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#1
第075回国会 建設委員会 第14号
昭和五十年六月十九日(木曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     遠藤  要君
     渡辺  武君     上田耕一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 波男君
    理 事
                上田  稔君
                大森 久司君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                古賀雷四郎君
                坂野 重信君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                小野  明君
                小谷  守君
                松本 英一君
                二宮 文造君
                上田耕一郎君
                春日 正一君
                三治 重信君
   国務大臣
       建 設 大 臣  仮谷 忠男君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      下河辺 淳君
       国土庁土地局長  河野 正三君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省計画局参
       事官       大富  宏君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省道路局長  井上  孝君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○都市再開発法の一部を改正する法律案(第七
 十二回国会内閣提出、第七十五回国会衆議院送
 付)
○大都市地域における住宅地等の供給の促進に関
 する特別措置法案(第七十二回国会内閣提出、
 第七十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村波男君) ただいま、から建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、井上吉夫君及び渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として遠藤要君及び上田耕一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中村波男君) 都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案を一括議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○沢田政治君 都市再開発と、余り長ったらしい法律ですから、大都市法案という略称で私は発言いたしたいと思いますが、この質問するわけでありますが、その前に、宅地開発公団法がきのうの本会議で通過をして、野党の反対にかかわらず成立をいたしたわけであります。まあそれぞれ新聞が一斉にこれに関する報道を掲載しておるわけでありますが、その際に、やはりわれわれの不安というものが建設省みずからによって裏づけられたと、こういうような記事が出ておるわけですね。といいますのは、当初から私どもは宅地開発公団法ができても、この公団ができても、低廉に庶民の手の届くような価格で果たして宅地が造成されるかどうかというのが論議の焦点になったわけですよ。終始一貫して、まあわかったようなわからぬような、十万円でできるというような弁解をしておったわけですが、ある新聞の記事を見ますと、十万円の宅地分譲はやはりこれはむずかしいと、法律が通った途端に今度はむずかしいなんて、ある建設省の方の感想が載っておるわけで、非常に不信感を持つわけだ。通すまではこれは十万円で提供させますと、努力しますと言って、通った途端に、建設省の参事官か何かがこれはむずかしいだろうと言うのは、これは人をばかにしたことだと思うですね。これは国会軽視だと思う、愚弄していると思うんです。非常に不信感を持つわけだね。あの審議途中からむずかしいということを考えておりましたか。これは大臣、どうですか。
#5
○政府委員(大塩洋一郎君) 宅地の価格につきましては、繰り返し御質問のあるたびに私どもは従来の公的宅造の比較的大規模なものについて、いままでの経験から徴してみましても、現在の価格で言えば十万円――七万九千円ぐらいの平均になっておりましたから、まあ現在の価格で言えば十万円の程度の価格で供給し得る可能性は、モデルではあるけれども、見通しはあるというふうに答えたのでありますし、したがって、いまの段階で推計すれば十万円程度のものは可能であろうというふうに、場所によっては違うけれどもという前提を置きながら答えてきたのであります。したがって、十万円で供給しますという意味ではっきり申し上げたことはございませんけれども、いまの感じで言えば十万円の価格で供給可能であるという言い方で申し上げてきたとおりでございます。
#6
○沢田政治君 もちろん三・三平方メートル十万円というのは、私どもの理解としても、将来も十万円と考えておりませんよ。これは物価がどういうふうな趨勢をするかわかりませんから、もう五年後、十年後は果たしていまの貨幣価値が貨幣価値なのか、物価がどうなるのか、それはもう不確定要素が多いわけだ。だから、われわれ十万円と言ったのは現在の価格で言っておるわけで、その限りにおいては理解と認識が一致しておるわけだ。ところが、参事官だか何か新聞に談話を発表した方が、恐らく現在の値段で言っていると思いますよね、それで無理だと言っているんだから、どういう見地でああいう新聞にああいう談話を――談話というのか感想というのか、出したのか、その人をここへ連れてきてください。
#7
○政府委員(大塩洋一郎君) 私はその記者会見に立ち会っていなかったために、後で事後の報告を受けたのでございますが、ああいう記事が出ましたのは、いま私が言いましたような言い方をそういうふうに受け取られて書かれたものだというふうに私は聞いておりますし、またそのような答弁をしたと私は聞いております。
#8
○沢田政治君 この問題で押し問答しませんが、法律を通すためにたてまえを主張しておって、法律が通過した後に本音を出すなんて、こういう態度は許されないと思うのですよ。この点だけは厳重に今後国会審議に臨む態度として考えてほしいと思うのです。全く愚弄されたような感じを持つわけですからね。まあこれで余り押し問答はしません。
 そこで、率直に言って建設省は実施官庁であるわけですね。ものを企画するところじゃない、実施していく実施官庁であるわけですね。工事を企画、施行していく官庁であることはこれは間違いありませんが、この実施官庁がやたらに法律が多いという感じを私は持っておるわけですね。これでもかこれでもかと同じ目的――完全に同じ目的だと思いませんが、大体同じような目的に対して幾つもの手法を出してきて、次々法律を乱造していくというような傾向を私は感ずるわけですね。何も法律が少ないからいいとか、多いからどうとかと、こういうわけじゃありませんが、いずれにしても多いような感じを持つわけですね。そうしてそのできた法律がどういう作用をしておるのか、全然そこには反省もない。盲腸のような法律も出てきているわけですね、作用もしない法律。でありますから、私どもが建設関係の法律を見る場合非常にこんがらがっちゃうわけですね。でありますから、この際こういう法律の乱造というのは果たしていいのかどうか、これは総括してみる必要があるというふうに私は率直に感ずるわけですね。といいますのは、昭和四十七年制定の新都市基盤整備法の実施状況ですね。これと昭和四十八年制定の都市緑地保全法、昭和四十九年制定の生産緑地法、昭和四十六年制定の農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、こういうふうに非常に多いわけだ。まだたくさんありますが、特にこの新都市基盤整備法、これはどういう功罪を持っていますか。全部、全然というわけにいきませんが、ほとんど冬眠しておるような状況じゃないかと思うのですね。そうして今度はまた大都市法を出してくる、要らぬものはもう整理しちゃったらいいじゃありませんか。そういう感じを持つわけだが、どうですか。いま言いました四つの法律はこういうように実施されて、どういう効果を上げて今日に至っているか、詳細にこの四つの法律の実施状況をここで説明してほしいと思うのです。
#9
○政府委員(大塩洋一郎君) まず、新都市基盤整備法につきまして御説明いたしますが、この法律は昭和四十七年の六月に通りまして十二月施行になった法律でございます。自来二年半、この法律に基づく事業につきましてはまだ行った例がございません。大体この法律は、大都市地域におきまして大型の宅地開発を行いますために、従来の新住宅市街地開発法という収用法でございます、それと、区画整理法を用いて大規模なものをやります場合には先行四割買収をしまして集約換地する、いずれも長所があると同時に短所があります。一方は全面買収しなければいけない、一方は減歩あるいは換地という手法を用いながらその全面を整理していかなければならない、相当時間もかかるというようなことで、大都市周辺の実態から見まして、この両者の長所を取り入れるような形の法律として制定の必要があるということで制定されたものでございます。しかし、そういう大型開発でございますために五百ヘクタールを――大体ヘクタール当たり百人ないし三百人としまして五万人という、だから大体五百ヘクタールぐらいの大型のものが必要だということで、そういう要件に合うような事業が二年半の間に、いまだその間にはなかったということでございまして、これはまだ行われておりません。宅地開発公団を中心としまして今後大規模開発の推進を図りますためにはこの手法が大いに活用されるであろうというふうに考えておりますが、その制定されまして以後、二年半の間にはまだ活用されていなかった、こういう状況にあるわけでございます。
#10
○政府委員(吉田泰夫君) 次に、都市緑地保全法について申し上げます。
 都市緑地保全法に基づく緑地保全地区は、現在までのところ、首都圏近県の近郊緑地特別保全地区など、従来から指定されていたものを含めまして三十二地区、千三百二十四ヘクタールが指定されておりますが、このうち都市緑地保全法制定以来新しく指定されたものは札幌市、北九州市及び福岡市の十九カ所、七十七・三ヘクタールでございます。この法律は昨年二月に施行され一年有余期間を経過しておりますが、その間私ども制度の趣旨の周知徹底に努めてきました。なかなか権利の規制の程度が強いものですから、御指摘のようにいまだその指定が十分進んでいない点は遺憾であります。なお建設省におきましては、都市における総合的な緑地体系のあり方を示すために、緑のマスタープランというものを策定して、そういったものの中にこの緑地保全地区も位置づけるということがやはり計画的な緑地保全地区の指定の促進になるのではないかと考えておりまして、そういう作業を進めておりますとともに、各地方公共団体を通じまして、これが趣旨の徹底に努めているところでございます。なお非常に厳しい規制があるのに対し、土地所有者にとってメリットがないという点がかなり抵抗感を受けておりますので、鋭意自治省と折衝いたしまして、昭和五十一年度からはこの緑地保全地区内の土地の固定資産税をおおむね二分の一程度評価を軽減することにより、税額も軽減するということといたしまして、自治省からもうすでに通達が出ているところでございます。こういった税負担の軽減があれば、緑地保全に協力していただける機運も出てくるものと思い、こういった優遇面とあわせまして、今後さらに本法の趣旨が生かされるよう努めたいと思います。
 次に、生産緑地法でございます。これは四十九年の八月末から施行されておりまして、その施行に当たりまして、建設省としても通達により指導いたしますとともに、とりあえず三大都市圏の都府県、市町村、これが最も重要でありますので、こういったところに十分説明会を行ってきております。生産緑地地区の都市計画が決まりますのは、ごく近くにおいて松戸市で初めて行われる予定でありますが、さらに引き続きいろいろ検討を、候補地を固めつつある都市もございます。施行後間がないとはいえ、このような状況にありますことはこれまた遺憾でありますが、ただ、生産緑地法ができましても、例の農地の宅地並み課税の適用を事実上排除するような農地の保全奨励策というものが条例あるいは要綱等によりまして各市町村でかなりの数にわたって実施されておりまして、これは同法の審議の際も、生産緑地法ができればいきなりやめるということなく、少なくとも三年とか五年といったその市町村の農地奨励策で定めた期間が経過するぐらいまではなお存続させるべきだということで、自治省としてもその経過措置期間はやむを得ないでしょう、こういうことになっております。なおそのときにあわせて問題になりました生産緑地法の制度の内容と異なるようなものがもしあれば、これは競合するわけではないから今後とも存続し得るものだ、こういうことにもなっております。当面その経過期間がまだその途中であって、言うならば市町村の措置によって宅地並み課税が大幅に適用を免れ、あるいは大幅に還元されているという状況、このことは生産緑地に指定されることの農地所有者からのメリットがまあほとんどないということにもつながるわけでございます。
 御承知のように、生産緑地は権利者の同意を要するものですから、そういう点でも思い切った指定がしにくい。やはりいろいろな趣旨を説明し、納得をいただくという努力から始めなければならぬという点がございます。また、宅地並み課税そのものも急激に引き上げるものではなくて、四年ほどかかって逐次上げるということですから、その税率自体も現在まだ低いという段階でございます。今後そういった経過的な状態が変わってくれば、農家の方にとりましても生産緑地の指定を受けて規制を受ける反面、固定資産税の軽減を期待できるということになりまして、同意を得られるケースも多くなってまいりますと思いますので、今後とも市町村あるいは農協等を通じましてこの制度の趣旨の徹底に努力いたしたいと思います。
#11
○政府委員(山岡一男君) 農住利子補給法の現状について御報告いたします。
 本制度は昭和四十六年度に創設されましたが、初年度は三百五十一戸、四十七年度に千三百八十四戸、四十八年度に千三百七十三戸、四十九年度に千六百一戸いままでに四千七百九戸の実績がございます。予想いたしましたよりも契約戸数が少ないわけでございますが、この理由といたしましては、この間におきます資材の高騰等もございましたが、市場金利が大変高金利になってまいりまして、ところが、本制度におきましては融資機関が九%以下の金利で融資を行うということを要件といたしております。それに対しまして国が三分五厘以下の利子補給をして、現実には五分五厘以下になるということを期待した法律でございます。したがいまして、農地所有者等に対します融資が、最近の高金利のために九%以下の融資がなかなか得られがたかったということが最大の理由でございます。
#12
○沢田政治君 まあ、ざっと聞いたわけですが、特に昭和四十七年と言いますと三年前ですよ。三年前制定された新都市基盤整備法が、この手法で何もやっていないというのは、これはやっぱり法律のつくり過ぎだよ、これは。大体実施官庁の建設省の法律というのは、ある目的と計画を持って、こういうことでこの法律でこうしてやるのだという一つの目的、計画がなければならぬと思うのですね。事実が先であって法律は後ということになるのが当然だと思うのですよ。ところが、法律が先にあって、後はもう事業というのは、後でゆっくり考えようというのは法律万能主義だと思うのだよ、これは。どう考えても。そうでしょう。
 いまこの法律が一応なったら、いま出したらいいじゃないですか。もう三年も前に法律を出して何にもやっておらぬなんというのは、こういう態度はいかぬと思うのですね。大変法律好きですな、皆さんは 迷惑ですよ、こういうやらないような法律をつくってもらって。これは反省すべきだと思うんだよ。どうだ、計画局長。
#13
○政府委員(大塩洋一郎君) 当時はこの法律が制定されます場合に予定された地区があったのでございますけれども、その後こういった大型開発の拒否反応等もありまして、先ほど来申しますように二年半たまたま行われなかったのでありますが、今後大都市周辺地域における大型開発につきましては新住法とか区画整理法のほかに、その欠を補う手法ができておるということは、後で御審議いただきます大都市圏における大型開発等につきましての協議会等におきましてもいろんな手法をそろえておるという意味において、私はこの事態を乗り切るための有力な手法として使い得るというふうに評価しておりますが、確かにその当時予定しておった地域につきましてまだ行われていないということははなはだ遺憾である。その二年半の間に行われました大型のものと言えば、三百四十六ヘクタールの竜ケ丘団地ぐらいのものでありまして、そういう事情がありましたので、今日まで行われなかったということははなはだ遺憾であります。
#14
○沢田政治君 答弁のための答弁を聞いておるわけですが、これは答弁にならぬと思うのですよね。だから、やっぱりこういう点は反省すべきだと思うのですね。恐らく私はもう宅地開発公団もこれの二の舞になるだろうということは予告しておかなくちゃならぬと思うのですね。恐らくそうなりますよ。だから、法律を出す場合、具体的な計画と、やらなくちゃならぬという目的を持って法律を提出すべきだということを私はこの際警告しておきたいと思うのです。
 次に、生産緑地の問題も余り事例としてはそう進んでおらぬと思うのですが、特にぼくは生産緑地と大都市法案は真っ向からぶつかる法律じゃないかと、こう考えるわけですね。というのは、この市街化区域内の農業ですよ、それに地権者に何というか義務を負わせて期限を区切って代行してでもやっちゃうというわけですからね。恐らくこれはもう何というか、覇権主義というのか、権力をもって農地を取りつぶすという手法なんだよ、これはね。細かいことはたくさんあるけれども、大ざっぱに言えば。だから、この前につくった生産緑地法と、いまのと、大都市法というのは非常に性格がうらはらなわけですね。われわれはやはり都市というのは、家がたくさん建つのがこれが都市だと思っておらぬわけですよね。山あり、川あり、やはりそういう農地があり、そういうものが非常に心に安らぎを与えておる良好な都市というように私どもは理解するわけだ。今度はそういうようにがんばっておられちゃ困るからいろいろな地域指定をして、そしてこれはもう一挙にやりやすくしようという一つの法律だから、目的においては全くこれはもう背反する性格を持っておると思うんだけれども、これをどういうように理解、認識していますか。
#15
○政府委員(吉田泰夫君) 確かに生産緑地法は市街化区域内に生産緑地というものを計画的に残したいという方向の法律でございます。しかしながら、生産緑地法の中でも第一種と第二種に分けまして、区画整理などを行っていないところは第一種のみあり得る、これは恒久的な都市計画決定でいくのだ。これに対しまして、区画整理等行った地区におきましては、区画整理による宅地供給も非常に重要でありますから、おおむねその三割を限度として第二種の生産緑地地区を指定でできると、こういうふうにいたしました。一方において、その有効期限を十年と限っておりまして、十年たったときにさらにあと一回十年だけは延ばせるということでございまして、区画整理を行いましたところにおきます生産緑地はその一部に限り認める、また、かなり長い期間でありますが、期限がついているんだという仕組みにいたしております。この法律はまさにそれを受けてつくりましたつもりでありまして、要するに土地区画整理事業とか、住宅街区整備事業を行いますので、そういった宅地供給のための面的整備を行いました地区につきまして第二種生産緑地地区の指定を当然決定しなければなりません。そこで、従来の土地区画整理法等になかった集合農地区という制度を新たに設け、この集合農地区は全面積のおおむね三〇%の範囲内で御希望に応じてつくるということにいたしておりまして、その要件も生産緑地法の第二種生産緑地地区の指定要件と全く一致さしております。したがいまして、まず御希望があれば集合農地区という形で農地をまとめて存続することができる。さらに御希望があればこれを第二種生産緑地地区に指定するように直結させよう、こういうことでありまして、決して矛盾するものとは考えておらず、やはり特に大都市圏における住宅宅地の供給の増大という要請と、一方において生産緑地を残したいという要請を合わせかみ合わせた仕組みと私ども考えます。
#16
○沢田政治君 もちろん質問する私の立場としても、都市計画法に基づいて線引きをした、そこが全然開発されずにもう何というか、騰貴待ちといいますか、値上がり待ちということで、これは放置しておいちゃいかぬということは私もわかりますよ。ただ、生産緑地というか、現になりわいとして、生活手段として農業を営んでいる者を強権で覇権的に権力の力で押し倒しちゃいかぬ、こういう懸念もあわせてあるわけですね。
 そこで、お聞きしたいのは、目的は第一条で書いていますから、何も目的は言わなくてもいいと思いますが、どういう背景で大都市法案というものを提出したか、この点についてお伺いしたいわけです。といいますのは、昭和四十八年七月二十三日だと思いますが、都市計画中央審議会から出された答申がありますね、それと、また同じ年の十一月一日に行政監理委員会から「住宅対策のための土地行政の機構および運営のあり方について」、こういう答申が出されているわけですね。これを受けて、これを踏まえてこの法案が出てきたんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#17
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のとおりであります。
#18
○沢田政治君 ところが、この行監から出された答申の中には、確かに土地のレンタル制ですね、これが出ておったと思うのですが、今度の法案の中にはどこにこれは盛り込まれていますか。農住の問題は若干触れられておりますが、これはどうするんですか、これは活用するのですか。
#19
○政府委員(山岡一男君) レンタル方式につきましては本年度から計画に入りたいということでございますけれども、先ほど先生もおっしゃいましたが、農協等とも相談いたしておりますけれども、まだ具体の候補地が確定いたしておりません。本年度中に五カ所ぐらいをぜひとも計画にのせたいというために予算補助でございますが、国庫補助金の一千万円を計上いたしておりまして、現在制度化等につきまして農協中央会等と協議中でございます。本年度から五カ所選びましてモデル的に実施をする、将来これをいろいろな意味で軌道に乗せていきたいと考えておるわけでございます。
#20
○沢田政治君 この法案の中には、何かそういうことを示唆していますか。
#21
○政府委員(吉田泰夫君) 農地のレンタル制度自体は、この法案には触れておりません。いろいろな農民等土地所有者の意向に即しながら宅地供給も促進するという手法の一つのあり方としてレンタル制度が提案されておるわけでございます。いま局長からお答え申し上げましたように、なお検討すべき点もいろいろありますものですから引き続き検討しているわけでありまして、この法案では、同じく行政監理委員会提言の中でそれ以外の項目についてるる述べられました点を中心に法案化いたしました。これによりましても、農家の方々の意向に即しつつ住宅なり宅地の供給に資することができるというつもりでありまして、レンタル制度自体には直接には触れていないということでございます。
#22
○沢田政治君 この法案は組織法じゃないんだから、これは実施するための手法でしょう。それをレンタル制も活用したいなんて言っているんだけど、やっぱり法案に明確にすべきだと思うんですね。だから、農民とか農協に対しては非常にデリケートな神経を持っているんだなあ、建設省は。こういうのに余りさわらない方がいいと、こういうようによけて通ると、こういうような感じを持っているわけですね。やっぱり開発するということになると農地ですよ、対象は。その他の遊休地もあるでしょうが。だから、やっぱりこれと真正面に、農住の問題にしても、土地のレンタル制の問題でも、真正面から取り組んでいくというようなこういう気持ちがなければ、やっぱり敬して遠ざかるということじゃいかぬと思いますよね。だから、非常に建設省の農民なり農民組織に対するデリケートな心理が明らかにこの中に浮き彫りされていると、こういうように、私の邪推かもわかりませんが、そう感じてならぬわけですね。といいますのは、やはり相当の強権を持っていますから、期限を区切ってこれやっちゃうわけですから、ローラーのようにばぁっとつぶしちゃうわけですから、農業を。その場合、これは収用権なんかもそこまでいかぬと思いますが、そんな覇権的なことはやらぬと思いますが、いずれにしてもやはり騰貴のために持っておる農地であるならば、これいざ知らず、生活のために、生活の手段として農地を持っておる場合は、金でこれは収用されたんじゃ生活のめどがつきませんよ。いまの自民党の政治によって、もう今日の貨幣価値があすの価値であるかどうかわからぬわけでありますから、金だけでは生活の設計が立たぬと。したがって、所有権を持っておって、やはり将来の生活の安定というものを期したいと、こういう心理に農民がなることはこれは当然ですよね。でありますから、今度の法案に土地のレンタル制の問題が明確になっておらぬというのは、やっぱり私はこれは重大な法律上の欠陥だと思うんだけれども、いかがですか。
#23
○政府委員(山岡一男君) レンタル制の運用につきましては、先ほど申し上げましたとおり、ことしモデルの設計をやりたいということで始めておりますけれども、もう一つ先ほど御説明いたしました農住法、それから固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法、いわゆるあめ法でございますが、そのほかにやはり予算補助で特定賃貸住宅というのをやっております。これは地方公共団体が一枚かみまして、やはり利子補給をするという制度でございます。そのうちの農住とあめ法につきましては五十年度限りで法律が終わるということになっております。それらのものをあわせまして、制度的にもう一遍抜本的に検討をした上でレンタル制も必要ならば法律化をしようということでございまして、当分の間は予算補助でございますが、前向きに検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#24
○沢田政治君 次に、土地区画整理事業ですね、この実施状況についてお聞きしたいわけですが、まあいろいろな欠陥もありますね、区画整理事業には。ありますが、しかし、今日までこの手法が非常に多く用いられてきたわけですね。表現をかえて言うならば、都市計画の母と、こう言うほど、これによってなされた戦後の戦災復興から公共事業、非常に行われてきたわけです、これは数々の欠陥を持っておることは事実ですが。したがって、この事業というものは今日までどういう業績を残してきたのか、ひとつこの際改めてお聞きしておきたいと思います。
#25
○政府委員(吉田泰夫君) 現在までに全国で約五千七百地区、二十四万ヘクタールが施行されておりまして、そのうち完成を見たのが三千九百地区、約十四万五千ヘクタールに上っております。
#26
○沢田政治君 それから新住宅市街地開発法の手法と併用して、同じ場所じゃないと思うんだけれども、隣接した地区で区画整理事業を住宅公団ですね、これで実施しておるわけですが、これの状況はどうなっていますか。
#27
○政府委員(大塩洋一郎君) 新住宅市街地開発事業と一緒に地区を隣接してやっているというようなケースは現在五カ所ございます。申し上げますと、多摩ニュータウン、研究学園都市、それから泉北、それから高陽団地と申しまして広島県にございますが、それから名谷団地と申しまして、神戸の須磨ニュータウンの場合でございます。この五つのケースがございまして、そのうち多摩の場合、泉北の場合、それから高陽団地の場合、広島県の。この場合は、地理的な条件から言いまして、新住の区域を決めましたときに除かれた川沿いの地域であるとか、あるいは一部の集団して固まっておるところというようなものは、区域に適当でないというので外されたというようなタイプでございます。その外されたがゆえに、新住宅市街地開発事業としてはそれでいいんですけれども、残されたところが、周辺が市街化して条件が変わってしまいますために、残された集落にとっては、これは出口もないとかいろんなギャップが出てまいります。これのいわば一種の後始末と申しますか、それを一緒にやらなければその集落の非常に条件が悪くなると、こういうことで同時並行的にやったというような性格の区画整理が行われました。そのほかの研究学園都市あるいは名谷団地、神戸の。というものは、初めから地区選定に当たりまして、本当は一つの事業でございますけれども、地区の選び方の要件から言いまして、これは区画整理に適する、ここは新住に適するということで、初めから団地を分けまして同時並行的にやったものでございます。したがって、公共施設の整備の仕方等はほとんど同じような事業として、たとえば研究学園都市の場合は、同一主体が二つの手法を用いて相隣接してやっている。名谷の場合は神戸市と神戸市長とが、まあ同じ大体人格でございますから、そういうふうに隣り合わせでやっておる、こういう性格のものでございます。
#28
○沢田政治君 特に土地区画整理事業の中で組合施行ですね、組合が主体になる場合。これは権利者が多ければ多いほど非常に複雑多岐な権利関係が錯綜してくるわけですから、問題を非常にはらんでくるわけですね。そういうことで、ぼくは余り何というか立ち入って熟知しておりませんが、組合を設立するということから始まるでしょう。そうして実際に事業をやると、清算事務、決算、こういうことで終わるわけですが、組合を設立してからやはり決算とか、まあそういうところまでどれだけかかっておる……、これはやはり千差万別だと思うのですが、非常に長くかかっておる点を私はおぼろげながら知っておるわけですね。どういうケースを多いんですか、大体二、三のケースを挙げてみてください。
#29
○政府委員(吉田泰夫君) 組合施行の土地区画整理事業の手順は、まず発起人が組合設立準備会をつくりまして、地元権利者と話し合い、同意を得まして、さらに知事とか県とか関係諸機関との調整を行いました上で、知事から組合設立の認可を受けて組合を設立いたします。その後、組合は組合員によって構成されます総会によって運営されるわけであります。すなわち仮換地の指定をするとか、道路、公園等の整備工事を行う、盛り土、切り土等の宅地造成工事を行う、あるいは建築物を仮換地に伴って移転をする。こういったことを行いまして、工事が完成いたしました時点で換地処分を行って従前の権利関係が換地先に移ると、こういうことで事業が終わるわけでございます。その後清算金の徴収等に若干の期間かかる場合もあります。そういうものが一切終われば組合解散するということでございます。これに要する期間は権利者の数、規模によって相当差がありますけれども、三十ヘクタール以上のような大規模なものを除きますと、十ヘクタール以下あるいは二十ヘクタール程度のものを考えますと、通常組合設立の準備に一年前後、これは起算日もいろいろありますが、一年前後、さらに組合設立後工事に着手しましてから事業が完了し、換地処分に至るまで、これが三、四年という程度でございます。
 たとえば埼玉県上尾市のある区画整理組合の例を申し上げますと、設立準備に一年程度を要しました後、組合の設立が四十六年十一月三十日に認可され、翌年二月一日から工事に着工しまして、約三年後の五十年一月三十一日に完成しているということでございます。ちなみに、この地区は面積が約二十ヘクタール、権利者数が約八十人でございます。もう少し大きな約三十ヘクタール程度の例で申しますと、浦和市のある区画整理組合の例で申し上げますと、組合の設立準備に二年近くかかり、四十二年四月十七日に組合の設立認可がなされました。約十カ月後の四十三年二月十五日から工事にかかり、四十七年十一月に工事が概成しておりますが、換地処分まで済みましたのは四十八年三月でございます。したがって、工事期間が約五年かかっているという状況であります。
#30
○沢田政治君 これは特殊なケースもあると思うんですが、非常に長いんですね。組合をつくってからですね、清算事務をして、決算報告をして、解散をするまで。これは何かもう少し早くやるような、やはり今日までの組合主体のものに対して改良を加える方法があるんじゃないかと思うんだけれども、こういう点は検討しておりますか。
#31
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるように工事にかかりまして、特に工事にかかりましてから少なくとも工事概成して仮換地という段階までは、その土地は従前の用にも供せられないし、新しい用にも供せられないということで、いわば工事だけのために遊ばしておくわけでございますから、少なくともこの期間をできるだけ縮めるということが非常に重要であります。仮換地がなされ工事が概成すれば、正式の換地処分にならなくても土地の利用、新しい仮換地先の土地の利用ができますので、まあ登記面が整理されないという不便はありますが、何とか忍べるとしても、工事そのものにかかっている時間というのが非常に問題だということであります。家が立て込んでいる既成市街地などでやる場合には、どうしても一戸一戸家を動かしまして、動かしてからでないとその後の仮換地に次の家を移せないという、順番にやらなければならない点もありましてどうしても時間がかかりますか、本法のような更地――ほとんど建築物が建っていないという法定要件の場所で、しかも五ヘクタール程度以上の非常に細かいものまで拾えるようにした制度のもとにおきましては、関係権利者数も少ないし、権利関係も単純でありますから、従来の大規模な都市区画整理事業が非常に多年にわたってかかっていたという例は少なくなるものと思われます。この法律の事業を離れまして土地区画整理事業一般について申し上げますならば、御指摘の点が非常に問題でありますので私どもいろいろ検討しております。何をおいてもやはり権利者間の公平感を植えつけられるような適正な執行がなされ、かつ、なれた学識ある人がよくリードしまして、公平に信頼を得て適正な計画を進めていく。あとは国庫補助金等が要望に応じて事業の進捗等に間に合うように配分されていく、こういった点の改善が要ると思いまして、逐年事業費、国庫補助金もふやしてきたところであります。遺憾ながらここ一、二年非常に停とんしておりますけれども、いつまでもこのような総需要抑制ということでもないと思いますから、非常に重要な面的開発手法であるこの事業がまさに今後の都市づくりの母となれるよう、そういった面でも極力努力して事業の進捗にあわせた国庫補助金の配分ができるようにしたいと考えております。
#32
○沢田政治君 そこで、換地の公平もこれは非常に権利者にとっては問題になるわけですが、特に減歩ですね。公共減歩と保留地減歩があるわけですが、この減歩ですね、これも非常に問題になるんですね。したがって、減歩というのは大体どれだけの――減歩というのは、自分の土地を減らされるのだからだれも喜ぶ人はないけれども、付加価値が上がることは事実ですね。それとの対照において是か非かと個人が判断するわけですが、どれだけの減歩というのが大体区画整理の場合やりやすいと、こう考えていますか。私の理解では二〇%以内ね、まあ一五%ぐらいだったら多少付加価値が上がることと対比してスムーズにいっているようですね。それが何十%とか四〇%ということになると、やはり地権者もこれは大変何というか自分の土地が減らされるわけですから、割り勘を出さなくちゃならぬわけですからね、これはもう大変だと。しかも道路の部分まで自分の土地を出さなくちゃならぬかと、税金を納めているじゃないかと、道路は税金でやるべきだと、自分の土地を出してまでという何といいますか利害が絡んでいることでありますから、きわめて論理的じゃないにしても、そこがなかなか進まぬ理由になると思うので、その点はどうですか。
#33
○政府委員(吉田泰夫君) 確かに公共減歩、保留地減歩合わせまして二〇%程度以下であれば非常にスムーズにいくと思います。実情は、場所にもよりますが、少なくとも更地を新市街地として整備していくようないわゆる宅造区画整理というものでは、相当整備による土地の利用増進も期待できるわけでありますのでもっと多い減歩率になっているのが実情であります。公共減歩はその地区内における必要最小限度の街路、公園等を主体とした公共用地を生み出すわけでございますので、その設計によっておのずから決まってしまいますが、特に問題なのは保留地減歩でございまして、これはいろいろな宅地造成の工事費、建物があればその移転補償費、移転工事費等も含めまして、そういったものの一切を組合員の方が金銭で負担されるかわりにいわば土地を持ち寄る形で減歩を受け、これを組合の所有として組合か処分し、その処分代金をもって事業費に充てる、こういう性格のものでありますから、事業費に対する国庫補助あるいは地方公共団体の補助等の償還しないでいい額がふえればふえるほど保留地は少なくて済むということになります。従来の一般の区画整理事業におきましては、既成市街地内で非常に移転工事に経費がかかるとか、道路をつくりましてもそれほど地価の増進がないというような地区ではなかなか保留地減歩までは取れないというのが実情でありますが、この法律の対象となるような、市街化区域内にありましても、既成市街地外の更地を主としたようなところでは相当大幅な保留地減歩を取っております。まあこれもいろいろさまざまでありますが、平均いたしますと保留地減歩だけで八%程度になっておるのが実情でございます。本法による特定土地区画整理事業の場合は、そのような減歩、これは受益の範囲内ではありますけれども、それにしてもわざわざ区画整理までしようという意欲をぞく要因となりかねませんので、特に国庫補助を手厚く行うことにより一般の場合よりも大幅に保留地減歩率を引き下げ、大体二、三%程度の保留地を取っていただければ、あとは全部国費ないし公費で賄うという計画にしておりまして、そのほかに公共減歩があることは、これは一般並みでありまして、当然のことと考えております。
#34
○沢田政治君 細かい内容に立ち入って聞くようですが、大都市法の市町村等のこの施行代行ですね、それと区域内の行為制限について聞くわけですが、法案の第十一条及び第三十条で、市町村は土地区画整理促進区域または住宅街区整備促進地域の指定後二年を経過しても事業の認可を受けず、組合の設立認可を受けない場合はという項目があるわけですね。「施行の障害となる事由がない限り、」この特定土地区画整理事業または住宅街区整備事業を施行することと規定しておるわけですが、この文言の中で「施行の障害となる」という、この障害というのは、これは非常に抽象的で何を称して施行の障害となるのかですね、幾ら解釈してみてもわからないわけだね。この障害というのはどういうことですか、例示を挙げるならば。
#35
○政府委員(吉田泰夫君) これは促進区域を指定した以上、これは権利者による区画整理等が促進されることが期待できるところを指定するわけではありますけれども、まあそれにしてもいろんな事情でなかなか予定どおりそれが進まないということもあり得ます。その場合にいつまでも放置しておくわけにもいきませんので、いわば促進区域の都市計画を早期に完結しまして、促進区域という都市計画を前提にいろんな将来の生活設計を立てておられるような方々のためにもこれを仕上げる必要があるということから設けた制度でありますが、したがいまして、その所定の期間がたてば速やかに公共団体はこれを施行して仕上げなければならないはずのものでありますけれども、やはりその時点における公共団体の実施能力、あるいは資金需要等どのようなことがないとも限りませんし、大変に時代の変化の激しいときでもありますのでこういった規定を置きました。
 したがいまして、具体的に考えておりますのは、たとえば促進区域を指定して、その大部分は当然組合等により権利者が施行されると思って指定したところが、何らかの事情でそのうちの相当数がなかなか施行されない。二年たってやろうということになれば、一斉にたくさんの個所に市町村が取りかからなきゃならない。しかし、そういう点では施行体制、施行能力、まだ十分整っていなくて、予想に反したことになったというような、そういう施行能力の場合が主であろうと思います。まあそのほか、たまたまその年度あるいはその翌年度あたりの市町村の財政事情等も絶無とも申せませんので、こういった財政事情によることは余り望ましくありませんが、さりとて法律としてはやはりそういったものも含め得ることに考えておきませんと、市町村としても当初から非常に安全を見越しまして、せっかく地元側の機運が盛り上がり要望が出ておって、多分間違いないと思うものまで促進区域の指定をちゅうちょするということにもなりかねませんので、まあそういったよくよくの事情があるときには施行の障害となる事由として、直ちには施行しないでもいい。もちろんそういった事情は単年度に解決するものもあります。そういうものは解決し次第、もはやこの事由はなくなるわけですから、市町村が乗り出すということになります。まあ比較的長期にわたるような事情があれば、それもその事情が終わればやってもらおう、こういうことでありまして、まあ促進区域指定を余りにもちゅうちょすることも困りますものですから、こういった規定を置いた次第でございます。
#36
○沢田政治君 まあ、せんじ詰めると、施行能力と財政上の問題、これがつまりこの障害となる事由と、こういうことになっていますが、ちょっとわかりかねるわけですが、それともう一つ期限内、たとえば二年なら二年の期限内においても――これは地権者に対する義務ですね、二年以内というのはね。その二年以内においても権利者による施行が困難であると、不適当であるというように認められたとき、またはその他特別の事情があるとき市町村が事業を施行することができると、こういう項目もあるわけですね。これはもう非常に一方的だと思うんですね。権利者の施行が困難、不適当というのは、全くこれは主観的な解釈ができるわけだね。一方的に認定できるわけだよね、これは。したがって、これはまあこの法案が非常に覇権的ですが、まだ覇権の具体的にここに出ていると思うんですね。したがって、「事業を施行することが困難又は不適当であると認められるとき、その他特別の事情があるとき」というように全くどうでも解釈できるもの、何というか当事者の勝手に解釈できるようなまあ玉虫色と言いますかな、こういうやはり法文というのは余りよろしくないと思うんですね。やっぱりね、解釈次第だということはですね。したがって、これはどういうことですか。これも具体的に言ってもらわなくちゃならぬわけですね、障害となるときというのは施行能力とか財政上の問題ですから。今度の場合、もっとまだややこしい、この何というか表現で、「困難又は不適当」「と認められるとき、その他特別の事情」があるわけでありますから、何でもかんでも解釈できるわけですな。どうですか、これは。わからぬですよ、これは。
#37
○政府委員(吉田泰夫君) この「困難又は不適当であると認められるとき、」と申しますのは、関係権利者に区画整理等の機運があって、大方の了解がある場合に促進区域を指定するわけですが、それにしても具体的に計画を立てていく段階で、間々その権利者同士の話し合いというだけでは細かい利害の調整がとりにくいというような場合が出てまいります。あるいはこれはいずれ国庫補助金等が入り、あるいは保留地処分金が入る等によって事業として採算がとれる、収支償う事業ではありますけれども、その間につなぎ的な資金が要るわけであります。つまり収入が入る時期と支出、工事等の時期等に若干ずれがありますから、どうしても先に金が必要であり、後でそれは返ってくる。その間の短期間でありますがつなぎ資金という問題もあります。そういった資金は組合施行等の場合には組合で調達しなければなりません。こういったことが、通常はいろいろあっせんすれば事業自体採算性はあるわけですから融資されることは間違いないと思いますけれども、まあどんな事情でそういったことが困難だというようなこともないとも限らない。そういう点は公共団体が乗り出せば広域的かつ公平な立場から細かい利害関係まで調整した案を示して打診していくことになりますし、そこに信頼感が個人同士で話し合うよりはある場合もあろう。あるいはつなぎ資金の面では公共団体ならばこれは問題はないと、こういったことが考えられるものですから、そういった場合に困難または不適当であると認められるものとして、公共団体があえて二年を待たずしても乗り出せる規定を置きました。
 また、「その他特別の事情があるときは、」と申しますのは、市町村自体が促進区域内に相当用地を初めから持っている、あるいは先行取得しているような場合もあると思います。そういった場合には市町村が初めから市町村施行としてやることも適当な場合があろう。あるいは市町村が大規模かつ早急に特定土地区画整理事業を行いたい、地元権利者も別段異論がないというような場合にもこれは例外的には認めていいんじゃないか。と申しますのは、何も市町村が乗り出すから土地を収用してしまうというようなものではなくて、従前の権利が新しい権利に切りかわっていくその姿、内容は、組合施行でありましても公共団体施行でありましても全く同じでありまして、ただ、計画を立てる責任主体が組合から市町村にかわるというだけでありますから、本来土地所有者にとって市町村施行になったら大変だということもあながちないわけであります。そういうことですから、区画整理やるのもいいけれども、自分で資金を調達したりいろいろめんどうな意見調整をしたりするのはかなわないという方もおられるかもしれません。そういう場合のためには相当数の者から要請があればやはり同じく二年内でも市町村がやれるということにしておりますが、要は市町村が行うということは、一般の買収事業とは違いますので、土地権利者にとって特別に権利が不利に扱われるということもありませんので、かなり広く認めてもいいんじゃないか。特にせっかくこの特定土地区画整理事業の施行要件に該当するような場所で、公共団体が施行したばかりに特定土地区画整理事業にできない、そのために国庫補助金等も出せないし保留地域歩がたくさん取られるということはむしろ土地所有者の望むところではありませんから、そういう場合には初めから公共団体が施行するものでも促進区域にかけまして、それを受けた形で特定土地区画整理事業としていろんな恩典を受けつつ公共団体が施行するという場合もあり得るものといたしております。これは原則ではございませんが、こういった地区の中で公共団体が初めからやる場合も今後ともあると思いますから、そういう場合にこの法律の特例措置及び優遇措置はひとしく受けられるようにしたいという気持ちでございます。
#38
○沢田政治君 地権者に対して二年以内にこれは開発すべきだ、組合をつくるべきだ、その承認を求めるべきだ、こういう規定があるのに対して、今度は逆に後者の方は、二年を待たずに代行してやっちゃうわけだね。また、強権の上の強権で、二年以内に何というか、おまえ能力ないからこっちはやっちゃうんだというような、二年以内にやらなくちゃならないというのはこれはどういう意味ですか。どうもこれは理解に苦しむわけですね、それが一つ。
 もう一つは、一方的に認知できるような困難とか不適当とか、法律用語としては非常に問題をはらんだ表現になって、権力者の方が一方的に認定できるような条文があるわけですが、これだけじゃぼくはトラブルが起きると思うのです。でありますから、これは政令か何かで明確にこういう基準が困難とか不適当とか具体的な例示を挙げなければ問題が起こりますよ、一方的な解釈では。そういうものをはっきり基準を決める必要があると思うのだけれども、どうかね。
#39
○政府委員(吉田泰夫君) この条文は決して市町村がしゃにむに乗り出したいために書くものではございません。したがって、もう一つの要件である相当数のものから市町村でやってくれというような要請があったときということの手続を経ることも優に考えられますが、あえてそういった要請の手続をとらなくても、権利者間の意向を十分客観的に判断できる事情があれば、そういう要請の手続なしでもやれるようにしようといった程度のことでありまして、市町村としても本来組合等による施行を期待して促進区域を指定するわけですから、何も好んでみずからやりたいと思うはずはないと思います。しかしながら、御指摘のように法律の条文が抽象的でありまして、万一乱にわたっては困りますので、これは私どもこの法案の施行通達におきまして、明確にその趣旨と想定している例示を挙げ、かつ権利者の大方の賛同があった場合にこれを行う、適用するというようなことを強く指導したいと思います。
#40
○沢田政治君 特にこの点について、吉田局長も自認しておられるように、非常に抽象的な表現ですから、非常にこの解釈をめぐってやっぱり問題が出てくると思うから、一つの基準といいますか、こういうものを実施に当たっては明確にしてトラブルが起きないようにすべきだと思うのです。この点を注文つけておきます。
 さらに、私は覇権という言葉をちょこちょこ使っておるわけですが、非常に二段構え、三段構えの開発を進めるためのいろいろな道具を次から次へと用いていますね。というのは、都府県は市町村と協議の上、土地所有権者にかわって特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業を実施することができると、これはその他日本住宅公団もできる道が開かれているわけですね。でありますから、地権者という項目もあるが、実際は地権者とかそういうものの意思じゃなく、名目だけ、これは地権者ということもありますが、本当は公的な機関が、地権者がどう考えようが、ともかくそこをどけ、おれらがやるんだと、こういうところに一つの目的を置いている法律だと、非常に高飛車ですね。ねらいはやっぱり地権者というものの意思というよりも、一応名目は設けておくけれども、本当は公的機関がやるんだ、そうしなければ進まぬと、こういう目的があるでしょう、これは。ひねくれた見方かどうかわかりませんが、どうですか。
#41
○政府委員(吉田泰夫君) この法律はあくまでも公的機関がやること、そこでねらっているものではございません。もちろん先ほど申し上げましたように、規模が大きいとか早急に施行したいというような事情は、従来からもこの地域でたくさん公共団体施行やっております。そういったものは、なかなか組合施行という形でも従来とも実施しにくいからこそ公共団体がやってきたわけでありますから、この法律ができましても、せっかく特定土地区画整理事業の該当地区でありながら公共団体なるがゆえにその恩典を受けられないということでもかえって困りますから、そういう場合は今後ともあり得ますけれども、そういった場合を除きますれば、これはもうあくまでも土地所有者による施行を期待する、つまり権利者による施行を大幅に期待しなければ、資金とか技術は幾ら市町村や公共団体にありましても、とにかく大量に早急に供給する、数をこなすということはとうていできるはずがないわけであります。そういうことですから、数をこなすためにも権利者によってやってもらえそうなところはもうそちらに一切お任せしたいということでこの法律を出したわけでございますから、その点の乱用にわたることはこれまた決してないように十分戒めて施行したいと思います。
#42
○沢田政治君 次に、特定区画整理事業において集合農地区、これを三〇%以内に抑えると、こういうことにしておるわけですが、ほかの七〇%は共同住宅あるいは義務教育施設の用地、公営等の用地をつくり出す手法なわけですね。これを三〇%に抑えたいという理由はどうですか。三〇%以上集合農地があったら邪魔になるわけですか、これは。ぼくはやっぱり自然の中に家があるというのが理想だと思うのですね。これはやはりそういう緑が多くあればあるほど良好な都市環境だと私は思うわけですよね。ビルの灰色の谷間よりはずっといいわけです、これは。用地事情も許さぬかもわからぬけれども、この三〇%に抑えた理由と、やっぱり都市の緑地とその他の宅地の割合というもののモデルが、どういうように描いていますか。これはきわめて重要なことだと思うのですね。家さえ多くつくれればいいということではこれは困るのですよ。だから、都市のあるべき姿というか、モデルといいますか、そういうものをどう頭に描いているのか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#43
○政府委員(吉田泰夫君) 私ども特定土地区画整理事業としては、たとえば十ヘクタール前後の規模のものを想定いたしまして一つのモデルを考えておりますが、まあその場合、私どもは集合農地区が約三〇%、共同住宅区が約二〇ないし三〇%、一般宅地の方、これは共同住宅を建てない一般の換地される部分でありますが、これを三〇ないし四〇%、それから義務教育施設用地が四、五%、公営住宅等の用地が三%程度、こういうふうに考えておりまして、その場合、道路等の公共施設用地はそれぞれの地区の中に配分されているということでございます。もちろん共同住宅とか公営住宅等の用地は全員の合意が要りますから、必ずしもこうなるとは言えませんが、しかし、できるだけそういった合意を――説得いたしまして、せっかくやるならばそういったものも活用して、直接住宅供給や公的住宅の供給にも役立たせたいという気持ち、そういうところから私どもの指導のあり方として考えた数字でございます。
 なお、集合農地区をおおむね三〇%以内としましたのは、生産緑地法の第二種生産緑地地区の指定要件とちょうど合わせているわけでございまして、なるほど緑地保全という意味あるいは農業振興という意味から言えば、この率が多いにこしたことはないかもしれませんが、ほかならぬ三大都市圏の住宅宅地の非常に逼迫した土地で、大幅な国庫助成等を行いつつ行う区画整理事業でありますから、本来から言えば全部宅地に供出してもらいたいという、これは住宅宅地側の強い要請もあるわけでございます。その間の中をとりまして、全部宅地化すると言えば農民の協力も得られないではないか、それではせっかく、できさえすれば一〇〇%供給になるかもしれぬが、そもそもできなければ何にもならぬじゃないかということを考えまして、従来の農家の方々の御意向としても全部残したい方もおられます。そういう場所はこの地区の指定には向かないわけですけれども、少なくとも一部は残して将来の安心感も持ちたい、あるいは農業自体を本気で継続したいという方もおられます。むしろそういう場合の方がかなり多いのではないか、つまり全部は手放したくないが、一部は手放すことも協力できるというそういう方を考えますと、まあ三〇%ぐらいを残すことにより、これは農家の方から見れば三分の一ぐらいに当たります。残り七〇%というものは宅地なり公益施設なりに回していただく、さもなければ、この割合が余り大きくなりますと、せっかく経費をかけ、労力をかけて区画整理してもかいがないということにもなります。ただ、この三〇%というのは、地区全体についての話でありまして、もし農業経営を希望しない方がおられましたならば、その人の分だけほかの人に余分に回せる勘定になります。たとえば三割の方しか農地は残してもらわぬでいいということになれば、その三割の方は一〇〇%残せるわけでありまして、そううまくもいかないでしょうけれども、まあまあこの程度で協力していただきたいと、やはり宅地供給と農地の保全、両々相まったいわば中和点と私どもは考えた次第でございます。
#44
○沢田政治君 この三〇%の集合農地というのは、それを絶対超えちゃいかぬというそういうきつい三〇%、大体それをめどにしているのかどうかということが一つ、これはまあ計画局長にお伺いしたいわけですが、私先ほど言いましたように、自然の中に都市がある、自然の中に家があるというのは良好だと思うのですね。都市の中に自然を取り入れると言ったってこれは無理ですね、一回つくったものは。多摩ニュータウンなんか、洋光台もそうだそうですね。地表を全部はぎ取っちゃって、後で緑をどっかからちょぼちょぼ街路樹なんかを入れる、こういうもう都市づくりというものはやめてほしいと思うのですね。これはいろいろ一つの事業でありますから試行錯誤があるでしょう。そこから反省もあるでしょうが、やはり自然を残す、ベッドタウンの場合でもニュータウンの場合でも残していくと、こういうやっぱり原則だけはっきり確立しなくちゃいかぬじゃないかと思うのですよ。失われた自然というのは人工的につくったって本当の自然じゃないわけですからね。やはり将来都市をつくる場合、ベッドタウンを含めてニュータウンをつくる場合、いままでのやっぱり反省をどう考えているか、そうしてどういうような都市というものが望ましいというように考えているのか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#45
○政府委員(大塩洋一郎君) 都市をつくります場合に、もちろんその規模あるいは位置等によって違いますけれども、できるだけ環境のいい自然の緑地等を多く残しながらつくり上げていくということは、これはもう都市計画上の一つの鉄則と申しますか、一つの理想であります。それが特に新しい市街地をつくっていくという場合には、初めから計画的にできるわけでありますから、われわれとしましては、できるだけ緑地を多く残した配置を考えるべきだというふうに考えております。
 ただその場合に、これは私見にわたるかもしれませんが、自然ということの意味でございますけれども、特にわが国のような場合におきましては、自然を保全するという立場を多く主張する向きがありますけれども、やはり都市をつくるという場合には、自然を保全というだけでは足りないので、これをつくっていくというような姿勢がなければいけない。ただ、自然は自然のままであるがゆえにとうといのではなくて、それと調和した形でこれを造成し、保存し、大事に育成していくという形を同時に取り入れなければならないというふうに考えております。区画整理の場合におきましても、その集合農地をとります場合でも、そういうことを配慮いたしまして、いわば農地というのは自然であると同時に、一つの人工的な殖産の場でございますから、そういうものと、それから都市における緑の確保というものとこれは区別していかなければいけないのではないか、私はそう思います。
#46
○政府委員(吉田泰夫君) おおむね三〇%と申しますのは、「おおむね」とありますので、ぴたり三〇%に限定するということではございませんが、前後一割ぐらいということで三三%ぐらいまでは結構だと思いますし、法律もそういうことを意図しているわけでございます。ただ、それを無制限に拡大していくということになれば、宅地と農地との割合が、比率がおかしくなりますし、やはり生産緑地法の規定と合わせた意味からも、三〇%多少出入する程度ということを私どもは考えているところでございます。
#47
○沢田政治君 計画局長、自然をつくるって言っているんだけど、あんた非常に偉大な神のごとき人間ですね。自然をつくれますか。自然というのは漢和辞典開いたら何と書いているか、一回読んでもらいたいと思うのですね。自然をつくれますか、あんた。
#48
○政府委員(大塩洋一郎君) 言葉が悪かったと思いますが、要するにそういう緑地的な配置というものは、これは自然のままでは必ずしも良好な配置にならない場合が多いという意味で申し上げました。都市をつくります場合に、公園とか緑地というものをつくります場合には自然のままではいけない、そこにやはり人工を加え、そして大事にこれを育成していくということが、特に西欧のような場合は緯度が高うございますから、自然のままに放置しておくとなかなかこれはいい環境に育たないというようなことも参考といたしまして、私どもはそういう自然を呼び込むという考え方は当然でございます。それを育成するという立場を考えなければいけないというふうに申し上げたわけでございます。
#49
○沢田政治君 恐らくそういうことだと思うのですね。あんたが幾ら超人的でも自然はつくれませんからね。だから、そういう気持ちを持っておればいかぬというわけですね。自然はつくれるんだなんてね、大げさなね。これは言葉じりをとらえる意味じゃないけれども、失われた自然というのは返って来ないということですよ。その自然をもっと高度に使いたいという意味だったら私はわかると思いますね。自然をつくれるのだというような大げさな気持ちを持ってもらったんじゃ、これは大変なものだからね。
 そこで、大都市法に対して四分の一ぐらい私質問したわけですが、一括審議ですから、再開発の方にも移りましょう。
 そこで、再開発事業も、この法案をそもそも制定するときから私は審議に参加しておるわけでありますが、この手法では余り画期的な業績が上がらぬじゃないか、能率が上がらぬじゃないかと、こういうように考えておったわけでありますが、果たして私もそういう実績が出ていると思うのです。これは実績絶無とは言いませんよ。皆無とは言いませんが、しかし、思ったほどの所期の効果が上がらなかったと、こう言わざるを得ないと思いますね。したがって、いままでのこの再開発法ができて以来今日までどういう状況になっておるのか、この実績と経過をこの際お聞きしたいと思うのです。
#50
○政府委員(吉田泰夫君) 都市再開発法が昭和四十四年に制定されて以来、採択された施行地区の数は地方公共団体施行で六十地区、組合施行で二十三地区、住宅公団施行で三地区、計八十六地区になります。そのうち都市計画決定まで済みました地区は、地方公共団体施行で三十三地区、組合施行で二十二地区で合計五十五地区でございます。そのうち完成を見ましたものは地方公共団体施行で二地区、組合施行で五地区、計七地区でありまして、事業そのものがある程度期間のかかる事業でもありますので、一応の成果をおさめているとは思いますが、とうてい所期の目的を達成し、国民の期待にこたえているとは言いがたい実情であります。
#51
○沢田政治君 質問を整理しないで飛び飛びになって困ると思いますが、その点は整理して聞いてほしいと思います。
 二十四日ですか、江東地区を現地視察をするわけでありますが、一般の都市再開発で、特にデルタ地帯と言われているこういう地帯の都市再開発は同じ手法でいいのかどうか。これは私個人的な見解ですが、疑問を持っているわけですね。単に良好な、都市環境をよくして住宅等もつくって高度な利用をしようということだけではないと思うんですね、江東地区の場合は。これはもう東京大震災のような大震災が来たら大変なことになると思うのだよ、あそこは。どういう津波が来るかわかりませんが、来ないとは限らぬわけです。だから、やっぱり人命とか防災という見地からいって、江東地区の場合には特別の立法でこれはやる必要があるんじゃないか、後顧の憂いがないように、防災という見地から。それを感じるわけです。そうでなければ、従来の都市再開発の手法では百年河清を待つようなものだし、災害というのは待ってくれませんから、いつ来るかはわからないのが災害の特徴だから。そういう防災という観点からいって江東デルタ地帯は即時やっぱり着手する必要があるんじゃないか、こう考えていますが、どうですか。
#52
○政府委員(吉田泰夫君) 確かに災害防止、人命尊重という最高の緊迫した要請を担っておりますこの防災再開発につきましては、特段の配慮が必要であることはもとよりでございます。一つには大規模たらざるを得ない、関係権利者もどうしても多くなる、しかも急ぐのだという特質があります。一方では、防災のための工事でありますために基礎工事等に非常に堅固なものが要請されまして、特に江東地区では地盤が悪いわけですから建築費自体も一般以上にかさむ。そういったものがそのまま権利変換等において割り当てられてはたまらないという、要するに国なり公共団体の助成の強化という面があります。
 まず、第一点の急いでやれる手法という点につきましては、今回の法改正で、このような防災再開発を意識しつつ第二種再開発事業という制度を設けまして、権利者の保護は実質的に同等でありながら、個別処理を原則とする用地買収方式をとることによって相当事業の促進に効果があるであろう。特に江東防災拠点のように東京都が各種資金を導入しましてかなりの大規模な工場跡地をすでに先行取得している、いわば都有地になって更地であいているというところなどにはこの手法が非常に役立つのではないか、こういうふうに考えております。もっとも白髪東自体は現行法のもとに都市計画決定を行い、その後鋭意話し合いを進めまして、それは当然権利変換方式を前提に話し合いを進めてきて、よくやく熟しつつある段階でありますから、いまから第二種ができましてもこれに切りかえるつもりはない、東京都も申されております。私はそれも当然だと思いますが、今後のいろんな他の地区あるいは他の都市における防災事業にはこの第二種事業が大いに活用できるんではないか。
 第二の点で、再開発全般も相当手厚く助成しなければなかなか事業の進みにくい事業でありますが、中でも防災拠点は多額の経費を要し、公共目的も高いということでありまして、特にこれにつきましてはドレンチャーといった防災のための特別の設備の工事費とか、あるいは基礎をがんじょうにするための基礎工事費等を特に補助対象にしておる次第でございまして、この補助対象額は建築費全体の二〇ないし三〇%にも及ぶ相当多額なものでありますので、そういったことを図るとともに、今後の防災再開発事業の進展を促進できるよう国庫補助の配分等につきましても最優先に扱っていきたいと、このように考えております。特定の地域だけを対象にしました特別立法というのも一つの考え方かもしれませんが、私どもはそういったことよりもまず実質面を改善し、さらに今回の法改正によって事業が促進できる制度的な仕組みも考えたということで、これをもって当面はこの防災拠点の再開発にも対応できるんではないか、こう考えている次第でございます。
#53
○沢田政治君 国土庁にお伺いいたしますが、従来の計画というのはほとんど国土利用は開発計画であったと思うんですね。大げさな表現になるかもわかりませんが、産業中心で、生活従属なわけですよ。だから人が集まった、だからこういう手法でこの家をつくらなくちゃならぬ、都市を開発しなくちゃならぬ、こういうことでやったと思うんですね、よしあしはここで議論しませんが。しかし、ここまで来たならば、資源等の問題あるいは環境等の問題からいって、これ以上日本の経済というのは膨張できない状況に来ておることは、これはもう立場が違ってもその現実に対する認識というものは、これはもう一致しておると思うんですね。したがって、本来国土というものはどう利用すべきかと、こういうことを開発抜きにして考える時期に来ているんじゃないかと思いますね。これは国土庁に課せられている大きな私は今後の重大な任務だと思うんですね。国土を総合的にやっぱり考える国土庁ですから、これは通産省とか建設省、ちょこちょこ部分的な現象の目的をつくってやるわけですが、そういう意味で私は国土庁の使命というものはまことに大だと思うんですね。そういうことで、国土利用計画法にも全国計画、都道府県計画、市町村計画のこの土地利用基本計画があるわけで、これがまだできておらぬわけでありますが、その土地利用基本計画の中で、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域、こういうものを明確にしたそういう青写真ですね。これは開発とか何か考慮したんじゃ計画は立ちませんよ、これは。いびつなものになりますね。そういう開発じゃなく、日本の国土をこういうふうに利用すべきだと、こういうものも策定すべきだと思うんですね。どういう構想を描いて、いつごろこれができるのか。きょうの段階では国土庁からそれ一点だけお伺いしたいと思うんです。
#54
○政府委員(下河辺淳君) いま御指摘いただいたことは、まさに私たちもそう思います。いま作業をしている最中でございますが、作業の一端を申し上げますと、私どもとしては三十七万平方キロという国土の面積は変わらないわけでございますから、その限られた三十七万平方キロというものについて、どのような利用の仕方が一番よろしいかということについて現在検討を始めております。
 一番先に議論しておりますのは、やはり人口の問題でございまして、いま一億一千万を超えましたが、やはり一億数千万ぐらいまで日本の人口は増加するということはどうも避けがたい情勢にあるということを前提にいたしまして、しかもその中で都市化がどの程度進むかということが次の議論になってまいります。どうも経済政策とか経済成長ということに無関係ではございませんけれども、やはり人々の価値観あるいは住まい方に対する志向から見て、都市化はまだもう少し進んでくるだろうということを考えておりまして、現在大体都市化された人口が六千万程度と見ておりますが、やはり八千万超えてくるということはどうも避けがたい情勢ではないかということを前提にいたしまして、それではどのように三十七万平方キロの国土の中で都市化というものは進むであろうかということを作業を始めております。
 そのときに一番大きな問題は、やはり三大都市にどの程度さらに集中するかということに問題がなってくるかと思いますけれども、現在の趨勢では、社会増はほぼとまってくる段階に来ておりますけれども、自然増はむしろ三大圏以外よりもはるかに早い速度で自然増加の時代を迎えておりますので、特に人口急増地域の自然増加に伴う都市化の速度というものが非常に早いということで、それに対する事業をどうしたらよろしいかというようなことを議論し始めておりますが、御指摘のような観点で作業しておりますので、私どもの予定としては、できるだけ早い機会に全国計画としての国土利用計画を一応つくりまして、各都道府県へよく御説明をいたしまして、都道府県の国土利用計画をぜひ早くつくっていただいて、そしてそれをまた中心にいたしまして、市町村にできるだけ早い機会に国土利用計画と申しますか、土地利用計画を策定していただきたいという指導を始めております。市町村、都道府県という地方公共団体の土地利用計画が固まる段階で、もう一度国として改めて最初につくりました計画を見直して最終的な計画をつくりたいという作業をしております。
#55
○沢田政治君 もう一点だけお伺いしますが、経済企画庁だったと思いますが、「巨大都市問題とその対策」というのを見せていただいておるわけですが、それによりますと、大都市圏の人口集中がなお続くと、こういう示唆をしていますね。そして東京圏について昭和四十五年二千四百十一万人から、昭和六十年には三千八百万人と、まあその他鈍化型とか分散型とか、これを是認した上でやはり国土の利用計画をつくられたんじゃ困るんですよ。そこに人が集まるから、集まった度合いによって……、これは計画にならぬですよ、そうなればね。大勢順応ですよね。やっぱり政治というものがそこにあるならば、何らかの機能で国土を非常に高度に利用するということが、これは政治の力だと思うんですよ。そうでなければ政治は要らぬ。集まったからこうやる、そこに山があるから登るということじゃいかぬわけですから、したがって、どういう施策でこれを分散させなくちゃならぬのか、どういう配置を人口的にもした方がいいのか、作業もした方がいいのかという一つの――自然にこうなったからという是認したやっぱり国土の利用計画であってはいかぬと思います。こうあらねばならぬという、やっぱり全国民に向かって説得するぐらいの計画でなけりゃいかぬと思うんで、こういう数字も出てきておるものだから、こういうものを、そうなるだろうという前提じゃないと思うんだけれども、その付近の考え方はどうですか。
#56
○政府委員(下河辺淳君) いま御指摘いただきました、一昨年やりました巨大都市の総点検のことでございますけれども、そのときに私どもが現在の趨勢延長上で三大都市圏がどうなるかという予測をいたしましたが、そのときには昭和六十年で約六千四百万人ぐらいまで増加する可能性があるということを一応推計しております。しかし、この六千四百万近い人口になった場合の三大都市圏の生活環境を水の問題であるとか、あるいは自然との関係でいろいろチェックをいたしますと、相当生活環境が悪化することを前提としなければならないということになりますので、私どもがある一定の水準を前提といたしまして議論をしました結果、六千四百万までの人口に増加するものを約五千五百万人程度にまで集中を抑制することができるか、あるいは分散することができるかということを実は議論をいたしました。最近ではそのことを通じまして地元の各都道府県と話し合いを進めておりますが、三大都市圏の各都道府県の事務レベルの作業といたしましては、約五千八百万程度まで下げることだけでも容易ではないという意見が出されておりまして、その間の詰めを現在することにしておりまして、いまおっしゃられたように、趨勢の六千四百万になることを前提に、そのための作業というわけにはまいらないというふうに考えております。
#57
○沢田政治君 都市局長、あの第二種市街地再開発事業の施行地区というのはどういう地区になっているのか、実際行えるのか、行える地区が少ないのじゃないかと考えるわけです。法律をつくっても、目的と、何というか場所を選定してここをやるんだということがなければ、言ったように法律の改正とか、法律の新設という、何というか法律乱発になるおそれがあるから、具体的にどこでどうやれる可能性と、どこを予定しておりますか、ちょっとあったら少し例示を挙げてもらいたいと思うんですね、いつも建設省の場合は法律のつくりっ放しだから。
#58
○政府委員(吉田泰夫君) 大変御心配いただきまして恐縮でございます。私どもまだ東京都と具体的に話し合ったわけではありませんが、最もこの制度が有効に働く具体的な場所としては江東地区の防災拠点、これは六拠点ありますが、先ほど申しましたように現に現行法のもとで話し合いを進めてしまっておりまして、時間はかかりましたが、住民との話し合いがかなり進んできて、これならやれるというところまでいきました白髪東地区、これは東京都もいまさら都市計画決定を取り直して第二種に切りかえるつもりはないと、そうしない方が開発が進むだろうということでございますから、こういったところは別でございますが、今後に予定されます防災拠点、これは非常に広大でありますし、権利者も多い。一方におきましては工場跡地を相当すでに先行買収しておるわけでございます。ちょうど第二種再開発事業に適していると思います。まあ第二種再開発事業はたてまえとしては買収方式、収用権というものがありますのでよく説明しなければなりませんけれども、結果としては希望者は必ず入居できる。ちょうど第一種事業が、原則は残るけれども、転出を希望すれば転出もできるというのとうらはらになっているだけでありまして、権利者にとっても不都合な点はないわけでありますから、第一種がいいというのならば第二種でもいいはずだと私ども思います。そういったところがいまのところ具体的に考えられます。
  〔委員長退席、理事上田稔君着席〕
 なお、恐縮ですけれども、こういった制度がいまないために、いろいろ大規模にやらなければならない地区で、とても再開発ではやれそうもない、どうしたものかと思案している地区もあるわけでございますから、こういった地区ができれば、その制度の趣旨を徹底することにより他にもこういった地区が出てくると思います。また、防災拠点にしましても、ひとり東京のみに必要なわけではなく他の都市にも必要なわけでありますから、そういったところでやっていけば必ず実績は出てくるものと考えております。
#59
○沢田政治君 再開発をした後をどう使うかということによって、地域と、ある人には相当のやっぱり問題が出てくると思いますね。それで、高度に利用するという抽象的な表現じゃ私反対しないわけですが、保留床をどういうようにこれを使うか、これが非常に問題ですよね。だから、保留床はやっぱり保育所とかそういう公的なみんなの利便に供するようなものに優先的にこれは使うべきだと思うんですね。その際、一部の方々が懸念して、該地区、予定されておる地区の方々が心配しておるのは、保留床ができてそれを処分する場合、大きなスーパーとかデパートが乗り込んでくるのじゃないかと、そうなったならば中小企業の市場分野というものは確保できるかどうか、問題は生活権の問題だというように非常に危機感を持ってとらえている方もあるわけですね。したがって、私はそういうことじゃいかぬと思うんですよ。だれがために鐘が鳴るじゃなく、だれがために再開発があるか。この地区の人がその利益を享受するならいいけれども、特定の者がそのために大きな利益を得ると、利益を得る道を講ずると、こういうことでは再開発の意義というものはないと思うのですね。これはどういうように考えていますか。その保留床の処分の場合ね、非常に重大にこれは留意すべき事項だと思うのですよ。
#60
○政府委員(吉田泰夫君) 再開発事業の施行される場所にもよりまして非常に違うと思いますが、たとえば中心商業地であるとか、大きな駅前地区であるとか、こういったところでありますればこれはある程度大型店舗がまいりましても、それによってむしろその地区の衰えかかった商業業務機能を復活させる、新しい魅力のある地区を形成できる、ひいては周辺にもその全体としての効果も及ぶということもあり得ると思います。したがって、一概に申せませんが、商業地の繁華街以外の場所や、中小の地方の都市の場合にはなかなかそう楽観的に見れない場合もあり、御懸念もごもっともな場合があると思います。そういうことで、私どもも再開発ビルの設計に当たって、この法律の趣旨に即しできるだけ地元権利者がまず入れ、次いでその周辺の方々の希望者が入れるような、そういうまず設計からかかってもらいたいということを指導しております。とともに、地元の中小の方が、地区内の方、地区外の地元の方、ともに入りやすくするためには、何と申しましても保留床の処分価格というものを低廉化するということが必要であります。権利床、保留床ともに低廉に供給できるような方策として国庫補助等大幅に拡充するほか、金融、税制上の各種の措置を講じているところでございます。この法案自体におきましてもいろいろと中小企業者等が買いやすいような制度を開いたり、公庫融資の道を開いたり、あるいは法律外でありますが、中小企業金融公庫等の融資等を従来からやっているものをさらに強化していくというようなことを考えまして、御指摘のような方向――再開発したためにいたずらに混乱を招くというようなことにはならないよう配慮したいと考えます。
#61
○沢田政治君 それから権利変換の場合ですね。非常に建築費も高くなっておるので等価交換という原則にしておるわけですが、この金の価値の問題、インフレの問題もありますので、等価交換じゃなく等床交換ですね、床ね。等床交換にすべきじゃないかと、こういう希望もあるわけですね。その方があるべき姿だと、こういう声もあるわけですが、いかがですか。
#62
○政府委員(吉田泰夫君) 従来の権利者の権利の内容、大きさ等によっても相当差がありますからなかなか一概には申せませんが、言うならば標準的な権利を持っておられる方でさえも再開発ビルに入ることによって床が減るということではなかなか納得が得にくいと私どもも考えております。しかしながら、原則として等床交換というものを法律的に打ち出すわけにはまいりません。これは従前の権利に対応していわば金銭補償をするかわりに、再開発事業では等価値の新しいビルの床及びそれに対応する土地の権利という形で、現物で対償にかえて給付しようというものでございますので、ちょうど一般の公共事業の場合の買収とか収用の場合の補償の原則と一致しているわけでありまして、これ再開発事業だけがそうでない原則を打ち立てるわけにもいかないわけであります。しかし、そうは言いましても、最初に申し上げました事情がありますから、私ども何とか原則は等価交換でありながら、結果的には、標準的には等床交換ができるようなことをぜひ考えたいということで、そのためにはまず価値増につながらないようなクリアランスの費用とか、従前の建物の価値相当額の経費とか、あるいは仮住居、仮店舗費とか、そういったものをまず国庫補助対策、その補助裏を含めまして公費の対象とし、事実かかる原価ではありますけれども、権利変換計画上の原価からは控除できるような、こういうことを考えている次第でございまして、そのために四十八年以後一般会計補助等を大幅に増強して今日に至っております。まあそういったことや各種の優遇措置を含めまして、まず持ち出しなしで等床までいく、さらにできれば、これはまあ持ち出しなしというわけにはいきませんが、その持ち出し費用についても住宅金融公庫等の融資をリンクすることによりまして、その機会に増し床をしたいと、あるいは保留床を別途に取得したいという関係権利者の要望があれば、これにもこたえ得るような仕組みをぜひ考えていきたい、このように考え、この法案にもそういった優先譲渡の規定を置いたり、保留床取得についての公庫融資の道を附則によって開いたりしてきているわけでございます。
#63
○沢田政治君 昭和四十四年この法律制定の際に、わか党はこれは反対の――まあほとんど野党が反対したと思いますが、その際の一番この何というかね、理由はたくさんありますが、借家権者はこの権利を所有者とかその他の権利者と同じような地位にしなくちゃこれは弱肉強食になるじゃないかと、ただ単に締め出しを食うだけになるんじゃないかと、これは同等にせよと、こういう主張、注文を再三再四行ってきたわけですね。まあ衆議院でも今度議論したようですが、これはできないんですか。これは民法何とかかんとかと、こう言っていますがね。これはできると思うんだけどね、見解どうですか。
#64
○政府委員(吉田泰夫君) そういう御主張も従来から伺っておりましたので、本法案制定の際もなお念を入れてその点を検討いたしましたが、やはり市街地再開発事業が高度利用地区内で土地利用の形態を変更する事業でありまして、どうしても民法、借地法、借家法、こういった私法上のその権能があるもの、つまり土地所有者と借地権者でなければ事業施行の主体となることはできないと、つまり組合の場合であれば組合員となることができないという越すに越されぬ壁があることがはっきりいたしました。したがいまして、借家権者は組合施行の場合の組合員になるとか、あるいは個人施行の場合の施行者に加わるといったことができないわけでありますが、しかし、事業の実態、特に借家権者こそがその地区に入居し、営業し、生活しておられるわけでありまして、この生活設計を激変させる行為でありますから、借家権者の意向に即しなければ事実事業はできておりません。また、それを強行してやるべきものでもない。ともどもに再開発の結果を喜ぶという事業でなければならないわけでありますので、従来からも借家権者はそういった意味の施行主体には入り得ないけれども、しかし、その意向というものは十分反映させなければならないということを念を入れて指導してきております。本法施行に当たりましても、さらにその点は重ねての御指摘でありますので、重ねて強力に指導したいと思いますが、その場合にはさらに具体的に、まず市街地再開発組合の発起人が事業計画を作成するときには借家権者と協議するようにしなさい、また組合が設立されてから後で事業計画を変更したり、あるいは権利変換計画を作成したり、あるいはこれを変更したりする、こういう重要な行為を行いますときには、借家権者が組織いたします協議会等と協議いたしまして、その意見を十分考慮してこういった計画の策定、変更を進めていくよう、具体的な内容を掲げてさらに指導いたしたいと考えております。
#65
○沢田政治君 まあ、衆議院における答弁を一歩も出ておらぬわけですが、しかし、これで議論しても、議論だけで解決しない本質的な問題になると思いますので、この点についてはこれ以上言いません。
 そこで、再開発をして高度の利用をするということはいいわけですが、どういう形で利用するか、どういう値段かということにもなるわけですね。たとえば住居に供するものについては、いたずらに庶民の手の届かない高級マンションの再生産であってこれは何にもならぬわけですよね、庶民にとっては。したがって、再開発をされた後の家賃というのはどれだけになるのか、これはやっぱり想定をしていると思うんですがね。まあ家賃なんかどうでもいいというような再開発じゃやらぬ方がいいわけだからね。どれぐらいになりますか。まあそれを聞いて、きょうは午前中は終わります。残された時間は他日に譲ります。
#66
○政府委員(山岡一男君) 再開発を行います際に、零細な権利者の方、それから借地権者の方等のために公的な賃貸住宅を供給しようということで、予算補助でございますが、再開発住宅というものを計上いたしております。それにつきましてのモデルの試算をしておりますので、その例を申し上げてみたいと思います。
 モデルの設定条件等いろいろございますが、やはり大都市地域で平方メートル当たり約二十万円、坪で言いますと六十六万円ぐらいのところで、やはり公営住宅と同様、一種と同様でございますが、六十八平方メートルぐらいの住宅をつくる、そういう場合の建物の容積率約二〇〇%ぐらいに想定をいたします。そういたしまして、現在そういうものに対しましては、用地費が三百万を超える場合には、その三百万を超えました用地費の二分の一を国が補助するという特別の措置を講じております。その措置を講じた結果の家賃といたしまして、原価で申しますと、約四万八千円ぐらいになります。しかし、そういうところでございますので、再開発住宅につきましては、当初の家賃の激変を緩和しなきゃならないということもございますので傾斜家賃制度をとることにいたしております。傾斜の頭といたしましては、当該地区におきます公営一種住宅の当該年度の募集の程度とということでございまして、たとえば公営一種大都市ということでございますと、二万数千円、二万七千円ぐらいだったと思います。それぐらいから始めまして、当初据え置き期間を三年ぐらい置く。以後七年間ぐらいの傾斜でだんだん上がっていくというような措置を地方公共団体との間で協議を済ませております。
#67
○理事(上田稔君) 両案に対する午前中の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十六分開会
#68
○委員長(中村波男君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き両案の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○二宮文造君 ただいま提案になっております二法案につきまして、要点についてお伺いをしたいと思いますが、午前中も沢田委員から実は非常に法律が多過ぎるのじゃないかということで、大都市法案について関連する法律等々について質疑がございました。私もこの法案審議に入るに当たりまして、いわゆる広い意味での都市再開発、あるいは都市改造といいますか、そういう手法がこれまで幾つか試みてこられたわけです。したがって、これまで都市再開発ないしは都市改造という意味で手がけられてきた手法、それの親法、そういう関係をひとつ御説明いただきたい、こう思うのですが。
#70
○政府委員(吉田泰夫君) 都市再開発法には市街地再開発事業というものが法律で定められておりますが、このほかにおっしゃるような広い意味の都市再開発、あるいはそれに役立つような事業と申しますと、まず四十四年の再開発法制定のときにすでに廃止いたしましたが、当時から継続中であった事業についてなお現在生きたものとされている市街地改造法(略称)による市街地改造事業、それから防災建築街区造成法に基づく防災街区造成事業というものがございます。そのほかに法律に基づくものといたしましては、住宅地区改良法に基づく住宅地区改良事業、それからそれと同様の内容でありますが、法律に基づかずに小規模な不良住宅地区を予算上補助対象としておりますものに小集落地区改良事業というのがございます。それから都市計画法あるいは建築基準法の一般的制度の活用という形で行われておりますものに特定街区あるいは総合設計というものがございます。それから公営住宅で市街地内にある木造の老朽化した建物を建てかえる事業を行っておりますが、こういった公営住宅の建てかえも、これは非常に限られたものでありますが、一種の再開発の効果はあると申せます。また、住宅公団は住宅公団法によって公団住宅の建設とあわせて再開発を行うというものもやっております。さらにごく最近から力を入れて始めようとしている特定住宅地区整備促進事業、いわゆる転がし事業、これは法律をあえて待つまでもなく、事実上の行政措置によって国の助成とあわせて行っていこうという事業がございます。
#71
○二宮文造君 それらのいろいろないま伺っただけでも一、二、三、四、五、六、七、八――公団の面開発が抜けております――九、それを含むと十の主な都市再開発の手法、それがそれぞれ部分的ないわゆるその時代時代の要請といいますか、地域地域の要請に基づいてこういうふうな手法が出てきたと思うんですが、その進捗状況等はそれぞれ資料をちょうだいしておりますし、それで理解するとしてです、私思いますのに、いわば都市の機能の更新を図るための事業、そういうことでたとえば良好な市街地の環境をつくるとか、あるいは都市の安全性を確保するとか、住民生活の改善向上を図るとか、あるいは住宅不足の解消を目指すとか、そういうふうなことを目的にして推進されてはきたんですが、これらのいろいろの手法の中にいわゆる整備とか開発あるいは保全の方針という、何か一つ整合性を持ったそういう方針のもとにこれらの手法が手がけられてきたのかどうか、この点をお伺いしたい。あるいは歴然たるものが感じられるのは、いわゆる機運の盛り上がりといいますか、そのとき、あるいは特定の場所、そういうものにそういう要請が出てきてそれを手がけたと、いわば後追い行政になったのではないか。ここで一番求められるのはやはり整合性の問題ではないだろうか、こういうことを感ずるんですが、この点はいかがでしょう。
#72
○政府委員(吉田泰夫君) 各種の手法、法律に基づくもの、あるいは事実上のもの、いろいろありまして、確かにそれぞれの目的のもとにそれに最も適合したものを選んで実施してきたわけでございますが、こういったものが都市全体の整備、開発、保全の方針に基づきまして整然と行われるということが最も望ましいわけであります。私どももそうあるべきことをかねて主張もし指導もしてきておりますが、なかなか既成市街地内の人が住んでおるところを何らかの意味で再開発するということになりますと、どうしても地元権利者の機運の盛り上がりというものにも相当影響されざるを得ないわけであります。そういう意味で整備、開発または保全の方針に基づき整然とやってきたとはとうてい言いがたい状況にある点はまことに残念でございます。まあ各種の事業の実施、採択基準の区分などにつきましては、私どももたとえば市街地再開発事業の要件、これは相当厳しい要件ですが、これに該当するところはこの法律に基づいて市街地再開発事業としてできるだけやってもらおう。しかし、その要件に合わないけれども、それに近いような効果を期待したいという場所につきましては、特定街区、総合設計などの手法を用いる。また、再開発事業の要件に合致するか、あるいはしないにしましても、資力が乏しい居住者が多くて、しかも非常に不良住宅が密集しているというような地区であれば、これは住宅地区改良事業として賃貸住宅、改良住宅というものを建てることによってそれに入れていく。こういったことが一番ふさわしい。それぞれにそういった仕分けは一応やっておりますが、基本となる都市全体のマスタープランと言うべきものが、それに基づいて整然と行ってきたとは言いがたい実情にあることは御指摘のとおりでございます。
#73
○二宮文造君 いま都市局長言われたマスタープランというものに、たとえば名をつければどういうものですか。マスタープランがなかった、したがって整合性を持って――こういう都市再開発の整備とか、開発とか、保全に整合性のあるそういうものがなかったと、マスタープランがなかったと、マスタープランには名前をつければどういうものですか。
#74
○政府委員(吉田泰夫君) これは一番理想的には都市再開発基本計画というようなものだと思います。あるいはそれがある程度抽象化した都市再開発基本方針とか、さらに一歩下がれば少なくとも都市再開発の行いたいというような地区についての選定基準と、こういったことになろうかと思います。
#75
○二宮文造君 大臣ですね、いま都市局長が名前をつければ都市再開発の基本計画、基本法、そういうものがなかった。したがって、いろいろ手法を手がけてきたけれども、それぞれの目的には合致しただろうけれども整合性というものには一段と欠けるものがある。とするならば、都市計画審議会の答申によりますと、すでに地域住民の意向を十分尊重して都市再開発の基本計画を定める必要があると、こういう答申されているわけですね。したがって、今回のいわゆる都市再開発法の一部改正、これを提案するに当たってやはりそういう基本計画らしきものをなぜ織り込めなかったんだろう、後追い行政でずっと来たわけですが、この辺で一遍整理をしてみる、一切のものをここに集約をしてみる、そしてこれからでも整合性をとっていく、そういうふうな配慮がなぜできなかったのでしょう。この点いかがでしょう。
#76
○政府委員(吉田泰夫君) 本法案の提出に当たり私どもも真剣にその点を検討いたしました。しかしながら、法文にそういった基本計画を織り込む以上は何らかの拘束力を持たせるとか、再開発基本計画なしには再開発事業は実施できないとか、法律にあえて規定するその必要性の裏づけとなるような制度上の位置づけがどうしても必要である。そこまでの位置づけを持った再開発基本計画というものを定めることが確かに理想ではあろうし、考え方としてはそうなければならないとは考えましたが、やはり何といっても反面地区内の権利者の生活、営業に非常に影響することになりますから、そういった意味では権利者の再開発の機運というのも無視して計画が立てられるものではない。そうなりますと、個々の具体的な個所を掲げるような基本方針、基本計画にはできにくいわけでありまして、より抽象的なものにならざるを得ないんではないか。そういう形のものはこれこそぜひともつくるように指導し、そういった事実上の基本計画、基本方針のもとに今後は各都市とも再開発をやっていただきたい。こういう気持ちでおりますが、そういう内容になってきますと、あえて法制化するというまでの必要性がなくなってきまして、たとえば都市計画法にある市街化区域内の「整備、開発又は保全の方針」というようなものの中により具体的に今後書き込むようなことを実行すれば、それと完全にダブってしまうのではないかというようなことに検討の結果立ち至ったわけでございまして、そういうことであえて条文としては掲げることができなかったわけでございます。が、本来あるべき姿はそういった基本方針のもとに整然とした区割りをいたしまして計画的に進めるということでございますから、一方において関係権利者の機運、こういったものも醸成していく、積極的に接触していくということもあわせまして事実上の基本方針を定めるべく努めたいと考えておる次第でございます。
#77
○二宮文造君 いろいろ事情の説明があったわけですけれども、神奈川県におきましては、御承知のように先ごろ昭和六十年までに市街地再開発の必要な地域の選定基準、こういうものを設定しまして、ABCDとこういう地区に色分けをしまして、こういうふうなことになるんではないかというような選定基準を設定したと、このように聞いておりますけれども、その内容に照らして、先ほども都市局長が言われたいわゆる選定基準らしきものですね、国の側ではそういう市街地再開発の選定基準というようなものを用意されているんでしょうか、あるいはそのお考えがあるのかどうか、その点を伺いたい。
#78
○政府委員(吉田泰夫君) 私どもも詳細具体的な基本計画ということになりますと、なかなか容易でないと思いますが、せめていま言われる何らかの形での再開発を促進すべき地域という意味の選定基準ぐらいはぜひともつくりたいと考えておりまして、神奈川県の例も伺って勉強しておりますが、国としましても、まず全国の一部、モデル都市を選びまして、そこでそういった意味の都市再開発基本計画とまで言えますか、そういった方向のマスタープラン的なものをつくるための手法というものを検討したいと、それをモデルに成果が出ましたならば、他の都市につきましても少なくとも選定基準程度のものをつくるべきであるということに持っていきたいと、こういう構えでおりまして、おくれておりますが、今後そういった調査及びその結果によるモデル開発というものを進めたいと考えておるところでございます。
#79
○二宮文造君 いま言われたモデル都市をつくる、そのモデル都市を選んで、その選定基準らしきものをそこでつくり、そういうものを得て各都市に選定基準をつくらせるように指導していくと、まあ将来の方向を示されたわけですが、これは急がれるわけでしょう。ですから、そういうものの作業を進める目途は一体――将来に向かってということではもう遅いと思うんです。したがって、どういう考え方で、どういう計画をお持ちで具体的にそういう作業を進められていこうとするのか。たとえば五十一年度にでもそういう選定基準をつくるための助成措置を講ずるというところにまで考えを決めていられるかどうか、この点をお伺いしたい。
#80
○政府委員(吉田泰夫君) 実は全国わずか二都市でございまして、はなはだ少ないんですけれども、それをモデルとして、そういう選定基準等の策定のあり方のモデルをつくろうという調査を四十九年度から始めておりまして、五十年度も継続して行うこととしております。まあ五十年度の調査によりまして何とかそのモデルまでは一応こぎつけ、それを個々の都市に当てはめる研究をもう少し時間をいただいて固めました上で、これは将来の問題になりますが、それを示して各都市にそういった基本方針をぜひともつくるようにという指導をしたいと思っておりまして、それをただ一片の指導だけでも各都市ともになかなかやりにくいでしょうから、まあできるだけ国としても助成するといった構えの予算を伴った形でやれれば最も望ましいわけでありまして、そういったものを、五十一年度はちょっと間に合いませんが、五十二年度ぐらいには始めたいと考えておるところでございます。
#81
○二宮文造君 大臣、いままでの質問聞いていただきましたように、まあ次に入りますけれども、いろいろな手法が考えられてきた。それはそれなりに成果を上げたと思います。しかし、もう大臣もお気づきのように非常に再開発事業というのは錯綜していますね。結論は、なぜかというと、それはやっぱり要請に基づいて次々出てきたという後追い行政、これが錯綜した大きな原因だろう。したがって、ここをまあ一応整理するといいますかね、もうその再開発というのは非常に大きな何というんですか要請があるわけですから、ここでひとつ基本計画なり、あるいは各都市のこうあるべき姿というものを描いて、それにかみ合わしていく、こういう誘導していく国に確固たるものがなければならないのじゃないだろうか、それをいま質問をずっとやってきたわけですね。そうして選定基準、そういう再開発のための選定基準というのは必要だと、いま二カ所でモデル都市をやっている、五十一年は無理だけれども、できれば五十二年と、こういうふうな整合性を持ったものが必要だというふうな要請が出ているにもかかわらず、政府の受ける姿勢というものがまだ待ちの姿勢にある、ますます錯綜してくるんではないか、こう感じるんですが、いわばその基本計画を作成する、これはまあ不可能かもしれません。ならば、そのいわば選定基準みたいなものでもぴしっとこうつくっていく、そういうものをやっぱり指導していく、誘導していくという姿勢をもっと早くとる必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣、どうですか。
#82
○国務大臣(仮谷忠男君) お説はよくわかります。選定基準となる再開発基本計画を示して、そして誘導していくということが、これは政府としても当然の課題だと思うんですけれども、過去の例からいっても、その基本計画はどこまでも住民の意向というものに即していかなきゃならない、そこに非常にむずかしさがあるわけで、いままで都市再開発法をやってきましたけれども、一番の問題になるのはそこなんでして、権利の交換分合といった問題がなかなか一挙に解決つかない、そとに非常に問題があって進まない。そこで、新しい手法として、一応先行投資したものについては、むしろそれに積極的に開発をしていこうという新しい手法を考えたわけで、そういう形のものが一つモデルとしてでき上がると、なるほどいいものができたんじゃないかというそういう形で、現実にひとつ物を見せて、それで遂行していこうと、こういう考え方も実はあるわけであります。しかし、それはあくまでも後追いになることは申し上げるまでもありませんから、やはり基本的なものをぴしっと決めて、そうしてこの方針でいきますから協力してくださいというふうな積極的な姿勢を持たなきゃならぬことは当然であります。そういった面では私どもも今後努力をいたしていきたいと思っております。
#83
○二宮文造君 なるほどいいものができた、それが刺激になって他地区に対するあれになるというふうな考え方もありましょうし、従来の実績を見てきますと、いいものができたときには次の手法に変わっているというようなことにもなっていやしないかと私は思うわけです。結局、事業の施行者になる地方公共団体が、主として施行者になる地方公共団体が非常にとまどいを生ずるようないままでの手法がこういろいろあったんじゃないかなと私は思うわけです。したがって、そこに整合性を持てば、どういうものをやるにしても、一本のものからこう類推していけば、推しはかっていけばその手法が描き出されてくると、こういうものが必要ではないだろうか。これはできれば急ぐ方がいいと、こういう考えでいま申し上げたわけですが。
 さて、次に進みますが、政府はこの改正案で第二種再開発事業制度、あるいは個人施行制度、あるいはまた市街地再開発促進区域制度、こういうものを規定しようとしております。そうして再開発を促進するようにしたいということでありますけれども、この促進区域制度、これはいわば宅地の権利者による自主的な再開発を促進する、こういうためのものでして、ところが、宅地の権利者が再開発をすることが適切でない地域、たとえばその公共施設の整備のウエートがきわめて高い地区、こういうもの、あるいはまた資力の乏しい関係権利者の多い地区、こういうところの地区はこの制度の対象にはならないと思うのですけれども、そういう地区は再開発の必要性のあるこういう地域。しかもいま言ったような条件を持っているようなところは一体どこがやるのですか。
#84
○政府委員(吉田泰夫君) いま申されましたような地区は確かに権利者による再開発を期待することは無理でありまして、そういう意味で促進区域の対象とはなり得ないと考えております。しかしながら、まさにそういうところは真に再開発の必要性があり、かつ緊急な要請もある地区でございますから、そういうところは地方公共団体が主として行うということになります。ただ、地方団体はやはり陣容、財政力、組織力、おのずから限界がありますから、そういった公共団体しかできない場所にこそ力を振り向けるべきであって、民間にでも再開発が期待できるような場所はできるだけこの促進区域等によって自力でやっていただく、その余った力を挙げて民間では期待できない場所に振り向けるという趣旨の制度でございます。
#85
○二宮文造君 その促進区域に指定されますと、宅地の権利者は五年以内――大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法で先ほども同じ趣旨の質問がありましたけれども、この促進地域に指定されますと、宅地の権利者は五年以内に事業に着手する努力義務が負わされているわけであります。この促進区域の指定に当たっては事前に関係権利者の了解をとって指定することになるのか。あるいはまた促進地域の指定に当たっては種々の事情が考慮されると思いますけれども、具体的な指定の基準、こういうものはどうなるのか、それをお伺いしておきます。
#86
○政府委員(吉田泰夫君) 法律上は法定の要件が厳重には定められておりますが、それをもって都市計画決定の手続によって案を縦覧し、意見書を提出させる等によって意見を反映させつつ都市計画決定をしていこうという仕組みになっております。しかし、私ども実際の運用に当たりましては、文字どおり関係権利者による再開発を何としても期待しなけりゃならない地区でありますから、その事前の意向というものがはっきりしまして、積極的にやろうと、少なくともやってもいいという程度には機運が盛り上がっていませんと、指定をしても何年たっても再開発にかかれないと、こういうことになりますので、そういうことのないよう、実行上は単に法律手続以外にも十分事前に関係権利者の意向を打診し、その大方の意向に即して指定するということを考えたいと思います。
 なお、指定の要件は法律に定められておりますが、そういったこと、及びいま言ったような権利者による自発的な再開発が期待できるということをあわせ考えれば、具体的な指定基準としては、ある程度経済力もある、しかし現況は木造建築物が大部分を占めていて、今後建てかえ等による建築活動の活発化が予想されるようなところ、あるいは現在はさほどまだ盛んな商業地でないにしても、その地区全体の将来計画等から見てやがては相当の経済力を持つような、したがってまた建てかえ等の機運も出てくるような地域などが具体的に指定されることになると思います。
#87
○二宮文造君 ちょっと私非常に初歩的な質問で恐縮なんですが、いま答弁伺っていますと、地元の意向、いわゆる地元の意向を十分に事前にくみ、そして盛り上がりを待ってというお言葉がありましたね、そしてその都市計画決定をする。こういうことになりますと、促進地域に指定する必要がないんじゃないだろうか。促進地域に指定することによって事業が促進されるという理由はどこにあるのでしょう。
#88
○政府委員(吉田泰夫君) 再開発の機運があると申しましても、実際に再開発の計画を立て、それを事業計画に結びつけ、さらには権利変換計画に結びつけていくということになると、非常に細目にわたる詳細なビルの設計から始まり、権利調整のための話し合いがまとまっていかなければなりません。そういう意味で、やはり時間的にもある程度かかりますし、その間公共団体等による事実上の指導助言、あるいは相談を受ける等のこともどうしても必要になります。促進区域を指定いたしますと、法律上はその促進区域の都市計画の中に公共施設の配置及び規模も同時に定められ、さらにそれ以後の開発の最小単位とも言うべき単位整備区というものが定められまして、再開発の目指すべき根本的な事項がかなり具体的に示されることになります。さらに再開発の支障となるような新たな建築行為等が厳しく規制されることになります。また、促進区域が指定されたことによって、将来設計を立てた場合に、残留して再開発に加わるというよりも、それならば地区外に転出したいという方も出てくると思います。そういう方のためには土地の買い取り希望の申し出も開けてくることになります。
 以上のような法律上の効果のほか、実務上としても促進区域を指定して明確化すれば、他の地区のように一般的な指導あるいは説得といった程度にとどまらず、もう促進区域に指定して何としてもいずれは再開発しようということになりますから、市町村等の技術者、経験者も挙げてこういった地区に集中し、きめ細かな指導ができることになりますし、再開発やれと言っても大体どういう計画だったらいいのか、たたき台ぐらいつくれと言われた場合にはマスタープランをつくる、あるいはもっと事業計画の骨格ぐらいは示してもらいたいと言えば、そういった要請を受けて、そういったものもつくってお示しするというような具体的な促進のための措置が図られることになると思います。促進区域が指定にならなくても、広くまんべんなく必要と思われる個所をシラミつぶしにそういうふうに接触すれば、それはこれにこしたことはありませんが、やはり能力にも限界がありますから、はっきりそういう決めた地区につきましては、それこそ全力を挙げて一緒につくり上げていくというぐらいの気持ちで御指導申し上げることになるんではないか、こう考えます。
#89
○二宮文造君 そうしますと、立場を変えて考えますと、国あるいはその都市のいわゆる再開発の選定基準というものが明確になれば、すれば、こういう促進地域に指定しなくても、その選定基準のもとに事業計画というものをつくっていくようになれば、選定基準ができれば促進地域に指定することと同じような効果が出てくるんじゃないでしょうか、この点どうですか。
#90
○政府委員(吉田泰夫君) 選定基準を、この促進区域のように土地の場所を特定して地図にあらわせるような形で、この区域だとまで決め切れるかどうか。もう少し抽象的な、こういった不良住宅の率がある程度の率であるとか、公共施設の率がこんなに低いとか、そういった数量であらわせることの方がむしろ多いのではないかと思いますが、仮にかなり具体的に区域が選定基準でおのずから定まるようにそこまで書き込んだといたしましても、現在の大都市、小都市を問わず、再開発を促進したいという地域はかなり多くの地区にまたがると思います。それを全部この促進区域が指定されたと同様に、手厚く説得もし、助成も援助もできればこれはおっしゃるようなことにもなるかもしれませんが、なかなか一挙にそこまでの体制は実際上困難でありますので、やはり都市計画ではっきり定め法的効果も持たせた、それほどまでして必ず再開発を実現しようと位置づけたところ、そここそは、これも都市によっては相当数に上るかもしれませんが、それにしてもそこまではっきり位置づけたところ、これが何としても最も優先して相談にもあずかり、御指導もしなければならない、あるいは各種の他の法律あるいは税制体系による援助措置の対象地域としても浮かび上がってくる。こうやっぱり実際を考えまして思っている次第でございます。
#91
○二宮文造君 もう一つ、私いま答弁を聞きながらふと心配になりましたことは、促進地域に指定される、そこには土地のいわゆる所有権者がおりますね、あるいは借地権者もおります、建物の所有権者もいます、借家人もおります、また借り人もおりますね。いろいろ種々雑多な階層の人たちがその促進区域の中に住んでいる。そして指定を受けますと、土地の所有権者あるいは建物の所有権者、いわゆる権利者には非常に有利になって、この土地は再開発が促進されるのだ、むしろそれに協力をしないといいますか、家から追い出されるとか、そこには権利設定が非常にあいまいな住宅に住んでいる人もいますね。そういう立場の弱い者がぐいぐいこの五年の間に責めつけられて、五年以内には事業に着手しなければならぬのだと、こういうような外堀を埋められたようなやり方になっていきますと、立場の弱い者が促進地域の指定を受けることによって一層精神的にも苦しめられるのじゃないだろうか。こういうことを私は心配するのですが、この点どうでしょう。
#92
○政府委員(吉田泰夫君) そういった土地所有者と借地権者には有利かもしれないが、借家権者とか現に入っている人にとって必ずしも有利でないというような、いろいろな計画の立て方があります。それは再開発すべきかどうかという基本から始まりまして、同じ再開発するにしてもどういったビル、どういった公共施設の整備を図っていくかという内容に至っては、いろいろな意見があるわけでございます。御指摘のように、弱い立場の者と申しますか、現に入っている、入居しているような人がその犠牲に供せられるということがあってはなりませんから、そういった人も含めた全体の意向を十分事前にくみ上げて、その大方の意向に即して促進区域を指定しようというのもそこにあるわけでございますので、促進区域が法的に天下って決められ、それをバックに借家人等をぐいぐいと押し込んでいくというようなことにはならないように、そういった事前の、指定以前の配慮を十分行う、こういうことを前提としているわけでございます。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
#93
○二宮文造君 まあ、弱い立場の人の権利を守るためにいろいろなことを考えているのだと言うけれども、再開発の促進区域なんというのは、いわゆる促進区域とこうなってきますと、これはやっぱり言葉自体が、どんどんどんどん進めていくのだと、誘導地域ならまだ話がわかりますが、促進地域という言葉の受ける感じというのは、私がいま申し上げたような弱い立場の人の権利というのが押し込まれるのじゃないか、これは後でまだ関連して質問したいと思いますが、そういう心配があること、これは一点申し上げておきます。
 それから、さて五年を経過した、促進区域指定後五年を経過しても事業が着手できなかった場合には市町村等が肩がわりをして事業を実施することになる。こうなっておりますけれども、国土利用法による遊休地の例にもありますように、財政的なことを理由にしましてその指定にちゅうちょする、公共団体はもう五年後には肩がわりするわけですから。財政的な問題でこの指定をちゅうちょする、こういう傾向が出てこないかどうか、この点はどうでしょう。
#94
○政府委員(吉田泰夫君) 法律の制度としては、建築規制等を伴いつつ必ず促進されることを期待した促進区域の制度を置きましたわけでございますので、それがいつまでも放置される、あくまでも自発的な再開発だけを待つというのではその歯どめがないという意味で、万一を思いまして五年といった期間経過後、もはや権利者による再開発が期待しにくいという事実の経過を見まして、市町村がとにかくこれを仕上げる、完結するという仕組みにしたものでございます。しかしながら、促進区域の指定は、民間による再開発が十分期待できるのみならず、そういった具体的な機運があるというところを指定することにいたしますから、まあ大体の場合はその期待どおり組合施行等によって権利者による再開発が行われるはずでありまして、まあしかしながら、全部が全部その期待どおりいくということも、これもまた期待するのが無理かもしれません。やはりごく一部は予期に反して権利者の力だけではやれないという事態もあると思います。まあ公共団体はそういったある程度の歩どまりも予想しつつ指定することになると思いますから、その点にちゅうちょする要因が皆無とは申せませんけれども、まあしかし、公共団体が引き受けてやる場合には私どもも全力を挙げて、地方財政が支えられるよう補助採択に当たっても優先的に配慮する、あるいは起債等を配意するといったことを心がけるつもりでありますから、まあめったにないこと、もしあっても、そういった起債、国庫補助等の優先採択によってまずまず地方財政も支えていけるというような体制がありますから、それでも万一と言えば切りがありませんけれども、五年後に相当のものが公共団体施行にかぶさってくるであろうという懸念で、極端に指定をちゅうちょするということはないのではないか、またそういうことはないようにぜひとも持っていかなければならないと考えます。
#95
○二宮文造君 何かこういう説明を受けておりますと、再開発の促進区域という手法も、いま建設省が頭に置いているのは、もうごく特定の、あそことこことここと考えられるような特定のところをもうすでに想定をして、その場所にこれを当てはめていく。もっと言いますならば、この一部改正は局限されたある地域を頭の中に置いて、法の一部改正をされているように私感ずるのですが、そういうふうに理解していいんでしょうか。あるいは一般的にそういう要件がありますから、要件にかなうものは一般的にそれを当てはめて、そして促進をしていく、再開発をしていくという考えなのか。もうすでにごく一部のところを頭に置いてやっているのか、この点どうですか。
#96
○国務大臣(仮谷忠男君) 一番理想から言えば、先生おっしゃるように選定基準によって開発計画をつくって、そして一つの基準に基づいて全国的に再開発をしていくということは理想であります。そのとおりであります。ただ、この再開発がそもそもいろいろ議論をされましたのは、特に大都市を中心にして非常に環境が悪化しているところがある。しかも、ほうっておくと非常に危険地帯である。火災でも起こった場合には人命財産にすぐ影響を及ぼしてくる。あるいはゼロメートル地帯のところでもし津波でも起こると大変なこと、地震でも起こると大変な災害が起こる。要するに生命財産が危機にさらされておるといったようなところから重点的にやはり再開発をしていくというのが私は一つの行政としては方向ではないか。そういう意味においては、特定のところを考えるというわけでもありませんけれども、そういうふうに東京都で考えていけば、おのずからまずやらなければならぬところがこう認定できてくるというわけでありまして、そういう意味から、ほうっておけば自分たちの生命も財産も災害のときに危ないのだから、だからみんなが一緒になって将来永久に安心して住まいのできる町づくりをしようということから出発して、そういう意味で関係権利者がまず立ち上がってもらおう、国もできるだけのことをやっていこうと、こういう趣旨から私は出発し、そうして双方、民間も政府も協力しながら、お互いの生命財産を保持し、将来安心して住まえる町づくりをしようという、そういうところからひとつ出発する、そういうところから協力をいただく。そのための手法としては弱い者いじめにならないように、これは十分な配慮をしなければいかぬことは当然でありまして、そういう意味から進めていきますと、若干選定基準をつくってやるにしましても、重点的に緩急の度合いというものはあるんじゃないか、こういう感じが実はいたします。
#97
○二宮文造君 こういう一般的な都市再開発法の一部改正ということでなしに、時限立法みたいなやり方、あるいは特定の地域を対象にするやり方、特別措置法、そういうものでやるべきであって、こんな一般的な都市再開発法を一部改正するという中に特定のものを当てはめていこうとするから、この再開発の手法が非常に複雑になって困るんではないかと、これは私いまこの場で直観的にそう思うわけです。それで、問題はそのまま残します。
 次、個人施行者制度の創設がここでうたわれておりますが、この制度によりますと、宅地の権利者の数は指定しておりません。制限しておりません。それからまた説明によりますと、事業の手続が簡素化されて、都市計画の決定を得ることなく第一種再開発事業の施行ができる。そしておおむね組合施行と同様な助成措置を受けることができると、こうされておりますけれども、個人施行の場合と組合施行の場合と、やり方によって利害得失というのが出てくると思うのですが、それを説明いただきたいと思います。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
#98
○政府委員(吉田泰夫君) 組合施行の特色は、相当数の権利者がおられまして、その複雑多岐にわたる権利関係を処理するためには市街地再開発事業の施行主体としての単一の法人である組合というものを設立しまして、それが法律上の主体となっていくことによって法律上の権利関係が単純化されるという点に着目したものであります。したがいまして、権利者が相当数に上るときには実際上個人施行ということはできないと思います。もちろん個人施行は人数の限定がありませんから、いかに多数の方であっても全員完全に合意されていけばできないわけではありませんが、しかし、基本的には合意されても個々の細かい事業計画や権利変換計画を策定する段階で、完全にすべての場合意見一致するとは限りませんから、そのささいなことを調整する手段がないわけでございます。そういう意味で、組合施行であれば組合という単一法人のもとにそこが原案をつくり、意見をたたいて進めていくということですから、多数権利者がおられる場合は組合施行しかあるまいと、こう考えるものでございます。個人施行はそのうらはらになりますから、数が少ない場合、二、三人とか、五、六人といった程度の場合には、何も組合までつくらなくても全員同意ということは優に考えられますので、そういう場合に非常に適しているんじゃないか。
 なお、組合施行の場合は、五人以上権利者がおりませんと組合設立もできないわけですから、四人以下でやろうとすればいままでは再開発事業ができなかったわけですが、今回の措置により個人施行としてやる道が開かれることになります。また、場合によりましては、個々の権利者の方が相当の資力を持ち、信用がありますが、なまじ組合という形にしますと、組合自体の固有の財産というものは格別ないわけでありまして、信用力の点から逆に弱まるということも間々あることでありまして、そういった場合で、小人数であれば個人施行の方でむしろ金融機関の信用も得やすいかもしれません。
 また、再開発事業の実施には賛成だけれども、自分が施行主体の一員になって責任までかぶるというのはいやだという場合も考えられます。こういう場合には個人施行者の制度によって個人施行者の中には入らないけれども、全員同意の中には入るという形でやることができます。組合施行ですと、そういう場合でも強制加入でございますから、いやでも組合員になるという違いがあります。
#99
○二宮文造君 中身は同じなんですね、大体助成措置は。そうしますと、どうでしょうか、従来行われてきました民間デベロッパーの建てかえ事業に利用される――利用されるというか、むしろそういうことを頭に置いて個人施行というものをここに取り入れようとされているんじゃないかと思うんです、私は。そこで、もしそうなりますと、民間デベロッパーが不当に利益をする、こういうふうになるのではないかと心配がされますが、その歯どめはどうお考えになっていますか。
#100
○政府委員(吉田泰夫君) 個人施行の場合も組合施行とほぼ同様の国庫補助等の助成を行うと言っておりますが、これは限定がありまして、いま言われたようにデベロッパーが施行者となるというような場合には補助まではいたしません。つまり、個人施行でも数人集まっていわば小型の組合のような構成になっているそういう場合に初めて国庫補助しようというものでございます。民間デベロッパーが建てかえ事業を盛んに行っておりますが、これは大体土地所有者も一人の場合が多いわけでありまして、そういう場合であれば土地利用が細分化されているというような要件に該当しないことになりますから、市街地再開発事業をやりたいと思っても認可できないことになりますし、もし多数権利者がおられ、その中に民間デベロッパーも入っているというような場合で、個人施行のような形であえて公的な監督に服しつつ、都市計画で示された再開発のあるべき姿に向かって事業をやってもらうということであれば、これは任意の事業として建てかえ等がなされるよりは再開発の観点から望まいわけでありまして、しかし、非常にうるさい監督がありますから、単独でもできるような場合に、あえて再開発の手法を望むということも実際は考えられないのではないかと、こう思います。
#101
○二宮文造君 ちょっと私答弁伺ってて、余り混乱しないように説明していただきたいんですが、いまの局長の前段の説明は歯どめの説明なんです。後段の説明は、むしろ、それが望ましいと、こういう説明なんです。私の質問は、こういう個人施行の制度を取り入れるということは、従来間々言われております民間デベロッパーの建てかえ事業に利用されることにならないか、そして不当に利益をすることにならないか、そのためにはどういう歯どめを考えていらっしゃるのか。その質問に対しては、うるさい監督がありますからという一言に尽きているわけです。おっしゃるうるさい監督とは、どういう中身を持っているんですか。
#102
○政府委員(吉田泰夫君) うるさい監督というのは、この法律に定める知事等の法律上の監督権限、事業認可権限でございますが、そういうふうなこと私強調した意味ではなくて、まず申し上げるのは、デベロッパーが建てかえを行う場合には、まずほとんどの場合、再開発事業の法定要件を満たさないということです。次いで、デベロッパーが再開発を行う場合に国庫補助はいたしませんと、こういうことでございまして、その他のことは少し混乱して余分でございましたので、訂正さしていただきたいと思います。
#103
○二宮文造君 ちょっといまの説明、なお納得できないんです。といいますのは、土地の権利者の中に民間デベロッパーが加わって、組合ではないけれども、組合の構成員みたいなかっこうで入ってくる場合には、むしろそれは都市の再開発のためには望ましい姿であってということを局長さっきおっしゃった。この一言を耳にする限りは、民間デベロッパーが加わって、いわゆる私の言う建てかえ事業に利用する、そういう道も開かれているんじゃないかと私心配するわけです。はっきりと民間デベロッパーが加わった場合はもう補助も助成措置もありません、建てかえ事業にはもう利用させません、こういう御答弁であれば納得できるんですが、その点はどうですか。
#104
○政府委員(吉田泰夫君) 単なる建てかえ事業に利用させるつもりはありません。私が申し上げましたのは、いわゆるデベロッパーの方が、たまたま土地所有者なり借地権者の立場で、あまたある権利者の中に入っている場合に、そういうことはあり得ないわけではありませんので、そういう場合に、土地の利用が細分化されて不健全で再開発を要するという法定要件に該当する場合もないこともないでしょうということを申し上げたわけで、御指摘のようなデベロッパーが中心になっているようなところでは、まず法定要件にも該当しないと思いますし、仮に法定要件に該当しましても国庫補助するということは考えておりません。
#105
○二宮文造君 これで問答していてもしょうがありません。それで、議事録にとどめましたので、あとは事実をもって、また将来問題になるかとも思いますし、いまおっしゃった建てかえ事業に利用されるようなことはさせないという、それを中心の御答弁と私は了解をします。しかし、ちょっとまだ納得のできない点もあるんですが、次に進みます。
 ところで、こういう個人施行の場合に周辺地域に影響を与えることがあるんじゃないかと、こう思うんです。その場合、その周辺の地域住民の意向を無視してこういういわゆる再開発事業をやろうとする場合は、どういうふうに監督していくつもりでしょうか。
#106
○政府委員(吉田泰夫君) 個人施行者の場合でも、組合設立認可と同様に、規準または規約と、事業計画につきまして知事の認可を必要としておるわけでございます。したがいまして、その地区が再開発を必要とするという法律に定めた厳重な要件に該当しなければなりませんので、幅広く再開発事業の形をかりようというわけにはいかないわけでございます。この認可に際しましては、周辺との調和ということも配慮するよう指導する考えであります。もともと再開発事業は、個人施行の場合も含めまして、高度利用地区内でしかできませんので、この高度利用地区というものを都市計画で決定する際に、都市計画法による付近住民をも含めた縦覧、意見書の提出といったことがありまして、それによって高度利用地区が定められたところで再開発が行われるわけでございますから、そういう意味でも制度的な担保があると考えております。
#107
○二宮文造君 それから次に、第二種再開発事業の問題についてお伺いをするわけですが、この第二種再開発事業の施行区域の条件に該当する大規模開発を必要とされる区域であっても、権利変換方式による第一種再開発事業の施行区域として都市計画で定め、同事業を実施することができると、こういうふうにされておりますけれども、大規模開発を必要とする区域で、いわゆる第一種の権利変換方式と、それから第二種の買収方式、この選択を認めた理由は一体どこにあるんでしょう。
#108
○政府委員(吉田泰夫君) 私どもやはり再開発事業の原型は第一種であって、第二種はその発展といいますか、応用というふうに一応考えておるのでございます。と申しますのは、確かに大規模再開発を必要とするような場所におきましては、権利者数も多いし、実際事業を実施しようとする場合に、いままでは第二種の制度がありませんから、やむを得ず第一種で苦心して話し合いを続けてきているわけですけれども、こういった制度ができれば、恐らく第二種の方がはるかに施行促進になるはずのものでございますから、第二種になると思います。しかし、法律上の制度としては、多数権利者がおられましても、第一種の方でも十分うまくいくという場合があり得ないときめつけるわけにもいきませんので、そういった場合に第一種ができないというふうにまで法律上否定するのもどうか、やはり両者相どちらでもあり得るようにして、そうしておけば、恐らくは第二種の方がやりやすいと思いますからそちらになると思いますけれども、たまに、うまくいって第一種でもいけるという場合には第一種もあり得ると、こういうふうに余地を残しておこうという趣旨でございます。
#109
○二宮文造君 それで、四十四年の四月十七日に、いわゆる都市再開発法が参議院の建設委員会で審議をされましたときに、附帯決議の第三番目に「市街地再開発事業の実施に伴い、権利を失うこととなる零細な居住者の補償等について、十分に配慮すること。」と、いわゆる借家人を含めて零細な居住者の権利を守る、立場を守るという附帯決議をつけているわけでありますけれども、今回の改正案で借家人は市街地再開発の組合の組合員になれない。こういうことになっておりますけれども、事業の円滑な推進を図るためにはこういう借家人も組合員にしてよろしかったのじゃないだろうか。土地の権利者ないしは建物の権利者、そういうものと、それから借家人とのいわゆる持ち分というものはおのずから明らかになっておりますし、組合員にしてもよろしかったのじゃないだろうか、その方が心配がないし、かえって事業が円滑に推進するのではないか、こう私は思うんですが、加えられませんか。
#110
○政府委員(吉田泰夫君) この点も今回の法改正案を、原案を作成するに当たり十分慎重に検討したところでございます。しかしながら、やはり再開発事業が土地利用の形態を変更する事業である。つまり現に建物が建っている、あるいは建つことが予想されている土地につきまして、その建物を除却し及び新しい建物を建築することによってその利用の状態を変更する、こういった事業でございますので、民法等の私法上その権能がある者でなければ組合員とすることはできない。組合員というのは要するに施行主体である組合、その構成員になるということですから、施行主体になるというような意味になるわけでございまして、そういうことはやはりこの権利の性格上限界を越えるのだと、こういうことになりまして、借家人を組合員に入れることができなかったわけであります。しかしながら、御指摘のように借家人の意向を反映しなければ事実事業はできませんし、また、すべきでもないわけでございますので、従来からその点は十分指導しておりますが、今後はさらに念を入れまして、借家権者の意向をあらゆる手続で十分協議を行うなどにより組み入れるよう指導したいと思います。
#111
○二宮文造君 そこで、借家人の問題なんですが、けさほどもいわゆる再開発住宅建設事業で建てられた住宅、それの家賃がどの程度になるだろうか、一つの試算を住宅局長から示していただいて、大体六十八平米で四万八千円程度、しかし、それに傾斜家賃の制度を取り入れて、当初は公営一種の二万七千円程度、そして三年経過したぐらいから傾斜家賃を採用していく、こういうような配慮が説明をされたわけですけれども、従来再開発事業というのは間々追い出し事業だと、こういうふうな批判もないではないわけですね。そこで、従来住んでいた住宅の家賃負担額を基準にして、新しい再開発住宅の家賃負担額がそれを上回る分は給付する、上回る分は何らかの形で給付をする、つまり欧米先進諸国で広く採用している家賃制度、そういう家賃制度の考えを導入して差額を補助するようなことにすべきではないかと、こう思うんですが、この点はどうでしょう。
#112
○政府委員(山岡一男君) 再開発事業が進められます場合に、公営住宅のみならずいろいろな公的資金による住宅をできるだけ建てていくというようなことを検討したいと思っております。けさほど御説明しました再開発住宅というのは、やはり零細権利者、借家権者の皆さんのために準備をしようということで始めたのでございますけれども、実際問題といたしまして、そういう当該場所で公的な賃貸住宅に入りたいとおっしゃる方に対しまして公営住宅を持っていきましてもやはり収入制限がございます。したがいまして、収入制限にかかわらず入っていただく公的住宅ということで実はこれは始めたものでございます。したがいまして、けさほど申し上げましたように、三年間はとにかく公営一種並みでやっていただく、あと傾斜をかけて順次限界値まで上がっていくというようなことを検討してまいったわけでございます。先生おっしゃいますように、欧米諸国でそういう制度があるということでございますが、一般の応能制に基づく家賃補助制度についてわれわれ勉強したことございますけれども、そこまでの勉強は実はいたしておりません。
 ただ、そういう考え方はわれわれ持ったことはございまして、昨年も予算では一応要求をいたしました。差額につきまして補助金を出したいという要求を出しましたけれども、まだそこまでの補助が成立しておらないというのが現状でございます。ただ、一部転がし住宅等につきましては、従前家賃との差額につきまして地方公共団体が補助をしまして、その二分の一を国が補助するという制度をことしから始めることにいたしております。ただ、その年限を公共住宅といいますか、公共事業によって移転をした住宅に対する二年間の補助というのにならいまして、いまのところまだ二年間という予定でおります。そういうものについて、今後もそういうことも含めまして十分検討してまいりたいと思っております。
#113
○二宮文造君 これはひとつやはり再開発のネックになる問題だろうと思うのです。たとえば、私の知っている人が、国有地に建っている、いわゆるもと大蔵省関係にお勤めの方が、その家族の方が住んでいた、いわば何というのですか官舎みたいなものが本当に目と鼻の先にあるわけです。そこにはもうすでに役所関係の人は住んでおりませんで、すでにもう何といいますか借家契約もないまま非常に安い家賃で住んでいるわけです。しかも戦前の建物でして、軍の建物でして、もうほとんど何といいますか使用に耐えないような状況なんですけれども、そこに家賃が安いということ、それからもう九段のすぐそばですから非常に便利だということ、だから住宅環境としてはきわめて悪い、しかし便利だし、安いし、そういうことでしがみついているようにしてそのお家にいらっしゃる。ただし、その人たちももっと環境のいいところには住みたい。ただ、公団住宅をあっせんしましょうと言っても、そこは家賃がきわめて高い、もう仕方なくその土地に住んでいる。われわれが見ますと、これを従来の家賃を基本にしてもっと住環境のいいところへあっせんをすれば、この広大な土地が再利用できるのになと素人考えではそう思うのですが、なかなかそれが進みません。
 国有地に建っている国の建物の場合もそうですが、民有地の場合ですね、この都市再開発というものをこれから防災の関係からも進めていかなければならぬとすると、いま住宅局長のおっしゃったように、予算の要求の場合に配慮したように、従前の家賃をどういうふうにめどを置いて、そしてその負担にならないように考えてあげるかということは、再開発事業を推進していく場合の非常に大事な要件になろうかと思います。これはひとつ別途研究もしていただくし、推進できるように前向きに御検討いただきたいと、こう要望しておきます。
 さて、この再開発事業補助金ですね、これは一体何に基づいて行われていくのか、これをお伺いしたい。
#114
○政府委員(吉田泰夫君) 現在のところ予算補助でございます。
#115
○二宮文造君 予算措置という答弁でしたが、この補助は本来ならば百二十二条に基づいて行われるべきだと思うのですが、それに基づく政令というのはなぜ今日まで定められておらないのでしょうか。
#116
○政府委員(吉田泰夫君) たてまえから言えば、法律にその根拠があり、政令で定めるところによって補助することができるとありますから、その政令を定めて条文に基づく補助として執行する方が適切であると思います。ただ、市街地再開発事業に対する補助は、大部分が道路整備特別会計から出ているいわゆる道路管理者としての管理者負担金、それに国庫補助がいくというものが多いわけでありまして、その他の先ほど予算補助と申しましたものは、道路特会以外の一般会計から調査、設計、計画費、土地整備費共同施設整備費、防災性能強化費等が支出されているものでございます。これはまだ法律制定当初その内容が比較的手薄でございまして、年々その拡充を要求してまいりました。ようやく四十八年度以降四十九年度、五十年度と逐年これが強化されて現在に至っているわけでございまして、このような変動のある時期には補助内容を政令で固定するというのもまあ実際を考えて必ずしも適切かどうかということもありましたので、いまだ政令を定めていないところでございます。
#117
○二宮文造君 しかし、それはよくないんじゃないでしょうかね。大体百二十二条の二項に「国は、地方公共団体が、前項の規定により補助金を交付し、又はみずから市街地再開発事業を施行する場合には、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。」、明確にこのように法で規制しながら、いまだにフリーハンドを残す、予算措置でやっていくというのは、これはやっぱりちょっとあれでしょう、その事業を施行しようとする地方公共団体にとっては非常に何といいますか、あいまいなやり方に終始していると、こういうことになりませんか。政令をいつ定める用意があるんです。
#118
○政府委員(吉田泰夫君) まあ、補助金にもいろいろありまして、財政当局から見ても何らかの機会にこれを打ち切りたいとねらっているようなものもありますが、この再開発事業は年々増強されこそすれ、かなり長期的な計画に基づいて次々と継続的に実施している事業でありますから、これを予算補助だからといって打ち切ったり手薄にするということは実際はあり得ないと考えております。まあ私どもとしては、そういう懸念があればこれはぜひ政令で歯どめしておかなければならないと思いますが、むしろ地方公共団体側からも、かなり助成は手厚くなったけれども、まだ十分でない、いろいろ理屈を考え、できるだけの手当てを今後とも進めてもらいたいというふうにも言われておりまして、私どももまあ本改正案提出を機会にかなり充実したとはいうものの、各種の事業を取りまぜた再開発事業でありますために、まだこれで満足という段階でもないわけでございます。政令で定めましても、予算で獲得した上で政令を改正していけば同じことのように見えますが、やはり一応それで固定したというふうにとられがちでありまして、私どもまだちょっと当面この政令をつくるのはいかがかと、しかし、いつまでも政令を制定しないというわけにもいきませんから、まあまずまずというところまで来ましたならば、むしろそれが将来逆に手薄に変わることを避ける必要もございますし、政令を定めて歯どめにしたいと思いますが、ちょっとまだその時期ではないと考えておるところでございます。
#119
○二宮文造君 善意に解釈しますと、いま局長が説明されたように、まだ十分なあれになっていない。したがって、政令で決めると、その時点で決めると固定されたようなことで、これからの予算要求にに差し支えると、善意に解釈すればこうなんですが、悪意に――私いつも悪意に解釈して大変申しわけないんですが、悪意に解釈すると、フリーハンドを残しておいて、陳情行政をさらにまたかき立てていくようなことになるんではないか。これはどっちがいいかは私も判断つきませんが、しかし、事業を進めていく側とすれば、やはりその明確なものが出ておった方が事業立案の上にも非常にいいんではないか、しかも法律で一政令で定めるところにより、」と、こう明記している以上は、やはりその両面考えれば、それがいいか、まずいかわかりませんけれども、やはりその法律に明記したとおりの作業を国はなさるべきではないか。そういう意味では早急にこの政令を定むる必要があるのではないかと私は思うんですが、これもひとつまあ要望ということ、その程度にとどめておきたいと思います。
 この都市再開発法について最後の質問ですが、従来施行されてきました再開発事業、これは一部の防災拠点地区を除きまして、地方公共団体施行、組合施行を問わず、駅前などの業務地区やあるいは商業地区を中心に利潤の追求のために行われてきた、こういうふうな見方が一部に――一部といいますか、大方にあるわけです。今後は不良住宅地区あるいはその不良住宅が密集している地区とか、あるいはその混合地域で、良好な環境をつくり出し、住民生活の改善のための再開発にこれが使われていくと、こういうふうに期待したいわけでありますけれども、今回の改正を機に、いま申し上げましたような意味でのこれらの地域での再開発が大きく推進されると、こう期待してよろしいかどうかお伺いしたい。
#120
○政府委員(吉田泰夫君) 私どももそういう方向でぜひともいきたいと思います。ただ、まあいろいろそういった地区にも特色がありまして、やはり三分の二の国庫補助をもってする住宅地区改良事業の方がふさわしいような場所もありますので、幾つものしようがあって恐縮でありますが、やはりそういうところは住宅改良事業が今後とも中心になるのではないか。しかし、住宅地区改良法の弱点は、借家人としてしか入居できないところにあるわけであります。それに比べれば再開発事業は従来の持ち家の方は持ち家に、借家人の方は――原則として借家人ですが、保留床を希望して持ち家に切りかえるような道も開かれている、それに対する住宅金融公庫等の融資も強化されているというようなことがありますから、そういった方が多いところ、つまり借家人以外に持ち家の方が多いようなところでは改良住宅にはむしろなじまない。そういうところこそは都市再開発事業のあるべき本来の分野ではないか、こう考えております。また、混合地域につきましても、これも再開発が望ましいと言えば望ましいんですけれども、用途を純化する必要から再開発後残ってもらっては困るという業態の方も多い地区でありまして、こういう場合には、残存していただくことを主体と考えた再開発は、運用のやり方はありますけれども、本来はちょっとなじみにくい。むしろそういった用途純化の方向を目指して、用途不適格の工場等を都市再開発資金等で先行買収して、そこ跡地を核に他の手法により行うというようなことが適切かもしれません。そういうふうに細々したことはありますが、今後は駅前商業地区に偏することなく、最も重要な住居地域、不良住宅の密集地域、そういったところに再開発事業の本来の力を振り向けたい、こう考えているところでございます。
#121
○二宮文造君 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法、この関係でお伺いしたいんですが、けさほどこの委員会で、たとえば新都市基盤整備法、あるいは都市緑地保全法、生産緑地法、さらには農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、そういうふうなものとの関連において指摘があったわけでありますけれども、それを頭に置きまして、国土庁が先ごろまとめました東京圏近郊の農家の土地所有者等に関する意識の調査、こういうものを見ますと、対象農家千五百戸のうち、約二九%が土地を手放すことは全く考えていないと言っておりますし、機会があれば売りたいという農家の方はわずかに三%、また、今後とも農業中心でやっていきたいという人が三二%、兼業でやっても農業を続けたいが五四%、貸し家などで暮らしていくはわずか一二%、こういうふうな意識調査になっております。こういう中でまたこの特別措置法による新たな手法が試みられようとしておりますけれども、現在までの農地所有者、農家の方のこういう意識の中でこの特別措置法による宅地の造成というものが進むでしょうか。大臣、こういう農家の皆さんの意識調査というものを頭に置いてどのように判断されますか。
#122
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、国土庁の調査によりますと、積極的に貸し家経営などを考えているという人は一二%程度にすぎませんけれども、残りの農業経営継続を希望する方の中でも、農業を中心にやっていきたいという人はその約三分の一程度でありまして、残りはいわば兼業農家として農地の一部は残したい、少なくとも一部は残したい、こういう御希望のようでございます。本法による特定土地区画整理事業などは、こういった農家の意向に即しまして集合農地区という制度を設け、一部農地を残しつつ、一方においては手厚い国庫補助等の助成を行いまして残りの土地を宅地化していただく、あるいは住宅経営に切りかえていただく、こういう制度でございます。したがいまして、本法が成立いたしましてその内容を十分周知徹底することができましたならば、全面的に農業を継続したいという方の意向には恐らく合わないでしょうけれども、その他の方にとりましては、一部農地を残しつつ一部は宅地に切りかえる、あるいは住宅経営に切りかえるということになりますから、こういった方々の相当数の方の御希望には沿えるのではないか。したがいまして、いまの調査結果に徴しましてもあながち悲観的になる必要はない、むしろそういった御意向の方とよく話を詰めていく余地は十分にあるのではないかと思います。
#123
○二宮文造君 しかし、けさほど沢田委員が質問されたいわゆる新都市基盤整備法、あるいはその他もろもろの事業の進捗状況というものと参照していきますと、ちょっといわゆる農家の皆さんの農地――いわゆる土地に対する執着とは言いません。農地に対する執着、それがたとえいまのようにいわゆる農家経済というものが非常に農業による農業所得と農業外所得のバランスが崩れている今日でも、農業に対する執着というのはそう局長がおっしゃるほど簡単なものでは私はないと思う。むしろ兼業農家がふえていくところは、そこに理由があるわけですよ。ですから、いろいろなパーセンテージの読み方がありますけれども、なかなかこの措置法によって、おっしゃるとおり農地の宅地化というものがそう進まないんじゃないだろうかという心配を私は持つわけです。
 住宅市街地を整備する手法としましては、都市計画法の第十一条一項八号ですか、いわゆる「一団地の住宅施設」云々という、一ヘクタール、五十戸以上ですか、そういうふうな手法や、新住宅市街地開発事業の手法もありまして、さらには土地収用法という適用の道もありますし、またさらに政府が本当に住宅建設の促進を図ろうとするならば、これらの制度を活用することも当然ですが、商社や大企業が市街化区域に買い占めております土地、これを収用して、そして公共賃貸住宅の建設用地に充てる、こういうこともあるわけです。さらには国土利用計画法の遊休地に関する規定の強化を検討する、こういうことも必要だろうかと思うのですが、もうすでにそういうものが事前にありながら、いまさら第三の手法としてこういうものをつくり出す、いわば手法の乱立です。そういうことがいいかどうか。大臣もけさほども盛んにうなずかれておりましたし、いまもまたうなずかれておりますが、いわゆる一方では後追い行政のようなかっこうになって、特定の地域を予定して都市再開発の手法を次々に考え出す。一方では農地を対象にしまして、それがいかなる実績につながるかどうかは疑問であっても、これでもかこれでもかと大都市近郊の農地を対象にいろいろな手法を出す。言ってみるならば一方は後追い、一方は何か先取りをしよう、しかし、ともに実績が余りうまくない。こういう関係にありますのをやはり整理をしなければならぬのじゃないか、大臣、率直に見解いかがですか。
#124
○国務大臣(仮谷忠男君) お説のような議論もあることは十分私どもも承知をいたしておりますが、やっぱり宅地を造成し、住宅を建設するということが至上命題として、いま国民の声でありますので、先ほど御審議をいただいて成立をさしてもらいました宅開公団法は大都市周辺のむしろ宅地造成を考えておるわけです。大都市の市街化区域内においても、これはむしろその方が積極的にやるべきではないかという意見もあったわけでありまして、その中で宅地開発をやろうということになれば、やはり市街化区域内にあるところの農地等を開発することを考える。これ以外に大量の宅地を供給する方法というものはないではないか。もっとも民間の業者が持っておる用地もあると思います。それはそれなりにまた放出する方策というものは私は考えるべきだと思います。そのままほうっておくべきではないと思うのですが、やはり市街化区域内にある農地を、これは決して強制的ではないのでありまして、土地を持っておる人みずからが土地開発方策を考えてもらう、こういうことを私ども考えておるわけであります。国土庁の調査はこんな形になっておるかと思うのですけれども、これはいろいろ調査のとり方で、都市周辺の場合と市街化内の場合とにはまた若干違うと思っておりますし、そもそも市街化あるいは調整といったような線引きのときの一体農民意識はどこにあったかという問題、私もその間にはいろいろこの問題に立ち入って、いろいろ事情も承知をいたしておるわけでありますが、そんな面から事態は変わってきまして、いまやはり、むしろ農地を大事にし、さらに農業にUターンしようという考え方もできてきておりますから、意識は大分変わってきておると思います。
 ただ、もう一つ、しかし考えられることは、土地がどんどんと上昇しておるときには、ほうっておいても土地の価格は上昇するだろうという期待感を持っておりましたけれども、最近は土地が非常に鎮静化してきたし、将来持っておっても見通しが立たないということになると、むしろみずからの手でよりよき宅地を開発するということが将来の生活設計にプラスになるのではないかという考え方を持った農地所有者もあることは事実であります。それがどの程度あるかという問題になりますと、これはまだ私どもはっきりつかんではおりませんけれども、いずれにしても、そういった人々にもひとつ協力してもらって市街化区域内の宅地の大量供給というものをやらなきゃならぬ、これまた一つの私どもの大きな課題でありますから、そういう面で、その手法としてこの法律案が提案をされたわけでありますから、御理解をいただきたいと思うわけであります。
#125
○二宮文造君 土地に対する、地価に対する見解、これはまた議論になりますからあれですが、地価が一時鎮静をした、しかし全体はやはりインフレ傾向ですよね。ですから、庶民にとっては土地というのは高ねの花ですけれども、いま土地を持っている農家、あるいはまた土地の所有者は、土地に対する考え方、農地に対する考え方はちょっと大臣の御意見とは違うのじゃないかなという気がします。それはそれとして、従前の土地区画整理事業において、大都市周辺ではすでに事業が完了したところもあるわけです。にもかかわらず、地価の値上がりを期待して遊休地や農地として放置されているところがかなり見受けられると思います。こういう状況を建設省はどのように把握をされているかどうか、これをお伺いしたい。
#126
○政府委員(吉田泰夫君) 全般について十分な追跡調査を行っていないのでございますが、完了後数年を経過した地区のサンプル調査を行っております。これによりますと、いろいろ違いはありますが、一般的に言えば完了後おおむね三年ぐらいたったところで五割ないし七割家が建っている。さらに五年ぐらい経過しますと六ないし八割ぐらいになる、八年ないし九年ぐらいたちますとほぼ市街化は完了するという実態でございます。この場合にも区画整理事業による宅地の造成の仕方の程度、あるいは上下水道、ガス等の整備も同時に行ったかどうか、あるいは小学校とか地区センターとか公的住宅などを同時に導入したかどうかによってもかなりの市街化のスピードが違っておりまして、大体そういった市街化の促進になるような手を加えて事業を行っている地区は、平均的に言えば一般の地区に比べて市街化のペースが二ないし四年程度早くなっている実情でございます。
#127
○二宮文造君 ところで、この法案の趣旨は、大都市の地域においての市街化区域内の土地の所有者がみずから土地区画整理事業を行って、住宅地の整備、またこれとあわして住宅の建設を行うと、こういうことをねらいとしていわゆる区画整理事業をやっていくわけですが、従来の区画整理事業におきまして照応の原則とか、あるいは減歩、あるいは決算金の徴収などのあり方をめぐりまして相当の不服申し立てがあり、中には違憲訴訟にまで持ち込まれているケースさえもあると聞いておりますけれども、この従来の土地区画整理事業における紛争事案の件数、これはひとつどのようになっておりましょうか。
#128
○政府委員(吉田泰夫君) 従来の土地区画整理事業についての建設大臣に提起されました不服申し立ての件数は、昭和四十年から十年間の数字をとってみますと、大体毎年二百件程度、年によっては集団的に不服申し立てが出たような年では六百件、あるいは年間一千件というようなものもありまして、十年間の合計では約三千五百件にも上っております。ただ、この不服申し立てのほとんど大部分といいますものは、戦災復興土地区画整理事業などの既成市街地の中で行われます区画整理事業に関するものでございまして、農地などの更地について行われるいわゆる宅地造成区画整理につきましては、不服申し立てば非常に少ないわけでございます。
#129
○二宮文造君 そうしますと、いまの答弁によりますと、とにかくこの特別措置法が区画整理事業によって進んでいくという手法をとるだけに私は心配なわけですが、いま御報告受けましたような、相当数、非常に多くの紛争の件数がある。しかし、まあこれをこれから進めていく場合に、私は新たに火種をまき散らすことになるのではないかと、紛争の。こういう心配を持つわけでありますけれども、この点はどうでしょう。
#130
○政府委員(吉田泰夫君) そのような御心配も一応ごもっともでありますが、先ほど申しましたように、従来の土地区画整理事業についての不服申し立て、紛争の大部分は既成市街地におけるものでございます。これは既成市街地では土地が細分化されておりますし、借地権とかその他各種の権利が複雑に入り組んでおります上、権利者の数も非常に膨大であります。また、家屋も立て込んでおりまして、これを一々移転していかなければならない、そういう現在の居住状況に変革を加えるという点がありますので、そういった件数が多いわけであります。さらに既成市街地ですから、もともと道路が狭いとか、ろくな道路がないとは言っても、一応宅地ではあったわけでございまして、区画整理によって整然たる市街地になったとしましても、宅地は宅地になっただけだということで、さほど土地利用増進が図られたとは思われない。まあそれに比べますと、いかにも減歩が大きいじゃないか、こういった不服が多いわけであります。その他多数の権利者がおられますから、他の人と比べて不公平だというようなお互いの不平等論というものがどうしても全部はぬぐい切れない、こういった事情にあります。ところが、この法律案で予定しております促進区域並びに土地区画整理事業の実施区域は、主として農地等の建築物が建っていないそういう地区でございます。権利関係もそうふくそうしているわけではありませんし、細分化されているわけでもありませんから、比較的小規模な事業を実施するとすれば、権利者の数もごくわずかでありまして、いま言ったような過去の紛争事例に見られる原因そのものがほとんどないと思います。一方では特別の優遇を加えた国庫補助を行いますから、保留地減歩は非常に減りまして最小限度にとどめられる、かつ農地が明らかに宅地化されるという土地の利用増進も目に見えるわけでございます。こういった事情のもとで行われます事業でありますから、少なくともこの事業が始まったために、さらに紛争の火種となるというようなことはこれはないと確信いたしております。
#131
○二宮文造君 具体的にこの特定土地区画整理事業と住宅街区整備事業によりまして、どのくらいの宅地あるいは住宅が供給できる、このように想定されていますか。
#132
○政府委員(吉田泰夫君) まだ具体的に宅地について要望を十分取りまとめておるわけでもありませんし、将来計画ともなるとなかなか見込みも立ちにくいわけでありますが、一応私どもはこの法律の制度が相当農家等にとりましても魅力ある事業であると思っておりますので、その内容を十分周知徹底する、複雑そうに見える仕組みであっても人数が小人数であればさほど複雑ではないんだというようなことも含めまして周知徹底することを前提に、一応昭和六十年までの全体計画を私ども部内限りで持っているものがございます。
 それは特定土地区画整理事業につきましては、約七万ヘクタールに着手いたしまして、うち事業が完成して土地として整備される面積が約四万ヘクタール、この中には集合農地区とか公共施設用地が入っているグロスでありますから、これをミディアムグロスのいわゆる宅地供給面積に換算すれば約半分の二万ヘクタールということになると思います。ここに住宅を建てることになりますが、住宅の建設は特定土地区画整理事業の内容ではありませんけれども、一戸当たりの敷地面積をおよそ想定しまして算定すれば約百二十万戸分ぐらいに当たるのではないか。
 次に、住宅街区整備事業は、さらに市街地に近い区域できめ細かく行うわけでありまして、中高層住宅の建設まで伴うわけでございますから、量的にはとうてい特定土地区画整理事業ほどには見込めないと思います。しかし、面積は少なくても中高層住宅を建てるということにより戸数にすればある程度のものが期待できるのではないか。こういうことで十年間に三千ヘクタールぐらいに着手したい。これを一定の年度割りで次々完成していくことによりまして、住宅建設戸数にいたしますと十三万戸分ぐらいに当たるのではないかと、こう考えます。
#133
○二宮文造君 これ、いまの時点で無理かもわかりませんけれども、住宅街区整備事業による共同住宅の一戸当たりの価格というのはどのように試算されていますか。出ていますか。
#134
○政府委員(吉田泰夫君) これはいろいろな前提を置かないと試算できないんですけれども、造成後の地価が平方メートル当たり約七万円、つまり坪、三・三平米当たり二十三万円程度と想定し、中層で五階建てぐらいの共同住宅を建てると考えますと、三DKのタイプ、つまり一戸当たりグロスで六十三平米の場合は敷地価格ともで約千百六十万円になると試算されます。それから二DKタイプ、一戸当たり共用部分も含めまして四十八平米のものを考えますと、これも敷地含みで約八百八十万円ということに試算されております。
#135
○二宮文造君 もう一点、特定土地区画整理事業の場合、従前の土地区画整理の場合と同様に事業が完了する、そして遊休地のままで放置される危険性というものもないではないと、こう思うのですが、早急に住宅建設に結びつけるための歯どめはお考えになっておりますか。
#136
○政府委員(吉田泰夫君) 従来の区画整理事業の実態がいろいろ場所により違いますが、全般的に必ずしも完成後早急に建築が進んでいるとは言えない状況でありまして、貴重な三大都市圏の市街化区域内の土地を特別な助成までして区画整理していただくわけでございますので、その完成後は一刻も早く国民大衆の需要に応じて供給されるということでなければならないと思います。権利者が所有している土地でありますから、保留地を除きましてはその市街化を強制するというわけにもいきませんけれども、過去の例から見ても、事業の整備水準を高め、完全な宅地として造成した上、各種の公益施設とか公的住宅などを導入しますと、それが核となりまして市街化が促進されるというはっきりした傾向もありますから、その辺はサンプル調査しかありませんので、さらに網羅的な調査も本年度行い、そういった調査結果を踏まえまして今後の市街化の促進のため講ずべき施策を明らかにして、特にこの特定土地区画整理事業につきましては促進策の活用を図っていくということを心がけたいと思います。
#137
○二宮文造君 大臣ですね、これは通告していなかったんですが、区画整理事業というものを検討してまいりました。ただ私、いまの沖繩のいわゆる地籍調査の問題とか、あるいは返還された軍用地とか、これが復元補償ができていないとか云々のためにあるいは地籍が明確でないということ、そういうことで非常にいわゆる新しい沖繩の国づくり、県づくりというものの隘路になっているわけですね。たとえば沖繩の道路一つ見ましても、これはもう先般もちょっと問題にしたわけでありますけれども、いわゆるつぶれ地のまま使用料も払わないでやっている。国道につきましては早急に土地の買い上げを図っているし、しかしまた県道や市町村道は財政的なものがあってこれはいつになるかわからない、こういうことですが、しかも沖繩のいわゆる都市構造というものは道をひとつ歩いてみましても、あの戦後の混乱の中で家が勝手に建った、その家の建っていないところを道路が走っている、こういう感じの道路になっておりますね。要するに地籍が明確でない。それからまた区画整理事業というものも行われていない。いわゆる都市の基本的な要件というものを欠いていると思うんです。これは特別の手法をこの沖繩、いわゆる那覇市なら那覇市、沖繩市なら沖繩市でも結構ですが、沖繩には特別の区画整理事業というものを考えなければ新しい県づくりというものはできない。ましていわゆる戦争によりまして要するに公簿が一切消滅してしまっていますから、関係者を集めてこれから決定をするわけですね。そういうふうな複雑な作業を考えますと、どうしても特別の手法を取り入れて、区画整理とかそういうものを進めなければ新しい国づくりはできないと思いますけれども、そういう面で建設省としても当面その衝に当たらなければならぬと思うんですが、何かお考えがありますか。
#138
○政府委員(河野正三君) 先生の御質問、区画整理の問題でございますが、その前提といたしまして、国土調査の問題ございますので一言御答弁申し上げます。
 おっしゃいますように、内地でございますと、地籍が不明確だと申しましても所有権の境界は大体確定し得るのでございます。ところが、先生おっしゃいますように、地籍不明確の前提として、所有権対象地が戦争によりまして不分明になってしまっているという状態でございまして、地籍確定の前に所有権対象地の確定をやらなければならないというのが沖繩の特殊事情でございます。
 そこで、国土庁といたしまして、国土調査事業を進めておりますが、二つの方法をもちましてこれを進めようといたしております。一つは、正規の国土調査法に基づきます国土調査をやります段階で、県の方が中心になりまして、市町村単位に旧部落についての協議を――集団協議と言っておりますが、いたしまして、昔ここに井戸かあったはずだがというようなところを掘削をいたしまして何とか協議書をつくっていくという方式、その協議書の上に立って地籍の確定を国土調査法による国土調査として行っていくというのが一つの方法でございます。
 それからもう一つの方法は、基地につきまして、防衛施設庁の返還に伴う補償の金がございますので、その事務の延長といたしまして、防衛庁にも入っていただきまして、やはり集団協議的なものを進めようということで、この二つの方法で現在もう着手をいたしておりますけれども、なかなか遅々として進まないということにつきましては、まことに責任を感じているような次第でございます。今後、鋭意努力をいたしまして、なるべく短期間にこの地籍の確定を図っていきたいというように考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
#139
○政府委員(吉田泰夫君) 沖繩でも従来から区画整理は補助率十分の九という特別の補助率で実施されてきておりますが、もとの地籍というか所有権境が困難な場合に、何とか区画整理法を活用して使うことにより、うまく処理できないかという点は研究をしておりますけれども、やはり本来から言えば、もとの土地がある程度はっきりしませんと、区画整理を使っても新しく換地する計画が確定しないという隘路がありまして、少々応用動作を考えましてもちょっと限界があると思います。地籍がはっきりわからなくなっている事態をどのように解決するかはさらに基本的に検討して、混乱状態が一刻も早く解決できるような方途を見出したいと考えております。
#140
○二宮文造君 検討してくださいね。じゃ、結構です。
#141
○三治重信君 都市再開発法と大都市地域の特別措置法の二法について簡単な御質問を若干してみたいと思います。
 去る宅開公団法の審査のときに、宅地供給並びに住宅の供給に非常に不足地帯においての供給のやり方として、大量に宅地を集団的につくって供給するのと、大都市の中の再開発と、それからもう一つは、いわゆる市街化区域の中における農地をどういうふうにして宅地化、市街地にしていくかという三つの方法があるようにいろいろ政府も考えておられるようですし、まあわれわれもそれを一応前提にしていくと、その中で、政府、建設省といいますか、この大量不足の住宅並びに宅地の供給をどういうような割合で供給していき、またそれを積極的にやっていくかという問題で質問したことがございますが、まだしっかりした割合なり具体的な計画はできていないようですが、そのときから、ちょうど今回の再開発法と、大都市地域に限ってですが、住宅地の供給の特別措置法が提案された。こういうのは政府の非常に積極的な住宅並びに住宅地の供給をやろうという意欲であろうと思って、ことに二者については非常に私たちも賛成をするところでございますが、中身について質問をしてまいりたいと思います。
 したがって、その最初に、当然おわかりのことだろうと思うんですが、いわゆる市街化区域として線引きをされました。この市街化区域として線引きをした場合に、どの範囲の線引きと申しますか、当時線引きをした場合には、大体これによって都市の住宅並びに宅地の供給は五年ないし十年の間できるんだということで線引きをしたんではないんでしょうか。
#142
○政府委員(吉田泰夫君) 市街化区域の線引きは、早いところは昭和四十五年ごろから行われてきたものでございます。現在ほとんどのところで指定されておりますが、おっしゃるように、おおむね十年を目途に、市街化を優先的に促進すべきところという意味で線引きしたわけでございますから、この区域の中に適切な人口密度で人口が配置されていくならば、各都市における想定される人口は収容できると、もちろんその後の事態の推移により、漸次将来の人口計画も変わりますから、そういう意味では変わり得るわけですけれども、少なくとも当初の時点において想定した市街地人口というものは、市街化区域の中に量的にはおさめ込み得るという数字になっておるわけでございます。
#143
○三治重信君 そうしますと、市街化区域内における農地を宅地化していく対策として、いままでこの特別措置法が出るまでに、どういう農地の宅地化、また線引き内の土地の市街化並びに住宅地としての供給体制を考えてきましたか。
#144
○政府委員(吉田泰夫君) 市街化区域の中の宅地化促進の方策としては、大きく分けまして区画整理など換地、つまり土地を取り上げない手法による事業と、それから買収方式による事業と、二つあるわけですが、こういったものをそれぞれかみ合わせて実際の具体的な事業として実施してきております。中でも土地区画整理事業は、土地所有者にとって基本的には土地を取り上げられる事業ではありません。若干の減歩はありますが、そのかわり良好な市街地に換地されるというメリットが大きいわけであります。そういう意味で、従来ともかなりの程度進められてきております。しかしながら、従来の進み方ではとうていこの緊迫した宅地需要に応ぜられないというところから、一層促進を図るべく助成措置も強化しまして今回法案を提出した次第でございますが、過去に法制的に系統立てて宅地化を促進するための施策と言えば、宅地化区域の、宅地化促進の臨時措置法と言われる三大部市圏のAB農地を対象とした種々の優遇措置の法律がありますが、まあこれは時限立法ですし、対象地域もごくわずかですから、全般として申せば、やはり都市計画法等に盛られた各種の面開発事業を中心とし、公的機関、民間機関、それぞれ分担しつつ供給を事実行為として進めてきたというのが実情かと思います。
#145
○三治重信君 そうすると、線引きをして、農地も近く宅地あるいは市街化できる土地として線引きをしたけれども、その中においての農地の対策は、AB農地とかこの農地の課税の処置とかいうようなことで、具体的に積極的に宅地化とか住宅化についてのやり方は今回が初めてなわけですか。
#146
○政府委員(山岡一男君) 大都市の農地の活用につきましていろいろな施策を講じてまいっております。一つは、特定土地担保賃貸に次ぐものでございまして、やはり土地を持っていらっしゃる農家の方々に融資をいたしまして賃貸住宅を経営していただくというものでございます。やはり特定土地担保分譲というのがございまして、これはやはり農地の上で一部を分譲住宅の経営なさるという方に融資をするものでございます。それから土地担保賃貸、これは例のあめ法以外の一般の土地担保賃貸でございます。そのほかに先ほどから問題になっておりました農住法に基づく利子補給、それから予算措置でございますが、特定賃貸住宅というのがございます。これは地方公共団体が土地を所有する個人に対しまして、融資を受けて賃貸住宅を経営なさる場合にその利子補給をいたします。それに対して国が利子補給をするという制度でございます。それから公団の民営特分というのがございます。これは公団が土地を持っていらっしゃる農家の方のところへアパートをつくって差し上げてそれを分譲する。農家の方はそれをアパートとして経営なさるというような手法でございます。それらのものをいろいろとやってまいっている次第でございます。
#147
○三治重信君 今度農地や農民に対するそういう住宅の建設促進の措置は、この大都市地域における特別措置法ができても、そのままそういう特典といいますかは継続されるのですか。なくなるのですか。
#148
○政府委員(山岡一男君) ただいま申し上げましたうちで、農住それからあめ法に基づきます特定賃貸分譲等につきましては、時限立法でございまして五十年で一応打ち切られることになっておりまして、農協等の方からは延長すべきではないかというお申し出が現在出ておりますけれども、先ほど申し上げましたような諸制度を全部見直しをいたしまして、どのように処置するかということについて今後検討してまいりたいと思っておりますが、いずれにしろ、この制度と併用できるようなかっこうで新しい制度を要求したいと思っております。
#149
○三治重信君 そうすると、時限立法にしても、一応こういう線引きの中における農地を宅地化あるいは住宅街化しようとしていろいろ処置をとられたわけなんですが、その処置を今度の特別措置法の中にどうして取捨選択して取り入れなかったのですか。
#150
○政府委員(吉田泰夫君) この法律の施行地区は、たとえばいわゆるAB農地も当然含んでおります。そういうところに施行される場合には、特定市街化区域農地の臨時措置法の適用もあわせ受けられるよういたしておりますが、この法案にあえて一本化しないでも、あちらは時限立法でございますし、こちらは恒久立法でありますから、その有効期間が共通している間は両方の法律があわせ使えるようにさえ仕組んでおけば、それはそれで動いていくんではないか。その他のいろいろな予算上、金融上の各種援助措置につきましても同様でありまして、両方あわせて使えるはずのものが使えないということさえなければ、それはそれぞれに必ずしもこの法案に取り込むことを要しないのではないか、こう考えまして法案そのものには最小限度のものを書き込んだ次第でございます。
#151
○三治重信君 このタイトルが住宅地というものを主としてやっているということからかもしれませんが、やはり一応大都市地域において緊急にこういう特別措置法をとるからには、いままで臨時的にやっていたものも総合して、ことにいままで、新しい市街化地域あるいは大量な住宅をつくろう、土地をつくることによって住宅をつくろうというからには、その住宅にまでどういう手を差し伸べて早くつくるんだということが一覧表になるような特別措置法でほしかったと思うのですが、そういう問題については全然検討はされなかったんですか。
#152
○政府委員(吉田泰夫君) いろいろ期限を切った仕組みとか、期限は切らぬまでも予算上の仕組みとして行われているものとか各種ありまして、それぞれに多少ずつ違った角度から特定のものを拾っているものが多いものですから、そういったものをすべて通じるような基本法のような形でならばまとめ得るかもしれませんけれども、この法律もちょっと題名から見ればいかがかとは思いますが、主として促進区域という二つのものを考え、その中における優遇措置と特例措置を考える。あとは若干宅地開発協議会のような規定を追加したというまさに事業法に中心を置いた法律にしたものですから、それと並ぶという意味では、なかなか現在現に行われている他の各種のものが法律の中には取り込み切れなかったということでありまして、将来のあり方としては、もっと明快にわかりやすく一元化するような方向を当然検討しなければならないと思います。
#153
○三治重信君 この線引きの中におけるいわゆる市街化区域の開発を優先――もちろん優先ということなんですが、優先して住宅地の供給、住宅を建てるということを具体的に出してきたことにわれわれは賛成なんですけれども、この中で、この促進区域を決めるに当たって、この全体の何というのですか、都市のあり方といいますか、その特徴、ビジョンといいますか、どういう考え方のもとに――ただそこの土地が住宅化しないからそこを指定して開発しようということであるのか。一定の都市の中におけるその線引きの中において、全体を見てこちらの方を先開発していこう、それからその都市開発の一つの順序に計画というものを持った上でこういう促進地域を指定していくつもりなのか。それともこういう一定の手法を提供しておいて、地元の方からあっちこっちサウンドしてやりたい、こう空気を出したところから、逐次その地元の意向だけでやっていくつもりなのか。私はこの全体のせっかく線引きをしたからには、その線引きの中において、全体としての都市のあり方と、またその都市の特徴をいろいろ――この都市計画の中でたくさんの区域を指定していますわね、そういうものを全体として持った上で推進区域を指定していくつもりなのか。
#154
○政府委員(吉田泰夫君) これは市街化区域の整備開発、保全の方針の中に、本来かなり詳細な選定基準なり方針というものが定められて、それに即して整然たる計画のもとに計画的に逐次優先順位をつけて開発整備されていくというのがあるべき姿であると思います。実際にはなかなか地元の権利者の方々との意見の調整、意向の反映ということが先に立ちまして、まあ行き当たりばったりのような感がなきにしもあらずでございましたが、今後はやはりそういった民意の尊重ということは当然必要でございますけれども、その同じく民意を尊重すると申しましても、単に受け身に申し出を待つということではなくて、やはり公共団体として、都市をあずかるものとして、この辺から優先的に進めたいものだという計画を持ちまして、それに基づいて地元民の方と話し合いを進めていく、話がつかない限り促進区域を指定するということもできませんけれども、いろいろ内容を説明すれば、必ずしも悪くない制度であると思いますから必ずや理解が得られるんではないかと、こう思いますので、そういった計画的な整備というものを心して努力しなければならない、こう思います。
#155
○三治重信君 そうしますと、この地域地区の用途地域の指定で、第一種住居専用地域とか、第二種住居専用地域とか、住居地域と、まあ住宅地として三つですか、専用的なものは。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
こういうところに指定して、そしてまた促進地域にやっていくのか。そういうまだ用途指定をしないで、まず促進をさしてやってみて、そういうことがまあ大体住宅地としてできてきたら住宅地域として指定していくんですか。
#156
○政府委員(吉田泰夫君) 現在、市街化区域につきましては法律上も定めがありますので用途地域は一応指定されてあります。ただ、将来の本当の意味の用途が見通しがつかぬというような意味で、かなり広範な用途にこたえられるような住居地域といった決め方とか準工業地域といった決め方も多いわけでありますが、これはもう少し様子を見ながら第一種住居専用地域とか第二種住居専用地域といったことに、専用化された用途地域に切りかえていこうという含みであります。そういうことで一応用途地域が定められてないところはないわけですけれども、この個々の促進区域を指定する場合には、たとえば土地区画整理促進区域は、これはいまの申されました住居系三地域であればどこでもいいわけでありますが、住宅街区整備促進区域などは第二種住居専用地域でなければならないことになっております。
 実際に第二種住居専用地域がそれほど広く指定されているかといいますと、市街化区域全域の二割程度しか現に指定されていないわけでありますので、そこに住宅街区を現に第二種住居専用地域に指定されている中から選ぶとすれば、非常に限られてしまいます。私どもは将来の利用の方向を見きわめるまで、仮に第一種住居専用地域にしておくとか、仮に住居地域にしておくというところも東京周辺初めたくさんありますから、そういういわば過渡的地域につきましては、もし地元に住宅街区整備をやりたいという機運が盛り上がってくるとすれば、それはその法律に基づく良好な面開発が行われることが間違いないということになりますので、いわばそういう新しい土地利用の方向が、少なくともその地区について確定するということでもありますから、
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
それから逆に考えまして、現在第二種で住居専用地域でないところでも、その機会に第二種住居専用地域に切りかえることにより住宅街区整備促進区域を追っかけて指定するというような運用があってしかるべきだと考えております。そういう意味で、用途地域は現にありますけれども、これを変更することも踏まえて具体的な促進区域を決めていきたいと思います。
#157
○三治重信君 特定区画整理事業の中において農地を三割程度集めて残すという非常に新しいアイデアというんですか、あるようですが、こういうのはいままで実際農民の、いわゆる全部住宅地にするのは当面困るけれども、農地として残したいという意向からですか。集団化してこう一ところにまとめるというのは、いままでのそういう何といいますか、土地区画整理の事業で実例があるか。またはこういう問題についてある程度の何と申しますか農民との、いろいろの住宅地を提供をしてもらうやり方として、このモデル地区があるのかどうか、ひとつ。また、そういう経験、これについてこういうのを入れたからには、とりあえずやっていく予定地が何カ所かもうおたくの方で持っているかどうか。
#158
○政府委員(吉田泰夫君) 区画整理を行うときに集団的にまとめていくような方法を従来とった例があるかということでございます。土地区画整理法に法律上の制度としてこういうまとめてそこに換地することができる仕組みを考えましたのは今回が初めてでありますが、まあ運用としては従来住宅公団が相当の面積を先買いいたしましたものを、ばらばらでは公団住宅が建てにくいものですから、区画整理の手法を使いまして集めるというようなことが行われた例はあります。農地のために集めるということは恐らくなかったかと思います。と申しますのは、農住構想いろいろありますが、その基本は計画区域の中の一定割合を農地としてまとめ、一定割合を住宅地としてまとめ、いわばそういった農地と住宅地が一つの地区に隣接しながら、しかし、はっきりと区域を分けてつくられるということが望ましいわけですけれども、それを法律的に支える手法がないということで従来苦労していたわけでございます。完全に全員同意のもとにやるしか道がなかったわけでありまして、そういう意味では区画整理という手法によって農地が集合して集められるということは全く新しい制度であり、農住構想、仮にこの特定土地区画整理事業の手法を使えば、この要件に該当する事業に関する限り従来の農住構想の一番の隘路は打開されることになります。
 この法案を策定する際、都市計画中央審議会でもるる議論を詰めて、その答申を基礎に法案化したものでございますが、その際にも農業会議所等の方に委員として入っていただき、農林省とも十分話を詰めましてこの制度をつくりました。個々の農家の方と私どもが直接接触したわけではございませんが、そういった農協、農業会議所、農林省等を通じまして都市近郊の農家の方々の御意向、つまり少なくも一部は農地として残したい、全部を宅地化しろと言われても無理だ、しかし、まあ一部宅地に切りかえるということも場合によっては考えられる、こういった意向というものは踏まえているつもりでございます。
#159
○三治重信君 それからこの住宅街区の整備事業にもまあ農地が主として取り入れられるわけなんですが、こういう中で、高層住宅あるいは共同住宅をつくっていく中に、いまお話しのように、いわゆる一番とやかく言われております農住住宅の構想も取り入れられるということなんですけれども、建設省としては農住住宅について、今度のこの特別措置法によってさらにうまく推進していくと思われるのか。あれはあれで一応試験的にやったけれども、どうもうまくいかないから、この中にはそう特別強くは考えているわけでもないんだというふうに考えておられるのか。
#160
○政府委員(吉田泰夫君) 従来、農住構想と言われたものは幾つかのタイプがありまして、私どもは、本法による住宅街区整備事業というものは、その一つのタイプを制度化したものと考えております。
 一つのタイプというのは、先ほどの御質問にありましたが、集合農地区は法律制度に基づいてちゃんと取れるようにしましたが、反面、全体面積のおおむね三〇%という限定がございます。したがって、そういう割合に乗るような構想の農住構想であればこの制度がそのまま活用できると思います。しかし、たとえば半分ぐらい残したい、あるいは逆に宅地化の方を三割ぐらいにしたいというようなそういう構想につきましては、この法律は残念ながら使えないわけでありまして、これにつきましては従来同様任意の手法と各種の行政措置をかみ合わせてやっていくしかございませんが、少なくも七割宅地化していただけるならば、この法律にその構想を合わせていただくことが恐らくできるであろうと考えております。
#161
○三治重信君 そこで、この農住住宅の関係は、いわゆる市街化や宅地化される農地のいわゆる農民の問題なんですけれども、これはほんの一例なんですが、名古屋なんかの市の区域の中における農協なんかでは、なかなか共同的にやる意欲はあっても、具体的にそこにそれを指導していく人がないということがよく聞かれるし、それから住宅は管理がなかなかむずかしいから、むしろそれより倉庫とか事務所とか自動車の駐車場とか、そういう対人的でなくして物をやる方に興味を持っている面が非常に強いように感じられるのでございますが、したがって、むしろ私は、農民が農地から離れていく場合の生活の道を考えることとして、農住住宅の経営のやり方、ことにそういう分譲住宅でも管理権を握っておるとか、あるいは、これも前に御質問したんですけれども、土地は手放さぬで上に上屋を建てて、そして土地は賃貸で、上の上屋は分譲しても賃貸でいく、しかし、その分譲した住宅についての共同的な管理者となっていくとか、そういう住宅の管理、あるいは住宅に入っている住民とのいわゆるコミュニケーションをどうやっていくとうまくいって、そして農地で農業をやるよりか、そういう住宅の管理やまた土地の収益で一家が支えられていく方策を考えるとか、いわゆるこれ全部昔の家主や地主になれと、こういうことから一歩進んで近代的な共同住宅、高層アパートというようなものを管理する能力をこういう人たちにまた持ってもらう、農協なら農協でやるか、こういうものについてやはりもう少し後利用のことを、またその中で生活できる職業としてやり方を住宅局の方で私は考えてもらいたいと思うのですけれども、そういう問題についてのいろいろの例とか、いろいろのトラブルに注意しなくちゃならぬこととか、そういう問題についての配慮はどうなんですか。
#162
○政府委員(山岡一男君) 先生のお話にございましたとおり、農家の皆さんといろいろとお話をしておりますと、もしわれわれが家主になった場合でも、まず最初は借り手があるだろうか、借り手があっても後の管理が非常にむずかしいがどう考えたらよかろうかというようなことがたびたび出てまいります。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
昔、農家の方々のそういう御不安にこたえるという意味で、一遍われわれ調査をしたことがございます。といいますのは、たとえば農家の方が賃貸住宅をおつくりになったときに、社宅として一括借り受けるというような希望はどこかございませんかということでございまして、その点について一回商工会議所等を通じまして三千社ばかりからアンケートをとったことがございます。その中で、大部分が適切な値段であれば社宅として一括管理も引き受けて借りようというようなお話もございました。そういうような社宅的な方法も一つのお勧めできる方法だろうと思います。
 それからもう一つは、住宅公団が分譲住宅もしくは賃貸住宅等につきましても世界で一番の家主ございまして、いままで契約約款等の中身を見ましても一番すぐれております。そういうようなことにつきまして、管理のための準則といいますか、どうやって管理をしたらというような検討は絶えず進めております。そういうような問題につきまして、いままでは家をお建てなさいという方の宣伝の方に力を入れておりまして、こんなパンフレットなどもつくりまして一生懸命やっておりますけれども、おっしゃいますとおり管理の面についてのPRが少し足らなかったと思います。大変いい示唆を得ましたので、今後は管理をする場合はこうだということについても大いにPRしてまいりたいと思います。
 なお、制度的にも、一つは土地を借り上げて賃貸分譲住宅を経営したいという意味でレンタル制というのを先ほど申しましたけれども、現在制度化しようとしております。さらに信託協会の方から、いまの特定賃貸住宅とタイアップをいたしまして、現在信託住宅というのが始まりかけております。そういうものにつきましても十分中身を検討しまして、農家の方々に適切であればお勧めしたいというふうに考えております。
#163
○三治重信君 私も農家の出身で恵まれなかったんですけれども、戦後の急激な都市の膨張によって、その周辺の農家は本当に恵まれて、名古屋周辺なんかでもちょっとした前農家だった人はみんな億単位の預金があるとこう言われているわけなんですけれども、しかし、なかなかそれだけ恵まれた金持ちになり、財産家になったと自分で思っていながら、それの運用について、またそれを維持して将来の生活の安定を図ろうということについての方策が農協の指導なんかでも十分ではないんじゃないかと思うのですけれども、また実質的にそういう問題について、やはり住宅の――いままでは農民と言えば農地を耕すことによって生活する、こういう気持ちでおったわけなんです。今度は宅地化していく、それを手放せと言うとなかなか手放さない、手放さなければそれをどういうふうにして利用さしていくかという問題になろうかと思うのです。私はむしろ、ことに大都市地域の中で住宅地の供給をさす場合に、土地を売らすよりかやはり土地を貸す、農民は手放さないで所有権を持って、そしてその上にいろいろの必要な住宅なり公共施設を――公共施設はあるいはうまくいかないかもしれませんけれども、住宅なりその他利用できる施設をやって、そこに農民が利益を得る道をやはり考えて、そういうことは企業なんだからいいんだと言えばそうなんですけれども、やはり大量の住宅地の供給を得るということについて、農民に先祖代々の土地についての利用の仕方を転換さすということについての発想法が非常に、何と申しますか、余りにも恵まれているがために発想ができにくいという問題を特に考えていただいて、その収益、またはそこに収益とそれから自分たちがどういう仕事をしていけばいいのかと、ただ金を持っておっても働く場所がない、働く興味がないと、仕事についての興味がないということは非常に人間的にもやはり意欲を失うという問題があって、住宅の管理について、あるいはその地域のいわゆる新しく入ってくるサラリーマンその他いろいろの住居民に対するコミュニケーション、環境の住みよい土地のリーダーとして――リーダーとまではいかなくとも、一つの何と申しますか、先住者として誇りを持つことに啓蒙的なことが必要ではないかと特に思うわけでございます。ひとつそういう意味において、農民に都合のいいようにして、この農地を大量に住宅地として供給させればいいんだということではなくして、そういう人たちの将来の生活、あるいはどういう仕事にありつけるのだと、こういうことについての指導と申しますかサゼスチョンを特にいろいろアイデアを出してもらって、そういうところで勉強してもらうということをひとつお願いをしたいと思います。
 それで、あと再開発の方の問題に移りますが、再開発法の問題につきまして一番私が関心を持つのは、いわゆるもう既成市街地で再開発をしなくちゃならぬということは、すなわちそこでは住宅にしても、また都市生活においてもまずいから、たくさんの金をかけて直そうと、こういうわけなんですが、一たんまた現代の大都市の中、あるいは都市の中、ことに大都市の中においてそうなんですけれども、非常に再開発をしなくちゃならぬような住宅街区あるいは商業地区にしても、すべて土地の物すごい値上がりと人口の密集によって、いわゆる不良住宅化、不良市街化区域というものにどんどんなっていくところがずいぶんあるのじゃないか。その一つとして、前から申し上げておるのですけれども、いわゆる一つの二百坪なり三百坪、百五十坪の土地があると、それをそのままではすぐ売れないために、十五坪とか二十坪とか三十坪に非常に細分化して、そして建て売り住宅なりあるいは住宅地として提供をする。そういうところになると、非常に住宅の密集地で、しかも市部の中で非常にそういうふうに十五坪とか二十坪の土地でどんどん土地が細分化される。
 これは御承知のように、東京都の土地に対する白書と申しますか、報告書の昨年出たのでもわかるのですが、個人の所有分は法人の所有地分のたしか四割ですか。その四割の中で、ことに個人の住宅の、主として個人の土地所有が非常に細分化されていく。全体の面積は、個人の所有がだんだん減り、所有者の数は非常にふえているけれども、しかし、その持っている部分、ことに一人当たりの所有地が非常に細分化していっている。これすなわち私は、将来そういうふうにした土地は、細分化された土地は、またこの都市の再開発法で国が指定して、たくさんの金を費やして再開発をしなければ適当な住宅地や商店街にならぬと、こういうおそれが非常にあるのではないか。したがって、東京なら東京、大阪なら大阪とかいう全部の地域にそういうことは非常にむずかしいかもしれぬが、一定の土地の、非常に土地の高いところでそういうふうに細分化といっても、本当に五十坪以下で二十坪、三十坪というような――これもいろいろ検討が必要なんでしょうけれども、そういうふうに非常に一定の土地が高いために細分化され、細分化されるからますますそういうところは土地が高くなる。こういうところは何か歯どめをつける方策をやらぬと、片方悪いところを一つずつつまみ上げて直していく、しかしながら、その隣ではどんどこどんどこ土地の値上がりによって細分化されて、また何といいますか、不良住宅街や商店街地区になってしまう、こういうおそれが非常にあると思うのですが、こういうことについて、非常な土地の値上がりによって、都市のそういう地価の高い地域がいわゆる市街地としても住宅地としても非常に不良化していくということについて認められるか。また、そういうものに対して対策なり何なりを研究されていることがありますか。
#164
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるように、手戻りをなくし合理的な土地整備を進めていくというためには、当初から将来における再開発の必要がないような、そういう形で市街化を図るということが最も望ましいわけであります。そのことでいろいろ不十分ではありますけれども、市街化区域の制度とか、あるいは用途地域の指定の制度とか、あるいは道路、公園等の都市計画決定及びその整備の制度であるとか、なかんずく土地区画整理事業等の面開発事業による公共施設整備を伴った良好な市街地開発の制度を設けているところでございます。実際にも住宅公団や地方公共団体の大規模団地などでは、駅前地区あるいはターミナル地区をあらかじめ設定いたしまして、そういうところは商業を中心として高度利用されるべき土地として、初めから高い建物を建て、次いでその周辺、比較的近い場所に中高層住宅を建てる、さらにその周辺部を二階建て程度の低層戸別住宅地に充てる、こういったことも行ってきているところでございます。また、この法律による住宅街区整備事業の制度や特定土地区画整理事業における共同住宅区の制度などはまさにそういった点をあらかじめ考えまして、地価が高くて、ほうっておけば宅地の切り売りになりかねない、そういうことは切り売りする方にもさほど好ましいわけではないし、切り売りを買って家を建てるという人にとってはなおさら将来に問題を残す、そういうような場所は初めから共同住宅区をつくったり、住宅街区整備事業として施行することによって中高層化した住宅としてつくり上げてしまう。こうすれば一戸当たりの面積は少ないのですけれども、一体化しているために敷地としては広くオープンスペースをとりながら設定できるわけでございます。
 また、区画整理事業などでは増し換地、あるいは再開発事業では増し床といった制度もありまして、従前の権利、土地や床が余りにも小さい場合には、これを適正規模まで特にふやして権利変換などできる制度も起こしております。御指摘のように、たとえ特定の土地を限りましても、土地というものは住宅や建築物ばかりでなくて各種用途に供されるものでございますから、どのような用途を考えるかにもよりますけれども、およそ分割できる最低限度の規模というものはなかなか言いにくい。問題はやはり住宅等の建築物の用に供する宅地の細分化であると思いますので、これはやはり建築基準法に基づく建蔽率の制限、これがあるわけでございますから、これを厳格に適用し、違反があれば厳重に是正するというようなことによってやるのがやはり本筋ではなかろうか。こうすれば実質上細分化できる限度がおのずから定まってきますので、直接に土地分割そのものを規制する法律とほぼ同様の効果が期待できるのではないか。現行の建築基準法の建蔽率の規定自体がそれでは十分将来の再開発を不要とするものになっているかと言えば、これまた日本の土地利用の稠密性、希少価値から見まして、なかなか思い切った厳しい建蔽率にはなっておりませんけれども、それにしても最小限度の抑制効果はこれを励行することによって果たせるのではないかと思います。直接の法律による土地の細分化の禁止措置というものは気持ちとしては私も先生と同様でございますが、そういう形ではなかなかわが国では実現むずかしいんじゃないかと、こう思います。
#165
○三治重信君 その点ひとつぜひ研究をしていっていただきたいと思うんですが、さいの河原にならぬようにやらぬと、非常に日本人はせっかちだから、一つは直しても片方じゃまたそれが逆行するようなことがどんどん行われている。こういうことについて、自分たちの住む都市をどういうふうに住みよい都市にしていくかということについてひとつ考えてみたいと思っております。
 そこで、今度新しく立てられた第二種開発事業は買収方式と、こういうことなんですが、これは前に廃止した法律にはそういうやり方でやっていたんで、それをとめたんだけれども、またやるんだと、こういうことなんですが、それはさておき、その買収方式でやった場合に、非常に住宅地が不足のときに、いままでも各地で少々見れるいわゆるげたばきの何と申しますか住宅、土地、何と申しますか下に事務所やあるいは商店街があって、その上に住宅公団が住宅を建て増ししていく。これは何も単に下に住宅とかいうばかりではなくていいわけなんですが、こういうふうな第二種でやる場合に、住宅公団が全部の施行主体になれるように書いてあるんですが、全部ならぬでもこういうことをやる場合には、住宅公団が必ず土地は買わぬでも上に建て増しできるような方策とか、あるいは法律に書かぬでもそういうことが事実上できるのか。こういうせっかくやる場合に、高層住宅の中へ庶民の住宅が入るようなために住宅公団なんかが介入できる、一部そこで住宅を建てていけるというようなことは考えていないんですか。
#166
○政府委員(吉田泰夫君) 住宅公団は、公団住宅の建設に関連して必要な再開発を本来権限として持っておりますが、御指摘のように何も全部をやらなくても、上物の住宅部分、上層階の住宅の部分だけ受け持つということが実際的ではないかという御趣旨かと思います。
 現行法におきましても、組合施行のような場合に参加組合員という形で住宅公団が組合施行の中に入り込み、あらかじめ公団住宅として完成後引き取る部分の金額を組合に納めるということによって、組合も資金確保上得策であるし、住宅公団としても計画的に公団住宅が確保できるという方法がございます。また、参加組合員に入らなくても保留床をあらかじめ住宅公団が買いたい、売りましょうという話し合いを行い、そういった話し合いに基づいて必要な資金を予納していくというような方策もとれると思います。
#167
○三治重信君 最後にしますが、大臣、私は二法案に賛成をいたしますが、前の宅開公団のやり方より、この二つの方法についての住宅供給、またこの中で庶民の住宅をできるだけたくさん分譲あるいは賃貸で供給できる具体的な目標をぜひひとつ立てていただきたい。こういう手法は新しくて、私は賛成、われわれはぜひやっていただきたい。今度は国民に希望を与えるためには、こういうやり方で政府としては全体として建てる建物の中で、また供給される宅地の中で、いわゆる一般サラリーマンが入れる住宅が、政府住宅あるいは民間住宅で、こういうところの地域で、こういうことをやることによってどの程度供給できる、こういう一つの目安を今度の住宅計画を立てられる場合に、せっかく法律をつくったけれども、計画は計画として別の方のメルクマールで計画をするんじゃなくて、ひとつ新しく手法を開発して法律をつくってやったからには、そういう法律に基づいて庶民の住宅をどういうふうに供給していく予定だというものを今度はぜひ新しい住宅計画の中でつくって、そこに一つの何と申しますか国民に対する希望というものをしっかり与えていただきたいと思います。
#168
○国務大臣(仮谷忠男君) いろいろ二法案についても同意をいただいております。大変貴重な御意見も承ったわけでありますが、申し上げるまでもなく、いまの場合に住宅の積極的な対策を立てなきゃならぬことは政治の大きな課題であります。そのための必要条件である宅地造成ということが緊急の状態であることも御承知のとおりでありまして、先般宅開公団法をお願いいたしたのも、今回また特に大都市地域内の都市計画区域内における宅地の大量供給を考えましたことも、さらに都市の再開発法、これはもう環境の悪化や災害の危険の問題、こういうものを考えながら、そういう対策を立てつつも、さらに宅地の供給も考えたいといったような、いずれにしましても住宅建設を進めていくための宅地開発の条件をそれぞれの法律に基づいて一応私どもはお願いをいたしておるわけでございます。法律が多過ぎるということでおしかりも受けておるわけでありますが、それはまたそれとして、われわれとしても交通整理をしなければならない時期もあると思うのでありますが、いずれにいたしましても、こういった条件をつくり上げるための法案を御協力いただくことによりまして、これをもとにいたしまして五十一年度の住宅計画はひとつ思い切って確立しなければならぬことは当然でありまして、御希望に沿えるように最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。
 なお、詳細、局長から御答弁させます。
#169
○政府委員(山岡一男君) いまの大臣の申されたことで尽きるわけでございます。ただ、具体の計画の中に手法別の戸数を全部挙げるということはまことに不可能でございますが、現在のところ検討いたしておりませんので、方向といたしまして、もちろんバックでは当然検討いたしますし、大臣のおっしゃった趣旨のようにつくられるわけでございますが、再開発住宅は何戸というような表示は残念ながら検討いたしておりません。
#170
○理事(沢田政治君) 両案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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