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#1
第075回国会 逓信委員会 第7号
昭和五十年四月二十二日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     上條 勝久君     宮田  輝君
     安武 洋子君     山中 郁子君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     亀井 久興君     細川 護熙君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     細川 護熙君     亀井 久興君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     柏原 ヤス君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹田 現照君
    理 事
                長田 裕二君
                川野辺 静君
                西村 尚治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
                棚辺 四郎君
                案納  勝君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  村上  勇君
   政府委員
       郵政大臣官房首
       席監察官     永末  浩君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   田所 文雄君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   佐野 芳男君
       郵政省簡易保険
       局長       北 雄一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    平井 寿一君
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
       日本電信電話公
       社総裁      米澤  滋君
       日本電信電話公
       社総務理事    山本 正司君
       日本電信電話公
       社総務理事    遠藤 正介君
       日本電信電話公
       社職員局長    中林 正夫君
       日本電信電話公
       社厚生局長    小沢 春雄君
       日本電信電話公
       社営業局長    玉野 義雄君
       日本電信電話公
       社計画局長    輿 寛次郎君
       日本電信電話公
       社データ通信本
       部長       朴木  実君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (簡易生命保険料の払込団体の運営に関する件)
 (簡易生命保険の超過契約等に関する件)
 (日本電信電話公社職員の賃金問題等に関する
 件)
 (業務上疾病の認定に関する件)
 (電話専用料金改定等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹田現照君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○案納勝君 私は、きょうは簡易保険の問題について、簡易保険の本来的資金の運用その他、基本問題については後日に譲ります。本日は、その前提になるべき幾つかの問題、団体組成、超過契約等の問題を中心に少しく問題を明らかにしていきたいと思います。
 まず大臣にお尋ねしますが、簡易保険の役割りというのは簡易生命保険法の第一条、二条に明らかでしょうが、もともと国民の大多数を占める比較的多数の、しかも低所得者といいますか、所得の少ない勤労大衆の経済生活、これの安定、福祉に寄与するというそういう意味で、営利を目的としない保険として成り立っておるその使命があると思います。その上に立って、さらにその保険の運用に当たっては社会的な公平を確保して、契約者すなわち国民の利益を保全をして、そして利益還元の平等化ということが貫かれなければならないと思うんです。
 そういう面で、大臣から、私がいま申し上げたことについて、保険の本来あるべき使命、これらについての御見解を承りたいと思います。
#5
○国務大臣(村上勇君) 御指摘のとおりであります。
 この生命保険の確実な経営によりまして国民の経済生活の安定を図り、そのまた個々の国民の福祉を図るということがそのすべてであろう、かように思っております。
#6
○案納勝君 そうすると、その施策は、契約から満期あるいは給付まで、初めから終わりまで国が責任を持ってサービスを提供する、こういう義務があると思いますが、いかがですか。
#7
○国務大臣(村上勇君) そのとおりでございます。
#8
○案納勝君 それじゃ、そのためには、法律の違反あるいは法律を無視したり、あるいは不公正な募集、こういうことはあってはならぬと考えますが、いかがですか。
#9
○国務大臣(村上勇君) そのとおりで、そういうことがあってはならないと思います。
#10
○案納勝君 それじゃ、私は、その確認の上に立って、幾つか具体的な例を申し上げながら質問します。
 まず、都信用事件というのが警察の捜査が三月に行われました。――きょうは、ここに警察庁の方お見えになっておりますか。
#11
○委員長(竹田現照君) 見えております。
#12
○案納勝君 まず郵政省にお尋ねしますが、この事件は、四十八年の九月に読売新聞によって明らかにされ、そうして四十九年五月、郵政省が告発をし、五十年、ことしの三月二十二日に警視庁が捜査をした、こういう経過であります。
 まず、事件の事実関係、現状について、現状認識の立場からひとつ明らかにしてもらいたい。
#13
○政府委員(北雄一郎君) 都信用でございますが、かねて都内の簡易保険料払い込み団体から、団体内の保険料集金事務を受託しておったのでありますが、昭和四十八年七月に、その集金いたしました保険料の一部、約一億七千万円を流用しておる事実が判明したこと、御案内のとおりでございます。
 省といたしましては、当時、直ちに都信用と保険料払い込み団体代表者との委託契約を、省の監督下にあります財団法人でありますところの簡易保険加入者協会に委託がえさせるとともに、都信用が保険料流用先に対して有する債権の回収につきましても、同年の十二月に都信用から債権の譲渡を受けましたただいま申し上げました加入者協会、これが事件を弁護士に依頼いたしまして法的措置を講じまして、鋭意、回収に努めたわけであります。現在までに二千四百九十四万円の債権を回収いたしております。残余につきましては、引き続き各債務者に対する動産・不動産の差し押さえ等の法的措置を講じまして早期回収に努めておるところであります。
 また、一方、加入者協会におきまして債権の回収が一部不能に陥る場合も想定いたしまして、従来都信用が保険料取りまとめに際しまして挙げていたと同様の手数料からの節減によりまして流用額が早期に補てんできるように努めておる次第であります。現在、この関係での節減額が四千九百万円になっております。
 また一方で、都信用株式会社の幹部が、ただいま申しましたように、団体保険料を流用して回収不能の状態に至らしめたことに対しまして、昭和四十九年の五月に、東京郵政局長が都信用の会長及び社長を警視庁に告発いたしておりましたが、警視庁におかれまして、去る三月に、都信用事務所等四カ所の家宅捜索を実施したと聞いております。
 この事件は、団体代表者から団体保険料の取りまとめを委託された都信用株式会社がその取りまとめた保険料を流用したことによりまして、国に対する保険料の払い込みを延滞させたのでありまして、法律的には団体代表者と都信用との間の問題でありますけれども、このような事態が生じましたことにつきましては、省といたしましてもまことに遺憾でございまして、その間、当局の指導上十分でなかった点を深く反省いたしておる次第であります。いずれにいたしましても、団体代表者及び保険契約者に極力御迷惑をかけることのないように善処するとともに、今後、再びかかる事態の生じないよう他の団体に対しましても十分指導をしているところでございます。
 以上であります。
#14
○案納勝君 警察庁へお尋ねしますが、いま北保険局長から説明がありましたが、四十九年五月に告発をされ、事実はきわめて明白なんですけれども、実際、捜査が行われたのは十カ月後の五十年三月二十二日、なぜこんなに立ち入り捜査がおくれたのか、その経過なんですが、普通の犯罪捜査では考えられない、まさに証拠隠滅の期間を与えて、大体証拠隠滅が終わったような時期に捜査をする、そういうふうにとられてもいたし方ないようなやり方です。
 これは郵政省が一面で告発しながら、他面では、そういった捜査についてある意味では抑える、他にあるいは政治的な要因というものがあったのかどうか、その理由を明らかにしていただきたい。
#15
○説明員(平井寿一君) 警視庁におきましては、ただいまお話しございましたように、四十九年の五月末に東京郵政局長から告発を受理して、その直後から本庁の捜査二課で体制を設けまして、鋭意その捜査を進めたのでございますが、本事件は、この種業務上横領事件の中では非常に捜査対象が広範囲と申しますか、関係者が多数でございまして、しかもその事案の内容につきましては、犯行の方法が大変複雑なわけでございます。たとえば、ある局の管内からの集金でそれを使い込んだ場合に、他の局の納入分にそれを充当して、さらにまたそれを他の局の集金分から穴埋めするというふうな自転車操業などが数多く行われておりまして、それが大変長期の犯行期間の間行われておったと、こういうことから、個々の集金から納入に至るまでの行為について一々検討いたしまして、それが業務上横領になるかどうか、こういう事実関係の確定を図っていかなきゃならないところに大変時日を要する捜査になっておるわけでございます。
 そういうことで警視庁といたしましても、現在まで告発受理以来、多数の契約関係者などの当事者の取り調べ、あるいは会社の経理の検討などを行ってきたわけでございますけれども、さらにその証拠の補てんをするために、本年三月二十二日に強制捜査に着手いたしまして、関係個所の捜索を行って多数の関係書類を押収して、現在までの捜査にそれを合わせて事案の解明に努めたところでございます。決して特別な意図で捜査がおくれたということではございませんので、そういう大変膨大、複雑な捜査事案でございますので相当の時日を要しておりますけれども、なお今後とも鋭意捜査を行いまして、早急に事案の解明を図ってまいりたいというふうに考えております。
#16
○案納勝君 郵政監察にお尋ねします。
 監察は、すでに四十九年の一月、立入監査を行っている。で、本事件は四十七年に明らかにされた事件ですが、と言いますのは、郵政省の資料の中によっても、すでに四十七年四月からこの団体について問題がきわめて明らかにされつつあった。十数回にわたって東京郵政局がこの都信用と折衝をしてきている。で事件が明らかになったのは四十八年です。そういうふうに長い間、その以前から、こういう犯罪の起こる危険性を内包しながら郵政省はすでに察知をした。その中で監察が四十九年一月にやっと立入検査をやった、それも犯罪事実が明らかに新聞で公表されてから。そういう経過になっている。
 そうして、しかも郵政省は、都信用については四十九年の八月末をもって委託契約の効力を失わさしている、失効さしている。ところが、都信用が営業を停止したのはその前でありまして、四十九年の二月一日には都信用はすでに解散をしている。解散をしている都信用、そして郵政省の委託契約は四十九年八月末まで委託契約なんです。これはどういうことになっているのか。
 郵政監察としては、四十七年四月からそういう事件が予想され、郵政局は都信用と折衝を十数回にわたってやっている、犯罪の危険がそういうものについて予想される、そういう問題についてはどういう対処をしてきたのか、私たち関知しませんと、そういう態度できたのか。それでやっと新聞で明らかになって立入検査をする、そういう姿勢しか監察としては考えられませんが、監察がこれに対して取り扱いした経過と、どう対処してきたか明らかにしていただきたい。
#17
○政府委員(永末浩君) 郵政監察といたしまして、経緯を申し上げますと、四十七年の一月三十一日、麻布局外二局におきまして、都信用から保険料として払い込みを受けた小切手が三枚、合計で五千九百十六万円でございますが、これが不渡りとなったわけでございます。したがいまして、そのころ、金額も余りに膨大でございますので、関東郵政監察局におきまして関係郵便局を調査しまして、あわせて振出人である都信用から事情を聴取したことはございます。
 ただ本件につきましては、関係郵便局について調査しましたところ、不渡り小切手三枚につきましては、四十七年の二月四日に支払い保証の小切手で不渡りの分の保険料が払い込まれておりました。で、小切手の不渡りの原因につきまして、都信用の関係者から事情を聴取したわけでございますが、これは取引先の金融機関との間の行き違いによる預金不足と判明したわけでございます。ただ、その当時、この不渡りの小切手の問題につきましてはそのことが解決したわけでございますが、会社側における保険料の集金経理、その監査のやり方についてはかなり問題があると認められましたので、関東郵政監察局では、都信用の問題点を東京郵政局に通報した次第でございます。
 それから、団体保険料の払い込み等は私たち考査に参りまして調査するわけでございますけれども、本件につきましては、何分払い込み団体あるいは都信用その内部の関係でございまして、そこまで立ち入って調査するということはその当時行き過ぎであるというふうに考えていた次第でございます。
#18
○案納勝君 保険局長にお尋ねしますが、郵政省から出された文書によっても、都信用とは四十七年四月八日以来十数回にわたって東京郵政局が折衝をしてきた。折衝をしてきたというのは、いま監察官から報告をされたように、手形の不渡り等きわめて危険な内容を内包しているから折衝してきたと思う。そして「折衝の結果、昭和四十七年十月二十七日委託契約は、昭和四十九年八月末日をもって効力を失う」と、こういうことにしていますね。ところが、先ほど私が申し上げましたように、すでに御案内のとおり犯罪の事実というのは、この時期は相当進行している時期、おまけに解散は四十九年の二月解散をしている。
 こういうきわめて郵政局の監督といいますか措置についても、全く都信用のこの犯罪の関係と施策というものがばらばらで、一貫性がない、施策について責任性がない、こういうふうに言わざるを得ない。この辺の経過について、どうですか、明らかにしてください。
#19
○政府委員(北雄一郎君) いまお話しございましたように、四十七年の七月から十月までの間、東京郵政局は団体代表者から委任を受けまして都信用と十数回折衝をしたのであります。
 その趣旨は、仰せのようなことで、契約を解除しようということで折衝をしたわけでありますが、結論といたしまして、これまた仰せのように四十九年の八月で委託契約の効力をすべて失わしめる、その間保険料の集金それから納付は遅滞なく行うという協定書を取り交わしたわけであります。
 ところが、年を越えまして四十八年の二月になりましてから、団体保険料の郵便局への払い込み遅延あるいは不渡り小切手の発行というようなことが続発いたしましたので、東京郵政局といたしましては、先ほど申し上げました都信用との協定に基づきまして再三業務改善勧告を行ったのでありますが、なかなか実態が改善されませんでしたので、その年の七月に、都信用から保険料集金カードの提出を受けまして精査いたしました結果、先ほど申し上げましたような一億七千万円の流用をつかんだわけであります。
 そこで、この事実に基づきまして、東京郵政局は、直ちにその流用額について公正証書の整備を要請するとともに、越えて八月に都信用と保険料払い込み団体代表者との委託契約を解除させまして、これまた先ほど申しました簡易保険加入者協会へ委託がえをさせる、こういう措置をとったわけであります。都信用がなくなりましたのは、それからまた年を越えまして四十九年の二月と、こういうふうに承知をいたしております。
#20
○案納勝君 これは監察の方に。全国にこの種の払い込み団体の事件というものは数多いと思います。これらの全国の団体の実態をどういふうに把握をされているか。いままでこの種の類似事件、そういったものについての対処あるいは類似事件についてどういう措置をしてきたか明らかにしてもらいたい。
 ただ、念のために申し上げますが、後ほど団体組成の問題で具体的な質問をする。それらについて具体的な新聞等の報道されたやつの説明は後ほどしてもらいます。団体組成に伴う犯罪事項、これらについての対処状況を総括的にお伺いしたい。
#21
○政府委員(永末浩君) 私、団体についての犯罪というのはこの一件しか現在のところ聞いておりません。
 それから今後の対処の仕方としましては、団体の適正化について簡易保険局から通達が出ているところでございまして、この通達を受けまして、今後、考査に当たりましては注意をしていきたいと思っております。
#22
○案納勝君 永末首席監察官にもう一回確認します。
 簡保の団体組成というのは、これは施策募集として省の重要な政策の一つですね、違いますか、どうですか。簡単にそうか、そうでないか。
#23
○政府委員(北雄一郎君) 施策募集ということは、御案内かと思いますが、募集の上でこれを活用しておる次第であります。
#24
○案納勝君 団体組成というのは重要なその意味での施策ですね。
#25
○政府委員(北雄一郎君) 団体組成そのものは、御承知のように、これは団体を組成いたしますと、この団体に入っておる加入者の保険料の割引制度があるわけでございます。割引制度の中で、その団体がいろいろな活動をするということを希望するそういうニードも非常に強いわけでございますので、そういった加入者の方の御要望と、そのことによって保険契約も伸びるということと両々相まちまして団体――一方では、これをその内容が適正であるということを期するようにいろいろ指導をいたしますと同時に、適正な団体についてはこれを伸ばしていくという考え方を持っております。
#26
○案納勝君 いや、北さん、ごまかさなくていいんだよ。加入者の希望というよりも、省の施策として団体組成を積極的に進めてきた、このことは間違いないですね。
 それでは、あわせて、そういう施策を進めてきた場合には、監察としては当然これらの団体の組成について、その状況について把握をしなくちゃならぬ責任があると思いますが、この辺についての見解も簡単にお答えください。
#27
○政府委員(永末浩君) 先ほど申しましたように、団体保険料が払い込まれる、この払い込みが遅延していないかどうか、そういったことについては監察として、当然考査の際など調べることがあろうかと思うわけでございますが、団体内部の問題、これについては、いままでのところ、そういったものは考査したりあるいは調査したりすることはいたしておりません。
 ただ、先ほど申し上げましたように、団体につきましてある程度規制するというような通達が出されておりますので、その点につきましては、今後、考査の際に十分に見ていきたいと思っている次第でございます。
#28
○案納勝君 それは後からさらにやります。
 次いでお尋ねしたいのは、都信用に返りますが、加入者協会に都信用の業務を引き継ぎました、債権債務。その債権債務の引き継いだ内容――北保険局長は、先ほどの答弁で、約一億七千万円の焦げつきの中で二千四百九十四万円回収が行われた、で回収が行われた残額については加入者協会が集金委託を受け取って、その中の経営努力として四千九百万円、今日、この回復に当たった、こういう報告がありました。で、この一億七千万円の焦げつきの中で、残った回収後の焦げつきについて債権債務の引き継ぎはどういうふうになっているのか、その辺をひとつ説明をしていただきたい。
 そうして、さらに野田前局長は、四十八年九月五日にこの事件が明るみに出たときに、金額回収できる、こういうめどを持っておると新聞紙上に発表をしていますね。それはどういう見通しでそういうことを言ったのか、この辺もあわせてひとつ内容を明らかにしていただきたい。
#29
○政府委員(北雄一郎君) 債権債務を、先ほど申し上げましたように、加入者協会が都信用から引き継いだわけでありますが、まず、その内容を申し上げますと、加入者協会は都信用から昭和四十八年の十二月に合計一億七千万円の債権の譲渡を受けまして、現在、その回収に努力中であります。で、これらの債権はいずれも都信用が保険料を流用いたしまして第三者に貸し付けたものでございます。しかし、加入者協会は、その際、都信用から債権の譲渡のみを受けたのでございまして、債務の引き受けは一切しておらない、これが引き継ぎの内容でございます。
 それから、当時といたしまして、そういう焦げつき債権が回収できるというふうに判断したわけでございますが、残念ながら、その後の事情の展開の中で、現段階ではそれはきわめて困難だというふうに思わざるを得ないのであります。
#30
○案納勝君 これは資料として提出をしてもらいたいと思うんですけれども、協会委託に伴う一連の関係データを明らかにしてもらいたい。いまここで説明を口頭で受けるよりも資料でこの委員会終了後提出をしてもらいたい。委員長、ひとつお願いします。
#31
○委員長(竹田現照君) よろしいですか。
#32
○政府委員(北雄一郎君) 結構でございます。
#33
○案納勝君 いま説明をされましたが、この都信用事件に見られるように、集金を投機に流用をする、このような大がかりな運用がなぜ可能なのか、この点について御見解を承りたいと思います。
#34
○政府委員(北雄一郎君) 団体の保険料でございますが、国に保険料という債務の弁済があったとされます時期は郵便局に団体代表者からその保険料が払い込まれたときとなるわけであります。したがいまして、その間、保険約款によりまして、一定の延滞期間といいますか、猶予期間というものが設けられておるわけでございます。
 その趣旨は、やはり一定のそういう期間を設けることによりまして、加入者の方の契約の失効解約を防ぐという加入者に対する一つの恩典と申しますか、加入者のための一つのそういう制度があるわけでございまして、これは簡易保険のみならず民間保険にも共通しておることでございまして、そういった加入者の立場を考えまして、少し延滞したからといって失効解約にならない、しないというような角度からそういう制度がある。したがって、その間に、集金を第三者に委託しておるような場合に、個々の加入者が保険料をいわば早く毎月正常に払い込んでおりましても、これを団体としてまとめて団体の代表者が郵便局に払い込む時期がおくれるという場合があり得るわけでございます。
 と申しますのは、団体の場合は、結局、約款によりまして、十五名以上、十五個以上の契約があったときに団体になるわけでございますが、これを集金する場合に一斉に集金できるとも限らないわけでございます。団体構成員の中には払い込みのおくれる方もある、早い方もある。しかし郵便局といたしましては、団体の一カ月分のものを一遍にそっくり債務の弁済をしていただく、こういうシステムになっておりますので、団体の方でも払い込みがそういうふうな延滞ということになることがあるわけでございまして、これをひっきょうするに加入者の利益を保護するための簡民保を通じた一つの制度である。都信用の場合はそこを悪用したと、こういうことだと存じております。
#35
○案納勝君 もっと簡単に答弁をしてもらっていいんですが、要するに簡保の約款三十九条で払い込み猶予期間三カ月と、こうなっているわけですね。それであなたたちは保険募集をやる、そして募集をやって、その集金についてはその団体に委託をする。そうすると団体は三カ月間の猶予期間を利用して、集めた金を三カ月間投資に回すことだって可能なわけだ。そして三カ月後に払い込みをやり、後は自転車操業で回転をしていけば莫大なそういう意味での利息は転がり込んでくるんです。こういうやり方が、今日、この都信用事件の中では明らかになってきているわけですね。この道を開いたのは、実は、郵政省の施策じゃないんですか。施策募集と言われ、団体組成を積極的に進めた郵政省の施策がそうさしたと思う。
 国の、営利を目的としない簡保事業の場合、安全で正確でなくちゃならぬ。先ほど、契約から給付まで責任を持って郵政省が保険事業を進める、それが国の保険事業である以上、今日、こういう大がかりな運用が行われる可能性を残すこの施策募集、団体組成については私はこのまま野放しにすることはさらに犯罪を誘発するだけだと思いますが、いかがですか。
#36
○政府委員(北雄一郎君) 団体そのものにつきましては、団体で集金していただければ郵便局の方の手間が大いに省けるわけでございまして、したがいまして当方としても一定の割引ということをしておるわけでございます。その点は当方も有利でございますし、お客様の方も有利である、こういうことが団体の基本にはあるわけでございます。
 団体の場合、先ほども申し上げましたように、加入者が払い込むというのはいわば団体に対して払い込むわけでございまして、団体の代表者がそれをまとめて郵便局に払い込む。したがって保険料の債務の弁済という観点におきましては、代表者が郵便局に払い込むということがすべてでございまして、各加入者が団体代表者に保険料相当額を払い込まれるというのはいわば団体内の自治の問題だというふうに理解しております。
 しかし、その間、現に都信用にございましたように、これを団体代表者、あるいはそれから受託を受けたこの都信用というものがそれを転がしたというようなことは大変遺憾でございますので、その点につきましては、従前から、特にこの事件が起こりましてから、団体保険料の郵便局への払い込みの延滞ということにつきましては、特に各局におきまして厳しく監査をさせております。結果的に、団体の延滞払い込みという率は一般の払い込み状況よりもはるかに低い、こういうことでありまして、全体としては健全な団体維持が図られておる、こういうふうに私どもは考えているのでございます。
#37
○案納勝君 こういう犯罪を招いた、あるいは誘発をする要因は団体組成と超過契約にあることは、後ほど明らかにしていきます。
 それは後ほどするとして、ここでもう一回お尋ねしておきますが、保険の契約の成立は、外交をしている保険の外務員の人が契約をする、その時点から契約は発効するわけですね。それで、こういう団体組成の場合の「旅行友の会」とか、こういったものはその集金を委託する、こういうだけですね。
 そうしますと、仮に契約を国と結んで、いま言われる集金人によって集められた金がこのように流用され猶予期間三カ月転がされる、そこで事件が発生をした、そうすると契約をした契約者、国民の権利というのはどうなるんですか。
 あなたたちのいままでの答弁では、それは団体の問題であるから郵政省は関知してない、こういう言い方をする。しかし契約者と郵政省は契約を結んでいる、そして集金は委託人がやったにしても、その真ん中のやつがぼっとなくなっちまった、その契約者の権利はどうなるんですか。この都信用の場合はどうなるんですか。あるいは今後、いまから団体組成問題で幾つか指摘しますが、同じように契約者と郵政省との債権債務、これはどうなるのか。たとえば契約をして一期だけ払い込んだ、払い込まれたのが三カ月も回転させられた、その間に死亡したといったときには、実際に被保険者に郵政省としてはどのような責任をとるか、明らかにしてもらいたい。
#38
○政府委員(北雄一郎君) 先ほども申し上げましたように、団体の保険料につきましては、国に、郵便局に団体代表者から保険料が払い込まれましたときに債務の弁済がなされた、こういうわけであります。したがいまして、たとえ保険契約者が保険料を毎月当該団体に正常に払い込んでおる場合でございましても、団体代表者がその団体の保険料を延滞して払い込んでおる場合には、その団体に属する保険契約でありますので、すべて延滞払い込みの状態になるわけであります。
 都信用関連の団体のうち、一部の団体につきましては、保険料が正常に払い込まれておるにもかかわりませず延滞払い込みになっておった、またおるのもあるわけでございますが、そのような場合には、その延滞払い込みの団体に属する保険契約が消滅をする、あるいはその団体から脱退をされるというようなケースがございますが、そういった場合には、その都度、当該契約につきまして、先ほど申し上げました簡易保険加入者協会が正常払い込みに戻しておりますので、保険契約者に不利益の生ずるような事態は生じておらないわけでございます。
#39
○案納勝君 これは単に都信用の問題だけではないんです。
 もう一回お尋ねしますが、そうすると、払い込み団体が納めたときから債権債務、要するに債務は発効をするというわけですね。郵政省のその契約者に対する保険の成立はそこの時点から発生をする、こういうふうに理解していいですか、契約の時点でなくして。たとえば契約は団体が契約をさしてないでしょう、保険に加入するという契約は郵政省の各局の外務員の人たちが行って保険の募集を行う、集金だけがその払い込み団体に委託をされる、保険の契約というのはその契約を実際保険に入りますと結んだときに発効するんじゃないですか、支払いの金が実際に郵便局に払われるかどうかというのはその次の問題じゃないですか、その辺どうですか。
#40
○政府委員(北雄一郎君) お説のとおりでございまして、保険契約の効力の発生というのがまずございます。無論、その初回の要件は第一回保険料の払い込みということにはなっておりますが、そういうことで契約が効力を発生いたします。
 自後、毎月あるいは前納という制度もございますけれども、自後保険料を継続してお払い込みいただく、その場合に保険料の払い込みが一定月数以上滞りますと失効する、こういう問題があるわけでございまして、先ほど私が申し上げましたのは、いわば第二回保険料以降の問題でございます。有効に継続しておる契約について当然第二回以降の保険料が適正に払い込まれる、その場合、団体契約であれば団体保険料を団体の代表者が郵便局に払い込まれるときに団体に属するすべての契約についての保険料の払い込みがなされたんだと、こういうふうに郵便局としては理解をするシステムになっておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
#41
○案納勝君 そうすると、これは後ほどの問題に関連をするんで、そのときに繰り返しになると悪いからもう一回言います。
 大体、正常の場合、この都信用の場合でも都信用という株式会社は観光旅行あっせん業をやっているわけですね、だから一般の集金事業をやっている。いままだ郵政省の団体組成の中で何々旅行会あるいは観劇会をつくっていますね。郵政省の通達でも明らかですが、それらの団体はこういうふうにつくりなさいという通達がされた。いままで一般的なのは、本来ならば約款五十三条で言う「団体」とは職域団体を指しているわけです。団体という性格があって、その上に立って保険に一括して団体保険として加入する。ところが今日までの郵政省の団体組成の進め方は、あなたは保険に入りなさい、そして旅行保険ということで旅行がひとつ好きならばその団体をつくるから、そうすれば七%の割引があるからこれに入りなさいと、こういう団体組成の仕方を要するにやってきたことは間違いないんです、後ほど明らかにしていきますが。
 この都信用の場合にも同じですが、契約は郵政省の局員の人と契約をする、一回払い込みやります、契約のときに。そして二回から以降は、その団体に入るということになりますから集金人が金を集めてくる、三カ月間滞納される、あるいは転がしをされ事件が発生をする。そういった場合は、郵政省の責任として、当然、これらの債務というものは郵政省が責任を持って負うということになりますね、その辺はどうですか。
#42
○政府委員(北雄一郎君) その点につきましては、団体に所属する各契約を結んでおる加入者と団体代表者との関連の問題でございまして、いわゆる団体自治に属する問題だと考えております。
 ただ、仰せのように、そういう団体そのものの組成等について郵政省がかかわり合いを持っておるということは、これはそのとおりでございます。しかし、その場合、俗な言葉で恐縮でございますが、妙な団体ができないように、そういう団体ができると団体自治とは申しましてもその中で不測の問題も起こらないとは限らないという角度から、団体を組成する場合に、これについてそういう間違いが起こらないようなかっちりした団体をつくらすということで、いろいろ具体的に、こういうふうにしなさいというふうなことを各局へ私ども指導いたしておりますし、そのとおりに各局で、いわば団体組成を規制と申しますか、規制するように相努めておる次第であります。
#43
○案納勝君 まあこれはこのところではこの程度にして次へ移りますが、私は、加入者個人の契約を保全する、こういう面では、今日のこれらの事件等一連の払い込み団体の組成問題はきわめて重大な問題だと思います。それはその程度にとどめて、都信用にもう一回返ります。
 都信用の債権を受け継いだ協会は、二%の集金手数料のうち一%で欠損の補てんをしていますね。それで一%で集金人の賃金に充てているというのは事実ですか。
#44
○政府委員(北雄一郎君) その点は、先ほども申し上げたと思うんでございますが、そういうことでございます。ちなみに都信用時代におきましてもやはり一%ということであったと聞いております。
#45
○案納勝君 集金手数料は事実一%でやれるなら、なぜ二%割り引かなくちゃならぬのですか。これは一般論からいって、少なくとも一般の契約者あるいは国民に還元をする、こういうことが簡保の本来あるべき姿じゃないでしょうか、この辺どうですか。
#46
○政府委員(北雄一郎君) 約款では、御承知のように七%が割引というふうに決められておるわけでございます。で括弧いたしまして二%を事務手数料と、こうあるわけでございます。
 私ども考えますのに、契約条項としては、必ずしもその「団体代表者に対する取扱手数料」「を含む。」ということをあえて定める必要はないんじゃないか、それが本質だと思っております。要するに七%というものをいかように使う、いかように配分するかということ、これまた団体内部の問題でございまして、加入者あるいは団体と私どもの関係におきましては、団体ができて団体で集金を取りまとめて払っていただければ七%割り引きますというのが本来の契約関係だと思うのでございます。それを二%、五%というようなことは本来的には団体内部の問題だと、こういうふうに理解しておるのでありまして、したがってあえて約款の中でそういったことを定める必要もないんではないかというふうに本質的には思うんであります。
 ただ、これまでいろいろと経緯がございまして、実は、この割引の中に「団体代表者に対する取扱手数料」も含まっておるんだというふうにいたしましたのが昭和二十五年の八月からでございます。これはかねてから加入者の方から団体代表者に対する手数料というものを別に支給してほしいという要望がございましたし、また実際に団体代表者が保険料を取りまとめたり団体の事務を取り扱ったりするために少なからぬ手数を要するという実態もございましたので、「取扱手数料」を含めて割り引くということにいたしまして、その際、この旨を明示した方がよかろうということで明示をしたわけであります。
 したがいまして、結論的に申し上げますと、二%を含めて七%相当の割引額の具体的な使用法というものは基本的には団体の自治に任せられてしかるべきものだと、こういうふうに理解をしております。
#47
○案納勝君 裁判の結果、一億数千万円取り立てられた場合、その金はどうなるんですか。いまの委託をした加入者協会の収入になるんですか。都信用事件における一億七千万円、この焦げつきの分の金の始末はどうするんですか、この点。
#48
○政府委員(北雄一郎君) 債権が仮に将来全額回収されたとすれば、仰せのように、それは都信用から協会が債権の譲渡を受けておるわけでございますから、協会の債権が実現されたと、こういうことになると思います。
#49
○案納勝君 それじゃ一億七千万円の焦げつきの回収は、加入者の負担で回収をしている、こういう結果になっていますね、いま。御案内のように債権を引き継いで加入者の手数料の一%をこの負担に回し、四千数百万円すでに回収がされたと。
 先ほど、私は債権債務が加入者と郵政省の間でどうなるのかと聞きました。で、その中でも契約をした時点で契約は成り立つ、一億数千万円の金は、その間の集金、払い込み、要するに保険料を払った加入者がもう実損になっているわけです。そしてその実損になった金は加入者協会が今後の集金の中で、あるいは裁判等を通じて回収をしていきます、加入者協会のまるまるの収入になるというのは、これはおかしいじゃないですか。加入者に還元をするか、あるいはこの具体的な金額の取り扱いについて郵政省が持つ債務という関係、その辺について明確な態度を明らかにしなきゃならぬのじゃないですか。単に全部この収入金額が加入者協会のものになるというのは、大体、おかしいんじゃないですか、この辺どうですか。
#50
○政府委員(北雄一郎君) 当該団体に所属する加入者といたしましては、都信用が正常に運営していたときと、加入者協会が集金委託を受けておる現在とで全く同じであるというふうに理解しております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、現に、その後の日にちの経過の中で、個々の契約が消滅したり――死亡その他保険事故の発生等によりまして契約が消滅したり、あるいは加入者が団体から脱退をするというようなケースの場合には、これは加入者協会の方でお金を出しまして正常払い込みに戻しておって、その後の日にちの経過による契約の消滅、脱退等により加入者に不利益の生ずるようなことがないようにしております。そういう次第でございます。
#51
○案納勝君 このあたりははっきりしないんですが、それじゃ都信用の一億七千万円の焦げつきによって、加入者の場合はその権利が失効したりなどということは一切なかったというふうに理解していいですか、この点どうですか。
#52
○政府委員(北雄一郎君) 今日までは一件もないと確信いたしております。
#53
○案納勝君 それは現実に加入者協会が都信用の債権を引き継いだ以降ですか、以前も含めてですか。
#54
○政府委員(北雄一郎君) 加入者協会が引き継いでからもちろん一件もございませんし、それ以前もあったということを聞いておりません、だから、なかったと思います。
#55
○案納勝君 そうすると、この一億七千万円というような焦げつきは、どういうことで焦げついてきたんですか。
#56
○政府委員(北雄一郎君) 焦げつきが発生した理由は、先ほど先生の御指摘のように、払い込み猶予期間があるのをいわば奇貨として、少なくとも結果的に回収できないところへ都信用の当事者が金を貸したというところに発生したわけでございますが、結局、その結果、現在でも、先ほど来申しておりますように、一部債権の回収でありますとか、あるいは節減額を積み立てるというような措置によりまして一億七千万円相当の延滞分と申しますか、延滞が大分短くなってきておる、こういうことでございます。
 一億七千万円焦げつきがあった都信用の当時には、第一延滞つまり一カ月延滞、あるいは二カ月延滞というものは相当あったようでございますが、今日では、一億七千万円のうちの、先ほど来申し上げておりますように、七千数百万円というものが回収もしくは節減によって埋まっておりますので、そういった関係で第二延滞はごくわずかになっております。第一延滞も当時よりは減っておる、こういうように思います。
#57
○案納勝君 いずれにしましても、このことは言えるのじゃないですか。加入者が決められたとおり契約をして、しかも契約をした保険料は支払いを正常にしている、ところが現実にこの都信用事件で見られるように、それが回転され焦げつく。二カ月、三カ月というふうないわゆる焦げつき、延滞になる。このことは私は単にあなたの言われるように、今回については加入者協会の債権の引き継ぎ等によって実損はなかったにしても、実際に実損が出てくる危険性というものを大きく内包しているんですね。それから現実に延滞が行われているということは、国の保険を契約している国民のそれだけ契約が公正にあるいは契約の保全が行われているとは言えないんじゃないですか。あなたが言う都信用という集金払い込み団体は一切別でございますとはしかし言い切れないのじゃないですか、郵政省の責任として、その点はどうですか。
#58
○政府委員(北雄一郎君) 簡易保険と加入者の関係におきましては、御案内のように三カ月延滞までは加入者の方に不利益なしに認められる、こういうことになっておりますので、当該団体関係の契約の一部が延滞払い込みになっておることによりまして現実に加入者に不利ということはないわけでございますけれども、一方、やはり簡易保険側といたしましては、保険料というものは毎月入ってきて、延滞がないということが望ましいことは当然でございます。そういう意味で一億七千万円の焦げつきによりまして延滞が大きく発生したということについては大変遺憾なことだと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、それはその後延滞度が低くなりまして、逐次、調整がなされてきておるという事実はあるわけでございます。
#59
○案納勝君 都信用の問題をこれ以上進めても何ですが、その中心になる団体組成について以下質問をしていきたいと思います。
 郵政省が団体組成を現実的に始めてきたのは、この約款では、団体の割引については約款の五十三条に職域団体について団体保険の規定をいたしております。しかしながら、今日、郵政省がこの職域団体以上に、自治会、婦人会、地域団体あるいは旅行、観劇、人間ドック、こういった同趣同好会の団体組成を積極的に進めてきていますね。この同趣同好会あるいは地域団体、婦人団体、こういうのはこの約款の中の何条の解釈でこれが団体組成をされているのか。
 たとえば都信用の場合は、バラ契約の分を、それぞれ観劇あるいは旅行ということを名目にして、この都信用に団体保険として、団体としてまとめて集金を代行する、こういうところからこの都信用の事件が起こっているのですが、これに類する団体がたくさん組成を今日もされてきている。これらの団体の解釈、どのように解釈をしているのか明らかにしてもらいたい。
#60
○政府委員(北雄一郎君) 「団体」と申しますのは、保険約款の五十三条にございますように、「官公署、学校、事務所、営業所、工場、事業場又はその他の団体」というのが団体の根拠であると、こういうふうに考えております。
 で、その中には具体的にここに例示されておるもののほかに、「又はその他の団体」とございます。ここに地域団体でありますとか、あるいはその中の一部と思っておりますが、いわゆる同趣同好団体というようなものが入る、こういうふうに考えておる次第でございます。
#61
○案納勝君 五十三条の「その他の団体」と言う。しかし、この五十三条でいう職域団体、これが払い込み団体の中心であって、「その他の団体」というのは、私は、この解釈――「その他の団体」で同趣同好会、観劇や人間ドックや旅行会あるいはこういった地域団体、婦人会、自治会、これは拡大解釈であって、その範疇に入らないのじゃないですか。
#62
○政府委員(北雄一郎君) これを「その他の団体」とあるから、団体と名がつけばあらゆるものを全部取り込んでよろしいというふうにまでは考えておらないのでありまして、そこまでやるということはやはり好ましくない結果にもなるのじゃないだろうか。
 しかし、たとえば同趣同好団体、これも御承知のように、ただいまでは旅行、観劇、人間ドックというような三つの目的を持ったものに限って新設を認めるというふうにいたしておりますけれども、こういったものは内容的に相当厳重な規制をいたしまして、内容の是正に努めておるところでありますが、こういったものはやはり多様化した社会情勢の中にありまして、お客様が生命保険本来の機能であるところの保障と貯蓄ということだけでなくて、その団体割引額を利用していろいろそういった旅行とか観劇をしたいというニードを持っておられますので、そういったものについては、繰り返しになりますけれども、十分内容的に規制をし、弊害の出るおそれのある点を具体的に是正しながらやっていけば、これは認めてよいものというふうに考えておる次第でございます。
#63
○案納勝君 それじゃ、いままでの郵政省の通達をずっと――四十六年の九月郵保業務第一一九号、四十七年五月公用私信、同じく五月公用私信の補足、四十七年七月保険料払込団体の運営に関する指導の通達、四十七年十二年郵保業第二七三号、この一連のやつを私は全部見してもらいました。
 特に、今日まで郵政省、あなたは「その他の団体」ということで十五名あれば団体をつくることができる、だからどのような団体であろうとも、とにかく十五名で団体集金を行って払い込み団体をつくれば割り引きますよという指導を現実に郵政省はやってきたわけですね。ここにありますね、これは東京郵政局です。「有利で便利な簡易保険の団体取扱」こういうことで被保険者が十五名以上あれば、団体として代表者を一名定めてやれば、払い込み団体として認めますよ、特典は七%割引になりますよ、あるいは前納すればもっと割引になりますよ、あるいは団体貸付が受けられますよと、こう言う。
 郵政省は、これらの団体を積極的に今日まで奨励をしてきた、団体組成として、施策募集として。そこで、その奨励をしてきた中で、御案内のように四十六年には、清水局で、朝日新聞等で、経営者労災の話法事件、簡保の誇大勧誘、労災で詐欺、行き過ぎの勧誘、当局は野放しといった新聞記事があります。あるいは同じく四十六年には、簡保の外務員の黒いとらの巻、これは北海道朝日で明らかになった。四十七年には「赤い自転車の詐欺師や!」これは朝日新聞、京都山科の事件。またはサンケイ新聞で摘発された浦和局の「郵便局がペテン勧誘」、あるいは同じく毎日で下関局の「〃おふだ〃勧誘合戦」、あるいは同じく下関、長府で「新入学児狙う学資保険」。「違法くさい簡易保険」これは松山郵政、朝日新聞。あるいは「外人部隊が活躍 所属局隠し応援」名古屋の中村局。一連の四十六年から四十七年に外部告発が行われてきた。
 郵政省は、四十六年の九月、この清水事件を受けて郵保業第一一九号というのを出している。これは保険料団体払い込み制度について、一部地域において、保険料の割引と称して集金人が保険料を集金しながら団体割引するなど、本制度の趣旨に逸脱した取り扱いが見受けられるとして適正化の通達を出した。
 ところが郵政省が言うように、団体組成というのは、団体があってその上で保険料割引が行われているのじゃなくて、保険の勧誘をするため団体をつくって、バラ契約を一つにまとめてそうして代表者を出して、七%の割引をやるからといって勧誘する、これが今日の「その他の団体」の主たるねらいじゃないのですか。そこにこの都信用の問題や、あるいは今日起こっている――郵政省は、先ほど私が申し上げましたように、四十七年十二月の郵保業二七三号通達まで、さらには今日同じように四十八年の十二月、団体取り扱い等について通達を出して適正化を図らざるを得ない現状にあるのじゃないですか。この辺の団体組成のやり方について、あるいは現状について、北さん、どういうふうに理解をしているか明らかにしてもらいたい。
 また、私は首席監察官にお尋ねしますが、いま私が明らかにしました四十六年九月の清水の事件以来、四十七年あるいは四十八年でもあります。四十八年の二月四日に、朝日新聞で、姫路、名古屋市内における学校長、市長等の名前による保険勧誘のチラシや文書紹介などの問題が発生をしています。その基礎には団体割引料があることを暴露している。あるいは五月には読売が幻観劇会あるいは代々木局のでたらめ勧誘を報道しているんです。北日本紙では同じく富山の簡保旅行会を挙げて、知らぬ間に個人加入を団体扱いにしている、資金の使途不明ということを報じているんです。こういう中から今日都信用というのがことしの三月手入れということに現実的になってきている。
 この一連のこれらの事件、外部告発というのは、先ほど私が申し上げました郵政省の我田引水的な、ともかく金を集めればいいんだ、保険を募集してくればいいんだといったこのやり方、今日までのやり方が契約者、国民の権利といいますか、契約の保全あるいは平等な利益の還元、こういう国の保険事業としてのあるべき姿から逸脱した姿勢の中に出てきているんじゃないですか。この辺について北さんの見解をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
#64
○政府委員(北雄一郎君) 遺憾ながら、御指摘のように、過去におきまして四十六年以来、いわゆる不正話法でありますとか、あるいは団体組成の行き過ぎでありますとか、さらには超過契約問題等につきまして、いろいろ問題とされてきたことは仰せのとおりであります。
 これに対しまして、やはり私どももそういう事態を改善する必要があるということは当時からはっきり態度を決めておるわけでございまして、たとえば不正話法問題につきましては四十六年の十月に通達を出しまして具体的に指導をいたしておりますし、団体組成につきましても、これまた先生御指摘のように、累次にわたる通達によりまして逸脱した運営をしないようにということを具体的に指示しておる次第であります。これも御承知かと思いますけれども、ごく最近のものとしては四十八年の九月、十二月、それから少し前ですが、四十七年の十二月というような通達によって既存団体の適正化、それから新規に団体を結成する場合に行き過ぎがないようにということで具体的な指針を示して、行き過ぎのないように努めておるところであります。
#65
○案納勝君 時間がないので、実は、はしょっていまずっと質問しているんですが、もう一回お尋ねします。
 この団体の中にリベート団体、要するにバラ契約を十五人に集めて、そして払い込み団体として団体組成をしてきた、したがって七%の割引料をもらって保険料を割り引く、こういったリベート団体というのが各地にありますけれども、これらについてはどう処置をしているんですか。
 要するに、私は、ここで払い込み団体というのはもっと厳正に五十三条に立ち返らなければ、いま郵政省の北さんが言ったように、四十八年の九月十七日に郵保業第一七八号通達で一連の適正化をしてきているけれども、まだ依然として旅行、観劇、人間ドック、こういったものを含めてのリベート団体が存在をしておるわけですね。しかも、この規制については、新しい組成はしないと言いながら、今日までの団体規制というものについては、骨抜きといいますか、何ら規制しようとしてない、基本的にはいままでのやり方をそのまま踏襲しようとしている、こういう通達の内容というふうにしか私には理解できない。その辺について、そういう職域団体以上の逸脱をした払い込み団体、団体組成をやめるという、そういう気はありませんか。そのことは、このまま続ければ、あるいは今日までの問題についても、国の保険として私はゆゆしい問題だと思いますが、この辺について北さんの見解を聞きたい。
#66
○政府委員(北雄一郎君) 基本的には、私ども、さっきも申し上げましたが、やはり現在見込み客が、生命保険本来の機能であります保障と貯蓄だけではありませんで、団体割引を利用して何か独自の活動をしたいというニードを強く持っておりますわけでありますので、このニードにこたえていくということが今後とも必要であると思います。
 しかし、やたらそういうことで、たとえば現金だとかあるいは小切手、商品券、品物というようなものの交付だけを目的とするような払い込み団体、こういったものも、正直、過去においてございました。しかし、こんなものはそこまで認めるのは好ましくないだろうというふうに思いましたので、四十七年の暮れの通達のときに、そういったものは今後新規の組成、それから会員の拡充、こういったことは一切認めないということにいたしました。で現にあるもののうち、必ずしもやり方が適正でないものにつきましては、速やかに個々につきまして適当な団体への改組または廃止ということをやるように指導したわけであります。同好団体として最も一般的にニードの強うございます旅行それから観劇、人間ドック、この三つに限定いたしまして、かつその運営内容が厳正、健全、適正であるという団体に限りまして組成を認めるというふうに厳しく統制をとることにしておる次第であります。したがいまして、いろいろ施策をやります場合には、当然のことながら、こういった点につきまして厳しい形でやってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#67
○案納勝君 もう一回お聞きしますが、団体というのは、本来の目的を持っている団体があって、その団体が払い込み団体の主体になる、こういう団体であるということは間違いありませんね。たとえば、もっと言いますが、保険の勧誘を通じて団体をつくって、それでそれを払い込み団体として認めるようなことはありませんね、この点はどうですか。
#68
○政府委員(北雄一郎君) 割引によりまして旅行でありますとか観劇をするというような、そういう払い込み団体につきましては、その母体団体としての独自のやはり行動が伴っておる。たとえば旅行と申しましてもときどきは行けるわけでございますから、そういう意味で、またどこへ行くということについても一種の共通性もある、そういうようなことで母体の団体としてのその独自の行動というものも伴っておるというふうに考えられますので、こういったものはやはり払い込み団体の母体となる団体があるものと考えられる場合が多いのではないだろうか、こう考えております。
#69
○案納勝君 北さん、これはどういうことですか(資料を手渡す)。それはそこにマルが書いてある、その集金表の下に百五十とマルが書いてあります、マルはこっちでつけたんですがね。それから横にマルで囲んでいるところ、これは大変問題なんですが、それには五千円以上の払い込みの場合は割引があって旅行に行けますと、こうありますね、それはある北九州戸畑の団体の集金表なんです。
 その横の百五十というのは何か、それはその人は三千円の保険料を払っているわけです。百五十円というのは実はリベートなんです。要するに、そういう集金リベート団体、五千円以上だと旅行に行けるけれども、五千円以下だったら旅行に行けない、利息として百五十円を出します、こういうことで、その団体は集金が行われている。
 これは何だと思いますか、これは正常な団体のやるやり方ですか。しかも、それは四十九年の十二月まで払われているんです。北九州の戸畑から大阪へ転任をしてきて、そして契約者が北九州では百五十円割引されていたけれども、大阪へ来たら割引がないのはおかしいじゃないかと言って抗議がきているわけです。
 要するに、あなたたち、北さんが何と言おうと、今日までの郵政省の施策募集というのは、保険に入りなさいとバラ契約をやって、そしてそれを十五人なら十五人、局員が保険課長の指導で集めて、そしてこれは払い込み団体ですよと、団体ならば七%の割引をやりますから、それで割引料で旅行に行く場合にはその旅行の補助を出す、あるいは現金でリベートするという団体がいままでやってきた郵政省の団体組成の実態じゃないですか。観劇だ、人間ドックだというのもそうじゃないですか。ドックを希望してもドックはいっぱいだ。あるいは旅行などは最たるものだ、いまは運賃は上がるわ旅館代は上がる、そういう中で旅行保険として入ったところが、実際にものの用にも立たない。最初は新幹線で行くのが鈍行になってみたり一級ホテルが三級旅館になってみたり、きわめてこの団体組成のやり方自体が国の保険としてのあり方からいったら逸脱をしているんじゃないですか。それについてはどういうふうに考えますか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
#70
○委員長(竹田現照君) ちょっと、なぞなぞ問答のようなことじゃ委員長さばけませんので、そのあれは委員長の方にも出してください。
#71
○政府委員(北雄一郎君) ただいまお示しのものでございますが、詳しくは調査さしていただきたいと思いますけれども、この場合、簡保旅行友の会に加入したらどうですかと書いてある。これは恐縮でございますが、広告などが入っておりますし、受領印を見ますと「井原第七旅行友の会」というような印になっておりまして、郵便局発行のものではないのではないかという気がいたしますので、よくその点調べてみたいと思います。
#72
○案納勝君 北さん、それは郵便局の発行じゃない、明らかに。友の会という旅行会をつくった団体、あなたたちがつくった団体の領収書なんですよ。その団体がそういうものを徴収をし、集金をし、リベートを出しているわけです。五千円以下については百五十円。この人は三千円だから百五十円です、割引をやっているわけです。これはバラ契約の人たちを集めて「第七旅行友の会」として、五千円以上だったら旅行に行けますよ、五千円以下はリベートを出しますよと、こうやって募集をやっている。だから郵政局あるいは郵便局の集金表じゃないということはもう明らかなんです。そういうことが今日の団体組成の実態ではありませんかと私は聞いている。
 もう一つあわせて聞きますが、簡易保険口座振替協会、仙台三千名、二十一団体、これの中でも最初からバラ保険、バラ契約を中心にしてこの振替協会に入れさせて頭から五%引きをした保険料で払い込みをやっている。そうすると一般のバラ契約の国民はどうなるんですか、勝手に団体組成だと――それは郵政省が団体組成をしようというメリットはありますよ、手数がかからない、そういうことをやって。あるいはそういうことを通じて募集はしやすくなる。しかしバラ契約をそのまま集めて旅行会とか友の会とか、それでしかも郵便局の元役員、元職制がそれらの役員になったりしてそれで団体組成をする。郵政省はそれを積極的に奨励をしている。あげくのさんぱちは保険の契約まで集金のそれらの人々がやる。国民の本当の社会福祉を保険する保険事業としてその責任を持たなくちゃならない、契約をすれば債権債務が生じて国の保険として国民が信頼をしてきているのに、そんな団体組成のやり方がいままかり通っている。あなたがどんなに言われたって、通達一本出しただけで具体的な指導が行われていないからそういうのが出てくるんじゃないですか。
 もっとありますよ。大阪で、これは大阪の東成局を中心にする団体ですが、代表者は松本元保険課の主任、事務局長は元保険課長河田、集金人は正井、近藤、この二名。そしてユニオンと言ってやっているわけですね。こういう団体をつくって積極的に奨励をする、そしてリベートを出す、七%割引をする。そうなって、これらの団体はいまの法十七条に言うところの最高制限額ではうまみがなくなってくると、最高制限額を突破して超過契約をじゃんじゃん取っていくことになる。ここに、後から出しますが、明らかにありますが、名前も住所もあり、しかも、そのやり方は、ここに入れば現金または小切手で還付をしますよと、割り引きますよと、そういう団体が現実にこの同趣同好会と言われる中にざらにあるじゃないですか。これは本当に本格的に調べたら大変なことになる。郵政省はきれいごとだけはここで言うけれども、こういうのが現実に調べたら各局全部あるじゃないですか。
 だから、ここで私は、北さんに、この種の同趣同好会、要するに約款五十三条に言う職域団体、これに明確に団体組成をしぼって、本来の簡保のあるべき姿に返るべきだと思います。その点どうですか。
#73
○政府委員(北雄一郎君) やたら団体をつくるとか、あるいは何ら相互に関連のない人たちを割引保険料ということだけで団体構成員たらしめるということについては好ましくないということははっきりそう思っております。したがいまして金だけが戻ってくる、五%の金だけが割り引かれる、あるいは商品券や何かがときどき戻ってくる、こういうような団体については確かにかつてございました。したがいまして、現在も残っておるものがないとは言いません。しかし、こういうものの新規組成というものは絶対にやっちゃいけない、また、そういうものが現にある場合に、そこへ新しい会員と申しますか加入者を入れてはならないということは間違いなく履行しておるつもりでございます。現にありますそういった団体につきましても、これは他のもっと団体性のある団体に改組をするように、あるいはそれができないのならば廃止をしてしまうように、そういう指導をしておるわけであります。
 ただ、繰り返して恐縮でございますが、旅行、観劇、人間ドックと三つに限りましては、ひとつ厳しい規制の中で、今後も進めさしていただきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
#74
○案納勝君 私はこの三つの団体も大同小異だと思います。基本的にリベートの問題、七%の割引の問題、これらの基本的問題がそのままにされて団体組成が行われるということについては、私は容認することができません。
 郵政省が何と言ったって、あなたたちはリベート団体を廃止するなんて言っていますが、今日まで通達を出してから長い時間かかるけれども、四十六組しか全国で廃止されてないじゃないですか。あるいは現在あるリベート団体は組数で四十九年八月では一万五千二百四十三組にも上っているじゃないですか。私がここに持っている大阪のやつだって、これだって現実に活動しているんですよ、それだってそうなんですよ、何一つ解決をしてないじゃないですか。私は簡易保険、国の保険としてこのことをこのまま放任することはできないと思う。
 しかも国民と契約をする、そして本来契約をしたら、契約から、先ほどから繰り返し言うように、給付に至るまで国が責任を持ってその債権債務を履行していく、そういう関係で国民の信頼の上に立って、しかも一たん契約をした場合には、それをしっかり国が保全をしていくというのが国の保険のあり方じゃないでしょうか。
 一たん契約をして料金を正常に本人は納める。その中間に集金人とか何とかわけのわからぬ団体がある。その団体が勝手に金を動かしたって、郵政省に言わせると、私は関知しません、その団体は別個の団体でございますと、こう言う。ところが郵政省は、この通達の中では、こういうふうに団体はつくりなさいと懇切丁寧に出している。いざとなると、私は知りません、団体の責任ですと。被保険者は掛金は正常に掛けます、その権利はどうなるのか。私はこれは放置できないと思います。
 会計検査院に、このあり方について、本来行管の関係もありましょう、しかし、一たん国民と契約して、契約に基づいて国民が保険料を支払うということになると、その保険料は国の資金だと思います。それが途中でこういう団体が介在をして、そして団体が集金をする、それでそれが延滞をする、あるいは転がされる、そういうものが介在をしてくる。これらについてのこの団体組成、それから割引問題に関係をするこれらについて、会計検査院はどういう見解を持っておられるのか、この辺をお聞きをしたいと思います。
 また、監察の方でも、いま申し上げたような一連の関係というのを、監察は、他の団体ですから知りません、こういうことで省の施策で団体をつくってきている人間ドックにしても旅行にしても観劇にしても、一切これについて監察としては関知をしないと。監察の報告書をこの二、三年のやつを読ましてもらいましたが、都信用ほかを含めて、これらの団体組成についてはこれっぽっちも監察の報告書に載ってない。本来、業務監査を行って、保険事業の将来やあるべき姿について、あるいは施策について郵政省監察としては十分に注意をし、監察をし、事件が起こらないように犯罪が起こらないようにやるべきにかかわらず、何ら一片の報告書もない、これはどういうことなんです。この辺も含めて見解を承りたい、会計検査院とそれから監察の方に。
 それから警察庁の方には、大変申しわけありませんが、もう少しお待ち願いたいと思います。
#75
○説明員(柴崎敏郎君) 簡易保険の団体取り扱いについていろいろとお話を承ったわけでございますが、この団体取り扱いにつきましては、先ほどからお話にもありますとおり、保険約款の五十三条でその定めがございます。この定めは、郵政審議会の議を経て郵政大臣が認可されたものでございますので、これの有権的な解釈、運用、これは一に郵政省におありになる、このような次第でございますので、私ども、これについてとやかく言う立場にないかもしれませんが、私どもが最も関心を持っておる、また持たなければならない点といたしまして、保険料が間違いなく国の収入として払い込まれるという点、この安全性、確実性という観点からこの定めを見ました場合に、この団体取り扱いをなし得る団体の代表例として官公署とか学校とか、そういうようなものが掲げられております。これらの点からいたしまして団体取り扱い、その集金なり払い込みの安全性、確実性というものを期待できる団体として、言ってみますれば社会的に認知された団体というものを前提にして、そういうものであれば最もその安全性、確実性が確保できるであろう、こういうようなことがやはり前提になっていくのではなかろうか、このように考えるわけでございます。
 「その他の団体」という点でございますが、したがいまして「その他の団体」につきましても、同じように安全性、確実性の確保できるような団体でなければならない、このように思うわけでございます。
 そういう意味から申しまして、この定めにおいても郵政省ではそれらの団体の選定につきましてはなかなか慎重な定めを置いておられ、またその運用においても通達その他においていろいろとこれを規制する努力をなさっているようでございますけれども、結論として申し上げますれば、要するに、ここに代表例として掲げてあるようなそれに類似した団体、そういうものを対象として選定され、それにこの運用を任される。また現実の問題として、そういう団体でありませんと、みずから代表者においてこれを執行するということも困難で、勢い、ひいては第三者にこの事務を委託するというようなことにも結びつくというようなこともございますので、言ってみますれば、この代表例に掲げたような団体、類似したような団体、そういうものが対象として運用されるということが最善であろう、このように考える次第でございます。
#76
○政府委員(永末浩君) あるいは私の舌足らずだったかと思いますが、郵政監察がこの問題についてはわれ関せずえんというようなことを申したつもりではなかったわけでございます。
 四十七年に小切手が不渡りになった、このときも余りにも内部に立ち入るというのはどうかと思いましたけれども、非常に高額であるということと、それから契約者にもしものことがあれば不測の損害を与えるというようなことで事情を聴取したわけでございますが、その際は、三、四日いたしまして現金化されたというようなことでございます。したがいまして、いろいろ注意すべき点があるということは東京郵政局に連絡をしたということは先ほど申したとおりでございます。
 団体の適正化につきましては、先ほど保険局鳥の御答弁のとおりでございまして、この適正化の措置につきましては今後十分に注意をしていきたいと思っております。
#77
○案納勝君 これらの団体がこういうふうに(資料を示す)贈り物をしているんです、各課長に、関係者に。これ全部そうなんです、最高七千円からね。これは保険課長あるいは保険に関係をする職制ですよ、課長クラスです。これは簡保友の会、なぜこんな贈り物をするんですか、何か便宜を図っているからじゃないんですか。加入者に還元をすべきだとこう言っている。
 私は、一応、団体組成問題についてはこれで打ち切り、次に入りますが、この簡易保険口座振替協会などというものがある、あるいはこれはもうまさにリベート団体、それもついていますから、まだこちらに資料がありますが、これはこの程度にとどめますが、私はこういう団体規制というのは、いま会計検査院の方から言われたように明確に整理をしてもらいたい。引き続いて私はきょうで終わりませんので、一般質問を続けるなり、改めて決算委員会の総括の場などでもこの問題を取り上げていきたいと思いますので、明確な態度を省として出してもらいたい、この点をまず要望しておきます。
 次いで、同じようにきわめて問題のある最高制限額の問題、これは今度法案が出されています。私はもうわずかな時間ですが、その辺について見解を明らかにしてもらいたい。
 保険法十七条というのはなぜ定められたのか、これは守らなくてもいいものかどうか。当局みずからが守らないような法律を、なぜ改正の手続を逆説的に言うならば今度は提案をしてくるのか。当局または個人がこれを守らない場合、法違反としてどういう処置をするのか、この辺を十七条の関係について明らかにしてもらいたいと思います。
#78
○政府委員(北雄一郎君) 十七条に最高制限額の定めがあるわけでございますから、これは保険契約を締結する場合に、当然、守らなければならない規定であるというふうに考えておるわけでございます。
 本条の趣旨は、いろいろあろうかと思いますけれども、無診査保険という簡易保険の性格からいきまして、やはり保険事故発生の場合の危険の分散という見地が本条の一番大きな理由であるというふうに思うわけであります。
 しかしながら、現実にはこれまた遺憾ながら超過契約の発生という事実がございまして、そこで、かねてからそういった超過契約、十七条違反という問題を起こさぬようにということを指導してきたわけでございますけれども、特に昨年の十二月に、従来の超過契約の防止に関する通達を一本にいたしまして、同時にチェックの方法というものを従来よりも周密にするということをやりまして、超過契約の発生の防止について特に厳しく戒めておるところであります。
 しかも、これは単に通達をそういう形で改める、出すということのみでなくて、本腰を入れてこの問題に取り組むんだということで、去年の十二月この通達を出しましたときも、出すに当たって特に地方の外務課長会議、外務課と申しますのはいわば営業担当課でございます、この外務課長会議を開きまして、その席上、こういった通達を出す、今後、速やかに本腰を入れて対処してもらいたいということで、その後、各地におきましてもこの趣旨の徹底を末端まで図っておるところでございます。
#79
○案納勝君 警察庁の方には大変申しわけない、お待たせして。
 愛媛県の松前郵便局で保険詐欺事件が起こっております。これは被害金額は保険金、十二契約、四千三百四十九万七千五百五十円。これらについての警察庁の方の今日までの経過がわかればお聞かせをいただきたいと思います。
#80
○説明員(平井寿一君) ただいまお尋ねの件につきまして申し上げます。
 本事件は、愛媛県伊予郡松前町で、不動産業及び金融業を営んでおりました立川修二郎が姉の兵頭里子と共謀いたしまして、このきょうだいの実母に当たります立川トキヨさんに昭和四十年の二月から四十五年三月の間に簡易生命保険――これは倍額特約付だそうですが、十二口、保険金額二千百五十万円の契約をいたしまして、その上で昭和四十六年一月十二日の夜、立川修二郎の自宅におきまして実母を殺害いたしまして、これを交通事故に見せかけた上で、この保険金額の請求を行いまして、昭和四十六年一月ごろから六月ごろまでの間に七回にわたりまして総額四千四百四十九万円を詐取したという事件でございます。
  〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
 この事件につきまして、愛媛県の警察におきまして、四十九年の十一月二十五日に被疑者の立川修二郎と兵頭里子の両名を尊属傷害致死罪で逮捕いたしまして、さらに同年十二月十六日に別の殺人事件、これは修二郎の妻が本件を知ったということで暴露されるのを防ぐために殺害したという件でございます。それと保険金詐欺事件で再逮捕いたしまして、検察庁に送致いたしまして、現在、松山地方裁判所で公判中でございます。
#81
○案納勝君 これは首席監察官にお尋ねいたします。
 これは完全な超過契約における事件ですね。
#82
○政府委員(永末浩君) 超過契約でございます。
#83
○案納勝君 警察庁の方、どうもありがとうございました。
 いま警察庁の方から松山の松前郵便局の保険詐欺事件の報告がありましたが、首席監察官にお尋ねいたしますが、この種の事件というのはほかにありましたら明らかにしていただきたい。
#84
○政府委員(永末浩君) 私の存じている限りでは、大きな事件といたしまして、山形、伊東それから大分といったところに詐欺事件が発生しております。
#85
○案納勝君 それはいずれも超過契約に基づいて、それが基礎になって詐欺事件が起こった、こういうふうに理解していいですね。
  〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
#86
○政府委員(永末浩君) 大分の場合はちょっと忘れましたけれども、ほかは超過契約でございます。
#87
○案納勝君 いま指摘をされたように、保険の犯罪事件というのは、先に指摘をしました団体組成とそれから超過契約、この中で実は発生をしているわけです。
 そこで、先ほど北さんが法十七条は守らなくちゃならない、こう言われました。私はそのとおりだと思う。だからこそ最高制限額が設けられている、また国会で審議をされる法律である以上、私はこれを守る責任が当局にあると思う。なぜ超過契約が出てきているのかというと、守る側の当局の姿勢が守らない。要するに、ある意味では超過契約、ジャンボ契約、こういう言い方をしておりますが、積極的に奨励をしてきたというそういう姿勢があるんじゃないですか。当局としては、この超過契約について守らなかった場合はどう処置をするのか、当局の責任者それから募集を行う当事者、この辺を明らかにしてもらいたい。
#88
○政府委員(北雄一郎君) 超契であることを知って超契を取るということは当然十七条にまさに違反することでありまして、そういうことはいたしてはならないわけでございます。
 簡易保険におきましては、毎年、業績のすぐれた人に対して表彰ということをやっておりますが、従来、これも率直に申し上げますと、保有件数が四千九百万件もあるというような中で超契を発見することが非常にむずかしいということ、それから若干超契がございましても、業績の非常にすぐれた人は事実表彰の対象にもしておったわけでございますが、その点につきましては、すでにそういうことはやめようという態度をとっておりまして、特に昨年の十二月、先ほど申し上げました通達を出し、本腰を入れて超契をなくしていくということを明らかにしましてから、さらにそういった表彰等の際には超契の存在というものを厳しくチェックしていくという態度をとっておる次第であります。
#89
○案納勝君 会計検査院にお尋ねしますが、この超過契約というもの、私は、法律違反であるし、あわせて契約者の保全や、あるいは犯罪を誘発するような結果をもたらしているこれらについては厳しく規制をすべきだと。これもいずれも行管の関係もありましょうけれども、会計検査院として、これをこのまま放置されることはできないと思いますが、会計検査院は、これらの事実についてどのように理解をされ対処しようとされておるか、明らかにしていただきたい。
#90
○説明員(柴崎敏郎君) 超過保険契約、つまり最高限度額の定めを超えた保険契約でございますが、これは申し上げるまでもなく、一つには、これを禁止しているということは国営事業として民間の生命保険事業を圧迫するということを避けようという、そういう政策的な配慮、これももちろんございましょうが、そのほかに私どもとして関心を持っておりますのは、先ほども保険局長から御説明がありましたとおり、政府の保険は無診査で加入を認めている、要するに無診査保険でございます。そういった観点から、この最高制限額というものは、この無診査保険との関連において、その負担し得る危険の限度、こういう経営上の制約からも定められているのではなかろうか、このように考えるわけでございます。したがいまして超過保険というものは、単に違法であるというだけではなくて、この超過保険金の支払いというものは健全な保険事業の経営のためにも当を得ないものである、このように私どもではこの点見ておるわけでございます。
 したがいまして、検査の面におきましても、超過保険がどの程度あるかということは、各地方簡易保険局に参りましてもあるいは郵便局に参りましても常に検査をいたしております。つい最近の検査の結果でも、相当の件数、相当の金額が見受けられましたので、この四月の早々に郵政省あてに質問書を出しまして、こういう事実をどうお考えになるか。これの改善策として私どもの方では五つぐらいの点を考えておるわけでございますが、こういった点にひとつ留意をしていただいて、これの防止ということに御努力をいただきたい、こういう趣旨の質問書をこの四月の初めに差し上げてございます。
#91
○案納勝君 郵政省はそれを受けて、どういう態度をとったのですか。
#92
○政府委員(北雄一郎君) そういう質問書を受けましたので、ただいま、それに対して郵政省としてのとるべき態度を検討中でございます。
#93
○案納勝君 それは結論はいつ出しますか。
#94
○政府委員(北雄一郎君) 若干時日を要するかと思いますが、なるべく早く出したいと思います。
#95
○案納勝君 いま法案がかかってますね、会期は五月の二十五日までですか、しかも法案がかかっているこの審議に、省の態度というのはこれに間に合いますか。
#96
○政府委員(北雄一郎君) そういう事情もございまするので、できるだけ早く結論を出したいと考えております。
#97
○案納勝君 結論が出次第、私たちの方へ連絡をしてくれますか。
#98
○政府委員(北雄一郎君) 検査院へ回答をいたしましたならば、そのようにさしていただきたいと思います。
#99
○案納勝君 その前提に立って、いま郵政省はこの最高制限額について、この法律十七条は訓示規定だからそういう面で超過契約といえども有効だと、そういう態度をとってますね。しかも、この解約あるいは失効については加入者から申し出がなければやりませんと、申し出があっても懇示をしますと、解約をしない。それでなおかつ行われた場合には失効ないし無効の取り扱いをしますと、こう言ってますね。
 私は、この態度は、北さんが言われるように、法十七条を守らなくちゃならない、そしてこれを決められたさまざまな沿革から言っても、その上から見ても、きわめて矛盾した態度だというふうに考えますが、どうですか。
#100
○政府委員(北雄一郎君) 私どもの超過契約が有効であるかどうかという問題につきましては、ただいま先生がおっしゃったようなとおりに理解を実はしております。
 しかし、そういう意味で、存続する当該保険契約の有効・無効に関係ないと申しますか、この十七条違反であるがゆえにその存続する契約が無効になるのではないという考え方はとっております。そのことが訓示規定であるという意味合いでございまして、訓示規定であるから守らなくていいというふうには全然思っておらないのでございまして、成立した契約は有効であるけれども、そういう契約を成立させること自体違法であると、したがってそういう契約を結んではならないという態度でございます。
#101
○案納勝君 保険契約というのは、郵便局の人が各戸個別にそれぞれ市民を訪ねていって勧誘を行って契約をするわけですね。そして朝、各郵便局の保険課ではミーティングをやりながら、あるいは業務打ち合わせ会等をやりながら保険募集について相談をしていくわけです。これだけ超契が出てきて、今日、超契の問題で会計検査院から指摘をされるというような事例は、本来、本業にしている郵便局の保険課の人たちはこの簡保の法律というのは知り尽くしていなくちゃならない、これを守らなくちゃならぬという意思があるならば契約が成り立つはずはないわけです。成り立ってきて、こういう詐欺事件やその他が出てくる。
 超契が、指摘されるように、私の手元の中にあるやつもこれは大阪の例ですが、全く個人的な名前も明らかですが、むちゃくちゃですね。いま各郵便局で超契のないところはないんじゃないですか。それはいままで郵政省が二面指導をやってきた。私もよく知ってますが、私はこういう指導というのがいまさっき聞いた団体組成と相まって大変な問題を起こしている。はっきりここでお聞きしたいんですが、省が十七条を守るというなら、今後、一切超契というのはあり得ないというふうに理解していいですね。
#102
○政府委員(北雄一郎君) そのように努めたいと考えております。
 ただ、件数が、先ほども申しましたように保有件数が四千九百万件もある。で四十九年度、これはまだ決定的な数字ではございませんけれども、一応、四十九年度一年間にすでに四百二十万件ほどの新規契約を成立せしめておると、しかもそれが全国のほとんど全局にわたっておるというようなこと、あるいはまあ特殊な場合だと思いますけれども、先ほど来先生がおっしゃっております昨年の十一月、十二月ごろにいろいろ表へ出ました犯罪に絡むような超契、こういった場合はいわば完全に盲点をつかれた形で、別のいろんな局へ当該容疑者が回ってこの契約を成立せしめておる、こういうようないろいろな事情がございますことを御理解いただきたいと思います。
#103
○案納勝君 特異なケースじゃないのですよ。
 私の手元にあるもの、ニシイシゲオさん、東成の方ですが、五千八百五十万円、ニシダシゲスケさん一千百万円、マツサカセイジさん八百万円、ミズモトイサオさん八百万円、さらにはタナカアキラさん一千万円、ナカフジヒデキさん二千二百万円、全部読めば大変な時間になるから言いませんが、これは全く数字はひどいです。それも一局のうちですよ、局内ですよ、ある局の。
 これは、私は、あなたが本当に法律を守る、そしてしかも厳重に十七条の最高制限額を守って超過契約をしない、そういう指導をやると言うならば、局員はあなたの部下なんだから、いまから超契なんてあるはずがないわけです。だからその辺ははっきりしてもらいたいのです。それでなければ法律案なんか提案する必要ないじゃないですか、今度の法改正なんて必要ないですよ、これが第一点。
 第二点は、いままでの超契やったから、超契のその加入者に対しても、これは超過契約でございますと、これについても――確かにそれはいままでやったことについては超契といえどもこれは有効でしょう、いままでそれは省の、国の責任です。しかし、これについて明らかな態度を契約者に明確に指示して処置をすべきだと思います。この辺を明確にお答えいただきたい。
#104
○政府委員(北雄一郎君) 超契を結ばないということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、その方針をいまはっきりさせておるつもりでございます。その端的な行動といたしまして、昨年の十二月にそういったことで通達を出しまして、本腰を入れて超契を結ばないということでいくんだぞということを徹底中であります。表彰につきましても、今後、新規契約に超契のあるものにつきまして厳しくこれをチェックしてまいりたいと思います。
 でありまするが、この最高制限額そのものにつきましては、御承知のような最近の社会経済情勢でございますので、現在の額では保障機能を十分に果たし得ないのではないかという角度から、また加入者からもそういう要望が強くございます点もあわせ考えまして、定期保険及び特別養老保険に限りまして、さらに八百万円まで引き上げたいと考えまして、このために簡保法の一部を改正する法律案を提出させていただいておる次第でありますので、その点はよろしくお願いいたします。
 それからいま一点、現に超過契約を結んで、その契約が存続しておる加入者との関係でございますが、実は、この点につきましては、私ども、単にそれが私どもの政策として有効であるというふうに言っておるわけではございませんで、昭和三十五年にそういう問題について裁判所の判決が出たわけでございます。その判決によりますと、たとえ十七条違反ということで契約が結ばれても、一たん結ばれたその契約によりまして、その時点まで加入者の方は簡易保険による保障を受けておることでもありまするので、そういうものは有効であると、こういう、奈良地裁だと思いますが、奈良地方裁判所の判決が三十五年に出たということがございますので、私どもはそれに従いまして、最高制限額を突破した違法の契約でありましても、これはその判決に徴しまして契約の効力としては有効である、こういうふうに考えて対処しておるところであります。したがいまして、この点につきまして、実はあれは違法であるから云々ということを加入者に当方から申し出ることはできないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#105
○案納勝君 それは、北さんね、いままで加入者は知らずに郵便局の保険の勧誘、それこそ新聞で指摘をされているようにインチキ勧誘だとかインチキ話法とかさまざま言われてきていますが、そういうことで知らずに加入をした。で、この加入した加入者について一切それはもう無効だということは、それはいままで省がそういう勧誘をやってきた、二面指導をやってきたからそういう結果になっていることは間違いない。いま失効だと言うことはできないでしょう、確かに。しかし今日失効について、超過契約については法律に反しているから、したがってこれらの超過分については本人からの申し出を受けたいと、整理をしたいと、しなくちゃならないという立場を国民に私はこの際明確にして、それぞれの契約者の意思を再確認すべきじゃないですか。
 ここに、あなた方が言う本人からの申し出があったときは懇示――今度は懇示を行うという、解約の申し出を受けても、もう一回解約しないで続けてくださいと懇示する、これは全く逆じゃないですか、既存の超契についてはしかるべく明確な措置をやっぱりとるべきじゃないですか、その辺はどうですか。
#106
○政府委員(北雄一郎君) 有効に存続している契約については先ほどのように考えます。
 懇示と私ども申しておりますのは、加入者の方から超過契約の超過部分についてなかったことにしてくれというたっての御要望がありましたときに、これまたその時点まではその契約が少なくとも有効にあるわけで、したがってこちらも保険料をいただく、その場合に、その期間中保険事故が起こらなかったわけでありましょう――続いておるわけでございますから起こらなかった場合が多いと思います、でありましょうが、その間加入者の方も保障ということでカバーされる利益を得ておられるわけであります。それにある期間保険料を払ってそういう状態を存続しておられるわけですから、したがってそういった状態を同様な保険料を将来に向かって払うことによって保持された方がまあお得ではないかというお勧めをしてみよう、それでもどうしてもこの際そういう契約はなかったことにしてくれと言われた場合には、そういう無効処理に応じなさいと、こういうのが私どもが申しておる懇示でございます。
 したがいまして基本的にはやはり有効であると、それをこちらからはとやかく言えない。しかし先方からおっしゃられた場合には、やはりそういう契約があるということの有利性というものをいま一度申し上げ、それでも無効にしてくれと言われるなら応じなさいと、こういう態度をとっておる次第であります。
#107
○案納勝君 もうこれで終わりますが、時間がありませんが、私は逆だと思うんですがね。
 これは超過契約になっているから、本来、法律に違反をしている、したがってこれについてできるならば超過した分については解除してもらいたいと、こういうやっぱり省として私は法律を守っていく、こういう立場で、いままで省の指導自体が法律に違反をしている、そういう結果出てきたこの内容については、法律を守る立場からそういう措置をとるべきじゃないですか、契約者に。そしてなおかつ契約者が、いや私はこのまま続けていくとこう言えば、それはいままでの経過もあることだし、私はそれはそのままやむを得ない、当初からの契約をやったこちら側の責任でもあると思うんです。ある程度それについては容認をすると、せざるを得ないんじゃないですか。
 いまあなたが言っているのは逆じゃないですか。本人から解約の申し出がきたら、なお続けなさいと懇示をするというんですよ。違法契約をそのまま続けようというんでしょう、積極的に。私はこの措置についてはいまの北さんの答弁では納得することができません。引き続いてこれらについて検討してもらって、その検討の結果を明らかにしてもらいたいと思います。
 そこで先ほど表彰の問題と言われましたが、きのう、大臣表彰で部内の優績者について表彰がありました。念のために聞いておきますが、この中には超過契約をした職員はいませんね、それははっきり……。
#108
○政府委員(北雄一郎君) ないものと思っております。
#109
○案納勝君 これ資料を要求します。
 尼崎北郵便局の四十六年から四十九年までの保険の表彰者、タカギタケミ、カワゴエショウ、シノハラトミホ、シロガキテルオ、ツギダマサヒロ、 マルヤマノボル、タカハシチョウジ、コシガセツオ、これはいずれも表彰の対象者です。これらの人々の保険の手控え帳、それから当局から郵政局あて表彰の上申書、これを出してもらいたい。これを委員長の方から――。
#110
○委員長(竹田現照君) よろしいですね。
#111
○政府委員(北雄一郎君) ただいま御要請でございますが、保険契約関係者の氏名だとか保険金額等、その保険契約の内容を具体的に示すということに相なりますと、個人のまあ財産上の秘密ということにもなると思いますので、いわゆる守秘義務の上から問題があるようにも思うんでございます。したがいましてそういったことに関係のないような形でならば可能であろうかと思います。
#112
○案納勝君 私は手控え帳と言ったんですよ、本人の、募集に伴う。それから当局及び郵政局の表彰の上申書と言ったんですよ。手控え帳は要するに各局に保管をされている契約者のカードじゃないんです、それはあなたも御存じのとおりです。
 それでもう一つ、あなたがいま言われましたが、超契というこういう法律違反をしているのに、しかもこの国政の場で明らかに間違いは間違いと正していかなくちゃならぬときに、現実にそういう行為が行われているのを資料を提出されない、こういうのは、私ははっきり言って、守秘義務なら守秘義務と言うなら言うではっきりしてもらった方がいいと思うんですよ。それはそれで論議をする場は改めてやりますが、いいかげんな答弁では私は納得できません。ただ、それはいま私は要求しようとしません。いま要求しているのは、手控え帳と当局及び郵政局の表彰上申書だと、こう言っているんですよ、その点はっきりしてください。
#113
○政府委員(北雄一郎君) 手控え帳と申しますのには、やはりお客様の名前であるとか保険金額、そういった保険の内容が具体的に出ておると思いますので、そういった具体的な名前の出るようなものは御勘弁願いたいと思います。
 上申書の方は、どのような上申書を近畿の場合に管内の郵便局から求めておるか具体的に存じませんけれども、これは可能であろうと。しかし、その中にやはり先ほど申し上げましたようなことか含まれておる――そういうことはないと思うんでございますが――ような場合には、やはりそういった点はカットさしていただけないかと思うんでございます。
#114
○案納勝君 それじゃ国政の場で調査を拒否するということじゃないですか。違法行為が行われていて超契が行われていて、あなたはきれいなことを言っているけれども、現実には私の手元にもこれだけ出てきているんです。しかもこういった保険詐欺すら、先ほど監察官が言った、この超過契約が原因になっていると。現実的にそういう違法行為が行われていることについて、委員会の場で、国政調査の場であなたたちが資料を出されないと言う。調べようがないじゃないですか、どこが監察するんですか。
 ほおかぶりしていって、ともかく違法行為をあえて郵政省がやって、いままでやってきたような二面指導やその他を通じてやっていこうなんという、そういう意図に私たちはどうしても疑惑を持たざるを得ないんです。私はそこまで言わないにしても、こういう超過契約の問題については、先ほどの団体組成の問題、あわせて保険の本来あるべき、しかも大変な大事な時期に来ていますよ。私はこの本論はこの次やりますが、その前提として、これらの問題を整理をしなければ私はいけぬと思っているんです。私は、そういう意味で要求をしたことについて明らかにしてもらって、この資料提出をしてもらいたい。きょうの質問はこれで打ち切りますが、今後も引き続いてこれはやらしていただきます。そしてなおこの資料提出の問題は改めてしかるべき場で明らかにしてもらいたいと思います。
 そういうことで大臣に最後にお伺いしますが、私は、本来簡保はもっと大事な問題があると思うんですよ、資金の運用問題、民間保険との格差の問題、多くの問題を抱えながら大事なときだと思います。これらは私は協力できるものはお互いに院の場合も当局も協力し合っていけると。その問題の提起は次にしたいと思いますが、きょうは、団体組成あるいは超過契約の問題について指摘をしました。
 お聞きのとおりきわめて実は問題を多く持っているわけであります。いままで討論をお聞きになっていると思うんですが、超契の問題、明確にしてもらいたい。
 それから団体組成の問題、これも、私は、この際その指導というのは、単にいままでのような従来の精神をそのまま残したままのやり方でなく、根本的に団体組成問題は、会計検査院の方の指摘もあったように、約款の中における社会的にも認められる団体、こういう面で明確にしてもらいたい、こういうふうに思います。大臣の見解を最後にお聞きをして終わりたいと思います。
#115
○国務大臣(村上勇君) 案納委員の御質疑を拝聴いたしまして、非常に参考と申しますか、非常に私は有意義に感じた次第であります。
 で、この組成の問題につきましては、全くこの都信用の問題から勘案しまして、やはりこの問題は団体代表者と都信用との間の問題でありますが、しかし、このような事態の生じましたところにわれわれの方の指導の十分でなかった点も深く反省いたしております。いずれにいたしましても、かようなことのないように今後十分検討してまいりたいと思います。
 それから超契問題につきましては、これは全く御指摘のとおりであります。ただ、この十七条の問題については、法治国であるこの現代、法を守るということは当然過ぎるほど当然でありまして、これに違反のないようにするべきがこれはもう当然であります。
 ただ、しかし、まあ私就任してから急にその超過契約がふえたわけではないと、何十年という一つの惰性でありまして、やはり一つの慣習というようなものをいままでにどうしてまあ是正しておいてくれなかったろうかと、私は先生の御質疑を聞きながらそう考えたのであります。でありますから、これは今日の法律がある限りこれを守るということは当然でありますし、その精神をもって先生の御質問に私はおこたえするような気持ちで今後もまいりたいと、こう思っておりますので、その点ひとつ十分御理解いただきたいと思います。
#116
○山中郁子君 私は、初めに、現在春闘が闘われておりまして、電電公社の全電通労働組合並びに労働者が賃金問題を初めとする膨大な要求を出して闘っているわけですけれども、たとえば賃金問題につきましては、ほぼ平均して四万五千円の賃上げの要求、それから労働時間の短縮並びに週休二日制の実現、職業病を絶滅する、その他の事柄の要求が提起されております。
 この物価高そして不況、インフレのときに労働者の暮らしが非常に困難な状態に陥っているという事態のもとで、こうした当然の労働組合並びに労働者の要求に対して、公社当局並びに郵政省が当然のことながら誠意をもってこれに対応するべきであるというふうに考えておりますけれども、ごく基本的なこの春闘での労働者の要求に対する公社当局の考え方並びに郵政大臣の姿勢について初めにお伺いしたいというふうに思います。
#117
○説明員(山本正司君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 全電通労働組合は、今次春闘に際しまして、賃金問題を初めといたしまして幾多の企業内問題につきましても要求を出しております。企業内に関します諸要求につきましては、鋭意、団体交渉を重ねてまいりまして、そのうちのある程度の問題につきましては合意に達しましたものもございますし、また引き続き現在交渉中のものも残っております。
 それから賃金引き上げ問題につきましては、先週十四日の段階におきまして、組合側は有額回答を強く要求いたしておったわけでございますが、あの時点におきまして、いまだ民間賃金が出そろっていないということで、有額回答をする時期ではないので有額回答はできないけれども、今後の民賃の動向等を十分見きわめた上で、なるべく早期に、できれば今週中ぐらいに有額回答をしたい、こういうことで先週の交渉が一応終わったわけでございます。今後におきましても、そういった民間賃金等の動向を十分見きわめながら誠意をもって労働組合の要求に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
#118
○山中郁子君 民間の賃金の動向ということをかなり強調されておられるのですけれども、電電公社の賃金が民間に比べて非常に低いということはもうだれも否定できないという、こういう事実は私も長年の経験からよく知っているわけですけれども、いずれにいたしましても、当然な労働者並びに労働組合の要求に対して、いま総務理事の方から誠意をもってというお話がありましたけれども、本当に内容的に生活難の時代に電電公社の事業を進める上で、公社がいつも口にしている近代的な労使関係を確立するというふうなことの具体的な実現を図っていく、前進を図っていくということについての総裁と郵政大臣の基本的な姿勢を確認をさせていただきたい、こう思っておるわけです。
#119
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 先ほど、山本総務理事から、今般の春闘に際します労働組合のいろんな要求に対しまして対処している具体的な措置を御説明いたしました。
 電電公社といたしましては、昭和四十一年以来、労使関係近代化路線というものを進めておるのでありまして、そのためにこれまでもたとえば春闘等におきましていろいろ団体交渉の席で有額回答を出すとか、あるいはまたベースアップに対しまして公労委に参って最終的には仲裁裁定で決まっておりますけれども、実質的に調停段階におきまして委員長見解とかあるいは調停委員が考えをまとめまして、そして形は仲裁裁定にするというようなこと、あるいはまた定額プラス定率の額の部分をふやすとか、そういう問題につきまして積極的に進めてまいりました。
 しかし、当事者能力に対しましても、私は前々から拡大するということが必要であるという意見を政府にも述べておりますが、実質的にはいろいろ法律なり制度の制約がございますので、そういう点につきましては今後とも努力をしたいと思います。
 具体的な有額回答を出すことにつきましては、今後とも政府その他関係方面に対しましていろいろ要望を出していきたいというふうに思いますが、額そのものをどうするかということはこれからの問題だと思いますが、いずれにいたしましても団体交渉の席におきまして本年度も有額回答を出していきたいというふうに考えておる次第でございます。
#120
○国務大臣(村上勇君) ただいまの電電公社の米澤総裁の御答弁と全く同じでありますが、ともかく労使の理解と協力によりまして問題が適切に解決されるように指導してまいりたいと思います。
#121
○山中郁子君 労働組合が要求しております頸肩腕症候群などの職業病を絶滅する問題その他を本当にそれを実現していこうとするならば、当然のことながら柱となっております賃金引き上げの問題並びに労働時間の短縮、週休二日制、そしてさらに要員問題なども重要な課題になってくるはずです、要員増の問題です。それらの点について言葉だけでなくて、いま総裁並びに郵政大臣がお話しになりましたような誠意をもって実際問題としての解決を私は図るべきであるということを強くこの冒頭に主張をしておきたいと思います。
 ところで、いま総裁も言われましたし、常々電電公社が口にしていることなんですけれども、近代的労使関係という問題です。これは五十年度の事業運営方策として公社が発表しているものですけれども、その中にも「事業の発展には労使関係の近代化がきわめて重要である。かねてからこの路線をすすめてきたが、今後とも労使の相互理解を深め、これまで築いてきた労使関係の近代化をさらに推進していきたい。」このように述べておりますけれども、ひとつ具体的に労使関係の近代化というのは一体何を意味しているのかということをちょっと総裁から伺っておきたいと思います。
#122
○説明員(米澤滋君) これは歴史的な経過があるのでありまして、昭和四十年に公社として労働組合といろいろ春闘の団体交渉をしている中で、非常に大きなストライキが二度ございました。それに対しまして十五万三千という処分が行われたのでありますが、その後、この実害回復を通じまして労使関係の近代化をするということが労働組合とそれから電電公社との間で合意になりました。ですから昭和四十一年以来、その言葉というものが出てまいりました。
 労働組合と公社というのは立場が違いますから、同じ問題が解決されたといたしましても、その立場が違っているということで解決になってもその点は違っておりますが、公社側といたしまして、結局、重要なことを何でもかんでも実力行使に訴えないで、そしてそれを話し合いでできるだけ解決をする、あるいは団体交渉によって解決をするということだと私は思います。
 この言葉は、当時、笠原前々全電通の委員長が私のところに労使関係の近代化をやりたいということを言ってきたのが、この言葉の発生なんでありまして、私もそれに対しまして積極的に賛成して、そして今日までまいりました。たとえばベースアップの問題等につきましても、それまでは公社当局が有額回答を出したいということを考えましても、それを政府でなかなか認めていただけなかったので実現してまいりませんでしたけれども、先ほど申し上げましたように、ここ七、八年来、当事者能力が幾らか拡大されたということもありまして団体交渉の席で有額回答を行う。あるいはまた、先ほど申し上げましたように調停段階この調停段階の中には公益委員もおりますし、使用者側委員あるいは労働者側委員の三つのグループの委員で構成しておるわけですが、その中でいろいろ話し合って額を決めるということをやってまいりました。現在の法制下におきましては、それは仲裁裁定の形になっておりますが、ここたしか七、八年ずっと調停段階におきまして自主的決着をつけるということをやってまいりました。そういうようなことは私は一つの労使関係近代化の大きな成果だというふうに考えております。
 そのほか重要なことをできるだけ団体交渉あるいは話し合いによってやる。私も、ですから、春闘の場合も、あるいはその他重要なときには、労働組合の委員長その他と私も出ましてトップ会談をやるというようなことも現実に進めておるのであります。
 大体、基本的にはそのようなことであります。
#123
○山中郁子君 総裁の言われる労使関係の近代化ということの中身が、実際に、公社の幹部によってどのように受けとめられ、どのようにそれをめぐっての考え方が進められているのか、そして実際に労務対策としてどのような形に反映しているのかということは、私はかなり重要な問題が出てきているというふうに考えます。
 それで、これは事前に公社の方にもお見せして、私はきょうこれでお伺いするということを御連絡してありますから御存じだと思いますけれども、「労務管理科指導班レポート集」というのが四十九年の九月、昨年の九月です、職員局から出ております。これは「厳秘」となって、何がまた厳秘なのか私もよくわからないんですけれども、この中でかなりいろいろな問題のある発言がされているわけなんです。それで初めに私はちょっとお伺いしたいんですけれども、この「労務管理科指導班レポート集」というのは――指導班というのはどういうものであって、そしてここにいろいろ中身は、職員部の各調査役とか、あるいは通信部の次長とかということで労務関係の幹部の人たちがみんなレポートを書いている内容なんですけれども、まずその中身自身を公社が当然責任を持っておられるものだということになると思いますけれども、指導班というものがどういうものであるか、そしてこの中身が公社として責任を持って発行されたものであるはずですけれども、この点について初めに確認をしていただきたいと思います。
#124
○説明員(中林正夫君) 労務管理科指導班訓練ですが、これは訓練の目的といたしましては、新任の現場管理機関の次長あるいは通信局の労務担当の調査役というものに対しまして、労使近代化の推進、人事労務管理上のいろんな問題に対処するために当面の労務問題等の知識を習得させ、それでまたそういった訓練生が通信局以外の労務担当者の訓練の指導に当たると、こういった目的で実施をいたしておるものであります。
#125
○山中郁子君 この労務管理科指導班というのは、いわゆる訓練規程に基づく公社の訓練機関ということにななるわけですか、その辺の位置づけはどういうふうになるんですか。
#126
○説明員(中林正夫君) 公社の訓練規程に規定されておる、具体的には管理者訓練の一つでございます。
#127
○山中郁子君 ちょっとこの内容についてお伺いしたいんですけれども、いろいろ問題ありますけれども、限られた時間ですので二、三の例を申し上げます。私は、問題の性格上どこの職場のどういう人の発言であるかということまではいま現在は申し上げませんけれども、たとえば一つの例を申し上げますと、こういうふうなことが書かれております。
 「昭和四十二年の企業離籍の実施によって、支部役員等はいわゆる労働運動家としてこれに専念することとなったところであるが、年々その指導性が低下し、当県支部のように」――「当県」というのはこの人のいる県ですね。「当県支部のように下部組織に対して絶対的とも言える統率力を持っているところにおいても問題なしとしない。」そして「目的意識的に指導性の向上につとめることとしており、このことが職場紛争の解消につながり労使近代化へ結びつくと確信しているところである。」このように述べられているんです。いろいろな問題ありますけれども、いまここで私がこのことについて公社に問いただしたいことは、これは不当労働行為ではないですか。労働組合の幹部が、労働組合の指導性が弱まっているとかいないとか、そういうことで指導性を高めなければいけない、こういうことは労働組合に対するいわゆる不当労働行為に当たる内容のものであるというふうに言わざるを得ないと思うんですけれども、その点についてのお考えを伺いたい。
#128
○説明員(中林正夫君) 最初に先生御指摘のそのレポートでございますが、それの性格について御説明をさせていただきたいのでありますが、実は、この訓練の中で訓練生の相互間で日常管理の過程における体験を通じて得た感想といいますか、そういう生の感想というものをお互いに出し合って討論をする、こういった訓練の時間がございますが、その場合にその時間的な制約がございますので、大体各訓練生が発言をしたいという生の気持ちというものをレポートの形でそういうふうに取りまとめておきまして、それをあらかじめ訓練生が事前に読んでおいて、そうして討論というものを能率的効果的にやる、そういった趣旨でそのレポートがつくられているのでございます。
 したがいまして、そのレポートは公社が何か一つの労務管理上の教材として、あるいは指導文書としてやっておるものでは全くない、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
#129
○山中郁子君 では、この執筆者ないし発表者が個人でもってそういうふうに考えているのであるから、公社としてはその内容が不当労働行為にわたるものであろうとなかろうと、それは責任がないという、こういうお考えですか。
#130
○説明員(中林正夫君) いま申し上げましたように、そういった訓練生が生の感想というものをお互いにぶつけ合って討論をするというようなことでございますから、何といいますか、多少問題のような考えあるいは公社の方針にそぐわないような考えというようなものも生で出し合って、そこでお互いに討論をされて、間違っている点についてはチューターといいますか、本社の何が出ておりますので、そこからそういった点は指摘をし是正をする、そういった考え方でそれはつくられているものであります。
#131
○山中郁子君 そういうことですと、なおさら私はたいへん問題があるというふうに思います。いま一つの例を申し上げましたけれども、ちょっと認識を深めていただくために若干つけ加えて申し上げます。
 たとえば「労働運動面からの問題点」として、「現代の若者は、レクはレク、組合活動は組合活動と割り切った考えであり、思惑どおりにはなかなかいっていないのが現状である。参院選後における諸般の情勢についての問題意識をもち、秩序ある青年の運動が組織として展開できるよういっそうの努力が必要である。」
 それから、そうしたことで労働組合との関係を結びつけているわけですけれども、あるいは係長・主任の問題なんかに対しても、「係長・主任への対策」が必要だということで、「係長・主任になったから、組合に用はないという姿勢では組合の健全な発展は望めないし、活動自体を歪にするおそれがある。係長・主任こそ組織の中堅として、進んで組合の行事、集会等に参加し、云うべきことはどしどし云い、健全に大勢をリードするような存在になるべきである。」
 また、「組織運営にあたって、上部依存もしくは大衆迎合との印象を与えるような面もない訳ではなく上部依存とみられれば青年層からの不信が強まり、大衆迎合に陥れば青年に独自の権能を認めたかのような運営形態になる危険性がある。」
 これみんな労働組合のことについて言っているんですよ。そうして、ついにはですね、適度な緊張感が必要だと、そうしなければ、なれ合いになっているというふうな印象を与えて、青年の運動をより誘発すると、こういうふうなことまで言っていて、こういうことは本当の二、三の例ですけれども、随所にそういう観点からの発言がここに入っているわけです。
 で、私が問題にするのは、こういう考え方自体が、一つは私は労働組合の幹部を侮辱するものであるというふうに思います。それとは別に、さらに労働組合に対する不当労働行為ではないか、この考え方自体がですよ、こういうふうに労働組合の幹部がどうだとかこうだとか、それから適度な緊張感を保たなければ大衆迎合になって、そういうふうに職場の労働者の反発を招くとか、そういうことで対策をしなければいけない。主任・係長の問題にしても、主任や係長の権利を守るという立場ではなくて、まさに労働組合を使って主任や係長を入り込ませて、そうして労働組合の公社としての後ろからの操縦ですね、こういうものを明らかに露骨に意図している内容を平然と多くの人々が述べているということの中に、労使関係の近代化と口ではきれいな言い方をしているけれども、そこに電電公社の労務対策の本質があるというふうに言わざるを得ないと思うんですけれども、この中身自体が不当労働行為になるものだというふうに思いますけれども、その点の所見をお伺いしたいと思います。
#132
○説明員(中林正夫君) 公社の労務管理者としまして、労使関係の安定あるいは近代的労使関係というものを進めていくということについて意を使っていくのは、これは当然のことだと思います。そういった面から労働組合の運動面というものを公社なりに分析をする、またこういったふうにありたいという、そういったその人の考え方というものをそこに述べておることでございますから、それが不当労働行為になるというふうには考えていないわけであります。
#133
○山中郁子君 じゃ、こういうことはどうですか。
 「反主流、積極批判派に対しては、幹部独善や公社とのなれ合いといった印象を与えることのないよう、毅然とした自らの日常活動を通じて対抗する気風・基盤の醸成について再点検の要がある。」そしてその対策として「労使間の正しい秩序を作りあげ、そのことが反主流や批判勢力の動きを封ずることに通ずる。自信をもって大いに主張し労使間に程よい緊張感を漂わせるよう努める。」、こういうことが公社のそれでは労務政策の内容なわけですか、そういうことなんですか。
#134
○説明員(中林正夫君) われわれは、先ほども言っておりますように、労使関係について労使近代化路線、こういうものを進めていく。もちろん労使近代化路線というものは、これは労使関係というものを単なる対立の関係としてとらまえるということでなくて、いわば労使の理解と協力の関係としてとらまえていく。
 それで先ほどの話し合いの気風という立場でございますけれども、理解と協力の関係ということは決していわばなれ合いといいますか、そういったような関係ではないと。それはやはり労使は労使としてのおのずからなる一線というのがございますので、毅然たる態度をとるべきである、それが労使近代化の道につながるものであると、そういった趣旨というふうに私は理解しております。
#135
○山中郁子君 じゃ、この問題だけちょっと少しはっきりさせていただきたいと思います。
 重ねて言いますけれども、「労使間の正しい秩序を作りあげ、そのことが反主流や批判勢力の動きを封ずることに通ずる。自信をもって大いに主張し労使間に程よい緊張感を漂わせるよう努める。」、このことがじゃ電電公社の労務政策なんですね。総裁からお答えいただきたいと思います。
#136
○説明員(山本正司君) 労使双方の話し合いにおきまして、それぞれの立場にのっとって正しいことを正しいと主張し、譲れないものは譲れない上毅然たる態度で論議を交わすということは、労務管理の基本だろうというふうに思うわけであります。ただ、いたずらにそこで対立を激化さすとか、ことさらに事を構えるというようなことはあるべきではないと思いますが、主張すべきは主張し、是々非々の姿勢で臨むということが私は労務管理のやはり基本だろうというふうに考えておりますし、これがまた先ほど総裁が申しました労使近代化といった考え方と決して矛盾するものではないというふうに思っておるわけでございます。
#137
○山中郁子君 反主流派に対して毅然とした対抗する気風を公社としてつくり出すと言ってるんですよね、いま申し上げましたように。おたくにありますでしょう、これ。ある東京の管理部の次長の発言です、いま私の引用しているのは。そういうことですか、それとも言ってることは公社の労務政策とはちょっと違うと、これは先ほど局長が言われたように若干批判すべきものは批判するという内容になるんですか、そこのところを伺っておきたい。
#138
○説明員(中林正夫君) 先ほども申しましたように、それは訓練の参加者が一応職場の日常管理を通じての自分の感想というか気持ち、そういったものをあらかじめレポートに出したという性質のものでございまして、それでお互いの討論の効率化のためにプリントしておるのでございますので、それが公社の一つの労務政策なり指導文書なりあるいはその訓練での教材なり、そういった性質のものとは全く異なるところであります。
#139
○山中郁子君 そういうものが随所にあるということは私は申し上げました。
 「係長・主任こそ組織の中堅として、進んで組合の行事、集会等に参加し、云うべきことはどしどし云い、健全に大勢をリードするような存在になるべきである。組合の心ある指導者もこれを望んでいると思う。」と、こういうふうに言ってるのですね。「組合の心ある指導者」というのは一体どういうことですか。で反主流派を封じ込めるということに毅然として態度をあれしろと、こういうことはどういうことなんですか。
#140
○説明員(中林正夫君) その訓練参加者のこれは気持ちでございますから、その人が反主流派と称しておるのは何を称しておるのかわかりませんが、恐らく公社と組合との間の労使近代化の路線、この路線というものを守っていこうというような考えの者を称して主流派と称し、その路線に反対する者を反主流派というふうに呼んでおるのじゃないかと思いますが、それはあくまでその人の個人のなにであって、それが公社の労務対策の方針であるというものではない。また、その中には若干公社の方針から外れているようなものもございますが、こういった点は討論の中でそれを是正し、またチューターからそういった注意をする、こういったようなことで訓練の効果を上げている次第であります。
#141
○山中郁子君 こうした事例はほかにもたくさんありますけれども、要するに、一つは私は労働組合の幹部を侮辱するものであると同時に、労働運動に対する不当な介入、不当労働行為、こうしたものにつながる考え方であるということは否定できないと思いますけれども、とにかく総裁の考え方をお伺いしたいと思います、その点どういうふうにお考えになっていますか――総裁にお伺いしています。
#142
○説明員(山本正司君) 先ほどからるる御説明しておりますように、そこに盛り込まれておりますのは、それぞれの担当者の考え方を整理されないままに記述してあるということだと思いますが、表現は必ずしも適切でない、あるいは誤解を生むような表現のものもあろうかと思いますけれども、決して労働運動そのものにそれをもって介入しようというような性格のものではないのでありまして、私は先生がおっしゃるような不当労働行為に該当するようなものだとは考えておりません。
#143
○山中郁子君 総裁に答弁を要請しております。
#144
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 まず、電電公社といたしましては、不当労働行為をやる意思は全くありません。それからまた、労働組合の組織に介入することも全く考えておりません。
 先ほども申し上げましたように、労使関係近代化路線というのは昭和四十一年以来進めておるのでありまして、重要なことを団体交渉なりあるいはトップ会談なりあるいはまた話し合い等によって処理するということでありまして、私は、公社側あるいは労働組合と立場は違いますけれども、やはり重要なことは話し合いによって決めていくというこの基本的な考え方はこれまで公社の方針として続けてまいりましたし、また今後とも続けていきたいということを考えております。
 ただいま御指摘になりましたその本を私まだ見たことがございません。したがって、その内容につきましてのお答えをここでするのは差し控えたいと思いまして、総務理事に答弁させた次第であります。
#145
○山中郁子君 私は二、三の例を申し上げただけです。そしてまたこの「レポート集」というのも一つのあらわれであるにすぎません。その他、随所に電電公社の言う近代的労使関係というものを隠れみのにした電電公社側の姿勢、こういう姿勢が労働組合に対する不当な干渉、少なくとも考え方、そしてこれは全部第一線の責任ある労務関係の幹部ですよね、その人たちがみんなそういうことを書いているんです。
 問題別にいろいろありますけれども、ストライキに対してどういうふうに対処するのかとか、とにかくありとあらゆる問題について一貫してそういうような立場が貫かれているということは、これは個人のものであるから個人が日常生活でもって感じているものを出したまでであるといって、表現が適切でないかもしれないみたいなことをおっしゃるけれども、そうではなくて、電電公社の労務政策がまさにそういうものとして進められているからこういうように反映するんだということは、私は、この点は本当に厳しく指摘をしておきたいと思います。これは引き続きまた追及いたします。
 ほかの課題がありますので、次へ移ります。
 こうした問題と非常にまたつながる労働者に対する敵視政策ですね、敵視する態度、こういうものがあらゆる点にわたって出てきているわけですけれども、私は先回の逓信委員会で時間がありませんので職業病の問題について簡単にしか触れられませんでしたので、ちょっとその継続という形で進めて公社の考え方を述べていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、この前も、若干、一言触れたぐらいだったと思いますけれども、職業病の頸肩腕症候群の業務上認定の問題について、公社はこれの一つの条件として、指定病院における精密検診というものを主張しておられるわけです。しかし、私はこれは基本的に言いまして、憲法の第十三条の生命と自由を守るための国民の要求、権利を最大に保障しなければいけないというこういう条項にまず反していると思いますし、もっと具体的に言えば、労働安全衛生法に医師選択の自由というのがいままでもいろんな経過の中で明らかにされて論議にもなったし、問題にもなってきているわけなんです。
 この労安法の第七章の「健康管理」のところの第六十六条に「労働者は、前各項の規定により」――これは事業者が行う健康診断のことです。「事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。」、これは明らかに労働安全衛生法に規定をされております。この憲法並びに労働安全衛生法とのかかわりにおいて、公社が業務上認定をするときには指定病院の診断がなければならないとしていることは明らかに違法であると言わざるを得ないというふうに思いますけれども、この点についての所見を伺いたいと思います。
#146
○説明員(小沢春雄君) この件につきましては、先般、三月十八日にも先生から御質問があったことでございますが、まず、基本的に私ども考えておりますのは、労働に関する安全、衛生及び災害補償に関する事項というのは、公共企業体の団体交渉事項の中でも非常に重要な事項というふうにされております。したがって頸肩腕症候群の問題につきましても、発生以来、基本的には労使ですべてを話し合って事柄を決めていく、こういう姿勢をとっております。重要な事項は労使間の約束、労働協約等で取り決めております。
 先ほど御指摘の業務災害認定に関する指定病院の件でございますが、これにつきましても労使間でいろいろ検討いたしまして、設備が十分整い、かつ権威ある医師がおりまして、認定後の治療、指導等につきましても本人のためにも非常に完全な看護、治療ができるというような病院を選びまして、現在、六十七病院を指定しておる次第でございます。したがいまして、あくまでも労使間の協約等に基礎を置いて、この問題を処理しておるということでございます。
#147
○山中郁子君 お尋ねいたします。
 労働組合が職業病を根絶するという、そういう立場で努力を重ねたさまざまな公社との取り決めというものがある、それはあくまでもその基本は労働者の職業病をなくしていく、治していく、そういう問題であることは当然のことです。
 私は、それではちょっと確認をしたいのですけれども、労使間で決めたことは、指定病院にかかる、その診断書がなければ、別の診断書では業務上災害の認定をしないと、こういうことを決めたということなんですか。
#148
○説明員(小沢春雄君) 頸肩腕症候群に罹患しました本人が業務上の災害として認定してほしいということを意思表示する場合には、いかなる医師の診断書によってこれを意思表示しても差し支えないわけであります。
 ただ、事業者が認定する場合に、よりどころといたしまして、労働省のこの病気に対する基本通達であります基発第五九号に、病状の判断に当たっては、各症状に対する診断病名は多種多様にわたることが考えられる実情にあるので、単に診断名のみをもって判断することは厳に慎しみ、専門医によって詳細には握された症状及び所見を主に行うこと。しこういう指導通達がございますので、この問題の取り扱いについて労使で話し合いまして、先ほども申し上げましたように六十七病院――その内容は逓信病院、労災病院、赤十字病院、公立病院いろいろございますが、この専門医の診断による意見書をいただきまして事業者が認定する、このようにいたしておる次第でございます。
#149
○山中郁子君 はっきりさせていただきたいのは、つまり公社の方は労使間の取り決めを根拠にされているわけですけれども、その労使間の取り決めというのは、指定病院以外の診断は認めないと、こういうことを言っているわけですか。
#150
○説明員(小沢春雄君) 頸肩腕症候群が業務上であるか業務外であるかという認定をするに当たりましては、先ほど申し上げましたように六十七病院の指定病院の専門医による診断並びに意見書によってのみ決定を下すと、こういう現在話し合いになっております。
#151
○山中郁子君 労働組合の交渉の経過というものは、あくまでも当然のことながらちゃんとした設備を持った――一人の労働者にどこかへ行って診断を受けてこいと言われても、なかなかそういうちゃんとした病院でもって診断を受ける手づるもないし、どこへ行っていいかわからないと、こういうことが当然のこととして出てくる、したがってきちんとしたそうした機能を持った、設備を持った病院というものを公社としても責任をもって診断を受けさせる、こういうふうな考え方は一般論としては当然のことです。
 私が伺いたいのは、労働安全衛生法の六十六条の規定にかかわらず、公社は労使間の取り決めを根拠として指定病院以外の診断を認めない、こういう態度をとっていらっしゃるのか、もう一度確認したいと思います。それから今後もそういう態度をとり続けられるのかどうか。
#152
○説明員(小沢春雄君) 私どもは労働安全衛生法の規定はすべて遵守しておりまして、細かいことにつきましては公社で健康管理規程というのを定めてやっておりますが、この内容もすべて労働安全衛生法にのっとっております。
 先生御指摘の問題は、健康診断あるいは健康管理について公社が指定する健康管理医とかあるいは病院等に限るかどうかという問題につきましては、私どもとしては、そのように限らない、民間の医師等の診断書を持ってきた場合でもこれを取り入れまして、民間の医師の診断に従った健康管理をする、このようにいたしております。
#153
○山中郁子君 そうしますと、職業病の認定をするのは健康診断ではないということですか。
#154
○説明員(小沢春雄君) この病気にかかった方に対する労働安全衛生法に定めておりますような健康診断あるいは健康管理という面につきましては、一般の病気と同じでございますので、病気休暇を与えるとか治療を指導するとか、こういうことにつきましてはすべて労働安全衛生法にのっとってやっております。
 ただ、先ほどの問題は、事業者としてこの病気を業務上の疾病であるか業務外の疾病であるかということを認定する、こういう問題になりました場合には、労働省の通達、これらを十分基盤に置いての労使の話し合い、約束ということで一定の病院による診断、意見書をいただく、このような関係になっております。
#155
○山中郁子君 労働安全衛生法による健康診断とそれから業務上認定の診断とが違うという根拠、業務上の疾病に関する診断が労安法に言う健康診断と違うんだという根拠はどれですか、何によるものですか。
#156
○説明員(小沢春雄君) 労働安全衛生法で定めておりますのは、いわゆる産業医といたしましてそれぞれの事業体における、そこに従事する職員の健康診断とか健康管理のあり方をこの法律は定めておるものでございます。職員がある疾病あるいはある災害にかかりまして、それが業務上であるか業務外であるかということを決める問題につきましては、労働安全衛生法は具体的に何も定めておりません。
 したがって、私どものほうでは、たとえば先般申し上げましたように、公務員の場合ですと人事院とか、あるいは民間の労働者ですと労働基準監督というふうな指定機関が法定されておりますが、公社の場合にはいきなり労働基準法にのっとりますので、この労働基準法の災害規定に従いまして事業者が認定する、そのやり方を先ほど申し上げましたような手順でやっておる、こういう関係になるかと思います。
#157
○山中郁子君 私は二つの問題があるというふうに思います。
 それはこの労働安全衛生法というもの――もともと国民の権利というものが憲法で規定されていて、その憲法で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と、これは大きくさかのぼって憲法までいくわけですけれども、何も頸肩腕症候群になった人が自分のかかりつけの病院、自分が信頼する病院で診断書をもらってくるということが公共の福祉に反するということはあり得ないわけで、そういう観点からいきまして、もともとが医師選択の自由ということで明確になっている問題をさまざまな理由、さまざまな理屈をもって制限をしているというところに一番大きな問題が一つあると思います。
 しかし、これが現実の問題として、公社が言うように、そして労働組合がそのような立場からこの交渉を積み重ねてきていることが貫徹されていれば、これは問題ないんです。私は何もこのことをここで問題にするつもりは、そういうことがちゃんとされているならば、ありません。だけど、問題は、いままでも先回の委員会でも申し上げましたように、そしてまた何回か具体的な事例でも厚生局長にもお話を申し上げてきましたように、こういうことを盾にとって、明らかに病気になっている人をさまざまな理由をつけて業務上疾病として認めないという、こういういろいろな圧力を加えてトラブルが絶えないという事実があるわけですね、この現実があるわけです。
 ですから、公社の言われるように、本当に病気を治すために設備のある病院を指定病院として、そうしてそこの検診でもって認定するというふうな、そういう表向きのことではなくて、いかにして労働者が頸肩腕症候群なりそうした病気になっているのを業務上災害として認めないようにしようかという、こういうふうなこと以外にない。これが私はだから基本的な労務政策としての労働者に対する敵視の考え方だというふうに言わざるを得ないと思うのですけれども、こういうことが重要な問題なんです、現実の問題として。
 そうして、この前、例として申し上げましたけれども、これも時間がなくて私は指摘をするだけにとどめたんですけれども、横浜電報局の井野明さんという人の問題で医師が業務上だというふうに認定して診断を出しているにもかかわらず業務外だという、そういう決定をよこしたと、一体これはどういうことなのかということで追及いたしましたところ、厚生局長はその判断がボーダーラインにあったからだと、こう言われたわけです。
 私は、その診断書が明らかに業務上だと書いてあるにもかかわらず、なぜボーダーラインなのかということが一つ問題がありますけれども、これはいま横に置きまして、ボーダーラインにあるからこそ業務上災害一業務上疾病にしなければいけない、そうでなければいけないはずなのに、ボーダーラインだからということでそれを業務外にするという考え方ですね、このことにまさに職業病として公社が責任を負わない姿勢、何とか労働者の個人責任にして、そうしてその救済措置をとにかく狭めようとしている、そういうふうな態度が流れているから、この医師選択の自由の問題と絡んでいま大きな問題になってきている。このことについての基本的な考え方をぜひ伺いたいと思います。
#158
○説明員(小沢春雄君) ボーダーラインだから業務外の方に認定したということはございません。
 先般申し上げましたように、他覚的所見に乏しいというふうな内容がございましたので、関東通信局の方で判断に迷ったようでございますが、この件につきましては、三月十八日に御質問いただきましたので、すぐ関東通信局に連絡をいたしておりましたところ、本人からも再審の請求が出てまいりましたので、先生の御趣旨も十分念頭に深く置きまして再審査を今後行いたい、このように思っております。
#159
○山中郁子君 厚生局長、ちょっといいかげんなことをおっしゃっちゃ困るので、この前の委員会の議事録を調べてみていただければわかりますけれども、あなたは確かにボーダーラインだから業務外にしたと、こうおっしゃっているんですよ。ですから、それを訂正なさるならよろしいです、そういう考え方は公社としてはやはり間違っていると、そうではなくて本当に労働者の健康を守るという立場から誠意を持って判断をすると、それはボーダーラインだから「外」にするんだということにはならない、こういうふうにお考えをはっきり直していただくならいいんですけれども、どうなんですか。
#160
○説明員(小沢春雄君) 私、ボーダーラインだから業務外にしたというふうに申し上げたように議事録にはなっていないと思います。
 ただ、指定病院の診断並びに意見書が非常に表現が不分明なところがございまして、病状の診断の方には他覚的所見が明らかにされないという表現があって、なお意見書の方には業務上に原因がある、誘因があるように認められるというふうな、やや不分明な表現がありましたために、関東通信局では判断に迷ったようでございまして、担当の医師にさらに詳しいその辺の内容を照会しましたところ、明確な回答が得られないままに他覚的所見に乏しいというところを重視いたしまして業務外と、このようにしたというのが実態でございます。
 したがってボーダーラインであるもの、を意地悪くと申しますか、ことさらに業務外にしようという意図は公社の方としては毛頭ございません。現に、昨年からこの問題の本格的な処理をスタートしまして、三月末現在で七百四十八名というものに対しましても処理を終了しているわけでございまして、これらの数字は先生にも御理解いただきたい点でございますが、他の企業体等に比べましても、公社としてはこの問題に非常に熱意を持って取り組んでおり、また誠意を持って対処しているということでございまして、決して業務外を多くしようというふうな最初からの意図を持ってこの問題を処理しているということは絶体にございません。
#161
○山中郁子君 絶対にないということで、今度、そういう立場を貫いていくということははっきりさせていただきたいと思いますけれども、私がいま申し上げましたのは、この前厚生局長の答弁の中で追及して申し上げているのは、疾病の程度がボーダーラインだというふうにあなたが言われたという意味じゃないんです。いまあなたが言われたような意味で、さまざまなわからない面があったと、こうおっしゃるわけでしょう。わからないというか、いろんな意味でわからない面も含まれてボーダーラインだというふうなことをおっしゃったんですよね。だから、それだったらなぜそこでわかるようにもっとちゃんとしないんですか。わからないのがあったから「外」にしたというのは、一体、どういうことなんですか。これが私が公社の姿勢がなるべくそういう業務上を認めたくないと、こういう姿勢のあらわれだというふうに追及しているんです。疾病の程度がボーダーラインであるとかないとかということに限って言っているわけじゃないんです。
 ボーダーラインという言葉をあなたは使われました、それははっきりしていますでしょう。それはいまおっしゃったような意味で使われたなら使われたで、いずれにしても不明確な点があったと、こういうわけでしょう、そうしたら当然のことながら不明確な点を新たにきちんと明確にする、こういう努力をしないままに業務外にするということは、公社の考え方が一人でも多くの人を業務上として認定したくないという、こういう態度のあらわれだと言わざるを得ないということを私は申し上げているんです。この点について何か御異論がありますか。
#162
○説明員(小沢春雄君) お話しのとおりだと思います。
 したがって私は前回の御質問の後、すぐ関東通信局の担当者にも公社へ来てもらいまして、このような不分明な、判断に迷うような診断書あるいは意見書があった場合には、こちらが出かけていってもいいから医師と十分コンタクトして、そして内容を明確にして今後処理を図ってくれということを指示いたしました。
 また、先週の金曜日に、全国の保健課長会議を招集いたしまして、この問題を一つの事例にいたしまして十分指導いたしました。
#163
○山中郁子君 その点については明確にして、いままでのそういう姿勢についてはぜひ反省をしていただきたい。私は何もこれは厚生局長だけに申し上げているわけじゃありません。電電公社の労働者に対する基本姿勢につながるということで、一番最初冒頭に申し上げた問題も含めて、その中の一つのあらわれとして申し上げているわけです。
 あと幾つかの具体的な事例があるんですけれども、これは事前に詳しくそちらに御連絡をしてなかった向きもありますので、調査ができていない、わからないものについては直ちに調査をしていただきたいと思いますが、基本的な考え方に照らして御答弁いただくということで、きょうの範囲では、基本的な考え方に基づいて答弁いただければよろしいんですけれども、一つの例は、川崎報話局の亀田節子さんという人が、四十九年六月に、横浜市大医学部の整形外科の意見書を添えて業務災害申請をしたんです。これは明らかに業務上の疾病であるということで診断書が出ております。
 そうしましたら、その後、横浜市大病院以外の指定病院を指定するので精密検査を受けてくれと、こう言ってきたんですね。横浜市大病院というのは、これは指定病院なんです、公社はおわかりだと思いますけれども。これはどういうことですか、もともと指定病院自体が私は医師選択の自由に反するのではないかと申し上げておりますけれども、いずれにしても、その上にさらに、指定病院で診断を受けているのにそれが業務上の疾病だという診断が出たら、横浜市大病院以外の指定病院を指定するので、そこで診断を受けてくれと、こういうことを言ってきているわけですね。そしていまだに認定のテーブルにのっていないわけです。こういう事例はあり得ないと思いますけれども、あり得ないということで御答弁いただけるなら、そういうことだけでも結構でございます。
#164
○説明員(小沢春雄君) ただいま先生御指摘の事例は、私まだ詳しく調査しておりませんけれども、恐らく最初に出てきました診断書は、私が申し上げましたように、本人から普通の診断書を添えて認定申請を出してきた、それを受けて通信局の方で、先ほど申し上げました六十七病院の中の一つを選んで、ここへ行って精密検診を受けるようにという指導をしたということだと思います。
 この点につきましては、さらに詳細に調査いたしまして、ただいままでに申し上げましたような私どもの考え方、あるいは先生のお考えも十分参照いたしまして、適切な処理を図るようにいたしたいと思います。
#165
○山中郁子君 ここに病院の先生の意見書があるんです。そうしていろいろ書いてありまして、最終的に「以上の作業内容、病状の経過、現症および検査所見により作業に関連する頸肩腕症候群と診断した。」こういうふうに所見が出ているんです。
 そうしますと、これは私が先ほど申し上げましたように指定病院なんですね、しかも。それを別な指定病院に行って、今度は公社の方でこれこれのところに行ってやれと、こういうことはあり得ないと、これは間違いですね、そういうことだけ明らかにしておいてくださればいいです。
#166
○説明員(小沢春雄君) 通信局の方で、どのような意図で最初に診断書の出てきた指定病院である病院と別の指定病院を指示したかつまびらかにいたしませんけれども、このような場合には、なるべく最初にかかった指定病院の方へ行くように指導いたしたいと思います。
#167
○山中郁子君 ちょっと、あいまいでなくて、このケースと離れてでも結構です。
 先ほど公社が労使の協議でもって指定病院というところにきたと、こうおっしゃっておりますね、ですからそれによって行うと。そうすれば、その指定病院をさらに指定するということはあり得ませんでしょう、そういうことはないですね、指定病院ならいいわけですね、現状は。
#168
○説明員(小沢春雄君) 最初に診断書を書く病院と、それから業務上であるか外であるかを診断する病院というのは、立場は違うわけでございます。
 たとえば逓信病院に行って診断書をもらってきた、で業務上であるか外かの認定を公社がするという場合に、今度はそういう見方で精密検査を逓信病院でお願いする、こういうようなことはあり得ることだと思います。したがって別な病院を指定しても私は間違いということにはならないと思いますけれども、医療の便宜上、本人がかかりつけの病院に行った方がよろしいと思いますので、指定病院である場合には、なるべく同じ指定病院に行くように指導いたしたいと思います。
#169
○山中郁子君 そうしますと、また、そこで公社は考え方を狭めてくるんですね。善意で言っているんじゃないんですよ、善意で言っているという前提に立つならそれは話はいいんです。
 だけれども、そうではなくて、業務上という診断が出たら、今度は別な指定病院へ行けと、こう言っているわけですね、何の理由もなしにですよ。そこの指定病院ではなくて、こういう指定病院の診断が必要だと、診断の問題です。これはまだ一たん診断を受けたあとの治療の問題じゃないんです。そういうことを理由にして認定のテーブルにのせていないケースなんです。公社の指定病院で診断を受けているにもかかわらずね、かかわらず、別な指定病院へ行って診断書を持ってこなければ認定のテーブルにのせないというこういうケースです。
 ですから、その具体的なケースはあとでそちらでお調べになって結構ですけれども、仮に仮定の問題としてでもいいです、そういういま私が申し上げているようなことはあり得ないはずだというふうに思いますけれども、それはそういうふうに理解してよろしいわけですか。
#170
○説明員(小沢春雄君) 何度も申し上げましたように、最初に受ける診断書は言うなら病名の診断というような場合もございますが、あとの場合には精密検診ということでございますので、精密検診のやり方というようなものはまた詳しくあるわけでございますから、これをお願いする、こういうことになっております。
 この場合に、最初に診断書を受けた病院とそれから精密検診を受ける病院とがいずれも六十七病院に入っているようなケースの場合には、最初のカルテのある病院に行くというふうにしてさしあげた方がいいと思いますので、そのように指導いたしたいと思います。
#171
○山中郁子君 指定病院の中でさらに公社側が別に指定をするということはあり得ないというふうに私は理解いたします、それでよろしいですね。
 そうしますと、問題は、医師がそういう診断をした場合に、公社が医師の診断に対してあれこれ言うという立場はあり得ないと思いますけれども、その点ももちろんのことだと思いますけれども、いかがですか。
#172
○説明員(小沢春雄君) これも前回先生から御指摘がありましたことで、事業所認定と申しましても、これは疾病でございますから、専門医の精密な検診に基づく意見書というものに従って公社側が決定をするということでございます。
#173
○山中郁子君 次の問題に移ります。
 これは特別措置についての問題ですけれども、この前も簡単に私は触れましたけれども、いわゆる特別措置の問題については、公社の指定病院での診断並びに公社の健康管理下にあるということが条件になって特別措置の適用ということになると、この点は間違いないというふうに思いますけれども、そういうことを前提にいたしまして、こういう条件があるにもかかわらず、特別措置の適用がされていないというケースがあるとすれば、それは適用の誤りであるというふうに言ってすぐに是正をしていただくケースだというふうに考えますけれども、その点はよろしいでしょうか。
#174
○説明員(小沢春雄君) ただいまのケースにつきまして、特別措置については、頸部を中心とした業務に相当期間継続して従事した職員であること、公社が指定する医療機関で頸肩腕症候群と診断されたこと、要健康管理者として指導を受けている者であること、このような条件に該当する者につきましては、全国約三千ぐらいあります指定病院の診断に基づいて特別措置を適用する、こういうことでございます。
#175
○山中郁子君 例外的なケースということはあり得ないですね。
#176
○説明員(小沢春雄君) ただいま申し上げた事項に該当する限り、そのように取り扱うということでございます。
#177
○山中郁子君 次の問題は、非常に長期間保留をしているケースがいろいろ多いんですね。
 この点について、具体的にどういう考え方で保留になるのかということなんですけれども、これは私いま一つの例を申し上げますけれども、長野電話局の前田和三さんという人なんですけれども、この人は四十八年九月に申請をして、それから現在に至るまでも何の連絡もないと、こういう実態があるんです。四十八年九月ですからもう一年近くになるわけですよね、一年半以上ですね。そうして本人が質問書を出しているんです、どうしてこういうふうに長引いているのかと、こういうことに対しても一向に返事がない。しかも精密検診は受けているんですね。
 とれは公社が言われる一刻も早い期間にそうした病気の人たちを治すように労働者の立場に立って行うということからかなり外れているやり方だというふうに思うんですけれども、これは私はいま前田和三さんの例を申し上げましたけれども、そのほかにもたくさんのケースがあるんです。一年とか一年半とか、場合によっては二年も放置されたままになっている。こういうことは本来あり得ないと思うんですけれども、なぜこういうケースが起きてくるのか、その辺の事情を伺わせていただきたいと思います。
#178
○説明員(小沢春雄君) 現在、申請を受けまして措置中のものが三月末現在で九百三十八件ございますが、これにつきましては、極力、早く措置をするということで、最近は非常に措置が早くなっておりますが、ケースによりましては、たとえば相手方が指定病院に行くのを拒むとか、あるいは女性の場合には妊娠中だとか、いろんな理由で指定病院に行けないというようなケースがあっておくれているものはかなりございますけれども、本人が進んで精密検診を受けに行っていただいたようなものについて、しかもその意見書が来たものについては早急に結論を出すというふうに指導をしておりますので、いまそういうケースで非常におくれているものはほとんどないと思いますが、この点につきましては、毎月厳しくいろんな管理をしておりますので、さらに促進を図りたいと思っております。
#179
○山中郁子君 じゃ、もう一度ちょっとはっきりさせていただきたいんですけれども、この前田和三さんというのは精密検診を受けているんです。それでもう一年半以上も放置されている、質問書を出しても何にも言ってきてないということなんですけれども、これは事前に申し上げておりませんでしたから、直ちに調査をしていただきたいというふうに思いますけれども、それではこういうふうに一年も一年半も延びているのは、先ほど局長が妊娠中とか云々と言われましたけれども、正確におっしゃってください、どういうケースですか。件数まではいいですよ、項目でいいです。
#180
○説明員(小沢春雄君) 精密検診に行きたくないと言っているような方、あるいは精密検診の結果他の疾病の疑いがあるのでもう一度検診をしたいというようなことを病院で言ってきたものについて行かないでいる方、それから他の病気と一緒に発生しておるために一方の病気の療養の結果を見るというような形になっている方、それから妊娠とか育児休職中の方、それから郷里へ帰って療養しておって出てきてもらえない方、こんなふうないろんなケースがございます。
#181
○山中郁子君 いろいろなケースということになると困るんですけれども、こういうようなケース以外はないですね、ないはずですね、と私は思うんです、それは。それ以外に、いわゆる頸肩腕症候群の問題に対して不当に認定の作業をおくらせる、保留するということはあり得ませんね。
#182
○説明員(小沢春雄君) ございません。なお、一昨年以来、期間も非常に短縮してきております。
#183
○山中郁子君 いまおっしゃいました具体的なケース、郷里で療養しているというふうな問題につきましても、やはり精密検診の問題その他と絡め合って、私はこのこと自体を容認するものではありません。この中にも問題は含まれているけれども、いずれにいたしましても公社が言うように労働者の健康ということを第一義的に重要に考えているんだということならば、一刻も早く、先ほど申し上げました前田和三さんのケースのような、こうした不当な保留というものは解決をしていくべきだというふうに思いますし、公社もそのようになさるというお約束ですので、これは必ず実行をしていただきたいというふうに思います。
 次に、私は専用料金の問題についての質問に入りたいと思いますけれども、私はまず郵政大臣にお尋ねしたいんですが、四月十八日、いわゆる電電公社の専用料金の改定を認可しました、これは認可料金ですから。これによると短距離については一部申請内容を改定しているけれども、基本的には公社の申請で、そして長距離専用料が大幅な値下げになっています。たとえば東京 大阪間が四十三万七千円から三十万円になるというような、これはこの場合ですと三一%の値下げです。これは前にもこの委員会でも問題になりましたし、私も若干触れたことがありますけれども、こうした赤字だから料金を引き上げるというふうなことを言っている電電公社の中にあって、専用料を大幅にこのように引き下げるということを認可をしたという郵政省の基本的な考え方はどういうところにあるんでしょうか。
#184
○国務大臣(村上勇君) 去る四月十八日、専用料金改定に関する電電公社の認可申請について認可いたした次第であります。
 今回の料金改定は、昭和四十七年から四十八年にかけて電話の広域時分制が実施されたことに伴う短距離と長距離の専用の料金格差を是正するというようなこと、いわゆる料金体系の合理化を図ったものであります。
#185
○山中郁子君 料金体系の合理化とおっしゃいますけれども、どういう不合理があったんですか。つまり専用料金、遠距離を安くする――公社は赤字だと言って、そして専用料を安くするというのはどういう理由ですか。
#186
○政府委員(田所文雄君) 大臣からお答えいたしましたように、長距離と中・短距離の料金の格差を是正するということがねらいでありまして、料金の値下げをねらったというわけではございません。事実、結果におきましても若干増収になるものでございます。決して料金値下げを意図したわけでもありませんし、結果においても料金値下げには全体といたしましてなっておりません。
#187
○山中郁子君 もう何回も言われておりますように、長距離の専用料というのは、主としてこれはもうほとんど大企業ですよね。そうしたところに当たる分を値下げをして、そうして近距離を値上げをするという問題で、それは合理的にとかあるいは格差の是正とか言われますけれども、明らかに大企業の使用する長距離専用料を大幅に値下げをしたというこの事実は、どういう理屈をつけようとも変わらないわけですよね。その問題について、そして片方では赤字だから電話料金を値上げするということで国民の大きな論議を呼んでいるわけです。私はここに郵政省のやはり大企業には甘く、そして国民の一般の電話の問題については赤字を理由にして料金値上げということで、再三再四否定しているにもかかわらず、いろいろなところで発言がされている、こういう事態は非常に大きな問題だというふうに思いますけれども、再度この考え方について、郵政大臣の――不合理だという問題についてですね、合理的じゃなくて、むしろ不合理だと、大企業だけ安くするというこういう結果を生み出しているわけですからね。
#188
○国務大臣(村上勇君) 今回の改定に際しましては、加入電話で一日平均百分から百二十分程度通話した場合の料金との均衡を図ることをめどとして短距離料金を引き上げ、中・長距離料金を引き下げることとしたのであります。利用者負担の公平を図ることとしたのであります。
#189
○山中郁子君 これはあくまでもやはり大企業にはサービスをするという、こういう姿勢だと思うんですけれども、もしそうではなくて、本当に国民に対するサービスも重視して、そして合理化を図る、こういうことならば、たとえば夜間割引の問題について、国民の一つの要望であります夜間割引時間帯の拡大というふうな問題、これも認可料金のはずです。こうしたことを積極的に公社として行うという意思はないのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#190
○説明員(遠藤正介君) 私は、後の問題をお答えする前に、前のところで少し先生の御意見に異論がございますが、料金体系の不合理是正ということは、短距離がきわめて安過ぎまして遠距離が高過ぎるということのほかに、新聞報道ですとか、いろんないわゆる大企業といわれるものの一つの割引率が従来極端に高かったのを合理的に是正をする、こういう問題が一つございます。したがいまして、その結果として専用線というものは大体企業がお使いになるときには一つのシステムとしてお使いになるケースが多いわけですから、短距離と遠距離とを込みにいたしまして使っておられる会社が多いわけです。したがって全体として見ました場合、あるいはまたその中で割引率が少なくなったところで換算をいたしますと、これは「赤旗」には値下げと出ておりましたが、一般新聞は値上げと書いております。私はやはりこの点は一般新聞の見方の方が正しいのでございまして、値上げであることは間違いないと思います。大企業にとりましても、私どもから言わせれば合理的、向こう様からおっしゃれば値上げじゃないかということで、私は、基本的な姿勢は、こういう時代でございますから、公社が損をしてまで改正するということじゃなくて、先生御指摘のように、できるだけ従来から専用線の収支率は非常にいいんでございますけれども、その中で改正をさしていただきたいということを郵政大臣にお願いをしたわけでございます。
 で、また、いまの御質問の最後の点につきましては、確かにおっしゃる点は今後の問題として一つの問題でございます。しかし、これは現在の法律改正を必要とする部分もございますし、通話料全体の改正の中で、できますれば来年度から、そういう点も加味をいたしまして、ぜひ実行さしていただきたい気持ちでおります。
#191
○山中郁子君 伺います。
 それでは、大体の数字でいいんですけれども、私どもが遠距離の専用線は明らかに値下げと言っておりますのは、明らかに値下げになるから値下げだと言ってるんですけれども、この改正によりまして、どういうふうな収入増になるんですか。
#192
○説明員(遠藤正介君) これは専用線でございますから、ものによりまして、あるいはユーザーによりまして、おやめになる方があるわけですね、もうそんなに高いならやめると、短距離あたりをお使いになっている……。
#193
○山中郁子君 いまのままでいいです。
#194
○説明員(遠藤正介君) その場合に、弾性値というものを見ます。一応、こういうものの弾性値を見まして、私ども郵政大臣にお願いをしているのは大体七%の値上げになります。
#195
○山中郁子君 増収ですか。
#196
○説明員(遠藤正介君) 増収です。したがいまして、この弾性値というのは営業活動によりまして幾らかまた努力によって弾性値を下げることができますから、そうしますれば増収率はさらに高くなると思いますが、一応、私ども合理的な従来のケースによる弾性値を見まして七%の増収、つまり七%の値上げということになろうかと思います。
#197
○山中郁子君 この問題はまた引き続き明らかにしたいと思いますけれども、私どもがあくまでも問題にしているのは、赤字であるから料金を上げると言っておきながら、長距離の専用線については大幅に値下げをしているという問題で、いま遠藤さんが言われました割引率が高過ぎたとおっしゃるその高過ぎたということは何を基準にして高過ぎているのかどうかということはまた議論のあるところです。これはここでちょっとおきます。
 それで、そういうことはどんどん認可料金というふうにしてやるけれども、実際に国民が要望している電話料金の負担をもっと安くしてもらいたいということについて、たとえば夜間割引の問題についていま申し上げました。これは私はもともとが夜間割引のできてきた経緯というのは、遊休施設を効率的に使用するというふうな面もあったわけですけれども、そのように伺っておりますけれども、いずれにいたしましても企業活動との絡み合いで言うならば、少なくともたとえば夜は六時から朝は八時までの拡大をしてもできるはずだと思うし、また日曜、祭日においてもこれを適用できるというふうに考えております。この点については、まあ積極的に検討をするというお考えというふうに承っておいてよろしいのかどうかということをもう一度総裁なり局長の方から伺っておきたいと思います。
#198
○説明員(遠藤正介君) お正月の三日間に、実はこの三年ばかりいろいろな場合もございましょうと思いましてテスト的に実行いたしております。でその結果、実は先生御存じのように、この自動の料金を下げますことによって手動の一〇〇番の方ですね、これも下がるというぐあいになっております。これが非常に一つ関連がございます。それから自動自体にいたしましても、正月の通話を見ておりますと、やはりいろいろ人口に膾灸をしてまいりますとトラフィックが増をいたしまして、ある時間帯非常に増をして、設備を増設しなくちゃいけないという問題も起こって、そういったような問題を現在検討をいたしております。いずれにいたしましても、いわゆる前向きな姿勢で来年度通話料を値上げをさしていただきますときには実行をいたしたいと思っております。
#199
○山中郁子君 それはまた問題ですね。値上げをさせていただくんですか、総裁にお伺いいたします。
#200
○説明員(米澤滋君) 前々から委員会でお答えしておりますけれども、昭和五十年は料金値上げが政府におきまして凍結されました。電電公社といたしましても、ことしの七月の時点におきまして、将来の経営基盤を確立するということを中心に案をつくりたいと思っております。
#201
○山中郁子君 じゃ遠藤理事のいまの発言を取り消していただきたいと思います。これは明らかに先回の逓信委員会のいろいろな論議ですね、私だけじゃありません、多くの委員の方が質疑をいたしました。そしてこれはもういま現在は凍結されて白紙になっている状態です。あたかも値上げをさせていただくというそういう公社側の考え方さえ私は秋草副総裁の発言を引用してただしましたところ、それは個人の発言であって公社としての発言ではないという、こういう総裁の御答弁でした。取り消されるんでしたら取り消してください。
#202
○説明員(遠藤正介君) 表現がまことにまずかったんですが、現在の状態で日曜、祭日の割引を一年じゅうやりますと、これは明らかに減収になります。したがいまして、やはりやる時期としては、仮にそういう時期があれば、そのときに一緒に考えたいと、そういう姿勢で前向きに検討しておると、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#203
○山中郁子君 総裁にお尋ねいたしますけれども、それでは、値上げをしない限りはこうした国民に対するサービスの拡大を前進的に前向きに検討はしないという態度なんですか、これは大変重大な問題だと思いますけれどもね。
#204
○説明員(米澤滋君) 先ほど申し上げましたように、今後の問題につきまして、私たち電電公社の経営に対して責任を持っておりますので、財政基盤確立というその場合に検討したいと、いますぐ決めるということじゃなくて、七月の時点に将来の問題を含めて検討したい、こういうことでございます。
#205
○山中郁子君 じゃもう一度確認いたします。
 いますぐとか七月とか、そういうことを私言ってるんじゃないんです。積極的にこうした国民に対するサービスを考えていくべきだということに対して、それは値上げとは関係なく、いまの総裁の答弁をお伺いしてよろしいわけですね。値上げをしないということまで私は言えと言ってるわけじゃないんですよ。だけど、値上げの問題と結びつけてそういう答弁されるんだったら、これはもう大変な問題ですから。
#206
○説明員(遠藤正介君) 先生のおっしゃることはわかりますが、サービスと申しましても、公社の経営が現在でも赤字でございますが、さらに赤字になるということも、これも一方ではまた国民に大変な御迷惑をおかけすることにもなります。したがいまして、いまの日曜、祭日の割引につきましても、そういう料金面も考えつつやることが一つの方向であろうと思います。そういう意味で、この問題だけ取り上げて、確かにこれを現在の段階でこれだけ仮に実行いたしますれば、皆様お喜びになることはわかっておりますけれども、総合的に私は考える必要がある、こう思っております。それに伴ういろいろなトラフィックの変動でございますとか、あるいは手動の一〇〇番の関連性というようなものを現在検討しておる、こういうことを申し上げておるわけです。
#207
○山中郁子君 確認をしますけれども、値上げをさせていただくときに考えるということではないんですね、それは取り消してくださるんですね。
#208
○説明員(遠藤正介君) 必ずしも取り消した方がいいのかどうか私はわかりませんが、まあ総裁が取り消されれば自然に取り消しになりますが、ほかの条件で経営基盤が非常によくなります場合が仮にありました場合ですね、そういったような場合にはもちろんそういうことなしにできるかと思います。しかし、いまの状況では、やはり日曜祭日を現在の四割程度割り引きますれば、相当コールがふえましても、その分だけ落ちくぼになるということは先生もおわかりだと思うんです。その点を私どもはやはり一番考えなくちゃいけない問題じゃないかと思っています。
#209
○山中郁子君 総裁、どうですか。
#210
○説明員(米澤滋君) 先ほどお答えいたしましたように、ことしの七月の時点で、将来の経営基盤確立の問題の中にこの問題を含めて検討したい、こういうことでございます。
#211
○山中郁子君 で、この専用料の改正時期の問題ですけれども、簡単にどういうふうな時期になっているかということを御報告ください。
#212
○説明員(玉野義雄君) 専用の問題につきましては、現在、大体二十六万回線ほどございますので、これを再計算する必要があるわけでございますが、そういう期間等もございますので、一般につきましては、現在の予定では、七月一日、それから新聞料金につきましては十月一日目途で考えております。それから政府等につきましては、これは予算がすでに決まっておりますし、これは補正予算等で改正できればよろしゅうございますが、そういうことができない場合は、来年の四月一日から、そういうふうに考えております。
#213
○山中郁子君 政府等という中には、地方自治体も入るわけですね。
#214
○説明員(玉野義雄君) 国の機関だけでございますが、地方自治体につきましては、消防につきましては四月一日からと、こういうことです。
#215
○山中郁子君 地方自治体の予算措置がされてないのは国と同じだと思いますけれども、どうしてこういう地方自治体は別になるんですか。
#216
○説明員(玉野義雄君) 地方自治体につきましては、消防が割引率の関係がございますので、これは照査がむずかしいということで四月一日ということでございます。一般のは、消防以外のところは割引がございませんので、そうなっております。
#217
○山中郁子君 地方自治体には――いわゆる専用料ですよ、専用線使ってますでしょう、地方自治体だって、ないんですか。
#218
○説明員(玉野義雄君) 地方自治体にもございます。
#219
○山中郁子君 それをどうして――予算措置されてないのは国と同じですけれども、地方自治体は別扱いにしているわけですか。私の言うのは、地方自治体も国と同じように扱うべきだと、予算措置されてないんですし、とりわけいま地方自治体の財政難ということで問題になっているわけですから。とりわけ地方自治体の場合には近距離ですよね、長距離の値下げになるような部分というのはないですわ。そういうことはやはり平等に扱う、最低平等に扱うべきだというふうに考えますけれども。
#220
○説明員(玉野義雄君) 地方自治体の消防等につきましては、先ほども申し上げましたように、六七%の割引を五〇%にいたしましたので影響が大きいわけですが、一般的に割引をしていないものにつきましては、先ほども申し上げましたように、変動が余り大きくないということで、このように考えたわけでございます。
#221
○山中郁子君 それは実態とは違うと思います。で私はそれではどういう理由で、まあ消防はいいですよ、とにかく地方自治体の一般の専用料金ですね、これを常識的に考えても地方自治体の場合はそう長距離の専用線じゃないですわね。だから先ほどの七%の増収になるという部分に入るわけですわ、地方自治体の負担というのは。その部分をですね、予算措置がないということは国と同じであるにもかかわらずこれは別にしているのか、これは当然同じように扱うべきだと考えておりますけれども、その点は総裁いかがですか。
#222
○説明員(遠藤正介君) 先生のおっしゃることはわかります。それで、ただ、これは一般の専用で地方自治体が使っておられるものも、私ども先ほど申し上げました弾性値に基づく営業活動の中で全部だめだということでもなくて、できるところもあると思うんです。したがいまして大体御趣旨もわかりましたので、実際のその契約改定の段階で考えさせていただきます。
#223
○山中郁子君 次に、農村公衆の問題について簡単にちょっと触れて、簡単な答弁で結構ですけれども。
 いま国民の要求、ただいま割引の問題なんかも含めて、値上げ値上げということでなくて、本当に国民に対する電話のサービスということを考えていかなきゃいかぬということはぜひとも公社としても積極的に取り組むべきだというふうに思いますけれども、農村のいわゆる無電話部落と言われている状況ですね、現状どうなっているのか。そしてこれは一刻も早く解消をすべきであるというふうに、まあ当然のことですけれども、それは具体的な計画としてどういうふうな計画を持っておられるのか。それらの点についてまとめて御答弁をお願いしたいと思います。
 で含めて、無電話部落というふうに言っているエリアとか戸数とか、そうした基準を公社としてはどういうふうに考えておられるのかをお知らせいただきたいと思います。
#224
○説明員(輿寛次郎君) お答え申し上げます。
 農村公衆電話につきましては、無電話集落の電話の事情の救済のために、昭和三十一年からこの制度を始めまして、それ以来、毎年四千ぐらいの数を増設いたしまして、昭和四十年には約四万個に達しております。しかし、それ以降は、そういった普通加入区域外のところが次第に加入区域内になりますとか、あるいは地域集団電話ができますとかいうためにだんだん減っておりまして、一番最近の資料では、推定でございますが、一万六千個ぐらいと想定しております。
 それで現在の情勢を申し上げますと、無電話集落といたしましては、大体四十七年度末の推定でございますが、千六百程度と推定いたしております。それでこれは大体一番最初始めましたときには、おおむね百戸以上の集落を対象にしておったんでございますが、その後、だんだん普及とともにその基準を下げまして、現在では十戸以上ぐらいの集落ということにしておりますが、現実には地元の御要望があればつけるということにしております。
#225
○山中郁子君 そうしますと、要望があればつけるということで、要望がないからいま残っているということになるわけですか。それとあわせて、この千六百という解消の具体的な計画を聞かせていただきたい。
#226
○説明員(輿寛次郎君) 現在の、たしか四十七年末で千六百残っておりますが、これは、われわれといたしましては、できるだけ御要望に応ずるということでやっておるんでございますが、現在残っておるということはそれほどのまあ要望がないということでございまして、じゃ全然ないのかと申せば、実は毎年三百ぐらいの増設はしております。これもすでに、数を申しますと、四十六年には六百七十三個増設いたしまして、四十七年度は五百七十でございます。四十八年度は二百四十九でございまして、そういった御要望の方もだんだん減っております関係で設置数が減っております。それで五十年度につきましては大体予算上二百を想定しておりますが、これは御要望の数に大体見合うものと考えております。したがいまして、これから後も当然そういった御要望が出てまいりますれば、こういったペースで引き続きやっていくという考えでございます。
#227
○山中郁子君 要望がないということはあり得ないんで、公社がそういう姿勢でいること自体私は問題だと思うんですけれども、いずれにしても、公共企業体の性格からいきましても、それから電話という問題の機能からいきましても無電話集落をなくすというのが公社の方針であるはずで、その点は間違いないですね。そして具体的にそうしましたらいつまでになくすという計画を持っていらっしゃれば知らせてほしいし、持っていらっしゃらなければ、それは早急にいつまでに無電話集落を解消するということを、NHKにおける難視聴解消と同じような位置づけでもって、取り組むべき課題であるということを指摘したいわけですけれども、いかがでしょうか、お考えは。
#228
○説明員(輿寛次郎君) もちろん無電話集落というものがあっては困るわけでございまして、そういった意味ではつけるのが筋でございますが、これは私の推定も入っておりますが、現在、たとえば二十戸以上で電話がありません集落は四百ほどございますが、こういったものは大体有線放送電話でやっておりますとか、そういった農村公衆電話にかわるものがあるというふうに想定しております。したがいましてそういったところでは、正直に申しまして、そういった御要望が参らなかったのではないかと想定されるわけでございまして、今後も、そういった御要望があればこれに応じていきたいということでございます。
#229
○委員長(竹田現照君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#230
○委員長(竹田現照君) 速記を起こして。
#231
○山中郁子君 最後に伺います。
 データ通信の問題ですけれども、公社は四十八年度の決算としてデータ通信の収支率を出しておられますけれども、これのデータ回線サービスとデータ通信設備サービスと分けた収支率をお伺いしたいということと、それから今後のデータ通信サービスの問題について、朴木データ通信本部長がいろいろ投資問題その他、建設投資を含めて方針を出していらしゃいますけれども、今後、どういうふうな長期計画をデータ通信に関しての建設投資その他を含めて行われていらっしゃるのか、そのことについて、まとめてそれではお考えを伺いたいというふうに思います。
#232
○説明員(朴木実君) お答え申し上げます。
 まず第一点でございますが、データ通信事業は三つに分かれております。加入電信とデータ通信回線サービス、データ通信設備サービスでございますが、御質問の点はデータ通信回線サービスとデータ通信設備サービスの四十八年度の収支率がどうなっているかという御質問かと思いますが、データ通信回線サービスの方は収支率が約六八%でございます。それからデータ通信設備サービスは二五八%でございます。
 それから、今後の公社のデータ通信事業の展開の概略でございますが、前々から申し上げておるところでございますけれども、公社のデータ通信事業としましては、やはり開発先導的なシステムあるいは全国的な広がりを持つシステムあるいは公共性の強いシステム、そういうようなシステムを重点的に取り上げて今後も展開を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#233
○委員長(竹田現照君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#234
○委員長(竹田現照君) 速記を起こして。
#235
○山中郁子君 データ通信について事前にいろいろお調べ願ったのですけれども、時間の関係で触れられませんで、その点についておいでいただいた方には恐縮でございますけれども、私がデータ通信の問題について提起をしておきたいことは、いずれにしても莫大な建設投資を行って、そしてなおかつデータがいま赤字です。そしてそうしたものが電話料金にみんな降りかかっているというこういう実態があって、そしてなおかつ電話が赤字だから、公社の経営が赤字だから値上げをせざるを得ないと、こういうふうに言われているわけなので、基本的にデータ通信サービスの開発投資も含めて、電電公社がやらなければならないというふうに言われて、いろいろな建設投資その他莫大なお金をつぎ込んでいる、そういうあり方自体、ごく根本的な問題として、公社の任務として、公社がいま盛んに言われているようなこうしたデータ通信を一身に背負って莫大なお金を投入するという根拠がどういうところにあるのか、この辺については私はごく根本的な問題として検討していかなきゃならない課題だというふうに思います。このことは引き続き料金問題も含めて今後も追及していきたいと、こういうことを申し上げまして質問を終わります。
#236
○委員長(竹田現照君) 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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