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#1
第075回国会 逓信委員会 第9号
昭和五十年六月十七日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     石破 二朗君     迫水 久常君
     橘  直治君     松岡 克由君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     迫水 久常君     福井  勇君
     竹田 四郎君     赤桐  操君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹田 現照君
    理 事
                長田 裕二君
                川野辺 静君
                西村 尚治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                新谷寅三郎君
                棚辺 四郎君
                福井  勇君
                松岡 克由君
                宮田  輝君
                赤桐  操君
                案納  勝君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  村上  勇君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     小野 武朗君
       経済企画庁長官
       官房参事官    仲田 嘉夫君
       郵政政務次官   稲村 利幸君
       郵政大臣官房長  高仲  優君
       郵政大臣官房首
       席監察官     永末  浩君
       郵政省郵務局長  石井多加三君
       郵政省人事局長  神山 文男君
       郵政省経理局長  廣瀬  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       行政管理庁行政
       監察局監察審議
       官        並山  進君
       大蔵省主計局共
       済課長      岡田 愛巳君
       大蔵省主計局主
       計官       佐藤  徹君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○委員派遣承認要求に関する件
○公聴会開会承認要求に関する件
○郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、石破二朗君及び橘直治君が委員を辞任され、その補欠として迫水久常君及び松岡克由君が選任されました。
 また、本日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹田現照君) まず、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(竹田現照君) 次に、公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法の一部を改正する法律案の審査のため、公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公聴会開会の日時、問題並びに公述人の数及び選定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(竹田現照君) 次に、郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○宮田輝君 いろいろ異常なことの多い世の中ですけれども、例のオイルショックに端を発しました物価情勢はまことに異常なものがございました。その物価もようやく政府の施策と国民の協力によっておさまりつつあるということが言えるかと思いますけれども、この五月の東京都区部の消費者物価指数は前月比一%の上昇ということでございます。三月以来、三カ月連続して一%以上の騰貴ということで、物価に対する国民の関心は非常に高い状況にあるということが言えると思います。
 で、物価抑制政策を推進中であるにもかかわらず、今回、あえて郵便料金の値上げを提案した理由について、わかりやすく具体的にまず説明をお願いしとうございます。
#11
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 御承知のとおり、郵便事業はその作業の大部分を人手に依存しなければならない事業でありまして、運営経費のうち大部分を人件費で占めていることは先生御案内のとおりであります。このために、近年における人件費の高騰は事業財政を強く圧迫いたしまして、昭和四十九年度以降、大幅な赤字が見込まれた次第であります。
 しかしながら、政府としては、強い政府の物価抑制方針に沿って、四十九年度中は郵便料金の値上げを見送ったのであります。その結果、四十九年度においては約千四百億円にも達する赤字が生じた次第であります。このような収支状況をもとに昭和五十年度以降の収支を推察してまいりますと、四十九年度から五十一年度までの三カ年の間に約八千億という赤字が見込まれる状況でありまして、郵便事業財政は破滅的な状態に立ち至るのであります。
 そこで、郵便事業財政の建て直しを図るために、五十年度当初から郵便料金の改正を計画いたしましたが、物価安定の政策から実施時期をさらに十月に延期いたしまして、また、はがきについては値上げ幅を調整するなどの配意を加えまして、これを実施することとして、関係法案の御審議をお願いいたしておる次第であります。
 政府といたしましては、郵便など必要最小限度の値上げを織り込んで、来年三月末の消費者物価を対前年度一けた台に抑えるべく、最善の努力を傾注してまいる所存でありますので、御理解願いたいと存じます。
#12
○宮田輝君 今度のその料金改定を実施したとして、果たして今後事業財政を健全に維持できるかどうか、これもまた心配されるところかと思うんですけれども、そこで今後の郵便事業財政の収支見込みについて説明をいただきたいと思います。
#13
○政府委員(廣瀬弘君) お答えいたします。
 昭和五十年度予算におきまして、今年十月から郵便法が改正になりまして料金改定が行われるといたしますと、そういう前提に立ちましても、六百一億の赤を生ずるという状態になっております。また、先ほど大臣からお話がございましたように、四十九年度におきましてはすでに約千四百億、もっと細かく申し上げますと千三百八十一億の収支差額が出ておりますので、トータルいたしますと累積収支差額は約二千億ということに相なるわけであります。
 これを単年度の収支で見てまいりますと、四十九年度は約千四百億の赤字で、その状態は郵便収入をもっていたしましても人件費すらも賄えないというような状態であったわけであります。しかしながら五十年度におきましてはこのような事態が避けられるということになりまして、先ほど申しましたように六百億の収支差額にとどまるわけでございます。さらに五十一年度になりますと、この料金改定が平年化されますので、料金改正による増収ということのために単年度収支としては一層改善されるというようなことが期待されるわけであります。したがいまして、今回の料金改正を御承認いただきますと、財政改善の大きな足がかりが得られるということになりますし、この上は、私どもといたしましては、事業環境の好転に期待しながら企業努力に努めまして、郵便事業の経営につきまして一層の努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#14
○宮田輝君 昔は、郵便料金というのは安定した料金の代表だったと思うのです。たとえば封書が三銭とか、はがきが一銭五厘という時代は何十年も続いたんではないかと思うのですが、戦後においても封書十円、はがき五円という時代がたしか十五年続いたと思います。
 ところが、昭和四十年代に入りますと、郵便事業財政が急速に悪化して速いテンポで料金の値上げをせざるを得なくなってきているということでございますけれども、この原因について郵政省はどういうふうに分析されておられるんでしょうか、御説明をお願いします。
#15
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のとおり、昭和四十年代に入りましてから、四十一年、四十六年、またこのたびというふうにたびたびの料金値上げをお願いいたしておるわけでございますが、先ほど大臣からお答えいたしましたように、郵便事業は取り集めとか配達とか作業の大半は人手に依存しなければならない事業でございまして、省力化と申しましてもおのずから限度がございます。運営経費の大部分が人件費でございますので、人件費のいかんが事業財政を大きく左右するわけでございます。
 ずっと昔のことはともかくといたしまして、昭和三十年代をずっと見てみますと、三十五年ぐらいまでの前半は、毎年の郵便物数の伸び率が、大体平均しますと、七・三%程度の伸びであったわけでございまして、収入もそのように伸びておったわけでございまするが、職員のベースアップ率を見ますと、三十五年ぐらいまでの間の平均は年率六・四%といったような数字でございましたので、郵便物数の伸びとベースアップ率の均衡がとれておったということで事業財政も非常に安定しておったわけでございますが、ちょうど三十六年度以降になってまいりますと、後半の五年間を見ますと、毎年一〇%を超えるようなベースアップが行われてきた。したがいまして郵便物数の伸び率を大幅に上回るようなことになりましたために、昭和二十六年以降据え置かれていた郵便料金も、いま申し上げました四十一年、四十六年すでに値上げをお願いし、またこのたび、四十九年度にはさらに三〇%にも及ぶベースアップが実施されましたために郵便事業の財政が急速に悪化した、大幅な赤字が見込まれるということになりましたために、今回の郵便料金の改正をお願いすることにいたした次第でございます。
#16
○宮田輝君 作業の大部分を人手に依存しなければならないというところで、人件費上昇の影響をまともに受けるということはわかるんですけれども、料金の値上げにつきましては国民の理解と協力を得るということが絶対必要なことでございます。経費を節減するために最大限の経営努力がまた必要であろうと思うのです。
 先ほども企業努力をしているというようなお話がございましたけれども、郵政省は、今日まで、どういう努力をされてきているのかお知らせいただきたい。
#17
○政府委員(石井多加三君) お説のとおりでございまして、料金値上げにつきましての国民の御理解を得るために郵政省の経営努力ということが絶対に必要なわけでございます。
 郵便事業を効率的に運営するためには、これは郵政審議会の答申もございまして、郵便事業の経営の合理化、機械化といったようなことをたびたび勧告をいただき、いろいろの御指示を得まして、昭和四十一年にはいわゆる機械化の前提となるいろんな郵便物の規格化というようなことも行いまして、いわゆる郵便番号制といったようなものも採用していただき、そしてその郵便番号を自動的に読み取る区分機を開発しまして、またその他郵便物の内部の処理を機械化するための自動選別取りそろえ押印機というようなものも開発いたしました。いずれも郵便の内務作業の能率の向上の上には非常に大きな効果を上げておるわけでございまして、今日までそういった努力を続けてまいりましたし、今後も機械化、効率化につきまして努力してまいりたいと思うんでございますが、四十八年度の郵政審議会におきまして、郵政事業を抜本的に改善する方策についていろいろ検討されたわけでございますけれども、いろんな合理化施策をやりましても、短時日の間に効果的に現在の郵政財政の不足額を償うような方策が見つからない、この際どうしても緊急措置として郵便料金の改正が必要であるという結論に達した次第でございます。
 人力に依存する度合いが非常に大きいことは先ほど申し上げましたけれども、またいろいろ機械化、合理化によってこの効率的な経営を図っていくということにつきましては今後とも続けてまいりますとともに、四十八年の審議会の答申の中で示されました、たとえば郵便の配達制度の一度化あるいは窓口の取扱時間の短縮といったようなことにつきましても、今後、検討を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
#18
○宮田輝君 機械化のお話がございましたんですけれども、私も二、三その機械化されている郵便局などを見せていただきました。いろいろ教えられるところが多かったんでございますが、その機械化の現状と効果について具体的に説明をお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(石井多加三君) 郵便作業の機械化の主なものを申し上げますと、ちょっと先ほど触れましたように、まず第一番は、手書きされた郵便番号を自動的に読み取りまして一時間約二万四千通の速さで区分けをする区分機と、それからポストなどから集められた郵便物を大きさにより分けまして、切手に日附印を押し、取りそろえるまでの作業を連続して一時間約二万五千通の速さで自動的に行う選別機というものと、この二つが郵便の内務作業の機械化の上の中心的なものでございますが、昭和四十二年から四十九年の間に、前に申しました区分機の方は五十八の郵便局で八十八台、それから選別機の方は八十三の郵便局で百台を郵便物の取り扱い量のやはり多い局から順次配備いたしてまいりました。今日におきましては、主な郵便局はほぼ配備が完了したわけでございます。
 また、ちょっと詳しくなりますが、その両方の機械の中で、三十二の郵便局で、四十一台のものは二つの機械を結びつけまして、つまり郵便物の選別から区分までの作業を連続して行うというふうな方式をとっておりますが、こういったことによりまして四十九年度までに約八百人の人手を節約することができたわけでございます。
 このほか書留郵便物と申しますと、郵便局へおいでいただいて、いろいろ配達書を書くとか、大変利用者の方々にも手間暇をおかけしておるんでございますが、こういったものの配達書が自動的にできるような機械をすでに配置いたしておりますこととか、あるいはまた少し大きな規模の郵便局で、小包郵便物をたくさん扱うところにはこういう集中処理の機械化局を東京とか大阪等につくっておりまするほか、また大型の通常郵便物についての集中局をつくるとかいったようなことで、そういった局ではまあ完全に機械化して能率を上げておるわけでございます。
 今後考えられるものといたしまして、郵便局の窓口の作業は、私たちの郵便局の局員もかなり手間暇がかかっておりまするし、また利用者の方も行列されて非常に時間がかかっておるような点がございまするので、お互いに局の方の手数も省き、またお客様のお待ちになる時間も節約できるような機械と申しますると、たとえばお客様が郵便物を計量ばかりに勝手に載せられますと、それで定形とか定形外のボタンを押していただきますと、重さ、したがって郵便料金というものがぴしゃっと表示される。また、その郵便を速達でお出しになる場合には、速達のところを押していただきますと、速達の料金が加算された絶対額の必要な額が表示される。で別途機械がございまして、その機械にコインを入れていただきますと、郵便料金の必要な証紙、まあ切手ではございませんが料金証紙というものが出てまいります。つり銭も同時に出てくるというようなことで、郵便局の窓口の引き受け作業を機械化するような機械が最近開発されまして、近く渋谷の郵便局でこれを実際にテストする、テストするといいますか、試行してみまして、よろしければあちこちの大手の郵便局に配備をしてまいりたい。
 似たような機械が、小包についても、同じようにお客様が自分で料金をおはかりいただける。また、その切手もひとりでに計算ができるような窓口事務の自動化と申しまするか、機械の方向もかなり進んでおりまするので、こういう方向にも力を入れたいと思っておる次第でございます。
#20
○宮田輝君 窓口作業の機械化がその緒につくというようなことも、それは結構なことでございますけれども、大きい機械でございますね。先ほどの区分機とかそれから取りそろえ機ですか、これは一日に一台の機械が何時間ぐらい稼働しているものでしょうか。
#21
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の区分機の稼働状況は、先ほど申し上げました八十八の郵便局で、やはり郵便物数の多い少ないによって違いまするので一概に言えませんが、東京地区だけに限って言いますると、一日四・五時間というふうな数字でございます。おっしゃるとおり、それ以外の時間は遊んでいるわけでございまするので、かなりの高額な機械でございまするから、むしろもっと郵便物を集中処理して、そこに集めることによってもっと機械処理の範囲を拡大するというふうなことも、いま検討いたしておるわけでございます。
#22
○宮田輝君 一日四・五時間というのは、何とも企業としてはもったいない使い方というふうに受けとれるわけでございますが、検討中ということでございますので、効率のいい使い方をぜひひとつ実際に示していただきたい、こう思います。
 全体の郵便物のどのくらいが機械を通っているのでしょうか。
#23
○政府委員(石井多加三君) 郵便番号自動読取区分機の所要額は一台約一億ちょっとするわけでございますので、それを配備するにふさわしいコスト計算からいっても、減価償却をしてみてそれがぺイラインに乗るような相当郵便物数の多いところに配置いたしておるわけでございますが、いまお尋ねの数字につきまして、たとえば東京、大阪、名古屋のこの三地区だけを取り上げでみますと、こういった地域にほとんど各局軒並みにこういった機械が配備されているわけでございますが、対象となる郵便物の八二%以上が機械で処理されているわけでございます。
 ただ、そういう都会地以外の主要な県庁所在地とか、その他の郵便局にはございますけれども、田舎の方に参りますると、いま申し上げましたように機械が遊ぶようなことになりまするので、いまのような機械は必ずしも全国的に小さな郵便局にまで持っていくわけにもまいりません。そういったことも全部合わせて機械で処理している郵便物が対象郵便物の中で全国でどのくらいになるかということは、これは多少ラフな計算でございまするが、大体、全国の引き受け郵便物数の約半分がこの機械に乗っているというふうに御理解を賜りたいと思っておるわけでございます。
 なお、機械処理にかからない郵便の場合でも、郵便番号を記載していただいておりまると、人手でこれを区分する際にも、たとえばアルバイトの学生等、郵便局の内部の仕事にふなれでも、この番号によって非常にスムーズに配分できるというようなこともございますわけでございます。
#24
○宮田輝君 機械化が進められるということは、単に省力化という意味だけではなく、やはり利用者の方の便利さということも先ほどの窓口事務の機械化などでは考えられることでございますが、なお一層研究の上、企業努力の成果を見せてそしい、こう考えます。
 先ほどの郵務局長のお話でしたか、その中にございましたけれども、郵便システムそのものを抜本的に改善するというようなことも検討されているような点がございましたけれども、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#25
○政府委員(石井多加三君) 郵便業務の処理システムを再検討して、機械化、作業の効率化など合理化に努力する必要があるということにつきましては、一昨年の十二月の郵政審議会の答申の中でも御示唆をいただいておるわけでございます、省といたしましては、これを受けまして、いろいろな検討を進めておるわけでございます。
 たとえば配達制度は、現在、わが国では大体全国の七割近くが二度配達の地域になっておるわけでございますが、諸外国の例を見ますと、二度配達をしておるのは本当のビジネス街等の二割とか、せいぜいその程度の地域に限られておりますので、ちょうど逆になっておるとも思われますから、こういった配達制度を一度化するということになりますと、そういう最後の配達に合わせた郵便の流れをまた考えていくことが必要になるわけでございます。郵便の絶対的な送達日数ということが現在より若干おくれるということは否めないわけでございますけれども、将来のいろいろな労働条件の問題等々を考え合わせますると、週休二日というようなこともありまするし、いずれはこの配達の一度化は近い課題としてわれわれも実現していかなければならないというように考えております。
 それから窓口取扱時間の短縮といったようなことも同様な問題でございまして、サービスのダウンということにつながりまするので、われわれとしては慎重にやらなければなりませんけれども、これも近い課題として現在検討をいたしておるわけでございます。
 それから、先ほどちょっと触れましたような機械の効率的な活用を図るために、現在以上に郵便物を集中するということによって効率的な郵便処理のシステムをつくるということを現在検討いたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、こういった事業の健全経営を目指しまして、作業の機械化、合理化、効率化というような合理化を目指してまいりたいと考えておるわけでございます。
#26
○宮田輝君 次に、郵便物の内容の変化でございますけれども、最近は、業務用が八〇%を占めているということでございますけれども、一般の人々の出します私信といいましょうか、封書であるとか、はがきであるとかいうものはそんなに減っているのでしょうか、それとも横ばいぐらい、多少ふえているのでしょうか。
#27
○政府委員(石井多加三君) ちょっと訂正さしていただきますが、先ほど二度配達の地域が七割と申し上げましたのは間違いで、現在、わが国では大体五割ちょっとが二度配達になっておりまして、訂正さしていただきます。
 ただいまのお尋ねの郵便の利用構造の変化の問題でございますが、まあわれわれ郵便事業に携わっている者は、昔から郵便の中で一番多いのは信書というふうに言われておりまして、それが郵便の中心であり、また同時にウエートも一番大きいということで、長年そういう観念でまいったんでございまするけれども、最近の状況は、四十八年の九月に、全国で相当たくさんの郵便局に一日に配達される郵便物につきまして、それぞれの郵便物のお受け取りになる方にアンケートを持ってまいりまして、このお受け取りになった郵便は相手の方のお仕事に関係があるものでしょうか、あるいはそうでないのでしょうかというようなアンケート調査をしたことがございます。その結果で集計いたしますると、そのときに受け取られました郵便の八〇・五%が相手の方の仕事に関係がある郵便であるという御返事をいただきました。残りの一九・五%の方は相手の方が仕事に関係なく、まさに私用と申しますか、そういう目的で出されたものである。したがって、的確な言葉で申し上げますると、前の方の八〇・五%のものはいわば業務用という言葉で申し上げた方がよろしいかと思いますが、後の方がまあ家庭用と申しますか、そういうふうなことになっております。諸外国の例も見ましたけれども、アメリカとか西ドイツ等の最近の数字も発表されておりまするが、大体やはり業務用の差し出しが八割、また個人用の差し出しが約二割ということでございまするので、この点は大体まあ世界的に共通のものではないかと考えております。
 なお、この中でダイレクトメールとか金銭関係とかいったようなものがやはり非常に多い率を占めておりますが、ダイレクトメールが一九・一%、それから金銭関係、最近の自動振替等の領収書とか、そういったものが一九%、消息とかあいさつといったようなものが一三・七%、その他の業務用通信が一三・六%、新聞雑誌等が一二・七%、行事会合案内が一二%、申し込みとか照会などが八・五%、それからクイズ等の応募などが一・四%と、細かくなりますが、そのような内訳になっておるようでございます。
#28
○宮田輝君 業務用が大変多いということでございますけれども、まあ触れ合いとか話し合い、心と心の結びつきの大切さなどは申し上げるまでもございませんけれども、会うのもよし、電話もまた結構、手紙もまた私はいいものだと思うんですね。新聞の投書の記事にも「手紙を書こう」なんていう文章が載るような昨今でございます。やはり書かなくなったというふうに見ていいのかもわかりません。特に電話が大分普及したというようなこともあるでしょう。しかし手紙もやっぱり必要なものだと思うんですね。
 ふるさとを遠く離れて働いている青少年とか、あるいは学生さんとか、それらの親御さんとかの間では、手紙なんかをいただきますと何回も繰り返して読むというようなこともあろうかと思います。電電公社ではたしか記念日などに「ふるさと電話」を提供しているというようなことがございます。郵政省でも、北陸郵政局でしたか、「愛のたより運動」というようなものをその管内でやっているところがあるようでございます。
 私のところに参りました資料では、勝山郵便局のがございます、これは福井県のいわゆる「カッチャマ」というんですか。ちょっと読んでみますと、「勝山郵便局ではこの度勝山市の協賛を得まして、情緒あふれる幸福な社会を実現しようと〃郵便は心のきずな、愛のたよりを〃という運動を進めることになりました。最近、家族から離れて就職、進学した方が孤独の寂しさから、つい不幸な道へ落ちこんだ例をよく聞きます。」というようなことで、切手帳とかそれからミニレターとか郵便はがきなんかをセットにして売っているというような運動もあるようでございますけれども、これを一地域だけじゃなくて、郵政省として、たとえば「ふるさと郵便」とかいうようなことで全国的に推進されたらいかがかと思うんでございますが、そういうお考えについてはどんなふうに……。
#29
○政府委員(石井多加三君) ただいま御提案のございました「ふるさと郵便」といったような御意見は、非常に貴重な御意見として拝聴いたしたわけでございます。
 私たちの扱っております郵便の物数をふやしていただくというような現実的なことを離れまして、人間の心と心を結ぶ手紙を書く習慣を醸成していきますことは、郵政省を離れましても、国民の精神文化の向上というような面からも大変大切なことだと考えておりまするので、省といたしましても、そういった観点から手紙を書く習慣をつけるというようなことでいろんな啓蒙をやってきたわけでございます。特に若い層の人々に手紙を書く習慣が醸成されますということは非常にいいことだと思いまして、中学校でありまするとか高等学校の生徒を中心として結成されておりまする文通団体でありますが、「郵便友の会」というものがもうずいぶん前から育成されておりまして、この育成助長にはわれわれ省としても大変力を入れてるわけでございます。現在、約十万人の会員がこれに入っておられます。
 そういったようなこともありますが、いま御指摘のような北陸等におきましては、故郷を離れて都会で働く父親とか、あるいは都会で勉学にいそしむ子供たちとの郵便による対話を深めて肉親のきずなをしっかりと結ぼうというような趣旨から、地方自治体とタイアップしていまお話しのような「愛のたより」差し出し運動といったようなことをやったようでございます。大変好評を博している例もございますので、われわれといたしましても、こういったことが一地方の郵政局長のアイデアとしてじゃなくて、確かに全国的にも取り上げていけるように、ひとつ十分検討さしていただきたいと思います。
 また、このようないろんな施策をやってまいりますることによりまして、事業の増収はもとよりでありますが、郵政の職員の仕事に対する使命感をさらに増大せしめることにもなりまするので、今後ともいろんな工夫を重ねまして積極的な施策を推進してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#30
○宮田輝君 まあ郵便が一つの事業であるならば、会社にたとえても同じかと思うんですけれども、その会社の商品が売れなくなる、あるいは人件費が高くなる、その経営をどうするかという場合、社長初め全従業員がこれを何とかすべく努力するというのが普通の形だろうと思うんです。で、そういう事業収入をふやすという意味でもいまのような運動は大事なことかと思いますし、おっしゃるようにその仕事に対する使命感を高めるという大きな意義がありますので、ぜひひとつ前向きに検討をして進めてほしいと思うんです。
 東京の郵便局を歩きましたら、ある局では、普通の、ふだん使われている切手をこういうふうに(資料を示す)セットにして売っているという例がございまして、これは通常切手「国宝シリーズ」と、ふだん全く気にもしないで使っている切手をこうやって売るというのも、これはやはりその職員の意気込みであろうかと私は感じたわけでございます。で、これはその一つの郵便局だけじゃなくて、方々で行われているとは思いますけれども、ぜひひとつその使命感という意味でも、一人一人の方に意識を持ってもらいたいと、こう思うんです。
 郵便局によりましては、大変評判のいい局があるんですね。これはこないだ五月十三日の東京新聞に載っておりました投書でございますけれども、「にこやか郵便局」と、ちょっと読ましてもらいますけれども渡辺さんという会社員の方です。「女子店員や従業員の愛きょうのないのは、なにも今にはじまったことではないが、わかっていても、ツンケンして乱暴なたちいふるまいにはまゆをひそめる。これも時代だ、とあきらめていたら、葛飾区四つ木の小さな郵便局では、ドアをあけて入ると、声を合わせて「いらっしゃいませ」。帰りぎわには「ありがとうございました」のニッコリ顔。「えっ、これが郵便局かな」と一瞬とまどってしまうが、つぎには客の心も明るくなる」というようなことが書いてある。大変おほめの言葉なんですけれども、これはうれしい話。うれしい話ですけれども、これが普通の事業所だったらどうなんでしょう、全くあたりまえのことです。あたりまえのことがこういうふうに美談のように取り上げられるというのがいまの郵政事業の一つの問題点かとも思うわけでございます。
 で、郵政大臣は、いまの郵便事業というのは本当に国民から愛されているかどうか、どんなふうにお考えでしょうか。
#31
○国務大臣(村上勇君) 私は、私の知る範囲では非常に国民に愛されておる、同時に非常に重宝がられておる、非常にいろいろとめんどうを見てくれておるというように解釈しております。
 その地域の常に中心になって、いろいろな面に正確にしかも親切に、その仕事を離れて心配している外交員なり外務員が相当多いようですけれども、まあ私はいい方だけしか耳に入らないんですが、まあ中にはまた投書が、変な、どうも不親切だとか、いろいろとそれは来るようですが、そういうことのないように、すべてが前向きで国民に奉仕するというような、全従業員――まあこれは私もその中に含まれて、みんながそういうような愛される郵便局と申しますか、郵政省と申しますか、とにかく愛される従業員になりたいと、ならせるんだと、これは私の本当に究極の目的はそこにあります。
#32
○宮田輝君 大臣がおっしゃるようであってほしいと思いますし、私も、実は――私は世田谷に住んでおります。私のうちのそばの郵便局でいつも厄介になっている。非常に感じのいい局でございます。本当に、いらっしゃいませ、ありがとうございます、これを励行されている。非常に感じがよくて、いつもお客さんがいっぱいでございますけれども、配達の方なんかも本当に親切にしてくださる方なんです。だから、そういう地域だけであれば大変幸せでございますけれども、中には、まあお役所ということでしょうか、感じが冷たいということを私なんかに言ってくる利用者もいるわけでございます。
 郵便法の十九条の四に「郵便葉書等の交換」についての決まりがございます。書き損じのはがきを手数料で取りかえるということなんですけれども、このことなんかを私の仲間の何人かに聞いてみましたら、知っている人はほとんどいないんですね。これはいまですと二円でかえてくれる。往復はがきの片面でも二円というようなことでございますけれども、ほとんどの方が知らない。郵便局へ行ってみると、そういうことを書いて張ってあるということも余り見ませんでした。
 で、同じように、郵便送達日数というのがございます、郵便日数表ですか、これもせっかくお決めになって、国民に知ってもらう、でそれを利用していただくというもののはずが、出してない局も多いし、ある窓口で聞いたところが、あれはどっかへいっちゃいましたねというようなことがあった。よくよく聞いてみると、ほこりをかぶったのが出てくるというような例もございました。どうもPR不足という不親切もあるんじゃないかと思うんですね。
 それから、物品書留の損害要償額というのがございます。現金書留の場合には、窓口で幾ら入っています、それによって料金が決まるわけです。普通の封書のようなものを書留で出すときに、書留をお願いしますと言うと、幾らのものが入っているか、幾ら何かの場合には要求するのかというような問い合わせはほとんどない、普通の書留の料金で受けられる。で何か事故があると、そこでやはりその出した方は納得がいかないというようなことにもなると思うのでございますね。ここら辺についていかがでございましょう。
#33
○政府委員(石井多加三君) ただいま郵便の窓口を利用される方々でわれわれとしては当然皆さん方にPRされていると考えておりますことが必ずしも徹底していないということについての御批判を賜ったわけでございます。ただいま御指摘のありました郵便日数表等は、これはもう郵便のサービスの基本に関するものでございまするので、私たちの指導は当然郵便局の窓口に掲載しなければならないということになっておるわけでございますが、そういった点で抜かっておるような局があるという御指摘でございまするので、なお徹底を図ってまいりたいと思います。
 そのほかにも、たとえば郵便がもし届かなかった場合はすぐ近くの郵便局にお申し出くださいといったような掲示でございまするとか、ただいまお話にありました貴重品は必ず書留にし、事故の場合の賠償の予定額も必ずお申し出いただきたいというようなことも郵便局の窓口には必ず掲示するようになっておるわけでございます。今後、なおこういった面につきましては徹底を図りたいと思いますとともに、職員の指導を、訓練といいますか、十分して、遺憾のないように図ってまいりたいと思います。
#34
○宮田輝君 それからもう一つ、速達が大分日にちがたって着いたというような場合に、その速達の料金を払い戻してほしいというようなことを窓口で言いましたら、そういうことはないと言った局があるんです。ある局では、それは郵便日数以外だったら払い戻すというようなことを言った例もあるんですけれども、これはちゃんと指導されているんでしょうか、三十八条ですが。
#35
○政府委員(石井多加三君) 速達の払い戻しの問題は、速達というものの制度の意味が普通扱いの郵便よりも速くということを書いてあるわけでございまして、それに反するような遅延が生じました場合は、この場合はもちろん速達の料金の払い戻しをいたすわけでございますが、ただ、この制度のちょっと盲点と申しまするか、いま御指摘のように一般に周知されていない面がありまするのは、速達を受け取られる方がこれを請求されるのではなくって、速達を出された方が郵便局にお申し出いただいて、その方にお返しするというたてまえになっておるわけでございまして、郵便を受け取られる方が速達料を返すようにということを差出人の方におっしゃっていただかないと、それがわからない、そういう点が非常に現在の制度の問題点ではあろうかと思います。
 しかし、そういった要件が整えば、差出人の方から御請求があり、いま申し上げましたように明らかにそういったサービスを怠っておるという場合は、これはお返しするというのが例でございまして、そういったものは全然ないということではございません。件数は非常に少のうございまするが、毎年若干あるわけでございます。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(竹田現照君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、迫水久常君が委員を辞任され、その補欠として福井勇君が選任されました。
    ―――――――――――――
#37
○宮田輝君 そういう例がないということじゃなくて、そういう場合にはちゃんとサービスをしてあげなさいという指導を徹底してほしいということを申し上げているわけでございます。局によって違うというようなことがあってはこれは大変なことでございます。ぜひひとつ事業をやっていらっしゃるんですから、いただくものをいただいていれば、当然、国民の期待にこたえてサービスを提供してほしいということをお考えいただきたいと思います。
 最後に要望を一つ申し上げておきます。
 第三種でございます。この改定は省令事項でございますけれども、郵政審議会の答申においてはかなり大幅な値上げ案が示されておりまして、各方面から大きな反響を呼んでいます。第三種の料金が大幅に原価を割っている現状ではそれ相応の値上げもやむを得ないとは思います。しかし、一挙に大幅な引き上げを行うことは影響するところが大きいと思いますので、改定実施に当たりましては、慎重な配慮が必要であると考えます。
 また、身体障害者団体の発行する定期刊行物については、前回の料金改正を期に前向きの姿勢で対処してこられましたけれども、これら第三種につきましては特に慎重に検討され、適切な措置をとられますよう強く要望申し上げておきます。
 いろいろお尋ねし、また要望申し上げたわけでございますけれども、最後に、今回大幅な料金値上げを国民に訴えるからには、今後は、郵便の遅配とか、いろいろとサービスが悪いとかで国民の非難を浴びるというような事態はなくするという強い決意がなければならないと思うんでございますが、郵政大臣からその決意のほどをお伺いして質問を終えたいと思います。
#38
○国務大臣(村上勇君) 三種の問題につきましては、いまいろいろと各方面からも御意見を伺っておりますので、これは適切に処理してまいりたいと思っております。
 なお、この郵便料金改正を機会に、全職員に今回の値上げの意味合いを十分に周知徹底いたさせまして、国民の皆様から郵便事業に対する信頼を得られるように、省を挙げて正常運行確保に万全を期してまいりたいと思っております。私は、今回の料金改正に当たり、このような努力が国民の負託にこたえる方途であると考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
#39
○案納勝君 私は、いまから郵便法の一部改正について、大臣及び関係当局にお伺いを申し上げたいと思います。
 郵便法も、参議院で、いよいよ本格審議がきょうから始まりましたが、今日、国民がこのインフレ・高物価の中で、さらには不況の中で、たばこ、酒あるいはその他の地方公共料金あるいは企業価格の値上がり、こういう中で生活についての不安をいまほど持っているときはない。それだけに、郵便法の審議についても、国民の立場から、今後の生活への不安とあわせて、郵便事業が本当に国民のためにその意味での役割りを果たしてくれる事業として今後確立をされるものか、あるいは働いている職員の立場からもきわめて注目をされているときはないと私は思います。
 私は、この委員会で各与野党の先生方の集中的な審議が行われると思いますが、そこで大臣にお尋ねをしたいんです。この国会の委員会での審議を通じて、郵政事業のあるべき将来の展望、国民から郵政事業として信頼をされ委託をされる事業として、そういった体制をどうやってつくるのか、あわせて私はこの法案審議の中で重要な課題だと、単に料金を上げればいい、こういう問題ではないと思う。大臣は、これらの審議を通じて、各委員から、そういう国民の立場に立って、あるいは働いている人あるいは受益者の立場に立ってさまざまな問題に対して提起がなされると思うんです。これらを大臣としてぴったり受けとめて、それらの中の実践、あるいはそれを生かしていくという決意がおありなのかどうか、提案に当たっての気持ちをまずお聞かせをいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(村上勇君) 本委員会の御審議の過程におきまして皆様から賜ります有益な御意見、またいろいろな御指摘につきましては、これを誠意をもって受けとめまして、慎重に検討いたし、郵便事業の運営に反映してまいる所存でありますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#41
○案納勝君 いまから、私は、総論ないし各個別の問題に入っていきますが、まず冒頭にお願いを申し上げます。大変失礼ですが、いま宮田先生の御質問を聞いていますと、大臣もあるいは石井郵務局長も実は声が小さくて私の方に半分しか聞き取れない。マイクはありませんから、声を大きくして聞き取れるようにお答えしていただきたいと思います。
 まず第一に、今回の郵便法改正案は料金の引き上げを行う、こういう内容にとどまっています。今日、この郵便法を、要するに料金値上げを提案をされた真意といいますか、その理由は一体どこにあるのか、それをはっきりお聞かせをいただきたい。
#42
○国務大臣(村上勇君) 今回、提案しております法案の内容につきましては提案理由説明の中で申し述べたとおりでありますが、まず第一は、料金の改正であります。
 料金改正の主な内容は、第一種郵便物につきまして定形二十五グラムまで二十円を五十円に、定形外五十グラムまで四十円を百円に改め、また、第二種郵便物の通常はがきにつきまして十円を二十円に改めることであります。
 郵便料金につきましては昭和四十六年度に改定されて今日に至っておりますが、この間、諸経費、特に人件費の著しい上昇のために事業財政は昭和四十九年度当初から相当の不足額を生じ、このまま推移いたしますと今後さらに大幅な収支不足を生ずることが予測される事態となりましたので、郵便事業の運営に要する財源を確保するため、今回、この料金改正案を提案した次第であります。
 料金改正のほか、この法律案では取り扱いについて若干の改善を図ることといたしまして、料金不足の郵便物等の納付額の算定方法を改めること、並びに、引き受け及び配達について記録を行ういわゆる簡易書留の損害賠償の最高限度額を引き上げることとしております。
#43
○案納勝君 いま御説明を承りましたが、要するに人件費が著しい上昇をしたために大変に財政上困難になった、そこで引き上げをしたい、こういうふうに言われます。
 私はここでお伺いしたいんですが、まず第一点は、人件費の上昇に基づいて経理上財政上今日のような状態を招いたと、こう指摘をされておりますが、人件費というのは、この労働集約度の高い郵政事業の中では私は必要増の分野に属すると思います。なかんずく、この人件費の決定に当たっては、労使双方というよりも国の賃金政策、国の経済政策の中で賃金は確定をされる、特に仲裁裁定あるいはそれに伴う国会の承認、これらの手続等を経て承認をされている。したがいまして本來的に言うならば、これは当然増として受けとめておられると思いますが、その辺についての御見解を承りたい。これが第一点。
 第二点は、私は、今日までの郵政の予算の組み方、人件費に対する予算上の取り扱い、これについてきわめて問題意識を持たざるを得ない。というのは、たとえ郵便事業が収支適合して、そして一定の黒字を出すという経営上の状態を現出をしたとしても、今日のような人件費が予算上に組み込まれる形をとるならば、私は毎年のように赤字へのテンポを早めることになると思います。それはたとえばどのような状態でも予算上は五%しか近来組まれていない。そして収支はその収入の状況に応じて予算案が立てられる。そうしますと現実に仲裁裁定等、国の経済政策やあるいは国の一定の賃金政策に基づいて賃金が一五%、三〇%に決められていく。いまだかつてこの近年予算に適合する賃金が決められたためしはありません。五%しか組んでないというならば、その分だけ翌年に持ち越すか、あるいは会計上赤字が出てくるのは当然です。
 他の物件、必要な経費は総体の予算の中で先に食ってしまう、こういう会計の、要するに人件費を中心にする予算編成の制度というもの、これを根本的に私は改めていかなければ、他の項目の編成も事実上きわめて困難だと思います。先行きの展望、この辺についてどのように考えられているのか。物数やあるいはその他物件費やその他については経済の見通しを立てて、その経済見通しの上で推定をされている。ところが人件費だけは五%で切られている。これは郵政省だけではないかもしれません。私はこの辺は後ほど大蔵省の方もお見えになっていますからお聞きしますが、郵政省としてこれからの取り扱い、これらの予算編成上の問題をどう考えているのか、第二点を明らかにしてもらいたい。
 第三点の問題については、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、この各国において、主要な西欧諸国で郵便事業の中における人件費とその構成比はどうなっているのか、物件費とその構成比を明らかにしていただきたい、それが第三点であります。
 以上お答えいただきたいと思います。
#44
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま先生御指摘のとおり、特に郵便事業におきましては人件費が、物件費の人件費的要素を含めまして九割を占めるというような内容になっております。そしてその人件費につきましては、先ほど先生から御指摘がございましたように、年々仲裁裁定によってそれが決定されていくということでございますので、この人件費の増高の傾向というのはそういった環境を背景にいたしまして伸びてまいりますので、その意味では、当然の伸びというふうに先生が御指摘になるのは正しいかと思っております。
 それに対しまして、郵便は、御承知のように非常に弾力性の乏しい企業でございまして、年々四%あるいは三%というような過去の伸びを見ておりますが、そのような状況でございますので、収支差額が出てくるというのもこれはある程度宿命的なものではなかろうかと私は考えております。
 したがいまして、そういう意味では私は先生のお説がよく理解できるわけでございますが、ただいまの第二の、五%の給与改善原資を見込むことにつきましては、これは郵政省のみではございませんで、すべて三公社ともどもこのような形で予算が組まれておるわけでございます。これにつきましては過去におきましては五%の給与改善原資以上に仲裁裁定がございました場合は、極力経営努力によってこれを補う、たとえば節約によるとかあるいは増収によるとか、そういった形でこれを実現できるように努力してまいってきたわけでございます。昨年のように二九・九九というような非常に大きな額の仲裁裁定が出ました場合はこれは実施不可能であるということで、先生御承知のように十六条二項により処理をしたというふうな例もございます。その年によってその対策がそれぞれ違いますけれども、年度当初組まれました予算、それに対しましてその後の推移というものを見ながら仲裁裁定の実現に努力してまいってきておるというのが実情でございます。
 そういうようなわけでございますので、予算的な技術としてこれをどのようにするかということは大変にむずかしい御議論かと思います。そこで、年度当初に果たして仲裁裁定がどの程度の額になるのか、何%になるのかという見通しを立てること自体が大変困難でございますので、五%の給与改善原資を見る、その五%がいいか悪いかという議論もこれまた一つあるかと思いますけれども、予算編成の段階におきましてはそういったことも技術的にはあるいはやむを得ないことではなかろうかと私どもは理解いたしております。
#45
○案納勝君 三点目は。
#46
○政府委員(高仲優君) 諸外国におきます郵政事業の人件費の割合についてのお尋ねでございますが、余り十分な資料がないのでございますが、いずれの国におきましても郵便事業は労働集約度の大変高い事業でございまして、人件費の割合は非常に高いものと理解いたしております。
 たとえばアメリカの場合、一九七二年度末におきます職員総数は合計七十万人を超える状況にあるようでございまして、その人件費の割合は一九七二年度におきまして八五%というふうに理解いたしておる次第でございます。イギリス、西ドイツ、フランス等におきましては電気通信事業と一体で運営している時代のものでございまして、目の子での累計しかできないのでございますけれども、フランスの場合におきましても同じく一九七二年度におきまして郵便事業は八一%の人件費率であると理解いたしております。イギリスにおきましては同じく一九七二年度におきまして七〇%という数字を持っております。概略、状況を申し上げますと以上のとおりでございます。
#47
○案納勝君 物件費は。
#48
○政府委員(高仲優君) 人件費を除きました残りが物件費等でございまして、その内訳については現在資料を持っておりませんので、細かい内訳についてはわかっておりません。
#49
○案納勝君 わが国の場合は。
#50
○政府委員(高仲優君) わが国の場合につきましては、経理局長から答弁申し上げます。
#51
○政府委員(廣瀬弘君) わが国の場合におきましては、郵便事業は大体年々七〇%ぐらいが科目上の人件費でございまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、物件費の中には人件費要素のきわめて強いものもございますので、そういったものを含めまして平素私どもは全体の九〇%が人件費的なものであるというふうに申し上げておる次第でございます。
#52
○案納勝君 官房長、ここに一九七二年のアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツの人件費構成比の資料があります。アメリカの場合は八四・八%、イギリスは八三・五%、フランスは八三・四%、西ドイツは六九・六%。あなたが言われるように電電関係の業務を一緒に郵便とやっておる企業がそれぞれあります、あるいは為替貯金事業、そういったものも一緒にやっている国もあります。しかし、いずれにしましても人件費がその構成比においていずれの国も八〇%以上、こういう状態にあることはもう郵便事業の私は一つの宿命だと思うんで、しかも物件費の場合も、いま経理局長は三〇%程度と言いましたが、その中に人件費の部分が入っている。しかし、それは諸外国の場合も同じことなんです、フランスの場合もイギリスの場合も同様なんです。
 私がここで言いたいのは、先ほど冒頭に申し上げましたように郵政事業というのは人的労働集約度の高い事業で、世界各国とも共通の状態に置かれている。そういう中で、これらの人件費の増というのは必要増として受けとめ、そしてその上で財政計画、予算というのがつくられ運用されていく、そういう実態というのを政府自身が全体として郵政の今日の財政事情やその他を理解をしてもらわなくちゃならぬ、このことを私はまず言いたいのです。
 先ほど経理局長が言われましたが、たとえば黒字のあった場合の時代がありましたね、あのときの収入が一〇〇、そして九〇%は仮に人件費だ。人件費の決定については、郵政省は交渉をやっても特段の決定能力はないわけで、決定能力は政府にあり、公労委、まあ公労委は第三者機関と言っているけれども、事実上は政府の経済政策、賃金政策の上で決められる。そういう中で九〇%の人件費を五%しか組まないでいく、いつも黒字であろうとも仲裁裁定が二〇%出ますと一五%、いま経理局長言われたように、それを今度は物件費で、他の予算の節減でやれと言っても私はできるものじゃない。これについての政府の責任というものをやはり事業運営全体にわたってしっかり踏まえて、政府としてはとらえていかなければ、その面から見ても郵政事業の将来のこの面についての展望は生まれてこない。
 この辺についてもう少し、単に郵政省だけじゃありませんが、五現業もそう、あるいは三公社もそうです、踏まえた上での予算編成というものをやるべきだと、今後の課題として、私は、この辺を大蔵省まだお見えになってませんから後ほど……来ている、それでは大蔵省お見えになっているようですから、郵政省としていま申し上げたところについてどう受けとめ、大蔵省はどういうふうに考えているのか、余りこれで突っ込んだ論議をしたくありませんが、お答えいただきたい。
#53
○政府委員(廣瀬弘君) 人件費を予測いたします場合には、やはりその時点における経済的な見通しというものも当然考えてまいらなきゃならないわけでございますが、先生も御指摘のように、最終的に賃金が決まりますのは仲裁裁定によって決定されておる、そういう現状でございますので、予算編成の段階におきましては、これをどれほどに見積もるか、いかほど見積もるかということになりますと、なかなか困難ではなかろうかと思います。
 そこで、まあ財政当局がいろいろ検討するということもございましょう。それもやはり経済見通しに立って、長期展望に立って、大体このぐらいの給与改善原資を見込むのが妥当であろうというような予測のもとに予算編成がなされるというふうに私どもは考えておりますが、郵政事業の場合もやはりそれと軌を一にいたしまして、その時点では、全体の傾向、全体のやり方に従いまして五%の給与改善原資を組む、こういうことにしておるわけでございまして、後ほど仲裁裁定が出た時点におきまして、それに対する企業としての対応策というものを検討するということを過去続けてまいってきておる次第でございます。
#54
○説明員(佐藤徹君) お答えいたします。
 ただいま郵政省の方からお答えがあった以上に余り出ないのでございますけれども、まあ予算編成が御承知のように毎年十二月になされるわけでございますけれども、この時点で翌年のベースアップは一体どのぐらいになるかということを的確に見通すことは、これはなかなかむずかしいわけでございます。そういたしましても、毎年、仲裁裁定とベースアップがあるわけでございますので、かつて昭和四十二年ぐらいまでは、いまのようにそのための所要財源を予算に組むということはしていなかったわけでございますけれども、できるだけ現実の事態に対応できるようにするために、四十三年でしたか四十四年でしたかちょっと記憶が鮮明でございませんが、いまのように五%の財源を組むという方式に改めたわけでございます。
 まあそこで一つの進歩はあったと思うわけでございますが、先生御指摘のとおり、現実の事態に的確に対応し得ていないじゃないかという点はおっしゃるとおりでございまして、その点は現在までのところは予算の執行過程なりあるいは補正予算という手段をもって対応しておるわけでございますけれども、なお、それも部内では何かいい方法はないかということで検討は怠っていないわけでございますが、なかなか名案がないというのが現実の状況でございます。
#55
○案納勝君 後ほど個別問題の際にさらに触れていきますが、いまの答弁を見てもある意味では納得できませんが、次に移ります。
 この法案の中で、法律事項、法案として提案されたのは一種、二種の料金改定ですね。三種以下の料金については、この法案には提案されていませんが、これは省令によって決められるようなんです。で郵政審議会の答申がなされている。その答申によれば、一種、二種に応じて改定をされることになっておりますが、これがいずれも二倍ないし五倍、従来にない大幅な値上げであります。
 そこで私はお尋ねをしたいのですが、この三種以下の郵便物の料金値上げについては、いま郵政省としては、審議会の答申どおり値上げを行う方針なのか、その点をお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(石井多加三君) 第三種以下、四種あるいは特殊の料金の決定につきましては、郵政審議会の答申を得て郵政大臣が省令でこれを定めるというたてまえになっておることは御指摘のとおりでございます。また同時に、この第三種の料金、第四種の料金につきましては、その際、第一種の料金の範囲内でという表現があるわけでございまするので、現在、郵便法の料金改定の法案の御審議をわずらわしておるわけでございますが、この郵便法の改正が行われました後におきまして慎重にこれを決定したいと考えておるわけでございます。
 その際、ただいま御指摘のありました数字は郵政審議会の答申の中に触れられておる数字でございまして、基本料金について言いますると、低料のところは基本料金だけについては五倍、それから非低料のものにつきましては約三倍近いものでございますが、付加料金の方は必ずしもそれだけの大きな倍率の値上げになっておりませんので、第三種だけについて全体の値上げ率を申し上げますると、三・二六倍の値上げ率になっておるわけでございます。こういった答申の趣旨を尊重しながら、また申し上げましたような国会の御議論等も伺いまして、郵便法の改正が行われました後におきまして慎重にこれを決定したいという考えでございます。
#57
○案納勝君 もう一回お尋ねします。
 それじゃ郵政審議会の答申になった三種以下の料金については、あなた全体平均で二・何倍にしかなっていないと、それはそれとして、まだ未決定であり、というのは省の態度としては、郵政省としては決めていない、こういうふうに受け取っていいんですか。
#58
○政府委員(石井多加三君) 第三種以下の料金に
 つきましては、郵政省としての最終的な数字を現在持っておるわけではございません。審議会の答申を尊重しながら、これを慎重に決めたいということでございます。
 ただ、現在、別途、去る四月から実施されておりまする五十年度の予算の中での郵便の収入の見積もりに当たりましては、これを郵政審議会の答申の数字で郵便の収入を見積もっておりまするので、三種以下のいま申し上げました省令料金の数字もそういう考え方で見積もっておるということは言えるかと思います。
#59
○案納勝君 いま郵務局長が言われるのは、それは国会に提案をした予算案ではその答申案どおり持っていきます、それを承認をいただきましたと、こうなるんですね。ところが、こうやって質問を、それぞれの三種以下のやつを個別に質問すると、まだ決めていません、慎重に決定しますと、まさに国会を侮辱しているようなものじゃないですか。いままでやってきた予算審議はどうなっているんですか、大臣、それはどう思うんですか。予算案にはインチキなものを出して、適当なものを出して、国会の承認は適当に答えて、そして今度の五十年度の予算はそういうことで執行しているんですか。その辺をはっきりひとつ答えてください。
#60
○国務大臣(村上勇君) 事務的に郵務局長にちょっと。
#61
○政府委員(石井多加三君) 第三種の料金を決めるに当たりましては、第一種の範囲内でなければならないというのが郵便法の明文にあるわけでございます。その第一種の郵便料金の改定を現在お願いしておりまして、この数字が決定いたしません現在の段階におきましては、第三種は幾らにいたしますということを決定しておりませんから、こういう数字でございますということは申し上げるわけにいかないわけでございます。あくまで第一種が決まるまでは、これは一つの予算上の見積もりの数字でありまして、郵政省の三種の料金が幾らであるという決定的なものはないというが実情でございます。
#62
○案納勝君 それじゃ、大臣から説明をされたのは一種は五十円に上げたい、二種は二十円に上げたい、こう提案されているんですね。大臣としてはこれを承認をしてもらいたいということで提案されている。そうなりますと、その範囲内でという、答申にあるところの三種以下については、同じようにそれを提案をしている立場から見ても、郵政省としては、答申どおりこれについては省令をもって料金を引き上げたい、引き上げる方針、こういう立場で提案をされているんじゃないですか、私はその点をお伺いしたいんです。
 はっきり郵政省の立場として、きれいごとじゃなくて、ここで検討しますとか何とかじゃなくて、郵政省として答申のこの内容について、三種以下についてどう考えているのか、このとおり、答申どおり出すという決意なんじゃないんですか、その辺をはっきりひとつお聞かせいただきたい。
#63
○国務大臣(村上勇君) 見積もり事項としてとにかくそれだけの見積もりはしておりますけれども、しかし、法律事項でありませんので、この郵便料金が改定された上で、その上で十分慎重に協議してそうして決定するというようなことにいたしたいと思っております。
#64
○案納勝君 全く実はよくわからないんです。要するに、まだ、答申はされたけれども、予算案には見積もりを出したけれども、これはどうなるかわかりませんと、こういうふうに受け取っていいんですか。
#65
○国務大臣(村上勇君) そのとおりだと申し上げていいと思いますが、とにかくこの料金のこの法案が成立した上で決定していくということに変わりはありません。
#66
○案納勝君 これはまた後ほど詰めさしていただきますが、それではもう一回重ねて他の面についてお尋ねしますが、一種、二種についてそれぞれ金額が提案された、三種以下はこれを見てということですが、この段階ではこの答申にある引き上げの金額を引き上げられると想定をして結構でありますが、各種別ごとになぜこのような金額が引き上げになったのか、引き上げざるを得ないのか、一種、二種、三種、四種。いま大臣は三種以下は改めてと言いますけれども、大体、この原案を郵政審議会に出したのは郵政省ですから、その辺ははっきりわかっていると思いますが、各引き上げられる理由、どういう理由でそれぞれこのような金額が出てきたのか、これについて一種、二種、三種、四種についてお聞きしたい。
#67
○政府委員(石井多加三君) このたびの料金の改正の案は、昨年の末の郵政審議会から答申された料金案をもとに設定されておりまするので、その答申の料金案についての考え方をまず申し上げたいと思いますが、まず基本的に、この料金の改正を答申の場合では昭和五十年の四月一日から実施して、その期間は四十九年度から五十、五十一の三年間の収支の均衡を図るということが一つの目標で考え方の基本でございます。
 各種別の料金について申し上げますと、第一種の郵便につきましては、その役務の提供に要する費用を考慮しながらも、利用及び収支に占める割合からして事業を支える柱としての料金を設定するという基本的な考え方でございます。
 第二種につきましては、事業財政の赤字の主要な原因となっておることにかんがみまして、その役務の提供に要する費用を賄うに足る適正な料金とするという考え方でございます。
 第三種につきましては、従来からの過度の料金割引政策を転換し、直接経費を賄うことを目安とするということを言っております。
 第四種につきましては、農産種苗を除き、その社会的公共性を重視し、なるべく直接経費を賄う料金に近づけるようにしながらも、値上げ幅に配慮を加えるということ。なお農産種苗につきましては、第四種としての取り扱いを廃止し、第一種または小包郵便物によること。
 それから特殊の取り扱いにつきましては、付加的な役務であることを考慮し、収支を償うに足る料金を設定するというのが各個の料金に対する基本的な考え方でございまして、これはただし審議会の答申の考え方でございます。
 今回の法案で提案しておりまする第一種、第二種の料金につきましては、この答申の料金案に対し、答申でも言っておりまするように、国民生活に与える影響を緩和する配慮を加えることとし、実施期間を半年延期と、それから通常はがきの料金を三十円から二十円に修正するといったようなことをいたしまして、今回の料金の値上げ案を設定いたしたわけでございます。
#68
○案納勝君 私がいま聞いている限りでは、なぜ一種の定形内の二十円が五十円に引き上げになるのか説明がわからないんです。たとえば二種は赤字の原因、役務を賄うに足る料金、これは後ほど触れるからここはこの程度にとどめておきますが、個別原価を見た場合、果たして役務の経費を賄うに足る料金なのかきわめて疑問です。なぜ五十円に一種の場合上がるのか、五十円に。この辺を一種、二種、三種、四種についてももう少し説明をしていただきたいと思います。
 それで、しかももう一回端的に言いますが、確かにあなたが言われるように、四十九年度から引き上げということで出された原案は、二十円を三十円にという一連のものであり、そこで今回出されたのは二十円を五十円にであります。いま石井さんは大変きれいに言われました。国の政策との関連において配慮を加えて、そして十月から実施をするので、それらについての配慮をした上で提案をしましたと。しかし、それだけの期間のずれ、その間における要するに財政上の問題というのはみんなこの中に加味されて三十円が五十円にはね上がって十月一日から実施ということじゃないですか。あなたの言われるように、四十八年に出された三十円のものが政治的な国の政策との調和の中でその配慮をされて出されてきたということならば、私はそれなりの配慮はわかる。その間の経費、ずらされた分を全部国民にひっかぶせて五十円に引き上げられた。何も政治的配慮じゃなくて国民にその分だけ全部ひっかぶせてくるといった内容になっているんじゃないですか。その辺をもう一回お尋ねしたいと思います。
#69
○政府委員(石井多加三君) 結局、料金値上げを考えます場合に、いつから実施するかということと、何年間の収支の安定を考えるかということが一番の基本でございまして、五十年の四月一日から実施、四十九年度から五十年度、五十一年度の三年間の収支のバランスを図るということがこの料金の改定案の郵政審議会の答申の基本であったわけでございまするので、結局、今後五十一年度の末までの間に予測される郵便の支出の見込みがあるわけでございまして、人件費の今後の伸びをどう見るかとかいろいろあるわけでございますが、そういった三年間の支出を賄うに足る料金を得るのには、個別の料金として一種に幾ら、二種に幾らといったような配分をどうするかという問題になるわけでございます。
 同時に、その際には、いまお触れになりましたような一種、二種、三種、四種等のそれぞれの個別の原価といったようなことも勘案いたしまするけれども、総体的な総合原価主義をとっておりまするので、郵便法第三条の趣旨に沿いまして全体としての収支のバランスがとれるということでございまするから、たとえば、いま申し上げました中で、第一種のようなものは原価から言いますると若干原価を上回る料金になっておりまするし、第二種、三種、四種等は、特に三種、四種等につきましては、このたびの料金値上げ案によりましてもなお相当な赤字はまだ残っておる、そういったようなそれぞれの個別の配分――料金、原価の配分を考えた料金になっておるということでございます。
#70
○案納勝君 後ほどまたこの問題に触れるとして、ただ一つだけ、それじゃ四十九年度の一種の個別原価、二種、三種、四種のそれぞれの原価を明らかにしていただきたい。
#71
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま郵政省で原価計算をいたしておりますやり方でございますが、これは決算をもとにいたしまして、その計数を使いまして原価要素を引き出しまして計算いたしておるわけでございます。したがいまして、ただいま原価計算と称するものは四十八年度のみでございますので、四十八年度でお答え申し上げたいと思います。
 四十八年度におきます第一種定形は原価が二十円三十一銭でございます。それから定形外が三十八円四十四銭でございます。それから第二種が十四円十三銭でございます。三種を申しますか――三種の低料扱いは週三回の分が二十四円六十七銭でございます。月三回のものが二十一円五十三銭でございます。その他の三種が二十七円四十銭、こういうふうに相なっておる次第でございます。
 ただ、この際、申し上げておきたいと思いますのは、実は、先ほど郵務局長から申し上げましたように、料金を設定いたします場合は、個別の原価によってこれを設定いたしておるわけではございませんで、これも指標の一つではございますけれども、料金を設定する際には、予定されます期間の収支状況だとかあるいは公共性だとかいろいろなものを考えながら、全体として郵便法第三条にいわゆる収支相償、こういった形で総合原価主義で考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#72
○案納勝君 いまのやつはそのままとどめて、また後ほど御答弁いただきたいと思います。
 そこで私は大臣に承りたいのですが、先ほど三種以下の料金については推定で予算案に出しているが、態度を決定をしていません、こういうふうにおっしゃいましたね。ところが、五月五日の読売新聞の記事があります。「郵便値上げ 成立せねば…」「省令分だけは実施」「郵政省方針」「速達百五十円、書留三百円に」「第三種も廃止方向で検討」しかも、きわめて詳細に実は出されているのであります。
 私は大臣にお伺いしたいのは、先ほどから国の予算の審議における郵政省の予算案提出についての三種に対する見方、決定もしていないのに推定を出すこと自体に私は大変問題があると思います。また、この委員会の席上で、郵政省は郵政審議会の答申があって、その筋で一種、二種について法案の審議を委員会に付託をしながら、ここの答弁では、全く実は検討していません、一種の料金が決定してから検討しますと、こういう態度から一歩も出ません。ところが、この新聞記事は何ですか、これは。これが正しいとするならば、まさに国民を軽視し国会を侮辱していると言っても言い過ぎじゃありません。大変な責任問題だと思う。これについての真意を明らかにしていただきたい。将来のために大変な問題だと思いますから、しっかりひとつお答えいただきたい。
#73
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の記事の内容につきましては、これはもう私はもとよりですが、郵政省としては何ら関知しておらない、憶測の記事じゃないかと思います。これらの料金につきましては、ただいま御審議いただいております郵便法が改正されました後におきまして、郵政審議会の答申の趣旨等を尊重しながら慎重に決定していきたいということが私どもの考え方であります。
 なお、詳細にわたっては郵務局長からお答えさせます。
#74
○政府委員(石井多加三君) ただいま大臣からお答えがあったとおりでございまして、この記事は郵便料金の値上げができなかった場合に三種を云々というふうな、それから速達とか書留のいわゆる「省令分だけは実施」ということが見出しになっておるようでございます。私たちの方では、郵便料金の値上げをお願いしている現在の時点で、こういったことをやろうという考えを持っているわけではございません。
 それからまた、この中に第三種を将来は廃止する方向で検討というようなことも書いてございまするが、これもこういった事実は一切ございません。
#75
○案納勝君 石井さん、その事実はありませんと言っても、これだけの内容の記事が発表されるということは、あるいはこういう記事になるということは、郵政省の中でそういう意思や、あるいはそういうレクチュアがなければ書けないものですよ、新聞というのは。これは大臣も長い間政治家をやっておられるから、それはマスコミの皆さんとのつき合いもある。そういうつき合いの中からお考えになったって、これほどはっきりした内容が五段抜きにしかも出てくるなんということは、省内の当局の何らかのこれに対する意思表示がない限り出ないものですよ。
 口先で、いま、かかわり知りませんと言ったって、国民はこれを全部見ているわけですから、明快にこのことについて、たとえば違うというなら読売新聞社にこの問題の取り消しを求めると、明らかに。はっきりした措置をとってもらいたい、その辺どうですか。
#76
○政府委員(石井多加三君) この内容につきましては、先ほど申し上げましたように郵政省の真意でもございませんし、また、事実、こういったような問題を郵政省が発表いたしたといたしますれば、当然、ほかの新聞にも皆載らなければならないわけでございますが、ただいま御指摘の新聞にだけこういう記事が載っておりまするので、恐らくいろんな場合を推測をして書かれたものであろうというふうに考えておるわけでございます。
 まあ大分前の記事でございまするので、これについて相手方にいまから抗議をするとかどうとかいうことにつきましては、なお考えさしていただきたいと思います。
#77
○案納勝君 あなたがそう言っても、読売新聞というのは日本の三大新聞の中の重要な役割りを果たしている新聞社なんです。たとえこれ五月五日であろうとも、これの記事の及ぼした影響ははかり知れないものがあるんですよ。まさに出しっ放しで、あなたたちがこういう場に来て、私はかかわりありませんで済まされる問題ではないんです。
 私は、三種以下の省令事項の問題にかかわりがあるから言っているわけですが、はっきりあなたに、郵政省当局として、これらについての読売新聞社の措置を明確にとるというお約束がない限り、私は先に進めませんよ。後の問題があるから私は明らかにしてもらいたい。これに対するはっきりした措置をとるということを明確にしてもらいたい。どういう方法をとるか。でない限り、私は質問をこれ以上続けることはできません。特に三種以下の料金問題にかかわるだけに、これらの記事の責任について明らかにしてもらいたい。
#78
○国務大臣(村上勇君) それは案納委員が憤慨されるのは私は当然だと思います。私自身、これはもう実に不可解なことで、ぼくはこれを全然読まなかった、ほんとにいままで。いま初めて見るんです。
 で、少なくとも郵政省から出たものであれば、これはもう決して一社にだけ出すというようなことは断じてしません。それは私は責任をとります。もし、こういう大事な大きな問題になることを一社にだけ漏らすというようなことは、どこであろうがそういうことはいたしません。また、もし郵政省の内部においてもそういう考え方をだれかが持っておったにしても、私の関知しないことです。全然知らない。こういうような速達が百五十円になるとか書留を三百円にするとかいうようなことは話題にもない、議題にもないわけです。
 まあひとつ案納さん、御心配なく御審議はぜひお続け願います。決してそういうことは断じてしません。私は責任をとります。そこまで申し上げてもいいと思います。
#79
○案納勝君 大臣の人柄といい、それは、大臣、御存じないと思いますよ。私も長い間いろいろマスコミの方と友人もおりますからよくわかるのです。ときには観測気球を上げてみたりすることもある。
 しかし、これだけ郵便の問題が、冒頭言ったように、国民の大変な関心を集めているときに、しかもこの問題は、この前、三種以下について省令に郵便法を改正した。郵便料金の問題について、将来についていろいろ問題や課題があるときに、私なりに郵便事業はどうあるべきだと、ささやかながら一つのものを持っています。しかも郵便法がここへかかっているときに、こういうものが、大臣が知らないところで事務当局の中で――あるいは記者が走り回って取りまとめたのかもしれません。しかし、全然火の気もないところで勝手に推測で書くなんということは、記者のモラルとして許せないことなんですよ。
 しかし、出てきた以上、私は、省として、政治的にもきわめて重大な問題なんです、これに対しての対処を明らかにしていただきたい。大臣のおっしゃることはよくわかる、しかし、それと明確にしてもらうことは別です。
 きょうは、十二時から何か予定があるようですから、一応、午前中の質疑をこれでとめますけれども、その明らかな態度が出ない限り、私は午後からの質問は続けられませんよ。大臣のお気持ちはよくわかりますが、その辺を事務当局を通じて明らかにしてもらいたい、こういうふうに思います。
#80
○委員長(竹田現照君) それでは、省はよく検討しまして、午後の冒頭にはっきりした態度を示してください。
 午前の質疑はこの程度として、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#81
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
 その前に、村上郵政大臣。
#82
○国務大臣(村上勇君) 先ほどの案納委員の御指摘に対しまして、省といたしましては、あの記事に対しまして全く関知いたしておりません。しかし、事実関係につきましては、なおよく調査した上で御納得のいくように善処いたしたいと思います。
#83
○案納勝君 きわめて先行きのというか、郵便事業の展望、将来のために大事なことなので、これらの問題の措置について十分御配慮を願いたい。
 そこで質問を続けますが、いままで幾つか質問してまいりました。で、なお総括の部分の質問を続けるわけですが、説明を先ほどされました一種、二種、三種、四種を含めて、一言で言うなら二倍から五倍にわたる今回の値上げ、これは今日の物価の上昇やインフレ、こういう中ではきわめて重大な影響を与えてきていると思うのですが、また与えると思うわけですが、郵政大臣としては国民生活に及ぼす影響をどのようにお考えになっているのか、お伺いいたしたいと思います。
#84
○国務大臣(村上勇君) 郵便料金の家計に占める割合はきわめて低いことでもありますので、国民生活に及ぼす影響は比較的小さいものだと考えております。
 御参考までに、今回の料金改正によって消費者物価指数はおよそ〇・二%程度上昇するというように見込まれておりますが、なお家計に占める郵便料の割合は、郵便料が千六百二十八円といたしまして家計に占める割合は〇・一二%であるというように承知いたしております。
#85
○案納勝君 大臣は、家計の中に占める影響はきわめて少ない、あるいは国民生活に及ぼす影響は少ないと、こういうふうに言われました。
 しかし、私は、大臣は経済対策閣僚会議のメンバーの一人でもあります。郵便料金それ自体というよりも、今日、物価の問題等については、相互に相乗り的効果を持ちながらインフレムードを高めて、国民生活に今日のような甚大な影響を与えるインフレというものが続いているわけです。しかも今日、私は本会議で大平大蔵大臣あるいは福田経済企画庁長官にもお伺いをしましたが、物価の安定というのはいま政治の急務だと思います。今日の消費者物価の動向、あるいはけさの新聞など連日ありますように、第三次景気対策あるいは公定歩合の引き下げ等に対する、各、経団連を初めとする経営者団体の反響あるいは企業価格の引き上げの根強い今日の動向、あわせて郵便料金が値上げされる、その影響だけでなく酒、たばこの料金の問題や地方の公共企業の料金の引き上げやら相影響し合って国民生活に影響を与えるわけであります。だから、先ほど大臣が言われたような言い方だけでは言い逃れ的な言い方になります。経済対策閣僚として、全体の日本の経済、物価、インフレに対して、そういう面から私は判断しなくちゃならぬと思います。
 したがいまして、私はここでもう一回お伺いしますが、いまの今日の国民生活の中におけるインフレ、物価高というものはおさまったというふうに大臣はお考えになっておられるのか、また、政府の公約どおり明年三月には一けた、五十一年の早い時期に定期金利を下回る物価に抑えるという、そういう公約はありますがこれができると、こういうふうに大臣はお考えになっておられますか。経済全体の見通しの問題とあわせて大臣にお伺いをしたいと思います。
#86
○国務大臣(村上勇君) けさの閣議におきまして、福田副総理からいろいろと、きのうあたり開かれた会議の経済見通し等の意見発表がありました。
 それによりますと、大体、景気は底をついた、ここらで少し上昇させなければならぬ。それにはやはり住宅問題とかあるいは多少の公共事業をここで下半期のものに少し食い込ましていかなければいかないだろうとか、いろんな公害対策あるいは中小企業対策、こういうようなものを含めて一兆八千五百億円ぐらいの措置をして、底をついておる不況に刺激を与える。そうなってくると、今度は一般企業のそれぞれ商品を値上げしようという意向が見えてくると思う。それに対して厳重な注意をしていくので、大体、経済の均衡がとれていくと思います、こういうような発表がありましたが、私は必要なときだけ経済閣僚で、日常いつも経済閣僚でありませんので、ただ長く政界におるというだけで、全く目明き盲だと言っていいと思いますが、しかし、その私の感触でも、まあまあそういうことで何とかおさめていくのじゃなかろうか。
 そこで郵便料金の問題になりますが、政府が本年度末の消費者物価上昇率を一けた台でおさめるということは、この郵便料金改定を御審議願って成立さしていただいても、それはすでにこれに織り込んでの一けた台というように私どもは承知いたしております。また、この一けた台はいまの政府の最大の政策目標でありますので、この目標はどうしても達成しなければならないと考えておりますし、また必ず達成できるものと私なりに考えておる次第であります。
#87
○案納勝君 私はここで大臣に正直におっしゃっていただいたので、大臣と経済見通しやその他についてさらに突っ込んで論争したいとは思いません。
 ただ、ここで経企庁の仲田参事官にお尋ねをしたいと思います。おられますね。
 ことしから来年の三月にかけて、郵便はもちろん、酒、たばこ、米価あるいは麦の価格あるいは地方公共料金、さまざまな公共料金の値上げが用意をされているやにお聞きします。地方公共料金の問題については、せんだっての決算委員会で福田副総理からその意向は承りました。承りましたが、しかし地方公共料金が自治省通達などを含めてストップをしたとは理解できないのです。そういう中で、これらがお互いに関係をし合って物価を引き上げていくということは当然のことであります。
 経済企画庁としては、どの程度、物価上昇というものにそれが影響すると見ておられるのか、想定をされる先ほど申し上げた公共料金の引き上げのそれぞれの問題について、それをしかも含めて全体でどう見るのか、個別的にどう見るのか、この辺についての御見解を承りたいと思います。
#88
○政府委員(仲田嘉夫君) お答え申し上げます。
 いまお尋ねの最近の物価動向及び今後の見通し、特に公共料金等の関係についてでありますが、最初に、最近の物価動向から申し上げてみたいと思いますが、先生も御承知のとおり、最近は、原油その他の海外資源の価格もどうやら落ちついてまいりました。それから昨年来の総需要抑制策の効果も相当浸透してまいりました。片や不況が非常に深刻になったという面もございますけれども、需給等も大幅に緩和をしてまいりまして、物価もどうやら鎮静化の方向に向かっているというふうに考えております。
 ちなみに卸売物価は、今年に入りまして一月以降三月までは毎月マイナスを続けております。四月にちょっと上がりましたが、五月はまた横ばいということで非常に落ちついております。それから消費者物価につきましては、四月に二・二%、五月は東京では一%と、やや上昇度が大きくなっておりますけれども、四月につきましては、これは年度変わりに伴います教育費だとか月謝だとかあるいは宿泊料といったものが六〇%ぐらいを占めております。それから五月につきましては非常に特殊事情のレモンが七倍ぐらい上がった。それからちょうど天候が悪くて野菜が上がったといったような特殊事情等がございまして、いわば季節的要因による上昇ということで、私どもとしては、物価の鎮静化の基調には変化がないものと見ております。
 それから今後の動向でございますけれども、いまもちょっと申し上げましたように、海外の原材料等の価格はすでに下落傾向をたどっておりまして、国際商品市況を示すロイター市況等も、昨年ピークには一四七〇ぐらいまでいったのですが、ことしの一月には一一〇〇を割りまして、現在は一〇七〇ぐらいで落ちついております。それを反映して輸入物価も一月以降やや下がりぎみになっておる。これはまあここ当分こういうような状況が続くであろう、こう考えております。それから卸売物価が一月以降下がってきている影響が、これがタイムラグを置きまして消費者物価にもいい影響を与えているというような面もあります。それから公定歩合の引き下げが二度にわたって行われましたこと等から、金利負担等にもいい影響を与えている。それやこれやを勘案いたしまして、物価の面では本年は非常にいい面がいろいろあると思っております。
 ただ、先生が先ほど御指摘になりましたように、最近は、企業の操業度が大変落ちておるということもございまして、企業の収益がきわめて悪化しておる、そういうことから企業の中には製品の値段を引き上げて、そしてこれをカバーしたいという意欲も非常に強いということもございまして、昨日の経済対策閣僚会議での最後のところにも、企業の経営者に対して価格の引き上げの自粛を要請するといったようなことをやっておる次第であります。本年度末には消費者物価を一けたにとどめるという目標は、私どもとしては万難を排して実現するように努力をいたします。また、達成できるものというふうに考えております。
 それから公共料金との関係でございますが、公共料金は従来から非常に抑制的に対処してきておりまして、本年の予算編成の際にも、当面緊要なたばこだとかあるいは郵便料金等を除きましては、極力抑制するという方針で貫いてきております。いま申しましたような感触からいきまして、これら厳密にそれぞれが幾らという計算は、たとえば、たばこについては消費者物価を〇・六ぐらい、それから郵便料金については〇・二ぐらい消費者物価を引き上げるだろうという計算はいたしておりますが、それ以外のものについて個別に公共料金を幾ら幾らという計算はいたしておりません。全体の経済見通しとの整合性においてマクロ的に一応ことしの一けたの目標を計算しておるわけでございますので、その中身についてははっきり申し上げることはできませんけれども、これらを含めましても、今後、いろんなものについて慎重に対処することにより十分に一けたの目標を達成したいというふうに考えております。
#89
○案納勝君 いや、それじゃ答弁にならないんだよ。特に後段のやつ、あなたはいま酒、たばこについてはどの程度の影響があるかは計算をしたが、米価その他については計算をしていない、こう言われました。しかし、経済企画庁から出されている文献を見ましても、米価についても他の諸物価についてもどの程度経済全体のインフレあるいは今日の景気全体、物価対策に影響を与えるかということは出ているじゃないですか。私はいまのはきわめてごまかしだと思うんです。せんだって決算委員会で福田副総理にお尋ねしたときも推定について明らかにされている。
 私は、米価というのは一番最大な影響を与えると思うんです。それと郵便料金やたばこ料金等が相乗り効果を発揮しながら物価を引き上げる役割りをしている。それを総体的な経済見通し述べんといて、何と言ったって答弁にならないんじゃないですか。
#90
○政府委員(仲田嘉夫君) 御指摘の米価等につきましては、まだ現段階におきましてこれをどう取り扱うかという点については全く決まっておりませんので、したがいましてその影響等につきましても十分な計算はできないということでございます。
#91
○案納勝君 いずれにしましても、大臣、私は郵政省が昭和二十五年に世論調査を、国民の意識調査を料金値上げについてやった資料がここにあるんです。その資料の中に出てきている、それ以来郵政省はやっていないわけですが、中では郵便料金の家計に占める比率というのは大変確かに少ないです。しかし全体として国民経済的影響を与えることについて多くの国民が不安を持っている結果が出ている。なかんずく私は今日のような物価の中で、高額所得者はさして影響ないとしても、低額の所得者あるいは社会的弱者と言われている方々にきわめて重大なこの郵便料金の値上げというものは影響を持つと思う。いまも経済企画庁の方から御説明ありましたが、私は郵便料金だけの値上げがそれで事済むものではないだけに、これらの取り扱いは慎重に私はいまやっていくべきだと、こういうふうに考えるわけです。
 そこで私は、大臣に、本当に責任ある、先ほど大臣のお答えをいただきましたけれども、郵政大臣として、確かに経済問題は福田さんに任しておけということで済むかもしれませんけれども、しかし大臣としてこれらの問題について物価抑制に責任を持って、確信を持って当たっていくという姿勢がなければならぬと思う。特に、影響をしわ寄せされる層に対する配慮は当然私は必要だと思いますが、この辺に対するお考えを、確信を持って物価を抑える、そういう御見解をお持ちかどうか、その辺についての御見解を承りたい。
#92
○国務大臣(村上勇君) 物価抑制、それはこの内閣と申しますか、いずれの内閣も同様でありますが、特にいま政府の一枚看板になっております。それだけに私も何をおいてもこれなくしてはとても国民生活も安定しないというようなことから、十分配意いたしてまいる所存であります。
 今回の郵便料金が、先ほど数字を申しましたけれども、物価にそのように大きな刺激を与えるものでないということはいろいろな統計によって明らかにされておりますが、これがたとえわずかでも、これは私としては本当はできるならばこういう物価高に刺激を与えるようなことはやりたくないんですけれども、しかし、先生御承知のように、結局、郵便事業の原点に立ち返ってみますというと、好むと好まざるとによらず、どうしてもこの程度のことはお許しをいただいて、そうして全従業員一致結束してどこまでも郵便事業によって国民の皆さんに奉仕していくということを考えておるところでありまして、決して私どももかかるだけ上げてもらえばいいというような安易なことではないので、きわめて大事な物価に少しでも刺激を与えることについては十分配意して、少なくとも国民の幸せに逆行しないようにということを念頭に置いて努力したいと思っております。
#93
○案納勝君 どうも大臣のお話を聞いているとかみ合わないんですが、私の質問の仕方も悪かったかと思います。
 私は先ほど二十五年当時の郵政省の世論調査のことを言いました。しかし、あれからもう相当年限がたっています。世の中の情勢もきわめて変わっています。そして狂乱インフレを受けての今日の日本の状態です。そういう中で国民生活に与える影響は少ないなんという、そういう断定はできない。大臣も御存じのように、郵政審議会の答申の中に「この料金改正案は従来になく大幅なものであって、直接間接に国民生活や経済一般に与える影響は軽視することを許さないものがある。」と、こう書いてあります。私は、それだけに郵便料金の取り扱いについては慎重でなくちゃならぬ、こう思うんです。
 そこでお尋ねしますが、四十九年度に郵便料金が見送りになりました、そして本年度は十月から実施となった、それはどういう意味でそのような措置がとられたのか、その点をまず承りたいと思います。
#94
○政府委員(石井多加三君) 郵便料金の改正につきましては、当初、御指摘のとおり昭和四十八年十二月に計画をいたしたわけでございますが、御案内のとおり、当時の石油危機に端を発した異常な経済情勢の中において物価抑制策が緊急かつ最大の政治課題であるということで、四十九年度中は値上げを見送ることといたした次第でございます。
 しかしながら、この措置のために郵便事業財政は一層窮迫してまいりましたために、本年の四月から値上げをすることとして再度計画をいたした次第でございます。ところが、先ほど来お話が出ております経済対策閣僚会議におきまして、また国の全体の立場から慎重に検討をされました結果、物価抑制策は現内閣におきまして大きな柱としておるというようなことから、この実施時期を十月に半年延期いたしますとともに、はがきの値上げ幅も調整いたしまして、三十円を二十円にいたしたという次第でございます。
#95
○案納勝君 それはいまの御答弁にありますように、郵便料金が国民生活に与える影響はほとんど問題にはらないんだ、小っちゃいんだということでなくして、今日の物価やインフレに及ぼす影響が大きいだけに、政府として、四十九年、さらにことしの四月からの値上げも十月に見送ったという経過ではありませんか。はがきの三十円を二十円にしたのもその経過の中で提案をされたということではありませんか。だとすると、郵便料金の及ぼす影響、日本の経済的な全体の視野の面から見ても及ぼす影響の大きさというのを危惧するがゆえに、政府としてそういう措置をとられた、そういうふうに理解してよろしいですか。
#96
○政府委員(石井多加三君) 郵便料金の家庭生活あるいは国民生活に及ぼす影響というものは、先ほど大臣がお答えになりましたように、また、いま案納先生の御指摘にありました昭和二十五年当時の数字ではなく、毎年総理府の出しております家計の消費指数の中で郵便の占めるウエートというものがずっと発表になっておりますが、どれを見ましても、ここ十数年来、低いときで〇・一二%、高いところで〇・一五%というようなところを前後しておるように思いますので、その間に料金値上げも二度ばかりありましたけれでも、大体、その辺に位するものではないかと考えておるわけでございます。
 また、このたびの料金改定が消費者物価に及ぼす影響は、経企庁からのお答えにもありましたように、〇・二%という数字も私たちは間違いのない数字であると考えますが、お話がありましたように、ただ単にそういった数字だけで判断すべきではなく、一般的に公共料金でございまするので、これが少しでも上がりますことは、ムードといたしましてもいろいろ物価の上昇機運をあおるというような点がございまするから、政府全体の配慮の中で現在まで極力抑制をし、あるいは実施の時期を延ばしてまいったものであるというふうに考えておるわけでございます。
#97
○案納勝君 仲田さんにお尋ねしますが、この郵便料金の値上げを、昨年の値上げを今年の十月一日に繰り下げてきた、あるいははがきを三十円を二十円にした、これはいままで答弁ありましたように、今日のインフレ対策、物価対策を最大に考え、こういう面からの政治的配慮によって行われた、特に経済企画庁はその責任所管官庁として、そういうふうに理解をしてよろしいですね。
#98
○政府委員(仲田嘉夫君) ただいま先生おっしゃいましたように、現下の最大の課題は物価の安定でございます。したがいまして郵便料金の値上げ自体は指数的には非常に小さいものでございますけれども、やはり心理的影響等々を考えまして、そういう波及効果等もございますので、それらを考えまして、私どもとしましては非常緊急の措置といたしまして、時期をずらしたり、あるいははがきについての改定幅を圧縮したりということで、できる限り物価への影響を最小限にとどめたいというふうにお願いをいたしておるわけでございます。
#99
○案納勝君 それは国の責任で行ったやつですね、そうと理解していいですね。
#100
○政府委員(仲田嘉夫君) これは昨年の末の予算編成の時期におきまして、閣僚ベースでそういう判断をされたと承知しております。
#101
○案納勝君 次に進みますが、私は郵政事業、なかんずく個別に配達をして、そして国民と最も親しく接触をし、国民の随一の通信機関としての役割りを歴史的にも果してきた、それだけに、郵政事業だけでなくて公共事業全般についても言えるのでありますが、国民の合意の協力がなければ私は一日たりとも事業は成り立っていかない。
 今日、この郵便法の法案を提案をされておりますが、郵政省はこれらの法案の提案についてどのように国民の意思を吸い上げ、あるいは把握をして提案をされようとしているのか、国民こぞって大きな関心と批判をしています。村上郵政大臣は国民の意思を、意向をどのように受けとめておられるのか、この辺についてお尋ねしたいと思います。
#102
○国務大臣(村上勇君) 郵便を利用される方にとっては料金はどうしても安い方がいいということはもう当然でありますが、郵便事業の財政危機という立場で重要な事業の円滑な運営をするために今回のような改定の御審議を願っておるわけですが、何と申しましても公共事業でありますだけに、私どもとしてはその代償としてあくまでも全従業員が一致結束して国民に奉仕する、公に奉仕する、この気持ちを失っては何にもならないと思います。そういうような意味で、どこまでも国民大衆に愛されるような、少しでもお役に立つような今後の運営をして、そうして多少の料金の値上げになりましたこの国民への損害と申しますか、これを理解するために、サービスの面でも、精神的にもあるいはまたその行動の上にも本当にりっはに御納得のいくような運営をしてまいりたいと思っております。
#103
○案納勝君 大臣というよりも事務当局に聞きますが、国民の意思をどのように受けとめたのかと私は聞いているんです。郵便料金の今回の提案について、郵便料金を値上げしてしかるべきだというような意見はあると御理解されていますか、あるいはそれらについての署名やあるいは請願がありますか。また省当局として世論調査等をやって国民の意思を受けとめ把握をするという措置をとられたことはありますか。国民の意思をどのように理解をされて、そしてこの郵便料金の値上げについて法案を提案されたのか、特に公共企業体だけに、特に郵便事業として国民に密着しているだけに私はきわめて大事なことだと思いますが、その辺についての御見解を承りたいと思います。
#104
○国務大臣(村上勇君) 先生の御指摘の点は十分承知いたしております。国民の意思をお伺いし、国民の意思を反映する、それがいわゆる国会でありますし、それがこの委員会の先生方の御意見だと、私ども本当に厳粛にその御意見を体して、どこまでも公共の福祉に沿うということで御審議をいただいておると思う次第でございます。
#105
○案納勝君 大臣のお答えでは私は納得できないんです。
 私は事務当局に聞いているんです。事務当局として、どのようにこれらについて把握をし、どのような手続をし、国民の合意を求めてきたか、また国民はどのようなそれについて意向を明らかにし、受けとめてきたのか、明らかにしていただきたい。
#106
○政府委員(石井多加三君) 郵便料金の改正に当たりまして国民の意見をというお尋ねでございます。郵政省の立場といたしましては、この郵便料金の改定をするということは郵便事業にとって最大の問題でございまするから、当然、郵政省限りでこれを行うということはできませんで、法制的にもそのために部内外の学識験者をもって組織されておりまする郵政審議会という場においてこれを慎重に審議していただくというのが私どもの作業のやはり中心になれうかと思うわけでございます。
 先ほどお話に出ました昭和四十八年の時点で特にこの郵政審議会にお願いいたしましたのは、郵便事業の経営を健全化する方策についてということでございまして、当時は、郵便料金の値上げそのものを諮問申し上げたのではなく、何らかの方法で郵便料金の値上げを避けて通れるようなほかに名案はないかということで、いろいろサービスのあり方等、郵便事業の内部的なありとあらゆる問題を相当長期間にわたりまして、十月から十一月、十二月にかけて御審議をいただきました。それらの中でいろんな御意見が出ましたわけでございまして、それらは今日なおわれわれとして手がけていかなければならないいろんな示唆に富んだ問題が出ておりますけれども、そういったような事業の経営の改善策をいま講じようとしても、それだけではいま火急の郵便事業財政のピンチを救う方策とはなり得ない、そういう長期にわたる事業の合理化方策はこれは当然引き続いてやらなければならないけれども、それはそれとして火急のいまのピンチを救うためにはやはり郵便料金の改定をすべきであるというふうな答申がなされたわけでございまして、まあ郵政審議会の御議論は相当そういう面では深く掘り下げて議論をされたと思うわけでございます。
 また、審議会は、先ほど申し上げましたように、結論が出ましたものは、手紙を二十円のところを三十円に、はがきを十円のところを二十円にという数字でございましたけれども、先ほど申し上げましたようなことでこれは見送られましたので、四十九年度もう一回諮問をし、答申を求めたわけでございます。
 審議会のほかにも、郵便料金の問題につきましては、まあ私たちが積極的に意見を求めて回るということではなくても、いろいろな方面から反響がありまして、私たち、まあ大臣も、いろんな方々、団体等の御要望にはずっとお会いしてお答えをいたしておりまして、一般の国民のいろんな御意見を十分お聞きしておると思うわけでございます。もちろん積極的に郵便料金の値上げに賛成という御意見は少なかったと思いまするけれども、いろいろお話を申し上げている中で、できるだけ郵便料金は安い方がいいけれども、今後の事業財政がそこまでピンチになっておるんではやはり料金値上げはやむを得ないというような意味での御賛成はかなり広い範囲でいただいておるというふうに考えておる次第でございます。
#107
○案納勝君 それは、郵政省というのは、今回の料金値上げを通じての国民の意向というのは郵政審議会でしか事実上はとられていませんね。石井さんがそういう中でそれだけ経営が緊迫しているならやむを得ないなんていう意思なんていうのは、私はそれこそ国民の中ではもう〇・一%にも満たないぐらいのものだと思いますよ。それは根拠のない話で、というのは、石井さんのそう思われる分野というのは、それはあなたがそう理解されてもやむを得ないかもしれません。ただ、私は、郵政審議会というのが果たして国民の意思を尊重している、意向をくみ上げているというふうに正しく理解できるところかどうか、多くの疑問を持っている。
 いまお尋ねしますが、郵政審議会に郵便事業経営問題特別委員会など、それぞれございますが、郵政審議会のメンバーの選任に当たってどういう選任の仕方をされているのか、そしてメンバーの中にどういう層が代表されて出されているのか、このメンバーを各層別にひとつ明らかにしていただきたい。そして郵政審議会は公開か非公開か、郵政審議会のメンバー選定に当たっては団体の推薦が必要なのか、あるいは団体の推薦によってメンバーとして選任をされているのかどうか、それらのことも含めて選任に当たっての問題点と公開か非公開か、この辺についてお答えいただきたい。
#108
○政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。
 まず、郵政審議会の構成メンバー及びその任命の関係でございますが、郵政審議会の委員は、特に分野を確定いたしましてその代表者を任命するという形はとっておらないのでございまして、広く関係行政機関の職員、学識経験のある者、郵便、貯金、簡易保険の利用者の利益を代表する者等を任命いたしておりまして、現在の構成メンバーで一応各界の有識者を網羅しているものと存じております。なお、委員の任命に当たりましては審議会の重要性にかんがみまして今後とも慎重に対処してまいりたいと考えております。
 次に、郵政審議会の委員の出身構成はどうなっておるかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたような選任のあり方からいたしまして、各委員の分野を画一的に分類いたしますことは大変むずかしいのでございますが、便宜分類いたしますと、関係行政機関の職員といたしまして四名、行政経験者といたしまして八名、経済界から七名、学界から八名、言論界から七名及び労働界その他から八名といった分類ができるのではないかと考えておる次第でございます。
 次に、審議内容を公開しておるかまたは非公開であるかという点についてお答えを申し上げます。
 審議会の公開、非公開については法令上別段の定めはございません。したがって公開、非公開の点につきましては審議会自体が決める事柄であると理解いたしておるのでございますが、審議会におきましては、従来から事案により各委員の自由な意見の交換を図る等の目的のため、非公開の決議をいたしておる場合がしばしばございます。そうした場合、審議会のこれは決定でございますので、私どもといたしましては、これらにかかわる部分についての議事は公開いたしておらない次第でございます。
 以上、概要を申し上げました。
#109
○案納勝君 私はここで審議会の委員の名前を一々全部読み上げてもいいんですが、必ずしも審議会の委員が国民各層を代表しておるとは受け取れないんですよ。常に郵政大臣や当局は法案の提案の際に審議会、審議会と隠れみのにされますけれども、いまの審議会の運営をもっと民主化をする、労働組合代表あるいは市長消費者代表あるいは各層の代表を網羅して、いまの審議会を公開にして、そしてその中で国民全体の総意を把握をしていくという、そういう審議会のあり方というのは私はいまこそ必要なときじゃないかと思います。
 郵政省はこういう重要な郵政事業全体、国民の生活にきわめて重大にかかわり合う問題を提起をする際に、もっと民主的なそういうやり方、場合によっては、審議会の運営もいま申し上げたとおりでありますが、国民の総意を把握する意味での世論調査や、あるいは設問を通じてこれらについて答えが出されるような方法をもって事前に国民の意思を把握をするということがいまほど必要なときは私はないと思う。国民の意識が多様化しているだけにそのことがきわめて重大だと思いますが、郵政大臣、今日の郵政審議会をもう一回民主化し、そして郵政審議会の運営を公開にし、それらを通じてこれらの郵政事業全体が国民の間に結びついていくような施策をとるお考えはありませんか、まずお答え願います。
#110
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点、委員の選任につきましてはきわめて重大なことでありますので、十分検討してまいりたいと思います。
 なお、公開、非公開の問題については、その審議会の内部の規定によって、内規によって決められていることであろうと思いますので、十分これも研究した上で御返事したいと思います。
#111
○案納勝君 時間的関係もありますから次へいきますが、これは簡単にお答えいただきたいんですが、四十七年度の特別会計の決算に当たりまして参議院は大臣に対して警告をいたしました。それは御存じですね。これはどういう意味を持っているのか、どのように受けとめられておるのか、そしてその表現の裏にある、郵政事業がそういう警告を受けるという事態に至っている問題にどのような問題があると意識をされておるのか、問題意識を持っておられるのか、この辺について、そしてこれらの克服のために、後ほどまた論議をしますが、省当局及び大臣としてどのようにお考えになっておるのか、まずお伺いいたします。
#112
○国務大臣(村上勇君) 郵便業務の正常化につきまして鋭意努力いたしておりますが、最近におきましても一部の郵便局において利用者の皆様に御迷惑をおかけしている等、遺憾ながら十分とは申せない現状にありまして今回警告をいただいたような次第であります。
 業務運行が困難な原因といたしましては、当該局の労務事情等のほか、近年大都市周辺地域の発展等に伴う町名地番の混乱、また交通事情の悪化等、種々の要因が重なっております。これらに対処して業務の正常運行を確保するために、従来から労使関係の安定化を初め要員の確保、機動力の強化、職員の資質向上のための訓練等、総合的な対策を立てて努力してまいっておりますが、今後とも、これらの対策をさらに推進いたしまして、警告の御趣旨に沿って遺憾なきを期してまいりたいと存じておる次第であります。
#113
○案納勝君 大臣、いま言われた幾つかの問題意識、私はそれだけじゃないと思いますが、これはまあいまのところこれにとどめておきますが、これらの問題は郵便料金を値上げすれば解決するといった問題じゃありませんね。いま大臣の答弁をされましたような中身の中で、基本的には郵便の制度の問題、あるいはそれはさまざまな具体的な送達問題やサービスの問題あるいは料金制度の立て方の問題やあるいは労務の事情、さまざまな問題があると私は思います。
 そこで、私は、今回、こういった問題を、国民の本当の意味での信頼を得る事業として具体的な対策、具体的施策をまず前提にして、その上で国民の共感と合意を得るという、そういうやり方をこの郵便法の提案に当たってとるべきではなかったのか。あるいは、まず前提となるべき国民の郵便事業としての問題点について郵便事業を総体的に見直した上で、その上で料金の問題について国民に協力を求める、そういう施策こそ必要なときではなかったのかと私は思いますが、郵政大臣はどのようにお考えになって、当局としてどう考えているのか、これらの問題についての具体的な措置についてどのように今後進めようとして考えておられるか、簡単でいいですが、お答えいただきたい。
#114
○政府委員(石井多加三君) 郵便料金の値上げを云々する前に、事業全体の見直しをして、国民の合意と協力を得てやるべきではないかという御意見でございます。先ほどちょっとお答えいたしましたように、私たちもいきなり郵便料金の改正に飛びついたわけではなく、郵政審議会に最初諮問を申し上げた際にも、郵便事業全体のまさに見直しをして、何らか他の方策によって料金値上げを回避する方法はないかという、そういう観点から広い角度でいろんな問題を掘り下げていただいて御審議をちょうだいいたしました。
 それで審議会としての結論は、いろいろ検討をされたわけでございますけれども、短時日の間にこの事業の健全な経営を確保するための方策としてこの事業収支の不足を補うような名案はないというようなことで、郵便料金の値上げはやむを得ないものであるという答申をいただいたということでございまして、もちろん私たちもいろいろ検討はいたしましたけれども、審議会でもただいま御指摘のような立場に立っての御議論を賜った結果で、こういう料金値上げを提案申し上げている、かように御理解を賜りたいと思います。
#115
○案納勝君 郵政審議会は「社会経済の変動に即応ずるよう料金体系その他全般的な問題について長期的な視野に立って調査検討すべき重要な時期に来ていると考えられるので、誤りなき対応策を講ずる」そのことを「早急に進められることを希望する。」と、こうある。私は、その面で、郵政省が郵便料金値上げの問題で出してきている郵便法の中で、この後段の問題について誤りなき適切な対応策というものはどこにあるのか、この辺についてどうお考えなのか。
 当然、いまの郵便法の提案にあわせて、これらの具体的な郵便事業全体の問題について、もっと国民に対して国民の郵便事業として信頼が得られる措置というものを私は提起をすべきである、そうあってこそ私は郵便料金に、郵便法全体についての国民の合意が得られると考えますが、あなたの言う適応策、省の適応策というのは何ですか。将来への展望というのがこの中に明らかにされているかどうか。
#116
○政府委員(石井多加三君) 四十九年の答申の本文の最後に、ただいま御指摘のくだりがあるわけでございます。その言わんとするところは、郵便料金の改正の非常にせっぱ詰まった時点で郵政省はいつもこういった諮問をしてくるというようなことでは、どうも長期的な展望に立っての検討ということでもっと平素からこういった問題と取り組まなければならないのではないかというようなことで、ここに書いておりまするように「誤りなき対応策を講ずる準備を早急に進められることを希望する。」と言っておられるわけでございます。
 もっと具体的に申し上げますると、このたびの郵便料金の改定問題が一段落いたしますと、確かに郵便事業の財政は料金改定をいたしましてもなお非常に厳しい情勢にあることも事実でございまするので、ただいまお話しになりました郵政審議会の場よりも、あるいはむしろそのほかに内外のいろんな見識のある方々にお集まりをいただきまして、ここに書いてありまするような料金体系その他全般的な問題について長期的な視野に立って調査検討するような委員会と申しまするか、そういったものをできるだけ早くつくりたいということで、現在、そういった委員の人選というようなことを考えておるわけでございます。その委員会の中でいろんな問題が取り上げられるということでございまして、いま私がこういった案を持っておるとか何とかいうことを申し上げるようなものがあるわけではございません。
#117
○案納勝君 それでは個別問題のときに、それらの問題はもう少し詰めさしていただきたいと思います。
 そこでお尋ねをしますが、今回の料金値上げを郵政審議会に諮問をするに当たり、あるいは郵政審議会が答申をするに当たって、両三年にわたって収支の均衡を保つ、そういう前提で答申をされました四十八年十二月、そして先ほどの質疑の中にありましたように四十九年度の料金値上げ、あるいは五十年の四月一日の料金値上げを見送られて、新たに十月一日と、こうある。その間、さらに郵政審議会は継続をして審議をされ、最後の郵政審議会は四十九年十二月七日だった。しかし、料金のその後の提案をされている内容の変還等もあわせ考えるときに、両三年間収支の均衡を保つという精神は私は変わってはいない、こういうふうに理解をいたしますが、いかがですか。
#118
○政府委員(廣瀬弘君) ただいまの先生の御指摘は、現在の段階においても、なお両三年の収支についてそのように考えておるかというふうに伺ったということでございまして、それでよろしゅうございましょうか。審議会の答申の時期と現在の段階とで変わっていないかという意味での御質問と伺ってよろしゅうございましょうか。――
 この両三年という意味は、私もそれをどのように解したらいいかということについて問題があろうかと思いますが、過去、郵便料金を改正いたします場合には、相当長期にわたって、たとえば三年間あるいは五年間というようなある期間を予測いたしまして、その間に収支が償うような、そういう形での料金改正が図られてまいってきております。今度もできるだけ両三年の間収支が相償うような計画という意味でその表現が使われておると思いますが、ただ、今回の料金改正の案でまいりますと、その当時と若干内容的には異なっておるというふうに申し上げていいかと思います。
 と申しますのは、答申のとおりの料金改正案になっておりません。たとえば五十年度におきましては、もうすでに半年間の料金改正の時期のずれがございます。それから二種の料金につきましては、答申案の三十円に対しまして二十円ということで案が変わってきております。したがいまして五十年度予算におきましてすでに六百一億の収支差額が生じておりますために、両三年の収支が相償うという形にはなっておりません。
 この両三年の見込みをこの際申し上げておきますと、本年度予算におきましては六百一億の赤でございます。このまま五十一年度にどのように伸ばして見込むかということになりますと、これは条件がいろいろございまして、ただいまのところ、どのように五十年度を見直すかということがひとつ問題になっております。と申しますのは、ちょうど仲裁裁定が出ておりまして、これに要する経費の見込みの仕方、これはまだ最終的な詰めができておりません。ただ非常に大ざっぱに申しますと、仲裁裁定に要します総額は四百七十億程度になろうかと思いますが、予算の中では先ほど先生御指摘のような五%の原資が見てございまして、それを差し引きますと、単純にこれは算術計算になりますけれども、二百億の五%原資を引きますと二百七十億ばかりの上積みが出てくる、こういう計算になるわけでありますので、六百億はさらにその上積み分だけがふえる計算にはなります。ただ、今後、しかしこれをどのように処理するかが問題でございますので、いまはっきりと五十年度の見通しを申し上げる状態にはなってきておりません。
 そのような状況で五十一年度を見込んでまいりますと、五十一年度のベースアップをまたどのように見込むかということについて非常に問題がございますけれども、経済社会基本計画に基づいて一二・三%、これがいいかどうか問題ございますが、仮にこの数字を使いますと、さらに三百六十億ばかりの赤が出てまいる。それで先ほど大臣からも申し上げましたが、四十九年度においてはすでに千四百億ばかりの赤、これは千三百八十一億の赤でございますが、そういったものがございますので、この両三年の見込み全部を上げますと、大体二千数百億、二千六百億程度でございますけれども、その程度の収支差額の累積赤が出てまいります。大体、このように現在のところは私どもは見通しを持っておる次第でございます。
#119
○案納勝君 私は、これは大変大事なことだと思うんですよ。あなた方は郵政事業は収支相償う制度、こう常に言われている。郵便法の三条においてもそのことが言われている。そして料金値上げの提案に当たっては、大変に郵政財政がこのような状態になっているので国民へのサービスを満足に果たすことができないから料金値上げを求めておる、その料金値上げは収支相償の制度に立っております、こう言ってきました。いままでの料金値上げは常にそうであります。
 ところが、今回、出されている料金値上げの内容は、昭和四十八年の十二月に出された、最初に料金値上げを提案された中身は、一種にして言うならば二十円が三十円に引き上げられた、今度は五十円に引き上げられる。それは今度の答申の中にもあるように、料金改正が見送られた結果、郵便事業収支について大幅な料金改定にならざるを得なかった。これはすでに四十九年の十二月の郵政審議会の事前において、政府の方針として十月一日から実施ということは織り込み済み、そのことを織り込んだ上で三十円を五十円にしたわけだ。当初三十円の料金値上げを出したときは収支相償う均衡を三年とるということだ。言いかえるならば、四十九年の十二月においても、先行き見通しを立てて、十月一日からの料金値上げについては同じ精神で実はこのことは提起をされたはずなんだ。ところが出されてきた内容は、いま言われているように、すでに千三百八十一億、これはもう先ほどから言われている。五十一年度について、これより上回る二千八百億という赤字が予測をされるという料金値上げ案なんだ。
 私は、郵政当局として、口では、多くの郵便事業自体について国民の信頼にこたえるために長期展望を持たなくちゃならぬ、具体的な施策を検討して進めなくちゃならぬと言いながら、現実にこの出されている内容のように、見通しも展望も全くない、こういう内容だと言って言い過ぎではないと思います。二千八百億、二年後の、来年ですが、そういういまよりよけいに赤字になるということが推定をされた上で料金値上げを提案されている。五十一年をどうするつもりなんですか。五十一年についていまよりどんどん悪くなっていくという、国民に、そういう先行き展望は全くありません、収支相償の制度はもう破産しました、こういうことではないですか。私は、ここで当局にいまのことについての御見解を承りたい。
 あわせて大蔵省、経済企画庁に。特別会計の郵便事業が収支相償うじゃなくして、赤字の拡大への郵便法の提案だ、こういう内容に私ども受け取ります。これを大蔵省、経済企画庁は今日まで郵便料金値上げ問題で政府の立場から料金値上げについて一定の歯どめをしてきた。これは物価対策、大蔵省はまた予算編成の中でこれらについて参画をされてきた。この累積赤字をどうするつもりなのか、政府としてどう措置をしようとするのか、これが第一点。五十一年度には再値上げを提案をするということなのか、提案をしないとするならば政府として責任を持って措置をしようとするのか、この辺を明確にお答えをいただきたい。郵便法あるいは特別会計法からいっても、今回提案されたのは、私はその精神からいっても逆なあるいは違反をした提案の仕方だと思いますが、この辺についてしっかりしたひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#120
○政府委員(廣瀬弘君) 私ども企業経営の立場から考えますと、先生御指摘のように、過去において相当期間収支相償うという形で行われましたような料金改正が望ましいわけでございますけれども、これも先生御承知のように、非常に異常な経済環境のもとでやむを得ず最終的にこのような料金改正案にならざるを得なかったわけでございまして、その面につきましては、御指摘のように当初から収支相償うというような状態にはなっておりません。しかしながら、郵便事業を長い目でながめてまいりますと、これはやはり非常に長期にわたってこのような状態があっていいものではなくて、公企業といえどもやはり収支相償うという形で将来計画が立てられていかなければならないと思うのでありますので、今後、このような状態をどういう形で改善するかということは、やはり郵政省に課せられました非常に大きな課題ではなかろうかと考えております。
 そこで、御指摘の累積赤字はどうなるのかということでございますけれども、関係各省庁の御意見は別にいたしまして、五十一年度につきましてはさらに赤字が拡大するという意味は、赤字の累積にはなりますけれども、五十年度に料金改正をいたしますと、それが五十一年度には平年化いたしますので、収支の面では五十年度よりも赤字が少なくなってまいります。三百六十億程度になります。したがって改善の効果は出てまいることは確実でございます。そこで、そういうような状態で財政基盤が若干でも将来にわたってよくなるような施策をこの際考えていく必要があるのではないかという意味で、私どもはこのような政府案を出させていただいておるわけでございます。
 この累積の赤字をどうするかという問題につきましては、これは今後財政当局その他と十分打ち合わせていかなければなりませんが、先ほど申しましたように、公企業といえども収支相償のたてまえは崩すべきではない、独立採算制は崩すべきではないという基本原則は現行法のたてまえでもございますし、私ども郵政事業を営む者の考え方の基本に置いておるところでございますので、今後ともそれは貫いてまいりたいと考えております。
 ただ、五十一年度、それでは過去のものをどのようにするかということにつきましてはこれはやはり大きな問題でございます。したがいまして五十一年度予算編成の際には、この問題について関係当局とも十分打ち合わせまして、将来の郵便事業が財政的にも基盤が安定いたしますように、そういうことを十分に念頭に置きまして折衝をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#121
○政府委員(仲田嘉夫君) 私ども、郵便料金に限らず、公共料金につきましては、それを利用する方々がその利用によって受ける便益の程度によって応分の負担をしていただくという受益者負担の原則をたてまえとすべきであるというふうに考えとおります。
 そういう意味で、郵便事業につきましても、郵政審議会の答申にもございましたように、独立採算という形に持っていくことが望ましいと思っておりますが、何分にも、先ほど申し上げましたように、現在は物価問題が最大の問題でございまして、非常緊急の事態ということから、国民への影響を少しでも少なくするということで、先ほど来のように引き上げ率その他、値上げ幅の問題につきましていろいろと配慮をいただいたわけでございますが、将来の問題といたしましては、またそのときどきにおきます物価事情なりあるいは経済動向なりあるいははらに事業主体の財務事情なりあるいは財政事情なりということを勘案して、適時適切に、しかも公共料金については慎重の上にも慎重に扱うというたてまえで検討していただくことになろうかと思っております。
#122
○説明員(佐藤徹君) お答えいたします。
 郵便事業の収支の問題につきましては、確かに先生御指摘のように、今回の法改正によっても完全に収支の均衡がとれないではないかという面がございます。その点は、郵便事業の収支という点から見れば対策として必ずしも十分でないという側面があるわけでございますけれども、ただいま企画庁の方から御答弁ありましたように、五十年度の予算におきましては、そういった郵便事業の収支という面だけではなくて、全体としての経済運営という配慮がなされた結果こういう案になったものと承知しております。
 そこで、問題は、将来の展望をどうするかということでございますが、その点につきましては、先ほど郵政審議会の御答申についての御議論もございましたように、いろいろ事業の改善について今後郵政省で御検討がなされると、私どもも予算を通じてではございますが、そういった御検討につきまして積極的に御協力を申し上げていきたい、そういった面で少しでも改善がなされるように努力をしてまいりたい、こう考えております。
 そこで残る問題は、累積赤字の処理をどうするかというこの点が大蔵省へのお尋ねの中心だろうと思いますが、この点につきましては、五十年度予算編成の際に、何さま予算編成の土壇場になりましていろいろ経済閣僚会議その他の場を通じまして案の調整がなされたということもありましと、現時点ではこの累積赤字をどう処理していくかという点について郵政省と大蔵省はまとまった方針は持っておりませんけれども、私ども、五十一年度予算編成の際には、これをどう処理するかという点について郵政省と十分協議をして的確な措置をとってまいりたい、かように考えております。
#123
○案納勝君 私は納得できないんです。大臣、国民の立場、国民だってこの料金値上げの問題、いま論議をしている問題を明らかにしたら、私はこれはびっくりすると思うんですよ。受益者負担でございますから、そしてそれは要するに役務、サービスを提供するのに、それに適当なその収支を賄える料金を決めていく、そしてそれは総合原価方式であります、そして独立採算制で今日まできました、収支は均衡を保っていかなくちゃなりません、こういうように繰り返し今日までやってきました。そして赤字については受益者負担方式で受益者の負担によって行ってもらいたいというのがこの郵便法の提案された趣旨でしょう。
 先ほど経理局長が言われましたが、確かに五十一年度になったら、その年度の赤字は三百六十億、こういうふうになっております。しかし、四十九年度千三百八十一億の赤字、五十年度六百一億の赤字、そして五十一年度累積をすると、現時点の赤字よりももっと大きい二千八百億、要するに少なくなっているのじゃないんですね。雪だるま的に大きくなっているわけです。
 いま大蔵省の主計官は五十一年度にはこれらの問題については十分に検討しますと言う。いままでこういうこの種の国鉄の場合にしても、検討されて、そしてこれらの問題が全部国民の肩に肩がわりしないで解決した例がありますか、あったらお聞かせいただきたいんです。国鉄はいま二日間にわたって国鉄料金問題で広告を出しておりますね。私はこの赤字について五十一年度予算編成の際に検討しますだけじゃ、きょう、納得できないんです。はっきりしているじゃないですか、いままでの経過から。国民の負担になるような値上げはいたしません。政府の責任においてこれらについては赤字を解消して収支の均衡が保たれるようにいたしますという明確な答弁が政府の責任でなされない限り、こういう法案を出すこと自体問題じゃないかと思いますが、いまだかつてこういう赤字を、将来展望も持たずに、国民に、しかも大幅に今回は上がる、提案をされてきている、そういう無責任な態度をとられたことは聞いたことないんです。
 先ほど私は幾つか総括の中でお聞きしましたが、四十九年度に料金値上げをされなかったのは、あるいは三十円を二十円にされたのは、国の政策上の要請によって国の責任においてそういう措置をとられたんですね。ほかにもたくさん問題がある、後ほど指摘します。そしてその中で提案をされた郵便法は赤字がさらにふくらんでいるというならば、国民に肩がわりさせるのじゃなくして、この問題を国の責任で解消するという措置を明確にすべきじゃないでしょうか。五十一年度、五十二年度になってゼロになるというのならまだしも、私はそういう見通しを全く持たない取り扱いについては納得することができませんので、大臣、その辺についての御見解、もう一回お尋ねしますが、当局そして大蔵省、経済企画庁、これらについての責任ある御答弁をいただきたいと思う。
#124
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点はよくわかります。しかし、非常にまあ私の方というか、郵政省としてもこれはもう本当に恐る恐る――これはもう正式に先生からつかれてくれば、みんなそれはなるほどと言ってお手を挙げるようになります。けれども、しかしこういうような三十円にすべきところを二十円にする、あるいは四月一日から――まあ法案か通らにゃどうにもならぬのですけれども、これを六カ月延ばして十月一日に延期したということも、これは非常に天を恐れるというか、物価、インフレというものを恐れた、本当にもう、こうわれわれ縮こまったような気持ちで恐る恐るこういうようなことをしておるわけです。
 ですから、一々つかれれば、御納得のいかないところがあろうと思いますが、しかし、四十九年度の赤字、それから五十年度の赤字それから五十一年度と、この三年間をこう見ますと、四十九年度はああいう労銀が非常なはね上がりで千四百億、しかし五十年度はまあ六百億ばかりの赤字と、今度五十一年度になりますと平年度――要するに十月一日というのが消えてなくなるので、全部がいただけるので大体三百六十億ぐらいの赤字で済ませるようになる。ですから平年度になれば赤字が非常に減ってくるということでありまして、まあ企業努力とかあるいは節約とかいろんなことをやっていきますと、いまもう表面的には先生の御指摘のとおりですけれども、しかしまあ努力によってはだんだんと――物価か横ばいで、労銀も一般的な横ばいでいくようになりますと、どうにか採算がとれるんじゃなかろうか。これまあ私その数字を挙げてじゃないんですけれども、そういうことですね。
 それで五十一年度の予算編成の際に、どこかでひとつ、私はまあこんなことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、どこかでひとつ、赤字をいつまでも抱いてそれに利息を取られながら行っていたんじゃらちが明きませんから、どこかで何か政治交渉なんかもしてみたい。しかし物価が平静になって非常にインフレも抑えられてくれば、大体、収支いい――あんまりいいバランスはとれませんでしょうが、いままでのようなことはなくなるんじゃないかということであります。
 そこで、これはもうその数字を挙げられていままでの経過等を勘案してつかれれば、それはもう本当に私も御納得のいくようなお答えはできぬかもしれません。が、ただ、平年度になれば非常に赤字が減ってくるというところに一縷の望みを置いた法案であるということにひとつ御理解いただければ非常に幸せだと思います。
#125
○政府委員(仲田嘉夫君) ただいまの御質問でございますが、大臣からも仰せられましたように、本年はインフレを克服して経済を安定成長に乗せるいわば調整期間でございまして、そのための最大の課題として物価問題、物価の安定ということを掲げておるわけでございます。そういう時期におきまして値上げ幅が余りにも大き過ぎるというようなことになりますと国民に与える心理的影響も含めました影響も非常に大きいということで、できるだけその幅を小さくするように御努力願うということにしたわけでございます。
 将来の問題としましては、郵政御当局の今後の経営の御努力等もございましょうし、また、そういう調整期間の後の方になりまして物価も安定してきた段階におきましては、先ほど申しましたような諸般の事情等を十分に考慮して、また慎重に検討するということが適切であろうというふうに考えております。
#126
○説明員(佐藤徹君) 先ほどのお答えの繰り返しになるかと思いますけれども、ただいまの段階で累積の赤字をどうするかということは、私どもとしてももちろんでございますが、郵政省も方針としてまだお出しになっておらない段階でございますので、五十一年度の予算編成の際に、郵政省の方針を伺った上で十分考えてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#127
○委員長(竹田現照君) 大臣の所用もあるようですから、暫時休憩いたします。
   午後二時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十九分開会
#128
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。
#129
○案納勝君 いまの大臣の言われるところはよくわかります。だから余り答弁しないで、事務当局の方に……。
 問題は、大臣ね、四十八年に郵政審議会に諮問をしたと聞いています。郵政省は向こう三年間で収支均衡を保ちますと、これは収支相償の原則の上に立ってそうしますと提案をしておられます。そのときは同じように物価が高騰し、そして必要増だと言われる、いわゆる郵便、集約度の高い労働者の賃金、給与が上がった、そのために料金をたとえば一種では二十円を三十円に上げれば、三年後には、大体三年間の間に収支は均衡を保ちますという結論を得ている。私はそれは一応その前提を置いているのです。それを認めたということじゃないのですよ、話の筋として。
 ところが、きわめて狂乱インフレになり、物価上昇をしてきた。そこで政治的にも政策的にも国の責任としてインフレを収拾をする、きわめて物価に及ぼす影響を考えた場合に、改めて五十年十月から料金値上げをせざるを得ないという結論になった。その赤字、そこに積もった赤字というのは私は国民の責任じゃないと言うのです。これを国民の責任にして、その赤字の分まで今度は五十円に引き上げて、そして法案が提案されているわけですね。要するに、政府は、引き延ばされた分、その間におけるインフレによって、物価上昇によってできた赤字等については全部を国民の負担にして、五十円にし、二倍から五倍に当たる料金を今度は提案をしているわけです。
 筋から言うと、今後三年間に収支の均衡を保つということの見通しと展望がなきゃならないはずなんですよ。ところが、出てきているのは、五十二年度になると――私はここで経理局長にもう一遍聞きたい、五十二年度はどうなるのか、このまま推移して。答弁をしてもらいたいのですが、四十九年度、料金値上げをするときの赤字が千四百からさらに二千八百に倍増するわけですよ。料金値上げをして国民の責任だ――インフレだって田中内閣の責任じゃありませんか、政府の責任じゃありませんか。経済政策の失敗、それを国民の負担に全部転嫁をした上で、なおかつ五十一年度にはそれに倍する赤字が出ます。先行き展望は全くありません、そのときになって相談をしますという言い方なのですよ。そして私はいま大蔵省の責任はきわめて重大だと思う。いつもしりぬぐいはそういうふうに国民がしてきたのが今日までの大蔵省のやり方なんです、政府のやり方なんです。経済企画庁だってそのくらいの展望を持って料金を抑えたと思うのです。そうするならばその責任は政府の責任じゃないですかと言うのです。
 だから、いま言ったような筋道で、展望もないような料金値上げをどのように――郵便事業は国民の信書やその他の通信を守り経済活動の神経を担っているという最も公共性の強い郵便事業の中で、こんな国民に対するやり方というのは私はあるべきではない。国民にしっかりした展望を与えて、もうこれだけ大幅に上げるのだからわれわれも努力をする、国民の皆さんも協力をしてくれという出し方は、中身は別にして、私は姿勢としてあってしかるべきじゃないですか。今日のような物価高の中で、料金値上げ自体、提案すること自体が問題です。そのかけらすらないというところに実はどうしても私の納得のできないところがあります。そこで、いま申し上げた点について明確にひとつお答えをいただきたい。
 あわせて、それじゃ国際的にどうなっているのか、これもお答えいただきたい。私の言っていることは間違いなのかどうか。
 イギリスの場合も同じようにインフレに悩み、収支相償の原則に郵便事業は立っています。しかし一九六一年以降の赤字については、一九七二年に、国民にその赤字を肩がわりさせるわけにはいかない、物価の抑制のために一億七千二百二十万ポンド一般会計から繰り入れているわけです。これは本会議でも私は質問しました、そしてさらにインフレ抑制法に基づいて、一九七三年に、五千七百五十万ポンドを、同じように国民に負担を肩がわりさせないために繰り入れてきているのです。いまこの郵便法を提案をされてきているそういう中で、私は本会議でも言ったように、この措置がとれないはずがないじゃないですか。国民の通信手段として、神経として最大の公共事業、国営企業として国の責任によってここまできた赤字についてその措置がとれないはずはないじゃないですか。
 また、アメリカにおいては、政策料金には後ほど触れますが、類する分野については連邦政府によって補償されてきているのです。これは後ほど触れる政策料金の分野における連邦政府の分担であります。
 そういう措置が私はいまこそとられて、五十一年度後の展望についても国民の前に明らかにできるということがなければ、これは国民の皆さんがこれだけの料金値上げを提案をされて黙っているというはずはないです。さっき石井さんは国民の多数の方でも、そのくらい赤字ならば協力しましょうという話が大分あると、こう言われました。どこを探してもそんなのない。ぼくは与党の先生方の中にもないと思う。一番被害を受けるのじゃないでしょうか。
 ともかく、私は、これらの国際的な、特にイギリス、アメリカのこれらの問題についての内容を、私が言っているのは間違いかどうか、あわせてひとつお答えをいただきたい。
 そしてはっきりしていただきたいのです、五十一年になったら、料金は上げない、どうするのか。この辺を私はもう一回大蔵省の主計官に、無責任な回答でなくして、まあ大平大臣がいないから大臣のつもりで答弁してもらってもいいけれども、まあそうもいかないかもしれませんが、きわめてこの郵便の財政問題については厳しいだけに、私はどうするのかということについて、はっきりひとつ答弁をいただきたい。
#130
○政府委員(廣瀬弘君) 初めに五十二年度の見通しでございますけれども、五十二年度につきましては千二百億円の赤が出る見込みになっております。
 それから、ただいま先生御指摘の諸外国の制度でございますが、これは後ほど官房から説明申し上げると思います。
 それぞれいろいろな方法で問題の解決を図っていることは先生御指摘のとおりでございまして、ただ、私ども郵便事業をながめて見る場合に、やはり受益者負担と申しますか、利用者負担という原則は守っていきたいというふうに考えますのは、実は、郵便の利用のされ方をながめてみますと、約八割が業務用通信であるというような実態、これを踏まえてみますと、その利用者負担の料金政策から離れて税金負担ということになりますと、これは一般の利用されない方々も同時にこの郵便料金の負担をするという形にならざるを得ないわけでございますので、社会的な公平というような面からながめてみまして、果たしてそういう一般会計負担ということをすぐ考えるのがいいのかどうか、やはり問題は非常に大きいと思います。
 そこで、先ほど大臣からもお答え申し上げましたし、私も、この累積赤字の処理につきましては、五十一年度予算の編成の際に、よく検討してまいりたいということでございますけれども、それはいろいろの方法があると思います。財政的措置も含め、あるいはその他すべてのケースを考えながら、何が一番事宜に即した措置であるかというようなことを考えて結論を得たい、こういう意味で申し上げた次第でございます。
 以上でございます。
#131
○政府委員(高仲優君) 外国の赤字処理の例についてのお尋ねでございますが、諸外国の郵便事業は一般に収支相償を原則として運営されておりまして、西ドイツ、フランス等におきましては、規定上欠損補てんのための一般会計からの繰り入れということは行われないことになっておるようでございます。
 たとえば西ドイツにおきましては、郵便電気通信事業管理法によりまして収支相償の原則が定められておりますし、連邦国庫からの補助金の受け入れは行われておらないようでございます。なお一九六五年以降の十年間に四回の料金改正が行われておるわけでございます。
 フランスにつきましては、やはり同様、事業支出を賄うに足る収入を確保することが法律によって決められておりまして……
#132
○案納勝君 それはわかっているんだよ、さっきも言ったとおりだ。
#133
○政府委員(高仲優君) おっしゃるとおり大体独立採算でやっております。
 イギリスにおきましては、先生御指摘のとおり、一九七四年、国営事業法によって収入不足を臨時に解消する措置が講じられておりますけれども、この点につきましては、英国におきましては物価、賃金、公共料金の全般的な抑制政策が実施されている関係から行われたものであると理解いたしております。
 米国においては、事業形態を変更するに伴う経過的な措置として、一部採算のとれない事業について逓減的な経費の繰り入れが行われておると承知いたしております。
#134
○説明員(佐藤徹君) 大蔵省全体の立場に立ってというお話で光栄でございますけれども、私、郵政担当でございますので、どこまで先生の御趣旨に沿った答弁ができるかわかりませんが、原則的に考えてみますると、先ほど郵政省の方からお答えがありましたように、郵便の利用の実態等から見まして、基本的には、やはり独立採算あるいは利用者負担という考え方で事業を運営するのが妥当であろうかと思っております。
 お尋ねのその累積赤字、これは国の政策の結果として生じたものではないかという点につきましては、確かにそういう側面もあると思います。そ処理については国の責任でやるべきだという御意見もあながち否定はできないと思います。しかしながら、国の責任でそれを処理するといった場合にもいろんな形態が考えられるわけでありまして、仮に一般会計でこれを持つとした場合には、これはやはり財源は税金あるいは公債――いま赤字公債はございませんので税金ということになろうかと思いますが、そういった意味で、結局は、いかなる負担でこれを処理するかという問題に――ちょっと理屈っぽくて恐縮でございますけれども、なるだろうと思います。
 そういった面も含めまして、五十一年度の予算の際に十分な検討をしたいというのが私どものいまの真意でございまして、ただ、私、現場の主計官でございますので、国全体の財政事情というのは余り詳しくはございませんけれども、伝えられるような財政事情でもありますので、その辺も踏まえまして、全体としてどういう処理をするのが正しいのかということを郵政当局と十分御相談をしたいというふうに考えておる次第でございます。
#135
○案納勝君 それでは、私は、それだけにして次に問題を進めてみますが、まず、大臣に、いまのやりとりをずっとお聞きいただいて、また御答弁をいただいているんですが、私は、今日のいまのやりとりの中でわかるように、極端な言い方をすれば、国民に背を向けたいまのこの郵便法の提案だというふうに思います。そして郵便事業を取り巻くきわめて厳しい情勢、先ほど私は決算における警告の中身をお聞きいたしました。それだけでなくして、郵便の料金制度の立て方の問題あるいは郵便制度の問題あるいは送達速度の問題あるいは財政上の問題、こういうものが私は今日ほど吹き出しているときはないと思う。それだけに、こういう見通しも立たない実は状態になっているわけなんです。
 私は、ここで大臣、衆議院は通過してきましたが、いま申し上げたような財政の問題やその他を全部洗い直してみて、そして国民の皆さんに、郵政の現状はこうだと、原価はこうであって、そして郵政事業を真に国民の事業にしていくためにこうあるべきだと、料金の問題についてはこういうふうにしたいという、そういう意味での合意を得る、それがまず前提にあって、その上で郵便法の改正ということがなされてしかるべきじゃないだろうか。したがって、私は、この郵便法の提案にまつわる問題について、決断を持って、大臣、ひとつ凍結をして、まず早急にそれをやる、その上に立って国民に協力を求めるというそういう気持ちはございませんか、その辺。
#136
○国務大臣(村上勇君) 大変私にとってはありがたい御意見であります。これをそのまま凍結してしまって、そしていっか選挙が衆議院には来るだろう、値上げして落選するよりも値上げを凍結して当選した方が賢いじゃないかという、これは私に対する御好意で、この点は十分私拝聴できるのでありますが、私も縁あって郵政大臣にこうして就任しております限り、郵政省全体を考えてみたときに、どうしてもこの際だれかがやらなければいかぬ、やらぬで済むことなら、やらない方がしかられないで済みますが、しかし、これはどうしてもやらなければいかぬ。
 要するに、利用者負担ということ、それからこれが独立会計である、利用者負担とそれから負担の公平、いろいろなことからあれしていきますと、先生の御指摘されていることは私にはよくわかります、また、そういうあなたの言うことにふらふらっと賛成しそうになるんです(笑声)。しかしじっと考えてみると、税金を払う第二の国民がいない。とにかく高い料金を払う者も国民であるが、しかし一方、税金を払う別な国民があればともかくも、これを税金で一般会計に持っていったときには、払ってくれる国民がない、同じ国民だと。そうすると利用者負担。その利用者が一般の非常に気の毒な人たちならばこれまた考えなければなりませんけれども、大体業務用のものが八〇%もあるということを聞きますと、やはりこれらの人たちに、これはもうりっぱな味方ですけれども、これらの人たちに楽をさして、そうしてこれを一般の税金で賄うようなことをしちゃいけないというようにまた思い直すんです。
 案納先生ね、あなたのおっしゃることはよくわかります。幸いにきょう企画庁や大蔵省をいま盛んにあんたがとっちめてくれているというか、ずいぶん私のわが意を得たりというような、五十一年度予算編成の際に十分考えたいということを私も申しておりますが、大蔵省あたりはそういうところにわりあいに冷淡だろうと思っておったら、いま主計官の御答弁を聞いているというと、やっと私と同じような答弁をしてくれております。でありますから、そういう際に十分考えます。
 ただ、料金改定と言うとおかしいですが、この郵便法の問題について、ただ一つのよりどころは、去年よりもことしの方が赤字が減ったと、ことしよりも来年は赤字が減ると、ここに望みが、見込みがあります。そうすると五十一年の予算編成の際に、まあまあ仮に一年わずか三百六十億ぐらいの平年度の赤字だからと、またその次の年も三百六十億になるかもしれませんが、仮に三百六十億ずつ十年やったって三千六百億だと、それぐらいのことは私は大蔵省は目をあけてくれるのじゃなかろうか。これは私のただ……速記に残ってはまずいのですけれども(笑声)、そういうことでありますので、ひとつここら辺で、ずっと平行線をたどっておりますが、どっかでひとつ握手をしていただきとうございますが、よろしくお願いいたします。
#137
○案納勝君 経済企画庁の仲田さん、どうもありがとうございました。
 大蔵省の主計官の方、申しわけないが、郵政担当ですから、もう少しおつき合いをいただきたい。
 私は、そこで受益者負担問題等、お話がありましたので、少しく話を進めてみたいと思います。
 まず、私は、郵便事業の公共性の原則というものについて御意見を少し承りたい。
 これは事務当局にお聞きする方が正確だと思いますが、郵便とはどういうものか、郵便事業とはどういうものか、ひとつそこから郵便の公共性というものについて少しくはっきりさしていただきたい。
#138
○政府委員(石井多加三君) 郵便の定義ということになりますと、学問的にはいろいろの意見、表現があろうかと思いますが、私どもが考えております郵便と申しまするのは、信書その他郵便法令に定められた物件を郵便事業組織によって送達する業務と、このように理解しておるわけでございまして、御案内のとおり、創業以来、一世紀以上もの長きにわたりまして事業は国民の日常生活に不可欠な役割りを果たしてまいりましたが、今後も、情報社会の進展に伴い、国民の基本的な通信線として重要な役割りを占めるものと、さように理解いたしております。
#139
○案納勝君 それは事業じゃないですか。郵便とは何ですか。石井さん、次に質問移りますが、郵便というのは、あなた方も職員に訓練をされている。何らかの物件に記載された「特定の人に対する意思又は思想の空間的」これは大事なところです。「あるいは時間的な送達」これを請け負う、これが郵便。一定の組織を通じて送達する。要するに国民相互間の思想、意思というものを通じさせるというのが、これがきわめて公共性を持つ私は国民の通信手段としての性格だと思います。間違いないと思うんです。
 そうなると、私は局長にもう一回聞きますが、そういう重要なものについて、郵政省の場合、もっとはっきりと認識の度合いというものを明らかにしてもらいたい。要するに私や言っているように、そういう性格を持つ郵便、それは社会の発展に伴って社会の神経系統として今日の人類社会の生存あるいは新陳代謝に欠くことのできないものだと、こういうふうに私は、先ほど答弁の中で受益者負担という問題等が出ましたが、逆に事業の公共性について理解をしますが、石井さん間違いございませんか。
#140
○政府委員(石井多加三君) 事業の公共性というものについての定義づけでございますが、これは郵政事業全体について言えることでございますが、国民の社会経済生活に必要不可欠な郵便、貯金、保険のサービスをあまねく公平に提供するということ、これが郵政事業全体の持つ公共性であろうかと思います。
#141
○案納勝君 郵政事業の公共性はそれでいいんだ。郵便の持つ公共性、それは私が言ったように――それは一般的な公共事業、公共性というのは、私は石井さんの答弁でも一般的にいいと思うのですがね、私がいま言わんとするのは、郵便というものの持つ性格、重要性というものを本当に認識をしていくならば、実はそれなりのやっぱり郵便事業のあり方というもの、財政のあり方というものが出てくると思うがゆえに、実は重ねてこれを言っているのですよ、重ねて。
 もう一回言いますよ。郵便事業というのは人類社会の発展、生存そして新陳代謝に欠くことのできない事業だというように私は理解します。それは間違いないか、あなたたちもそういうように理解するかどうか、その上に立って郵便法は私は成り立っていると思いますが、もう一回確認します。間違いなかったら間違いないで結構です。そのように理解しているなら理解していると言ってください。
#142
○政府委員(石井多加三君) 郵便は国民の日常生活に不可欠な重要な役割りを持っておる、現在も持っており、今後も持っていくものと考えております。
#143
○案納勝君 あなた繰り返し同じことを言いますが、いま私が言ったやつは「郵便事業概説」という郵務局で出したやつの中に入っているのです。それだけの認識というのを私はしっかりしておいてもらいたいということから聞いているのですよ。
 それからもう一つ、郵便事業がいま八割が商業通信、企業通信だと言われる、私はこれは必然性を持っていると見るのです。なぜ必然性を持っているかというと、郵便事業は資本主義の中で発展をしてきたのです。これは高品生産と結びついて、それを刺激し合いながら、そうして経済活動を保障してきた、保護してきた、刺激してきた。だから高度成長政策になってどんどん経済が発展をしてくるときには郵便物はどんどんふえてくるのです、企業通信は。しかし、郵便が持つ性格というのは人類社会の生存に欠くことのできないものなんです。それは二割の一般の国民の利用する一種の封書、信書、これらがたとえ企業が八割になろうとも、実は同列に扱っていってはいけない中身を持っているものなんです。そして企業活動に伴って発展してきた郵便、企業郵便物が八割を占めるものについては、それなりのやっぱり違った私は郵便の取り扱いがあってしかるべきだと思う。まず原則をしっかり持った上で郵便事業をながめて見るということをしなければ、企業通信が八割あるんだからという言葉になってくるのです。
 私はそういう面で、いま私が申し上げているのは、郵政省としては、この私の認識が間違いないのかどうかということをもう一回確めたいのですが、しっかりした認識を持ってもらいたいということで私が申し上げていることに間違いありませんね。
#144
○政府委員(石井多加三君) 郵便というものの重要性につきまして、人類の生活の上に不可欠のものであるというお言葉につきましては、まことに同感でございまして、今後ともそういうものであろうと考えます。
 ただ、いま御指摘のお話の中にありましたような、そういう人類の生活の上で不可欠な重要なものであるという郵便の重要性を支えておるものは、単なる個人通信のみ、二割のいわゆる個人通信というようなものだけであるという認識につきましては、ちょっといろいろ意見があろうかと思うわけでございまして、八割の企業活動といいますか、業務用の通信というものも人類の社会生活を営んでいく上に今日において不可欠のこれまた重要な意味を持っているものであって、その間に、個人的な判断として、あるいはダイレクトメールとかいうものと信書といったようなものについてのウエートの違いを云々される向きはあろうかと思いまするが、それはきわめて主観的になりまするので、一般的に言えばやはり同じような重要性を持っておる、かように理解いたしております。
#145
○案納勝君 私の質問が適切じゃなかったのかどうか知りませんが、その辺は時間の関係もありますからやりませんが、私は企業活動、商品活動が決して重要でないと言っているんじゃないんです。郵便の持つ使命というものを明らかにはっきりした上で、そして今日置かれている郵政事業というのは、この資本主義の発展の中に乗り、高度成長の政策の中に乗ってきた企業活動としかも密接に結びついてきているというそのことについてしっかり認識をしてもらいたいと言っているんです。あとのことはまた後ほどやります。
 そこで、郵便法第一条に目的が書いてありますね、第二条には国営企業が明らかにされている。第一条の目的を果たすために国営企業となった理由はどこにあるんですか、その辺を明らかにしてください。
#146
○政府委員(石井多加三君) 郵便事業が国営事業として運営されておりまする理由につきましては、まず第一に、郵便のサービスというものを普遍的に提供するという第一条の目的から言いまして、やはり全国的な組織を必要とするということが一つと、郵便サービスは利用者に公平に提供されなければならない、そういう必要があるということが第二点になろうかと思います。三つ目に、営利を目的とする民営事業でこの郵便をやりますと、やはり料金の面で低廉性において無理があるであろうということ。それから、これは外国との関係になりまするが、郵便事業の運営上、諸外国との郵便の往復ということは日常事になっておりまするので、各国がそれぞれ国でやっておりまする事情から見ますと、この各国との郵便の交換等についてやはり政府レベルでお互いに緊密に連絡するということが国際間の郵便の往来をスムーズにするゆえんであると考えられるわけでございます。
 このようなことが主な理由でございますが、なお、言う人によりますると通信の秘密ということを挙げる向きもありまするけれども、通信の秘密ということになりますと、御案内のように、わが国の国際通信は民間の会社が営んでおるということもありまするから、必ずしも通信の秘密ということと国営ということとは結びつかないと思いまして、私はこれは申し上げなかったわけでございます。
#147
○案納勝君 おかしなことを石井さん言うじゃないの、国際通信といいますか、そのことを話に出して、通信の秘密というのは大したことはないといいますか、重要な位置を示していないんだと、こういうふうに言います。いまあなたは四点ほど言われましたけれども、私は国営になっている理由というのはそれだけじゃないと思うんですよ、やっぱり信書の秘密というのは侵してならない私は基本的人権だと思います。それが国営によって保障されるというところに私は国営事業としての一つの大きな性格を持っていると思う。
 もう一つは、郵便事業はどんな山間僻地においてもこの国民の通信を唯一守っています、こういう意味で、事業の経営上の採算がとれない地域でもそれを保障していくという性格を郵便事業は持っているんじゃないですか。だから国営ということが「あまねく、公平に」というその目的を実行するために出ているんじゃないですか。あるいは郵便事業は一時でも休むことができない、民営では事実上都合によっては休むこともできるというような郵便事業――先ほど私が人間の社会生活に欠くことのできない生存にかかわる問題だと言いました。それだけ重要な課題を持っているという郵便事業だから、あまねく、公平に、そして低価に、そして国民の福祉を増進するために国営になっているんじゃないですか。私は、郵務局長ね、ここは委員会の場なんです、ものの筋目とけじめを私はきちんとつけてもらいたいと思うんです。そういう認識を、私は――私か言っておるのか間違いだったら間違いと指摘してください。私はそういうふうに理解します。
 ここが、実は、公共性と収支相償という第三条の関係の調和をどこでとるかと、大事なところなんですよ。郵便事業というのはそれと国の政策との調和をどうするのか、支出との調和をどうしていくのかというところで、また職場に働いている労働者との労働条件の調和をどうするかというところに、その調和の中で郵便事業が成り立ち、料金制度が成り立つんじゃないですか。私はそういう意味でいま公共性の問題について認識をはっきりさしてもらいたいと思っているんですが、私の言っていることが間違いかどうか、明らかにしてください。
#148
○政府委員(石井多加三君) ただいま先生の御指摘のことはそれぞれそのとおりであると私も考えます。私のあるいは説明申し上げたのが多少十分にお聞き取り願えなかったかと思いますが、郵便を、もう一度申し上げますと、国営事業としておりまする理由は、まず第一に、郵便のサービスを普遍的に提供するためには全国的な組織が必要である。第二番目に、郵便のサービスは利用者に公平に提供される必要があるからそのためにはやはり国営でなければならないということ。それから第三に、これは逆の言い方になりまするが、営利を目的とする民営事業でやりますると郵便料金の低廉を期しがたいということ。それから最後に、郵便事業の運営上外国との関係が多いというようなことを申し上げたんでございますが、なおそのほかに、たとえば事業の継続性というようなことも言われましたし、ちょっと表現は先生の場合と違ったと思いまするが、それぞれにお聞きしておりまして、私もそのとおりであると理解しております。
#149
○案納勝君 石井さんは郵務局長でしょう、頼みますよ。
 それで郵便法第五条には、これには独占企業、こういうふうに規定されております。その理由はなぜですか、独占企業となった理由は。
#150
○政府委員(石井多加三君) この郵便法の第五条に「何人も、他人の信書の送達を業としてはならない。」と、こういった明文があるわけでございます。
 郵便の独占と申しまするか、もっと的確に申しますると、これは信書の送達の業務がこれは郵便というものの独占になっておるわけでございまして、ここで信書の定義というようなことにもなるわけでございます。むずかしい表現になりますが、特定の人に与えた通信文を記載したもので、その記載の手段や記載されている材質は何でもいいわけですが、他人に自己の意思を表示し、または、ある事実を通知するための文字または記号をいうというのが信書の定義というふうに言われておるわけでございますが、この信書の送達は郵便事業の国の独占であるということでございまして、もちろんそれ以外の小包でありまするとか、あるいは郵便の中でも信書以外のもの、ダイレクトメール等については、これはなかなかケース・バイ・ケースで見なければなりませんが、物によっては信書でないものもあろうかと思いまするから、そういったものは国の独占ではないというふうに理解しておるわけでございます。
#151
○案納勝君 なぜ独占ということになっているのかと聞いているんです、なぜかと、独占企業となっているのはなぜかと。
#152
○政府委員(石井多加三君) 信書の送達は、郵便業務の中の最もいま基本的な業務でございまして、これは国の事業としてやる必要がある。それは先ほど申し上げましたようないろんな国営の利点があるということに帰すると思うわけであります。
#153
○案納勝君 もう少し、石井さん、言われることよくわからないんですがね。なぜ独占企業となっているのかという理由については一つもはっきりしない。
 石井さんね、先ほど私は繰り返しあなたに郵便法の第一条、第二条、このことについて念を押しました。私は、この理由が国の企業として、独占企業として成り立っている最大の理由だと。そしてしかも全国山間僻地に至るまでサービスを提供するという使命、施設の不経済を避ける意味で国の独占企業になっている。あるいは事業の財政という面からも私は独占企業として、この第五条に明らかにされていると思うんです。その認識をしっかり持ってもらわないと、料金問題等ですぐ企業性が出てきたりなんかするところに問題が私はあるような気がしてならぬのです。
 そこでお尋ねしますが、公共企業と私企業との相違はどこにありますか。
#154
○委員長(竹田現照君) これは私からも述べますが、郵便が独占事業というのは国際的なんだから、もう少し明確に、日本だけじゃなくて、これは唯一の国家の独占事業であることは間違いない事実なんですから、これはもたもたしないでしっかりした答弁をしてください。
#155
○政府委員(高仲優君) 公共企業と私企業の違いという点についてのお尋ねですが……
#156
○案納勝君 いま委員長からあれしたやつもあるでしょう。
#157
○委員長(竹田現照君) 答弁があれだったら、しばらく休憩しますよ。
#158
○政府委員(石井多加三君) 先ほど郵便事業が国営事業として運営されている理由のまた裏になると思いますが、要するに郵便のサービスをわが国の津々浦々に至るまで普遍的に提供するということ、それから郵便のサービスを利用者に公平に提供する必要があること、それからできるだけ安く郵便のサービスを提供する必要があるといったようなことが郵便事業が国営として運営されておる最大の理由でありますとともに、これがまた独占の理由でもあると考えるわけでございます。
#159
○政府委員(高仲優君) 公共事業と私企業の違いということでございますが、公共事業といった場合、一般的に公共の利益となる仕事ということに常識的にはなりますし、また一般的に公益事業といっているものとほぼ同様に考えられていると思うのでございますが、公益事業と申します場合には、公衆の日常生活に欠くことのできない事業、また、その業務の停廃が国民経済を著しく阻害し、または公衆の日常生活を著しく危うくする事業といったように言えようかと考えております。
 なお、公益事業という言葉が法律上使われているケースといたしましては、労働関係調整法の八条に「公益事業、その指定、公表」といったような文言がございますが、この場合、労働関係調整法においては、その八条一項に「この法律において公益事業とは、左の事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいふ。一 運輸事業 二 郵便、電信又は電話の事業 三 水道、電気又は瓦斯供給の事業 四 医療又は公衆衛生の事業」といった文言がございます。この点から考えまして、公益事業とは公衆の日常生活に欠くことのできないものをいい、かつ労働関係調整法においては、その公衆の日常生活に欠くことのできないもののうち、ただいま列挙いたしました運輸、郵便、電信、電話等々の事業をいっておるものと考えます。
 また、同じく労調法の八条二項におきましては「内閣総理大臣は、前項の事業の外、国会の承認を経て、業務の停廃が国民経済を著しく阻害し、又は公衆の日常生活を著しく危くする事業を、」云々と、中間を省略いたしまして「公益事業として指定することができる。」という文言がございます。
 かれこれあわせまして、公共事業、あるいは公益事業といった場合、その解釈といたしましては、公衆の日常生活に欠くことのできないもの、あるいは事務の停廃が国民経済を著しく阻害し、または公衆の日常生活を著しく危うくする事業といったことに相なろうかと考えております。
#160
○案納勝君 民間は何ですか、私企業とはどうか、私企業との比較を言っている、簡単に。
#161
○政府委員(高仲優君) ただいま申し上げましたもの以外の企業あるいは事業が公益事業以外の事業、すなわち一般の私企業等がその中に含まれると、かように考えております。
 つまり利潤追求等を主たる目的とする事業等であって、ただいま申し上げました範疇に入らないものが一般の事業というふうに理解いたしております。
#162
○案納勝君 そういうことですね。
 そうすると、郵政事業というのは、いままで石井さんとのやりとりをやってきましたが、その経過を踏まえて、黒字になるように経営するのが本来の姿ですか、これが一点。
 二点目は、赤字になってもやむを得ない。言いかえると、郵便事業の中には事業の性質上赤字になるべき諸要因を本質的に含んでいる、これが第二点。
 三点は、あるいは理由のいかんを問わず、収支相償うように運営されるべき。
 これはきわめて本質に結びつく問題ですが、この三つのうち、クイズじゃないんだが、どれが郵政事業のあるべき姿なのか、ひとつお答えをいただきたい。
#163
○政府委員(高仲優君) 大変むずかしい御質問でございまして、また私が答えるべきかどうかちょっとわからないんでございますが、お尋ねでございましたので存じよりを申し上げます。
 公益事業というものは先ほど申し上げたとおりでございまして、郵便につきましては、先ほど読み上げましたように、労調法八条において「公益事業」という……
#164
○案納勝君 そんなことはいいんだよ、ぼくは三つのを言ったからどれだと言うんだ。
#165
○政府委員(高仲優君) はい。しかしながら、公益事業であっても、先ほど申し上げましたように「電気又は瓦斯供給の事業」等、別段一般の会社形態で運営しても差し支えないと思われているものもございますし、別に公益事業であるからして……
#166
○案納勝君 いや郵便事業はどれだと言っているんですよ。そんな余計なことを言わないで、三つのうち……
#167
○政府委員(高仲優君) 郵便事業については、これは郵便法第一条及び第三条に照らしまして、なるべく安い料金でなければならぬことが一つと、それから料金は効率的な……
#168
○案納勝君 そんなことを聞いているんじゃないんです。郵便事業というのはいままでやりとりをやってきたからそれはわかっているわけです。
 黒字になるように経営するのが本来の姿なのか、赤字になってもやむを得ない、言いかえると中には事業の性質上赤字になるべき諸要因を本質的に含んでいる事業なのか、あるいは理由のいかんを問わず収支を均衡させるべき企業なのか、三つのうちどれなんだということを言っているんですよ。
#169
○委員長(竹田現照君) 質問を的確にとらまえて、どれどれですということをはっきり言ってください、議事進行上。
#170
○政府委員(高仲優君) 利潤追求でもなければ、赤字を大幅に常に生むということでもなく、三条に照らしまして効率的な経営を賄うに足る収入を長期的に見て得ることができれば、郵便法の精神に沿っておるものと考えます。
#171
○案納勝君 第三条の問題は触れてないんだよね。いままで私は郵便事業の公共性、持つ使命というのを言ってきたはずですよ。その使命を持つ郵便事業というものは三つのうちどれだと、こう聞いているんですよ。
 そうすると、あなたの答弁では、三だということですか、もう一回。
#172
○政府委員(高仲優君) 郵便事業という仕事は、その公共的な使命を達することがもちろん第一の目的でございますが、そのために赤字を続けていいということもない、もうけてよいということもない、長期的に見て収支が相償うをもって足りる。すなわち利潤追求でもなければ、単に収支を度外視して収入は少なくてもよろしいというたてまえにもなっておらない、このように理解しております。
#173
○案納勝君 私はそんな言い方を聞いているんじゃないんですよ、よく聞いてくださいよ。
 黒字になるように経営するのが本来の姿なのか、これが第一点だと言っているんですよ。赤字になってもやむを得ない、言いかえると中には事業の性質上赤字になるべき諸要因を本質的に含んでいる、これが第二点だと、第三点は、いかなる理由を問わず収支相償うように運営されるべきなのか、そのうちのどれだと聞いているんですよ。いままで論議をしてきた経過を踏まえて聞いているんですよ。
#174
○政府委員(高仲優君) 郵便法の定めるところにより、理由のいかんを問わずという文言はいささかきついかと思いますが、収支相償をたてまえとしておる仕事であると理解をしております。
#175
○案納勝君 それじゃ、先ほど大臣がまあ大概のところで接点をと言った、今回の郵便法の料金値上げに伴う財政見通し、展望というのはどういうことになるんですか。まるっきり違うじゃないですか、どうなんですか。
#176
○政府委員(高仲優君) 先ほどちょっと申し上げたのでございますが、私はあくまでもこれは長期的な展望で見た場合、単年度の個々の問題につきましてはその都度いろいろな事情があろうと思いますが、長い目で見た場合には、第三の範疇、収支相償が理想である。これは郵便法三条に規定されておると理解いたしております。
#177
○案納勝君 高仲さん、あなたよく質問の要旨をとらえて――
 先ほど、私は、郵便の料金値上げをして財政見通し、将来展望はどうなっているんだと言ったら、さっき、来年、五十一年度はわかりませんと言うんでしょう、五十一年改めて相談しますと。単年度ですら膨大な赤字が出てきている。五十一年度は二千八百億の累積赤字になる。そういう財政のいまの立て方があなたの言う収支相償のように運営されているのかどうかと聞いているんですよ。
#178
○政府委員(廣瀬弘君) 事柄が財政の問題と関連して御質問でございますので、私からもお答えさしていただきたいと思います。
 先ほど官房長が申し上げましたのと全く同じでございますが、単年度を見まして収支が相償わないというのは過去におきましてもあったわけでございます。ただ、企業の性格といたしまして長期的に見て収支相償と申しますか、独立採算というものをたてまえとすべき企業であるという意味で、若干特別の年次をとってみますと、その年次にはいろいろな財政措置がなされておる。たとえば借入金が行われておるとか、そういうような年次はあったはずでございます。そういう意味で短期的に見ますと収支相償ではない時点がございますけれども、長期的にながめて、郵政事業といえども、あるいは公企業といえども、受益者負担の原則による独立採算制を貫くべきである、こういった種類の企業の例外ではないというふうに申し上げたいと思います。
#179
○案納勝君 私は第三条の問題についてはまた触れるけれども、私が聞いているのは、先ほど石井郵政局長は何回か繰り返して、郵便事業が国家の独占事業になり国営になっている理由は何かと聞いたときに、民間企業では全国的な事情等もあって料金の低価を期しがたい、以下さらに私は申し上げましたが、どんな山間僻地にも郵便サービスというものを国民にあまねく公平に、しかもできるだけ安く、社会福祉を増進する性格からいえばそういうものを裏打ちをされている企業だ、あるいは民営ではできない全国組織を持つことが必要でありということを幾つか指摘をした。
 いま、私は聞きますがね、あなたたちはまず前提に独算制が頭の中にあり、収支相償制度が頭の中にあるから、そういう答弁しか出てこないんです。郵便事業とは何かと聞いて、いまさっき三つの性格を聞いているんです。あなたたちの出されている文書「収支率から見た郵便局」、この中にも四十一名以下の小局の分野については収支関係はすべて赤が出ている。私は、郵便事業の性格というのは、後ほども言いますが、その性質上赤字になるべき諸要因を抱えている、そういうものを含んでいる事業だと、こういう立場から郵便事業というものを国民の公共事業としてとらえていかなければ、あなたたちが口に言う国民のための郵便事業なんて出てきはしないですよ。あなたたちはもうまず企業性の上に立ってものを考えようとするところに私は今日の郵政省、郵便事業の実態があると思うんです。
 これはこれ以上がたがたやったって始まりませんが、そこで大臣、私は、今日の政治の三木内閣の基本というのは社会的公正を確保して、社会的福祉の確立、ここが三木内閣の基本だと思います。その立場で高度成長政策を見直し、経済を見直して新しい計画を立てようというそういう政策を打ち出されていると思います。国民に欠かすことのできない通信手段として公営企業である郵便事業の場合には、私はいま言うその政策、本当に郵便事業の実践をすべき課題を持った企業だというふうに理解しますが、大臣、いかがですか。
 そして、あわせて、時間がありませんが、あなたたちがそういうふうに先ほどからお二人で収支相償う制度だということを盛んに強調された。先ほど高仲さんが言いましたイギリスの郵電公社、アメリカの郵電公社、西ドイツの郵電公社、フランスの郵電省、収支はどうなっているか、それをひとつ大臣の答弁の終わった後、聞かしていただきたい。
#180
○国務大臣(村上勇君) 余りむずかしいことはわかりませんけれども、郵便事業は先生御指摘のとおりに、公共の福祉に沿うということがこれが大前提にならなければならぬと思います。
#181
○政府委員(高仲優君) まず英国につきましては、一九六七年以降七三年までの年度をとりまして、一九六七年以外はすべて赤字と承知いたしております。
#182
○案納勝君 七一年、七二年でいいです。
#183
○政府委員(高仲優君) 七一年は赤字でございます。金額一千三百万ポンドの赤字、七二年が四千三百万ポンドの赤字、七三年が五千八百万ポンドの赤字と承知いたしております。
 米国につきまして、同じく七一年、七二年、七三年を申し上げます。二億四百万ドルの赤字、一億七千五百万ドルの赤字、一千三百万ドルの赤字。
 フランスにつきましては、一億二千万フランの黒字、五千八百万フランの赤字、七億四千六百万フランの赤字と承知いたしております。
 西ドイツについては、郵便、電気通信両方の合計の数字しか持っておりませんが、それぞれ三カ年通じて赤字と承知いたしております。
#184
○案納勝君 イギリスの場合の一般会計の繰り入れは先ほど申し上げましたが、いま言われたように、それぞれイギリスの郵電公社、アメリカにしてもしかり、西ドイツにしてもフランスにしてもしかり、全部赤字になっていますね。私はこれは郵便事業の持つ性格というものを国際的にも端的にあらわしていると思います。
 そしてフランスの場合には電気通信関係の黒字によってこれは賄われている、あるいは西ドイツの場合においても電電の黒字によって一定の経営で収支を賄っておるわけです。それぞれ各郵電公社や各郵電省については、電電、郵政、あるいは中には貯金をフランスみたいに持っている。こういう三企業が一体になって収支というものが実は立てられてきている。そしてそれは総体的に郵便というのは赤字になっている。収支相償の原則をとりつつそうなんです。私は、いかに郵便事業というのが国際的にも、先ほど委員長が国の独占企業としての性格から補足質問をされましたけれども、そういう性格を持って各国とも同じような状態にあり、それが同じような性格を持つがゆえにそういう結果が出ているということをしっかり認識をしてもらいたい。
 そこで、私は、収支適合の原則という、この問題についての公共性との調和の問題について郵政省の考え方を少しただしたいと思うんです。
 郵便法第三条に「健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」こうあります。健全なる経営の中身というものは、どんなものをこれは指しているのか明らかにしてもらいたい。
 そして第三条というのは、これは独立採算制を規定しているのか、このことをひとつ端的に簡単に説明していただきたいと思う。
#185
○政府委員(廣瀬弘君) 郵便法第三条に定めておりますところの収支相償ということでございますが、これは郵便料金の決定の一般的な基準を定めたものであると私は考えております。郵便料金は、「適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」という規定でございますので、これは文字どおり収支相償、独立採算制のことを言っているというふうに考えるわけでございます。
 それから「能率的な経営の下における適正な費用」と申しますのは、能率的な経営のもとで適正なサービスを提供するに必要な費用ということでありまして、料金収入で賄うことが一般に妥当であると認められるものであります。
 それから「健全な運営を図ることができるに足りる収入」とは、言いかえますならば拡大する需要にこたえて適正なサービスを提供し、正常に企業を運営していくのに必要な財政的基盤を確保し得る料金収入である、こういうふうに考えております。
#186
○案納勝君 そうすると、郵政事業の、あなたの言う説明で独立採算制のもとでは、これもクイズではありませんが、一つは一定の量、質のサービスを提供することを前提として、そのために必要な経費は、もちろん拡張も含めて改良のための積立金なども含めますが、すべて料金で回収するという、そういう立場なのか、もう一つは、逆に、一定の料金で回収できる限りしかサービスは提供しないものか、いずれの企業なのか、どちらか。
#187
○政府委員(廣瀬弘君) 一つの問題は、第三条の後段の御質問かと思いますけれども、これにつきましては、たとえば公正報酬のような経費につきましては、一応、将来拡大再生産をするに必要な経費として見得る余地を残した規定ではないかと私は考えております。
 ただ、現在のところ、そういう意味で運用しておるかと申しますと、現在の料金決定の基準といたしましては、後段を使った考え方をとっておりません。しかし、場合によってはそういう料金の決定の仕方もあり得るというような規定ではないかと思っております。
 それから「能率的な経営の下における適正な費用」というのは、文字どおりその能率的な経営、そういうものをするために必要な適正な費用、それを償うようにしなければいけないというものであると考えております。
#188
○案納勝君 私が質問しているのは、サービスを提供するでしょう、で、いま言うそれを償う経費、再生産のための経費、そういうものも料金で全部回収しますと、こういうものか。あるいは料金は一定の限度があるわけです、公共企業としての。その限度がある中で料金で回収される、その限りしかサービスを提供しないという、どっちなんだと言うわけですよ、心して答弁してくださいね。
#189
○政府委員(廣瀬弘君) これは能率的な経営のもとで必要な経費ということでございますので、適正なサービスを提供する、それが前提になって、それに必要な経費というものを確保するというふうに考えたいと思います。これは先生ただいまおっしゃいました前者に当たるかと思います。
#190
○案納勝君 そうすると、そこには公共性や国民福祉を増進をさせる事業の性格――私、先ほど前段で大分やりました、結びついてこないじゃないですか、企業性の押しつけじゃないですか。
 郵政事業というのは本質的に赤字にならざるを得ない要因を含んでいる、そういう分野を含んでいる事業なんです。しかも国民の社会生活ではその生存権にすら必要な事業なんです。そうしますと、あなたの言う答弁から言うと、独立採算制というのは本来的にそういうものを否定をした、そういう結果しか出てこないように私は理解しますが、違いますか。
 それで、あわせて純粋な企業体として――企業体というのは私企業です、要するに収支バランスが運営される適当な企業なのかどうか、郵政事業は。私が先ほど言ったのを踏まえて、どうなのか、あわせて簡単でいいから。
#191
○政府委員(廣瀬弘君) 先生のおっしゃいました点は、私もどのようにお答えしたら御理解いただけるかと思いますが、現在、第三条で規定いたしておりますのは、あくまでも適正な費用を償うに足りる料金でなければならないという意味では、私は独立採算制を否定したことではなくて、むしろ収支相償の原則を明確にうたった条文ではないかというふうに考えます。
 ただ、全国的に見て、先生先ほど御指摘になりましたように、四十人以下の局あるいは場所によっては収支相償わない局がある、あるいは人件費も相当高騰しておるというような条件はいろいろございます。ございますけれども、全国的に見て、あるいは長期的に見て収支が相償うような形態で営まるべき企業である、こういうふうに私どもは第三条を解釈してまいりたいと考えております。
 それからもう一つ、第二の問題でございますけれども、郵政事業は、先ほど来郵務局長がお答え申し上げておりますように、公企業の典型的なものであろうと思っておりますので、私企業にはなじまない性格だと思います。ただ誤解のないように申し上げておきますけれども、公企業といえども私は一時的な損益ということはあり得るものというふうに考えております。
#192
○国務大臣(村上勇君) むずかしく話すからなかなか私はわからないんですが、私は、これは率直に第一条はもうけちゃならぬぞ、徹底的に奉仕しろ、第一条ですね。第三条では損しちゃならぬぞ、いわゆる収支相償ということが含まれておりまして、まことにりっぱな一条、三条、みごとな兼ね合いの法律だと、こう思って私はそう解釈しておりますが、間違っておったらひとつ……。
#193
○案納勝君 私の質問が少しむずかしく組み立ててあるからかもしれませんが、大臣は端的に言っているけれども、私はむずかしい質問で私企業で運営されるとかどうとかと聞いたんじゃない、企業体として収支を、まずそれを前提にした企業体としては成り立たたない企業だというふうに、こういう前提を持って私はさっきから質問しているのです。
 というのは、ここでまあ聞きますと長くなるのですが、ただ端的に聞きます。郵政事業の、後ほど聞ますが、原価の問題、原価構造というのはどういうふうになっているのか。企業ベースではいけない事業の性格を有する幾つかの要因がたくさんあるわけであります。それらを踏まえて郵政事業の原価構造というのはどんなになっているのか、経理局長はどういうふうに理解しているのか、後ほど原価問題に触れますから、それだけ簡単にお答えください。
#194
○政府委員(廣瀬弘君) 原価構造という御質問のお答えになるかどうかわかりませんが、私どもが現在とっておりますやり方は、決算をもとにいたしましてその中から原価要素を抜き出します。これによって計算するわけでございますが、全国の郵便局の中でサンプリングをいたしまして必要なモデル郵便局を抽出いたしまして、それで調査をするわけでございますが、これによって原価並びに収入を計算いたしまして原価上の損益を算出しております。
 ただ、郵政省が現在やっておりますやり方は、総合原価主義と申していいかと思いますが、個別に各郵便の種別につきまして損益を一応は出しておりますけれども、総体として原価を償い得るような、そういうことになるような方式、それを私どもは一応総合原価主義という言い方でやっておりますけれども、そういう形で原価をとっております。
#195
○案納勝君 私は、経理局長ね、郵便物というのは大ざっぱに分けて個人の信書、それと官庁及び企業の文書、それとそれから商業物件、ダイレクトメール、こういうふうに三つに分けられると思うのです。
 まず、あなたたちの言っている推論からいきますと、商業的物件というやつはもう企業ベースで取り扱うことができるはずです。しかし、それ以外の文書、個人の信書等については、私は企業的なベースではいけない性質を持っていると見ているのです。企業ベースというのは可能な限りコストを低下させて、価格をつり上げて、売上高の増大を図って収益の増大、利潤の増大を図るものでしょう。これはあまねく公平に、公正に秘密を要求をしないもの、そういう郵便物というのはそういう一面を持っていると思うのです。しかし、今日の情報社会の中では商業物件に至っても、これらのいまの信書と同じような要求がより公平に津々浦々まで低価でしかも情報の伝達として政策的に必要を迫られてきている、そういうふうな性格が私はあると思うのです。
 しかも、先ほど言った津々浦々ということになると、私がこの間のときにも申し上げましたが、特定局の段階あるいは小局の中に、どんな山奥にも戸別に配達をするという、機械化については限度がある、外勤の労働については依然として人力に頼らざるを得ない。こういう面で省力について限度がある、こういう状態の中で人件費の占める比重が大きくなる。原価の低減は少なく、逆に、ダイレクトに原価を増大をさしていく、こういう原価構造というのを郵便事業は持っている。その中で企業性の確立を余り強調をし、原価を償い利潤をもたらす料金を設定をするということは妥当ではないのです、この企業については、私はそう思う。したがって欧米諸国においても郵便の段階で今日どこの国においても同じような悩みを抱えている。私はそれはそれとして理解をして、公共性、先ほど言われたようなそのものを第一義にして、そして企業の収支というものについての調整を考えていく、こういうあり方というものを私は原則に据えていかなければならないと思う。
 そこに出てくるのは料金制度の問題、種別の問題があります。あるいは後ほど申し上げる割引制度等の問題もあります、たとえばまた先ほど言った政策料金に関する部分の問題もあります。ところが、いま郵政省は信書に、一種にすべての赤字を全部ぶっかけて、国民大衆の負担を企業と同じようにぶっかけて、料金を、一種の料金じゃないけれども、そこであなたたちのとっている、個別原価でない総合原価方式というものをとってるんじゃないですか。私はこのやり方というものについて、たとえば明治五年ですか、地域的料金が全国的に一本化された、そういう意味での総合的原価というのは私はあり得ても、全体の赤字の部分、企業通信の赤字の部分を一種に全部かぶせてやっていくといった料金のやり方等については、いまは転換をしなくちゃならぬ時期にきているのじゃないのか。歴史的沿革があるとよく言われる。百年の歴史がある。しかし、いまやそういう歴史的なものというよりも、新しい今日の時代に適応する料金体系というようなものを、こういうものを福祉というものを前面に立て、公共性を立てて郵便事業というものを見直していかなくちゃならぬときではないかと私は考える。その意味で、先ほどからくどくなるように政策料金の問題やその他の問題、国の政治責任の問題を私は言ってきたわけで、その辺どうですか。
#196
○政府委員(廣瀬弘君) これは非常に大きな問題だと思います。ただ、先ほどから私も繰り返しておりますように、郵便事業というのは、これはあくまでも郵便を利用される方々が受益者負担の立場でこの料金を負担すべきものということを考えておるわけでございます。
 たとえば個別にながめますと、それぞれ原価を十分に回収できないもの、収入になっているものがございますし、また地域的にも収支相償わない地域もございます。しかしながら全体として、地域的にもあるいは種別の全体として考えました場合にも、収支が相償うような料金体系をつくっていくことが望ましいというふうに考えるわけでございます。
 それに対して、先生の御指摘のように、たとえば収支相償わない部分については国から一般会計によって負担しろというような御意見かと思いますけれども、これも先ほど申しましたように、一般会計から、一般会計の負担によって経営をするということになりますと、その財源はやはり税金ということにならざるを得ないかと思います。そうしますと、いずれにしても国民の負担になることには変わりがないわけでありまして、その部面でものを考えてまいりますと、税金で負担するよりはむしろ利用される方々がその利用度に応じて料金を負担するという方がより社会的に見ても公平の原則にかなうものではないかというふうに考える次第でありまして、繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、郵政事業につきましては、郵便法第三条の趣旨にのっとり、また郵政事業特別会計法の第一条の精神にものっとりまして、収支相償、独立採算制の原則というものを貫いてまいりたいというふうに私は考えております。
#197
○案納勝君 それじゃお尋ねしますが、三種、四種等の料金はどのように決められていますか。
#198
○政府委員(石井多加三君) 先ほどの郵便料金全体の決め方の御説明を申し上ました際に触れましたように、第三種につきましては、現在までの過度の料金割り引き政策をこの際転換して、少なくとも直接経費を賄うということを目安として今度の料金改定をお願いしたいということが一つ。それから四種につきましても、この社会的な公共性は重視しなければなりませんけれども、やはりなるべく直接経費を賄う料金に近づけるように努力しなければならないということが審議会の答申にも言われておるわけでございまするし、今後、私たちが省令でこういった問題を取り上げます際には、とのような答申の趣旨は尊重していかなければならない、かように考えているわけでございます。
#199
○案納勝君 四十八年の「一通(個)当たり原価・収入・損益」という資料を私はいただいています。そうすると三種の場合ですね、低料金扱いの場合に、原価は、四十八年度、この資料でいきますと、週三回のやつで原価二十四円六十七銭ですね、収入が六円六十六銭、損益マイナス約七〇%で十八円一銭の損益。それで今度は、郵便料金全体の種類別郵便物数及び収入の中では、三種は物数で十二億、構成比で九・三%、こういう状態の中で、赤字になっているきわめて大きな要因に、この第三種は、まあ一つの例を挙げますが、なっていますね、これは間違いないですね。きわめて少ない取り扱い物数で赤字に占める割合というのは大変大きい比重を占めています。これは、今度料金値上げすれば、収支とんとんになりますか、そういう計算になっていますか。
#200
○政府委員(廣瀬弘君) 原価で見てまいりますと、ただいま先生御指摘の四十八年度原価を料金改定後に引き伸ばして考えます。この場合、正確な原価とは申しかねますけれども、大体、人件費が伸びる程度原価も伸びるものと想定いたしまして計算いたしましても、先生御指摘のように、料金改定後収支差額は解消いたしません。
#201
○案納勝君 解消しませんね。
#202
○政府委員(廣瀬弘君) はい。
#203
○案納勝君 四種の場合も同じですね。
#204
○政府委員(廣瀬弘君) そうです。
#205
○案納勝君 そうしますと、三種、四種というのは、これは私は、もっとも三種の場合においては文化的な、その意味での社会的な、あるいは四種についても同じような意味を持った郵便物として、政策的に低額の料金で、原価に適合、収支に適合しないでも料金を決められてきた経過がありますね。
 そうしますと、先ほどあなたは受益者負担方式をとると、私は言葉にとらわれるわけじゃないが、郵便を出す人が出した分だけ収支に適合する料金を払う、受益者負担方式と結びついて、それは一応の理屈は成り立つ。ただ、こういった三種、四種の料金、低額または無料となっている料金について、これを何で一種に信書を出す人の中にかぶせてこなくちゃならないのか。先ほど石井さんは一種というのが、二種というのが郵便事業の根幹なので、この人たちに皆かぶってもらうんだと、私はこの理屈がわからないんです。国で、国の政策上実は低料金、無料化に抑えられているんでしょう、そしてそれはだれが利用しようとも国の政策として、しかも社会的にきわめて重要な役割りを果たす種別として国が一定の低料金で実施をしている。そうすれば、これについては国が責任を持って措置をその低額分についてすべきじゃないですか。
 お尋ねしますが、これは私はある意味では社会保障的な、社会福祉的な政策とも同じようなかかわりを持っていると思います。今日、三木内閣にしても社会福祉政策というのは国が責任を持ってそれを遂行するというたてまえをとっているはずです。たとえばNHK等の予算なんかを見てもわかるように、当然、たとえばNHKの料金といいますか受信料の中でも半額免除のところについて、国鉄の場合にしても防衛庁についても、それを起こした原因者負担ということで、たとえば防衛庁が半額を負担をする、あるいは福祉関係のテレビの利用については、政府がこれらについて当然受信料等を負担をするべきだという意見がこの間からも大変強く出ている。私はこういった政策料金についての部門について、他の料金でカバーをする限界というもの、こういうものをあなたたちはどう考えられておるのか。私はこれこそ国の責任で行うべき内容ではないか。そういうものを全部にかぶせて、一般的に信書を出す人にまでかぶせてくるところに、私は、今日の郵便事業全体がどんなにいっても先行き先行きひっかぶるだけひっかぶってきて国民に全部ツケを回しているといった事業の実情ではないかと実は心配をする。こういった問題についてどのようにお考えになっているのか、私は大臣の御見解を承りたい。
 政策料金については国が負担をすべきだ、三種、四種等について。この点について私は御見解を明らかにしていただきたいと同時に、そういったものをするとするなら、総合原価方式ということであなたたちが言われるなら、国民の前にこの原価を公表して、郵政事業はこういう状態になっている、原価は。これについて国民の皆さんに負担をしてもらいたい、こういうことを私ははっきりさせるべきだと思います。それこそ郵政事業が国民の事業としてその信頼にこたえていく、郵政事業に国民の協力を、そして合意を得られる道だと私は思いますが、これらについての御見解をひとつ承りたいと思います。
#206
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 政策料金ということについてのお尋ねでございます。いわゆる政策料金という言葉につきまして、その意味、内容ということにつきましては、必ずしも明確ではなく、いろいろの意味に使われておるように思われるわけでございます。まあ収支相償、先ほど来出ておりまする第三条の収支相償、あるいは独立採算ということを損なわない程度での、いわゆる総括原価という形での割り振りという中で、ある種別の料金が原価を割った低料に設定をされるというふうないわゆる料金構成についての、そういう原価を多少上下するような配分をする場合にこれを政策料金と、特に下回って設定する場合にそういう言われ方をしておられるわけでありまして、特に郵便料金の場合は、そのような意味で政策料金という言葉が使われておると思うわけでございます。
 そういう意味で言いますと、あくまでやはりこの料金の設定に当たりましては、この全体での総括原価主義の中で、あるものについては若干原価を下回り、あるものは上回るようなことになりまするので、その中で原価を割るものについて、これは一般会計からの負担ということになりますると、またそういう総括原価主義から離れてしまうわけでございます。過去におきまして、郵便料金の設定の仕方はあくまでそういう範疇の中で考えられてきたものであると思いまするので、私たちは今後ともそういうふうに考えてまいりたい。
 もちろん、その際には、いわゆる福祉政策とか、特に郵便料金の場合は、学術の振興、文化の普及といったような、確かにこれは郵便事業を離れて、国の施策に沿った考え方で郵政大臣が個別の料金を決めるということにはなるわけでございますけれども、それはあくまで郵便事業の総括原価の中での配分の問題であるというふうに考えられるわけであります。特に、このたびの、まだ決定いたしておりませんが、第三種の料金を今後取り扱う場合の指針となりまする郵政審議会の答申の中では、やはり一挙にこれを原価を賄うだけのものにするようにということは言っておりませんで、第三種につきましては、直接経費を、普通の程度のものにはしなければならないのではないか、それだけにしてもなおその上に赤字が当然残るわけでございますけれども、その程度のところは、他の一般利用者、郵便事業全体の利用者の負担の中で消し込めるのではないかという考え方であろうかと思いまするし、第四種につきましては、その直接経費にできるだけ近づけるようにということで、三種とはまた少し低い料金の決め方を指示してありますが、そういった作業をした上でなお出ます赤字については、いま申し上げました総括原価の中で、他の料金に若干その点は負担が回るということになろうかと思います。そういう考え方は肯定されているのではないかと考えておるわけでございます。
 なお、先ほど申しました第一種だけに負担がまいるということは、ちょっと私の説明が十分でございませんでした。あるいは今後考えておりまする特殊料金、あるいは特に速達とか書留とかいったようなそのような料金は、原価から見ますと若干余裕がある料金に答申はなっておりまするので、そういったようなものも三種、四種の赤字をカバーするものとして考えられておるわけでございます。ただ、今度は、従来以上に第二種の赤字が大きかったわけでございまするので、全体としてはかなり大きな赤字が消し込めなかったものが残っておるわけであります。
#207
○政府委員(廣瀬弘君) 原価の問題でございますけれども、料金設定をする際に、私どもは原価をそのまま料金に反映させるという考え方は持っておりません。
 これも繰り返しになりますけれども、私ども郵便料金を設定する際には、全体として予定される期間の収支の問題、あるいは種類別のバランスの問題だとか、あるいは個別料金間、まあ同じようなことでございますけれども、個別料金の間に調和が保たれておるかどうかというなこと、あるいは利用される郵便物がどの程度公共的性格を持っておるかというようなこと、利用者の負担力の問題、こういったことを総合的に考えながら種別的な料金が設定されていくように私どもは考えております。しかしながら、まあできるだけ原価に近いものを料金として設定していくということは望ましい面もございますので、直接費はなるべく回収できるようなそういった形で三種などの料金は考えられてきておるわけでございます。そういう次第でございまして、原価がそのまま料金になるというような考え方はとっておりません。
 しかしながら、先ほど御質問のございましたように、これは郵政事業はあくまでも公企業でございまして、私企業と違いまして原価を厳に秘密にすべきものではございません。経営指標でございますので、強いてどの場所にも公表してしかるべきものというふうには考えておりませんけれども、その公企業の性格から申し上げまして国会の審議の場においてこれを御説明申し上げたり、あるいはその原価につきまして問題がございます場合には、これを秘密にしないでお知らせするという努力は今後とも続けてまいりたいと思います。なお、そのもとになる予算、決算等につきましては、これは当然のことでございますけれども、その数字につきましては国会の審議をいただいておるわけでございます。そういった関係もございまして、秘密にするというような考え方は持っておりません。
#208
○案納勝君 私どうも納得できない。国民だれもいまの石井さんと経理局長の話を聞いていてわからぬと思いますよ。そんなところで協力をしてくれと言われたって、それは国民の場合きわめて厳しい批判が出ている今日、むずかしいと思うのですよ。そして先行き五十一年度どうなるかわからぬような状態。
 国の欠かしてならない国営企業であり、そしてその中には国の政治とのかかわりを多分に持つ政策が大きな影響を占めておる分野、それは社会福祉にもつながっている、それだけにそのことを国民の理解と協力を求めるという措置を私はとるべきだ。そのことが私は郵政事業を本当に国民の事業、国民の協力あるいは合意を結びつけていく事業として将来の展望をつくることができる問題だと思いますよ。
 あなた一部だけ委員会に、あるいは一部だけ説明します、こう言っておられますけれども、国のやる事業なんですから、国民の協力が得られなくちゃならない事業なんです。その意味では、この総合原価方式をとる、それを立てるには個別原価というものを一定の物差しとして出す、それに基づいて国民に負担をかけていくというならば、このことを明らかにすべきじゃないですか、大臣、とうですか。――それじゃまた後ほど大臣から御答弁いただくとして、次に続けます。
 大蔵省の主計官の方は結構です。どうもありがとうございました。
 個別問題に時間の関係がありますので入りたいと思います。私は割愛をせざるを得ない部分もあるかもしれませんので、結論だけできるだけ簡単に要点についてのみ答弁をいただきたいのです。
 私は、今日の郵便事業の置かれている現状から考えて、郵便事業への信頼性というものをもっと回復をすべき、けさ来、参議院における四十七年決算についての警告書について御理解を承りましたが、郵便事業に対する国民の信頼というものはきわめて私は今日悪いと思います。それだけに、指摘をされておる分野が多いだけに、決算問題について警告が出されてきた。その最大のものというのは何かというと、いま郵便のサービス基準、この今日までのサービス基準というものを公共の福祉の立場から見直してみるということが今日ほど必要なときはないのです。この点の問題が、実は、送達速度の問題や郵便の割引制度等の問題や優先取り扱いの問題に出てきているのではないか。したがって郵便事業の持つ性格から、その使命から、そのサービス基準というものをもう一回公共の福祉という立場から見直してみる、こういうことがあって私はしかるべきではないか、こういうように思います。
 というのは明治四年創業以来、迅速、安全、確実という三つの柱が目標にされてきました。で、きょうはこれらの問題の中で送達速度等について、郵便ダイヤについて深く突っ込んでは論議をしようと思いませんが、この郵便ダイヤというのは、主要都市間相互の翌日配達というのを原則に立てられています。ところが、実態については守られていません。これらの今日最大の原因は何かというと、それは要員と物数とのアンバランス。そういう面から私はもっと、あまねく公平になっていないという、主要都市相互間でない地方については明らかなそれには差別が出てきていますよ。また、通信手段が郵便、電報以外に求められなかった明治時代ならいざ知らず、電話の普及や多様な通信手段の発展をした今日の段階では、もはや郵便物というのは安全で確実に届ける、こういう機能が完全に守られてこそ事業の信頼を回復する、そういうことにつながっていくというふうに私は理解をするんです。今日の速達制度、速達郵便についても、速達としての機能を十分果たしていないというふうに、私自身、経験の上から実は感じるんです。
 したがって、いままでの迅速、安全、確実という目標、そしてそれを中心にした郵便サービス基準というのを、公共の福祉というところに見直した上で確実に安全に郵便の送達をする、そういう意味で郵便制度、郵便事業というものの信頼を回復していくという、制度そのものについて私は見直す必要があると思いますが、郵務局長等の御見解を承りたいと思います。
#209
○政府委員(石井多加三君) まず、最近における業務の運行状況でございますが、ただいまいろいろお話がございましたけれども、いわゆる組合の闘争時といったような特殊な時期を除きますと、普通郵便物につきましては約九〇%程度、速達につきましてはほとんどのものが予定の日数で配達されておるというふうに見ておるわけでございますが、なお、この点につきましてはいろいろ至らない点もございまするので、一層送達日数の確保に努めて、安定したサービスを提供できるように努力してまいる所存でございます。
 なお、郵便物の集配運送計画を立てるに当たりましては、ただいまお話がありましたように、正確、安全、迅速ということは郵便に携わる者の心構えということで、従来からこの点が基本精神として取り上げられてきたものでございまして、これからもこういった精神は決してなおざりにしてはならないというふうに考えるわけでございます。
 ただ、実際の送達速度の問題は、ただいま御指摘にありましたように、昭和四十六年の郵便料金改正の際のお約束として、全国の主要な郵便局にこれを掲示するということで、平常の状態において全国の主要都市間の日数表を発表したわけでございます。その後、昨年のいわゆる航空機の夜間便の廃止の問題が出ましたために、当初お約束いたしました日数は半日ないし一日すでにおくれるような修正をいたしまして現在掲示をいたしておるわけでございますが、今後も、社会、経済、交通等のいろいろな諸情勢を見詰めながら、現在の送達速度というものも果たして妥当なものであるかどうか、社会情勢の変化に応じまして、たとえば今後労働条件の改善の問題等もありまするから、いろいろ郵便サービスのあり方等に関連いたしまして絶えず検討が必要であるというふうに考えておるわけでございます。
 当面は、郵政審議会の答申の線に沿いまして、配達の一度化とかあるいは窓口時間の短縮といったような問題と取り組みたいと思って現在検討を進めておるところでございます。
#210
○案納勝君 私は、いま石井さんが言われた送達速度の問題について九〇%程度事実上平常時の場合に行われているということについては、多くの疑問を持つんです。一々やればこれは二時間ぐらいかかりましょうから省きますが、いずれにしても、私は、事業全体がいま置かれている状態というのはなまやさしいものでないだけに、十分な御検討をお願いをしたいと思います。
 それとあわせて、私は一種、二種、特になかんずく一種の種別について再検討をすべきではないか、こういうふうに思います。
 その第一は、大口差し出し郵便物の割引、これはいま、差出人の自己負担に対する対価として大口差し出し郵便物について割引がとられています。ところが、これは本来ならば郵政省自身が郵便サービスを強化して適正化を図らなくちゃならない課題ではないか。大口差し出し郵便物というのはこれはもう大企業ダイレクトメール的な内容のものが多い。この割引制度を廃止をして正当な料金をいただく、そういう原則の上で郵便サービスについては強化をして適正化を図る、こういう措置を私はとるべきであり、少なくとも大口郵便物の割引制度というのは再検討をすべきだと思いますのが第一点。
 さらに、郵便物の種類によっては、たとえばダイレクトメールなど、例を挙げますが、政策料金あるいは一般会計の補助を受ける、あるいは他の信書と同等な取り扱いをする、こういう原則でなくして、収支が適合をされるという料金制度をとっても当然だと思う郵便物が私はあると思います。一種と五種について統合がされましただけに、定形内・定形外の郵便物の中に、私はこの一種の郵便物を再整理をして、再区分をする必要があると思いますが、これについてどのようにお考えになっているか、一種の問題についてお尋ねをしたいと思います。
#211
○政府委員(石井多加三君) 大口利用者に対する割引制度は、郵便法の第二十七条の三という項目で掲げられておるわけでございまして、御指摘のとおり、大口利用者が大量に郵便を出す場合、区分協力をしてもらった場合に割り引くという制度でございまして、郵便が大量に一時に出されます場合に、利用者の方が郵便局の方で指定する区分をしていただきますと、郵便局の中で発送をする事務の手数が軽減されます、その結果、郵便局の省力化が図られるということで、その手数の軽減度合いに応じて料金の一定割合を減額しておるという制度でございまして、これはただいま御指摘のとおり、昭和四十一年の郵便法改正で実施されたものでございます。このときの改正には、ただいま御指摘の第一種と第五種の統合ということも同時に行われたわけでございますが、この制度が創設されて以来、郵便の作業の省力化に私たちとしては役立っておるというふうに考えるわけでございまして、これによって減額しておる金額に応じた利用者の協力はいただいておるというふうに考えられるわけであります。
 今後も、業務量は年々増加すると思われますし、また一方労働力というものの需給の逼迫というようなことも考え合わせますと、この制度の利用はさらに拡大していくことがむしろ必要なのではないかと考えまするので、その点は、先生の御意見に必ずしも私の方は御賛成いたしかねるわけでございます。
 それから、第一種の中で、ただいまダイレクトメールのようなものは少し割り高な料金を立てたらどうかという、そういう御趣旨の御意見だったと思うんでございますけれども、この問題も、実は、昨年あるいは一昨年の郵政審議会の議論の中でもいろいろ議論をされたところでございまして、結論的には、郵便の内容によって料金に差をつけるということは技術的にもむずかしいというようなこと等がありまして、これは同じ料金というふうになっておるわけでございます。
 なお、わが国では、このような大量に差し出されます郵便も一通ずつで出されます郵便も現在同じ料金になっておりまするけれども、ちょっと外国の例を申し上げて恐縮でございますけれども、まあ欧米諸国、イギリスでもアメリカでも西ドイツでもむしろ一時に大量に郵便を差し出します場合には、いわゆる大量割引と申しまするか、特に印刷物につきましてはそういったような割引の制度がございます。各国ともありまするけれども、たとえば西ドイツ等で見ますと、印刷物につきまして書状で出されるものと大量に印刷したもので出します場合の料金が、書状の場合は二十グラム以下が三十ペニヒに対しまして大量に印刷したものが出される場合は同じ二十グラム以下が十五ペニヒでございまして、半分になっております。こういうような商業主義と申しまするか、大量に出される場合には安くしてまあ事業の収入の確保、増大を図るというか、そういったような考え方もむしろあるわけでございます。
 わが国におきましては、その点、一万通出しても一通出しても同じ料金を取っておるということは、そういう意味で言いますと企業等に対してはわが国の郵便料金はむしろ厳しい料金になっておるというふうに考えられますので、ただいまのダイレクトメールとか印刷物とか企業の出しますものを普通の信書等よりも高い料金にするということにつきましては、そういった点等も考えあわせますると国際的にも逆行するものではないかと考えます。なお、こういった点につきましては、先ほどの郵政事業の今後の展望についていろいろ審議していただく場をまたつくらなきゃならぬと思いますから、そういった場でも、今後、いろいろ議論を詰めていただきたい問題であるとは考えておる次第でございます。
#212
○案納勝君 それで大臣にお尋ねをしますが、先ほど私は繰り返し郵政事業の性格やその他使命について申し上げてきましたが、いま歴史的にどうだこうだと言う前に、今日の時点で、最も国全体の施策が福祉への転換が迫られておるという面から郵便事業も同じような状態に置かれておる。私は本会議でも質問しましたが、今度の郵便料金の値上げが最も社会的に弱い層にきわめて厳しくしわ寄せをされてくるということになることは言うまでもないと思います。
 身障者の郵便物の無料化、低料化あるいは通信教育受講者の負担軽減、学術団体等の研究通信などについての負担軽減、これらについて社会政策上国の責任で私はいまの料金体系を再検討すべきだと思いますが、なかんずく大臣は身障者家庭についての無料はがきの配付などということを一回新聞に発表されたことがありまして、途中で取り消されたこともあります。これらの福祉料金の体系をつくることについて、今回特に大幅値上げになるだけに、大臣としてどのようにお考えになっておるのか、どのような措置を実行されようとしているのか、ひとつ伺いたいと思います。
#213
○国務大臣(村上勇君) 現在、身体障害者のうち、視覚障害者について盲人用点字は、これはまあ全部無料となっております。これは日本だけでない、世界的にそうなっております。盲人用郵便に限って無料とされているところでありますが、これは盲人の方々は、郵便利用上、郵送料金を多く負担せざるを得ないというハンディを背負っておることを考慮して軽減するという趣旨に基づいて無料としておりますが、御質問の点は、盲人以外のいわゆる身体障害者に対するいろんな手当てをしたらどうだということであろうと思います。
 この点に関しましては、これはやはり郵政省だけで考えるべきことであるか、あるいはまた政府全体として社会福祉的なことでやるべきであるか、なお今回の大幅な値上げに対して何らかの手を打たなければならないかということについては、まだ関係方面とも意見を交わしておりませんので、これについてはひとつしばらく検討してみたいと思っております。
#214
○案納勝君 それじゃあれですか、今回の値上げに伴って社会福祉的な政策として郵便料金の問題で打ち出したのは、盲人用点字と、それから第四種の農産種苗、食糧標本の廃止――廃止は社会福祉と言えませんが、盲人用点字だけを無料化したという、それだけですか。そのほかに考えてはいない、料金制度の中に社会保障的な福祉料金というものは考えていない、こういうことですか。
#215
○国務大臣(村上勇君) 考えていないというわけでもありませんので、どういうふうにするかについて、もう少し検討さしてもらいたいと思っております。
#216
○案納勝君 検討さしてくれというのは、この郵便料金の審議の過程で、その検討の結果を発表するということですか。
#217
○国務大臣(村上勇君) 審議の過程において何らか政府全体のひとつ見解を示したい、こう思っております。
#218
○案納勝君 それでは審議の過程で明らかにするということでありまするから、大臣、誠意を持ってこのことについて国民が拍手をするような、そういう福祉料金を立てていただくことを強く要請をしておきたいと思います。
 そこで時間の関係もありますので、さらに結論を急いで質問をしていきますから簡潔にお答えをいただきます。
 郵政事業は三事業によって成り立っていますね、郵便、貯金、保険三位一体という国民の信頼をその中で受けてきておるわけでありますが、三事業間の人事交流というものは最近は活発に行われておりますし、勤務の中でも総合服務等が小局運営の中で行われております。地方の田舎に行きますと、この総合服務の関係もあって郵便の配達も貯金、保険の募集も集金も一人の人が行う、こういう運営になっているわけですが、財政上は郵政特別会計、郵便貯金特別会計、簡保特別会計で、私はこれは今日の財政上の欠陥の一つではないかと思います。
 そこでお尋ねしますが、各貯金、保険特別会計の剰余金は現在幾らあるのか、五十年度郵政特別会計に繰り入れた額は幾らになっておるか、明らかにしていただきたい。
#219
○政府委員(廣瀬弘君) 五十年度予算におきまして、郵便貯金会計の収支上の差額、当該年度の利益金は九百二十二億の赤でございます。それから簡保会計におきましては、剰余金が五十年度予算におきまして九百三十四億と相なっております。
 それから繰入経費でございますけれども、五十年度予算におきましては、事務費の繰り入れは、貯金におきましては二千九百二十二億、さらに営繕費の繰り入れが百十六億ございますので、トータルいたしまして三千三十八億ございます。それから保険関係でございますが、これは事務費の繰り入れが二千三百三十一億でございます。それから営繕費の繰り入れが八十三億でございまして、合計いたしまして二千四百十四億でございます。
#220
○案納勝君 いま説明されました事務費繰り入れ、その基準ですが、建設勘定を別にして、管理業務、共通業務、医療施設運営費、養成施設運営費等、これらのそれぞれの繰り入れが行われていると思うんですが、それはどういう比率でどういう基準になっているんですか。
#221
○政府委員(廣瀬弘君) 事業に直接必要な経費はそのまま繰り入れます、ただ、共通管理というような経費は、大体、人員比によって分担することが同時に業務量比に相なるかと思いますが、そういう形で繰り入れを行っております。
 それから営繕費は先ほど別とおっしゃいましたけれども、営繕費につきましては、これは固有のスペースにつきましては固有のスペース分、それから共通部分につきましてはそれぞれの会計の持ち分比によりまして繰り入れております。
#222
○案納勝君 もう一回もとに戻りますが、貯金の剰余金、九百二十二億赤字と言われましたね、間違いないですね。それで保険の場合も、もう一回、これは衆議院での答弁と大分違いますが、その辺を明らかにしてください。
#223
○政府委員(廣瀬弘君) 先ほど申しました九百二十二億の赤字というのは五十年度予算におきます単年度の赤でございます。五十年度予算におきまして前年度からの剰余金がございます、これは千百四十億ございますので、その五十年度単年度の赤を差し引きますと、二百二十億の剰余金の残高は出ます。ただ単年度でながめてみますと、五十年度は九百二十二億の赤ということで、変わりございません。
#224
○案納勝君 保険は。
#225
○政府委員(廣瀬弘君) 保険につきましては、九百三十四億という剰余金については変わりございません。
#226
○案納勝君 私は、この辺、たとえばこれだけの剰余金が、貯金の場合は単年度は赤といっても二百二十億、保険の場合は九百三十四億という剰余金があり、また郵便貯金については十九兆円に上る現在高が今日ありますね。これが単に郵便貯金の場合に資金運用部にそっくり行って財投に回るということでなくして、郵便事業の、けさ来から論議をしている使命とそして事業のあり方と今日置かれている実情からして、私は三事業一体となってこれらの問題について事業全体を生かすことが考えられてしかるべきじゃないか。
 要するに、いま繰り入れられている建設勘定以下事務費等のこの繰り入れの内容についても、私は、大臣、適正なのかどうかということをもっと洗い直してみる必要がありはしないか、こう思いますが、諸外国の場合に郵電公社みたいなところでも、片や郵便の赤字は電電の収入で補っておったり、相互そういう一体となった運営の中で諸外国の場合も行われています。なかんずく郵政の場合は三事業が全く一体化した事業運営である以上、これらの繰り入れの適正化あるいは郵便貯金の十九兆円に上る現在高のこの金についての運用について、私は、この郵便法の料金値上げにある今日の段階だけに再検討する必要があると思いますが、大臣いかがですか、その点の御見解を承りたい。
#227
○国務大臣(村上勇君) そういう御指摘のようなどんぶり勘定でやるうまみというものもありますが、しかし、また他面、それぞれの事業別に責任を持って運営していくということもまた妙味があると思います。
 で、従来からの一つのあり方をこれを大きく改革していくということになりますと、これはあるいは改革した方がいい場合もありますが、しかしいよいよ踏み切るためには相当検討を要すると思います。でありますから、こういう点については十分、その当事者でなくて第三者に十分検討してもらう、研究するということが大事だろうと思っております。
#228
○案納勝君 大臣、重ねてお伺いしますが、大臣としてはどう思われますか。第三者に検討させるというのは郵政審議会にそれを委託するということか、要するに付託するということですか、これはどういうことですか。
#229
○国務大臣(村上勇君) いますぐ私の思いつきで、審議会に付託、検討してもらうとか何とかいうようなことを申し上げるわけではございません。とにかく従来もこの点については十分検討してきたはずでございますが、その結論が得られておらない今日において、いま私が急にこれからどうしますということを申し上げることはちょっと時期尚早じゃないかと思います。こういう点につきましては、先生の御指摘の点について私は十分角度を変えてこういうことも検討してみる必要があろうと思いますので、その点については私なりにひとつ考えさせてもらいたいと思っております。
#230
○案納勝君 大臣、郵便事業はけさ来から論議しているように、先行き全くまあ私はお先真っ暗だと思っているんです。五十一年度あんなに赤字が出る、五十二年度先行きもきわめて厳しい。そうして郵便事業の持つ使命からいって、きわめてまた国民の郵便事業としてその公共性は欠くことのできない重大なものです。それだけにその事業の将来を展望するとき、私は、こういったものについてできるだけ入れるものは入れる、政府が当然負担しなくちゃならないものは政府が負担をしていく、こういう一回全体を洗い直してみるという立場から申し上げている。そういう意味で、ぜひ私はこの三事業の一体化の運営が現実に行われる中で繰り入れ問題と資金の運用問題を御検討いただきたい。
 それから次に移ります。郵便サービスの確保の問題について、最近、都市、農村地帯いずれを問わず、夫婦共かせぎといいますか、そういう層が多くなっています、また出かせぎが多くなっています。で特に昼間などはほとんどいないという状態の家が多くなっています。したがって昼間に書留や小包が配達された場合には受領することができません。したがって遠方の受け持ち集配局に交通費を出して後ほど受領に出向かねばならぬという事態が数多くあります。
 これは規則の七十四条の関係ですが、私は市民の居住地に近い無集配の局、これに出向けば郵便物が受領できるようにしてほしいという希望が多く私のところに寄せられております。このように受取人不在などによる郵便物の窓口交付取り扱い局の拡大、現実に一部行われているわけですが、これについてさらに拡大をすべきだと思いますが、これらについての御見解を承りたいと思います。
#231
○政府委員(石井多加三君) 郵便の外務員が配達に行きます際に、受取人がたまたま不在であったということで配達できなかった書留とかあるいは小包のようなものを近くの無集配の郵便局の窓口で渡したらどうかということは、前々から利用者の方々から御要望がございまして、御指摘のとおり昭和四十五年の六月から全国の一部のところでこういうことを始めたわけでございます。現在、全国で四百八十八の郵便局ですでにただいまお話しのようなことを実施いたしておるわけでございます。
 この制度は、配達いたしたときにたまたま不在であったような受取人の方にとりましては、自宅の近くの無集配の郵便局で受け取られるということで非常に便利になる御家庭もあるわけでございますが、反面、たとえば共かせぎの家庭も最近は多いわけでございますが、そういう方々にとりましては、無集配の郵便局の窓口の取扱時間は、御案内のとおり、集配の郵便局よりも短くなっておりまするし、まあ一般には集配局でありますると八時から八時まででございますが、無集配の特定局の場合は九時から五時というようなこともございまするし、日曜日は無集配の方は休んでしまうというようなこともありまするので、そういう共かせぎの方にとってはかえって受け取る時間が短くなるというようなことで、勤め帰りに受け取るという場合は前の方がよかったというふうなことを言われる向きもございます。
 したがいまして、どこの郵便局でも、すべての無集配の特定局の窓口でこれを受け取るようなことをやった方が一般の利用者のどなたにも御便利になるかといいますと必ずしもそうはいきませんので、個々の郵便局でその辺の利用者の方々の御要望を伺った上で、いまの無集配の特定局で受け取った方がいいという方が多いところはそのようにいたしておりまするし、そうでないところは従来どおりということにいたしておるわけでございます。御要望に沿って無集配の特定局で渡す場合もあり、あるいはもとの集配局で渡す場合もあるということになりますると、私たちの方の事務も非常に煩瑣になりまするので、どちらか一本にしてもらいたいということです。
 いずれにいたしましても、こういった制度は利用者の方々にとって御便利になる制度でございまするので、その趣旨で今後も拡張してまいりたい。地元の御要望をよく伺った上で措置してまいりたい、かように考えます。
#232
○案納勝君 それはいま四百八十八局ですか、さらに利用者の利便を図って、そういう要望の強いところは拡大していく、こういうことですね。
#233
○政府委員(石井多加三君) はい。
#234
○案納勝君 それでは他の省からお見えになっておりますので、その辺の関係を先に伺います。
 私は、ここで、大臣と大蔵省の共済課長にお尋ねをいたします。
 共済の長期給付金、この財源措置について、一般会計から当然国が負担をすべき金額については補てんをすべきではないか、これが質問の要点。
 現在、共済長期給付については、御案内のとおり、労使半々、そして政府が負担をするということになっております。ところが、今日、郵政省は使用者側の負担分と政府側の負担分を一緒にして負担をされています。四二・五%が労働者の負担であり、四二・五%が本来郵政省の負担であり、一五%は政府の負担、これは本来あるべき姿で、たとえば労働省所管の厚生年金についても労使双方の折半の上に、国の負担として二〇%の負担が行われる、そういう中でなぜ切手代から国の負担までしなくちゃならないのか、大変私は不合理を感じまして、衆議院段階でもこの辺は論議をされたやに承っています。
 大臣は、郵政事業の今日置かれた事情から、この問題についていただくものはいただくというそういう決意で対処しながら、郵政事業全体の今日置かれている問題の打開に取り組みたいという決意のほどを承っていますが、大蔵省の共済課長として、これらについて、これはもちろん郵政だけじゃありません、それだけにきわめて、直ちにここで十分な御返事をいただけるとは思いませんが、どのようにお考えになっているのか。大臣は、どのように同じくこれについての対処をしようとお考えになっているか、承りたいと思います。
#235
○国務大臣(村上勇君) 一応、これは事務的にひとつ事務当局から答弁させます。
#236
○政府委員(神山文男君) ただいま御指摘の共済組合の長期給付に要する費用でございますが、お話しのように国庫負担というのがありまして、一五%が国として負担すべき分でございます。それから残りを四二・五%ずつで、そのうち一半を使用主としての国が負担するということになっておるわけであります。また御指摘のように、これは郵政省だけの問題でありません、他の現業官庁あるいは三公社も同様でありますが、国としての負担すべき面、これも特別会計において負担しております。これはそれぞれ他の現業官庁あるいは三公社も同様でありますが、それぞれ国を背景にしている事業を行っているところでありまして、まあ国の経済主体としての責めを負っているというふうな考え方から、その費用は特別会計において負担している、こういうふうにわれわれは理解し、またそのようにしてまいっておるわけであります。
 先生御指摘の、今後、そのうちの国で負担すべき分、これを一般会計で負担したらどうかということでございますが、これはわが省だけの問題でございませんので、なお先生のお話も受けながら、今後検討はしていかなければいけないというふうには考えております。
#237
○説明員(岡田愛巳君) お答えいたします。
 案納委員御指摘のとおり、一五%につきましては、いわゆる公経済主体としての国がという立場でこの負担をいたしております。ところで、郵政事業特別会計というのは、われわれの認識もそうでございますが、国の活動分野の一つであるという意味でまさに国でございます。国につきましては、俗に二面性とわれわれ申しておりますが、公経済主体という側面と、同時に、その所属、背景の職員につきましては、いわゆる事業主といいますか使用主といいますか、二つの側面を持っております。そういうことで一五%と事業主の四二・五を合わせた五七・五というのを特別会計でお持ちいただくということになっております。
 なお、これは単に郵政事業特別会計のみではございません。いわゆるわれわれは最終会計負担原則と言っておりますが、現在の共済年金の前身であります恩給あるいは旧法等々から、この考えがずっと持ち続けられておるわけでございます。
#238
○案納勝君 神山さんに同じく御質問しますが、歴史的な沿革、共済年金が発足した当時は、私も――ここに新谷先生もおられますが、一番新谷先生が御存じだと思う――その経過というのはよく知っています。
 しかし、厚生年金の場合は、国の税金、国の施策によって二〇%支払っておりますね。私は、労使双方が平等に負担をするということについては郵政の共済の場合についても理解はできるんです。国民の一部、受益者が負担をする、切手代から――本来、民間企業にすら二〇%出されている、厚生年金で。そういうものについて郵政については、三公社五現業については、それがその会計から国の負担も合わせて使用者負担として出しなさい、私はこれは全くいままでの共済年金の成立過程から今日まで理解できないところだ。神山さんも共済年金の発足をした当時のことを御存じだと思います、知った上でそういうことを言われているのか。
 私は、これこそ国が一五%について負担をする、同じようにやっぱりその措置を他の公社にも現業についてもとるべきじゃないか、受益者から私はこの一五%を国の負担として拠出するような形をとるべきじゃない、こういうふうに思いますが、もう一回、御見解を承ります。
#239
○政府委員(神山文男君) 先ほど申し上げましたように、これは郵政だけではございませんが、所属職員に対する使用主としての立場と、それから国としての立場という二つの側面を持っているというふうに理解してまいっているわけでありますが、このうち国として負担すべき分、これにつきましても先ほど申し上げましたように、郵政事業も国を背景とした事業として運営している、その意味で国の経済主体としての責めの一半を負っているというふうなことから、この費用を特別会計において負担してきてまいっておるということでございまして、先ほど先生申された歴史的な経過等につきましては私は先生ほど詳しくはございませんが、そういったことから従来もやってまいっておる、現在もそうしているというふうに理解している次第でございます。
#240
○説明員(岡田愛巳君) あるいは繰り返しになるかと思いますが、一般に言われる社会保険制度という場合に、事業主と被用者というものはそれぞれその給付の費用を分担するというのが基本であるというふうに考えております。ただ、その社会保険制度の成熟度合いあるいは一般被用者の所得水準あるいは給付の水準というものを勘案いたしまして、社会保険制度を推進する立場としての公経済負担、こういう形で何ほどかの援助を行うということでございます。これが現在共済運営の場合には長期給付一五%、これに見合うものというふうに理解いたしております。
 なお、郵政事業特別会計に、これは国の一つの経理単位でございまして、どの経理単位から支出するかというのは、われわれとしては、最終会計負担ということでその原則を貫いている、こういうことでございます。
#241
○案納勝君 大臣のお答えをいただきたいのですがね、余り時間とるべきでないと思いますから。
#242
○国務大臣(村上勇君) 関係省もあることでありますので、大蔵初め関係各省と十分連絡をとらしながら推進していきたいと思っております。
#243
○案納勝君 それじゃ、私は大変不満ですが、次に進みます。
 まず、郵便委託の問題についてお尋ねをいたします。ちょっと郵便委託の前に、きょう人事院及び行政監察の方がお見えになっておりますので、その面について関係のある部分だけお尋ねをしておきたいと思います。
 一つは、行管の方へお尋ねをいたしますが、特定局制度の小局運営の問題であります。特定局制度及び小局運営の問題については後ほどさらに大臣を初めとする当局の皆さんにその見解をただしたいのでありますが、いま行管の方がお見えになっておりますので、その関係だけ明らかにさしていただきたいと思います。
 昭和三十二年の十月十日に、行政管理庁が「小規模な郵便局の運営について」という勧告をなさいました。この中で、小規模な無集配特定局の人件費、特に局長の給与が局の規模、事務量から見てきわめて不経済である、その経済性から見て特定局の無集配の運営については合理的な経営方式を確立する必要があるといった内容について勧告をされています。その後、行政管理庁としては、この勧告を、今日まで推移をしていますが、どのように取り扱おうとしているのか、今後勧告の実施についてどうしようとお考えになっているのか、行管の方から御答弁を承りたいと思います。
#244
○説明員(並山進君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の勧告でございますが、三十二年に勧告をいたしまして、その後、郵政の方から三十三年の三月に回答をいただいております。
 それで一般的に申しまして、現在、われわれの方では、勧告をいたしました後で回答を取りまして、そのいただいた内容によりましてはさらに六カ月後にもう一度未改善の部分につきまして回答をいただいております。それから、なおかつ未改善の事項があります場合には、これはわれわれの方では推進監察と申しておりますが、そういう監察をさらに実施いたしまして再勧告する、調査の結果、所見表示をするというような方法をとっております。
 それで実は率直に申し上げまして、ただいまの勧告でございますが、当時は、まだ実はそこまでの制度がございませんので、したがって現状を今後把握していくという点につきましては、さらに新しい調査をする以外にない、部内の方でもそういうことを検討しているわけでございます。
#245
○案納勝君 それでは、この「小規模な郵便局の運営について」の勧告については、引き続いて再調査を行う、こういうことですね。その結果によっては再勧告を行う、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますね。
#246
○説明員(並山進君) 御承知のように郵政事業につきましては、監察してから大分日時がたっております。それで郵政事業を取り巻くいろんな情勢あるいは機械化に伴いましていろんな改善措置もおとりになっております。その辺も十分郵政省の方からも事情を伺いまして検討しました上で、ひとつそういう新たな調査をする必要があろうかと考えております。その際、いま御指摘の点もあわせてこれは検討してまいりたいというふうに考えております。
#247
○案納勝君 それじゃ、いまもう一回お尋ねします。新たなる調査をする必要がある、そのようにお考えになっているわけですね。
#248
○説明員(並山進君) そのとおりでございます。
#249
○案納勝君 それじゃ行管の方、結構でございます。
 人事院の方お見えになっていますね――私はこれも同じく特定局制度の問題についてお伺いしたいと思います。人事院の場合には、特定局長の任用についてお尋ねをさしていただきます。
 特定局の局長の任用につきまして、人事院は、昭和二十七年六月一日施行の職員の任免という人事院規則の中にあります四十五条五項によりまして、二十八年一月一日からの施行で、選考の基準については「選考機関が人事院の承認を経て定めるものとする。」という修正と言いますか任命の規定がつくられていますが、これが特定局長の選考の基準、こういうことになるわけですが、郵政省から、昭和二十八年一月以降のこの人事院規則ができてから、選考の基準について人事院に承認が求められてきましたかどうか、その辺を。
#250
○政府委員(小野武朗君) ただいまお挙げになりました各条項は、現在は、職階制が施行されるまでの間、こういうことで、すべて八−一二、九十条の規定によってなされているということでございます。しかして、九十条では、本省課長級以上の官職については人事院がみずから、それ以外の官職につきましては各任命権者が選考機関として選考の基準を定めると、このように相なって、現在もそのように運用されているわけでございます。
#251
○案納勝君 それじゃ郵政省にお尋ねしますが、特定局長の任用については、この人事院規則が改正をされまして、大正九年勅令三百五十八号というのが廃止になり、したがってこの人事院規則、いま言われた八−一二、選考基準が定められるまでは、さしむき前のとおり処理せられたい、こういう特定局長の任用についての通達が昭和二十七年に出されましたね。その後、いま言われました八−一二の選考基準、職階が決められて以来の取り扱いはどういうふうになっておりますか、その辺を説明願いたい。
#252
○政府委員(神山文男君) 特定局長の任用でございますが、ただいまお話しのように、国家公務員法の第三十六条で職員の採用は原則として競争試験でやりますが、人事院の定める官職について、人事院の承認があった場合は、競争試験以外の能力に基づく試験、選考の方法により行うことができると、これに基づきまして、人事院規則八−一二の第八十三条第一項、これも選考により職員を採用することができるということでございますが、それから第九十条、ただいまお話がありましたように、本省の課長以上の官職についての選考機関は人事院でございますが、その他の官職についての選考機関は各任命権者に任されているので、各任命権者が選考基準を定めるということになっておりまして、それに基づくものとして特定郵便局長任用規程というものを設けまして、それで任命を行っていると、こういうことでございます。
#253
○案納勝君 その特定局長任用規程、これはいつ改正されたものですか。
#254
○政府委員(神山文男君) 公達三号、昭和二十年五月十九日でございまして、特定郵便局長任用規程、これを制定してございます。
#255
○案納勝君 これは間違いないですか、いまの答弁。おかしいんじゃないですか。
#256
○政府委員(神山文男君) ただいま申し上げましたように、この特定局長任用規程は昭和二十年五月十九日公達三号により制定いたしました。
 ただ、ただいまもお話がありますような人事院規則の改正等によりまして、昭和二十七年九月十三日に依命通達を出してございまして、これによりまして「人事院規則八−一二第四十五条第五項の規定により選考基準が定められるまでは、さしむき従前の通りに処理しおかれたい。」ということで、依命通達を出しております。先ほどの公達三号がそのまま現在まで生きているということになっております。
#257
○案納勝君 それはちょっとそこがわからないんだがね。要するに昭和二十四年一月十五日人事院規則一−四、「現行の法律、命令及び規則の廃止」、「職員の任用及び分限については、次に掲げる旧令の例によらないものとする。」として「特定局長任用に関する件(大正九年勅令第三百五十八号)」、これは廃止になったわけですね。そして昭和二十八年、前項の規定により云々ということで、人事院規則の四十五条の五項ですか、「選考機関が人事院の承認を経て定めるものとする。」と、これは昭和二十八年一月一日施行とすると。ところが郵政省は特定局長の任用について、さきの勅令三百五十八号によらないものになったが、新たに「人事院規則八−一二第四十五条第五項の規定により選考基準が定められるまでは、さしむき従前の通りに処理しおかれたい。命による。」と、こうなっている。
 「さしむき従前の通り」というのは、廃止をされた特定局長などの任用に関する勅令三百五十八号 それをそのままさしむき従前のとおり処理すると、こういうことになっているんじゃないですか、この辺どうなっているんですか。
#258
○政府委員(神山文男君) 非常にこの辺ややこしくなっておりますが、昭和二十七年九月十三日に、「特定郵便局長の任用について」ということで、お話しのように「人事院規則一−四の一部改正により、大正九年勅令第三百五十八号の例によらないこととなったが、人事院規則八−一二第四十五条第五項の規定により選考基準が定められるまでは、さしむき従前の通りに処理しおかれたい。」ということで依命通達を出したわけであります。
 それで、この人事院規則八−一二の四十五条でございますが、これは職階制が実施されるまでは従前の例によるということでございまして、同規則の九十条が結局また適用されるということになりまして、任命権者である郵政大臣が選考基準を定めるということになりました。そこで、この昭和二十年公達三号でございますが、その後中身は改正されてまいっておりますが、その任用規程が選考基準となって現在に至っている、こういうことでございます。
#259
○案納勝君 ちょっとそれがわからないんですよね。いまのさしむき従前のとおり処理するという特定局長の任用規程というのは、勅令三百五十八号に基づいて特定局長任用規程、昭和二十年五月十九日、そしてそれが修正されて昭和二十三年十月一日に出された特定局長の「年令三十才以上の者を目標として任用せられるように配意ありたい。」と、これがいま行われている、生きていると言われるんでしょう。これは勅令三百五十八号に基づいてつくられてきている内容なんですね。
 三百五十八号というのは、人事院規則によって実は廃止になっているわけです。この辺がどうなってんの。
#260
○政府委員(神山文男君) 人事院規則一−四の改正によりまして、おっしゃるような勅令第三百五十八号が廃止されたということでございますが、人事院規則八−一二、四十五条、これが職階制がしかれるまで実施されないということでございまして、結局、人事院規則の方の九十条、先ほど申し上げましたが、本省の課長以上の官職についての選考機関は人事院である、それで従前の審査の基準は選考基準とされると、その他の官職についての選考機関は各任命権者に任される。その任命権者が選考基準を定めるということに、この九十条によりまして任命権者である郵政大臣が選考基準を定めるということになりまして、特定局長任用規程というものを適用して選考基準といたしておるわけでございます。
#261
○案納勝君 よくわからないんであります。職階制ができたのはいつですか、九十条が。
#262
○政府委員(小野武朗君) 人事院規則の八−一二というのは、職階制の施行を前提として構成されているわけでございます。諸般の事情によりまして、この職階制が現在いまだ施行されていないということのために、九十条はいわば経過規定として設けられたものでございます。
#263
○案納勝君 いまの局長の説明を聞きますと、特定局長の任用の規程は、昭和二十三年十月一日のこの「特定郵便局長の任用資格年令について」、これがいま生きているんですか。
#264
○政府委員(神山文男君) 先ほど申し上げました昭和二十年の公達三号、これは年齢が二十歳になっておりますが、その後年齢が二十五歳というふうに改正されているわけでありまして、おっしゃるような点については、それを任用規程で生かしてまいっているということでございます。
#265
○案納勝君 人事院の方にお尋ねをしますが、特定局長の任用の規程については、いま人事局長の方から説明がありました、国家公務員として任用されたと。私は、今日の郵政省の任用規程、それと国家公務員法、人事院規則による一般の公務員の任用の面から見て、これはその面から見て当然な措置と、こういうふうに御理解になっておりますか、それともこれの任用について人事院として何らかの見解をお持ちなのか、これを承りたい。
#266
○政府委員(小野武朗君) 現在、国家公務員法では、職員の任用は成績主義の原則にのっとりまして能力の実証によって行われるべきものとされているわけでございます。この特定郵便局長の選考基準につきましても、これはいわば最低の資格要件であろうかと思いますが、むしろこの基準そのものよりも、基準に従って公正妥当にそれが運用されているかどうかということにあろうかと思いまして、基準といたしましては公務員法の精神規定に背馳するものではないというように考えております。
#267
○案納勝君 特定局問題は、この任用問題だけでありませんので、さらに保留をさしていただいて、人事院の方、結構でございます。
 そこで、大変質問を通告をしていて前後になりました、時間の関係等もあってなりました点はひとつおわびをしますが、なお一、二点について、さらに明らかにしていただきたい点について質問いたします。
 一つは、郵便委託の問題であります。昭和二十八年に、郵便物運送委託法の一部改正を行った際に附帯決議が出されております。「事業の施設の改善、技術の向上及び能率の増進を期すこと。」及び「郵便業務は国家専掌とする本旨にかんがみ、委託業務は漸次出来得る限り縮小するごと。就中通常郵便物の取集、配達等を請負とすることは、特例の場合を除き避くべきこと。」、以下五項目にわたって郵便物運送委託法の一部改正のときの附帯決議が出されておるわけでありますが、現在まで、私の理解する限り、この附帯決議に沿って縮小をされてきたというようなことを理解することはできないのでありますが、ますます拡大をされてきているというふうに理解をしますが、郵便委託はどのように今日なっているのか、二十八年を一〇〇とした場合の現状についてわかっているなら明らかにしていただきたい。
#268
○政府委員(石井多加三君) 郵便の委託関係でございますが、ただいま御指摘になりました昭和二十八年以降の数字をちょっといまここに持っておりませんので、最近の数字で申し上げますると、金額で申し上げまして、鉄道の関係の委託、これはまあ御存じのとおり国鉄を初め全国の私鉄等を一切含めてあるわけでございますが、昭和四十五年度に五十五億七千百万の委託料を支払っておりましたものが、一番最近の昭和四十九年度の、これはまあ決算見込みで申しますると六十九億八千百万円というふうに、これは郵便物数の全体の増高傾向とも関係があるわけでございますが、やはり委託料はふえておるわけでございます。それから航空関係、これは国内の日本航空、全日空、東亜航空等でございますが、四十五年度は十八億九千五百万でございましたものが、四十九年度で見ますと大体二十九億ちょっとというふうな数字になる予定でございます。それから一番多いのはやはり自動車輸送でございまして、四十五年度は百二億五千七百万でございましたものが、四十九年度は見込みで二百五十四億五千九百万と、これは倍以上に伸びております。船舶はわずかでございます。
 大体、大きなもので申し上げますと、輸送の機関別に申し上げましていまのような状況でございまして、このような委託機関別の委託費の増大ということは郵便物数の増大ということに関連いたしまして、こういったことは郵政省自体でこれをやるというわけにはまいりませんので、こういった増加傾向になっておる、物数の、事業の伸展と並行して伸びておるということが実情でございます。
#269
○案納勝君 郵便物運送委託法に基づいて民間委託による安上がりも、あるいは法人委託の場合にも、今日その所要経費は増大をしておりまして、個人委託も身分の安定や経済的生活権の確保を求める社会的影響を免れることができずに、従来に比較して安上がりの経営指数ということにはなっていない、こういうふうに私は理解します。むしろこの民間委託については、経済性が今日の状態では露呈をしていると言っても言い過ぎではないんじゃないかと思う。
 したがって郵便事業本来の趣旨から、先ほどの附帯決議じゃありませんが、委託業務の縮小、直轄化を図るべきだと考えますが、郵政省の方はどういうふうにお考えになっているか。それを進める考えが、委託業務の縮小、直轄化を進める考えがあるかどうか、明らかにしてください。
#270
○政府委員(石井多加三君) ただいまの御指摘は、郵便の業務の個人委託の問題でございますが、御案内のとおり、小包郵便物につきましては、去る昭和四十五年からこれはまあ試行的なものではございますけれども、大都市等の労働力の需給の将来の逼迫を予測いたしまして、特に郵便事業の中で郵政省の独占に属しない小包郵便物につきましての委託の配達をやってもらっておるわけでございます。これは現在、全国で今日約四百二十二の区でそういったことをやっていただいておるということでございます。
 なお、このほかに、僻地における郵便の集配請負ということでやっていただいておる方々がございますが、これは御案内のとおり郵便の一日の配達物数の非常に少ないところで、まあそういったところの地域の方にお願いして、その地域の郵便を配達していただいておる、あるいはまあ取り集めもやっていただいておる。そういうところは主としてローカルな地方の、またそこの郵便局からずいぶん離れたようなところに一つの集落があるといったような場合に、一々その遠い郵便局からその地域に郵便を持っていっておったんでは非常に非能率でもありまするし、その往復にばかり時間がかかりまするので、郵便を郵便局からその地域のある特定の人に配達をお願いして、郵便局から持っていって、その地域の配達をお願いする、また取り集めもお願いするという制度でございまして、これはいわゆる郵便の集配請負という形で、かなり古い歴史を持っておるわけでございます。
 郵政省としては、先ほど申し上げました小包の請負の問題は、今後の労働力の需給の逼迫を予測いたしますると、前向きにやはり考えていかなければならないんじゃないか。同時に、これは職員の将来の週休二日制等への移行の労働条件の緩和にもつながる施策として取り組んでまいりたいと思いまするし、また、僻地における集配の請負の問題は、いわゆる八十五条適用地というような、現在郵便の配達を一切やっていないような地域が最近の道路状況の普及改良に伴いまして郵便の配達をしなければならない地域になってまいる区域がだんだんふえております。そういうふうな地域にいきなりはるか遠い郵便局から郵便を持っていくということによる不合理、不経済を排除するために、その地域の特定の方にそういった集配をお願いするということも、また今後の施策としては十分考えていかなければならないんじゃないか。すべて何でもかんでも郵政省の本務者でやらなければならないということになりますると、そのためのやはりロスも出てくるということで、それぞれそういった必要性に応じて今後取り組んでまいりたい、かように考えております。
#271
○案納勝君 監察へお尋ねしますが、本来、郵政事業というのは国営であり、この国営の郵政事業を信頼をして、国民は郵便物や小包を委託をするわけです。ところが、現実には請負あるいは委託が行われて、配達をしているのは民間の業者です。ある局にあっては、東京都内です、氷屋さんが氷屋のトラックで配達をする、本来腕章をはめて配達しなくちゃならない、そういう腕章もはめて歩いてない。そして小包は不在の場合はへいの上に置きっ放しにして帰られたり、きわめてそういう市民からの不満が私の耳に入ってくる。また、近畿のある局は、小包の請負を請け負う業者が、たとえば従来は三区あって毎日のように配達をしていたのに、請負化され、委託化されて――その業者は、郵政のOBの人たちがつくった委託会社です、仮に一、二、三区とあるとする、引き受けた小包について一日目は一区、二日目は二区、三日目は三区というふうに、雇用難等もあって小包を引き受けながらそういう配達の仕方をしている、そういう事実も私は知っています。
 国民がその意味で郵政事業、国営企業に信頼をして小包等の郵便物を任せているのに、そのような事実上切り売り、安上がりのような委託というのが行われているという、きわめて多くの不安を与えているということについて私はきわめて重大な問題だと思う。
 いま監察として、これらについて郵政事業の委託法に基づいて正常にこの郵便物が配達をされているのかどうか、業務が行われているかという、私は郵政監察として一番先にこのことをやらなくちゃならない、こう思いますが、郵政監察は今日までこれらの郵便委託の問題について、委託業者や郵便輸送について、業者を中心にする郵便輸送について業務考査をしたことがあるのか、そしてその中に出てきた結果はどうか、犯罪はどういう状態になっているのか、そういうことについて首席監察官としてのひとつ御報告を承りたい、こう思います。
#272
○政府委員(永末浩君) 郵政監察といたしましては、普通局、特定局、大体、二年に一回ほど業務考査を行うことにしているわけでございます。この業務考査は、郵政事業の実態を調査いたしまして、改善すべき点があれば改善を求め、郵政事業の円滑な運営を図るということに目的があるわけでございます。
 お尋ねの小包請負配達の件でございますが、監察官が臨局いたしました際には、この契約書の内容であるとか、あるいは請負者が適当であるのかどうか、あるいはまた郵便物の授受、保管状況はどうなっているか、こういったことは考査の際に当然点検することにいたしております。ただ実際に随伴していって集配業務の実態を調査するとか、そういったところまでは特段の申告があったり問題が起こった場合は別でございますけれども、そこまではいたしていないというのが実情ではなかろうかと思います。
#273
○案納勝君 私は大変大事な問題だと思います。郵政監察の問題についてはきわめて多くの問題を抱えていますので、改めてこれらについてたださしていただきたいと思います、保留させていただきますが、いまも申し上げたように、多くの郵送委託に伴っての国民の不満やあるいは不安か現実の問題になっておりますが、ここで質問をしたいのは、博多郵便局における小包郵便物の破損の問題であります。
 これは五月の二十三日、福岡市の博多郵便局で約百個の小包がコンベヤー故障によって破損、こういう事件でありますが、これらについて郵政省は六十八条を盾にして損害の賠償の義務なしとして、これらの取り扱い、損害賠償については何ら誠意ある態度を示していないやに聞いております。これらの経過について御報告をいただきたいと思います。
#274
○政府委員(石井多加三君) 申し上げるまでもないことでございますが、利用者からお預かりした大切な郵便物を博多の郵便局におきまして、これは小包でございますが、破損をいたしまして大変申しわけなく思っておるわけでございます。
 このたびの破損事故につきましては全部普通小包でございましたので、ただいまお話にありましたとおり損害賠償の措置はいたしておりませんが、省といたしましては、事故発生後速やかに破損の状況を調査いたしまして、差出人の方またお受け取りになる方にそれぞれ御連絡を申し上げ、また破損した小包は関係する集配郵便局の幹部がその小包を直接持参いたしまして丁重におわびを申し上げるといったようなできる限りの措置は講じたところでございます。
 ただ、この普通小包の破損の場合について、亡失の場合も同じでありまするが、これを国の責任におきまして損害賠償するという制度は現在のただいま御指摘の郵便法第六十八条の規定で、これは国家賠償法第五条の規定を受けまして郵便法におけるそういう特殊な取り扱いを明定いたしておりまするので、これによらざるを得ないわけでございます。一般的な私法の観念から言いますと私たちもそういう方々に対してまことにお気の毒とは思うわけでございまするけれども、法律のたてまえはあくまでそういう損害賠償することはできないわけでございます。ただ、そういった御迷惑をかけた方々に誠心誠意おわびを申し上げ、われわれとしてできるだけの措置は講じてまいる、そういった方式をとっておるわけでございます。
#275
○案納勝君 誠心誠意おわびをするだけでは解決をしないのです。国民は先ほども言ったようにたとえ普通郵便物であろうとも、しかも郵便法は付合契約になっております。そして付合契約である郵便に対して国民は郵政事業を信頼をして、郵政省を信頼をして委託をするわけです。ところが、このような重大な郵政事業側の過失やあるいは故意によってそれらの信頼をして委託をした郵便物が破損をする。そうした場合に、単に陳謝をしました、おわびをいたしましただけでは、石井さん、済むと思っておられますか。私はそんなものじゃないと思うんです。
 たとえばお尋ねしますが、小包集中局がいま東京、大阪にあります。この小包集中局で月ごとに集約をされている一日平均の郵便物の小包の破損状況はどうなっているか、お知らせをいただきたい。
#276
○政府委員(石井多加三君) ただいまのお尋ねの東京南部、北部、それから大阪の三つの小包の集中郵便局があるわけでございますが、こういった郵便局で、機械処理等のために昭和四十七年度から四十九年度までの間三集中局合わせまして一日平均約二十一万八千個の小包を処理いたしておるわけでございますが、その中で一日平均約二十二個の小包が破損しておるわけでございます。二十二個と申しますと、三つの局ではありまするが、何分二十一万八千個の小包を処理しておりまするので、その中でのパーセンテージからいいますると〇・〇一九%という数字でございまするので、棄損率ということになりますると少ないとも言えるわけでございます。こういった点は機械というものの処理の一つのやむを得ざる破損ではないかと、もちろん最大の注意はいたしてやっておるわけでございますが、そのような事故を起こしておるということを御報告を申し上げます。
#277
○案納勝君 私は、それはきわめて郵政省の資料というのはインチキだと思う。この目で確かめ、この目で調査をした私の資料によりますと、ある小包集中局の一日平均の破損物数によると、これは年に増加をしていますが、四十七年では一日平均二百二個になっています。四十八年では二百三十八件、四十九年九月までには一日平均二百二十五件と、これは、きょうは持ってきていませんが、なぜ破損をするのか。
 石井さんは小包集中局を全部あなた足で回ったことありますか。この小包の経路ですが、小包の重量を利用して落下させるわけですね。それで三メートル近い落差を利用して落下させる回数が三回あります。あるいは一メートル程度の落下をさせるのが同じように打ちかぎの前後に三回ぐらいあります。ひどいのになると、らせん状のシュートが四階から一階まで直結されて落ちてくるんですから、これで破損しない方が不思議なんであります。
 破損の度合いは軽破損と重破損というのがありますが、ガムテープ、ひもで修理可能な軽破損はほとんどないんです、九〇%は重破損なんです。それで、その割合も実はあなたがさっき報告したものを聞きますと、まるっきりもう問題にならない。私はこの目で実は調べてきた数字なのです。ところが、この破損の小包の弁償についてどうなっているのか、そういうふうに処理されておると思いますか、石井さん、どう処理していますか、郵政省では。
#278
○政府委員(石井多加三君) 破損いたしました小包の処理の仕方は、申し上げるまでもないことですが、書留としたものにつきましては、差出人の方から差し出しの際申し出のあった損害賠償額を限度として実損の生じた額を損害賠償するということでございますが、普通扱いのものにつきましては、ただいま申し上げましたように、貴重品などを送る場合に、別途損害保険的な意味合いを持つ書留制度があるということもございまするので、損害賠償ということは、わが国のみならず、各国とも普通の小包についてはやっていないというわけでございます。
 しかし、それは法律上そうなっておるということでございまして、いずれにいたしましても郵政省の責任で、ただいまの場合は機械の処理の故障等のために破損したわけでございますから、そういった場合には、いわゆる損害賠償という形の賠償ができませんけれども、関係の郵便局の幹部が現品を直接持参いたしまして丁重におわびを申し上げるというふうに指導をいたしておるわけでございます。
#279
○案納勝君 金品を持参して丁重にですか。現実にやかましく言ってくる大口利用者等のところには一定の品物を持っておわびに行く、この金が物件費から出ているのかポケットマネーから出ているか知りませんよ、しかし一日二百個以上あるのです。ところが、黙っている人のところにはあいさつにも行かない、こういう現実がいま小包の集中局の段階ではとられているのじゃないのですか。
 私は、郵政省が料金の値上げを行う、そして郵便物のこの統計を見てもわかりますように、普通小包というのはきわめて小包の中では大きな比重を示しています。先ほど申し上げましたように、やかましく言われているところには何らかの経費を、どこから捻出をするかポケットマネーかそこまでは言いませんが、あいさつに行く、六十八条を盾にして黙っている人たちについては何らそれらについての意思表示もあるいは陳謝にも行かない。こういうことだけで今回郵便法の改正を行って料金値上げをする、国民のサービスを守りますと言っても、国民は事実上信用しませんよ。ここの九州博多における事件だってそうじゃありませんか、百個にわたる郵便物を陳謝に行くだけで済むものじゃありません。
 それは補償については一定の制限があるかもしれません。しかし先ほど私は小包の請負の問題について質問しました、関連があるからなのです。御案内のとおり、全然知らない民間――知らないといいますか、全然素人の民間の人が、民間企業が、運送屋が請け負って配達をする、国民に大きな不安を与える、玄関先に置いてくる、こういう声が現実に上がってきています。普通郵便の場合ですから、そういうものはなくなったって郵政省は知らぬ顔、責任なしと、こうくる。郵政省自身の過失やあるいは故意によるこういった破損については、私は国民から信頼される郵便物として国民の委託を受け、信頼を受けている独占企業である郵政事業として、何らかの私は補償できる措置をとるべきだと。私は、六十八条の改正を、その具体的な補償の仕方については問題があると思いますが、検討しなくちゃならぬと思います。
 民間小包の委託、そして現実に起こっている博多の状態、あわせて小包集中局における実態というものをつぶさに考えたとき、そういうところから国民に対するサービス、こういうものを守っていくことがいま一番大事じゃないでしょうか。私は、これについて六十八条を改正をして補償の仕方については先ほど言うように検討しなくちゃならぬと思います。普通小包等について補償をしていくという道筋を起こすべきだと思いますが、当局及び大臣の見解を承りたいと思います。
#280
○政府委員(石井多加三君) 普通小包の破損の事故に対しまして、国の責任においてこれを補償する制度を設けるべきではないかという御議論でございます。ただいま博多の郵便局での普通小包の破損についてのお話が出たわけでございますが、同様のことが亡失の場合もあるわけでございまするし、棄損それから犯罪によってなくなるということもあり得ると思いまするし、また、同じ問題は実は小包のみならず普通通常郵便物にもあるわけでございます。
 現在、従案内のとおり六十八条で損害賠償を行う書留制度があるわけでございますが、この書留制度を御利用になるか、あるいはそれのない普通の小包の制度を御利用になるかということにつきましては、あくまでお客様の自由な選択にゆだねられているわけでございます。また、そのための特別の料金をいただいておるわけでございますが、昭和二十三年に郵便法を戦後大改正いたしました際に、小包についてはすべてこれを書留にするというふうな意見もあったわけでございますが、そういったことはやはり利用者の自由に任せるべきだというようなことで、こういった小包の補償のないのとあるのと両方つくっておるというようなこと。それからいま話題になっておりますような破損の場合だけではなくて、亡失等のケースについても考慮しなければなりませんけれども、そういったことになりますると、小包郵便物を引き受けます際に、現在、普通の小包は何も引き受けたというふうな記録は一切ございません、また配達も記録がございませんので、果たしてこれが亡失したものかどうかというような事実関係の認定になりますると、これはもう大変困難な問題になると思います。これをはっきりさせるためには、すべて記録扱いということにしなければ確認ができないということが一つあるわけでございます。
 また同時に、郵便の内容が一体どんなものであるかというようなことは郵便局では一切わかりませんので、あらかじめ損害の予定額を定めておきませんと、損害額の実際の予測がつきません、またその認定も非常に困難であるというふうなこと。すべての場合に賠償するといたしますると、その処理のために著しく繁雑な手数と解決までの長い時間を要しまするし、ひいては郵便事業の円滑な運行を阻害する、事業運営の面で非常な困難を来すというようなことがございまするので、この問題につきましては実は非常に古い問題でございまして、昔から議論はあるところでございまするけれども、わが国のみならず諸外国におきましても、普通小包についての補償制度はないというのが現状でございまするし、これを制度化するということにつきましてはいかがであろうかと考えますが、なお、今後、いろいろな問題の中でこういったことも十分検討さしていただきたいと、さように考えます。
#281
○国務大臣(村上勇君) 郵務局長の御答弁のとおりであろうと思います。ありますが、しかし、私は子供の時分からとにかく正確なものは何か、それは郵便局が絶対でありました。したがって小包が失われたり、あるいは破損したりというようなことも昔ああいう時代であってもそういうことは出なかった。郵便は全く一本のはがきでも必ず出したものは正確に届くという、私どもの子供の時代でも正確なものは要するに郵便局、一番信頼のできるものは郵便局であったように記憶しております。
 私はいまでもそういう気持ちでおりますが、いま御指摘のような博多局のお話、また案納先生せっかく御視察なさって、そしていろいろとこの事故の原因等を十分見てこられている。私は非常に警告をいただいて、私もそのうちに一度ぜひひとつそういう小包等を扱っている現場を見て、そうしてどうあるべきか、どうすべきかということも検討してみたいと思います。それだけにこれは誠意を持って――いまその損害賠償するということについての手続その他の問題は郵務局長のお話しのようになかなかすぐ右、左にどうというわけにはいかないと思いますけれども、少なくとも気持ちの上では全くもう全部損害補償をするというぐらいな気持ちで今後臨みたいと思います。ありがとうございました。
#282
○案納勝君 大臣ね、大臣のおっしゃっている気持ちはよくわかります。ただ、私の言っているのは、当局側、要するに郵政側ですね、郵便局側の過失または故意について、私はこれについて明らかにしておく必要があると言うんです。
 亡失をしてどうだこうだと言われますけれども、各郵便局の取り扱い等の中ではそれぞれ郵便課の諸君は責任を持って郵便の送達を行っている、個数でも確認をしている。わからないのは、民間委託をした先の配達がどうなっているかわからぬことはあります。今回の博多の郵便局に起こったやつでも、これは明らかに局内で明確にその過失として起こった事件なんです。
 先ほど私が申し上げたある集中局、きょうは持ってきませんでしたが、私の部屋には破損された小包、これはわざと持ってきたわけじゃないんです、しかし、きょうは大臣にお見せしようと思っておりましたけれども、その機会を逸しました。私はこの六十八条の改正問題、いまの法律のたてまえから言うと、郵務局長の言うとおりかもしれません、法律上。しかし、私は、郵政省は普通小包は六十八条で弁償しないことになっていますから、どんなに壊れても知りません、なくなっても知りませんなんていう態度、そういう態度で果たして郵便事業を本当に信頼をされる郵便事業として、収支相償制度もいいですよ。料金値上げ、国民の委託等、信頼にこたえていくことができるでしょうか。私はいまの郵務局長の答弁等については納得することできませんよ。
 郵務局長、もう一回、これについて、私が言っているのは直ちにといってもなかなか無理だろう、しかし省の責任における部分については一定の責任を明らかにすべきじゃないのか。そして単に郵便局の現場の課長が何か物件費で落としたかポケットマネーかもわかりませんよ、自分で何か持っていって謝ってくる、それもやかましく言ったところにしか行かない。こんなことでない、そういう問題についての一定のサービスの基準というものを私は改めて確立する必要があると思いますが、もう一回答弁をいただきたいと思います。
#283
○政府委員(石井多加三君) 先ほどお答えいたしましたのは、法律的なたてまえから申し上げまして、現在の郵便法、国家賠償法等の規定からいきまして、そういった場合の損害賠償はできないということを申し上げたわけでございます。
 なおまた、この問題についての立法化の問題はなかなかむずかしい問題でございまするので、今後も引き続き検討させていただきたいと思いまするので、その点はさよう御了承賜りたいと思います。
 なお、このたびの博多の郵便局で実際に破損いたしました小包の数はたしか百六十幾つかだったと思いまするが、そのうちで百二十ばかりのものは、これはきわめて軽微な、外装の損傷と申しまするか、中身には異常がなくて、単なる包装紙が破れたというような、それに近いようなものでありましたので、内容の破損がないということを確認いたしまして、これは郵便局におきまして包装し直して正規の受取人の方にお渡しする、ただしその場合に、そのような手違いでこのように包装をこわしましたことについてのおわびを申し上げ、差出人にもそのことを申し上げたわけでございます。
 なお、残りの四十幾つかのものが、御指摘のとおり、内容品に至るまで破損をしたということで、これはまことに申しわけないことでございまするから、その方々に対しましては、関係の郵便局の幹部が、金品と申し上げたのではなくて、その品物を直接持参いたしまして、その点おわびを申し上げたわけでございまするが、その度合いに応じましては何がしかのおわびのしるしの物を持っていったように聞いております。その点が、御指摘のとおり、声の大きなところにばかりそういうことをやって何も言わないところにはそういうことをやってないじゃないかという御指摘でございまするが、その点、私たちはそういったことの一切ないように、公平に――ただ、郵便局か個々に違いまするので、よく徹底するように、今後とも十分指導をしてまいりたいと思います。
 損害賠償を法定化する問題につきましては、なかなかむずかしい問題でございますので、引き続き検討さしていただきますとともに、その間の埋める方策としては、そういうような、非常にびほう的なことになりまするけれども、おわびをして御了解を受けるということ以外には、実は、ほかに方法はないわけでございまして、その点は御理解を賜りたいと思います。
#284
○委員長(竹田現照君) 速記をちょっととめてください。
  〔速記中止〕
#285
○委員長(竹田現照君) 速記を起こして。
 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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