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#1
第075回国会 逓信委員会 第4号
昭和五十年三月十八日(火曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     亀井 久興君     青木 一男君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     青木 一男君     亀井 久興君
     竹田 四郎君     片山 甚市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹田 現照君
    理 事
                長田 裕二君
                川野辺 静君
                西村 尚治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                亀井 久興君
                新谷寅三郎君
                棚辺 四郎君
                宮田  輝君
                片山 甚市君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  村上  勇君
   政府委員
       郵政政務次官   稲村 利幸君
       郵政大臣官房長  高仲  優君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   田所 文雄君
       郵政省郵務局長  石井多加三君
       郵政省簡易保険
       局長       北 雄一郎君
       郵政省電波監理
       局長       石川 晃夫君
       郵政省人事局長  神山 文男君
       郵政省経理局長  廣瀬  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画課長  岡島 和男君
       科学技術庁研究
       調整局宇宙開発
       参事官      山野 正登君
       外務省アメリカ
       局外務参事官   深田  宏君
       厚生省社会局更
       生課長      井手精一郎君
       厚生省社会局老
       人福祉課長    吉原 健二君
       郵政省貯金局次
       長        寺島 角夫君
       日本国有鉄道旅
       客局総務課長   須田  寛君
       日本電信電話公
       社総裁      米澤  滋君
       日本電信電話公
       社総務理事    三宅 正男君
       日本電信電話公
       社総務理事    遠藤 正介君
       日本電信電話公
       社厚生局長    小沢 春雄君
       日本電信電話公
       社営業局長    玉野 義雄君
       日本電信電話公
       社建設局長    山口 開生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (郵政省の基本施策及び日本電信電話公社の事
 業概況に関する件)
 (日本電信電話公社の第五次五カ年計画に関す
 る件)
 (老人福祉電話の設置等に関する件)
 (専用回線の料金問題等に関する件)
 (郵便貯金の目減り対策等に関する件)
 (在日米軍の専用回線の使用等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹田現照君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○森勝治君 大臣は二度目の輝ける郵政所管の大臣になられたわけであります。しかし、私があなたに本格的に――本格的という言葉はちょっと大上段に振りかぶったきらいがなきにしもあらずでありますが、御質問をするのは大臣が就任されて初めてでございます。したがいまして、先日、所信表明がなされましたので、この所信表明をめぐる諸点について、主として基本的な問題について大臣の考え方を聞かせていただきたいと思うのであります。
 第三次鳩山内閣に名を連ねられたあなたでありますから、すでに行政の手腕というものはもう私がいまさらここで言挙げするまでもなく、三木内閣においてもまさに重きをなすお方だろうと私はこう考えておるわけであります。ただ、大臣がかつて郵政省の長として御就任なさっておった当時と今日の郵政事業というものはまさに隔世の感があります。したがって、もちろん過去のもろもろの大臣の業績というものを基調にされて現在の郵政事業というものを見ておられることとは存じますけれども、やはりその辺は新しい時代に対応のできるそういう考え方でなければ、変転目まぐるしいこの郵政行政には対処していけないんではないかというふうに私は考えるわけです。
 特に、電気通信、電波、放送などというものは、最初郵政大臣におなりになった当時から比べますと、まさに隔世の感があるわけでございますから、そういうことにつきましてひとつ大臣はどうお考えになっておられるか。いわゆる過去の大臣の経験を生かしてこの変転目まぐるしい電波行政あるいは郵政事業等に携わっておられ、それから先般の所信あるいはまた大臣就任早々の記者会見の談話等を拝聴いたしましても、非常に積極的で、世俗で言う前向きの御発言をなさっておられますから、私は期待を持って申し上げておるわけでありますが、この辺でひとつ大臣の所見を、どうおやりになるか。
 私がなぜこんな愚問を発するかと申しますと、実は、先般、大臣就任の折から、この席で若干所見をお伺いしましたところが、閣議の決定がなければいかなることも発表できないというような、非常にかたく閉ざされたとびらの向こうで、しかも鉄のとびらの向こうでお話をささやかれているようなそういう御返答を承ったものですから、きょうは、所信表明のなされた直後でございますから、改めて私の以上の質問になったわけです。
 もちろん、私がこういう質問をすることは、恐らくベテランのおれに向かってけしからぬと、あるいは千万分の一ぐらい思われるかもしらぬ。しかし、これは先輩のあなたに思われてもよかろうと思って、私はあえて以上の、まああなたから見れば愚問かもしれませんが、ここでひとつお伺いをしてみたいと思うのであります。
#5
○国務大臣(村上勇君) 何とお答え申し上げていいのかちょっと適当な言葉がないんですが、二十年はかり前に鳩山第三次の郵政行政を担当さしていただいた私はまあ運がよかったんだ、こう思っております。決して私にすぐれたところがあったわけでもないし、今日なおあれから二十年たっておりますけれども、やっぱりあの当時から余りそう自分でできがいいとは思っていなかったんですが、いまでもなお年をとって、だんだんと少し取り柄のないところだらけでございますので、ひとつよろしくお引き回しのほどをお願いいたします。
 で、私の初めて郵政大臣に就任いたしました昭和三十年当時とそれから約二十年後の今日を比較してみますと、本当に先生御指摘のとおり全く隔世の感があります。国民生活の向上、情報化の進展、科学技術の開発進歩等に伴いまして、郵政省所管業務の各面にわたりましてまさに見違えるほどの躍進を続けております。
 たとえば郵便物の数はその間に約三倍、加入電話数は約十三倍、無線局数につきましては約五十倍といった状況であります。さらに郵便貯金にしましてもその現在高は約三十九倍、簡易保険につきましても契約保険金、資金総額とも約十七倍になんなんといたしております。これらの業務はいずれも国民の日常生活に密着したものばかりでありますだけに、今後、ますます高度化、多様化する社会の要請にこたえまして、国民から信頼される事業を育てていくよう、さらに力を注ぎたいと考えている次第であります。
#6
○森勝治君 三木内閣は特に社会的不公正の是正というのを表看板にされております。あるいはまたこれを弱者救済とかということでおっしゃっておられますが、これは従来の自民党内閣の産業優先の姿勢から国民生活優先へと政治姿勢というものの変換を示されたものと私は受け取るわけであります。
 したがって、郵政省の所管行政につきましても、従来の路線を踏襲するということではなくして、やはり新しい方針でこの新時代に対応する発想の転換と申しましょうか、そういうものが要請されているというふうに私は理解をするわけですが、さて、そうならば、大臣はいかなる構想のもとにこれからの郵政行政のあり方というものの道を開かれようとしておられるのか、この点についてひとつ所感を承りたい。
#7
○国務大臣(村上勇君) 御承知のように、郵政省は全国津々浦々に散在する二万一千余りの郵便局を通じまして、国民の日常生活に密着したきわめて公共性の高い郵便、貯金、保険の三事業を行っておりますが、これらの事業を通じまして、たとえば盲人用郵便物の無料扱い、簡易保険の老人福祉施設の設置等、国民福祉の増進に努めております。また電気通信、電波、放送の行政分野におきましても、国民生活の発展向上に努め、老人福祉電話に対する優遇措置、身体障害者に対する放送受信料の免除等、社会的弱者に対する諸施策を講じているところであります。今後とも、これまでと同じように、またそれ以上に国民の期待に沿って、所管の事業及び行政を円滑に遂行してまいりたいと考えております。
 本年度の具体的施策につきましては、預金者貸付限度額の引き上げとか、あるいは保険金最高制限額の引き上げ、また郵便貯金及び簡易生命保険を勤労者財産形成貯蓄の対象とすること、電話の積滞解消、テレビジョン放送の難視聴地域の解消、こういうように幾つかの問題と取り組んで、少しでも国民生活に役立つように努力を続けたいと思っております。
#8
○森勝治君 私はいま発想の転換がありやなしやという設問を試みましたが、一つも変化がないということですね。いま列挙されましたもろもろの項目というのはすでに従来おやりになっているものだけだということでありますね。
 それならば新機軸をどこに発見するかという問題を私は重ねてあなたにお伺いしたい。
#9
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 新機軸と申しまして事新しく改革していくことも余り見当たりませんが、しかし、たとえば電話の積滞の解消とか、あるいは難視聴区域の解消というようなことに重点を置いておりますし、また一方におきましては勤労者財形貯蓄の増強、あるいはまた預金者への貸し付けをふやすとかいうようなことを、具体的に挙げますといろいろとやるために法案を御審議願っておる次第であります。
#10
○森勝治君 ですから、新しい発想というのは全然見受けられませんね、いまのお答えの中では。テレビの難視聴の解消、電話の架設をふやすというような問題、これは従来もおやりですし、それをただいま繰り返しにおっしゃったにすぎないのではないでしょうか。やはり時代に対応する郵政事業のあり方というものがあるはずだと思うのです。
 そこで私はお伺いしたいんですが、いま何といっても国民がインフレのもとに悩んでいるわけです。しかも三木さんもその組閣の目玉といたしまして、先ほど私がちょっと触れましたが、経済優先から国民優先への転換ということを示唆されておるわけです。そうなれば、当面の課題は何といってもこの物価の安定、物価問題の解決というのが最大の眼目でなければならぬと思うのです。そうですね、大臣。お答えいただきたい。――うなずいておられるから、私の質問を了承されたわけですね。
 それでは次へ移りましょう。物価問題の安定ということであるならば、郵政省は、国民が物価安定を心から願っている、まさにそれは神にも祈る気持ちでありましょう、国民は。にもかかわらず、この国民のこうした切なる物価安定への願いを裏切って郵便料金を数倍も値上げするような、全く常識では考えられない――全国紙はもちろん、全国津々浦々の地方の小さい新聞等にも郵政省の暴挙ということで連日キャンペーンを張られているというこの現状から見ますならば、いわゆる常識では考えられないような郵便料金の値上げ改定案を提案をしてきているということは、福祉優先というものを標標しておる三木内閣の有力閣僚でありまするあなたとしては、一体、これはどういうことなのか。
 物価安定ということが要するに三木内閣の最大の課題かと私が聞いたら、そうだといってうなずいておられるあなたが、なぜこんなに一−私がいま言葉で表現したような物価安定どころじゃなくて、物価をさらにつり上げるような料金値上げ等を意図されたのか、これでは一体物価問題をどう認識されておるのか。先ほどうなずかれたのはいわゆるオウム返しといううなずき方でありまして、これでは心のこもった私と同感だとおっしゃっておられないような気がして、私は若干、失敬でありますが、あなたのそのお答えの姿勢についてやや奇異の感に打たれましたものですから、重ねてこの問題について、一体、あなたは物価問題をどう考えておられるのか。この国民の願いと、あなたが三木内閣の一翼を担う大臣として物価安定が三木内閣の一大眼目だとおっしゃるならば、潔くそういうのを――国民の期待を裏切るようなことを郵政行政の中でやらないと思っていたらおやりになる、それではあなたの言っていることは人の目の前でたなごころを返すように、食言どころじゃないんですよ、これはね。これではどうも御信頼を申し上げるわけにまいりませんので、この点重ねてひとつお答えをいただきたい。
#11
○国務大臣(村上勇君) 先生と議論するつもりはないんですけれども、御指摘のとおり、三木内閣が物価の安定を最大の政治課題としていることは御指摘のとおりでございます。いま日本の物価情勢は非常に順調に推移しておりまして、今月末の時点における物価上昇率の前年度比一五%程度は、大体、これを実現できそうであります。また五十年度における年間物価上昇率については一けたの範囲にとどめる目標を立てておりますが、その前提として今回の郵便料金の改正もこれに織り込んで目標を立てておるわけであります。
 そこで、郵便事業の財政はもう御承知のとおりでありまして、昭和四十九年度から大幅な赤字が見込まれておりましたが、政府の物価抑制方針に沿って四十九年度中は料金の改正を見送ってきたわけでございます。これはもう私から申し上げるまでもないのでありますが、このために郵便事業財政はますます窮迫の度を加えまして、昨年十二月、再度、郵政審議会からこうした事業財政を立て直すために手紙を五十円、はがきは三十円というぐらいなところを骨子とする料金改正について答申がなされたのでありましたが、公共料金を極力抑制する趣旨から、この郵便物の中で最も利用が多く庶民の簡易な通信手段でありますはがきにつきまして、これを特に赤字覚悟で二十円に抑えることにいたしました。また実施時期につきましても、十月に実施の時期を延期してお願いいたしておるところであります。
 御承知のように、郵便事業運営に要する経費は人件費がほとんどでありまして、近年の人件費の高騰により事業財政は極度に悪化の一途をたどっておりまして、このまま推移してまいりますと国民の基本的通信手段である郵便サービスの確保すらむずかしいことになるおそれがないとしないのであります。したがいまして、この際、国民皆様の御理解をいただきまして料金改正を実施して、この窮迫した事業財政を立て直してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#12
○森勝治君 それでは議論になりませんね。議論は避けたいがと前提がありましたから議論されるのかと思いましたら、議論になりません。
 それでは、私の方から、畳みかけるようで恐縮でありますが、もう一点申し上げておきます。
 あなたのただいまのお答えの中にも何か一五%という言葉が出ましたね、三木さんもそうおっしゃっているわけですね、三月末一五%に抑えることができる。どうも閣僚の諸君は、失敬でありますが、あなたを初め三月末一五%以下に抑えられることによってあたかも物価問題が解消したような、そういう印象にとれる発言をしばしば用いられておるんですが、そんなことはないでしょう。物価問題は一五%に抑えただけで解決できるしろものではないでしょう。あなたはいま一五%以下とおっしゃったが、これはあなた方の、失敬でありますが、マジック以外の何物でもないと思うのです。私どもから見ますと、それは昨年三月末との数字の比較だけでありまして、年間を通じて見ますならはやはり二二%もこれは上がるという数字が出てくるわけですから、さらに年度末にしても、政府の経済見通しを見れば、年度平均上昇率一一・八%、五十一年三月末前年度比上昇率は九・九%となっております。したがって、の五十年度においても、もうすでに十数%の上昇を免れないことがそれらの数字からしても証明されるものであります。
 仮に今度は百歩譲りまして、あなた方のおっしゃる経済見通しどおり実現できたとしても、この貯金の一番よい利率の定額貯金をはるかに上回っているわけですから、これをもってしましても、物価問題解消せりという印象を与えるような三木内閣のこの言動や、いまいみじくもあなたのおっしゃった問題から申し上げますと、物価問題はもう一五%で抑えれば解決したんだということを言うことは、これはすでに感覚が誤りではないか、感覚が間違いではないか、私はそう思うんです。当然、この物価上昇率より貯金利率の高い方が正常な勢であるわけですから、現状としては、庶民の汗の結晶である貯金が完全に目減りしていることは大臣だってお認めになるだろうと思うのであります。
 この国民の貴重な財産である郵便貯金や簡易保険を預かる郵政大臣としては、この際、物価抑制の立場というものを最優先させるべきであると私は思うのであります。したがって物価上昇に拍車をかけるがごとき郵便料金の値上げなどということは即刻撤回すべきだという私は主張をしたいのです、この際。私の方から議論を――あなたは議論したくないと言うが、私はこのことはぜひとも議論をしてみたい。だから撤回すべきだと私は主張するものでありますが、大臣の考え方を聞かせていただきたい。
#13
○国務大臣(村上勇君) 郵便貯金の利率はこれをできるだけ引き上げてまいりましたが、国民の貯蓄に対する信頼を維持するためには、どうしてもやはり物価の騰貴が貯金の利率を上回ることのないように抑制する必要があろうということは先生御指摘のとおりであります。物価の抑制策が一日も早くその効果を上げることが望まれるわけでありますが、今後とも経済情勢や金融情勢の変化を注視しながら慎重に配意してまいりたいと思います。
 まあ郵便料金は、こういう状態だから郵便料金の値上げについてはこれは撤回したらどうかということにつきましては、先ほどもるる申しましたように、今回の郵便料金の値上げはすでに政府といたしまして年度末の一五%あるいは来年度は一けた台にというその中にもう織り込み済みのものでありますので、この際はひとつ御了承をいただきたいというのが郵便料金についての私どもの考え方であります。
#14
○森勝治君 郵便料金の問題については、いずれ法案審議の際、大臣と改めて議論をしてみたいと考えています。したがって、きょうは、基本的なことばかりの御質問をすることにしておりますから、郵便貯金の問題について質問をしてみたいのです。
 先般の所信表明の中で「郵便貯金といたしましても、昨年は二回にわたり貯金利率を引き上げるなどして預金者の利益増進に努め、貯蓄に対する国民の信頼感を高めるよう、努力してきたところであります。」と、こう大臣は説明されておられますが、国民の汗の結晶である貯金の実質価値が毎日確実に目減りしておるというこの現実というもの、これはわれわれも残念ながら実感としてはだで感ずるところであります。大臣は本当に国民の信頼感が高まったとお考えなのかどうか。また、そう大臣がお考えなさるとするならば、国民の生活実感から全く遊離していると断ぜざるを得ないのでありますが、大臣の偽らざる御所見をお聞かせ願いたい。
#15
○国務大臣(村上勇君) 郵便貯金の目減りにつきましては、御指摘のとおり、これは余り芳しいことでないと私どもも思っております。そのために一昨年から数回にわたってこの利率の引き上げをいたしまして、トータルでは二・五%ばかり上げてまいったのであります。
 しかし、また私どもが少しでも零細な貯金者に対して金利の引き上げをして差し上げたいということでありますけれども、やはり今度は一方、郵便貯金の流用の面の利率の引き上げをしなければなりませんので、なかなかただ私どもの考えだけでこれができないことは遺憾でありますけれども、あらゆる方面と十分交渉いたしまして、少しでも預金者に有利になるように努力を傾注してまいりたいと思っております。
#16
○森勝治君 「貯蓄に対する国民の信頼感を高めるよう、努力してきたところであります。」とおっしゃるんだけれども、残念ながら信頼は日に日に低下してると私は御指摘を申し上げたわけでありますが、それについての確たるお答えはなかったのであります、残念ながら。
 そこで、さらにこの問題でお伺いをしたいのでありますが、「国民に魅力のある貯蓄手段を提供し、健全な資産形成に寄与しつつ、貯蓄の増強に努力する所存で」あるというのが大臣の所信表明の郵便貯金に対する考え方でありますが、現在の経済情勢の中で「魅力のある貯蓄手段」とは一体そもいかなるものか、これをひとつ具体的にお話しをお願いしたい。
#17
○国務大臣(村上勇君) 国民に対して簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供するとともに、その経済生活の安定を図り、福祉の増進に寄与することが国営貯蓄機関としての郵便貯金の役割りでありますので、ここ数年、住宅積立貯金や預金者貸付制度を創設いたし、また総額制限額を引き上げるなど、制度の改善に努めてきたところであります、今後も、経済生活の変化や金融サービスの需要の変化に対応して、どこまでも工夫をしていかなくてはならないと考えてはおります。また、この国会には、預金者貸付制度の拡充のための貸付限度額の引き上げのほか、郵便貯金を財形貯蓄制度の対象とするような法案を提出しておりますので、こういうようなことによっていま御指摘の点についてはおこたえしてまいりたい、かように思っている次第であります。
#18
○森勝治君 それでは、大臣がこの所信表明の中でおっしゃっておられる「健全な資産形成」とはこういうことであるのか、郵便貯金がそれに十分寄与できると考えておられるのかどうか。私は、健全なる資産形成と言うからには、少なくとも貨幣価値の下落率よりも預金利率の方が高いという条件が必要だと思うのでありますが、この点についてもひとつ大臣のお考えを聞かせてもらいたい。
#19
○国務大臣(村上勇君) 物価の上昇率が預金金利を上回るような状態は同様に私もはなはだ遺憾であります。まして政府といたしましても、四十八年以降、物価上昇を抑制するために金融引き締め政策等、総需要抑制策を実施してきたところでありますし、今後とも物価の抑制に努めたいと考えております。
 しかしながら、同時に預金者の立場にも極力配意する方向で対処してきておりまして、四十八年以降、先ほど申しましたように、郵便貯金の利率を五回にわたって合わせて二・五%引き上げたところでありますが、郵便貯金の利率をさらに引き上げることにつきましては、お話しいたしましたように、先払い利子の増大に伴う資金運用部からの貸出金利の引き上げ等の問題がありますので、これらの情勢を注視しながら慎重に検討してまいりたいと考えておる次第であります。
#20
○森勝治君 お答えになっていない。後段の質問に答えて、前段の質問にお答えがない。「健全な資産形成」とはそもいかなるものかという質問をしているんですから、そのことについて、いまのは後の方の話。
 もう一回言いましょうか、私が前段で申し上げたのは、「健全な資産形成」とはどういうことかと聞いたんですから、そのことについて端的にお答えをくださればいいです。
#21
○国務大臣(村上勇君) 国民に対して簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供するとともに、その経済生活の安定を図り、福祉の増進に寄与することが国営貯蓄機関としての郵便貯金の役割りであります。
#22
○森勝治君 そういたしますと、先ほど申し上げたように、貨幣価値の下落率よりも貯金の利率のほうが高いという条件でなければならぬということだということについては、あなたも先ほど残念ながらということでお認め願ったわけですね、そうすると、いま「あまねく公平」ということではないわけですね、いまの郵便貯金制度は。物価の上昇が激しいんですからね、公平じゃないですね、いまのは。先ほどあなたお認め願ったんだから、郵便貯金の公平、あまねく公平を目指しておるが、現在の郵便貯金は公平でないと、こうおっしゃっているわけですね、これお認めになりますね。――
 きょうは基本的な質問ですから、大臣も余り枝葉を私がこう伸ばしますとお困りの御様子ですから、先輩の大臣に尊敬の礼を払って、後でひとつ文書でお答えいただくことにします。いいですね。そうしないと、私の時間がなくなっちゃう、大臣が考えているうちに時計の針は進みますからね。
 それでは、次の問題に移ります。
 貯金、保険の資金は政府の財投原資の大半を占めるという大きな役割りを担っていることは御承知のとおりであります。そこで従来の財投計画を見ますと、経済成長を促進するのに大きな存在価値を果たしてきたところでありますが、三木内閣が国民生活優先という方向に政策転換をするならは、これらの資金の使われ方にもまた大きな変革が必要になってくることは当然だと私は考えますが、大臣はこの点についてどう考えておられますか。
#23
○国務大臣(村上勇君) 郵便貯金は資金運用部資金として他の資金とともに財投計画に計上され、その主要な原資となっておりますことは御指摘のとおりであります。
 最近における財投は福祉型財投と呼ばれますように、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業等団民生活に密着した分野に対し重点的に資金配分を行っておりまして、五十年度の財投計画におきましてもこれらの分野に対する割合は全体の六四・二%を占め、四十九年度の六一・三%に比べて二・九%の増加を見ております。このことから郵便貯金の資金も先生の御指摘のとおり国民生活の安定向上や福祉の増進に大いに役立っておるものと考えております。
 また簡保資金は国の資金でありますから、公共の利益になるよう運用を行うことはもちろんでありますが、一方、加入者の共同準備財産でありますから、これをできるだけ有利に運用しなければなりません。したがいまして運用に当たりましては全体としての国民福祉の向上、社会資本の整備に十分配慮するとともに、より直接的な加入者利益の向上のためにできるだけ有利な運用を図り、その利益を加入者に還元することとして、公共性と加入者の利益の調和を図ってきているところであります。今後におきましても、こうした方針に基づきまして両者の調和を考慮しつつ効率的な運用を図ってまいりたいと考えております。
#24
○森勝治君 大臣、まことに恐縮ですが、しゃくし定規のお答えは大物大臣らしくございませんから、ひとつもう少し型のとれたお答えをいただければと思うのです。
 そこで大物大臣にお伺いするわけでありますが、従来、ともすれば郵政省は金を集めるだけ、使うのは大蔵省というようなあたかも責任分担――責任分担という表現もおかしいんでありますが、そういうふうに定着化しつつあるわけであります。私どもは、かねてからこの問題については、たとえば末端の従業員の士気を高揚する、そういうたてまえからいたしましても財投計画の策定に当たっては当然郵政省の発言力がもっと強化されてよろしい、強化すべきであるという主張を年来繰り返してきたところであります。したがって再度のお勤めを果たされんとする郵政大臣はそういうことは十分もう先刻御承知のはずでありますから、私どもは郵政省の立場でそういうことを大蔵省と話し合いをしなさいということを公的の場合でも非公式の場合でも申し上げているわけですが、あなたならはこのわれわれの期待やこの郵政省の全般的な主張について、その先頭に立ってくださるものと私は考えたいんですが、そういうことでおやりになる意思がありますか。これやらなきゃなりませんね、当然、郵政省としては。
#25
○国務大臣(村上勇君) そのことはもう先生の御指摘のとおりでありまして、私も、二十年前に、郵政省が本当に末端に至るまで日夜努力して集めた金を財政投融資という名前でほかの省で自由にしている、これじゃどうも何だか働きがいのないものじゃないかというようなことで、郵政省にその扱い方等について任すようにというような、いまお話しのようなことをずいぶんやってまいりました。しかし、なかなか国の行政組織の壁というものですか、そういう一つのあれは非常に厚いので、一年余りの在任期間、そのこともずいぶんいろいろと先輩その他にも頼んで骨を折ってみましたけれども、これはどうも何ともならなかったのであります。
 その後も、あれから約二十年、やっぱり同じようなことであります。十分その御趣旨には私も共鳴できるのでありますけれども、なかなか容易ならぬことだとも思っております。幸いに何とかできますれば、この際、ひとつ郵政省の努力が十分認められるような措置をしてまいりたいとは思っております。
#26
○森勝治君 ぜひともひとつ、きょうは最善の努力を尽くすという率直な御意見がありましたから、御努力を願いたい。
 次の問題に移りますが、最近の郵政事業を見ますと、郵便、貯金両事業の財政難もさることながら、保険事業についても国民の批判の高まりというものは非常な勢いでつのりつつあります。したがって三事業とも重大な危機に直面しているという言葉で表現せざるを得ないのでありますが、この危機を打開するための最大の条件と申しましょうか、要件は、何といっても労使相互の信頼関係の回復、労使の不信状態の克服にあるのではないかと思うのであります。
 そこで、先般の所信表明の中で、大臣はこの労使問題に触れられまして、こういうことを表明されておられるわけです。「今後とも的確な労務管理を行い、秩序ある明るい職場づくりのため積極的な努力を傾けていく」云々と述べておられるわけでありますが、この「今後とも的確な労務管理」というこの表現の問題について私はちょっとこだわるわけでありますが、このことはとりもなおさず従来郵政省がとってきた、あるいはまた現在郵政省がとっておる労務管理が適切であるということを表明したことだと私は理解するわけですが、ならば、大臣はいままで郵政省がとってきたこれらの労務政策がどういうものであるか認識されておられることと思うけれども、その一端をここでひとつお聞かせを願いたい。
#27
○国務大臣(村上勇君) もう先生御承知のように、郵政事業はいわば人の企業であると言っていいと思います。労使関係の安定が事業の円滑な運営を図る基盤をなすものであることは言うまでもありません。したがいまして、省としましても、労使関係の改善を基本課題と認識して、労使間の話し合いの結果を踏まえて努力をしてきたところでありますが、このような中から労使関係安定の基盤となる信頼関係が培われてきていると考えております。労使関係は生き物でありますから、従来の措置に安住することなく今後とも引き続き最善の努力を尽くしてまいりたいと思っております。
#28
○森勝治君 大臣は、今回の郵政大臣就任の際、大臣の所見として、かつて郵政大臣のとき労使はうまくやれた、やったということをあなたは率直に言われておるわけです、したがって過去のあなたのとうとい経験をわれわれが推察いたしますと、いま労使間にわだかまっております不信感というものを村上大臣の手でこれを一掃していただけるんではないかという非常に強い期待と願望を持って私はこの質問をいましておるところであります。
 特に、あなたは和をもってとうとしとするという言葉を好んでお用いになっておられる模様でありますし、労使の信頼回復に向かっては最善の御努力を過去の経験から徴してもおやりになってくださると期待を持っておるわけですが、さて現在の労使というものが和をもってとうとしとするという言葉で表現できるようなその程度のものであろうかどうかと考えをそこに集中いたしますと、残念ながら、その中はさらにまた不信感が広がるわけです。
 たとえば、私は、しはしはこのことについては、従業員の協力を得ることなくして事業の伸展はないということを公開の席上でもよく主張をしてまいりましたが、いまの郵政事業は部下であります従業員を信頼していない。まさに監視労働という表現に当てはまる。もちろんすべての職場とは言わないけれども、監視労働というこのいまの労務政策をとる限り、相互不信の芽生えどころじゃありません、芽生えがやがて大木になってしまう。そして残念ながら不信の根というものは牢固として抜くべからざるものになってしまう。この辺で、ひとつあなたが一大勇断を持って下さなければならんと思うその決意を促す余り、私はいまこうして労使問題について大臣の考え方を引き出そうとして努力をして発言をしているわけであります。
 一例で申し上げましょう。この前も申し上げたような気がいたしますが、郵便局の中で事務用電話、いわゆる役所の黒電話に従業員に使わせまいとして施錠をしている、かぎをかけている。いいですか、東京だけで三十幾つ、関東だけで十カ所もある。全国ではもっと大変だ。大臣、よく聞いくてださいよ。全国の官公庁の中で電話に施錠をしておる官庁があるだろうか。電話にかぎをかけるということは職員に電話を勝手に使わせないという、この最も端的な表現が施錠となるのです。これはなぜか。部下を信頼しない典型的な姿であります。俗に典型的という言葉はよい方に用いる言葉でありますが、この問題については残念ながら悪い方に用いざるを得ない。
 私は幾たびかそれをやめなさいと、こう主張いたしました。きょうは基本的な問題で質問しているわけですから、余りそういう問題についてはこれ以上触れませんけれども、そういう一例をもってしても、これで職員よ事業に精励をしなさい、生産の第一線に立ちなさいと局長が申しても、おれたちを信用してくれないで何が生産意欲だと、従業員はせせら笑うでありましょう。大臣、このことをよく聞いてください。重ねて申し上げますよ、全国の官公庁の中で、いいですか、郵便局の中の事務用電話にかぎをかけているのは郵政省だけですぞ。恥ずかしいと思いませんか、恥ずかしいと思いませんか、郵政の諸君、郵務局長以下の皆さん、これは残念ながら部下を信頼しない姿のあらわれであります。どうかひとつ部下が信頼されないところに生産がわき起こるはずはありません。企業意欲をかき立てるためならば、部下をかわいがり、部下を信頼することです。
 太政官布告がまだ生きている郵政省であります。私はだから言うのです。大臣、これもひとつ聞いてください。
 若干枝葉の問題になりますが、全国の郵政局の中に、たとえば最近できた関東郵政局のことを例に引きましょう。ごく最近できた関東郵政局の中に局長官房という職場があるのです。官房という言葉は各省庁では本省しか用いておりません。この官房という言葉はまさに太政官布告であります。その太政官布告の姿がいまも地方の職場に残るのは郵政省だけであります。
 もちろん近代文明がいかにわれわれの前に展開されようとも、信書というものは郵政労働者の手を煩わさなければ各戸別に配達ができません。したがって文明というもの、近代的なもの、たとえば電話ならば次々と新しい機種が生まれてまいりますが、郵便の職場はそうもまいりません。したがって、そういう点では時代の進展というものと必ずしも郵便の事業というものは表裏一体というか並行はいたしませんけれども、しかし新しい時代に対応するにはやはり新時代に対応する策が必要だと思うんであります。だから私が先ほどあなたに設問いたしました、新機軸はいかなるものぞということを申し上げたのもそういうところにあるんです。
 私は何も名は体をあらわすなどという古めかしい表現を用いようとはいたしません。しかし、もう太政官布告などというものはそろそろ、本省はいざ知らず、出先の郵政局なんかがこれを掲げて、いかにも部下に君主の立場をもって臨むようなことは郵政局以下郵便局ではおやめなさい。こういうことから直さなければ、新しい時代に対応できる郵政事業としての生まれ変わりなんというものはとうてい図ることができませんので、これはひとつ大臣、この際、お約束をいただきたい。
#29
○国務大臣(村上勇君) 先生の先ほどの電話の施錠の問題ですが、これは全く御指摘のとおりでありますので、一部の局にそういうことがあったようですが、すでに文書その他の方法でそういうことのないように、徹底するように指令をいたしておるようでありますので、御了承願います。それから、労使という関係につきましては、もう全く私も大変有益なお話を承りまして、今回だけでなく、常にそういうお話を非公式にあるいは公式にいただいておりますが、全くもうこの点はあなたと同じです。この労使というようなことは私はどうもちょっとおかしいと思っております、どっちも労であり、どっちも使であります。私もこの従業員の中の一人でありまして、決してそこに分けるべきもんじゃない、そうしてどこまでもよく信頼し、年齢の差とかあるいは立場の差こそあれ、しかし、そこには常に信頼と愛情というものを忘れないような人事をやっていくということが大事だと思います。これはもう全面的に先生の御意見と同じ意見を私も持っております。ただ公式な場合は別として、プライベートであるならば、もうだれでも構わない、いつでも私は本当にどんな御相談でもしていきたいと、こう思っております。
#30
○森勝治君 大臣、後段の大臣のお答えはそっくりいただきますが、前段はいただけませんね、まさにおざなり答弁これに過ぐるものなしというお答えでございます。通達を出しましたとおっしゃるだけです。
 通達を出すたびにふえるのですよ、大臣、聞いてごらんなさい、現場で。だれがそんな原稿書いたんだ、大臣にそんなうその答弁をさせるから、職場の規律というものが回復できないんだ。大臣、いいですか、それは私がしばしば数年前から主張しているんですよ。主張するたびにふえて、たまりかねた私が通達を出しなさいという主張をこの委員会で迫った。通達を出しますという約束で通達を出した、出したには出したが、下がこれに従わないんですよ。よく聞いてくださいよ、大臣いいですか、役所の上局の通達が下部では伝わらないんです。最近はまたふえてきたんです。だから、こういう質問を、これは何回もやっているんだ、私は、これ何回もやるのは残念ですけれども、ただ郵政の事業の恥部を若干出さなければ大臣がおわかりにならぬから、私は言いたくないんですけれども、基本的な問題で余り細かく言いたくないんですけれども、言わないと大臣もおわかりにならぬから言うんですがね。
 大臣にそんな答弁書いたのはけしからぬですよ。私に言わせりゃ、通達出しましたって――いいです、お答えにならぬでいいです、大臣、お答えにならぬでもいいですけれども、それは困ります。お約束はお約束ですから、第一、部下を信頼なさい。多少、確かに電話かければ一通話何円と取られますから、それはかさむことはかさむでしょう、かければ金のかさむのは当然です、しかし、これは部下を信頼するか信頼しないかなんですから、後は管理の法よろしきを得ればそういうことはないんですから、だって郵政省だけでしょう、そんなこと各官庁何にもないんですから。どうかひとつこのことにも最善の留意を尽くして、私は労使双方の信頼を回復する一つの手だてとして、そういうことばかりやっちゃだめですよと申し上げているわけですから、たくさんありますけれども、これは私はきょうは言うつもりありませんから、一つだけ例を取り上げたんです。ひとつそれは善処をお願いいたします。
 そこで、次に移ります。
 大臣の人生訓は、私を考えるな、他人のことを考えよと私は伺っております。まさによい言葉でありますが、全国の現場の管理者の皆さん方にこの趣旨を十分に大臣ひとつ在任中に徹底をしていただきたい。部下のことを考えないで、おのれのことばかり考えているのが郵政の管理者だというそしりがあるわけですから、大臣の心がこういうことであるならば、ひとつ出先の管理者の皆さんにも大臣のこの趣旨を徹底さしていただけば、相互不信を取り除くことに役立つのではないかと思うのです。
 大臣は、先ほど言ったように、和をもってとうとしとすると、それからいま、だれが来てもお話をすると、門戸を開いた前向きの発言で結構でありますが、大臣、失敬でありますが、あなたがかつて二十年前に大臣を経験されたときといまの郵政の職場の労使関係というものはまさに、残念ですが、想像に絶する険悪な状態ですよ。電話にかぎをかけてるような問題と同じように、部下を信頼をしないんです。いいですか、そういう問題から不信――もちろん、いろいろな要素があるでしょうけれども、あなたの想像以上だと私は残念ながら指摘せざるを得ない。
 そこで、あなたにお願いでありますが、ぜひともこの現場の姿をよく見ていただきたい、あなたに。そして、いまあなたもいみじくもおっしゃいました、だれとでも会おうとおっしゃっておられますから、どうぞひとつ、これは第一線に働く諸君ともひざを交えて郵政事業のあしたについてひとつ語ってもらいたい。これはあなたにお願いをしたいのですむあなたが恐らく過去の経験を生かし、労使不信の一掃に御努力なさるならば、しかも私を考えるな、他人のことを考えよと言って全国の管理者に叱咤激励をしてくださるならば、私は郵政の労使のこの環境というのは明るいものになるんではないかと考えます。これはあなたにひとつお願いを申し上げておきますので、この点についてひとつお約束をいただきたい。
#31
○国務大臣(村上勇君) もう御指摘の点については、私も十分先生の御意見と先ほど申しましたように同じです。同じことですから、少なくともそういうように努力をしてまいらなければならぬと思います。
 まあ体裁のいいことを言って済ますものではございません。私はいままで政界に入る前の二十五、六年間自分の事業を通じても、私はそれに終始一貫して、常に自分の相手方の、自分の従業員のためということだけを頭に置いてやりましたから、自分のことを考えて、自分の利益のために少なくとも従業員に対して何を強いるとかいうようなことのないように心がけてまいりました。それは結局、好結果を得ようという気持ちでなくて、私はそういう気持ちで終始しましたが、それが非常な好結果になった。そういうようなことから考えてみましても、やはり従業員、全く和をもってみんなが相携えて郵政事業をやるんでなければ国民のためになるというようなことは考えられません。
 そういう意味で、先生の御意見はよく私わかりますので、私に時間と何か暇がありますれば、また会いたいという人があれば、個人的にならいつでもお会いいたすつもりです。
#32
○森勝治君 それでは、電気通信事業の面について二、三質問をしたいと思うのであります。
 電通関係の問題につきましては、後で同僚であります片山委員が質問をすることになっておりますから、私はきょうは大臣に電通関係の基本的な問題二、三についてお伺いをしてみたいと思うのです。
 私は、昨年のこの委員会におきまして、第五次五カ年計画と国の基本計画との関連性についてお尋ねをし、最近のこの社会経済情勢の変動から同計画は根本的に見直すべきではないかという趣旨の意見を具申したところであります。
 ところで、昨年末、田中さんから三木さんへと政権が交代をし、先ほど触れましたように、三木内閣の旗印は社会的不公正の是正、福祉重点、つまり世直しというものを大々的に掲げて国民の政治的信頼を回復されようとされておるわけですが、しからば電気通信事業においても当然そういう立場に立つ運営がなされなければならないと私は考えますが、郵政大臣はどうこの点についてお考えになっておられるかどうかお伺いをしたい。
#33
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 政府といたしましては、従来の新全国総合開発計画及び経済社会基本計画については新しい発想のもとにこれを見直し、新計画の策定を予定しております。電電公社の第五次五カ年計画もこの政府の新計画と整合を図って見直し、再検討されるべきものと考えております。
 郵政省としては、電気通信の社会経済、国民生活における役割りはますます増大するものと考えておりまして、今後におけるわが国経済の安定成長に即しつつ、電話の積滞解消を重点的に推進するほか、国民福祉に寄与する各種システムの開発、実用化並びに社会的要請に応ずる新サービスの開発、実用化を通じ、電気通信全体の技術向上を図るとともに、国民の利便を確保することが肝要であると考えております。このような点を十分計画に反映させるよう公社を今後とも指導したいと考えておるものであります。
#34
○森勝治君 それでは、昨年来、私が主張してまいりました電電公社の第五次五カ年計画の根本的見直しということがいよいよ当面の問題になってきたものと考えるわけでありますが、郵政大臣としては、この点どのように公社を指導されるおつもりなのかお聞かせを願いたい。
#35
○国務大臣(村上勇君) 今日、電気通信は社会経済並びに国民生活に大きな役割りを果たしております。今後、わが国が安定成長の道をたどるうちにおいても、その役割りは増大するものと考えております。したがって、今後の電気通信事業の運営は安定成長と十分調和、整合を図りながらこれを推進することが必要であります。
 このような見地から、五十年度電電公社予算については、総需要抑制の方針にのっとり、国民生活の必需品となっている電話の増設に最重点を置き、その他のデータ通信、画像通信及びビル電話、プッシュホン等の各種商品の計画はできるだけこれを圧縮して編成いたしております。今後においても福祉重点の施策に沿った計画の推進を図るよう郵政省としても努力する所存であります。
#36
○森勝治君 郵政省は昭和四十八年度には老人福祉電話、本年度は身障者用電話の関係で二年間にわたって調査をされたはずであります。いまも大臣がおっしゃったように、最近、郵政省は福祉というものに大分前向きの姿勢を示されておるわけでありまして、これはもう当然でありましょうが、そこで私は郵政省がせっかく積極的な姿勢を示されたわけですから、ことしはその積極性というものをどういうふうに生かされようとしておられるのか、具体的に御提言があるならば承っておきたい。
#37
○政府委員(田所文雄君) 老人電話につきましては、御承知のとおり、国、地方公共団体、市町村等がそれぞれ三分の一ずつ負担するという制度が現にあるわけでございまして、五十年度厚生省の予算におきまして、さらにまた五千台の要求をしておるという事実がございます。
 それから、昨年、電電公社におきまして、寝たきりの一人暮らしの老人等を対象といたしますいわゆるシルバーホーンという特殊の電話機を開発いたしまして、目下、電電公社におきましてはこれの料金等を検討しておる段階でございます。
#38
○森勝治君 それがその二年間調査をなされたお答えの総括ですか。
#39
○政府委員(田所文雄君) 身体障害者の方々を対象といたしましたアンケートを昨年度実施いたしまして、その集約が最近まとまりました。したがいまして、今後は、これを資料といたしまして、身障者に対する福祉的な措置を考究いたしたい、かように考えている次第でございます。
#40
○森勝治君 大臣、先ほど大臣は郵政省は電気通信事業については福祉優先を旨とするという答えがなされたはずであります。ところが、いまのお答えを聞いてもおわかりのように、二年間も調査してたったそれだけとは、福祉優先を標傍する郵政省、さらには三木内閣としては余りにもお粗末なものだと私は指摘せざるを得ないのです。もう公社の事業規模は二兆円にもなっている。しかも資産ももう五兆円にもなっているというのに、いまのようなことであっては、何のための調査だったのか私どもはさっぱり合点がいかないわけです。
 したがって大臣がいみじくも言われたように、電気通信事業では福祉優先を旨とするとするならば、国民はあの二年間にわたるこの調査というものに大きな期待を持ったはずでありますが、これでは国民の期待を裏切ることになりゃせぬかと私は思うのです。大臣は先ほども電気通信事業については福祉優先を旨とするとおっしゃっているけれども、現実にはそれじゃお話にならぬのではないですか。それでは大臣、目の前であなたは私どもに福祉優先と言いながらたなごころを返すようなことにならないでしょうか。このことについて大臣のひとつ考え方を聞かせてください。
#41
○国務大臣(村上勇君) 福祉優先につきましては、従来やっている電電公社という郵政省の福祉事業のほかに、これをもっと拡大していくということになりますと、どうしでも郵政省だけの問題でなくて、政府全体で考えて、たとえば厚生省等の福祉事業とどういうふうにかみ合わしていくかというようなこともありまして、今日までおくれておるのじゃないかと、こう思っております。
#42
○政府委員(田所文雄君) 福祉に重点を置いた計画ということでありますが、加入電話の積滞解消、これは最大の柱でございまして、そのほかに病院から田舎の診療所に心電図を伝送するシステムとか、あるいは災害情報のシステムとか、あるいはまた環境情報に関するデータ通信とか、これは現在筑波学園と環境庁の間において行われておるものでございますが、ただいま申し上げましたような事例もありますことをつけ加えさしていただきます。
#43
○森勝治君 基本的な問題についてなおお伺いをしなきゃなりません。しかし片山君が私の後を継いでやってくれることになっていますから、この程度でこの問題は終わりますが、大臣ひとつどうかお願いがあるんですが、大臣がまじめにお答えくださるのは結構でありますが、まじめにお答えくださったその後で前言を翻すようなことをどうか余りあなたも言わぬでほしいし、部下にもそういうことを言わせないようにしてほしい、このことをひとつお願いをして、私は今度は国際電気通信事業について若干お伺いをしたいと思うのであります。
 第一点は、一昨年のオイルショックを契機として、郵便事業を初め国内電気通信産業の財政面に大きな変化があったことは御承知のとおりでありますが、当然、国際電気通信事業につきましても同じような影響があらわれてきておると思うのでありますが、郵政省としては、これをどのように把握して、さらにそれらに対してどういうふうな適切な指導を講じてこられたか、このことについてお伺いをしたい。
#44
○国務大臣(村上勇君) オイルショック以来の経済不況とインフレーションの進行は、国際電気通信事業にとりましても業務収入を非常に鈍化さしておりまして、一方、また支出の方は予想以上にへえてまいりました。そういう結果となっておりますので、郵政省は、これに対しては業務の合理化等によってできる限り経費の節減を図る一方、増収対策も行うように指導してまいってきております。
#45
○森勝治君 田所さん、あなたひとつその点について、補説というか大臣の後を続けてください。
#46
○政府委員(田所文雄君) オイルショックがKDDの営業収支に与えた影響につきまして、数字を挙げて御説明申し上げます。
 四十九年度の実績の予想が六百七十一億円でございましたが、予想によりますと七百二十四億円でございまして、その差が五十三億ということでございます。それから支出でございますが、実績の予想が五百六十一億円でございますが、これに対しまして五百五十七億円、これは支出が逆に四億円増加するわけでございます。
 それからさらに、対前年度営業収入の申び率を申し上げますと、四十七年度が一二四%、四十八年度が一二八%、四十九年度は一〇九%でございます。
 さらに主なる通信料の推移を申し上げますと、四十九年度の予想でございますが、電報が五百六十四万通で対前年度六%の減でございます。加入電信千二百六七二万度、度数の度でございますが、これは対前年度比一七・六%の増にとどまっておる、それから電話が七百四十七万度でございまして、これも一八・二%の増にととまっております。
 御参考までに四十六年度以降の増加率を業務別に申し上げますと、四十六、四十七、四十八、四十九の順序に申し上げますが、電報はマイナス四・六、二・二、六・九、それからマイナス六%、こういうことでございます。加入電信は、これも四十六年度から逐次申し上げますと、対前年度三四・六%、三五%、三二・七%、それから四十九年度が先ほど申しましたように一七・六%でございます。電話が四十六年度以降二九・九%増、五二.八%増、四六・一%増、四十九年度が一八・二%増、こういう状況と相なっております。
#47
○森勝治君 電電料金の値上げが問題になっているわけですけれども、一応、ことしは値上げ提案回避ということになりましたが、もし仮に現在検討されているような料金値上げというものがなされたと仮定するならば、KDDの財政にどのような影響を与えるものなのか、そのことをお聞かせ願いたい。
#48
○政府委員(田所文雄君) 御承知のように、国際電電は電電公社に対しまして国際電報電話に使用する公社設備の使用料を協定に基づいて払っておりますが、仮に昨年十一月の電電公社の案のとおりに料金値上げをし、それに伴って同じ値上げ率が国際電電の使用料にも適用されるということになりますと、五十年度における国際電電の支出増は約十三億円試算される次第でございます。
#49
○森勝治君 昨年九月の行政管理庁の勧告の中で郵政省は「海底ケーブル又は衛星通信回線による国際通信網の編成に関しては、ケーブルと衛星の最適構成を図る見地からの検討が十分でない、」という旨の指摘がされておるわけですが、郵政省は、一体、国際通信網の編成のあり方等についてはどういう基本的な方針をお立てになっておられるのか、このことについてお伺いをしたい。
#50
○政府委員(田所文雄君) 国際電気通信網の編成につきましては、関係国との間の通信量、その重要度、関係国の意向等を考慮しながら、まず、できる限り直通回線を設定すること、次には、お話にございましたように、通信の確保のため、できる限り衛星通信及び海底ケーブルの両回線を併設すること、これが望ましいと考えておる次第でございます。
 行政管理庁の勧告でございますが、最適構成であるかどうかという問題の提示でございますが、申し上げるまでもなく通信は相手のあることでございまして、日本側が何十%衛星通信、何十%ケーブルと申しまして、必ずしもそのようにまいるわけではないわけでございまして、これがまあ五〇%ずつがいいとか、そういう確たる決め手も別にあるわけではないというふうに認識いたしております。
#51
○森勝治君 認識されるのは結構だけれども、やっぱり明確に指導というものはなされなければ、国際電気通信の目的に沿わないんじゃないでしょうかね。
 そこで、大臣、あなたにお伺いしたいんです。あなたは、先般の所信表明の中で、東南アジアケーブルを推進するということを明言されておられるんです。ならば、その具体的な構想は何ぞやと、こうお伺いしたいんですが、お聞かせを願いたい。
#52
○国務大臣(村上勇君) 東南アジア海底ケーブルの構想は、十五年前に、わが国が提案して関係国の賛同を得ておるものでありますが、それは日本、フィリピン、香港、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア等の各国と海底ケーブルによって結ぼうとする雄大な構想であります。
 昨年八月、本ケーブル計画の第一段階に当たる日本−フィリピン−香港を結ぶケーブルのルートについて合意がなされておりますが、第二段階以降、すなわちフィリピン以南の計画の具体化につきましては、通信量、関係国の経済力、その他諸条件を勘案しつつ、関係国と時間をかけて協議することが必要と考えておる段階であります。
#53
○森勝治君 海底ケーブルの建設については、国際幹線網拡充の観点からしても、国家的見地で国際通信政策として推進されるものであろうとこう考えますが、海底ケーブルの新設については政府間でその協議が進められ、今度はその実施に当たってはわが国の場合にはKDDに任せるという、このケースが間々あるわけでありますが、いわゆる郵政省としてはこの点をどう考えておられるのかお聞かせ願いたい。
#54
○国務大臣(村上勇君) ケーブル協定の交渉は、通例としては、KDDが相手国通信事業体と直接協議をいたしまして、協定案について郵政省の認可を求めることにしておりますが、日中ケーブル、東南アジアケーブルにつきましては、相手国の国情から郵政省が基本的な事項について直接相手国政府と協議した次第であります。わが国の国内法制では、KDDが国際通信の実施に当たることとなっているので、郵政省は常にKDDと十分な連絡をとりつつ政府間交渉を行っておるような次第でございます。
#55
○森勝治君 東南アジアケーブルというものは政府ベースで進められているものでありますから、しかもその中では採算のとれない、採算ベースに合わないものも出てくるのではないかと思うのです。
 そこで、私は大臣にお伺いしたいんだが、KDDの財政事情や、しかも相手側が発展途上国等などの場合は資金調達がどうしても困難になってくるのではないかと思うのです。そこで、そういう問題については、当然、政府の資金援助というものがそこで図られなければならないと思うんですが、大臣はどうお考えですか、この点。
#56
○国務大臣(村上勇君) 現在、その具体化が問題になっております東南アジアケーブルの第一段階――日本、フィリピン、香港でありますか、これにつきましては、日本輸出入銀行から資金援助が得られるかどうかについて、目下、打診しているところであります。
 第二点といたしましては、第二段階以降の、要するにフィリピン以南でございますが、東南アジア海底ケーブル計画が将来具体化する場合には、郵政省としても資金援助についてできる限りの努力をしたいと考えております。
#57
○森勝治君 大臣、それは資金援助ですか。
#58
○国務大臣(村上勇君) ええ、そうです。
#59
○森勝治君 その点、明確にちょっと。
#60
○国務大臣(村上勇君) 資金援助でございます。
#61
○森勝治君 それではまた、大臣に次の問題をお伺いします。
 これは大臣の所信表明の中にもまたあったんでありますが、この所信表明の中で「国際海底ケーブル建設計画推進のため、より経済的な新海底同軸ケーブルシステムを開発する」こう述べておられるんでありますが、その具体的内容についてお伺いしたいことが一点と、これが先ほど私が質問いたしております東南アジアケーブルの建設に寄与し得るのかどうか、この点についてもひとつ触れていただきたい。
#62
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 新海底同軸ケーブルシステムの開発は、従来の銅にかえましてアルミニウムを使用した経済的なケーブルシステムの開発を目標といたしております。昭和五十年度を初年度とする三カ年計画で実施することといたしておりますが、このための経費として五十年度予算では国庫債務負担行為一億七千五百万円、うち五十年度歳出予算分が五千百万円でありますが、が計上されております。また、この開発により海底ケーブルの建設を経済的に行い得るようにすることは、東南アジア諸国など発展途上国に対する国際協力の意義を有するものと考えております。
#63
○森勝治君 それでは、KDDより五十年度の事業計画認可申請が出ているはずでありますが、その概要を聞かせてほしい。
#64
○政府委員(田所文雄君) 国際電電の五十年度の事業計画の認可申請が先月末郵政省に提出されまして、現在、これを検討しておるところでございますが、その概要を簡単に申し上げます。
 収支計画でございますが、収入七百九十二億五千九百万円、支出七百四十億二千九百万円、収支差額五十二億三千万円となっております。前年度に比しまして収支差額が三十五億三千四百万円の減でございます。
 次に、設備計画でございますが、百九十六億一千七百万円が予定されております。これは対前年度二十九億四千四百万円の減でございます。この内容の主なるものを申し上げますと、インテルサットに対する分担金、新太平洋ケーブル及び日中間ケーブル建設、新大阪国際電話局局舎の建設等の非常障害対策設備などでございます。これらの設備計画を実施するために増資等による外部資金六十三億円の調達を見込んでおります。
 以上が事業計画の概要でございます。
#65
○森勝治君 新大阪の建設はどうなっていますか。
#66
○政府委員(田所文雄君) ただいま申し上げましたように、新大阪電話局は非常障害対策の一環として計画されたものでございますか、国際電電の当初の予定によりますと、五十年度において交換台百台程度、四百回線を収容することになっておりました、その後、経済不況等いろいろな原因によりまして、通信の需要の伸びは、先ほど申し上げましたように、余り芳しくないというような事態が出てまいりましたために、当初の計画をKDDでは再検討いたしまして、さしむきはほぼ当初予定の半分程度で対応し得るという見込みを持ちまして、五十年度の設備計画を縮小したというふうに報告を受けております。
#67
○森勝治君 そうしますと、新大阪電話局の建設は当初計画の約二分の一でも足りると、こういうことですね。
#68
○政府委員(田所文雄君) KDDではさように判断をいたしておるわけでございます。
#69
○森勝治君 従来、この新大阪電話局の建設に当たっては、いわゆる非常対策としての位置づけがあったわけですね。たとえば東京が災害を受けたとき一体どうなるかという問題からこの問題が出てきたんでしょう、そうでしたね。常時東京の四分の一の業務を取り扱う中で、非常災害対策としての機能を発揮させたい、これがわれわれがかつて説明を受けた内容でございました。
 言うまでもなく、国際電気通信事業を一手に預かるこのKDDの使命は常に良質で高度なサービスを提供する責任があるのは当然でありますが、特に、最近は東京地震説というものが盛んに出ていますね。そういう折からでありますから、新大阪国際電話局の位置づけというものはきわめて重要になってくるものだと私は思うのです。ところが、あにはからんや当初われわれに説明したのを変更して二分の一ということになるならば、私としては合点がいかないわけであります。
 したがって、この建設規模については当初計画の線に戻すのが、そういう災害対策からいたしましても、われわれに公的な立場で説明されたことからいたしましても、当然、当初の計画に戻すのがよいと私は思うのですが、このことについて郵政省はKDDが出したんだからよかろうということで思っておられるようですが、KDDに何もかも任せっきりということであってはならぬと思うのです。国家的見地に立っても、また国民の福祉という立場に立っても、これは勘案されてしかるべきにもかかわらず、かつてわれわれに――私はこれ以上申し上げませんか、われわれにそういう説明をしておきながら、今度二分の一にその規模を減らすというのはどうも私は合点がいきません。したがって、この点についての郵政省の見解を聞かせていただきたい。
#70
○政府委員(田所文雄君) 先ほど申し上げましたように、KDDの事業計画を目下事務的に検討を始めた段階でございます。もちろん、設備計画に対しましても十分なる審査をして適正なる判断を下したいと考えております。
#71
○森勝治君 大臣も予算委員会に行かれますから、国際電気通信問題についてもう少し基本的なものを一、二聞きたいのですが、やむを得ません。
 それで、電波関係に移ります。大臣に二点はかり質問をして、あと大臣はひとつ予算委員会の方においでになってくださって結構であります。
 電波利用の進歩発展につきましては、私がいまさらここでちょうちょうするまでもありません。しかし、今後の趨勢といたしましても、利用技術の発達、情報化社会の進展などを背景に電波需要というものはますます増大をいたしてまいります。しかも利用形態も複雑、高度化してまいることは当然でありましょう。したがって電波行政の推進に当たっては、こうした新しい情勢に対応した対策の樹立ということがきわめて重要な課題になってきたのではなかろうかと、こう私は考えておるわけですが、郵政大臣はこの点についてどう考え、どう施策を講じておられるのかお伺いをしたい。
#72
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、電波技術の急速な進歩発達と電波利用分野の拡大とによりまして、わが国における無線局数の増加はまことに著しいものがあります。これに伴って電波監理行政事務は複雑、高度化の一途をたどっております。
 郵政省といたしましては、このような情勢に対処し、電波の円滑な利用と電波利用の秩序を確保するために、これまで電波監理行政事務の簡素合理化、電波技術の開発、電波監理体制の整備等に努めてまいりましたが、これらにつきましては今後とも一層努力してまいりたいと考えております。
#73
○森勝治君 大臣があちらへ行かれる関係で、質問が前後いたしますが、大臣、関係の皆さん、お許しをいただきたいんです。
 そこで、電波法の改正の問題についてちょっと大臣にお伺いをしてみたいんです。
 今後の電波需要対策としての未利用周波数帯の開発、現用周波数の有効利用策としての技術開発の活用、つまり狭帯域化によるチャンネルの増加、周波数の計画的使用など、推進策についても私は郵政省が万全の措置を講じておるとは決して思えないのであります。このことは昨年の九月になされました行管の電気通信行政についての勧告の中におきましても、周波数使用の計画化、将来の需要に備えての周波数の留保措置が必要である、このためには電波法の改正を検討すべきであるという趣旨の指摘がなされておることからいたしましても、容易に推察できるだろうと思うのであります。
 さらに、わが党は、電波の民主的公正な利用を確保するために、電波、放送両法の抜本的改正を早期に行うべきであると機会あるごとに私を初め他の同僚諸君も主張をしてきたところであります。しかるに、村上郵政大臣は先般の所信表明の中でも「適時適切な電波行政を推進してまいりたい」と述べておられるだけでありまして、両法の改正問題には何一つ触れておらないのでありますが、一体、どのような方針でおられるのか、この点をお伺いしたい。
#74
○国務大臣(村上勇君) 電波法、放送法の改正につきましては、昭和四十一年、第五十一回国会に提出いたしました改正案が廃案になりまして以来、引き続き検討を進めているところであります。
 法改正に当たりましては、電波の計画的使用、特に放送用周波数の使用計画の作成、放送局の免許基準のうち重要なものなどを法定化するとともに、放送番組の向上を図るための必要な措置を講ずるほか、多重放送や放送大学など新しい放送分野に関する規律のあり方など新たに発生いたしました問題につきましても検討いたしておりますが、問題がきわめて多岐にわたりますとともに、事は言論の自由にかかわる重要な問題であり、各界の意見も必ずしも一致を見ていない状況でありますので、いまだ成案を得るに至ってはおりません。
 そのために、御指摘のように、電波法、放送法の改正問題につきましては、所信表明の中では特に触れなかったのでありますが、郵政省といたしましては、この問題の重要性を十分認識しているところでありますので、さらに各方面の御意見をお聞きし、世論の動向を見た上で成案を得たいと考えております。
#75
○森勝治君 大臣、最後に、いま発言の中身について質問します。それで終わればあちらへ行かれてよろしいです。
 いま世論の動向と大臣はおっしゃっておられますが、これはもうまさに絶えて久しきという言葉があるように、長い間、私どもの委員会で議論をされてまいりましたね、世論の動向はすでにさだかではないでしょうか、私はそう思うのです。
 政府がその抜本的改正を意図しまして臨時放送関係法制調査会を二カ年間の設置をしたのが何と昭和三十七年であります。十三年昔であります。そしてその答申を土台として両法案の改正案を提案したのが昭和四十一年の第五十一国会であります。なお、この法案が審査未了となったいきさつについても大臣は議会の大先輩でありますから先刻御承知のとおりであります。
 しかも、その提案理由において、電波監理の実績にかんがみ、電波の適正な利用を図るとともに、行政の公正と一貫性とを確保するため、周波数の計画的使用、放送局の免許基準、手続等を整備する必要がある。また、放送法では「国内放送体制を確立するとともに、放送の規律の基本方針を明らかにすることによって放送の健全な発達を確保するため、国内放送体制に関する原則及び国の施策の目標を定立し、放送の機能の活用、放送番組の適正をはかるための措置を講じ」云々と述べておるのであります。こうした観点から見ましても、この両法の早期改正の必要性はもう十分御納得のことと存じますから、いまさら世論の動向云々などと言って逃げを打たれる手はなかろうと思うのでありまして、そのことはあなたの思いつきのお答えではないかと思うのであります。
 ところが、どうでしょう、あなたも世論の動向などと言ってそういうようにごまかざれようとして――私はあえてこの際ごまかしという言葉を申し上げます。かぜか、それはもう十三年も昔からずっと議論しているわけでありますから、ところがいま申し上げたように十数年間もこれは放置されておるわけです、それでこのような情勢のもとでは今後の電波行政の運営というものはおぼつかなくなってくるのではないかと私は思うのです。だから、これから一体両法を改正しないでどうやって対処されていかれるのか。電波行政の基本をなすこの両法の改正というものをまだ世論の動向を見てなんて、世論はすでにさだかだと私は申し上げているのですから、あなたにその決意がおありならばこれは出ているはずですね、もう固まっているわけですから、十何年も議論されているわけですから、そのことをおやりにならぬから電波でも何でもばたばたばたばた権力を持っている人が勝手なところへ免許をおろすようなぶざまなかっこうになるんですよ。この点は、大臣、あなたもかつて郵政大臣をおやりになり、いままた輝ける郵政の頂点に立っておられる方ですから御承知でしょう、その辺の動き、ですからひとつ不退転のかたい決意を込めて早急に改正方を提案されるように最善の努力を払ってもらいたい。
#76
○国務大臣(村上勇君) 法改正の問題は、わが国の電波監理体制及び放送体制の将来を左右する重要な事柄でありますので、今後とも鋭意前向きで検討してまいりたいと考えております。
#77
○森勝治君 それでは、大臣が予算委員会に行かれますから、その後はひとつ監理官にお答えをいただきたい。
 先般の「しれとこ丸」事件の一例によりましても、電波の果たしつつある役割りというものがいかに重要であるか、これはもうおわかりになるわけであります。ところが、周波数の需給関係は御承知のように極度に逼迫をしてきております。特に百五十メガ帯などでは公益性の高い業務の需要にも応じ得ることができないという事態が生じているというふうに私は聞いているわけですが、周波事情は一体どうなっているのか、この点についてお伺いしたい。
 さらにまた、周波数の有効利用を確保するために、具体的にどういう施策を用いられておられるのか、この点をお聞きしたい。
#78
○政府委員(石川晃夫君) お答え申し上げます。
 いま先生から御指摘ございましたように、この周波数の需給につきましては、ことにVHF帯の百五十メガ帯につきましては非常に電波事情が逼迫しているわけでございます。特にこの百五十メガ帯と申しますのは、電気的な雑音にも強いわけでございますし、また伝搬範囲も広いということで非常に活用されている周波数帯でございます。したがいまして、その周波数帯に特に需要が集中しているという状態でございます。
 そのため従来からこの周波数帯につきましては、われわれといたしましても、公益性、公共性の高いものというものに優先的、重点的に割り当てているわけでございます。対象といたしましては、公衆通信あるいは防災行政無線あるいは警察、消防、鉄道、新聞報道、こういうような移動業務関係にこの百五十メガ帯が利用されているわけでございます、この百五十メガ帯には、現在、無線局といたしまして、約十万局を超える数の無線局がこの百五十メガ帯に入っております。しかも、今後、この需要がふえることはあっても減ることはないという状況でございまして、われわれといたしましても、このような種類の無線局の要求に十分に応じ得るという状態にあるとは申せないわけでございます。したがいまして、郵政省といたしましても、この周波数帯の有効利用ということについての技術開発の推進、それから新しい周波数帯の開発、こういうものを行うことによりまして、今後、こういう業務に必要な周波数を確保したい、かように考えております。
 さらに先生いま御質問ございました、ではどのようなことを考えてやっているのかという具体的な問題でございますが、従来から、この周波数の有効利用を図るための施策といたしまして、割り当て周波数間隔を縮小するという方式をとっております。また、そういうことによりまして割り当て可能な周波数の数をふやしております。それからまた、同じ周波数を複数の免許人によりまして効率よく共用できるような形の使い方もさしております、このようなかっこうで周波数を有効に利用するということを考えておりますし、また、それに付随いたします新しい周波数帯の開発なり、あるいは技術の開発というものもあわせて行っているわけでございます。
#79
○森勝治君 放送衛星についてちょっと聞いておきたいんでありますが、郵政省が電波関係の最重要施策の一つとして取り組んでおる実験用通信衛星及び放送衛星の開発と地上施設の建設の状況、これひとつお聞かせ願いたいと思います。
#80
○政府委員(石川晃夫君) この実験用の通信衛星と放送衛星の開発につきましては、現在、宇宙開発事業団において順調に進んでおるわけでございます。すでに基本設計の段階を完了いたしまして、現在、詳細設計、それから各種部品の製作試験、このような段階に進んでいるところでございます。
 それから、この二つの衛星の実験用の地上施設でございますが、これは現在電波研究所を中心にいたしまして全体の実験計画の検討、それからこれに必要な地上施設の整備のためのいろいろな作業を進めております。すでに実験の中心となります主局につきましては設備の主要部分について契約を済ませております。以上でございます。
#81
○森勝治君 それでは科学技術庁の山野参事官にお伺いしたいんですが、いま郵政省から通信衛星と放送衛星の地上施設は順調に進んでおる、こういう説明がなされたのですが、この打ち上げの時期が一年後退したのはどういうわけなのか、地上施設が順調ならば後退するはずはないんでありますが、なぜか、このことをひとつお伺いしたい。
#82
○説明員(山野正登君) 実験用の中容量通信衛星と実験用の中型放送衛星につきましては、いずれもその打ち上げは米国の航空宇宙局に依頼して行うことといたしておるのでございますが、米国航空宇宙局におきましては、一般的に申しまして人工衛星の打ち上げ支援に際しましては、打ち上げ費用の支払いを、打ち上げ日の二十四カ月前から開始することを標準支払い方式といたしておるのでございます。ところが宇宙開発事業団と米国航空宇宙局との間の当初の交渉では、これら両衛星につきましては、この標準支払い方式を緩和いたしまして、五十年四月から支払いを開始すれば、当初予定いたしておりました五十一年度の打ち上げが確保し得る見通しであったのでございますが、本四十九年度においては、そういう事情で、打ち上げ依頼にかかわる予算措置を講じていなかったのでございます。その後、米国航空宇宙局との交渉の結果、この両衛星につきましても標準支払い方式を採用する。つまり標準支払い方式を緩和することはできないという米国航空宇宙局の態度が明確となりましたので、当初予定いたしておりました五十一年度の打ち上げが不可能となった次第でございます。
 で、このような状況を踏まえまして、宇宙開発委員会におきましては、昨年十二月の二十四日、昭和五十年度におきます宇宙開発関係経費の見積もりにおきまして、この両衛星の打ち上げ目標年度を昭和五十一年度から昭和五十二年度に変更いたした次第でございます。
#83
○森勝治君 両衛星の打ち上げ時期が後退した要因は、私はこんなふうに推測をするのですが、そのとおりであるかどうか、ひとつお答えいただきたい。
 そのことは、NASAの事業規模の縮小などに伴って、米側が単に衛星の打ち上げだけを受け持つ、こういうふうになったから、つまり三段ロケットの切り離しから衛星軌道への投入、所定位置に停止させるという、いわゆる管制部門を日本側がやらざるを得なくなった、そのことによっておくれたのではないかと私は思うのですが、果たしてそうなのかどうか、このことが第一点。
 そうなれば今度はここで問題が出てくるわけでありまして、いわゆるわが方の管制能力いかんということになって、管制能力があるかないかという問題が出てくるわけでありますが、そこで、いま五十一年から五十二年に延ばしたということ、すなわち今後二年間で十分の管制技術というものをマスターすることができるかどうか、その見通しがあるのかどうか、この二点をお聞かせ願いたい。
#84
○説明員(山野正登君) まず第一点につきましては、御指摘のとおり遷移軌道移行、静止軌道投入までの業務と申しますのは、これは宇宙開発事業団が責任を持って行うということになったのはそのとおりでございますが、これが目標年度を五十一年から五十二年度に変更した理由であるというのではないと思っております。
 それから第二点の、静止軌道投入の管制技術についてでございますが、これは宇宙開発事業団におきまして、静止軌道投入に必要な技術の開発につきましては、従来からいわゆるN計画と申しております中の同期軌道に打ち上げます技術試験衛星のH型、ETSIHと申しておりますが、また静止軌道に打ち上げます実験用静止通信衛星、ECSと申しておりますが、これらの開発によって進めておるものでございまして、実験用の中容量静止通信衛星及び実験用の中型放送衛星の静止軌道投入の技術の開発につきましても、これらN計画で開発中の技術成果を活用しながら、さらにこの分野で非常に技術的に実績のございます米国企業の技術援助も受けて、その開発を行う予定でございます。したがいまして静止軌道の投入技術につきましては、今後二カ年間で十分その技術をマスターできるというふうに確信いたしております。
#85
○森勝治君 電波局長、いまのお答えにありましたように、打ち上げが延びたわけです。そうしますと、郵政省の主張とここでまた食い違いが起こってくるわけですね。郵政省はかつて両衛星の早期開発の理由としては、国際電波権益の擁護、すなわち宇宙用周波数あるいはまた衛星軌道の確保、またその他の理由等によって、五十一年度の打ち上げが絶対必要であると主張してきたわけでありますが、そうなれば、この郵政省の主張といまのお答えと大分食い違いが起きておりますが、それによって起こる影響を郵政省はどう受けとめておられるのか、どう対処をされようとするのか、この点ひとつお答え願いたい。
#86
○政府委員(石川晃夫君) 御指摘のように、われわれがこの両衛星を打ち上げたいということを五十一年度に決めましたのは、世界の趨勢の中における通信衛星、放送衛星がどのような状況にあるかというようなこと、それからわが国の将来の通信とか放送衛星の需要というものに対する見通し、こういうものを勘案いたしまして、できるだけ早い時期にこの実験衛星を打ち上げたいということを申し出たわけでございます。したがいまして実現可能な最も早い時期といたしまして昭和五十一年度を設定いたしたわけでございますが、今回、契約上の問題から一年延びざるを得なかったということで、残念ではございますが、ただ衛星開発並びに地上施設の開発という技術面につきましては、先ほど申し上げましたように、順調に進んでいるわけでございます。
 一方、よその国の打ち上げの状況との関連でございますが、よその国の打ち上げの計画の状況から見まして、ここでわれわれの方が一年延びるということにつきましていろいろ検討いたしました結果、まあそう大きな影響は及ぼさないというような考えになったわけでございます。
 しかし、一方また、この周波数とか静止軌道、いわゆる電波権益の確保という件につきましては、実は、すでにこの両衛星の打ち上げにつきましては国際調整手続を開始いたしております。したがいまして実際のただいまの権益の問題につきましてはすでに動き出しておりますので、その点につきましては特に問題はない、かように承知いたしております。
#87
○森勝治君 それでは、五十二年度中に、すでにもう打ち上げ予定の気象、通信、放送の三衛星の問題、これがありますね、ですから、そうなると前に質問した問題がこれもまた五十二年度というごとになってまいりますと、どうなるんです、その費用ですね、予算措置、各衛星の打ち上げ予定時期、これが少しこう交錯してきますね。それらはうまく配分をするわけですか、どうなります。
#88
○説明員(山野正登君) これら両衛星のNASAに対します打ち上げ依頼に関連して必要になります経費につきましては、おのおの約四十九億円程度と見込まれておりますけれども、これは気象衛星の所要経費も含めまして昭和五十年度の政府予算案に討上いたしております。
#89
○森勝治君 五十年度に計上するのは結構だけれども、年度は五十二年度でしょう、実施は。物価がどんどん上がるんですから、どうなるんです。そういう点は。
#90
○説明員(山野正登君) この必要経費につきましては、米国航空宇宙局の見積もりをベースに積み上げた数字でございまして、支払いの明細につきましては、これから締結されます打ち上げ依頼契約の中で規定されることでございますけれども、契約に決められました分割払い方式によりまして支払われていくことになろうかと思っております。
 その際、御指摘の値上がり等につきましては、随時、米側から見積もった経費に変動があった場合には情報を逐一通報するというふうなことになっておりますので、十分承知できると考えております。
#91
○森勝治君 私の最後の質問になります。
 私は、通信、放送衛星の開発がこれからの電気通信事業や放送事業にとって重要な意義を有するものであるという点については十分な認識を持っておるつもりでございます。だが、しかし、放送衛星を実用化するに至るには、まだ国内的にも国際的にも多くの問題点をはらんでいるような気がしてならぬわけです。
 こうした点については別途の機会に譲ることにいたしますが、放送衛星に関する国連の宇宙空間平和利用委員会の中で、直接放送衛星作業部会や法律小委員会などにおける論議の重点をお持ちならば、ひとつお聞かせを願いたい。
#92
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 国連におきましては、昭和四十四年に、直接放送衛星の技術的な可能性と、それから直接放送衛星の将来の発展か社会、文化、法律その他の各分野に及ぼす意義の検討ということを目的といたしまして、この直接放送衛星作業部会というものを宇宙空間平和利用委員会の中に設けたわけでございます、ここで衛星放送に関するいろんな諸問題について討議を重ねてきたわけでございますが、昭和四十七年の国連総会におきまして、人工衛星による直接テレビジョン放送について国際的規律の原則を検討することが必要であるという決議が採択されたわけでございます。これに基づきまして、この作業部会におきましては自来審議を行っておりまして、そうして従来から行っておりました法律小委員会の審議が有効に進められるように、事項別に作業部会の中で問題の整理を行ってまいりました。
 一方、宇宙空間の平和利用におきます法律問題を専門的に検討するために宇宙空間平和利用委員会の中に法律小委員会というものが設置されておりまして、これは昭和三十七年に設置されたものでございますが、そこで直接放送衛星作業部会における作業の進行いたしました去年の会期から衛星放送の国際的規律の問題を取り上げたわけでございます。で、この法律小委員会におきましては法律面からいろいろな審議を行っております。
 どういうことが現在問題点になっているかと申し上げますと、外国向けの放送につきまして、情報の自由な流通とそれから受信国の立場の尊重との兼ね合いというところをどうするかというところが現在検討されている一番重要な問題というふうに承っております。
#93
○委員長(竹田現照君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十三分開会
#94
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 午前に引き続き郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題として質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#95
○片山甚市君 最初に郵政大臣にお伺いしたいと存じます。
 三木さんが新しく内閣を組織され、そのときの施政方針演説の中で、総論的に、昭和五十年はわが国にとって政治、経済、社会、文化の歩みに一つの区切りをつける時期であると言い、引き続き、その後の言葉として、これからの日本の経済は量的拡大から質的充実への転換が必要であり、いままでの高度経済成長路線を転換して、安定成長と福祉向上の路線へ切りかえていかなくてはならぬ。そのためには高度成長時代の制度、慣行の見直しが必要であると強調され、先ほども郵政大臣からその旨のことを同じように言われたと存じます。
 また、福田副総理も、これを受けて、本会議において、従来のような高度成長を今後再び期待することはできないし、物価、公害、国際収支などから見てもそれは適当でないと言い切りました。そしてそれを具体的に表現する言葉として、静かで控え目な成長を旨とし、慎重な経済運営を行っていくべきで、国も企業も家庭も「高度成長の夢よ再び」という考え方から脱却し、経済についての考え方を根本から転換すべきときに来ておると述べられておりました。
 大臣として、この考え方に御賛成でしょうか、お伺いいたします。
#96
○国務大臣(村上勇君) 三木内閣の、高度経済成長から安定成長に切りかえるというこの点については、私もその閣僚の一人として同感であります。
 御指摘のように、わが国が、新しい発想のもと、安定成長に即しつつ国民福祉に重点を指向した政策を推進することが肝要でありますが、このような基本線に沿って、あらゆる業務が独立採算を堅持しつつ適切に運営されるように諸施策を講じてまいりたいと考えております。
#97
○片山甚市君 そこで経済企画庁にちょっとお伺いしたいのですが、こうした内閣の基本的な考え方の一つとして、福田副総理は、施政方針演説の中で、以上のような考え方のもとに、政府は、昭和五十年度において、その施策の根本的な洗い直しを行い、新しい経済運営と国土の総合利用の指針として、昭和五十一年度を初年度とする新たな長期計画を策定することとしたと言われております。
 この洗い直しと新計画策定への取り組みはどうなっておるか、特に来年度予算編成期に間に合うように具体的に進められておるかどうかについてお伺いしたいと思います。
#98
○説明員(岡島和男君) 四十八年の二月に策定されました経済社会基本計画につきましては種々御議論があることと思いますが、その全面的な見直しが必要となっております。それで基本的な考え方につきましては、いま片山先生が言われましたように、安定成長のもとでの経済運営の指針として新たな計画を策定する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 それで、その計画の策定の基本的な考え方といたしましては、世界的な資源、食糧、エネルギー、そういう供給の有限性と高価格、また国内におきましては土地、水、労働力、そういうものの資源の制約、こういうものをまず前提としなければならないというふうに考えております。そういう資源の制約下におきまして、物心両面におきまして安らかでゆとりのある暮らしを保障する福祉社会を建設するということが経済計画の主たる目的というふうにしたいというふうに考えております。
 その場合、経済成長率が、ただいまお話にも出ておりましたように、従来に比べてかなり低くなるというふうに見られますので、経済成長の成果のより多くの部分を福祉に振り向けるということによりまして社会的公正も確保いたしまして、また一方、資源制約のもとで経済のあらゆる分野で省資源、省エネルギーに徹する、こういうようなことを大きな柱としてまいりたいというふうに考えております。
 それで新しい計画策定のスケジュールでございますけれども、本年の一月二十七日に経済審議会を開催いたしまして、新しい経済計画の策定の準備に取りかかることを決めました。それで経済審議会へいつの時期に諮問するかということにつきましては、現在のところ、いろんな準備を進めておりまして、計画の基本的構想とか政策課題につきまして現在作業を進めておりまして、その準備が整った段階で諮問をする。その時期につきましては、いろいろなことを考えなければなりませんけれども、事務的な腹づもりといたしましては、まず初夏のころに、初夏と申しますのは六月前後というふうに事務的には考えておりますけれども、その時期に経済審議会に諮問いたしまして、できれば五十年中、遅くとも五十年度中に答申を受けて、五十一年度からの五カ年計画として発足をさせたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただいま御質問にございました五十一年度予算に間に合うかというようなお話でございますけれども、経済企画庁の方といたしましては、年内には経済計画のもとになりますフレームというものをつくりまして、それから公共投資の計画というようなものにつきましても全体の経済のバランスの中で大枠をきめまして、それと五十一年度予算との調整を図ってまいりたいというふうに考えております、実際に閣議決定になります時期は、そういうふうにいたしますと五十一年の二月とかあるいはまた三月ごろになって実際に文書を決めまして、閣議決定をするということが現在事務的に考えておりますスケジュールでございます。
#99
○片山甚市君 いま経済企画庁からお話がございまして、資源の制約の中で福祉社会をつくろう、しかも経済成長のその多くの部分を福祉に向けたい、こういうようなお考えについては、三木首相が社会的公正という言葉を使い、やってきたのでありますから、当然、そういうようにあるべきだと思います。これがやはり首相の真価を問われることだと思いますから、このいま言われたことについて早く進めてもらうというが、内容のあるものにしてもらいたいというように希望を申し上げておきます。
 そこで、いま郵政大臣と経済企画庁それぞれからお話がございましたので、公社総裁に伺いたいのですが、昭和五十年度が第三年度に相当しておるところの電電公社の第五次五カ年計画は、その基本は昭和四十五年八月に決めました電信電話拡充七カ年計画において策定されたものでありまして、そしてそれは総合電気通信網の形成、情報の伝達・処理の効率化に象徴されるような、政府の高度経済成長政策に基づく新全国総合開発計画、新経済社会発展計画などに沿うものであったと認識をしておるんですが、そのようなものでございましょうか。
#100
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 電電公社といたしましては、前々から国民のために電信電話事業を運営し、発展させるということを基本理念としてまいりました。ただいま五カ年計画の御質問がございましたが、第五次五カ年計画をつくりましたときは高度成長時代でありました。しかし、その基本として考えたところは、確かにいま御指摘のような問題もございますが、もともとこの委員会等におきましてもしばしば早く電話の積滞をなくなすようにという御意見あるいはまた附帯決議等を得ておりますので、昭和五十二年度末におきましては全国的規模で電話の積滞を解消するということに最大の主眼点を置いたのであります。
 その中で、大体、住宅電話が八〇%を占めておるのでありまして、広い意味の国民福祉ということにつながっているというふうに考えております。なお、その際、特にまた過疎地域におきまして、手動式局の自動化、中小局の加入区域の拡大、こういうこともあわせて推進するというふうになっています。
#101
○片山甚市君 いま総裁から申された電話の積滞というのは、昭和四十七年に大体解消しようという話であります、それが五年間延びる。そのときに御承知のように債券を十六万円にするなどというような措置をとってまいる。今日、公社が経営してまいりました中心は、主として、申し込めばすぐつく電話というキャッチフレーズでいろんなことをやったと存じますけれども、いまの経済の状態を見ておると、公社は、そのような政策の中で、住宅電話がふえたから赤字になったと、こういうような言い方に転嫁しているのでありますが、これは後でお話ししますが、納得いたしません。いわゆる電話の積滞を解消するのは広い意味では福祉だと、こうおっしゃるのは、それはわれわれの要求でありますから当然でありますけれども、しかし、それだけがわれわれが望んでおるものではない、こういうふうに申し上げる。
 そこで先ほど郵政大臣の答弁にもありましたように、すでに公社も十分に政府の経済運営の基本的な考え方を知っておると思います。と言いますのは、電々公社は一年間に一兆三千億円以上の投資をしておるんであります。わが国で有数のいわゆる公共事業をやっておる公社でありますから、社会的な重みというのは非常に大きなものだと存じます。第五次五カ年計画を見直すことが当然だと考えておるんですけれども、御承知のように第五次五カ年計画を策定したときに、国の新しい長期経済計画の策定等今後の情勢変化に即応し、必要があればその補正を図ることをすると言っている以上、この際、見直しの必要を認めるんだと思いますが、いかがでしょう。具体的な見直しの内容を話してもらいたいんです。
#102
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 五カ年計画を昨年の予算編成のときにおきましても見直しましたし、また三木内閣が成立いたしまして、昭和五十年度予算の編成時におきましても、物価問題等が表に重要課題となりまして総需要抑制政策がとられた。その間におきまして、五カ年計画の中で、たとえばデータ通信の一部とか、あるいは画像通信、テレビ電話あるいはその他いわゆる電話の高度利用といいますか、たとえば電話自体におきましても、加入電話には最大重点を置きましたが、その他の商品の販売等におきまして、これを削減する。それで大体七兆円というのか第五次五カ年計画の――これは石油ショックの前の時点で全体の投資額を予定いたしましたが、予算編成時すなわち昨年の秋の時点におきまして約三千七百億円これを切り捨てる、それから三木内閣成立後の予算編成のときにおきまして二千三百億円を切り捨てる、合わせて六千億円を切り捨てておるというのが現状でございます。
 先ほど経済企画庁からも答弁がありましたが、今度五十一年を基礎といたします新しい経済計画が政府でいま検討を始められると聞いておりますが、そのフレームワークが出てまいりましたならば、公社といたしまして五カ年計画を、この先、すなわち残る五十一、五十二においてどうするかということを当然見直さなければならないと思います。ただ、しかし、電話の申し込み積滞の解消というものはこれはぜひやらなければならない、最重点に考えていきますので、結局、五十一、五十二年の合計、すなわち五十年を足しますと今後三カ年間に九百万の加入電話をつける、これはぜひやりたいというふうに考えております。
#103
○片山甚市君 いま総裁から六千億円のいわゆる節減を行って総需要抑制にこたえてきたんだと、こういうようなお話でございました。私は、いわゆる量の問題のこともさることながら、質の問題について十分に見直していきたい、こういうふうに考えております。
 いま総裁が言われる九百万のいわゆる加入電話の申し込み、これはもう公社がすでに約束を国民的にした問題でありますから、至上命令でしょう。そこで三木さんが言うとおり、高度経済成長時代の考え方を抜本的に改めて、安定成長といいますか福祉向上の路線に乗せようというわけですから、いま申されたことは第五次五カ年計画が具体的に福祉社会実現に役立つためにどれとどれとどれとをやるのかということについて、私たちの言葉でいうとナショナルミニマムということで最低限これだけは保障しようということがなければならぬ、こう考えておるんです。具体的にいま総裁は若干のことを申されましたが、どういうようにこれから国民のために電信電話をしようとされるのかお答えを願いたいと思います。
#104
○説明員(米澤滋君) 詳しくは関係の局長から答えさせますけれども、基本的には福祉優先ということにつきまして、その方向でこれはナショナルミニマムという言葉と私は考え方がつながっておると思うんですけれども、そういうふうにしたいということであります。
 ただ、具体的にじゃどのくらいの投資額にするかというのは、今後の物価の上昇状態その他いろいろ政府の経済計画に関連するところがありますので、五十一年度予算の編成時あるいは五十一年度予算が決まる暮れの時点、その辺までにはフレームワークも出てまいりますので、そのようにしたい。
 具体的にどうするかといいますと、九百万の電話はつける。公衆電話なんかの増設も私はぜひやりたいと思いますし、データ通信等につきましても、福祉優先でデータ通信の問題を取り上げていきたいというふうに考えます。まあ画像通信等につきましては、先ほど申し上げましたように、もうすでに切り捨てておるというわけでありまして、なお具体的な問題につきましては局長から答えさせたいと思います。
#105
○片山甚市君 具体的なことを聞きたいのでありますが、後からも御説明いただける機会があると存じますから、いま総裁が言われたことについて郵政大臣にもう一言お聞きをしておきたいのです。
 私は、三木さんが言っている量よりも質、福祉向上の路線に立った電気通信事業のあり方ということになりますと、枠組みとして何といっても国民生活の質の向上を図っていくことが一つ。二つ目に福祉重点に役立つ通信、これは総裁もいまおっしゃっておられること。三つ目には社会的ハンディキャップヘの保障、いわゆる身体障害者やそういう人たち、社会的にやはり保障しなければならぬ人たち。それから先ほど言った約九百万の電話をつけたいという地域住民の要求の実現、このぐらいのことを、今度第五次五カ年計画を見直す場合に、国民生活の質の向上という意味で、どのように電信電話事業が、データ通信、先ほどおっしゃいました、役に立つようにするんですか。ただ金もうけのためにむだに使われるんじゃなくて、本当に国民生活の質に直接に役に立つような、生活の向上のために役に立つようなもの、あるいは福祉重点にどのようなものをやっていくのか、こういうようなことはいかがなもんでしょう。
 そうして、この重点的な視点を郵政大臣として
 はとられて、今度予算が組まれるといいますか、来年度のいわゆる電信電話事業を見直していかれるのか、この一年間やられるのかどうか、お聞きいたします。
#106
○国務大臣(村上勇君) 福祉政策は国の重要な課題でもあり、政府といたしましても重点的に推進してまいるところであります。個人や企業の全国民的な理解と協力が最も必要であろうと思います。
 具体的には事務当局からお答えいたさせます。
#107
○政府委員(田所文雄君) 福祉に重点を置いた施策といたしまして、都会の病院から田舎の診療所等に患者の心電図を伝送するシステムとか、また災害情報のシステムあるいは災害時に可搬型の電話をあらかじめ要所要所に配置しておくというようなこと、あるいはまた環境情報システムと申しますか、現在、筑波学園都市と環境庁との間において行われておりますが、こういうようなものを大いに推進するということ、それからこれは数年来やっております寝たきり老人、一人暮らしの方を対象といたします電話に対する国の補助、地方公共団体の補助、市町村の補助という制度がございますが、これは厚生省がことし五十年度予算にさらに五千台の追加を要求しておるということでございます。さらに郵政省で身体障害者の方々を対象としたアンケート調査の結果が最近まとまっておりますので、このようなものも貴重な資料としていろいろと研究をしてみたいということでございます。
#108
○片山甚市君 いま監理官の方から、午前中、森委員、先輩に対してお答えをされたと同じことをお聞きいたしました。大体、そのぐらいだということがわかりましたから、次に質問をさしてもらいます。
 福祉向上の線に沿った事業を目指すことを言明されておるわけです、いまの郵政大臣もそうでございますし、公社総裁もそうでございますが、そこで福祉指向への公社のあり方についてただしていきたいのですが、初めに厚生省に伺います。
 いわゆる老人福祉電話及び身体障害者福祉電話の現状と、五十年度施策についてどうなっているのか、簡単にお答えを願いたい。
#109
○説明員(吉原健二君) 老人関係につきまして、私からお答えさせていただきます。
 一人暮らし老人に対する福祉対策の重要な一環といたしまして、厚生省としては、昭和四十六年度から老人福祉電話の設置を進めてきているわけでございます。四十九年度におきましては二千五百台、昭和五十年度におきましては五千台の設置を予定いたしているわけでございます。
 昨年六月に、私どもが県を通じまして各市町村ごとの老人福祉電話の設置必要数というものを調査したわけでございますけれども、その結果、約四万三千台の設置計画を各市町村が持っているということが判明いたしておりますので、私どもといたしましては、おおむね現在までの設置台数が約八千台でございますから、残りの三万五千台を計画的に設置を進めてまいりたいという考えを持っております。
#110
○説明員(井手精一郎君) 厚生省の更生課長でございます。身体障害者関係について申し上げます。
 私どもの方は身体障害者の仕事を担当しているものでございまして、ただいま老人福祉課長からお話ございましたように、身体障害者の関係でも昭和五十年度から新規に外出困難な障害者の方々に福祉電話を設置することを予定してございます。で、昭和五十年度予算におきましてはとりあえず千二百台ということでございまして、必要数については現在調査をいたしてございますけれども、現在のところは一万数千台必要であろう、かように考えているわけでございます。
#111
○片山甚市君 いま厚生省の更生課あるいは老人福祉課からそれぞれ数字について御説明がございました。
 で、実は、老人電話をさしあたり六十五歳以上の一人暮らしの老人で、寝たり起きたり、寝たきりの人も含めた病弱者を対象として考えるとすれば、その人員はどのぐらいになるのか。寝たり起きたり、寝たきりの人、それと病弱者を含めた対象はどのぐらいになるのか。
 また身体障害者用福祉電話をつける対象を、さしあたり外出の困難な人にしぼるとすると、人員はどのぐらいになりましょうか、お答えを願いたい。
#112
○説明員(吉原健二君) 六十五歳以上の一人暮らし老人が全国で約四十九万人ほどおられるという推計を私ども持っているわけでございますけれども、そのうちで病気がちである、それから電話を持っておられない、それから一応所得税非課税の方をこの福祉電話の設置対象と考えておりますので、所得税非課税の方、それから近所に子供さんがおられないというようなことを条件に推計いたしますと、さしあたって老人福祉電話の設置が必要な一人暮らしの老人の方は私どもの推計でも約三万人ぐらいだろうというふうに考えております。
#113
○説明員(井手精一郎君) 身体障害者の総数は約百三十万でございますが、そのうち、外出困難な重度の障害者の方々の数は約十万人ということに推定いたしてございます。ただ、このうちには電話を持っていらっしゃる方もございますし、あるいは架設を希望していないという方もございますので、先ほど申し上げましたように、必要数は一応現在のところでは一万数千台であろう、かように考えておるわけでございます。
#114
○片山甚市君 そうすると、郵政省がさきに老人福祉電話に関する実態調査をして御報告をしておるようでありますが、最近の身体障害者福祉用電話の実態調査を行っているのを見ると、これを大体このように見てもよろしゅうございますか――老人用が約四万四千人程度、障害者用が約三万人ぐらいというのが大体郵政省が調べた結果だと、こういうように考えますが、いかがでしょう、間違いでしょうか。郵政省の調べでしょう。いままでは厚生省。省が違うたら何や数字違うんだから、言うことが。わかりゃせぬのだ、そんなものは。当てにならぬ。
#115
○政府委員(田所文雄君) この数字の中には若干推定も入っておりますが、そうひどい差はないものと存じます。
#116
○片山甚市君 おおよそよろしいね――というような、にかかわらず、年間、老人向け五千個、厚生省がやるのは。障害者については千二百個というのでは、まさに二階から目薬、そんなものでは直りゃせぬですよ、このぐらいしたって。それは気休め。レッテル、山吹内閣の最たるものです。二階から目薬の域を出ません。厚生省は、これからの施策の展望について、これからこれをやることによってどのようなことが広がっていき、福祉が拡充をしていくというか、よくなっていくというふうにお考えの上でこんな数字になっておるんでし、ようか。老人福祉課の方でもいいし更生課の方でもよろしいから、お答えを願いたい。
#117
○説明員(吉原健二君) 老人福祉電話は、大変一人暮らし老人福祉対策の一つの柱として私ども力を入れて進めてきたわけでございますけれども、当面、設置が必要な対象数は先ほど申し上げたとおりでございまして、私ども四十九年度からこれを実は全国的な事業として、国の補助事業として進めてきたわけでございまして、五十年度が二年目に当たるわけでございますけれども、今後、さらにこの対策につきましてはニードに応じまして進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#118
○片山甚市君 それじゃ身体障害者の方も同じでしょうね、恐らく同じ顔しておるから、大体、考えがよう似ておると思うんです。実は、厚生省としてはこれを出発点にして、田中厚生大臣などで言うと、これを火種にして大きくしていくという考えのようですね、ぼつぼつやると。年寄りだからまあぼつぼつ死んでいくのを待つのかしらぬけれども、そういう考えですが、それではひとつ次の人に質問をしたいんです。
 それはどういうことかというと、社会福祉というものは国の施策にはかり依存するのでなくて、人間の社会的な助け合いの精神が大切であろうと思うのが片山議員の考え方です。ただ恵んでもらうんでなくて、みんなが助け合おうということだと思います、国からお金をもらう、何からもらうというだけではないと思うのです。そしてそういう精神を助長していかなきゃならぬ。現に老人に電話を贈ろうといった運動を起こしておる、大阪でも新聞社などが初めてやっておりますね、あなたたちが頼んだんじゃないんでしょう、勝手にやっておるんですよ。厚生省よりもしっかりしておるというのはおかしいじゃないですか。こういうことで、これと相まって前進をする。国もこういうことを触発的にこの中にもちょっと種火だけれども出した。そのかわり次のときには国民的な運動として広がっていくようにと、こう思ってるのかと思ったけれども、そうもいかないのを見ると、まあなかなか熱心でなさそうです。
 そこで、実は、赤字も赤字も大赤字の国鉄にお聞きをするんですが、にっちもさっちもならぬという国鉄が国鉄旅客関係にかなりの公共割引制度を設けておる。その中で身体障害者割引及び被救護者割引がございます。昭和四十八年度でどのくらいの割引きをしておるのか、その負担額と、その金はどこからもらっておるか。大体、電電公社などというのはすぐに国から金もらわなきゃやらない、郵政省もじきにどこかから金をもらわなきゃ困ると言っているようですが、国鉄はこれは国からもらってやっておるのですか、国鉄が割引をしてやっておるのですか、この負担はどこか、国鉄にお聞きをいたしたいと思います。
#119
○説明員(須田寛君) お答え申し上げます。
 まず、身体障害者割引と被救護者割引の実績でございますけれども、四十八年度におきまして身体障害者割引につきましては十一億の実績でございます。それから被救護者割引でございますが、これは約五千万ということでございまして、両方の割引を通じまして十一億五千万の負担ということになっております。
 それから財源論でございますが、御案内のように、いま国鉄は総合的に政府から財政的な御援助はいただいておりますが、この割引につきましては、個個にそういったこの割引のために幾らという補償でなしに、国鉄の一つの営業上の割引、公共上の割引ということでやらしていただいております。こういうふうな関係にあろうかと考えます。
#120
○片山甚市君 いま涙ぐましい話ですね。家の中が大変なことであっても、身体障害者やそういう人たちに対して、まあ大変だけれども、これだけの割引をしておる。国鉄に公共性がある――いろいろ言われておるけれども、ある程度国民から信頼されたところはそのような面にあるんじゃなかろうかと思いますので、日本電信電話公社の総裁にお伺いしたい。
 金がもうかってもうかって仕方なくて、もう捨てるところがないほどあったいままでの電電公社、いまは赤字で赤字でもうつぶれそうだと宣伝になる公社、この公社の総裁にお伺いをしたいんです。
 公社がシルバーホンなどを開発されておることについて、せんだって衆議院で堀代議士から公社に対しても敬意を払ったように、私からもよくああいう電話をつくっていただいて御苦労さんです、こうまず申し上げておきたい、これは敬意を払います。
 厚生省や国鉄のことなどを見ておってもそうでございますけれども、社会福祉というものはお互いのことでございまして、大企業を含め、社会の構成員の助け合いの思想を基礎にするものという以上、公社も最低――いま国鉄が言われたのは十一億円ぐらい、あなたのところの赤字どころじゃないんですよ、もう大変な赤字の公社ですわ。それでも十一億円ほどの割引をしていて、中ではマル生が起こったりなんかしますな、国鉄というのは。大変ややこしいところですよ。それでもしておるんですが、電電公社は何もふところから金を出すつもりはないのか、いやか、金がほしいのか、こういうようにまずお聞きをしたいのです。総裁のお答えを願います。
#121
○説明員(米澤滋君) ちょっと先に局長から、後でお答えいたします。
#122
○説明員(玉野義雄君) お答え申し上げます。
 老人電話、身体障害者電話等につきましては、私の方といたしましても、現行法令の範囲内でできる限りいたしますということで、たとえば優先設置基準等につきましては、これを優先的につける。それから債券につきましては、市町村等の福祉事業でおつけになりますし電話については債券を免除する。それから市町村経営でなくても、一般の法律に基づく福祉事業等につきまして、その事業名でつけられるものにつきましてはやはり債券を免除するというようなことをいたしております。それから、そのほか、たとえば盲人用の電話でございますが、これはダイヤルを盲人の万、目の不自由な方は回すのがむずかしいものでございますから、そこがすぐわかるような盤を現在大体七万個ぐらいつけております。それからもう一つは、車いすの方等が公衆電話をかけるときに台が高過ぎて困るというお話で、これはまだ始めたばかりでございまして、数は本年度いっぱいだしか千三百ぐらいだと思いますが、順次こういうのを拡大していきたい。あるいは盲人用の交換台でございますが、これは現在数が少なくて二台でございますが、そういうものをつけておりまして、それから先ほど厚生省の方からもお話ございましたのですが、一人暮し老人等につきましては国が三分の一、県が三分の一、市町村三分の一というようなことで、創設費を御負担いただいておるというようなことでございますが、なお通話料等につきましても、市町村等でこれは御負担いただいておりますが、大部分の市町村で基本料は御負担いただく、そうして度数料については平均五十度数というのを補助していただいているという状況でございます。
 なお、現在開発を終わっておりますもので、近く売り出したいと思っておりますが、老人用電話で「あんしん」というのがございますが、これは老人でございますのでダイヤルを回すということが緊急の場合むずかしいというときには、ボタンを押す。それにあらかじめ息子さんとかあるいは福祉事務所とか、お医者さんとか、そういうのをしておきますと、これは三つできるようになっておりますが、一つのところにかかりませんと、順次スライドしてかかっていくとか、あるいは音量を調整できるとか、それからいよいよ緊急の場合にはボタンを押すだけで、言わなくても、あらかじめテープに入れております緊急メッセージといいますか、これが自動的に動きまして連絡ができるという電話をつくっております。それからもう一つは、老人の方だけでございませんで、難聴者の方等に音を調整しましてよく聞こえるようにするという電話二種類を開発いたしまして近く売り出したい、こういうふうに考えております。
#123
○片山甚市君 総裁にお伺いしますが、先ほど国鉄はお金がないところで十一億五千万円程度いわゆるそういう割引をしておるとおっしゃっておるのですが、公社はそのぐらいの割合程度のことはやりますか、そのことを聞きたいのです。もう演説は要らぬのです。
#124
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 この福祉関係の問題につきましては、公社も技術開発等におきましては非常に力を尽くしたつもりでございます。先ほど玉野局長が答えましたように、たとえばテープを吹き込んで、ダイヤルができなくても自動的にぐるぐる三カ所まで回るというようなものは、私は技術としてはそう世界的なものでないと思いますけれども、世界でやっぱり初めてのものの一つだと思います。
 ところで、その負担の問題でございますが、現在、公社は実は国鉄のように、数字ははっきり覚えておりませんが、千億円以上の金を一般会計からもらっているというような形ではなくて、独立採算でやっているという状態でございます。いまの法律でもそういう割引制度というものがないわけでございますが、まあこれをどうするかということは、今後の料金の問題と関連して考えていきたい。たとえば老人年金の問題と電話の問題とどっちが福祉の面で優先順位があるかというようなことは私の方で言える筋でもないし、また判断できません。したがって、これはやはり国の方でお考えになっていただきたい。しかし、もしも国の方で電電公社が負担した方がいいということであれば、法律改正の場合にそれはやはりやった方がいいんじゃないかということに考えております。
#125
○片山甚市君 総裁の方が、五十一年度予算を組むまでの間に、そういうことでお考え願えるような様子でありますから、その程度にしておきます。
 そこで、赤字とか金がないとか公社は言っておるんですが、これは基本的なあり方の問題でありますので、少し聞きます。たとえば現在国その他の機関の債券が免除されている金額はどのぐらいで、それについてメスを入れてみる用意はないか。債券を免除しておる団体たくさんありますが、それは総額で大体、電電公社、どのくらいになりますか、お答え願いたい。
#126
○説明員(玉野義雄君) 申しわけありませんが、ちょっと手元に資料を持っておりませんので、後で出させていただけないかと思いますが。
#127
○片山甚市君 いや、そういうことだろうと思っておったんです。
 いや、実は取れるところから金を取らずに、取れないところから取ろうと一生懸命やる癖があるが、こんなものまけることはないんですよね、ちゃんと。独立採算と言ったんでしょう、いま。総裁まで国鉄さんはお金をちょっと国からもらえるけど、私の方は独立採算だって言うなら、国の側から取りゃいいんですよね、地方団体からも。先ほどの話によれば、福祉の問題でも国が三分の一、地方自治体が三分の一、市町村は三分の一だと、こう言う。郵政省は間に入っておるだけ、電電公社はとにかく技術を提供しておるだけになっておる。こういうことでなくて、やはり何がしかきちんと負担してもいいと、われわれはこういう立場で申し上げておきました。だから、その見直しをするときにそこのところをしてもらいたいんです。
 そこで、その程度ですから、赤字予算のままいろいろと予算を提案して、今度は料金値上げがどうのこうのということになりましたけれども、地方自治体や社会福祉法人の名義のときだけ債券を免除するのではなくて、一定の対象者のものはいわゆる免除をする、または設備料五万円も法定料金であることはわかっておりますから、これをせめて半額にする。通話料についても、一定度数までの度数料を工夫するなと積極的な――そういう障害者、そういう人は限られておるんですから、人員が。それについて検討してみる用意はございませんか、お伺いをいたします。
#128
○説明員(遠藤正介君) 片山先生のおっしゃることはよくわかります。しかし、私どもとしては、やはり公社の財務でそれを負担すべきか、国全体として負担すべきかという問題を国と私は相談をしなくてはいけないと思います。
 私どもでできます範囲のことは、いまお答えをいたしましたように、債券の免除でありますとか、そういう点はすでに一つのテクニックを使いまして行っているわけです。しかし、そのほかに設置場所の問題ですとか、そういう点も、これは法律をやかましく読めばあるいは違反かもわかりませんけれども、市町村名義のものを盲人のお宅におつけするというような便法も私どもはとらしていただいて、現在の法律の中ではできるだけのことはやってきておるつもりでございます。その中で、いま先生御指摘の料金の減免ということは、これも法律にはっきり書かれておりまして、私ども勝手にできないわけですが、先般衆議院でもお答えをいたしましたように、このシルバーホーン等につきましては暫定的にその道がないかどうか、監督官庁と私どもとでなお御相談をして、御趣旨に沿うようにやってまいりたい、こう思っております。
#129
○片山甚市君 いま遠藤さんからわりに親切なお答えをいただいて、できる限り国との間で合意を取りつける。国という場合は、ここの議会がどのような考えを持つかということが非常に大きなことであるだけに――福祉の問題を言い出したのは、私のほうよりも、今度は三木さんですから、ずいぶん実施ができるようにひとつ進めてもらいたいと思います。
 そこで具体的な提案をします。
 福祉電話という場合に、シルバーホーンもいいけれども、私は共電式の電話のようなもので、受話器を上げればすぐ電話交換手が応答して、そして公社の仲間がこれらの人たちに温かいサービスをする気持ちで用件を聞き、つないであげる。人間がものを言うほど、年寄りであろうと、人間は楽しいことはありません。機械で言われるよりはずっといいんです。こんなことが大事だと思うのですが、これについては金がかかるからだめでしょうか。先ほどの話によれば、お金を出すのはちょっと堪忍だと、こう言う。老人とかそういう人の電話がかかってくれば、交換の人が出て用件を聞いてあげる、こういうようにする制度を電話局で人間的につくったらどうでしょう、いかがでしょう、それはむずかしいことでしょうか、お伺いいたします。
#130
○説明員(遠藤正介君) これも実はうちの総裁から大分前にそういうサゼスチョンがございました。と申しますのは、私どもの方にも、先生御存じのように、交換取扱者の先輩の方も大分おられるわけですから、そういう方々を糾合いたしましてそういう団体をつくって、何といいますか、そういう老人のケースワーカーと申すのですか、そういうようなことも含めた福祉団体のようなものをつくってみたらどうかと、こういう御示唆も得まして、私ども、現在、組合の諸君ともお話をして、そういうことを一ぺんやってみたいと。これは機械の問題よりも人の問題が多いと思いますので、そういう点で先生のまたお知恵も拝借いたしまして御指導いただきたいと思います。
#131
○片山甚市君 電話は人と人の心をつなぎ、あるときには悲しみますが、あるときにはうれしくてたまらない、こういうようなことで、じかに触れ合う、コミュニケーションの中でも、社会の中でも最も人間的な触れ合いの多いところでありますだけに、いま遠藤さんがおっしゃったように、機械でなくて、人間と人間とができるだけ触れ合って、一つの言葉で慰めと励ましをするということ、一つのこういう大きい機能を持った公社については可能性を追求してもらいたい。
 公社は、このようにして、システムの問題を含めて、公社として一定の負担をしていくというか、そういうように努力をしていく構想を持ってもらいたいし、真剣にこれを検討してもらって、年度の途中でも、先ほど郵政大臣は積極的にやる、いろんなことをやると言っておられるのですから、郵政官僚として余り抑えつけないで、いいことはいいと、こういうように言って監理官の方も協力してくれてやってもらいたいと思うのです。そうして初めて厚生省は、公社の方がそうなら、五千台とか千二百台というのはバッとふえることになりますね、本当ですよ、厚生省は余り肩身を狭くしなくてもよろしいがな。そういうように思うのですが、私はまずそのような姿勢をとってもらいたい。これは郵政省あるいは厚生省ともそういう態度をとって一般世論に対しても喚起をしていくということですね。
 身寄りがない、捨てたままの年寄りを置いておくような冷たい世の中で何が日本の国が栄えますか、滅びるですよ、こんなものは。ノアの箱舟に乗った者しか残らぬような国になりますよ。ですから、そういう点で、われわれはいまや本当に年寄りを大事にするんだ、戦後これだけの国をつくってきた人たち、いま不遇になった人を大事に抱えるような社会でなければ何ができるか。たった一万か二万の電話をふやすのにむずかしいと言う。
 ところが、総裁の言うことには、九百万の金もうけの電話はつける、もうかる方の九百万の電話は無理してでもつける、金を上げてでもつける。今度はもうかりそうもないやつなら、一万でも五千でも三千でも、いやおれのところのふところがウワーかなわぬと言って逃げ回っている。
 こういう態度では困るわけです。こんなことは遠藤さんは言っておらぬけれども、熱心にやると言うとるんだから。そのことを約束するために言うとるのですよ。このようなことについて前面に出て初めて日本電信電話公社が戦後昭和二十七年以来公社になった意義をあらわすときですよ。頭角をあらわすのはいまからですな。赤字になったと称する今日初めて電電公社が本当にまじめに経営しておったかどうかあらわれる。人ができないときすることですよ。いままでならだれでもするですよ。
 そこで、ぎりぎりのところ、シルバーホンの三千五百円という付加装置料が要るというけれども、これは、先ほど言ったように、債券も買わぬでつけてもらえる国の団体、そんな免除するところがたくさんある世の中でありますから、これはあなたの方の試みに行うということで、ちょっと一年ぐらい使ってみてもらうぐらいの気持ちで、気持ちですよ、郵政大臣もそうしてどのくらいのことになるかやってもらいたいと思います。私はこのシルバーホンについてそういうような意見を述べておきたい。これは回答は要りません。いわゆるだめだとか、いま検討中ですと言いますからね。大臣の原稿にはそう書いてあるに違いない、そんなものは答えてほしくない。
 そこで、実は、これから少しいやなことを言いますが、これは客観的な資料がありますので、お許しを願いたい。計画の見直しについては、本日、いろいろと申された中で省資源の中で、資源制約の中で、福祉を重点にした経済成長の分け前は福祉社会をつくるためにやりたいと、こうおっしゃっていただきました。私は、それが実るために、ひとつ電信電話料金の値上げの凍結の問題についてお伺いをしたい。
 経済企画庁はお帰りになったようでありますが、この料金値上げの凍結の意味は、五十一年度――五十一年の四月からの値上げを公社に対して約束したものがどうか、経済企画庁は公社に対していわゆる五十一年四月から値上げを約束したのかどうか。拡充計画の必要上料金を上げようというのだが、拡充計画そのものを見直すのであるから、約束できるはずがないと思うんですけれども、経済企画庁がおらなければ、郵政大臣、これはどういうことになっておりましょうか、政府として御答弁願いたい。
#132
○国務大臣(村上勇君) まだ、そこまで約束したわけではないと思います。
#133
○片山甚市君 実は、そういうようなことを約束してあるとすれば、国会を軽視することになるということなんですが、二月十日付の「電気タイムス」紙の報道によりますと、公社は二月三日の通信局長会議を開きました中で、料金担当の遠藤総務理事から、五十年度凍結は五十一年度改定の約定を得たとの認識のもとに改定作業を進め六月ごろまでに固めたい、上げ幅は約二八%から三〇%と見込まれると説明しておりますが、郵政大臣としてそのように大体御同意をされましょうか、郵政大臣にまずお伺いいたします。
#134
○政府委員(田所文雄君) 電報電話の料金は五十年度は凍結ということでございますので、五十一年度以降は未定ということでございます。
 したがいまして、公社においてそういうことを述べたといたしますれば、仮に料金値上げが五十一年度に認められるとすればという前提といいますか、仮定のもとでの話と思います。
#135
○片山甚市君 いま通信監理官の方からお答えをいただきましたが、実は、二月三日付の「通信興業」紙で、同じように遠藤総務理事の方から、記者会見という形で、公社はこれまでその言い分はすべて通るという優等生だったが、ところが料金問題について公社は試練を受けた、今後は国鉄や郵政のような落第生的なふてぶてしい体質を見習う必要があるかもしれない、しかし反面五十一年度には入れてやる、国会上程ができるという前売り券をもらったような安心感があるのも事実だと言っておられます。
 これは記者が書いておることですから、遠藤さんそのものがそのままを言われたかどうかということについては、私はそのままを信じませんが、そこで郵政大臣、遠藤さんから言うとあなたは落第生ですが、その立場でお聞きをいただきたい。
 一体、料金値上げの凍結の意味は何ですか。いわゆることしの三月に一五%ならば消費者物価が落ちついたということになり、一年間平均して二二%ぐらい上がったということならば経済が安定したという考えで、いわゆるかりそめの恋みたいなもの、あしたは知らぬ、こういうような形のいわゆる凍結なんでしょうか、こういうことになる。公社が料金値上げを検討することはあり得ることです、当然です、それは企業体だから。ですが、政府があらかじめこれに事前了解を与えたり、しかも来年四月実施の約束手形や前売切符を発行しているとするならば、国民を欺き国会を軽視するもはなはだしいと考える。
 この新聞紙を私のいる国会に持ってきて、こんなのがあるのだが、これは黙っておるのか。いやおまえはどうせ御用組合の幹部みたいなものだから公社とぐるになっておるのと違うか、こう言われたので、この席上をかりてお聞きをしておかなければならぬ。私は一遍も相談したこともないのでね、一遍そのあたりを郵政大臣にしかとお答えを願いたい、いかがですか。
#136
○国務大臣(村上勇君) まだ公社の電報電話料金の値上げについて打ち合せをしたことはございません。
#137
○片山甚市君 それぞれ非常に経営が微妙なときですから、大臣がそうおっしゃっているのですから、それ以上のことについては言いませんけれども、われわれはこの公共料金というのは非常に大きな社会的な影響力、波及効果を持つだけに、だれかが何かを言うことによって次の段階の値上げの問題がもくろまれるということで、非常に心配をしているということです。
 そこで、公社の総裁にお聞きしたい。
 政府は凍結の手形を出したと言っておらないようでありますが、それにもかかわらず、公社としては盛んに来年四月実施を公言してはばからない態度をとっているのは、私はどうも遺憾だと思うから納得できません。そのような態度をとることによって、国民に電信電話事業が築いてきたいままでのよい点についても理解すら得られないものにしているのではないだろうか。
 電信電話公社が今日までどのように経営されたかについて総裁はお知りでしょうか。職種転換に次ぐ職種転換、配置転換に次ぐ配置転換、あらゆるときに合理化がついて、そこの労働者はどれだけの人が訓練を受けて新しく職場を開拓していったでしょうか。私はそういうようなことを考えますと、政府が凍結ということについてもう約手を出して来年四月からは大体値上がりの用意をしようじゃないかと言っているようでなさそうでありますが、そのときに公社としては具体的にどのような覚悟でこの機会を乗り切っていかれようとしておられるのか、お聞きをしたいと存じます。
#138
○説明員(米澤滋君) 先ほど郵政大臣がお話しになりましたが、私も昭和五十年度は電報並びに電話料金は凍結すると、こう伺っておりまして、五十一年度のことは何も伺っておりません。
 それから、いままで電電公社は昭和二十八年に料金の値上げをいたしました。当時、一度数五円だったものが国会修正で、政府が提案したのは十円という案でございましたが、それが一度数七円ということで、その後制度改正がございましたが、二十一年間、この度数料金は、制度改正がありましたが、ずっと維持されてきた。これは一つは技術革新というものを経営に強く反映したということ。もう一つは労働組合が立場は違いますけれども、いろいろ経営の配置転換その他にやはり理解を示して実施したということ、こういうことが非常に影響したと思います。配置転換その他の数も恐らく十万近いのではないか、電報電話合わせますとそのくらいの数だと思います。
 これからの問題につきましては、先ほども経済計画の話もございましたが、公社といたしまして、七月の時点までは余り――事務的な検討は私は十分、これはしょっちゅうやらなければなりません、何となれば経営というものはやはり長期を考えなければなりませんから、政府の立場とそこは違うのでございまして、公社は少なくとも三年とかあるいは五年先のことを考えながらいろいろやっていかなければならない。しかし、公社の案を決めるのは七月の時点までは決めないでいきたいというふうに考えております。
#139
○片山甚市君 それにしては、あなたのところはよくまあ新聞記者を集めてはいろいろのことを好きなように言う癖がありますね、今後は改めてもらわなければならぬ。私も国会新米で、逓信委員会へ無理して来さしていただいてお話ししておるんだけれども、やはり国会論議になるような問題は非常に慎重な態度で、部内でお話をされるのは勝手でありますけれども。
 たとえば新しいサービスの問題についても、きょうは時間がございませんから触れませんけれども、こんな割引をしたいとかあんな割引をしたいというようなお話があります。割引ができるということと値上げするということが一緒になった上で値上げ案をつくっていくというようなやり方は公社特有の知能犯というか賢いやり方ですね、知能犯というとまた失礼でございますが、なるほどと思って片一方で下げるぞというから賛成しようと思ったら、片一方でうんと上がっておった、気がついたらぶったくられておったというようにするのは、かねて昭和二十七年以来電電公社のやり口でありますから、これは手口ですね。自分もその中におったのでよくわかります。これはもう通らなくなったように思うんです。ひとつその点で今後注意をしてもらう。新聞紙上でそういう話をしていただけば次のときには大変なことになってくると、こう思いますから、忠告を――まあ忠告というのはなにだけれども、私としては意見を述べておく。
 さて、料金値上げの凍結は、昭和五十一年の四月の実施にこだわらないことを含めて白紙で検討すると私は理解をし、審議を進めてもらいたい。いわゆる必ず料金を値上げするんだという前提じゃなくて、値上げを五十一年の四月の実施にこだわるのでなくて、どうして経営を、先ほどナショナルミニマムのことで言いましたけれども、これこれのことを達成するということに中心があって、料金値上げは後だと思うんです。私そういうように考えまして、総裁の意見を聞きたいと思いますが、それはどうでしょう。
#140
○説明員(米澤滋君) この問題は、ナショナルミニマム問題を決め、同時にまた経営問題を決める、公社の案は七月までは決めないでいきたい、七月の時点で決めたいというふうに思います。
#141
○片山甚市君 それじゃお聞きします。五十年度予算が異例の赤字になっております。私はその赤字について大きな疑義を持っておる。時間がございませんで、それは別のときにお聞きしますが、料金値上げ案を説明するときに、あなたのところは資材費、線材や機材の値上がりがかなり見込まれるということを一つの理由としております。おおよそどのぐらいの上昇を見込まれておりましょうか。
#142
○説明員(三宅正男君) お答え申し上げます。
 石油ショック以来、いろいろなものが上がってきております。私どもの関係の使っております物品関係、これにつきましてもたとえば合成樹脂関係あるいは銅――銅は最近少し下がりましたですが、いろいろなものが上がってきておりますし、またそういう関係で全体といたしまして、これはちょっと全体としての平均という言い方は非常に、何といいますか、抽象的な申し上げ方でございますが、ほぼ四十八年の石油ショック以前に比べまして、現在時点でながめてみますと、ほぼ一五%程度ではないかというふうに私ども考えております。
#143
○片山甚市君 そうですか。この「電気新聞」という業界紙によると通信機械工業会の実態調査で、製品の値上げは民需の落ち込みを反映して大体一〇%程度にすぎないと昨年未発表しておるんですが、公社の答弁をすることと約五%ぐらい違うようでありますが、これはその資材の値上がりについてどういうように見られますか。
#144
○説明員(三宅正男君) ただいま申し上げましたのは全体の平均という意味で申し上げたわけでございます。個々の物品につきましてはそれぞれ非常に差異がございまして、材料費等が非常に上がったもの、あるいは余り材料の上がっておらないものいろいろなものがございます。
 ただいま先生がおっしゃいました通信機械工業会でございますか、これの統計ということでございますと、大体、交換機あるいは搬送、無線、こういったような関係でございますが、この関係につきましては確かに非常に値上がりの少ない部門でございます。したがいまして、私ちょっといまデータを手元に持っておりませんが、一〇%も上がっていない程度じゃないかというふうに考えております。
#145
○片山甚市君 それはクロスバーなどですと、電電公社に対して九%ほどの値上げというと日本電気、富士、富士通、沖電気、日立製作所などがございますよ。しかし、これは中小の三十社、機械部門でございますが、私たちが聞いておるのは、公社の資料によると線材、機材は大体二三%程度値上がりしておるというように別のところであなたたちは説明をしておりました。その数字がそれほど違うものだということだけわかったらいいんです。あなたたちが出しておる数字は出すところによればいろいろと違うものを出すもんだと、だから余り数字などにこだわっておってばかをみるのは国民だと、こういうことになる。数字はできるだけまとめて、いいかげんなことを言わないようにしないと、五つぐらい数字を合わしてみるとみんなうそだということに相なろう、こういうことは御忠告申し上げます。
 公社から手に入れましたというかお願いをして、いわゆる機材とか線材の使用額ですが、昭和四十五年は三千五百七十九億円、昭和四十六年は四千四百一億円、昭和四十七年は五千百七十億円、昭和四十八年が五千三百七十八億円、昭和四十九年の計画として五千三百七億円になっております。
 こういうように見てまいりますと、昭和四十七年から四十八年の伸びは四%にすぎません。私は高度経済成長の中で工程をどんどんと伸ばし、発注量を増加さしているときを考慮すれば、資材費の上昇率はそんな大きいはずはないと、こう思うんですが、やはり資材が値上がりしておるから経営が圧迫をうんとされたということについてもう一度言いたいでしょう、どうでしょうか、三宅さん、お答えいただきたい。
#146
○説明員(三宅正男君) ただいま先生おっしゃいましたように、四十八年の石油ショック以後、少しずつ物の値段を上げざるを得なくなってまいっております.したがいまして公社が購入いたしました、物品の金額ではありませんで、量という関連で考えてみますと、四十八年度を最高に、四十九年度、さらにただいま予算審議をしていただいております五十年度というふうに、次第に物の量としては減ってまいるであろうというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#147
○片山甚市君 いま、物の量として減るけれども、買う金が大きくなるということだと思うんですが、実は、業界の方にもこういうことであれば確かめたいと思います。資材購入費の総額が大きいだけに、五%ほどの見込み違いだけでも三百億円程度の金額に上るわけです。たしか一〇%と言えば、それだけでも三百億円台のお金が粉飾して赤字をつくられたと言わざるを得ないと思うんです。
 そこで、公社も第五次五カ年計画を安定成長、福祉向上の路線に見直したいと言う以上は、とにもかくにも料金値上げはそれらとあくまでもセットのものとして理解を――公社か安定成長ということを中心にして料金値上げというものを考える、料金値上げということを先に考えるのじゃなくて。いわゆるそういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#148
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 安定成長という、そういう経済政策を考えに入れまして、先ほど申し上げましたように、七月の時点で公社の案をつくりたい、こういうふうに考えております。
#149
○片山甚市君 電話料金の値上げは、公社の案でいくと他の諸物価への影響は大体〇・五三%、国鉄運賃の先ほどの値上がりについては〇・四三%、電気料金については〇・五六%だと大体評定されています。電信電話料金の値上げはウエートは軽くないということ、特に肝に銘じてもらいたい。
 さらに、電信電話料金の値上げについて、七月までの間に経営のあり方の結論が出た上で具体的なことを申したいと、こういうふうに総裁がおっしゃっていますから、それまでの間に国民のコンセンサスを得られるようないわゆる具体的なことをしてもらいたいと思うんです。計画の見直しについて改めてそのとき論議をしたいと思います。
 そこで、そのために、せんだって衆議院の松浦代議士あるいは堀代議士なども分科会あるいは逓信委員会で言っておりましたところの認可料金に関することです。事業経営の不公正の是正、たとえば専用料の料金についてですが、公社に伺いたいんです。いま自衛隊に貸しているJ−1規格というあれはどんなものでしょうか。
#150
○説明員(玉野義雄君) 自衛隊に貸しております、専用料金につきましては、一般の料金と同じ料金を適用しております。
#151
○片山甚市君 自衛隊について、J−1規格については帯域使用で、つまり二百四十キロヘルツの広い帯域を束のまま貸しております。それを自衛隊が電話に使おうがデータ伝送に使おうが写真電送に使おうが自由にできるという仕組みになり、まことに自衛隊向けの便利な方式で、それだけでも大変な過剰サービスだと思います。いまお話がございましたけれども、それは二百四十キロヘルツの広い束ですが、七十回線です。これがもしすべて電話回線として自衛隊に使われたとすれば何回線に相当するのかと、こういうことになりますと、いま申しましたように七十回線になります。こういうようなものをいま玉野さんは一般と同じだとおっしゃったんですが、間違いありませんか。
#152
○説明員(玉野義雄君) 一般民間にお貸ししておる場合と同じ料金でございます。
#153
○片山甚市君 そうすると、民間でこういうものをたくさん借りておるということでしょうが、そこで大変な電話回線を束にして貸しておる、たとえば東京の市ケ谷から伊丹の自衛隊までの距離は、つまり東京−大阪間の専用回線と見て考えてみますと、この七十回線を普通のD−2規格で電話専用線で借りているとすると月額にして幾らになりますか。私の方の調べたところによると四十三万七千円の七十倍、三千五十九万円になるはずです、束で貸しておりますから六百万円で借りています。
 もう一度言いますと、あなたがいま大口にいかに安くしておるかという話をするのは、電話のDの2の規格でやると三千五十九万円電話料が入るところですね、いわゆる束にしておるために六百万円ということになっておるんですが、間違いありませんでしょうか。数字ちょっとぐらい違ってもよろしい、後でその数字の間違いなんて言いませんから、おおよそ間違いありませんか、時間かかるからね。
#154
○説明員(玉野義雄君) 電話の使用時間等によりますので、その辺は、その前提を見ませんとわかりませんが、いま先生おっしゃいました金額等について、これは二十四時間使用でございましょうか。
#155
○片山甚市君 これは五時間。
#156
○説明員(玉野義雄君) 五時間使用して、私どもいま精算をしておりませんが、そうなるのではないかというふうに思っておりますが、後で精算してみたいと思います。
#157
○片山甚市君 数字はどちらにしても、実に通常の電話回線の五分の一という割引を自衛隊にしておる。自衛隊だけじゃないと言うんだから、それはよろしい。それは市ヶ谷−伊丹間のJ−1規格、一ルートだけでも年間実に二億八千八百万円近くも割引しています。
 私は、今回、公社がその専用回線について値下げをしたい、また、値上げをしたいとかいう言い方をしておるんですが、そのことの一つの例として、この自衛隊に貸しておる、あなたの方が除外していますね、今度は、J−1規格は改正の中に入れてありませんよ、わざと。何でですか。
#158
○説明員(玉野義雄君) 1、Jにつきましては、四十八年ごろであったと思いますが、改定をすでにいたしたわけでございます。それで今回いたしますのは、いわゆる五十ボーから始まる、私のほうでA〜F規格と言っておりますが、それの改定を今回考えておるわけでございまして、1、Jにつきましては、したがいまして、先般の改定で従来二十八段階と非常に細かくなっておりましたのを八段階にすると修正いたしまして、それで改定しておりますので、今回いたさないわけでございます。
 それから、先ほど先生おっしゃっています割引の関係でございますが、これは警察、消防に対してやっておるわけでございまして、一般の、それ以外の国の機関に対しては割引はいたしておらないわけでございます。
#159
○片山甚市君 私が試算をしたデータによると、これが公衆電気通信網による加入電話だとすると、自衛隊は、実際はもっと使っているに違いないけれども、一日五時間、三百分で三十日使うとして、通話料は電話一回線当たり七百五十六万円になります。こういうのに比べると、約九分の一を自衛隊が支払えばよいことになっている。もし一日に二十時間使っているとすれば、約三十六分の一の割引をしていることになっておる。こうしていわゆる大企業や自衛隊向けに過剰な割引サービスをやっておる。これが専用料金の現在の実態であります。三木さんが社会的不公正の是正と言われるならば、まずこの不公正を正していくことをせなければならぬと思う。
 公社は、そういうことについては、すでに郵政省に出しておって種々抗弁をされると思います。私が問うてみても、このことについては、しかとした答えがないと思うのです。公社は第五次五カ年計画で総合通信網をつくると言った。しかもその回線を開放しました。すると料金の方も専用線だけがべらぼうに安いというのはきわめておかしいのであります。何としてもこれは改めてもらいたい。
 いまのような形でなくて、私の手元にありますような形で、東京−大阪間を言いますと、一日五時間で九十四万五千円、加入電話であります。それでD−2の音声でいきますと四十三万七千円、割引率は五三・八%、ところがJ−1型の帯域でありますと八〇%、度数料に対する割引でいくと九割の割引をしていることになる。これが今度のいわゆる認可料金の改正について私たちがどうしても納得できないところなんですが、なぜ九割も――これを見てもらったらわかるように全部八割、九割――一番初めのところから、十キロあたりから八割ほど値引きをしているのです、ずっとですね、九割のところが大阪です。そうしてD−2に対する割引率にしても大体八割、低いところで五割、こういうような割引ということになります。
 そういうようなことで、公社は、さきの料金値上げ凍結という段階に至ったにもかかわらず、専用料金の改定を依然として認可してもらおうとしております。この一年間いわゆる料金が凍結になったのですが、郵政大臣に改定の申請をしていると聞いておりますけれども、その内容が、せんだって堀さんも松浦さんも言いましたように、至って矛盾があります。これを明白にしてもらい、そうして予算案にはこれは含まれておるのかどうか、いわゆる専用回線は値上げになっておるのか値下げになっておるのか、これを、この際、公社から明確に答えてもらいたい。
#160
○説明員(遠藤正介君) お答えいたします。
 この問題はいろいろな観点からいま御指摘を受けましたのですが、一番最初におっしゃいましたのは、専用線の規格の中での関係でございます。JとDという規格によって差があるという問題でございまして、これは私は外国の専用料金から見ましても、この格差というものは、あるいは度合いというものは、妥当な数字であろうかと思うのであります。
 それから、専用線と公衆線の対比をしばしばなされますのですが、これにはやはり相当条件が必要でございまして、専用線というのは二者間だけの通信になっておりますし、公衆線というのはいわゆるかけようと思えばネットワークでどこへでもかかるという、そういう前提がございます。したがって、その効用の面から見ました料金の比較というのも、なかなか一定の条件のもとで比較をするということはむずかしいと思うのであります。
 ところで、現在、郵政大臣のお手元へ申請をしております専用料金の改正につきましては、従来から問題のありました地域格差というものを、1、J規格というものをサービス開始をいたしましたのは、たしか先ほど答弁をいたしましたように、昭和四十八年でございまして、そのときにすでに是正をしております。したがってこの点は今回変える必要かない。それに対応してA〜F規格――AからFまでの規格につきましては、その時期に格差を縮めるといいますか、極端に近距離が安過ぎて遠距離が高過ぎるという格差を直すということが一つの前提でありまして、申請をいたしておるわけであります。
 それでその中身が、これは相手様のあるものでございまして、公衆線のように不特定多数というんじゃなくて、きわめて限定をされた範囲の相手様であります。したがって料金の上げ下げによって場合によっては公衆線に乗り移るという方も当然あるわけでございます。私どもでは、大体、専用線の八〇%までが市内に、市内といいますか近距離にございますので、近距離を大幅に上げることによって相当大きな数が逃げていくんじゃないか、こういうことも考えておりますし、また、片山先生が先ほど別の点で御指摘ありましたように、いい悪いは別として、電電公社は従来そういうことを余り意図的にやったことはないんですけれども、値下げだ値下げだといって、ふたをあけてみたら値上げになっておったといういい例がこれでありまして、遠距離は値下げのように見えます、確かに。しかし、その大半のユーザーでございます報道通信関係の割引率を極端に低くいたしました。これはこの国会でもしばしば御指摘を得ましたところでございますので、割引率を下げることによって結果として私どもとしては、大体、そういう弾性値ですね、つまり、お客が逃げるという要素も踏まえてなお七%程度の増収があると、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
 したがって、この料金表だけごらんになりますと、確かにおかしな点もあることはよくわかりますし、衆議院でもそういうお答えをいたしましたんですが、その証拠と申しますか、報道関係からは、これは極端な値上げだという御批判、陳情がしばしば続いておる状況でございます。それらの点から、本当の具体的なユーザーの立場から見ますと、これは私ども極端な値下げでなくて、妥当な値上げを含めた是正である、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
#161
○片山甚市君 いま遠藤総務理事から、後者の方が総体的には六%ですか、の値上げになるというか、是正をするんだと。第五次五カ年計画の、先ほど申しましたように、総合通信網をつくるとき回線を開放して、そうして専用線だけがべらぼうに安いようにしたということはきわめて私はおかしいと思います。特に専用料金の改定を依然として認可をしてもらおうということで郵政大臣に申請しておるんですが、その内容がいかなるものかということになると、やはりいま言うような形で予算案の中に含まれておる、こういうことですから、このあたりは予算のところで聞かなきゃならぬと、こう考えます。
 そこで、体系の手直しだという理由として、加入電話の通話料と比べて均衡を欠くというようなことを言っておるんですが、これは広域時分制をしいたことが間違っておることになるのか、こういうことになります。しかし、まず先ほどのような問題もありまして、加えてお手元の資料にあるように、私が試算をしたところによると、現状でも毎日五時間として遠距離で二分の一近い割引率がある。それで五割近い割引になっている、多いところでは八割。公社は史上最高の赤字だと言っているんですが、このようにして企業への大盤振る舞いをしていることについてはわかりません。これを十キロメートルのランクのところの約二割引きぐらいにして、それ以上に五割も六割も下げるということについては納得ができない。いま赤字だといって困っておると、こういうときに八割も九割も下げる。お客さんがつかないじゃないかというけれども、割引し過ぎておる、こういうことになっておるんですから、当然のことだ。
 今日、そういうことで郵政大臣はこの認可料金についてどのように御裁断をされようとしておるのか、お伺いをいたします。大臣、お願いします。
#162
○国務大臣(村上勇君) 専用の料金改定につきましては、先般、電電公社から認可申請を受けております。
 その概要は、A規格からF規格までの回線使用料につきまして、昭和四十七、八年の電話の広域時分制実施に伴って著しく割り安になっている近距離の使用料を引き上げる、また従来割り高となっている遠距離の使用料を引き下げるなど、料金体系の調整を図ろうとするものであります。各規格の回線使用料のうち、たとえばD規格、これは音声級でありますが、の料金につきましては、加入電話の区域外通話料と整合を図るため、区域外通話を一日平均百分ないし百二十分かけた場合の料金に見合う額としております。これは諸外国の例と比較して最も妥当なものと思われます。
 なお、申請内容の細部につきましては、目下、鋭意検討中であります。
#163
○片山甚市君 これは郵政大臣がどうしても認可したいというお気持ちのようでありますが、御承知のように専用料金については全部直線距離で、たとえば東京−大阪間ですと鉄道で五百五十二・六キロですが、専用料金の距離は四百八キロ。キロ数でもずいぶんとそうなってきておる。で、いろんなことで割引をしておる。大企業優先などないというようにわれわれは聞いておりましたけれども、やはりいまのところ電電公社を中心として大企業優先のいわゆる企業形態をかなり進めていくことになろう、こう思いまして、非常に残念であります。
 これは加入電話の通話料を一度十円にするかわりに遠距離を下げようとした今回凍結された案の先取りをするもの、今度のいわゆる専用回線に対する料金の改定というのは度数料の七円を十円にするための先取りだと、こういうふうに感じられる。ですから見直しするとか凍結すると言ったところもそれは信用ができない、こういうように思います。で、後でよろしいから、一体、この原価というのはどのようになっておるかということについて電電公社から後日示してもらいたい。
 特に、郵政省は、何回も言いますけれども、三木さんの表看板である不公正の是正という立場に立って、このいわゆる申請については、原価計算、キロ別にできぬというようなことであれば国民が納得できぬ。いまちょっと大臣はメモを読みながら御説明していたようだけれども、われわれがなるほどそうだ――D規格もそうでございますか、これは割引をそれほどしてないんだと。先ほど公衆線と専用線とは違うということについて遠藤総務理事がおっしゃっておる、それはわかってますよ、しかしそれはその方が便利だから使っておるのです。得な方をやりますよ、電報でもそうですよ、テレックスがもうかるならテレックスの方にいきますよ、一般の損するやつは全部普通の公衆電報を打ってますよ、みんな賢いんですよ、これ。好きな方にいっています、損する方にいきませんわね、これは計算して。ですから、ぜひともこの専用回線の認可料金については慎重にやってもらいたい。何ぼそれは私が言ってもうんと言わないでしょうから、時間が来ましたから、次の問題に触れておさめます。
 電信電話事業のうちの電信事業の将来展望ですが、実は、三月十二日付の「電気新聞」によると、秋草副総裁は十一日の中国通信局における記者会見で、電報の廃止を五、六年先には検討するというような趣旨を述べておられます。
 電報を廃止するとは何事でございますか。戦後どんなことで電報の合理化をめぐってお互いに議論をし、死ぬ思いをしてやってきたのですか。中継機械化から始まる今日までの努力は何としますか。一番大きな問題はあの津の三君をめぐるところの首切りの問題、たくさんございましたね、大変なことでございましたよ。ところが、そういうときにも秋草さんは経理局長か何かでおられたはずだと思うのです。そのときは起きておられたはずだと思うのですが、寝ておらなかったと思うのです。もうすぐにこういうことを言っておる。いまごろになってよくも電報の廃止というようなことを言われるものだ。時間があればこれで二十分ぐらいやりたいんでありますが、三木首相も、二月二十五日に、電話の普及で電報の必要性が少なくなっているので、電話のない人に他の適当な通信手段があるのかも含めて電報廃止を検討する意味のことを言ってみたりしておりますが、電電公社は電報を廃止するつもりなのかどうか、こういうことについてお聞きをしたい。
#164
○説明員(遠藤正介君) 確かに、片山先生御指摘のように、電報の問題はわが社の労働問題のこの二十年間の中心であったと言っても間違いないと思うのであります。
 ただ、電話というものがこういうぐあいに非常に普及をしてまいりました今日、電報の実態そのものが全体として通数も減っておりますし、本当に「チチキトク」というような緊急な電報の数というものがもうほとんど三%程度になってしまった。逆に、大企業優先じゃございませんが、慶弔電報というようなものがどんどんふえてきておる、こういうぐあいに電報の実態というものが変わってまいりました。
 それからもう一つは、公社の赤字が昭和四十九年度で恐らく二千億円、五十年度では予算上すでに二千五百億円でございますが、私ども正確に累計したわけではございませんが、このうちの半分程度は私はやはり電報の赤字であろう、こういうぐあいに思われるわけであります。
 そこで、私は、やはり電報の中身を昔の電報ではなくて、もっと電話がこれだけ普及した現段階にふさわしい中身に改めていくということで、再び、むずかしい問題でございますけれども、相当長期間をかけまして労働組合の諸君と十分話し合ってこれを実行していくべきじゃなかろうか。そうでなければいつまでも同じ赤字を抱えておくということも、これも国民に対して申しわけないことでございますし、まあこの春闘あたりに全電通にも提示をいたしまして、大ざっぱなところから労使が意見を詰めてまいりたい、こういうぐあいに思っておりまして、先ほど来業界紙の話が出ておりますが、五、六年先にやめるというようなことを決めたわけでもなんでもございませんし、また決められるものでもありません。この問題は組合と十分協議をした上でなければできないことは私どもよく承知をしておりますので、さよう御承知願いたいと思います。
#165
○片山甚市君 時間が来たようですから急ぎます。
 電報の赤字はまさに事実として存在しております。これは否定いたしません。しかし、データ通信は黒字なのですか。「施設」という雑誌の二月号によれば、四十八年度の収支率は実に二五八%であるとされていますけれども、この赤字は総額で幾らになりますか。
#166
○説明員(遠藤正介君) 四十八年度決算で出ました数字を申し上げますと、データ通信として私どもがデータ通信設備提供をいたしましてやっておりますデータ通信サービスの単年度の赤字は二百九十三億でございます。
#167
○片山甚市君 いま二千五百億円の赤字の半分千二百五十億円台が電報の赤字だろうと、こういうようなお話でございました。こういうようなデータ通信の赤字はすぐよくなるのかという――約八年ほどの周期で大体清算をしたいと言っておるようであります。このデータでいただいたものは全部電話料金になるようになっているんですね。
 ところが、あなたはお知りにならぬでしょうけれども、三位一体論ということにいたしましてデータ、テレックス、テレグラムと三つ合わして電信網にしようじゃないか、こういうことを言っておるんですね、それは間違いないでしょう。議論をすれば時間がかかるから、私はそのことについて、それならば電報だけを切り離して論議するんですか、通信局は、本社はみんな独立採算やったら合うんですか、それだけの仕事もしておるんですか、ちょっと聞きます。
#168
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 電報の問題につきましては、私、電報の赤字問題は電報で働いている公社の職員には何ら責任のない問題でありまして、これは経営上の問題であるということはいつかこの委員会の席で申し上げました。また、電報とそれからテレックスとデータ通信、三位一体論、これもたしかこの席でお話ししたことがあります。
 電報につきましては、収支関係の問題としていろいろ課題ではございますが、私は、とにかくまだ三千万通も電報がある、これをそう簡単にやめるとかやめないとか、これは大きな国民のコンセンサスも必要でありますし、また検討すると言ってもそう短時間にできるものとは思っておりません。しかし将来の問題としてやはりとにかく課題であることは間違いない。決してそう簡単に廃止するとかいうようなことは、労働組合の立場もありますし、それからまた国民の利用者の立場もあります。電話もまだこれから九百万つけようと言っているときでありますから、とにかく検討するにいたしましても、電話の積滞がなくなった時点以降でなければ、私は検討する必要はないというふうに思っております。
#169
○片山甚市君 時間が来ましたから一言にしておきますが、とにかく電報の問題は少なくとも昭和四十六年三位一体論を明確にしてやった仕事であるだけに、労働者の労働不安を起こさないように、しかもこの問題がいわゆる今度の値上げ問題をてこにして利用されないようにお願いをしたいと思います。
 特に、今度は新幹線の乗車券の発売について神田電話局に交換機を一台入れ、百七十回線ほどの新設の専用型の回線も引き、各電話局の交換機に付加装置をするなど、そのお金は国鉄からいただいたようでありますけれども、データ通信というものが起これば、それはすなわち電話度数料のものになってくる、電話料金の収入になる。電信部門の仕事がそうなるということについて明確に申し上げておきたいと思います。
 そういう意味で、電報の将来は、データ、テレックス、テレグラムと三つを一つに固めるならば、それは日の目の当たることだ、一つだけ切り離せば大変なことだ、こういうように思いますから、それを忘れずに――忘れてしまって、それだけせぬようにしてもらいたい。
 電報事業は、将来においても国民生活上公共的役割りを果たすものであり、将来事業として発展性のある新しいサービスが考えられれば、公社として積極的に取り組むなどというような約束をしておるようでありますから、それに基づいてやってもらいたい。
 最後の柱でありますけれども、公社発足以来、御承知のように梶井総裁は堂々と調停案を実施するというような態度を表明し、今日までやってまいりました。総裁、今日のいわゆる春闘の中で特に明確にしておかなきゃならぬことは、昭和四十年に非常な苦労をしたことを思い出してもらいたい。もしこの機会に公社が、赤字であるというようなことで団体交渉に対して従来の路線を変えて、自主交渉路線を放棄して話し合いをやめてするならば、不幸が訪れると思うんです。これについて公社の明快な答えを求めたいのは、赤字予算であるということで、従来と違ったことでなく、賃金回答についても世間並みの有額回答をするようにやってもらいたい。私はスケジュール闘争か否定をする者であります。肯定しない一人でありますから、きちんと予算と関係なく、労働組合との団体交渉あるいは職員に関する問題については従来の路線を変えない、このことを言明していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#170
○説明員(米澤滋君) いま非常にいろんなことをたくさん御質問されましたんですが、私は、労使関係近代化路線、これは昭和四十年の大処分の後、昭和四十一年以来約十年間にわたって労使ともこの路線を守ってきたというふうに考えております。立場は違いますから労働組合はまた労働組合の立場がありますが、公社は特に当事者能力の拡大ということにつきまして他の公社に先鞭をつけてやってまいりまして、この労使関係近代化、それから当事者能力の拡大、これは今後ともやっていきたいと思います。
#171
○藤原房雄君 今国会が始まりまして最初の委員会でございますし、過日は大臣の所信表明がございまして、また電電公社の総裁から事業概況の説明がございまして、これに対する質疑ということでございますが、公明党を代表しまして、与えられたわずかな時間でございますので、総括的なことにつきまして二、三の質問を申し上げたいと思います。個々の問題につきましては、また法律改正等ございますので、そのときにやらしていただきたいと思います。
 最初に、大臣の過日の所信表明の中にございましたが、「現下の厳しい経済社会情勢の中で、さらに公共の福祉増進に資するよう私どもに課せられました重大な使命を果たし、国民の皆様の御期待に沿うべく薄身の努力をしてまいる所存でございます。」と、このように明言されたわけであります。
 仰せのとうり現下の厳しい社会情勢の中で、それぞれの施策というのはなかなかむかしいことだと思いますが、そこで忘れてはならないのは公共の福祉増進ということでございますが、大臣がこの所信表明でこのように明確に仰せられて、しかも大臣は初めて郵政大臣になられたのではなくて二十年前に大臣であられたという過去の経験もございます。この多様化した中にありまして、また厳しい社会情勢の中にありまして、大臣としましても具体的に今後のことについての施策、とかくに料金の問題にすぐ話は進むわけでありますが、そうじゃなくして国民の福祉増進ということについて強調なさったそのお気持ち、それを言われるときに心の中に描いておりますこの公共の福祉増進に資するための具体的な施策というものは恐らく大臣の胸の中にあったんだろうと思いますが、そういうことにつきまして何か腹案なりまたお考えがございましたら仰せいただきたい、こう思うんです。
#172
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 御承知のように、郵便事業財政は極度に逼迫化しておりまして、四十九年度から郵便料金改正を行うように郵政審議会からの答申をいただいたのでありますが、しかし、どうもその際、政府の物価抑制という政策が強く出まして、そして一応これを見送ってまいった次第であります。
 四十九年の五月、公労委から約三〇%という大幅な賃金改定の仲裁裁定がなされましたために、郵便事業の収支赤字は一挙に千三百八十一億円の巨額が見込まれるに至ったのであります。このため昨年十二月、再度、郵政審議会から、こうした事業財政を立て直すために手紙を五十円、はがきは三十円という料金を骨子とした料金改正の答申がなされたのでありますが、公共料金を極力抑制する趣旨から、はがきにつきましてはこれを二十円に調整するとともに、実施時期につきましても十月に延期して実施するところとして、五十年度新たに六百一億円の赤字が生じますけれども、その赤字をも見込んでの料金改定をお願いしておるところであります。
 御承知のように郵便事業の運営に要する経費は、人件費がほとんどを占めておりますために、近年の人件費の高騰により事業財政は極度に悪化の一途をたどっておりまして、このまま推移してまいりますと、国民の基本的通信手段である郵便サービスの確保すらむずかしいこととなるおそれも生じてまいります。したがいまして、この際、皆様の御理解を得て料金改正を実施して、この窮迫した事業財政を立て直してまいりたい、かように考えておる次第であります。
#173
○藤原房雄君 最初にお断りしておきましたように、料金を上げる話はまあいつもその席に立ちますと話をするので、そういう話は十分聞き飽きたと言うと失礼ですけれども、そうじゃなくて、そのことはこれからまた法案審議でやるわけでありますから、午前中もお話ございましたように、大臣は今回初めて大臣になったわけじゃないわけですから、たとえそれは二十年前といえども過去の経験があり、また長い時間を経て大臣の地位に立つ、それだけに二十年前と今日、こういう観点から時代の推移、その中にありまして特に改革しなければならないところ、また改善しなければならないところ、そういういろいろなことをお考えになって、しかもその担うべき郵便、貯金、保険の三事業を初め、電気通信及び電波、放送のこの大事な行政の分野をつかさどっておる、こういうことから、大臣のお考えがあってこの公共福祉の増進ということをここで強調なさったのだろうと思うのです。
 メモを読みながら、ただ料金を上げなければならぬ、人件費が大変なんだというそういうお話じゃなくして、もっと前向きな、大臣のその心の中にある、こういう大事な大変な時でありますから、積極的な取り組みの姿勢といいますかね、そういうことをひとつしっかりお述べいただきたい。そんな泣き言みたいなことじゃなくて、お考えがあったらひとつお聞かせいただきたいということなんですけれども。
#174
○国務大臣(村上勇君) 結局、物価を抑制するということか前向きの――私は、料金等の問題を解決する基本条件は物価を抑制するということであろうと思います。これはもう御承知のような状態でありまして、どうして物価が上がっているのだ、物価はこういう事情だというので、与党には与党、政府には政府のいろいろ弁明があるでしょう。しかし、もう何とかして物価を抑制していくということに、まず、この三木内閣はほとんど死力を尽くすということが三木総理の考え方であり、われわれもこれに同調しておるものであります。これさえできれば、結局、賃金もある程度平衡になってくる、そうすれば別にいろんな公共料金、その他の料金というものを上げるということがなくなるのでありますから、本当に基本的なものはどうだと言われれば、物価を抑制する以外にないというようにお答えする以外にございません。
#175
○藤原房雄君 いま内閣の最大の課題は、いまおっしゃるように物価の抑制であることはこれは当然です。
 大臣、いいですか、しかし、この所信表明で、現下の厳しい社会情勢の中ではあるけれども、この郵便、貯金、保険の三事業と電気通信及び電波、放送の各行政の分野というのは非常に大事な役割りを担っているわけですね、国民生活に密着した。そういう観点からいたしまして行政は厳しいかもしれない。しかし「公共の福祉増進に資するよう私どもに課せられました重大な使命を果た」すためにかくかくと、こうあるわけですね。これは大臣が書いたんじゃなくて、だれかが書いたというんなら別ですけれども、やはりこうお書きになるからには大臣の今後に対するお考え――何もない、物価が高いから上げる以外ないんだという、そんなことではないだろうと思うんですけれども、その辺のところはどうでしょうか。
#176
○国務大臣(村上勇君) 郵政省は、全国津々浦々に散在しております二万一千余りの郵便局を通じて、国民の日常生活に密着したきわめて公共性の高い郵便、貯金、保険の三事業を行っておりますが、これらの事業を通じて、たとえば盲人用郵便物の無料扱い、簡易保険の老人福祉施設の設置等、国民福祉の増進に努めております。また電気通信、電波、放送の行政分野におきましても、国民生活の発展向上を図り、老人福祉電話に対する優遇措置、身体障害者に対する放送受信料の免除等、社会的弱者に対する諸施策を講じているところであります。
 今後とも、これまでと同じように、国民の期待に沿って諸般の事業及び行政を円滑に遂行してまいりたいと考えております。
#177
○藤原房雄君 郵便事業、これは法案が出ますので、そのときにまた詳しくなりたいと思うのでありますが、一つだけお聞きしておきたいと思います。
 いまも大臣からお話ございましたけれども、赤字の根本的な解決策ということになるわけですが、これは今後いろいろな角度から論議され、私どももまた時間をかけていろいろな角度から討議をしたいと思うのでありますが、いずれにいたしましても、今度の値上げは郵便料金全体で二倍半ですか、相当な値上げになる。ものによっては五倍というこういうものもあって、空前の大幅の値上げですね。この政府の案が実施されたとしましても、事業の財政の健全化というものはほど遠い。赤字の増大を減速させるにとどまるということであって、決して数年間健全に財政運営ができるということではないわけですね。こういうことから、いま一時しのぎといいますか、公共料金抑制、いまも大臣のお話ありましたように、物価抑制という大きな枠組みの中で郵便料金が据え置かれた、当初はもっとはがきが三十円だったのが二十円に抑えられたという、こういういろいろないきさつもあろうかと思いますが、いま政府が考えているこの値上げ案を実施いたしましても赤字の増大がやや減速になるということであって、根本的な解決策ではないわけですね。当面もうすぐ次のことを考えなければならぬというこういうことで、郵便財政の再建問題としては今後に大きな課題が残されておる。
 こういう問題について、これはいろいろな要因があるわけでありますから、あらゆる角度から検討しなければなりませんし、事業の存続基盤自体に大きな変化を来しておるということですから一朝一夕にできることではないだろうと思うのでありますが、これは国鉄料金の値上げにおきましても、十年間を見通した財政再建計画というものを立てますね。郵政省の場合には、料金の値上げによって何年間で大体この赤字を解消するであろう、こういう意味で長期の考え方の上に立ってかくかくこれだけの努力をする、料金についてはこうしなければならぬ、こういう財政再建のための長期の計画というものがどうも郵政省においては今日までの値上げのたびに痛感するわけでありますけれども、プランがない。しかし、今度、去年の九月ですか、「郵便の将来展望に関する調査会」というものを設置して、ここでいろいろ検討してもらおうということのようです。
 とにかく大臣が二十年前大臣であったときと今日では社会情勢がものすごく変わっているわけでありまして、いろいろな面で一度改定をいたしますとそれが数年、十数年続くという、これから見ましても、そんな社会情勢では恐らくないでしょう。こういうことから、この調査会というものがどういう結論をこれから出すのかよくわかりませんけれども、とにかく財政再建のための長期のプランというものを立てて、その上に立って郵便事業のあり方というものをさらに深く掘り下げ、新しい時代に適応するものを考えていかねばならぬ、実施しなければいかぬ、それでこそ二十年前に大臣であった村上郵政大臣が再びここに登場した意義もあろうかと思うのですけれども、この「郵便の将来展望に関する調査会」の性格なり、また今日までの経過と、これらに対する大臣のお考えをお聞きしたいと思うのでありますが、いかがでしょう。
#178
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 ただいまお話の中に出ました郵便の長期のビジョンと申しまするか、を検討する調査会、まあ研究会といいますか、というものは、昨年の九月から、内外の学者の皆様方に御参加いただきまして、すでにもう数回の議論をしていただいておるわけであります。
 その調査会の使命と申しますか、いろいろな通信手段が目まぐるしい変化を遂げ、進歩発展している中で、郵便というものの将来の展望、そういった他の通信手段等との比較の中でいかにあるべきかという基本的な点を研究し、調査していただくということでお願いしておるわけでございまして、これはかなり息の長い、当初から約二年間くらいを目途に審議していただくということで、現在、継続して審議していただいているわけでございます。
 それから、いまのこの調査会はそういった趣旨でございまするので、必ずしも事業の経営をいまいかにすべきかとか、あるいは合理化をどのような点でやっていかなきゃならないかというような、すぐ実践的な具体的な結論を目指すのではなくて、いま申し上げたようなもう少し長期のビジョンというようなことを中心としておるわけでございます。
 それのほかに、昨年の郵政審議会の答申の中でも、いつも郵政省のやり方は郵便料金の値上げが必要な時期になって急にこういったような問題を郵政審議会に諮問して答申を求めるということはどうもうまくないから、もう少し平素から、常設的な委員会と申しまするか、郵政審議会の中のものになりまするか、あるいはまた郵政審議会の委員の方も加わっていただいた別の委員会になりますか、ひとつそこの方でただいま先生の御指摘のような長期の事業の経営展望を検討して、国鉄等でもやっておりまするような事業の再建の長期計画というようなものを十分検討してみたらどうかというふうなことがその答申の中にも述べられておるところでございます。
 これは、現在、われわれの方もその方向でいろいろのどういう人に加わっていただいたらいいかということで、これは今回別途お願いしております料金値上げとは別に検討していただく場をつくるべく、現在、いろいろ段取りを考えておるところでございます。
#179
○藤原房雄君 答申にあるのは私も承知しておりますが、そういうことで、いままで国鉄なんかから見ますとずっと黒字できておったという、厳しさがなかったということが言えるのかもしれません。それだけに、今日、郵便事業というものがこういう大きな変化する社会に対応できなくなったという非常に大変なときを迎えておるわけでありますから、ほかの事業なんかから見ますと、いままでは安泰であった、そういう危機感といいますか緊迫感がない。それだけに本当に真剣に取り組みませんと、ただ一時的な料金値上げだけで、開口一番大臣が口を開けば料金がなんていうような、そんなことではだめだということを私は言っておるのでありまして、もっとひとつ積極的に、いままでとはもう時代が違うのだという、まあさっき午前中も発想の転換とか、いろいろな論議がございましたけれども、そういう観点に立ってひとつ真剣な取り組みをしていただきたい、こう思うのです。
 次は、ここのところで大臣所信表明の中に「郵便サービスの確保に努め」ましてというのがございますが、言葉じりをつかまえて云々するわけでは決してないのですけれども、「昭和五十年度は、この措置によりまして極力事業財政の改善を図り、国民の最も基本的な通信手段である郵便サービスの確保に努めて」云々と、これは当然のことでありますが、しかし、去年の暮れに出た答申から言いましても利用者の協力を求める部分が非常に痛烈にわれわれの印象に残るわけでありますが、いままでの料金改定に当たりまして、四十一年には普通郵便物の航空輸送ですか、こういうことや、四十六年には郵便日数表というもので送達速度の安定ということをやはり郵便サービスとして、料金値上げがあってもこういうことはこのように改善しますということをやってきただろうと思うのでありますが、しかし、今回は、利用者に協力を求めることが多くて、こういうふうに大臣がせっかく「郵便サービスの確保」ということを筆をとってお書きあそばしたのだけれども、具体的にはちょっとまだ十分な説明も聞いておりませんから何か腹案があるのかもしれませんけれども、この間のことについては何かお考えがあるのか、このことについてはどうお考えになっていらっしゃるのか、この「郵便サービスの確保」ということにつきましてのことについてお聞きしたいと思うのです。
#180
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 確かに、いま御指摘のように、昭和四十一年と昭和四十六年にそれぞれ郵便料金の値上げをお願いいたしたわけであります。
 四十一年のときには、御指摘のとおり、第一種、第二種の普通郵便も飛行機に載せる、速達以外のものも載せるということをサービスとして開始いたしました。また四十六年の改定の際には、従来いわゆる郵便のダイヤと申しますか、郵便の標準送達日数表というものを全国の主な郵便局に掲示いたしまして、国民の皆様方にそのサービスをお約束するということがあの料金改定の際の一つの私たちの方のサービスと申しますか、お返しと申しますか、適切な言葉がございませんが、お約束を申し上げて今日まで至っておるわけでございます。
 その中で一、二種の航空機搭載の問題は、御案内のように、ずっと継続してまいりましたけれども、昨年あたりからのいわゆる航空機の騒音問題が伊丹飛行場その他全国の主要な飛行場で起こりましたために、従来の夜間の専用の航空便を飛ばすということができなくなりましたために、その当時お約束いたしました予定よりも少し郵便の日数がおくれておるということが現実でございます。したがいまして全国の郵便局に掲示いたしておりまする日数表も、そういったことの差を織り込んで若干延びるような日数表になったわけでございます。
 今回の料金値上げで、そういった点で何か約束するものがあるかというお尋ねでございますけれども、これは、現在、その当時お約束いたしました郵便の日数表自体が年間を通じて平常月におきましては大体九割程度、その日数表どおり郵便は送達されておるわけでございますけれども、なお一〇%程度のものは平常においてもそのとおりいっていない部面がありますことは非常に申しわけないことでございます。なおまた、いわゆる組合の闘争期間中等におきましてはそのダイヤどおりにいかないということで、これまた非常に郵便の遅配ということになりまして御迷惑をおかけしておるわけでございます。
 今度の料金改定で、私たちのほうも一番皆様方にお約束しなければならないのはまさにそのことであろうと思うのでございまして、ただ単に迅速をとうとぶということではなくて、確実に正確に何日で届くものかということがお約束できるということが一番大切なわけでございまして、現在の状況は必ずしもそういうことが確保されていないということで、私たちも非常にその点に苦心をいたしておるわけでございます。今度の料金改定に当たりましても、私たち一番その点に力を入れまして、これはわれわれ郵便関係に携わる者が、全国それこそ、先ほど大臣のお言葉にありましたように、労使一体となりまして国民にお約束したサービスを確保するように最大の努力を申し上げるということしかないし、また、これが一番大切な利用者に対する料金値上げの際のお約束であり、その点に、当然のことでございますけれども、従来必ずしもうまくいっていない点を最大確保するようにしたいと考えておる次第でございます。
#181
○藤原房雄君 こういう時代ですから、なかなか大変な面もあろうかと思いますが、まあ大変苦慮しているようです。
 これはひとつ国民に、今度の答申を見て、先ほど申し上げましたように利用者に協力を求めるだけではなくして、やはりひとつ努力目標といいますか改善の目標といいますか、そういうこともひとつはっきりさせていただく。それは料金値上げをするとかしないとかということとは別にいたしましても、これは当然過ぎるほど当然であり、大臣の所信表明の中にもあるわけでありますから、ひとつ改善できるところは積極的な姿勢で取り組んでいただきたい。
 これは衆議院でもお話しになったようでありますが、大臣が一月に自分の選挙区にお帰りになったときに、身障者とか生活保護世帯に対しての無料はがきのお話をなさったそうでありますが、先ほど来もお話ございましたように、三木内閣の表看板であります福祉ということから考えまして、大臣のこの発言というのは非常にわれわれも歓迎して見ておったわけでありますが、日ならずしてそれが打ち消されたということ。確かに郵政省だけでできることじゃない、主管官庁でありまする厚生省とかといろいろな協議がなされなければならないかもしれませんが、やはりこういう時代に即応したあり方として大臣もいろいろお考えになって発表なさったのではないかと思うんですけれども、どこからどういう圧力があるか知りませんけれども、簡単に引っ込むのじゃなくて、やはりこれはこういう時節柄こういうときに最もふさわしいことでもありますし、信念をお持ちになってやっぱりこれは実現させるために努力なさるということも必要なことだろうと思うんですけれども、決して大臣の言ったことを揚げ足を取って云々するのじゃありませんが、せっかくの御発想が幾日も日ならずに引っ込んでしまって鳴りを静めてしまう。そういうことじゃなくて、やはり時代に即応した目で積極的な姿勢で施策をしていただきたいと思うんです。
 はがきがだめならば、それにふさわしい郵便切手、いままあお年寄りの方が手紙を出すというのはなかなか大変なことかもしれませんけれども、いろんな切手が出ておるわけでありますし、そういうこともまた一つの考えだろうと思うんですけれども、やはり福祉政策というものが何らかの形で各省のいろんなところにそれがにじみ出ておるということが、閣議としてもこれは大いに討議なさらなきゃならないと思いますけれども、どうでしょうか、それは。
#182
○国務大臣(村上勇君) 実は、今回の料金改正に当たりまして、現下の諸情勢から生活保護世帯などへははがきを多少でも交付してはどうかというような意見も一部にありまして、それで検討はいたしましたが、適切な保護施策につきましては、やはり所管官庁が保護世帯の生活全体の向上という総合的な観点から実施するのが適当であると考えられますので、実施は見合わせることとしたというのが私どもの内輪の話でありました。ところが、今回の料金改正に当たりまして、はがきを三十円を二十円というようにいたしましたので、家計の負担をできるだけ軽減することができたというようなことで、郵便利用への配慮をしたところであります。
 で、大分でどうもそこまで私は言ったつもりはないんですけれども、私の口が滑ったのか、くにの方でも何かはっきり肯定したような新聞が出ておりまして私も驚いたんですけれども、とにかく政府全体として考えなきゃならぬことでありまして、郵政省だけがそういう福祉施策を勝手にやるということはこれは控えなきゃならないと思っておりますので、まあそういうことで一応、どうも私は口が走ったとは思わないし、非常にそういうことは慎重にやる方なんですけれども、そういうふうに書かれたんですから、そう言ったんだろうと思いますが、そういうことでひとつ御了解願います。
#183
○藤原房雄君 口滑ったって、そういうことがお考えの中にあったから仰せになったんでしまうし、そういうことはどんどん閣議等におきましても積極的にひとつ御発言いただいて、発言の場がいろいろあろうかと思いますが、なるほど大物大臣が郵政省にいらっしゃったという、そしてまた新しい時代を指向する施策が村上大臣によって先鞭をつけられたというように、ひとつがんばっていただきたいと思うんです。まあこれは法律の改正で、この点についてはまたいろんな論議がございますので、次に移ります。
 貯金事業について一つだけお聞きしたいんでありますが、この中で大臣は「今後とも、国民に魅力のある貯蓄手段を提供し、健全な資産形成に寄与しつつ、貯蓄の増強に努力する」、このように仰せになりました。
 これはもうもっともなことでございまして、「魅力のある貯蓄手段」というお言葉をお使いになったわけですが、何か今後に対して国民受けするといいますか、いろいろなお考えがあってこのようなお言葉をお使いになったんだろうと思いますけれども、現在、何といっても物価上昇、これを抑えるのが三木内閣の最大の課題であろう、物価上昇率は一応鎮静化の方向に向かったとは言いながら、なお一五%ようやく抑えることができたかどうかという現状です。ここで一番問題になるのはやはり預金の目減り対策、これを講じなきゃならないことは当然のことでありますが、「国民に魅力のある貯蓄手段」と言うからには、やはりこの目減り問題に対して何らかの措置がとられることが国民にとっては一番の魅力あるということになろうと思うんです。
 以前にも、大蔵省とのいろいろな討議の中で老人・福祉預金ですか、こういう案も討議されたことがございましたですね。これは実現可能というようなことで大分大きく取り扱われたこともあったんですが、これはどうなったでしょうか。また、そのことは別にしましても「魅力のある」と言うからには、こういう目減り対策を中心とした、これは大蔵大臣・大平さんも、また福田経済企画庁長官・副総理も、預金の目減り対策については何らかの処置を講じますという、これは先国会においても力説しておったわけですからね、貯金事業という立場でこれに対する何か具体的なお考えがございましたら、お伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(村上勇君) 国民に対して簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に提供するとともに、その経済生活の安定を図り、福祉の増進に寄与することが国営貯蓄機関としての郵便貯金の役割りでありますので、ここ数年、住宅積立貯金や預金者貸付制度を創設し、また総額制限額を引き上げるなど制度の改善に努めてきたところであります。今後も経済生活の変化や金融サービスの需要の変化に対応して工夫をしていかなくてはならな
 いと考えております。
 目減り対策にいたしましても、先般もお答え申しましたように、すでに数回となく金利の引き上げ等もやっておりましたが、今国会には、預金者貸付制度の拡充のため貸付限度額の引き上げのほか、郵便貯金も財形貯蓄制度の対象とするよう法案を提出いたしておるような次第であります。
#185
○藤原房雄君 貸付制度の引き上げとか、まあそれは自分のお金をあれするんですから、ほんとに預金者に対する目減り対策として、それは国民が納得するものじゃないでしょう。
 前にいろいろ案がありました老人・福祉預金のような形のものは、これは大蔵省との折衝でどうなったですか。また、今後のこれの持っていき方としては、どのようにお考えになっていらっしゃるか、その点をちょっと。
#186
○説明員(寺島角夫君) 大臣のお答えを補足させていただきます。
 老人・福祉貯金という考え方が以前に、当時自民党の通信部会の部会長私案という形で一時出されたことがございまして、それは政府案として至らない前に、いわば案として結実をしない形で終わったわけでございます。
 その後、先生御案内のとおり、昨年の暮れと思いましたが、国民生活審議会が目減りの対策といたしまして具体的な中間報告を出しております。こういう問題の中には、たとえば一案といたしまして、老齢者を対象として額面を物価上昇率で調整するいわゆる特別貯蓄国債の発行であるとか、あるいは小口の預金につきまして一定の限度額を設けまして、それにつきましては特別に利子を上積みするいわゆる特別利子制度というふうなものの示唆が行われたわけでございます。
 こういう点につきましては、われわれといたしましても、十分に検討に値する問題と、また検討しなければいけない問題と考えておる次第でございますが、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、いろいろといままで目減りという問題を頭に置きまして利子の引き上げ等その他の措置をやってきたわけでございますが、たとえばこういう特別利子制度等を導入するといたしますと、それにつきましては支払い利子の増大という問題も生じまして、それに伴いまして資金運用部への預託利率の引き上げの問題等いろいろな問題も生じてまいりますので、関係方面とも十分打ち合わせながら、各般の情勢も見ながら慎重に検討してまいりたいと現在こう考えておる次第でございます。
#187
○藤原房雄君 それじゃ各事業について一つずつ簡単に聞きますが、次に保険のことをちょっとお伺いしたいと思うんです。
 これはいろんな問題あるんですけれども、時間もございませんので簡単なことだけ申し上げますが、ここでも大臣が触れておりますように「加入者サービスの向上」ということをお説きになっていらっしゃるわけですが、私どもがいろいろお聞きして感ずること、それからまた国民生活審議会等におきましても保険サービスにつきまして言っているわけでありますが、保険は契約する消費者にとっては長期にわたる高価な買い物である、それだけに十分な比較情報に基づいて合理的な見通しのもとに選択が行われる必要がある、こういうようなこと。そしていわゆる無理募集とか義理募集の例に見られるように、その面から見て不備や不十分が多い。
 これはおしなべて保険サービス全体のことを言っているわけで、簡易保険事業のことだけじゃ決してないわけですけれども、最近は、政府も通産省や農林省は週刊誌等で、また経済企画庁は物価上昇とかいろんな政府の政策につきましてPRをするようになっていますね。郵政省も、手紙を出しましょうじゃないけれども、手紙のことについて何度か出したのを記憶しておりますが、この保険業務につきましては外務員が来て、そしていろいろなお話を聞くということで、やはりいろんな多種多様なものがございますので、それが事前に、国民生活審議会の報告の中に言われておりますように、比較情報に基づいて合理的な見通しのもとに選択のできる必要、こういう情報が十分に提供されていなければいかぬ、こういうことも言われているわけでありますけれども、これは当然のことだと思います。テレビとか新聞とかマスコミを通じて、こういう保険の内容について一般国民にわかりやすいように情報を提供するという、こういうことを積極的に行うことが必要ではないか。
 現在までも、これは全然してないとは私は言いませんけれども、現在、利率のことにつきましてもいろんな変化があったり、一般国民に、また加入者に対して徹底しなければならないことがたくさんあるわけでありますが、こういう情報化社会の中にありまして、テレビ、新聞、いろんなマスコミを大いに利用してその趣旨を徹底するという、こういうことは簡易保険事業の中でもややほかのものと比較して少ないように思うんですけれども、この件につきましてはどのようにお考えでしょうか。また今後なさろうとするお考えがございましたら、おっしゃっていただきたいと思います。
#188
○国務大臣(村上勇君) 簡易保険事業といたしましては、国営の任意生命保険として、より良質な保険をなるべく安い保険料で提供するため、常に加入者サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
 具体的には保険金最高制限額の引き上げ、新種保険の創設を初めとする諸制度の改善、加入者の負担軽減につながる簡保資金運用制度の改善など、社会情勢の推移に伴って多様化していく加入者の要望にこたえるべく諸施策の推進に努めているところであります。また簡易保険事業の独自の加入者サービスであります加入者福祉施設につきましても、加入者の需要動向に即応して一層の充実を図ってまいるつもりであります。
#189
○藤原房雄君 いろいろお聞きしたいことがありますが、次は、過日、お話ございました電電公社の事業概況説明をこれからちょっと一、二お聞きしたいと思います。
 この中で総裁の「今後とも通話の利用促進等の増収努力を通じ、収入の確保に努めるとともに、支出面においても、一層の経費の効率的使用に配慮する所存であります」というお話がございました。まあきょうもいろいろな論議がございましたので、その中に含まれることかもしれませんけれども、せっかく総裁がこのようにお話しくださいましたので、このことについて具体的にお考えになっていらっしゃることをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#190
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 電電公社といたしましても、本来非常に、ことに石油の高騰に伴う物価の騰貴、またそれによって昭和四十九年度の仲裁裁定の大幅なアップというようなこともありまして、経営上に非常に苦しい立場に立っておるわけであります。
 それに対しまして特に増収を図るということと、それから当然これはこういう事態にならなくとも本来経費の節減、そういうことについて十分しなければならない。通話の利用促進につきましては、特に電話というものが国民生活に密着しているということもありますし、そのほか、従来、これは外国でもやっておるのですけれども、一々乗り物に乗らないで、たとえば自動車あたりに乗らないで、ある程度話を電話を使って済むものは電話を利用してやるというような、そういう点の通話の利用促進。それからまた電話の架設等に対しましても設備のあるところはなるべく年度の早めに架設する。自動改式みたいに局舎が建たなかったり、あるいは端子増設等ができなかったところは別でありますけれども、設備のあるところはなるべく早く稼働する、そういうことで通話の利用促進を図り、そして収入の増加を図る、これをぜひやりたいというふうに思っております。
 それから支出面につきましては、先ほど申し上げましたように、冗費を節約する、それは当然でありますが、そのほか資源エネルギー等にも着目いたしまして、公社の中で前々からクリーンリサイクル委員会というようなものも大がかりにつくっておりまして、そういうところでエネルギーの利用をセーブするとか、あるいはまた資材を活用するとか、こういうことを今後とも極力やりたいというふうに考えております。
#191
○藤原房雄君 何といいましても、先ほどお話ございましたが、一年間の投資規模がことしは一兆三千億ですか、非常に大きなお仕事をなさるわけで、この工事に伴ういろいろな問題があるようでございますが、きょうは時間もございませんので詳しいことは一々申し上げません。
 とかくに電電公社さんのお仕事というのは各地方の大きな業者の方にお仕事を入札させ、そこからその下々と請負の方々がお仕事をなさる、こういう形態をたどるようでありますが、私はきょうは時間もございませんので一々むずかしいことは申し上げませんが、これは、過日、千葉県の野田地区ですか、あそこの工事の請負のことについていろいろお聞きしておるわけでありますが、現在のこの不況の中にありまして、不況の波に押されて倒産する会社もございまして、電電公社の仕事を請け負いながら倒産なさって、そこでお仕事している方が実際賃金がもらえないというところの問題があったわけでありますが、ここのことについては前にもお話ししておりますので十分掌握しているんじゃないかと思いますが、ちょっとその辺のいきさつをお話しいただきたいと思います。
#192
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま先生の御質問は千葉県の野呂地区におきます目黒通信建設が公社と契約をいたしました舗装先行工事だと思いますが、この件につきまして作業者の賃金の未払い問題が起こったということでございまして、若干筋書きを申し上げたいと思います。
 私ども契約いたしております目黒通信建設を通して調査いたしました結果でございますが、目黒通信建設が、昨年の四十九年の十一月末に、この舗装先行工事の作業者の中に賃金の未払いがあるというようなうわさがありまして、下請業者及び作業者から目黒通信建設が事情を聴取いたしました。その結果、この工事は十一月に終わっておりますが、終わった後で十月、十一月の賃金が未払いであったということを確認してございます。
 そこで、目黒通信建設は、作業者の方から個人別に未払い調書を提出してもらいまして、その確認と下請業者に賃金の支払いを促進するように指示いたしたものでございます。さらに目黒通信建設は、その下請業者から、中心の方は沢内さんという方でございますけれども、沢内さん外六名に対しまして十二月の上旬に一次分の支払いを完了したという報告を受けてございます。経過的には、その後、目黒通信建設は、十二月の下旬に、沢内さん外六名がまだ未払い賃金があるのだということで十和田労働基準監督署を通じまして請求があるということを、千葉労働基準監督署から連絡を受けております。
 私ども、前々から、こういった問題につきましては、元請の業者に対しまして下請との関係を適切にするように指導しておりまして、いろいろとその点については努力をしてまいっておるところでございますが、こういった関係で目黒通信建設は――元請業者でございますか、沢内さんが東北の方にお帰りだったそうでございますけれども、電話連絡をとりまして、これらの未払い賃金額についての了解を得た上で第二次分として支払いを完了した、こういうふうに私どもは聞いております。
#193
○藤原房雄君 支払いを受けたことは事実のようでございますが、これは電電公社さんが直接その責めにあるということでないかもしれません。商行為、道義上、いろんなことかもしれないのでありますが、これは仕事の性質上、よく御存じのとおり、東北から出かせぎに参りました方々でありますから、一日決まり切ったお金ではなくして、やはり請負といいますか出来高払いといいますか、こういうことでお仕事をする、大体の仕事はそういうことでやるんじゃないかと思います。また、ある仕事では常用といいますか決めたお金で仕事をする、こういうことで出来高払いでお仕事を各人がそれぞれお話ししてやった仕事とそれから常用としてした仕事とあるわけですね。
 そこらあたりの区分ですが、労働省はちょうど法案の審議できょう来れないと言うものですから、きのういろんなお話をして、これは労働基準法の第二十七条にも出来高払いの保障額というのがございますけれども、実際、その仕事の性質上全部常用としてやったんではないということから、まだもらい分があるんだということがどうもあるらしいです。ですから、そこのところを十分にひとつお調べいただきたいと思うんです。
 これはどこにも頼るところがないものですから十和田の労働基準監督署へ行きましたら、それは出来高払いとそれから常用のときと、それは両方もらえるんだというお話であった。千葉の方でどういういきさつかあったのか。全部計算――賃金の支払い状況というのは常用としてお働きになった日数で計算しておるわけです、これは日誌を見たかどうしたか。とにかく相手は倒産しておるわけですから、大生通信というのは。ですから、どういう約束になっているのかということが目黒通信建設でつかみ得ないのかもしれませんが、それはここに大体こういう仕事で幾らというのは私どももあるんですけれども、それは確かに仕事の性質上出来高払いでやっている仕事もあるわけなんです。こういうところのことがきちっと立て分けてないところから来ているんじゃないかと思います。
 きょうは、労働省の方いらっしゃって、この辺のことをきちっとしていただけば、またお納得いただくんじゃないかと思うんですが、きょうは、どうしても法案の審議で来れないということで、これはきのう十分にお話ししておりますので、これひとつ御検討いただきまして、その間の事情について、おのおのの方がどういう出来高払いの約束で仕事をしておるか。
 もう一つ問題なのは、大生通信土木という会社はむつ管工が倒産したもので社長さんが同じ形で出ているということで、電電公社さんはなかなかこういう下請業者には非常に厳しいはずなんですけれども、実際この仕事をしているのが前に倒産した会社がまた再び仕事を請け負っているようなこんな形になっているわけです。私はこの会社の内容や一々詳しいこと調べたわけじゃありませんけれども、やはりこの下請に対しましても、電電公社として直接お仕事をするのじゃなくて、特一とか一級とかというところにお仕事をさせる、こういう請負制度そのものについてもいろんな論議があろうかと思うんですけれども、現在の形態の中ではこれはやむを得ないものでしょう。それだけにどうしてもこれはしわ寄せが、実際仕事をする孫請といいますか、下の下の方にいろんなこういう問題が起きるわけでありますので、十分に指導し、実態というものを掌握いたしませんと、単にたまたま千葉でこういうことが起きたということじゃございませんで、こういうことがもうあちこちにあるということです。
 私どももあちこち歩きまして、そんなお話聞いておりますが、やはり電電公社さんにこういう問題が聞こえてはならないということで、自腹を切って本当に大変な中をお金を払ってやっているところもたくさんあるわけです。たまたまここはどろんしてしまったからどうしようもないということで問題が浮かび上がったということです。これはひとつぜひ御検討していただいて、この実態の把握をしていただきまして御検討いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#194
○説明員(山口開生君) お答え申し上げます。
 ただいまいろいろと私どもの業界のあり方について御指導いただきまして、ありがとうございました。
 いまございましたこの目黒通信関係につきましては、先ほどもお話がございましたように、実は社長が現在見つかりませんので私どもも詳しい事情を知ることに苦慮しておるわけでございますが、できるだけ早くそういう点も確かめまして善処さしていただきたいと考えております。
 なお、私どもの電気通信工事につきましては、これは全国的なネットワークを構成するということで非常に品質の高い工事を進めてまいっております。したがいまして公社が直接発注いたします工事業者といいますのは、やはり高い技術力なり経営能力なり、そういったものを持っている業者に発注してございますので、また、その下請関係につきましても平素からこういった御指摘のような問題がないように指導しているつもりでございますけれども、今後とも、一層そういう点に配慮してまいりたいというふうに考えます。
#195
○藤原房雄君 もう一つ申し上げたいんですが、やはり今回の場合は目黒通信さんとそれから太陽工業さん、それから大生ですね、その下で仕事しておるということですから、まあ三つも四つもなるわけですけれども、そこで下の実際仕事をする人がそれを請け負うから仕事をやるということで、それは商法上当然のことかもしれませんけれども、実際、大変な犠牲といいますか無理なお仕事がどうしてもある。この間については、過日、衆議院におきましてもずいぶんいろいろ問題になったようでありますが、そこらあたりの下請のときの歩合といいますか、この問題につきましても間々論議のあるところだと思います。
 それから、一昨年から去年にかけてのような大きな経済変動がありますと、これまた非常に大変でして、建設省等におきましてはインフレ条項ということで、工事に対しまして実際に資材費と請負代金の金額が適合しなくなる、こういうことについて十分配慮するようにという通達も出ていることはよく御存じだと思いますが、電電公社さんにつきましても、こういうことについてオイルショック当時、一昨年、昨年、こういう処置をおとりになったのかどうか。どうも実際下の方でお仕事をなさっている方には余りこういうことが行き届いていないみたいに思うんですけれども、あの異常な状態の中で業者に大きな負担をかけてしまうようなこと、そんな無慈悲なことはしないだろうと思いますけれども、どういう処置をとられたのか。建設省から諸官庁に出しましたインフレ条項等についてはよく御存じだと思いますけれども、こういう問題についてもどういうふうに処置なさったかということをひとつお聞きしたい。
 いずれにしましても、中小企業の倒産等につきましては、必ず賃金不払いという問題が出てくる。これをどうするかということは、いま国会においてもいろいろな雇用保険法のときにも附帯決議に出ておりまして、五十一年度、来年度には何らかの形でこれは検討されるだろうと思うんですけれども、いずれにしましても電電公社というこのお仕事の性質上、こういうことについての十分な指導監督、そして決して仕事した者に対して不当なことがあってはならないということで十分な配慮をすべきじゃないか、こう思うんですが、この間についてはどうでしょう。
#196
○説明員(三宅正男君) 確かに先生お話しのとおりに、石油ショック以来のいろいろな材料費の値上がりあるいは人件費の値上がり、これに対しまして建設工事業界は非常にむずかしい立場に置かれておったと思います。
 電電公社におきましても、大体、建設省の措置にほぼならったような形で、インフレ条項の適用等につきましても、昨年の一月以来でございますか、一回、二回、相当大きな措置をとっておりまして、そういった形で余り業界に非常に大きな圧迫になるようなことはなかったというふうには考えておりますが、まあそういうことで何とか工事も遂行できた。また、私ども確かに完全な工事ができませんと、これは後でこれを運営いたしまして通信サービスを提供する上にも非常に害をなすということにもなりますので、そういった点についても十分よく考えて措置をいたしておるつもりでございます。
#197
○藤原房雄君 一言だけ。いろいろ処置しているようですけれども、下の方に配慮していないという実態もございますので、そういう直接なさったところに対しての配慮とともに、どうしてもそういう下請という形でお仕事なさるわけですから、そういう実際仕事なさるところにも十分な配慮をしていただきたいというのが私の趣旨でして、その点よろしくお願いします。
#198
○説明員(三宅正男君) 下請等の指導につきましても、元請業者にかねがね非常にやかましく言っております。先ほど建設局長も申しましたように、いろいろ指導はいたしておりますが、いまのような事例が起きてまいりますと、下請管理という問題につきまして、なお一層努力をして指導していかなきゃならぬと思いますので、今後とも努力をしてまいります。
#199
○山中郁子君 三木内閣が登場いたしましてから清潔で公正な政治ということを看板にして、そして具体的には物価を抑え福祉を充実させるということを繰り返し繰り返し主張をしてこられました。私たちもう耳にたこができるほどそういうことを伺ってきました。で、けさほど来の審議の中でもたくさんの方がそのようなことを言われております。
 そこで、私はまず初めにお伺いしたいのですけれども、昨年の閉会中審査並びに暮れの臨時国会におきまして、電話料金の引き上げの問題あるいは郵便料金の引き上げの問題について種々ただし、そして私ども共産党の立場からこうした値上げは絶対するべきではないということを主張してまいりました。
 で、先ほど片山委員の質問もありましたけれども、具体的に申し上げますと、三月十二日の、私が持っておりますのは日経ですけれども、ほかにも新聞で報道されておりましたが、三月十一日に秋草電電公社副総裁が広島の中国電気通信局で記者会見をし、電話料金値上げ問題などについて、五十一年度には是が非でも値上げをしたい、場合によっては三割を超す大幅なものになるかもしれないと言って、中身をかなり具体的に話しておられます。
 で、公社の総裁並びに郵政大臣も五十一年度に値上げをするなどということは全くいま白紙の状態であるということは言明されましたけれども、三木内閣は物価大作戦というふうに主張して、公共料金がこのように軒並みに上がるということに対して一体どういう手を打つのかという国民の声並びに国会での追及に対し、公共料金の電話料金は見送ったではないかということを一つの大きな言いわけにして郵便料金の引き上げを強行しよう、こういうふうにしております。
 郵便料金の問題につきましては法案審査の際にまた詳しく私どもも追及をいたしますけれども、少なくともこの電電公社の秋草副総裁の中国電気通信局における記者会見の中身、これは全く国民を愚弄するものであり、そして不謹慎であり、同時に三木内閣の、つまり郵政省の公約と現在の姿勢に反するものであるというふうに言わなければならないと思いますが、その点についての郵政大臣と公社総裁の所見を初めにお伺いしたいと思います。
#200
○国務大臣(村上勇君) 秋草副総裁がどういうことを言われたか、私はいま承るのが初めてですか……
#201
○山中郁子君 新聞に出ています。
#202
○国務大臣(村上勇君) 私、とにかく五十年度は公共料金を電電公社が凍結してほしいということだけはっきりしておりまして、五十一年度どうするとか、先のことについては何にも触れておりません。何かの間違いじゃないかとも思います。まあ言ったとすれば個人的な意見を述べているんじゃないかとも思います。
#203
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 私、その会見に立ち会ったわけではありませんし、また、行く前に記者会見するという話も聞いておりません。
 先ほど来申し上げておりますように、七月の時点で公社の案を決めたい、こういうふうに思っております。
#204
○山中郁子君 郵政省としても、あるいは電電公社としても、伝えられている秋草副総裁の記者会見の談話の内容については否定をされているというふうに思います。間違いであったと、こう言われておりますけれども、私は電電公社副総裁として個人的な発言が記者会見で行われるはずがない、子供でもわかっているこういう理屈で逃げられることについては大変遺憾に思いますので、初めに強くこの点についての指摘をし、反省を求めておきたいというふうに思います。
 ところで、この談話の中でも秋草副総裁がいろいろ言っているんですけれども、初めは二八%というふうに思ったけれども、三〇%を超すかもしれないと、さまざまな理由を挙げて言っております。
 私は、具体的に昨年の国会で、電電公社が赤字であるということは、過大な減価償却、あるいは専用線またはデータ通信を初めとする大企業に奉仕する、そういう姿勢から生まれてくるつくられた赤字であって、それを国民の負担にすることは非常に問題があるということを追及いたしました。その際に、時間がありませんので一言だけたしかつけ加えたと思いますけれども、米軍の電電公社の回線利用の問題もこの中の一つの重要な課題としてあります。
 それで、具体的にお伺いしたいのですけれども、端的に初めに私は問題を申し上げますと、米軍が日本の公衆電気通信網、電電公社の回線網を自由に使えるような位組みになって、しかもただで、そして現実にそれが使われている形跡がある。そして過去には具体的にそうした事実があって、公社自身もそれを認めたということがあります。日本の公衆電気通信網、そして電電公社の事業というのは、戦後三十年間、国民が高い料金を払い、そして高い債券を負担して、営々として築き上げてきた日本国民の財産です。それを米軍が特権的に使用できるような、そういう仕組みになっているということについての大きな問題として、私はこの点について指摘をしたいというふうに思います。
 それで、初めに伺いますが、一般に公社が貸している専用線あるいは自営網、私設回線ですね、こうしたものと公衆網は接続ができないということになっているはずですけれども、それはどういう規定によって決められているかをお答え願いたいと思います。
#205
○説明員(玉野義雄君) お答え申し上げます。
 最初に、米軍が私どもの方の専用線ないしは公衆線を使う場合には、一般の料金と同じ料金を取っておるわけでございます。
 それから、なお、公衆線との接続につきましてただいまお話が出たわけでございますが、その点につきましては、日米安保条約に基づきましていわゆる地位協定というものができておりますが、そこの七条で、「合衆国軍隊は、日本国政府の各省その他の機関に当該時に適用されている条件よりも不利でない条件で、」役務を利用することができるという規定がございまして、さらにそれに関連しまして米軍の電気通信施設使用に関する合意というのがございまして、その中で電気通信のサービスをいたします場合の業務の範囲、程度、基準、それから料金等は直接交渉によって決める、こういうふうになっておりますので、いわゆる公衆法、それから有線電気通信法、それから拡充法等の適用が除外されておるわけでございます。
 そういう関連で、従来は、専用線と公衆線との接続につきましては除外例ということで接続できるようになっておったわけでございますが、いろいろ向こうと交渉いたしまして、法律上はできますけれども、私たちも努力いたしまして、四十六年の七月に米軍との協定の改定をいたしまして、公衆通信網との接続につきましては軍用通信のために必要な場合に限る、こういうふうに改定をいたしたようなわけでございます。
#206
○山中郁子君 事前に質問の要旨をお話ししてあったからでしょうけれども、余り先を急がないでいただきたいんですけれども、私がお伺いいたしましたのは、一般に公衆網と公社が貸している専用線あるいは自営網との接続が禁止されているはずであるけれども、それはどのような規定に基づくものであるかということをお伺いしたわけです。
#207
○説明員(遠藤正介君) それは、旧営業規則――現在、取扱規則と称しておりますが、旧電話営業規則に基づきまして、一般にはそういう規定を適用いたしておるわけでございます。
#208
○山中郁子君 一般にはそういう規定を適用して――何とおっしゃったんですか、いない……。
#209
○説明員(遠藤正介君) いや、おります。いま先生のおっしゃいましたように、いわゆるPBXと公衆線の接続を原則的に禁止をしておるわけです。
#210
○山中郁子君 原則的に一般に禁止されていることが、米軍の場合には、それが接続ができるという法的根拠はどこですか。先ほど局長は何か先走っていろいろなことをおっしゃってましたけれども、改めてきちんとお伺いしたいと思います。
#211
○説明員(遠藤正介君) 一つずつお答えした方がいいようです。
 特例法というやつです。
#212
○山中郁子君 特例法のどの条項に当てはまりますか。
#213
○説明員(遠藤正介君) 特例法の第一条によりまして、「合衆国の軍隊の用に供する電信及び電話に関する料金は、公衆電気通信法の規定にかかわらず、」云々、「合衆国軍隊の地位に関する協定の定めるところによる。」この条項でございます。
#214
○山中郁子君 それは料金問題だけだというふうに思いますけれど、接続の問題はどうなるんですか。
#215
○説明員(遠藤正介君) その点を先ほど局長がお話しをいたしましたので、この特例法というのは国内法でございますが、これのもとになっております地位協定並びに電気通信施設の使用に関する合意という日米間の合意がございます。この合意文書に基づきましてこの特例法を運用いたしております。したがいまして、先ほど局長が御説明をいたしましたように、単に料金だけでなく、その料金のもとになる制度も含めまして、一般的にこの特例法の運用をいたしておったわけでございます。
#216
○山中郁子君 この特例法というのは「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定等の実施に伴う公衆電気通信法等の特例に関する法律」という、長い名前なんですけれども、要するに地位協定に基づく特例はこういうものであるということで特例法がきめられているわけです。
 ですから、この特例法の中のどこに該当するのかということを明らかにしていただきたいと申し上げているんです。
#217
○説明員(遠藤正介君) いま先生おっしゃいましたように、この特例法自体が地位協定に沿革を発しているわけでございます、したがって、地位協定の第七条で、先ほど局長が御説明しましたように、「合衆国軍隊は、日本国政府の各省その他の機関に当該時に適用されている条件よりも不利でない条件で、日本国政府が有し、管理し、又は規制するすべてと公益事業及び公共の役務を利用することができ、並びにその利用における優先権を享有する」、こうなっておりまして、さらにこの補足的な先ほど申しました日米間の合意事項によりまして、施設及び区域外における保留回線サービス、他加入区域サービス等の電気通信及び電波の業務の範囲、程度、基準及び合衆国軍隊が支払うへき料金は直接交渉によって決める、こういうぐあいになっておるわけです。これに基づいて特例法というものが国内的に成立しておるわけでございます。
#218
○山中郁子君 一つは、それでは初めにお伺いしたいんですけれども、「合衆国軍隊は、」――つまりこれは地位協定の第七条です、公社の方が論拠として持っていらっしゃいます。その「合衆国軍隊は、日本国政府の各省その他の機関に当該時に適用されている条件よりも不利でない条件で、」となっておりますけれども、それでは私設回線あるいは専用回線に日本国政府の各省その他各機関が全部つないでいるということを意味しているわけですか。
#219
○説明員(遠藤正介君) この日米間のあれができました当時においては、先生のおっしゃるとおりでございます。
#220
○山中郁子君 実際問題として、特例法がこういう形で決められている――第一条から第三条まてですけれども、第一条は料金についての例外措置と、そして第二条は債券負担の関係だというふうに思います。そして第三条は自営網を持つことができると、こういうことだというふうにこれは読めますけれども、それで間違いありませんか。
#221
○説明員(遠藤正介君) 特例法そのものについては、そのとおりでございます。
#222
○山中郁子君 それでは、この特例法からはどこからも米軍に対しては優先的に特権的にそうした接続が許されるということは全然出てこないんじゃないですか。
#223
○説明員(遠藤正介君) 先ほど申し上げましたように、第七条の中で、先生も御指摘のように、現在日本国政府に対して提供しております条件よりも不利でない条件、つまり当時一般の警察通信なり――当時、自衛隊と申しましたところかもしれませんが、自衛隊に対して持っておりました条件より不利でない条件で米軍と合意をしておるわけでございます。したがって、特例法第一条によってこういう合意が成立した適法なものであると私どもは解しております。
#224
○山中郁子君 もう一度言います。
 第一条は主語がどこにあるかということをよくあれしていただきたいんですけれども、「日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊の用に供する電信及び電話に関する料金は、」、と、これが主語なんですよね。この料金については、「公衆電気通信法の規定にかかわらず、」云々と、こうなっているわけです。
 ここに、どこにほかの特例が出てくるんですか、第一条によって。
#225
○説明員(遠藤正介君) 私は、先ほど申し上げておりますように、この公衆法特例法というのは国内的措置として本国会で成立した法律でございます。そのもとになっております地位協定には、先ほど私が朗読をいたしましたように、設置のためのいろいろな条件その他が書かれております、これに基づいて日米間のサービスの提供条件というものがまず決まり、それに伴う料金というのが特例法によって決まる、これが国内的な措置として法律上認められた手続でございます。
#226
○山中郁子君 外務省お見えになっていただいていますでしょうか。
 外務省にお尋ねいたしますけれども、この特例法の第一条は、そういう、いま電電公社が言われているような形で料金以外のすべてのものについての特例を認めると、こういうふうな理解が成り立つわけですか。
#227
○説明員(深田宏君) ただいまの特例法の一条の解釈につきまして、外務省の方からお答え申し上げるというのは適当でないと思います。
#228
○山中郁子君 外務省の見解を伺っております。
#229
○説明員(深田宏君) 先生お尋ねの点は、あるいはこういうことかと存じますので、若干直接のお答えにならないかもしれませんけれどもお答え申し上げます。
 一般論としまして、いわゆる日米地位協定でございますが、地位協定と国内法との関係をお尋ねになっておられるように思われるわけです。私ども理解しております限りにおきましては、一般的に地位協定上の規定そのものが国内法に抵触することがないように十分の配慮をしておるわけでございます。また、先ほども言っておられましたように、地位協定に基づきます合同委員会の合意、これは地位協定の通常の運用に関する事項についての合意は、地位協定の実施細目を定め、地位協定を補足するという性格を持つものでございますので、当然、地位協定の枠内で行われる次第でございます。したがいまして、この地位協定の設置しております合同委員会での合意がわが国の国内法令に抵触するということは一般論としてはないと考えておるわけでございます。
 また、地位協定そのものにつきまして、これは当然のことでございますが、国会の承認を経ました条約でございますから、日本国政府といたしましては、その規定を誠実に遵守する必要があることは申すまでもないことでございます。
#230
○山中郁子君 先ほど遠藤総務理事が、当該時に適用されていた条件よりもということで言われておりましたけれども、ちょっと確かめたいんですけれども、当該時というのはこの地位協定が決められたときですけれども、つまりその時期には、公衆回線がすべての政府各省並びに機関で制限が何らなくつなげていたということをおっしゃったわけですか。
#231
○説明員(遠藤正介君) すべてとは申しません。警察通信その他消防等の場合に、そういうことが認められておったということを申し上げました。
#232
○山中郁子君 ですから私は一番最初に申し上げたんです。それは公衆電気通信法によってそのことが認められているわけでしょう、そうじゃないんですか。
#233
○説明員(遠藤正介君) そのこと自体はそうでございます。
#234
○山中郁子君 それでしたら、それは例外なんですよね、結局。公衆電気通信法の、まあ専用線の場合ですと六十四条、あるいは自営網の場合ですと百六条に当たると思いますけれども、それは例外として警察や消防や云々ということが出ているのであって、例外がここで言う「日本国政府の各省その他の機関に当該時に適用されている条件」ということとは全く違うんじゃないですか。
#235
○説明員(遠藤正介君) 違うとは思いません。
#236
○山中郁子君 なぜ違わないんですか。「日本国政府の各省その他の機関に」と、こう書いてあるんですよ、各省じゃないじゃないですか。
#237
○説明員(遠藤正介君) 各省その他すべてではございませんけれども、日本の各省のうちのたった一つであるかもわかりません。しかし、その機関に認められておるということであれば、その条件より不利でない条件でということに該当すると思います。
#238
○山中郁子君 外務省にこの点についての見解をお伺いしたいと思います。
 たった一つの例外でもあれば、それは地位協定の七条で言う「日本国政府の各省その他の機関」ということに入るんですか、条約解釈の上から。
#239
○説明員(深田宏君) 私どもといたしましては、米軍の回線の使用の問題につきましては関係御当局が米側とお打ち合わせになりまして、具体的な契約と申されますか、約束をしておいでになるわけでございます。ただいま御説明がございましたように、その約束は特例法及び地位協定第七条に沿ったものであるという御説明でございますので、私どもといたしましては、この措置は何ら問題はないもの、このように考える次第でございます。
#240
○山中郁子君 電電公社がそういうふうに約束をしているから外務省としては論評しないという態度のようにうかがえますけれども、重ねてもう一度伺います。
 外務省は、それでは地位協定の第七条の「合衆国軍隊は、日本国政府の各省その他の機関」という「各省その他の機関」はたった一つでもいいんですか、そういうふうに理解しているわけですか。これは必ずしも電気通信サービスの問題だけじゃありません。
#241
○説明員(深田宏君) ただいまの御質問は、「日本国政府の各省その他の機関」というその機関が半数であってもよろしいのかという御質問かと思いますけれども……
#242
○山中郁子君 たった一つでもいいのかということです。
#243
○説明員(深田宏君) これは非常に理論的な問題になると存じますけれども、常識的に申しまして、「その他の機関」という場合に幾つもの機関が考えられるわけでありますけれども、具体的に電気通信と申しますか、電信電話と申しますか、その具体的な案件につきまして、各省以外に――これは私実態を存じておるわけではございませんけれども、たまたま一つの機関しかないということでありましても、この条項との関連で特に問題はなかろうと存じます。
#244
○山中郁子君 もう一度お尋ねいたします。
 これは電電公社の問題として私申し上げているんじゃありません。すべての関係について第七条――地位協定によってさまざまな協定かありますけれども、これは例外的に認められているものであっても全部アメリカの特権的な待遇にそのままつながると、こういうことを外務省としては言明するわけですね、ごく例外的に決めてあることについて。
#245
○説明員(深田宏君) ただいまの先生の御質問、ごく例外的なということでございます。何をもってごく例外的というふうに考えるかということについて必ずしも私自信のあるお答えができないわけでありますけれども、この第七条ができました背景というものから考えまして、ただいまの電電公社の方の御説明で御納得いただけるべきものであろうかと思っております。
#246
○山中郁子君 電電公社のことを言ってないって申し上げていますでしょう。ごく例外的にというのは、それじゃ電電公社でいまの問題を例にとって申し上げますと、公衆電気通信法の場合は、専用線に公衆網をつないでいけないということで、その例外として警察とか消防とか災害救助とか、そうした例外が挙げてあるのです。それはだからそういう例外ですよ。
 だから外務省としては、電電公社の場合の電気通信サービスをいまちょっと横に置いて、この第七条を理解する上で、そういうふうにたった一つの例外があっても、その例外があるということで、それが「日本国政府の各省その他の機関」ということで全部読みかえるということですか。このことを確信を持ってお答えになれなければ検討していただいて結構ですけれども、確信があるなら、そういうふうに言明なさるんでしょうか。
#247
○説明員(深田宏君) これは非常に従来からの経緯等がございます問題でございますから、確信を持ってというようなことでお答えいたしますよりも、私どもとしてこのように理解するという形でお答えさせていただきたいと存ずるわけでございますが、もともとこの地位協定の趣旨――ここで条約そのものを議論さしていただくつもりはございませんけれども、その趣旨から見まして、安保条約の目的に即しての米軍のいろいろな活動に便宜を与える。その点につきましては、公益事業の利用についてもこのような条件が設けられるという基本的な精神と申しますか、趣旨にかんがみまして、ただいまの先生の御指摘の点につきましても、現状はこの地位協定上十分説明ができるものと思っております。
 なお、さらに検討するようにという先生の御指摘でございましたので、私どももよく重ねて研究はいたしてみたいと思っております。
#248
○山中郁子君 それでは電電公社に伺いますけれども、この地位協定第七条によって、米軍についてはすべての特権が与えられるのだと、こういう御理解になるとすると、特例法というのはなぜこのように三つの問題について決めているんですか。
#249
○説明員(遠藤正介君) ちょっと御質問の趣旨を取り違えるかもわかりませんが、私が先ほど申し上げましたのは、地位協定七条で日本国政府の各省その他の機関に与えられておる条件、それが公衆法上例外規定としてありましても、現実にその条件が満されておる場合には、この合意事項というのがございまして、米軍に対しては直接当事者間で決めるということになっておりますので、それが仮に日本国政府のどの機関にもどこにもないという条件ならば確かに地位協定にも反したことだと思うんでございますが、例外的でありましても、そういうものが認められている以上、また片一方で日米間の合意で定めると、こういうぐあいに決まっている以上は、日米間の合意が当時そういう形で成立したことは地位協定七条に対する違反ではないと、こういうぐあいにお答えしたつもりでございます。
 したがいまして、いまの御質問の特例法の一条というのは、そういう形によりまして提供条件というものが決まりました上で、料金については別途定めるといいますか、直接交渉によって決めると、こういうことになるわけでございます。
#250
○山中郁子君 そうしますと、たとえばこの第二条で債券免除のことがうたわれているわけですよね。これはたとえば国内の扱いにもありますね。そういうすべてのものが第七条でできるんだといえば、なぜ特例法で第二条があるんですか、わざわざ。そういう理解によれば、日本の国内で例外的な規定であってもそうしたことが許されているならば、米軍にそういう特権を与えることができるんだと、こういう解釈が第七条だというお話でしょう。それでしたら、どうしてこの特例法の第二条がわざわざあるんですか。
#251
○説明員(遠藤正介君) その地位協定の方は、そういう料金あるいは債券というようなことではなくて、サービスの中身、具体的に申しますと電気通信、電波の業務の範囲、程度、基準、こういったようなことが問題になろうかと思うんであります。
 したがいまして、もちろん場合によって解釈でそういうこともできるかもわかりませんけれども、ここで一条、二条と分けまして、料金とそれから拡充法関係等でここに規定したものと私どもは理解しております。
#252
○山中郁子君 この点についての外務省の見解をお伺いしたいと思います。
 先ほどの外務省の御理解ですと、電電公社が言うように、第七条であるならば、第七条で日本の国の中で政府機関あるいはその他の機関でたった一つでも仮に例外的な措置であっても認められているものは無条件にアメリカ軍に、合衆国軍隊に適用されるんだと、そのように理解ができると、こういうお話でしたけれども、それならばなぜ第二条があるんですか。第二条は債券免除です、債券免除の特例措置は国内にもあります。なぜここにこれがあるんですか。
#253
○説明員(深田宏君) 実は、先ほどもお断り申し上げましたように、私、この特例法の解釈等について特に担当しておるわけでもございませんので、特例法の条項につきましての御質問には自信を持ってお答えすることはできないのでございますけれども、ただいまの先生の御指摘にもかかわらず、私どもはあくまでも現状が日米地位協定の上で十分説明がつくものであるというふうに理解をしておるわけでございまして、ただいまの特例法一条、二条等の関係につきましては、主管御当局の方からお答えいただくべき筋合いのものだと存じます。
#254
○山中郁子君 その点についての外務省の見解をそれでは後ほど報告をしていただきたいというふうに思います。
 それで、先ほど私が申し上げましたように、特例法の第一条は料金の問題、第二条は債券免除の問題、そして第三条は自営網が持てるという、こういう問題です。それにもかかわらず、そしていま外務省の答弁の中でも明らかになっておりますように、どこを根拠としてアメリカ軍については日本の国内の例外的な規定であるそれをすべて無条件で適用するという、そういう法的根拠は明らかになっていない、これは拡大解釈だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 そしてその結果、いま現実にある問題はこれはもう数年前から何回か私ども共産党が逓信委員会、衆参両院でもって提起をしてきましたように、米軍が特権的に一ユーザーであるにもかかわらず、一般の国民が享受できないそうした扱いを受けているというこういう大きな矛盾点があるということだと思います。そして、それによってどのくらいお金を公社としては損をしているのか、これははかり知れないものがあるというふうに私は思います。
 具体的に申し上げれば、都内の加入電話から、東京の場合は東京トールと言って山王ホテルに交換台がありますけれども、そこへ申し込んで、そしてたとえば府中だとか、あるいは横田だとか、遠ければ板付、沖繩、千歳、そういうところまで実際につなげるという状況になって現につながっていたという事実もあるわけです。こういうものは、当然のことながら、都内からもし板付へかける場合だったら、九州へ市外通話でかけて、そしてその米軍の中にある公社の加入電話から米軍の中の内線につなぐ、こういうふうに扱うべきであるというふうに考えますけれども、そういう事実について、実態について、そしてその問題について、先回の衆議院の委員会で平田議員の質問に対し、米澤総裁が検討をさせてほしいと、こういうふうに答弁なさっていらっしゃいますけれども、ひとつ総裁から御所見を伺いたいというふうに思います。
#255
○説明員(遠藤正介君) 衆議院でもお答えをいたしましたのですが、確かに先生よく御存じのように、昔は私は相当これは御指摘のようなこともあったと思うんです。しかし、私どももこれ二十年の間にずいぶん米軍とたび重なる交渉をいたしまして、昭和四十六年に私どもの間で覚書を結びまして、軍用通信に限ると、こういうことをはっきり明記をいたしております。これはやはり責任者同士の協定でございますから、私は、実際にそれをもしもぐるとすれば、運用台の方が相当何かやられればそれは別でございますが、責任者間の話としては軍用通信に限るということを向こうも多年の交渉の経緯の中でサインをされたわけでございますから、私はこれを日米両国間のあれとして信頼していきたい、こういうぐあいにお答えを申し上げました。
 同じようなことは自衛隊につきましてもございます。自衛隊の場合も非常通信に限る、こういうぐあいになっておるわけでございます。しかし自衛隊の場合はやはり何といいましてもこれも自衛隊の運用台の方の責任ということになるのかもわかりませんが、これはやはり国内に限られておる。ところが米軍の場合には幅が広いものですから、ウィメンの数はあると思うのですが、私は現在のところそういうことはない、こういうように確信をしております。しかし、幾ら確信しておっても可能性としてあり得るじゃないかということになると例のジャックがはまらないようにする以外にないわけですね、そういうことが果たしてできるかということになると、再び地位協定に戻りまして、警察通信なりあるいはそのほかにも影響が出てまいります。
 そこで、私は、やはりこの機会にもう一遍、毎年米軍との合意の検討機会もございますから、そのときに米軍の責任者とよくこの点を確かめまして、先生の御疑念のないように、何か具体的な措置がとれるように努力はしたいとは思います。しかし、現在の段階では、日米間の責任者が軍用通信に限ると、こういうサインを四年前いたしましたことを私は一応信用していただくのがありがたいことだというように申し上げておるわけです。
#256
○山中郁子君 総裁に。
#257
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 先般、衆議院でこの問題が平田委員からございまして、私検討するということを申し上げました。帰りまして遠藤総務理事とそれから玉野営業局長を呼びまして、とにかくこの問題を明快にしようじゃないかということを言いました。
 歴史的に見ますと、確かに昔は乱用されたことがあったのではないかと、私これは想像でございますけれども。先ほど言いましたように、この問題を明快にするということで、ただいま遠藤総務理事が答えたような措置を講じましたけれども、さらにこの問題につきましては、いずれまた機会かありますので、その際にもっと――まあこれはやっぱり信頼等が基礎になると思います。一々われわれがその通話の中身をチェックするということは困難でございますので、もう少し明快にできれはその方の措置をとりたい、このように考えております。
#258
○山中郁子君 いま軍用に限るということで盛んにおっしゃってますけれども、私は、まず第一の問題として、軍用に限ったとしても、米軍にそうした特権的な優先権があるという法的根拠はないではないかということを最初から申し上げているわけなんです。
 私も昔東京トールで働いておりまして、これは乱用どころの騒ぎじゃありません、よく知っております。しかし実際問題として、じゃ軍用ならばいいのかということは、私たちはそういうふうに考えておりません。それは公衆電気通信法で明らかにこの場合以外についてはいけないとなっている、この場合の中に米軍は入ってないわけですよ。
 そしてそれが先ほど地位協定だと、七条だということで公社は言われておりますけれども、それならば、なぜその七条による具体的な合意事項の中身というものを、私が再三この質問に際してどういう根拠なのかということをお伺いしたにもかかわらず、出していらっしゃらなかったのですか。先ほどから遠藤総務理事が言われておりますけれども、その具体的な合意事項を合意をしておりますと、こういうふうに言われておりました。その合意というのはいまおっしゃった四十六年のこの合意のことなのですか、それ以前にやっぱり合意があるわけでしょう、先ほどのお話によるならば。
#259
○説明員(遠藤正介君) 四十六年以前は、軍用通信に限るという明確な合意はございませんでした。そこで、いろいろそれこそ東京トールの御経験から言われれば、非常に私は乱用があったと思います。そこでとりあえず軍用通信に限る、こういうことを明記をさせましたのが四年前でございます。時あたかも沖繩の返還がございましたときで、私どももそのために米軍と本当にたび重なる交渉をいたしまして、この点を明記をいたしました。
 軍用通信とは何か、また、それでもけしからぬとおっしゃることになれは、これはまた外務省レベルのお話にもなりますし、あるいは私ども外務省とも御相談せなくちゃいけませんが、少なくとも現在の段階では軍用通信に限る、こういうことを四年前にあれしたという点は認めていただきたいと思うわけであります。
#260
○山中郁子君 私が申し上げましたのは、四十六年の基本契約の補足協定というのはいただきました。その前の合意事項、その前はどういうことだったのですか、それを私は資料の説明で何回も伺ったのですけれども、この特例法であるということ
 一点張りでしたけれども、それはどういうものがあるんですか。
#261
○説明員(遠藤正介君) その点については何もなかったわけです。何もなかったわけですからちょっと提出しかねると思うのですが、米軍と全般にわたっての協定につきましては、大体、継続して同じようなことを決めてきておりますけれども、一番もとのやつを、最近は、やはり毎年見直しをいたしておりますので、協定の基本的なものについては私どもで御報告申し上げられると思います。ただ、この点についてはかつては何もなかったわけですから、出しようがないのじゃないか、こういうぐあいに思います。
#262
○山中郁子君 すごく矛盾していると思いますね。つまり先ほどは、地位協定の七条によって合意しているその中身によって公衆電気通信法の除外になっているのだと、つないでもいいんだと、こうおっしゃってて、そしてそれじゃそれは何かと言えばそれは何もなかった、こういう話でしょう。こんなむちゃくちゃな話はないんじゃないですか、私はそのことをちょっと指摘しておきます。そしてあるならそれを出していただきたい、後で出していただくのでもいいです。何もなかったとおっしゃるなら、なかったものが何で合意事項としてあったというふうに言われるわけですか。
#263
○説明員(遠藤正介君) 要するに警察通信その他に認められておるものと全く同じものを認める、こういうことがあったわけです。したがって何に限るとか、こういう場合はだめだとか、そういう具体的なものは何もなかったわけです。
#264
○山中郁子君 すると何か文書はあるわけですね、この補足協定というふうになっていますけれども、この専用線の接続の問題に関しての文書というのはあるわけですね。
#265
○説明員(遠藤正介君) もちろん日米間で基本協定の文書はございます。
#266
○山中郁子君 その資料を求めておりましたけれども、それはお出しいただけなかったのですけれども、どういうわけでしょうか。
#267
○説明員(玉野義雄君) 米軍とのサービス協定は、これは一般の民法契約的なものになってまいりますが、これはございますが、いま米軍に、これは契約書でございますので同意が要りますので、提出につきましては。それで米軍に提出してよろしいかという文書をいま出しておりますので、合意を得た上で差し上げたいと思います。
#268
○山中郁子君 私は、法律論議よりも、日本の国民がみんな高いお金を負担して、そして戦後破壊された公衆電気通信網をここまで持ってきて、それは国民全部の財産なわけですよね。それを、そうしたいま申し上げただけでも不確かなさまざまな疑惑のある拡大解釈並びに――それは公社に言わせれば拡大解釈じゃないというふうに言われるかもしれませんけれども、少なくとも一カ月前の衆議院の逓信委員会では米澤総裁が検討すると、こう言われたということの不確かさがある、そういう実態のもとで、なおかつ米軍がやはりこれが自由に使える。先ほど遠藤総務理事は、確かに信頼する以外になくて、たとえばコールバックのチックの仕方だとか技術的なチェックなんかはできないわけですよね。それにもかかわらず現実にそういう米軍のあれを信頼するということだけでこうした問題が放置されている、法律上も不備であるし、現実の問題としてのチェックもない、こういう状態で放置されているということについては私はたいへん問題が大きいというふうに思います。
 そしてこれはきょうは時間がないのでこれ以上進めませんけれども、日本の国の主権に関する問題だというふうに思います。ということは、逆に言えば日本の公衆電気通信網が米軍の通信の補完網になっているということが言える。機能的にはそういう役割りを果たすことができる、現実にかつては実際そのような形で使われていたわけですから、補完物としてでなくても乱用という形で言われましたけれども、米軍が好きなようにそういうふうに使われていたわけです。ですから、まさにこういう公衆電気通信網とそれから米軍の自営網あるいは専用線との接続が、日本の国民が受けていない、一般加入者が受けていない特権的な扱い、しかも公衆電気通信法にも、その他の国内法にもない形で許されているということについては重要な問題だということを私は重ねて指摘をしておきたいというふうに思います。
 この点についてさらに、いま外務省から余り明確な答弁もございませんでしたので、引き続き、いま私が申し上げました観点で、電電公社としてこの点についての検討をしていただけるかどうかということについて総裁の御所見を伺いたいと思います。
#269
○説明員(米澤滋君) ちょっと法律問題にも絡んでいますから、間違った答弁してはいけませんので……。
#270
○説明員(遠藤正介君) 先ほど来申し上げておりますように、大体、六月ごろにこの協定の見直しを毎年やる予定だったと思っております、したがって、そのときに米軍の責任者と私もう一遍会いまして、こういう御疑念もあるようだからもう少し何とかする方法はないかということを確めます。
 しかし、軍用通信そのものについての問題になりますと、これは外務省レベルの話でございますし、日米協議というような大きな舞台のものになるかもわかりません。したがって外務省の方にもよく御相談をいたさなくちゃいけないと思いますし、また郵政省を通じまして外務省の御意見も伺った上でいろいろ検討さしていただきます。
#271
○山中郁子君 それはそうしてください。
 そして私は申し上げておきたいんですけれども、国民の財産である公衆電気通信網と米軍との関係に関してどうなっているのかということを国会で質問したことに対し、米軍の了解を得なければ国会に出せないと、私はこれは大変重要な問題だというふうに思います、あってはならないことだというふうに思います。
 まあその法律論議はいいです、これは私はもう最後に私の自分の意見を申し上げているわけですから。
 そのことと、それからやはりこういう形で米軍が特権的に国内法にもない扱いを受けているということは直ちに是正をされなければいけないというふうに考えておりますので、それはあり方として確実にやはりそのようなことが行われないような技術的な措置、これはとれるはずです。技術的な措置によって国民の疑惑を招かないようにする、こういう措置をとることを強く要求をいたしたいというふうに思います。引き続き、この問題についてはまた委員会において解明をしていきたいというふうに思っております。
 次に、料金値上げの問題その他に関連して、私たちは国民の立場から、それからまた電電公社並びに郵政省、そうしたところで実際にそこで仕事に携わっている働く者の立場から、労働者の立場という観点から、いま大きな問題になっております電電公社での頸肩腕症候群に関する職業病の問題についての質問をしたいというふうに思います。
 それで十分な時間がありませんので私は端的にお尋ねをいたしますけれども、一つだけ初めに例を挙げますと、これはもう前に衆議院でたしか社会党の島本代議士が追及されたというふうにちょっと記憶しておりますけれども、郡山の全電通の郡山分会の鈴木千恵子さんという方が頸肩腕症候群で――頭に鉛かくっついているような頭の苦しみに自分は勝てませんでした。一日も早く楽になりたい。お父さん、お母さんごめんなさいという、こういう遺書を残して自殺をされたというそういう悲惨なことがありました。これは鈴木千恵子さんという方だけのケースではなくて、そのほかにも何人かこうした頸肩腕症候群、その病気によって自殺をされたり不幸な目に遭われたりしている、それからまた、すごくたくさんの人たちがこうした症状を訴えているということで電電公社自身も大きな問題としてとらえておられるというふうに思いますけれども、現状は、頸肩腕症候群としていま電電公社の中でどのくらいの患者がいるというふうに把握しておられますか。
#272
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。
 本年一月末現在で、頸肩腕症候群に罹患しております者の数は三千百七十七名でございます。
#273
○山中郁子君 電電公社が昭和四十八年度要健康管理者等の状況についてということで、四十九年七月二十五日に出されている文書があるんですけれども、この中で、療養者として頸肩腕症候群がその疾尾の中に入っていないんです。これはどういうことでしょうか。
#274
○説明員(小沢春雄君) 昭和四十六年……
#275
○山中郁子君 四十九です、七月二十五日の文書です。
#276
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。
 毎年、電電公社の方から健康管理者の数を各通信局から徴して統計的に管理したりあるいは対策を講じておりますが、四十八年から頸肩腕症候群を重点的に管理しようということで、一般の私傷病と区別いたしまして頸肩腕症候群だけ別に報告を徴する、こういうふうになりました結果、入っておらないわけでございます。
#277
○山中郁子君 しかし、この概況として、昭和四十八年十二月末における要健康管理者は何人であるということで、そういうことで書いてあるんですね。そうしてその中に頸肩腕症候群は入っていないんですよ。
 これは電電公社が頸肩腕症候群の患者を、その病気を本当に重要な問題として位置づけているのかどうかということで疑いを抱かせ得るに足る態度だというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
#278
○説明員(小沢春雄君) これは先生のお言葉でございますが、私は全く逆だというふうに申し上げたいのでございます。
 この統計資料は公社の幹部会議などにも定期的に報告しておりますが、これと別に頸肩腕症候群の対策とか数字につきましては、それ以上の回数で報告し、また対策を講ずる、あるいは委員会をつくるということで、別にしましたのは、むしろ軽んじたのではなくて一層重点的に管理しなければならないということで、一般の胃の病気とかあるいは高血圧とか、そういうものと切り離したというわけでございます。
#279
○山中郁子君 その点につきましては、私はやはり公社の実際の患者に対する、また労働者の健康に対する具体的な施策の中にあらわれてくるということだと思います。口でどういうふうに言うかということでははかり知れないものがあるというふうに思います。
 それで具体的な問題としてお尋ねいたしますけれども、いまこの頸肩腕症候群の問題で、業務上の疾病であるということで認定するかしないかという問題で非常にさまざまなトラブルが起きているということは総裁も御存じでしょうし、厚生局長は具体的に一層よく御存じだというふうに思います。
 そこで、私は最低二つのことを明らかにしたいというふうに思うんですけれども、まず、業務上であるというふうに認定する基準というものを公社はどこに置いているのかということです。
#280
○説明員(小沢春雄君) 基本的には労働省の通達でございます。基発第七二三号、本年二月五日にこれが第五九号に改正されました。
 それから、それを受けまして、電電公社の方といたしましてはプロジェクトチームの答申その他をいただきまして――もしお尋ねかあれは具体的に中身を申し上げますが、五項目の認定の基準というものを各通信局に示しまして、これで通信局の認定をするように指導しておるところでございます。
#281
○山中郁子君 五項目の中身を簡単にそれじゃおっしゃってください。
#282
○説明員(小沢春雄君) 読み上げます。
 一、当該業務に相当な期間継続して従事していること。
 二、自覚症状があること。
 三、医学的見地からみて他覚的所見があること。
 四、他に発症原因が考えられないこと。
 五、基発第七二三号第一項目の「その業務量が同種の他の労働者の業務量と比較して過重である場合業務量に大きな波がある場合等」については通常の状態で勤務しておればよいとの考え方にもとづき弾力的に運用すること。
 以上であります。
 ただし、この中身のうち「相当な期間継続」は、このたびの五九号で「六カ月以上」ということになりました、それから五の「基発第七二三号」を
 「五九号」に読みかえることは先ほど申し上げたとおりでございます。
#283
○山中郁子君 具体的な問題として、トラブルが起きているケースの中で、こうした公社指定病院で検査を受けていないから認定できないとか審査できないとか、あるいは精密検診を受けていないから認定できないとか審査できないとか、こういうケースが非常に多くあるわけです。
 そこで、ごく基本的なことでお伺いしたいのですけれども、公社はこうした頸肩腕症候群の患者に対して、指定病院でなければ、指定病院の検査を受けなければ認定のテーブルに載せない、こういう考え方を持っていらっしゃるわけですか。これは医師選択の自由と関係すると思いますけれども。
#284
○説明員(小沢春雄君) これは三つの段階がございまして、まず最初に、この病気にかかりましたときに、たとえば病気休暇をとるとか、そういう場合はこれは診断書が必要でございますが、これについては日本じゅうのあらゆる医師の診断書でよろしいわけでございます。
 次に、頸肩腕だということで、労働組合とも話し合っております特別措置を講ずるという問題が出てまいります。たとえば勤務を差し繰って病院に行くとか、あるいははり・きゅう・マッサージの補助金を出すとか、こういう特別措置をする場合には労働組合と話し合いまして、いま全国で約三千ぐらいあると思いますが、大体、電話局等の所在する町等には必ず一病院があると、こういうふうにいたしまして、初めは二、三十から始めて、六百になり千二百になり、現在は三千ぐらいになっておりますが、これを一応指定病院ということで話し合いをいたしまして、そこで得た診断書をもとにした場合にはマッサージ等の補助金を出すというようなことにいたしております。この理由は、やはりそういう病院でありませんと、整形外科とか外科の専門医あるいは検査設備等が不十分である、こういう理解であります。
 それから三番目は、業務上疾病として認定する場合の精密検査でありますが、これはさらに病院をしぼりまして、逓信病院あるいは赤十字の病院、労災病院と、このような特定の病院を指定しております。
#285
○山中郁子君 常識的な話としてはわかりますけれども、頸肩腕症候群の診断をしてもらうのに産婦人科に行ったり小児科に行ったりして診断書をもらってくる人もいないと思いますけれども、十分な整形外科としてそれに足りる設備を持った病院というのはたくさんあります。そしてその患者が長期にわたってそうした病院で治療を受けてきていると、そういう場合も当然考えられます。
 ですから、いま厚生局長が言われたことは常識的な考え方としてはわかりますけれども、実際問題として、そうしたケースも出てくるわけですから、労働安全衛生法で言う医師選択の自由というふうに一般的に便っておりますけれども、そういうものは絶対に認めないという態度をおとりになっていらっしゃるわけですか、そういうことはちょっと考えられないと思うんですけれども。
#286
○説明員(小沢春雄君) その問題につきましては労働組合の方からも毎年要求がございまして、できるだけ数を広めるということで、先ほど申し上げた第二段階の場合には、初めは国立とか公立病院等でございましたが、最近はもう民間、私立の病院でも外科等を有する場合はよろしいということにしたわけでございます。したがって先生の御指摘のように、わざと罹患者がいろんな検査を受けられる病院を狭き門にするというような考えは毛頭ございません。
#287
○山中郁子君 じゃ、ちょっと重ねて簡単に伺いますけれども、指定病院でなければ絶対にいけないという態度はとっていないというふうに理解してよろしいわけですね。
#288
○説明員(小沢春雄君) 業務上疾病として認定する場合には、先ほど申し上げましたように、逓信病院、労災病院あるいは赤十字病院等、現在労使で話し合って決めてある病院に限るということにいたしております。
#289
○山中郁子君 それはどういう根拠によって、どういうふうに決められているわけですか。
#290
○説明員(小沢春雄君) 電電公社の場合には、実は、この病気につきましては、国家公務員ですと人事院、それから民間の大企業ですと労働基準監督署というふうな機関があるわけでありますが、公社の場合には、法律的に事業者認定ということにされておりますので、労使の話し合いというものに基盤を置いて考えておるわけでございまして、ここ三年来のいろんなそういう病院の指定等も全電通労組との話し合いで一つ一つ積み上げてまいっております。
#291
○山中郁子君 その積み上げてきたということはいいです、それは私もよく存じております。しかし、いま私がお伺いしているのは、たとえばの話ですよ、業務災害がありますね、電柱から落ちて大けがしたと。この場合に、どこそこの指定病院でなければいけないと、業務上認定ということにならないということはないでしょう。どうして頸肩腕症候群だけが指定病院でなければいけないという、そういう根拠は、たとえば労働協約でそういうものをつくられたという意味ですか、労使との話と先ほどからおっしゃっているけれども。私はそういうことはないと思いますけれども……。
#292
○説明員(小沢春雄君) 昭和四十八年以来、この病気の認定は通信局長の方におろしましたので、各通信局段階で労使で話し合いまして、書面に書いた協約というものはございませんが、話し合いの上で、ここの病院とここの病院にしようというふうにいたしております。
 なお、頸肩腕だけについてそういうことをなぜするのかという問題でございますが、この病気は非常に特殊な病気でございまして、公社としてはいま職員のかかっておる病気の最重点事項にいたしております。過去の結核と同じような扱いをしております。そのような意味で設備のよく整った専門医の整備された病院で診断を得て、それに基づいて、むしろ治療を図るということが非常に重要でございますので、自後の治療等の方針をいただいて、一日も早く職場に復帰してもらおうと、こういう考え方で、設備、医師等の完備した病院をお願いしているわけでございます。
#293
○山中郁子君 要するに、指定病院以外の検査では、診断ではいけないという根拠はないということですよね。そういうものは公社としては労働協約で労働組合と相談して決めることが基礎になると、でそれじゃ労働組合との協約で何かあるのかといえば、それはないというお答えでした。結局、これはないんですよね。
 ないにもかかわらず――常識的にはそれはわかります、病気になりましたと、そしてじゃどこの病院に行ったらいいでしょう、公社の指定病院はここですと、こういうことで行って、そしてそこで検査をしてもらうということはあります。だけれど、まさにいま厚生局長が言われたみたいに、頸肩腕症候群というのは新しい病気の分野です。なかなかまだ解明されてない部分もあります。そしてそれによって初めに申し上げましたように自殺者も出るというような、いま労働者の中でそういう本当に大きな被害が出ているし犠牲も出ているし、大変な苦しみになってきているわけです。
 きょうも、そうした苦しみを経験された方が公社のそうしたあれを見守っていますけれども、実際問題として、そういうふうな方たちが、自分が発病したと、そして何とかして治りたい、職場に復帰したい、こういうことで、医師の信頼関係ともあわせて病院で実際に治療を続けてきた。そういう人たちの治療を受けてきた病院を、そこで治療を受けているんじゃだめだと、そこで診断をしてもらうのではだめだと、こういうことを公社が言う根拠というのは何にもないんじゃないですか。
#294
○説明員(小沢春雄君) 御指摘でございますが、山中先生の御指摘の中に一つ先入観といいますか、そういうものがございますと思いますのは、最初の病気の診断を受けますときに、確かに先生御承知の幾つかの例で、最初に病気で休もうというときに、逓信病院に行ってこなければ頸肩腕としての休暇を認めないとか、このようなことがあった例がございましたが、これについては私ども指導いたしまして、この問題を解明して、どこの病院でもいい、こういうことにしたわけであります。
 後段の、頸肩腕症候群を業務上疾病として認定するためには、これは労災病院とか赤十字病院とか逓信病院の専門医の意見書というものを私どもいただきまして、それに基づいて業務上であるかどうかということを判定する以外によりどころがないわけでございますので、したがってそのようにしているわけでありますが、病院の数を限定しているということは労働協約ではないとおっしゃいましたが、これは広い意味の労働協約で決めておるというふうに申し上げた方が私はいいと思いますが、そういうことでやっておりますが、むろん、これは固定的で今後とも動かさないというものではない、このように思っています。
#295
○山中郁子君 私は先ほど局長が言われたような先入観ないしは誤解で申し上げているのではありません。
 というのは、労働安全衛生法で産業医以外の例外についても認めていますでしょう、これが医師選択の自由ですよね。もっと大きくさかのぼれば憲法第十三条の生命、自由を追求する権利があると、こういうことで、病気になって自分の体を守るために自分が医師を選択する自由というのは、大きく言えば憲法で保障されている権利です。そしてしかも労働安全衛生法でそのことがちゃんと明記されているわけです。
 そういうことに照らして拡大していく方向であるとか、そういうふうなこととはちょっと別な次元の考え方として、私の言うのは、それでは、こういうふうにある一人の人が、自分はいままでこうした専門の病院へ行って治療を受けてきました、そしてこういう診断をもらってきましたと。そうしたら常識的に判断するに足りる――つまり小児科へ行って、産婦人科へ行って診断書をもらってきたんじゃなくて、ちゃんとしたりっぱな総合病院で、あるいはちゃんとした整形外科でそうした医師の診断があった場合に、そういうふうに、そういう点も公社としてはケース・バイ・ケースでどんどん拡大していくと、こういうことと違うんでしょう、拡大していくということは。
 ですから、公社は、ある医師のところから患者が診断書をもらってくる、あるいは検査を受けると、そういうことを、あの医者では公社としては信頼しない、あの医者の診断は信頼しないから、こっちの医者へ行けということを公社は言えるんですか、憲法十三条あるいは労働安全衛生法に照らして。
#296
○説明員(小沢春雄君) 労働省の現在の指導通達でございます基発第五九号に、この病気の業務上災害認定のよりどころといたしまして「単に診断名のみをもって判断することは厳に慎しみ、専門医によって詳細には握された症状及び所見を主に行うこと。」こういうことがございます。それで、われわれも労働省の御指導などいただきながら、この通達にあります「専門医によって詳細には握された症状及び所見を主に行う」ということの場合は、どのような病院までぐらいがいいかということをいろいろ御指導いただいたりいたしまして、現在のところ、先ほど申し上げましたような病院にしぼっておる、こういうことでございます。
 これは業務上疾病に認定するということは、本人にとりましても実は大変なことでございまして、公社としては無論未来永劫治るまでめんどうを見るわけでありますが、本人にとっても大変な事態でございますので、私どもとしては、この労働省通達をもとにいたしまして、そのような措置をしておるということでございます。
#297
○山中郁子君 いま言われました労働省の基発五十何号でしたっけ、あれはことしの二月の五日に出たものですね。そしてそれ以前は例の七二三号です。七二三号にはそのようには書かれてないはずです、精密な検査ということについてはね。
 いま私がここずっといろいろな事例が起こってきていることのケースは、いまの答弁にもかかわらず、それ以前の段階からずっと累積されている問題なんです。ですから私は何も大方のすべてが、すべてがいま言っているような形でトラブルになっているというふうには申し上げておりません。ですけれども、実際問題として幾つかのケース、たとえば具体的にいま一つだけのケースぐらいしか申し上げられませんけれども、これは国立横浜病院の先生が意見書という形で出した所見なんですけれども、これは横浜電話局の第一通信課の井野明さんという人です。
 具体的なケースとして申し上げますけれども、何かすごくいっぱいたくさん検査してきて、そして総合所見として「現在の症状は職業が誘因となったものと思われる。」と、こういうふうに診断しているんですね。それにもかかわらず、医学上他覚的所見があるとは認められないと、こういうことで業務外認定をしているんです。つまり先ほど局長が言われた幾つかの認定の基準の中の医学上他覚的所見があると認められると、このことについては医者が判断する以外ありませんでしょう。これは公社の局長だとか通信局長が幾ら認定権者だからといってこれは局長が判断するわけじゃないと思いますよね。それにもかかわらず、医者がこのように総合所見を述べているのに、医学上他覚的所見があるとは認められないと、こういうふうに言っている。
 そしてこういうケースで、そこの医者ではだめだからあっちの医者へ行けとか、こっちの病院へ行けとか、指定病院であるにもかかわらず、そういうことも言っている。つまり、いかにして業務上の病気だというふうに認めまいかということのために努力をしているケースというのがいっぱいあるんですよ。そういうことだから私は申し上げているんです。
 ですから、すべてがすべてそうだということを決して言っているわけではありませんよ。だけれども、実際の公社の姿勢として、本当に働く者の健康を守って、そして一日も早く病気を回復して、そして職場に復帰できるようにという、本当に心からそう思っているんだったら、こんな事例は起こらないはずだと思いますけれども、この点についてどうですか。
#298
○説明員(小沢春雄君) 一日も早く回復し、また職場からこの病気をなくするということについて全力を尽くしておるということは、心から思っているということをぜひ御信頼いただきたいと思います。
 なお御指摘の横浜の件は、私どもも調べたのでございますが、国立横浜病院の伊藤医師が総合所見を出されておりまして、その中に医学的所見に乏しいという表現がありましたが、そのほかの点ではかなり業務上のようなニュアンスのある診断が出ておりまして、率直に言いましてこの件は私はボーダーラインだったというふうに思います。したがってこの点を事業者側も、関東通信局の方も非常に判断に迷いまして、伊藤医師にさらにもう一度所見を伺ったりしたけれども、どうも明確な答えが得られないということで、まあ業務外に判断したというようなケースのようでございますが、これらについては、さらに医師との接触を密接にして的確な判断を行うように指導しているところでございます。
#299
○山中郁子君 いまのケースは、「現在の症状は職業が誘因となったものと思われる。」というふうに総合所見で書いてあるのですよね。これは御存じでしょう。それにもかかわらず、どうしてこれが不明確なんですか。
#300
○説明員(小沢春雄君) 先ほども申し上げましたように、そのほかのところに医学的所見に乏しいというふうな診断がありましたために、そこでひっかかりまして、伊藤医師に再検を求めた結果、関東通信局としては業務外というふうに判断したもののようでございまして、当初に申し上げましたように、ボーダーラインのケースだったというふうに思います。
 これについてはもちろん再審査の道も開かれておりますので、御本人から再審査の申し出があれは、また軌道に乗せまして慎重に対処したい、このように思います。
#301
○山中郁子君 時間が参りましたので、そのほかたくさんのケースがありますけれども、いまの局長のお話で公社の姿勢がわかるんですよ。
 なぜかというとボーダーラインだから「外」にしたって、これどういうことですか。ボーダーラインだから「上」にするのがあたりまえじゃないですか、本当に職員の、労働者の健康を一日も早く回復したいと、そういうふうに思うならは、ボーダーラインだから「外」にするっていうのは、これはまさに少しでも少ない認定しかしまいと、こういう態度をまさにあらわしているというふうに思います。
 このほかたくさんのケースがあります。これはまた引き続き私は委員会で追及していきたいと思いますけれども、そうした公社の姿勢を根本的に改めていただかなければ、本当にこの業務上災害として大きな社会的問題になっている頸肩腕症候群で苦しんでいる働く者の苦しみというものは解決していかないんだと、このことを私は強く訴えて、その点についての公社の総裁の御所見を伺って質問を終わりたいと思います。
#302
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 電電公社といたしましては、この頸肩腕症候群は絶滅させたいということをいつか私申し上げました。積極的にこの問題と取り組みまして、まあ厚生局長に小沢君がなってから、私はこの問題相当前進したんじゃないかと思います。今度の春闘の問題に関係いたしまして、労働組合からもいろいろ私のところに提案が出ておりますので、団体交渉等によりましてさらにこの問題を十分進めていきたい、このように思います。
#303
○委員長(竹田現照君) 本件に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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