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#1
第075回国会 農林水産委員会 第18号
昭和五十年六月二十六日(木曜日)
   午前十時二十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤  隆君
    理 事
                小林 国司君
                高橋雄之助君
                川村 清一君
                神沢  浄君
                原田  立君
    委 員
                青井 政美君
                岩上 妙子君
                大島 友治君
               久次米健太郎君
                鈴木 省吾君
                園田 清充君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                工藤 良平君
                栗原 俊夫君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林省農林経済
       局長       岡安  誠君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
       農林水産技術会
       議事務局長    小山 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  岡部 祥治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○小笠原貞子君 まず第一に、農林省に、飼料の品質保全についての一般的な指導の問題をお伺いしたいと思います。
 行政当局として飼料の品質管理、保全等についてどのような指導をされているか。昭和四十八年四月十二日に出された畜産局長通達によりますと、飼料の原料の高騰による入手難から、飼料品質の低下するおそれがあるとされ、特に注意を呼びかけていらっしゃるわけです。その後相当回数の値上げが行われたというような状態から、品質上問題は出なかったのかどうか、その点についてまず簡単にお願いします。
#4
○政府委員(澤邊守君) 品質の改善につきましては、現行法に基づきまして登録飼料の推進だとか、あるいは抜き取り検査等によりますチェック等をやっておるわけでございますが、お尋ねの価格が最近値上がりいたしまして品質の低下が心配されましたが、私どもといたしましては、具体的な事例をお聞きするたびに現地へ行って検査を特別にしておりますし、通常の検査におきましてもその点を特に留意をしてやっておりますが、現在までのところ、登録飼料等の表示をいろいろいたしておりますけれども、これが成分を切ったという事例が特に多くなったというふうには考えておりません。これは従来から若干、表示以上に成分を入れているという、競争でそういうことをやっておりますので、それをぎりぎりまで落としたということは推定されますけれども、特に表示成分を切っておるというような事例がふえたということはないように思っております。
#5
○小笠原貞子君 抜き取り検査の結査はどうなんでしょうか。違反件数が四十七年度に百六十六件、四十八年には百五十三件というように出ておりましたけれどもその内容は、簡単に、どういうものが違反の中に入っていましたでしょうか。
#6
○政府委員(澤邊守君) 四十九年で申し上げますと、収去件数は、国の検査所の場合でございますが、二千百六十五件でございます。そのうち正常なものが二千十五件でございます。九三・一%は正常であった、七十一件、約七%が違反であった。これは成分量の過不足、表示と比べまして不足している、それからまた、非常に上回っておると。上回っておる場合も、物によっては非常に弊害がございますので、それらが七十三件、それから異物の検出されたもの四十五件、その他四十四ということで、合計約七%が違反でございました。
#7
○小笠原貞子君 それでは、具体的に河田飼料の問題についてお伺いしたいと思います。
 河田飼料株式会社が栃木県下都賀郡国分寺町の養鶏ブロイラー農家である熊倉一美さんに対して、この五月二十六日、四百五十万円の補償金を支払っております。この事実が明るみに出ましたのは、六月の五日NHK朝六時と七時のニュースと、その日の朝日新聞、下野新聞、新潟日報など限られた報道でございましたので、小さい問題というわけではなくて、非常にこれは農家にとって大きな問題だということで社会的問題としていま取り扱われているわけで、特に現地ではこれが非常に大きな問題になっております。
 農林省としてはいつこの件の報告を受けられましたか。そして、この件の報告を受けられてどういうふうな対策を立てられましたでしょうか。分析結果というような細かいことはまた後にいたしますので、大体、それを受けてからどういう対策をとったかという概要についてお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(澤邊守君) 河田飼料の、ブロイラー飼料によりますブロイラー事故の疑いに関する問題でございますが、これは、当事者間でいろいろ処理はされておったようでございますが、私どもが承知いたしましたのは事件発生後半年以上経過いたしました去る六月四日でございまして、その後、農林省といたしましてとりました措置は、河田飼料の千葉工場で生産されたものでございますので、昨年九月から十二月までの間に生産されましたものというふうに考えられますので、その期間に河田飼料の千葉工場で生産されました配合飼料の販売先における事故発生の状況を、関係十二都道府県を通じて調査をいたしました。さらに、栃木県の農林部、それから河田飼料から直接状況を聴取したり、関係資料の提出を求めております。さらに、東京肥飼料検査所におきまして、六月九日、千葉工場に係官を出張させまして、その飼料の製造状況等を立ち入り調査するとともに、事故当時に製造しました飼料について分析鑑定を実施をいたしておりまして、その後、その結果等に基づきまして検査所、畜産試験所、その他の機関の専門家の間でその飼料を検討をしておる段階でございます。
#9
○小笠原貞子君 いろいろお知りになってから手を打たれたということはわかりましたけれども、御本人の熊倉さんから伺っていらっしゃらないということはちょっと片手落ちのような気がいたしますけれども、その必要はないとお認めになってお聞きにならなかったんでしょうか。
#10
○政府委員(澤邊守君) 県を通じて伺っておりまして、農林省としては、仰せのように、直接伺っておりません。
#11
○小笠原貞子君 それじゃ、いま河田飼料で問題になりましたのが「ハイブロイラー・S」及び「G」ということになっているわけですけれども、これは登録飼料でございますか。これまで抜き取りの中の対象になって検査されたことがございますでしょうか。
#12
○政府委員(澤邊守君) 登録飼料でございます。
#13
○小笠原貞子君 実は熊倉さんにいろいろ私の方で調査いたしましたが、昨年から河田飼料をお使いになったようです。九月から十二月にかけて、河田飼料が値上がりするから、いま買えば値上がり前の値段で売ってあげるというようなことで、約二百五十トンが自家倉庫に運び込まれたということなんです。大体、熊倉さんのところは、二万羽飼育して、毎月平均八千羽出荷。えさとしては一カ月約五十トンを消費している。九月に入れたひなについて十月末から被害が出始めた。以後ことしの二月に至るまで、合計いたしますと約四千ないし五千羽が死亡しましたし、残りのうち約三〇%が発育不全であったということです。その症状としては、主として消化不良、肝臓障害というようなものが見られております。一月二十日にスチュードラ一種四羽を河田の会社を通じて群馬県の中央家畜病性鑑定所に持ち込み、病性鑑定を依頼いたしました。その結果、病名不明、発育障害が明瞭というような所見を得て、その文書もいただいてまいりましたけれども、二月に河田飼料の使用を中止し、そうしてほかのものに切りかえて、現在に至っている。この実験開始前までの実験経過について確認ができるかどうか、伺いたいわけです。
#14
○政府委員(澤邊守君) 私の方の肥飼料検査所におきまして分析をいたしておりますが、まだ熊倉さんのそのような事故が河田飼料の原因だということを断定するまでのデータは得ておりませんので、まだ引き続き研究をいたしておるという段階でございます。
 いまお尋ねの御趣旨は、当時被害を与えたのが、現在、それの資金をできるか、というような御質問ですか。
#15
○小笠原貞子君 いえ、そうじゃありません。さっき言いましたように、群馬県の家畜病性鑑定所に出しましたね、それで病性鑑定所から、いま言ったように、病名は不明と、発育障害が明瞭だったというような、何というんですか、検査の結果というものが出ているわけなんです。それで、被害が出たと、それについてこれから質問するのですが、あと実験の段階に入りますから、それ実験する前までの、この事実の経過ということについて、私の方で調べたという、この事実をおたくの方でも認めていただけるか、被害が四千羽ないし五千羽出たと、下痢症状であったというような被害について。原因がどうかということは、また後の問題としてお伺いするわけなんですが、その事実の経過というもの……。
#16
○政府委員(澤邊守君) 大体、先生のおっしゃったような事実を私ども聞いておりますので、そのようなことだと考えております。
#17
○小笠原貞子君 いま十二都道府県というふうに調査なすったということでございました。その結果の、どこでどれくらいというふうにおつかみになっていらっしゃいませんか。
#18
○政府委員(澤邊守君) その結果、河田飼料のブロイラー用配合飼料を当時購入をいたしました、同じものを購入した農家が百九十六戸あるということがわかりまして、その中で異常を申し立てておりますのは熊倉さんのほかに、熊倉さんの事故の問題が公にされた以降出てきたものも含めまして十二戸であるというように、調査の結果把握をいたしております。茨城県で八戸、埼玉県で二戸、千葉県で二戸、それに栃木県の熊倉さんということで、計十二戸でございます。
#19
○小笠原貞子君 私たちも独自に、いろいろ出て行ったり、お伺いして聞いてきたわけですけれども、やっぱり栃木、茨城、埼玉、群馬、千葉というふうにまたがっているわけなんですね、この調査は個別に聞き取りしてまいりました。
 この二、三の例を挙げて申し上げますと、河田の同種の飼料を購入して、同一時期に被害が出ている。一定程度広い範囲にわたっているということがはっきりしたわけなんですけれども、他の、東北などにも出ているというようなことはないわけですか。いまおっしゃったところだけで、その調査でもう大体十分だと見ていらっしゃるわけですか。
#20
○政府委員(澤邊守君) 県の方を通じて調査したところでは、ただいま申し上げました十二戸でございまして、東北の方から発生をしておるということは聞いておりません。
#21
○小笠原貞子君 じゃあ、それはあくまで県からの報告というようなもので、農林省として行って調査というようなことではないわけですね、上がってきた報告だけでございますね。
#22
○政府委員(澤邊守君) 県を通じて調べたのと、それから河田飼料からももちろん聞いておりますが、農林省が直接個々の農家に当たっておるわけではございません。
#23
○小笠原貞子君 熊倉さんのこの事件について、特徴的と見られるので、ちょっと詳しくお伺いしていきたいと思いますけれども、熊倉さんが栃木県当局に、まず、こういう被害が出たということで連絡をされたんだけれども、それについて県としての反応がなかった。それで、このままにして置くということもできないので、自分でとにかく実験してみようということになったのわけです。そのときも、小山の農業改良普及所に立ち会ってもらいたいということで、小山の農業改良普及所に依頼をされているわけですけれども、時間がないと、まあ人手もなかったんだろうと思います、とにかくちょっと無理だということで断わられたと。それで仕方がないから、河田飼料の会社の関係者に立ち会いになっていただいて、三月十四日から五月八日まで、五十六日間にわたって実験していらっしゃるわけなんです。
 どういう実験かといいますと、初生びなを二つの鶏舎に入れまして、八百八十羽ずつに、一方には河田飼料株式会社のえさを食べさせ、もう一方には他社のえさを食べさせるというふうにして、二つに分けて実験いたしました。それで熊倉氏は、病気の発生後、また、いろいろな条件の中で出てきてはいけないというわけで――まあ伺いましたところ、一カ月に三十四万円をかけたとおっしゃっていましたけれども、抗生物質などを投与して、ほかの病気での被害というものが重ならないようにというようなこともなすっていらっしゃいました。
 それで、その結果どうなったかと言いますと、河田のえさを与えました方で死亡したものは七十二羽ございました。ほかの会社のえさを食べさしたところでは、これは十九羽という結果が出まして、それで斃死率が非常な違いになって出てきたわけです。約八%の斃死率というのは、ちょっと高過ぎるのではないかと。結局河田飼料株式会社は、この実験の結果、初めて誠意らしいものを見せて、そうして東京営業所長の溝呂木さん、この間、参考人のときにも申し上げましたけれども、溝呂木さんが五月八日、熊倉氏に対して、当社のえさによって被害が出たことを認めますとおっしゃって、そうして五月二十六日に河田との合意書を取り交わされているわけです。
 こうした熊倉さん独自で実験をなすったというようなこの内容や、その実験なすったということについて、どういうふうにごらんになりますでしょうか。
#24
○政府委員(澤邊守君) ただいまお話しでございましたような実験を、比較試験を熊倉さん自身が行われまして、その結果も、ただいま御指摘ございましたように、八百八十羽のうち、七十二羽が河田飼料の当該配合飼料からは出たというように、われわれも県を通じて聞いております。この試験の内容として、しかし当局側として知っておりますのは、このひなの斃死または淘汰の羽数程度でございまして、それにとどまっておるわけでございまして、いわばその斃死の鶏の病理学的あるいは細菌学的な検索といいますか、ということは、この比較試験ではなされておらないというように承知をいたしております。したがいまして、最終的な判断はなかなかむずかしい点があると思いますけれども、ブロイラーの一般の平均の育生率というのは、大体九六%ぐらいといわれておりますので、河田飼料の七十二羽というのは九三%でございますので、これは悪いと、やや悪いと。それから比較試験をいたしましたもう一つの方の、他の会社の飼料は九八%ということで、これは高かったということで、それと比べても低いということは間違いないと思います。
#25
○小笠原貞子君 具体的な事実だから、そうならざるを得ないと思うんですけれども、ここのところで第三者がきちっと入ってそれで――お願いしたときに、一緒になって見ていただければ、もっと早く立ち会いのもとに、この結果というものも解決に向かったのではないかというふうに考えられるわけなんですね。河田の方の会社としても、期間中、少なく見ても三、四回は熊倉さんの方に来て、その状況を見ていらっしゃいましたし、それからまた鶏舎等の条件も、実験というのには、まあ個人のことでございますから完全とは言えないかもしれません。しかし、先ほど言いましたように、抗生物質なども投与して、ほかの病気との関係というようなものもなくしようという、非常に個人的には努力していらっしゃるわけなんで、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
やっぱりこういうことも、これ後で問題にいたしますけれども、やっぱり客観的に、だれかが入ってのそういう調査で、きちっと出されればよかったなと、私つくづくそう思ったわけなんです。そういうようなわけで、この問題、やっぱりはっきりさせていきたいと思うんですけれども、いま農林省では、東京肥飼料検査所での分析されていらっしゃるはずでございますね。
#26
○政府委員(澤邊守君) はい。
#27
○小笠原貞子君 その分析の内容について、どういうふうに見ていらっしゃいますか。
#28
○政府委員(澤邊守君) 農林省におきましては、肥飼料検査所におきまして、その問題になっております河田飼料のハイブロイラーS及びGと、それから本年六月に製造されました同じ銘柄のものについて分析をしたわけでございますが、一般成分については、いずれも登録保証票の保証成分量を満たすもので、可消化養分総量も推奨値というものを表示しておりますけれども、それを上回っておって問題はない。無機物のうち燐、カルシウムについては、日本飼養標準の〇・六ないし〇・八%、またカルシウムについては〇・五ないし〇・八%に対し、それぞれ十分満足するものであります。銅、亜鉛の含有量も特に問題はない。それから有害重金属の鉛、カドミウム、水銀、砒素も異常な量は検出されなかった。さらにその他アフラトキシン、PCB、BHCに汚染されているかいないかという問題でございますが、それも汚染されておらないと。またサルモネラ菌も検出されなかったというふうになっております。それから抗菌性飼料添加物としては、チオペプチンというものと塩酸ロベニディンというものが添加されておりますけれども、表示添加量は公定書に定めたとおりで、分析の結果でも表示量をやや下回る量が検出されまして、表示どおりの添加物であったというふうに認められます。さらに酸価、過酸化物価については、酸価は四〇ないし六〇で、当月製品との差がそれほど大きくなく、一般に飼料に添加される動物油脂の酸価は、二〇ないし四〇程度であり、また油脂が配合飼料に添加された場合、他の原料飼料中に含まれる酵素の作用によって脂肪酸を生成し、これが酸価を高めることになる等の理由により、この程度の数値は当然あり得るというふうに考えております。それからさらに尿素態窒素、アンモニア等揮発性窒素は定量し得ず、したがって尿素は使用されておらないというふうに判定をされます。また顕微鏡検査の結果は異常はなく、表示原料はすべて確認をされております。
 以上、分析結果並びに立入検査時における書類等の検査結果から見ますと、配合原料、栄養成分量については、特に粗悪なものとは認められず、また飼料中の有害物質についても、現在までのところ異常と疑うような数値は出ておらないわけであります。
#29
○小笠原貞子君 いまおっしゃいました中で、ちょっと私の方へいただいたのを調べてみますと、尿素は検出できなかった。で、揮発性塩基態窒素、これはやっぱり検出されない。その下に酸価というのが出てますね、酸価六〇・四五と。そしてこれは六月製造のは四〇・六というようなことが出ているんですけれども、その酸価の六〇・四五というのは、私の方でちょっと多いんじゃないかなと思って、そこのところをお伺いしたがったわけなんですけれども、抜けましたんですか。
#30
○政府委員(澤邊守君) 先生の方に御提出しましたのは、酸価は六〇ということで出しておると思います。
#31
○小笠原貞子君 六〇・四五になっていますね。
#32
○政府委員(澤邊守君) はい。
#33
○小笠原貞子君 それで六〇・四五に出ておりまして、まあ通常、先ほどおっしゃいましたように、家畜の場合に幅があって、二〇ないし四〇というようなことになっておりますね。そうすると、ちょっと素人が考えましても、二〇ないし四〇のところが六〇・四五と、五割から多いと、その酸価というのがちょっと高いというふうに考えられるわけなんですけれども、この酸価がどういう原因のもとでこれくらいの高さになったのかどうか。
#34
○政府委員(澤邊守君) もし私で不十分ならまた専門家の方でもお答えさせますけれども、酸価は六〇ということで、当月製品との差がそれほど大きくなく、若干高いということはございますが、一般に飼料に添加されます動物油脂の酸価は二〇ないし四〇程度でございます。また、油脂が配合飼料に添加された場合、他の原料飼料中に含まれる酵素の作用によって脂肪酸を生成し、これが酸価を高めることになるというふうに言われておりますので、それらの理由から見ますとこの程度の数値は当然あり得るものというふうに考えております。だから、何と申しますか、二〇ないし四〇でございますが、配合飼料で他のものと配合する場合には若干高くなるということがあるという点からいたしますと、六〇という数字はやや高いということはありますけれども、特に非常に高いということは言えないのではないかというふうに見ておるわけであります。
#35
○小笠原貞子君 それはそれでいいといたしまして、何かやっぱりちょっと五〇%も酸価が高くなっているというのが、決め手にはならないけれども、何か普通じゃないなというふうに、あらゆる面からその原因を追及していくときには、一つのやっぱり大事な問題点として見ていかなければならないんじゃないかと、そう思うわけなんです。農林省が検査をなすった時点では、もうすでに六ヵ月以上もたっているわけでございますから、だから酸価が高くなっているということもある程度理解できるわけです。しかし、一番大事なことは、具体的にあらわれている、昨年九月から河田のえさを食べさせたら、間もなく下痢症状が激しくなったというような事態経過から見て――これが普通は二〇ないし四〇なのが六〇だと、配合飼料の中に入っていろいろとそういう高くなることもあるというようなことで言い切っていいものなんだろうかどうか。ちょっとやっぱりそこに一つの疑われるべき要因をなしているというふうに見ていった方が、私は正しい見方ではないかというふうに思うんですけれども。絶対これ原因でありませんと、先ほど分析なすった全部は問題なかったと。そうすると全然問題ないということに確信を持っておっしゃれるのかどうか、その辺のところどうでしょうか。
#36
○政府委員(澤邊守君) 検査所で分析いたしました結果は、先ほど申し上げたとおりでございますが、これで、これによって原因が河田飼料の当該配合飼料であるということを断定することはむずかしいということを申し上げたわけでございまして、なおその後も引き続き検討、研究をいたしておりますので、絶対河田飼料が原因でないということを逆に農林省が考えておるわけではございません。
#37
○小笠原貞子君 はい、わかりました。この河田飼料の使用原料というものを調べてみますと、フィッシュソリュブルというものは使っていなさそうだというふうに出てきたわけですけれども、それはそちらでもフィッシュソリュブルは使っていないということは間違いございませんか。調査はどういうふうになすったかどうか。
#38
○政府委員(澤邊守君) 河田飼料のこの飼料につきまして、他の飼料メーカーに熊倉さんが試験を依頼されました、その他の飼料メーカーの研究所は、一時フィッシュソリュブルが入っておると、異常に高いというようなことを指摘をしておりましたけれども、だんだん調べてみますと、やはりそうではなくして、フィッシュソリュブルは入っておらないということが、私の方の分析の結果からも明らかであり、当――先ほど言いました研究所も、その点は認めております。
#39
○小笠原貞子君 私の方もいろいろ資料を出してみて、先ほど局長おっしゃいましたように、フィッシュソリュブルが非常に多いと言っているのは日清飼料の研究室のデータで、私も、じゃこれが大きな原因だったのかなと思っておりましたけれども、後日、これは不備であったと訂正されたわけです。そこで、フィッシュソリュブルそのものは使っていないけれども、たとえば、伺いますと、ホールミールというようなことで、いま魚粉を乾燥させて、それをまた油に吸着させるというようなやり方をとっていらっしゃるというようなことも伺ったわけなんですけれども、それじゃ、そのホールミールが通常より多過ぎたというような関係で酸価というものが出たのかどうか、その辺の関係はいかがなものでしょうか。
#40
○政府委員(澤邊守君) ただいまおっしゃったことも一つの原因とは見られますけれども、それだけではなくて、やはりかなり時間がたっておるという点から酸価が高くなったのではないかというように見ております。
#41
○小笠原貞子君 時間がたったことや、もう一つの決め手になる原因というようなものがなくて、大変問題がややこしく困難になってきていると思いますけれども、やっぱりいろいろな作用の中から原因というものも追及していかなければならないと思うわけです。
 もう一つ、丸紅飼料の方の研究室のデータが出ていると思いますけれども、それについてちょっとお知らせいただきたいと思います。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
#42
○政府委員(澤邊守君) 茨城県下のブロイラー農家から、本年三月、丸紅飼料の千葉工場を経由して同社の中央研究所に河田飼料のただいまの飼料、配合飼料三種類と病鶏六羽が持ち込まれて、三月二十八日に分析の試験が終わっておるというように聞いております。その結果は、粗たん白質等の成分七成分のほか、酸価、過酸化物価等を測定しておりますが、その結果、一般成分については、特に異常は認められないが、酸価については四〇ないし五〇程度であり、若干高い数値を示しておるという結果になっております。病鶏については剖検所見において、肝、肝臓ですか、肝周辺部の出血のほか、心臓、小腸、胃等にも若干の異常が認められ、また一部には盲腸にコクシジウムのオーシストが著しく認められた等の報告がなされているということでございます。このデータについては、飼料の銘柄、製造年月が必ずしも明らかでなく、病鶏についても十分な観察がなされていないこともありまして、飼料との関係について特にこれだけで結論が得られないという現状でございます。
#43
○小笠原貞子君 この丸紅飼料の分析データというものは、かなり正確に分析されているように私たちは検討したわけです。時期も三月中旬に行われている、製造された時期的には異なっている二つのものについての酸価がまた、ここでもちょっと検討したいと思うんですけれども、昨年のものが五三・三二になって、ことしのものが、ばらで四〇・四五ですか、袋の方が四二・一二となっております。まあ先ほどからおっしゃっていますように、通常家禽類に与える飼料の酸価の許容範囲というのが二〇ないし四〇ということで、かなり幅が持たれているということなんですけれども、この分析データから見ても、やっぱりえさだったという決定的とは言えないまでも、ここら辺のところにも疑わしいというふうに、やっぱりえさというものに疑惑が残るということなんです。それでまた、いま局長もおっしゃいましたように、解剖を依頼しております。その解剖の所見というのを先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、心臓肥大だとか、それから肝臓出血、心臓外膜症状、小腸の肉が厚いとか、胃袋がびらんしているとか、胆汁が多いとか、骨がもろいというようなことが解剖の結果に出ているわけです。けれども、これはまあ、解剖して見ればこういう症状というのは、もう往々にして出てくるもんだ、だから、ここが病気だったから、これは、えさではなくて、この病気が原因だ、というわけにもいかないんじゃないかというふうに私の方は考えられる。とすると、やっぱりこういった病気の症状が原因ということを証明しているのではなくて、やっぱりいろいろな面から見たえさというものの疑いがやっぱり残るというふうに見ているんですけれどもどうでしょうか。
#44
○政府委員(澤邊守君) 酸価の問題繰り返しお尋ねいただいておりますけれども、まあ専門家の話聞きますと、酸価は一〇〇を超すというようなことになりますと、これは変敗しておるというふうに見ておりますが、だから四〇あるいは五〇というのはやや高いということはこれは間違いございませんけれども、非常に高い、危ないというほどではないというように聞いております。それから丸紅飼料の研究所で行いました病鶏についての解剖所見でございますけれども、これは先ほど申し上げましたようなことでございますが、私どもの聞いておるところでは、持ち込まれました病難は、かなりの部分は腐敗しているものもあったということでございますので、これだけをもって直ちに飼料との結びつきを云々するのはむずかしいのではないかというふうに考えております。
#45
○小笠原貞子君 確かにこれだという、判定しにくいとおっしゃることもわかるような気もいたしますが、私たちもまた独自に分析を依頼をいたしまして、その結果一つの分析結果というものが出ているわけです。これは粗たん白が一五・七八%、純たん白が一四・七%で、差が一・〇五、それぞれの水溶性のものについての分析値は粗たん白が一・二六%で純たん白が〇・六八、この差が〇・五八だと。魚ふん、魚かすで良質のものであれば水溶性についての差は出てこない、ちょっと多過ぎる、普通は〇・二ないし三くらいだと。これで見てもちょっと疑いがある。これが直接大きな原因だとか、これ大変専門的な分析なので、私も科学的にどうだということは言えないわけなんですけれども、そういうような点も出てきているというふうな結果もいただいたわけなんですね。そういうような点についてはどういうふうに検討、いますぐのことですからおわかりにならないという点もございましょうけれども、こういうようなものはどういうふうにこれから検討するものになるのだろうかというような、そんな点ちょっと伺わしてください。
#46
○政府委員(澤邊守君) 御質問の点につきましては、分析法、結果の読み方など技術的な問題でもありますので、当方におきましても研究者の意見を聞いて十分検討することとしたいと思います。
#47
○小笠原貞子君 いろいろ私、ぐたぐたと申し上げましたけれども、やっぱりこの河田飼料の疑いというのは晴れないわけですね。これが決め手というわけではないけれども、この飼料というものがやっぱり原因ではないか、という疑いがどうしても晴れてまいりません。ここで農林省としても、こういう疑わしきことのないようにぜひ注意を喚起していただきたいし、それから行政指導の面でいろいろ改善していただきたい。特にこの河田飼料が登録飼料だということも考えていただきたいことだと思うわけです。せんだって参考人の河田さんに対してちょっとお伺いをしたわけなんですけれども、メーカーの姿勢、とるべき対応策について決して、私に言わせれば何かもう最後にはちょっと居直られたみたいなことを言われたりいたしましてね。ちょっとやっぱりメーカーとしては、農民の方たちがメーカーの飼料にもう本当に依存せざるを得ないという状態の中ですから、メーカーとしての姿勢というものは、もうちょっと誠実であってもらいたかったと思ったわけですけれども、まあそれはそれといたしまして、メーカーだけではなくって、農林省におかれても、メーカーに対するいろいろと指導などなさる責任をお持ちになっていらっしゃるわけですから、この辺のところも考えていただきたいというふうに思うわけです。特にこの間もちょっと問題にいたしましたけれども、熊倉さんとの合意書というものを見せていただいたわけなんですけれども、あえて口外しないということの一句をそこに入れられて、何か事件のもみ消しを図られたりというような点が大変残念だと思うわけです。消費者である農民の訴えに率直に、本当に耳をかして、そして第三者機関への分析依頼などの方策も、もう半年もたったえさで分析するというようなことではなくて、早くに手を打っていただくというようなことから考えても、やっぱりメーカーだけではなくて、農林省としてメーカーに対する何といいましょうか、倫理的な指導といいましょうか、経済面だけではなくて、やっぱり農家に対しての責任というようなものを考えて営業というものをやっていただきたいというような、そういう意味での高度な指導ですね、それをやっぱり考えていただかなければならないと、こう思うわけですけれども、これは大臣から御所見伺いたいと思うんです。やっぱり農民はメーカーさんを頼ってメーカーさんのえさを使わざるを得ない。そうすると、そのメーカーもやっぱり営業という面ではなくて、率直に農民の意見も聞くというような、そういう姿勢でやってもらいたいというような、そういう倫理面といいましょうか、そういう面での指導というものも、農林省の中でも考えていただきたいと思うわけなんですけれども、いかがですか。
#48
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまいろいろとお話がございましたが、これまでに判明したこの事故の経過等にかんがみましても、事故発生時の対応の仕方、その後の処理の仕方等の面でメーカー側に不適切な面があったことはこれは事実であろうと思います。これに対しまして、メーカーの責任者に対して厳重に注意し、今後遺憾なきを期するように指導はしてきておるわけでありますが、なお国の検査その他の調査結果から見て、現段階のところでは、今回の事故が当該メーカーのえさの給与に起因するものと断定をするまでには至っていないわけでございますが、今後とも引き続きこの原因につきましては究明をしなければならない。そうしていまお話のありましたように、消費者たる農民の信頼にこたえていかなきゃならない責任がある、こういうふうに思います。
#49
○小笠原貞子君 そういう姿勢でやっていただきたいと切に希望するものです。
 さてそこで、そういう姿勢でやろうとなすったときに、具体的にそういう姿勢を裏づけられる検査体制なり研究体制というものがあるだろうかどうかということ、この法案が通りました後の問題で、前回からこの委員会でもまた、衆議院においてもいろいろ論議されていることで、あえて重ねて申し上げたくはないと思いますけれども、この事件を通して私は非常にその点が残念だったわけなんです。先ほども言いましたように、事件発生というところで当事者である熊倉さんは、県に連絡をした、しかしなかなかすぐに答えてもらえなかったというような点ですね。この間からの局長の答弁の中で、現在肥飼料検査所は国のものが六カ所だと、各都道府県に各一カ所ある、人員にしてはこの間、何か四十四人しかいないというようなお話があったわけですけれども、この法律が通りまして、ある意味では検査というものが整理されてきて楽になるというような点もおありかと思いますけれども、また今度のような問題が絶対起きないとは限らない。そんなときに本当にこれをすぐに受けて立って検査してもらえるだろうかということを考えますと、大変に私たち不安に思いますし、またこの間からの論議も、その点が果たして大丈夫か、という討論になっていたと思うわけです。第一に、国の検査所六カ所、四十四人というようなものを、この間の御答弁を伺いましたのでは、いますぐ何カ所、何人ふやす、予算はどれくらいだ、と言うことはおできにならないということでしたので、あえてお答えはいただかなくても結構ですけれども、ぜひ拡充して成果あるものに、この法案の成果をちゃんとそこで締めくくれるようにしていただきたいと思うわけです。
 第二の問題については、この間も検査機能を分担するとおっしゃいましたね。国の方は安全性の問題を主にして、そして地方の場合にはその成分というような分担をしてやっていくというようなお答えが出ていたわけなんですけれども、確かに分担するということは機能的みたいに見えるけれども、今度みたいな事件が起こったときに、地方にそれだけのものを検査するというような体制が――これではちょっとやりにくくなるんではないか、かえって時間がかかるというようなことになるんではないかというようなことから、その機能分担ということでやっていけるかどうかということですね。ちょっと不安が残るという問題点と、それからいろいろ伺ってみると、検査機械に対しての国の補助というものが、地方の場合には出ているわけなんですけれども、機械もさることながら、この人件費というようなものも地方自治体にとってみれば非常に関心があるし、ぜひ要求したいという問題だと思うのですね。人件費の補助というものはなかなかむずかしいとおっしゃると思いますけれども、考えられないのかどうか、今回の栃木県の場合にはわずか二人なんですね、職員が。これではとても大変だと言われるのも無理ないと思うのですね。特に特約店や農家などから、いまみたいに具体的に出てきたというようなことでは、とても立っていかないんじゃないか。
 それから私は、北海道がどうなっているかなというようなことをすぐ問い合わしてみたのですけれども、北海道も実にお粗末な体制になっておりまして、きちっと独立してなくて、北海道農務部畑作振興課肥飼料検査室ということになって、道庁内の部局になっていて、職員は二人だと。しかもそれが専従ではなくて一般の仕事と兼務しているということだったわけですね。ビルはりっぱな合同庁舎に入ってますけれども、二人が兼務やってこれで果たして、農家やメーカーから物を持ってこられたときに、果たしてどの程度これにこたえることができるのか、というような点を大変心配したわけなんで、その点などについてお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(澤邊守君) 検査機関は国、県を通じて、本法施行に伴い、できるだけ拡充するように、人員の面でも予算の面でも努力をしたいと思います。
 そこで、第一点のお尋ねの分担関係でございますが、これまでは法律に基づくものといたしましては、栄養成分の確保の観点からの検査を中心にしておりまして、これも販売業者とかあるいは小さな中小のメーカーについては県、それから大きなメーカー、工場については国というような分担を一応はしておりましたが、今後、安全性の検査が法的な検査として加わるわけでございますが、安全性の問題はその重要性から言いまして、また技術的なむずかしさから言いましても、各県で全部こなすのはなかなかむずかしかろうというふうに思いますので、これは国の検査機関が重点的にやる。もちろん県がやらないという意味じゃございませんけれども、重点をそちらに置いていきたい。県は従来の栄養成分の確保という観点からの検査を重点としてやるという一応の分担でございますので、これは片一方は絶対やらない、こういう趣旨ではございません。そのようにして常時定期的に協議をいたしまして遺漏のないようにしていきたいと考えております。
 それから県の検査機関が非常に弱体であるという点につきましては、御指摘の面が多いと思いますので、県によって若干の差異はございますけれども、施設の援助のほか、人件費についても援助しろというお話でございますが、これは実は現在、地方交付税の基準財政需要の算定基礎に入っておらなくて、前々から何回も自治省に対しまして入れてもらうようにお話をしているわけですけれども、まだ実現しておりませんけれども、今回、法改正をすることを契機といたしまして、来年度にはぜひ算定基礎に算入してもらうように、そうすれば人件費も施設費、運営費もともに算入されることになるわけでございますので、その点に当面重点を置いて措置をしていきたいというように考えております。
 北海道につきましてはやや、他の県から比べても若干見劣りすると思います。その点は今後、各県アンバランスにならないように、交付税の算定基礎に入れることになれば、そういう点でも前進できるのではないかというふうに考えております。
#51
○小笠原貞子君 いま各県調べてみますと、県の中には条例をつくって、そして農家からの訴えや申請に基づいて手数料を取って検査を行っているというところもあるわけでございますけれども、どっちがいいやり方だということはわからないにしても、いろいろ分担だとか全体機能を発揮するということで考えていただけると思うのですけれども、こういうような問題になると、持って行ってもなかなかちゃんと答えてもらえない、それじゃもう大変だというので、泣き寝入りになってしまう。これは言っていってもめんどうくさいなんということで黙っているというような農家の方たちにもなきにしもあらずと。いつも私たちも言うし、また大臣も局長もそうだと思いますけれども、やっぱりこういう畜産を発展させるというのには、農家の方たちが生産に意欲を燃やすという自発性というものが一番大事な基礎になっている、そういうことから考えても、この法律が改正されるのを時といたしまして、こういった申請についてその処理方法、国とそれから地方自治体、北海道で言えば道というような関係で、一貫してどういうふうにやったらいいか、というようなものを、こういうふうにやろうと思いますというのではなくて、何か制度的なあり方というようなもので御検討いただけますでしょうか。
#52
○政府委員(澤邊守君) ただいまのお尋ねは依頼検査のことではないかと思いますが、先ほど申し上げました強制抜き取り検査、これは手数料を取るべき性質のものじゃないと思います。現在取っておらないと思います。依頼検査の場合は任意検査でございまして、これは現在の体制ではなかなかそれに応じられないという県があると思います。北海道の例で申し上げますと、これは無料にはなっているけれども、なかなか応じてくれないという現実がございます。したがいまして、今後検討してみたいと思いますけれども、まあ、ある程度手数料はいただくということにしながら、そのかわり、できるだけ依頼検査には応じていくというようなことも一つの方法ではないかというふうにただいま御質問伺いながら感じましたけれども、よく研究をしてみたいと思います。
#53
○小笠原貞子君 抜き取り検査もあるし、いろいろな業務があるという中で、どんどん持ち込まれたら大変だ、というような点からやっぱりちょっとその辺のところをどういうふうにしたら一番合理的かということを御検討いただきたい。別に検査してください、お金を取ってください、と言っているのではないですよ。お金を取らないでサービスしていただければ一番いいのですから、その辺誤解のないようにお願いしたいと思うわけです。
 それで、検査制度の充実、安全確保というようなところに重点が置かれていかなければならないと思うものですけれども、とりわけ抗生物質についての問題なんですけれども、やっぱり抗生物質というのは使用は非常に厳格にやっていただきたい。その体制は、オール一〇〇%ということはおっしゃれないかもしれないけれども、万全を期するという立場で抗生物質の取り扱いというものを御検討いただいているのかどうか。それからもう一つの問題は、農家の自家配合している場合ですね、自分でそれぞれ自家配合するというときに、その抗生物質というものはどういうふうに扱われるのか。この改正法では、それに対してのチェックが及ぼされるのかどうか、具体的な問題としてお伺いしたいと思います。
#54
○政府委員(澤邊守君) 飼料添加物はできるだけ整理をして必要最小限度にとどめるように本法施行までの間に総見直しを、総点検をしてみたいというふうに考えておりますが、その中で、特に抗生物質につきましては残留性の問題なりあるいは耐性菌の増加の問題等種々ございますので、特に耐性菌の問題につきましては、何回も御指摘もいただいておりますので、これは人体と共通の抗生物質については特に使わないように整理をしていく方向で見直しをしたいと思っております。
 それから、自家配合農家での抗生物質の使用の問題につきましては、これは技術的になかなか均一に抗生物質を添加するというのはむずかしいこともございますし、それから、有効な監視の方法も実際問題としてなかなか徹底できないという問題もございますので、抗生物質を飼料添加物として使うというのは、配合飼料工場においてのみに限定をして、農家では使えないというような基準を二条の二に基づきます製造基準の中に入れたいというふうに考えております。
#55
○小笠原貞子君 それじゃ、全然農家が使うというようなことはできないということですか。
#56
○政府委員(澤邊守君) はい、そうです。
#57
○小笠原貞子君 でも全然使わないとするとちょっと困るから、だからそれは証明書でももらって使えるというような道がないと。それもまた極端に押えられてしまうのではないかと思いますけれども……。
#58
○政府委員(澤邊守君) ただいま申し上げましたのは、飼料添加物として抗生物質を使わせない。ただ、動物医薬品として、同じものでも医薬品として使う場合がございます。これは獣医師の指示によりまして、いわゆる処方せんに基づいて購入して使うということは、添加物とは別個の問題としてできるようには引き続きなるということでございます。
#59
○小笠原貞子君 そういうふうに十分注意しながら、また農家の被害が出ないようにというところから解決させていくようにしたいと思いますけれども、そのときもなかなか大変ですね。農家一軒一軒に対してどういうふうに指導するか、この間も局長その辺が頭痛いとおっしゃっていた内容だと思うのですけれども、大変だと思いますけれども、農家に対して親切な御指導もいただきたい、メーカーの方も押えるというふうなことで、ぜひ御指導もいただきたいと思うわけです。
 次に、衆議院、そしてここでも大きな問題になりました、またちょっと言うのも同じようなお答えになるから、時間がありませんので局長の答弁も簡単で結構なんですけれども、配合割合の表示の問題なんです。これはどうしてもあまりいい答えが出ないものですから、またここで重ねて言わなければならないということになりました。
 前々からこの希望というのは非常にあったということで、私も前の予算委員会のときでしたかもお願いをしたんですけれども、今回いろいろとこの問題を通して農家の方々の御意見などを伺ってみますと、本当にこれが配合割合を表示してほしいというのが切実な声になってきているわけなんですね。で、本当に配合割合が表示されていたらと言われれば、そうしてあげたらいいのにな、というふうに、私はそう思うわけなんですわ。この農家の方々の配合割合の表示をしてほしいというような願いというものは、やっぱりそれなりに当然なんだというふうに私は認められるべきではないかと思うんですけれども、その辺のところのお考えいかがでしょうか。これはとても、こんなことを言っているのはけしからぬ、そうはおっしゃらないでしょうけれども、無理だとおっしゃるのか、農家のそういう希望に対してこれは当然の希望だなと御理解いただけるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#60
○政府委員(澤邊守君) 一部の農家でそういう御要望が非常に強いというこも承知してもおりますし、それなりの理由はあるというふうに私どもも思います。ただこの問題は、そういう農家の要請と、それから前々から申し上げておりますような飼料の原料がしょっちゅう変わるというような、これは多分に技術的なことかもしれませんが。それからもう一つは、企業の研究開発を阻害するようなことは好ましくないということ。これは長期的に見ればそれによって畜産農家にメリットとしてはね返る問題でもございますので、その辺の調和をどの点で図るかということではないかというように思います。そういう点から私どもとしては全配合割合についていま直ちに表示させるという点については適当ではないのではないかと思っておりますけれども、種々御意見もございますし、主要原料等につきましては、企業のノーハウという面でも、主要原料については他の微量な副資材、副原料等に比べればノーハウの程度は低いと思います、これは。で、そういう点を中心にいたしましてできるところは配合割合を表示させるような方向で検討をしてまいりたいと思っております。
#61
○小笠原貞子君 私、衆議院からずっと議事録を見せていただきまして、そういう農家の希望はわかる、そういうふうに検討をする、というようなことのお答えもちょっと出ていたように思うんですけれども、とにかくいまのところは、というふうなところで、また引っかかってきてしまうわけなんですね。もう将来においてなんというのでなく、農家の方は、いまやってほしいというところに、ちょっとずれが出てくるという点なんですけれども、六月三日の衆議院の委員会に出席した太田康二参考人のところをちょっと読ましていただいてみました。飼料品質改善制度研究会の席上、農林省は、必要とあらばこの八条の規定によって配合割合等についても、ものによっては何か決めることがあると話をした、というふうにおっしゃっていましたし、また同様に局長も、改正法八条第一項第一号にその余地を残されているというふうにお答えになっていらっしゃるし、いまも必要とあればというふうにおっしゃってくだすったわけですけれども、その必要とあればの、いまところはでなくて、将来において、というところね。必要あれば、というのは具体的にどういうところか、農家は必要だとこう言っているわけですけれども。それから、いまはちょっと、と言うけれども、それじゃそのいまというのはどこまで続くいまなのか。要求が非常に切実になっていますから、ちょっと伺っておきます。
#62
○政府委員(澤邊守君) 八条の第一号に「原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」を農林大臣定めることになっているわけでございますが、告示で定めるわけでございますが、この規定によりまして法律的には全配合割合を書かせることは可能である。ただし、それをどこまで書かせるかについては私どもとしては全部は適当でないというふうに考えておるわけでございますが、法律的には可能である。最終的にはやはり審議会の意見を聞いた上で決めたいと思っておりますが、私どもといたしましては、主要原料については書かせる方向で検討をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。その意味で現在のところは、といいますのはただいま申し上げたようなことでございまして、全配合割合について書かせるということについてはなお適当では、運用の問題として適当ではないという考えは持っておるわけでございます。
#63
○小笠原貞子君 いろいろ調べたり御答弁を伺ったりして私の方も考えたわけなんですけれども、銘柄ごとの配合割合はつかんでいないというようなことも言えないことに結果的にはなってしまったと。なぜなら、今度の改正で表示が義務づけられますTDN、DCPなどは、正確な配合割合ができなければ計算が出てこない仕掛けになっていますね。また衆議院の議事録を見ますと、大蔵省の関税局でも免税品管理からの、工場からの報告をとっているというふうに説明されていましたし、そうすれば、横の連絡ですぐわかるんじゃないか。まあ、そんなことをしなくても、農林省自身でも、やればやれる、わかるのはわかるんだということになっているという時点から考えれば、それに先ほどおっしゃったように、主要原料というのは七五%、ノーハウにかかるというのはわずかの一五%程度ということになれば、少なくとも主要原料についての配合割合というものについては、一日も早く表示していただきたいと思うわけなんです。それから、四十八年の九月二十七日付になっておりますけれども、「配(混)合飼料の原料等の表示について」というような局長通達の中に、表示実施要領というのがございまして、その(3)の「エ」というところに「新たに追加するものがあるときは、ゴム印等をもって追加してさしつかえないものとする」と、一定の融通がきかされているわけなんですね。それで、ここのところは、私もそれでどういうことかなあと思って、飼料の袋というものを見てみましても、確かに書いてあるわけですね。ここに表示が書いてあって、そして今度は、「ただし、以上の原料、飼料添加物のほか、次のものを代替または追加して使用していることがあります」ということで、こっちでは魚粉だとか、何だとかだいぶ書いてあるけれども、ここのところではフィッシュソリュブルというようなことだとかというのが出ているわけですね。そうすると、これも非常に幅があり過ぎて、こっちできちっとこういうものなんだと言いながら、ここのところでは「ただしこういうのがあります」なんて言ったら、こういうことがあるから、農家の方では「ただし、こういうのでもいい」というようなことで、安いものをつっ込んでいるんじゃないかというふうな不安もあるし、こういうような「ただし」なんていうのをやめさせたらどうなんだ、というふうなことについて、どう考えていらっしゃるか。
 また、ずっと見ていきましたら、ここにも出ているのですけれども、ある会社だと大きく出ていますね、完全配合飼料というのが出ているわけです。「完全」というのは一体どういう概念で完全ということか。完全配合飼料なんて、「完全」なんというのは、ちょっとこれは誇大表示みたいな気もするし、こんなのも、ちょっとやめてもらったらどうなのかなと、こういうふうに考えるんですけれども。ちょっとこのただし書きの点とこれどう考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#64
○政府委員(澤邊守君) ただいまの通達のただし書きのことでございますが、これは結論的に申し上げますと、御指摘のようなことで全部書かせるように、ただし書きはやめるようにしたいと思っております。それから、完全飼料という言葉でございますが、まあこれだけ食べさせれば家畜が飼えるという意味で、ほかのものを添加しなくてもよろしいという意味でそういう言葉を使っておりますが、まあ一〇〇%完全ということはないという意味ではオーバーという見方もあろうかと思いまするので、よく検討したいと思います。
#65
○小笠原貞子君 こんなふうにいろいろ事故が起こった中で、完全なんていうのは、まさに誇大広告もいいところだと思うので、その辺のところをちょっと注意してもらいたいと思うのですが。
 時間がなくなりましたので、最後に耐性菌の問題についてお伺いしたいと思うのですけども、私たちは、共産党として修正案を出しているわけで、その中にも入れております耐性菌についてお尋ねしたいわけです。現在の飼料に、成長、促進というような名目で、抗性物質、サルファ剤などの抗菌剤が年間約三千七百四十トンですか混入されている、それが耐性菌の増加を招き、これが人間にも入ってくるということですね。各種の病源菌の特効薬として従来使用されていた抗菌剤が効かなくなるというふうなことになってまいりますと、これも衆議院で津川委員が専門の立場で指摘をしておりますけれども、大変憂慮すべき危険性というものが考えられるわけです。まだ、学問的には未解決の部分というものもあろうかと思いますけれども、耐性菌の存在そのものがきわめていろいろな悪影響をもたらすということも考えられると、とりわけ人畜共用というような抗性物質の使用については、厳重なチェックということを考えていかなければならない。そういうことで、私たちは改正案の第二条の二にこの趣旨を盛り込んだわけですけれども、それはとり分けこの人畜共用というような、抗生物質や耐性菌の問題から考えて、どうしてもここを重視する必要があると、積極的に考えたわけなんですけれども、この耐性菌の問題について農林省としてはどういうふうに考えていただけるのかどうか。改正案で十分対応できるのかどうか、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(澤邊守君) 抗生物質につきましては、耐性菌の増加の問題が非常に憂慮されるわけでございます。特に御指摘のように、人畜共通の、共用の抗生物質については、人に効かなくなるおそれがあるということで、重大な問題だと思いますので、私どもとしては、二条の三で飼料添加物を指定することにしております。審議会の意見を聞いた上で農林大臣が指定することになっておりますが、その際に、ただいまのような観点から十分に審査をいたしまして、おそれの、心配のあるものにつきましては、指定をしないようにしてまいりたいと考えております。
#67
○小笠原貞子君 こういった問題については農林省だけでなく、厚生省とも御協力をいただいて、御検討いただけると思うわけですけれども、耐性菌の問題というのは、やっぱり私は軽々しく見られない非常に大きなこれからの問題になっていくのではないかということから、省内にこれに対して専門的なプロジェクトチームでもおつくりになって、具体的に試験研究をさせるというようなことも考えていってしかるべきではないかというふうに考えるわけですけれども、そこまで具体的にお考えいただけないものでしょうか。
#68
○政府委員(澤邊守君) 農林省におきましては、畜産局、それから技術会議の試験研究機関、それから獣医師会等で、一昨年から耐性菌の研究会を発足させております。これらの検討も含めまして、必要な場合にはさらに拡充をしていくということも今後検討したいと思います。
#69
○小笠原貞子君 時間が急に三十分短縮になりましたものですから、スピードをかけてしまいましたけれども、要は、申し上げたいことは、二の飼料というものが非常にいま大きな問題になっておりますし、こういうような事故が起きないようにということが大前提でございますけれども、もしも事故が起こったときには、これにいち早く対処するという体制のもとで、そうして何といっても生産農民にとりましては、これは非常に生活上の大きな問題でございますので、十分に生産農民の立場に立った処理を迅速にやっていただくという体制を、ぜひこの機会に考えていただきたい、実施していただきたい。そうして、飼料メーカーに対しても、生産利潤というような立場じゃなく、先ほど言ったように、やっぱり倫理的な面で、十分農家からまさに信頼される飼料というようなことで、製造できるようなというふうな点でも、御指導なりやっていただきたいと、そういうことを心からお願いをして終わらしていただきたいと思います。
#70
○政府委員(澤邊守君) 御趣旨の線に沿いまして最大の努力をしたいと思います。
#71
○志苫裕君 改正法案のことに入る前に、ちょっとお伺いしておきますが、さきに可決をされました伝染病予防法の改正案の審議の際に、私は牛の異常産、アカバネウイルスの問題に触れていろいろとお尋ねしたのでありますが、そのときに早い機会にワクチンの製造もやろう、こういうお話だったのですが、具体的にワクチンの製造の作業というか、研究ですか、これがどの程度進んでおるのかお伺いしたいのですが、聞くところによりますと、技術研究会議の重点研究テーマに入っていないやに聞いておるんでありますが、その辺の事情について。
#72
○政府委員(小山義夫君) 牛の異常産につきましては、まず原因の究明にだいぶん手間取りまして、困ったわけでございますけれども、プロジェクトチームを編成をして研究をした結果、血清学的な手法を中心とした研究の中で、いまお話のありましたアカバネウイルスが原因だというふうに疑われる成績が出てまいりましたので、これについて検討をした結果、アカバネウイルスの分離に昨年の秋成功いたしまして、それをさらに、これが確かに異常産の原因であるということを確認をするために、妊娠牛とそれから妊娠綿羊に感染試験を実施をいたしました。で、陽性反応が出ましたので、これは確かにアカバネウイルスが原因であるということが確認できたわけでございます。この点についてはオーストラリアを初め、諸外国にも同じような異常産がございまして、原因がわからなくて困っていたわけでありますけれども、私どもが世界で初めてこの原因を確かめることができて、そういう意味での研究情報は各国に提供しておるわけでございます。
 そこで、お尋ねの予防技術でございますが、やはりウイルスでございますから、ワクチンの開発が一番大事だということで、いま進めております現段階を申し上げますと、分離しましたウイルスを種にして、直ちに増殖に入っております。ワクチンにもいろんなあれがございますけれども、いまとりあえずやっておりますのは、不活化ワクチン、いわゆるウイルスを殺して使うワクチンでございますけれども、この不活化ワクチンの開発をいましている最中でございます。これからの課題といたしましては、不活化ワクチンを使う場合に、やはりより有効なウイルスを不活化させる方法、それからさらに免疫を強くするためのアジュバントの検討というふうな問題がございますので、これをいまやっておる最中でございます。
 さらに、いま申し上げたのは不活化ワクチンでございますが、本命はやはり生ワクチンの開発が必要になってまいります。と言いますのは、やはり生ワクチンの方が免疫の期間も長いし、あるいは使用上の利点等がございますので、これをぜひとも開発をしたい。ただ、この場合には、これは生きているウイルスを使いますので、これを弱毒化させる方法なり、あるいは生きておりますので、実際に使う場合に障害があってはいけません。安全性を十分に確認をしなければいけない、こういう問題が残っておるわけでございます。
 以上のようなことを現在までやっておりますが、それについては、先ほども申し上げましたように、四十八年からことしまで、三年間のプロジェクトチームを編成をしてやってきたわけでありますが、さらにいま申し上げたような課題が残っておりますので、五十一年度から、来年度予算から引き続きプロジェクト研究費を別枠で要求をするつもりで、いま私どもの局の中で予算編成作業に入っております。こういう段階でございます。
#73
○志苫裕君 いまいろいろな経過はわかりましたが、この間の審議の際にも大体それに似たような答弁をいただいておるわけでありまして、私があえて強調しておりますのは、そういう事情を踏まえて、なお大臣も答弁があり、この委員会でも附帯決議までつけたんでありますから、ひとつ重点的に力を入れてやってほしいということを言っているわけでありますが、何ですか、五十一年度予算で云々ということですが、五十一年度から力を入れるということですか。あんまり長ったらしい言いわけはいいですから、やるのかやらぬのかはっきりしてください。
#74
○政府委員(小山義夫君) 五十年度予算まで特別の大枠の別枠予算額を組んでおります。で、いま申し上げましたように、不活化ワクチンについては、もう一両年の間には十分使える段階になるということになっております。で、生ワクチンについては、いま申し上げたように、時間がかかりますものですから、五十一年度からさらに引き続きプロジェクトの別枠予算を組むことで、いま省内で予算要求をしている段階、こういうことでございます。
#75
○志苫裕君 了解しました。ひとつこれは力を入れてやってください。
 次に法案でありますが、ずいぶんたくさんの方が審議をされておりますから、私も大まかなことしかお伺いいたしませんが、「目的」からちょっとお伺いしようと思うのでありますが、しばしば説明がありますように、「品質の改善」と「安全性の確保」という二本立てになったところに特徴がある、このように述べておるのでありますが、そのうちの「品質の改善」ですが、現行法は、品質を保全をして、飼養管理の合理化に資するというのが現行法です。改正法は品質の改善を図って畜産物等の生産の安定に寄与する。ずいぶん言い方が変わっているわけですね。で、二本立てとは言いますものの、安全性の問題後ほどしますが、品質の点に焦点をしぼって言いましても「品質の改善」そのものにもずいぶんと表現の違いがあるわけでありますが、これは何か発想の転換があるんですか。
#76
○政府委員(澤邊守君) 現行の飼料の品質の改善に関する法律の名前から安全性という言葉は入っておらないわけでありますが、内容自体も、安全性の観点からの諸規制は入っておりません。本来品質という言葉の中には、当然安全性の角度からの品質ということも一般的には問題になるはずでございますけれども、この法律自体は品質改善法であり、その内容も安全性の観点からの規定がないわけでございます。そういう意味で、今回は表題も題名も改め、さらに「安全性の確保」と「品質の改善」というのを一条の中に入れたわけでございます。それとの関連で、先ほど御指摘のございました現行法の「飼養管理の合理化に資することを目的とする。」という表現を「畜産物等の生産の安定に寄与することを目的とする。」というふうに改めましたのは、ただいま申し述べましたような観点からしますと、「家畜家きんの飼養管理の合理化」という点は、どちらかと言えば、やっぱり栄養成分が確保されて、それは見分けやすいと、表示もしっかりされておると、一定の成分も保証されているというようなこととの関連でこういう言葉を使っておるわけでございますが、言葉としてやや不十分ではないか。そういう問題も含めまして、家畜に対する安全性の問題もありますので、そういう安全を損なって生産が不安定になるということも防止しなければいけないという新しい目的からいたしまして、それらの「飼養管理の合理化」という問題も含めて、より広い概念として、「生産の安定に寄与する」というように変えたわけでございます。したがいまして、繰り返しで恐縮ですけれども、人体に対する安全性の問題と家畜に対する安全性の問題これが現行の法律では抜けておる、それを入れたという意味では新しい発想というふうに言って差し支えないと思います。
#77
○志苫裕君 ですから「安全性の確保」というものを新しく加えたという点では、それが特徴であることはわかりますし、評価もしておるのですが、私はごく単純に読みまして、第一条で、一番後ろのところに「もつて公共の安全の確保と畜産物等の生産の安定に寄与する」と、どういう方法でというと、「安全性の確保」と「品質の改善」でそうすると言うのです。だから安全性の確保ということは公共の安全にかかるし、品質の改善というものは、畜産物等の生産の安定にかかるというふうに、これすらっと読めましてね。そうすると、品質の改善を図って畜産物等の生産の安定に寄与する……。従来の方は、品質保全をして、公正取引と飼養管理の合理化に寄与する、という意味ではずいぶん改正法の方が幅が広いといいますか、そこでまあ発想の転換があるのかと思って聞いてみたら、どうも余りはっきりしないんですが。私がむしろ申し上げたいのは、飼料の品質という場合に、ただ栄養効果の面での品質というよりは、もう少し幅広く国民経済的な視点から飼料の品質というふうなものを考えることが今日の畜産では必要なのではないかという意味で、たとえば旧法でいきますと、「合理化に資する」と、こうなるわけでありますが、その合理性というようなものを追求をする余りに、率直に申し上げまして、日本の畜産ずいぶん奇形だと。濃厚飼料の片寄りが高いとか、輸入にほとんどもうおんぶしているとか、まあいろいろありますけれども、あるいは配合飼料が流通飼料の大部分占めてますから、何のことはない、商社に畜産農家が全部支配されてしまうとか、そういう意味では俗にまあ加工畜産と言われますように非常に奇形です。これは非常に畜産の経営なり畜産物の生産というものから見ていきますと非常に不安定だ。どこかがつっかえると、もう全部がたがたいっちゃうというようなそういう不安定性を持っておる。そういう不安定性というものを安定性のあるものにひとつ切りかえていこう、発展をさせていこうというような、そういう発想も含めて、飼料の品質というのはそういう視点でもむしろ見直すんだ、という発想が入るべきだと思うし、入っているのかどうなのかということを聞いているわけです。
#78
○政府委員(澤邊守君) 先ほどちょっと御指摘ございました「公共の安全の確保」というのは、主としては人体に対する安全を強調、それを含めておるつもりでございます。もちろん、「公共の安全」という中に幅広くその他のことまで、家畜に対する安全の問題が入らないと言い切るのもいかがかと思いますが、どちらかと言えばそちらということで、「畜産物等の生産の安定」というところで、家畜に対する安全性の問題なり、それから品質の改善の問題、両方含めておるという気持ちでございます。そこで、いま先生のお尋ねございました、もう少し次元の高い立場で日本の畜産経営が――いま一言で言えば奇形になっている、粗飼料の給与率が非常に低いとか、あるいは配合飼料に依存し過ぎているとかいう点は御指摘の面は確かにあるわけでございますけれども、この法律はどちらかと言いますと、第一条の初めの方にも書いてございますように、「製造等に関する規制」だとか「公定規格の設定」、これによる検定等行うことによるという、まあ具体的な手段なり、手法が入っておりますけれども、現行法もそうですけれども、どちらかと言うと技術的な観点からの法律でございますので、そこまではこの法律に全部包含して、含めては考えておらないわけでございます。けれども、御指摘の点は事柄としては非常に大事なことでございますし、この法律の中で直接それに伴う規制をやるということではございませんけれども、この法律を離れて、飼料行政全体の中で御指摘のような点を直していくと言いますか、国民経済的な観点あるいは経営的な観点から直していくということは非常に重要なことだと思います。そのために粗飼料の給与率を高めるための草地の造成だとか、飼料作物の増産とかいうようなこと、あるいは配合飼料につきましてもこの法律で特別その銘柄を規制するとか、あるいは生産量を余りふやしてはいかぬぞ、というようなこと――そこまで法律的な手段でやるということはございませんけれども、ただ自家配合をもう少し促進するようなことだとか、あるいは銘柄も余り数多くということでなしにある程度縮小していくとか、そういうことはこの法律に基づく直接的な措置としてではなくして飼料行政全般の中で当然考えていくべきだというように考えております。
#79
○志苫裕君 この法律が、私のちょっと述べたようなものよりはもう少し狭くて技術的なものに限定をして考えているようですけれども、私は、いまあるここにAならAという飼料があって、これがどんな品質を持っているとか、あるいはこれが安全だろうかという、それだけではやっぱりぼくは畜産の対応にならないと思うんですよね。もう少したとえばこういう飼料の品質よりもほかに、そういうものよりももっと視野の広いことを考えなければ対応できないのじゃないか。たとえば飼料の配合なら配合考えますけれども、原料が大分こう値段が上がり下がりをいたしますと、配合割合を適当に変えることによってそれを切り抜けを考える。で、農家は配合割合を変える必要もなければ、変える力量もなければ何もないわけでありますけれども、これは全くメーカーですか、商社ですか、そういうところのサイドで一方的にやられるわけですね。たとえばそういう点の規制ならこの法律を使ってもできぬわけじゃないですよね。これ一例ですよ。たとえばそういう意味での私はもう少し角度の広い、視野の広い飼料の品質というもののとらえ方をしたいわけであります、実は。で、そうなると当然、こういう法体系よりはもう少し飼料の生産から流通に至るものを全部網羅をした飼料に関する何か法制というようなものができますと、私の言うているものには合致をしてくるわけでありますが、どうもこれは一部分だけをとらえてい過ぎると思うんですね。という点で、今日のいわゆる日本の畜産というようなものに対応するには、たとえば飼料の品質という側面だけ見ても不十分のような気がすると思うんでありますが、そういう点はどうですか。
#80
○政府委員(澤邊守君) 御指摘の点は非常に大事な内容にかかわることで、私どもも同感に思いますけれども、ただ、法制の制度といたしましては先ほど来申し上げておりますように、この法律はどちらかと言いますと、安全性を加えましたけれども、技術的な観点からの規制法でございますので、この中に経営的な観点からの問題あるいは流通なり価格なり飼料行政全般にわたる各種の法的な措置を一元化して法律をつくるというようなことはいかがかという感じを持っております。もちろん現在、御承知のように飼料需給安定法というものがございまして、需給調整あるいは価格安定ということを麦類についてやっておるわけでございますが、これらも飼料行政としては非常に重要な法制になっております。もちろん法律だけではございませんので、価格安定のためには、先般国会を通していただきました配合飼料の価格安定特別基金によります価格補てんによる価格変動に対します経営の緩和の問題、それからことしから実行に着手しようとしておりますような備蓄の問題等が非常に重要な問題になりますけれども、これらを一本の法律でというのはなかなか無理な点があるのではないかというように思いますので、必要なものは他の法律あるいは法律を待たずして予算措置なりあるいは行政指導をもちまして総合的に実施していっていいのではないか。御指摘の内容についてはよく私どもは理解をいたしますし、そのような点は今後是正をしていく努力をしなければいけないというように考えます。
#81
○志苫裕君 これはいますぐというわけじゃありませんが、私は、まあそれこそ国民の側から見てわかりやすいシステムを考えるとすれば、やっぱり飼料と言うたら、生産から流通の果てまで全部整理をされた一つの法体系があるということの方が望ましいと思うんで、そういう点では課題として提起をしておきたいわけでありますが、私はむしろここら辺原子力の議論みたいでありますが、そういう意味ではもう一方の安全性というものは、それとはまた別の法体系できちっとチェックをするという体制、体系があってもいいのじゃないか。こういう気持ちを持つわけでありますが、そこで――時間がばかにないですね。安全性というものについて、一体飼料の安全性とはどういうことですか。
#82
○政府委員(澤邊守君) 安全性の概念でございますが、これは二条の二に基準、規格の規定がございます。その中である程度明らかにしてあるわけでございますが、飼料のあるいは飼料添加物の使用が原因となって人の健康を損なうおそれのある畜産物が生産され、または家畜に被害が生じて畜産物の生産が阻害されるような事態を防止する。そのような事態がないというのが安全性の確保ということだと思います。したがいまして、人の健康とそれから人の健康にはかかわりはないけれども、家畜そのものに対する安全性、その二点があるわけでございますが、その中で当然重点を置いて考えておりますのは、人の健康に対する安全性の問題でございまして、有害物質だとか、病原微生物等が畜産物に残留したり、それが人体に移行蓄積をして人間の健康を損なうというようなことのないようにするということでございます。その場合、飼料についての安全性でございますが、考え方といたしましては、最終的な食品の安全性は、これは厚生省が公衆衛生の観点から種々の基準をつくるわけでございます。それに適合するように飼料の給与、あるいは飼料添加物の使用の段階でどのように規制をすれば食品の安全性を確保できるか、というような観点から種々の規制をしていくというのが考え方でございます。
#83
○志苫裕君 私、安全性はもう少し厳しく申し上げておこうと思うのでありますが、いま局長おっしゃるように、人の安全性ということですから、この法律にはおそれのあるものとか、いかがわしいものは全部シャットアウトということになるわけでありますが、おそれがあるとか、いかがわしいとかということよりも、人の安全ということになれば、人体には不必要なものは摂取しないという原則が確立されなければ、これはやっぱり安全性の追求に私ならないと思うんですよ。フラゾリドンの話なんかいろいろありました。PCPから、石油たん白からいろいろ御議論ございましたね、いま出回っている幾つかの薬品について。その種のものは人体が摂取してプラスになるというものじゃないんです。できることなら、何にも入れない方がいいんです、体に。そうでしょう。これはやっぱり安全性の哲学のようなものを確立しておきませんと、だめなんですよ。一方じゃ、畜産の生産を上げたい、生産性を高めたいという一心でおるものが、もう一方で、安全性の管理に当たろうとするのでありますから、よっぽどきちっとした、物の考え方を整理をしておかなきゃいかぬと思うんですね。たとえば、いま言いましたニトロフラン系のそういうものなどは安全性の見地からいえば、体内に摂取しない、不必要なものは一切体に紛れ込ませない、これが確立されでなければ安全性の確保ということになりませんよ。それを何かの条件で、破るんだとすれば、もう一方のメリットですね、人体にとってはデメリットでしょうけれども、もう一方のメリットというようなものがまさに合意が得られるものでなければだめですよ。そこの線引きをどうするかという問題がいつでも出てくる安全性の議論なんですけれども、この辺はもう少し、物の考え方としてきちっとやっていきませんと……。この法律読んでまいりますと、「必要と認める場合」、「特に必要と認める場合」、「特に何とかの場合」というようなことですね。普通の場合のことはちっとも書いてありませんが、「おそれのある場合」、「認める場合」、「特に何とかの場合」、「特に」と、やたらとこういう皆さんの判断にかかわる問題がずいぶん多いわけです。われわれが指摘する、いやそれは特にそうじゃなかったと言えば、それはそれっきりの話なんですよ。これはあらゆるところの、廃棄の問題にしても、販売の制限の問題にしても、これ読んでみますと、巧妙にと言っちゃ悪いけれども、「特に」とか「何とか」でしょう。「おそれのあるもの」、「特にある」場合でしょう。「必要があると認めるとき」、「特に必要があると認めるとき」、必要の場合にも「特に必要」と「必要」と二種類あるわけで、そういうところに物差しを引く場合には、いま言う安全性の哲学とでもいいますかね、そういうものが関係者に確立をしていなきゃだめですよ、これは。もう一度聞きますが、そもそも安全性とは何ですか。
#84
○政府委員(澤邊守君) 安全性は、先ほど申し上げましたような人体の安全性と家畜に対する安全性と二つあると申しました。先ほどお尋ねございました中で、人体に不必要なものは使わないということは、これは食品の段階での哲学だというふうに理解をしているわけですが、これは私が断定的に申し上げるわけにもまいりませんけれども、食品でございますので、これはいわゆる厚生省が公衆衛生の観点から決めるべきことでございますが、私もそのようなことだというふうに私なりには思います。ただ、飼料の規制は、いま申しましたような観点から、厚生省が決めます食品の、食肉なら食肉、牛乳なら牛乳の安全基準というのは、これは厚生省がお決めになるわけでございますので、恐らく先生がおっしゃったような趣旨で決められると思いますが、それに適合するように、違反しないように飼料の使用の方法、基準、成分を規制していくというのがこの法律の考え方でございます。たとえば、抗生物質が食品の中に入っちゃいけないということであれば、畜産物として抗生物質が移行するような場合は、その抗生物質はえさとして使わせない。えさとして使った場合に、食品に移行するような場合には、これは厚生省でストップかけられますので、そのような抗生物質はえさとしても使わない。ただ残留しないものは、これは他の目的上必要なものは使う。これは厚生省の基準に、食品の段階で違反することはないから使う。たとえば、こういうような考え方で、両省の分担もし、しかも緊密な連絡をとりながら適正に運用していきたいという考えでございます。
#85
○志苫裕君 どうも、私もそう安全な方じゃない方ですが、局長の話を聞いていると不安全ですね、本当に。この程度の理解じゃあれですね、あなたは、何か私が聞くと、いや、それは厚生省が厚生省が、と言って厚生省を安全省にしていますが、私らも、それは不十分ながら、日本の厚生省が安全省だと思うんですよ。でありますから、いろいろ参考人の意見等もありましたように、むしろ安全というのは、そっちの方からやってもらったらどうだというぐらいの極端な意見で、あるいは農林省の中で考えるにしても、厚生省との連携をとりながらも農林省の中に、やっぱり安全というものを重視をした特別の機関のような、特別のグループのような、そういうふうなものがあってもいいんじゃないかという意味で、ちょっと、この安全問題議論を吹っかけてみたわけでありますが、どうもあなたに任せておくと不安全で心配です、率直に言いまして。そこでそういう場合には、いろいろ議論ありましたように、安全性というのは、やっぱり絶対安全といいましても、別にほかにメリットがあれば、それとの調和というものを、ときには考えなければならぬ場合があるわけですよ。レントゲンは一つも受けないと言ったって、肺病になったら、しょうがない、調べてみようか、というときには、毒だけれども受けるというような合意点がどこかありますね。そういう点を探し求める意味でも、ぼくはやっぱり安全性というのは結局合意の問題ですから、安全性に関するデータは、これはもうすべて公開をするということをたてまえにしておかなければ、安全性の確保はできないと思うんです。この点は強く要求をしたいんですがよろしいですか。
#86
○政府委員(澤邊守君) 農業資材審議会が重要な役割りを、この運用上果たすわけでございますが、そこでのデータにつきましては、必要と認められる場合には、できるだけ公開をしていくということにしたいというふうに思っております。
#87
○志苫裕君 最後にしますが、それいいんですよ。いいんですが、どうもこの間から聞いていますと、専門家の意見を聞いてとか、農業資材審議会の意見を聞いてとかといいますが、私らの意見も聞きなさいよ。一緒になって勉強して言っているんですからね。それから私、専門家というものに私は最近非常に不信が強いんです。第三者、専門家、中立的立場というようなものが今日いかに安全でないかということが、さまざまの住民運動等でひっくり返る。地べたをはうような、そういう運動の中から、ずいぶん専門家だって出てきているわけよ。既成の権威というようなものね、既成の科学というようなものを別のサイドから見ることができる、そういう専門家だってどんどんいるわけですからね。そういう意味では私、審議会の人選なんかの場合にも、これは既成の概念の、やれ第三者であるとか、中立であるとか、専門家であるとか、科学者であるとかというよりも、もう少し発想を変えた人選を求めるとともに、いま局長の答弁にありましたが、安全性に関するデータは原則として公開をするということを貫いてほしいと。
 以上で終わります。
#88
○政府委員(澤邊守君) 審議会の委員の人選でございますが、これは客観的公正な審議、科学的な審議ができるにふさわしい人をお願いをしたいというように思っております。まあ消費者側の意見も聞くようにというお話でございますが、そういう点は、審議会の運営として必要があればそういうような運営は考えていくべきだというふうに思っております。
#89
○工藤良平君 いま安全性の問題が出ましたので、私もその問題からまず入ってみたいと思います。
 この法律の目的というものが、いま議論がありましたように、安全性というものを主として規制をしていこうということが、今回の法律の改正案の主とした私は目的だろうと思いますが、これは一昨年だったと思いますけれども、私は本委員会で大分県に発生をいたしました牛の奇形児の問題を若干取り上げたことがございますが、その奇病の発生の現象というものがどうも飼料との関係があるのではないかということを指摘をしてまいりました。当時はそれが明確になされていなかったのでありますけれども、他のたとえば岐阜やあるいは愛知の豚というような、あるいは富山の牛等の状況を私どもが概括的に見てみますと、どうもそういう関係が無視できないのではないかというような気がするのでありますけれども、その点について農林省としてどのような調査をなさっていらっしゃるか、まずその点をお聞きをいたしたいと思います。
#90
○政府委員(澤邊守君) お尋ねがございました四十七年夏以降、九州あるいは西日本中心で、まあ最近一部は関東なり東北まで及んだ牛の異常産のことでございますが、これは農林省といたしましては、原因について、飼料、農薬等による中毒、あるいは細菌、ウイルスによる感染病等、それぞれの観点から総合的に究明に努めました結果、吸血昆虫が媒介するアカバネウイルスによるものであるということがほぼ確実視されております。その意味では飼料との関係はないという、最終的断定ではございませんが、大体そういう結論に近づいております。
 なお、本ウイルスの性状の確認及びワクチンの開発につきましては、先ほども技術会議の方から御答弁ございましたように、現在なお検討を進めておるところでございます。
 それから四十八年の五月から七月にかけまして富山県で発生いたしました乳牛のダイブによる被害、これは明らかに飼料によるものであると。これは、調査団の現地調査までやりましての結論が、昨年の七月報告として出されておりますが、これは冬季型の、冬の飼料から青草への転換時期で、非常に牛の生理が生理上不安定な時期に非たん白体窒素化合物であるダイブそれを添加した、配合飼料であるダイブというものを急激に給与したということの結果、生理上の適応性を超えたために死亡なり、あるいは他の原因もございますけれども、競合した原因もありますけれども、死亡あるいは下痢とかあるいは能力の低下というようなことが起こった。その意味ではこれは飼料によるものであるというふうに見ております。
 それから四十七年から四十八年にかけて、愛知、岐阜等の一部地域で、子豚のびっこ、あるいは歩行困難等を示すものが報告されましたが、これは県の保健衛生所あるいは農林省の家畜試験場で検査の結果、子豚が不良な飼養環境下で飼育され、個体の抵抗力が低下しているところにブドウ球菌あるいはコリネバクテリウムという菌が感染したことによって起こったものと判断され、飼料との特別の関連は認められないのではないかというふうに考えております。
#91
○工藤良平君 いまいろいろな研究データが出されておりますけれども、一般的に私どもが印象として受けますことは、非常に家畜につきましても奇形、奇病といったようなものがふえているというようなことが指摘をされている部分がたくさんあるわけであります。そういった意味から私は、今回のこの法律の趣旨の中で、特に飼料添加物に対する理解というものが根本的な問題として十分に議論をされなければならないと思っているわけですが、この飼料添加物について、――ここにお見えの福原課長が、成長促進あるいは病気予防から着色剤まで含めました飼料添加物の正しい使い方ということで、いろいろと問題点を指摘をしておりますし、まだ不明確な成長促進効果というようなことが指摘をされておるようでありまして、私は、この点非常に興味を持って読んだわけでありますけれども、そういうことを前提に置いてこの法律というものを考えてみますときに、いまお二人からも御質問がありましたが、この法律の中で最も私は基本的な問題として考えていきたいと思いますのは、この法律によって一定の規制を加えて、家畜、それがやがて人間の体内に入ってきて被害を及ぼすようなことがあってはならないということから考えられているということについて、私も非常に大事だと思っているんです。
 ただ問題は、この法律の中にもありますように、第二条それぞれの項目を見ましても、たとえば「(検定及び表示)」という第二条の四でございますけれども、これを見ましても、一定の規定によって規格が定められる。その規格が定められた飼料の中で、特に「飼料添加物で、その飼料の使用又はその飼料添加物を含む飼料の使用が原因となって、有害畜産物が生産され、又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されるおそれが」あると、こういうようなことから、そういうおそれがある飼料に対して、この特定飼料を指定をいたしまして、それに対して検定をしようということになっているわけですね。そうすると、そもそももう疑いのある飼料が畜産飼養家の手元に届けられるという前提の上に立って物を考えようとしている。そこに私は、大変大きな問題があるように思うわけですが、むしろ疑わしきものは一切飼料として使わせないという前提がなければ、これからの畜産農家というものは非常に大きな問題を私は今後に残すのではないか。このように基本的に考えるわけですが、その点についてぜひ最初にお伺いをしておきたいと思います。これは各条項に実はまたがってくることでありますから、その点をお聞きをしておきたいと思うんです。
#92
○政府委員(澤邊守君) 二条の四の特定飼料は、まあ特にそのようなおそれが多いと認められるものを政令で指定して、事前の検定を受けさせる、事前のチェックをするという仕組みに関する規定でございます。これで具体的に特定飼料として指定をする予定にいたしておりますのが落花生油かすと、それから抗生物質を考えておるわけでございます。まあ落花生油かすにつきましては、アフラトキシンという有害物がこれ入っておるわけでございますが、これは、これが一定量以上入っている場合には安全性を損なうおそれがあるということで、現在も行政指導によりまして実は事前チェックを、輸入される物の各ロットごとにやっておるわけでございます。そういう意味では、天然の物でございましても、飼料原料の中にはそのような物が混入されておるということを防ぎ得ない物もあるわけでございますが、これが一定量以下でございますれば、人体あるいは家畜の安全上問題がないということでございますので、その基準を決めまして、それ以下の場合は使用しても構わないというようにしておるわけでございます。その意味では、そういう有害物質が入っている物は一切やめるべきだと、こういう見解も一つの議論としてはなくはないと思います。先般の参考人のお話でも、薬というのはある意味じゃ全部有毒である、毒であるというようなことからいたしますと、ただいまはその落花生油かすという天然の農産物のお話ししましたけれども、抗生物質とかその他の物につきましては、薬にも使いますが、添加物にも使うという場合、それは扱い方を誤ればマイナス面、有害性が出てくるわけでございます。しかし誤らなければ、一定の限度以内にとどまるならばプラス面のメリットが非常に大きい。成長促進なり、あるいはカビを防ぐとかいう意味でプラスが出るということでございますれば、その厳正な使用基準の範囲内においては使っていくことは許されるのではないかというふうに考えるわけであります。
#93
○川村清一君 ちょっと議事進行について発言をいたしますが、余りに与党席の方は、私はだらしがないと思います。これは野党の方は全会派出ておるわけです。特に私の社会党の方は全員出席しておるわけです。少なくとも、半分とまでは申し上げませんが、せめて三分の一ぐらいの議員は出席してしかるべきではないかと思うわけです。こういう状態なら地方議会はとっくに流会になっておりますよ、私も地方議会に十年間籍を置いた経験がございますが。何も私どもは与党の方の質問をやめてくれなんて言った覚えは一言もございませんし、やられる方は幾らだってやっていただいて結構なんでございます。法案の審議促進のため、野党の方が一生懸命協力しているのにかかわりませず、与党の方は、いわゆる法案を提案されておる政府与党がこんな一体かっこうでいいのかどうか私ははなはだ不満でございますので、いまは流会にするなんていう気はございませんが、今後のこともございますので、一言、私、委員長に対して注意を申し上げておきます。
#94
○委員長(佐藤隆君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#95
○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
 与党側に申し上げますが、委員長から特に申し上げます。
 委員会の出席については、その趣旨をいまさら説明するまでもございませんが、重々御注意していただきたい。申し上げておきます。
#96
○工藤良平君 いま局長お話しのように、必ずしも疑わしき物はあるけれども、その量によっては家畜の飼料として使用しても差し支えないと、こういうような理解も成り立つわけですけれども、もちろんそれはどこに限界を置くかということは非常にむずかしい問題でありまして、たとえばカドミウムという非常に微量な物が体内に入ることによって、それが蓄積をされて人間の体を損なうというようなことがありまして、したがって、この疑わしき物はやはり使わないという原則を踏まえていないと、いついかなる場合に何が起こるかわからない。そういうことは、やはり人間が食糧を供給をしていくという農業の立場からも私は、大変重要な問題だと思っているわけです。
 そこで、ひとつお伺いいたしますが、これは厚生省お見えになっていると思いますが、いわゆる、先日も参考人からもお話がございましたが、単細胞たん白ということで、実は私ども一般に言っている石油たん白の使用という問題について、ノルマルパラフィンの使用についてこれが問題になったことがございますが、現在その使用について、飼料として使用することについてどのようなことがなされているか、ちょっと、その点お聞きをしておきたいと思います。
#97
○説明員(岡部祥治君) 先生御承知のように、いわゆる石油生産物を利用いたします微生物、これを利用いたしまして飼料等に利用するという技術が一九六三年あたりから欧州で開発されたわけでございます。その後、昭和四十三年あたりからわが国でもこういう技術が開発されまして、これを実用化しようというような動きがあったわけでございますが、これらが飼料として用いられる場合でございましても、最終的には、それらの肉あるいは乳というものが食品になるということから、昭和四十七年の十二月に食品衛生調査会におきまして、飼料としての石油たん白につきまして実験段階におきますいろいろな検査結果を検討し評価したところでございます。それで、これらの結果から見まして、さらに企業化、いわゆる工業的段階におきましてさらにこれらの安全性を再検討する必要があるというようなことから、再度これを、その結果を踏まえまして再評価するということにしたわけでございますが、当時開発を計画いたしておりました二社は、いわゆる国民的理解が得られない等の理由からこれの企業化は現在行ってないところでございます。
#98
○工藤良平君 いまお話しのように、厚生省の食品衛生部会でいろいろ検討されて厚生大臣に答申をして、その結果、いまお話しのように製造計画は中止をされていると、このようにお話しのようであります。この資料によりますと、これは東京大学の名誉教授の山田浩一先生の「SCP生産の意義と世界の現状」というパンフレットによりますと、これからのたん白資源はSCPに頼らざるを得ない、それが国際的な趨勢である。しかもそれは安全性を完全に確認をされているということが出されております。しかし、いまお話しのように、わが国におきましてはこのノルマルパラフィンにつきましては、お話しのように製造計画を中止をしているということが報告をされているわけですけれども、これはことしの「科学朝日」の五月号の表紙に「単細胞タンパク」と、こういうことで大日本インキ化学の広告が出されているわけですね。これは「バイトン」という飼料の形でこれから大いに売り出そう、こういうようなことが実は広告として出されておるわけでありまして、これは山田先生の考え方と全く考え方を一にするわけでありますけれども、この広告を見て厚生省としてはどのようにお考えでございましょうか。もし、これが現実の問題として販売をされるとなったときに、製造中止をしているというその考え方とどのような関連を持つのか、その点についてお聞きをいたしたいと思います。
#99
○説明員(岡部祥治君) ただいま御審議を願っておりますこの法律におきましても、二条の六でそういうものの評価、あるいは安全性の確認ということがなされまして、それから後にこの飼料として用いられるわけでございますので、さらにそれらの科学的な検査データ等を十分勘案いたしまして、必要に応じましてさらに食品衛生調査会等で慎重に検討をいたすことになっております。
#100
○工藤良平君 じゃ、こういう広告が出て、これが売り出された場合に、厚生省としては実際にどのような扱いをなさるわけでございますか。
#101
○説明員(岡部祥治君) 実際に売られるかどうかまだ疑問でございますが、それらにつきましても、飼料としての問題といたしましては、現在御審議いただいておりますこの改正法によりまして所要の措置が講ぜられるわけでございまして、それらのデータを十分検討いたしまして、必要があればさらに農林省とも十分協議いたしたいと考えております。
#102
○工藤良平君 そういたしますと、この法律がいつ成立するか、きょう成立して、明日の本会議で決定をするということになりますと、この広告に出されている飼料というものは完全にチェックの範囲内に入ると。これは使ってはいけませんということに当然なるだろうと思いますが、その点については農林省。
#103
○政府委員(澤邊守君) ただいまの雑誌の広告でございますが、われわれは現段階として結論的に非常に不適当だと思います。したがいまして、呼びまして厳重に注意を促したところでございます。ただ、研究開発は現在やっております。企業化はやっておらないという段階でございます。
 そこで、農林省といたしましては、この法律が通りますと、そのような石油たん白飼料につきましては、新飼料ということになりますので、二条の六の規定で「使用の経験が少ないために有害でない旨の確証がないと認められる飼料」というのに該当いたしますので、直ちに販売は禁止したいというように思います。現在、現実に販売される場合には、販売を禁止するということにしたいと思います。安全性の確認についてまだ完璧とは言えないということがございますし、さらに、国民的な合意も得られておらないという現段階において流通を認めるつもりはありません。
#104
○工藤良平君 この広告によりますと、大日本インキ化学は、四十九年の四月一日、ルーマニアにおいて合弁会社を実は設立をいたしまして、すでに「バイトン」の年産六万トンの工場建設を始めているということが言われておりまして、量産体制に入ろうとしている。逆に、日本でできないからよその国でつくって、それを「バイトン」という名前を使って入れようとしているわけですね。これはやはり非常に重要な問題なんで、そういたしますと、私が先ほど申し上げました、疑わしいものが入っているけれども、それは微量だということでやはりごまかされてしまうという可能性はなきにしもあらずだと思うんですね。そこにやはり根本的に疑わしきものは一切使わせないという原則を私は打ち立てていかないと大変な事態が起こるような気がいたすわけでありますが、この点について、これはどうなんですか。実際にそういう工場建設が進められているということについて確認をしていらっしゃるかどうか。これはよその国の話でありますけれども、合弁会社として発足をしているということが、この大日本インキ化学の広告として出ているわけでありますから間違いないと思いますが。
#105
○政府委員(澤邊守君) 石油たん白飼料につきましては、現在イギリス、フランスですでに製造、企業化しておるわけでございます。それから私どもの聞いておるところでは、ただいまのルーマニアの話、それからイタリア、それからソ連でもやっておると、詳細はわかりません。というように聞いておりますので、ただいまのこの広告の内容については、その点は多分本当だろうというように思っております。
#106
○工藤良平君 そうしますと、これ確認をしておきたいと思いますが、もし、この飼料が入るということになりますと、これはわが国におきましては使用はまかりならぬということで、チェックの対象になりますね。その点確認をしておきたいと思います。
#107
○政府委員(澤邊守君) そのとおりでございます。
#108
○工藤良平君 それからもう一つは、いま私が例に申し上げましたSCPの非常に推進者であります山田浩一東大名誉教授と全く同じということではありませんけれども、昭和四十九年の七月に、農林大臣官房企画室から、「蛋白質油脂資源の開発利用について」という、これは未定稿でありましょうけれども、文書が出されているわけであります。これは読み上げるといいと思うんですけども、時間が余りありませんから、私は読み上げませんけれども、しかし、これからの人類が最終的に期待をつながなければならないたん白資源は、好むと好まざるとにかかわらず、SCPであると言われていると、そういうようなことを前提に置きながら、これからのこのたん白資源対策を進めなければならないと。まあこういうように書かれておりますし、そして、一定製品をよく管理し、自動化し得る工程によって必要とする数量を、いつでも安定的に供給可能であるということが最大の利点である。まあこういうことが書かれているわけですが、これはいま三つの私は具体的なものを申し上げましたけれども、そういうような方向がやはり根底にあるんだというようなことを私どもとしては非常に重要視いたしたいと思うわけです。もちろん、農林省が日本のたん白資源というものを、海も狭められ、さらに日本の農業というものが、畜産は振興してまいりますけれども、振興すればするほど、この飼料の輸入は増大をする、自給率は低下をするという経過をたどるわけでありますから、どこかに目をつけたいというその熱意についてはわかるのでありますけれども、しかし、それが危険を伴うこういうものがその主体となるということになりますと、これは農業という観点からいたしまして私は、非常に大きな問題を残すような気がするのでありますけれども、この点についてのこれは大臣ひとつ御見解をいただきたいと思います。
#109
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまいろいろと御指摘がありました石油たん白の飼料化につきましては、先ほどから局長が申し述べましたし、私もしばしば国会で言明いたしておりますように、国民的合意が得られない限り、同時に安全性が確認されない限り、これは飼料化を認めないということで、今度の法律改正によっても、それがより明確になったわけでございます。が、これからのやはりわが国の制約下における資源状態の中にあって、飼料問題を解決していくということになりますれば、いま農林省で研究開発をしようといたしておりまする農林水産物の廃棄物によるところの微生物たん白といったようなものも、今後の飼料化の一つの大きなわれわれはこれから研究していく一つの課題であろうというふうには考えておりますけれど、それにいたしましても、やはり今回の法律の審議の中においてしばしば御審議が行われておりますように、われわれとしては、国民経済的な立場に立っても、やはり飼料、あるいは飼料添加物に対しては、より安全化を確認をするということでこれからの行政体制というものを確立をしていかなければならない。これが同時にまた、これからのわが国の農業を発展をさせる道にもつながっていくことであろうと、こういうふうに考えるわけであります。
#110
○工藤良平君 この飼料問題が非常に重要視されてまいりましたのは、特に配合飼料を製造する過程の中で、それに対する、先ほども申し上げましたように、もちろんこの成長剤から、医薬的な問題から、あるいは着色に至るまで、いろいろな形の添加物というものが製造過程の中で付加されるようになってきたからで、そういうことが安全性という問題と同時に、またこれは私は、価格の面にも影響してくると思いますけれども、非常に大きな問題として提起をされてきたわけでありまして、私はやはり家畜というものは本来の姿で飼う、その中から安全性を私たちは求めていくということが非常に大事ではないのかというように思うわけであります。で、そういう意味合いから先ほど申し上げましたように、特定飼料というような名目のもとに特別の扱いをしなければならないような私は飼料というものについては、これをどの段階でまず排除していくかということが非常に大事だと思います。そのためには、その規定をつくります農林省の段階で、特に農業資材審議会の意見を求めるということになっておりますけれども、先ほどのように山田先生のような方がずらっと並んだんでは、これは一も二もなく、はいよろしゅうございます、どうぞと、こういうことになるわけなんで、やはりこの資材審議会の構成というものが非常に私は重要な役割りを果たしてくるのではないかと思うわけです。で、現在の日本の畜産の方向というものが、豚やあるいは鶏の方向に非常に大きくウエートがかかっていっている。もちろんそれは日本のような非常な狭い国ですから、豚や鶏はサイクルが非常に早いわけですから、回転が早いわけです。しかし、ただこれは人間の食べる穀類と重復をするというまた弱点も持っているわけですね。で、しかもそれは、このような危険を予想される添加物が含まれた配合飼料によって圧倒的な部分が飼育されている。もちろん、それは大型化という大きな流れの中でそのことがますます推進をされていこうとしている現在のこの畜産の状態というものを私考えてみると、どうもそこに根本的に大きな問題がひそんでいるような気がするわけであります。
 したがって、その問題を考えてみますと、まず農業資材審議会の構成について、この前参考人の方四名いらっしゃいましたけれども、その皆さんほとんどが、この危険性を指摘をしているわけでありますから、そういう方々を十分この審議会委員として配置をしながら――安全性確保ということをまず皆さんおっしゃっていらっしゃるわけですから、この確立をするという前提に立つべきだと、これが私はこの法律のまず基本になると、このように思うんですけれども、その点についてはどうでしょう、大臣。お伺いいたします。
#111
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあこの審議会の構成というのは非常に大事であろうと思うわけでありまして、したがって、利害関係者を入れないということはもちろんでございますが、一方に偏しない、中立的な公正な委員によってこの審議会を構成をしていきたいと、そして誤りなきを期したいとこういうふうに思うわけでございます。
 それから、私、先ほど志苫さんの質問がございまして、それに対して、この法律の運営についての基本的なあり方について畜産局長がお答えしたわけですが、まあこの法律は技術的なものであると、品質の改善、そして安全性の確保といった技術的なものであって、そして畜産物の生産、流通というものに関する基本的な方向については規定をしてないということでありましたが、確かにそのとおりであろうと思いますが、やはり私はこの法律を運用していくという中にあってはですね、やはり広く国民経済的な視点に立ってやはりこの法律というものは運用をするのが正しいのじゃないだろうか、こういうふうにも考えるわけでございます。まあ非常に、そういう意味においてより安全性を確保していくというふうなことをさらにこの法律の改正によって明確化していくというための種々の施策を積極的に講ずる必要があると考えております。
#112
○工藤良平君 その点については特に私は慎重過ぎるほど慎重にぜひ対処していただきたいと思うのですが、まあそうはおっしゃいましても実際に日本のこのたん白資源を確保していくためにはどうしてもこの畜産振興を図らなければならないわけなんですけれども。これは畜産局長にお伺いいたしますけれども、五十七年の目標の生産目標を決めましたですね。これはもちろんあくまでもいわゆる家畜を増産をしていくという立場になるわけですね。で、その自給率というものはもちろん非常に、全体的に見ますと、伸びていくような傾向でとらえられてはおりますけれども、しかし、そのもとになります飼料というのはあくまでもやはり外国から入れなきゃならぬというこの体制というものは変わらない。むしろ強化をされるというような気がいたします。そこで、このたん白系の飼料の輸入計画というものですね、これについて概略をひとつお示しをいただきたいと思います。
#113
○政府委員(澤邊守君) 五十七年とおっしゃいましたけれども、六十年が目標でございましょう。――それで、六十年の飼料の需給規模全体で二千九百八十八万トンでございます。これはTDNに換算をしてございますので、実量ではございません。そのうちで粗飼料、牧草だとか飼料作物でございますが、これが九百二十六万九千トン――九百二十七万トン、ラウンドしまして七万トンと。そうしますと濃厚飼料が二千六十一万トンということになるわけですが、その中で輸入濃厚飼料は一千四百七十七万トンということになっております。これ、四十七年の基準年次と比べますと、粗飼料の方は約二倍にふやすと、濃厚飼料の方は三三%ぐらいにふやすということで粗飼料の増産を、これは国内資源を活用するわけでございます。それに重点を置いて大家畜の粗飼料給与率を高めていく、それを通じまして全体としての濃厚飼料、粗飼料を通ずる自給率を少しでも上げていきたい。こういうことをねらっておりますが、濃厚飼料につきましては、中小家畜は特に濃厚飼料の依存度が高いわけでございますし、草に切りかえるという、あるいは飼料作物に切りかえるのも限度がございますので、それらが増産されることに伴ってやはりこれもふえるということは、まあやむを得ないのじゃないかというように考えますが、輸入全体では一千四百七十七万トンということでございます。
#114
○工藤良平君 これはもっと小さく詰めたいのですけれども、時間がありませんからまたの機会に小まめに詰めたいと思いますが、いずれにいたしましても、濃厚飼料を相当大幅にやはり使用していくということについては、これは変わらないわけでありますね。まあそういうことになりますと、私は、いつも言われますように、食糧自給率というものは正直に申し上げまして低下をせざるを得ないということであります。しかし、もっと突き詰めてものを考えてみなければいけないと思いますのは、これは農林省の農政調査委員会から毎月こうりっぱな資料をいただいているのですが、この中に、「日本の農業99肉牛生産の存立条件」という、これは鹿児島大学の先生が書いたレポートを中心にいたしまして、私は読ましていただきました。非常に大事な指摘がなされているわけです。それは、たとえばこれからのこの畜産農業というものは果たしてこの大型経営というものがいいのか、それともこの複合的な有畜農業といわれるような形のものがいいのかということの指摘がなされておりまして、そのコメントから見てみましても、大方の意見として、やはり日本の場合には、この大型経営というものはどうも問題があるのではないかと。こういうことがまあ指摘をされておりますし、その中でこの省飼料経営、いわゆる飼料を省く省飼料経営、省飼料技術の推進ということが、この中で非常に強く指摘をされておりまして、具体的な例としてたとえば、この鶏を飼った場合に小規模、いわゆる二千羽から三千羽の養鶏と、それから三万羽あるいは五万羽以上、まあいま百万羽養鶏というようなことが始まっておりますけれども、その実際の具体的な例示を見ても、一羽当たりのえさの使用量というのは大規模の方が若干少ないけれども、一キロ当たりの卵の生産から計算をいたしますと、非常に飼料が少なくて済む、こういうようなことが指摘として出されているわけですね。日本のように私は資源の非常に少ない国ではそのような小まめなことが計算として当然考えられていいのではないかと。この指摘によりますと、いまの養鶏の面からいたしますと七十七万トンの飼料の削減をすることができると、こういうようなことが実は言われておるわけで、私は非常に興味深く読みました。
 それと同時に、さっきも申し上げましたように、日本の畜産におけるたん白資源というのが、豚や鶏に非常に大きく傾斜していったと。これは配合飼料、そして大規模化ができるというような畜産経営というものから出発をしていると思うんですけれども、ヨーロッパの方、たとえばイギリスとかあるいは西ドイツのように、これヨーロッパでは、比較的食糧自給率が小さいところでは、そのたん白資源を粗飼料を中心とした牛に全面的に大きなウエートをかけて畜産振興を図っているという傾向が出ているように私は思います。そういうことから、日本の場合には、ややもいたしますと、非常に面積が狭い国なんだ、未利用の土地は少ないんだという感覚がありますけれども、そうではなくして、これは林野の利用等の調査をいたしましても、まだ二〇%程度の利用しかされていない、もっと利用面積は大きいんだということがこの宮田先生の指摘でもなされているわけで、私はそのようなことを、これからの日本のたん白資源を確保していく重要な農業政策として打ち出すべきではないだろうかと。このように実は思っておるわけでありまして、この法律を契機にいたしまして、ぜひそのようなことについては、よりもう少し私は小まめな、そしてまた、そういう方向に向かっての政策というものを打ち出す必要があるのではないか、このように思いますが、その点について局長の御見解を聞きたいと思います。
#115
○政府委員(澤邊守君) 基本的な問題につきまして、飼料の利用効率というような観点から大型経営、専門経営と複合経営との問題、あるいは林野の活用の問題等、種々お尋ねをいただいたわけでございますが、私どもといたしましては、まず大家畜につきましては、できるだけ粗飼料をやはり給与率を高めていくということが日本の現状からしてはどうしても必要であると。これは耐用年数も長くなりますし、繁殖率も高くなる、あるいは消化率も高くなるというようなことで、いろいろの家畜の健康上有利でございますので、安易な濃厚飼料依存から脱却するという必要があると。その場合、肉牛の例を言われましたけれども、肉牛の場合は野草の利用というものも今後は拡大をしていく必要がある。そのためには、御指摘のございましたような林野の野草地としての利用、混牧林形式での利用というようなことが、開発、造成とあわせて必要であるというふうに考えて、この線の施策を進めたいと思っております。
 それから、飼料の効率、飼料要求率といいますか、こういう点につきましては、これまで家畜の改良という観点から進めておりますけれども、先般も長期見通しに即しまして改良増殖目標というのを家畜改良増殖法に基づきまして決定をいたしました。いずれも、豚も卵もブロイラーも肉牛もすべて飼料要求率を低めると、飼料が少なくて、能力を高めることができるというような目標を掲げまして努力をしたいと思っております。
 これまで規模拡大ということがどうしても中心になりまして、内容を充実といいますか、資質の向上という点が、ややかすんできたというような反省もいたしておりますので、それらの資質の向上、そのために飼料の要求率が非常に少ない家畜の造成といいますか、品種の造成というようなことは今後一層努力をしてまいりたいというように思っております。
 それから、大規模経営と中小規模経営の問題でございますが、これは畜種ごとに若干の差はあると思いますが、御指摘のように、小規模の経営の方が大規模経営よりは飼料要求率が低くて飼料の効率がいいんだと、こういう事例も私も聞いております。これは飼料管理に非常に注意をするとかいうようなことではないかと思いますが、反面コストという面からいたしますと、やはり大規模経営のメリット、スケールメリットというのはあると思います。そこで畜種ごとにやはり考えていかなければいけないと思いますが、例の公害問題、畜産公害問題等を考えますと、いたずらに規模が大きいばかりでは必ずしもよくない。ふん尿の還元問題等もあわせ考えますと、やはり家族経営での限度というのは考えていっていいんじゃないかと。乳牛で言えば、四、五十頭にもなったのは、もうそれ以上さらに拡大するというよりは、それ以下のものをその水準に上げるということに重点を置いたらいいんじゃないかとか、それから肉牛につきましては、特に繁殖経営は零細経営でございますので、現状の二、三頭飼いでいいとは申せませんけれども、これは土地資源等の関連からいたしましてやはり当面は複合経営中心で考えていっていいんじゃないかと、こんなようなことを現在内部で検討いたしております。六十年見通しの具体的な施策を検討する場合もまず経営のあり方が基本になりますので、そのような方向で検討いたしておるところでございます。
#116
○工藤良平君 最後に、これ大臣にお伺いをして昼御飯を食べさせますから、この辺で終わりますけれども。もう詰めてまいりますと、これは時間際限になりましてもたくさんいただきたいんですけれども、本当に要約してですが、最後にお聞きをいたしたいことは、日本の、さっきから申し上げましたようにたん白資源も確保する、そのための畜産振興ということを考えてみると、どうしてもやはり飼料の安定的な供給、そのための価格は一体どのようなものか、その国際的な推移というものも私たちは見きわめていく必要がある、これは非常に重要な課題だろうと思います。
 そこで、現在、非常に生産がまだ流動的でありますけれども、昨年あたりはアメリカの飼料生産がかなり伸びたとか、あるいは減ったとか、これはいつもはっきりつかめないわけですね。そのことで私はこの前、国連統計の統計数字の問題でちょっと委員会でやりましたけれども、日本独自で国際的なやはり教字をどう的確に把握をするかというシステムというのは非常に重要だということを御指摘をしてまいりました。きょうはそのことについては深くは触れませんけれども、要は、アメリカのいまの国内事情によって非常にこの飼料の変化が起こっている。たとえば国内飼料が高騰した、したがって畜産物の生産高が非常に価格が高くなった、したがって逆に今度は消費が減少しているというような悪循環を繰り返していると。で、これは原因がやはり大量輸出が原因だということがアメリカの内部でも指摘をされている。その一体犯人はだれかということになると、これは特に大量の飼料を輸入している日本なんというものは当然起こってくるわけで、そういうような状況の中で、さっきもちょっとお話が出ておりましたけれども、日本としても、そういう価格変動やあるいは生産の不安定な状態を考えてみて、飼料の備蓄ということも考えるべきではないかという意見が出ておりました。
 これは、たとえば自家配合という問題を一つとらえてみましても、いまの飼料メーカー等との関係から、どうしても配合飼料にほとんどウエートが置かれて、単味飼料を確保することができない。したがって、自家配合が非常にいいということがわかっていても、それが思うとおりいかないということがあります。そういう意味からいたしまして、私は、このえさの備蓄の具体化をもし進めるとするならば、現在の商社一括輸入というような形をやめて、これは全部やめるということは不可能でしょうけれども、やはりある程度備蓄の部門については農林省自体が入っていかざるを得ないのではないかという実は気がするんですけれども、まあこの点については大いに議論のあるところでありましょうが、そういう点についてひとつ御見解を承りたいと、このように思います。
 そうしないと、やはり備蓄をするためには、原形のままで備蓄をしていかなければ、たとえばトウモロコシとかそういうものは粉末にいたしますと、これは貯蔵がしにくくなりますから、そういうことから考えてみて、私はある程度国がそこに介入をせざるを得ないんじゃないかという気がいたしますが、どうでしょうか。この点を最後に伺っておきます。
#117
○国務大臣(安倍晋太郎君) 飼料につきまして、特に飼料穀物につきましては、大半は外国に依存をしておるわけであります。これからの畜産を安定的に発展させるとしても、やはり飼料穀物の輸入は年々増大をしていくことになってくるわけでございますから、この飼料穀物をいかにして安定的に確保し、そして生産農民に供給するかということが大変これは重大な問題になってきているわけでありまして、まあいまおっしゃるように、確かに飼料穀物につきましては種の相場になっておりまして、最近でもシカゴの相場等を見ますと、麦等がストップ高になったとかいろいろと出ておるわけでございますが、これがそのまま日本の輸入にはね返ってくる、そしてそれが畜産の経営にも影響してくるということになりますれば、ますます不安定になるわけでありますから、やはりわれわれは根本的には、そうした飼料穀物の輸入に当たっては今後とも諸外国との間の友好関係を深めて、ただ一国に頼るということではなくて、なるべく多くの国から輸入をするという方向に努力をしていかなきゃならぬと思いますし、それから同時に、やはり安定的に輸入ができるような長期的なあるいは中期的な契約ということも、砂糖でやっておりますが、そういうことも考える必要があるんじゃないか。同時にまた、国内における飼料の安定的な供給のための基金制度もあるわけですが、こういうものを充実して安定した供給体制を確立していくということも大事であろうと思うわけでありますが、そういうことを総合的に推進するとともに、やはりいまおっしゃいました備蓄問題ということも、これはまあ天候によって農産物は非常に変化するわけですから、昭和四十七年、八年というふうな事態が起こっても困るわけでありまして、同時にまあ在庫は世界的に非常に減っておるわけですから、そういうことを考えると、やっぱり備蓄ということも当然これは考えていかなきゃならない。まあ大麦等につきましては、食管制度の中でこれを行っておるわけですが、トウモロコシ、コウリャンといったものは政府が助成をして民間で備蓄をさせるというたてまえをとっておりまして、一カ月間の備蓄を行うということにしておるわけでございますが、しかし、これでは不十分であることは当然でありまして、やはり今後の畜産の安定的成長、発展というものを考えるとき、私はいまおっしゃるような備蓄問題、これはきわめていろいろな角度から私も研究して見ておるわけですが、非常に困難なむずかしい問題もあるわけですけれども、しかし、やはり備蓄問題というものは正面から取り組んでいく必要がある。そういう取り組み方の中にあってやっぱり政府が積極的な形で何らか介入をしていかなきゃならぬ、ただ、民間にまかしておいてはできないわけですから、どういう形で介入していくか、とにかく介入した形で備蓄を行う。そういうことを具体的にひとつ考えてみようということで、いま省内におきましても検討をいたしておるわけでありまして、これは重大な問題と考えまして今後ともひとつ検討を進めたいと思っておるわけであります。
#118
○工藤良平君 不十分でありますけれども、これで終わります。
#119
○委員長(佐藤隆君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認めます。
 これにて休憩いたします。
   午後零時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十分開会
#121
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を再会いたします。
 飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 午前中すでに本案に対する質疑は終局しております。
 原田君及び小笠原君からそれぞれ委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、修正案を議題とし、順次趣旨説明を願います。原田君。
#122
○原田立君 私は公明党を代表して、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正についての提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 現在家畜等の流産、早産、死産及び奇形化、また、がんなどを含む疾病が全国各地に発生し大きな社会問題に発展していることは周知のとおりであります。
 その原因については、薬づけ畜産と言われる飼料や飼料添加物への化学物質の混入やそれらの乱用、さらに飼料及び飼料添加物自体の有害物質等による汚染との関係性が多くの専門家、科学者によって指摘されているところであります。また、われわれ国民の食品となる家畜等はがんなどの疾病に冒され、それらの家畜の食肉が国民の食卓に供せられている現実は誠に憂慮される事態であります。今回の法律改正は、このような事態を根本的に改める観点から行なわなければなりません。
 さて、政府案は飼料等の安全性確保と称して基準及び規格の設定、有害物質を含む飼料等の製造、販売の禁止、検定及び表示の義務づけ等、所要の整備をうたっており、現状に比べれば一歩前進と言えるかも知れません。しかしながら、飼料及び飼料添加物の毒性を厳密に解明し、有害な飼料及び飼料添加物を厳しく規制する観点から言えば重大な欠陥を含んでおります。
 さらに、農林省自体のチェック能力の不足の問題、また、人の健康に重大な責任を持つ厚生省との協力体制が不明確な点、そのほか、安全施策の決定に重要な方向づけとなる農業資材審議会の構成、運営のあり方など、重要な問題が未解決のまま取り残されておるのであります。
 したがって、政府案はできるだけ早い時期にこのような諸問題を抜本的に改める必要がありますが、今回の政府案の欠陥を多少なりとも改めるための最少限の措置としてここに本修正案を提出した次第であります。
 以下、修正案の概要を御説明いたします。
 まず第一に、飼料及び飼料添加物の表示の基準となるべき事項に原料または材料の配合割合を加えるものとすること。
 第二点として、農林大臣は飼料添加物の指定、飼料及び飼料添加物の製造等に関する基準または成分規格の設定、改廃、有害な物質を含む飼料等の販売の禁止並びに飼料及び飼料添加物の廃棄等の命令を行おうとするときは、事前に厚生大臣と協議しなければならないものとすること。
 第三点として、飼料及び飼料添加物の製造、成分等に関する基準や規格の設定、改廃、人の健康に支障を与えるおそれのある特定飼料等の指定、また、有害な物質を含む飼料等の販売の禁止などについては、人の健康のみならず家畜等自体への安全性を重視して行われるよう政府案の規定について必要な箇所を削除すること。
 以上が公明党の修正案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、各委員の御賛同をいただき速やかに御可決くださるようお願いいたします。
#123
○委員長(佐藤隆君) 小笠原君。
#124
○小笠原貞子君 私は日本共産党を代表し、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を説明いたします。
 国民の食生活パターンの変化に伴い、近年、主要なたん白源としての畜産物等の生産物に対する需要が増大し、したがって配合飼料の生産も急激な増加を示し、種類もきわめて多種に上る状況にあります。
 こうした現状にかんがみ、飼料の品質を高め、ひいては畜産物食品の安全を確保し、合理的な畜産経営を行うために今回の同法一部改正となったわけでありますが、余りにも当然のこととはいえ、率直に時期を失した感のあることを指摘せざるを得ません。
 とりわけ、抗生物質などの多量の添加物が飼料に混入されていたり、原材料の配合割合の表示がなされていない現状のもとでは、消費者と生産農民から添加物の規制強化と配合割合の表示を求める強い運動が高まっているのは当然であります。
 政府案は、こうした要求と運動によって余儀なくせられたものであり、一定の改善と前進を見ているわけでありますが、同時に、その内容において飼料メーカー、薬品メーカーを擁護するものとなり、重要な点であいまいさと不十分さを残すものとなっています。
 第一に、飼料原材料の配合割合の表示についてであります。
 最近の飼料の値下げにもかかわらず、飼料による経営危機が続く中で、配合飼料の品質が低下し、産卵、育成、肥育、搾乳量が現実に悪くなったことが多くの農民によって指摘されています。また、最近の各種の家畜品評会では自家配合飼料によって飼育された家畜が最優秀賞を獲得しているそのことの影響は、自家配合の権威を高め、メーカーお仕着せの配合飼料への疑惑を増大させています。このような疑いを晴らし、さらに、効率が高く、良質の家畜を生産できる飼料の農家による意欲的な研究と工夫の前進は、飼料原材料の配合割合の公開を必要不可欠にしています。よりよい畜産物を生産しようとする農民の生産意欲をこそ重視すべきであります。
 ところが、政府は、企業秘密であり、原価の公開につながるというメーカー側の反対を理由にして本法改正案に配合割合の表示を明確な形で盛り込まなかったのであります。これはきわめて遺憾なことであり、まさに農民の要求に背を向けることと言わざるを得ません。
 第二に、添加物の規制基準についてであります。
 現在、飼料には、成長促進等の名目で、抗生物質、サルファ剤など抗菌剤が年間約三千七百四十トンも混入されており、常時、豚、鶏、牛に投与されています。このため、耐性菌が増加する危険性が指摘され、その対策の確立が急がれていることは多くの研究者のひとしく認めるところであります。各種の病原菌に対する特効薬として従来から使用されてきた抗菌剤の効果が薄れ、またはなくなるという耐性菌の増加は、新抗菌剤の発見がきわめて困難になってきている現在、人体の保健、医療上の重要問題となっています。ところが政府案の規制基準には、この耐性菌増加の防止が明示されていません。
 わが党は、これを法律上明示し、かつこの見地において、厚生大臣と協議することにより飼料の安全性について厳格な規制を行おうとするものであります。
 以上が本修正案の提案理由であります。
 次に修正案の概要を申し上げます。
 一、飼料の原料、材料の配合割合の表示を飼料製造業者等に対し義務づけること。
 一、抗生物質やサルファ剤などの抗菌剤に対する耐性菌が増加して、人の健康を損なうおそれがある有害畜産物が生産されることを防止する見地を加え、この点については厚生大臣との協議事項とすること。
 以上、日本共産党は、真に畜産農民の経営と国民の健康を守るために本修正案を提案するものであります。
 何とぞ慎重な御審議の上、御可決をいただきたく提案する次第であります。
#125
○委員長(佐藤隆君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#126
○原田立君 私は公明党を代表いたしまして、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に対して反対、日本共産党提案の修正案に反対の討論を行うものであります。
 今回の改正案では、法律の題名を「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」と改め、飼料の安全性確保を前面に打ち出し、飼料及び飼料添加物の基準及び規格の設定、製造、販売等の規制、検査体制の整備をうたっておりますが、以下申し述べるごとく重大な欠陥を含んでいるものであります。
 反対の第一の理由は、政府案は、飼料等の安全確保と称して、基準及び規格の設定、製造、販売等の禁止、検査、検定体制の整備を図ろうとしておりますが、飼料等の人の健康及び家畜に対する諸影響の解明、それに基づくチェックは現在の農林省の能力を超えるものであり、とうてい期待できません。安全基準や規格等がつくられても、実際上のチェック体制を、厚生省との二重チェックや共管等の措置を講じなければ結果的には国民を裏切ることになるからであります。
 第二は、現段階においては、飼料等の安全性の確保の基礎となるべき飼料及び飼料添加物に関する毒性、発がん性、催奇形性、遺伝的諸影響等に関する研究がなされていないため、これらに関する基礎データがきわめて少ないのであります。
 このことは、飼料等の製造、使用等の基準及び成分規格などが科学的根拠のないあいまいなものになるおそれがあり、現時点においては経済効率優先の暫定的な基準、規格しか期待できないのが実情であります。
 また、政府案では「畜産物の生産が阻害されるおそれが特に多い」及び「家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害される」ことを防止するためとありますが、この部分など明らかに家畜の生産さえ確保されれば飼料等の製造、使用を認めようとするものであります。まず家畜に対しても被害が生じないような安全な飼料をつくらせるべきであります。
 第三は、飼料添加物等の人の健康に対する諸影響の究明については、厚生省が中心となって行うべきであるにもかかわらず、基準、規格の設定等の安全性確保の重要な事項の決定に関し、ただ意見と要請を表明するだけにとどまり、オブザーバー的存在でしかありません。食品となる家畜等に対する飼料及び飼料添加物は準食品とみなし、その安全性に関する施策の決定に際しては厚生省が主導権を握るべきであります。また、検定についても特に必要なものについては厚生省の機関をもって当たらせるよう明示すべきでありますが、そのような配慮が政府案にはないのであります。
 反対の第四は、飼料等の基準、規格の設定は、安全性確保よりもむしろ農林省の支配権を確立する意図がきわめて強く、消費者を無視し、企業保護に利用されやすいことであります。このことは、さきの農林物資規格法の例に見られるとおりであり、容認することはできません。
 第五は、農林大臣の諮問を受けて飼料等の安全施策の決定に重要な方向を与える農業資材審議会についてであります。公正、中立で民主的な審議を行うというものの、審議の公開、データの公表や消費者の代表またはその推薦する専門家の参加が約束されておらず、明記されていないことは、公正、中立で民主的な審議決定は期待できません。
 以上の見解から、公明党は政府案に対して反対、日本共産党提案の修正案に反対の意を表明いたしまして、私の討論を終わります。
#127
○委員長(佐藤隆君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認めます、
 それでは、これより飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、小笠原君提出の修正案を問題に供します。小笠原君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(佐藤隆君) 少数と認めます。よって、小笠原君提出の修正案は否決されました。
 次に、原田君提出の修正案を問題に供します。原田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(佐藤隆君) 少数と認めます。よって、原田君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(佐藤隆君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が、各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から提案いたします。
 案文を朗読いたします。
   飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、最近における飼料原料の需給のひつ迫及び価格の高騰等の推移にかんがみ、国内自給体制の充実強化、原料輸入の確保、備蓄体制の確立等を推進してその安定的碓保を図り、畜産農家の自衛防疫の促進等環境衛生対策を整備充実するとともに、本法施行にあたつては左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一、飼料及び飼料添加物の製造方法等の基準及び成分規格の設定等を速やかに行うとともに、飼料添加物の指定等にあたつては、現行の飼料添加物公定書収載品目を安全性の見地から早急に見直し、また、人畜共通の抗生物質等の添加物については今後分離の方向で検討すること。
   なお、ニトロフラン系添加物については、使用抑制の方向で早急に検討すること。
 二、いわゆる石油たん白及びこれに類する新飼料の開発にあたっては、科学的根拠に基づいてその安全性が確認され国民的合意が得られるまでは製造販売を認めないこと。
 三、栄養成分等に係る表示の基準については、本法の趣旨に即した方向で原料の配合割合についても表示するよう努めるとともに、配合飼料等に係る銘柄数についても縮小するよう指導すること。
 四、農業資材審議会の飼料関係部会の果たす役割の重要性にかんがみ、中立公正な委員により科学的基礎に立脚した慎重な審議がなされるよう措置するとともに、安全性等に関するデータについては原則として公開すること。
 五、本法に基づく諸規制を公正かつ円滑に運用するため、試験研究機関及び検査体制について抜本的な整備充実を図ること。
 六、安全性の見地から設定される畜産物に係る食品の基準、規格については、速やかにその整備に努めること。
 七、本法の趣旨を関係者に十分周知徹底させるとともに、飼料の自家配合の普及奨励に資するよう飼料原料の関税免除等所要の措置を講ずること。
 八、養殖水産動物に係る飼料については、飼料及び飼料添加物につき早急にその基準、規格を整備すること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは、本附帯決議案の採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#132
○委員長(佐藤隆君) 総員挙手と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安倍農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍農林大臣。
#133
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの御決議につき、その御趣旨を尊重いたしまして、善処いたしたいと考えております。
#134
○委員長(佐藤隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#136
○委員長(佐藤隆君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府からの趣旨説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
#137
○国務大臣(安倍晋太郎君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農林漁業団体職員共済組合制度は、農林漁業団体職員の福利厚生の向上を図り、農林漁業団体の事業の円滑な運営に資するための制度として実施され、その給付内容も逐年改善を見てまいりました。
 今回の改正は、その給付に関しまして、恩給、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度の改善に準じて、主として次の三点につき改善を図ろうとするものであります。
 改正の第一点は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十年八月分以後二九・三%引き上げ、さらに昭和五十一年一月分以後六・八%を限度として引き上げることにより、年金額の増額を行おうとするものであります。
 改正の第二点は、退職年金等についてのいわゆる絶対保障額の引き上げであります。
 改正の第三点は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。
 その他恩給、国家公務員共済組合制度等の改善に準じ、障害年金の受給権の消滅について猶予期間を設けるとともに、八十歳以上の老齢者に対する退職年金等について算定上の特例措置を講じようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#138
○委員長(佐藤隆君) 次に本案の補足説明を聴取いたします。岡安農林経済局長。
#139
○政府委員(岡安誠君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 まず第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和四十八年度以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金及び通算退職年金について、その年金額の算定の基礎となった平均標準給与を二九・三%引き上げることにより年金額を増額するとともに、その改定時期を昨年度より一カ月繰り上げて、昭和五十年八月といたしております。さらにこれに加えて、昭和四十四年度以前に給付事由が生じた退職年金等の既裁定年金について、従前の既裁定年金の改定率と国家公務員給与の上昇率との格差を、昨年に引き続き解消するため、昭和五十一年一月分以後、その給付事由の発生時期に応じて〇・八%から六・八%までの率で増額することといたしております。
 第二は、いわゆる絶対保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金について、年齢及び組合員期間の区分に応じ、その絶対保障額を引き上げることといたしております。たとえば、六十五歳以上であって、組合員期間二十年以上の者については、その退職年金の絶対保障額を三十二万千六百円から四十二万円に引き上げることといたしております。
 第三は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。すなわち、標準給与の月額の下限については、農林漁業団体職員の給与の実態、私立学校教職員共済組合制度との均衡等を考慮して三万九千円から五万二千円に引き上げるとともに、上限については国家公務員共済組合制度に準じて二十四万五千円から三十一万円に引き上げることといたしております。
 第四は、障害年金の受給権の消滅の猶予期間の創設であります。障害年金の受給権につきましては、従来は廃疾の状態に該当しなくなったときは直ちに消滅することといたしておりましたが、今回の国家公務員共済組合制度における改善に準じ、三年間の猶予期間を設けることといたしました。なお、この猶予期間中は、障害年金の支給を停止することといたしております。
 第五は、老齢者に対する退職年金、減額退職年金、障害年金及び遺族年金の額の算定上の特例措置であります。これは、旧法組合員期間二十年以上を有する八十歳以上の老齢者に対する退職年金等について旧法組合員期間二十年を超える年数に応じて加算する額に割り増しをすることといたしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を図っております。
 以上であります。
#140
○委員長(佐藤隆君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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