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#1
第075回国会 運輸委員会 第11号
昭和五十年六月二十四日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     森中 守義君     青木 薪次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                黒住 忠行君
                平井 卓志君
                前川  旦君
                三木 忠雄君
    委 員
                石破 二朗君
                今泉 正二君
                岡本  悟君
                佐藤 信二君
                橘  直治君
                永野 嚴雄君
                宮崎 正雄君
                杉山善太郎君
                岩間 正男君
                和田 春生君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
   政府委員
       運輸省鉄道監督
       局長       後藤 茂也君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  杉浦 喬也君
       運輸省自動車局
       長        高橋 寿夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       日本国有鉄道旅
       客局長      馬渡 一眞君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      篠原 武司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○鉄道敷設法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案の審査のため、参考人として日本鉄道建設公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮崎正義君) 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○前川旦君 木村運輸大臣に二、三お尋ねをしたいと思いますが、鉄道が新しく敷設されて悲しむ人はないんで、全員が喜ぶわけです。同じように逆に言いますと、鉄道が廃止されまして喜ぶ人は私はいないと思います。みんな悲しむと思うんですね。反対したいと思う。そこで鉄道が廃止されるという方針が出されますと、必ずそこでみんなが不思議に思うのは、赤字だ赤字だといってローカル線を廃止をする方針を出しながら、一方では赤字になるとわかりながらどんどん鉄道を敷設している。一体首尾一貫しないじゃないか、こういう声が至るところで聞かれるわけです。
 そこで大臣として、今回の法案でも新しく線路が延びるわけですが、大臣としてはどのような基本的な方針で鉄道の敷設をこれからしていかれるのか。特にローカル線について大臣のお考えを聞きたいわけです。たとえば少々赤字になっても、それが見えてても、そういう営業係数というようなものを一切度外視して、住民へのサービスを重点に考えていくというふうに割り切っておられるのか。それならそれで私は非常にいいことだと思うんですけれども、その辺の大臣としてのお考えをまず伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(木村睦男君) 国鉄の線路につきましては、いま前川委員御指摘のように、新線の建設を進めておる一方廃止も進めておるわけでございます。一見非常に矛盾したように受け取られるのももっともだと思うわけでございますが、地域によりまして交通事情というものが年々変わってまいりますし、また利用する交通機関の態様も変わってくるのが交通の実態であるわけでございます。
 そこで、まず新線の建設につきましては、そういう実態をよく見まして、そしてこの地域においてこういう新線を建設するという問題につきましてはよくそういう点を勘案した上で、しかも国鉄あるいは運輸省だけの判断では客観性がいかがかと思われる点もございますので、御承知のように鉄道建設審議会、これは国会の与野党の代表の方も入っておられますし、学識経験者も入っておられますが、この鉄道建設審議会に諮問をいたしまして、あらゆる角度から検討していただいた結果、この路線を建設するということを決めて現在建設を続けておるわけでございます。
 一方におきまして、すでに建設をいたし、運行をいたしております既設の路線の中で、ことに山間、ローカル地帯におきましては輸送の事情、実態が非常に変わってまいりまして、事実上余りその地域で利用されていない、利用度が非常に低い、むしろそうであれば国鉄の経営の合理化の対策から外した方が好ましいということにもなりますし、またそこを廃止することがその地方の住民に対しまして、あるいは代替する道路交通あるいは自家用車あるいはバス、そういうものにかわってそう不便はかけない状態になっておるという両方の判断に基づきまして、そういうところは廃止をいたすということにやっておりますので、それが同じ時点で、片方で新線建設、片方で既設線の廃止という、一見矛盾したような施策を行っておるのも、そういうふうな実態を見ながらやっておるということであるわけでございます。
 さらに非常な赤字について、これを赤字であっても敢然として経営を続けるのか、あるいは赤字だから廃止するのかということについての運輸省の方針は、国鉄というものの持っておりますところの公共的な使命の達成、この見地から考えましたときに、経営上は赤字が黒字に変わる見込みのない路線でございましても、それがその地方の住民に対して交通の使命をかなり重く見られ、その使命を果たす役割りが非常に多いという場合には、赤字でございましても公共性の見地から運営を継続するという方針をとっておるわけでございます。したがって現在赤字であります路線について、これを存続するか廃止するかという点において、赤字であっても全部を継続しますとか、あるいは赤字でございますからひどい赤字のところはその他の理由は無視して廃止しますとかということは、一概に言えないわけでございまして、やはりその地方地方のそれに対する需要の実態、また役割りの大きさというふうなことを考えながら継続すべきであるか、あるいは廃止すべきであるかということを判断して処理するというやり方をやっておるわけでございます。
#7
○前川旦君 私はその判断は非常にむずかしいと思いますね。特に需要がどうということをおっしゃいましたけれども、ローカル線の本数を減らしたりしまして非常に不便になって、もう不便で仕方がないからやむを得ないで車を使うというような状態にしておいて、そして需要が少ないからこれは廃止だと、こういうような形が往々にして最近のダイヤを見ていると見えるように思います。大変これはむずかしい問題であると思います。ただ単に赤字であるとか、営業係数であるとか、こういうことだけで考えるのではなくて、公共企業である限り、住民サービスということを重視すると、この方針には変わりはございませんか。
#8
○国務大臣(木村睦男君) そのとおりでございます。
#9
○前川旦君 それでは、この廃止を進めておりますが、今後廃止をしていくには、やはりどういう方針でこの線は廃止すると、それはどういう基本方針でその廃止を決められるんですか、その基準はどんなものを基準にして廃止を決められますか。
#10
○国務大臣(木村睦男君) 先ほどちょっと私が触れましたように、この路線を廃止するかどうかという判断をいたします場合には、その地域において、現状でその国鉄線がどの程度の使命を果たしておるかということをまずよく検討をいたしまして、ごくわずかな使命しかもう果たしていない、これを仮に廃止いたしましても代替の交通機関で大半の需要は満たされるんだというふうに判断をすることがまず第一でございます。それともう一つは、その路線が他の路線との関連におきまして、短絡あるいは接続、そういった使命を持っておるかというようなこともいろいろ勘案をしなければなりません。
 まあそういうことで、この路線は廃止をいたしましても沿線住民にそれほど大きな負担はかけない、また廃止するかわりに、それまで代替交通機関があるほかにさらに国鉄みずから補充的な交通利便の提供について努力をするめどが立つかどうかというふうなことも地域によっては考えざるを得ません。たとえば鉄道は廃止しますけれども、バスをさらにそこに投入するようにいたしますとか、あるいは路線敷を道路にかえましてバスの運行に供するようにしますとか、そういうふうな国鉄みずからが提供し得る代替交通の施設についても配慮するとか、そういういろんなことを考えた上で、廃止することが沿線住民にそれほど大きな影響はない、また廃止することによって国鉄自体としては合理化に非常に役立つというふうな判断で廃止の決定をするわけでございますが、なおそういう状況のもとでございましても、沿線住民の人たちと十分に話をしまして、いま申し上げたような国鉄の判断が、やはり沿線住民の方に納得していただいて了解を得るという努力をいたしまして、廃止に踏み切るというような措置をとっておるわけでございます。
#11
○前川旦君 いろいろローカル線、赤字線の対策につきましては文書が出ておりますね。私の手元にありますのは「国鉄財政新再建対策要綱」、これは四十七年一月十一日に出ておりますが、この(3)のところに、「地方閑散線は、五年以内に撤去する。」、こういう文書があります。地方閑散線ですから、これは先ほど言いましたように、少々赤字であっても住民サービスを考えて残すものは残すというような考え方はどの文書にも出ておりませんが、もっぱら営業係数から割り出して、赤字対策として閑散線は五年以内に撤去するとか、あるいは具体的にその線の名前も発表されていますね。これは四十三年に発表されています、ローカル線の輸送をいかにするか、日本国有鉄道諮問委員会。ですから私は、もうくどくお尋ねしますのは、閑散線であるから五年以内に順次撤去していくんだと、営業から割り出すのではない新しい考え方を大臣が持っていらっしゃる、こういうふうに受けとめてよろしいんですかということを、非常にくどいようですけれども、もう一度確認したいと思います。
#12
○国務大臣(木村睦男君) その方針を決めました当時の方針といたしましては、地方閑散線は五年以内に撤去をするという方針を一応決めたわけでございます。で、その方針のもとにおきましても、閑散線というものの内容については、やはり慎重に、私がいま申し上げたような観点から、廃止に値する閑散線はどうであるかという検討はもちろんすることにしておりましたんですが、いま前川委員がお示しになった方針は、その後四十八年の二月に実は閣議了解がございまして、いまの同じ問題について五年とかいうふうな期限をつけないことにいたしまして、このように変わったわけでございます。「地方閑散線の道路輸送への転換は、当該地域の実情、代替交通機関の状況等を考慮のうえ、地元の同意を得て、積極的に行なう」というふうに変わりましたんで、これがいま私が申し上げたような中身がこの表現になっておる、この方針に変わっております。
#13
○前川旦君 よろしゅうございます。
 そこで、それじゃ新線建設とその赤字線の廃止のいろんな矛盾が具体的にあると思いますね。たとえば私の住んでおります四国で言いますと、阿佐線というのは、これはいまやっていますね。ところがその前に廃止する廃止計画案として具体的に挙げられました中には、徳島と牟岐との間の線路を廃止するという廃止線として挙がっております。一方で新設しながら、その先は廃止案になっている。そのほかにも、たとえば九州の高千穂線では、高森と日ノ影ですか、ここは新線としてやるけれども、日ノ影と延岡ですか、ここは廃止路線として発表されている。こういうつなぐ先が廃止路線の予定になっていたり、そんな矛盾が散見されるようですけれども、いまのお話を伺いますと、この四十三年九月四日に発表されましたローカル線の輸送をいかにするかという諮問委員会の報告による具体的な路線ですね。これは一応御破算と考えていいんでしょうか、あるいは生きてるんでしょうか。何か新線のその先が廃止線になってみたり、そういうのを私、いま二つほど気がついたんで申し上げたんですが、その辺はどう整理して考えればよろしゅうございますか。
#14
○政府委員(杉浦喬也君) ただいま御指摘の点でございますが、当時そうした線で一応検討をいたしたわけでございますが、その線を最終的に決定いたしまして全部廃止をするという段階に至らずに、ただいま大臣が申し上げましたように四十八年の二月の閣議了解という線に移行をいたしたために、具体的な線名、そうした過去におきます検討というものにつきましても、これもいわば再検討というような形で現在に至っておるものと私ども了解しておりますので、ただいま御指摘の新線と廃止の線のつながりがおかしいというような点につきましては、その点について過去において決定したということではないというふうに私ども考えておる次第でございます。
#15
○前川旦君 それではこれは廃止路線として具体的に挙げられましたのは、決定したものではないと。一応挙げたけれども再検討をするのだと。もっと強く言いかえれば、発表はしたけれども、それは一つのデスクのプランとして机の引き出しの中にはあるけれども生きているものではないと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#16
○政府委員(杉浦喬也君) 過去におきましてこの路線を廃止するというような線の発表につきましては、たとえば国鉄自身が二千六百キロというような、八十三線区ですか、そうした線の明示をいたしたこともございますけれども、運輸省自身としましては具体的な線名を、こういうものであるというふうに発表したということはたしかないと思いますので、運輸省自身が検討中の過程におきまして政策に若干の変更があったというふうにお考えいただければいいのじゃないかと思います。
#17
○国務大臣(木村睦男君) いまのにちょっと補足を申し上げますというと、当時は五年以内にというあの方針も出たころのことでもございますし、思い切ってその赤字の路線は、閑散線は年限を決めて廃止しようという相当きつい実は方針を持っておったわけでございます。ところがいざそれを実施に移そうという段階になりますと、やはりいま前川委員が御指摘になり、また私が現状の考え方を申し上げたような点から、なかなかそれは一気にできないということで、考え方を多少転換をしてまいり、したがって、あの当時何線か廃止予定ということで事務当局のほうで線を出して考えておったのでございますがそれも全部一応そのままにいたしまして、改めて先ほど申し上げたような考え方に立って廃止すべきかどうかを決めていこうということで一応白紙に戻した、かようにお考えになってよろしいかと思います。
#18
○前川旦君 結構です。
 それから私は、くにへ帰りましたら毎日自分で車を運転しますが、それだけに車の弊害というものを身にしみて実は感じるのです。自動車輸送と国鉄、これは鉄道全体として考えてもいいかもしれませんが、国鉄の輸送と自動車輸送とこの任務分担といいますか、それぞれの果たす役割り、担う役割りがいろいろあろうと思いますが、大臣として国鉄が日本の運輸体系、輸送体系の中でどういう任務をこれから将来担うべきであるかと。特にいままで答申がいろいろ出ております。運輸政策審議会の答申、これは四十六年に出ておりますが、時代も変わってきましたね、高度経済成長からいまマイナス成長ですが、貨物の伸び等もまた見通し等も変わってきていると思いますが、経済の新しい事態に対応して、自動車輸送とそれから国鉄の果たす任務分担、特に国鉄がどういう役割りを果たすのか、全体としての輸送体系の中で。その点について大臣の基本的なお考えを伺いたいと存じます。
#19
○国務大臣(木村睦男君) 私の方の諮問機関でございます総合交通政策審議会、また内閣にも総合交通体系の関係の協議会等もあるわけでございますが、そこでいろいろ検討をしていただいておりましたその結果としての国有鉄道の輸送使命というものは、旅客輸送につきましては都市間の輸送、それから大都市内の通勤通学等の輸送、それから新幹線輸送は別ですが、貨物につきましては中距離以上長距離、それらの輸送貨物については国鉄が分担するという、大体のそういう方針になっておるわけでございます。私は現状でもそれなりに妥当し得る交通政策であると考えておりますが、ただ最近、ことに貨物輸送の実態につきましては、この方針については少しく修正なり考え方を変えていかなきゃいかぬのじゃないかというふうな感じもいたしております。
 その他旅客輸送につきましても、若干いろいろ新しい輸送情勢の推移というふうなものも踏まえまして、現在この交通政策というものを見直そう、見直した上で国鉄の再建にもこれに合うような体制をつくっていこうというふうに考えておりまして、現在その見直しの検討をいたしておるわけでございますが、大ざっぱに言いますと、いま私が指摘をいたしましたような点を中心に、そのほか多少見直しの結果、いままでの方針に多少の修正を加えなきゃいかぬのじゃないか、かように思って現在その検討をいたしておるところでございます。
#20
○前川旦君 私は二つの問題点があると思うんです。というのは、一つは省資源という新しい命題が加わってまいったと思います。そういう意味ではエネルギー効率から言いまして、やはり自動車よりかはるかにエネルギー効率が高いわけですから、省資源という面からとらえなければいけないということ。もう一つは排気公害が考えられるわけです。
 それから第二番目に、ただいまおっしゃったいままでの答申の内容からのお考えによりますと、通勤通学等は大都会に限られているようですけれども、地方の中小都市でも最近どこでも起こっていると思います。私は自分が住んでいる高松で見ました場合、マイカーで通勤いたしますと国鉄で通勤するよりかはるかに時間がかかります。これは交通渋滞ではるかに時間がかかります。それから金額的に見ても、たとえば往復二十キロの通勤であれば、定期を買えば千五百円ぐらいだと思いますが、ガソリンは二リッター使いますから二百円近くなります。二十五日として五千円ぐらいになりますね。これも一つのむだになろうかと思います。また自動車で通勤しているのを見ますと、全部が全部と言っていいほど、たった一人で五人乗り、四人乗りの車を運転して、そしてどんどん詰まってきておりますね。
 ですから大都市周辺の通勤通学は鉄道を利用するという考え方、地方は自動車中心といいますか、地方はなるべく通勤等は汽車を使わさないようにという、とにかく減らしていって不便に不便になっていっているのですから。特急、急行はふえましても通勤列車は非常に不便。しかもいままで三十分で通えていたところが新しいダイヤで五十分になったりしてますます不便になっている。そういう中小都市の国鉄の役割りというものを見直さなければいけない時期が来ているんではないか。
 最初に申し上げました省資源という立場と、もう一つは車の数がふえまして交通渋滞等から時間のロス、金のロス。ですから地方都市でももっと国鉄を重視するという姿勢を取り返すことが必要ではないか。このように新しい視点が大事ではないかと思いますが、その点についての大臣のお考えはいかがですか。
#21
○国務大臣(木村睦男君) 先ほど私申し落としたんですが、いまのエネルギー資源の節約、それから排気ガスの公害防止、その観点からも、おっしゃるように国鉄の今後の行き方というものに非常に大きな影響がありますし、そういう点も十分考慮して見直さなければいけないと思います。
 それから大都市のみならず、中小都市まで及びますかどうか、かなりの量的な大量の通勤通学の実態のある都市についての輸送、それにつきましても、いま御指摘のような他の交通機関との比較から言いますというと、国鉄にその使命を持たすべきであるというところも出てきておると思います。ただ料金関係の現状で比較をされますというと、これはいま国鉄の料金が他のものに比べまして非常に低いというのが現実でございますので、料金関係も多少見直して比較しなければならないと思いますが、その他の点におきましてはいまお話しのような点も考慮に入れながら見直し作業をやりたいと思っております。
#22
○前川旦君 私は初めに申し上げましたように、車が好きでして、自分で車を運転していますからなお矛盾を感じますが、たとえば可住面積ですね、人が住める面積一平方キロ当たりの車の密度というのは日本は大変高いと思います。たしかアメリカの何倍、イギリスの何倍、西ドイツの何倍というような非常に車の密度が過密であると思いますね。ですから私は、車の総量規制をやらなければいけない時期が近づいてきているんじゃないか。国鉄の輸送がどんどんトラックにとられていっている、これは実態であろうと思いますけれども、そのトラック輸送にしましても、十年先を見通すと、これは何千万台という、一千万台を超えるトラックが必要になってくるんじゃないかと思いますが、とてもそんな数のトラックを通すだけの国土もなし、良田をつぶして道路を無理してつくる必要もなし、またそれだけのトラック運転手、労働力を確保する見通しも恐らく立たないだろうと思いますし、もっと私は車の総量規制でも思い切ったことをやって、鉄道に吸収するんだ、国鉄に吸収するんだと、こういうような長期の視点が必要じゃないかというふうに思いますけれども、その点少し私とっぴでしょうかね、大臣どうお考えでしょうか。大臣も同じように考えていただければありがたいと思いますけれども、いかがですか。
#23
○国務大臣(木村睦男君) 車の総量規制という問題は非常に重要であり、また必要な問題だと私も考えておるわけでございます。ことに排気ガス公害防止の観点からも総量規制ということはその必要性を強く言われておるのが現状でございます。まあ自由主義の国におきまして、交通規制のあり方というものには一定の限界というものがあるわけでございますので、その点は十分にわきまえて規制措置を講じなければいけないと思うのでございます。したがって本当に道路の面から考えて規制をしなければ本当に公共の福祉に合わないという地域は、これは規制の対象としてやるべきであると思いますが、日本全体にわたって原則的な車の総量規制ということは、ちょっと私はむずかしいんじゃないか、これはそういうふうに考えるわけでございます。
 一方、自然に、自動調整的に総量規制が行われる方向に持っていくということも肝要かと思うんでございます。たとえば最近、車の排気ガスの問題が非常に強くなりまして、あるいは車の値上がりがひどくなって、車の売れ行きがだんだん落ちてきておるというふうなことも自動調整の一つになろうかと思いますし、それから道路がどんどん整備されるのではなくて、道路の整備はかなりテンポが遅い。にもかかわらず、かつての高度成長の影響を受けまして車の使用が非常にふえてきたために道路交通が麻痺して、自衛上もう自動車を使うことは不経済であるし、また不利益であるということから自動車を使わなくなるというふうなことも、自然調整弁としてそういう現象があらわれておりますが、確かにおっしゃるように、ねらいとしては、自動車についての総量規制ということは常に念頭に置かなければなりませんが、その実施につきましては、いま私が申し上げましたような自然発生的にあるいは自動的に調整ができ得るような状況にだんだんなって、それをうまく行政当局が活用するなり、あるいは地域的に公共の福祉という観点からある程度の規制をしなきゃならぬところは規制するというふうなことをあわせながら、自動車の円滑な交通ということを心がけていくべきであると考えております。
#24
○前川旦君 私は日本の自動車密度が異常に高いということをこのままほうっておいていいとは思わないんです。せめてイギリスとか西ドイツとかフランスとか、先進国並みにやっぱりすべきだと思いますね。異常に高い。たとえば、よく考えるんですが、高速自動車道路がどんどん建設されておりますね。建設された高速自動車道路周辺は大変な騒音公害と排気ガス公害です。ところが、あの高速自動車道路と同じ幅で、そろばんをはじいてみますと、鉄道であれば六本とれますね。複線が三つとれます。どちらが本当に日本経済に寄与するところが多いんだろうか。その辺を一遍基本的に洗い直してみなければいけないんじゃないだろうか、こんな思いがいつもするわけです。最初に申し上げましたように、省資源とかいろいろ意味もあります。
 そういう意味で鉄道というもの、特に国鉄を中心にしてその役割りをもう一度見直して、重要な役割りをこれに持たすように、そうして自動車に頼らないで鉄道に頼る、国鉄に頼るというような方向へだんだん政策的に指導していくように、そういう方向を私は考えてもらいたいと思いますが、その点を最後にお伺いして、持ち時間が来ましたので質問を終わらしていただきたいと思います。
#25
○国務大臣(木村睦男君) 鉄道とそれから道路交通との調整並びに選択、この問題は、従来とも運輸省としてもいろいろ考えておるところでございまして、考え方としては前川委員のおっしゃるような同じ方向でいままでも検討いたしております。今後ともそのような方向で検討をいたしたい、かように思っておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
#26
○岩間正男君 時間が余りございませんので端的にお伺いしますから端的にお答え願いたいと思います。
 まず第一に鉄建公団の総裁にお伺いしたいんですが、現在ローカル線の中で工事中のものがどれくらいございますか。何線くらい。それからその工事費総額は幾らになりますか。
#27
○参考人(篠原武司君) ただいま建設中の路線は全部で五十三線ございまして、全体の長さが三千三百キロございます。工事費総額は、今年度におきまして三千六百四十七億の概算、予算を決めていただいております。
#28
○岩間正男君 工事費総額といいますと、今年度だけじゃなくて、最初からの。現在六千百三十億ちょっと出てますが、どうですか。これは後で調べてください、時間の関係がありますから。
#29
○参考人(篠原武司君) はい。
#30
○岩間正男君 膨大な線が現在継続されており、工事費総額も大変な額になっておるわけです。ことにいまからもう十五年、十年前に投資したのもあるだろうと、貨幣価値から言うとこれはもう兆を超えている、そういうような投資をやっているわけですね。それが完成しないと――完成しないのがもうほとんどだ、総花的にやっているわけですから完成しない。そのために経済効果としては非常にまずいということになっているのがローカル線の現在の建設の状態じゃないかと思うんです。そういうような一つの傾向をまず最初に明らかにしなくちゃならぬと思っています。その上に立ちまして、具体的に一つの事例をお伺いしたいと思うんです。
 それは丸森線の問題でありますが、丸森線が最初に福島−丸森−中村間、これは常磐線から東北線に通す、そういう予定だったと思いますけれども、これが予定線として決定されたのはいつですか。
#31
○参考人(篠原武司君) 丸森線の建設は、大正十一年の四月に予定線として決定されまして、それは大正十一年の四月に福島−丸森−中村間でございます。それから昭和二十八年の八月に槻木−丸森間が予定線として決定されております。
#32
○岩間正男君 これは予定を変更したわけですね、福島、それから槻木間と、東北線の方向で、あそこの平野地帯を抜けると、こういうふうになったのだと思いますが、工事線として認可されたのはいつですか。
#33
○参考人(篠原武司君) 三十六年の五月に工事線として決定されまして、路盤工事に着手したのが、昭和三十九年十二月、槻木−丸森間の工事を始めております。
#34
○岩間正男君 この全線開通の見通しですね、これは最初の予定はいつだったわけですか。
#35
○参考人(篠原武司君) 丸森線に限らず、当初、私どもで長期計画を立てなきゃいけないと、たくさんの線を抱えて、いつまでできるかわからないのでは困るということでございまして、昭和四十年に、四十一年度から十カ年間にこれを全部竣工させるべきだということを、鉄道建設審議会でお決めいただきまして、その後、その問題はそういう考えで進めてはおりましたが、実際問題として、これは閣議了解の程度でございまして、予算がそのとおりなかなかつきません。特にAB線につきましては、一般会計の出資で賄うために、どうしてもおくれがちだということになってきております。
 それからもう一つCD線、いま御指摘のありました丸森線はC線でありますが、このCD線につきましては、大都市付近の要望が非常に強かったものですから、そういう面でいろいろ国鉄の要望もこれあり、非常に多額の金が必要とされましたために、一部そういう要望の線はできましたけれども、丸森線につきましては若干おくれたような形にはなっております。
#36
○岩間正男君 できましたら端的にお答え願いたいです、時間の関係で。これは完成予定、竣工予定というのはいつごろのことだったかということをお聞きしているんですよ、これはいつごろ、だったんですか。
#37
○参考人(篠原武司君) 当初、先ほど申し上げましたように、丸森線につきましても当初は、五十年度には完成さしたいという考えでおったわけでございますが、その後の予算事情その他によりまして延び延びになってきたわけでございます。
#38
○岩間正男君 これは総需要抑制政策の影響、あふりを食ったと、こういうふうに考えてよろしいわけですね。
#39
○参考人(篠原武司君) はい、そのとおりでございます。
#40
○岩間正男君 槻木−丸森間ですね、これが竣工したのは昭和四十三年四月ですか。
#41
○参考人(篠原武司君) はい。
#42
○岩間正男君 そうしますと、もう七年たっているわけですね、そこのところ、あれは全体の線の長さの四分の一ぐらいですから、三分の一ぐらいのものですか、あとの三分の二がいまだに開通をしない、そのために非常にこれは投資をやったけれども、その投資の効果が全然あらわれていない、あらわれていないだけじゃない、一方で線路が腐り始めると、こういうことが起こるわけですから、これは非常なロスだというふうに私は考えるわけですね、これは一国の経済から考えたって、やっぱり大変な問題持っているだろうと思うわけです。ここに大体ローカル線の問題が実はあるだろうと思う。
 つまり政治路線ということがよく言われましたけれども、どこでも住民の要望がある、その要望にこたえて、どこからでも鉄道の建設の要望が出されてくる、それを総花的に承認すると、そうしてどこもかしこももう半端で終わっているというのが現状じゃないか。国鉄は大変赤字を抱えている、この赤字経営の一つのやはり原因にもなっているように思うのでありまして、この辺に対して、経済効果という面から考えるなら、もう少しこのような政策というものは検討される必要があるのじゃないかというふうに私は考えるわけですが、この点、木村運輸大臣、いかにお考えになっておりますか。
#43
○国務大臣(木村睦男君) 現在建設中の新線が幾つかあるわけでございますが、丸森線もその中の一つでございます。ただいま公団の総裁が申し上げましたように、総需要の抑制を受け、またその結果、緊急必要度の高いものの方へ重点的に全体の建設費も振り向けるという重点方針をとりましたものですから、そうなりますというと、大都会の周辺等で非常に緊急度の高いものがございますので、その方に重点が置かれたというふうな、飛ばっちりも受けておることは事実でございます。本来から言いますというと、鉄道の建設には経済速度というものがございまして、ある何年目かにうんと投資をすることによって、建設も経済的に行われますし、建設も早められるのでございますが、財政の状況が、そういう建設側だけからの考え方のとおりにやるということが許されませんので、どうしても現状のように、経済効果がある程度制約を受けるというふうな状況にならざるを得ないことは非常に遺憾でございます。
 しかし、われわれといたしましては限られた建設費の中で、できる限り重点的に、しかも経済効果が上がるような方法で今後ともやっていきたいと思いますが、建設という立場からのみ一〇〇%貫徹するということは困難でございますので、いろいろその点では御不満の点があると思いますが、実情はそういうことでございますので、ひとつ御了解をいただきたいと思います。
#44
○岩間正男君 国鉄の赤字が騒がれていると、そういう体制の中で総花的な、しかも政治的なにおいのする政治路線というのは、ずいぶんこれは問題になってきたわけでありまして、そういう中では、経済効果という点からは大変なロスがある、この点は私は指摘しなきゃならない。重点的という問題はありますけれども、とにかく声の高い、そうして都市集中というようなところ、そういうところが先になる。しかし地域住民がもっと切実に要求しておる、そういう声もあるんですが、その声が反映しないということが、これが起こっているのが現状じゃないかというように考えられるんですよ。この点については十分に私は検討する必要があるんじゃないか。
 さて、どうなんですか、この丸森線はいつ竣工しますか。矢野目−丸森間が完成して動き出すのは大体いまの予定では、見通しではどういうことになっていますか。
#45
○参考人(篠原武司君) これは御承知のとおり、この線につきましては工事がほとんど竣工に近くなっております。現実の問題としては東北本線との連絡設備、つまり矢野目の付近の構造とか、あるいは福島にどういう設備をするとか、国鉄との関連施設が今後残された問題でございまして、こういう問題と電化の設備をこれからやらなきゃなりませんが、そういうようなことでできるだけ早くこれを完成してお役に立てたい、こういうふうに考えております。いまのところの見当としては五十一年度になるんじゃないかというふうに考えております。
#46
○岩間正男君 できるだけ早くという答弁、そして大体五十一年というふうな見通しを立てておられると。これは実情を私どもは視察をしたわけでありますが、切実に要求があるし、いまの経済効果の面から言えば早くこれは役に立てなければまずいんじゃないかと思うんですね。そういう中で、これはお聞きしたいんですけれども、いままで投入された予算ですね、昭和三十九年から四十九年までどれぐらいの額が投入されておりますか。
#47
○参考人(篠原武司君) 四十九年度末で九十六億約五千万円でございます。
#48
○岩間正男君 全体の予算の総額は幾らですか。
#49
○参考人(篠原武司君) 工事費の総額は百三十二億を予定しております。
#50
○岩間正男君 そういう計画を見ましても、先ほど申しました経済効果というものを具体的にこれは実現させなきゃならぬ、こういう点で一日も早く開業すべきだというふうに思うわけですね。五十一年というお話ですが、これは実現する見通しはございますか。
#51
○参考人(篠原武司君) 五十一年度にはぜひ開業さしたいと思って一生懸命いまやっておるところでございます。
#52
○岩間正男君 次に駅の業務の問題ですね、この駅の業務で無人駅にするんじゃないか、こういうようなことが問題になっているようですね。現に国鉄に対する要望書が今年の三月四日に、丸森線建設期成同盟、これは福島県の福島市、保原町、梁川町、宮城県の丸森町、柴田町、角田市、ここから出されているわけです。これについて御存じだと思いますけれども、この趣旨はどういうことですか。
#53
○参考人(篠原武司君) この開業設備の駅をどうするかこうするか、そういう問題につきましては、今後国鉄と精力的に話を詰めまして決めていきたいというふうに思っておりますが、国鉄も最近は人件費の節約とか経営の合理化という面で無人駅が相当ふえておりますので、そういう面で国鉄もそういう話が出ることもあるかと思いますが、私はできるだけひとつよく相談しましてこういう問題も決めていきたい、そういうふうに思います。
#54
○岩間正男君 要望書の要旨というのは無人駅で一は困ると、ことにこの中でも保原、それから梁川ですね、ここのところが無人駅にされたんでは困ると。私も調べましたけれども、これは人口の非常にふえているところですね。保原を見ますというと、いま二万二千六百人、それから梁川が二万三千人というんですから、町ですけれどもこれは地方としては中小の中で大きな方に属する。しかも産業の伸びもこれはあるところですね、だからこそこの丸森線がここを通るようになったわけです。こういうことを言っているのですね、無人駅は困るという理由として「保原町及び梁川町は、福島市を中心とした経済圏の中にあって広域的な事業の推進により、諸産業の急速な進展と商業活動の活発化に伴って急激に都市形成の様相を呈しつつありますが、丸森線の開通によって、更に飛躍的な発展が期待されるため、」ぜひこの駅をつくってもらいたいと、こういう要望内容ですね。この沿線の人たちの期待も非常に多いと、こういうことなんですが、これは矢野目−丸森間に七つの駅がございますね、この駅について全部これは無人駅にするのだというようなこういううわさが立っておるわけで、こういう心配をしておるのだと思いますが、これはどういう計画でございますか、国鉄の方にお伺いしたい。
#55
○説明員(馬渡一眞君) 御説明いたします。
 ただいまのところでは、まだ公団から線内の開業設備についての協議を受けておりませんので、現在のところ計画としては決めておりません。これから公団からの協議を受けました上で検討して決定をいたしたい、そのように考えております。
#56
○岩間正男君 そうすると、無人駅を決定する基準というのが国鉄にあると聞いておるのですが、その基準の一つの中に大体一日の乗降客が千人、それを下るところは無人駅にするのだと、こう聞いておるわけでありますが、千人から八百人、こういうことでございますか。
#57
○説明員(馬渡一眞君) ただいままで実施いたしてまいりました無人駅の計画から結果としておっしゃられれば、そのような数字のところが無人化されたという結果でございますが、私ども決定いたす場合には、ただ乗車人員のみだけではございませんで、駅の間の距離がどうかとか、あるいは道路の事情とか、それからほかの輸送機関とか、それから線区の実情と申しますのはやはり非常に長い距離が全部非常に数少ないお客様しか御利用いただけないような線区の場合に、やはり途中に保安上の問題で要員を配置するというような考え方もございますので、一律に数だけではないということでございます。
#58
○岩間正男君 しかし乗客ですね、貨物の問題もありますし、国鉄のこれはいろいろ経営上の問題、技術的な問題もあるだろう、それはわかりますけれども、やはりこれを決める最大の条件としては乗降客の問題です。また駅があるかないかということが非常にこの乗降客の増減に関係が深いのです。だから私は、そういう点でやはり非常に重要な課題で、八百人から千人くらいの乗降客のあるところ、ないところはこれは無人化しておるという方針だと聞いておるのでありますが、大体無人化の問題については、これは私も二、三回この委員会で申し上げました。地方の実情というのをよく把握する、何よりも地域住民の要求というものを本当に国鉄としてはこれを取り入れる、そういう立場に立つ。
 ことにこの前、五能線の問題、私はここで論議をしたわけでありますけれども、そういう過疎地帯なんかではどんどん無人化が進んでいる。経営合理化の面から言えばなるほどいいことかもしらぬけれども、これは地域住民の本当に行政の民主化という点、これは三木内閣も現在これを盛んに宣伝しているわけですが、そういう点から考えれば、あくまでも地域住民の利益をもとにする、その上に立つ、そうしてこれにサービスをするのだと、こういう方針になりますというと、この合理化の問題というのは全く対立する問題なんですね。合理化をやろうとすれば地域住民の利益が阻害される、地域住民の利益を守ろうとすれば合理化ができない、こういう矛盾の対立の問題を持っているわけです。こういう点について国鉄がどうあらねばならないかという基本的な考えというものがここで必要になってくると思うんです。
 さて、一つの基準としての乗降客の問題ですが、これ私たち調べてみました。昭和四十五年の国勢調査、それによりますというと、保原町の場合、通勤通学で福島市へ行く人が千六百五十三人、梁川町へ通勤通学しているのが二百六十五人、さらにあそこは元神宮、親房の立てこもった霊山という町がありますが、そこからこれは梁川に出てくるわけですね。そして保原に出てくるわけです。そして乗るわけですけれども、その霊山のそういう人たち、利用者が五百四十九人あります。計二千四百六十七名の乗降客が少なくとも四十五年の国勢調査では出ておるのです。こういうところを無人化するということ、しかも人口は二万二千、しかも年々ふえている、産業も非常にこれは紡績を初めとしまして盛んになっている。現地へ行ってごらんになればはっきりしますけれども、こういうところを無人化したんでは、新しい鉄道できてもほとんど意味がなくなってくるんじゃないですか、どうなんですか、これは。この点について十分に御検討をされる必要があると思いますが、これは大臣いかがですか。千人どころじゃないんですよ、二千四百六十七人。
#59
○国務大臣(木村睦男君) いま国鉄が非常に多くの赤字を抱えて、再建に苦慮をいたしておるわけでございますが、そこでよく皆さんから言われますのは、赤字路線たくさん抱えておってけしからぬから、それをやめろとか、いわんや現在建設中の新線はやめるべきだという議論が非常に強い中で、岩間委員から建設中の新線を大いにやれという御鞭撻をいただいて、非常に意を強くいたしております。ことに丸森線を例にとってのいろいろ御質問でございますが、あらゆる新線建設が同じような要望なり状況にあるわけでございます。もちろん国鉄といたしましても運輸省といたしましても、沿線の利用者がどの程度あってどうなるかというふうなことは、間違いのない資料のもとに正確な判断をいたしまして処置いたしたいと思います。
 それから無人駅の問題につきましても、実は在来の線区につきましても合理化のために駅員の廃止の駅も出ております。かなりたくさん出ております。地元の了解を得ながらやっておりますけれども、必ずしも了解を全部取ったとも言えません。したがって今後建設をいたします新線につきましても、同じように合理化という点から、利用乗降人員との比較において駅員を配置するか、あるいは無人駅にするかという問題は十分研究をして国鉄も決めていくと思いますが、ただ、いま御指摘のように、そのときの資料になります実態については間違いのない数字を把握してやることが非常に必要であると、かように考えております。
#60
○岩間正男君 これはもう一つ梁川の場合考えてみますと、同じ国勢調査によるものですが、福島市に通っているのが八百五十六名、それから保原町へ通っているのが七百一名、計千五百五十七名。そうすると保原の場合も梁川の場合も、保原は大体基準の三倍、それから梁川は基準の二倍の乗降客がある。もう一つ考えてほしいことは、この保原には県立保原高校というのがあるんです。この通学者を調べますと、福島市から通ってるのが三百十四名、それから梁川町から保原高校に通ってるのが二百十二名、五百二十六名通学しているわけです。これはやっぱり一番安定してるのは何てったって国鉄の通学なんですね。そういう点から考えれば、私は非常にこれは考慮に値する問題だというふうに思うのですね。
 こういう諸条件を十分に考えて、私はこの無人化ということはぐあいが悪いんじゃないか。この前、五能線の無人化の問題、冬季の吹きさらしの中で暖房の設備もない、それからいつ列車が来るのか、そういうアナウンスの設備もない、そういうところでふるえている子供たちの問題を当委員会で私は問題にいたしました。一国の文教行政の立場から考えましても、私はやっぱりこういう一つのまた重要な要素も加わっているんですから、これについて十分にこういう問題を反映して、そうして私はこの要望にこたえるべきだというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
#61
○説明員(馬渡一眞君) 私どもこれまで進めてまいりましたいろいろな合理化計画の中で、やはり地元との話し合いを大事にしてやってまいっております。しかし国鉄の全般の事情から御無理をお願いする場合もずいぶんございましたけれども、その意味で、これからの開業いたします丸森線につきましても地元の御意向を私どもも参考にし、そして国鉄の事情とかみ合わせた上で最終案を決定してまいりたい、そのように思っております。
#62
○岩間正男君 まあ無人駅は決定していないんだということは一つ確認しておきます。
 それから十分に地域の現状を調べて、さらに要望を入れて、そうしてこれは検討するんだと、こういうことは確認してようございますね。まあ大体駅ができれば、現在バスを利用してる人も多いんですが、これは国鉄に切りかえるんじゃないか、だから住民はむしろこのことを非常に私は望んでいるんだと、こういうふうに考えるわけです。そういうあらわれとしては、これはいままで保原には駅ができるんだということで、町の建設計画ができておりますが、駅前の計画では有人駅ということをすでにもう予定して、ここのところに六千平米からの土地を予定しているわけですね、町としては。ところが鉄建公団がいま考えているのは二千八百平米だというふうに聞いてますが、そういうことでございますか。
#63
○参考人(篠原武司君) 私どもでは、保原町の都市計画についてはまだ十分聞いておらないんでございますが、丸森線全体の駅用地につきましては、国鉄とこれから開業設備関係工事の協議を行います際に、よくそういう点も聞きまして措置したいと考えております。
#64
○岩間正男君 駅計画についても、大体町で予定してるのの半分ぐらいの規模になるということ、町の発展の問題もあろうと思いますが、こういうものを十分に考慮して今後これは検討すると、こういうことでようございますか。
#65
○参考人(篠原武司君) そのとおりでございます。
#66
○岩間正男君 最後に一つお伺いしておきますが、丸森線の工事のために、これは飲料水とか灌漑用水、これが非常に水漏れ状態を起こしたり枯渇したりした問題が出てきたわけですけれども、ことに立体交差のための掘り割りを進めた、ところが実際それがうまくいかなかったので、コンクリートで固めたこの掘り割りの路線が、そこのところに水がたくさんたまる。それが問題になって排水の装置なんかやったんですが、非常に規模が小さいために依然としてこれはうまくいかない。ちょうど私、現場を見たわけですけれども、これはなかなか車が通れないという事態が起こっていたわけです。この問題、当時問題になりまして、これは公団の方とも相談していただいて、その後いろいろな処置がされたように聞いています。
 この前、私は東北新幹線の蔵王トンネルの問題でお伺いしたことがあります。そして、そのとき国鉄総裁にただしたんでありますが、国鉄の工事によって起こったいろいろな被害、こういうものは国鉄の全責任において完全に補償するんだと、こういう方針が国鉄総裁から明らかにされました。その後まあそういう方向で動いていったわけです。そういう点から考えますというと、この原則は鉄建公団の場合にも当てはまると思うんです。幾つかの問題は解決されたようでありますが、さらに二、三カ所のところで問題が起こっている。水が非常に出なくて困っている。そのために大変金を出して井戸を掘ったけれども十分にいかない、こういうような問題が出ているわけですね。こういうようなところについて急速に、やっぱりいままでせっかく要望にこたえて、鉄建公団が処理をして効果が上がっている。これをさらにもう少し、そういうようなところがあるところまでこれはやっていただくのは当然だと思いますけれど、いかがでございますか。
#67
○参考人(篠原武司君) 工事に起因していろいろ御迷惑をかけたところに対しては補償するのがたてまえでございますので、四十二年から四十三年にかけましてそれぞれ個人補償をしたものでございますが、公団としてはいろいろ先生からお話のありましたような事実があるかどうか、その辺の問題もよく調査いたしまして、これから検討して処置したいと思っております。
#68
○岩間正男君 そういう要望が出された場合に、十分に相談に乗っていただいて、そうしてかゆいところに手の届くような、そういう要求にこたえていただくと、そういうことは確認してようございますか。
#69
○参考人(篠原武司君) そのとおりでございます。
#70
○岩間正男君 ちょっと速記に残しておいてください。
#71
○参考人(篠原武司君) ただいま先生からお話のありましたように、われわれは誠意をもって処置したいと思っております。
#72
○岩間正男君 終わります。
#73
○委員長(宮崎正義君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時四十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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