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1974/06/19 第75回国会 参議院 参議院会議録情報 第075回国会 逓信委員会 第10号
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1974/06/19 第75回国会 参議院

参議院会議録情報 第075回国会 逓信委員会 第10号

#1
第075回国会 逓信委員会 第10号
昭和五十年六月十九日(木曜日)
   午後一時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     福井  勇君     迫水 久常君
 六月十九日
   辞任          補欠選任
    山田 徹一君      矢原 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹田 現照君
    理 事
                長田 裕二君
                川野辺 静君
                西村 尚治君
    委 員
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
                棚辺 四郎君
                宮田  輝君
                赤桐  操君
                案納  勝君
                森  勝治君
                藤原 房雄君
                矢原 秀男君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  村上  勇君
   政府委員
       経済企画庁長官
       官房参事官    仲田 嘉夫君
       大蔵省理財局次
       長        後藤 土男君
       郵政大臣官房長  高仲  優君
       郵政大臣官房首
       席監察官     永末  浩君
       郵政省郵務局長  石井多加三君
       郵政省貯金局長  船津  茂君
       郵政省簡易保険
       局長       北 雄一郎君
       郵政省人事局長  神山 文男君
       郵政省経理局長  廣瀬  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       郵政大臣官房建
       築部長      武田 礼仁君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹田現照君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、福井勇君が委員を辞任され、その補欠として迫水久常君が選任されました。
 また、本日、山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹田現照君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法の一部を改正する法律案について、物価等対策特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(竹田現照君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(竹田現照君) 次に、郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○赤桐操君 私は郵便料金の提案された今回の値上げ問題についての質疑に入りまする前に、郵政大臣に基本的な問題についてひとつ伺っておきたいと思います。
 三木総理がさきの施政方針演説におきましても明らかにいたしておりまするとおり、経済的には高度経済成長政策にピリオドを打ち、低成長時代への転換を図ることを明らかにされ、さらにその中で国民の福祉を第一に掲げることを公約として言われておりますが、その政策のもとで、村上郵政大臣は、郵政事業の総責任者として、これから対処されることになろうと思いますが、どのようにこの郵政事業に対する責任を持たれ、さらに事業を新たなる時代へ対応させる決意をお持ちになっておられるか、この点について、まず明確に伺っておきたいと思います。この問題は郵便料金の問題以前の郵政省自体の基本問題として私は考えたいと思うので、そういう観点に立っての御答弁をいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 郵便事業は、全国津々浦々に散在する二万一千余の郵便局を通じまして、国民の日常生活にきわめて密着しております郵便、貯金、保険の三事業を行っております。国民生活の発展、向上を図り、国民福祉の増進に重要な役割りを果たしておる次第であります。
 先生御指摘のとおり、わが国の経済社会情勢は高度成長の量的拡大の時代から生活中心、福祉重視の質的充実の時代へと転換してまいりつつあると思います。郵政事業の運営に当たりましては、こういった時代の変化に即応しながら、従来にも増して効率的運営に努めるとともに、国民の要望に沿った諸施策を講じまして、より一層国民福祉の増進に努めたいと、かように思っておる次第であります。
#9
○赤桐操君 郵政事業は、申し上げるまでもありませんが、いわば無数のポストを持ち、また二万一千を超えるところの郵便局を全国に持っておるのであります。この事業はまさしく地域社会にあって、市民と最も多くの接点を持つ立場にあろうと思います。この郵便局の存在というものは、今日まで、社会、文化、経済各般にわたりまして市民の生活基盤の中できわめて重要な位置づけとなってきていると思うわけであります。市民生活とは切り離せない、いわば空気に近いような状態にあろうと私は思うんです。
 今後、生活福祉をますます大きく前進せしめ、さらにまた向上せしめようとする地域社会の立場からいたしまするならば、この郵政事業の位置づけというものはますますこれに比例して大きくなってくるものと思うのであります。そして市民の生活、福祉、環境基準を総合的に向上発展させるための推進の役割りを果たしていくものは今日地方自治体にあると思いまするけれども、郵政省は、この地方自治体とはどういう関係を持ちながら事業の推進を今日まで図ってこられたか、この点について明確に御答弁をいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(村上勇君) 郵便事業は郵便局を通じまして、国民の基本的通信手段である郵便サービスを提供することによりまして、その地域の福祉の増進とわが国の社会経済の発展、国民生活の向上に尽くしてまいっておる次第でございます。今後とも、社会の発展に即応した事業の運営を図りまして、公共の福祉の増進と地域社会の発展に尽くしてまいる所存でございます。
#11
○赤桐操君 そこで郵便局の現場の段階に入りまして若干の問題をめぐって質問をいたしたいと思います。
 現在、千葉市内には昔からありました千葉郵便局を中心として二つの局が存在いたしておりますが、この千葉市内の郵便局の実情、実態について若干伺いたいと思います。
 まず最初に、千葉郵便局の建設の経過、これについてひとつお答えを願いたいと思います。
#12
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 ただいまお尋ねのございました千葉の郵便局でございますが、この郵便局の旧局舎は昭和八年の四月の建築のもののようでございまして、地域の開発とか発展に伴う業務量の増加などによりまして次第に狭隘となりまして、そういうことから同じ位置に新築することといたしまして、昭和三十七年の三月から工事に着手いたしまして、三十八年六月に現在の局舎、御案内のとおり延べ約六千平米の地上四階地下一階の局舎が新築されたわけでございます。なお、さらにその後における業務量の増加のために昭和四十四年の三月に、この隣地の約千百平米を取得の上、暫定局舎を建設するなどいたしておるところでございます。
#13
○赤桐操君 その後、千葉の人口の増大、千葉県下における開発の進行、こういう状況の中で本局一つじゃどうにもならぬということで、第二、第三の郵便局の増設がかなり地域の中から求められておったと思うのです。その後における経過を御説明願いたいと思います。
#14
○政府委員(石井多加三君) 御指摘のとおり、千葉市の人口の発展は全国的にも著しいものがございます。現在の千葉の郵便局では、配達区域といたしまして百十幾つかの配達区域を持っておるわけでございまするが、この大きさはいまでも全国では一番大きいものの一、二に入るところでございます。
 そのようなこともございまして、かねてからこの千葉市の中に、特にこの千葉市の西部地域は千葉の局と隣の習志野の郵便局及び四街道の局の三局でこの区域内の集配を受け持っておったところでございますが、特にこの昭和四十年ごろからその地域に大規模な団地の造成などが行われることとなりましたために、従来のままの形で集配業務を続けるということは困難になりましたので、この西部地域一帯の集配業務を一元的に取り扱う千葉西局を新設することといたしまして、昭和四十二年ごろから総武線の沿線付近における用地の選定に着手いたしました。ただ、この土地の獲得には非常に難航いたしまして、またその後大規模な海浜ニュータウン計画が具体化いたしましたようなこともありまして、千葉西局ということを考えましたほかに、第三の局を新設して対処していくことが必要になるというふうに認められたわけでございます。
 そういうようなことから、当初のまた計画を変更いたしまして、最初の千葉西局の選定予定地から約二・五キロメートルばかり離れた北東のところに日本住宅公団の団地造成地の一部を昭和四十六年の三月に取得いたしまして、同年の十一月千葉西局の局舎の建設に着手いたしました。四十八年の二月からこれが業務開始いたしておるわけでございまして、御案内のとおり千葉西局の局舎は延べ約六千平米地上四階地下一階というふうなものでございます。
 今後の千葉市の発展もまた予測されまするので、この西局と千葉局のほかに第三の、いま土地を持っておりまするし、あと二つばかりこの発展状況を見ながら局舎も新築しなければならないと、そういうような構想を現在検討いたしておるところでございます。
#15
○赤桐操君 そこで、一つ伺いたいと思うんですが、現在、千葉の郵便局は二つありますが、今日まで人口現在六十三万になっておりますけれども、この六十三万の人口を擁し、要するにこれだけの享便人口を持つ都市で、大体全国的にはどういうような状況で置局がなされているか、御説明を願いたいと思います。
#16
○政府委員(石井多加三君) いま問題になっておりまする千葉市の人口六十万ということでございまして、これと全国的に匹敵する地域を調べてみますと、ちょうど宮城県の仙台の人口が五十六万四千でございまするので、似たところではないかと思います。この仙台の市内の郵便局、まあ集配局でございますが、の数を申し上げますと普通局が三局ございます、それから同じく市内に集配を担当します特定局が三局ございます、合わせて六局ということでございます。ただいまの千葉は、市内に御説のとおり普通局は二局でございます、特定局の集配局が三局、合計五局ということでございます。
 また、ちょっと都市の性格が違うかもしれませんが、兵庫県に尼崎というところがございますが、ここも人口は約五十三万六千ということでございまして、ここの尼崎市には普通局が二局ありまして、この市内には集配を担当する特定局もこれは一つもございませんので、その普通局の二局だけでやっておる。ただし尼崎は若干地域が狭くございますので、千葉とは若干比較できない面があろうかと思いますけれども、大体、全国的に見まして同程度の人口のところの集配局の配置状況は以上申し上げたようなところで御参考になろうかと思うわけでございます。
#17
○赤桐操君 尼崎というところはどうか知りませんが、大体、新潟にしましても鹿児島にいたしましても、これは三十万から四十万くらいの都市でしょう、ここで集配普通局が三局ぐらいあるはずですよ。大体人口四十万台になりますと、普通はもう三局を設置するのが大体の全国の情勢であったと思うんです。
 そういう状況であるので、千葉の恐らく西郵便局も、千葉の本局を建て終わったと同時に土地の物色を始めたと思うんです。しかし、この土地を買収して西郵便局ができるまでには実に七年の歳月を経ておりますよ。三転、四転、五転、六転しておるんです、土地の買収で。それで当時、私は、これでは千葉の本局がパンクしてしまうということで、再三にわたって東京郵政局長にこの実情を訴えて、善処を要望したことがありました。しかしなかなかこれが促進できなかった。たまたまここに公団の土地ができるということで西の郵便局が誕生したと、こういう経過なんであります。
 率直に申し上げて、私も実は当時全逓の立場におりましたので、全力を挙げてこの事情打開のために奔走した一人でございますが、そういう実は苦い経験を持っておるわけなんですね。こういう状況の中で今度やっと二つ目ができたんですが、実は、もうそれでも全体の状況から見ると大変な状況になっておる。
 千葉郵便局の実態を申し上げますると、集配区は、局長はさっき百を超える状態になったので西を建てたと、こう言われたけれども、いま百を超えているんですよ、西を建ててもなおかつ。百十ございます。小包がたぶん五か十あるはずですね。こういう状況の中で、行動半径から見ていっても、またその実際の一人が持ち出す能力から見ていっても、今日の千葉郵便局の実態というものはパンク寸前だろうと思うわけです。そういうような状況の中で、私は少なくとも次の郵便局の問題に速やかに取りかからなきゃならない状況にあるだろうと、こう実は考えまして、かねがねこの問題についてもお願いをしておったんでありますが、なかなかこれができなかった。たまたまお伺いするというと、第三の土地が入手できたと、こう言っておりますが、この入手された土地はどの辺でございますか。
#18
○政府委員(石井多加三君) ただいま入手いたしました土地は、海浜ニュータウンの地域の大体中心に当たる地域にあるようでございます。
#19
○赤桐操君 お伺いいたしたいと思いますが、この土地の買収価格と年月日と面積を教えていただきたいと思います。
#20
○説明員(武田礼仁君) 年月日は、四十八年三月十日に買収いたしておりまして、面積は四千平方メートル、価格は四億四千六百二十九万二千円でございます。
#21
○赤桐操君 そうすると、確認したいと思いますが、これは一平米十一万一千円という相場ですか、それでよろしいんですか。
#22
○説明員(武田礼仁君) 四千平米で四億四千六百二十九万でございますから、大体そのようになると思います。
#23
○赤桐操君 よろしいですね。そうすると坪三十三万ということになりますね。これはどこから買われましたか。
#24
○説明員(武田礼仁君) 千葉県開発庁から買っております。
#25
○赤桐操君 その検見川地区のすぐ隣に高洲という地区があります。これは建築の方実際にごらんいただいてるかどうか知りませんが、高洲というところがすぐ隣接地であります。これも埋め立てして、県が造成を行い、町づくりをしてるところでありますが、そこは四十七年の七月に電報電話局が買収をいたしております。その価格は、取得価格一億四千万円、そして平米単価二万七千円と、こういうことになっておるんですね。すぐ隣なんですよ、半年前なんです。で、これはどうしてこんなに、半年しかたたないで、同じ条件の所がそんなに値段の差があるのか、これは私調べておりませんから、ざっくばらんにひとつ教えていただきたいと思うんです。
#26
○説明員(武田礼仁君) 用地を買収いたします際には、第三者の不動産の評価機関に評価していただきまして、それよりも安い価格ということで購入するということになっております。
 で、この検見川の土地でございますが、検見川――まあ仮称でございます、この土地でございますが、評価機関の鑑定評価額は十一万四千円ということになっております。
#27
○赤桐操君 そうしますとね、これは私は一つ基本的な問題があると思うんですよ。買われた買収価格が不当であるということを申し上げてるんじゃなくて、それはまあ評価に従って買われたんですから、あの辺の土地はそのくらいの評価額だと私も承知いたしております、普通に買えばですね。しかし、私は、この点ちょっと率直にひとつ伺いたいと思うんですが、何で県が主体になって開発を行っているその土地を原価に近いところで買うことができないのか、こういう問題が一つあると思うんですね。この高洲は、電報電話局は千葉市の所有地なんです。千葉市の所有地は二万七千円の平米単価で買って、開発庁からは十一万円の価格でもって買うというのは、余りに開きがあるんじゃないか、こう思うんです。
 で、これは私はやはり少しく、電電の場合の県との折衝の関係、あるいはまた開発計画の中における電電公社の今日まで位置づけられてきた立場と郵政省の位置づけられてきている立場に基本的な差があるんじゃないだろうかと思うんです。二万七千円のものと十一万円のものでは、これは何倍かの差があるわけなんであって、同じ坪数であれば四つも五つも買えるわけなんですね。こういう基本的な問題が一つ郵政省と地方自治体との間に問題点がありはしないかとこういうふうに実は思うんですがね、この点は局長はどうお考えになっておりますか。
#28
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の買収価格の問題につきまして、まあ電電公社の方が少し早くからそういった開発計画の情報もキャッチして、早目にそういった折衝もして土地の取得をしたというふうなことではないかと思うわけでございますが、まあ確かにわれわれといたしましてもこういった新しい発展地に対する局舎の置局計画を立てます祭には、できるだけその地域の県なり市なりのそういった開発の計画の状況をいろいろ事前にキャッチいたしまして、実際に建設をしますのは若干後になりましても、いわゆる先行買収ということを郵政省としても予算の許す範囲内でやってきておるわけでございますが、確かに電話局の建設というものと若干郵便局の建設というものの性格の相違と申しまするか、電話局の場合は恐らくただ建物を建てるだけではなく、当然、地下のケーブル等、むしろ局舎の建設よりもっと事前に道路その他のいろんな関係の工事も必要になりましょうし、その電話局の位置づけがどこになるかによってそういった計画を数年前から立てて、実際にそれでやっと間に合うというようなことに対しまして、私の方は郵便局を建てれば、実際には、後はそこに対する郵便の輸送上の問題、これは郵便専用自動車で郵便を運ぶというようなことで、大体、局舎の建設ということが比較的そういう面で電電公社ほど初めから計画しなくてもいいというような、まあこれはだからといってタイミングを失していいという意味じゃございませんけれども、そういうふうなことも若干影響しているんではないかと思います。
 いずれにいたしましても、われわれとしては予算の許す限り、そういった地域の発展の状況が必ず見通せる場合には何年か前にその土地を先行買収するということをやらなければならないと考えておりまするし、従来、そういった面で少しわれわれの方の情報の入手の仕方が悪かったとか対応の仕方が悪かったといったような点があるということは十分反省しなければならないと考えておる次第でございます。
#29
○赤桐操君 そこで、私はちょっと石井局長にお見せしたいと思うんですが、これは(資料を示す)千葉県の第四次五カ年計画です。これは知事がかわりましたし、千葉県の状況も変わってきていますから、ここに長田先生もいらっしゃいますが、恐らく変えられると思いますけれども、この海浜ニュータウンはこの計画の中でやっております、ここに出ておるんです、はっきり。
 で、ここに四冊のやつがあるんですが、これは第一次から第四次までの開発計画なんです。千葉県の開発については郵政本省も御存じであったと思うんですね。浦安、行徳の南岸から富津の沖合いに至るまで実に四千五百万坪の埋め立てでありまして、恐らく世界のどこを見てもこれだけのものはそうたくさんはないと思うのですよ。これだけの構造的な変革を遂げつつある中で一つの地域の大きな変貌が行われるわけですから、その中で当然郵政省がどういう立場に置かれているかということぐらいはこれは御承知であったと思うのです。しかし、この五カ年計画というものが四回つくられていますけれども、どれを見ても郵政省の「ユ」の字も入っていない。この中には国鉄も電電も皆入っておるのです。またこれをつくるもとになるものがあるのですが、その中にも全部入っています。緻密な計画がもたらされております。残念ながら郵政省の「ユ」の字もこの中にないのですよ。私は、このことについてですね、しばしば第一線で動いた当時も関係の皆さん方にもお訴えをしておったんですけれども、残念ながら今日までそれはそういう積極、能動的な姿勢を見ることができない、こういう状況で今日に至っておるわけなんですね。
 私は、地域社会でこれほどまで郵便局の存在というものが市民の皆さん方に切っても切り離せないほどの大きな存在価値を持ち、そうして大きな役割りを果たしているのに、生活基盤の基本的な一つのポストとなる郵便局について、それぞれの自治体がこんなにまで余り関心がない、あるいはまた郵政省というものについてのまあ認識を持ってないと言いましょうか、なぜそういう状況にあるのかを不思議に思っておるのですがね。この辺のところひとつ局長の所見を承っておきたいと思います。
#30
○政府委員(石井多加三君) 先ほどお答えいたしましたように、いま千葉の具体的な地域についてのお尋ねでございますが、全国的に見まして人口の増加の著しい地域とそうでない地域がございますが、その著しい発展のありますところに対しましての集配機関とかあるいは窓口機関も同じ問題ございますけれども、そういった整備につきましては、その発展状況に応じてできるだけ必要な措置をあらかじめ講じていくというように従来から努力してまいったんでございまして、いま御指摘のような特に発展の著しい地域に対しましての立ちおくれがあることは私もお説のとおりだと思います。
 全国的に申し上げますると、そういった面で各地方の郵便局で、それぞれの地域の発展の見込みをそれぞれの地方の県あるいは市に対しての接触の中から情報を求めまして、それらを根拠にこの地域にこういった施設を増強していかなければならない、そのためには土地の先行買収をしなければならないというようなことを私たちの方へ上申してまいりまして、本省の方においてその必要なものは措置していくということになっておるわけでございますが、いま全国すべての地域の集計を持っておりませんけれども、特に御指摘のありました千葉県とかあるいは神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府それから東京都、こういった地域は特に人口の増加が著しいわけでございまして、この地域に所在しておりまする集配の普通局がいま三百十三ございます。
 この三百十三の局を例にとってちょっと申し上げますと、昭和三十年度から四十九年度までの間に、この三百十三の中で局舎の改善を実施いたしましたものが、いま申し上げた六つの府県で二百八十三ございます。これはまあ九〇%に当たるわけでございますが、その他の残っております三十数県でございますが、その道府県における局の数は七百四十三ございますが、その中でいま申し上げたような同じような局舎の改善をいたしましたものが四百六十一局でございまして、パーセンテージで申しますと、これは六二%ということになるわけでございます。いまの六つの都府県、これは非常に発展状況が著しいということで、われわれの方の局舎の改善も他の道府県と比べますと相当ピッチを上げてやってきたつもりでございます。
 したがいまして、逆に、現在四十九年度末において老朽、狭隘等で局舎の改善が必要と認められる局の数を裏から申し上げますると、いまの三百十三局中四十四局、これはまあパーセンテージで一四%でございますが、それだけの局がまだ六つの都府県の中で割合としては残っておるということは認識いたしております。逆に、残りの七百四十三局中百五十二局、これはパーセンテージで申しますと二〇%でございますが、のところがその他の府県ではまだ改善しなければならないものが残っておる。
 それだけの差はつけて、こういう発展性の著しい地域に対する局舎の改善の計画を立てて実行はいたしておるつもりでございますけれども、特にいまの千葉、埼玉というのは、私も率直に御指摘のような立ちおくれがあるということを認めざるを得ないんでございますが、これは郵政局も一生懸命やっていると思うんでございますけれども、御存じのように、東京、関東という一番全国で大きな地域を三年前まで一つの東京郵政局というところでやっておりました。この二つの郵政局のウエートは御案内のとおり全国の三五%から四〇%にも及んでおるところでございまして、これは言いわけになりますが、そんなこともあってこういう面に対する情報のキャッチの仕方も少しおくれたというようなこともあるんではないかと考えております。
#31
○赤桐操君 ちょっとほかの少し例を申し上げて御参考に供したいと思うんですがね。
 電電公社にしても国鉄にしましても、県や市の計画の中に全部入っておるんです。それでそれぞれがまたみずからの展望も確立をして明らかにしているんです。たとえば私どもが国鉄の千葉の管理局へ行けば、局長はびしっと昭和六十年までの説明するんです。そのことは、同時に、県のいろいろな変貌の推進役をやっている自治体の中にぴしゃり入っておるんですね、こういう状況なんです。それからまた電電の方へ行きますと、これまた即刻明らかにしてくれるわけなんですね。
 その例をちょっと申し上げますと、われわれの方と一番共通部門というべき電電公社の立場は参考になると思いますが、千葉県を四つに分けておりますね、ここは。県の開発計画では三つに分けていますけれども、電電公社はこれを四つに分けている。そして千葉市などにつきましても、あるいはその他の各市に対しても、昭和六十年次までの展望を個々に明確につくって、そして五十五年になったならここはどうする、五十七年になったらここにはどういう局を配置する、こういうところまでぴしっと地図ができているわけですね。それを具体的に見せられるわけです。要するにその昭和六十年次くらいまでの計画はこういうところでは全部自分でも持っておるし自治体にもこのことを明示して、そういう方向づけをしてもらっているわけですね。これは電電公社ではそういうことをやるんですけれども、どうして郵政の場合はそういうことをみずからも明らかにしないのか、あるいは自治体に対してもビジョンを明らかにしてそういう計画の中に織り込んでもらうような努力をしないのか、ちょっと私にはその辺が解せないんですが、それはどういうことなんですか。
 もっと端的に申し上げるというと、電通などは特に施設を膨大に必要とするんです、こういうところでさえもそうなんですね。郵便局の場合には郵便局一つつくればいいわけです、そこへ。私はそう骨の折れる問題じゃないと思うんです。これが一番鉄道を敷いたりあるいは電話の路線を敷設したり大変な施設作業を伴うそういうところの方が先行していて、郵便局のようにポストを置きあるいは郵便局を設置すれば済む、そういうわれわれのような事業の職場が残念ながらおくれている、あるいは接触がないということはどういうことかと思うんですがね、この辺少しお聞かせ願いたいと思います。
#32
○政府委員(石井多加三君) 大都市の近郊の発展地に対しまして、郵便と電話との比較でお尋ねでございますが、若干は事情が違う面はあると思うんでございまして、われわれの方といたしましては、おっしゃるとおり郵便局を建てればいいということでございますけれども、一応その時点ではその地域を受け持つ郵便局が現に恐らくあるわけでございまして、そこの郵便局での配達区域が拡張になるといいますか、郵便区の増区というようなことも必要になってまいると思いますけれども、そこの局の中でそういった局舎のスペースさえ許せば、そこで必要なら増員をした上で、その地域の郵便の配達が現にできるわけでございますが、電電公社の場合は、恐らく電話局の建設、したがってそのもとの地下のケーブル等が一切行われませんと、電話は全然かからない、通じない、つけることができないといったような点、私の方は、そういった地域のどこかの郵便局の近くの集配区域内で一応配達はできる。
 その地域がどんどんどんどん発展し、あるいはその隣接地域等も発展して、現在の受け持っておる郵便局ではとうてい消化し切れぬというふうな、それはもちろん出たとこ勝負では困るわけでございまして、その地域の発展状況を見ながら考えなければなりませんが、そこに先行投資をしてまで土地を何年か前に、そういったものを手に入れてやるというようなそこまではやらずに、大体二年か三年ぐらい前に土地を入手して郵便局の建設にかかるというふうなことでございまして、基本的な計画の立て方は、もうこれは先ほど来仰せのとおりでございまして、情報をできるだけ早くキャッチいたしまして、われわれとしてのとるべき措置をとる。土地の入手その他に当たって地方の公共団体等とも折衝するという必要があるわけでございますが、相手方の原因という中には、あるいは地方公共団体等の電話というものと郵便というものに対する認識の違いもあるかと思いますが、これはわれわれの努力の足りない点もあるかと思います。
#33
○赤桐操君 これは私はちょっと局長の答弁では納得できないんですが、受け持ちの局がその周辺にはあるからとおっしゃるんですが、その受け持ちの局がパンクの状態にあるから、これは千葉の例で申し上げるんだが、第三の敷地もいま求められたと思うんですよ。だから言うなれば、もう第三の敷地も求め、本当は私は第四の郵便局に取りかかっている時機だと思うのです。千葉市の場合なんかは。とっくにもう第三の郵便局ができ上がって正常な運行が行われていなければならない時期だと思うのです、今日まで。しかし、ようやく土地を買収しただけなんですね、実際問題としては。これはやはり私は基本的に一つ問題があるので、要するに、開発全体の中で、あるいは町づくりの中で、発展していく地域社会の中で郵政省自体が積極、能動的な姿勢で町づくりに参画をしていないということじゃないんですか、率直に申し上げますが。
 いま千葉の郵便局の実態を少し申し上げますが、これは郵便区数にして百十、小包もさっき申し上げたとおり十ありますね。この状態は正常であるかどうか、まず一つ伺いたいと思うのです。
#34
○政府委員(石井多加三君) 先ほど私の申し方が確かに不正確な表現になりましたことをおわびしますが、百十五の郵便区を持っておるという千葉の現在の区数は、全国で申し上げましても一、二を争う広いたくさんの区域を持っているわけでございまして、これはどの程度の区域を持つのが一番いいかというのは、その地域の、先ほど尼崎の例を申し上げましたけれども、面積等のこともございまするので、人口だけでこれを一概に幾つということは申し上げかねますけれども、われわれの方のこれは常識的な数としては、大体、七十前後ぐらいの区数を持つのが一つの限界ではないか。
 そういう意味では、確かにいまお説の千葉の郵便局は規模としては大きくなり過ぎておるという感じはいたしますけれども、ただ、今度予定しておりまするのは、千葉の郵便局を新しく建て直す、先生御案内のとおり新しい土地を確保しておりますが、これはそれだけの大きな容量のものを建てて、とりあえずいまの局で局舎が狭いということは一掃できるという考え方でやっておるわけでございます。
 なお、もっと第三、第四の局もということは、お話しに出ましたように習志野でございましたか検見川でございましたか、もっと別の地域に発展しようと今後予測いたしまして、そこはまた新たにいまから置局計画を立てなければならぬ、あるいはまた第四の局も考えなければならぬというふうにこれから先は予定しておるわけでございますけれども、いまの千葉の局だけで百十幾つの区があるということは、これをそのまま二つに割るのがいいかどうかは、これはいろいろ経済計算もしてみなければなりませんので、大き過ぎるという感じは持っておりまするけれども、これを果たして分割する場合、分割の仕方は七十と四十ぐらいにするのがいいかどうか、今後できる局との関連も考えながら、これは十分検討してまいらなければならぬと思っておるわけでございます。
#35
○赤桐操君 千葉郵便局の物の流れのぐあいは御存じですか。
#36
○政府委員(石井多加三君) 千葉の郵便局は一日に大体窓口で引き受けます郵便が十一万五千、それから受け持ちの区域内のポストから集まるものが約七万三千でございますか、合わせますと一日十八万八千の郵便を引き受けるわけでございますが、これをあて先ごとに区分けを行っているわけでございまして、そういう意味におきましては、別に、特に量が多いという意味を除きますと、他の郵便局と同様の取り扱いとなっておるわけでございます。
 なお、一日に千葉の郵便局で現に配達しております物数は約十三万通というふうに見ております。
 それから千葉郵便局の位置づけを考えます場合に、よそからくる郵便について申し上げなければならぬわけでございますが、他の府県から到着いたしまする千葉県あての郵便物の中で一種、二種それから小包につきましては、ほかの小さな郵便局と同じように扱っておるわけでございますが、定形外と三種以下のいわゆる大型郵便につきましては、これは船橋と松戸、柏といったような市川周辺あてのものは、これは郵便番号上のいわゆる二十七地域と申しておりますが、これにつきましては市川が分配局になっておりまするので、市川で分配事務をやっておる。それからその他の地域、郵便番号で言いますと二十八地域、二十九地域につきましては、いまのこの千葉で一切分配事務をやっておるわけでございます。この分配事務の一日の数量は大体三十一万というふうに聞いておるわけでございます。
#37
○赤桐操君 大臣、ランニングストックというのを御存じですか、余り御存じないでしょう、どうですか。恐らく石井局長も御存じないんじゃないかな。御存じないと思うので、私が少し大臣に御説明しておきましょうか。
 私もこれ聞いて実はランニングストックというのはどういうものかと思ってちょっと驚いたんですよ。そしてどういうものが一体ランニングストックかと思って聞いてみましたところが、行のうに入ってまだ処理がされていない排送過程のものだと、こういう解釈なんだそうですね。これは積んであってもランニングストックなんだというんです。おかしいじゃないかと、停止されてストックされておる、それがランニングストックとはどういうわけだと、こういうことを言ったけれども、これはランニングストックなんですと、こういう定義だそうです。これは全逓が発明したんじゃなくて、省側から出た新語ですから、この際、ひとつ御披露申し上げておきたいと思うけれども、このランニングストックというのが実は大変なんですよ。
 いま一番その中で端的な千葉の例を申し上げまするというと、三月の月に扱ったやつが臨時便というやつでこれは恐らく大変なもんだと思うんですが、この一カ月で予定しない行のうが一万八百十四入ってきておりますね。そして多い日には大体九百袋から千袋に及んでいますね。でかい行のうですよ、大臣御存じでしょうな、行のうは。この郵袋が大体九百から一千くるんですよ。それでこの三月の月には一万八百十四、こういう数字に上っておるんですよ。それから四月の月は九千二百六十一なんです。五月に入りますと一万三千五百七十九とふえておる。
 これは私は石井局長に後で調べておいていただけばいいと思いますが、これは定員の中に入っていないと思うんですよ、定数の中には。これは大体処理するのに本務者がもちろんリードしながらやるんですが、臨時のパートタイマーを雇っていろいろやっておるようでありますが、これは大変な混雑をしているようですね。行のうでとにかく一千袋といったら大変なものですよ。これがほとんど一日置きから毎日のようにきておる。これはランニングストックの中の最たるものです。これひとつ御紹介しておきたいと思う、大臣よく覚えておいてください。これは千葉の郵便局だけじゃないんです。東京、関東周辺の局はもう全部そうなんです。
 こういう状況でありまして、いわゆるいまの千葉郵便局等の物の流れというものは、私はこれが正常だとは思わないんですよ。集配区百を超えているという状態もまことに不正常な状態だと思う。だから西郵便局をつくったと思うし、今度また検見川の土地を買ったと思う。同じようにこういう状態が常態として続くということは、これはいささか郵便局のあるべき姿ではないだろう、郵便事業の正常な状態だとはこれは言えないんじゃないかと、こう思うんですがね。これは全逓が労働争議でストック出したなんて、こんなものは大したことはない、一日か二日しかやらない。これは毎日なんですからね、ほとんどが。一万袋を超えるんですよ、一万個数を超えるんです。これはどういうことになるのかということなんですがね、局長は御存じなかったでしょうか。
#38
○政府委員(石井多加三君) ちょっとただいま御指摘の数字は、私の方でその辺の調査したものを持ってまいっておりませんので、的確なお答えになりかねますが、千葉の郵便局で私たちの方で一番問題があるといたしますと、先ほど申し上げましたいわゆる大型のものの分配事務を千葉県の二十八、二十九地域全部をやってもらっており、その数字が先ほど申し上げましたように三十一万でございますが、この数字はかなり内部の仕事の圧迫になるんではないかというふうな感じを持っておるわけででざいますが、ただいまのいわゆる臨時便等によってきました数字は、私の方で聞いておりまする数字と少し違って大き違ぎますので、これはなお十分調査した上でお答えを申し上げたいと思うんでございます。ちょっと的確なお答えをいたしかねます。
#39
○赤桐操君 私が申し上げた数字はオーバーな数字じゃありませんから、この数字は明確に現場に出ていますから、行ってごらんをいただきたいと思います、現場の数字を私が見てきたんですから。
 これはひとつそういうことで千葉の例でいま申し上げたけれども、このことは東京、横浜、浦和、川口、これらの近県のそれぞれの分配局等において通例起きているみんな常識になっている現象ですから、正常ではないと言って私たちは主張するけれども、これはランニングストックなんだと、計画排送中のものでございますと、こういう形で処理されている問題ですから、これは明らかにしておきたいと思うんです。そういう物の流れというのはないだろうと思うんですね。
 そこで、この状態をひとつ御認識を願った上で、もう一遍もとに戻りますが、要するに千葉局の例にしても川口の例にしてもそうです、横浜の例にしてもそうですね、みんなぎりぎりまできてパンクしなくちゃやらないという状態じゃないですか、率直に申し上げて。いま千葉郵便局はもうパンクですよ、これは。だれが見てもパンクですよ、これは。郵便局の仕事をやる玄人が見たら、こんな状態をなぜ放置するかと言わざるを得ない状態です。御存じない素人の方はわからないと思いますが、したがって腰椎症、脊椎の病気ですね、こういう職業病はみんな発生してきているし、大変な苦労をしているのが現状です。そういうような不正常な状態にまでいかなければ施設を施さないということは、これは一貫して郵政省に言える一つの基本的な態度じゃないですか、ちょっとおかしなものの言い方になりますけれどもね。
 私はそういう姿勢が、たとえば今回千葉で検見川の土地を買収するにしても、電電の場合はすぐお隣の土地を平米二万七千円で買っているけれども、これは計画の中に入れてもらって水の中でもう電電の場所は決まっておる、埋め立てしないうちから。郵政の方は、一般価格が決まって売買譲渡が始まってからその土地を買収にかかるから三倍も四倍も五倍もはね上がってしまう、こういう状況なんです。開発庁あたりから買収するにしても、電電が買った土地よりも半年たたないうちに四倍から五倍の相場を出さなければ買えない、こういう状況になると思うんですね。それで予算を食いながら、予算が足らない、予算が足らないと、こういう繰り返しでは、これは郵政事業が地域社会の中に大きく発展し、能動的に飛躍していくということにはならないだろう、こういうふうに私は考えるわけですね。そういう意味で、要するに千葉を初めとしてこれらの地域にいずれも五年から七年のおくれが見受けられる。私は率直に申し上げたいと思うけれども、こういう実態ではないかと思うのですね。この点は石井局長はどのように御認識なさっておりますか。
#40
○政府委員(石井多加三君) 千葉の郵便局の現在非常に行き詰まっておる状態を打開いたしますための方策として、新しい土地をすでに入手し、いま新しい局舎の建設を計画いたしておりますことは申し上げたとおりでございます。
 全般的に申し上げまして、確かに千葉市内のそういった発展状況に対応する郵便の局舎等の施設が立ちおくれてきたということ、また当初の計画の中にもう少しわれわれの方の努力によって県の計画等の中にもあるいは食い込めたかどうかというような問題、それからそういったようなことから土地の先行買収ということになろうかと思いますが、その辺がわれわれの方の予算の範囲内でどの程度までできるかというような問題等々、いままでこういった面に対する措置として十分ではなかったということは私も率直に認めざるを得ないと思います。こういった教訓を踏まえまして、今後、千葉のみに限らず、全国の発展性の非常に著しい地域に対する手当てを的確にとってまいりたいというふうに考えます。
#41
○赤桐操君 それでは、ひとつ伺いたいと思うのですが、そういうようないままでの状態、それからいまもなおかつそういう状況で進んでおると思うのですけれども、電電の場合には先取りでものをどんどん打ち出しておるんですね、端的に申し上げれば。しかし、郵政はどうしても一定の人口ができ上がって一定の町ができ上がらないと腰を上げない、こういう状態じゃないかと思うのですね。それで開発の計画だとか町づくりとかというものは地方自治体でどんどん推進しているのは明らかになっておる。現場の局長も知っておる、これは。しかし残念ながらそれは手をつけないんですね、郵政省というのは、正直申し上げて。そのことに私は多年にわたって疑問を持ってきたんです。
 ここでひとつ伺いたいと思うことは、私がいま申し上げたのは、千葉をよくしてくれとか、そういう意味で言っているんじゃなくて、千葉が端的にあらわれた例だから申し上げたわけなんですから、これは誤解のないようにしてもらいたいと思いますが、要するに、こういう郵政省の姿勢というものは、これは制度上に問題があるのです。お隣の電電公社はどんどんダイナミックに仕事をしておる、郵政省はどうしてもそれができない。これはある郵政局長に、お名前忘れましたけれども、私がこのことを迫ったときに、それは公社の場合と違いまして私どもには残念ながらできないんですと、こういう答えが返ってきたのを記憶しているんです。これはどなただったか私忘れましたけれども。したがって私はそれ以来これは制度上できないのかと、こういう疑問を持ってきているんですが、制度上できないのかどうなのか、それとも予算上できないのかどうなのか、こういう点をひとつ局長明らかにしてもらいたいと思うのですがね。
#42
○政府委員(廣瀬弘君) 財政会計制度上困難であるという性質のものではないと思います。こういった局舎建設の計画を立てる場合、必要な個所につきまして優先的にこれを予算で見積もって計画していく、こういうことになると思いますけれども、何分郵政事業の場合は総体の枠が非常に小そうございます。したがいまして電電の建設規模、ただいま私よく承知はいたしておりませんけれども、これと比較いたしまして小さな規模であることは確かであろうと思いますので、そういった総額予算の制約から思うように建設計画が実行に移せないというのが実態ではなかろうかと考えております。
#43
○赤桐操君 そうしますと、予算があればできるんですか、先行取得は。
 もっと具体的に申し上げるというと、ここに十五万坪の土地を埋め立てすると、その場合に、郵便局の敷地が必要だと、こういうときには計画の中で、もっと端的に言えば水の中で計画の中に入れてもらえるんですか。
#44
○政府委員(廣瀬弘君) 歳入歳出予算でございますので、計画が明確に立てられるということ、それから歳出が適正であるということがやはり必要であろうと思いますので、そういった条件というものが相当確定的につくられてまいらなきゃならないと思います。相当、たとえば十年先とかということになりますと、なかなか予算を編成する技術の上からまいりましても、非常にそういった意味で確定要素として取り上げられるかどうかというところに問題があろうかと思いますが、三年とかあるいは二年とかというような近い計画でございますと、これは予算編成の上でも十分そういった条件をもとにして計画できると思います。
#45
○赤桐操君 もうちょっと詰めて、大変恐縮ですがね、お尋ねしたいのだけれども、電電の場合には第四千葉というところを、いまこれは昭和四十六年の三月に取得をして工事中なんです、現在。ここに電報電話局をつくっているのです。ところがこれの完成は昭和五十四年なんですよ、昭和五十四年。これは昭和五十四年に完成するために、実は昭和四十六年に買収しているんです。この計画は私は明確な展望を持ち、確定的な要素を持った条件の中で電電は買収に踏み切ったと思うんですね。しかし郵政省はこういう場合はやれるんですか。
#46
○政府委員(廣瀬弘君) ケースによってそれぞれ異なるかと思いますけれども、ただいま申しましたように、そのことが技術的に可能かどうかの問題よりは、むしろ先生御指摘のケースの場合は、総額の予算の中で緊急性の高いものから順次実施していく場合、どれだけその順位の中に組み込まれていくかというような問題ではなかろうかと考えております。したがいまして、これはお答えにならないかもしれませんが、技術的に可能、不可能の問題ではなくて、しょせんは総額の予算の規模の制約ということになっていくのではなかろうかと考えます。
#47
○委員長(竹田現照君) これちょっと大臣にお願いしておきますけれどもね、いまの赤桐君の質問、先日の案納君の質問も、私が昭和四十一年の郵便法改正の際に同じ問題を提起しておって、そのとき、まあ郡先生もいらっしゃるが、郡郵政大臣からもいろいろお答えがあって、十年たって再びこういう論争があって、なおかつ的確な御答弁がないということははなはだ遺憾なことなんですよ。ですからね、私が十年前に質問したことと同じようなことを、いま委員長の座に座っておりまして聞くということははなはだおもしろくないですよ。
 やっぱりそういう点ははっきり考えていただいて、ぼくはいま議事録を持っているが、四十一年五月十二日に私は同じような問題を北海道の例をとって言っている。ですから、その点はもう少し前向きのしっかりしたお答えをしない限り、先日も最後に私は速記をとめてお願いしたけれども、質問者はいつまでたっても納得しないですよ。その点は私からも重ねて郵政当局にお願いします。
#48
○赤桐操君 私は率直に申し上げますけれども、これはやはり一つの最も基本的な問題だと思うんですよ、このことは。
 昔、よく請願による郵便局という時代がありましたね、いまの特定局をそう言ったんですけれども。請願による郵便局というのはずいぶん昔の話なんですが、そして郵政省はそれはひとつ許可をする、こういうことであったんですね。いまはそういう時代じゃないんですよ、どんどん町は新しく変っているし、地域変貌は遂げられているんですね。その中で請願による郵便局時代の姿勢で町の政治をやっておったって、これは前進しないですよ、郵政省の仕事は。私はそうだと思う、率直に申し上げまして。
 この基本的な姿勢が変えられなければ、これからの私は三木内閣が公約をし、福祉社会をみずから先頭に立ってつくっていくんだという意欲に燃えた政策の遂行はできないと思うんです。その閣僚としての村上郵政大臣が問われている問題だと思うんですよ、どうでしょう、大臣。
#49
○国務大臣(村上勇君) 先生も御承知のように、いずれの部門をとってみましても予算には制限があります。野方図に郵便局舎であろうがあるいは何であろうと、頼まれるから、何ぼでもつくれるというような予算はないはずでございます。したがいまして重要度の高いところからこれに追われながらつくっていっているというのが現実であろうと思います。
 そういう意味から、私は、先ほど先生のお話しを承って、これはもう大変だと、六十万以上にも膨張した千葉市に郵便局が二つかそこらしかない、これは大変だなあと、こう思っております。
 が、ただ、あなたの計画の中に郵便局関係は何もないんだと、こういうことでありますが、それは郵政省が悪いのか、千葉県なり千葉市なりのその計画の中に、やはり病院はこういう病院が必要である、これだけの人口になればここには郵便局が必要であるというような計画があって、そうしてそれを千葉県の先生方も、長田先生も千葉県ですが、先生方がこういうような計画のもとにどうしても必要なんだと言って、郵政当局に強く要望するというようなことで、その重要度というものが、これは横須賀よりも横浜よりも千葉の方が緊急を要すると、こうなって、これは三百代言式の私の答弁かもしれませんが、しかし、そういうものなんです。
 どうしても私どもがやはり道路にしても橋にしても、さっき先生うまいことを言いましたが、請願局とか陳情局とか言いましたが、まさに私はそれによって判断する以外ないのじゃないか。こちらから御用聞きに行って、おたくはずいぶんふくれましたが、大変でございましょう、ここに郵便局をつくりましょうというほど、積極的にやっていくほどの要するに予算がない。やはりくらくら言って揺すられながら、そうして重要度を判断していく、それだけではいかぬですが、また理論的にもなるほどというように言わすところが必要なんじゃないでしょうか。そんなことを言うと速記をとめて話をしなければ、あとで問題になるかもしれませんが、私はやはりただ郵政省が――これは結局金さえあれば、百姓の水げんかと同じで、水さえ、雨さえ降ればけんかがおさまるのと同じです。とにかく金さえあれば御満足のいくようになるのですが金がない、御満足のいくだけの金がない。その金がないから自然にその熱のあるところに、熱だけでもいけませんが、その両方で重要度というものを判断して、そういうことでひとつこれからはやりましょう、千葉市の問題も。大いにいまのあなたの熱誠あふるる御意見によって、われわれもこれから考え直さにゃいかぬ、こう思っております。
#50
○赤桐操君 ちょっと生れた時代が違うように思いましたね。
 私は、これは申し上げても仕方がないが、正直申し上げて、地域社会の中で、やっぱり進んでいる状態の中で、いまのような姿勢では、残念ながら郵便局は取り残されてくると思うのです、郵政省の存在は影が薄れていくと思いますよ。そうじゃなくて、新しく町づくりが行われるならば、その中に積極能動的に入っていく、こういう状態が郵政省の中にも出てこないと、最初の町づくりから参画することができないということになるのであって、これは地域社会からおくれていくことは当然だろうと思うのです。どうもちょっと時代の差を感ぜしめられまして残念でありますが、まあ御答弁でありますから終りにしておきますが。
 要するに、私は予算上からきているとするならば、これは金をこしらえればいいわけなんです。制度上からきているとするなら、制度の改革をしてもらわなければならない。どうもその辺が明確でなさそうでありますから、その点はひとつもう一遍よく検討を願いたいと思うのです。
 そうして予算上からきておるなら、重要度ということをしばしば言われておりますが、千葉ぐらい重要度の高いところはもうないと思うのです。その千葉が五年から七年ぐらいおくれちゃっているんだと、これはどういうわけだと聞いておるわけですから、これはちょっといただける答弁ではないと思うのですね、残念ながら。だから、これは要するに予算上からきているならば、予算の獲得を行って、さっき経理局長の答弁の中では、的確な計画であることを必要とするように御答弁になりましたけれども、的確な計画、確実性を持った計画という意味だろうと思いますが、それの判断の問題になりますけれども、それはどういう程度のものですか。
#51
○政府委員(廣瀬弘君) 程度ということにお答えになるかどうかわかりませんが、その地域の公に認められたような計画、都市計画とかあるいはその他の計画だと思いますが、そういった公に認められた計画があるということはやはりその一つの要素になるかと思います。
#52
○赤桐操君 そうすると、千葉の市には千葉市の計画があるし、県には県の計画があるんですね、これは客観的に見ても議会を通過した計画ですよ、あるいはまた了承を得ている計画ですよ、これは郵政省として評価するのですか、そういう意味に受け取っていいですか。
#53
○案納勝君 関連質問をいたしますが、四十六年に第三次の局舎の建築五カ年計画、四十六年からの五カ年計画、それはどのように策定をされたのか、いま現在四年目になりますが、いまの質問に関連ですが、その五カ年計画の進捗状況はどうなっているか、その点あわせてお答え願いたいと思います。
#54
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の四十六年から五十年度までの五カ年の郵便局舎の改善の計画の進捗状況を申し上げておきたいと思います。
 まず普通局でございますが、普通局の計画で申しますと、これは結論的な金額で申し上げますると、この五カ年間に建物が千二百三十二億六千三百万という数字でございまして、これが計画の金額でございまして、成立の金額で申しますと九百九十五億二千七百万、計画と成立との割合で見ますと八〇・七%というのが計画と成立の比率でございます。
 建物についていま申し上げたんですが、土地について申し上げますと、この五カ年間に同じ普通局で五百三十八億九千七百万の計画に対しまして、成立予算は、これは計画より上回りまして五百四十五億五千三百万でございます。一〇一・二%というのが予算と計画の実績でございます。
#55
○案納勝君 局数は。
#56
○政府委員(石井多加三君) 局数を建物の方で申しますと、計画が二百九十八局、成立が二百十四局。それから土地は、これは土地の値上がりによって局数が減っておりますが、計画は二百五の局数の計画に対して成立は百五十四の局数ということになっておるわけでございます。
#57
○案納勝君 もう一回重ねて、それは特定局局舎も入ってるんですか。
#58
○政府委員(石井多加三君) いまのは普通局でございます。
 特定局の数字は、この五カ年間の建物の計画数、局数で五百局、それから土地も五百局でございますが、成立は同数で土地、建物ともそれぞれ四百七十ということでございます。
#59
○案納勝君 私は二点質問したんです。まず第一点は、この五カ年計画の策定に当たっての基本的考え方、どのような考え方で策定をされたのか。先ほどから千葉の問題等出ました。あわせていまの局数、五カ年計画の現状、進展状況を説明された。第一点について、もう一回といいますか、御答弁いただきたいと思います。
#60
○政府委員(石井多加三君) この五カ年の問計画の基本的な考え方と申しますと、先ほど来問題が出ておりまするような局舎の改善でございますが、内容と申しますと、まず全国に老朽、狭隘な局舎がまだずいぶんたくさんございますけれども、それの解消、それがまず第一の基本でございまするし、同時に、ただ既存の老朽、狭隘の解消ということだけじゃなくって、先ほど来の、たとえば千葉で問題が出まするような、これも既存の局では処理し切れないという関係になりますけれども、新しい発展地に対する置局というふうなものと両方をこの五カ年間に計画をいたして、将来の発展に備えたいというふうな考え方でございます。
#61
○長田裕二君 先ほどから赤桐委員の御質問並びにそれに対する省の方の答弁を聞いて、まあまことに何といいますか、胸が痛み骨が削れるような感じがする次第で、貴重な時間を少しいただいて省の方にお尋ねし、また、こちらの考え方を申し上げたいと思うわけですけれども、先ほどからの質疑応答の過程に見られますように、確かに千葉県の局舎というものを例に挙げて、省の全国地方自治体あるいは各地の状況把握等への取り組み方が問われているんだろうというふうに思うわけでですけれども、その地方自治体が郵便事業あるいは貯金、保険の事業に対して十分関心を持ってない。先ほど冒頭に空気のようだと、人家ができれば郵便は配達されるものだと、市内地なら二度、そうでないところは一度、必ず配達されるものだという意味の関心の薄さということも確かにあると思いますし、また建設勘定全体のゆとりが十分ない。いつも追っかけ追っかけていかざるを得ないという一つの財政事情というものも私ども体験したところでもあるという感じがします。
 同時に、確かにそれぞれの状況の把握というものがいまの郵政省の構えでは十分でない。郵政局や本省の担当官は相当努力しているにもかかわらず、そういうことが十分できにくいような構えだということも一つ大きな原因じゃないかという感じがいたします。そのために、先ほどの赤桐委員の御質問のように、いま同じ場所を買うのに何十億の金額の違いが出てきてしまって、それがまたある意味では財政圧迫にもなっているというようなことだと思うわけです。そこで、こういう現象は局舎の建設だけかどうかということになりますと、さっきの郵便の滞留の問題にも関連しての行き違い、食い違いが見られましたように、現状把握というものは、局舎建設ばかりでなしに、業務の運営にも相当響いているという感じがします。
 御承知のように、去年でしたか、松江郵便局の次長が、郵便が非常におくれるということについての市民の怒りのために刺されて重傷を負ったということがありますけれども、あれなども定員が足りたのか、十分あったのかどうか、あるいは能率がほかの局と比べて普通だったのか、あるいはどうだったのかとか、いろんな事情があるわけでしょうが、少なくとも郵便の遅配に対する怒りから郵便局の次長、県庁所在地の局の次長が刺されてしまうような実態、それはもう突然のことじゃなくて、相当期間続いた後のことですから、そういうことについての状況というものも、これはまあ報告もあったのかもしれませんが、打てば響くような心構えと同時に、やっぱり全体の構えも影響してくるという感じがします。
 そして先ほどからのお話しの中の大きな鉄道なり電電なりと郵政なりの違いは、県単位の組織を持っていない、県庁所在地の郵便局長といえども自分の局限りしかほとんど権限を持っていないということだろうと思うわけです。これはまあ逓信省から郵政省と電気通信省が分かれたとき以来の因縁もあるわけですが、なかなかいまそういう県単位のものをつくろう、あるいは構えを変えて取っかかろうとしても予算の問題等でやりにくいことも実によくわかるわけですが、しかし、私は、ある意味ではいまはいい時期じゃないか。竹田委員長は先ほど十年前に問題を提起して今日まで解決していないという意味の怒りを漏らしておられたわけですけれども、ある意味じゃいい時期じゃないかと思いますのは、一方では、地方貯金局の近代化、合理化というものが進んでいるわけです。たとえば新しく県単位の組織をつくろうというようなことになりますと、そのために人をふやそうということになりますと、これは財政、大蔵省を初めとする、あるいは行管等の抵抗もかなりあるわけです。一方で地方貯金局の合理化というものに伴う減員が相当見られているわけですし、私どもは、郵政省で認める県単位、特に大きな郵政局での先ほど挙げられたような地域での掌握の仕方、そういうものについて、一方でどんどん減員されているその者を回すとか、そういうようなことによって、またあるいは計算センターというようなものを計算関係の事務を近代化することと関連して再編をして、新しい将来の事態に対応するような組織を考えて、これを進んで積極的に財政当局や行管等に提示していく、そういう構えが非常に必要ではないかと思われます。
 郵務局だけの問題じゃなくて、省全体で――ともすると郵政事業は郵便、貯金、保険という縦割りに上から下まで流れてしまいがちですし、電気通信の方は電信電話という業務を中心にして、計画だとか営業だとかその他、ちょうど丸いケーキを方々からナイフを入れてやるような形で、郵政省の場合は郵便、貯金、保険という離れ離れになったケーキが並んでいるというみたいに、総合性の欠如ということもうっかりするとありがちですけれども、そういうような点も込めまして、これから先恐らく職員の採用についても非常にこちらが望ましい職員を採用することはなかなかむずかしゅうございますし、あるいは訓練をする、あるいは職場でどういうふうな気持ちを持ち、どういうふうな働きをしてもらうかということ、あるいは施設、環境をどう整えていくか、一つ一つが非常にむずかしい時代に、芸の細かい、しかも先取りをしたことができるような構えというものをやっぱりつくっていく必要があるんじゃないか。本省なり郵政局なりで、いまよその隣接の地域について何も権限を持たないばらばらの、たとえば関東郵政局で言えば二千数百カ所の個々のものの状況を把握しろと言っても、熱意はあっても能力はあってもできかねるような構えというものを直していく、新しくつくり上げていく、そういうことが必要なような感じがいたしますが、これらにつきましても、私は、大臣や関係部局長の御意見を伺いたいと存じます。
#62
○国務大臣(村上勇君) 御意見まことに当然なことだと思って伺っておりましたが、とにかく何と申しましてもやはりこれは金がなければどうしても一歩も譲れないということでありますから、これらの予算について私どもはこれから事務当局本当に腕をふるって予算を獲得するように努力いたしますから、どうかひとつ委員の先生方も与野党を問わず御協力をお願いいたします。
 特に、先ほどの赤桐先生の御質問に対しては、私は、もっとも明治で古いんですけれども、考え方は決して古くないと思っておりますし、ただ、ないそでは振れなかったということでありますが、とにかく、今後は、重要度の、緊急を要するところからどこまでも御期待に沿うように積極的に推進していくようにいたしたいと思います。どうかひとつ、そういうことでありますのでいろんな面についての御協力をお願いいたします。
#63
○赤桐操君 この問題はこれで終わりにいたしたいと思いますが、よく言えばしにせの貫禄と申しましょうか、郵政省は長い歴史を持っているだけに、いまどきの言葉で申し上げますると追随行政とこういうことなんですけれども、こういうことは一日も早く改めて、ぜひひとつ、いま年ではなくて若さを強調された大臣の基本姿勢で新しい地域社会、福祉社会実現のために郵政省が先達となって動けるような、制度上、予算上、それから郵政省全体の姿勢の問題、これをひとつつくり上げてもらいたいということを私は最後に要望いたしまして、この問題については終わりたいと思います。
 そこで、そういう積極能動的な姿勢を今後郵政省にとっていただくことにいたしまして、次の問題に進みたいと思います。
 千葉県の例を私はよく申し上げて大変恐縮なんですが、これは全国的にそうなんですが、一番私が目で見、実際に自分で歩きながら知っているところをもとにして申し上げないとこれはいけないので、また身近な問題を引例しながら申し上げたいと思いますが、今度の問題は、団地と申しましょうか、団地の町づくりと置局の関係について少しくお尋ねをしてみたいと思うのです。
 千葉県では、いま団地人口大体約百万でございます。大変な人数に発展をいたしております。この中でたくさんの住宅団地が生まれているのでありますが、きょうはそれ全部の資料を申し上げる時間もありませんし、主なるものを取り上げてひとつ申し上げてみたいと思います。
 千葉市に小倉台というところがございます。これは千葉県の住宅供給公社がつくった団地でございまして、この戸数は二千三百ほどで、これはかなり大型の団地でございます。事業年度は三十六年から四十一年、こういう中で行われた事業でありますが、ここで郵便局の設置の年月日は、お尋ねしてみまするというと、昭和四十三年の三月、要するに二年おくれているわけですね。ここで同じく電電公社のサービス開始を申し上げまするというと、昭和四十一年の四月にサービスが開始されております。電電は四十一年の四月、郵政は四十三年の三月、ちょうどまる二年の差が出ております。この団地の事業年度が三十六年から四十一年ですから、多分入居は三十七年の終わりから始まったと思います。それで第一次、第二次、第三次という入居年月を経ながら四十一年にこれは完成していると思うんですね。その四十一年に電電は入って、郵政は四十三年、こういうことでございます。
 それから千城台というところがあります。これは同じく千葉市内でございますが、千葉県都市公社がこれは造成をいたしております。この例で申し上げまするというと、ここは八千八百戸、膨大なものでございますが、ここの事業計画は四十年から四十六年、この六年間で実は行われているわけでありますが、ここでは郵便局の設置は昭和四十七年の三月、電電の方のサービス開始は四十四年の三月でございます。恐らく四十年度から始まっていますから四十一年度から入居が開始されていると思います。そうすると四十七年ということになりますというと大体六年から七年間は郵便局がなかった、こういうことになろうかと思います。
 さらにまた、こてはし台というところがありますが、これは千葉県住宅供給公社によるものでありまして、計画戸数は二千四百戸でございます。これもかなり大きなものであります。もう今日完成しておりますが、これは四十年から四十八年の期間で行われまして、郵便局の設置が四十八年の六月、こういうことであります。電電の方のサービス開始が四十一年、これも大分おくれが見られるわけであります。
 大体、こういうぐあいに、これはずっと読んでいくと切りがないのでありますが、とにかく全体として、入居と同時に設置をされているものも幾つかはありますけれども、大勢としてはほとんど二年から七年くらいのおくれを来している、こういうことがこの具体的な資料によって明らかだと思うんですね。こういう状態の中で、いま団地の郵便局の問題が非常にあるわけでありますけれども、こういうぐあいにおくれていくのは、これはどういう事情によるものであるか、この辺ひとつ御説明願いたいと思います。
#64
○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘の千葉県下の団地の中における郵便局の設置のタイミングと電電の方の電話局のタイミングとの比較の数字を仰せになったわけでございますが、私は電電公社の方の置局の的確な数字を持ち合わしておりませんけれども、いま千葉県全体での団地の中で一千戸以上の場合の入居開始というそのタイミングと置局の関係の時間的な差がどうなっているかについてちょっと申し上げてみたいと思います。
 私どもの方の調査によりますと、千葉県の中で、たとえば同一の造成主体によって一千戸以上建設された規模の大きい団地が三十二あるようでございます。これらの団地の中で、団地の付近に既設の郵便局があったもの以外の三十一団地を対象として設置したわけでございますが、それぞれの団地の入居開始から郵便局設置までの期間について見てみますと、入居開始から郵便局設置までの期間が二カ月以内のものが十局ございます。したがいまして、これは三〇%ということになるわけでございますが、二カ月を超えて六カ月以内に設置したものが三局、これは九%。六カ月を超えまして一年以内のものが二局、一年を超えて二年以内のものが六局、二年を超えて三年以内のものが六局、それ以上かかっておりますものが七局ございます。したがいまして三年以内に置局いたしましたものが全体の約八〇%近いものを占めておるわけでございます。
 電電との比較は私何とも申し上げかねますけれども、入居を始めましてすぐ郵便局を置くというわけにはいかないわけでございまして、窓口の施設でございますから、先ほどいろいろお話しのございましたような集配施設の問題はこれはかなり先行投資とかいろいろなそういった問題が出てまいりましょうけれども、現在、こういった団地の場合の置局の考え方は、御案内のとおり、大体、いまできるだけ住宅公団等の場合には、相手方との契約によりまして、相手が適当な土地を、団地を造成する際から、提供してくれる、しかもその上に適当な郵便局の局舎も建てて郵政省に貸してもらうというような契約もできておりまして、特に住宅公団との間にはそういう方面の話し合いはきわめてスムーズにいっております。あと民間のデベロッパーのような場合の問題はなかなか相手の商業主義もございまするので、われわれの考えておるような適切な土地を団地の中で適当な価格で分けてもらうというようなことが若干問題があるかと思いますけれども、そのようなことで現在こういった団地に、これは全国的に見ましてこういった団地の場合の郵便局の置き方は、相手方のそういう局舎、土地の提供によるものが大体七割五分ぐらいあろうかと思います。残りのものがいろんな形でそれ以外の人の建てた物を借りるというふうな形でございます。
 郵政省が団地の中にあらかじめこの辺に郵便局の窓口が必要だということで国有の土地を当初からその中に買い込む、先行投資と申しますか、そういうことはこれはいろいろ議論があるところでございますけれども、特定局の局舎の建設につきましては、できるだけ、先ほど来も申し上げましたような大きな普通局の建設にも事欠くような状態でございまするので、特に小さな規模の無集配の特定局の建設等につきましてはいろんな他からの借り入れというようなことをむしろ実際上は主として考えておる。どうしてもやむを得ない場合は国費で買うこともございまするけれども、それはむしろ大都市の中等で非常に個人の提供しにくいような、あるいは第三者が借りにくいようなものを考えておるわけでございます。したがいまして先ほどの集配局の置局の場合と異なりまして、私たちのいままでのこの問題に対する取り組み方は御納得をいただけるのではなかろうかと思うわけでございます。
#65
○赤桐操君 郵政省側の言い分はわかるのですが、いま説明されている中で千戸以上の主なるものの中で三〇%は同時にやっている、こう言われているのですね。それはたとえば公団であるとか相手方が提供しているものだと思うのですよ、向こうでつくってくれているものだと思うのですね。
 そこで率直に申し上げたいと思うのですが、この団地をつくって土地を提供するということはわかるのですけれども、提供してくれるところがあればそれは結構な話だけれども、その分は団地に入居する方に全部転嫁されるのですよ、率直に申し上げますと。こうした公共負担分と称するものはきれいにそういういま言ったような公団とかそういうところでは提供してくれているかもしれぬけれども、これは家賃に算入するとか必ず入居者に対するところの負担分として土地代に転嫁されるなり、建築分譲費に転嫁されているのですよ、これは。これが造成分譲の原則なんですよ。私どもは生活に必要な土地で道路であるとか公園であるとか学校であるとかあるいはまたもちろん郵便局がそれに入ってくると思いますけれども、そうしたものについては地域のこういう団地に入居される方々は自分たちのところへそれが振りかかってくるということではやはりきれないと思うのですね。まして郵便局の場合は、そこに郵便局を設置して営業を行うわけですから、郵便、保険、貯金の三事業が行われていくわけですから、営業行為が行われるのですから、これはやっぱり私は団地の皆さんに転嫁されるような形というものはこの中ではちょっと差し控えるべきだと思うのですね。ですから、提供をされればと言ってもそう安易なものではないということをひとつお含みおきいただきたいと思うのです。
 そこで、私は、一つには、いま千戸以上のものということで局長からは御答弁がありましたが、それ以下のものもたくさんございます、千葉県下では。団地だけで恐らくもう八百ぐらいにいっていると思いますから。そうなってくると大変な団地の数だと思うのです。したがって、そういう団地全体の中で千戸以上のもので約三〇%ということであって、それ以下の場合には大変な年数をかけなければ郵便局は置局されない、こういう実情なんですよ、率直に申し上げて。そこで特定郵便局を設置するということになれば、郵便局長を中心として三事業、庶務、こういう共通部門を並列して置かなければならないでしょうから、一つの郵便局として一切の条件を整えることになるでしょうから、これはなかなか置局のための要件というものを必要とするでしょう。
 いままでの例で言えば、享便人口、享便戸数というものが中心となって、その上に置局というものが置かれてきておるわけでありますから、これは当然そういう経過を通ることになるでしょう。しかし町の状況というものはそれを許さないのであって、これからの地域社会の中で町づくりに協力していくということならば、まず私はそれも結構だけれども、手っ取り早いところ分室制度のようなものが現実にあるわけですから、この制度の適用を行いながら町のスタートとともにサービスを開始したならばどうだろうか、これならば共通部門も必要ないし、三事業の窓口を置いて、親局の方からだれかが行って交代で仕事をすればよろしいわけなのであって、これはこの方がよっぽど簡単で合理的じゃないだろうか、金もかからないのじゃないだろうか、こう思うのですが、今後のこうしたいわゆる団地造成あるいはまた団地の町づくりの中での一つのこれは考え方でありますが、分室制度の採用ということについて局長はどうお考えになりますか。
#66
○政府委員(石井多加三君) この団地等の郵便局の置局の問題、無集配の窓口の特定局としての設置の問題でございますが、確かにこのような無集配の特定局と申しますと、全般的に局員の数も少ない小規模の特定局でございますが、こういったところを無集配の特定局じゃなくって分室にしてはどうかというような御意見でございますが、いま申し上げたような無集配の局の業務内容は、ただいまお話しにもありましたように、やはり普通局と同様、郵便も貯金も保険もその他広範な仕事をやっておりまするし、多額の現金の取り扱いをやっておるわけでございます。したがいまして、たとえ局員の数は小数でございましても、その業務遂行のために管理者を配置するということもどうしても必要であると考えます。
 また、その管理者の仕事は、その郵便局の管理責任ということ、あるいはまたその業務の内部の管理の問題もございますけれども、当然、その地域社会に密着して郵便、貯金、保険の仕事の一層のPRをし、普及、増進を図るというような、ただ単に窓口に座っておって受け身の仕事をするのではなく、積極的に郵政事業の発展のために地域社会との結びつきを強化するという非常に重要な使命を持っておるわけでございまするので、ただいまの分室ということでは、そういう目的を達し得ないというふうに点えられまするので、私たちとしては、従来どおりのやはり無集配の特定局ということでまいりたいと考えます。
#67
○赤桐操君 全国で分室というのはどのくらいありますか。
#68
○政府委員(石井多加三君) 全国で七十一あるようでございますが、官公庁の中、たとえば大蔵省の中でございますとか郵政省の貯金局の中とか本省の中とかいったようなああいう官公庁の建物の中にある郵便局でございますとか、まあそれが一番多いわけでございますが、そのほか駅の場合あるいは空港等の中にある場合、このようなものがいま仰せの分室でございまして、お話しにもありましたように、たとえば郵便のみを扱うとか、あるいは郵便と貯金だけをやるとか、あるいは無集配の特定局の窓口取扱時間と異なった取扱時間とする必要があるようなものの場合に、例外的にこれを設置しておるということでございます。
#69
○赤桐操君 大体、町ができ始まってスタートを切り、入居が開始される、そして間もなく電話も引ける、ないのはどうも郵便局だけだと、こういうことになってきて、どっかのお店屋さんに頼んでポストや切手の販売が行われる、こういう状況じゃないかと思うんです。それが大体千葉県下の例で申し上げるというと、さっきの三分の一は別にいたしまして、少なくとも二年から三年ぐらいはかかっている、これは平均のところだと思うんですね。その間やはり市民の皆さんは非常に不便をしておられるんですね。どうして私は特定局でなければいかぬのかと思うんですね。そういうところは町づくりと並行して分室制度を採用したらどうかと思うんです。全国に七十幾つかの分室があって、それぞれのいまお話しのようなところで円滑に任務を遂行しているんですから、分室で十分やれるところじゃないだろうかと思うんですよ。これをどうしても特定局でなければいけない理由、これをひとつお聞かせ願いたいと思うんですね。
#70
○政府委員(石井多加三君) 郵政省としての窓口を設けるという意味合いにおきましては、先ほどのお話しにありましたように、郵便局の敷地を買収したりあるいは局舎を建てたりという問題がございまして、そういった置局に伴う一番金のかかる面は、分室であれ無集配の特定局であれ、それは同じでございます。
 いまの中で、働く職員の中に特定局長という全体の責任を負う管理者がおるかおらぬかという問題でございますが、先ほど来申し上げましたように、やはり小なりといえども各般の郵政事業の全般について取り扱っておりまする重要な郵便局の仕事を総括的に管理する責任者を置くということは、ただ単に郵便の窓口を置いておけばいいということじゃなくて、やはり郵政省がその窓口を通じて国民との間により密着したサービスを提供していく上にもむしろ積極的にそういう人たちの活動を求めなければならない必要性が多いのではないかと考えまするので、先ほど申し上げたようなことで進めたいと思うわけでございます。
#71
○赤桐操君 いや、私は特定局を置いてはいけないと言っているんじゃないんですよ。分室制度というものがあるならば、それを採用して町づくりの中で市民の皆さんに二年も三年もお待たせしないでスタートを切ったらどうですかということを申し上げているんですよ、併用したらどうかということを申し上げているんです。
 御検討は願えませんか、検討の余地もないんですか。これは実際の町づくりの中でわれわれが体験してきておることなんです。検討の余地はないんですか、いささかも。併用してもいいんですよ。特定局をつくるなと言っているんじゃないんですよ、私は。大きな団地だって特定局を置かなきゃならぬようなところはそれはまた結構だと思いますけれども、それは郵政省の判断でいいでしょうが、分室でもたくさんなところがたくさんある、そういう団地が。それも併用して検討するということについてのあなた方の方の態度が表明できないのかどうなのかと、こういうことなんです。
#72
○政府委員(石井多加三君) 先ほどの御意見の中で、無集配の特定局を置くのにはまだそこまでの条件が適していないからとりあえず分室を置けというような御意見に伺ったんでございますけれども、実際にある郵便局を置くと、土地を買い、あるいは局舎を建てて、それを無集配局とするかあるいは分室とするかにつきましては、そこに入る人間の数の問題、そこに責任者がおるおらぬの違いがあるだけでございまして、そこまでいく場合に、無集配の特定局にしないで、その中間段階的な機構として、あるいは暫定的な機構としてそういう分室制度が必要であるかということにつきましては私非常に疑問を持つわけでございまして、やはり従来ありまするような特殊な地域といいますか、たとえば官庁等の建物の中にあるような場合とか、今後、そういった場合の分室の必要性もこれもまだどんどんふえてまいると思いますけれども、ただいま話題になっておりまするような団地の中で、いずれはこれは発展して当然無集配の特定局になるだけの必要なところだと思いますから、そういうところにその前の段階でいまおっしゃるような施設が必要であるかどうか、これは私ちょっと問題があるんじゃないかと思いますけれども、事は、今後の郵便局の、簡易郵便局の置き方等の問題も絡みまして、いろいろな問題をよく考えてみなければならないと、さように思うわけでございます。
#73
○赤桐操君 大体、先ほどからのいろいろなお話しの中で、地域社会の新しい町づくりや変貌と郵政省は対応していくんだと、こういう姿勢で臨まれることになっていると私は思うんです。また、そうしてもらわなければならない今日までの経過であったと思うんです。だから長田先生からもお話しがあったと思うんですね。これは私は率直に申し上げますが、もう郵政省自体がそういう体制の中にみずから切りかえて入っていかなきゃならない時代だと、こう思うわけです。
 だから、いま分室の問題も併用したらどうだと、こういうことを言っておるわけなんであって、これ検討もしないということはいささか私にはそういう基本的姿勢で臨む郵政省の今後の方針とはどうも私には理解できないんですけれども、これはどういうことですか、局長。
#74
○政府委員(高仲優君) 先ほど来、郵務局長が答弁申し上げておることとダブるかもしれませんが、私から申し上げます。
 特定局、無集配特定局、これは非常に小さい局もございますけれども、郵務局長が先ほど御説明申し上げましたとおり、業務の内容といたしましては、普通局、大局の業務内容とほとんど内容的には同じでございます。そうした点から小局であっても管理責任をとる者というものはどうしても必要である。そうした場合に、現在の郵政省のとっておる制度といたしましては、無集配特定郵便局を設置するということをもってこれを処理しているわけでございます。
 先生のおっしゃっておられるような非常に大きな団地、まあ数千戸になんなんとする団地ということになりますと、これは無集配特定局として、しかも一番小さい局というのではない、相当程度の業務量を有する特定局、無集配特定局を本来設置しなければならない業務量になっておると考えておりまして、そうした場合、現在の郵政省の考え方といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、特定郵便局を設置することでこの業務を取り扱っておるわけでございます。
 中間的と申しましても、それを設置するまでのごく短時間の場合、ただいまの説明では一年二年となったような場合もあるようでございますが、この点についてはなるべく速やかに需要に即応できるよう今後体制をとっていくことにいたしまして、中間過程として特に分室といったような制度を設けなくても現在の制度をもってやっていくことで別段の支障はないのではないか、このように考えておる次第でございます。
#75
○赤桐操君 それはね、率直に申し上げますが、郵政省が従来とってきた態度ですよ、その態度は。
 特定局を設置するということになれば、やれ享便人口がどうだ享便戸数がどうだということが必ず前提になるはずですね。そうすると享便人口なり享便戸数が一定のところへ到達するまでは郵便局の設置はできないということになるわけですよ。現実にはそこまでいかなくても、相当の人数がそこに入居をし、実際には生活が始まっているわけでありますから、当然、そこに郵便局というものは求められてくる。したがって私はいつまでもポストやあるいはまた切手の売りさばき所程度ではどうにもならぬ事態がくるのですよ。だから分室制度というものを併用してこの際考えたらどうなんだ、こういうことを言っているわけです。
 このことについて、もし皆さんの方で御相談の必要があるならば相談をしていただくことは結構でありますし、検討をしていただくことは結構でありますけれども、少なくともこれは単なる思いつきではなくて、千葉県で町づくりなり団地づくりを私自身がやってきてそのことを痛切に感じておるのです。そういう中で私が申し上げておるわけなんで、単なる思いつきやそういうことで言っているわけではないわけで、このことをひとつ十分に考えてもらいたいと思うのです。大臣、このことについて少し積極能動的な姿勢を示してもらえませんか。
#76
○国務大臣(村上勇君) 非常に貴重な御意見を拝聴いたしまして、窓口の問題とか何とかということばかりでなくて、郵便局全体の問題としてひとつ検討さしていただきたいと思います。そういうことでひとつ――。
#77
○赤桐操君 それでは、一応、団地と置局の問題については終わりたいと思います。
 次に、私は郵便料金の値上げ問題を中心といたしまして、以下御質問を申し上げてまいりたいと思います。
 今回の値上げの背景について詳細に御説明をいただきたいと思います。
#78
○政府委員(石井多加三君) 去る四十六年度に郵便料金の値上げをいたしまして、当時、大体三年間の収支を目途にその間はそのときの料金値上げで何とかもっていきますということをお答え申し上げました。ちょうどその最後の年の四十八年度になりますと、決算上、二百億以上の赤字が生じたわけでございまして、そのような情勢を踏まえまして、昭和四十八年の十月に、郵政審議会に「郵便事業の健全な経営を維持する方策」について諮問を申し上げました。郵便料金値上げ以外の方法で何とか四十九年度以降の収支の均衡をとる方法はないかというようなことで諮問申し上げたわけでございます。
 その当時の答申では、郵便サービスのあらゆる問題を含めまして御議論を賜りましたけれども、結論的には緊急の当面の財政ピンチを乗り切るためには、いろんな改善策を講じてもそれだけでは間に合わないので、やはり郵便料金の値上げは必要であるということで、当時、三十円、二十円という答申をいただいたわけでございますが、折りからの石油ショックの影響等もございまして、政府全体の中で物価抑制ということが強い声となりまして、その大方針のもとに昭和四十九年度は郵便料金の値上げを見送ってまいったわけでございます。
 そういう情勢の後を受けまして、昨年の十一月、再度五十年度の予算の中で郵便料金の問題について諮問を申し上げ、昨年の十二月に審議会からの答申を得まして、手紙は現在二十円のところを五十円に、はがきの十円は三十円ということでで、それを骨子とする料金値上げの答申をいただいたわけでございます。その答申に基づきましていろいろ検討いたしました結果、やはり現在の物価の非常にむずかしい情勢の中で答申どおりの実施をすることはどうであろうかということから、実施時期も五十年の四月一日からの答申になっておりましたものを半年延ばしまして十月ということにいたしますとともに、はがきの三十円の答申を二十円ということで、今度の法律案を御提案申し上げるわけでございます。
 いずれにいたしましても、昨今における郵政事業の財政上のピンチは、全体の実質的には九割を占めます人件費の高騰が何よりも大きな原因になっておるわけでございまして、今回の料金の値上げを御提案申し上げているのは以上の理由に基づくものでございます。
#79
○赤桐操君 今回の値上げ法案は、私は、昭和四十一年の料金改定が二八・八%、四十六年が三五%、今回の場合は二・五倍、はがきが二倍、こういうことなので、大変なこれはけた外れな値上げだと思うのです。まさにこれは明治以来の大幅値上げでございましょう。
 それで、これを十月一日に施行をする、そういう前提で提案をされておるわけでありますが、第三種以下の省令事項となっておる値上げの問題についてはどのようなお考えをお持ちか、明らかにしていただきたいと思います。
#80
○政府委員(石井多加三君) 今回、法律案で御提案を申し上げておりまする第一種、第二種の料金の改定の問題が決着がつきました場合、その後を受けまして第三種、第四種、その他の特殊料金を含めまして、いわゆる省令料金についての改定の作業に移りたいと考えておりますが、第一種の料金の範囲内でということが郵便法の定めるところでございまするので、現在の時点では、第三種、第四種等の料金について具体的な数字の決定を見ておるわけではございません。
#81
○赤桐操君 そこでひとつ伺いたいと思うのですが、いまこの郵便料金を大幅に二倍ないし二・五倍値上げをする、国民の皆さんに大変大きな負担をおかけすることになるわけでありますが、一体、今後、郵政省としてこの値上げによって向こう何年間くらい後は値上げをしません、サービスもこの程度できます、こういう展望を明らかにすべきだと思いますが、この点について伺いたいと思います。
#82
○政府委員(石井多加三君) このたびの料金改定案のまた骨子となっておりまするのは、先ほど申し上げました昨年の十二月に郵政審議会から答申をいただいたそれが骨子になっておるわけでございまして、その中では、昭和四十九年度から五十一年度までの三年間の収支を安定させるというようなことが今度の答申の骨子になっているわけでございまして、実際上の実施の時期が四月一日の予定が十月に延びました等の関係上、そのときの収支計画とは少し狂ってきておりますけれども、五十一年度までの収支のバランスということを目標にして答申はなされております。
 ただ、実施の時期が延びましたことと、第二種の料金が三十円の原案を二十円に修正いたしましたために、五十年度この値上げをいたしましてもなお予算上六百一億の赤字が出ておりまするし、五十一年度の予測は立ちませんけれども、これもかなりの額の赤字が出るということでございます。今後の問題につきましては、五十一年度の予算の編成の作業に移らなければなりませんので、その際に、今後の問題としてもう一回よく検討してみたいと考えております。
#83
○赤桐操君 そうしますと、来年か再来年にはもう一遍上げなければならない、こういうように理解をしてよろしゅうございますか、ただいまのお答えは。
#84
○政府委員(石井多加三君) 現在の時点では、それから先のことにつきましては、まだ何とも申し上げかねる状態でございます。
#85
○赤桐操君 そこでひとつ郵務局長に伺いたいと思うんですが、いままで高度経済成長時代の中で、郵便も、とにかく世界の各国から見ると、かなりの伸びを示してきたと思うんです。それで新しい経済事情の中でこれからいろいろと新しい現象が出てくると思いますが、今後のことも含めてひとつ御答弁願いたいと思いますが、わが国のいままでの郵便の伸び率と今後の展望について明確にひとつ御答弁いただきたいと思います。
#86
○政府委員(石井多加三君) 昭和三十年代の前半におきましては、郵便の伸び率が大体七%から八%近い、五年間平均で見ますと七・三%で推移してきたわけでございます。その後半の三十六年から四十年までの間は平均の伸び率が六・六%ということで、物数はこの辺はまあまあ順調に伸びてきておったわけでございます。ところが、ただいまお話しのありましたような昭和四十一年に入りましてからは、物数の伸び率が漸次低下しておりまして、四十一年から四十五年の五カ年間を見ますと平均四・三%というふうに落ちてまいっております。なお、それ以後の四十六年以降は、昨年度までで見ますと、三・八%というのが平均の伸び率でございます。
 今後の伸び率につきましては、ただいま予算で組んでおります五十年度予算では、御案内のとおり、前半の十月まではこれは従来のペースで大体二、三%の伸びを見ておるわけでございますけれども、後半はこの料金の値上げに伴いましてかなりの利用減がございます。トータルをいたしますとマイナス一・九%、年間を通じてマイナス一・九%というふうに見ておるわけでございます。
#87
○赤桐操君 そうすると、この一・九%というのは、五十年度全体を通じた平均と。大体いままでの経験から見ていって、五十一年、翌年ですね、これ以降はどういうように見られますか。
#88
○政府委員(石井多加三君) 五十一年度は〇・六%の増、これは五十年度に対して〇・六%増ということでございます。
#89
○赤桐操君 そうすると伺いますが、現在のアメリカやイギリス、西独よりもペースが落ちると、こういう見方ですか。
#90
○政府委員(石井多加三君) まあ従来、実は、何回も郵便料金の値上げが行なわれましたが、過去における値上げの後の郵便物数の伸びは、絶対額としての伸びはやはりありまして、ただ従来の伸び率が鈍化するという形での物増だったわけでございますが、このたびの先ほど申し上げましたマイナス一・九%というのは、やはりこのたびの料金値上げの幅が非常に大きゅうございまするので、絶対額として年間を通じますと対前年で一・九%の減になるであろうということでございます。
 お尋ねのアメリカとか西ドイツの最近の物数の伸び率、ここでその資料を持っておりませんけれども、いまのような料金値上げを行った直後の数字だけを比較いたしますと、これはなかなかむずかしい比較になろうかと思いまするので、これが安定した状態になりますると、過去のあれから見まして諸外国にひけをとるようなことにはならないんではないかと思います。欧米諸国も最近たび重なる料金値上げをやっておりまするので、最近の具体的な料金値上げ後の物数というものは、いまちょっと数字を持っておらぬわけでございます。
#91
○赤桐操君 いまそこでおわかりにならなければ、あとで結構ですが、欧米の伸び率をちょっと調べていただきたいと思います。後で討論の中でひとついろいろ必要でありますから。
 そこで、結局、郵政省としては、先ほど来お伺いしておりまするとおり、これから五十年、五十一年の問題については、まだ明確に示すことができない、さらにまた郵便の伸びの状態とかそういう基本数字の見通しについてもいま持ち合わせがない、こういうことになるわけでありますが、そうなると、今回の料金値上げの提案というものの背景なり将来展望というものを考えるというと、そうした見通しのない中での提案にすぎない、こういうようになってくるんですが、この点はどうなんですか。
#92
○政府委員(石井多加三君) 先ほど申し上げましたように、五十年度はすでに予算でマイナス一・九%の減を見込んでおりまするし、その次の五十一年度につきましても、〇・六%の対五十年度増の予測を立てておるわけでございまするので、五十年、五十一年についてはすでにそういった具体的な数字の展望を持っておるわけでございます。それ以降の五十二年以降につきましては現在まだ計算を十分いたしておりません。
#93
○赤桐操君 郵政省は、昭和四十九年に、審議会の結論に基づいて「郵便の将来展望に関する調査会」を設置されておりますね。この「郵便の将来展望に関する調査会」が設置された理由と任務、現在またどういう作業をしておられるのか、ちょっと伺いたいと思います。
#94
○政府委員(石井多加三君) 「郵便の将来展望に関する調査会」というものは、これはやはり郵政審議会の四十八年度の答申の中に、御案内のとおり、今後の「郵便事業をとりまく諸事情の変化を考えると、時代に即した郵便のあるべき姿を改めて検討すべき時期にある」というふうなことで、「通信全体について、国家的見地に立ってその整合性について配慮すべき立場にある郵政省としては、今後、利用の動向、利用者の意向、事業経営の立場などの観点から真に時代に即した郵便の役割を明らかにし、郵便サービスのあり方を慎重に検討する必要がある。その検討にあたっては、広く部外の各分野の専門家の知識を活用しうるよう措置する」ということが提案の理由として審議会からあったわけでございます。これを受けまして、昨年の六月から、林東工大教授を座長といたしまして、大体二十人近い、むしろ若手の各方面の学者の人たち、理論家の方々に集まっていただきまして、郵便の将来のいろんな通信のメディアの中における郵便の位置づけあるいはビジョンと申しますか、というふうなこと、特に郵便の需要動向に関する調査あるいは社会的機能に関する意識調査というようなこと等をこの調査会で討論をしていただいております。
 当初から、これは息の長い仕事として取り組んでいただきたいということでございまして、すぐいまの郵便事業の財政をどうするかとか、そういった具体的な問題ではございませんで、長期の展望ということでございまして、大体、一年近く議論をしていただきまして、先月でございましたか、その中間報告がすでに発表されております。郵便の今後の伸びというものについての、私たちにとってはかなり展望のあるいろんな報告をいただいておるわけでございますが、これはあくまで中間報告でございまして、正式の結論は、もう一年ぐらいのいろんな討論が必要であろうかと思います。非常に熱心に毎月何回も集まってやっていただいておるということでございます。
#95
○赤桐操君 私は、少なくとも今回の郵便料金の値上げというのは前二回行われた郵便料金の値上げなどとはちょっと性格が違うと思うんです。これはかなりこれからの郵政事業全体の基本的な問題になってくるように思うんです。いままでと時代も変わってきております。そういう経済的な条件や社会情勢全体の中で、少しこれは今回の場合は違うんじゃないか。
 したがって、本来なれば、私はこの「郵便の将来展望に関する調査会」こういうものが設けられて、しかも息の長い仕事とはいま言われておりますけれども、あと一年くらいで結論が出ると、こういうことなんですから、結局二年間くらいの期間をかけてするなればこの結論は出るはずでありますが、こういうところで少なくともわが国の郵便事業、郵政事業の将来展望というものを明確にして、あらゆるいろいろな角度から検討を加えた上で、本格的な将来展望を掲げ、この将来展望を見詰めた上のいろいろの改正なり、あるいはまた手だてというものを打ち出すべきだと思うんですが、この点についてはいかがですか。
#96
○政府委員(石井多加三君) ただいま申し上げました答申は、私先ほど四十八年と申しましたが、四十九等の間違いでございました。
 この四十九年の審議会の答申の中で、いま申し上げました、長期的視野に立った検討をする、そういう委員会設置の提案をいただいておりますけれども、同時に、この答申の中で、現在の緊急の郵便事業財政のピンチを救うためには、郵便料金の値上げはやむを得ないという答申をいただいて、それはそれとして早くやるようにということが第一の結論でございます。同時に、今後長期的視野に立って郵便のあるべき姿を求めるということが必要であるということで、こういうビジョンの委員会と申しますか、これもあわせてやるようにということでございまするので、この委員会の提案の趣旨からいいましても、これはこれで少し時間をかけて慎重に長期の展望をやっていただく、同時に、料金値上げは料金値上げでお願いしたいということでございます。
#97
○赤桐操君 これは私は局長ね、少なくとも前二回の料金引き上げ程度であるならば、せいぜい二七、八%から三五%ですから、これはともかくとしまして、二倍から二・五倍の料金引き上げと言うと、これはけた外れに大きなもんなんです。社会的にも大きな影響を与えるものです。しかもこれだけのものを出すからには、郵政省は将来に対してこういう展望を持っておりますので、今回だけは認めていただきたい、こういうことでなければならぬと思うのです。いま今日までいろいろの一昨日の御答弁なんかも私は聞いておりましたし、衆議院等におけるところの論争の議事録等を見ましても、そういうお答えはどこにも出ておりません。したがって、言うなれば明確に将来展望をこう持つ、郵政事業のあり方をこうありたいと、こういうことを真剣に出して、国民の皆さんを納得させる形の中での提案の仕方とは私には受け取れないのです。
 したがって、せっかくできている調査会等もあるのですから、なぜこういうところでもっと深い論議をして、郵政事業全体の今後のあり方についてこうあるべきなんだ、だから今回はこういう形でいかなければならないのだと、こういう形を打ち出さないのか、こういうように私は思うのですがね。
#98
○政府委員(石井多加三君) 時間的余裕がございましたら、ただいまの御意見も非常によく理解できるわけでございますけれども、何分現在の郵便事業の財政の窮迫は非常に憂慮すべき状態にございまして、先ほども申し上げましたように、本来でございますと、もう一年前に値上げをお願いすべきことでありましたのが、いろいろな政府全体の物価情勢に対する判断からおくれましたようなことから今度の値上げが非常に大幅になったということもございまして、またこれを一年先に延ばしますと、その結論はともかくといたしまして、料金の値上げということになりますると、またその間に積み重なる赤字を考えますると、より一層大幅なものになります。そういうことになりますと、料金の値上げはできましても、実際にほとんどもう利用の激減ということが起こりまして、恐らく事業というものが崩壊になるんではないか、そういった非常に重要な時期にきておりまするので、今回の料金値上げ、大幅ではございますけれども、お願いしたいというのがわれわれの立場でございます。
#99
○赤桐操君 私は少なくともこれだけの大幅なものを出すということになるならば、郵政事業の今日のあり方、現状というものを明確に国民の皆さんにお示しをして、そうしてしかるべき手続を経て、この種のものがとり行われていくべきだと思うのです。
 で、いまの状態で進むならば、先ほどもお話しがありましたとおり、もっと実は郵政省自体としては値上げをしてもらいたかったのではないですか、今度の提案以上に。しかし、いろいろの関係でそれが見送られたようでありますけれども、そうなってくるというと、今回値上げを実施しても、また来年か再来年実施しなければならぬことになってくる。四十一年にやって、四十六年にやって、また今回やって、再来年またやると、こういうことになってくる。こういう連続した状態が出てまいりまするというと、郵政事業に対する国民の不信というものが高まってきやしないか、こういうように私は思うんですが、その点についてはお考えになっておられますか。
#100
○政府委員(石井多加三君) このたびの料金の値上げ幅が非常に大きいということで、国民の皆様に大変この点についての御協力をお願いすることは私たちも非常に心苦しいわけでございますが、これのタイミングがなおもっとおくれますことによってなお落差の大きな値上げということも恐らく間違いなく必要になってまいると思いまするので、そういうことをすればその方がなお一層国民の皆様に信頼を失わせるということになるのではなかろうか。
 今度の値上げをお願いいたしまするとともに、いろんな面で郵便の運行等につきまして私たちの努力が足りませんで御迷惑をおかけしておりますようなことを、職員みんな一丸となりまして業務の正常運行ということに努めて事業への信頼をひとつつなぎとめたいと、さように考える次第でございます。
#101
○赤桐操君 私は、郵政事業の中で解決していかなきゃならぬ関連した問題もたくさんあると思うんですよ、正直申し上げて、郵便事業の中で。したがって、そういう諸問題等も洗うべきものは全部洗って、そして本当にこれだけのものは現実の問題として出てきておりますということが明らかにされた上でこの対策をどうするかということが論議されるのがしかるべきだと思うんですね。そういう意味で、私は、この調査会等においてそういうものを専門的に調べてもらって、そして第三者的な立場に立った本当の国民の皆さんの理解できるような一つの方針を出すべきだと、こういう意味なんです、私が主張しているのはそういう意味です。だから拙速をもってこの種のものに当たるような内容ではないんじゃないか、郵便事業の構造的な問題がそこにあるんじゃないか、また郵便事業そのものに関連した諸問題も同時に解決していかなきゃならないものがたくさんあるんじゃないだろうか、こういうように実は考えて申し上げてきているわけなんです。
 そこで、たとえばその中の一つとも言える、昭和二十四年の法律の制定された中で決まった例の郵便集配請負人制度の問題なんかその中の一つだと思うんです。今日全国でかなり多くの人数の方々がおいでになると思うんですけれども、この状態を見まするというと、これは今日いつまでもこういう状態を放置することは許されないんじゃないか。衆議院の段階におきましても逓信委員会で五月に論議されているはずでございます。
 この請負関係の附帯決議がありますけれども、これによりまするというと「郵便業務は国家専掌とする本旨にかんがみ、委託業務は漸次出来得る限り縮小すること。就中通常郵便物の取集、配達等を請負とすることは、特例の場合を除き避くべきこと。」こう明記されているんですね。しかし、それから今日まで何年たっておりますか。
 同じ郵便の仕事をしている労働者が、片方はいろいろ諸条件が整えられて身分の保障が行われている、片方は病気になって逓信病院等にかかっても部外者扱いをされている。料金も高い。あるいはまた各種の共済その他の福祉対策についても、同じ労働者を同じ労働をしていながら一人前の扱いをされていない、こういう不平等な状態に今日置かれております。このことは私は一つの例だと思いますが、いつまでもこういう状態を放置することはできないと思う。衆議院の逓信委員会においても問題になっておりますが、その後、この点について省側の方も御検討をいただき前進した御回答がきょうはいただけるかと思いますが、この点についての見解を承っておきたいと思います。
#102
○政府委員(石井多加三君) 集配請負の直轄化、本務化あるいは待遇改善といったような関連の問題でございます。
 現在の郵政省の配達の考え方と申しますか、特に僻地、離島といったような一日の郵便物数の配達量が非常に少ない地域があるわけでございます。全国のどんな地域にまで現在郵便を配達しておるわけではございませんで、御案内のように八十五条適用地というところもございまして、そういうところは配達をいたしておりませんけれども、そういう一人の本務者を配置して郵便を配達しておったんでは非常に不合理である、不経済であるというふうな地域でございましても、やはり郵便の配達ということをやっていって、郵便法第一条に言うあまねく、公平にサービスを広げるというような考え方からこの制度はできたわけでございます。
 たまたま、昭和二十七年のいわゆる行政整理の際に、全国の約一千の区でそういった集配請負の方々の本務者であった方々が請負になられたということでございまして、そういった方々のその後の状況を見ますと、その地域がもちろん発展いたしまして普通の本務者を配置するのと同じような条件になれば、当然、これは本務者に切りかえるわけでございまするし、また、その当時請負になられた方々が多少勤務地が変わっても本務者になりたいという御希望がある場合に、近辺の局で発展したところがあればそこへ変わっていただくことによって本務者になるというようなことから、そういった個々の、属人的なと申しますか、請負になられた方々の救済は過去ずいぶんとやってきておりまするので、その当時特に不遇な立場に置かれた方々に対する救済は今日非常にやってきておると思うわけでございます。
 ただ、郵便作業というもののあり方と申しますか、配達作業のあり方について、そのようなやはり非常に過疎地の対策、一番悪いところは全然配達をしないところもあるわけでございますが、八十五条適用地がそれでございますけれども、そういったところがその後の道路状況の変更、特に発展によりまして、従来は大分遠く離れた郵便局からその地域への配達ができなかったけれども、道路状況がよくなったからその地域に対する配達を始めようというようなところも逐次全国で出てまいっております。同時に、過去においては八十五条でなかったようなところが八十五条になるようなところもございます。これは従来人間が住まなかったようなところに最近人が住むようなのもあるわけでございまして、そういうところまで一々全国の郵便局でカバーするということはなかなかできませんので、そういう八十五条適用地という、人が住んでおって配達しないところもふえております。また、そういうところがだんだん発展して郵便の配達をするようになるところもございます。したがって、全国、郵便を配達するところすべて本務者でこれをやるということにつきましては、やはり不経済ということのそしりも免れませんので、その地域に住んでおられる方が郵便局から配達をされたその地域あての、その集落のと申しますか、その集落の郵便を請負われて、その集落だけの配達を担当されるという制度は私は今後も必要なのではなかろうかと考えます。
 そういうような位置づけをしながら、この集配請負の直轄化に臨んでおるわけでございまして、一般の本務者を配置するのにふさわしいような送域になりました場合は、当然、本務者にいたしておるわけでございます。
 なお、こういった請負人の方々の待遇改善の問題がございまして、これは毎年組合の方からも要望もありまして、毎年、この待遇改善を、特に国家公務員との全体との比較におきまして従来差がありましたのを大分詰めるような努力をいたしております。今年度も、そういった点に対する措置をいま検討しておる次第でございます。
#103
○赤桐操君 いずれにしても雇用関係は郵政省でしょう、これはほかとの関係はないはずですね、これが一つ。
 それから、そろばんに合わないかもしれないけれども、そろばんに合わなくても、広くあまねくの原則で特定郵便局は設置されるんでしょう。地域によっては、そろばんに合う合わないというところから見れば、特定郵便局の設置は非常に不経済な地域もたくさんあると思う。しかし、広くあまねくの原則で特定郵便局の設置は行われているじゃないですか。だとするならば、この全国のいわゆる集配請負人の問題については同じ考え方に立って少なくとも考えたらどうですか。そろばんという問題だけでは考えられないんじゃないですか。特定局のそろばんに合う合わないはこれは考えないで、そこに採用し働くそういう人たちについてはそろばんをもって充てるということは、これはちょっといただけないと思うんですがね。
#104
○政府委員(石井多加三君) 特定局との比較を言われるわけでございますが、まあこういう地域と申しまするのはもちろんどっかの集配普通局あるいは集配特定局が多いと思いますが、その受け持ちの区域内に入るわけでございますけれども、そこの受け持ちの集配局から非常に離れた地域でございまして、そこの集配局の局員にする、本務者にするということにつきましても、結局、その離れた集落からずいぶん遠い集配局まで毎日勤務してその往復にずいぶんの時間を要するよりも、郵便局の方からその地域に郵便を持っていって、そこの地域に居住する方にその地域の郵便の配達を請け負っていただくという制度でございます。
 もちろん、その地域が最寄りの集配局との距離が近くなるとか、あるいは発展して道路状況がよくなるというようなことから本務者を配置するのにふさわしい地域になる、まあ物数の上からもそうなれば、これは当然本務者にするわけでございますが、そうでない、一日わずか十通でも二十通でもそういった郵便を配達するために、はるか遠い集配の郵便局まで毎日通って、そこから郵便を取ってきて自分の住んでいる集落に配達して、また最後はその報告をしに郵便局へ行くというようなことは、その往復だけでもずいぶん時間もかかりまするので、そういったところまでこれは本務者を配置することがいいかどうかは、これはなかなか公平論ではございませんで、また経済論でもなく、実際にそういった請負の方々は郵政省の職員ではございませんので、その勤務時間の間には、お暇があれば、たとえばお百姓をなさってもよろしいわけですし、その他の運送業をおやりになってもいいわけでございます。御本人の収入も、まあそういったことも兼ね合わせながらやっておられるわけでございますから、果たしてこれを本務者にして、朝何時出勤で何時まで拘束するというような形がかえっていいかどうかもにわかに断じがたいのではないかと思うわけでございます。
#105
○赤桐操君 いずれにいたしましても、これは衆議院の段階においても論議された問題であるし、さらにまた法律制定当時における附帯決議によっても明確に出ているわけでありますから、その点はひとつ十分に検討いただきまして、前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、そういったいろいろ関連する諸問題等もこれあり、さらにまた今後の郵政事業が直面しておりまする情勢というものも、先ほど来申し上げてまいりましたとおり、ついに高度成長時代にはピリオドが打たれて、低成長時代に変わってきている。そういう中で、いろいろといままでは郵便物が予想外にふえるとかあるいはまたいろいろの予期しないよい条件の中で過ごすことができたと思いますけれども、これからはそういう状態ではないわけですから、したがって、私は、少なくともこの種の問題はこれはいままでの状態とは違いますよ。今回の問題はいままでの問題とは違いますよ。これは言うなれば構造的な基本的な問題にまで入った問題であるので、十分に長期にわたった基本的な立場に立った検討の上で対処すべきだろうということを申し上げてきたわけであります。
 それで正直申し上げて、簡単な意味における独立採算であるとか、受益者負担の強化等もこういう形でもってこれからは逃げ切っていけない状態が来るだろう、こういうように思うのですね。そういう意味で少なくとも今回のこの料金値上げについてはもう一遍考え直す、こういう形をとるべきだと思うんですが、大臣のお考えはいかがですか。
#106
○国務大臣(村上勇君) 大変時宜に適した御意見であろうとは思いますが、しかし、結局、これを先へ送れば送るほどその傷口が大きくなる。で、ついにはもう郵便事業の独立採算制というようなものも全く崩壊してしまって、本当にそれは財政的に収拾がつかなくなってしまうということを見通しまして、それでいろいろと御指摘はありますが、まあこの際、この程度の値上げを一応お願いしたい。
 たとえ何年でも、とにかく私どもの考えとしては、いまの物価高というものを抑えなければ、先生の御指摘のようにまた来年、再来年はこうなるのじゃないかということが的中すると思います。そういうことであってはなりませんので、何でもかんでも、いま三木内閣が挙げて物価対策に取り組んでおりますが、これらが成功することによってこの料金値上げが非常に有意義になってくると、こう思っております。そういうことでこの三木内閣の年度末の一けたという、その九・九%というものにちゃんと合わしておるというような、これはまあ別に私どもが弁解で言っているわけじゃないのでありまして、大体、何でもかんでも一けた台に物価を抑えるということにすべてを集中いたしております。それで、それさえ実現できればだんだんと安定してまいりますので、そうなれば企業努力等と相まちまして、必ずしもすぐまたその次はこうなるというようなことにもならないのじゃないかと思っております。
 これは本当はこういう値増しをすることは私としても耐えられないほどの気持ちでありますが、だれかがやらなければこの郵便会計というものが破産してしまうというようなことで、いろいろ御意見、御事情はよくわかりますけれども、どうしてもこれを引っ込めるわけにいかないのでありまして、よろしくひとつお願いいたします。
#107
○赤桐操君 経済企画庁の方いらっしゃいますか。――郵便料金値上げに伴うところの消費者物価への上昇寄与度について御説明をいただきたいと思います。
#108
○政府委員(仲田嘉夫君) お答え申し上げます。
 郵便料金の今回の値上げに伴う消費者物価への影響度は〇・二%程度でございます。
#109
○赤桐操君 この料金値上げに伴いまして消費者物価への上昇寄与度が〇・二だとおっしゃるわけですけれども、実際にはどのくらい波及するように考えられますか。これは数字の上でですね、〇・二というのは。
#110
○政府委員(仲田嘉夫君) さようでございます。
 実際の波及と申しましても、郵便料金の値上げによりまして、それから直接何が上がる、かにが上がるという波及効果はそれほど大きくないと思いますので、大体、この程度にとどまるものと思っております。
#111
○赤桐操君 五月の東京都の消費者物価上昇率は前月比一%上昇いたしております。さらにまた四月の状態は東京では二・五、全国平均では二・二%の上昇をいたしております。この二つを合わせまするというと二カ月間では三・二%ないしは三・五ということになります。これは私が認識した数字でございますが、企画庁の御意見はいかがですか。
#112
○政府委員(仲田嘉夫君) 先生のおっしゃったとおりでございます。
#113
○赤桐操君 政府見通しの五十一年三月末には九・九%、いまも村上郵政大臣の御答弁の中にございましたが、この九・九%上昇に抑えるということを公約をしておるわけなんです。
 そこで、問題は、これを実現するためには、一体、これからどういうプロセスを経なければならないんだ、こういう問題になるんですけれども、問題は、すでに三・二ないし三・五の数字が出ておるんですね、アップしておるわけです。そうすると残り六・七ぐらいになってしまう。その六・七の数字に対してこれから五十一年の三月末までにこれは見通しをつけてみるというと、少なくとも〇・六三%ぐらいの上昇は推移していかなきゃならぬ、こういうようになってくるように思うんですが、この点はいかがですか。
#114
○政府委員(仲田嘉夫君) 今後、来年の三月までに一けたの物価上昇率を達成いたしますためには、毎月平均大体先生がおっしゃいましたとおり〇・六三程度の上昇率にとどめなければいけないというふうに思っております。
#115
○赤桐操君 これは率直に申し上げまして、昭和四十六年度並みの推移でありまして、私は、私の正常な認識と私の正常な良識をもってするならば、国民を取り巻いているところの多くの物価上昇の圧力についてはとうていこの公約を果たすという状態を許さないんじゃないか、こういうように思うんです。この点について企画庁はどのように御認識なさっておられますか。
#116
○政府委員(仲田嘉夫君) 先生がおっしゃいました四月に消費者物価が二・二、それから五月に一・〇上がっておりますが、私ども、この中身を分析いたしてみますと、四月は、例年でございますが、教育費等が非常に上がっております。それから、あとことしは月謝とか宿泊料といったような年度変わりに伴います特殊要因というのが大体六割ぐらいを占めております。それから五月につきましても、ちょうどレモンが非常に七倍という大きい暴騰をいたしまして、これが相当大きく響いております。それから天候不順で野菜が例年に比べ非常に上がったということもございまして、こういういわば季節的要因に基づくものが相当大きなウエートを占めておりました。私どもは、どっちかといいますと趨勢的要因といいますか、そういうようなものは非常に小さいものだ。したがいまして、この四月、五月表面的には大きく見えますけれども、趨勢で見ますと非常に鎮静化をしているというふうに思っております。
 それから今後の動向を判断する材料でございますけれども、御承知のとおり海外の原材料は去年は非常に上がったわけでございますけれども、これらも最近頭を打ってまいりまして、輸入物価も最近は値下がり傾向にございますし、それから国際商品市況もどんどん下がっておりまして、ごく最近、今月に入りましては一〇六〇台という近年では非常に一番低いところまで落ち込んでおります。それからあと卸売物価が本年に入りましてからずっと下げ続けておりまして、最近は横ばいになっておりますが、こういう影響が消費者物価にも若干のずれをもって好影響を与えてくるということもございますし、それから最近におきます金利の引き下げその他いろいろ物価に好影響を与える面もございますし、かつまた消費につきましては、御承知のとおり消費態度が非常に堅実でございますし、そいったようなことから、私どもは物価が非常に大きく上がるというようなことは余り心配をしなくてもいいのではないかというふうに考えております。
 なお、〇・六三でございますけれども、去年の十一月からことしの三月までの月平均上昇率は大体〇・六弱ぐらいでございますので、まあそれよりもややゆとりのある月別の上昇率でこれからいけるわけでございますので、十分に達成できるものと考えております。
#117
○赤桐操君 企画庁にちょっと伺いたいと思うんですが、これは多分五月の末だったと思うのですけれども、自治省の次官通達でもって、地方公共料金の引き上げの問題についてという通達が出されておりますね。これは物価等対策特別委員会でその事実が明らかにされておるわけでありますが、この中で、福田長官は自治大臣とも話をつけてこの問題を一時抑えるという態度を表明しておられましたけれども、その後どうなっておりますか。
#118
○政府委員(仲田嘉夫君) いまの御指摘の点につきましては、大臣御指示もありまして、経済企画庁の次官の方から自治省の次官の方に申し入れをいたしまして、その後、自治省の事務当局と私どもの間でいろいろ御相談をいたしまして、地方の公共料金につきましてもできる限り経営の合理化によってその経費増を吸収していただくように努力する。それからまた、地方の公共料金につきましても、国と同様に、国の経済政策なり物価政策と整合を保って適時適切にやっていくというふうに指導していただくようにお話し合いをいたしております。
#119
○赤桐操君 次官通達で出されたものは一応はお預けになっているようでありますが、これも時期を見て待っていると思いますね。今日の地方財政の状態はそれを許さないと思うんですよ。こういうことは地方行政委員会でも大変な問題になっております。そういう状況を見るというと、この次官通達の問題は、これは私は少なくとも一応休火山の状態になっておりますが、時期を見て必ず発火すると見なければならぬ状況に置かれているように感じております。
 そこでもう一つ、時期を見て待っているのが一つあると思うのですが、民間におけるところの企業の動向でありますが、これについて企画庁から伺いたいと思います。
#120
○政府委員(仲田嘉夫君) 先生の御指摘のとおり、最近、民間企業におきまして企業経営が非常に悪化しているということから、値上げをしたいという動きがいろいろございます。私ども経済企画庁が、これはちょっと古うございますが、ことしの二月に調査局で調べましたアンケートによりましても、できれば値上げを一年以内にしたいという企業が七割ぐらいあるという結果が出ております。
 ただ、現実の姿、まあそういうことも踏まえまして、私どもの長官も事あるごとにいわゆる値上げの自粛ということを訴え続けて要請をいたしてきております。昨日、実は、物価担当官会議というのを開いたわけでございますけれども、そこでもそういうものに対する値上げの自粛要請というようなことを決めておるわけでございます。
 実際問題といたしまして、いわゆる企業界の方もかなり協力的な空気も出ておりますし、それから現在のいわゆるこういう操業度の非常に落ちている不況の中で、かつ消費態度が堅実の中で、全般的に需給状況は非常に緩んでおりますので、値上げ値上げと叫んではおりますけれども、実際上は簡単にその値上げが通るとか具体化するといったような急迫した状況にはないわけでございまして、私どもは、こういうような物資の動きにつきましては常時各省と協力をいたしまして監視をしたり、あるいは要請をしたりということで、妙なことにならないように、価格が安定的に推移するように十分に努めてまいりたいというふうに考えております。
#121
○赤桐操君 大体、いま経済企画庁の方のお話しによれば、当面はひとまず企画庁が考えているような、政府が考えているような状態で滑っていく、こういうお話しでありますけれども、その状態を続けていくということは、これは酒もたばこも郵便も上げないでいかなけれで私は続かないと思うんです。要するに、酒、たばこ、郵便を値上げすれば、この次は米、麦の問題が出てくるし、灯油の問題がもうすでに出ているし、さらにガス料金あるいはまた国鉄運賃、私鉄、バス、こういうものがあとメジロ押しに待っておるんですね。さらにまたそういう状態が出てきますというと、地方公共料金としての水道料金やあるいはまた地方の都市ガス、散髪料から風呂代と、こういうものまで全部これは影響してくることになるわけですね。こういう状態になってきたときには、私はいまお話しがあった民間におけるところの七〇%に及ぶ企業の側の強い値上げ意欲、こういうものを抑えることはできないんじゃないかと思うんですよね。
 いまは酒もたばこも郵便料金も上がってないです。だから、どうやら福田さんが言っている路線を通っていると思うのです、それもかすかすで通っていると思うんです。数字のテクニックもあるかもしれない。そういうことを申し上げては悪いけれども、そういうわけでとにかく一応いまはそういうことですれすれのところを低空飛行やっている。しかし、酒、たばこから以下、ずらっといま並んだものが上がっていったとしたならば、どうして政府は民間の企業に値上げはやめろということが言えるでしょうか。福田さんがいかにがんばってみても、これは抑えることのできない状態がくるのではないだろうかと私は思うのですけれども、要するに、言ってみれば民間企業の収支改善のために製品価格のアップを要請されたときに、政府はこれに対して黙って目をつぶらざるを得ない状態に追い込められてくるのではないだろうかと、こう思うのです。経済企画庁はこの点については全然お考えになっておりませんか。
#122
○政府委員(仲田嘉夫君) 先生の御指摘の公共料金が引き金になるのではないかというお話しでございますけれども、御承知のとおり、現在、公共料金としてお願いしておりますのは、この郵便料金、それからたばこ、まあ酒は酒税でございますが、こういったようなものに一応限定をいたしておりまして、これは昨年の暮れの予算編成の際に物価高騰を抑えるための非常緊急の措置として、特に緊急なものだけをやるということでお願いをしておきまして、政府といたしましても、公共料金の抑制ということには十分に努力をいたしておるわけでございます。基本的な考え方としては、かりそめにも公共料金の改定が物価再燃の引き金にはならないように努めてまいるというのが基本的な考え方でございます。
#123
○赤桐操君 一方、この観点を変えまして、国民の家計の状態を見てみる必要があると思うのです。そうすると低所得層ほど収入の伸びが今回は低い。一五%以下のガイドラインで抑えられましたから、これはまさに完全にアウトであります。で低い収入の中から消費を切り詰めて、そして言うならば郵便貯金のような貯蓄を一生懸命やらざるを得ないということが実情だと思うのです。高所得層の方は逆に収入の伸びが高い、いかに抑えられていてもこれは高いですよ。したがってそこには消費に対するところの余裕もあるし、あるいはまた貯蓄に対する十分な余裕を持つと、こういうような状態にあろうと思います。
 こういうわけで、公共料金のこの値上げの問題が一つ出てまいりましても、結局、その一番大きな犠牲を受けるのはいわゆる低所得層でありまして、生活必要費として税金のようにこれは取り上げられていくわけでございますから、低所得になればなるほど実は逆進性が生じてくる、こういうように私どもは考えざるを得ないわけです。こういう状況の中で、いずれにしても公共料金を引き上げるということになれば、これは私はそういう事態を必ず招来する、こういうように思うわけなんでありまして、その中の重要な一つのウエートを持ち、特に二倍から二・五倍を持つところの今回の郵便料金の値上げ、こういうものについては私どもは了承することができない問題でございます。
 引き続いて、私は一つ申し上げたいと思うのでありますが、いずれにしても郵政省の今回の郵便料金値上げについての問題でありますが、これはぜひ一つ郵政省という立場に立って郵便料金だけの問題ではないわけでありまして、いまいろいろとお話ししてまいりましたとおり、また経済企画庁との質問の中で明らかにされておりますとおり、公共料金としての郵便料金、こういうものが国民生活に与える影響というものは大変大きなものでありまして、このことについては従来の四十一年、四十六年に郵便料金値上げをしたその比ではない、こういうことを私は強調をするものでございます。この点について郵政大臣の見解をもう一度伺いたいと思います。
#124
○国務大臣(村上勇君) 大体、今回の郵便料金の値上げによって一般家計に及ぼすその影響というものは、その家計の〇・一二%だということを承知しておりますが、まあ何ぼであってもこれは影響があるようでは相済まない次第ですけれども、まあ〇・一二%、金にして月に百二十円かぐらいだと聞いておりますが、まあその程度でしたら今日お許し願えるんじゃないかと、こう思っております。
#125
○赤桐操君 経済企画庁の方、結構でございます。
 最近、私のところに陳情やら請願がたくさん来ているんです。身体障害者団体の刊行物に関するところの陳情、さらにまた請願の手続を私もとっておりますか、この身体障害者団体がいま真剣に実は今回の郵便料金の値上げについて訴えているわけでありますが、こういう方々に対して今回の値上げをめぐって郵政省側は御検討をいただいたことがあるでしょうか。
  〔委員長退席、理事長田裕二君着席〕
#126
○政府委員(石井多加三君) ただいまのお尋ねは、身体障害者の関係の方々のお出しになる郵便物を無料にすべきであるという御意見の問題と、また身障者の団体等の出されるいわゆる第三種の料金についての何か特別配慮という問題と、二つあるわけでございます。
 そのまず第一点の、身障者の方々が出される郵便について、これは無料にするかどうかということでございますが、現在、御案内のとおり郵便法の第四種郵便物というものの制度は、いわゆる盲人について点字等の料金を無料としておるわけでございます。これは盲人の方々は点字図書等その他の入手に当たりまして郵便に依存する度合いが大きいわけでございます。また点字等は一般のものよりもかさ高でもございます。そのようなことで重いために料金も高くなるというようなことでございまして、そういう特殊事情がありますことと、内容品が特別のものであるといったようなことを考慮した制度でございまして、これは万国郵便条約におきましてもこの点は世界共通の制度として取り上げられておる制度でございます。わが国におきましても、以前からこういった方々の出される盲人用点字についての無料扱いという制度があるわけでございます。
 ただ、こういった方々が自分でお書きになることはまずないと思いますけれども、やはり普通の一種、二種の手紙、はがきもお出しになる、これは代筆でお出しになるんでしょうが、そういうこともあるわけでございますけれども、そういった郵便は現在これは普通の有料になっておるわけでございます。点字だけそういう扱いをしておるわけでございまして、これは点字というものが他の郵便と非常に区別しやすいもので郵便局でもすぐわかりますから、そういった取り扱い上も明確に区別できるというようなことでやっておるわけでございます。
 いまのお話しは、盲人以外の身体障害者の方々が出される郵便の場合に、この郵便を無料にするということにつきましては、先ほど盲人の方々の場合に申し上げましたような郵便利用上の特殊な事情も特にないわけでございます。また郵便を扱う側から申しますと、こういった方々が出された郵便と他の一般の方々が出された郵便とを比べまして特にこれを区別することができないわけでございます。ポストに投函されればそれだけわかりませんし、また郵便局へお持ちになることもあるでしょうが、一々身障者手帳ということをお出しになるということも、考えられないことはございませんが、そういうことのできない身障者もおありになるわけでございますから、いずれにしてもこういった技術的な問題もございまして一般の郵便との区別ができにくいというふうなことで、そういう身障者の方々の出される一般の郵便をすべて無料にするということは、現在のところは、むずかしいというのがわれわれの考え方でございます。
 なお、身体障害者の団体が発行しておられる定期刊行物、これは第三種の方に属するわけでございますが、これにつきましては従来から第三種の郵便物の認可条件の中で、こういった方々の出される場合の条件は発行部数の上で若干一般の基準より低いものまで認めるような便宜措置を現在まで図ってきておるわけでございまして、こういう方々の出されます三種につきましては、今回の御提案申し上げておる郵便法の改正後、第三種料金を郵政省令で定めます際に、身体障害者の福祉のあり方の問題、あるいはそういうような身障者の方々の団体の認定の技術的な問題もございますから、関係の省庁ともよく相談申し上げて、解決してまいりたいと考えておるわけでございます。
#127
○赤桐操君 私は、率直に申し上げますが、今回の提案の中で、身体障害者の団体の発行する刊行物などは無料にするというくらいの提案がなされてほしかったと思っております。少なくとも社会的にも経済的にも大変なハンディを背負っている人たちでありまして、その人たちが心の支えとして発行している、大変な苦労をしながら発行している刊行物でありまして、こういうものぐらいは身障者の人たちに対して、私は郵政省の立場としてこれは無料と、こういう態度ぐらいははっきりと出すべきだったと思うんですね。これ私はまことに残念でありました、正直に申し上げまして。
 また、私のところへは引き続いてたくさんの請願も、あるいはまた陳情もきております。こういう問題について省はやはり真剣に考えるべきだと思うんです。
 そこで、ひとつ私は郵政大臣に伺いたいと思うんですが、福祉重視を強調されてきている三木内閣のもとで少なくとも郵便料金のあり方について、どういう姿を理想としてお求めになっておられるか、この点について大臣の所見を承りたいと思います。
#128
○国務大臣(村上勇君) 先生御承知のとおり、この料金の決定は、昨年、一昨年から郵政審議会の答申が出まして、その答申では封書五十円、はがき三十円ということをはっきりとうたって、それぐらいの値上げをすべきであるということでありました。しかし昨年暮れ、三木内閣が成立いたしまして、この答申を尊重してどこまでも答申の線に沿って料金の改定を念願いたしたのでありますが、しかし何よりも今日のインフレをどうしても抑えなければという物価抑制のために、一般にも国民の一番利用するはがきを十円下げて二十円にしようじゃないか、経済閣僚会議でいろいろと議論がありましたが、結局、はがきを三十円という御答申を二十円にしまして、そうしてしかもその施行の日を十月というように半年延ばしたわけでございます。
 本当に郵政省といたしましても、また三木内閣といたしましても、この今回の公共料金、特に郵便料金の値上げについては厳粛に国民の皆さん方のことを考え、しかも御納得をいってもらうように厳粛に検討して、その結果、いま御審議を願っておる次第であります。
#129
○赤桐操君 御答弁にも出ておりますが、私はもちろんこれは値上げを安易に考えるべきじゃないという大前提で申し上げているわけでありますけれども、今回のような郵便のいわゆる種別によって単に差をつけてこれを提起する、これでは私は福祉型に移行したとは考えないんです。三木内閣のもとにおけるところの福祉型の郵便料金であるとは言えないと思うのですね。先ほど私が申し上げた身体障害者の皆さんに対するこうした措置についてもない、そして単に種別を基礎にして格差をつけて提起したにすぎない。これはちょっと私どもにとってはそういう三木内閣のもとにおける料金体系だというようには考えられないのですね。言うなれば、これもやはり発想には何ら変化がないし、従来の惰性にすぎないのではないか、こういうように思うんですが、この点は大臣いかがですか。
#130
○国務大臣(村上勇君) 福祉型と申しましても、いわゆる寝たきり老人とかあるいは非常に身体障害者というような方々に対する何らかの方策を講じておくべきではないかというようなことに私受け取ったんでございますが、これは政府全体の問題でありまして、一郵政省だけがこれを云々すべきじゃないというように承知いたしております。そういうことで、そういう点につきましては、三種料金等については、これからこの改定法案が成立いたしました後にいろいろと検討するんでございますけれども、福祉型については政府全体の問題として検討することになりますので、私の立場からいまどうということは申し上げられません。
#131
○赤桐操君 いまのお話しにもございましたけれども、これは率直に申し上げて、内容的にも余り工夫をなされたものではないと思うんです。そして従来の惰性によるもので、なるほど三木内閣は予算編成上公共料金の値上げをできるだけ抑えるということを本会議の中でも答弁をされておりますけれども、しかし、これをただ郵便料金の場合には延ばしただけのことであって、実際には抑えようという意欲の中での努力ではない。さらに内容から見ていっても残念ながら福祉型のものではない、こういうように私どもには感ぜられるわけであります。
  〔理事長田裕二君退席、委員長着席〕
 そこで、これは石井局長に伺いたいと思うんでありますが、現在の郵便というものは、大体、これは八〇%が企業によるところの郵便物になっておると、こういうことが明らかにされてきておりますが、この点はそういうように理解してよろしいですか。
#132
○政府委員(石井多加三君) ただいまのお尋ねでございますが、これは一般的に企業が八〇%と言われておりますけれども、実は、この数字は、郵政省の方で昨年の九月、全国のある日に配達いたしました相当膨大な数の郵便物にアンケートをつけまして、郵便を受け取られた方々から意見をつけていただいて御返事をいただいたその結果でございます。
 その際に、アンケートのいたし方としまして、このお受け取りになりましたお手紙は相手方の方のお仕事に関係がありますか、あるいはそうでございませんか、というような形のアンケートがその中の一つでございます。その際、相手の方の仕事に関係があるという返事を出されたのが八〇%でございまするので、いわば業務用が八〇%というふうに申し上げるのが正確かと思います。この中にはたとえば国会の先生が選挙区へお出しになるようなものも恐らく相手にとっては業務用という形になっていると思いますから、そういう意味で申しますと、企業用ということはもう少し七十数パーセント、七五%ぐらいのところになるんではなかろうか。これは過去の調査等から見まして、そういうふうな感じを持っているわけでございます。
#133
○赤桐操君 まあ正直申し上げて、やはり私は三木内閣のもとにおける郵政省の新しい時代に対応する姿勢として、本来ならこういうところにも工夫がなされるべきだというように私は常識的に国民の皆さんが考えておられると思うんですよ。それでいろいろ企業によるところの郵便物と私信とは区分けができないとかいろんなことを私も耳にしまするけれども、それは私はやろうと思えばできるではないかと思うんですね、やろうと思えばできることじゃないかと思うんですよ。そういうことについてまだ研究も十分されていないんじゃないか、郵政省自体としてそういう意欲がないんじゃないか、こういうように私は感ずるんですが、その点はいかがですか。
#134
○政府委員(石井多加三君) ただいまの御指摘の問題は、実は、郵政審議会におきまして、このたびの郵便料金の改定の案を御答申いただく前段階の「郵便事業の健全な経営を維持する方策」ということについて諮問いたしました際に、二カ月間にわたりましていろんな角度から郵便料金の値上げによらないほかの方法はないかというようなことで御議論いただいた際にも、このただいまの御指摘の問題もあったわけでございまして、まあ郵政省がどうこうということよりも、審議会でも最も熱心に御議論をいただいたことでございます。
 ただいま御指摘のありましたように、個人用あるいは業務用というふうな分け方は、郵便を受け取られた方はそういった判断ができるわけでございますけれども、郵便を引き受ける郵便局ではこれはわからないわけでございます。そのためにはたとえば開封にしていただいて、特に個人用を業務用より安くするということになりますと、人間の心理といたしましてやはりできれば安い方にしたいわけでございますから、そういう場合は安い方を開封にするというのが従来のルールでございます。したがって信書に当たるようなものを開封にするというようなことは実際に通信をお出しになる方はいかがな感じを持たれるかということになりますと、ちょっとそういう方法はとりにくいのではないかということもございまするし、まあ審議会では、そのようなことから、ただ企業、個人というような分け方よりも、手書きと印刷というような分け方はどうかというふうな議論もございました。印刷を高くして手書きを安くということでございますが、これもやはり同じことでございまして、やはり安い方は開封にしなければ本当に手書きのものかどうかわからないわけでございまするし、まあいろいろそういった技術的な問題も兼ね合わせまして私たちも真剣に取り組んだのでございますが、現在までの結論では、こういった方法はとりがたいという結論でございます。
#135
○赤桐操君 どうもこの料金体系そのものを見ましても、率直に申し上げると、本当の意味の利用者負担ということがそこに出ていないように思うんですよ、本当の意味の利用者負担。それを私は非常に残念に思います。そして私信二〇%にすべてを全部イコールにしてやっている。こういう状態は、これは私はやはり大変郵政省の姿勢としては国民の皆さん方には納得できないものだろうと思うんです。これからも通信手段の多様化、これは当然考えていかなければならぬ問題でありますが、そういう中でいままでのような取り組みの姿勢では、私は、これに対応したものと、そういう理解の中で国民の協力を得るという時期は来ないと思うのですね。この点、私は、少し強調しておきたいと思うんです。
 それから最初に戻りますが、身障者団体の刊行物等については今後お考えを持っておられますか。
#136
○政府委員(石井多加三君) この点につきましては、衆議院の逓信委員会の採決をいただきました際に附帯決議がつけられておりまして、まさにその御指摘の身体障害者の団体等の発行する刊行物については「身体障害者団体等の郵便物について、特段の配慮を行うこと。」というような附帯決議もつけられておりまするので、私たちは、この趣旨を尊重しながら、省令を作成する段階でまさに慎重に考えたいと考えております。
#137
○赤桐操君 参考までにちょっと伺っておきたいと思いますが、これは御通告をしてありませんでしたのでお調べをいただければいいのでありますが、身障者団体の刊行物の年間取り扱い量がおわかりになればお示しを願いたい。
 それからさらに、この人たちの年間払っている郵便料金などがわかるかどうかということですね、こうしたものが。全部無料化したならばどのくらいこれは経費を要するのか、問題はこの点にあるのですけれども、その辺をもしおわかりになればお示しいただきたい。いまおわかりにならなければ後で結構です。
#138
○政府委員(石井多加三君) ただいまの身障者の団体が果たしてどの程度の団体があるかにつきましては、私たちの方では的確な数字をつかんでおりません。したがいまして、そういった方面の担当の厚生省とかそういうところとも十分協議いたしまして、そういった作業を進めてまいりたい、かように考えております。
#139
○赤桐操君 それから、その場合において、厚生省等の立場から明確になって、それが無料で扱われるということになるならば、これは私は何も郵政自体が全部背負わなきゃならぬ問題ではないと思うんです、この点は。これは厚生省と話をして、こういうものこそ筋から言えば一般会計が負担すべきものだと思うんです。この点についてはどうお考えになりますか。
#140
○政府委員(石井多加三君) 身障者の団体のお出しになる定期刊行物についての取り扱いは、ただいままだ何も成案を持っておりませんので、ただいまの御提案のようにこれを無料にするというふうないろいろ御意見等も勘案しながら、慎重に決めさせていただきたいと思います。したがいましてただいまの財源措置の問題等も現在まだ何も腹案を持っておりません。
#141
○赤桐操君 最後に、それでは私の方からも申し上げておきたいと思いますが、どうも全体を通じましてこの料金体系そのものを見ましても従来の惰性のような感じがするし、三木内閣のもとにおけるあるいはまた新しい福祉を求める、真実の福祉を求める姿勢というものがうかがえないんです、残念ながら。この点について重ねてひとつ政府の物の考え方について反省をしていただきたいと思います。
#142
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点については十分慎重にこれを尊重してまいります。
 ただ、私どもの立場としてどうしても独立採算制のたてまえから採算をとっていきたい、いかなければならないということを至上命令だと思ってやっております。同時に、私を初め全従業員がやはり働いても働いてもそれがいつも赤字の郵便物を持って歩くようではどうも全く仕事に張り合いもありませんし、国民に対する十二分のサービスもなかなかできがたいと思いますので、本当に一致結束して、この問題が片づきますれば、国民に奉仕したいということでまいりますので、そのようにひとつ御了承願います。
#143
○赤桐操君 それでは、この料金体系等の問題については一応これで終わることにいたしたいと思います。
 石井局長に重ねて伺いたいと思うんですが、欧米諸国の郵便事業、アメリカ、イギリス、西独等についての郵便事情おわかりになりましたら伺いたいと思いますが。
#144
○政府委員(高仲優君) 欧米各国の郵便事情ということでございますが、その財政状態について主として御説明申し上げます。
 アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス等の国でございますが、各国ともたてまえといたしましては収支相償ということになっております。特に西ドイツ、フランスにつきましては、私の知る限りにおきましては法令上独立採算ということ、収支相償ということがはっきり決められておりまして、一般会計から赤字を補てんしたという事実は承知いたしておりません。
 ただしイギリス及びアメリカにつきましては、ときにあるいは経過的に一般会計から、日本語で言いあらわしますところの一般会計から補てんを受けておるという事実はございます。たとえばイギリスの場合でございますが、たてまえといたしましての独立採算制はそれといたしまして、これは一九七二年に郵便電気通信事業資金借入法という単独法によりまして、それまでに累積した赤字の全部ではないと思います、一部でございますが、一億数千万ポンドの繰り入れが行われており、ますし、また一九七四年の国営事業法によって五千万ポンドほどの繰り入れを受けております。この理由でございますが、一九七二年のインフレ抑制法に基づきまして物価、賃金、公共料金等の全般的な抑制政策が実施されたことに伴い、郵便料金の引き上げ幅が抑えられたことによる赤字の補てんが行れた。最近においては二回の繰り入れが行れたということを承知いたしております。
 アメリカにつきましては、これは郵政公社と言っておりますが、これは日本で言う電信電話公社あるいは国鉄公社という意味の公社と申しまするよりは、むしろ内容的に見ますると行政委員会といったようなニュアンスが強いのでございますけれども、これができまして、たてまえとして独立採算ということになったわけでございますが、急激かつ大幅な料金値上げを避けるという意味合いであろうと思いますが、一九七一年予算のたしか一〇%の額であると記憶いたしておりますが、この金額を一九八〇年までの間繰り入れを続けていくということが決められております。なお八〇年以降はその金額を毎年一〇%ずつ減額するということに相なっておるようでございますが、これは赤字繰り入れというよりは、むしろいわゆる公社発足に伴う経過措置としてこの措置をとっておるのではないかと考えております。
 財政事情、特に赤字問題の概要について申し上げますと、以上のとおりでございます。
#145
○赤桐操君 大体、いま西独の状態については繰り入れの事実を知らないとおっしゃられているわけですが、私の認識をもってすれば、西ドイツ連邦政府が大幅にカバーをしている。要するに言ってみれば郵便事業の赤字は電気通信事業部門と連邦政府の両者によってこれをカバーしていると、こういうように実は認識をしております。最近ヨーロッパから帰った学者に私がただした内容です。資料等も実はもらっておりますが、後でまた差し上げても結構ですけれども、そういう事実を私たちは実は聞いておるわけです。
 いずれにしてもこれは聞いたわけでありますけれども、それで問題は、アメリカの場合においても郵便事業はこれはもう赤字だと、イギリスの場合においても赤字だと、制度はいずれも公社化されている、西独の場合においては国営であるけれども電気通信事業とのいわゆる郵電公社になっている、こういうことだと思うんです。この状態を見まするというと、いずれにしても事業の収支を中心に企業的な性格を強めるという方向をとるよりも、郵便事業の公共的性格を維持するために国はあらゆる努力を傾けているということがここで明確になっていると思うんです。いまの官房長のお答えの中でも出ていると思います。要するに米、英、西独等の欧米諸国に共通して言えることは、郵便事業をはっきり公共事業だと受けとめて、郵便事業だけで収支均衡を図るということは実際問題として無理だ、こういう認識に立って処置をしていると思います。
 それから二つ目の問題としては、兼営する――一緒にやっておる業務でありまするけれども、兼営する他事業と一般会計からの大幅な補てん、補助金等によってこれを援助している、こういうことが共通して言える内容ではないかと思うんです。私はそう思うんですが、省側はどうお考えになっておりますか。
#146
○政府委員(高仲優君) 西独におきます実情につきましては、その点資料がございましたらお教えいただきたいのでございますが、私の承知いたしまするところでは、これは郵便、電気通信事業、これを合わせてやっております。ですから、この間はこれはあるいは経過がどうなっておるかそこはわかりませんですが、郵便、電気通信事業管理法という法律の中の条文によりまして、収支相償の原則は明らかに定められておりまして、その関係か六五年以降の十年間だけでも四回に及ぶ料金値上げをやっておるという事実がございます。
 また、先ほどアメリカにつきましては経過措置的なものではないかということを申し上げましたが、実は米国におきましても同様に十年間に三回の大幅値上げをやっており、かつ定期刊行物等については一九六八年以降各年度について毎年値上げをやっておるという事実があると承知いたしております。
 なお英国につきましては、これは一九七五年の大蔵大臣の予算演説の中におきましては、今後、国営事業に対する価格抑制策を段限的に解消して、政府の補てん措置は停止の方向に持っていくということを言っておるということを承知いたしております。
 外国の事情につきまして、私の承知いたしておるところは以上のところでございます。
#147
○赤桐操君 私は、いずれにしても、この米、英、西独等欧米諸国の状態というものは、今日日本の郵政省が歩んできたような、先ほども局長からお話しが出ましたが、六%とか七%なんという大幅な歩みの中での状態ではもはやない、大体二%、せいぜい三%どまり、こういう状態で推移しているように思うんです。こういう状況というものがこれから日本の場合においても低成長時代に入れば当然考えられることになるだろうと思うんですね、このことが一つ。
 もう一つ、先ほどの経済企画庁と私の論争の中でも出ておりますとおり、少なくともいまは酒もたばこも郵便料金もまだ値上がってませんから、これは動いておらないけれども、これが値上がったならば、これが導火線となって、発火点となってあらゆるものがばたばたと値上がりしてくるだろうと思う。地方公共料金の引き上げについても、少なくとも経済企画庁といえどもこれを抑えることは不可能になるだろう。そうなってくれば後は続々と民間の値上げということも考えられなきやならない、こういう状況にあります。したがって私はインフレの状態というものはこれからも非常にむずかしい状態で続くんじゃないだろうか、こういうように実は危惧をいたしております。
 要するに、インフレが続く限り、そして今後郵便の伸びがいままでのように伸びていくのではなくて、米、英、西独のようにせいぜい二%程度にとどまってくる、こういうことになってまいりまするというと、郵便料金はこれからも赤字が続く、こういうように要約することができると思うんです。この点について局長はどうお考えになりますか。
#148
○政府委員(石井多加三君) 先ほど大臣がお答えになりました基本的な政府の物価対策方針ということに関連してくることだと思いますが、今後、いつまでもいまのような物価の騰貴が続くわけでもないと思いまするし、そういったような総合施策の中である程度の安定が得られ、また郵便事業の伸びは確かに御説のように欧米諸国の最近の伸びも昔のような伸びでなくなっておりますから、わが国の伸びもそんなにいままで申し上げた七%とか六%というようなことは期待しにくいかもしれませんが、収支全体がそれぞれ安定してくれば事業の安定も図れるわけでございまするので、総合関係においてわれわれとしては努力してまいりたいと思います。
#149
○赤桐操君 私は、そういう考え方に立ちまして諸外国と同様にわが国もこれから同じような歩みを続けていかなきゃならぬ、軌道を歩んでいかなきゃならぬ、こう実は考えるわけでありまして、この際、料金値上げを政策的に今回抑えて、一般会計から、諸外国でも行われておるんでありますから、補てんをする、こういう方向に郵政省としては考え方を持つことはできないかどうか、これをひとつ伺いたいと思います。
#150
○政府委員(廣瀬弘君) 郵政事業は、ことにその中におきましても郵便事業は人手によって営まれております事業でございます。これは先生御案内のとおりでございます。したがいまして郵政事業の収支の赤字の原因は経常費の赤というのが非常に大きな要因になっております。こういった経費につきましては、本来、利用者が負担すると申しますか、あるいは受益者が負担すると申していいような性格のものではないかと思うのでございます。そこで、この郵便事業の性格からいいましても、また現行法のたてまえから申し上げましても、独立採算の原則と申しますか、収支相償の原則というものを堅持しておる次第でございます。
 そこで、ただいまの一般会計からの繰り入れのことでございますけれども、赤字が出ましたために直ちに一般会計に依存するということになりますと、経営努力といいますか経営意欲と申しますか、そういったものが損なわれるという心配もございますし、また郵便の利用の実態、先ほど先生も御指摘のとおり全体の八割が事業用通信であるというようなそういう実態から見ましても、これを一般会計の繰り入れによって負担するということになりますと、これは税金で負担するということでございますので、郵便を利用されない方々が負担する、こういう形になるわけでございます。社会的公平というような点から見まして果たして適当かどうか私ども疑問に思うわけでございまして、従来からとってまいりました受益者負担の原則というのは今後とも堅持してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#151
○赤桐操君 どうも終始一貫、一般会計の繰り入れは御希望なさらないようでございますね。
 私、それではひとつ角度を変えましてお伺いしたいと思うんですけれども、郵便局というのはこれは一つでありますね、保険の郵便局、貯金の郵便局、郵便を扱う郵便局というのはないと思うんですが、郵便局は一つである、事業所は一つである、こういうように理解してよろしいですか。
#152
○政府委員(高仲優君) おっしゃるとおりだと思います。
#153
○赤桐操君 この中でいろいろ労働者の皆さんが働いておられるわけでありますが、管理者の方もいらっしゃいますが、人事の状態を見ますると、これは私も長い間現場で苦労いたしましたけれども、大体、郵便の外務で一生懸命働いて町の皆さんとコミュニケーションを深め、ああ郵便屋さんが来たと、こう言って信頼されるようになってくる、そういう年輩になるとこれは保険や貯金の方に回るんです。そして貯金、保険の方の仕事を、長い間の郵便におけるみずからの信頼というものを媒体にして実績を上げる、こういう状態になってくるのが大体地方における通例であると思います。また長い間郵政省が職場においてとってきたあり方だったと思います。要するに窓口も人事も郵便局というものの中で一つである、こういうように私は考えるんです。これはやはり私は経営基盤、事業運営の基礎というものが全く一つだと、こういうように認識をしたいと思うんですが、この点についてはいかがですか。
#154
○政府委員(高仲優君) おっしゃるとおり、郵政事業は郵便、貯金、保険の三事業からなっておりまして、これを一体的に運営いたしております。
#155
○赤桐操君 では経営というもの、事業運営の基盤というものは全く一つだ、こういう考え方に立ちまして、私はこれからひとついろいろの点についてお尋ねをしてまいりたいと思うんです。
 そのことは、要するに、百年の歴史の中で郵便も貯金も保険も今日になっては別々に存在し得ないということに理解してよろしいですか。
#156
○政府委員(高仲優君) 別個にそれぞれたとえば事務所を構え経営を行うということでございますと、間接諸掛かり、管理費等、これは運営上の効率が著しく阻害され、運営上のロスがはなはだ大きくなるものと考えております。
#157
○赤桐操君 その理由は、それだけですか、官房長。郵便局が一つでやっているということ、三事業が一つでやっているということは、経済上の理由だけで一つの運営基盤にしているんですか。
#158
○政府委員(高仲優君) 経済上の問題も大きい要素でございますが、そのほかに歴史的な要素ももちろんあるものと理解しておりますし、また総合的な運営を図ることによって、そこに働く人々がまたその適性によりそれぞれ適した部面において能力を発揮できるという効率を得られるものと考えております。
#159
○赤桐操君 それは私は経済効果の面だけじゃないと思うんですよ、郵便局の運営というものは。少なくとも、今日まで長い百年の歴史の中で築かれてきたその成果というものは、そういうそろばんだけの問題ではない。郵便事業というものが創設され、続いて貯金事業が創設される、さらに引き続いて大正に入って保険、年金等がつくり上げられてくる、こういう状態だったと思うんですね。この百年の経過の中で、私は庶民大衆の郵便局となったからだと思うんですよ。だから赤い自転車に乗って、制服を着て、かばんを提げていけば、ああ保険屋さんが来たと言って一本入ってくれる、貯金屋さんが来たと言って一本入ってくれると思うんですね、私はそう思うんです。
 私がかつて現場の第一線で働いていたころに、なかなか保険の募集がうまくいかなくて、どうしたならば認めてもらえるか、自分の存在を認められて信頼されるかということを考えて、赤い自転車をやめ制服をやめて背広姿でもっていろいろ勧誘に入ったことがありました。しかしこれは結局だめだった。やはり制服を着て赤い自転車に乗り制帽をかぶって、そして飛び込んでいかなければ相手方は信用してくれなかったのです。これはやはり私は保険、貯金の事業は郵便事業と離れることのできない関連を持って庶民大衆の中に信頼されていると思うんですよ、私はそういう理解に立っているんです。したがっていまいろいろ伺ってきた三事業の経営基盤が一つだということは簡単なものではないと思うんです。これはまさしくそういう深いつながり合いを持った経営基盤を一つにした関連に立っていると、このように私は理解をしてこれから進めたいと思うんですが、どうですか、大臣、そう思いますか。
#160
○国務大臣(村上勇君) それはもう情の上から精神的に、あらゆる面から、常識的にもこれはそういう関連があることは十分認められます。
#161
○赤桐操君 日本の国の郵政事業のように、郵便とともに貯金、保険が今日ほど大きく発展してきているということは、私はほかの国にはないと思うんです。
 この創設のころに、どこの国をまねてやったんだか、それをちょっと聞かしていただきたいと思うんです。
#162
○政府委員(高仲優君) 郵便につきましては、英国を範にとったものと理解いたしておりますが、創業早い時期に米国人の雇い職員もおったようでございますので、双方の特徴を見ながらやったのではなかろうかと推測いたしております。
#163
○赤桐操君 貯金はどこをまねたんでしょうか。
#164
○政府委員(船津茂君) 貯金は創業明治八年でございますが、その前に前島密先生がロンドンで、英国の郵便貯金制度というのは現にもうこれ一八〇〇何年ぐらいからあったわけでございますが、それをつぶさに研究されまして、明治八年からお始めになって、ちょうど百年ということでございます。
#165
○赤桐操君 保険はどこをまねてつくったのですか。
#166
○政府委員(北雄一郎君) 保険につきましては、大正五年にできたのでございますが、当時、イギリスあるいはドイツを範にしたということでございます。もっとも、その後、イギリスにおきましては郵便局の保険というものはうまくいきませんで、ただいまでは廃止をしておるということであります。
#167
○赤桐操君 そうすると、このわが国の郵政事業というのは、大体、先進諸国のいろいろ行ってきたのを見習いながら、そこに歴史を重ねて日本独自のものにつくり上げてきたと思うのですね。この努力はまさに百年の大きな蓄積であろうと思います。
 そこで、今日になってみるというと、われわれが見習った諸外国の場合にはいずれもこれは解体をしている、あるいはやめてしまっている。しかし、わが国の保険事業も貯金事業も今日大変な隆盛をきわめて大きな社会的な役割りを果たしてきていると思うんですね。これはまさに諸外国にはない日本の特質であろうと思うのです。そしてこの三事業の大きな成果というものは、さっきも申し上げたとおり、運営基盤が一つだからだと思うのですよ。
 私はそう思いますけれども、貯金局長、保険局長の見解はいかがですか。
#168
○政府委員(船津茂君) 貯金の場合を申し上げますと、名前が郵便貯金ということでございまして、やはり郵便と共存しまして、おっしゃるとおりに、そういう意味合いを含めまして庶民の中に溶け込みまして今日の大をなしたということでございます。
#169
○政府委員(北雄一郎君) その点につきましては、先ほど官房長がお答えしたとおりに私も考えております。
 なお、官房長が歴史的云々と言いました中に、やはり先生おっしゃいますような意味合いがこもっておるものと私理解をしておる次第であります。すなわち、そういう意味から申しますれば、簡易保険とは何だと一言で申せば、郵便局の保険ですと、まあこういうような意味合いのことであろうかと思います。
#170
○赤桐操君 これは経理局長に伺うことになるかと思いますが、特別会計という制度がございますけれども、これはどういう性格のものであるか御説明いただけますか。
#171
○政府委員(廣瀬弘君) 一般行政サービスと異なるサービスをする、そういう場合に企業的な性格が非常に強いわけでございますので、一般会計とこれを分かって特別に法律を別にいたしまして特別会計としてこれを経理する、こういう考え方であります。
#172
○赤桐操君 私は余りこの点は明らかでないので重ねて伺いたいと思うのですが、食管会計も特別会計になっていると思うのですね。郵便、郵政の事業の方も特別会計になっているのですが、この同じ特別会計という字ですけれども、内容は違うように思いますけれども、これはどういうふうに御理解なさいますか。
#173
○政府委員(廣瀬弘君) 食管会計も確かに特別会計でございますが、郵政事業の場合は、企業的に経営するためにこれを特に一般会計から分けて経理する、こういう考え方でございます。
#174
○赤桐操君 そうすると、これは企業会計と同様のものだと、こういうようにみなしてよろしいわけですな――。
 私は、郵政百年の歴史を経てきて、三事業とも相当の底力ができてきたと思います。そして三つの特別会計はいま健全に運営されていると思います。今日まで積み重ねてきたこの制度のあり方、これは基本的には正しいと思うし、今後もこれは大原則として貫いていくべきだと思うんです。そういう前提を一応踏まえながら次の点について見解を伺いたいと思います。
 しかし、諸外国の実情を見たり、あるいはまたいろいろわれわれが考えてみる中で、少なくとも企業的に運営されていくこの事業体、そのために特別会計を設定しているわけでありますが、これがそういう任務を背負って遂行していく上においては当然私はある部門においてはいわゆる低成長に入るときがあるでしょうし、ある部門においては高度成長を遂げる場合がこれは当然あると思うのですね。民間会社の例をここに引き当てるわけではありませんけれども、民間の会社であっても、昔からののれんを掲げてきたそれに影響する部門であるならば、これはたとえ私はマイナスの状態が続いていてもこれを廃止するということはしないと思うのですね。そして新しくみずから開拓していった新しい分野を育てながら、この従来からの歴史的に大きくのれんとして掲げてきたものを大事にしながら私は進んでいくと思うのですよ。
 これは大変恐縮なのですけれども、私は千葉県の銚子の生まれでございまして、銚子のしょうゆ屋に大変縁の深い立場にございます。そのしょうゆ屋というのは百姓商売と言われまして、昔からこれはもう大変資本の回転が鈍いのです。農家は一年で回転しますけれども、本当のもろみを醸造して販売するのには、本当のしょうゆづくりは二年かかるのです。ですから、三十で親から財産を引き継いでも自分が生涯の間でもって十五回の運転ができないのですね。これほど実は昔から百姓商売と言われたしょうゆ屋でありますけれども、最近、そのしょうゆ屋は大体三カ月ぐらいで速醸方式でもってやっている、これが皆さんが召し上がっている大体のしょうゆなのです。ところが、そうではあるけれども、昔からの二年に一遍かけてやるこのとらの子という本当のしょうゆは廃止しないのですよ、しっかりしておる工場では、蔵では。そういう室では必ずこれを堅持しながら一つののれんとしてやっているわけなのですね。これはとてもじゃないけれども二年かかってしょうゆをつくって売ったっていま商売にならないのです。しかし、これは廃止しないでやっている。こういうのが今日栄えているのです、現実に。私はこれは非常に大きな事業経営の原則だと思うのですね。
 そこでひとつ伺いたいと思うのですけれども、時代は常に推移していくものです。そして私どもを取り囲んでいる情勢というものもまた客観的に変化を遂げている、これが私は自然の状態であろうと思います。郵政事業というものは今日まで百年の歴史を積み上げながら大きな実力をつくり上げてきております。しかし、この郵政事業の中にも郵便部門等を考えるというと大変な実は大きな構造的な問題に直面をしている。
 そこで問題になるのは、幸いにして貯金にしても保険にしてもこれはこれからますます伸びていく事業だと思います。この三事業が一体となって、経理その他についてはもちろん現状を堅持することはたてまえとしながらも、運営全体に対する、基盤に対する責任を背負っていくという姿勢、この問題については省はどのようにお考えになっておるか、この点をひとつ伺いたいと思います。
#175
○政府委員(廣瀬弘君) 先生御指摘のように、貯金も保険も郵便局の信用のもとと申しますか、郵政省ののれんのもとで成長してまいった公企業であろうと思っております。ただ、この経営基盤を一にするというところに若干問題があろうかと思うのでございます。
 と申しますのは、郵便貯金をされるお客様の方々はやはりその貯金が安全確実に国の手によって預かられるということが大きな期待になっておるわけでございますし、また郵政省としてはその貯金をそういうふうにする義務を持っておるというふうに考えます。したがいまして、貯金の事業本来の目的に合うような経営をしていかなければならないと思います。保険につきましても同様でございまして、保険の加入者の方々の利益を守っていく、そういうために経営がなされていかなければならないというのが原則であろうと思います。したがいまして郵便の事業が大変赤字で苦労しておるからといって、直ちに貯金の利益あるいは保険の利益を共通の基盤で回していく、こういうことは困難であろうかと思います。
 そういう意味で、それぞれ同じ郵政省ののれんのもとで発展はしておりますけれども、そのときそのときの諸事情によって絶えずその利益が三事業混淆されて使われるということは、本来三事業それぞれの任務からして困難ではなかろうか、こう考える次第でございます。
 そこでまた現状でございますけれども、郵便貯金は確かに伸びてはおります。しかしながら、本年度の予算でながめてみますと、過去千百億くらいの剰余金を持っておりましたものが単年度で九百二十億ばかりの赤と、五十年度予算ではこれを想定いたしております。したがいまして過去蓄積されました剰余金がむしろ減っているというような傾向が出ております。それから保険につきましては、これは先生御案内のように、加入者の共同信託財産のようなものでございますので、剰余金が出ましてもこれは必要な積み立てをいたしましたり、あるいは加入者に対する還元、保険料の引き下げ等を考慮する必要があろうかと思います。
 そのような関係でございまして、現状から申しまして、それぞれ各事業が置かれておる経理的立場というのは大分違ってきております。またそれぞれ困難な問題に直面しておるわけでございますので、三事業を一括して経理するということが非常に困難な上に、郵便事業をまた応援するだけの余裕がないというようなのがただいまの実情でございます。
#176
○赤桐操君 経理局長はそれぞれの特別会計というもののたてまえに立っての御答弁として私はわかっております、それはよくわかります。しかし私が言っているのはそうじゃなくて、むろん私もどんぶり勘定にしろと言っているのじゃないのです。さっき大前提を申し上げているとおりなのです。しかし、これは新しい時代の推移の中でこの三事業全体をいわゆる相互補完しながらやっていく方法というものについては、創意工夫をして考え出していかなければならぬ時代に直面しているのじゃないだろうか、こういうことで申し上げたわけなのです。後でこのことについてもう少しいろいろお話しを申し上げたいと思います。
 そこで、これは貯金局長に伺いたいと思うのですが、郵便貯金として集められた金額の推移について、昭和四十六年以降からで結構です、この五年間くらい御説明をいただければありがたいと思います。
#177
○政府委員(船津茂君) 過去五年間の郵便貯金の増勢でございますが、大体二〇%から三〇%、対前年に比べまして着実に伸びてきております。
 数字で申し上げますと、四十五年度末の現在高が七兆七千四百三十九億という数字でございまして、これは前の年に比べて二六%増、四十六年度末は九兆六千五百四十一億でございまして、前の年に比べて二四・七%の増、四十七年度末は十二兆二千九百億ということで、二七・三%増、四十八年度末におきましては十五兆三千七百三十二億ということで二五・一%の増、五十年の二月末には十九兆一千四百五十二億になっておりまして、六月三日には二十兆になっておりますが、これも大体同じような二〇%から三〇%くらいのふえ方ということでふえております。
#178
○赤桐操君 ありがとうございました。そうすると、それだけの巨額なものは挙げて資金運用部に持ち込まれているわけでありますが、持ち込んだその資金全体に対しまして郵貯に返ってくるバックペイ、預託金利の利子はどのようになっておりますか。同じく昭和四十六年以降五年間について御説明いただきたいと思います。
#179
○政府委員(船津茂君) お答え申し上げます。
 預託利率は、四十七年九月一日、六・二〇%、それからずっときまして四十八年の六月一日に六・五〇%、四十八年の十一月一日、そのころ利率の引き上げ頻度が高うなりまして六・七五%、四十九年二月一日に七・五〇%、で四十九年の十月一日から現行の八%ということに相なっております。
#180
○赤桐操君 大分金利が安いですね。
 預金の会計の収支状況について伺いたいと思います。
#181
○政府委員(船津茂君) 概括申し上げますが、先ほど経理局長も数字に触れておりましたけれども、収支の状況でございますが、四十八年度末の決算におきましてそれまでに黒字が続いておりまして、累積された剰余金、まあ積立金といいますか、その額が一千七百三十五億円ございましたが、その四十八年の四月以降現在まで五回にわたる利率の引き上げ等もございまして、そしてまた、細かいことを申し上げますが、四十八年七月の利率引き上げのときに、預託利率が連動してと申しますか、一緒に引き上げられなかったというようなこと、また四十九年度に大幅なベースアップも行われたというようなことで、四十九年度におきましては収支が単年度におきまして六百二十一億円赤が立つ。ですから千七百三十五億円あったうちの六百二十一億円が取り崩される。
 で五十年度の予算の見込みでございますが、先ほど経理局長が申し上げました九百二十二億ほどの収入不足といいますか赤が立つ見込みでございまして、五十年度末におきましては二百億ちょっとの残になる、黒字しか残らないという状況に相なろうかと思います。
#182
○赤桐操君 これちょっともう少し詳細に御説明いただきたいんですけれども、二十兆円からの金を郵便局の段階で集めて、これを郵政省の立場から資金運用部に預託をしている。これだけの金をとにかく郵政省は扱ってきていながら、この貯金会計の収支が赤になってくるという理由をもう少し詳細に説明してくださいませんか。
#183
○政府委員(船津茂君) ただいま申し上げました五回にわたる利子引き上げの利子負担増、それからベースアップのそれもございます。
 しかし、ここではっきり申し上げれば、郵便貯金の定額貯金にとりまして、その利率の最高限、いまは八%でございますが、これがいま預託利率の八%と一緒でございますが、沿革的には一%から〇・五%いままで預託利率の方が定額郵便貯金の最高利率よりも上回っておりまして、その利差と申しますか利ざやと申しますか、そのもので黒字健全経営が行われてきたわけでございますが、先ほど申し上げました四十八年の七月の利率引き上げのとき以来最高利率が一緒でございまして、それで逆ざやと申しますか、四十九年度、五十年度と逆ざやになるということでございます。
#184
○赤桐操君 どうもわれわれの常識では判断できないんですけれども、その預託の金利というのは、少なくとも郵便貯金の金利の改定があれば当然出ていく金が多くなってくるわけだ。あるいはまた給与の改善があれば当然なわけだし、いろいろの物価の上昇があれば郵便貯金募集のための宣伝費だってたくさん金がかかるわけだ。行政のサイドでただで集めている金ではない、この金は。相当の金がかかっている、また労力も費やしていると思うんですね、そうして集めてきた金でしょう。しかも、その金利をつけて契約者には保証をする、このことをしているわけなんで、そういうものは資金運用部から金をもらえないんですか。
#185
○政府委員(船津茂君) 郵政省といたしましても、相手方は大蔵省でございますが、大蔵省の資金運用部を管理しております理財局長に、数度、こういう収支の状況は悪化をたどっていくから、いわゆるいま申し上げました預託利率のいままで差があった沿革的なことも考え合わせて、郵便貯金特別会計が先行き健全化するように預託利率を上げてくれということを今後一層また真剣に相互で検討いたしまして、郵貯会計の健全化の道をまさぐっていきたい、こういうふうに考えております。
#186
○赤桐操君 そうすると、これは大蔵省と話がつくということですか。そうしてそれによって対策が十分とれる自信があると、こういうことですか。
#187
○政府委員(船津茂君) 自信があればよろしいんでございますが(笑声)、真剣に大蔵省も考えてくれるということでございますので、自信とまで言い切れませんけれども、やはり大きな郵便貯金特別会計の先行きというものは、郵政省がもちろん主として責任ありますが、そういうふうなものに対する大蔵省の責任も重かつ大ということで、両者あわせまして真剣にこれを検討していこう、こういうことでございます。
#188
○赤桐操君 それでは、大蔵省の方来ていらっしゃいますか。――
 それではひとつ大蔵省にお伺いしたいと思うんですが、この資金運用部の運営の経過は長い歴史を持っておるわけですけれども、言うなれば、これと一緒に郵便貯金というものは歩んできたように思うんですね。
 そこで資金運用部の積立金というのは、全部で五十年度の末でどのくらいになる見込みでございますか。
#189
○政府委員(後藤土男君) 五十年の四月末、つまり五十年度の初めでございますが、その現在におきましては、運用部の積立金は六百八十一億でございます。四十九年度に三十億利益が見込まれておりますので、これに三十億足して七百十億くらいの積み立てになるんじゃなかろうか。さらに五十年度の利益はどのくらい出るか、それはこれからの問題でございますが、やはり四十九年度、あるいはそれ以上は出るかなという期待をしているわけでございます。
 しかしながら、総残高三十五兆円という金額の運用でございますので、この利益率はきわめて低いものであるということはお含みいただきたいと思います。
#190
○赤桐操君 この中で郵便貯金の占めている割合は幾らになっておりますか。
#191
○政府委員(後藤土男君) 五十年度末というのに合わせられないでまことに恐縮でございますが、四十九年度末、つまり五十年三月末では、郵便貯金からの分は残高で五五%になっております。
#192
○赤桐操君 やっぱり圧倒的に郵便貯金が多いんですね。まさしくこの資金運用部のきわめて大きな部門を郵便貯金が請け負っておると、こういうことが言えると思います。
 そこで資金運用部の積立金でありますけれども、もちろんこれはいま資金運用部に集中している金は国民のいわゆる庶民大衆の皆さんのとうとい金だと思います。そしてその皆さんの大変な理解によってつくり上げられてきている金だと思います。しかし、これを大別いたしますると大体二つに分かれるんじゃないかと思います。
 法律によって行政サイドで集められてきているもの、それから郵便貯金や簡易保険のように企業の努力によっていわば企業的に集められてきているものと、こういうように私は認識したいと思いますが、いかがでございましょうか。
#193
○政府委員(後藤土男君) 確かに運用部の原資といたしましては、厚生年金とか国民年金、こういうような法律によりましていただきました資金もございますし、また郵便貯金、簡易保険のような一つの企業体としての行動によって集まった資金もございます。
#194
○赤桐操君 結局、郵便貯金や簡保の積立金というのは企業的な努力によって集めたものだ、こういうようになるわけです。
 そこで、この運用でありますけれども、この資金運用部の積立金の運用というのはどんなように具体的に運用されているものかお教え願いたいと思います。
#195
○政府委員(後藤土男君) 郵便貯金や簡易保険あるいは厚生年金等の資金を運用部に預託いただきまして、これは法律によりましてその期間の長短によりまして利率が決まっております。最高限度が七年以上ということで、ただいま八%というのは七年以上でございますが、これは元来は法定金利は六・五%だと思いますが、それに特利をつけているわけでございます。そういう形でお預かりいたしまして、大体、運用部はそのほとんどが八%の資金でございます。八%が原則で各財投対象機関に貸し付けを行っているということでございます。
#196
○赤桐操君 これは端的に伺いますけれども、資金運用部に入っちゃうと全部大蔵省のサイドでこれは一切運営されていく、こういうように理解してよろしいんですか。もっと端的に申し上げれば、郵政省はこの中であんまり計画にも参画ができないし、余り発言の力もない、こういうように理解してよろしいんですか。
#197
○政府委員(後藤土男君) 資金運用部の資金の運用につきましては二種類ございまして、郵便貯金を大宗となす資金につきましては、おおむね大蔵省でお預かりいたしまして運用の方針を定め、もちろん、しかしその間におきましては十分郵政省の御意見もいただきまして、また資金運用審議会におきまして議決をしていたわけでございます。
 それからもう一つ、簡易保険の方は、これと違いまして郵政省の方で独立運用をされるたてまえでございます。
 それで財投の全体の金額といたしましては、国会で、特別会計予算総則等に載っておりますものは、簡易保険の金額も含めたところで御審議をいただいているものと理解しております。
#198
○赤桐操君 どうも厚生年金の積立金というのがございますけれども、これはなかなか厚生省の意見を尊重するようにという決議などが持たれておって、かなり厚生省自体に運用の幅が認められているように思うんです。あるいはまた、この年金問題懇談会などというものも設定をされておるようでありまして、その構成内容を見ましても一応は国民各界各層の方々の代表を入れる、こういうたてまえになっているように思うんです。したがいまして、これは厚生省側、扱う主体の方の側の意見もかなり尊重されるし、あるいはまた加入者の方の意思も一応たてまえとして尊重される、こういう組織的な形がとられているように思うんですけれども、郵政省との関係はそういう組織的な関連はないように思うんですけれども、この点はいかがですか。
#199
○政府委員(後藤土男君) 組織的にはそのような特別の機関はございません。しかしながら、郵政審議会におきまして、郵政省にも御出席いただきまして御一緒に審議をし決めていただく。また、もちろんその資金の配分、その他の場合におきましても、郵政省ともいろいろと御相談をしながら事実的にやっているという状況でございます。
#200
○委員長(竹田現照君) いまの答弁ちょっと違うでしょう。
#201
○政府委員(後藤土男君) 訂正いたします。資金運用審議会でございます。
#202
○赤桐操君 これは率直なことになるんですけれども、貯金や保険の金というのは、これは大蔵省の方にちょっと申し上げてもこれは無理だと思うんですけれども、大変な実は苦労をして集めている金なんですね、正直申し上げまして。
 これは私も経験があるのでありますけれども、大体、募集期になりますと局長も課長も募集員も半分ノイローゼですよ、目標達成のために。私の経験というのは戦中から戦後の状態でありますけれども、とにかく朝となく昼となく大変な実は苦労の連続なんです。それで敗戦後などの例を申し上げまするというと、物資不足の時代でありましたから、特に貯金屋さん、保険量さん、郵便屋さん、ぜひひとつこういうものを何とか手に入れてくれぬかと言われれば、夜分にそういうものの便宜まで図りながら加入者に対するいろいろの関係をつくっていくんです。そうして一本入れてくれ、入ってくれと、こういうことになるんですね。あるいはまた、先ほどもちょっと申し上げたけれども、赤い自転車に乗って一日何もとれないときがあるんです、一本も。しかし、たとえば戦死者なんかのところへ参りましてやるというと、非常にかたい、まじめによく奉仕してくれる、いろんな便宜を図ってもらっている、たまにはひとつあなたの顔も立てますよということで、だんだん信用が高まっていって、そこで保険あるいは貯金の勧誘をもらってくる、こういうことなんですね。
 しかも、正直申し上げてこれは大分前の話ですけれども、いまではないけれども、とにかくもう時間がないんですよ、これは。たとえば船が着く。そこで長い間漁をしてきた船が戻ってくると、その漁師のおかみさん連中は全部その銭を払う場所に出ておるんです。そうでないと、おやじさんがその金をもらって遊びに行ってしまうから、あしたにならないと帰らぬので、おっかさん連中はもう大変な騒ぎでその金を取るんですね。そうすると、そこへわれわれが行っていて、この保険の金なり貯金の金をもらってくるんですよ。こういう苦労は余り皆さん御存じないと思うけれども、これは実際の話なんです。われわれがやった仕事なんです、これは。
 こういうぐあいに、まあいまでもいろいろ御苦労いただいていると思うんですけれども、とにかくこの目標を達成しなければならないということで、郵便局の皆さん方は大変な努力をしておるわけです。これは内勤も外勤もなしにやるんです、こういうようにやっていく。そこにはまた多少の募集手当などもらいますけれども、こんなものはみんな使っちゃいます、これは。やがていろいろと保険の割り当てを達成しなければならないので、そういうものまで元手に使って、ときには子供に何かみやげを買っていくなど、これは常識なんですよ、率直に申し上げて。こういう実は募集員は苦労の連続なんです。また郵便局は郵便局でもってこれはもう大変な努力を傾けていろんな宣伝をやっているんです、これも容易じゃないと思うんです、実に創意工夫しながら宣伝文書をつくって渡している。
 こういうことで貯金と保険の金の吸収といいますか取り集めといいますか、これは私はいわゆる行政サイドで、あるいは法律によって拠出をしていただき、国民の皆さんからいただいている金とは、若干筋が違うと思うんですが、この点、大蔵省ではどのように御認識になっていらっしゃいましょうか。
#203
○政府委員(後藤土男君) 申すまでもなく、郵便貯金は、大変先生おっしゃるような御苦心をもってお集めになった資金だと私たちも承知しております。
 資金運用法の規定におきましても、資金は安全確実に、また公共のために使わなければならないというような規定もございます。私どもは、こうやって御苦労をなさってお集めになった資金をその法律の本旨に沿って有効に適切に使うようにしたいと日夜念願するところでございます。
#204
○赤桐操君 ちょっと少し私が申し上げていることに対して御理解がいただけないんじゃないかと思うんですけれども、こういう苦労をして集めた金というのは集めた主体に対してもっと大幅な権限を与えたらどうだろうか、こういうことです、率直に申し上げまして。もちろん国家事業としての背景がございますから、大蔵省の考え方を全部排除して一切のものをこちらで運用すると、こういうことは考えられないかもしれないけれども、少なくとも、いまのような郵政省と大蔵省との関係というものをこれからも続けるということについては、私は、残念ながら、これだけ努力をして集めてきている金の運用の仕方として理解に苦しむものです。これは私が申し上げていることは常識的に申し上げていることなんです。その点について大蔵省ではどういうように御認識になりましょうか。
#205
○政府委員(後藤土男君) 先生のおっしゃる趣旨は私どもも十分理解できるところでございます。しかしながら、国の資金というものは、やはり集めました主体で個々ばらばらに運用するよりも、できるだけ集中いたしまして、統一的、効率的に運用することがまたその資金の本来の趣旨に沿ったものではないかと私ども考える次第でございます。
 簡易保険につきましては、契約者貸付制度というような特殊な制度もございますし、また戦前に分離運用していたというような歴史的ないきさつもございまして、戦後一時、一体運用をいたしましたが、分離運用を認めたわけでございます。
 また、厚生年金等につきましては、法律で集められたものでもあり、またその資金の性質が若干福祉面というような趣旨もございまして、還元融資というような面も容認いたしたわけでございます。
 しかしながら、運用部資金の大宗をなします郵便貯金、集められた皆様方の御苦労は十分わかるのでございますが、これもまた、いわば郵政省の方に一部還元的なことをするとなりますと、資金がばらばらの形になりまして効率を阻害するのではないかということが私ども心配しているところでございます。先ほども申し上げましたが、決して大蔵省が恣意的にこの資金を運用しているわけではございません。資金運用審議会において十分の御議論をいただき、その資金運用審議会の委員には郵政審議会の委員をなさっている方もあり、会長もそのお一人でございまして、郵便貯金をお集めになりました御苦労を十分御存じの方に十分その運用にも当たっていただくということでやっているわけでございまして、この点を御了承いただければと思う次第でございます。
#206
○赤桐操君 端的に申し上げますると、率直に申し上げますが、この金の運用の仕方をずっと長く見詰めてまいりまするというと、どうも大蔵省が女王バチで、郵政省や郵政部内で働いているわれわれ現場労働者というのはまるで働きバチみたいじゃないかと、こういうふうに実は現場ではみんな考えられているんですよ。大蔵省というのは力ありますからね、とてもじゃないけれどもこれは。うちの村上大臣もりっぱですから安心はしてはいますけれども、とにかく正直申し上げて、これはどうも郵政省の方全体がすっかり働きバチになって大蔵省の方が女王バチとなってがんばっておられるんじゃないかと、こういう印象がぬぐえないんですけれどもね。
#207
○政府委員(後藤土男君) ただいま比喩的におっしゃっていただきましたが、決して大蔵省は女王バチというようなうぬぼれた気持ちで運用しているわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
#208
○赤桐操君 ひとつ、これはお気になさらないでください。たいへんどうも失礼申し上げました。率直に申し上げまして、この二十兆円あるいはまた五兆五千億、二十五兆五千億に及ぶ郵政の職場で生み出している金というものは、いま申し上げたような、それは大変な努力です、率直に申し上げて。したがって私は少なくともこれだけの努力というものはなされているわけでありますから、もう一歩突っ込んで新しい時代に対応するものを考えてもいいんじゃないか、こういうように実は考えるんです。
 いま、ちょっと申し上げてみたいと思うんですけれども、仮に郵便局を一つこしらえて、特定局でもいいですけれども、つくって、そこで何にもしていなかったとしたならば、貯金の窓口があっても保険の窓口があっても、国民の皆さん方は御利用をいただく方々は来ていただけるでしょうけれども、その窓口だけで簡単に入ってきている金ではないんです、二十五兆五千億というものは。恐らく窓口だけに任して、あと何にもやらないでいたとしたならば、こんな大変な金が集まりっこないんです。やはりそこには、さっき申し上げてきたように、血のにじむような、ときに肉をかみ骨を削るような思いをしながら、努力の連続の中で集めた本当の実はこれはもう大変な企業的な努力によって集められた金なんですよね。だから私は、なるほど一応後藤理財局次長の立場としてはあるいはそれ以上はおっしゃることができるかどうかわかりませんけれども、正直申し上げて、いわゆる行政サイドで集めたものとは違うので、この点はやはりこれは郵政省にもっと大幅な権限を与え、あるいはバックペイについてももっとゆとりのあるものを与えるべきではないかと思います。
 こういう点について、ぼつぼつこの辺からひとつ再検討の段階に入っていただきたいと思うんでありますが、大蔵省としてはいかがでしょうか。
#209
○政府委員(後藤土男君) お話しの趣旨は私どももよくわかるんでございますが、先ほども申し上げましたように、やっぱり資金というのはできるだけ統一的、効率的に運用したいという私どもの考えもございまして、なかなか意に沿いかねる点が多いんではないかと思うのでございます。
#210
○赤桐操君 私は正直申し上げまして、ずっと昔の中央公論で見たんですけれども、世界の七不思議の一つだと言われて書いておりましたけれども、とにかく金を集めるだけ集めるけれども、みずからこれを貸すということがない、これは郵便局の貯金だと、こう言っておるんですね、これはまことに世界の七不思議だと言われておる。さっきお話しのとおり、ほかはもうないわけですから、これはもうしようがありませんけれども、とにかくこういう銀行は恐らく存在しておりませんね。
 われわれ個人の加入者のお金は、最近はその考え方が多少生かされてきておりまして大変結構だと思いますが、しかし、言うなれば、銀行のように郵便局は貸し付けの自由はないわけですよ。その自由がなくても、これだけの金を一生懸命に集めているわけですよね、だから、これはやはり私はもうこの辺で少し物の考え方を変えるべき時期がきたんじゃないか、こう思うんですが、郵政大臣のお考えはいかがですか。
#211
○国務大臣(村上勇君) 大変、赤桐先生の郵政省に対する、さすがに郵政省の先輩としてのお立場もあろうと思いますが、熱誠なる御声援をいただきましてありがとうございました。
 血のにじむような努力をして集めたその金が大蔵省の手に渡ったときに、郵政省の方では、それが逆ざやになって、先ほど単年度九百二十億というような赤字になると、これではもう働く意欲を、こういうことがわかれば意欲を失ってしまうおそれがあります。で何も郵政省がその集めた金を扱わなきゃならないと、世界の七不思議というような不思議でありましょうが、それを私は扱わせないからどうというようなけちなことは申しませんが、しかし、少なくとも赤字にはならない程度にそこで金利の調節をしてもらわなければいけません。で、この五十一年度の予算編成の際に先生方の御鞭撻のむちに乗りまして、私も、どういうふうになるか知りませんが、一生懸命に各関係方面とかけ合ってまいります。
 まあ前に座っている局長方はなかなか偉いけれども、しかし保険や貯金をその血のにじむような思いをしてかせいだ経験がないらしいので(笑声)、ひとつ先生のいまのお話しを私が肝に銘じたんですから、郵政省の幹部皆が肝に銘じて大蔵省にも当たるでありましょうし、大蔵省の次長さんもひとつそういうことにして、それでひとついまの御趣旨に沿っていただくように私からもお願いしたい。本当にそういうようにまいりますので、ありがとうございました。(笑声)
#212
○赤桐操君 時間の関係もございますので少し急ぎたいと思いますが、財投の金については、いろいろあると思いますが、私は率直に申し上げまして郵政省に対するバックペイについても少し考えていただくべき時期が来ていると、こういうように思いもす。
 それで、同時にまた財投の中の主要な部分を占めている関係もございますので、私は少しく申し上げたいと思うんでありますが、この使途別分類の中で、住宅、生活環境整備、厚生福祉、文教、中小企業、農林漁業、これはいわゆる1−6分類と称するものでございますが、言葉をかえて申し上げれば生活基盤に最も関連の深い項目であろうと思います。それで7から12まであとございまするけれども、これはいわゆる生活基盤投資とは異なるものであろうと思うんですね、むしろ産業面に大きな役割りを果たす部門ではないかと思います。
 こういう考え方に立ちまして、少しくこれを検討してみたいと思うんですが、1から6までのこの分類については、これはまあいろいろ大蔵省の意見もあると思います。資金運用部の問題もあると思いますが、全体のバックペイはもっと上げてもらわなきゃならぬということは前提としても、特にその中で1から6までの分類については、これはまあ大蔵省の方針もございましょうから、こういう分野に対してはもっと利子の補給をすべきだという考え方がおありならば、一般会計から補てんをしていただけばよろしいと思うんです。それで7から12までの部分については、これはひとつ思い切って郵政省の意向を入れてもらって、そしてこの貯金や保険などの金の上がってきた経過をよくお考えいただきまして、これに対するところの金利を思い切って上げるなり、あるいはまた自由なわれわれのサイドで運営できるような、郵政省のサイドで運営できるようなそういうシステムへの検討が必要だと思うんですけれども、この点はいかがですか。
#213
○政府委員(後藤土男君) ただいま先生が使途別分類についておっしゃられましたことは、恐らく7から12までの部分に対する財政資金の貸し付けは八%よりも上げろと、こういう御趣旨かと思いますが、これも一つの方法ではあろうかと思いますが、現在の財投の仕組みといたしましては、預かりました資金をほとんど原価でそのままそれぞれの機関に八%で融通いたしまして、そしてそれぞれ受けたところでその資金原価によって、あるいは利益を、たとえば八%のものを九・何%というふうにして貸すものはあるわけでございます。たとえば特に11とか12の部門、輸・開銀などはそういう面が多うございます。しかしながら、同時にまた、7から10の部門でも、たとえばこのうちに国土保全災害復旧などは三%程度で貸しているものもございます。このようにいろいろと内容に応じまして金利のさやを設けておるわけでございます。
 したがいまして、こういう財投対象機関の7から12に属するものに対して、一律に高い金利を財投自身から差をつけるというのがよいか、それとも財投は一応八%で貸しまして、その中でそれぞれ財投対象機関がその融資の内容に応じましてきめ細かく金利を決めていくのがいいかという問題になるわけでございますが、私どもといたしましては、やはりそれぞれ借り入れの中身が一つの機関におきましても違いますので、それぞれの借り入れの内容に応じて金利差をつけていくのが一番現実的な、事務的にもいい方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#214
○赤桐操君 これは、私は地方の方でいろいろ働いてきたものですから、地域の方におけるいろんな問題を申し上げることになってしまうんですけれども、この間全国知事会の中でも、これは余り深く伺うつもりはありませんが、いままでの公営企業金融公庫をもっと拡大強化して地方金庫に発展させようと、そして地方において一番困っている地方債や財源措置を一手に引き受けようじゃないかと、こう言っているわけですね。こういうところは、率直に申し上げて、私はこれはかなりの金利でもほしいと思うんですよ、金が。
 それで地方財政白書なんか見ますと、大分、市中銀行の出している割合の方が上がってきている、この数年間を見ますとね。その市中銀行の金でさえも約半分近くこれは行っております。昔は六〇%くらいが大体国の金だったんですけれども、いまはそれはフィフティ・フィフティくらいになってきていると思います。それでも地方は使わなければ仕事ができない、こうなっているのです。
 そんなに取らなくても、郵政省の関係であるならば、これは国家が背景となってつくったものですから、もちろんこれは企業の努力によったとはいいながら、やはり庶民の皆さんのお金でございまするし、返さなければならない還元の原則に基づくものでございましょうから、それはそう多額な金利を要求することはできないことでしょう。いずれにしても、一例で申し上げましたとおり、いま金はみんな枯渇しているんです。ですから、少なくとも、私は、郵政省に権限が移譲されても、決して大蔵省が御心配いただいているように金の分散によるところの効果の減殺ということはなかろうと、こう考えるわけでありまして、これからひとつ十分にこの点御検討いただきたいと、こういうように考えるものです。
 そして、これが実現されることになりまするというと、私は、この郵政の貯金会計にいたしましても、これはいまみたいな情けないことをやってなくてもいいと思うんですね。もっと本格的な収入源を持つことになるわけであるし、さらにこれからのいろいろなダイナミックな郵政事業全体に対する位置づけというものができてくると思います。
 そこで、次の質問を申し上げますので簡単にお答えいただきたいと思いますが、四十六度以降の郵貯及び簡保特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れたところの金額、伸び率を簡単に御説明願いたいと思うんです。――おわかりになりませんでしたらよろしいですよ、わかりますか。
#215
○政府委員(廣瀬弘君) ただいま率の計算をいたしておりませんので、数字だけを申し上げます。
 四十六年度郵貯会計でございますが、郵政事業特別会計繰入額が千三百九十五億、それから四十七年度におきましては千六百八十四億、四十八年におきましては二千四億、それから後は予算ベースで申し上げますが、四十九年度二千六百六十億でございます、五十年度予算では三千三十八億。
 それから保険でございますが、四十六年度決算で千二百四十六億、それから四十七年度千四百二十四億、四十八年度におきまして千六百四十六億、四十九年度は、これも予算ベースでございますが、二千百八十一億、五十年度におきましては二千四百十三億。以上でございます。
#216
○赤桐操君 それで私の手元の数字と大体合っておりますが、恐らくこの伸び率が合っておると思うんですけれども、四十七年度の郵貯からの繰り入れのパーセンテージは二一・三、これは伸び率ですね。それから四十八年が一六・五と落ちているんです。このときの保険の方から入った金が一一・六なんです、これも落ちているでしょう。その前年は保険が二一・九なんです。だから四十七年には郵貯は二一・三、簡保は二一・九、四十八年になると一六・五と落ちて、簡保の方も一一・六に落ちている。それから四十九年になるというと、四五・三に郵貯の方が伸び上がって、簡保の方も三八・七に伸びている。五十年になってくるというと、一四・一に落ちている、さらに簡保の方は一〇・六に落ちる、こういう実はアップ・ダウンをやっておるんですね。
 これちょっと私にはよくわからないんだけれども、何でこういうようになるのか、細かな話はもう時間がありませんから結構ですが、大筋で結構ですけれども御答弁願いたいと思うんです。
#217
○政府委員(廣瀬弘君) これは私も大変大ざっぱで恐縮でございますが、建設勘定の規模が変わってまいりますと、この負担部分も変わってまいります。
 それからもう一つは、貯金の場合、非常に違いますのは、貯金の機械化をやっております。窓口会計機の導入をいたしております。これは入った年とそれからそれが余り入らない年ではうんと変わってまいります。
#218
○赤桐操君 そうすると、これはいずれも年度によって繰り入れ額は違っていくわけなんですね。そのことは基盤整備に必要な、事業運営上必要なものを投入していくということに理解できると思います。その点、いかがですか。
#219
○政府委員(廣瀬弘君) 御指摘のとおりかと思いますが、その事業に必要なものにつきましては、直接必要な経費はそのまま繰り入れます。それから共通的な経費につきましては、その人員比によるとか、あるいは建設勘定のようなものにつきましてはその使っておりますスペースの比によるとか、そういった形で繰り入れますので、先生御指摘のように、直接必要な経費はそのまま郵政事業特別会計の中に繰り入れられてまいります。
#220
○赤桐操君 私はひとつ最後に、この貯金の問題について締めくくりに当たって申し上げたいと思うんですが、郵便貯金会計という特別会計が設定されている理由ですね、これは契約者に対する、加入者に対するところの元本あるいは金利の保証をするということ、いわゆるこの契約を履行して、その保証体制を確立するためにこの制度があると思うんです、それが目的だと思うんです。したがって、その体制が整ってなおかつ剰余金を生み出すということができるならば、いままでのようないろいろの手だてをしてそして剰余金を生み出すことができるということであるならば、基盤整備に必要な金は当然投ずべきだと思うんですよ。貯金の特別会計の目的とする原則を堅持してなおかつ剰余金を生み出すことができるならば、その剰余金を郵政特会に入れて差し支えないと私は思うんです。また、そこまでもう一歩前進しなければ郵政事業の運営はできないと、こういうように実は考えるんですが、経理局長のお考えいかがですか。
#221
○政府委員(廣瀬弘君) 大変むずかしい問題だと思いますが、先生御指摘のように、貯金の性格は確定利付債券と申しますか、そういった性格のものでございますので、それを上回る分につきましては、将来の経営の基盤が保証されるならば、それをさらに上回る剰余については、これは他に使われるということがあるいはあり得るかと思います。ただ、現在のような経理状態では、そのような事態は生じておりません。
#222
○赤桐操君 もちろん、いまのような経理状態を克服するためにはどうしたらいいかということについて、私は大蔵省にいろいろお尋ねしたわけです、また要望もしたわけです、大臣にも御要望したわけです。そういういろいろの前提を踏まえながら、郵便事業のいわゆる経営についてももっと内容に立ち入って検討を加えて、長期の展望を踏まえて、この三事業の三つの特別会計がもう一歩上にコントロールする一つの体制というものをつくり上げるということは、これからの日本の郵政事業の中では必要だと、こういうふうに私は考える。この点、大臣、どうですか。
#223
○国務大臣(村上勇君) 全く同感です。
#224
○赤桐操君 それでは貯金の問題は終わりにいたしまして、最後に、保険関係についてひとつお伺いいたしたいと思います。
 簡保資金については、これは余裕金というのがあるそうですな。これはどういう性格のもので、どういうように運営されているのか、御説明願いたいと思います。時間がありませんから簡単に御答弁願います。
#225
○政府委員(北雄一郎君) 余裕金と申しますのは、簡保特別会計法というのがございまして、その第八条に「支払上現金ニ余裕アルトキハ之ヲ資金運用部ニ預託スルコトヲ得」と、こういう規定がございます。これがいわゆる預託金でございます。
 平たく申し上げますれば、一会計年度の全収入から全経費を引っ張りますと、残ったものが差し引き過剰金というものになるわけでございます。過剰金というものは中身が二つございまして、一つは契約準備金として積み立てなければならない。いま一つは、やはり上乗せ配当と申しますか配当用の分配と申しますか、分配の準備金としてこれまた積み立てなければならないわけです。この二つの要素を歳入歳出過剰金から引き去りますと、残ったものが剰余金になるわけです。そういった構成を持っておるわけでございますが、そういった歳入歳出差し引き過剰金、そういうものがございまして、大体五十年度あたりでは一兆一千億ぐらいになりますが、これが先ほど特別会計法の八条で申し上げましたように、当該年度中は結局過剰金でございますから、現金に余裕があるというものになるわけでございます。したがって、これは年度の初めとしまいと、極端に言えば日によって浮動するものでございますけれども、年度末におきましてはおおむね歳入歳出過剰金というものと一致するわけです。そういうものがございまして、それはただいま八条で読みましたとおり資金運用部に預託するということになっておるわけです。その点は、また、運用部資金法にもそういう定めがあるわけであります。すなわち各特別会計の余裕金は資金運用部に預託しなければならないという規定が資金運用法にもございまして、両方からいたしまして、これは運用部に預託する、こういう性質のものでございます。
#226
○赤桐操君 大体、その余裕金と称するものは全体の二〇%と私は認識をしております。この一兆円の金が資金運用部に預託されている。資金運用部からのバックペイは六%ですから、そういうことであると思いますね。したがって、ほかの自主運用の中でやっているのは八%以上のものをやっていると思いますね、簡保は大体。そういう状況の中で全体の利回りを低くしている理由の一つだろうと思うのです。
 そういう意味合いから、この際、時代の推移等も勘案をいたしまして、大蔵当局の方からも思い切ったひとつ腹を決めていただいて、この余裕金も完全に郵政省の方にこれを任せる、こういうことにして簡保の特別会計を裕福にしていただく、それによって郵政省の事業全体の運営を発展させる、こういうことにしていきたい。加入者の利益はもちろんこれは向上させると、こういうことにすべきだろうと思うんですが、この点大蔵省いかがでしょう。
#227
○政府委員(後藤土男君) ただいま郵政省からも御説明ございましたように、簡保余裕金につきましては法律、政令等の規定がございまして、みだりになかなか変更はむずかしいわけでございます。また、その所管は主計局の政令でございます。私、理財局からいろいろなことを申し上げるのはまことに僭越でございますが、郵政省のいろいろと御希望もございまして、私どももそれを受けていろいろ検討をしているところではございますが、まだ結論を出すに至っておりません。
#228
○赤桐操君 これはひとつ貯金の問題同様、非常に苦労をし抜いて集めた金でございますから、郵政省の働く労働者のことも考えていただいて、いろいろひとつ御検討をいただくことをお願いいたしておきたいと思います。
 最後に、私は申し上げたいと思うんですが、要するにこの貯金・保険積立金というものは資金運用部の運営と一緒に歩んできたと思うんです。そして戦時中におけるところの、恐らくこれは東條内閣の時代だったと思いますが、戦争目的遂行のために資金運用部が改組されてそこに保険も何も全部集中したと思うんです。戦時中は戦争遂行のために恐らくこれが大きな推進力になったと思います。戦後は、あの荒廃いたしたところの戦後日本の復興のためにやはり私はこの貯金と保険の金が大きな役割りを果たしてきたと思うんです。あるいはまた今回ピリオドを打たれたけれども、高度経済成長政策の推進力となってやってきたのもその大きな力はいわゆる保険、貯金の金であったと思うんです。あるいはまた、福田副総理が言われるように、低成長時代におけるこの乗り切りをやっていくのは財投の金でひとつ裏づけしながらやるんだと、こう言っておるんです。その大宗をなすものはやはり貯金の金であり保険の金だと思うんです。
 こういうわけで、常に郵政省が行ってきたこの二事業、これは時代時代におけるところのそれぞれの中で大変な実は役割りを果たしてきたと思うんです、これに対する批判は別問題といたしまして。したがって私どもはこの二つの事業に対しては大蔵省も郵政省ももう一遍ひとつ原点に返っていただいて、さらにまた新しい時代に対応する姿勢というものをつくり上げるべきだと、こういうように私は考えます。
 そういうことを総合的に考えながら、少なくとも今回のいわゆる料金引き上げ問題等をめぐって、やはり私は長期の展望を確立しながら郵政事業をどう運営するんだという考えをもってこれはやっぱり考えなければいけないと、こういうように思うわけであります。
 率直に申し上げますが、高度経済成長時代に日本のインフレは高進したと思います。その推進力になったのが皮肉にもこの貯金の金であり保険の金ではなかったか、こういうようにも実は悔やまれます。そしてそのインフレがいま郵便事業部門に振りかかってきている、こういうようにも理解できないわけではないと思うんです。そして郵便事業というものはインフレの時代に乗ることができない、こういう関係からして大変な四苦八苦の状態に追い込められてきておる、これが私はいまの郵政省が置かれている苦悩の実態だと思うんです。こういうことをひとつ根本的に掘り下げていただいて再検討をひとつ願いたいと思います。
 私の質問を終わります。
#229
○委員長(竹田現照君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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