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#1
第075回国会 農林水産委員会 第7号
昭和五十年三月二十日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤  隆君
    理 事
                小林 国司君
                高橋雄之助君
                神沢  浄君
                原田  立君
    委 員
                青井 政美君
                岩上 妙子君
                大島 友治君
                梶木 又三君
                初村滝一郎君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                栗原 俊夫君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                向井 長年君
   衆議院議員
       農林水産委員長
       代理理事     坂村 吉正君
       発  議  者  坂村 吉正君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
       国 務 大 臣  金丸  信君
       (国土庁長官)
   政府委員
       厚生政務次官   山下 徳夫君
       厚生省医務局次
       長        木暮 保成君
       農林政務次官   柴立 芳文君
      農林大臣官房長  大河原太一郎君
       農林省農林経済
       局長       岡安  誠君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局次長    角野幸三郎君
       農林省農林水産
       技術会議事務局
       研究総務官    鈴木 章生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○山村振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
○畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○鶴園哲夫君 きょうは、最後のような質問になるわけですから、ですから、それぞれ各委員の方からいろんな質疑があると思うのですけれども、私は二つお尋ねをしたいのです。
 一つは動物検疫所の整備、強化という問題ですね、その全般論について伺いたいのですけれども、私、農林省の職員録を見てみますというと、動物検疫所というのが横浜にあって、で、支所が五つですね。沖繩まで入れまして五つあって、それぞれ出張所があって、その出張所というのは十一ありますね。で、あと分室がある。この間、職員録を見るとそういう配置になっていますね。それで、この整備、強化について、五十年といいますか、あるいは昨年からと言ってもいいんですが、四十九年から、あるいは五十年からどのように整備、強化しようとしていらっしゃるのかということと、それから、その動物検疫所全体に働いている動物検疫官というのですか、その員数ですね、をお尋ねしたいわけであります。
#4
○政府委員(澤邊守君) 現在、動物検疫所において動物、家畜、畜産物の輸入検疫をやっておるわけでございますが、御承知のように、最近、一般動物、家畜、畜産物の輸入が非常にふえております。人の交流も非常にふえておりますので、検疫につきましては、海外から悪性伝染病が侵入しないように、特に厳重に行う必要があるということが畜産振興上も非常に必要であり、また、公衆衛生上も必要であるということでやっておるわけでございますが、現在の体制といたしましては、御指摘にございましたように、本所が一カ所、支所が五カ所、出張所が十一、それに分室が三ということで、主要な海港及び空港に設置されておるわけでございます。
 これまでの整備の経過を御説明しますと、四十五年度から三カ年計画で主要な輸入港、これは神戸と横浜でございますが、その動物検疫所の施設整備を進めました。さらに、四十六年に成畜の輸入の自由化が行われたわけでございますが、それに伴いまして輸入頭数がふえるという見込みがごさいましたので、検疫所の博多出張所というのがございますが、それを四十六年度から二ヵ年計画で施設の整備を終わりました。また、最近におきましては、船よりは航空機によって種畜等が輸入される例が非常にふえてまいっております。したがいまして、四十六年度から三カ年計画で成田空港における係留施設を設置をいたしましたほか、現在考えておりますのは、この五十年から鹿児島の支所の整備を行いたいと思っております。これは、鹿児島は現在市内にあるわけでございますが、周辺が市街地化したということと、施設も老朽化しておりますし、さらに鹿児島空港は国際空港になりまして、特に南九州地域は新興の畜産主産地ということで、家畜の輸入も非常に今後もふえてくる見込でございますので、南九州地区の輸入の基地的な性格になるわけでございますので、鹿児島空港周辺に移転整備をしたいということで、五十年度からおおむね二カ年計画をめどにして整備に着手することにいたしております。これらの施設整備によりまして、四十九年度までに、成田空港を含めまして全国の主要海、空港十二カ所の係留施設で、同じ時期に牛馬換算で一千五百頭の係留検査が実施できる能力を現在持つに至っております。係留施設等の施設の整備とあわせまして、検査の機器の近代化を図るとか、あるいは検疫技術の向上を図ることも必要でございますので、そのような努力をいたしております。
 お尋ねのもう一つございました家畜の防疫官、これは獣医師の資格を持っておる職員を充てておるわけでございますが、現在百二十五名に増員をいたしておりまして、これは四十五年度八十三名でございましたので、政府全体の定員の抑制あるいは削減措置という中では、特段の配慮をいたしまして増加をいたしておるわけでございます。これら施設、機械、人員の面で整備を進めておるわけでございます。これによりまして、動物、畜産物の検疫業務について万全を期するという考えで進めておるわけでございます。
#5
○鶴園哲夫君 いま局長、鹿児島支所というふうにおっしゃったけれども、支所に昇格するわけですか。
#6
○政府委員(澤邊守君) 失礼いたしました。鹿児島出張所の誤りでございます。訂正いたします。
#7
○鶴園哲夫君 そこで、いろいろお尋ねをしなければならぬのだけれども、まず、人事院見えていますか、人事院まだ来ていないかな。――来ていないですね。
 そこで、この防疫官というんですかね、この防疫官が八十三名から百二十五名へというふうに特段の努力をされたというお話なんですが、防疫官その前に支所長というのは、出張所長というのは、これは何等級なんですか。
#8
○政府委員(澤邊守君) 支所長は三等級、出張所長は四等級でございます。
#9
○鶴園哲夫君 その防疫官の資格ですね、どういうような資格でもってこの防疫官になっているんですか、主として。
#10
○政府委員(澤邊守君) 獣医師の資格を持っている者をもって防疫官に充てております。
#11
○鶴園哲夫君 じゃこの問題は、後で人事院が見えると思いますので、お見えになってからお尋ねをしたいと思います。
 もう一つ、五十年に鹿児島の出張所を移転をして、そして拡充をするということについて伺いたいんですけれども、お話のように、確かに飛行機を使った家畜の輸入が近年非常にふえてきています。そういう意味で成田の空港に検疫所を設置されて、それを拡充される。さらにまた、鹿児島の出張所を空港の近くに移して、そして拡充するということなんですが、いま鹿児島の出張所は、鹿児島市の前の空港の近くにありますが、統計資料を見ますというと――四十八年しかわかっていないんですけども、四十八年度までの統計資料を見ますというと、鹿児島の動物検疫所で扱っている仕事の量というのは推察がつくわけです。それが今度、五十年度から鹿児島の空港が国際化しているし――まあ形式的には国際空港になっておるわけですから、その空港の近くに移転をして拡充すると、当然その空港を使った動物の輸入というのがふえてくる、ということだろうと思うんですが、現在、この鹿児島にある出張所の仕事はどのような形になって行われておるのか。空港と港と両方ですね、どのような形で取り扱って仕事をしていらっしゃるのか、それをまずお尋ねしたいと思うんです。
#12
○政府委員(澤邊守君) 現在は鹿児島空港に種畜等の家畜が輸入されるという例は非常に少ないわけでございます。現在は鹿児島港――海の方の海港の方ですが、これに入りますものの、検疫対象になりますのは主として骨粉が大部分でございます。先ほど申しましたように、今後畜産の主産地として発展が期待されております南九州地区に、直接種畜等を入れるという場合には、今後は鹿児島空港を使って空路輸入をするということがふえてまいるというふうに思っておるわけでございます。
 現在、職員は三名おりまして、当然移転整備をいたしますれば人員の増加もいたしたい。さらに空港の周辺に移転をするといたしますと、海港の方の検疫も必要でございますので、海港の方には分室をつくるとかいうようなことによりまして、空港、海港ともに支障のないような検疫体制を整備していきたいというふうに考えております。
#13
○鶴園哲夫君 それは、いまは港に着きます骨粉と、それからニュージーランドから羊の肉が入っておるわけですね。そういうものに対する検査が行われている。消毒、そういうものが行われておる。で、あと羽田に着いた鶏のひなですね、これは、大きくして種鳥にするわけですけれども種鳥にするわけですけれども、そういうものが羽田に、アメリカ、ロンドン等から多数着いておって、それが羽田で着地検査をして、それを鹿児島空港に送って、鹿児島の空港で係留検疫をするというようなことはやっていないのかどうか。
#14
○政府委員(澤邊守君) 骨粉が主と申しましたけれども、御指摘のように、ニュージーランドからマトンが一部入りますとともに鶏のひなが入っております。これは羽田から鹿児島空港に回しまして、そこで係留検査を現在やっております。
#15
○鶴園哲夫君 そこで、その羽田の空港にはまあこれ当然五十四年度には成田の空港ができるというようなことになっておりますから――いまのところ、羽田には、そういう大きな敷地もないでしょうし、ですから、何万羽というふうに着くひなを係留してどうこうするとか、あるいは大型の家畜を係留して、そして防疫をするとかいうことはなかなか羽田ではできにくいということだろうと思いますが、それは横浜でやっておられるのじゃないかと思うのですけれども。それで、横浜に係留して横浜でやるということにもなるんでしょうし、今後、成田空港が五十四年にできるということになりますれば、成田空港に先ほどのお話のように、そういう係留所をつくって、そこで二週間なら二週間、あるいは三週間係留して検疫をするということになるんだろうと思うのですね。そういう場合、成田空港に検疫所ができてそういう係留地ができる、そのことと、横浜のいま行われている係留所の関係、それから、鹿児島の空港が五十二年度中には完成し、五十二年から発足することになるんだろうと思うのですが、そうすると、そこに、そういう係留所をつくって、飛行機で運ばれて来る小家畜あるいは大家畜の係留をして検疫をする、ということになると思うのですね、その関係。つまり、成田が完備した場合に鹿児島はどうなるのかということと、それから、成田ができた場合に横浜にある係留地の検疫というものはどうなるのか、その三つの点について、相互関係についてひとつお尋ねしたいわけです。
#16
○政府委員(澤邊守君) 成田の検疫施設ができますれば、そこで係留検査をやるわけでございますが、全体といたしまして、成田に重点的に全部やるというわけにまいりませんので、従来、羽田で行えなくて横浜へ行ったものはもちろん成田でできますけれども、なお、横浜におきましても、直接鹿児島ヘチャーター便等で入るものも考えられますので、それらのものについては、鹿児島におきます検疫も合わせて――いまの三カ所について申し上げれば、三カ所それぞれにやるという体制でいきたいというふうに考えております。
#17
○鶴園哲夫君 そうしますと、成田に係留地ができるそれはそれとして、さらに横浜にある係留地は係留地としてやる、鹿児島の空港にできる係留地は係留地としてやる。それはつまり、輸入の小家畜あるいは大家畜というものがやはり漸次ふえていくというような考え方もあって、そういうようなお話なんだろうと思うのですが、その点についてはいろいろ疑念の点もありますけれども、いま局長の話はそういうことで承っておきたいと思います。
 鹿児島の空港の方、鹿児島にできますのはこの五十年の予算としてはどれだけ組んであるのか。
 それから、現地で聞きますというと――五十年度は敷地を確保するという考え方のようであります、というように聞いております。ところが、現地で聞きますと、二千万円の敷地の費用だという話なんです。ですが、空港の近くはもういまや十アール二千万円程度になっておるわけです。なお係留地には、どうしても二万平米ぐらい、六ヘクタール程度の土地が必要だということです。ですが、敷地等の経費としては二千万円、言うならば十アールしかない、六十分の一しかないということになるわけですけれども。そこで相当空港よりも遠いところに、相当離れたところにつくらざるを得ないだろうという気がするのですけれども、これまたえらい話だというふうに思っておるんですが、どういうふうに考えられていらっしゃるのかお尋ねをしたい。
#18
○政府委員(澤邊守君) 鹿児島出張所の二カ年間を目途といたします整備計画は、いま御指摘ございました用地は二万平米。それから建物は検査室が一棟、畜舎三棟が主要なものでございますが、五十年度の予算といたしましては、用地購入費は二千二十万円を計上いたしておるわけでございます。それから、さらに五十年度の建物の整備といたしましては、先ほど言いました全体計画の中で、畜舎一棟設置費といたしまして七千五百二十三万七千円というのを予算に計上しておるわけでございます。そこで、設置場所、用地の取得の問題でございますが、これは県のごあっせんも受けながら、現在選定中でございまして、まだ決定はいたしておりません。ただ、いま先生の御指摘ございましたように、近いところはかなり高くなっておりますので、余り遠隔地に離れるわけにはもちろんまいりませんけれども、近くと、それから若干離れた十数キロでございますが、離れたような地点と二候補地が出てまいっておりまして、現在慎重に検討しておるところでございます。もちろん、空港に近いところだと、現在の予算ではなかなかやりにくいという面はございます。その辺も考え合わせまして決定をしたいというふうに考えております。
#19
○鶴園哲夫君 庁舎の方はどうなるんですか。庁舎の方は空港のすぐ近くに建てるのか、係留地はいまお話のように、二千二十万という金ですから、それは飛行場の近辺では十アール程度しか手に入らない。六ヘクタールというものでありますと、相当遠く離れませんと、二十キロぐらい離れないととても手に入らんだろうと思います。そこへ係留地の畜舎を三棟建てるということになるのだろうと思いますが、ですが、いまの庁舎は、これは空港の近くに置かれるわけですか。そうすると、その敷地の問題も出てくる。あるいは、庁舎はいまお話の係留地に置かれるのか、そういう点について。
#20
○政府委員(澤邊守君) 庁舎といいますのは、検査室のことでございますけれども、まあ、係留施設である畜舎と検査室は、仕事の関係からいたしまして、同じ地点に、同じ場所に設けたいというように考えております。もちろん飛行場の航空機がつく場合には、飛行場に出張いたしまして、所要の検疫もやるということでございますが、係留に伴う検疫が一番業務量としては多いわけでございますので、お尋ねの庁舎――検査室でございますが、これは同じ場所につくるという考えでおります。
#21
○鶴園哲夫君 そうしますと、飛行場から二十キロ程度離れたようなところ、つまり二千万円で六ヘクタール程度のものが手に入るような地域、ところ。そこへ係留地ができる。それで、その仕事が大部分であるから、したがってその出張所もそこに置く。その二十キロ程度空港から離れたところに置くというふうに受け取れますですね。それで、いま、現在あります出張所は、鹿児島の市の中にあるのですが、それから約四十二、三キロ離れたところに飛行場ができておるわけですね。それから、さらに二十キロ程度山っちょの方に入らなければ――山に入らなければということがありますが、山に入らなければそういう係留地ができない。そこへ、庁舎といいますか、職員がおるところもそこにある。そして、飛行機が着くたびに自動車で飛行場まで行かなきゃいかん。ですから、これは、ちょっと二十キロぐらい離れないと、とても二千万円で六ヘクタールの土地はありませんからね。それも普通の畑や、そういうところではだめであって、ずっと山っちょに入って山でも開墾しなければ、これは二千万円で六ヘクタールなんという土地はないわけです。とてつもない田舎の中に建てなければいかぬという――田舎というよりもう山の中ですな。山の中に建てなければいかぬということになるわけですけれども、そういうことになりますか。いまの局長の答弁だとそういうことになりそうですね、受け取れますね。
#22
○政府委員(澤邊守君) 二万平米でございますので二ヘクタールちょっとということでございますが、まあいま候補地になっておりますのは、二十キロまではいかないところが一つ候補地になっておりますので、取得経費との関係からいたしますと、最終的にはもちろん決めておりませんけれども、飛行場近接地のところではなかなか用地が取得しにくいという問題もございます。そこで、庁舎、畜舎はただいま申しましたように併設をいたしまして、仕事の関係上併設を必要といたしますし、いまの鹿児島県の御あっせんも得ておりますので、決めたいと思っておりますが、ただ職員の宿舎等につきましては、勤務あるいは社会生活に利便な、支障のない場所に決めていきたいというように考えております。それによりまして、移転に伴って職員が従来に比べまして生活上非常に困るということのないようにしてまいりたいと思っております。
#23
○鶴園哲夫君 私は、職員が勤めている庁舎は、空港の近くにできるものだと思っておったわけです。しかし、先ほどの局長のお話ですと、またいまの答弁ですと、飛行場からまた十七、八キロ離れた相当山手に入ったところ――相当じゃないな、これはうんと山手ですね。山手に入ったところに係留地をつくって、そこへ庁舎もできるということになりますと、これはえらいですね。そして職員の宿舎はそれは大変ですから、そこでの生活というのはえらいですね、これは。そうしますと、どうしても、具体的に言いますと、飛行場のそう遠くないところに、加治木町という町がありますから、その加治木町に職員の宿舎はできると言わなければならぬ。そうしますと、加治木町から、そこの、いまおっしゃる係留地まで、これはやはり三十キロぐらいの――もっと遠いところになりますですね。それで、三十キロぐらい……。だから、庁舎は飛行場の、空港の近くにできるのか、それともいまお話しのように、飛行場からさらにずっと山手に入った十七、八キロ離れた係留地の中にできるのか、その点がはっきりしません。それはえらい話です。決まっていなければ決まっていないでいいのです。ですけれども、こういうのは、どこでもおつくりになっていらっしゃるわけですから、考え方というものは、はっきりあると思うのですね。
#24
○政府委員(澤邊守君) 宿舎につきましてもまだ決めておりませんけれども、これは先ほど申しましたように、生活の利便ということもございますので、係留施設あるいは庁舎等とは別個に、われわれといたしましては、鹿児島市と飛行場の間の適地を求めて決めたいというように現在のところは考えておるわけでございます。もちろん庁舎に近いということも必要でございますけれども、反面生活の利便ということを考えますと、庁舎のすぐ近くというわけには、今回はあるいはまいらないかと思いますが、しかし交通の便等も考えまして、離れましてもあまり不便のないように、そのような地点を選定をいたしたいというふうに考えております。
#25
○鶴園哲夫君 私の伺っているのは、簡単な話であって、空港から十七キロか、十八キロ離れた二万平米の係留地の中に庁舎ができるのか、あるいは空港のすぐ近くに庁舎はできるのかということですね。そうしてあと職員の宿舎はどうなるのかということなんですよ。それで生活の点からいいますと、これは空港の近くに宿舎をつくってみましても、それは買物するところは全然ないわけですから、何もないのです。買物するところ何もないのです。全然ないといっていいです。ですから、そこには、それはちょっと……。それは全日空は飛行場のすぐ近くにアパートを建てていますが、買物は全部自動車で一括してやっておるのです。そういう利便があれば別ですけれども、そうでない限りにおきましては、ぜいぜい六戸ぐらいの職員住宅でしょうから、そうしますと、そういうようなことは考えられない。そうすると、これはどうしても最も近い町といいますれば加治木町ですから、加治木町に職員の宿舎をつくるということになるだろうと思うのです。ただ、その庁舎が、二万平米の係留地につくるということになりますと、これはまた非常に遠いですね。三十キロは十分ありますよ。これもまた大変な話です。ですから庁舎は空港の近くにできるのじゃないですか。それで二万平米の係留地には、それは職員を置かなければなりませんし、仕事はそこでやりましょうけれども、どうもそこら辺がはっきりしない。係留地に庁舎ができるのか、空港に庁舎ができるのか、その点をはっきりさしてもらいたいと思います。
#26
○政府委員(澤邊守君) 宿舎はいま具体的な名前も出ましたけれども、そのような町を念頭に置いて現在選定をいたしておるわけでございます。そこで庁舎、畜舎の方は、私どもは、いま一つの候補地になっておりますのは、十七、八キロ離れておるというように聞いておりますが、そこに仮につくるということになりますれば、飛行場の空港ビルの中にも一室をお借りをして事務を行うということも考えておりますので、その辺の仕事の配分も考えていきたいというように思います。何分用地の取得といいますのは、近くに求められれば結構でございますが、予算等の関係もございまして、若干離れたところもやむを得ないかと思いますが、その際には空港の中でお借りする部屋で、かなりの仕事が処理できるように仕事のやり方も考えながら、できるだけ勤務に不便を来たさないように考えてまいりたいというふうに思います。
#27
○鶴園哲夫君 そうしますと、私の理解では二万平米の空港から十七、八キロまた山手に入ったところに係留地ができる、そこに主たる人員はおるのだ、そうして空港の中に一室を借りて事務所もまた置かれているという感じですね。そうして、宿舎の場合は、六戸か七戸かはっきりしませんが、その程度のものが町にできる。それは該当しているところは現地では加治木町だと、こういうふうに言われているんですね。言われているわけです。言っているんじゃなくて言われている。そういう話が出ている。
 そこで、もう一つの問題は六戸か七戸ということになりますと、これは国設宿舎にならないわけですね。加治木町には労働省の職業安定所もありますが、あるいは農林省の食糧事務所の支所もあります。またすぐ隣には統計の出張所もあります。また加治木町には建設省の道路管理事務所もあります。ですから、そういう意味で、二十戸の国設宿舎ということを考えれば、考えられないこともないけれども、しかし、とても二十戸の国設宿舎をつくるというわけにいくまい。そうしますと、省庁別宿舎を考えなければならぬということになると思うのですね。そこら辺のことはどうお考えになっていらっしゃるのか。国設宿舎になさるのか、省庁別宿舎にされるのか、どういうふうに考えていらっしゃるのか。
#28
○政府委員(澤邊守君) 宿舎につきましては、現在財務局といろいろ御相談をしておるところでございますが、いま御指摘にございましたように、二十戸各省の出先機関が集まってつくるということになりますれば、公務員住宅、国設宿舎ができるわけでございますので、財務局もそのようなことをできればしたいという意向のようでございますので、われわれとしても、そのような方向でお願いをして進めていきたいというふうに思っております。
#29
○鶴園哲夫君 次に、先ほどの問題で人事院の給与局の次長が見えておりますから伺います。
 動物検疫所の獣医さん、防疫官の処遇の問題について、これは二十六年以降は獣医というのはすべて四年制の大学を出て、そして獣医の国家試験を通って上級職の乙という資格で採用されて、防疫官として従事をしているわけです。それで動物検疫所の機構というのが、検疫所があって、そして支所があって、支所が五つあって、出張所が十一あるという組織になっておりますね。それで分室が三つある。そういう組織になっている。ですから、組織のたてまえから言いますと、当然支所長というのは、これは三等級ということになりましょうし、出張所長というのは四等級ということになる。画一的に考えればそういうことになるだろうと思いますね。言うならば権威ある組織と同じ位置づけになりますよね。
 そこで、問題が出ているのは、国家試験を受けて獣医で動物防疫官として働いているんだが、行き着くところは支所長というところですね。三等級ということになるわけですな。出張所長だと四等級というところになるわけです。これが大変不満なわけです。不満じゃなくて、これは大変不つり合いだということですよね。人事院というものはいいかげんなところで、ぼくも長い間おつき合いをしておりますけどね、とにかくどっか、そっかに振り回されちゃってさ、それで小さな職種といいますか、人数の少ない職種というものはなおざりにされるといいますかね、いいかげんに忘れられるというのかな。看護婦さんの問題だって、これは長い間忘れておったわけですから、ごく最近ですよ。それも、どっか、そっかの力で、中には大変な不満があったんですけれども、いろいろの事情で、最近目が向けられるようになったわけです。ですから、私は、いま次長に対しては申しわけないんですけれども、そういうことを言っちゃね。申しわけないんですけれども、しかし、何といいますかね、少ない職種についてなかなか手が届かないというところがあると思うのですよ。そこで、いま一体、動物検疫官の問題について、行き着くところが四等級だというのじゃ、これはあまりひど過ぎやしないかと思いますがね。防疫官が百二十五名だというのです、百二十五名です。支所長が五名ですから、出張所長が十一名ですから、あと本所がありまして――この職名わかっております。数もきちっとしているのですわ。そうしてみますと、これはひどい話だな。これ、どういうことだろうと思うのですけれどもね。人事院も検討すべきであるし、それから農林省も少し主体性がないんじゃないですか。もっときちっとしたらどうですか。どうですか、ここのところをきちっとしてもらって、もうちょっと上げなければどうにもなりませんよ。これはどうでしょう。まず、農林省の見解を承って、それから人事院の角野さんの見解も承っておきたい。
#30
○政府委員(澤邊守君) 家畜防疫官は、海外からの悪性な病気の、伝染病の侵入を阻止するというような重要な任務を持っておりますし、また、高度な専門技術も要するという仕事でございますので、その待遇の改善をいろいろな面で図っていくということは大事なことだというふうにわれわれも考えておるわけでございます。
 いま御指摘ございました点は、獣医職というような特別な職をつくったらどうかという、あるいは御意見かと思いますけれども、この点につきましては、検査の性格から言いまして、一般の行政に属する仕事ではないかど。行政の範疇に入る仕事だというような点から、なかなか切り離して特別の職種をつくるというのはむずかしいと思いますし、それから現在、給与上、国家公務員の上級職の待遇を特別にしておるというようなことはございますが、そういう特別な職種をつくるということは非常にむずかしいのではないか。いろいろ研究はいたしておりますけれども、むずかしいのではないかと思います。また、他の機関との人事交流等もやる必要もございますので、それらを考えますと、特別の職種を考えるということについてはなお慎重に検討すべき問題ではないかというように思っております。
 その他、職員の処遇の改善に関連することといたしましては、空港勤務という特殊性がございますので、いろいろな勤務条件につきましては特別な手当等についても、できるだけ拡大していくような方向で、今後も関係当局ともお願いをしたり、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#31
○説明員(角野幸三郎君) 人事院からお答えをさしていただきます。
 ただいま先生から動物検疫所の検疫員について等級別定数といいますか、職務の等級の改善についてのお話がございました。私ども、いま先生のお話では、非常に小さいところでありますとか、数の少ないところはおろそかになっておるというふうに、おしかりをいただきましたが、毎年等価別定数の改善作業をいたしておりますときには、各省、たとえば農林本省からいろいろ御相談をいただきまして個別に綿密に作業をいたしておるつもりでございます。
 お話の検疫員の処遇の問題でございますが、これは実態をよく見さしていただいて、それで旧制の専門学校卒の方が多い、そういう専門職のポストでございますが、私どもも、専門職員として、上の等級まで処遇できるように努力はいたしております。
 なお、先生の御趣旨を体しまして、職責あるいは属人的な要素も考えながら、よく検討いたしたい、そういうふうに思います。
#32
○鶴園哲夫君 この検疫官は、二十六年からは四年制の大学になって上級職で、乙で採用しているわけです。いま角野次長のお話のように、古いところは、専門学校というようなところもあります。また、それ以外のものもあります。ですから、二十六年以降は、いま申し上げたように、四年制の大学を出て、上級職の、いまで言えば乙ということで採用しているわけです。そういう人たちがいまや四十を越してきているわけですね。これはえらい不満がある。
 それから、局長は、人事異動のことをお話になりましたけれども、これは、そういえばそれもあるでしょう。それはもう、まことに微々たるものであって、防疫官をしておる者を行政官に持ってくるというわけにはなかなかいかぬだろうと思います。なかなか、これはむずかしい問題だろうと思うんですね。ですから、これは地方公務員の場合は医療職で取り扱っているんじゃないですか。
#33
○政府委員(澤邊守君) 各県にございます家畜保健衛生所の職員は医療職の二の職種に入れられております。
#34
○鶴園哲夫君 じゃ、それと同じようなタイプのことなんですから、それはやはり何らかの形ではっきり処理しないというと、処置してもらわないと。いま角野さんの認識は旧専門学校というお話ですけれども、それはいまの五十前後の人たちであって、いま四十を越す人たちというのは、二十代から四十にかけてはもうすべて四年制の大学の人たちが入っているわけで、いまで言えば上級職の乙という形で入っておるわけで、それが皆五等級にぶっとまっておるわけですね。だって、出張所長というのは、いま言ったように十一人しかいないわけですから、支所長というのは五人しかいないわけですから、皆四等級にぶっとまざるを得ないです。そういうものを農林省も具体的に考えなきゃいかぬですね、国会でごちゃごちゃ言う前に。しかし、国会というのは公務員の問題を取り扱うところですから、ぼくも物を言っているんですけれども、国家公務員の問題を取り扱うところだから文句言っているんですけれども、これはもっと考えてくれにゃ困りますね。人事院もいかぬ、認識悪いよ、これ。給与の問題だと、俄然、元気出るんだ、ぼくは。全然、認識悪いなあ。これは畜産局長もそうだなあ、何か人ごとみたいな話じゃだめですよ、これ自分のところなんだから。だから、これは何かの措置をしてくださいよ。このままじゃおかしいですよ。だからぼくは言うんだ、小さい組織のものは忘れているというんですよ。局長も忘れているし、人事院も忘れている。何か、単なる行政官として取り扱っては、はみ出しちゃうんですよ、これ。だから、家畜衛生保健所では医療職で取り扱っておるわけです。私に言わせれば、医療職の一と二の中間だと思うんですけれども――中間だと思うんです。むしろ、医療職に入れてもいいぐらい、医療職一と医療職の二との中間にある存在だと思うんですよ。そういう形でもとったらどうなんですか。人事院も考えたらどうですか。職種が少ないから、そこまで手が及ばないというお話なら、それでまた文句は言いますけれども、これはどうされますか。すっきり、ひとつ答弁してください。
 あともう一つ、これは委員会でもおそらく問題にされたと思うんですけれども、四十六年に本法を大改正をしましたときに、いろんな論議が行われまして、その附帯決議の五番目ですか、六番目に、獣医師の所遇の改善、それからその農村への定着化という問題について格段の努力をする必要があるという附帯決議がついているんですね。私、獣医師会の人たちと若干電話で話をしてみますと、どうも悪いですね。これはやはり四十六年にああいう善処方の決議をしたんだけれども、当時、問題になったんだけれども、四年たってみて、どうもそうその改善が認められないという感じがしますね。ですから、今後のことを考えますと、つまり四年制の大学を出て、そして獣医師の免許を取っておる者が農村地帯に定着をするということについてもっと努力をすべきじゃないかと思うんですけれども。先ほど申し上げました防疫官の処遇の問題と、この獣医師の所遇の改善並びに農村地帯への定着の問題について考え方をお聞きしたいわけです。
#35
○政府委員(澤邊守君) 防疫官の所遇の問題につきましては、先ほど申しましたように、非常に重要な仕事でございますので、われわれといたしましては、御指摘の点を含めまして、今後、十分研究をしたいというふうに思います。
 それから、獣医師の農村への定着化の問題でございますが、御承知のように、最近、農村では産業動物獣医師が非常に減ってきておるということと、それから高齢化しておるという点で、畜産振興上にも非常に問題があるわけでございます。われわれといたしましては、農林省といたしましては四十八年、九年度に産業動物獣医師総合対策検討会というのを設けまして、学識経験者のお集まりをいただきまして多面的な検討をいたして、つい最近、御報告をいただいたわけでございますが、それらの審議経過も踏まえまして、無獣医地域の獣医師の定着化モデル事業というのを五十年度から新たに、モデル事業で四カ所でわずかでございますけれども、発足させることにいたしておるわけでございます。これはまあ無獣医地区の診療施設なり、診療車なり、住宅等に対します助成でございます。それによりまして獣医を定着するようにするということでございます。で、しかし、それらのことと同時に、農村におきます産業動物の獣医師の所遇の問題にやっぱりつながるわけでございますので、できるだけ所遇の改善をはかるため、診療報酬についても改善をするため、家畜共済の診療点数表の技術料を七五%引き上げることとしましたほか、今年度、獣医師の雇い上げ手当を四千五百円から五千九百五十円ということで、三〇%以上の引き上げも五十年度から行うことにしたわけでございます。
 今後とも獣医師の所遇の改善、待遇の改善につきましては、畜産振興上も非常に重要な課題でございますので、十分、意を用いて努力してまいりたいというふうに考えております。
#36
○鶴園哲夫君 人事院の……。
#37
○説明員(角野幸三郎君) 検疫員の所遇の定数上の問題でございますが、これは運用といたしまして専門職ということで、六等級、五等級、四等級、役職ということでなくて所遇できますようなことで鋭意その職責と、それから学歴、属人的なそういう要素をいろいろ勘案いたしまして、今後とも、なお行政職の俸給表の中のこういう等級のさらにその先をどうするかということは、先生の御趣旨を体しましてよく検討いたしたい、このように考えております。
#38
○鶴園哲夫君 角野さん、行政職の中における等級別定数の是正による考え方というのは、これは現状の上でお考えになっておるわけであって、それも一つ。もう一つは、それ以外の考え方を検討してもらいたいというのが私のもう一つの趣旨なんです、それはもちろん根本です。医療職との関係も考えてもらいたいというのがもう一つの趣旨です。特別定数是正でやるということは当面ぜひそれはやっていかなければならぬ、専門官というようなもので処理をしていくということは考えてもらわなければいかぬが、しかし、もう一つ行政職という問題とは別に、医療職のごときものも関連さして検討してもらいたいということがあると思うのですよ。
 もう一つは、輸入の検疫数量というのを見ますと、大変ペット的なものが非常にふえておりますね。犬は別にいたしまして、その他鳥類というのがありますが、これが二百八十五万ですね、ひなと同じぐらいですね。ひなも二百八十万ぐらいでしょう。いや、ひなは二百万羽ぐらいですか。これは非常にペット的なものがふえているんじゃないかと思うんですがね。ですから、ペット的なものに対する獣医師というものと産業動物に関する獣医師というものとは、一体どんなふうになっているのか、そういうところを聞きたいのですけれども、これはまた改めて、大臣が来たところでちょっとお伺いしましよう。時間もまいりまして――ぜひ私もちょっと質問したいと思ったんだけれども、隣りの栗原委員が質問したいという希望があるものですから、ここで私の質問は一応やめまして、それぞれひとつ簡単に答弁をいただきたい。
#39
○政府委員(澤邊守君) ペット的なものがふえておりますことは、犬の面におきましても見られるわけでございますが、国内の獣医業務につきましてもペット関係が非常にふえているということでございます。特に、輸入関係につきましては鳥類が愛玩動物として非常にふえているということでございます。都市を中心といたしましたそういう愛玩動物がふえるということに対しましては、獣医に対します需要もふえてまいりますので、それらに対しましては獣医全体の配置の問題と関連いたしまして十分検討してまいりたい。さらにまた、獣医師に対します社会的な要請が非常に多様化と言いますか、あるいは技術の面でも高度化しておりますので、現在獣医大学の教育年限の延長問題等も検討いたしておるわけでございまして、これは直接には文部省所管でございますが、現在の四年制を六年制に延長するというようなことが、畜産上もあるいは公衆衛生上もわれわれ農林省から見ましても、必要なことだと思いますので、そういうようなことが早期に実現できますようわれわれといたしましても、期待すると同時に、それに伴いまして獣医師制度全体の見直しも必要になろうかということで研究を始めておるところでございます。
#40
○説明員(角野幸三郎君) 俸給表の医療職の適用の問題につきましては、検疫員の職務内容をよく、それと医療職の関係、適用の関係をよく研究いたしまして、別途の問題としてよく研究さしていただきたいと、かように考えております。
#41
○栗原俊夫君 時間を五分ばかりもらいまして一言だけお尋ねしたいと思います。
 実は、高崎の競馬場で馬の伝染性貧血ですか、これで五十七頭殺処分をいたしました。この手当金の問題ですが、最高限度が五十九万円と、こういうことなんですが、現在この対象となる馬のあり方ですね、全体どのくらいおって、競走馬がどのくらいかというような割合のあり方、これは競走馬――ギャンブルのいい、悪いはこれは論外として、現実にある競走馬ですから、競走馬とその他の馬、これをひっくるめにして最高限度額五十九万円というあり方でいいのかどうか。現実には、これは分けて評価をしなければ、これは実態に沿わないような感じがするけれども、これらに対する考え方をひとつ述べていただきたいと思います。
#42
○政府委員(澤邊守君) 殺処分手当ての額につきまして、競走馬と一般の農耕馬、朝馬等とは経済価値が違うのに同じ最高限度五十九万では問題ではないか、こういう御指摘かと思いますが、手当て金の最高限度を設けておりますのは、手当て金の額というのは基本的にはその家畜の残存価値ということであります。それは一般的には家畜となる前における価値と大体比例をするということでございますけれども、無制限というわけにはいかないというふうな考えに基づいて最高限度をきめておるわけでございます。と言いますのは、競走馬だとか、種畜なども普通の家畜よりは非常に価格が高いわけでございますが、それらは普通の家畜よりは特別の何と申しますか、価値能力を持っておるという場合の、いわば付加的な価値部分が、普通の家畜よりもあるということで高くなっておるわけでございますが、患畜になると、病気になるということになりますと付加価値部分はなくなるというふうに考えていいのではないか、通常付加価値部分が消滅すると。競走馬であっても、いまの高崎の場合、伝染性貧血にかかったということになりますれば――通常の馬よりは価値が本来は高い、競走馬として。にもかかわらず、病気になったことによって価値はなくなった、付加価値部分は。というように考えられることから、限度額の算定に当たって、標準的な家畜の、一般の家畜の最高限度を基準として定めておる。競走馬の場合もそれが適用されると、こういうような考え方で同一にしておるわけでございます。
#43
○栗原俊夫君 競走馬と一般農耕馬、輓馬の現在の比率、頭数等はどうなんですか。
#44
○政府委員(澤邊守君) 四十九年度で見まして、全部で十二万一千頭のうち、農用馬が六万六千頭、約五五%でございまして、それから軽種馬が五万五千頭、四五%、全体の頭数のうちの、ということが四十九年の数字でございます。軽種馬の中にはまたその中にいろいろ種雌馬もありますれば種雄馬もあります、競走馬もあります、普通の乗用馬も入っておるわけでございます。競走馬そのもので見ますと二万四千頭でございます。
#45
○栗原俊夫君 この疾病にかかると、これは所有者の意思にかかわらず、とにかく強制的に殺処分をするわけです。そのときに、さっき言った付加価値が、病気にかかると、なくなるというような、その考え方というのは、なかなか、私自身には理解しがたいのですけれども、やはりそういう物の考え方が当然の考え方なんですかね。競走馬というようなものを認めないというなら別ですけれども、競走馬というものがあり、そしてそのものの価値が具体的にある。たまたま疾病にかかったから強制殺処分をすると。このときの手当てとして、病気にかかったから、そうした競走馬としての価値はなくなるんだという物の考え方というのは、ちょっとどうもわかりにくいんですけれども……。
#46
○政府委員(澤邊守君) 競走馬の価格は、賞金を相当かせぐ優秀なものは非常に高い、格差が相当大きいわけでございます。そこで、どういうふうに評価するかという問題もございますけれども、ただいまの競走馬の場合の、高崎で発生いたしました伝貧の場合ですね。これは一たん病気にかかりますと、後は競走馬としては廃用せざるを得ないというものだそうですので、したがって、伝播を防止するために殺処分にするわけですけれども、そういう一たん病気にかかった場合、競走馬としての能力を失うということでございますれば、発病したものについては、競走馬としての先ほどから申し上げておるような付加価値部分はこれは消滅したというふうに考えていいのではないか。もちろん御本人自身が非常に損害を受けたということは、これは否定できませんけれども、ただ殺処分というのは御本人の意思にかかわらず屠殺することを命ずるわけでございますので、それの補償的な意味の手当金といたしましては、やはり病気にかかった時点での残存価値というものを標準にして考えていいのではないか、というふうな考えに基づいて、そのような通常の馬なら馬の最高水準を、最高限度額というように決めておりまして、競走馬ということで特別な付加価値分は考えておらないということでございます。
#47
○栗原俊夫君 そういう理論から言うと、たとえば食肉用に飼っておる豚とか、焼却しなきゃならぬような、食べることのできないものの残存価値というものはどういうものなんですか。ここには最高限度三万円と書いてあるけれども、人間の食べることのできない段階になった豚の残存価値価格というものは一体どういうものなんですか。私はゼロにしか思えないけれども、むしろマイナスでしょう、費用がかかるだけ。
#48
○政府委員(澤邊守君) 殺処分いたします場合には、やはりそれによりまして命令を出すわけですけれども、相手が受認するといいますか、協力しやすくするためには、やはり一定の手当金を出すということが必要だという面もございますので、それらを考えまして、まあ、病気のいかんにもよりますけれども、後で食用に供せられるものももちろんございますから、できないものもございますし、したがいまして、そのような最高水準というのを決めておるわけでございまして、先ほど私が申し上げましたのも、一つの観点でございますが、それだけではなしにやっておるわけでございます。
#49
○栗原俊夫君 これ最後です。
 まあ、わかったようなわからぬお話ですよ、実際。そして四十六年の附帯決議で現実の市場価値というものに沿うように、何といいますか、最高限度を改めろと、こういうふうに書いてあるわけですけれども、必ずしも、これこの物価高の急勢の中で沿うておらぬと思います。そういう意味合いで競走馬の問題も――私は、ギャンブルには反対の口ですから、競争馬に、やみくもに協力をしようとか、そういうことじゃありませんけれども、やはり一般の朝馬、農耕馬と競走馬の区別、それからいま一つには、ここに掲げてあるすべての対象家畜の評価等につきましても、やはりこの時点では見直す段階にきているんだと、こう思いますが、まさにそのとおりだという答弁をもらいたい、このように思います。
#50
○政府委員(澤邊守君) 前回の当委員会での御審議の際も、大臣からもお答えいたしましたけれども、畜種によりまして、四十六年に決めております最高限度が最近の実勢から見て低過ぎるというものがございます。牛、馬、豚でございますが、これにつきましては、最近の取引の実勢価格等を検討いたしまして、評価額を引き上げるように努力をしたいと思います。
#51
○小笠原貞子君 四十六年の改正の附帯決議がなされて、それについていろいろ進められていると思いますけれども、その中でも、家畜保健衛生所の充実というものがどの程度具体的に進められているのか、そしてその進みぐあい、予算なども勘案されて、まずまずいま大体これでいいというふうに見られているのか。まだこれで不十分だというような点があるとすれば、それは具体的にはどういう点がまだそこまでいっていないというふうにごらんになるのか。また、国の統廃合で相当、数は減らされているわけですが、そこからだけ見ての判断はつきかねると思いますけれども、その統廃合に無理はなかったのかどうか。それから都道府県への財政の援助というものはどういうふうな形でなされつつあるかという、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#52
○政府委員(澤邊守君) 家畜保健衛生所は二十五年に法律ができまして、設置されて以来、都道府県におきます第一線の家畜衛生行政の機関として重要な役割りを果たしてまいったわけでございます。しかしその後、家畜の飼養頭羽数が急増いたしておりますのに伴いまして、業務が非常に増大をしておりますし、さらに大規模化するということによりまして家畜の衛生事故も非常に複雑、多様化しておるということでございますので、それに対応いたしまして職員の数をふやしたり、あるいは施設を充実するということをやる必要があるということで進めてきておるわけでございますが、特に保健所の統合につきましては、四十年から七カ年計画で保健所の広域統合を進めてきたわけであります。もちろん、それとともに診断用の施設だとか、器械を整備をするとか、あるいは機動力を充実するとかということによりまして、業務の能率化、サービスの充実にいま努めてきておるわけでございます。この統合の趣旨は、市町村の合併とか、あるいは農協の合併とかということで、関係機関の区域が大型化しているということと、それから交通事情も昔に比べますと非常に便利になっているということもございますけれども、先ほど言いましたような要請されます衛生技術の多様化といいますか、複雑化、高度化ということからいたしますと、やはり公域に統合した大きな保健所におきまして、技術水準を上げて、ある程度専門化をして専門ごとの分業体制もとりながらやったほうが要請にこたえるのではないかという考えで進めてきたわけでございます。各都道府県が家畜保健衛生所整備計画というものをつくりまして、それに対して農林省で協議を受けまして、承認をして設置するということでやってきたわけでございます。現在、数は二百二になっております。
 さらに、人員につきましても四十年の統合の前には一千八百五十六名の獣医師が、他の職員は別にいたしまして、獣医師だけ見まして保健所に配置されておったわけでございますが、四十八年の四月一日で見ますと、二千二百三十二名ということで、数の増員を図っております。省令によりまして保健所の基準を決めておりますが、これは通常の保健所につきましては十人以上の獣医師を配置する、特別の鑑定施設を持っております各県大体一カ所の保健衛生所につきましては、十三名以上というような基準を決めております。これは全国的に見ますと平均十一名を若干上回っておりますので基準に到達しているわけでございますけれども、各県ごとには実は若干の格差がございまして、一支所当たりの平均が非常に少ないところと、十人という基準をかなりオーバーして充実しているところという格差がございますので、これは今後の課題といたしまして、なるべく全国的に不足しているところは重点的に強化をしていくというようなことを進めなければいけないというように考えております。
 財政的な援助につきましては、新しく施設をつくったり機械を整備するという場合に援助をいたしておりますほか、人件費につきましては、これはかつて、二十六年までは補助金を交付しておったわけで、職員設置補助ということで、補助金を農林省から交付しておりましたけれども、現在は地方交付税に算入されております。したがいまして、農林省から直接補助金を出しておるわけではございませんが、これの基準単価といいますか、等につきましても、実情に合うように直していく、あるいは算入されております人数も全員現在なっておりませんので、今後の問題としてできるだけ算入定数をふやすということと、それから、単価を現状に全部合わせるというわけにはまいりませんと思いますが、できるだけ実情に合わした単価に引き上げていくというような努力をしなければいけないというというふうに考えております。
#53
○小笠原貞子君 それじゃ、具体的に伺っていきたいと思いますけれども、第一に、家畜保健衛生所の職員以外の共済組合や、一般開業の獣医師に頼まなければなかなか間に合わないというようなことになっているのが現状なわけです。特に北海道で見ますと、「家畜伝染病予防事業雇い入れ獣医師手当交付状況」というのを調べてまいりますと、昭和四十八年には実人員五百六十名、七千五百六十三延べ日数になっています。四十九年で見ますと、五百六十名で、七千二百六十七延べ日数と、道庁の調べでこういう数字になっているわけです。北海道では、各支庁ごとに各一カ所ずつ計十四ヵ所あるわけですげれども、このうち病性鑑定室というものを持っているところが四カ所になっております。職員数で見ますと、四十九年現在で見ますと百二十四名でございます。省令で決められた数字による定員を見ますと百五十二名、二十八名の不足、五十年度で三名ふやされるから二十五名という不足数が出てきているわけなんです。こういうものについてどういうふうにごらんになっていらっしゃるかということ。
#54
○政府委員(澤邊守君) 北海道におきましては、北海道が古い馬産地帯であり、また最近におきましては、酪農を中心として非常に発展しておるというような、他の県とは違った事情もございまして、生産者団体、特に共済組合が雇用しておる獣医師が非常に多くて、それが組合員の診療に当たっておるというような状況になっております。したがいまして、乳用牛等の診療など家畜衛生部門を主としてこの共済組合の獣医師が担当するということになっておりまして、産業動物獣医師の職域別分布を見ましても、内地の場合とかなり違っておりまして、共済組合職員がきわめて高い割合になっております。これは私どもの把握しておりますところでは七〇%ぐらいになっておりますが、全国平均でいきますと大体三〇%ぐらいということでございますので、その意味では生産者団体、特に共済組合が非常に重要な役割りを担っておるというように言えるわけであります。したがいまして、家畜防疫事業に従事しますいわゆる雇い入れ獣医師の中でも、共済組合に所属する獣医師を雇い入れる率が非常に高い率になっている、内地よりはるかに高い率になっているというような実態でございます。反面、御指摘のように北海道の家畜保健衛生所の職員は先ほど申しましたような省令で決めております平均十名以上という基準に達しておりません。たしか八・六人ぐらいかと思いますが、そこまで至っておりませんので十分とは言えない。したがいまして、今後職員数の増加につきましては努力しなければいけないと思いますが、再編整備前に比べますと、北海道におきます保健衛生所の職員はかなり増加の努力をしているということではございますが、なお他県に比べますと不足である。四十年には八十八名だったのが四十九年には百二十四名ということで五割近い前後の増員をしておりますので、その意味では先ほど申しました全国での増員の比率に比べますれば努力はされておると思いますけれども、農林省といたしましては今後とも引き続いて努力する必要がある、道の努力に対して協力をする必要があるというように考えております。
#55
○小笠原貞子君 いまおっしゃったとおりで、私もおたくから出されている資料によって見まして、やっぱり北海道っていろいろ問題があるなあ、とそう思って見たわけなんです。いま局長おっしゃいましたように、一保健衛生所当たりの職員数が八・六人になっております。全国平均十一・二という数字から見ましても、やっぱり相当北海道の場合はいろいろと考えていただかなければならない。また人員だけではなくて、北海道のあの広域な地域ということを考えてみましても、全国平均で見ますと千五百六十二平方キロメートルというところなのに、北海道で割ってみますと五千六百八平方キロメートルというように、地域もものすごく広い対象になっている。そういう広い対象の中で人員については非常に少ないというふうに出てきているわけですね。北海道の場合、広いけれども、小さいところよりも密集して飼っているからというような点もあろうかと思いますけれども、やっぱりその辺のところが、全国的に同じような目で見られると、いろいろの問題が今後起きてくるんじゃないかというように思うので、この点考えていただきたいと思うわけなんで、その辺のところ、北海道の特殊な状態というものを考えて今後いろいろ対策も考えていただけるかどうかお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(澤邊守君) 北海道は、地域が非常に広大であるということは御指摘のとおりで、したがいまして、獣医師の行動半径も非常に広いということ、まあ先ほどおっしゃいましたように確かに密度は高いという面でのメリットもありますけれども、しかしデメリットの方が大きいだろうというように思います。北海道は、酪農あるいは将来は肉牛につきましても、わが国での畜産の主産地として今後一番期待される地域でございます。畜産全般を見ましても、都市周辺からだんだん遠隔地に立地が移動しておりますが、その際、北海道というのはやっぱり最重点で考えるべき地域だというふうにわれわれも思っておりますので、ただいま御指摘にございましたような他の都府県に比べまして道の保健衛生所の職員数が少ないということは、いま申しましたような期待からいたしますと十分こたえてないということになりますので、われわれといたしましても十分道に指導協力をいたしまして充実方については重点的に考えていきたいというふうに思います。
#57
○小笠原貞子君 そういうようなわけで、結果として何になってくるかというと、雇い入れ獣医師というものに頼まなければならぬというところにはね返ってくるわけなんですね。非常に、その意味では、北海道の場合は五百四十人比になっている、全国平均では二百二十五人比になっている。雇い入れ獣医師というのが、いま、職員数の不足の中では非常に大きな役割りを果たしているということなんですけれども、それが、ちょっといま心配なことは、その雇い入れ獣医師になってもらう方々の中で、やっぱり待遇が思うようにいかないということで協力返上するというようなことが現実に起きているわけなんですけれども、そういうことをお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。
#58
○政府委員(澤邊守君) 一部でそういううわさを聞いております。
#59
○小笠原貞子君 うわさではなくて、現実にそういう、協力しかねるというようなことになってくるわけなんで、もしそういうことになると大変これは困った状態になってくるんじゃないか。
 そこで、具体的に待遇の問題でお伺いしたいんですけれども、五十年度は五千九百五十円というふうに算出されているわけですけれども、この五千九百五十円の算出の基礎というものをどういうふうにごらんになってこの数字をお出しになったんでしょうか。
#60
○政府委員(澤邊守君) 今年度獣医師の雇い上げ手当を五千九百五十円、これは前年に比べまして三二・二%の引き上げで予算を計上していま御審議をお願いしておるわけですが、これは例年のことでございますけれども、雇い入れ手当というのは、まあ獣医師に対します日当として出されるものでございますが、その算定に当たりましては、国家公務員の給与の給与水準、それからその改定の状況、それから類似の職種であります一般の医師の雇い入れ謝金の引き上げの状況等を勘案して引き上げ額を決めておるわけでございます。そのようなことで、先ほど言いましたような五千九百五十円というのが五十年度予算に計上されておるわけであります。
#61
○小笠原貞子君 確かに、いろいろ伺わせていただきましたら、公務員給与体系、四等級八号から十五号ぐらいと、それからまたベースアップ分も勘案し、そして医師雇い上げ謝金というような形で総合的に勘案されている。非常に総合的に勘案されているその総合的が、一方で言えば、ちょっとつかみ金で、出したり引っ込めたりと、額もその辺で決まってくるというようなふうになってしまっているように見られるんです。確かに、い吏局長おっしゃったように、前年比で見ますと三二・三%のアップで、数で言いますと非常に大幅なアップだけれども、もらう方の獣医師さんにしてみれば、この大変な地域を抱えて、冬なら冬の大変な寒い中で、そして自分が診るという立場から考えてみると、もともとがそう高くない。安いところだから三二・三%と、大幅みたいだけれども、実際には決して満足できるような、というよりは、むしろ非常に低いというふうに見て協力しかねるということも出てくるわけでございますね。で、農林省が大蔵省に要求された額は確か六千二百円というふうに伺っていたんですけれども、査定で二百五十円削られた。大変細かいことを言うようですけれども、その二百五十円、何で、どういう意味で削られたのかな、ということをいろいろ聞かれまして、私もわかりません。明快に二百五十円なぜ削られたかというところを教えていただきたいと思います。
#62
○政府委員(澤邊守君) まあ当初概算要求出しましたときの額が満度に実現しなかった点、残念に思っておりますが、国家公務員の給与の改定が四十九年度は定期昇給を除きますと二九.六四ということであったというようなことも査定する大蔵省側の考えの中にはあったと思います。そういうようなことから、これは折衝事でございますので、当初要求いたしましたのが全部実現できないことはある程度やむを得ないということで、五十年度としては先ほど申し上げた線で決まったわけでございますが、今後とも実情に合った引き上げをしていくということには努力をしてまいりたいと思っております。
#63
○小笠原貞子君 折衝の段階でいろいろ御苦労もなすったと思いますけれども、やっぱりここで考えていただきたいのは、獣医師としての技術的な評価という立場も考えて見ていただかないといけないんじゃないかと、そう思うわけです。そして今度雇い入れ獣医師の方に協力をしてくださる農業共済組合、――北海道の場合の北海道農業共済でちょっと資料を出してもらっていろいろ見てみましたんですけれども、一応共済組合としては福利厚生、退職積立金というようなものも見ていかなければならないわけですね、その獣医師さんについては。そうすると、共済の獣医師さんが、国や道の要請で行う仕事、そして共済の仕事の比率というものから割ってみますと、一防疫期間当たり年間労働費が四十九年度で一三・五日ということになっている。こうした状況から見て、国の助成が一日当たり五千九百五十円で済むということは、非常にそういうことも考えられていない、不合理だというふうな考え方で不満を持っているわけなんですね。その辺についてはどういうふうにごらんになっていらっしゃるでしょうか。
#64
○政府委員(澤邊守君) これは雇い入れ獣医師手当金の性格いかんということに関連する御質問かと思いますが、まあ伝染性疾病の発生予防だとか、蔓延防止のために検査だとか、注射だとか、薬浴とか、いろいろやります場合、これは獣医技術者でなければできないわけでございますが、これらの業務は、その伝染病の発生の状況によりまして、年によってかなり変動があるわけで、非常に多発する年はもちろん業務量はふえますし、そうでない年は非常に少ない。また、その流行の時期も季節性がかなりございまして、一年じゅう平準化されてないというような点から、年間を通じて定量かつ平均的な事業量がないという点から、都道府県のまあ公務員として、職員として継続的に配置していくというわけにはなかなかまいらないということで、随時、開業獣医師あるいは団体所属の獣医師等、その地域に所在する獣医師の協力を得て、検査、注射とかというようなことをやっておるわけでございます。したがって、性格上雇い入れ獣医師の活動といいますのは、常勤的な性格のものではなくて、日々雇用的な性格のものであるということになりますので、その手当には福利厚生費とか、あるいは退職金とか、いわゆる常勤的な雇用を前提として含まれておるようなものが入りにくいということでございます。したがいまして、先ほど御指摘のような点につきまして、確かに一つの問題だとは思いますけれども、現在のところ、福利厚生費的なものまで算入されておるというところまではいっておらないわけであります。
#65
○小笠原貞子君 じゃあ、なるほどそうおっしゃられるとそういうことにもなるかなと思いますけれども、私が言いたいのは、これは公共性を持った問題なわけですね。それで公共性を持ったものであって、国としてもやらなければならないところを、そこのところを雇い入れ獣医師で賄ってもらうという立場から考えると、都道府県に、まあはっきり言えば、任せっきりみたいな形で、不足を補ってもらうという、民間への依存が非常に安易な姿勢でやられているのじゃないかと。たとえ雇い入れにしても、それが当該所属機関に一定の負担を、結果的に強いるというような形になるのでは、日当だけと言っていいものではない、というふうに考えるわけなんですね。やっぱりあくまでも国の立場でやらなければならない定員の不足や何かを補ってくれているんだ、という立場に立って、その仕事も公共性のものであるという立場から考えれば、やっぱりもうちょっとそんな安易な考え方ではなくて、改善するという立場に立っての御検討を私は繰り返してお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#66
○政府委員(澤邊守君) 先ほど申しましたような勤務の実態あるいは雇用の実態の差がございますので、いま言われました点、御趣旨は理解できる点もございますけれども、いろいろ検討すべき点が多いと思いますので、慎重に検討してまいりたいと思います。
#67
○小笠原貞子君 もう一つ具体的にお伺いしたいんですけれども、五十年度の予算の概算要求をするに当たって、道農業共済と北海道道庁が農林省に対して、人件費の六〇%アップの要請と一緒に車両代という項目で要請が出ていると思うんです。一日当たり五百四十円、車のガソリン代というような形で車両代というのが出ているんですけれども、農林省が大蔵に要求なすったときには、これが全然削られて、要求に出されていないわけなんですね。道庁と農業共済組合の方から要求として、車代が要求に出ているけれども、農林省の概算で大蔵省に要求なすったときには、農林省の方で御遠慮なさっていらっしゃるということなんですね。その辺の理由はどういうことだったんでしょうか。
#68
○政府委員(澤邊守君) 車代を含めるようにという北海道の、これは道庁ですか、道庁あるいは獣医師会からの要請はわれわれも検討いたしたわけでございますけれども、われわれが概算要求を出しました際には、特に車代を含むということを明示せずして提出をいたしております。なお、北海道の獣医師会も、当初は車代を含めるということをかなり強く主張されましたけれども、なかなかむずかしいという御事情も考えられたのかと思いますが、途中からは、この点よりは全体の総額を引き上げるということに重点を置いた御要求を続けられたというように記憶いたしております。
#69
○小笠原貞子君 そういうふうにごらんになったのかもしれませんけれども、現地へ行っていろいろ聞いてみますと、やっぱり、先ほども申し上げましたように北海道は非常に広い。近辺の近いところなら歩いていけるけれども、一支庁なんていいましても、小さい県なんかよりずっとずっと大きい。一つの庁でも、一つの県より大きいなんというところを抱えていますから、だから、普通に評価される日当に当たるお金だけではなくて、やっぱりもう必需品なんで、そんなところまで歩いていけなんてとてもできないことなので、何とかそのことは切実に考えてもらいたい。これもまた北海道の特殊みたいになりますけれども……。そしてまた、汽車だとかその他の便というものもございませんで、やっぱり車に頼らなければならない。そうすると、それは必要経費だということで、非常に現地の獣医師さんなんかに聞いてみますと、これがもう抜かされるというのはちょっと実情がわかっていただけてないんじゃないだろうかということで、この点強く要求がありましたですね。それはもう当然考えていただかなければならないし、今年度は、そういうことでだめになるということであれば、来年度に向かってでも結構ですけれども、やっぱり現場を見てもらって、北海道を見てもらって、獣医師さんの活動範囲というのを見てもらえれば、これは当然特殊に自動車と車両代ということは加算して考えていただかなければならないというふうに――これ強くお願いしたいと思うんですけれども、考えていただけないでしょうか。
#70
○政府委員(澤邊守君) 御趣旨の点はそれなりによくわかるわけでございますが、現実の問題といたしましては、雇い入れ獣医師の勤務は普通の常勤の職員とはやや違う形で仕事をお願いしているという面――なかなか詳しく申し上げかねる点もあるんですけれども。そういう点で実情は無理のないように調整しているという面が見られると思います。しかし、確かに車代の問題は、それ自身取り上げれば、確かに含まれていないというのは問題であるというのはわれわれも理解できるところでございます。他の制度との関連もありますので、慎重に研究をさせていただきたいと思います。
#71
○小笠原貞子君 じゃ、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから次に、四十六年の附帯決議で、獣医師の「農村定着化と待遇の改善」ということが触れられているわけです。先ほどからもいろいろお話が出ておりましたように、家畜の飼養頭羽数が非常にふえる傾向になって、政府みずからまた畜産を奨励して大規模飼育を進めるという方針でいらっしゃる。それからまた、一方では輸入家畜増からいろいろ新しい、今度の場合もそうでしょうけれども、新しい日本で発生を見なかったような伝染病の侵入ということも予想されるわけなんです。こうした状況を考えますと、家畜保健衛生所も非常に重要性を帯びているということで、ここで審議もされているわけですけれども、それに比べて、政府がいままでとってきた獣医師の農村に定着するという対策、具体的に、この獣医師を農村にいかに定着させるという対策を見てみますと、非常な立ちおくれを見せているというふうに、予算など調べさしていただくと言わなければならないと思うんです。わずかに、四十八年、四十九年の両年に産業動物獣医師総合対策費という形で出ております。これは、本省内検討会事務費が計二百三十五万円計上されているという、これだけなんですね、四十八、四十九両年度を見ますと。五十年度になって、やっと無獣医地域獣医師定着化モデル事業費というのが計上されて、これがやっとほんとうの意味での獣医師の定着化の仕事の始まりだというふうに見えるわけですね、いろいろ資料を見せていただきますと。そうすると、ちょっと少し少な過ぎる、いろいろ附帯決議で言われているこの大事な問題について、この面は非常におくれているんじゃないかと。こんなことでほんとうに獣医師さんが農村で定着してその仕事をやっていただけるのかどうかということがちょっと不安になってくるわけなんですけれども、その対策についてどういうふうにごらんになっていらっしゃるかどうか伺いたいと思います。
#72
○政府委員(澤邊守君) 現在、全国的に見まして、獣医師の配置につきましては、都市が過密であるということで問題がございますが、逆に、農村地域におきましては、これは産業動物関係の獣医師ということになるわけでございますが、不足であるという両極端の現象が出ているわけでございます。特にわれわれが畜産振興を図ります場合、農村地域におきます獣医師の不足ということは非常に深刻な問題になりますので、これを何とか定着をするようにして無獣医村も解消するということには全力を尽くさなければいけないということで、先ほど御指摘がございましたように、四十八年、四十九年、総合対策検討会というのを設けまして、実は二月の十日に報告書が出たわけでございます。それらの審議過程も十分参考にさしていただきまして、先ほどお話の出ました無獣医地域の獣医師の定着化モデル事業というものを全国四カ所につきまして五十年度から新たに実施をすることに入ったわけであります。
 先ほど言いましたように、この報告は二月に出ましたので、その報告を受けて五十年度予算を組んだというところまではまいりませんでしたので不十分でございますが、モデル事業として実施をいたしまして、診療施設なり診療車なり、あるいは宿舎まで含めて助成をして、そこに獣医師さんが落ちつくと、誘致できるというようにすることを始めたわけですが、これの成果も見ながら今後拡充をしていきたいというように思いますし、それからまた、定着を図りますためには、そういう施設を助成をいたしましてやるというのも一つの方法でございますが、もう一つは、先ほど来御議論が出ていますように、不足の原因というのは、やっぱり待遇が悪い――処遇が悪いとか、生活が不便だということもございます。都市のほうが収益が上がるということもございますけれども、やはり、処遇が十分でないという点が基本ではなかろうかと思いますので、そういう点につきましては、手当の問題あるいは公務員については給与の問題等につきまして今後一層充実するように努力していくことが基本ではないかというふうに思ってやっております。
#73
○小笠原貞子君 やられないよりも、やられ始めたということは大変結構だと思いますけれども、五十年度のそのモデル事業というのも、診療施設等の車購入費二分の一補助というような形で全国四カ所ということで始められた仕事は非常に結構なんだけれども、ほんとうに少ないですね。何とか、この辺のところいろいろ検討していただいて心配なくしていただきたいということをまた重ねてお願いしたいと思います。
 それで、直接問題になっています豚の水胞病の問題なんですけれども、ヨーロッパで流行いたしましたですね。七三年一月のFAOのローマ会議でいろいろな決定がされたわけですけれども、その会議で決定されたのに対して、日本側としてはどういうふうな検討がされてきたのかどうかということを伺わせてください。
#74
○政府委員(澤邊守君) ただいまお尋ねになりましたのは、FAOが昭和四十八年一月に、世界各国で豚水胞病が発生いたしまして、何回も会議をやった中の一つの緊急会議におきまして、蔓延防止をするための措置につきまして勧告をいたしております。まあ要点だけ申し上げてみますと、発生国は、OIEという国際獣疫事務局という家畜伝染病関係の専門の国際機関がございます、そのOIEというのに発生を通報することだとか、発生があった場合は患畜及び患畜と接触した豚を殺処分とすること、あるいは感染農場からの家畜の移動は殺処分後六週間は制限すべきことと、あるいは死体は焼却、埋却することと、あるいは輸入国は、輸出国が輸入国へ病気を持ち込まないような措置をとっているかどうかを確認することとか等の、蔓延防止のための必要な措置について勧告を行ったわけでございます。
 わが国といたしましては、その勧告の前、四十七年十二月の英国の発生がかなりございましたし、それからただいまの勧告がございまして以来、本病が口蹄疫という非常に恐れられている病気に非常に類似しているということ、しかも被害は口蹄疫ほどではございませんけれども、かなり急性であって被害が大きいということから、わが国におきましてもこの勧告の趣旨を重視いたしまして、本病の病性だとか、英国におきます発生の状況等を関係方面に周知徹底する。これは私どもで週報を出しておりますので、家畜衛生週報というのを毎週出しております。その中で繰り返しそのような周知徹底方も図る一方、口蹄疫等の海外悪性伝染病に関する知識とその対応措置につきまして、会議その他あらゆる機会をとらえまして、これは発生した場合には、初動防疫、最初の手の打ち方が大事でございますので、それに重点を置いて対策の周知徹底を図ってきたところでございます。そういうこともございまして、実は先般、茨城県外二県で発生した場合も、茨城県の開業獣医師の方が週報をよく見ておられまして、これは危ないということですぐに報告をされまして、非常に機敏にされまして、それが三県下で五百八十頭というあの程度にとどまった一番大きな効果だったと思います。そういうことで、初動防疫措置をとって、局地的な小発生にとどめるということが非常に大事だということでやってきておりましたことが、その意味では効果があったと思って、非常に喜んでおるわけでございます。
 また、そういうこともございましたので、勧告等も考えまして、発生しました場合には、家畜伝染病の六十二条を適用しまして、蔓延防止措置につきまして一次的な準用をするための政令を決めまして、国としても適切な措置がとり得たということは、われわれといたしましても不幸中の幸いであったと思っているわけです。
 さらに四十九年の三月と八月の二回にわたりまして血清学的な調査を、まあ抗体調査というのをやりまして、全国的にどの程度ウイルスが進入しておるかということを調査したわけでございますが、その調査の結果、現在は豚水胞病は残っておらないというような確認がされたわけであります。そのように、お尋ねのFAOの勧告はわれわれとしては十分尊重して、それに伴う周知徹底と適切な措置に万全を期したつもりでございます。
#75
○小笠原貞子君 いろいろ対処していただけてると思うんですけれども、そのためにも、心配なのは入ってくる流入経路ですね。これが港だとか空港だとか押さえて、そして動物検査だけで済むものか、入ってくるそれを押さえるための体制というのはいろいろ御苦労があるんじゃないかとは思うわけですね。動物そのものが持ってくればいいけれども、人や何かについて入ってくるというようなおそれがあるのかないのか、その辺のところの進入する経路というようなものについてのお考えを伺わせていただきたいと思います。
#76
○政府委員(澤邊守君) 今回の発生の進入経路ですね、これもいろいろ調べたんでございますが、神奈川県がどうも最初に発生をして、それが茨城県と愛知県に伝染をしたということまではわかりましたが、果たして神奈川県にはどこから入ったか、どういう経路でいつ入ったかということは、いろいろ調べましたけれども、どうも確認するに至らなかった。非常に残念でございますが、そのような結果になっているわけですが、まあ国内になかった病気でございますので、何らか海外から家畜なりあるいは物品あるいは人に付着して入ったのではないかという推定はされますけれども、確認するまでには至らなかったわけであります。
 そこで、今後の進入に対します防圧の手段といたしまして、もちろん輸入検疫を厳正にやっていく、厳重にやっていくということが決め手になるわけでございますが、その前提といたしまして、海外の発生状況につきまして情報をできるだけとるということ、それからわが国からも専門の係官を発生地等に派遣をいたしまして状況を把握するということ等も十分にやりまして、輸入検疫の万全を期していきたいというふうに考えております。
#77
○小笠原貞子君 なかなかはっきりしないところで予防しなきゃならないんだから、むずかしいことだと思いますけれども、ぜひいろいろ御調査の万全を期していただきたいと思うわけです。
 それで、この前五百八十頭出たわけですけれども、まあ患畜や疑似患畜は殺すと、殺して処理するということでございますね。そうしますと、殺したということによっての補償が出るわけでございましょう。そうすると豚一頭四万円と、平均すると。患畜で殺した場合と疑似患畜で殺した場合は、決められたとおりに出るとどれくらいのものなのかどうか。それを、いまそれだけでは、とても足りないというのがいろいろ問題になっていると思うんですけれども、その辺のところはどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#78
○政府委員(澤邊守君) 今回茨城、神奈川、愛知の三県下に発生しました水胞病につきましては、実は患畜等を認定する前の疑似患畜という段階で殺処分にしたわけであります。疑似患畜の段階で殺処分する場合には、評価額の最高限度額が適用されませんので、この場合には平均評価額は三万六千七百五十二円でございまして、それに対しまして五分の四の手当を交付いたしましたので、平均いたしまして二万九千四百円が交付をされたわけでございます。もちろん評価に当たりましては家畜防疫員だとか、あるいは畜産関係の公務員あるいは畜産経験者の三者が当たりまして、家畜の能力だとか、当時の市況とかいうものを十分参酌して評価した結果、ただいまのような手当金を交付しております。
#79
○小笠原貞子君 これは患畜は肉としては食べられるんですか。食べていいんですか。
#80
○政府委員(澤邊守君) 全部焼却または埋却しなければいけないので、肉としては食用に供することはできません。
#81
○小笠原貞子君 できませんね。心配しますのは、結局、肉としても食べられないと、殺しちゃわなければならないのに、ちょっとお金が少ないからというようなことで、もしもびびって検査だとか何かに応じなかったり、そのままということで蔓延しても困ると思いますので、それについての補償の金額というのは、いつでもそういう心配がないように、ということで検討いただきたい。当然そういうふうに考えていただけると思いますけれども、その辺はどうですか。
#82
○政府委員(澤邊守君) 評価額の最高限度額が四十六年に定められたものでございまして、牛、豚、馬につきましては、最近の市況からいたしますと低過ぎると思います。われわれといたしましては、これを適正な水準にまで引き上げることについて努力をしたいというふうに考えております。
#83
○小笠原貞子君 それじゃ最後に、こういうことが起きないような予防ワクチンというようなものの研究開発というようなものはどの程度進められているのか、その辺のことをお伺いして終わりたいと思います。
#84
○説明員(鈴木章生君) わが国の畜産の健全な発展を図る上におきましては、家畜の疾病に対します試験研究体制の整備ということは必須の課題でございまして、農林省におきましては家畜衛生試験場におきましてこの問題に取り組んでいるところでございます。今回の豚の水胞病につきましては、発見と同時に、家畜衛生試験場の研究第二部口蹄疫診断研究室におきまして、その緊急病性鑑定などを実施いたしまして、その診断技術等の成果によりまして本病の蔓延の防止というものを図ったわけでございます。幸いに本病は、わが国に常在いたしますところの病気ではございませんので、海外からの侵入防止という面からさらに今後も迅速、的確な診断法の確立、さらには有効な予防液、ワクチン等の開発につきまして同研究室におきまして研究を行うことにいたしております。さらに五十年度におきましては、口蹄疫の免疫研究室を新設いたしまして、その研究を一層強化してまいりたいというふうに考えております。
#85
○委員長(佐藤隆君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(佐藤隆君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から提案いたします。
 案文を朗読いたします。
    家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、左記事項についてその実現に努めるべきである。
      記
 一、最近における海外からの家畜の悪性伝染病がわが国に侵入する危険性の増大に対処して、わが国に未発生の悪性伝染性疾病の防疫に必要な海外情報等の速かな把握に努めるとともに、動物検疫施設の一層の整備充実を図り、防疫のための試験研究を拡充強化すること。
 二、自衛防疫の推進を図るため、その体制の育成強化に努め、家畜保健衛生所の機能の整備充実及び産業動物獣医師の充足を図る等その防疫体制に万全を期すること。
 三、近年における牛の異常産の被害にかんがみ、その予防及び治療方法の確立を急ぐとともに、被害農家に対する適切な救済措置を検討すること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは本附帯決議案の採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(佐藤隆君) 総員挙手と認めます。
 よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安倍農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍農林大臣。
#90
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処いたしたいと思います。
#91
○委員長(佐藤隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#93
○委員長(佐藤隆君) 次に、山村振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員坂村吉正君。
#94
○衆議院議員(坂村吉正君) ただいま議題となりました私外十二名の提出にかかる山村振興法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 昭和四十年に衆議院農林水産委員長の提案により、山村振興法が制定されて以来、四十七年度までに国土のおよそ二分の一に相当する地域が山村振興地域に指定され、山村振興計画の策定をはじめこれに基づく各種の山村振興事業が推進されてまいったのでありますが、山村住民の所得水準、生活環境施設整備の水準などの地域格差は必ずしも解消されず、山村の現状はなお厳しいものがあるのであります。
 山村地域は、これまで農林産物の供給、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全などの諸機能に関して大きな役割りを果たしてきましたが、近年これらの役割り等を維持する必要性が高まるなど山村地域の振興の重要性は一段と高まっているのであります。
 このような実情にかんがみまして、本年三月三十一日をもって期限切れとなる本法の有効期限をさらに十カ年間延長いたしますとともに、山村の当面する新らたなる情勢に対処して、その内容及び関連諸施策等の整備充実を図ることとして、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。
 以下、改正の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一に、山村地域が国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等に重要な役割りを担っていることを法律の上で明らかにするため、目的についての規定を改正することといたしました。
 第二に、山村地域の振興の根幹的施設であり、また地域住民の要望のきわめて強い道路交通網の整備について、振興山村関係市町村の財政負担の軽減等を図って、その整備を促進するため、基幹的な市町村道、農道、林道等の新設及び改築は都道府県も行うことができることとし、この場合には、その経費について後進地域の国の負担割合の特例の適用を受けることといたしました。
 第三に、振興山村における集落の整備のための住宅の建設等及び農林漁業経営の改善のための資金の融通の円滑化を図るため、住宅金融公庫資金融通の特例及び農林漁業金融公庫資金の融資の特例を認めることといたしました。
 また、国及び地方公共団体は、振興山村における住民の基本的問題である医療の確保を図るため、診療所の設置等の事業が実施されるよう努めなければならないこととするとともに、山村において伝承されてきた地域文化を保存するため適切な措置が講ぜられるよう努めるべきことを明らかにしました。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うことといたしました。
 以上が山村振興法の一部を改正する法律案の提案理由及びその主要な内容であります。
 なお、衆議院農林水産委員会におきまして、委員長より指定市町村から強い要望のありましたいわゆる山村債及び本法第四条の解釈につきまして政府の見解をただしましたところ、佐藤自治政務次官から、山村債につきましては、辺地債の条件を緩和すること等で対処したい旨、また本法第四条の解釈につきましては、森大蔵政務次官から、「国の負担又は補助に係る事業に対する負担又は補助についての条件の改善、」とは、当該事業にかかる採択基準の緩和、国の負担割合または補助率の引き上げ等を含むものと政府も考えている旨の答弁がありました。
 何とぞ御審議の上、速かに御可決くださいますよう、お願い申し上げます。
#95
○委員長(佐藤隆君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#96
○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
 これより質疑に入ります。
 この際、理事会の申し合わせに基づきまして、本案に関し、当委員会を代表して政府の見解を伺います。
 衆議院農林水産委員会における澁谷委員長の代表質問により、起債の問題については辺地の指定基準の緩和と適債事業の範囲の拡大により対処すること、本法第四条には採択基準の緩和と国の負担割合または補助率の引き上げ等を含み得ることという二つの政府見解が明らかにされました。したがいまして、これらの点につきましては重複を避けるために省略し、以下の三点について政府の見解を伺います。
 第一は、本案により第十四条として規定されることとなる(医療の確保)の問題であります。
 この問題は山村においてはきわめて深刻な問題でありますから、本法制定の暁には、政府の積極的な施策の展開が望ましいのでありまして、この際、厚生省当局から山村振興の一環としての無医地区対策の方針を伺いたいのであります。
 第二は、山村振興に対する国有林の協力であります。
 山村振興法にはその第四条に「国有林野の積極的活用」という規定がございますが、国有林地帯の山村におきましては、国有林は、木材等の国有林野産物の売り払い、造林保育、雇用等、その管理経営の全般にわたって山村振興に影響する面がきわめて大きいのであります。したがいまして、国有林野の積極的活用はもちろん、その他の管理、運営につきましても、常に地元山村の振興について十分配慮した対処がなされるべきであると考えます。この点について農林省当局の見解を伺います。
 第三は、山村の役割りに関する問題であります。
 本案は山村の持つ公益的機能など国民的な役割りもあわせて規定することにしており、現行法の足らざる点を補っているのでありますが、山村が果たしている国民的役割りは必ずしも物的なものだけでなく、精神的・文化的な側面についてもその役割りは大きいと思われるのであります。
 すなわち、最近における工業化・都市化の急速な進展により国民生活が規格化され無味乾燥となるという問題が強く指摘されている中で、健全な山村が存在することの意義はきわめて高いと思います。したがいまして、山村の振興は、このような趣旨からも従来よりもはるかに積極的な姿勢で推進されるべきであります。この点について政府当局の見解を伺います。
#97
○政府委員(山下徳夫君) お答えいたします。
 昭和四十八年における政府調査によりますと、全国における無医地区の数が二千八十八カ所でございます。この中で山村振興地域内にあるものが千二百十二ヵ所、半数以上でございます。このような山村振興地域における医療の確保につきましては、政府といたしましても、きわめて緊急性の高い課題と考えて、かねてより僻地診療所の整備、患者輸送車等機動力の整備、僻地医師修学資金等による医師の確保等の施策を講じてきたところであります。しかしながら、従来の僻地医療対策はややもすれば無医地区を中心とした個別的な対策に偏したきらいがあったため、昭和五十年度以降におきましては広域的かつ組織的な対策を計画的に展開し、僻地医療の確保を図ることといたしております。すなわち、新たに無医地区を有する広域市町村圏を単位とした僻地中核病院の整備及び無医地区への保健婦の配置を行うことにより、医師の確保及び僻地住民の保健指導の強化を図るとともに、僻地診療所の整備及び運営に対する国庫補助率の引き上げを行う等、僻地医療対策の格段の強化、充実を図ることといたしております。
 政府といたしましては、以上のような方針の本とに、山村振興地域における無医地区対策を進めていく考えでありますが、山村振興法の今回の時宜を得た改正を契機といたしまして、今後とも無医地区対策の一層の充実に努めてまいる所存でございます。
#98
○国務大臣(安倍晋太郎君) 国有林野事業の運営に当たっては、基本的には林政審議会の答申の趣旨に沿い、国有林野の持つ公益的機能の発揮、林産物の計画的、持続的供給及び地域振興への寄与等、国有林野事業が果たすべき役割りを十分認識した管理、経営に努めておるところであります。とりわけ国有林野の所在する農山村地域の振興については、国有林野の管理、経営全般にわたり、これら地域の産業発展と住民福祉の向上等に密接な関連を有するところから、かねてから地域振興の寄与について十分配慮してきたところでありますが、今後とも社会、経済情勢の変化に対応しつつ国有林野の活用、林産物の供給、雇用の場の提供、その他農山村地域の振興に資するよう積極的な管理、経営に努めてまいりたいと思います。
#99
○国務大臣(金丸信君) ただいまの御質問の趣旨にありますとおり、山村地域は国土の保全、自然環境の保全、国民への緑地の空間の提供など、国民にとって欠くことのできない公益的機能を果たしている地域であり、しかもその役割りは単に物質的なものだけでなく、精神的、文化的なものも含んで国民に国民共通のふるさとともいうべき意義を持っていると考えます。したがって、山村の振興に当たってはこうした考え方を十分踏まえ、山村が果たしているこのような国民的役割りを一層発揮させるためにも、今回の改正を契機として山村振興施策の拡充にさらに積極的に努力してまいる考え方であります。
#100
○委員長(佐藤隆君) 以上で質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。山村振興法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(佐藤隆君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#102
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#103
○委員長(佐藤隆君) 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長代理理事坂村吉正君。
#104
○衆議院議員(坂村吉正君) ただいま議題となりました衆議院農林水産委員長提出農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 農業協同組合合併助成法は昭和三十六年に制定され、その後昭和四十一年、昭和四十五年及び昭和四十七年の三回にわたる法改正が行われ、同法に基づく合併経営計画の提出期限についての延長措置が講じられてまいりました。
 その間、農業協同組合の合併は、関係者の努力により一応の成果をおさめてまいったのでありますが、いまだに五百戸未満という零細規模の組合が相当数存在しており、これら組合の中には今後合併を行い、その組織、事業並びに経営体制の強化を図ろうと志向しているものが相当数あると見られるのであります。
 このような実情にかんがみ、本年三月三十一日をもって期限切れとなる同法に基づく都道府県知事による合併に関する計画の認定制度の適用期間を、さらに、三年間延長し、合併計画の認定を受けて合併した農業協同組合に対しては、従前どおり、法人税、登録免許税等の減免措置の特例を与え、合併促進の一助にしようとして、ここに本案を提出した次第であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#105
○委員長(佐藤隆君) これより質疑に入ります。別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(佐藤隆君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
#108
○委員長(佐藤隆君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#110
○委員長(佐藤隆君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
#111
○国務大臣(安倍晋太郎君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年、国民所得水準の向上、国民食生活の高度化等に伴い、牛肉需要は、着実に伸展してきたのに対し、国内生産は、これに十分には対応し得ず、輸入量は年々増加してきたところであります。また、牛肉価格は、漸騰ぎみではあったものの、比較的安定的に推移してきたのであります。
 この間、牛肉につきましては、生産から流通、消費に至る各般の施策に加え、輸入割り当て制度による牛肉輸入の規制及び畜産振興事業団による輸入牛肉の買い入れ、売り渡し措置等によりまして、価格の安定を図ってきたところであります。
 しかしながら、昭和四十七年夏から四十八年秋にかけて、牛肉需要の著しい増大と、国内生産の伸び悩みにより、牛肉価格は急激に高騰したのに対し、昭和四十八年十一月以降においては、石油ショックに端を発する諸物価の高騰等により、牛肉需要は停滞傾向を示し、供給量の増大と相まって牛肉価格は一転して急激な暴落を示したのであります。このような事情に加えて、昭和四十八年以降、国際的な飼料穀物需給の逼迫等を反映して、配合飼料価格が大幅な値上がりをいたしましたため、昨年来、肉用牛経営は、きわめて困難な事態に直面いたしたのであります。
 政府といたしましても、このような事態に対処して、昨年年初来、緊急措置として輸入量の調整生産者団体の行う調整保管に対する助成、小売り価格の引き下げ指導、消費促進キャンペーン、肉用牛経営安定のための低利資金の融通等の措置を講じ、牛肉需給の安定と価格の回復並びに肉用牛経営農家のこうむった打撃の緩和に努めてきたところであります。
 しかしながら、最近における肉用牛の生産事情の変化、牛肉の需要及び価格並びに国際市場等の動向から見まして、長期的に肉用牛経営の安定と牛肉生産の振興を図り、牛肉消費の安定を期するためには、この際、牛肉の価格安定に関する恒久的な制度を確立することが必要と考えられるのであります。
 このため、牛肉につきましても、豚肉同様、畜産振興事業団の売買操作等による価格安定措置の対象となる指定食肉に追加することにより、その価格と需給の安定を図ることとし、ここに、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、その主要な内容につき御説明申し上げます。
 第一は、牛肉を指定食肉に追加することであります。
 御承知のとおり、現行法の価格安定制度の対象となる指定食肉には、現在、豚肉のみが指定されておるわけでありますが、先ほど申し上げましたような牛肉の価格安定の必要性にかんがみ、牛肉を指定食肉に追加するものであります。
 指定食肉に追加することにより、牛肉についても、農林大臣による安定価格の決定、畜産振興事業団による売買操作、生産者団体の自主調整保管措置等の対象になることになります。
 第二は、畜産振興事業団の保管する牛肉の売り渡しに関する規定の整備であります。
 畜産振興事業団による指定食肉の売り渡しにつきましては、現行規定により、その価格が安定上位価格を超えて騰貴し、または騰貴する恐れがあると認められる場合に行うものとされておりますが、牛肉につきましては、通常時において畜産振興事業団が相当量の輸入牛肉を国内市場に供給する必要があるという需給事情等にかんがみ、以上の場合のほか、従来の取り扱いに準じてその保管する牛肉、すなわち、輸入牛肉及び価格低落時に買い入れた国産牛肉を、肉用牛の生産及び牛肉の消費の安定を図ることを旨として農林大臣が指示する方針に従って、売り渡すことができることといたしております。
 そのほか、以上の措置に関連して必要な経過措置等諸規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由及びその主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
#112
○委員長(佐藤隆君) 次に、補足説明を聴取いたします。澤邊畜産局長。
#113
○政府委員(澤邊守君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 この法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、この法律案の主要な内容につき、若干補足させていただきます。
 第一に、牛肉を指定食肉に追加することであります。
 現行の畜産物の価格安定等に関する法律におきましては、指定食肉について安定価格を定め、価格がこの安定価格帯の中で安定するよう、畜産振興事業団が指定食肉の買い入れ、売り渡しを行う価格安定制度を設けており、従来、豚肉のみを指定食肉としてこの制度を運用してまいりました。牛肉につきましては、この指定食肉制度とは別個に、畜産振興事業団に輸入牛肉の買い入れ、売り渡しの業務を行わせ、この輸入量の相当量を畜産振興事業団に取り扱わせることにより、国内の需給及び価格動向を勘案した適切な牛肉の需給調整をはかり、牛肉価格の安定をはかってきたところであります。
 しかしながら、提案理由説明でも申し上げましたように、長期的に肉用牛経営の安定をはかり、牛肉の生産の振興と牛肉消費の安定を期するため、牛肉の価格安定に関する恒久的な制度を確立することとし、牛肉を畜産物の価格安定等に関する法律による指定食肉として追加することといたしたのであります。この場合、対象となる牛肉の規格は農林省令で定めることといたしております。
 牛肉を指定食肉に追加することに伴い、農林大臣は、毎年度牛肉及び肉用牛の生産条件、需給事情その他の経済事情を考慮し、その再生産を確保することを旨として、その安定基準価格及び安定上位価格を定めることとなるのであります。
 これらの価格が決定されますと、次のような価格安定操作が畜産振興事業団によって行われることとなるのであります。
 すなわち、牛肉の価格が安定基準価格を下って低落した場合には、その価格の回復をはかるため、中央卸売市場等において牛肉を安定基準価格で買い入れ、また、牛肉の価格が、安定上位価格を超えて騰貴しまたは騰貴するおそれがあると認められる場合には、その価格の騰貴を防止するため、その保管する牛肉を中央卸売市場等において売り渡すこととなるのであります。
 また、この畜産振興事業団による買い入れ、売り渡し措置に加えて、牛肉の価格が著しく低落しまたは低落するおそれがあると認められる場合には、肉用牛の生産者団体は、牛肉の価格を回復しまたは維持することを目的として、牛肉の保管または販売に関する計画を定め、農林大臣の認定を受けて、その計画を実施することができ、この保管に要する経費については、畜産振興事業団が助成することとなっております。
 第二に、畜産振興事業団の保管する牛肉の売り渡しに関する規定の整備であります。
 畜産振興事業団の保管する牛肉の売り渡しにつきましては、ただいま申し上げましたとおり、牛肉の価格が安定上位価格を超えて騰貴しまたは騰貴するおそれがある場合に、その価格の騰貴を防止するために行うこととなるのでありますが、牛肉につきましては、このほか、通常時においても、農林大臣が牛肉及び肉用牛の生産条件、需給事情その他の経済事情を考慮し、肉用牛の生産及び牛肉の消費の安定をはかることを旨として指示する方針に従って、その保管する牛肉を売り渡すことができることといたしております。これは、通常時において相当量の輸入が必要であり、畜産振興事業団が取り扱う輸入牛肉が相当の部分を占めるという需給事情にあることから、現行法においても設けられている制度でありますが、その取り扱いの対象に、今回の改正により畜産振興事業団が買い入れることとなる国産牛肉を加える等所要の規定の整備をいたすものであります。
 そのほか、以上の措置に関連して、所要の規定の整備をすることといたしており、附則におきまして、この法律の施行期日を公布の日から起算して三十日を超えない範囲内で政令で定める日といたしております。
 また、本法の施行の日の属する会計年度の指定食肉たる牛肉の安定価格につきましては、この法律の施行後、すみやかに定めることといたしておりますとともに、その決定の手続は、公布の日から行えることといたしております。
 以上をもちまして、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明といたします。
#114
○委員長(佐藤隆君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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