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#1
第075回国会 運輸委員会 第9号
昭和五十年六月十七日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     森中 守義君     戸田 菊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                前川  旦君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                岡本  悟君
                橘  直治君
                永野 嚴雄君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                瀬谷 英行君
                戸田 菊雄君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  杉浦 喬也君
       運輸省航空局長  中村 大造君
       運輸省航空局次
       長        松本  操君
       運輸省航空局技
       術部長      官川  晋君
       気象庁長官    毛利圭太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       防衛施設庁首席
       連絡調整官    奥山 正也君
       外務省アメリカ
       局安全保障課長  山下新太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○小委員会設置に関する件
○鉄道敷設法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○航空法の一部を改正する法律案(第七十一回国
 会内閣提出、第七十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、森中守義君が委員を辞任され、その補欠として戸田菊雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮崎正義君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
 瀬谷英行君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に前川旦君を指名いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○委員長(宮崎正義君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 運輸事情等に関する調査のため、国鉄問題に関する小委員会を設置することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任につきましては、これを委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に石破二朗君、岡本悟君、黒住忠行君、平井卓志君、青木薪次君、前川旦君、三木忠雄君、岩間正男君、和田春生君を指名いたします。
 また、小委員長に黒住忠行君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(宮崎正義君) 次に、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠の選任並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(宮崎正義君) 鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。木村運輸大臣。
#12
○国務大臣(木村睦男君) ただいま議題となりました鉄道敷設法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 鉄道敷設法は、本邦に必要な予定鉄道線路、鉄道建設審議会の設置等につきまして定めたものでありますが、同法の別表、すなわち予定鉄道線路につきましては、経済事情の変化等に伴いまして、大正十一年の制定以来、過去十回の改正を行い、今日に至っております。
 今回の改正案は、一昨年十月の鉄道建設審議会の建議に基づき、京都府北部に必要な鉄道を整備するため、同法の別表を改正して、京都府宮津と河守とを結ぶいわゆる宮守線の終点を福知山まで延長しようとするものであります。
 現在の宮守線は、当初、河守と福知山との間を結ぶ民営鉄道の北丹鉄道を介して京阪神地域と日本海沿岸丹後地域とを短絡する計画で昭和四十一年以来工事を進めてまいりましたが、昨年二月北丹鉄道が廃止されるに至った等の事情の変更がありましたので、本路線の所期の目的を達するため、その終点を河守から福知山に改める必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#13
○委員長(宮崎正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(宮崎正義君) 次に、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○三木忠雄君 今回の航空法の一部改正によって自衛隊の訓練空域が大分狭められるというので制服組の反発が予想せられているわけでありますけれども、この一部改正というのは四十六年のあの雫石事故以来の問題でございまして、特に訓練空域が具体的にどのように狭められるのか、この点についてのまず問題点を指摘しておきたいと思うんですけれども、これに対する考え方を伺いたい。
#16
○政府委員(中村大造君) 今回の航空法改正によりまして、従来から設定いたしております訓練空域が現実にその広さが制限されるといいますか、狭くなると、こういうことはございません。訓練空域の広さそのものは従来どおりでございます。ただ訓練空域と一般の航空路、ジェットルート等とのいわゆる分離というものを、訓練空域の設定という側面と、それからいわゆる運航のルールという側面からこれを徹底するということが今回の航空法改正の重点であろうかと存じます。
#17
○三木忠雄君 そうすると、具体的にこの運航のルールで、まあ自衛隊側として、いろいろ聞くところによると制服組が相当反発しておるという――これは後で法律の条文で一、二お聞きしたいと思いますけれども、これは運輸省令によっていろいろ歯どめをかけられるという、こういう問題点が自衛隊の反発を招いているということについてはどう考えておられますか。
#18
○政府委員(中村大造君) たとえば今回の改正案でございますけれども、いわゆる八十二条でございますけれども、八十二条の二というのがございますが、たとえば航空交通管制圏、その中で速度の制限をいたしておるわけでございますけれども、具体的にはそれを省令で決めるという条文がございます。それから九十一条。これは曲技飛行等の禁止規定でございますけれども、その場合もどのようないわゆる飛行の態様をこの禁止の対象にするか、こういうことについてもこの省令で決めると、こういうことにしておるわけでございますが、この省令でどのような決め方をするかということは、私どもといたしましては目下たたき材料を作成いたしまして検討いたしておるわけでございますけれども、実際に最終的に決めます場合には、当然関係省庁とも十分相談をいたすわけでございまして、要はこの曲技飛行なり、あるいは管制圏という非常に交通のふくそういたしますところで何ゆえに速度を制限するのかという、そのいわゆる規定の趣旨に沿いますように、その中でしかもそれぞれ任務を異にした航空機でございますけれども、安全、円滑な航行ができますように、これは省令で規定をいたしていきたいということで、決して意識的に制限すると、こういうことは考えていないわけでございます。
#19
○三木忠雄君 具体的に第八十二条の二項の「航空機は、左に掲げる空域においては、運輸省令で定める速度をこえる速度で飛行してはならない。」と、こういうことに対する見解、離陸後の飛行速度ですね、これは大体省令でどの程度にするのか。たとえばファントムであれば、いまいろいろうわさをされている省令の内容からすると、ファントム機あるいは104なんかが相当速度制限を受けなきゃならないのではないかという、こういう問題があるんですね、この点についてはいかがですか。
#20
○政府委員(中村大造君) この八十二条の二は、いわゆる航空交通管制圏の中の飛行でございます。したがいまして、当然この中で余り大きな速度差といいますか、そういう飛行が自由自在に行われるということは、これはもう当然航空の安全を確保する意味からいきまして規制しなければならないわけでございます。ただ、それぞれの航空機におきましては、やはり最低限の安全な飛行速度というものが、これまたそれぞれの特性に応じてあるわけでございます。したがって、そういう点を勘案いたしまして、適切な制限速度を設けてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、決して実態に合わないような、あるいはそれによって飛行不可能になるような、そういうことにはならないというふうに考えております。
#21
○三木忠雄君 いまの局長の答弁からいきますと、まあ運輸省で考えているのは自衛隊は除くという、こういう考え方のもとに省令を組もうという、こういう考え方ですか。
#22
○政府委員(中村大造君) そういうことではございませんで、自衛隊機も含めまして、どのような制限速度を設けるかということを現在検討しておるということでございます。
#23
○三木忠雄君 これはいま検討中ですから私細かな詰めまでやりませんけれども、大体運輸省として大まかにいまのファントムの離陸後のスピードですね、これはどの程度に押えるのか。何か話に聞くと三百かあるいは三百二十キロぐらいの速度制限というのが省令で決まると、こうなると自衛隊は例外規定になるんじゃないかと、こういうふうにもささややかれているわけですね。この点についての考え方はどうですか。
#24
○政府委員(中村大造君) この点につきましては、まだどういう規定の仕方をするかということをいろいろ技術的な問題もございますので、現在まだ検討の段階でございます。したがいまして、最終的に成案を得て正式に関係機関と協議をしておるというような段階までまだちょっと至っていないわけでございます。要は具体的にどのような規定の仕方をするかという技術的な問題もございますので、しばらく検討さしていただきたいと思っております。
#25
○三木忠雄君 私はこの例外規定を設けますと、小牧や板付やあるいは那覇の空港は、共用のところは問題になってくるのではないかという点を非常に心配するわけです。したがって、そこだけ一部改正しても、骨抜きに省令でしてしまうのでは何の意味もないのではないかと、こういう点を非常に心配するわけです。この点についてもう一度念のためにお聞きしたい。
#26
○政府委員(中村大造君) 全く先生御指摘のとおりでございまして、要は、たとえば八十二条の二でございますと、管制圏というその場所がどういう性格のところであるかと、こういう観点から、そこでのやはり速度制限のいわゆる目的というものに照らしまして、先生御指摘のように、その効果が、いわゆる規制の効果が事実上なくなるような、そういう規制の仕方はすべきではないというふうに思っておるわけでございます。
#27
○三木忠雄君 それからもう一つ、この曲技飛行の問題ですね、この第九十一条に「横転その他の運輸省令で定める曲技飛行、航空機の試験をする飛行又は運輸省令で定める著しい高速の飛行」、こういう問題が第九十一条に曲技飛行として規定づけられているわけでありますけれども、運輸省例でこの一部改正の中に盛り込んでいる精神の中で、この曲技飛行というのはどういう形のものを曲技飛行というのか、この点について明確にしておきたい。
#28
○政府委員(中村大造君) この曲技飛行、運輸省令で定める曲技飛行というものにどういうような飛行の態様があるかということでございますが、これもまだ現在最終的に決定いたしておるわけではございませんが、私どもいま一応考えておりますものといたしましては、たとえば宙返りとか、あるいは横転、きりもみ、あるいは背面、その他姿勢とか高度とか速度、そういうものをきわめて急激に変化させるような飛行、こういうものをいわゆる曲技飛行というふうな範疇に入れたいというふうに一応考えておるわけでございます。
#29
○三木忠雄君 この自衛隊側では、前後左右あるいは上下、機軸を九十度ぐらい転換した場合はもうこれ曲技飛行だと、こういうふうに考えているという話があるわけですね。ただ運輸省側は大体何か六十度ぐらいで曲技飛行だと、こういうふうな見解を持っているのではないかと私思うのですね。こうなりますと、運輸省側の六十度、防衛庁側の九十度、こういう問題で、やはり曲技飛行の見解の問題で相当ずれがあって、自衛隊側はもうこれじゃ訓練できないのじゃないかという制服組の相当な突き上げがあって、この法律が通ってから三カ月以内にいろいろ省令のときに問題化しようといういろんな点があるのじゃないかと思うのですね。こういう点についてどう考えておりますか。
#30
○政府委員(中村大造君) さらに詳細な点につきましては事務的に御説明を申し上げますけれども、私の考えておりますことは、やはりこれは八十二条でも申し上げましたように、この規定の適用される範囲というのが、管制区、管制圏という、いわば非常に交通の、いわゆる民間航空用にこれを安全を確保しなければならない地域でございます。したがって、そういうところでのやはり危険を伴う飛行というものはこれは排除するというのがこの九十一条の趣旨でございますので、したがって、その趣旨に照らしまして具体的にどのような飛行の仕方を規制するかということは、これもやはり関係省庁と詰めなければならないと思いますけれども、基本的な考えは、私が先ほど申し上げましたような線で勘合、折衝し、また内容を固めてまいりたいと思っておる次第でございます。
#31
○三木忠雄君 こう見ますと肝心なところは大体省令でこれから詰めるわけですね。むずかしい法律をいろいろ読んでみますと、肝心なところだけは、省令でとぼかしてしまって、後でこれから検討するという、まあ確かにいろいろ技術的な問題の詰めは法律が通ってからやらなければならない問題点はあろうと思うのですけれども、実際上この一部改正の法律案が通っても、果たして民間航空の優位性というか、こういう問題、あの雫石事故の教訓というものが果たしてどれほど生かされるかという、こういう問題を考えると、この法律というのはちょっと骨抜きになっているような感じもしないではないのです。まあ全然ないよりはいいという程度の法律に省令でぼかされてしまうのではないかということを、私は非常に心配するわけですね。この点について、これは運輸大臣からひとつ最後の詰めの問題になってくると思いますけれども、この法律が施行後いろいろ各省庁との問題で、運輸省はいつも後ずさりしなければならないような、あるいは軍優先という、言葉は悪いかもしれませんけれども、やはりこの防衛庁の訓練優先というような形にいつも民間航空が、あるいはパイロットが悩まなければならないという問題が出てくるのじゃないかと、この点を心配するわけでありますけれども、この問題に対する運輸大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#32
○国務大臣(木村睦男君) 今回の航空法の一部改正は、四十六年の雫石の事故直後に、あの事故にかんがみまして、特に航空の安全という面に最重点を置いて改正に着手したわけでございます。すでに三年以上の年月がたっておるわけでございますが、ねらいはやはり航空の安全ということでございます。それには技術的ないろんな問題があるわけでございまして、また航空事情というものも年とともにいろいろ変わってくるわけでございます。したがって法律におきましては、原則的な、あるいは基本的な事項について法律改正をやっておりまして、非常に技術的な詳細な点につきましては政令ないしは省令ということで、その都度実情に合うように対応できるということで、省令等に移してあるわけでございます。
 しかし省令等をつくります場合、また今後これを改正いたします場合も、われわれはいつも言っておりますように、航空におきましては、たとえば自衛隊機を優先にするとか、そういった差別的な扱いをするという考えは毛頭ないわけでございます。あくまでも日本の国土を守る自衛隊の航空機の運航、また民間の運航、これらを含めて安全な空の交通の管制ということで押し通しておるわけでございます。ただ航空機のスピードその他によりまして特別な扱い等の必要はありますけれども、優先するとか、あるいは片方は優先されないとか、そういう考えは毛頭ございません。まあそういう考え方で今後航空の安全を期していきたいと思っております。したがって省令等につきましても御心配の点はわれわれも十分注意いたしまして、今後省令等の制定に当たっていきたいと、かように考えております。
#33
○三木忠雄君 今回の法律を審議している段階で、参考人からも私たちいろいろ意見を聴取しました。確かに見張り義務の問題等いろんな点がありますけれども、今回の航空法の一部改正が参考人等からも意見が述べられておりましたけれども、やはり審議の過程においても一部片手落ちではないか、こういうふうに言われているわけですね。確かに管制の問題あるいは訓練空域の問題とか、あるいは騒音の問題はこの法律案で一歩前進するところはありますけれども、航空法全体を見直した場合に、まだまだ今回の一部改正だけではなしに、全体に航空法を見直さなければならないのではないかということが、いろんな議論あるいは参考人からの意見等も述べられているわけです。私も何点か調べてみましたけれども、やはり現在の航空法が早く改正しなければならないところが大分あるのではないかと、こういうふうに考えるわけでありますけれども、以前運輸大臣も航空法を改めて抜本的に改正したい、空の憲法をつくりたいというような考え方も一部述べられた記事を私見たことがありますけれども、こういう問題、まあ一部改正法は一部改正法として、その他落ちた、たとえば機体の整備の問題であるとか、あるいは国際運航の問題等について、いまの航空法ではちょっと片手落ちの問題があるのではないかという点を私は指摘をしたいわけですね。こういう問題等を含めて、この航空法の問題について運輸大臣は抜本的に改正しようという考え方があるかどうか、この点についての御意見を聞きたい。
#34
○国務大臣(木村睦男君) この一部改正は、先ほど申し上げましたように、三年有余以前から着手をしておったわけでございます。したがって当時、この法案は三年先の国会で審議していただくということであれば当時から全面改正に着手をいたしておったわけでございますが、あの大事故にかんがみまして、とにかく一刻も早く、ことに安全面を重点にした改正をしようということで着手をいたしまして今日御審議をいただいておるようなことでございます。したがって、われわれとしては、その航空法が全部が全部、安全面だけではなしに航空行政全般にわたっていろいろ規定がございますので、そういう点は今回の改正では触れておりません。したがって、そういう問題を含めまして今後航空法の全体の改正ということは十分考えていかなければいけない、かように思って、今回はこの御審議をいただいておりますけれども、すでに並行しながら全面改正ということも航空局の方でいろいろ検討させております。
#35
○三木忠雄君 そこで、いま航空局でいろいろ検討しているという中で、どういう点が現在の航空法として改めなければならない問題なのか。今回の一部改正法は三点の問題点が浮き彫りされておりますけれども、いま問題点になっている現在の航空法では、悪いとはおそらく当局は認めないでしょうけれども、改正しなければならない、あるいは議論になっている問題点、ここを改正の方向にしようという、こういう問題点についてはどういう点が論議されておりますか。
#36
○政府委員(中村大造君) 全般的な改正ということになりますと、これは全体の法体系という点からもいろいろ検討をしなければならないわけでございまして、そうではなくって、個々のたとえば規定についてこういう条項を入れた方がいいとか、そういう個々の問題点というのはあるいはございましょうけれども、全般的なやはり見直しということになりますと、もう少し現状の推移というものを把握いたしまして総合的に検討をしなければならないのではないか、したがって、いま全面的な見直しという前提でどこがどう問題であるとかという問題意識をここで具体的に申し上げるというところまでは至っていないわけでございまして、むしろそういう点は今後どういう機関でこれを検討するかという問題ございますけれども、私どもとしては、大臣申し上げましたように、この改正法案が成立いたしましたならば直ちにそういう問題についても具体的な検討を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
#37
○三木忠雄君 二、三の問題点を申し上げてみましても、たとえば航空機を整備改造したときの問題であるとか、あるいは燃料の積載基準がいままでプロペラ機に対するような問題があるんですね。これはICAOの問題から考えてみてもちょっとまずいのじゃないかという、時代おくれじゃないかというような技術上の問題、あるいは国際運航の問題等についてもやはり国際基準に合致しないような問題点が法律の中にあるのじゃないかと思うのですね。こういう点はやはり見直さないと、ちょっと日本の航空法が国際基準というか、そういう問題、国際運航の場合等においても非常にまずいのじゃないかという点が考えられるわけですね。相当前時代的なプロペラ機のときからの航空法になっているような点があるのじゃないかと思うのですね。そういうところはやはり素直に早く改正するなり、やはり国際運航にこの基準が適用されるような方向に持っていかなければならないのじゃないかと私は思うのです。この点についてはいかがですか。
#38
○政府委員(中村大造君) 先生先ほどおっしゃいましたような整備の規程等につきまして、これを法律の中で具体的に規定する方がいいのではないかというふうな問題点も確かにございます。ただ、これにつきましては、いわゆる現実の姿といたしましては、これを省令に基づきますいわゆる整備規程というふうなものを認可する際に、われわれの考えておりますものをその場で実現させるという方途も講じておるわけでございます。したがって、その他一般的にICAOの基準といいますか、考え方というものには一応準拠はいたしております。また諸外国の立法例というものを見た場合におきましても、現在の航空法の規定というものが非常に時代おくれとか、あるいは改正しなければならないというふうな点があるということではないわけでございます。ただ御指摘のように、いわゆる実態というものは非常に動いておるわけでございます。したがって新しい実態に即応して、やはりよりよい法規制の仕方というものは探究しなければならないので、その観点から先生御指摘のようにできるだけ具体的な検討を早急にやっていきたいと思っております。
#39
○三木忠雄君 私はきょうはその問題を詰めるつもりありませんけれども、航空法の一部改正は大臣が答弁されたように大分おくれたわけです。これが通ってやれやれと、次の航空法の改正は全然見直さないとなりますと、やはり相当進んでいるこの航空の実態の中から、やはりちょっとおくれてくるような、私は素人ながら考えるわけです。この点について、やはり根本的な法改正とまではいかなくても、時代におくれているような問題点については、修理の問題一つ考えてみても、整備一つの問題を考えてみても、やはりジェットになって大型化になっているわけですね、一人の能力でやれる練習機時代のような考え方ではないわけです。こういう点を私は改めた方がいいんじゃないかということを強く指摘をしておきたいわけです。
 それで次に、第二次空港整備計画の問題で一、二伺っておきたいのですけれども、第二次空港五カ年計画は四十六年から開始されたわけでありますけれども、本年の予算が具体的に消化をされたとして、大体進捗率はどの程度になるのか、大体ことしで終わる予定になっておりますが、その見通しについて。
#40
○政府委員(中村大造君) 五十年度終わりまして、大体予想される進捗率は全体で七八%ぐらいになろうと思います。
#41
○三木忠雄君 具体的に七八%と、こういう数字でありますけれども、たとえば新国際空港あるいは一種空港、二種空港、あるいは騒音の問題、こういう点についての具体的な進捗率ですね、各種別の進捗率はどの程度になっておりますか。
#42
○政府委員(中村大造君) いわゆる新設の国際空港、これは成田の二期工事、それから羽田等でございますけれども、こういうものが約六〇%の進捗率でございます。それから一般空港が六五%、航空保安施設が九四%、騒音対策が二三五%ということで、トータルいたしまして、平均して約七八%ということでございます。
#43
○三木忠雄君 全体で予算的には七八%と、こういうふうになっておりますけれども、実質上は五年次を累計した場合に、物価の上昇と比べてみますと、大体その着手してから半分ぐらいの達成率じゃないですか、累計にしてどうですか。具体的に予算の消化と、それから工事の進捗率からいった場合には七八%には平均いっていないのじゃないか、この点について。
#44
○政府委員(中村大造君) これは、いわゆる金額的に見た場合の進捗率でございますので、御指摘のように物価の上昇等もございます。したがって実際に工事がどの程度できたかという点になりますと、確かに七八%という数字よりは下回っておるということができるかと思います。
#45
○三木忠雄君 それは何が原因したかということですね。確かに物価の上昇もあるでしょうけれども、全体の予算面から言っても七八%。これは財源が足りなかったのですか、それともやはりやれなかった問題点が何に起因しているのか、この点について。
#46
○政府委員(中村大造君) 財源が足りなかったということよりも、むしろやはり工事自体がいろいろの事情で所期の計画どおり進まなかったと、こういうことが大きなファクターになろうかと思います。
#47
○三木忠雄君 後でいろいろ議論したいと思っていますけれども、やはり工事が進捗しなかった、ここには第二次空港整備計画の空港建設という問題についての四十六年時点に立っての基本的な考え方に、やはり空港建設という問題に主力を置いて、騒音とか環境対策という問題に手が打たれなかった。これが目的が達成できなかったというか、この予算面で七八%、実質上五〇%以下になっているのは、こういう問題が起因しているのではないかということを私は考えるわけですけれども、この点についていかがですか。
#48
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のように騒音対策につきます限りにおきましては、確かに当初考えました予定の数量というものがその後のいわゆる騒音問題の非常に大きな問題になりました結果、二三四%というふうな大きな倍率になったわけでございます。この点については、当初の予想と大いに相違を来したということはございます。しかしながら、そのために一般の空港あるいは国際空港の建設が非常にしわ寄せがそちらへいって、そうして建設がおくれたということは必ずしも言えないんではないかというふうに思っておるわけでございます。
#49
○三木忠雄君 まあ国際空港の問題にはいろいろな問題点があったにしましても、やはり環境対策が二倍半あるいは三倍近く出さなければならなかった。やはりそういう新国際空港を含めて、そういう環境問題あるいは地域住民――その空港拡張等にまつわるいろんな問題点に対する運輸省の考え方の甘さがあったのではないかということを私は指摘したいわけです。
 したがって第二次空港整備計画、進捗率実質約五〇%、こういう問題は空港整備五カ年計画の特別会計を見た場合、余りにも最初の計画と実質が整ってないという、こういう問題点は、いろいろ特別会計もあるでしょうけれども、港湾にしろいろんな整備五カ年計画があるけれども、最初の計画と今日とではずいぶん違ってきた方向にこの空港整備計画が進みつつあるという点ですね。それはやはり空港整備五カ年計画の当初に予想していなかった問題が出てきたというのか、あるいは予想しておったけれども、実際上そういうことに手がつかなかったのか、こういう点について航空局としてどう考えておるかですね。
#50
○政府委員(中村大造君) やはり当初ある程度予想しておりました事態というものかこの五カ年計画発足の後、予想以上にそれがたとえば深刻な問題になるという事態があったことは確かでございます。私どもといたしましては、第二次五カ年計画の進捗の状況というものは、私は冷静にこれを分析いたしまして、むしろ五十一年以降の新しい今後の計画というものにこの第二次五カ年計画の教訓を生かして、その達成を図り得るような計画の内容にいたしてまいりたいと思っております。
#51
○三木忠雄君 ちょっと具体的に私も異論があるのですけれどもね。たとえばこの間財源の問題で参考人からこういう問題が提起されましたけれどもね。第二次空港整備五カ年計画で旅客の負担が二千八百億円、その大体五百八十億が超過負担になっているというようなことを陳述、井戸参考人だったですかね、こういうことを述べられておりましたけれども、空港整備以外に使われたような陳述が行われておったんですね。こういう問題について、旅客から取り過ぎではないか、こういうふうな井戸参考人の陳述に対して当局はどう考えておりますか。
#52
○政府委員(中村大造君) 前回、井戸参考人が述べられましたあの金額というものがどこから出たものであるか、実はわれわれとしてはつまびらかにしないわけでございます。私ども想像いたしますと、たとえば特別会計の重要な財源になっております燃料税あるいは空港使用料、こういうものは当初の見込み予算額というものと、当該年度の実際のいわゆる収入額といいますか、これは相違してくるわけでございます。そういうふうな場合に、たとえば燃料税でございますと、それは翌々年度ですべてそれを清算して、その超過分は特別会計に繰り入れるということでございます。
 それから空港使用料の場合も、いわゆる超過収入がありました場合はそれを翌年度に繰り越して、翌年度の収入にすると、こういうことにいたしておりますので、トータル的に見れば、これは一年か二年ずれますけれども、特別会計に入る仕組みに全部なっておるわけでございます。それを当該年度だけで最初の予定と超過した分だけを、差を五カ年足していきますと、あるいはそういう数字になるのではないかと、それを井戸さんがおっしゃったのではないかというふうな気もいたします。この点よくわかりませんけれども、私どもが観測いたします限りにおきましては、いわゆる航空会社から特別会計に入るべき金が特別会計以外のところへ五百数十億流れておると、こういう事実は全くないというふうに申し上げていいかと思います。
#53
○三木忠雄君 まあこれが今後の特別着陸料の問題といろいろ絡んでくると私は思うんですね。航空会社からいままで取っておった問題。これから八月ですか九月ですか、これは運輸大臣に伺っておきたいんですけれども、これからの騒音対策の一環として特別着陸料を取るという、こういうふうな問題が航空財政小委員会で報告をされておりますけれども、まあ聞くところによると、一人六百円、ジェットに乗った者に対して一人六百円という話が報道されておりますけれども、この特別着陸料について運輸大臣はどういうふうな見解を持ち、どういうふうに進められようとしておるのか、この点ひとつ。
#54
○国務大臣(木村睦男君) 航空の問題で一番われわれが頭を痛めておりますのは、やはり公害問題でございます。その中で騒音問題が航空機が与える害が一番多いわけでございます。そこで、騒音に対するいろんな整備をやります場合に、やはり航空機を利用していただいておる受益者の方にというよりも、むしろ航空会社にこれを負担してもらう、これが一つの筋道としては穏当な行き方ではないかということで、これを着陸料という形でいただくという考えでございます。まあ大体この考え方については全般的に、これが結局航空旅客にはね返って、航空運賃の負担がふえるではないかというような御議論、いろいろございますけれども、筋道としてはやっぱり航空の騒音防止のためには騒音の原因者であるところの航空会社の方で負担してもらう、第一次的には負担してもらうという行き方が筋道ではないかというふうに考えて、現在そういう構想を持っておるわけでございます。
#55
○三木忠雄君 そうすると、この八月ごろからやるという問題も航空会社が負担するという、こういう形に運輸省内では検討しているわけですか。
#56
○政府委員(中村大造君) ただいま大臣から御説明申し上げましたように、特別着陸料というかっこうで騒音の度合い、それから航空機の重量、こういうものを勘案して定めました料率で航空会社から徴収するという、これをこの夏ごろ――八月か九月ごろから実施いたしたいということでございます。それを旅客にどのように転嫁するかと、こういうことでございますが、いま考えております方法といたしましては、これは航空会社のコスト増高要素の一部になるわけでございます。厳密に言えばこれはやはり運賃の一部ということであろうと思いますけれども、現在考えております方法といたしましてはこれを特別料金というかっこうで旅客から徴収するということをいたしたいというその線で現在検討を進めておるところでございます。
#57
○三木忠雄君 そうしますと、運輸省は航空会社から取る、航空会社は旅客から取るという形で全部航空会社に押しつけるという形ですね、運輸省は、具体的には。法の筋道から言って特別着陸料、あるいは一人一人取るというような形はちょっとおかしいじゃないかといういろいろな議論がある。それをおそれていろいろ考えたあげくやはり航空会社が特別着陸料として取ると、しかし航空会社は自分のところで負担できないから乗客に対して頭数一人幾らで取ると、こういう形を是認する方向で運輸省はいま検討しているわけですね。もう一度さっきの……。
#58
○政府委員(中村大造君) そのとおりでございまして、第一次的には特別着陸料という形で航空会社から徴収する、航空会社は当然それは運航コストの一部になるわけでございますので、その増加分についてこれを旅客に転嫁することについてわれわれはその方法を現在検討いたしておるということでございます。
#59
○三木忠雄君 そうすると、これはどのぐらいの財源を予定しているわけですか。大体ジェットに乗る人に対して取るのですか、あるいはどういう形で乗客に対して航空会社が取るという、こういう方向の問題はいまどう検討されておりますか。
#60
○政府委員(中村大造君) その旅客に転嫁のさせ方でございますけれども、現在考えておりますのはジェット機を利用するお客からだけジェット特別料金というふうな料金を設定いたしまして徴収するようにいたしたいというふうに考えております。
#61
○三木忠雄君 そうすると、それは八月あるいは九月ごろからジェットに乗る旅客に対して片道に対して幾らと、こういう形で旅客に負担になってくると、こう解釈してよろしいですか。
#62
○政府委員(中村大造君) そのようにいたしたいというふうに考えております。
#63
○三木忠雄君 そうしますと、この財源等を含めて第二次空港整備五カ年計画では、確かに五千六百億で空港建設に主力が置かれてきたわけです。しかし今後五十一年以降第三次空港整備というのか、あるいはどういう形で空港整備計画をつくるのかということが来年度の予算に向かっていろいろ運輸省で検討されていると思うのですけれども、第二次空港整備計画のときには確かに当初予想しなかった二倍半の公害対策費といいますか、環境対策費というのが予算以上に出ているわけですね。こういう問題から考えると、いままでの第二次の五カ年計画と、五十一年以降の空港整備計画との間にはおのずからやり方に違いがずいぶん出てくるのではないかということを私は考えるわけですね。この点について、特にいま作業を進められている今後の空港整備計画と、それからいままでの空港整備とのどこに違い点を生み出して今後の空港整備をやろうとしているか、この点について。
#64
○政府委員(中村大造君) まず第一は、やはり最近の経済情勢という中で航空交通の役割りというものが総合交通体系の中でどのように位置づけられるべきかということ、そしてこのいわゆる需要の動向というものがどのようになるであろうか、こういうことを見定めて、まず需要に応じた空港の整備をするというのが第一点でございます。やはりこの一番大きな問題は、その場合の空港整備のやり方でございまして、これは第二次五カ年計画の中で起こってまいりました航空機騒音による環境整備、こういうものをこの空港建設の中でどのように生かしていくかということがやはり第三次五カ年計画で一番大きな課題になろうと思います。要はこの騒音対策を推進いたしまして、空港とそれからその周辺との環境の調和ということを空港整備の第一の主眼にいたしてまいりたい。
 それからもう一つは、これはやはり航空の安全ということを確保するために航空保安施設というものをさらに整備を促進しなければならないと思っております。これは今回の航空法の改正によるルールの確立とうらはらになるわけでございますので、航空保安施設の整備というものは第三次五カ年計画の中で大きな柱になるであろう、こういうことに重点を置いてこの新しい長期計画というものを現在作業を進めておる段階でございます。
#65
○三木忠雄君 そこでひとつ突っ込んで伺っておきたいのは、第三種空港ですね、いまYS11が飛んでいる空港ですね、主に。このYS11対策は運輸省当局としてどういうふうに将来扱っていこうとしているのか。恐らくYS11の製造はもうストップしてしまっておる。それから飛行年数といいますか、大体十五年がタイムリミットじゃないかと言われているわけですね、大体十年あるいは十一、二年飛んでいるのじゃないかと思うのですね。そうしますと、このYS11にかわる代替機、こういう問題に対して運輸省としてどういうふうに考えているか、この点についてお伺いしたい。
#66
○政府委員(中村大造君) このYS11の将来がどうなるかということがやはり非常に大きな問題でございます。で、YS11の物理的な耐用年数ということになりますと、これは十年あるいは十何年ということでございますけれども、現在の運航の状況から見ますと非常に生産性が低いということでございまして、相当利用率の高いYS路線におきましても採算をとるということは非常にむずかしいわけでございます。この傾向は今後さらに増大するのではなかろうかというふうに思います。
 したがって将来のそういうことも勘案いたしますと、現在約六十七機程度ございますYS11というものは、今後五年後には半数ぐらいになるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。そういうわけでございますので、当然このYS11にかわるべき新しい航空機の出現がわれわれとしては待望されるわけでございますけれども、その場合にはいわゆる滑走距離が比較的短くて、しかも一機当たりの収容人員がYSよりも相当大きい、そのような航空機に期待するわけでございます。当然そういうものはジェット機以外には見出すことはできないわけでございます。したがって第三次五カ年計画の中におきましても、やはり将来第三種空港も含めまして、どのような形でこのジェット化計画を進めていくかということがYS後継機の問題、それからいわゆる航空会社の今後の運営の問題、いろいろ含めまして大きな課題になろうということでございます。
#67
○三木忠雄君 私たちもこのYS11に地方へ行くとき乗るんですけれども、この間六月九日ですか耐空性改善通報というのを局長名で出しておりますね。YS11をやはり修理しなければいけないということなんですか、これは。大分古くなってきたので相当てこ入れして、滞空時間等の問題があるということを航空局長は感ぜられてこの耐空検査をされたのかどうか、この意図されたところはどういうことでこの耐空性改善通報という問題を出されたのか、この点について。
#68
○政府委員(官川晋君) お答え申し上げます。
 ただいま先生のおっしゃった耐空改善通報、YSについての直接のきっかけは、過日大阪国際空港におきます東亜国内航空の異常ランディングに伴う事故でございます。あれは結果はまだ事故調査委員会から正式には出ておりませんけれども、しかし私たちの検査官及び空港当局並びにTDA当局の調べたところによりますというと、一連のオイルポンプのドレン関係におけるパイプのジョイントかクランプ――押さえ金具の破損によって低圧パイプのジョイントが緩んでいるという事態でございます。このようなことは異常振動によって大体起こるわけでございますので、さしあたりYSすべての機械の型式について、従来の各航空会社が整備規程によって決めております点検時間、そのときにきちんと見ておれば大体確認されるのですけれども、それをさらに半分に縮めて確認するように耐空改善通報を出したということでございます。
#69
○三木忠雄君 後で航空会社の経営の問題と路線の問題を伺いたいんですが、その一つの参考に、このYS11は大体どのくらい乗れば採算点になるのか、何か八五%も乗っている大阪−高松、ああいう航路でも赤字だと、こういう計算が出ているわけですね、YS11は一体何名乗れば採算点なのか、この点について。
#70
○政府委員(中村大造君) このいわゆる採算分岐点というものは、やはりその航路の距離、それからもちろん運賃でございますけれども、こういうもので非常に影響されるわけでございます。それで現実にこのYS路線について見ますと、先生御指摘のように八五%程度のいわゆる利用率がございましても採算的には赤字になる、こういう路線がやはり非常に多いのではないかというふうに思っております。
#71
○三木忠雄君 そうしますと、これからローカル空港、特に第三種空港等についてはYS11はこの次の五カ年計画等で相当考えなければならない、しかし、さりとていま運輸省として、このYS11にかわるものはこれだというものは、推進しようとしているのはジェット化じゃないかと思うんですね。こうなりますとなかなか空港はできない、恐らくこのままいってジレンマに陥っていきますと、ローカル空港は定期便が来ない空港になってしまうのではないかという心配があるのですがね。これに対する運輸当局の考え方はいかがですか。
#72
○政府委員(中村大造君) 現在の状況で推移いたしますと、やはり経営的に非常にこれが圧迫要因になるということは先生御指摘のとおりでございます。したがって将来やはりジェット化を進め得るものについてはジェット化を進める、それからどういう路線についてはYS路線として残さなければならないという具体的な検討をいたしまして、やはりYS路線のみで、それだけで単独に採算をとるということは、これはもう非常に私はむずかしいと思います。ただ全体の経営規模の中でどのような路線配分をいたしますか、全体として収支を償うようにするためにどのような方策が必要か、こういうことではなかろうかと思っているわけでございます。
#73
○三木忠雄君 これは、いまの採算、収支の問題は後で航空企業の採算の問題でちょっと伺いますけれども、それよりももっと大事な問題は、やはりローカル空港ですね。第三種空港対策をどうやるかということが私は大きな問題じゃないかと思うんです。YS11がたとえば五年間しかもたない、いま飛んでいるのが。それの代替機は決まらぬとなりますと、いまYS11が飛んでいる空港は何の飛行機を持ってくるのだろう。さりとて滑走路の延長とか、いろいろ住民との問題、苦しむようないろいろな問題点があるわけですね。そういう点を考えますと、やはりこれからの第三次計画の中で第三種空港対策をどうするかということが一番私は大きな問題ではないかと思う。この点についての明確な考え方というものが運輸当局にないように私は思うんですけれども、もう一度伺いたい。
#74
○政府委員(中村大造君) 全く御指摘のように、今度の第三次の五カ年計画の中では、現在進めております第二種空港の整備と並行いたしまして、やはり第三種空港というものをどのように今後整備していくか、こういうことが大きな焦点になろうかと思います。で、その場合に、その第三種空港の中で、やはり需要の動向あるいは立地条件等から見てジェット化を進めなければならない空港はもちろんございますし、あるいはそうでない空港もあろうかと思います。それから、いわゆる離島に存在する第三種空港も相当あるわけでございまして、これはこれでまたいわゆる離島対策として今後どのような対策を講ずべきかという問題もございますので、そういう点を総合的に勘案して進めてまいる必要があろうと思っております。
#75
○三木忠雄君 それで総合的に考えるにしましても、国の補助の問題等も、第三種空港は用地取得費はゼロでしょう、いまの場合は。こういう予算的な問題等についてもやはり配分を考えるのですか。いまのままでいったら、この地方財政がこんなに逼迫している中で、果たして、それ用地取得費だ、やれ何だ、環境対策費だといって、いろんなことを地方財政に押しつけても、私はできないと思うんですね。それでやれやれとなると、地元住民とのいろんなトラブルが起こってくる。あるいは理解をさせることができないといういろんな問題点が出てくるのじゃないかと思うんですね。
 この点について、やはり第三次空港整備五カ年計画の中で、第三種空港に対してはどうするかということを国の補助等も含めて検討し直さなければならない。せめて第二種空港並みに扱うことができるかどうか。そういう点も考えあわせなければ、恐らくいまの状態で第三種空港をそのままにすれば、定期便の通らない第三種空港になってしまうのじゃないかということを私は心配するのですが、この点について伺いたい。
#76
○政府委員(中村大造君) やはり空港に一種、二種、三種という区別があるわけでございますが、この区別はそれなりに意義があるものだと思います。したがって二種と三種、いわゆる三種を二種並みにということは、いわば二種と三種の区別をほとんどなくしてしまうということにあるいは通ずるふうにもとれるわけでございますけれども、まあそういう問題まで問題を発展させるということは現在の段階では問題があると思うわけでございます。ただ、この二種と三種のいわゆる格差といいますか、これが現在のシステムの上での格差と、それから現実の実態とのいわゆる不均衡、こういうものをどのように是正していくかということは、やはり今度の五カ年計画で大きなわれわれの検討課題でございますので、この点も第三次五カ年計画の検討の中で詰めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#77
○三木忠雄君 運輸大臣にこの問題に関して最後に伺っておきたいんですけれども、第三種空港の問題等も含めて、あるいはYSの輸送対策上の問題等も含めて、この第三次空港整備計画を、確かにいろんな問題点がある航空行政の中で何を目玉にして実際にこの第三次の航空整備計画をつくろうと考えているのか、これを大臣に伺っておきたい。
#78
○国務大臣(木村睦男君) 第二次の整備計画が、達成率、金額で八割ぐらい、実質にはまあ航空局長は五割ぐらいと、こう言っておりますけれども、そういうことで一応終了したわけでございます。
 そこで第三次の五カ年計画をどうやっていくかということは、実はいま三木委員が問題にされておるとおりの問題が一番悩みの種であるわけでございます。実は私も、大臣になります前に、郷里にも第三種空港を持っておりまして、いろいろ研究もいたしておったんですが、当時から一種、二種、三種という区別、これは空港の建設並びに管理等の財政あるいは資金額の負担区分から出ておるわけでございますが、そういうやり方を今後ともそのまま続けることが果たしていいかどうかという問題についても、私は若干疑問を持っておるわけでございます。しかし現状はそういうことでいっておりますが、同時にYS問題と絡みまして、こういった第三種空港というものの滑走路はすべてプロペラのみの着陸可能の空港でございます。これをジェット化するということになりますと相当な費用がかかる。したがって今後第三種空港を空港として十分その使命を達成できるようにするためにはYSというプロペラ機ではいけない。やはり何としてもジェット化しなければ飛行時間の短縮にもならない。ここに一つ問題があるわけでございます。
 もう一つは、飛行機とやや競争関係になっておりますところの新幹線の今後の建設計画、これが最近では、日本経済が下降線をたどっておるこの現状から、予定どおりの建設は私は進みかねる、かなり延びてくる。これとの兼ね合いもあるわけでございまして、したがって全国にあります数多くの第三種空港というものを、今後どういうふうにしてその機能を十分果たし得るように、またその地域の利用者の利便に役立つようにするかという問題は非常に大きな問題でございます。
 そこで、それらの問題を含めて、これから第三次の空港整備五カ年計画を立てなければなりませんので、その第三次の空港五カ年計画の中で第三種空港をいかに扱うかという問題は全く大変な検討を要する問題でございまして、実は率直に申し上げまして、今日の段階でこれに対する確たる成案は持っておりません。これから大いに研究もいたし、あるいはこういう国会の席で皆さんの御意見も聞きまして、あるいは他の専門家の意見等も聞いて、今後長期計画の中で第三種空港をどうするかということの成案を見出していきたいと思っていま模索の状況であるということを、はっきり遺憾ながら申し上げざるを得ないのでございますが、いろいろ皆さんの御意見もこういう機会に、非常に参考になりますのでよくお聞きしまして第三次の空港整備計画を進めてまいりたいと、かように考えております。
#79
○三木忠雄君 確かに第三次空港整備五カ年計画というのは第二次の延長であってはならないということはもう当然おわかりのことだと思いますけれども、特に環境問題あるいは地域住民との問題、やはりお互いに理解をしながら、この地域の発展をどうするかということを考えながら、この三次計画を慎重な、またよく練り合った、やはり国民合意の上で第三種空港の手が入るという形に私はしてもらいたいと思うんですね。何か宮崎空港のような、強行的に何でもかんでもやらなきゃいけないというような形になってくると、やはり大きなトラブルになる。お互いに意見が真っ二つに分かれてしまうというような、こういう姿で空港建設が行われるということは、私は非常に残念なことだと思うんですね。そういう点はやはり時間をかけ、あるいはお互いに話し合い、そしてやっていけば、その地域の発展を考えれば、もう何でもかんでもむちゃくちゃにやればいいという問題では私はないと思います。こういう点をよく私は考慮しながら、第三次空港整備五カ年計画というものを、しっかり練ったものをつくり上げてもらいたいと思います。
 それから、それと関連して航空政策、特に企業の収支の問題ですね、四十九年度の定期航空会社、特に近距離航空なんかは相当な赤字を出してきているわけですね。この四十九年度の定期航空会社の収支決算はどういうぐあいになっておりますか。
#80
○政府委員(中村大造君) 四十九年度の収支状況は、経常損益で申し上げますと、日航が二百六十六億の赤字、全日空が十三億の黒字、東亜国内が二億の赤字、南西航空が三億の赤字、近距離航空が三億の赤字と、こういうふうな状況でございます。
#81
○三木忠雄君 この赤字の問題ですね、これは累計すると相当なものになってくると思いますけれども、この収支決算赤字の原因というものは、主にどこに原因があると、こうお考えですか。
#82
○政府委員(中村大造君) やはりまず第一に、収入面では需要の伸びというものが非常に鈍化したと、したがって予定収入というものが確保できなかったということでございます。それに引きかえまして経費の方は、燃料費のアップ、その他経費の値上がりということで、したがいまして、四十九年度のような収支になったと、こういうことだと思います。
#83
○三木忠雄君 まあ確かに需要の落ち込みとか燃料の問題も一つの要素だと思うんです。しかし先ほど私が指摘したように、YS11で八五%の乗車効率があっても赤字を続けなきゃならないという問題については、幹線輸送とローカル輸送との問題が、大きな路線問題がやはり起因しているんじゃないかということを私は指摘せざるを得ないわけですね。近距離航空にしても、南西航空、これはもう離島航路ですよ。これは当然これから論議しなきゃならないでしょうけれども、たとえば東亜国内にしても全日空にしてもYSの飛んでいるところは大きな赤字を背負っていると思うんですね。しかし、まあ幹線で相当な収入を得ているために、全日空は十三億ですかの黒を出していると。こういう問題を考えますと、いまの路線が果たして妥当であるかどうかということを考えますと、四十五年の閣議了解等もありますけれども、やはりこういう点は見直さなければいつまでたっても赤字解消というものは、これはYS11、あるいは地方ローカル線を持っているところは、いつまでたっても赤字を続けるんじゃないかと、こう考えざるを得ないわけですけどね、この点についていかがですか。
#84
○政府委員(中村大造君) 確に現在のこのローカル路線、YSによる特にローカル路線というものが経営を非常に圧迫しておるということは先生御指摘のとおりでございます。ただ、それを解消するためにいわゆるどのようにしたらいいかということは、先ほど来申し上げましたような、将来やはりこのYS路線というものをどのようにジェット化するかとか、そういうふうな――ということは、そのYS路線の中にも相当利用度の高い路線が多いわけでございます。したがって路線そのものは非常にある意味で重要な路線、したがってこのジェット化するということが一つの方法かと存じます。
 そのほかに、先生御指摘のようなこの路線の再配分ですか、そういう問題、確かにあろうかと思いますけれども、しかしながら、これは現在のほかの会社の運営いたしております路線に、単純にいわばダブルトラックをすることが、直ちにそこで増収になるかどうかということは、これは一概には言えないわけでございまして、やはりその両端における集客能力とか、あるいは発着の時刻とか、その他いろいろな複雑な要素がございます。したがってこの路線の再配分というものは、これはなかなか絵にかいたようにはすぐ増収には結びつかないということがあると思います。ただこういう問題も、今後の経営を健全化する上におきましては大きな要素の一つであることは確かでございますので、今後成田空港の早期開港その他いろいろな諸施策と並行いたしまして検討を進めてまいりたいと思っております。
#85
○三木忠雄君 これは具体的におたくの方から資料をもらったのでちょっと見ましたのですが、この路線の問題、端的に一つ考えてみても、羽田の発着回数の制限がある。これは確かに制限の問題があってそれ以上飛べないわけすね。しかしながら、たとえばこの日本航空にしても全日空にしても、いままでDC8という飛行機からジャンボにかわったと、便数は変わってないわけですね。したがってこの乗降比率を調べるというと、やはりどんどん落ちているわけですよ。こういう点、たとえば全日空の東京−名古屋なんて三〇%しか乗ってないわけですね。これは新幹線の問題を考えてみればいろいろ問題があるわけです。こういうところの発着回数の問題いろいろ検討されれば、もっと必要なところに路線を新たに、いま二便のところを三便に持っていくとか、あるいは四便に持っていくとかいう形をすれば、やはり路線問題あるいは経営の問題等ももっと合理的になるのじゃないかという気が私はするわけですね。これは既得権益というか、この路線の問題はなかなかむずかしいそうで、いろいろいままでジャンボにかわっても、乗降比率が減っても、その路線は続けられているということ、見直しが行われてないという点、こういう点はやはり考えなきゃならないのじゃないかと思うのです。この点についてはどうお考えになりますか。
#86
○政府委員(中村大造君) その点につきましては、たとえば大阪−福岡というふうな路線、これは現実に新幹線が開通いたしまして非常に利用率は落ちている。こういう実態があるわけでございまして、こういうところでは現実に日航、全日空ともに減便をいたしまして、そしてこれを他に振り向けるということもいたしておるわけでございます。また、この春東亜国内航空を幹線に乗り入れさせましたときも、当時のいわゆる日航、全日空の幹線輸送の便数を削減いたしまして振り向けるということをいたしたわけでございまして、したがって具体的にその都度必要な調整というものは講じてきておるわけでございます。ただ非常にドラスチックなかっこうでひっくり返してしまう、こういうことはなかなかできかねます。また、そうすることが果たして効果的かどうかということもございますので、できる限り先生御指摘のようなことを十分考えまして、できるところからやっておるというのが現状でございます。
#87
○三木忠雄君 できるところからやってる割りには案外いろいろトラブルが起こり、余り芳しくないような話が聞こえてくるわけですね。ですから、もっと私は、なぜ心配かというと、地方ローカル線ばかり持っているところはやはり赤字が続いてくる。先般の航空運賃の値上げのときにも私指摘したわけですよね。その一番赤字になった、たとえば東亜国内航空をレベルにして運賃値上げをする。全日空や日本航空というのはそれ以上にいいわけです。収益上がってくればいろんな形でダンピングの問題が騒がれてくる。こうなってくると、企業の体質の弱いところはますます弱いという形になってきて、それを基準に運賃の値上げをしなければならないというような、こういう悪循環を絶えず繰り返してこの運賃値上げにつながってくるという問題なんですね。私は路線を見直したり、あるいはそういう航空行政をもう少ししっかりこういうところを監督していかなければならないのじゃないかと思うのです。こういう三〇%が飛んでない、いつまでもそこに執着しているというような問題も、いろいろ議論はあると思いますけれども、やはりこういう、まあこれ細かく見れば切りがない問題ですけれども、そういう相当乗降比率が減っているようなところは路線の検討をしなければならないのじゃないかと思うのです。そうしてやはり必要なところに路線を向けていかなければならないのじゃないか。いわんや大型化になったところは、いつまでも同じような形で便数をやっているのではなしに、やはりそういうものを有効に他の適切な方に振り向けていくとか、そういう路線の再配分が行われなければ、また同じように企業体質の弱いところはいつまでたっても赤字路線を抱えてやっていかなければならないという問題、イタチごっこじゃないかと思うのですね。これは大きな決断をもって航空行政の問題として取り扱うべきではないかと思うのですけれども、この点についてはどう考えられますか。
#88
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のような問題点は十分ございますので、先ほどから申し上げておりますように、できる限りその時点、時点でわれわれとしてはやり得ることを勇気をもってやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。路線の再配分という場合も、その企業内での路線の再配分という点ももちろんございます。それから企業間の再配分という点も当然ございましょうけれども、そういうものをひっくるめまして、やはりどういう路線を効率的に運営させるかということについては、私どもも今後努力をしてまいりたいということでございます。ただ非常にいろいろなむずかしい条件がございまして、なかなか簡単にはできないという点もございます。それは先ほども申し上げましたように、成田の開港がこれは一つの解決に大きな促進になるということは争えないわけでございます。もちろんそれだけではございませんけれども、そういうふうないろいろな客観条件というものの達成と並行して、私どもは根本的な解決策を見い出していきたいと思っておるわけでございます。
#89
○三木忠雄君 それからもう一つ、南西航空ですね、こういう離島航路に対する政府の考え方ですね。まあ航空機の購入の助成等は行っているそうでありますけれども、こういう離島航路の今後の運営の問題はどういうふうに考えていくのか。特にYS11等を使って南西航空はやっているわけでありますけれども、まあ赤字はかさむばかり、こういう問題に対して運輸省はどういう対策を、あるいはどういう助成策を講じてこの南西航空をいままでと同じような体質で安全な運航管理ができるような体制にしていくのか。この問題をどう運輸省は考えるか、これについてお伺いいたします。
#90
○政府委員(中村大造君) 南西航空につきましては、沖繩におきますいわゆるきわめて重要な島民の足としての機能を果たしておるということでございます。したがいまして、いわゆる輸送需要の伸びという点からのみ考えますと、四十九年度につきましても、他の路線に比べますとある程度伸びを示しておると、こういうことでございます。ただ運賃値上げが昨年の秋でございまして、したがって、その値上げの効果がフルに作用してないという点ございますし、それからやはり大きな要素は経費が増加したということでございます。したがって私どもといたしましては、南西航空だけではございません、いわゆる離島辺地輸送というものが非常に経営的に苦しいということは、これはもう実態でございまして、これに対してどのようなわれわれとしては方策を講ずべきか、要は安全な運航を確保させるということでございまして、そのためにどのような方策を講ずべきか、これはいろいろなやはり方策を考えなければいけないわけでございますので、これもまあ本年度の大きな課題かと存じておりまして、目下検討をいたしておる段階でございます。
#91
○三木忠雄君 これとあわせて、日本近距離航空ですか、これの問題、やはり認可がちょっと無理だったのじゃないかというようなことを一部ささやかれているわけですね。これの赤字等も含めて、こういう離島あるいは地方を持ったこういう航空会社、南西航空等も含めて非常な負担になってきているのではないかと思うのですね。下手をすれば安全の問題まで絡んでくるのではないかという、赤字赤字で火の車になってくれば安全問題は手抜かれになるのではないかという点も出てこないとも限らないわけですね。こういう近距離航空、また先ほどの南西航空、こういう問題について、私はどう運輸省がこの問題を取り扱っていったらいいか、航空再編成をするのか、再々編成をするのか、そこらの問題等を煮詰めて、この離島航路等を含めた問題を検討しなければならないのではないかと思うのですけれども、この点について意見を伺いたいと思います。
#92
○政府委員(中村大造君) いわゆる再編成というふうな問題はさておきまして、やはりこの離島周辺輸送というものをどのように確保させるかということは、先ほど申し上げましたように、本年度の非常に大きな問題でございますので、これはいろいろな方策を総合的に立てませんといけないというふうに考えておるわけで、現在慎重に検討いたしておるわけでございまして、しかし、この問題は非常にある意味では緊急の問題でございますので、一日も早く成案を得てまいりたいと思っておるわけでございます。
#93
○三木忠雄君 これは私は緊急の問題だと本当に思うのですよ。だから、こういう問題は次の予算で何か考えるのですか。それとも、成案を見るというけれども、実際じり貧でずっとやっていくような形でとっていくのか、具体的に何かてこ入れをする方策を運輸省はお持ちなんですか。
#94
○政府委員(中村大造君) 具体的にどのような方策をとるかと、こういうことでございますけれども、これは来年度の予算ということも含めまして、もちろんそれだけではないじゃないかというような気がいたします。で、そういう点をやはり総合的に対策を早急に講じてみたいと思っておるわけでございます。
#95
○三木忠雄君 では最後に質問したいと思うのですけれども、運輸大臣、先ほどの航空路線の問題あるいはこういう離島航路の問題ですね、あるいはそれ等を含めた航空再編成の問題、四十七年の航空再編成の基本方針と大分状況が変わってきておると思うのですね、これ等も含めて、やはり運輸大臣が航空政策の中で特にこの離島航路等を含めた問題をどう取り扱っていくかということですけれども、大臣の所信を伺っておきたいと思う。考え方を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#96
○国務大臣(木村睦男君) ただいま三木委員が御指摘になりました数々の問題でございますが、まさに一番頭を痛めておる問題でございます。
 まず第一に申し上げたいことは、いま日本の経済の落ち込みが一番ひどいときでございますので、その影響を受けまして国内の航空事業も軒並みに乗車効率も落ちておりますし、経営も非常に悪くなってきております。先ほど来、全日空は四十九年度は黒字を出しておったというお話でございますが、まさに経理上は黒字でございますけれども、あそこも機材を売却したりしてやっとこさ黒字を出しておるというふうなことでございますので、あたりまえでいきますと、あそこも赤字だ。こういう状況のもとで、非常に各航空会社が呻吟をいたしておるわけでございます。
 そこで先ほど御指摘になりましたように、YSで乗車効率も非常に低いところを続けてやっているのもどうかと思うというふうなお話もございました。この経営の改善のための増資を図るという点は、航空行政を預かる運輸省といたしましても、もちろん非常に関心を持っておりますが、それ以上にそれぞれがみんな企業でございますので、みずからが一番それはその会社の命運に関することですから、非常に真剣に考えております。にもかかわらず乗車効率三〇%のところを依然としてやっておるのはどういうわけだという問題もあるわけでございます。これは端的に例をとりますと、たとえば岡山−東京間の航空は、新幹線が通るまでは一日二便ないし三便ございました、もちろんYSでございます。これはもうドル箱であったわけでございます。ところが新幹線が開通しましてから一便に減らしましたが、その一便が三〇%いくかいかないで、それはやめたらいいじゃないかということになるんですが、たった残された一便をやめるということは地元が絶対承知しないというようなこともありまして、やむを得ずやっておるというところもほかにも例があるわけでございまして、この点は今後の問題として航空行政の面からもいろいろ考えていかなきゃいけない問題があると思います。ことにジェット化をして航空時間を短縮すれば、またどんどん新幹線から飛行機に移ってくるというふうなこともあるわけでございますが、それにはやはり空港の整備もあれば、一方においてそういった機材の整備も必要であるという問題があるわけでございます。
 それから離島関係の問題は、これは離島相互間、それから本土と離島、この必要な離島との交通の便を確保するということは、もちろんわれわれの非常な大きな任務でございます。これには、いままでは船舶交通による離島交通ということで離島補助を相当手厚くやっておりますが、その離島間において船もあるが航空もあると、航空は船に比べると非常に短時間で行ける。したがって、この航空が離島の交通にとっては非常に重要である、しかし、これは赤字の路線が多いと、だから政府はこれに対して何らかの措置を講ずるべきではないかという問題にいま迫られておるわけでございます。
 この問題についての考え方は、日本の全体の交通事業に対する措置の仕方の基本に触れる問題でございまして、離島間の交通というものの最低限度を国がめんどうを見るという立場に立った場合に、それでは船だけでいいではないか、飛行機はあそこまでめんどうを見たって、これは企業の採算に任せておっていいじゃないかという一つの考え方もございますし、しかし、いまやわれわれの生活も大分向上してきたし、経済的な日常生活というふうな考え方からしまして、短時間の交通の便を国も援助をして離島間の交通については提供すべきであるという考え方を強調すれば、そういった離島の空港に対しては、いまは機材の購入についての補助の程度でございますが、いわゆる一般経費についても補助をすべきではないかという議論にもなるわけでございます。そういうことをいろいろいま考えておりまして、来年度の予算編成の場合にいま一歩を進めまして、従来のような航空機の購入のときだけの補助ということから一歩を進めて、離島の海上航路あるいは過疎地帯のバスの補助金、そういうものに近づけて、離島間の航空交通に対する政府の援助の仕方を少し強めていきたいということを現在頭に入れながら研究をいたしておるようなわけでございます。
 それから航空事業の再編成の問題でございますが、これもしばしば皆さんから御指摘を受け、また有益な御意見も承っておるわけでございますが、確かに三、四年あるいは四、五年前に一応の航空事業についての基本方針というものは出ておりますけれども、しかし四、五年という今日の歳月は、社会情勢も交通事情も変わるわけでございます。しかも、いま御指摘のようにたまたま経済もなべ底になっておりますので、経営がよくない、こういうことを踏まえまして、これからの日本の特に国内の航空事業というものをいかに見直していけばよろしいかという問題に実は直面をいたしておるわけでございます。いろいろ過去の四、五年間あるいは五、六年間の実態を見ますときに、いろんな私も意見を持っております。まあそれらの見解をもとにしながら、将来にわたっての日本国内の航空事業の見直し、再編成とまでは言い切れぬかもしれませんが、見直し的な施策は講じなきゃならぬと思っておりますが、ただ、いま一番景気が底をついておるところでございますので、これがいまの予想では、この秋から冬への経済の状況というものがかなり改善されてくるようにわれわれは努力はしておりますが、そのとおりいくかどうかわかりませんが、努力をいたしております。その努力に応じて景気というものがもう底をついてだんだん上向きになってくるかどうかということをもう少し情勢を見た上で、今後の航空事業の全体の見直しということをやるのが適当ではないか。
 いま直ちにこの状況のもとで基本的な再編成といったようなものを手がけることは、またどう経済情勢が変わるかも知らぬというときをちょっと避けて、もう少し経済の先行きが見える段階になってから考えていく方がいいんではないか、さように今日では考えておりますが、決してこの航空事業の再編成的な見直しということを考えていないということでは絶対にございません。現在はそういう状況であることを御理解いただきたいと思います。
#97
○委員長(宮崎正義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十六分開会
#98
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#99
○岩間正男君 この前に続いて質疑を続行したいと思います。
 まずお伺いしたいのは、この改定された日米合意書の問題ですけれども、五月七日の日米合同委員会で航空交通に関する日米合意書が改定されました。その要旨なるものを外務省から当委員会に提出してまいりました。元来、審議を充足するためには合意書全文を提出してもらうのが筋だと私は思っているんです。私は改めてこれを提出することを要請したいと思います。そこで本格的な論議は他日に譲ることにして、きょうはこの要旨に関する二、三の問題について質問をしたいと思います。
 まずお聞きしたいのは、日米合意書が改定された動機、並びに趣旨といいますか、つまりなぜ改定しなければならなかったか、こういう議論についてまずお伺いしたいと思います。
#100
○政府委員(中村大造君) これは昭和二十七年並びに三十四年の合意の規定内容、これが現在におきましては実態にそぐわないというふうな点があるということにかんがみまして、航空交通の安全というものを基調として、現状に適合した内容のものに改定をしたいと、こういうことがその動機でございます。
#101
○岩間正男君 それだけじゃないでしょう。最も直接した動機というのは別にはっきりあると思うんですね。これはこの前も私は指摘しましたが、あの雫石の大事故があった。その後に政府は航空交通安全緊急対策要綱というものを発表しました。これによって自衛隊の軍事優先をやめて、民間機の安全確保のためのいろいろな措置が打ち出されたわけですね。そのうち米軍との関係について対策要綱の第七項を見ますというと、これははっきり「在日米軍機の運航等に関係ある事項については、米側の協力を求めるものとする。」当時、この問題は非常に大きな問題になりました。自衛隊との関係だけでは日本の空を律することはできない。その背後には、さらに膨大な米軍の軍事機構がある。そういう点から、どうしてもこれは米軍とこの問題で折衝する必要がある。そうして民航機の安全を本当に確保するために努力をする。そのためにこれは第七項というのがある。これはいわばわれわれの主張によって入れられたものですよ。そうして当委員会で何回も、こういう要求でこの合意書が改定される、どうなんだ、こういう追及があったわけでしょう。そうして今度、この前の委員会で改定されました、だから出しますといって要旨だけは出してきたのです。だから当然第七項、この精神というものをこれは具体化する、そういうものだというふうにしてこれは受け取っていいと思うのですが、それでようございますか。これは外務省と両方からお伺いしたいと思います。
#102
○政府委員(松本操君) ただいま岩間先生御指摘のとおり、緊急対策要綱の第七項に、「上記の諸措置のうち、在日米軍機の運航等に関係ある事項については、」云々という規定がございます。したがいまして、先ほど局長が御説明申し上げましたとおりに、この合意書自体が時代にそぐわなくなってきておるということを踏まえまして、当然改定をするという考え方があるわけでございますが、さらにここに七項の趣旨をも十分に体しまして米側に対してこの改定を申し入れたわけでございます。
#103
○説明員(山下新太郎君) ただいま松本次長がおっしゃられたとおりでございまして、今回の改定をやりましたのは、まさに航空局長が最初に申し上げましたとおり、二十七年及び三十四年当時の事情といろいろ変化したことがまずあるということ、それからまた航空交通の安全の確保、これを基調といたしまして、現状に適合した内容のものにするのと同時に、あわせまして安保条約上の要請、それとの調整を図る、こういうことのために新たに米側と運輸省において御協議をされまして、その結果改定したものでございます。
#104
○岩間正男君 むろんいろいろ変わってくる点もあるからそのこともやるけれども、やっぱり改定の一番中心問題は、特に当時の、あれだけの世論を騒がせた問題でございますから、それとの関連でこの問題を受け取った。したがって航空安全を本当に確保する、軍事優先をやめて民間機の安全優先を貫くというのが当時の論議の中心課題でございますから、こういうものを達成するためにこれは出されたものだということを確認したいと思います。
 では、この合意書について具体的にお聞きしたいと思います。米軍に「最優先権を与える」というのを、これは三十四年の第三合意付属書にあるわけでありますが、これを「便宜を図る」と改定したのですね。二つは一体どう違うのか、この内容について説明をしてほしいと思います。
#105
○政府委員(松本操君) 先生おっしゃいましたように、三十四年の合意の中には「防空任務に従事する軍用機に対しては交通管制上、最優先権を与えることに同意している。」、こういう文言がございます。これは各方面からの御指摘を待つまでもなく、「最優先権を与える」という用語に非常に問題があるというふうなことから、この改定の際における一つの大きな論議の対象であったわけでございます。その結果、お手元の抜粋にごらんいただきますように、「日本政府は、米国政府の要請に応じ、防空任務に従事する航空機に対しては、航空交通管制上の便宜を図る。」というふうにこれを改定いたしました。
 ただいまの御質問は、「最優権を与える」ということと「便宜を図る」ということは何がしの違いがあるのかということかと存じますが、まず「最優先権を与える」という言葉の持っております意味は、航空交通の安全上やむを得ないという場合を除きまして、明らかに航空交通安全上支障があるという場合は別でございますが、あるいは他の航空機の運航に著しい支障を与えるという場合をも除きまして、そうでない場合には第一順位で飛行計画の承認を行ってやる。つまりそれに対して文字どおり優先的な扱いをしてやると、こういうことが趣旨でございます。それに対しまして「便宜を図る」と申しておりますのは、他機との航空交通上の安全に支障のないということを十分確認をいたしまして、その上で当該機の任務ということも考えまして適切な措置をとる。何がなんでも第一順位で管制承認を出すということではなくて、その状況に応じ、まず安全を確認し、次に安全を確認した上に立って当該機の任務等を勘案し、そして最も適切な措置をとる、こういう程度の意味であるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
#106
○岩間正男君 まあこれは文言が変わっているだけではなくて内容も変わっているのだという御説明がありました。これは二、三の問題、付随した問題についてはそういう点が出てくると思うのでありますが、基本的にはどうかということですね。この問題を明らかにするには、今度もらいました改定要綱を見ますと、第一項を見ますと、「日本政府は、米国政府が地位協定に基づきその使用を認められている飛行場およびその周辺において引続き管制業務を行うことを認める。」とありますが、これは従来と変わりがない、この点はね。しかし雫石のとき問題になったのは、やはり米軍機の行動そのものが民間機といろいろな競合状態を起こし、またニアミスを起こしたりする、そういう危険についても言われているわけですね。したがってここでは、この点については地位協定によって提供されている米軍のことような飛行場、その周辺、こういうところの管制権においては何ら変わりはない、こういうふうに考えてよろしいですか。
#107
○政府委員(松本操君) 先ほど冒頭の先生の御質問にお答えいたしましたように、このATC合意改定の考え方の一つといたしまして、現状に適合した内容のものにするということのほかに、あわせて日米安保条約上の要請との整合調整を図る、こういうことが一つの大きな趣旨となっておるわけでございます。したがいまして、御承知のように現在、安保条約及び地位協定に基づきまして在日米軍に提供されている飛行場があるわけでございまして、これらの飛行場につきまして、地位協定六条第一項の規定に基づくこの合意、この合意に基づいてこれらの管制を認めるということは、これはやむを得ないところではないかと、しかし、それによって特段の混乱が起こるということではないのであって、それは米国政府がこのような管制業務を実務上行うとしている第二項にございますように、それはICAOの基準と同等以上のものであるということによって安全性を十分に担保しておる、こういうふうに考えております。
#108
○岩間正男君 それは後で具体的にお聞きをすればわかることです。特にICAOの基準なんか守られているかどうかというと、これはことに米軍基地において非常に重大な課題を持っているのです。進入管制権の問題なんかでも非常に重大な関係を持っているのです。だから、この一項が生きている限りは、便宜を図るなどと言っても、これは末節のことはそうかもしらぬ。しかし根幹の最も重要なところについては第一項がある限りもうほとんどこれは変わらないし、運用の仕方によっては何ら私は変わらない面がそのまま残っていると、こういうふうに考えている。具体的にお聞きしますけれども、この三つの米軍提供の大きな飛行場、その中では横田、岩国、嘉手納があるわけですが、ここでの航空路管制権は全部日本にむろんテークオーバーされているわけですね。しかし飛行場管制あるいは進入管制、これらについては依然として行われておるんですか。具体的にこの三つの飛行場について説明していただきたい。
#109
○政府委員(松本操君) 沖繩におきます嘉手納、普天間等の米軍に提供されました飛行場、これらの飛行場につきましては、彼らが飛行場の上空及びきわめて近い近傍において飛行場管制を行っております。それから嘉手納、普天間及び私どもが運営をしております那覇の空港、この三つの空港かきわめて隣接しておること、さらにその滑走路の方向が相互に交差するような形になっていること、これらのことから、これらの三空港についての進入管制はこれを一元的に行うことが空域の効率的な利用及び安全の確保の点から不可欠であるということで、これらの進入管制は一元的に行うということにしたわけでございますが、ただ沖繩復帰の時点におきまして、私どもこれをレーダーを用いて三つの飛行場に共通のレーダー管制を行うというだけの準備が整っていなかったということもございまして、暫定的に米軍がこれらの三空港についての進入管制を行っている状況でございます。
#110
○岩間正男君 委員長から注意してほしいんですが、私の聞いていることと大分食い違いがある。それから聞いていることに端的に答えてもらわないと、時間が非常に困る、一つの予定のコースを持って聞いていますから。
 私の聞いているのは横田と岩国と、それから嘉手納の場合を挙げたわけで、ここではどのような管制が残っておるのか、そしてどのような管制は日本に返されているか、このことを聞いているんです。
#111
○政府委員(松本操君) 多少お答えが横道へそれまして失礼いたしました。
 横田におきましては提供施設であります横田飛行場の飛行場管制と、それから横田を中心といたします空域についての進入管制が行われております。岩国につきましては、提供施設であります岩国飛行場についての飛行場管制及びその近傍空域、この中に松山の空港が入っておりますが、この空港を含む空域についての進入管制を行っております。嘉手納につきましては先ほど私申し上げたように、嘉手納、普天間それぞれの飛行場管制と進入管制でございます。
#112
○岩間正男君 那覇空港の場合ですけれども、これの進入管制業務、これは依然として米軍が担当しておる、先ほどの御説明でもはっきりしておる。
 そこで私は、今度の要旨については先ほども話したように、全文出してもらわなければわかりませんけれども、いまの説明によっても主要な米軍の主軸をなすようなこういう飛行場については、これは何ら今度の合意書の改定の影響は余り受けないんじゃないか。ほとんど受けないんじゃないか、こういうことが言われると思う。だから管制業務はそのまま残っておる。ただいま沖繩では非常に重要な進入管制、この業務は依然として嘉手納で米軍がやっておる、こういうことなんですね。協定書は変更されましたが、これは二、三の便宜を与えるという文言とか、それから技術的な部分に先ほども時勢に即応したそういうような改定はされておると思うんですけれども、実質的には、本質的には余り変わらないんじゃないか。
 しかし一番国民か問題にしているのは米軍が日本の空を肝心なところで支配している。これが民航の安全に非常に影響があるといっている。したがって私は、今度の改定というものは本当に雫石事故のときのあの教訓に全面的にこたえるというそういう方向はとっていないんだと、なるほど言葉だけ見るというと、これは最優先権が今度は便宜を図るというふうになった。いかにもこれはよさそうに思う。しかし実質的な問題をついてみるというと、ほとんど何ら変わりはない。これは認めざるを得ないと思うんです。ただいまの質疑の中ではっきりしたと思う。政府はいままでの答弁の中で、軍事優先というようなことでなく、民間航空の安全の確保を最大の眼目として諸般の取り決めに臨む、日米合意書の改定の問題が雫石事故後非常に大きな宿題にされてきたわけです。そのたびにいま言ったような政府の答弁でありました。しかし実質的には、本質的にはほとんど変わりのないこのような措置がとられたということは私は非常に不十分じゃないかと思うのです。これは木村大臣いかがですか、私はこの点で政府の責任というものはもっと明確にしておく必要がある、国民に対する責任を明確にすることを私は要求したいと思うのですが、いかがですか。
#113
○国務大臣(木村睦男君) 日本の空はたびたび申し上げますように、わが民間航空の空路でもあり、また自衛隊の空路でもあり、同時に安保条約を結んでおりますアメリカ空軍の一部空路でもあるわけでございます。全般にわたって日本側が空の航空管制の責任を運輸省が持っておるわけでございまして、現在ではその空の航空の安全という点で三者三様の目的でこの日本の空を使っておるわけでございますけれども、いずれも航空の安全が確保できるようにという考えのもとでそれぞれ協定を結ぶなり、あるいは連絡をとりながら空の管制をやっておるわけでございまして、いま事務当局の方で御説明申し上げましたように、便宜を提供するということは決して優先的に取り扱うという意味ではないわけで、日米安保条約に基づいて日本の防衛を守ってくれておるアメリカの空軍が日本の空をその目的を持って飛ぶ場合に便宜を提供するという文字どおりの便宜の提供でございますので、優先的に扱うとかそういうことではない、そういう考え方で空の管制をしておるわけでございます。
#114
○岩間正男君 やはりかみ合わないですね。この前の緊急対策要綱の精神がここで非常にぼけておる、貫かれない。言葉の上では一応改定したような幻想を与えていますけれども、実質的にいまお伺いしてみると肝心なところでは何も変わっていないことが明らかになった、そうすると、政府の責任は免れないと私は言っているんですね。木村大臣はいつでも民間の航空も大切でございますが、日本の防衛も大切だということをしょっちゅう言われる。日本の防衛が大切だが米軍がどう使ってもいいということではないでしょう。私たちはあなたのそういう言い分を仮に一応認めるという立場、認めやしませんけれども、認めるという立場に仮に立ったとしても、何よりも国民の安全というものは優先しなければならない問題なんですよ。したがって常に日本は二つが日本の防衛の立場から必要でございますということはあなたは何回も繰り返してこられたが、これはまずいと思うのです。あくまでも国民の安全をどう守るか、その上にこそ防衛があるのだ、そういう点については今度の改定の問題というのは非常に不十分だ。しかももっと本格的な論議を展開する必要がありますから、必ず出してもらいます。全部出しなさいよ。こういうものがなくて問題を充足することができますか、国会の論議というものが全くたな上げになってしまう。この点で出せるか出せないか、外務省からお答え願います。簡単でいいですよ。
#115
○説明員(山下新太郎君) 先般の本委員会におきまして資料要求をいただいたものでございますから、私どもの方で米軍の方と話をしたわけでございますが、御承知かと思いますが、合同委員会合意につきましては、日米間で了解したものを、要するに了解しなければ外へ出せないというたてまえになっておりまして、御要求ございましたので米側と話をしたのでございますが、この範囲にとどめてほしいということがございまして、それで先般こういう形で差し上げた次第でございます。
#116
○岩間正男君 後でも論議しますけれども、米軍に了解を求めなさいよ、当然国民の要求なんです。国会の権威に関することです。審議の内容そのものが本当に役立っているかどうか、こういう点から考えれば当然米軍に要求するのがあたりまえだ。日本が空の主権を持っているのだということになっているでしょう、潜在主権かもしらぬ。それを家主がたな子を気にして、しょっちゅうたな子の家へ顔を見に行っているというのは、ばかげたことだ。出しなさい、これは出すべきです。私はこのことを要求しております。
 次に移りましょう。那覇空港が一体安全かどうかという問題、本年三月ウィーンで行われたIFALPAにおいて、これは国際定期航空操縦士協会連合というのですが、この国際機関で潜在的危惧を有する空港として日本では伊丹の大阪国際空港と那覇空港の二つが挙げられています。そのうち那覇空港についての数多くの問題は、那覇空港に近接して嘉手納、普天間の二つの軍事基地があることに起因するところの理由を挙げて、そのためにランウエー36よりの離陸時及びランウエー18の着陸時に嘉手納空港のアライバルセクターとの関連で千フィートの高度制限が課せられていると述べています。運輸大臣はこの事実を御存じだと思うのですが、いかがですか。
#117
○国務大臣(木村睦男君) 私はよく知りません。
#118
○岩間正男君 これは知らないというのは大変だと思うのです、知らないですか。それじゃあなたはこの前、日本定期航空操縦士協会から運輸大臣に対してこれの改善要望書というのが出されている、これは御存じですか。そしてこれを検討されたと思うのですが、これで知らないということはおかしいと思う、知らないのですか。
#119
○国務大臣(木村睦男君) その中にも多少触れておるように思いますが、私詳細のことを実はよく理解しておりません。
#120
○岩間正男君 詳細を理解してないのと知らないというのは大分違いますからね、言葉のニュアンスがね。局長、どうです、事実があるかないかを言ってくださいよ、弁解的なのは要らぬ。
#121
○政府委員(中村大造君) 日本における操縦者の協会からの要望にもこの……
#122
○岩間正男君 いやいや事実があるかないかと聞いているのです。千フィートに制限されている、十五マイルまでの間。それを聞いているのです。それを知っているか知らぬかということ。
#123
○政府委員(中村大造君) そういう事実のあることはよく承知いたしております。
#124
○岩間正男君 当然これは要望書が出ておりますね、この要望書の中にどう言っておるかというと、こういうことを述べているのですね。離陸のときにはフリップリトラクション、これは浮力を押さえるためのフラップ上げ操作、それとパワーリダクション――エンジンの速力を減らす操作、この二つが同時に重なるきわめて大きな負担が操縦士にかかってくるということを指摘している。だれが考えたってこれは重大な問題だと思いますよ。操縦技術上から言っても上昇力を抑さえて千フィートの低高度を保つ操作をやらなければならぬ。同時に速力を減らすための操作をやらなければならぬ。こういうことになりますと非常にこの操作というものは不自然でしょう。普通ならばもっとずっと上昇するはずのができない、十五海里の間は、ここのところはもうずっと低くやっていかなければならぬ、三百メートルですよ、低飛行だ、全くの低飛行を続けなければならぬ、そういうことになれば非常に操縦士の神経はすり減らされる、それだけじゃない、非常に危険が伴うのですよ、これは。もしも事故が起こった場合には、三百メートルの近距離では操作ができなくなってくるでしょう。そういうことを考えますと、この問題について、これは現場にいて日に日に命をさらされている操縦士の皆さんの要望ですから、これについて、この改善要求を十分に検討して対処するのが当然だと思いますが、いかがでしょう。
#125
○政府委員(中村大造君) 確かにそのような操縦方法をとらなければならないということは自然ではないということは認めざるを得ないと思います。しかしながら、それが直ちに危険であるかどうかということにつきましては危険性はないというふうに考えております。確かに操縦士にとってはそのような操縦方法をとることに相当な神経を使うということは事実でございますけれども、それがゆえに危険につながるということではないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#126
○岩間正男君 だからいつも国会論議はそういう言い方をするんですよ。事故でも起こらなければ――事故が起こったときはそんなことを言ったって話にならぬのだ、そのとき責任をどう負うんてすか。そうじゃなくて、十分に検討する――神経をすり減らす、それから非常に操作困難な技術をやっているということが危険につながらないというばかなことがありますか。そういう言い方というのは、それは全く一片の通り抜け答弁なんです。そんなものは許されませんよ、そうでしょう。これは検討する、少なくとも検討する、そうして検討すべきだと思うんですが、これは大臣いかがですか。
#127
○政府委員(中村大造君) この問題についてはわれわれもいろいろ検討はしたわけでございます。その結果は、操縦上相当なやはり苦労はあるということは認めますけれども、しかし現在の技術あるいは航空機の性能、そういう点から考えた場合に決して危険ではないということでございます。
 それから、しからばそういうふうな航法を変えることができるかどうかということでございますけれども、これは現在の那覇、それから嘉手納、普天間、この三空港のいわゆる置かれた位置あるいは滑走路の方向、こういう点から考えますと、現在の航法はこれはやむを得ないというふうに思うわけでございます。
#128
○岩間正男君 あなたの立場としてはあるいはそういうことになるかもしれません。とにかく縛られた一つの枠の中でこれは動いているわけですから、それはまあそれ以上求めることは無理かもしれないのですが、少なくとも国務大臣ですからね、木村大臣は。これはまた別な見解を持つべきだと思います。いまの置かれている安保体制から、これはもう嘉手納に、米軍がでんと沖繩の空に君臨している体制の中ではもうやむを得ないんだという答弁では情けない、悲しい答弁です。しかし主権は持っている、空の主権は日本が持っているということになっている、しかし暫定的にはこれは任しているのだということになっている、そういう枠内答弁なんですね。私たちは同時にこのような枠内の現状に対しての対処をすると同時に、この根源を絶えず明らかにしていくという努力をしなければならぬと思うんです。こういうままでいいのかどうか、幸い事故はまだ起こってない。私も沖繩にたびたび参りました。しかし、やっぱりあの低空飛行というのは非常に異常です、乗っていて。私はつい半月ばかり前にあそこを通りました。そしてあのところは特に注意して乗ってきたわけですが、やっぱりこれは大変です。
 そこで運輸大臣にお聞きしますが、このような常に技術上の困難と危険を伴う高度制限がなぜ課せられているのか、これを課している一体元凶はだれなのか、この根源について改めてお聞きをしたいと思うのです。お考えになったことはございますか。
#129
○国務大臣(木村睦男君) われわれは日本の安全を保つために日米安保条約というものを結びまして、そして日本の安全を守っておるわけでございます。岩間さんの立場は私たちの立場と全然違うわけでございますから、われわれは日米安保条約に基づいて日本の空もアメリカの空軍が使っておるという中での航空交通の安全の管制行政をやっておるわけでございますが、岩間さんのは結論から言いますというと、とにかく日本の空からアメリカは出ていってもらいたい、安保条約はもちろん廃棄してという立場ですから、そこのところはどうしてもかみ合わないのはやむを得ぬと思うのですが、この安保体制のもとで日本の航空の安全を図りながら航空行政をやっておる、航空管制をやっております運輸省としましては、日本の空を全部日本でもって、あるいは日本の民間航空で思うままに使って、多少のおこぼれのあるところだけを使うという態度はとれないわけですね。かといって米軍に対して最優先権を与える、あるいはかつてそういう時期があったかもしれません。しかし現在はそういうふうな立場はとっておりません。便宜を提供しながら、両方の調和を求めて、そこに日本の空の航空安全ということを考えて管制をやっておるということでございます。
 したがいまして、いま具体的に指摘になっておられます問題につきましても、先ほど事務当局の方で、多少の苦労はあるけれども航空上非常に危険であるということではないということを技術的にも検討いたした結果、そういうふうに考えてやっておるわけでございますので、まあそれをあなたの方は非常に危険であるからやめろということでございますので、これも見解の違いだと思いますが、ただわれわれといたしましては、相互の調整をとりながら、全体の日本の空の航空の安全を担保する責任を持っておるわれわれとしては、現状のような行政のもとで、事務当局が答弁をいたしておりますような判断と認識を持ってやっておるということを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#130
○岩間正男君 私は、ここで安保論争をやろうとは思わないので、さっきも申しましたように、空の安全ということを、これは安保体制で防衛のことも考えなくちゃならない、こういうことを言ったんだが、しかし、それは米軍が何をやってもいいということにはならぬ。ところが実際はこれによって大変なことが起こっているんですね。単に千フィートだけの問題ではございません。これは、もうさっきはっきり、なぜこういう進入管制をやらなきゃならぬか、このような制限が加えられているかということについて、これは大臣は答えられないで退席をされたわけですけれども、これについてはっきり原因言ってください。米軍がいるためでしょう。嘉手納にこれははっきり米空軍がいる、そのためでしょう。どうですか。
#131
○政府委員(松本操君) 嘉手納に米軍がおるとかいないとかということとは別の問題として私どもは理解をしております。つまり那覇の空港の滑走路の方向と嘉手納の飛行場の滑走路の方向との交差のぐあい、交差の位置、こういう関係から、どうしても嘉手納におろす方を高目に、那覇におろす方を低目にという管制上の操作をしないと飛行機がさばけない、こういうふうに私どもは考えております。したがいまして、私どもの手に沖繩が返ってくる以前からこのような管制方式がとられておったというふうに私どもは了解をしております。
#132
○岩間正男君 なぜはっきり米軍がいるためだと言えないのです。仮に米軍がいなかったらこんなことをする必要はない。米軍がいるので、しかも問題なのは、進入管制権はだれが握っている、現在。現実的にこの業務をやっているのはだれだ。日本は主権があるということだけれども、暫定的に日本の施設が完成されるまで、あるいは要員がもっと訓練されるまで、これは向こうに頼んだ、委託したというようなかっこうで向こうが実際握っているんでしょう。そうでしょう。進入管制権を握っているのは、これははっきり米軍だ、こう言っていいですね、どうですか。それは明確に答えてくださいよ。
#133
○政府委員(中村大造君) その三空港の進入管制は米軍がやっておるわけでございます。
#134
○岩間正男君 それでいいんです。何もそれ以上のことは聞いてない。いつもあんたたちのは、何かそれに弁解がましいことを加えるからおかしい答弁になってくるんですよ。聞いていてもおかしい。聞いたことだけでいい。そうでしょう。米軍がこれを握っているためだ。進入管制権を。そしてそのためにこれは支配されているのであります。あんたたちは、それは支配されないとか、これは管制技術上こうだとかと言っているけれども、そうでないかどうかというのは、はっきり申しますよ。もうこれを明らかに証拠立てるわれわれはちゃんとした証拠を握っているわけですからね。
 ここに嘉手納ラプコン・トレーニング・ガイド――沖繩進入管制所の訓練案内というのがあります。この文書は一九七四年七月二十三日、そしてこれは変更No.3、それから同年の九月十二日変更No.4、そしてその後に「エメット・J・クック、アメリカ軍の訓練および規準作成官」というちゃんと署名のある文書でございます。この文書を見れば、あなたたちのいまの答弁というのは、全く技術上の問題じゃないということがこれははっきりしてくると思うんです。で、これによりますと、この進入管制は四つのセクターに分けられている。このセクターというのは、第一に嘉手納アライバルセクター、第二はノース進入管制セクター、第三はハウス進入管制セクター、第四は那覇アライバルセクター、この四つです。これは御存じでしょう。どうですか、これは御存じでしょう、これが四つあることは。
#135
○政府委員(松本操君) 私どもは十分には承知しておりません。四つ程度あるというふうには聞いております。
#136
○岩間正男君 専門家が、われわれが指摘するようなことに、聞いておりますというようなこれは答弁、どうも苦しい答弁じゃないですか。ちゃんとこれは証拠があるんだ。これは後で上げますからね、あなたたちに。ちゃんとあるんだ。米軍の文書がちゃんと出ておるんだ。この中で、那覇アライバルセクターに関し、ランウエー18について「嘉手納アライバルセクターと重複する区域については一、〇〇〇フィートおよびそれ以下に制限される。」と、はっきり書いてある。どうですか、嘉手納アライバルセクターとの関係でこれは制限されているんだということを明確にしております。この点は全然これは御存じないというのですか。ここに地図がありますからね。この地図に具体的に――これは資料は後で差し上げますけれども、ここにちゃんとセクターがございます。嘉手納のアライバルセクター、そしてそこのところに那覇のこれは進入アライバルセクターと重なるところがあるわけですね。この重なるところ、それからこれは普天間と重なります。ここのところは非常に危険なので、御承知のように低高度を課せられて、ここのところがはっきりともういまのような制限を加えられているのじゃないですか。これはあなたたちは、単に技術上の問題だというので、こういう実態について何もこれは米軍から明らかにしようとしなかったんですか。これは怠慢じゃないですか。こういうことを明らかにされないで、真に本当の原因について明らかにしないで、そして与えられた枠内だけで操作をして、それでやすやすと国会で答弁をする、国民はそれしか知らない、目隠しをされた状態の中においてどうして一体、本当に国民の生命の安全、航空の安全というものを守ることができるんですか。これはどうです。
#137
○政府委員(松本操君) いままさに岩間先生がおっしゃいましたように、嘉手納の進入のセクターと那覇の進入セクターの関係において、先生いみじくもおっしゃいましたが、先ほど私が申し上げましたのは、その関係においてという内容を、管制技術上の問題としてとらえて御説明を申し上げようとしたわけでございます。つまり、この交互に重なっております部分が、嘉手納の滑走路の端からは十マイル程度ございます。那覇の滑走路の端からは数マイルしかございません。したがいまして、両方の飛行場に同時に、あるいは接近しておりてこよう、あるいは出ていこう、こういう飛行機がございます場合には、上下に差をつけませんことには安全が期せられないわけでございます。しかるところ、嘉手納からは十マイル程度、那覇からは数マイル、こういうことになりますと、飛行機は御承知のように、大体同じような角度でおりてまいりますので、したがいまして、距離の長い方を高度を上げ、距離の短い方を高度を下げるという措置をとらざるを得ない。ただし、これはまさに先生御指摘のとおり、嘉手納の進入との関連においてでございますから、嘉手納から出発し、または嘉手納に進入しようとする航空機がない場合に、このような制限は一切させておりません。
#138
○岩間正男君 まあ、ない場合というのは、これは例外なんですね。そんなこともあるでしょう。しかし、その例外をこれは常態に考えることはできないのですよ。それから米軍はそれなら何ですか、彼らが空港を出るときにこんな高度制限やりますか。彼らの離陸の場合、着陸の場合ですね、那覇に加えられているような千フィートの低空制限というものをやっておりますか、米軍は。どうなんです。
#139
○政府委員(松本操君) まず第一点の例外ではないかという御指摘でございますが、私どもが承知しておりますところによりますと、那覇の空港から北向けに出発いたしますうち十五マイルを千フィートでかわされるケースは全体の三〇%程度でございます。さらに北向けに離陸いたします比率が年間六〇%でございますので、したがって離陸いたします航空機の約一八%、まあ二〇%足らずが先生御指摘のような制限を受けている、こういうことであると私どもは理解しております。
 それから次に、米軍が那覇空港を出る場合にこのような制限を受けるのかと、こういうことでございますが、これも先ほど私がお答えしましたように、那覇空港がわれわれに返る前からこの制度は確立されておりますが、当時はそこにはすべて米軍がおったわけでございますので、当然米軍機が同様の制限を受けて那覇から出ていたというふうにわれわれは理解しております。
#140
○岩間正男君 あなたはわからないと言っているが、大分いまのところは詳しく話をされてね、ちょっとおかしいんですよ。統一されませんよ。まあ大分工夫されたかと思いますがな、答弁を。だけどやっぱり何が出ます。それから三〇%だから大丈夫だろうと、そういうことをあなたは言っていますけれども、その三〇%、それが大きな問題じゃないですか。これがちゃんと、しかも米軍の文書に一つのはっきりした基準として残されているんですよ。そうして日本の場合だけはこれは低空、民航の場合には低空を課せられている。嘉手納を出る米軍の場合はそういうことになっていないでしょう。そういうふうになりますと、はっきりこれは何のためにこういう事態が行われているのかということは明確だと思います。
 それから同じようなことは、これは出発の場合ここにまたすべての標準的なレーダーによる出発制限と、この文書の中でそういうところを見ますと、那覇空港のランウエー36出発機としてすべての出発航空機は那覇タカンから十五海里まで千フィートを維持せよで発せられる、はっきりこれは規定されているんですよ。だからこういう点から考えますと、これらの米軍資料によってきわめて明らかになっていることは、那覇空港に直接関係のある那覇アライバルセクターは、米軍が直接利用する嘉手納アライバルセクターによって千フィート以下に利用制限を加えられているということ、また米軍の嘉手納は、進入管制レーダーによる那覇空港ランウエー36からの発進機は那覇から十五海里の間は高度千フィートで抑えられ、そうして誘導されているということが明らかです。
 つまりこれらの結論として言えることは、米軍のいま現に行っている進入管制の実態は、常に米軍を優先させ、そしてこの優先を確保するために民間機の離着陸を技術的にも困難で危険な、そういう不当な低高度の制限を課しているということは私は明確だと思う。これでもあなたたちは米軍が優先でないというふうにこれは言えるのですか。ここは認めなきゃいけませんよ。事実は事実として認めて、その上に立って日本の置かれている現状をこれは変えていくというのが当然あなたたちのなすべき任務だと思うのですけれども、まるでこれは反対の立場に立っておられて、何か弁解がましくだけ聞こえておる。米軍優先というのは具体的にこの文書を見れば明確に出ていますよ、これ。米軍優先のもうこれは文書ですよ、どうなんですか。
#141
○政府委員(中村大造君) 先ほどから松本次長がたびたび申し上げておりますように、嘉手納の滑走路と那覇の滑走路の位置及びその方角からいきまして、米軍機であろうとなかろうと、とにかくその両方から発着する航空機を安全に運航させるためには、その両方の線が交差する位置から言いますと、那覇側を千フィート以下に抑えざるを得ないと、こういうことでございます。
#142
○岩間正男君 それは民間優先なら安全の方法をとるべきで、わざわざ米軍に安全な方法をとらせておいて、それで日本は低高度の危険な、技術的に困難な、神経の疲れる、そういう方向をとっているというのは、何も多くを語る必要はないのじゃないですか。これは米軍優先がいまだに行われている、そして、それは進入管制権をはっきりアメリカが握っているからそういうことが自由にできると、こういうことを具体的に証明しているじゃありませんか。この事実は認めなきゃなりませんよ。
 そこで私は、改めてお聞きしたいのです。四十七年の五月、沖繩の復帰時でありますが、このときの日米合意では、進入管制を含む航空交通管制の権限は日本側に返される、その中の進入管制の業務については、これは当分の間暫定的に米軍が実施すると、こういうふうになっておるわけですが、これは間違いございませんか。
#143
○政府委員(中村大造君) そのとおりでございます。
#144
○岩間正男君 そうすると、暫定的というのはいつですか。
#145
○政府委員(中村大造君) 文字どおり暫定的でございます。
#146
○岩間正男君 暫定的では、三日も暫定的、三年も暫定的、三十年も暫定的、三百年も暫定的かもしらぬのですね。米軍の文書を見ますと――あなたたちのこの前安保国会に出した資料を先ほど外務省からもらいました。この外務省からもらったのを見ますと、日本のこの空の権利、航空権は日本に返す、それから当分の間という、これは二十七年に結んだ日米合意書です。あれから二十三年たってる。それで当分の間ということになりますか。これは日本語の範疇からはるかに逸脱しているのだ、当分の間なんて、同じことだから。暫定的に、暫定的に、暫定的に、永久に、こんなばかなことがありますか。いまの答弁も、暫定的ということは暫定的でございます――いつあなた国語学者になったのです。そんなばかな一体答弁したって話になりません。いつまでとはっきり答えてください。
#147
○政府委員(中村大造君) これは日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行うまでということでございます。
#148
○岩間正男君 ずいぶんこれは答えてまいりましたけれども、その進捗状況は一体どうなんですか。いままでの国会の両院の答弁、私聞いてきましたが、遅々として進まないじゃないですか。米軍がいる限りは、一体果たして、この進入管制を放すものか。これは大きな問題で、あなたたちを責めるのはあるいは酷かもしれませんけれども、しかし技術的に考えて、それから良心的にこの問題に対処するなら、こういう問題に対してはっきりやっぱり見解を持つ、また見解を持てるような技術家でなければならぬし、行政のそういう責任というものを感じてもらいたいと思うのです。そうなってない、日本の官庁は。だから、そういう意味じゃはっきり行政の民主化ということをしばしば私は繰り返してきたのでありますけれども、そういう国民の側に立つか立たないか、そういうことは非常に重要だと思います。だからこの暫定的というのがわからない。暫定的なんというのはいつでもごまかし、国民を欺瞞する言葉だ。こういうものは日米合意書にざらに入っているでしょう。
 第二に「進入管制を含む航空管制の権限は日本側に返され」とあるから、進入管制権は原則的に日本側にあり、ただ暫定的に実際の業務だけは米軍に委託されているものとこれは解釈してよろしいですか。よろしいかよろしくないか言ってください。
#149
○政府委員(松本操君) 多少先生のお使いになりました用語と違う点がございますので、そういう単純にお答えできないのが申しわけございませんが、沖繩における航空交通管制組織を運用、管理する権限は日本国政府に帰属いたします。ただし嘉手納、普天間、那覇空港に関する進入管制につきましては、先ほど局長が申し上げたとおり、日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制を行うまで暫定的に米国政府がこれを行う、こういうことでございます。
#150
○岩間正男君 だから何で協定書を出さぬのです、われわれにこんな間違った、少し字句の変わったものを使わせて。出しなさいよ、あなたたち素直に出してくれば、われわれはそれで間違えのないなにをやるのですよ。ところがね、ここが違いますと言って、あなたたちだけが持っていてだな、そしてわれわれに渡さない。こんなばかなことがありますか、国会の場に。これは委員長ね、こういうもう答弁そのものがだめなんだ、ごまかしなんだ。なぜ出さないのだ。きょうじゅうに出しなさい。持ってきなさい。私は正しいことを一字一画間違いなくやれるから。何ですか。
#151
○政府委員(松本操君) 私が申し上げましたのは、先生が進入管制を米軍に委託したとおっしゃいましたので、私どもは委託したとは考えておりませんので言葉が違いますと申し上げただけでございまして、見ておりますものはおそらく同じものを見て申し上げているつもりでございます。
#152
○岩間正男君 これは委託というこの間大臣のがあるんだ。だから私は委託という言葉を使ったのでね。しかし同じじゃないですか。言葉も何ですか、本当にこれは厳密にやるんですか。これはとにかく米軍に頼んだという形で、米軍が主権を握っているというのが実態でしょう。これは間違いございません。全部そういうやり方をやっているのが、このアメリカの占領政策時代から続いている、いまだに残っている、残痕が残っているやり方なんですよね。
 そこでお聞きするけれども、主権は日本にあるんですな。間違いありませんな。あるかないか。
#153
○政府委員(松本操君) 先生の主権とおっしゃる意味がちょっと……
#154
○岩間正男君 空の主権、管制権、空の航空管制権。
#155
○政府委員(松本操君) 日本国の領空における管制権というものはもちろんわが国に帰属しております。
#156
○岩間正男君 そうすると、これは業務をこちらから頼んでいる、そういうものが主権者の権利を左右し制限しているというのが沖繩の進入管制の実態ですよ。これは本末転倒じゃないですか。どうなんですか。この沖繩の空の実態というものを本当に冷厳につかまなければなりませんよ。全くそうでしょう。これはもうお答えがなければないでいいですけれども、この点が明確になったと、この文書ははしなくもそういうことを明らかにしている、日本の国民の前にこれを明らかにしている。いいですか。
 そこで、もう一度念を押しますが、七二年の返還時の協定書、日米合意協定書、これをどうですか、お出しになったらどうです。いかがですか、出せませんか。どうです。
#157
○説明員(山下新太郎君) いま御指摘のございました沖繩における航空交通管制に関する合同委員会合意、これは四十七年五月十五日、これ沖繩の返還の日でございますが、その日に合同委員会で合意いたしましたものを先ほど御説明申し上げた合同委員会合意の性格にかんがみまして米側と協議の上すでに国会にお出ししているとおりでございます。お手元にお持ちではないかと存じます。
#158
○岩間正男君 とにかくひとつ米側の了解を得られないので出せないというのだが、了解得なさいよ。努力しますね。
#159
○説明員(山下新太郎君) 私、四十七年五月の時点で直接折衝いたしませんのでその経緯は詳細には存じませんですが、聞いているところでは、この当時日米間で話をいたしまして、こういう形にまとめて国会に御報告申し上げた、こういうことでございます。
#160
○岩間正男君 じゃお聞きしますが、七四年、昨年、航空路管制権を返しましたね、日本側にテークオーバーしましたね。このときまた取り決めを新しくやったわけでしょう。この点ではどうなっていますか。この点ではいまのこの管制のやり方は依然として変わりございませんか、どうですか。
#161
○政府委員(松本操君) 昨年五月十五日をもちまして沖繩における航空路管制をわが方がテークオーバーいたしましたのは、ただいま外務省から申し上げた沖繩における航空交通管制の取り決めに基づいた結果でございます。結果でございますので、そのとき特に別の取り決めをつくるというふうな性格のものではございません。
#162
○岩間正男君 何もなかったというのですか。何にもなかった。それじゃ私お聞きしますけれども、一体、先ほどもなにしましたが、この合意ですね、嘉手納ラプコーン・トレーニング・ガイド、これができたのは、先ほども指摘しておきましたが七四年の七月二十三日です。昨年返されているわけですね。返されてからこうできたんでしょう。全然これは変わっていないわけだな。だから三年前の返還時の協定とは何ら変わりはない。そのもとに立ってこれが行われているのだということ、この事実を確認したいと思います。
  〔委員長退席、理事前川且君着席〕
 ところで、私はもっと重大な事実を指摘しなければならぬ。それはこのような日米の合意によって暫定的に米軍がこの業務を行っている進入管制権、その管制区域内でそんならそれがどのように使用されているのか、この使用の実態はどうなのか、これを具体的に明らかにすることが非常にもっとこの問題を私は明快にすることだと思う。大体どう使われていますか。御存じだと思いますが、いかがですか。
#163
○政府委員(松本操君) 嘉手納が行っております進入管制のための空域の中ではどのように使われているかという御質問でございますが、進入管制のための空域でございますので、わが方のACCから受け取った航空機をわが方の那覇あるいは嘉手納その他の飛行場へおろすための高度を下げる操作、逆に那覇その他の飛行場から出ました航空機をわが方のACCに渡しますために高度を上げさせるための操作、こういうことが主として行われておると、こういうふうに理解しております。
#164
○岩間正男君 それは機械のいじり方ですよ、技術の問題で、あなたに私が聞いているのは、どんな一体軍事訓練に使われているかということをお聞きしているのですよ。だから、それはお答えになれない、知っていてもお答えになれないのかどうかわかりませんが、お答えになれない。しかし知らないでは済まされないですよ、そうでしょう。とにかく仮で、暫定的に行うといっている。いわば委託だって同じですよ、委託している。その委託しているそこの空域で、向こうに任かしている空域で何が行われているかということを知らないということは一体あり得るだろうか、そういうことがあっていいだろうか。
 それじゃ、重ねてお聞きしますが、この空域では米軍の特別作戦が行われておりますか。
#165
○政府委員(松本操君) 進入管制空域の中で特別作戦が行われているというふうには私ども聞いておりません。
#166
○岩間正男君 何も知らない。答えるに都合のいいところだけは知っているということになっているわけですけれども、それじゃ話にならぬと思うんですね。これを見てください。先ほどのトレーニング・ガイド、これを見ますと、この第七章に「スペシャル・ミッション」というところがはっきりあるわけです。そこには特別作戦の管理方式が明らかにされている。この特別作戦という方式はどういうことか。これは三つに大体分かれている。一つはロー・レベル・ルート方式、低高度ルート方式。第二はVFR・オン・トップ・ルート方式、雲上有視界飛行ルート方式。第三はSR71やKC135などの特別作戦の方式。この三つ、ちゃんと、こういう先ほどの米軍資料の中にはっきり出ている、そうでしょう。米軍からこれは報告は受けないのですか。手放しで貸しちゃったのですか。進入管理権は向こうにやって、何で使われようがまわない、こういうことなんですか。知っていなければおかしいですよ、どうなんですか。
#167
○政府委員(松本操君) この空域は進入管制をするための空域でございますので、いま先生おっしゃいましたものも進入管制というカテゴリーに入るものもあるようにも思えますし、また管制のらち外のものもあるように私伺ったわけでございますが、この空域を米軍に貸し与えてあるわけではございません。ただこの中で米軍が進入管制してもいい、する空域はこれだけであるというだけのことでございますので、貸し与えたわけではございませんが、その中で行われている作業のうち、進入管制ということに関係のあることにつきましては、私ども管制の必要上報告も求めることもしておりますし、いろいろと要望も出しておる、こういうことでございます。
#168
○岩間正男君 いま技術的なことを聞いているんじゃない。具体的に何が行われているか、向こうにいわば委託しているんだと。それなのにあなた、その中身は何も知らないのです。そんなこと答弁になりますか。
 このロー・レベル・ルート、この問題からこれは明らかにしたいと思う。この資料によりますと、持別作戦の管理方式というところがございます。そのa項に、ロー・レベル・ルートとして第一にヨミタンNo.1及びNo.2ルート、第二にはイエジマNo.1及びNo.2、第三にはクライマールート、第四はアルファルート、第五はブラボールート、この五つが明記されている。このような特別作戦のルートを日本政府の関係者はだれも知らない。これは外務省知らぬのですか。これじゃまるで手放しですよ、これは、どうなんです。
#169
○説明員(山下新太郎君) 私ども、いまお示しいただきましたことを承知いたしておりません。
#170
○岩間正男君 何かはっきりしないな。明確に答えてください。知らないのですか。
#171
○説明員(山下新太郎君) 承知いたしておりません。
#172
○岩間正男君 知らないのですね。
#173
○説明員(山下新太郎君) はい。
#174
○岩間正男君 どうですか、運輸省は。
#175
○政府委員(松本操君) いま先生のおっしゃいましたようなことについては、私ども承知しておりません。
#176
○岩間正男君 皆これだ。大変なことですよ。
 それでは、このようなロー・レベル・ルートがどのような作戦に使われているかを米軍資料によって、私はさらに具体的に明らかにしたい。ここに米太平洋空軍教範F4搭乗員作戦行動要領、その中の第十八戦術戦闘航空団補足文書というのがあります、これがそうです。このセクションKというところを見ますと、ロー・レベル・ナビゲイション・トレーニング、低高度航行訓練、これについて述べています。この中で、伊江島射爆場へのルートについて、特殊兵器のための再重要ルートである、こういうふうにはっきりこれは述べているわけであります。同時に同文書では、伊江島における核投下訓練の要領を具体的に指示しているのであります。以上の事実でも明らかなように、特別作戦として目下米軍の使用しているロー・レベル・ルートの実態は、核兵器を実戦に使用するための訓練を行うきわめて重要しかも危険なルートである。政府はこの事実をそれでも知らないと、これは言うんですか。局長、どうです。
#177
○政府委員(中村大造君) その事実は承知いたしません。
#178
○岩間正男君 それでは、私は次に伊江島においてどのような核投下訓練を行われているかを調べてみました。
 私は、ここに第十八戦術戦闘航空団のフライトプランというのを持っている。これによると一九七四年十月二十一日、昨年の十月二十一日から二十七日までの一週間に合計六十六回の核投下訓練を行っていることが明らかなんです。また去年の十二月三十日から本年の一月五日まで、まあ正月を加えた一週間ですが、この中で四十回の核投下訓練が行われていることがはっきりこれは明細になっております。さらにフライトプランをよく見ますというと、この核投下訓練にはSUU21投射機に装てんしたBDU33、MK106のミニチュア模擬弾を使用すること、これが明確に記載されているわけです。これは非常に重大な問題だと思うんですが、いかがですか。
#179
○説明員(山下新太郎君) 伊江島の補助飛行場、これが米軍に施設区域として提供されている次第でございますが、ここで核模擬爆弾の投下訓練を米軍が行っていることは私ども承知いたしております。それで、かかる核模擬爆弾の投下訓練を米軍は伊江島で行えるのか、あるいはまた安保条約上できるのかというような問題がございますが、それにつきましては従前来政府が御説明申し上げてますとおり、別に安全保障条約上あるいは関連取り決め上これに違反するものではない、そう考えております。ただし政府といたしまして、核にかかわる問題だということから、国民の感情がございますので、訓練に当たっては一体どうするんだと、安全対策上十分な配慮をしてくれということは言っておりまして、米側はこれに対しまして米軍の任務の遂行上必要最小限度においてこれを行うということを約束してきているわけでございます。
#180
○岩間正男君 ここは外務委員会、防衛委員会でもございませんから、その可否を論議することは時間の関係もあって差し控えておきますけれども、私は少なくとも運輸省が空の安全を守るということを第一義にするなら、自分で潜在かもしれぬけれども、空の管理権をはっきり持っていながら、しかも暫定的に向こうに業務をやらしている。そこで何が行われているか、核投下訓練、これが行われているということは非常に重大です。
 わが党の不破書記局長は衆議院の予算委員会で何回も質問して、それらの事実をいままで明らかにしてきました。日本政府に対して事実を徹底的に糾明し、その即時中止を要求してきましたが、政府はこの重大な警告に対していまだにこれは何らの回答も行っていない、せいぜいいまのお話になったような答弁しか返ってこないわけです。こんなことでいいのかどうか、こんなことは国民の名において許されると思っているのかどうか、沖繩の核抜き本土並みはこれは全くの空文に終わってくるのが現状です。
 そこで私は、要求するんですけれども、この証拠としてのフライトプラン、これはあるわけでしょう。運輸省あるわけでしょう。少なくともいろいろな点で通報を受けているわけです。これは出してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#181
○政府委員(松本操君) 私、なおよくわからない点が残っておりますが、いま岩間先生のおっしゃいましたフライトプランというのも、そこに何を使えとか、かにを使えとかいうことが書いてあるというお話でございましたが、そういうフライトプランというのも管制の上では使いませんのでよくわかりません。ただし、ここで考えますと、これは恐らく有視界飛行で飛でいるのではないだろうか、有視界飛行で飛んでおるといたしますと、私どもの管制とは全く関係がございません。したがって、そのようなフライトプランも恐らく出てきていない、こういうふうに私は思います。
#182
○岩間正男君 この問題は運輸省の管制部に、有視界飛行だけじゃないのですから、この点についてはもっと検討してもらいたい。
 この伊江島で現在何が行われているかという問題、これは私は最近見てきたんです。伊江島の現況についてちょっとこれを紹介しますというと、私も五月十四日共産党の国会議員団の現地調査団の一員として伊江島に行きました。そうして伊江島の真謝の米軍の射爆場を視察してきた。全くこの惨情は目に余るものがある。赤土の露出した一地帯ですが、そこには大きな弾痕が地中深くうがたれている。ところどころにはドラムかんを半切りにしたもの、それに油を満たしてそれに火をつけて夜間爆撃の目標に備えている事実も明らかになりました。射爆訓練は日米の合意のよって朝六時から夜十一時までと決られておる。特に夜間の八時から十時までが猛訓練が行われる。そのために付近の農家ではもう家畜が育たない、テレビやラジオの視聴もむろんこれはできなくなる。生活に非常に苦しんでおる現状をつぶさに見てまいりました。こうした中で米兵が草刈り中の山城青年を狙撃するというような事件も起こって、目下これが大きな問題になっているのも御承知のとおりです。嘉手納の米軍は沖繩本島では夜間訓練を中止しているということを言っておりますが、そのしわは全部伊江島に寄せられているんだ。現地の人々は憤りの声を上げていたんです。政府はこうした事実を本当に知っているでしょうか。こうした中で沖繩の海洋博に備えて伊江島にも民間飛行場がつくられ、そうして観覧者の便に供することになりましたが、この使用時間は午前十時半から午後一時まで、わずかに二時間半と、これは米軍によって制限されている。これは米軍の休憩時間ですよ。この時間はいいだろうということです。これでは何のための飛行場設置か、また海洋博後にこの飛行場をどう使うかというこの計画も運輸省にお聞きしましたけれども、十分に答えられない現状じゃないですか。こういう現状を一体どう考えるんですか。
#183
○政府委員(中村大造君) 海洋博期間中、伊江空港のいわゆる運用時間といいますか、そういうものが二時間半ということは現状ではやむを得ないと思います。海洋博後につきましては、海洋博後の跡地がどのように利用されるかということとの関連におきまして伊江空港の活用方法もおのずから決まってこようと思います。
#184
○岩間正男君 空港の計画について述べられたんだが、この惨状については現状を私は見てきたんだ、全くあなた皮膚感覚でこれを感じ取ってきた者と、遠くの方でこの問題を考えておるのとはこれは違うので、こういう現状から言えばあなたたちが委管しておるというそのような進入管制権の空域ではこういうことが行われている。
 その前に、先ほど有視界飛行だからこれは運輸省の那覇ラプコンには入っていないというようなことを言われましたが、この資料を見ますとこれは有視界飛行だけじゃないですよ、混合飛行だ、混合飛行計画ですよ。だから少なくともこれは入っているわけですよ、有視界飛行でない部分。どうですか、ちゃんと米軍の資料に書いていますよ。これは違っているというのですか、そういう点はごまかさないで明確にしてください。
#185
○政府委員(中村大造君) 先ほど来の岩間先生のお話を承りました限りでは、嘉手納と伊江島との間、ここを飛んでいるのではないかと思います。そういたしますと、この空域は嘉手納が進入管制を行っております空域の中だけでございますので、その場合にはACCの方にフライトプランは出てまいりません。
#186
○岩間正男君 米軍資料にはっきりあるのだから、これは事実をまた確かめてほしいと思います。
 以上、私はこの伊江島の現状についてこの目で確かめてきた事実を踏まえて政府にただしたいと思います。政府は進入管制を米軍がぎりぎりまで続けていることについて昨年四月の国会答弁では米軍の軍事目的のためではない、そうしていまもそういうようなことをたびたび言われた、こう釈明されてきたのでありますが、この実態は軍事目的以外の何ものでもないじゃないか、これは認めなければならぬと思いますよ。同時に、政府は進入管制について諸施設の完成を急いでいるが、それまでの間、過渡的にやむを得ず管制上の業務を米軍に委託するのだと、こういうふうに答弁してきました。あくまでもこれは向こうに一時的に業務を任しているのだ、こういうたてまえなんだ、その委託下で何が行われているかということを私は重ねて明らかにする必要があると思う。ロー・レベル・ルートの実態というものを、委託しておる米軍に対してこの報告を求める当然の責任がある、権利もある、こう思いますが、これは木村運輸大臣の答弁をお願いしたいと思います。
#187
○政府委員(松本操君) 先生たびたび御指摘のように、この空域におきます進入管制を米軍にやらしておりますので、われわれが行っております航空路管制と、あるいはわれわれが行っております飛行場管制との中継ぎをする進入管制という面において米軍側に特別要求をし、または注文をつけることがございますれば私ども従来もやってまいりましたし、今後もやってまいりたい、こういうふうに考えております。
#188
○岩間正男君 次に、雲上飛行の問題についてお聞きしたいと思います。
 VFRオン・トップ・ルート――雲上有視界飛行の問題ですが、まず政府は雫石事件後の緊急対策要綱、先ほども触れましたが、この第四項で「訓練空域を除き、国際民間航空機関(ICAO)の勧告に従い、雲上有視界飛行を禁止するもの」としているわけでありますが、雲上有視界飛行とはどのような飛行方式なのか、またなぜ禁止したのか、その理由を明らかにされたいと思います。
#189
○政府委員(松本操君) 雲上有視界飛行と呼ばれておりますものは、計器飛行方式のフライトプランを出しまして、計器飛行方式によって離陸上昇を行った後、雲の上に出てしまう――雲上でございます。雲の上に出ましてからは定まった高度を用いないで有視界飛行と同じ高度を使って飛行するという飛び方でございます。また、これが危険ではないかという理由は、ただいま申し上げましたように、計器飛行方式で出発をするような状態下でありながら、それが飛行いたしますときには有視界気象状態と同じような飛び方をするというところに問題があるのではないかということから、これを禁止するようにしたものでございます。
#190
○岩間正男君 とにかく雲の上ですと非常に高度を誤るということがありますね。それから雲の間から突然別な飛行機が急上昇する、そういうような点から非常に危険でこれがICAOによって禁止されていることなんでしょう。先ほどの嘉手納ラプコン・トレーニング・ガイドによると、特別作戦の管理方式、こういうところがございます。これはこの中のb項というところを見ますというと、雲上有視界飛行ルートということを明記してそのルートの中には、第一にウイスキールート、第二にケベックルート、第三にネイダールート、この三つを挙げている、その管制の仕方が具体的に述べられているわけですが、ICAOの勧告によって自衛隊は訓練空域以外は禁止されている、この飛行方式が米軍には訓練空域以外でも許可されているのは何のためですか。
#191
○政府委員(松本操君) 米軍に対しましても、私ども原則として雲上有視界飛行はそういう許可を出しておりませんが、いま先生のおっしゃいましたのは、嘉手納の進入管制空域の中でそのような飛び方をするということが従来から行われておりまして、これはきわめて例外的な特殊なものである、回数もきわめてまれであるというふうなことからそういう飛行がわれわれテークオーバーいたしました後にも続いて行われておるというふうに私どもは承知しております。
#192
○岩間正男君 そういうことを言っていますけれども、ここにはっきり書いていますよ。ウイスキールートの管制承認限界点は、ナンシーDMEフィックス、那覇から二十DME、二十海里、二百七十度方向、初期進入高度一万六千フィート、航空機はレーダー誘導によりオントップまで上昇する。それからケベックルートの場合の管制承認限界点は、キャシーDMEフィックス、嘉手納より二十五DME、二十五海里、それから三百二十度方向、初期進入高度一万六千フィート、航空機はレーダー誘導によりオントップまで上昇する。
 このようにウイスキールート、それからケベックルート、ネーダールート、こういうものが、実は米軍の訓練空域だけじゃない、そういうところ、たとえばナンシーDMEフィックス。それからケベックルートの場合はキャシーDMEフィックス。こういうようなところはこれは何も米軍の訓練空域じゃないでしょう。こういうところでないところで、これは雲上有視界飛行をやっておるのじゃないですか。そういうことの何よりもの証拠、はっきりこの文書の中にあるんです。どうなんです。
#193
○政府委員(松本操君) ただいま先生が仰せられましたフィックスは嘉手納が進入管制を行っております空域の中の点ではないかというふうに思います。
#194
○岩間正男君 見てくださいよ、ここにあるけれどもね、ちゃんと。そしてそこのところでこのようななにが行われているのですよ。それから雲上有視界飛行がなくなった場合には、今度はレーダーに移るのだと、その旨をはっきり通告する、はっきりこれに書いているのですよ。雲上有視界飛行をこのようにやっているじゃないですか、どうなんですか。しかも重大なことには、運輸省那覇航空交通管制部が米軍との間に結んだ一九七二年五月十五日発効の協定書、長ったらしい名の協定書ですが、「第九戦略偵察航空団、第三七六戦略航空団、第一八戦術戦闘航空団および那覇航空交通管制部のあいだの協定書」、こういう長い名前の協定書がありますが、この協定書によって第一八戦術戦闘航空団の飛行計画を次のように協定している事実があるんです。すなわち「ケベック飛行(嘉手納ボルタックから半径二百浬以内での雲上有視界飛行)計画は、コットンテイルおよびグレイラビット空域における給油行動のために申し込まれる。」、こうあるではないですか。この事実をはっきり認めなくちゃならぬと思うのですが、どうですか。
#195
○政府委員(松本操君) 先ほどもお答え申し上げましたように、きわめてまれなケースとしてそのような飛行が行われているということは承知しております。
#196
○岩間正男君 まれなケースなどと言って、もうICAOの国際機構でも禁止している、しかも先ほど申しました二十三年前の二十七年の合意書の中にも、ICAOのこの条項に従って運航するのだということが協定書の中にさえうたわれている。これが沖繩では全く違反されて現在このような危険な訓練が行われている、国際的に違反するなにが行われている。これを包蔵した、そういう進入管制の中にこれが行われている。そういうことは、これはちゃんと黙認しているんですか。いま答弁がありましたように、まれなケースでございますと言っている、このような違法はやり方について、全くこれは軍優先の立場から行われているので、やむを得ずこちらでは、そのような米軍のやり方に対して、本当にこれを黙認しているというようなかっこうでいいですか、どうなんですか。
#197
○政府委員(松本操君) まず第一に、雲上有視界飛行を禁止しておりますICAOの規定は、御案内のように民間航空機に対するものでございますが、私どもはこれを広く軍民を問わず広げるという考え方をあえて対策要綱においてとったわけでございまして、その結論といたしまして、これも先ほどお答え申し上げましたように、原則として民軍を問わずこのような雲上有視界飛行というもののクリアランスを私どもは出しておりません。で、沖繩地区におきましては従前からこのような飛行があったというふうに私ども承知をしておるわけでございますが、その中でも特にやむを得ないと考えられるものであり、かつ安全が十分に担保されるであろうと考えられるものについて、きわめて例外的な措置としてこのようなものが存在しておる、こういうふうな次第でございます。
#198
○岩間正男君 やむを得ないと判断するとかなんとか言っておりますけれども、ちゃんとこの協定書に結んでいるでしょう。そうしてこの協定書の中でちゃんとそういうことを要求されてきておって、しかもやむを得ないものを出しているなどという弁解をしても、これは話にならぬと思うんです。
 このようなやり方で、いままで申し上げたように政府は第一八戦術戦闘航空団所属のF4あるいはRF4の両機種を対象にこの給油のためにケベック飛行計画というものを承認している、この現状が明らかになりました。しかもこの空域というのは嘉手納から半径二百海里、とてつもなく広いんですね。これは私調べてみましたけれども、この航空図だけじゃわからないのです。宮古まで包摂されますね。沖繩がとっぷりもう空の中に入るんですよ。そうでしょう、全部入るんです。石垣島がかろうじて抜けるぐらい広い空域、半径二百海里です。そこのところをとにかく雲上飛行して、そうしてまた、これは給油地区がこの中でちゃんと決められている。コットンテイル、グレイラビット、この二カ所には膨大な給油基地が置かれている。
 こういうことが一体このまま許されていいんですか。このような現状を認めながら、進入管制権というものはやむを得ず委託しておるんだということでいいのですか。日本の航空行政に誤りはないのですか。この点はどうしても私は明らかにされなきゃならぬし、こういう問題と本当に取り組まなきゃならぬ。これは政府の無論責任であります。しかし、これに対して、現地の沖繩県民は言うまでもないことです、日本のやはり主権の問題なんだから、どうしたってこういう問題について、これは世論も喚起して、このようなやり方に対してはっきり対決をしていかなければならない。しかもどうですか、このSR71と、これの給油の問題、こういうような問題を含めているわけですね。何に使われているか。非常にこれは重大な問題を含めていますよ。とにかくあなたたちのつかさどっている、監視をしている、そういうことから考えましても、このような重大な沖繩の上空が依然として米空軍の跳梁するままに任せられている。こういうことがはっきりしたんです。
 したがって当然この協定書を当委員会に提出すべきじゃないですか。こういうことを勝手に一体協定していいのかどうか。この協定書がなければ、あなたたちがやむを得ず、かろうじて、それから部分的にそんなことをやっておるんだなどということはわからないですよ。そういうことは非常に当委員会の権威を失墜するもの、私はどうしたってこの協定書の提出を要求しなければならぬのですが、大臣いかがですか。協定書をお出しになって、そうしてこの問題と明確にやっぱり対決をしていく、こういう姿勢を打ち立てなければ、これは本当に、何のために一体国会論議が行われているかわからないということになりますよ。どうなんですか。
#199
○政府委員(中村大造君) その協定書につきましては、いずれもこれは日米合同委員会に関連する事項でございます。したがいまして、そういうものを国会に御提出することにつきましては、先ほど来からお話がありましたように、米軍の意向もございまして、従来からこれは国会にお出しすることは差し控えさせていただきたい、こういう態度をとっておるわけでございます。
#200
○岩間正男君 いまのような答弁を、同じことを、どんなに事態を明らかにして、この重大さを指摘しても、同じことを、ばかの一つ覚えみたいな答弁をして、こんなことでいいですか。私は、こういうようなものが出されなければ、審議しても無意味だと思う。審議できないじゃないですか。どうなんですか。委員会としてこれは委員長、要求してほしいですけれどもね。
#201
○理事(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#202
○理事(前川旦君) 速記を起こして。
#203
○岩間正男君 それ伝えてくださいね。協定書はあるんですね、協定書は。あるかないか言えないんですか。
  〔理事前川旦君退席、委員長着席〕
#204
○政府委員(松本操君) 恐れ入りますが、先生のおっしゃっております協定書というのはどれを指して――いろいろお示しいただきましたので、どれかということをひとつおっしゃってください。
#205
○岩間正男君 さっき言いました米軍、この嘉手納にいる三つの――さっき言ったでしょう、第九戦略偵察航空団、第三七六戦略航空団、第一八戦術戦闘航空団及び那覇航空交通管制部の間で結ばれた一九七四年の五月十五日発効したこの協定書、あるでしょう。
#206
○政府委員(松本操君) ただいまお読み上げになりました協定はございます。
#207
○岩間正男君 委員長、さっき要求したんですがね、この協定書なしには、とにかく政府の答弁が非常に不十分なところがあるのです。私はこれだけ事態を明らかにしているんですから、当然これは出すべきだ、こういうふうに思うんです。それは日米合同委員会に関するものだからというようなことでいつでも逃げていますけれども、米軍を説得したらいいですよ。これだけ大きな問題になって、これだけ深刻な、重大な、本当にこれは国民のもう命や権利に関する問題だけじゃない。日本の独立とも深い関係のある、主権とも深い関係のあるこのような要求がなされているのに、いつでもさっきも言ったような紋切り型で一体当委員会を無視するというようなことは、国会の審議を無視するというようなことは許されると思いますか、どうなんです。だから当委員会としてぜひ私はこれを要求していただきたいと思うんです。これは先ほど委員長がお戻りになったら相談されるということですから、ちょっと委員長の方からまた政府に交渉してください。どうなんです。
#208
○委員長(宮崎正義君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#209
○委員長(宮崎正義君) 速記を起こしてください。
 岩間委員の方からの資料の請求の件につきましては、後刻理事会で話し合いをいたしまして、また、その結果も報告申し上げて決めたいと思いますから、御了承を願いたいと思います。
#210
○岩間正男君 国会の論議ももっと前進をする必要がありますね。いままでの旧態依然で、あなたたち、出さなければぐあいがいいなんて、そういうことじゃだめなんです。あなたたちは自分の立場を考えているけれども、真に航空のもっと権利を確立するために必要なことなんです。われわれはむだなことを言っているわけじゃないんです。そうでしょう。そういう立場に立ってはっきり考えてごらんなさい。これはどうしたってやっぱりこの協定書を――まあ理事会でも検討されるそうでありますからこれ以上続けませんけれども、出してほしい。必ず出してほしい。再々要求します。
 第三に、偵察専門のスパイ機SR71に対して、この超高度飛行、超高速飛行を保証するためにOLKAという、ノースサウスディパーチャーの管制方式を設けて嘉手納から二十マイル地点で高度二万五千フィートに誘導することにしている。この問題については、わが党の金子議員が衆議院予算委員会で詳しく質問しましたので、時間の関係からきょうは省きます。
 ただ一言言っておきたいのは、嘉手納から二十マイルの地点で米軍の悪名高いスパイ機が超高度二万五千フィート以上がとれるときに、那覇空港を出発する民航機が十五海里の地点で千フィートの高度に制限されている。絶えず危険にさらされる。こうした危険を潜在しているということは国民感情としても許されない。それでなおかつ私は、米軍優先でない、こういう立場をとって、そしてあくまであなたたちはいまのような説明をしているわけでありますが、これは許されないと思うんです。こういう問題について、運輸大臣どう考えますか。
#211
○国務大臣(木村睦男君) SR71の問題は予算委員会でも、衆議院、参議院でいろいろ御質問を受けたわけでございますが、これは非常に高速でもございますし、また上空に向かって上がるのも非常に速い特殊な性能の飛行機でもあるわけでございますので、普通の飛行機と同じような状況のもとで管制に従わして処理するということはかえって航空の安全を害するという見地から、これについては特別の扱いをしておるということでございまして、これは何も優先的に扱うとかそういうことではなくて、航空の安全上、そういう機能を持った航空機でございますので別の扱いをしておるということでございます。したがって特にこの種の飛行機に対して、航空管制上いわゆる優先的な扱いとか、そういう優位性を持たせるとか、そういうことではない、このように理解をいたしまして、そういうふうな処理をしておるわけでございます。
#212
○岩間正男君 まあよく実態を聞いてくださいよ。事務局のそういう話だけ聞いておって、そういうような答弁ではいままでの事態、私は詳しく説明したものに対応できないと思うんです。こういう点で、もっとやはりどうしても実態を明らかにする努力をあなたたちも、これは協力しなけりゃならない。しかもいまの日本の置かれている情勢、最近のアジアの情勢から考えて、いまのような態度をとっているのはおかしいんじゃないですか。ベトナム人民を初め、カンボジア、ラオスなど民族解放の戦いはいまや大きな前進を始めている、大きな成功をおさめている。そしていまや全世界、全アジアを揺り動かしているのは御存じのとおりです。
 これに反してアメリカは、アメリカ帝国主義者は非常な敗退を深めている、そうしてその苦悩の度をますます深めているんです。それならアメリカは、こういう彼らの失敗に、誤りに学んでいるかというと、そうじゃない。韓国や日本を踏み台にして新たに侵略の体制を強化している。とりわけ沖繩の基地を強化して緊急対処の発進基地としていることは、最近のあのマヤゲス号事件のときに海兵隊が沖繩嘉手納から発進したこの事実一つを見ても証明済みのことであると思います。これを沖繩現地の声に聞いたらいいと思うんです。こう言っているんです。私は、ちょうど沖繩返還三周年記念日の今年の五月十五日に沖繩におりました。あのとき一斉に沖繩の新聞も報道を伝えております。保守的な立場に立つ人さえ沖繩は返還されてかえって悪くなったと、こう言っているんです。こういう事態、軍事基地がもうますます強化される、しかも核基地の様相を深めている。こういう中で、このような声が起こっている現実、こういう点から考えますと、いま日本は何をなさねばならないか、このような侵略に手をかすことじゃないんです。国民生活の安定とその民主化、行政の民主化、こういうもののために、ことに運輸省は、運輸大臣はやっぱり努力をすべきだというふうに私は思うんです。こういう現状の把握の上に立って、ここでやはり航空行政の中に横たわっているこのような一つの暗黒の問題と対決する必要があるんだというふうに考えますよ。この沖繩の空の問題を私はいささか論議をしたわけでありますが、そういう問題に付随して運輸大臣は一体どう考えておられるのか、決意を交えたそういう答弁を願いたいと思います。
#213
○国務大臣(木村睦男君) しばしば岩間委員から沖繩の空の問題でいろんな御意見を承っておるわけでございますが、もうわれわれといたしましては、やはり日本の防衛、また日本の安全、平和という立場に立って日米の安全保障条約を結び、そのもとで安全、防衛を図っておるわけであります。そういうことからして米軍の空軍も駐留をいたしておるということであるわけであります。そういう前提に立って日本の空の航空管制をやっておるわけでございまして、運輸省は航空上の安全を図る管制をやるということが任務であるわけでございますので、飛び立った飛行機がどういう目的でどこに行って何をしにいったかというふうなことまで運輸省はタッチすべきことでもございませんし、またタッチしていない。運輸省の任務はあくまでも航空管制ということにあるわけでございますので、その点はその任務を御理解をいただきたいと思います。
 なお沖繩におきましては、特に日本の他の地域よりもこういった空軍の駐留その他、あるいは米軍の飛行というものが頻繁に行われておることは事実でございます。この問題は運輸省として云々すべき立場にございませんので、これはひとつ別の機会にまた総理等に御質問いただきたいと思うのでございます。
 さらに沖繩の返還につきましては、これは私の率直な個人の見解でございますが、とにかくああいう状況で返還されてよかったと、かように思っておるわけでございます。昨日の佐藤総理の国民葬におきましても、屋良知事御夫妻で御参列をいただいておりましたのも、屋良知事も県民を代表して佐藤内閣の沖繩返還についての感謝の気持ちも恐らくおありになって参列されたのであろうと、かように私は受け取っておるわけでございますが、ただ返還後も、復帰後も、航空につきましては他の地域よりも米軍機の往来が激しいということは事実でございますが、われわれとしてはあくまでも沖繩の空における航空安全ということに重点を置いて今後の航空管制をやっていく、こういう立場に立っておることを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#214
○岩間正男君 まあ病気を治すのは、上っ面なでたりヨジウムチンキをつけたって治らないですね。国民の生命の安全、航空の安全を守る、そういうときには、何が一体源になっているか、このような危険に落としている根源は何か、そのものとやっぱり対決しなければまことにこれは技術的な官僚答弁と言われても仕方がないと思うのです。あなたは国務大臣ですから、もう少し、もっとそういう点についてははっきりした見解を私は述べてほしかったと思うのです。いまのようなことだけじゃ非常に残念に思います。
 私は協定書を出してもらって、この協定書が出た段階でもう一度これは論議したいと思うのですが、これは理事会で十分御論議をいただいて、この問題については保留をしておきます。
 資料要求をしますが、先ほどの資料を出していただくことと、もう一つは、このSR71のフライトプランについて、四十九年の七月十日、十月十二日、十月十八日、十一月二十八日、五十年一月四日、十一日、十八、三十一日、これは二回ありますけれども、こういう問題について、これはわが党の金子議員が三月の衆議院予算委員会で要求しました。このとき木村運輸大臣は、調べればあると思いますが、外相とよく相談して善処をする、こういうことになっておりますから、これはぜひ出してもらいたい。それから星野参議院議員が、この前参議院予算委員会で、四月二日でありますが、ヤングタイガーのKC135給油訓練の協定書、詳しいことは外務省に聞いてくれということでありますが、運輸省も責任を持ち、外務省もこれは出していただきたい。私は先ほどからまたフライトプラン、さらに協定書について要求をしているわけですが、こういう問題についてはっきり責任のある対処をしていただきたいと思います。
#215
○委員長(宮崎正義君) いまの岩間議員の資料の点につきまして、SRフライトプラン云々の件と、それから星野委員のヤングタイガーですか、の資料の件につきましてはいかがですか、提出。
#216
○政府委員(中村大造君) 岩間委員の御指摘のものは、いずれも米軍の個々の行動に関するもの、あるいは協定につきましては、先ほど申し上げましたように日米合同委員会関連のものでございまして、いずれも米軍の同意なしにはこれを御提出するということは差し控えさせていただくことになっておりますので、われわれといたしましては御提出はできないというふうにお答えせざるを得ないわけでございます。
#217
○岩間正男君 これは理事会で検討いただきたいと思います。
 次に、時間も余りありませんが、航空気象の問題について入りたいと思います。航空交通における気象情報の重要性については、これはいまさら多くを言う必要はないと思うのです。気象学の専門家は、航空気象は応用気象学上、最高度のものを要求されていると言っているわけです。これに対して、運輸省はこの重要性を認識しておると思いますが、どんな努力を払ってこられたか、お聞きしたい。
#218
○政府委員(中村大造君) 航空の安全を確保する上におきまして、航空気象がきわめて重要な要素であるということは先生御指摘のとおりでございます。
#219
○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま航空局長からお話がございましたように、気象庁におきましては航空気象が非常に重要でございますので、全国に航空気象関係の官署並びに人員を配置いたしまして航空機へのサービスに努力しているところでございます。
#220
○岩間正男君 では具体的に、羽田空港における航空気象予報の現状についてお聞きしたい。
 まずその前に、WMOの国際気象機構によるというと、航空予報には第一種から第四種までの種類があると聞いております。その予報有効時間、これはおのおの何時間になっていますか。
#221
○政府委員(毛利圭太郎君) 申し上げます。
 羽田におきまして行っております第一種飛行場予報は有効時間二十四時間でございます。第二種は六時間でございます。第三種は二時間でございます。第四種は九時間でございます。
#222
○岩間正男君 そのうちトレンド予報ですか、これは飛行場着陸予報ですね、これを出しているのはわが国ではどこですか。
#223
○政府委員(毛利圭太郎君) 羽田だけでございます。
#224
○岩間正男君 羽田ではトレンド情報は一日何回、何時間置きに出されていますか。
#225
○政府委員(毛利圭太郎君) 三十分置きでございます。
#226
○岩間正男君 そうすると四十八回ということですね。現在羽田ではこのトレンド予報を出すために各地の気象通報を受けてそれを総合的に分析し予報を作成していると聞いていますが、気象通報提供先はどこどこですか。
#227
○政府委員(毛利圭太郎君) 航空局並びに関係いたします航空会社でございます。
#228
○岩間正男君 データを受けてそれで分析しているのですが、データをどこどこから受けていますか。
#229
○政府委員(毛利圭太郎君) 気象のデータといたしまして、国内的に国内官署、関係官署から資料を受けております。また国外からも必要な資料を受けてこれを利用しております。
#230
○岩間正男君 羽田では具体的にどうなんです。気象庁関係では前橋、東京、銚子、大島、富士山ですか、米軍関係では横田、横須賀。自衛隊関係では厚木、木更津、下総、これでいいですか。
#231
○政府委員(毛利圭太郎君) 先生の御指摘のとおりでございます。
#232
○岩間正男君 この十カ所のうち二十四回観測しているのはどこですか。また八回観測しているのはどこですか。
#233
○政府委員(毛利圭太郎君) 銚子と大島が二十四回観測でございます。前橋は現在八回観測をやっております。
#234
○岩間正男君 これは一応八回観測というのは前橋だけじゃないですか。前橋だけで、あとはもう二十四回これちゃんと観測しているということ出てますね。その前橋、なぜ八回になったのですか、時間の関係からはしょってお聞きします。
#235
○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま先生御指摘の二十四回観測をなぜ八回にしたかという点でございますが、これは気象庁におきまして昨年度末いろいろ気象庁の中で気象観測の資料の使い方その他に検討を加えました。また同時に、昨年秋に地上気象観測網という全国に約一千カ所ばかりの観測施設ができ、そのデータが毎時間東京に集まるようになりました。またいろいろ気象の利用状況から、レーダーとか衛星の資料とかいろいろ新しい施設利用状況ができてまいりました状況におきまして、ただいま先生御指摘になりましたような個所におきまして、二十四回観測通報を八回観測通報に置きかえることができるという判断をいたしまして実行したものでございます。
#236
○岩間正男君 長い御説明ありましたが、これはこの前の当委員会でお聞きしましたが、なぜかと言ったら、四月から定員削減のためにここのところを八回にしたのでしょう。そうおっしゃればいいんです。これは気象庁の第三次業務整理の結果ですね。この前の委員会でわが党はこれに反対して気象庁長官を追及しました。そのとき気象庁長官は地元の自治体や農業団体、漁業団体なんかの、さらに労組、市民などの反対を押し切って強引にこれを実施しましたね。そうしてここで八回ということになった。で、この八回というのはそれなら気象通報にどういう一体欠陥をもたらしたか。現在羽田では予報有効時間が二時間であるのに三時間おきのデータしか入ってこない。すなわち羽田ではこの予報スケールが完全に満たすことのできない、そういうものを持ってきている。
 この事態について、どうですか、今度の削減のときに予想されていなかったのじゃないですか。だから三月二十五日、ここで長官のおいでを願って私は質問したわけですが、そのときの質疑では、私の質問に対して毛利長官は主要幹線航空路につきましては二十四回観測を残してございますと、事もなげに、いかにも航空路は二十四回だから大丈夫でございますと言わんばかりの答弁をされた。しかし気象予報は各地の予報を総合しなければならないわけでしょう。こういうことは当時意識していられなかったのじゃないか。いま羽田で非常にこれは欠陥が起こっているわけです。この点はどういうふうにお考えになりますか。
#237
○政府委員(毛利圭太郎君) 二十四回観測を八回にいたしました時点におきまして、八回というものは気象庁におきまして長い間の仕事の関係、またこれは世界的な了解もございまして、一日八回非常に広い範囲の天気図を作成いたしまして、基礎となる予報、警報、その他の資料をこれに基づきまして作成する状況になっておりまして、八回というのは気象庁において基本的な観測通報回数ということになっております。
 次に、先生御指摘の短時間予報、羽田におきます資料の状況でございますが、予報を出します上におきまして、羽田におきましては資料を集め、また天気図、その他の資料あるいはレーダーなどの資料を使いまして羽田の付近の予報を行うわけでございますが、現在の状況ではこういう羽田で行います予報に対します予報情報の交換のためのデータは少なくなっていないと判断しております。
#238
○岩間正男君 これはあなたそう言われるけれども、後で述べますが、前橋が八回、東京も八回ということになっているはずですね。ところが実際はこれを見ますと二十四回出されている。三時間おきでなくて一時間ごとに観測のデータが入って気象分析に利用されている。これはおかしいじゃないですか。東京は八回に削減したのじゃなかったですか、第二次で。なぜこれは行わないのか。
#239
○政府委員(毛利圭太郎君) 東京におきましては、二十四回観測を、観測通報の形は八回観測通報に改めました。ただ現在も二十四回につきましては、特にアメダスと申しますか、そういう機械などの資料を使って一時間ごとの資料も得られますし、実際に必要な都度には観測を行っているという状況でございます。
#240
○岩間正男君 何だかそういうことを言っているが、これははっきりしているじゃないですか。組合員が自主管理をやっているからじゃないですか。その結果これは二十四回の観測が入っている。組合は機構整備、人員削減の結果、都民生活に悪影響を及ぼすことを非常に心配して自主観測を実施した。その結果は都民生活に関係するデータとして今日でも利用されている。気象だけではなくて、たとえば病院の手術に関係する気圧の状況とか、関東、甲信地方のデータ、これは毎日入ってくる。
 大阪でもこういうことをやりました。これはいまから六年前ですかな、総定員法の前後のときでありますが、組合で自主観測をやった。しかし当局の圧力で一年三カ月でこれは中止された。こう考えてみますというと、本当にこれは国民の立場をだれがはかり、そうして一方では本当に機構改革というようなことで合理化をどんどん進めて、必要なそのような観測までこれは制限している。これははっきりしていると思うのですね。航空管制の場合は人命と深い関係を持っている。私はやはりよく聞かなければならぬ、民主的によく聞いて、そうして本当に国民のためになる、そのような立場からこういう問題に対処しなければならぬということは、この前もしばしばこの気象庁の削減問題で当委員会で論議をしたのです。具体的にこの航空管制を通じて見るとはっきりこうなっているじゃないですか。この前の長官の発言を速記録で見て、そしていまの現実と対決して見ればはっきりするのですが、どういう考えを、感じをお持ちになりますか、長官。
#241
○政府委員(毛利圭太郎君) 気象の資料の利用状況につきましては、二十四回観測でございましても、あるいは八回観測通報の資料でございましても、現在はアメダスの機械が気温など問い合わせの主な資料でございます風とか気温などの観測も毎時できるようになりました。またレーダー関係の充実もできるようになりまして、レーダーは必要に応じまして異状気象が起こりましたときには常時監視もできるという体制をとれるようになりました。このような時点におきまして、いろいろの問い合わせ、サービスに対しまして気象庁としては必要な措置ができると考えております。
#242
○岩間正男君 アメダス、アメダスと、また言われるわけですが、レーダー観測と言うが、中に入ってないじゃないですか、これ。入ってないでしょう。そういうような前橋の例で欠陥が起こっているのですが、今度はどうですか、大島、銚子というのは来年から八回観測にしようとしているのですね。すでに前橋を八回観測にしたために関東北部の気象データは著しく不備になり、羽田のトレンド情報はかたわにしている。上州は御承知のように非常に気象変化の多いところ、寒冷の発生地です。それなのにまた銚子、大島、こういうところを八回観測にしようとしている。これが航空気象上どんな影響をもたらすかということについて考えられたことがあるのか。
 また銚子では、北東気流の場合は、銚子のデータが少なければ気象判定ができないと言われている。これは成田の国際空港開港の場合さらに困難を加えることになるでしょう。さらに羽田を寒冷気象が通過する場合、離着陸の進入のランウエーを変えなければならぬ、方向を変えなければならぬ。このように風一つとってみても航空交通の安全上重大な影響を持っている。寒冷気象がいつ銚子を通過したかを刻々確かめることが、羽田空港の安全のためには不可欠の要件であることは、私がくどく言う必要はないと思う。これを来年は削減しようというのですか、どうなんですか。
#243
○政府委員(毛利圭太郎君) ただいま御指摘になりました銚子、大島でございますが、この地点は航空幹線路上に当たっておりますし、この四月からの削減は行っておりません。しかし今後、このような二十四回観測資料がどのように航空機に利用されておるか、使われておるかなど調査いたしまして検討する予定でございます。
#244
○岩間正男君 検討する予定ですけれども、これは運輸大臣どうですか、この前から論議したことが、いまじゃ実際こういう形であらわれてきたんだが、銚子を削減するということになれば、これは明らかに出てきますよ。これは現地でも大変な問題になっている。単に気象だけじゃなくて、漁業者の間でも大変これは大きな問題になっておるわけですよね。さらに大島の場合には航空路の運営上最も重要な地点だと思いますよ。羽田空港では南風が吹くか吹かないかの判定は決定的にこれは大切だと、南風が強い場合の羽田はまさに半身不随の状態を呈すると、こう考えますと、大島の気象削減というものは羽田一つを取ってみてもこの気象情報上大変な欠陥を持つ。銚子、大島がいま当面、来年の削減の対象にされているんでありますが、この点については、気象庁としても航空局も十分に検討して、これに対してはっきりやっぱり態度を私はとる――はっきり態度といいましても、これは当然削減をやめるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。運輸大臣にお答え願えますか。
#245
○政府委員(毛利圭太郎君) 大島、銚子の件、先生御指摘になりましたが、二十四回観測を航空機に利用いたします大きな利点といたしましては、羽田におきまして航空機に対しまして悪天情報というものを出しております。こういう悪天情報を出しましたものを、二十四回観測などを参考にいたしましてチェックするという意味が非常に大きいのでございます。われわれといたしましても、銚子、大島は航空幹線路上にありますし、どのようなこれが影響を持つか、あるいはどのように代替措置ができるかなどは慎重に検討したいと存じておりまして、ただいま申し上げましたように、いま検討を始めたわけではございません。これから検討する予定でございます。
#246
○国務大臣(木村睦男君) 気象庁関係の定員の削減等につきましては、これは前々からいろいろ問題があるわけでございます。ことに気象観測は長い経験と非常に高い学術、学問的な知識も要るわけでございますので、他の役所のように軒並みに定員を減すとかいうようなことにはなじまない機能を持っておるわけでございます。そういう意味では、各官庁一律に定員を減すというふうな行政機構の縮小等の問題のときには、その特性を生かすような運輸省といたしましても努力をいたしておるわけでございますが、しかし、気象庁とて、いろんな部門をしさいに検討いたしますときに、そういうある程度の人員の削減ということに協力をしながらこれに応じていかなければならないことも、また私はやらなければならないことだと思うわけでございます。
 ただそういう場合に、気象観測なり、あるいは予報なりについて、精度といいますか、確度といいますか、そういうものが下がるような結果になるような人員の削減等は絶対に避けるべきである、かように考えまして、事細かにそういう影響のないところの人員の配置転換なり削減なりということで気象庁長官は非常に苦労をしてやっておるわけでございます。なお、だんだん機械化も徹底してまいっておりますので、ある面におきましては、人を減して機械がこれを補って機能は変わらないという面もあるわけでございますから、そういう点もあわせまして、要するに確度とか精度、そういうものが下がらないように常に配慮しながらこの問題には取り組んでいかなければならないと、気象庁長官非常にその点は苦労をいたしておりまして、現在まではその方面に悪影響のないように善処をしてくれておるわけでございます。
#247
○岩間正男君 きょうは行管長官見えなかったんですけれども、このような問題、当時認識されていないで、いまこれは新たに発生した問題なんですね。そういう点について対処すると、一つの事故がどんな大きな損害につながるか、単なる損害じゃなくて、人命にどのような一体大きな犠牲を与えるか、これは多くを言う必要はないんです。したがいまして、どうしても私はこの縮小、こういうふうに航空と深い関係のあるこういう観測を縮小するというやり方は、まさに一文惜しみの百知らずじゃないかと思うんです。こんなのは政治になりません。大検討すべきだ。
 で、まあ一体あくまでこれを強行するとしたら、この四カ所を縮小して一体情報源を何に頼るかという問題が起こります。米軍があるからいいじゃないか、自衛隊があるからいいじゃないかというふうに考えられるかもしれませんが、確実にこれは気象情報を提供していないんですよ。こういう実績がはっきりしているんですね。ここに気象の天気変化表ですか、各地の気象状況が報告されたデータがあります。これによるというと、やはり夜間なんかは自衛隊なんかは非常にこれは出していない。しかし、そういうものに対して抗議する権利もない。これは完全に出すべきだということを現在では言えないようなそういうたてまえになっているんだな、気象庁は。こんなことじゃ完全にこれを求めることはできないですよね。
 私は、まあそういう点で、ここにこの消滅というものはどんなふうにこれは響くかという点ね、ここにシーケンス(天気変化表)がございます。これは三月の削減前ですね、いわゆる削減後、これを見ますというと、これは一目瞭然ですけれども、前橋の場合をとってみますというと、これは全部削減前の三月二十五日、これは満たされております。ところが削減された四月一日後のシーケンスを見ますというと、全くこれは空白になっておる。穴だらけです。こういうような気象予報で航空をやれば、これは安全は保てないことは明らかだと思うんです。
 だから私は、こういう点から十分に検討すべきだ。これは羽田だけじゃないんです。輪島が廃止された、西郷が、そうしてその他のローカル線の場合はもっとこれはいろいろな問題聞いています。時間の関係から私はその点省きますけれども、こういう点について十二分に検討してほしいと思う。まあ再検討するんだという長官の答弁があったわけでありますが、これについては十二分に運輸大臣もこれを検討してほしい、私はこのことを要望して、これは時間の関係がありますから、後に時間をとっておかなきゃならないことがありますので、これで私の質問を終わりますが、その前に防衛庁ですね、防衛庁長官はきょうは出なかったのでありますけれども、必ずこの次は出てもらいたい。そうして自衛隊の訓練空域と、それから重なっている――この前具体的には釧路や札幌の例を挙げて、釧路は重なっているわけでありますが、釧路空港等の問題についてその後検討されておるのかどうか、これについては私は後ではっきりした決意は防衛庁長官に聞きますけれども、検討しておるかいないかという点だけお伺いしたいと思います。いまのどうですか、防衛施設庁。もう帰ったですか。
#248
○説明員(奥山正也君) ただいまの自衛隊の件でございますが、私防衛施設庁でございまして、防衛庁内局の方は熟知しておりませんので、ちょっと……。
#249
○和田春生君 今度の航空法の一部改正につきましては、全体としては改正の方向を是認をする立場に立っているわけでありまして、むしろ昭和四十六年に作業を起こされてから今日に至って遅きに失するという感じがいたします。同時にまた、国際的にも国内的にも航空関係の進歩発展というのは目覚ましい速度で進行しているわけでありますから、この四年間の間にも、さらに現在の提出されている改正案を含めまして見直さなくてはならぬ、こういう面も出てきているのではないかと、こういうふうに考えられるわけです。それらの問題については運輸大臣が席に戻って参りましてから締めくくりの方で改めて確認をいたしたいと考えますが、主として私の質問は航空機の安全確保、こういう点に重点を置きながら幾つかの点について確かめてみたいと思います。
 現在の航空機産業の実態、また航空機の性能等は非常に精密になり急速に進歩してきたわけでございますが、こういうふうに高度に発展をしてまいりますと、人間の能力、こういうもので、特に個人の能力というもので安全を確保するという点についてはおのずから限界があるわけでございまして、陸上の工場その他の施設におきましても、極度にオートメーション化をされ、機械化をされたところでは、人間の手に余るものは機械が機械を監視する、あるいはそういう装置や設備で安全を確保していくということが進んでいるわけであります。しかし現在の日本の法律のたてまえは、これは航空法だけでありません。いま私が専門にいたしております船舶関係におきましても、相変わらず個人の能力といいますか、個人の資格、こういうものに重点が置かれ過ぎているきらいがあるようであります。そして事故が起これば、結果的に見れば、それはああすればよかったこうすればよかったという形で、個人の責任に帰するようなふうに見られるわけでありますけれども、それ以前に制度の面でも安全対策の面でもきちんとしておれば防止できたのではないか、そう思われることが多いわけであります。
 その点でまず最初にお伺いしたいのは、航空機の安全にとっては操縦者というものが非常に重要なんですけれども、今度の航空法の一部改正の中で、七十一条の二として、「操縦者の見張り義務」というものが設けられました。この点についてはこの前参考人の方からも御意見があったようでございますが、この改正案によると、「航空機外の物件を視認できない気象状態の下にある場合を除き、他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをしなければならない。」こういう規定が新たに入ってきたわけです。この規定を設けた本来の趣旨とねらいというのは一体どういうことにあるのか、まず確かめてみたいと思うのです。
#250
○政府委員(中村大造君) 実はこの見張り義務でございますけれども、改正前現在の九十四条にすでに、いわゆる表現としてはストレートな表現ではございませんけれども、操縦者の見張り義務、注意義務というものをうたっておる条文が実はあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、従来からこの法律上操縦者は見張りの義務があるんだというふうに観念しておるわけであります。たまたま雫石の事故が起こりまして、その後事故調査委員会がいろいろ事故調査をいたしまして、その勧告が出ているわけでございます。その勧告の中に、法律改正する場合に見張り義務というものをもう少し明文化、明定すべきであるというふうな勧告が出されておることは先生御承知のとおりであります。
 で、アメリカにおきましてもやはり規則におきまして、そういうふうに見張りの義務ということを明定いたしておるわけでございます。私どもとしては今回の法律改正によりまして、見張り義務を明定したことによって、操縦者の責任といいますか、そういうものを従来より重からしめるという趣旨でこういうことを規定したわけではございませんで、要はやはりいかに航空保安施設を整備し、またいろいろな機器が改善されて、航行の安全というものが確保されるようになりましても、やはり依然として計器飛行のほかに有視界飛行というものが現に存在するわけでございまして、最後は操縦者は衝突を回避するために見張りをするということは、これは法律以前のものかもわかりませんけれども、操縦者の義務として現に存在するはずである。また、そうでなければいけない。それをやはり雫石事故の事態に即応いたしまして、明定をする方がむしろこの事故防止を図る上からいいのではないかということでこのような措置を講ずることにしたわけでございます。
#251
○和田春生君 確かに雫石上空で全日空機と自衛隊機が衝突事故を起こした。その調査委員会の勧告の中にそういう文句があったということは承知しているわけです。しかし、あの事故は考えてみますと、見張り義務を怠ったから起きた事故であるというふうに、見張りが不徹底であったということが事故の主因であったとはわれわれ考えないわけです。後から取り上げたいと思いますが、これは相互に関連しているので申し上げますけれども、今度の改正の中でも多く取り上げてありますが、さらにああいう訓練をする空域と、一般事業用航空機の飛行するところと、空域を明確に分離をして、一般旅客用の、事業用の航空機が飛ぶところで自衛隊機のああいう訓練をさせないという形になっておればそもそも接近しないはずなんです。
 これは結局、結果論から見て、ああいう状況でも自衛隊機の方がよく見張っておって、全日空機の接近を承知しておれば起きなかったではないかというのは、さっき私が申し上げた結果論だと思うのです。とりわけ最近では計器飛行、これに重点が移ってきているわけです。それは人間の能力を機械によってカバーをしよう、そういう方向にどんどん日進月歩になっているときに、ことさらに見張り義務というものを法文に入れるということは、何か私は時代錯誤のような気がして仕方がない。もう航空機を操縦する者が見張りするのはあたりまえなんだ。船のブリッジに立っておる者は、航行しているとき後ろ向いて居眠りしておったのでは皆衝突するのです。それは操縦者、運行者の資格条件というか、当然のこととして入っているわけですね。
 そして、こういうものが入ってくる。やはり制度とかシステムいろんな問題の不備のために不幸にして事故が起きた、そのときに結果論から言って十分見張っておれば防げたのではないかという形で、個人としては負い切れない責任がそこに負わされる、あるいは航空機の事故というのは大体において墜落をすれば大変不幸なことですけれども、操縦者初め乗客等というものは、みんな死亡されるということが多いわけです。死人に口なしであります。結局死人にむちを打つようなことになるのではないか。そういう点に考えると、どうもこの見張り義務というものを入れたことがいけないのでこれを外すという形になると、じゃあ見張りをしなくてもいいのかというようなばかげた解釈もできますけれども、この運用というものについてはよほど考えてもらわないと、何か個人の本来責めに属すべきことではない。あるいは個人の責任としてはむしろ従たるものである。主たる原因がほかにある、そのことが個人の責任に転嫁をされている。結局それは航空行政の進歩に対する逆行になるという懸念もあるわけです。
 特に現在における操縦者の人々にも何人か会って意見を聞いてきているわけですけれども、ことさらにこの期にこれが入れられた、という形に対して、かなりの不安を持っているわけです。その点で、今後の運用等においてこれはよほど慎重にしなければならない問題であるし、私はできればこれは取り去っても安全については別に差し支えがないし、むしろそういう不安というものを取り除く面でいいのではないかというふうにも考えるわけですが、いかがでしょうか。
#252
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のように見張りの義務というものは、これはもう当然の義務であって、法律に書く書かないにかかわらず当然の義務であると、こういうふうにおっしゃったわけでございますが、まさにそのとおりで、したがって、われわれとしては当然の義務で、普通の陸上にしても海上にしても、交通のルールの規制においては、やはり前方注意とか見張りといいますか、そういうことは大体明文をもって規定しておるように私どもは承知しておるわけでございます。
 したがって航空の法規のみに、いかに日進月歩の時代とは言え、見張り義務というものをことさらここで規定しないということは、逆に見張りというものを甘く見る、軽視するということになりはしないかという心配もあるわけでございます。この規定には、もう御承知のように罰則がついていないわけでございまして、したがって、この運用は、私どもといたしましては、当然ほかのいろいろなルールの徹底、それから航空保安施設の整備というふうな、そういうふうなものを確実に実施いたしまして、それとこの見張り義務というものと両々相まって実効を上げていくということがやはり一番いいのではないかと思っている次第でございます。
#253
○和田春生君 この点につきましては、仮に法律の改正が通過したとしても、かりそめにもこの規定の存在でもって操縦者に責任転嫁が行われると、そういうことのないようにくぎを刺しておきたいと思います。
 さらに、それと直接関連するわけではございませんが、最近のように計器飛行というものがどんどん進歩してまいりますと、航空機の操縦者、これは無線に関する資格というものは一体のものであって、両方別々に考えることはできないと思うのです。有視界飛行に限られるごく小型の自家用飛行機であるとか、あるいは旧型の航空機の場合は別だと思います。しかし一般的な事業用の航空機の場合には、その資格というものは、これはもう両方ともが切り離すことができない。さらにまた航空機の位置を確認するという場合におきましても、昔のように古い手法で、航空機に乗っている者が位置を確認するというよりも、計器飛行の場合、特に電波によって位置等も確認をしていく、こういう形になっているのですが、この点について、運航に従事する者の資格は、この法律で書いてありますように、操縦者のほかに航空士あり、無線通信士あり大変複雑ですね。これもっと現在の実態に適合して、整理をして、たとえばパイロットは無線通信の資格も、パイロットの受験のときに同時にとれてしまう、当然もうそうでなければならぬのだ、そういうふうにしていく必要があるように思うのです。
 それから無線通信に関しては、これは船の方もそうですけれども、電波法の適用を受けているわけであります。しかし今日の状況になってまいりますと、電波法というのは一般の陸上の通信あるいは陸地と陸地の間の通信、こういうものについてはもちろん必要でございますが、航空機とか、ことに進歩してきた船舶通信の場合に、やはりそれはもう運航そのものと不可分のものだ、こういう考え方に立って、いろいろな仕組みを考えていく必要があるように私は思っているわけです。いまの運航従事者の資格の制度について、航空士あり通信士ありと、もちろんそういう資格も必要かと思いますが、もっとこれを整理するというお考えはないでしょうか。
#254
○政府委員(中村大造君) 御承知のように航空通信士というのは、これは一等から三等まで分かれておるわけでございまして、これはそれぞれ資格が違うわけでございます。それで先生御指摘のように、現在定期航空運送事業に従事いたしております操縦者は、普通その操縦士の資格のほかに、たとえば航空士とか、あるいは通信士の、特に三等航空通信士の資格をあわせ持っておるという例が非常に多いわけでございます。現実に操縦士の試験をいたしますときに、その試験で、一緒にたしか通信士の試験もあわせて行いまして、同時に二つの資格を与えると、こういうことができるようにしておるはずでございます。したがって受験等の繁雑というものは、それでできる限り避けておるわけでございます。
 しからば操縦士の資格の中に通信士も全部含めてしまって、通信士というものをなくしたらどうかという意見もあるいはあると思いますけれども、現実には定期航空運送事業については、それによる実害というものは比較的少ないと思いますが、それ以外の不定期とか、あるいは各種事業、自家用、そういういろいろなものにつきましても、やはり航空機の性能、飛行の実態等から見て、そのような特種な、特定の通信士なり航空士というものをやり直さなければならぬ場合がございます。そんなに多くないわけでございますけれども、あるわけでございます。したがって、そういう資格というものはやはり現在の段階ではこれを存在せしめる必要があるのではないか。ただ、たびたび申し上げましたように、試験の方法等につきましては、これを合理化するといいますか、そういうことは今後ともいろいろ考えてみたいと思います。
#255
○和田春生君 私が申し上げているのは試験の方法だけじゃないのですね。本質的な問題として言っているわけです。特に船舶なんかで遠洋航行に従事していると、一般公衆無線を扱うために非常に大きな設備を持っている、そういう場合と違って航空機の場合には通信というとみんな電話でしょう、無線電話ですね。そうして電波透導というものが当然行われておりますし、今日、無線というものと切り離して航空機の安全、また管制コントロール、一切考えられないわけです。もっと積極的な意味で、資格の中に当然含めちゃったらいいじゃないか、片や電波法の関係で通信士の資格が要るぞよ、片や航空機の操縦の資格だと、試験のときに両方やって資格を合わせ持たすなんということを言わずに、一つのものに考えちゃったらいいじゃないか。その方が合理的じゃないか。当然そうなくてはならぬことなんで、昔のように、もうそういう耳を持たずに盲飛行をしていくと。それに無線の機械を載っけるというわけじゃないわけですね。帆船に無線機械がくっついてきたというわけじゃないわけですから、その場合別々に考えてもいいんですけれども、これは当然のことなんだから、そしてそんなめんどうなことを余り言わなくても、機械というものは相当進歩しているし、無線電話の操作というものはそんなにめんどうなものじゃないわけですね。
 非常に気象条件の悪いところで、日本の長崎無線をインド洋かどこかで、悪い空中状態の中で必死になってつかむという努力をしなければ公衆無線でつなぐことができないというものじゃないわけです。航空機の場合はですね。だから、どうしてもそういう特殊な資格を要する人を乗せなければならぬときにはそういう資格の人を乗せるという形にすればいいわけで、一般的には一本にしちゃった方が、いわゆる監督行政の面でも、本人の資格の面でも、また今後の航空機の発展の方向から見てもいいんじゃないかと、こういう意味で言っているわけなんです。この法律の改正にすぐ間に合わぬかもわからぬけれども、そういうことを整理していくというお考えはないのですか、試験の手続だけじゃありません。
#256
○政府委員(中村大造君) 今度の航空法の改正につきましては、そのような従業員の資格の問題とかそういうことは一応触れていないわけでございます。これは今後の検討にまたなければならないわけでございますけれども、先生御指摘のように、現実の問題としては定期航空運送事業については操縦士が無線通信士の資格を同時に持って、したがって、その別の無線操縦士を乗せているというわけじゃございません。したがって、そういう意味では先ほど申し上げましたように、その試験で同時に二つの資格が取れるようにすれば実害はなくなるのではないか。やはり無線通信士という資格を置いておかなければならぬということは、それだけで乗る場合というものがやはりケースとしては余り多くございませんけれども、定期運送事業以外についてはあり得るということで、そういう資格は資格として、そしてまたその資格だけを、操縦士じゃなくて、そういう無線通信士としての資格だけを取れば足りるという人もあるわけでございますので、その道を開いておく必要がある、こういうことで現在の制度できているわけでございますので、さらに今後の問題として検討をさしていただきたいと思います。
#257
○和田春生君 どうもぴんとこないんですがね。資格を合わせ持つんじゃなくて、事業用、たとえば操縦士の資格を持てば、当然それは無線通信が扱えるという形にしちゃったらいいんじゃないかと、そういう試験にしなさいということを言っているわけですよ。そして、もし通信士の資格をそれのみで乗せる必要がある人はそれを持っている人を乗せればいいんじゃないですか。これからの航空機の進歩の方向というのはそういう形で別々の資格と考えて、合わせ持つという考えじゃなくて、当然一つのことと考えていけばいいんじゃないか。
 このことを私は船舶の航海士、通信士についても同じようなことを提言しているんです。もうこれからの時代において航海士と通信士と別建ての資格にする必要はない。特殊の無線設備を載せるために、やはりそれに精通した専門家を乗せなくちゃいかぬというなら、それを乗せればいいわけであって、通常においては一つのものと考えていいんじゃないか。それがすべての運航の安全につながっている。つまり公衆無線通信を、電報を山ほど扱ってどんどんどんどんやるとかいうことじゃないわけですから、そういうようなもし公衆無線通信を主として扱う、そういう業務をやらせるという場合には、電波法に基づく通信士の資格を持った者を乗せることにしたらいいんじゃないか、そういう方向に改正したらどうだということを言っているわけです。
#258
○政府委員(中村大造君) これは今後の検討課題にまつ必要があると思いますけれども、先生の御趣旨もよく理解できるわけでございます。現在の段階では、大部分がそういう種の試験をするときに一緒に――これは別にその試験の科目の中にそういうものを入れまして取るわけで、自動的にそれに受かることによって無線通信士の資格が得られると、こういうことになっておるわけでございますので、実態的には余り変わらないんじゃないかと、こういうふうに思いますけれども、さらに今後の問題としてよく勉強さしていただきたいと思います。
#259
○和田春生君 いまの問題は、一つには電波法が郵政省の管理下にありますし、航空機の方は運輸省の管理下です。多分にお役所のなわ張りみたいなものがぼくはあるように思うわけですけれども、ひとつ検討課題にしておいていただきたいと思います。
 次の問題は、航空機の安全は操縦だけではなくて、整備点検ということが非常に重要なわけです。この点については、この前参考人の方においで願ったときにも私から参考人の方に一言お伺いしたわけですけれども、いまの整備従事者の資格というものは個人の総合的な能力、こういうものに重点を置いて資格を与えております。したがって、それぞれの資格によって範囲は違いますけれども、言うなれば航空機全般に対しての整備点検、そういうことに対する知識、そういうものを持つということが前提になっておると思います。しかし最近の大型航空機の場合には、一人の人間があれもこれも見るわけではないわけですね。エンジンならエンジンについても一人で全部やるという必ずしも形ではない。幾つかに分類される、あるいは電気系統なら電気系統とか、機体であるとか、その他の機械部分であるとか、いろいろな面に分かれている。それを一人で全部カバーするということはできないわけです。
 航空会社ではそれぞれ整備の専門家というものを養成しているわけです。その人は何も航空機全体について十分、どこに行っても全部、点検整備できるだけの知識は持っていないかもしらぬが、自分の割り当てられたところについては十分専門的な高度の技術知識を持っている。そういう人たちが集まって一つのシステム、いわゆる組織として、オーガニゼーションとして点検整備をやっていく、こういう形になってきていると思うんです。
 したがって、これは関係者からもそういう要請がなされておりますけれども、認定ですね、整備工場といいますか、そういうようなアプルーブドですね、認定された一つのオーガニゼーション、こういうものを認めていくということをもっと積極的に航空法の改正の中に取り入れる。そうしてそういう近代的なシステムというものの発展を促進していく。そういう組織そのものにひとつ責任を持ってもらう。もちろん組織は人間がつくるものですけれども、そういう方向に行ったらいいではないかという気がするのですが、その点の改正、はなはだ不十分だと思うのです。この点についてひとつ御意見を伺いたいと思います。
#260
○政府委員(中村大造君) まことに御指摘のとおりの面があると思います。ただ整備点検につきましては現実の問題として航空会社でいわゆる組織点検といいますか、そういうものが実態として行われるようになってきておることは事実でございまして、法律にはそういう規定はございませんけれども、私どもとしては会社として整備の規程を設けることを義務づけておるわけで、これを認可いたしておるわけでございます。したがって、その整備規程の中にそのような組織整備といいますか、そういう組織体としての整備のあり方等について規定を設け、それをわれわれとして認可するというたてまえをとっておるわけでございます。したがって、その道は開かれておるわけでございます。ただ、これを法律上の規定として明定するかどうかということにつきましては、このような御意見もあろうと思いますので、これは今後のひとつ検討課題として検討さしていただきたいと存じます。
#261
○和田春生君 これは運輸大臣に要望なんですけれども、いま直ちにそれをこの改正案に入れろと言っても時間的な余裕もないと思うんですが、単に指導によってそういうことをやらせるとか、積極的にそういう措置を促進するということではなしに、むしろそれを法律でもってオーソライズして、そういうものを認定すればそこが全責任を持つのだということにすることによって、むしろそういう近代的な新しい時代にマッチした方法というものが促進されるんではないか。いまの場合にはそれはそれでやっても別に規定はあるのだ、こういうことですね。ですからひとつ積極的に、もう四年間、航空法はもたもた――これは国会の方に責任があると思うんですが、やっているうちにだんだん進んでいくわけですから、できるだけ早くそういう面からひとつ改正を考えてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#262
○国務大臣(木村睦男君) 今回は、三年前の航空法の一部改正ということで、三年延びたものですから、当時からあの事故にかんがみまして一刻も早くということで、こういう改正になったわけでございますが、たびたび私もいろんな機会で申し上げておりますが、航空法の中には、航空に関するすべてを包括しておりますので、いろんな面で実情に合わない点、またいまの御意見のような問題、今後積極的に改善していきたいというふうなところもあります。したがって、そういうものも含めまして全面的に航空法の改正のための見直しをしていきたいと、かように考えておりますので、せっかくの貴重な御意見でございますので、十分考慮をさしていただきたいと思います。
#263
○和田春生君 それと関連して、たとえば整備点検する場合に、エンジンの場合に使用時間でしばっておりますですね。それに似たことは たとえば航空士を乗り込ませなくちゃいかぬときに、五百五十キロメートル以上ですか、こういうような規定も残っているわけですけれども、これはやっぱり古い時代の考え方で、現在の特に発達したジェットエンジンの場合には、エンジン全体の使用時間でこれはだめになったというんではなくて、もっと細分化されたいろんな点検、それから整備ですね、そういう方法がとられているわけですね。したがって、こういうような使用の限界時間を設定するとか、そういうことを法律で、あるいは法律の中には何時間というふうには決めておりませんけれどもしかし、そこにあるのは使用の限界時間でいくという考え方ですね。私はこれは完全にいまの大型ジェットエンジンには時代おくれじゃないか、プロペラ機も残っておりますから、この場合にはいいんですけれども、したがって、そういうものはむしろこの際、本文から全部外してしまって、そして省令なら省令で定める基準に基づいてやらなくちゃいけない、こういうふうに決めた方がいいんではないか、そういうふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
#264
○政府委員(中村大造君) 御指摘の点はきわめて専門的な面もございますので、事務当局から御答弁さしていただきたいと思います。
 それから先ほどの整備のシステム化の問題でございますが、よく今後の問題として検討さしていただきたいと思いますが、ただ現行法におきましても、修理改造につきましては認定工場制度というものがございます。ただ全般的な整備ということにつきましては修理改造、オーバーホール等とは若干違った面がございます。したがって、これを組織体としての機能を発揮することについては、これは当然今後の進むべき道として妥当であると思いますけれども、それを扱う人の資格という点につきましては、現在、法律で決めておりますこの整備士という、この資格というものと全く切り離してしまうのがいいのかどうか、この点については、いわゆる点検、修理改造工場の認定制度のようないわゆる法定による個人の資格というものと切り離してこれができるかどうかは、まだやはり慎重に検討しなければならない問題もあると思いますので、その点とあわせてよく検討さしていただくというふうにいたしたいと思います。
#265
○政府委員(官川晋君) 先生の方から御指摘いただきました、主としてエンジンあるいは装備品のオーバーホール方式でございますけれども、確かに初期のジェットエンジンを含めまして、すべて限界使用時間というものを決めまして全部オーバーホールしていたと、ところが現行ではそれは信頼性管理方式にすでに移っておりまして、これは施行規則の改正によりましてすでにボーイング用の747のJT9D、あるいはボーイング727のJT8D、あるいはロールスロイスのすべてのエンジンにつきまして、いわゆるコンテニュアス・サーベイといいますか、モジュールごとにボアスコープ検査その他で時間と見る場所と、どういう装置で見るかということを決めてオーバーホールせずに現在見ております。ただ、この方式はまだ一部のそういった主として大型ジェットエンジンでございますが、小型エンジンの場合は、依然としてオーバーホールの、全体の運用限界時間を決めましてオーバーホールしておりますけれども、先生のおっしゃった点は、現在すでに定航アラインにつきましてはほぼ実施されております。
#266
○和田春生君 それでは、いまの御説明である程度理解したんですけれども、この前も羽田空港に行って全日空のところでトライスターのエンジン、いま言ったモジュールごとに処理している方法を見てきたわけですね。あれはもうオーソライズされているわけですか、省令で。
#267
○政府委員(官川晋君) はい、オーソライズされております。
#268
○和田春生君 そういうことでしたら、実際上は差し支かえないようですが、条文を読んでみますと、これはもうやはり限界時間ということが条文の主体になっているわけですから、むしろ機会があれば改正して、いろんな新しい方法がとれると、そういうのを進歩発展に応じてやれるようにした方がいいのではないか、この規定で見ると、やっぱりどうも昔の観念の総使用時間の限界が来れば、それをオーバーホールしろという形になっているのじゃないかという感じがする。
 それから、これは後でまた認定整備組織の問題について重ねてお伺いしようと思ったんですが、航空局長がいまはしなくも発言されたのでお尋ねをしたいんですけれども、私の方でICAOの標準その他について認定整備組織に関して事前に航空局に質問したわけです。その中に、なおICAOにおける認定整備組織とは、わが国における修理改造認定工場、これは第十六条の規定ですが、に当たるものと考えられるというふうに答弁書をもらっているんです。そのように考えておられるわけですか、これは一緒のものなんだと。
#269
○政府委員(官川晋君) お答え申し上げます。
 ICAOの付属書第一及び第六にライセンス及び免許の運航に関する規定がございますけれども、ICAOの規定そのものは、大体個人に対しますライセンスの付与ということで貫かれておりますけれども、ただその中にアプルーブド・メインテナンス・オルガニゼーションという項目がございまして、そういういわゆる先生のおっしゃった一つの組織でサーベイする。ただし、この場合でも、そのサーベイの責任者は個人のライセンシーと同じ程度の資格及びキャリアを持たなければならないという規定がございますけれども、大体これに当たりますのが日本の航空法の修理改造認定を受けた工場に該当するものと思われております。これにつきましては、もうすでに私どもの方は修理改造認定はエンジン、機体及び装備品、これはJAL、ANA、TDA三社を含めてすべて認可しております。実際上問題といたしましては、すでにこの組織確認は行われておると、ICAOの規定に大体合っておると、そういうふうに了承しております。
#270
○和田春生君 それは私、正確に言えば現在の航空法における修理改造の認定工場がICAOで言う認定整備組織に当たるというのであって、ICAOにおける認定整備組織がわが国の修理改造認定工場に当たるというのは、これは逆立ちしているんじゃないでしょうか。もう少しアプルーブド・メインテナンス・オルガニゼーションとか、そういうのはやっぱり広い概念を含んでいるんじゃないんですか。
#271
○政府委員(官川晋君) お答え申し上げます。
 和田先生のおっしゃった点はある程度事実でございまして、確かに当航空法はICAOの標準をすべて満足しておりますけれども、逆にICAOの標準がすべて日本の航空法の修理改造認定あるいは個人に対する免許がすべてであるかと、そういうふうにはちょっと見解が違うのは先生がおっしゃったとおりでございます。
#272
○和田春生君 いまの御答弁なら私は大体了解できるんですが、文書でもらったやつにはそうでなくて、ICAOにおける認定組織がわが国の修理改造認定工場に当たるものと考えられると書いておるので、その点もっとやはり少し広い範囲を含んでいる。私が定義しているのはむしろそういうことを促進していくという体制に法律をもっていった方がいいんじゃないか。個人がたてまえで組織が従な問題じゃなくて、むしろこれからの大型ジェット機時代、これは組織が主たるものであって、個人というのはむしろそれをカバーする、そこまで極端に言っていいかどうかは別として、そういうふうに従来の考え方をむしろ変えていくということがやはり近代的な安全を守る整備という面において望ましい方向ではないかと、こういう気持ちも持ちながらいまお尋ねをしているわけです。
#273
○政府委員(官川晋君) お答え申し上げます。
 確かに先生のおっしゃった点真理でございますけれども、また事実現在のICAOのアネックス1及びアネックス6のアプルーブド・メインテナンス・オルガニゼーションというものに対する解釈というものはまだICAOではっきりはしておらない面が多い。現在ICAOはこのためにアプルーブド・メインテナンス・オルガニゼーションというものに対する各国の実情及びそれの調査を行ってICAOにおいて調査、討議しようということになっておりますので、大体現行の見る範囲ではICAOの基準は日本の航空法に大体合っていると、その逆も合っているというふうにはおよそ言えるかもしれません。まだはっきり、アプルーブド・メインテナンス・オルガニゼーションがどういうことでやっていこうということについてははっきりしておりません。
#274
○和田春生君 この点についてはぜひ今後も検討を続けてもらいたいと思いますし、時間の関係もありまして、すでに書いたもので説明も受け取っておりますからこの程度にいたしておきたいと思います。
 なお安全という面からいきまして、先ほども見張りの義務化の問題について言ったわけですけれども、日本の空は非常に狭いわけですから、そこの中でそういうことは非常にむずかしいかもわかりませんけれども、たとえば自衛隊が訓練をする、こういう場合に自衛隊の航空機というのは安全を無視していると言っては悪いけれども、戦争になれば落っこちることがたてまえで相当危ないことをやるのが本来の任務なんですね。もちろん人命は大事にしなければいけませんから万全をするにしても、目的がですよ、旅客や貨物を安全に確実に輸送するということとはまるっきり違う。やっぱり戦闘をするということが目的なんですから、そういう訓練の空域というものを分離してしまう、一般の航空路と。そういうところまで進めておやりになる考え方はないでしょうか。
#275
○政府委員(中村大造君) これは自衛隊の飛行機がいわゆる訓練をいたします場合、これは緊急対策要綱に基づきまして、いわゆる訓練空域、こういうものを設定いたしましてそこで訓練をすると、こういうたてまえになっておるわけでございます。ただ自衛隊の航空機といえども通常の飛び方をして航空路を飛ぶ場合もあり、また安全圏を飛ぶ場合もあるということでございますので、そういう場合につきましては、やはり一定のルールの中にこれを取り入れると、こういうことにする必要はあるんではないか。今回の改正も一方において行政措置として訓練空域を設定いたしましたと同時に、このようなルールを定めまして自衛隊に従来適用除外になっておりました規定を大幅にこれを適用するということと、それからある一定の空域におきましては危険な飛行を禁止するというふうなルール面からの規制を行うということで安全を期しておるということでございます。
#276
○和田春生君 確かに今回、自衛隊に適用除外しておったたとえば管制区、管制圏における飛行の禁止というようなものは適用されていると、これは前進だと思います。思いますが、多分に日本の狭い国土で、私もそういう点には専門的知識がわりあいに乏しいわけですから、果たしてできるかどうかということについては確信を持っているわけじゃないんですけれども、やはり自衛隊が訓練をする空域というものと、そして一般の事業用の航空機が航行する空域というものを分けると、そこまで積極的に行った方が安全という面ではより望ましいのではないか。いまの場合にはそれを分けるんじゃなくて一般の規制を自衛隊機にも適用すると、運輸大臣が許可した場合にはやってもよろしいと、こういうふうになっているわけですね、今度の改正は。そうなんでしょう。運輸大臣が認めた場合にはやってもよろしいと、こうなっているわけですね。そういうのを空域の分離ということをもっと積極的に図るという考えはないかと聞いているわけです。
#277
○政府委員(中村大造君) この点につきましては、もうすでに雫石事故の後、緊急対策要綱で訓練空域と一般の航空路等とは完全に分離するようにということで、行政措置といたしましてすでに自衛隊用の試験訓練空域というものを二十カ所設定いたしております。で、訓練はもっぱらその中でやっていただくということで、そういう意味では行政措置としてもうすでに空域の分離というものを行っておるということでございます。
#278
○和田春生君 そうしますと、自衛隊の訓練というのは、いま行政措置でやっている訓練空域の中でやるのであって、一般の航空路ではもうたてまえとしてやらさないと。改正案では運輸大臣が認めた場合にはどれでもやっていいことになっておりますよね。それはもうやらさないたてまえなんだと、そうはなっているけれども、法律では。自衛隊機も一般用のところを飛ぶ場合もあり得るから、そういうことになっているけれどももう訓練はやらさないと、そういうたてまえでいくんだというふうに理解していいわけですか。
#279
○政府委員(松本操君) 原則的には先ほど局長がお答えし、いま先生が念を押されたような方針でございますが、
  〔委員長退席、理事黒住忠行君着席〕
ただ法律上の扱いといたしましては、管制区と、こういうふうに書きますと、たとえば高度二万四千フィート以上の日本国上空の空は全部管制区になってしまいます。その中に今度は訓練空域を設定するという、つまり航空路あるいはジェットルートの合間を縫ってそこに訓練空域を設定すると、こういう行政措置をとりました場合に、その訓練空域で適法に訓練をするためには、今度は管制区の中でかくかくしてはならないという禁止の解除をしておきませんと、その場合つじつまが合わなくなる。そういうふうな意味では例外がございますが、基本的な考えは局長の申し上げたとおりです。
#280
○和田春生君 その点は了解をいたしました。
 後の質問に関連するので、これちょっと質問の内容変わりますけれども、使われている用語の定義の問題ですが、計器飛行というのはどういうことを意味するのでしょうか。ひとつ端的に説明していただきたいのです。
#281
○政府委員(松本操君) 計器飛行と申します用語の定義は、第二条の定義のところにございますように、「航空機の姿勢、高度、位置及び針路の測定を計器にのみ依存して行なう飛行」でございますから、たとえば完全に雲の中に入ってしまった、したがいまして、自分の操縦しておる航空機の姿勢が平らか傾いているかどうか、高さが幾らか、位置はどこだ、針路は北か南か、どちらを向いているのか、これらのことを地形、地物等に頼ることができない、計器だけに頼って飛んでおる。これが計器飛行の定義でございます。
#282
○和田春生君 計器飛行方式による飛行というのはどういうことになるのですか。
#283
○政府委員(松本操君) 計器飛行と計器飛行方式は非常に紛らわしいんでございますが、計器飛行方式というのは飛行機を飛ばせる場合のルールの一つでございまして、有視界飛行方式という概念と対応する。そして実態的にはどういうことかと申しますと、飛行場から離陸し上昇する、あるいは逆にある飛行場へおりるために降下をしてくる、あるいは航空路を飛んでいくというふうな場合に、運輸大臣の行います指示に従って、常時その運輸大臣の与えます指示に従って飛んでおると、こういう状態がまず一つの計器飛行方式でございます。それから次に、それ以外の航空交通管制区における飛行をやはり運輸大臣が定めた飛行の方法、経路等について指示されたとおりに飛ぶ飛行の方式、内容が二つに分かれております。法律の用語でございますのでくだくだしく書いてございますが、簡単に言うてしまいますと、要するに飛行場から出入りし、あるいはそのために上昇、下降をし、あるいは定められた経路を飛んでいくと、こういう場合に運輸大臣の指示に常時従って飛んでおる飛び方、こういうのを計器飛行方式による飛行と、こういうわけでございます。
#284
○和田春生君 そうすると、計器飛行ということと計器飛行方式による飛行とどこが違うんですか。どうもわれわれよくわからないですがね。
#285
○政府委員(松本操君) 計器飛行と申しますのは、飛行機を飛ばしている状態だけに着目をしておりますので、たとえば雲の中で周りが何も見えない、計器だけに頼って飛んでおると、その場合には当然のことながら周りが何も見えないわけですから、有視界飛行方式では飛べるはずがございませんので、もしそういう状態で飛んでおるとすれば計器飛行方式に従って飛んでおる、こういうことになります。今度は逆に、計器飛行方式で雲一つない空を飛んでおると、こういうことになりますと、この場合に計器飛行で飛ばねばならないということはないわけでございまして、計器飛行方式に従ってルートを定め、高さを定め、経由すべき位置を定められて飛んでおりますが、たとえば自分の飛行機の姿勢というものは目で見て正すことができる。自分の飛行機の位置というものも下を見ればよく地面が見えると、こういう場合にはこれは計器飛行をしているわけではない、計器飛行方式では飛んでいるかもしれないけれども計器飛行ではない、こういうことでございます。
#286
○和田春生君 そうすると、この場合の計器飛行というのは、人間がもう手を加えずに計器のみによって飛行機が運航されていると、そういう状態を計器飛行というわけですか。計器飛行方式というのは、高度とか飛行機の姿勢とか速度とかルートとか、そういうものを計器飛行による場合と同じ方法で飛んでいる場合に、これは計器によらずに人間が操縦していると、そういうのをいうんですか。
#287
○政府委員(松本操君) 非常にややこしい言葉使いでございますので、あるいは御説明が舌足らずだったかと思いますが、計器飛行と申しますのは、先ほど申し上げましたように航空機の姿勢、高度、位置、針路の測定を計器に頼らないということでございまして、飛行機を飛ばすためにパイロットがみずから操縦をしている、これは当然のことで、仮にそのときにオートパイロットが入れてあろうとなかろうと、それとは関係ございません。基本的には、ですからパイロットがみずからの手で操縦をしておりましても、飛行機の姿勢なり位置なり高度なりというものを計器だけに頼って飛んでおる、そういう状態をいうんだ……
#288
○和田春生君 それを計器飛行方式による飛行……
#289
○政府委員(松本操君) 計器飛行で飛んでおる、あの飛行機はいま計器飛行をしておるという場合には、雲の中に紛れ込んでしまって、あるいは夜真っ暗やみで何も見えないというふうなときに、計器だけを見ながら飛んでおるというのが計器飛行でございますから、仮に有視界飛行の場合でありましても、前後ろはよく見えておる、前後ろはよく見えているんだけれども、下の方がどうもよくわからない、たとえば海の上を飛んでおるために自分の位置がよくわからないというふうな場合に、これは計器飛行をせざるを得なくなりますね、自分の位置がわからないわけですから。しかし位置がわかりさえすればそれは計器飛行ではなくて、目で見て自分の位置なり姿勢なりが判断できるわけでございまして、その場合には有視界飛行をしていると、こういうことになる。で、計器飛行方式というのは、先ほど申し上げましたように、運輸大臣の指示、具体的には管制官の指示、つまりもっとくだいて言いますれば管制を受けながら飛んでおる、一番くだいて申しますならば管制を受けながら飛んでおる状態、これが計器飛行方式によって飛んでおるというふうに御理解いただければいいと思います。
#290
○和田春生君 ある程度わかってきたんですが、そうすると、計器飛行方式による飛行というのはすべて管制を受けて飛んでおる、そういうことに理解したらいいわけですね。計器飛行という場合には管制を受けていない場合もあるわけですね。いまのあなたの説明を聞けば――いや、ぼくの頭が悪いかどうかわからぬけれども、その区別というのは、これが後の質問に関係があるので念を押しているんです。
#291
○政府委員(松本操君) 実務的には先生のおっしゃるとおりだと思います。計器飛行をするような状態、つまり周りを見ても何も見えない状態、そこを有視界飛行で飛べるはずがございませんから、有視界飛行方式で。そこを飛ぶためには管制を受けなければ飛びようがないわけなんです。したがいまして、当然計器飛行で飛んでおります場合には管制を受けていると、実務的には管制を受けている、つまり計器飛行方式で飛んでいるというふうに御理解いただいても間違いないと思います。
#292
○和田春生君 そうすると、そこにもう一つ計器航法による飛行というのがありますな。これはどういうことになりますか。
#293
○政府委員(松本操君) 計器航法と申しますのは、航空機の姿勢と高度と位置、これを計器によって測定をしておりますので……
#294
○和田春生君 そうしたら、あんたのさっき言った計器飛行と同じになっちゃうよ。
#295
○政府委員(松本操君) したがいまして、もう一度言い直しますと、先ほど申し上げましたように、計器飛行というのは、姿勢、高度、位置、針路、この四つのエレメントを全部計器に頼っておる、これが計器飛行でございます。計器航法と申しますのは、このうちのいずれか三つを計器で測定をしておる、こういう状態で飛んでおる、そういう飛び方というふうになっております。
#296
○和田春生君 そういたしますと、この改正案の新しい九十三条に、「航空機は、地上物標を利用してその位置及び針路を知ることがでるときは、計器飛行又は計器航法による飛行を行なってはならない。」、こういう規定が入ってきましたですね。前の九十四条では、「航空機は、有視界気象状態においては、計器飛行を行ってはならない。」となっておったんですが、今度は「地上物標を利用してその位置及び針路を知ることができるときは、計器飛行又は計器航法による飛行を行なってはならない。」という禁止規定なんですけれども、これは具体的にどういうことを意味するんですか。
#297
○政府委員(松本操君) これは現行の九十四条に「(有視界気象状態における飛行)」という条文がございまして、「航空機は、有視界気象状態においては、計器飛行を行ってはならない。」、こういう言い方になっておりました。この趣旨はどういうことことであったかといいますと、有視界気象状態における飛行では地上物件が視認し得ることが多く、かつ地上施設を含めて余り計器の精度が悪い場合に、有視界気象状態においては、自己の位置、針路の測定を計器のみに依存しないで地上物標を十分に利用して正確に飛べと、こういうふうな趣旨であったわけです。したがって計器飛行を行ってはならない、つまり先ほど申し上げた四要素を全部計器だけに頼ってはだめだと、こういう趣旨であったわけです。
 ところが最近におきましては、そういうことではなくなりまして、かつ従来――注意義務のところでお答え申し上げました、従来不十分な形で裏側規定のような形であった注意、見張り義務、これも実は九十四条で読める、こういう理解に立っておったわけでございますが、注意義務につきましては七十一条の二をもって特記をいたしまして、この部分を外してしまいました。したがって現行九十四条の中から、そういうふうなことを入れる必要がなくなってまいりましたので、その部分を外してしまって、そうして内容の趣旨を正確にすると、こういうふうな意味でこの規定を入れたわけでございます。
#298
○和田春生君 私は航空の専門家ではないので、その点どうもぴんと理解できないんですが、むしろ安全という見地からいけば、先ほど来用語の定義をしつこく聞いたのはそれがあるのですけれども、九十三条は、計器飛行を行ってはならないというのは意味がわかるのですが、地上物標を利用してその位置及び針路を知ることができる場合でも計器航法による飛行はやった方がいいんじゃないのでしょうか。それまで禁止しなくてはならぬというのはどういう意味なんでしょうか。
#299
○政府委員(松本操君) 個々の用語の理解の仕方でございますが、「計器飛行又は計器航法による飛行を行なってはならない。」という書き方の意味は、私どもが理解しておりますのは、どう申し上げたらよろしいのでしょうか、たとえば先ほどの四要素を計器だけに頼ると計器飛行になる。あるいは三要素を計器によって測定すれば計器航法になる。それだけで飛んでしまうということではなくて、地上物標を利用してその位置、針路を知ることができる状態であるのでそれをも積極的に使いなさい、それはそれらの地上物標を利用することによりまして、さらに正確かつ安全に飛行できるのではないかという積極的な意味においてこの規定が入っておる、こう解していただくとよろしいかと思います。
#300
○和田春生君 ぼくは法律条文としてはそう解釈できないと思いますね、これをまともに読めば。「航空機は、地上物標を利用してその位置及び針路を知ることができるときは、計器飛行又は計器航法による飛行を行なってはならない。」両方やっちゃいけない。そうなるでしょう、この九十三条。むしろ安全のためには人間が目で見て確かめるよりも計器航法による飛行をやった方が安全なんじゃないでしょうか。それプラスよく見ておけと。
#301
○政府委員(松本操君) 計器飛行とか、あるいは計器航法とか申しますのは、先ほどの定義のところでも申し上げましたように、たとえば計器飛行と申しますのは、四要素の測定を計器にのみ依存するのが計器飛行でございます。外を見ないわけでございますね。それから計器航法の場合には、やはりこのうちの一つまたは三つの要素を計器にのみ頼るという状態でございます。したがいまして、せっかく地上の物標が見えておるわけであるから、計器にのみ頼って飛ぶという飛び方ではなくて、見えておる物標も使って飛びなさい、こういう趣旨であるわけなんです。
#302
○和田春生君 そういう趣旨のふつうにこれが理解をされるならいいんですけれども、何か事故が起きたときに必ずしもそうは解されないという形になると、これは一つの禁止規定になっているわけですから重要な問題が生ずるおそれがあるんではないか。絶対その心配がないと、これで航空の専門家はよくわかるんだということならそれはいいんですけれども、どう考えてみてもこの規定というのは計器航法による飛行を行ってはならないということなんですから、計器航法による飛行と目で確認するものと両方やりなさいと、積極的な意味というふうにはどうしても理解できないんですがね。大丈夫ですか。
#303
○政府委員(松本操君) 計器航法と申しますのは、三要素を計器にのみ頼る、そういうことをやってはいけないということでございますね。計器にのみ頼るという飛び方で飛んではいけない、一番砕きますとそういう趣旨になろうかと思います。地上物標が見えるときは計器にのみ頼って飛んではいけない、骨のところだけ申しますとそういう考え方になろうかと思います。その計器にだけ頼るやり方が、四つ頼るか三つか、そのうちの三つのいずれかを頼るかという違いがありますものですから、したがって用語上も二つ「又は」でつながって出てきておる、こう御理解いただけばよろしいのではないかと思います。
#304
○和田春生君 そうすると、先ほど質問しておったところに戻るわけですけれども、三十四条のところで「計器飛行以外の航空機の位置及び針路の測定を計器にのみ依存して行なう飛行(以下「計器航法による飛行」という。)」と書いてあるから、そういうようないわゆる位置及び針路の測定を、計器に依存して飛行をしておっても、目で見ておればそれは計器航法による飛行とは言わない、こういうことですか。
#305
○政府委員(松本操君) 定義上からいままさに先生おっしゃいましたように、それだけに頼っていなければ計器飛行ではない、こういうことになります。
#306
○和田春生君 そうすると、この規定は九十四条の二がその次にあるわけですが、航空機は航空交通管制区または航空交通管制圏のうち運輸大臣が告示で指定する空域においては計器飛行方式によらなければ飛行してはならない。こういうことになっておりますね、規定が。この九十三条の規定というものは、この九十四条の二の場合には当然排除されている、こういうふうに解釈していいわけですか。
#307
○政府委員(松本操君) 九十三条の規定は、「計器飛行又は計器航法による飛行」でございまして、ただいま御質問のございました九十四条の二は計器飛行方式によるというわけでございますので、排除は別にしていない。計器飛行方式によれというのは、先ほど私申し上げましたように、管制を受けて飛びなさい、こういうことでございますから、おれは管制を受けているんだから何も見ないで飛んでいるんだというのはだめなんであって、当然計器も見ましょうし、見える限り地上物標も見ましょうし、相手機も見ましょう、こういう考え方でございますので、別に相反する思想であるということではございません。
#308
○和田春生君 この辺は、やはりふだんのときには当然あたりまえのことにやられておると思うのですが、何か事故が起きたときに、私自身が素人のせいかもわかりませんよ。読んでいるうちに大分混乱をしてきて、操縦者等について不当な扱いを受けるおそれはないかなという感じがしたので確かめているわけですが、大体いまの質疑応答の範囲内でわかったように思います。この点については、しかと解釈、運用という面については留意をしていただきたいというふうに思います。
 それでは大分時間もたちましたので……。航空法の問題について、先ほど来幾つかの点を取り上げて質問いたしました。まだまだ問題点はありますし、用意をしてきたわけでございますけれども、運輸大臣に重ねてお伺いいたしたいと思うのです。先ほども少しお伺いいたしましたが、やはりいまの日進月歩の状況から考えてみて、この航空法の改正は、現在の航空法から見れば大きく前進しているということは認めます。そうした意味では、私も今度の改正には肯定的である、原則的に賛成をする立場に立っておる。しかし、かなり見直さなければならない点がある。そこで事故が起きてから調査委員会をつくっていろいろ調べたり勧告を受けたり答申を求めてやるというのではなくて、この改正は改正として一つの前進ですが、これは無限のものですから、やはりこの機会に新しい事態に即応して航空法全体を改めて見直す、そして今後さらに積極的に改正すべき点は取り上げていって、時代おくれにならないように、非常にアップ・ツー・デートな航空法としていく、そういう考え方をぜひ持ってもらいたい。また、そういう積極的な役割りを運輸省としては果たしてもらいたい、こういうふうに考えているわけですが、その点の大臣の所見を伺っておきたい。
#309
○国務大臣(木村睦男君) 実はこの一部改正は、三年前に、あの事故にかんがみまして、取り上げて着手をして、三年かかって初めて今国会で御審議をいただいておるということでございまして、もしも当時、三年先の国会で御審議をいただくのだということであれば、そのときに実は全面改正に着手し得ましたし、またそれができたと思うのでございますが、当時はあの事故にかんがみまして、特に航空安全の面に重点を置いて早急にひとつ改正をやるということで、一部改正に着手しましたので、それが延び延びになりまして今日御審議をいただいておるわけでございます。
 したがって、いま和田さんの御指摘のように、航空事情は日進月歩いたしておりますし、機材等も三年前と今日とはだいぶ変わっております。あるいはこの法律の中には、運航方法のみならず、航空事業そのものについての規制もございますし、いろいろたくさんの要素も含んでおるわけでございます。これはすべて現時点の航空事情、航空の実態、そういうものに沿っていない点、すでに改正しなければならない点等も出てきておると私は考えております。したがって、それらも含めまして、今後再び事故が起きたから見直すという後追いでなしに、全面的に現状に合うように、あらゆる角度から検討をして、いわゆる全面改正に持っていきたい、こういう意図は十分に持っているわけでございまして、幸いに今国会でこの法案の一部改正が成立をさせていただきますれば、部分的にはすでに全面改正についてのデータ等もあるわけでございますから、直ちに全面改正に向かって全体的な取り組みをしていきたい、かように考えているわけでございます。
  〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕
#310
○和田春生君 ぜひそういう方向で積極的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。
 今度の航空法の改正の条文と直接関連はないのですが、次の問題についてお伺いをしたいと思うのですが、それは沖繩の離島間の航空についてなんです。このことについて、しばしば現地からも私のところに要請が来ておりますし、私自身も向こうに行っていろいろ聞いているわけですが、その中で聞き捨てならぬというと言葉は適当ではないかもわかりませんけれども、現地の関係者は沖繩が日本に復帰をして、そして日本の航空法の適用下に置かれた。そして本土並みに万事持っていかれたということが今日の経営危機を招いた一番大きな原因の一つである、それは何とかならないのか。聞きようによってはアメリカのときの方がよかった、こういうことが言われるわけであります。
 しかし、こちらの方ではもちろん航空機も今日では重要な輸送手段でございますが、沖繩の場合には船と飛行機――しかし今日の時代のテンポからいけば船というものは非常にスピードも遅いわけでありますし、どうしてもああいう島によって成り立っている地域では航空機が中心にならなくちゃいかぬ。言うなれば、本土とはもっと大きな意味で航空機というのは離島の人々の生活の足である、こういうふうに言っていいと思うのです。その南西航空が最近非常に経営難に陥っている。ことしの春の賃上げは一般的に不況を反映して賃上げ率は低かったわけですけれども、南西航空でもそのことで非常にこじれている。しかし、あそこの組合というのが大変建設的な組合なものですから、単にこれは闘争によって解決をするということだけではできない、航空行政そのものにもメスを入れる、そういう形で離島の足を確保する、こういう見地に立って運動をする必要があるのではないか。こういう形で、私のところにもいろいろ要請も寄せられているわけです。現在の南西航空の状況は運輸省でも御存じだと思いますが、何かこの苦境を救うという意味で特別の対策を考えておられるかどうか、まずその点をお伺いしたいと思います。
#311
○政府委員(中村大造君) 南西航空の四十九年度の決算を見ますと、御指摘のように約三億の赤字を計上いたしておるということで、これは南西航空の規模から申し上げますと、やはり相当な負担になっておることは事実でございます。南西航空は大部分がいわゆる離島航空路でございます。島民の重要な足になっておるわけでございますので、われわれとしては、この路線の確保をどのようにして図るかということに重点を置いて南西航空の経営を考えていかなければならぬというふうに考えておるわけで、具体的にどのような方策を講ずるかということが、これはまあ五十年度の大きな問題の一つになっておるわけで、現在具体的にどういう手を打つとかいうことはまだ申し上げられない段階でございますが、いろいろな方法を考えまして、何とかやはりこの路線が安全に運航できるように、そうして経営の基盤が回復してまいりますようにできる限り努力したいと思っておるわけでございます。
#312
○和田春生君 たとえば、ここ最近燃料費が上がったというのは世界的な現象でありますから別にここだけの特殊条件ではないのですが、たとえば燃料税が四十七年の場合にはかかっていなかったわけですね。それが祖国復帰につれまして年次ごとに引き上げられてきて、四十八年には一般の基準では一万四百円のものが五千二百円、四十九年には一万三千円が一万四百円、五十年は一万三千円で本土ととんとんである。これはもうそっくりそのまま南西航空の経営を圧迫する一つの要因になっている。あるいは航空援助施設の利用料、これはもう当然法律のたてまえで取らなくてはいけないわけですが、四十七年には一般の十分の一であったのが、五十年には十分の七というところまで引き上がってきている、こういう面があるわけです。航空機購入費の補助率は沖繩の方が多少有利になっているわけですけれども、日常のそういう経営の面において、むしろ負担をかけるようなかけるような方向にいっている。しかし、あそこはどうしても足として確保しなくちゃいかぬ。
 この前運賃が引き上げられたわけですけれども、大体利用率が八〇%、そこをボーダーにして決められておりますが、八〇%の利用率という形になると、もしそのとおりに経営しようとすれば、乗りたいときに乗れない飛行機にせざるを得なくなってくると思うのですね。もうそれだけのところでもし成績を上げていこうとすれば、しょっちゅう満席に近いという状況あるいはもうほとんど満席が続いているという状況でなければ確保できない。そうすると、あの運賃改定に従って何とかやっていくようにしようとすれば、利用者にとってははなはだ利用しにくい状況にしなくちゃいけない。利用者が気軽に利用できる、空席がぽっと行っても乗れるという状況にすれば全然採算に合わない、こういう形になると思うのです。
 もちろん航空会社自身の努力による合理化も必要だろうと思いますが、STOLなどもこれは政府の干渉もあって購入したわけですけれども、むしろこれが経営を悪化さしている。そういう中で従業員のモラルが低下をする、あるいはだんだん離れていく、航空会社が経営にやる気をなくしてサービスも悪くなる。これはせっかくの沖繩の離島の諸君の生活の面で、またいろいろな面における文化水準の向上という面で私は問題になるのではないか。日本に返ったために悪くなったというような恨みつらみがだんだん大きくなってくるというのは望ましくない。そこで個別の対策よりも、たとえば昔は定期航路に対しまして補助がありました。あるいは国内の旅客船等については航路補助等も一部地方自治体に残っているわけですけれども、この離島に対して何らかの助成措置といいますか、補助をやる、それは会社を助けるというのじゃなくて、離島の住民の足を確保する、それに対していいサービスができるということのためにそういう措置が私は必要だと思う。この点について、ひとつ運輸大臣からそういうことをお考えいただけるかどうか、御答弁をお願いしたい。
#313
○国務大臣(木村睦男君) 確かに沖繩が本土に復帰をいたしまして公租公課といいますか、税金、租税面、そういう面ではしばらく緩和期間はございましたが、現在では同じような扱いになってきている。おっしゃるとおりに復帰になって非常に条件が悪くなったという点は確かにあるわけでございます。その中で離島間の、あるいは本土と沖繩の各離島との間、そういった交通の便益を保証するということがわれわれの仕事であるわけでございまして、いまは先ほどのように機材の購入につきましては一部政府も助成措置をとっておりますが、たとえば海上の離島航路に対する補助とか、あるいは過疎地帯のバスの補助であるとか、そういうものに類する路線についての補助ができぬものであろうかということがどうしても頭に浮かぶわけでございます。
 これは同じことが沖繩だけではなくて、本土におきましても離島間は船よりも飛行機を使った方が便利であるというところも、同じような条件のところがあるわけでございます。一応こういう面は同じような観点で考えなければならないわけでございます。そうしますというと、そういう離島間の交通の便益を政府がいろんな助成で保証するというときに、いま海上航路は航路の補助をいたしております。それにも条件がありまして、AとBとの島をつなぐ航路で一社だけの場合にしか助成をやっていない。二社競争ということになっておりますというと、そこはもう補助の対象にならない。なぜかというと、二社やれるということは、二社が競争できるだけの輸送要請があるからそこは補助が要らないんだという、単純と言えば単純かもしれませんが、そういう理屈でやっておる。
 したがって海上においてすらそういう条件をつけて助成をやっておりますその海上の航路がある、それに加えて空の交通に対しても補助を与えなければいけないかというような問題がございまして、実は来年度予算要求がこれから始まるわけでございますが、御指摘のような、ことに南西航空とは沖繩の全体の離島間の交通には非常に大きな使命を持っておる特殊な会社でもございますので、何とかしてやらなければいけないなということはいま頭にはあるんでございますが、予算要求等の面でそれをどういうふうに具現していくか、これは研究問題として目下考えておるわけでございまして、いまここでそういう点について、私がこう決意をしておりますということは、まだちょっと言いにくい段階でございますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#314
○和田春生君 確かに本土の方でも航空機によった方が便利であるという離島がないわけではございませんけれども、大臣、向こうに行かれて実際に飛んでみられたかどうか知りませんが、これはもう全然条件が違うんですね。離島で構成されているようなものですから、わずかに沖繩本島が多少大きいというだけで、船といってもちょっとしければ欠航いたしますし、しかも県民所得全体も低いわけですが、離島はやはり開発がおくれておりますから、住んでおる人たちの所得も非常に低い。そういう中で運賃に全部転嫁をしていって採算に合うような形にしたら、今度は住民の負担というものが極度に高くなってきて気軽に利用できない。ですから、ちょうど本土における国鉄ぐらいに考えていいんじゃないかと思うのですよ、沖繩の場合の飛行機というものは。その中心になっているのが従来のエアアメリカを引き継いだ南西航空で、これが一番大きい航路網を持っているわけですね。
 ですから本土のことも同じように考えなくちゃいけないからというのは、私から言わせると多少これは官僚的な逃げ口上で、沖繩の特殊性にマッチしてやる、こういうことがまず先に立たないと、やめたということになったり、このままでいけば、幾ら従業員がある程度良識的に考えているといっても限度がありますから、じゃストライキだというような形でストップしてしまうという形になると、利用している人たちに大変な打撃を与える形になる。しかも会社と現地だけでは解決不可能になる、政治問題が持ち上がってくる可能性もはらんでいると思うのです。いまのところはそこまでいって、ストライキも実際やるところまでいったわけですけれども、ここだけストライキをやっておったのでは解決しないし、地域住民にも迷惑をかけるから、ひとつ政治的な解決をやろう。そういう形について努力すると、こういうことを条件にして一時休戦しているというかっこうですから、政治的な解決の努力というものが実らずに、いつまでもほうっておけば、背に腹はかえられぬという形で深刻なストライキに転化をしていく、やめたという形にならぬとも限らない。いま休火山なんです。安定しているわけじゃない。
 したがって運輸大臣は、もっと積極的に、これはやはり沖繩の特殊事情として、航空機が本土におけるバスあるいは国鉄というものに匹敵する日常の足なんだ。またそういう状況をつくっていかなくちゃいけないのだ、これから。向こうの方の地域的な文化の水準あるいは地域の開発ということを考えた場合にやっていかなくちゃいけないのだという面で、ぜひ前向きに取り組んでいただきたい、重ねて要求をし、運輸大臣の所信をお伺いしたいと思うんです。
#315
○国務大臣(木村睦男君) 私はさっき日本全体のことを申し上げたんですが、だからそれによって一律に律するという意味で言っておるわけではございません。もちろん沖繩の特殊事情ということも十分心得ておりますので、一般的なそういった状況の中で、沖繩の特殊性というものを重要視して、沖繩だけは別の異なった措置を講じなきゃいかぬなということで実は考えつつあるということで御理解いただきたいと思います。
#316
○和田春生君 質問を終わります。
#317
○委員長(宮崎正義君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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