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#1
第075回国会 農林水産委員会 第19号
昭和五十年七月一日(火曜日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     青井 政美君     斎藤 十朗君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤  隆君
    理 事
                高橋雄之助君
                川村 清一君
                神沢  浄君
    委 員
                岩上 妙子君
                大島 友治君
               久次米健太郎君
                鈴木 省吾君
                園田 清充君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                平泉  渉君
                山内 一郎君
                工藤 良平君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       総理府恩給局長  菅野 弘夫君
       農林大臣官房長 大河原太一郎君
       農林省農林経済
       局長       岡安  誠君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       農林省農蚕園芸
       局長       松元 威雄君
       農林省食品流通
       局長       森  整治君
       食糧庁次長    下浦 静平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       梅澤 節男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○農林水産政策に関する調査
 (米・麦価問題に関する件)
 (砂糖きび、パイン問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしております。
 これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鶴園哲夫君 私は二点ほどお伺いをしたいわけです。一つは、本法の改正が恩給法、国家公務員共済組合法の改正に準じまして出ておるわけですが、ですから、本来なら内閣委員会で論議する問題かもしれませんですけれども、この前提となります恩給法並びに国家公務員共済組合法、これは直接農林年金の改正とつながって直結いたしておりますので、その意味でこの点についてひとつお尋ねをしたいわけです。これはもう内閣委員会でも問題になったと思いますし、私も従来から問題にいたしておるわけですけれども、国家公務員の給与が二九・三%引き上がった。したがって、恩給並びに国家公務員共済、さらに農林年金を二一九・三%引き上げる。その引き上げます場合に、国家公務員の給与は去年の四月一日に引き上がっておるわけですけれども、恩給や年金の場合はことしの八月一日になっておるわけです。これは一年四カ月、十六カ月おくれて上がるわけなんですけれども、八月一日というふうになぜしているのかという点のその理由と根拠をお尋ねをしたいわけです。これは総理府の恩給局長見えていますから局長に、どうして八月一日というふうになっているのかという点をお尋ねをしたいと思います。
#4
○政府委員(菅野弘夫君) お答えを申し上げます。
 先生御存じのように、恩給年額の増額の実施時期でございますけれども、これは過去ずっと二十年来十月であったわけでございますが、昨年これがおかげさまで一カ月繰り上げさしていただきまして九月になっております。そこで今回はいろいろなことがございましたけれども、他の公的年金制度におきましては、増額実施時期が昨年並みでありましたけれども、恩給につきましては、これをさらに一カ月前進をさした案で御審議をいただいておるわけでございます。したがって、八月実施ということでさらに従来よりも二カ月、昨年よりも一カ月前進をしたということで、この問題については一歩を進めたというふうに考えております。さらにいま御指摘のように公務員給与、指標にとっております公務員の給与そのものは四月からであるというようなことで、その問題がかなり残っておりますけれども、この問題につきましては、他の公的年金制度との均衡なり、財政負担の問題等々を総合的に勘案しながら、さらに検討を深めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
#5
○鶴園哲夫君 年金受給者にインフレの中で大変大きなしわが寄っているといわれている、これそのとおりですし、さらに年金時代というふうにいわれるような時代にもなっている。その中でこういうふうに一年四カ月、十六カ月も公務員との間にずれると。その間のインフレというのは大変大きなものがあるということになりますと、やはり十六カ月おくれているということは大変大きな問題ではないかというふうに思うわけです。いま局長のお話を伺っておりますというと、他の公的年金等の関係、財政事情というお話でありますが、他の公的年金、財政事情ということになりますと、一昨年十月、そして昨年が九月、本年八月と、こういうふうになっておるといたしましても、財政の事情によっては、八月一日が来年はそうでなくなるというような形も考えざるを得ないのではないか。さらに公的年金との関係からいいましてもそういう心配がありやしないか。ですから、私は八月一日になっておる根拠を伺ったわけですけれども、しかしこれは局長のおっしやるように、一年四カ月ずれているということはやはり問題がある。逐次やはり近づけていこうという考え方に立った十月と九月、八月という形になっておるんだろうと思うんですけれども、財政の事情ということになりますというと、不安定であるというふうに言わざるを得ないんじゃないかと思うんです。で、先ほども申しましたように、インフレの最大のしわ寄せのところになっておりますし、さらに年金時代、福祉時代という形に変わってきつつあるこの中で、さらに推し進めていく、八月だけではなくてさらに来年は進むんだというふうな考え方でいらっしゃるのか。言うならば、ある程度計画性を持っていらっしゃるのかどうかという点をお尋ねをしたいわけなんです。
#6
○政府委員(菅野弘夫君) 来年以降の問題でございますと、私たち現在、御審議をいただいております本年度の法案を通していただくのに精いっぱいでございますので、深く来年度以降のことについて十分勉強しているわけじゃございませんので、やや心情的な答えになってしまうかもしれませんが、いま先生が挙げられましたいろんな問題点は私たちも意識をいたしております。したがいまして、財政事情、これはいろいろ大きな問題がございますけれども、後退というようなことはこれは考えられないんじゃないかというふうに思っております。そもそも恩給の場合には、他の公的年金制度、まあ共済もあるいはそうかもしれませんが、他の公的年金制度と違います点は、当方がとっております指標が公務員給与そのものである、特に四十八年以降は公務員給与そのものであるということでございますので、他の年金制度のこともさることながら、現職公務員のことも十分考えなければならぬというのが一点でございます。
 それから本委員会におきましても、昨年度も附帯決議をいただいておるわけでございまして、そういう趣旨に沿って、私たちも来年度以降のことは、いまこの場ではすぐに申し上げられませんけれども、付帯決議の趣旨に沿って努力をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
#7
○鶴園哲夫君 一昨年に十月であって、昨年九月になって、本年八月になった。その意味では三カ月縮まったわけですが、なお一年四カ月という、十六カ月差があるという状態なんです。それで後退することはないという、そういう考えを持っておるというお話ですが、公務員は昨年の四月一日、四十九年度。恩給、国家公務員共済、この年金も五十年の八月一日と、年度が違っておりますから、ですから、処理の仕方に問題があろうかと思うんです、年度が違うものですからね。ですから、私はまず五十年の四月一日と、少なくとも五十年の四月一日と、本年で言いますとですね。というところへまず速やかに持っていってもらいたい。そして、今度は年度がまたがっておりますから、ですからそれを今度は前に持ってくるというのは、これまたなかなかえらいと思うんです。そうなりますと、やはり恩給法の提案というものを、法律を出すのを、公務員の給与が決まってその年度内に出さなければならないということになるだろうと思うんです、年度がまたがっておりますから。ですから、いまのところ速やかにその年度内、本年で言いますれば五十年の四月一日というところへまず持っていく、その努力を払うべきじゃないだろうかと。その後の問題は、法律案を出す時期の問題だろうというふうに思うんです。だから、いまのテンポから言いますと、これは十年かかるというふうに言わざるを得ない。公務員の場合も、四月一日という実施の勧告が出ましても、それをそのとおり実行するのに八年も十年もかかっておるわけですが、これをそういうテンポでいったんじゃとてもかなわないというのがみんなの、退職公務員もですし、年金を受けている者もそうですし、現在おる公務員の人たちもそういう感じじゃないかと思うんですよ。十年もかかったんじゃかなわないと。そういう点はどうですか。
#8
○政府委員(菅野弘夫君) さらに先の話でございますので、ここで断言的に申し上げられませんけれども、本年度先生御存じのように二九・三、そのほかの改善を含めますと非常にもっともっと大きな改善だったわけでございますけれども、これも大蔵当局とのいろいろ御相談の末でございますけれども、特別の枠を認めていただいてそういうふうな多額の予算を認めていただいたわけでございまして、そういうまあ今年度非常に財政が苦しい中においてもなお一カ月前進ができたということがございますので、さらに諸般の事情を十分に考えながら、附帯決議の御趣旨もそういうことだと思いますので、私たちとしては努力を重ねていきたいというふうに存じております。
#9
○鶴園哲夫君 私は、内閣委員会にかつておりまして、そしてこの恩給法の問題、国家公務員共済の問題を論議します場合に、恩給局長といいますか恩給局は、何といいますか、非常にかたい考え方といいますか、かたいというのは、前進のためにかたい考え方を持っていらっしゃるというふうに非常に強い印象を受けておるわけです。それは、国家公務員共済組合の公務員の賃金にスライドするという考え方をお出しになったときも、非常にいい考え方を持っていらっしゃったとぼくは思うんですよ。大蔵省の方は若干それにつきましては、財政面の制約が大変頭にあるせいか弱かったように思います。もちろん、これは運営審議会の答申が明確でなかったという点もあると思いますけれども。恩給局の方は非常に、私どもから、私から見ますと、いい考え方で前進しておられたと思うんですが、そういう意味でひとつ今後もぜひ速やかに、公務員の賃金が上がると、続いて、その時期もそれと同じになるというところへ努力をいただくように要望いたしておきたいと思っております。
 次にお伺いをしたいのは、老齢退職――退職年金の中で大変ウェートを占めておりますのは遺族年金ですね。この遺族年金が増加の傾向にありますですね、これ数字を見ましても。ですから、退職年金をもらっておる人が増加するというよりも、遺族年金の受給者というのが増加する傾向があるわけです。またその数も多いです。
 そこでお尋ねをしたいんですが、夫である受給権者が死亡したと。で、その寡婦と子供が受給権者になったという場合に、五〇%なんですね。ただ、子供一人についてどうだというものもありますけれども、五〇%、これは明治時代からこういう状態なのではないかと思う。いまどき五〇%でいいということにはならないと思う。これは、速やかに五〇%というものを改正する必要があるのではないかというふうに思っておるわけです。この点についての考え方をお尋ねしたいと思います。
#10
○政府委員(菅野弘夫君) いまお尋ねの遺族年金でございますが、恩給で申しますと扶助料でございます。普通扶助料が先生の御指摘の問題に当たるのだと思いますが、恩給の場合には、恩給法が大正十二年に制定されまして以来、一貫して普通扶助料の年額は普通恩給の二分の一ということで、この給付割合が続いております。これも先生御案内のように、恩給審議会がございましたが、恩給審議会の論議の過程の中でも、これがいろいろ議論をされましたが、いま言いましたような歴史的な経過のものを踏まえて、現行制度を維持すべきものというふうに、一応は審議会の結論にはなっておるわけでございまして、現在はそのたてまえを貫いております。しかしながら、恩給の場合は、特に新しい受給者というのが、一般原則としてはふえないわけでございまして、したがって、恩給種別で申しますと、普通恩給などは減る一方であるし、普通扶助料はそういう意味においては、当分の間はふえる一方であるということが言えるわけでございまして、恩給問題の重点の一つが、扶助料に移っていくであろうとは、私もかねがね考えているところでございまして、ただ、その率が二分の一がいいのか、さらにそれ以上がいいのかということになりますと、これはなかなかいま言いましたかなり長い歴史を持った問題でございますので、重要な検討事項であるというふうに思っております。
 ところで、恩給の場合には、これも先生御案内のように、特に軍人恩給の場合はそうでございますが、遺族とか、傷病者とか、あるいは老齢者とか、そういう方々はいろいろの意味で優遇するような措置を講じておりますので、具体的に普通恩給をもらった方が亡くなって、普通扶助料に移りますときにも、そういうふうな、たとえば加算年でございますとか、基礎俸給の繰り上げでございますとか、そういうものがございまして、実際には二分の一にならないで、人によっては七割、あるいは八割もらっているという方もあるわけでございます。ただ、原則はあくまでも二分の一でございますので、その二分の一をどうこうするという問題については、これは重大な問題として今後の検討を深めていきたいというふうに思っております。
#11
○鶴園哲夫君 いまお話しのように、大正十二年にできて以来、二分の一という状態になっている。それがすべての公的年金に波及いたしておりまして、まあ、二分の一というのが大原則になっておるわけですが、しかし、今日なかなかそういうことでは理解しにくくなってきておる。確かに長い歴史を持っておりますけれども、今日そういうものでは理解が大変得られないという状態になっているのじゃないかと思うんです。ですから、これはやはり速やかに検討される必要があるのではないか。
 なお、ILOの百二十八号条約によりましても、これは未亡人と子供二人という場合には、受給権者が死亡しても、同じものを受け取るように、これは四五%という形になっているわけですね。これが常識じゃないかと思うのですね。いま妻が受給権者になった場合に、子供二人までは一人について年額九千六百円というものが出るようになっております。年額ということで九千六百円。ですから、月じゃないですよ。年間九千六百円という金になっております。ですから、私はやはり長い歴史は踏まえておりますが、いま五〇%というものでは、本人が死んで、未亡人になって、その場合に五〇%ということでは理解が大変むずかしくなっている、理解できない状態になっているのじゃないか。またILOの立場から言いましても、この五〇%という考え方は、速やかに再検討する必要があるというふうに思っているのですけれども、何かそういうような、速やかにそれを是正するような動きというものはないのかどうか。どっかの、内閣委員会なら内閣委員会でこの問題をはっきり論議する必要があるのではないかと私は思っているのですけれども、そういう考え方はどこにもないのかどうか。来年厚生年金を大きく改正をするという時期に来ておりますし、さらにそれに伴ってこの年金制度も大きなやはり改定期を迎えてきているわけですが、その際に――この問題については確かに長い歴史がありますが、いまはそういうものは、これはなかなか理解しにくいという状態になっておるわけですから、世界的に考えてもそうなっておりますし、速やかに検討すべきであるし、そういう検討の芽はないのかどうかという点をお尋ねします。
#12
○政府委員(菅野弘夫君) お答え申し上げます。
 先ほどのような経過でございますけれども、問題点としてもそういう指摘を始終受けているわけでございますし、私たちとしても意識を持っております。厚生年金等の他の公的年金の問題においてもそういう声が上がっていることを承知いたしておりますし、それから、今国会でございますけれども、衆議院の方の内閣委員会の席では、たびたびこの問題も議論をされ、附帯決議も、給付水準についての検討をしろという附帯決議もいただいておるところでございまして、そういう問題を含めまして、私たちも検討を深めたいと思います。恩給だけでなく、他の公的年金制度に非常に重大なかかわりを持つ問題でございますので、そういう点を十分踏まえまして、今後の重要な課題として慎重に検討を深めてまいりたいというのが私の現在の心境でございます。
#13
○鶴園哲夫君 恩給法が、まずこれが柱になっておって、これが改正されますと、それぞれにきちっと波及して、改正が連なっていくということになっておりますし、しかも恩給局はりっぱな人材を持っておられて、大変造詣の深い研究もされ、調査もされているわけです。ですから、速やかにいま局長のおっしゃるように、検討をしていただきたいというふうに要望いたしておきたいと思います。
 それからもう一つは、二九・三%という形に引き上がるわけですが、公務員の賃金が上がる率がそのまま反映をしていく。ただ、私伺いますと、恩給局の方でこの五十年度の予算の際に、二九・三%というものを三つの段階に分けて考えられたというふうに伺っておるわけです。確かに二九・三%というものを一率にやるということについては、やはりいろいろ検討に値すると思いますが、公務員の賃金の場合にありましても、二九・三というのは、一率に上がっているわけではなく、それぞれ段階があって、平均が二九・三になっているわけですね。ですから、年金の場合につきましても、一率二九・三というものをやる、一率で処理するということについては私は問題があると思うし、検討する問題があるし、たしか恩給局は三段階に分けて考えられたというふうにも聞いておるのですけれども、どういうふうに、もし三段階に分けて考えられたとすれば、どのように分けてお考えになったのか、それを承わりたい。
#14
○政府委員(菅野弘夫君) ざっとお話を申し上げますと、中位と申しますか、一般的にはまん中のところは、いままでのやり方そのもので二九・三に六・八を掛け分わせまして三八・一でございますけれども、低い方の号俸については、それを少し割増しをする、高い方においては、やや割引をするという形で、下の方で三九・二、上の方で三六・四という三段階で概算要求のときにはお出ししたわけでございます。が、そういう考え方は私たちとしては、やはり上薄下厚の精神を少しでも入れていきたいということにほかならないわけでございますけれども、ただ技術的にはその数字をどこに求めたらいいか、あるいはどこに区切りを求めたらいいか、その他いろいろな問題がございまして、この三段階の案においても、暫定的という形で考えたわけでございますけれども、その中身においても、技術的にも、なお問題を含んでおりまして、さらにどういう分け方がいいのかという問題を含めまして、今後勉強したいというふうに思って、今回は一律にせざるを得なかったわけでございます。
#15
○鶴園哲夫君 いまお話の、上、中、下といいますか、それによりまして、一律二九ではなくて、段差をつけるという考え方については、確かに当を得ているのではないかと私は思います。ただ、まあしかし、ことし初めてのお考えでしょうし、これからまあ来年になりますれば、それぞれ大蔵省なり関係方面の合意を得るようなことになっていくのではないかと思いますが、ぜひそういうようなやはり考え方を持って今後とも進めていただくように、確かに上限の方を制限いたしておりますししますから、上の方も問題もあろうかと思いますが、上の方ですね。要するに、非常に高い方の方が上限がありますから。ですから、問題もあるかと思いますけれども、いまおっしゃった程度のこの上、中、下の分け方というのは、根拠はどうあれ、とにかくなるほどこういうふうに分けた方がいいじゃないかという感じを私も強く持ちます。ですが、合意を得るに至らなかったんだろうと思いますが、これからもぜひそういう方向で進めてもらって、そして合意が得られるように努力をいただきたいと思います。これは改めてまた内閣委員会等でやる必要があると思いますけれども、きょうはこの程度にして第一番目の問題につきましては、これで終わりたいと思っております。
 次に、農林省にお尋ねをしたいんですが、農林年金に入りまして、お尋ねをしたいんですが、この農林年金の、いただきました資料によりますと、農林年金の加入者は組合員数というのは四十二万六千という数字でありますが、八〇%を超す者が農協なんですね。それで私は、農協の給与が低い、その低い中にありまして、さらに農協の全国連と県連と、それから単協との間に余りにも格差があり過ぎる。全国連との差が二二%程度の差があり、県連と単協との間にまた二二%ほどの差がある。全国連と単協を比較をいたしますというと、実に単協の方は六〇%程度という大変格差がある。農協としては組織的に一体になって販売をやり、購買をやり、信用業務をやっている。これは組織的に一体になってやっているものだと思うんです。その場合に、余りにも格差があるということは、これは当を欠くというふうに私は従来から考えております。で、したがいまして、格差をやはり縮めるような努力が必要ではないか。かつて私も格差をどのように縮めるべきかということを、ある程度真剣に農林水産委員会で論議したこともあります。これは全国連の場合には学歴、全国連と単協の場合にあっては学歴が違うとか、いろいろの問題もあると思います。あると思いますけれども、いずれにいたしましても、女性の場合をとってみましても非常に差があるわけですね。全国連と県連との間には女性につきましても一万円の差がありますし、県連と単協との間にも一万円の差があるということは、やはり学歴によって差があるとかという問題ではないというふうに見ておるわけです。ですから、これはやはり一体となって信用業務をやり販売業務をやり、そして購買業務をやっておるわけですから、ですから、やはりこの格差というもので、これほど格差があるということは当を得てない。ですから、是正をすべきである。これは農協が全体として取り組むべき問題だと思いますけれども、まあ監督官庁である農林省としても、この点についてどう考えていらっしゃるのか、そして、どのような方向で努力をされようとしていらっしゃるのか、これをお尋ねいたします。
#16
○政府委員(岡安誠君) 御指摘のとおり、現在農林年金に加入しております団体につきまして、それも給与の実態を考えてみますと、市町村段階の給与につきましては、都道府県段階の大体八〇%ぐらいの水準で、中央団体に比べますと約六〇%という、御指摘のとおりの格差があるわけでございます。で、こういう格差を、余り大きな格差ということは必ずしも適当でないとは思っておりますけれども、しかし、全国一律に、これは業種別、さらに地域別の差をなくすのが実態に合うのかどうかという点につきましては、多少やはり問題があるのではなかろうかというふうに考えております。たとえば、これが例になるかどうかは問題でございますけれども、たとえば公務員の例を考えてみますと、公務員におきましても市町村段階の水準は、これは都道府県段階に比べまして、約七〇%でございますし、これは中央に比べましては七五%、これは都道府県段階が中央よりも高いという現象が出ておりますので多少違いますけれども、やはり格差があるということ、これはやはりある程度実態ではなかろうかというふうに考えております。私どもはまず、やはり一般的に農林年金の加入団体の給与水準が必ずしも高くないということから、まず地域ごとに平準化をする。たとえば農林漁業団体の給与は、できるだけ早い機会に市町村段階の役場等の給与に並ぶように私どもは指導をしてきたわけでございますが、最近の実績を申し上げますと、四十九年の六月の調査、多少これは農協の規模の中以上の農協というようなところと比べますと、すでに役場の給与に比べまして、それよりも上回っているというような数字も出ております。したがって、平均的に申し上げましても大体地方公務員、地域ごとの地方公務員の水準に近づいているということは言えるんではなかろうかというふうに考えております。今後とも私どもは一般的に農林漁業団体職員の給与の改善につきましては努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#17
○鶴園哲夫君 これはまあ別の論議を必要とすると思いますけれども、ただ私は、大変格差のあることは当を得ない。ですからその格差を縮めるような努力をしてもらいたい。いま局長の答弁は、地域によって――単協だろうと思いますか、地域によって差をなくするように努力をしていく、そしてその目標としては、町役場、村役場の公務員の賃金に近づけるように努力をしたいと、それはそれとして私もそうだと思います。ただ、私は協同組合運動論として、単協というのは協同組合そのものなんだと。そこに単協の生命があるんであって、その単協に対してサービスをし、そしてその援助をするために県連ができている、そして全国連ができている。ですから原点は、何といいましても農協運動というのは、協同組合運動というのは単協にあるんだという点を踏まえてやらないと私はまずいと思っております。これはまあ、きょうの論議の対象でもありませんですけれども、いろいろの手数料の問題にいたしましても、何の問題にいたしましても、非常に問題は私はあると思っております。そういう問題はやっぱり是正することによって、そういった協同組合運動の足場を踏まえた給与というものが逐次できていくんじゃないだろうかというふうに思います。ですから、国と県と、市町村という立場とは私はやはり考え方を違えたものに考えていかないと、協同組合そのものは、原点は、それはまあ形成的には、中央の方が先にできてきて県ができてきた、という形で単協ができるという経緯をたどったと思いますけれども、しかし、本来はやはり何といっても協同組合運動というのは原点は単協に、単協そのものにあるという点を踏まえて考えていかなきゃいけないというふうに思います。これは農業共済の場合におきましても、これはいろんな例を挙げてみましても、これは大変な、単協というのは苦労してますもんね、えらいです、これは。さらにまあ人材の確保の面から言いましても、どうしても原点であるこの単協というものを、もっと重視していくという必要があるというふうに思っております。しかし、それはきょうの、本日の問題でありませんので……七ぜひ、いま申し上げたように余りにも差があるということは当を得ないと思うので、したがって、その格差を是正する方向にいろいろ努力をいただきたい。監督官庁としての努力をいただきたいという点を申し上げまして……。
 で、次に、その給与が低い、標準給与にいたしましても、地方公務員の場合よりも三〇%低いという形になっております。これは県も入っているんだろうと思いますが、県、市町村踏まえて三〇%程度標準給与が低いという形になっておりますし、それから実際年金を受けている者にいたしましても、この共済年金の中で一番低いのが農林年金である。一人当たり三十六万という数字が出ておりますし、地方公務員の六十五万というものに比べますと大変に低い。さらに、私立学校の教職員の共済が四十三万というものに比べましても大変に低いということが言えるわけです。標準給与が非常に低い、したがって、年金も低いということになるんだろうと思うんです。にかかわらず、掛金はまた共済組合の中では一番高い、九十六という掛金で一番高いんだと。で、まあ、国家公務員共済がこの間五%引き上げましたし、地方公務員共済の方もこの一月でしたか、五%程度引き上げました。それにいたしましてもなおまだ、これから農林年金の場合は引き上げなきゃならぬだろうと思いますけれども、大変高いという点ですね。
 そこで、そういうことを踏まえまして三つほどお尋ねをしたいわけですが、まず一つは、この九十六というのが今後は改定をしなきゃならぬだろうと思うんですけれども、どの程度に改定をするというふうにお考えになっていらっしゃるかお尋ねをしたいと思います。
#18
○政府委員(岡安誠君) まあ現在の農林年金の掛金率、御承知のとおり千分の九十六でございます。で、この問題はことしの三月末時点で財源率の再計算をいたすことにいたしております。したがって、その結果を踏まえましていろいろ勘案すべきことがございますので、総合的に勘案して、結果的に掛金率がどうなるかという答えが出る、というふうに考えております。ただ、私どもはやはり現行の掛金率が決まりました以降、たとえば四十五年以降、制度改正がございます。したがって、数理的保険料、それから整理資源率等もふえております。これはまあどういう方法で計算するか、計算方法は決まっておりませんので、どのくらい財源率がふえるかということをはっきりとお答えするわけにはまいりませんけれども、仮に従前の方法どおりに計算をしたと仮定をいたしますと、四十九年改正までで財源率が大体千分の二十五ぐらいはさらにふえるんではなかろうかというふうに考えております。したがって、財源率のトータルが千分の百五十ぐらいになるということが、従来の方式どおりで計算すればそういうことになると予想されるわけでございます。それに対して補助率その他を引くわけでございますが、従前の方法によれば当然掛金率も上がらざるを得ない。そこで、私どもはどういう財政方式で今後いくべきであろうか、それから国の補助金等はどうあるべきであるか、というようなことを総合的に勘案いたしまして、結果的に掛金率が組合員の方々にそんなに負担にならないように工夫をしてみたいというふうに考えておる次第でございます。
#19
○鶴園哲夫君 まあ給与は低い、したがってまあその年金額も低い。掛金は抜群に高い、一番高い、九十六だと。今度まあ三月末で再計算されますと二十五ぐらい上がるというのですか、まあこれはもう抜群の、大変なことになっちまうという感じを受けるわけですがね。これじゃ困るわけで、何とかですね、一番高いんじゃどうにもならない。掛金は最も高くて、そして受け取る年金は一番低いというんじゃ、これはまあえらい話なんですね。せっかく厚生年金からこれを分離いたしまして農林年金というものをつくった意味は御承知のとおりなんですから、これじゃどうにもならないという感じを受けるわけですが、感じを受けるのじゃなくてそう思うのですけれども。去年のこの法律を改正しますときに附帯決議がついているのですが、これはまあいつも附帯決議をつけるのですけれども、国庫のこの負担率を百分の二十以上にしてもらいたいと。で、また特にですね、この財源調整費を特に増額をしてもらいたいという、検討すべきだという附帯決議を、去年のこの法案が通りますときに、私もこのときは農水におったんですけれども、第一項に掲げておるわけですけれども、これについて大蔵省の共済課長、見解を聞きたいと思うのですが、どういうふうに検討していらっしゃるのかですね。衆議院の方も附帯決議をつけておりますし、参議院の方も附帯決議をつけたんですが、ぜひこういう問題を前進させることによって大変高くなる掛金というものを九十六程度に抑えるという必要があるのじゃないか、いまでも抜群に高いわけですから。で、それにさらに、今度三月に再計算した場合に、えらい高いものになっちまう、まあ抜群というよりも想像を絶したというのかどうか、えらい高いものになっちまうという場合に、やはり、この附帯決議で言っているそのいまの一八%というものを二〇%以上にする。それからもう一つの財源の調整費につきましても一・七七というものをもう少しふやしていくというような手立てをとりませんというと、これは大変な掛金になっちまうじゃないか、という点についてはどういう考え方を持っておるのか聞きたいと思います。
#20
○説明員(梅澤節男君) 御指摘の点は二つあるかと思うのですが、まず前者の国庫補助率に対する考え方でございますが、御案内のとおりわが国の年金制度のまあ一番の特徴と申しますのは、いろいろな年金制度が分立しておるという点にあるかと思います。したがいまして、現在の各年金制度に対する国庫助成の割合もそれぞれの制度の仕組みとか、あるいは財政事情によってその助成の度合いが異なっておるわけでございますけれども、農林年金の場合は御指摘のとおり、現行の法定の補助率は給付に対して一八%ということになっております。で、これにつきましては従前から厚生年金並みの、たとえば二〇%ぐらいに引き上げるべきではないかという御議論があるわけでございますけれども、先ほど申しましたように年金制度それぞれ仕組みが違っております。仮にですね、厚生年金と農林共済年金を比較してみました場合に、たとえば年金の算定の基礎になります給与のとり方が両制度では違う。それからこれも非常に大きな問題になっておる点でございますけれども、年金が支給される年齢、これは御存じのとおり共済の場合は五十五歳、厚生年金の場合は六十歳、国民年金になりますと六十五歳と、こういうふうに仕組みが違っておりまして、端的に申し上げますと、年金現価と申しますか、給付の水準が、制度の仕組みとしては、厚生年金に比べて共済年金は非常に有利になっておるわけでございます。したがいまして、そういう給付の仕組みなり水準との権衡から見ますと、共済年金を厚生年金並みに二〇に引き上げるということはかえって均衡を失するということでございまして、現行の一八という法定の補助率は私どもは適正な水準であるというふうに考えております。
 ただ、農林年金の特殊の財政事情等に着目いたしまして、ただいま御指摘になりました財源調整につきましても、五十年度予算では約五億――四億九千八百万という予算措置をしておりまして、これを加えますと、給付に対して、先ほどおっしゃいましたように、一九・七七という水準にあるわけでございます。で、私どもといたしましては、現行の年金制度の仕組みを前提とする限り、現在の国庫補助率は十分に均衡のとれたものでございまして、これをいじるということは、年金の給付水準との絡みから見まして、かえって権衡を失するのではないかというふうに考えております。
 それから、後者の問題でございますが、そうすれば、農林年金の財政事情というのは非常に苦しいではないか、補助率はそのまま据え置いておいて掛金率が天井知らずに上がってもいいのか、という御指摘だろうと思うんでございますけれども、これにつきましては、先ほど農林省からも御説明がございましたように、財政方式といたしまして、平準保険料に準拠した掛金という財政方式をとるか、あるいはもう少し弾力性を持たして、年金の長期の財政が円滑に運用されるような見込みを立てつつ、しかも掛金が急激に上がらないというふうなことで工夫の余地があるのではないか、というふうに私どもは考えております。
#21
○鶴園哲夫君 いま厚生年金との関係が出たんですが、厚生年金から農林年金を分離したそもそもの原因というのがあるわけなんです。ですから、均衡がどうだこうだというお話になりますと、これはすべての問題で均衡が出てくると思うんです。国家公務員共済組合の問題これは国家公務員共済組合の方は恩給との関係ありますよ。ですから、厚生年金から農林年金が分離してできたというその理由を考えますときに、余りそっちの方にこだわって、そっちの方に引っ張られちまうということは、これは分離した理由が不明確になっちまうと私は思うわけです。ですから、何か厚生年金からはできるだけ離れないような形で、そっちの方から足を引っ張るという考え方は当を得ないど私は思うんです。
 それからもう一つ、最後のお話しになった方式をいろいろ検討した上に、掛金が急激に上がらないような方法があるんじゃないか、というお話でありますが、ねらいは、私の言ってるねらいは、やはり給与が低い、したがって年金が低い。しかし掛金が抜群に高い。で、今度またさらに大変な上がり方になっちまうというようなことになりますと、これはいけないじゃないか。少なくともいまの千分の九十六というところに抑えれば、そろそろほかのところと均衡のとれるような形になるんじゃないか。それでも高い、それをどう処理するかというのがねらいなんです。考え方なんです。それは当を得ない、これはもう、そういうふうにだれも考えると思うんです。それにはどうしたらいいのか。どうでもいいんです、私は。だれもそうだと思うんです。どうしたらこの給付が、掛金をそんなに上げないで処理できるか、という点が焦点じゃないでしょうか。ですから、私の言いたいのは、一つは、厚生年金から分かれて出た、三十四年に分離したというその基本的な考え方というものをひとつはっきりしといてもらいたい。厚生年金との均衡がどうであるということによって、それで強く足引っ張られるということでは困るということが一つ。
 もう一つは、いま言った掛金が大変なものになっちまうということでは困る。それを何らかの形で是正する方法があるのかどうか。
 それから、公的年金全体の問題については、これはやはり連絡会議があるわけですし、なかなか連絡会議で都合が悪いということになりますと、こういう年金というものがいまや非常に大きな問題になっている時代になっておりますから、関係閣僚懇談会のようなものをつくって、そこでいろいろ抜本的に調整をするという考え方も当然つくっていかなきゃならぬと思うんです。しかし、いま当面して問題にするのはさっき挙げた二つです。その点についてどういうふうに考えているのかという点ですね。
#22
○説明員(梅澤節男君) 先ほどの御説明の繰り返しになって非常に恐縮でございますけれども、国庫補助率の問題につきましては、ただいま委員が御指摘になりましたように、厚生年金の補助率でもって農林年金の補助率の足を引っ張るという趣旨で私申し上げたのではございませんので、年金制度、つまり保険システムをとっている年金財政に対する国庫補助のあり方というのは、やはり給付水準との均衡をもって考えなければいけない。制度の仕組みとして給付の水準が非常に違っておるのに同じような補助の、助成の割合で臨むということは、かえって不均衡と申しますか、不公平と申しますか、そういう問題があるのではないかということを申し上げたわけでございます。
 あと、後者の財政方式の問題につきましては、農林省が今後作業を進められると思われます財源率の再計算等の結果を見まして、先ほど申し上げましたような趣旨で財政方式にもう少し弾力性を持たせながら、しかも将来の年金財政に影響を及ぼさないような形での工夫があるのではないか、そういう面で今後検討すべきではないのかというのが私どもの考え方でございます。
#23
○鶴園哲夫君 給付の水準でこの国庫補助の問題を考える、これも確かに理屈だと思うのです。で、私が心配をして言っているのは、これはもともとその掛金が九十六だと、掛金にその焦点を置いて考えているのです。それが非常に上がるということは、いまでも最高の水準、千分の九十六というのは最高の水準、それがまたさらに大変に上がらなきゃならぬというのをどうすればいいのかという点から私は言っているわけであります。その場合に、国庫の問題も考えてもらわなければならないし、あるいは先ほど申し上げました財源調整率の問題についても考えてもらうと。ただ、いま主計官のおしゃるように、九十六というものがそう上がらないような処理というものは考えられるんではないか。農林省も考えられるだろうし、大蔵省としても考える筋合いだというお話ですから、私の焦点もそこにあるわけですから、問題はそこですから、それさえ、千分の九十六というものが上がらない、大幅に上がらないような形で、私はいまの九十六に抑える程度でちょうどいいのじゃないか。それでもまだ高いのです。ですから、最後の千分の九十六というものが上がらないような形に処理するために、財源的にいろいろひとつ援助をすべきであるということを考えておるわけなんです。
 その点についてのひとつ要望をしまして、次にもう一つ。やはり掛金との関連で、今度これも附帯決議に出してあるんですが、私学共済の場合に都道府県が給付事務の補助として掛金の千分の八程度を出しておるわけですね。そして日本私学振興財団の方から整理資源の二分の一に相当する財政援助をいたしておりますのですね。この二つの援助があってということになるとは思いますが、掛金が千分の七十七になっておるわけですね。それで一方の方はこういうものがありませんから千分の九十六というふうになっておるわけなんです。で、二十も差がつくという形になるわけですね。ですから、こういう点について、先般も、前年もちょうどいまごろ、この点について論議したわけですけれども、都道府県のこの問題については、一方の方は公立学校との関係があり、当然公立としてやるべき問題についての役割りを果たしておる、という公的の比重が高いということから、都道府県の援助というのがあるという話でありました。しかし、農業団体の場合にいたしましても、これ同じように、やはり地域に対する貢献度というものは、これは差別するほどの差はないというふうに考えなきゃならぬのじゃないだろうか。食糧の安定にいたしましても、あるいは流通にいたしましても、それから生産の指導にいたしましても、地域の農業者に対する指導の問題にいたしましても、役割りとして、公的な役割りとして、農協の問題を一つとってみても、学校と差別すべき差というものはないのではないかという私は考え方を持つわけです。したがって、やはり都道府県の援助というもの、こういうものがあってしかるべきではないか。ただ一方の方は、法律にそういう規定をしてある、一方の方はそういうものがないんだという点もあります。しかし、それはそういうことさえはっきりしていけば法律を改正していけばできるわけでありますから、そういう点について何らかのやはり考え方を持つ必要があるんではないか。大蔵省としても若干この法案を出される前に検討もされたというような話も聞いておるわけですけれども、そういう問題についてどう考えておられ、今後どうされるつもりなのかという点についてお尋ねをいたします。
#24
○説明員(梅澤節男君) 御指摘のとおり、私学の共済につきましては一従来からの経緯等もございまして、法律にも都道府県が補助できるという規定になっております。現実に大部分の地方公共団体がそれぞれ私学の共済につきまして予算補助を行っておるわけでございますけれども、農林年金については、制度が新しいという点も含めまして、私学と若干制度が、育ってまいりました経緯等も異なりまして、都道府県の補助が制度化されていないという点は問題としてあるわけでございます。ただ、これにつきましては、先ほど国庫補助との関連で申し上げましたように、私どもといたしましては、国庫の立場とすれば、各種の年金制度を並べてみまして、国として一体どれだけ補助すべきであるのかという均衡的な感じで予算処理をしているわけでございまして、これに都道府県の財政援助が加わった方がいいのかどうかということは、もちろんこれは地方財政との関連もございまして、制度論として確かに一つの問題ではございますけれども、国庫の立場といたしましてこれを今後どうすべきかということにつきましては、私ども、まとまった結論はいまのところ持っておりません。
#25
○鶴園哲夫君 均衡論ですが、国庫としての均衡論ですけれども、しかし、これは地方交付税の中に入って出しておるんじゃないですか、都道府県の場合も。ですから、私が言うのは、根っこは先ほど話しましたように、掛金が大変高いという、しかもこれからもっと高くなりそうだ、そうすると、いまよりもひどい話になってしまう。それについてはいろいろ考える必要があるんじゃないか、という点からあの問題が出ておるわけです。それを三番目として伺っているわけです。これもできない、あれもできないというんじゃ困る。しかし、どれかできそうだということで、掛金というものを千分の九十六というのが千分の百幾つだとかいうような形になったんでは、これはもうひどいじゃないかという点からきておるわけですから、できるだけ何らかのはっきりした理屈がつく、どれかによってこういうものを処理したいという考え方からきているわけです。一方、私学は千分の七十七ということで、一方の方が千分の九十六だというのでは余りにも大きな差があり過ぎる。それ以外のものとも差があるわけなんです。大変な大きな差がついているわけですね。ですから、いま言った都道府県が援助するという問題について、私は確かにいま主計官のお話しのように問題があると思うわけです。ですから差別をする必要ないじゃないか。あるいは数字の上に差別があるかもしれない、しかし、一方はやらぬ、一方はやるという、その差別は必要ないではないかという考え方を持っているわけなんですけれども、それについてどういうふうに考えていらっしゃるかという点ですね。
#26
○説明員(梅澤節男君) 先ほども申し上げましたように、私学の場合と農林の場合、制度の経緯等が違いまして、御指摘のように、地方公共団体の財政援助という点で取り扱いが異なっておるわけでございますけれども、ただ、国庫の立場から申し上げますと、繰り返しになるわけでございますけれども、地方の財政援助が農林年金の場合にあった方がいいのかどうかという議論はやはり一義的には地方財政との関連の問題があると思うんです。
 それから第二点として、財政の問題ももちろん関係あるわけでございますけれども、その背景といたしまして、やはりこれは政策論といたしまして農林年金というものに、農林年金という制度に対しまして、地方公共団体の関係がいかにあるべきかという基本的な問題になりますので、単に財政的な見地からこの問題を結論づけるということは非常に問題があるというふうに考えるわけでございまして、ただ、御指摘の点は一つの政策論として私は十分傾聴に値する問題であるとは考えております。
#27
○鶴園哲夫君 以上で、私一時間ということでありまして時間が参りましたんですが、私は先ほど、いま主計官の方も確かに検討に値する問題だというお話ですが、これぜひ、一方はないという、一方はあるという、その差別はこれはどうも理解できないという点です。差はそれはあるかもしれませんですが、しかし私学の場合とこの農共団体の場合があって、一方はなくて、一方はあるという差別は、そういう差はないというふうに考えておりますので、ぜひこの問題はひとつ検討をしてもらいたいということを要望いたしまして終わりたいと思います。
#28
○委員長(佐藤隆君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#29
○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
#30
○喜屋武眞榮君 私、年金制度について、特に沖繩との関係において二、三お尋ねをいたしたいと思います。
 まず、沖繩の農林漁業団体共済組合ができましたのは、昭和四十五年の一月一日でございまするが、御案内のとおり、昭和四十七年の五月十五日に復帰いたしまして、その時点で本土の制度に組み込まれたわけでありますが、そこでお尋ねいたしたいことは、それまでの空白があるわけなんですが、掛金の問題もあるわけですが、それをどのように措置をされていただいたか。そして現在いわゆる本土並み、完全本土並みになっておるのであるかどうか、そして問題点が残されておるのかどうか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。
#31
○政府委員(岡安誠君) いまお話ございましたとおり、沖繩の農林年金につきましては四十五年の一月一日に発足いたしまして、その後四十七年の五月十五日に本土復帰が実現いたしましたので、その時点におきまして、沖繩の農林年金は本土の農林年金と合体をしまして引き継いでいるわけでございます。そういう経過でございますので、この組合員に対する給付につきましても一定の経過措置を設けております。それ以外は全く本土の組合員並みに取り扱われているというように考えております。
 若干経過措置について申し上げますと、まず四十五年一月一日に沖繩農林年金が発足いたしました以後の期間につきましては、これは、全部農林年金の組合員期間とみなしまして給付は一〇〇%実施をいたしております。ただ、沖繩農林年金が発足以前の部分、その期間につきましては組合員が掛金を納付いたしておりません。そこで、沖繩農林年金が発足いたしました日に続いている組合員期間、これは掛金が納付されておりませんけれども、続いている組合員期間につきましては、本土の組合員との均衡を考慮いたしまして、これはほかの共済制度と共通のことでございますけれども、給付については四五%の減額措置をいたしております。これはやはり組合員が掛金をしていないということに着目いたしているわけでございます。
 さらに、沖繩農林年金が発足した時期に引き続いていない、いわゆる断続勤務期間といいますか、その部分につきましては組合の要件、要するに、年金の給付を受ける要件である組合員期間には算入いたしておりますけれども、給付の金額を計算する場合の組合員期間にはいたしておりません。これもやはりほかの共済制度と共通のやり方でございまして、組合員が掛金を納付していなかったという事実に基づくものでございます。これはそういう四五%減額、その他のやり方につきましては、たとえばほかの共済制度におきましての、旧満州国に勤めておりました職員についての取り扱いと全く同一の取り扱いをいたしておるわけでございます。
 それから、何か問題はないかというお話でございますけれども、たとえばそういうような方法で、沖繩の農林漁業団体職員の給付につきまして給付事由が発生した場合に、給付をいたすわけでございますが、仮にその人が本土復帰前の時点でやめた場合、沖繩農林年金から幾らもらったであろうかというようなことを計算いたしまして、それと比較考量して、いずれか高い額を給付をするという措置を、これは復帰政令によりましてやっておりました。それが先般期限がきたわけでございますが、この恩典を受ける方がまだございます。そこで、先般政令の改正をいたしまして、なお三カ年間この特例措置を存続をするということにいたしましたので、そういうような事例に該当する方も、この三年間にはすべて解消するということで、不利な扱いはないように私どもは措置をいたしたつもりでございます。
#32
○喜屋武眞榮君 いまのお話で大体わかりました。
 長い断絶の後でありますので、いろいろと落ちこぼれがあることを心配しているわけですが、どうかひとつそういった落ちこぼれが出てまいりましたときには、ひとつ温かく吸い上げていただきますように要望いたしておきます。
 それから、二、三確かめておきたいことは、沖繩県の年金受給者数ですね、実数がどうなっておるか。それから、組合員が、近い現在でどういう数になっておるか確認したいと思います。
#33
○政府委員(岡安誠君) いまの組合員の数はことしの三月三十一日現在で二千八百八十一人ということになっております。
 それから、年金の受給者は、ちょっと古い資料で申しわけございませんが、昨年の三月三十一日現在で四十三人ということになっております。
#34
○喜屋武眞榮君 もう一つ確認いたします。現在組合員の平均給与ですね、平均給与額がどういう状況になっておりますか、それを確認いたしたいと思います。
#35
○政府委員(岡安誠君) 沖繩の農林漁業団体の平均給与は、これは四十八年度で、ちょっと古いので申しわけございませんけれども、沖繩の場合、男子、女子を平均しまして七万三千二百五円ということになっておりまして、全国平均が、その時点で七万六百二十円ということでございますので、全国平均よりも沖繩は若干高い給与ということになっております。
#36
○喜屋武眞榮君 まあ時間も大分たちましたので、私、また午後ほかの問題を予定いたしておりますので午前の質問はこれでもって終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#37
○委員長(佐藤隆君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十四分開会
#38
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十七日、青井政美君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君が選任されました。
    ―――――――――――――
#39
○委員長(佐藤隆君) 農林水産政策に関する調査のうち、米麦価問題に関する件を議題といたします。
 これより本件に対する質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#40
○大島友治君 米価問題もいよいよ大詰めになってまいりましたので、大臣初め各関係者の米価問題の取り扱いについての具体的な問題、なおそれとの関連について二、三質問を申し上げてみたいと思いますので、よろしくひとつお願いいたします。
 最初に米価につきましてでございますが、いわゆる農産物価格政策ということは非常に大事なことでありまして、同時に、その中でも米価はいかに決定されるかというふうなことは、これは五百万農家の一番期待している問題でございます。そこで、従来日本の農産物につきましては必ずしもこの再生産に見合うだけのいわゆる生産費所得補償方式というものが十分とられておるというふうには考えられない。そこで米価もさることながら、一般農産物についても、いわゆる生産費所得補償方式というような考えを持って、これから農産物価格に対する対策を立てるかどうかというふうなことについてのお考えをひとつ最初にお伺いしたいと思うのでございます。
#41
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農産物につきましては、御存じのように、その大体七割までは政府が何らかの形において介入をいたして価格を決めておるわけであります。その内容としては、生産費所得補償方式もありますし、あるいはパリティ方式もございます。あるいは実勢価格方式、いろいろとあるわけでございますが、価格決定の方式についていまの御指摘は、すべての農産物について生産費所得補償方式をとったらどうだという御意見でございますが、私たちとしては、農産物はやっぱりそれぞれの特性というものがあるわけですし、生産流通の事情もそれぞれ異なっておる、生産の態様も異なっておるというふうなことから一律に生産費所得補償方式というふうな形に決めるということには問題があるのではないか。やはり農産物それぞれの特性に応じた再生産の確保される形で方式も決められており、今後ともそういうふうなあり方でなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。が、しかし今日、食糧の自給が叫ばれておるわけでありますし、総合的な食糧政策をこれから打ち出していこうという段階でもあるわけであります。特に麦については、御存じのように米価審議会において麦の算定方式についても考慮すべきであるという御意見も出されておるし、その他の農産物についてもいろいろと御意見も出されておるのは承知しておるわけでありまして、やはり私は、これからの食糧の自給力を高めていく大きな柱はやはり価格制度を確立していくというか、価格制度を改善していくということでなければならぬと思うわけでございますので、そういうふうな観点から価格制度全体についても研究はしなければならぬ。農林省でもすでに研究を始めておるわけですが、研究をしなければならぬと思いますが、基本的にはいま申し上げましたように、すべての農産物を生産費所得補償方式にするということは不可能であろう、こういうふうに考えるわけであります。
#42
○大島友治君 いま大臣の言われたように、これはすべての物ということになってくると、農家としては、これは期待するものでありますけれども、実際技術的に日本の農業事情からして非常に無理の点もあると思いますが、やはり期待するところは、再生産に支障のないという農家所得をねらっているのがこの農家でありますので、そういう点からすれば当然これは積極的にひとつ今後研究、検討を進めていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 そこで具体的に、米価の問題ももう差し迫っておりますので、いろいろ米価をこれから決定されるまでの日程と申しましょうか、これについて具体的にどのように日程を考えておられるかということについて、ここでひとつお考えを明確に示していただければ幸いだと思います。
#43
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは前回の委員会におきましてもそういう御質問がございました。私は、国会の審議の状況あるいは各方面の意向を聞いて、米価の取り扱いについては決めたいということを御答弁申し上げたわけでございますが、その後いろいろの御意見等もお聞きいたしまして、実は本日決定をいたしたような次第でございますが、米価の取り扱いにつきましては、大体九日に米価審議会を開きまして、大体これは三日間ぐらいかかると思うわけであります。生産者米価を諮問をいたしまして、そして審議会の終わった後に審議会の意見の、答申を尊重して速やかに決めると、生産者米価に対してはそういうふうな日程を決めたわけであります。
 なお、消費者米価につきましては、大体七月の二十三日か二十四日をめどにいたしまして米価審議会を開きまして、これは、いままでの消費者米価に対する米価審議会の日程は、これまでの慣例からいきますと二日間ぐらい米価審議会をやっておりますが、いままでの慣例に従って米価審議会をお開きをいただいて、その直後、米価審議会の意見を、答申を尊重して早急に消費者米価を決定したい、これを決めたわけでございます。このスケジュールに基づいて進めたいと、こういうふうに思っております。
#44
○大島友治君 いままで同時諮問というようなことも大分出ておったわけですが、そうすると結局、同時諮問ということではないということになるわけですか。したがって、生産者米価が決定した後に消費者米価の方は別途やる、こういうことになるわけですね。
 そこで、生産者米価は答申を受けてから速やかにというふうなことですから、消費者米価を二十三日ないし二十四日ということになると、それまでには必ず決めてしまうということでしょうが、そのめどはいつごろということになるわけですか、その速やかな時期というのは。
#45
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、やっぱり与党とも相談もしなければなりませんし、それからまた、政府部内においても検討しなければならぬわけでございますが、何日間で決めるというふうなことは明言できないわけですが、少なくとも、米審の答申を得たらこれはもう速やかに決定をすることが私の責任であると思いますので、これは速やかに、あくまで速やかに決定をしたいということでございます。
#46
○大島友治君 その速やかにの場合に、内容のいかんによっては、きわめて速やかに決定することもあるであろうし、また若干、日は延びるということもあるかもしれませんが、そこで、具体的に生産者の米価の引き上げの問題になるわけですが、そこで生産者の要求しているような価格、ぱっとそれが決まれば速やかに決まることもあるかもわかりませんけれども、それは政府の方の考えとしても簡単には決められないということもあると思います。そこで生産者米価につきましては、とかく従来、新聞紙上等においても、先般の春闘のアップの問題があると。で、ここらが、一つのめどになるのじゃなかろうか、というような考え方もあるのかどうか。あるいはまた、生産者につきましては相当高率のアップを要求しているということは、御承知のとおりなんですが、その辺の考え方について、生産者ももちろん高率アップを期待するわけですが、一方いまの日本の経済情勢の中においては、やはり先ごろの春闘というものも一つ大きなめどになるのじゃなかろうかというような危惧の念というか、生産者側からすればそういう危惧の念もあるわけですが、そういう点について、いわゆるアップしょうという具体的なものについてどういう――計数的にはっきり申していただければこれはこれにこしたことはありませんけれども、そういうことは若干無理じゃなかろうかと思いますが、基本的な考え方でお答えいただければひとつお願いいたしたいと思います。
#47
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産者団体が要求米価を出しておりますこれに対しましては、私としては、いろいろとこれに対して意見と言うことは差し控えたいと思うわけであります。生産者米価につきましては、御存じのように、食糧管理法の定めるところによりまして、私が申し上げるまでもなく、生産費物価の動向等諸般の事情等、総合的に判断をして決定しなければならぬわけでございますが、現在のところ、まだ資料もそろっていない、そういうふうな段階でございますので、どれだけ引き上げるかというふうなことについては、もちろんめどもついていないし、この段階においては申し上げるほどの段階にはなっていない、これ以上は言いようがないわけでございます。
#48
○大島友治君 これ以上は申し上げられないとなると、それまでかもわかりませんけれども、これは米審が開かれるまでには一応具体的な案も出して諮問するわけですが、そういう場合は非常に速やかに、一日前に出るかどうかわかりませんが、出ると思うのですが、生産者側からすればこれはできるだけ高率のアップというものを期待していることは当然のことでございます。そこで、やはり春闘があくまでも基準になったというようなことのないことを私どもも期待をするわけです。十分ひとつそれは踏まえていただきたい、こう思う。少なくとも春闘の基準を下回るようなことがあっては非常に私は問題を後に残すのじゃないかというようなことを考えております。ことに食糧確保の問題、あるいは生産意欲を農家に持たせると申しますけれども、これはやはり具体的に米の価格はどの辺に決まるかということはこれはもう何よりも農家の期待する一番根底であるというふうに考えております。その点は十分ひとつ踏まえてやっていただきたい、こう考えるわけでございます。
 それから先ほども、これは食管の方にもうたわれているので、当然経済の事情をにらみ合わせまして、農家の再生産に結びつく、もちろん生産費所得方式に基づいた、やはり米価については決められていくべきであるということは考えられるのでございますが、いまも申されましたように、しからばその具体的ないろいろ、生産費所得方式を取り上げた場合のいろいろな項目の内容があると思う。それについて具体的な一つの内容が、計数的とは言いませんけれども、たとえば労賃の取り扱いの問題だとかいろいろあると思うのでございますが、それについての考え方は従来と同じであるかどうか、さらにまた五十年度につきましては一歩従来から進んだ考え方をとるかどうかという内容について、もし差し支えなかったら、ひとつお答えいただきたいと思います。
#49
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産者米価を決定する場合におきまして、生産所得補償方式によることは当然でございますが、先ほどから申し上げましたように、まだ生産費の調査の結果も出ておりません。さらにその算定の要素をどういうふうにとるかということも、省内においても検討はいたしておりますが、まだ煮詰まっていない。こういうふうな状況でございまして、いまここではっきり言えという御質問いただいても、現在のところは煮詰まっていないということ以上にはお答えできないわけでございまして、御了承いただきたいと思います。
#50
○大島友治君 事ほどさように、まだいま米審の開かれる直前にきても具体的な内容については積算の基礎も検討中であって、具体化されてないということであるならば、これはやむを得ないと思いますが、同時に、まことにどうも不満な気持ちになるわけでございますが、そうなりますと、一つの考え方として、やはり先ほど申し上げました、いわゆる安倍農政が本当に農家に意欲を持たせるような農政を前向きにやってくれた、ということになると、考え方としては少なくとも従来に増した積算の基礎を考えていただきたい、こう思うんですが、その点はいかがですか。
#51
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは何回も同じような答弁になって申しわけないわけですが、まだ生産費の調査も出てない、要素のとり方等につきましてもいろいろとまだ検討をいたしておるという段階でございまして、はっきり申し上げるわけにはいかないわけでございますが、まあ私は、これからの農政、今回の米価を取り扱う場合におきましても、私は、やはり基本的には逆ざやがこれ以上拡大をされるのは困る。そうなってくることは、これから積極的な農政をやる場合に大きく足を引っ張ることになるというふうには基本的に考えております。そういうふうな形の中で、しかしいまおっしゃるように、生産者米価につきましては再生産を確保しなければなりませんし、消費者米価につきましては家計費の安定という目的を貫かなきゃならぬわけでありますが、そういうことも配慮しながら決めていきたいというのが私の考え方でございます。
#52
○大島友治君 いま逆ざやの問題が出たわけですが、その前に、後ほどまた伺おうと思ったんですが、しからば、生産者の米価というものと消費者の米価というものは、本来の農政なり農業の確立という点からすれば、――これはやはり生産者を守る意味からすれば、別個な考え方から米価というものを持ち込むべきじゃなかろうかと、こう考えていますけれども。現在はいわゆる逆ざやの問題が先に出てきてしまって、常に財政的な面から米価の決定に対する指導性が持たれるというような感じもするんですが、私は、やはり米価そのものが生産者にとってこれは貴重な要素であるので、やはり消費者価格というものとは一応別個に、生産者を守るための米価としてこれは考えるべきだと、こう考えますが、その点いかがですか。
#53
○国務大臣(安倍晋太郎君) 一応食管法上からいけば、たてまえとしては生産者米価、消費者米価それぞれあるわけでありますけれど、しかしこれ全然関係、関連か――これはやっぱりコストの問題でございますから言えるわけでありますし、特に、私は逆ざやを言ったのは、これは財政上の理由から言っているわけではないわけで、財政上の理由からは財政当局としてのいろんな考え方があるわけですが、私は農政上の立場から、たてまえからとってもこの逆ざやが著しい。そしてこの食管赤字が、現在の農林省予算の四割を占めておる。さらにそれが拡大をするということになれば、全体の農政費の足を引っ張るということにも結論的になっていくわけでございますから、やはり農政を積極的に進めていこうということになれば、逆ざやは不拡大、そしてやっぱり食管赤字もこれ以上ふやさないでいかなければ、今日の財政状態の中で農政を積極的に進めていくことはできない。私はそういうふうに考えていま申し上げたわけでございまして、農政上の立場から見ても逆ざや現象というのは非常に憂慮すべき状態である、こういうふうに思っておるわけであります。
#54
○大島友治君 逆ざやの問題でございますが、逆ざやの問題を解消することは、やはりこれは農政に大きなプラスになることはもう目に見えた事実でございますが、その反面ですね、余りにも、逆ざやによる赤字のために、従来、安倍農政が非常に積極的に農政を進めると、大変口で唱えられておりますけれども、あれが大きなブレーキになっているのじゃないか。たとえば土地改良の事業にいたしましても、まあ八千億からのあの赤字のために、いわゆる農林予算のうちの四割もこれは占めるということになったならば、いわゆる土地改良事業もあれをそっくり向けたら、現在の仕事の二倍もあるいは三倍近くも仕事ができるのじゃないかと。そういうことになれば、いわゆる食糧の確保、基盤整備の条件が大事だということが、口と実質が伴っていくということは明らかなんです。現実は、やはりその逆ざやの問題からしてなかなか現実が伴わないということになっておる。その点をやはり解消していく上におきましても、消費者米価というものが、果たして現在のような価格が、本当に国民の食生活の中で安いのか、高いのかということを考えたときに、私は非常にこれは安いんじゃないかというような感じを持つわけです。たとえば一日に少なくも二百グラムを食べたにいたしましても、いまの百グラム二十一円からすれば、せいぜい四十二円というようなことにもなりますし、現在、家計の中におきましても、いわゆる米価の占める部分というものは、食生活の中では私は実にきわめて低いのじゃないかと。過去においては一〇%なりの、食生活の中におけるシェアがあったんですけれども、いまは恐らく二・六%程度のようなものでなかろうか。そういうことになれば、少なくともこの逆ざやの問題を解消するにつきましても、私は、やはり現在三食のうち一食を国民ひとしくだれも国の補助金によって食事をしているというようなことでなく、やはりこの消費者価格も適正なる価格に引き上げて、この逆ざやの解消も当然あってしかるべきじゃないかと、こう考えますが、その点についてひとつお伺いいたします。
#55
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話のように、大体米の一食分、約百グラム当たりの標準価格米は二十一円でございます。これはやはりほかの食料品と比べますと、たとえば牛乳が一本四十七円、セブンスターは一箱百円、地下鉄の最低運賃は六十円、コーヒーは二百円、あるいは週刊誌は百五十円と。まあそういうふうな食糧その他の物資の価格と比較をすれば、私は、やはり消費者米価というものは割り安であるというふうに言わざるを得ないと思うわけでございます。
#56
○大島友治君 その割り安だというような感じを持っておられながら、果たして生産者米価と消費者米価がいわゆる財政の面から言ったって不可分の問題ではないか。全然関係ないとは言えないが、いずれこの関連において決定されるでしょうが、少なくともこれは、逆ざや赤字は累積するようなことはないというふうに考えられるわけですか。消費者価格と生産者価格等の決定におきまして、さらに赤字を累積するようなやり方はやらないと。むしろ、消費者価格は生産者価格に対して少なくとも一・三三倍を上げなければならぬということ、従来のそのままの赤字だと。これ以上赤字を累積しないという場合には、消費者価格は、仮に生産者価格が決定した場合には一・三三倍以上にはなるという見通しをつけてやるわけですか、これは。
#57
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、米審の答申もいただき、政府部内においても十分相談もしなければならぬわけですが、私は、基本的にはやはり少なくとも逆ざやをこれ以上拡大をするということは何としても避けたい。これは農政上の立場から避けたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#58
○大島友治君 少なくとも私どもは、この逆ざやの問題につきましてはやはり今後の赤字解消をできるだけ速やかにしていただくということで、前向きの農政に持ち込むためには、どうしてもこの問題が解決されない限りにおいては、いかなる方法をとってみても積極的な農政であるというようにはなかなか考えられないのじゃないかというふうに感じますので、これについては赤字解消についての具体的な今後の方法というものを積極的にひとつ検討していただきたいと、こう思うわけでございます。
 そこで、現在、生産者の要求米価というものが非常に高く出されておるというような問題もありますし、また、農林省としても具体的にはいろいろ現在の情勢を踏まえてこれから諮問するということでしょうが、いままでの状況からすれば、これは生産者、農業団体の要求をしている米価というものと非常に従来も開きがあるというふうに感ずるわけです。で、この辺につきまして、要求米価について開きのあるのは、いろいろ原因があると思うのですが、その辺についておわかりの点があったらお願いいたしたいと思います。
#59
○政府委員(下浦静平君) 四十九年産の生産者米価算定と、それから今回の団体の要求米価の算定、この二つの両者の違いについて申し上げます。
 まず、母集団と申しますか、この調査の対象となっております農家でございますけれども、これは当然のことでございますが、農林省の統計情報部の対象農家と、全国農協中央会あるいは全国農業会議所、これらにつきましては当然これは違っております。それから、その数も統計情報部の生産費調査では三千戸ないし四千戸程度の戸数となっておりますが、全国農協中央会では千三百戸ないし千四百戸と、こういうぐあいに相なっております。
 それから算定方式自体でございますけれども、両者とも生産費及び所得補償方式をとっておることは変わりはございません。ただ、その算定のやり方でございますけれども、政府決定米価におきましては五俵以上販売農家の平均生産費をとっております。これに対しまして、団体要求米価におきましては、いわゆる八〇%バルクラインという形式をもちまして算定を行っておるという点が第・二の違いでございます。
 次に、算定要素の問題でございますけれども、その第一といたしまして、都市均衡労賃のとり方でございます。これは政府決定米価におきましては、四十九年産米価におきまして製造業五人以上九百九十九人未満の規模賃金をとっておりますけれども、団体要求米価におきましては製造業五人以上全規模の賃金をとっておるという点が相違をしております。
 その他この都市均衡労賃のとり方につきまして細かいことはございますけれども、省略をさせていただきます。
 それから、資本利子でございますけれども、これは政府決定米価におきましては、自己資金、借入資金、自己資本、借入資本別個に取り扱っておりまして、自己資本におきましては七分三厘五毛、これは農協定期預金の一年ものをとっております。これをとっております。それから、借入資本の利率につきましては年利七分五厘の計算をいたしております。
 なお、自己資本、借入資本の比率でございますけれども、これが六五%対三五%と、こういう計算をいたしております。これに対しまして、団体要求米価におきましては自己資本、借入資本とも一律に年利八分の計算をいたしておるという点が算定要素といたしまして相違をいたしております。第二の点でございます。
 第三の点は地代でございますが、政府決定米価におきましては、自作地地代につきまして、統制小作料に四十五年以降の実納小作料上昇率を乗じた地代により評価をいたしております。小作地地代につきましては、これは実納小作料によって評価をいたしております。これに対しまして、団体要求米価におきましては自作地、小作地とも実納小作料により評価をいたしております。
 なお、この評価のよりどころでございますけれども、これはまた、団体要求米価と政府決定米価におきましては違いがございますけれども、この点は細かくなりますので、省略をさしていただきます。
 相違点の四点目は、付帯労働費でありますけれども、これは政府決定米価におきましては算入いたしておりません。これに対しまして、団体要求米価におきましては、算入をいたしております。
 第五点は、生産性向上利益、いわゆる生産性向上利益と言っておりますけれども、労働時間が減ってまいります分を還元するという問題でございますけれども、これは政府決定米価におきましては還元をいたしておりません。これに対しまして団体要求米価におきましては、二分の一を還元をいたしまして都市均衡労賃で評価をいたしております。
 以上が、団体要求米価と政府決定米価との大体の相違でございます。
#60
○大島友治君 それらの要素の取り方によって、勢い米価の試算というものが出てくるわけですが、そこでちょっとお伺いしますが、家族労働、労賃ですね。この労賃のとらえ方ですが、日本の農家の家族労働というふうなことで、従来労働の評価が非常に低くされておるというようなきらいがあるわけですが、現在の事情からしましても当然、自家労働の労賃というものが正当に評価されて、一般労働者所得というようなものの労賃と比べまして、果たして適正な評価がされているか、ということは、これは単なる米価積算の基礎というばかりでなくて、農家のいわゆる農業所得の面から見て、大きく全農家に関係する問題であるので、この労賃のとらえ方というものについてもう少し具体的にひとつお伺いしたい。
#61
○政府委員(下浦静平君) これは、生産費調査で出てまいります過去三年のデータを使用しておりますけれども、これの労働、これを実は都市均衡労賃に置きかえを行っております。その際の置きかえの仕方でございますけれども、四十九年産の政府決定米価におきましては、製造業五人以上九百九十九人未満の規模の労賃をもちまして置きかえをやっております。これを都市的均衡と労賃としておるわけでございます。なお、農業団体の要求では、これは五人以上全規模の労賃をもって都市均衡労賃としております。これを実は、過去三年の労働時間にそれぞれ掛けまして、置きかえをする、こういう算定を行っておるわけでございます。
#62
○大島友治君 米価の問題について具体的に一々、最後の段階までお答えいただけないのはやむを得ない事情もあるかと思いますけれども、現在五百万戸の農家の待望してやまない米価につきましては、できるだけひとつ積極的な価格の決定をしていただくということを私どもは強く希望するものでございます。
 そこで、先般、麦価につきまして一〇・二というような、いわば低い価格、さらにまあ奨励金その他いろいろの方法を加えて、ある程度の価格、所得ということに結びつくわけでございますが、私は、食糧の確保ということと結びつきまして土地基盤整備の問題が大きく取り上げられておるわけでございますので、その点との絡み合いで若干お伺いをいたしたいと思うのでございます。
 と申しますのは、やはり農業の一番条件であるところの生産基盤を整備するということは絶対条件になるわけでございますが、たまたま先ほどの米価の問題をめぐり、逆ざや、赤字というようなことが、農政の積極的な予算措置に非常な支障を来たしていると私どもは考えておるわけであります。そこで、少なくともこの土地改良事業につきましては、五十年度の予算も前年に比べて若干の伸びはありましたものの、本当に日本の国民の生活安定の食糧の確保、同時に第一の基盤整備ということからすれば、決して十分とは言えない。むしろ不十分であるとふうに私は考えております。したがってこの点につきましては、五十一年度におきましては積極的な予算措置というものを希望するわけでございますが、ついては、この生産調整とのにらみ合わせで、いわゆる通年施行の問題を五十年度は一応十万トンを目安にしている。しかし五十一年度におきましても、当然恒常的過剰ということは言われているわけでございますが、やはりこれは五十一年度以降におきましても通年施行というものが、積極的にこれは取り上げられなければならないという考えを持っているわけですが、この点についての考えがあったらひとつお伺いいたしたいと思います。
#63
○政府委員(大山一生君) 四十九年、つまり休耕奨励金がなくなりました後は、通年施行に対しまして四十九、五十と通年施行奨励金を、転作奨励金の細目というかっこうで支出してきたわけでございます。したがって、生産調整という問題と運命をともにすべき性格のものというかっこうに現在までなってきているわけでございます。
 ところで、先生の御指摘は、今後どうするんだと、こういうお話でございますが、現在のところ、通年施行によります圃場整備は、全体の圃場整備の大体五割ないし六割程度が通年施行で行われている。圃場整備というものが最も効率的にいわば欠陥なき水田化というかっこうで行おうとするならば、やはり夏期施工が好ましいであろうことは当然言えると思っております。ただ、問題は、そういうこともさることながら、やはり過剰基調という問題が一つ存在する以上は、やはり過剰基調の是正に寄与するというような点もあるわけでございますので、そういう点に着目しながら、過去の通年施行がある程度定着してきているという事実も踏まえて今後に対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、米対策といいますか、転換対策といいますか、こういったもの全体の動きの中の一つでございますので、そういった全体の動きとの中において考えなければならぬだろうと、こういうふうに思っております。ただ、数量その他の問題になりますと、これは基盤整備全体の問題、土地改良長期計画との関係もございます。来年度どういうかっこうで圃場整備を進めねばならぬか、こういう問題とも絡み、また、その中で通年施行はいかにあるべきかと、こういったことも考えなけりゃならないというふうに考えて目下検討しているわけでございます。
#64
○大島友治君 時間がなくなったのでございますけれども、最後に、いまの通年施行の問題は、これは非常に地域的に希望も強いところでございますので、これは十分ひとつ御検討いただきたい、同時に、やはり転作の問題と絡み合わせまして。
 転作につきましては、いわゆる県の奨励金の問題ももう今年度で終わりだということになっておりますが、ただ、永年作物などに転換した場合に、五十年度に転換した場合には、仮に三年間は無所得だというような場合に、農家としては非常な収入減ということになるわけで、それらに対する対策というものもあわせてこれは十分考えていただかないというと、いわゆる恒常的な米の過剰というような前提があるときに私は、適切なる農政というものは行われないのじゃないか。もう五十年で終わりだと、これでもう一線を画してぴたっとこう切ってしまうような農政ですと、これは非常に農家に対して不安と動揺と失望感を持たせるというようなこともございますので、いまの土地改良の通年施行の問題、それから転作問題も絡み合わせてこれはひとつ十分御検討いただきたいと希望申し上げるわけでございます。
#65
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまの通年施行の問題につきましても、各方面からこれを続けろという強い要請が出ておることもよく承知しております。ただこれは、御存じのように、五十年までで生産調整打ち切りと、こういうふうな中で実行しておるということでございますので、今後この稲作転換事業をどういう形で進めていくか。私は、やはり基本的には米の過剰という基調は続いていくわけでありますから、何らかの形でやはり転作というものを、転作政策というものを進めていかなければならぬと、こういうふうに考えておるわけでございますが、これはまだ総合的に検討いたしておりまして、近いうちには結論を出すことにいたしておりますか、――総合的に検討を進めておる状態でございます。各方面の御要望等については十分これは受けとめて、その上に立って検討もしてみたいと思うわけでございます。
#66
○大島友治君 大事な点が残ったのですが……。
#67
○委員長(佐藤隆君) じゃもう一問だけ。
#68
○大島友治君 若干、転作の方の問題点でございますが、ただいま申し上げましたように、いわゆる永年作物等の転作をした場合に、非常にこれは農家が、二年なり三年なり所得がないということがございますので、これに対してひとつやはり進んだ考え方、方法論を立ててもらいたいということと、それから転作の中でも、従来転作で一番成果を上げているというのは、いわゆる牧草ですか、いわゆる飼料作物になってきておりますけれども、実はこの食糧不足というような観念論ではございませんが、農家の受けとめ方から、従来飼料作物に利用してもらうということで農家は提供しておったわけですか、いよいよこれは食糧不足というような前提に立ったら、どんどん米作でいいんじゃないかということで、それを取り戻して、そして米作をするという農家が出ているわけです。従来のように、ことしも五十年度の計画としては、やはり牧草を相当見ておるということでありますけれども、実際の農家からすれば、やはり取り戻して米作に切りかえるというのが非常に強く出ておるというわけで、従来のような奨励金をもらっておったときのように、牧草に、飼料作物に果たして定着するかどうかというのは非常に私は疑問があるわけでございます。むしろこれは米作の方に進んで、飼料の方がずっと今度は減退をするのじゃないかというような感じを持っておるわけでございますが、その辺の見通しですね、これはどうお考えになっておりますか、これは一つの例でございますけれども。
#69
○政府委員(松元威雄君) 稲作転換対策の全般の問題につきましてただいま大臣から御答弁申し上げたわけでございますが、その一環として、いまのお話も検討いたしている問題でございますが、御指摘の第一点の永年作物の取り扱いの問題でございますが、本来でございますならば、当時は四十六年から五カ年ということにいたしたわけでございます。したがいまして、当初の四十六年に永年作物に転換した農家は、これは五カ年間継続した結果として奨励金が出るというわけでございますが、たとえば二年目からやったのは、残り四年間になるのが従来のいわばたてまえであるわけでございます。そこで、このたてまえのもとに、しかも五十一年以降も何らかの形で稲作転換をしなきゃならぬという問題とどのように調整していくか、これも先ほどの全般対策の中の一環として今後十分検討いたしたいと思うわけでございます。
 それから、第二点の飼料作物の問題でございまして、御指摘のとおり、転作の中で、飼料作物は一番大きなウエートを占めているわけでございます。また、今後も伸ばさなければならぬ作物でございます。その場合に、飼料作物の生産にはいろんな形態ございまして、酪農家が自分の持っている水田を飼料作物に転換するという形態、これは一番定着するわけでございます。こういう形態もございますし、あるいはまた、自分の水田ではなくて、ほかの農家の水田を借りるとか、あるいは作業受委託と申しますか、そういうかっこうで利用してやるという形態もございます。あるいはまた、一種の契約によりまして、酪農家と、それから酪農をやってないで水田をやっている農家の方々と契約をします飼料作物の形態もございます。いろいろな形態があるわけでございますが、御指摘のとおり、酪農家が自分の持っている水田を転作するのは一番容易でございますが、他の農家の土地をいわば借りるとか、あるいは委託の場合、なかなかむずかしい問題ございます。それらも今後やはり飼料作物は伸ばさなければならないわけでございますし、一番の転作の本命でございますから、それが所期のようにいくように全体との一環としまして、十分対策を検討いたしたいと思います。
#70
○鶴園哲夫君 続いて米価の問題について志苫議員の方から質疑がある予定だったんですが、その後に私が麦価をやるということになっておったんですが、志苫さん、いまちょっと都合がありまして、私の方が繰り上がりまして、麦価を中心にして伺いたいんです。
 この間、二十六日ということになりますか、二十七日になりますか、麦価が一〇・二%という引き上げ、同じ日に、なたねが一〇・五という引き上げになったわけですけれども、去年の二八%引き上げに比べますと三分の一近い数字ですし、一昨年の一四%の引き上げに対しましても大変、大幅に低い水準のものであるわけです。したがいまして、大変低い麦価になったという印象を強く与えているわけですが、さらにまた、昨年から奨励金を出しまして一俵二千円から千八百円という奨励金を出して、ようやく大臣のお話のように歯どめがかかって、若干、従来よりもふえたという、いままでの長い麦の歴史の中で初めてなんですけれども、そういう事態も生じまして、麦を増産しようというムードが相当強まっていると見ていいと思うんです。減っておったものが、大幅に減ってきたものが、歯どめがかかって少し上がったわけですけれども、相当意欲も出てきたという段階だと思うんですが、そういう段階に、こういうふうな非常に低い麦価がきまるということは、これは私、いままで進めてこられた政策に対して水をかけるようなものじゃないかという印象がぬぐい切れないわけです。おそらく農家の立場からしましても、どうせ政府のやることだから、麦はどうだこうだということで、つくれつくれというけれども、いつかこれはまたしっぺがえすだろうと、熱がさめるだろうというような感じを持っておると思うんですよ。事実、持っています。そういう感じを正当づけたいといいますか、そういう印象を与えているのではないかと私は思うんですけれども、大臣はどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#71
○国務大臣(安倍晋太郎君) 麦につきましては、これはやっぱり今後ともわが国の食糧の自給力を高めていく、食糧の増産を図っていくという中における最も主要な作物の一つであると私は考えておるわけでございますし、これをまた大きく増産できる余地というものもあるというふうに思うわけであります。御存じのように、六十年度の「農産物の需要と生産の見通し」の中におきましても、私たちはそういう立場に立って、大体、麦については二倍以上の増産を図っていくという目標を立てておるわけでありまして、今後、そういう方向に向かって総合的に生産対策を初めといたしまして、諸施策を進めていきたいと思っておりますが、そういう中で、いま、五十年度産麦の生産者価格が低いのではないかと、こういう御指摘もあったわけでありますが、私はこれはパリティ指数、パリティ方式に基づいて打ち出されたわけでございまして、これについてはいろいろと御批判もあることも十分承知いたしておるわけでありますが、私はただ、この価格問題だけではなくて、われわれが今日までやっておりました奨励金制度、これはまあ農家にとりましては、いわば価格と同じもの、まあ価格と同じものでありませんが、農家にとっては価格と同じ価値を持つものでございますが、こうした奨励金制度をさらに進めていく、奨励金の支払い等についてもいろいろ問題があるわけですが、こういうものを改善をしながら奨励金を今後とも進めていく。さらにその他集団生産組織に対するところの助成の強化であるとか、あるいはまた、麦のそういう裏作の奨励のための助成措置であるとか、そういうものをあわせて総合的に進めていけば、私は、やはり農家の間においても生産意欲がわいてくるのではないかというふうに判断をいたしておりますし、すでに、五十年度はいままでの三割近い減産に歯どめがかかって四%も、わずかではありましたが、伸びるという状況になってきておるわけでございますから、そういうことで総合的な諸政策というものを打ち出していけば、これをさらに増産という方向へ大きく前進させることができるのじゃないかと、こういうふうに判断をしておるわけであります。もちろん、価格についてはいろいろと、さらにまた価格決定のあり方、パリティ方式についてはいろいろの御意見があることも十分承知いたしておるわけでありますし、今回の米価審議会におきましても価格算定方式について十分考慮すべきであるという御建議をいただいたわけでございます。そういう米審等の御意見もある、あるいはまた、国会等においてもいまお申しになりましたような御意見もあるわけでございますから、そういうものも踏まえて、価格のあり方というものについては今後の検討課題としてわれわれも真剣にひとつ研究をしなきゃならぬと、こういうふうに思っておるわけであります。
#72
○鶴園哲夫君 その算定方式につきましては、あとでまた伺いたいと思いますが、私は、どうも今度の麦価のきめ方というのが去年の三分の一近かったということ、そして一昨年よりもまた四ポイント下回ったということ、大幅に一昨年よりも下がったというのが非常に悪い印象といいますか、麦についての考え方というのは、従来とは違うんでまた変わったんじゃないか、という印象を与えているのではないかという気がしてならないわけです。
 次にお尋ねをいたしたいのは、この消費者麦価の値上げについては諮問しないでこれを据え置くということになったのですけれども、大臣の言葉ですと、これは記者会見の報道ですが、据え置いたのではなくて見送ったのだという話なんですね。で、その見送った理由としては、麦の国際価格が流動的だという理由を挙げていらっしゃるわけです。確かに五十年の予算では、農林省として一トン七万二千円程度のものと考えておったものが、実際は五万二千円程度に下がったという、三割近く下がったという、さらにこれからも幾らか下がる可能性があるのではないかというような考え方なんだろうと思うのですが、しかし私は、これは農林大臣はいいときに農林大臣になられたものだなあと思いますですね、大変幸いした、農林省にとってはこれは大変幸いな話だったと思うのですね。というのは、麦価を据え置く、つまり政府の払い下げる、売り払う麦価を据え置くことができたということは、これは外麦がこういうふうに三割近く値下がりをしたということなわけですがね。これは大変幸いなことであって、そのことが生産者の麦価を抑える可能性というものを十分持ちましたし、続いて今度は消費者米価を大幅に引き上げるまた手にもなりまして、麦価を抑えたのだから消費者米価は、という形にもなり得ますし、おまけに千七百億幾らといっておった食管のこの麦による赤字というのは、麦価は据え置いて生産者麦価は一〇・二%上げても赤字が減るというのですから、これは農林大臣には大変幸いしたものだと思っておるわけです。まあ冗談じゃなくそう思っているのです。大臣もにこにこしていらっしゃる、腹の中では。大変いい。幸いしたです、これ。
 ですが、そこでお尋ねをしたいのは、これは見送ったのだというのですけれども、いつ考えられるのか。まあ新聞等の報道だと、来年の一月だという話もありますが、これはいつお考えになるのか、消費者麦価ですね。これはもう考える必要ないんじゃないですか。これは私は、考えなくてもいいと思いますね、もう組んだ予算よりも麦価上げてもなおこの赤字が減るわけですから。まだ麦価は下がる可能性も幾らかあると思いますしね。そうしますと、これはもうにこにこで、麦価はもう変える必要ないじゃないかというふうに私は思うんですけれども、まあしかし大臣が見送ったとおっしゃるのですから、いつかはお考えになるのだろうと思うのですが、いつお考えになるのですか。
#73
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府の売り渡し麦価につきましては、いまお話がございましたように、今回は諮問を見送ったわけでございます。これを、いまお話がございましたように、私もまたしばしば述べておりますように、外麦が三割近く下がっており、なおかつ非常に流動的であるというふうな点が大きな見送った原因でございます。また同時に、麦における食管も、外麦が下がっておるということで余裕もできておるということも言えるわけでございますが、まあそれではいつまで見送るのかというお話でございますが、私は、まあ今回は外麦がそうした非常に流動性があるということで見送ったわけでございますが、まあ農政の本来の趣旨から言いますと、これは見送りはいたしましたけれども、依然として麦においても逆ざやというものがあるわけでございますから、特にまた、外国の農産物をいわば高く買って安く売るということになっておるわけでありますし、これはやはり外国の農産物にいわば補助金をつけるというふうな意味にもなるわけでありますし、また、米の消費拡大という、これはやっぱりわが国のこれから食糧政策の基本である米の消費拡大という面から見ると、麦についても、これだけの逆ざやを残し、麦の価格を見送るということについては、農政上の観点から言えばいろいろ問題があるのじゃないか。農政上の観点から、そういう意味でいろいろと問題はありますけれど、今回は外国における麦価が非常に流動的であるということで見送ったわけでありますけれど、しかし、これはいつまでも見送るというわけにもいかないのじゃないか。まあ外麦の状況がどういうふうになるかということももちろん大きな関係があるわけでございますが、同時にまた、法律のたてまえからいきましても、ことしの十二月までには政府売り渡し価格につきましても、さらにもう一度これは改定をするかどうかということを決めなければならないわけでございます。したがって、情勢を見ながら判断をしていきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
#74
○鶴園哲夫君 次に、算定方式について先ほど大臣ちょっとお触れになったのですけれども、先ほどの大臣のお話のように、これは新聞で私見ているのですけれども、二十五日の夜に米審が答申をいたしまして、建議をしている。その建議の文句は、算定方式に種々問題がある、「意見があるので政府において麦作の現状に即し具体的に検討されたい。なお、その結果をすみやかに当審議会に報告されたい。」という言葉になっているわけですが、「麦作の現状に即し」という点、それから「なお、その結果をすみやかに当審議会に報告されたい」ということなんですけれども。お伺いをしたい点は幾つもありますが、その中で、まず大臣がこの夜に記者会見をされて、この記者会見の中で、麦価の算定方式というのは改定は非常にむずかしい、問題があると。パリティ方式を決めているいまの食管法を変えなければならない、食管法を変えるということは困難である。したがって、現在の法律の枠内において、範囲内においてですね、範囲内で考えなければならないというような御意見なんですね。ですから、大変消極的な印象を与えるわけですね。食管法の規定があると、食管法を変えるということはむずかしい、困難であると。かつてはむずかしかったそうですね、やっぱり変えるとなるとむずかしいでしょうね、いろんな意見が出てきますからね。むずかしい、したがって、その範囲内でということになりますと、何か大変、消極的だという印象を受けるのですけれども、そうすると、その範囲内においてどういうことを考えていらっしゃるのか。「すみやかに」と、こうなっているのですけれども、「すみやかに」というのはどういうふうなことに考えていらっしゃるのか。
#75
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいま御質問がございましたように、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
建議では「麦類の価格算定方式については、種々の意見があるので、政府において麦作の現状に即し具体的に検討されたい。なお、その結果をすみやかに当審議会に報告されたい。」ということであります。また、これに対する私の審議会に対するあいさつとしては「ただいまいただきました建議につきましては、なかなかむずかしい問題もございますが、十分に検討してまいりたいと存じます。」、こういうお答えをいたしたわけでございますか、あの審議会の議論ではいろんな意見が出たわけであります。これは生産費所得補償方式に切りかえろという御意見もありました。あるいはまた、パリティ方式の。パリティのとり方、指数のとり方等も改善をしたらいいんじゃないかというふうな、それから基準の年次ですね、年次なんかも改定をしたらいいんじゃないか、そういうふうな御意見もあったわけでありますが、これはまあ別に決まった意見としてではなくて、それぞれ意見が出されたわけでございます。統一してそれじゃどういう意見だという御意見はなかったわけでございます。しかし、全体的に今日の御建議をいただいたような線には意見としてはまとまったわけでございます。
 ただ、私がむずかしい問題もあると言いましたのは、たとえば生産費所得補償方式にするというふうなことは、これは現在の麦作の態様、生産の状態から見て非常にむずかしいということを米価審議会で申し述べましたし、またこの委員会でもしばしば申し上げているような理由もあるわけでございますし、また。パリティ方式そのものを変えるということになると、いまお話しのように食管法をこれは改正を経なければならない。改正をやるということになりますと、これは天下の大問題になるので、私は食管法を堅持していくという考え方でおるわけでございますから、これを改正するというようなことになれば、いろいろの意見が殺到して大変な問題が出てくる。ですから、これは簡単に麦の価格だけについて改正するというわけにもいかないような状態にもなりかねないという面もあるわけでございます。そういうふうなことで、現在、政府としてもいろいろと研究はしておりますが、それじゃどういうふうな形に変えたらいいかというめどがあるわけではないわけで、審議会としてもそれじゃどういう方向へ持っていくべきだという具体的なめどがあるわけでもないわけでございまして、そういういろいろの情勢を判断をしますと、きわめて――きわめてということではありません、むずかしい問題があると。しかし、せっかくの御建議をいただいたわけですから、これは十分に検討しなければならぬということは当然でございまして、したがって、私どもは、省内におきまして研究会等を持っておりますから、これでさらに積極的にひとつ研究をしてみて、そして大体私の考えでは、また恐らく米審の考えもそうじゃないかと思いますが、来年の麦価の米審が開かれるわけでございますが、その前までには少なくとも一つのわが方の農林省としての研究した結果というものをお諮りすると言いますか、報告をしなければならない責任があるんではないかというふうに実は考えておるわけでございます。
#76
○鶴園哲夫君 きょうは統計情報部長においでいただいてないんですけれども、実は私も、麦価の生産費の調査はどうなっておるのかと思いましていろいろ伺ってみました、農林省の方に。そうしましたら、小麦は百六十五戸、実際集計でたえるものは百六十五戸となっております。そして大麦が二十戸ですね、裸麦が五十戸、で、ビール麦が七十戸というのが、実際とった結果、集計として使える数字になっております。特に四十八年から変わりまして、主産県を対象にして農家を選んでいる。それで実際小麦の生産費調査をいまやっておるわけですけれども、少ない数字ですけれども、小麦で言いますと百六十五戸というのが出るわけですが、ところが、記帳をしなければならない。農家に頼んで記帳をしてもらわなければならぬわけですけれども、もう農家に頼むのに大変に苦労をするそうですね。記帳手当ても大変安いですから、謝金も大変に少ないものですから、大変苦労をするんだそうですね。異常に困難らしいですよ、農家に頼むのに。大してつくってもいないのに記帳させると。その農家を選ぶのに一苦労らしいですね。そういう点で、私、これを生産費及び所得補償方式に変えていくという意味は、大変この統計の面から言っても問題があるように思います。大変むずかしいという感じを強く受けるわけです。米と同じような精度――正確さを持たなくても米に近いような、ある程度近いような形の精度――正確さを持った、そういう生産費調査というのがやはり出てこないというと、生産費所得補償方式に切りかえるのにはやはり問題があるという感じもします。ですから、速やかに奨励金等によりましてひとつ麦作を振興さしていく、そういう中で、この生産費調査も充実をしていくという形をとらなければならぬのじゃないかという気がしておるわけです。
 そこで、伺いたいのですけれども、食管法の四条ノ二の二項ですね、あれは大臣がおっしゃったように、パリティ指数、二十五年、二十六年の平均を基準にしましてパリティ指数を掛けているわけですね。パリティ指数を掛けまして、そうしてその金額の、パリティ指数を掛けた金額を下回らざること、下回ってはならない。これは最低なんですよね、下回ってはならないと。後がありまして、その後が大切なんで、その額を基準として、そのパリティではじいたものを基準として麦の生産事情、その他の経済事情を参酌して麦の再生産を確保することを旨として定める、というふうになっておるわけですね。ですから、私はいままでの農林省のやり方というのは前段だけでやっていらっしゃる。主として言うなら、パリティを掛けた下回ってはならないという最低の価格をとっていらっしゃる。で、後段の、基準にして再生産を確保するということを旨として決めなければならぬ、というのが無視されてきているという私は見解を持っているわけです。これについてどんな考えを持っていらっしゃるのか。大臣でなくてもいいですが、次長でもいいですが、どういうふうに考えていらっしゃるのか。
 なお、きょうは農蚕園芸局長にも来ていただいておるのですけれども、毎回来ていただきまして恐縮なんですが、大豆となたねの交付金暫定措置法というのが、これは三十六年にできたんですね。私、国会に出ましてすぐでした。ちょうどなたね、大豆が自由化された、同時に、この法律ができたわけですが、で、この大豆、なたねの計算方法も食管法とほぼ同じですね、同じような言い方です。ちょっと文句の少し違うところがありますけれども、やはり再生産を確保することを旨としてということになっている。ですから、私は再生産を確保するというようなことをお考えになっていらっしゃらないんじゃないかと、前段だけを、最低のものだけをお考えになっていて、この再生産を確保するという後段のものは全く無視してきているんじゃないかと思う。私は、これ麦についてまず伺います。なたね、大豆はまた後で伺いますが、麦について私はそういう考え方を持っている。それについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#77
○政府委員(下浦静平君) ただいまの鶴園先生の御指摘でございますけれども、確かに食管法第四条ノ二第二項におきましては、おっしゃいましたとおりの規定になっております。私どもも、この五十年産麦の生産者価格を決めますときに、いろいろこの条文につきましても検討いたしました。それは事実でございます。ただこの「生産事情其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」というくだりでございますけれども、この点につきまして何らかの形のものを麦価の中に織り込むということにつきましては、これは価格の一部分として織り込まざるを得ないわけでございます。その前にこの規定自体は、これはパリティ価格と明記してしております関係で、パリティ価格が非常な大もとになっておるということはゆるがし得ない事実だと思っておりますが、それに何らかの上乗せを考えるということになりますと、やはり麦価の一部として織り込まざるを得ない。そうなりますと、これは価格体系の一部分ということになりますので、やはり何らかの算定基準が要る話に相なるわけでございます。そこで、なかなかその辺につきましては、これはいい知恵が実は率直に申し上げましてございません。したがいまして、この条文そのものに即して言いますれば、参酌はこれはいたしたわけでございますけれども、結果的には、パリティ価格で決めたということに相なろうかと存じております。したがいまして、これを補うものといたしましては、これは生産奨励補助金ということでこれを補いまして生産振興を図るということではないかというぐあいに考えております。
#78
○鶴園哲夫君 それは、この条文の読み方というのは、食糧庁いかぬですな。これは要するに、パリティで計算したわけですよ。それは下回ってはならぬと書いてあるわけですよ。下回ってはならないということが最低ですよ。そして、その次にその額を基準として麦の生産事情――麦は哀れなことになっている、増産しようということになっている、その麦の事情。そして、その他の経済事情を参酌して、麦の再生産を確保することを旨としてと書いてあるんです、これ。再生産を確保するという、その証拠を出せとぼくは言いたいですよ。再生産を確保する証拠を、この一〇・二で再生産をするという証拠を出してくれと、こう言いたいですよ。まあそれは言わぬことにしましょう、めんどうくさくてしょうがないから。実際言いたいわけです、それ。なってないですよ。
 だから、ぼくはこの間も言ったように、二十五年と二十六年のときのを基準にして、そのとき百七十八万ヘクタールあったんですよと。それが十五万ヘクタールに減ったんですよと。まるでこれは怒濤のように崩れちゃったわけですよ。それは何かと言えば、これは食糧庁が、この規定があるにかかわらず、前段だけで価格を決めたからですよ。そんなものは無視してきたわけですよ、あとの方は。いままでは、あるいは一昨年あたりまではそれによって、それはある意味では、まあまあいったかもしれませんが、これからはこれはいかぬですね。だから私は、旨としてということについてどうも食糧庁の解釈はいけないと思う。
 いままで麦なんか足でけとばせと、幾ら減ったって構わないと、もうあなた、五十年代の半ばには麦はなくなるだろうと、みんな想定しておったわけですよ。それはここのところを考えないからです。再生産確保するとなっておるのだから、確保するようなものを出してもらいたい。確保するには、その生産費の調査が大変不十分だ、もう全国の事例調査にしかすぎないですね。全国で百六十五戸しかおらないと言うし、大麦で言うと二十戸です。これから、えさとして大麦はつくらなきゃならぬというのに、二十戸じゃ、これは課でやっている事例調査にもならない。これは統計情報部長は、きょう来ていただいていないんですけれども、これはおそらく食糧庁の考え方でこうなっているんじゃないかと思うんですけれども、いずれにしましても、私はこういうやり方ではどうにもならないと。
 それから、なたねと大豆につきましても、麦と同じような言い方なんですよね。やはり再生産を確保することを旨として定めると、こうなっているわけですよ。ところが、なたねに至ってはつい十四、五年前までは約三十万ヘクタールぐらいあったんです。いまはもう五千ヘクタールですよ、全国で五千ヘクタールでしょう。もう、まさにないですよ、五千へクタールは。大豆は、これはいま九万ヘクタールあります、四十九年で。これが減らなかった理由は、いろいろ後段の方が考慮されている、ある程度考慮されているからです。私はこれからは、大臣もおっしゃったように、麦を増産しなければいかぬのだ、しかも増産する余地というのは十分あると。それから、なたねについても、大豆についてもやるんだと。奨励金を大豆については二千五百円出しましょう、なたねについても千円出しましょうという話なんだけれども、実際自由主義社会の中にあっては、価格がやっぱり中心ですよ、基軸になっているわけですよ。だから私は、価格について根本的に考えなければ、本気になって政府が穀粒を増産しようという考え方には立っていないというふうに言わなければならぬと思うのですけれどもね。ですから、食管法の第四条を本気になってやるという気構えがあれば、まだこれは麦価の決め方はあると思うんですよ。十分あると思いますね。そういう点について次長あるいは大臣の考え方を……。
 それから園芸局長ですね、なたねなんて五千町歩と言ったら五千二百ヘクタールしかないですよ、この四十九年度の作付が、そうでしょう。その中の約半分というのは鹿児島なんですよ。鹿児島も十年前は三万八千ヘクタールぐらいあったんですよ。いまは二千二百ヘクタールぐらい。日本全国で五千二百ヘクタールですもの。これはなたねはないと同じじゃないですか。これじゃあ困ると私は思うのですね。だから、やっぱり何とかかんとか言ったって、自由主義経済社会にあっては何と言ったって、これは価格が基本なんですから、価格をはっきりしてもらわなければ困る。こういう点で見解を聞きたい。
#79
○政府委員(松元威雄君) まず麦について御論議があったわけでございますが、それに続いて大豆、なたねについての御質問があったかと存じますので、これについて申し上げたいと存じます。
 御指摘のとおり、いま大豆、なたねの生産動向は非常に麦に似ておりまして、著しく減少を示したわけでございます。大豆は最近減少が鈍化いたしましたが、なたねは一時減少傾向を示したのはこれは事実でございます。
 それから、大豆なたね交付金暫定措置法の条文の書き方、実はこれパリティ価格ということは麦に似ている点もございますが、麦と少し違う点もございます。これは書き方が麦のように基準とか、あるいは下らざるとかは書いてございませんで、パリティ価格それから生産事情その他経済事情を参酌してとなっておりまして、これは先ほど先生の御質問にございましたとおり、当時三十六年に大豆、なたねを自由化いたします場合に自由化以前のなたねの価格を維持しようということが根本にございまして、したがいまして、一種の暫定対策であるということで暫定措置法ということでございまして、そこで端的に申しまして従来パリティ価格よりも若干低目に決まった経緯もございました。そこで、大豆につきましては極力パリティ価格に近づけるという努力もいたしたわけでございますし、さらに生産振興奨励金。それからまた、なたねにつきましても、五十年から生産振興奨励金を交付するという措置を講じたわけでございます。
 ただこの場合、ただいま再生産の御議論も、生産費の御議論もございましたが、一つにやっぱり価格もそうでございますが、やはり生産構造と申しますか、それと見合う生産対策、両者をあわせて考える必要があろうと思うわけでございます。特になたねの場合でございますと、これは経営規模が麦と比べてさらに一段と規模が小さいわけでございます。しかも、畑作が中心であるという場合に、何と申しましても他の畑作物の関連において減ったという事実があるわけでございます。それらを全体どう考えるか。大豆につきましても、これは畑作の場合にはローテーションの一環として重要な作物でございますが、規模が二アールとか三アール、北海道は別にいたしますと非常に小さい規模でございます。これをどのようにしてローテーションの中に取り入れて、しかも生産を高めるか、なかなかこれは麦以上にむずかしい問題がございます。したがいまして、それらを踏まえて価格と見合わせまして政策を講じまして、相当難問でございますが、生産の振興を図らなければならぬ。特になたねの場合には、御指摘のとおり青森と鹿児島というように主産県が非常に限定されております。したがって、その地域の事情に即応いたしまして、畑作の中にいかになたねを伸ばしていくかということにつきまして検討したいというふうに考えておる次第でございます。
#80
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も鶴園さんの御意見と同じように、やはりどちらかというと二、三年前までは、麦であるとか、大豆であるとか、なたねといったような作物に対する奨励策といいますか、増産策といいますか、そういうふうなものを打ち出すという空気というものは非常に希薄であったといいますか、そういうものに対しては農政というのがどちらかというと、冷ややかであったと言っても、これはうそではないと思うわけであります。これは高度成長という中で、これらの作物を維持し増産さしていくということは非常に困難であったというふうな現実の情勢もあったと思うわけでございまして、これは米価審議会におきましても、私いろいろと経過を聞いたわけですが、確かにこの数年米麦価につきましてもパリティ計算について検討しようというふうな建議的なものはあったことは事実でありますが、しかし、審議の全体の雰囲気というものは、どうも非常に簡単であって、どちらかというと盛り上がったものにいつもならなくて、米に比べてさっさとやってしまうというふうな状況であったというふうに聞いておるわけでございます。これは事実だろうと私は思います。
 しかし、この二、三年来、世界的な食糧事情が逼迫をするという中で、やはり国内において、これら農産物に対して積極的な自給策を進めていかなければならないという空気が盛り上がって、麦、なたね、大豆といったようなものについても、これは思い切った増産策を講じなければならぬということで論議も熱心に行われるようになって、そういう結果に基づいて麦についても奨励金、あるいは大豆、なたねについても奨励金制度というものを設けられるようになったと。パリティ方式はいろいろと御批判があるわけでございますが、私は、奨励金制度というものは、いわば価格の補完的な役割りということでこれが奨励策として出されたと。奨励金は奨励金でありますが、いわば価格を補完するような意味もあると思うわけでございます。そこで、審議会や何かの今回の御議論でも、それじゃ奨励金制度というものは、いつ取っぱなされるかわからぬから、むしろ価格の中に組み入れるべきだ、現在価格に組み入れて計算した場合は、一体どういう形になるんだ、というふうな御議論もありましたけれど、これはなかなか技術的にはじき出すことがむずかしいということでお答えをいたしたわけでございますが、そういうふうないままでの情勢から見まして、どちらかというと、冷淡であったものを、今度は積極的にやっぱりこれを増産するために取り組んでいかなければならない。したがって、そういう大きい背景の中で私もやはり価格制度のあり方というものにも検討を加える必要がある、なかなかむずかしい問題ではあるけれども、やはり私は検討を加える必要が事実あるのではないかと思うわけであります。
 なたねにつきましても、いまおっしゃるように、いま五千ヘクタールぐらいしかないと、鹿児島と青森ぐらいだということでありました。われわれの小さいころは、一面になたねの花が咲いておりまして、これはいわば少年であるわれわれの心を非常に、何か豊かにしたという面もあるわけでありますが、そうした日本人の心といいますか、そういうものがなたねの消滅とともに失われていっている。で、農村の心といいますか、そういうような感じも持たざるを得ないわけでありまして、やはり私は、そうしたこれからの自給力を高めていく。そうして、やっぱり農村において本当に魅力のある農村をつくっていくという意味からも、麦、大豆、なたね、まあそういうものに対しては積極的な今後やっぱり施策を思い切って講ずべきじゃないだろうかと、そういうことで、なたねにつきましても、今回は大体麦並みの生産対策その他価格対策、そういうものにしていかなきゃならないという方向で私も検討を命じておるわけであります。なたねも大体七十万トンぐらいな油、なたね油ですか――この前カナダの農林大臣がやってきましたときに、いろいろと交渉した際に、日本はなたね油はほとんどカナダから輸入しておりますが、まあこれ七十万トン、たしか七十万トン――ちょっと数字があれですが、もうほとんどカナダからなたね油を入れておる。日本でも昔のことを思えば、もっと奨励策を講ずればこれは増産できるんじゃないか、私はそういうふうに考えて、今後ともひとつ努力を重ねていきたいと思っているわけであります。
#81
○鶴園哲夫君 あと一問だけ。
 私は大臣のいまのお考えについて賛成でありますが、ただ従来、私が先ほど来申し上げているように、食管法の中にはそういう規定をしている、「基準トシテ」「再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」と。一方、なたねと大豆の方はその「基準」という言葉はないです。ですが、再生産確保を旨として、というよう同じ言葉を使っているんですけれども、その面が大変に軽視されてきたというよりも無視されてきた。今度の場合も無視されておるという状況なんですね。だから、結果論的に言えば、はっきり証明をしているじゃないか。再生産を確保しないものが価格として決まってきたから、百七十八万ヘクタールやったやつは十五万に減っちまった。ばたばた崩れちまうと、なたねは三十万ヘクタールもあったものが五千ヘクタールになっちまったというような事態というのは、これはもう大変な事態ですよ。私は、やはり耕地というものを――これは資源なんてすから、国内における貴重な資源なんですから、その資源というのがフルに活動されるというふうに農業政策というものは持っていかなければいけないというように思うんですね。その場合には、自由社会にあっては、これはやはり価格というものは基準なんだと。
 農産園芸局長は、まあ、なたねは死にかかっちゃって、こんなになっゃって、大豆もこんなふうになっちゃって、麦類もこうなっちゃってから、さてどうしようかということで、いまお話をなさったんですけれども、そこへ持っていったのは、これは政府ですよ、そういう段階に持つでいったのは。いまからどうしようということは、なたね五千町歩になってからどうしようったって、大変ですよ、これは。大変な金かかりますね、これは。いや、まあ大変な金でもないですな。五千ヘクタールをふやしていくわけですから、ちっぽけなものですよ。生産量はいまなたね九千トンですよ、これ。米に比べりゃ――米は千二百万トンと大体言っていいでしょうから、まあ九千トンは。大豆は九万トンですかね、いま――十三万トンですね、ちっちゃなものです、これ。ですから、それに対して奨励金を出したって、大したものじゃないです、これ。もっと奨励金を出したらいいじゃないか、こんなちっちゃいものじゃなくて。そうしていけば、農家の利益さえ出れば、農林省が頭をひねくるよりも農家の方が先に頭ひねくるんです、これ。いまの農政なんというのはなっておらぬですよ、ぼくに言わせれば。まあよけいな話になりますけれどもね、これ少し。話になるけれども、むかっ腹立てたってしょうがないわけですよ。
 まあそれは別にしまして、いずれ価格の問題をやることになっておりますから、その際に、私も準備しておりますけれども、その際に本格的にやりたいと思うんです。ですから、大臣、どうか、これは今後増産の可能性のあるもの、穀類の可能性のあるというのはこれなんですから、田畑をフルに活用するには、どうしたってこれを開発していかなきゃ、発展さしていかなきゃならぬわけですわ。ですから、ぜひ大臣、さっきおっしゃったよりももっとひとつ一生懸命になってやっていただきたい。それが私は攻めの農政だと思うんです。いままでは農林省は食管法なんてきらっておったんですよ、これ。第二項の一番後段の方は忘れちゃっているんです、これ。だめですよ、これは。まあしかし、そういう経済事情があったんですから、高度経済成長という中でですね。ですが、今後はぜひひとつやってもらうと。それでこの問題についての本格的な論議は、てん菜も、サトウキビも、それから原料いもも含めてまた別の機会にやります、ということを申し上げまして、終わりたいと思います。
#82
○志苫裕君 最初に、この間六月の十三日ですか、五十年の何か農業観測出ておったようですが、ことしの需給見通し、まあ生産見通しといいますか、それはどうなっていますか。
#83
○政府委員(下浦静平君) 米でございますか。
#84
○志苫裕君 済みません。米について……。
#85
○政府委員(下浦静平君) 米穀年度で申し上げますが、五十米穀年度の米の需給見通しでございます。これは統計情報部の最終の四十九年産米の生産量、これが昨年十二月に出ておりますが、これが千二百二十九万トンということになっております。これからはじきまして、農家消費量が三百六十一万トンでございます。これを差し引きまして八百六十八万トンという数字が出ますけれども、これが五十米穀年度の米の出回り量というぐあいに見ております。
 これに対しまして、需要でございますけれども、需要が八百二十万トンというぐあいに見ております。したがいまして、先ほど申し上げました八百六十八万トンとこの八百二十万との差額でございますが、四十八万トンが食管特別会計の在庫増ということになるということでございまして、期初在庫、つまり昨年の十一月一日現在の在庫量でございますけれども、これは六十五万トンでございましたので、年度末、これは本年の十月末でございますが、その時点での在庫量が百十三万トンになるというぐあいに見ておる次第でございます。
 米の在庫につきましては、十分ゆとりを持とうということでございまして、五十年産米での在庫積み増しをさらに三十五万トンほど実は予定しておりますので、五十一米穀年度末、つまり来年の十月末でございますけれども、その時点では百五十万トンの在庫ができるというぐあいに予定をいたしております。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
 なお、今後の米の需給につきましては、国際的な穀物全体の需給動向あるいは備蓄につきましての国際的な動き等を十分に考慮いたしまして検討してまいるつもりでございます。
 以上ざっとした数字で申し上げましたけれども、こんなぐあいになっております。
#86
○志苫裕君 いまのお話でいくと、五十一年の帳じりのときに百五十万トン、それがいわゆる百五十万トンの備蓄計画という話になってきているんだと思うんでありますが、備蓄計画というのはそれから先のことといいますか、将来展望というふうなものはいまどの程度立てておられますか。
#87
○政府委員(下浦静平君) いわゆる備蓄計画ということで私ども実はずっと検討してまいりましたのは、現在のところではこの百五十万トンでございます。さらに、今後をどうするかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、これは今後のいろんな需給動向等を見ました上で検討を重ねてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#88
○志苫裕君 そうすると、当面考えておるのは常時百五十万トンぐらいをと。将来のことはなお検討したいというんですが、六十年の長期見通し、一応決めましたね。その時点ではどうなっているんですか、その時点でもやっぱり百五十万トンなんですか。
#89
○政府委員(下浦静平君) 六十年の需要の見通しにおきましては、一応最近の需要量が千二百万トンぐらいと見ておりますが、それが大体横ばい程度でいくというぐあいに見通しを立てておりまして、この、在庫量につきましては、実は特に検討を加えたものはございません。今後さらに十分に検討いたしてまいりたいと思っております。
#90
○志苫裕君 ですから、いまのお話でいけば、六十年の段階ではやっぱり百五十万トンの備蓄があるということなんですか、あるいは百五十万トンというのはとりあえず五十一年末のことなのであって、それから先のことはいままるっきりないということなんですか。
#91
○政府委員(下浦静平君) 実は稲作転換等の問題が――現在のままでまいりますれば、おおむねのところはそんなことになるんではないかというぐあいに考えておりますけれども、稲作転換対策等、今後一体どういうぐあいに進んでまいるかということもございますので、その辺と合わせまして検討を加えてまいりたいということでございます。
#92
○志苫裕君 これはまた後でやりますが、そこでついでに、長期見通しですと、この数字が非常に危なっかしいと思っているものですからお伺いするのですが、これによりますと、人口が一三・五%ふえる、あべこべに面積は三・八%あるいは四%ぐらい減る。食う人がふえて、つくる場所が少なくなるわけでありますから、そのつじつまは反収が六・四%ふえる、その当時は一〇〇%の需給で千二百十一万トン約千二百万トン台ですね。こういうことになっておるわけでありますが、まずこの当時、この当時って六十年ですね。反収が六・四%ふえるというのはこれは一体どういう根拠に基づくものですか。白書によれば、品種の弱いものが出て、ずいぶんといもち病など出て危なくなっているとか、あるいは土地がやせて非常に困るとか、あるいは管理がずいぶん粗暴化されておって困るとか、そういう問題点の指摘は、並べ立ててみればマイナス要因なわけですよね。マイナス要因が一方でずっと指摘をされておって、人口がふえて、面積が減って、差し引き合わせるところは六・四%の反収増と。こういう、いかにもうまくつじつまが合っているのが確証が持てないんですが、その辺ひとつ……。
#93
○政府委員(松元威雄君) まず御指摘のとおり、六十年見通しでは、基準年次の収量が四百五十六キロ、これは四十七年でございます。それに対して六十年は四百八十五キロと見込んであるわけでございます。ただこの場合、米の需給を申し上げますと、御案内のように四十七年は稲作転換いたしておりまして、約二百万トン程度のいわゆる生産調を行ったとしてあるわけでございます。そこで六十年は需要を千二百万トン見込みまして、その千二百万に対していまの収量ならばどのくらいの面積が要るか、こういう計算をいたしたわけでございまして、いわば需給バランスを合わせると申しますか、そうすればいまより面積は減るわけでございます。そこで問題は、そうなりますと収量の見方がどうかということでございまして、これが実は御案内のとおり都市によって振ればございますが、従来反収は年々増加をしてまいったわけでございまして、趨勢で申し上げますとたとえば三十年から四十九年までを仮に平均で見ますと約一・五%程度上昇をいたしております。
 ただこれは若干鈍化傾向はございます。したがいましてたとえば基準年次の四百五十六キロと四百八十五キロを比べますと従来より伸び率は少し低く見込んでございます。現実にはこれはもちろん作むらがあるからでございますが、四十八年には史上最高の四百七十キログラムというのを記録したこともあるわけでございます。こういった年々の好況の振れば別といたしまして、長期の伸び率から見ると、先ほど申しましたとおり、三十年から四十九年まででございますと約一・五%と伸びている。しかし、今後はそこまでの率は伸びないということで、少し伸び率を鈍化をして織り込んだわけでございます。その場合に、収量に影響する要因はいろいろございます。御指摘のとおりマイナス要因、プラス要因ございます。御指摘のとおり、たとえば地力の問題というのもそのマイナス要因と言われております。特に最近有機質肥料が減りましたから、それによりまして地力は低下するんじゃないかと懸念されております。ただ、水稲の場合でございますと、一般的には有機肥料が減るということは、もちろんこれは望ましくないことでございますが、直ちに収量減につながらない。もちろん冷害等の場合には顕著に出ますけれども、いわば水を張っておりますからなかなか顕著にはすぐは減収は出ないわけでございますが、しかし、これは望ましくないことでございますから、別途、化学肥料のみならず、有機肥料を増投するように各般の施策をいろいろやっているわけでございます。
 それから、もちろんまた品種の問題もございまして、よく言われることは、味のいい品種だと収量は落ちるということも言われるわけでございます。ただ、一般的には、これは適地でつくりますれば、たとえばコシヒカリでございますとか、こういうものを適地でつくれば収量もほとんど変わりませんでございます。無論不適地になりますと、これは収量は落ちるわけでございますから。そこで、私どもの指導といたしますと、品質がよくて、いわば味がよくて、しかも耐病性、耐冷性もあって、収量もいわば通常並みにあると、そういうものを適地に入れる指導をしておるわけでございます。
 そういう要因もございます。それからまた、よく言われますことは、いわば最近の兼業化の進行に伴いまして、肥培管理などの粗放化によって収量が落ちるのじゃないか、こういう問題がございます。したがって、それに対応するために、いわば生産組織化と申しますか、集団的生産組織の中におきましていわば栽培方法の統一とか、あるいは共同育苗とかということをいたしておりまして、統一的に優良品種を誘導いたしておるわけでございます。
 そういった各般の要因に合わせまして、そこで従来よりは伸び率は鈍化するだろうということを見込みまして、基準年次の四百五十六に対し四百八十五キロという見込みをしまして、これは現在の技術水準、情勢であればこれは達成し得るものというふうに考えております。
#94
○志苫裕君 もう一度お伺いしますが、だんだん鈍化していく、落ちないようにするにはどうするかというのは、それはよくわかりました。私があべこべに聞きますが、生産量が恒常的に上がっていくという要素は何なんですか。
#95
○政府委員(松元威雄君) 上がる要素いろいろございますが、まず何と申しましても、土地改良の進展、いわば基盤整備、それに伴う水管理の合理化ということ。それから優良品種の普及、それから優良種子の更新率の向上、それからまた、先ほど触れましたが、共同育苗等の普及に伴いまして品種が統一化されるということ。あるいはまた、田植え機の移植によりまして株数が確保されるというような問題。それからまた、乾燥調製作業の合理化等によりまして品質が上がるという問題、こういった上昇の要因があるわけでございます。
#96
○志苫裕君 そういうたとえば品種改良だけでもちょっとすれば七、八年もかかりますけれども、そのものずばり、たとえば増収に向けての品種改良をやっているわけですか。
#97
○政府委員(松元威雄君) 私申しましたのは、優良品種の普及と申し上げたわけでございますが、米の場合は年々品種改良いたしておりまして、これから突如やるわけじゃございませんで、従来開発した品種の中でいいものを普及さしていく。その場合の焦点は、先ほど申しました、いわゆる品質もよくて、いわゆる俗に言うと味もよくて、しかも収量も高く安定しているという品種、それを開発して普及していく。年々多少品種は変わっておりますが、いわゆる味がよくて、しかも収量も安定した品種、それを普及しているということを申し上げたわけでございます。
#98
○志苫裕君 これは、私も幾らか育種に手を出したことはありますけれども、そうなかなか簡単には。よけいとれるのは味がまずいとか、味のいいやつは、とれ高が少ないとか、さまざまなデメリットもあるわけでありますが。で、そういう見込みで、消費が千二百十一万トンだというのは、どういう根拠に基づくのですか。
#99
○政府委員(下浦静平君) 米の消費につきましては先生よく御承知のとおり、三十七年だったと思いますが、昭和三十七年をピークといたしまして、年々かなりの勢いで実は減ってきておりました。ただここにまいりまして、その減り方が非常に鈍化をしてまいりまして、従来は人口の増よりも、一人当たりの消費量の減りの方が実はトータルとして上回って、減ってきたということでございましたけれども、最近の情勢は、どうやらその辺が、とんとんになってきておるというような傾向でございます。そういう傾向を実は織り込みまして、昭和四十七年は、たしか九十一キロ強の一人当たり年間消費量でございますけれども、一人当たり消費量は昭和六十年にかけましてなお減るというぐあいに見ておりますけれども、その減りぐあいがかなり鈍化をしてまいるということで、いままで最近の傾向を織り込みまして計算をしておるということでございます。
#100
○志苫裕君 そうすると、この考え方の中には、たとえば世界的な穀物の逼迫というふうなものを背景にした――日本でとれるものといえば、まず米ですから、民族の食糧というやつは、そこの国でとれるものを食っていくのが一番いいわけですね。とんでもない、真冬にキュウリ食いたいとか、人のところでとれるものばっかり食いたがるような、そういう食慣習、食傾向というようなものはぼくはまともじゃないと思うのです。そういう意味で、米はかけがえのない日本人の食糧になるわけですが、この消費拡大というようなものは、六十年千二百十一万トンというこの見込みの中には、政策的には含まれないのですか。
#101
○政府委員(下浦静平君) 先ほども申し上げましたように、従来の傾向、傾向といいますよりも、従来の傾向を踏まえまして、最近の傾向を織り込みまして計算をいたしておるということでございまして、まあ米の消費拡大につきましては、これもかなりの時間のかかる問題と存じますので、また別個にそういうPR活動なり何なりをやってまいるという考え方でございます。
#102
○志苫裕君 私は、こういう一つの需給なり生産の見通しというふうなものは、これからの米をどうしていくかということ、あるいは米の値段をどうしていくかということにかかわりが出るものですから、いろいろとお尋ねをしてきたんでありますが、そこで率直に申し上げて、これから米価の問題に入りますが、まずこの米価を決めていく法律の文言とか、そういうものは抜きにしまして、どうしても抑制基調にあると思えてしょうがないわけでありますが、その基調にはやっぱりあれですか、米がやっぱり相対的にどうも有利だと。要りもしない糸ばっかりつくって困るという、そういう政策的な意図というふうなものが、米価そのものに貫かれているわけですか、米価の決定そのものに。
#103
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、やはり現在、稲作転換をやっておりますし、五十年度で一応終わりで今後どうするかという問題もあるわけですが、依然として米が過剰な基調にあることも事実でありますし、そうした経済事情というものは参酌をしていく必要がある。いままでもやはり米を増産をしなければならない、それからまた米の生産調整をしなければならない。そういう中において決められた米価も、そのときどきの経済事情というものが反映をされて決められておるわけでございますから、当然これは経済事情の中で参酌をしなければならないものであろうとこういうふうに思うわけです。
#104
○志苫裕君 その次に、私は米価を決める場合に、どうも政府が考えておる、あるいは農林省が考えておるのは、いま言った米の相対的有利性というふうなものをできるだけ摘み取ってしまおうというふうな意思が働いているように思うのでいまお聞きしたのですが、同じくやっぱりこの米価を考える場合に、特に農業白書等に出ておりますが、農産物間の相対的価格の均衡とでもいいますか、価格の相対的均衡という表現でしたか、その表現が載っていましたね。この農産物間の相対価格の均衡というのは一体具体的に言うとどういうことですか。
#105
○政府委員(下浦静平君) 私からお答えするのはどうかと思いますけれども、確かに本年の農業白書におきましては、そういう書き方がしてございます。やはり何といいますか、バランスのとれた農産物価格ということを言っておるなというぐあいに考えております。一方が飛び抜けてよい、それから他方が飛び抜けて悪いというようなことでございますと、まあ何といいますか、国民の必要とするような作物がとかくつくられないということもございますし、そういうことを言っておるのではないかと存じます。
#106
○志苫裕君 同じ農林省でも、場所が違いますと、いまの御答弁のように、そういうことを言うているのじゃないか、なんてな話になりますがね。いずれにしても、この文言から出てくる価格政策というのは、非常に重要な意味を持っていると思うのですよね。一方がよ過ぎて、一方が悪過ぎちゃ困る。そういう意味で、バランスをとるということになれば、いま何が一番いいかと言えば、米なんだ。鶴園先生がしばしば指摘をするように、麦とかその他はべらぼうに悪いわけですよね。この二つの均衡を図るというのは、具体的に上を下げて下を上げるということですか、下をみんな上へ上げるということですか、上を全部下へ下げるということですか。ずばっと答えてください。
#107
○国務大臣(安倍晋太郎君) なかなかこれはずばりと答えにくい問題なんですが、米というのは、先ほどお話がありましたように、やはりわが国においては、かけがえのない主食であるわけですから、それだけに食管法においてこれが決められておるわけでありますし、また第三条におきまして、その価格におきまする決定の要素も、はっきり食管法に書かれておる。また、さらに算定方式も、米だけが生産費所得補償方式というふうな形をとっておるわけでございますし、全体の食糧の中において、米というのは、そういう意味においては、一番ウエートが大きいということを言っても過言じゃないと思うわけでありますけれど、ただ、価格を決める段階においては、先ほど申し上げましたように、米が非常に足らないときの価格の決定、そして米が余り過ぎたときの価格の決定、それには、やっぱり当時の経済情勢というものを十分参酌をしながら、これが反映をされて今日まできているし、今後もそれは当然やむを得ないことである。私はそういうふうに考え、理解をいたしておるわけであります。
#108
○志苫裕君 これ、どうも農林大臣は麦の値段と同じことで、一つの条文を読むときにも都合のいいところばかり読むので、大事なところを忘れるんですがね。で、あれですか、先ほどの米が相対的に有利なので需給のバランスを崩して困る、あるいは米の値段が高いわりにその他の作物が安い、これの均衡を図る、それが新価格体系だ。こういう発想方法というのは、申しわけありませんがあれですかね、私ちょっといまここに条文持ってきていないんですが、食管法のあの米の値段の規定をした条文の、どこを読むとそういうのが出てくるんでしょう、どの解釈がこうなるんですか。
#109
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私は、やっぱり米につきましては――これは食管法によりまして、何としても国民食糧の中心というのは米でございますから、そういう意味で米は相対的に価格の決定の面においてもその他あらゆる施策の面においても最重点的なものでなければならない。こういうふうに考えておるわけでございますが、そういう中にあってもやっぱり経済事情を反映をしながら決めるということもこれまでやってきておるわけですし、これは第三条において明記もされておるわけですから、これは当然のことじゃないだろうか、こういうふうに素直に解釈しておるわけであります。
#110
○志苫裕君 そうすると、米価の決め方というのは、生産費を賄って所得もそれ相応に補償をしてそして経済事情で上下をさせるんですか、そう読むものなんですか、あれは。大臣、この種のものは経済事情と言うから、経済事情で上下をさせるというふうにあれは読むんでしょうか、解釈するんでしょうか。
#111
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ法律的な解釈はまた次長から申し述べさせますが、まあこの第三条の二項で「前項ノ場合ニ於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」と、こういうふうに法律上明記されておるわけでございまして、そういうこの法律のたてまえから生産費物価、さらに経済事情、そうして米の再生産の確保というのがその前提になるわけでございますが、そういうものをあわせて勘案をして、そうして決める、こういうことであろうと思うわけであります。
#112
○政府委員(下浦静平君) 生産費及び所得補償方式で計算をいたします場合にも、各その要素がございまして、その要素のとり方が一つありますわけでございます。したがって幅がこれございますので、その幅の中で経済事情を考えるということになろうかと思います。
#113
○志苫裕君 いろんな考え方というふうなのは、経済事情という解釈にみんな入れちゃうようでありますが、具体的に言って今日のこの経済状況ですね。そういうもとでは、いわゆる経済事情というのはマイナス要因として作用をしているんですか、させるんですか。経済事情ではプラス要因になることもあるでしょうね。先ほどの私が幾つか挙げた事例というのは、全部マイナス要因として作用していますね。何でも経済事情ということのようですが、経済事情でプラス要因として作用するものが何かありますか。
#114
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあそれはたとえば昨年の米価の決定の際におきまして、労賃、物価というものが大きく米価に反映をしたわけでございますし、こういう面からいきますと、今回における物価、労賃、そういう面は、昨年と比べると、非常に落ちついてきておる。これもやはり経済事情の中においての参酌という形で米価には反映をされていく。経済の、その他肥料だ、農薬だ、農機具だといったようなものも、これは物価に関係もあるわけでございますが、そういうふうな農業資材なんかの関係、そういうこともやはり反映をされることがこれはまあ当然のことではないかと思うわけであります。
#115
○志苫裕君 それは大臣、ちょっと違うじゃないですか、先ほどのお答えと。――いまの大臣の答弁は、生産費の中の――生産費をいろいろ調べていくうちに安くなったとか、上がったとか、そういうふうなものはそこに出てきますわね。私が先ほどいろいろやりとりしましたのは、米をいい値段にすると米ばかりつくって困るとか、あるいはまた米の値段が高くて麦が安いからそれは後で均衡を図らなければならぬとか、こういう要素は、価格のうちのあの条文の、どれから出てくるのだろうといって聞いたら、いやそれは経済事情だと、こういうわけですね。いまお答えになった経済事情というのは、それは生産費所得――生産費の中の要素になりますよね。そのことをちょっと聞いているわけです。答弁、違うじゃないですか。
#116
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私の答弁が正確でなかったわけですが、やはり米の需給の状態、たとえば米が非常に過剰な基調にある、あるいは米の増産を図っていかなければならないと。そういうふうなことは当然経済事情の中の参酌の一つとして、要素として私は取り上げなければならぬし、これからの食糧政策の進め方という立場も、経済事情という中において考慮をすべきであろうと、こういうふうに思うわけでございます。先ほど申し上げたのは、全般的な条文の中で言ったようなことで、ちょっと私勘違いをしておりましたので訂正いたします。
#117
○志苫裕君 どうも、この条文というのは、いつでもそうですが、チューインガムみたいに、どう引っ張ることもできるし、どう丸めることもできるし、というので、非常に厄介なしろものになっておるわけでありますが……。米価を抑制をしようという基調は、いま言いました二点のほかに、もう一つは先ほどの大島委員の質疑にもあったようでありますが、逆ざやを拡大したくない、あるいはまあ食管の赤字をこれ以上広げたくないというのにもあるようでありますが、逆ざやの不拡大とか、食管の赤字とかいうふうな問題について先ほどの御答弁では、米価の法律上のたてまえというのは、両米価別個のものなんだけれども、いま何がしか関連はある。その関連というのは、農政上の立場だという御発言、農政上の立場というのは何だかというと、農林省の予算の中にどっかりと食管があぐらをかいておって、なかなかフリーハンドが少なくて身動きならぬという御主張のようですが、ただ私はその考え方だけでいくと、どうしてもやはり消費者、生産者それぞれにしわを持っていっただけで解決をつけようということになって、やはりまずいというふうに思うのですが、その点はいかがですか。もっと別のことを考えたっていいわけでして、農林省予算で邪魔なら、農林省の予算から食管を外したっていいわけでありまして、いろいろあるわけですが、その辺はいかがですか。
#118
○国務大臣(安倍晋太郎君) この両米価ともそれぞれ決定のたてまえは、それぞれの条文ではっきりとしておるわけでありますが、しかしいずれにしても両米価につきましては、これは食管法の中に規定されておると同時に、また価格という面では関連があるというふうにも考えるわけでありますし、同時にまた、先ほど私が申し上げましたように、農政という見地から見ますと、現実問題として食管の赤字をその他の社会福祉予算とか、そういうもので見れるということなら別でございますが、しかし現実問題としては、農林省の予算の中にあることも事実でありますし、そういう現実のたてまえからいきますと、農政上、この逆ざやが拡大すればこれからの農政を進める上におきまして、非常に問題が生じてくるというような考え方のもとに、逆ざやは不拡大、これ以上は不拡大にしたいという私の熱意といいますか、希望を申したわけであります。
#119
○志苫裕君 熱意ということですが、私せっかくですけれども、農林省というのは一つの役所ですから、できるだけいい仕事をするために、たくさんの経費がほしい、この熱意を私は疑いやしませんけれども、そのしりをそのまま、消費者や生産者に持っていくのはこれはやっぱり筋違いです。これは筋違い。そういう発想でものを考えるのはやっぱり筋違い。必要があれば、それが本当に農政上必要であり、国策として必要であれば、それに必要な予算はプラスをして確保をすればいいことであって、上から押されるから、しょうがないから、農家と消費者の方にそのまんま押し出してしまおうというような、おやじに奥さんしかられたら、奥さん腹立つから、ネコけっぽるみたいな、そういうようなのは適当じゃないですよ、その発想は。よく前なんかありましたよね。農林省の予算の中に大あぐらをかいているものだから、なかなか仕事にならぬ、現実は確かにそうですよ。その解決策を、生産者米価を抑え、消費者米価を上げるという方向での解決というのは、これは間違っておる。私はそう思いますが、その点いかがですか。
#120
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、これはいろいろ考え方としては私はあると思うわけですが、しかし現実問題としては、この食管の赤字というものが、農林関係全体の予算の大きな圧迫原因になっていることも、これは事実でございます。やはりこれからの農政を進めていくという意味におきましては、この逆ざやをこれ以上拡大をしないということは、私は農政上の立場からすれば当然のことじゃないだろうか。ただ、これを違った観点から見て、社会政策上とか、そういう面から見て、政府全体としてどういうふうに取り扱うかということになれば、それなりのまた一つの考え方が出てくると思うわけでございますが、現実問題としては、農政の中の、また農林省関係予算の中において処理されておるわけですから、そういうたてまえから見れば、農林大臣としては、農政を推進していく上においては、どうしても逆ざやもこれ以上拡大しない、最低限拡大をしないという方向に努力をすることは当然の責任じゃないだろうかというふうに私は考えておるわけであります。
#121
○志苫裕君 そうしますと、ことしの米価の問題についてお伺いしますが、先ほど来しばしば述べておりますのは、もうどんなことがあっても逆ざやはこれ以上広げないというのでありますから、あとはもう算術の問題ですわな。一方が上がれば、一方上げなければおさまりはつきませんし、一方ほどほどにしておくならば、もう一方もほどほどにしなければならぬし、もう決まっておるわけですから。数学の式のうちのどれかの数字はもう決まっているということになってきますが、そうすると、私は少し意地の悪いような話ですが、そうしますと、ともあれまあ同時諮問というようなのはやめて、少しの時期のずれはありますが、一応別々に決めますね。そうすると、生産者米価を諮問をするときには、消費者米価をすでに内定をして諮問するのですか。
#122
○国務大臣(安倍晋太郎君) いや、これは生産者米価は生産者米価として、生産所得補償方式、この第三条に基づいて決めるわけですから、ここでもって消費者米価を決めて生産者米価を諮問する、ということにはならないと思います。
#123
○志苫裕君 それはそうでしょう。そうでしょうが、逆ざやはこれ以上広げないって言うんでしょう。そして生産者米価を幾らであるか決めるわけでしょう。逆ざやを広げないと言うのだから、それに後の方が追いついていくか、あるいは諸物価のさまざまの事情ですね、それこそ日本の三木内閣のもとでは物価抑制を至上命令とするということであれば、生産者米価よりは消費者米価の方を先に考えるというわけでしょうね、内閣の姿勢としては。そうしますと、どっちか決まっていなければこれ以上拡大しないということにならぬですよ。そういう数学にならないですよ。ですから、生産者米価を決めるときは、三木内閣の至上命令からいけば消費者米価が先に内定をしていますかと聞いている。
#124
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、いまお話の点は逆で、生産者米価が決まると算術的にやはり消費者米価というものが、――私の基本的な考え方から申しますと、算術的には消費者米価というものか――算術の話ですから、はじき出されるということになるわけです。逆ざやをこれ以上しないということになれば、たとえば一%上げれば生産者米価については二百億、消費者米価について百五十億。ですから一・三三倍ということになりますから、だから、たとえば生産者米価を一〇%上げれば消費者米価は一三・三三倍ということにならぬと、逆ざやをこれ以上拡大をしないような理屈にはならぬわけです。しかし、これは私の基本的な、農林大臣として逆ざやをこれ以上拡大しないという考え方を申し述べただけでありまして、この生産者米価を決めるに当たりましても、消費者米価を決めるに当たりましても、これは法律的には農林大臣の責任において米価審議会の答申を得て決められるわけでありますが、いままでの米価というものは非常に政治的な課題でありまして、これは政府の中におきましても十分検討をしなきゃならぬわけでありまして、またわれわれ与党の自民党とも十分相談をして決めなきゃならぬ問題でございますから、これはこれなりにいろいろと段階を経ていかなければならぬ。そしてその間には、いろいろとまた総合的に問題が提起され、そしてその中で議論をされて最終的に決まるわけでありますけれど、私の農林大臣としてのいまは、基本的な考え方を申し述べておるわけでありますから、現実的にそれが決まるまでにはまだまだいろいろの段階を経なければならない、こういうふうに思うわけです。
#125
○志苫裕君 それはそうでしょうけどね。あなた、一・三三なら一・三三という数字はもう確固不動のものにして持っているわけですからね。そういう意味では、後ですぐ消費者米価の連動があるわけです。そうでしょう。消費者米価に連動しなければ、この一・三三という数字は――私はまずそのことのために、本来正当に決めるべき生産者米価の抑制にそれがやっぱり機能しては困ると、こう言っているわけですよ。生産者米価は生産者米価で正当な地位を与える、これをまず確固不動のものにしないと、いや、これ以上逆ざやはふやしたくないとか、一・三三という、これはもう最低限やらなければならぬということを考えておれば、先ほど言いましたように、まあ物の道理ですから、生産者米価と消費者米価が上がれば、歩み寄ってその辺の均衡を保つ以外にないということになれば、生産者米価の抑制に作用するじゃないですか。だから、そういう発想はやめて、とにもかくにも、同時諮問をしないで、生産者米価を決めると、こう言っているわけですから、生産者米価は生産者米価で正当な評価をしてこの価を決めるということをこれはひとつ確約してください。
#126
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、ですから生産者価格をまず正当に価格として決めるということがもう順序としても当然のことでありますから、それをやるわけです。で、消費者価格につきましては、食管法に基づきまして家計費、その他を勘案をして決めるという理屈になるわけでございます。ですから、生産者価格を生産費所得補償方式によって正当に決める――正当といいますか、妥当な形で決めるということがまず先行する、これがまず第一の問題であろうと思います。
#127
○志苫裕君 その点はひとつ、そうは言うけれども、あなた、あれは逆ざやは広げたくないとか、倍率は決まっているとかということになれば、やっぱり後ろにこう連れ子がいるわけですからね。連れ子には連れ子のやっぱりさまざまな応援部隊だってこれ、いるわけですからね。そこのところを考慮をして正当な地位を与えるべき生産者米価がやっぱりかげんをされる。そのかげんをされるのは何だかというと、経済事情を考慮したいう、またそこに当てはめちまうというふうな、そういうことにならないようにこれは強く要望しておきたいわけであります。
 そこで、先ほども大島委員からも御質問があったようですが、農民団体、農業団体の米価要求が出ていますが、これに対して所感はありますか。
#128
○国務大臣(安倍晋太郎君) この生産者団体の要求米価というのは、これまで生産者団体が自分たちの手ではじき出された生産費、物価等を総合的に勘案をされて、その結果決まったものであるというふうに理解をいたしております。したがって、まあこれに対して私から批判をするというふうなことは今日の段階においては避けたいと、こういうふうに思うわけであります。
#129
○志苫裕君 それからもう一つ、基本的な物の考え方ですが、いわゆる安定成長といいますか、低成長時代というふうなものに現実には入っております。で、こういう時代における米価のあり方といいますか、日本の農業の諸問題や、日本経済の諸状況、国際的なさまざまな諸状況というふうなものを考えて、米価はかくあるべしというふうな何か考え方ございますか。
#130
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私は、農林大臣としては、米価につきましては、これはやはり食管法の定めるところに従って食管法第三条を忠実に反映した形で生産者米価を決めたいと、まあこういうふうに思うだけでございます。
#131
○志苫裕君 それはひとつ額面どおり受け取っておきますよ、額面どおり。あとで忠実でなかったら、これはまたそのときに大いにやることにします。
 時間もないので、そろそろまとめますけれども、そこで、この米価の算定要領の話が先ほどありましたが、まあ一向に答えませんわな。答えませんが、私はもう一度ちょっと聞いておきますが、同じ法律の条文で毎年少しずつどこか違っていますよね。ちっとずつ違っています。あるいはまた政府が試算したものと、最終的に決まったものとの間にもこう少しずつ違いが出てきます。そういう意味では、ことしの米価の算定要領というのはさまざまな年次がありましたが、去年と同じ方式ですか。あるいは昭和何年度の算定方式と同じ考え方であると、この辺はいかがですか。
#132
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは大島さんにもお答えをいたしましたけれど、五十年度の算定につきまして、どういうふうに要素等をとっていくかということにつきましてはまだ決めておらないわけでございまして、大変申しわけないようですが、ここでお答えをする段階にないわけでございます。
#133
○志苫裕君 あなた決めておらないと言ったって、九日にあなた米審招集しようというんでしょう。先ほど何か速やかにと。速やかにというのは答申があった後速やかにでしてね。そうすると、あれですか、くどい、しつこいようですけれども、五十年度の方式というのをつくるのですか。これはいかがですか。
#134
○国務大臣(安倍晋太郎君) まだ、正直に申し上げますが、生産費の調査も出ていない、まあ、そういうふうな状況でございますので、そういう点から見ましても、要素についてはなかなかとり方がないという面もあるわけでございますし、これは今日の段階においても正確にお答えをするところまで至っていないわけであります。
#135
○志苫裕君 生産費の調査が出ていないと言うが、いないこともないと思いますけれども、これはあんた、いないってがんばるんだから、これはしょうがないやね。つかまえて出させるわけにもいかぬし。ですから、その数値はいいですよね。方式とか、ファクターというのですか、そんなものは別に生産費調査が出ていなくたっていいじゃないですか。その方針はもう決まっているんじゃないですか。生産費の数字を見て、ああ、これは高いからこっちのをこうしようとか、後でいろんな手を加えようという魂胆なんですか。この辺はいかがですか。
#136
○国務大臣(安倍晋太郎君) その辺のところも具体的にまだ決めてないわけでございますが、今日までの米価の決定につきましては、いろいろと要素のとり方も変転をしておることはこれはもう事実であり、毎年毎年変転をいたしておるわけでございまして、それに対するもちろん御批判は、厳しい御批判があることも承知しておりますが、変転があっておることは事実でございますですね。今回の場合はどういう形にするかは決めてないと。
#137
○志苫裕君 なかなか、のれんに腕押しみたいだから、これはもうだめですね。
 都市均衡労賃のとり方が率直に言いまして大きい数字のポイントになっているようですが、これはもういつからいつまでの期間、という期間決まっていますか。
#138
○政府委員(下浦静平君) これは従来は四月までをとっておりまして、できるだけ直近のものをとろうということで四十九年産米におきましては五月までをとっております。この点につきましては、私どもただいまのところは五月までとりたいというぐあいに思っております。
#139
○志苫裕君 直近まで。その点は後いろいろ愚痴がありますが、これはいいです。
 ところでね、この都市労賃ととり方に関連をするのですが、政府は都市均衡労賃というのは、米価を算定する際の正常な補償の範囲を超えるものであるという見解をとっているわけですか。
#140
○政府委員(下浦静平君) ただいま先生の御質問は鳥取県の時期別格差の廃止に伴います暫定加算の扱いの問題に関しまして、裁判の問題になった関係で出てまいりました準備書面でございますか、そこに書かれた文言のお話だというぐあいに了解をいたすわけでございますが、あれは憲法二十九条でございますか、あれとの関連におきましての、実は法律上の扱いといたしましての、法律上の用語の扱いといたしましては、ああいう実は表現を使ったものでございまして、その点は御了解をいただきたい、こういうぐあいに考えます。
#141
○志苫裕君 何を言っているのだか、さっぱりわからないですがね。しかし、裁判の問題というのは、そこへ手を入れて、こじあけるような話は遠慮をいたしますけれども、私は少なくとも、生産費所得補償方式ということを大臣も先ほど来何遍も使っていますし、また、三十五年以来そのことはもうすでに確立をしておる。にもかかわらず、やはり物の考え方によっては、原生産費に出てくる農業雇用労賃でいいのであって、それを都市均衡労賃に評価がえを行うというのは、プラスアルファだと。こういう発想がやはりあの中に含まれているのだとすれば、容赦相ならぬと思うのですよ。この点の考え方を少しはっきりしてください。
#142
○国務大臣(安倍晋太郎君) 労賃の取り方はいろいろあると思うわけでございまして、全規模ということで、政府の決定米価においてもとったことはあるわけでございますし、現在は、均衡労賃の中で評価がえをいたしてきておるわけでありますが、今日まで政府がとってきた都市労賃に対する評価はいろいろと、ときによっては変化もいたしてきておりますが、私は妥当なものであったというふうに考えておるわけであります。
#143
○志苫裕君 それもちょっと答弁ずれですね。答えたくないようですね、この部分は。これは、ただ私、記帳だけしておきますが。あの準備書面に出ているような発想が、裁判の便宜というようなものもあるでしょうが、これが本当に、今日における米価の決定に、思想として持ち込まれておるというのであれば、これはまさにゆゆしき問題だというふうに思っておりますので、その点だけは一つ指摘をしておきたいと思います。
 最後に時間もないようですから、あと一点、消費者米価について先ほどいろいろありました、百グラム二十一円で、週刊誌は百五十円から百八十円というお話がありましたが、これは去年も議論がありましたが、これはここでまたいずれ議論をしますが、週刊誌は一週間に、一遍なんです。読まなくてもいいのです。読む人もまちまちなんです。そういうものと、毎日食うものと一緒に比較をしないでください。毎日食うものであり、なければならぬものと、週刊誌の百五十円ごときと、はいと並べて、ああそうかと、週刊誌なんてあってもなくてもいいようなものがこんなに、というふうな、そういうふうな、何か人に錯覚を与えるような、こういうPRなんというようなものは愚民政策ですよ。これは慎むべきだと思います。
#144
○国務大臣(安倍晋太郎君) 週刊誌と比べることが妥当ではないというお話でございますが、私は一つの事例として挙げたわけで、牛乳とかあるいはセブンスター、地下鉄の最低運賃、コーヒーといったような中で週刊誌を取り上げたわけでございますが、しかし相対的に見まして、やはり消費者米価というものはほかの物価に比較をして、これは割安じゃないか。また家計費に占める割合も二・八%ということになるわけでありまして、そういう意味において、私は全体的な感じとして申し上げたわけでありますが、これは割安であるというふうに言ってもいいんじゃないかと考えております。
#145
○志苫裕君 これでやめますが、割安であるかどうかは、それはまた別の観点で議論をいたしますが、消費者の米の占める割合が二・八%、それじゃ週刊誌は何%ですか、週刊誌は一体何%ですか。
#146
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、家計費に占める割合で出ておる米の数字を申し上げたわけで、週刊誌は、それは世帯によっては、とってないところもあるし、国民の中で読む人も、読まない人もあるわけですから、これは主食と対比するというのはおかしい話でございますので、また家計費に占める割合というのをはじき出すということも、その数字も私承知いたしておりません。
#147
○志苫裕君 これ以上続けりゃ、週刊誌ものになるからこれでやめますが、そういう形で対比をすることによって、やっぱり人々にも錯覚を持たせるというやり方ではなくて、私は、むしろ生産者米価なり消費者米価なり日本の食糧問題は、ほかにもちょっと言いましたけれども、ただ単に農民の問題じゃない、日本の民族の問題になっているわけですから、あるいはまた消費者にとっては、都市側から、都市で米買って食っている連中ですね、これらについても真剣に、日本の食糧問題を考えにゃならぬ。そういうことなんですから、むしろ真正面に打ち出して、ときには激しい議論を呼ぶだろうけれども、それで日本の食糧問題についての合意を取りつけていくという、やっぱり正攻法でいくべきだと思うんです。そういう意味で、何か政府から出てくるPRものというふうなものには、むしろそういうものの発想が日本の食糧問題の解決や、農業の再建というようなものを、おくらせるということを強く指摘をしておきたい。
 以上でございます。
#148
○委員長(佐藤隆君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 次に、サトウキビ、パイン問題に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行います。
#149
○喜屋武眞榮君 先ほど来論ぜられております米価の問題、その米価方式でという一貫した強い要望が沖繩のサトウキビの問題であります。
 すなわち、パリティ方式を改めて、生産費所得補償方式に切りかえてもらいたいと、こういう根強い、粘り強い要望でございます。そこで、ここで農林大臣が、じゃそのようにいたしますから、と一計おっしゃっていただければ、私の質問はもう終わるわけであります。ところが、なかなか農林大臣は首を縦に振ってくださらぬものだから、もう執拗に食い下がってどうしても、うんと言ってもらわなければいけない。その日までこれは食い下がりたいと、こう思うわけでありますので、どうかひとつ、そのように決意をしていただいて、まあこれほど執拗に食い下がっておるのだから、ひとつ十分検討して早く要望にこたえていこうと。こういうことを、せめてそこまででもきょうの質問の中で答えていただけば、という期待を込めて、私、このサトウキビとパインの問題について少し尋ねたいと思います。
 まず第一に、大臣、沖繩農業の基本作目がサトウキビとパイナップルであるということはお認め願えますか、どうですか。
#150
○国務大臣(安倍晋太郎君) 沖繩における主要農産物としてはサトウキビ、パイナップルが代表的なもので、これに対しては今後とも奨励策を実行しなきゃならないと、こういうふうに考えております。
#151
○喜屋武眞榮君 次に、この沖繩のサトウキビは、日本のいわゆる甘味資源の供給という面からも非常に大きな役割りを果たしておると、このように考えていらっしゃいますか、どうでしょうか。
#152
○国務大臣(安倍晋太郎君) そのとおりであって、沖繩のサトウキビの生産というものが、わが国における砂糖生産の大きな一翼を担っておることは確かでございます。
#153
○喜屋武眞榮君 そういう沖繩の農民の立場から、そして国民の甘味資源の供給という立場からも、非常に重要な基幹作目であるサトウキビが、現実の問題として生産が年々減少しておる、落ち込んでおる。その理由はいろいろ挙げられると思いますが、どういう点が、こんなに大事な必要度の高いサトウキビであるのに、そのように落ち込んでいるかということをどう理解していらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#154
○国務大臣(安倍晋太郎君) 沖繩のサトウキビの作につきましては、政府といたしましてもいろいろと努力もいたしております。最近は改植等も進んでまいっておりまして、漸次生産が振興されるという方向に好転をしておるというふうに判断をいたしております。
#155
○喜屋武眞榮君 いろいろ多方面にこの原因究明しなければいかんと思いますが、直接の生産者であるその農民の強い要求の訴えの中にも、国の定めるサトウキビ最低生産価格が低く抑えられておる。こういうことで、再生産さえ確保できない価格であったからにほかならないと、こういうふうにずばり訴えておるわけですが、このことについてはどうお考えですか。
#156
○国務大臣(安倍晋太郎君) このサトウキビ対策としては、私たちはもちろん価格政策も今後とも充実していかなきゃなりませんが、総合的な基盤整備対策であるとか、あるいは改植に伴ういろいろの施策であるとか、あるいは奨励金制度とか、そういうものも進めて、総合的な全体的な中で生産を進めていくという考え方を持って今日まできておるわけでありまして、奨励金を二年出したことによりまして、沖繩のサトウキビ生産というものは、まあ好転の方向に転じておると、私はそういうふうに思います。
#157
○喜屋武眞榮君 毎年の運動によって、いわゆる奨励金方式で一万円から一万五千円になる、上積みされて。こう上がってきたことが、農民の意欲を高めておることもこれは事実であると思います。ところが、本当の農民の願いは、それでもなお不安である、どうしてもあの算定方式を改めてもらわなければいけない。こういった要望は、直接の農民だけじゃなくして、もう世論として、沖繩県はもちろん、国においても国民の中で、そういった世論が十分熟しておると私は判断しますが、大臣はどうお考えでしょうか。
#158
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほども、御陳情を受けたわけでありますが、沖繩の生産者団体を初めとして各方面から今日のパリティ方式を生産費所得補償方式にかえろという強い御要求があることは、これは承知いたしておるわけでございますが、しかし、サトウキビの今日の生産の態様等から見まして、いま直ちにこれを生産費所得補償方式に切りかえるということは困難であるというふうに思っておるわけでございます。むしろパリティ方式で価格を決定をしながら、それに加えて奨励金対策その他の各種の生産対策をあわせて総合的に進めることがサトウキビへの生産増強につながっていくものではないかと、私はそういうふうに理解をいたしておるわけであります。
#159
○喜屋武眞榮君 大臣はいつかの答弁の中でも、なじまないとか、そしてパリティがいいんだと、こうおっしゃっておりますけれども、私は思うのに、どっちがいいか悪いかという選択は、生産者農民が一番よくわかっておると思う。いいんだ、いいんだ、こうおっしゃってみたって、なるほどそれもいいが、それよりはこれがいいという選択は、これは上から押しつけるものじゃなくして、生産者自体が、どれがいいかということは一番よくわかっておると私は思います。そういう判断に立って、どうしても改めてほしいという、こういうことなんですけれども。私は、それを封じて、いやこれがいいんだ、これがいいんだと、こういうことでは納得がいかない。それから、困難であるとおっしゃいましたが、この困難というのはどういうことでございますか。
#160
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり、これは米と同じように、生産費所得補償方式をとれということは、このサトウキビだけじゃなくて、麦につきましてもその他の農作物につきましても生産者を初めとして各方面から強く出されておるわけでありますけれども、しかし、麦の場合もここでしばしば御答弁申し上げましたように、麦の生産の態様、非常に規模が零細化しておりますし、いろいろとその他の問題がありまして、技術的に生産費所得補償方式に転ずることは困難であるというふうに申し上げたわけでありますが、やはりサトウキビにつきましても、これはやはり麦と同じように、現在の沖繩における生産の態様等から見まして、生産費所得補償方式に切りかえるということは困難であるし、むしろ私は土地基盤の整備、機械化の推進等、生産性向上のための施策と相まってその合理化のメリットを当該生産者に還元する現行パリティ方式が適当であるというふうに考えざるを得ないわけであります。
#161
○喜屋武眞榮君 いまの御答弁に対してまた反論もいたしたいんですが、技術的に困難であるということもいまおっしゃいましたが、私は、それよりももっと基本的な問題は、やる意思があるかないかということが前提であって、困難であるということは、その意思が前提であれば可能である。困難と不可能ということをよく混同しがちであります。困難であることは、これはいいことであるならば、努力をして前向きで検討すれば、その困難を解決できるはずです。そのような要望がいま下から盛り上がってきておる、突き上げてきておる農民の根強い、粘り強い要望であるわけでありますので、どうかひとつ、困難だ、困難だとおっしゃらずに、困難であることを避けることは、これは怠慢であるということにもつながりますので、どうかひとつこの困難を一日も早く克服して、農民要求を、そして国民の甘味資源であるサトウキビの再生産をもっともっと広げていけるような配慮をしていただきたいと、こう思うわけであります。
 そこでいまの中で基盤整備の話が出ましたが、この基盤整備が沖繩の場合、政府の計画は順調にいっておりますか、あるいはまた、その実情はどうなんですか。
#162
○政府委員(大山一生君) 沖繩におきます基盤整備、これは本土との格差が非常にあるという認識の上に立ちまして、現在極力本土との格差をなくす方向で努力しているところであります。率直に申し上げますならば、五十七年時点において本土との格差をなくそう、こういうふうなことから大体千七百億の投資をする、こういうようなことを予定しているわけでございますが、現在までのところ、投資された額は百五十億ということで八・五%程度の進度になっていると思います。その意味においては、本土よりもおくれている、こういうことが言えると思いますが、すでに着工している地区に関して考えてみますと、内地に比べるとかなり進んでいる、こういうふうな事態があるわけでございます。といいますのは、要改良土地はあるけれども、それがまだ出てきてない、表面にあらわれてないという事実がたくさんあるということに結果的にはなるだろうと、こういうふうに思っております。それとともに、圃場整備等を進める前提としての水の問題、これがいわばサンゴ礁が多い、流域が小さい、中小河川しかない。こういうふうな事態の中で、水の確保という問題が非常にむずかしい問題になっておりまして、それもまたおくれているゆえんであろうというふうに思っております。ただ、過去から続けております調査の結果といたしまして、ことしから宮良川に着工した、さらに名蔵川でありますとか、あるいは宮古西部、さらには本島の北部の方における中小河川等を利用する水の涵養、こういうふうなことが、逐次、今後俎上に乗ってくるであろう。こういうかっこうで、いわば水の確保と相まちまして、五十七年時点には内地との格差をなくすようにしてまいりたいというふうに思っております。
 いままでおくれていたゆえんという問題になりますと、やはり技術力が十分に整備されていないというようなこともございますし、また、沖繩の人におきます、近代化ということに対する現実的な目で見る手本がないというようなこともあって、認識が余り進んでなかったというふうなことも原因であろうと思っております。昨年までのような金を使い残すという事態はいまはなくなってきておりますので、今後は県の市町村に対する指導と、あるいは農民の意識の高揚ということと相まちまして、進度は進んでまいるであろうというふうに考えております。予算の中におきましても、沖繩につきましてはことし全土で一〇三・四%の伸びの中で一四五%という伸びを見せております。こういうふうなかっこうで、基盤整備のおくれは極力早いうちに取り返していきたいというふうに考えております。
#163
○喜屋武眞榮君 基盤整備が本土と比較しておくれておるということは、これはもうおっしゃるとおりである。また、四半世紀の空白の中で経過した沖繩でありますので、さらにまた、膨大な基地が依然と横たわっているという、いろいろな隘路があるわけなんです。そこでいろんな隘路もありますが、もう一つ、私はこの根本の問題を指摘して御見解を承りたいんですが、このおくれを取り返すのに、県民の無理解ということではなしに、積極的にやりたいけれどもどうしても困る、こういう私は重大な要因が一つ指摘できると思うのです。それはすなわちこの圃場整備、基盤整備をする場合に、その間におけるいわゆる休耕期間ですね、休耕期間の助成、補助をどうするかという、このことが私は非常に大事な問題だと思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
#164
○政府委員(大山一生君) 私から答弁させていただきますが、先生の言われますのは、まあ圃場整備に休耕補償をつけろと、こういうお話だろうと思います。まあ圃場整備事業のような面工事、これにつきましては、圃場整備をすることによってまあいわばサトウキビを新植しなきゃならない、そうすると一年半なり二年かかる。こういう間の休耕の問題だと思いますが、土地改良法が御存じのように申請主義をとって改良を行う、こういうふうなたてまえをとっておりますので、これに対してまあいわば休業補償的なことをするということは非常にむずかしいというふうに考えておるわけでございます。まあ米との均衡という問題が当然出てくると思いますが、米につきましては、これは過剰という問題に対処する手段として行っているわけでございまして、圃場整備一般の、基盤整備上の当然の結果としての補償を行っているわけではないわけです。したがって、いわば公共事業におきます補償理論というような観点からいたしましても、そうしてまた、土地改良事業というのが申請主義をとっているということからいっても、これはなかなかむずかしい問題であると思っております。ただ、現実の問題といたしまして、一年半なり二年間圃場整備をする結果として、その間に収入が得られないという事態が出るということは、これは決して好ましいことではございません。そこで、ことしから区画整理の場合にも修正山成方式を極力採用いたしまして、サトウキビの撤去面積を少なくする、それから特定の農家の畑が集中して施工工期に偏らぬようにやらせる、それから小規模の工事でありますならば、植えつけ適期前に面工事を終わらせるようにする、まあこういうようなこととともに、どうしてもサトウキビを撤去して施工せざるを得ないというような場合においては、その農家をその工事に優先的に雇用するというようなことによって対処してまいりたいというふうに、ことしから県を指導しているところでございます。
 なお、道路でありますとか、水路といったようなもののために植栽されているサトウキビを撤去するという場合は、これは当然の補償の問題でございますので、これは適切に補償してまいりたいというふうなことで行っていきたいというふうに考えておるわけでございますし、また、近代化資金におきましても、植栽資金の貸し付けというようなことも利用していただけるような措置を講じているわけでございます。
#165
○喜屋武眞榮君 この農民の声として、私どもがいま申し上げたいわゆる圃場整備も非常に積極的にいたしたいけれども、その休耕期間の補償がはっきりしないとどうしても意欲が鈍るという、こういった声が、補償金がはっきりしないと積極的に取り組めぬと、こういう声も非常に強い。このことをキャッチしておられるかどうか知りませんが、これは、農家の稲方式とはまた幾分違うと私は思いますね。その稲方式、まあ値段の場合には米価方式でいいと思いますが、これの場合には決してあの方式どおりにはいかぬということを理解願わぬというととんでもないことになると、こう思いますので、この点、ひとつ十分御配慮を願って、安心してこれに協力できるような対策を講じていただきたいと思いますが、いかがですか。
#166
○政府委員(大山一生君) 休業補償というよりは、むしろ圃場整備をやることによる収入の減という問題に対しましては、先ほど私申し上げたように、雇用の機会をその圃場整備事業の中に求めさせる、あるいは極力面工事によるサトウキビの撤去面積を少なくさせる、こういうようなことを実行する中で、農家の方が安心して圃場整備できるようにしなければならぬだろう、こういうふうに思うわけでございます。現実の問題といたしまして相当長きにわたった株出しの行われているという事態もありますし、株出し後相当長くやっているもの、あるいは株出し後まだ数年しかたってないもの、こういうところによってまたなかなか補償という問題はむずかしい問題も含んでおるというふうに思いますので、やはり申請主義という中において、申請主義をとっている土地改良法の中においては、農家の方々を雇用する中でこの問題に対処していくというようなことでいかねばならぬだろうと、こういうふうに考えるわけでございます。このサトウキビの問題は、さらに言いますならば茶畑の問題、果樹園の問題、すべての問題に問題が発展する筋のものでございますので、地元のその点に対する強い御要請のあることは私了解しておりますけれども、なお今後検討してまいりたいというふうに思うわけです。
#167
○喜屋武眞榮君 ではその問題は一応その程度に置いておきまして、私さっき世論は熟しておるということを申し上げましたが、ひとつ大臣、いまさらとも思いますが、私が世論の表明としてきょうも挙げましたけれども、それだけではなくして、一応、沖繩の農協中央会、これはまた農協の最高組織であります。そこでも、今回ならず毎年のように、一応の数年来入れかわり立ちかわりうるさいほど要望があることは御存じだと思う。県議会においても、全会一致でもってこの二、三年来結束して、そしてそのたびごとに陳情している。それから沖繩県の県庁におきましても、知事が先頭に立って要望しておる。それから甘味資源審議会においても、二回にわたって答申がなされておることも御案内のとおりです。それから最近同じ政府内で、沖繩県の窓口である開発庁の加藤事務次官が、農林省にぜひ生産費所得補償方式でなければいけないからということを要望して申し入れておるはずであります。このように、もう政府内でもこのような世論が高まっている。それから国会における各政党もそれを打ち出している。今回も、この野党の共同提案で甘味資源特別措置法の一部改正の中でその方式を強力に打ち出している。このように拾い上げますと、もうこれ以上世論の布石は必要でない。それでもなおかつ、うんと言ってくださらぬのかと思って大変もどかしく思うわけです。
 いろいろ問題があると思いますが、私はこのように、これはいまに始まった問題じゃなくしてずっと二、三年来強い要望がある。それを麦もある、あるいはジャガイモもある、いろいろなものがあると、こういうことで足どめされることは私はどうかと思うのです。どうかひとつあれはあれでまたその時点で検討してもらえれば結構、まず最優先にこの日本の食糧問題あるいは全体の消費の点からも、私は、八割以上を外国に求めておるというこの実情ですね、国内自給を高めていくという、それはもう再生産意欲をどうしても持たせることがまず第一の最優先であると、こう思うわけなんです。ひとつ前向きでこれを検討していただいて、実現を急いでいただく。このことに対するひとつ大臣の御決意を述べていただきたいと思うわけです。
#168
○国務大臣(安倍晋太郎君) たびたびの御質問でございますが、サトウキビ自体の問題としても、これを現在のパリティ方式から生産費所得補償方式へ移すということにつきましては困難な実情にあるわけでございますが、同時にまた、これはサトウキビ自体の問題だけではなくて、他の農産物も含めた農産物価格全体に関連をする問題でもあるわけでございます。したがって、この問題については研究はいたしますけれども、なかなか生産費所得補償方式にこれを変えるということはむずかしいという以上にはお答えを申し上げることができないわけでございます。
#169
○喜屋武眞榮君 むずかしいことはもう何遍もおっしゃいましたが、そこをひとつぜひ克服して要望を入れると、こういうふうにひとつ御検討を願いたいと思います。
 大臣、いまちょっと何か面会人がおられるということですから……。
 それじゃ、この沖繩のサトウキビ、あるいは農業の発展を阻んでおるものに基地があるということはたびたび申し上げております。ところがもう一つ、復帰の前後にいわゆるどさくさ紛れと言いますか、本土企業が乗り込んでいって沖繩の土地を買い占めておるという、このことがまたさらに沖繩の農業を非常に妨げておる。
 そこでお聞きしたいのですが、沖繩における土地買い占めの実態を把握しておられますか、もし把握しておられたらひとつ報告していただきたい。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
#170
○政府委員(大山一生君) 沖繩県におきます土地買い占めの実態でございますが、これは県の報告によりますと、総計七千四百ヘクタール程度が買い占められているようでございます。その中で、農地と称するのが千四百ヘクタール程度、あとは山林、原野、その他、こういうようなことで、主として本島北部、そして宮古、八重山というところに集中しているようでございます。
#171
○喜屋武眞榮君 いまおっしゃった中で、全県下で買い占められた土地が七千四百ヘクタール。面積ではそうなんですが、これが沖繩の総面積の約四%に当たるんですね、三・八%。そしてさらにこれを分析しますと、次が非常に大事だと思いますが、買い占めた土地の総面積の中で四九%がいわゆる沖繩本島の北部ですね、買い占めた土地の四九%を北部に占めておる。これが一番率の高いもの。次に八重山。八重山群島が三〇%買い占められておる。宮古が一二%。それから沖繩本島の南部、島尻というところです。北部では国頭ですね、七%。中部中頭が三%。このように大事な農地の多い部所に行って買い占められておる。これが非常に沖繩の農業の発展を阻んでおる。
 そこで、この問題は、こういう実情をいまお聞きしたわけですが、関連しましてこの八重山です。離島の八重山、御存じですね。八重山は企業が買い占めて、復帰の前後に買い占めている。ところがその後、乱開発を歯どめにした網が覆われたものだから、企業がもう自分たちの計画どおりの開発ができなくなっているのですね。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
それを最近売りに出そうと、こういう声があるようです。そこで、八重山の農民が非常に要望しておりますのが、ぜひ売りに出したいという土地を、約千二百六十六ヘクタールですが、この千二百六十六ヘクタールを農民が買い取って、そして農業に定着したいと、こういう強い要望を持っておるわけなんです。ところが、困ったことに沖繩に農地開発公社もあるわけなんですが、その農民もそれを買い戻す金がない、農地開発公社も資金がない。そこで、この資金を政府から農地開発公社に融資してもらいたい。そうすればその欲しい土地を買い戻して農業開発をやって農業に定着したいと、こういう強い要望を持っておりまして、このことに対して政府に融資をしてもらおうと、こういう強い要望ですが、大臣、こたえてもらえますか。
#172
○政府委員(大山一生君) 私から先に事情だけ御答弁さしていただきたいと思いますが、さっき先生が言われました面積、これが四十六年の一月から四十八年の六月までの間、つまり復帰の前後、こういうことになるわけでございますが、復帰前には農地法は適用されておりません。したがって自由に、琉球人間では自由に権利移動ができた、こういうかっこうになっておりますので、その間に行われた権利移動、これは有効である。ただ非琉球人による土地の恒久的取得というものを規制する規則があったはずでございまして、その規則による許可を受けないでもしか移転していてもこれは無効なはずでございます。
 さらに今度は、復帰されてから後には、つまり四十七年の五月十五日以降ですが、これは農地法が適用になっておりますので農地法の許可を受けない場合にはこれは効力が発生していない、こういうことになろうかと思います。
 それから、また八重山群島の場合でありますと、あれなんと言うのですか、後進地開発法、これによるいわば竣工後三年までの間は一切土地の移動をチェックされているはずでございますので、いま先生の言われました相手方が持っている土地というのが、本当に持っている土地であるかどうかという問題が一つ前提としてあるんじゃないかと、こういうふうに考えます。
 ただ、仮にその移っているという事実が有効であった場合における、いま先生御指摘の県公社の事業資金の問題でございますが、実は合理化法人――全国の農地保有合理化法人協会から農用地開発事業等を行うための特別資金枠といたしまして、沖繩に三億二千万ほど本年度渡してあります。また、その他いわば県公社が県信連から借りてそれに対する利子補給、つまり三分五厘の利子補給をする枠が一億八千万ほど渡しておりますので、この金はこういったものにも活用しょうと思えばできるはずの問題であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#173
○喜屋武眞榮君 いま農地の話が出ました。この表によりますと、農地は私有地で六百ヘクタールですね。そうすると、私有地という名目で、千二百六十六ヘクタール、この中で六百ヘクタールが農地と、こうなっておりますが、これは原野も含んでおると思いますね、あるいはその他も。そうすると、六百ヘクタールに対してはいまおっしゃった法が適用できるということになるのですか。
#174
○政府委員(大山一生君) 非琉球人による土地の恒久的権利の取得を規制する規則でございますので、農地に限っているわけではございません。復帰前の土地は、ただ現地法人である場合には、これはいわば農地法みたいな規制がないわけでございます。したがって、所有権が有効に移っていることになろうかと思います。それから、復帰後の農地法の関係は、もちろん農地だけでございますが、移住地開発法の対象としては農地だけでなく土地も入っている。したがって、農地だけでなくて土地一般論として果たして本当に権利が移っているのかどうかという問題は、私、先ほどよく調査してみないと問題であろうと、こういうことを申し上げたわけです。
#175
○喜屋武眞榮君 いま復帰の前後ということで、この表を言われる、前と後と違うわけなんですね。だから、前が幾ら、後が幾らという、ちょっと私もそこまでは確認しておりませんので、また確認してからさらに質問することに。これをお願いすることにしまして、このことはひとつそのように理解いただいて、このことについては終わりたいと思います。
 次に、もう一つ緊急な問題としていま騒いでおるのが例のパイナップルでございます。これは四十九年度との関連もありますので、まず第一に、四十九年度のパイナップルの保護については、一応農林省の御配慮で、あるいは通産省の御配慮で一応措置対策が進んだわけですが、まずそのことについて、その後の処理が順調に進んでおるかどうか、そうして現在、現時点ではその処理がどうなっておるか、どれだけ残っておるか、そのさばき状態をまずお聞きしたいのです。
#176
○政府委員(松元威雄君) 四十九年産のパインかん詰め、これにつきましては、たびたび御質問あったわけでございますが、いわば需要の減少と、もう一つは例の冷凍パインによる供給増加ということで、非常に需給が不均衡になって非常な滞貨を生じたわけでございます。そこで、冷凍パインの抑制でございますとか、あるいはいわばグローバル枠につきまして、下期の輸入枠をたな上げするということによりまして、需給バランスをとるということをいたしたわけでございまして、その結果、そういたしまして、なおかつかなりの在庫があったわけでございます。当初は、四十九年度末の沖繩のパインかん詰めの在庫を百二十万ケースというふうに想定して、それを沖繩側のパッカーと本土の代理店との間で引き取るということの計画を立てたわけでございます。その場合の計画では、印刷かんはそのうち当初は九十六万ケースと見ておりまして、その二分の一に相当する四十八万ケースは四月から六月の間に引き取ると、それから残り四十八万ケースについては十月までに引き取ると、それから白かんの二十四万ケースについては十二月までに引き取るということをすでに決めたわけでございますが、その後の状況を見ますと、年度末在庫は、当初予想の百二十万ケースよりも少なかって、九十三万ケースというふうに、当初よりも約三十万ケース程度少なかったこともございまして、白かんはすでにほとんどが引き取られております。したがいまして、むしろ計画よりも順調に進んでいる状況でございます。
#177
○喜屋武眞榮君 それは安心いたしました。ところが、完全措置できぬ状況の中で、今度五十年度の心配が、危機感を感じて要望しておるわけでありますが、この五十年度の見込みはどうとらえておられますか。
#178
○政府委員(松元威雄君) 四十九年産の本土の引き取りはいまのように進んでいるわけでございますが、問題は、これが今度は単に沖繩から本土に移ったわけであって、実際消費者が消費しなければ在庫で残ると、そういたしますと、四十九年産は本土で消化するために五十年産は引き取らぬというおそれがある。おそらくそういう問題だろうと思うわけでございます。したがいまして、これに対しまして、私は、かなり少し時間をかけまして計画的に処理を考えざるを得ないのじゃなかろうかと思うわけでございます。
 まず、五十年産のパインの生産見込みはどのぐらいかと申しますと、大体原料で七万六千トン程度見込まれておるわけでございますが、このうち単に従来のようにかん詰めだけじゃなくて生食用等にも売るということを予定しておりまして、かん詰めになりますのは昨年より若干少ない百六十万ケース程度の製造かと見込まれるわけでございますが、問題はこれもなかなか消化できない。したがいまして、その方はやはり一つには沖繩産の需要拡大ということで、単にかん詰めだけに限定せずに、いま言った生食用あるいはこれは先の問題になりますが、ジュース用等にも需要拡大をするということを考えなければならないということ。それからまた、この滞貨を一挙に処理することは、これはなかなかむずかしい問題で、端的に申しましてむずかしい問題であります。
 したがいまして、もう一つには、いわゆるグローバル輸入、あれをどう扱うかという問題が関連するわけでございます。現時点では、通常ならばもうグローバル割り当てする時期でございますが、いまだ割り当てをしないで延ばしている。いわば消化と見合わせまして輸入の数量とか、あるいは時期につきまして調整をするというふうに考えておりまして、それにいたしましても、一挙に解決することはなかなかむずかしかろう。したがいまして、計画的に滞貨の解消を図るという考え方で、いま申しましたグローバルの輸入割り当てにつきましても、今後の沖繩パインかん詰めの消化の状況を見ながら、時期とか数量等について検討をしてまいりたいと思っておりますし、さらに先々でございますが、いまも言ったようにジュース等の需要拡大も図ってまいりたいということで、少し時間はかけまして計画的に処理を進めてまいりたいというふうに考えております。
#179
○喜屋武眞榮君 この五十年度産を控えての危機感が、また同じ心配を繰り返すんじゃないかという非常に危機感を持っているわけなんですね。そこで、訴えの結論はそういうことなんだから、五十年産のさばきがどうなるか非常に心配だから、この際また、外国産パイナップルの輸入、いわゆる外貨割り当てを、ぜひ国内産の、いわゆる県産を優先全面消化するまでは、外貨割り当てを、輸入をとめてもらいたいと、そういう強い要望があるわけなんですが、それはそのようにこたえてもらえると、こう受けとめてよろしゅうございますか。
#180
○政府委員(松元威雄君) これは沖繩産パインかん詰めの滞貨の現状にかんがみまして、沖繩パインの優先消化に努力しているわけでございますが、ただ輸入割り当てを全くしないということは、これは東南アジア諸国との関係もございまして、私はこれはむずかしかろうと。先ほど申し上げましたが、やはりこれだけ滞貨になりますと、一挙に解消は私はむずかしいと、どうしても少し時間をかけましても計画的に処理しなければならぬというふうに考えるわけでございます。したがいまして、計画的に滞貨の解消を図るという考え方から、一方、先ほど来申しました沖繩パインまたパイン以外の事情も含めまして需要を伸ばしていくということとあわせまして、その状況を見ながら、先ほど来申し上げましたとおり、グローバルの輸入につきまして割り当ての一つは時間の問題あるいは数量につきまして検討してまいりたい。したがいまして、現状でまだ――通常ならはもう輸入割り当てをしているわけでございますが、現にまだいたしておらぬわけでございまして、その辺の状況を見合わせながら割り当ての仕方を決めてまいりたい。ただし先ほど申しましたとおり、全くしないということは私はなかなかむずかしいと、また一挙に解決もむずかしいと。したがって時間をかけて計画的に処理するしかないと。したがって、いま申しましたとおり沖繩パインの消化の状況を見ながら、輸入の数量、時期等について今後検討を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#181
○喜屋武眞榮君 あと一分ありますが、これで終わりますが、念を押すようでありますが、時間ですので確認をしまして終わりたいと思います。
 そうしますと、日本の貿易の立場から外貨を全面ストップすることはむずかしいということなんですね。ところが、沖繩産の優先消化を心がけて、その推移を見て、外貨を減してもらおうと思いますが、それ、ずらしてもらおうと、こういうことなんですね。いわゆる沖繩産のパイナップルの消化には心配要らぬと、こう受けとめてよろしゅうございますね。
#182
○政府委員(松元威雄君) 四十九年の割り当ても御案内のとおり下期は結果的に棚上げをいたしたわけでございます。ただ、私申しましたのは、一挙にということはむずかしいと、したがって計画的に時間をかけて、いわば少しなし崩しと申しましょうか、そういうかっこうで滞貨の解消を図ってまいりたいということを申し上げたわけでございます。
#183
○委員長(佐藤隆君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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