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#1
第075回国会 農林水産委員会 第3号
昭和五十年二月十二日(水曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     竹田 四郎君     川村 清一君
     近藤 忠孝君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤  隆君
    理 事
                小林 国司君
                高橋雄之助君
                神沢  浄君
    委 員
                青井 政美君
                大島 友治君
                鈴木 省吾君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                川村 清一君
                志苫  裕君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       農林政務次官   柴立 芳文君
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林大臣官房技
       術審議官     川田 則雄君
       農林大臣官房予
       算課長      渡邊 文雄君
       農林省農林経済
       局長       岡安  誠君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       農林省農蚕園芸
       局長       松元 威雄君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
       農林省食品流通
       局長       森  整治君
       農林水産技術会
       議事務局長    小山 義夫君
       食糧庁長官    三善 信二君
       林野庁長官    松形 祐堯君
       水産庁長官    内村 良英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和五十年度農林省関係の施策及び予算に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十四日、近藤忠孝君及び竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君及び川村清一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐藤隆君) 昭和五十年度農林省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。
 まず、農林大臣の所信を聴取いたします。安倍農林大臣。
#4
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 最近のわが国経済を見ますと、石油を初めとする資源問題、環境問題賃金物価の動向等内外の経済情勢はきわめて厳しいものがあり、いまや、わが国は、従来の高度成長から安定成長へ経済運営の基調を移行させていかなければならないわけであります。
 一方、農業を取り巻く情勢にも、ここ数年の間に著しい変化がありました。
 一つは、世界的な食糧事情の変化であります。
 穀物等の国際需給は、一九七二年の世界的な不作等を契機に逼迫に転じましたが、今日もその基調に変化は見られず、価格も割り高で不安定な状態で推移しております。また、中長期的に見ましても、穀物等の国際需給は楽観を許さない状況であり、その国際市況も、従来のようなアメリカ等の過剰在庫を背景とした低位安定の時代から高位不安定の時代へと、変化しつつあるものと思われます。
 また、わが国農業の現状を見ますと、過去十数年にわたるわが国経済の高度成長の結果、農村の過剰人口は解消し、農家所得は増大しましたが、反面、農業労働力の脆弱化、地価の高騰、兼業の増大等まことにむずかしい問題に直面しております。
 私は、昨年十二月に農林大臣に就任いたしましたが、このような内外を通ずる多難な局面に対処しつつ、農林漁業の健全な発展を図り、国民の負託にこたえるため、最善の努力を払っていく覚悟であります。
 まず、食糧政策の展開に当たっての基本的態度について申し述べたいと思います。
 さきに述べましたような最近の国際的な食糧事情から見ましても、一億を超える国民の、水準の高い食生活を支えていくために、将来にわたって食糧の安定的供給を確保する体制を整備することが今後の農政の中心課題であると考えますが、その基本をなすものは、申すまでもなくわが国農業の自給力を高めることであります。
 そのためには、長期的視点に立った需給見通しと生産目標を設定し、これに沿って施策の展開を図ることが必要でありますので、最近における国際的、国内的諸情勢の変化を考慮して、新たに昭和六十年を目標年次とする農産物の需要と生産の長期見通しの設定を進めることとしております。この件につきましては、先日、農政審議会需給部会が報告を取りまとめ、現在、農政審議会での審議をお願いしているところであり、最終的に本年春ころまでに取りまとめていただきたいと考えております。政府としましても、審議の結果を踏まえて、長期的視点に立った施策を強力に展開してまいる所存であります。
 一方、わが国の国土資源の制約等から海外に依存をせざるを得ない農産物につきましては、海外からの安定的な供給を確保するための施策を推准してまいる所存であります。
 私は、以上のような基本的考え方に立って、水産政策を含めて総合的な食糧政策を展開してまいる考えであります。
 次に、昭和五十年度の主要な農林漁業施策について申し述べたいと思います。
 まず、国内農業の生産体制を整備するためには、農業にとって必要な土地及び水資源を確保し、これを良好な状態に整備するとともに、高度に利用していくことが必要であります。
 このため、農業生産基盤の整備については、公共事業の抑制方針のもとにあっても、できる限りその重点的効率的な事業の推進に努めることとし、基幹農業用用排水施設の整備、畑地帯総合整備、農用地開発公団を中心とする農用地開発、農村の総合的整備等を重点的に実施することとしております。
 また、限られた農地の有効な利用を促進するため、水田裏不作付地解消運動を全国的に展開し、あわせて麦、飼料作物について、水田裏作の利用増進に重点を置いて施策を強化することといたしております。また、麦、大豆、飼料作物についての生産振興奨励措置を引き続き実施することとしております。
 畜産につきましては、最近の配合飼料価格の高騰等にかんがみ、補正予算で措置した配合飼料価格安定制度の適正な運用を図るほか、国内の飼料生産の増強を図るため、飼料基盤の整備を推進するとともに、新たに緊急粗飼料増産総合対策事業を行うこととしております。さらに、畜産物の価格安定と生産農家の経営の安定のために、国内産の牛肉について、畜産振興事業団の売買操作の対象とするよう、所要の制度改正を予定しておりますほか、鶏卵について計画生産の推進と価格安定のための対策を講ずることとしております。
 また、野菜、果実につきましては、需要に対応した供給を確保するため、野菜については集団的な野菜産地の育成強化、作柄変動防止対策の実施、価格安定制度の改善強化等、果実については大規模果樹生産流通基地整備事業の拡充等、それぞれ生産、流通価格等各般にわたる対策を講じてまいる所存であります。なお、特に、供給過剰による生産農家の経営の不安定が問題になっております温州ミカンについては、果実生産出荷安定基金協会の設置等、生産、流通、加工等にわたる需給安定対策を総合的に講ずることとしております。
 稲作につきましては、五十年度においても引き続き、稲作転換対策を実施し、今後生産の増強が必要となる作目を中心に、転作の定着化を図ることとしておりますが、最近における米穀の需給の動向等にかんがみ、十分な余裕を織り込んだ米の在庫の造成に配慮しつつ、稲作転換目標数量の設定を行ったところであります。
 以上のほか、特に、生産体制の整備を図る観点から、農業構造改善事業等における生産基盤の整備等を推進するための特別措置を講ずることとしております。
 次に、農業に対する意欲と能力を有し、今後の農業生産の中核的担い手となろうとする者を育成確保することが重要であることは申すまでもありません。そのためには、まず、これらの者の経営規模を拡大することが必要であり、このため、集団的生産組織の育成、農業近代化資金の改善と融資枠の大幅な拡大、農業改良普及事業による特別指導、農地相続税制度の改善等の施策を講じていくこととしております。また、特に、農用地の売買または貸借による経営規模の拡大が進んでいない状況にかんがみまして、市町村が農業者の意向に即して農用地の利用権を計画的に設定する農用地利用増進事業を推進してまいりたいと考えております。この農用地利用増進事業の創設や農業振興地域内農用地の開発規制等を内容とする農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案が現在継続審査となっておりますので、この法案が早急に成立の運びとなりますよう御審議をお願いいたす次第であります。
 一方、飼料穀物、大豆等、わが国の国土資源の制約や高い消費水準等から見て、相当部分を輸入に依存せざるを得ない農産物については、その安定的確保を図るため、中長期にわたる貿易取り決めの締結の推進、関係諸国との連携の強化、輸入体制の整備に努める所存であります。また、国際協力の観点に立って、海外諸国における農産物の生産の安定と拡大を図るとともに、同時に生みだされた余力をわが国への安定供給に結びつけていくため、国際協力事業団を通じて、これら諸国における農業開発に対する総合的な協力支援を強化していくこととしております。
 さらに、主要輸入農産物については、引き続き、備蓄対策事業を拡充実施していく所存であります。
 私は、今日の物価問題の重要性にかんがみ、国民の生活に直結する食料品について、内外を通ずる安定的供給の確保と適正な水準による価格の安定を図ることは大きな責務であると考えております。
 このため、需要に見合った供給の確保対策、適正な価格形成、便乗値上げの抑制等適正な行政指導を通じ、物価対策の的確な運営を図ってまいる所存であります。特に、野菜、果実、畜産物等生鮮食料品については、その価格安定対策を強化するとともに、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的整備、小売業の近代化、新流通経路の開発等流通の合理化、近代化にも力を入れてまいりたいと考えております。
 さらに、食品産業等農林企業の近代化を図るとともに、消費者に対する情報提供の充実等消費者保護対策を充実していくこととしております。
 次に、林業の振興について申し上げます。森林・林業施策につきましては、近年、森林の持つ木材生産機能や国土の保全、水資源の涵養、自然環境保全等の公益的機能に対する国民的理解と要請の高まりに対処し、その強力な展開を図ってまいる所存であります。
 このため、改正森林法に基づき林地開発許可制度の適正な運営に務めるとともに、造林の推進、林道網の整備等による林業生産基盤の整備、治山事業の計画的実施、保安林の整備、林業構造の改善施策の充実、緑化の推進等各般にわたる施策の充実強化に務めていくこととしております。また、木材の需給と価格の安定を図る見地から、昨年来実施しております輸入木材等の備蓄制度の拡充、国際協力事業団による海外林業開発協力の強化を図っていくこととしております。
 水産業は、わが国国民の動物性はん白質の過半を供給する大事な食糧産業であり、総合的な食糧政策を進めていくに当たって欠かすことのできない役割りを果たしております。
 しかしながら、沿岸海域における漁場の埋め立て、汚染の進行等による漁場環境の悪化、生産コストの上昇、第三次国連海洋法会議における経済水域設定の動き等、わが国漁業をめぐる内外の条件は困難を加えつつあります。
 このため、沿岸漁業については、沿岸漁場の大規模な整備、開発事業を推進するとともに、沿岸漁業構造改善事業の計画的実施、栽培漁業の振興等を進めていくこととしております。また、遠洋漁業については、関係各国の理解を求めるとともに、相互の協力、協調を進め、海外漁場の確保を図るよう努めてまいる所存であります。さらに、水産物の価格安定対策、漁港の整備、新漁場の開発等を強力に進めるとともに、沿岸海域の漁場環境保全対策の拡充を図ることとしております。
 昭和五十年度の予算は、わが国の経済社会が当面している厳しい情勢の下で、総需要の抑制の継続を基調として編成されましたが、これまで申し述べてまいりました農林水産業に対する施策を推進するために必要な経費につきましては、その重点的確保に努めたところであります。また、必要な法制の整備につきましても、鋭意法律案の作成を取り進めているところでありますので、本委員会において、これら法案についてよろしく御審議のほどをお願いをいたします。
 以上、所信の一端を申し述べましたが、農林水産行政推進のために、本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願いを申し上げる次第であります。
#5
○委員長(佐藤隆君) 次に、昭和五十年度農林関係予算について説明を聴取いたします。柴立農林政務次官。
#6
○政府委員(柴立芳文君) 委員長のお許しを得まして、大臣にかわりまして五十年度農林関係予算の農林大臣説明をいたします。
 昭和五十年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省所管の関係予算を含めて二兆一千七百六十八億円であり、前年度の当初予算額と比較して一一九%、三千四百七十九億円の増加となっております。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、国民食糧の安定的確保に関する予算について申し上げます。
 最近における農産物の国際需給の動向にかんがみ、国民食糧の安定的な供給確保を基本とした諸施策の積極的な展開が重要であります。このため、まず、国内で生産可能なものについては、生産性を高めながらできるだけ国内での生産を図ることとし、これに必要な各般の施策を強化することといたしました。また、輸入農林産物の安定確保を図るための施策についても、その拡充強化を図ることといたしました。
 まず、農業生産基盤の整備につきましては、公共事業の抑制方針のもとにあっても、できる限りその重点的、効率的な事業の推進に努めることとし、基幹灌漑排水事業、畑地帯総合整備、農用地開発公団を中心とする農用地開発、農村の総合的整備等に重点を置き、総額三千五百九十五億円を計上いたしました。
 次に、麦、大豆、飼料作物の生産振興につきましては、引き続き生産振興奨励措置を講ずることとしておりますが、特に、麦及び飼料作物について、水田裏の利用増進に重点を置いて施策を強化することといたしました。また、新たに、なたねについても生産振興奨励補助金を交付することとし、これらに必要な経費として総額百八十六億六千九百万円を計上しております。
 次に、畜産の振興対策について申し上げます。
 まず、飼料対策につきましては、草地開発事業等の推進、飼料作物の生産振興奨励、配合飼料価格安定特別基金の強化等の措置を講ずるほか、新たに、粗飼料の増産とその効率的な利用を緊急に促進するため、緊急粗飼料増産総合対策事業を実施することとし、これに必要な経費三十一億七千六百万円を計上しております。
 また、酪農及び肉用牛対策につきましては、資源の維持増大と飼養規模の拡大を図るため、乳用牛資源確保対策、肉用牛生産団地育成事業等の推進を図るとともに、豚鶏対策につきましても、引き続き各般の事業を実施することといたしております。
 さらに、畜産経営をめぐる環境問題に対処するため、環境保全集落群育成事業を拡充強化するほか、家畜衛生対策につきましても、その充実を図ることとしました。
 畜産物の価格対策につきましては、国内産牛肉について、その価格の安定と生産農家の経営の安定を図るため、これを畜産物の価格安定等に関する法律上の指定食肉とし畜産振興事業団の売買操作の対象とするとともに、鶏卵について、新たに計画生産の組織的強化と卵価安定基金の補てん原資造成に対する助成を行い、価格の安定を図ることとしております。また、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施いたします。さらに、畜産物の流通加工につきましても、新たに、食肉流通体系の総合的整備、消費地食肉大規模冷蔵施設の設置、標準食肉販売店の育成等の事業を実施することとしております。
 このほか、学校給食用牛乳供給事業を引き続き実施することとし、これらを含めた畜産振興対策の総額は、八百五十六億三千九百万円となっております。
 次に、畑作の振興について申し上げます。
 野菜対策につきましては、まず、生産対策として、野菜指定産地生産出荷近代化事業を拡充するとともに、新たに、作柄変動防止のための野菜生産安定対策事業を実施するなど施策の充実を図りました。
 価格対策につきましては、野菜生産出荷安定資金協会が行う価格補てん事業につき、保証基準額の引き上げ、補助率の引き上げ等事業内容の拡充を図るとともに、新たに、価格高騰時の対策のための実験事業を実施することとしましだ。また、流通、加工対策としては、新たに、広域流通加工施設の整備を行うこととしております。
 以上の野菜対策として、総額二百四十三億五千三百万円を計上いたしました。
 果樹農業の振興対策につきましては、大規模果樹生産流通基地整備事業を拡充するほか、温州ミカンについて、改植等を促進するとともに、果実生産出荷安定基金協会の設立等により、生産、流通、加工にわたる需給安定対策を総合的に講ずることとしております。これら果樹対策の総額は、六十二億三千六百万円となります。
 その他、養蚕、特産物等の生産振興につきましては、新たに、副蚕処理近代化実験事業、畑作高度営農団地育成事業、てん菜栽培受委託推進実験事業等を実施することといたしました。
 次に、稲作転換の推進について申し上げます。
 稲作につきましては、引き続き稲作転換対策を実施し、今後生産の増強が必要となる作目を中心に、転作の定着化を図ることとしておりますが、最近における米穀の需給の動向等にかんがみ、十分な余裕を織り込んだ政府在庫の造成に配慮しつつ、稲作転換対策数量を百万トンとしました。
 この稲作転換の円滑な推進を図るため、稲作転換奨励補助金等を引き続き交付することとし、関係経費九百七十一億八百万円を計上いたしました。
 以上のほか、特に、生産体制の整備を図る観点から、農業構造改善事業における生産基盤の整備等を推進するための特別措置を講ずることとしております。
 次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。
 飼料穀物、大豆等国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農林産物については、その安定的輸入の確保を図るとともに、海外諸国における農林産物の生産の安定と拡大等のため、昨年設立された国際協力事業団を通じて海外における農林業開発に積極的に協力することとし、外務省に一括計上した国際協力事業団出資金総額七十億円のうち、農林関係分として三十七億円を計上いたしました。
 また、大豆、飼料穀物及び木材について、備蓄対策を拡充実施することとし、これに要する経費として、総額二十二億三千六百万円を計上しております。
 次に、農業生産の担い手の育成に関する予算について申し上げます。
 今後のわが国農業の発展のためには、農業の中核的な担い手の育成確保を図ることが重要であります。
 このため、新たに、中核農業経営育成特別普及事業を実施するとともに、農用地の有効利用と農業経営の規模拡大を図るため、農用地利用増進事業促進対策を実施することといたしました。また、金融面でも、総合施設資金の貸付枠を拡大したほか、農業近代化資金について、中核農業者が経営規模を拡大するのに必要な特定の初度的経営資金の融通を行うこととしております。
 このほか、農村青少年対策、集団的生産組織の育成対策、農地保有合理化促進事業を拡充実施するとともに、農業構造改善事業につきまして、総額三百七十七億八千二百万円を計上して事業の推進を図ることとしております。
 農業地域の整備開発につきましては、引き続き、農業振興地域整備計画の適切な管理を行うとともに、農村総合整備モデル事業の大幅な拡充等農村の総合的整備を進めるほか、農村地域への工業導入、山村対策等につきましても事業の拡充を図ることとし、所要の経費を計上いたしました。
 次に、食料品の流通加工の近代化と消費者対策の充実について申し上げます。
 国民の日々の生活に直結する食料品を安定的に供給し、消費者価格の安定を図ることは、農政の重大な使命であります。このため、先に申し述べましたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するとともに、特に、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的整備等のため百三十二億四千四百万円を計上いたしました。また、小売業の近代化、新流通経路の開発等生鮮食料品の流通の合理化、近代化を引き続き推進するとともに、新たに流通近代化基本対策調査を実施することとしております。
 また、消費者保護対策及び食品産業等農林関連企業対策につきましても、それぞれ所要の経費を計上して施策の拡充を図りました。
 次に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。
 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を四千三百三十億円に拡大するとともに、融資内容の拡充整備を図り、同公庫に対する補給金として三百三十二億一千万円を計上いたしました。
 また、農業近代化資金につきましては、貸付枠を四千五百億円と大幅に拡大するとともに、前に述べましたように、農業生産の中核的担い手に対し一定の経営規模の拡大を行うのに必要な特定の初度的経営資金を融通することとしております。このほか、農業改良資金、漁業近代化資金につきましても、貸付枠の拡大を行うとともに、農業漁業に対する融資保証制度につきましても、その充実を図っております。
 次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。
 まず、林業生産基盤の整備につきましては、林道事業として三百億四千万円、造林事業として百八十四億五千万円をそれぞれ計上し、事業の推進を図ることといたしました。
 治山事業につきましては、総額六百二十三億五千万円を計上し、このうち、百八億五千六百万円を国有林野内治山事業に充てることとしました。
 また、森林の多角的機能の維持増進につきましては、新たに、保安林整備計画樹立費を計上するほか、緑化を推進するため、新たに都道府県緑化推進施設及び青少年の森の整備を行うこととしております。
 さらに、林業構造改善事業につきまして、八十五億七千三百万円を計上して事業の推進を図るとともに、特用林産物生産流通改善対策事業の新規計上、森林病害虫防除対策の大幅拡充を行うほか、林業労働力対策、木材の備蓄など需給安定対策等につきましても、所要の経費を計上し、これら事業の拡充を図ることといたしました。
 次に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。
 水産業につきましては、沿岸水域における漁場環境の悪化、沖合い・遠洋水域における国際的規制の強化等内外の厳しい諸情勢に対処して、水産物の供給の確保を図るため、各般の施策を推進することとしております。
 まず、沿岸漁業につきましては、魚礁設置、漁場造成等沿岸漁場の整備開発のため四十一億五百万円を計上するほか、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を拡充実施することとしております。
 また、漁業生産基盤の整備につきましては、六百十五億六千二百万円を計上して、漁港及び漁港関連道の整備を進めることとしております。
 水産物の価格、流通及び加工対策につきましては、新たに、需給調整用大規模冷蔵庫設置事業、水産物調整保管事業等を実施することといたしております。
 また、海洋水産資源の開発につきましては、深海漁場の開発を含め新漁場開発のための各種調査を拡充するとともに、海外漁業協力財団による海外漁場の確保対策につきましては、四十一億五千七百万円を計上して事業の推進を図ることといたしました。
 なお、漁場環境保全対策につきましては、引き続き各種施策の強化を図ることとし、所要の経費を計上いたしました。
 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として三百五十一億九千二百万円、農業改良普及事業及び生活改善普及事業として二百二十九億二千二百万円を計上するほか、林業及び水産業の改良普及事業につきましても所要の経費を計上いたしました。
 また、農業災害補償制度の実施につき八百六億七千五百万円、農林統計情報の充実整備に九十一億二千百万円等を計上しております。
 次に、昭和五十年度の農林関係特別会計予算について御説明をいたします。
 まず、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧につき、食糧管理制度の適切な運営を図るとともに、飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。なお、一般会計からは、調整勘定へ七千五百二十億円、国内米管理勘定へ五百八十九億円、輸入飼料勘定へ七百二十八億円をそれぞれ繰り入れることといたしました。
 また、農業共済再保険特別会計につきましては、一般会計から総額四百五十八億二百万円を繰り入れることとしたほか、「森林保険」、「漁船再保険及漁業共済保険」、「自作農創設特別措置」、「国有林野事業」、「中小漁業融資保証保険」及び「特定土地改良工事」の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上いたしました。
 最後に、昭和五十年度の農林関係財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等が必要とするものとして、総額三千六百二十五億円の資金運用部資金等の借入れ計画を予定しております。
 これをもちまして、昭和五十年度農林関係予算の概要の御説明を終ります。
#7
○委員長(佐藤隆君) 本件に対する質疑は後日行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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