くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 運輸委員会 第5号
昭和五十年四月十五日(火曜日)
   午前十一時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤田 正明君     山崎 竜男君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山崎 竜男君     熊谷太三郎君
     藤田  進君     戸田 菊雄君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     熊谷太三郎君     山崎 竜男君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     宮崎 正雄君     藤井 丙午君
     戸田 菊雄君     宮之原貞光君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     藤井 丙午君     宮崎 正雄君
     宮之原貞光君     戸田 菊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                岡本  悟君
               久次米健太郎君
                橘  直治君
                宮崎 正雄君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       運輸省自動車局
       長        高橋 寿夫君
       運輸省自動車局
       整備部長     田付 健次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   門田 英郎君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    島崎 晴夫君
       厚生省社会局更
       生課長      井手精一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○黒住忠行君 道路運送車両法の改正で、関連いたしまして少しく御質問申し上げたいと思います。
 現在、ことしの初めごろに恐らく車両数は二千七百万台を超えておると思いますが、四十九年度末、三月末の車両数がどうなっているか、数字がわかっておればお知らせ願いたいと思います。
#4
○政府委員(高橋寿夫君) 四十九年度末と申しますのは三月末でございますけれども、まだその数字の集計ができておりません。私ども手元の一番新しい数字は一月末の数字でございますが、これによりますと自動車の総数は二千七百七十六万台でございます。
#5
○黒住忠行君 二千七百万台といいますと相当あれでございまして、私は五十年度いっぱいには三千万台近くになるのではないかと推定をしておるわけでございますが、いまのような状況から見まして五十年度いっぱいにはそのようなことを考えていいのかどうか。まあ自動車の最近の伸びからして特徴的なものがあるかどうか、そのことにつきまして見解を承りたいと思います。
#6
○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。
 最近のふえ方につきまして若干御説明申し上げますと、まず四十年から四十五年までの間、これは非常にふえた時期でございまして、大体年率にいたしまして一五%から二〇%ぐらいの勢いでふえております。ところが、四十五年ぐらいから少しこのふえ方が鈍くなりまして、四十五年から一二%ぐらいで推移してまいりました。四十八年度には八%ということで落ち込んでしまいました。
 このような傾向でございますが、今後のことにつきましては私ども、まあ先のことでありますのでなかなかこの正確な推計ができにくいわけでありますけれども、大体年率にいたしまして、軽自動車以外の自動車で八%前後、軽自動車がほぼ横ばいというふうなことでありますので、平均いたしまして年率六%程度で推移するのではないかと、そういたしますと、大体五十年度末の自動車の総数は二千九百万台ぐらいになるのじゃないかと、このように考えております。
#7
○黒住忠行君 そのように考えても相当自動車が伸びると、車両検査、登録等の仕事は、大変ふえてくる自動車に応じまして体制を整えていかなければならないわけでございます。その中で車両検査については陸運事務所の直接やります車両検査、それから指定整備工場のいわゆる民間車検、あるいは最近におきます軽自動車検査協会によるところの軽自動車の検査というふうにあるわけでございますが、従来この国の検査と民間車検というものをたとえば六割とか七割は民間というふうな方針はあったわけでございますが、最近における国の検査と民間車検とそれから軽自動車協会の検査、率からいいますとどういうふうな状況であるか。そしてまた民間車検の推進といいますか、今後につきまして、どのように考えておるか、従来と方針は変わってないかどうか。
#8
○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。
 御承知のように車両検査の仕事は、全国の陸運事務所五十三カ所にございます車検場、そのほかに支所、出張車検場等が二十一カ所ありまして合計七十四の場所で検査をいたしております。なかなかこれだけでは手が回りませんし、もう一つはまた民間の車両整備工場の技術水準を高めるというふうなねらいからも、御承知のように民間車検の積極的活用ということを図ってきているわけでございます。
 この民間車検率と称しまするもの、年によりまして多少の上下がございますが、現在おおむね半分ずつ、国の検査場で半分、指定整備工場で半分というふうなことでやっております。私どもといたしましては、この率はもう少し民間車検の方のウェートを高める必要がある、このように考えておりまして、現在全国で約一万の指定整備工場がございますが、この内容の充実を図りまして、目標といたしましては民間車検率七割というところを目標にがんばりたいと思っております。そして、国の直轄車検は三割でありますが、国といたしましてはみずから車検をするということだけではなくて、民間車検場の監督というふうなことをやりまして、間接的に車検体制を確保するということでやっていきたいと思っております。
 それからなお軽自動車が新しく検査対象になったわけでございますので、軽自動車検査協会が軽自動車の検査を始めておりますが、まだこれは仕事を始めたばかりでございますし、軽自動車検査制度が始まりましたときのいわゆる切りかえ検査というふうなことを並行してやっております状況でございますので、今日の数字はまだそのノーマルな姿を示すものではないかと思いますけれども、最近の軽自動車検査協会が扱いました件数を申し上げますと、四十八年度はまだ仕事始まったばかりでございますので非常に少なくて七十七万台でございましたが、四十九年度は三百万台の検査をいたしております。
#9
○黒住忠行君 いまの整備工場の仕事、指定整備、これを伸ばしていくという方針は正しいと思いますが、いま近代化その他で役所も業界もいろいろ努力をしておるようでございますが、これがなかなか思うようにいかない。どういうところにその問題があるのか。そしてまた七割目標というのは前からの目標でございますが、なかなかここまで達成できない。どういうところに問題があると考えておられますか。
#10
○政府委員(田付健次君) 指定工場の継続検査に対します寄与率をぜひ私どもとしてはふやしてまいりたいということで従来も指導をいたしてまいりましたが、やはり近代化の計画の中で集約化を進めながらある程度の規模に育てるということがどうしても必要になってまいりますが、その場合に私どもとしては可能な限りの融資、助成、指導等を行ってきているつもりでございますけれども、やはり地域的な状況なりあるいは企業の経営者としての言うなればプライド的なものなどがある点がありまして、必ずしも規模の集約、拡大化ということについては直ちに反応をしていただけないという面もございまして、思うように任せないことがあるわけでございますが、なおこれから指定工場の育成をする必要性がありますので、地域的にもややきめの細い指導をしてまいりたい、このように考えております。
#11
○黒住忠行君 いまの点で、近代化その他の努力を一方しているけれども次から次に新しいのが生まれてきてその政策が非常にやりにくいと言いますか、両立しない面があるんじゃないかということが言われておるわけでございますが、これは認証という制度になっているので、その認証基準等の見直しをする必要があるんじゃないかと思いますが、どうですか。
#12
○政府委員(田付健次君) 御指摘のように集約化をする近代化を進めながら、片方では車両法による認証をするということが同時に行われておりますので、一見矛盾するかのように見えますが、私どもとしてはそのようには考えておりません。やはり車両法上の安全を確保するというために整備工場が確保してもらわなければならない最低の基準というものはこれはぜひ守ってほしい。逆に言いますと、そのような設備、そのような技能を最低線として確保していただければ保安上の分解整備というのができるということになろうかと思います。
 一方全く観点を変えまして、業界事業としてどのような体制にすべきかという経営あるいは経済的な観点からの集約化、近代化というのは、これまた整備業界としてこれから勉強し、かつそれを達成するようにする必要があるわけでございますが、そのようなことでそれぞれの意味があると思いますので、必ずしも矛盾しているというふうには考えていないわけであります。しかし実際問題として見ますと、やはりその間にどうも感覚的にはそぐわない点が感じられますわけでございます。私どもとして認証基準を今後どうするかということについてはこれらの事情を今後とも考えていかなければなりませんが、認証自体の中身がやはり自動車の技術の進歩等に合わせて変えていかなければならない点もございますので、基準自体の見直しというのはこれは今後とも検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
#13
○黒住忠行君 次に軽自動車でございますが、軽自動車の規格につきまして現在三百六十ccという規格を引き上げるということにつきましていろいろ検討が行われているように聞いておるわけでございますが、軽自動車というのはわが国独特の車でございまして、省資源といいますか、そういう面から見ても有効な車であると思うわけですが、その規格引き上げの作業はいま行われているはずでございますが、どこまで進んでいるのか、お答え願いたいと思います。
#14
○政府委員(高橋寿夫君) 軽自動車の特殊性なり日本の道路事情あるいは所得水準等に非常に適したものであることについては御指摘のとおりでございます。三百六十ccという規格をつくりまして以来、ずっと順調に伸びてきたわけですけれども、この数年間、何といいますか、大きいことはいいことだというふうな世の中の風潮があって、車を買う人が大きな車を買いたがるというふうなことがございまして、若干そういった風潮の影響を受けてかと思いますけれども、軽自動車の伸びが横ばいになっておるわけです。このことは、しかし、省エネルギーあるいはスペースの節約というふうな点から私どもとしては余り好ましいことではない、もう一遍軽自動車の見直しということをする必要があると考えております。
 一方におきまして軽自動車は三百六十ccというきわめて排気量が小さいものでありますから、最近問題になっておりますところの排気ガスの規制をするためにいろいろ装置をつけるためには三百六十ではちょっと足らないということになってきております。そこで、この三百六十ccという容積を排気ガス対策をするのに必要最小限度なところまで大きくしたいということで、いまいろいろ検討いたしております。いろんな案がございまして、利害得失その他検討いたしておりますが、今日まだこの線で行くんだという線がはっきり出ておりません。一案としてはたとえば五百五十ccぐらいをめどに検討はいたしておりますけれども、五百五十ccで行くんだということを決めたわけではございません。目下検討の進行中でございます。
#15
○黒住忠行君 結論が出るのはいつごろですか。速やかに結論を出すという方針ですか。
#16
○政府委員(高橋寿夫君) これは昨年の暮れに出ました中央公害対策審議会の答申によりまする軽自動車の排気ガス対策を完了すべき時期、これは一般の車よりも、一般の車のうちのいわゆる大型車並みに延ばしてありますけれども、しかし、いますぐやはりこれを線をはっきりいたしまして、軽自動車メーカーがそういった生産体制に入る準備を整えませんと間に合いませんので、できるだけ早くこの規格の線を決めたいと思っております。
#17
○黒住忠行君 いまの準備期間その他も必要なことですから、計画的に対処していかなければならぬわけですから、そういう点はなるべく速やかに明白にしていただいた方がいいんじゃないかと思います。
 もう一つ、小型自動車の場合に総排気量が二千cc以下、こういうわけですが、五十年、五十一年の規制に対処するということになりますと、いま軽自動車の場合に言われたようにエンジン容量の増大が余儀なくされるわけですけれども、二千ccの枠をはみ出す車は物品税、自動車税等の面で不利な扱いを受けるということになるわけでございますが、小型自動車の総排気量二千ccということについてその枠の拡大あるいは撤廃について、まあ軽自動車の場合とちょっと似たような要素があるわけでございますが、これはどうでしょうか。
#18
○政府委員(高橋寿夫君) 排気ガス対策、特に五十一年度規制をやります場合に、いわゆる等価慣性重量一トンというところを境にいたしまして、一トン以下の車は〇・六グラム、一トン以上の車が〇・八五グラムということで分けて、排気量、つまり重さの大きい車ほど排気ガス対策がやりにくいというふうなことが実はあったわけでございます。そういったことから現在小型車の規格についてどういうふうに考えていったらいいかという問題についてもいろいろ議論をいたしておりますが、先ほど軽自動車のときに申し上げましたように、従来日本の消費者の意識といいますか、必要以上に馬力の出る、そして排気量の大きな車、スピードの出る車、こういったものを使いたがるという消費性向がございましたわけですけれども、これから考えられる自動車社会というものを考えてまいりますと、果たしてそれでいいんだろうかという反省をひとつする必要があると思います。いわゆる省エネルギーというふうなことから考えましても、われわれは必要最小限度の排気量でいいはずであります。一方においてまた排気量の小さい車は公害対策がしにくいということもございますので、そういうことを両面いささか矛盾する要素もございますけれども、これらの兼ね合いをよく考えまして排気ガス対策を十分実施しながら、かつエネルギー効率のよい、つまりエネルギー消費の少ないそういう車を普及さしていくということが方向としては大事ではないだろうかと、そういうふうなことでいろいろ検討を進めているところでございます。
#19
○黒住忠行君 次に、三月十八日付で「五〇年度排出ガス規制の実施について」という自動車局長通達が出ておりますが、それの通達を出した相手方、そしてその通達の主なる内容について説明をしてください。
#20
○政府委員(田付健次君) この三月十八日付の通達は、役所側と民間団体側とに出しましたが、具体的に申しますと、役所といたしましては、各陸運局、沖繩総合事務局、それからなお私どもの方の交通安全公害研究所、軽自動車検査協会等でございます。それから団体といたしましては、自動車関係の団体でございますが、自動車工業会、車体工業会、産業車両協会、輸入組合、それから整備販売関係といたしまして整備振興会連合会、それから販売協会連合会、軽自動車協会連合会等であります。
 この通達の意味でございますが、これは五十年の排気ガス規制が五十年の四月から実施されることになっておる点は御案内のとおりでございますので、その実施に入りました場合に保安基準の各条項をどのような内容で運用するかということをまとめたものでありますが、特にこの通達での特徴といたしましてはディフィート・ディバイスという問題が一つありまして、公害規制防止装置をつけてはいるのですが、ある特定の条件だけしか働かないというような装置を持ってこられますと困りますので、そのような内容のものをある程度制限をするということが一つと、それからさらに御承知のようにこれから触媒装置をつける自動車が出てまいりますので、触媒をつけました場合に考えられます熱害対策ということでどのような警報装置などをつけるかという点の細部、それからなおこれから公害の規制を満たしているということを証明していただくことになるわけですが、その証明をする方法といたしまして、自動車の種類ごとに型式指定を受けるものについては完成検査終了証、あるいは型式認定を受けるものについては排出ガス検査終了証というような方法で、その自動車が公害基準に適合しているという旨を証明するような書類を添付していただきたいというようなことの内容等が主な点であります。
#21
○黒住忠行君 その通達の中で、記の2ですか、施行規則第三十六条第五項関係、その中の(3)にいわゆる公的な試験機関について記載されておりますが、それらの試験機関で対応能力というか、東京以外にその機関が存在していない。あるいはこの通達では国立大学、公立大学等を含む地方公共団体の付属機関というふうなことも書いてありますけれども、それらの一〇モード、一一モード等のことになりますというと、試験も、施設、能力ということが相当大切であると思うのですが、その点はどうなっていますか。現在の試験機関、公的な試験機関の状況、そして今後十分対応し得るかどうか、その点についてお答え願います。
#22
○政府委員(田付健次君) 御承知のように、五十年度以降排出ガス検査をいたします種類が二種類ございまして、一〇モード、一一モードと二種類の検査をすることになっておりますが、いずれもこれは新しい自動車、製作された自動車に対して適用されるわけであります。したがいまして、その一〇モード、一一モードの両方の試験ができるような設備ということになるわけでございますが、これはかなり大がかりな設備がございませんとできません。したがいまして、それが設置されております場所というのは、たとえばここに先ほど先生もお話されましたように、国あるいは公的な機関、大学等の特殊な場所に限られていくことになると思います。
 で、私どもといたしましては、本来国が新車の性能がどのような性能であるかというのを全部調べるというふうにしたいわけでございますが、実は自動車ではなくて装置だけにつきましてこういう公害防止装置をつくりました、これについてはどのような性能があるかを評価してくださいというような仕事の種類もございます。これも国が全部やるということになれば一番よいわけでございますが、なかなか予算等のこともありまして全部をやるというわけには現状まいりませんので、このような種類のものにつきましては国にかかわるような、いわゆる第三者的な機関というものができないだろうかということで、現在二つの施設ができておりまして、これを利用いたしております。で、その一つが日本自動車輸送技術協会という財団法人でございます。もう一つは日本車両検査協会という、これまた財団法人でございますが、この二つの財団法人が持ちますガス施設によります検査を私どもとしては活用いたしておるわけでございます。
 実際に五十年の規制に適合させる試験をこれから新車が受けるわけでございますが、今度は新車の方にいろいろな種類が、パターンがございますこの先ほどお話申し上げました公的検査機関である程度の検査をしてもらうと考えておりますパターンの自動車というのは、個別に、たとえば個人が携帯して、輸入して持ってくる外車のようなものでございまして、大量生産されるような自動車は考えておりません。御承知のように、大量生産される自動車は、大臣の型式指定を受けまして包括的にその型式については安全基準に適合しているということになるわけでございますが、この指定をする際には当然私ども国の方の審査体制がそれに対応した審査をいたしておるわけでございます。そういう網にかからない全く一両だけで携帯して入ってくるという自動車が実はございます。これは外国製の自動車でございますが、これにつきましても新車であることには間違いございませんので、本来なら国が全部やるというのが理想なんでありますが、現在のところ国内車の審査体制に手いっぱいでございまして、これにベストを尽くさなければなりませんので、個別のものにつきましてはできるだけこの機関に証明をさせまして、第三者的な意味からガスの発生状態をチェックさせる、そのデータを私どもが見るということに活用しようということを考えておるわけでございまして、現在この程度の輸入量であればこの二つの施設において十分その意味でのデータを提供してもらえるというふうに考えております。もちろんこれは、ある意味においてそのデータが公正のものでなければならない、私どもそれを参考にするわけでございますので、これらの団体の業務の内容については、十分指導し、監督をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#23
○黒住忠行君 電気ガス工事の車、あるいは身体障害者用車、教習用車、特殊架装のトラック、こういうのはディーラーなんかで改造が行われるわけですが、そういう場合にもやっぱり検査を受けますと排出ガスの検査も受けるわけでございますが、それらに対する対応、その検査をやるのにいまの施設あるいは地方公共団体、付属機関、それらで今後対応し得るかどうか、そこらは自信ありますか。
#24
○政府委員(田付健次君) 型式指定の対象にならない、ある程度バリエーションがあります車について当然考えられるわけですが、公害防止装置の認定というのを別途行っておりますので、自動車としての指定ではなくても公害装置そのものの系統は変わらずに用途が変わってきているという程度の類別があろうと思いますので、公害防止装置の型式認定制度を活用することによって、ただいま御指摘のような新車につきましては、国内車に関する限りはある程度活用できると、このように思います。
 なお試験機関が、地方の公共団体等が持つものについてまでそういうようなデータの作成、またそれを私どもが利用するということを広めてまいることになりますと、かなり監督も問題だろうかと思いますし、実際にガス試験をします場合には、相当高度な技術が必要でございますので、やはり信頼のおける試験ができるような体制が確認されませんとそういうデータの活用もできなかろうと思いますので、私どもとしては、できるだけただいま申し上げましたような公害装置の型式認定制度化、または先ほどお話しした団体による、試験施設による、試験の結果を利用してまいりたい、このように考えております。
#25
○黒住忠行君 せっかくまあ排気ガス対策ですから、そういう場合におきまして、スムーズに仕事がいくようにやっていただきたいと思います。
 それで今回の車両法の改正、手数料等の改定ということでございますが、考え方につきまして要点だけをひとつ答弁願いたい。
#26
○政府委員(高橋寿夫君) まず改正の必要性について簡単に申し上げます。
 御承知のように、現在自動車の登録及び検査の仕事は、私どもが特別会計を運輸省の中につくりまして、そこで手数料収入を財源といたしましてまかなっておるわけであります。軽自動車検査協会の場合につきましても、この私どもの車両検査特別会計という大きな屋根の下の一部門としてやっておるわけでございます。したがいまして、国の直轄検査も、軽自動車協会のこの検査も、すべて自動車の登録あるいは検査の手数料によりまして、すべての施設あるいは器機あるいは人件費をまかなっております。したがいまして、年々施設を整備する経費とかあるいは職員の人件費等が上がってまいりますと、手数料の引き上げが必要になってくるという事態が起こるわけでございます。四十四年に法律改正いたしましていままできたわけでありますけれども、そのころはまだ自動車の伸びがふえておったのであります。今日まで約五年以上もったわけでありますが、最近のように自動車の伸びが若干減っている傾向になってまいりますと、現在の法律にございますような限度額では、もう今後の車両検査特別会計の中の支出要因に対しては対応するだけの余裕がなくなってまいりました。私どもはこの法律に基づきまして実際の徴収額は政令で決めておりますけれども、この政令の額と法律の額を比べてみますと、もうほとんど法律の上限すれすれまでに政令がすでにできております。
 具体的に五十年度のことについて申し上げますと、もしも現在の政令のままでまいりますと、百億円ぐらいの収入しかありません、手数料収入といたしまして、ところが一方におきまして必要とされる経費は百五十億円近くございます。そこでどうしてもここで手数料改定をいたしたい。そのためにはこの政令改定の前提といたしまして、法定限度額をお決めになっていただいている道路運送車両法の百二条の金額を変えていただくという趣旨でございます。したがいまして、この百二条の手数料額の改定、おおむね二倍にいたしております。それが主な内容でございます。私どもはこの二倍に改定していただきますと、上限額の枠の中でさしあたり今年度は現行手数料に対して約五〇%の値上げをいたしたい。そうしますとまだ上限額までに余裕がございますので、これは数年後必要があれば経費の増高等の状況に照らし合わせましてもう一遍政令改正をする余地を残しておきたい、こういうふうに考えております。
#27
○黒住忠行君 大臣にひとつお聞きして質問を終わりますが、車両検査というのは、国の検査そうして民間車検あるいは軽自動車協会の検査等が行われておりますが、車両の保安ということと、それから公害対策といいますか、排気ガス問題、非常に重要な仕事でございます。そうして車両数も前よりは伸びがとまったといってもやはり六%ないし七%はふえていくであろうという推定であるとすれば、車両検査という仕事の重要性はますます重大であると思うわけでございまして、いまのような情勢を引っくるめまして今後予算の面あるいは人員の面等につきましてひとつ充実をしていかなければならないと思いますが、総括しましてこれらの問題に関する御所見を承りたいと思います。
#28
○国務大臣(木村睦男君) 自動車の検査体制というものを中心にいたしまして考えまするというと、安全度を高めるということが、本来一番重要な仕事であるわけでございますが、それに加えまして最近急にその重要性が強まってまいりましたのは環境基準、排ガスの規制基準でございます。この二つが、自動車検査の場合に非常に重要な目的となってまいっておることは御承知のとおりでございます。
 従来、自動車の両数が高度経済成長のころには飛躍的に毎年ふえてまいりました。それに対応する検査、その検査に必要な施設、要員を毎回苦労をいたして充実してまいったのでございますが、最近自動車の両数の伸びはやや鈍化をいたしておりますけれども、先ほど来お答え申し上げておるように、ふえておることは事実でございます。そういう背景の中で、今後、自動車の安全度を高め、また排気ガスの規制を徹底する、定められた基準に合うように、新車の場合あるいは継続車の場合に検査を十分やっていくということのために、当面自動車の整備行政があるわけでございます。
 そこで、検査につきましては、指定整備工場というものをふやしまして、すでに十年以上にもなろうかと思いますが、民間車検の能力を拡大するように努力をしてまいりました。今後ともこの方向は進めていくつもりでございます。現在大体五〇%近くになっておりますが、やはり私は理想としては七〇%ぐらいは民間車検で検査ができるようにしていきたい。あわせて、先般から開始をいたしました軽自動車の検査制度、これは特殊の検査協会をつくってそちらでやっておるわけでございますが、それらの財源もすべてこの自動車の検査登録の特別会計の中で処理をいたしておる。人件費もふえてまいりますし、機械化もだんだん進めてまいらなければなりません。ことに、排気ガス規制を検査いたします検査器械というものは、相当性能の高い、また精密的なものでございますので、相当金額も張るわけでございます。そういうふうなことを考えまして、そのすべての財源でありますところの特別会計の収入が、現在の状況では賄いきれなくなってきているというところから、この際法律の改正をお願いいたしまして、現在法律で認められております限度額いっぱいまでちょうだいをいたしておりますので、この限度額の幅を広げておいていただけませんと、その都度、適切な手数料の変更もできないわけでございますので、今回この法律の改正の御審議をお願いしておるわけでございますが、まあこの法案を幸に通していただけますれば、かなり幅ができるわけでございますので、当分はその幅の中で検査体制に支障のないように、人員の確保あるいは検査器械の整備その他について御期待にこたえるように行政は進められていくし、また、いかなければならない、かように考えておるわけでございます。
 同時に、先ほど申し上げましたように、民間車検場の整備も図り、また、軽自動車も相当今後ふえてまいることでございますので、検査協会の検査体制も充実をしていきたい、かように考えての今回の法案の御提案でございます。
 以上のような考え方に立ちまして、今後一層、その御期待に沿うように、整備体制、検査体制というものを充実していきたい、このように現在考えておるわけでございます。
#29
○瀬谷英行君 手数料の改定の理由について、いま大臣からお話がありましたけれども、限度額の幅を増大させなきゃならぬということですけれども、この手数料の改定によって収入増というものをある程度見込んでおられると思うんだけれども、これは総需要抑制とか、不況とかの影響によって、一年前、二年前とは多少これはその数字のはじき方も手かげんをしなきゃならぬのではないかという気がいたしますが、そういう手かげんをした上で、景気の動向等をにらみ合わせて、一体増収はどのぐらいになるかということも、この金額的な点をまずお伺いしたいと思います。
#30
○政府委員(高橋寿夫君) 先ほど御答弁申し上げましたことでございますけれども、車の伸びが十年前、五年前に比べましてだんだん、だんだん、落ちてきております。そういったことを十分数字として踏まえまして、それでおおむね登録自動車で年率八%程度、軽自動車でほぼ横ばい、こういうふうな数値をもとにいたしまして、これからの伸びをはじいたわけであります。五十年度におきまして大体二千九百万台ぐらい五十一年度で三千百万台ぐらい、五十二年度で三千三百万台、五十五年度で三千五百万台というふうにはじいたわけであります。私ども、かなり低目に見たつもりでございますので、大体これでいけると思いますけれども、予測でございますので果たしてどうなりますか、その点についてはまた御議論もあるいはあるかと思います。
#31
○瀬谷英行君 車の台数じゃなくて、金額のことでお伺いしたわけなんですが、料金というのは安ければ安いほど、それに越したことはないとは思いますけれども、こういうものは、いわゆる日用品を買うような性質のものではないし、一時的なものでもあるしするから、負担の限度額からいってそんなに遠慮する必要もないような気もするわけです。たとえば四百円とか、五百円とか、六百円とか、こういったような端数がありますけれども、常識的に考えれば、いまどきの相場から言えば、手数料なんというものは思い切って千円ぐらいに上げちまったっていいんじゃないかという気もするんですよ、こういうはしたのついた金額について言えば。それをこういうふうに刻んだというところは、収入の見込みというものをある程度はじき出した上でのことだろうと思うんですけれども、この収入の増というのを金額にしてどのぐらいに見て、そして割り出したのかということです。
#32
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもは先ほど御説明申し上げましたような年々の伸び率自体をもとにいたしまして、一応収入の推定はいたしております。たとえば五十年度では手数料収入百四十六億円、五十一年で百七十億円、五十二年度で百八十億円程度の推定をいたしております。
 いま先生の御質問の御趣旨は、手数料額についてでございましたんですけれども、この個々の項目ごとの手数料額を決めます場合、これは法定限度額を決める場合あるいは政令で実際に徴収額を決める場合、いずれにつきましても、実際にその登録なり検査に必要な原価をはじきまして、その原価をベースにいたしましてこれを決めるということにしてございますので、それを離れまして、政策的にうんと高くするというふうなこともいままでやってきておりませんので、一般的に考えれば、もうちょっと高くすることも考えられるじゃないかというふうな御意見もあるいはあろうかと思いますけれども、そういう原則がございますので、その原則の範囲内で計算いたしました結果が、ごらんのとおりの数字になったわけであります。
#33
○瀬谷英行君 一般の手数料の点は、金額的にはまことに何百円という端数でもって大したことはないという気がしますが、これはたとえば一般のものの値段だったら、余り高く上げ過ぎると手控えて売れなくなってしまうといったようなことがあるので、こういうのは、そういう消費物価とはまた違うわけですから、必要なものであるから多少安いとか高いとかによって手かげんをするという性格のもんじゃないわけですね。だから六百円が千円になったからやめとこうという人は恐らくないだろうという気がするわけです。だからそういう点はあんまり細かく、原価計算をした上でのことかもしれませんが、あんまり細かくする必要もないんじゃないかという気もするわけです。
 それから型式の問題ですけれども、これなんかの場合は、これはメーカーの負担になるわけだから、金額的にはまことにわずかなものではないかなという気もするんですが、この辺どういう計算をしてはじき出されたのか、その点もお伺いしたいと思うんですが。
#34
○政府委員(田付健次君) 個々の手数料を計算する場合に、もう少し大まかに取ったらどうかというありがたいお話でございますが、私どもといたしましては、やはり業務の内容はそれに伴っておりますので、一応横並びをしたときに、なぜそのような差が出るのか、あるいは逆に言いますと、業務の質が違うことによってやはりそれぞれの差が出てこなければ理屈に合いませんので、多少細かい芸ではございますが、一応経費を計算いたしました上で算出をいたしておるのでそのような結果になっておるわけでございます。
 なお型式指定につきましては、その他の手数料と比べますと、一段と上げ幅が大きくなっておりますが、この点は過去の型式指定をしておりました当時と比べていただきますと非常に明瞭におわかりいただけると思いますが、昔はわりあいに指定の型式数も少なく、また自動車そのものにつきましても、いまから考えますとかなりゆっくりつくっていたということでもあろうかと思いますが、その後、御承知の欠陥車問題が発生をいたしまして、私どもの審査をいたします体制を急速強化しなければならないというようなことが発生いたしまして、私どもの方の研究所に審査部を設けるなど、かなりの要員数をふやすという事態も発生いたしました。最近は五十年度、五十一年度、つい先ごろまでは四十八年度のガス審査ということが新しくつけ加わりまして、過去にはなかった業務がまた拡充されてまいってきておりますので、そのような経費がそれぞれかさみまして、ごらんのような計算の結果になったわけでございます。
#35
○瀬谷英行君 むしろ細かな手数料の場合は、一応御意見を聞けばこれで間に合うということだから、それはそれでいいですがね。型式指定のような場合には、いろいろと考えていかなければならぬ問題があると思うんですよ。いわゆるメーカーの商業政策ですね、それを助長するというようなことであってはいけないし、むしろじみちな考え方を指導していく必要があると思うんです、政府としてはですよ。その意味から言うと、こちらの方はもっと厳しくしていってもいいんではないかなという気がするんですけどね。これはかなり大幅な値上げということの考え方の中には、厳しい行政指導という考え方が含まれてのことだというふうに理解をしてよろしいのかどうか、その点をお伺いしたいのですが。
#36
○政府委員(田付健次君) いま御説明申し上げましたように、これからもやはり欠陥車問題、あるいは排気ガスに対する十分な対策問題等、いずれもまだ今後とも続きますので、御指摘のような点については私どもとしては十分指導していきたいという思想が入っているわけでございます。
#37
○瀬谷英行君 日本の車は、本当に車に限らないんですがね、電気製品でも何でもそうなんですけれども、目先を変えて買わせようという点があるような気がする。これは日本のメーカーに共通した一つの競争心から出発しているのかもしれませんがね、余りいいことじゃないと思う。たとえばフォルクスワーゲンという車がちっともかっこうが変わらない。しかし、性能はなかなかこれはすぐれているというふうに聞いております。私は性能等の問題については、素人だからよくわかりませんけれども、しかし見た目は変わらないが、性能の向上については責任を持つといった姿勢がメーカーには望ましいんじゃないかという気がするんですよ。目先を変えてか、こうよくして、そして新しいものをなるべく売ろうといったようなやり方は、これは排除していかなきゃいかぬ。そういう考え方は、行政指導の面でむしろ強化をしていく必要があるんじゃないかという気がいたしますが、その点は大臣の方にちょっとお伺いしたいわけです。どういうふうにお考えになりますか。どうも外国のやり方の方が、その点は堅実じゃないかなという気がするんですがね。日本のいまは車なんですけれども、車のみならず一般の電気製品、テレビ等についても、何か目先を変えて購買力をくすぐっていくといったような点があるような気がする。そういう点は、むしろ行政指導の点では戒めていくというのが筋じゃないかという気がするんですが、そういう指導という態度がいままで政府の方にあったのかどうか。それから今後の自動車の問題についても、これは自動車産業では世界的にも有数なお国柄になっているんですからね。政府は当然それは考えるべきだと思うんですが、どうですか。
#38
○国務大臣(木村睦男君) 日本の場合はやはり自由主義体制、経済体制をとっておりますので、自動車の生産も自由でございますし、購買の方も自由であるわけでございます。そうすると、そこにどうしても自由販売競争というものが、競争原理が働きますので、そこでいま御指摘のように毎年目新しい商品に衣がえをして販路を拡張しようという、こういうパターンが繰り返されておるわけでございます。しかし、全体的な節約、省資源、そういった観点から言いますというと、従来のように百五十種類も実は型式でもあるわけでございますから、ということは要するに自動車の種類が百五十種類以上もあるというふうなことでございますので、これは本当に売らんかなであり、消費旺盛の時代であればそうしたことがもとで、日本の経済というものも維持されておったと言えないこともないんでございますけれども、いまや日本の経済は高度成長から低成長へと変わりつつある、こういう現状に立ちましては、自然といまお話しのように、自動車の種類等も毎年毎年ちょっとどこかを変えて売り出すというふうなことは実情に合わなくなってくると思いますし、また、そういうことをやっておってもそれほど需要を駆り立てるというほど需要の方にも余力は従来ほどないというふうなことでございますので、自然とそれは修正の方向へいかなければならないと思います。しかし、基本的には自由経済であり、自由競争でございますので、ある程度の行政指導等については従来ともやっておりますけれども、統制経済のようなぐあいにはまいらぬことは、御理解をいただけると思うんでございます。
 そこでそういった問題が自然的に多少抑制をされる一つの機能は、実は今回の排ガスの規制の問題でございます。御承知のように、五十年度規制、五十一年度規制等々だんだん規制がやかましくなってまいりますというと、ことに新車の場合にはその規制に合うようにエンジンその他を本当に開発をし、またかえていかなければならないということになりますと大変なことになるわけです。そういうふうなことから、また実施時期というタイミングの問題もございまして、メーカーの方も好むと好まざるとにかかわらず、間口を収縮して、型式の数も減らしていくという方向に現在考えつつあるのでございまして、そういう点では非常に私は喜ばしい傾向にあろうとも思います。
 それからバス事業など公共大量輸送を担当します場合に、バスの車両の型を毎年毎年かえると、かえて値段も上がるというふうなことになりますと、それが、バス事業も競争でございますから、できるだけ見ばえのよい、また乗り心地のいいものをということになるのは自然の流れでございますけれども、結局そういうふうになってきますというと、そのバスの車両の価格というものが運賃にはね返ってくる、そういう面もあるわけでございまして、これはもうずいぶん以前からバス協会あたりでは、需要側の方で、つまりバス事業者の方で共同して、バス車両について注文をつけて、同じものを皆さんが使うように需要者の側から供給者の方へ、メーカーの方へ注文をしていったらどうかというふうなことも指導してまいっておりますけれども、なかなかこれもわれわれが考えておるようなぐあいには進んでおりません。おりませんけれども、これもやはり周囲の経済事情が違ってまいりましたので、私はこういう点は今後さらに強力に推進していきたい、かように考えておるわけでございます。全く御指摘のように、いろんな方法を通じまして行政指導によって、多種多様の自動車をつくって、とにかく販売合戦をやるという傾向には逐次歯どめをかけていきたい、このような考え方のもとに、われわれ整備行政あるいは検査行政をやる立場から少しでも役に立つ方向に努力をしていきたいと考えております。
#39
○瀬谷英行君 自由競争ということだけを強調されて、メーカーの勝手気ままな振る舞いを見逃していくというのは、行政当局としての正しい姿じゃないと思う。やはり公害対策の点あるいは安全対策の点等から考えて、排気バスの規制あるいは騒音の少ない車、安全上問題のない車といったようなことは大事なことだと思うし、それから燃料資源の将来を考えてみると、なるべく燃料の消費の節約できるような車というものが望ましいわけです。ガソリンをまき散らして走るような車はこれは外車だけで結構なんで、そういうものが欲しけりゃ外国の車を買う、高い税金を払う、こういうふうにして、そうして日本でつくる車はなるべく堅実に、燃料の消費も少なくて済む、そういったようなことに重点を置くべきだろうと思うんです。そういう点についての指導というものをさらに強化をする考え方がないのかどうかということも、この機会にお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(高橋寿夫君) 先ほどもちょっとお話申し上げたことでございますけれども、私どもやはり日本の社会の現実というもの、あるいは非常に資源の少ない国であるということを考えますと、私は日本ではガソリンをたくさん消費する車を使い過ぎていると率直に考えております。そこでもう少し自動車を小型車の方向に移行する、小型車という意味が三百六十ccから二千ccという定義の問題じゃなくて、要するに少しでも小さい車を使うようにしようということにしなきゃならないと思います。このことをやる方法といたしましては、自由経済のもとでそういったことをやるためには価格政策しかございません。価格政策を左右するものは税金でございます。したがいまして、まあこの辺という標準的なもの以上の大きな排気量の車に対しては高い税金をかける、それからそれ以下の車につきましては、比較的安い税金をかけるというふうな税金面での操作を通じまして、そういった需要を調整するということはできると思いますので、そういったことを、これは私どもだけではできませんので、政府の各関係機関十分よく相談いたしまして、できるだけガソリンを大きく食わない、そうしてまたこの狭い道をふさいでしまわない、役に立つんならばなるだけ小さい車で間に合わそう、こういう思想にだんだん変えていきたい。そうして行政もそういった方向にやっていきたいというふうに私ども真剣に考えております。
#41
○瀬谷英行君 実際の性能等については私はよくは知りませんけれども、たとえば、ドイツのフォルクスワーゲンという車があります。このフォルスクワーゲンというのは言葉で言うと国民車といったような意味を持っているわけでしょう。その国民車という考え方は、やはり燃料やらあるいはいろいろな点を考えて、なるべくローコストで性能のいい車をという意味で指導してつくられたのではないかというふうに思うんです。これはヒットラーの政策の中でこういう考え方があったというふうに聞いているわけなんですがね、外国のことだし古い話だし詳しくは知りませんが、そのように聞いている。それは私はよく知らないから、その点をまずもし御存じだったらお聞かせ願いたい。
 日本がこれから考える場合でも道路が狭くて、そうして人口が過密であるということになると、狭い道路でも合うような、なるべく小さな車でもって、しかも燃料消費量も少なくて騒音等も少ないといったようなものが望ましいんじゃないかという気がする。そういう場合にはある程度スピードは殺してもよろしい。何もスピードレースで走り回るような車を一般に使う必要はないわけです。そういう車も望ましい車のあり方として指導していくということがあってもいいんじゃないかという気がするんですよ。そういう考え方はメーカーに気がねをしていたらできないと思うんです。むしろ一般の利用者の立場を考えたならば、政府の方で考えていいことではないかという気がいたしますが、その点はどうですか。
#42
○政府委員(高橋寿夫君) 私のたしか記憶している限りでは、ヒットラーが残したものの中で二ついいものがあった、これは全国的に張りめぐらしたアウトバーンですね、自動車道路、それとフォルクスワーゲンであると聞いたことがございますが、本当に何十年たってもあの形で走り続けているということ、このことはやはりそれを支えるドイツの国民性ということだと思うんでありまして、大変私どもも敬服いたしておりますけれども、私たちの自動車社会というものも、戦後やはりおくれておりましたものですから、何とかいろんな工夫をみんなでするために、たとえば安全ということを高めるために努力したと、その努力をするための経費を生み出すためにモデルチェンジをどんどんやって、そして販売合戦を繰り返してやってきたということがあると思います。しかし、それはいままでのことでございまして、もう私ども日本の自動車はある水準まで達したと思っております。これからはもはやそういう奇をてらうようなモデルチェンジの時代ではなくて、フォルクスワーゲンの思想を取り入れまして、なるべく車種を少なくしていく、そして少ない車種で大量につくれば当然コストが下がりますから、そういった方向にいくべきであると思います。国民車構想というのが、通産省でも数年前にあったように聞いておりますけれども、私どもも、通産省その他関係官庁と十分よく相談いたしまして、そういった方向をぜひ早く打ち出したいと考えております。
#43
○瀬谷英行君 タクシーなんかでもそうなんですが、これはぜいたくな車を使って、ガソリンをたくさん――ガソリンにしてもプロパンにしても、燃料をいっぱい使うということであれば、どうしたってコストは高くなるわけですよ。しかし実際にタクシーなんかを見ていると、三人、四人でもって乗り込むという場合はどうも少ないですね、そういう場合もあるけれども。タクシーを待っている行列を見ると、一人ずつ乗っていく、一人か二人しか乗らないとかというケースがわりあいと多いように思う。これは統計とってみたわけじゃないけれども、ちょっと見た感じなんですね。そうすると、昔の人力車なんというのは一人か二人しか乗らなかったんですから、そういう考え方からいくと、そんなに五人も乗れるような車をタクシーとして配車をするという必要はないんじゃないかという気がするわけです。
 石油資源の将来を考えると、いままではあんなものは井戸の水と同じように、掘れば無尽蔵に出てくるもので、しかも安く手に入るもんだというふうな観念があったと思う。しかし、いまや中東紛争等の将来を考えてみると、石油資源が無尽蔵に、しかも低価格で幾らでも入るという考え方は、この辺で断ち切らなきゃいかぬと思うんです。明らかに石油資源も限界がある、しかもこれはほとんど一〇〇%輸入に依存をしているということであれば、これはやっぱり節約をしていく必要があるだろうと思う。どうも戦中派の考え方は、もったいないという考え方が先に立つんだけれども。そうすると、タクシーなんかでも小型にして、そして東南アジアのように輪タクのような、あそこまでいけとは言いませんけれども、なるべく低価格――車も低価格だし、燃料もあまり食わないといったようなものをタクシーに使っていった方がいいんではないかという気がするわけなんです。だから、むしろ行政指導の面でも、タクシーの小型化ということを考えてもいいんじゃないかと、もちろん、どこまで小型にすれば一番燃料節約等の面で合理的であるか、経済面で引き合うかどうかという点はおのずから限界があるとは思いますが、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。
#44
○政府委員(高橋寿夫君) このことにつきましても、先生の御趣旨によって十分検討を進めてまいりたいと思いますけれども、ただ、ちょっと自信がない点も実はございます。と申しますのは、よく言われます話に、地方に行きますとタクシーはみんな小型です、小型が多いわけです。大阪、京都のような大都会でも小型が多いわけです。ところが、東京はみんな中型です。それで、どうして東京は小型にならないか、私どもも十年も前から盛んにそれを言ってるんですけれども、小型にならない一番大きな理由は、やはり東京のタクシーの運転手さんは、やはり中型の方が楽だということでどうしても小型に乗りたがらないというようなことがあったりいたしまして、また東京の消費者は、大阪、関西、その他地方の都市に比べると財布が豊かなのかしりませんが、多少高くても中型に乗っちゃうということもあったりいたしまして、なかなかできないということがございます。したがって、小型化を進める場合には、一つは、やはり何か事故があった場合の安全度の問題、小型化といま私が申し上げます場合には、現在地方都市、あるいは関西等で使われております小型タクシーよりももっと小っちゃい――先生のいま御指摘の、もう少し小さいもんだというお話しだと思いますけれども、もっと小っちゃいもんにするという場合には、当然耐久力、それから安全度、それから居住性、それから運転手の人たちが終日そこで働くわけですから、そういった職場としての居住性の問題こういったことを十分考えて、使う方にとっても、これで間に合う、また運転する方にとってもこれでよろしいというものを研究したいと思っております。ドイツなんかでもやはりタクシー車両にはベンツが多いんであります。これは何でそんなぜいたくな車をタクシーに使うのかと聞きましたらば、一番長もちがする、丈夫で、そういうこともありますので、その辺を十分いま検討いたしまして、先生の御質問の御趣旨に十分沿いつつ、そしてまた日本のタクシーの使い方の現状に合うようなものを考えていきたいと思っております。
#45
○瀬谷英行君 軽自動車であるとか、小型になればなるほど居住性とか、乗り心地とか、そういう面で劣ってきているから、そうならざるを得ないと思うんですが、小型軽量であっても、乗り心地がいいと、安全面でも心配ないといったような車ができれば、恐らくそういう傾向になっていくんじゃないかと思いますね。いまのところ、軽自動車とかいうのは、小型とかいうのは、小さくなり、軽くなるほど物が悪くなっている、乗り心地も悪いというのが通説だから、どうしてもこれは普及しないんじゃないかという気がするんです。
 そこで安全面から考えると、私はよく自動車の広告の、百何十キロで飛ばせるんだというような広告を出しているのがいるけれども、高速自動車道で百キロ以上も出せるところは全く数が少ないわけです。だから、むしろスピードはなるべく制限をする、これは安全の面からいっても必要じゃないか、ある程度以上のスピードは出ないような車で、しかも乗り心地のいいような車といったようなものをタクシー等、あるいはメーカー等にはなるべく奨励をしていった方がいいんじゃないかという気がするんですよ。やたらと交通事故がありますけれども、交通事故のかなりの要因を占めているのは、スピードの出し過ぎというのがある。それでスピードを出し過ぎて交通事故を起こす。その場合のことを考えると、なるべく丈夫でがんじょうな方がいいというようなことになると、これは車のコストそのものはちっとも下げられないと思うんですね。それでスピードの方も規制をしていく、厳しく規制をしていく、むしろ、車自体が、ある程度のスピードの出せないものにしてしまう、そういう車を税制面で優遇をするといったような方法を講じないと、やっぱりいまのような
 メーカー任せにしておけば、なるべくかっこうよく、スピードが出てというものをたくさんつくるようなことになるんじゃないかという気がするんですよ。一般の世間の人が考えていることとは逆の姿が自動車行政には出てくるような気がするんですが、その点は、もっと運輸省自体としての強力な行政指導が必要ではないかという気がしますが、その点はどうですか。
#46
○政府委員(高橋寿夫君) お話しの御趣旨、本当によく私わかるわけでありますけれども、従来は世の中全体がハードな時代でございまして、強くて、力があって、スピードが出て、がんじょうで、重いものがいいんだという、それが一番安全なんだという思想があったと思いますけれども、それは自動車単体だけを考えればそうだと思いますが、お話しのように、スピードが出ないようにすればいいじゃないか、そういうふうなことを、いわゆるソフトな思想をもっと入れまして、自動車単体だけではなくて、それを、単体を支えるいわゆる交通文明全体といいますか、自動車社会全体といますか、そういったものの中で考えていくことによりまして、従来に比べれば軽くてそしてスピードが出ない車で、そして十分安全だ、快適だという車ができると思いますので、そういうことも十分関係各省とも相談いたしまして、研究開発をしたいと思っております。
#47
○瀬谷英行君 いままで自動車といえばこれはガソリンという考え方だったんだけれども、ガソリンを使わないで公害の面、あるいは安全の面から考えて、電気を使うとか、あるいはこれはできるかどうかわからぬけれども、太陽熱でもって蓄電池でもこさえて、それで走ることができるようになればガソリンの心配がなくなってくるわけですが、そういう新しいアイデアといったようなものを車に取り入れる研究は行われないものかどうか。これは車いすなんかの場合でも、車いすにちょっと毛が生えたようなもので、しかも手動でなくて何らかのエネルギーを工夫できるようなものが出てくれば、これは身体障害者等にとってもかなりの福音になるんではないかなという気がいたしますが、そのようないままでになかったようなアイデアを車に取り入れるということは、いまのところ研究はされているのかどうか、またそういう研究をする考え方があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(高橋寿夫君) 私は電気自動車その他現在の石油系燃料を使わない自動車の研究開発という仕事は、まだ大学の研究室段階の仕事であると思っております。と申しますのは、現実化との間にかなりの隔りがございます。電気自動車にいたしましても、性能の強く、つまり長もちのする軽い電池というものはないわけでございますね。いまの電池ですと、電池の重さが車の重量の半分以上というようなことになってしまう、そういった電池を積まなければ走らないということがございますので、もしここに電池の革命が起こって、軽くて長もちする電池ができれば電気自動車はできると思います。しかしそこにはまだかなり越えなければならない技術の壁があると聞いております。
 ただ、たとえば牛乳配達なんかのように、非常に近隣だけ回ればいいというふうなやつは、これはそんなにたくさん電池を積まなくても間に合うわけでありますから、たしかイギリスの団地なんかでは牛乳配達に電気自動車を使っている。音もしなくて大変よろしいということを聞いておりますが、そういった部分的応用はこれからもできると思いますけれども、現在使っております二千七百万台の車ほとんどが新しい石油系燃料以外のもので走るという時代が来るのはまだ相当先であると思います。しかしながら、これは石油もいずれ底をつくわけでありますから、そういった意味で、新しい時代にどういった動力源がいいかという点につきましては、研究室あるいは通産省の研究所、またわれわれの研究所、あるいは民間のメーカーの研究所等の知恵をしぼりましてやりたいと思っております。
#49
○瀬谷英行君 最後に、これは運輸省自体――通産省にまかせるのもいいでしょうけれども、運輸省自体、交通政策の面から車の問題、これは動力源のことを含めて、モノレールであるとかあるいは自動車であるとかそういう、要するに人なり物を運ぶというのは、これは運輸省の所管なんですから、運輸省自体がその研究をするということが必要だろうと思うんです。必ずしも通産省だけの領分ではないという気がする。その種の研究をする体制というものは運輸省として考えているのかどうか、その点を最後にお伺いして質問を終わりたいと思います。
#50
○政府委員(高橋寿夫君) 私は、電気自動車は非常に問題技術の壁が高過ぎますので先ほどのように申し上げましたけれども、新交通システム等につきましては、これは相当現在の技術の延長でできるものがたくさんございます。日本は東海道新幹線をつくった国でありますから、その技術を延長すれば、新交通システムにつきましてはかなり現実的なものが考えられますので、現にもう実用段階に入っているものもございます。そういったことを含めまして、私ども運輸省といたしましてはもちろんのこと、通産省その他に任せるだけじゃなくて、自分でもしっかりやるつもりであります。具体的には、安全公害研究所で研究開発をしてもらう、あるいは民間の自動車関係技術の試験研究をバックアップするという意味で試験研究補助金を出しましてこれを開発してもらうというようなことを考えてまいりたいと思っております。
#51
○委員長(宮崎正義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分から再開することといたします。休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十五分開会
#52
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#53
○三木忠雄君 まず最初に、この運送車両法の一部改正によって、この特別会計の収支の見通しはどういうふうなぐあいなのか、その見通しについてまずお伺いいたしたいと思います。
#54
○政府委員(高橋寿夫君) もし五十年度にこの改正をいたしません場合に、手数料収入が約百六億円しか上らない見込みでございます。それが、御提案申し上げておりますとおりのことで法案ができ上がり、そしてそれに基づきまして私ども予定しております五割増しの政令改正をいたしますと、五十年度の手数料収入が百四十六億円になります。で、これに一般会計からの繰り入れ、これはいわゆる従量税を徴収するための経費を一般会計から繰り入れてもらっておりますが、そのお金、あるいは前年度の剰余金の繰り入れ等々入れまして、五十年度の歳入は百五十五億円という予定でございます。
#55
○三木忠雄君 そうしますと、この歳出予定ですね。特に業務の取扱費、あるいは施設整備費等の具体的な問題は、新しい業務はどういう問題に着手するのか、この点について。
#56
○政府委員(田付健次君) 施設整備費の主なものにつきましては、業務量の増に伴います検査場のコースの増設等が数多くございます。そのほか新しく小牧に支所を設けるという機構の増設も考えて計画をいたしております。
 それから、業務経費等につきましてはもちろん増員に伴います人件費の増等が入っておりますが、軽自動車検査協会、スタートをいたしましてから現在までに土地、建物、器械等の購入をいたしてまいりました分につきまして、借入金で賄っていった分に対する見返りとしての十億の出資もこの中に含まれております。この点が先生の御質問の点に該当すると思います。
#57
○三木忠雄君 ここで、これの値上げによって、この検査登録要員の数ですね、これは大体どのぐらいの増加になるのか。過去三年間の大体検査要員の伸びですね、これをちょっとお伺いしたい。
#58
○政府委員(田付健次君) 毎年増員要求をいたしまして後削減等がございますので、実質的に実増いたしております状況を申し上げますと、四十八年度六十七名、四十九年度百二十名、五十年度九十名という増加の状況でございます。
#59
○三木忠雄君 これはまあ自動車の伸びぐあいと、それから各地域によって、各県別によって自動車の伸び率が違ってくると思うんですね。この車検場等を含めて、この要員の確保の問題が私は非常に大変な問題じゃないかと思うんです。まあこの値上げ等によって要員か十分確保――この九十名の増によってこの車検場の要員確保が十分なのかどうか、この問題についてはどうですか。
#60
○政府委員(田付健次君) これでもう満足しているかということには実はなりませんで、私どもとしては今後とも増強に努めたいと、こう思います。ただ、業務量がふえるに任せまして増員をするということでは決してございませんで、私どもとしてはできるだけの合理化を図りながら最小必要限の増員をいただいておるわけでございます。たとえば、自動車の検査コースの器械を自動化するというようなことで人口を減らしますし、実際のペーパーワークもほとんど電算化にいたしまして、これも能率化を図りました。さらに、御承知の実務検査の一部であります継続検査も民間車検工場に依頼をするという形で継続検査の約半分が現在省略できる段階になっておりますが、このような努力をしながら、それでもなおかつ足りないという点につきまして増員をはかってきたつもりでございますが、今後ともこの点につきましては私どもとしても不備のないよう努力をしていきたいと、こういうように思っております。
#61
○三木忠雄君 これはいろいろ定員の問題があって、容易には増員できない、これは運輸省だけでできない問題がいろいろあると思うんです。しかし、実際この九十名程度伸ばしていって、この自動車の伸びぐあいと合わせて、民間車検場、後で伺いたいと思いますけれども、実際伸びないわけです。この点から考えていくと、現場で働いている人たちは非常にオーバーワークになっている点が、私一、二の車検場を見ましてやはり一部偏っているんじゃないかという感じを受けるんですけれども、この点はどういうぐあいになっているのか。それともう一つは、この九十名程度の増員で実際上間に合うのか。本来ならばどのぐらい欲しいのか、どれぐらい必要なのかという、こういう数はいろいろ自動化との問題でなかなかはっきりした数は割り切れないと思いますけれども、自動化の方向と、それから要員確保の問題、それから検査特別会計との関係を絡み合わせて、どの程度が実際にこの後人員増加すればいいのか、この点について。
#62
○政府委員(田付健次君) 毎年毎年増員を査定されますが、この後その地区の自動車数、私どもの立場から言いかえれば業務量になるわけでございますがその業務量、それからその県の地域的な特殊性、たとえば出張検査が非常に多い県あるいは少ない県とございます。そういう点を考慮しながら全国的にまず私どもの方はその九十名ないし百名を配分いたします。それを陸運局の方でさらにきめの細かい調整を加えながら配っておりますが、絶えずその間に私どもとしては特殊事情は加味はいたしておりますけれども、基本的にはやはり公平な業務ができるようにということで努力をしているつもりでございます。ただ現実の業務におきましては、やはり月末にどうしても業務量が集中するという傾向がありまして、これが毎月末起こりますほかに、年度末になりますとまたそれらしい集中がございます、年末にもございます。従来から非常に長い期間かけてそれらの平均化に努力をしてきたわけでございますが、メーカー、ディーラーの協力を得ながら、部分的には解決を少しずつしております。したがいましてこの点はまた私たちも努力しなきゃならないと思いますが、具体的に私どもの職員が非常に苦労していますのは、たとえばそのような時点が一番多いのではないかと、こんなふうに思っているわけです。
 なお、何名ぐらいあったらよいかということでございますが、私ども多々ますます弁ずでございまして、従来要求しております人数まるまるいただいては実はおりませんので、できればそれが一〇〇%いただければありがたいと思いますが、いずれにせよ具体的に決まった数字で何とかこなしていかなければいけませんので、先ほどお話ししたような合理化なり平均化なりも重ねながら、なるべく職員に無理をかけないように努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
#63
○三木忠雄君 たとえばことし何名要求して九十名になったんですか。
#64
○政府委員(田付健次君) 五十年度要求といたしましては陸運事務所につきまして三百三十一名要求しまして成立しましたのは百三十一名であります。ただし削減というのがございますので、正味これ差し引きをしますと九十名という実員の増になると、こういうことでございます。
#65
○三木忠雄君 これに伴って実際三百三十一名のところ百三十一名、実質上は九十名ですね。三分の一しか増員されていないわけですね。実際に三百三十一名運輸省としても必要だと認めるからこれは要求しているわけです。これの不足分が結局は、自動化がそんなに進んでいるとは私は思わないわけです、極度に。そうすると、やはりこの分がオーバーワークになっているというのが実情なんですね。特に大都市の車検場、検査場というのはやはりオーバーワークぎみになっているのが非常に多いわけです。私も二、三の検査場を回ったときに、病気もおちおちしておられないという職員がいるわけですよ。もう追っかけられて、自分が病気するとほかの人たちに負担がかかって、本当にかぜぐらいじゃ休んでおられないと、普通だったら休みたいような病気もあるけれども休めないというような実情で、実際こういう検査業務とか、現場で働いている人たちというのは非常にオーバーワークぎみになっているという点。やはり自動車の増加と、それから民間車検場が予定より伸びないという問題と、これがやはり大きなネックになっているのじゃないかということを私感ずるんですけれども、これの打開策をどうするかということですね。検査の施設の自動化の問題が具体的にどの程度進んでいくのか、何年後に大体こういう自動化と検査要員の確保の問題とがマッチした理想的な車検業務になるのかということを、その見通しを伺っておる。
#66
○政府委員(田付健次君) もちろん国の検査官だけで車両法に定めております検査対象すべてを賄うということはこれからは至難のわざになってきておりますので、先生御指摘のように長期計画を立てまして、その間の配分をするということになるわけでございますが、検査場の自動化につきましては、正確な数字はちょっと覚えておりませんが、現在約二百二十コースばかりございます、全国に。それの約半分まで自動化が終わりました。先ほど御説明しましたように、毎年度自動化コースが、少ない数ではございますが着実に進んでおりますので、来年度もたしか七コースぐらいできると思いましたが、――自動化につきましては器械の投入をしていき老朽更新をすることでできるものもありますし、新しくコースをふやす分は初めから自動化を入れるということですので、先ほどお話しした七つというのは新しくコースをふやす分ですが、全体の自動化の進みますピッチは大体毎年三十コースぐらいずつできそうだという見通しが立っております。そのほかに民間車検につきましては現在継続検査の約半分が民間へいっておりますが、これを約七割ぐらいまで上げたいと、もちろんその上げるにつきまして現在なかなか伸びないというネックはございますが、この点につきまして私ども十分実態をよく調べた上で、現状の制度について改善を要する点があれば改善をしながらこの拡大を図っていきたい、その両方で将来につきまして何とか切り抜けたい、こんなふうに考えております。
#67
○三木忠雄君 民間車検のときに伺いますけれども、民間車検場、これは幾ら努力しても大体私はもう限界がきているのじゃないかという感じを受けるのですね。それと自動化の問題確かに合理化になってくると思うんです。しかしここの隘路がもう少し明確にやはり運輸省の方針としてこれの対策をやらなければならないのじゃないかと、私は三月の末とか何か切りかえ時期には当然多くなるということは事情はわかりますけれども、平常業務においてもやはり府県別によってはオーバーワークぎみになって、非常に業務が集中しているという点が私は考えられると思うんです。この問題についてもう少し具体的にきめの細かい配慮をしていただきたいと思うんです。これは全県がそうなっているという実情では私はないと思うんです。やはり大都市の車検場というのは非常に大きな問題に私はなっているのじゃないかと思うんです。こういう点は運輸大臣、局長もこの人員確保の問題予算の問題等を含めて、やはり働く現場は非常に苦労しているということですね。こういう点が民間車検場で何とかなえていくんだという確かに希望はあったかもしれないけれども、それが何年かたった今日においてうまくかなえられていないというのが私はこれ実情じゃないかと思うんです。これの打開策をもっと具体的な面に目を配って対策を講じてもらいたいと、こう思うんですけれども、これは局長でも、大臣でも……。
#68
○国務大臣(木村睦男君) 自動車の車両検査関係の要員はずいぶん以前から非常に苦労をさしておりますので、毎回増員の要求はいたしておるのでございますけども、定員の問題だけは特別会計でやっても実は銭があるから何ぼ取ってもいいというわけにいかぬものですから毎年苦労しておるわけでございます。それでこちらの要求どおりにはいつも認めてもらっておりませんが、それにいたしましても、他の運輸省内のいろんな忙しい職種に比べますとかなり実情をよく政府も認識していままでは増員してもらってきております。しかし、何せ業務量の方がどんどんふえてまいります。それとのいままではイタチごっこのような状況でございました。しかし、まあ一ころに比べますとこれでも大分緩和したことは事実でございます。しかし三木さんの御指摘のように、まだまだ他のところに比べますというと仕事量も相当多うございますし、また事実毎年運輸省としても定員の増加を要求しておりますように実際まだ人が足らないということでございます。
 一面、民間車検場の充実も努力してまいっておりますが、これはいま五〇%ぐらいの整備を行っておるという状況ですが、これは今後とも一層努力をしてまいりたいと思います。
 それから、だんだん機械化をいたしましてなるべく仕事量を減すようにはいたしておりますが、これも毎年努力はいたしますけれども、まだまだ十分ではないというふうな状況に今日あるわけでございまして、ここ当分はまだ増員を一生懸命になって努力をして実現してやらなければなかなか負担軽減ということにもまいりませんが、しかしまあ一生懸命努力をいたしておりますので、ひとつその点も御理解をいただき、なお仕事の合理化につきましても今後できる限りのことはやっていってやりたい。そして、要するに事故のもとをつくることでございますので、整備その他がですね、検査が粗漏でございますと。そういうこともございますので、十分今後とも充実には努力をしていくつもりでございます。
#69
○三木忠雄君 もう一つそれに関連して要員の問題で、交通安全公害研究所ですね、これの実態はどういうぐあいになっておりますか。特に要員体制の面で確立されているのかどうかということが、やはり型式認定等によって、排ガス規制のときでもずいぶん論議になった問題なんです。この交通安全公害研究所の要員が非常に足りないというところから型式認定がおくれるとか、あるいは運輸省の方がおくれるので、通産の方でどうだこうだという意見も一部紙面等をにぎわしましたけれども、こういう問題のこの要員確保は十分できているのかどうか、この点について。
#70
○政府委員(田付健次君) 御案内のように、交通安全公害研究所ができましたのは昭和四十五年でございます。当時欠陥車問題が発生いたしまして、当方の審査体制の強化をすべきであるということで急遽機構の改正をして研究所の中にさらに審査部も設けましてスタートいたしました。この時点におきましては、当時の審査部の要員は十六名、研究所全体といたしましては五十五人でスタートいたしたわけでございます。その後、私どもとしてはベストを尽くしながら着実に伸ばしてまいりました。もちろん、目の玉の飛び出るようにはね上がるということはなかったわけでございますが、しかし私たちなりに努力をいたしてまいりまして、五十年度におきましては研究所全体では七十九人、審査部要員といたしましては二十七人という体制にまでもってくることができました。
 なお、五十年、五十一年対策の準備もかたがた進めておりまして、五十年対策のために従来シャシーダイナモメーターというガス検査用の施設がございますが、それをワンセット増設をいたしまして二セットで臨もうということで機械的な面におきましても五十年対策の審査、五十一年対策の審査についてはめどがついております。もちろん、人員が二十七名で十分であるということでは決してございませんので、なお今後ともこの点は私どもお願いをして充実していきたいとこういうふうには考えておりますが、一応この体制で五十年、五十一年対策の審査は乗り切れるというふうに考えております。
 ただし、前広にメーカーをかなり指導いたしませんと、ある時期に固まって持ってこられますと、これはとてもオーバーフローをいたしますので、この点はそういうことの調整をしながら現在作業を進めておる段階でございます。
#71
○三木忠雄君 メーカーの調整がうまくできるのですか、これ。この型式認定のですね。この指定検査やる場合に実際にメーカーの調整をやるとしてもなかなか不可能じゃないかというふうに私は感ずるのですけどね。こういう問題で、やはり民間の手を借りなきゃならないと――検査をしなきゃならないところはどうも民間の業者の手が入って実際の検査が行われていないというようないやな風評を聞くような問題があるわけですね。こういう問題はやはり公害研究所のこの体制が非常に弱いんじゃないか。予算の面でも人員の面でも、私は東京都の公害研究所調べました。これはまあきょうはここの問題に焦点しぼって私質問する予定でありませんからあれですけれども、東京都のこの公害研究所とこの運輸省のと比べたら予算の面においても調査研究の内容からいっても人員の内容からいってもはるかに東京都の方がすぐれているのです、これは。これは御承知のとおりですよ。東京都がそれだけ公害問題に、あるいはこういう車の問題に対してそれだけの予算をつぎ込んでいるんですよ。これはまあ公務員の人件費の問題でいろいろ政府は攻撃するかもしれませんけどね、これだけやはり住民のこの命を守らなきゃいけないというそういう立場からやはりこういう問題に対する設備が東京都は非常に整っているわけですよ。これは検査台にしたって何にしたって、東京都の方がよっぽどりっぱですよ。
 だからそういう点が国の機関が予算の面でいろいろ私は運輸省だけで解決できない問題があろうかと思いますけどね。こういうところにやはりもっと具体的に予算を確保、人員を配置をしていかなければ、幾らメーカーにしぼれと言ったってメーカーはもう検査は運輸省が責任じゃないか、通産省はもうこれは運輸省の手がおくれるから実際上はできないのだと言って、五十一年規制でもいろいろ言いわけをしているわけですね。こういう問題はやはりこの必要な部門に積極的な手を打っていかなければ、しりぬぐいは全部運輸省がさされているというような私は感じを受けるわけですね。この点についての、これ、運輸大臣に見解を伺っておきたいと思うのです、この問題は。
#72
○国務大臣(木村睦男君) なかなか同じ時期にこう立て込んでくるという傾向は確かにあろうと思います。それで、五十一年度の規制の型式の問題でございますが、まあこれも乗用車で大きいところはトヨタとか日産とかいうところは車の種類で四十種類も五十種類もありますので、あの会社自体が新しい排ガス規制に合うような車をつくって型式指定を持ってくる場合に、一遍に三十なり四十なり向こうもできないわけでございますのでね、その辺でやっぱり向こうでもしぼられますから多少自動的に調整はされております。
 それから確かに私の方の研究所も人員が十分であるとは思いません。思いませんが、いまの人員でまあ全力を上げていきますというと、大体運輸省に最後にかかって二カ月前後あれば大体処理できると、こういうふうに考えておりますので、まあその辺をうまくメーカー側の方も、自動的にもしぼられますけれども、さらに運輸省の検査機能も考えてできる限り調整をとるようには指導したいと思いますが、現状はそういうことでございます。
#73
○三木忠雄君 まあいやしくも検査の面でね、そういう世間のいやな風評を聞くようではこれは運輸行政としても非常にまずい問題ですし、民間の手を借りてテストしている実例を私は新聞紙面等でやはり拝見もしました。こういう点、人員の確保の問題あるいは集中化の問題、検査体制の問題がやはり不足しているような感じを私は実は受けるのです。こういう点はもっと抜本的にやはり目を通していただいてこの公害研究所の実効ある処置をとっていただきたいと思うのです。
 それから先ほど出ました民間車検の問題ですね。特にこの民間車検がいま五割前後で当初七割の計画で民間車検を進めたと私は記憶しているのですけどね。実際上この問題がうまく進まない問題ですね。これと構造改善事業の進捗状況、この点についてまず伺いたいと思います。
#74
○政府委員(田付健次君) 指定工場制度を発足いたしましてから、現在指定工場数が四十八年度末におきまして一万一千七百十五、四十九年度末、これはまだ来ておりませんが、推定で約一万三千七百、現在継続検査件数の約五〇%近くを賄っているという状況になってきておるわけであります。
 一方、構造改善の進捗状況でございますが、御承知のように、いままでやってまいりましたのは第一種構造改善計画という計画でございますが、これは主として企業の集約化をねらいました体質改善ということで進んでまいりました。五十年度から新しく第二種計画としましてさらに知識集約化ということを目標に掲げました構造改善計画をこれからスタートすることにいたしておりますが、このようなことで、第一種、第二種と逐次経営企業の体質の強化を進めてきたわけでございます。
 現在までの、したがいまして、第一種の従来やっておりました構造改善計画で企業の集約をしました状況を簡単に申しますと、その内容といたしましては、主なものは協業組合、協同組合でございますが、協業組合二百七十一、協同組合二百十一、それぞれこれに入ります、参加いたします工場数等を合わせますと、約一万七、八千の工場がこれらに加わっている、関係している、参加しているという状況でございます。
#75
○三木忠雄君 構造改善計画で、確かに、進めてはきているんですけれどもね。片一方、朝ほども質問になって、問題になっておりましたけれども、認証工場数が依然としてやっぱりふえているわけですね。片一方では構造改善あるいは集約化を進めている。片一方では認証工場をふやしている。たとえば四十七年が六万二千から四十八年が六万四千になっているわけですね。四十九年が六万九千。運輸省自体として、現在の七万軒に及ぶ自動車整備工場の体質強化、あるいは七万軒の整備業者に対してどういう対策をとるのが本来なのか、この点についてまず伺っておきたい。
#76
○政府委員(田付健次君) これは一つの哲学でなければいけないと思うんですが、したがいまして、考え方のいかんによって非常に変わってくるだろうと思いますが、私どもが従来やってまいりました延長線で考えます場合には何々計画という、ありきたりの着物の話ではなくて、もっと実質的な議論をいたしますと、やはり自動車のお守りをする工場でありますので、そのお守りをする仕方によっておのずからの姿というものが当然求められてしかるべきであろう。したがいまして、いたずらに集約をするというふうに偏って考える必要もないし、したがいましてかなり流動的な見方をしてよいのではないか。
 ただし、いままでのような成長を一応終えた日本の現状でございますので、過去の経験から、ほぼこれからあるべき姿というものがいままでの経験から大体出てきたものではないかと思うんですが、要約して申しますと大、中、小と三つぐらいになるんではないかと思うんです。たとえてよく私どもがお話ししますのは、病院を例にとっておりますが、やはり大きいものは総合病院的な存在意義として、そこへ行けば何でもできますというような大工場、それから逆に末端に参りますと、どんな山岳僻地でも自動車等が走っておりますので、こういうものに対する毛細血管的な意味でのサービスネットというものがあってしかるべきであろう、そういうことになりますと、非常に小さな規模であっても、それが散在することによって意義がある。中間にこれの中堅企業業種が出てくるわけでございますが、たとえば一般の整備工場にもありますし、あるいは電装だけやるとか、車体だけやるとかいうことになります場合にも、それらしい中堅業種が出てまいります。大ざっぱに言いますと、私は大体その三種類ぐらいが整備工場の育て方としては一番無理のない、しかも従来の経験からいって実質的なものではないだろうかと思っているわけです。
 そういうような育て方をする過程の方便としていままで第一種計画について集約化、第二種計画――これから始まりますが、従業員の教育をやっていこうという内容でございますが、そういう計画がこれをサポートしていくということに私どもは考えておる次第でございます。
#77
○三木忠雄君 この認証工場は、いまの部長の話からいきますと、山村僻地等に何かそういうものがふえているような感じの話を聞くわけですね。ところが、この認証工場をどんどん、どんどんふやすことによって整備の技能というのは低下してきているんじゃないか、あるいは小型化して、あるいは整備業界の乱立になってやはり体質強化にならないんじゃないか、あるいはいい整備工場ができないんじゃないかという感じを私たちは強く持つわけですね。やはりいまの整備業界がそんなにもうかる、めちゃくちゃにもうかる業界で、魅力があって、これから新たにやろうやというほどの現在の整備業界の実情じゃないと私は思うんですよ。それから考えますと、安易に認証工場をやはり許可を与えているような感じもなきにしもあらずだと私は思うんです。この点についていかがですか。
#78
○政府委員(田付健次君) もちろん認証いたしたあとでその事業の体質を強くする、よくするということは当然私どももお手伝いをしなければいけない問題です。したがいまして、整備工場の質が悪くなってせっかく整備してもらってもかえって悪くなったというような悪評が出たり、いろいろ先生御指摘のようなことがあってはいけませんので、私どもとしては整備士の技能検定をやる、あるいは整備事業の監査をする、責任者を呼んで研修をすると、私どもとして考えられるだけのことは一応いたしておりますけれども、なおかつ、それを進める、さらに拍車をかける意味で、先ほどお話ししました構造改善計画等の中にそのようなレベルアップを入れたいろんな事業を実は盛り込んで、言うなれば頼れる整備工場にしていきたいということで努力をしているわけでございます。
 ただその認証をするという趣旨が先生御承知のように車両法上の意図がございまして、最低限の安全上の確保ができるということのみを望んでおりますので、一応その制度で臨む限りにおいては需給関係の調整はできません。したがいまして、ある一定要件を満足すれば認めざるを得ないというのが現在の制度になっておるわけです。したがって先生の御指摘が出てくるわけですが、この間につきましてはやはり先ほど来申し上げたような構造改善計画等の、言うなれば経済的観点からする一つの指導の中でそういう啓蒙をし、経営者の協力を求め、そして体質の強化を図っていくということにすべきであろうと私は考えます。さらにこれを進めまして事業法的に何かしなければ、免許を受けなければ事業をしてはならないような感じの需給を伴った体制に持っていくにつきましてはやや事業体が非常に細かいという点もありますし、したがいまして制約を加えると逆にその制約を逃れるという、言うなれば通常ある脱法的なものも従来の例から考えましてこの業界にはかなりあったわけでございますので、そういう危惧も私どもにはあるわけでございます。したがって、一応余り無理をしない形で最低の線を守らせながら実態をむしろ逆に私どもの方で把握しやすくしておきまして、そして監督をするということで臨んでおる現行制度が一番よいだろうといまは考えております。
#79
○三木忠雄君 そこが議論の分かれ目だと思うんですけれどもね。認証工場与えておいて整備業者にしておくと、後、教育とかいろんな面で体質強化を図っていくという、実際それについていかれない業者を認証工場として認めているわけですね。ついていかれないからおまえらはもうだめなんだという、こういう感じの今後の教育あるいは整備業界の体質あるいは認証工場をレベルアップしていくことになると、せっかく認証工場は取ったは、スタートしたは、実際この指導監督強化が厳しくてそれについていけないような状態になってくるという問題が、やはり脱落者が出てき、職業転換というような問題が出てくると思うんですけれどもね。
 その問題よりもまず最初に認証工場を与えているのがちょっと私は安易過ぎるんじゃないかという、この点は検討すべき問題ではないか。あるいはもう七万軒もあるわけですから――私はふえることはけっこうだと思うんですよ、実際上内容が整っていくのであれば。しかしもうある程度この七万軒の整備業者で大体この自動車の整備業界――地域によってはいろいろ検討しなければならないところがあるかもしれませんけれども、大体体質は整っているんじゃないかというような感じを――いまもう忙しくてもう整備工場をうんとふやさないとその地域はもうどうにもならないような整備工場ばかりあるんじゃないと思うんですけれどもね。そういう点から考えたら、やはりもう少し新しく今後認証する基準を強化するとか、せっかく簡単にいっていたけれども、指導強化のために脱落していくような認証工場を幾らつくってもこれは意味ないと思うんですよ。看板は七万軒あるけれども実際働いてない認証工場があるんじゃないかと私は思うんですね。こういう点はやはり、もう少しある段階で制度を変えるなりあるいは検討するなり、もう少し認証工場の基準をやはり強化するなり、その点の手を加えていい時期じゃないかと私は考えるんですけれどもね。これはどうですか。
#80
○政府委員(田付健次君) 御指摘のように、地域的に見ますと言うなれば認証工場の過疎過密等あるかと思いますが、全体的な傾向から申しますとまだ依然としてふえております。まあそれは裏返しをしますと、やはりある程度需要があるということだろうと私は思うんです。さなきだにこれから省資源、省エネルギー、新車買うべからずということで、かなり老朽化するまで車を大事に使うという時代がやがて来ると思います。それだけにこの整備需要というのはなかなか衰退しないんだろうと思うんですが、ただ御指摘のように、工場のあり方そのものにつきましては先ほど話した制度とはまた別の問題として工場の中身そのものとしてはどのようなレベルにすべきかという点は私どもとしても絶えず時代の変遷を見ながら、それに合わせて変えていくと、中身を強化していくという意味においての認証基準の言うなれば強化のような問題はこれからも検討していきたい、こんなふうに考えております。
#81
○三木忠雄君 それから、この構造改善事業が進まない一つの問題点というのは何ですか。
#82
○政府委員(田付健次君) 構造改善事業の中身はいろいろございますが、一般的ないわゆる理論ではなくて、感覚的にどうも進み方が遅いなという感じがいたしておりますのは、主としてこういう協業組合的なものが思うように進まないということだろうと思うんですが、やはりこの点は個別の企業者が自分の城に閉じこもって、お互いに力を出し合わない、共同して何かいいものをつくろうとするという、そういうことに対してはやや危惧を抱くということが実際に作業をいたして現地などでやってみますと、一番感ずるネックの点であります。そうかと言って無理押しをいたしまして、関係の事業者の方に共同組合を無理につくらせるというようなことをいたしますと、これはいやいや集まるわけでございますから、せっかくの精神が生きてないわけでして、かえっていろんな弊害を生んでしまう。そこにやはりあくまで自発的に企業者が力を合わせるという環境が出てきませんと、この組合がなかなか伸長しないということに一番大きな問題点があろう、こういうふうに思います。したがって、私どもとしてはいろんな機会をつかまえて、主として振興会が主体になるわけでございますが、経営者を対象にいろいろな話をしてそういう土壌をつくっているという状況でございます。
#83
○三木忠雄君 それで、実際上民間車検場のふえないネックになっている問題は、やはり大都市等を例にとりますと、都心部で土地がもう高くて買えないわけですね。それから、民間車検場つくってもそれほどのメリットがあるかどうかというような問題が、それだけの土地を購入し、やって効果があるかどうかというような問題があると思うんですね。あるいは民間車検の指定工場の許可基準、これが土地のある地域と都心部あるいは市部の中心になっているような地域と同じような条件下では、この指定工場の民間車検場の許可という問題は、やはりある段階でこれ見直すべきではないかというような感じを私受けるんですけれども、この問題についてはいかがでございますか。
#84
○政府委員(田付健次君) 御案内のように指定工場、いわゆる民間車検工場と呼んでおります工場は、先ほど御説明したように、言うなれば国にかわりまして国の補助として継続検査を代行するという機関として育ててまいりました。したがいまして、やはりその骨子はあくまで信頼性であり、公正厳正な形で事業を行えるということでないとまずいということになるわけでございますが、そういうことからかなり認証工場の中でも優秀な工場を対象にして指定工場ということをつくってまいったわけでございます。なおかつ、自動車の検査というのは、県別ではなくて全国一斉に同じ方針で同じレベルで行われておりますので、従来は指定工場基準という指定工場にいたします場合の基準につきましても、全国画一的に同じような体制をつくるということで臨んでまいりました。
 ただ先生御指摘のように、大都市内で土地がなかなか入手できない、しかしもう少しやれば指定工場になれそうだというようなケースであるとか、逆に田舎の方に行きまして土地は広い、施設もりっぱにできたんだが、どうも回りに車の台数が余りなくて役所が言っているような実績をなかなか上げられない、その成績−車検実績を言うなればつくるというわけにもいきませんので、そういう点で基準に入らないというようなことも最近まま耳にいたしますので、従来とっておりました方針は変えるつもりはございませんが、なおそういう局部的なむしろ地域的な面につきましてきめ細かい配慮ができないかどうか、この点については検討していきたい、こんなふうに考えております。
#85
○三木忠雄君 これは運輸大臣、それから自動車局長、特に全国的な問題じゃないと思うんです。しかし、東京や名古屋や大阪とかこういう地域は、実情が車検場へ持っていくための車の交通事情から考えてもやはり特殊的な問題があるわけですね。まあ出張所も置いてありますけれども、あるいは民間車検場をつくることも実際上できなくなれば車検のための交通混雑というのがある程度私は問題だと思うんですね。したがって、こういう中心部、市部、都市部においてはやはり民間車検場あるいはそれにかわる何か国の機関をつくるわけにいかない現状で民間車検場をふやすという方針ですから、この指定工場をいま部長の言ったような点でもう少しゆるやかというか、やはりその地域の実情をもう少し加味した民間車検場の設置とか、あるいは車検制度の導入という問題を考えるべきじゃないかと、こう考えるんですけれども、この点についての答弁を伺いたい。
#86
○政府委員(高橋寿夫君) たとえばバス、トラック、タクシーなどの免許の場合の基準はおおむね都市部あるいは大都市部なんかにつきましては基準がきついわけでございますね。車両数の形も大きくなればいけないし、したがって、当然その収容するスペースも広くなきゃいけないということになってくるわけです。同じ原則を整備工場の方に適用いたしますと、いま先生御指摘のように矛盾が起こってくるわけです。そこで、やはりその矛盾を解決するものとしては、しかるべき場所に適正な広さの整備工場用地を手当てするということに対して私どもなりあるいは地方公共団体なりが土地のあっせんとか、あるいはそれに必要な資金の融資等のお世話をすることが本格的な解決の方法だと思います。したがいまして、まあこれからのたとえば車検公害というふうな、町の中に車検場があるためにうるさくてしょうがないというふうな近所の苦情もだんだんふえてくると思いますので、そういった意味でそれらも含めまして特に都市部におきまする整備工場の適正な配置、用地の確保、施設の整備についてどういうふうに国あるいは公共団体がバックアップしていくべきかということについて検討をいたしたいと思います。
#87
○三木忠雄君 これはぜひともやっていただきたいと思うんです。
 これは将来の、次にお伺いしたい問題としてNOXとかHCとかCO測定する問題に絡んでくるわけですけれども、特に五十年規制車に対する車両検査の場合、COとかHC、あるいはNOXは今後の問題ですけれども、大体これの車両検査の要項とか、あるいはこの測定器ですね、HCのテスターあるいはCOのテスター、これを整備業者が実際購入しなきゃならない、このための負担というものが非常に整備業者には大変な問題になっているわけですね。これの問題については運輸省としては融資の方法いろいろ考えていらっしゃるでしょうけれども、具体的にこのHCの測定器等についてはどういうふうな考え方で臨む考えですか。
#88
○政府委員(田付健次君) これはちょっと問題を整理してお聞き取りいただきたいと思うんですが、現在やっております公害規制は二種類ございまして、新車のためにする規制と、それから現在使っております使用過程車のためにする規制と二種類ございますので、混同いただかないようにお願いしたいんですが、五十年規制、五十一年規制と通称言っておりますのは、新車に対する規制でございまして、これはメーカーが審査をいたします。もちろん、その指定をする前に国として審査部が審査をいたすわけでございまして、それと全く別に結果的にその新車が使用過程として入るわけですから、その意味ではつながりがございますが、実際に使用過程に入った段階では車検場で例の定期検査というのを受けることになります。
#89
○三木忠雄君 その問題を聞いているのです。
#90
○政府委員(田付健次君) これは今度はユーザーが受けることになります。したがいまして、車検場の検査と、それから定期的にユーザーが整備する場合には整備工場でのチェックと二種類が出てくる。したがいまして、先生の御指摘のテスターは、そのユーザー段階での整備工場でのたとえばテスターだと思いますが、現在COとHCにつきましては、すでに車検場で検査をすることにいたしております。COは、四十五年からCOのアイドル規制を始めております。それからことしの一月から乗用車のHC規制を始めております。来年度――五十年度でございますが、五十年度になりましたらトラックにつきましてHCの規制を始めたいという予定をいたしておるわけです。したがって、私どもとしましては車検場に全部現在のところCOとHCメーターは備えつけを完了いたしました。
 それから現在整備工場に対してその備えつくを進めている段階でございます。ただし、これはいまは義務化をいたしておりません。自動的に検査場で検査をいたしますと、当然音もそれのアフターフォローをいたしますので、整備工場にはおのずからにして備わっていくというのが現状でございます。いずれそれは画然とした姿で認証の一つの基準としてテスターを持たなければならないということを決める時期がくると思いますが、現在までの段階ではテスターそのものにかなり技術的による開発が行われておりますので、まだこれならいいというところまできてない状況もございました関係で、現在のところ規制いたしておりませんが、そういうようなことで現在COメーターにつきましてはほとんどの工場が持ち、HCにつきましては部分的に整備工場が備えつけを始めたと、現在のところでは指定工場にはほとんど備わったと思っております。
 これらの機器につきましては、やはり先生御指摘のような金額がかさみますので、私どもの方から融資方を中小企業庁を通じていたしております。現在までにこれは中小金融公庫からの貸し出し実績を聞いてみますと、約九億円貸し出しをしているというようなことが報告されておりますが、このほかにももちろん中小金融公庫以外の政府関係機関の金融機関もありますので、それらのものを利用しながら事業者が設置を進めていると思っておりますが、その設置につきましては、そのようなことで融資のあっせん方を私どもとしては関係庁にお願いをしていると、そして促進をしているという状況でございます。
#91
○三木忠雄君 このHCメーターですね、これは義務化をするあれですか、今後の認証工場の認可とか、あるいは現在の認証工場にもこのテスターは義務づけると、こういう運輸省の方針ですか。
#92
○政府委員(田付健次君) これは義務づけをするのが正当なのかもわかりませんが、実は車検場の方が一足先にどんな車も検査を受けなければならない、HCの検査を受けなければならないといたしてしまいましたので、当然つけるだろうということで考えておりますが、先ほど来お話ししましたように、機器のある程度の基準を明確化するなり、機器の技術的なレベルが固定して安定するなり、その辺の時期が見計らえれば将来は当然工場には備えつけられなければならない一つの道具でございますので、そういうようなことの基準化も検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#93
○三木忠雄君 いま使っているのが余りよくないという、こういう感じの発言だと思うんですけれどもね。そうすると新しく開発されますね、それをやはり運輸省が規定をして全国的にそれを義務化すると、こういう考え方にとるんですか。それともいまのHCメーターは現状で使えるものはそのままいいと、新しく開発されたものについても、ないところはそれを採用していくと、こういう形なのか、そこらが私たち非常に問題なんですね。義務化されてHCメーターこれで一本使えと、こういう形になってやっぱり三十万、五十万のものを認証工場に全部備えつけしなけりゃならないと、こういう問題になりますと、非常に整備業者の体質上からいっても非常に負担になってくると、融資あっせんといっても実際融資あっせんを受けれるところは比較的いい工場なんですね。やはり経営が苦しいようなところは書類面とかいろんな問題点があって、そういう義務化されても融資がなかなか受けられないと、こういう問題に対するネックをどうするかということですね、この点についての考え方。
#94
○政府委員(田付健次君) まさに先生がずばり御指摘になったようなことが実は問題点に入っておりまして、たとえばHCメーターはごく最近型式基準を決めまして規定をいたしましたので、HCメーターにつきましては、将来とも今度決めたHC基準で測定器としてはまかなえるであろうと、こういうふうに思っていますが、COメーターについては、先ほどお話ししたように、四十五年にもうすでに始めたものですから、その当時あったテスターを備えている業者の方もいらっしゃるわけです。これまた型式がたくさんございますので、その当時のものが全部だめなのかどうか、これは非常に問題がありまして、あるものはいい、あるものはいいものもあると思います。ですから、そういうふうに個別にどれがいい、どれが悪いということも選別しなければなりませんし、さらにいまお話がありましたように、たとえば共同使用的なものもあるいは可能性が考えられますので、テスターの個別の規制をするかどうかというところまで徹底するかどうかですね、この辺の問題もいろいろありますので、そういう点を含めて検討していきたい、こういう意味で申し上げたつもりでございます。
#95
○三木忠雄君 そうしますと、このHCの方は大体開発計画が、具体的なものはわかりませんけれども、いろいろテスターが開発されていると思うんですけれども、大体何年ごろに開発される見通しなんですか、いいのがですね。あるいは義務化しようとするのは、大体いつごろに義務化しようと考えているのか、この点について。
#96
○政府委員(田付健次君) ちょっと私の説明がまずかったかもしれませんが、現在HCメーターは完成したものができております。で、これにつきまして運輸省が型式として認定をいたしまして、この品物はいいですよということをやっておりますので、HCメーターの方は今度私どもが推薦するものでやっていけると、こういうふうに思っておりますが、しかし、それらを全体いつごろ備えつけの義務化をするということについては、やはり先ほど来いろいろ問題が出ておりますので、また私どもも同じように考えておりますので、時期等につきましては慎重に考えたいと思っているわけです。
#97
○三木忠雄君 それではその次に触媒の浄化装置ですね、これがいま全国的に普及しているわけですね。これも耐用年数が約――いろいろ考え方もあるでしょうけれども、実際三年ぐらいだと、こういうふうに言われているわけですね。これらの取りかえとかあるいは車検等の問題については、現在の整備の技能で大体できるのかどうかですね。この点についてはどうですか。
#98
○政府委員(田付健次君) これから、触媒だけではございませんで、いろんな新しい機器が出回ってくると思います。したがいまして、それをフォローする整備業界がそれをマスターしなければなりません。したがって、私どもとしてはそれが非常に大きな仕事にこれからなるだろうと思っておりますので、先ほど来お話し申しました構造改善計画の中に乗せまして、メーカーからスーパーディーラー、それにサブディーラー、さらに一般専業者という順序に恐らく技術の流れが流れていくでしょうから、それをサポートしながらそういう面での技術的な世話が末端までできるようにしていきたいと考えております。で、当面、触媒の問題につきましては、新車として型式指定をします場合に、最低一車検期間もたなければ困るということで、私どもは三万キロの耐久テストに合格することを条件にいたしておりますので、先生のお話のあった程度の距離は私は十分いけると、こういうふうに思います。
 なお、これから出てまいります触媒は、中身にテレットという流体が入っておりますので、これを取りかえることになりますが、現在私どもがメーカー等から聞いている情報では、取りかえ作業そのものはそうむずかしいことではないそうであります。したがって、問題は、むしろその流体についております貴金属をどう回収するかということの方が問題のようでありまして、この辺の言うならばリサイクルのシステムが間もなくでき上がると思います。で、現に触媒をつけて出すメーカーについてはそれの準備がいまもう始まっておりますので、恐らくメーカーとすぐ直結しておりますディーラー、そこについております整備工場、この辺あたりがそのリサイクルのまず最初のネットになりまして、逐次技術が浸透していくだろう、こういうふうに考えておりますが、いずれにしても技術的にそれらのものが可能になるように私どももフォローさせますし、逐次可能な範囲が広がっていくという状況になるだろうと考えておる次第でございます。
#99
○三木忠雄君 これはアメリカのEPAで指摘をされておるように、触媒装置に関する二次公害、この問題について、これは実際は環境庁の範囲になってくると私は思いますけれども、運輸省としても今後二年なり三年後にはやはり車検上の問題が出てくると思うのですね。このときに対する対策、いまから私は――硫酸の問題か公害かどうかという問題は、これは日本の中でこれから論争されなきゃならない問題だと思いますけれども、この問題自体は、公害どうこうの問題はこれは環境庁の問題にしても、運輸省として車検上いろいろこういう問題がやはり出てくると思うのですね。これについて、公害研究所にしたって陣容から言っても限られたものでありますし、新しい研究をしなきゃならない分野の問題ではないかと思うのですね。これに対する取り組み方は現時点ではどういうような考え方になっているのか、この点について。
#100
○政府委員(田付健次君) この硫酸ミスト問題は、少し機構の複雑な点がございまして、先ほどお話申し上げました触媒に貴金属を使います。その貴金属がいわゆる触媒作用をしてくれるわけですが、それ自体は変化をいたしませんで、いわゆるHCとかCOを減らすという操作をしてくれるわけですが、その反面、実はそこを通りますガスがそれらと作用いたしますことによっていわゆる硫酸ミスト的なものが生まれてしまうという、逆の今度はデメリットが出てまいります。したがいまして、アメリカ等のように非常にガソリンの中に硫黄成分の高いところ、しかも、使っている乗用車のccも非常に高い、三千、四千、五千ccというようなものを使っている国では、かなり大きな排気量の中にこの硫酸ミストを発生する要素が出てくるわけでございますので問題であろうと言われておるわけです。逆に、日本の方は、現状において全く問題なし、完璧であるというところまではいっておりませんけれども、現状におきましては幸いなことに日本のガソリンの硫黄が非常に少のうございますので、まずまずその心配はなかろうというふうに考えておるわけでありますが、ただ、この問題も技術的な将来の問題として私どもとしては取り上げてまいりたい。もちろん運輸省だけでなくて環境庁等も当然取り上げることと思いますが、私どもの方におきましてはいろんな技術の評価を先ほどお話した交通安全研究所等でやっておりますので、その中の一つの研究のテーマとしてこの問題を取り上げようと、現在基礎的な調査を少しずつ進めておりますが、なおこの硫酸ミストそのものを発生させて、それを捕捉してそれをはかるということにかなり技術的なむずかしさがあるようでありまして、まずその測定の仕方から取り組まなければならないだろうというふうに考えられておりますが、私どもの交通研で逐次その問題を処理していきたいと、こういうふうに考えております。
#101
○三木忠雄君 これはやはり日本の規制車が、トヨタ、日産にしても大体〇・二五まで下げるようにすればほとんど触媒装置を使わなければならないというような体制で開発されているわけですね。これからいきますと、確かにアメリカと日本とはガソリンの状況がいろいろ違うという問題点は私はあると思いますけれども、やはり起こってからじゃ問題になってくるわけですからね。起こってこういう問題が発生してからどうだこうだと言ってみたってこれは始まらない。しかし運輸省はそういう問題に対する、やはり研究所でしっかりした研究体制を組んで、こういう問題がないと思われるだけでは困るわけで、まああの柳町の鉛公害みたいな形で、また再度こういう硫酸ミストの問題で起こってきては相ならない問題ですから、これに対するやはり厳重な研究と、もっと先取りするような体制でこういう問題は研究をしていただきたい、このことを私は強く要望しておきたいと思います。これに対する答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#102
○政府委員(田付健次君) 御案内のように五十一年度暫定値と言われておりますが、五十一年度規制値が一応決まりました。これについてのいろんな具体化をするために関係閣僚協議会が設けられまして、その中に技術開発の問題、税制の問題、総量の問題等テーマを決めて議論をしている最中でございます。その中に、私どもとしても当然参画をいたしておりますので、この問題もひっ提げて、関係省庁の協力を求めながら、先生の御心配になることが出ないようにいろいろと努力をしてまいりたい、こういうように考えております。
#103
○岩間正男君 それでは、まずお聞きしたいのは、今回の車検料の値上げでどれほどの増収を見込んでいるか、これについて。
#104
○政府委員(高橋寿夫君) 五十年度につきましては、約五十億円でございます。
#105
○岩間正男君 この増収によって、設備の改善にとか、それから国民へのサービス、こういうものがどの程度向上すると考えておられますか。
#106
○政府委員(高橋寿夫君) この財源によりまして、まず車両の登録検査に必要な要員の充実を図るわけであります。先ほども御答弁しておりますように、ことし百三十一名の予算定員の増加が認められまして、これによりまして本年度の車検登録の定員は二千五百九十八人、約二千六百人になるわけであります。その要員の充実というのを主たる柱といたしまして、そのほか必要な場所に必要な検査コースを整備する、あるいは検査器械の自動化を図る等のことに充てることにいたしております。
#107
○岩間正男君 車検場は別に増設しないですね。コースだけが、どのぐらいですか、五コースぐらいですか。
#108
○政府委員(田付健次君) 五十年度におきましては五コースでございます。
#109
○岩間正男君 それから要員ですが、これはいま増員についてありましたけれども、同時に一方じゃ総定員法の第三次削減を受けるわけじゃないですか。最終的にどれぐらいになるのですか。
#110
○政府委員(高橋寿夫君) 今年度百三十一名の予算定員の増をいただいておりますが、今度逆に減らす方の話といたしましては四十二名でございます。そういたしますと、差し引き八十九名ふえることになります。
#111
○岩間正男君 そうすると、車検料が上がるわけですけれども、具体的なサービスとしては五コースの増設と、それから要員を八十九名ふやす、こういうことだけなんですね。
 私は第一に、こういう中で民間の車検ですね、これに対して委託をやっているわけですが、この現行のやり方について基本的にどういうふうに考えておるのですか。七割まで民間に委託をするんだというふうな方針を一時とられた。しかし、現行は半々くらいになっているわけですか。――これがやはり非常に問題だと思うのですけれども、どういうふうにこれは基本的に考えておられますか。将来民間の方をふやす、そうして陸運局の車検場はふやさない、こういう方針をとっておられるのですか、この点はどうなんですか。
#112
○政府委員(高橋寿夫君) 民間車検率七割という目標を持っております。現状はいま先生御指摘のように約五〇対五〇でございますが、私どもはこれからどんどんまだふえてまいります業務量に対しまして、私たちの予算定員の伸びは追いつきません、正確には。そこで、民間車検の指定工場をふやしたい、七割まで持っていきたいと思っております。そのことは、私どもの直轄車検場の仕事がふえなくて済むというだけでなくて、やはり民間の整備工場の技術水準が上がるという結果も出てまいりますので、そういうふうな方向で進めてまいりたいと思います。
#113
○岩間正男君 しかし、車検の目的というのは、安全とか公害、こういうものをなくすためにやるわけでしょう。これを担保するための検査は、これは営利企業によって私はどうもうまくいかぬじゃないかと、そういう面が必ずこれは出てきているわけです。したがって、やはり国の検査を基本にして行うというのが当然だというふうに考えますか、ここのところ、一体現状で――ことに公害問題が非常に起こっている、そういう中で基本的にどういうふうな態度をとるのか。民間といいましても、先ほどから問題がいろいろ投げかけられておりますけれども、いろいろ不十分な問題があり、あるいはまた、実際これを政府が検査をするように厳密にはいかない面もやっぱり出てくる、こう考えるのですが、この点どうですか。運輸大臣、いかがですか。私は、やっぱり政府は、国の基本方針としては、これは安全、それから公害をなくす、これを基本としているんだ、こういう立場に立って考えれば、いまの民間委託の問題というのは相当これは問題のあるところだ、こういうふうに思うのですけれども、この辺の基本的な態度を明確にしてほしいと思います。
#114
○政府委員(高橋寿夫君) 民間の整備工場が約七万工場ございまして、そのうち一万までよりすぐりまして、一万工場が指定整備工場であります。いわゆる民間車検をやって国の代行ができる資格のある工場でございます。これは一定の基準に従いまして非常に厳しく選定をいたしておりますので、この技術水準というものは決して低くなることはないと考えております。
 それから、先ほど五対五という国と民間の比率を七対三に変えていきたいと申し上げましたけれども、そういたしますと国が三割で済みますから、そうすると直轄検査の定員が余裕が出ます。この余裕の出た人間は民間の指定整備工場の監督指揮に当たるという形で、常に国の検査官が指定整備工場の監督をいたしまして技術水準が下がることを防止するというふうにいたしたいと思っております。
 なお、民間の工場で車検整備を終わったものがそのまま車検が終わったことになるわけでなくて、そこで車検整備をいたしました結果を国の検査場へ持ってまいりまして、そこでもう一遍検査官がチェックをして、それで初めて車検が終わるわけでありまして、あくまでも省略されますのは、現車提示と申しまして、実際に車を車検場に持ってくる手間が省けるだけでございます。実際に、これは車検に合格をしたという認定をする法律上の権原は国の検査官に付されておりますので、民間に任せると言っても、それは事実行為を任せるだけでありますので、そのことによって大事なこの検査の眼目でありますところの安全あるいは公害防止ということが損なわれることはないと聞いております。
#115
○岩間正男君 私は基本的な態度について言っているんですね。国の責任でこれをやるのか。それとも――営利企業ですからな、やっぱり民間の車検というのは。この営利企業に任して、果たして一体公害とか安全を本当に貫くことができるかどうか。そうでない問題はたくさんあるでしょう。私は一々指摘しませんけれども、なかなか手抜きされて、それで非常になおざりにされている、そういう例もたくさんこれは聞いておるんです。そういう点から、基本方針としてはどうなんだと、こう聞いている。民間に委託するメリットは一体どこにあるのですか。何のためにこれはいま民間に委託をするのですか。国でこれを貫いてやるべきだと思うんだけれどもね。そして、民間に委託をすれば手数が余ると、要員が余ると。それを今度は民間の方に監督として派遣するんだ。そういうことをやるとすると体制ががらっとこれは変わってくるわけですね。質が変化しますよ。この点がやはり先にいって問題になるのじゃないかと思うので、この点を明確にしておく必要があるのではないかと、こう思うんです。どうですか。
#116
○政府委員(高橋寿夫君) 私は、このことに限らず、すべて同じ考え方でいいと思うのでありますけれども、民間の技術レベルその他がまだ非常に低い場合には、国がすべてまる抱えで直轄でやるということが必要だと思いますけれども、漸次民間のレベルが上がってまいりました場合には、国が全部やらないでそれを分担させる方がいいと思います。そういたしませんと、すべてのことに対しまして国が直轄でやるという体制を堅持いたしておりますと、国の予算、定員が幾らあっても足りなくなるということは、ひいてはやはり国の財政硬直化、あるいは税金の負担がふえる結果になりますので、私どもは国の関与というのは必要最小限度にとどめまして、あとは民間でできるところはやらせる。しかしながら、先ほども申し上げましたように、そのことによって営利企業だからいいかげんにやるとかということがないということを担保するために、国の検査官が監督をするという体制で行ってしかるべきであると考えております。
#117
○岩間正男君 結局は、財政負担の面から民間委託をやるわけですね。そこが一番中心になるんだろうと思う。私はその点が問題だと思うんですね。これは、非常に大きな問題になっている排気ガスの問題ですね、それから安全の問題でしょう。こういう問題をやるには、国の政治姿勢として、責任を持ってこれを貫くかどうかというところにあるのであって、これはそういう点ではやっぱり行政機構というものはどうあるべきか、この問題にこれは戻っていくわけです。私たちはそういう意味ではやはり行政の民主化ということを、この前もこれは気象庁の問題のときに問題にしたわけです。これは本当に民主化されるのかどうか。本当に国民のサービス、これを貫くのか。何よりも安全、これを守っていくのか。そういう基本的な体制に立つなら、いまの財政負担というようなおそらくそうでしょう。これは民間委託をやっている理由というのは財政負担なんですね、金がかかるから、それで結局、要員を置けば公務員が多くなる。結局それだけの負担が多いから、それよりは民間委託でやった方がいい。この考え方なんです。この考え方というのは企業の中にこれはあるんです。もっとあるんですよね。そういうふうになるというと、私は、ここのところに問題が出てくる。この点でやはり基本的な体制というものを明確にしておかないと、だれが責任を持つのか。後で検査官が行って検査をするのだとかなんとかいま言っていますけれども、そうなっていないところがあるでしょう。実際は、もう民間に委託をすれば、そこで相当これは手抜きをやられて、そのまままかり通るというような、そういうふうな実態。われわれはそれはいろいろ聞いているからそういうことを言っているわけです。この点は、これは十分に私は運輸大臣にやっぱり検討してほしいと思う。いやしくもこれは国民の生命の安全に関する問題です。ことにいま一番大きな問題になっている排気ガスとの関連の問題、ここが一番大きな問題になるわけですから、この点から言えば、やっぱり責任の主体はどこにあるか。どうなんですか、この点ちょっとお聞きしたい。
#118
○国務大臣(木村睦男君) まあ国のやります行政の事務の中にはいろいろあるわけでございますが、その中で、純粋に技術的な問題、つまり行政的な自由裁量が入るとか入らぬとかといったようなものでなくて、技術的に解決のつく、見れる、そういった行政の中の一つがこの自動車の検査であると私は思うわけでございます。そうしますというと、行政事務を合理化していく、それから国が最終的には責任を持って処理しなければならない事務でございますけれども、このような純粋に技術的な問題は、最終的な責任を持つまでは民間の機関に任して、そしてできた結果について国が責任をとると、こういう仕組みを堅持しておけば、私は国が無責任であるということにはならないと思うわけでございます。で、この検査の仕方も、最終的には陸運事務所においてこの検査合格かどうかという認定をするわけでございますから、その仕組みは外してはいないわけでございます。ですから、こういうふうに量的に、しかも技術的な問題の行政は、一つの処理の仕方としてこういった民間車検場というふうなものを認定工場として指定をしてやるということは、私は行政としては一つの前進ではないかと考えまして、当時スタートしたわけでございます。したがって、それではこういう民間に任したのが、最終的には陸運事務所がチェックをして検査合格は認めるが、しかし、その間にやはりいろいろと、後から見れば不備の点もある、あるいは粗漏の点もあるではないかという御指摘は確かにあろうと思います。それには、常にこういった工場を、臨検といいますか、検査官が行って平素の検査状況を監督する、そしてまた、そこで整備をしました車が事故を起こす、その事故の原因が不整備にあったというふうなことで、民間車検場の責任に帰すべきことで、そういう事故が起こるというふうな場合には指定の取り消しという措置もあるわけでございます。そういうふうな監督の手段を講じまして円滑にこういう機関を使って検査機能が発揮できるというふうにやることは、私は行政の一つの対応としては前進であろうかと思うわけでございます。あくまでもしかし、民間に委託し、最終的に運輸省が責任を負うとはいいながら、その間のいろんな過ちやあるいは粗漏というふうなものは、極力防ぐような方法は監督によってやるという行き方でいっておりますので、今後とも欠陥はためていかなければなりませんが、いい方向は伸ばしてさらに充実いたしていくことが適切であろうと、かようにいまは考えてこの行政を進めておるわけでございます。
#119
○岩間正男君 私は基本的な方針、ことに行政の民主化、そして国民の安全を守る、生命を守ると、そういう点から基本的にどういう、一体態度をとるべきであろうか。これは非常にやっぱり問題を先に行っていろいろはらんでますよ。七割にしていくと、現在は五対五だろうけれども、結局、人員を一方で削減していく、検査をするといったって、そういう検査の人員を保有するだけだんだんまた縮小していくようなかっこうになっていくわけです。しかし当然これ問題なんですね。公害がこんなに問題になっている。そして実際は、業者の方で公害というものを本当に守るという態度になっているかというと、そうなっていなくて、いろんな問題を起こしているんです。そうすると、そういう民間の整備工場なんかも、そういう業者と全然関係なしというふうに言えない問題も出てくる。そうすると、貫けるかどうかという問題、当面五対五でいくわけですか、いつごろからこれ移行するんですか。徐々に変えていくという、そういうことですか。そうすると、民間委譲の方法を主流にすると、こういうことですか。ここのところがさっぱりはっきりしないんですね。基本態度としても貫けない。私はいまの説明だけじゃ、これ納得できませんよ。しかし、これだけでやっているわけにもまいりませんけれども、現状は五対五ですか。五対五でも、これははっきりやはり国の、政府の、安全を守る、公害の被害から守る、国民の命を守ると、そういうような立場からの体制を強化するための車検の体制というものを民主化していくと、そして本当に国民の方に目が向いて、そういうものにしていくと、そういう基本態度をとるとすれば、やはりそれに対する即応した体制がとられていくか。第一の要員の問題、さっき出ましたけれどもこの要員はどうですか。事業量はとにかくどんどんふえていっているわけですね。これに、マッチしない、そういう体制になっているんじゃないですか、これはどうですか。
#120
○政府委員(高橋寿夫君) 私ども、車の伸び、それからその車の伸びに伴いますところの事業量の伸び、これと実際の人員の伸び、これらをずっと経年的に比較して見まして、業務量の増に対してそんなに要員の手当てがおくれているというふうには見ておりません。このギャップを埋めるものといたしましては、検査器械の自動化等のこともやりまして、要員の伸びきれないところについてはそういったことで埋め合わせておりまして、まずまずバランスはとりつつ仕事をしてきていると考えております。
#121
○岩間正男君 例として、あなたたちの出された資料なんですが、四十六年度、これが登録車、小型二輪それから軽自動車、これで二千百二十六万台、そうして人員が二千二百四十七人。四十五年、これが二千九百六十六万台、これは推定のようですが。そうして人員がこれに対して二千五百九十八へ車両は五年間に一・四倍に伸びている。要員の方は一・一倍。こういうことになりますから、必ずやっぱりここからアンバランスが生まれてくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけですね。
 で、今度のせっかく料金――車検料を上げると、そういうことなんですけれども、人員の増加というものがこれに伴わないじゃないか、したがって、そこからくるアンバランスをどういうふうに埋めるのか、これは非常に重要な問題じゃないですか。結局は、非常にそこの要員の労働強化が起こりますよね。労働強化は、結局その結果、手抜きの検査をやる。それがどこにつながるかというと、はっきりこれは事故につながるわけでしょう。だから、国民の生命の安全ということを考えるなら、やはりその辺は、もっと私は充足されていく必要があるんじゃないかと思う。
 それで一つ、わかりました。民間に委託するんだから、国の車検の体制というのは、これはもうだんだん縮小するんだと、そういうような考えを持っていられる。そういうものがやっぱりかぶさってきているんじゃないかと思いますね、今度のこういう考え方の中に。だから、車検料上がるんですから、上がるだけのやっぱりこれに即応するサービスというものは、当然これは伴わなきゃならぬ。さらに、それだけじゃいかぬと思うんです。大体、これ問題なんですよ。大体、これが特別会計になって独算制になっているわけでしょう。こういうことですから、もっと本当に国民のそういうような生命の安全を守る、国民を公害から守る、そういう体制を貫くということになれば、もっと私は独算制の枠内だけの操作で、これでもってこれを賄っているからこういうところに落とされてくるのであって、もう少しやっぱり本当に、三木内閣はことに、公害をなくすと、そして本当に国民の生命を守るんだと、国民の福祉充実、優先の政治をやるんだと、そういうことを言っている立場から考えると、それはなるほど、きれいごとを言っているけれども、実際は、やられている方は逆に行っている。その実態をやっぱり私は政治的には見なくちゃならない。これはどうですか、労働強化は起こっていませんか。そしてそれによって、その結果は、被害は国民に行くわけだ、事故に。どうなんですか。
#122
○政府委員(高橋寿夫君) 私は、私どもの直轄しております車検場に関する限り、全国的に眺めましたときに、労働強化ということは起こっていないと思います。業務量の増と定員の増、それを補うための検査機器の自動化等の努力によりましてほぼ均衡はとれていると思います。ただ、場所によりまして、やはり全国七十四の検査の現場がございますので、それぞれの現場現場にとってみますれば、定員の、たとえば一年に百三十一名予算定員でふえた、純増で八十九名と申しましても、これは七十四の現場に分配いたしますと、現場によっては、ある年は一人も来なかったという年もあるかもしれないわけであります。そういった意味で、短期的あるいは地域的にはアンバランスが起きる現場も出てくるかもしれませんが、それはすぐに翌年補正するというような形でやっておりますので、大局的に見ましてそう大きな労働強化は起きてないと思っております。ただ、今後いろいろ安全面あるいは公害対策の面で新しく検査を要するようなポイントがふえてくると思います。そうした場合に、従来やっていた検査業務プラス新しいまた検査項目がふえるというふうな場合には、当然、業務量の増になりますので、そういったことに対しましては、十分あらかじめ計算いたしまして、それに見合う増員を要求してまいるつもりでございます。
#123
○岩間正男君 これは局長でも、大臣でも、現場をやっぱり具体的に視察をしなければいけない。視察をするのだということでなくて、突然不意に行ってみたらいいのですがね、車検場へ。そうするといまのような答弁にならぬと私は思ってます。われわれも見てますから。いろいろ見解聞いて、やっぱり大変なことですよね、大変なことですよ。それから地域的に場所によってはアンバランスでそういう事態も起こっておるという、その地域的が問題なのです。そういうことは絶対起こしちゃならぬ。ことにこれは非常に安全に関する問題だから私はそう言っている。どれだけの一体それで節約ができるのか。だから総定員法とまた絡んでくるわけですけれども、この総定員法がそういう中で一方では当然この作業量がふえているのに伴わない、実際はそれよりもはるかに少ない人員の増加をやむを得ずやっておる、そういう中で一律に第一次、第二次、第三次というふうに切ってきているのはどういうわけなのです。私はこの辺の検討について何回もこれはいままで口を酸っぱくして言っているわけですがね、どういうことなのですか、これ。この総定員法というものは私はさっぱりわからぬ。時代おくれだってこの前も言いました。省庁の場合にこれは時代おくれだ、こんなの。これは高度経済成長時代の、そういう時代のこれはもうむしろすでにおくれたものだ、そういうふうに言っているのですが、今年度も第三次やると、これはどうですか。
#124
○政府委員(高橋寿夫君) 総定員法につきましては私ども各省といたしましては、いわばこれを受けて実行せよと迫られる方の立場でございますので、大変毎年毎年人事担当者は苦労しているわけでございます。したがいまして、私どもからいまのちょっと御答弁に対しまして御返事するのは控えまして、たしか行政管理庁から見えていると思いますのでその方からお願いいたしたいと思います。
#125
○岩間正男君 管理庁からちょっと。
#126
○説明員(門田英郎君) ただいま先生御指摘の面でございますが、公務につきましては一般にコスト意識とかあるいは経営意識というふうなものが働きにくいというふうな御指摘が諸方面からございます。そのために機構やあるいは定員の面でとかくいたしますと安易に膨張しやすいということもまた御指摘の多々あるところであるわけでございます。こういった御批判におこたえすると同時に、一方では社会経済情勢というものの変化、これに対応いたしまして行政需要というものも時々刻々変化してまいる次第でございまして、そういった行政需要の変化というものに対応いたしまして定員配置を適正化しなきゃいけない、あるいは効率的な行政の実を上げなければならない、こういった見地から政府全体として弾力的な定員管理が必要であるということから定員の計画削減というのを行っている次第でございます。こういった意味で、御指摘の陸運局、陸運事務所、これにつきましてもたとえば先ほど自動車局長の方から御答弁ございましたように、事務の簡素合理化あるいは機械化、さらには登録事務の電算化であるとか、あるいは車検につきましての指定整備率の向上でありますとか、あるいは検査用器械の自動化でありますとか、そういった簡素化なり合理化なりというふうなものを図りつつ、一方においては定員の削減の工夫をしていた、と同時に私ども何も定員削減ばかりをしておるわけではございませんで、一方ではこういった事務の合理化を推進しながら削減をしていた、他方、社会経済情勢の変化というものに対応しまして増員が必要な部門というのはあるわけでございます。
 特に先生御指摘のように、国民の安全というふうな事柄に関しましては、たとえば運輸省の例でございますと、航空局の航空管制官だとか、ただいま先生から御指摘のございます陸運事務所の車検要員であるとか、こういった部門につきましては運輸省の方と十分に御協議を重ねながら増員を図ってきているということでございまして、これは先ほど御答弁があったかとは思いますが、定員削減が始まりました昭和四十三年以降、陸運事務所につきましては九百九十一名でございます。約千人ほどの増員をこの八年間に図ってきております。年度末定員で見ましても、昭和四十二年度に二千六十三人であったものが昭和五十年度末定員では二千七百三十人、この間に三割強というふうな増員を図ってきている次第でございまして、そのあたりよろしく御了承をお願いしたいと存ずる次第でございます。
#127
○岩間正男君 同じような答弁です、この前とね。だから、まあこれは委員長に要望しておきますが、委員長、行政管理庁長官を一遍やっぱり呼んでもらわなくちゃね。とにかくこれは政治が問題なんです。情勢が変わっている。ところが実際はいまのようなことは必ず言うわけですよ。あなたたち、実際は削減するときに何か理由つけなくちゃならないから、これはやるわけだ。
 実態に入って、実際に調べてみてやっているのかと、私は具体的に聞きますがね、たとえば宮城県の場合ですね、これは仙台の苦竹にある車検場ですね、これは年間の検査数、これが一日平均どのぐらいになっているか、それから四十七年度、八年度、そうしてこれに対して要員はどういうふうになっているか、これちょっと知らしてほしい。――ちょっと話しておきますか、私の時間はやっぱり制限されますから、全部尽くしたいと思いますから、なるたけ要を得た私のお聞きしたことに即応するような答弁をお願いしますね。
#128
○政府委員(田付健次君) 宮城の検査場につきましては一日当たり検査両数が平均いたしまして四十七年度三百四十六、四十八年度三百六十七。定員でございますが、四十八年度の宮城の定員は十六名でございます。
#129
○岩間正男君 ついでにこれは全国的な、全部を聞くわけにいきませんので、神戸の場合、ちょっとお聞きしたいのですがね、兵庫県。
#130
○政府委員(田付健次君) 神戸の検査場の四十七年度の平均一日当たりの検査両数は五百九十九、四十八年度一日当たり五百九十四でございまして、定員は四十八年度二十一名でございます。
#131
○岩間正男君 いまのようなことですが、大体これは一日の予約数が最近の様子を出すと四十八年から五十年度ですね、これはわかりませんか。これはまだ推定になりますか。統計が出てないから。
#132
○政府委員(田付健次君) 四十九年度末の分がまだちょっと入りませんので、ちょっとわかりません。
#133
○岩間正男君 私たちも聞いたのですが、六百六十台、一日の予約件数。それで神戸検査場の整備車両課要員の数は四十八年から五十年内、二十二名。そのうち検査従事者が十名。五十年度についても増員はされていない、こういうのですね、これはいいですか。そうなっていますか。この要員はどうですか、要員の穴埋めはわかるのですか。
#134
○政府委員(田付健次君) 私どもの方が把握いたしております数字で申しますと、神戸の定員は四十九年度二十名、五十年度も二十名、増員はしてないというのは事実のようでありますが、定員は二十名配分いたしております。
#135
○岩間正男君 たとえば従事者ですね、実際検査をやっておる人、そして検査台数が六百六十台、大体民間の指定工場の場合ですと一台の実験に要する時間というのは大体どれぐらいになっていますか。これは機械化もされていないでしょうから、時間かかるでしょうがね。どのくらいですか、二十分ぐらいと聞いていますが、大体そういうことですか。
#136
○政府委員(田付健次君) 私どもも正確な数字をつかんでおりませんが、おおよそ見当で大体二十五分から三十分ぐらいじゃないかというふうに思っております。
#137
○岩間正男君 神戸検査場の場合、これは車検の実際の検査時間というのは三百三十分、一台当たりの平均延べ検査時間、これで計算するというと大体五分間ということになるんですね。こういうことになるというと非常にやはり手抜きの検査とか、それから一人で――しかもこれは十人で六百六十台ですから一日六十六台も検査をしなくちゃならぬ、こういうふうになるわけですね。しかも五分間に制動、それから速度、前輪整列、前照燈、CO測定、それから下回りピット、この六つの検査をするということになっている。そうすると、これはとてもやりかねるんじゃないか、こういう事態が起こっている。これは物理的に不可能なそういう問題がはらまれているんじゃないかと思うんですが、これはどうですか。
#138
○政府委員(田付健次君) いま私どもが自動化コースを設定いたしますと、ステーション内に、検査コース内に五つのステップができております。たとえば一つのステップはブレーキの試験をする。一つのステップはヘッドライトとサイドスリップテストをやるというようなことで、五つの言うならばテストバーがございまして、それを通って一台の検査が完了するわけでございます。一つのスポットごとに常識的には私ども大体二ないし三分かかると思っておりますので、普通ですと大体十五分ぐらいはかかる予定になっておりますが、もちろん車の程度によりますと、その五つのステップの中には下回りの検査のテストもございますので、非常に程度のよい車はざっと終わってしまうということもあろうかと思いますから、あくまで標準でございますので多少短くなるケースもあり得るかと思いますが、一応その程度の時間で考えております。もちろんそのケースによりましては先ほどお話ししたような伸縮がございますが、手抜きをしているような状態であるというふうには私どもは考えておりません。
#139
○岩間正男君 これは実際一緒に当委員会とどこかのそういう過密なところに少し行ってみるといいですね。六十六台、しかも五分間でいまの何をやる、これは大変なことです、やっぱり。その衝に当たっている人が一体疲労しないのかどうか、疲労度をやっぱり考える必要がある。その疲労度の結果が手抜きになったり粗漏になったりする。その結果がどこにいくかというと、これは事故につながる。こういうことを考えますというと、人命尊重という立場から考えると、私はやっぱりこういう点は再検討される必要がある。それから管理庁はこういうところを実際はこれは見てないでしょう、書類でやっていることが多い。実際こういうところを見て、この実態から逆に本当にいまの問題、先ほど申しました削減の問題等も真剣に考えなきゃならぬ。機械的なんです。よくわかっているんです、私は。長年この問題見てきたから。しかもどうですか、この検査の精密さというのは、いろいろな検査の項目というのはだんだんふえていくんじゃないですか。現状はのままじゃないんじゃないですか。非常に過密化している、どうですか。
#140
○政府委員(田付健次君) 検査事項につきましては、私どもの省令の中に検査場で検査をする項目を決めておりますが、御指摘のように排気ガス規制がふえたり安全の強化が入りますと、当然検査項目がふえるということにはなります。
#141
○岩間正男君 昭和四十七年九月の運輸技術審議会の答申によって自動車の安全基準の強化が決められており、五十一年までに改正予定の保安基準が六十三項目になることになっている。安全基準の強化に伴い毎年十数項目の検査項目が新たにふえているのがこれは現実じゃないですか。そうじゃないですか。
#142
○政府委員(田付健次君) 現在、御指摘の長期計画に基づきまして保安基準の改正を進めておりますので、毎年改正をする都度検査項目がふえていることは事実でございます。
#143
○岩間正男君 そうすると、この辺はもう少しやっぱりこれは測定してみる、疲労度とかそれから労働の実態というものを検査してみたらどうかね。それで実際はこの衝に当たっている検査官の疲労度、それからいろいろな点から私は検討してみる必要がある。こういうことが非常にやはり行政の民主化という点で、その場で働く人がとにかくその仕事を遂行する一つの意気込みを感じ、しかもそれがちゃんと保障されるそういういろいろな条件、その中には賃金の問題もありましょうし、労働時間の問題もありましょうし、休憩の時間もありましょうし、そういうような要件を満たして、しかも生き生きと国民の前に奉仕をする、そういう体制こそが実は官庁機構の民主化なんですよ。これなくして、それで国民に面を向ける政治であるとか、福祉優先だとか、国民優先だとか、こんなこと言ったってどこを向いて言っているかわからない。その言葉の行きどころが宙に消えている、現実にはさっぱり即応できない。
 それで、一方では何かというと、どんどん総定員法がまかり通っている。いまだにまかり通っている、過去の遺物がまかり通っている。だから、どうしたってこれは、委員長お願いしますよ、行政管理庁からきょうお見えになっているんですけれども、また同じ答弁をされたんでは私もやりきれないから、やっぱりそのうちに――そのうちにで結構ですが、管理庁長官に出てもらいたい。総定員法とかみ合うんです、この問題は。ここでぶつかっているんです。実際はあなたたちも困っているんじゃないですか。実際は困ったなと腹の中ではそう思いながら、まかり通ってやむを得ずやっているというのが事実じゃないですか。運輸大臣どうですか。どうもそんな顔をしておられるように思うんですけれどもね。
 こういう点について、やっぱり私は十分に考えていただきたいということと、もう一つ新たな問題として、特に五十年度から排気ガス規制の検査をどうするかという問題が新たに加わってくるんです、これに。検査の項目がたくさんふえてくる。とにかくさっきの五分でいろいろな何を検査しなければならない。それを一日に、神戸の例ですと、六十六台一人でこなさなければならない。そこへもってきてどんどん検査の項目が非常に過密化していく。そこへもってきていま一番大きな問題になっている排気ガス、この規制の検査をどうするか、この問題がかぶさってくるわけでしょう。それで、五十年度排気ガス規制車はすでにもう三菱自動車、本田技研それから東洋工業等から販売されている。五十一年規制車もすぐに生産体制に入る段階を迎えているんでしょう。規制車の検査をどうするか。この検査体制を一体車検では政府はとることができるのかどうか、これはどうなんですか。
#144
○政府委員(田付健次君) 五十年規制車自体の検査の仕方といたしまして、テンモード、イレブンモードを検査場でするということは現状においては不可能であります。これは相当な設備が要りますので、これはできません。しかし、一般の使用過程車と同じように、そこの自動車の排気機関等から出ます一酸化炭素それから炭化水素がどの程度量を出しているかということは別の方法でチェックをする方法がありますので、すでに一酸化炭素につきましては四十五年から、HCにつきましてはことしの一月から実施をいたしております。将来NOxがやはり問題になろうかと思いますが、この点につきましてはテスター、容易にかつ保守もできる、車検場の現場ですぐ使えるというそういうシステムをもつくらなければなりませんので、現在その開発を急いでいる最中でございます。
#145
○岩間正男君 開発を急がなくちゃならないのは、公害問題が問題になって、国会でも大変論議され、国民の重大関心を引いてからすでにもう七年になりますか。そのあたりやっぱり同じ答弁をしたのです、そういう問題について開発すると。それで、いまCOとかHCの場合一応まあこれについてメーターを備えつけたということはお聞きしました。しかし、問題はNOxの場合ですね、これをどうするかという問題が当面としては大きな問題じゃないですか。現在はどうしているのですか、現在は。つまり、排気ガスの規制というものが五十年規制、五十一年規制が言われておるが、実際は具体的に現場のところでこれが本当に守られているかどうか、その規制数値は正しくこれは維持されているのかどうかということを調べること、ここが最も肝心なところでなくちゃならぬ。私はここのところは車検の今後の一つの焦点だと考えてもいいと思うんです。そうでしょう。これに対する体制をどうとっているかということが実際はここで論議されなければならぬのです。そういうことは全然空回りして、全然そのことはたな上げになって車検料だけ上げたって、これはまかり通れない。こんなことではこれは許されない問題です。これについて現状どうなっているか、それからこれに対して政府はどういう態度をとっているか、この点をはっきりしていただきたい。
#146
○政府委員(田付健次君) まず、新車を世の中に送り出します前に運輸省の審査をいたします。その審査のときに、三万キロもたなければ合格にさせておりません。なおかつ先生御承知の〇・六あるいは〇・八五というNOx基準がいろいろ議論されましたが、その基準値が守られているかどうかということを、車が大量生産された後におきましても監督をいたしておりまして、一応その状態で普通の使い方をしている限りにおきましては、まずまず三万キロの間は所定の基準値をオーバーすることはなかろうという体制にまで新車の体制を持っていったわけでございます。残った問題は、実はその出た車がNOxがどのくらいのオーダーになったであろうかということがチェックできる体制がなければいけないわけでございますが、実はここに一つ技術的な問題がございますのは、NOxはHCやCOと比べましてエンジンをかなり働かせないと出てこない性質がございます。したがって、もし車検場でやるといたしますと、相当な回転、相当な負荷をかけないとこのNOxがはかれないという実は技術的に非常に困った問題がありまして、これについてやる方法はないわけではございませんが、その方法について、どのようにすれば簡便でしかも正確なデータがとれるかということをいま技術的に検討をいたしているわけですが、私どもとしては、NOxの検査をしない、あるいはガスの検査をどちらでもよいということで臨んでいるのでは決してございませんで、手数料の値上げをお願いするかたがた、当然公害に対する対策につきましてもいろんなテスターを開発していきたい、こういうことを考えているわけでございます。
#147
○岩間正男君 非常に困難だが開発をするというふうに言われてから、これはもう数年たっているんじゃないですか。どこまで行っている。実際は全然手がついていないんです。単に空文句じゃ困る。
#148
○政府委員(田付健次君) 運輸省に科学技術の開発を助成する制度がございまして研究補助金というものを持っておりますので、それで各種の開発を進めておりますが、このNOxテスターにつきましても、一部その補助金を利用いたしまして開発をいたしております。現にそれらしいものはできつつありますが、果たしてそれが先ほど先生の御指摘があったような、忙しいさなかの車検場に持ち込みまして、耐久性がある製品として、テスターとしてやってくれるかどうかについてまだ問題がいろいろございますので、その点を詰めているというのが状況でございます。
#149
○岩間正男君 これは現在、シャシーダイナモと言うんですか、これを持っているのはメーカーとそれから公害交通研究所ですか、これしかないというんですね。こういうものはしかし備えるべきだと、こうお考えになっているでしょうね、開発を急いでおられるんですから。車検場に、やっぱりこれは当然公害の完全な調査をやると、測定をやるんだと、そういう立場から言えば当然これは備えると、これは備えなきゃぐあいが悪いんでしょう、どうなんですか。
#150
○政府委員(田付健次君) もちろんシャシーダイナモメーターを備えて、テンモード、イレブンモードをやるのが一番正確でございますが、恐らくそのためには一台のために半日使ってしまうということでは実際の使用に耐えませんので、直接そのものを調べなくても、何か間接的に最終目標が相関的に調べられればよろしいわけでございますから、私どもがいま考えておりますのは、シャシーダイナモメーターではなくて、別途の方法で荷重をかけてチェックする方法が開発できないかということをいま調べているわけであります。ただし、もう一つテクニックがございまして、これからやりますいろいろな触媒装置そのものを持つ自動車といいますのは、いきなりNOxを調べなくても、実は触媒そのものの耐久キロはどのくらいであったか、あるいはEGRと言いまして排気ガスの還流装置がございますが、還流装置の機能が目で見てもよくわかる状況でございますので、そういう点の機能が十分確保されているかどうか、要するに公害に関連をする機器をチェックすることによって、状態をチェックすることによってある程度のNOxの逓減化が可能でございますので、もちろんそういう手法も使うわけです。しかし、シャシーダイナモメーターを使うというやり方にいたしますと、これはとても車検場は耐えませんので、別途の方法をいま開発をしているという状況であります。
#151
○岩間正男君 ある程度とおっしゃったが、ある程度ですね、チェックをするのは。それだけはできるんだが、そのものじゃない。そのものでやっぱりはっきりこれは調査するような体制をとらなきゃ、公害がこれほど現状で騒がれている中で、体制としては非常に立ちおくれじゃないかというふうに思うんです。現在は、排ガス規制数値は、メーカーが最初型式指定をやる、この検査のときに、車種別に作成したサービスマニュアルによって検査していく。それに頼っているだけで、検査が通ればもうこれは……、車検段階ではいま言ったように十分にその根源をつかむということはできないわけですね。運輸省としてはNOxの測定器がないんでそれができないと。そこで、排ガス規制装置が正しく動いているかどうか、そういうことを調べるだけだと、こういうことですね。そうですね、さっきおっしゃったのは。しかもそれは二年に一度ということですな。車検のときでしょう。そんなことでこの公害問題まかり通れますか。いまこれだけ大きな問題になって、開発はしていると言うけれども、その開発はどうも非常にはっきりした段階になっていない。具体的なものになっていない。そういうことになりますと、私は非常にこの点はひとつ穴になるんじゃないかと思うんですが、この点はどういうふうに煮詰めていくのか。
 公害の問題というのは、公害を規制するという方針が決まって、それを具体化するにはどうするか。そして何といったって車検の場というのは大きな場ですから、ここではっきりNOxを測定すると、その数値を明確にすると、そしてその数値に違反した者は規制すると、こういう体制をとらなければどうして公害をなくすことができますか。ただ、そういうものを、装置が正しく動いているかどうかという、間接です、間接検査なんだな、そのものじゃない。こんな間接検査によって推定するということじゃこれは科学的なものじゃありません。したがって、この点、公害とここで対決するという姿勢にはならぬわけです。だから、どうしますか、この点。もっと私は明確にしてほしいんだね。この点かやっぱり車検の――しかもいま法案審議なんだから、この法案審議の一方では、とにかく車検料の値上げということでさっと何でもなさそうに通ってしまうけれども、しかし、その裏づけになる運輸行政、自動行政そのものは一体どうなんだと。一体公害との対決をどうするんだと、この問題が問われているんですね、いま。これに対してやっぱり運輸省の、政府としての態度を明らかにするということは国民に対する義務ですわ。これはどうですか、運輸大臣。この点もう少しはっきりさしてほしいですね。いかがでしょう。
#152
○国務大臣(木村睦男君) 岩間委員のお話いろいろ伺っておるんですが、いまでも、排ガスの規制は別として、車両の整備にいたしましても、自家用車にいたしますというと二年に一回、営業のタクシー等は一年に一回ですから、それでも、じゃ一年間ほったらかしにしておいていいのかという同じ議論があるわけです。しかし、これは切りのないことで、それじゃ半年あるいは毎月やらなきゃいかぬ、毎月やればより一層徹底するということも言えるわけでございますが、その辺は結局車を持っておる者がみずから自分で整備するということが前提で物事を考えませんと、車を持っている者が全然、排ガスにしてもあるいは車の整備にしても、もうほったらかしで、検査でなきゃもうどうにもならぬのだという前提に立ちますと、もう毎日でも検査しなきゃいかぬということにもなりますので、これはやはり第一義的にはユーザーが保守もやる、一生懸命車の整備も図るということで物事を考えておりますので、その辺はひとつ前提条件として御理解をいただきたい点であるわけでございます。
 そこで、今度は排ガスの問題でございますが、ことに五十一年度から規制になります窒素酸化物一これにつきましてはいま整備部長がいろいろ御説明申し上げたように、なかなかこれの検査の機械というものが相当な機械でございますので、その開発にも努力いたしておるわけでございます。そこで、これにつきましては五十二年の三月が実施時期になりますので、それまでの間にそれらの開発もいたし、またいい機械が外国であればそれを輸入するとかいろいろな方法を講じて、これはそれ以後におきましては検査に支障ないようにいたしたいと考えておりますし、そういうふうにしなければ、せっかくのその排ガス規制が効果がないということになりますので、この点はわれわれとしてはそのタイミングを考えながら整備をしていきたいと考えております。
 それからそれ以後におきまして、民間車検場等で窒素酸化物の検査ができぬではないかというお話でございますが、それまでにそれらについて検査ができるように、もしも全部の民間車検場でそれが装置もできないということでございますと、この点だけは別のそれの設備のある民間の車検場、あるいは陸運事務所の車検場等で必ずその検査が受けられるようにするとか、あるいはいま整備部長が申し上げておりますように、間接的にその検査の効果が測定できるような方法も研究しておるようでございますので、それらもあわせまして、この実施の時期までには検査ができ得るような体制に持っていきたいと、そういう方向で今後努力をするつもりでございます。
#153
○岩間正男君 委員長にお願いしておきますが、いまとにかくNOxの開発というのはすでにもう何年か前に約束されて、それが遅々として進んでいないわけです。説明はありましたけれども、やっぱり具体的じゃない。そこで私は、どこまで進んでいるのか、これは資料として要求したいと思うのですね。貸してほしいです。やっぱりこれは非常に重要な問題ですから。この資料は、どこまでいっているのか、いまどういう手段をとってどうなっているのか、見通しもあれば見通しもこれは出してもらいたい。これはいいでしょうね。これが一つ。
 それからその次にお聞きしたいのは、型式指定のとき検査をすると、それに頼っているんだということですけれども、その指定の仕方ですね。これはどうなんですか、これは本当に立ち入って調査を、検査しているんですか。今度行政監督をやる必要があると思うのです。これはもう任しているんじゃないですか。サービスマニュアルですか、これによって向こうの立てた、そして車種別に向こうで立てたプランでやっている。その結果についてこれを査定すると、そういうことで認定しているんじゃないですか。これはどうなっているんですか。
 その次に、もう一つお聞きしたいのは、今度は型式指定車の抜き取り検査をやるでしょう。これは大量生産の場合には一%までで行われておるわけですか。これもどのような方法でこれは行われているのか。それからその結果がどのようになったのか、これは当然私は国民の前に公表すべきだと思うんですがね。公表する考えあるように聞いておりますけれども、これははっきりここで、この席上ではっきりやっぱり公表すべきだと、こういうふうにこれはおっしゃることはできますかどうか、この点お聞きしたい。
#154
○政府委員(田付健次君) ちょっと先生のおっしゃった意味がよくわからない点があるのですが、第一点は、こういうことではないかと思うのですが、実は型式指定を受けさせますときに、そのできた車――もちろん指定にならないと世の中に出回りません。指定を受けた後、それが使用過程に入るわけですが、そのときにユーザーが買った車をどう整備したらいいかという物差しがないとわかりませんので、一応それにつきましてはメーカーにマニュアルをつくらせております。これはやはり車は全部個別に違いますし、特殊な構造もありますので、それは専門家であるメーカーが、あなたがこの車をお使いのときはこういう点を見ててくださいという、言うなればマニュアルを一応出させます。それを出させることを条件にして型式指定申請を受け付けておるわけでございます。その理由は、いまお話ししたように、結果的に、出ましたときにユーザーが何をどうしていいのかわからないというのでは、先ほど来先生がくどくおっしゃっていらっしゃる公害防止のためにもよくありませんので、そういう点のカバーをしたいということからそれを出さしているわけでございます。それが第一点。
 それからそれをじゃあ具体的にどう使うかということですが、実は私どもは個別に出させておりますそういうマニュアルを利用いたしまして、それによって今度はユーザーに対して定期的に点検整備をしてくださいという運動を展開し、その制度に乗って周知徹底を実は図っております。これは今度はユーザーがその与えられましたマニュアルに従って整備することによって、公害あるいは安全の確保ができるということが明らかでありますので、その運動を展開しているわけであります。
 それから第二点の抜き取りでございますが、これは型式指定をいたしました後、メーカーが先生御承知の〇・六とか〇・八五という、言うなれば平均値をきちんと守ってくれているかどうか。これは絶えずこう流れている過程を追っていかないとわからないものですから、一応一%以上ということで口頭指導いたしておりまして、データを提出さしております。その状況のいかんによりましては、当然性能が悪くなるようであれば、私どもの方から生産の改善、必要ならば一時停止をして原因を追及するということまでやろうということで、その報告を求めているわけであります。
 それからそのデータについてどのような形で公表できるか。いまのところ私どもの業務資料としてその資料を使っておりますが、どのような形にすれば一般の方によくわかって、しかも誤解のないように正しい姿をつかまえることができるかということはいろいろありますので、一応その点を少し詰めてみたいと、こういうふうに考えております。
#155
○岩間正男君 やっぱりこの検査の行われ方、それからその結果がどうかというのは、これは国民知りたいのですね。だから私は、やっぱりこういう問題は公表すべきじゃないか、公表する努力をすべきじゃないか。これは国民はわかりますよ。そんなにわからないようじゃない。だからそれ、公表して専門的でわからないというなら、それは改正してもらってもいいわけですからね。公表できますね、どうですか。
#156
○政府委員(高橋寿夫君) 数日前に、朝日新聞に自動車の新車のクリーン度を運輸省が公表するという記事が出ました。あの記事に私責任ございますのでお答え申し上げますが、いまメーカーが新車を発表いたしますと、いろいろな性能をカタログの中に書きまして、買う人の便宜を図ることをいたしまして、これをまた宣伝の材料にいたしております。従来はスピードが出るとかそういったことがユーザー側にとっても魅力だったものですから宣伝材料になったわけでありますけれども、これからやはり燃料効率がいいとか、あるいは排気ガスが非常にきれいだという点がセールスポイントになっていい時代じゃないか、こう思いましたものですから、私どもの手元で型式指定をいたしました車の排気ガスの基準、排気ガスレベル、これにつきましてはユーザーの人にわかる程度の資料を新聞に提供したらいいじゃないか、私はこう言ったわけでありまして、これはした方がいいと思いますし、するつもりでございます。
#157
○岩間正男君 まあ、クリーン度の問題もおっしゃったけれども、これはもうはっきりしているのですね、公表すると、こういう態度でこれは進むと。やっぱりこれは公開して、国民が車両を選択するときの参考に当然するべきだと思う。これは非常にその方がいいわけです。これは型式指定車の抜き取り調査についても、私はやっぱり明らかにすべきだと思う。
 この質問の最後にもう一つお聞きしたいのですが、この道路運送車両法の第四十八条ですか、これによって定期点検整備を私はもっと強化すべきだと、こういうふうに思うんですが、どうでしょう、この問題。
#158
○政府委員(田付健次君) 御指摘のように、最終的にはユーザーがみずからの車を責任を持って整備するというモラルといいますか、それにのっとって具体的に効果を上げてもらわなければやはり車両の保安というのは確保できまいと。もちろん私どもが検査をし、整備工場が技能を上げていくということも大事ではありますけれども、その点が非常に重要であるというふうに私どもも認識いたしております。先ほど大臣も申しました。従来この点につきましてどのようにしたら定期点検が徹底できるかということで知恵をしぼってまいりましたが、たとえば現在ステッカーをフロントガラスにつけましてユーザーの関心を高め啓蒙いたしている最中でございます。なお、今後ともこの履行率を上げるために、ややきめの細かいことになるかと思いますが、整備工場は顧客カード、お客様のカードを用意させるというようなことなどを利用しながら、お客さんへの周知徹底を図らせる方法もありましょうし、その他私どもで気がつく範囲のことを整理いたしまして、さらに点検の励行の徹底ができますように努力をしてまいりたい、こう思っております。
#159
○岩間正男君 どうなんですか、これ。六カ月ごとに少なくとも点検整備、これを実施することが必要だと思うのですけれどもね。四十八条というのは、本当にこの法案の精神から言えば、これはどういうふうに行政サイドの方では指導されているか、どう考えておられますか。
#160
○政府委員(田付健次君) 先ほど申し上げました、運動として、ステッカーをつけて啓蒙するというようなことのほかに、具体的にこのことをやっていただいているかどうかということを確認する意味で、私どもとしては継続検査の都度、定期点検整備記録簿を御提示いただきまして内容をチェックするということで、もし不備の点がありました場合には、ユーザーの方に御注意申し上げるということで指導いたしております。
#161
○岩間正男君 では、次の問題に移ります。
 身障者の、まさに自動車は足というふうに言えると思うのですが、それに対する国の施策というものをどういうふうに考えておられるか。最初に厚生省の方にお聞きしますが、身障者は全国でどのくらいいるのか、また、上下肢機能障害者が自動車免許を取れるようになって、現在どれくらいの身障者が運転免許を取得しているのかこれをお聞きします。
#162
○説明員(井手精一郎君) 全国の身体障害者は、昭和四十五年の調査でございますが約百三十万人でございます。特に、先生御指摘がございましたように、身体障害者の方々に対しましては、自動車は特に下肢障害の方々、足がわりということで大変有用でございまして、私どもも自動車を利用することについていろいろな施策を考えておるわけでございますが、現在免許証を持っていらっしゃいます障害者の方々は一応八万人というふうに承っております。
#163
○岩間正男君 これはどうですか、局長にお伺いしますが、どうなっていますか、これはわかりますか、身障者――四十八年度末で八万人、もっと多いように聞いておるのですが、どうですか、わかりませんか。
#164
○政府委員(高橋寿夫君) 運転免許証の受有者の話でございますと、これは警察庁でやっておりますので、ちょっと私どもの資料では持っていないわけでございます。
#165
○岩間正男君 そうですか。われわれの最近聞いたのでは、四十八年度に三万九千八百五十九件、それから四十九年度ですね、二万一千七百四十六件、更新分を含む、こういうことですが、こういうふうに聞いていますが、さっきと大分違いますね。
#166
○説明員(井手精一郎君) 障害者の運転免許証でございますが、これは私ども直接には数字を押さえておりませんけれども、警察庁で承った四十八年度末の障害者の免許と申しますか、免許証にいろいろ条件がついているわけでございます。たとえば義肢、義足をはめて運転をしなさいというような形で交付されたものが八万五千件というふうに承っております。
 それからいま先生がおっしゃいました数字、四十九年度中に交付をいたしました件数が約二万二千件、かように承っておるわけでございます。
#167
○岩間正男君 私たちも下調査をやってみたわけですが、ちょっと違っているのだな。四十五年度の調査で、これがいま言ったように大体約四万人免許を取っている。いろいろいまの種類があるでしょう。それで、いま現在下肢、それから体幹機能障害者の使用する二千cc以下の乗用車に対して自動車物品税をこれは免除していますね。下肢、体幹機能障害者というのは、これは大体四十二万いると聞いていますけれども、そうですか。
#168
○説明員(井手精一郎君) 下肢切断、下肢機能障害の方々、合わせまして三十六万人、そのほかに体幹機能障害の方が十三万でございますので、合わせまして約五十万近くになります。
#169
○岩間正男君 これらはできましたら後でちょっと資料として出していただきましょうか、厚生省は一番おわかりだと思います。私どもの調査は十分でないかもしれません。
 そこで、お聞きしますが、この下肢、体幹機能障害者が五十万ですか、その中で運転免許を取得している身障者の方は、四十八年度末で約四万人、こういうことになりますというと、これは八%くらいになりますか。結局自動車物品税を免税していても、車両費の高騰や修理価格の値上げを初めとする自動車維持費の高騰、ガソリン税、自動車重量税の税負担の増大、こういうことで自動車を持ちたくてもなかなか購入できないと嘆いている身障者が非常に多いわけですね。こういう問題について厚生省は、現在身障者が使用している自動車に自動車重量税が課税されている、このことについてどういうふうな見解をお持ちになるか。私はこれは免除してもいいのじゃないかというふうに思うのですが、どうでしょうか。
#170
○説明員(井手精一郎君) いま先生おっしゃいましたように、障害者の場合、下肢障害という方で、足がわりということになっておりますので、私どもはなるたけいろいろな形での援助をいたしますと同時に、経費がかからないようにしていただくのが希望でございますけれども、自動車重量税の場合につきましては若干趣旨等が違いますので、相談はいたしておりますけれども、非常にむずかしいというふうに実は承っているわけでございます。
#171
○岩間正男君 大蔵省の方にお聞きしますけれども、私は厚生省の処置はまあ実際の条件に合ったそういう思いやりのあるやり方だと思うのですけれども、これはどうなんですか、免除をするそういう方法はないのか、どういうふうにこれは考えていますか。
#172
○説明員(島崎晴夫君) 自動車重量税をなぜかけているのかということから申し上げたいと思います。
 御承知のように、自動車が走りますといろいろな社会的費用がかかります。道路の建設であるとかあるいは公害の発生とかそういった問題でございます。そういった社会的費用、これを自動車の走行を行う者に負担を求めるという趣旨で自動車重量税をかけているわけでございます。こういう重量税課税の趣旨にかんがみまして、その自動車の持ち主がだれであるか、あるいはどういう用途に供するかということにかかわりませず、およそ道路を走行する自動車でございますと一律に課税するというたてまえをとっておりますし、それがまた自動車重量税の本旨であろうと思います。そういう観点から考えますと、確かに身体障害者の方はお気の毒だとは思いますけれども、やはりその方の運転する自動車の走行によりまして、ほかの方々の運転する場合と同様に社会的費用、社会的負担というものは発生するわけでございますから、この方々についてのみ自動車重量税を免除するあるいは軽減するということは、税の性格から申しましてできないことだと考えております。
#173
○岩間正男君 これは税の体系上ぐあい悪いと言うんですか。一方では自動車物品税は、これは制限がありますけれども、これは免税されているんだね。それとの関連しかがですか。
#174
○説明員(島崎晴夫君) おっしゃいましたように、物品税の場合には下肢、体幹の不自由な方につきましては免除をいたしております。しかし、自動車重量税と物品税とはその税の性格が異なりまして、物品税は一方におきまして便益品という趣旨、あるいは他方におきまして奢侈品という性格に着目して課税しているわけでありまして、そこには身体障害者がお使いになるという場合に、それを免除するということができる性格上のゆとりがあろうかと思います。しかし、自動車重量税の場合には、社会的費用を負担していただくという趣旨でありますから、これは皆さんに一律に負担していただくのが社会的にも公平であろうということでございます。
#175
○岩間正男君 この辺の税の説明があったわけですが、これは何とかならぬものですかな、これに対して厚生省の措置とか、それから運輸省の措置で。というのは、身障者にしてみれば、これはせっかく免許証を取って――そうしてしかもこれは取りたいという人もずいぶんあるわけです。ことに身障者の職業の問題が大きな問題になっているのですから……。自動車というのは足なんですね。だから結局、そういう点から言うと、補装具というようなもので取り扱っています。現在、厚生省。身体障害者福祉法に基づいて、肢体不自由者に対して補装具を無料で、または一部負担で交付、修理している。で、補装具というのは、これは義肢ですか、車いすですか。こういうような場合には、これはいま言ったような方法をとっているわけですが、自動車に対してそういうような方法をとるというようなことは、これはできないのか。たとえば厚生省のこれは予算措置としてやっていけば、いまの税との問題は、一応税は税で、これは大蔵省が取るにしても、その税を今度は厚生省のそういう予算措置としてこれはやっていくというようなことはあり得るわけだね。そういう方法をとれば私は方法があるのじゃないかというように思うのだが、どうなんですか。
#176
○説明員(井手精一郎君) 私どもといたしましては、障害者の方々は自動車を大変有用に利用できる余地が大分多いわけでございまして、したがいまして、その自動車をなるたけ入れやすいようないろいろの措置を考える。たとえば低利長期な融資をいたしますとか、あるいは自動車を障害の程度なりあるいは種別に応じて改造するなりというようなものの援助を実はやっているわけでございます。ただ、先生お話ございました補装具と申しますのは、義手でございますとか、あるいは義足でございますとか、あるいは車いすでございますとかいうような、障害の手足を補う身近に身につけるものというようなことで、実は公費で交付をしているわけでございますが、自動車につきましては、まだそこまで実は考えていないわけでございまして、自動車の維持費その他につきましても、全般的に考えました場合に、所得保障の充実でいくのがいいのか、あるいは個々のそういう問題を取り上げて御援助申し上げるのがいいかというような議論もございますし、少しく検討していかなければいけない問題であろうと思います。ただ、いずれにいたしましても、下肢障害者の方々に対する自動車の有用性ということは私ども十分認識しているわけでございますので、それらの維持費等も含めまして、できるだけ軽減をするような措置をこれから検討してまいりたい、今後とも検討してまいりたい、こういうつもりでいるわけでございます。
#177
○岩間正男君 厚生大臣お見えになっておりませんから、これはまたの機会にしますけれども、これは伝えてくださいね、そういう要望があるし。自動車をこれはやっぱり無料貸与をするということは、これは不可能じゃないようですな。そういうような措置をこれは考えてみてもいいんじゃないか。十分にこれは考えてほしい問題です。義肢のようなものはこれは貸与しているんですな。自動車をもっと拡大すればやっぱり大きな意味でのこれは足なんですね。それで本当の社会復帰ができるように、これはあらゆるそういう援助を行うべきだというふうに私は考えますから、したがって、その問題を、これはいまの税の上ではなかなか体系上めんどうくさいことがあるというような話だが、それを今度は予算措置として考える可能性は十分にあるんじゃないか。
 もう一つ、これと関連しまして運輸大臣にお伺いするんですが、そういう点からいった、こういう社会的要請から考えたら、この車検料のようなものは、どうですか、これは国庫助成すると、この費用は。そういうようなことで検討する必要があると思いますが、この法案の審議の最後に当たって、これについて御考慮いただけませんか。どうですか。
#178
○国務大臣(木村睦男君) 身体障害者の方等に対するいろんな援護の方法として二通り考え方があると思うのです。それはその方たちの個々のいろんな出費あるいは個々の行動について援助するやり方と、全般的に身体障害者だということで援助をするのと二通りありまして、大体筋は、全般的に身体障害者という立場でいろいろ援助するという行き方をとっております。したがって、その問題との絡みもございますし、それから車検等につきましては私も研究してみたいと思います、せっかくの御提案ですから。ただ、身体障害者の方が使われるからといって特殊の車両でないものですから、ですから、その車両は身体障害者の方がしょっちゅう使わなけりゃいかぬ、それ以外の人は使っちゃいかぬということにもなっておりませんし、その辺がちょっといろいろ検討しなけりゃいかぬ点があろうかとも思いますので、とにかく一つの御提案として検討さしていただきます。
#179
○和田春生君 まず最初にお伺いしたいんですが、この改正案として出てきておりますけれども、これらの手数料の最高限度額を事細かに一々法律で決めておかなくてはならない理由は何ですか。
#180
○政府委員(高橋寿夫君) これは私の見解では、戦後の日本国憲法下におきまする各種のこの種の手数料が大体こういう流儀になった時代がございます。ちょうどこの道路運送車両法をつくったころがやはりそういった時代でございまして、事細かいものまでやはり法律で書くんだ、国民から強制的に取り上げるものは法律で書くんだということででき上がってきたわけでございます。その後、幾つかの例によりましては、軽微なものは政令に委任するという立法例も散見されるようでございますけれども、何としても、この現在法律で決められておりますものを政令に委任するというふうに変えるその改正の理由というのは、なかなかやはり法制局などの審議の過程でも相当むずかしい理屈づけがなければいけないということがございまして、このことはまことに先生御指摘のとおり私どもも非常に痛感する問題でございますので、次回の法律改正のときまでに十分検討をいたしまして、せひこの次はそのようなことにさしていただきたいと、こう願望いたしておりますが、今回はそういう基本的な議論を詰めるいとまがございませんでしたので、一応従来の方法によりましてお出しした次第でございます。
#181
○和田春生君 憲法まで持ち出すと話が大変大げさになるわけですがね。特にこの場合は、御承知のように自動車検査登録の特別会計法が設けられておって特別会計になっておるわけです。一般会計からの繰入金は自動車重量税の納付の確認と税額認定に関する事務費である、あとは全部独立採算制になっているわけですね。全国民を対象にする強制的な税金であるとか、あるいは社会保険関係の負担であるとか、特に法律的に必要なものについてはこれは法律で定めるということでもいいと思うんですが、こういうのは原則として、検査をするその費用についてはユーザーあるいは型式指定の場合には製造者がそれぞれ負担する、こういうことなんですから、また車検工場を持っているところはそういうところのそれぞれ関係者が負担するわけなんです。何も最高限度額を法律で決めておく必要はないので、政令に委任をして適当なところでやればよろしいわけだと私は思うんです。もしそれがずいぶん高いものが決められているんなら、国会に国政調査権があるわけですから、これはずいぶんでたらめじゃないかとチェックをすればいいわけでしてね。これ、一々国会でここまで審議をするんじゃなくて、もっと重要な問題がたくさんあるわけですから、そちらにエネルギーを割いた方がいいというふうに私は思うわけです。どうなんでしょうか。その点大臣にちょっとお伺いしたいと思うのです。
#182
○国務大臣(木村睦男君) いみじくも私の考えているとおりのことを御指摘をいただいたわけでございまして、全く同感でございます。今回はいま自動車局長が申しましたようなことで、法律改正でこのままで出しておりますけれども、次回はぜひひとついまの御意見が通りますようにわれわれも必ず努力をいたしますので、委員の皆さんもぜひひとつその線で御協力をいただきたいと思います。
#183
○和田春生君 この件については、たとえばこの手数料の費目を見ても、自動車の型式指定の場合には一万五千円が二十二万円というふうに大変ほかと比べて大幅に広げられている。この理由について以前にお尋ねをいたしましたけれども、結局公害関係その他でいろいろ自動車の設備ですね、性能等について複雑なものが出てくるし、それについていろいろ検定をする、検査をするということについても手間暇かかる、そういう問題も今後社会の進歩いろんな状況の変化に応じて出てくると思うんです。その都度国会にかけなくていいようにやはり適正な金額を決めるというためには、今国会では間に合わなかったということはわかりますが、ぜひそういうふうにして機動的に運用される方が能率的な、行政上非常にプラスになると私どもは考えております。
 それからもう一つは、これと関連してですが、自動車の検査その他についてやはり台数が非常にふえてきておりますし、今後もふえ方は鈍るにしてもどんどん減っていくということはまずない。さらにいろんな関係で手間暇かかる、何もかも政府でやるという形にすると大変高い政府についていくわけです。社会保障とか福祉の面でお金をかけるというなら結構なんですが、こういうふうなことについては将来できるだけもう大幅にというか、どうしても必要なことだけ残しておいて、民間に任せてしまう。そうして民間の行う検査とかそういうものを、国の機関としては適正に行われているかどうかをチェックをすると、そういう形でやはり行政の能率化を図っていくということが必要だと思うわけです。単に手数料の最高額を法律で決めるか決めないかという技術的な問題だけではなくて、今後のこういうような検査体制というか行政の進め方についても、そういうふうな考え方を進めていくことの方が私は望ましい。政府で何もかもやるということは、一見いいように見えて非能率とむだと、またそこまでやらなくてもいいことを政府がしょい込むことになるんではないか、そういう点について運輸大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(木村睦男君) すでに御承知のように、民間車検場、車検の制度をつくりましたのも、実はいまの和田委員の御指摘のような考え方からスタートをいたしたのでございまして、最終的に責任だけは政府がとる。しかし、こういった純粋技術上の行政、こういったものは自由裁量の余地もない問題でございますので、適切な民間機関にその最終的な過程に至るまでの技術的な検査等はやらしておいて差し支えないんではないかという思想から出ておるものでございまして、今後ともこういう考え方はさらに進めていきたいと、かように考えておるわけでございまして、できるだけ行政の手を省いて国の費用も節約するという思想もあわせてこの考え方には含まれておるわけでございます。
#185
○和田春生君 今回の法改正案はきわめて簡単な内容でございますが、いま言ったことについて大臣からも御答弁がありましたが、こういう問題については、法律でわざわざ決めておかなくてもいいものは政令に委任する、業務についても民間に委託して監督をしっかりしていけばいいものはむしろ積極的に進める、そういう形で取り組んでいただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
#186
○委員長(宮崎正義君) 暫時休憩いたします。
   午後四時十六分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト