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#1
第075回国会 運輸委員会 第10号
昭和五十年六月十九日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     森中 守義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                前川  旦君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                岡本  悟君
                佐藤 信二君
                橘  直治君
                永野 嚴雄君
                宮崎 正雄君
                山崎 竜男君
                杉山善太郎君
                瀬谷 英行君
                戸田 菊雄君
                森中 守義君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   衆議院議員
       運輸委員長    木部 佳昭君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  坂田 道太君
   政府委員
       防衛庁参事官   菅沼 照夫君
       大蔵政府次官   梶木 又三君
       大蔵省主計局次
       長        田中  敬君
       運輸省船員局長  山上 孝史君
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       運輸省航空局長  中村 大造君
       運輸省航空局次
       長        松本  操君
       運輸省航空局技
       術部長      官川  晋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       運輸省航空局監
       理部長      山元伊佐久君
       日本国有鉄道副
       総裁       井上 邦之君
       日本国有鉄道理
       事        伊江 朝雄君
       日本国有鉄道施
       設局長      鈴木 秀昭君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     大塚  茂君
       評  論  家  柳田 邦男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (東北線のレール更換作業事故に関する件)
 (新東京国際空港の開港時期等に関する件)
 (関西新空港建設計画に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○水先法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○航空法の一部を改正する法律案(第七十一回国
 会内閣提出、第七十五回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 当委員会に所属をしておられます佐藤信二君の厳父、元総理大臣佐藤榮作氏が御他界になられました。わが委員会の同僚委員の佐藤信二君が出席なので、改めて心から哀悼の意を、私から一同にかわりましてごあいさつ申し上げます。
#3
○佐藤信二君 どうも御丁寧にありがとうございます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮崎正義君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(宮崎正義君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 本調査のため、本日参考人として新東京国際空港公団総裁大塚茂君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○瀬谷英行君 成田空港の問題で最初に質問をするつもりでおりましたけれども、その前に東北線のレール更換による死傷事故について国鉄側からその概況をまず御報告をいただき、その問題について若干の質問を行いたいと思います。まず報告を求めたいと思います。
#8
○説明員(井上邦之君) 東北線のレール更換につきましては、かねて予告申し上げておきましたとおり、昨日午前中約四時間にわたりまして下り線をとめましてレール更換の作業を実施いたしました。作業自体は完了いたしましたけれども、その間一人の殉職並びに二十八名の負傷者を出したということにつきましては、はなはだ当方といたしましても遺憾に存じておりますし、また申しわけなく存じておる次第でございます。まだ詳細の事情につきましては判明いたしかねておる点もございますけれども、ただいまわかっております点につきまして施設局長から御説明させます。
#9
○説明員(鈴木秀昭君) 昨日行いましたレール更換につきましては、約四時間、十時半から十六時まででございますが、この間、九工区、十八スパン、約二十キロのレール更換を作業としましては完了いたしました。この間におきまして発生いたしました殉職事故と、それからけがの問題でございますけれども、まず殉職の問題につきましては、まことに遺憾と思っておりますけれども、この方は三十年を超えますところの経験者でございまして、基本的にはレール更換器の一番末端のレールがちょうどかわりますところにおられまして、本来の作業はそれの監督監視にあるわけでございますけれども、作業中ちょっと作業熱心の余りバールを使いまして一部軌道をいじくった。そのときに、原因はまだよくわかりませんけれども、つまづかれたのか、あるいはどうしたのか、いずれにしましても、レール更換器に足をとられまして、レールが当たりまして負傷されたわけでございますが、直ちに病院に参りましたが、まことに残念なことにお亡くなりになられたわけでございます
 それからもう一つの、飛来物が飛んで二十八名の方々にけがをさせましたということでございますが、二十八名の中で二十名がこの飛来物によりますところの傷害を受けられ、それからレール更換時におけますところのいろいろなけがが四名、その他が四名ということになっております。問題の、何かがぶつかる、飛んでけがをした、当たってけがをされた二十名の方でございますが、この二十名の中の十九名という方が同じ工区で起こっております。片岡−矢板間の十二スパンというその特殊の場だけで十九名の方に何かが飛来して当たったということでございます。この原因につきましては目下いろいろ勉強中でございますが、実は私も昨日行ってまいりましたけれども、レールの中に置いておりますものはボルトでございますとかクリップでございますとか、非常に重いものでございまして、従来とも同じようなやり方でやって、飛来をしたことは余りないわけでございまして、恐らく何かがともかく原因で、それがショックで玉突き現象が起こったのではないかと想定をいたしておりますが、いまいろいろと原因を究明しております。そういうわけでございまして、殉職の方はレール更換器にはさまれた。このレール更換器も国鉄が二十何年前から開発したものでございまして、非常に完成されている機械でございまして、過去においてそのような殉職の経験を持っていない機械でございます。それから飛来物による負傷は、いままでと同じような作業をして、こういうある場だけで十九名の方々がそういうことになったという、私どもとしましては、非常に今後反省させられる点でございまして、原因につきましては目下検討中でございます。
#10
○瀬谷英行君 列車を走らせている合間にレール更換をするというやり方がいままで多かったわけなんですけれども、列車をとめてレール更換をするということだが、これは非常に思い切ったことをやったというふうに私は考えておるのです。ところが完全に準備をして行われたはずのレール更換作業でもって死傷者を出したといったようなことは全く考えられないことです。何でこういうことになったのかということです。結局、列車をとめるといっても下り線だけをとめて上り線はとめていなかった。特急が徐行しないで走ってきていろいろと砂利やらボルトやらをはね飛ばした、こういうふうに伝えられているわけなんですけれども、特急がこの区間を何キロぐらいのスピードで走り抜けたのかといったこと。それから徐行ということは全然考えに入れていなかったのかどうか、その点は一体どうなっているのか、まずお伺いをしたい。
#11
○説明員(鈴木秀昭君) いまの御質問の点、私ども十分作業の計画をいたしましたが、昼間四時間の間合いをいただくということは、私ども一番安全を考えてやったわけでございますので、四時間という間合いをいただいて十分作業時間をいただいている関係上、徐行ということは最初から考えておりませんでした。したがいまして、いわゆる閉鎖工事の前までの特急列車につきましては通常のスピードで走っておりました。
#12
○瀬谷英行君 レールとレールの上下線の間隔というのは、この東北線の場合には一体何メートルぐらいありますか。
#13
○説明員(鈴木秀昭君) 軌道中心間隔から三メートル六十でございまして、そして上下線の間には全部、私も確認してまいりましたが、黄色と黒のロープを張りまして、作業員がそこから出ないようにしていることははっきりしておりましたし、全部マイクを取りつけてございまして、上り線の通行に対しましては全部マイクで、長い区間でございますが放送してございまして、私自身もどこの場所でもはっきり上り線が来るということは耳で確認でき、それからもちろん見張り要員も立てておりました。
#14
○瀬谷英行君 一体この上り線特急が時速何キロで走ってきたのかということを最初に質問いたしましたが、その点は。
#15
○説明員(鈴木秀昭君) 十八スパンでございますが、この区間は百二十キロが最高スピードでございます。
#16
○瀬谷英行君 百キロ以上のスピードだとこれはかなりのものだと思うのです。それを徐行を考えていなかったということなんですけれども、徐行を考えないで片側の線路を保守をしながら特急が走り抜けるという場合の風圧等は計算に入れていなかったのかどうか、その点はどうです。
#17
○説明員(鈴木秀昭君) 保線作業は常時毎日行われているものでございまして、保線作業をやっている間にその反対側は全部徐行するということになりますと、なかなか運転計画も立ちにくいわけでございまして、私どもの線路を守るといいますか、線路を修繕する技術といたしましては、いわゆるそれぞれ修繕をします線路につきましては、技術的に徐行を必要とするものは徐行をいたしますが、その反対側につきましては、徐行をとらないで仕事をするということを、一応それでできるということを技術的に検討していままでやってきたわけでございます。
#18
○瀬谷英行君 上下線の線路の中心間隔が三メーター六十ということになると、まあ三メーター六十というのは日本風に言うと二間ですよ、一メーター八十が一間ですからね。二間のところをすれ違いに走るわけです。上下線の車両の間隔なんていうのは人間一人がやっと立てるか立てないかぐらいの間隔で、つまり上下線の間隔が大体狭過ぎると思うんですけれども、しかし、それよりも何よりもこういう状態で四時間とめたといっても片側の下り線だけ四時間とめて、上り線四時間、これは徐行も考えないで走らせるということになるわけで、これは当然かなりな危険ということを計算に入れなきゃならないことではないかと思うんです。こういうことは全然いままでの経験から言っても考えられなかったことなのかどうか、ちょっとこれはどうにも理解しかねるので、その点を再度お伺いしたいと思うんです。
#19
○説明員(鈴木秀昭君) 私どもといたしましては、ともかくこの起こしました事故も、全部修繕をいたしまして、いわゆる列車が来ない線路におきますところが主たる原因でございまして、反対側の線によりますところの問題ではなかったわけでございます、原因そのものは。
 で、先生のおっしゃっいますように、確かに反対の線路を徐行をとって仕事をするということは、われわれ保線の側としましては望ましいことではございますが、国鉄全体の運転計画から考えますと、やはり私ども保線の技術としましては、いじくった線路についていろいろ技術的に徐行等々の措置をとる、その他の線にはやはり運転的に見まして十分な手配をとるというのが基本的な態度ではなかろうかと思っております。今後ともあらゆる万全の措置をとりながら、実際に修繕いたします線路につきましては徐行等をシビアに考えながらいろいろ処置してまいりますが、対向線につきましてはその他の手段、先ほど申し上げましたように見張りでございますとかマイクでございますとか、あるいはいわゆる固定式の警報器でございますとか、そのような装備でもって人命の安全を図っていきたいとこのように考えております。
#20
○瀬谷英行君 どうせとめるんなら両方ともとめてしまえばこういうことは起きなかったんじゃないですか。更換をする場所は従来でも徐行をするか、あるいはとめるかやってきたわけでしょう。しかし反対側の線路というのは何もそういうこと考えていなかったということであれば当然危険は予想されなきゃいかぬわけです。たとえば具体的に言うと、あなたが立っている個所は列車をとめて作業したとしても、その反対側というとちょうど三メーター六十といえばいま大臣の座っているあたりですよ。あなたの立っているところではとめて作業したって、大臣の座っているあたりは百二十キロで特急が突っ走るという状況だったわけでしょう。その間隔を考えてごらんなさい。これはきわめて危険な状態だということは素人だって考えられることじゃないかと思うんです。したがって私は、最初四時間とめるということだったから、上下線ともとめて安全を期して作業するのだなと、こう思っていた。ところが結果を聞いてみるとそうじゃない。これでは何にもならぬわけですよ。どうせとめるんならば上下線ともとめてその間に作業するということをやるべきじゃないでしょうか。
 私は新幹線の場合でも、それは朝から晩まで走り放しに走っているわけですから、その間のいろいろなレールであるとか、あるいは架線の事故といったようなことは、かなり考えなきゃならぬことだと思うんです。在来線にしても同じです。特に東北線の場合は過密ダイヤでもってレールが傷んでいると、動揺も激しいということを聞いているわけなんですから、レール更換でこういったような死傷者を出すといったようなことは、国鉄のためにも非常に残念なことだと思うんです。
 そこで今後の問題として、レール更換を大がかりに行う場合には安全を期するために、中途半端な片側だけとめるということじゃなくて、両方ともとめて、しかも万全の態勢をとってこの作業に臨むということが行い得ないものかどうか、これは副総裁もきょうお見えになっておりますので、国鉄の責任者としてそのお考え方をお伺いしたいと思うんです。
#21
○説明員(井上邦之君) 先生の御教訓身にしみてありがたく拝聴いたしました。ただ私どもといたしまして、やはり東北線のように非常に旅客の殺到してまいっております線区につきまして、たとえ下り線だけでも列車をとめるということは実はかなり重大なことだと私ども考えておるわけでございますが、なおそれ以上にレールの摩耗度あるいは破損、そういったものがやがて起こすかもしれない事故につきましての重要度を考えまして、あえて下り線をとめてレールの更換に踏み切ったわけでございます。その際上り線をとめて両方ともやれば事故が起こらなかったであろうという御指摘でございますけれども、確かに列車が全然両方とも走っていなければ何事もなかったかもしれません。しかし上り線を列車が走っておりましても、それについて十分な注意をし、列車が走ってくる場合には待避をする、これは当然そういう措置をとっておるわけでございまして、十分の間合いをとって待避しておればけがもないはずでございますが、今回はまだその点についてどういうことでけがが起きたのか、その点の原因がまだ十分に突きとめられておりませんので、いまはっきり申し上げるわけにまいりません点もございますが、いまの時点で考えますと、十分列車の走っていることについて注意して待避しておれば事故がなかったであろうというような考えでございますが、なおその点を突きとめまして、待避しておってもなおかつ片一方に列車が走ればこういう事故が起こるんだということがはっきりいたしますれば、やはり先生の御指摘のとおり両方ともとめてやらねばならぬというふうに考えますけれども、いまのところでは片方は走っておっても、片方の作業を十分注意しておればまず作業に支障はなかろうという考えを持っております。
#22
○瀬谷英行君 余り際どいことを無理してやるべきじゃないと思うんですよ。死傷者を出すというようなことは取り返しのつかないことですからね。その取り返しのつかないような結果になることを、幾ら時間を惜しんだとしてもこれはやるべきじゃないと思うんだ。特に東北線の場合はレール更換の切実な必要性があったと思いますが、これは東北線に限らないわけです。在来線は手を加えなければならない危険な状態のところがたくさんあるわけです。私どもも実際に列車に乗ってそれを痛感するわけです。とても急行なんかでは通路をまともに立って歩かれないというような状況になることがしばしばある。
 そこで国鉄にお伺いしたいのは、新聞の一ページ大の広告を三日にわたって出されましたね、こんなことはいままで見たことがないことなんで、これまたちょっとびっくりしたのですけれども、これは相当な金をかけておると思うんです。余り細かいことを聞くのもどうかと思いますけれども、しかし大体普通の広告というのは金をかけて、たとえば一億の広告費をかけて十億円もうけることができれば、一億や二億の広告料はこれは安いものだということになるわけですけれども、国鉄の場合はこれだけの広告をやって何が書いてあるかと思うと、実はこうこうしかじかで赤字がふえてまいりました、運賃二倍くらいに値上げしなければどうにもなりませんということだけなんですね。俗な言葉で言うと泣き言を言っているようなことです。この広告を出したことによってお客が急に殺到してもうけが、収益が上がるという仕組みのものじゃないわけなんです。特にこんな広告を三日も続けて出した後、レール更換の失敗で何十名もの死傷者を出したなどということはまことにどうも不手際もいいところだと思うのですね。
 そこで副総裁にお伺いしたいことは、こういったような広告を出された目的、その真意はどこにあるのか、そういうことをまずお伺いしたいと思うのです。
#23
○説明員(井上邦之君) 国鉄はいま重大な経営の危機に差しかかっておるわけでございまして、今後この危機を打開するために運賃値上げをお願いするか、あるいは財政支出をお願いするか、いずれにいたしましてもかなり膨大な御援助を賜らなければ国鉄のいまの財政危機は打開できないわけでございますが、それにつきましても、やはり国民の皆様に十分国鉄の実情をお知りいただくということが基本的に大事であるというふうに考えられます。
 ことに昨今、国鉄の経営問題が新聞紙上等に出まして以来、いろんな方面から御意見も賜っておりますが、その御意見の大多数は、いま申しましたとおり国鉄の実情をもっと国民に知らせるべきである、訴えるべきである、余りにいままで国鉄は物を言わな過ぎたのではないか、まだまだ国民というものは国鉄の実情を知らない面もある、そういう御指摘も多分にございました。そういう御指摘を十分私どもも参考にさしていただきまして、この際国鉄の事情を広く国民の皆さん方にお知りいただくというためにどういう手段をとったらいいかということで、先般来いろんなパンフレットをつくり、あるいは冊子をつくり、各方面に配布してまいっておるのでございますが、何分にもそういう冊子あるいはパンフレットそういったものを配布いたしますにいたしましても、数が制限されてくるわけでございます。
 たとえば先般「国鉄の実情を訴える」という冊子をつくりまして、これが約五万部刷りました。関係方面にお配りいたしたのでございますが、やはり五万部でございますからその対象の相手というものは五万しかない。五万では国民の皆さんの本当の御理解をいただくということにはならない。やはりもっと多数の国民の皆様方に訴えなければならぬ。それについては新聞を利用して、新聞に意見広告の形でこれを訴えるということを私ども考えました。その新聞に意見広告を出すにつきましては、やはりそれぞれの専門家がございますので、その専門家の意見も聞いて新聞に意見広告を出すについては、現に先生お持ちのそういう体裁で意見広告を出すのが一番有効であるというような意見も出ました。そういう意見を参考にいたしまして、この際あえて新聞の意見広告に踏み切ったという次第でございます。
#24
○瀬谷英行君 こんな大きな見出しを書いて、選挙のポスターとは違うのですからね。
  〔委員長退席、理事三木忠雄君着席〕
こういう大きな見出しをつけなくたって、訴えたいことがあればもっと訴えようがあると思うのですね。ちょっともったいないような気がするのですよ、私は。こっちが少しけちなのかもしれませんけれどもね。この中にはたとえば幹線系の線区と地方交通線と比較をすると「赤字額の四分の三は、七%の仕事量しかない地方交通線から出ているのです。」というようなことも書いてあるわけですね。しかし終わりの方にいくと、「もし、あなたが私のお願いする運賃値上げを認めないとおっしゃれば、これまでのように、当座は借金でまかない、将来に禍根を残し、あなたの子孫に過大な負担をかけるか、利用するしないに拘らず税金という形で等しく国民に負担して頂くことになるかです。」と、これは開き直りのような、いわばちょっと脅迫めいたところもあるわけですがね。こういう結びになっておりますけれども、国鉄の実情を訴える方法としていささかこれは過大な広告のような気がいたします。この半分もしくは四分の一だってここに書いてあるようなことを要約することはできるのではないかというふうに思われますけれども、少なくとも広告にかける金のかけ方なんか見ると、余り赤字で困っている企業のやり方じゃないですよ、これはね。かなりふところぐあいの豊かな企業でないとこんな思い切った広告はしませんよ。
 この広告のやり方についてとやかく言ったって始まりませんが、しかし実際にはこんな広告を出した。ところが東北線のレール更換だけで四時間もとめて作業したというのにああいう死傷者を出す。まことにどうも世間に対して申し開きのできないような結果を招いているんですよ。これじゃどうもぐあいが悪いと思うんですね。その点国鉄として単に運賃値上げということだけを訴える、それでいいのかどうか。国鉄の経営形態そのものが一体これで構わないのかどうか、そういう点にメスを入れずに、ただ運賃だけを何とかしてください――少し芸がないような気がするんですけれども、そこの点まで、ずっと三日にわたる広告を読んでみましても触れておりませんね。なぜもっといろんな角度から、こうしたらどうか、ああしたらどうかといったような問題に触れようとしていないのか、その点もお伺いしたいと思うんです。
#25
○説明員(井上邦之君) 意見広告に書いておりますことは、運賃を二倍ということが非常に強く出ておりますためにいま先生の御指摘のような御意見も出るかと思いますが、実はその意見広告に出しております私どもの真意といいますか気持ちは、国鉄の財政の実情を率直に訴えるというのが目的でございます。それにはたとえば五十一年度を考えてみますと、赤字の額を仮に運賃で賄うとすれば運賃が二倍になりますということを率直に申し上げておるだけでございまして、これを運賃で全部やるのか、あるいは先生のお考えになっておりますような、いろんな国鉄の運営形態にまで触れて、そこにまでメスを入れていろんな再建の考え方を展開していくのか、これはその後にくる問題でございます。それについては私どももただいま鋭意勉強いたしており、また参議院の運輸委員会でも小委員会をお設けいただきましていろいろ国鉄問題を御検討いただく、また衆議院の運輸委員会でも小委員会をおつくりいただいて国鉄問題を研究していただくということになっております。
 そういうふうに各方面でいろいろ御検討いただいており、もちろん私どもの方でも鋭意勉強いたしておるわけでございます。そういう今後の国鉄の形をどういう形に持っていくかということにつきましては各方面の御意見などを拝聴しながら、私どもとしても真剣に検討してまいりたい、こういうことでございます。新聞広告に出しておりますのは、国鉄の財政実情を訴えるのには一番早わかりするであろう、俗な言葉で言えばそういうことで出しただけでございます。
#26
○瀬谷英行君 これだけのスペースを使うにしては中身がなさ過ぎますよ、率直に言ってね。新聞一ページの広告を出すのに一体どのくらい金がかかるんですか、その点。
#27
○説明員(井上邦之君) この広告料につきましては非常に幅のある問題でございまして、ただいま値引き交渉をさせておる最中でございますので、はっきりいまの段階で幾らということも申し上げかねますが、まあざっと申し上げまして、いまの段階でお答え申し上げるとすれば約二億円はかかる、先般の広告は朝日、毎日を初めといたしまして九紙に出しておりますが、その総体を考えてみますと約二億円、いまの段階でお答え申し上げるとすれば約二億円であろうというふうに思います。
#28
○瀬谷英行君 広告料のせめて一割もレール更換作業の方に使っておれば死傷者を出さないで済んだんじゃないか、こんなことも考えたくなるんですよ。まあそれは国鉄自身の権限においてやったことだからこれ以上言いませんけれども、たとえば貨物輸送の問題、これがどんどん収入が減ってきておるという問題、あるいは地方路線の問題、これらの考えてもらわなきゃならない点はまだたくさんあると思う。それらの点についてむしろ広告を使うならば、具体的に訴えるということをやるべきではないかという気がいたしますが、それらのことを考えてみると、ちょっとこれは金をかけたわりあいには中身が薄過ぎるということを指摘したいと思うんです。で、まず広告よりも今後の新幹線の安全、あるいは在来線の安全、こういうことを考えて作業にはもっと万全を期すべきであるということを注文したいと思います。
 それから国鉄に関連をして、これまた航空法の審議なので若干空港の問題にも触れていきたいと思うんですけれども、成田の空港が非常に開港がおくれております。で、武蔵野線が完成をした時点において、この武蔵野線を利用して油を送るといったような計画が新聞に出ておりましたけれども、成田の空港の問題と同時に、この武蔵野線の利用ということも問題になってくると思うんですが、武蔵野線の完成の時期はいつなのか。この武蔵野線の完成によって成田空港に燃料を京浜工業地帯から送るといったようなことを国鉄自体は考えているのか、そういう要請を受けているのか、監督官庁としてもどのようなことを計画をしているのか、まずその点をお伺いしたいと思うんです。
#29
○説明員(伊江朝雄君) 第一点の御質問の武蔵野線の完成時期でございますが、非常に予定よりおくれておりまして、目下のところの予定では五十二年の三月という時期に完成の予定でございます。そういたしますと、武蔵野線は全線開通と、こういうことに相なります。
 それからお尋ねの第二点、成田空港への燃料輸送、武蔵野線を使っての計画はあるかという御質問かと存じますが、現在そういう計画はございませんで、かねてから空港公団から御要請のございます鹿島ルートとそれから募集ルート、この二線につきましての具体的な検討を進めておる、こういう段階でございます。
 それからちょっとおわび申し上げますが、五十二年の三月と申し上げましたのは五十一年の三月でございます。失礼をいたしました。御訂正申し上げます。
#30
○瀬谷英行君 国鉄としては別にこの武蔵野線を利用して油を運ぶということは考えていないということですが、しかし、もし武蔵野線を使うとしても五十一年の三月だと来年の春まではどっちみちできないということになるわけですね。そこで今度は空港の問題ですが、空港公団の総裁にお伺いをいたしますが、この成田空港ができ上がっているようだけれども、なかなか開港に至らない、この問題ですね、一体どこに障害があるのか、どこに原因があるのか、その燃料の問題は一体どうしたら打開できるのか、それらの点についてお伺いしたいと思うんです。
#31
○参考人(大塚茂君) お答えを申し上げます。
 成田空港の開港がおくれておる障害は何かという第一の質問でございますが、おっしゃられますように場内の滑走路とかターミナルというようなものはすでにほとんど完成をいたしております。これらが使えないということは、結局おっしゃられますような航空燃料の輸送の手段がまだ確保されていないということと、それから滑走路の南側にございます妨害鉄塔の除去という問題があるということでございます。この妨害鉄塔の方の除去は、これは開港の諸準備が整いました段階で任意的に除去されない場合には、私の方で訴訟を起こしまして撤去をするということになるわけでございますが、それにはしたがって開港の諸準備が整うということですから、燃料の輸送についての手段が確保されるということが前提になるわけでございますので、空港公団としての現在の最大の問題点は燃料の輸送ルートを開設をする、こういうことでございます。それは結局京葉からと鹿島臨海工業地帯という両方からでございまして、私どもとしてはその問題についていま全力を傾注しておるという状況でございますが、不幸にしまして鹿島地区におきまして、現地でこの問題についての反対がございまして、ことに鹿島と神栖の両町では町議会で反対の決議をしておるというようなことからなかなか進捗を見ないというのが現在の状況でございます。
#32
○瀬谷英行君 地元との話し合いがつかずに難航しておるということなんですけれども、地元の要請というのはどういうことなのか、これは空港公団との間の話し合いの余地というものは全然閉ざされておるのかどうか、これらの点について、もう少し突っ込んだお話をお伺いしたい。
#33
○参考人(大塚茂君) 地元との関係でございますが、地元がこの問題に反対をいたしました理由は、われわれが承知いたしておりますところでは、千葉の方で本格パイプラインをやろうとした、それがうまくいかぬので、そのしりを茨城に持ってきたということについての感情的な一つの問題。それからもう一つは危険があるんじゃないかという御懸念、そうした危険があるにかかわらず、地元としてはメリットがない、ただ油が通過するだけだというような点から反対をされております。
 これに対しまして、私どもとしては、安全対策につきましてはできるだけの地元の御要望に応じて施設をする。したがって安全性についての心配はまずない。御承知かと思いますが、鹿島の方面から輸送しますジェット燃料はジェットA1というやつでございまして、これは家庭用の灯油と同じ性質の油でございます。したがってガソリン等に比べても安全なものでございますので、そうした危険性はもともと少ないのでございますけれども、しかし、それでも地元に御不安がございますならばいろいろの安全対策について国鉄にもお願いをし、また公団としてやるべきことについても十分の措置を講ずるということで地元にお願いをいたしておるわけでございます。
 しかし、ただいままでのところ無条件絶対反対という決議をされておりますので、なかなかそうした具体的な条件の話まで至らないというのが現在の状況でございますけれども、しかし、いろいろ努力をいたしてまいっておりまして、ようやくその安全性あるいはこの航空燃料輸送の国家的な重要性というような事柄については、地元の理解が次第に高まりつつあるというふうに私ども見ておりまして、そうした条件の話にもそう遠からず入れるのではなかろうかというふうに期待をいたしております。
#34
○瀬谷英行君 燃料輸送といったような問題が解決をするということを前提として、一体早くていつごろ開港ができるようになるのか、その点はどうでしょう。
#35
○参考人(大塚茂君) 燃料輸送の問題がいつ解決するか、いつ相手さんからオーケーをいただけるかということは、なかなかこれは相手さんの御都合でございますので、私どもの希望どおりにはまいりません。したがって、どうもこれの見通しをいまはっきり申し上げられるという段階ではございません。そのほかにもいろいろ問題がありまして、公団の努力だけではできない、相手方のある問題がたくさんございます。
 鉄塔除去につきましても、これを任意に建てた方々が撤去してくださればいいのでございますが、そうでなくて裁判になった場合に、果たして裁判に何カ月かかるかというようなこともなかなか予測のむずかしい問題でございます。そうした問題が幾つかございますので、いまの段階ではっきりといつごろということを明言するということは差し控えさしていただきたいというふうに考えております。
#36
○瀬谷英行君 そうすると、当分見込みなしと、一言で言えば、そういうことになっちゃうわけですね。
 そこで、先般、たとえば京成電鉄の方から陳情書が出てまいりました。京成電鉄は成田空港が開港されるという前提に立っていろいろと工事をやってきたけれども、いつまでたったって空港が店開きできない。電鉄自体が大変に因っておる、その損害を一体どうしてくれるのだといったような意味の陳情ありました。国鉄の場合は成田新幹線、こういう構想があったわけなんですけれども、これは地元の反対等があってどうも全然手つかずになっておるようですが、運輸省としてはこれらの京成電鉄等の困惑した状況に対してどういうふうにしてやるというふうに考えておられるのか。
 それから成田新幹線等については本気で取り組む気があるのかどうか。これまたかなりの金がかかることだと思います。また地元の賛成を得られるかどうかということもわからない難問を抱えていると思うのですがね。成田空港の開港がおくれることによって生ずる京成電鉄あるいはそれに付属をするホテル、いろいろな施設等がどうにもならないという事情にあることは容易に想像されるわけですよ。こんなことになるからというわけじゃありませんけれども、われわれは国際空港の問題の際には成田空港に反対しました。地理的には余りよくない。むしろ海岸を埋め立てをするなり、あるいは海のそばに空港をつくるなりというようなことで、成田以外のところを国際空港にすべきだということを言った記憶があるわけです。われわれの言ったとおりにしておれば、いまごろ国際空港はちゃんと機能を発揮できるようになったと思うんですが、なまはんかにこういう反対の多い、問題の多いところにしゃにむに空港をつくるようなことになったから、今日に至っても開港のめどがつかぬという状態にあるわけです。
 したがって、こういう国際空港の選定というのはよくよく気をつけてやらなきゃならぬという、政府にとっての大きな教訓になったと思いますけれども、しかし、ここまで来てそんなことを言っていてもどうにもならぬことなんですが、一体政府としてはこれらの開港がおくれることによって生ずるもろもろの問題については、どのような措置をお考えになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(中村大造君) 御質問の第一点でございますが、京成電鉄を初めといたしまして成田の新空港開設に備えていろいろ投資をいたしました企業その他につきましては、開港がおくれておることによって相当な打撃を受けておるということは御指摘のとおりでございます。
 最近、京成電鉄から、その意をもって補償をお願いしたいというふうな意思表示もあったわけでございます。この補償ということでございますけれども、これは現在の制度の上から申しましてもまた法律上から申し上げましても、いろいろむずかしい問題があるわけでございます。たとえば空港関係のいろいろな打撃を受けておられる方について、非常に零細なたとえば土地を持っておられて、その土地を提供して、あと仲間で会社をつくって空港関係の仕事をして事業をやりたい、こういうふうな計画を立てておられる方もたくさんあるわけで、そういう方に対しては開港前でございますけれども、できる限り公団関係の仕事をやっていただくというふうなことをいたしましたり、また千葉県の方で設備資金、運転資金等について融資のあっせんをするというふうなことをいたしておるわけでございます。
 今後さらにこの開港が長期におくれるということは、そういうふうなもろもろの関係者にとってますます大きな負担になるわけでございますけれども、先ほど来から公団総裁が答弁されましたように、非常に因難な情勢ではございますけれども、しかし暫定輸送計画につきましては、現在本当に鋭意その打開に努力いたしておるわけでございまして、その燃料輸送のいわゆる見通しが立てば、そこからおのずから開港の見通しも立ってこようということでございますので、さしあたりは暫定輸送の計画の見通しを早く立てるということに全力を集中いたしておるということでございます。
#38
○政府委員(後藤茂也君) 成田の新幹線の問題でございますが、御指摘のように、成田新幹線は四十七年の二月に鉄建公団に対して工事実施計画の認可をいたしまして工事着手の状態になっておりますが、さらにまた御指摘のように、沿線地元の方々との協議が難航いたしておりまして、ただいままでのところ空港ターミナルの駅それからこの駅から成田周辺の用地の取得、そういったところについて若干の工事が進んでおりますけれども残余の工事は残念ながらただいままでのところ進んでいないというのが現状でございます。私どもといたしましては、非常にむずかしいことではあるとは承知いたしてお話まするけれども、できるだけ早く地元の方々とお話し合いを進めて、進んでいない面につきましても工事を進めるようにいたしたいと考えております。
#39
○瀬谷英行君 運輸委員会では、航空法審議に当たって参考人も呼びましたし、それから現地調査等もやりました。その際、参考人に私もいろいろお聞きしましたが、卒直に言って東京国際空港としての成田空港は、あそこは適切であると思うかという質問に対しては、参考人のお答えはノーでした。これはこの成田空港設置を決める際のわれわれの考え方と全く一致をしておったと思うわけであります。
 そこで、いま騒音で問題になっております関西の空港ですが、これもそれこそ町のど真ん中にあるようなかっこうで、羽田よりももっと条件は悪いような気がいたします。関西国際空港をどこへつくるかということはなかなか大変な問題だと思うんですが、成田空港でもって政府としては身にしみただろうと思うんです。下手な場所を選ぶというととんでもないことになると、卒直に言ってですよ。そこで関西空港等は一体どのようにするつもりなのか、現状のままでいいということにはならぬと思う。したがって、関西空港もこれは余りゆっくりしていられないような事情にあると思うんですけれども、関西空港の考え方ですね、これはどの程度まで政府としては詰めているのか、その点をお伺いしたいと思います。
  〔理事三木忠雄君退席、委員長着席〕
#40
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘の件は、いわゆる新関西国際空港の建設の件だろうと存じます。これにつきましては、昨年の八月に航空審議会から答申をちょうだいいたしまして、位置につきましては泉州沖、海岸から約五キロ離れたところに埋め立てをして、いわゆる海上空港を建設するという、そのような御答申をいただいたわけでございます。本日、さらにその答申の背景になっておりますいろいろな細かいデータ、こういうものを取りまとめられまして、運輸大臣に航空審議会の会長から御報告があったということでございます。
 関西の新しい国際空港の建設は現在の伊丹の国際空港、これの騒音問題、こういうものを根本的に解決するためにはぜひとも新しい国際空港の建設を急がなければならない。いわゆる新関西国際空港の建設というものはやっぱり緊急を要する課題になってきておるわけでございます。私どもといたしましては、答申をちょうだいいたしまして、その答申の中に盛られておる環境の保全と、地域社会との調和というふうな点につきまして、十分その趣旨を尊重して今後の作業を進めてまいりたいということで、特に自然環境調査、環境アセスメント調査というふうなものを十分に行いまして、そして地元の理解と協力を十分に得まして、そうしてできるだけ早く詳細な計画を策定いたしたいそういう前提で努力を積み重ねてまいりたいと思っております。したがって本日提出されましたこの膨大な資料でございますけれども、こういうものはもうすべて公開いたしまして、関係者の間で十分に御検討をいただきまして、また近く関係地方公共団体にも協力を依頼するということで、非常に緊急の問題でございますけれども、しかしその手順というものは十分に尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#41
○瀬谷英行君 きょう関西空港についての答申に基づいていろいろな資料が提出されたということでありますが、これは結局伊丹空港はすぱっとやめてしまって、そして新たに泉州沖ですか、そこに空港をつくるということなのかどうか、それからそれらの問題について、地元の反対意見あるいは別の意見もたとえばそれにかわるべき意見といったようなものがあるのかどうか、地元の了解は得られているのかどうか、一言に言えば。その点もあわせてお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(中村大造君) まず前段の伊丹空港の存廃をどうするかということでございますけれども、これは答申にも書いてございますように、伊丹空港の廃止を前提としてその位置を泉州沖の海上ということで、それから規模はこういうものということを言っておられるわけです。要するに現在ある伊丹空港の廃止を前提として、その位置と大きさ、こういうものを決めて御答申をいただいておるというわけでございます。この場合、この廃止を前提としてということでございますけれども、これはいわゆる答申を作成されます過程におきまして、伊丹空港の騒音問題というものが非常に大きな問題になってきたわけでございます。したがって、その伊丹空港の騒音問題を根本的に解決する方法というものは、新しい空港を別のところにつくる、こういうことでございます。
 したがって、新しい空港というものはこの伊丹空港が廃止されてもそれに耐え得るような大きさであり、かつその場所等の機能についても十分伊丹空港にかわり得る機能を持ったものという前提でこの御答申をいただいた、こういうことでございます。ただ現実に伊丹空港をどうするかということは、これは四十八年にも当時の航空局長から地元の方に申し上げておるように、これは新しい空港の建設との関連におきまして、新しい空港の開港時点にそれを撤去するのかあるいは残すのかこれは地元公共団体の意思も十分尊重して決めましょう、こう言っているわけでございまして、伊丹空港の存廃というものは、新関西空港建設のその時点で地元の御意見も十分尊重して決める、こういうことになろうと思います。したがって現在の段階で伊丹空港を廃止するのだということを言ってるわけではないというふうにわれわれは了解いたしております。
 それから地元の理解でございますけれども、新しい空港の建設はこれからスタートを切るわけでございます。このような膨大な資料でございますこれを十分に検討していただきまして、これらについていろいろな意見もあるでしょうし、またこれは足りないという問題もあると思います。これからそういう調査をさらに進めていくわけでございまして、地元への理解を深める努力というものが今後の問題ということでわれわれとしては必ず御理解をいただくように努力をしたいと思っております。
#43
○瀬谷英行君 最後に大臣にいろいろとまとめて質問したいと思うんですが、この関西空港の考え方は、いま局長から話があったように、膨大な資料ということでありましたけれども、ともかく内陸ではなくて海岸を埋め立てるという構想でもって関西空港を設置をするという方針をこれからとっていくのかどうかということ。
 それから成田空港の問題については、これだけ完成をしながら開港のめどが立たぬ。飛行機の飛べない空港ぐらい始末の悪いものはないと思うんです。一体この成田空港をどうするつもりなのか。あきらめて別に関西空港に対応する関東空港といったようなものをつくる考え方があるのかどうか。あくまでも成田空港でもって何とか関東の場合は間に合わせるという考え方を通していくのかどうか、といったようなことです。その点大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
 それから国鉄問題ですけれども、その場合にはじゃあ成田新幹線をあくまでも通そうという考え方があるのかどうか。成田新幹線というのは、新幹線の中でも最も距離の短い新幹線になると思うんで、必ずしもペイするかどうか、これはわからぬという気がいたしますけれども、相当な建設費というものを見込まなきゃならぬ。ところが先ほどから質問しておるように、国鉄はこの三日間新聞一ページ大の広告を出して赤字を大々的に訴えているわけです。そういう財政状態の国鉄になおかつ成田新幹線を建設をさせるといったような考え方を持っておるのかどうか、それらの点もあわせてお伺いしたい。
 それから最後に、昨日の東北線のレール更換事故、これはまことに遺憾なことだと思うんです。こういうようなことを不用意に引き起こすということでは、これはどんなに新聞一ページ大の広告を出してみたところで、このような事故でもって一遍に信用は吹っ飛んでしまうわけですね。その考え方というものは疑われるということになると思うんですが、これらの問題についての大臣の考え方もお述べいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(木村睦男君) 関西の新空港のまず問題でございますが、すでに御承知と思いますが、候補地としていずれも海上を埋め立ててということで、播磨灘の沖と神戸の沖と泉南の沖と三カ所一応、そのほかにもいろいろありましたが、まずその三つにしぼりまして航空審議会でもいろいろ検討をしていただいたわけでございますが、現在ではその中で京阪神地区からの距離その他ロケーション等も考えまして、泉州沖が一番適当ではないか。これは委員の皆さんの公平な意見を集約をして検討をいたしました結果が、一番これがよかろうということになっておりまして、泉州沖にするという前提で現在まで航空審議会並びにその中の専門部会でそのためのいろんな細かい検討をしていただいておるわけでございます。したがいまして、運輸省といたしましても、どこに関西新空港を置くかという問題については、現在ではこの泉州沖の海上を埋め立てることによって関西新空港をつくろうという方針でございます。
 それから成田の新空港の現状から判断して、開港すでにおくれること三年有余、今日の時点でいまだに確たる見通しがない。これは本当にできるかどうかというお話でございます。もうすでに予定から三年も超過いたしまして、いまだいつ開港ができるという見通しが立たないということは、非常にわれわれも頭を痛めておるところでございます。過去のことをとやかくいまから申し上げてもしょうがないんでございますが、話は前後いたしますが、関西新空港建設に当たりましては、いままでの成田空港建設に関するいろんな事柄を非常に重要な貴重な参考といたしまして、この轍を踏まないようにと思って注意をしておるわけでございますが、成田の新空港につきましては、すでに空港そのものはほとんど完全に近いというところまででき上がっておるわけでございます。問題は一番空港に必要な油の輸送をどうするかという見通しの問題でいま非常に努力をいたしておるわけでございます。したがってこの油の輸送の見通しが立つかどうかということが、いつ空港が開けるかということと密接につながっていく。その他重要なまだ問題もございますが、油の輸送の目鼻が立ちますと、それを契機といたしまして他の重要な問題の解決には全力を挙げるつもりでございます。したがって油の輸送の問題がいま当面の問題でございます。
 で、この問題で、御承知のように恒久的な方法といたしましては、千葉からパイプラインで輸送するという方針は変えておりません。ただ、いま直ちにこれが完成するという見通しが立たなかったものですから、暫定的に鹿島港から鉄道で土屋という空港の近くまで輸送いたしまして、そこからパイプで空港の中のタンクへつなぐという、これを暫定的にやろうと。大体これを三年という期間を限ってこれをやる。その間に千葉からのパイプラインの建設についての見通しを立て、建設に移って三年たちましたら千葉からのパイプラインが利用できるようにするということで、鹿島の港にタンクを建設し、これを鉄道で輸送するということで、いま地元ともう長きにわたって話をいたしておるわけでございますが、現在のところ、先ほど公団の総裁からも申し上げましたように、暫定的にやるということについてもはっきりした保証が立っていないということ。それから輸送の途中における踏切その他の安全対策について十分なまだ答えが出ていないというふうなことで、関係町のところで反対の決議を撤回していただいておらぬということでございます。これらの問題を速急に詰めまして、地元の皆さんの心配をしておられる点を早く解消いたしたい。ついせんだっても地元の皆さんが多数私のところに来られまして、直接私も話をしたわけでございますが、問題の要点はその辺にしぼられておるようでございますので、これは運輸省、公団一緒になりましてこの問題の解決に当たりたい、かように思っております。これを一刻も早くタンクの建設、油の鉄道輸送ということに目鼻をつけまして、そして開港へもっていこうということでございまして、いまこの段階で新空港成田をあきらめるとかなんとかいうふうなことは毛頭考えておりません。あくまでもこの地に新空港を開設するという方針に揺ぎはないわけでございます。
 それから、これに関連いたしまして、成田新幹線の問題でございますが、これも御承知のように、空港におけるこの新幹線のための国鉄の駅等の建設は現在も進められておるわけでございます。やはり空港はどこにつくりましても輸送のルートといたしましては、道路もありますし、いろいろありますが、やはり大量のまとまった輸送力のある交通機関を設定するということは、これは絶対条件だと思うわけでございます。そういう意味で、成田につきましても新幹線建設を決定をいたしてそれに着工いたしておるわけでございますけれども、この問題もまだいつ完成するかという目鼻は立っておりませんが、これはこの方針を堅持いたしまして、成田新幹線はぜひつくりたい、かように考えておるわけでございます。
 それから昨日、東北線のレールの更換で痛ましい事故が起きましたことは私も大変遺憾に思っておるわけでございます。東北線では非常な列車の密度が高くてレールも摩耗しておるという一番はなはだしい個所でございますので、このレール更換について、従来にない、四時間列車をとめて更換をするという、この私は英断は高く評価したいと思っております。それだけに、今後ともこういうレール更換に当たっては、乗客の方には多少の御迷惑はかかりますけれども、こりいう方法で万全を期してやるという行き方は私は非常にいいことだと思っておるわけでございますが、遺憾ながら作業上の手違いで犠牲者が出たということは、本当に返す返すも遺憾でございます。いろいろその原因についてはあるようでございますが、国鉄の方もその原因等を十分に調査をいたしまして、今後本当に再びレール更換のためにこういうふうな痛ましい事故が起こらないように、万全の措置をとりながらレール更換をやってもらいたいと思っておるわけでございます。片道をとめて片道だけ通しておる、そこに危険性もあるという瀬谷委員の御指摘でもございました。私も、両方とめるにこしたことはないと思いますけれども、まあいままですらとめるということを絶対やらないで、列車の合間を利用してレール更換をやっていたという、まあ旅客、お客の御迷惑を最小限度にという国鉄の従来の考え方に立って、今回もせめて片道だけは動かそうということでやったのでございますが、今回の事故はそれと関係があるのかないのか、いままで私の聞いておるところではそれとは直接の関係はないようでございますけれども、しかし工事をしておるそのそばで高速の列車が走るということは危険であることは間違いございません。したがって、よほどの注意と事前の対策というものを講じてやらなければいけませんので、これらは今後の参考といたしまして国鉄も十分考えることだろうと思っておるわけでございます。
#45
○委員長(宮崎正義君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#46
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 水先法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。木部衆議院運輸委員長。
#47
○衆議院議員(木部佳昭君) ただいま議題となりました水先法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 近年、わが国沿岸における船舶交通事情は、交通量の増大、船舶の大型化等により著しく変化しつつあります。
 このような状況に対応して、船舶交通の安全を確保するとともに、船舶の運航能率の増進を図りますためには、総合的な海上交通安全対策の一層の増進がもとより緊要でありますが、その一環として、水先人の乗船を強制する港または水域いわゆる強制水先区を全国主要な港湾や狭水道において必要な限度で設定することが緊要であり、特に東京湾は、巨大船及び危険物積載船が全国で最もふくそうし、一たん海難が発生すれば、湾内沿岸に重大な影響を及ぼすおそれがありますので、緊急に強制水先区にする必要があると認められます。
 しかしながら、現行法におきましては、水先人の乗船を強制する船舶が一律に定められておりますため、港または水域の実情に応じて対象船舶を定めることが不可能であり、仮に現行法のままで東京湾を強制水先区にいたしますと、多数の船舶に対する水先人の乗下船に伴う船舶交通の渋滞に基づく混乱を来し、かえって安全を阻害するおそれがあります。
 以上の点にかんがみ、水先法の一部を改正し、必要に応じて強制水先区を適切に設定し得るよう水先人を乗り込ませなければならない港または水域のうち政令で定めるものについて、当該港または当該水域における事情を考慮して、水先人の乗船を強制する船舶を政令で定めることができることとしようとするのが本案提案の趣旨であります
 次に本案の内容について申し上げます。
 本法の強制水先を規定しております第十三条に新たに第二項を設け、水先人を乗り込ませなければならない港または水域のうち政令で定めるものについては、当該港または当該水域における自然的条件、船舶交通の状況等を考慮して、政令で水先人を乗り込ませなければならない船舶を別に定めることができることとするものであります。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#48
○委員長(宮崎正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#49
○委員長(宮崎正義君) 次に、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案の審査のため、本日参考人として評論家柳田邦男君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#51
○森中守義君 最近における航空機材の新しい開発ですね、それから管制装置であるとか一連の航空技術の開発が他の分野に類例を見ないように非常に激しい開発が行われている。つきましては、そういう新しい態勢に対応できるような航空法というものが当然体系として整備される必要がある。そういう考え方をもとにして今回の法律改正をされたのかどうか、それからまずお聞かせ願います。
 なお、お尋ねする中で、久しぶりの委員会でございますから、すでに質問が終わったものがあるかわかりませんので、その点はひとつ御了承を願っておきたいと思います。そういう、要するに機材の開発等非常に目まぐるしい情勢の中に、航空法は常に対応できるような措置をとっていかなければ、これは安全上大変な問題ですから、そういう角度から今回の法改正が行われたのか、それからひとつ大臣。
#52
○政府委員(中村大造君) 今回の航空法の改正は、先生もよく御承知のように、四十六年に雫石の悲惨な事故がございまして、それを契機にいたしまして、いわゆる航空の安全を確保するための法改正ということの準備にかかったわけでございます。で、その間航空法制検討委員会を設置いたしまして、各般の方々の御意見を徴しまして改正案をまとめた次第でございます。したがいまして、改正法案の重要な中身は、いわゆるいろいろな規定の中で、安全に関する規定の整備、特に運航のルールというものに関する規定の整備に重点を置いたわけでございます。それから非常に問題になってまいりました騒音対策、こういうものに対処いたしますために、騒音基準適合証明制度というものを採用する、こういうことが法改正の大きな柱としてクローズアップされておるわけでございます。その他いろいろな航空法に関する問題点は、航空法の改正のための委員会におきまして問題点として出されたわけでございますけれども、この中で、特に先ほど申し上げましたような安全に関する規定の整備に重点を置いて本法律改正案がまとめられたという経緯があるわけでございます。したがいまして、その後三年余りを経過いたしておるわけでございますけれども、安全に関する規定につきましては、今回の改正におきまして十分にその目的が達成されるのではないかというふうに考えております。
 ただ航空法の全体的な体制、体系と、こういうものについては、いろいろ御意見もあるわけでございますけれども、今回はそれについては触れておりません。で、これは今後の検討課題に済ませたいというわけで、まず今回のこの法律改正というものが安全に関する規定を重点にいたしておりますので、一日も早くこの成立を見まして、その他の問題については早急に検討を開始して成案をまとめてまいりたいと思っておる次第でございます。
#53
○森中守義君 ちょっと航空局長、問題のとらえ方が違うんでね、何かお答えを聞いていると、運輸省がお持ちになっている想定問答集の中に何かあるそういう概念を先に言われたのじゃちょっと困る。私はそう言ってるんじゃない。要するに機材がたとえばダグラスであろうと何であろうと、非常に開発が進んでいる。あるいはレーダー装置であろうと管制塔であろうと、次から次に変わっている。かなり他の部門に例を見ないような変化が起こっておる。そうなれば当然こういうような法律上の対応性が必要ではないか。そういうものをいつでもとらえ得るような角度から法律改正をやったのかどうなのかというのが第一点。
 それからいま一つ具体的に言いますと、航空法第一条の目的条項では、国際機関でいろいろ決められたそういうものを国内法に直ちに移しかえるというような、少なくともわが国の航空運航あるいはこれを援助する措置というものは、対応できるようなものをこの航空法は目的にしておるんだと、こう言っておるわけです。そこで国際機関で採択をされた条約あるいは目下議論中のもの、いずれ採択に至るであろうというやや時間待ちというようなものもあるでしょうから、そういうものが航空法上いつでもとらえられるような態勢、対応性を持つのかどうなのかと、こういう実は聞き方をしているので、余り時間もありませんから、想定問答集にこだわらないでずばりと質問に答えてもらわぬと、質問が終わらないままに時間たったんじゃ委員長に怒られるから、もう少しすっきりした答弁をしてください。
#54
○政府委員(中村大造君) 今回の改正を含めまして新しいこの航空法というものは、新しい技術の開発その他新しい客観情勢というものに相当程度対応できると、こういうふうに私どもは確信いたしております。
#55
○森中守義君 これは現実的にそういう材料を私も持ち合わせておりませんが、いまこれはどうでしょうね、すでに国際機関で採択された条約が政府が預かったまま批准をしていないものがあるのかないのか、あるいはこれから予測をされる、つまり採択の予見をされるようなものはどういうものか、その状況どうでしょうか。
#56
○政府委員(中村大造君) ごく一部の条約につきましてはまだ批准してないものがございます。これはまだ世界的に批准している国はきわめて少数のものがございますと思います。それ以外につきましてはすでに採択されたものはわが国といたしましてはこれを批准いたしておる次第でございます。
#57
○森中守義君 これは法案の審議の機会ですから申し上げておきますが、たしか三十年代のような気がする、もうずいぶん古い話ですが、この委員会で私は一遍問題にしたことがある。つまり人身事故の、そういうものが非常に批准がおくれておったために混乱を生じたことがあります。これなども経過的に見ればやっぱり批准を急ぐべきものを政府が批准をしなかった。ために混迷を生じ、不必要な紛争を生じたと、こういうような経緯もあったわけです。だから採択されたものは少なくともわが国も加盟の一国として同意を与えているわけだから、他の諸外国においてまだそういうものが批准されていないからわが国もよかろうということでは私はないと思うんですがね。ですからそれはどういう内容のものかここで申し上げませんけれども、できるだけ検討を加えて批准など余りため込まないで出していらっしゃいよ。またそういうものが批准が行われてそれが国内法に乗り移っていくということになると、もっと私は話が変わってくると思いますよ。しかも私は、そういう意味では非常にいい機会であったと思う。しかし、そこまで政府の作業が進んでいなければ、これからでも遅くない、国際条約として採択されたものを持ち込んでおくということは私は適当じゃないとこう思いますが、この点はひとつ特に留意をして、できるだけ検討を急いで批准を求めてもらいたい、こう思うんです。
 そこで具体的にちょっと入ってみますが、基準適合証明、これは私はむしろ遅かったというような気がする。騒音防止法など制定の際にこういうものをもう少し正確なものにして出しておればかえって値い高いものだったと思うんです。今度出てきた。これはもう結構なことです。そこで問題なのは現在飛んでいる機材の中でこの枠の中にとどまるもの、枠の外に出てどうにもならないもの、そういうものをひとつ機種別にちょっと挙げてもらいたい。
#58
○政府委員(中村大造君) 現在国内において用いられております機種で新しい基準にいわゆる合致すると考えられますものはボーイング747、これは大部分合致いたします。それからボーイング727、これは一部のものが合致する予定でございます。それからロッキードL一〇一一、それからダグラスDC9、これが合格する予定でございます。それから不合格と考えられるものはダグラスDC8、それからB747の一部これは初期型でございます。それからB727の一部、それからボーイング737と、これだけが基準に合致しない、こういうことになろうかと思います。
#59
○森中守義君 私の調査では、いま局長の言われたように742の一部と、727、737、これらはいずれもはみ出てはいるけれども改造できると、こういうことのようですね。それからDC8になると全部だめ、こういうことのようですが、改造できるものは大体何年間ぐらいの間にこれを改造させるという考えであるか、あるいはたとえばDC8のように全く改造不可能なもの、これはどういう措置をとるのか。少なくとも適合証明というものをつくる以上、法律効果があらわれてくるような措置をとらなければ意味がないをわですから、そういう措置はどういうようにお考えなのか、また改造しようという場合に、元来機材の所有者というものはみずからが製作したものではない。他のメーカーからみんな買い取ったわけですから、それが国の法律によって規制を受けるという場合、国それ自体がこれに何かの対応策をとるのかとらぬのか、この辺もひとつあわせて御答弁をいただきたい。
#60
○政府委員(中村大造君) 御指摘のように747、727、737と、こういうものは現実に現在改修のためのキットが生産されております。したがって、いま直ちにこの改修に取りかかり得る状態になるわけでございます。ただ生産のテンポ、それからこれを装置いたします時間的な余裕、こういうものが必要でございますので、これはどの程度猶予期間を認める必要があるかということでございますけれども、やはり二、三年はかかるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それからDC8につきましては、残念ながらそういう改修キットが現在まだ生産されていないということで、まだDC8は相当世界的に多く用いられておるわけでございますが、一日も早くそのような改修キットが開発される、製造されるということをわれわれとしては願うわけでございます。それでしからばそういうふうなDC8をそのまま適用除外して改修しないで飛ばせることの可否ということがあるわけでございますけれども、これはやはり今回のこの制度の趣旨というものが今後の低騒音機の開発を促進してそれを使用することを奨励すると、そうして一日も早く基準に合った低騒音機を飛行させることによって全体的に騒音を下げる、こういう趣旨で世界的に貫かれておるわけでございますので、いまの時点で基準に合わないということのためにその飛行を禁止するということは世界的にもとられていないわけで、まあこういう生産能力を持たない日本といたしましては、DC8についてこの適用除外を認めることはやむを得ないというふうに思っておるわけでございます。
 ただ最初に申し上げましたように、近い将来そういう改修キットが開発されるということを期待いたすわけでございます。またそれと性能を同じくするような新しい機材にこれを積極的に更新すると、こういうことは行政指導の面で今後とも促進してまいりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。それからそのような改修キットを装置するためには、やはり財政的に援助する必要があるということで、これは財政資金の融資という道を開いてそれを促進するということにいたしておるわけでございます。
#61
○森中守義君 局長ね、まあこれは多少の意見になるけれども、やっぱり法律を改正するということは、より実質的な法律効果を求めるというところにある。私どもが委員会で改正案の審議をするのも、そういう期待を持っているんですよ。そこでいまの局長の説明からいけば、どうも逆立ちしているという感じだな。たとえばDC8のようにどうも改造がむずかしいというものはやむを得ません。同時にまた747、737、727、というような改造が可能なものも、それは実際技術上の問題だからよく私もわからぬけれども三年かかる。それならば適合証明などといって仰々しいものを考えることも余り法律効果に合致しないんじゃないか。
 これほど騒音公害がやかましくなったから、いわば世論への鎮静対策とか、世論操作という意味でつくったというならば、これはまた別ですよ。しかし私は常々今回の法改正それ自体が雫石で大騒動になった、運航上に一つの盲点がある、ごうごうたる世論の非難がある、そういう世論操作、世論への鎮静化ということのために、運輸省の中に航空法制検討委員会というものをつくってみたり、あるいは各界の意見を聞いてみたり、何か大仕掛けな、舞台仕掛けをしてでき上がったのがこれですよ。しかも、この中に騒音証明制度というのがつくられる、適合証明というもの、これは現実的に問題を処理する機能を持たないというような感じなんだな、だから逆立ちしている。法律効果これによって求めることがむずかしいというように私は判断をする。
 何か聞くところによると、改造可能なものについては開銀を動かしてあっせんの道も講じている財政的にはね。こういう措置は私は非常に結構だと思う。けれども改造できるものにそういう措置がとれるならば、DC8はこれは毎々議論するように百十六ホンを超える超騒音ですよ。こういう一番むずかしい、しかもやかましいのを改造できないからほっておきます。飛ばしておきます――いまこれ四十機近くあるんでしょう。これが日本の空をうるさくやかましく飛び回る、これはとらえられません。これは野放しですというのではおかしいんじゃないかな。
 だから、そういう開銀を用いてそっちがとれるような状況であるならば、改造不能であれば、これはやっぱり入れかえ以外にないでしょう。開銀がそういう措置がとれれば、開銀は言うまでもなく国の金ですからね。こういうのをもうちょっと動員するか何かして法律効果を上げなさいよ。上げなければ適合証明というのはやめなさい。単なるこれはうたい文句、言いわけにすぎませんよ。こんなもの国会の中に出してきて適合証明やりました、これで騒音がおさまりますというんでは、他の委員会ならいざ知らず、運輸委員会でこれよろしいというわけにはいかぬ。これは非常に重大な問題。そういう開銀を動員してでも措置がとれるということであれば、一番やかましいもの、これは騒音の総大将なんだ。昨年でしたかね、福岡へ行った、あのとき下で聞いていると、これはもうまさに騒音の王者ですよ。こんなもの通しては話にならぬ。そういうことであるならば適合証明というのをやめた方がいい。しかし法律効果を求めようといらならば万全の策、しかも無策じゃないもすでに開銀を動かしていると、こういうことであれば、そういう措置をとって、つまり改造可能なものが三年間ぐらいの経過措置があるならば、そういう経過措置の中でDC8も処理した方がいいんじゃないですか。それなら法律効果があるというふうに認めましょう。非常にこれはこの改正案の中の重要な問題点ですよ、こういうものに手をつけないで航空騒音は片がつかないというように私は思う。これはやや政治的な分野に属するんだが、運輸大臣どうですか。
#62
○国務大臣(木村睦男君) 騒音適合証明の問題でございますが、まあ法律というものはある一定の長期の期間にわたって、それによって安定性を保つというのが法の趣旨であるわけでございます。したがって将来のことも見越して法規制ということを考えて、法律を改正するなり、新設するなりするわけでございますが、同時にそれを現実に適合しようといたしますと、やはり生きている現実に対しては直ちに全部完全に適合し得るという背景でない場合もあるわけでございます。そういう意味で法律には経過規定とか、そういうものも設けるわけでございますが、この適合証明にいたしましても、将来にわたって騒音を減していこうということでこういう改正をしておるわけでございまして、これを現実の日本で飛ばしております航空機に適用いたしますというと、いま航空局長が申し上げておりますように、適合するものと同時に適合しないものがあるわけでございます。
 適合しないものの中の機材では、改善によって適合し得るものと、それから改善してもしようがないというものとあるわけでございまして、そこで改善できるものはなるべく短い期間に、しかも相当な資金等が要る場合には政府も手伝ってやってできるだけ早く改善する。しからば、その改善どうしてもできないものはどうするか、それもうやめちまえという議論にもなるわけでございますが、やめてしまえということはちょっとやはり現実には即応、実態には即応しない面もございますので、これは最小限度やむを得ないであろう、しかし機材を新しく購入するとかいうような場合には新しい基準に適合するものにするというふうなことでいかざるを得ないのが現実の生きた政治ではないかと、私はかように思うわけでございます
 したがいまして、そういうような三様の現実には適用の仕方になるわけでございますけれども、逐次そのマイナス面の方はなくしていって、全面的に将来に向かってはこの適合し得る機材だけにという方向へ持っていくのに若干の年数がかかるということは、これはどうもやむを得ないのではないかと。その間いまお説のようないろんな政府が手助けをする方法もございますので、これは十分今後研究をしていきたいと思いますけれども、現状はそういうふうなことからスタートせざるを得ないのであろう、かように考えざるを得ませんので、その辺はひとつ賢明な森中委員ですから、そう御理解をいただきたいと思います。
#63
○森中守義君 ちょっとやっぱり大臣ね、これは考えておかなければなりませんよ。なぜかといえば、いままで開発をされてきた機材は、航空国際社会の中で音が問題でない時代のものですよ。これがなお生き続ける。しかしこれから先というものは、音に対する異常にシャープな時代、したがって、これはいかなる機材の製造メーカーといえども、音に関心を持たない機材の開発はないと思う、これから先は。これはもう私は国際社会の常識だと思います。だから将来に向けて適合証明をつくるのだという一つの側面、わからないでもないけれども、恐らく百ホン以上出るというのは少ないのじゃないですか。まず適合証明を当てはめて、これにはみ出るというものは少ない、そういう認識を持つのが一般的な私は形式だと思いますね。むしろこれが必要なのはいままでのもの、中でもDC8なのだ、こう言っているわけです。だからこれを将来にかけていまから網を張っておくのだという見方は、やや現状認識に欠けているような気がします。あり得ないでしょう、恐らく。コンコルドであろうと何であろうと音がもう邪魔になって売れない、飛べない、つくれない、こういう状態です。音というのを無視して機材の開発というのは考えられません。
 だから言葉を返すようだけれども、将来に向けて網を張った、この面は多少大臣思い違いでしょうね。だから問題なのは、過去のものをどうするのかというのが率直に言って当てはまる。そういうことになりますと、改造できるものはいま中村航空局長がおおむね経過措置三年だと、こうおっしゃっているからそれを否定していない。技術上の問題ですから、適合証明できたのだから法律の施行の日からこれをやりなさいと言ってもこれはできませんよ。そのくらいの常識は私も持っている。しかし改造できないDC8はどうするかということになれば、同様に三年間ぐらいの経過措置を置きながら、かなり長期にわたる航空機の耐用年数がありますから、償却年数も高いわけだから、恐らく四十機近いものがこれから五年先か十年先か飛ぶでしょう、恐らくこのままほうっておけば。
 そういうことではなくて、大むね経過措置三年ぐらいの間に、改造できるのと同様な措置をとったらどうなのか、それには一切合財企業負担ということでなくて、開銀等の動かし方があるというならば、そういうものを考慮して措置したらどうなのですか、こう言っているわけで、ちっとも私は理屈に合わぬようなことを言っているとは思いません。これはひとつもう一回くどいようだけれども、その辺をはっきりしておきませんと、せっかく法律改正の機会に適合証明というのが出て、これはいいものだと思っておりながら法律効果が伴わないというのじゃ価値がない。それならば航空法改正なんて仰々しいことを言いなさんな、こう私は言っているわけなのです。これが第一点。いま一つは、この中で基準を設定する、それは省令に委任するのだ、こう言われておるけれども、省令はできておりますか、省令の案は。案があればそれをちょっと見せてもらいたい。本来であれば、これは法案審議の際に、政省令に委任しようという場合、国会に改正案を出してくる場合、この条項については政省令に委任をします、ついては原案がこういうものだと出てくるのが国会審議の慣例になっているわけだから、本来ならばそれを出してもらいたい。しかし、まだいただいた書類の中に政省令の案というものは拝見していない。これは何代前かの官房長に、法案審議の際にそういうようにしなさいよと私は注文をつけたことがあります。それは出してもらわなければ困りますがね。
 要するにこの基準は省令に委任をするということであれば、きちんとしてその辺の区別はつけてもらいたい。そういたしませんと、いかにも言いわけとして適合証明をつくりました、音のうるさい時代のことだから、法律上こういう文言をうたい上げておりますということだけにとどまったのでは、これはそういう内容を十二分に理解をさせる機会がないということかもわからぬけれども、少なくとも国会の審議の場において、単にうたい文句だけでしたよということでは、これは私ども院に議席を置く一人として、この航空法改正案に対して結構ですというわけにいかない。そういうことで私は申し入れているわけです。法律改正というのは法律効果を求めよう、こういうわけですから、経過措置は三年間、その間になさったらどうなのか、こう言っているわけなのです。もう一遍ひとつ改めて。
#64
○国務大臣(木村睦男君) お話は私もよくわかるのでございます。そこでDC8につきましては改造が現段階では非常にむずかしいということで、これは資金の問題ではなくて、むしろ技術的な問題が主になっておるようでございます。しかもわが国において今後こういう非常にきつい適用基準等をつくるわけでございますので、メーカー側におきましても相当改造のための研究もいたしておると思います。したがって、それからも十分にわれわれは監視しなければなりませんし、もちろん法律は制定公布と同時に一〇〇%その適用の効果を発揮するように努めなければならないこともよくわかるわけでございますが、DC8については、そういうふうな状況であるということを重ねて申し上げるわけでございます。しかしできる限り早く改造ができるようにいろいろな面で努力いたすことも考えておかなければいけないと思います。なお基準の省令につきましては、局長の方からお答えをいたしたいと思います。
#65
○政府委員(中村大造君) 私、説明が非常に足りませんで申しわけなかったと思うわけでございますけれども、このいわゆる騒音の基準でございますが、その基準はICAOの基準をそのまま採用する予定でございます。法律的には省令に委任しておりますけれども、省令で定めます基準そのものはICAOの基準をそのまま適用する、こういうことでございます。
 それから、すでにでき上がっておるものについての措置でございますが、これは先生の御指摘はもうまことにもっともだと思います。ただICAOで今回採用しております手法は、先ほども申し上げましたように、DC8とか727、737、というふうな、いわゆるその基準に適合しない機種は、ICAOにおいては初めから適用除外をしておるわけでございます。したがいまして、わが国の場合はそういう機種についても一応これを適用するということにして、そうしてそれについて改造が可能なものについて法的義務を課して改造をさせるということをいたしておるわけでございますので、ICAOの基準、世界的なレベルに比べますと、日本といたしましてはまだ不十分ではありますけれども一歩進んだ措置を法律的にとっておるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。それからDC8等のそういういわゆる古い機材を新しく更新いたしますのはこれはもう当然でございまして、現在開発いたしておりますDC10とか、あるいは747というものに順次更新をいたしていくわけでございますけれども、そういう新しい機材の購入につきましては、これはもう輸出入銀行等のいわゆる財政資金によりまして融資の道を開いて、そして新しい機材への更新を促進するということをいたしておるわけで、今後ともそれはさらに促進をしていきたいということで、全体的に決してこれが十分ではございませんけれども、将来に向かってのやはり措置ということと、さかのぼっての措置については現状においてできる限りのことをわれわれとしてはやってまいりたいと思っておるわけでございますので、何とぞ御了承をいただきたいと思うわけでございます。
#66
○森中守義君 これは大臣といい局長といい、この件はまことにどうも歯切れが悪い。私は率直に言って、そういう運輸省の物の判断というのが適当でないと思いますよ。どういうことかといいますと、たとえば機材を保有している企業、ここまで無理させると困りゃしないかという財務上の問題であるとか、あるいは事業計画上の問題、それはわからぬでもない、わからぬでもありませんよ。けれども、やはり今日の航空騒音というものがまことに大きな社会問題の一つであり、せっかくこういう法律改正をして適合証明を実施させる、こういうことであれば、やや及び腰でなくてもう少しやっぱり腰を据えた措置をとる必要があると思う。
 そういう意味でこれはひとつ、私は決して委員長、無理言っていると思いませんので、局長はおおむね三年間ぐらいの経過措置がある、こういう答弁だし、しかも私の聞いたところでは開銀が動員できる、こういう話も聞いておるわけですから、これひとつ後ほど委員長理事打合会で、もうちょっと責任者との間できちんと話をまとめてください。そうしないと、ただそれで適合証明というものを法律上つくりました、それはさっき申し上げるように将来をかぶせるものじゃない、いままでのものをどう措置するかというのがこの適合証明の法律改正の一つのポイントだと思う。私はそういう意味で、不十分だとは言いながら、もともと私はこの改正じゃだめなんだと、これは。前の前の運輸大臣がこれ一遍取り下げている。出しなさいとこういった約束もあったいきさつもある。だけれども、出されてきたわけだし、数年越し日の目を見ようというわけだからいいですよ、これで。いいけれども、その中の重要なポイントの一つです。それを余り明確な態度が表明されないまま適用除外、適用除外、飛ばせますという措置はどう考えてみても法律改正の趣旨に沿わない、そういう意味で、ぜひひとつ委員長理事打合会で責任者ともう少し話を具体的に詰めていただくようにお願いをしておきたいと思います。委員長よろしゅうございますか。
#67
○委員長(宮崎正義君) はい。
#68
○森中守義君 次にお尋ねいたしますが、たとえば航空交通管制区であるとか、あるいは航空管制圏であるとか、あるいはジェットルートであるとか、通航経路であるとか、訓練空域、試験空域、こういうものは現行法あるいは改正案の中に法的な根拠というものが残念ながら見当たらない。これ私は、たとえば雫石の問題など、その後民間機と自衛隊機の関係、空域の設定等非常に重要な問題、むしろこれは航空問題の最大の問題です。にもかかわらず、一体求めようとする法律の根拠はどこなのか、法的根拠ないんですよ、これ。どうしてこれが今回の改正の機会にこういう重要な問題が見落とされておるのか、まことに私は、そういう意味ではこういう重要な問題がこのまま法律の根拠を求めないというのは一体どういうわけかというわけで疑問を持つのですが、この辺の見解どうなんでしょうか。空域であろうと何であろうと、そういうものは法律の何条に規定しているかちょっと教えてもらいたい。私の見る限りないですよ。
#69
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘の中で、いわゆる空域という、空域という概念はここにはございませんけれども、管制区、管制圏、こういう概念は法律で明確にいたしておるわけでございます。しかもこの管制圏、管制区あるいは特別管制空域、こういうふうな概念を法律上明定いたしまして、その中でのいろいろな具体的な飛行方法というものについて厳重な規制を課しておる、こういうことでございます。
 ただ、いわゆる直行経路とかジェットルートとか、こういうものは確かにこの法律上に規定はございませんけれども、これはすべて管制上の技術的な方法に属することでございまして、私どもとしてはこれを法律に明定するということの必要性というのは必ずしもないんではないかというふうに考えておるわけでございます。
#70
○森中守義君 多少私も現行法を読んだつもりですがないんですよ、そういうのは。私の見落としかわかりませんがね。いまないとおっしゃったのはジェットルートのことですか、それとも空域のことですか。法律上現行法でうたい上げていないというのは。ちょっといま聞きそこなったんですけれどもどれですか。
#71
○政府委員(中村大造君) いわゆる空域とかジェットルートとか、そういう言葉はございません。ただ、いわゆる航空交通管制区、航空交通管制圏特別管制空域、こういうふうな概念はこの法律上に明定いたしておりまして、これがいわゆる訓練空域、訓練飛行、こういうものとのきわめて密接な関連を有するいわゆる概念でございまして、その点は今回の法律で明確に規定をいたしておるということでございます。
#72
○森中守義君 つまりジェットルートとか空域というのは法律の根拠にはない。けれども管制の範疇の中にそういうのをとらえている、こういう説明ですか。それでいいんですか。
#73
○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のいわゆるジェットルート、直行経路、こういうふうな概念はこれは法律上には出てまいりませんけれども、これはすべて管制上の、技術上の概念としてとらえておりまして、それは管制区または管制圏の中で管制上の手段として行うわけで、したがってこれは法律上の用語として出てまいらない、こういう趣旨のことを申し上げたわけでございます。
#74
○森中守義君 これは一つの意見になりますが、私は空域などというのはやっぱり管制上の範疇としてとらえていくのがいいのか、別個の定義を与えるのがいいのかということになると、どうしてもやっぱり物が物ですから一定の定義を与えて独立をした法律の根拠を与える必要がある。そういたしませんとすべて事航空業務に関する限り運輸大臣が専掌する。そこでたまたま防衛庁に何がしかの委任をするというようなことが常に問題になってくるわけですね。しかもそういうのが在来ニアミスであるとか、あるいは衝突事故であるとか、こういう問題のたびごとに、空域、ルートというものが非常に大きな問題になる、これはもう局長がだれよりも一番心配をされるところであるし、御承知のはず。
 だから今回、これはそういう意味でないにしても、やっぱり私はその空域とかルートというものは、きちんと一定の法律上の根拠を求めさせるのが、より合理的であり合法的であり現実的だと思いますが。なぜこれ出さなかったのかという責めじゃないけれども、やはり管制上の概念規定としてはあんまり適当でない、やっぱり法律上の根拠を持たすべきである。まあそれが運航者にとっても事業者にとってみても操縦者にとってみても、むしろすっきりしてくるんじゃないですか、そういう意味で、私は法律的な根拠はあるのかないのかという問題を提起したわけですが、これはしかし将来の問題として検討してもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
#75
○政府委員(中村大造君) 確かに御指摘のように、航空路という概念が航空法上あるわけでございます。で、それと若干類似した面もございますという意味で、このジェットルートというものがあるわけでございます。ただジェットルートというのは、もういわゆる高高度管制区の中での管制上の手段として、いわゆる飛行を認められるルートでございますので、私どもとしては、これはこの航空路というふうな法律上の告示行為が――というよりもむしろ航空関係者にどのようにしてそのジェットルートというものを周知徹底させるかという公示方法、そういうものの妥当性に重きを置いて考えておるわけでございます。これはあらゆる手段を講じて公示をいたしまして、周知徹底を図っていると、こういうことでございます。
 ただ御指摘のように、いわゆる法律的にそういうものを明定したらいいんじゃないかというふうな御意見も、これはまことに貴重な御意見でございます。われわれとしては、将来いろいろ空域の整理等も引き続き考えなければなりませんので、それとも関連して研究をさしていただきたいと思います。
#76
○森中守義君 研究をしようということだから、それでいいんですが、ただ問題は、たとえば横田であるとか、あるいは三沢であるとか岩国であるとか、これはいずれ早急に一切合財日本の空になる、またしなきゃならぬ、こう思う。そういうような時代を一応急がせる、待っているという、完全に日本の領空が完璧なものになった場合、やっぱり空のネットというのは法律上きちっと決めるがいいです。私は研究しようという、その意味合いの背景にあるものは、まだまだ横田であれ岩国であれ三沢であれ、完全な日本のものになっていない、そういうようなことなのだから、いまにわかに日本の全上空を完全なネットワークをつくるのは無理だという、そういう局長の配慮があるのかなという、多少一人よがりですけれども考えてはいるんです。しかし、これはひとつ真剣に考えてもらって、空域などについてはきちっと法律上の根拠を持たして定義を与えてくださいよ、これ以上は申しません、いま研究すると、こういうことだから。ぜひひとつそういうような方向で、いずれかの日にはきちんとしていただきたい、こういうように思います。
 柳田さん、お忙しいのに……。私はあなたの「マッハの恐怖」を拝見しまして、それ以来すっかりあなたのファンになっているんです。昨年の騒音防止法のときも、ぜひお越しいただいて、御高見を拝聴したかったんですが、機会を失っておりまして大変残念でしたが、非常によい機会を得ましたのでちょっとお尋ねいたします。先ほど私が申し上げた適合証明の問題ですね、お聞きのとおりですが、どういうようにお考えになりましょうか。それからいま申し上げる空域等の法的な根拠を私は持たすべきだという主張であります、当局の方では検討しようと、こういうことの状況ですが、どういうように思われましょうか。
#77
○参考人(柳田邦男君) 本日はこういう高いところから失礼いたします。
 私、航空問題の専門家ではございませんので、あまり適切なお答えはできないかと思うんですが、ふだん航空関係者の方々とのおつき合いの中でいろいろ伺っておりますようなこと、そういうような中で私なりに考えていることを述べさしていただきますと、第一点の騒音問題に関しまして、これは私、特に航空に関して、安全問題に関してはいろいろと調べものなどをしておりますが、騒音に関しましてはまだ不十分な点がございまして、大変苦手なんでございまして、その点御要望にこたえられなくて残念でございます。
 ただジェットエンジンの騒音防止対策について、技術的な開発がマシンの面と、それから運用の面と、両方の側面から非常に大きな努力が払われているということについてはいろいろと知っております。で、それにつきましては、たとえば今回の目指しております運輸省の決める基準というものに合うエンジンと合わないエンジンと、そういうものがあるということは何を意味するかというと、つまりそれだけ新しいエンジンは騒音対策が進んでいる、技術的な改善が進んでいるということであって、技術的なある可能性を示すものではあると思うんですけれども、ただそこに当然経済性というものが結びついて、直ちに古い機種のエンジンをかえることの困難性とか、いろんなことで、恐らくその基準の適用という面でいろんな問題が出てくるのだろうと思うわけです。
 その辺の問題につきましては、私は専門家が考えて、ICAOよりも前向きの姿勢でおやりになるんだろうとは思うんですが、しかし技術的な可能性がある以上は、そういう方向で古い機種についても積極的に努力すべきであるという点については、これはどなたも意見の一致を見る点ではないかと思うんです。それは先ほども申しましたように、経済性との関係でどうかという点でいろいろ議論が分かれるんだと思うんですが、そこはぜひ行政という立場では積極的に進める方向で御検討いただければということなんでございます。
 それから騒音の運用面に関しましては、最近非常に航空各社とも積極的に努力をされていて、たとえば進入方式に関して二段階方式であるとか、あるいはアメリカにおいて開発されているいろいろなアプローチの方法についての研究、調査、派遣、あるいはそれの国内における研究というものが前向きの姿勢で行われている。それによって、たとえば具体的な数字はいまちょっと覚えておりませんが、たとえて言うなれば、五十万人が被害を受けるところが十万人で済むとか、そういったよりベターな方向で改善する道もまたあると、それがトータルにすべてを解決する道ではないにしても、徐々の改善の道ではあるという意味で、そういう点を積極的に、つまり運航上の改善によって、さらに先ほどの技術的なマシンの面での改善でカバーしていって、それで相和してよりよき方向にいくという面を企業が努力をしている、また運輸省もそういう面について当然指導すべきではないかというような、そういう一般的なことしか私には言えないんでございまして、その適用基準の詳細なあり方については、ちょっと不勉強なもんでございますから、以上の点で終わりたいと思います。
 それから第二点の管制空域の問題でございますけれども、当然これはジェットルートの問題というのは昭和四十六年の雫石の事故のときにそのあり方が問題になりまして、実はその当時、非常に驚くべきことには、航空路というものについて世間一般あるいは航空関係者の中でさえ明確な認識がなかったという実態を伺って、大変驚いたのでございます。といいますのは、ジェットルートを航空路と勘違いをしているような人が非常に多かったということでございます。
 それが非常に歴然としてきたのがあの雫石の裁判という過程において関係参考人、証人として法廷に出ました方々、それは運輸省あるいは航空会社、さらには防衛庁側からたくさんの証人が出てこられて、そこでジェットルートというものはいかに解釈し、どういう運用であるかということについてたくさん証言がなされましたけれども、そういう証言を見ますと、非常に考え方というものがまちまちであって、自分にとってある意味で都合のいいような解釈、有利な解釈をしがちであり、またしてしまうというような傾向があるんではないかと思います。といいますのは、法に明確な規定がないがゆえに、つまり技術的な運用上での管制技術上の規定であるがゆえに非常に不明確な部分がある。ですからそういうジェットルートに対する侵入、侵犯のような事態が起こった場合に法的にどういう責任なり、あるいは罰則規定が加わるのかというような点について必ずしも明確でない。非常に一般的な安全義務違反のような形でしか処理できないというような部分がある。空域の問題についてもやはり類似のことが言えるんではないかというような気がするわけです。
 そういった点については当然、今後施行の面、現在審議されております法ではそういう点について必ずしも明確でないがゆえに当然、先ほど運輸省側から御説明がありましたように、施行上においていろいろと研究されていくんだろうとは思うんですが、しかし、基本的なありようとしては、やはりしっかりと明確にする、法と同じぐらいのレベルで明確にしないといろいろな面で運輸省自体がお困りになる点があるんではないかというような気がするわけです。といいますのは、航空法で法というレベルで決めるかどうかということが、運輸省がどの程度ある意味でリーダーシップをとれるかどうかということにかかわるんではないかというような気がするわけです。施行段階でいろいろと細かく決めていくとどうしてもそれは省内のレベルの問題でありまして、運輸省と防衛庁とか、あるいは運輸省と米軍とか、いろんなそういう非常に高いレベルの問題があったときのリーダーシップがどの程度とれるかということについて若干疑問があるような気がするわけです。
 雫石の事故以来この空域とかジェットルートの問題というのがたくさん議論されたわけですが、同じようなことは航空の問題では先進国であると言われるアメリカにおいても、すでに一九五八年だったと思いますが、アメリカでやはり民間機と訓練中のジェット戦闘機が衝突した事故がございまして、そのときアメリカはDC7プロペラ四発の時代でございましたけれども、DC7とF100Fというジェット戦闘機がそういう民間の空路上で起こって、それで大事故になったということでございまして四十九人ほど死者を出しております。そのときにアメリカでも大変本来の航空路と軍の空域、あるいは訓練空域の問題、あるいは飛行制限の問題そういったことが大きな問題になりまして、いろいろ積極的な対策がとられたわけです。しかし、それでも先進国と言われるアメリカでさえも必ずしも十分な対策がとられたわけではなくていろいろの盲点があった。
 その結果、実に一九七一年の六月ですが、ロサンゼルス郊外でDC9ジェット旅客機ですが、これとファントムが空中衝突を起こして全員死亡というような事態が起こっているわけで、対策というものはその事故が起こったときによく叫ばれて、いろいろな面で安全対策がとられるわけですが、やはり相当万全を期さないと、相当積極的かつ網羅的になさないと、また再びそういう精神が忘れられ、のど元を過ぎれば熱さを忘れると言いますけれども、そういう盲点からいつか何かが漏れて再び大きな事故が起こるということは、そういった先例が示しているとうりでございまして、そういった意味から十分な御検討をお願いしたいと思う次第でございます。安全の一般につきましてはまだいろいろございますけれども、とりあえず御質問に受けました点につきましては、そういう考えでございます。
#78
○森中守義君 時間が余りありませんから先に進みますが、現行法の中で航空運送事業というのがとらえられているのは、言うまでもなく七章の百条、それから百六条の中で運送約款を大臣が認可をする、大体この程度なんですね。そこでこの航空法というのが昭和二十七年ですか制定は、この当時一般的に航空運送事業というものが非常に後発的なものであるとされていた。この時代はおおむねこの程度のとらえ方でよかったと思うのです。ところが現実的な今日の状態を見ますと、どうもやはりこの程度のものでは非常にむずかしい。たとえば百六条で運送約款を大臣に提出して大臣が認可を与える。間接的に国が航空運送事業を社会に向かって約束させてはいるけれども、これはあくまでも各社の約款を通じたいわゆる利用者との約束事でやっている。余りその辺に権威がない。権威ないという言い方になると、いささか異論も出てこようかと思いますがね。
 そこでどちらかというならば、免許条項というものが現行法の中でとらえられている最大のものですよ。しかし、ここまでいわば社会的に航空事業というものが非常に大きな比重を持っているということになりますと、一体航空事業は社会に対してどういう地位にあるのか、どういう立場にあるかということを、これまた正確に定義を与えておく必要がある、こう思うのです。どこにもそういう意味では定義を与えられていない。この前たしか衆議院の運輸委員会のようでしたが、大臣がややそういうようなことで一定の定義的なものを与えられたような議事録は残っている。しかし私は、もうここまで日本の航空産業というものが発展をしてくると、先発後発というそういうような時代でなくなってきた。明らかなに大量輸送の公共性を持つ機関である、そういうきちんとした定義をこの際は与える必要があろう。
 具体的に言うならば、航空法の中に改めてそういうような運送事業としての地位を与える条項設定をするか、さもなければ、こういう条項を抜き取って新法の制定をやるか、こういう措置がもうそろそろとられてもいいんじゃないか、こう思うのです。そういたしませんと、後でこれは触れますけれども、いま通交税を取っているのは国鉄のグリーン車と、それから船の特別室、こういうものがいわば奢侈性の強いということで通行税が取られている。飛行機は全部通行税取られているのですね。これはやはり定義の与え方が正確でない飛行機はぜいたくなもの、飛行機は特別な者が乗るもの、こういう認識に私は出発していると思うのですね。これ定義を与えますと変わってきますよ。したがって、いまの通行税の問題等後に回しますけれども、要するに航空運送事業に対してもう少し正確な位置づけを法律上やっておく、航空事業と社会との約束事を法律でなさしめるという、そういう見解はお持ちになりませんか。
#79
○国務大臣(木村睦男君) 各種の交通事業というものが国民生活の中でどういう評価を受けるか、また社会的にいかなる位置づけを持つかという問題は、これはそのときどきの社会情勢なり、あるいは国民生活の状況に応じて変わってくるものであろうかと私は思うわけでございます。御指摘のように、航空事業というものがわが国におきましては、交通機関の中ではまさに奢侈的なものであるという位置づけを従来はとられてきておったと私もそれはそう思うわけであります。しかし最近の国民生活の向上、わが国の経済の発展等を経過いたしました現状では、かなりこの奢侈性という見方が薄らいで、大衆化というところまではまだ一歩という感じはいたしますが、国民の実生活の中に必要な交通機関としての位置を次第に強く占めてきておるんではないかと思います。そういう意味におきまして、航空交通機関というものがいかにあるべきかということは、あるいは事業法の中で明確にする必要があるかとも思うわけでございます。で、前々から森中委員の御主張の、この航空法の中において航空安全あるいは飛行場の整備等もろもろのそういった航空運航の機能に関する面と航空事業とを同じ法律の中で包括しておるところに無理があるんではないかという御指摘があります。私もそれは非常に貴重な御意見だと思っておるわけでございます。
 しからば、なぜ今回の改正においてそこまで思いが届かなかったかということでございますが、実は、申すまでもございませんが、雫石の事故にかんがみまして、緊急に交通安全の面を一刻も早く法律改正によって整備をしようというのがそもそもの今回御審議をいただいておる航空法の改正案の門出であったわけでございます。それが今日ようやくこうして御審議を得るということになっておりまして、当初から、実は国会の審議が三年先だということであれば、私たちはまあ要するに全面改正という立場で検討をいたしたのでございますが、いきさつがいま申し上げたようないきさつに端を発しておるわけでございますので、今回はこれでひとつ安全面ということに重点を置いた一部改正で日の目を見せていただきたい。同時に、その間三年の期間も経過をいたしております。また、これから先刻々航空情勢というものも変わるわけでございますので、その実態に合うように航空法全体にわたって再検討を続けていく考えでございますし、その考えの中で、いま御指摘のような問題についても十分配意をしていきたいと、かように考えているわけでございます。
#80
○森中守義君 余り大臣、寝た子を起こすようなことを言われると、ますます議論は広がりますがね。これは、さっきちょっと申し上げましたように、何といっても、結果的に見ますと、世論鎮静というような、そういうことがどうしてもやっぱりいまになると感じられる、内容よりもね。私は前々から言っているように、運輸省の中に航空制度調査室というものがつくられている、検討委員会というものができ上がっている、やめた何某という次官か検討委員長になっておられる、各界各方面に法律改正のための意見を徴している、相当分厚いものが出ておる、非常に貴重なものですよ。そういうものが実際の改正案の中に入ってきていないんです。その出された意見の中に値高いものがあったのかなかったのかという、そういうはかりにかけられた結果であるにしても、しかしながら、幾つか重要な問題がやっぱり積み残されている。三年間、故意に意識的にたなざらしになっていたんじゃない。それなりの経過と由来があるんですよ。
 しかし、この際ひとつ片づけようじゃないかということと、航空局長の努力によってここまでこぎつけてきたわけですが、余りそれは、その辺のことを強調されると、少しまたむずかしい議論のやり合いになりますから言いませんけれども、問題はあれじゃないでしょうか、いまの航空事業というものを、時々変化する時代の中に、それに対応して右や左にいくもので私はあってならぬと、こう思っております。やっぱり社会的に責任を持つ事業、それならばそれなりに一定の個性を与える、固有の性格を与える、社会的な地位、責任を明確にしておく、これは私は各社が固有に持っている、運送約款じゃだめだと思うんです。やっぱり法律のこれまた根拠を持たなければ意味ないと、こう思うんですよ。そのくらい航空事業というものは、いわば人命を預かるわけですから、もっとやっぱり尊重しなきゃならぬと、こう思うんですね。ちなみに、六十年段階でいま運輸省の試算では、大体五千四百万人ぐらいの需要の予測をつけているでしょう。これが当否は別としまして、そういう予測をつけるということは、何としてでもまさに大量輸送手段、そういう公共性の強いものだという、これは私は変わりないと思うのですね。これをどういったように位置づけ定義づけるかというのがむしろ発想の出発点でなくちゃならぬと、こういうように私は考える。
 ですから、そういう意味では現行法改正案の中にないわけですからね。これはもう事むずかしい免許条項、約款の許認可はこれにとどまるものでなくて、もう少し正確な意味合いのものを、法律、これをあずかる国、その責任の上において天下に宣言をしておく必要があるんじゃないだろうかと、こう私は言っているわけなんだが、いまの大臣の答弁じゃちょっと物足りません。それは意見が対立したなら対立、そうしても構いませんがね、どうお考えになるか、もう一回お答え願っておきましっう。
#81
○国務大臣(木村睦男君) 別に私は意見が対立しておるとも思っておりませんですが、お話はよくわかりますので、今後この航空法の全面的な見直しの段階で十分研究をさしていただきたいと思っております。御趣旨はよくわかります。
#82
○森中守義君 どうもいつものことながら、検討、研究で何年も長いことたってしまいますので、余り私も気の長い方でないので、時にはひとつきっぱり言い切った方がいいですよ。
 柳田さん、いまのことあなたどうお考えになられますか。つまり第三者として、航空評論家としてずいぶんお詳しい、この辺の研究もなさっておられるだろうから、どういうふうにお考えになりますか。
#83
○参考人(柳田邦男君) この提案趣旨の中に、航空法の趣旨としまして、航空の安全と秩序を維持するための基本法というのがこの法の大前提といいますか、大きな目的になっておるわけでございます。そういう意味で、安全という観点から私ちょっと考えていますことを申し上げたいのでございますが、航空機ぐらい恐らく今日の技術の発展進歩の目覚ましい、日々これ変わっていく交通機関というのはないんではないかと思うわけであります。ちなみに、わずか十年間、昭和四十年と昭和五十年、今日を比べた場合に、昭和四十年、当時やっとボーイング727が飛び始めたころでございます。まだフレンドシップとか、あるいはプロペラ機などが中心になっておりまして、ジェット機といえば727がようやく飛び始めた。もちろん国際線はDC8が飛んでおりました。
 しかし今日、わずか十年を比べてみますと、727やYS11はもはや退役の段階に入っております。そしてエアバス、超大型機が主力になりつつあるんでございますが、わずか十年でこんな変わりようをする分野というのは恐らくほとんどないんじゃなかろうかと思います。そういう中で、法といういわば非常に息の長い期間を前提にして安全を守っていく、あるいは運航のありようを決めていくというようなものは非常にむずかしい立場に置かれているんではないかと思うんです。それだけに法のつくり方というのはまたむずかしいだろうと思うわけでございます。
 で、この航空法ぐらい恐らく今日の技術進歩というものを考えながら、よほどうまくつくらなきゃいけない法律はないんじゃないかというような気がするわけでございます。そういったものの裏づけとして具体的なデータや資料はございますが、きょうは時間が余りございません。たった一つの例をちなみに申しますと、エアバスというのは大変大きい飛行機でございます。大きいということ自体が事故になるという大変、そんなことがあるのかと思うようなことが現実に起こるわけでございます。それは一例を申しますと、一九七三年の十二月二十七日ですが、アメリカのボストンのローガン空港というところにイベリア航空のダグラスDC10、エアバスの一種でございますが、これが着陸に失敗して擱坐いたしました。といいますのは、滑走路の手前に進入灯のライトがついておりますが、そこに車輪をひっかけまして胴体着陸の形になって挫滅をして、ちょうどあの巨大な胴体がサツマイモを二つに割ったような形になりまして、大変大きな事故になって車輪が折れる。幸い火災が発生しなかったので死者は出さなかったわけでございますけれど、脱出の大混乱になりまして、何百人というお客さんが乗っておりましたが、それで十数人の重軽傷者を出したわけでございます。
 これは一見、死者や飛行機の火災がなかったのでほとんど日本では報道されておりませんでしたけれど、その間に大変大きな問題が含まれていると思うんでございます。そのファイナルリポートが最近、私の手元に入りましたんでよく読んでみたんでございますけれども、つまりどういうことであったかといいますと、進入直前においてオートパイロットから直前の機首の引き起こしというものは操縦士がマニュアルでやるわけで、その切りかえた瞬間に大変不幸なことが起こった。といいますのは、そのときに天候状態が余りよくなくて、気流の乱れがあって、専門的にはウインドシェアと言いますが、風向風速があるところでちょうど小さな前線のような形になっていまして、追い風だったのが瞬間とまって徴風の向かい風になったというような、そういう感じの状態だったわけであります。そのために、いままで追い風で通常の進入コースに乗っていたDC10がその着陸寸前の段階、高さ二百フィートぐらいだったと思いますが、二百フィートといいますと六十メートルぐらいのところ、もう着陸寸前でございます。そのときにちょっとしたウインドシェアがあったために追い風が向かい風になったためにスピードがブレーキされて若干機が沈むわけでございますね。通常のルートより沈むわけでございます。
 ところがオートパイロットというのはそういうのに敏感に反応しまして、直ちに機体のコースを修正をいたします。ところが修正はしたんでございますけれど、ちょうどもう着陸寸前、操縦士がマニュアルで引き起こしをするためにオートパイロットを切ったために、オートパイロットの修正プラス今度は人間系に変わった段階において、操縦士が能力的にそういう急激な変化に対して対応できなかった。これは注文すること自体が無理なのでございまして、これは操縦士の能力が敏感でなかったとパイロットミスにすればそれまでの話なんでございますけれど、まあそういうことがありまして、それで飛行機というものが予定のコースよりも着陸寸前において沈んだわけでございます。沈んだために車輪が進入灯にひっかかって滑走路の一番手前に胴体着陸して挫滅したというようなこと。
 これは一見何でもないことのようでございますが、DC10というのは高さが十七・七メートルございまして、つまり腰の高い大きい飛行機でございます。これはジャンボすべてでございます。DC8に比べると五メートルも高くなっているわけでございます。ずうたいが大きいがゆえに、DC8であったならば恐らく車輪を進入灯にひっかけずに済んだであろうという事故であったわけでございます。ところがDC10であったがゆえに車輪をひっかけるという、つまり全く従来と同じようなISLアプローチとマニュアルに従って進入していったところ、飛行機が大きかったがゆえに事故になったという、典型的な、今日の大型化時代の中にひそんでいた盲点というものをそこでさらけ出したというような形になったわけでございます。
 それに対して、アメリカの事故調査機関でありますNTSB、国家交通安全委員会という組織はたくさんのリコメンデーション、つまり勧告でありますが、勧告を出しております。で、勧告の中にはそういった微妙なウインドシェアのような気象の変化というような情報を刻々管制塔はパイロットに対して伝達する必要があるとか、その他もろもろのたくさんの勧告をしております。しかし振り返ってみますと、その中でNTSBでさえも余りはっきりは申してなかったのは、大きかったがゆえに事故になったということは申しておりませんが、しかし、これは航空専門家のどなたの意見を聞きましても、それはDC10であったがゆえの事故であるという点は免れ得ないというようなことです。何もDC10だから悪いという意味ではなしに、大型化一般に伴う一つの問題であって、それは盲点であろうと思います。
 それで、この進入時のそういったマニュアルとか安全の基準の決め方というような、そんなところまで法律で決めるわけにはいかないのでございます。大きくなったらどうするかというのは全部それは運用の問題でございます。これについてアメリカでもいろいろと細かいそのISLアプローチのエアバスについての運用は変更をしたりして安全を期するようにしたようでございますけれど、まあそういった情報を運輸省当局がどういうふうに処理されているか私は存じ上げないのでございますが、まあこのように技術の進歩に伴って従来では何でもなかったと思うようなところが、意外にばかばかしいところで発覚して事故になるというのが大方の例ではないかと思うので、まあ類似の例はたくさんございますが、一例として申しますならばそういうことで、何もずうたいが大きくて、その進入時をどうするかということだけ変えれば安全になるというようなことを私申しておるのじゃございませんで、ほんの一例として申し上げたのでございます。
 そういうことを考えますと、この安全維持という法の大目的を達成するためには、恐らく三つの分野で努力が必要ではないか。それは三分の一は法そのものの基本的なありよう、そういう技術の変化に対応できるだけのフィロソフィーに基づいて十分つくられているのかどうかということ。それから第二には、そういったものを運用するための政省令あるいは運輸省規則、そういったものがどういうふうに具体的に決められるのかということ。さらに第三に、もう一つ三分の一の責任というものは、それを現場において監督、検査に当たる行政の立場あるいはそれを運用する航空会社あるいは運航担当者、オペレーター、そういったものがどういうふうにそういうものを上手に運用していくかという問題、この三者三様相またない限り、今日の急速な技術の進歩についていけるだけの安全性維持というのはできないのではないかというような気がするわけであります。そういったことから翻って法のありようというものをもう一度検討する必要がございますでしょうし、それから運輸省の政令、規則のたぐい、そういったものは日々これ技術の進歩に応じて再検討というものをしていって万全の措置がとられているかどうかというものを検討する必要があるのではないかというような気がするわけです。
 で、少し詳しい話になって恐縮でございますけれど、先月末、羽田であるセミナーがございまして、アメリカの前の国家交通安全委員会の安全局長をやっておりましたジョン・ミラーさんという世界的な安全問題の権威者でございますけれど、この方が一週間にわたって非常に詳細なセミナー、レクチャーをやりました。航空関係者、運輸省の方もたくさん参っておりましたが、そういうセミナーがございまして、アメリカにおける安全の考え方あるいは危険性というものをどういうふうに区分けをして対策をとるべきかというようなことについて、非常に詳細なフィロソフィーと実例についての機上訓練も含めて勉強会があったわけでございます。
 私もそこに聴講料を払いまして参加したのでございますけれど、まあ簡単に言いますと、そのミラーさんのフィロソフィーというものはどういうものかといいますと、四つのMということを大変強調された。Mというのはローマ字のMでございますけれど、それはどういうものかというと、危険な諸要国というのは四つのMで代表される。それは一つはマンであり、人間系の問題でございます。ミスを犯すとか過ちを犯すというようなことでございます。それから二番目はマシン、飛行機の機械というものが安全につくられていなければいけない。で、それは非常にいろんな分野、もうエンジンからいろんな装置からたくさんございます。それから去年のパリで起きましたDC10のドアの問題、ああいう問題含めて、マシンの問題が重要である。それから三番目には、メディア――メディアというのは伝達手段。通信手段あるいは管制情報の伝達の仕方が悪いとか誤解をするとか、あるいは非常に交通混雑していて錯綜する。それから四番目にマネージメント、これは非常に重要なことだと思いますが、行政と企業においてそういう安全対策をどういうふうにとるかというようなマネージメントの問題。
 この四つのMが和合して初めて危険な要因というものを全部摘出できて、そしてそれに対する対応がとれるのである。これらが基本的な前提となって、そういう上でいろいろ危険な要因というものはどう改善していくかについてのリコメンデーションというものを一つのしかるべき行政機関が行っていく。アメリカの場合は国家交通安全委員会というのがそういう権限を持っていまして、それに対してFAA――連邦航空局が機体をやっていく。しかし、それはリコメンデーションがあったからいいというだけではなくて、その円滑な積極的なものがなければ意味がないわけでございますけれども、まあそういうものがミラーさんのフィロソフィーなわけで、現実にそういうものがアメリカにおいては実に年間、小型機のヘリコプターまでを含めた事故を言いますと、八千件ぐらいアクシデントやインシデント――小さな事故でございますね――そういったものを含めますと八千件ぐらいあるそうでございまして、そういうものを非常に綿密に大規模な要員を抱えているNTSBが調べまして、そういう中から積極的にリコメンデーションをやっていって安全への寄与をしている。
 翻って日本を考えてみますと、要するに日本という国は戦後大変技術的なおくれからほとんど外国の飛行機を買って使うということになっているわけでございます。アメリカあるいはイギリス――イギリスの場合は主としてロールスロイスのエンジンなんか中心になるわけでございます。自分でつくった飛行機ではなくて、どうしても外国から与えられた飛行機でございますから、事の詳細、問題点についてはどうしても見落とす部分ができがちでございます。アメリカにおいてさえ一つ一つの事故を洗い出すと大変たくさんな問題点が出てきて、それに対して膨大なリコメンデーションというものが刻々と出されて、そういう形で改善されている。
 ところが日本はどうしてもそういった与えられた外国製の、輸入物を使っている関係で、自主的なそういう危険性の発見というものが非常に少ないし、おくれている。むしろ同じ飛行機を使っているんだったら、アメリカに常駐の何か安全調査官でも置いて、そういうアメリカの実態調査をして、刻々と日本に情報を伝えれば、恐らく小さなトラブルや事故というものを未然に防げた例だって幾らだってあったろうと思われる。そういう前例もあるわけでございます。そういったことを考えますと、やはりこの法の大目的である安全維持ということ、そのためになすべきことというのは非常に多いし網羅的であろうと思うわけであります。今回の法改正というものは古い法律、昔からあった法律のいろんな部分について手直しを行っているという点で、その内容については私は特に問題はないと思いますし、それぞれ前向きの形で大変結構なことだと思うんでございますけれども、よりそういった急速な技術進歩に伴う今後十年なり二十年なりを見通したフィロソフィーの上に立って、この航空法というのはどういうものであるべきかというような、そういう観点からの抜本的な骨組み自体の何かつくりかえのようなもの、そういうものについてさらに検討する必要があるんではないかというような気がするわけでございます。
 それは当然、法をつくり直すということは全体のフィロソフィーなり骨組みをかえることでございますから、それは法の条文の作文上の変更だけではなくて、やはり施行規則なり運用の実態なり、そういうものを、広いバックグラウンドをとも連れにした大幅な前向きの安全対策というものを進める一つのバネであり、エネルギーになる問題にかかわることではないかというような気がするわけでございます。
#84
○森中守義君 少し改正案の審議からはずれますが、空港整備特別会計、このことに関連してこの機会に少しお尋ねしておきたいと思います。
 ことしの五月七日、航空審議会の財政小委員会が、正確に言えば特別着陸料を徴収するというこういう方針を出して、たしか大臣の手元にこれが届いたはずです。これはその後どういったような扱いになっているのか、ちょっとその経過を御説明願いたい。
#85
○政府委員(中村大造君) 特別着陸料の構想は、航空審議会のいわゆる財政部会でいろいろな御意見をちょうだいいたしまして、その報告をもとにいたしまして現在具体的な実施案を作成中でございます。それで大体成案を得つつありますので、できるだけ早く成案を得まして、これを航空会社、これは内外でございますけれども、に示しまして、大体夏ごろからこれを実施できるようにいたしたいと思っております。
#86
○森中守義君 いまのお話はね、すでにもうその財政小委員会が出した答えを航空審議会ということで大臣の手元に答申をしている。それを受け取っていま局長の言われるように八月ごろから実施に移すという方針で固めている、こういうような説明でしょうか、ちょっとその辺がよく理解しかねたんですがね。
#87
○政府委員(中村大造君) 航空審議会におきましては、いわゆる特別着陸料といいますか、そういうものだけではなく、要するに特別会計の財源問題すべてについて御審議いただくということになるわけでございまして、したがって当然その一部になるわけでございます。したがって、そういう航空審議会としての全体の財源のあり方ということについてはいまだ答申をいただいておるということではございません。ただその中に、いわゆる騒音対策費の確保という点から、五十一年度から発足させようと考えておりますいわゆる第三次五カ年計画、こういうものを待たずに、五十年度から騒音対策の充実を図るために何らかの財源確保を図る、こういうことからいわゆる特別着陸料という構想を考えたわけでございまして、したがって、もちろん特別会計の財源の一部ではございますけれども、特別着陸料構想だけについて航空審議会のいわゆる財政小委員会等をおつくりいただいて、そこで御検討いただいて、その報告というものは出ておるわけでございますけれども、まだそれが航空審議会全体の場においてこれを御答申としていただいておるということではございません。
#88
○森中守義君 大体わかりましたがね。結局その三次整備計画は五十一年度から、ただし騒音対策事業というものはことしから、こういうように区別をして考えていいんですね。そのための財源をこれに求める、こういう理解が正しいんですか。
#89
○政府委員(中村大造君) これは騒音対策はもう一日も遅延させることができない状態でございまして、五十年度から騒音対策費は相当な多額の経費を予算上計上いたしておるわけでございます。で、そのような財源の一部をやはり確保するために新しく特別着陸料というものを設定をしたと、あるいはしたいと、こういうふうに考えておるということでございます。したがって、これは五十年度からそのようないわゆる騒音対策費の一部を特別着陸料というかっこうで徴収するということでございますけれども、それを含めて全体的にいわゆる特別会計の規模、財源、こういうものをどうするかということは五十一年度以降の問題として現在検討を進めておる。そういう問題は当然航空審議会においていろいろ御検討いただくということになろうかと思います。
#90
○森中守義君 つまり第三次整備計画の初年度は五十一年度、騒音対策事業もそのカテゴリーの中でやっていく、事業それ自体も。ただし財源はいまから備蓄をする、こういう意味なんですか、ちょっとその辺がよくわからないけれども。
#91
○政府委員(中村大造君) 新しい第三次五カ年計画というものは五十一年度から発足いたしますが、その中に当然騒音対策というものは大きなファクターになるわけでございます。しかし騒音対策はすでにもう四十九年、五十年度から発足をしておるわけでございます。現に五十年度は大幅な騒音対策費を計上いたしておる。したがって騒音対策事業については、当然これは五十一年度からの第三次五カ年計画の大きな柱でございますけれども実態はもう五十年度からスタートしておると、こ
#92
○森中守義君 そこで特別会計の計上された六十五億の予算、これは全く新規財源を求めなければいかぬというので約一千万人から、六十六億を一千万人で割って一人当たり換算したものが六百円の上積みと、こういう計算を私なりにしてみたわけなんだが、これに違いありませんか。
#93
○政府委員(中村大造君) 五十年度に予定いたしております六十五億、これを旅客一人当たりで単純に計算いたしますと約六百円と、こういうことになります。
#94
○森中守義君 一千万人とした場合ね、それで推定しているんでしょう。
#95
○政府委員(中村大造君) そうでございます。
#96
○森中守義君 そうなると、昨年の九月の運賃改定で幹線が三〇%、そうでしたね。それからローカルで三五%、横に切って二九・三%昨年上げられた。今回六百円がさらにこれに積み上げられるとどのくらいのアップになりますか。おおむね六%から七%の幅だと私は計算しているんだが、計算したことありますか。
#97
○政府委員(中村大造君) 約五%程度になろうかと思います。
#98
○森中守義君 昨年の三〇%、三五%、二九・三%平均の場合に、利用者の推移はどうなっておりますか。つまり料金改正をする前と、その後のまあ落ち込みというのか、落ち込まないでずっと上昇しているのか。利用者の推移はどういう状況になっていますか。
#99
○説明員(山元伊佐久君) ただいま先生のお話の運賃値上げをした際の旅客の推定でございますけれども、昨年の旅客の伸びは、大体平均いたしますと八%ぐらいの伸びになっております。これは運賃値上げを認める際には、大体十数%程度の伸びがあるというぐあいに想定していたわけでございますけれども、実際は運賃の値上げのために、ある程度弾性値が下がりまして、結果的には七、八%の伸びにとどまっているという実情でございます。
#100
○森中守義君 そこで聞いておきたいには、つまりPPPの原則、すなわち公害基本法であるとか、あるいは航空機騒音防止法――汚染者負担の原則ね、これは利用者も汚染者の原則の中に入るものだろうかどうかというところに私は疑問がある。つまり空港設置者、これを利用している航空企業者、まあ大体ここまでがおおむねPPPの原則にはまるものだと私は理解します。これを利用するものが間接的な意味で拡大されていいものかどうなのか。この財政小委員会の結論というものは、まさにそこまで拡大をした、そういうことになりますと、これはどう考えてみてもPPPの原則というものは非常にふくれ上がってきているというように思うんです。私は元来やっぱり直接の原因者が負担すべきものであって、乗客までこれを拡大してかぶせるということは、いささか飛躍しているんじゃないのかと、こう思うんですが、その辺の見解はどうなんですか。
#101
○説明員(山元伊佐久君) ただいまの問題でございますが、そういうPPPの原則によりまして騒音対策事業を実施いたした場合には、当然それが第一義的には公害基本法によりましても、騒音対策防止法によりましても、第一義的な原因者であります航空会社が負担すべきことは当然であると思います。その意味におきまして、国が実施いたします騒音対策事業費の財源を航空会社に求める、そういう趣旨で国が航空会社から特別着陸料という形で徴収する形になっているわけでございます。
 しかし、この問題の性格は、当然そのために航空会社の運航コストの増加ということにつながるわけでございまして、航空審議会の財政小委員会におきましても、その運航コストの増加を何らかの形で利用者に転嫁することはやむを得ないという思想に立っているわけでございます。それでPPPの原則は私どもが承知している限りにおきましては、国がそうした問題について直接助成をしたり、あるいは費用の負担を行うということは避けるべきであるというのが基本的な思想のように伺っているわけでございます。それでこの財政小委員会の報告書におきましても、エアラインとして、企業みずからの努力において吸収すべきであるけれども、もしそれが不可能な状態の場合には、それは他に転嫁することもやむを得ないという趣旨のことを述べられているわけでございます。
  〔委員長退席、理事前川旦君着席〕
#102
○森中守義君 それは部長、意味はわかる。ただこの際はっきりしておかなければならぬのは、やっぱりPPPの原則というのは、空港建設をした運輸省、これを利用する航空企業、これがやっぱりPPPの原則の枠の中にあるんですよ。ところが実際問題としてそういう理解をしながらも一千万の利用者から六十五億の新規財源を求めたい、そこで割っていけば六百円、企業はまた直ちに運賃改定の申請してくるであろう、これを抑えるならいい、抑えますか。在来抑えられたためしがないんだな。これは過去の経験に徴してみても、ぴっと料金を六百円かぶさってくるから、申請が出てきたんだが認可いたしません、こういう方針を貫くならいいですよ、貫けていないから、出てきたならば、結局利用者にかぶせるであろう、ここに一つのやっぱり問題がある。これを援用して物を言うならば、結果的に利用者もPPPの原則の枠の中に実はとらえられている、こういうことになるわけなんです。そこで汚染者負担の原則とは何なのか、PPPにはまるのはどれとどれなのだという答えはそれでいい。しかし現実にはそうはいかない、いかないから利用者もその枠の中にはまるんだという、こういう実は立論になってくるわけです。だから、ここで大臣と局長の方で申請出てきても抑えますよ、六百円上げませんと言明するならこの話は一発で終わっちゃう。在来の経験に徴してそういうものがなかったというところに危惧の念を持つわけなんですよ。だから財政小委員会がどういう答えを出そうとそれは構いませんよ。建設者である運輸省、直接使って何がしかの収益を上げるエアラインが負担をいたします、これならりっぱなものだ、利用者には何のかかわりもないということで物事が済むならそれで結構。その辺をひとつはっきりさせてもらいましょう。
#103
○政府委員(中村大造君) やはりこの特別着陸料ということで航空会社から徴収することになりますと、先ほどから部長が申し上げておりますように、運航コストの上昇を招くということでございまして、航空会社の経費の一部としてこれを見ないわけにはいかないんではないかというふうに考えております。これを運賃というかっこうで見るか、あるいはこれを乗客に転嫁する場合に、特別の料金というかっこうで見るか、これはいろいろ議論の分かれるところであろうと思いますけれども、とにかくどういうかっこうにいたしましても、五十年度で考えますと平均六百円程度になろうと思いますけれども、これを乗客に御負担いただくというかっこうで徴収し、将来それによってそうした対策を推進していくということにならざるを得ないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#104
○森中守義君 これは局長、いままでの特別会計の歳入の状態からいっても本当に問題なんですね。たとえば空港整備費でしょう、それに航行援助施設利用料、それと着陸料、これにプラス今回の特別着陸料。いままでのものを見ても援助施設料、着陸料というのは実際問題として利用者にかぶさっていますよ。それはあれでしょう、運賃改定の申請のファクターの中に重要なこういうようなものが入っているわけだから。今度一人当たり六百円という計算もこの中に入っている。恐らくいまのエアラインがこんな持ち前のものを持ち出して払いますということにはならないね。かなり過大なものを払っていると、こう言っているわけだ、いまでもその三社については。そこで一つの悩みが出てくるのは、入れ物は大きくなった、しかし出ていくものが大きい、これじゃたまらぬというわけで、必ずまた申請出てきますよ。断われない、断わるのはいいけれどもできないというようなところにやっぱりこれは問題がある。
 だから幾ら表向きにPPPの原則は守りますと、こう言ってみてもそうはいかない、そこが問題な問題を、もう一度この際私は新たな観点から議論をしておく必要があると思う。
 さっきちょっと申し上げましたね、つまり航空事業に定義を与えろというのは、それを私は言ったつもりなんですがね。国鉄のグリーンカー、船の特別料、これは通行税を取られるわけだ。飛行機は全部それを取られているわけだ。つまりグリーンカーも特別室も奢侈性の強いものとして通行税を取っておる。同列に並べられている。
 大蔵省に来てもらっていますが、これはやっぱり問題なんですよ。だから航空事業をどう見るのか、つまり大量の輸送手段として位置づけるならば通行税を取る必要がない、もっと軽減できるわけだね。別なものとして見ているものだから通行税を取る。これはひとつ両方の関係なので、通行税をなぜ飛行機から取るのか、その辺ひとつそれぞれから最初にお答えを願いたいと思う。
#105
○政府委員(中村大造君) 通行税は、これは大蔵省の所管でございますので、なぜ取るかということを私の方から責任のある答弁はできないわけでございますけれども、やはり従来からの交通機関、これは海陸空の交通機関というもののそれぞれの態様、位置づけ、こういうものから考えまして、航空について通行税を取るということが実態に即しておるという観点から現在その制度が行われておるというふうに私は考えております。
#106
○政府委員(田中敬君) 主税局でございませんので正確にはお答えできないと存じますが、通行税は当初グリーン車とか寝台とかそういうものだけでなくて、一般的に交通の通行に関してかけられた時代がございました。それがだんだん課税対象が減少いたしまして、いまではグリーン車と私の記憶では寝台料金、それと航空機というふうなものが残ったと記憶いたしておりますけれども、その残っていく過程では、森中委員がおっしゃいましたように、奢侈的なものという形の観念で残ってきたものと思います。
 そういう意味では、先ほどから御議論がございましたように、これだけ航空機輸送というものが大量交通手段になった段階で、当初の発想がよかったかどうかという点には問題があろうかと思いますが、主税当局におきまして、いまどういう観点からこれを取っておるかという事柄につきましては、私からちょっと申し上げられませんので、お許し願いたいと存じます。
#107
○森中守義君 困るな、大蔵省にそうみんな逃げられたんじゃ。局長ね、これはもともと何か運輸省と財政当局との間に、四十六年に第二次空港整備計画を出発さした、そのときから特別会計は始めているんですよ。そのときに通行税に見合う分として一般会計から入れますと、何かこういう約束があったというんだね、それを大蔵省が守らないから結果的にかぶさっている、こういうふうに私は経過的な話を聞いたことがある。これも実は妙な取引みたいなものだったと思うんですよ、理論的にはね。
 いまのように非常に航空企業が――航空企業というよりも航空事業が従前から質を変えているわけだからね、だから、もともと私は通行税などというものは取るべきでないと。もはや大量輸送手段の担い手ではないかと、こう考えると、通行税はとにかく取りなさい、その見合い分としてこの特別会計に金を入れましょうという約束ごとに始まったと言われるこの措置がどうも適当でないと、こう思っているんですよ。要するに、その見合う分として一〇〇%来てないから結果的に超過負担になってきている、こういう説明がどこに行っても聞かされる。だからそういう過去の経緯は経緯といたしまして、この際通行税は外しなさいよ、これからひとつ。これはどう考えてみても第三次整備計画をこれから始めてかなりの財源が要るでしょうね。そういう新規財源の措置のために次から次にこういったような措置をとってくるということになると、これは大変ですよ。まだ、これ一般消費者物価に与える影響がどうだこうだということで、公共料金の値上げ反対というそこまでの拡大したものでないにしても、いずれやっぱりそういう段階に来るのじゃないですか。そう思うと、これは一千万の利用者が六十五億の新規財源をかぶらにゃならぬというようなやり方であるとか、あるいは大量輸送手段としての公共性の強いこういうものに通行税をかけるというのはどう考えてみても適当でない。一体これから先のそういうものをどうにらみをつけるのかという、この辺におのずから議論が発展をしていくのですがね。大臣も政務次官もおられますから、一遍その辺のことを一回話をして、整理するものは整理をつける。もうそうしなければこれは大変ですよ。そろそろ国鉄の運賃値上げと同じように航空運賃値上げ反対というような声が出てきたらどうしますか、しかもPPPの原則に照らしてみても、とめるならいいけれど、運輸省とめ切らないでしょう。財政当局と話をしても、財政当局は取れと、こう言うに決まっているというようなことになると、先行き非常に問題が多い、こう思うのですね。どうですか、いまの通行税の問題等は一遍話をして整理をして見ませんか。
#108
○政府委員(田中敬君) 御意見ではございますけれども、先ほどお言葉がございましたように、空港整備特別会計の財源対策といたしまして、やはり他の交通手段と比べまして、航空事業あるいは空港整備ということが非常におくれているわが国の現状におきましては、何らかの財源を求めていかなくてはならないという片方のニーズがございます。
  〔理事前川旦君退席、委員長着席〕
そういう意味におきまして、いま御説のありました通行税につきましても、いましばらくこの空港整備の状況がおおむねのめどがつくまでは、やはり利用者に負担していただくという形で通行税というものを今後の財源として存続すべきであろうというのが私どもの意見でございまして、御説のように運輸省との調整は考えてみますが、私どもの財政当局の考えはそういうものでございますので、御了承願いたいと思います。
#109
○森中守義君 三十分までよろしいというお許しが出ましたので、もうちょっとやらしてください。
 それはそういうことだけれども、私はいまの航空事業を、通行税を取らねばならぬほど奢侈的なものという認識はない。まさにこれは大量輸送機関です。それは空港整備上必要だから通行税を出しなさいというのじゃいかにも理屈に合わない。それはやっぱりそういう考え方を大蔵省はやめるべきだ。それは適当でないですよ、そういうことは。そこで一体、それならば空港整備のためにつくられている特別会計の内容はどうなのかということを検討すべきだと思うのです。これは在来のやり方ではだめですよ。つまり特別会計の九条などが生かされたためしがない。空港整備のためには借入金を許容すると言っている。なぜこれを発動しないのか。借入金ということは財投を私は意味している。そういうものが全然吟味、検討されないでPPPの原則をはるかに越えて、すぐふところに手を触れる。こういうやり方ではいけませんよ。もう恐らくあれじゃないですか、利用者の負担の限界。別段エアラインを擁護するわけでもないけれども、いまいろいろ言われている内容からするならば、たとえば通行税にしても見合い分は一般会計から入れますよと、こういう約束であったにかかわらず、実際投入されたのは七〇%――八〇%だ、その二〇%をかぶられているんだ、こう言っているわけだ。一〇〇%入っていない、だから約束守られておらぬというのが一般的な通説ですよ。
 そこで、なるほど局長の言われるように、これはやっぱり騒音対策事業というものは一日も早く完璧を期すところまでいく必要がありましょう。相当の金がかかると思う。かかるからすぐ料金改正を結果的に容認するような措置はとるべきでない。それならば特別会計法の九条で許容されている借入金の制度というものをなぜ発動しないのか、これを私は言っているわけだ。もうやがて次年度の概計作業の段階に入る。しかも五十一年度から第三次整備計画に入る。その出発点、入り口に当たってよほどこのことをきちんと固めておかないと、これはえらいことになりますよ。そのことを憂うるがゆえに特にこの際、私はこのことを強調しているわけですが、どうなんでしょう。
#110
○政府委員(中村大造君) 通行税のことについていろいろ御議論ございましたけれども、現在におきましても、この特別会計の中でいわゆる一般会計からの繰り入れというものが相当な大きなウエートを占めておるわけでございます。この一般会計繰り入れ分は当然、これ一般財源でございますけれども、通行税を初めとしていろいろな税収入、そういうものがこの一般財源の大きな内容になっておるわけでございますけれども、とにかくこの特別会計の中で一般会計からの繰入額というものが相当な大きなファクターになっておるということは事実であるということだけは申し上げておきたいと思います。
 それから借入金のお考えでございますけれども、これは私ども今後の特別会計というものを長期的にどのように持っていくかという中で一つの検討課題ではあると思いますけれども、財政当局といろいろ御相談をしなければならない問題があるであろうというふうに考えておるわけでございます。
#111
○森中守義君 ちょっと局長、四十六年で、私は通行税を一つ例示的に言っているわけですが、当時の詳しい人だれかいませんか。通行税は取りなさい、そのかわり一〇〇%一般会計から入れますよという約束があったということなんです。それなのに七〇%及び八〇%の限度しか返しておらぬ、だから二〇もしくは三〇は大蔵省吸い上げておると、こういうことなんですよ。だから全然話が違う。本質的には通行税を取るべき筋のものじゃないということを私は原則として動かしていないけれども、現実的なやり方はそうなんです。四十六年当時の大臣を引っ張り出してくるわけにもいかぬけれども、双方の当事者が当時のことをもう一遍思い出してもらいたい。後ろの方にその財政交渉に当たった人がおれば……。要するにそう言われておるんだよ。一〇〇%返したら見合い分入れますと、こう言っていたのに七〇%か八〇%しか入れておらぬじゃないか。だから二、三〇%は大蔵省が吸い上げておる。結果的にそれが整備会計で不足をしてそれぞれが超過負担というような、こういう現象が生まれているということが一つの問題なんです。首をかしげておるが違うのかね。
#112
○府政委員(田中敬君) 四十六年の経緯でございますが、確かに運輸、大蔵両省間の事務的な了解事項といたしまして、今後の空港整備五カ年計画の期間中に通行税相当額は全額これを特別会計に繰り入れることとするというような形の了承がなされておることは事実でございます。それに基づきまして四十六年度から四十九年度までは通行税相当額は全額これは特別会計に入っております。で、お説の七〇%――八〇%ということでございますが、五十年度予算におきましては、通行税相当額がまるまる入っておらない結果に確かになっております。これは私どもは、いま先生は超過負担というお言葉をお使いになりましたけれども、本年度の公共事業の抑制方針と総需要の抑制という観点から、空港整備特会の事業量を圧縮すると、道路あるいはその他の一般公共事業が対前年度同額であるという趣旨と同じように空港整備についても公共事業系統は御遠慮いただくと、ただし、その中で騒音対策だけは十分配慮していこうと、こういう目的で予算を組んだわけでございまして、その結果、財源計算をいたしてみますと、通行税をまるまる入れたんでは空港特会の歳出に見合う歳入としては多過ぎると、そういう意味で、本年度の特例として通行税相当額が約二百二十億あったと存じますが、その中の五十五億程度を繰り入れをことしは取りやめたと、こういう経緯がございます。
#113
○森中守義君 その辺の予算折衝の段階のことなどはよくわからぬけれども、多過ぎてもちっとも困らぬよ。そんなもの七〇%――八〇%といって、あと吸い上げておくということは、適当に取られちゃうことだから、みんな困っちゃうよ。それと大臣、えらいうれしいのか悲しいのか知らぬけれども、やりなさいよ、もうちょっと。約束は約束でね、それは、なるほど全体的に抑制策をとられておるんですからね。しかし約束は守るべきですよ、それを守らないから、直ちに一人当たり六百円という問題でがちっとはね返ってくるわけなんです。私の試算では、二次の段階で予算総額が二千百六十四億だな、それから実収総額が二千七百三十八億、五百七十四億の超過負担になっているんだよ。それを五十年度は通行税を満額入れるならば多過ぎるからとめたというんじゃ、まるっきりこれはロジックが合わない。それはよっぽど大蔵省が強かったのか、運輸省が弱かったのか、予算折衝の過程におけるこれは問題ですよ。きちんとこれはすべきだと思うね。これはひとつ五十一年度に三次整備計画をつくるわけだから、もうその分ぐらいきちんと取らなければいけないよ、大蔵省も出すべきだ。幸い大臣も梶木政務次官も参議院の出身だから、もうちょっとやってもらいたいなあ。
 そこで、やっぱり基本的な問題は特別会計の歳入規定ですよ。第三条の歳入歳出の規定ね、これの範囲が妥当性があるのかどうなのか、ここにやっぱり答えを求めていくべきだと思う。たとえば離島振興法で、離島については本土並みにいろいろめんどう見にゃいかぬと、こう言われている。にもかかわらず特別会計は対象外、実際の出し方はね。そういう離島を底上げしようというならば、これはやっぱりこういう特別会計の扱いじゃなくて一般会計の扱いにする。歳入歳出の規定の中にそういうものが入っている。それから管制官の人件費であるとか、いろんなものが特別会計の中に歳出規定として入っているところに問題がある。あるいは成田空港どうなんです。これは三十億が三百十億になっているわけですね。これはやっぱりぎしぎしきしんでおりますよ。そういうような前提を持ちながら第三次空港整備計画が五年間どの程度の財政規模で、財源はどこに求めるというやり方になると、これはもちませんよ。これはまさに航空事業パンクしますよ。事業というか空港それ自体がね。政策それ自体が非常に重い。
 ですから、もう時間が来ましたので、これ以上申し上げませんが、要するにこういうことをにらみながら、三次整備計画をつくる際には、歳入歳出の規定条項三条の見直しをやる、これから私は出発していかなきゃ大変だと、木村運輸大臣、梶木政務次官、お二人ともが責任をもって三条の見直しをやりなさいよ、困りますよ、これでは。また中村局長も、主計局の次長も見えているけれども、その辺のことをもうちょっと考えて次の仕事をしないと、これは本当に三次整備計画はつくりはしたが動かなかった、結果的に国鉄の財政再建と同じように、結構なものを出してきたけれども、一年か二年で狂っちまうよという指摘がまた空港関係でもこれは当てはまるようになる。これは当然そういうことを予見をされる。ことに大蔵省の場合、さっきの話じゃないけれども、通行税一〇〇%入れると多過ぎるからとめた。これ違約なんだ。運輸省は三次計画については違約金取りなさいよ。まあそういうようなことをひとつ検討してもらって慎重な配慮をしてもらいたい。これは空港特別会計の三条の見直し、歳入歳出の原点に戻ってひとつやり直してもらいたい。同時に、さっき申し上げる九条の発動、これなども背景に据えながら作業を進めていただくように特に要望をしておきます。まあ要望だから聞いておこうということじゃ困りますから、ひとつ大臣と政務次官の責任あるお答えをちょうだいして、ちょうど時間ですから質問を終ります。
#114
○国務大臣(木村睦男君) 来年から第三次の空港整備計画は始まるわけでございますが、現在のところ今後の経済の伸び等、いろいろ背景になる諸種の経済条件等が固まるのを待ってその中身を決定していきたいと思っております。で、空港の特別会計ができましてから実は空港整備が非常にわれわれは順調にいったと、こう思っております。この特別会計制度のメリットは非常に高く評価をしておるわけでございまして、今後ともこの特別会計制度をうまく運用いたしまして今後の長期計画は進めていかなければいけないと思っておりますが、ただいま森中委員御指摘の通行税の問題、一々ごもっともでございます。私も与党の方の交通関係の立場で、通行税と特別会計との関係のいきさつは、多少いきさつ知っておるわけでございます。五十年度は、いま大蔵省から説明がありましたような事情でございまして、これは運輸省としてもまあやむを得ぬということでそれを了承したわけでございますけれども、これはあくまでも例外的な扱いであると私は考えておりますので、五十一年から始まります第三次の整備計画においては、本則に立ち返って、通行税は空港の特別会計に全部入るというこの原則を貫きたいと、今後大蔵省とも十分折衝いたしたいと、こう思っております。
#115
○政府委員(梶木又三君) 来年度の予算でございますので、いまここで確たることを申し上げるわけにもまいりませんが、森中委員の御趣旨を十分尊重したいと思うわけでございます。ただ先生も御承知のとおり、一般会計は財源が非常に乏しいときになっておりますので、まあそういう貧弱な一般財源によるよりはひとつこの特別会計の方をむしろ充実していただいて空港整備に充てていただく、この方がいいんじゃないかと、こういうことでわれわれもひとつ努力もし検討もいたしたいと、かように考えるわけでありまして、御理解を賜りたいと思います。
#116
○森中守義君 恐縮ですが九条の発動、これいままでともすると財投は空港特別会計には導入しにくいと、こういうことがよく言われていた。さっき私が申し上げたように特別会計法の九条で借入金は許容できるというのは、これは財投を実は指していると思う。まさか市中の金融機関から金借りてきなさいとか、あるいは開銀や輸銀から持ってこいというものじゃないはずなんです。だから根拠としては九条になるということをひとつよくお考えいただいて、少なくとも今日ただいま利用する人だけが負担すべきでない。空港は将来にわたってずっと続いていくわけだから、かなり長期にわたる財投の導入を用いながら、それで空港整備をやっていくのはちっともおかしいことじゃないと思いますから、そういう根拠を九条に求めながらやってもらいたい。これひとつお考えいただくようにお願いしておきたいと思います。
#117
○岩間正男君 それじゃ坂田防衛庁長官にお伺いします。時間が余りないものですから、端的に確信ある答弁を願いたいと思います。
 まず第一に、昭和四十六年七月に起こった雫石の大惨事の後の国会で当時の西村防衛庁長官は次のように答弁しておる。「国民の自衛隊であるものが万一にも今回の事故のように国民に危害を与えるようなことがあっては大変であります。」、そうして「今回海上を使うということを中心に置きまして、やむを得ざるものにつきましては、民航の安全第一を第一義として」いろいろな処置をとりたいという言明をしているわけであります。また、その後に江崎防衛庁長官がやはり国会で答弁している。どう言っていますかというと、「二度と再びこういう悲惨を繰り返すことのないように、自衛隊機はあくまで民間航空を優先して、なるべく海面でその訓練を行うことを原則としています。」こういうふうに答えているわけです。つまり二長官の答弁を総合してみますと二つの原則がはっきりしていると思います。それはあくまでも民間機をこれは最優先に考える。第二は訓練空域を海上に移す。この点が非常に重要な答弁になっておるんですが、坂田防衛庁長官もこの原則をあくまで認められて、これを守られるという立場に立たれますか、どうですか。
#118
○国務大臣(坂田道太君) 多数の航空機を持っておりまするわが防衛庁といたしましては、従来から航空安全につきましては重要な問題として各種の施策を行ってまいったところでございます。特に四十六年七月三十日の雫石事故後におきましては航空安全の一層の確保のために航空交通安全緊急対策要綱の趣旨に基づきまして、運輸省と協議を重ね空港、航空路及びジェットルートの空域と自衛隊訓練空域の分離及び回廊の設定等を行ってまいっております。航空交通の安全の確保は民間機のみならず自衛隊航空機の運航上の不可欠のものでございますので、防衛庁といたしましては、今後とも航空安全を第一義に考えてまいりたいと思っておりますが、特にお尋ねの航空交通におきましては民間機の飛行安全をやはり第一に尊重するということは言うまでもないことでございます。
#119
○岩間正男君 私は二つの原則、最優先は認められたようでありますが、海上に訓練空域を移す、これを原則とすると二人の長官がはっきり答弁しておるわけですが、こういう方向を貫くと、こういうことをはっきり確認してようございますか。
#120
○国務大臣(坂田道太君) われわれの方といたしましては、できるだけその趣旨沿うべく努力をいたしたいと考えております。
#121
○岩間正男君 そこで先ほどの御答弁のように、四十六年八月五日に政府が公表しました航空交通安全緊急対策要綱。この中で一つは空港の空域、第二には航空路の空域、さらにジェットルートの空域、これと自衛隊機の訓練空域及び試験空域、これを完全に分離する、こういうことがうたわれているわけですね。そうしてその結果、これは相当な部分でそういうことをやられているわけですけれども、しかし日本の現実を見ますというと、完全に分離されていない。つまり民間空港と訓練空域がいまだに重なっているところが三つあると思うのです。これは委員会のいままでの審議の中で明らかにしてまいりました。一つは訓路空港。一つは北陸の富山空港です。もう一つは福江空港、これは九州です。この三カ所がいまだに訓練空域と、それから民航の空港が重なっているわけですね。この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
#122
○政府委員(菅沼照夫君) 先生御指摘のように、航空交通安全緊急対策要綱によりまして空域が分離をされたわけでございますが、当然まあ平面分離の場合もございますけれども、時間的な分離あるいは高度差による分離というようなことで、先生が御指摘になりましたように、現在におきましては航空路等から訓練区域は区別されているということになっております。
#123
○岩間正男君 まあこれもこの委員会でやったわけでありますが、まあ高度による分離、立体的な分離といいますか、地点において平面的に分離するということが非常に重要だと当時議論されたわけです。というのは高度を誤るということも起こる。それから緊急の事態に突き抜けるということも起こる。そういうことから、これは完全に空域を離すということが原則なんです。当然それは当時の丹羽運輸大臣だと思いますが、そういう答弁をしているわけです。
 だからここに民間の空港、安全優先を第一とするところの民間の空港において、その頭の上にこれを覆っている、そのような訓練空域があるということは、非常にこれは危険。少なくとも潜在危険を持っておるのです。第一いつこれが具体的にあらわれるかわからないという危険を持っておるのですから、これは本当に民航優先を貫かれていることにはならないと思う。ことに訓路の場合どうかと言いますと、これは北海道の空の本当に半分以上占めるあの広大なA訓練空域と重なっているわけです。だからこれは当地の地方新聞なんかで、しょっちゅうこの空港の上にこれは自衛隊機の行動を認める、こういうことが問題になっているわけです。私はお聞きしたいのだけれども、あのときなぜ海上に移さなかったのか。あんな膨大な北海道のこれは大体三分の二を占めているだろうと思うんです、A訓練空域というのは。そういう中にすっぽりと釧路空港は包まれているわけだ。これは非常に重大な問題なんですね。だからこういう点では私は、緊急対策要綱は完全には生かされない部分がいまだに残っているのじゃないか。この問題をどう処置するかというこの点が重要だと思いまして、この航空法の最後の審議の段階でございますが、この点で防衛庁長官の見解を明らかにしておきたいと、こう思うんですが、どう処置されますか。
#124
○政府委員(菅沼照夫君) ただいまの御質問の中に、分離の場合に、高度による分離、平面による分離、時間による分離というものがあるわけでございますが、先生すでに御承知のとおり、ヨーロッパのような非常な過密な空域におきましては、それらを組み合わせて訓練空域の区分をやっておるわけでございまして、決してそれによって航空交通の安全が妨げられるということはないと私どもは考えております。
 それから、ただいま御指摘の釧路の問題でございますが、釧路空港の上空には自衛隊の訓練空域のA空域が設定されておりますが、このA空域は緊急対策要綱の原則に従いまして周辺の航空路等から分離をして、二万四千フィート以上の空域について設定をされたものでございます。空港の空域とは平面的には一部重複している部面がございますけれども、これらについては高度的に分離がされておりまして、民間機の航行の安全には支障がないように措置されているというように私どもは考えております。
 それから先生のお話の中に、空域につきましては全部海洋の方へというような御趣旨のお話がございましたけれども、先ほど大臣も申し上げましたように、できるだけ海洋へ設定するということで、もちろんその空域の過密度、あきぐあい等を勘案しまして、あるいは高度等の点から考えまして、陸上にも設定されておるものでございます。
#125
○岩間正男君 だからこの要綱の精神から言えば、これは平面的な分離が一番望ましいわけですよ。現に地方紙が指摘しているように、絶えず自衛隊の訓練機がこの空港の上を占めていて非常に不安を感じているのです。こういう実態があるんですから、この精神を完全に果たすということになれば、これはできたわけだ。
 しかも私は、ここで明らかにしたいのは、A訓練空域が設けられたというのは四十六年の九月でしょう。そのときはまだジェット機は入ってなかった。ですから低空でこれは間に合ったからいまのようなことは言えると思うんでありますけれども、その後非常に事情は変更されているんです。四十八年の十二月からは東亜航空のジェット旅客機が東京からの直行便と、それから千歳からの往復便、これが動き始めておりましょう。そうして直行便は三往復、千歳からは三往復、これは年間、私調べてみたんでありますが、このためにジェット機は少なくとも千回以上離着陸をやっておるのが現状であります。さらにどうかというと、そこには自衛隊の訓練機あるいは米軍機も動いている。はっきりそういう記録が管制にちゃんとあるわけです。さらにどうですか、この七月からは全日空機が乗り入れるのですよ、ジェット機を、この釧路に。そうなると大変に私はこの空は複雑になってくると、こう思うんです。そうすると、やはり新たな角度からも緊急対策要綱の精神に従ってこの問題を検討するということは非常に重大な問題になってきていると思うんですね。この点どう思いますか。
#126
○政府委員(菅沼照夫君) ただいま先生の御指摘でございますが、釧路空港の空域は、先ほど私、御答弁申し上げましたように、現在の状況においても十分安全性が確保されているというように考えておりますけれども、将来、民間機の運航の安全王、御指摘のA空域に何らかの変更を加える必要があるということで運輸省から提案があれば、航空交通の安全確保という観点から検討を申し上げたいというように考えております。
 それから北海道の周辺に非常に広大な訓練空域があるが、こういうような空域は余っているんじゃないかというような御趣旨の先ほど先生から御指摘がございましたけれども……
#127
○岩間正男君 時間が余りありませんから、枝葉の方はよろしい。――そうすると、これはなんですね、航空局から、運輸大臣からこういう申し入れがあれば応ずると、こういうことですね。これははっきりこの点も話されたから、運用課長が来てその点はすでに確認済みなんだ。これはいいですね。長官いいですね。いまの点は長官から言明してください。
#128
○国務大臣(坂田道太君) 先ほどもお答えを申し上げましたように、原則といたしまして、わが自衛隊機の航空空域というものは海上へというこの原則は、私どもはやっぱり貫いていきたいというふうに思います。その間、いろいろ陸上における空域と民間航空空域とダブっているところがあるかと思いますが、これは運輸省と協議をいたしまして、やはり航空の安全という観点からいろいろ協議をいたしまして、その趣旨を徹底いたしたいというふうに考えているわけでございます。調和ある合意に達したいというふうに思っております。
#129
○岩間正男君 そうすると、再検討の気持ちは十分にあるんだということを確認しておきたい。現状はとにかく訓練空域を認めた時代から比べるともう何倍もの航空機が入り乱れている、ジェット機がどんどん入っているんですから、さて問題が起こってから――現在は安全でございますと必ず言うんです。もういままで何回も航空路の問題を私は二十年代から質問してきましたが、現状はどうか、こんな危険があるんじゃないかと指摘をしますと、いや大丈夫でございます、現状は安全でございます。そうしてそこに爆発という事故が起こる、惨事が起こる、そうすると何とも責任をとるということをしないのがいままでのやり方ですから、後追い行政になっている。こんなことでは本当に国民の命を守ることはできないんですよ。だから私は、これは事前からやる必要があると思う。ことに自衛隊に対して国民はいろいろな批判を持っていますよ。そういうときですから、自衛隊はあくまでも民間航空の安全というものを優先するんだと、この原則を確立して、その点に立っていつでも応じなければならぬ。
 そうすると、木村運輸大臣にお伺いしますけれども、運輸大臣は当然これに応じて、それで少なくとも交渉は開始をしてこの問題を私は煮詰めていく必要があると思う。こういうことを要求している、現実がそうなってきている。航空事情がそうなってきている。それは現地の人も非常にこれは感じています。関係者の管制官なんかは本当にこの問題が問題になったということで、どうしてもそういう方向をとってもらいたいという要望を現にわれわれ受けているわけです。だから運輸大臣にお伺いします。運輸省だけが、せっかくそういうふうに応ずると言っているのに黙っている手はないだろうと思う。運輸省がやはり最優先の立場を貫くというこの基本姿勢に立ってもらいたい。いかがですか。
#130
○政府委員(中村大造君) 防衛庁との間におきましては、従来からわれわれとして必要な調整をなしたいというときには積極的にいろいろ協議もし、また協議に応じていただいており、またそれが実現したこともあるわけでございます。したがって本件につきましても、前に申し上げましたように、われわれとしては現在の運航回数、運航形態においては十分安全を確保し得るという確信に立っているわけでございますけれども、今後の運航形態、運航方式ということに関連いたしましてわれわれで十分検討し、必要があると思えば当然防衛庁に協議をするということは従前と同じでございます。
#131
○岩間正男君 これは時期についていますぐやれと言っても、ここですぐやるというふうにお答えにならないかもしれませんけれども、近いうちにね、これは木村大臣いいですか、いまの局長のあれでは現在は安全だといつまでも言っているわけだ。安全などと言っている。現在安全でなきゃ大変でしょう。だから安全だと言えますよ。しかし安全だといってるそこから崩れてくるのがいままでの事故じゃないですか。これに対して前向きに問題をとらえるかどうかということが問われているんです。
 雫石の判決を見なさい。あの中でやっぱりジェットルートに対する法が不十分だ、運輸行政は欠陥があるということは指摘されておる。この前もこれを指摘したわけでしょう、私は。だからそういう点から言えば何で前向きになって事前にそれを協議しておいて、そうしてこれでもってちゃんと安全体制をさらに確立するというのが、念には念を入れる、この態勢に立たなければ本当に人命の尊重というのは貫くことはできない。最優先というこの方針、せっかく雫石事故のあの犠牲を本当に生かすということにならぬと思うんです。運輸大臣いかがですか。
#132
○国務大臣(木村睦男君) 雫石の事故の結果によって指摘された点はわれわれも十分問題を理解をしておるわけでございます。また岩間委員の言われるように、前向きに取り組めとおっしゃるわけでございますが、航空交通安全の本当の責任を持っておりますのは運輸大臣でございます。その点も運輸大臣としては皆さん以上にその点には強く責任を持っておるということを私は感ぜざるを得ません。そういう立場に立ちまして、前回も岩間さんからの御質問に対して、現状では安全であるという判定を下しておりますので、今後航空便の増加あるいは機種の変更等によって防衛庁に相談をして訓練空域の変更等をお願いしなければならないというときに遠慮なしに協議を申し込むという覚悟でおります。
#133
○委員長(宮崎正義君) 速記やめて。
  〔速記中止〕
#134
○委員長(宮崎正義君) 速記起こして。
#135
○岩間正男君 せっかく防衛庁長官がそう言っているのに運輸大臣がいつでも私は逆にしり込みしているようなかっこうだと思うので、まずいんじゃないかと思いますよ。これはそのうちやりますとかなんとかじゃなくて、少なくともまた全日空機が乗り入れるんですから、これはいい機会なんですね、七月。そういうときあんたちゃんとやらなきゃだめですよ。この前の東亜国内航空のジェット機が乗り入れるときだってもう少し検討すべきだったと思いますよ。安全だ安全だというとき、その後から崩れる。ことにこの釧路空港だけの問題じゃありません。A訓練空域があるために現在やはり航路が大変なことになっている。赤の13というものしか使っていない。白の5、白の2、ことに白の2はこれは全部訓練空域の中に入っている。だから白の5が御承知のように非常にこれは訓練空域に近い。そうしてそこに今度は千歳の自衛隊との関係あるいは進入管制との関係がある、回廊がある、高度は絶えず変えなきゃならぬ、非常に航空上これは困難な問題がある。
 こう考えますと、私は考えてみて、これは海上まで乗り出していくということだったら、いまの膨大なA訓練空域はいまよりも北の方に、少なくとも二十マイルか三十マイル後退さしたらどうかというんですよ。回廊は少し長くなるかもしらぬけれども、私は安全から考えればそうやるべきだというふうに思うんですね。だから民航機の安全というのを本当に貫くということだったら、私は自衛隊のためにもなるんじゃないかと思うんですが、どうなんですか。私は時間の制約の中で質問しておりますので、こういう点についてはあくまでこれは雫石の教訓というのは、結局国民の怒りが自衛隊に向けられた。そういうようなことは、これは再び繰り返すなどということじゃ愚かと言わなきゃなりません。したがって、これは前向きに事前にやはりこういうチャンスをとらえて明確にする必要があると思う。これは具体的な実際のやり方をどうするかという問題について、私は一つの私案みたいな提案なんですけれども、そういうことについても考慮する必要があると思いますが、いかがでしょう。これを承って終わります。
#136
○国務大臣(木村睦男君) いままでの岩間委員の御意見、十分われわれ参考にいたしまして、前向きに善処いたしたいと思います。
#137
○岩間正男君 長官からもひとつ。
#138
○国務大臣(坂田道太君) 先ほどお答えいたしましたとおりに、やはり航空の安全ということは非常に大事なことでございますから、その精神をもってわれわれも自衛隊航空機の問題についてよく運輸当局と協議をいたしたいというふうに思っております。向こうからの申し入れがございますればよく相談をいたしたい。そしていやしくも人命を落とすというようなことがないようにいたさなければならないというふうに思います。
#139
○瀬谷英行君 航空法改正と緊急対策要綱との関連なんですけれども、時間の都合もありますからかいつまんで質問いたしますけれども、訓練空域設定時のルールはこれからどういうふうにして決められていくのか。いま自衛隊との関係いろいろと質疑がございましたが、自衛隊機の訓練の方法あるいは訓練空域の設定のルールといったようなことにはあくまでも運輸省が中心にならなければならないのじゃないか。自衛隊側から言わせれば軍事的な必要性といったような問題が出てくるかもしれませんが、これはあくまでも仮定の問題なので、仮定の問題についていろいろと論議をしても抽象的にならざるを得ないので、そういうあり得ないような話は別として、これからの航空の安全には運輸省が中心となって、むしろ自衛隊の場合は、運輸省を主にして自衛隊、防衛庁の方が従となる、こういう関係でもってすべてをこれから律していかなきゃならぬのじゃないかという気がいたしますが、そういう考え方をこれから進められるんだというふうに確認をしてよろしいのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#140
○政府委員(中村大造君) 瀬谷先生のおっしゃいましたまさにそのとおりでございまして、訓練空域の設定は緊急対策要綱で航空路等と訓練空域を完全に分離するというたてまえで、防衛庁から協議がありました場合にはそれと協議をしまして、最終的には運輸大臣がこれを決定して、これを公示すると、こういうたてまえにいたしておりますので、あくまでも運輸大臣が責任をもってこれを設定すると、こういうたてまえは崩さないつもりでございます。
#141
○瀬谷英行君 航空交通管制の問題で日米合同委員会で合意された内容なんですけれども、これは米国政府の行うことになってまいりますが、航空法の改正でもって安全問題についてはかなり念入りにすべてが行われるように思いますけれども、ただ国内法の改正によって何ともならないのは米国政府の要請というやつですね。これはどういう問題が要請として出てくるかわからないわけなんですけれども、「防空任務に従事する航空機に対しては、航空交通管制上の便宜を図る。」、あるいは「米国政府は、軍用機の行動のため空域の一時的留保を必要とする時は、日本側が所要の調整をなしうるよう、十分な時間的余裕をもって、その要請を日本側当局に対して行う。」というようなことがありますが、これは平たく言えば、アメリカが必要だぞという場合には、日本の方でまごつかないだけの時間的余裕をもって日本側に連絡をするんだといった意味のことが書いてあると思う。これは一体どんな場合なんだろうかということになると、具体的にはまことにわかりにくいわけなんですけれども、これらの具体的な内容について、もっと詰めてあるのかどうか、それは具体的な内容をこの程度にしてあって、あとは必要に応じてやるようになっているのか、その点はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
#142
○政府委員(松本操君) お答えいたします。
 最初の「防空任務に従事する航空機に対しては、航空交通管制上の便宜を図る。」と、これはあくまで原則を定めたということでございます。したがいまして、先生いま仰せられましたように、具体的にどうするかということにつきましては、そのような事態が発生したときに、本原則に従って管制上の措置をとる、すなわち「便宜を図る。」、この部分が、従来は優先的取り扱いとなっておりました部分を改めたということでございます。
 それから第二点に御指摘のございました「空域の一時的留保を必要とする時は」云々、これはどういうことかと申しますと、米軍機が任務飛行等を行いますために一時空間を専有すると申しますか、他の航空交通と分離して動くと、こういう要求をすることがございます。この場合に、先生まごつかないようにと仰せられましたが、まごつかないようにというよりも、むしろ私どもの方といたしまして、他の航空交通との間に支障を生ぜず、もちろん安全は確実に確保される、こういうことのためには、米側からの申し出がそのまま引き受けられない場合もございます。あるいはまた、それなりに担当の管制官に周知徹底をさしておくということを欠きますと、安全上問題が生じてまいります。こういうふうな点について、必要な手配ができるだけのゆとりを持ってこういう要求をしてきた場合には、その中で調整をして――この「調整をなしうるよう」ということは、要するに調整をわが方がするわけでございますので、調整をした上で、向こうの要求が引き受けられるものであれば、それに応じた形で管制上の措置をとると、こういう趣旨でございます。
#143
○瀬谷英行君 米軍の軍用機というのは訓練用の飛行機も含まれているのかどうかですね、それから米軍の要請に応じて「便宜を図る。」というが、この要請の内容は、これはわからないと一言では言えないかもしれませんが、これは拒否するということもできるようになっているのかどうか、事前協議の対象といったような問題とは別なのかどうかですね、その点をお伺いしたいと思います。
#144
○政府委員(松本操君) まず「空域の一時的留保」というのは、具体的にどういうことかということは、たとえば空間のある高度からある高度、たとえば二万フィートから三万フィートとか、二万二千から二万六千とか、そういう間を、たとえば東経何度、北緯何度から東経何度、北緯何度までの間、そして、おおむねこれは時間単位でございます。一時間とか二時間とかという形でこの中を飛行機が通るので、その間、他の交通に邪魔されたくないのでということを要請をしてくる。この要請の仕方は、通常のテレタイプメッセージのような形で入ってまいるわけでございます。
 これに訓練の場合が含まれるのかどうかという御質問でございますが、こういったような要請が行われますのは一般的に申しまして、先ほどお答えいたしましたように、米軍の任務飛行に伴うものでございます。したがいまして、通常の訓練飛行、たとえばT33あたりがやっておりますような訓練飛行のためにこのようなものを要求してくるということはないと、こういうふうに理解もしておりますし、また現実にそういうふうなことで要求をしてまいった例は、私聞いておりません。
#145
○瀬谷英行君 細かいことは省略しまして、大ざっぱなことでお聞きしたいと思うんですけれども、航空交通の安全の問題で、一番治外法権的な、例外的存在になるんではないかと懸念されるのは米軍機の行動なんですよ。しかし、じゃあ米国政府が要請をするという場合は一体どんなときなのかということになると、これまた非常に仮定の話なので、質問をしても答えにくいだろうと思うんです。もっとも答えないうちに答えにくいだろうと言ってみてもしようがないですがね。いや、われわれ考えてみても、この内容が非常に漠としているんですね、「米国政府の要請に応じ、」――じゃあどんなときに要請をしてくるんだかこれはわからないんですよ。そこでこの米軍機の行動について、結局は責任を持たなきゃならぬのは日本政府なんです。そうすると運輸大臣が、相手が自衛隊であろうと、あるいは米軍機であろうと、権威と権限を十分に持って臨み得るかどうかということが一番重大なかぎになってくると思うんです。
 だから米軍機の行動についても、責任を持って、権威と権限を持って対処できるのは運輸大臣であると、このように理解をしてよろしいのか、一々これが防衛庁長官と協議をするとか、あるいは外務大臣と協議をするとかいうことになると、空の安全という問題は間に合わないということになる、そういうおそれがあるんです。だから、それらを考えたならば、結局のところは運輸大臣が責任を持つということにしなければいかぬと思うんですが、そのような仕組みになっているのかどうか、この点をお伺いをしたいと思うんです。これは運輸大臣からお願いしたいと思います。
#146
○政府委員(松本操君) 大臣にお答えいただきます前に、事務的な答えを先に申し上げたいと思います。
 一つおわび申し上げますが、先ほど事前協議の対象云々についてお答えを漏らしましたので追加さしていただきますが、これは事前協議とは全く関係のないことでございまして、単なる管制技術上の問題でございます。したがいまして、先ほどの防空任務云々、あるいは要請はどのようにしてあるのか云々ということになりますと、現在わが国の防衛は自衛隊が御承知のとおり第一義的にこれをやると、こういうことになっております。しかし安保条約があるということは、これはやはり何らかの事態が起こりましたときに、米軍が日本の安保条約の五条に基づいて行動する義務を負っておるわけでございますので、そういうふうな場合に、日本国自体の方、われわれの方で管制を行っておるといたしました場合、これらの航空機をどのように扱うか、まさに先生おっしゃいましたように、わが方が管制をしている限りにおきましては、航空交通管制の根源は運輸大臣に権限が帰せられておりますので、まわにおっしゃいましたように、諸般の手続等におきましても、たとえばフライトプランを求めるものはこれを求める、管制承認を発するものはこれを発するという手続を踏んで管制が行われる。いやしくもわが方が管制を行っております限りにおいては、そのような手続が踏まれるというふうに私は理解いたしております。
#147
○国務大臣(木村睦男君) 日本の領空におきます航空上の最終の責任は、運輸大臣が挙げて持っておるとはっきり言い切ってよろしいと思います。その責任を十分に尽くすために、あるいは米軍といろんな協定をしておる、あるいは自衛隊ともいろんな協定といいますか、話し合いをしておるということでございます。
#148
○瀬谷英行君 米国政府が地位協定に基づいて使用を認められている飛行場及び周辺において管制業務を行うことを認めると、こうありますが、その「管制業務が必要でなくなった場合には、日本政府に対して事前通報を行った上で、これを廃止する。」と、これはあたりまえのことだと思うんですけれども、じゃあ「管制業務が必要でなくなった場合」というのはどんな場合か、これは安保条約というものが解消するといったような事態を指すのかどうか、これはどういう場合なのか、この点をお伺いしたいと思います。
#149
○政府委員(松本操君) 大きなケースで言えば、先生おっしゃったような安保条約そのものがなくなればもちろんそういうことでございましょうが、そういうことではございませんで、たとえば現在、厚木の飛行場の管制は自衛隊がやっております。これも従前は米軍がやっておったわけでございますが、必ずしも米軍がやる必要がない、こういうふうになった場合には、米国政府は事前通告を行った上で、わが方はやらないということを言い、わが方はそれに応じた体制を整えてこれをテークオーバーする、こういう事務手続的な規定というふうに御理解いただきたいと思います。
#150
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局いたしたものと認めます。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#151
○委員長(宮崎正義君) 速記を起こしてください。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#152
○岩間正男君 私は日本共産党を代表し、航空法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものです。
 今回の改正案は、言うまでもなく昭和四十六年七月の雫石上空での全日空機に対する自衛隊機の衝突事故を直接のきっかけとして改定されようというものであります。したがって、今回の改正に当たって明確にしなければならないことは、当然この事故の最も重大な教訓である、軍事優先の実態について、その内容がどのように改められるのか、民間機の安全が確実に確保できる保障がつくられるのかどうかという点であります。
 周知のように、日本の空の実態は、米軍に対しては、日米安保条約に基づく地位協定及び航空法の特例法によって、また自衛隊に対しては、航空法による職権委任によって依然として特権的地位が与えられているのであり、まさに日本の周辺は米軍、自衛隊の広大な軍事空域に覆われているのであります。
 自衛隊の訓練空域が全土の三分の二以上を覆っている北海道において、その訓練空域が釧路空港の真上にかぶさり、そのため民間機の飛行高度が不当にも制限され、いつ雫石事故の二の舞になるとも限らない危険な状態にさらされている事実が明らかにされましたが、雫石事故以後四年を経過した現在においても、このような軍事優先実態がいまだに放置されているのであります。
 今回の改正案では、自衛隊機に対して原則として操縦訓練空域の制限を行うこと、また航空法の適用除外例に規制を加えること、このような部分的な手直しが行われていることは事実でありますが、このような一部の手直しによって、軍事優先の日本の空の危険がなくなったかといえば、断じてそうではありません。同時に、防衛庁長官に対する大幅な職権委任については、基本的には何ら改善されていないのが実情であります。
 次に、米軍に対する規制の点であります。政府は、今年の五月に日米合同委員会における航空交通管制に関する合意が改定され、従来の最優先権は「便宜を図る」と変えられたと強弁していますが、実態は何ら変更されるどころか、米軍優先を隠蔽する以外の何物でもありません。むしろ新合意の内容は、その第一項で明記されているように、地位協定によって米軍の特権的地位を擁護し続けることを認めているのであります。
 極東最大の米軍基地である沖繩において、米軍が暫定的に実施している進入管制の実態が審議を通じて明らかにされました。この内容から明らかになったことは、米軍は那覇空港を利用する民間機に不当な高度制限を加え、その一方で、その管制を活用し、核投下訓練を含む危険な軍事作戦を展開しているというきわめて危険な実態についてであります。しかも、その軍事作戦の内容を見るならば、政府が雫石事故以後禁止し、自衛隊も一切行っていない雲上有視界飛行が米軍には許され、しかも政府は、米軍と那覇航空交通管制部との間の協定によって、米軍にだけはこれを許可しているのであります。
 このような事実は、日本の主権にかかわる重大問題であるばかりでなく、民間機の安全運航にとって真に重大問題であると言わざるを得ません。
 今回の改正案は、このような無法な米軍機に対して、全く規制の対象から外しているのであり、米軍機は除外するという断じて認めることのできないものであります。
 反対の第三の理由は、操縦士ら搭乗員に見張りの義務を押しつけ、航空交通の安全対策について、国の基本的な責任は明確にせず、操縦士ら搭乗員の責任だけを問題にしている点であります。
 以上述べましたように、本改正案は若干の改善が含まれているとはいえ、いま国民が求めている空の安全、米軍と自衛隊による軍事優先の危険な状態の一掃、民間航空のもうけ本位の合理化を抜本的に改めさせる航空法の改正とはなっておらず、逆に対米従属、軍事優先の反動的本質が強められようとしている実態を断じて許すことはできません。
 わが党は、政府が、日本の空の主権の放棄と航空の軍事優先、人命軽視の航空行政を速やかに改め、抜本的な再検討を要求して、反対討論とするところであります。
#153
○黒住忠行君 私は、自由民主党を代表して、本案に賛成の討論を行うものであります。
 賛成の第一の理由は、本案の趣旨が航空の安全対策を推進しようとするものであるからです。最近の航空機の大型化、高速化に対応し、航行に対する規制の強化、航空機の装置等の義務づけの拡大、自衛隊機に対する規制の強化、見張り義務の規定明確化等の措置は、航空機の航行の安全に対しきわめて適切な措置であると思われるからであります。
 しかしながら、これらの施策を実施し、その効果を上げるためには、航空保安施設の整備、近代化と保安要員の充実を図る必要があり、この点についての政府の善処を要望したいと思います。特に、航空機監視レーダーの整備計画は、緊急を要する問題であり、その早期実施をあわせて要望したいと思うのであります。
 第二には、航空機騒音の音源対策の一環としての騒音基準適合証明制度の新設で、この制度の活用により、今後の騒音問題解決の前進を図ることができると思うからであります。
 以上の二点の観点から、本法律案に賛成するものであります。
 なお、航空事情の変化は日進月歩、きわめて目まぐるしいものがあり、これらの事態に対応し、常に航空法が対応できるよう十分配慮せられるよう要望しておきます。
 以上で賛成討論を終わります。
#154
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 航空法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(宮崎正義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#156
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#157
○国務大臣(木村睦男君) 航空法の一部を改正する法律案につきましては、慎重御審議の結果、ただいま御可決いただきまして、大変どうもありがとうございます。
#158
○委員長(宮崎正義君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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