市街地人口に対して一〇〇%、総人口に対して約九〇%まで引き上げる。」というような雄大な目標を立てて、そうして具体的な五カ年間に行うべき施策として「現行の五箇年計画はその目標、規模、内容のいずれにおいても不十分であるので、この計画を拡大改訂し、新たに昭和四十九年度を初年度とする第四次下水道整備五箇年計画を策定する必要がある。」、こういうふうにして「昭和五十三年度末の目標普及率を五〇%程度に設定する。」、こういうような目標を答申しておるわけであります。この答申に基づいて建設省は、四十九年度の予算要求のときから第三次五カ年計画を改定して、総額八兆五千億円、整備目標総人口普及率五〇%という新しい五カ年計画を要求した。しかし、これが見送られてきたというふうに聞いておるんですけれども、この間の事情はどういうことですか。
#40
○政府委員(吉田泰夫君) 従来の五カ年計画に、よく三年ぐらいで四年目に新五カ年に切りかえるというようなことも行われておりましたが、お話の四十九年度要求におきましては、ちょうどその四年目ということでもあり、いろいろ新しい要素が出てきたということから、そういった審議会の答申も受けまして思い切った新五カ年を要求はしたわけでございます。しかし、五カ年計画自体の残事業費もまだあと二年あるということで、十分過ぎるほどの枠は残っておりましたし、一方私どもは、四十九年度要求では五カ年計画の改定、それをバックにして国庫補助率の抜本的改善ということを柱に要求していたものが、五カ年計画を改定せずとも補助率改定だけはできるという折衝になりまして、これは相当将来のための実をとれるという判断から、残枠のある五カ年計画の改定の方は見送りまして実質的に非常に重みのある補助率の大幅引き上げということを実現したというのが経緯でございます。
#41
○春日正一君 そこがさっき問題にした補助率を上げた結果事業費が四十九年度は減ったというような現象になったということで、その点は非常に消極的といいますか、もっと腰を強くこの下水道の予算というものを要求すべきじゃないのか、そう思います。
 それで、お聞きしますげれども、その後の価格の高騰とか下水道整備の緊急性の高まり、そういうものを勘案してみて、来年度から発足を予定される新五カ年計画の規模というものをどれくらいに想定しておいでになるのか。これは技術的な問題ですから局長の方からお答え願いたいと思うんですが。
#42
○政府委員(吉田泰夫君) 五十一年度から新たに発足を予定しております第四次の下水道整備の五カ年計画の規模についてのお尋ねでございますが、規模そのものは、特に明年度各種経済計画等が基本的に洗い直され、その全体の総合的な位置づけの中で、これまたいろいろな五カ年計画が一斉に発足するというふうにも聞いておりますので、今後、明年度予算要求及び予算編成に向かって最大限の努力をしつつ、その主張を最小限は実現していくということでなければならないと考えております。そういうことで、額自体はこの段階で何とも申し上げかねるわけでありますが、過去にいろいろ私ども考えました必要性、それも当面緊急に五カ年で達成したいというその目標というものは、全体の枠とのにらみもあることでありますけれども、特に要望も強い環境密接型の事業であるだけに強く主張してまいりたいと思っております。
#43
○春日正一君 これは去年の七月一日の新聞の報道ですけれども、「下水道整備 普及率を五〇%へ 第四次計画作り開始」ということで、細かく読むとあれですけれども、「新計画最終年度の五十四年度には五〇%まで引き上げる。投資規模は三次計画の二兆六千億円の約四倍、十兆円を超す見通しだ。国庫補助率は四十九年度に流域下水道が二分の一から三分の二になるなどの引き上げが実施されているため、新しい改定はしない。」云々と、こういうような形のものが、まあこれは発表したものが開かれて、だれかが言ったのかもしれませんけれども、すでに報道されておりますけれども、大体五〇%ぐらいな目標は立ててやっていくというおつもりなんですか。
#44
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほどのまあ新聞にあったようなほぼそういう線で、五十年度の予算要求でも新五カ年計画を要求しましたが、これは最終年度でありましたけれども、全体の見直しという時期に遭遇しまして、これまた改定は見送られたというのが現在までの経過であります。まあ最近は非常に経済社会の変動が激しいもんですから、将来の見通しも一年、二年たった程度でもかなり変わるということもあるわけで、だからこそ国全体の経済計画も見直されているということだと思います。下水道の整備の必要性の要因としては、市街地の発展動向、人口の市街地への集中動向、それから特に工場等の生産高の増加といったものが非常に大きな要因を占めるわけでありまして、ですから従来立てた目標が、考え方としては変わらない場合でも、数字としては変わることもあり得ると考えております。まあ私どもは新五ヵ年計画を立てるに当たりましては、そういう前提条件の違いというものが国全体で見直されるならば、それはそれを前提として新しく受け入れ、しかる後に実質的に従来目標としておったものにおくれをとらないように、これはぜひともやりたいと考えております。
#45
○春日正一君 まあその点では、建設省の立場からすれば一刻も早く実現したいというのは当然のことだと思うので、これはぜひ要求に応じてやっていただく必要あると思うんです。
 それで、その点でもう一つの問題ですけれども、公害基本法に基づいて環境基準の類型指定がされた水域における水質の状況というものが環境庁から毎年報告がされておりますけれども、これ、四十九年十二月のものを見ますと、四十八年度の水質測定結果というものを見ますと、不適合率は河川で二四・五%、湖沼で三八・五%、海域で、二八・二%、前年比で湖沼が減っておるほかは、幾らかまあふえておるという状況になっております。年間平均で河川で環境基準を満足する水域というのは五九・六%であって、前年度の五三・八%に比べて少しふえておりますけれども、まあそういう状況で余り改善されてない。それから建設省の一級河川の水質の現状ですね。これは前年に比べて水質の悪くなった地点五三%、よくなった地点三八%、大都市圏では横ばい、地方の水質悪化が特徴的だというふうに言われておりますけれども、環境基準の維持状況、これを見ると、八十六水系の中で、検査地点数五百九十六、基準維持できずというのが二百十三、三六%。特にC類型、五PPm以下という点では五二%、D類型、八PPm以下、これが七〇%、それからE類型で六一%というものが基準維持できずということになっているわけであります。前年の報告では、三十六水系でもって基準維持できずというのが四五%、それからCが五三、Dが六七、Eが八三となっていますから、まあ数字の上では幾らかよくなっている形になっているけれども、私ども中身調べてみますと、比較的ましな水系へだんだんこの類型指定が広がって追加していくもんだから、一概にこれは非常によくなったとか、よくなっていきつつあるというふうには見られないと思うんですけれども、その点、どう考えておいでですか。
#46
○政府委員(吉田泰夫君) ここ一、二年だけの比較をいたしますと、おっしゃるようにまあいろいろ地点によって上がったり下がったりということで、総合的に申せば、平たく言って横ばいというような状況のようであります。まあこれだけの下水道整備をやっておりますので、御指摘のようにその進みぐあいはまだまだ遅々たるものがありますけれども、必ずやある期間置けばこの基準は著しく改善されていくものと見通しております。
#47
○春日正一君 それで、この基準の達成についてでありますけれども、この現在全国四十七の県際水域――環境庁で言っている言葉ですけれども、都道府県権限の五百五十三水域中の二百六水域について類型指定がされているんですけれども、特に大都市圏の汚染のひどい河川の達成期限というのはまあ五カ年まで、もしできなければ五カ年を超えてこの九年以内に可及的速やかに達成しろということで指定されておるわけですけれどもね。だから、それがほとんどまあ今度の新五カ年計画の期間内には基準を達成しなきゃならぬということが、これ環境基準の方から迫られておるわけです。ところが、実情を見てみますと、この基準値の達成のために、もちろん排出規制ということも必要な要素ですけれども、下水道の整備がどうしても必要だと、しかも三次処理まで大都市では必要になってきておると思うんです。
 たとえば隅田川の例をとってみますと、この下水処理水が出るのはBODで二OPPmですか、そしてこの二OPPmでいいというのは、これは六十年前にイギリスで下水処分に関する王立委員会が決めた基準で、下水処理水がBOD二OPPmでも、その前提として河川で八倍に薄くされる、だから四PPmになるだろうという前提でこれが決められておった。ところが、東京の場合言いますと、隅田川では普通水量が日量で百四十一万トン、流入の汚水量が二百二十五万トンですから、八倍に薄くなるなんてもんじゃない。だから、下流では二四PPmというようなふうに、下水の排水よりもさらに濃いようなものになっていくというふうな実情になっておるわけです。だから、そういうことを考えてみますと、これをいま言った基準年以内、つまり五十一年から始まる五カ年計画の中で、こういう大都市の河川の基準を達成するというためにはどれくらい下水道の整備が必要とされておるのか。この点は都市局の方でも当然計算もされ考えておいでになると思うんですよ。どうですか。
#48
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほど申し上げたんですが、
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
いろいろ従来試算した数字もないわけではありませんが、何分にも今後の日本の経済成長がどうなるかと、かなり鈍化するであろうというようなことを前提にしまして、それから市街地面積の拡大傾向とか、市街地人口の増大傾向とか、工業出荷額の穢勢というものを洗い直した上で見通す必要があると考えておりますので、新しく見直した前提のもとにどういう数字になるかはなおこれから詰めたいと考えております。
 いずれにしましても、現在までの下水道の整備の進みぐあいは、各種の全国的な水質環境基準の達成の目標から見ればかなりおくれがちであることは事実でありまして、何としてもこれを追いついていかなければならないわけでありますが、先ほどのような前提の違いもありますから、その辺よく勘案いたしまして、水質環境基準はとにかく達成できるように、下水道全体の計画の中でもこの公害関係については超重点を置いて配慮するほかないと考えております。
#49
○春日正一君 その答弁ちょっとおかしいんですよ。環境基準というものは、これはすでに法律に基づいてきちんと指定されておるわけですね、きれいにしろと。どれだけの川をいつまでにどれだけにきれいにしろということは、これは指定をされておるわけです。だから、それをやるためには下水道どれだけ整備しなければならぬ、隅田川のような場合にはどうしても第三次処理をしなければきれいにするというわけにはいかぬだろうというような問題まで計算に入れて、それでやろうとすれば、いまの単価でいけばこれほどかかるというような計算というものは当然技術的にこれは出るはずのものだろうと思うんですよ、経済情勢その他とは関係なしに。そうしてそれをはっきりさしておいて、それを全力を挙げて実現するというために予算要求をしたけれども、経済その他の状況でこう削られましたと、こういうことなら話はわかるんですね。初めからわかりませんということは、きわめてふまじめだと思いますよ。
#50
○政府委員(吉田泰夫君) 公害防止の一番重要な地域として、従来一次から五次までの公害防止計画が各地で立てられておりまして、なかんずく二次計画が大都市地域を含んだ非常に大きなものでありますが、これを各策定年次で拾い上げまして、その公害防止計画の中で下水道関連事業費として必要だと考えられましたものは合計して六兆六千九百億ということになっております。もっとも、これを現在単価に引き直せば三、四割の是正を要するわけですけれども、そうなりますと九兆を超えるという数字があります。これはこの五カ年の期間とは必ずしも一致しないわけでありまして、もう少し後の期間まで含めた計画にはなっておりますが、水質環境基準の中でも最も代表的な公害防止計画の数字を申し上げればさようなことになっております。
#51
○春日正一君 それじゃ、それ別に予算をこう組むとか、これを公約するというわけじゃありませんから、だからこの環境庁の指定を指定期間内に実現するためには、下水道事業としてどれだけの予算がいつの単価で必要かというような数字を、後でもいいですからひとつ出してもらえませんか。どうです。
#52
○政府委員(吉田泰夫君) きょう用意してこなくて恐縮でしたが、早速つくりましてお出しいたします。
#53
○春日正一君 それで、この点では先ほども申しましたけれども新しい経済計画、いわゆる三全総というような言葉で言われていますけれども、これとの関連においてやはり国民福祉の優先、生活基盤重点という政策の転換ということが望まれておるし、三木総理も福祉優先ということは言っておられるわけですから、総需要抑制云々ということに左右されるということではなくて、やはりこの下水道計画は国民の健康、生活環境を整備するという立場から積極的にむしろ拡大して進めるということをやっていただきたいと思います。この点では、大臣、先ほど見解をお聞きしましたから、私見解を求めませんけれども、こういう事実もひとつ頭に入れておいてほしいと思うんです。
 東京都の長期計画によれば、区部の普及率は五十三年度で一〇〇%を目標にしてずっとやってきたわけですけれども、第三次五カ年計画が第四次五カ年計画に四十九年度から改定されるというふうなことを予想してやってきたものですから、先ほど言われたような形で改定が行われなかったということのために、五十一年度が七〇%、五十三年度が八〇%というふうにやはりこう完成期限がそれだけおくらされていっておるんですね。だから、そういう点も十分考慮していただいて下水道事業を一層推進するようにしてほしいと思います。
#54
○上田耕一郎君 一つ関連して質問したいと思いますけれども一、下水道の予算が非常に膨大にかかるという問題が出ましたし、それから三次処理その他技術問題、これもいろいろ出ました。三次処理が必要になってくるのは家庭用の排水よりもやっぱり大工場の工場排水、その中にいろんな問題があるわけで、先ほど古賀委員の質問の中にもいろいろそういう問題が出ましたけれども、大きな問題としては、下水道の処理にこれだけ大きな費用がかかるということの中には、春日委員が環境基準の問題も出しましたけれども、企業の問題と、それから環境基準で汚染を防止するという問題の根源には、家庭用排水の問題だけではなくて企業の工場用排水、その問題があるわけです。その企業の工場用排水が費用もかかるし汚染の大きな根源にもなる、三次処理まで必要になるということになれば、これは発生源ですね、工場そのものに排水の処理設備をまず負担させていく、そしてかなりきれいになったものを下水道に入れるということをする必要があるということが最近問題にもなっている。これはいまの日本のこの下水道計画全体の大きな見直しにもかかる問題だと思いますけれども、その点、今後どういうようにしようとお考えになっているか。やっぱり発生源で、工場に自分たちの負担でとめさせるという方向を建設省としても考えるのかどうか、この点ひとつお聞きしたい。そういうことを工場に義務づければ技術問題の処理も非常に楽になってくるし、三次処理を全部税金でやるということなしにやることもできる。それから下水道の費用そのものをもっと節減できて、いまの経済状況の中でも少ない費用で下水道の普及率をふやしていくことができるということになると思いますけれども、そういう点、明確な見解を関連してお伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(吉田泰夫君) まず、工場排水のうちで、重金属等の有害物質で下水道処理場では処理能力のないもの、これは受け入れるわけにはいかないわけでありますので、工場側でいわゆる除害施設というものをつくってもらう、それを経てきたものだけを引き受ける、こういうことが大部分の公共団体の条例で定められております。
 次に、そういった有害物質以外のたとえばBODが非常に高いとか、そういうものになりますと、これはまさに下水処理場で処理できるものでありますので、これをしも受け入れないという必要はないのではないか。したがって、これは受け入れて家庭排水などとまぜまして処理することになりますが、その場合にも一般の家庭排水のBODを著しく超えるような水質のものはそれだけ処理にも経費を要し、他との、一般家庭排水とのバランスも失することになりますから、これにつきましては私どもは水質使用料、水質の悪いものは悪い程度に応じて余分の下水道使用料を負担してもらう。そうしてその使用料の中には、追加する使用料の中には維持管理費のみならず建設費の償却分までも含めた算定にするということを考えております。これは最初に建設費として取ることも一案でありますが、やっぱり工場は業種や製品も必ずしも一定しているとは限りませんで、長い間には変更することもある、あるいは工場自体が移転するということもあり得ますし、いろんなことを考えますと、最初はそういう当初資金として受け入れるよりも、後の使用料に差をつけまして、それで建設費も含めて回収していくというような区分をすれば一番現実的ではないか、こう考えております。
#56
○春日正一君 次の問題、国庫補助の問題ですけれども、四十九年度に大分上げられたということですけれども、今後先ほど言われたようにかなり急速に下水道の整備促進をするためには国庫補助金の大幅な増額が決定的に重要になってくるというふうに思います。国庫補助率の引き上げについては、少なくとも今後の下水道の飛躍的な整備を促進するための第一の関門は、この国庫補助率及び補助対象率の打開にあることは言をまたないというようにこれは言われておりますけれども、そういう報告、要望というようなものがあるんですけれども、道路、河川並みの水準に引き上げてはどうかというふうに言われておるんですけれども、その点はどう考えておいでですか。都市計画中央審議会の答申、四十八年七月十九日というようなものにも出ておりますし、第三次下水道財政研究委員会報告、四十八年六月十二日、こういうものにも出ておりますが、その点についてはどう考えておられますか。
#57
○政府委員(吉田泰夫君) お言葉でございますが、四十九年度の予算から非常に大幅な補助率のアップをいたしまして、たとえば流域下水道は管渠などは三分の二ですが、終末処理施設は四分の三というような、いわばこの種のものとして最高の補助率になっております。一番中枢を占める公共下水道につきましても、パイプが十分の六で、処理施設は三分の二というようなことになりましたので、もう現在の水準というのは少なくとも道路、河川並みにはなっている。道路、河川などでも局部的な改良などは二分の一のものもたくさんあるわけですから、その辺を比べれば道路、河川並みより低いということは決してないんではないか。したがって、補助率に関する限りはこれでもうやっていこうという気持ちであります。ただ、御指摘の補助対象率につきましては、過去の五カ年計画の改定のたびに、若干ずつ引き上げてきておりますけれども、いまなおいろいろ問題がありますので、新五カ年計画改定の際には私どもも十分検討さしていただきたいと、こう考えております。
#58
○春日正一君 それはね、この「ジュリスト」という雑誌の一九七三年十月十五日号、「下水道−現状と課題」ということの中でも、先ほど言いましたような答申そのものを踏まえながらも、これは建設省の下水道企画課課長補佐丸田哲司という人が、こうずっといま言ったようなものをまとめて大体書いているわけですね。それからこれ見ましても、たとえば河川の場合、北海道直轄河川改良費云々、これは十分の九。中小河川(一級河川)改修費補助、小規模河川(一級河川)改修費補助(一種)云々、これは四分の三。一般国道改修費北海道地方道改修費、これも四分の三。それから砂防事業三分の二。地方道改修費雪寒道路事業、土地区画整理事業云々と、これ三分の二というようになっているんですね。それがこう上がったのを、この表で上がったのをこうやってみますと、ここまで上がっているんですよ。つまり三分の二というところまではですね。まだ上があるんですよ。だから、いまの緊急性から言えば、もう少しふやしたらどうだというふうに言っているわけですよ。だから、建設省の担当しているあなたが、実際に計画立てたとおりにやれませんと言って、ここで頭下げなければならぬような状況のもとで、いや大丈夫、これで間に合っていますという姿勢では、大蔵省だって出さないんじゃないですか。どうですか、そこのところ、姿勢の問題だと思う、責任感の問題だと思う。
#59
○国務大臣(仮谷忠男君) 都市局長としては、四十九年度、実はその補助率引き上げにずいぶん大蔵省とは悪戦苦闘をやって、先ほどおしかりを受けた、事業費を犠牲にしてまで補助率アップを考えたというところまでやった行きがかりもあるものですから、直ちにまた補助率引き上げということについて、なかなかそう簡単にはお気に召すような返事はできないんじゃないかと思います。しかし、下水道そのものがさきに申しました水質基準なんかも国家的な使命になっておりますから、その一環を担う大きな責任があります。ただ、北海道の問題は、下水道だけじゃなしに、道路にしても、港湾にしても漁港にしても全部北海道と内地とには開きがあることは先生御承知のとおりでありますから、そろって比較をいたしますと、これは若干まだ見劣りがするかもしれませんけれども、少なくとも現在内地における道路や河川と比較すると見劣りのしないところまでは持ってきたということは事実でありまして、今後もちろん努力をいたしてまいります。ただ、去年の経緯がありますから、若干ひとつそういう点を御理解願いたいことが一つと、ただその中でも、補助率は引き上げましたけれども、補助対象が非常にまだ開きがあるわけでありまして、これはぜひひとつこの次には是正をしたい。そして結局は補助率を上げることになるわけでありますが、そういった面で内容的に努力をいたしていきたい、かように存じております。
#60
○春日正一君 その補助率というか補助対象の問題で、これは特殊な問題ですけれども、最近都会なんかで処理場をつくるなんということになりますと、まあいろいろにおいも出るし、そういうことで、その上を芝生で覆うとか公園にするとか緑地にするとかというようなことで、むしろ都市環境の整備という面をあわせてやるということが住民からも要望され、先ほど古賀委員もそういった趣旨のことをちょっと聞かれたと思うのですけれども、そういうことをやらなければならぬようになっているわけです。ところが、これに対しては補助金の出どころがないわけです。都市公園でもないしということで。だから、こういう処理場の緑化、美化、こういうようなもののために間接的な費用が非常にかかるので、こういうようなものについてもやはり対象として補助金を出すということが考えられないものかどうか、この点を聞きたいのです。
#61
○政府委員(吉田泰夫君) 補助対象範囲の問題で、全体の補助対象率の問題のほかに、これもまあ補助対象率に帰するわけですけれども、角度を変えたいまのような終末処理場周辺の環境対策というのがあります。御指摘のように、現在は処理場については大部分補助対象になっておりますけれども、そういった景観、修景その他の環境対策のようなものは付帯的な工事だという理由で補助対象に入っておりません。私どもはこういう時期に特に市街地などで必要最小限度のものをやるにしましても、そういった環境対策が必要であります。処理場ができなければ下水道も全体が成り立たないわけでございますので、そういった地元との摩擦を避け、ほかならぬ下水道に二次的な公害を発生させる、あるいは少なくともその危惧を抱かせるということがないように、これはまあ一般の補助対象率の問題とは切り離して、別途に新しく補助対象に入れるべく努力したいと考えております。
#62
○国務大臣(仮谷忠男君) ちょっと補足をして申し上げます。
 この問題は、先日古賀先生からも一応御指摘があった問題でして、一番問題は処理場の位置の問題ですよ、場所。だれもきらいまして、好きこのんで誘致するものは一人もない。無理やりにそこへ持っていって、なだめて、そして場合によったら抑えて施設しなければいかぬでしょう。そうすれば、それにふさわしい環境をつくってやらなければならぬですよ。それは今後四次の計画では当然私は考えなければならぬ大きな問題の一つだと思っております。そういう意味で処理してまいりたいと思っております。
#63
○春日正一君 それはぜひ採用してほしいと思います。
 それで、補助対象率の問題ですけれども、大都市に対する補助対象率、これはどういうふうになっていますか。
#64
○政府委員(吉田泰夫君) 総事業費の中で国庫補助の対象になる事業の範囲を率であらわしまして、補助対象率と言っておるわけですけれども、これは各五カ年計画の当初に、その五カ年計画で想定される事業をおよそ推定しながら積み上げまして、それで全体としての補助対象率を決めているわけです。
 現在の五カ年計画では、全国平均では公共下水道は五七%になっておりますが、そのうち七大都市は四一・六%平均ということで、一般都市が七四%であるのに比べますと、三十数%下回った補助対象になっているというのが実情でございます。
#65
○春日正一君 そこで、これは東京都の下水道整備促進に関する要望というのを見てみますと、国庫補助対象率は昭和四十八年度三四・六%、総事業費千百七十六億五百万円に対して補助対象事業費四百七億二千万円、昭和四十九年度二〇・四%、こういうふうになり、低率でありますということで、要望として、現行補助対象事業四一・六%、単独事業五八・四%というのを、補助対象事業五三・二%、単独事業四六・八%というようにしてほしいということを要望しておるわけですけれども、いま言われた大都市の補助対象率が四一・六%というものよりも実際にはさらに低くなっておるわけですね。大阪の場合でもあれです。大阪市ですけれども、四十八年度は四一・五%。これはほぼ政府の言っているのに合っていますけれども、四十九年度は三三・八%に下がっています。だから、こういうものをやはり是正する必要があるというふうに思うんですけれども、なぜこういうことになるのか。そしてまた是正するようにされるのかどうか、その点をお聞きしたいんですが。
#66
○政府委員(吉田泰夫君) 大都市の補助対象率が低いのは、長い歴史の経過から来ているものと思います。要するに、一般都市に比べまして大都市の方が財政力、財政負担能力があるというようなこととか、普及率が一般都市、これから始めようというような都市の多い地方都市に比べますと普及率も相当進んでいるではないかというようなこと、それから昔ずっと以前には補助率そのものにも差がついておりまして、それは現在補助率は七大都市と一般都市という区別をしないようになっておりますが、そういったいろいろなことが重なって今日に至っているものと思います。
 私どもは従来そういった事情があり、現在でもその事情の一部は他の都市との区分上、一般論としてはなおあると思いますけれども、といって、これほど大きな差があってしかるべきかということになりますと問題だと考えておりまして、先ほどの終末処理場の環境対策の問題とは別個に、一般都市との格差をある程度は是正する必要があるんではないかという方向で検討しているところでございます。
#67
○春日正一君 私、いま一般都市との格差の問題、この次にお聞きしようと思ったんですけれども、最初に格差をおつけになって、さっき私読みましたように、大都市の補助対象率は四一・六%となっているのに東京では二〇%というような数字が出てきておる。四十九年度千五百五十億の総事業費に対して補助対策事業費は三百十六億で二〇%というようなことになっている。なぜそうなるのかということをお聞きしたわけです。その点どうですか。
#68
○政府委員(吉田泰夫君) この四一・六%という補助対象率は、五カ年計画を設定いたしました際に想定しました事業をもとに、それが全国七大都市で五カ年全体で平均して四一・六になるようにというふうにセットしたものでございます。つまり五カ年間を通じ、七大都市全体を通じました結果としての数字でありまして、毎年度四一・六%を補助対象にするというわけにもいかないものですから、実際にはそれを頭に置きながら逆算的に管渠の直径等を定めたものでございます。したがいまして、比較的太い幹線管渠を多くやる都市には補助対象率は高くなるし、比較的枝管が多いという都市は補助対象率は低くなる、都市によっても同様の事情があるということで、全体を複合した数字がそういうことになるということでございます。確かに四十八年度は東京都、私どもの調べでは補助対象率が三三%ということになっていますが、たとえばその前の年の四十七年度は四七・三%もありますし、一方その前の四十六年度は四〇・八%というようなことで、四十六、四十七、四十八、三年を合わせますと四〇・二%、それでも四一・六よりは若干低いんですが、一方では五〇%を超え、あるいは五〇%に近いような七大都市もあるというような事情になっているわけでございます。
#69
○春日正一君 それがおかしいんですね。同じ七大都市の中で、片方は五〇%あるいは六〇%に近いところ、一般都市並みに扱ってもらっているところがあって、一方、東京とか大阪というところになると、一般都市並みに扱わないで実際には低くなっていると、いい方を出しても四〇・何%ということで低くなっている。結局、管渠の基準ですね、これから来ているんじゃないんですか。これには別に合理性があるわけじゃないんでしょう。たとえば東京のようなところですと、合流式で三千ヘクタール以上のところは三千五百ミリ、つまり三メートル半以上の大きなものでなければ対象にならぬということになっているけれども、東京のようなところでは大体こういう相当広範のところから水集めて処理場へ持っていくわけですから、そうすると、どうしても管渠の基準というもので対象が決められていけば、それに合わぬという形でのけられるものが出てくるということになると思うんですよ。だから、この管渠の基準というものをもっと合理的に改める必要があるんじゃないんですか。これ、管渠の基準が何ヘクタール――五百ヘクタール未満のところでは千二百ミリ以上とか、一メートル二十センチ以上とか、あるいは五百以上一千ヘクタール未満のところは二メートル以上というような形でそれ決めてますけれども、しかし、その決め方が合理性がない。東京都なんかの実態には合ってないから、そういうことが出てくるんで、やはり大きい管であろうと小さい管であろうとこれ必要なんだし、特に大都市では必要なんだから、そういう必要性に応じて全部補助するのが本当ですけれども、対象率というものを決めなきゃならぬという財政事情なら、そういう必要性に応じてやはり補助をするというようにして、公平にやっていくようにしなければまずいんじゃないかと思うんですけれども、その点どうですか。
#70
○政府委員(吉田泰夫君) たとえば道路のように、国道、都道府県道、市町村道というふうな道路の種類が分かれておって、国道、県道、市町村道という順に補助の仕組みも変わっているというものですと非常にはっきりするんですが、下水道の場合、流域下水道と公共下水道の差はありますが、同じ公共下水道の中ではそのような差はないわけであります。そこで、やむを得ないものですから、まず処理場とパイプとに分け、処理場については先ほど申し上げましたような付帯的工事と言われているものを除いて本体工事はすべて補助対象にする、これは処理場はすべて根幹的な施設だ、下水道全体から見て根幹的な施設だということが言えるだろうということからでございます。
 次に、管渠の方をどういうふうに分けるかという際、本当に数字的に都市よっても年度によっても違わないようにすれば、毎年のある市町村でのすべての計画事業に対し何%というようなものを掛けまして、それに見合う補助率を掛けるということをすれば、これは間違いなく一律になるわけですけれども、やはり補助対象率というものを考える以上は、どういう管渠に補助をし、どういう管渠に補助をしないかという区分がどうしても必要ではないかと考えまして、それに最も合理的に近いような形で現在のランク分けをしたわけであります。その結果は、おっしゃるように年度によっても市町村の別によってもかなりの差がありまして、それも相当著しい変動があるものですから、その点では問題がないとは思いませんが、さりとてなかなか明確な区分、ほかに名案というものもむつかしいということでありまして、新しい五カ年計画策定の際には、この率そのものの多寡を議論したいと思っておりますが、御指摘のような趣旨も含めて何か新しい合理的な区分けというものがないものか、さらに検討さしていただきたいと思います。
#71
○春日正一君 こういう決め方が確固とした科学的根拠に立ったものでないということだけは非常にはっきりしているんですけれども、先ほどこの一般都市との格差の問題ですけれども、大都市は負担能力があるとか起債を有利にすることで補うとかいろいろ言われていますけれども、大都市ほど利率の高い縁故債への依存度が高いというのが実情になっています。それからこの格差の問題で言いますと、水質汚染は大都市ほどひどくて、水質保全上からも大都市の下水道整備が急がれておるという点が一つあります。それから大都市ほど工事単価が高くつくということもこれは否めない事実だと思いますし、それから資本と人口の集中、たとえばビルやホテル、事務所などが国の政策によってずっといろいろ集まってくる、そういうことによって排水量が増大してくるのに対応を迫られているというようなことがあって、だから十大都市の市長会でも格差の解消ということを強く要望しておるわけです。そして実際に大都市では下水道整備の執行能力も十分あるわけですね。東京都の場合、八区へ枝管を委託してやらせておるし、だからこういう枝管の工事なんていうのは中小企業でもできることですから、いまの事態では中小企業対策としてもひとつ大事な意味も持っておるというような意味で、十大都市の市長会からも要望もあるというような点で、ぜひこの新しい計画をつくるときには、こういう格差を解消するようにひとつしてほしいと思うのですけれども、その点、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#72
○国務大臣(仮谷忠男君) その点いろいろ議会でも議論されておる問題でありますから、十分ひとつ検討したいと思います。
#73
○春日正一君 それから次に受益者負担金の問題ですけれども、この問題では私昭和四十三年のときにも相当この問題だけで突っ込んで議論もしましたし、四十五年のあの公害国会のときにもこの問題取り上げておりますけれども、ここでも新しい事態のもとでこの問題をもう一度見直してみる必要があるだろう、そう思うんで問題にしてみたいと思います。
 それで、受益者負担金制度をとっておる都市が近ごろますますふえて一般化するというような傾向になっております。数字的に言いますと、四十年度は四十五都市、四十三年度が百三、四十六年度が二百十三、四十八年度が二百六十三ということで、このうち省令によるものが五十三、新都市計画法の条例によるものが二百十というような形で、三百六十四都市、公共下水道事業やっている都市の七二%までこの受益者負担金というものをつけるようにしておりますけれども、私この問題でなぜこうするかという議論はこの前ずいぶんやりましたし、これやると、この問題だけでも相当時間食いますんで、その点は省こうと思いますけれども、いまでは下水道というものはもうナショナルミニマムとして、水道やくみ取りやあるいは電気と同じように、これはなきゃならぬものということではすでに国民的な合意というものは成立しておると思うんですよ。だから、そういう下水道をつくるという場合に、下水道をつくるから、受益者だから特に負担するというような根拠はもう薄くなっていると思うんですよ、前々いろいろ言われておりましたけれども。だから、そういう意味でこの受益者負担金というようなものはもうそろそろおやめになったらどうか、そういうふうに思うんですけれども、この点どう考えてますか。
#74
○政府委員(吉田泰夫君) 下水道は確かに現今ではもうぜいたく品ということではなくて、ナショナルミニマムと位置づけなければならないと言われておりますし、私どももそう考えます。まあしかしながら、そのことと、実際の全国の普及率は非常に低くて二〇%程度にしかなっていないというような点をあわせ考えますと、これは現実にはごくわずかの人が下水道の恩恵にあずかり、大部分の人はまだ未整備の状態で、いつでき上がるとも見通しがつかない状況にあるということも事実であります。その辺を考えますと、やはり下水道のように相当受益が明確にもう範囲が決まってくるというような事業で、下水道が整備されていない地区と、された地区との差、その差を多少なりとも公平化を図る、あるいは同じ下水道処理区域の中でも、土地所有者と、そういうように関係ない人との格差というものもやはりある程度は配慮すべきではないかと、そういう意味で受益者負担金の制度はなお当面は廃止するわけにいかないと、こう思います。
 ただ、実質的にはその負担割合はかなり減ってきておりまして、と申しますのは、全国大部分のところが平方メートル当たり百円から二百五十円の範囲で決めておるんですけれども、一たん決めたものはなかなか上げにくいということで、一方事業費は先ほど申し上げましたように非常に単価アップしてきておるわけでありまして、その辺現在から見れば、実際の百五十円とか二百円という負担はかなり軽いものになっていると、その程度のものはやはりいまの段階では少なくとも負担していただいて、小なりといえども下水道財源の一助にもなりますし、一般の人との差というものを考えれば、公平の点からもなくするわけにもいかないと、こういう考えであります。
#75
○春日正一君 その点私はもう時間がありませんから深い議論はしませんけれども、いままでの議論で一番問題になってきたところは、結局そういうものを取る法的な根拠があるのかということだったと思うんですよ。一方で都市計画税というものを取っておる。都市計画税の中に当然下水道の負担というようなことも含まれておるわけですから、じゃ都市計画税を私のところで出しているけれども、私の住んでいるところは現に下水道はまだ来ておりませんよ。だけれども、私のところは都市計画税を出している、いずれ来るだろう、そういうことで出しているんですね。
 だから、先にできるから受益者負担を取る。それじゃ来年できるところは幾らまけるんだと、再来年できるところは幾らまけるんだというような形での受益者負担の概念になっているかというと、そういうものじゃないんですね。工区を決めて、これが第一期、第二期というように決めてやっていく、そうしていままで建設省が説明してきた理由によっても、著しい利益を受けると。その著しい利益というのは、生活環境がよくなるからだとか、あるいは土地の値上がりがするからだとかいうようなことを言ってきたわけですよ。それについては水利地益税というものがあって、これを取っているところは都市計画税取ってはならぬというような規定になっているというようなことも私問題にして、そうして非常に疑問のあるということを当時も提起しておったんですけれども、著しい利益があるということをどうして測定できるのか、どれだけの利益があるということを。論より証拠で、私お聞きしますけれども、建設省は、受益ということが、果たしてだれがどれくらい受益をしたのか具体的に調べたことがありますか。これは不可能なことでしょう。その点どうですか。
#76
○政府委員(吉田泰夫君) 建設省として具体的にだれがどういった額の受益を受けたという算定をしたことはございません。
#77
○春日正一君 だから、はかられないものを受益があるからといって金をかけろと、金をかけたところへ優先的に補助を回すと、あるいは融資枠を割り当てると、そういうことは非常に不合理なことだと思うんですよ。で、新都市計画法でも、「都市計画事業によって著しく利益を受ける者があるときは、その利益を受ける限度において、当該事業に要する費用の一部を当該利益を受ける者に負担させることができる。」と、これが根拠でしょう。その利益がどれだけかということが判定できなければ特定してかけようないわけですわ。それから地方自治法の第二百二十四条でも、「普通地方公共団体は、政令で定める場合を除くほか、数人又は普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関し、その必要な費用に充てるため、当該事件により特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる。」と、こう書いてあるんで、受益が測定できなければかけようがない、そういう性質のものだと思うんですよ。下水道の受益者負担金という制度が、結局大企業優先、高度成長という政策のもとで国民基盤整備ということがなおざりにされておる。しかも一方では、水質の汚濁とかいろいろな問題が出てくるために急がなきゃならぬということで、その経費を国民に負担させるための一つのやっぱり賦課税みたいなものですよ。私は前に議論のときにも、そのことはいろいろ論証しましたけれども、だからそういう意味から言えば、高度成長の時代が終わって福祉重点の政治という時代になったというからには、こういう高度成長政策の残りかすというようなものは改めるべきではないかというふうに思います。
 そこで、一つお聞きしますけれども、昭和四十年の十月二十五日付で建設省の都市局長とそれから自治省の財政局長の連名でもって通達を出しておいでになるわけですね。つまり受益者負担金を取ったところは優遇するというようなですね。で、その通達が出てからぐうっとふえたわけですわ、受益者負担金が。だから、それを現在の時点で差別を、取っておるから対象率を多くしてやるとか、あるいは取っておるから融資の枠をよけいつけてやるとかというような、そういう差別はしないというふうな趣旨に基づいて、こういうものを撤回されるか、改めてその有無にかかわらずもう下水道事業に対する補助対象率なり何なりの差別はしないんだという新しい通達をお出しになるのかですね、この点をひとつお考えを聞かしてほしいと思うんです。
#78
○政府委員(吉田泰夫君) 受益者負担金制度を採用していないからといって、その補助対象割合などに差をつけていることは一切ないわけでございます。ただ、実際に受益者負担金制度を採用するためにはいろいろ地区住民の方と打ち合わせし、将来計画も立て、それに基づいて条例を制定するというような過程を経るものですから、まあ負担金を取る以上は何とか計画的に整備も進めていかなければその期待にこたえられないというような事情もありまして、公共団体としても強くその推進を望む。さもなければ公約違反のようなことになってしまうというようなことでありますので、まあそういった非常に熱意も高い、将来のある程度の約束めいたことにもなっているというようなところに私どもも予算を極力配分したいと、こういう気持ちになるわけでございます。といって、負担金制度をとっていないところ、たとえば大都市などはいろいろないきさつから現在とっておらないところが多いんですけれども、こういうところにも非常に巨額の補助金を出しているわけでありまして、そういう意味で差をつけているわけではありません。
 なお、先ほどの受益の額の問題ですが、下水道整備されればいろいろ言うに言われぬ各種の便益を受ける、まあそういったものが地価にも反映するであろうということなんですけれども、たとえばわかりやすい例で家庭用の屎尿浄化槽を設置する場合と比較しましても、これ、下水道が整備されればそんな屎尿浄化槽はなくて水洗化できるわけですから、ごく一部の一端でありますけれども、比較論として考えられるじゃないか。で、これまあ五人ないし七人用で設置費に十七万ないし二十万かかるということであります。そのほかにも年間維持管理費として五万円程度が電気料や汚泥の抜き取りとしてかかるわけですけれども、まあ維持管理費を別にしましても、設置費がその程度かかるということは、百平米で割れば平米千七百円から二千円ということになりますし、三百平米で割りましても六、七百円ということになるわけでありまして、まあこれだけじゃありません、下水道の便益性というものはほかにもたくさんあるわけでありますから、決して受益を超えるということは、いまの程度のものではあり得ないと私どもは確信している次第でございます。
#79
○春日正一君 まあ私の時間が来ているから、その議論は、あなたおやりになろうというならこの次の機会に、これだけで時間かりて徹底的にやりましょう。私、四十三年のときにも相当徹底的にやって、建設省の方でもまあこれが受益者負担依存の一つのサンプルだといって、地方から照会があれば春日先生の議事録見ろというお答えもあったようですから、まあそのくらいもっと徹底的にやりましょう。しかし、あともう時間五分しかありませんから……。
 ただね、考えていただきたいことはですよ、それは水洗になれば便利になるとか言うけれども、水洗にするのがあたりまえなんだということなんでしょう。それがナショナルミニマムなんだと、だから国や自治体で当然やるべきことで、金出さなきゃやれないということじゃないのじゃないか。特殊なものじゃないのだと、そこのところを考えてくれなければ、あなたは先できればそれだけ得だと言うけれども、じゃあ私は、都市計画税払っているほかの多くの都民でも市民でも、都市計画税払っておって、それで下水道もできてこない、あるいはこの道路の整備もおくれておるというようなことはたくさんありますよ。それは一度にばっと全部やれませんから。その先後の差をもって利益として、特別の利益として負担金をかけるというようなことは、もしそういう論理でやろうとすれば、すべての事業に対してそれをかけなきやならぬことになるでしょう。下水道だけでしょう、そんなこと言っているのは。道路にだって河川にだって受益者負担なんてないですよ、そういう意味の。だからその点を言っておるんですわ。
 で、その点について私言うのはですね、四十五年の公害国会、ちょうど根本建設大臣のときです。あのときの十二月十七日のこの建設委員会で吉兼都市局長はこういう答弁しております。「補助金とか起債を優先的につけざるを得なかった。」ということを認めた上で、「そこで、次の第三次五カ年計画におきましてはそういうことがないように、要は、五カ年計画をセットした以上は、国が幾ら負担をして補助対象割合をどうするということをきめまして、きめた以上は必ず約束どおり国も国費を確保して補助をつけていくというふうな態勢になりますならば、当然事業規模はもう私ども要求どおりでございますから」「負担金を徴収している都市と一般都市とそういう補助金で差別的な扱いをするというふうなことは、補助行政の上において私はないと、そういうことはなくなってくるというふうに私は期待いたします。」と、こういう答弁しているのですよ、その議論のときにですね。つまり、建設省当局も受益者負担を取るか取らぬかでその補助対象を差別するというようなことは好ましくないから第三次ではやめたいと言っておる。ところが、いまの答弁では、第三次のまさに終わって第四次に入ろうというときに、依然としてその立場をとっておいでになる。これでは困るんですわ。
 そこで、これは大臣の御判断の問題だと思いますけれども、少なくともこの次来年度からやるそれには、もうそういう受益者負担金を取っておるから補助対象率をよけいやるとか、取ってないから報復的に縮めるとかというようなことでなくて、やはり必要に応じて公平に補助をするということをやるようにしていただきたいと思いますけれども、その考えをお伺いして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
#80
○国務大臣(仮谷忠男君) 受益者負担の問題をいろいろ議論をいたしますと、おっしゃるとおりの議論も出てきます。私どももその点はよくわかります。ただ、局長からも申し上げましたように、もう下水道が五〇%以上できておるところならともかくも、これから始めようというところは、一部始めますと確かにそこだけは便利がよくなるんですわな。ないところは確かにより費用がかかるわけで、そういう意味で、これは地方自治体の運営の問題ですから、地方団体もいろいろ財源問題やら運営上の問題で受益者負担という形で幾分協力してもらっておることがあると思うのです。本当はこんなものずばっと公共料金をやめたらいいと思うのですけれども、こっちがそんなことを言うと、じゃあその分だけ国がまたひとつかさ上げしなさいと、こういうことにはね返ってくることも考えられますし、簡単に受益者負担の問題をやめるとかやめないとかいう問題は軽々には申し上げられませんけれども、やはり懸案問題として検討せなきゃいかぬと思います。
#81
○春日正一君 補助の問題ですね。
#82
○国務大臣(仮谷忠男君) はい。
 それからいまおっしゃいましたように、これは局長からもそういうことはないと言っておりましたけれども、受益者負担を取っておる取っておらぬにかかわらず、国の事業補助金を差別するようなことは断じていたしません。これはここで明確にお答えを申し上げておきたいと存じます。
#83
○春日正一君 ちょっともう一つ、先ほど言いました通達ですね、補助対象率、補助に影響するという通達を出しておって、これはどうなのだと言ったら、撤回するということはない、新しい通達でも出ないと、これはいつまででも生きているということなのですけれども、それを殺していただけませんか。
#84
○政府委員(吉田泰夫君) 通達はその都度ときどきのいろんな国としての政策方針を出して次々に重ねてきている性質のものでございまして、大臣からも申し上げましたように、受益者負担金を採択するしないは地方自治体の問題ですから、地方自治体の負担分に充てられるものはどのように配慮されるかという問題に尽きるわけでありまして、そのために補助金の交付のあり方に差をつけることはしないということを申し上げます。この通達が現在どういう形で生きているかという問題もありますので、通達の処理につきましては建設省だけでもありませんし、相談して処置したいと思いますが、まあ私、実際に現在受益者負担金を採択する都市がこのようにふえてきて、過去に四十ぐらいであったときのようなそんな差が事実つけられるものでもないし、そういう意味も兼ねて現実にはその差はないように運営されてきているわけですから、この通達の精神といいますか、受益者負担金を課するということによって、住民の方にもその公共団体の長として将来約されたものを、何とか国としても配慮したいという趣旨に解すれば、そしてその趣旨以上のことさらな差別ということには解しないということはいま申したとおりでありますから、通達の処理自体としては私どもに御一任いただきたいと存じます。
#85
○国務大臣(仮谷忠男君) 自治省との共同の通達でありますから、それを勝手にこっちがやめるとかやめないとかは、これは一応話し合いせなきゃいかぬ問題ですが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、受益者負担を取っているいないにかかわらず、これからの補助率等については絶対に差別をしないという基本方針は貫いて、このことは徹底さすようにいたします。
#86
○委員長(小野明君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十七分開会
#87
○委員長(小野明君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○田代富士男君 下水道事業センター法の一部を改正する法律案の五ページにありますが、第二十六条第二項のところでございますが、「事業団は、前項第一号に掲げる業務を受託する場合においては、特別の事情がない限り、」云々ということがここにありますけれども、この「特別の事情」というのは何を指すのか、最初に御説明を願います。
#89
○政府委員(吉田泰夫君) 現在、下水道事業センターが受託している事業について申せば、この「特別の事情」というのは、沖繩の本部で海洋博会場予定地の下水処理場並びに関連事業を受託しておりますが、沖繩の本部の地域は水質環境基準が定められておりません。したがって、まあ二項の原則として、水質環境基準が定められた公共用水域の水質をその水質環境基準に適合させるために必要な終末処理場というのに当たらないわけでありますが、このような国家的事業でもあり、人も集まってきて必要だから、下水道の整備はぜひともやらなきゃならない、こういう個所でありますので現に下水道事業センターが受託しているわけでございます。本法案の「特別の事情」というのも、たとえばそのような場合を想定いたしましたが、そのほかにしいて申せば、たとえば現在はまだ水質環境基準は定まっていないけれども、近くそれが定められる予定で、定まった以上は早急に整備しなきゃならないというような事情がある地域であるとか、あるいは水質とは関係がありませんが、災害地などで緊急にポンプ場を復旧する、あるいは新たに整備するというような必要があって、地元の公共団体が他に手を取られて技術者も不足しているというような状況の場合の、そういったポンプ場の整備といったものが大体想定されるわけでありまして、そんなに幅広くこれを読み込むつもりはないわけでございます。
#90
○田代富士男君 いま局長が御説明いただきましたけれども、こういう法律というものは、だれが読んでもある程度こういうものであるということが理解できるものでなくちゃならないと思うんです。特にここに書いてありますとおりに、「特別」という言葉を使っておりますけれども、こういう法案の上の「特別」というその指し示すところは、一般的な解釈でいきますと、そういう一般的な広がりを持っておりますけれども、この「特別の事情」というのに、いま御説明のありました沖繩海洋博の本部町のそういう工事が水質環境基準が決められてないから、そういうそこで工事をするからこういうことをやったんだとおっしゃるけれども、これだけでは理解ができないと思うんです、「特別の事情がない限り、」ということで。それだけの説明を一々聞かなくちゃならないようでは私はこれはちょっと理解できないんです。だからそういう面で、この中には、考えてみますれば、これを後々拡大解釈されるおそれがありますよ、いろいろ。
 私が、これは「特別の事情」という字句の云々じゃないけれども、拡大解釈をされる理由といたしまして、同じ建設省で日本道路公団法の一部改正する法律案の審議があった折にも、第十九条であったかと思いますけれども、業務の範囲が決定されたときに拡大解釈された。それは農地法を違反してでもできるような、拡大解釈されるような、そういうように一つのうやむやの場合には拡大解釈される場合がある。私はそういう点で、いまの局長の説明では、はっきり申し上げるならば海洋博の沖繩の本部町の工事をするために、それは「特別の事情」の中に含まれているという、それはちょっと理解ができないわけなんです。その点ですよ。これは沖繩海洋博にとどめられねば大変なんです。後々にこれを広げていくというならば後々の心配がつきまとってくると、この辺に対する考え方どうでしょう。
#91
○政府委員(吉田泰夫君) 私どもこの条文を作成するに当たりまして考えましたことは、まず下水道事業団は水質環境基準に関係なく、一応広く終末処理場等の根幹施設の受託建設ができるわけでありますが、その中でいろいろ要望が多く出てくる、受託能力を超える場合も想定されると思いまして、そういった場合の優先採択の基準として、このように何といってもいま重要であり、事業団が受託までして緊急に整備のお手伝いをしなければならないというものは水質環境基準達成のためのものであろう、したがって、それを浮き彫りするとともに、はっきりと優先順位を定めたい、こう思ってあえて挿入したのが第二項全体でございます。
 ただ、その場合に、先ほど申し上げましたような海洋博の事例とか、その他二、三の想定される事例があり得るわけでございまして、このようなものは水質環境基準の達成という至上命題、それと角度は違いますが、別の角度から見てどちらが優先ともあえて言えないようなやはり優先度、緊急度を持つ場合があるであろう、そういう両者の優先度というものを比較して、それでなおかつ水質環境基準と少なくとも同等ぐらいの重要性、緊急性があって、事業団が受託しても当然であるというようなものを考えたわけでありまして、そういう意味で「特別の事情がない限り、」ということを書いておけばその趣旨はわかるのではないか、こう考えまして、そういった立法例もいろいろケースは違うんですけれども、ありましたものですから、この語句を採用した次第でございますが、私どもの趣旨は何といっても水質環境基準の達成というのが最大の現下の急務でありますから、事業団がそれを引き受ける際にも、それを優先するという精神は決して崩すことのないように厳正にとり行いたいと思います。
#92
○田代富士男君 そこで、「特別の事情がない限り、」ということでいま私質疑をしておりますけれども、法制局の方、見えていましょうか。だから、「特別の事情がない限り、」という言葉を法文に使用されている例がありましたならば、その例を示していただきたい。そしてそれを簡単に解釈していただくと同時に、構成している要件ですね、これも教えていただきたいと思います。簡単にお願いいたします。
#93
○政府委員(味村治君) 「特別の事情」という言葉は、ごく通例の場合につきまして規定を置きますが、通例の場合予想できないような事情が生じました場合に、それと異なる処理をすることができるという場合に規定を設けているのが普通であろうかと存じます。例といたしましては民法の四百十六条に損害賠償、これは債務不履行による損害賠償でございますが、損害賠償の範囲が規定されておりまして、これには四百十六条の二項によりまして、特別の事情により生じたる損害につきまして――債務不履行による損害は、普通は通常生ずべかりし損害について債務不履行の責任を負いまして、通常生ずべかりし損害の賠償責任を負わなきゃならぬということが原則でございますけれども、特別の事情によって生じた損害でございましても、当事者が予見できるような場合には、これは損害賠償しなければならないというような規定が民法にあるわけでございます。
 建設省関係の法令でございますと、もう御案内のとおりと存じますが、たとえば都市計画法の五十六条の一項というのがございます。これは都道府県知事が事業予定地内の土地の所有者から買い取りの申し出がございました場合に、買い取ることが原則だと、しかし、特別の事情がない限り買い取るものとするということでございまして、たとえば非常に権利関係が錯綜しておってなかなか買い取ることが困難だというような場合には、特別の事情があれば買い取らなくてよろしいというようなことになっているわけでございます。あるいはもう一つ建設省関係の法令の例を申し上げますと、土地区画整理法の二十七条の三項、これは「ない限り」という表現ではございませんで、特別の事情がある場合についての規定でございますが、土地区画整理組合の理事とか監事の選任につきまして、理事や監事は組合員のうちから総会で選挙するというのが原則でございますが、まあ組合員から適当な人がないとかいうような特別の事情がある場合におきましては、定款で定めるところによりまして組合員以外の人から選任することができるというような例でございまして、ただいま申し上げましたように、いずれも通常の場合を予想した規定がどうしても特別の場合に当てはまらない、当てはめてはぐあいの悪いというケースがございますものですから、そのような特別の事情に備えまして規定を設けてあるというのが普通かと存じます。
#94
○田代富士男君 ただいま特別な事情のない限りということにつきまして、都市計画法第五十六条第一項、これは権利関係が錯綜している場合には買い取らなくてもよい。また、土地区画整理法第二十七条第三項では、これは役員の人選について組合員以外からも出してもよい、通常規定が当てはまらない場合にはという規定で、こういう特別な事情というこういうことが法文化されているわけなんです。いま法制局のお話を聞きますと、この構成要件というものは、特別なということでありますから、大体その理由というものは一つです、いま聞いた中でも。そういう複雑な理由はない。端的に一点ないし多くても二点。ところが、今回のこの第二十六条の特別な事情というものは、沖繩の海洋博それ以外の問題をあわせまして、私がこれをずっと調べただけでも数点以上あるわけなんです。だから、法律では書きあらわすことができるものは全部書きあらわしてあるわけなんですが、法律上書けないもの、あるいは体裁の上か、書けないものに限りは政令に譲るとかいろいろあるかと思うんです。
 では、この二十六条の特別な事情というものに対しては、構成する要件が、ざっといま簡単に申し上げますと、当該公共用水域において水質環境基準が定められていないというのが一点、二つ目には当該公共用水域の水質が急激に変化する、三番、水質悪化の原因がきわめて公共性の高いナショナルプロジェクトである、四番は当該公共用水域の水質の悪化が長期にわたり広範囲になる、たとえば五番は災害時のポンプ場の問題、こういう……。いま特別な事情という場合には、大体この構成要件というものは一つぐらいです。これだけのものが特別な事情という中に含まれている。さすればですよ、私はこの条文を私なりに読むならば、特別な事情ということを、これ書かずに読むならば、これは私が考えるならば、「特別の事情」というのは、事業団は、前項第一号に掲げる業務を受託する場合においては、水質環境基準が定められた公共用水域の水質を当該水質環境基準に適合させるため必要がある終末処理場等を優先させることを原則とする、これは改正前の中にこの精神はうたわれてあります。その特別な事情というものは、いまから言うここじゃないかと思うんです。ただし、水質環境基準の定められていない公共用水域において、政令で定める急激な水質の汚濁が起こることが明白な場合で、かつ政令で定める公共事業等によって一時に人が集中するような特別の事情がある場合においてはその限りでないというような特別な事情を示すものと、このように判断するんですが、大臣、この考え方はこうと違いますか、特別な事情ということは。どうです、大臣から答弁お願いしますよ。
#95
○政府委員(吉田泰夫君) いまお示しになったものが、私どもこの特別な事情としてまず頭に浮かべた事情でございますが、そのほかにも水質環境基準達成のためのものを優先するという大原則と比較してまでもあえて採択しなければならぬというケースもあり得ると考えましたので、「特別の事情」という広い表現をとらしていただいたわけでございます。
#96
○国務大臣(仮谷忠男君) 「特別の事情」を拡大解釈してならぬことは、これは法律の趣旨から言って当然でありまして、水質の環境基準の達成ということが国家的ないま課題になっておる、その課題を解決していくための法律でありますから、そういう意味において、この課題にさらに優先される特別な事情ということは、これはそう軽々しく拡大解釈すべきものでないと思います。そういう意味において、単に事業団やその衝に当たる者が勝手に自分が解釈して、そして拡大してやるというようなことは、とうていあり得べきことじゃないし、あってはならないと私どもは思っております。ただ、じゃ特別な事情は全くないのかということを、ずっとこれからのことを考えて、そういうことを断定することもできない、これは今の社会においてどんな不測の事態が起こるかもわからないし、あるいはたとえば不測の災害等が生じた場合においては、これはだれも予想しなかったことだけれども、やはり特別な事情として考えなければならない、あるいは地方団体からの要請がある問題も、それにこたえなければならぬ事態が来るかもしれません。そういうようなことを考えて、特別な事情という字句が挿入されたと思うのでありますが、いかなることがあってもこれは拡大解釈してはならないし、そういう基本方針のもとに厳重に戒めながら今後の運用を図っていくように私ども一も責任を持って監督をいたしていきたいと、かように存じております。そういう意味でひとつ御理解を賜りたいと思うのであります。
#97
○田代富士男君 大臣の趣旨はわかりますけれども、いま法制局のお方にお尋ねしまして、特別な事情というものの類例がほかにあるかという説明を受けたときに、その構成要件は大体一つであります、説明を聞いたところ。ところが、この法案の二十六条の「特別の事情」というものに対しては、私が列記しただけでも四つも五つもある。こういうものは明確に記すべきものは明確にすべきじゃないか。少なくとも構成要因が一つぐらいであるならば、「特別の事情」ということは言えるわけですが、列記しただけでも四つも五つもあるわけなんです。だから、法律で書けるものは明記していかなくちゃならないし、だから粗雑である、もしもこれは沖繩だけであったならば、沖繩以外の場合どうするか。そういうようなことで、またこれは優先順位というものはちゃんと基準が決められているけれども、それ以上はやりませんと言うけれども、もしかこの精神に沿わなくて事業をやられた場合に、これも特別な事情として逃げられる可能性がある。そういうことから私は、特別な事情のない限りという、これは大きな問題点があると言う。その点はどうなんですか、大臣。いま御説明されたけれども、この精神はどうなんですか。法制局からは、特別な事情のない限りの類例を挙げられたが、一つぐらいです。どうなんです、大臣。大臣のいまの御説明は、決意はわかりましたけれども、その点についてお願いします。
#98
○政府委員(味村治君) 私が舌足らずの点があったと存じますが、ただいま例示に挙げました「特別の事情」につきまして一つの例を挙げたわけでございますけれども、これはその場合だけに「特別の事情」が限られるという趣旨ではございませんで、「特別の事情」の一つの例として挙げたわけでございます。何分にも社会の事象は複雑でございますので、通常予想される事象以外の事象がどんなものが起こるかわからぬというケースがあるわけでございますので、そういう場合に備えまして「特別の事情」というのが書いてあるというように御理解を賜りたいと思います。
#99
○田代富士男君 大臣からお願いします。
#100
○政府委員(吉田泰夫君) 他の法律の場合に、非常にクローズアップされた大きな柱となる理由が中心で、しかしながら、その他の事由による場合もなきにしもあらずということで書かれているように思います。本法の場合も、海洋博といった特殊な事情の場合、つまり国策的な国際的な大規模プロジェクトをやる、水質環境基準は定まっていないけれども、人も集まってくるので環境は汚染される、しかも期限が決まっていて急いでやらなきやならないと、地元公共団体には技術力が十分でないというような事情が重なっておるわけでございまして、そういう場合が現在は一つの例としてあるわけですけれども、今後の場合として、災害の場合とか、多少それとはまた観点の違ったもので、なおかつ環境基準達成優先の原則とあえて比較し得るようなケースも絶無ではあるまいと、こういう気持ちでおるわけでございまして、もとよりこれを乱にわたって拡大解釈し運用するということは許されませんから、事業団担当者におきましても、またこれを監督するべき建設大臣の立場におきましても十分戒めまして、御趣旨を体し適切な運用を図る決意でございます。
#101
○田代富士男君 私、この問題だけでもう三十分近くたっておりますけれども、これはいまも局長からのお話がありましたけれども、これは私の言っていることと建設省のおっしゃることとは、ここでやりとりしましても、これはかみ合わないと思うんです。だから、これはいま私はこのままいくならば、端的に申し上げるならば特別の事情という、特別な事情というそれだけで、海洋博の本部町のそういう工事をせんがための、そこまでやったなら、これは飛躍になるし、沖繩海洋博だけのことではなくて、今後の問題とするならば、これにまつわる問題はいろいろな問題点が出てくる。たとえば後でまた質問しますけれども、下水道の事業の普及率が二〇%そこそこで、あとまだいまから福祉重点の政策を実行していく場合に、下水道の問題というのは大きく社会事業としてなってくる場合に、何かやっても特別な事情といった場合には、この一文句で抜け道になっていく危険性が多分にある。それはちゃんと歯どめはしていぎますということでございますが、委員会でやりとりをしていてもこれは歯どめになりませんから、これを明確にこの委員会において私はしておきたいと思うんです。この点につきましては時間がありませんから、委員長に御一任をいたしますから、委員長の方において取り計らいをお願いしたいと思います。
#102
○委員長(小野明君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#103
○委員長(小野明君) 速記を起こして。
#104
○田代富士男君 じゃ、引き続いて質問をいたします。
 現在のわが国の下水道の普及率はどの程度になっているのか、国際的に見た場合、また国内的に見た場合、簡単に御説明願います。
#105
○政府委員(吉田泰夫君) 昭和四十九年度末で日本の総人口に対する処理人口の割合は二〇・五%でございます。東京が五八%、大阪が八七%と比較的進んでいる場所もありますが、始めたばかりの都市も多くて全国的には二〇・五%ということでございます。これは欧米諸外国の下水道普及率が、いろいろこれも差がありますが、七〇ないし九〇%ぐらいのところが相当多いことを考えますと、著しく立ちおくれているものと考えます。
#106
○田代富士男君 いま御説明がありましたとおりに、国際的に比較した場合、日本の国とヨーロッパ、たとえばイギリス、オランダの場合は九〇%、日本の場合は二〇・五%、またアメリカが六八%、こういうすごい格差があります。そしてこれは諸外国におきましては下水道が完備されていない地域というものはスラム街である、このように言われておるわけです。さすれば、いま局長が説明されましたとおりに、下水道の場合普及率というものは日本は二〇・五%であるということは、概算するならば国民の約八〇%が外国の立場から見るならばスラム街の生活をしていると、余儀なくされていると、こういう結果になるわけなんです。この点に対しまして、この現実をどのように認識されているのか、建設大臣からお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(仮谷忠男君) 全くお説のとおりであります。いま局長からも話しましたように人口に対して二〇%程度しか普及していない。これはまあ外国と比較をして下水道整備の歴史というものは非常に浅い。そういう関係でようやく最近着手したという新しい都市がたくさんあるわけでありまして、これは何と言われても弁明の余地はないと思います。ただ、まあ戦後の日本のいろいろな公共施設のあり方、進め方というものにも、いろいろ考えてみると反省をせなけりゃいかぬ問題もあったと思いますし、いずれにいたしましても下水道の仕事が後追いで来たことには間違いありません。その後追いが、しかも著しくおくれていることは間違いございません。これはどんなに言われても言いわけの余地はないと思っております。ただ問題は、これから先、少なくとも先進国にこれは追いついていくために最大限の努力をしていかなきゃならぬことでありまして、今後の下水計画については積極的に進めてまいりたい、これが私どもの考え方であります。
#108
○田代富士男君 今後積極的に取り組んでいくと申されますが、下水道事業の最終目標をどのようにお考えになっているのか、あわせて聞かしてください。
#109
○政府委員(吉田泰夫君) 豊かな福祉社会を実現するということで、都市、農村を問わず健康で快適な環境の確保ということを目指しているわけでございます。下水道を整備しまして公共用水域の水質環境を保全するばかりじゃなく、雨水による浸水の防除とか、水洗化の実現等による安全快適な環境を確保しようということであります。建設省ではかねてからこのような要望にこたえ得るというためには、少なくとも市街地人口に対しましては一〇〇%の普及率に持っていき、市街地外、都市計画区域外でありましても、一部の農山漁村地区とか、あるいは湖沼周辺の観光地等整備を要するところもありますので、こういったところもある程度整備を進め、全体として総人口普及率を九〇%まで持っていきたいというのが私どもの長期目標でございます。
#110
○田代富士男君 六十年度の目標を九〇%の普及率に達成したいという建設省のお考えでございますが、過去に計画されました第一次、第二次、第三次までのこの下水道整備五カ年計画をやっておいでになりましたけれども、この進捗状況はどのようになっているのか。それと、いま大臣も申されたとおりに、下水道の普及が非常におくれている原因は何であるか、そこらあたり御説明願いたいと思います。
#111
○政府委員(吉田泰夫君) 下水道が最初に五カ年計画を持ちましたのは三十八年度からでありまして、三十八年から五カ年間の総事業費四千四百億円というのが第一次の五ヵ年計画でございます。これは四カ年で打ち切りましたが、その間の達成率は六七・三%でございました。次いで四十二年から五カ年間ということで、総事業費九千億円の第二次五カ年計画を策定いたしました。これも四カ年で打ち切られましたが、その達成率は六八・六%でございました。さらに昭和四十六年から昭和五十年までの現行の第三次五カ年計画は総事業費、一部予備費を除きまして二兆五千百三十四億円ということになっておりまして、これが明年度予算まで加えて推定いたしますと一〇〇・六%という達成率になります。
 わが国の下水道の整備がおくれておりますのは、そもそも大都市以外はごく最近始めたばかりであるということから出発するわけでありますが、その他近年の物価の上昇、あるいはシールド工法等の経費のかさむ工法の採用を余儀なくされていること、また水質環境基準が続々と設定されて、それに対応するためには予定以上の処理能力を持たせなければならないというような費用のかさむ要因が追加されてきていること等によりまして、現在の全国的な総人口普及率が二〇・五%にとどまっているわけでございます。
#112
○田代富士男君 いま第一次から第三次までやっておいでになったその経過を御説明いただいていろいろ理由を聞きましたが、一言で言うならば、福祉事業に対する力を建設省としても注いできたと言われるけれども、現実面において福祉事業に対する重点は行われてなかったと言われてもこれは仕方がないと思うんです。そういう面で今後は憲法の精神にのっとってわれわれは文化的な生活を向上さすためにもこの事業に対しては力は入れなくちゃならない。さすれば、今度第四次五カ年計画をいま策定なさっておりますけれども、じゃあいままでの第一次−第三次と比べて、第四次に対しては特にこの点に対して力を注いでいくとかそういう――大臣として、いままで福祉事業に対して力を入れてきたと言っても、その実態というものは言われても仕方がないようなそういう実態になっておりますけれども、大臣のお考えはどうでしょうか。第四次の五カ年計画に対してはこれだけは前と違いますよという、そういうところをひとつ御説明願いたいと思いますが。
#113
○国務大臣(仮谷忠男君) お説のとおり、戦後の公共事業の推進、特に高度成長のこの推進が生産基盤に重点が置かれてそういう面の公共事業が伸びてきたことは事実であります。反面に、生活環境基盤整備等の面が――決して見捨てておったというわけじゃございませんけれども、逆に生産基盤の面よりも劣っておったことは事実これは率直に認めなければならぬと思います。建設省の方で初めて五十年度予算編成でいわゆる生活環境整備優先ということで、たとえば道路にしても河川にしても予算を、公共事業費を非常に圧縮しながらも住宅とか下水道は特別に伸びを見せたというのも、ようやくその姿勢がそう変わってきたとお考えいただいて結構でありますし、私どもはおくれたことはいたし方ないにいたしましても、ようやくこれが安定成長からいわゆる福祉生活環境改善の面に重点を置いてきたということ、これを機会にわれわれはこの問題を大いに取り上げていきたいと思っております。そういう意味で五十一年度は新しい計画を立てる年でありますから重点的にそういう方向で努力をしていかなきゃならぬ。これが今後の大きな国家的な一つの使命ではないかと、かように存じております。
#114
○田代富士男君 いま大臣が、福祉転換の時期に来て、国としてもこれに対して積極的な取り組みをすると、これが第四次の計画であると、このように申されました。ところが、五十年度の下水道予算を見ますと、事業費で対前年度比二七%の増加にもかかわりませず、国費によりましては対前年度比四%の減少になっているわけなんです。これはいま大臣が申されました、私が第一次から第三次までの計画と第四次の計画の違いはどこにあるかという、おっしゃいました決意とこれは数字的に見ましたならばうらはらの数字が出ている。これについては恐らく地方債等で賄ってこれをやるようになっているという理由であるかと思いますけれども、国でやろうとするものは地方に負担をかけるようなことになると。だから、下水事業に対しましては、そのように福祉転換の改善の時期に来て取り組むとおっしゃるからには、私は国庫補助制度を抜本的に見直す必要があるんじゃないかと思うんです。だから、そういう地方債で地方自治体に任すんじゃなくして、これを取り組むべきじゃないかと思うんですが、この点、大臣いかがでございましょうか。
#115
○国務大臣(仮谷忠男君) その点も趣旨としては私は同感であります。率直に言えば、特別地方債なんか設けずに国費で思い切って充実すればいいじゃないかという、これが一番簡明率直であります。しかし、総需要抑制ということで公共事業は軒並みに抑えると、こういうことになったのです。しかし、その中で住宅や下水道は抑えるわけにいかないというこれは政治の方向、世論の動向等もありましたものですから、国費はやむを得ないにいたしましても、事業費だけは目的どおり伸ばそうということで特別起債という一つの方法が生まれたわけであります。これはしかし常道ではございません。しかし、このことによって事業が拡大され推進されることならわれわれとしてはむしろ歓迎せなきゃいかぬことでありますが、それはそれとして、やはり国費を大幅に投入をして正攻法で伸ばしていくということがこれは行政の筋だと、かように思っております。そういう方向で考えなきゃならぬと思っております。
#116
○田代富士男君 国費で前向きに取り組んでいくという大臣の心強い御決意でございますが、一つ具体的な問題を私は提起いたします。これが地方の自治体に任していたならばやりたいこともやれないと、ここで国庫補助制度が抜本的に見直されるならばこれはもっとこういうことはやれるじゃないかという、そういうことを私はお尋ねいたします。例として、一つは下水道の排除方式には分流式と合流式がありますけれども、分流式と合流式では水質保全対策上どちらがすぐれているのか、これ簡単に……。
#117
○政府委員(吉田泰夫君) 結論的に一言で申せば分流式の方がよろしいわけでございます。
#118
○田代富士男君 分流式の方がよろしいと、そういうことでございますが、現在全国で下水事業を実施している都市はどのくらいあるのか、その中でいま申し上げました分流式を採用しているもの、あるいは合流式を採用しているもの、または一部分流式を採用しているもの、それをちょっと簡単に数字で御説明願います。
#119
○政府委員(吉田泰夫君) 五十年度の予定都市数がいまのところ四百八十九と考えておりますが、このうち合流式が百六でありまして、それから分流式と合流式を併用しているものが百五、それから分流式のところは二百七十八ということになります。
#120
○田代富士男君 もう一回ちょっと言ってください。
#121
○政府委員(吉田泰夫君) 四百八十九のうち合流式が百六、分流と合流併用しているものが百五、もっともこれは合流の方が多いわけですが、両方やっているところが百五、それから分流だけのところが二百七十八でございます。
#122
○田代富士男君 いまお答えいただきました数字、私が調べました数字とちょっと違いがあるわけなんです。この数字についてはいまここで言ってもちょっとどうかと思いますが、いまこの数字を見ましても、まだ合流式をされている都市が多い。だから、いまお話がありましたとおりに、分流式の方がすぐれていると、にもかかわらずまだ依然として合流式をやっている個所もあるわけなんです。この点につきまして、その原因はどこにあるのか、分流式がよいとわかっているにもかかわらず合流式をなされている、この点はどうですか。
#123
○政府委員(吉田泰夫君) 以前は日本では合流式というのが圧倒的に多かったわけでありまして、その後新しく着手する個所から私どもも極力分流式を指導し、各地方団体でもその気になってくれまして、近年は数としては分流式がふえてきたと、こういう実情でございます。まあそういうわけで、過去の蓄積のある都市、特に大都市が多いわけですが、こういったところでは合流式を前提に下水道網が計画され進めてきているものですから、部分的に分流式を切り離して計画できるところはいいんですけれども、必ずしもそううまくもいかない。やはり一つの系統としては、合流式で始めて相当整備されている以上は、一応合流式として最終的に仕上げざるを得ないというような事情が多いのがその主たる原因でございます。
#124
○田代富士男君 それで、分流式と合流式の下水道を建設する場合の建設費はどちらが高くつくのか、どのくらいの開きがあるのか、これが一つです。それからもう一つは、分流式と合流式の下水道を建設する場合、国の補助はどうなっているのか、格差をつけているのかどうか、その点を御説明願います。
#125
○政府委員(吉田泰夫君) まあ、地形等によりまして必ずしも一概にどちらが高いとも言えないんですが、まあ標準的に申し上げれば、分流式の方が高くて約五割増しになります。なお、国庫補助の仕方として、分流式であるから、あるいは合流式であるからといって格差は設けておりません。
#126
○田代富士男君 そうすると、いま私がずっとお尋ねをいたしまして、下水道の排除方式に分流式と合流式がある、どちらが水質保全対策上すぐれているか、分流式である、まあこのように聞いてまいりました。で、現在は分流式もやっているところがあるけれども、合流式の方にどうしても傾かざるを得ないと、なぜか。これは建設費の単価は分流式の方が合流式よりも、まあ地域によって幾分の違いあるけれども五割増しである。それに対する国の補助はどうであるか、格差がつけられてない。こういう状態のもとにおきましては、財政的に苦しい地方自治体が下水道を建設する場合には、水質保全の対策上からは分流式で取り組みたいけれども、いま申すようなことが、そういう諸条件のもとではどうしても合流式を採用せざるを得ない。こういうようなことを考えますれば、いま大臣が、おくれておるためにこれは積極的に取り戻すんだと、諸外国並みに取り戻すんだという決意はよろしいんですけれども、こういうように、よいとわかっているならば、分流式をこれを推進するように図りながら、実勢価格で十分できるように補助金体制というものを検討すべきではないかと思うんですが、大臣いかがでございましょう。
#127
○政府委員(吉田泰夫君) 過去に始めた都市はまあ合流式のものがまだ多いんですけれども、近年始めましたものはほとんどすべて分流式でやっておりまして、まあ経費もかさむわけですけれども、私どももその要請にこたえるべく努力いたします。公共団体の場合におかれましても、分流式をあるべき姿と見てあえて採択していただいている現状でございます。
#128
○田代富士男君 私聞いているのは、だから予算のそういう補助体制を検討すべきであると、分流式それから合流式でも格差がないし、そういう点についても検討すべきじゃないかと大臣に聞いているわけでございます。
#129
○政府委員(吉田泰夫君) 現在、下水道の国庫補助の仕方として、一定の補助率で補助するのですけれども、補助対象事業の割合を別途五カ年計画ごとに定めておりまして、それが管渠の直径を主として区分しているわけであります。当然分流式の場合は雨水管、汚水管ともに細くなり、合流式だと両方が一緒に流れますから平均して太くなる。また、同じ分流式でも汚水は大体小さいわけですし、雨水管はかなり大きいということがありまして、そういう実態に応じてそれぞれの補助対象割合を設定して、そこで区分する方式をとっております。まあその区分の仕方において分流式と合流式とあえて差をつけてこなかったと申し上げたわけですが、御指摘の点もございますし、そもそも補助対象率そのものが低いではないかという御議論も以前よりあるわけでございまして、私どもは新五カ年計画策定に当たりましては、御指摘の点も頭に置きながら十分検討さしていただきたいと思います。
#130
○田代富士男君 だから、建設大臣が第四次五カ年計画で前向きに取り組むとおっしゃいますから、こういう点の体制も変えてもらいたいということをお尋ねしているのですけれども、大臣のお考え方と局長のお考え方とは、大臣は二、三歩前進していらっしゃるけれども、局長の考え方は二、三歩も五歩も後のような感じがしてしようがないのですけれども、大臣どうですか。
#131
○国務大臣(仮谷忠男君) そうじゃございません。ただ、事務的にはやはり発言をしても限界があると思う。私の場合には政治的発言というものを考える、これは政治的に解決つけにゃいかぬ問題がありますから、そこには限界があると思うのですけれども、基本的には変わっておりません。おっしゃる問題の、分流か合流かの問題かにつきましても、これは補助対象がずっと決まっておるものですから、その補助対象の内容をやはり第四次から再検討しなきゃならぬと、こういうように思っておりまして、そういう面で是々非々でまいるつもりであります。
#132
○田代富士男君 じゃあ、もう一つ例を挙げます。地方自治体に負担をかけているという、解消をしなくちゃならないという点で、一つは終末処理場の建設の問題です。この終末処理場の建設というものは、地域住民にとりましては非常に反対が多い。御承知のとおりだと思うのです。住民の協力なくしてこれを建設するわけにはまいりません。そこで、いろいろ建設工事が難航しておりますが、その反対運動の対策の一つといたしましていま考えられていることは、すでに御承知のとおりに、終末処理場の上を公園化して、そうして地域の皆さん方に、終末処理場を持ってくると同時に公園で遊んでくださいと、こういうようなことで対策を、苦心の上こういうことをいま進められようとしております。まあこの発想というものに対しては評価をいたしますけれども、公園がつくられると、それは地域住民にとってはうれしいことですが、しかし、問題点は、この公園が都市公園ではないために公園事業としては認められない。この点どういうふうに……。評価はしますけれども認められない。そうすると、これは終末処理施設としてこの公園の仕事を認められるのか、この点はどうでございましょうか、明確にしていただきたい。
#133
○国務大臣(仮谷忠男君) 終末処理施設の位置というものが、これはもうその地域の住民からは非常にきらわれていること、私もよく知っております。もうそれが一番大きな問題じゃないか、各町村が困っておるのはそこじゃないかと思うのです。単にじんかいの焼却場一つつくっても大変な反対があるわけであって、それはもう感情的なものですね。そんな汚いものがこの地域にできたのじゃ大変だという感情的なものがあると思う。それをまずほぐしていくためには、その処理場と並行して環境をきれいにしてやって、おっしゃるような公園式のものを考えないと納得しないと思うのですよ。それは公園法でできなければ、私どもは結局五十一年度からの新しい計画の中にはそういう問題も含めて終末処理場というものを考える、施設を考えるということを検討せなければならぬと思っておりますし、その方向で私どもは善処していくつもりであります。
#134
○田代富士男君 いま大臣が、五十一年度計画の中にその施設をやっていくように考えていくという、これは本当にありがたいお話でございますが、現実はどうか。現実はいま申しましたとおり都市公園としてもこれは補助金はつかない、終末処理場としてもこれは性格が違う。そのしわ寄せがどこにいっているかと言えば地方自治体、財源の赤字で悩む地方自治体が単独でやらなくてはならない、財源負担になっている。こういう点で、公園施設の建設につきましても補助制度を検討すべきである。いま申しますとおりに、このように具体的な例を、私は二つの具体的な例を述べました。こういう点から補助金の制度というものに対しまして今後取り組んでいただきたいと思うんですが、どうでございますか。
#135
○国務大臣(仮谷忠男君) これは午前中からも議論になった問題でありまして、この問題、私ども真剣に取り組まなければこれから終末処理場をやろうといってもできないと思うんですよ。そうしますと、それはどういう形で一体それに補助をするのか、助成をするのか。これはしばらく時間かしてください。検討してみます。しかし、終末処理場をつくるための付帯事業として何らかの形でこの問題を処置をしなければ、これからはせっかくの仕事は進んでいかぬ、そういうふうに私ども思っておりますから、その問題については十分に検討して処置してまいりたいと思っております。
#136
○田代富士男君 じゃあ、大いに期待をしております。
 それから、いまは処理の問題でございましたが一、私はこの前建設委員会でも地盤沈下の問題を取り上げました。その後建設省でも調査をされまして、地盤沈下の問題及び塩水化被害の実態調査をされましたのを先日発表なされたかと思いますけれども、そこで私は、これは一つの提案でございますが、東京やあるいは近畿圏などいま地下水を大量にくみ上げているにもかかわりませず水資源というのは不足しております。そういうわけで、いま処理の問題を主にここで質疑をしておりますけれども、下水道の水資源を再生産事業としての役割りに持っていくこともあわせて考えるべきではなかろうかと思うわけなんです。こういう点につきまして、これはいますぐはできないかと思いますけれども、これに対して、今度の第四次五カ年計画からは意欲的に改善の時期に来ているという大臣の力強い御決意を聞きましたけれども、これは将来のことでありますけれども、大臣のお考え方はいかがでございますか。
#137
○政府委員(吉田泰夫君) 下水道の処理につきましては、二次処理だけでは完全には環境基準が達成できないという地域もあります。また、湖などの問題もありますので、私ども五十年度はまだ新五カ年計画にはなっていなかったんですけれども、あえて三次処理の実用化という予算を要求いたしまして、流域下水道についてこれが認められたわけでございます。新五カ年計画を策定するに当たりましては当然公共下水道も含めまして三次処理の新規採択という問題を要求し、ぜひとも実現したいと思います。そうして三次処理までいたした水を今度はどういうふうに活用するかという問題になります。私どもは貴重な水資源でありますから、場所によっては直接再利用ということも考えられるかと思いますが、一般原則としては、やはり何といっても公共水域から出た水は公共水域に還流する、そういうことによって、そして公共水域に還流した上でそれをまたその下流で広く利水していく、こういう方式、水の循環的な体系の中で下水施設、下水処理場というものが位置づけられて働いていくという姿にぜひ持っていきたい。まあそのためにも三次処理ということは今後非常に重要になると考えております。
#138
○田代富士男君 じゃ、次の問題に質問を移したいと思いますが、工場排水の処理についてお尋ねをしたいと思います。現在有毒物質を含みます悪質な工場排水はどのように処理されているのか、これは通産省の方も見えていますね。建設省と両方お願いいたします。
#139
○政府委員(吉田泰夫君) 下水道法の規定によりまして、有害物質を下水道に流す場合には、条例の定めるところによって工場側で除害施設を設けまして、それによって有害物質を取り除いた上で下水道に流し込む、こういう仕組みになっております。
#140
○説明員(山中正美君) お答えいたします。
 有害物質の除害施設でございますけれども、現在水質汚濁防止法で有害物質全部で八つ、今度PCBが入りまして九つになるわけですけれども、そのうち各物質によりまして処理法は非常に異なっておりますけれども、大別いたしまして、いわゆる物理化学的な処理法と生物化学的な処理法と二つあるわけでございます。一般的に重金属等で使われております処理技術というのは物理化学的な処理技術が中心でございまして、それは一種の凝縮沈でん法を応用したものと、それからイオン交換膜を応用したもの、いずれかの方法を、たとえば業種業態に応じまして、あるいは排水量、あるいは重金属の濃度等によりましていろんな応用を考えております。
 以上でございます。
#141
○田代富士男君 いま二次処理まで一応されておりますけれども、二次処理の段階ではBODが二〇PPmぐらいしか下がらないと思うのです。ところが、窒素だとか燐だとかこういうものに対しましては二次処理ではどうすることもできない。ところが、いまこういう洗剤は洗たく物の汚れがよく取れるからということでいろいろなメーカーがどんどん売り出しておる。こういう処理施設が完備されてもどんどんメーカーが製造していく、こういうことになった場合には、これは大変な問題になってこざるを得ない。こういうものに対しましては、極端な例を言うならば、空きかんの問題でもこれは大きな社会問題になりましたけれども、そういうような洗剤につきましても、これは一応全面的に規制というわけじゃないけれども、環境保全の立場から、水質保全の立場からも、何らかの形でこれ取り組むべき必要があるのじゃないかと思うんですが、これは通産省としていかがでございますか。
#142
○説明員(山中正美君) お答えいたします。洗剤の問題は私直接の所管じゃございませんけれども、一応知っておるところをお答えいたしたいと思います。
 現在、洗剤の中に含まれております燐酸分、いわゆるトリポリ燐酸ソーダでございますけれども、これにつきましては、通産省としましては極力減少の方向に進めておりまして、現在といいますか、昨年までは大体二〇%近くの燐酸分が含まれておったわけでございますけれども、現在のところ約一二%までに圧縮するように指導しておりまして、今後ますますその圧縮する方向で指導していきたい、こういうふうに考えております。
#143
○田代富士男君 いま建設省関係は除害施設を行政指導していかれる立場にありますけれども、建設省で掌握されていらっしゃる範囲内で結構でございますが、除害施設を設置しなくちゃならない工場というのがおおむねどのくらいあるのですか。
#144
○政府委員(吉田泰夫君) 公共下水道の処理区域内にある事業所のうちで、私どもの調査によれば、設置が必要と考えられる数が一万三千八百カ所でございます。
#145
○田代富士男君 そこで、工場排水の規制につきまして、これはアメリカのロスの例でありますけれども、工場排水規制につきまして条例でパーミットシステムにしているわけなんですね。要するに、工場排水を許可制で受け入れる、そういたしますと、許可をしなければ排水させない、また許可をした後でも十分に管理してないときには一時停止をする、あるいは許可の取り消しをする、こういうようなシステムがとられているわけなんです、ロサンゼルスにおいて。わが国におきましても、いまいろいろ質疑してまいりましたが、水質保全の観点から規制を強化すべきではないか、このようなパーミットシステムを導入する考えはどうか、大臣いかがでございましょうか。
#146
○政府委員(吉田泰夫君) 現在の下水道法では、先ほど申し上げましたように、悪質排水を出す場合には条例で定めまして、その定めた基準を超える悪質なものは工場側で除害施設を設けて、それをろ過した上でなければ受け入れないということにいたしておりまして、これを厳重に監視するということが問題になっております。もし違反があれば下水道への放流を一時停止させるような監督権も含めまして監督体制は規定としてはそろっているわけであります。もちろん事前に許可制のようなことをすればさらに徹底するとも考えられますが、現在のところその除害施設の設置を急ぎつつ、十分な平素からの連絡調整指導を行いまして、基本的には下水道法並びにそれに基づく条例の規定によって事実上許可制に近い運用がなされているわけでございますので、今後ともこの方向を強化してまいるということでまいるつもりでおるわけでございます。
#147
○田代富士男君 この問題につきましては、やはり四十七年度から新たな決意でもって取り組もうとしていらっしゃいますから、許可制と同じくらいの規制で臨んでいるということでございますけれども、まだまだそういう点が徹底されてないと思うんです。この点ひとつ徹底をしてもらいたい。だから、なかなかそれが徹底されてないという一つの面で考えられる点は技術の問題じゃないかと思うんです。というのは、今後は工場に立ち入って排水の量質両面にわたりまして検査等もおやりになると思いますが、そういう下水道行政が要請されると思いますが、予算の点についてはいま私補助金の制度等についての質疑をいたしましたけれども、こういう下水道の行政に対して要求されることは高度な技術的な面が要求されるんじゃないかと思いますが、その対策はどのようになっているんでしょうか。
#148
○説明員(久保赳君) 除害施設に対する下水道の技術の体制ということでございますが、現在除害施設に関する技術は必ずしも十分ではございません。現在建設省の土木研究所に下水道部というのがございますが、下水道部で一部除害施設に関する工場排水の処理に関する研究を実施しておりますほか、今後新たにこの法案が通りますと、下水道事業団の中で除害施設に関する技術の開発を実施する予定にいたしております。
 以上でございます。
#149
○田代富士男君 いまそういうような育成機関を持っているとおっしゃいますけれども、この下水道の技術者というのは土木の知識もなくちゃならないし、また衛生工学の知識も電気の知識、生物学、そういうすべての面をマスターしてなくてはできないと、このように専門家の人から私は聞きました。終末処理施設の場合は、いまさっきも私が問題を提起しましたように、末端の配管から、それから地域住民との接触の問題からいろいろなそういう面がまつわるわけなんです。恐らくこれをマスターするには、他の事業と違って一人前になるには十五年ぐらいかかるんじゃないか、このように聞いておるわけなんです。そうしますと、第四次五カ年計画、五十一年度からスタートいたしますけれども、これを遂行する場合には、補助金の問題等はいまお話をしましたけれども、こういう技術的な問題でそれだけ十分確保できるかどうかという心配点があるんですけれども、この点に対してどのように対策されるお考えでしょうか。
#150
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、全国的に下水道の技術者は不足しているわけですが、下水道事業センターを設立いたしまして以来、センター自身でも技術者の実務を中心とした研修を進めてきておりますし、また、これもまだはかばかしくはいっておりませんが、大学教育等で下水技術あるいはそれに類似の専門工学というものの科目をふやしてもらうような動きを見ております。そういったことで下水道の専門技術者もかなりふえてきておりますが、しかし、今後の下水道の飛躍的な伸びを担うためにはまだまだこれは不足でございます。まあ下水道技術者というのは、そもそもから下水道専門で学課を修め、経験をしてきた者が一番いいわけでございますが、そういう特に専門、下水道そのもので進んできた者ばかりでなくて、あるいは河川工学を学び河川の実務に従事している者とか、あるいは道路技術等におきましても共通の基礎分野があります、そういう基礎知識、基礎経験を持っておられる方を対象に比較的短期間に実務の研修を加え、さらに実際の業務を指導しながら育成してまいりますと、まず下水道技術者として最小限必要な下水道に特有な技術も身につけることができるわけでございまして、そういうことで、現在下水道技術者の総数は一万四千人ぐらい公共団体等にいるわけでございます、これを早急に拡充してまいるという方針であります。
#151
○田代富士男君 それからお尋ねしたいんですが、いま一万四千人のそういう人たちを使ってやっていくとおっしゃいますけれども、特に問題は、大きな大都市周辺、人口が密集している東京、大阪だとかこういうところ、産業等が高度に集積している地域におきましては、現在の二次処理でありましたならばBOD二OPPm程度に下げる程度が精いっぱいじゃないかと思うんですね、いまさき申し上げましたとおりに。そこで三次処理、すなわち現在東京、神奈川、京都で実験中でありますが、この三次処理におきましてはBODとSSの低下に対しては効果が上がりつつありますけれども、燐と窒素を除去することについては実験の段階でありますけれども、これはどうしてもこういうような三次処理に対しまして事業計画を具体的に進めていかなくちゃならない。特に閉鎖水域、琵琶湖であるとか霞ケ浦だとか、これは建設省から、もうこういうことに対しましては三次処理を行う必要があるということが言われておりますけれども、第四次五カ年計画の五十一年度からどのように、大臣はいまさき取り組んでいくとおっしゃいましたけれども、取り組んでいかれるのか、この点につきまして、第三次処理についてはどういうお考えでしょうか。
#152
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のとおり、三次処理には二通りありまして、BOD、浮遊物質等を大幅に削減する方式のものは技術的にも確立されてまいりましたので、後は予算を伸ばし、個所をつけるということになります。これにつきましては、五十年度に流域下水道だけでございますが二カ所の三次処理施設が予算上つきました。これは新五カ年計画におきましてもさらに拡大したいと思います。なお、まだ認められておりません公共下水道についての三次処理につきましても、ぜひとも必要な個所が出てまいりますので、次の五カ年計画ではぜひこれを実現したいと考えます。
 次に、特に湖沼、海域、閉鎖性の水域で問題になります窒素、燐につきましては、御指摘のとおりまだ技術開発の途上でありまして、かなり進んできたとは言うものの、まだ実用化というところまでいきませんので、さらに実用化のための技術開発を急ぎますとともに、それとにらみ合わせて、今度は窒素、燐に関する環境基準も決められることになると思いますから、そういったことを総合いたしまして、実現可能な時期が来れば、窒素、燐対策もぜひ下水道事業の中で担当するように持っていきたいと思います。
#153
○田代富士男君 次は、いま私は終末処理場の問題で、第三次処理に対しても力を注いでもらいたいということを申し上げまして、今度は処理場において出てくる汚泥の問題についてであります。これは大変なことになるんじゃないかと思うんです。それだけ処理場ができることはうれしいけれども、汚泥処理が今後大きな問題になってくる。これをいいかげんにするならば二次汚染等によりまして環境が破壊されてくる心配が生じてくるんじゃないかと思うんです。だから、汚泥処理の対策を講じなければ片手落ちになるんじゃないかと思うわけなんですが、これはもう環境破壊という立場からも、これはどういうふうに処理していくのか、その場限りであってはならないと思うんですね。まあそうした場合に、この処理に対しまして、どういうふうに今回の第四次五カ年計画の中で取り組もうとされるのか、将来の構想もあわせてお聞かせ願いたいと思います。
#154
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、汚泥処理の問題は今後ますます重要になってくると思います。特に三次処理が進めば汚泥の量も非常にふえますので、これの処理対策いかんということが下水道の非常に大きな柱としての課題になると思います。現在は脱水いたしましてから埋め立て処分をしているものが大部分でありまして、一部だけが農業利用とか、さらに一部が海洋投棄というようなことを行ってきております。まあ埋め立て等ができる場合には、そういった従来の方式もなお続けられるんですけれども、やはりこれにもおのずから将来を考えれば限度がありますし、なかんずく処理の仕方によっては非常に資源の再利用ということも考えられるわけでありまして、そのためには二次公害を発生しないような汚泥の処理技術を開発するということが先決でありますが、そういったことを通じつつ、汚泥の資源化、農業などに積極的に利用していくというような方向をぜひとも実現したいと、それによって汚泥処理の厄介な問題を解決すると同時に、むしろこれをプラスに転化するという方策こそぜひとも必要だと考えておりまして、現在鋭意検討中でございます。明年度の予算におきましても、特に汚泥処理につきましてはかなりの調査費を取りましたので、こういったものをきっかけに本格的に取り組んでまいりたいと思います。
#155
○田代富士男君 いま私は処理場の汚泥の問題を提起をしましたが、処理場でなくして、もう一つ土の問題で厄介な問題があります。これは建設残土の問題です。それは現在地下鉄工事、あるいはビル工事、上下水道工事、ガス工事の現場から排出されます建設残土は、東京、大阪など大都市では莫大な量に上っていると思いますけれども、その量はどのくらいになっているんでしょうか。
#156
○政府委員(大塩洋一郎君) 東京と大阪について調べましたところ、東京におきましては年間約三千万トン、大阪につきましては年間約千五百万トンの残土、あるいはその他の固形物が排出されている、こういうふうに推計いたしております。
#157
○田代富士男君 いま御説明がありました東京三千万トン、大阪千五百万トン、このような建設残土の処理がされているわけなんですが、具体的に東京と大阪においてどのように処理されているのか、御説明を具体的にお願いいたします。
#158
○政府委員(大塩洋一郎君) 具体的には、現在は使われていないくぼ地等に、この有効利用を図るために捨てると、こういった計画と結びつけているのが通例でございます。たとえばごみ処理をいたしましてその被覆土に使う、その上を覆うために使うというようなやり方をやっているのが通例でございます。東京におきましては、新夢の島あるいは中央防波堤の外側の埋め立て地、あるいは羽田先等に余裕がございますので、そこに捨てるとか、あるいは大阪につきましては、公園の予定地あるいは水路、河川等の、これを探しまして、廃川敷等を利用いたしまして、そこに捨てておる、こういうような利用――利用といいますか、その捨て場所を考えておるのが現在の利用の仕方でございます。
#159
○田代富士男君 いま簡単に御説明聞きましたら、局長のお話を聞きますと、スムーズにこれが進んでいるような御答弁でございますが、東京だけでも三千万トン、三千万トンと言えば、どのくらいの量かと言えば、そこにあります霞が関ビル、あれを升にしましたならば三十杯分ぐらいの建設残土になるわけなんです。いまおっしゃるとおりに、東京においては夢の島や中央防波堤や羽田先、そういうところに埋め立てをやってるんだと、こういうお話でありますが、金丸国土庁長官がさきの国会の答弁におきまして、東京湾を新たに埋め立てることは行わないと、こういうふうに発言しているわけなんです。じゃあいま東京湾、夢の島や中央防波堤等に埋めてきたと、しかし、そこには堀め立てをいたしませんよと言っている。また、おっしゃるとおりに、空き地に埋めてきたと、これは今後は食糧自給強化の観点から水田の埋め立てば好ましくない、また自治体も都市計画法に基づきまして、線引きの凍結宣言をこれは埼玉県等はやっております。そうした場合に、こういうようなことが、いま局長の話を聞きますと、何とスムーズにいっているような感覚を受けるわけなんですが、これはスムーズにいってないんじゃないんですか、スムーズにいってるんですか、端的に言ってどうなんですか。スムーズにいっているならスムーズにいっていると、問題点はないのか、問題点あるのか、端的に。
#160
○政府委員(大塩洋一郎君) いま御指摘になりましたように、最近の事情はきわめて困難な状況に逢着いたしておりまして、決してスムーズにいっていないのが現状でございます。
#161
○田代富士男君 スムーズにいかないのが現状であると、特に私は大阪の場合は決算委員会でこの建設残土の問題を取り上げました。その後どのように私が指摘したことが実行されているのか、それを御答弁お願いします。
#162
○政府委員(大塩洋一郎君) 大阪等におきましては、いろいろ工夫いたしまして、先ほど申しましたように、公園予定地等と言いましたのは、そういう一つの例でございますけれども、大正区あたりにおきまして丘をつくって、そこに捨てて公園にするとか、そういう事業と結びつけまして、非常に苦労して、そういう予定地を探して使っているというような状況が現状でございまして、そのほか堺、泉北の臨海地帯あるいは南港の埋め立て等に、公共事業的なものは使えるけれども、必ずしもそれが距離あるいは金額等に関連いたしますのでスムーズにいっていないのでございます。これに対しまして、業界等におきましては、大阪等におきましては別途研究機関、グループをつくって研究したりしておりますけれども、まだ結論も出ていない、こういった状況下にございます。
#163
○田代富士男君 局長ね、いまの話を聞きますと、私はますます疑問点を持ちますよ。私はこの前の決算委員会で質疑した内容は局長御存じでしょうか。――御存じでしょうか。だから研究しているという、そういう段階じゃないでしょう。私が大阪の建設残土の処理の問題について質問したのは、この建設省の外郭団体である近畿建設協会が自分の権限で、OB出身の人で全部固められておりますが、この建設協会発行のチケットがなければ建設残土は河川敷には捨てることはできない。それが特定な業者に、近畿建設協会がやらずに特定な業者に任せて、その特定な業者に対しては一立米十円、それ以外の業者に対しては一立米三百円、こういう料金で多額の五千万円近くの手数料を上げていた。そして捨てている河川敷が、建設残土という規定がありますけれども、そこに産業廃棄物等が捨てられていた、こういうことで建設省として、河川敷においては建設省の責任があります。この問題点を私は指摘いたしました。
 だから、その後まだ鋭意研究中でありますこれはもう私が指摘しているわけなんです。昨年のことですよ、これは。これはまだ研究中でありましてと、そういうような状態で、いま捨て場所がないからそういうような建設残土を道路に捨てます、道路に捨てた場合でも道交法違反程度で大きな罰則というものはない。そしてこれは産業廃棄物の処理法の対象になってない。こういういろいろな問題点が何ら解決されないままになされて、いま言うように金丸国土庁長官は東京湾に埋め立てはできないと言っている。にもかかわらず、こういう建設残土はどんどん出てくる。この処理に対して、大阪においては特定な業者に、利権にからんで、国有地である河川敷の上に公益法人が利権にからんだそういうやり方をやったらこれは改めるべきであると。それも改まってない。しかし、これは大問題なんです。この点に対してどうなんですか。
#164
○政府委員(大塩洋一郎君) その残土の捨て場所等につきましては、公共事業につきましては、大規模な工事につきましてはその捨て場所の指定を行うとか、それから積算において、捨て場所等を計算いたしまして積算の中に組むとかいうような方法によって業者の監督体制を整えているところでございますが、多くは民間工事、特に建築工事等について生じます残土の方がいま一番大きな問題になっておるわけでございます。これにつきまして、正直に申し上げますと、現在のところ、その捨てる場所及び方法等につきましてきわめて多くの問題があり、これは発注者においてしっかりとそれを確保するような方法をとらせるということが一番大事なポイントだと思いますけれども、そういった方法について検討しているということを申し上げた次第でございます。なお、それにつきましては、もっと早急に具体的な方法が確立されることが必要だということで、建設省におきましては調査費を組んでこれを要求しようとしている段階でございます。
#165
○田代富士男君 大臣ですね、もう私の質問の時間が来てしまいましたから長くは質問できませんけれども、この建設残土の問題は大きな問題です。いま処理場の汚泥の問題を言いましたけれども、それよりもこれは現実の問題なんです。そういうわけで霞が関ビルの三十杯分の建設残土をどうするか。いまスムーズにいってないということを計画局長も申されたのです。これを大臣としてどうするか。そういうような特定な業者に、利権に結びつくようなそういうやり方をするようなことはやめて、あるいは地方自治体にそういうしわ寄せをすることをやめて、大臣として、この環境保全という立場から考えて、やはりこれは国の直轄として、たとえば国で土地処理センターと、そういうようなものを設置するなりして、大臣の直轄でこういうものを処理するお考えはないですか。このまま放置しておくわけには……、スムーズにいってないということは局長がお認めになった、これを解決していくのが大臣のお立場じゃないかと思うのです、どうでございましょう。
#166
○国務大臣(仮谷忠男君) 大都市における残土処理の問題は、確かにいま局長が話したように決してスムーズにいっておりません。したがいまして、私どもはこの問題は最近のいろいろな工事設計に当たっても設計の中に残土処理も積算をして、工事によっては残土の捨て場所をぴしっと指定をしまして、それで請負をさすという形でやらなければならぬと思って十分留意をしてやっておるつもりでありますが、しかし、全部が全部までなかなかそういかないところに問題があるわけでありまして、おっしゃったような方法等も一つの方法であろうかと思いますが、これをあなた任せにして、いわゆる利権の方途にしてもいけませんし、地方団体に迷惑をかけてもいけません。だから、それに対する基本的なものを検討して処置しなければいかぬと思いますから、お説のようなことも含めまして十分ひとつ検討してまいりたいと存じます。
#167
○委員長(小野明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#168
○委員長(小野明君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○委員長(小野明君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 下水道事業センター法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(小野明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#171
○沢田政治君 私は、ただいま可決されました下水道事業センター法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の各派共同提案による附帯決議案の提出をいたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   下水道事業センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、下水道の整備が、公共用水域の水質保全及び都市環境の整備等のため特に緊急を要することにかんがみ、次の事項について、所要の措置を講ずべきである。
 一、水は有限の資源であることを認識して公共用水域の水質保全と水資源の高度利用を図るため、三次処理水を河川等の公共用水域に還元し、環境の改善に努めるとともに、処理水を雑用水、工業用水に再利用する等、総合的な水管理システムを確立し、水の循環利用リサイクル化による合理的な水使用の推進を図ること。
 二、下水の三次処理及び汚泥処理の高度化等に関する新技術の開発及び実用化を促進するとともに、水質汚濁の進行の著しい人口等の集積した地域及び先行的に水質の保全を図るべき閉鎖水域等については、地域の実情に即応した三次処理を実施すること。
 三、立ち遅れの著しい下水道整備を積極的に推進するため、七大都市、一般都市の別なく、補助対象範囲の拡大を図ること及び地方債を拡充することに努め、受益者負担金制度の運用等について検討し、その改善に努めること。
 四、終末処理場の建設にあたっては、施設の美観緑化等に配慮するとともに、周辺環境との調和を図るため、緑地、広場等のオープン・スペースを確保し、公園化する等の施策を講ずること。
 五、有害物質を含む工場排水の下水道への流入の規制を強化するとともに、水質汚濁の一因となる合成洗剤の中の燐等の低減について指導すること。
 六、法案第二十六条第二項中「特別の事情」は、水質環境基準が定められていない場合であって、急速に水質悪化のおそれのあるとき、災害発生のとき等、環境保全上特に必要のある場合に限られるものと解し、運用すること。
 右決議する。
 何とぞ皆さんの御賛成をお願いいたします。
#172
○委員長(小野明君) ただいま沢田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(小野明君) 全会一致と認めます。よって、沢田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。
 ただいまの決議に対し、仮谷建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。仮谷建設大臣。
#174
○国務大臣(仮谷忠男君) 本法案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただきまして、ただいま全会一致をもって決議されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して、今後の運用に万全を期して努力する所存であります。
 ここに本法案の審議を終わるに際しまして、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
#175
○委員長(小野明君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(小野明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#177
○委員長(小野明君) 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#178
○上田稔君 それでは、奄美群島の振興開発計画法につきましてお尋ねをいたしたいと存じます。
 奄美大島につきましては、実は大変不勉強で申しわけございませんが、私まだ行ったことがないので、この計画につきましては図上でちょっと拝見をさしていただいたのでございますが、概略をごく簡単に御説明をいただきたいと思うのでございます。事業費であるとか、あるいはどういうような程度にするんだとか、そういったようなことについてお願いをいたしたい。
#179
○政府委員(近藤隆之君) 奄美群島は昭和二十九年本土の施政権のもとに復帰したわけでございますが、それから十年間復興計画をつくりまして復興に当たっておったわけでございます。しかし、十年たちましてもなお本土との格差が非常にあるということで、その後さらに十年間振興計画の時代があったわけでございます。そして昭和三十九年、なお本土との格差は相当あるということで五カ年間の振興開発計画ということになったわけでございます。したがいまして、現在の奄美群島振興開発計画と申しますのは昭和四十九年の六月に閣議了解を得ておるわけでございますが、計画の期間は四十九年から五十三年度までの五カ年計画ということになっております。
 そして、計画の目標といたしましては、奄美群島の特性と発展可能性を生かし、環境の保全を図りながら積極的な社会開発と産業振興を進め、本土との諸格差を是正し、明るく住みよい地域社会を実現するということになっております。
 さらに、基本方向といたしましては、第一に、明るく住みよい地域社会の実現を図るということで、交通体系の整備、生活環境の整備、国土の保全、社会福祉の拡充、医療対策の強化、教育・文化の振興等を図りまして、すぐれた自然環境の保全と住民福祉の増進に努めるということになっております。第二に、地域の特性を生かした産業の振興を図るということで、亜熱帯の自然的特性を生かした農林漁業、特産の大島つむぎ、その他地場産業の振興を図り、また適地に必要に応じて新たな産業を誘導し、就業機会の増大と生活の安定を図るということになっております。さらに第三点といたしまして、自然を基調とする海洋性レクリエーション地帯の形成ということで、亜熱帯性、海洋性の美しい自然と特色のある文化を生かし、他産業との調整を図りながら、増大する国民の余暇利用に対応したいということになっております。
 そうして、この計画の基本構想としましては、奄美群島と本土、さらに群島内の各島相互間の位置関係を考慮しまして、本土と奄美と沖繩間の短絡化を図るために港湾、空港、道路等の基幹交通体系の整備を推進することにしております。なおまた、群島住民がひとしく健康で快適な生活を享受することができるような地域社会を実現するため、医療・福祉の充実、教育・文化の振興等に努め、生活環境の国民的標準を確保するとともに、中核集落の都市整備とあわせて各集落を結ぶ道路網の整備を推進することにより、広域的な生活圏の形成を図るということにしております。以下、各産業ごと、あるいは各島ごとにつきまして五十三年の目標を定め、この計画に沿って政府関係各省力を合わせて奄美群島の振興開発を図っていこうということになっております。
 以上、簡単でございますけれども、とりあえず御説明いたします。
#180
○上田稔君 いま、この計画につきまして非常に美辞麗句でお話をいただいたのでございますが、この目的は、奄美の島民の方々の所得が非常に低い、これを何とかして向上をしなけりゃいけないというのが私はやはり第一番の目的ではなかろうかと思うのであります。この奄美のひとつ人口がどの程度であって、そうして今後五カ年間、つまり五十三年度の末にはどの程度の人口をお考えになり、そうしてまたその所得、現在の所得がどの程度であり、五十三年度の末におきましてはどの程度に考えておるんだというようなことについて御説明をいただきたいと存じます。
#181
○政府委員(近藤隆之君) 奄美群島の総人口は四十七年度で十五万八千人でございます。復帰当時二十万を数えたわけでございますが、激しい過疎現象がございまして、名瀬市以外はすべて人口減少というような状況でございまして、四十七年は十五万八千人でございます。計画終了時の五十三年には、やはり十五万人は割るんではなかろうかと想定いたしておりますが、ただ、いままでの激しい人口減少の趨勢というものはこれは影をひそめまして、その減少幅は縮まってくるんじゃなかろうかと思います。
 それから生産所得でございますけれども、地域の特性を生かした産業の振興、観光開発等を通じまして、四十七年の五百九十六億から一・七倍強の一千四十七億円程度に達するものと期待しておるわけでございます。これによりまして住民一人当たりの所得が四十七年度の三十九万円から二倍近くになるわけでございます。御案内のように奄美の人口一人当たりの所得を見てみますと、現在の段階では、鹿児島県に対しましては八七・八%、全国に対しましては五四・二%と、なお相当の開きがございます。振興開発計画を通じましてこの差はできるだけ縮めていきたい。五年の間に完全に縮まるということは申せませんけれども、できる限りこの格差を縮めていきたいということでございます。
#182
○上田稔君 所得がそういうふうに非常に低い、その上にこれは物価がやはり問題ではなかろうかと思うんでありますが、物価の事情はどういうような事情でございましょうか。
#183
○政府委員(近藤隆之君) 物価の点につきましては、御案内のように奄美群島は本土から隔絶した離島でございますので、本土の他の離島と同様あるいはそれ以上に物価は高うございます。鹿児島市等に比べましても一割程度高いというような状況になっております。実態がどうであるかということにつきましては、現在国の方で調査委託費を出しまして県の方で検討をしておる段階でございますので、それが三月中には出てくるということになっておりますので、それを見て実態をなお検討いたしたいと思っております。
#184
○上田稔君 島民がだんだん減っていくということ、これはやっぱり生活が苦しい、それにはやはりこれをよくするために所得をふやす、それから物価を下げると、この二つだと思うのでございますが、所得の向上を図るための対策といいますか、施策というか、これをどういうふうにお考えになっているか。まあ奄美では、基本的な産業というのは、先ほどお話があった水産がありました。それから大島つむぎがある、それから観光がある、まあそういったようなことではなかろうかと思うんですが、そういうものについてちょっとお話をいただきたい。
#185
○政府委員(近藤隆之君) 所得を上げていくためには産業の振興を図らなければならないわけでございますが、奄美における産業といたしましては、まず第一次産業では言うまでもなくサトウキビでございまして、サトウキビを中心といたしまして、肉用牛でございますとか、エラブユリといったような花卉でございますとか、あるいは野菜であるとか、そういったものを組み合わせて島ごとの振興開発計画をつくっておるわけでございます。さらに第二次産業といたしましては、いま御指摘ございましたような大島つむぎが中心となっておるわけでございまして、最近大島つむぎにつきましてはいろいろな問題がございますけれども、国といたしましても地元にいろいろでこ入れをいたしまして、この産業の振興を図っていきたいというのが計画の一つの基本になっております。それからなお周りが海に囲まれておりますので、今後の問題といたしましては水産業の振興ということも当然図らなければならないわけでございますが、御案内のように漁港の整備等が相当おくれておりまして、現在水産業としては非常にまだ所得は少ないという段階にございまして、この点につきましても、この計画を通じましてできる限りその推進を図ってまいりたいと思っております。
 それから最近特に注目されてまいっておりますのが、いま御指摘ございました観光の問題でございます。ただ、現在まだ島内の道路、港湾等の整備が不十分でございます。つまり受け入れ体制が十分ではございません。これも計画期間を通じまして、そういったいろいろな基幹施設の整備を図りますとともに、受け入れ体制を十分整備いたしまして観光事業を開発していきたいと、そのように考えております。
#186
○上田稔君 まず、観光、大島つむぎ、サトウキビ、野菜、水産、こういうようなお話がございましたが、外から入ってくる金としちゃ、すぐに落としていただく現金というものはやっぱり観光が一番早い。しかし、全体から見りゃ大したことはないんでありますけれども、人口が十五万ですか、十五万八千ということでありますから、この観光にも相当期待をしていいんじゃないか。その観光地でありますけれども、まあ島がたくさんある、その中で観光にこれは適するなと思われる島はどういう島が、あるいはどういうところがあるんですか。それから一番大きな人口のある、奄美大島ですか、この奄美大島にも景色のいいところがあるんですか。
#187
○政府委員(近藤隆之君) 私もまだ全部の島は回っておりませんけれども、まあ大分歩いておるわけでございますが、これ、全島どこも非常にいいサンゴ礁等の景色に恵まれておりますし、いろいろな過去からの歴史がございまして、本土とは違ったようないろいろな建物等もございまして、全島すべてが私は観光地としては非常に適するのではなかろうかと思っております。それで、この五カ年計画の中でも観光収入というものを非常に重視しておりまして、四十七年度の実績では二十七億円の観光消費額であったわけでございますけれども、これを五十三年時点では百十四億程度まで伸ばそうというような計画を組んでおる次第でございます。
#188
○上田稔君 観光に力を入れていただくということになると、そうしますといま先ほどお話があった道路に非常に力を入れていただかなくちゃいけないということになるんじゃないか。それからまた来てもらわなくちゃだめですから、飛行場がプロペラ機でブルンブルンといってたんじゃこれはなかなかお客さんは来ないと、こういうことになるんじゃなかろうかと思う。それからまた港、船に乗っていただくということになるんじゃないかと思うんですが、その港が、サンゴ礁で取り巻かれておるものでございますし、まだ整備が不十分だというふうに聞いておるんでありますけれども、こういうことになると何もかもが皆まだ未整備だと。もう二十年も復帰後たってるのに非常に未整備であるということは、一体原因はどこにあるんですか。
#189
○政府委員(近藤隆之君) 復帰時点におきましては、御承知のように非常に荒廃した姿でわが国に復帰してまいったわけでございます。そこで、復興計画の十カ年というものは、まさに戦前――昭和九年ないし十一年の奄美群島の水準まで持っていこうということで、まあ全力を尽くしてようやく昭和三十九年にその程度まで回復したわけでございます。で、その後御承知のように日本の本土は高度経済成長時代になりましてどんどん施設整備も行われてきたわけでございまして、奄美もその後の復興計画の時代におきましては本土を上回る程度の投資というものが毎年毎年行われてきたわけでございますけれども、しかしながら、やはり格差は格差として残ったと、大分その格差は縮まってきてはおりますけれども、なお残っておる。そのために、昭和四十九年になりまして、なお五カ年間復興計画をつくってその格差是正に努めるということになっておるわけでございまして、政府といたしましても、今後とも関係各省協力一致いたしましていろいろな施設の整備に進んでまいりたいと考えております。
#190
○上田稔君 沖繩の方は後になって復帰をしたのでありますけれども、まあ非常にこのごろ海洋博等によって公共投資がされておる。奄美もこれは何か博覧会でも考えないと回復できないということではこれは困るんでございまして、せっかくこの特別の法律をつくっておやりをいただいておるわけでございますから、ひとつ大いに予算をふやしていただいて、いい計画を立てて、それに基づいておやりをいただきたいと思うのであります。
 まず、この法律におきましては道路が問題になっておりますが、道路整備についてちょっとお伺いをいたしたいと思うのであります。まあ国道でございますが、行ったことないんでちょっとわかりませんが、地図で見ますと、えらいぐにゃぐにやっとこうなっておりますが、これはもうハブのかっこうがこういうかっこうかどうか知りませんけれども、まあ道路までハブみたいになりたんじゃこれはいきませんので、これは非常に整備の進捗率が遅いんじゃないかと思うんですが、いかがでございますか。
#191
○政府委員(井上孝君) 御指摘の今回国道に昇格いたしました路線は、かつての主要地方道瀬戸内赤木名線と称するものでございます。実は整備率で申しますと、改良がすでに九五%ばかり進んでおるように統計では出ております。しかしながら、この改良率と言いますのは古い道路構造令に合致した一車線、交通量の少ないところで一車線あれば改良済みといっておった従来からの統計上のものでございまして、国道にもなりましたので、新しい構造令規格で二車線を改良済みというふうな新しい見方をいたしますと、九五%という改良率はたちまち四一%というように落ちる道路でございました。いま先生御指摘のように改良も舗装もまだ十分ではございません。新しい構造令に合致しない区間は、一応統計上は改良済みでありましても未改良といたしまして、これから、国道にもなりましたので、新しい年度から新しい規格で計画を立てて整備を進めたいというふうに考えております。
#192
○上田稔君 そうしますと、いまの一車線と言うんですから三メートルから三メートル五十ですか、そういうようなままで完成しておるところがあるということで、これを今度は国道の規格でやっていただけると、こういうことになる。そういうふうになりますと、いまの国道の区間というか、あるいは一番中心地が名瀬でございましたか、その名瀬から一番離れたところまで行く時間がどの程度に短縮できるということになるんですか。
#193
○政府委員(井上孝君) 時間まで実は調べてまいりませんでしたので直接お答えできませんが、この国道は全延長で約九十キロございます。現在五メートル五十以上、すなわち二車線以上に改良されておりますのが、先ほど申しましたように四〇%ばかりでございます。これを全線改良いたしますと、普通の設計スピードであります五、六十キロで走れることになります。恐らく全線整備が済みました暁には、九十キロでありますから、一時間半ないし二時間で行けることになるんではないかというふうに考えております。
#194
○上田稔君 そうしますと、名瀬の位置がこう図上から見て三分の一ぐらい北の方ですか、何かそのぐらいにあるんじゃないかと思うんですが、そうすると一番遠いところでも六十キロぐらいになってしまう。そうすると、六十キロのスピードで一時間、こういうことになるんじゃないか。そうしますと、これによって奄美大島に住んでおられる方はいろんな物資が早く安全に出せるということになるんじゃなかろうかと思うんですが、こういう国道をおつくりになって、そうするとその港が、名瀬の港、これを利用されるのかどうかわかりませんが、そこへさっと持っていけるようになると思うんですが、港の方の計画はどういうふうになっておりましょうか。これは運輸省。
#195
○説明員(大塚友則君) 御承知のように、現在の名瀬の港の現況でございますが、まず奄美本島につきましては名瀬港というのがございます。これは一万トン岸壁が現在できております。それから徳之島でございますが亀徳という港がございますが、これは五千トンクラスの船が着けることになっております。なお沖永良部島、ここもやはり五千トンクラスの船が着けることになっております。それから一番南の与論島でございますが、与論という港がございます。ここは二千トンクラスの船が着けるのが限界でございます。これが現状でございますが、大変残念ながら季節的には気象の関係上接岸が直接できないで、はしけ荷役を行うような場面もあるように聞いております。
 そこで、私どもといたしましては、実は四十九年度から運輸省所管になったわけでございますが、昨年策定されました振興開発計画に基づきまして、いま申し上げたような主要な島にはおおむね一万トンクラスの船が着船できるようにわれわれは努力していきたいというふうに考えております。特に、所管いたしましてから二年目の五十年度の予算案におきましては、港湾全体の予算が昨年より、四十九年度に比べてやや下がったんでございますが、五十年度におきましての奄美大島につきましての予算案につきましては約四五%程度の伸びに考えておりまして、今後とも先ほど申し上げました振興計画の遂行に向かって大いに努力してまいりたいというのがわれわれの考え方でございます。
#196
○上田稔君 いま国道の話をしておったんですが、国道の方のいま六十キロぐらいの間、つまり一時間で行けるようにしていただけるという、五十三年度までにできるわけでございますか。
#197
○政府委員(井上孝君) 先ほど申しましたように、この四月から国道になりまして、新しい整備計画のもとでできるだけ促進を図るつもりでございますが、まだ具体的なそういった目標はこれから策定する段階でございます。
#198
○上田稔君 国道の方も最近になったのでこれから計画をするというお話、それから港の方は最近運輸省所管になったんだということでございますから、これも最近になったということで計画が立っていない。これは両方私は計画は合わしていただいて、そうして名瀬の物資が、あるいは観光に行く人が行きやすいように、物資が早く安全に出るように、こういったようなことを考えてひとつ御計画をいただきたいと思うのでございます。港は港でやりやすいところはやるんだと言って与論島をおやりになっていると、道路の方はやらなきゃいけないということでたとえば国道をおやりになっておると。そうすると、国道は走れるようになったけれども、名瀬へ行ってみても何にもなせられないというようなことになってしまったんじゃ、これはもう本当に国費がむだに使われるということになりますので、こういったような点をひとつ十分に合わせていっていただきますように、これは国土庁にお願いをしなければいけないと思いますが、やはりしやすいところ、しやすいところということではいけないんじゃないか。特にこういう島のところではよく御説得をいただいて、そうして所得がふえるようにしていかなくちゃいけないんじゃないか。それがためにはこういうことが重要なんだということを十分に御説得をいただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#199
○政府委員(近藤隆之君) ただいまの先生の御指摘は、この振興開発計画と各省の公共事業五カ年計画との関連の問題かと思います。先ほども各省から御説明ございましたように、昭和四十八年までの復興計画及び振興計画の時代は、公共事業関係も自治省に一括計上いたしまして一括施行するというような形であったわけでございます。それが四十九年以降は自治省、その後の国土庁が一括計上はいたしますけれども、各省に移しかえて仕事をやっていただくという関係になりますので、従来は各省の公共投資の五カ年計画とは一応別に復興計画及び振興計画及び振興計画が進んでおったわけでございますが、四十九年以降は一体のものとして振興するという形になるわけでございます。ただ、この奄美の計画が四十九年から五十三年までの五カ年間ということで、各省の公共事業の五カ年計画と必ずしも年限が一致しておりません。しかも各省は現段階におきましては五カ年計画の総点検の時期でございまして、それぞれ五十一年度を初年度といたしまして港湾計画なり道路計画なりをおつくりいただくという段階にあるわけでございまして、国土庁といたしましては、各省がこれからおつくりいただくそういった五カ年計画と、この奄美の振興開発計画との整合性につきましては、これから十分注意して各省とお話し合いを進めていきたいと思っております。
#200
○上田稔君 運輸省の航空局の方にお開きをいたしたいんですけれども、奄美大島には空港はございますんですか。
#201
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。
 現在、奄美には奄美、沖永良部、喜界、徳之島四空港がございまして、ほかに与論に一つ飛行場をつくるべく現在建設を進めておるところでございます。
#202
○上田稔君 飛行場のないところ、離島でありますから、もちろん飛行場をおつくりをいただかなくちゃいけないと思うんでありますけれども、まあいまの五カ年計画を立てておやりをいただいておると、この奄美大島へ渡るのはやはり飛行機が、いまのところ私は人間の方は観光に行く人は飛行機でなかろうかと思うんでありますが、それでジェット機がいま入れるんでありますかどうか、その点をひとつ。
#203
○説明員(梶原清君) 現在、先ほど申しました四空港、目下建設途上にございます与論を含めまして、すべてYS用のいわゆるプロペラ機の就航する飛行場でございます。
#204
○上田稔君 奄美大島はジェット空港化するお考えはないんですか。
#205
○説明員(梶原清君) 奄美空港は先生御案内のとおり、三十九年に開港いたしました鹿児島県の設置、管理します第三種空港でございます。現在滑走路の長さは千二百四十メーターでございまして、全日空と東亜国内のプロペラ機、YS11型の飛行機が一日十五便就航しておるわけでございます。お客さんが非常に多うございまして、四十八年度の実績で申しますと、年間の乗降客数は三十四万人を数えておるわけでございます。この空港のジェット化についてでございますが、四十六年度から始まりました第二次空港整備計画におきましてはジェット化をしたいということで計画を進めてまいったわけでございます。で、四十六年度から四十八年度まで奄美群島振興事業予算が計上されたわけでございますけれど、空港用地の取得が非常に困難でございましたために、四十八年度の末に至りまして鹿児島県はジェット化をやむなく中止した経緯がございます。で、この空港を利用しますお客さん、先ほど申しましたように四十八年度で三十四万人に達しておりまして、将来の需要を考えますと、ジェット化をする必要性は認められるわけでございます。しかし、先ほども申しましたように、地元の皆様方、住民の方々の同意が前提でございまして、今後関係省庁、鹿児島県と十分協議してまいりたい。で、私どもは五十一年度から始まります第三次空港整備計画に取り入れるかどうか検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#206
○上田稔君 まあ、地元の方の御説得がなかなかむずかしいというお話はお聞きをいたしておりますのでありますが、これはやはり用地をお買いになるときに、こういう離島のところは非常に何といいますか土地に対する愛着が深うございますし、そういう点を考えて、ひとつ用地代もお考えをいただきたいと思うのであります。
 それからやはりそういう離農を結局されるわけでありましょうから、そういったようなことに対する対策なんかも十分お考えをいただいて、ダムと同じような考え方でひとつ事に当たっていただいて、ぜひとも私は空港をジェット化していただかなくちゃいけない。それに、本日ちょっと出ております国道の整備、それからそれに県道の整備、こういうものと飛行場との連絡を十分にやっていただいて、飛行場だけができたけれども、そのあとおりてみたら行くところになかなか行けなかったというようなことではいけないのじゃなかろうか。まあ道路が悪いとバスも通らない。奄美に行ったけれども何にもなかった、飛行場だけができていたということではいけませんから、その点も十分あわせてお願いをしたいと思うのであります。
 それから先ほど水産の問題が出ておったのでありますけれども、漁港がやはり整備ができておるのかどうか、ちょっとお尋ねをいたしたい。
#207
○説明員(矢野照重君) 漁港の整備につきましては、先ほど国土庁の方からも御説明ございましたように、水産庁の方で実施を担当するようになりましたのは四十九年度以降でございます。それで、過去の実績から申し上げますと、二十九年から三十八年までの奄美復興計画時点におきましては、古仁屋他八港につきまして六億二千万円ほどの事業を実施しております。それから三十九年から四十八年までの奄美振興計画期間中におきましては、知名他八港につきまして七億九千二百万ほどの事業を実施しております。
 それから四十九年以降奄美振興開発計画に基づきまして、さらにこの計画に基づく漁港の計画を、漁港法に基づく漁港の整備計画の一環としまして実施するということでやっておりますが、実は現在やっております漁港の整備計画は四十八年度を初年度とする五カ年計画でございまして、一年ずれがございます。そういうこともございまして、いまの第五次漁港整備計画を作成する時点におきまして一年ずれたわけでございますので、現在第五次計画の中の調整項目の中におきまして三十五億ほどのめどをもちまして一応整備を図るということで実施しておりますが、四十八年度におきましては二港につきまして八千六百万の事業を実施しておりますが、四十九年度につきましては約四倍に当たります三億四千八百万の事業を実施しております。それから五十年度につきましては約四五%増の五億四百万ほどの事業を実施するということで考えておりまして、確かに現在進度がおくれておりますが、何とか早急に本土並みの進度に持っていきたいということで考えております。
#208
○上田稔君 いま聞き違えたのかもしれませんが、最初の十カ年では六億、それから次の十カ年では七億四千万、で、最近は三億幾らというふうにお聞きをしたんですが、それでよろしゅうございますか。
#209
○説明員(矢野照重君) 最初の十カ年は六億二千一百九十四万一千円でございます。それから第二次の十カ年では七億九千二百三十八万八千円でございます。それから現在実施中の計画につきましては、実施時点が一年ずれたということがございまして、正確な計画ということにはなっておりませんが、調整項目の中で五十二年までに大体三十五億ほどの事業を実施したいということでございます。
#210
○上田稔君 そうしますと、ちょうど所得倍増計画なんかがあって非常に伸びた第二回目の十カ年計画のときの伸びが非常に悪いということになっておりますが、これは何か原因があったのでございますか。
#211
○説明員(矢野照重君) 第一次、第二次の計画期間中は、先ほども申し上げましたように、自治省一括の所管でございまして、その問題につきましては当時どういうふうな計画であったか私もちょっと存じ上げませんので御勘弁願いたいと思います。
#212
○政府委員(近藤隆之君) ただいま水産庁の方からお話しございましたように当時は自治省所管でございますが、計画の中で五カ年間の事業量幾らというふうに決めておったわけでございます。で、その当時は所得倍増計画と申しますか、わが国の高度経済成長の時代でございまして公共投資が年々ふえていったわけでございます。しかし、一たん決まりました計画の数字というものはなかなか変えられないというようなことで、結果的には国の公共投資の伸びに追いつかないというような欠点も出てきたわけでございます。そこで、こういったやり方というのは、一つには計画的に仕事ができるという利点があるけれども、やはり公共投資を伸ばしていくという点からいうなら適当でない面もあるんじゃないかという反省の上に立ちまして、四十九年度からの計画につきましては、そういった五カ年間の事業量というのを前もって決めるという方式をとりませんで、一応の目標というものは計画の中に掲げてございますけれども、毎年毎年の事業費というものは国の公共投資の大枠の中で奄美にどの程度取るのが適当であるかということを、毎年度予算編成時において検討するという方式をとっておるわけでございます。まあそこで、たまたま昭和四十九年度、五十年度は公共投資が非常に抑えられた年でございますけれども、関係各省の御協力もございまして、本土並みあるいは本土離島並み以上の伸び率でもって奄美につきましては公共事業を計上することができたというような形になっておるわけでございます。
#213
○上田稔君 せっかく計画があったと、その計画があだになって予算がつかなかった、これは非常に残念であります。これはそういうことのないように国土庁はひとりお願いをいたしたいと思いますが、この奄美は非常に水産物の宝庫だと私は聞いておるんですけれども、カツオだとかサワラだとかアジだとかサバ、こういったようなものがたくさんとれるんだと聞いておるんですけれども、そういうものが内地の方へ余り来ないと思うんでございますが、その辺はどうでございましょうか。
#214
○説明員(矢野照重君) 奄美近海は確かに瀬魚類の生息にも適しております好漁場でございます。また未利用資源にも恵まれている。あるいは冬季でも比較的水温が高くて魚類の養殖に適しているということで、そういう面では非常にいい条件に恵まれているところでございますが、残念ながらいままでは漁港整備のおくれ、あるいは流通機構のおくれという問題がございまして、いま先生おっしゃいましたように、残念ながらそれを有効に利用できるというような状態でなかったということでございます。
#215
○上田稔君 非常にそういう宝庫があって、それがとれて、それが本土に売れるということになると、私は所得が相当ふえると思うんですが、これは非常に残念だと思います。で、漁民の指導の方も当然のことながら、やはり本土へ持っていくためには冷蔵庫の設備だとか、あるいはそういういろんなものが必要なんじゃなかろうかと思うんですが、そういったようなことを十分にひとつ御指導をいただいて、そうしてせめてこれはまあ農業の方が余り芳しくないなら水産関係、周りに魚がよく泳いでいるのにようとらぬというようなことじゃこれは情けないことでございますので、まあこの間ソ連の船が日本の近海に来てどっととっていくみたいに、本土の漁船が行ってごそっととって奄美の人の収入にはならないというようなことでは、これは申しわけないんじゃないかと思いますから、こういったような点もひとつお考えをいただいて、これは国土庁は大いにふんどしを締めておやりをいただきたいと存じます。
 最後に、ごみ処理、屎尿処理、上水道事業、こういうものもまだ十分できていないと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#216
○政府委員(近藤隆之君) ごみ、屎尿、下水道といったような生活関連施設につきましては、御承知のようにほかのものもまだ道路、港湾、漁港といった基幹施設も不十分なような状況でございますので、当然こういった都市的施設と申しますか、都市的な生活関連施設の水準は非常に低うございます。これから整備していくという段階でございます。
#217
○上田稔君 で、お話を聞くところによりますと、こういう施設に対する国の補助という、補助率といいますか、が非常に低いというふうに聞いておるのでございます。そうしますと、これは収入は低いわ、税金はしたがって出ないわ、町村は貧乏だということになりますから、こういうものをやるときには非常に困るのではなかろうかと思うのでございます。したがいまして、こういうものに対しましては市町村の財政が十分に間に合って、そうしてこういう施設ができまして、そして近代的生活を島民の方々がやっていけるように、また観光に行った者も気持ちよく観光を味わわしていただくというようなことができるようにひとつお願いをしたいと思うのでございますが、これはなかなか事務当局だけの、一生懸命やっていただいてもなかなかできないのじゃないか。やはり国土庁長官のような大物の大臣さんがおいでになられまして、そうして各省ににらみをきかして、これを島民のためにはぜひともやってもらわなきゃだめだということをやっていただかないとこれは達成できないのじゃなかろうかと思うのでございますが、長官のひとつ御意見を聞かせていただきたいと存ずる次第でございます。
#218
○国務大臣(金丸信君) 奄美大島の道路の問題につきましていろいろ御配慮いただいておるわけでございますが、私が建設大臣当時、奄美大島を一周をいたしたわけでございますが、沖繩と奄美大島、返還ざれた地域であるにもかかわらず、その格差というものはまことにはなはだしい状況をこの目で見てきたわけでございますが、そういうような関係の中で、国道も必要だ、また道路にしても、まだ舗装されておらない道路もたくさんあるというような中を見まして、同じ日本の国民である以上、平等な恩恵は受けてしかるべきじゃないかというようなことで、それ以来国道を推進してまいってきておるわけでございますが、ようやく法案を上程して皆さんに御心配いただくようなことになったわけでございますが、ただ、ごみ処理施設の問題につきましては、一般法では四分の一ですが、奄美大島においては三分の一、屎尿処理の問題については、一般法では三分の一、奄美大島においては二分の一、こういうような補助率を上げておるわけでございますが、また所得の少ないところでございますから、地方債等をもってこれになお負担をできるだけ軽減するために処理してまいりたいということで対処いたしておるということでございます。
#219
○上田稔君 先ほどのお話のとおり、所得は本土の半分あるいはそれ以下であるということでございますので、補助率もまあ四分の一が三分の一と、こういうふうに皆上げてはいただいておりますけれども、まだそれでは私は非常に苦しいんじゃなかろうかと思うのでございます。どうか大臣におきましてはこういう点を御考慮をいただいて、奄美の発展をひとつお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#220
○委員長(小野明君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト