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#1
第075回国会 運輸委員会 第7号
昭和五十年五月二十九日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     望月 邦夫君     橘  直治君
     亀井 久興君     宮崎 正雄君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     山崎 竜男君     永野 嚴雄君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
    久次米健太郎君     山崎 竜男君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     岡本  悟君     八木 一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                岡本  悟君
                永野 嚴雄君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                戸田 菊雄君
                前川  旦君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       運輸省航空局長  中村 大造君
       運輸省航空局技
       術部長      中曽  敬君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      友藤 一隆君
       外務省アメリカ
       局外務参事官   深田  宏君
       外務省アメリカ
       局安全保障課長  山下新太郎君
       運輸省航空局管
       制保安部長    松本  操君
       建設省道路局有
       料道路課長    下川 浩資君
   参考人
       日本道路公団理
       事        平出 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空法の一部を改正する法律案(第七十一回国
 会内閣提出、第七十五回国会衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
 (東伊豆有料道路に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動いて御報告いたします。
 去る九日、望月邦夫君及び亀井久興君が委員を辞任され、その補欠として橘直治君及び宮崎正雄君が選任されました。また十三日、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として永野嚴雄君が、十六日、久次米健太郎君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君がそれぞれ委員に選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮崎正義君) それでは航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○岡本悟君 航空法の一部改正法案の提案理由につきましては先般お聞きをいたしたのでありますが、今回の改正の骨子は、航空交通に関するルールの整備と、もう一つは騒音対策と申しますか、この二つが大きな柱になっておるようであります。で、四十六年の七月に御承知の全日空機と自衛隊機の空中衝突事故がありまして、これが契機になりまして、航空法の改正案ができたように思うのでありますが、何と改正法案は四十七年のたしか三月でしたか、第六十八国会に出されまして、何と七十国会で審議未了。そしてまた七十一国会に再提出になりまして、やっといま参議院に回ってきて審議が始まっておるというていたらくであります。もうすでに提案されてから三年もたっている。それじゃその間政府としてほったらかしておいたかというと、そういうことではないと思うのです。やはりこれは重要な問題でありますから、特に航空の安全の問題でありますので、当局においてはこの改正案に沿ったいろいろな対策を行政指導で適切にやってこられたと思うのであります。したがって、この三年間のブランクは行政上の――法律の改正がないからといって行政上のブランクがあったとは思えないのであります。まあ国民の不安を解消する点から言いましても、この間改正案の趣旨に沿ったような行政上の手をいろいろ打ってこられたと思うのです。だから個別にこういう点はこういうふうにやっておりますと、こういう点はこういうふうにやっておるが、やはり最終的には法律の強制力と申しますか、そういうバックがなければいかぬからおくれておるけれども、航空法の改正案をぜひとも成立をさしてもらいたいのだというふうな説明をしてください。
#5
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のように、雫石事故の後、事故調査委員会がいろいろ調査をいたしましてそれに基づいて勧告をしておられるわけでございます。それから、政府におきましても中央交通安全対策会議におきまして航空交通安全緊急対策要綱というものを決定いたしました。で、そういうふうないろいろな改善策につきまして、いわゆる法律改正をすべきものについては、御指摘のように法律改正の準備をいたしたわけでございますが、また行政上の措置によりましてなし得ることにつきましては時を移さずいろいろな対策を講じてきたわけでございます。そういうふうな内容につきましては、法律事項とそれから行政上の措置というものはいわば相関連して相互補完し合って完全な効果を発揮するという性格のものだとわれわれは考えておるわけでございます。
 それでまずこの法律の内容につきましては、いわゆるパイロットその他に対しまして、ある運航のルールに従って運航する、あるいはある行為をしてはいけないというふうな禁止的な規定があるわけでございます。こういうものにつきましては、これは法律の成立を待たなければ強制力がないわけでございますけれども、たとえばATC、トランスポンダーをつけるとか、あるいはボイスレコーダー、フライトレコーダーというふうないわゆるいろいろな安全上の新しい装備をつけることを義務づけておる条文はございます。こういうものについては法律の制定前におきましても行政指導によりましてそれの装置を指導してきておるということでございます。
 それから、たとえばパイロットに対する見張り義務というものを今度新しく法律で明定しておるわけでございますけれども、これにつきましても、行政指導によりましてこの重要性についての注意を喚起してきておるということでございます。
 それから、禁止規定とうらはらになるわけでございますけれども、非常に重要な条文といたしまして、ある一定の空域におきましては非常に危険の伴います曲技飛行とか訓練飛行というようなものを行うことを原則的に禁止しておるわけでございますけれども、それとうらはらでございますけれども、行政措置によりましていわゆる自衛隊の訓練をいたします場――訓練空域というものを緊急対策要綱によってそれを設定するというふうに決められておりまして、これはもうすでに自衛隊に対しましては高高度、低高度合わせまして二十カ所の訓練空域を設定いたしましてこれを公示しておる。こういうことによって民航機と自衛隊機とをいわゆる分離する、訓練空域と民航空域とを分離する。こういうような措置を行政上の措置として講じてきておると、こういうことでございます。
 それから、たとえばニアミス等につきましても、これは機長からの報告を徴することになっております。こういう問題についても行政措置によりましてこの報告を徴するようにいたしておるということで、われわれといたしましては、事前に行政措置によってでき得るものについてはいろいろと措置を講じておるわけでございますけれども、最初に申し上げましたように、いわゆる禁止規定というようなものにつきましては法律改正をまってこれを措置してまいりたいというふうに思っております。
#6
○岡本悟君 特に例の航空自衛隊の訓練空域とそれから民間の航空路の完全な分離ですね、これが一番大きな問題だったと思うのですが、先ほど説明がありましたように、これはいま完璧にできておりますか、どうか。
 それから、いま言及されたいまでもそういう訓練空域と航空交通路を完全に分離してなおかつニアミスというような事故が最近あるのかどうか。そこらあたりちょっと説明してください。
#7
○政府委員(中村大造君) 民間航空のいわゆる航空路と訓練空域とを完全に分離するための訓練空域の設定は、先ほど申し上げましたように、二十カ所完了いたしておりまして、これはわれわれといたしましては完全に守られておるというふうに確信いたしております。それから、ニアミスでございますけれども、これは最近の事例は報告の実績から申し上げますと、パイロットがニアミスのいわゆる危険性といいますか、可能性があったということで報告してまいりました件数と、それから私どもでいろいろ資料によって、記録によって調査いたしました結果ニアミスと判定したものとが、その差があるわけでございますけれども、ニアミスとして判定いたしました件数は、四十七年度におきましては五件ございましたけれども、四十八年度、四十九年度はいずれも一件ということでございます。
#8
○岡本悟君 それではもう一つの目玉であります騒音問題、今度の改正法では航空機騒音基準適合証明制度を初めて実施するわけですよね。これは一体どういうやり方なんですか。つまり、最近の自動車の排気ガスの排出基準の問題でいろいろ論議されておりますように、つまり現在あるいは近い将来で開発し得る技術の進歩というものを前提にして、そしてたとえばもう一年あるいは二年すれば、そういうリードタイムをとればその基準に適合することはまずまずだれが見ても無理のない到達可能の基準であるというものをつくって、そしてその基準に合うようなエンジンでなければ搭載してはいかぬと、こういうことに仕組みがなっておるのかどうか。それからこれはもう何年でしたかね、四十七年ですか、四十七年にこの改正法案が成立しておれば、そのときにもう採用されているわけなんですが、実際はどうなっているか、第二点がね。第一点は、いまのその基準適合証明制度のやり方がどういうやり方か。それから四十七年にもうこれは改正法案が成立しておれば実施されるわけですからね、だからその方は一体どうなっておるのか。これは実施されていないんですから、まだ法律が成立しないので。その三年間はブランクがあるわけだが、その間どうなっているのか。それから、第三番目は、一体音源対策としてのジェットエンジンの改良というものはどの程度進歩しているのか、この三つ。もう三年間たっているんですからね。一体進歩しているのかどうか、まあ退歩しておらぬと思うけれども。
#9
○政府委員(中村大造君) 航空機の場合、いわゆる騒音基準適合証明制度というものは、先生おっしゃいましたように将来開発されるであろう技術水準というものを想定して、いわゆる努力目標といいますか、そういうことで基準を設定したというよりも、むしろこの制度をICAOにおきまして採用いたしました時点においてすでに開発されておる技術水準というものを前提にいたしまして、それぞれの機種といいますか、これは機種によって大きさが違うわけでございますけれども、そういうふうな機種に応じまして、その時点において開発されておる騒音基準と、騒音量というものを基準にいたしまして一つの騒音の限度の基準というものを決めておるわけでございます。したがいまして、これは将来の努力目標というものではないわけでございます。したがって、ある基準に照らしまして、その基準にはみ出しておる、それよりも騒音量の大きい飛行機が現に存在するわけでございますけれども、そういうものにつきましても、ICAOの協定におきましては、それをいわゆる適用除外というふうなかっこうで、そのいわゆる運航を認めるかっこうをとっておるわけでございます。したがいまして、わが国におきましては、今回の法律改正によりまして初めてこの騒音基準適合証明制度というものを――証明制度というものを採用するわけでございますけれども、この場合におきましては、現に耐空証明を持っておるいわゆる一般に運航の用に供されておる機種につきましては、それの運航を認めるという前提でこの証明制度が採用されておるということでございます。ただし、いわゆるより騒音の少ない機種が開発された場合においてはその新しい機種を用いるというような経過規定を設けることによりまして、現在運航の用に供せられておるものについてはその運航を認めると、こういうことでございます。したがって、二年間経過しておるわけでございますけれども、その間にICAOの基準そのものがレベルアップされたということではございませんで、したがって、わが国の今回の採用が法制度的には二年おくれるわけでございますけれども、実体的には変わりがない、こういうことでございます。
#10
○岡本悟君 少しは前進しておるかと思ってお尋ねしたんですけれども、四十六年ですか――当時と余り前進がないということですね。どうも残念ですけれども、なかなかやっぱりむずかしい問題と見えまして、私どもが、素人が思うようにまいりませんでしょうが、ひとつ大いに技術的にも科学的にも前進を期待しております。
 そこで今度、音源対策でそういうふうな余り前進がないとしますと、例のやはり騒音防止対策というものが非常に重要になってくるわけであります。先般昭和四十九年度の予算でありましたか、たとえば伊丹空港の周辺の防音対策につきましては、伊丹空港周辺整備機構という新しいシステムが発足したわけでありますけれども、一体、一番やかましいと言われております伊丹空港で、その新しいシステムによる騒音対策がどの程度進んでおりますか、ごく大ざっぱでいいですから、お示しいただきたいと思います。
#11
○政府委員(中村大造君) 大阪空港につきましては、昨年周辺整備機構が設立されまして、ことしで二年目になるわけでございます。それで、昨年はまだ設立当初でございまして、その機能を完全に果たすことができなかったわけでございますけれども、五十年度におきましてはその予算額を大幅に増加させまして、移転補償、それから民家の防音工事、それから代替地の造成というふうな周辺対策を強力に進めていくことにいたしておるわけでございまして、たとえば民家の防音工事につきましても、ほとんど予算額を昨年の十倍近くに増加いたしておるわけでございます。したがって、対象戸数も飛躍的に増加いたしますし、また、この措置に対するいわゆる補助率等につきましても大幅なアップをいたしましてこの事業の促進を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。現に、五十年度におきましては整備機構の事業も軌道に乗ってきておりますので、今後所期の成果を上げることができると信じております。
#12
○岡本悟君 いまの騒音対策を実施する対象空港というものが政令であれは指定されておりますね。いまどのくらいになっておるかはっきりした記憶がないのですが、たとえば、まだジェットを乗り入れてはいないが、適切な騒音対策が実施できればあるいはジェットを飛ばしてもいいというふうなケースが仮にあるとしますね。そうすると、そういう場合に、ジェットを飛ばす前に、政令指定をしてジェットが飛ぶようになる前に騒音防止対策を実施しますよ。そうすれば例の何とかというやつ、いわゆる騒音コンター。騒音コンターから見てもまずまず飛ばしてもいいじゃないかというような場合があるかもしれないですね。ところが、予算その他からいってなかなかそこまではいきませんと、こういうことになるかとも思うのですけれども、若干のエリアについてそういう騒音防止対策が実施できるという確約があれば、これは便数によっては飛ばしてもいいじゃないかという地域住民のコンセンサスが得られるかもしれないというケースもあり得るわけですね。しかし、まあそこまではまだ手が届きませんということなのかどうかあなたの御見解というか、考え方を聞かしてもらいたいと思います。
#13
○政府委員(中村大造君) この騒音対策を実施いたします場合に、騒音防止法によりまして政令で特定空港というものを指定することにしておるわけでございます。現実には、現在ジェット機の就航いたしておりますほとんどすべての空港について五十年度でこの特定空港の指定ということをいたしまして騒音対策を本格的にやると、こういうことにいたしておるわけでございます。したがって、将来引き続きましてどういう空港を特定空港として指定し、それに対して騒音対策を実施していくかということは、これはその空港の現状、それから今後の運航計画等を勘案いたしまして特定空港として指定すべきかどうかということは考えると、こういうことに相なろうかと思います。
#14
○岡本悟君 私はこういうことを言いたいのです。もっと具体的に言いますと、せっかくジェット機が飛べるような滑走路の延長その他の整備をやって大体条件が整ってきて、ただ一点騒音対策に難点があるという場合、騒音対策の実施がおくれるために、あるいはそのめどがないために、新しく別の騒音対策上から見て理想的なところに空港を建設するということになりますと、これは相当膨大な巨額の予算を必要とするわけですね。そうすると、それと比較してみてはるかに少ない経費で騒音対策が効果的にできれば、その現存の空港ですぐ飛ばせるという場合もあるわけですね。だからいまの質問をしたんですが、まあ研究してください。予算全体の規模がありますから、もっと先の順位のものもある。現にもう飛んでいるところもたくさんあるわけですからね。だから、その順序の問題もありますからよく研究しておいてもらいたいと思います。
 最後に、雫石事件がありました昭和四十六年七月の直後、四十六年の八月に本院の運輸、内閣、交通安全対策の各委員会による連合審査会において、航空法並びに関係法令の抜本的改正を行うよう決議がなされた。政府としてはこれらの状況を勘案して、先ほど航空局長が申されましたような、航空法の法制改正検討委員会をつくって、そしてその答申によってこの改正案を出された、こういうことなんですね。
 ところが、私の記憶によりますと、あの当時の審議のやりとりを聞いておりますと、この本院の決議であります抜本的改正というにはちょっとほど遠いけれども、今回はとりあえず航空機の衝突事故にかんがみて、必要最小限度のものをとりあえず取り急いで出しておるのであります。いずれ抜本的な改正は近い将来全面的な見直しをしてお願いいたしますので、いましばらく御猶予をいただきたい、というふうな政府当局の答弁があったように記憶しておる。
 ところが、とりあえず、これだけの改正法が成立いたしまして、はて、いわゆる抜本的改正、すべての見直しということで一体何があるんだろうと考えてみますと、私はそう専門的に研究しているわけではないが余りない、余りないというか、ちょっと思い出せない。つまり、抜本的改正とかすべての見直しということになると、現行の航空法がよほど欠陥があるような印象を受けるわけですね。ですから、そういう抽象的な、観念的なことでなしに、この改正をやれば大体いまの事態には、あるいは近い将来の事態には対応できるまずまず完璧な航空法であるというふうに考えておるのか、あっちにも欠陥がある――欠陥憲法じゃないが、欠陥航空法で、あっちにも欠陥、こっちにも欠陥があると、こういうものなのかどうか。そうしないと非常な誤解を受ける。国民に対して誤解を与えるわけです。航空法というのはそんなに穴だらけのものでしょうかと、こうなる。だから、それは言葉のあやであって、これをやれば大体まずまず対応できますというふうな確信を持って言うことができるのかどうか、そこらあたりどうですか。
#15
○政府委員(中村大造君) 私どもといたしましては、現在の航空法は――今回お願いいたしております改正案が実現いたしますならば、航空法としては、航空関係の法規としては相当立派なものであるというふうに考えておるわけでございます。もちろん、この全般的な見直しという考え方の中には、たとえばこの航空法というものは、航空関係の法律事項は運航に関するもの、いわゆる航空事業に関するもの、あるいはいわゆる乗組員の資格等に関するあらゆるものをすべてここに網羅しておるわけでございまして、そういうものを体系的に、たとえば分離した方がいいとか、そういうふうな考え方も実は一部ではあるわけでございまして、したがって、全面的な見直しということの中には、そういうふうなことも含めていわゆる法体系としてどうした方がいいかというふうな考え方もあろうかと思います。それからまた、いわゆる政令なり省令なりで具体的な内容を実施しておるものにつきまして、あるいはこれを法律事項にした方がいいかとかいう個々の問題はございますけれども、全体といたしますならば、考え方その他についてこの法律に欠陥があるというふうには私どもは考えていないわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたような観点から、さらによりよきものという観点から常に検討を加え、そういうものの結論が出ましたならば、これは前向きに対処していく必要があろうと思っております。
#16
○岡本悟君 それは私も言おうと思った。いまの航空法というものが、法体系から見て何でもかんでも突っ込んでおる。だから、たとえば航空事業法、航空保安法、いろいろな分け方があるのです。ところが、そいつは要するにきわめて技術的な問題ですよ、たとえば政令、省令に委任してもいいというような問題は。そんなこと言っているのじゃない。実質的に見て、実体的に見て一体抜本的にだ、あるいはすべてを見直すというような必要が一体あるのかどうか。ただ観念的に言っちゃいけませんよ。法体系なんかの整備の問題は別です、これは、技術的な問題だから。そんなことはやったってやらなくたって実際上何の関係もない。メリットもないと思う。だから、そういうことで苦労するよりかは、あなたが言ったようにもっとよくするということでしょっちゅう検討の姿勢は持っておりますという程度で私はいいのじゃないかと思う。観念的に抜本的改正だ、いやその見直しだとかいう大騒ぎをしないようにしてもらいたいというのが私の真意であったわけです。そこのところをよく了解してもらいたいと思うのです。
 以上で終わります。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(宮崎正義君) 航空法の一部を改正する法律案の質疑を一たん中断いたしまして、この際運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 本調査のために、本日参考人として日本道路公団理事平出三郎君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#19
○委員長(宮崎正義君) それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#20
○青木薪次君 私は航空法の改正の審議に入る前に、運輸事情調査に対する点について質問いたしたいと思っているわけであります。
 いま公共交通や公営交通を何としても守らなければいけない、確保していかなければいけないというのは、今日のいわゆる安定成長といわれる時期において生活課題のきわめて中心的な案件だと実は思っているのであります。そういう立場から、いま私鉄を中心といたしまして過密と過疎の中における住民の足を守るということがきわめて重大な課題であることは御案内のとおりであります。
 私は、先日伊豆地方の視察に出かけました。伊豆の東海岸や西海岸一帯を占めております東海バスの事情について調査をしたわけであります。そのときに、伊豆の東海岸におけるいわゆる東伊豆有料道路の問題に遭遇いたしました。この東伊豆有料道路は、地域住民の要求に基づいて急遽設立されたものでありますけれども、料金所が約十五キロと想定いたしましたけれども、その間に三カ所も実はあるのであります。そうして、地域の皆さんはこれを生活道路として使っているわけでありまするけれども、わずか十五キロそこそこの距離の中で三カ所の料金所が配置されて、行って帰ってくればその倍額を結局払わなければならないということになるわけであります。たとえば普通貨物自動車で言いまするならば、熱川は百七十円、稲取で二百十円、下田で百四十円、わずか行って帰るというだけでもって千数百円の金を使わなければならないというようなことについて、きわめて問題があると思うのであります。これは、どこの地域へ行っても、あのような地域においてはたまには一カ所ぐらい料金所があることは見受けることがあるのでありまするけれども、一つの個所に三カ所もあるところというのは全国的には実は珍しいのです。あっても一カ所か二カ所だと思うでありますが、この点について、今後も有料道路方式を続けていく気持ちかどうか、私は建設省並びに道路公団にお伺いいたしたいと思います。
#21
○説明員(下川浩資君) ただいま道路公団が経営をいたしております東伊豆の有料道路につきまして、全区間のうちにゲートが三カ所あることが大変通行に支障を与えているという御質問でございますが、この東伊豆有料道路は、全延長三十七キロメーターございまして、これを通り抜ける車について申し上げますと、たとえば路線バスについて八百円というような料金でございます。小型の乗用車につきましては三百円ということでございまして、料金所を一カ所にいたしますと、この料金をその場所でたとえば短い区間利用される利用者についても、こういう料金をいただかなければならないというようなことにもなりますので、短区間を利用される方の便利を図りまして区間別の料金というものを定めておるわけでございます。
 同様な例が道路公団が経営しております道路で申し上げますと志賀−草津道路というのが全長四十一キロメートルございまして、ここでもやはり三区間に分けて料金を徴収いたしております。また先般大分中部地震で話題になりました別府−阿蘇道路が全延長三十二キロメートルございますが、この道路につきましても、やはり三区間に分けまして、区間別の料金を徴収しておる、このような状況でございます。区間に分けたのは、先ほど申し上げましたように、短区間を利用される方の便利を図ってさような制度をとっている次第でございます。
#22
○参考人(平出三郎君) 三つに分けて、それぞれで停止しなければならないという状況になっておるわけでございますが、これはたくさんでありましても、一遍料金を払えばいいというケースもないわけでございません。ただこの場合は、たとえば第三京浜道路でございますけれども、入るときにゲートがございまして、出るときにもまたゲートがある。そこで入りますときにどこまで行くという聞き取りをやりまして、そうして聞き取りで一遍お金を払いまして、そうすると後は出るときに出口券というものを渡しさえすれば出られる、こういうふうなケースもあることはございます。その場合には、しかし条件が、入り口それから出口それぞれがチェックポイントがあって、そこでそういうことができるわけでございますけれども、こういうふうに、伊東区間のように入り口、出口というものがチェックポイントがございませんので、その場合にはやはり一カ所で取って、全線分を取るか、それとも少しずつ分けてやるか、その二つしかございませんので、ただいま建設省の有料道路課長さんが申し上げましたような考え方から、やはりこういう方法しかないのではあるまいかと、私どもはそう考えております。
#23
○青木薪次君 全長三十七キロと言いましたけれども、かつては県の道路公社かどうか知りませんけれども、四カ所あったのです。これはもう住民の声に押されて一カ所廃止したのです。そういうように他の個所で同じような道路が建設された場合においては一銭も取っていない。東伊豆の生活道路だけは三カ所で金を取っている。これは短区間の用をなすために三つに分けたといえばそれまででありまするけれども、一カ所ただ行きだけ考えているけれども、往復というものが伴う。行きっきりということはないんです。したがって、それは倍額かかるというように勘定してもらわなければ困るというように考えているわけであります。地域の皆さんも大変ないま不満を私に寄せられております。地元の町長や市町村長、それこそ何とかしてもらいたいという声が殺到しているのであります。
 それと同時に、私がこの本委員会で問題にいたしましたのは、東海バスの経営が非常に中小企業でありますけれども困難だということを聞きましたので、決算書を見せていただきましたところが、六千万円の金を実はこの有料道路につぎ込んでいる。六千万円の金というのは中小企業にとってはまことにこれは大きな負担であります。したがって、これらの関係について何としてもこれの減免の措置をとってもらわなければ、もう私鉄経営は私どもの要請に基づいて政府も本年度五十七億円の実はバス路線を確保するために補助金を出しているという状態なんです。そうすれば、極端な話をすればそれぐらいの金は皆道路公団の料金につぎ込まなければならぬじゃないかという話にもこれは演繹すればできると思うのでありまして、そういうようなことで、全く国政の中で片方は道路を敷いて、そうして金を取る、片方は公共輸送を確保するためにただでも赤字なのを、ましてやこの有料道路の料金を払うというようなこの矛盾した行政について、あなた方は規則に基づいてやっておりますと言えばそれまでであろうけれども、それでは私は血の通った行政ではないと判断するのであります。その点についてどう考えますか。
#24
○説明員(下川浩資君) 有料道路制度を適用いたしまして道路の整備を図っておりますが、これはやはり国の道路整備に対する財源あるいは予算、こういうものがある限度をもって縛られておりますので、必要な道路を一時に良好な状態に整備を完了するということができないことはもう御承知のとおりだと思いますが、そういうことで有料道路制度を適用いたしましても、早く道路を整備する方が地域住民のためになるという個所につきましてこの有料道路制度を適用して早く道路を整備し、かつそれに見合っただけの料金をいただいているということでございまして、したがいまして、一般自動車道が期限を切らなくて料金を取る営業をしておるのに比べまして、この特別措置法によります一般有料道路というものは期限を切ってその区間だけ料金を取る有料道路制度をとるということで国の道路整備の一つの手段といたしましてこの制度をとっておるわけでございます。
 ただいまバスの営業につきまして非常に大きなウエートを占めておるというお話でございましたが、私どもなるほど路線バスというものは地域住民の足であるというような観点からバス料金につきましては他のバスあるいはその他の車種の車に比較いたしまして低い料金率でもって料金を定めておるわけでございます。たとえて申し上げますと、小型自動車が一つの料金であったといたしますと、路線バスは二・五倍、その他のバスとか大型バス、大型自動車等につきましては四倍というふうに路線バスに対する料金の優遇措置をとって運営をいたしております。またこのほかに常時利用をされます車につきましては回数券の発行をいたしておりまして、回数券を利用することによって二割ほど料金を低減するというような措置をとっておる次第でございます。
#25
○青木薪次君 この有料道路方式というものはやむを得ないと認める場合に限る。それはほとんど自分がレクリエーションその他でもって旅行するとかあるいはまた相当他の第三者に迷惑をかけて自分だけ非常に利用者として利益を受けるとか、あるいはまたそのことによって開発利益を受けるとか、いろんな条件があると思うのであります。ところが路線バスの場合にはあなたは二・五倍しか取っていないのだ、こうおっしゃるけれども、ほとんど一人も乗らないという場合が路線バスの場合には多いわけであります。その場合に、往復でもって千六百円も払ってくるということは私はいいことか、悪いことか、こういう点を言っているのでありまして、時間がありませんけれども、これらの点について今後減免ということについて検討する用意があるかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
#26
○説明員(下川浩資君) いま東海バスの乗客が一人もいないというような状況もあって非常に経営が苦しい、有料道路の料金を減免できないかという御質問でございますが、この特定の東海バス――東伊豆有料道路を利用しております特定のバスだけを減免するということにつきましては、これ運輸省でございますとか、あるいは減免することによって道路公団の利益が減少した分をどこが支弁するかというような各関係省庁との関係もございますので、帰りまして十分検討してみたいと思うわけでございます。
 また、路線バスの料金の比率につきましては、先般高速自動車国道等で料金を改定した際にとりましたように、有料道路制度の中では特に低い料金で国民の足を守ろうという考え方で進んでおりますので、今後の制度の検討等の中では当然路線バスについての料金問題というものは重要な問題として取り上げて検討してまいりたい、かように考えております。
#27
○青木薪次君 私は運輸大臣にこのことについてお聞きしたいと思うのでありますが、いま衆議院段階で私鉄四法案が提案されているわけであります。しかも本年度予算で五十七億円という、いわゆる特に路線バスを中心とした補助金を出さなければならないというような時期に検討はするが、路線バスだけはどうもならぬという、そういうような紋切り型の答弁じゃ納得できない。しかも、東名高速道路等においては勝手に二倍に上げたじゃありませんか。このことはどうせ利用するんだから仕方がない、これだけいけるだろう、利用する人はあるだろう、こういうような行政の姿勢というものは私は官僚型答弁だと言わざるを得ない。ですから、これらの関係について特に公共・公営交通を確保するために本来運輸委員会の課題だと思うのでありまするけれども、運輸省並びに建設省やその他関係省庁と連係をとってこの種の問題からくる公共・公営輸送に対する非常な阻害の原因というものを解消するような方法を検討する用意があるかどうか、運輸大臣に御答弁願います。
#28
○国務大臣(木村睦男君) バス事業がいま非常に経営上苦境に陥っておるということは青木委員も御承知のとおりでございます。特に過疎地帯に対しては必要な交通機関であるということから、六十億に近い今年度は補助金も、予算の措置を講じたようなわけでございます。そこでこういった有料道路を通行する場合に国が補助金まで出しておる事業であるから、有料道路の場合でも考慮したらどうかという御意見もっともだと思うわけでございますが、ただ、道路にはやはり道路整備の計画がございまして、有料道路を整備いたしておるのがいまの日本の道路整備の一つの方向でございます。したがって、いま建設省からるる説明がございましたように、料金を決める場合に、やはりこういう公共性の強い交通機関に対してはある程度の考慮を払うということで現在はやっておるわけでございます。
 また、お客がいっぱい乗っておる車と空車と、料金の場合に考慮したらどうかという御意見もございますけれども、有料道路の料金というものの制度が、本来、中身について差をつけると、車の中に何人乗っておるかということで差をつけるべきものではなくて、やはりこれは車両一両について幾らというのが本来の料金のたてまえでありますので、乗車の実員について差をつけるということは必ずしも、私は適当ではないかと思うわけでございます。
 なお、補助金まで出しておる事業であるから、こういうところは無料にしたらどうかということでございますが、これはやはり同じ議論から言いますというと、補助金を出しておる事業から税金を取るのもおかしいというような議論とも相通ずる面もございまして、やはり出すべきものは出す、しかしその場合に公共性等も考慮して料金等において差をつける。そして全体的にはそれらの有料道路等も、自動車運送事業の経費の中身を形成するわけでございますから、運賃の算定の場合に収支計算等査定をいたしますから、そういう場合に、これが経費増の中で出てくるわけでございます。したがって運賃値上げのパーセント等においてその事業が健全に成り立つように考えていくというのが本来のたてまえであると思っておりますので、従来そういう行き方をしておるわけでございます。
 ただ、現在の高速道路等におきます料金に、一般のいわゆる自家用の車と公共性の強い車と料金の差を考慮してありますけれども、その考慮してある差の現状が果たして適当であるかどうかというような問題などいろいろあろうかと思いますので、こういう点は十分今後検討をする問題だと、かように考えておるわけであります。
#29
○青木薪次君 やっぱり運輸大臣らしい紋切り型の答弁だと思うんであります。そんな答弁を私は聞こうと思っちゃおりません。問題は、乗っておる人が一人だったら幾らとか、空車だったら幾らだとか、このことによって料金に差をつけるようなことを私は要求しているんじゃないんです。そのことをあなたは言っておられるんですけれども、子供だましのような答弁は、私はやめた方がいいと思うんです。運輸委員会における運輸大臣の答弁として全くふさわしくない答弁だと思います。生活道路を通る路線バス等の公共交通を確保するために、料金制度、しかもこのように三カ所もあるというようなところについて考慮できないかと、検討する用意はあるのかないのかということを私はあなたに聞いているんです。そのことについてお伺いいたしたい。
#30
○国務大臣(木村睦男君) 先ほど申し上げましたように、そういう意味で、現在通行料に、自家用の自動車とこういった公共性の強い自動車との料金についての差をつけ、考慮をいたしておるということであるわけでございます。したがって、生活道路であるから公共性の強い車は全部無料にすべきであるという問題は、これはやはり有料道路であるというたてまえからいきますとそれはできない問題であると私は考えております。ことに有料道路につきましては、他に一般の道路も並行するなり、あるいはそれに近いところにあって、利用しようと思えばできるというふうな条件をつけて有料道路というものの建設をやっておりますので、そういうことについては、在来の道路もあるということも考慮の中に入っておりますし、やはり生活道路ではありますけれども、有料道路というたてまえからいきますというと、やはり在来のような行き方でいくよりほか方法ないんではないか。
 ただ、繰り返すようですが、料金等については、公共性ということを重要視して料金の比較において考慮を払うということは今後とも常に検討していくべき問題であろう、かように考えております。
#31
○青木薪次君 ただにしろということ、また、減免ということは、減らすかただにするかということであって、あなたはただにすることだけしか言っていない。しかもいまの制度がこうあるからこれは変えられないんだ、――それじゃ一体運輸事情の調査等に対して、いわゆる国政審議の段階における、われわれ審議する側の立場として納得できるものではないんであります。
 で、問題は、有料道路というものについては、そのときの事情によってどうしても、先ほど建設省からも答弁がありましたように、早急に建設しなきゃならぬ、この場合にはひとつ有料道路でこの場合やろうではないか、同じ条件にあるけれども、ちょっと国の予算事情がよくなった、この場合には、ひとつ全額ただにしよう、そのときそのときの行政のいわゆる立場というもの、意思というものが働くわけでありますから、そういうところで、この東伊豆の有料道路は、私は運が悪かったというように実は考えているわけであります。ですから、これらの関係について有料道路の期間を短縮するとか、あるいはまたこの料金を何とか減らす方法とか、あるいはただにすれば結構でありますけれども、そういう方法について検討する気はないのかあるのかという点について、地域住民の私は意向を全部携えて、特に中小私鉄の経営を守り、国民の足を守ると、こういうことがいま運輸委員会にかけられた大きな課題であるので、私は航空法に先駆けてこの問題について質問しているわけでありますが、その点についていかがですか。
#32
○国務大臣(木村睦男君) 有料道路も緊急整備の必要上有料制にしておる道路があるわけでございまして、これはたしか二十年あるいは三十年でございますか、建設省の所管でございますから正確にはあれしておりませんが、将来にはここをやっぱり無料にするというふうな仕組みで有料道路制度というものがとられておるわけでございますので、未来永劫に有料ということではないということでございます。
 なお、地元の皆さんから、いろいろこういう問題について御要望等もあることも大変多うございます。したがって、こういった有料道路を通る公共交通機関の料金については、今後とも十分考慮をしながら料金をきめていきたい、かように考えております。
#33
○青木薪次君 時間の点もございますので、いまの運輸大臣がお互いにひとつ手に手をとりながら考慮をしていくということについて、将来に私、質問を留保しつつ次に移りたいと思っております。これをもって運輸事情調査に対する私の質問を終わります。
#34
○委員長(宮崎正義君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(宮崎正義君) 速記を起こして。
 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(宮崎正義君) 先ほど中断いたしました航空法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#37
○青木薪次君 航空法の改正の問題について質問いたしたいと思いますが、昭和四十六年の七月の岩手県雫石における全日空機と自衛隊機との衝突はわが国の航空史上最大のクラスと言える衝突事故であるわけであります。このことを契機として航空法の改正に踏み切ったのかどうか端的にお答えいただきたい。
#38
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のように、四十六年の雫石事故を契機といたしまして航空法の改正、特に安全問題についての規制の強化という観点から航空法の改正に着手したということでございます。
#39
○青木薪次君 ことしの三月十一日に雫石事故に対する盛岡地裁の判決が出たわけでありますが、隈、市川の両被告になされたものであったにいたしましても、わが国の航空行政に対するきわめて重大な問題を含んでいると思うのでありますが、この判決に対して運輸省と防衛庁はどう端的に受けとめているのか、その点についてお聞きしたいと思います。
#40
○国務大臣(木村睦男君) 四十六年の雫石事故につきまして三月に判決が出たわけでございますが、私はこういう機会にあの事故で犠牲になられた方々に心から弔意を表したいと思うわけでございます。出ました判決につきまして私たちはどちらが悪かったとかどうだったとかいうことの前に、あの判決の中に航空行政についても何カ所か指摘されるところがございました。航空行政をあずかる運輸省といたしましても、この判決で指摘をされました点等につきまして十分これに耳を傾け、今後こういう事故が二度と起きないように航空交通安全の万全を期したいと、かように考えておるわけでございまして、今回御審議をいただいております航空法の一部改正法案もこの四十六年の雫石事故にかんがみまして、緊急に改正すべき点を改正案に盛りまして御提案申し上げたわけでございますが、遺憾ながら今日まで成立を見ないで今国会で御審議をいただいておるというふうな状況でございますので、われわれといたしましても法律が通りますまで行政指導でいろいろな安全上の指導をいたしておりますけれども、この法律が一日も早く成立を見ますように心から期待をいたし、また希望をいたしておる次第でございます。
#41
○説明員(友藤一隆君) 防衛庁といたしましては、今般の判決に際しまして、自衛隊の航空機との事故でありますことにかんがみまして、たくさんの犠牲者が、お亡くなりになった方がございます、そういう点たいへんその方々の御冥福をお祈りするということがまず第一でございますが、防衛庁といたしましても、この事故が隊員の公務遂行中に発生をしたというところからこの訴訟に深い関心を払ってきたところでございますが、今般有罪の判決があったわけでございますが、判決要旨によりますと、被告たちに見張りの義務に欠けるところがあったということで過失犯の成立が認定されているようでございます。
 で、本件訴訟は被告の個人責任の追及ということになっておるわけでございますけれども、防衛庁といたしましても、個人の刑事責任とは別個に防衛庁全体、組織全体といたしましての問題ということで、航空交通安全の問題を含めまして考えておりまして、判決理由についてよく勉強いたしまして、この種の事故を将来とも絶滅するように努力していきたいというふうに考えております。
#42
○青木薪次君 運輸省並びに関係省庁は航空交通安全対策要綱をつくりました。その内容は端的に言ってどういうものか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#43
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘の航空交通安全緊急対策要綱というものは、昭和四十六年八月に決定いたしましたものでございます。
 で、この内容といたしましては、まず第一番に、一番大きなものでございますけれども、これは空港あるいは航空路というものの空域と自衛隊機の訓練いたします空域とを完全に分離しなさい。要するに空域の完全分離ということをまず第一点として掲げておるわけでございまして、この内容については防衛庁長官と運輸大臣が協議をいたしましてそうして決定いたしましたものを公に公示をすると、こういう措置をとるべきであるということでございます。
 それからもう一つは、この特別管制空域というものがございますが、これはいわゆる有視界飛行ができる気象状態におきましても計器飛行をしなければいけない、そういうふうな空域でございます。したがって、すべて運輸大臣の要するに管制を受けて航行をしなければならない空域でございますけれども、それを特別管制空域と申しておりますが、そういうものを拡充すべきであるということでございます。
 それから次は、この運輸省の航空行政と自衛隊のいわゆる業務との間の調整をとるための覚書がございますけれども、この覚書を一度白紙に戻して、もう一度協議をして新しく結論を出すべきである、こういうことでございます。
#44
○青木薪次君 雫石の事故の後で、航空保安施設や航空路の整備の立ちおくれということが世論の厳しい批判を浴びてまいったと思うのであります。そのために実はどういう施設対策をとったかをお聞かせ願いたい。
#45
○政府委員(中村大造君) 航空交通の安全を確保いたしますためには、いわゆる保安施設の整備ということが緊要でございます。したがいましてこの点につきましては、政府といたしまして昭和四十六年以来鋭意その改善に努めてきておるわけでございまして、たとえばいわゆる第二次の空港整備五ヵ年計画、これは四十六年度から発足いたしておるわけでございますけれども、その計画を促進するということで、いわゆる航空路監視レーダーというものがございますが、この航空路監視レーダーの整備を促進するということをいたしておるわけでございます。これは現在着々と整備が進んでおりまして、昭和五十一年度にはほぼ全国をカバーする八カ所のレーダーが整備できるというふうになっております。
 それから、レーダー情報を処理いたします場合の情報処理システムの近代化、こういうものにつきましても現在鋭意整備を進めておりまして、東京、大阪につきましては五十一年度中にこの整備が完了するということでございます。その他VOR/DMEあるいはRCAGというふうないわゆる保安無線施設の整備についても計画的に整備を進めておるということでございまして、いわゆる航空法による規制の整備というものと相まちまして保安施設の整備は計画的に進めておるということでございます。
#46
○青木薪次君 雫石事故の後で交通緊急安全対策要綱をつくったと思うのでありますが、これのねらいは端的に言って、先ほど局長も指摘しておりましたように、民間航空の安全を保護するための法律に次ぐものだというように理解をいたしているわけでありますが、本来こういうものは航空法がカバーしなければならぬものだと実は思っているんでありますが、この点についてわざわざこのことを事故の後でつくったということは本来自衛隊法が航空法に優先しておったということを端的に認めていいと思うんでありますが、その点航空局長どうですか、
#47
○政府委員(中村大造君) 決していわゆる自衛隊機が民間航空に優先しておったということではございませんで、従来の航空法の規定におきましてもいわゆる航空交通のルールというものは規定されておったわけでございます。それで緊急対策要綱でいわゆる訓練空域というものを設定いたしまして、これを分離するということを決めましたのは、民間航空は民間航空としての安全を確保する、自衛隊機につきましては自衛隊の任務遂行のために必要な訓練を行い得る空域を設定するということで、両方のいわゆる目的というものをそこで調整すると、こういう趣旨でございまして、これはいわゆる行政措置によってなし得るわけでございます。
 ただ、今回のこの法律改正につきましては、これとうらはらになるわけでございますけれども、いわゆる航空交通管制圏、あるいは航空交通管制区という、いわゆる航空交通について管制を原則的に行います空域、したがって、そこに民間航空機がジェットルートないしは航空路を設定して運航するわけでございますけれども、そういうところではいわゆる自衛隊機等の訓練飛行あるいは曲技飛行、試験飛行、こういうふうないわば危険を伴うおそれのある飛行は原則としてこれを禁止すると、こういうことをこの法律の中で明定しておるわけでございまして、行政措置による訓練空域の設定と法律による禁止と、こういうものとが両々相まってそれぞれのところを得て安全の確保が図られる、こういうことではないかと思っておる次第でございます。
#48
○青木薪次君 そうしますと、この激増する大型ジェット機時代にあってジェットルートを導入したのは、これは高高度管制といいますか、この制度が導入された昭和三十七年ですか、以来だと実は思っているわけでありますが、こういうルートを飛行することとしながら、今度は先ほど局長の言われた有視界飛行方式の航空機が従来どおりの規制となったというようなこと等があって、同一空域に、J11Lですか、あそこへ入ってきたということが、これが結局同一空域に両方式による航空機が混在したということがこのような衝突事故となってあらわれたというように理解をいたしているんでありますが、運輸省と防衛庁はどう考えていますか。
#49
○説明員(松本操君) 先生おっしゃいましたように、高高度管制というやり方が入ってまいりました時点以後におきまして、高高度二万四千フィート以上の高度におきましてジェット機が非常に飛ぶようになった。したがって先ほどおっしゃいましたように、そこにジェットルートを設けるというふうな措置をとり、高高度における計器飛行方式によって飛行する航空機の安全の確保ということについての最大の配慮をしてまいったわけでございます。一方、その時点におきましては、通常の有視界飛行の航空機というものは、現在でもそうでございますが、そのような高いところを有視界飛行で飛ぶというふうなことは通常はございません。ただ、自衛隊の航空機におきましては、その任務の特殊性からそういうふうな高高度、高い高度を有視界飛行で飛ぶということもあり得るわけでございます。
 そこで、問題は、それから先この異種の方式で飛んでおります航空機の間にどのように安全を確保するかということがまさに御指摘のとおり重要な問題であったわけでございます。その時点におきましても、自衛隊側における訓練のあり場所というものにつきましては、私どもの方から通報してございますジェットルートの幅その他を考慮して、しかるべき位置で支障を起こさないように訓練するという基本的な考え方はお持ちであったようでございます。ただ、異なった方式の飛行であるのみならず、この有視界飛行方式で飛びます飛行機が急激な姿勢の変更を行うというふうな、さらに複雑な飛び方をするという状態でございましたために、ジェットルートの保護空域の近辺を侵しだというふうなことがあの悲惨な事故に直接的につながったと、こういうことであろうかと思います。
 そこで、先ほど局長からも御説明申し上げましたように、異種の交通、異なった航空交通というものをはっきりと分離する、そういうふうにいたしますと、これが混在するという間違いの根本になるところが排除できますので、そういう意味で訓練空域の設定という措置をとったというふうに私どもは考えております。
#50
○説明員(友藤一隆君) ただいま運輸省の方から御答弁があったとおりでございますが、私どもも自衛隊の航空機の訓練につきましては、当然航空交通の安全というようなものを確保することがまず第一でございますので、当時といたしましては、やはりその訓練の責任者であるそれぞれの基地司令等が航空路を避けてそれぞれ訓練を行います空域を指定をあらかじめしておったわけでございますけれども、先ほど運輸省からお話がございましたように、いろいろ姿勢の変化を伴う訓練をやっておりましたために、あるいはその空域から若干はみ出すようなことがあったのではないかというふうに考えておるわけなんですが、事実関係につきましては、現在係争中の問題でございますので、私どももここではっきりとしたことを申し上げる立場にはないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、やはり空域を分離いたしまして、一般の航空交通に支障がないようにわれわれの訓練もやっていくべきであるというふうに考えております。
#51
○青木薪次君 急激に姿勢を変える有視界飛行の場合に、
  〔委員長退席、理事黒住忠行君着席〕
 角度が何度から何度の場合においてはこのことが適用されるかという問題は、専門的立場であったにしても、判決の主文を読んだ場合に、いろんな意見が実は出されていると思います。二つの、運輸省の立場の意見、それから防衛庁といいますか、両被告の立場の意見というものがあると思うのでありますが、要は、ジェットルートが開設された、この航空路は法的に認知されていないからこの雫石の事故では防衛庁は責任はないんだ、こういう解釈をとっておるかどうか防衛庁に伺いたい。
#52
○説明員(友藤一隆君) 現在、刑事責任あるいは民事責任の有無の問題につきましては、法廷でもってその判断をお願いしておるという段階でございますので、これについては遠慮申し上げたいと思います。
#53
○青木薪次君 運輸省はいかがですか。
#54
○説明員(松本操君) 航空路あるいはジェットルート、こういうものには保護空域というものが存在している。保護空域というものは、航空機が計器飛行方式で飛びます場合に安全を確保するためにあけなければならない間隔、これは上下、前後、左右でございますが、この間隔を含む空域、これが保護空域という概念であるということにつきましては、これが航空路であろうとあるいはジェットルートでありましょうとも同じような概念が当てはまらなければ計器飛行方式の管制の安全を確保できませんので、この点についての考え方は何ら変わっておりません。これが法的にどうであるかという点につきましては、航空路については航空法の中にこれはこういうものだと、幅のあるものだというふうな概念が出てまいっておるわけでございますが、ジェットルートというものは、先ほども御答弁申し上げましたように、高高度管制区という、つまり管制をしておる空域の中に、ここは非常にしばしば確実安全に通れるところであるというふうに指定をしてある通り道でございますので、特段に法律上の手当てということはいたしておりませんけれども、そこにそういう通路があるということについてはAIPによって明らかにされておるということでございます。
#55
○青木薪次君 これは重要な問題ですから運輸大臣にお伺いしたいと思いますけれども、いま言ったジェットルートの航空路を法的に認知していないので、この中へ入って来たことについて責任があるないという問題について、航空管制上の最高責任者である運輸大臣からこの問題についての所信と見解を伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(木村睦男君) ジェットルートが法的に指定してあるからそこに入れば法律違反である、指定してないから法律違反じゃないという問題と、今回の事故の場合にそういうものが法律で定めてあるから責任が云々ということでは私はないんじゃないか。法律でありましょうともなかろうとも、航空管制上ジェットルートというものが決められておる。そこはジェット機が通り得る通路として設けられておるわけでございますから、そこに入る場合にはそのルートが法律で決めてあろうとなかろうと注意を払って飛行すべきであると、こういうふうに考えますので、いま申し上げたような事柄が判決あるいは純粋法律判断の上どういうふうになりますか私知りませんですけれども、ごく常識的に考えてみますとそういう感じはいたしておるわけであります。
#57
○青木薪次君 私は、いま何を言っているのかわからないわけでありますけれども、それなら運輸大臣、民間航空路と訓練空域をなぜ分けたのですか、その点をお伺いしたいと思います。運輸大臣にお伺いしたい。これは基本に関する問題ですよ。
#58
○国務大臣(木村睦男君) 技術的なことですから、航空局長からお答えいたさせます。
#59
○政府委員(中村大造君) 先ほど管制保安部長が申し上げましたように、航空路というものといわゆるジェットルートというものとにつきまして、法律上の違いということよりも、むしろ航空路、ジェットルートというものをどのようにしてこれを周知徹底させるかという問題であろうかと思います。ジェットルートにつきましても、これは法律による告示ではございませんけれども、いわゆる航空情報ということで一般に公示しておるわけでございます。したがって、飛行をする者は当然ここにジェットルートがある、直行経路があるということは十分知り得るわけございまして、それが航空路であるかあるいはジェットルートであるかということは実態的には区別はないわけでございます。問題は航空路というものは一定の幅があるわけございます。ジェットルートというものは線でございますけれども、これについては左右に何がしかのいわゆる保護空域というものを定めまして、航空路と同じ幅を持たせておるということでございまして、それをどのようにして、やはり周知徹底させるかという問題であろうかと思います。で、そういうものといわゆる訓練空域というものとを分離して、訓練はもっぱらそこにおいて行うというふうな行政上の取り決めをするということは何ら矛盾をしないのではないかと思います。
#60
○青木薪次君 防衛庁の両被告は控訴したのですね。だから、あなたの言われたことについて、私はあえて再質問しなかったわけでありますが、やっぱり控訴については、われわれ国民の側としては思いとどまるべきだったと思っている。そして、その新航空法という位置づけについて、私はお互いにそういう立場について国民的位置づけを合意の上でなすべきであったと考えているわけでありますが、これは国民の基本的人権の問題ですから、これはとやかくは言いません。ただ、航空路と訓練空域を分けたことによってニアミスは極端に減ったということが言われているわけでありますが、完全になくなったのか、その後ニアミスは起きているのか、その辺の前と後との比率をお示し願いたいと思います。
#61
○政府委員(中村大造君) 統計によりますと、四十七年におきましてはニアミスと判定されたものが五件ございます。四十八年、四十九年はいずれも一件ニアミスと判定されたものがございます。
  〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕
したがって、減少しておるということが言えると思います。
#62
○青木薪次君 パイロットの見張り義務はあるんですか、有視界の飛行の場合。
#63
○政府委員(中村大造君) パイロットのいわゆる見張り義務というものは、現在の航空法におきましても、これは直接的な表現ではございませんけれども、間接的な表現によって見張り義務というものは規定されておるというふうにわれわれは解しておるわけでございます。
#64
○青木薪次君 その場合に罰則はいわゆるかけないということですね。罰則はかけないということになりますと、刑事責任の関係については直接的にはないという判断をいたしたいと思いますけれども、事件の起きたときにやはり刑事責任の根拠となりがちだと思うのでありますけれども、その点はいかがですか。
#65
○政府委員(中村大造君) 今回の改正案の中にも見張り義務は明定いたしておりますけれども、それに対しては罰則の規定はございません。要するにこの見張り義務というものは、いわゆる法律以前の問題といいますか、これはいかなる状況下であろうと、航行の安全を確保するためにはいわゆる見張りというものを励行するということは、これは当然のこととしてこれを明定したわけでございます。ただ、具体的に事故が起こりましたときの責任というものは、いわゆる刑法その他の規定に従って事実関係に照らして判定されると、こういうことかと存じます。
#66
○青木薪次君 この問題も、将来とも問題を相当発展させそうに思うのであります。いま航空局長は、刑事責任というものはない、罰則はないと、こうおっしゃいますけれども、問題によってそのことがやっぱり中心の問題として問題を提起しがちになると思いますので、それらの点については、見張り義務というものは当然これは安全の最低の問題としてだれしも持っているものだという立場でやっぱり考えていくべきだと、こう思っているわけでありますが、それでいいわけですね。
#67
○政府委員(中村大造君) 先生のおっしゃったとおりでございます。
#68
○青木薪次君 昭和四十八年の九月に行政管理庁が、「民間航空の安全を中心に航空行政全般の諸制度およびその運営について監察したところ、航空交通管制官の配置、航空機の整備に関する監督、操縦士の養成・資格認定、航空保安施設の整備、航空情報の提供等について、安全確保を図るため必要な措置を必ずしも十分には講じていない」という厳しい指摘をされておりますけれども、運輸大臣と航空局長はどうお考えになっておりますか。
#69
○政府委員(中村大造君) 行政管理庁の意思表示に対しましては、われわれといたしましてはこれを謙虚に受けとめまして、特に航空管制官の拡充とか、あるいは航空の整備等についての監督の強化という点については、でき得る限りの努力をいたしておるつもりでございます。
#70
○国務大臣(木村睦男君) 航空交通事故防止につきましては、常にいろいろと配慮をいたしておるわけでございますが、あるいは予算の面、人員の面等でやっておりますけれども、必ずしも運輸省自体が考えておりますように、たとえば一年の間に全部やってしまうとか、短期間に仕上げるとかいうことがいろいろな制約を受けてできていない点も事実でございます。行政管理庁の方でいろいろ指摘を受けましたこともわれわれは謙虚に受けとめまして、今後それらの指摘も十分に配慮をいたしながら事故防止のためのいろいろな施設、施策を講じていきたいと思います。
#71
○青木薪次君 私は、民間航空交通の優先の思想というものは今日も貫かれていないと思っています。それは、もし貫かれているとするならば、それは法改正の中で保証をしている条文について確認をしたいと思います。
#72
○政府委員(中村大造君) 民間航空の優先といいますか、むしろ航空法の規定の精神は、民間航空あるいは自衛隊の飛行機の運航、それぞれその目的に従って飛行をするわけでございまして、そういういわゆる異種の飛行を行うものにつきましても、その安全が確保されるようなルールというものの設定をするということを主眼にして規定されておるわけでございまして、したがいまして、そのどちらが優先するとかいうことではなくて、とにかくまず安全の確保ということを大前提にして円滑な運航ができるようなルールを定めておるということかと存じます。
#73
○青木薪次君 それでは問題点となる点についてお聞きいたしていきたいと思います。改正案九十二条の操縦訓練飛行について聞きたいと思います。試験飛行というのは一体何ですか。
#74
○政府委員(中曽敬君) 試験飛行と申しますのは、新しく飛行機ができまして、飛行機の性能を試すために飛んでみる、そういう飛行を試験飛行と称しております。
#75
○青木薪次君 現行法九十三条を改正した理由というのは何なのか、改正条文のどこにそのことが生かされているのかお聞きしたいと思います。
#76
○政府委員(中曽敬君) 現行の九十三条の規定は、新しい今度の法律案におきましては九十一条と九十二条にわたりまして書いてございます。
#77
○青木薪次君 九十一条の三項の省略とありますけれども、これはどういうことを示しているのですか。
#78
○政府委員(中曽敬君) 現行の九十一条の第三号でございます。第三号は航空交通管制圏でございまして、新しい今度の九十一条の、新法の改正案におきましても、第一項の第三号は全く同じでございます。
#79
○青木薪次君 九十一条は航空交通管制区とそれから管制圏と二つあるわけですね。これは運輸大臣の許可を受けた場合はこの限りでない、許可を受ければいいんだ、こういうことですね。
 それからその次に、ひんぱんに姿勢を変更する飛行とはどういう飛行なんですか。
#80
○政府委員(中曽敬君) たとえば先ほどからいろいろと話が出ておりますように、訓練などをやりますときにいわゆる定常的な飛行ではなくて左に曲がったり、右へ曲がったり、あるいは急激に上昇したり、急激に下降したり、そういうふうな飛行をやります、大体訓練飛行、そういったものがこういったものに属するかと思います。
#81
○青木薪次君 そういたしますと、おたくで出してもらった五十九ページの「自衛隊法新旧対照条文」によりますと、自衛隊法改正案が出ておりますが、これはいま言った九十二条第一項第三号に係る分は適用除外されておりますね。それから自衛隊法第百七条四号の改正案でしり抜けとなっているのでありますけれども、法改正の趣旨に反するのじゃありませんか。
#82
○説明員(松本操君) 先生いま御指摘ございましたのは、「航空法等の適用除外」に係る自衛隊法第百七条の第四項の改正部分に関するところであろうかと思いますが、第九十一条、第九十二条といたしまして、九十二条は、「(第一項第三号に係る部分に限る。)及び」云々云々というのがございまして、その次にお読みいただきますと、「第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた場合において、」、それからまたごたごたいろんなことが書いてございまして、一番最後に「適用しない。」、こういうふうに非常にわかりにくい条文でございますので、読むのに苦労が要るんでございますが、そういうふうにお読みいただくことになるわけでございます。
 そこで第七十六条と申しておりますのは自衛隊法の七十六条でございます。これは自衛隊法の中での改正でございますので、七十六条とございますのは自衛隊法の七十六条でございます。この七十六条は「防衛出動」でございます。防衛出動の詳しいことは私説明いたす立場にございませんが、恐らく何か有事の際に実際に防衛庁の航空機が出動するという事態であろうかと思いますので、そういう場合に運輸大臣の許可がなければ管制区の中でこういうことをやってはいかぬというのははなはだしく実態にそぐいませんので、そのときはいいよと、こう勘弁しただけでございまして、それ以外の必要には、つまり、平時の場合においては、御指摘の条文は自衛隊に適用になる、こういうふうに御理解いただいてよろしいわけでございます。
#83
○青木薪次君 それは後でまたお聞きしたいと思っておりますが、この緊急時というような場合は、これは防衛庁にお伺いしたいと思いますけれども、内乱は含まれますか。
#84
○説明員(友藤一隆君) 自衛隊法で規定されておりますのは「防衛出動」、「治安出動」、そういった場合がいわゆる緊急時、あるいは「海上における警備行動」なんかで治安の維持の必要がある場合というふうに現在は規定がされております。内乱というようなはっきりした用語は現在使っておりません。
#85
○青木薪次君 たとえば戦争の場合、日本と第三国と戦争してあなた方の自衛権発動といった場合、あるいはまた日米安保条約に伴ってアメリカが戦争した場合にはこのことが当てはまりますか。
#86
○説明員(友藤一隆君) 安保条約の第五条の規定によりまして、日本に対する攻撃であるというふうに考えられる場合にはそういう場合が出るかと思います。
#87
○青木薪次君 外務省どうですか。
#88
○説明員(山下新太郎君) ただいまの御質問でございますけれども、米国が日本における施設区域を利用いたしまして出動する事態があるかという御質問かと思いますが、具体的な態様でこれが事前協議の対象になるかという問題があり、その際、政府としては事態の性質に応じて積極ないし消極にその立場を決めるということでございます。そういう場合に積極的立場をとれば御質問のような事態が出てくるかと思いますが、抽象的に申し上げた場合には航空法の特例に関する法律がございまして、その規定に従ってどう決めるかということではないかと思います。
#89
○青木薪次君 私は断わっておきますけれども、緊急安全対策要綱は相当よくできていると思っているんですよ。そういう立場に立ちつつも、民間航空は優先という立場に立っていないということを申し上げつつあるわけでありますが、管制区または管制圏外の飛行についてはどうなっているんですか、この点について航空局長に御答弁願います。
#90
○説明員(松本操君) 改正法の考え方といたしまして、ただいまもございましたように、九十二条で管制区あるいは管制圏の中でたとえば「航空機の姿勢をひんぱんに変更する飛行その他の」飛行をしてはいけない、こういうふうに書いてございますが、管制区と申しますのは、御案内のように、計器飛行方式で飛んでおります航空機に対して管制官が逐一指示をする、そういう空域でございます。管制圏というのは飛行場にごく近い部分、こういうふうに御理解いただいてよろしいかと思いますが、その管制区でも管制圏でもないというところは実は私どもが積極的に管制をしていないところでございます。そこを大体飛ぶことは、何というのですか、そこを計器飛行で飛ぼうといたしますと、本来管制をしない空間でございますので、管制区でも圏でもないところを計器飛行で飛ぼうという場合には、特段の措置をしなければなりませんけれども、有視界飛行で飛ぶ場合につきましては、これは別に何も制限はございません。一般の飛行のルールに従って飛ぶということであればよろしいことになるわけでございます。
#91
○青木薪次君 ちょっと責任回避の答弁だと思うんですね。管制圏または管制区の以外のところですね。おたくでいろいろつくったでしょう、この間資料を見せてもらったのだけれども、ここはどういう高度がどうだとかこうだとかというのがありましたね。その白い部分ですよ。その部分について運輸省は一体どう考えているかと聞いているんですよ。
#92
○説明員(松本操君) ちょっと私のお答えが多少舌足らずであったかと思いますが、一般的にどう考えておるのかという御質問に対しまして一般的にお答えしますと、いま私がお答えしたようなことになってしまうわけでございまして、積極的に管制をする気のない空域だから、したがって、計器飛行は本来はだめよと、しかし、特別の許可をとったら計器飛行で飛んでもいい。有視界飛行の場合にはすべての空域について、禁止区域以外はとやかく言うておりませんので、一般のルールに従って飛べばそれでよろしい。ところがそれ以外の、たとえば、訓練をそこでしたいというときにはどうするのか、こういうことになりますと、訓練というものは訓練空域でやるのだということを緊急対策要綱に基づく諸般の措置によって確立してございますので、だからただここが単にあいているから訓練をするとか、あいていないから訓練ができないとかいうことではなくて、訓練をする場合には、御案内の訓練空域というものがAIPに載っている、その訓練空域の中で訓練をするのだ。その訓練空域がもちろん管制圏でも区でもないところにかかっている場合もございましょうし、そうでない場合もあるいはこれから出てまいるかもしれませんけれども、違う観点からものを見ておるというふうに私どもは理解をしているわけでございます。
#93
○青木薪次君 運輸大臣はこれらの関係について航空管制には全責任を持っているんですよ。積極的に介入したくない地域だということは一体この立場からどういう御答弁ですか。
#94
○説明員(松本操君) 管制という言葉がおよそ空を飛んでおります航空機すべてについてこうしろああしろということであるというふうにお考えいただきますと行き違いが実は起こっているわけでございまして、管制という業務は、管制区または管制圏の中におきましてフライトプランを、飛行計画書を出しまして計器飛行方式で飛びたい、こう言うております航空機に対してこれを運輸大臣の名においてその計画を承認し、または離陸を許可し、あるいは着陸を許可し、高度の変更を指示する。こういう一連の業務が管制業務ということでございます。したがいまして、有視界飛行でたとえば飛んでいきたいと、東京から札幌へ有視界飛行で行きたいという場合には、いま私が申し上げたような意味においての管制というものは受けないわけでございまして、それはしかし決して運輸省が、運輸大臣はほっぽらかしてあるわけではございませんので、それは航空法及びこれに基づく施行規則によりまして、飛行機はおよそこのように飛ばねばならないという基本的なルールがございますので、そのルールを守って飛べと、こういうことになるわけでございます。
#95
○青木薪次君 そういう積極的に介入したくないという、いま言った区または圏外の飛行についてこういうことを、そういう立場にいるから私は雫石の事故というのはそういう関係から起こってきたと、こういうように解釈しているんでありますけれども、いま管制保安部長のおっしゃったようなことが消極的には雫石の事故になって結果としてあらわれたと、こう思っているんですが、この点についてどう考えますか。
#96
○説明員(松本操君) 確かに、先生仰せのとおりに、たとえば航空路の保護空域の外ならよろしいのではないかとか、そういうふうな考え方があるいは当時あったかもしれません。そして、それは先生まさに御指摘のとおりに、何らかの間違いの遠い原因になっておったというふうに考えられるのかもしれません。そこで緊急対策要綱というものをつくり、これによりまして訓練をするという、訓練という飛行の飛び方と、通常の飛行機の飛び方、ましてや民間機の定期便の飛び方と全く飛びようが違いますので、この飛び方の違うものをおのおの異なった空域の中で措置をすると、それが両方入り乱れないようにするということが緊急対策要綱の大きなねらいでございます。この点につきましては、現にしかるべき措置が十分にとられておるということでございますので、先生がおっしゃいますような管制が積極的に介入しないという空域でありましても、訓練空域として別途の枠がかけられていない限りそこは訓練に自由に使っていい空域であるというふうには私どもは理解していないわけでございます。
#97
○青木薪次君 雫石の事故は、一瞬にして百六十二人の生命を奪っている。これはまあ重大かつ悲惨な事故だと。そこで運輸省と防衛庁で相談をして訓練空域が設定されたわけですね。現行の訓練空域は改正条文の中でどの条文に盛られていますか。
#98
○政府委員(中村大造君) いわゆる、この訓練空域というものは防衛庁長官と運輸大臣が協議をいたしまして、運輸大臣が決定してこれを公示すると、こういうかっこうをとっておるものでございまして、航空法上訓練空域というものはこれは規定されておりません。
#99
○青木薪次君 その辺が非常に私は問題だと思っているわけです。そのときそのとき、しかも防衛上必要だというような場合、あるいはまた運輸大臣と防衛庁長官との覚書だとか、それらの関係の中でどんどんどんどん問題の発生ごとに変わっていくという点について、これからも私どもはいろいろ質問を続けていきたいと思いまするけれども、時間の関係がありますのでこの点はこの程度にいたしまして、ただ、現に東京湾の上空に出る百里基地がある。したがって、この百里基地を飛び立った飛行機、いわゆる自衛隊飛行機は東京湾の上空について訓練空域をつくりたい意向があるということを私はある有力者から聞きました。この点については、自衛隊いかがですか。
#100
○説明員(友藤一隆君) 現在百里に航空団を置いておりますので、私どもといたしましては、やはり訓練空域を設定していただきまして所用の訓練を実施をいたしたいということを考えておりまして、運輸省の方に設定方についていろいろお話をしておる段階でございます。
#101
○青木薪次君 そうだとすれば、ホノルルとかアンカレジから帰ってくる飛行機についてはどういう考え方で対処するか、これは重大なことですから運輸大臣からお聞きしたいと思ます。
#102
○国務大臣(木村睦男君) 非常に技術的な問題でございますので政府委員の方から。
#103
○説明員(松本操君) 現在自衛隊の方から相談になっております訓練空域は、鹿島灘沖といったらいいのか、百里沖というのか、よく存じませんが、あそこら辺の空域でございます。で、その空域には、いま先生がおっしゃいますように、ホノルルあるいはアンカレジ、こういう方面に出入りする航空機の、まあ適当な日本語がないのでOTRという略語のまま使っておりますが、こういうOTRと称する通り道があるわけでございます。しかしながら、このOTRというものはそこら一面にクモの巣のようにあるわけではございませんので、主として放射状に相当の角度を開いて海の上に出ておると、こういう形でございます。したがいまして、それぞれの一本一本のルートに、いままでいろいろと御審議いただいておりますような、たとえば保護空域を置く、あるいはバッファーを設けるというふうな諸般の手当をいたします。そして、仮に民間機がそのOTRを何かのよほどの激しい間違いで逸脱をしても、あるいは逆に訓練機の方が訓練空域からはなはだしく逸脱することがあっても、まず絶対に両方の空域というものが混淆しない、こういうふうな形を考えることによって民間航空の安全というものを確保してまいりたいというのが基本的考え方でございます。したがいまして、これには技術的に非常にむずかしい問題がいろいろとございますので、現在私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような方向で、すなわち民間航空の安全を絶対的に確保するという基本的な考え方に従いつつも、空域の有効な利用という点を加味して、その空域をどのように設定したらよろしいかということを鋭意検討中でございます。
#104
○青木薪次君 あなた方のおっしゃる民間航空の安全というのは、与えられた中で何とか最善に考えるということであって、民間航空優先の原則というものについて非常に卑屈な見方をしているというように、私は積極面も評価しつつも、そういうように考えているわけです。
 ですから、九十二条の三項で、「航空機の姿勢をひんぱんに変更する飛行その他の航空交通の安全を阻害するおそれのある飛行で運輸省令で定めるもの」というように載っているわけでありまするけれども、これは訓練空域はどこで許可するのか、または、この中の「姿勢をひんぱんに変更する飛行」と曲技飛行ですね、アクロバット、これとの相違について説明してもらいたいと思います。
#105
○政府委員(中曽敬君) 「姿勢をひんぱんに変更する飛行」と申しますのは、先ほど御説明申しましたとおりでございまして、左に曲がったり右に曲がったりあるいは高度を急激に変更したりというふうな飛行であろうかと思います。それに対しまして曲技飛行でございますが、それはもっとさらに、たとえば宙返りとか急降下とか、そういうふうな姿勢を頻繁に変えます飛行よりか、もっと程度の大きい曲技的な要素が入ってくる、先生おっしゃいましたアクロバット飛行、そういったものがこの曲技飛行に入るというふうに解釈しております。
#106
○青木薪次君 訓練空域はどこで許可するのか、その点について聞きたいのです。さっき冒頭に言ったのです。
#107
○政府委員(中曽敬君) 失礼いたしました。訓練空域につきましては、先ほどるる説明がございましたように、これは法的事項といたしましてやるわけではございませんで、いわゆる、たとえば自衛隊の訓練空域でございますれば、自衛隊と私どもとの間でいろいろ協議いたしまして、こういったところで訓練をすれば大丈夫であると、そういった空域を設定いたしまして、これはAIPで公示いたしますが、そういういわゆる手続は必要といたしますが、法律的事項ではございません。
 それから曲技飛行につきましては、この九十一条に書いてございますように、曲技飛行いたしますときには、一般的にはそこの一号、二号、三号、これでもって、こういったところでやってはならないと書いてございまして、「但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。」という規定がございますとおり、こういったところでやります場合には一定の条件をつけまして、そうして許可をするという手続を踏んでやっていただくと、こういうことになるわけでございます。
#108
○青木薪次君 私がくどいように聞いているのは、九十二条三号の「運輸省令」の中身について、許可基準というのか、安全基準というのか、そういう点についてこれは時間がありませんから、きょうでなくてもけっこうですから、ひとつ教えていただきたいと、こういうように思います。
 それから、先ほど局長の答弁でも問題ないと言われたんですけれども、百里基地の関係でも出たけれども、この北海道新聞の報ずるところによれば、自衛隊機が管制圏内である釧路空港の上空で訓練飛行をやっている。この点について九十二条に触れると思うんですけれども、この点、いかがですか。
#109
○説明員(松本操君) 釧路につきましては、御指摘のように、釧路空港の上にかぶさる形で自衛隊の現在高高度の訓練空域がございます。しかし、現時点におきましては、その付近の空域には高高度管制区というものが設定されておりません。したがいまして、現在の自衛隊の訓練空域というものは管制区でないところでございますので、現時点においては特に法律上の問題は生じていないというふうに考えております。
#110
○青木薪次君 この点は後で私が北海道新聞を見せますから、いま保安部長のおっしゃったこととも若干違うと思うんでありますから、この点についてもやっぱり新航空法の審議の場合においてひとつ参考にしていただくとして、ひとつ民間航空交通を優先するたてまえというものをはっきりさしていただきたいと、こう思います。
 それから、運輸大臣と防衛庁長官との覚書や各種の協定等がありますけれども、この共用飛行場で自衛隊と運輸省との優先権というのは、一体どうなるのか。日本の飛行場の大多数が自衛隊の管理で実はあるのですね。これは前に、いま申し上げました民間交通優先の原則というものに違反していることにならないのか。すなわち、百三十七条に基づいて、管制業務が運輸大臣から防衛庁長官に委任されている。しかし、この防衛庁に管制業務を委任している飛行場というのは、大体、一体幾らあるのか。これは全体の飛行場の中の何%に当たるのか、この点についてお聞きしたい。
#111
○説明員(松本操君) 先生おっしゃいましたように、防衛庁長官に対して、管制業務を運輸大臣が委任しております根拠は百七十三条の三項でございます。そこで、現在防衛庁に飛行場管制業務が委任されております飛行場というもの全部で三十二ございます。三十二ございますが、これを内容的に見ますと、二つの種類に分かれます。その一つは、防衛庁がもっぱら使っておる飛行場でございます。これが二十五でございます。残りの七つが防衛庁の飛行場と民間航空とが共用をしておるというところでございます。それから、運輸省が飛行場管制を行っております空港の数は二十一でございます。したがいまして、民間機が出入しております飛行場であって、飛行場管制業務が行われておる飛行場が二十八あるわけでございまして、その二十八のうち、二十一は運輸大臣がみずから行っておる、こういう形になっております。
#112
○青木薪次君 次に、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律という、まことに長ったらしい法律があるのでありまするけれども、この資料によりますれば、新旧対照条文中、三項は略になっていますね。この略になっている内容をちょっと教えてください。
#113
○政府委員(中村大造君) この三項は改正になっておりませんけれども、米軍の航空機及びその航空機に乗り込んでおるいわゆる従事者、こういうものについてこの航空法第六章、これは運航に関する規定でございますけれども、そういう規定について政令で定めるものを除いて適用しない。逆に言うと、適用条文は政令で定めると、こういうことを規定しておる条文でございます。
#114
○青木薪次君 いまのお話で、航空法第六章は、この五十七条から九十九条までであるというようにちょっと見たんでありまするけれども、これは政令で定めたものを除きアメリカには適用しないということですね、そうですね。
#115
○政府委員(中村大造君) そのとおりでございます。
#116
○青木薪次君 じゃその政令とは何かをちょっと読み上げてみてください。
#117
○政府委員(中村大造君) 政令の中身でございますけれども、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律第三項の政令で定める航空法第六章の規定は、同法第九十六条から第九十八条までの規定とする。」ということでございます。
#118
○青木薪次君 九十六条、九十七条、九十八条というのは、これは管制官のいわば権限に属する問題で、行政権と解していいと思うのでありますが、その点いかがですか。
#119
○政府委員(中村大造君) いわゆる航空の管制というものは、これは運輸大臣が一元的に行うことになっておるわけでございまして、したがって、この九十六条から九十八条までの間の規定というものは、そういうふうな運輸大臣の管制の権限というものを前提といたしまして、それに関連する規定でございます。
#120
○青木薪次君 そうしますと、これは当然なことだと思うのでありますが、九十二条も自衛隊と同じように、いまいったアメリカの場合には全くこの航空法は自衛隊よりもさらに骨抜きになるというように解釈していいわけでありまするけれども、骨抜きであるかないかの議論というものはお互いにいろいろな立場によって違うと思うのでありまするけれども、私はやっぱり適用除外の程度は自衛隊よりさらに多い。したがって、この多い部分について説明してもらいたい。
#121
○政府委員(中村大造君) 全体の考え方といたしまして、運航のルールに関する規定は、当然ICAOの基準に準拠いたしておるわけでございます。したがいまして、その限りにおきまして、この九十六条から九十八条までのいわゆる運輸大臣の管制権という、こういう行為について適用をすると、こういうことにいたしておるわけでございまして、このような規定の仕方によって、現在、特段の不都合は生じていないというふうに考えております。
#122
○青木薪次君 ちょっとピントが狂っていますね、いまの答弁は。私の言っているのは、自衛隊にも相当適用除外されたものがある。で、アメリカに対しては自衛隊よりも当該乗組員、いわゆる乗員とか何とかがこれやる仕事だと、われわれもう治外法権みたいなものだということを言ってしまえばそれまでなんでありまするけれども、日本の空はアメリカに余りにも開放し過ぎているのではないかと、こういうことを言っているのでありますけれども、その点いかがですか。
#123
○政府委員(中村大造君) 日本の空をアメリカに開放しておるということではないんでございまして、いわゆる地上に限らず、空に限らず、米軍に対しましては安保条約に従いまして、この地位協定でいわゆる提供施設というものが存在することはこれは現実でございます。それを除きまして特に自由に開放しておるということは私どもはないというふうに考えております。
#124
○青木薪次君 提供しているのも開放しているのも同じことじゃありませんか。したがって、私どもはそういう部分について余り理不尽と思われるような問題についてはこれから直してもらいたいということについて申し上げたいと思っているのでありますが、沖繩における米軍進入管制区と那覇の空港管制区との関係について質問したいと思うのであります。進入管制区は、米軍が嘉手納を中心に五十、久米島を中心に三十マイル、これは半径でありまするけれども、日本がその中でやっとのことで、那覇における半径五マイルしかないんですね。したがって、皆さんはあの地域に、嘉手納、那覇の関係を中心として久米島の関係に八十マイル持っている、半径。日本は五マイルと、こういうことについて確認してよろしゅうございますか。
#125
○説明員(松本操君) 沖繩、琉球列島を中心といたします空域は、那覇FIR飛行情報区という広大な空域がございます。この広大な空域におきます航空路管制業務、これは全部わが運輸省の手、つまり日本国の手によって行われておるわけでございますので、外側の航空路管制という部分、これは那覇FIR及び東京FIRの両方を含めて完全にわが国が運営をしておるわけでございます。その中に、ただいま先生御指摘の嘉手納において、実務上行われております進入管制がございます。その広さは単純に申すのはいささか誤解を招きやすいのでございますが、一番遠いところが八十マイル、それと五十マイルという非常に不定形な形をしております。一部わが那覇の航空交通管制部が管制をいたします航空路にかかる部分がございますので、その部分を削りなどいたしておりますので、形は不定形でございますが、一番遠いところをはかれば八十、一番近いところで五十、その中側に風行場管制圏というのがございます。風行場管制圏はおおむね半径五マイル、これはどの空港でも同様でございますので、風行場管制圏がその中に、那覇の飛行場管制圏が五マイルあるということは間違いございません。
#126
○青木薪次君 本来運輸大臣の所管であるのに、いま言った不定形であろうと、最も距離の長いのが八十マイルと言われようと、本来運輸大臣の所管であるのに、こんな法外な空域を米軍に任しているということは、いかに安保条約があろうとも、私どもは問題があると思っているわけであります。現に東京上空の管制権の返還問題が起こったときに、沖繩返還の関係があったり、成田空港を設備しなければならぬとか、あるいはまた管制官が絶対的不足だといったようなことについて――もっとも管制官はふやすということを確認とっておりますので、その点は徐々にふやしていくと思うのでありますけれども、こういうことを理由にして日本側が管制権の返還問題等についても非常にしり込みしているということがささやかれていますね。こういう点についてはもっと前向きに米軍と当たると、そしてわが国の民間航空交通優先という問題を、これを確保していくという立場に立つべきだと思うのでありますけれども、この点についてはいかがですか。
#127
○政府委員(中村大造君) いわゆる米軍からの管制権のいわゆるテークオーバーをする件につきましては、決してわれわれこれしり込みをしているわけではございませんけれども、管制をいたしますための施設、要員その他の整備、それから単に人数がそろうというだけでは足りませんので、いわゆる慣熟をしなければならないわけであります。そういうもろもろの条件の整備ということもまた大きな要素になっておるわけでございまして、そういう点についてはわれわれ鋭意それを整備すべく努力をいたしておるわけで、そういう問題が整備をされていく過程におきましてその管制を移譲するという問題については前向きに対処していくことができるのではないかと思っております。
#128
○青木薪次君 最後に、本年三月十四日付の衆議院運輸委員会における梅田委員の質問に対して、米軍との航空交通管制の問題でいろいろやりとりがありました。この中で、合意書の改定問題について、両者の間で、日米の間で鋭意検討を進めまして、これは相当程度煮詰まっているということであります。で、合意に達したと確認してよろしいかどうか、外務省にお伺いいたしたいと思います。
#129
○説明員(山下新太郎君) いま御指摘の米軍との間の航空交通管制に関する合意でございますが、今月の八日の合同委員会で合意いたしました。
#130
○青木薪次君 この合意の内容については全面改定されたと、こういうように聞いているわけであります。で、国会における航空法審議の上で必要であり、特に米軍と民間航空との安全に関する取り決めとしてこの文書は基本をなすものというように私は考えております。したがって、合同委員会の合意の内容について文書で提出をしていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
#131
○説明員(山下新太郎君) 今般改正いたしました前の合同委員会合意につきましても、それを適宜要旨の形で取りまとめて国会に御報告したと思います。それで実は合同委員会の合意につきましては、一方的には出せないものでございますから、米国側との間で話をいたしまして、先方の了承を取りつけた上でお出しするということになるかと思うのでございますが、五月八日につくりましたものにつきましても、従前のと同じような形でお出しすべく米側と話をいたしたいと思います。
#132
○青木薪次君 この内容については全面改定されたというところが実は重大だと思うのです。したがって、航空法の審議の上に必要である。しかも、アメリカが出すなと言ったから出すことはできませんなんというそういう逃げ腰な、そういう日本国民のプライドを傷つけるような態度でこの合同委員会に臨んでもらっては困るというように私は考えます。ですから、そういう立場に立って全文を出すべきだと、こう思いますけれどもいかがですか。
#133
○説明員(山下新太郎君) 全文をお出しできるかどうかちょっと私限りでお約束できないのでございますが、いま御指摘もございましたので、米側とそういうラインで強く話をしてみたいと思います。お出しできるように努力いたします。
#134
○青木薪次君 じゃ出してもらえるということを確認いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#135
○委員長(宮崎正義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十五分から再開をいたします。
 休憩いたします。
   午後一時休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十一分開会
#136
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#137
○岩間正男君 雫石上空で自衛隊機と全日空機が衝突事故を起こしてからもう四年近くになります。一瞬にして百六十二人のたっとい人命を失ったあの悲惨な事故の教訓から、一体、運輸省は何を学び、どんな対策を講じてきたか、まず伺いたいと思います。
#138
○政府委員(中村大造君) 雫石事故のきわめて痛ましい教訓にかんがみまして、運輸省といたしましては、緊急に措置すべき事項につきまして、四十六年の八月、緊急対策要綱というものを策定いたしましてその実施を図ってきたわけでございます。
 で、その内容は、たびたび申し上げますように、航空路等と自衛隊の訓練空域とを完全に分離するというふうな措置、それからその基地と訓練空域等へ行き来するための回廊をつくる、特別管制空域を拡充するとか、また運輸大臣と防衛庁長官の覚書を全面的に見直しまして、新しい覚書を締結するというふうなことを取り決めまして、それの実行を図ってまいりました。また施設面では保安施設の充実強化の計画を立てまして、その計画に従って整備を進めてきたわけでございます。それから法律的措置を要する問題につきまして、法律改正をいたすべく国会に改正案を提出して御審議をお願いしたと、こういうことでございます。
#139
○岩間正男君 これは先ほども一部一応伺ったのでありますが、まず先に、この前提条件からお伺いしたいと思いましたので。
 その次に、過般、あの事件の判決が出されたわけですね。この判決の中では自衛隊側の責任を厳しく追及する。それと同時に、政府に対しても民間ジェットルートに対する保護が不十分であった、その他航空行政の不備について指摘されていると思います。判決が出たいま、この点についてはどういうふうにこれを認めて行政に反映しようとしているのか、この辺はやっぱり運輸大臣に基本的な態度ですからお聞きしたいと思います。
#140
○国務大臣(木村睦男君) 四年前の雫石の事件につきましては多くの犠牲者を出しました、改めて犠牲者の御冥福を祈る気持ちでいっぱいでございます。
 その雫石の事故に関連しまして、ことしに入って判決が出たわけでございます。運輸省といたしましては、判決によって刑事責任がどちらにあるかというふうなことよりも、むしろあの判決の中で、ただいま岩間委員が御指摘されましたように、航空行政に対して幾多の指摘を受けております。私たちも謙虚にそれを受けとめまして、この教訓を生かして、今後二度とこういう事故のないようにいろいろと措置を講じてまいるべく努力を続けておるわけでございますが、ただいまも航空局長が申し上げましたように、事故の直後、緊急対策要綱等をつくりまして、同時に法律改正にも着手をいたしたわけでございまして、法律改正ができるまでは行政指導でもって法律改正の内容と同様の措置をとってまいってきておるわけでございます。
 また法律につきましては、今日まで遺憾ながら成立を見ないままに立ち至ったわけでございますが、幸いに今国会におきまして衆議院を通り、ただいまは参議院の当委員会で御審議をいただいておるわけでございますので、今国会中に成立の運びにさしていただきますれば、われわれとしてはさらに一層注意深く事故対策に取り組みつつ、施設あるいは要員その他の面につきましても今後努力を続けて、航空交通安全の万全を期したい、かように考えておる次第でございます。
#141
○岩間正男君 その中で、これは航空行政の不備、ことに民間ジェットルートに対する保護が不十分であった、こういうことが指摘されたわけでありますが、これは完全に現在は改正されておる、保護は十分に行き届いておると、こういうふうに考えていいのですか、この点はどうなっておりますか。簡単にやってくださいよ。
#142
○政府委員(中村大造君) 民間航空の安全を確保するために、いわゆる訓練空域の設定、それから航空保安施設等の整備ということで、今回の法律改正と相まって、民間航空の安全は確保し得るものと確信いたしております。
#143
○岩間正男君 これは具体的に例で後でいろいろお聞きをしたいと思いますから、その中ではっきりすると思います。
 先ほどの航空交通安全緊急対策要綱、この問題に戻りますけれども、先ほど改正点について何カ所か指摘がありました。その中でも雲上有視界飛行を禁止する問題とか、あるいは米軍に対して協力を求める、こういうような問題については触れていられなかったわけでありますが、ここのところは時間の関係からもう二遍詳しくあなたの説明は求めません。ただ、この精神はどうなんです、この緊急要綱の精神の中で一番私は肝心な問題があなたの説明では抜けていると思う。それはほかでもない、民間航空機を優先するということじゃないですか、この点はどうなんです。この精神があるかないかでこの要綱そのものが生きるかどうか、最も肝心な問題、原則の問題ですからね。これはどう考えるか、中村さん、どうですか。
#144
○政府委員(中村大造君) 民間航空の安全を確保するために必要なあらゆる措置をこの対策要綱で講ずると、こういう趣旨かと存じます。
#145
○岩間正男君 問題は自衛隊とそれから民間航空機の衝突事故から発したわけですよ。ここでこういうようなとにかく競合した問題が出てきたのだ、このときどっちを優先するかというのが問題だったわけです。その結果、出されたのがこの緊急対策要綱です。
 あなたは当時何しておったかわかりませんけれども、当時、参議院では連合審査会が設けられたわけです。内閣と運輸とそれから交通特別の三つの委員会の連合審査会が設けられた。そのときの委員長がほかならない木村運輸大臣。私も内閣委員だったから、現地を三日視察をして、その結果を持ち帰って内閣委員会あるいはあの連合審査会でずいぶん激しく論議した。そういう態勢の中ではっきり出されたのは民間優先、これをはっきり確立するということじゃなかったのですか。
 ところが、あなたの先ほどの青木委員に対する答弁を聞いておるというと、この問題についてどちらが優先ということでなくて、安全の確保を前提としてというような答弁をされている。私はこれは後退だと思う。これは問題をやはりはぐらかしておると思うのであります。だから私は当然そういう点から、これははっきりしたやっぱり証拠を提出しなければならぬ。当時の委員会の論議で一体どういうことが論議されたのか、各大臣がどういう一体答弁をしたのかということが重要です。あなたはこれを踏まえて言っていますか。どちらが優先ということでもございませんという答弁は撤回してもらわなければならぬ。
 それを撤回してもらうだけの理由がはっきりある。あのときの木村委員長がおります、ここに生き証人が一人います、あなたの隣にいる。このときに何と言っているか。たとえば西村防衛庁長官――これは自衛隊もよく耳を澄まして聞いておいてくださいよ。あなたたちの今後の答弁にこれは非常に影響する。
 当時の西村防衛庁長官はこう言っています。ここのところを読んでみますと、「国民の自衛隊であるものが、万一にも今回の事故ように国民に危害を与えるようなことがあってはたいへんであります。」「今回海上を使うということに中心を置きまして、やむを得ざるものにつきましては、民航の安全第一を第一義としながら」、と、こういうふうに言っている。そうして「したがって、海上に中心を移すということでございます。」と、明確に答弁している。これは虚言にはできない。
 江崎防衛庁長官、これは何と一体答えていますか、これは十二月二十一日でありますが、「二度と再びこういう悲惨を繰り返すことのないように、自衛隊機はあくまで民間航空を優先して、なるべく海面でその訓練を行なうという原則のもとに」これはやっていきたいと、こうはっきり答えています。
 さらに大西防衛庁参事官、これは自衛隊側の証言というものは非常に重要だと思いますが、「事故以来さらに、航空路あるいはジェットルートから分離をするという原則をシビアに貫くということで、訓練空域を主として洋上のほうにいま設定をいたしている」、こう答えています。シビアに貫くと言っている。最大級の言葉を使っている。民航の安全を第一とすることを第一義といたしましてと、これは防衛庁長官の言葉でありますよ。いまシビアに貫く、こういう言葉でこれは言っています。
 それから金井航空局技術部長、これもありますからついでに読み上げておきましょう。「自衛隊用であろうが米軍であろうが、訓練空域を設定するにあたっての私どもの基本方針は、民間機の安全に支障のない」、そういう方向でこれはいくんだと、これを裏づけるような発言をしているわけであります。
 何よりも防衛庁側が、これは民間優先ということを第一義としておると、こういうふうに二人の防衛庁長官が言っておる。もう一つは、訓練空域を海上に完全に分離するんだと、これが答弁の二つの大きな重要な柱じゃないですか。それなのに何ですか、民航の立場に立たなければならない航空局長が、あなたが、どちらが優先ということでもございませんなんという答弁では、まさに防衛庁よりも後退していると言わざるを得ない。私は先ほどのあの答弁はいただきかねる、これは答弁を撤回しなければならぬ。基本方針に関する問題で、今後の航空行政、現在の航空行政、これ一切に関連した問題です。単に言葉のあやなんかの問題じゃない。したがいまして、どちらが優先で何だということでは、あの雫石事故の大惨事、百六十二人の人命を失った、当時全く日本を震憾さしたようなあの重大な教訓、これにこたえていない。のど元過ぎればまさに熱さを忘れるという答弁だったというふうに思うのです。どうですか、航空局長、私は撤回を願いたい、先ほどの言葉。
#146
○国務大臣(木村睦男君) 当時、御指摘のように私も委員会並びに連合審査会に籍を置いておりまして、いま岩間委員の言われたこともよく記憶をしておるわけでございます。
 日本の空は、申すまでもございませんが、民間航空と日本の国土の防衛のための自衛隊機と、さらに日米安保条約に基づきます米軍機と、主としてこの三つの航空関係機関の交通が行われておるわけでございます。雫石の事故にかんがみまして緊急対策要綱をつくったわけでございますが、先ほど当時の防衛庁長官その他政府側の発言で明らかでございますように、民間航空が優先であるという言葉の意味は、あくまでも民間航空の安全を第一義的に考えるんだという意味においては、今回の緊急要綱の底に流れておる考え方はまさにそのとおりでございます。航空局長が申し上げましたのも、民間航空の安全を第一義的に考えておるんだという意味で申し上げたと思うわけでございますが、その辺についてはひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。ことに訓練空域の設定等、明確にされましたのも、やはりそういう思想から出ておるわけでございますので、われわれも、当時の委員会で政府側がいろいろと答弁いたしましたその線に沿って、今回まで、また今後とも日本の航空交通の安全を図っていきたいと考えております。
#147
○岩間正男君 当時の委員長である木村大臣の答弁はあれとして、やっぱり運輸省の立場は、民航機を十分に守る、この態度を貫かなければならぬ。これは原則の問題ですからね。防衛庁長官がせっかく第一にするんだと言っているのに、これから後退して、そしてどちらが優先というわけでもございませんというような答弁をしているということは、これはずるいですよ。自分の立っている立場というものをもっとやっぱり明確にする必要がある。
 そこで、改めてお聞きしますが、民間航空をやっぱり優先するというこの原則に変わりはございませんね、はっきりこの原則は生きておるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#148
○政府委員(中村大造君) 先ほど大臣から申し上げましたように、民航の安全の確保を何よりも優先するということは、これはもう疑いのないことでございまして、私もそういう趣旨と違反する御説明を申し上げたつもりは毛頭ございません。
 それから、訓練空域を海上にするということも、これはそれによって民航のジェットルート、航空路が集中いたしておりますいわゆる陸上部分の上空の安全を確保するということと、それから自衛隊の訓練がこれまた安全にスムーズにできるように海上にこれを設定するということで、これまた民航の安全を第一義に考えておるということでございます。私の申し上げた趣旨は全くそのとおりでございます。
#149
○岩間正男君 そういう一般論に戻すということを私は要求していない。
 問題は、競合する問題がたくさん出てきている、現在だってあるんですよ、あるから原則は明確にしておかなくちゃならない。だから民間を優先するんだというそういう発言は防衛庁長官さえ認めておる発言です。これは当然運輸省が確認しないなどということはおかしいんじゃないかと聞いているんです。競合の中で考える、具体的な現実の問題で考えている。それを一般論に戻して民間も優先しなければならない、自衛隊の訓練も保障しなければならないというようなことをあなたが言う必要はないと私は思う。
 ようございますね、民間優先のこの原則というのは生きておると、こうはっきり申していいと思う。これは防衛庁長官が言っているんだ。いいですね。これは今後の交渉にとってものすごい重要なことなんです。単なる言葉で私は言っているんじゃない。
#150
○政府委員(中村大造君) 民間航空の安全の確保を何よりも最優先に考えておるということは、そのとおりでございます。
#151
○岩間正男君 これは確認しておきます。
 では、具体的にお聞きします。北海道の空について聞きたい。千歳−釧路の空路で、要綱の趣旨というのは完全に生かされているとこれはお考えになりますかどうですか。
#152
○政府委員(中村大造君) 千歳−釧路のルートにつきましては、現在の運航ダイヤ、運航便数、運航形態というものに関する限り、これは安全の確保は図られておるわけでございますから、緊急対策要綱の趣旨は貫かれておるというふうに考えていいと思います。
#153
○岩間正男君 先ほども問題になりましたが、釧路の空港ですね、これはすっぽり自衛隊の訓練空域に覆われていることは先ほどあなたたちの答弁でも明らかになっている。これはどうですか、要綱の第一項というのが行われていますか、完全に。立体的な分離だけを言っているんですか。
 特に、先ほど読み上げました資料の中に出てきたのは、海上に移してと言うことを言っているわけですね。海上に移してというのは、これは立体の分離だけじゃ話にならぬ、高度だけの分離をやったんじゃ、これはやっぱり十分でない。当時も議論が行われました。どんなに制限を設けたって、いざという緊急事態があったり、あるいはいろいろ高度を誤ったりすれば突き抜けることができるかもしらぬ。したがって空港の上にはこのような自衛隊の訓練空域は置かない方針でございますと、これはたしか当時の丹羽運輸大臣じゃないかと思うんですが、答弁をしているはずです。私はいまその速記録はまだここで探しておりませんが、たしかそうです。そうすると、どうですか、いまあなたの言っておる前言はすっかりすぐひっくり返っちゃうじゃないか、完全に行われていると言うが、行われていない。
 それだけじゃございません、この航路も重なったところはないのですか。どうですか、第一に北海道においてどうなんですか。いまの釧路の問題と、それから現在R13ですか、このR13の問題、さらにW5の空路の問題があります。このW5についてはことにどうなんですか、重複がないですか。
#154
○説明員(松本操君) 北海道の北東部にかけて自衛隊の訓練空域が二万四千フィート以上の空域に設定してございます。これに対しまして先生がただいまおっしゃいました赤の13、白の5、いろいろな空路がその近所を出入りしておりますが、特に白の2――ホワイト2という航空路は地形的、地理的に見ますと上下に重なっておるわけでございますが、現在、この航空路を使用して飛ぶ航空機の高度が非常に低いこと、したがって自衛隊の訓練空域の底と、そこを飛びます航空機の実用上の最高高度との間に十分なゆとりがとられていること、こういう点から、先ほど局長が申し上げましたように、現時点において特に重大な支障あるいは安全に対する障害、こういうことが起こっていないというふうに考えております。
#155
○岩間正男君 現在において事故が起こらなかったということをあなた方は根拠にしようとするのだと思いますが、あのときの精神というものは貫かれているかと私は聞いている。
 もう一つは、現状はまた変わったんじゃないか。ジェットは動いているのでしょう、赤の13は私が言うまでもなくどうなんですか、東亜航空のジェット機は動いているでしょう。東京・釧路間あるいは千歳・釧路間、これは何往復していますか、現在、ここは。
#156
○政府委員(中村大造君) 現在、東京・釧路間の直行便は三往復運航いたしております。
#157
○岩間正男君 それから千歳・釧路間は。
#158
○政府委員(中村大造君) 千歳・釧路間も三往復でございます。
#159
○岩間正男君 就航機はどんな機種です。
#160
○政府委員(中村大造君) 機種はどちらもDC9でございます。
#161
○岩間正男君 それはジェット機でしょう、ジェット機が就航しているんじゃないですか。
 そこでお聞きしたいのだけれども、この訓練空域が設定されたのはいつになりますか、年月日を言ってください。
#162
○政府委員(中村大造君) 四十六年の九月でございます。
#163
○岩間正男君 全日空の、ジェット機が運航開始したのはいつです。
#164
○政府委員(中村大造君) 四十八年の十二月からでございます。
#165
○岩間正男君 大体、この間に二年三カ月のずれでありますね。そうすると、その当時の空、釧路−千歳、北海道の空はまだ千歳にジェット機が運航しておるだけで、ほとんどジェット機は動いていなかったんでしょう。したがって、これは高高度が必要じゃなかったわけだ。そういう事態の中でいま言った原則は貫かれないでしまったんじゃないか、海上に移すという原則、それから民航を優先するということはこれは平面の分離をしなければならぬです。立体の高度の分離をやったからいいんだということは、これはあの当時の雫石事件で激しく燃え上がった国民の怒りの前には通用しないんだ。これは委員長がいるから委員長に聞いてください。委員長は身をもって感じたはずだ。われわれはそこの問題を現地をとにかく三日も視察をして論議したのだ。
 つまり、その後の状況は変わってきたわけでしょう。二年三カ月の間に状況は変わっている。そりでしょう、つまりジェット機が全然ない、低空でやれるそういう時代、プロペラの時代、これだから支障はないということで――御承知のように、訓練空域はあのような膨大な北海道の空を半ば以上覆っている、半分以上覆っている、これは最大でしょう。大体、北の空というのは全部覆われているわけだが、こんな(航空図を示す)巨大な膨大な訓練空域が設けられているわけだ、そうでしょう。まあ東北もそうだ、東北を見ますというと、この訓練空域のA、B、C、Dこれはまさに訓練空域でもって日本の空は全部覆われている。
 そのときはジェットがなかったからそういうことができたと思うのですね。ところがジェットが動いている現状では、これは大変なやはり事態が潜在しているのじゃないですか、潜在している、私は潜在していると言いましょう、まだ事故は起こしていないようでありますから。しかし事故を起こす可能性がどんどんどんどんふえているというのが現在の姿じゃないですか、どうなんですか。
#166
○政府委員(中村大造君) 訓練空域が設定された当時ジェット機が飛んでいなかった、その後四十八年にジェット機が飛び出したという状況の変化は、先生御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、現在、飛んでおります便数は先ほど申し上げましたように直行便三便、千歳−釧路便三便というきわめて少ない便数でございます。で、そういう便数で飛ぶ限りにおきましては、その運航経路、運航形態等にかんがみまして、私どもといたしましては、このジェット便の安全は完全に確保されておる、またそういう前提でこのルートを認めておるわけでございます。したがいまして、将来、これの便数が大幅に変化するとかということになりました場合においては、これはまた問題はいろいろ検討すべき事項が出てくると思いますが、現在の段階でと申し上げましたのは、現在の便数で飛んでおる限りにおきましては、しかも現在の高度で飛ぶ限りにおきましては緊急対策要綱に決して違反していない、こういうふうに思っておるわけでございます。
#167
○岩間正男君 そんなこと違反してないなんて言ったって、それだけ原則で違反しているじゃないですか。第一に、立体の分離はやっているが平面の分離はやっていない、海上に移すという原則はそのまま貫かれていなかった。北海道はとにかく航空機が高高度をとっていないからそれで大丈夫だということで妥協した妥協の産物なんですよ、これは。この要綱を生かしたらこんなことはできなかった。この妥協の産物が今日では非常に重大な問題になっているというのが現状じゃないですか。
 第一に、どうです、空港の上を自衛隊の訓練空域が覆っているなんていうのは、これは釧路しかないんじゃないですか、ほかにありますか。
#168
○政府委員(中村大造君) 先生おっしゃるような例はきわめて少ないわけでございますけれども、一、二カ所ございます。
#169
○岩間正男君 その、一、二カ所を言ってください。
#170
○政府委員(中村大造君) 富山の上空あるいは九州の福江の上空です。
#171
○岩間正男君 後の方は。富山はわかりました。
#172
○政府委員(中村大造君) 福江でございます。
#173
○岩間正男君 これは二カ所ある、これは分離されていない、これも要綱違反ですよ、要綱違反の痕跡が残っている。しかもこれはやっぱり富山だってジェット化しないというなにはありますか、福江だってこれはジェット化しないという保証がありますか。そう考えると、先手を打っている行政なのか、それとも全くもうケース・バイ・ケース、そうしてそのときの情勢に全く左右されている、こういう航空行政だからやはり裁判で指摘されたんじゃないですか。民間のジェットルートの保護において欠けるところがある、その航空行政について法廷において指摘されたのはそのことだったと私は思うのですね。
 さて、問題を先に進めますけれども、こういうやり方の中でとにかく北海道は非常にひどいと思う。こういうような現状の中でジェット機が運航することでどういうことが起こっているか、運航上どういうことが起こっているか、これはいろいろ情報をいままでつかんでおられると思うのですが、お聞きしたいですね、どういうことが起きているのですか。
#174
○説明員(松本操君) どういうことが起こっているのかという御質問でございますが、先ほど私御答弁申し上げましたように、現在の機数、現在の飛びざまというものと、それからこの近所の空域のありようというものに対応した管制の仕方をしておりますので、特別に大きな事例が起こるとか、そういったような問題になるような事象というのは現在起こっていない、そういうことは聞いていないと私は考えております。
#175
○岩間正男君 だからだめだと言うんですよね、もっとやはり情報を聞かなきゃ。私たちの耳にさえ入っているのに、専門家が聞いていないというところに日本の行政というやつは全くこれはもうたな上げになっている、そこにいろいろ事故が起こる根源というのが伏在している、潜在しているということを私は指摘したいんです。そうでしょう、とにかく、これは大変でしょう。
 それじゃ具体的にお聞きしましよう。第一にお聞きしたいのは、この東亜航究の釧路行き航路、これはいまどうなっているのですか。たとえば羽田から釧路まで行くのにどこを通るか、主要なところをずっと経路を言ってください。
#176
○政府委員(中村大造君) 現在のルートは東京−守谷−高津−磐梯−松島−宮古−戸井−千歳−サーモンポイント−釧路、こういう経路で運航いたしております。
#177
○岩間正男君 宮古の場合ですが、なぜこれは宮古から直行できないんです。直行できないために大変これは民航としては損害をこうむっているはずです。第一、非常に長くなるでしょう、時間がかかるでしょう、運賃が高くなるでしょう、これは被害を受けているわけだ、これはなぜですか。
#178
○政府委員(中村大造君) このいわゆる直行ルートの該当するところに自衛隊の訓練空域B1という訓練空域がございます。したがって、それを避けるために千歳に直行し、千歳から東進しておる、こういうことでございます。
#179
○岩間正男君 このB1というのは高度制限も何もない、無制限ですね。これは三陸沖のやつ、宮古から十勝まで抜けるやつ、これは全部無制限ですね。これがもし直行できるとしたらどういうことになります、時間で言ってどれくらい節約ができるか、運賃でどれだけ節約できるか、それから距離でどうです、これ調べておりませんか。
#180
○政府委員(中村大造君) 一応試算でございますけれども、時間で約十分程度の短縮ができるのではないかと思っております。
#181
○岩間正男君 距離は。
#182
○政府委員(中村大造君) 距離は約八十海里でございます。
#183
○岩間正男君 料金は。
#184
○政府委員(中村大造君) 料金は、これを距離比例でとるか時間比例でとるかで違ってまいりますが、約二千五百円から三千五百円程度の相違が出てくると思います。
#185
○岩間正男君 大体、それだけの損害をこれは与えているわけですね。これが民航優先だったら宮古から少なくとも直行してしまえば、時間においても、危険度だってこれはまるで違ってくると思うんですよ。ところが訓練空域はがんとしてがんばっている。そしてこれは高度が無制限ですから、もう海面からなにまでの膨大なものです、これは東北の空を覆っている訓練空域、それがこのような形を与えているわけですね。そうするというと、これでやっぱり、なんだな、民航優先ということにならぬね、その辺やったんですか。
 さらにお聞きしたいんですが、下り千歳・釧路間、R13を通るわけですが、サーモンポイントからさらに千歳に入るわけですが、千歳に進入するとき、これは高度をどのように調整するか、それから千歳から出るとき、これはどうなっていますか。
#186
○説明員(松本操君) 千歳を経由しまして赤の13を通り、サーモンポイントを経由して釧路に入ります場合について最初に申し上げます。
 赤の13のうち、ちょうど真ん中辺のところまで、ここら辺までは二万四千または二万五千フィート以上の高度でやってまいります。それから約五十海里程度でサーモンポイントまで参ります。この五十海里程度の間に大体二万五、六千、非常に高ければ三万でございましょうが、その高度を一万五千程度までおろします。このおろしぐあいは、ここを飛んでおりますときのスピード、速さが大体一分間に六マイルから七マイル、それが五十マイルのところを飛びますから七、八分の時間がかかります。で、大体ここら辺のところですと一分間に二千フィート程度おろすことはきわめて容易でございます。ですからきわめて通常のおろし方をいたしますと一万四千フィート、それから三千フィートでおろしますと二万一千フィート高度を下げることができますが、それほど激しくおろす必要はございませんので、大体サーモンで一万五千フィートにつけます。
 サーモンから二十七海里で釧路の上空に参りますが、釧路にはILSがございますので、ILSに乗るために一たん釧路の上空をすり抜けてILSのビームに乗ります。そのためにこの実距離は恐らく三十海里以上ございます。この間にILSに乗るために一万数千フィートをおろす。これもそのときの進入速度が二百五十ノットあるいはそれ以下でございますので、特に急に下げるというふうなトラブルをすることなく容易に下げることができる。
 逆に上げます場合、釧路を出て.千歳に行きます場合には、同様の形で上昇をしてまいるわけでございます。
#187
○岩間正男君 結局、千歳進入管制空域ですね、それからさらに回廊がありましょう、A空域に抜けるための自衛隊の。こういうもののために高度が非常に変わるわけですね。そこのところを明らかにしてくださいよ。上り下り、どういうふうになっているか、具体的事実をはっきりしてください。
#188
○説明員(松本操君) 千歳の進入管制空域の高さが二万三千フィートでございます。それからここに回廊がございますが、この回廊が一万七千から二万五千、あるいは一万七千から二万という二つの回廊が千歳の上空で重なっております。したがいましてR13を使って出てまいります場合に、千歳の上空で二万六千につける必要がございます、千歳の上空でございます。ですから、釧路を出てサーモンポイントを経由して千歳の上空に着きますまでに約百三十海里ございます。この百三十海里の間で二万六千につける。
 おりてまいります場合には、大体、飛行機は二万七千から三万一千ぐらいで東京の方から飛んでまいりますから、これをだんだんにおろしてまいります。先ほど申し上げましたように、赤の13のちょうど真ん中辺、千歳とサーモンポイントの真ん中辺、つまり千歳の管制空域の切れ日あたり、そこで二万三千に千フィートのセパレーションをとりますには二万四千以上にすればよろしいわけでございます、実際は二万五千程度におろしてまいります。それから先ほど私が申し上げましたような形で徐々に高度をおろしていく、こういうことでございます。
#189
○岩間正男君 そうすると、千歳の進入管制空域とそれからこの回廊、そういうものがあるために絶えず高度を変えなきゃならぬ、こういう問題が出てくるわけですね。これに対してパイロットは実際どういうふうに言っているか御存じですか。こういうことをやっぱりお聞きになった方がいいと思うんだね。どんなふうに言っていると思いますか、こう言っているんですな、この空域は非常に疲れる、目に見えない障害物に囲まれている、むずかしいところで神経が疲れる、こう言っている。こういうものがなければこれはもっとスムーズにいくわけです。
 ことにサーモンポイントから進入管制空域に入る。そのときには、もう非常にさっき話が出たとおり速度を落としますから、七分ということですけれども、七分の間に高度を上げていかなきゃならないから、これはやっぱり急速です、自然じゃないです。そういう点から考えますというと、これはまかり間違えば管制空域に突入するか、回廊の中に突っ込むか、こういうことが起こってきます。
 それからもう一つ、安全の点から言いますというと、当然ホワイトの4、ホワイトの5、これを使えば一方交通になるわけだと思うんですが、これができないために、御承知のように、これは千歳と釧路間で、しょっちゅう行き違いをやっているんじゃないですか、行き違いを。このときの高度差はどのくらいですか。
#190
○説明員(松本操君) 赤のBを使いまして上りと下りを交差させます場合には、上下の間隔は千フィートでございます。
#191
○岩間正男君 そうですか、技術的に私は素人ですから、これはあなたたちに反論するだけのものは何も、持っているかどうかわかりませんけれども、この白の5というのを使えるようになれば、赤の13で行ったやつが今度は帰りを、往復どっちをとるかは別として、これはもっと安全になるんじゃないですか。一方交通だ。陸上だって狭いところをすれ違うよりは一方交通の方がはるかに安全なんだ。これができないのは何でですか、白の5というやつを使えないのは何でですか。
#192
○説明員(松本操君) まさにいま先生おっしゃいましたように、相当の交通量が生じてまいりました場合には、一方通行にして上りと下りを分ける、これは先生おっしゃるとおりであろうかと思います。現に、東京の羽田の出入りのごときはそれを分離しておるわけでございます。
 しかしながら、釧路につきましては、先ほど局長が御説明申し上げましたように、東京便につきましては一日三便でございます。したがいまして、これを管制いたします場合に、出る便と入る便との間に相当の余裕を置くことが可能である限りにおいて、これを一方通行にしなければならないという積極的なそれほど強い必要性というものを現時点では私は生じていないというふうに考えております。
 なお、これも先ほど局長が申し上げましたように、将来、ここにおいて非常に便数がふえてくる、こういうことになりますと、まさに当然のことながら、ここを一方通行にしなければならない。こういうことになってまいりますと、いま先生おっしゃいましたようなW5を使うか、あるいはW2を使うか、その他別途の方法を考えるか、いろいろとダブルトラックにする方法を考えていくということが必要になってくると思います。
#193
○岩間正男君 便数が少ないから、すれ違いはそうまあ危険がないんだというようなお話ですけれども、これはやはり大変ここは短いですからね、釧路と千歳の間。そうしてそれがほとんど二十分ぐらいの、先ほどわれわれ調べたんでありますけれども、二十分ぐらいの間隔で釧路から出発、それから千歳を過ぎる、こういうかっこうになるんですね、そうしてその中間あたりでこれはすれ違いになるわけだ。こういうすれ違いをわざわざつくる必要はないと思うんですね。
 だから白の5がどんどん通れるなら、これはいまだって安全なわけだけれども、それができないというのは、あなたその理由をおっしゃらないけれども、はっきりしておるでしょう。その辺をおっしゃってください、なぜ一体これはここを使わないのか。
#194
○説明員(松本操君) 白の5を使います場合に問題がありますのは、二つの理由がございます。
 一つは、赤の13と白の5との間の相互間隔をとります場合に、千歳の上空近傍においてこれが非常に狭まってまいります。一カ所に入り込んでまいりますので、通常の使い方では使えないという点が一つございます。もう一つは、白の5を使って高度を二万四千以上に上げようといたしますと――二万四千以下であれは問題はございません。二万四千以上に上げる必要があるかどうか私はにわかにわかりませんが、二万四千以上に上げるということになりますと、ここにございますA空域が二万四千から上という形に現時点では設定されております。したがいまして、その間に左右の間隔をとるということが困難になってくるということでございます。
#195
○岩間正男君 まあこの航空図を見るまでもないわけですね、はっきりしていますよ。A訓練空域とやはり競合する、どうしたって競合する、ここを通るとすれば。そうすると高度が非常にこれは制限されてくる。もしまあこういうことで航空機の無線が故障したなんという場合を考えると、私はやはりこういう問題に対してできるだけ危険を避けるためのそういう方式をとらなければならぬと考えるんです。
 ところが、とにかく二十分ぐらいのところで赤の13だけ通っているためにこれはすれ違わなくちゃならない。先ほどの答弁では現時点でとおっしゃった、いみじくもおっしゃったわけですね、現時点でと。しかしこれはどんどんどんどんふくそうしてきているでしょう。まあ夏になると、ことに北海道の空はジェット機がどんどんふくそうしてきます。千歳への便もふえるだろうし釧路への便もふえる。この七月から全日空機が入るんでしょう、釧路に、どうなんです。
#196
○政府委員(中村大造君) この七月以降、全日空機が一便入る予定でございます。
#197
○岩間正男君 これもずいぶん問題になっているようですけれども、東亜航空が長崎空路に入る、その交換みたいな形でこれは申請された。だから全日空機が入ることは許可する。最初は一便かもしらぬけれども、これはどんどんどんどんふえないという保証はないわけです。
 そのほかに、ここでお聞きしたいんですが、釧路と千歳に対する離着陸の機数ですね、これを昭和四十七年、八年、九年の三年間ぐらいでいいですから、データを示してください。
#198
○説明員(松本操君) 釧路空港の利用状況は、昭和四十九年総着陸回数が三千四十四回、四十八年が千八百七十回、四十七年が千六百二十一回、こういうふうになっております。
#199
○岩間正男君 千歳はどうです、千歳については。これは自衛隊ですな。
#200
○説明員(友藤一隆君) 千歳飛行場におきます航空交通管制の回数でございますが、四十九年度が約五万六千回、それから四十八年度が約五万二千、四十七年度はちょっといま手元にございませんが、大体同じような数字になっております。
#201
○岩間正男君 釧路のなにを見ますと、特にジェット機ですが、ジェット機だけをとってみますというと、これは四十七年はゼロですね、それから四十八年になって一月から十二月、これは九十回、これが最近になりますと一千八十二というようにふえている。それから米軍ですね、ジェット機、これが四十七年それから四十八年はゼロであります。四十九年を見ますと四十三。それから自衛隊機は昭和四十七年が二十、それから四十八年二十、それから四十九年は二十八というふうにこれはふえています。ジェット機のごときは非常に釧路のふくそうぶりが最近出てきているわけですね。
 それから千歳は、まあ先ほど話がありましたように、これは自衛隊機だけでも大体四十九年ですか、これは約一万九千六百四十九、それから民間機は三万六千二十六、こういうことですから約五万機が往復しているわけです。その間を縫って東京からの釧路行き便、あるいは千歳・釧路間の往復ジェット機がここのところを往来しているわけです。
 そこへ今度は全日空機が入っていく、こうなりますと、北海道の空というものは、四年前の雫石事件のとき緊急要綱をつくった時代とは条件がもう非常に大きく変わっておるんだという現実は認めなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
#202
○政府委員(中村大造君) ジェット機の就航があったということで、その便数が先生御指摘のような便数になっておるということは、これは全く御指摘のとおりでございます。
#203
○岩間正男君 A訓練空域が設けられたのは全然現状とは違った条件のもとであります。これは飛行機の数から見ましても、ことにジェット機の場合なんかは、これはもう何十倍にもふえている。ことにジェット機は非常に大きな問題ですが、何十倍にふえている。そういう条件の中で、しかも非常に不十分であったこの緊急要綱というものは実現されていない。非常に不十分なまま、これは、何というか、あいまいなごまかしのような態度でここのところをまかり通ったものがここで検討されないということはあり得ないわけですね。これは非常に大きな問題じゃないですか。少なくとも、私は、これは東亜航空の乗り入れをやるときに検討しなくちゃならなかった問題だと思います。
 いまの釧路の空港の問題を一体検討しないで、千歳における米軍との複雑な関係、そして回廊がもう本当にあそこから二本も出ている、それから航空進入管制空域というものが、御承知のように、あそこにこう膨大にある。そこのところをいろいろな民間機が往来をしておる。そうしてそれをまた統一的に自衛隊があそこに管制部を設けて管制をやっている。そういう事態の中で十分にこれは検討されなきゃならなかったはずだった。それなのに、このような検討は不十分だった。怠ったと言ったら語弊があるかもしらぬけれども、これはもう本当に鋭敏に反応しないでおった。そしてこういう条件の中で、しかも今度は新たに全日空機が入っていくという問題があるわけです。北海道の空というのはどんどんどんどんふくそうしていってるじゃないですか。そしてA訓練空域は依然として北海道の空の二分の一、膨大なところを覆っている。全くわがもの顔にここのところには自衛隊機が振る舞っている。それだけじゃない、これは米軍機も使っているわけです。そうでしょう。ことに千歳には、昨年から、御承知のようにF4ファントムが入った、そういう事態ですよ。
 私は三年ほど前だと思いますけれども、これは内閣委員会が参りまして、あの千歳の空を見まして、スクランブルの状態を見たわけです。管制をもう全部これは米軍が握っているわけですからね。スクランブルが始まる、そういう事態の中では、これはもう全部民間機はとめられちゃう。そこで二・二マッハのファントム機が飛び立っていくわけです、スクランブル機が。そう考えていきますと、軍事優先というのは文字どおりあるじゃないですか。ないとかいうことは私は言えないと思うのです。
 こういう問題と、この要綱の原則が生きているならば、はっきりこの要綱の原則に立ってこの問題を検討することこそ、真に国民の命を守り安全を守る航空行政としては当然なさねばならない私は任務だと思いますが、運輸大臣、いかがでございます。
#204
○国務大臣(木村睦男君) 確かに雫石の事故が起きまして以来、四年の間に、釧路−千歳、釧路−東京等の航空路は便数もふえておることは事実でございますが、先ほど来事務当局の方で御説明申し上げておりますように、現在、ふえてまいりました現状においては、まだ民間航空の安全は十分確保されておるという運輸省の判断に立っておるわけでございます。したがって、今後さらに便数をふやさなければならなくなるという事態になります場合には、民間航空の安全ということを十分に考えまして、それにふさわしいまた方法をとらなければならないと思いますが、現状では、航空の安全は確保されておるという運輸省の認識に立っておるということでございます。そういうことでございますので、今後は、これらの航空路の便数の増加等を十分に考えつつ対処していかなければならないと思っております。
#205
○岩間正男君 現状では現状ではとさっきから言っているのですが、現状がすでに間違ったところから出発しているのですよ。そうでしょう、この要綱というのは実現されないのです。海上への分離もやらなければ平面的な分離もやらないでしまっているのです。
 これはなぜかというと、高高度を使用するジェット機がルートがないのだ、大丈夫なんだ、こういうことなんだ。しかし条件は変更されたのだ、まさに条件は変更された。その変更された条件がさらに拡大されようとしている。現状ではいいからと言っているうちに事故が起こるんだ、いつだってそうなんだ。事故が起きてからどうしますか、事故が起きてからそんなことを言ったって、これはどうしますか。ここが航空行政というものの問われているところですよ。これが裁判ではっきり指摘されているところなんだ。どうなんですか、私の言っていることはこれは本当に無理ですか、当然だと思うのです、私は。そうでしょう、航空行政が不十分だった、少なくとも民間のジェットルートを保護するというそういう立場でこれは非常に不十分だと、そうしてその最も端的にあらわれているのが北海道のこの空であります。
 こういう点から考えるなら、これに対して再検討をすることは当然なんだ。現状ではなどと言って何も手をつけていないのですか、あなたたちこれ検討もしていないのですか、どうなんです。
#206
○政府委員(中村大造君) 先ほどからたびたび申し上げておりますように、ジェット機が就航いたします時点においては、すでにそこにこのA、Bの訓練空域があったということはこれは事実でございます。それで一日四便ないしは五便というジェット便、直行便を飛ばすことにいたしました時点におきまして、緊急対策要綱にいういわゆる空域の分離、これは私どもは水平の場合もあれば上下の場合もあると判断いたしておりますけれども、そういうふうな分離をなし得るかどうかということは十分考えてみたわけでございますし、また千歳空港の使用状況というものも十分考慮に入れまして、現在の運航便数、運航形態でこのDC9の運航の安全が完全に確保し得るというふうに判断して、現在の運航を認めておるわけでございます。
 で、将来、この運航便数が増加するという可能性はあるわけでございます。したがいまして、そのような事態になった場合にどうするかという点については、当然、われわれはいろいろな方法を内部において検討しておるわけでございます。
#207
○岩間正男君 まあいろいろな方法で検討されておる、これは結構だと思うのですが、この検討をもっと具体化する段階に来ているのじゃないですか。私が雫石の問題が起こる前に空の安全について聞いたときに、同じようなことをやっぱり答弁しているのですよ。そのうちに、北海道の空、東北の空で、あるいは全国のどこかでこのような事故が起こったとき、あなたたちどう弁解する。こんな立ちおくれじゃ話にならぬ。チャンスは前からつかまなきゃだめです、毛のない後ろから追っかけたってチャンスはつかめないのです。そのことを私ははっきり国民も望んでいるだろう、現地の人たちはことに。それから実際にこの航空事業に携わっている当事者もこれは要求しているのです。
 そういう態勢の中で、これを事前に、検討などという段階じゃなくて、私はもっと一歩踏み出すべきだ。そして未然にこのような航空事故が起きないような、雫石を再び繰り返さないような、そのためにちゃんと万全の措置をとってなぜ悪いか。木村大臣、これを天下に公表してごらんなさい、こういう危険についてはわれわれは万全に対処するのだとあなたの態度を公表してごらんなさい。さすがは木村さんだ、あのときの雫石事故の中で委員長もやって身にしみて感じているはずだ、だから、この問題について事前に今度は前向きにどんどんやるのだ、ということになると思うのですよ。
 これは現状におきましては安全でございますから――確かに雫石の事故の前に大臣もそんなことを言ったわけです。こういう言葉というものはむなしい言葉だ、事故が起こってからは何ともならない愚かな言葉なのだ。この愚かさを繰り返しちゃいかぬ、膨大な人命に関する問題ですから。ジェット機は御承知のようにますます大型化されている、高速化されている、空は過密化している、そういう態勢の中で、北海道だから大丈夫だろう、東北だから大丈夫だろう、北陸だから大丈夫だろう、山陰だから大丈夫だろう。そうしてたとえば空港の立体分離だけで訓練空域が覆っているところは、先ほど申しましたように、釧路であり、あるいは富山であり福江であります。こういうような形でそのまま見逃されておるということでいいか、私はどうしてもここはやはり自衛隊とこの点で折衝を十分に展開しなければならぬと思うのです。
 きょうは、防衛庁長官来ていないのだね。坂田さんが来るとやはり十分にやりたいと思うのですが、委員長、私まだずっと時間があるわけでありますから、この航空法の審議の間にぜひ坂田防衛庁長官の出席を求めてほしいと思う。お願いできましょうか。
#208
○委員長(宮崎正義君) 善処いたします。
#209
○岩間正男君 よろしくひとつお計らいを願いたいと思います。
 そこで、きょう見えておりますから、どうですか、防衛庁の方、いまの問題よくお聞きになったでしょう。どうです、ちょっとこれについて答えてください。
#210
○説明員(友藤一隆君) 防衛庁といたしましては、雫石の事故の経緯にかんがみまして、やはり航空交通の安全というものは第一義に考えていく必要がもちろんあるわけでございますので、緊急対策要綱の趣旨にのっとりまして運輸当局ともいろいろ折衝いたしまして、現在、高高度訓練空域十一カ所、低高度訓練空域九カ所御設定いただいておるわけでございます。この空域を設定していただきますための原則は、ただいま申し上げた緊急対策要綱の趣旨にのっとりまして、航空路、ジェットルート等から切り離し、まあできるだけ海の方へ持っていくということで設定をいただき、まあわが方の自衛隊の方の訓練所要等もいろいろございましたのですが、できるだけそれについては不便はあるけれども、航空交通の安全の見地から空域の設定ということで現在きておるわけでございます。それで、現在、もちろんそういうことでございますので、航空路、ジェットルートからは切り離された形で設定をされております。
 ただ、先ほど来お話がございますように、航空交通の状況が変化をいたしまして、これらの航空路、ジェットルート等に変更を加える必要があるとか、あるいは改定をするというような場合が出ました場合には、十分航空交通の安全という面から私どもも調整をさしていただくというふうに考えております。
#211
○岩間正男君 いまの御答弁ではっきりさしておきたいことは、そういう交渉は必要だろうと私は主張しておるわけですね。そうして、そういうことが運輸省側からも航空局からそういう申し入れがあった場合には、すぐに応ずる、そういう態勢になっておりますか。
#212
○説明員(友藤一隆君) 私どもは御承知のとおり日本の防衛任務というものを負わされておるわけでございますので、まあ防空その他の航空機を使いますいろんなオペレーション、そういった点等の所要も考える必要があるわけでございますが、できる限り私どもとしましては航空交通の安全を阻害しないように、こういった空域の設定について運輸省その他関係のところと調整に応じていきたいというふうに考えております。
#213
○岩間正男君 防衛庁はそう言っているのですが、運輸省は当然私は申し入れて、もう直ちにこの問題をやっぱり取り上げるべきじゃないか。これだけ航空法の審議を前にして、しかも航空法の中身というのはこういう問題なんですね、そうでしょう。そうしてやはり航空の安全を第一義に考えるということをいま言われた。これは防衛庁長官出てきて本決まりにしたい問題ですけれども、いまとにかく事務段階の話で出された意向、だから問題はもうむしろ運輸省にあるんじゃないですか、どうなんです、これ。あなたの方でむしろ積極的にそれを要望して、どこか悪いところありますか、何か。何かあるんですか。
#214
○政府委員(中村大造君) 私どもといたしましては、御指摘の空域について将来の増便の可能性ということを考慮に入れて検討をいたしておるというふうに申し上げたわけでございますけれども、検討をいろいろいたしまして、当然、対策を講ずる場合には防衛庁と協議をしなければならないわけでございます。防衛庁ともいろいろ協議をいたしまして、そして具体的な対策を講じてまいりたいと思っております。
#215
○岩間正男君 それをやるんですか、木村大臣、どうです。これはあなたのいままでの責任から言っても、私はやっぱりこういう問題を具体的に提案されていて、しかも何もこれをやることに支障がないことだと思うんですね。だから、これに対して積極的に前向きにやりますと。防衛庁長官来ていないからどうだこうだという問題じゃないと思うんです。事務段階ではすでに検討しておると、そしていつでも受けて立つ準備はもうちゃんとできていると、当然防衛庁の立場から言ったって、民間機の安全というのは確保できない、このために事故が発生する、競合事故がまた起こる、雫石の二の舞を繰り返すということで、これは権威失墜なんですね。だから、むろんこれは自衛隊の訓練の問題はあるんでしょう、あなたたちの立場から言ったら。それはそれとして、やはり民航の安全というものを第一義に考えるというこういう精神を本当に生かすべきだと。
 具体的に、どうです、私は提案したい、具体的に。そのA訓練空域を、現在の広さからあんなに膨大なものは要りませんよ。大体、あのとき、訓練空域二十カ所設けたと言っている、訓練空域とそれから試験空域ですか、そういうものを設けた。どれもこれもみんなつばをつけちゃったのだ。訓練空域、これは防衛庁が飛べなくなったら困るからというので、何もかも日本の周辺というのは全部もうこれで覆われているじゃありませんか、訓練空域。この訓練空域は一たん事あれば戦場になるところですよ、これは。そうしてこれは単に自衛隊だけの訓練空域じゃないですよ、この背後には米軍がいるんですよ。米軍が共同使用しておるところ、これは明らかにしてもらいたい。これはついでに要求しておきます。
 私、二年前に、鹿島沖のあの予定されておるE、Fのこの訓練空域の問題について、そうして成田の国際空港と競合する、非常に危険だという問題を予算委員会で取り上げました。このとき十数カ所の米軍の新たなる海上訓練空域が要求されておるということが明らかになった、それはどうなったのか。そうして自衛隊は、このとき米軍との恐らく私は共謀じゃないかと思うのでありますが、もう取れるところは全部取っちゃったのだ。
 北海道を見てください。(航空図を示す)北海道にこんな広大な空域が一体要りますか、こんな膨大な空域、これ一体何んぼあるのですか、面積にして。だから、この空域を私は海に移すのが原則だ。しかし、それができないなら、とりあえずこの空域はまず二十海里か三十海里後退さしたらどうです。これ短くて回廊が少し長くなるぐらいで何も問題ないじゃないですか。そうすれば、いまの白の5の問題も釧路の空港の問題も解決するんだ。そうしていまの競合問題というのはなくなってくるんだ。そうして北海道の空を覆っている自衛隊の訓練の姿というものがほかの要求を入れて、とにかく自粛したということで、何も恥ずかしいことじゃないんだ、いいことなんだ。自衛隊も権威を高めるかもしれない、かえって。国民の理解を深めるかもしれない。何で一体こんな広大な訓練空域が要るんです。
#216
○説明員(友藤一隆君) 自衛隊の訓練空域についてでございますが、御承知のとおり自衛隊ではジェット基地を任務部隊として八カ所、その他を入れましても十二カ所程度持っておるわけでございまして、これらについてやはり所在の部隊が日常練度を維持し、あるいは養成を行うというためには、ジェット機によります高速の訓練を継続的に実施いたしておく必要があるわけでございます。
 それで、現在、高高度訓練空域は十一カ所いただいておるわけでございますけれども、そのほとんどにつきましては、まあ大きさの比較という点になりますと一見広大に見えるわけでございますけれども、訓練をいたしますジェット戦闘機の性能あるいは編隊等で訓練をいたします訓練の態様、その態様の中でも特に曲技飛行的なものであるとか超音速訓練でありますとか要撃訓練とか、こういった非常にバラエティに富む訓練を、しかも一定の時間内にやるということでございますので、私どもの感じといたしましては、現在の訓練空域で必ずしも十分広いということは言えないわけでございまして、現在、特に超音速訓練あるいは曲技飛行の訓練を行います場合に、特定の方向で行います場合には空域から外れてしまうおそれがございますので、その長い方を使ってやるというようなことで、訓練自体が非常に類型化をして、まあ練度維持上大変いろいろ問題が生ずる可能性も見られる程度でございます。したがいまして、必ずしも空域自体、日本は周囲海に囲まれておりまして、ヨーロッパに比べれば恵まれておる状況ではございますが、私どもの訓練の所要から申し上げますれば、必ずしも十分な状況とは申し上げかねる状況でございます。ただ、先ほど来申し上げてございますように、できるだけ海上で、かつまた航空路、ジェットルートから離すという御方針をもちまして現在の状況で設定をいただいておる、こういう状況でございます。
#217
○岩間正男君 もう切りなく言っていれば、軍事優先を如実に語っているようなことになってくるんで、しかし最後の方ですね。お話がございますれば、それは海上に移すという、あるいはジェットルートから外すとか、ここのところでいけば、いま言った私の、たとえば三十マイルぐらい後退させる、まあこれはどのぐらいになるか技術的には検討されたらいいと思いますが、これぐらいしたからって何か自衛隊の方で困ることが出てくるのですか、困らないんじゃないですか。
 こんな広大なものですよ。A訓練空域というからこんなものじゃないと思っておりましたら北海道の半分以上ですよ。それに回廊が二本続いていく。それに今度は秋田の沖の方につながっていっておるわけでしょう、全部ね。そうしてこれはC訓練空域だと。それから、こっち側の太平洋岸を見ますというとB、B1、B2。それから松島の沖を見ますというとD、そうしてまだ未解決のE、F。それからこれはずっと皆全部覆われているんです、海に覆われている、訓練空域に覆われている、その背後には米軍がいる、間違いないこれは事実。
 これは日米共同作戦体制の中からも一応米軍に移管したようなかっこうで実は共用をやっている。あるいは今度のそういう協定をやって、ここのところは両方が使っておることは紛れもない事実。これは施設庁からぜひ米軍の訓練空域について出してもらいたい、沖繩を含め、ようございますか。そうすればもっと日本の空というものはどういうふうな事態になっているかということは明らかだ。
 私は、二十数年来、空の問題を扱ってきたんです。祖国の独立と深い関係がある、主権の問題と切り離すことができない問題である。わが空にしてわが空にあらずというのが私の当時から叫んできた声です。日本の独立と深い関係があるんだ、この問題は。こういう根幹に触れてここで言おうとは思っていないけれども、実際はここに問題があるんです。「よど号」事件を見てみなさい。あのときどうだったか、日本の空に主権があったか、二十四時間完全に主権を喪失したときがある。そういう体制の中で依然として現在の日米共同作戦体制、このような核戦略体制の中で沖繩をあわせて日本の陸海空、空も海も陸もいまだにそういうような核戦略体制の中に再編強化されようとしている、その中でこの問題を議論しているんです。いわば訓練空域の谷間のようなところを縫って日本の民航が運航しているんではないですか、涙ぐましいです、実際は。運輸省はまるで自分が空の主権を握っているようなことを言っているけれども、実際はそうなっていないじゃないですか。
 私はそういう点から言うなら、当然、少なくとも私がいま提案したぐらいの問題についてあすすぐにでも交渉を開始するのがあたりまえだと思うんです。どうなんですか、木村運輸大臣に私は決意をお聞きしたいと思いますね。これぐらいやりなさいよ、木村さん。これぐらいやったってあなたの名声が上がるだけじゃないですか、何かあるんですか、支障はないでしょうが。国民はやはりさすがは木村さんだと言うでしょう。雫石事故というのはのど元過ぎれば熱さを忘れるじゃかなわないと思うんです。この教訓というやつはやっぱり生かされなくちゃならない。いま問題になっている、先ほどから挙げたような、ことに北海道の空でこれを再現させちゃならぬというのがわれわれの決意でなければならぬと思う。どうなんですか。
#218
○国務大臣(木村睦男君) 事故が起きた後でどうこうしてもどうにもならぬという非常に強い岩間委員のお気持ちでございますが、航空行政の責任者としては岩間委員以上に私もそれを強く感じておる一人でございます。
 そこで、先ほど来事務当局もいろいろ御説明申し上げておりますように、現状で、いま岩間委員がおっしゃるような措置をどうしても講じなければならないかどうかということに対する認識は、運輸省の認識と岩間委員の認識と違うということは遺憾ながら事実でございます。われわれとしても常に事故が起きてはどうにもならぬということを念頭に置きながら、具体的に航空の交通の込みぐあい等を考えながら、いまの自衛隊の訓練空域等の問題についても自衛隊と折衝するにはやぶさかでございません。ただ、先ほども申し上げましたように、いまのこの釧路を中心にしました状況下におきましては大丈夫であるという認識の上に立っておるということでございますので、しかし岩間委員の非常にお強い御警告に似た御鞭撻かありますので、そのことはしょっちゅう頭に入れまして今後善処していきたいと思います。
#219
○岩間正男君 とにかく仮に、仮ですけれども、事故が起きた、惨事が起きた、なぜあのときやらなかったんだと言わせるか、それともさすがはこれは木村さんだ、こう言わせるか、この分かれ目です、あなたには。
 これやって何かぐあい悪いことがあるんですか。防衛庁に問題があるならわれわれは防衛庁に直談判します、防衛庁のところに問題があるじゃないか、だからきょうあなたのところへ来た、これは了承しなくちゃならないですよと、だれが考えたって。この原則というのは人民欺瞞のもの、国民欺瞞のものじゃなかったでしょう。のど元過ぎれば熱さを忘れる、これを出しておいてこれで何とかごまかせばいいのだ。あれだけ国民が本当にこの問題で怒った。いまさらながらわれわれの置かれている空、この空のもとで国民の主権というものはどうなっているか、権利はどうなっているか、生命の安全というものはどう守られていくかということをいまさらながら感じて、あのときあのような世論が巻き起こった。これにこたえるに一片の紙じゃないだろうと思う。この原則が生きているならやっぱり貫かなければならぬ。
 そしていまのような事情変更の条件というものがますますもうかぶさってきている。そういう態勢の中で、なおかついまのような御答弁じゃあ私はどうもちょっとこれは寒々とするねえ。勇敢にやれます、確かにそのとおりだ。だれが言おうが正しいことは正しいことだし、これをやって何も悪いことはないのですから、はっきり言うべきでであって、だれか後ろで引っ張っているんですか。それがもし官僚陣というものならこれは非常にまずいと思うので、私は憎まれ口をあえてきいているわけですけれども、これはやっぱり実行してほしいと思うのですね。
 防衛庁と交渉するということを言われましたが、その点確認してようございますね。後の方は要らないんです、しかし現状というものはとこれまで言う、これ要らないんじゃないですか、これは蛇足というものです。この蛇足はおやめになって、はっきり前向きで私はこの問題を検討して何も悪いことはないと思う。いかがでしょうか、もう一度改めてお伺いしたい。
#220
○国務大臣(木村睦男君) 先ほど申し上げましたように、現状に対する認識が岩間委員と運輸省と違いがあるということでございます。ただ、常に航空交通の安全を図らなければならぬと、しかも事故が起きたのでは遅いのだというこの厳しい考え方は岩間委員にも私負けないつもりでおるわけでございますが、現状においてはまだ現状のままで航空の安全は図られておるという認識に立っております。
 したがって、今後、交通事情の変化によりまして、この訓練空域の問題について自衛隊の善処を求めなければならない時点がまいりましたときには、遠慮なしに自衛隊と交渉いたしますということを申し上げておるわけでございます。
#221
○岩間正男君 今後っていつなんです。いまやって何か悪いのですか、悪い理由をおっしゃってください。
#222
○政府委員(中村大造君) 私どもは、自衛隊に対しては、運輸行政の見地から必要があると認めたときは従来においても協議をしておるわけでございまして、現に日本海上にあるC訓練空域というところで奥尻と函館間に新しい航空路を開設いたしましたときに、現にあるC訓練空域の中で奥尻と函館間について現在の訓練空域の一部をいわゆる抹消いたしましてここを航空路にする、こういうことをしたわけでございます。
 したがって、私どもといたしましては、民間航空の安全を確保するために必要があると判断した場合には、いつでも防衛庁に対して協議をする、こういうことでございます。必要があるかどうかということを目下検討しておるということでございます。
#223
○岩間正男君 七月には、全日空機が乗り入れるわけですから、いずれ入ってそれはどうなるかわからないけれども、そういう条件の中でいいきっかけなんです、これはやるべきですよ。前提条件としてやる、やってごらんなさい、いま検討しているんでしょう、検討していることを交渉したってこれはいいわけだ。私はこのことをあくまでも提案し、あくまでもやっぱりこの遂行を見守っています。
 最後にお聞きしますけれども、これは施設庁ですね、米軍の一体訓練空域はどうなっているか、要求した結末はどうなっているか。それから現在どことどこを使っているか、米軍との競合のなには幾つあるか。それから立体的に分離をしておるかもしらぬし、あるいは接続しているところもこれはあるわけだ、これは大変予算委員会で問題になった問題ですから、これを次の委員会までに提出をしていただきたい。
 外務省にお聞きをします。外務省には、先ほどの答弁の中で、五月八日に航空交通管制に関する合意第三附属書、これは昭和三十四年の六月四日のものであります、これが改定されたと聞いておりますが、この改定の大要はどういうものか、これを明らかにしてほしい。
 この大要の中ではっきりお聞きしたいのは、航空交通管制承認の最優先権を与えるというのが(d)項にございます。これがどうなっておるか、これがこの協定が改定されたかどうかということのポイントですからね、この点お聞きしたい。
#224
○説明員(深田宏君) 先生御質問の航空交通管制の合意の改定交渉は昭和四十七年以来続けられまして、今月の八日に開かれました合同委員会で合意を見ておる次第でございます。
 私どもこの内容につきまして要旨を取りまとめて御参考に供したいという気持ちを持っておりますけれども、この点につきましてアメリカ側と最終的な打ち合わせが済んでおりません関係上、内容の詳細にわたっての御説明は本日は御容赦いただきたいと思います。
 ただ、ただいま先生が特に御質問になられました航空交通管制上の優先度、優先権あるいは最優先というこの問題につきましては、新しく合意されましたものにおきましては航空交通管制上の便宜を与えるという趣旨が盛り込まれておる次第でございます。追って、先ほど申しました要旨の提出につきましてアメリカ側との打ち合わせ等済みました時点におきまして、さらに詳細に御説明させていただきたいと思います。
#225
○岩間正男君 それがどうもそこのところ、あいまいでうやむやでわからないんですがね。
 この(d)項ですね、「次に述べる航空機について、航空交通管制承認の最優先権を与えること」として、第一に防空業務に従事する航空機及び第二にあらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機、こういうふうに規定しているわけですね。この点について、この(d)項がどうなったか、最優先権というものは取り払ったのかどうか、航空交通管制に関する便宜を与えるというようなことなのか、そういうふうに言葉の上での最優先権を取り払ったのかどうか。
 現にもう航空交通管制なんか、那覇に行ってみましても、一番肝心の進入管制は依然として米軍が握っているでしょう。こういう実態は、名目は変わっているけれども実際は変わっていないという実情にあるわけですからね、こういうのはどうなんですか。
#226
○説明員(深田宏君) 航空交通管制上の最優先権を与える旨の規定は廃止されました。今回の改定合意におきましては、便宜を図るという趣旨の合意が盛り込まれた、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
#227
○岩間正男君 それでは、その覚書を、一々米軍交渉ということになるのだが、とにかく出してください。これを当委員会が開かれているうちに、最もこれは肝心のところですからね、日本の空、わが空にしてわが空にあらず、これをわが空にするかどうか、これがもう私たちの任務なんです。この中で必要なのはいまのやはり返答なんですから、この覚書は出していただきたい。委員長にもお願いしたいと思います。
 それでは、私のきょうの質問は終わります。
#228
○委員長(宮崎正義君) 深田参事官、岩間委員からの要請の覚書というか合意書といいますか、いつごろ提出できますか。
#229
○説明員(深田宏君) 御趣旨に沿いまして、要旨をできるだけ早く御提出申し上げたいと存じます。具体的に何日ということは正確にお約束しかねますけれども、まあ私どもの心づもりといたしまして、できますれば来週中ぐらいにでも提出させていただきます。
#230
○委員長(宮崎正義君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#231
○委員長(宮崎正義君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 航空法の一部を改正する法律案の審議のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#232
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#233
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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