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#1
第075回国会 建設委員会 第13号
昭和五十年六月十七日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     遠藤  要君     井上 吉夫君
     上田耕一郎君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 波男君
    理 事
                上田  稔君
                大森 久司君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                井上 吉夫君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                小野  明君
                小谷  守君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                春日 正一君
                渡辺  武君
                三治 重信君
   国務大臣
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
   政府委員
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省計画局参
       事官       大富  宏君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  増岡 康治君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  高橋 英雄君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
       日本住宅公団理
       事        播磨 雅雄君
       日本住宅公団理
       事        今野  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宅地開発公団法案(第七十二回国会内閣提出、
 第七十五回国会衆議院送付)
○都市再開発法の一部を改正する法律案(第七十
 二回国会内閣提出、第七十五回国会衆議院送
 付)
○大都市地域における住宅地等の供給の促進に関
 する特別措置法案(第七十二回国会内閣提出、
 第七十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村波男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中村波男君) 宅地開発公団法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○松本英一君 宅地開発公団の構想は四十八年度予算編成の大詰めの段階で当時の自民党橋本幹事長によって提唱されたものであります。当時の福田行政管理庁長官が、住宅公団に加えて宅地開発公団を設立することは屋上屋を架すことになり、二重構造機構になると反対をされ、一年間見送られた経過がございます。その後紆余曲折を経た後、四十九年の法案編成の段階で、附則に宅地開発公団の設立後は住宅公団の宅地部門は同公団住宅建設のため必要な宅地の開発に限定される旨の規定を設けて両公団が実施する宅地開発事業の分野調整を図ることになったのであります。また宅地開発公団が発足する時点で住宅公団が実施している宅地開発事業についてはなお従前の例によるとしており、今後も引き続いて住宅公団が事業を実施することになっております。宅地開発公団の設立によって住宅公団の宅地開発部門への影響について、計画局長は、宅地開発公団の設立によって直ちに影響を受けることはなく、むしろ住宅公団が今後建設する住宅用地の開発だけでもいままで以上に業務量が増大をし、さらに強化拡充が必要である旨の答弁を行っておられます。また住宅公団の首脳も住宅公団労働組合との交渉の席上、影響を受けない旨の発言をされたと聞き及んでおりまするが、計画局長及び住宅公団総裁のこの件に対する見解をお伺いいたしたいと思います。
#5
○政府委員(大塩洋一郎君) いまお述べになりましたように、住宅公団の業務は住宅公団の団地のための宅地開発に限定されることになりましたけれども、昭和五十年度の六万戸という戸数をこなすだけでも一千ヘクタールという宅地が必要でございますし、これが今後ふえこそすれ減らないというような見通しから見ましても、住宅公団の宅地開発部門の今後の重要性というものは減らないというふうに考えるものでありますし、さらに住宅公団がすでに着手して実施している事業につきましてはなお従前の例によるということでございまして、三大都市圏内でも現在一万三千ヘクタールぐらいの仕掛け品がございます。これがすべてでないにしましても相当量のものがまだ仕掛け品として今後残っておるということから考えましても、これが直ちに減少することはないのであろう、それからまた三大都市圏外の住宅難の著しいたとえば北九州とかあるいは北海道といったような地域におきましても団地建設を行う必要があるのでありまして、また全国公団としまして工業団地とか流通団地の開発も行っていかなければいけないという、こういうような観点から見ましたときに、宅地部門の役割り及び必要性というものは今後縮小しないのみならずその重要性はますます質量ともに高まるのであろうというふうに私どもは見ているのでございます。
#6
○参考人(南部哲也君) 宅地開発公団ができますことによって、これから着手する大規模の宅地事業というのは宅地開発公団の方で実施をするという現状でございますんで、現在住宅公団が持っておりますすでに手持ちの宅地部門の事業量だけでもほぼ十年ぐらいのものを持っており、それから大体従来宅地部門から住居部門に移管されます用地というのは全体所要量の二割から三割程度でございまして、これを毎年継続的に供給するということになりますと、ことしの予算のように大体毎年千ヘクタールの都市開発事業の着手が必要でございます。そうなりますと、宅地開発公団ができたために住宅公団の業務が直ちに影響を受けるということはこれは少ないというふうに部内でも話しておる次第でございます。
#7
○松本英一君 直ちに影響は受けないということですけれども、宅地開発公団が開発した宅地を住宅公団にも分譲し、公団住宅を建設することが明らかにされておるとするならば、将来は住宅公団の宅地部門が大幅に縮小をされることは明らかであります。それでは住宅公団の宅地部門の縮小にはつながらないと言われるのか、計画局長の御答弁、さらには、将来宅地開発公団の業務が本格化し、大量の宅地を供給することになった段階では、住宅公団の宅地部門は消え去っていくのではないかという懸念を持っておりますが、明確な御答弁を願います。
#8
○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど申しましたように、住宅公団の建設する住宅のための団地開発ということは直ちには影響を受けない。それからこの公団ができまして、その事業が最盛期に入ります場合に、住宅公団用地としてももちろん相当量をこれを住宅公団に割くわけでございます。したがって、三大都市圏におきましては、住宅公団の宅地の供給量というものはこれによって相当量補われることは確実でございます。しかしその時期はまだ着手いたしましてから恐らく数年かかるわけであります。その間に先ほど申しましたように、住宅公団の宅地開発部門の役割り、自己住宅建設の役割りも並行いたしまして、あわせ補完し合って住宅戸数をふやしていくわけでございますから、そういうことを考えまして、減少するという方向ではないだろうということを申し上げたのでありまして、そのほか、地方における宅地開発業務のことを考えましても、もう住宅公団の宅地部門が直ちに縮小の方向に向かうということはないというふうに考えます。
#9
○参考人(南部哲也君) いま計画局長から御答弁ありましたように、私ども実務的に見ますと、この公団ができてその製品がわれわれの手に入るというのは、少なくても四、五年先でありましょう。これはどんなに逆立ちしてやってもそれぐらいの日数はかかるわけであります。さらに大規模にやると、五百ヘクタール以上ということになれば、われわれの経験からすれば、これは七、八年から十年近くかかります。したがいまして、その間住宅公団の方の住宅建設業務が継続的にあるとするならば、当然にそれに見合う宅地の新規開発をこれは継続してやっていかなきゃいけないというようなことで、そういう意味からいいまして、現在、公団の宅地部門が急速に衰微していくということはあり得ないと、現実的に、このように考えているわけでございます。
#10
○松本英一君 今日、住宅公団で事業を実施しているものについて、住宅開発公団がその一部を引き継ぐとのうわさもございます。この際、一切宅地開発公団が引き継ぐことはしないということが、建設本省では四、五年、大規模工事、住宅公団では七、八年から十年、大規模工事、とのことがございますが、この問題について住宅公団が開発を予定し、事業について都市計画決定を得たものがかなり存在をしております。この種のものについての取り扱いはどのようにされるのか、この種のものも当然従来どおり住宅公団で開発すべきだと考えますが、建設大臣の御答弁を求めます。
#11
○政府委員(大塩洋一郎君) 現在住宅公団がやっております宅地開発の計画予定地を、これを将来この公団ができましたならばこれに引き継ぐということはあり得ることでありますし、これは住宅公団が同意さえすれば、そうしてまたそれが宅地開発公団の適地であるということであれば、これは引き継ぐことに相なります。どのぐらいの分量ということを申し上げることはできませんけれども、場所によってはそういうことがあり得る、その限りにおきましては、その住宅公団の予定される事業量というものは、その限りにおいては減るわけでございます。しかし、そういう団地はおおむね大きい団地でございます。したがって、宅地開発公団に引き継ぐ分量にもよりますけれども、現在のところ一万二千、三千ヘクタールぐらい持っておりますその仕掛け品の中で、全部が行くわけではございませんので、先ほど申しましたようにその中で一部分が行くことは予定され、予定し得ると思いますけれども、それによって減るということは考えられないかと思っております。
#12
○松本英一君 宅地開発公団の発足後は、住宅公団が行う大規模住宅開発は公団住宅建設用のものに限定される旨、先ほど申し上げましたとおりであります。附則で規定をされておりますが、これは机上の論議であって、実際にはこのとおりにはいかないのではないかという疑問を持っております。なぜならば大規模な宅地開発で、全部を公団の集団、集合住宅用に充てることは、土地利用上好ましくはありませんし、宅地開発公団が開発されるものと同様に、集合住宅用地、一戸建て住宅用地を一定割合で配分することが、土地利用上からも要請をされると思われます。したがって、開発公団が発足後、住宅公団が行う大規模宅地開発について、その一部を宅地として分譲することが必要と考えられますが、住宅公団法三十一条二項を弾力的に運用される用意があるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
#13
○政府委員(大塩洋一郎君) 住宅公団が現に行っております、仕掛け品と申しましたけれども、そういう団地につきましては、適地であれば同公団に当然引き継ぐようにいたし、住宅公団の行う、先ほど御指摘の三十一条二項の規定にありますような公団住宅を建てるための団地に住宅公団の宅地開発の業務は限定するという、こういう規定になっておりますので、これは当然住宅公団は三大都市圏を中心とする大都市地域におきましては、住宅公団の今後のあり方、宅地部門のあり方は、当然自己団地の建設に限定される、こういう方向で進みたいと思います。
#14
○松本英一君 住宅公団の方にお尋ねをいたします。
 現在、住宅公団が実施中または計画中の大規模宅地開発で三百ヘクタールから五百ヘクタールのものはどのくらいのパーセントを占めておりますか。
#15
○参考人(播磨雅雄君) ただいま御質問になりました住宅公団が現在手がけておりまする宅開事業で三百ヘクタールから五百ヘクタールの間にありまするものは二カ所でございまして、面積は合わせまして七百一ヘクタールでございます。これは場所といたしましては札幌の北部にございまする篠路という地区三百八十九ヘクタールでございますが、それと兵庫県の東条という地区でございまして三百十二ヘクタール、この二カ所でございます。
#16
○松本英一君 公団法の十九条で「業務の範囲」について、その「十 地方鉄道法(大正八年法律第五十二号)による地方鉄道業を行うこと。」、「十一 軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道業を行うこと。」とここにうたってありますけれども、私鉄との競合についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#17
○説明員(高橋英雄君) 宅地開発公団が大規模な宅地の開発をいたしますにつきましては、入居者の足の確保ということが絶対な必要条件でございます。この場合に既設の鉄道の沿線にそういう宅地を造成する場所があれば非常に結構でございますけれども、なかなかそういう適地というのは現在の時点では見つけるのがむずかしいということになりますと、既設の鉄道から何らかのアプローチを宅地までしなければならない。その場合に既設の鉄道、最寄りの事業者がそこまで自分の方で路線を引くというふうな計画があり、またそれをやる意思があればそれはその事業者にやっていただくというのがたてまえでございます。しかしながら、最近のように非常に鉄道の建設に多額の経費がかかりまして開業後ペイするのに骨が折れるというふうな時代になりますと、容易に自分がやると言って手を挙げる事業者がおらないというふうなことも予想されるわけでございます。したがって、入居者の足の確保のためには宅開公団がそういう場合にはみずから鉄道を敷かなければならない、こういう必要が生じてまいりますので、その際に地方鉄道業あるいは軌道業ができるようにこういう規定が設けられておる、こういうことでございます。したがいまして、一般的な民間の地方鉄道事業者等と競合するというふうなことは御心配ないというふうに考えております。
#18
○松本英一君 昨日、運輸、農林、建設の連合審査会でも赤字を抱えた国鉄の問題について同僚議員であります瀬谷委員から国鉄問題について質問がありました。いま競合を私鉄とはしないという御答弁をいただきましたが、さて今日地下鉄建設について、オリンピックをめどにやられました札幌における地下鉄の一キロ当たりの建設単価はどのようになっておりましょうか。
#19
○説明員(高橋英雄君) いま先生御質問の札幌オリンピックを目指してつくられました地下鉄は、これは昭和四十六年に完成しておりまして、いまと相当物価その他の違いがございますので、キロ当たりにしますと工事費が三十四億円程度というふうに聞いております。
#20
○松本英一君 それ総工事費ですか、ぼくが聞きましたのはキロ当たりですけれども。
#21
○説明員(高橋英雄君) 私が申し上げましたのはキロ当たりで三十四億円ということでございます。
#22
○松本英一君 それでは今度秋に着工されるという福岡市の地下鉄の一キロ当たりは幾らでしょうか。
#23
○説明員(高橋英雄君) 現在福岡市が将来建設を予定しております地下鉄につきましては、昨年に免許はいたしておりますが、まだ工事には着工はいたしておりません。したがいまして、数字としましては、現在の時点における見込みの数字ということでございますけれども、その予定の数字によりますと、福岡の地下鉄の一号線につきましては、キロ当たりの工事費でございますが、これが百十三億五千万円、それから二号線につきましては六十九億七千万円というふうなことに予定されております。
#24
○松本英一君 福岡の場合ちょっとお尋ねをしますけれども、地下鉄工事には工法がたくさんあります。もちろん御承知のオープンカット方式、それから掘っていくシールド工法、それから岩盤に到着をすることの不可能な七重八重の岩盤がある場合の地中継続梁の工法の問題、これを含めて三つに段階してどのくらいの、これは一キロで私三十四億と聞いてびっくりしたんですけれども、それはどうなっているでしょうか。
#25
○説明員(高橋英雄君) 福岡市の地下鉄の一号線の土木工事の工法でございますが、先ほど申し上げました一キロ当たり百十三億五千万円、総工事費のキロ当たりでございますが、そのうち土木工事の関係が六十五億八千万円、その他が四十七億六千万円ということになっております。この土木工事のキロ当たり六十五億円という場合のその工法でございますが、一号線につきましては大部分がオープンカットでございます。それからごく一部シールド工法がございます。それから一部山岳、丘の中を普通のトンネルで行く隧道がございます。あとその他ということで、それらの工事費が合わせましたものをキロ当たりにしますと六十五億八千万円の土木工事費がかかるということでございます。それから二号線につきましては、これは全部オープンカットということで、キロ当たりの総工事費が六十九億七千万円のうち土木工事費が四十一億五千万円ということになっておる次第でございます。
#26
○松本英一君 衆議院の建設委員会の附帯決議の中で宅地開発公団が担当する宅地開発はおおむね三百ヘクタール以上の正規模な造成事業を実施するとされておりますが、この公団が新たに鉄道事業を行うことが認められたこと等を勘案すれば、できるだけ大規模な宅地開発を担当し、さしあたっては五百ヘクタール以上のものを優先的に実施すべきだと考えておりますが、建設省の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#27
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地開発公団の行います事業につきましては、附帯決議で三百ヘクタール以上とされましたのは、われわれとしましてはもっとそれ以上の大規模なものを、同じつくるならば余り小さいものをたくさんつくるよりはできる限り広い面積においてまとまりのある団地として系統的に、計画的に周辺部に張りつけるということがわれわれの望みであり、理想であります。したがいまして五百ヘクタール以上、できれば一千ヘクタールぐらいのそういう団地をつくりたい、その方が能率的であるというふうに考えております。
#28
○松本英一君 住宅「公団は、住宅の建設又は宅地の造成をしようとするときは、当該住宅の建設計画又は宅地の造成計画について、あらかじめ、当該住宅の建設又は宅地の造成をしようとする地域をその区域に含む地方公共団体の長の意見を聞かなければならない。」と住宅公団法第三十四条に規定されておりますが、この運用の実態について公団の方から具体的に説明を願いたいと思います。
#29
○参考人(播磨雅雄君) 私が宅地開発を担当いたしておりますので、宅地開発の例について申し上げますと、実際に土地を買収いたしまする場合には、この法律の第三十四条に基づく法的協議ではございませんで、事実上公共団体と事前の調整をいたして、この程度であれば着手してもよろしかろうという一応の了解を得て買うように原則といたしましては努めておるわけでございます。そういったことで買いました後で、大体が宅成でございますので、やはり町のつくり方につきましては公共団体の御意見もございますが、やはり地主さんのいろいろな御意見がかなり利害関係も強いもんでございまして、かなりございます。そういったことで片や公共団体、片や地主さんたちと開発の進め方、基本方針につきましていろいろと決めてまいりまして、そういたしまして大体こういった基本方針で宅地のでき上がりの姿を決めようと、そういったときに、現在の段階でございますので、緑地の問題でございますとかあるいは取りつけ道路、学校の問題、さらにはいろいろな公益施設の用地を確保しなければなりません。そういったことでそういった特殊な目的の土地につきましてどういうふうな場所をとり、そしてそれの処分の話し合いでございます、学校用地あたりは二分の一にして売っておりますけれども、やはり公共団体もいろいろと用途によりまして御希望がございます。そういったあらかたの話を決めました上で開発の方針を決めまして、それによりましての三十四条協議を関係公共団体にお出ししておると、こういう手続をとっております。
#30
○松本英一君 建設省、住宅開発公団法案でも、公団は、宅地の造成計画について、あらかじめ、地方公共団体の長の意見を聞かなければならない旨を第二十三条で規定されておりますが、この条文の具体的運用方針はもちろんのこと、この条文の運営に当たっては用地取得の段階で地元公共団体の長の意見を聞くことにもなるんですが、単なる造成計画だけではなく、もっと広く開発計画について意見を聞くようにしなければならないと考えております。同時に、地元公共団体の長の意見は単に聴取するだけではなく十分尊重されるものと考えられますが、建設省の御意見を伺います。
#31
○政府委員(大塩洋一郎君) 法律上は「造成計画について、あらかじめ、」というふうに規定しております。これが直接事業にかかる一番初めの手がかりであるからでありますが、当然これだけの大規模な開発を行う以上は事前に十分自然的、社会的な影響の調査等を行いまして、そしてこれを地元の住民の方々にあるいは地方公共団体によく説明をするということが必要でありまして、当然開発計画の段階から協議をし、その意見を聞くことが必要であり、またその意見については十分これを計画の中に取り入れて尊重していくということが必要でございます。お説のとおりでございます。
#32
○松本英一君 宅地開発公団の設立に伴いまして、宅地関係の職員の出向の要請があれば住宅公団はどのようにお考えであるのか、御説明を願いたいと思います。
#33
○参考人(南部哲也君) 要請がどのようにしてくるかということは、新公団ができまして、新公団の幹部が決まりまして、そうしてそれによってということになると思います。話し合いの段階はそれからであろうと思いますが、とにかく現在実際に宅地開発事業に熟練している職員というのは日本じゅうでわが公団が一番であろうと思います。そういうことで現在の公団の受け持っております仕事、これを完遂するために必要な要員、これは当公団としても確保しなければいけませんけれども、できるだけの御協力は申し上げなければならない。いわば兄弟公団ができるんでございますから、それに対してはできるだけの御協力をして、両者これは緊密な連絡をもって進めなければ将来宅地開発がうまくいくとは思えません。そういう意味での御協力は申し上げたいと思います。
#34
○松本英一君 できるだけ宅地関係職員の出向の御協力をなさるという公団総裁の御答弁でありますが、さすれば建設省は宅地開発公団の設立に伴って住宅公団に職員の出向を要請する予定があるのか、またどの程度の人員を予定されておるのか、住宅公団総裁は現在の宅地部門の業務量と職員数からどの程度の人員の出向が可能と考えておられるか、できた暁とおっしゃるけれども、もはやその準備ができておると推測をいたしておりますが、明確な御答弁をお願いいたしたいと思います。
#35
○政府委員(大塩洋一郎君) ただいま総裁の御答弁にありましたように、日本住宅公団の職員の中には測量用地あるいは土木建築、この宅地開発につきましての熟練者が多いわけでございますが、宅地開発公団が発足する場合日本住宅公団の職員に対しましてその割愛を要求いたしたいと考えておりますが、その具体的な数とかいうものにつきましては、公団の業務に支障のない範囲内ということがございますし、また本人の転職の意向等も考慮すべきでありますので、具体的にいまどれぐらいの数をということは、いまのところ申し上げることはできません。われわれとしましては、できるだけ支障のない範囲内においてたくさん出向していただくことが望ましいと考えております。
#36
○松本英一君 もう時間がありませんので、――住宅公団法第五十四条における「給与及び退職手当の支給の基準」の運用の実情、もうこれは答弁は要りません、並びに宅地開発公団法第三十九条、同じ条項の運用に当たっても、労働基本権を尊重し、労使交渉の阻害にならないようにしなければならないことはもちろんであります。宅地公団の民主的な運用を保障するため建設大臣はどのような措置をとられるのか、御決意をお聞かせを願いたいと思いますし、住宅公団に設けられております管理委員会と同様の機構の設置を検討される用意があるかどうか御答弁を願います。
#37
○政府委員(大塩洋一郎君) 住宅公団と宅地開発公団との給与並びに退職手当の支給の基準等につきましては、できるだけこれを合わせるように、同等となるように努力いたしたいと思います。
#38
○松本英一君 私最初に申し上げましたように、住宅公団法のこの五十四条の運用の実情については、もう具体的に聞かなくてもいいんです。
 ただ、今後、宅地開発公団が同じような条項を設けておられますこの運用について、大臣はどのようにお考えであるかお聞きをしたのであります。――委員長、もう時間がないから――。それ答弁できませんか。
#39
○政府委員(大塩洋一郎君) 建設省としましては、その「基準を定めようとするときは、」「大臣の承認を受けなければならない。」という規定がございます。それに基づきまして、その運用につきましては、先ほど申しましたように、住宅公団の例と同等となるようにその運用について配慮いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#40
○松本英一君 衆議院の建設委員会の附帯決議の中に、「日本住宅公団職員として在職するもので引き続き公団の職員となるものについては、労働条件等を十分配慮すること。」なる一項が存在をいたしております。これは住宅公団からの職員の引き抜きを前提としたと表現をされておるやに考えられまするが、この附帯決議は、住宅公団職員等で全く本人の自由な選択により――私の学校の同窓もたくさん住宅公団に入っておりますけれども、本人の自由な選択により個別に宅地開発公団に出向する場合を想定したものとこれは解していいのかどうか、御答弁を願いたいと思います。
#41
○政府委員(大塩洋一郎君) この衆議院の附帯決議にあります規定は、「労働条件等を十分配慮すること。」ということに係った規定というふうに理解しております。したがいまして、個別に引き抜きとかいうような意味合いではなくて、これは出向とかあるいは本人の希望とかこういったいろんなケースがありましょうが、その在職者につきまして、引き続いて公団の職員になるという者、そういう者につきましての一つのルールを尊重して、それと労働条件等について十分配慮するようなそういう交渉をそこで持つという意味の規定であるというふうに理解しております。
#42
○松本英一君 住宅公団労働組合との間における労働協約の締結の問題、そういう問題を含めていま御答弁がありました。しかし、一つお尋ねをしたいのは、開発公団法の附則第二十一条に「日本住宅公団法の一部を次のように改正する。」と。「第二十条中「二人」を「一人」に改める。」というのは、副総裁の二人を一人減らすという意味ですね。
#43
○政府委員(大塩洋一郎君) そのとおりでございます。
#44
○松本英一君 この宅地開発公団法はいま本委員会で審議中です。私が質問をいたしておりますし、きのうも四連合委員会が開催されましたし、衆議院、参議院の建設委員会の同僚委員の質疑を通じても、その設立の理由そのものに数多くの疑問が出されております。住宅問題の解決につながることはなく、役人の天下りのポストをつくるだけにすぎないのではないかとの疑念が出されておりますし、住宅公団の宅地用地部を強化すればいいではないかということが言われておるこの際に、すでに関係各省によって本公団の役員のポスト争いが激しく行われている旨が六月十一日の朝日新聞「記者席」のコラムで、批判というよりも非難をされております。したがって建設省は、総裁、副総裁は別としまして、理事八名以内というのをどのようにお考えであるのか、御答弁を願います。
#45
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅開公団につきましての理事の数は一応八名以内というふうにいたしましたが、これは業務の内容及びその量等から考えましてそういう人数を決めたものでございます。いままでのできております既存の公団等の理事の数との均衡から考えまして、また業務の内容から考えまして八名とした次第でございます。
#46
○松本英一君 それは八名とお考えですか。八名でいいんですか。
#47
○政府委員(大塩洋一郎君) 当初出発いたしますとき八名以内ということで出発いたしまして、現実には予算上は七名の予算ということで決まっております。
#48
○松本英一君 それでは、資金面を掌握される大蔵省、自治体と協議を進める関係の自治省、鉄道が入りましたので監督官庁である運輸省、公団の使う財政投資資金は簡易保険の金であるという郵政省、それから行政監理委員会によって設立の答申をしたという行政管理庁、それから、いま住宅公団の副総裁が一人減りました住宅公団、同建設省。あと、もうこれは満員ですか。――まだあんた足らぬことになってくるよ。
#49
○政府委員(大塩洋一郎君) 現時点におきましては、こういった理事のいわゆるポストというものにつきましての選考はまだ何ら具体的な検討の段階に至っておりません。したがいまして、いま挙げられましたような数と、この七名ということを直接結びつけて考えていないのでございます。
#50
○松本英一君 大臣、元建設大臣木村武雄氏、前の衆議院建設委員長の時代にいみじくも木村委員長がおっしゃいましたように、天下りの実態がここでさらけ出されました。もう私たち委員があきれるばかりでなく国民があきれております。ここで建設大臣は、閣議で厳重に注意をされる、されたのであるのか、する準備があるのか、役員人事に対する建設大臣の所見を伺って質問を終わります。
#51
○国務大臣(仮谷忠男君) 宅開公団法案の審議に当たりましては、いろいろ各党に厳しい御意見のあることも十分に承知をいたしておりますし、過去のいろいろな経緯のあったことも承知をいたしておりますが、しばしば申し上げておりますように、私どもは今日の住宅問題を解決するために宅地開発をやるということは、これはもう何と言ってもやり遂げなければならぬ重大な使命だと思っておりまして、その方法としてこの法律案を提案し、御審議をいただいておるわけでありますから、まだ法案の審議の途中であるし、可決成立を見ないときから人事の問題をとやかく言うのはこれは不謹慎の限りであります。新聞にどういうふうに出ておったかは知りませんけれども、私どもはまだそこまで具体的な問題を詰めては決しておりません。ただ、幸いにしてこの法案が通り、成立をするということになれば、この法案の前途はまことに厳しいと思います。厳しい条件の中で出発せなければなりませんから、それだけにまた運営もきわめて重要な問題であり、厳しくせなければならぬと思います。そういう観点から人事の問題も考えていかなきゃなりませんから、慎重の上にも慎重を期して、できる限り世論の批判を受けることのないような方法の人事を考えなきゃならぬことは当然でありまして、そういう意味で今後も努力をさしてまいりたいと思いますし、閣議で発言の必要があれば私は進んでその発言もするつもりでございます。御了承願いたいと存じます。
#52
○望月邦夫君 私は先日、住宅公団の施行されておりますところの洋光台、港南台の現地の視察をいたしましたが、その際におきましていろいろ感じましたことにつきまして建設省の当局に御質問をしたいと思います。
 私、まず最初に洋光台、港南台というのは住宅公団が非常に御苦労された、また横浜市の積極的な施策ということに非常な印象を受けたわけでございますが、この場合におきまして、住宅公団が宅地造成からそれからその土地利用計画、さらに建物の計画まで一貫してされております。今度新しく宅地開発公団をおつくりになった場合において、この土地の利用計画というのは宅地開発公団がやるのか、また上物を建てる側の方がやるのか、その点につきまして現地を見て感じましたので、一言お答えを願いたいと思います。
#53
○政府委員(大塩洋一郎君) この宅地開発の計画というものは公団がその任に当たるわけでございますが、その場合、具体的にこれを決定する段階になりますれば当然これは都市計画の手続に従って決めるということに相なります。
#54
○望月邦夫君 それではひとつ上物と下とがよく協調してそうしてやはりりっぱな公団ができるようにそういった方策については具体的にお考えを願いたいというふうに希望しておきます。
 次に、水の問題でございますが、洋光台におきましては幸い横浜市から水が供給されております。ところが、今度新しく宅開公団ができまして大都市圏において宅地をつくるということになりますと、非常に水の問題が重要であるということはすでに各委員の方々から御指摘されたと思います。そこで、いままでの住宅公団も水の問題につきましては相当努力をされておりましたけれども、どう見ましても、水の行政という立場から見まするとどうしても受け身に立っておられたというふうに考えざるを得ないわけでございます。そこで、今度宅開公団がこの三大都市圏で宅地をつくるという場合におきましては、宅地すなわち水だというふうな考え方から出発しなければ私はできないだろうというふうに思うわけでございます。しかも、今日の現状から見ますると、水は一トンつくるに当たりましてもまあ七、八年から十年かかるという現状でございます。そういうふうに考えますと、今度の宅開公団は、単に住宅公団の宅地部門を分離してその規模を拡大するというふうな考えではなくして、やはり水をつくる、あるいは交通問題を担当する、いわゆる宅地のインフラと申しますか、そういったものに重点を置いた、やはり住宅公団とは違った特色の公団にしなきゃいかぬというふうに思います。
 そこで、宅地の水と申しましても、宅地開発公団は水利権をもらうわけじゃございません。そうなりますとどうしても地方の自治体の協力を得なきゃいかぬ。そうなりますと、いまからすでに水の問題について手配をする必要があるんじゃないかと思います。そうしてこの際せっかく宅開公団をおつくりになるわけですから、こういったいままで住宅公団が非常に困っておった水問題の隘路を打開するということにつきまして積極的なひとつ考えを出していただかなければいけないのじゃないか。幸い建設大臣は河川の管理者でございますので、ひとつ建設省におきましてこの公団設立に当たって水についてどういうふうに考えておるか。幸い河川局長もおられますから、建設省当局としてのお考えをお聞きしたいというふうに考えます。
#55
○政府委員(増岡康治君) いま先生からお話しのとおりでございまして、大きな土地利用がなされますと治水利水の問題が同時に発生するわけでございまして、したがいまして今回のこの大型の宅地開発につきましては必ず水の問題が先行すべきであろうということで省内でいろいろ研究会をいまプロジェクトチームをつくって攻めておるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在においても水問題が不足しがちな今日でございますので、国土庁と一緒にいま作業を進めております。まあすでに建設省では第二次の報告書を出しましたが、現在は将来の見通しについては国土庁がいま勉強中でございますが、私、河川局のみで試算したところにおきましても、将来の需給関係におきましての住宅関連の水の需要というものを、あるいはまた地盤沈下の問題を防ぐ意味におきましても、非常な水の確保が大きな問題ということでございまして、各三大都市圏につきましては非常な、どう言いますか、緻密ないま積み上げの最中でございますが、こういうような宅地関連下水、上水、こういうものをさらに十分考慮の上供給計画を立てるべくいま特にダム開発といいますか、水資源開発に努力しておるつもりでございます。
#56
○望月邦夫君 そこで、私は水はないとは言えないと思うんです。もう少しきめ細かい策を考えれば水は出てくる。やはりそこに宅開公団の積極的な姿勢というものがあれば生み出し得るような問題があると思います。とにかく一トンの水をつくれば二十万、三十万の人口に供給できるわけでございますから、ひとつ建設省も腹を据えてがんばっていただきたいと思います。
 次に、私、洋光台を見せていただきまして、地元優先入居という問題がございましたが、これは地方自治体が人口の急激な膨張を抑止する、あるいは財政負担というふうなことから地元優先入居の考えをとられるということにおきましては、一面理解できる点はあるわけでございますけれども、半面、これが健全な住宅政策であるとは思えないのでございます。もしこの傾向が助長されますならば、かえってその地域内の住宅の質、量におきますところの地域格差を生ずるというふうに思われますが、建設省はいままでそういった地元に対する了解を得るということで非常に努力されておりますけれども、この地元優先入居という問題につきましてはどういうふうな考えを持って、どういうふうに対処されるおつもりか、お答えを願いたいと思います。
#57
○政府委員(大塩洋一郎君) いま御指摘のありましたように、こういった地元優先という風潮が最近大都市圏におきまして根強いのでございますが、これは、いま御指摘になりましたように、人口抑制の姿勢あるいは財政難というようなことを背景として出てきておるその現象だと思います。これにつきましては、本来、住宅公団の県境を越えた広域的な大都市圏という見地からする、住宅建設を目的とした住宅公団のあり方といたしましては、その趣旨から見てこういった現象は適当な措置とは言えないというふうにはっきり言えると思いますが、しかし他面、大都市の市町村におけるちょっと類似の例で言いますと、宅地開発要綱、指導要綱というような現象でもそうでありますが、要するにみずからも苦しいわけでありまして、開発を受け入れるためには、一時に多額の負担なり財政上の支出がすぐ追いかけてくるというところに基本的な原因、動機があるわけでありますから、過渡的な現象として、ある程度やむを得ない面もあると考えておる次第であります。したがって、今後は地元の負担ができるだけ軽く済むように、したがってそういった地元の八割を入れてくれというようなことが要求されないでも、県の公社等において自分のところの入居者を入れることができるように、そういった拒否反応、一種の拒否反応的な措置を排除して、地域的なかきを解消して、真の住宅公団の広域的な見地からする住宅供給という目的を達成させるように持っていきたい、かように考えている次第でございます。
#58
○沢田政治君 まず最初に大臣にお伺いいたしますが、過般の本法案審議の際に、国が少なくとも住宅問題について国の義務というものを明確にするところによって住宅政策の出発点がある、こういう点を私が主張したわけであります。いままでは第一期、第二期の住宅政策は必ずしも達成しない。しないけれども、責任の所在がはっきりしないというのは、国が国民に対して、人間の生活条件の一つである住の問題について何をなすべきか、何に義務を負うべきか、この責任が明確でないところに、私は今日の住宅政策の遅滞というものが出ておるということを主張いたしたわけであります。
 まあ新聞に伝えられるところによると、三木さんは住宅基本法をつくる意思がないというような記事もあるけれども、真意はどうかと、やはり住宅基本法をつくるべきであると。シビルミニマムとして、やはり住宅は国はこれだけをやりますということを明確にすべきじゃないか、そこに出発点があるじゃないかという主張をしたわけであります。当時は大体私の意をそんたくされたように私は答弁を解釈したわけでありますが、最近新聞で、建設省もいよいよ住宅基本法をつくると、こういう方向に踏み切った記事があるわけでありますが、この際、私はこれを確認しておきたいと思うんであります。果たして、内容はとやかく言いませんよ、果たして私が言いました住宅政策の第一歩になる、基本になる住宅基本法を次の通常国会に提出するための準備する用意があるのか、この点を再確認しておきたいと思うんです。
#59
○国務大臣(仮谷忠男君) 住宅問題が三木内閣にとっても最大の課題であることは申し上げるまでもありませんし、この間、三木総理大臣が基本法は出さないといったのは、今国会には出せないと、こういうふうに申し上げたのでありまして、否定したわけでは決してございません。私どもここまでくれば少なくとも住宅建設に対する国も何らかの責任体制をとる必要があると思います。そういう意味で、幸い審議会の方でもいま中間報告をいただいておりますし、近いうちに答申もあると思いますが、そこにも住宅基本法をつくるべしという精神が一貫して流れておると思います。私どもはその審議会の意を汲んでこの問題と取り組んでいきたいと思いますから、少なくとも明年度、通常国会には基本法といって出すか、あるいは法の体系はいろいろございます、研究の余地はありますけれども、その精神で進むための準備をいたしておるということだけは事実でございます。
#60
○沢田政治君 わかりました。再確認いたしておきたいと思います。
 先ほど同僚議員の松本君が宅開公団法三十九条の解釈について質問されましたが、まだ詰めは行っておらぬというように私、先ほど拝聴しておったわけであります。つまり三十九条は、労働条件とか退職金の基準の設定並びに変更について建設大臣の認可云々と、こういうことを規定しておるわけでありますが、それはそのこととして私は結構だと思いますが、問題はこの条項をどういうように解釈するかということであります。もっと具体的にいうならば、労働基本権との関係がどうなるかということであります。今日、公共企業体等にもある程度の制限がついたとしても労働三権を認めざるを得ない、基本権を認めざるを得ない、こういう時代の状況になっておることは御承知のとおりであります。したがって、建設大臣の認可ということを盾にとって憲法で保障されておる労働権――組合をつくること、交渉すること、行動すること、こういうものを制限する条項であっては恐るべきことだと思うのであります。これは憲法問題にさかのぼった議論に私はならざるを得ないと思うのであります。したがって、従来の労使慣行はもちろんのこと、労働条件というのは労使が決定すべきことなわけであります、これは十九世紀的な労使の、労使間はこれは別として、今日においては。したがってこれとの関連がどうなるかということは、計画局長、これははっきり言ってください。そうでなくちゃこれは私は重要な問題だと思うのです。これは再質問できないと思うのです、この点を明確にしておきたいということが第一点。
 それからこれまた松本君が先ほど質問しておりましたが、住宅公団から出向か転勤かこれはどうかわかりませんが、いずれにしても人が出向くということは、新しい機構でありますから、一挙にこれを養成するなんということはできません。これは民間からも入るでしょう、また公団自体でも採用するでしょう、住宅公団からも行くでしょう。特に出向する者、それぞれ今日の労働条件を持っているわけですよね。人間はだれでも条件が上がれば問題ないが、下がった場合にはこれは拒否する権限があると思うのですね、生活権の問題ですから。でありますから、やはり少なくとも労働条件はこれはむずかしい問題だけれども、下回らないように努力するという義務はこれは当然あると思うのですよね。これはまあ労働条件と言っても非常に範囲が広いわけであります。銭金の問題もあります、これは。ところが勤務の条件とかあるいはまた福祉、利便施設、これもやはり何といいますか、ILO等でいうところの労働条件であることはこれは間違いないのであります。こういうものを含めて少なくとも今日の基準を下回らない、強制配転はしない、こういう配慮があるのかどうか、この点をまずお聞きしておきたいと思うのです。
#61
○政府委員(高橋弘篤君) 第一点について私からお答え申し上げますが、公団は御承知のようにいわゆる公共的性格があるわけでございます。同時にその事業費というものの財源は国からの出資金だとか財政投融資とか、そういうような国だとかその他の公的なものでまかなわれておるわけであります。したがいまして、ある程度法令上とか予算上、財政上のそういう制約を受けるということは、これはやむを得ないことではないかと思うわけでございます。そういう意味におきまして、三十九条におきましても、建設大臣の承認にかからしめております。建設大臣が承認するときには大蔵大臣と協議するということになっておる次第でございます。
 しかし一方、先生のおっしゃるとおりに、公団職員は労働三権というものがこれは保障されておるわけでございます。したがいまして、そこのところの調整の問題ということで、この承認制度がどこの公団にもあるわけでございます。そういうことでございますので、この労働条件につきましては、公団の労使が自主的にこれを交渉する、そして決めていくということが、これが一番望ましいことでございます。そこで、公団理事者といたしましては、普通の民間等でも同じだろうと思いますけれども、理事者としては、国からの出資金だとか、国からの借りられるお金がどの程度になるかということも十分考えながら交渉する必要があるわけでございます。おのずからそういう内的な制約というものはあろうかと思います。したがって、そういう一定の制約というものはありますけれども、その範囲内におきましては、当事者間で自主的に交渉するというふうに私ども考えておる次第でございます。
 なお、この問題につきましては、いろいろほかの委員会でも議論されておるようでございます。したがいまして、この関係では労働省、大蔵省が中心になりまして、いろいろ労使双方、関係の者からアンケートを聴取したり、ヒヤリングをしたりして、関係各省もこれに協力して現在慎重に検討いたしておるという次第でございます。
#62
○沢田政治君 もちろんいま論議しておる法律は、国の金によって運用されるものであるわけでありますから、ある程度これは組織法でありますから、給与の決定条件とかそういうものは明示しなくちゃならぬと思いますが、しかし、このことが労働法上の労働権というものを否定するものじゃないということだけは答弁してもらわなくちゃ、これは大変なことだと思うんですね。否定するものじゃないと思うんです、これは。そうでしょう。イエスかノーか答弁だけでいいんです、これは。
#63
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、この公団職員に労働三権というのは保障されているわけです。これは侵されてはならないというふうに考えます。さっき申し上げました、もう一度簡単に申し上げますと、財政上その他のいろんな制約が、この公団の性格上、公共性とか、そういうものがある程度あると。したがって、その範囲内においては完全にこれは守られないと困るということが必要であるということに考えておる次第でございます。
#64
○沢田政治君 余り滑った転んだのという表現じゃなく、端的に答えてもらいたいと思うんですね。で、さきに言ったように、たとえば配転の場合ですね、これはやっぱり不利にならぬように配慮すべきは当然ですよ。これは何もおのずから限度があるというのは国家資金の場合だけじゃない、民間だって厳然たる支払い能力というのはありますからですね。これはまあ制約はいずれの場合でも民間でもあるし、これは国家公務員の場合でも公共企業体労働者の場合でもあると思うんですね。限界はどこかというのは、これは労使が交渉の場でこれは論議すべきであって、したがって、やっぱり交渉する権利、つまり労働権というものは否定しない、こういうことを明確にしてもらいたいと思うんですよ。後の表現は要らぬですよ、ぼくは。
#65
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、労働三権というのは保障されるというふうに考えております。
#66
○沢田政治君 そこで、先ほど来この審議をする中において、天下り人事のためのものじゃないかとか、民間デベロッパーの持て余している土地の救済策じゃないかとか、数々の疑問がこれは提起されておるわけです。これは委員個人の主観じゃなく、やっぱり国民にもそういう疑惑を持っておる法案であることは、これは事実なんです。要は、今後これを実施する際にどういうようなあかしを立てるかどうか、たとえばこの人事配置の問題でも何省と何省と例示まで挙げてポスト要求がされてるということが新聞等でもこれは報じられておるんで、これは新聞が報じるだけじゃなく、国民がそう考えているんですね。だから果たして、してやったりということになるか、語るに落ちたということになるかは、一に私は建設省の今後の態度にかかっていると思うんです。だからこれ以上これは突っ込みませんが、ただこの民間デベロッパーのえじきになるんじゃないかとか、農業用地をみだりに踏みつぶすことになるんじゃないか、こういう疑惑もあるわけです。
 そこで特に公団にお聞きしたいわけでありますが、公団というより建設省がどういう指導監督を公団に行っておるのかということは、これは重要な私は問題だと思うんです。きのうの連合審査の際にも小山市の間々田の農地を、しかもこれは農振地域を二十七ヘクタール余買ったと、こういう点が問題になったわけでありますが、私は非常にふざけたことというか、不謹慎だと思うんですね。まあいろいろ新聞にも書いておりますですね。そうして住宅公団が建設省に泣きついて、これは二十億円も金出して買ったわけでありますから、これは金があって買ったんじゃない。これは金利ですよ、国民の金ですよ。そういうことで線引きをし直してもらおうということで建設省に話したところが、建設省としては、これは当然だと思うんですが、これは論外だということで断わられたと、こういう新聞記事が出ておりますが、一体どういう監督をしてますか。
 私はこの前の委員会でも聞いたでしょう、あの市原市の問題、そこにも塚本総業ですかが出てくるわけですね。塚本総業とどういういわく因縁とそういう黒い関係があるんですか。こういう問題になると塚本総業が出てくるわけですね。私は不謹慎だと思うんです。でありますから、こういうもの新聞に載っても、何というか人のうわさも七十五日で、それでまかり通るということは、絶対私は許しちゃいかぬと思うんですよ。やっぱり責任をとるべきなんですよね。しかも国の法律で、これは農業振興地域だと指定されておるところを知って買ったのか、知らぬで買ったのか。知って買ったとするならば、これは重大な問題だと思うんですね。これは建設大臣どう思いますか。あなたのはきのうの答弁では、これはもう買い戻してもらうということになってるから塚本総業に買い戻してもらうんだと、こう言っておりますが、買い戻させるのかどうか。それと同時に、いままでの金利だって一年も、何といいますか、経過してますから莫大な金利になるわけであります。でありますから私はやはり住宅公団に責任をとらすべきだと思うのです、どなたがとるかは別として。そうでなけりゃ歯どめ効きませんよ、これは。ともかく水がなくて家が建ったけれどもどうとか、ベランダが落ちたとか、非常に忌まわしいことが多いんです、これは。私どもは声を荒くしてここで追及するだけが能じゃありませんが、一区切り、やっぱり責任の所在を明確にしてもらわなけりゃいかぬと思うのですね。今後の新しく誕生する公団にあらぬ汚名を着せないためにも、私はここでひとつ筋を通しておくべきだと思うが、いかがですか。
#67
○国務大臣(仮谷忠男君) 昨日の連合審査でもこのことが指摘をされましてお答えをいたしたわけでありますが、これにはこれなりに、聞いてみますといろいろ事情はあるようであります。その事情を聞いてみますと、当事者としては無理からぬことだというふうに感じる面もありますけれども、私は結論的に、問題がここまでくれば理由のいかんにかかわらず、農振地域、農用地域を知っておって買ったということは、これは軽率のそしりは免れないという考え方を持っております。直ちにじゃ買い戻しをさすか、あるいはどういうふうに責任をとらすかといった問題もございますが、もう少しこれは私どもの調査の日程を与えてもらいたいと思います。二、三日前に新聞で見て、実は昨日の連合審査会で取り上げられただけのことでありますから、もう少し十分に実態を調査いたしまして処置をしたいと思いますから、その間の猶予をお願いをいたしたい、かように存じます。
#68
○沢田政治君 たとえば市独自が都市計画とか、こういうもので変更することがあるわけですが、業者から公団が買って、また行政が無理押しをして、これは地方自治権にも関する問題ですから、これをもう農地転用の認可になったとしても、やっぱり上の行政から下の行政に圧力としか見ませんね。しかも農民は反対してるんですよ。これはやっぱり買い戻してもらうより手はないと思うのですね。これはもう金利なんかも何というか全然加えずに、もうすでに仮払いをした十七億円そっくり返してもらわなくちゃいかぬと思うんですよ。まあこれ調査するの結構ですよ。そして知って買ったと、こういうことになった場合は、調査の時間は結構ですが、その際には私は公団の今後のためにも、責任の筋だけは通していただくことを、ひとつ御答弁願いたいと思うんです、どういうこれは筋を通すかは別として。その筋の内容まで、区切りの内容まで私タッチしませんがね、この点ぐらいやらなくちゃ、これはよくなりませんよ。
#69
○国務大臣(仮谷忠男君) 結果に基づいては御説のとおり筋を通してまいるつもりであります。
#70
○沢田政治君 もう一つだけ。
 大臣が、農業地域との関係で、まあ三百ヘクタールというけれども、五百あるいは一千ヘクタールというように、飛び飛び点在じゃなく、そうなると交通の問題も考えられるし、交通の何といいますか、経費が割り高になっていくわけですから、少なくとも鉄道を引いた場合は。そういうことを考えてかと思いますが、大規模なものにしたいんだということを述べられました。その際には、これは調整区域にも入るし、あるいは一部は農業振興地域に入るかもわからぬと。しかし、農業サイドに立って考えた場合は、農業サイドばかりじゃなく都市という観点からいっても無原則に農業用地を取りつぶすということはいかぬと、やらぬと非常にうまい答弁しました。それをそのまま受け入れて一つの都市を形成するということも考えられるじゃないかと、こういうことを大臣が答弁しているわけですね。たとえば農地がありますね。一般の緑地はありますね。千里丘陵住宅団地でも三〇%ぐらいは緑地になっていますね。そのほかにやはり生産緑地として優良な農地であるならばその中に取り入れるということを考えられるのかどうか。これは当然取り入れるべきだと思います。山あり森ありたんぼありというのはこれは理想的な都市形態でありますから、これはどうなりますか、この付近のことは。
#71
○政府委員(大塩洋一郎君) 良好な環境の都市をつくるという立場から言いますと、その中に当然緑地的な空間を多く取り入れる必要がある。その場合に、従来生産緑地という言葉を使っておりますが、また都市計画法の中でも生産緑地という言葉がありますけれども、いずれにせよ、農地のままそれを都市計画上は緑地的な扱いとして残すというような配慮は当然その場合一つの工夫としてあり得ることだとし、またそういう方向は好ましい方向ではないかと思うのでございます。それは一つの緑地という形になります。
#72
○田代富士男君 四、五点お尋ねをしたいと思います。
 最初に、先日洋光台と港南台の視察に参りました。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
それから、当委員会に五名の参考人をお招きいたしまして意見を聞きました。そのときに私は一番思ったことは何か。御承知のとおりに、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で約百万戸の住宅を開発し、提供しようという目的でありますが、これが実行されるならば非常に国民の皆さんも喜ぶでしょう。それも約十万円で提供するということであります。しかし、参考人の人の意見をまとめてみますと、椚座参考人は、現在泉北ニュータウンでいまから売り出す土地も十六万円以上になるでしょう。それから設楽参考人ですが、造成した土地は二十万円を超すと。そして浜崎参考人は、この人は朝日新聞の大阪本社のお方ですが、大阪近郊の中でいまそういう土地はないけれども、和歌山県の橋本を中心とした林間都市でやっている。
  〔理事沢田政治君退席、理事大森久司君着席〕
ここらあたりでも二十万円ぐらいで出されている。十万円以下では無理でしょうと、各参考人もこういう御意見でありました。洋光台へ参ったときに尋ねました。現在の個人の持っていらっしゃる土地にいたしましても十万円以上で売買されている。十年前に開発されたところであります。そういたしますと、参考人の皆さんの意見も十万円で提供できるということは不可能である。私も前の委員会を通じましてこのことを申し上げましたが、どう考えましても果たしてこれはできるか、口約束だけになる可能性が大ではなかろうかと、このように私は疑問を持たざるを得ません。
 その根本は何か。私は、第一に、その十万円提供はできないという点を提起しますけれども、できるかどうかという。第二番目は、その土地というものは生産できるものではない。そこで先日の参考人の皆さんの意見も聞きましたら、参考人の皆さん方は、こういう土地というものはなかなかそう簡単にできるものではありません、趣旨には賛成であるけれども。設楽参考人等は、こういう土地を取得するということはとうてい不可能である。浜崎参考人も、こういう土地というものが取得が不可能であるならばこれは趣旨に賛成するわけにはいかない。また小沼参考人も、こういう土地を取得するということは無理である。こういうような参考人の意見でありました。実際、この三大都市圏の近くで十万円でなおかつこのような土地が取得できるかどうかということは明確にしなくちゃならない。これが発足の当時にはそういう方針でいきましたが、物価上昇の折こういうことになりましたというようなことも言いかねないんですが、これをまず総括的に御答弁をお願いしたいと思います。
#73
○政府委員(大塩洋一郎君) 価格の点につきましての御質問でございますが、私、従来十万円という言葉を使いました際には、一つの過去の実績から見まして、現在の価格で言えば十万円の水準ぐらいで一つのモテルとして――位置、場所、形状等によって違うけれども、十万円ぐらいの水準でこのモデルによれば提供できる、こういうような言い方をしたと思っております。
  〔理事大森久司君退席、委員長着席〕
これはまた、この公団を設立した以上は低廉な土地を大量に良好な環境で供給するという一つの使命でありますし、その中身としてめどがないといけませんから、その場合の一つのめどといたしまして現在の価格水準で十万円の水準の価格ならば提供でき得るということを過去の例を参考として申し上げたのでありまして、これが五年たち十年たったときの水準として十万円ということはいまの段階で言えないと思うのでございます。御理解いただきたいのは、そういうモデルとしてそれをめどとしてやりたいし、また過去の例から言えばできるであろうということを申し上げたのであります。御指摘になりました千里とか何とかの場所によってまた違います。千里のごときは、十キロとかいうような大阪からの距離でありますし、場所によってまた違うと思います。取得の方法等によって違うと思います。そういう意味で申し上げたのでございます。
 それから、そういうところが関東及び関西の地方にあるかということでございますが、われわれのいま現在調べているデータによって見ますと、平米当たり大体取得価格の五倍ないし八倍というようなのが先ほど申しましたモデルの一つの基準でございますので、そういう意味から申しますと平米当たり一万円以下、すなわち六千円とか三千円とかあるいは四千円というような土地はあるのでございます。ただし、そこのところが適地であるかどうかということはまだ検討いたしておりませんが、そういう土地はある。しかし、それをどういう形でまとめるかということにつきましてこれから十分に検討しなければ、それが現在の原価であるからといって、その中には集落部分等を含んでおりますからそのままの単価でいくとは思いませんが、そういうところはあるということは申し上げられます。
#74
○田代富士男君 いま現時点をとらえてのお話でございますが、洋光台団地へ参った折に、十万円で売り出そうとするならば二万円で買わなければこれはだめだと、そういうお話が出まして、私があの現場におきまして、この近くの土地の公示価格はどのくらいですかと尋ねました。五万ないし六万円でした。そうしますと、地価の公示価格が五万ないし六万円のところを二万円以下で買わなければ提供できないとなりますと、私は現時点をとらえましてもこれは不可能じゃないかと思うんです。それと先日の委員会で私が質問をした折に、住宅公団が土地を取得して売買する場合買ったときの地価の何倍ぐらいで販売されるのかと私は尋ねました。そのときに約二十倍ということを私は記帳しております、二十倍。先日、日本勤労者住宅協会の理事であります設楽参考人が御出席になりまして、私は同じことを尋ねました。勤労者向けの住宅を建設していらっしゃいます協会の理事ですから、どのくらいでやっていらっしゃるのですかと端的に聞きましたら、買ったときの地価の約六倍の価格で私たちは売り出しをしておりますと。こういうことで、私は設楽参考人に尋ねました。そうしたら住宅公団の場合にはいろいろ鉄道施設だとかそういうものが加算されたんじゃないんでしょうかと、こういう御意見でございました。しかし、私は洋光台の場合はすでにあれは国鉄が路線を引くべく計画をしておりました。まして建設省と国鉄は、国道が列車と交差する、そういう場所が多いために建国協定があります。建国協定に準じましていろいろ国鉄とは話し合いもされておるでありましょう。また一たび鉄道の、国鉄の路線が決まりますならば、その路線が赤字であろうとどうであろうと国鉄が全部負担をいたします。私鉄の場合は一応はその自治体を中心としたそういう諸団体で負担をしておりますけれども、洋光台のそういうような場合を考えますれば、その負担というものはどの程度になっているか、この前も現地においてそういう資料をもらいたいということを言いましたけれども、そういうことから考えましても、ちょっと六倍と二十倍という数字は余りにも違い過ぎるんじゃないかと思いますけれども、こういう点今後この公団が設立された場合、また設立されなくても、いま日本住宅公団がやっている場合と日本勤労者住宅協会のやっている場合と数字的において余りにも違いがあり過ぎると、この点はどうでしょうか。
#75
○政府委員(大塩洋一郎君) おそらくそれは素地価格が一番決定的な要因を持つと思います。大体造成費はたびたび申し上げておりますように、三五%ないし三七%程度、過去の例でございますけれども、素地価格の占める比率が一三%ないし一五%ぐらいだというようなことも申し上げましたし、もっと簡単に言えば大体五倍ないし八倍というようなことを申したこともございます。やはり洋光台のように都心から三十七キロでございますが、横浜駅から十キロというような土地でありますと素地価格が問題になります。あるいは勤住協が、どういう土地か知りませんが、そのお買いになる場合の宅地がどれぐらいの値段であったかということが非常に大きな問題であると思います。それによって関連公共公益施設の負担というものがずいぶん違ってまいります。そういうことから、先ほど公示価格の例をおっしゃいましたけれども、公示価格というのは大体宅地についてやっているわけでございまして、これから宅開公団がやろうとするところは現在は宅地でないところを取得し、社会的には非常に遠いところで距離的には五十キロ圏であるというようなところをこれから開発するというようなことから考えてみましても、素地価格が二万円以下、すなわち平米七千円以下というようなところであれば十分十万円以下の土地になり得るというふうに考えるものであります。もちろんその場合にそれだけ関連公共施設の負担というものは増高いたしますが、それにしましても大体その辺がめどというふうに考えております。素地価格が非常に響くということがその違いをもたらしている大きな原因ではないかと思います。
#76
○田代富士男君 そうすると、二十倍というのはどうなんですか。
#77
○政府委員(大塩洋一郎君) 二十倍の例は、私どもそういう開発は知らないわけでございません。そういう形になっている場合もあろうと思います。それは岩盤が非常に固いとか、あるいは起伏が非常に大きいとかいうようなそういう地質的な、地理的な、あるいは河川の状況によりまして遊水地的なものを非常にとるとか、そういうような場合に大きくはね返っているのではないかというふうに思います。
#78
○参考人(播磨雅雄君) 住宅公団で大体二十倍ぐらいになると申し上げましたのは、いままでに住宅公団がやりました団地の例を挙げまして申し上げたわけでございますが、それは大体におきましてかなり大規模な団地でございまして、土地がかなり安く買えておって工事費がわりあいにかかっておるところ、そういったところが多かったものでございますので、そういったことを申し上げたわけです。現在は素地価格が非常に上がっております。素地価格が上がったわりには工事費は上がっておりません。そういうことがございますので、単純にいま倍率だけでは過去の例とこれからのものとを比較することは困難かと思います。
#79
○田代富士男君 これはですね、きょうは時間がありません。いまさっき約束させられまして時間がありませんから、これは私この前の委員会で、ここでびっくりして記帳しております、私。
 それで、これは委員長、お願いですけれども、最近の重立ったところの土地取得からこういう経費の住宅公団の資料をお願いしたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
#80
○委員長(中村波男君) 田代君の要求の資料、お出しいただきたいと思います。よろしいですか。
#81
○参考人(播磨雅雄君) 御相談の上、提出いたします。
#82
○田代富士男君 御相談……。
#83
○参考人(播磨雅雄君) どういった例がいいか御相談いたしました上で提出いたします。
#84
○田代富士男君 わかりました。
 では、次の問題に進みます。この委員会で、またきのうの連合審査でもいろいろ問題になっておりました調整区域の問題ですけれども、小沼参考人も言っておりましたが、日本の用地というものは一人当たり五・八アールである。これは外国に、ヨーロッパ各地に比べますと非常に少ない。細かい数字は省略をいたします。お持ちになっていらっしゃいますが、これが昭和七十五年ぐらいになると四・四アールぐらいに下がるんじゃないかと。食糧の自給自足ということを考えた場合に、調整区域内にこういう拡大されるということに対しては考慮してもらいたいということを強く訴えられました。で、調整区域の問題で東京の中に大きな土地を求めるということは不可能でしょうし、お隣の埼玉県の例をとりますと、埼玉県の全県の三・四%に当たる一万三千ヘクタールの土地が調整区域内で大手の民間デベロッパーによって買い占められている。ここが畑知事が凍結宣言をされるために開発ができないということで、大きな問題が起きております。
 問題は、さておきまして、このように三・四%に当たる大きな土地が大手民間デベロッパーによって買い占められている。こういうところが、いまも他党の議員から問題が提起されておりますとおりに、住宅用地としてやむを得なかったと、こういうふうに事が進められていくならば、前回の委員会でも申しておりますとおりに、この公団の新しい仕事というものがこのような民間デベロッパー等の救済政策になるんじゃないかということを心配されました。そういう意味から、私はこれは何回も申し上げるとおりに、許すことはできないじゃないか、小沼参考人の意見を尊重すべきじゃないかと、このように思いますと同時に、大都市周辺ということが言われておりますけれども、この大都市周辺にいままで住宅公団の宅地部門において開発していたけれども、それができないために新公団ができると。
 そうしますと、他の府県においては、いままでどおりに住宅公団の宅地部門において開発が進められていくと。大都市周辺というのが果たしてどのように定義されるのか、何キロの範囲内といまも論議されておりますけれども、大都市周辺という名前のもとにおいて定義がない。そうしますと、大都市周辺は新公団でやる、お隣の県は日本住宅公団の宅地部門でやると、じゃあどうなるのか。たとえばこの前参考人においでになりました椚座参考人ですか、私は大阪でありますが、大阪にそういう土地はないじゃないですかと尋ねました。そのときに浜崎参考人も大阪には恐らくないと思いますと、あるとするならば北摂の一部でしょうというふうなお答えだったんですが、再度椚座参考人に尋ねましたところが、大阪でできなかったならばその近くにこれをお願いする以外にありませんと、こういう意向でありました。この近くにといいますと奈良県かあるいは和歌山県かにお願いする以外にない。そうすると奈良県、和歌山県は、これは従来のとおりに日本住宅公団の宅地部門において開発をされると。しかし大都市周辺となったら奈良県、和歌山県も入るのか、そこらあたりの規定というものが明確にされないままになっていると、こういう点が調整区域とあわせまして私はいいかげんなことになるんじゃなかろうか、なし崩しになる根本がこの一点にあるんじゃないかと思うんですが、この点大臣いかがでございましょうか。
#85
○政府委員(大塩洋一郎君) 大都市の周辺という言葉を使っておりますが、これは具体的には、首都圏で言えば首都圏の近郊整備地帯、近畿圏で言えば近郊整備区域、それぞれの名称は違っておりますけれども、中部圏等で言えば都市整備区域という区域の指定がなされているところに限定されております。で、われわれはこの公団の開発をいたします場合に、この近郊整備地区あるいは近郊整備地帯というところで、これはその都市計画区域でございます、これは都市計画区域がフォローしております。そういうところで開発をやる予定にいたしております。で、その点ではこの地域振興整備公団の守備範囲というものと区別をはっきりいたしているつもりでございます。
#86
○田代富士男君 じゃあもう一問だけ。
 それで大臣ですね、いま調整区域のことも申し上げましたけれども、これに対して大臣のお考えはいまさっきから聞いておりましたけれども、たとえば具体的な例としていま私お隣の埼玉県の例を挙げました。こういうような場合に畑知事はこれは凍結をしております。こういうものに対して大臣は今後そのままいかれるのか、そういう大臣の決意ですね、この点をお願いしたいと同時に、最後に、いま時間だという委員長からの知らせでございますから、これは参考人にも私は聞きましたし、洋光台へ参りました折にも現地で尋ねたことは診療所の問題です。住むことはできた、しかし急病人ができた場合、あるいは土曜日あるいは日曜日の病人に対する対策というものが、大阪におきましては泉北ニュータウンにおきまして大きな問題が起きている、洋光台において問題ありませんかと尋ねましたら、現地は大きな問題がありますということを提起されました。こういう場合にやはり生命を尊重していく上から、住めば何でもよろしいというんじゃありませんが、こういう問題をどのように今後解決さしていかれるのか、その点もお尋ねいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#87
○政府委員(大塩洋一郎君) 診療所の問題は地区住民にとって生活上の一番大きな心配事でございます。これにつきましては、われわれは従来も住宅公団におきまして、内規といたしまして基準を持っておりますが、大まかに言えば、住区につきましては一そろいの診療所、歯科もあり眼科もありというような診療所が設置されなければなりませんし、それから数住区につきましては中央病院といったようなものの設置を当然これぐらいの団地になりますと考えていかなければならないと思っておりまして、そういう点については十分これから基準をつくるわけでございますから、過去の例等を参考にいたしまして、こういった診療の面において心配のないようにいたしたいと考えております。
#88
○国務大臣(仮谷忠男君) 調整区域の問題はきのうからしばしば申し上げておりますように、私どもまあ大都市周辺になりますと、市街化区域だけではなかなか事が足らないし、自然に調整区域の中にもある程度食い入っていくことはやむを得ないことだと思うんです。しかしそれぞれの県において凍結されておるという問題までこっちが職権でやるという性質のものじゃありませんから、そういうものが宅地開発として適当かどうか、やれるかどうかということは、地域の住民はもとより関係地方団体とも十分に相談をしてやらなきゃならぬことは当然でありまして、そういうふうなことを無視してできるものではないし、あくまでも相談をし、合意の上で遂行をしていくと、こういうことに私ども基本的な精神は変わりございませんから御了承いただきたいと思います。
#89
○春日正一君 この宅開公団法の附則の二十二条第二項、ここでは政府から公団に行っておる職員が宅開公団に移行しても、退職金計算の基礎となる勤務年数は通算されるということが規定してあるわけで、どうしてそういうことを規定するのかといって聞いてみたら、国家公務員の退職金に関する法律というのがあるから、それとの関連で規定したんだと、こういう説明だったんですけれども、そうしますと住宅公団なり他の公団から、そこでプロパーに雇われておる職員が宅開公団に移行する場合の退職金というようなものはどういう扱いになるのか、そこのところをお聞きしたいんですが。
#90
○政府委員(大塩洋一郎君) 退職金の通算に関しましては新公団を設立いたします場合、過去にもいろんな例がございます。それとの均衡を考慮する必要がございますが、通算が可能になるように極力努力してまいる所存でございます。国につきましては、御指摘のように養成職員については退職金通算の規定がございます。また従来からも公団からの出向職員として、出向という取り扱いの職員につきましては、退職金の相互の退職金手当規程におきまして通算することが可能になっております。
#91
○春日正一君 そこのところですね、できるだけというそこですね。そこに不明確があるから、公団の職員諸君も非常な不安を持つ。私聞いてみても、この前上田委員の質問の中で、まあ総裁とか理事とかという偉い人たちはちょいちょいやめて退職金もらった方が得になるという計算になるという話があったんですけれども、しかし一般職員はそうはならない。やはり五年勤めれば五カ月とか、十年勤めれば十二カ月、二十年勤めれば三十カ月というような形で、長くなればなるほど計算が有利になるというような状況になっておるということになれば、これは通算されるかされぬかということは大変利害関係にかかわる問題ですわ。それをまあできるだけやれるようにいたしますじゃなくて、新しい公団ができて、いままでこっちで働いてた同じ性格のものですよ、公団というものは。そこからこっちへ移っていけといって、本人の意向も尊重されるでしょうけれども、やはり新しい条件にこう持っていかれるわけですから、それは宅開公団をつくったということがあって、そこへできてくるわけですから、本人の意思に基づいて行くわけじゃないわけですよ。できてしまってから行くか行かぬかの意見は聞くとしても、そういうことを考えれば、そこへ移っていく場合の継続性というようなものを認めて、いささかの不利益も出さないということをはっきりさせてあげないと、それは非常に不安の要因になってくる。そこのところをお聞きしているのですわ。
#92
○政府委員(大塩洋一郎君) 御趣旨はよくわかっております。お説のような場合であれば多く出向職員という形をとるだろうと思います。本人の意思に反してでも、行ってこい、また帰ってこい、こういう形であれば、出向職員という形になるであろうと思います。一般の場合に、一たん退職して、そうして出かけていくという場合に、それが形はそうでありましても――ということであれば、それにつきましては、数も多いことであればできるだけそういう措置をとらなければいけないという意味で先ほど申し上げた次第でございます。
#93
○春日正一君 どうも、そこの「できるだけ」がどうもぐあい悪いのだな。それじゃ、できない部分はどうしてくれるのだという問題が出てくるわけですよ。だから、当然、これはそういう形で移行していく場合、出向という形でまた戻ってくるという人の場合は、これは議論ないかもしれませんけれども、しかし、やめて籍をこっちへ移してしまうということはあり得るわけでしょう。その場合でも不利益は与えないぞ、だから安心して行けよということはしてやるのがあたりまえですよ、これは。そこのところ、三十九条との関連から言っても、私は後で三十九条もう一言ちょっと言いたいと思うけれども、三十九条で縛られておるのに、しかもそこへ行く場合に、もし行きっきりになるというなら切れる、退職金もらっていって新規にまた一年から計算されるというような扱いがあるということではまずいのじゃないか。国家公務員でこの規定があると、法律がないから規定がないとすれば、たとえば団体協約なり何なりではっきり決めて、そういう処置をとるというようなことを建設省としても指導される必要があるだろう。
#94
○政府委員(大塩洋一郎君) 御趣旨はよくわかっておりますので、そのように極力努力いたします。
#95
○春日正一君 じゃ、その点は、私は極力とかなんとかという条件がつくと非常に心配なんだけれども、その点それ以上言ってみてもあれですから先へ進みます。
 そこで関係してくるのは、もう一つが三十九条の問題ですね。先ほど沢田委員の方からも団体交渉による協定というようなものを尊重するというような点で言明を求めて、大臣の方からも、そうするというふうに言われておるわけですけれども、この三十九条では宅開公団の職員に対する給与、退職手当の支給の基準を定めるときは建設大臣の承認を受けなければならない、変更も同様とする。これはどこの公団にもそれができておるわけですけれども、だから、そういう意味で言えば、もうこの労働条件のそういう基本というものについては、団体交渉で現場で決めようと、最終的には建設大臣が承認するかしないかというところで決まってくるわけですね。だから、そことの関係を含めて両方あわせて考えれば、公団から公団へ移るという問題を、しかも同じ建設省の管内の公団が移るというような場合に、これを一度やめたものと扱ってというようなことは、三十九条とのかかわりで見れば、それは不合理になってくる。この点を私は指摘しておきたいと思うんです。
 それで、この問題については非常に、三十九条の問題は労働運動の問題としていろいろ論議があって、社会労働委員会なんかでも議論をされてきておりますし、公労協あたりでも最近では有額回答を示す、いわゆる当事者能力なしという立場を一つ止揚して有額回答を示すというようなところまで来ているし、そして、さらにスト権の問題も前向きで検討するというところまで来ておる。ところが、公団の場合にはそこまでいっていないんですね。やはりそういう制限なしに労働三権というものは認められておるんですから、当然公団当局と団体交渉によって賃金その他の条件というものは決めていくし、それを大きな枠で建設大臣が認めるということになるべきなんで、非常に細かいことがいままで各そういう種類の公団で言われて、そのために十円の違いでもって中労委に提訴して、そこで中労委の方で、これは理化学研究所ですか、これとそこの労働組合との間での紛争についてこういうふうに言っていますね。「内示枠を一ぱい使って作成したものであるから変えることはできないとして自らの提案に固執したのみならず、諸種の制約を受けているため研究所には自主性はないのだと自ら発言するなど、」云々と、「このような研究所の態度につき組合が納得しえなかったとしてもあながち無理ではなく、他に前記2判断に示すような監督官庁への折衝を積極的に重ねたと認めうる資料もない。」というようなことを言って、それで、こういう判断に立って、このような研究所の態度は労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為であると認めざるを得ないというようなことで決定を出しておるわけですね。だから、やはりこの立場から言えば、当事者能力はあるし、双方で団体交渉をやって、その結果を大臣が承認するということになるし、財政的に承認できないなら積極的に大蔵当局とも交渉もするという労をとるのだというような意味で、先ほど沢田委員が一番基本的な点でこの交渉を尊重するという点だけを聞いておくと言って確かめられたことで尽きるんですけれども、しかし、やはり実際の交渉においては内示とかなんとか、いろいろ枠がはめられてくるというようなものもあるという条件のもとで、やはりいまの労働運動の先ほど申しましたような趨勢の中で、やはり労働三権という、憲法に基づいてそこから出てくる権利を十分尊重して労働条件その他を確保していく、そのことが公団全体の団結なり仕事の上にも大きな影響を与えてくるだろうというふうに考えられるので、特にその点を先ほどの沢田委員に答えられたその原則的な立場できめ細かく守っていただきたいというように思います。
 それから、もう一つの問題ですけれども、これは先ほど松本委員の方からも話が出ましたけれども、住宅公団の副総裁二人を一人に削るということは、この副総裁の仕事がどんな仕事をしておったか私よく知りませんけれども、結局そのことは住宅公団の宅地開発部門担当の副総裁を減らすということになるんじゃないかというようなふうにも考えられるんですけれども、そういうことなのかどうか。そうだとすれば、宅地開発部門を切り離して、そうして宅開公団の方に重点を移すということにはならないのか。また、そのことによって住宅公団の宅地開発部門の縮小というようなことにつながっていくんじゃないかという疑念を持つわけですけれども、その点は中身は一体どうなっているのかお聞きしたいんですが。
#96
○政府委員(大塩洋一郎君) 副総裁、現在二人ございますが、その一人は、その設置されました、ふえました当時のいきさつから言いまして、宅地担当の副総裁というふうな形で現在二人あるわけでございます。それがこの宅地開発公団を設立いたします際に一人に削りましたことは、必ずしもこれは切り離しにつながるわけではなくて、新しい公団を設立するということとともに、既往の住宅公団の三大都市圏における宅地開発の姿勢を附則で直しておりますように、自分の住宅団地に専念するんであるというような趣旨からいいまして、その副総裁の一人を外すことが適当であろうということでそういうことにいたしたわけでありまして、縮小につながるというふうには直ちに考えておりません。
#97
○三治重信君 じゃあごく簡単に、先日の参考人の陳述の問題と、現地の視察の問題につきまして、関連して一、二問題をお聞きしたいと思いますが、あの現地へ行った場合も、また参考人の場合も、住居者に対する募集の要項、ことにどこから募集しても希望者ならばだれでもいいんだということではまずいんじゃないかと、いわゆる現地主義にするのか、その職住接近を第一にするのか、あるいは入選順位をどういうことで考えているのか、まあこういう問題について建設省として、こういう宅地の供給、住宅の供給をやっていく場合に、いままでしっかりした基準をそういう公団なり、これからの政府施策をやる人たちに指示をしていくのか、また、いま現にそういうのがしっかりしたのがあるのかどうか、お願いします。
#98
○政府委員(大塩洋一郎君) 現在は、住宅公団等におきましては、宅地、住宅もそうでございますが、公募を原則といたしております。したがいまして、公募ということは、そういう優先順位をつけていないということでございます。これが原則でございます。おっしゃるとおり、できれば、住宅困窮度というようなものを勘案いたしまして優先順位をつけて、イギリスのようなウエーティングリストと申しますか、そういうような順位をつけることが望ましいと思いますけれども、そういう順位は現在つけておりません。しかしこれは管理上の大きな問題でありますので、こういった管理の問題につきましては、住宅審議会等におきましても、次の発足いたします住宅五カ年計画の際の大きな一つの課題だというふうに考えておりまして、宅地の問題、住宅の問題ともに、こういった管理問題につきまして十分検討をこれから進めたいというふうに考えて準備しておるところでございます。
#99
○三治重信君 それでは、ひとつ、いままでのこの宅開公団の法案の審議の場合には、いわゆるそういう公団に対する法律であって、いろいろの住宅の供給なり宅地の供給の基準その他そういう事業の方面については一切規定してないと、こういう説明であったわけなんですが、そういうことになると、いまおっしゃったようなことからいくと、全部審議会なりそういうことによって建設省の方で決めて、その審議の状況によって建設省の方でその基準を決めて、両公団の方へ提示して、両公団がその交渉に当たって実施をするというのか、また新しく、まあ先ほどからある住宅基本法とか、住宅第三次五カ年計画とか、そういう中の中身の施行上についての中でやるということなのか、いずれに、どちらの方に考えていくのか、また、これからまたそういうことも検討するのか。
#100
○政府委員(大塩洋一郎君) これを本格的に考えますと、それは重大な法律事項になるかと思います。しかし、現在具体的な公募のやり方、時期、方法等につきましては、具体的な点はそれぞれの公団の内規的な運用方針で決めているものが多うございます。いずれの方法をとるべきであるかということはこれから検討するわけでございます。
#101
○三治重信君 それから、まあこの点は、私現地へ行ったり、またこの間も参考人の話を聞いた場合に、この物をつくることばっかりじゃなくて、利用する方の、いわゆる住宅の入居者あるいは宅地の分譲をこれから受ける人が、やはり国の施策としてやる場合にどういう人が選択されるべきかということは、きちんとしたやはり基準と申しますか、原則はぜひつくってやっていただきたいと思います。
 それから、あの中で、私は、土地の区画整理事業として優先的に先行土地の施策をやって公共投資の部面が非常にスムーズにいくようにとやった。非常に土地の区画整理事業というのは、われわれ聞いてたのからいくと、結局一番問題なのは、そういう共通部面の土地の供給で、その割合でまあことしの区画整理事業がうまくいかないということをたくさん聞いていたわけですが、これでいくと、半分からの土地を買って、その中から大きい公共用地を提供していくと、こういうことで非常にスムーズにいくと、こういうお話を聞いて、非常に新しい土地区画整理事業のやり方というのですか、まあその土地の業者にとっては、同じ土地区画整理でも、新しい大きな住宅公団あるいはこれから宅開公団という大地主が新しくあらわれて、その大地主がこの土地区画整理事業で非常にたくさん優先的に土地を供出的に提供してくれると、その割合によって、その土地の所有者がどれだけこの土地を減歩をすることが緩和されるかによって事業がうまくいくかどうかが決定されると、これもだんだんだんだん緩和されていくと限度がなくなると思うんですけれども、今度の宅開公団でも、こういう住宅公団があそこの土地で、港南台や何かでやっているような土地区画整理を主としてまず、何と申しますか、公共用地の設定や都市計画をやる、区割りをやる場合に、この方法を一つのモデルとして考えておられるかどうか。
#102
○政府委員(大塩洋一郎君) 大規模な宅地開発でありますから、当然その中には集落があったりいたしまして、大体全面買収でいきたいということは理想でございますけれども、区画整理による先行取得によって、それを集合換地いたしまして、区画整理による方がスムーズにいくというような条件の場合には区画整理を用いる、あるいはこれを全面買収区域と併用して分けてやるというような組み合わせは可能かと思います。したがいまして、区画整理を行います場合には、そういう人家が多いというようなことがこの公団のやる事業につきましては一番大きな要素になるのではないかというふうに思います。
#103
○三治重信君 では、そういうことをやることも考えておられるようですが、この場合に、先ほどの募集と同じように、個人の所有地として残る土地区画整理事業ですね、そういう個人の所有者についてのやつは何ら、どういうふうに使われようが、全然注文は一つもつけてないと、こういう話だったと思うんですが、今後、やはり宅開公団でその住宅の材料供給をやっていくという場合に、もしもこの土地区画整理事業をやるというと、民間所有地の供給が非常に強くなるわけだと思うんですが、そういう供給の場合に、そこのせっかくつくったこの土地の区画あるいはこの利用水準というもの、まあこの間の参考人の意見では、居住水準とか環境水準というものをしっかり国が決めていかないと、せっかくこういうことをやってみても、何と申しますか、目的がはっきりしない事業団になり、また宅地の供給になるんじゃないか。まず一つの土地を開発し、土地を宅地として供給していくということになると、その居住水準なり環境水準というものをしっかり決めてかかっていく必要がある、こういうような意見があったと思うんですが、こういうものについてこの間の現地の調査では、ほとんど改良がなされていない。今後ぜひこういう問題も議論されるか、またいま考えて実際やっておられるかどうか。
#104
○政府委員(大塩洋一郎君) 区画整理をやります場合には、先買いによって集合換地をして、宅地開発公団の事業用地とすべき地域と民地とにつきましては一体としての市街地となるように、その公共施設の整備配置等につきましては、大体同じ健全な市街地となるような水準の公共施設あるいは公益施設の配置というものを区画その他も考えてそれを設計に織り込みまして事業をやるわけでございます。でございますから、その点では心配ないのでございますが、この間来問題になりましたのは、その民地部分については細分化を後でどんどんしたりすることによって乱れやすいというような点が問題になったのでございます。これにつきましては、できるだけ都市計画としてせっかく一緒に一団の市街地として形成した民地部分でありますから、用途地域等をしっかり決めるとか、あるいは今後都市計画法でできました植栽地の指定だとかいうようなことを積極的に織り込むことによってできるだけその水準が低下しないように、あるいは細分化がなかなか行われがたいような水準を保つように心がけてまいりたいと思っております。
#105
○三治重信君 最後にしておきますが、いずれにしても、いままで物的な供給に主力が注がれておって、後でその住む人たちの、またせっかく新しく水準の向上した宅地がつくられていっても後でだんだんそれが切り崩されて、個人の使用の自由というようなことで、またはもうけ主義で自由に展開される、こういう心配が非常にある。私は前からも一遍土地の問題の細分化とかそういう問題は大臣にお聞きしたこともあるんですけれども、ぜひこの後の、せっかくたくさんの国費を費してつくった宅地や住居が非常にいい環境、またいい居住水準で維持されていくための方策をぜひひとつしっかり考えていただいて、それに対するチェックあるいはそこに入る人たちに義務づける対策というものといいますか、それがまた今後そこに住む人たちのお互いの公共心を養成する義務でもあると思うんですが、ひとつぜひそういう方向も住宅政策の中でしっかり守られていくような対策を講じていただきたいと思います。
#106
○松本英一君 一週間前の六月十日に同僚議員の望月委員、田代委員からもお話がありました、参議院建設委員会宅地開発事業施策につきまして、横浜市内の港南台地区あるいは洋光台地区の視察をいたしました。
 まず冒頭に、港南台地区におきまして住宅公団が造成をするに当たってのいわゆる原型と申しますか、等高線図を作成しておられましたことについて心から賛意を表するものであります。なぜならば、遺跡あるいは埋蔵文化財と申しますものは民族の遺産であるからであります。しかし、この破壊の最も大きな原因は、開発優先思想によるものが元凶であると言っても過言ではありません。遺跡あるいは埋蔵文化財とは失われた人間生活の場所であるからであります。そこには悠久の古代からの人間の生活が記録されております。しかし、遺跡や埋蔵文化財はそれについて何も語ろうとはしていないからであります。遺跡あるいは埋蔵文化財と申しましても、それは住居あるいは墳墓あるいは神殿、聖地等あります。外観、内容とも同じものではありません。また、時代あるいは文化あるいは生活環境によってそれぞれに異なったものがそこにあるわけであります。
 これらのものが、名神あるいは東名、中央、これらの高速道路、あるいは全国各地で行われております縦貫道、あるいは新幹線建設によって破壊をされておる事実は御承知のとおりであります。これら高速道路、縦貫道路、新幹線等による、あるいはニュータウンによる各県に及ぶ問題が提起をされるたびごとに、各県における発見や発掘のニュースがもたらされるたびごとにその直後緊急調査が始まって、後は破壊されて道路や地下に埋没されるというニュースは皆さんもさらに御承知でありましょう。
 ここ二十年間全国の遺跡あるいは埋蔵文化財の上を襲った開発の荒波によって、どれほどの遺跡や埋蔵文化財が未調査のままに消滅し去っていったか、これは枚挙にいとまがありません。日本の姓名あるいは地名の源流と言われる鹿児島県から、あるいはさらに南の沖縄、奄美、北は北海道、東北まで、時間をかけて一々申しますならばもう夜に入ってしまいます。それらの多くが、国や地方自治体、公社、公団などの公共施設の建設によって、これらの遺跡がそれらの開発によって破壊されておるのが大多数であることも今日銘記をしていただきたいと思います。
 宅地開発公団法の事業は、山林、田畑を切り開いて行われます。当然であります。古代においては、いわゆるこれらの対象とする三大都市周辺、いわゆる大阪、中京、関東丘陵地帯に生存をしておった古代人が平野を求めながらやってまいりました。今日は平野におることができずに逆に丘陵に向かってまいります。丘陵にはそれらの遺跡あるいは埋蔵文化財が必ずあるものと思ってもこれは自然のことであります。したがって、当然のことながら緑を破壊すると同時に、民族の遺産であるこれらのものを破壊する恐れがありますが、いかなる事業といえども、これらのものに、これらの自然環境に対応する配慮がなされなければなりません。したがって、住宅公団におけるニュータウンの建設、もう時間がないと申しましたが、どこでもこの問題は起こっております。これらのものに対する措置について建設大臣並びに公団総裁の明確な御見解と御識見を伺いたいと思います。
#107
○国務大臣(仮谷忠男君) 大変貴重な御意見を聞かしていただきました。貴重な遺跡、さらに埋蔵文化財の取り扱いについて私どもはややもすると開発等のために粗雑な扱いをしている面もなきにしもあらずでありまして、特に宅開公団等において今後の宅地開発をするためにはこの問題には十分に注意をしなければならぬ、一たん壊すと全く取り返しのつかない貴重な存在でありますので、今後十分に留意をしてまいりたいと存じます。
#108
○参考人(南部哲也君) 住宅公団におきましてはこれらの問題につきまして必ず地元の教育委員会と連絡をとりまして、さらに教育委員会は文化庁とも連絡をとりまして、各発掘されました遺跡につきましては、これをそのまま保存すべきもの、あるいはそこの出土品等について保存すべきものというようにはっきり区別をいたしました。その費用は全部公団負担でやっております。このルートを一番確立しているのは住宅公団ではないかと思っておりますが、残すべきものというものにつきましては、主として公園緑地に取り入れる、このように計画をそのためにしばしば変更することもございます。
#109
○委員長(中村波男君) 他に御発言もなければ質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認めます。よって、質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#111
○委員長(中村波男君) 次に、都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案を一括議題とし、両案の趣旨説明を聴取いたします。仮谷建設大臣。
#112
○国務大臣(仮谷忠男君) ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 最近における都市化の進展に伴い、大都市はもちろんのこと、地方都市におきましても、環境の悪化、災害の危険の増大、市街地内の住宅の不足等の都市問題がますます深刻化しております。これらの事態に対処するためには、各都市における既成市街地の再開発を積極的に推進し、公園、緑地、街路等のオープンスペースを十分に確保しつつ、中高層の耐火建築物を建設し、あわせて職住近接を図ることがきわめて重要であることと考えます。
 このため、既成市街地の再開発の一層の推進を図るべく、公益性が高く、かつ、大規模な事業を早急に施行するための手法を確立するとともに、主として関係権利者による計画的な再開発の実施を促進するために市街地再開発促進区域及び個人施行者の制度を新設する等の必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、従来の権利変換手続による第一種市街地再開発事業のほか、用地買収方式による第二種市街地再開発事業の制度を新設することとしております。これは、公益性が高く、かつ、現行の権利変換手続では事業の実施が非常に長期化するような大規模な市街地再開発事業を早急に実施することを目的とするものでありますが、地区内に建設される再開発建築物に入居することを希望する関係権利者に対しては、その入居を保証することにより、関係権利者の保護につきましても十分配慮いたしております。すなわち、地区内の宅地の所有者、借地権者及び建築物の所有者は、再開発建築物の一部等の譲り受け希望の申し出を、また、地区内の建築物の借家権者は、再開発建築物の一部の賃借り希望の申し出をすることができるものとし、施行者は、その希望に応ずるように管理処分計画を定めなければならないことといたしております。なお、この第二種市街地再開発事業につきましては、地方公共団体または日本住宅公団等に限り、施行できるものとしております。
 第二に、民間の旺盛なる建築活動を計画的な再開発に誘導するための措置として、市街地再開発促進区域及び個人施行者の制度の新設、高度利用地区の制度の改正等を行うこととしております。
 まず、市街地再開発促進区域の制度の新設でありますが、これは、関係権利者による計画的な再開発の実施を図ることが適切と認められる市街地について、都市計画に市街地再開発促進区域を定めて、関係権利者による再開発の実施を期待し、その後五年を経過しても再開発が実施されないときには、市町村等がみずから市街地再開発事業を施行するというものであります。なお、この促進区域につきましては、一定の建築物の建築許可、その不許可の場合の土地の買取り、開発許可の基準の特例等を定めております。
 次に、個人施行者の制度は、宅地の所有者または借地権者が、関係権利者の同意を得て、一人で、または数人共同して施行する市街地再開発事業の制度を新設するものであります。
 さらに、高度利用地区の制度の改正につきましては、建築規制の項目に、建蔽率の最高限度及び壁面の位置の制限を追加して、街区内におけるオープンスペースの確保を図ることとしております。
 第三に、その他の項目として、再開発建築物のうち関係権利者に対して与えられる部分以外の部分、いわゆる保留床を関係権利者に優先的に賃貸し、または譲渡する道を開くとともに、住宅金融公庫法の一部を改正して保留床の取得等について住宅金融公庫の融資対象の範囲を拡大すること、地方税法を改正して再開発建築物のうち関係権利者に対して与えられる部分、いわゆる権利床に対する固定資産税の軽減を図ること等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いを申し上げます。
 なお、この法律案につきましては、衆議院において、政府原案の提出後の期間の経過等に伴い、「国土総合開発公団」の名称を「地域振興整備公団」に改めること及び施設建築物の固定資産税の軽減に関する地方税法の改正規定の適用年度を改めることに修正議決されたのであります。
 ただいま議題となりました大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案につきまして、提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、大都市地域におきましては、住宅需要が著しいにもかかわらず、住宅の供給が円滑に行われていないため、住宅問題は一段と深刻化しております。このような事態を根本的に解決するためには、大都市地域への人口集中を抑制し、極力地方への分散を図るべきことは当然でありますが、同時に緊急な課題として、大都市地域において大量の住宅地の供給を図り住宅の建設を促進する必要があります。
 このためには、国及び関係地方公共団体の緊密な連絡協調を図ることともに、まず、これらの地域の市街化区域内の土地の所有者等がみずから土地区画整理事業等を行って住宅地の整備またはこれとあわせて住宅の建設を行なうものとし、土地所有者等が一定期間内にみずからこれらの事業を行わないときには、市町村等がかわって行うこととする必要があります。このための必要な手続、事業手法等を定めることが、この法律案を提出する理由であります。
 次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、国及び関係地方公共団体の責務として、大都市地域において新たに必要となる住宅地の供給を確保するため、相当規模の住宅市街地を開発する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないことといたしております。
 第二に、宅地開発協議会の制度を新設することとしております。これは、首都圏、近畿圏及び中部圏の各圏域ごとに、国の関係行政機関、関係都府県及び関係指定都市により組織し、住宅市街地を計画的に開発する事業の促進に関し必要な協議を行うものであります。
 第三に、土地区画整理促進区域の制度を新設することとしております。これは、大都市地域の市街化区域のうち一定の要件に該当する五ヘクタール以上の農地等の土地の区域について、都市計画に土地区画整理促進区域を定め、その区域内の土地所有者等による土地区画整理事業等の実施を図り、区域指定後二年を経過してもその事業が実施されないときは、市町村等が土地区画整理事業を施行するものであります。
 第四に、特定土地区画整理事業すなわち土地区画整理促進区域内における土地区画整理事業につきましては、施行地区の面積並びに共同住宅区、集合農地区、義務教育施設用地及び公営住宅等の用地の設定等に関し、土地区画整理法の特例を設けることといたしました。特に配慮いたしましたのは、集合農地区の制度でありまして、農地等の所有者の意向に即して、施行地区の面積のおおむね三〇%を超えない範囲内で農地等の換地を一団の農地等として集合することができることとするとともに、生産緑地法に基づく第二種生産緑地地区の指定の要請に関する規定を設けております。
 第五に、住宅街区整備促進区域の制度を新設することとしております。この制度は、大都市地域の市街化区域のうち一定の要件に該当する一ヘクタール以上の農地等の土地の区域について都市計画に住宅街区整備促進区域を定め、まず、その区域内の土地所有者等による住宅地の整備と共同住宅の建設等を行う住宅街区整備事業等の実施を図り、区域指定後二年を経過してもその事業が実施されないときは、市町村等が住宅街区整備事業を施行するものであります。
 第六に、住宅街区整備事業につきましては、事業の施行者を個人施行者、住宅街区整備組合、市町村、都府県、地方住宅供給公社及び日本住宅公団とし、その事業計画、換地計画の決定、施設住宅区、既存住宅区、集合農地区の設定等に関する規定を設けております。この場合施設住宅区すなわち共同住宅を建設する地区につきましては、いわゆる立体換地を行い、従前の宅地にかえて本事業によって整備される新しい共同住宅の一部とその敷地の共有持ち分を与えることができることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
 なお、この法律案につきましては、衆議院において、政府原案の提出後の期間の経過等に伴い、この法律の法律番号「昭和四十九年」を「昭和五十年」に改めること、「国土総合開発公団法」の名称を「地域振興整備公団法」に改めること等に修正議決されたものであります。
 以上であります。
#113
○委員長(中村波男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十五分開会
#114
○委員長(中村波男君) これより建設委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#115
○委員長(中村波男君) 宅地開発公団法案を議題といたします。
 本案は午前中に質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#116
○沢田政治君 私は、日本社会党を代表して、宅地開発公団法案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、宅地開発公団が大都市の周辺地域において大規模開発を行うことは、今日の深刻な都市問題を一層激化し、大都市地域の住宅難の解消には何ら結びつかないからであります。
 今日わが国は、農村からの大都市への人口流出、事務所、事業所の都市集中、さらに大学の集中等によって過密過疎の社会現象を生み出し、深刻な都市問題に直面しているのが現状であります。こうした点からも住宅政策は、産業立地政策、都市政策、交通政策とまさに一体であり、いわば全国総合開発計画の中において総合的な調整が要請されるのであります。国土開発の方向がなく、また、国土利用計画が策定されていない段階で、大都市周辺において大規模開発を先行させることは、今後国土利用計画を策定する上で支障となるばかりか、都市の巨大化、開発の不均衡化が際限なく繰り返され、住宅難の解決を一層困難にすることは明らかであります。
 反対の理由の第二は、公団新設の理由が不明確なことであります。現在、日本住宅公団には宅地開発部があり、創設以来約一万ヘクタールに及ぶ宅地供給を行ってきた実績があるのであります。日本住宅公団のこの部門に交通、水道等の大規模宅地開発に必要な施設設置権限を付与し、また機構を拡充強化すれば、宅地開発公団の新設をまつまでもなく、大量の宅地供給が可能となるのであります。この住宅公団と宅地開発公団との関係は、政府の答弁でも明らかにされていません。公団を新設することよりもまず日本住宅公団の機能の拡充強化が先決であり、安易な新公団の設立を認めるべきではありません。
 反対理由の第三は、宅地開発公団が行う大規模開発が都市のスプロール化を招くおそれがある点であります。公団が実施しようとしている百ヘクタール以上の開発区域の対象となるのは、市街化区域にはなく、開発を規制すべき地域として指定された市街化調整区域になることは必然であります。この場合、地方公共団体の決定した都市計画を政府みずからが瓦解することになり、その結果、大都市の一層の膨張と都市環境の悪化、自然破壊をもたらすことは必至であります。あえて、開発適地をここに求めようとするならば、その区域内の土地を大量に買い占めたけれども開発規制を受けて困却している大手不動産業の救済策になりかねません。
 反対理由の第四は、宅地の分譲価格が、政府の宣伝するような坪当たり十万円ではとうてい不可能であり、庶民にとっては高ねの花となる点であります。この点に関し、政府は答弁の中で、再三再四、坪当たり十万円で分譲できることを説明していますが、それは非現実的であり、無責任な答弁というほかはありません。
 今日、三大都市圏の地域において坪当たり十万円以下で分譲できる土地があり得ないことは明らかであります。約十年前に日本住宅公団が用地を買収した洋光台の個人分譲宅地でさえ坪当たり十万円以上となっているのであります。しょせんは、高所得者層のみを対象とした施策になることは火を見るよりも明らかであります。
 第五は、今日の住宅開発の最大のネックの一つである水供給体制の整備が本法案に欠落していることであります。宅地開発を行う場合、当然足と水の確保が前提条件であることはいまさら言うまでもありません。本法案では、公団に鉄道施設の直接施行権が付与されたことはある程度評価ができますが、肝心の水問題の解決が欠如していることは非常に大きな問題であり、宅地開発の行き詰まりの抜本的な打開にはとうていなり得ないのであります。千葉県の海浜ニュータウンや埼玉県の高麗川団地のように、せっかく住宅建設を完了しても、水の供給の見通しが立たずに入居の延期を余儀なくされているという事態が今後も続出する危険が十分にあります。まさに幻のニュータウンともなりかねません。
 今回の法案では、特定公共施設の直接施行や、関連施設整備事業助成基金の新設等、従来の宅地開発の隘路をある程度打開する内容も含まれておりますが、これでもってニュータウンの建設の隘路の根本的な解決となるとは考えられず、地方自治体の団地アレルギーを解消できるものではありません。現在、政府に求められているのは、宅地開発公団の新設により、持ち家優先主義を促進するのではなく、現在一千万世帯と言われている住宅困窮世帯、及び二百七十五万世帯もある住宅難世帯の解消を図ることであり、そのためにも安くて住みよい公的賃貸住宅の大量建設こそが先決すべき最大の課題であります。また、住宅に関するシビルミニマムを設定し、国民が豊かで健康な社会生活を営めるような住宅政策の基本を確立し、政府が責任を持ってその実現を図ることであります。
 以上の理由からわが党は、宅地開発公団の設立を認めることはできないのであります。政府がすみやかに持ち家優先主義を改め、公的住宅の充実を基本とする住宅政策の確立を強く要望して、反対の討論を終わります。
#117
○増田盛君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております宅地開発公団法案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 本法律案は、大都市の周辺地域において、良好な住宅地の大量供給と関連公共公益施設等、健全な市街地形成を図るための新たな機構として、宅地開発公団を新設しようとするものであります。
 現在、人口と産業の大都市集中に伴い、大都市地域においては、土地利用の混乱、地価の異常な高騰など土地問題は一段と深刻化し、都市勤労者が健康で文化的な生活を営む基盤である住民を確保することはますます困難になり、飢餓感すら与えていることは、周知の事実であります。
 これがため土地問題を根本的に解決するためには、昨年制定された国土利用計画法に基づき、全国的な土地利用計画を確立し、公共優先の立場から土地の取引、利用にわたる規制、誘導を強力に推進するとともに、土地投機の抑制と乱開発を防止することが急務でありますが、同時に、現下の地価上昇と宅地取得難の原因が、基本的には宅地需給の不均衡にあり、さらに今後、大都市地域においては人口と産業の地方分散を強力に推進したとしても、なお膨大な宅地需要が見込まれることから見まして、宅地の大量供給を促進することは緊急の課題であります。
 従来から住宅、宅地供給を行う公的機関として日本住宅公団等がありますが、これらの大規模な宅地開発事業の実施には、ややもすると関連公共施設等の整備に伴う地方財政負担の増大、交通輸送難等の問題を生じております。このような現状から、当面する宅地開発の隘路を打開し、大都市地域における健全な住宅地の大量供給を図るための新機構といたしまして、宅地開発公団を創設することはきわめて時宜を得たものと思われます。
 なお、現在、宅地開発を担当しております日本住宅公団との関係につきまして、屋上屋を重ねるとの批判もありますが、日本住宅公団は、勤労者のための住宅建設という重大な任務を持っておりますので、同公団の宅地開発事業は、今後はその住宅建設用地の確保に重点を置くこととし、新公団との業務の分担を明確にしているわけであります。
 本法案で、新公団に、宅地開発の最大の隘路となっておりました交通施設の整備、特定公共施設の建設工事等をみずから行う権能が与えられましたこと、及び地元地方公共団体の財政負担の軽減を図るための関連施設整備事業助成基金の制度が新設されたことは、これまでの宅地開発の行き詰まりを打開する適切な措置と言うべきであります。今日、ますます深刻化する大都市地域における住宅難を一日も早く解決するため、すみやかに宅地開発公団を発足させ、住宅用地を求める国民の要望にこたえるべきであると考えます。
 以上の理由をもって、私は本法律案に賛成をするものであります。
#118
○田代富士男君 私は、公明党を代表して、宅地開発公団法案について、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、この宅地開発公団は、現在、三大都市圏が抱えている難問題には何の役にも立たないばかりか、かえって都市の拡大によって、もろもろの問題もその外にまで広げることになるということであります。これでは政府が従来進めてきた住宅政策や都市対策に対していささかの反省も見られないことになり、むしろ住宅行政、都市対策を複雑にするだけであると言わねばなりません。しかも、公団新設は政府の基本方針に反するのみか、むしろ屋上屋を重ねる愚を犯かすことになり、断じて許すことができないと考えるものであります。現在ある日本住宅公団の強化拡充によって十分対応できるにもかかわらず、それらの主張に対して明快な論理をもって反証することを避けた政府の怠慢を戒めたいと思うのであります。
 第二には、政府は国民の住宅事情をどのように認識し、住宅に対する要求内容をどのように把握しておられるのか、まことに疑わしい限りであり、公団新設の真意は一体どこにあるのかと首をかしげざるを得ないということであります。
 いま住宅について大方の国民が求めているものは、その購買力から見て当然のことながら、良質で安い家賃の公営賃貸住宅であります。政府の施策として庭つき一戸建て住宅を推進する理由など、どこを見てもあろうはずがないのであります。
 住宅難の解消とは、自力ではどう考えても良質な住宅には住めない多くの大衆のための住宅を安く提供することと私は理解するものであります。この際、政府当局に再考を促しておきたいと思うのであります。
 第三は、本年は政府が現在まで進めてきた第二期住宅建設五カ年計画の最後の一年に当たり、しかも第三期計画の策定作業中の段階であるにもかかわらず、なぜ公団新設を急がねばならないのか、これまたその理由が明確でないということであります。目標とした住宅建設計画の達成率も低く、その原因を究明せず、しかも次の長期展望も持たない現在の段階で新機構をつくるということは拙速に過ぎるのではないかと訴えたいのであります。
 第四は、新設の公団が大企業と民間デベロッパーが持つ市街化調整区域内の大量の土地に着手することは避けられない事実であり、そのためにまたもや国民のひんしゅくを買うことは明らかであるということであります。物価狂乱時における大企業に対する国民の厳しい批判を政府はよもや忘れてはいないと思うが、定見のない政府の姿勢に対して厳しく警告しておきたいと思うものであります。
 しかも、この調整区域の開発は、都市計画の本旨にも反し、従来の政府の立場とも矛盾することは明らかであります。政府の一貫性を欠く施策に対して反省を求めるものであります。
 第五は、この第四とも関連していることでありますが、農地の宅地化については、わが国の食糧自給体制などからもっと慎重でなければならないはずであるということであります。むやみに農地をつぶすことは都市化の勢いに押された無策のあらわれであり、当然抑えていくべきが本来のあり方でなければならないと考えるものであります。
 第六は、公団に付与された幾つかの事業の権能については、実情から見てその施行に必要な技術陣をどのようにそろえることができるのか疑問であり、したがってそれが有効に働き得る保障は何ら与えられておらないということであります。しかも、それを支える資金が財投で賄われているため、政府の説明するような三・三平方メートル当たり十万円という宅地価格を期待することはできないと思われ、国民に対する口約束だけが感じられてならないのであります。
 以上、法案に対する幾つかの問題点を示しましたが、最後に政府の住宅、宅地政策の根本的な刷新を強く希望しまして、私の反対討論を終わります。
#119
○春日正一君 私は、日本共産党を代表して、宅地開発公団法案に対する反対討論を行うものであります。
 反対理由の第一は、この法案に基づく宅地開発公団の設立上この公団の行う宅地開発は、政府の持ち家中心の住宅政策をさらに助長し、わが国の住宅政策の後退を招くものだからであります。
 今日の深刻な住宅難が、第一期、第二期と政府の十カ年にわたる住宅建設五カ年計画の進行にもかかわらずなお激化しつつあるのは、持ち家中心の政府の住宅政策によっては真に住宅を必要とする国民に住宅を保障し得なかったことを示すものであり、公共賃貸し住宅の重点的な建設と供給こそ今日の住宅難を解決する最大の課題であることはすでに明白であります。しかるに、この宅地開発公団は、橋本元自民党幹事長の構想の発端から、四十歳までにマイホーム、坪十万円などをうたい文句としてきたことでもわかるように、公的賃貸し用の宅地は添え物とし個人分譲宅地の供給を重点とするなど、持ち家中心の政策をさらに推進しようとするものにほかなりません。持ち家中心の本格的な新公団の設立は、住宅政策の明確な後退を意味するものと言わなければなりません。
 反対理由の第二は、こうした政府の宣伝にもかかわらず勤労者に低廉な宅地を分譲し得る見通しはきわめて少ないことであり、逆に、地方自治体の開発規制と不況によって買い占め地の処分に困っている大企業を救済する可能性があることであります。
 政府は、住宅公団が数年前に取得した土地の売却実績を示して坪十万円で分譲できるとする根拠としていますが、その後の列島改造ブームによる地価の著しい高騰や造成費の高騰に照らして、これが現実性に乏しいものであることは明らかであります。
 わが党は、当委員会の審議を通じても、第一に、新公団が適用する新都市基盤整備事業、区画整理事業等の手法によれば、関連公共公益施設など宅地開発の基盤が公的に整備された上になお四割の宅地が土地所有者に残されること、第二に、新公団の行う鉄道の敷設に伴って、その沿線が開発の規制されている市街化調整区域から市街化区域となり、こうして開発の凍結された買い占め地が息を吹き返す可能性があること、第三に、大規模宅地開発がプラン化された瞬間から情報収集力のある大企業の土地買い占めがその予定地や周辺で発生するであろうことを指摘し、政府もまたこれを認めざるを得ませんでした。
 また、関西電力の子会社が大阪府茨木市で開発造成し、上水源の汚染や災害の心配から市民や市議会に反対されているサニータウンを日本住宅公団が坪二十万円以上で買収しようとしている事実を挙げ、勤労者の住宅難に寄与することが目的としてうたわれている住宅公団でさえこのような問題が起こっているにもかかわらず、宅開公団法にはその目的に勤労者のためとする規定さえないことを指摘してきました。
 また、こうした企業救済の歯どめの一つとして、宅地開発公団の造成計画の作成等については地方自治体の長の意見を聴取するだけでなく、関係自治体の長の同意と地方議会の議決を必要とすべきであることを明らかにしてきました。しかし、この法案には、このような歯どめとなる措置については何らの規定もないのであります。
 反対理由の第三は、現在大規模な宅地開発の事業主体として住宅公団があるにもかかわらず、なお宅地開発公団を設立することは屋上屋を重ねることになりかねないからであります。
 今日、宅地開発の当面する大きな隘路の一つが地方自治体の団地拒否であり、その主な原因が道路、公園、下水道、学校、保育所、公民館、ごみ処理場その他の関連公共公益施設の建設と運営に伴う膨大な財政支出によるものであることは周知のことであります。国庫補助率の引き上げ、補助対象の拡大、立てかえ制度の改善、運営費の保障など、地方自治体の負担を軽減する打開策を講ずることによって、地方財政の圧迫を解消することが、宅地開発促進のかぎであり、先決問題であることは明白であります。
 政府は、この法律で宅地開発公団に鉄道の建設と経営、特定の公共施設の直接施行の権限を与え、さらに建設資金の立てかえ制度についても、十年無利子据え置き、二十年償還を採用し、そのための基金を創設することとしています。この立てかえ制度の改善は一つの前進ではありますが、それは宅地開発公団を設立しなければできないというものではありません。むしろ、住宅公団の行う中小規模の宅地開発にも、これを適用できるようにし、住宅公団の機能を必要に応じて強化、拡充し、運営の民主化などの改善を図ることによって新公団を設立するまでもなく、宅地開発が可能となることは明らかであります。
 このように、新しい公団を設立しなければならない何らの合理的な理由も明確にされないまま、なぜ政府は宅開公団を強引に設立しようとするのか、全く不可解であります。これでは国民の批判する宅地政策というよりは、選挙目当ての党略によるものではないか。政府高級職員の天下り先をつくるものではないか等の疑惑も、また否定し得ないのではありませんか。
 日本共産党は、今日、国民の住宅難が深刻化し、特に大都市圏で勤労者の住宅問題の解決が強く望まれている状況のもとでは、大規模な宅地開発を決して否定するものではありません。むしろ職住近接、生活環境施設のよく整備された新都市が、自然破壊や災害の危険を防止しつつ形成されることが必要であると考えています。しかし、それは大都市圏への今日のような人口と産業の集中に対する規制、既成市街地の住環境の整備、改造との一体性、地方自治体の土地利用計画や基本構想との整合等を前提とすることはもちろん、当面の課題としても、新都市形成の国家的事業にふさわしい補助制度の確立と、その財源を保障するための大都市地域に事業所・事務所を設置する大企業に対する資本金、雇用者数等に応じた住宅負担金制度の創設を主張するものであります。
 以上で反対討論を終わります。
#120
○三治重信君 私は、民社党を代表して、反対の討論をするものであります。
 まず第一に、宅地開発公団という公団の名前そのものが、とかく住宅公団と屋上屋を重ねるような議論に導いたことでございます。この宅地開発公団の中身は、私はむしろニュータウン構想にあるんではないか。宅地を本当に多数、大量に供給するという目的だけがこの公団の目的であるならば、各党がおっしゃるように、住宅公団の権限の拡充で結構やっていける問題だと思います。ところが、この三大都市圏における新しい住宅難を積極的に解消していくためには、やはりニュータウン構想が一つの新しいビジョンを与えるもとだと思いますが、そういう方向に新しい公団をもっていき、新しい一つのあるべき都市を国家がつくっていく構想ならば、われわれもあえて反対するものではないことが、まず第一点でございます。
 第二に、宅地開発公団といいながら、各党がおっしゃるように、この三大都市圏の中における宅地の供給は、いまや勤労者の手の届かないところにまで価格が上がってきたと思っております。それを答弁におきましては、現在のまたいままでのところからいえば、十分手の届くところで何とかできるという答弁ではございますが、各党ともこの価格の問題については、決してそうたやすいものではないということにおいて、認識が一定しているわけでございます。そういう意味におきまして、私は勤労者に安い大量の住宅を供給するということが、その価格の上においてまず不可能である。そうとするならば、むしろ宅地だけでなくして、この新しい三大都市圏の中においての勤労者の住まいを与えるという公団構想に切りかえるべきであるというのが、第二点でございます。
 第三点に、この宅地の開発あるいは住宅の供給という問題を、国家がやっていく場合に、いまだもって日本におけるこの過大都市における人口の集中の問題に対する政府のしっかりとした見解がないために、ここに宅地開発公団のような構想で提示されたと思います。人口と職業、あるいは富の過大都市に集中することをどうして防ぐか、こういう問題を新しく住宅並びにこのニュータウン構想の中において政府がその見解をはっきりして、そこの上に施策を進めていくべきだと思います。要するに、都市のあり方についての一つのビジョンがないというところにあります。
 第四に、この民間のすでに買い占めた土地に対する救済策ではないか、こういう疑いが非常に持たれておりますが、ここに私はやはり自由民主党が宅地の供給のみに目をつけたために、こういう誤解を受ける大きな原因であり、またあるいはそれが本当の目的であったかも、誤解でなくして本当の目的だったかもわからないという疑いを持つものでございます。むしろ、そこに単に土地の供給あるいは開発というだけにしぼるから、こういう問題が私は起きてくると思います。この過大都市における人口と、また住まいその他産業というものをどういうふうに解決するかというビジョンを持たないからだと思うわけでございますが、いずれにしても、民間の供給業者を路頭に迷わし、またはこういうものに対する処置について答弁が非常にあいまいだったことは、また宅地開発公団に対する将来を非常に不明朗にしたと、こういうふうに思います。
 第五に、この地方公共団体との関係はあくまで話し合いだと、こういうふうに答弁がありますが、地方公共団体の同意がなくしては開発をしないと、こうでありますが、それだけでは私はこの三大都市圏、ことに関東あるいは近畿の部面におきましては、宅地開発公団がこの構想で発足をしてみても、実際においてその現地との取り決めを得るだけでも三年も四年も、あるいは目的とするところが実現できないで、また新しく構想を立て直さなければ発足ができない、事業団そのものの機構だけはできても事業が少しも進まない、また事業はすぐ着手できる保障が非常にあいまいだ、またそれは不可能ではないか、こういう意味において賛成することができないわけでございます。
 そういう以上の意味におきまして、私は宅地開発公団について、いま直ちにの設立に反対するものでありますとともに、この三大都市圏における住宅の不足は非常にわかるわけでございますが、これに対するもう少し総合的な対策をもって、その一環としての公団の設立に配慮をしてほしいと思います。
 以上をもって反対討論を終わります。
#121
○委員長(中村波男君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 宅地開発公団法案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(中村波男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
#124
○上田稔君 私は、ただいま可決されました宅地開発公団法案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    宅地開発公団法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項につ
 いて適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを
 期すべきである。
 一、宅地開発公団(以下「公団」という。)
  は、宅地造成計画の策定及び実施にあたって
  は、関係地方公共団体の国土利用計画等の諸
  計画との整合に配慮するとともに、関係地方
  公共団体の同意を得るよう努めること。
  なお、事業施行にあたっては、当該地域及び
  その周辺地域における土地投機に対しては、
  万全の防止対策を講ずること。
  二、公団は、宅地造成計画の策定及び実施にあ
  たっては、事前に社会的、自然的な影響の調
  査を行うとともに、当該区域における緑地等
  の確保に努め、また周辺地域との自然環境の
  調整に十分配慮すること。
 三、公団は、勤労者の住宅難の解消に資するた
  め、造成宅地の譲渡にあたっては、公共賃貸
  住宅用地を優先的に確保し、また、医療施設
  用地の確保に特段の配慮を行うこと。
 四、大規模宅地造成事業の施行に関連する公
  共、利便施設の整備については、健全な市街
  地の形成と地方公共団体の財政負担の軽減を
  図るため、補助制度の強化拡充等の措置を講
  ずること及び大規模宅地造成事業以外の公的
  宅地開発についても、公団の行う立替施行に
  準じた措置をとることを検討すること。
 五、公団が行う鉄道業務については、建設資金
  について、必要な助成措置を講じ、利用者に
  過大な負担とならないよう配慮すること。
 六、三大都市圏の水不足は深刻であることを認
  識し、新市街地の形成に支障をきたさないよ
  う水資源の確保に努めること。
 七、日本住宅公団が事業に着手しているものを
  公団が引継ぐ場合には、双方で十分に協議
  し、事業の円滑な施行に支障を生じないよう
  万全の措置を講ずること。
 八、日本住宅公団及び政府関係機関等から移行
  する職員については、縦前の労働条件等をで
  きるかぎり配慮すること。
  右決議する。
 以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#125
○委員長(中村波男君) 上田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(中村波男君) 全会一致と認めます。よって、上田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、仮谷建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。仮谷建設大臣。
#127
○国務大臣(仮谷忠男君) 本法案の審議をお願いして以来、本委員会におかれましては終始熱心な御討議をいただき、ただいま決議されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見や厳しい御批判につきましては、今後その趣旨に背かぬように留意いたしますとともに、ただいま全会一致をもって議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を尊重して今後の運用に万全を期して努力をする所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際しまして、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#128
○委員長(中村波男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#130
○委員長(中村波男君) 次に、都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#131
○上條勝久君 法案の名称が非常に長うございますので、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案につきましては、質問の発言の中で特別措置法案と言わしていただきますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
 この両法案は、昭和三十八年以来、地価対策閣僚協議会であるとかあるいは都市計画中央審議会、さらに行政監理委員会等でいろいろ審議を尽くされ、その提言等も十分に参考に資せられながら、かなり長い時間をかけられて御検討の上本国会に提案されたものと了解いたしますが、この両法案に関しまして若干質問をさせていただきます。時間の関係がありますから質問の前提事項は省略をさせていただいて端的に質問いたしますから、簡明にお答えをいただきたいと存じます。
 過密国日本の宿命論ではありませんけれども、過大都市の過大傾向はどうも一向におさまりそうにございません。ますます過大の傾向にございますが、その中で大都市地域の整備のあり方をどのようにお考えになっておるか。さらに、この両法案の施行によって過大都市の過大化に一層の拍車をかけるような、そういうおそれはないかどうか、その点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
#132
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のように大都市地域の過密の弊害は非常に増加してきております。そういうことで、今後の大都市対策といたしましては、まずもって大都市への人口と産業の集中を抑制する、これを地方に分散するということが根本でなければならないと思います。このためには、少なくとも新たに人口を増加させるもととなるような、その原因となるような工場、事務所等業務施設の立地あるいは大学等の高等教育施設の新規立地、こういうものを極力抑える施策を講じるとともに、一面におきまして地方都市を積極的に計画的に整備いたしましてこういったものの受けざらとするという両面の施策がぜひとも必要だと思います。しかしながら、一方におきまして現に大都市地域においてすでに生じておりますこの緊迫した住宅宅地難、これを何とか解決し、また既成市街地を再開発することにより、公共空地を確保した安全な都市環境市街地に切りかえるということも喫緊の課題であろうと思います。
 今回の両法案は、いずれもそういう点で基本になる過密都市問題を踏まえながら、なおかつ当面するこの緊急な都市の安全性及び住宅宅地難への対処というところがら提案いたしましたものでございまして、たとえば、都市再開発法の改正法案というものは、生活環境の悪化した平面的な既成市街地を高度利用することによりまして、公園、広場、街路等の非常に不足しているオープンスペースを十分にとった安全かつ快適な生活環境を確保しようというものでありまして、都市の高層化によって若干床面積はふえますけれども、オープンスペースをとるわけでございますから、それほどに床面積がふえるというものでもない。なお、今後は駅前などの業務地区ばかりでなくて、むしろ住宅地とか住工混合地域といったものに重点を置きたい。そういう場合には床面積の増加分というのは従来の狭小な住宅を増床するというようなものに主として使うことを考えたいと思います。
 また、大都市地域の特別措置法案は、これは人口集中の要因となるような業務施設を供給しようというものではなくて、まさに住宅宅地を直接供給しようというものでございまして、大都市地域の秩序ある発展に寄与し、スプロール化を抑え良好な市街地として形成していきたい、こういうものでございます。御指摘の点は十分配慮しながら運用上も誤りのないようにいたしたい決意でございます。
#133
○上條勝久君 次に、都市再開発法が施行されまして、約八十地区の市街地再開発事業が今日実施されていると思いますが、その実績を踏まえながら現行制度にいろいろな不備な点がある、そういう不備な点を補って、そして所期の成果を上げるためにこの法律案が提案されたものであるというふうに了解をいたしたいのでございますが、現行制度の不備な点は一体どういう点が不備なのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。特に改正案では第二種市街地再開発事業の制度ができることになっておりますが、従来大規模再開発事業が当面抱えておるいろいろな問題点がございます。このいろんな問題点の解決に役立って、そして事業の促進を図ることができるようになるのかどうか、その点について、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#134
○政府委員(吉田泰夫君) 都市再開発法は制定以来各地で一応の成果を見つつありますが、その実績に徴しまして現行制度で不十分な点を申し上げますと、まず第一に、大規模で早急に再開発すべき地区につきまして適用しにくいという面があります。つまり権利変換という手法を用いておりますため、関係権利者の全員につきまして一括して従前の権利の評価額を決める、あわせて事業完成後に与えられる建物の床と、これに対応する土地の権利を特定いたしまして、これを評価し、関係権利者に示してその大方の同意が得られませんと、工事にすら着手できない、こういう点がございます。
 それから、何と申しましても市街地の再開発を本格的に進める、数多くの地点で一斉に始めるということにしなければならないわけですが、これの事業主体として公的機関にのみ頼っていたのでは陣容、組織その他の面でおのずから限界があります。したがって、関係権利者による再開発というものを基本として進めるということがきわめて重要でありますが、そのための制度としては組合施行の制度しかございませんし、さらに高度利用地区という制度もありますが、これもその内容が不備なために再開発事業と関連した地区のみしか指定できない、これを独立に活用することができないという隘路があります。
 以上が制度面の隘路でありますが、そのほか地区内の居住者の生活、営業形態を激変する事業でありますだけに、これに対応するだけに十分な権利者、特に借家権者等の零細権利者の保護というものがありませんと思うように進まないのは当然でありまして、その点でもいろいろと不備、不十分な点があったわけでございます。こういう点を本法案ではいろいろと補ったつもりであります。
 特に第二種再開発事業の制度についての御質問でありますが、これは実質的には権利変換方式と同様の権利者の保護が図られます上に、手法として買収方式という個別処理の方式をとっておりますために、たとえば工場跡地のようなまとまった先行買収地があります場合とか、あるいは権利者と一棟単位ごとぐらいの地区を対象に話し合いがついたようなところから順次工事にかかっていくことができる、そうしてできました再開発ビルにまた地区内の希望者に入っていただいて、さらにその跡を再開発していくというような地区内の転がしということもできることになります。一括して全員の話し合いをまとめる権利変換方式、理想ではありますけれども、大規模な、緊急な事業については適用しにくかったこの制度を、同様の保護を図りつつ実現できる手法と私どもは考えた次第でございます。
#135
○上條勝久君 今回の改正に関連をして、市街地再開発事業において特に借家権者その他、宅開公団法の審議の中にもたびたび発言されておりますが、弱い権利者の生活上必要な助成等の措置についてどういう点をどのように改善をされているか、今後の対策について伺いたいと思います。
#136
○政府委員(吉田泰夫君) 今回の改正法案の内容及びこれに関連した助成措置の強化等によりまして、借家権者その他の零細権利者に対する助成措置として取り上げたものを申し上げますと、まず再開発住宅の制度であります。これは四十九年度から予算的に新設されまして、地方公共団体が国庫補助を受けて建設し、または購入する再開発住宅につきまして、これは大体第一種公営住宅と同様のものでありますが、違いますのは収入制限がない、つまり従来の権利者はすべて優先的に入れるという、国庫補助の収入制限を撤廃した住宅制度を設けたということであります。
 次に、従前の借家権者とか、その他の零細権利者が、再開発に際しまして床面積をふやしたいとか、あるいは借家人から持ち家に切りかわりたいというような御希望の向きも相当ありますが、こういった場合のために今回の改正法案で、保留床を公募によらないで、そういった従前の権利者については特定分譲ができるようにいたしました。また、この特定分譲に際しまして、これも四十九年度から住宅金融公庫融資の限度額引き上げを行っております。また、この改正案の附則で住宅金融公庫法を改正いたしておりまして、従来地方公共団体施行の場合は事業費を起債でもって行っております。住宅金融公庫の資金の借り入れを行っていない関係で、従来の公庫法では公共団体施行の場合の保留床購入資金貸し付けが住宅金融公庫からできなかったわけでありますが、今後はこの法案が通れば公共団体施行の保留床についても公庫資金を借りて一般の方が入れるということになります。まあこれらのほか、基本的には国庫補助の拡充強化等によりまして、まず再開発ビルの原価を引き下げ、原価が引き下がればそれだけ割り安な価格で権利変換ができるということになります。家主が割り安に権利変換できれば、それについていかれる借家人の方の家賃もその際大幅に引き上げるという必然性はなくなりまして、家賃の話し合いがつかない場合に施行者が裁定する場合の基準としても、当然安く評価された再開発ビルの床については安く家賃も評価できるということになります。また、固定資産税の引き下げもこの法案で行っておりますので、そういった管理費等も引き下げられるわけであります。そういった面でも家賃の軽減が図られるというような、いろいろな点をこの法案では盛り込んだつもりでございます。
#137
○上條勝久君 これからの市街地の再開発事業は、住宅や防災の見地から、いままでともすれば商業地区中心の再開発であったと思うんでありますが、住宅地区や防災再開発に比重を移行していく必要がある、私はそのように考えておりますが、御見解を伺いたいと思います。
#138
○政府委員(吉田泰夫君) 都市再開発の目標は、私どもまず第一に、良好な市街地環境の創造である、第二に、都市の安全性の確保である、第三に既成市街地における貴重な土地を住宅地としても供給するような職住近接型の住宅供給に資したい、まあこういったことを考えておる次第でございます。しかしながら、従来着手されてきました再開発事業の多くは、おっしゃるように、駅前広場とか商業繁華街等に主として片寄っていたことは否めない事実でございます。これはいろいろ財政、金融、税制上の優遇措置が手薄かったために、それぞれでもなおかつ事業化に踏み切れるような場所ということでおのずからそういった場所に片寄ってきたわけでありますが、おっしゃるとおり、今後の再開発の本来の使命から見れば、そういった場所もちろん今後とも必要でございます。そちらを軽んずるいわれもありませんが、そういうところばかりでなくて、むしろ住宅地あるいは住工混合地区といったところを大いにやっていかなければ、本当の意味の防災都市とか、環境良好な都市の改造ということは図れないと思います。また、現に、東京江東地区などで防災拠点の事業が再開発手法で行われておりますが、こういったものも江東地区に限らず、他の地区あるいは他の都市においても必要だと思います。こういったまさに防災拠点の形成というものも再開発事業に課せられた非常に大きな役割りだと思います。以上のような個所は従来の商業地区に比べれば事業の収支計算というものがそれだけ困難なことは当然でありますので、そういったところにも適用できるような助成措置というものをいろいろ考えまして、四十八年以来の補助制度及び減税措置等によりまして、何年かかかってその基礎を一応つくり上げてきたつもりであります。今後、この法案の成立を待ちまして御指摘のような方向に大いに力を入れたいと考えます。
#139
○上條勝久君 両法案によって市街地再開発促進区域、それから土地区画整理促進区域、さらに住宅街区整備促進区域という三つの促進区域が決められることになっておりますが、これらの区域内の権利者に事業の実施に努めるような責務を課して、一定期間内にこれが施行しない場合には、当該市町村等の法的機関がかわって事業を実施するということになっていると、そう思いますが、従来この促進区域を決定する場合であるとか、あるいは市町村等が事業を実施する場合には、事前に権利者の意向を十分に尊重して行うように心がけていかなければ住民のコンセンサスをとる上におきましてもなかなかであると思いますが、この点についての心構えを伺いたいと思います。
#140
○政府委員(吉田泰夫君) この両法案に盛られております促進区域と申しますものは、主として関係権利者による市街地の計画的な整備または開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定めることになっております。そういった整備とか開発といった積極的な行為を促そうということでございますので、単に条文に定めている要件に合致するというばかりでなくて、実際の実務といたしましては、権利者による整備または開発の機運がある、そういった機運を背景に権利者による整備開発というものを十分期待し得るというような場所でなければならない。そういう意味では、促進区域を都市計画として決めます場合には、事前に十分関係権利者の意向を打診しまして、まあ打診に当たりましては、いろいろとこの事業の特質、特色、こういったものも説明いたしますが、そういったことによって、大方の御意向がよかろうということを踏まえまして、その意向に即して指定するという運用を図りたいと思います。また、促進区域につきまして市町村等が事業を実施する場合が想定されるわけでありますが、そういう場合につきましても、これまた事前に権利者の方々と協議を行うなどによりまして、その意向を尊重して実施することといたします。
#141
○上條勝久君 これは後先になった感じがいたしますけれども、きょう採決されました宅開公団法も、今度の特別措置法案も、三大都市圏の住宅宅地難の解消を目的としておるという点については全く同じであろうと思うんでありますが、そこで宅開公団法とこの特別措置法案とは、具体的に一体どんな関係にあるのかどうか、その辺の事情をひとつ伺いたいと思います。
#142
○政府委員(吉田泰夫君) この法律案も、宅地開発公団法も、ともに三大都市圏の住宅宅地難を打開するために宅地の大量供給をねらいとしているという点では共通でございます。しかしながら、一番違いますのが、その同じ三大都市圏と言いましても、主として対象とする場所が違うと思います。つまり、宅地開発公団法というのは、三大都市圏の中でも、その周辺の地域を大規模に、宅地開発公団という公的主体が大規模にまとめて開発しよう、いわば新都市をつくるというような意味合いで供給していこうというものでありますのに対し、この特別措置法案で規定しております事業は、同じ三大都市圏の中でも、さらに既成市街地に近い、既成市街地に接する部分から始まってその周辺部に近くまで及ぶというような地域を主として考えまして、そういう場所では大規模にまとまった更地がなかなか残っていませんから、これは数多く中小規模でありましても拾い出しまして数をこなして、もって大量に結びつけよう、こういうものでございます。もちろん法律の性格も、宅地開発公団法は文字どおり公団という組織をつくる法律でありまして、それにいろいろ新しい権限を与えるというものでありますが、この特別措置法案は、むしろ事業法といったものが主体となりまして区画整理法の特例を開いたり、あるいは住宅街区整備事業といった新しい面開発事業の手法を開いた、こういった関係のものであります。したがいまして、事業主体としてもまず関係権利者にやっていただく、次いで公的機関も場合によっては乗り出す、こういった仕組みであります。
#143
○上條勝久君 そうしますと、現在の段階では提案されただけでありますが、しかし長い間御検討されておる法案でありますから、その実施の見通し等についてもかなり突っ込んだ検討がなされておると了解いたしたいんでありますが、この特別措置法案の施行によって一体住宅と宅地がどの程度供給されるようになるのか、そのお見通しがわかっておればお知らせいただきたい。
#144
○政府委員(吉田泰夫君) 私どもはこの法律案をかなり土地所有者の方々にも魅力のある事業であろうと思っておりますし、法案が成立いたしました場合にはその内容、特色というものを県、市町村を通じ、関心のあられるような地域の権利者の方々にまできめ細かく周知徹底する必要がございます。そういったことが漸次急速に浸透していくということを前提としなければなりませんが、そういったことによりまして何とか早急に住宅宅地難に対処したい、こう思っております。そういうことで、なかなか全体計画として今後のこの法案による宅地供給見込み量を端的に申し上げるわけにはまいりませんが、しかしながら、一応私ども希望的な目標といたしまして考えている数字がございますので、それを御説明申し上げます。
 それは、昭和六十年までにまず特定土地区画整理事業では七万ヘクタール程度の規模の事業着手をしたい。そのうち事業として整備完了するものが約四万ヘクタール、残りは六十年度以降に完成するであろう。四万ヘクタールと申しますのはグロスでありますから、その中から集合農地区とか公供施設用地等の宅地にならない面積約半分を除きますと、宅地供給面積としては二万ヘクタールに当たると思います。
 それから住宅街区整備事業につきましては、これは中高層住宅まで建てる事業でございます。まあ面積的には区画整理事業ほど大量に望むわけにいかないと思いますが、何とか三千ヘクタールぐらいを着手し、うち二千五百ヘクタールぐらいを完了いたしまして、住宅に換算すれば十三万ないし十四万戸ぐらいを住宅街区整備事業で供給したい。あくまでも法案成立後の私どものいろんな努力を前提としての話であります。一応の目安として申し上げた次第でございます。
#145
○上條勝久君 この区画整理の手法というのは、昔から都市計画の母とまで言われておるような手法でありまして、やり方さえ非常に適正であれば私はまことに公平な施行ができるんじゃないかというふうにかねて思っておりますが、どうかひとつ、これからいろいろ審議もされますけれども、ただいまお話のような目標が達成できるように十分御高配をいただきたいと思います。
 次に、特定土地区画整理事業、それから住宅街区整備事業で、先ほども権利者の意向等は十分に尊重して対処していくというお話がありましたけれども、農業者であるとかあるいは関係権利者の意向を本当に尊重してそして対処していただかなければならないと思いますが、このことについていろいろ創意工夫をお考えになっておるのかどうか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
#146
○政府委員(吉田泰夫君) 農業経営者や関係権利者の意向に沿うような魅力のある事業ということには、私どもも最も意を注いだところでございまして、まず集合農地区の制度を設けたことを申し上げたいと思います。
 これは一般的に農地をすべて宅地化するというのでは、農業を全部放棄しなければならぬ、生活の全部を激変させなければならぬというようなこともございまして、全部宅地化ということにはかなり抵抗感がございます。集合農地区は施行地区のおおむね三〇%の範囲内ということになっておりますが、つまり全体の方が希望されるとすればお一人当たり三分の一ずつぐらい残せるという数字でありますし、全部農地を宅地化してもいいという方がおられればその分だけ残った方には三分の一以上の農地が残せるということでございまして、そういう点ですべてを宅地化しろということに伴う抵抗感が相当排除できるんではないか。
 二番目には、特定土地区画整理事業につきましては、共同住宅区という制度を設けております。また、住宅街区画整備事業につきましては施設住宅区という制度を設けております。これはいずれも市街区域の中でも地価のかなり高いようなところもありますから、こういうところでは、単に区画整理だけして宅地として供給するというのでは全体の価格も高くなり過ぎまして、国民大衆の住宅、宅地の需要にも応じ切れない。また権利者から見ましても、そのような需要の余り多くないような形での供給というよりも、国民大衆の需要に応ずるような形での供給の方が経営としてもいいのでないか。何よりも住宅をつくってそれを保有して賃貸といった形で経営するということの方が将来の安定的収入、一時に宅地を切り売りするということの弊害が免れるんではないか、こう思います。
 いずれにしても、この両方とも土地を買収する方式ではなくて、換地とか立体換地の手法によりまして土地は従来どおり農民の方の所有として残しつつ良好な住宅市街地として整備するものでありますから、そういう意味でも基本的に権利者の意向に合いやすいシステムでございます。
 なお、制度面以外にも、事業実施につきましての国庫補助、金融、税制上の優遇措置をいろいろ講じておりますから、それだけ権利者の負担が軽減されておりまして、いわば開発利益を余分に受けられるということにいたしておる次第でございます。
#147
○上條勝久君 特定土地区画整理事業は、住宅事情にもよりますけれども、単に大都市だけでなくて中核都市の周辺においても将来施行できるようにされることが、望ましいというふうに考えますが、対策がおありかどうかお聞かせいただきたい。
#148
○政府委員(吉田泰夫君) 私どもこの法案を提出いたしましたのは、三大都市地域の切迫した住宅宅地難、これに何としても対処しなければならないというところから出発いたしまして、そういう意味で特定土地区画整理事業は促進区域という土地所有者に対する努力義務を課する制度とあわせまして、その努力義務に対応する特別の特例を開きあるいは特別の優遇措置を講ずるという仕組みでつくり上げました。すなわち、集合農地区というような先ほど申しましたような制度は本来区画整理まで行って相当の国費、地方費をつぎ込んでまで行う事業であるにもかかわらず、その三分の一程度なお農地として残せる。事業の効率から見れば、かなり効率は悪いのですけれども、しかしそこまでして土地所有者の希望に沿うようにしたい。全体としての宅地供給量をふやしたい、こういう仕組みを考えたわけでありまして、また反面、義務教育施設用地を取らなきゃならない。応分の義務教育施設用地あるいはその代替地を取らなきゃいけないというようなことにもしておりまして、こういったものはやはり住宅宅地事情が極端に切迫し、また学校用地の取得難というものも極端に顕在化している大都市地域に特有のことではないか、こう考えます。言うなれば促進義務規定という措置がかみ合いました制度でありますので、住宅難がこれほど切迫しているとは言えない地方中核都市などにおきましては、当面は適用できないのではないか、こう考えますが、しかし今後これらの地域における住宅宅地事情というものの推移もよく見守りまして、私どもとしても御指摘の趣旨を十分慎重に検討さしていただきたいと思います。
#149
○上條勝久君 これは大事なことかと思いますが、市街地再開発事業や土地区画整理事業、さらに住宅街区の整備事業を円滑に推進していく、そのためにはやはり何といっても今後助成措置を拡充する必要がある、かように考えます。その点について基本的にどういうふうにお考えになっておるか、さらに来年度の予算、これはもう目睫に迫っておるわけでありますが、もし本法案が公布されることになりますれば、事業計画をどう拡充されるおつもりであるか、できればこの点については大臣からお答えをいただくとありがたいと思います。
#150
○国務大臣(仮谷忠男君) 必要があれば細かい計画は局長からお答えをさせますが、先ほどからいろいろ御質疑もありましたように、市街化地域の再開発法というのは、従来の権利交換の手法から用地買収による新たな一つの方法等を考えておるわけでありまして、特に最近の大都市における環境の悪化や特に災害の危険、そういったものを一日も早く排除していくための手法として、私どもは積極的に進めていきたいと思っております。
 大都市に関する特別措置法の問題は、御承知のように特定土地区画整理事業あるいは住宅街区整備事業といったものをこれは特に三大都市圏の中の市街化区域内で施行していこうというわけで、ちょうど先ほど御決議をいただきました三大都市圏の周辺で宅地造成をやる場合とこれは内部の場合というふうに私どもは考えておるわけでありまして、しかもその内部にある土地等の所有者のみずからの発議によって宅地開発事業をやるあるいは住宅建設をやっていこうという、それによって大都市圏内における住宅宅地の対策を立てていこう、これは新しい一つの制度でありまして、ぜひひとつ積極的に進めていきたいと思っております。
 幸い法案が成立することができましたなれば、今年も若干予算を組んでおりますから、予算はフルに活用をして、これはモデル地区と申しますか、これが一番大きな問題だと思います。りっぱなモデル地区ができれば、私はこれはかなり前進するのではないかという感じを持っておりますから、そのために全力を挙げていきたいと思います。来年度は実質的にはこの法案が実施された初年度になると思うわけでありまして、そういう意味において、本年度の予算施行モデル地区の設定等によりましては、来年度は思い切ってこれはわが内閣の、三木内閣の一つの大きな柱でもございますから、ぜひひとつ予算は大幅に確保するように努力をいたしてまいりたいと思いますし、その内容はむしろ融資の問題、補助金の問題、いろいろ局長から御答弁を申し上げたとおりでありますが、新しい制度として明年度は積極的に本格的にひとつ進めてまいりたい、そういうつもりで努力をいたしておるつもりであります。
#151
○上條勝久君 ありがとうございました。
 それではこれで質問を終わりますが、最後に、この両法案による事業の実施に当たっては、きわめて適正な行政姿勢で、いやしくもこの関係住民の反発を招くようなことのないように十分な御配慮をもって対処していただきますようにお願いを申し上げて私の質問を終わらしていただきます。
#152
○委員長(中村波男君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後三時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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