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#1
第075回国会 農林水産委員会 第15号
昭和五十年六月十九日(木曜日)
   午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤  隆君
    理 事
                高橋雄之助君
                川村 清一君
                神沢  浄君
                原田  立君
    委 員
                青井 政美君
                岩上 妙子君
                大島 友治君
                鈴木 省吾君
                園田 清充君
               久次米健太郎君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                工藤 良平君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林省構造改善
       局次長      福澤 達一君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
       農林水産技術会
       議事務局長    小山 義夫君
       食糧庁次長    下浦 静平君
       水産庁次長事務
       代理       兵藤 節郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  岡部 祥治君
       農林省畜産局流
       通飼料課長    金田 辰夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしております。
 これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○神沢浄君 質問に入る前に委員長に要望をしておきたいと思うんですが、大臣の御都合が大体十一時直前くらいには衆議院に行かれるという、こういうことのようでありますから、もし大臣にお聞きしたいような主要の問題が残りました場合には、私の持ち時間が終わりました後の機会でも、ひとつ適宜の時間に質疑をお許しをいただきたいと思います。
#4
○委員長(佐藤隆君) 承知いたしました。
#5
○神沢浄君 そこで、この際私は、この飼料問題について少し勉強をさしていただく意味も含めてごく初歩的な質問から始めるのでありますが、最近の飼料の需給動向、これについてひとつ簡明な御説明をいただきたいんです。これは最近の五年間の粗飼料と濃厚飼料との比率の推移ですね、一つ。もう一度申し上げますよ。粗飼料と濃厚飼料との比率の推移、最近の五年間。それから次に、輸入飼料が総供給に対する比率の推移、やはりここ五年間。とりあえずその御説明をいただきたいと思います。
#6
○政府委員(澤邊守君) 最近におきます飼料需給の推移の実績でございますが、過去五年間というお話でございますが、四十七年、四十八年、四十九年、五十年という資料を持っておりますのでそれについて概要を御説明を申し上げたいと存じます。飼料は各種の飼料がございますので、可消化栄養分総量というので同一単位に換算をして数字を表示をしておりますのでそれに換算をした数字で御説明を申し上げたいと思います。
 四十七年度は飼料の需要量は可消化栄養分総量、TDNと申しておりますけれども、需要が二千二十五万三千トンでございます。それに対します供給量は、需要と供給は一致しておると、こういうふうに見まして、そのうちでいわゆる粗飼料、お尋ねの粗飼料は四百七十三万七千トン、濃厚飼料は一千五百五十一万六千トンということになっております。なお濃厚飼料のうちの輸入濃厚飼料でございますが、これは四十七年度は九百八十八万八千トンという数字になっております。次に四十八年度を申し上げますと、需要は、総供給も一致でございますが、二千五十四万九千トン、そのうち、供給のうちの粗飼料が四百五十三万八千トン、濃厚飼料が一千六百一万一千トン、輸入は一千百四万八千トン、これも可消化栄養分総量による数字でございます。四十九年度は需要と供給の総量は二千六十六万トン、その供給量のうちの粗飼料の供給量は四百八十一万五千トン、濃厚飼料は一千五百八十四万五千トン、そのうちの輸入は一千百三万三千トンでございます。五十年度は、現段階ではこれは推算の域を出ません。今後来年三月までにどの程度かということは、家畜の飼養頭数の推移とも関連しまして正確に推算はできませんけれども、現在われわれが持っておりますものによりますと二千七十九万トン、これが需要量でありかつ、供給量である。供給量のうち粗飼料は五百五万トン、濃厚飼料は一千五百七十四万トン、そのうちの輸入量は一千九十六万トンというふうに推算をいたしております。
 なお、お尋ねでございました粗飼料の供給率、ただいまの数字で割り算をして見ればおわかりいただけるわけでございますが、問題になります粗飼料の供給率というものを四十七年度から五十年度まで見てみますと、四十七年度は二三・四%、四十八年度は微減いたしまして二二・一%、四十九年度は二三・四%、五十年度は二四・三%ということで、まあおおむね横ばいでございますが、わずかながら今年度は上がる見込みであるというふうに見ております。
#7
○神沢浄君 ずらずらと数字を聞いてもなかなか、そのまま頭に入るものじゃないけれども、その傾向というようなものを見ますと、やっぱり粗飼料の場合は若干上向きといっても、別に上向きほどの兆候が出ておるわけじゃなくて、むしろ低下の線を横ばいをしておるような感じですね。それから、濃厚飼料の場合はこれはどんどんふえていっておる。増高線をたどっておる。輸入飼料の総供給に対する比率というのは、これはもう漸増傾向というやつをずっと進めてきておる、こういう形だと思うんですが、これが延長をしてまいりましてね、延長線上を進行をして、昭和六十年度を目安にして、例の需給部会ですか、資料を出してますね。需要と生産の長期見通しというのをですね。これに基づきますと、いまの傾向というのがどう変化をしていくか、どういうふうに変化をしていくか。粗飼料の横ばい状況、濃厚飼料の動行、どんどんふえていく動向の傾向、それから輸入飼料が供給に対する比率の漸増の傾向、こういうものが六十年を目安とした需給部会のまとめたあの数字に照らしてみますと、どう変化をしていくかというような点もちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#8
○政府委員(澤邊守君) 先般閣議決定をいたしました長期見通しによります飼料の需給の見通しについてのお尋ねでございますが、御承知のように、四十七年度が基準年次になっておりますので、先ほど申し上げたような数字と比較して、六十年がどのようになっておるかという点をごらんいただくとおわかりやすいかと思いますが、四十七年度の需要量は、先ほど申しましたように二千二十五万三千トンでございます、これはTDNに換算をいたしております。六十年度はその需要がかなりふえまして二千九百八十七万八千トンというふうで、約九百六十万トン前後総需要としてふえる。供給も同じというように見ておるわけでございますが、そのうち、粗飼料につきましては、四十七年度は、先ほど申しましたように四百七十三万七千トン、それに対しまして六十年度の見通しでは九百二十六万九千トン、それに対しまして、濃厚飼料は、四十七年度が一千五百五十一万六千トンと申しましたが、それに対しまして六十年度は、二千六十万九千トンでございます。したがいまして、供給の中では粗飼料を九割前後、かなり大幅にふやすということを目標にいたしておるわけでございます。その際の濃厚飼料の輸入量でございますが、四十七年度は先ほど申しましたように九百八十八万八千トンでございますが、六十年度は一千四百七十七万二千トン。TDNの換算でございますが、一千四百七十七万二千トンというように見ておるわけでございます。それによりまして、お尋ねの飼料の自給率でございますが、四十七年度には、これは四十七年度という年は御承知のように過剰米を飼料に回したという特殊な年でありますので、その辺を考慮いたしますと、四十七年度は四五・九%、過剰米を除きますと。こういう自給率になっておるわけでございますが、それに対しまして、六十年度はわずかでございますけれども五〇・六%の総合飼料の自給率というのを目標として、見通しを立てておるわけでございます。
#9
○神沢浄君 いまの御説明によりますと、粗飼料の場合は一応、いま国が講じようとしておる施策の効果を一応見通して約二倍近くになる、こういうことだと思うのです。これはいいのですけれども、今度は濃厚飼料について言えば、国内産というのはほとんど横ばいの数字で、三%ばかりふえる勘定にはなっているわけです。ところが、この輸入物については、四十七年を基準にして、六十年度の場合は一四九・四%ですから約五割ふえる、こういう数字になっているわけです。
 私は、そこでもって非常に感じさせられる問題があるわけなんですが、輸入飼料に対する依存度というものは自給度の回復というものを目安にして、ここでいわゆる攻めの農政を開始をしていっていると思うのですけれども、その際に、事、畜産については輸入飼料というのが、外国飼料に依存する度合いというのがいよいよ増大をして、いまの石油危機直後、特に見直されてまいりましたえさの、ことさらに畜産については、えさの急激な価格の動向というような事態を通じて、そして畜産危機が叫ばれて、国としても躍起になって対策を講じてきておるわけなんですけれども、この日本畜産というものの本質について考えてみると、やっぱり私どもは問題は二つになるんじゃないか。
 一つは、その不安定性の第一とするのは、いわれておるところの加工型畜産、別にいわゆる小作型畜産というようなこともいわれているわけでありますが、いわば濃厚飼料はほとんどを外国に依存をして、そして日本の畜産農民というのは臭い苦しい思いをするだけ。これがやっぱり日本のいまの畜産の不安定性の第一の事由になっておるのだと思うのです。
 さらに、それぞれ専門の立場から指摘をされておるところなどによりますと、いわゆるお仕着せ畜産というか、濃厚飼料の大宗をなすものは外国依存ですから、入ってきた飼料穀物は、すぐこれはもう配合の業者なり団体なり仕事をしておるところへ回されて、配合飼料になってお仕着せ的に供給をされておる。こういうことを通じていまの日本畜産の不安定性の大きなものの第二は、いわゆるお仕着せ畜産的な性格。加工型畜産とお仕着せ畜産的な性格、この二つが日本畜産の不安定性というものをこれはもう象徴しておるものだ、こういうふうにいわれていると思うんです。
 そうすると、これから将来に向けて事、畜産に関する限り、農政の中でもって取り組んでいく方向というのは、この日本畜産の不安定性として指摘をされておる、いわゆる弱点として取り上げられておるものを解消脱却をしていくという方向でなければ私はならないじゃないかというふうに考えるのでありますが、そういう点からいたしますと、どうも六十年を目安として出されてまいっております数字からすれば、事、濃厚飼料については、いよいよその依存度を増大をしていっておる、こういうことにならざるを得ないのでありまして、私は、これでは日本の畜産の将来への安定というようなものは不可能じゃないか。いま目の前でもって外国の飼料穀物への依存の状態を断ち切るということは、これは無理でしょう。無理でしょうけれども、しかし政策の方向としてはそれが断ち切られていくような方向がここでもって示されてくるようなものでなければ、私は責任ある畜産政策ということにはならぬのじゃないか、こういうふうに感ぜざるを得ないわけなんです。その点につきまして局長のひとつ御説明をいただいて、その上で私は大臣のお考えをお聞かせいただきたい、こう思います。
#10
○政府委員(澤邊守君) わが国の飼料需給が、先ほど申しましたように、非常に海外に依存率が高いという点は、現状のままにおきましては一つの畜産、わが国畜産の不安定要因だという御指摘はわれわれもそのように思うわけでございます。われわれといたしましては、できるだけ国内におきます飼料資源の開発を進めまして飼料の国内供給率、自給率を極力高めていくということが必要だというふうに思うわけでございますが、その際御指摘の飼料穀物――トウモロコシ、あるいはコーリャン、あるいは麦類が中心になるわけでございます。あるいはさらに大豆かす等もあるわけでございます。それらのものを、どのようにして国内供給を高めていくかという点につきまして種々検討をしてまいったわけでございますが、現状におきましては、トウモロコシとかコーリャンという飼料穀物の主力農産物につきましては、御承知のように表作でございますので、稲作なり、あるいはその他の野菜作、その他日本の夏作物と土地利用の面で競合するというような点、あるいは生産性等を見ましても、御承知のようにこれらの飼料用穀物は大規模で非常に粗放経営をやって省力、大機械を利用することによる省力経営に適した作物でございますので、わが国の狭小な農地におきまして種々工夫をいたしましてもなお、これを栽培する場合には、生産コストの面におきまして、海外、たとえばアメリカ等と比べますとかなりの差が出ざるを得ない。御承知のように、最近アメリカ等を初めとする世界のトウモロコシ、コーリャンの価格はかなり高くなってまいっておりますけれども、それと比較いたしましても、国内で、もしトウモロコシを生産するというような場合を試算してみますと、二倍から三倍ぐらいの価格差が出てくる。世界の飼料穀物需給が緩和をいたしまして価格が下がるということになりますと、さらにそれ以上に大きな差が出るというような点等を検討いたしますと、いま直ちに国内におきましてトウモロコシとかコーリャンというような飼料穀物を全面的に増産するということには踏み切れないというのがわれわれの率直な現段階においての考えでございます。
 ただ、飼料穀物もできるだけ国内で生産する、少しでも、というような観点からいたしますと、麦類につきましては食用麦とあわせまして国内でつくる。これは冬作物であり、特に水田裏作につきましては、かつては相当作付をされたことがございますので、飼料用の麦につきましても、水田の裏作あるいは畑の冬作等を、できるだけ作付を促進するということにおきまして、食糧麦と並んで飼料用穀物である大麦等の飼料用麦につきましても国内生産を促進してまいりたいということで、先般の長期見通しにおきましてはとりあえず飼料麦として三十万トンぐらいの国内生産を予定をしておるわけでございます。飼料用穀物につきましてはそのようなことによって少しでもということでございますが、大幅に生産をふやすということはなかなか困難である。したがって、われわれといたしましては、国内の飼料資源を開発をして飼料供給をふやすためには、まず大動物の飼料になります牧草なり、あるいは青刈り飼料等の飼料作物を生産をする、増産をするということによりまして飼料全体の自給率を高めるということに重点を置くべきである。こういうような考え方で草地の開発造成、あるいは既耕地に対します水田裏作を含めまして飼料作物の導入、あるいは山林におきます野草、あるいは林野におきます野草等の利用、あるいはかつては利用され、現在は非常に利用率が低下しておりますわら等の農場副産物の飼料としての活用というようなことを、できるだけ進めてまいるという点に重点を置きまして、国内の飼料供給の拡大を図っていきたいというように考えておるわけでございます。
 まあ、中小家畜は御承知のように牧草を食べませんので、これはどうしても飼料穀物に依存せざるを得ない。これも今後経済の成長いかんによりますけれども、なお国内の中小家畜の畜産物の利用はふえると思いますので、それに合わした国内生産を確保するためには海外からの飼料穀物の輸入ということに依存せざるを得ないというふうに考えておるわけでございますが、そのためには輸入の安定を図るということがどうしても必要であるということで長期的な主要国との取り決めの問題、あるいは備蓄の問題、あるいは輸入先の多元化の問題、あるいは長期的な観点からの飼料資源の海外における開発に対する協力の問題等を検討しておるところでございます。
#11
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長からるる申し述べましたように、飼料につきましては飼料作物、麦類については今度増産を図っていかなければならないわけでありますが、またこれができる条件もあるわけでございますが、しかしトウモロコシ、コウリャンといった飼料穀物につきましては、今日のわが国の生産条件からしてこれを増産をするということは不可能である。したがって、この飼料穀物については外国に依存せざるを得ないということでございまして、先ほどもお話がありましたように、昭和六十年では大体飼料穀物の輸入は現在の一千万トンから千五百万トンと五割もふえる。これは畜産の伸びと相関連をして五割ふえるということになるわけでありまして、これはどうしても外国に依存せざるを得ないわけでございます。したがって、われわれとしてはこの飼料穀物の輸入につきましては、輸入の体制につきまして再検討する、そうして中期的な長期取り決めといったものを行って安定輸入を図っていくというところに重点を置いて今後の農政を進めてまいりたいと、こういうふうに考えるわけであります。
#12
○神沢浄君 大臣お出かけになる時間が迫っているようですから端的にお尋ねをしておきたいと思うのですが、御説明によれば、国内の飼料自給の対策というものを鋭意進めると。進めてまいりましても、やはりコウリャン、トウモロコシ等すぐには解決できないものによって日本畜産は成り立っておる以上、やはり国外からの輸入というものをこれはどうしても土台に考えていかなければ、この構想は成り立たない。それについては安定輸入というような問題についてこれは取り組んでいかなければならない、こういうようなことだと思うのです。が、そういうことになりますと、やはりこれは国内で自前でもって解決がしていけないという方向が一つ大きな柱として日本の畜産の場合にはあるわけであって、そうしますと、さっきも触れましたような現状におけるところの日本の畜産の最も弱点とされておる加工型ないしお仕着せ型と指摘をされておるこの問題というのは、これは解消しないということに、脱却し得ないということにならざるを得ないわけでありまして、そうなってまいりますと、それらの条件と情勢の上に日本の畜産の安定をどう図っていくかということになれば、やはりこれは価格問題というようなものを主として取り上げていかざるを得なくなる。いま意見として、私は、この飼料問題を軸にする日本の畜産問題というのが、日本の農業問題をかなり端的に象徴的にあらわしている部面だと、こう思うのですが、したがいまして、特に畜産に関する飼料の問題についてはやはり第二食管的な構想というものがどうしても避けられぬのじゃないか。日本の畜産の安定というものを図っていくためには、やはり詰まるところは第二食管的な構想というものをとてもこれは抜きにしては成り立たない、こういう意見が最近非常に強まっているようであります。大臣に時間があれば――つい先ごろ例の国際化懇談会ですか、でもって何か意見を出しておるようですけれども、私は、まああれを見まして、どうもこの農政の方が少し遠慮をしたり、しり込みをしたりしておる間に、むしろ日本のその資本の側から、資本自体のその自己防衛のために、この農政にむしろ活を入れていかなきゃならぬというようなところへ来たんじゃないかということすら感じたわけでありますが、あんな問題についても、いずれまた機会を見て大臣の御所見など承りたいと、こう思うんですけれども、ここでとりあえず第二食管的なその構想ですね、これに対しての大臣の、大臣という立場でなくても結構ですよ、日本農政を憂える一人の政治家という立場でも私は、なお結構だと思いますから、ひとつ御見解をお聞きをしまして、もう時間ですから、衆議院の方へ回っていただいても結構だと存じます。
#13
○国務大臣(安倍晋太郎君) これからの畜産の安定を図っていくためには飼料問題が非常に大事である。したがって、このトウモロコシ、コーリャンといった今後とも輸入の増大する飼料穀物については第二食管といったものをつくるべきであるという御意見だと思いますが、私はやはり第二食管をつくるということは非常にむずかしい問題じゃないかと思うわけであります。というのは、今日まで御存じのように、トウモロコシ、コーリャンについては自由化ということの中で民貿で行われておりました。そして、今日まできておるわけでございますが、これを麦と同じような食管制度という形の中でその国家管理にする、一元化輸入をするということは、これは国際的にも一つの問題が起こってくる可能性もあるんじゃないか。それからやはり自由化で、民貿のいい点はやはり機動的に、弾力的に輸入が行われるという、非常にいい面もあるわけでございますが、これを一元化するということになれば、そういう点についての一つの問題点も出てくるんじゃないか、硬直化する可能性もあるんじゃないかと思うわけですし、それからやはりこうした問題について食管的なものにするということになりますと、いまの食管も御存じのように、大変な赤字を抱えておりますが、これをまたさらに一つの第二食管的なものにしますと、その機構、人件費、そういうものを整備しなきゃならぬ、膨大な予算措置も伴うわけでございます。したがって、こういうふうな、私は、第二食管でやるということも一つの御意見としてはわかるわけですが、これをやることはしかし現実にはむしろ即さないんじゃないか。それよりは先生のおっしゃる、やはり基本的な問題というのは飼料穀物の安定輸入、安定供給ということじゃないかと思いますが、そういう見地からこの飼料問題に対処していった方がいいんじゃないか。まあおかげさまで国会におきまして飼料の基金制度、価格安定のための基金制度というものをつくっていただいたわけでございますので、こういうものをうまく運営をするとともに、輸入につきましては長期取り決め、あるいは中期取り決めといった安定輸入の道を開いてそれによって安定輸入をしていく、そういう点でこれに対処していくためには食管的なものをつくるよりはベターではないだろうか。改善をしなきゃならないところはあると思いますが、しかし、第二食管をつくることよりは、むしろ基金制度の充実、あるいはまた長期的な、あるいは中期的な輸入の安定化という方向でこれに対処した方がベターではないかと、私はまあそういうふうに考えておるわけであります。
#14
○神沢浄君 大臣の時間が最初お約束してきめられておりましたから、いずれまた、私はいまの御答弁でははなはだ意の尽くせないものがたくさん残るわけでありまして、いずれまた後の機会にいたしたいと、こう思うのであります。
 そこで局長にお尋ねをいたしますが、いま大臣がおっしゃっておられました、基金制度等をうまくと言われたが、このうまくということはどういうことか。むしろこれは大いに論議しなきゃならぬ点だと、こう思うのですけれども、うまく運用をすることによって、そしてこの問題の克服を考えていこうと、こういうことのようでありますが、そうして、あわして、まあすでに米の場合、八千億にもこれはなるというふうなことを言われていたんですけれども、それは予算をみみっちくしておくから赤字も出るわけであって、別に思い切りその予算の計上が伴えば何も赤字などが出る筋合いのものではないと思うんです。食管制度というものが、私は何かいまの政府の解釈の仕方というものがかなり違っているんじゃないかという考え方を持っておる一人なんですけれども。その問題はさておきましても、しかし、申し述べてきましたように、外国穀物に依存しておるいまの状態というものは、にわかにこれは脱却できないということ。したがって、安定輸入等の問題をまず取り組んでいかなきゃならぬ。あわして自前の、自給のできるような対策というものも講じていく、こういうことでありますけれども、それでは、いまその近い将来を見通してみた場合に、やはり日本の畜産の、まあきわめてすぐに、畜産危機というようなものが、外国の穀物市場の動向いかんによっては、すぐにも日本の畜産の死活に及ぶようなこういう状態に波及してしまう。
 だれかが、もっとほかの経済の問題でもって、何かアメリカでくしゃみをすれば日本では重態に陥るというようなことをいつか言われたのを聞いたこともあるわけなんですけれども、日本の畜産の場合なんというのはまさにそうであって、外国のシカゴあたりの相場の動向いかんによっては、そこでちょっとくしゃみ程度の状況が起こっただけでもって、日本の畜産というやつは、全くそれはもう重態に陥ってしまう。これをどこで脱却をしていくかという、どこでそういうものを、まあその仕組みを脱却をして日本の畜産の安定というものを図っていけるかと。こういう点について、農林省などはどんな考え方をされておるのかですね。ぼくはその辺が何としてもわからない点なんですよ。これをお聞きしたいと思うんです。
#15
○政府委員(澤邊守君) 膨大な輸入飼料原料、特に穀物につきまして、海外に対する依存率、依存を大きくしているということは非常に、考えようによりましては、御指摘のとおりわが国の畜産の不安定要因の一つ、大きな要因であるというふうに考えます。そこで、国際需給なり国際価格によります影響を大きく受けるわけでございますが、その場合、量の問題と価格の問題と、二つの点で影響を受けるわけでございますが、まあ量は一昨年でございますか、大豆の輸出規制あるいは昨年もアメリカのトウモロコシ等の輸出規制が行われるかもしれないと――ある意味では実質的には、自主的な規制という名において、ある程度行われたとすら言えると思うのでありますが、そういうことに対しまして、どのようにしてわが国の量的な確保を確実にしていくかということにつきましては、まず第一に考えなきゃならぬそれは、輸入先をできるだけ分散をしていく、特定の国、現在はアメリカに対する依存率が非常に高まっておりますこれを、多元化するといいますか、輸入先の多元化といいますか、できるだけ分散をしていく。これは長期的に考えていかざるを得ないと思いますが、そのようなことをするとか、それからまた、そうは言いましても、当面アメリカに対する依存率が高いことは、これは脱却できないと思いますので、アメリカその他主要な国との間に先ほど大臣も申しましたような長期あるいは中期の輸入契約あるいは輸入取り決め、これは政府間でやる場合と民間団体が自主的にやる場合と二つの手法があるかと思います。これは相手国によって違いまして、アメリカのような場合はなかなか政府間というわけには、非常に厳格なものはむずかしいというように思います。非常にソフトなものならば、あるいは政府間であり得るんじゃないかというような気もしますが、その辺がなかなかむずかしい点がございます。が、いずれにいたしましても、長期契約を民間ベースあるいは政府ベースで取り決めをするということによりまして、国際需給が変動した場合でも、日本は必要なものを最小限度安定して確保できるというようなことを考えていきたいということでございます。それからさらに需給、国際的な需給の不安定といいます場合、作柄の変動もありますけれども、港湾ストだとか、あるいはまあ石油が足らなくなるというようなこと、二年前には現実にそういうことを心配したわけでございますが、そういうようなことによりまして一時的に輸入が滞るというような場合に備えるためには、国内において備蓄をするということが量的確保という面で大事じゃないかということでございます。これは備蓄といいますのは心配をすれば限度のないことでございますので、現実的には経費等もにらみ合わして何カ月分というような考え方で計画を立てざるを得ないと思いますが、そのような国内において備蓄をいたしまして、一時的に輸入がとだえた、あるいは縮小したという場合に対処できる体制をとっておくということで農林省では現在、飼料穀物につきましては、五カ年間で約一カ月分の備蓄を行うということで、昨年から予算措置は講じていただきましたが、昨年は御承知のように、現実に備蓄どころか、当面必要なものを確保することに非常に苦慮したというような事情、あるいは価格も非常に高かったということで去年は実行はできなかったわけで、今年からそれを実行をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから第二点は、価格の問題でございます。国際価格が非常に大幅に変動するような傾向が最近見られる、これは長期的にも従来のように安値安定ということはなかなか期待できない。まあ高値不安定という表現を一言では使っておりますけれども、そのような価格が中期的、長期的にも見通されるということからいたしますと、それによります国内の配合飼料等の飼料価格の影響を緩和するという安定対策が必要であるということから、先ほど大臣が申し上げましたように、四十九年度の補正予算、さらに今年度の予算によりまして配合飼料価格安定特別基金というものをつくっていただきまして、これによりまして海外要因によります原料価格の変動によって製品である配合飼料価格が一定幅以上に動いた場合には、そのショックを緩和するというために補てん財源に対しまして異常補てんを行うための財源に対しまして二分の一国が負担をするという制度を開いたわけでございます。これによりまして、二年前から価格が数次にわたって暴騰いたしまして畜産経営が非常な打撃を受けた、その都度融資とかあるいは民間にございました従来の三基金に対します補てん財源の援助というようなことを、その場、その場でやってきたのを、恒久的な制度として確立をするということに一歩進めたわけでございます。これらの運用につきましては、なお実行しながら不備な点があればさらに改善をしてまいるということでスタートをしておりますので、この線で価格の安定というものについては努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#16
○神沢浄君 いまの御答弁に関連して、ちょっとついでに一、二点お聞きしておきたいと思うんですが、主要な飼料穀物の対外依存の実態についてですけど、これ品名と、それから国名と輸入量全体の中へ占めている比率をちょっと説明をしていただけませんか。
#17
○政府委員(澤邊守君) 主要な飼料原料につきまして申し上げますと、トウモロコシ、コウリャンが何としても最たるもので主要なものでございますが、トウモロコシにつきましては、四十九年度で申し上げますと、輸入量が全体で五百六十四万一千トンでございます。これはほとんど国内生産がございませんのでネグリジブルでございますので、ほとんど一〇〇%近いというふうに御理解いただければいいかと思いますが、そのうちでアメリカからは四百七十四万九千トン、これは八四・二%の割合になっております。全体のうちで八四・二%はアメリカから入れている。そのほかはタイから七十五万八千トン、これは一三・四%に当たります。あとは一%以下でオーストラリアとかアルゼンチン、南アというのがございます。ほとんどアメリカ、タイ二国であり、しかもその中でアメリカが八四・二%、これはちなみに四十九年度申し上げますと、これが八八%、その前はそれほど高くはございませんで四十五年は六八%、四十六年は五四、四十七年は七九というラウンドで申し上げますと、それが世界の穀物の不足というここ二年来の事態によりまして様相が変わりまして、アメリカに対する依存率が非常に高まった。アメリカは余り不作でなかったということのためにこのような結果になったわけです。これは正常になりますと、また少しアメリカのシェアは低下するというふうに思います。
 次にコウリャンでございますが、これは四十九年度で申し上げますと、三百八十万五千トンの輸入をいたしております。そのうちでアメリカからの輸入量は二百十一万五千トン、五五・六%で半ば以上占めております。次がアルゼンチンの八十万七千トン、これは二一・二%、それからオーストラリアが七十三万九千トン、これは一九・四%でございます。あとは一、二%、南アとかタイとかというのがございます。コウリャンは比較的アメリカに対する集中度が低いということがございますけれども、なお半ば以上占める。ただ、これはトウモロコシとちょっと逆でございまして、四十八年度はアメリカに依存度が約七五%ございました。四十七年にさかのぼりますと、これ六四%、その前はそれほど大きくございませんが、ことし四十九年度は五五・六%というようにアメリカに対する依存が非常に高まっております。
#18
○神沢浄君 そこで、さっき言うように、何といいますか、輸入飼料の安定を図っていくと。これで見てもわかるように、ほとんどこれはアメリカに大宗的に依存をしてやっているわけですが、これを現実の問題としてどういうように分散、安定化を図っていくというようなことができるんですかね。それは理屈とすれば、なるほどそれをでき、るだけ数カ国に分けてそして一国だけの変動で日本の畜産が動揺などを受けないようにする、これはもうそのとおりですね、異論のないところですよ。しかし、いまの日本をめぐる国際関係の中で実際現実の問題としてそれができるんですかね。どうなんでしょうか。
#19
○政府委員(澤邊守君) これは御指摘のように短期間ではとても困難かと思いますので、やや時間をかけて長期的に考えざるを得ないと思います。先ほど申しましたような、ごく最近の数字はややアメリカに過大になっておりますけれども、これはもう少し下がるとは思いますけれども、本質的に大幅に下がるというのはなかなか短期間ではむずかしいというふうにわれわれも思います。ただ、先ほどトウモロコシで、クイで申しましたように、これは民間協定がございまして、毎年六、七十万トンあるいは八十万トンぐらいの輸入をしております。もちろんタイにつきましては生産の振れもあるということ、さらにそれに伴いまして契約どおり実行してくれるかどうかという点についての不安はございますけれども、民間協定によりまして現在四十九年度で七十五万八千トン入っておるわけでございます。こういうような方向を今後進めていくということ、さらにもっと長期的に考えますと、やはりそれらの飼料穀物を生産するような適地におきまして、相手国に対しまして開発に対する技術、資金面での援助をする。それによりましてそれらの国の国内需要を満たした上で、輸出余力ができた場合には、日本に輸出をしてもらうというような意味での開発協力が必要ではないかと思うわけでございます。現在インドネシアのランプン市におきましてすでにトウモロコシの開発に対しまして、日本の企業が相手国と合弁会社をつくっておる例が二例ばかりございます。インドネシアにおきましては、その他の計画もいろいろあるようでございますし、さらにタイにおきましても先ほど言いました民間協定とも関連ございますが、全農がタイ国の農業団体と共同でトウモロコシの開発をやるというようなことを考えております。それからフィリピンにおきましても、最近これは飼料穀物の種子の――種ですが、開発事業を、日本の企業が合弁でやるというような具体的な話も出ております。これらに対しましては国際協力事業団を通じまして技術協力なりあるいは資金的な協力をするというようなことも具体的に進んでおります。その他オーストラリア等におきましても、コウリャンにつきまして開発援助をする、開発協力をするというようなことによりまして、わが国への輸入量をふやしていくということも検討すべき問題だというふうに思っております。いずれにいたしましても、時間のかかる話でございますので、長期的な視野に立って着実に進めていく必要があろうかと思っております。
#20
○神沢浄君 考え方としてはわかるんですよね。ただ、ぼくなんかが非常に懸念をせざるを得ないのは、いまたとえばアメリカの場合は、アメリカ食糧戦略論というようなものが言われていますね。核の力でもなく、ドルの力でもなく、これからのアメリカは食糧戦略を展開していくんだというような際に、日本の考え方というものが、いま局長も、それは時間をかけてと、こう言われておるのだけれども、そう簡単には展開し得られようとは思えないような現実だと思いますね。それとあわして最近資源ナショナリズムというようなものが非常に台頭してきて、石油問題なんかに端を発して、いわば日本農業全体がそうだけれども、特に飼料を外国に依存をしているという日本の畜産の場合などは、その挾撃にあって、にっちもさっちもいかないような事態になる恐れの方が大きいぐらいのもんだと私どもは思うんですよ。それを克服していく道の一つとして、いわば開発輸入というような構想が述べられるわけだけれども、この開発輸入といっても、いま全農の例などが一つ挙げられておりましたが、開発輸入という方式になってくると、いよいよこれは農民の手からは離れてしまっていわばいままでアメリカ等に握られておったところの支配権が、今度は逆に日本の資本家に移っていくというような、そういう変化が起こるだけのことであって、日本の畜産というものの現状の打開のためには、私はこれはもう全く期待ができないような状態にあるんじゃないか、こういうような気がしてならないんですね。だから、少し極端な意見を言う人は、臭い苦しいような思いだけをさせてやるような、いまの小作業のようなそんな畜産だったらば、むしろ飼料穀物を輸入するよりか肉をそのまま輸入した方が、食糧問題というような点から考えれば、ましくらいのものじゃないかと。お先まっ暗な飼料問題一つについたっても目安のつかないようないまの日本の畜産の政策というものを、このまま推移をさせていくというようなことは、これはむしろ政治として生産者、農民に対して無責任きわまるものじゃないかというような意見さえあるくらいですよね。ですから、いま局長からのお話以上のものはこの際お聞きすることは無理だろうと思いますけれども、大臣もいらっしゃらぬしするから、私はこの問題はまたの機会を求めてもっともっと論議をしていかなければならない問題じゃないかと、こう考えているんです。
 そこで、さっき備蓄の点について御答弁がありましたが、五カ年くらいの計画でもって一カ月と、こう言われるんですね。この間、何というんですか、これは農業サイドではなくしてむしろ資本サイドから御提言のありました、何というんですか、これは国際化対応農業懇談会ですか、これで見ましても、これはどうしても二カ月ぐらいのものは必要なんだということを言っているようですね。これきっともうお読みになっているだろうと思うんですけれども、これに対してどんなような御所見か。それからたとえば一カ月の問題にしましても具体的にはどういうふうな計画になっておるのか。とにかく備蓄というのは置くところもなければならないしするわけですよね。歩合いの問題から何から、これはそういう実態に入ればなかなかいろいろな問題があると思うんですが、そのような点についてはどんなことになっているのか、ちょっとこの際お尋ねしておきたいと思います。
#21
○政府委員(澤邊守君) ただいま御指摘ございました国際化に対応する農業問題懇談会の提言でございますが、これはたしか二カ月の備蓄を造成する、これは政府みずからが特別会計を持つんだというような趣旨ではなかったかと思います。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような飼料の原料の安定供給を確保するという意味からの諸対策の一環といたしまして、国内におきまして飼料原料を備蓄するという必要があるということで、四十九年度から備蓄の予算も計上いたしまして事業をすることにいたしております。先ほど申しましたように、昨年度は初年度でございましたけれども、国際的に需給が非常に逼迫して物がなかなか手当てができなかった、あるいは価格が非常に高かったということで実行ができなかったわけでございますが、今年度第二年度、実際には初年度ということになるわけでございますが、実施についていま検討しておるところでございますが、考え方といたしましては、現在飼料配合メーカーは通常約一カ月のランニングストックを持っております。これは備蓄というよりは原料として絶えず工場倉庫に持っておって、原料の切れないようにするということでございますが、その需給関係、価格関係によりまして若干増減はいたしますが、大体平均一カ月ぐらいを持っておる。これは飼料メーカーの配合飼料の製造コストの中で約八割以上が原料価格でございますので、原料をいかにうまく在庫管理をするか、逆に言いますれば、別の言葉で言いますれば、できるだけ少なく持つ、すれすれで持っていく、しかも足らないという事態のないようにするというのが、ある意味ではコストダウンの一つの大きな要因になっているという面がございますので、なかなか持ちにくい。それからもう一つは、トウモロコシにつきましては、前とは若干違いますけれども、使管期間が非常に短い、わが国の場合は。御承知のように湿度が非常に高い国でございますので、梅雨の時期を初めといたしまして長い期間保管をしておきますと品質が低下するという心配がございましてなかなかたくさん持ちにくい。まあ二つの理由がございまして、大体一カ月ぐらい持っているのが通常でございます。
 それに対しまして、備蓄をどの程度やるかということは、経費をかけてうんとたくさんやればそれだけ安心感があるわけでございますが、現実問題といたしまして、保管するサイロが現在不足しておるということで、通常の持っておる一カ月にさらに一カ月分を五カ年間でふやす。通常のランニングストック一カ月のほかに一カ月分をこれは備蓄という意味でふやすというようなことを民間と国が分担をしてやるということを目標にしておるわけでございまして、これは合計百十五万トンの備蓄を五カ年間で造成するという考えでございます。そのうちで四十五万トンが大麦によって国が行う。残りは民間、特に主として飼料配合企業が実施をする。それに対しましてサイロの建設資金、それから備蓄を行うための保管料等につきまして金利の助成をしていくというのが助成の内容でございます。これは予算的には先ほど言いましたように昨年から始まっておりますけれども、ただ、実行はことしからということで、現在具体的なやり方について検討をいたしておるわけでございます。
 ただ、これはなかなか実行段階になりますと非常に問題が多いわけでございますが、先ほど申し上げましたような事情もございますので、個々の企業からいたしますと、在庫をよけい持つということは若干の助成がありましても採算上は経営の負担になる面があるわけです、当面は。何か足らなくなったときには、それは他の企業よりは有利になるという面がございますけれども、通常の場合には、それだけ負担になるということで、なかなか個別企業ごとに助成するという形ではやりにくいという面がございますので、何らか団体をつくって協会的なものをつくりまして、そこで、会員がそれぞれ負担金を持ち寄りまして民間負担分を出していく。そのかわり放出する場合には、同じように分担金の拠出割合に応じて受益をするというような仕組みを考えていかなければいけないのではないかというように考え、現在協議をいたしておるところでございます。
 なお、備蓄の問題につきましては、御承知のように国際的にも問題になっておりまして、食糧穀物が中心でございますけれども、場合によっては飼料穀物にまで及んで国際的な備蓄を各国が分担をしてやるというようなことにもあるいは将来はなろうかと。なる場合もあり得るかと思いますが、ただいま申し上げましたのは、わが国の飼料の安定という観点から独自にやろうとしておることでございます。国でみずから備蓄をやるというようなやり方があるいは一番確実な方法、反面、経費が非常にかかるという問題がございますので、現在民間と国の分担方式ということで一体的な計画を進めておるところでございます。
#22
○神沢浄君 備蓄の問題はその辺で置きますけれども、しかし、いまちょっとはしなくも触れられておるように、いまにアメリカにためておいてもらって、そして必要な際に日本でもらいに行くなんという備蓄なら、これは問題にならないですから、これはとにかく備蓄するんなら目の前で使える備蓄でなければどうにも備蓄の意味をなさないと思うのです。その辺はひとつ慎重に対処していっていただかなければならぬと、こう思うのです。
 そこで時間もだんだん経過してきますのでこの問題にばかりかかってもおれませんから、私は、この点を一度聞きたいと思っておったのですが、飼料用穀物が輸入されてくる、それからそれぞれ配合飼料の業者、まあ全農業者という範疇へ入れていいかどうかはわかりませんけれども――へ行く。配合飼料がつくられて農家へ私流に言わせればお仕着せ的に回ってくる、こういう仕組みのようですね、大体日本の畜産の現状というのは。そこで価格の問題ですけれども、配合飼料の価格形成というやつはどういうふうになさっているんですか。私などがちょっと耳にしたところでは、大体予想価格でもってやっている。向こうからちゃんと仕切りがきて、その仕切り価格でもってやるんだったらばこれは正味のところでしょうけれども、大体決済が百二十日ぐらいになっているのでなかなかそのことは実際問題としてはでき得ないから、予想価格でもって価格形成というものはなされておる。こうなってきますと、予想価格だというと後べらぼうに高騰でもしたときにはそれはそのままその業者の損失になってしまうということもあると同時に、今度下がったときには収益に、それこそもっと農家に対して安くしてあげてもいい分まで、もうけてしまうというようなことにもなるわけでありまして、その辺はどんなようになっているんだか、この機会にひとつ勉強させていただきたいと思うし、それからこの価格形成の問題については農林省はどの程度まで介入できるのか。まあ要するに監督指導の権限というようなものを持っておられるかということなども含めてお聞きしたいと思うのです。
#23
○政府委員(澤邊守君) 配合飼料原料は大半が海外に依存しておりますために、海外の市況によりまして原料価格が大きく動く。それに加えましてさらに国内の製造コストあるいは国内飼料原料等の価格の動きもございますので、絶えず変動する要因を持っておるわけでございます。御承知のように国際的な飼料穀物原料であるトウモロコシの相場というのはシカゴが世界の基準になっております。シカゴ相場というのは毎日動いておるわけでございますので、ある意味では毎日配合飼料メーカーの使う原料価格は動いているということも言えるわけでございますので、しょっちゅう動くわけでございます。それで現在のやり方は、各飼料会社とも四半期ごとに価格を、工場建て値というのを決めております。ことし、本年度でいいますと四月−六月の期間が現在決まっておりまして、七月−九月を近く決める段階にまいっております。
 どういうような価格の決め方をいたすかと申しますと、いろいろ細かい点は別にして大ざっぱに申し上げますと、たとえば六月から九月の配合飼料価格を決める――この二、三日のうちに決めると思いますが、その価格といいますのは、たとえば六月に使うものの買い付けはいつやっているかといいますと、数カ月前にやっているわけでございます。それを一カ月工場在庫があると申しましたので、六月に配合飼料として製造されるものはすぐこれは農家へは余り期間を置かずに行くわけでございますが、大体五月に日本に到着したもの、工場の倉庫に入ったもの、こういうふうに御理解いただければいいわけです。アメリカから持ってくる場合、ガルフからパナマ運河を通って来るわけでございますので、いろいろ見て一カ月近くかかるということになりますと、輸送期間がそれだけかかる。それから国内で積み出しの前に価格を、値決めというものをしているわけでございます。値決めの前にさらに数量については予約のようなことをやっておるわけでございます。したがって、価格は六月に使うものは、在庫が一カ月、それから輸送が一カ月、その前に積み出しの前に一カ月ないし三カ月ぐらいの間に値決めをするということになって、平均すると積み出しの二カ月ぐらいの前に平均して値決めをしておるということをしますと四カ月ぐらい前で、ドル相場でアメリカから輸出する場合は価格の値決めをしておる。それが、あとフレートが幾ら、それから円相場が毎日動いておって、それから円の決算は大体船積みしてから四カ月ぐらいに決済をするということになっておりますので、円建ての価格というのは、船積みしてから船で一カ月、それから工場倉庫で一カ月と、六月に使う場合には、その七月か、六月に使用して販売したものは七月か八月ごろに決済される。そのときのドルと円の交換相場によって決済されるわけでございますので、それを五月中に、第二・四半期が始まる前に、今回は六月中に決めるわけでございますので、先ほどちょっと九と申しましたが七−九の誤りでございます。六月中に七−九の三カ月間を決めるわけでございますので、いま申しましたように四カ月のズレがあり、しかもつくってから一カ月ないし二カ月後に円で決済をするということになりますと、六月中に七月から九月の分を決めるときにはまだ決まっておらないという意味では、先生の御指摘にございましたように予想でやっておる、したがって予想と実行は違うことがあり得るわけです。円相場が非常に上がった下がったということがございますので価格変動が出てきます。したがってその場合にはもうかることもあれば損することもある。これは原則としては翌期十月から十二月に価格を決め、九月中に決める場合にそれを織り込んで調整をしていくというのが原則的な一般的な考え方でございます。そのようなことで配合飼料の建て値というのを決めておるわけでございます。もちろんそのほかに人件費の値上がりとか、あるいは、ときには電力だとか、包装資材だとか、副原料の値上がりとかいう問題がございますので、それらをもちろんコストに織り込んで四半期ごとに価格を決めておるということでございます。
 で、農林省の配合飼料メーカーに対します工場建て値に対しての行政指導は、これはもちろん法律に基づく権限としてやっておるわけではございませんので、各種の省令施策あるいは指導施策の一環としてやっておるわけでございますが、特に四十七年の後半から価格が非常に上がりましたので、融資だとかあるいは補てん財源に対します返還条件つきの助成とかいうようなことを国としては何回もやったわけでございますが、そういうことになりますれば従来以上に行政指導を強めて、コストアップの要因を、資料の提出を求めまして聞き取りをし、審査をして、この程度の値上げをしたいというのをできるだけ抑えるようにする。あるいは値上げの時期も通常三カ月ごとに決めておるものも、できれば延ばすというようなことを、その都度資料の提出を求めて行政指導を強化してやっておるわけでございます。現在も七月から九月のものについてヒアリングをし、できるだけ値下げ幅を――今度は値下げでございます、値下げ幅を大きくするように話し合いを進めておるところでございます。
#24
○神沢浄君 だからまあ一口に言えば予想相場でやらざるを得ないから、それは今度は次の期間というか、そこでもって調整をとるように、図るようにやっているということだと思うんですけれども、やっぱりまあこの辺にはなかなかいわくいいがたいような状況が起こりやすいような仕組みに思えますですね。それはまあたとえば相場の変動いかんでもってこの配合飼料の製造の団体なり業者の側が、相場の動きでもって下がったというような場合には、これはもういわゆる原料計算の収益でもって、かなりの何か利幅が生じるというようなことも、こういうふうな場合にはやっぱりこれは使う生産者の方へそれが返っていくような仕組みをきちんとやっぱり立てる必要があると思うんですよね。これはここで論議しようということよりか、私は、国としても少し真剣に考えてみてほしいとこう思うんです。
 時間がだんだんなくなってきちまうから次へ移りますけれども、そこで私どもが耳にすることの一つとして、やっぱりその配合飼料をつくっている側では、製造しておる側では、これはできるだけ高いものにしたくない、商売だから無理はないですがね。ですから何か毎月、ほとんど毎月といってもいいくらいに、いわく原料の配合率というのが変わってるんではないかという指摘がありますけれども、そうなんでしょうか。それもやっぱりいま言った価格調整、品質の問題というよりか、むしろやっぱり価格調整の方にその主体が置かれて、そして原料配合率というようなものがほとんど毎月ともいっていいくらい変わっている。こうなると全く、これは生産者の側には本当にお仕着せ、私が言っているとおりもうどうにも自分たちの主張、発言の場なんというものが与えられなくて、つくったものをただそのままちょうだいをしているというような、まことに生産者側には主体性のないような仕組みになっちゃっていると思うんですが、その辺の点がどんなようになっているのかというふうなことです。
 それから、まあそれに関連して、やっぱり生産者の側でも、規模などが拡大することにつれて、そうお仕着せ的な配合飼料をいただいてやっているということでなしに、自家配合、自分がいわゆる単味飼料を直接手に入れて、そして自分の処方箋でやっていきたいというか、いくことの方がいいというような、こういう希望なども相当出てきているようですよね。そういう場合には、いまの仕組みではこれはその輸入したものが製造の業者や団体には、これはいわゆる免税が行われるけれども、生産者自体が入手しようというものについてはこれは免税にならぬ。かなりこれはおかしい、逆立ちしたようなかっこうのものだと思うんだが、現実にはそうだ。こういうことのようですが、これは私はやっぱり何といったって生産が主体ですから、生産者の側にそういう希望がだんだん強まっているというような状況である以上は、何か道を開く必要があるんじゃないか、こういうふうに思いますし、なおさらにそれに関連をするんですけれども、まあ政府自体が持っていて放出するものがありますわね。そういうようなものはむしろやっぱりその飼料製造の団体業者だけでなしに、生産者にも直接放出していけるというような道をこれまた開く必要があるんじゃないかというようなことを感じさせられるんです。そんなような点についてはどうですか。
#25
○政府委員(澤邊守君) いろいろお尋ねでございましたが、配合率がしょっちゅう変わるという点につきましては、ある意味では事実でございますし、と申しますのは、先ほど申しましたように原料の価格というものが毎日、極端に申し上げれば国際市況という形で変動しておるということでございますので、一定の成分を持った製品を、成分のある配合飼料をつくるということは――これは絶えず変えられては使う方も非常に困るわけでございますが、成分が一定である限りそれに必要な原料の配合割合については、そのときどきの需給関係、価格関係に応じて最も有利なものを使う、そのためにときどき配合率は変わってくる。たとえばトウモロコシとコーリャンの配合率、これは代替性がございます。一〇〇%はないと思いますが、かなりの代替性がございますので、トウモロコシとコーリャンの価格というのは、長い目で見れば連動しますけれども、そのときどきには、やはり別の価格変動をするわけでございますので、トウモロコシが非常に高くて、コーリャンが割り安であるというときには、コーリャンの配合率をふやす、トウモロコシは少し減らすというようなこと。それから、たん白飼料につきましても、大豆かすとその他の食物かすとの関係、あるいは魚かす等との関係につきましても、同じようなことが言えるわけでございますので、一定の成分は保証したものを確実に守らせるということは絶対必要であり、われわれもそのようなことの監視は続けておるわけでございます。で、その範囲内において原料の配合率を変えるということは、やむを得ない面もある、それによりましてコストダウンを図っておるという面であるわけでございます。しかしながら、先生御指摘にございましたように、お仕着せだという点は、確かに見方によってはそのように見られる点がございます。それは配合飼料の銘柄が現在、登録飼料を含めまして四千八百ぐらいあるわけでございます。これは畜種ごと、それから生育段階別にそれはいろいろつくっておりますが、さらに工場ごとに銘柄は全部違うわけでございますので、自由競争をしておりますので、そのようにふえておりますけれども、そのように銘柄が多いということは、逆に言えば量産のメリットが出ないということでございます。同じものをたくさんつくればコストが下がるわけでございますが、そういう目先の変わったいろいろなものをたくさんつくるということは、生産費を下げる要因には支障になるわけでございますので、われわれとしても、やっぱりほどほどでなければいけないという意味で、ある程度整理をする必要があるというようなふうに思いますけれども、これは法律で強制するわけにもいきませんので、そういうような指導はしてまいりたいと思っております。
 次に、お尋ねのございました自家配合の問題でございますが、これは政府操作飼料であります大麦だとか、ふすま等の入手が比較的容易なところは既存のルールに従って割り当てをしておるわけでございますが、それが比較的潤沢に入るところと入らないところでは実は若干の差がございます。そういうようなところとか、あるいは二種混合飼料、トウモロコシに魚粉を混ぜたというような、簡単な配合飼料の一種でございますけれども、そういうものが入手しやすい輸入港、隣接の地域でございますとか、そういうところの大規模な養鶏だとか養豚経営におきましては、自家配合をすることによりまして、非常に有利になる。特に、最近飼料需要量が、飼料が高くなったことによって減っておりますので、極端な場合、投げ売り的な二種混合飼料というものが出るわけでございます。そういうものを安く買って、それを自家配合をして有利に使う。さらに人によっては、こういう、いろいろ問題になっております、この改正法案で問題になっておりますような飼料添加物等のない飼料を使いたいという方もおられますので、そういう意味で自家配合をやっておられることもある。いずれにいたしましても、自家配合ということはかなりの量を扱わせないと、なかなか有利に、コストを安く配合できないという面もございますし、さらに栄養水準についての農家の知識がかなりよくないと、栄養のアンバランスを来たすという問題がございますので、そういう各種の条件に恵まれたところ、二種混合飼料等の入手が非常にしやすいとか、あるいは栄養水準についての知識が非常に高い農家とか、あるいはかなりの規模の農家というようなところは、自家配合をやることによって自分の家畜に最も適した配合飼料をつくる、まさにお仕着せでないものをつくるという意味では非常に好ましいことであると思います。が、先ほど申しました条件が整備されておりませんと必ずしも有利ではない、かえって割高になるという面もございますので、われわれとしては、いま直ちに全面的にこれは結構だからやりなさいということを大いに進めるというところまではいきませんけれども、条件の整備されているところでは、これは進めていくべきであり、配合飼料に余り依存しすぎるという点は問題があるというふうにわれわれも考えております。
 それで、問題は、御指摘ございましたような、配合飼料の原料は免税になっておりますけれども、単体飼料としてはトウモロコシは免税になっておらないということでございます。これは現在は関税割当制度ということで、割当の範囲内は一〇%の関税がかかることになっております。なぜそういうことにしているかといいますと、これは国産のでん粉に流用されるということによりまして――でん粉農家――芋作農家ですか、これの保護のためには、そういう確実にえさに使われるという、配合飼料に使われれば、えさになって元に戻りませんので、でん粉とは関係なくなりますが、そういうものにだけ免税をすると単体飼料の場合はこれがでん粉に流れるおそれがあるということと、他方での国内農家の、でん粉生産農家の保護のためにかけているという面がございます。これはそういう流用ができないようなでん粉として横流れといいますか、しないような仕組みをつくれば免税にしてもかまわないのじゃないかというふうにわれわれは思うわけでございます。そこで、そうすれば自家配合もやりやすくなるということでございますので、御指摘のような趣旨で、どのような仕組みにしたならば、芋作農家に不安もなく、確実に単体飼料としてえさに使われるかということの流通の仕組みを、現在種々検討しておりますので、できますればそのような仕組みを確立した上で免税に持っていきたいというふうに考えております。
 次に、政府操作飼料の配分につきましては、これは飼料業者だけではなくして、全農とか、全酪とか、全畜という農業協同組合の全国団体を通じて、末端の実需農家に流れていくように、政府の販売をいたしておりますので、直接農家というわけにもいきませんけれども、農家の組織を通じて、全国組織から県、組合、農家というように、適正マージンで農家に行くように指導をしているわけであります。
#26
○神沢浄君 さっきの毎月原料の配合比率が変わるというような問題と関連して、これは今度の法案の内容にも係わってくると思うのですけれども、ただ栄養成分比だけを出すのじゃなくて、原料の割合も表示をさしたらどうかという、こういうような意見がありますね。ついでにお聞きしておきますけれども、この点はどうですか。
#27
○政府委員(澤邊守君) 今回の法案改正の一つの柱といたしまして、安全性の見地から、各種の規制を加えるということ、それから現在の登録飼料制度を公定規格適合表示制度に変えるということによりまして公定規格そのもの、栄養確保の観点からの公定規格そのものも拡充をしていく、項目をふやしていく。それと同時に、表示につきましても、従来以上に表示内容を拡充することによりまして、消費者保護的な観点から、適正な販売が行われるようにというようにすることを考えておるわけでございます。現在の登録制度のもとにおきましては、栄養成分の確保という観点から、公定規格制度をつくっておりますが、これの項目は四成分、粗たん白、粗脂肪、粗繊維、粗灰分という成分を決めておるわけでございますが、今回の改正によりましては、そのほかに先ほどもちょっと御説明しましたような、可消化栄養分総量、あるいはPCPといいまして可消化たん白質、それから燐、カルシウムといったようなものを成分として決めるということを考えております。さらに、表示制度につきましては、ただいま申し上げましたような成分については全部表示させる。従来は登録飼料だけ表示義務をつけておりましたが、今度は全部の飼料についてそういう表示義務を課する。その場合に、いま言いました公定規格の成分の項目がふえましたから、全部表示させる。そのほかに使用しております原材料名を全部記載させる。これも現在行政指導としてやっておりますけれども、これを法律制度としてそのようなものに定めていきたいと思うわけでございます。
 そこで問題は、原材料名だけでなくして、原材料の配合割合といいますか、どれだけ入っているかということについても、はっきりと義務づけるべきではないかと、こういう御議論があるわけでございます。これは昨年の本国会におきましても、そういう御議論が衆参両院で出たわけでございますが、今回の法案審議に関連いたしましても、衆議院の御審議の際にもそういう強い御意見があったわけでございます。これにつきましては、私どもといたしましては、成分量がわかれば農家の使用管理上は支障がないのではないかというようなこと、それから、飼料配合メーカーといいますのは、研究開発に皆努力をしてしのぎを削っているわけでございまして、その際どのような配合率で、微量成分を含めてどのような配合率で配合飼料をつくるかというようなこと、そうして特徴のある、他に例のない、特徴のあるすぐれた飼料をつくることに研究、努力をしておるわけでございます。で、そういう配合率まで全部表示をするということになりますと、優良企業がせっかく研究の結果開発をいたしましたノーハウと言いますか、技術を公開をすることになりまして、すぐ他のものにまねされてしまうということになりますと、研究開発の意欲を損いはしないかという点をわれわれは心配をいたしておるわけでございまして、その辺からいたしますと、いま直ちに全配合割合について表示義務を課するのは問題があるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 ちなみに、先ほど先生御指摘がございましたように、配合率もしょっちゅう変わりますので、なかなか迅速に表示を対応するということも、できない話ではございませんけれども、迅速に的確にやりにくいという事情もございますし、まあそれらの事情もございまして、諸外国の例も種々調べたわけでございますが、原材料の配合割合まで書かせておるところは、現在のところ全世界というわけではございませんが、主要国を調べたところではないようでございますし、わが国の他の物資につきましても、たとえて申し上げれば食品についても、原材料名は書かしていると思いますけれども、書かしているものもありますけれども、混入割合、使用割合と言いますか、使用量と言いますか、そういうものを義務づけているものはほとんどないようでございます。われわれの調べたところでは、濃縮果汁だけがあるようでございます。そのほかのものはないということ、その他農林物資、肥料、農薬等についてもございませんので、他の物資とのバランスという問題も考えまして、私どもとしては、必要なものはやることはやらせなければならないと思いますが、全原料についての配合割合までは、いま直ちに行わせるのは適当ではないのではないか。ただ衆議院の御審議でも非常に強い御意見がございましたので、われわれといたしましては、附帯決議の御趣旨も尊重いたしまして、使用原料についてどこまで配合割合を書かせることができるかということは、今後検討いたしまして、本法施行は一年以内でございますので、その間に資材審議会の御意見等も聞いた上でさらに検討はしてみたいというふうに考えております。
#28
○神沢浄君 毎月配合の比率が、原料について変わるというような実態があるからこそ、やはり原料の配合の数字の表示を求める、というような意見があると思うんですよ。しかし、その問題は後の質問者にお譲りをしまして、時間がないと思いますから、法案の内容について一、二点伺いたいと思うんです。
 私は、今度の法案を一べつしてみてまず第一に感じたのは、後追い法律ですよね、これは。まあ飼料ないし添加物などについても、安全性の問題というのは、これは一般から取り上げざるを得ないようになってきているので、ついにそれはやらなきゃならぬというような、先取りじゃなくて、むしろ何か後から追い回しているような、こういう感じをひとつ受けたんですけれども、そういう点でもって、私はいま本当に真剣に取り組んでいかなきゃならない第一の点というのは、やっぱり試験研究機関の拡充ということだと思うんですよ。この法律つくりましても、すぐに間に合うような体制があるんでしょうかね、どうでしょう。
#29
○政府委員(小山義夫君) 改正法に基づく諸規制の実効を確保するためには、御指摘のように、安全性確保に関する試験研究の充実がどうしても必要になるわけでございます。従来から畜産試験場とそれから家畜衛生試験場を中心にいたしまして、基礎的な研究の積み重ねをしてきておるわけでございますけれども、やはり事柄の性格上非常に緊急に解決を要請されるような問題が出てまいります。従来もそういう場合には、その都度これに対応する研究体制をとりまして解決をはかってきたわけでございますけれども、改正法の実施に当たりましては、さらにこういう点が大事になりますので、なお一層安全性の確保についての研究の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。ただ、安全性につきましては非常に新しい研究分野が含まれております。さらにまた非常に多くの研究分野が、共同して当たらなければならないというふうなこともございますので、国の研究機関の充実を図ると同時に、あわせて関係の大学等の試験研究機関との協力態勢を得るというふうなことが必要になってまいりますので、そういった総合的な取り組みの態勢を図ってまいりたいというふうに考えております。
#30
○神沢浄君 いや、私がお聞きしたいのはですね、まあこの法律の中にはいわゆる検定の問題も出てきておるし、新飼料などにかかわる問題にも触れてくるわけですよね。そういう際に、いまの国の試験研究の体制ですね、この法律というものを本当に生かしていけるだけのそういう実体的体制をいま持っているかどうかという点を伺いたかったんです。まあこれはこれから拡充していくということではもちろんあろうけれども、法律はつくったって実力がなければこれはどうにもならない。実力を有するだけの体制がいまあるか。ないとすれば、これはその辺、本当に真剣に取り組まなければ、法律なんかばかりつくったってこれ生きないですよ。ぼくはそういう点がちょっと懸念になるものですから、お尋ねをしておるわけです。
#31
○政府委員(澤邊守君) 先ほど先生おっしゃいましたように、本法は後追い法案であるという点は、ある意味で私どもは甘受せざるを得ないと思っております。ただ、私どもは法律制度としてはやっておりませんけれども、この安全性の問題が近来非常に国民的関心が強まってきているということもございまして、行政指導といたしましては、安全性の観点から種々の規制をやっております。飼料添加物につきましても、四十五年に公定書をつくりまして製造、保存、使用の基準だとか成分規格とかを決めてそれを守るようにしておるとか、いろいろ各種のことをやっております。法律的には全然新しいことでございますけれども、いままでも何も実績がないんだということではございませんので、これまでも試験研究機関の協力を得て、さらに学識経験者もたとえば研究会等に入っていただいて、先ほど来申し上げましたような安全性の規制をやっておるわけでございます。今回この法律改正が実現しました場合大事なことは、やはり審議会を権威のあるものにしっかりつくるということ、それから検査機構を機能を充実するということと、御指摘の研究機関という三つだろうと思います。この点につきましては試験研究を含めまして不備な点がございます。いままでの実績はあるといいながら、なおなお足らない点があるところでございますので、今後施行までの間に来年度予算を含めてできるだけ拡充することとあわせて、長期的にも今後努力をしてりっぱなものにしていくことが、この制度を円滑に実施する場合の基本的な前提であるというふうに思って努力をしてまいりたいと思っております。
#32
○神沢浄君 そこで、この法案の、初めの方に、製造、使用、保存の方法等の基準及び成分規格については、というような云々の規定がございますね。この規格については、具体的にはどのような飼料または添加物を対象として、どのような基準や規格というものを決めようとしておるのか。法律を読んだだけじゃちょっとわからぬのでこの説明をいただきたいと思う。
#33
○政府委員(澤邊守君) 二条の二におきまして、飼料及び飼料添加物について安全性の観点から――安全性と申しますのは、人の健康に対する安全性が第一でございますが、人の健康には直接関係なくても、畜産、家畜に対する安全性と、被害が生じないようにということでございますが、二点ございますが、そういう安全性の観点から飼料、飼料添加物の中で必要なものにつきまして、製造、保存、使用の基準、それから表示の基準、それから成分の規格を決めることにいたしております。
 そこで、具体的にはどんなようなものを考えておるのかという点でございますが、まあ飼料の場合は通常農産物なり農産加工品という場合、大豆かすのような、加工品というものは、そう有害なものがあるということではないわけでございますが、物によっては本来その成分の中に有害物等が若干入っておる。あるいは製造の過程で入る可能性が非常にあるものもございますし、それから飼料添加物のようなものにつきましては、これは使用を間違えますと安全を損なうということになりますので、そういう安全性の確保上特に問題になるものを取り上げて、いま言いましたような基準、成分規格を決めていくということになるわけでございますが、われわれ考えておりますのは、たとえば落花生の油かすというものが、これは輸入されておりますが、これの成分規格も決めたい。これはアフラトキシンというカビ毒でございますが、これが含まれておりますので、これの含有の限度というものを決めていく、成分規格として。それから使用基準も決めていく、用途別に使用の限度を、落花生油かすの使用の限度はこの程度であるというようなことを決める。それからもちろん表示の基準も決めていく。これは表示の基準というのは、先ほどお尋ねがあってお答えしましたのは、栄養の確保という面からの表示でございましたが、これは安全性の面での表示と、これもやらしていきたいと思っております。それから尿素とかダイブとかいうようなものにつきましては、これは化学合成品でございますが、こういうものについては、窒素含量等の成分規格を決める。それから表示の基準といたしましての表示は、いま言いましたような窒素含量なり用途等を書かせる、決めるというようなことを考えております。それから配合飼料については成分規格、たとえて申しますと、PCBの含有量は何PPM以下というようなことを決めてまいりたい。それから表示の基準、それから製造基準では、たとえば配合飼料の中に落花生油かすとか、尿素とか、ダイブとか、先ほど申し上げたようなものは、用途別にどの程度以上は配合しちゃいけないというようなことも決めたいと思っております。それから抗生物質等の飼料添加物を用いる場合の適応容量、どの程度以上入れていけないというようなことも決めたいと思っております。それからさらに配合飼料につきましては、使用基準につきまして、たとえて申しますと、抗生物質につきましては、食用に出荷する五日前の家畜等には使用を禁止する。これは残留する心配がありますので、出荷の直前には、五日前には使わせないと、これ現在も行政指導でやっておりますが、この五日をもう少し延ばすかどうかという点は改めて検討したいと思います。例としては、そのような使用基準も決める。それから表示基準につきましても、用途なり配合率なり飼料添加物を用いた場合には、その名称、添加量、使用上の注意といったようなものを記載をさせることにいたしております。
 配合資料の中に飼料添加物が入るわけでございますが、いまのところは配合飼料について申し上げましたが、個々の添加物につきましても大体同様のような趣旨で成分規格なり、製造基準なり、保存基準、たとえば保存基準で言いますと、遮光した密閉容器に入れて保存しろとかいうようなことを決めるというようなこと、それからまた、表示の基準も個々の添加物についても決めていきたいというように思っておるわけでございます。そのような基準、規格を定めました場合には、それに違反した場合には販売を禁止するということになるわけでございます。販売の禁止措置を講ずるまでもなく、基準、規格に違反した者は販売してはならないという一般の禁止規定が法律で決められております。現に流れておれば、もちろんそれは回収、廃棄をさせるというような仕組みになっておるわけであります。例を申し上げますと、以上のようになります。
#34
○神沢浄君 それからこの法律を運用していく上において農業資材審議会というのがなかなかの役割りを担うようでありますが、この農業資材審議会というものが現状はどういうもんだかということもちょっと私などわからないので、その説明をしていただくと同時に、これはやはり例の大気汚染の排気ガスの問題と軌を一にするような部面があるわけで、利害関係者なんかに運営を左右されるようなことなどが起きたら、これは何にもならないと、こう思うわけなんです。だから、そういう点からいけば、この農業資材審議会という一般的なものの中でということでなしに、やはり重要性からすると、一つの飼料の安全性に基づいての独立したものをむしろ考えるべきではないかというふうな気もいたしますよね。そういうふうな点と、それからさっきも触れたように、この審議会の中立性、決して利害関係などのサイドから左右されてしもうなどということの万々ないように、その中立性、権威性というようなものをどう保っていくことになるか。それからこれは大気汚染の場合などにも間々見られたようでありますが、たとえば意見が分かれちゃったというようなときには、これはどんなように運用されていくか。こんなような点がちょっとやっぱり疑問に感じられるんですよね。どうなんでしょうかね。御説明をいただきたいと思います。
#35
○政府委員(澤邊守君) 先ほどもちょっと関連してお答えしましたように、この改正法律を適正に運営していくための一つの重要な機関として農業資材審議会があるわけでございまして、具体的に申し上げれば飼料添加物の指定とか、あるいは先ほど申しました基準、規格の設定あるいは販売の禁止措置、それから公定規格の設定、それから表示の基準となるべき事項等を決めます場合には資材審議会に図った上で決めることになっております。そのように安全性の確保あるいは栄養成分の確保という両面から重要な機能を果たす機関でございますので、私どもといたしましては、御指摘がございましたように、できるだけ中立性を持たした機関にいたしまして、各専門分野の中立、公正な学識経験者のみをもって構成をし、一方に偏することのない学問的な調査審議をしていただく、こういうように進めてまいるつもりでございます。したがいまして、利害関係者は直接参加しないというふうに考えております。私どもは現在二十名程度の委員を新たにお願いをするつもりでおりますが、専門委員はそのほかに二十名ぐらいを予定をしておりますけれども、学識経験者という方を中からお願いをしたいというふうに思っております。
 そこで、独立の機関にすべきではないか。重要性からいたしまして私どもの畜産の立場から、あるいはこの法律を所管する立場だけから申し上げればお説のようなことが望ましいわけでございますが、政府全体の機構の膨張を抑えるというような基本方針がございますので、現在資材審議会で、飼料だとか、農産飼料、農薬とかその他のものをそれぞれの専門の部会運営を中心として資材審議会で図ってやっておりますので、その中に飼料品質部会というものを新たに設けまして、総会から事実上委任を受けまして、部会運営によりまして独立の機関と変わらないような実態での運営をしていただく。それによりまして、いま言いましたように二十人の委員を追加するというようなことで進めたいというように思っております。で、もう少し申し上げますと、したがって委員の構成といたしましては、家畜栄養学とか、飼料学とか、畜産学、微生物学、病理学、毒性学、遺伝学と、そういうような各種の専門分野の先生方をお願いをしたいと。その場合、人体の健康にもかかわるところが非常に大きいわけでございますので、畜産関係あるいは獣医関係ばかりではなくして、人間の方の人体の方のお医者さん初め専門家の方、厚生省関係の方々も入っていただくというふうに考えております。
 なお、公開の問題につきましては、私どもはこの審議会自体を公開するというところまでは考えておりませんけれども、必要な資料は委員会の御判断でできるだけ公開をしていただくというようなやり方をしてまいりたいというように思っております。
 なお、意見が分かれたときには、というお話でございますけれども、私どもとしては、やっぱりこういう非常に科学的な御検討をいただくのでございますので、できるだけ一致したところで意見を出していただきたいというようには思っておりますが、まあ逆に言えば、学問的であるだけに譲れないというようなところもあるいは出るかと思いますが、われわれとしてはそのような方向で御審議をお願いしたいというふうに思います。
#36
○神沢浄君 ちょっとそこら辺を詳しく聞いておきたいんですが、要するに、農業資材審議会というものがあって、その中に飼料品質部会というものを設けるというわけですね。しかし、その部会の委員だけを別に独立的に決めるということにはならぬでしょうから、審議会の一部なんだから。そうすると、審議会のその委員の中から部会が構成されるということになると、審議会の委員を任命をするときが問題ですよね。もっともこれは、飼料関係だけじゃないから、それだけの意見でもって人が決まるんじゃなくて、何かもっとずっと総合的な立場からその委員が決まる。そうすると、その決まった委員の中からその飼料品質部会の委員も決まるということになると、いま局長が言うように、頭の中にあるような、そういう考え方を生かして委員を決めていくということにはちょっとなりかねないんじゃないかという疑問が一つありますね。そういうふうな点はどうですか。
#37
○政府委員(澤邊守君) ただいまの御心配の点、これの委員は、農林大臣が任命することになっておりますので、委員会にお諮りして任命するということではございません。ただ、その各部会に対する所属は、委員会の中で通常の場合は会長がお決めになるというような運営か多いと思いますが、委員会で決めることになっております。したがいまして、私どもとしては、新たに飼料審議会の中で二十名の委員をさらに追加をするという場合には、この法律を施行するに必要な専門的な学識経験のある方だけを農林大臣から任命をするということにいたしまして、その二十名の方が飼料品質部会に所属するということを委員会として決めていただくということにしてまいりたいと思います。
 これは、例を申し上げますと、私どもの畜産物の価格を決めております畜産振興審議会も、部会が牛乳だとか食肉とかあるいは家畜改良とかいろいろ分かれておりますけれども、これも大体それぞれの専門分野の方を農林大臣が任命いたしまして、実際には総会には、畜産全般の問題を御説明をし、諮問はいたしますけれども、すぐに各部会に付託をされまして、部会の決議をもって総会の決議とするというような運営をやっております。
 今回の飼料審議会も同じような運営をしていただくというのが円滑に進めるゆえんではないかと思っております。そういう意味で、先ほど、事実上独立に近いような形で運営をしていただけるのではないかというふうにお答えしたわけでございます。
#38
○神沢浄君 その辺はひとつしっかりやってくださいよ。どうしてもぼくは、局長が言うようなわけにはなかなかいかない面が出てくるんじゃないかという懸念が払い切れません。というのは、本当はこれは独立したものの方がいいわけだ、それならその構想も生かすような方途もとれるでしょうけれども。いろいろとほかの関係もあったりして委員が決まる、委員の中から一番適当のようなところだけをえって、そうしてその部会の委員を決めるというんじゃ、これはどうしたって間接的になっちゃっていけませんよね。その辺は大いに検討を要するところだと思うんだけれども、これまた後の質問者に譲ります、時間がもうなくなってきましたので。
 そこで私は、法案読んでみて、一つどうしても、これ新飼料などに特に関連する点だと思うんですけれども、わからぬ点があるんですね。「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」はと、こうあるんだけれども、「使用の……」そういうものは認めないというわけでしょう。そういう「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」。そうすると、その「使用の経験」があることになるためにはどんなようになるのですかね。これは、どこかでもって使わせなきゃならぬでしょう。そうなると、そういうものは認めぬというんじゃ、使う場面がないでしょう。そうなるとこれはもうどういうことになるんだか、これ読んでみて私にはどうもうまくわからなかったんですけれども、この辺が私はやっぱり非常に問題ですよ。それはとにかく人命にかかわる安全性の問題ですからね。この辺をどんなように考えているのか、どういう解釈でこれ出しておるのかですね、ちょっと説明してみてください。
#39
○政府委員(澤邊守君) この二条の六の規定でございますが、これは法律で書きますとこういう用語になって非常におわかりにくい点は非常に恐縮だと思いますが、この二条の六の趣旨は、いま三号に関連して申し上げますと、いままで「使用の経験が少ない」、まあない場合も含めまして「少ない」場合で、「有害でない旨の確証がない」と、要するに積極的に無害だという、「有害でない」ということの確証がなければですね、まあいわば疑わしきは罰するの方でして、積極的に無害であるということがなければこれは使わせない。石油たん白飼料もこの法律が発動されますれば当然現段階では禁止するということになるわけでございます。
 そうすると、そんならばいつまでたっても新しい飼料が出てこないじゃないかと、こういう御疑問は非常にごもっともな御疑問ですけれども、これは二条の二の飼料及び飼料添加物の安全性の観点からする基準、規格でして、実際問題といたしましては、えさのメーカーは、いまの二条の六を適用されて禁止されるようなものをつくる前に、実際には、こういうものをつくりたいんだということで、二条の二で、そういう申請するような規定にはなっておりませんけれども、実際には相談に来る、その段階で私どもの方で試験データ等を審査をいたしまして、必要な場合は国みずからが試験をすることによりまして、安全だということの確証が得られたものについては、この限度で、こういう製造方法でこういう使用方法だという基準を定め、それから成分規格はこれこれだという規格を二の二で決めるということになるわけであります。
 だから、新飼料の場合も、実際には二条の二で国がまず基準、規格を定める、その前段階として、法律には書いてございませんけれども、実際には、新しく開発しようとして研究をしておるメーカーが、工場生産を始める前に、こういうものをつくりたいんだということで持ってくるわけでございまして、それを審議会に諮って、よかろうということになりますればそれを基準、規格という形で決めていく。そうすると、それに該当するものはだれがつくってもいいということになりますし、それに違反するものは二条の六の方で禁止されるおそれがあるということで規制をされていくと、こういうようなことになるわけでございます。
 ややわかりにくい点があって恐縮でございますが、そのようなことで、御心配の向きは、新飼料の必要なものは出ていくということになるわけでございます。
#40
○神沢浄君 時間がないから大変残念ですけれどもね、いま御説明をいただきましたけれども、ちょっとわからぬですね。それならば、こんな表現は必要ないですね。むしろそのものずばりに、農林省が検査をしてそれを通ったものでなければだめだ、というようにしておいた方がわかりやすいじゃないですかね。「使用の経験が少ないため、有害でない旨」の確認ができない、これは。それは認めぬというのであれば、使用できぬのだから、それではいつになったって「使用の経験」は多くはできませんわね。これだと何が何やらわからぬですよ。それよりかむしろいま御説明があったように、農林省が責任をもって機関を通じて検査を行う、その検査に合格したものでなければだめだと、こうやっておいてくれた方がずっとこれははっきりしていいと思いますね。そこで、おそらくそれをやるのは飼料規格等設定委員会というものがあるらしい、農林省の中に。この飼料規格等設定委員会というのは、そういたしますとこの法律を生かす安全性を決めていくためにはこれは大変な役割りをするところ、さきの審議会以上の役割りに当たることになるかもしれません。これは法律の中には出てきていないんですがね、この飼料規格等設定委員会というのは。これはどんなもんなんですかね。そうしてその構成メンバー、どういうような運用になっているか、この機会に承っておきたいと思います。
#41
○政府委員(澤邊守君) これは飼料規格の設定委員会というのは、これは現在行政指導でやっておりますので、そういうものを持っておったわけでございますが、この法律通過ができますれば、先ほど御説明をいたしました飼料審議会の品質改善部会がその役割りをになうということでございますので、基準規格を設定する場合、すべて審議会の飼料品質部会にお諮りをして、その御答申をいただいたところに従ってやるということになるわけでございます。
#42
○委員長(佐藤隆君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十九分開会
#43
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#44
○青井政美君 午前中からの引き続きでございますが、飼料の品質改善に関する法律の一部の改正に対するもろもろの問題点についてお尋ねをいたしたいと思うのでございます。わが国の農業の中で畜産が占める位置というものは非常に高いわけでございまして、たん白質的な食糧の供給源として大きな役割りを果たしておるわけでございますが、しかし、その畜産物の生産の動向はまことに現在におきましても、あるいは将来にわたっても国民全体の大きな関心事であると同時に、わが国の畜産事業というものの発展のためにはやはり飼料の基盤が弱い、こういったことが非常に大きい問題になり、かつまた、飼料の輸入というものに対する依存度が宿命的だということになる構造的な欠陥を持っておると思うのでございます。御承知のように、最近の値段の上がり下がりという問題も、国際的な世界的な気候の天然現象がやはり需要の逼迫に、さらにまた価格の暴騰というふうに、特に畜産経営に関しまする問題点といたしましては非常に大きな私は課題であると思うのでございまして、このような基本的な問題を抱えておるわが国の畜産の現状につきまして、国内における畜産物の生産の確保と、そうして畜産農家の経営の安定という観点から政府としてはどのように考えておられるかということでございます。一つは、やはり濃厚飼料の問題でございますし、一つはやはり自給飼料の問題でございます。また、その価格の問題というものをあわせて安定化のための対策をお伺いしたい、かように考えるわけでございます。
#45
○政府委員(澤邊守君) 飼料の供給の量的並びに価格面での安定を図りますことが畜産の振興を図るための基本的な条件でありますことは御案内のとおりでございます。したがいまして、今後、従来ほどではないにいたしましても、着実に増大してまいりますと見られます畜産物需要に対応いたしまして、国内での供給をできるだけ確保していくということのためには、何としても飼料基盤の拡充、強化ということが必須条件になるわけでございます。飼料基盤と申しましても、大家畜の場合と中小家畜の場合とは御承知のようにやや違う面があるわけでございまして、中小家畜は牧草あるいは飼料作物等を給与することは原則として非常に限度があるということでございます。飼料穀物に依存せざるを得ないということになりますと、けさほど来お答えいたしておりますように、飼料穀物の主流でございます、大宗でありますトウモロコシ、コウリャンあるいは大豆かす等につきましては、国内において効率的に生産を図っていくということが生産性の面からいたしましても、あるいは土地利用の面からいたしましても非常に限界があるということでございますと、海外から安定的輸入を確保するということに当面重点を置いていかざるを得ないというように考えておるわけでございます。そのために輸入先の多角化なり、あるいは長期的な取り決め、あるいはそれを補完するものといたしまして輸入飼料原料の国内におきます備蓄等の対策を講じまして、量的な確保を図っていくということとあわせまして、価格の安定のために海外市況によりまして影響を受けます配合飼料価格の変動をできるだけショック緩和という意味での安定をさせていくという必要があるということで、ことしの年初以来、配合飼料価格安定特別基金というものを設置をいたしまして、国も異常補てんに対して財源の二分の一を持つということにしたわけでございます。
 濃厚飼料といいますか、配合飼料を中心といたします濃厚飼料につきましては以上のとおりでございますが、酪農あるいは肉牛の場合は御承知のように草食性の動物でございますので、牧草あるいは飼料作物をできるだけ増産をいたしまして、粗飼料の給与率を高めるということが経営の安定のためにもあるいは家畜の効率のためにも望ましいことでございます。そういう意味で、これまで濃厚飼料に大動物につきましても依存し過ぎておるという面がございますので、国内資源のできるだけ活用という観点も含めまして、これについては特段の力をいたしたいというふうに考えております。
 そのやり方といたしましては、方法といたしましては、一つは、外延的に草地の開発、造成をするということ、これは公共事業でこれまでもやっておりますけれども、長期土地改良計画の一環といたしまして、これを計画に即して事業量を伸長していくということが必要であると思いますが、他面また、外延的な草地の開発だけではなくして、既耕地におきます飼料作物の導入といいますか、作付の増加ということも非常に大事でございます。特に冬作、なかんずく水田の裏作につきましてはかつてのように利用されておりません。食糧農産物であります麦の増産ということも裏作として必要でございますけれども、それとあわせまして、可能なところにおきましては飼料作物、牧草の水田裏作への導入ということに特に重点を置いて、既耕地におきます飼料作の作付増加を図っていくということにいたしたいというように思っております。
 それからもう一つは、優良牧草のほかに肉牛等につきましては、特に野草の利用、森林の、山林の下草の利用ということも積極的に図っていく必要がある。そのためには林野内放牧というようなことも従来行われている地域もございますけれども、もっとこれは活用していく、そのために国有林を初め、公有林あるいは私有林につきましても、林業経営との調整を図りながら林野内の野草を利用していくということに努力を傾けたいというように思っております。さらにまた、国内の粗飼料資源といたしましては、農場の残渣ほか、わらとかいったような副産物をできるだけ活用していく。これは、かつてはかなり活用されたと思うのでございますが、最近は余り活用されてないということでございますので、これらの未利用の資源をできるだけ粗飼料として活用していくということにも今後力を尽くしていきたいというように思っております。それらを通じまして濃厚飼料、粗飼料あわせまして、飼料全体としましては自給率を高めていくという努力をしてまいりたいと思っております。
#46
○青井政美君 いま局長さんからもいろいろお話しございましたが、白書の中で、たとえば黒牛の場合の問題を申し上げますと、六十年には百四十七万ヘクタールという予定がなされておるわけでございますが、現実の四十九年度では八十二万ヘクタールしかないということでございまして、その間にどのような状況でこの問題が増産されるというお考えか、それを第一点伺いたいと思います。
 第二点は、やはり稻わらの飼料化の問題でございます。稻わらの飼料化の問題は、過去において農薬その他の関係等もございまして、一時、使用というものを見合わせという状況でございますが、私どもの調査で考えてみますときには、稻わらのものでやるならば千二百万トンぐらいのものが推定されるんじゃなかろうかというふうに考えるのでございまするが、現在の利用されておるという調査の資料で考えますときには、恐らく二百万トン前後だというふうにしか考えられないと思うのでございます。このことは、やはり現状のある意味におきましては、農業の近代化によるコンバインの利用その他等によりまして、乾燥の稻わらというものの生産の状況が非常にまずい、少ないという状況下にあるからでございます。
 やはりかなりの外貨を使って経営の安定を考えていくというときには、農家の身近にあるものでそれが飼料とするためには、国が何らかの形において措置をしていく、若干本年度の予算措置その他等ではございますわけでありますけれども、もう少しこの問題は大きく発展をする考え方がなければ、御承知のように長期的な展望で見ますときには、やはり世界的に見ましたときの五千百七十八万トンというFAOの生産と五千二百八十万トンという消費の実態を考えてみましたときにも、百万トン足りないというのが世界の情勢になっている。まして日本のように非常に、肉牛の生産というものの予測から見ますならば、ペーパープランに過ぎるという状況になりはしないか。ある意味においては、またそのような状況であるがゆえに生産農家としては積極的な増産体制を整えていくという姿の中の行政指導というものが非常に大きく有効的なものになるのじゃないかということが考えられるわけでございます。御承知のように、農薬の関係におきまする薬害の問題も、禁止せられまして以来、最近におきましてはそういう問題も非常に少なくなるならば、これの利用の方法も積極的にやりますならば三百万トンや四百万トンというものは適正な飼料として可能じゃなかろうか、現状の姿の倍以上のものはでき上がるのじゃなかろうか。それにはやはり一つの行政の刺激というものがひとつ必要になるのじゃないかというふうに思うのでございまして、いわばコンバインの場合を考えますときには、やはりサイレージの利用その他等の方法においてそのまま使うという方法も地域的には可能じゃないかというようなことが考えられるわけでございまして、また実際問題として見れば、これだけの問題点が農家全体から見ますときには非常に大きい問題でございまして、そういった意味合いにおきまする農業団体からの諸要請の問題点等も、やはりそういうものを意図されたものとして御要請を申し上げておろうかと思うのでございます。また一面は、やはり現在の世界的な食糧が不足するという、この危機の条件の中での穀類の輸入は、先ほども申し上げましたが、必ずしもうまくまいるという状況というものとのつながりにおいての飼料資源の確保という問題は、私は一つは問題が多くなる。このことは、やはり自給飼料という考え方の中で、輸入の依存率の高いというこの現状の中では、積極的にやる手は、政府のみずからの指導の中でこの問題を打ち立て、そうしてそれが社会不安を除き、畜産の振興につながってくるということになるのじゃないかというふうに私は考えるのでございまして、これについての御意見を伺いたい。
#47
○政府委員(澤邊守君) まず最初にお尋ねございました六十年度の飼料の作付目標が百四十六万九千ヘクタールということになっておる点について、果たして可能であるか、どのようにして可能にするかという御趣旨のお尋ねでございますが、基準年次でございます四十七年が七十六万八千ヘクタールでございますので、かなり大幅の増になるわけでございます。その内訳といたしましては、われわれは先ほど申しましたような草地造成という外延的な拡大を約四十万ヘクタール予定をいたしております。あとのふえる分につきましては、これは既耕地への飼料作物の導入ということで、現在進めておりますような水田稲作転換の一環としての表作におきます作付の増大、あるいは畑地におきまする飼料作物の増大、特に先ほども申し上げましたような水田裏作におきます麦と並んでの飼料作物の作付の増大というような方法によりまして、既耕地におきます飼料作の増大を図ってまいりたいというように思っております。
 なお、飼料作の反収が現在かなりばらつきも多くて、平均といたしましては低い。したがって今後、反収を引き上げるという余地が技術的にかなり可能性を持っております。これは、米などと違いまして、高位平準化の水準の逆でございまして、低位不均衡というような反収になっておりますので、これは技術改善あるいは草地の更新等、種々の技術対策によりまして、面積だけではなくして生産量もふやして、反収を通じて生産量を面積以上にふやしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 次に、わらの飼料用の活用のことにつきまして詳しい御意見を賜ったわけでございますけれども、私どもの把握しております現状は、これは四十七年の基準年次でございますけれども、稲わらの生産量が約一千四百万トンくらいあるという推定でございます。それに対しまして、現在、いろいろに利用している面もございますが、全体として利用率が低くなっている中で、飼料用の利用率はこれも大胆な推定で余り精度は高くはないかもしれませんが、私どもで考えておりますのはいま一六・五%ぐらい、約二百三十万トンくらいのわらを飼料用に利用しているのではないかというふうに推定をいたしております。これをできるだけ飼料用に活用していく。もちろん、他の利用、直接地力対策として水田に入れるということ、あるいは野菜に被覆用の資材として使うとか、種々の利用もございますので、全部というわけにはいきませんけれども、できるだけ他用途との活用の調整を図りながら飼料用としても昔のように大幅に使っていくということが国内の粗飼料資源をできるだけ利用するという点におきまして望ましいわけでございますので、われわれといたしましては、とりあえず二〇%くらいまではまず高め得るのではないかということでやっております。あるいはこの二〇%はいがにも低過ぎるのではないかという御指摘があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、とりあえずその辺を、これまで一六・五というのが毎年減少してきておりますので、とりあえず減少をとどめて、少しでも上向きという意味で二〇%を目標にしておりますけれども、これは、私どもはもっと活用すべき余地があるのではないかというように思っております。そのために、先ほど御指摘がございましたように、コンバインが入ることによって活用しにくくなっている、集めることがむずかしくなっているというようなこともございますので、その辺、集める機械あるいは運ぶ運搬の機械というようなものを導入していくというようなこと。それからまた、稲わらの生産農家と言いますか、水田農家と畜産農家が個別の、別個の経営という場合もかなりあるわけでございますので、地帯別に分かれておるということもございますので、その辺も余り遠隔地ではなかなか結びつけることは困難かと思いますが、できるだけ近い地元から始めて、近接の隣村等からなるべくそういう稲わらの生産者とそれからその需要者というものを結びつけるようなことを、市町村等を中心にして、あるいは農協等の活動に待って、組織化をしていくということが必要ではないかというふうに思っております。そのために、ことしから実施することにいたしております緊急粗飼料増産総合対策の中でも、メニューとして、そのような事業を取り上げられるようにしておるわけでございます。今後さらに一層利用の拡大ができるような対策を考えてまいりたいと思っております。
#48
○青井政美君 局長さんのおっしゃること十分了解できるのですが、ただ、これも、やはり可消化栄養分総量におきまする二万九千八百七十八トンというこの明細を見てみますと、ほとんど輸入に依存をしておる。国内の関係で努力すると言いながら、この六十年度の予測される数字で見ますと、三・七というふうにほとんど横ばいの状態だというような状況でございますと、この統計の数字から考えてみますときには、やはり国内産というものはなかなか伸びぬのだなという感じがいたすのでありまして、先ほど来いろいろ申し上げましたように、備蓄をするにしても、輸入をするにいたしましても、非常にコストアップ要因が多く重なる。このことはやはり畜産農家の経営というものを可能にするのには問題が残るということでございまして、この状況の中で見ますならば、ただいまのお説の中をより積極的にひとつ国内の飼料の自給の充足という問題をあわせ今後お願いを申し上げたいと思うのでございます。
 日本の畜産農家において一番大きい問題は、やはり、何と申しましても、濃厚飼料を外国に依存をするというこの実態が解明されない限り、畜産の経済性というものは非常に今後の問題としても残ります。しかしまた、現実に日本の立地の諸条件を考えてみますときにも、なかなか一朝一夕に改善ができるという状況でございませんので、そういう状況から考えてみますときには、やはり、畜産の飼料の基盤といたしましてはまことに脆弱であるということを言わざるを得ないのでございます。そういうことで、新しく配合の濃厚飼料の値上がりをしても、やはりそれに即応してやってやらなければ畜産がやっていけないというこの現実は無視することはできないということでございます。こういった問題の中に、一部、今回の一部改正その他等にもございますが、従来からのいわゆる自家配合というものを積極的に進めてまいるということと、法改正によるもろもろの問題点というものがうまくマッチするような方向で考えていただいておるのかどうか。この問題は、それぞれカロリー上における問題点もございましょうし、指導上におきまする問題点もあろうかと思うのでございますが、この問題についての御見解を伺いたいのでございます。
#49
○政府委員(澤邊守君) わが国の場合、濃厚飼料に対する依存率が高いばかりでなく、濃厚飼料の中でもいわゆる完全配合飼料といいますか、そういうものに対します依存が高過ぎるということは、コスト面におきましてもあるいは栄養面におきましても適切を欠く面があるのではないかという御指摘をいろいろな機会にいただいておるわけでございます。確かにそのとおりでございまして、わが国の場合、現在千七百万トンから八百万トンの配合飼料を使用しておるという実情でございますが、配合飼料というのは使う側から見ますと、非常に便利な点もございますけれども、やっぱり、家畜の種類はもちろんのこと、品種なりあるいは飼い方、あるいは発育段階等によりまして、最も適当な飼料というのは一般に販売されておる銘柄ではなくして、自分で最も適当な内容、成分のものを配合するということができ得れば一番望ましいということでございます。それが、また栄養的な面だけではなくして、価格面でも、コストの面でも有利な場合があり得るわけでございますので、そういう意味からいたしますと、現在の配合飼料に余りにも依存しておる飼料の給与形態というものは直していくべき面があるというふうに私どもも思います。ただ、現在、配合飼料価格が値上がりしたこともございまして、自家配合というのが一部で行われるようになっておりますが、これは、政府操作飼料であります大麦なりフスマ等が比較的潤沢に入るところとか、あるいは港湾の近く等で二種混合飼料が容易に入手できるようなところというような、条件に恵まれたところが比較的やっておるわけでございまして、二種混合飼料等につきましては、最近、飼料の消費が減っておりますので、一部投げ売りのようなこともございまして価格が非常に安いものが手に入るというような好条件に恵まれたところもございます。そういうこともありましてふえておるわけでございますが、これは、やっぱり、自家配合をやります場合には、自分の家畜に最も適当な栄養バランスというものを考えて配合しなければいけないということになりますと、そういうやはり知識を持っておる農家でないと栄養のバランスを欠くということがございますので、いま言いましたような経済的な条件あるいは経営的とか技術的な条件の備わっておる農家、しかも規模が比較的大きな農家では自家配合というやり方を今後普及していくべきものだと思いますが、そういう条件の恵まれてないところまで一気にそれを普及するという点についてはなお問題があるというように思います。
 ただ問題は、配合飼料の場合には、原料であるトウモロコシは免税になっておりますけれども、自家配合する場合に単体でトウモロコシを買いますと現在は差額関税が一〇%かかります。これを何とか免税できないものかと。それによって自家配合を促進するということになるわけでございますので、その辺をいろいろ検討いたしておりますが、これは、国内でん粉生産農家の保護という観点から、単体トウモロコシがでん粉に回るということを防止するために現在は一〇%の関税を、関税割り当て制度のもとにおいてやっておるわけでございます。そこを、でん粉に流れないような流通規制を工夫をいたしまして、単体トウモロコシにつきましても免税できるというようなことを、現在、種々、技術的な問題として検討いたしておりますので、できれば、早い機会にそのようにいたしまして、自家配合の促進の一つの刺激にしたいというように考えております。
#50
○青井政美君 いまの最後のお言葉でございますが、やはり、自家配合の問題は長い間農民の要望でございまして、確かに御指摘のように、農産物価格安定法の問題なり、他に流入せられるという心配はいままでも例がなかったとは申し上げませんが、ただ、いまの畜産という現実の問題を解決するためには、特に農林大臣にお願いをして、この問題は、生産者農家の意欲にこたえるためにも、私は、十分、企画的に厳正な方法においてその措置ができるように農業団体からも要請をしていきたいというふうに考えておりますので、この点は特に大臣の御配慮を煩わしたいというふうに思うのでございます。
 また、たびたび申し上げておることでございますが、畜産をやるということは、えさの価格が安定をして畜産物がある程度価格的に売れるということであるならば、これで何とかできるということでございますが、現状までの仕方の中には、農業以外から生まれてくる要因はすべてコストアップの要因になる。できた製品は、社会的ないろいろな環境の条件の中で必ずしもコストを吸収するという状況でないというのが畜産の大きな問題でございます。こういった問題を一面では打開するためには、抗生物質その他等配合の中にいろいろ物を入れてまいってきておる。しかしまた、社会的には、いろいろいまの状況の中では、畜産公害というまた別な負担が農家にかかってくるという状況というものがついておるのが今日の私は実態だと思うのでございます。したがいまして、やはり、日本でたん白資源としての供給の諸条件を整えるという、この国民の食料というものを賄うんだという前提に立ちますならば、そういう大きい見地に立つ畜産の保護対策というものが、畜産公害の問題と、抗生物質云々という問題と個々の細かい問題の取り上げ方についてはそれ相応のものは考えていただかなければならぬと思うのでございます。また、一面、御承知のように、新しく法律の改正の伴います大きな問題の中にも、飼料の添加物の内容という問題点においては一つの画期的な問題でございまして、また、それが重ねて服用する姿の中で一つの社会的な問題が起こっておることもまた事実でございます。このことは、人体の健康という問題と抗生物質の乱用という問題が、社会的なマスコミの中では、一つは、薬づけのえさを食わして、それを人間が食べてそうしてうまく生きていけるかという一つの御意見もございます。確かに、私は、その問題については考えなけりゃならないということも言えるかと思うのでございますが、より効率のある、より畜産経営をうまくやるというための合理的な問題は、今回のこの法律の運用がその適正な方向を見出しますならば、私は成果は上がるというふうに考えられるのでございますが、全体的な問題を見ますならば、御承知のように、新しく法律が施行せられて今後運営してまいりますためには、現状の技術的な陣容や人間の関係におきまする状況の中ではとうてい守り得られないのじゃないかということが心配せられるわけでございまして、大臣がおいでの間に、この問題の御見解を伺って、新しく法律施行後には十分安心してやれるような技術的な体制も整えていただけるのか。法律ができていまから整えるという形のものも非常におかしいかと思うのでございますが、現状の姿を、私どもが考えてみますときには非常に、マスコミその他等から厳しい人間の問題、公害の問題と言われるけれども、畜産の場合におきましても、その他の農産物の流通上におきます技術的な問題点等においても、たくさん問題があるということが考えられますので、新しい法律の推進の中でこの薬づけと言われる問題は、何もそう心配することはないのだ、ということが科学的に立証のできる体制というものをどうしても期待したいと思うのでございます。
#51
○国務大臣(安倍晋太郎君) 畜産全般についてのいろいろな御意見も聞かしていただいたわけでありますが、畜産につきましては、今後これを振興発展をさせていくということが大事なことであるわけでありますし、そのための生産体制の整備、飼料基盤の充実であるとか、あるいはその他の基盤整備事業、あるいはまた価格政策につきましても、これを充実していくということは当然のことであるわけでございますし、同時にまた、飼料の安定的な輸入を確保していくということも、今後のやはり飼料穀物の需要の増大ということから考えれば当然のことで、その体制もこれから進めていかなければならぬわけでございます。
 同時にまた、いま国民が非常に関心を持っておるところの安全性の問題につきましては、今回の法律改正もその大きな眼目でございますが、われわれとしては、やはり畜産の経営においては安全性の確保と同時に、経済性も同時にあわして考えるということで対処していかなきゃならない。安全性とともに経済性がなければ、畜産というものの振興というものはないと思うわけでございまして、今回の法律によりまして、われわれはさらに検査体制を整備するわけでありますし、あるいはまた審議会等も充実をいたしまして、飼料あるいは飼料添加物につきましての検査体制、その安全性の確保ということに対して十分これでもって対処できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#52
○青井政美君 いまの大臣のお話でございますが、これから非常に大きい――私、若干調査した陣容ではとうてい及ばないんだということだけは十分大臣も御理解願えるだろうと思うのでございます。この問題は、私は生産者のために声を大にして言っているのじゃございません。一億国民を対象としての畜童物という問題の安全性というものを中心にして今後御配慮賜わりたいと思うのでございます。
 御承知のように、この法律ができたのが昭和二十八年ごろだと記憶するわけでございまして、二十年以上たった今日、現状の姿の改正という程度で全きを得るかどうかという問題も将来の課題として私は考えなければならないのじゃないかというふうに思うのでございます。
 それから、先ほども若干申し上げましたが、飼料の添加物の関係は、農林省の御指導でなされているということでございまして、このことがやはり報道機関なりで、あるいは先ほども申し上げました薬剤というものを多く使い過ぎるという形のものが、卵の場合も、肉の場合にもやはり薬づけのものであるというふうな状況でマスコミに書かれるという実態を考えまして、私ども生産者という立場、あるいは飼料工場というものを経営いたしておる者の立場から考えますと、何もそういう問題がないのじゃないか。少し一部が行き過ぎて考えておるのじゃないかというふうにも理解はできるのでございます。しかし、そのような形を言われるという状況の中で、今後の飼料の添加物というものの、より経済性、より安定性を考えてまいりますときには、やはり現状の姿と今後の運営上におきまする考え方には変わりがあるのかないのか、変わりがあるとするならば、その変わりの御見解を伺いたいというふうに思うのでございます。
#53
○政府委員(澤邊守君) 飼料の安全性の点での規制を新たに法律制度として加えますのが今回の改正の最大のポイントになっております。その意味では、現在の飼料品質改善法は飼料の安全性ではなくして、飼料の栄養効果をいかにして確保するかという観点からの制度になっております。
 これの安全性に対します国民的な関心ということ、それから各種の飼料添加物等があるいは飼料そのものとして化学合成品等使われるというようなことから、安全性に対する規制が必要であるということは前々から言われておりまして、われわれといたしましても、四十五年には飼料添加物の公定書というものをきめまして、成分規格、あるいは製造、使用等の基準も定めまして、行政指導として規制措置といいますか、をやっておるわけでございますけれども、これは単なる行政指導によりましては徹底にどうしても限界がございますので、今回はっきりと法律上の制度として確立をするということにいたしたわけでございます。これによりまして、現在事実上行政指導でやっておりますことがとりあえず法律上の制度に移行するわけでございますが、単に移行するだけではなくして、たとえて申し上げますれば、現在飼料添加物につきましては、百六種類の飼料添加物を公定書によって認めております。
 今度の法律改正によりますれば、そのような飼料添加物を農林大臣が指定することになっておりますが、その指定をいたします場合には、もう一回現在の飼料添加物を見直しをいたしまして、栄養効果の面はもちろん、主として安全性についてその後の学問進歩等から見まして、はたしてこの程度でいいかどうか、指定を続けるべきかどうか、指定するといたしまして、規格、基準の直すべきところはないかとかというような点から見直しをいたしまして、できるだけ縮小をしたい、減らしていきたいというように考えております。
 問題となります抗生物質等につきましては、残留性の問題、特に問題になりますのは、人畜共通の抗生物質等につきましては、耐性菌ができるということで、人間でも余り使うと、きかなくなると言いますけれども、家畜と人間と共通の抗生物質等につきまして、家畜で大量に使いますと、その菌が人間に移行した場合、人間にもきかなくなってしまうというような問題がございますので、それらはできるだけやめていくというような方向で、現在もちろん全廃というわけにはまいりませんけれども、縮小の方向で、必要最小限にとどめるという方向で見直しをいたしまして、添加物を農林大臣が指定することにしていきたいというように考えております。制度は、あと二条の二以下にございますように、基準、規格を法律できめまして、それを守ることを義務づける、守らない場合には回収、廃棄措置をするとか、あるいは特定の飼料につきましては、単に規格、基準をきめるだけではなしに、製造、輸入のたびごとにチェックをするために検定をするというようなことも考えておるわけでございまして、それらによりまして従来の行政指導よりは格段に規制が徹底するものと期待をいたしております。
#54
○青井政美君 新しく法律改正された農家の立場から考えてみますときの関心は、やはり飼料の品質がよくて、それがいつもコンスタントな供給ができるという条件ということでございますと、先ほど来いろいろお話がございましたように、濃厚飼料の場合にはほとんどの原料が国内にない。いままで親基金なり基金制度その他等によって価格上におきまするもろもろの問題点については何らかの御配慮もあり、将来もまたこれにより救済されるということについては十分敬意を表するものでございますが、やはり物がなければ長期にわたって仕事ができないという考え方に立って、政府の責任で原材料を国内にストックをするというお考えがあるかないか、これをひとつ伺いたい。
 また、新しいこの改正法律の中での考え方の中では、可消化の粗たん白質量、それの総量、あるいはカルシウム、燐等の四項目を加えることに表示制度を改めたわけですが、われわれ農業団体では、過去において、もうこういう問題は卒業済みでございます。全部やっております。そういったことだけでよいのかどうかという問題がやはり一つ残るということでございます。あるいは将来の問題としての原料の配合の割合の表示について、いろいろ農民からの要請がたくさんあるようでございますが、私ども団体という立場からいままで運用いたしておりますものは、全農を頂点としてそれぞれ都道府県の、それぞれの会社は、みなその指導に従い、いままでもそのような状況で仕事を進めてまいっておったので、その他の関係の業者との差というものが生まれてきておる。今後、一つの法律の中で運用をしてまいりますならば、そういう差異のないような行政指導というものがなされてしかるべきじゃないかというふうに考えるのでございますが、この辺の問題についての品質の量の確保という問題と、具体的な事務的な問題になるかもわかりませんが、そのような問題点というものを、どのようなことに考えていくかということをお伺いしたい。
#55
○政府委員(澤邊守君) 備蓄の問題につきましては、現在配合飼料メーカーは、原料を通常の場合、約一カ月分工場にランニングストックとして保有をしておるというのが一般でございます。これを備蓄的な意味を含めまして、さらに一カ月分を積み増しをするということを、配合飼料メーカーのいわば民間と、それから国が分担して実施をするということで、四十九年度の予算から五カ年間で百十五万トンの備蓄を、トウモロコシ、コウリャン及び大麦について実施をするということにいたしておるわけであります。昨年は、御承知のように需給が非常に逼迫をいたしまして、通常の原料も確保するのに四苦八苦をしたわけでございますし、価格も異常に高騰いたしましたので、昨年は実行に至らなくて、今年が実際の初年度といたしまして、現在その具体的なやり方について民間と協議をいたしておるわけでございます。民間の備蓄に対しましては、国が利子補給をするということでございます。これはサイロの建設費に対する利子補給と保管料に対します金利補助でございます。それらによりまして、とりあえず五カ年間に一カ月分のストックを造成をしたいというように思っております。
 次に、お尋ねございました公定規格について、現在の制度を拡充することになっておるけれども、全農等ではすでに実施をしておるのだから、実質的には余り拡充ではないではないか、という点のお尋ねであったと思いますが、これはなるほど法律上は現在は四成分についてのみ、しかも登録飼料についてのみ表示義務を決めておるわけでございますが、公定規格にもその四項目だけでございます。今度は法律上のものといたしまして、可消化養分総量、可消化たん白質、燐、カルシウムというものを成分規格に加えることを決めましたし、それからさらにそれと関連いたします表示制度につきましては、ただいま申し上げました成分の表示は当然でございますが、原材料の名称、それから一部の原材料については、増量材的なものを中心にいたしまして、その配合割合についても法律上の義務として決めていきたい。もちろん行政指導によりまして一部行われている部面もございますし、あるいは自主的にメーカーによっては実施をしているという向きもございますけれども、今回は法律上の制度としてはっきり義務づけるということにしてまいりたいと思います。ただ、いままで申し上げておりますのは、これは主として栄養成分の確保の面からの表示のことでございまして、実は安全性についての表示はこれは法律上は何もないわけでございます。これにつきましては、抗生物質等の添加物はもちろんのこと、配合飼料、一般の飼料、単体飼料等に分けまして、安全性からの成分規格それから使用基準、それから使用上の注意等そういうものを含めまして表示を義務づけることにいたしております。栄養確保の面と安全性両方の面から義務づける、しかも安全性の面からいたしますと、抗生物質等につきましては、その限度量それから比率というものも義務づけることにいたしておるわけでございます。
 なお、最後のお尋ねのございました表示の問題につきましては、これはいろいろ議論の存するところでございますけれども、私どもといたしましては、先ほど言いましたような使用しておる原材料名はもちろんでございますが、すべての原材料の配合割合についてまで全部表示義務を課するということは、飼料の研究開発が、その配合割合というところが非常にポイントになっておるという点からいたしますと、これを公表するようなことになりまして研究意欲を阻害するおそれもあるというようなこと、あるいは原材料の使用割合といいますのは、そのときどきによく変わるものであるという点からいたしますと、敏速に対応できないというようなこと、またやや傍証的になりますけれども、他の物質の例、諸外国の例等を勘案いたしまして、全部の配合割合を書かせるということについては問題があって、現在は適当ではないのではないか。ただ使用原料につきましては、今後十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#56
○青井政美君 御承知のように日本では非常に飼料資源というものがないという状況でございますために、今後政府においては、いわゆる新飼料というものの開発あるいは未利用資源というものの開発、こういった問題について特に長期的な問題という観点から政府は基本的にそういう問題をお考えいただくかどうかという問題でございます。また、今回のこの法律改正によりまして、やはり期待する農民にこたえられるような環境と条件づくりというものがやはり組織的にも体系的にも効果の上がるようなものを特に御配慮をいただきたいというふうに思うのでございます。若干お尋ねしたいことがございましたが、もう時間が参りましたので、この二つの問題だけをぜひお尋ねしておきたいと思います。
#57
○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国の飼料の事情から、その飼料原料の多くは外国に依存せざるを得ない状況にあるわけでございますが、畜産の安定的な発展を図っていくためには、国内における飼料資源の確保はきわめて重要な課題であると考えるわけでございます。このために、これまでもやっておりますが、草地の開発あるいは飼料作物の増産、稲わら等の有効利用のほか、農産加工副産物であるでん粉かす、ビールかす、果汁しぼりかす等の飼料化等につきましても推進する必要があるものと考えて、従来から関連事業の実施、研究の推進に努めております。なお従来家畜等に給与したことのない新飼料の問題でありますが、これにつきましては、栄養価値が確認をされることはもちろんでありますが、その安全性もまた十分確認されなければならないと考えておるわけでございます。こうした見地から、行政指導によりまして企業等に対しても必要な試験の実施等は指導してきたところでありますが、今回御審議をいただいております改正法においては、安全性について確証のない新飼料については、これは販売等の禁止措置が講ぜられる、こういうふうになっておりますので、十分その点も配慮しながらこれから進めていかなければならないと考えておるわけでございます。
#58
○青井政美君 もう一つちょっと。飼料の規格の登録されたものも未登録のものも、新しい法律の対象は一緒ですね。
#59
○政府委員(澤邊守君) 登録制度というのは今度はなくなりますけれども、全飼料につきまして安全性とそれから表示の点については規制の対象にしたいと思っております。
#60
○青井政美君 どうもありがとうございました。
#61
○原田立君 飼料の品質改善に関する法律は、昭和二十八年第十五回国会において成立され、その目的として、粗悪飼料の流通、品質改善、取引の公正を図ることを主としたもので、その内容として、飼料の登録制度、異物混入の禁止及び立入検査であり、飼料の安全性確保の面ではもっぱら行政指導に基づき実施されてきたのか現状であります。今回の法律改正では、安全性の確保に重点が置かれ、題名も飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律と改めております。安全性の確保については一歩前進と評価するものでありますが、まだ内容の面において不満とするところが多大であります。
 まず初めに農林大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、この法律で言う「飼料の安全性の確保」とは、家畜等を主体に置くのか、家畜を通して考えられる人体の健康に関することを考えての安全性の確保であるのか、大臣の基本的な御意見を伺いたい。
#62
○国務大臣(安倍晋太郎君) 人間の健康を確保するということが中心でございます。同時にまた、家畜等に被害が生ずることによって畜産物の生産が阻害されるということを防止するということもあわせて考えるということでございます。
#63
○原田立君 何かちょっとごちょごちょっと言ったんだけど、よくわからなかったんだけど、要するに、この法律第二条の二には「家畜等の肉、乳その他の食用に供される生産物で人の健康をそこなうおそれがあるものをいう。」と、「人の健康をそこなうおそれがあるもの」こういうものを禁止するんだと、その安全性を確保するんだと、こういうことなんだから、もちろん家畜を主体に置くと。農林省の場合だから家畜のことを主体に置くというふうに言われるかもしれないけれども、法律にははっきりと「人の健康をそこなうおそれがあるものをいう。」と、こう出ているんだから、だから当然ここでは人の健康に関することを考えての安全性の確保であると、こうはっきり明言すべきだと思うんですが、どうですか、それ。
#64
○政府委員(澤邊守君) ただいまのお尋ねに関連するのは第二条の二でございますが、そこに書いてございますように有害畜産物――有害畜産物の定義といたしまして「家畜等の肉、乳その他の食用に供される生産物で人の健康をそこなうおそれがあるものをいう。」そういった「有害畜産物が生産され、」そこまでが、だから人間の健康に関連する安全性の確保という観念でございます。それから「又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されることを防止する見地から、」という見地が二つございますが、後段の方は、これは人の健康には関係がなくても家畜に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害される、家畜が病気になるとかあるいは肥育が能率が下がるとかという場合で、これは家畜の安全性にとどまる場合と、二つの観点から安全性についての規制を加えようとするのがこの法律の趣旨でございます。が、大臣がお答えいたしましたのは、そのうちでもより重点であるのは言うまでもないことでございますが、人の健康にかかわる安全性の観点からの規制であると、こういうことをお答えしたわけでございます。
#65
○原田立君 大臣、いまの局長の答弁それで追認していいですか。
#66
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私が言ったことは、局長が追認したとおりでございます。
#67
○原田立君 改正案第二条の二の飼料等の使用に伴う安全性の確保を図るため、農林大臣は、製造、使用の方法等の基準及び成分規格の設定等を省令により行うと、こうありますが、現在のところどのぐらいの範囲の飼料をその対象として考えているのか。また基準、規格の設定等は具体的にどのようなものになるのかお伺いしたい。
#68
○政府委員(澤邊守君) 今回の改正によりまして第二条の二の基準、規格について、今後、飼料審議会の御意見を聞いた上で最終的には決めたいと思いますので、現在確定しておるわけではございませんけれども、現段階でのわれわれの考え方を申し上げますと、飼料の中で、その特性または成分から見て安全性の確保の上で問題となるおそれのある飼料あるいは有害物質等による汚染の頻度が比較的多いと想定されるものについて製造、使用、保存の基準だとか、あるいは成分の規格を定めるというのが基本的な考えでございますが、具体的には何について定めるのだということにつきまして現段階での考えを申し上げますと、一つは、落花生油かす、これは海外から輸入をしておりますけれども、この中にはアフラトキシンというカビ毒が含まれております。これの含有限度を成分規格として決めたいというふうに思っております。それからさらに落花生油かすの使用基準、これは用途別の使用の限度、それからさらに表示基準についても決めたいと思います。用途はどういうものに使うのだということをはっきり表示させるということでございます。
 次に尿素、ダイブ等の、これは化学合成品でございますが、これにつきましても成分規格、その場合には窒素の含量等を決める。それから表示基準、これはただいま申しました窒素含量だとか、用途等を表示基準という形で決めて、それを守らせるというようにしたいと思います。
 次に配合飼料につきましては成分規格を決めたいというふうに考えております。成分規格の決め方といたしましては、PCBの含有量はたとえで申し上げれば〇・五ppm以下であるというような一般的な基準、それからBHCの含有量は一定数量以下だというようなことを成分規格として決めたいというように考えております。さらに製造基準といたしまして、配合飼料の中に、先ほど申しました落花生油かすとか、尿素、ダイブというものは入れることがありますので、そういうものの用途別の配合の限度、それからまた各種の抗生物質等の飼料添加物を配合飼料の中に入れますので、そういう飼料添加物を用いる場合の適応用量、どの程度を限度として入れるというようなことを製造基準として決める。それから使用基準といたしまして例として申し上げれば、食用に出荷する五日前の家畜に対しては抗生物質等の抗菌性製剤添加飼料は使用を禁止するというようなことを使用基準として定めたいというように考えております。さらに表示基準、配合飼料の表示基準でございますが、これは用途、それから先ほど言いました落花生油かすとか、尿素、ダイブを配合した配合飼料にあってはその配合率、さらに飼料添加物を加えた配合飼料にあってはその飼料添加物の添加量とか使用上の注意を表示基準として定める、したがってそれを表示しなければならぬということでございます。
 だんだん詳しくなりまして恐縮ですが、飼料添加物につきましてもそれぞれの飼料添加物、先ほど申し上げましたのは配合飼料の中への飼料添加物の入れ方についての基準でございますが、今度は個々の飼料添加物につきましてもそれぞれ成分規格なり、製造基準、保存基準、表示基準を定めることにいたしたいというように考えております。その場合先ほどもお答えしましたように、現在飼料添加物は百六種ございますけれども、これをもう一遍見直しまして、できるだけ整理をしてさらに基準を定めたいというように考えております。
#69
○原田立君 特に昭和四十六年に企業化された牛のたんぱく代替飼料としてのダイブ等は、その使用方法が原因で、富山、石川両県で二百頭以上もの乳牛が乳量低下や下痢などの障害を起こし問題となったが、そこで化学合成飼料を初め、その他PCB、アフラトキシン等々については本条項ではどのように取り扱うことになるのですか。
#70
○政府委員(澤邊守君) ただいま全体の御説明の中でも申し上げましたように、まず落花生油かすにつきましてはアフラトキシンの含有限度を成分規格として決める、さらに使用基準として用途別の使用限度を定める。それから表示基準といたしまして用途について表示をさせるということにしたいと思っております。
 さらに尿素、ダイブについてのお尋ねでございますが、これも先ほどお答えいたしましたように成分規格、表示基準について定めていきたいというように思います。表示基準の中に用途等も決めたい。用途は現在行政指導によりまして乳牛には使わないようにしております。肉牛には一定の使い方によって使うことを認めておりますけれども そのようなことを用途もはっきり表示基準を定めまして、それに従うように規制をしてまいりたいと思っております。
#71
○原田立君 局長はこのぐらいの数値でこのぐらいのものは使うのだとか、これ以下はいけないのだとか、これ以上はいいのだとかいうような数値のことは余り言わないで、一般論的な話が大分多いようなんだけれども、これは農林省令でこれから決めるのでまだ決まってないという意味ですか。
#72
○政府委員(澤邊守君) 数字を余り申し上げませんでしたが、たとえば落花生油かすのアフラトキシンにつきましては現在指導で一PPM以下というように決めております。成分規格としてそのように決めております。これはもう一遍見直しして審議会に諮って最終的には法律制度に基づくものとして決めたいと思っておりますけれども、現段階では現在の基準で適当ではないかというふうに思っております。さらに先ほど申しました配合飼料についての成分規格の中でたとえばPCBの含有限度のことを申しましたけれども、PCBだけは〇.五PPM以下、それからBHCの含有量はゼロというようなことを配合飼料の成分規格として決めたいというように考えております。最終的には審議会にお諮りした上で決めることになります。
#73
○原田立君 PCBは〇・五PPM以下ならいいということですか。私もこういう問題については余り専門ではないのですが、ある本によりますと「抗生物質以上に危険なのは、PCBを含む配合飼料である。これは汚染魚を媒介とするが、牛・豚肉等の脂肪組織や、牛乳、卵黄などに濃縮されたかたちで累積する。これを人間が食物として取り入れると、母乳や生殖組織に蓄積されて、遺伝的な悪影響をもたらす原因となる。」と、こういう被害があるわけですよね。それで、〇・五PPMというとちょっとかなり多いような感じがするのだけれども、これで安全だといういろんな検査あるいはデータがあるのですか。
#74
○説明員(金田辰夫君) この〇・五PPMにつきましてはアメリカの場合も同じような基準に従っております。特に日本の場合は畜産物の摂取量もアメリカに比べますとかなり低いということもございますので、この程度で安全じゃないかというふうな現在の判定でございます。
#75
○原田立君 アメリカでやって安全だから日本でも安全だと、そういう基本的な姿勢はよくないんじゃないですか。やはり日本は日本の独自性というのがあって、きちっと研究体制も整えてやるというようにしなければいけないのじゃないか。この点は反省されるべきだと思うのだけれども、どうだろうか。課長じゃなくて局長。
#76
○政府委員(澤邊守君) ただいまアメリカの例を申しましたけれども、私どもの聞いておるところでは厚生省の方で、食肉についても〇・五以下というようにしておられるというように聞いておりますので、直接人間が摂取するものでございません配合飼料の場合、〇・五ということで適当ではないかというふうに判断をいたしております。
#77
○原田立君 また、化学合成物質を含んだ飼料等に関しては今後事故発生の可能性を十分に考慮してそのすべてに基準規格を設けるべきだと思いますが、その見解はいかがですか。
#78
○政府委員(澤邊守君) 先ほどお答えしましたような尿素とかダイブ等は化学合成飼料であるわけでございます。これらにつきましてもすぐに規格基準を決めたいと思っておりますが、その他につきましてもそのような方向で対処してまいりたいと思っております。
#79
○原田立君 先ほど日本獣医師会の会長の中村さんという人から陳情があったその中身の中に、飼料原料からすでに乳牛への使用を禁止したダイブを、使用禁止原料とされたい、というこういう要望が出ているんです。使用禁止原料とされたいと。こういう考えありますか。
#80
○政府委員(澤邊守君) 先ほど申しましたように、ダイブにつきましては、乳牛につきましては現在行政指導でも使わないように指導しております。今後も法律、制度で二条の二に基づいて決めます場合にも用途についてはそのように基準を決めたいというように思っております。
#81
○原田立君 何かちょっとよくわからなかったけれども、乳牛が禁止になっているのはわかっているんですよ。そうでなくてすべてにわたって使用禁止原料とされたい、こういう要望なんです。いかがですか。
#82
○政府委員(澤邊守君) その陳情といいますか、要望は初めていまお聞きしたわけでございますので、その辺私自身十分検討はいたしておりませんけれども、われわれ、現在までの学識経験者等の意見によりますと、乳牛につきましては非常に微妙なところがありますので、ダイブを使うことについては使い方を誤りますと事故が発生いたしますので現在は禁止をしておるということでございますが、肉牛につきましては使い方さえ誤まらなければ十分飼料として効率を発揮するということでございますので、使用基準等を厳正に定め、これを徹底するならば事故を未然に防げるそれなりの飼料効果は大きいものでございますので、使用を一切禁止するという必要もないというように判断をいたしております。
#83
○原田立君 いまの答弁了解しがたいのであります。というのは、専門の獣医さんの代表が陳情に来ている。まさか医者が間違ったことを言うわけがないと思うんだがね、そういう意味で聞いているわけなんです。そうすると、いまの局長の答弁では、ダイブは適量の使用ならば無害だから今後も使用させる、使用する場合もあるんだと、こういうふうな答弁と理解していいですか。それとも、それはやっぱり直して、乳牛に禁止したと同じようにやっぱり禁止する方向に向くべく検討するのかどうか、その点はどうです。
#84
○政府委員(澤邊守君) 現在までわれわれの畜産局におきまして、外部の獣医さんを含めた学識経験者の意見も聞きながら実は決めておるわけでございますが、先ほどお答えしたような趣旨で肉牛については使用を認めておるわけでございますが、もちろんこれを法律、制度として改正法に基づいて決めますまでには一カ年間の準備期間がございますので、その間に資材審議会等に、もう一回その点についてもお諮りをいたしまして最終的には決めたいと思っております。ただ、いま御指摘ございましたような陳情内容を十分まだ私承知しておりませんので、ここでどうするかということをはっきりお答えするだけの用意がないということでございます。
#85
○原田立君 今後検討するというふうに返事すればいいんですよ、どうですか。
#86
○政府委員(澤邊守君) 安全性の観点からの基準、規格はすべて見直しをいたしまして、現在、行政指導でやっておりますものは飼料審議会に諮って決めることにいたしております。その一環として当然もう一回検討することになると思います。
#87
○原田立君 また、第二条の二において安全性の確保に努めることが言われているが、農家段階での使用方法についての安全性の基準を設けることは容易ではないと思うのであります。農家段階という対象がきわめて広範囲であり、その実効の確保が問題であろうと、こう私は思うのです。実際私は、こういう面では素人ですから農家の人たちが本当に規定されたとおりのものができるかどうかということをかなり疑問視しておるわけでありますが、しかし飼料の安全性という見地からきわめて重要なことであり、農家段階でのその基準を守らせるためどのような方法を考えているのか、この点を明らかにしてほしい。
#88
○政府委員(澤邊守君) 二条の二で製造基準などと並んで使用基準を決めるわけでございますが、その場合、結局、一番安全性を確保するためにそれを使用基準に従って使用するということが肝心かなめなことになるわけでございます。使用する農家は多数でございます。御指摘のようにこれに徹底するということはなかなかむずかしい面もございますけれども、だからといって使用基準を決めずに守らなくてもいいというわけにもまいりませんので、これはできるだけの努力をいたしまして個々の農家に徹底をしてそれを守っていただくという努力をしなければいけないというように考えております。そのための手段といたしまして、もちろん県その他の行政ルートを通じまして使用基準につきましてよく趣旨の普及徹底を図るということ、そのためには中間の農家に接する普及員だとか家畜保健衛生所の職員とか、そういう県庁等の職員、第一線の職員に十分この法律の趣旨、それから使用基準等の内容の徹底をしまして、必要な場合には講習会をやるということも考えておりまして、その第一線指導者にまず徹底をさす、その指導者を通じて個々の使用農家に使用基準について徹底をさせる、普及をするというようなことを考えていくべきだというように考えております。なお、製造業者には、その使用基準についてできるだけみずからも消費者である農家に徹底するようにパンフレットでさらに細部を明らかにするとかというようなことはやってまいりたい。それを製造業者にも指導してまいり、あるいは販売業者にも指導してまいりたいというように考えております。そういうあらゆる手段を講じまして農家に徹底するように努力をしてまいりたいと思っております。
#89
○原田立君 また後で質問をしますけれども、いま局長のお話の中にあった第一線の指導家というのは一体何人ぐらいいるのか。また講習会とあったけれども、一日ぐらい講習会をやってそれで免状をもらって、じゃオーケーだなんていうような、そんなやり方をしたのなら話にならない。講習会の中身、その点はどんなふうになっていますか。これはまた後で聞きますけれどもね。
#90
○政府委員(澤邊守君) 詳細は全部いまちょっと手元にありませんけれども、たとえば畜産関係の第一線の衛生指導機関であります家畜保健衛生所、これは二千二百名ばかりおりますので、各県に数カ所ずつに駐在をしておるわけでございます。それからさらに農業改良普及員の中に畜産担当の普及員がおります。これはちょっといま数字は失念をいたしましたけれども、これも多数おりますし、それからまた市町村の勧業関係の担当職員あるいは農協の特に畜産関係の担当の指導員等を通じましてただいま申し上げましたような農家に使用基準を理解し守ってもらうような指導を徹底したいと思っております。
#91
○原田立君 同じく第二条の二の有害畜産物とは「人の健康をそこなうおそれがあるものをいう。」と定義づけされているわけでありますが、これは非常に大切なことであり、そこで具体的な例としてどのようなものがあるのか。また有害とはどの程度のものを指すのか、その判定基準等の見解、それをお伺いしたい。
#92
○政府委員(澤邊守君) 有害畜産物といいますのは、その二条の二の括弧内にありますように「食用に供される生産物で人の健康をそこなうおそれがあるもの」ということでございますので、これはいろいろなものがあり得るわけでございますので、ここで何があるということをはっきり申し上げるわけにはまいりませんけれども、要するに、有害な物質、たとえば先ほどの例で申し上げればアフラトキシンとかそういったようなもの、それから抗生物質等の飼料添加物、これは飼料を適正に使用しなければ、仮に有用なものであっても、適正に使用しない場合には人体、畜産物の中に残留をして人の健康に悪影響を及ぼすということがあり得るわけでございます。そういうものにつきましては、当然成分規格なり基準を定めていくということになるわけであります。さらにそれらの有害でないという範囲において成分規格なり製造基準を決めるわけでございますが、それを判定するために一定の試験基準というものを資材審議会に諮った上で決めておく。これはそういう特定の有害物質が入っているかどうかというようなことを試験する理化学的な試験だとか、あるいは有毒性あるいは家畜に食わした場合の有毒なものが入っているかどうか、あるいは催奇形性、奇形児が出るかどうかというようなことについての生物学的な試験の基準、それから抗生物質等の場合にそれが畜産物、家畜の体内を通じて畜産物、肉だとか卵あるいは牛乳等に残留するかどうかという点についての残留試験といったようなものの基準を決めておきまして、その基準に合っている、適合しているかどうかということを、企業かみずからもちろん試験もやると思いますけれども、第三者的な中立の試験研究機関で試験をしたデータを農林省に出してもらう、それによりまして安全性の確認をして、審議会においてだいじょうぶだ、試験基準に合っておるということでございますれば、具体的な基準なり規格を二条の二に基づいて設定をしていく。そのような手順を考えておるわけであります。
#93
○原田立君 第二条の四の改正案の中で特定飼料の説明として「飼料の使用が原因となって、有害畜産物が生産され、又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されるおそれが特に多いと認められるもの」としているわけでありますが、ここで「特に多い」とあるが、著しい被害が生じないような場合も、逆説的な言い方をして恐縮ですけれども、「特に多い」とあるが、著しい被害が生じないような場合には、特定飼料の対象にならないのか。また、ここで「おそれが特に多い」あるいは「ただ単に多い」あるいは「ある」、こういうふうな三段階が考えられるわけでありますが、何を基準に定められるのか、具体的にお伺いしたい。
#94
○政府委員(澤邊守君) 二条の四で特定飼料につきましては、輸入なりあるいは製造のそのつど検定を受けるということを義務づけております。いけなければ販売してはならないということにしておるわけであります。一般のものにつきましては、先ほどのところに出てきました二条の二で基準価格を定めておりまして、それに適合しないものはつくったり、使ったり、売ったりしちゃいかぬ。こういうことで一般的な禁止をしているわけでございます。しかし、特別に安全性の観点から必要があるというものにつきましては、二条の二に基づきます一般的な規制だけではなしに、予防的な意味で事前に全部チェックをする、輸入なりあるいは製造ごとにチェックをするというのがこの二条の四の規定の趣旨であります。したがいまして、ここではそういう一般的な規制よりも一層安全性の観点から必要があるというものでございますので、われわれ現在考えておりますのは先ほど来何回も出ております落花生油かす、これはアフラトキシンというものが入っておりますので、これの入っている含有限度を守っておるかどうかということを一々チェックする。これは国内で製造するものじゃございませんので、輸入で他国から入ってくるものでございますので、輸入先の輸出国で日本の政府みずからがチェックするわけにいきませんので、したがって、入ってきたときに全部検定という形でチェックをするということでございます。
 それから特に問題の多い飼料添加物の中での抗生物質につきまして、これは全部検定を受けなければ販売してはならないということにする予定にしております。すなわち、特定飼料に指定をして事前の検定を義務づけるということにしてまいる予定にいたしております。
#95
○原田立君 局長ぼくが質問しているのは「畜産物の生産が阻害されるおそれが特に多いと認められるもの」と、「特に多い」と法文でなっていますよね。特に多い、あるいはただ単なる多い、あるいはそういう被害がある、こう三段階に分けるのだけれども、やっぱり少しでもこういう被害があるものについては、特定飼料として指定すべきではないのか、こういう意味で聞いているわけです。その点どうですか。
#96
○政府委員(澤邊守君) まあ、特に多いということでございますので、一般には二条の二の規制のみでいくと。特別にそのような安全性の点で、ここに書いてございますような有害畜産物が生産されたり畜産物生産が阻害されるおそれが特に多いという、例外的に特別なものだけを、事前のチェックのために、特定飼料にして検定を行うというのがこの法律の趣旨でございます。
#97
○原田立君 次に、農林大臣による指定検定機関とは、民間の検定機関のことを言うのだろうと思いますが、その点はどうですか。
#98
○政府委員(澤邊守君) 民間の機関を申請により指定をしてまいりたいというように思っております。もちろん、民間機関といいましても、配合飼料メーカーの企業の研究機関とかというようなものを指定するつもりはないので、民法による公益法人等、中立性のある、権威のある、しかも設備、能力、人員等におきまして十分信頼のおけるものを指定してまいるというつもりでおります。
#99
○原田立君 そうすると、農林省の機関と指定検定機関との関係。検定または合格表示の手続の上から明確にお答え願いたいわけでありますが、農林省の機関と指定検定機関とは別に格差があるわけではない、むしろ同等である。こういうふうに見ていいですか。
#100
○政府委員(澤邊守君) これは先ほど、特定飼料として差しあたり、将来あるいはふえることがあるかと思いますが、差しあたり現在予定されておりますのが落花生油かすと抗生物質ということをお答えいたしましたけれども、抗生物質につきましては農林省の機関において全部検定をしてまいりたい。落花生油かすにつきましては、現在、行政指導によりまして穀物検定協会というのが――これは公益法人でございますが、検定を実施しております。行政指導に基づいて同じようなことを指導しておる、実行しておるわけでございます。これが申請がございますれば改めて審査をした上で指定をすることはあり得るかと思います。
#101
○原田立君 現在の民間の検定機関、検査機関これは幾つぐらいあるのですか。
#102
○政府委員(澤邊守君) これはいろいろあるかと思いますが、私どもの関係で予想されるものといたしましては、ただいま申し上げました穀物検定協会のほかに食品分析センターとかあるいは日本冷凍食品協会といったようなものもございますので、こういうものはあるいは申請が出てまいりまして、能力、施設等審査した結果、信頼性ありということであれば指定することもあり得るかと思います。現在どの機関をということを具体的に予定をしているということではございません。
#103
○原田立君 現在日本穀物検定協会、日本食品分折センター、日本冷凍食品検査協会、私これ三つ名前を聞いているわけなんですけれども、これだけですか。
#104
○政府委員(澤邊守君) ちょっと……。
#105
○原田立君 それから法律で「農林省の機関又は農林大臣が指定した者が行う検定を受け」云々とあるけれども、これはもうすでに農林大臣が指定したのがあるんでしょう。農林大臣が指定した検定機関というのは若干私、聞いているんだけだけれども、あるんでしょう。それで各都道府県にもあるんじゃないかというふうに聞いたんだけれども、その点はどうですか。
#106
○政府委員(澤邊守君) 国の飼料検査機関は飼料検査所というのが本省を含めまして全国六カ所ございます。そのほかに県におきまして飼料検査所とか飼料分析所とか、いろいろ名前を使っておりますが、大体各県とも、専任の職員は一、二名でございます、または兼任が多いわけでございますが、持っております。それらの機関ももちろん指定されることもあると思います。
 それからさらに民間につきましては、ただいま申し上げました三つが一応予想されるわけでございますけれども、現実にこの趣旨での検定業務をやっておりますのは、現在、財団法人日本穀物検定協会が落花生につきましてアフラトキシンの検定をしておるというのが現状でございます。
 なお、これは安全性に関する検定についての検定機関のお答えをしているわけでございますが、後の方に出てきております栄養確保の、栄養成分の確保という意味からの検定機関が別途ございます。これらにつきましても、われわれとしては現段階で予想されるのは、いま言いましたような民間の三機関、県の検査機関を除きますと。というようなところが予想されるわけでございますが、何もこれにあらかじめ限定してかかるということではございません。
#107
○原田立君 県に一、二名の検定所があるというのは、それは国の出先機関なんですか。それとも各都道府県で一応自治体がやっているんですか。どっちなんですか。
#108
○政府委員(澤邊守君) 都道府県の機関でございまして、特に施設等、機械施設に対しまして若干の助成を特定の県に、そのときどきにやっておる例はございますけれども、本来は各県の機関でございます。
#109
○原田立君 それで一、二名ぐらいのところのそれと、いま国には六カ所あるというこの六カ所、それから民間のいま先ほど三カ所ぐらい名前が出ましたけれども、これらは、内容からいくとやっぱり国の方の指定機関の方が予算も多いだろうし、人員も多いだろうし、そういう面からいくと各県の一、二名だなんというのはちょっとお粗末過ぎるのじゃないか。
 それから民間の検査機関、これはどういう人員構成で、予算がどのぐらいで、どんな動きをやっておるのかというのがよくわからない。名前だけで私よくわからないんだけれども。国の検定機関、検査所ですね、これはまあひとつ権威のあるものとこう認めようじゃないですか、私よく知らないんだけれども。それに準ずるとなると順で占めるわけでしょう。県で一、二名あるのを指定するかもしれませんだなんという先ほど局長の答弁があったけれども、これはちょっと乱暴じゃないですか。
#110
○政府委員(澤邊守君) 県の飼料の検査機関は各県一、二名と言いましたのはもちろん専任の職員でございまして、あと実際には現行法に基づきましても抜き取り検査をして、それを分析して登録飼料の表示に合っているかどうかというようなことを主として現在県の機関は検査をしております。そうなりますと、実際には収去に手間がかかるわけでございまして、これは併任といいますか、兼任といいますか、の職員がおりましてやるわけで、それだけをやっておるというのじゃなくて、私が申し上げました、一、二名と申しましたのは、これは専任の分析をやっておる職員のことを申し上げたわけでございますので、実働はもう少し多いというふうにお考えいただきたいと思います。
 なお、民間の検定機関について人員、予算でございますが、いま正確な資料の手持ちがございませんが、たとえば日本飼料穀物検定協会は千数百名の人員を持っております。これは穀物についての検定といいますか、検量といいますかを主としてやっている機関でございますが、かなりの陣容を持っております。それから食品分析センターにつきましては、これは百名以上の職員がおると。正確ではございませんが、いま手持ち資料ございませんが、というように伺っております。
#111
○原田立君 要するに、権威ある検査所であればいいわけですよ。国と民間と、こういうふうに格差があるんだというんじゃならないし、同等の権威あるものと――いまの何か最初の話のところは、一千名ぐらいいるというような話だけれども、じゃ、そういう権威あるものと、こう判断してよろしいですね。
#112
○政府委員(澤邊守君) 国の肥飼料検査所、県の飼料検査所もこの新しい制度が実施されるということになりますと、現状では不十分だと思います。したがいまして、一年間の猶予期間もございますし、来年度予算等におきましても、できるだけ配慮をしてまいりたいと思っておりますが、なお長期的な観点からでも、今後この法律の施行状態も見ながら必要な場合に強化をしてまいるということを考えていきたいというふうに思っております。陣容の面、それから施設、機械、器具の面におきまして、国みずからの検査所の充実とあわせまして、県の機関に対しまして、機械、施設等に対します助成もこれまである程度やっていますけれども、さらに拡充する必要があるのではないかというように思っております。
 なお、先ほどもちょっと関連してお答えいたしましたが、安全性の検定のほかに、後ほど出てきます栄養成分の確保という、栄養効果の確保という面からの公定規格適合制度、それにもやはり検査といいますか、検定が必要になるわけでございます。この両者あるわけでございますが、安全性の検定の方は国がやはり中心になってやるべきだと。国の検査は品質確保といいますか、栄養成分の確保の面の検査ももちろんやりますけれども、重点は安全性の方に置きたいというように考えております。もちろん肥飼料検査所が中心になりますけれども、動物医薬品検査所とか試験場がございますので、これらの協力も得ながら国は安全性の検査、検定に重点を置いた業務をやりたいというように思います。民間のものは、どちらかといいますと、飼料の栄養成分の確保という面からの公定規格適合検査、これに重点を置いた運営をしてまいりたいと思っております。
#113
○原田立君 内容を充実したものにしてもらいたいと思います。
 それから第二条の六の三項に、「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」について、必要があるときは「販売を禁止することができる。」とあるわけでありますが、新飼料に関して現在どのようなものが考えられているか、具体的にお伺いしたい。
#114
○政府委員(澤邊守君) 典型的なものといたしましては微生物たん白飼料というのがあるわけでございます。微生物たん白――SCPというやつですね。これなどは、ことしから農林省で、まあ試験研究機関で開発、それから安全性評価の基準について研究を始めることにいたしておりますけれども、新しい飼料といたしまして、例といたしましては微生物たん白飼料。これの中で問題になりますのは、石油たん白も概念的には含まれますけれども、国は直接、現在これを開発するということを考えておりませんが、石油たん白飼料以外の各種の農産廃棄物を利用した微生物たん白飼料等につきましては、今後新飼料として研究開発の結果、出てくるということは考えられるわけであります。
#115
○原田立君 使用の経験が少ないため、安全性の見地から特に注意を必要とすると思うが、確証の有無に関しては農林省のみの研究機関で判断を下すのかどうか。とすれば非常な危惧を実は抱くわけでありますが、人間の健康に関する重要な問題である以上、農林省が検査するあるいは厚生省との、人体の問題でありますから、厚生省との連絡を密にして二重にチェックする必要があると思いますが、その点はいかがですか。
#116
○政府委員(澤邊守君) 今回の法律改正は安全性の確保という面からの規制が重点である、その中でも先ほど来お答えしておりまするように、人の健康に対する安全性が最重要であるということでございます。そういうことになりますと、厚生省が所管しております公衆衛生の面と非常に密接な関係がございますので、われわれといたしましては、特に常時密接な連絡協議をいたしまして、この法律を運用してまいりたいというように思っております。具体的に申し上げますと、各種の基準、規格等あるいは具体的な措置、禁止措置とかあるいは廃棄等の措置をとるような場合におきましては、十分厚生省と御相談をしながらやってまいりたい。また重要な本法運営の機関になります農業資材審議会の飼料品質部会には、厚生省関係の、といいますのは人体の安全性にかかわる一般の医学関係の専門家の方等にもお入りをいただいて御意見を伺うということにしたいと思います。なお、本法の二十二条にございますように、厚生大臣は配合飼料の指定なりあるいは基準、規格の設定等の場合に、農林省に対しまして意見を述べたりあるいは措置を要求するというような権限が厚生省に持たれることになるわけでございます。それらを通じまして、常時緊密な連絡をとることによって遺憾のないようにしてまいりたいと思っております。
#117
○原田立君 だめ押しみたいな質問で大変恐縮なんですが、じゃ従来新飼料の開発に際しての安全性のチェックについては、どのような体制で行われていたのか、また今後どのような体制でやろうとするのか。ただいまの局長の答弁では厚生省と密接な連携をとってやるということだけれども、それはそれでよろしいのですか。
#118
○政府委員(澤邊守君) 厚生省と農林省との分担の関係でございますけれども、厚生省は公衆衛生の面から、主として食品衛生法という観点から各種の基準をおつくりになる、あるいは規格なり基準をおつくりになるわけでありますが、われわれといたしましては、たとえば畜産物である肉なら肉について規格をつくる。たとえば抗生物質を含んではいけないというような規格が現在決まっておるわけでございます。そのような食品である肉なら肉に抗生物質を含んではいけないということの規格を厚生省がお決めになると、それに合うように飼料を通じてそのような食品としての、厚生省のお決めになる規格に違反しないような飼料の給与をする。そのための各種の基準、規格を決めていく。これは家畜の体内を飼料という形を通じて肉なら肉という畜産物が生産されるわけでございますから畜産学なりあるいは家畜生理の問題、家畜栄養学の問題等が、主として学問的な基礎になるわけでございますので、それらの判断は、農林省におきまして畜産関係のそれらの専門家の方々の御意見を審議会等の場において十分伺った上で決めていくという意味での分担関係になるわけでございます。一応の分担関係はそうなりますけれども、相互に非常に密接な関係がございますので、先ほど言いましたような二十二条の規定により、厚生大臣は意見を述べたり、あるいは措置を要請するということができますし、それらの法律規定を待つまでもなく、われわれとしては、基準、規格を決めたり、措置をする場合には事前によく御相談申し上げて密接な連絡のもとに進めてまいりたいというふうに考えております。
#119
○原田立君 局長の答弁は具体的なようだけれども、抽象的なところが多くてよくわからない。まあ仮りにの話でありますが、開発機関すなわちメーカー、飼料会社等と同一の研究機関が付随的に行っているのであったんだったら、実際問題、大変な問題だと思うのです。意味わかりますか。これは重大な問題として指摘されているのでありますが、今後新飼料の開発に当たっては業者から出される試験データのみで判断するのではなく、別に公正、中立な第三者機関等を設け、追試験、再検査等を行えるような方法を講ずべきだと考えるのですが、その点はいかがですか。
#120
○政府委員(澤邊守君) この点につきましては、安全性の、有害でない旨の確証がない飼料は販売を禁止することができるわけでございますが、実際には飼料メーカーとしては、そういう新しい飼料をつくってから禁止されたんでは採算上も非常に困るわけでございますので、あらかじめつくるというか、製造する、工場生産を行う前に試験段階で農林省に対して事実上安全性についてのデータをもって申請が出てくると思います。その申請に基づきまして、二条の二に基づきまして、二条の二に基づいた基準、規格を定めるというのが実際のやり方になろうかと思います。その場合、飼料メーカーに、自分で安全性について大丈夫だという試験データをいろいろ持ってきていただくことになるわけでございますが、その際にあらかじめ試験基準というものを定めておきます。これは有害な物質についての、入っているかどうかという、それを確認するための理科学的な試験だとか、毒性があるかどうかということについての生物学的な動物試験のやり方についての基準、それから家畜体内を通じて有害抗生物質等が残留するかどうかというようなことを試験するための残留試験といったようなものの基準をあらかじめ資材審議会に諮った上で決めておく、もちろんその資材審議会には人体医学の専門家の方にも入っていただいた上で決めておく。その試験基準に従って、飼料のメーカーはこれの試験基準に合致していますというデータを出してくる。しかし、その場合、飼料メーカーの自分の研究所ですかとか、あるいは検査機関で大丈夫だという試験データでは信頼性がありませんので、むしろ第三者の中立のそういう分析研究機関に委託をして試験をしたデータを出してもらう。それを私どもで審査をいたしまして、先ほど申しました資材審議会に諮って、その試験データが正しいものであるか、疑わしい場合には国みずからが追試と言いまして、みずから同じような試験をしてみるということによって疑わしい点を明確にする。それで大丈夫だということが資材審議会において確認された場合に、二条の二に基づきます基準、規格を定めていくということになるわけであります。二条の六の場合にも同じようなことでございまして、そういう確証のないものというのは、先ほど言いましたような試験基準、各種の試験基準に合っているというデータがないようなものがありますれば、メーカーはそれを持ってくると思いますが、それを見た上でこれはやっぱり確証がないということでありますれば、販売を禁止するということになるわけでございます。先ほど申しましたように、販売を禁止されれば企業が相当打撃を受けるわけでございますので、それまでの前に二条の二に基づきます基準、規格を定めてほしいというようなことでデータをもって申請をしてくるというのが現実の運営になろうかと思います。
#121
○原田立君 だから第三者機関等を設け、追試験、再試験、検査を行なうということですね。
#122
○政府委員(澤邊守君) 先ほど申しましたように、必要な場合には第三者機関を含めまして、国みずからが行う、全部、行うということは必要ないと思いますが、第三者機関にメーカーが委託をして試験をしたデータについて審査した結果、疑しいものがある場合には、国みずからの機関において試験をすると、こういうことを考えております。
#123
○原田立君 有害でない旨の確証が得られるまでの手続、研究結果等広く国民一般にもわかるよう、あくまで慎重、公正を期すべきであると思いますが、見解を伺いたい。
#124
○政府委員(澤邊守君) これは農業資材審議会全体の運営にもかかわることでございますけれども、資材審議会はできるだけ資料を公開をしてまいりたいということでございますので、その新飼料に関する安全性に関する試験データ等につきましても、できるだけ天下に公表するという形で運用してまいりたいと思っております。
#125
○原田立君 次に、石油たん白に関して一般に、本改正案の中の第二条の六の三項は、石油たん白飼料のための条項であるとのうわさがあるわけでありますが、うわさではなくて、先ほど石油たん白も含むと局長はみずから言ったわけですから、石油たん白も含むと思うのでありますが、有害でない旨の確証が得られれば、石油たん白の飼料化をも許可することになるのかどうか、政府の基本的見解をお伺いしたい。
#126
○政府委員(澤邊守君) 石油たん白につきましては、新飼料として諸外国でも種々開発をし、実際に製造を始めているという点はございますけれども、わが国の場合、まだ安全性について十分確認をされておらない、一応の試験でデータも出てはおりますけれども、一〇〇%確認をされておらないという点がございますし、特にまた国民的な了解を得られておらないというのが現状でございますので、私どもとしては現段階においては新飼料としてこれを流通することを認めるつもりはございませんので、もしこれが出回ることになれば、二条の六に基づきまして販売を禁止するという措置を講ずることになるわけでございます。農林省といたしましては、あくまでも安全性が十分に確認され、しかも国民的合意が得られるということの二つの条件が満たされた場合に初めてこれが使用をし、あるいは流通するということを認めていくべきである。現段階においてはまだそのような段階に至っておらないというふうに考えております。
#127
○原田立君 第二条の六、農林省は昭和五十年以降、農林水産廃棄物の活用による飼料等の生産利用技術の開発に関する研究を進めることとし、昭和五十年度の農林水産技術会議に一億二千八百万円を計上しているとお聞きしておりますが、この研究の主要課題、研究内容はどのようなものか、また今後その成果をどのように生かしていくのか。従来、問題となった石油たん白の開発に対する疑惑もあり、この点政府の見解をお伺いしたい。
#128
○政府委員(小山義夫君) 今回の新しい予算で行おうとしておりますものは、農林水産廃棄物、たとえばミカンのジュースかすでありますとか、あるいはおがくずでありますとか、水産加工、かまぼこの製造過程で出ますさらし水とか、そういういわゆる農林水産廃棄物の中に、かなりまだ利用できる成分が残っております。そういうものを、まあ端的に言いますとえさにして、正確に言いますと基質としてということになるわけでございますけれども、平たく言いますとそういうものをえさにして繁殖をする微生物、その微生物が持っております、非常に高濃度に持っておりますたん白質をえさに利用していこう、こういう技術の開発を考えておるわけでございます。御承知のように、豚だとか、鶏だとかというものは草を食べて成長することができません。どうしても非常に高濃度のたん白質を要求するわけでございますので、こういった中小家畜のためのたん白質の供給の一助にしたいということがねらいでございます。なおこれに当たっては安全性についていやしくも欠くるところがあってはならないわけでございますので、安全性の評価の基準の確立をあわせて研究課題としてとっております。したがいまして、この研究は今後とも不足が見込まれますたん白系飼料の安定的な供給、そしてまた同時に、あわせて農林水産廃棄物による環境汚染を防止をするというふうなことをねらいとしておるわけでございまして、いわゆる石油たん白の開発はこの研究の内容にしておりません。
 金額その他は、先ほどお話がございましたように、一億二千数百万、施設費を合わせますと一億四千四百万でございます。安全性については、そのうち七千五百万、それから利用開発の技術開発について六千九百万というものを予定をしておるわけでございます。
#129
○原田立君 第二条の八の飼料製造管理者の問題のところでありますが、改正法第二条の二により基準の定められた飼料等の製造業者は、この製造を実地に管理させるために、一定の資格を有する飼料製造管理者を置くことを義務づけているわけでありますが、そこで、ここで言う製造業者の規模はどの程度のものが考えられているのか、また管理者の具体的な資格要件とあわせ明確にお伺いいたします。また、中小零細企業の場合現実に困難な場合も考えられるわけでありますが、このような場合どのように対処するのかお答え願いたいと思います。
#130
○政府委員(澤邊守君) 第二条の八で、飼料製造管理者の設置を義務づけておりますのは、規模というよりはやはり安全性の観点から、幾ら小さくても必要な場合には置いてもらうということが必要になるわけでございますので、飼料添加物につきましては全部飼料の製造業者は管理者を置かなければならない、それからさらに飼料添加物を用いる配合飼料の製造業者、それからさらに化学合成飼料でございます尿素、ダイブという飼料の製造業者、これらは管理者の設置を義務づけていくというようにしてまいりたいと思っております。て、その二条の――ただ、営利を目的とせず、かつ生産量が一定量以下であるものにつきましてはこれは除いていきたいというように考えております。
 それから、製造管理者の資格でございますが、これは、安全性についての十分の知識を持った者ということになるわけでございますので、獣医師、薬剤師、あるいは学校教育法に基づく大学等において薬学、獣医学、畜産学、水産学、または農芸化学の課程を修めて卒業した者というようなことが資格になろうかと思います。さらに、そういう大学まで出ておらなくても、一定の報酬を受けて経験年数が何年以上というような規定もこの資格の中に加えてまいりたいというふうに考えております。
#131
○原田立君 局長のお話の中に、いかなるところでも製造管理者を置くんだと、こういう話だったけれども、私の後段の質問は、中小零細企業の場合は現実に困難な場合が考えられるけれどもこれはどうするのか、ということについてはお答えがなかったんだけれども、まあその冒頭にお答えになった、いかなるところでも全部置くんだというこの答えに含むんですか。
#132
○政府委員(澤邊守君) これは安全性の観点でございますので、それが、管理者が設置されて適正な製造管理、安全性の観点からの製造管理が行われないと、人間の健康に対する事故が生ずるおそれがあるということでございますので、先ほど言いました営利を目的とせず、かつ生産量が一定以下という例外的なものを除きまして、大企業でございましても、あるいは中小企業におきましても、やはりそういう安全性にかかわるようなものを製造する業者は設置を義務づけるというのが考え方でございます。
#133
○原田立君 畜産後進国であるわが国においては、現在の段階において飼料等の安全性の土台となるべき飼料添加物の毒性、発がん性、催奇形性、または遺伝子への影響などに関する解明がほとんどされておらず、というか、おくれていて、その基礎データが全くないというのが実態であると聞いているわけですが、その点はどうですか。
#134
○政府委員(澤邊守君) 飼料添加物につきましては、従来安全性の確保の見地から添加物ごとに規格、使用基準を行政指導という形で定め、これに従って製造使用するように指導してきましたが、現在使用を認めております飼料添加物については、法改正後、試験方法の確立されている発がん性とか催奇形性等を含めまして慎重な見直しを行っていくことにしております。また遺伝子への影響につきましては、その試験方法等今後検討すべき点もありますが、これらの点については法改正後、資材審議会において専門的分野から十分検討を行うことといたしたいと思っております。現在、飼料添加物として使用されているもののうち、動物用の医薬品として承認されているもの、動物用の医薬品であり同時に添加物であるという場合があるわけでございますが、これらの動物医薬品として承認されたものにつきましては、慢性毒性試験あるいは特殊毒性試験――催奇形性を含んだ特殊毒性試験、それから残留性試験、対象動物に対します安全性試験等が実施されておりますので、その成績を基礎として承認をされているものでございます。動物医薬品であるものについてはそのような試験が行われておりまして、それに基づいて飼料添加物についても承認をしておると、こういうことでございます。
#135
○原田立君 基礎データは少ないけれども、あると、こういうことですね。で、この基礎データがはっきりしないということは重大な問題であって、製造基準や成分規格が科学的根拠のないあいまいなものになるおそれがあると思うんであります。で、また、従来の飼料添加物公定書の見直しをするというようなことを聞いておるんですが、どのようなあり方で行うのか、この点はいかがですか。
#136
○政府委員(澤邊守君) これは、現在、飼料添加物百六種類のものが行政指導において公定書の中に登載をして認めておるわけでございます。これを今度は新しい法律制度に基づきまして、二条の二に基づいて基準、規格を定めることになるわけでございますが、まあ最近の学問進歩もすごうございますので、本法施行は一年以内ということになっておりますので、その間に資材審議会を開催いたしまして、飼料添加物につきまして栄養効果の面とそれから安全性の面で改めて総見直しといいますか、総点検をいたしまして、できるだけ数を減らすということをやりたいと思っております。特に抗生物質につきましては、人体と家畜と両方に共通に使います抗生物質につきましては耐性菌が出現をするということで、人間にも効かなくなるおそれがあるというような心配がされております。したがいまして、これらの人畜共通の抗生物質につきましてはできるだけやめていく、廃止する方向で見直しをして、全体といたしまして百六種の飼料添加物をできるだけ減らしていくということをやりたいと考えております。
#137
○原田立君 次に、昨年の七月にAF2問題と関連して飼料添加物公定書が改定され、ニトロフラン系化合物や抗生物質の使用方法について、採卵鶏の飼料については添加禁止、またブロイラーや豚等に対しては出荷前五日間の飼料には添加を禁止すると、こういうことになっているわけでありますが、農家段階においてはほとんどこれが守られていないと、こういうふうに聞いておるわけでありますけれども、その実態はいかがですか。
#138
○政府委員(澤邊守君) AF2を食品の添加物として腐敗防止に使うことは厚生省の方で昨年禁止をされたということに関連いたしまして、飼料用に使うことにつきましても種々議論があったわけでございます。まあわれわれといたしましては、フラゾリドンとAF2類似のものにつきまして現在、特に幼雛期といいますか、家畜の幼齢期に非常に事故を防止するために使用をいたしておるわけでございます。これの使用をできるだけやめていく。しかし、全廃をいたしますと現在の畜舎等の環境条件のもとにおきましては疾病が出たりあるいは成長が阻害されるというようなことが心配されますので、できるだけ使用期間を少なくしていくということで、採卵鶏と牛乳につきましてはこれは毎日生産され出荷されるものでございますので、これについては全面的に使わないという行政指導をいたしております。さらに肉畜――肉牛あるいは豚でありますが、これは毎日出荷するものじゃございませんので、長い期間えさを給与した上で出荷をするわけでございますが、その出荷の前五日間は休薬期間といいましてニトロフラン系の添加物を使わないようにということを決めまして、行政指導によりまして製造業者及び農家に指導しておるところでございます。これによりまして従来年間約四百トンぐらいの使用実績があったのが現在おおむね半減をいたしております。製造業者に対します指導も一層徹底をし、さらに農家段階に対しましても一層徹底することによりまして十分守られるように指導を加えていきたいというように考えておりますが、今後の問題といたしましては現在の五日間というのをできればもう少し休薬期間、使わない期間を延ばすように長期にするように検討いたしまして、本法施行までにはそのような基準、規格を定めたいというふうに考えております。
#139
○原田立君 現在は五日前から禁止しているけれども、もう一歩前進して処置を講じたいと、こういうことですね。
#140
○政府委員(澤邊守君) はい。
#141
○原田立君 茨城県石岡市のある養豚農家の話によると、確かに配合飼料の袋には、出荷前五日間薬剤無添加飼料に切りかえてくださいと、こう書いてあるが、そういう飼料を売り込みにも来ないし、切りかえてはいないと、こう言っているという事実があるのです。このように農林省の措置が、現場ではほとんど実施されていない状態であり、実効が薄い。今後、農家段階での指導方法等どのような対策を講じるつもりなのか、具体的な方策をお伺いしたい。要するに、なお一層これからきつくすると言っているけれども、それにかわる飼料の売り込みがない、あるいはまた現実にはそういうことはやっていませんよと、こういう意味の発言をしているのです。いかがですか。
#142
○政府委員(澤邊守君) そのような報告がありますれば、一〇〇%徹底していないというところがあると言わざるを得ないわけでございますが、私どもの把握しておりますところでは休薬飼料、要するに出荷前五日間に給与すべき肉牛なりあるいは養豚の、肉豚の飼料の製造が現に行われておりますし、この添加物の使用量も減ってきておりますので、私どもとしてはかなり効果を上げておるというようには思っておりますが、一部であるいは徹底をしていないところがあるという御指摘があれば、今後さらに一層徹底方について強い指導を加える必要があると思います。
 そこで、五日間というのをもう少し、たとえば養鶏でございますれば幼雛期――これは配合飼料は幼雛期、中雛期、大雛期、成鶏というようなそれぞれの発育段階ごとにえさの銘柄が変わるわけであります。内容も変わるわけでありますが、いまは成鶏用のもので、しかも従来ならば出荷の直前まで使っておったのを五日間だけ使わないようなAF2類似物等の入っていないものをわざわざつくらせるというような指導しておるわけでございます。今後の方向といたしましては、たとえば幼雛期、中雛期だけは使わせるということになりますと、大雛期――大きなひなになりますとえさが変わるわけであります。これは必ず変わるのですから、そのときには一切入れないというようなことにしてまいりますれば徹底できるのではないかというようにも考えておりますので、その点今後、具体的に検討をいたしまして、銘柄ごとに、この銘柄には発育段階に対応した銘柄については一切入れないんだということをはっきりさせることによりまして、監視もやりやすくなりますので、そのような方法を講ずることによりまして徹底をし、あわせて休薬期間を延長するというような方向で検討したいと思っております。
#143
○原田立君 局長の方で四十九年七月十三日に「飼料添加物公定書の策定について」と、そうして「出荷する前五日間に給与するおそれのある配合飼料には、抗菌製剤等を添加してはならないこととしている。」と、こういう通達が出ているのは了解しているわけなんです。いまのお答えの中で、効果は上がっているであろうと、こういうふうなお話なんだけれども、じゃ、これは実際にきちんと守られてやっているかどうか具体的に御調査なさったことはあるんですか。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
#144
○政府委員(澤邊守君) 私どもで、効果が上がっておる、それなりに上がっておると言っておりますのは、休薬飼料――フラゾリドンの入っておらない飼料の生産が現に行われているということと、それから配合飼料メーカーにおけるフラゾリドン等のニトロフラン系添加物の使用量が約半減をしておるというところから、ただいま御指摘のございました通達の趣旨がかなり行われておる、実績は相当上がっておるとこういうふうに判断しておるわけでございます。が、御指摘の茨城県の例もございますので一〇〇%完全に徹底しているかどうかという点につきましてはなお問題が残っておるというふうに思いますので、はっきりした法律制度に基づいて、従来はこれは行政指導にとどまっておるわけでございますので、法律制度に基づいて法律的な義務として基準、規格を定めていく。義務として守らせるというような根拠をつくりまして、それから、先ほど言いましたような銘柄ごとに幼齢期の銘柄の飼料にのみ入れて、それ以降は入れないというような規制の仕方をしていくということによりまして、徹底が一層期せられるのではないかというふうに考えておりますので、その方向で検討したいというふうに思っております。
#145
○原田立君 揚げ足取りをするわけじゃないけれども、ニトロフラン系ですか、その薬が減った、それから休薬飼料がふえた。だから効果は上がっているんだろうと。こういうふうな説明の仕方をしているんだけれども、私がさっき聞いたのは、農林省で、何らかの機関を通じて五日前にきちっと休薬飼料に切りかえるようなことをやっているのかどうか、それをちゃんと具体的に調べているんですか、調査したんですかと。調査もしないで効果が上がっているでしょうだなんて、そういうことは無責任じゃないかと私は思うんです。具体的に使用状況の追跡調査などを行い、徹底の状況を確認してしかるべきだと思いますが、いかがですか。
#146
○政府委員(澤邊守君) 農林省において、直接調査したということはございませんが、県の関係担当者を集めてその辺の徹底、趣旨の普及の状態を聞いておりますけれども、先ほど申しましたように、かなりの程度は徹底をしておるというような報告を聞いております。個々の農家におきまして実際に調査をしたというところまでには至っておりません。
#147
○原田立君 いろいろ農業あるいは酪農、いろんな団体もあるんですからね。そういう面で調べようと思えば、また意見を聞こうと思えば幾らでも聞けるんですから。ただ、通達を出しっぱなしで、それで、もう効果が上がっているんだっていう、そういう態度は軽率であるとぼくは指摘せざるを得ない。そこで飼料メーカーにはどのような指導、対策を講じたか。この通達を出してその後、飼料メーカーに対しどのような指導、対策を講じたのか。また、その結果、完全に守られているのかどうか。その点はいかがですか。
#148
○政府委員(澤邊守君) 肥飼料検査所におきまして、飼料工場に現行法に基づきます立ち入り検査をしておるわけでございます。抜き取り収去をいたしまして、それを分析しておるわけでございますが、その際に、配合飼料メーカーに参りました際に、休薬飼料をつくっておるかどうかということ、あるいはその趣旨を農家まで徹底しておるかどうかということをその都度調査し、聞き取りをやらしております。その結果、これはことしの四月の各肥飼料検査所の調べでございますけれども、ブロイラーについての後期用の配合飼料、これは後期全部を休薬にしているわけじゃございませんので、出荷直前の五日間でございますが、ブロイラー後期用配合飼料の全体の中で一〇%が休薬飼料を製造しておると。それから若豚飼育用の配合飼料の場合には、三六%が休薬飼料として配合されておるというような数字は一応把握いたしております。
#149
○原田立君 私の知るところによれば、東北は秋田から九州、鹿児島までいまの通達の実施状況を調査した結果の報告が手にあるわけでありますが、全く実行されていないという状況であります。その一例を挙げれば、もし調べに来たらば、使い終わった飼料袋は軒下に積んでおけと、さも使っているというカモフラージュを強要しているところすらあると聞いております。通達に対する追跡調査、飼料メーカーに対する指導、徹底も十分に行われていない。これでは農林省と飼料メーカーとの癒着というか、メーカー保護と言われても仕方がないと思うわけであります。農林大臣、こういうような事実はあってはならないことだと思うんです。私の知るところによれば、報告のあった結果でも、ただいま申し上げたとおりの状況です。どうお考えですか。
#150
○国務大臣(安倍晋太郎君) いままで行政指導でやっておるわけでございまして、指導は局長が申し上げましたようにある程度は徹底はしておるというものの、やはり御指摘がありましたように問題が起こっているところもなきにしもあらずだということでございますので、これは徹底しなきゃならぬということで法律の改正を行うわけでありますので、この法律改正が行われた場合においては、法律の中の規定によってこれはきっちり守られるし、守らなきゃならぬことになってくると、こういうふうに考えるわけであります。
#151
○原田立君 農林大臣が国会だけで、守らなきゃならないんです、だなんて幾ら言ったって、守りゃしませんよ。そこで、この際、実施状況の実態調査あるいは来月から再徹底するよう何らかの対策をすべきであろうと思いますが、いかがですか。
#152
○政府委員(澤邊守君) ただいま大臣からお答えしましたように、法律制度に基づく措置に法改正か行われれば、切りかえられるわけでございますので、一層徹底しやすくなる面がございまするが、もちろん施行以前でありましても、さらに御指摘のような点もあり得るわけでございますので、指導を強化してまいりたいと思います。私の方で毎年品質改善実態調査というものを行うことにいたしておりますので、その中でただいま御指摘のような点につきましても、実態調査の項目に加えて調べてみたいというように考えております。
#153
○原田立君 AF2は昨年、発がん性等の問題から全面使用禁止になっておるわけでありますが、ところが畜産物の飼料に対しては、AF2と同類のニトロフラン系フラゾリドンというのですか、これを採卵鶏には全面禁止、ブロイラー、豚等には出荷前五日間は使用禁止という措置であるにしても、先ほども話があったけれども、ついこの間までは四百トン、現在でも二百トン使われているということでありますが、このような危険きわまりないニトロフラン剤を今後も飼料に添加していくつもりなのかどうか、いかがですか。
#154
○政府委員(澤邊守君) フラゾリドン等のニトロフラン系の添加物は、私どもの試験研究機関等の検査によりますと、比較的分解が早くて余り残留しないというように言われております。したがいまして、できるだけ使用期間を短縮しながら、必要最小限度においては使うということを行政指導において、現在も認めておるわけでございます。先ほど来お話に出ておりますように、五日間の休薬指導をブロイラーと肉豚については……、肉牛――失礼いたしました、肉牛は使っておりませんで、肉豚とブロイラーでございます。先ほどあるいは間違ったかと思いますが、訂正さしていただきたいと思います。肉豚とブロイラーについて五日間の休薬期間を設けて、出荷直前には使わないようにしているわけです。五日間を設けますればこれはアメリカ等も大体、その程度の休薬期間を設置しておりますので、その程度休薬をすれば、仮に短期間残留するといたしましても、五日間の間にはもう外に出てしまうということで、安全性を確保されるという観点から五日間の休薬期間を設けておるわけでございます。先ほどもお答えいたしましたように、さらにこれに対する不安を持っておる向きもございますので、五日間の休薬期間をさらに延長するということを、本法施行までの間に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#155
○原田立君 ニトロフラゾリドンはそんなに危険はないと、こういうふうなことなんだけれども、私の知っている限りでは、東大の高橋晄正講師の発言で、「ニトロフラン多発性神経炎例の三分の二以上は、腎機能障害のあるものであって、腎臓からのニトロフラン化合物の排泄が悪いために血中濃度が異常に高まることに関係していると考えられる状態との西独における研究例も示されている」、有害だと、こういうふうに言われております。このニトロフラン系添加物が飼料業界では野放しにされているということは、これは非常に危険じゃないでしょうか、さらにお伺いします。
#156
○政府委員(澤邊守君) 私どもは、現在のような規則をして使用すれば大丈夫であるという判断でやっておるわけでございますが、諸外国の例も私どもなりに調べておるわけでございますが、現在、主要な国で、四十八カ国で使用を認められておりますし、特に問題があるというような指摘については諸外国の文献でも、われわれの目につく限りございませんので、使用しておるわけでございます。が、国民的に非常に御関心があって、食品の添加物として使用禁止した際に、えさについてもできるだけやめるようにというような意見が一部にございました点を配慮いたしまして、休薬期間を五日間新たに設ける、あるいは乳牛だとか採卵鶏等にはこれは一切使わせないというような規制をしておるわけでございます。今後なお学問の進歩ということがございますので、そういう学問成果をも見た上で、専門家の御意見も伺って、非常に危険であると、安全性について問題があるということがはっきりしますれば、もちろん全面的な禁止ということも必要かと思います。現段階におきましては先ほど申し上げましたように、休薬期間をさらに延長するという方向でできるだけ使用量を縮小していくという方向で対処をしたいと考えております。
#157
○原田立君 最後にしたいと思うのですが、農林大臣、いまも話したように、このような危険性の高いニトロフラン剤を、残留性の動物実験の結果を見て全面禁止するかどうかを決めるのではなく、疑わしいものはまず禁止して、その後において再検討するのが農林省あるいは農林大臣のとるべき道であろうと、こう思うんであります。国民本位の農政という立場でいけば、そうあるべきではないかと思うが、農林大臣の所見はいかがですか。
#158
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私はこの点につきましては、先ほどから局長が申し述べましたように、いままでのところは残留性がないということになっておるわけでありますし、同時にまた、この使用につきましては非常に厳しい規制をいたしておるわけであります。これは国民の一部において非常に疑惑があるということにかんがみまして、非常に厳しく規制をいたしておるわけでありますし、今後とも漸次これは縮小をしていくという基本的な考え方を持っておるわけであります。いまから新しい飼料添加物等につきまして疑わしいという場合にはもちろん、これを使用させないということになるわけでありますけれど、今日までのこの段階においては、これを急激に禁止した場合は非常に、他の病気等が一遍に蔓延をするというふうなことも考えられるわけでありますし、これはそうした、いま御指摘のような意見もあるわけでありますけれど、現実的には、現在までのところは、残留性がないというわけでありますから、われわれとしては、漸次縮小の方向、そうして規制を厳しくする方向ということで対処していけば十分である、こういうふうに考えておるわけであります。
#159
○原田立君 委員長、もっと時間がほしいのですが、実は時間が足りなくて半分ぐらいしかやってないんです。また時間を、質問する時間をお与えいただきたいことをさらにお願いして私の質問を終わりたいと思います。
#160
○理事(高橋雄之助君) また理事会で相談します。
#161
○喜屋武眞榮君 ただいままで多くの皆さんからいろいろと御質問がございまして、私なるべく重複を避けたいと思っております。しかし、やむを得ずあるいは重複する点もあろうかと思いますので、その点ひとつよろしくお願いしておきたいと思います。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
 今日の日本の政治の中でいろいろと重要な問題がいっぱい山積みしておると、こう思うのであります。食糧問題とこの飼料の問題、これもまさに私は、最優先して解決しなければいけない重大な課題であると、こう思っておる次第であります。
 そこで、この食糧の自給、あるいは飼料の自給ということと関連いたしましてお聞きしたいことは、第一は、わが国の年間飼料。年間の飼料の中で、一つは量にして幾ら、そして一つは金額にして幾ら、こういう二つの点から、さらに自給飼料と輸入飼料、この実情をまずお聞きいたしたいと思います。
#162
○政府委員(澤邊守君) 飼料の全体での需給の規模、その中での輸入量等についてお尋ねでございますが、五十年度の推算、これはまだ始まったばかりでございますので一応の推算でございますので、そういう前提でお聞き取りいただきたいと思いますが、TDN換算で二千七十九万トンの需給規模でございます。TDNといいますのは可消化栄養分総量と言っておりますけれども、飼料には粗飼料、濃厚飼料等、各種のものが使われるわけでございますが、それを統一的な、中身が違いますので統一的な単位であらわすために可消化養分総量という単位を使っておりますが、それに換算をいたしまして二千七十九万トンでございます。で、供給量のうち粗飼料が、まあ牧草、飼料作物等が五百五万トンでございます。それから濃厚飼料、配合飼料を中心といたしました濃厚飼料は一千五百七十四万トンでございます。そのうちで、一千五百七十四万トンのうちで輸入の濃厚飼料は一千九十六万トンでございます。いまのような数字になりますので、粗飼料の供給率は二四・三%、飼料全体の中での粗飼料の供給率は二四・三%ということになっております。
 なお、飼料の自給率というものを粗飼料、濃厚飼料全部を総合してみますと、五十年度は四七・三%ぐらいと推定をいたしております。
 で、えさの生産量、金額のことをちょっとお尋ねあったと思います。一兆二千億、約一兆二千億でございます。これは濃厚飼料中心に、まあ配合飼料、その中でも、中心の流通しておるものだけの飼料の価額でございまして、自給飼料等は換算して入れてはおりません。
#163
○喜屋武眞榮君 輸入飼料についてお尋ねしますが、詳しいことは別にいたしまして、主に輸入飼料はどこの国から何を輸入しておられるか御説明願います。
#164
○政府委員(澤邊守君) 四十九年度で見まして、先ほど午前中にもお答えした数字とそのままの、同じ数字でございますが、トウモロコシにつきましては、五百六十四万トンの輸入量のうち、総輸入量のうちアメリカから四百七十四万九千トンでございますので八四・二%、それに次ぐのがタイからの七十五万八千トン、一三・四%でございまして、圧倒的にアメリカに対する依存率は高い。ここ二年ほど非常に高くなっておりまして、それ以前はまあ六割から七割の間というのが通常の年でございます。次に、もう一つ大きな飼料原料でございますコウリャンは、三百八十万五千トンで、そのうちでアメリカからは二百十一万五千トン、五五・六%という数字になっておりまして、これはトウモロコシほどアメリカに集中はいたしておりません。その他の国といたしましてはオーストラリアが七十三万九千トンで一九・四%、なおその間にアルゼンチンが八十万七千トン、二一・二%ということでございます。四十九年度のアメリカからの五五・六%は、トウモロコシと違いまして、以前に比べてやや減ということになっております。主要な原料につきましては以上でございます。
#165
○喜屋武眞榮君 それに関連いたしまして、輸入飼料をどこまで歯どめして、そして自給飼料をどこまで持っていこうとしておられるのか、その計画がございましたら……。そしてなお、このめども五年あるいは十年後の将来に対する見通しですね、その見通しを含めてひとつ計画がございましたら承りたいと思います。
#166
○政府委員(澤邊守君) 先の見通しでございますが、これは先般閣議決定をいたしました六十年度の長期見通しによって御説明をさせていただきますけれども、先ほど申しましたTDNという一定の単位に換算をした数字でございますが、六十年度は二千九百八十八万トンが需給の全体の規模でございます。先ほど五十年度の推算では二千七十九と申しましたが、それが二千九百八十九ということでございます。そのうちで粗飼料につきましては、これは牧草なり飼料作物でございますが、五十年度は五百五万トンと申しましたが、これを九百二十七万トンというようにふやしたいというように考えております。これは九〇%以上の増加率になります。
 なお、九〇%以上と申しましたのは、これは基準年次を四十七年にしておりますので、ただいま申し上げました五十年度の数字よりは四十七年はやや低くなっておりますので、基準年に比べますと一九五%ぐらいの増加率にしております。
 なお、濃厚飼料につきましては、五十年度は一千五百七十四と申しましたが、六十年度は二千六十一万トンということで、濃厚飼料の供給量よりは自給飼料のといいますか、粗飼料の供給量をはるかに引き上げていく、増加の割合を高めておるということでございます。これによりまして、大家畜を中心といたしまして粗飼料の給与率を高める、それを通じて飼料全体での自給率を少しでも高めていきたいというように考えておるわけでございます。そのためには草地の造成なり、あるいは既耕地への飼料作物の導入、あるいは野草の利用ということ、各般の施策を強化してまいる必要があるというふうに考えております。
#167
○喜屋武眞榮君 いまのお答え聞いておりますと……。私の質問は輸入飼料をどこまで歯どめして、そして自給飼料をふやしていくという計画の基準をどこに持っておられるかということをお聞きしておるのですよ。そして、なお五年、十年後の将来の見通しを持っての計画がありましたら聞かしてもらいたい、こういうことです。ふやす話じゃありませんよ。輸入は減して自給を高めていくと、こういう方向への計画がどうなっていますかということなんです。
#168
○政府委員(澤邊守君) いま六十年度の目標を申し上げましたが、これがいわば計画にかわるべき見通しであるわけでございますので、全体の総量としてはそのように持っていきたい。それによります粗飼料の給与率は三一%、これは五十年度の推算で申し上げました二四・三%よりかなり引き上げるということになっておりますが、それらの数字をはじいております前提になる考え方といたしましては、大家畜につきましてはできるだけ粗飼料の給与率を高めていく、個々の家畜ごとに。ということで、これは四十七年にはたとえば乳用牛で申し上げますと、粗飼料の給与率は飼料全体の中で五七%でございました。これを七五%ぐらいまで高めたいと。それから繁殖牛、肉牛のうちの繁殖牛ですが、これは七五%が基準年次四十七年度の粗飼料の給与率でございますが、これを九〇%まで高めたいと。それから肉用牛につきましては、どうしても濃厚飼料をかなり使いますので、かなり低い数字でございますが、現在、和牛、乳用雄牛を含めまして肥育牛は二〇%程度の粗飼料の給与率で、八〇%は濃厚飼料に依存しているという形でございますが、これを三五ないし四〇%まで高めたいというのが基礎にありまして、それからまた現実の国内の生産の可能性等も考えまして、先ほど申し上げましたように総量として粗飼料は九百二十七万トンで三一%ぐらいの粗飼料の割合というところを計画といいますか、見通しといいますか、に置いて施策をすることにしておるわけであります。
#169
○喜屋武眞榮君 申し上げるまでもなくわが国の畜産の現状及び将来を考えましたときに、過去においてこの飼料問題が非常に日本の畜産に影響しておる。振、不振を決めておるのがこの飼料問題だと。しかも輸入飼料が日本の畜産の盛衰を決定してきたと。そして、この肉類の増加が肥料、農具高に比例してはね上がってきたというこの厳しい実情を思いますときに、私は、まあ安全性ももちろんでありまするが、この量の面からの自給体制を強化していかなければいけない、こういう意味でいまお聞きしたわけであります。
 次に、五十年度予算に、先ほどちょっと聞き漏らしましたが、農林水産技術会議のこの総予算が一億二千八百万とおっしゃいましたかな、ちょっとお聞きしたいと思いますが、そうですね。
#170
○政府委員(小山義夫君) いまの御質問は、私どもの方で新しく計上しました微生物たん白についての予算のことであると思いますけれども、施設費全部含めますと一億四千四百万でございます。
 それの内容の御説明を申し上げますと、その研究の内容は柱が二本立っておりまして、一つは、豚とか鶏とかのように高濃度のたん白質飼料が必要でありますものについて、これの飼料を安定的に供給をする方法の一つの手段として農林水産廃棄物を利用いたしまして、これをえさにして繁殖をする微生物の、その微生物の体内に持っておりますたん白質をえさに利用していこう、そのための技術を開発する。具体的にはいろいろなミカンのジュースかすであるとかあるいは農林水産物の廃棄物、さらし水等に含まれておりますそういう成分を活用していくというねらいでございます。それが一つの柱でございます。
 もう一つは、問題になっております安全性を確保するために、この種のものの安全性を評価する基準を確立していこうという内容のものでございます。で、それについてはいろいろな研究課題が中に含まれておりますけれども、たとえばその用います微生物の中に病原性のものがあってはいけないということで、それを検査をする方法だとか、あるいは製造工程において微生物はわりと変異しやすい性質を持っております。それの変異の有無を識別する方法でありますとか、あるいは毒性を検査する方法、さらにまた未知のものを、いろいろな有害成分があるといけませんので、そういうものを全部ひっくるめまして累代試験をやる。その当代世代の鶏なら鶏に、どんな害があるか、その鶏の体内にどういう毒性が残されていくかということだけではなくて、次世代あるいは第三世代、四世代にわたって有害成分あるいは物質が残されないか、あるいは催奇性がないかどうかというふうなことを検査をする累代試験法を確立するというふうな、いわゆる安全性確立のための手法というのが第二の柱。その二本の柱を中心にして研究内容を組んでおるわけでございます。
#171
○喜屋武眞榮君 石油たん白の話が出ましたが、その石油たん白に対する諸外国の状態はどうでしょうか。そして、政府としてのそれに対する態度はどう持っておられますか。
#172
○政府委員(小山義夫君) まず、外国の研究の問題と企業化の問題と、二つあるわけでございますけれども、研究面につきましては、主な国はほとんどこれに手をつけております。たとえば米国でございますと、マサチューセッツ工業大学を初めといたしまして、ペンシルバニア大学でありますとか、あるいは米国の国立の農務省の研究所でございますとか、それぞれ手をつけております。大部分は、いわゆる石油たん白と言われておりますノルマルパラフィン、あるいはメタノールをえさにして微生物を増殖させる、その微生物のたん白質を利用する。こういういわゆる日本で言われております石油たん白についての研究がほとんどでございます。一部ルイジアナ大学等におきましては、セルローズの廃棄物でありますとか、あるいは国立の農務省の研究所では、家畜排泄物の、今度私どもが新しい試験研究でやろうとしておりますのと同じような研究に手をつけておるところがございます。しかし、大部分はいわゆる石油たん白でございます。それから、イギリスでもやはりメタン、メタノール系統が中心でありますけれども、エジンバラ大学を初めといたしまして、それぞれ各大学で同様の研究を行っております。フランス、オランダ 西ドイツも同様でございます。また、ソ連でも微生物研究所というのがございまして、微生物を専門にやっております専門の研究所で、いわゆるノルマルパラフィンでございますから、いわゆる石油たん白の研究を行っております。その他スイス、スウェーデン等、各国同様でございます。
 それから、企業化につきましては、これは、それほど進んでおりませんで、初めてこのいわゆる石油たん白に手をつけましたイギリスのブリティッシュ・ペトロリアムという会社がございますが、そこで比較的早くから企業化を進めておりまして、数量はそれほど大きなものではありませんけれども、なおこの安全性の問題につきましては、中立的な研究機関で検定をしてもらうというふうな趣旨で、オランダの研究機関にその安全性の研究を委託をしておるというふうに聞いております。それから、主なものとしましては、そのほかフランスでやはり企業化を進めておる。その他若干の国がございますけれども、生産数量としては、年間それほど膨大な数量ではございません。
#173
○喜屋武眞榮君 政府の態度はどうでしょうか。
#174
○国務大臣(安倍晋太郎君) 石油たん白につきましては、外国の例はいま局長から申し上げましたとおりでありますが、これは新しい飼料でございまして、現行法において、これの販売に対する有効な規制措置はないわけでありますが、改正法におきましては、第二条の六を適用することにより、その販売の禁止をし得るものとしているところである。しかしながら、現段階におきましては、一部企業がわが国においても研究を行っておるものの、石油たん白の飼料としての経済性、社会的評価から、これを直ちに企業化することはあり得ないと判断をしております。農林省としても、石油たん白の飼料化については、国民の一部に飼料化を認めてはならないとの要望があり、安全性について確認がなされていないことなどの事情から、石油たん白の飼料化は当面不適当と考えております。すでに私は何度も国会で申し述べたとおり、その安全性が確保され、かつ国民的な合意が得られない限りは、飼料化は認めないという方針でございます。
#175
○喜屋武眞榮君 そうすると、外国では研究が十分尽くされて、安全性の上からも問題はない。こういうことで問題にしていないというふうに捉えていいのですか。それと、わが国の場合には、いま国民的な合意と、それから自信ある結論がまだ出ておらないと、こういう立場でございますか。
#176
○政府委員(小山義夫君) 外国では、ただいま申し上げましたように、非常に広範にいわゆる石油たん白の研究が行われておりまして、それから企業化につきましては、英国を初めとしまして生産をされておりますのは、私どもの手元に持っております資料では、大体年間数千トンから数万トン程度の幅の中でございます。これについては、先ほど申し上げましたように、英国で開発をいたしておりますけれども、オランダの研究機関で安全性の確認がなされておるというふうに聞いております。それからなお国際会議その他では、これの安全性の評価の方法について、一応の現段階での基準がございまして、いまのところ、学者の間での特別に石油たん白についてこういう点が本質的に危険だというふうな研究結果は私どもは聞いておりません。ただ、実際に製造する過程で、いろいろの有害物質が混入をしたり、あるいは微生物のことでございますから、変異があった場合に、有毒な微生物の方に変異することが考えられる、そういうものをどうやってチェックするかというふうな、製造管理等の面については十分な配慮をしなければいけないというふうなことが言われております。
 それからなお、わが国でも以前に石油たん白が問題になりましたときに、各企業のデータだけで判断するのはよくないじゃないか、という御批判がありまして、国の研究機関でもこれはみずからチェックをしてみろというような御要望がありまして、私どもの農林省の研究機関を中心としまして、各県の研究機関に若干御協力を願って、鶏について六代にわたって、約五千六百羽の鶏を使いまして六世代にわたる、いわゆる石油たん白を一五%混ぜたえさを食べさして検査をしたことがございます。それにつきましては、その結果は体重だとか、ふ化率だとか、産卵率、生存率等について、普通の一般の、市販の配合飼料に比べて全く差異がございませんでした。それからまた、問題にされております催奇性発がん物質、具体的には三・四−ベンツピレンを初めとしてい二、三の発がん性を持たれていると言われている物質についての残留の度合いを分析をいたしましたけれども、その限りにおいては全く検出されておりません。
 しかしながら、先ほどから大臣も申し上げておりますように、この問題については、非常に国民の皆さん方も心配をし、不安を持っておられる問題でありますので、念には念を入れて、さらに、十分安全性を確認した上でないと、企業化に踏み切るべきではないというふうな点については、私ども研究陣営も意見は一致しております。
#177
○喜屋武眞榮君 この問題は、外国は外国で結構ですが、どうかわが国においては、いまおっしゃるように、本当に合意と、また合意を裏づける自信のある結果が出ない限り、あいまいな状態の中でこれをやられると大変なことになりますので、どうぞ慎重を期していただきたい、こう思います。
 次に、第二条に「この法律において「家畜等」とは、家畜、家きん、その他の動物で政令で定めるものをいう。」「この法律において「飼料」とは、家畜等の栄養に供することを目的として使用される物をいう。」と、この定義が打ち出されておりますが、「政令で定めるもの」という内容はどんなものでしょうか、政令の内容。
#178
○政府委員(澤邊守君) 今回の法律改正によりまして、従来の栄養成分の確保という面だけではなしに、むしろ安全性という面が非常に強い規制が及びますので、したがって、対象家畜もはっきり決めて、政令で定めるということにしておるわけでございますが、当面予定しております指定畜種は牛、豚、鶏、それからウズラ、ミツバチ、それから養殖魚類というものを考えております。もちろんこれは固定すべきものじゃございませんので、今後必要に応じて追加を指定をしていくということも当然必要だと考えております。
#179
○喜屋武眞榮君 それでは「「飼料」とは、」という飼料の内容は……。
#180
○政府委員(澤邊守君) ここで「「飼料」とは、家畜等の栄養に供することを目的として使用される物をいう。」ということで、これは家畜の栄養に供される物は全部という意味でございます。これは従来の法律では、この飼料を指定をして限定をしておりましたが、今回はすべての飼料をこの法律の対象にしていくと、こういうことでございます。
#181
○喜屋武眞榮君 そこで大変素朴な質問でございますか、配混合飼料――配合飼料、混合飼料ということがよく出ますね。それは内容的にどう違うんですか。
#182
○説明員(金田辰夫君) 混合飼料は、主としてトウモロコシまたは穀物をベースにしまして、それに魚粉、その他を単純に加工したものでございます。したがいまして、原料が二種類ないし三種類ございます。配合飼料は、これに比べまして、家畜の種類によりまして、非常に栄養成分のバランスをとりました多様な原料を組み合わせた飼料になっております。したがいまして、原料の種類が非常に多様になるというところが一つの違いでございます。
#183
○喜屋武眞榮君 そうしますと、いまの説明の中からすぐこの疑問を持ちますのは、今日のこの水産業ですか、これはとる漁業から育てる漁業だと。こういう新しい言葉がよく出てくるのでありますが、その養殖漁業との関連において、この飼料問題をどう取り扱われるんでしょうか。養殖漁業との関連でございますね。
#184
○政府委員(澤邊守君) これは後ほど水産庁のお方もお答えになるかと思いますけれども、先ほど申しましたように、従来は家畜の飼料だけを本法の規制の対象にしておりましたけれども、最近の実態から見まして、養殖漁業において各種の人工の飼料を使っておりますので、それらの安全性の観点と、それから飼料の栄養的な効果と、品質の保全の問題等の観点から新たに本法の対象にしていくという考えで、先ほど申しましたように二条の第一項の政令では養殖魚類というものを当初から指定をしてまいりたいというふうに考えております。
#185
○政府委員(兵藤節郎君) 現在、養殖が行われている主な種類は、ウナギ、コイとマス、アユ、ハマチ、タイ、それからクルマエビ等でございまして、さしあたって、いま畜産局長が話されましたように、改令によって養殖水産動物というものがこの法律の施行と同時に指定される、こういうふうになっておるわけでございます。しかし、今後、先生御指摘のように、養殖漁業というものはより盛んになっていく、したがって、魚の種類も多くなっていく。こういうことでございますから、その養殖漁業の生産の発展の度合いに応じまして、この種類等もふやしていく、こういったような考え方を持っておるわけでございます。
#186
○喜屋武眞榮君 結構であります。沖繩でも非常に、特に最近養鰻といいますかね、ウナギ。それからエビの養殖ですね、それからコイ、そういったいわゆる養殖漁業が非常に盛んになりつつある、本土でもそうでありますが。そうすると、それに対する飼料との結びつきにおいてまだ十分に考えられておらぬと、こういうことなんですか。
#187
○政府委員(兵藤節郎君) 現在のところは、まあ基づくべき法律もないというようなことからしまして、徹底した養殖魚類に対するところの飼料に対する品質管理なり、あるいは安全問題について指導が十分行われていないという点は確かでございますが、今回この法律が成立した暁におきましては、早速そういった問題につきまして直ちに実施していく、こういうような考えでございます。先生御承知のように沖繩県ではいまウナギが盛んのようでございます。これは私の手元には生産量としまして四十八年でございますが、三百八十五トンというような数字になっておりますが、だんだんと伸びていくと、こういうようなことが言われております。
 そこで、私どもといたしましては、この飼料の、養魚用飼料の安全性の確保と、それから品質の保持、こういう見地からいたしまして、まず第一に安全性の見地からしまして飼料及び飼料添加物の基準、規格の設定につきましては、畜産飼料の場合と同じように考えておりまして、この場合に抗菌性物質についての飼料添加物としての使用は認めないという方向で対処してまいりたいと考えております。
 それから第二に公定規格でございますが、これは人工配合飼料の使用度の高い淡水魚の魚種、これはウナギ、コイ、ニジマス、アユ、これでございますが、これの成魚用の飼料の主成分につきまして、本法施行と同時に成分規格を定めてまいる、その他の魚種につきましては漸次定めてまいると、こういうような方針をとっておるわけでございます。
#188
○喜屋武眞榮君 事実は先行しておりますので、どうか後手を、余りにもおそくなりませんようにね、ひとつ対処して、これからすべて、もうとうに事実は進行しておるわけですから、そのようにひとつ実践に移していただきたいと思います。
 次に、もう一つ気になりますのは愛玩動物ですね、愛玩動物。それから実験動物に対するこの飼料との関係はどうなりますか。
#189
○政府委員(澤邊守君) 実験動物ないし愛玩動物について対象にすべきだという御意見も一部にあり、われわれも途中で十分検討いたしております。もちろん、これは政令で指定すればできるわけでございますので、本法改正法によってできないということじゃございませんが、先ほど申しましたように、さしあたりの指定の畜種は先ほど申し上げたようなことを予定しておりますが、これは今回安全性の見地が加わりまして、かなり強い権利制限をするわけでございます、飼料の製造業者なり使用者に対して。ということになりますと、愛玩動物あるいは実験動物について、そこまで国民の権利を強くしばるような規制措置を現段階にやるべきかどうかという点について、若干なお検討すべき点がございますので――改正案施行と同時にやる考えはいまのところ持っておりません。将来の問題としては検討すべき問題が残っておると思います。
#190
○喜屋武眞榮君 これも一緒に、ひとつ十分配慮してもらうように要望しておきます。
 次に、先ほど休薬期間の話がございましたね。添加物などの抗生物質の使用、五日の話も出ましたが、その五日のお話と関連して、できるだけもっと延ばすようにしたい、こういうことでありましたね。そこでお聞きしますが、その五日という根拠はどこにあるんですか、何にあるんですか。
#191
○説明員(金田辰夫君) 初めに、抗生物質でございますが、抗生物質につきましては、畜産試験場それから日本科学飼料協会その他の実験によりまして、約二日程度で完全に現在使用程度の抗生物質が体外に排出されるというデータがございます。それからフラゾリドンでございますが、これにつきましてもいろんなデータがございますが、特にアイソトープその他を使いましたデータによりましても、やはり四十八時間で体外に排出されるということでございまして、その程度の休薬期間を設ければ人体の変異という問題は生じないんじゃないかということでございます。
#192
○喜屋武眞榮君 いまの点はわかりましたが、そうしますと、動物に、家畜に抗生物質を使用する目的は何ですか。
#193
○政府委員(澤邊守君) 抗生物質を初めといたします飼料添加物の使用目的でございますが、これはいろいろございまして、一つは、ビタミンとか、ミネラルとか、アミノ酸とか、通常の飼料原料の中での栄養成分としてやや不足するから、もう少し加えたいというような、補給的な意味で添加するものもございます。それから防カビ剤――カビの発生を防ぐとか、あるいは酸化を防ぐという、抗酸化剤といったような、要するに、品質低下を、飼料の品質低下を防止するための目的で添加するものもございます。それから抗生物質等につきましても、これは有害な細菌の体内における活動を抑制する、あるいは有益な細菌の活動を促進するというようなことを通じまして、疾病の予防とかあるいは成長の促進だとか、あるいは飼料効率の、飼料が非常に有効に働くというような目的で加える、添加するというようなもの、各種のものがそれぞれの目的で使用されて、現在百六種あるわけでございます。
#194
○喜屋武眞榮君 そうすると、添加物の抗生物質の飼料を使い過ぎるということをよく耳にしますが、そういうところから私、疑問が出たわけですよ、一体、それは何のために家畜に使用するのかということ、いま、病気の予防とおっしゃったが、そうすると、予防のための抗生物質、発育等も間接に、という意味なんですか、直接、発育等の関係がありますか。
#195
○政府委員(澤邊守君) 疾病の予防とか、あるいは飼料効率の向上とか、あるいは生産性の向上とかというようなことを言いましたけれども、これは厳密には必ずしも明確に解明できない面が残っておるようでございます。ただ、それらが疾病の予防だけではなしに、やっぱり、それぞれ各種の作用を通じて、いま言いましたような飼料の利用効率を高めていく。病気になれば、それは飼料の利用効率が下がると同じようなことになるわけでございますが、そのようなことの総合的な効果をねらって抗生物質等が添加をされておるというふうに考えております。
#196
○喜屋武眞榮君 この抗生物質を薬品として人体に使用する場合でも問題になりつつあるわけなんですね。だから、ぜひひとつ飼料として家畜にそれを使用なさる場合にも、十分その点配慮して今後検討してもらわないと、ただ、太らせればいい、成長を促進すればいい、発育をと。こういうことでは、また、とんでもない結果になるんじゃないかと、こう懸念されます。その点、ひとつ、配慮してもらいたいと思います。
#197
○政府委員(澤邊守君) 飼料添加物、特に抗生物質等の抗菌性製剤物質につきましては、先ほど申しましたような目的で使われておりますが、その意味では非常に有用でございますけれども、使用の適正を失しますと、人体に悪影響を及ぼす、あるいは家畜に被害を及ぼすというマイナスのみの面が大きくあらわれます。そういう点につきまして、われわれといたしましても、これは慎重を期して、なるべく使わなくて済むようにという方向で検討すべきものだというふうに考えています。その一つといたしまして、最近のように大量大群飼育と、しかもケージ養鶏だとか、あるいはああいう非常に狭いところに多頭羽を一緒に飼うというような飼育環境が非常に、ある意味では人工的にコントロールされて、家畜の自然のままからすれば悪くなっているという問題がありますが、したがって、一たん病気が出ますと、非常に蔓延するという点からいまのような添加物として広く使われているわけでございますけれども、御指摘のようにこれが畜産物に残留するということになりますと、それを摂取する人体の健康に影響があるとか、あるいは先ほどもお答えしましたように、耐性菌が出現をするということになりますと、人間にその抗生物質が効かなくなる。人畜共通の抗生物質の場合はそのようなおそれもあり、現に学者にそのような不安を指摘する方も多いわけでございます。そういう点を考えまして、飼養環境を改善することによりまして、これは衛生的な環境にするということによりまして、そのようなものが抗生物質等を使わなくても済むような条件をつくる。しかし、そうは言いながら、幾ら環境を改善いたしましても、ゼロというわけにはまいりませんが、できるだけ使わない方向で、必要最小限に圧縮する方向で検討をして整備をしてまいりたい。これは本法施行の一年間の余裕がございますので、その間に審議会にも諮った上で十分検討を、もっと見直した上で検討を加えて、縮小してまいるというようにしたいと考えます。
#198
○喜屋武眞榮君 いまのと関連がありますが、厚生省、肉、卵の検査はどうなっておるんですかな。
#199
○説明員(岡部祥治君) 食用に供します家畜につきましては、先生御承知のとおり、と畜場法に基づきまして生体検査、解体検査等をやりまして、これが食用に供して適当かどうか、それぞれの疾病の状況、あるいは内臓の所見等を見まして、これを検査しておるわけでございます。さらに一般の、ただいま御指摘になりました卵でございますとか、牛乳等につきましても、一般の食品の中でも特にこういう動物性食品につきましては、その監視、指導、あるいは収去検査等を厳重にやっておるところでございます。
#200
○喜屋武眞榮君 次に、二条の六に関連しますか、新飼料で事故が起こった場合に、発生した場合に、膨大な損失が予想されるわけだが、その損失の負担はだれが負担するのか、どこが負担するのか、そのことをお聞きしたいと思います。
#201
○政府委員(澤邊守君) 有害でない旨の確証がないものは認めないということでございますので、事前に、そのような事故の発生を防止するということがまず先決であるわけでございます。その意味で二条の二に基づきます規格、基準を厳正に定めて施行、実行したいというふうに考えてはおりますが、万が一にも御指摘のような事態が発生した場合、その事故について国に責任がある場合には国家賠償法によって賠償することもあり得ましょうし、国の責任ではなくして企業に責任があるというときには、民法によります通常の損害賠償責任を企業が負う。こういうことになるわけでございますが、それを国にあるのか、企業にあるのか、あるいはないのかということは、ケース・バイ・ケースで判断するよりいたしかたないと思います。
 国の責任につきましては、たとえば新飼料が有害でないものとの確証を得るに当たりまして、国に責任があると言いますのは、たとえば基準、規格を二条の二で決めますけれども、その基準、規格がどうも決める当時の学問水準では不備であった。その規格、基準どおりにつくったけれども、被害が出たということも万が一あり得ないことではないというような場合、そのときの基準、規格の定め方にミスがあったかどうか、仮にミスがあれば国の責任ということになるわけであります。ただ、その場合も――ここから何分むずかしい法律論になると思いますけれども、国の過失があったかどうかということは、単にその基準が不備であったというごとだけではなしに、当時の学問水準と言いますか、というものから見て、そのような基準を定めたことが間違いであったかどうかということによって判定すべき問題で、結果的に不備であったからと言って、直ちに国の責任になるということは、法律的にはないのではないかというように思っております。さらにまた、国が定めた基準、規格が仮に不備であったということだけで、企業の責任は必ずしも免れないのではないか。企業自体はやはりあらゆる手段を講じて安全なものを需要者に供給するという責任があるわけでございますので、基準規格を遵守していたというだけで責任を免れるというわけにもいかないというような問題が出てこようかと思います。
 しかし、これはいずれにいたしましても、そのときどきのケースに応じて判断をするよりいたし方ないと思いますが、一般論を申し上げますれば、いまのような点を具体的に詰めた上で、国に責任がある場合には国が賠償する、企業にある場合は企業がする、これが考え方ではないかと思います。
#202
○喜屋武眞榮君 ケース・バイ・ケースとおっしゃいましたが、適切な使用をひとつ誤りなくやってもらわなければいけないことを強く要望をします。
 次に、諸規定に、規格に違反した場合、廃棄、回収のことが出てまいりますが、その場合に廃棄、回収は実際問題としてどのようにしてやるのか、その回収物の処置はどのようにしてなさるのか、お聞きしたいと思います。
#203
○政府委員(澤邊守君) 二条の七で廃棄、回収等の命令ができることになっておるわけでありますが、この廃棄、回収命令をいたしまして、それを確実に履行させるということが必要になるわけでありますが、われわれの現在考えておりますのは、国または都道府県の飼料検査機関、国の場合は飼料検査所、県の場合は飼料検査所あるいは飼料分析所というような名前になっておりますが、それらの職員が立ち会って確実にその命令が命令どおりに廃棄あるいは回収が実施されるということを確認をする。また、廃棄等に当たって、その廃棄することによって第二次公害等、環境汚染が発生しても困りますので、そのようなことがないような適切な方法で行われるように指導するということも考えております。必要な場合には、立ち合いのほかに報告書を出させるということによって、確実に廃棄処分が行われるように確認をしてまいりたいと思っております。
#204
○喜屋武眞榮君 時間がありませんので……。いまの点についてもなお非常に抽象的な御回答のように聞いておりましたが、どうかひとつ、具体的に実際に沿うように処理してもらうことを重ねて要望しておきます。
 次に、沖繩の自給飼料について、と言いますのは、特殊な状況下に置かれてきた、またいま置かれている沖繩でありますので、この沖繩における自給飼料の生産性の促進と言いますか、こういう点から何か政府として計画を持っておられますでしょうか。
#205
○政府委員(澤邊守君) わが国全体の場合と同様、沖繩県におきましても畜産を振興していきます場合の基本的条件といたしまして、飼料基盤の整備と自給飼料の増産確保ということが肝要であることは申すまでもないわけでございます。で、飼料作物につきましては、沖繩の場合は、本土と違いまして非常に熱い地域でございますので、飼料作物の適応品種、種類につきましても本土とは違った面がございますことと、それらの適応飼料作物の種類の選定、あるいはその中でのさらに優良な品種を導入するというようなこと、あるいは合理的な輪作体系の中で飼料作物をどう織り込んでいくかというようなことが大事ではないかと思うわけであります。さらに本土の場合と同じように、未利用、低利用の草資源を活用していくということは沖繩の場合におきましても同様肝要なことでございまして、野草の利用の高度化を図るという対策は今後進めていただきたいというように思っております。なお特殊なものといたしまして、サトウキビの梢頭部、それから工場副産物としてのバガスとか、パインかすというような特殊の地場の飼料資源がございますので、他の飼料と併用しながらこれを有効活用をしていくことを今後技術的にも開発して普及を図るという必要があるというふうに考えております。
 なお、草地の開発等につきましては、沖繩は本土に比べるとかなりおくれておりますし、それからさらに技術者の不足等も、復帰当時もかなり指摘されましたけれども、依然としてございますので、これらの点につきまして特別の、国としての特別の指導を考えていく必要があるというように考えております。
#206
○喜屋武眞榮君 いま具体的に述べられましたが、沖繩の基幹作目でありますサトウキビのしぼりがらのバガスですね、それから、たびたび出ておりますが、パイン問題、パインに関連したジュースに力を入れるという、いままでよりも変わった方向に力を入れると。そうなりますと、このパインかすがさらに従来よりも多く量産があるわけですが、そういった、このバガスとそれからパインかすですね。そうして沖繩の場合、気候、風土の上からも非常に牧草がよく生育する、こう言われておりますが、また、そのように非常に牧草がよく生えますので、ネピアグラスと言いますか、そういった点を念頭に置かれてぜひひとつこの自給飼料の増産に力を入れていただきたい、要望いたします。
 最後に、時間のようですので……。この法律は一貫して見ましたときに、結論として私は、従来よりも前進したものであると、こう結論づけることができると思います。ところが問題は、器は、法はりっぱにできても、前進しても、これを適用するという、この人間が忠実にこれを守っていくという、こういうことが伴わなければいわゆるざる法となり、意味のない法になるわけでございます。
 そこでお聞きしたいことは、この前進した法が名実ともにいい法律である、こういう法律にするためには、この監視体制と言いますか、監視体制がどうなっているか、このことをまた抜きにしてはいけない、こう思います。この監視体制の立場からひとついま考えておられる、また実施しておられる――従来もあったと思いますか、さらに強化された面、そういった点をひとつお聞きをしたいと思います。
#207
○政府委員(澤邊守君) 本法の施行を確実にしていくためには資材審議会の飼料技術部会の内容、権威を高めていくということ、それから飼料の検査機関を整備していくこと、さらに試験研究による学問的、技術的な裏づけをしっかりしていくというようなことが大事なことかと思いますが、特にいまお尋ねございました飼料の監視体制の問題につきましては、検査機関を今後整備拡充していく必要があると思います。国の検査機関は全国六カ所に飼料検査所がございますし、県にはそれぞれの名称によります飼料の検査機関がございますので、これが両方とも拡充をしていく、その場合、国は特に安全性に関する検査に重点を置いてやってまいりたい。県と民間の検定機関は安全性の問題についても一部活用してまいりますけれども、主として栄養成分の確保という従来からの検査に重点を置いて、一部安全性の問題も携わってもらう。こういうような重点の配分をしながらやってまいりたいと思います。いずれにいたしましても、国も県も検査機関が人員、施設内容等も相当充実しなければ本法を適正に運用するには不十分であるというふうに考えておりますので、人の面につきましても、あるいは施設機械の内容におきましても、あるいは技術水準におきましても、今後特段の配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#208
○喜屋武眞榮君 最後に。いまの監視体制と言うと余りいい気持ちはしませんが、いまの組織と、それから罰則もなるべくない方がいいとは思うんですけれどもね。疑わしきは罰するとさっきおっしゃったんですが、その罰則もどちらかというと、比較対照しますと軽過ぎるんじゃないか。三年以下の懲役は新旧一緒でありますが、金額の方は、十万円が三十万円になり、五万円が二十万円になり、三万円が二十万円になり、一万円が十万円と、こういう条文が出てまいりますが、裏を、逆をとると、勘ぐりになるかもしれませんが、三十万円ぐらい出して、そういったことができるなら問題じゃないと、こういう逆用もあったら大変だぞという警戒心も出るわけでありますね。そういった点、これは御返事は要りません。
 先ほどのに関連して、監視体制を強化していくために施設、人員とも不十分と私は思っております、現状では。施設、人員とも不十分と思われるそれに対して拡充対策を持っておられるかどうか、このことについて大臣の御見解をお聞きしまして私の質問を終わりたいと思います。
#209
○国務大臣(安倍晋太郎君) 罰則を強化することによって本法の施行をより確実にしていくわけでございますが、罰則だけで施行を確実にするという以上に、やはりわれわれ行政官庁が、本法が施行される段階にあって行政体制を確立をするということが先行しなければならぬと思うわけでございます。そういう意味におきまして、いまの監査機構等につきましては、まだまだ不十分な点があるわけです、予算の点につきましても、人員の点につきましても、あるいは機構の点につきましても。ですから、万全を期するために今後ともそういう点についてはよりひとつ強化をしていく方針で努力をしてまいりたいと思います。
#210
○委員長(佐藤隆君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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