くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 運輸委員会 第6号
昭和五十年五月八日(木曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     佐藤 信二君     矢野  登君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     佐藤 信二君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     橘  直治君     望月 邦夫君
     宮崎 正雄君     亀井 久興君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                江藤  智君
                岡本  悟君
                亀井 久興君
               久次米健太郎君
                佐藤 信二君
                望月 邦夫君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                杉山善太郎君
                戸田 菊雄君
                前川  旦君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       環境庁大気保全
       局長       春日  斉君
       運輸政務次官  小此木彦三郎君
       運輸省海運局長  薗村 泰彦君
       運輸省自動車局
       長        高橋 寿夫君
       運輸省自動車局
       整備部長     田付 健次君
       運輸省航空局長  中村 大造君
       海上保安庁長官  寺井 久美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○航空法の一部を改正する法律案(第七十一回国
 会内閣提出、第七十五回国会衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
 (マラッカ海峡におけるタンカー衝突事故に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○青木薪次君 道路運送車両法の一部を改正する法律案についてでありますけれども、自動車の登録、検査等に関する手数料の最高限度額を引き上げるという理由について端的にひとつ説明をしてもらいたいと思います。
#4
○政府委員(高橋寿夫君) 御説明申し上げます。
 私ども、全国に陸運事務所あるいはその支所を展開いたしまして、自動車の登録と検査の仕事をいたしております。このために必要な経費は全部登録、検査手数料の収入をもって充てるということにいたしておりまして、特別会計制度の中で運用いたしております。
 それで、最近の情勢から、現在の限度額の中ではこれ以上手数料の改定ができなくなってきております。ところが、昨今の経費の増高の状況から勘案いたしますと、五十年度におきましては、四十九年度に比べまして約五十億円の収入増を図る必要があるということでございます。そのためには、どうしてもここで限度額を改定していただきまして、手数料の政令の改正をするということが必要になったわけでございます。
#5
○青木薪次君 法案に関連するものの中で、許可、認可等の整理に関する法律案では、たとえば気象業務法の第三十三条を改正して気象測器の検定とか型式の証明にかかわる手数料等についていま政令事項にしてしまおうというような動きがあるし、もちろん自動車の登録、検査手数料の場合についても政令事項とするように議論をされたということを、私は確証を持っているわけでありますけれども、そういう討論がされたかどうか、また、どういう考え方でいるのか、その点について聞きたいと思います。
#6
○政府委員(高橋寿夫君) 現在、法律で限度額が決まっております私どものこの登録、検査の手数料の金額でありますけれども、金額的には余り大きい金額であるとは必ずしも言えない。そういうふうなことから、いわゆる物価に与える影響その他等の問題もこれはまあほとんど無視し得るに近いような金額ではないだろうかというふうなことから、この登録、検査手数料につきましても、法律で限度額を決めるという大がかりな仕方ではなくて、法律の面では政令に委任するという形にしていただいて、政令で具体的な額を決めるということでいいではないかというふうなことも私ども立案の過程においては内部で議論いたしました。ところが、いろいろ議論しておりました結果、やはり現在のこのやり方の体制を変えるということは当面やはり問題があるということで、今度の改正につきましては従来どおりの方針で法律の限度額を改正していただくということにしたわけでございますが、将来、ただいまのような問題も含めまして、あるいはこの政令委任ということは次の機会に要すれば検討いたしたい、こういうふうに考えております。
#7
○青木薪次君 この車両法の別表でありまするから、当然、これは国会の審議を経てやっぱり広く国民の世論を背景にして議論することの方が望ましいわけでありますから、それらの点については、私はここで意見としては、あくまでも政令事項とするということについてはこれは間違いだというように考えておりますので、そういう立場に立ってこれからもひとつ検討をしていただきたいということと、今回の手数料改正で、改正前と後との収支関係の見通しを聞きたいわけでありますが、端的に言って今回の改正で何年もつのか、その点に対するひとつ見通しを聞かしていただきたい。
#8
○政府委員(田付健次君) 今回の御審議をいただいております改正をお認めいただきますと、著しい経済的な変動がないといたしますれば数年はもてるという計算でございます。
#9
○青木薪次君 数年ということは何年ですか。
#10
○政府委員(田付健次君) 私どもの現在の見通しでは、五十四年ごろまでいけるという考え方でございます。
#11
○青木薪次君 いま検査場をひとつ何とかつくってもらいたいという声が全国の整備業界等から相当寄せられていると思うんでありますが、何カ所不足しているというように考えておられますか。
#12
○政府委員(田付健次君) 実は、全国で出張車検場といたしまして、私どもが出かけまして検査をしております場所が約二百カ所程度ございます。その中で特に車両数の多く集中している場所あるいは本場の車検場から距離が離れているようなところ等を重点的に取り上げてまいりますと、その中に幾つか拠点的なものが出てまいります。それを、従来、逐次支所という形で駐在の形をとってまいりましたが、現在までに十七カ所ばかり支所化ができております。したがいまして単純な算術計算をいたしますと、その差し引き分、約百七、八十ぐらいのところがいわゆる出張車検場の形になっておりますんですが、今後、これをどのような形でまとめていくかにつきましては、先ほどお話ししました本場車検場からの距離、その地における車両数の集中度合い、その地におきます後背地の様子等を勘案しながら選んでいくことになりますので、逐次、ステップを踏みながら支所化、駐在化等については検討してまいりたい、このように考えております。
#13
○青木薪次君 当然、検査、修繕するわけでありますから、検査基準というものはあるはずですけれども、その上から現行で要員が非常に不足しているということが私のところに寄せられておりますけれども、当局として要員の不足数についてどのように考えていらっしゃるか、何人程度不足していると考えていらっしゃるか、これを聞きたいと思います。
#14
○政府委員(田付健次君) 御指摘のように、検査業務は非常に多様化、高度化してまいりまして、私どもも苦慮いたしておるわけでございますが、過去の自動車の伸びを見ましても約二割近い程度で急速に伸びてまいりましたこと、それから、昨今、排気ガス問題等が発生いたしまして、ガスの審査、検査に非常に業務量がかかるということ、それから欠陥車問題が発生しました後におきましても審査体制の強化等にいろいろな機構強化を行いましたことなど、増員を要する事項が非常にふえてまいりました。
 私どもも、その獲得に努力をしてまいっておるわけでございますが、なおその面だけではございませんで、片方では合理化をしていこうということで、御承知の民間車検の育成をしながら、できるだけ民間の力の活用できる分についてはその面を利用さしていただく、あるいは検査のコースの自動化を図りましてなるべく手間をかけない、しかも科学的に均一にできるという方法で業務の合理化を図ろうというようなことを片面ではいたしまして、逐次、整備をしてまいりました。例年約百名前後の増員を図って現在に至っておりますが、まだまだこれでは十分ではないように思いますので、今後とも、そういう増員の確保あるいは施設の合理化、近代化には努力をしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#15
○青木薪次君 検査場が全国で二百カ所不足している、いま十七カ所支所にしたと、あと百七十ないし百八十カ所足りないというように推定される。要員については大体いま非常に足りない、合理化しても増員を要するという話でありますけれども、道路運送車両法百二条に定める自動車の登録、検査に対する手数料は最高限度が二倍になるんですね。直ちに二倍にはならないというように聞いておりますけれども、たとえ五割アップにいたしましても莫大な収入がふえるわけです。これについて要員と施設は、これは補完されるというように解釈しておりますけれども、そう考えていいかどうか、お伺いしたいと思います。
#16
○政府委員(田付健次君) 実は、先ほど局長から御説明申しましたように、当然、特別会計制度でございますので、要員の人件費を含めた一切の経費をこの手数料で賄うという意味におきましては、手数料アップによりましてそういう経費を賄うということになります。その経費の中には当然施設も入っておりますので、そういう施設を先ほどお話ししたような自動化、強化をすることによって、ある面におきましてはふえていく自然増を押さえているということももちろん言えるわけでございますが、その経費の面と定員の枠の問題とはまた別問題でございますので、定員の増につきましては、別途増員方を努力をしていくということに考えております。
#17
○青木薪次君 一人一日何両が適正だといいますか検査両数だと考えているのか、お伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(田付健次君) 実は、この問題はケースによりましてみんなまちまちでございまして、画一的にこうだと言い切れる数字がございません。したがいまして、その場所、場所といいますか、車検場ごとにその地方のローカルカラーもございますし、車検場内の設備の程度にもよりますので、一概に申し上げることはできない状態でございますが、そのようなことで大ざっぱな数字としてはありますけれども、必ずしもそれが決まった公式の数字であるということにはならないわけでございます。
#19
○青木薪次君 非常に不親切な答弁ですがね、たとえば適正な要員は、私どもの聞いているのは、一日四十五両、いまあなたの言ったことも含めて四十五両と聞いているのです。昨年暮れは静岡県の東部地区において、ピットも何にもないで、四人で二百八十両を消化しているのです。ほとんど車の下へもぐって検査をするというようなことは、私も国鉄の技術者で検査をずっとやってまいりましたが、とうてい不可能です。このことについて、その場所、場所によって違うというようなことなんでありますけれども、たとえばピットがないような場合においては、これは車両の安全を期するためにも、これはノルマが下がるというように解釈しておりますけれども、いかがですか。
#20
○政府委員(田付健次君) いま先生お話しのございました場所につきましては、その後、増員をいたしておりますので、まあ言うなれば増強されたことになっておるわけでございますが、その車検場の設備のいかんによって結果として消化できる能力の差というのは当然出てまいるというふうに考えております。
#21
○青木薪次君 何人に補強されたのですか。
#22
○政府委員(田付健次君) この東部の車検場につきましては、四十九年の十二月から一名ふやしまして、それまでは検査官四名で二百八十両でございましたが、五名になりまして処理をいたしております。
#23
○青木薪次君 四名で二百八十両、五名で二百八十両、これはどれくらい違いますか。あなた現地を知らないと思うのですが、私はよく知っているのです。これも組合闘争の結果、組合で要求して、これじゃとてもやり切れぬというようなことの中で一人ふやしたということでしょう。だからこれが適正な要員と考えておられるのかどうか、お伺いしたい。
#24
○政府委員(田付健次君) もちろんこれが完全な姿になって理想的なものであるというふうには思っておりませんので、逐次増強してまいりたいと思いますが、実は、その周辺の地方での車検の処理の体制の問題もございますので、それらとの関連でなるべく検査のやりやすい形に持っていきたいというふうに考えております。
#25
○青木薪次君 ほとんど外観を検査する程度でも相当な時間がかかるんですよ。ましてや走り装置とか、それからブレーキ装置なんというものになったらこれはとてもこの人員では念入りな安全を保障するような検査はできないと思うんですけれども、その点いかがですか。
#26
○政府委員(田付健次君) 個々のケースを見ますと必ずしも充足し切っているということではないとは思いますが、私どもとしては、先ほどお話し申しましたように、毎回増員の努力をいたしながら車両数の多い地区におきましてはそれを投入して、先生御指摘のような問題の起きないように努力をしておるつもりでございます。また、出張車検場につきましてはまだ国有化ができていないところがほとんどでございます。また必ずしも全部国有化することにはならないかと思いますが、機械化を慫慂するなりいたしまして、なるべく個人差のないような形で時間のかからない能率的な検査ができるような体制に持っていこうという努力もしてまいりました。したがいまして現状においてはまだ先生御指摘のようないろいろな問題があるかもわかりませんが、私どもとしてはそういうことが起きないように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#27
○青木薪次君 いま御案内のように出張車検の場合においては、うちから出勤して列車に一時間ぐらい乗って、それから現地へ行って作業にかかるんですよ。それから五人で二百八十両ですか、これを調べる。はいつくばってそして亀裂の状態からブレーキ装置から各装置の関係を調べるということがあなたできると思いますか。その点はっきり言ってください。
#28
○政府委員(田付健次君) これはその地区での車両数の多寡、それからそこにおきます所要時間、滞在時間といいますか、によりまして変わってまいりますが、かなり両数がふえてまいりますと、その見る程度によっては差が出てくると思いますが、一応、原則的には下回りの重点を検査していただくということで検査官にお願いをいたしておりますので、まずまずそういう点について重大なミスはないというふうに考えております。
#29
○青木薪次君 重大なミスだってあるから言っているんですよ、あるから言っているんです。こういうようないわゆる重点検査というやり方は、これは余り好ましいやり方じゃないんですよ。やっぱり全体を見て、しかも重点的に見るということでなければいけない。こういう非常にフルスピードで走る車両ですから、ひとつこういうピットもない出張先でやっているようなところについては、これは支所をつくるなり車検場をつくるなりという形で処理してもらうようにひとつお願いをしたいと思います。これはいいですね。
#30
○政府委員(田付健次君) 先生御指摘の御心配の点私ども全く同感でございますので、なるべくそのようなことが起こらないようにその地区その地区に応じた施策を講じていきたいと思います。特に、車両数の集中しているような現在の出張では、もうほとんど毎日出張しなければならぬというような程度のところにつきましては、先ほどお話しした駐在化にするか支所にするか、いずれにしてもそういうふうな形で問題が起きないような体制を検討してまいりたい、こういうように思います。
#31
○青木薪次君 運輸大臣指定の認証工場は全国で幾つありますか。
#32
○政府委員(田付健次君) 約七万ございます。
#33
○青木薪次君 その中で書面審査だけでいい場合と、それから車を再検査するところと二カ所ありますね、これはどういう基準をとっていますか。
#34
○政府委員(田付健次君) 先ほどお話しした七万と申しましたのは普通の認証工場、一般の整備工場でございます。これは大臣でございませんで陸運局長が認証いたします。ここで整備いたしました車は、一応、原則的に車検場へ持ってきていただいて検査を受けるということになります。先生いまお話しのありました、再検査とおっしゃいましたが、多分民間車検だと思いますが、これは再びその認証工場の中から腕のある、施設のあるものを選びまして指定をいたしますが、そこで整備をしたものについては一応現車提示をしなくてもよろしいということにしてございますが、その工場は約一万二千ございます。
#35
○青木薪次君 認証工場で検査、修繕した自動車が、いま言った要員不足のためになかなか念入りな検査ができないで重大事故を起こしているというようなこともあるわけです。たとえばブレーキ装置が検査に手抜きがあったというような場合に、このブレーキ装置の緊締力の検査についてはどういうようにやっているんですか、ちょっとお聞きしたいと思いますが。
#36
○政府委員(田付健次君) ごく普通の検査といいますか、標準のあり方といたしましては、ブレーキテスターというテスターがございますので、そのテスターに自動車を乗せまして回転をした後にブレーキを踏ませる。そうすると車輪がとまりましてその反動力が出てまいりますので、その力の大きさをメーターではかりまして、所定値のブレーキホースが出ておればよろしいというブレーキテスターによる検査が一つ。それからピット等がございます場合にはピットから、なければリフト等を使いまして下回りを見たときに、たとえばブレーキホース等のあり方などにつきまして腐食、摩耗等がないかどうか、どっか、たとえば横の金属材料とくっついてて、振動しますとそこが切れてくるというようなことのおそれがないかどうか等の検査をしているのが通常でございます。
#37
○青木薪次君 たとえば、先ほど部長の言われた書面審査だけでいいという指定工場ですね、指定工場だけの責任で検査をしているというような場合に、この間、ブレーキの実は非常に緊締力が弱かったというために、山道で、もうそれこそノーブレーキの状態で走ってひっくり返って転倒してがけの下へ落ちたというような話も実はあったんですけれども、こういうような場合における業者に対する指揮監督というものについてはどうなんですか。
#38
○政府委員(田付健次君) いま先生の挙げられた事案がいわゆる民間車検工場というような形で起きた場合は、その工場が言うなれば検査を代行しているということもありますだけに私どもとして非常に重大な問題でございます。ただ、この因果関係は非常にむずかしゅうございまして、一応指定工場の整備の仕方そのものを私どもとしては十分監督しなければならないし、それに不備があれば当然法に従って処置もしなければなりませんが、一たん整備をしました後使用者に渡りましたときに、往々にして使用者側のいろんなまた使い方の作用がございまして、これの影響も全然ないというわけではございません。したがいまして、その辺どちらに原因があるかという追求はなかなかむずかしい場合が多いのでございますが、指定工場等で、要するに民間車検工場等でやった整備に明らかにミスがあるというような場合には、私どもとしては、当然、その事業者に対して指導をしなければなりません。
#39
○青木薪次君 これは一つの事例でありますけれども、ここで時間の関係でどこまで取り上げていくという時間的余裕がございませんけれども、今後においてこれらの工場に対する指導監督というものは十分やってもらいたい、こう思っています。
 それから、一認証工場当たりの平均工員数がだんだん減少してきて、昭和四十九年で五・二人とますます零細化しているんですね。このような場合は再整備率というのは非常に高くなっていると思いますけれども、この原因はどうお考えになっていますか。
#40
○政府委員(田付健次君) 御指摘のように、実は全体の傾向をマクロに申しますと、やはり一工場当たりの工員数は少しずつ下がってきている傾向がございます。これは一つには自動車そのものの質が非常によくなってきているということもありますので、その面での供給側の体制がそういう零細化していくということになることの原因であろうかと思いますし、それから従来都市部にしかなかった自動車が地方へ分散してそこに非常に増大をしているということから、やはり小さなお店がたくさん地方にできていくということから平均工員数が下がるということもあろうかと思います。ただ、そういうことが直ちに再検率を上げていくということにはすぐには私は結びついていないと思いますが、もしそういうことがあるとすれば、そういう工員の技能の問題であろうかと思いますので、この点は十分教育をしなければならないわけでありますが、私どもとしては、御承知の整備士の技能検定等をやりまして整備士のレベルアップを図っているところでございます。
#41
○青木薪次君 過去十年間の保有車両数はどの程度の増加率を示しているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#42
○政府委員(田付健次君) 昭和四十年度の登録車が約五百万台ございまして、現在、五十年度はまだちょっとあれですが、四十九年度で申しますと、それが約二千七十万台になりますので、約四倍という伸びになっております。
#43
○青木薪次君 これに対する従業員数の増加率について推移を聞きたいと思います。
#44
○政府委員(田付健次君) ちょっと時点が合いませんが、工員数、四十一年におきましては約二十八万人、それが四十九年には三十五万人でございますので、約四分の一増、二割五分ぐらいふえたと思います。
#45
○青木薪次君 自動車整備士の増加率が伸び悩んでいると思うんでありますけれども、これは理由はどういうふうにお考えになっていますか。
#46
○政府委員(田付健次君) 先ほどお話し申しましたように、一つはやはり整備の体制が変わってきまして、人手をかけて整備をするということが非常にむずかしくなってきた、結局省力化機械の導入が非常に行われまして、言うなれば機械化でやるということの作業がふえたことが一つ。それからわりあいに簡単なユニットチェンジをするという傾向がふえてまいりました。これは昔は一生懸命エンジンをばらしまして直したものですが、最近はそういうことを余りいたしませんで、一つのシステムを取りかえるという傾向に変わってきたというようなことなどが原因であろうかと思いますが、そのほかにやはり最近の若者たちの感覚、という言葉がいいのかどうかわかりませんが、余り汚れる職場は存まない傾向も出ておるかと思います。これにつきましては、私どもいろいろ事業の近代化等を通じまして、魅力のある職場にしようということで努力をしておるところでございますが、たとえばそんなようなこともあるいは原因になっているのではないかというふうに想像をいたしております。
#47
○青木薪次君 一般ユーザーにとっては、検査登録手数料の問題よりも、やっぱり整備料金が大きな負担となっている。反面、整備工場それ自体を見てまいりますと、従業員一人当たりの実質工賃の売り上げ高というのですか、がいわゆる横ばいになっておるわけですね。で、これの原因については当局はどう考えていらっしゃるのですか。
#48
○政府委員(田付健次君) ちょっと詳細に分析はしておりませんので大変申しわけありませんが、マクロに申しますと、実は自動車の台数は確かに伸びておりますが、自動車の質そのものは非常に高度化して、言うなれば耐久性のあるものができておりますので、一台の車を平均的にとりました場合の需要が少しずつ下がってきております。言うなれば実質的な整備需要そのものは少しずつ下がっている傾向がありますので、現在そのような傾向を示しているものと考えております。
#49
○青木薪次君 運輸大臣に聞きたいんですけれども、五月初旬の12チャンネルで放送された中で、従来の車両法三条別表を変えて、そしてこの自動車の種別、前に昭和四十年代の初めだったと思うんでありますが、軽を拡張して軽の役割りというものを重要視して、軽の位置づけをしたことがあるんですね。この軽自動車というものは非常に廉価で、しかも道路の幅員をとらないで非常に安直に愛されてきたと思うんでありますが、これが今度は高さと横幅と長さとをまた変えて排気量を三百六十ccを五百五十ccに変える、すなわち軽の上限を上げるというのですかね、そういうようなことが計画をされているというように聞いておりますけれども、これは事実ですか。
#50
○政府委員(高橋寿夫君) お答えします。
 軽自動車は現在三百六十ccでございますけれども、最近、非常に時代の要請で強化してきておりますところの排気ガスの規制、これにクリアするような車をつくるためには現在の三百六十ccでは非常に対応しにくいと、技術的には理由がございます。そういったことで昨年の秋に中公審の答申をいただきました中でも、軽自動車というものは柄は小さいんだけれども、なかなか技術的にはむずかしいので一トン以下の車と同じように扱えないというふうな事情がございまして、現在、一トン以上の車と同じような規制にしている、いわゆる緩めているわけでございます。そういった事情もありまして、現在の三百六十ccでは五十一年度の排気ガスの規制をクリアするためには技術的に不可能な点が出てきております。そこで五十一年度規制に合格するために最小限度必要な排気量の上昇をさせたいというふうに考えているわけでございまして、したがって、このことは軽自動車を大きくするという構想ではなくて、さしあたり必要な排気ガス規制に合格するための最小限度の排気量の増加をいたしたいということで現在検討を進めているところでございます。
#51
○青木薪次君 このことによって、ことしの十月にはまた切りかえる時期も来ると、従来、車を買った人はすぐさまこれを二束三文の下取りにとられて、そうして車を買わなければならぬ、車をチェンジしなければならぬというような事態になると思うのでありますけれども、なおさらいまあの12チャンネルを聞いた人たちから、またまた車の車種を変えて、モデルチェンジをして、車の販売政策に協力しているんじゃないかという声が相当私どものところに寄せられているのでありますけれども、これらの意見についてどう答えようとしていますか。
#52
○政府委員(高橋寿夫君) ただいま御説明申し上げましたことは、これは軽自動車以外の自動車についても同じでございますけれども、新型車あるいはこれから新しくつくる車の問題でございまして、現在使っている車はある一定の時点が来たからといって使えなくなるということではございませんので、軽自動車をお持ちの方も三百六十ccの車をいま買いかえる必要はないわけでございます。
#53
○青木薪次君 このことによって、いま非常に問題になっております窒素酸化物等の関係について、発火点をおくらせて不完全燃焼させるために触媒装置をつくってやるんだと、でパワーは落ちるけれども、しかしこれはやっぱり仕方がないんだというようなことがいま議論をされているわけでありますが、これとの関連の中でやはり私はCOが発生すると、このことによってね、生ガスが出るから、と思うのでありますけれども、環境庁の立場としては、この自動車公害の問題について、これはまた別の機会に私どもは議論したいと思っているのでありますけれども、どういうように考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#54
○政府委員(春日斉君) ただいま高橋局長からのお話もございましたように、軽自動車は法制上あるいは税制上から法定容積――ccでございますが、及び大きさの制約がございまして、設計上相当無理をして車両重量に比較して小さな法定容積のエンジンを積んでおるわけでございます。しかもそれによって所定のパワーを出すためにはエンジンを高回転させておる、こういうことでございます。したがいましてテンモードテストでエンジンの回転数と平均有効圧力から見たCO領域というものがどうしても窒素酸化物濃度の高い個所にくることになりますので、窒素酸化物の排出量が増大する傾向にあるわけでございます。そこで、先ほどのお話にもございましたように、軽自動車のメリットでございます省エネルギーとか、あるいは省スペースとか、あるいは低価格という、こういった長所を殺すことなく、しかも窒素酸化物の排出量をできるだけ少なくするためには、こういったccの最低限度のアップあるいは規格、大きさを大きくするというのは適切な手段だと思います。
 ただ、先生の御指摘のように、窒素酸化物を低減させるといたしますると、逆に一酸化炭素が増加しやすいととはそのとおりなんでございますが、一酸化炭素の排出量の規制値と申しますのは五十年度規制で従来の四十八年度規制の十分の一に近い二・一グラム・パーキロメートルというふうに決まっておるわけでございますから、その範囲内で窒素酸化物も減らしていくということでございますので、私は、そういう意味では、この運輸省のお考えになっておることはまことに適切な問題であろうと考えております。
#55
○青木薪次君 軽の名のもとに三百六十ccが五百五十ccになる、それから幅が十センチふえて、長さが二十センチふえる、それから高さの二メートル以下はそのままということなんでありまするけれども、こういうようなものが法体系がどんどんどんどん変えられていくという問題について一体どういうように考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#56
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもの基本的考え方は、先ほどから御答弁しておりますように、排ガス規制に合格するための最小限度の排気量のアップをしたいということでございます。そこで大型化ということは考えていないわけでありますが、もしもこの際技術的に可能になるならばこれだけはやりたいという点が一、二ございます。
 と申しますのは、従来、軽自動車は非常に小さいために足回りなど――足回りというのは人間の足の方ですけれども、非常に狭苦しいために運転がしにくい、そのことのためにたとえばアクセルとブレーキを一緒に踏んだりするようなことがあったりしたことがあるようでありますので、そういったことを解決するために幾らかゆとりを持たせるということは必要じゃ、ないだろうか、こういうことの改正がもし取り込めるものならば取り込んでいくということで検討しておりますけれども、そのことによって現在の軽自動車というものの性格自体が変わるようなことはしないということでそこは割り切りたいと思っております。
#57
○青木薪次君 いま自動車税とか重量税、取得税が軽の場合には免税になっておりましたね、まあこれ一部にはありますけれども、これが三百六十から五百五十になった時点においてこのことは変えられていくのかどうなのか、考え方によってはこれはもう小型車並みになったんだから、その場合にはこれは税金の問題はまた別だというような解釈というものはあるわけですけれども、その点どうですか。
#58
○政府委員(高橋寿夫君) いま検討しております軽自動車の規格の改正問題は、現在の軽自動車のメリットをそのまま生かしてなるべく小型で省エネルギーで走れるような車にしたい、そのために残念ながら小型であるために操縦性能が悪いとかあるいは排気ガスが規制に合格しないという点があるとすれば、それを直したいということでございますので、したがって小型車という形まで持っていくことは考えておりません。
 そこで、私どもの希望といたしましては、現在の軽自動車が受けておりますところの税制上の恩典等は、新しく規格改正した後におきましても別にそれによってよけい力が出るとかあるいは貨物がたくさん運べるとかいうことはございませんので、担税力等につきましてはいままでと変わらないというふうに考えておりますので、私たちとしては、従来の税制上の問題はそのまま変えないでいきたいということで考えておりますけれども、これはしかし税制当局等との相談もございますので、私どもはそういった形で折衝いたしたいと思っておりますが、結論はまだ出ておりません。
#59
○青木薪次君 私は、先日、イギリスへ行きました。きょうエリザベスが来ておりますけれども、車種はイギリスは絶対に変えたくない、もう十年ぐらいはほとんど変えないという考え方は何かと言ったら、使ってくださる皆さん方に奉仕するという立場だということをはっきり言っているわけですよ。日本の場合におきましてはユーザーの立場に立っていないですね。どんどんどんどんネコの目の変わるように車種が変えられていく、またそのためにいま持っている軽自動車を今度は修繕工場に出したらもう部品がないと言って断られちゃうというようなことはもうその車を買わなければならぬようなことになってしまう、いわゆる販売政策の中に国の政治が組み入れられていくということを当局もしっかりやっぱり考えていかなければいかぬのじゃないかというように私は考えます。
 また、この軽が今度は小型並みになって、そうして軽であるがゆえにいろんな事業をやってきたというものもこの中にあるわけです。こういうものがまた新しく小型なら小型の域に達して、そして新しい新免というような領域にまで発展すると、従来のいろんな中小企業の分野で業界をどうするのかというような問題にも発展すると思うのでありますけれども、その点についてどう考えますか。
#60
○政府委員(高橋寿夫君) 私どもは先生と同じことを考えております。同じことを心配しております。そこで今度の軽自動車の規格改正によりましてそういった周辺の状況が変わらないようにいたしたいと思っております。
 それからなお御指摘ございました、それに籍口してモデルを変え新車を売り込むというようなことは絶対しないように十分指導したいと思っております。
#61
○青木薪次君 車両法で法定されている定期点検整備についてみると、自家用自動車及び軽自動車の六カ月点検の実施率は六二%と聞いておりますけれども、これでよろしいかどうか。
#62
○政府委員(田付健次君) 私どもが自家用車につきまして調査をした結果は、小型の乗用車につきましては、六カ月点検約六一%という数字になっております。
#63
○青木薪次君 それではやっぱり安全性の維持だけでなくて、この排気ガスなどによる大気汚染の必配というものはあると思うんですけれども、その点環境庁はどう考えますか。
#64
○政府委員(春日斉君) 自動車の排ガス規制は四十八年度規制、それから五十年度規制、五十一年度規制と段階を追って強めてまいりました。現在のところ五十年度規制ですら世界で最も厳しい規制でございます。いわんや五十一年度規制という、これは暫定的な規制値でございますが、それになりまするとこれは非常に厳しいものでございますので、私どもはその定期点検整備と申しますものを十分やることによってそれを整備し、大気汚染防止ということに十分これは役立てていきたい、かように考えているわけであります。
#65
○青木薪次君 特に一般整備業界ですね、この整備に対する工賃といいますか、これは協定料金のような立場で決めているのですか、どうですか、その点に対する指導はどうなっていますか。
#66
○政府委員(田付健次君) 整備料金を協定いたしますと公取に問題になります。私どもはそういう公正取引委員会の指導の枠の中で動いておりますので、そのようなことはございません。ただ零細な企業は非常に多うございますので、ほうっておきますと、いわゆるわかりやすい低俗な言葉で言いますと、どんぶり勘定的な料金を取るということになりますと、これまた利用者にとっても非常に迷惑なことになりますので、その点は注意をしているわけでございます。現在、整備料金は政府が認可をするというような性格のものではございません。それが一点。それから先ほどお話しした公取の指導の中で指導いたしておりますのも誤解のないようにしていただきたいと思います。
 それから先ほどお話ししたどんぶり勘定にならないようにということで、実は整備関係の団体がございまして、そこで標準作業時間というものを一応まとめてございます。その作業時間を単位といたしまして御自分の工場の原価をそれに掛けますと自分の工場なりの料金が出てくるという仕組みになろうということで、その標準作業時間というものは作業を中央団体でやっておりますが、これもあくまで標準ということで各工場の料金算定の参考にさせるということでございます。
 それからなお、最終的に利用者との間でいろいろ料金の授受がございますときに非常に料金が高いという印象を与えるおそれもありますので、その点につきましては料金の明細について利用者に誤解のないように指導をいたしておるのが状況でございます。
#67
○青木薪次君 整備料金を協定料金にすると公取にひっかかるというお話でありますけれども、たとえばその地域地域によって床屋さんでもリーゼント型にしたりあるいはまたこのごろはやりのロングヘアにしたりいろんな刈り方があって、またその料金も違うわけですよね。しかし協定料金というようなものはある。これは厚生省がやっぱり中に入っていろんな指導をしているわけです。
 この種の半ば公共料金に近いような料金の場合に、いま私が一番問題にいたしますのは、仕事がないためにディーラーの下請になってそうして工賃をダンピングしているんですよ、そういうようなことが非常に問題を起こしている。先ほど定期点検の整備率が非常に下がっているというお話をしたわけですけれども、確かに車もよくなっていることも認めますけれども、昭和四十八年六月に時間当たり大体の標準値段というものは千六百五十円、それから昭和四十九年の一月に千八百円、また三カ月たった昭和四十九年の四月に二千四百円になっているわけです。しかし、この場合においても非常に付加価値生産性が低いといいますか、そういった立場にいまいるわけです、非常にいまあえいでいるわけですね。
 そういうような中で、私どもは一般のディーラーの立場にも立たなきゃならぬ、あるいはまたこれらの整備業界の皆さんのことも考えてやらなきゃいかぬ、その中でいまの道路運送車両法の改正案がこの問題とは離れた立場で議論されているというように私は考えるわけです。だから運輸省の当局がこの問題について中に入って、非常に零細で困っている人たちのことを考えていくならば、やっぱり適正な料金、そして適切な指導というものがなされた場合に公取にひっかかるなんということはこれはあり得ないと考えますけれども、どう考えておりますか。
#68
○政府委員(高橋寿夫君) 公正取引委員会が心配しておりますのは、恐らく整備を頼んでくる車の持ち主、ユーザーですね、こういう一般のユーザーに対して協定料金等でしてはいけない、利用者保護の点が主だと思います。ところが、そのことが裏目に出まして、力の強いディーラーなんかから買いたたかれるということがあったんではこれは何にもなりませんので、そこは十分零細整備業者の健全な育成という点を中心にして行政をしていきたいと思っております。
 そこで、現在、構造改善計画も進めておりますし、それらの受け入れ母体といたしまして運輸省の中では珍しい商工組合連合会というものをつくりましてかなり強力な自主的な管理組織をつくらしております。そこで私どもが公取にひっかかるようなおそれのあるそういう協定料金等をあらわにやらせるということではなくして、商工組合組織の中の自主的な管理手段といたしまして、自分たちの利益を守る、健全な経営を守るということをやっていくようにという点については十分きめの細かい指導をいたしていきたい、こういうふうに考えております。
#69
○青木薪次君 この問題については、最後に運輸大臣にお聞きしたいと思うんでありますが、国会の審議をやはり遠ざかる傾向というものが非常に出てきたと私は思うんです。たとえば、国会は立法府でありますけれども、政府が閣議の決定において政令をどんどん出す、また各省は省令でもっていろんな重大なことがどんどん処理されていくというような問題等について、私は、やっぱりできるだけ道路運送車両法の改正等の問題やあるいはまたこれに基づく別表の改正等については、これはやっぱり運輸委員会、国会の審議を経なければ変えるべきでない。すなわち、いまよりも国民に背を向けた形の中で問題を処理されていくということについては好ましくないと考えております.けれども、その点について大臣はどう考えておられますか。
#70
○国務大臣(木村睦男君) こういった問題をどの程度まで法律事項とするか、あるいは法律の委任を受けます政令ないしは省令に移すかという問題についてはいろいろ御議論があろうかと思います。
 現状を見ましても、この程度の料金といったようなものは、あるものについては法律事項――本法は法律で決まっておりますが、他のものでは政令というふうに、統一された形になっていないのが現状でございます。したがって物の重要性によりましてこれはどうしても法律によって改廃をすべき問題であるものと、そこまで重要視しなくて法律の委任を受けて政令でもよろしいというものとあろうかと思いますが、従来、車両検査登録料金というのは法律事項になっておるわけでございます。しかし経済情勢がどんどん変わってまいります中におきましては、しょっちゅう料金等の改正の必要も出てくる、そういう場合に、その都度法律事項として国会の御審議を経て改廃をするのが実情に合うか、あるいは法律によって一括的に政令に委任を受けてやることが実情に合うかということは、その時代時代の背景等もよく考えて政府としては処理しなければならないと考えておるわけでございます。
 この問題につきまして、当初自動車局長から青木先生の御質問にもお答え申し上げましたように、今回、この検査登録料金の幅を変更するのにつきまして、従来の法律でいくか、あるいはこの際政令にゆだねてもらうかということも議論としては出たんでございますけれども、この際は、従来のこの形で法律改正でお願いしようということになったんでございます。したがって今後の問題といたしましては、その時代時代の情勢等を見まして処理をしていきたいと考えておるわけでございます。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(宮崎正義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、橘直治君及び宮崎正雄君が委員を辞任され、その補欠として望月邦夫君及び亀井久興君が選任されました。
    ―――――――――――――
#72
○委員長(宮崎正義君) ほかに発言もないようですので、質疑は終局をしたものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(宮崎正義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#75
○委員長(宮崎正義君) 航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。木村運輸大臣。
#76
○国務大臣(木村睦男君) ただいま議題となりました航空法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 最近、わが国におきましても、航空機の大型化及び高速化が急激に進み、かつ、航空交通量も著しく増大しております。このような状況のもとにおいて、昭和四十六年七月の全日本空輸の航空機と自衛隊の航空機との衝突事故に引き続き、昭和四十七年の日本航空の航空機による一連の航空事故が発生し、多くの犠牲者を出しましたことは、まことに遺憾であります。政府といたしましては、こうした事故の再発を防止するため各般の航空安全対策を講じ、最大の努力を払ってまいりたいと考えます。
 御承知のとおり、航空法は、航空の安全と秩序を維持するための基本法でありますが、昭和三十五年の改正以来その本格的な改正が行われないまま現在に至っております。したがって、近年の情勢変化に対応した航空安全対策を実施するためには、法制上不備な点が少なくありません。
 このため、昭和四十六年、民間の学識経験者を含む航空法制改正検討委員会を設置し、航空法制について検討を進めてまいりましたが、航空機の衝突事故を防止するためには、航空法の規定する各分野のうち航空機の運航方法に関する規制を強化し、航空機に装備すべき装置の範囲を拡大する等航空交通に関するルールの整備を図る必要があるとの結論を得た次第であります。
 また、最近の航空機のジェット化により飛行場周辺における航空機騒音は、大きな公害問題となっておりますが、国際民間航空条約において、航空機の騒音の排出規制に関する制度が新設されておりますので、わが国においても、同条約の趣旨に従って、航空機の騒音をできるだけ減少させるため、新たに騒音基準適合証明制度を設ける必要があります。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することといたした次第であります。
 次に、改正案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず第一に、航空機の衝突事故を防止するため、航空機の高度変更の禁止、速度の制限等一般の航空機が遵守すべき飛行のルールを定め、操縦練習飛行、超音速飛行、姿勢を頻繁に変更する飛行等の特殊な飛行、及びロケットの打ち上げ等の危険な行為を一般の航空機の飛行する空域から排除するなど、航空交通管制を行う空域における運航に関する規制を強化することといたしております。
 第二に、航空機の操縦者の見張り義務を明確化して、航空交通管制を受けている航行であるとないとにかかわらず、操縦者は見張りをしなければならないことを規定するとともに、航空機の異常接近が発生した場合の報告義務につきまして規定することといたしております。
 第三に、航空交通管制用自動応答装置、気象レーダー、飛行記録装置等につきまして、新たに一定の航空機に装備することを義務づけるとともに、従来義務づけられていた無線電話につきまして対象航空機の範囲を拡大することといたしております。
 第四に、自衛隊の使用する航空機につきまして、航空交通管制が行われる空域における操縦練習飛行の禁止に関する規定を今後適用することとしたのを初め、第一から第三までに述べました規制を、原則として自衛隊の使用する航空機につきましても適用することといたしております。
 第五に、航空機の操縦練習の監督につきまして規定を整備することといたしております。
 第六に、一定の航空機は、運輸大臣が騒音について検査して行う騒音基準適合証明を受けているものでなければ、原則として航空の用に供してはならないことといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願いいたします。
#77
○委員長(宮崎正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#78
○委員長(宮崎正義君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○青木薪次君 四月の十七日の二十三時、これ日本時間で十八日の零時三十分過ぎですがね、シンガポールの南西のセント・ジョーンズ島の海上で、共栄タンカーがチャーターしておりますととろの日本郵船所属の土佐丸七万三千八百二十四重量トンとリベリア籍のタンカーのカクタス・クイーン号十五万二千トンが衝突いたしました。土佐丸は真っ二つになって炎上して沈没した事故について、事故の原因と責任の所在について簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#80
○政府委員(薗村泰彦君) いま先生からお話がございましたように、去る四月十七日、日本郵船のタンカー土佐丸七万三千八百二十四重量トンが原油積み取りのためにペルシャ湾に向け航行中、同日二十二時四十分、これは現地時間でございますが、原油を積載してペルシャ湾より日本に向け航行中のリベリア籍タンカー、十五万二千三十五重量トンとシンガポール沖セントジョーンズ島南方約一マイルの地点において衝突し、土佐丸は右舷四番タンクから爆発、炎上、翌十八日昼過ぎ沈没しました。カクタス・クイーン号は船首に損傷を受けましたが、自力航行が可能でございました。事故の際に土佐丸の燃料の一部が付近の海域に流出いたしましたが、シンガポール港湾当局が油濁防除作業を行った結果、十九日午前には作業を完了いたしました。
 沈没した土佐丸は、現地サルベージ会社が解体して撤去する方向で現在検討中でございます。
 カクタス・クイーン号は四月十八日にシンガポールを出航いたしまして、沖繩において積み荷原油を荷上げした後、五月五日修理のため日立造船因島に到着をいたしまして、九日にドッグ入りをする予定でございます。
 シンガポール政府は、四月の十九日に、カクタス・クイーン号が許可なくシンガポールを出航したことに対して非難の声明を発表いたしまして、リベリア政府が船長に対して適切な措置をとるように要求をいたしました。
 以上のとおりでございます。
 この事故は、シンガポール海域内に起こった事故でございますので、事故原因の究明については、シンガポール政府が引き続き行うということでございまして、事故の原因は、現在のところ、定かになっておりません。
#81
○青木薪次君 三カ月前の祥和丸の事故の原因と責任について、明確になっていたら簡単に教えてもらいたいと思います。
#82
○政府委員(寺井久美君) 御指摘の祥和丸の事故につきましては、目下調査中でございまして、最終的な結論はまだ出ておりません。
#83
○青木薪次君 新聞によりますと、船長の責任で、これは操船ミスだということが書いてありましたけれども、これはどうですか。
#84
○政府委員(寺井久美君) そのように新聞等で報道されておりますのは事実でございますが、私どもが調査をいたしまして、まだ最終的に結論を出しておりません。事実であるかどうかという点につきましては、答弁を御容赦をお願いしたいと思います。
#85
○青木薪次君 三カ月たたないうちにこのような重大な事故が発生したというところに問題が非常に重要性を帯びていると思うのでありますが、今回のカクタス・クイーン号の船舶の所有者と、それから資本構成なり設立年月日についてお聞きしたい。
#86
○政府委員(薗村泰彦君) カクタス・クイーン号の所有者はリベリアのカクタス・クイーンタンカー会社の所有に係りますものでございますが、このカクタス・クイーン・タンカー会社は四十七年の八月に設立をされまして、株主は――株主と申しますか、出資は日本の日本鉱業が千五百万円、日正汽船が千五百万円、それから社長は日正汽船の社長である松島氏がカクタス・クイーン・タンカーの会社の社長を兼ねている。この船はノルウェー船でございましたが、日本鉱業の油を運ぶために日本鉱業が用船をしておった船でございますが、四十七年の八月ごろにノルウェーの方が日本に船を買ってほしいということを申し出てまいりましたので、リベリアに籍を置いた会社の手によってノルウェー船を引き取って、その会社によって運営をしているという実態でございます。
#87
○青木薪次君 マラッカ・シンガポール海峡における最近までのタンカーの事故例についてお聞きしたいと思います。
#88
○政府委員(薗村泰彦君) 日本船関係で申しますと、一九六九年に祥和丸がベツレヘム号と衝突かして沈没した事件がございます。それから一九七一年の十一月には照国丸が船底接触を起こしました。それから一九七二年の五月には明原丸がプロスペリティー号と衝突をいたしました。一九七二年十月には月興丸が船底接触を起こしました。一九七二年の十一月にはリオデジャネイロ丸が船底接触を起こしました。一九七二年の十二月には昭延丸と協隆丸とが衝突をいたしました。一九七三年一月には昭和丸が船底接触を起こしました。同じ月に幾洋丸が船底接触を起こしました。それから一九七三年の二月にオリオン丸が船底接触を起こしました。それから一九七四年十月には日興丸がベルデクイーン号と衝突をいたしました。それから一九七四年十二月には海燕丸が船底接触を起こしました。それから一九七五年一月に祥和丸が船底接触を起こしました。それから同じ月に日本船の五十鈴川丸がシルバーパレス号と衝突をいたしました。それから今回の一九七五年の四月に土佐丸がカクタス・クイーン号と衝突をいたしました。
#89
○青木薪次君 マラッカ・シンガポール海峡における通過船舶隻数について、一カ月間大体どれくらい通るか教えてください。
#90
○政府委員(薗村泰彦君) マラッカ・シンガポール海峡におけるタンカーの通航量につきましては、国際タンカー船主汚染防止連盟の調査によりますと、一九七三年には年間約四千三百隻のタンカーが通航した。一方、わが国の海運会社が運航するタンカーの運航実績報告に基づく推計によりますと、一九七三年中のわが国のタンカーの通航量は約千七百隻、わが国の海運会社が用船した外国籍のタンカーが約五百隻、合計二千二百隻と思われます。これは全体の通航量の約五一%を占めていると思われます。
#91
○青木薪次君 大型船舶と言いますけれども、この場合にタンカーの場合と一般の貨物船の場合に分けて、どれくらいから大型船と言えるのかどうか教えてください。
#92
○政府委員(薗村泰彦君) タンカーでは二十万トン以上、それから鉄鉱石船では十万トン以上を巨大タンカー並びに鉄鉱石専用船と大体考えてよろしいと思います。
#93
○青木薪次君 日本船舶保険連盟で支払った保険支払い額と被害額と事故件数について、ここ最近二、三年のものをちょっと教えてもらいたい。
#94
○政府委員(薗村泰彦君) 日本のPI保険の実情につきましては、いま実は手元にあるかと思うのですが、ちょっといますぐお答えの用意ができませんので、もしできましたらあとで資料として出させていただきたいと思います。
#95
○青木薪次君 あとで出してください。
 便宜置籍船は、日本全体でその隻数についてどれくらいですか。
#96
○政府委員(薗村泰彦君) 日本の海運が便宜置籍船、特にリベリア籍、パナマ籍の船をどれくらい用船しているかということにつきましては、大体日本の船会社が支配をしております船腹で申しますと、六割が自社船でございます。残り四割が外国用船によっておりますが、その四割の外国用船のうちでリベリア、パナマの船籍の船が占めているのは六割でございますので、日本の船会社が支配している船腹のうちの二四、五%がリベリア、パナマ籍の船でございます。
#97
○青木薪次君 世界の船腹量に占める割合についてはどうですか。
#98
○政府委員(薗村泰彦君) 世界の船腹量のうちでリベリア籍というものが一番多うございまして、大体二一%、六千六百万トンぐらいの船をリベリアが占めておるということでございます。
#99
○青木薪次君 三光汽船の河本通産大臣が、用船の問題で大変な問題になっていることは御存じのとおりだと思うのでありますが、三光汽船株式会社の保有船腹について、邦船と仕組み船と単純用船について、隻数並びにトン数についてお伺いしたいと思います。
#100
○政府委員(薗村泰彦君) 三光汽船の保有船腹につきましては、隻数で申しまして百七十三隻でございます。そのうち四十一隻、グロトンで申しまして二百二十万トンが社船でございます。それから用船関係は百三十二隻ございます。トン数で申しまして四百三十六万総トンでございます。そのうち邦船から用船をしているものが七隻、それから仕組み船関係が七十五隻、単純用船が五十隻。それからトン数で申しますと、邦船から用船をしている七隻の分が二十二万総トン、仕組み船の七十五隻の分が二百九十六万トン、単純用船の五十隻の分が百十七万トンでございます。したがいまして、隻数で申しまして社船が二三・七%、残り七六・三%が用船関係。それからトン数で申しますと、三三・六%が社船で、六六・四%が用船という関係になっております。
#101
○青木薪次君 便宜置籍船とか、それから外国用船と言われる種類のものですね、これらのものに対する利害の関係なんでありますけれども、利点としてはどういう点が挙げられるんですか。
#102
○政府委員(薗村泰彦君) 便宜置籍船は、一般にリベリアの国の中で税金関係の面での特色がございます。税金は、リベリアでは最初の登録料と、それから毎年の登録更新料というものが取られておりますが、事業収益に関する課税というものが行われていないというのが実態でございます。ただ、これはリベリアで行われていないのでありますけれども、わが国でそういった用船関係で収益を得たという場合には、わが国の船会社としては、これは当然税金がわが国でかかってくるという関係はございます。
 それから第二番目に、運航経費面における特色がございます。これは多くの先進国は自国船員を乗せるということに労働協約等によってなっておりますけれども、便宜置籍国ではこういった制約がございませんので、賃金の低廉な外国船員を乗せるということで、船舶経費の低減が図られるということがございます。
#103
○青木薪次君 運航経費と言われれば、たとえば人件費とか油とかですね、そのほか船の修繕費とかいろいろあると思うのでありますけれども、特に私どもが一番問題にしなければならぬのは、日本やイギリスや先進国と言われる国の三分の一以下の労働賃金で外国の人が働かされているという点について、私どもはこれが公害問題、特に海上汚染、あるいはまたその他一般的な安全の問題等について非常にもとっていると思うんでありますけれども、この点についてどう考えますか。
#104
○政府委員(薗村泰彦君) この便宜置籍船を、私どもは全部日本の貿易物資、経済活動に必要な物資を日本船で運べるということであればいいのですが、どうしてもやはり日本船舶だけでは足りないという場合に、外国用船に頼らざるを得ない。そういたしますと、世界の船腹量のうちで二一%を占めているような、そういった便宜置籍国の船をどうしても雇わざるを得ないという実情にございます。ただ、先生御指摘のように、便宜置籍船がわが国の近海へ来て事故を起こすというようなことがあっては困りますので、その点について安全上の問題をどう考えていくかということが当然必要になってまいります。
 まず、便宜置籍国船の船舶の構造設備等の安全につきましては、これはリベリア、パナマ等の便宜置籍国も、海上における人命の安全のための国際条約――SOLAS条約と申しますか、その条約、それから国際満載喫水線条約のこの二条約には加盟をしておりまして、それに基づく安全証書をその国で発行しているという点では、一般の船舶と異なるものではございません。それから、それぞれ日本の船級協会でありますとか、あるいは外国の船級協会で検査を受けまして、その検査に基づく安全性を確認した検査証書――船級証書を持っているということが実情でございます。それから、乗組員の海技の資格の点では国際的な取り決めがない、各国の試験にゆだねられているのが実情でございますが、現在IMCOの訓練当直基準小委員会において、当直士官の資格要件について統一的な基準づくりが行われているということでございますので、わが国としても、この委員会の審議を積極的に推進することとしております。
 なお、安全航行の面で一番問題なのは、わが国の沿岸に参りましたときの海難防止の点でございます。これはここに海上保安庁長官も来ておりますが、便宜置籍船を含め外国の船につきましては、一般にわが国の近海に来た場合に海象、気象にふなれな場合が多いものですから、交通ルール等の周知徹底方を図りまして、その英文の資料を配付して海難の防止に努めるとともに、船腹交通のふくそうしたところには巡視船艇による航法の指導、それから違反船の取り締まりということを行っているほか、できるだけ必要な場合には水先人を乗船させるように勧奨しているということでございます。
#105
○青木薪次君 海上保安庁長官に聞きたいのでありますが、海洋汚染の現状ですね、確認件数は横ばいだということを聞いているのでありますけれども、確認しているものと、それからしておらない、これらの点に分けて説明してもらいたいと思います。
#106
○政府委員(寺井久美君) 先生御指摘のように、わが国沿岸の海洋汚染発生件数と申しますか、当庁で確認いたしましたものは、この数年大体二千件程度で横ばいに推移いたしております。そのうち船舶による汚染件数というのが四十九年の場合は千二百十四件ございました。御参考までに申し上げますと、この千二百十四件のうち外国船舶によるものが三百六十六件、大体三〇%程度でございまして、この部分だけを四十八年度に比較いたしますと二十九件ほど増加いたしております。
#107
○青木薪次君 便宜置籍船というようなものについては、私はやっぱりとられるべきでない、この安全の点から言っても、モラルの点から言っても、非常に問題が起きていると私は思うんでありますが、これをたとえば、OECDといったような舞台において各国の持っているいまのこの問題に対処する方針について、説明してもらいたいと思います。
  〔委員長退席、理事三木忠雄君着席〕
#108
○政府委員(薗村泰彦君) 便宜置籍船の問題については、OECDでいろいろ研究調査がなされておりまして、先ほど申し上げました、当直士官の資格を研究するというようなことも一つでございます。そのほかに、先ほども申し述べましたような、経済的利益が国際競争条件に与える影響でありますとか、御指摘のあった便宜置籍船の安全問題について研究が引き続いて行われておりますので、わが国も当然主要な海運国としてこの研究に参加しているということでございます。ただ、わが国の立場を申しましても、先ほどは日本の船会社で雇っている船の内訳に二四、五%の便宜置籍船があるということを申し上げましたが、輸出入全体の動きといたしましても、御承知のとおり、日本船で日本向けの物資を全部運ぶということができないのが現状でございまして、輸出入を通じまして、日本船の積み取り比率が四二%にすぎないという現状でございまして、残り六〇%近くのものはどうしても外国用船に頼らざるを得ないという実情でございますが、その中で約二五%の輸出入物資が便宜置籍船によって運ばざるを得ない、それでなければわが国の貿易物資の円滑な輸送はできない現状であるということでございます。
 便宜置籍船の問題については、OECDの場で各国共同して研究が行われております。したがって、わが国が仮に便宜置籍船を雇わないというようなことは、これは実はOECDの自由化コードに触れるというような点で、先進海運国としてはとることができない点でございますが、仮にわが国の海運企業が便宜置籍船を用船することをコントロールするというような場合がありましたら、逆に外国の船会社あるいは日本の荷主等によって便宜置籍船を雇ってくるという傾向を増大させるだけであって、やはり便宜置籍船の問題は、世界各国の国際的な合意に基づいてやらなければこの問題は解決しないということが考えられるわけでございます。先進国のうちで、この便宜置籍船に対して特別の規制を行うというようなことを現に行っている国はございません。
#109
○青木薪次君 マラッカ・シンガポール海峡での日本タンカーの事故は、ことしに入って三度目なんですね。運輸省としては日本船主協会に対して、同協会の通航安全対策を指示いたしましたし、前の委員会におきましても、祥和丸の座礁事故のときに私も太平洋海運の専務に強く要望いたしましたし、全日海の皆さん方の御意見も聞きました。今日、沿岸三国と日本との間に安全通航問題等について論議をし、あるいはまた海洋調査等についても行われているやに聞いておりますけれども、その後の経過について聞きたいと思います。
#110
○政府委員(薗村泰彦君) 大型タンカーの安全対策につきましては、先生からいまお話をいただきましたように、私どもは日本の船主協会に対して、本年一月祥和丸事故発生のときに、安全対策の徹底的な再検討と検討結果の確実な実施を指示いたしまして、三月の二十六日付で、当面、狭水道及び船腹ふくそう海域におけるスピードダウン、見張りの強化、乗組員の訓練等の諸対策を講ずるという回答を得たところでございますが、さらに重ねて四月に土佐丸、カクタス・クイーン号の事故が発生したことにかんがみまして、再度日本船主協会に対しまして、夜間航行の極力回避及び見張りの強化等について注意を喚起いたしますとともに、日本の船会社と用船関係等にある外国船に対しましても、たとえば先ほど御説明をいたしましたカクタス・クイーン号のような船につきましては、日本船と同様な安全対策について相手方に協力を求めるということで指示をいたしました。
 なお、マラッカ・シンガポール海峡におきます安全対策について、関係三国の間では、二月十八日に三国の外相会議が行われまして、当面航行分離方式をできるだけ早くやろうじゃないかというようなお話し合いをいただいたということを、私どもは共同声明で承知しておるのでございます。特にこの航行分離方式については、数年前に日本が、実はこのマラッカ・シンガポール海峡について航行分離方式をやってもらいたいという意思をIMCOの場で表明をいたしました経緯がございます。その当時、実はまだ海図自身が不備ではないかというようなIMCOからの御指摘がありまして、その後、日本が協力をいたしまして、三国の手で予備調査を含め本年の春に至りますまで四次の調査を行いました。合計五次の調査を行いまして、実はその調査の終了のときが、再び不幸な土佐丸の事件が起こったというようなこととたまたま一致するような時点でございましたが、いずれにいたしましても、海図の調査につきましては、完全にでき上がったということでございますので、その調査をもとにして、三国の手で航行分離帯を設ける等の措置が行われるという運びになると思います。
 私どもも、実は事故を今後なくしていくということの方法には、航行分離方式というものの採用は非常にいいことであるということを思っておりますので、
  〔理事三木忠雄君退席委員長着席〕
共同声明によりますと、専門家の手によってよく検討をした上でそういう方式を確立する、またそのときには、関係海運国の利害もよく考えてやるというようなことが共同声明で発表されておりますので、ぜひその線に沿って通航分離方式が確立されるということ、それを当然国際会議の場で利害関係国が合議をした上で実施に移す段階では、日本船はその方式に従って事故の絶滅を期していくという方針に考えておる次第でございます。
#111
○青木薪次君 領海の範囲についての議論があるわけでありますが、三海里と十二海里という説があります。この関係の中で沿岸三国の反応についてお聞きしたいし、日本の態度について聞きたいと思います。
#112
○政府委員(薗村泰彦君) 御指摘のように、領海の説について、三海里とそれから十二海里という両説がございまして、現在ジュネーブの海洋法会議においてそういう点が論議されておるというのは御承知のとおりでございます。いずれにしましても三海里というのは大勢ではないというふうに世界の傾向としてなるということがうかがわれるわけでございますが、仮に十二海里ということになりますと、この国際海峡はすべて領海の中に入ってしまうということでございます。したがって、国際海峡の通航につきましては、海運の立場から申しますと、公海における自由通航というものをそのまま認めていただきたいというのが、海洋自由の原則を昔からとってきました海運の考え方としては当然でございます。しかし、一方領海ということになりますと、自由通航ではなくて無害通航という権利しか与えられないという主張もございます。
 そこで、その帰趨がどういうことになるかというのは、現在海洋法会議の論点でございますけれども、私どもはできるだけ自由通航ということを望むわけでございますけれども、その海峡を通航いたすときに、安全のためのある種のルールが行われるということについては、これは安全のためであれば、私どもはむしろそういうルールに従った方がいいのではないかということを考えております。したがって、先ほど申し上げました通航分離方式というようなものも、仮にその海洋法会議の結論が出なくて、そういった一環ではございませんとしても、そういった安全のためのルールが行われるということについては私どもは賛成をして、そのルールを守っていきたいというふうに考えております。
#113
○青木薪次君 日本の当局もそうでありますけれども、船主協会が、オイルロードはマラッカ・シンガポール海峡以外にないと断定をしているところに私は実は問題があると思うんですよ。で、沿岸三国の対応の仕方も実はあるでありましょうけれども、ここの現状というものは、たとえばカクタス・クイーン号と土佐丸との衝突の問題についてもいろんな説があるし、土佐丸はこのクイーン号の方が悪いと言うし、クイーン号は土佐丸の方が悪いと。いま非常に問題になっておりますのは、土佐丸の右舷にこのクイーン号が衝突しているということを考えてみると、これに対する海運局として、どう考えてこの問題に対処しておられるのか、その辺の状況を知りたいと思います。
#114
○政府委員(薗村泰彦君) 事故の原因につきましては、シンガポール領海の中の出来事でございますので、その調査の結果を待たなければいけないと思います。それからマラッカ・シンガポール海峡の通航につきましては、やはり関係三国のこれは関係する地域でございまして、私どもの日本側から簡単に、通るとか通らないとかいうことを一方的なことで申し上げるわけにはいかぬと思います。そういった国際関係をよく踏まえながら、われわれとしてはシンガポール・マラッカ海峡の通航をどうするかということを考えていかなければならぬと思います。
 で、ほかに適当なルートが実はロンボク・マカッサル海峡にあるというような御指摘もございますが、実はロンボク・マカッサル海峡の水路測量というのは余り厳格に行われていない実情でございまして、非常に海図も不備なものが、かなり前につくられたものがあるということでございまして、いまそれを全面的に信用して、その安全性を日本が主導権をとってどうこうというようなことを言えない。あくまでもロンボク・マカッサルは、これはインドネシアの群島理論で言いますと領海に入るのかもわかりません。マラッカ・シンガポール海峡は、もちろん先ほど申しました三国の関係がございます。そういった国際環境を踏まえながら、わが方のとるべき態度をよく考えていかなければいかぬということでございます。
#115
○青木薪次君 前の委員会で私は、全日海の皆さんも言っておられましたけれども、このロンボク・マカッサルの方を回ることによって千分の六ですか、経費が非常にかかるという問題について、この現地の海路調査やその他をしないで、今日ただだめだ、だめだという点が採算の点から議論されているように私は受け取れてならない。で、この関係について私が申し上げましたのは、マラッカ・シンガポール海峡沿岸三国の対応の仕方というものは非常に種々さまざまでありましょうけれども、日本のいまの対応の仕方では、非常に日本はイエローヤンキーだとか、エコノミックアニマルとかというようなことをこの辺の皆さんが盛んに言っているという現状から考えて、採算だけを考えてロンボクを回らないのではないのかというような議論というものは、これは相当大きい議論として一つあるわけです。
 そういうことを考えてみると、こちらの方のロンボク・マカッサルの方を回らなければいけないというような前提に立った対応の仕方というものが一つはやっぱり必要じゃないかということと同時に、いま東南アジアはだんだんと、カンプチア連合政府ができました、あるいはまたベトナム革命政府ができましたこういう中で、日本との関係等についてもやっぱり相当政治、経済の情勢の変化というものも実は私はこれから起きてくると断定できると思います。そういう中に対応いたしまして、ただ、このマラッカ・シンガポール海峡だけがオイルロードだと、日本の生命線だというように思っているところに私は非常に問題点があると思うのでありますけれども、この点についてどういう……、運輸大臣に聞きたい。
#116
○国務大臣(木村睦男君) いま世界の海運は、御承知のように、完全な自由競争に立っておるわけでございます。その自由競争の上に立って産油国からの油も運ばれるという実態であるわけでございます。自由競争の海運事業というものを前提にして考えますときに、また産油国から油を、輸送、流通経費も含めてできるだけ安く買うというこの関係から言いましても、輸送費はできるだけ安い方がいいということは申すまでもないことでございます。そういうことから言いますというと、やはり産油国から日本への油の輸送というものは、シンガポール・マラッカ海峡を経由することが一番最短距離にもなりますので、経済性はそれが有利であるということも当然のことであるわけでございます。
 それと同時に、ただいま海運局長が申しましたように、シンガポール・マラッカ海峡を囲む三国のいろんな現実の利害関係というものもあるわけでございますので、それらいろんなことを勘案してみます場合に、日本の海運だけシンガポール・マラッカ海峡を通っちゃいけないというふうなことに仮になったと、そういう措置をとったと、こういたしますというと、勢い回るところはロンボク海峡なり、あるいはもっと迂回ということになると思います。そうすると、日本で消費する油の価格はそれだけ上がってくるということも言えるわけでございます。そうすると、油を買う方にいたしますれば、できるだけ安い油ということになりますというと、海運自由という関係から、あるいは外国船に運ばして、自国船でない外国船に運ばしてシンガポール海峡を通せば安くなるというふうなことも起こってくる。
 いろんなことを考えてみますというと、なかなかこれ、日本だけの考え方でもって物事を律しておるというと、かえってマイナスの面が出てくる場合もあると思います。しかし、すでにたびたび事故を起こしておりますあの狭隘なマラッカ海峡でございますから、これに対しては、日本政府といたしましてはもちろんでございますけれども、安全輸送の自衛上、海運会社そのものも十分に配慮しなければならないと思っております。現在でも四十万トン以上の船はたしかロンボク海峡を回るようにという指導をいたしまして、大体それを守っておるやに私は聞いております。まあそういうふうな状況下にございますので、いたずらに経済性であるとか、あるいはもうけるためにのみという観点に立ってこれを指導し、行政をやるということはもちろん避けなければなりませんけれども、やはり基本的には、海運の自由という、その世界海運の自由という原則の上に立って考えませんと、当局が所期した効果が、とった措置によって効果があらわれない場合もある、非常にその辺がむずかしいところであるわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、狭隘な水路を通って、そうして事故勃発の可能性のあるところを危険を冒してやらすということは、これは極力避けなければならないことでございますので、われわれといたしましては、ちょうどマラッカ海峡の水路調査の結果も出まして、これからあすこを通る場合には安全輸送の、かなり安全輸送ができるような措置を今後講じていくことができますし、また一方、ロンボク海峡につきましても、五月から九月を目途にわが国とインドネシアとの協力のもとに水路測量もやっておりまして、実はこの海峡も必ずしもいま安全であるとも考えられません。したがって、ロンボク海峡につきましても、水路測量の結果を待ちまして、やはり政府といたしまして、あるいは海運会社といたしましても、安全輸送が結局自分の利益に帰することでございますので、そういう観点に立って最も確実に、安全に航行でき、しかも自由競争下における世界海運の現状に適合した政策をとって行政指導をやっていかなければならない、まあかように考えておるような次第でございます。
#117
○青木薪次君 マラッカ・シンガポール海峡の事故の問題については、これからもまた引き続いていろいろ議論する段階があると思いますので、私はこの問題は一応本日はこれでやめておきたいと思うんでありますが、最後に、運輸大臣にこれは聞いておきたいんでありますけれども、あなたは二月二十八日に、十七時三十分から、木村運輸大臣の名前と、中曽根幹事長の名前と、神奈川県出身の藤山愛一郎代議士の主催でもって、先ほどまでお見えになりました小此木政務次官の次官就任祝賀パーティーをホテル・オークラでおやりになったことについて御存じでありますか。
#118
○国務大臣(木村睦男君) 小此木政務次官は、私が大臣に就任いたします前、江藤運輸大臣時代に運輸政務次官に就任をいたしまして、まあ非常に短期のうちに内閣が更迭いたしまして私が運輸大臣になったわけでございます。で、前々から小此木運輸政務次官を激励しようという計画が、小此木政務次官を支持する方々の中で相談をされておったやに聞いております。たまたま私が運輸大臣になりましてから、その激励の会を催そうということでございましたので、もちろん私は政務次官の上に立つ大臣でございますので、特別の関係でございます。しかも政治家でもございますので、党の幹事長、それから小此木政務次官の所属しておりますわが党の神奈川県の県連の代表者である藤山愛一郎氏と三人で、その激励会の発起人をお引き受けしたということでございます。
#119
○青木薪次君 私は、稻葉法務大臣と同じ立場に立ってこの問題が見られやすい、ということは、あなたが現職の運輸大臣である、で、当日は藤山愛一郎代議士は出席されなかったということを聞いているわけです。当日出席されました交通関係の関連業界の皆さんが、会費二万円で、しかも千三百人に招集かけたところが、約二千人集まったんではないかというようにそれらの業界の皆さん方は言われております。で、こういうことがいいだろうかということで社会党に参りました。そこで、この日には、特に選挙の目的であったことは、戸沢神奈川県知事候補と、亀井横浜市長候補と、斉藤川崎市長候補、御三方がここに出席をしているわけです。そういうようなことから考えて、現職の運輸大臣が特にこのことについてあいさつをされるということについては、私は時期の点からいっても、あるいはまた、その内容からいっても適切でないと考えておりますけれども、いかがですか。
#120
○国務大臣(木村睦男君) いま申し上げましたような事情で私は発起人に名を連ねたわけでございますが、準備万端は地元の神奈川県の関係、それから党の方の関係でやっておったわけでございます。もちろん運輸政務次官でございますから、運輸関係の後援者の方もたくさん来ておりました。同時に、地元の神奈川県からもたくさん来ておったわけでございます。そこで、政務次官の郷里であります神奈川県から、将来市長なり知事なりに出ようという人も特別のゲストとしてお呼びするという計画のようでございましたので、まあそれはそれなりに私は、ゲストでございますから、激励する対象はあくまでも小此木政務次官ということでございましたので、若干その辺にいろんな誤解をあるいは生じたかもしれないなあという感じはいたしておりましたけれども、私はあくまでも小此木政務次官を激励するということで発起人に加わり、あいさつもしたような次第でございます。
#121
○青木薪次君 これが問題になっているから私は質問をいたしているわけでありますが、選挙の目的であったことは、私はこのここに出席された皆さんが、運輸大臣という名称を使って発起人になっておれば、出席しないわけにはいかないという声が大多数の声であったということを私は聞いているんです。特に、そのことを裏づけるには、千三百人を呼んで二千人近く集まったということは、このことをもってしても私はわかると思うんでありますが、小此木さんは神奈川県の出身です。ですから、わざわざホテル・オークラでやらなくても、その意味であるならばですよ、その意味であるならば、私は神奈川県だって会場はないわけはなかろうというように考えておりますけれども、この点についてはどうですか。
#122
○国務大臣(木村睦男君) その点は、どういうふうに主催した側で考えたか、私存じておりませんが、まあ小此木政務次官も、ああやって東京で顔も広うございますし、いろいろ活動をしておられますし、まあ地元の神奈川県でやった方があるいは適切であったかとも思われますが、他のよその郷里の方たちもよく東京でああいった激励会もやっておりますので、私も別に異例なことでもないという感じは持っております。
#123
○青木薪次君 中曽根さんが、当時そこでしゃべった内容としては、政務次官クラスでもこんなに集まるんだから、自民党の幹事長や総理大臣クラスの激励会だったらもっと集まるだろうというようなことを言っておられますし、それから経費の二万円を使ったけれども、これに対して余りが出た場合においては、ここに見える若い者――これは三人を示すんですよ、自民党のこれは三人の皆さんに使わしてもらうということを言ったことについては覚えがありませんか。
#124
○国務大臣(木村睦男君) そのことは中曽根幹事長があいさつの中で言われたことを、私もそこで承知をいたしております。そのとおりでございます。
#125
○青木薪次君 ここに集まったのは、現職の運輸大臣である木村さんが発起人になったということがこんなに大きな集会になったというように皆さんは言っておりますけれども、もしこの点について木村さんの答弁次第では、出席された皆さんは証人に立ってよろしいと、こういうことを言っておりますけれども、あなたの名前を使ったことがこんなに大ぜい集まったというように理解してよろしゅうございますか。
#126
○国務大臣(木村睦男君) 私は、自分のところの政務次官の激励会でございますので、むしろ私は、その激励会の発起人に名を連ねることは友情としても当然やってあげなければならないと、こう思ってやったことでございますが、まあ集まられた方が、私の名前があったから行きたくなかったけれども行ったんだというふうにお考えになって来られた方がありましたかどうか、それは私自身は知りませんが、あるいはそういうことでおいでになった方もありましょうし、また私が名前を出しても出さなくても、小此木政務次官を激励してやろうということで集まられた方もあろうかと思いますので、その辺は私はその確認のしようもないわけでございます。
#127
○青木薪次君 それならば、あなたは運輸大臣としてこの会場に出席して、そうしてこれら御三方の自民党候補の皆さんの激励会を含めたこの会合に参加されたのか、あるいはまた、稻葉法務大臣の問題と同じようになりますけれども、個人として参加されたのか、その点はいかがですか。
#128
○国務大臣(木村睦男君) それは、激励する相手が政務次官の小此木氏でございますので、私も運輸大臣という関係ですが、参加したのは個人の資格で私は参加したつもりでございます。
#129
○青木薪次君 で、この種のものは、われわれ国会議員でもそうですけれども、一歩出れば、やっぱり私の立場で行ったにしても、なかなか公的立場というように一般の国民には考えられがちです。ましてや運輸大臣が、わざわざ印刷物に「運輸大臣」という名前を出して、そうして集めるということになれば、私は、やっぱり公的な立場で招請をしたというように大衆は受け取ると思うのでありますけれども、この点についてはあなたは不謹慎だと思いませんか。
#130
○国務大臣(木村睦男君) 印刷その他は私もタッチしておりませんので、後で見まして、運輸大臣木村睦男と書いてありましたんですが、もしも私の運輸大臣という名前が載っておったために、そのことが出席したくもない人を駆り立てて出席さしたというふうなことに関連するとすれば、これはやはり今後はこういう場合には十分慎重に考えなきゃいかぬなあということは現在思っております。
#131
○青木薪次君 クリーン三木といわれる言葉が三木さんの性格づけをする上に、ある意味では国民に一時的に相当私は受けたと思うんです。しかしその後において、政治資金規正法の問題にしても、あるいはまた選挙法の改正にしても独禁法にしても、どんどんどんどん後ずさりされていくという中で、国民は非常に懐疑的になっていることは御案内のとおりだと思うんであります。そういう中で、中曽根さんの発言による、金の残りを選挙に使いますというようなことをその席上で言うとか、あるいはまた、政務次官でさえもこんなに集まるんだから、自民党の幹事長や総理大臣クラスだったらもっと集まるだろうなんて言った直後にあの六万円パーティーが開かれたことは、あなたは御存じでありませんか。
#132
○国務大臣(木村睦男君) それらのことは全部知っております。
#133
○青木薪次君 この問題については私は、とりようによっては稻葉法務大臣が改憲集会に、いわゆる行動団体である改憲集会に出席したということと私は同じようにとられても、見よう見方によっては仕方がないと思うんでありますけれども、その点についてどうお考えになりますか。
#134
○国務大臣(木村睦男君) 私は、私の役所の政務次官の激励会でございますので、当然、たまたま大臣をしております、大臣と政務次官の関係でもございますし、また同じ党の同志でもございますので、これの発起人に名前をかすということは、友情として当然のことだと思って実は発起人に名前を連ねたわけでございますので、まあそれ以上の他意はないわけでございます。ひとつその点はよろしく御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#135
○青木薪次君 やっぱりこの点は、あなたが小此木政務次官のパーティーのためにいとも単純な動機で、あるいはまたお互いに運輸省に籍を置くという立場に立って、ごく安易な立場で出席したということであるならば、これは私どもはそんなに問題にする必要はなかろうと思いますが、わざわざ大、せいの人が私どものところへ来て、この問題が非常にクリーン三木の性格に反するということから、問題を投げかけてきているわけでありますから、そういう点について、あなたはこの問題について釈明の仕方が私は足りないと実は思うんです。なぜかといえば、もう初めっからこのようなことは仕組まれておったというように解釈しておりますし、たまたま、戸沢さんにしても亀井さんにしても斎藤さんにしても、ある意味では選挙資金かせぎ、選挙運動と言われても仕方がないような内容とそのパーティーの進行の中に、あなたはそのメインの中に座っておられて一々うなずいておられたということを言っておるわけでありますから、この点についてどうお考えになりますか。
#136
○国務大臣(木村睦男君) 中曽根幹事長のあいさつの中で、あの特別ゲストとして呼びました三人の選挙資金に余った場合には使うという言い方はなされなかったと私は聞いておるわけでございます。たしかあの人たちの何といいますか、活動にこれを寄付しようというふうな言い方だったと思っております、その点は。
 それから、先ほど申し上げましたように、私は小此木氏との友情の関係で発起人に名を連ねて出席をしたのでございまして、まあいろいろいまお話しのように、「運輸大臣」という名前が使ってございましたので半ば強制されたような気持ちで出られたとしたら、大変そういう方には申しわけなかったと、かように考えております。
#137
○青木薪次君 公私混同をしてはならないということで、通常あり得べき、たとえばこれくらいの会合だとかね、何とかのときに招かれてあいさつするということはこれはあるでしょう。しかし、それくらいの大がかりな二千人程度の規模の集会へ、しかもあなたの名前の入った、肩書きの「運輸大臣」という名前の入ったもので招請状を発するということは、私は不謹慎だと思っているわけでありますが、この点についてはあくまでも友情だからこれはもういいんだ、稻葉法務大臣のようにこれは断固正しいんだと、こういうように思っておられますか。
#138
○国務大臣(木村睦男君) 実は、小此木氏が政務次官になったので、まあそれをお祝いして、かつ激励するというのがあの趣旨だったわけでございますので、これは運輸政務次官になったということを祝い、激励しようという会でございますので、私としても運輸大臣という職におりましたものですから発起人に名を連ねたわけでございます。したがいまして、その限りでは、いろいろ御意見もございましょうけれども御理解をいただけるんではないかと、かように思っておるわけでございます。
 重ねて申し上げるようですが、仮にも運輸大臣が発起人の中に名を連ねて案内状を出した、普通なら行きたくないけれども、自分は運輸関係の仕事をしておるから行かないと悪いかなあというんで来られたということがあるとすれば、その点は十分私も反省しなければいけないと、かように考えております。
#139
○青木薪次君 時間の関係もありますから、きょうはこの辺でとめておきまするけれども、いずれ、私どもは党の立場でこの問題は議論いたしておりますので、それらの観点について私はやっぱり釈明の仕方は少ないというように考えているわけでありますが、一応遺憾であるということを私は尊重はしたいと思いますけれども、今日、運輸大臣という名前を使ってこれだけの大がかりな舞台を組んで、しかも三人の人を呼んで、しかもあなたは選挙資金に使うなんということは言わなかったというけれども、ここにいる若手三人に使わしてもらうということを言ったというようなことから考えてみまして、私は、やっぱり運輸大臣のとるべき姿ではない、もっとほかに方法があったはずだ、こういうように考えておりますけれども、最後に一言。
#140
○国務大臣(木村睦男君) いろいろとそういう誤解といいますか、御迷惑をおかけしたという点もあるようでございますので、その点は今後大いに慎んでいきたいと思っております。
#141
○政府委員(寺井久美君) 先ほど、ロンボク海峡の水路調査に関連いたしまして大臣の御説明で誤解があるといけませんので、ちょっと訂正を兼ねて付言させていただきたいと思います。
 このロンボク海峡の調査は、マカッサル・シンガポール海峡の共同調査と違いましてインドネシア政府が行うものでございます。日本政府は、インドネシア政府の要請によりましてこの調査に調査員を派遣をいたしております。したがいまして、日本とインドネシアが共同して行うものではなくて、この調査はあくまでインドネシア政府が行うものでございます。その点訂正をさしていただきます。
#142
○委員長(宮崎正義君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト