くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 社会労働委員会 第7号
昭和五十年三月二十日(木曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     片山 甚市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                村田 秀三君
                小平 芳平君
    委 員
                上原 正吉君
                小川 半次君
                神田  博君
                斎藤 十朗君
                高田 浩運君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
               目黒今朝次郎君
                柏原 ヤス君
                沓脱タケ子君
                星野  力君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
   政府委員
       労働大臣官房長  青木勇之助君
       労働省労政局長  道正 邦彦君
       労働省労働基準
       局長       東村金之助君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  中西 正雄君
       労働省職業安定
       局長       遠藤 政夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    国川 建二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○作業環境測定法案(内閣提出)
○勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、加瀬完君が委員を辞任され、片山甚市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山崎昇君) 作業環境測定法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○小平芳平君 この作業環境測定につきまして、こうした制度を設けるという点については異論がありませんので、特にそうした基本的な問題で反対意見を述べるとか、あるいは政府の態度を究明するというような趣旨ではありません。趣旨ではありませんが、果たしてこういう制度ができた場合にどれだけ労働者にとってプラスになるのか、あるいはこういう制度の運用上企業なり労働者なり職場なり、あるいはすでに同じような測定をしている既存の機関なりにどういう影響が起きてくるかというような点について私は若干質問したい、このように考えております。
 最初にこの労働災害と職業上の健康被害とそれから公害についてです。公害問題は過去私も何年となく現地へ行ったり、また問題提起をしてまいりましたが、大体工場周辺の空気があるいは水質が汚濁して環境を汚染するという、そういうところから公害問題が全国的に発生した、問題提起されたという点から考えると、工場内はもっとひどいじゃないか、常識的に考えて。工場内はもっとひどいじゃないかというところから、御承知のようにPCBその他のあるいは粉じん等の環境汚染が問題になるところでは、そこに働いている人たちの健康診断を実施すると、過去の退職者も含めて健康診断を実施したというようなケースもたくさんあったわけであります。そうした意味で環境汚染が問題になる以上、工場内の作業環境を、工場に限りませんが、企業内の作業環境の測定をし、労働者の健康を保っていかなくてはならないということは当然のことであると思います。
 それで具体的に私ひとつ衆議院の審議経過を見ますと、第三十五条「秘密保持義務」というのがあります。「作業環境測定機関の役員若しくは職員は、作業環境測定の業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」これに対して、そういうふうに作業環境を測定したと、その測定結果を企業には知らせるけれども労働者には知らせないと、労働者に知らせないならば、先ほどの職業上の健康被害というふうに労働者が訴えてもなかなか職業上と認めてくれない。そこで紛争が起きております。そういう点そのバランスを欠くじゃないか、公平を欠くじゃないか。企業内で作業環境が汚染しているために自分は職業上の健康被害を受けたと訴える労働者がいる。にもかかわらず、その環境測定をしたその結果は企業にだけ知らせる、労働者には知らせられない、公平を欠くではないかということに対して労働省の答弁は、それは安全衛生委員会に知らせるんだからその安全衛生委員会には企業も労働者も両方の代表が出ているんだから公平を欠くことはないと、こういうように答弁しておりますように伺いますが、それでよろしいですか。
#5
○政府委員(東村金之助君) ただいま先生お話しございました中で秘密という問題がございますが、これは測定をする過程でいろいろ工場の技術的な工程とか、そういうものが問題としてあるわけでございまして、測定した数値自身について秘密にするという意味ではございません。したがいましていま御指摘のように、安全衛生委員会等を開いてそれに付議する事項にするように私どもは考えておりますので、労働者の方にも十分わかるように、徹底するようにこのように取り計らっていきたいと思います。
#6
○小平芳平君 そこでこの安全衛生委員会に付議するというふうに取り計らった場合に、安全衛生委員会の設けられていない職場についてはどういうことになりますか。
#7
○政府委員(東村金之助君) 安全衛生委員会というものが設けられていない場合につきましても規定がございまして、労働者の意見を聞くような機会を設けると、何らかの形で設けるというような義務づけがございますので、その中でやはり付議事項という形ではございませんが、同じく労働者の方に知らせるようにというふうに考えております。
#8
○小平芳平君 では、まあ簡単に言えば、測定結果の数値は全部公表すると、こういう趣旨でよろしいですか。
#9
○政府委員(東村金之助君) そのとおりでございます。
#10
○小平芳平君 基本的にですね、私がここで一つお願いしておきたい点は、職業上の健康被害だと訴えている労働者がいるにもかかわらず、それを認めてくれないというような場合、ちょうど公害健康被害者も同じようなケースが多いのですが、むしろ、労働者の方から私の健康被害は職業によるということを証明させるということが非常にむずかしい。むしろ企業の方で、職業に関係ないと言うんだったら、企業の方で職業に関係ないという証明をすれば職業上となりませんが、それをただ労働者にだけ責任を押しつけて、そして、あなたの疾病は業務外だと言って拒否するというようなケースをなくすように努力していただきたい。
#11
○政府委員(東村金之助君) ただいまのお話、労災の業務上の認定だと思いますが、御承知のとおり、労災におきましては、業務と相当因果関係にある場合にはこれは業務上として認定するわけでございます。ただ、これは業務とどういう関係を持つかというのはなかなかむずかしい問題がございます。そこで私どもは一定の認定基準というものを作成いたしまして、業務上・外の認定がスムーズに適切に行われるように考えております。
 なお、ただいま先生がおっしゃいましたのはいわゆる挙証責任の問題だと思いますが、私どもといたしましては、労災補償の業務上・外を認定する場合には、まず労働者からの申し入れといいますか、申請を待つわけでございます。その際に、その労働者のかかった疾病等が業務に起因するかどうかということを労働者の負担において立証させるということは実際上これは酷でございます。非常にむずかしい問題なんです。そこで、いまのように申請を出させる場合には一定の事実関係が、こういうことになりましたということをおっしゃっていただければ、あとは監督署の責任において、それが業務上か否かということを判断すると、こういうたてまえになっております。
 いま公害のお話が出てまいりましたが、公害においても確かに一定の疾病については、一定の条件があればそれは公害病である、こういう認定が下されるということも承知しております。これは労災保険においても特定の疾病、たとえば御承知のとおり、じん肺とか潜函病等については一定の条件があればこれはもう職業病であるというふうに認定するのと類似していると思うわけです。いずれにいたしましても、労働者に立証責任をかぶせるということではございませんで、立証責任という言葉がやや法律的過ぎるかもしれませんが、申請において労働者からこういう事実でこういう疾病になったということを、事実を申し出ていただければ、それは業務上・外については監督署の責任において、もちろん労働者からいろいろ事情は聞きますが、決定すると、こういうふうに考えております。
#12
○小平芳平君 それはそうだと思います。監督署の責任で、あなたがじん肺であるかないかということは監督署の責任で認定するということはそのとおりだと思いますが、私が申し上げている趣旨は、そこに、監督署は業務外だと言っても、いや労働者は業務上だと言って争いが起きる場合がある。しかも、このPCBとかそうした新しい化学物質等によるような場合は、特に労働省自体がはっきりした基準というか、医学自体が、たとえば私が再三指摘した砒素による健康被害のような場合、労働省も医学界も必ずしもまだはっきりしていない面がある。そういう場合に、労働者は職場による被害だと訴えてもなかなか認めてくれないと、そういう場合に、あくまで業務外だと言うのだったら、その労働者は納得できないわけです。そういう場合を言っているんですが、いかがでしょう。
#13
○政府委員(東村金之助君) そういう形の場合も見受けられることは事実でございますが、そういう問題をなくすためには、やはり先生いまもお話ございましたように、医学的に詰めるものは詰める、解明するものは解明した形において業務上・外の認定基準というものをすっきりさせると、そのことによって業務上・外の認定が適切、迅速にできるというふうに考えておりますので、私どもはできるだけ問題のないような形の認定基準をいろいろ考えて、現に改定作業等も進めておる次第でございます。なるべくそういう窓口において問題が起こらないようにせっかく努力してまいりたいと、かように考えております。
#14
○小平芳平君 労働大臣、いま申し上げているような趣旨は、基準局長が答弁されるように、ある基準がありまして、あなたは基準に合うから業務上だ、あなたは基準に合わないから業務外だと言って、そこで少なくとも納得できる基準になり判定ならそれでよろしいわけですが、そういうぐあいにすべてがいっていないわけですね。ですから、私たちのところへ――大臣のところへもそうだと思いますが、来られる方は、その基準に合うから業務上だと認定されてすべて問題ないという人はそんなに大ぜいは来られませんけれども、そうでないケースがあるわけですね。全体としてどのくらいになるかということは私わかりませんけれども、そういう点、行政の運営としまして、もっと医学的に究明するものは早く究明するし、少なくともそういう基準をつくる人は現地を知っていること、あるいは被害者の方を直接知っていることとか、それから被害者が納得できることとかいうふうなことを考えて行政は運営していただきたいという趣旨です。いかがでしょう。
#15
○国務大臣(長谷川峻君) 先生のところにお見えになる方もそういう方があるだろうと思います。いま私たちのところでもそういう方のよく陳情を聞きますが、おっしゃるような形において納得してもらい、そしてまたできるもの、そういうむずかしいことが解明を要する問題がありますので、そうした基準を明確にしながら安心していただくようなかっこうをとりたいと、こう思っております。
#16
○小平芳平君 それから次に、現在ある測定機関です。先回の委員会でも、現在二百六十機関ぐらいですか、あるという答弁がありました。それを二百六十事業所くらいが現在あると、三年後には四百くらいの測定機関を目標にしたいということであったように聞きましたが、こうした現在ある測定機関はそのまま新しいやっぱり試験を受ける、講習を受けるということになるのか、その引き継ぎはどういうふうに行われますか。
#17
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘のように、現在環境測定を業としているものは二百六十ばかりございます。これを四百ばかりに育成していこうというわけでございますが、試験という問題になりますと、それは測定士が試験を受けるわけでございます。そういう試験を受け、講習を受けた測定士がおって、所要の機械が整備されている場合には、それは測定機関としての登録を受けると、かようになるわけでございますので、その測定士を養成することによって四百前後の機関を育てていきたいと、かように考えるわけでございます。
#18
○小平芳平君 ですからその測定士は現在もう何年も測定の業務をやっていた方はこの第十五条ですか、第十五条の三「同等以上の能力」というこれに該当して資格を与えられますかということです。
#19
○政府委員(中西正雄君) 先生御指摘の問題につきましては、法律の一つは十四条の第三項にございまして、「労働省令で定める資格を有する者に対し、――筆記試験又は口述試験の全部又は一部を免除することができる。」ということでございまして、他の法令によって資格を有する者は、この規定によりまして調整を図りたい、図る予定にいたしております。
 それから十五条の方は「受験資格」でございまして、これもそれぞれ調整を図ることといたしております。
#20
○小平芳平君 私、間違いました。十四条の3ですね。ですから十四条の3で、「筆記試験又は口述試験の全部又は一部を免除」されるという人は、どういう人が予想されますか。
#21
○政府委員(中西正雄君) たとえば医師、薬剤師、あるいは計量士。それから臨床検査技師とかあるいは衛生検査技師等でございます。
#22
○小平芳平君 その臨床検査技師、衛生検査技師も試験は免除になりますか。
#23
○政府委員(中西正雄君) 今後検討いたしまして、調整を図りたいと考えております。
 どのように調整を図るかは今後の問題として考えておりますけれども、一部の人については講習だけで資格を与える。一部の人には試験の一部の免除、大部分の試験の免除になると思いますけれども、今後、検討し詰めたいと考えておるわけであります。
#24
○小平芳平君 この臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律により、三ないし四年の教育を受け、国家試験に合格し、作業環境測定法第四条の測定をすでに実施しているという、こういう条件にかなっている人は試験が免除になるということでよろしいですか。
#25
○政府委員(中西正雄君) 先生おっしゃるような方向で調整を図りたいと考えております。
#26
○小平芳平君 それからついでにこの労働大臣が認める、これは十五条に関係してですが、労働大臣が認める学校の中に衛生学科四年、または臨床検査技師学校も加えてほしいと、この点についてはいかがですか。
#27
○政府委員(中西正雄君) 先生いま御指摘の点につきましては、それぞれの学校の学科の内容等十分検討いたしまして、その結果で決めたいと思っております。
#28
○小平芳平君 ということは、この衛生学科四年、または臨床検査技師学校というものの中身がわからないからという意味ですか。中身さえわかれば決められるということですか。あるいはこういう条件なら決めますというふうに、いまこの法案の審議は、きょうでもう終わりの予定でもありますので、この点できるだけ明らかにしていただきたいと思います。
#29
○政府委員(中西正雄君) 十分学科の中身等の検討が進んでおりませんので、ここではっきり具体的にどう調整するかということを申し上げることができないわけでございまして、十分検討いたしまして、御趣旨に沿って調整を図りたいと考えております。
#30
○小平芳平君 それから次に、同法第五条の関係で、臨床検査技師で十年以上経験してきた者を含めてほしいという、これについてはいかがですか。
#31
○政府委員(中西正雄君) 第五条の「同等以上の能力を有すると認められる者」といたしましては、いわゆる学識経験者を一応考えておりますので、先生おっしゃる方がそういう人に該当するかどうか、これは個々に審査することになると思います。
#32
○小平芳平君 ということは経験十年ということだけではだめだということですね。
#33
○政府委員(中西正雄君) 具体的にその経験の中身等も審査しなければならないと存じます。
#34
○小平芳平君 十分こうした方は、むしろ厚生省に関連しての制度だと思いますので、労働省の方では、そういう実態を把握しておられなかったということが、いまの部長さんの答弁の御趣旨のように伺いますが、しかし、この法案を国会へ提出し、成立を図るという点ではやはりもう少しその点はっきりさせなくちゃならないんじゃないでしょうか。
#35
○政府委員(中西正雄君) 具体的にまだ十分詰めが済んでおりませんわけでございまして、今後十分詰めたいと思います。
#36
○小平芳平君 局長なり大臣ですね、十分詰めないでこの法案がもし成立したらどうされますか、十分詰めないうちに。
#37
○政府委員(東村金之助君) 法案は法案として詰めるべきものは詰めたつもりでございますが、省令とか次の規則等の段階において詰めるべきものがいろいろございます。そういう中にいまのようなお話も出てくるというふうにわれわれ承知しておりますので、今後とも十分そういう調整の問題、詰めの問題は図っていきたいと、かように考えている次第でございます。
#38
○小平芳平君 それでは先ほど来、私の述べる趣旨を尊重してというか、その趣旨に沿うように検討するという趣旨でよろしゅうございますね。
#39
○国務大臣(長谷川峻君) こういう新しい法律、しかもいま職業病などが出ているときに、やはり環境が一番大事でございますから、労働者を守る立場において出した法律、その御審議いただきます間にいろんな御指摘されたものなどを十分胸の中に入れまして、政令その他施行規則等々については、関係各省とも私たちの気持ちを体しながら、御注意に従ってやっていきたいと、こう思っています。
#40
○小平芳平君 それから、これは現在の測定機関の実情というものを見せていただきましたが、また御意見を伺いましたが、それについて私は次のような疑問があるのです。それは第一に、この測定士は測定をするだけで、現に労働者がこのままでは健康被害が生ずるおそれがあるということがわかっていても、測定するだけであとは企業なり労働者に任せると、処置は任せるということだけですか。現在ある機関の方の意見としてはそれじゃ余り意味がないんだ、実際には測定をした、同時に健康診断もやったと、そして、あなたの職場はここをこういうふうに改善するのが必要だとか、あるいはこういうふうに改善することによって環境がよくなるということを述べることが大変大事だという意見を述べておられましたが、その点についてはいかがですか。
#41
○政府委員(東村金之助君) この法案におきましては、やはり測定ということを中心にいたしまして、測定の的確性という、正確に測定を行うということを第一に考えております。したがいまして、その測定の結果に基づいてその職場をどう改善するかということは、先生御指摘のとおり事業主の責任ということにたてまえはなっておるわけでございます。しかしながら、せっかく環境を測定し、それについて問題を持っておるという場合にはやはりこのような資格を得た方々でございまするので、そういう能力を持っている方も多いと思います。そういう方がその測定した結果に基づいて事業場の、作業場の改善について助言をするということは非常に望ましいことであり、またそういうことはできると思います。われわれはそういう改善を助言することは有益であると思いますので期待いたしますが、法のたてまえとしてはそこまで規制しているわけではございません。いずれにいたしましても、監督官あるいは専門官等が事業場を監督指導する際にはこれがまた一つの有益なデータになる、かように考えている次第でございます。
#42
○小平芳平君 望ましいことであるということで了解いたします。
 次に、料金はどのようにして決めますか。料金は将来過当競争になるというおそれの方が強いではないかと思いますが、いかがですか。
#43
○政府委員(東村金之助君) 先ほどお話ございましたように、現在二百六十程度その下地があるわけでございますが、それを四百程度まで育成していきたい、当面はこういう目標でやっていくつもりでございますが、いまのお話のように、料金の問題あるいは過当競争といいますか、せっかく測定をしても質が劣るようなことになっては大変なことでございます。
 そこで料金につきましては、実はいろいろ具体的な形で料金を決めていくわけでございますが、いずれにいたしましても、業務規定というものの中に料金を記載することにさせまして、その設定または変更に際しまして労働大臣または都道府県労働基準局長がこれをチェックいたしまして適正な料金水準が保てるようにと、かように考えるわけでございます。
 一方、過当競争の問題は、そういう適正な料金を設定すると同時に、やはり労働大臣なり地方の労働基準局長といたしましてはいろいろ監督をしていかなければならない。労働大臣の定める作業環境測定基準に従ってその環境測定が行われたかどうか、さらには、その測定結果を記録保存させておいて監督官等が立入検査してそれをチェックするというようなことも考えなきゃいかぬ。もし虚偽の結果を表示したようなときにはその登録を取り消すというところまで厳しく規制をいたしまして、過当競争等の結果、質が、作業測定の質が落ちるようなことのないようにきちっとした監督指導をやってまいりたい、かように考える次第でございます。
#44
○小平芳平君 次に、これも将来の問題ですが、記録しておかなくてはならないということは、安全衛生法六十五条によって測定の結果を記録しておかなくてはならないということになるということでよろしゅうございますか。それが一つ。
 それから、測定を実施し、それを記録しておかなくてはならない、それを監督官が検査するということで、この点についてもずいぶん衆議院で、わずかの監督官で十年に一遍くらい回っていくようなことでほお話にならないではないかということで問題提起をされておりますが、大体この測定の実施と監督官の検査はどのくらいの期間に一回とか、あるいはどのくらいの期間に何回というふうに想定できますか。
#45
○政府委員(東村金之助君) 記録の問題は先生御指摘のとおり安衛法六十五条でございます。
 それから監督官が監督をする問題でございますが、御指摘のように監督官の監督を実施した事業場の数と全体の適用事業場との割合といいますと一割前後ということで、十年に一回ではないかというような問題が出てまいります。私どももこの監督官の増員の問題、体制の問題大いにこれからもがんばらなければいかぬと思いますが、ただ、ここにいま問題になっておりますような作業場、事業場は、特別に職業病の問題とかあるいは危険有害性のある職場を持っている事業場等は特に濃密に監督をいたしまして、いま申し上げましたような平均数値よりはかなり濃密に監督を現に実施しております。しかも今度はこういう一つの正確に記録されるようなデータがありますので、その監督も効率的に行われるということが考えられるわけでございます。ただ、年に何回ぐらいとか、どういう周期で立入検査を行うかというのは、その業種なり作業場についての従来の監督歴なりいろいろ条件がございますので一概には申し上げられませんが、繰り返して申し上げますと、他の一般事業場よりは濃密な監督を行っていきたいと、かように考えております。
#46
○政府委員(中西正雄君) ただいまの作業環境測定の回数でございますが、これにつきましては作業の態様とかあるいは測定対象物の性質等によりましてそれぞれ年に二回とかあるいは毎月というふうに決められております。たとえば、鉛作業とかあるいは放射性物質を扱うような作業場では毎月やらなければならない。それから特定化学物質等につきましては半年に一回というふうに決められております。
#47
○小平芳平君 それでは、これもまた将来の問題ですが、「試験に合格し、かつ、――講習を修了した者」ということになるわけですが、第五条ですか。この試験がどういう個所で行われるか、全部東京へ呼んで試験が行われるのか、あるいはもっと範囲を決めて行われる予定か、それから講習の場合も会場数はどのくらい持つ予定か、それからまた、日数はどのくらい必要か、それによって非常に試験を受け、講習を受けに行くということが大変な人が出てくると思うんです。いかがですか。
#48
○政府委員(東村金之助君) ただいま試験の問題、講習の問題お尋ねがあったわけでございますが、試験を実施する地は別に東京というふうに限ることを考えておりません。当面は、各地方の中心都市といいますか、ブロック単位の中心都市といいますか、そういうところを考えております。これも一回当たりの受験者の数など、どうなるかということを勘案した上でございますが……。それから講習につきましては、作業環境測定士の各区分ごとに――一種、二種とございますので、区分ごとに、デザインとか、サンプリング及び分析の実際について一週間程度行うことを考えておりますが、これもまた受講者の便宜を図りまして、一応ブロック単位で実施できるような体制に持っていきたいと、かように考えております。
#49
○小平芳平君 いま局長述べられたように、受講者の便宜ということを、要するに現に働いている人がほとんどだと思うんですね、この受講をする人も、試験を受ける人も。ですから、十分便宜を図っていただきたいと思います。
 最後に、これで終わりますが、十種類、十項目の、労働安全衛生法施行令第二十一条ですか、十項目の中から五種類を選び出して、作業環境測定士に測定させようという、こうした法案が作成されてきた経過につきましてお答えいただきたい。この五種類は、特に技術的に困難とか、そうしたことがあろうと思いますが、じゃあ、外された五種類の中にもむずかしいものもあるんじゃないかとも思うんですが、その辺の経過はいかがですか。
#50
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のように、安全衛生法六十五条では、十種類の作業場について作業環境の測定を行わなけりゃならぬと、こう規定しておりまして、その中から五種類を選んで、作業環境測定士により測定をしなけりゃならぬと義務づけられております。これはいま、先生御指摘のように、一つにはこういう作業場の測定を行うには、高度の知識、技術が必要であるということ、それから、その業務に従事する労働者に重篤な健康障害を生ずるおそれがあるということ、まあ大きくこの二つを基準として考えたわけでございまして、具体的には作業環境測定制度専門委員会という会を設置いたしまして、その専門的な検討の結果に基づいて、このような選定をすることになったという経過でございます。
#51
○小平芳平君 終わります。
#52
○星野力君 本法案第二条三の政令内容として、粉じんを著しく発散する作業場、放射性物質を取り扱う作業場など、五つの作業場を選定することになっておりますが、それらはいずれも危険、有害な作業場であります。本法の実施によって、それら作業場の有害性の除去、労働者の健康保持にどのような効果が期待できるのか、簡潔でよろしゅうございますから、そこからお答え願いたいと思います。
#53
○政府委員(中西正雄君) 労働者の健康障害を防止するためには、何と言いましても作業環境を改善する必要がございます。その作業環境を改善するためには、作業環境の現状がどうなっているかということが、まず、必要でございます。明らかにすることが必要でございますので、そういう点で、この測定を正確に行うということがその基礎になろうかと思うわけでございます。
#54
○星野力君 労働安全、労働災害の防止には、職場の労働者、その組織である労働組合、まあ組合のないところもありますが、労働組合がある限り、その協力を得ることが実効を上げる上からも重要だと思うんであります。先ほど来、測定士の測定結果が労使からなる安全衛生委員会に報告されるから、それで十分だというふうな御趣旨の御発言がございますが、なかなか、そんな簡単なものではないと思うんであります。職場の労働者の協力、労働組合の協力を得るということについては、本法の実施に当たって、特に配慮していかなきゃならぬ、もういろいろの方がお聞きになりましたから、この点は私は要望だけいたしまして、後で大臣、御意見、お答えがあるならお聞きいたします。
 心配いたしますのは、本法の実施によって、五つの作業場については測定士任せというようなことになって、労働省自体の監督が手抜きされるようなことになりはしないかという点であります。その点、労働省としてどのような監督体制を考えておられるか、お伺いしておきます。
#55
○政府委員(中西正雄君) 現在、健康障害防止を行政の重点としまして、監督、指導を強化しているわけでございますが、その監督の際に、この測定の結果の記録、これは事業場に記録を残すように、記録を備えつけるように義務づけておりますので、この記録を監督官がチェックをすると、そうして監督官がその現場を見た実態、場合によっては監督官みずから測定するということもやるわけでございますが、それと記録とを照合してみるということによって、そのいいかげんな測定値がそのままになるというようなことのないように、十分配慮いたしたいと存じます。
 なお、監督官、あるいは安全衛生専門官のこれら測定能力の向上のための研修とか、あるいは測定機器の整備等につきましては、極力、今後とも配慮していきたいと考えております。
#56
○星野力君 労働基準局の「労働災害防止のための測定機器に関する予算措置状況」「測定機器整備状況」、これについて資料をいただいておりますが、まことに貧弱であります。この資料は他の委員会でわが党の議員が要求していただいた資料でありますが、それを見ますと、労働災害防止のための測定機器の予算というものは、四十七年が六千五百万円弱、四十八年度が七千五百五十万円、四十九年度が九千三百万円、年々少しずつ上がっておるようでありますが、金額としては上がっておるわけでありますが、単価の値上がりを考えると、これはほぼ横ばいという状況だと思います。金額の点だけを申すんじゃないんです。大阪労働基準局管内で見ますと、管下の監督署に一応行き渡っておるものとしては、測定器具十六種類のうち、真空式ガス検知器だけでありまして、それから検定検査用器具十五種類のうち、テストハンマーと巻尺だけです。装備品十一品目のうちにはカメラだけとか、こういう状況であります。これでは十分の監督はできないんではないかと思うんですが、この問題についてどういうお考えを持っておられますか。
#57
○政府委員(中西正雄君) 先生御指摘のとおり、現状におきましては、測定機器等の整備不十分だと私ども考えておりまして、今後ともその整備につきましては、十分配慮していきたいと考えております。
#58
○星野力君 出先の署長なども、デジタル粉じん計、簡易騒音計、簡易照度計、これらの機器名を挙げまして、せめてこの程度の器具は欲しい、こう言っておるのですが、労働安全のために作業環境の整備ということをまじめに考えるならば、そうした現場の希望にこたえて必要な予算措置をすべきではないかと思います。大した金ではない。どのくらいの単価かということも若干お聞きしてみましたが、そう大した金額ではないのですから、予算措置に、もう少し気のきいた機器の整備ができるように予算措置を考えていただきたいと思いますが、どうですか。
#59
○政府委員(中西正雄君) その点につきましてはもう先生のおっしゃるとおりでございまして、実は昨年全国の基準局長につきまして、それぞれの管内の産業の実態に応じて当面どれだけの機器が要るかということを改めて調査をさせまして、それを本省で集計をいたしまして、今後計画的に、重点的に整備するように具体的な計画を現在立てて、その実現に努力いたしたいと考えておる次第でございます。
#60
○星野力君 それだけを要望いたしまして先へ進みますが、――さて、労働基準監督局長はおられるのでしょうかな、大臣に答えてもらうわけにもいかないのですが……。
 次の問題ですが、沖繩の米軍の知花弾薬庫、これはいろいろ問題になる弾薬庫でありますが、ここの砲弾検査所における放射能にかかわる作業に、日本人労働者が従事しており、その安全の問題がこの一月以来表面化してきておりますが、それらの日本人労働者がどのような作業に従事してきておるのか、安全についての問題というのはどういうことなのか、日本の法律に照らして問題はないのかあるのか、その辺のことからまずお聞きしたい、こう思っておったのですが、お答えできる人おられますね、簡単な問題ですから……。
#61
○政府委員(中西正雄君) 沖繩の知花弾薬庫の問題につきましては、現地から報告がございますが、先生御指摘のように、いろいろの点で問題があるようでございまして、現地の監督官が監督をいたしまして、違反等については必要な措置をいたしております。
#62
○星野力君 私がお聞きしましたのは、どういう作業に従事しておるのか、それから安全について問題はあるのかないのか、それから日本の法律との関係ではどうなるのか、その三点なのですが。
#63
○政府委員(中西正雄君) 特に今回問題になりましたのは、弾薬のX線検査業務でございまして、その実態を一月の二十三日に沖繩労働基準局所属の監督官が現地に立ち入りまして、現場に立ち入りまして監督をいたしております。その結果、安全衛生法の違反が四件指摘されております。一つは、X線作業主任者を選任していなかったということと。それから管理区域における注意事項の掲示がなかったということ。それから管理区域の線量率の測定を行っていなかった。それからもう一つは、健康診断について一部の労働者に健康診断がされていなかった。この四つでございますが、これにつきましてはそれぞれ勧告等の措置をしまして、健康診断等につきましてはすでに是正を見ております。それからなお、法律の適用につきましては、施設関係につきましては、いろいろまだ検討を要する問題がございますけれども、一般的には労働基準法なりあるいは安全衛生法等が適用されることになっておるわけでございます。
#64
○星野力君 この基地内の砲弾検査所での作業というのは、いま若干御説明がありましたが、強力な放射能で透視して砲弾の亀裂、それから手榴弾の火薬の詰まり方、そんなものをフィルムに納める、こういう作業のように聞いておりますが、それについて、それをめぐって法律違反の事実もあると四点挙げられた。そして勧告を出された。こういうことを申されましたが、勧告はどこに向けてなされたのでしょうか。
#65
○政府委員(中西正雄君) これは沖繩の米陸軍基地司令部民間人人事部長並びに沖繩県知事あてに二月一日に行っております。
#66
○星野力君 勧告内容をもう一度、先ほどの違反について勧告なされたのだろうと思いますが、もう一度その点を、勧告の項目ですね、言っていただきたい。
#67
○政府委員(中西正雄君) 先ほど申し上げました四つの違反を挙げまして、それを改善を図るようにという勧告をいたしたわけでございます。
#68
○星野力君 どういうことか、もう一度その項目を言ってください。
#69
○政府委員(中西正雄君) まず第一は、X線作業主任者の選任がされていない。それから第二は、管理区域内における注意事項の掲示がされていない。それから第三は、管理区域の線量率の測定が行われていない。それから一部の労働者について健康診断が実施をされていない、この四点でございます。
#70
○星野力君 そうするとX線の作業主任、資格を持った者、そういう者を置かなければならぬと、置けと、それから作業環境の測定をやれと、それから特定の作業に従事する者の健康診断を行えと、こういうことですか。
#71
○政府委員(中西正雄君) そのとおりです。
#72
○星野力君 四点というともう一点、いま三点言いました。もう一点は何でしょう。
#73
○政府委員(中西正雄君) 管理区域における注意事項の掲示でございます。
#74
○星野力君 どういうことですか。
#75
○政府委員(中西正雄君) これは管理区域に入る場合には必ずフィルムバッジをつけて入らなければいけないとかというような労働者に対する注意事項を管理区域内に掲示する義務がございますが、それがなされていなかったということでございます。
#76
○星野力君 作業場に自動警報装置をつけろというようなことは含まれておらないのですか。
#77
○政府委員(中西正雄君) 自動警報装置等の設置の義務は課しておりません。
#78
○星野力君 この勧告は米軍に対してやられた、同時に沖繩県に対してやられたのですね。県に対してやられたというのはどういうことなのでしょうか。
#79
○政府委員(中西正雄君) 先生御承知のように、駐留軍労務者につきましては国が雇用するものでございますが、防衛庁設置法の第四十八条によりましてその雇い入れとか給与の支払いとかあるいは福利厚生の実施あるいは解雇等の事務はその大部分を都道府県知事に委任されております。したがいまして、安全衛生法上の事業者の義務の一部を県知事が負うものということで県知事に勧告を出しているわけでございます。
#80
○星野力君 そういう法的根拠に基づいて県にも勧告を出した、同じものを米軍と県とに出しておられるわけだと思いますが、実際問題としてそんなことやって効果あるんでしょうか。県は日本人労働者の法的雇用主ということで勧告の対象にされておるわけでありますが、二十三日に沖繩県労働基準監督局ですか、ここが立ち入り調査をやった場合にも、県は調査に参加することを拒否されておるんですね。オブザーバーということで交渉の末ようやく二名が参加できた。質問することは許されない、ただ見ておるだけという状態であります。県としては昨年九月に今回の例のような特殊健康診断を実施するに当たり、その対象となる業種、人数、氏名、こういうものの報告を米軍当局に要求したんでありますが回答がなかった、ことしになって重ねてそのことを申し入れたらそんな申し出があったかどうかはわからない、あったのかもしれないがだれも知っておらないというにべもない返事、改めて文書でこれは申し入れたというような状況であります。これは、勧告というものの効果はどうなるんですか。勧告が実行されればよろしいが、実行されなかった場合にはどうなるんですか。
#81
○政府委員(中西正雄君) 勧告がされない場合には、その事案によりまして再勧告、ほとんどは重ねて勧告をする、しかし、事案によりましては勧告を実施しない、改善されない場合にはその責任を問うという段階に入る場合もございます。
#82
○星野力君 責任をとるというのは法律に照らして処罰されるということですか。
#83
○政府委員(中西正雄君) 場合によってはそういうときもあるわけでございます。
#84
○星野力君 いま申しましたように、これは米軍の基地内に働いておる日本人労働者、雇用主――形式的な、法的な雇用主であるところの沖繩県がそれら日本人労働者の安全衛生に責任を持とうとしてもそれに対応した態度を米軍はとらない。これでは実際上法的雇用主としての責任を問われる立場にある県が労働者の安全衛生に責任を持てないという、こういう状況ですね。責任を持てない状況にあるものが勧告によってそれを実行する義務を負わされる、実行できない場合には罰金や懲役に処せられる、そういう内容を含んだ処罰を受ける、こういうことになるのはまことに不合理だと思うが、大臣いかがお思いになります。これは日本人労働者の安全衛生に大いにかかわる問題だと思います。
#85
○国務大臣(長谷川峻君) 星野委員にお答えいたします。
 先ほど作業環境の問題ではやはり組合諸君の協力を求めなければならぬというお話がありましたが、これは当然でありまして、その環境で働いておる諸君が勤労者でございます、そういう方々の御協力を求めなければならぬというふうに私は感じております。
 それからただいまのお話でございますが、労働基準局関係、こういうものはどこのものであろうとも働く人間の一番健康の問題でだれでもわかる合理的な話でございます。ことに法律ということでございますからいままでも相協力し合ってやってもらっておりますが、またそういうところに立ち入り検査、そしてまたそういう場所でもこういう違反事項があるということははっきり明示して、そのうち一つか二つでも改善されているという話もございますし、ですから、これは相協力しながらその実行をはかっていくことにはいまから先もやぶさかではありません。そういう態度でやっていきたい、こう思っております。
#86
○星野力君 先ほども申しましたように、申し入れをやっても答えもしない、それから立ち入り調査を求めても認めない、こういう状況ではやってみょうがないと思うんです。だから、監督官庁としましても、県が必要に応じて作業場に立ち入りできるような、そういう条件というものをつくらなければいけない、そういう責任があると思うのですね。労働省の機関には一応立ち入り調査は認める、あとついてこい、それも人数を一人か二人に制限するということじゃなしに当然それらの労働者の安全衛生に責任を負うておるところの雇用主である県が、同じように立ち入って調査できる、そういう条件を政府がつくってやらなければいけないと思うのです。今回の立ち入り調査の拒否について、政府に対しても県から抗議文が来ておると思うのでありますが、いかがですか。
#87
○政府委員(中西正雄君) 実は私直接の担当でないものでございますから、その辺の事情はわかりません、来ているかどうか聞いておりません。
#88
○星野力君 大臣、いまこれは米軍との交渉ということもあると思いますが、そういう状況をつくり出すことについてはやぶさかではない、努力すると、こうおっしゃるのだろうと思いますが、どうですか。
#89
○国務大臣(長谷川峻君) まさにやぶさかじゃありません。あそこの労働基準局長は沖繩の人をわざわざ私の方ではお願いをして、事情のわかる人ですから、この方に任命いたしましてやっていることでありますし、これは働く諸君の、そして相手の国が法律をちゃんと守る国であれば、しっかり言えば、私はやっていただけるものと、またそういう態度でこちらの方も押すものと、こう思っております。
#90
○星野力君 それじゃ乱目して今後の結果を見守ることにいたします。
 ところで、日本国内にあるほかの米軍基地にも弾薬庫はたくさんあるのですね、広島とか、佐世保とか、この辺にもあるだろうと思いますが、そこでも知花と同じような状態になっておるのではないかと思うのでありますが、その辺のことは何かつかんでおられますか。
#91
○政府委員(中西正雄君) 弾薬庫につきましては、国内でも従来何回か問題が起きておりまして、そのつど立ち入りをしまして施設の実情なりあるいは作業の実態等も調べておりまして、いまのところ私ども問題ないと考えているわけでございます。
#92
○星野力君 そういうふうに実際問題が起きましたですがね、それで立ち入り調査もやられたということなら、安全衛生法が適用さるべき米軍基地の作業場、日本人労務者がそこで働いておるということが条件でございますが、その実態をつかんでおられると思うのです。どういう業種のものがあり、作業場の数がどのくらいあるか、日本人労働者がそこでどのくらい働いておるかという資料をお持ちになっておると思うのですが、いまお答えできますか。
#93
○政府委員(中西正雄君) いまは資料を持ち合わせません。各現地の基準局なりあるいは監督署にそれぞれ資料がございます。
#94
○星野力君 私、それをいただいて、さらにこの問題、もう少し、この法案はきょう通るでしょうけれども、調べたいと思っておりますので、資料をちょうだいしたいと思うんですが、委員長、お取り計らい願えますか。
#95
○委員長(山崎昇君) 労働大臣に委員長からも要望しますが、いま星野委員の要望いたしました資料、御提出いただけますか。
#96
○国務大臣(長谷川峻君) 関係機関があろうかと思いますので、いろいろ研究いたしまして、なるべく御趣旨に沿うようにしたいと、こう思っております。
#97
○星野力君 厚生省の方、おられますか。――別の問題ですが、昨年一月の日米安保協議会で返還が合意されました沖繩の米軍北部訓練所、それから安波訓練所の各一部、この問題は国民の、したがって労働者の安全衛生に大いにかかわりある問題だから、この機会にお聞きするのでありますが、それらの米軍基地の一部、そこに福地川のダムを含めまして四つのダムが建設されることになっていたのでありますが、ダム建設の状況が現在どうなっておるか、知っておいでになりましたら御説明願いたい。これは上水道用の水源でもあるわけです。
#98
○説明員(国川建二君) お答えいたします。
 この、福地ダムを含めまして、北部四ダムの事業でございますが、福地ダムにつきましては昨年完成いたしまして湛水を開始しましております。残りの新川、安波川、普久川、この三ダムにつきましては、いずれも建設省の直轄のダムとしまして、鋭意工事に努めておるところでございまして、詳しくは実はきょう資料を持ってきておりませんけれども、ほぼ順調に工事が進んでおるというように承知しております。
#99
○星野力君 ほかの三つのダムの建設の進捗状況がどうなっておって、いつごろからそこの水が使えるようになるかというようなことについては、まだ御存じないわけですか。
#100
○説明員(国川建二君) 新川ダムにつきまして、まず工事に着手しておりまして、本体工事の、本格的な工事に着手するには至っておりませんけれども、まず新川ダムに着手しておる。それからなお、同時に新川ダムと福地ダムとの間の導水路の建設工事に着手いたしております。全体といたしまして、五十五年に完成するということを一応の目標として工期を予定しまして、予算その他、措置をいたしまして進んでおる段階でございます。
#101
○星野力君 これのいわゆる返還に当たって、ダムができたならば、日米地位協定の第二条4項(b)に基づいて米軍との共同使用になるんだということでありました。米軍はこのダムを渡河訓練など何種類かの演習訓練に使うということを要求しておったのでありますが、これはまあ大きな問題になったのでありますが、政府はそれについては飲料用水の水源が汚されないように、その都度チェックするなりあるいはやめてもらうなり、十分対策は講ずるんだということを言っておられた。厚生省水道関係の方としても、これは大いに関心のあることと思いますが、その問題はその後どうなりましたでしょうか。
#102
○説明員(国川建二君) 昨年の予算分科会で先生からこの問題が取り上げられまして、話が出たわけでございまして、福地ダムを含めまして、いずれもその約七割程度の水量が水道用水の原水として使われるわけでございます。そういった意味で水道の立場から申し上げますと、当然ではございますけれども、貯水池等の水源が汚染されることは好ましくないということから、ただいま先生がおっしゃいましたような提供施設の中のいろんな取り決め等につきまして、十分に細目について協議いたすということになっておるわけでございまして、昨年来今日まで事実としてそういう問題は生じていないと承知しております。
 なお、その間につきましては、沖繩県の企業局が水道事業者になっておりますので、この間の協議等がございます際には十分水道の立場からそういったことを確保できるようにいたしたいというように考えております。
 なお、これらのダムにつきましては、一応特定多目的ダムとしての扱いになりますので、ダムの管理者でございます建設省と申しますか、沖繩総合開発局でございますが、そういったダムの事業主体、あるいは管理主体といたしましても、それらの点につきましては、十分配慮していただくよう話を続けております。
#103
○星野力君 まあ、この問題では、建設省、それから防衛施設局ですか、それぞれ関係があるわけでありますが、国民の衛生、健康に一番大きな関心を寄せなければならぬ厚生省の立場をお聞きしたいと思って、きょうはほかの官庁の方お呼びしておらないんでありますが、そういう観点から聞いておるのです。いまのように福地ダムだけは、これはもう完成しておるわけでございますね。そういう状況の中で、ここが実際米軍の乱暴な演習などに使われておらないんだということなら、私結構なんですが、昨日、私沖繩の新聞、この問題調べましてね、知花弾薬庫の問題調べておる中で出てきたのでありますが、どうも福地ダムでもう演習がやられておるんじゃないかという懸念があるわけですが、どうなんですか。情報入っておりませんですか。
#104
○説明員(国川建二君) 聞いておりません。
#105
○星野力君 おかしいですね。これ、二月一日沖繩県水質審議会が県に答申を出しておりますが、その中には、福地川水域、括弧してダムとこうなっておるのですね、が、水域は、米軍が浮橋の建設、応急渡河、水陸両用戦車の訓練など演習をしておる。福地川は県民の飲料用水であり、米軍の演習は即時禁止させるようにと答申しておると、これは私新聞報道で見たんです。現物、まだ見ておらないのです。聞き合わせましたけれども、時間がなくて、私ゆうべおそく旅行から帰ってきたりしましたもので、十分沖繩の方へも確かめられなかったのですが、どうも正式の答申文書の方でも、福地川水域(ダム)での米軍の演習は「本県の最も重要な上水道用水源の水質保持を困難にするので禁止されるべきである」と、こうなっている。現にやっておるかどうかということは、これだけでは確認できないような状況で、私いま質問申し上げておる次第なんですから、これひとつ、早急、調べていただきたいと思うのですね。調べて報告していただきたいと思うのです。これはあのダムの水面そのものでの演習であるのかどうかということもはっきりしないんですから、この周辺の福地川の水を使ってやっておるということも考えられますけれども、福地の水でもって渡河演習、それから浮橋の建設、水陸両用戦車、これは私、できないんじゃないかと思うんで、どうもダムを使っておるんじゃないかという疑いがあるわけでありますから、そうなったら、これは大変――あなた方いろいろ、そんなことはさせないと言っておられた。厚生省だけじゃない、外務省も防衛庁の方も言っておられた。それがいつの間にかやられて、どうも沖繩の県当局もはっきりその辺がつかめてないらしいんですが、これは、至急調べていただきたい。たとえこの福地川ダムそのものでなくても、その周辺の福地川でやっておったにしましても、そんなことを放置しておいたら、今度また平地でダムができても、ここでもって兵隊が飛び込んでやりますよ、あのどろぐつのまま。そうなっては困ると思うのです。これを調べて報告していただきたいということをひとつお願いするんですが、これは労働大臣、自分の所管ではないですけれども、国務大臣ね、ひとつこんなことになっちゃ困ると思うのだ。委員長の方からも、いま調べて報告するということをひとつ取り計らっていただきたいと思うんです。私、もうそれをやってもらえるなら、これで質問を終わります。
#106
○委員長(山崎昇君) いま星野委員から話がありました点は、これはこの委員会での報告にはもう質問終わるまでには間に合わぬと思うのですが、しかるべき委員会で、政府としては調査をして、星野委員に対する答弁をしておいてください。よろしゅうございますね。
#107
○説明員(国川建二君) ダムの、福地ダムの管理は現に沖繩総合開発局で行っておりますので、それら並びに県等にも問い合わせまして、調査いたします。
#108
○委員長(山崎昇君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時から再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十二分開会
#109
○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、作業環境測定法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○柄谷道一君 前々国会で可決された計量法改正による計量証明事業と環境計量士制度及び本法の関連につきましては、すでに石本、浜本両委員からの質問がありましたので、質問をあえて重複することを避けたいと思います。ただ定置観測を主体といたしまして行う公害測定というものと、作業場の実態に応じて行う本作業環境測定というものが相関連するものであることは否定できない事実であろうと思います。こうした視点に立ちまして、相互の機能、これは役所の縄張りというものにこだわることなく、十分緊密な連携をとりまして、相互補完によりましてその実を上げるということが当然とられてしかるべきであると、こう思うわけでございますが、この点に対するお答えをいただきたいと思います。
#111
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘ございましたように、それぞれ持ち腸持ち場は違いますけれど関連する問題でございまするので、ただいま先生御指摘のような形で運営していきたいと、かように考えております。
#112
○柄谷道一君 前回の質問の中で、この作業測定の対象となる事業所は約六万、うち自社測定を行い得る事業所は推定七千事業所程度ではないか、このようにお答えがございました。そうなりますと、自社測定を行い得ない事業所が大半の五万三千事業所見当になるわけでございます。そうした観点から若干のお伺いをしたいわけでございますが、この測定士、約一万名が必要だと答弁をされているわけでございますけれども、第一種及び第二種それぞれこの一万名の内訳というものがどの程度になると推定をされているのかお答えを願いたい。
#113
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のように、一万名程度は必要であるということを申し上げたし、そう考えておりますが、ただ、第一種、第二種別にどのくらいかというのは、現在のところ明確なものはまだつかんでおりません。
#114
○柄谷道一君 これは私は、作業環境の測定ということになりますと、分析・解析を行い得る第一種というものは、なかなか中小企業では抱えることが困難だと思いますけれども、やはり指導監督の厳正ということは当然必要でございますけれども、みずからが測定し、そして分析一解析の機能を持つ機関にその業務のみを委託するという方法がとられることが私は望ましいと、こう思うわけでございます。そういうことになりますと、でき得る限りやはり中小企業においても第二種測定士というものを養成をする、そういうことがこの法律の趣旨を生かす道につながるのではないか、こう思うわけでございますが、労働省として中小企業等に対し積極的な二種測定士養成という視点に立っての指導を行われるものかどうかお伺いをいたします。
#115
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のように中小企業等でも第二種作業環境測定士は置いておいて、自分の職場についての情勢を把握するということは必要でございます。もちろん第二種でございますから、最初から最後まで全部できないわけでございますが、そういうことが必要であるというふうに考えまするので、われわれといたしましても、第二種作業環境測定士の養成、これに力を入れたい、かように考えております。
#116
○柄谷道一君 そういうことになりますと、これは測定機関の負担とも関連する問題でございますけれども、いま各地におきましては、産業によっては構造改善事業として、できる限り水平的ないしは垂直的な事業協同組合組織というものを育成をするということが非常に通産当局の方においては推奨されているわけでございます。私は作業環境測定に当たって経済的な負担というものが余りにも過重になるということにつきましては、かえって法の目的を阻害することになるのではないか。そうしますと、事業協同組合等の事業者団体というものが測定機関というものの資格をみずから持ちまして、各工場に配置されている二種測定士と緊密な連携をとりながらその分析・解析を行う、ないしはその事業者の団体が持っている測定機関が一種二種兼ね備えた機能を発揮する、こういう運営がこれから各所において多くなろうと思うわけでございます。料金、サービス、こういう問題を含めて、いま私の指摘いたしましたような点について労働省当局が積極的な姿勢を示されるお考えをお持ちかどうかをお伺いをいたします。
#117
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のとおりでございまして、やはり中小企業においては、経済的負担というものが大きな問題でございます。そこで、手数料については適正な水準にこれを維持するようにということを御指摘のとおりやらなければいかぬと、それからもう一つ、やはり事業協同組合等が、その団体であると同時に作業環境測定機関の資格を得ることによって中小企業等が利用しやすくする、こういうところにやはり力を入れていかなければいかぬというふうに考えております。
#118
○柄谷道一君 そのような基本姿勢をお持ちであるということになりますと、私は測定、解析のたとえば器具などそれらの事業団体というものが購入するという場合に、やはりこれに対する積極的な助成措置を講ずるということがいま局長のお述べになった見解をより具体的に生かすということにつながっていくのではないか、こう思うわけであります。本年度の予算をながめますとこの種の助成措置というものが全く計上されていないわけでございますけれども、これは大臣ひとつ来年度以降ですね、これらの問題についてもより積極的な予算措置を講ずる大臣のお考えがあるかどうかをお伺いをいたします。
#119
○国務大臣(長谷川峻君) せっかく御審議いただいて御可決いただきましたら、この重要性を国民によく理解してもらうためにおっしゃるような方向で検討してみたいと思います。
#120
○柄谷道一君 私は作業環境測定というものは、やはり目的とするところはその測定された結果というものが各企業の労働安全対策として生かされていく、そこに真のねらいがあると思うわけであります。もちろん厳正な指導監督というものは行わなければなりませんけれども、決して罰則を科すことがその本旨ではないと私は信じます。そういう視点から、具体的に各企業労働者の労働安全対策として生かす道ということを考えますと、次に指摘いたします数点の問題が浮かび上がってくると考えられます。
 その第一は、準備期間中に本法の趣旨と労働安全対策の推進の必要性というものが十分に労使に周知徹底されるということが必要ではないかと、こう思うわけであります。この点に関しましてその教育徹底、啓蒙等について労働省当局として準備期間中どのような処置を講ぜられようとしているのか、お伺いをいたします。
#121
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のように、二年程度の準備期間があるわけでございますので、その間に従来にも増しまして労働衛生対策の推進の必要性についていろいろの措置をとってまいりたいと。たとえば個別指導であるとか、集団指導その他指導監督の実施、広報紙、パンフレットその他の広報手段の活用あるいは講習会、こういうところで労働衛生対策の必要性ないしは今回成立した法案の必要性、重要性、こういうものを普及徹底を進めていきたい。なお、その際労働災害防止団体という機関がございますので、そういう団体をせっかく十分活用していきたいと、かように考えております。
#122
○柄谷道一君 まあ、十分にただいまの答弁が牛かされるように周知徹底、啓蒙について万遺憾なきを期していただきたいと思います。
 そのような準備期間中の啓蒙、周知徹底の活動とあわせまして、本法実施後も特に管理、監督者というものに対する教育というものは必要でございますし、労働者が新しく雇い入れられたりまた職場の転換が行われるという場合には、これに対する労働者教育というものもまた徹底して行わなければならないと思います。
 同時に、これは質問の中で指摘されておったところでございますけれども、測定結果というものがやはり労働組合があればその労働組合、ない場合でもその労働者というものにそれが周知されまして、これに対する適切な措置として労使が協議の上、その解決策を講じていくという運営がこれまた必要であろうと、こう思うわけでございます。念のためにこれらに対する労働省のお考えをお伺いしたいと思います。
#123
○政府委員(東村金之助君) もとよりこの環境測定をやって、その結果を温存しておくだけでは意味がございません。これを快適な職場にするために大いに活用しなきゃいかぬということは当然でございます。そうしてまた、その一つの推進の仕方といたしまして関係労働者にそれを周知させる、あるいはその意味を教えてやるというような教育的な意味も含めまして、この結果を運用していくということが必要だと考えるわけでございます。
#124
○柄谷道一君 いま私は主として教育啓蒙の面を主張したのでございますが、第二に必要なことは、測定結果によりましてやはり作業環境そのものを改善するために設備改善を行わなければならないという問題が間々これから出てこようと思うわけでございます。これに対してはやはり国の適切な援助措置というものがなければ、単に違反者をつくるだけで一向にこの測定結果というものの矛盾を是正をして環境というものを改善する措置が講ぜられないということになってはね返ってくるのではなかろうかと、こう思うわけであります。このような設備改善に要する多額の資金に対して、労働省はどのような対策を用意されているのか、その措置についてお伺いをいたしたいと思います。
#125
○政府委員(東村金之助君) まあ、測定の結果、職場環境の改善が必要であるという場合もございますし、あるいは環境測定とは別の観点からやはり職場環境を改善する必要があると、当然お金がかかります。そこで、特に中小企業につきまして資金の面でむずかしい問題がありまするので、労働基準局長――まあ都道府県労働基準局長でございますが、安全衛生の改善計画の作成を命ずるという措置を前提といたしまして、国が労働安全衛生融資制度という制度により長期低利の資金を提供することにしております。なお、五十年度におきましてはその総融資貸し付け枠として八十二億円を予定しています。これは前年度より三七%増ということに相なっております。こういう融資制度を大いに活用していただきたいと、かように考えております。
#126
○柄谷道一君 私は、それだけの措置ではこれから問題を残すということになるんではないかという点を特に大臣に指摘しておきたいところであります。たとえばこれは一例を挙げますと、塩ビの問題がございます。これは昭和四十四年の第十六回国際労働衛生会議で、塩ビの発がん性毒性による肝腫瘍という問題が問題提起をされました。ところが、わが国の塩ビモノマー製造会社は十八社二十工場ございます。塩ビポリマー製造会社は十九社三十工場わが国に存在しているわけでございます。特に、この五十工場の中で発がんの危険性の多い塩ビ重合作業を持っている工場が十二工場あるわけでございまして、その作業従事者は塩ビ協会の調査によりまして約千五十名程度と発表されているわけでございます。そして、この種の国際会議で問題が指摘されました以降、その職場環境の改善、安全衛生ということが問題になりました。私の聞くところによりますと、それらの設備改善に必要とする資金は合わせて三百六十五億円ということが必要であることが指摘されております。中小企業にただいま局長が指摘されましたような措置のあることは知っておりますけれども、これは中小企業というものに限定されておりますことと、その限度額も五十年度から八千万円というのが限度額であるというふうに聞いておるわけでございます。そうしますと、確かに中小企業に対して特段の配慮をすることはこれは当然厚く行わなければならないわけでございますけれども、現在の融資制度だけでは措置できない問題というものがいま現に塩ビには起こっており、そして今後もこの種の問題が起こることは絶無だとは言い得ないと思うわけでございます。現在これらにつきましては開銀に融資申請を行っているようでございますけれども、私は本法の趣旨を労働大臣が本当に生かすということであるとするならば、この種の融資につきましては労働省としてもより積極的な助言、発言というものを金融機関に対して行うことにより、この目的である労働者の安全衛生という趣旨を生かすべきだと思考するのであります。これらの問題に対する大臣の今後の所信というものをお伺いをいたしたい。
#127
○政府委員(東村金之助君) その前に一言申し上げますと、現在、ただいま申し上げました融資は中小企業を中心にしてやっているわけでございますが、この場合でも一定の要件を限って、労働者数千人までのものについて融資の対象にしているわけでございます。もとより、いまのお話、必ずしも一千人ということでなくて、もっと大きなところもいろいろあると思います。で、現在の融資におきましても、中小企業がかなりこれを活用しておりますので、どうしても中小企業中心にならざるを得ない。そこで、ただいま御指摘のように、それ以上の大企業についてどうかという問題でございますが、確かに大企業では自力でそういうことをやっていただきたいわけでございますが、なかなかそうも言えないと、しかも影響する関係労働者が多いということになりますと問題がございまするので、これらにつきましては労働安全融資ということはもとよりでございますが、他の融資制度も含めまして今後どうしたものだろうかということを検討してまいりたい、かように考えております。
#128
○国務大臣(長谷川峻君) 従来、局長から答弁しましたように、中小企業中心にやっておりますが、非常な影響があってどうにもならぬという場合には、いまの局長の答え、まあ最近非常に大企業に融資やら何やらすると大企業向けだと言われるようなことなども従来ありまして、その辺がちょっとひっかかったりなんかするんですけれども、私はやはり緊急の問題については、大企業ということにこだわらずにお手伝い申し上げなきゃならぬという姿勢は持っております。
#129
○柄谷道一君 私の説明は、大企業そのものを重く見ろとか、そういう趣旨ではないわけでございます。確かに大企業は自己で調達し得る資金の範囲というのは、これは大企業は責任を持って調達すべきであろうと思いますけれども、いま事例を挙げましたように、三百六十五億ということになりますと、塩ビ関係の会社を見ますと、そう超大企業ではないんですね。いわゆる中堅企業に若干毛の生えたところのような会社が多いわけでございます。しかも、これだけの膨大な資金量を調達するということになりますと、これはもう労使が話し合いをした上、人命は何よりもとうといということで、これに対する融資の手続がとられた。当然これは、測定の結果危険であるということになれば、私は中小企業に限定せず、広く労働者の安全衛生を確保するために労働大臣がやはり側面的な力を添えられるということは当然あってしかるべき問題ではないか。ただいまの質問に対する答弁の趣旨をよろしく実行に移されるように、重ねてお伺いをいたしたいと思います。
#130
○国務大臣(長谷川峻君) 私の方は、働く勤労者を大事にするというたてまえをとらなきゃなりません。そういうことですから、いま先生のお話しされたことを検討して前向きに勉強してみたい、こう思っております。
#131
○柄谷道一君 その点をよろしくお願いをしまして、次に問題を進めたいと思います。
 これから、その有害物の濃度基準なりあらゆる基準がこれから設定されていくわけでございます。この点に対しては過般の質問でたしかお答えになったと思いますけれども、審議会に諮ってその基準を定める、こういう手続をとると再確認してよろしゅうございますか。
#132
○政府委員(東村金之助君) 御指摘のとおりでございます。
#133
○柄谷道一君 その場合に、おおむね学界においても定説があり、また国際的にもほぼその基準というものが普遍化しているという場合もございます。しかし、場合によりましては、学説的にも、また国際基準においても非常に区々な状態にあるということもまたあり得ると思うわけでございます。たとえば、いま私が融資のところで問題指摘いたしました塩ビの場合によりますと、国際的基準そのものもアメリカ、ヨーロッパでは許容濃度において認識の差がございます。同時に、その対象範囲という点につきましても、第一次加工段階までを含めるかどうかということにつきまして、ある者は、加工段階において生ずる塩化ビニリデンというようなところは、これは当然その対策の中に含めてしかるべきであるという意見もあれば、これはモノマー、ポリマーの製造段階に限っていいのではないか、こういう対象範囲においても見解の相違が現に存在しているわけでございます。この種の問題について私は少なくとも労使の意見がこれに十分に反映するような措置というものがとられなければ、相互に理解不十分のままその基準というものがたとえ形式的に設定されましても、労使協力してこの基準を守ろうという体制は生まれてこない、こう考えるわけでございます。その点に対してきめの細かな配慮が私は当然担当省としてとられるべきだと思いますけれども、大臣の所見をお伺いをいたしたい。
#134
○政府委員(東村金之助君) ただいまの御説ございましたが、有害物の濃度基準の策定に際しましては、ただいまのお話のように、専門家会議を設置しまして、その有害物について国内はもちろん外国の文献、発生事例等、検討を加えて諮問するわけでございます。ただ、御説にございますような、塩ビのように各国の規制が異なったり、学界における定説がまだ確立されてないというような、特に問題が大きいといいますか、特殊な問題については御説のとおり、政・労・使と申しますか、そういう関係の方にお集まり願って、三者で検討する場を設けることは、これは効果的であるし、適当じゃないかと、かように考えます。
#135
○柄谷道一君 ただいまの答弁の中で、特に問題が大きい特殊な場合と、こういう答弁がされたわけでございますけれども、私は問題によってはその適用される労働者の数が非常に多いという、その量において非常に重要な問題がございます。また反面、対象者数はそう多くはないけれども、たとえばいまの発がん性の有毒性を持つ危険があるという、そういう種のものについては、質的に非常に問題にすべきところがあるというケースもあり得るわけであります。何が特に必要であるという基準になるかというのは、これは非常にむずかしい問題でございますが、私としては少なくとも当該産業の労働組合というものから、ある場合は質において、ある場合は量において、これは労働省も入った労使会議という場においてやはり意思の疎通を図る必要があると、こういう問題指摘を受けた場合は、やはり労働省は謙虚にその提言というものを受け入れて、そういう運営を図っていくことが至当ではないか。私は、三木総理大臣も対話の時代だと、こう書っておられますし、長谷川労働大臣もたびたび労働組合の参加というものの重要性を強調されているわけでございます。その趣旨からして、大臣、そのような当然運営が今後なされるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#136
○国務大臣(長谷川峻君) 何でも政・労・使――私はよくこのごろコンサート方式ということを言っております。これはもうピアノ、バイオリン、クラリネット、みんな調子を合わせていかぬとハーモニーがとれない。そういうことからしまして、意見の交換が行われるということは非常にいいことだと、原則的にはそう思っております。問題は、こういう非常に技術的な学問的なことになりますというと、そういう場合もございましょうし、まあ大体先生のおっしゃるような気持ちで一般的に対処してまいりたい、こう思っております。
#137
○柄谷道一君 私は塩ビを一つの事例としながら質問をしているわけでございまして、それ以外の業種にもこの種の問題が発生することがあろうと思いますので、いま大臣の御答弁された趣旨に沿って、これまた温かい、そしてきめの細かな基準設定に対する配慮、そして、労使が完全にその基準というものについて相互理解を得た上でお互いに労働者の安全衛生のための万全の対策を講ずる、こういうひとつシステムづくりといいますか、体制づくりを行うために大臣としてもせっかくの今後御努力を願いたいと思うわけであります。
 次に、たとえば塩ビに関しまして一九七四年にILOの国際労働総会において「発ガン性物質二起因スル職業病ノ防止ト制御二関スル協定」というのが採択されております。この基準設定に当たっては、たとえばこうしたILO勧告というものはわが国における基準策定の中で当然配慮されるべきものと理解するのでございますが、その点は間違いございませんか。
#138
○政府委員(中西正雄君) そのように配慮していきたいと思っております。
#139
○柄谷道一君 これとあわせまして、たとえば国内的にも厚生省の中央薬事審議会副作用調査会というような厚生省ベースにおける審議会というのも数多く持たれているわけでございます。そうした審議会の審議過程の中でこれらの作業環境の測定と密接不可分の関連を持つ審議が行われ、答申が行われるということも私はこれからあると思います。そういう場合は当然この厚生行政と十分に連動した基準策定というものが今後行われると、こう理解するのでありますけれども、この点も間違いはございませんか。
#140
○政府委員(中西正雄君) 御指摘のとおり、それぞれの内容につきまして十分それを尊重し、参考にさせていただくと、また関係機関相互に連絡をとって処理をしたいと考えております。
#141
○柄谷道一君 私は議事進行に協力する意味においていままでの質問で終わりたいと思うわけでございますけれども、私の述べました趣旨は、あくまでも法案をつくればそれで事足れりというものではない、特にこの法案が提案されました趣旨は、私が質問の中で申しましたように、いかにして労働者の安全衛生というものを確保するかということが大目的でございます。したがって、これを生かしていくためには、私の指摘いたしましたような教育、啓蒙に関するきめ細かな配慮というものが当然なされるべきでありますし、またその費用というものを適正な水準に押えるための中小企業・共同事業というものに対する配慮も必要でございますし、基準の決め方に対する労使の理解を得るという体制づくりも必要である、と同時に設備改善というものについて、やはりそれを裏づける政府の助成、援助というものがなければならない、そうしたもろもろの問題点というものがこれに付随してまいりませんと、私はヤマブキではございませんが、実が実らないという結果に終わることをおそれるのであります。ただいまの答弁はおおむね私の誤解を解く御答弁であったと思うわけでございますが、最後に重ねて大臣、この趣旨を生かすために労働大臣としての今後の基本的な所見というものを再度お伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#142
○国務大臣(長谷川峻君) 安全衛生法がありまして、勤労者の安全ということを願っているわけでありますが、さらにこれを技術的に科学的に裏づけるというところに、この作業環境測定士――こういう法案を御審議願っているわけであります。私はやはり職場に働く諸君のPRということは非常に大事だ、たとえば健康、保健ということをやらなきゃならぬといっても、なかなかやらないで自分の体を壊すというふうなことがありますから、PRほど大事なものはない、こう思っているわけでありまして、御趣旨の、激励もされましたそういうことを胸に体しながら、この法案が通過後、いろんな意味において勤労者のためになるような方向に万全の努力をしてまいりたい、こう思います。
#143
○柄谷道一君 最後に一つ。
 非常に心強い答弁をいただいたわけでございますが、今後も私、法案が通りましたあともいろいろ問題点を発見したような場合は積極的に労働省に対して具体的事例をもってその充実のための意見を具申する所存でございますので、その節はまたその趣旨に沿って善処されることを強く求めて質問を終わります。
#144
○片山甚市君 本法に関する質問の前に二、三のことについて大臣に所見を伺いたいと思います。
 先日発表されました一月現在の失業率によれば、沖繩県は五・二%ということで、著しく高い状況であります。同地域に対して雇用保険法にいう広域延長給付を実施すべきだと思いますが、いまどういうようにお考えでしょうか、特に長野県を例にとってみても、ことしの一月に四・七%、二月には五%を超えているというように、特に伊那谷を中心としていわゆる不況のあらしがあるのでありますが、それはどういうことになっていますか、まずお答えいただきたい。
#145
○国務大臣(長谷川峻君) 沖繩の場合はまさに産業振興が大事なことでございます。そして内地よりは失業率が高いというふうなことを心配しているんですが、就職もなかなか困難でございますので、私の方では離職者の再就職に当たりましては、県内にいままではなかなか来れないような状況でございましたが、ようやく話し合いが組合の諸君ともつきまして、昨年のたしか十月ぐらいから本土の方の就職も可能になりまして、労働省はそういう本土に来る離職者、こういう方々には、私の記憶に間違いなければ旅費から宿食費から、そういうものを出して本土の方に就職を積極的にあっせんする体制が整っております。そういうことでありまして、広域延長給付の措置も行ってもおりますし、雇用保険が四月一日から施行されましてからは引き続きこの措置を実施してまいりたい、こういうふうにできるだけのことをひとつやってみよう、こう思っております。
#146
○片山甚市君 大臣から沖繩について特に御配慮いただいたことについて感謝しますが、地域的な雇用改善事業をいわゆる雇用保険法で定めましたために沖繩ではやはり干天の慈雨というか、具体的にこの雇用保険法がどれだけ役に立つのかという実効を上げていただきたい。具体的な案がございましたらおっしゃってください。
#147
○政府委員(遠藤政夫君) 私どもは、沖繩の失業情勢が本土に比べまして非常に情勢が悪化している、深刻であるということも十分承知いたしております。したがいまして、これ以上失業を出さないようにするということのために、雇用保険法によります雇用調整制度も十分活用してまいります。そのために先般来業種指定にいたしましても、主として中小零細企業を対象とした業種を重点的に指定をいたしたわけでございます。それでなおかつ今後失業者が累積をしてまいるとも考えられますので、こういった点につきましては、四月一日から全面的に施行されます雇用保険法の給付延長その他の措置、あるいは中高年齢者、就職困難な人たちに対するきめ細かな助成措置、こういったものをフルに活用してまいりたい、かように考えております。
#148
○片山甚市君 わかりました。
 そこで、たとえば七十四国会で大臣の熱意によってつくられました雇用保険法のことでございますけれども、法をつくったのは結構でございますが、実効の上がるように運用、指導をされていかなきゃならぬと思うんですが、私が知る限りでは若干疑問があります。たとえば、先般のその雇用保険法の実施について雇用調整給付金のことも含め各地で中小企業向けの説明会などようやく二月中旬以降になって開かれているというような実態があります。特に協会を通じたり、経営者団体を通じたり、事務組合に対して年度の公開のときに説明をしたりということになっておって、個別の企業には、これら中小企業についてはこのことについてわかっておらない。それでは、大企業はよいけれども、中小企業に対するPR、指導というのは全く一月の間は十分でなかったんじゃないか、十二月に急いでつくったと言う以上、一月には中小企業がすんなりとそれが適用できるようにPRされたのかどうか、そのあたりについてお伺いいたします。
#149
○政府委員(遠藤政夫君) 昨年の十二月の二十五日に法律が成立いたしまして、一月一日から実施いたしますための基準の設定等、年内、昨年の暮れまでに準備を終わりまして、それから具体的に雇用調整給付金制度の業種指定等の手続につきまして一月の中旬ごろでございましたか、第一次の指定をやったわけでございます。で、その間このPR、一般の中小零細企業にまで周知徹底させるということが前提条件として必要でございますので、いままで官公庁のこういった制度の発足に当たりましては全く異例の措置でございましたけれども、全国紙数紙にわたりましてこの雇用保険法の趣旨を説明するために一ぺ−ジ大の広告を出しております。と同時に、二月中旬という御指摘でございますけれども、一月下旬から二月にかけまして一般中小零細企業を含めた企業側、あるいは労働団体等に対しまして、この雇用保険法の内容説明の会合をしばしば数次にわたって持っております。決して年度更新の際にやるということではございませんで、もうすでに各現地安定所、県等を通じましてこういった周知徹底のための集会、説明会等を開いてきておるわけでございます。
#150
○片山甚市君 いま御説明ございましたが、実態はやはり団体を通じたりということで個々のいわゆる適用事業所に対する説明と、こういう形になっておらないと私は考えます。親切にやるのであればやはり小さい企業がよくわかってですね、大体に親企業は自分の系類をとっておる業種に対して自分の所属するところについては懇切に子会社には説明しておるようであります。それを外れておるところでは十分でない。これはそんなことはないとおっしゃるかもわかりませんが、われわれが関係をしておる団体と話をしてみても、やはりそういう点で不十分だと思いますね。
 そこで、四月一日を目前にしている五人以下の保険制度を生かすために事務組合の助成による体制づくりがやはり欠かせないということで県やあるいは基準局では言っておるんですが、全面適用を今年度はどのくらいやるつもりですか。大体労働省の方ではことしは二〇%程度、七十万人のうち二〇%程度見込むような言い方だったかと存じますけれども、それをひとつお聞きすると同時に、さらに事務組合とよく話をして、この制度が充実をするように願うんですが、いかがでしょう。
#151
○政府委員(遠藤政夫君) 団体を通じてやっているんで個別企業はおろそかになってんじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、決してそうではございませんで、都道府県、各安定所でこの現在の失業保険の適用を受けております事業所につきましてはこの内容説明のための会合、研修会等を全部案内状を出しております。したがいまして、おいでにならない企業もあるかもわかりませんけれども、今回はこういう異例の措置でございますので、できるだけ広い範囲の方に内容を知っていただくという手順を踏んでまいっておるつもりでおります。
 それから、新年度、四月一日からこの雇用保険法が全面適用になりますと、五人未満の商業、サービス業等のいわゆる小、零細企業が適用対象になってまいるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけこういった小・零細企業も現実に適用の手続をとっていただきたいということで、まあ、こういうものは非常に把握が困難でございますので、従来からあります労働保険事務組合の制度をできるだけ拡充し、内容を充実さしてこの組合を通じて適用把握に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございまして、その目標としては、ただいま先生御指摘のような一応目標を掲げております。ただ、私どもはこういった小・零細企業を全部把握するということは、これはもう現実に不可能に近い問題でございます。仮に数千人人員をふやし、予算をふやしても、これは必ずしも把握できるとは考えておりません。で、この法案の審議の過程で申し上げましたように、現実にこういった小・零細企業が具体的に適用の手続が踏まれてなくても、その企業から不幸にして解雇され失業した人たちにつきましては、この雇用保険法による失業給付が適用される、給付が行なわれる、こういうたてまえをとっておりますので、その点はできるだけ適用の手続を進めることにいたしますと同時に、適用が具体的に行われてなくても、手続が行われなくても、そういう人たちに対するこの雇用保険法による給付が受けられないというようなことにならないということを、これも周知徹底をいたしているわけでございます。
#152
○片山甚市君 本法の審議が主でありますから、これは余り深く入りませんが、経過措置は二月で終わりで、もうあとは知らない、こう言っておるようでありますね、給付金の問題について。それは間違いありませんか。
#153
○政府委員(遠藤政夫君) 一月一日から繰り上げ執行になっておりまして、一月から三月までに給付金制度の適用を具体的に申請をいたした者につきましては、その予定された期間については経過措置を適用してまいります。
#154
○片山甚市君 わかりました。
 そこで、事務組合でございますが、いわゆるお金を集めさせることを目的にしておるようなものですけれども、しかし、これはやはり会員をよく広げていく、周知し、皆さんよりはもっとこう熱心にやるところであります、これは失礼でございますが。ですから、その金を集めた分の、九五%以上を集めれば金をやるという報奨金制度というのがございますね。報奨金ということになっていますね。そうではなくて、これは事務費あるいは手数料と、こういう形に変えていくことでなければならぬと思うんです。私は労働省令を改めて、次の段階で大臣が前向きのように、これは手足ですから本当に、――手足というと非常に失礼な言い方ですけれども、体の一部ですから。これの事務組合がきちんとしなければ、労働省がいま言うように何千人雇ってもだめだと、こう言っておるけれども、その何千人雇ってもだめなやつをやるのは事務組合ですから、これを育成し、きちんとする、こういうことでよろしゅうございますか。
#155
○政府委員(遠藤政夫君) 御指摘のとおりでございます。
#156
○片山甚市君 もう一つですが、実は失対の人はよろしいのですが、上野の駅の地下道など多くの労働者が職を失ったまま眠りこけておる姿を、最近は池袋や新宿の駅までも見るところであります。私は戦争直後にまさるとも劣らないようなこのような実態を夜遅く見ました。日雇い労働者の、ことに失対を除く人々の就労状況はきわめて悪い。東京の玉姫、河原町、本所、深川といった職安の就労状況は月に何日ぐらいになっておるのか、お知りだったら言ってほしい。私が調べたところによると、月四日や十日というのでありまして、各種保険の受給資格も得られないことになってしまっておるわけです。これについて特別の措置を閣議決定でもいいから、とにかくこの際、健康保険だけは失わないような措置を、大臣とられることがこの日雇い労働者、――失対の方はよろしいです、失対は。民間の日雇いですね、はできないでしょうか、ひとつお答えを願いたい。
#157
○政府委員(遠藤政夫君) いま御指摘になりましたいわゆる山谷あるいは横浜の寿町、ここらあたりでいわゆる登録をされております日雇いの人たちの就労状態が悪い、しばしばそういう話を聞いております。ただ、山谷の場合七千近くの人が登録しております。しかしながら、実際に表に出て手続を踏んで就労する人たちはそのうちの一割程度、一割以下でございます。そのほかの人たちはいわゆるいろいろなルートをたどって、まあ言われておる立ちん坊と言われるような形で、それぞれ独自の就労をしておられる人たち。そういう人たちがたまたま表向きの正規の手続を踏んで就労されるのが、月に一日とか二日とかあるいは三日と言われております。こういう人たちは自分たちの独自の就労経路というものを持っておりまして、どうしても正式のいわゆる公式の紹介ルートに乗ってこない人たち。で、私どもはこういった登録日雇いの人たちのうちで、通常この山谷あるいは寿町等で紹介あっせんをいたしております人たちの就労確保につきましては、先般来関係各省とも相談をいたしまして、公共事業の施行促進でございますとか、公共事業が施行される場合にこれは求人をできるだけ安定所で確保して、こういった人たちの職場を確保する、こういう措置をとっておりまして、同時に山谷の場合、例で申しますと、これは本来自治体がいろいろな就労等についてごめんどうを見るわけですが、東京都で以前から特別求人を持っておりまして、約三百程度の求人を持っております。これがことしの一月あたりから廃止されようとしておりましたので、これを廃止してもらっちゃ困ると、こういう山谷の特別対策としてこういう求人が出されておりますので継続してもらうことに話をつけますと同時に、そういった情勢でなおかつ就労が少なくなるということに対しまして、東京都にもこういった求人をふやしてもらいたいということを私ども申し入れまして、最近この情勢も好転してまいっておるようでございます。
#158
○片山甚市君 私は説明を聞いたんですが、大臣、実はその就労日数がこのような状態で一カ月に四日とか五日とか八日とかいう程度では保険が使えないんですが、それはもう厚生省の所管だから関係ないと、こういうようなことでやられますか、それともこういう時期にこそ、そういう保険が使えるような特別の措置をとられないものでしょうか。それをお聞きしておるんです。
#159
○政府委員(遠藤政夫君) これは日雇い健康保険の問題であると同時に、日雇い失業保険の問題でもあるわけですが、こういう人たちは確かに先生のお説のように就労日数が足りないから保険の対象にならぬじゃないかという御指摘かと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、そういった正規のルートに乗ってこない、いわゆる失業保険の手帳も出さないで就労をふだんしている、こういうことでございます。まあ健康保険の方も同じようなことが言えるかと思いますが、私どもはこういった人たちが正常な就労経路に乗ってもらいたいということで、大阪の釜ケ崎対策であるとか山谷対策を従来ともやってきておりますけれども、なおかつそういうルートに乗ってこない人たちの問題である、こういうことに御了解いただきたいと思います。
#160
○片山甚市君 まあ、乗っておればそれは考えるということだととっておきます、乗っておればね。そういうふうに考えておきます。
 先日、社会労働委員会で採用取り消しの件について大臣に伺ったとき、企業の公表という措置の前にまず採用取り消しを撤回させるように運動したいとおっしゃられました。その後の状況はどうでしょうか。具体的にどのようにされてどういうようになっておるか、お伺いしたいと思います。
#161
○国務大臣(長谷川峻君) こういうところでああした問題が出ましたこと、あるいはまたマスコミがそのことを報道したようなこと、そんなことで、私の方の各関係職業安定機関を通じてその撤回を求めて努力をしてきたところでありますが、その結果によりますというと、ある製紙メーカーが高卒者五十四名、それから電気メーカーが同じくあるところ五人、ある機械メーカーが同じく五人採用取り消しを未然に撤回したということがあり、また某電気メーカーは大卒者百六十名、某電気メーカー同じく十八名を取り消し、通知後にあらためてこれを撤回したということがあり、さらにはまた私大関係の先生方に私の方の役所に来てもらって実情を聞きますというと、大学卒業生の撤回は大分進んでいる、こういうふうな実情でございます。
#162
○片山甚市君 大臣の方から特に格別なことをなされたというふうにお聞きはしませんでしたが、世の中が動いてくれたということのお話でございまして、非常にそれでもよかったと思います、何はともあれ。
 さて、先日この委員会で目黒委員から上組の労基法違反、特に三十六条協定違反やいわゆる労使協定の違反、地裁の仮処分に対する無視といいますか、そういうようなことが不当労働行為について問われたのですが、労働省として初めてそういう事態を聞いたことであり、善処したいという意味のことをおっしゃっておられました。その後この問題はどのような取り扱いになっておるかについてお答えを願いたいと思います。
#163
○政府委員(東村金之助君) 三六協定の問題でございますが、御指摘のように所轄の労働基準監督署に告発がございました。告発がございますと、これを犯罪事実を調査いたしまして、検察の方に送付するわけでございます。そこでこういう告発がございましたので、現在捜査を鋭意進めているところでございますが、何分にも対象が二千名を超すという量でございますので、一人一人どういう違反があったか、どういうことになっているかということをいま鋭意精査、捜査を進めているところでございます。したがいまして、それができ次第一つの結論が出るというふうに連絡を受けております。
#164
○片山甚市君 実は、全体の話で目黒委員の方から詳しく申し上げました。それだけじゃございませんで、実際上労働諸法規を守っていない、また港湾業務に関する諸法規についても著しく違反の恐れがある、こういうことについて神戸海運局の問題もただして、その後報告するように言っておりました。きょうはお呼びをしておりませんから、運輸省から来ておられないのは当然でありますけれども、この問題はやはり参考人を呼んででもというようなお話があったように、理事会にかかったことですから、ここで私は申しませんけれども、労働省としてはこの問題の解決をする能力があるかどうかが、言葉の上ではやはり労働者を守ると言っても、結局強い暴力国が後ろにおるじゃないかと言われたり、日本で第二のいわゆるマーケットを持つ、シェアを持つところの企業に対しては一言も警察も国家権力を背景にしても言えない、こういうことになっては大変だ、私たちが思っている疑問については答えてもらいたいと思いますから、きょう答えられなくても、これはひとつ強くお願いをしておきます。よろしゅうございますか。
#165
○国務大臣(長谷川峻君) この前この委員会で目黒さんからの御発言があった後、早速役所に戻りまして、大阪それから神戸のうちの方の役所に連絡をとり、さらにはまた翌日の十四日には係官を呼んで、この委員会の審議の模様等を報告しながらしっかりその実情を把握して一生懸命に努力するように、こういうふうに私の方で申しているわけでありまして、じんぜんと手をこまねいているわけではないということを御理解願いたいと思います。
#166
○片山甚市君 ありがとうございました。
 私は、作業環境測定法案について幾つかの疑問を持ちつつも賛成してまいりたいという立場からぜひとも明確な将来展望を示してもらえることを期待して質問をしたいと思います。
 実は公労委におられた関係で私の敬愛するいまは亡き大野雄二郎さんが安全衛生局がたった一年で廃止されてしまったときに、このように言っておられます。安全衛生局は幻の局であったと言われた。そして安全衛生行政の実態はA、B、C――アセチレン、ボイラー、クレーン行政にすぎないと毒づかれて、そしてその言葉の中に「燃えるようなヒューマニズムで、労働の実態に即応し、将来への展望を持って労災と疾病との戦いに立ち上がろう」と言われたことを思い出すのです。労災は依然として数多い現状でありまして、現代の職業病もどしどし社会問題化している現状であります。労働安全衛生の行政が再び幻の労働安全衛生でないように願ってやまないのですが、先ほどずっとお話を聞いておると、相当力を入れられたとおっしゃっておるのは、これは労働者の健康管理ということであるだけに、労働省としてこの立場を独立させた一番大きな見地からこのために何が得られるのか、もう一度言っていただきたい。
#167
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、いろいろ御批判もあったかと思いますが、労働安全衛生法は私は幻にしたくないという大野さんの御意見だったろうと思うんです。そういう意味からしましても役所は労働安全衛生法に基づいて労働者の安全のためにいままで一生懸命やってきたことはお認めいただきたいと思うのであります。今後の作業環境測定法案を提案しましたのも、この安全衛生法の重要なねらいとしている労働衛生対策を技術的な面から補強しようとするものでありまして、したがって、この法律は労働安全衛生法と両々相まって効果的に運用されるものと思うのでありまして、労働安全衛生法の遵守につきましては、有害物を扱う事業等を重点になお一層適切な監督指導を実施するように努めてまいりたい、こう思うのであります。
#168
○片山甚市君 大臣がそうおっしゃっておるんですけれども、作業環境測定法という独立した立法にわざわざした理由がいま一つはっきりしません。現行安全衛生法にも危険な機械の検査員や検査代行機関の制度、衛生管理者やボイラー技師などの免許といったシステムがまとめられておる、これは衆議院で議論をされておりますから、ここで繰り返しませんけれども、これは一つにまとめてやられる方がいいのでないか、ことに労働諸法規はお役所のためにあるのでなく、先ほどから大臣もおっしゃっているように労働者のためにあると理解する。そのために最もわかりやすい形で考えてもらいたい、こういうことであります。私はこの孫法というか、労働基準法の下に安全衛生法をつくり、安全衛生法の下に測定法をつくる、こういうことについてはやはり十分でない、これは意見を申し上げます。もう大臣はこれを通せばという、雇用保険法と同じように、鬼になっておるんですから、何とかなると言うんだが、それはこれからのことです。
 そこで、じん肺を初めとして各種の旧来の職業病が存在するのに加えて、新しい領域で職業病が発生しておる。最近注目される職業病の疾患は、御承知のように、大別して一つは使用する原材料、塩ビの話をしましたが、に起因するもの、一つは使用する機械、作業方法、いわゆる作業環境、腰痛とか、そういうのに起因するものがあると思います。そのうち、前の方はベンジンによる膀胱症、農薬PCP、五酸化バナジウム中毒、ニトログリコール中毒、フタロジニトリル中毒などが挙げられますが、全産業の化学工業化、いわゆる全産業がもう化学工場になってしまって、増大しておる。こういうときに、特定のところだけ調べてみても、それだけで答えられないような、日本国じゅうの汚染ということを考えなければならぬ。後者の場合は、白ろう病やあるいは頸肩腕症候群、腰痛、レザー光線や超音波などのさまざまなものがある。それに対して労働省は安全衛生法の第七十八条にいう、先ほど御説明しておりましたが、安全衛生改善計画の、これは県でやります、労働基準局長などがするんですが、作成の指示を全面的に行い、そういうようなところについて、根絶するような考えはないか。たとえば、せんだってここでも言いましたけれども、電信電話公社みたいな大きいところで頸肩腕症候群が何千名も出ておるんですよ。あれだけ大きいところでそういう病気が出ている。それは、そのためにいわゆる安全衛生改善計画というものを出させて、そういうものを根絶するというようなことの考えはありませんですか。たとえばです、いかがでしょうか。
#169
○政府委員(東村金之助君) ただいま御指摘ございましたように、最近職業病を初めいろいろ問題起こっております。そこで私どもとしては、都道府県労働基準局長が改善計画を作成することを指示しております。これは、その職場全体について総合的にやるという、こういうたてまえになっております。
 いま先生御指摘の職場がそれに該当するかどうかはにわかにはお答えできませんが、おっしゃるように安全衛生の観点から問題のある職場をとにかく根絶するという姿勢でやりたいと、かように考えております。
#170
○片山甚市君 環境測定をやるというならば、第七十八条にいう安全衛生改善計画というようなものをさせる力がなければ、やはり個々に起こってきてからでは遅い、こう言うんだ。それからそちらの方で調べたらいろいろありましょうけれども、意見はそういうふうに申し述べておきます。
 で、職場における労働者の安全及び健康を確実に保持するために、各般の措置の中で安全衛生教育の徹底がきわめて重要であると思うんです。昨年四月三日付「基発第一七六号」で「安全衛生教育の推進について」という通達をいままでと違って、体系づけて出されております。一つは国、二つ目には関係団体、三つ目には企業がそれぞれ行わなければならぬ内容を明確にしていると思うんですが、そこでどのような実効を上げられたか、御説明を願いたいと思います。
#171
○政府委員(東村金之助君) この安全衛生、労働災害の防止に教育の重要であることは先生御指摘のとおりでございます。そしてまた、これが一朝一夕にすぐ効果があらわれるという性質でもございません。やはり教育というのは、じみちに積み上げるということが大切であると、かように私ども考えております。機会あるごとにこの教育の重要性、自主的の管理の重要性を説いてまいりました。そういう中でいま先生御指摘のような通達も出して、体系的にひとつ問題を進めていこうというふうに考えて、この線に従って具体的な問題を積み上げていく、その効果がすぐあらわれるわけではございませんが、やはりこういうものを積み上げる必要があると、かように考えております。
#172
○片山甚市君 まあ、絵にかいたモチとは言いませんが、絵にかいてみてあると、言ってみたらりっぱですね、これ。もう本当にこれだけやれたら大変ですわ。書くのはりっぱな書き方ですが、実行しなければ、これはだめです。この通達によれば、災防協会など関係団体が行う教育活動として、経営首脳に対する教育をあげていますね。災防協会における課長以上の出身、職歴、どういうような人が災防協会には、課長以上の人が行っておるのかについて後刻示してほしいんです。この人たちががんばるかがんばらないかということは、大変大きな影響力を持つようです。
 ところで雑誌「労務スタッフ」の昨年六月五日のものによりますと、各団体がトップ層を対象に安全ゼミを開講しても意図するほど集まらず、労基局、労基署の支援を受けて、形だけの頭数をそろえるといったことは珍しくない。安全に関心を持っているトップの割合は二千分の五十、二千人ぐらい集めるつもりでやっと五十人ぐらい集まると述べておるんです。労働基準法の当時は、安全衛生教育をごく限定し、内容について触れていなかったんですが、安全衛生法になってから変革されるところの生産技術に対処するために雇い入れ時、作業内容変更時、危険有害業務における特別教育、先ほど柄谷さんからもおっしゃっていましたが、さらに職長その他監督者に対するものを刑罰をもって義務づけたと認識しています、そこまで。しかるに、その実効が上がらないのは、どういうことなのかというと、経営のトップはいま言ったように安全衛生というものを余り重視をしていない。下の方はそれだけ刑罰まで処せられるほどちゃんと認識をするんですから、トップについてはやはり希薄だと思うんです。この際、経営者の経営のトップに対する安全教育、安全衛生に対する教育を徹底的に強力にやる措置をとっていただきたい。それが災防協会など設けておる大きな趣旨なんじゃないか。いわゆるおやじが先頭に立って安全衛生を考える、こういうことでなければ、下っ端の方から盛り上がろうとしても、これはお金が要ることだし、生産性との関係もございましょう。いろいろあります。安全衛生を行うというのはまず命が先ですから、生産はその後と、しかし、その次に生産が上がると、こうなる。この循環を持てなければ、経営者の考え方が変わらなければ、これは絵にかいたモチです。先ほど申しましたように、とにかく経営者は余り安全衛生について勉強したがらぬ。たくさんのお金は出ているけれどもと、こういう意味でありますか、それはどういうように改善されますか、お答え願いたいと思います。
#173
○政府委員(東村金之助君) いま先生御指摘した問題は、まあ率直のところ私ども非常に頭を常日ごろ悩ましているところでございます。安全衛生教育の重要性、われわれも十分認識して安全衛生教育をやろう、人を集めようと思いますとそれほど集まらないと、集まってきた人は実はもう安全衛生に非常に関心の高い人だ、むしろ関心を持ってもらいたい人がなかなか集まらない、こういうジレンマがありまして、われわれ非常に従来苦慮してまいった次第でございます。それをどうしたら解決できるのか、これまた先生御指摘ございましたように、トップクラスがこの問題について十分に認識しなければ、末端の方はなかなか安全についての活動が十分できないという問題がございます。そこで安全衛生法におきましては、事業主ないしは経営のトップクラスにひとつ総括的な安全の管理責任を持たせる、ないしは安全そのものについての関心を持たせるということをうたい上げたわけでございます。安全衛生法が成立いたしまして旧なおそれほどたってはおりませんが、このことによってただいま先生御指摘のように不十分ではございますが、前に比べましては若干ではございますが、上向きつつあると、この線をさらに延ばしていきたいと、かように考えております。
#174
○片山甚市君 若干じゃなくて、経営者がまず率先垂範というか、軍艦で言えば艦長のようなものですよ。船が沈むときは自分だけは沈むがみんな乗員は安全のところへ避難させる、こんなあったかいことでなければだめですよ。ゴルフじゃ何じゃとおのれだけは体が傷まぬように練習しておって、そこの塩ビの会社か何かしらぬけれども、金がないじゃの何じゃの言うて、ゆすりたかりみたいなことを言っても始まらぬのだ、本当を言うて。これは私から言わせれば、この安全衛生というようなのは、一番大切なことはトップから始まると、命を大事にしようということです。それはわれわれの責任ですから、いま、そういうようなトップの方々が率先して、いわゆる安全衛生について関心を持つようにすることこそ、この測定法をつくる目的であります。健康管理のために測定法をつくるんですよ。何も生産性がどうじゃろう、こうじゃろうというのは後なんですよ。――いや、生産性大切なんですよ、私は生産性どうでもいいなどと言っていない。まず、言葉ありき、大臣が言うように、人の命を大事にする、こういうような形だろうと思います。ですから、その点ひとつお願いをしたいんです。
 そこで、作業環境の測定に関連する、いわゆる環境の欠陥による労災の死亡者数、今日の作業環境が悪く労災で死亡したのはどういうことになっておるのか、数字があればお示しを願いたいと思います。
#175
○政府委員(東村金之助君) 現在、労働災害の統計をとっておりますが、昭和三十六年ごろから次第に下がり出しまして、現在はかなり改善されたような姿が出ております。具体的に申し上げますと、休業八日以上で、昭和三十六年、四十八万一千人でございましたが、その後次第に減少いたしまして、昭和四十八年、三十八万七千人、うち、死亡者が昭和三十六年、六千七百人でございましたが、四十八年では逐次下がりまして五千二百人と相なっております。ただ、これは死傷者で、死亡者を含む傷害を受けた人でございますが、ただいまの問題になっておりますような環境測定というところから出てまいります、いわゆる職業病につきましては、この数字が必ずしもそのまま反映されているわけではございません。ごく大ざっぱに申し上げますと、二、三年前、四、五年前は二万人前後でございましたが、最近におきましては三万人前後にふえてきている、横ばいではございますが、そういう姿をとっているとと、もとより、この中の二万ないし三万というのは、すべて職業病ではございませんが、それに近いものがございます。ただ、こういう数字の問題量の問題もさることながら、先ほどから先生御指摘のように、新しい問題、解明が非常にむずかしい問題、こういうものがやはり衛生面で職業病の中に出ているということが御指摘のように大きな問題じゃないかと、かように考えます。
#176
○片山甚市君 わかりました。それをなくするというために環境測定法をつくられると、これは大変ないい仕事ですから、このことが実るようにお願いしたいと思います。
 そこで、作業環境測定士の対象となる業務を安全衛生法にいう作業環境測定に義務づけられた十項目から五項目にしぼった理由は、先ほど聞きました、何回か聞きました。しかし、さしあたり五項目にしぼった理由はわかりましたけど、この際、むしろその範囲を、従来の十項目よりほかの、たとえば騒音の問題などに拡大する必要があろう、いわゆる騒音では、難聴といった病状が相当生まれてきているやに聞いております。環境測定の範囲を拡大していく、いまは五項目ですけれども、これから整備をしてまいりますときに、特に騒音などというような形のものについては、それを規制をしていく立場から測定をしていくということはできませんですか。
#177
○政府委員(中西正雄君) 当面は、先ほど答弁いたしましたようなものに限って、この測定士の測定を義務づけることに予定をいたしておりますが、今後、先生御指摘のように騒音等が非常に大きな問題になってきます。当面の騒音の測定は、単に騒音レベルだけの問題にしぼっておりますので、特に高度の技術を必要としませんけれども、将来騒音の質等の問題が必ず出てまいると思います。そういう段階では、やはり相当高度の測定技術を要すると思いますので、この対象にするように検討したいと考えておる次第でございます。
#178
○片山甚市君 たとえば新幹線ができましたけれども、七十ホンではだめ、七十五ホンではだめ、幾らだということで、もう新幹線もやめようかというような話が出るような環境の問題まであるときですから、いま質の問題と言われた部長の言葉を十分にかみしめて、人間のいわゆるストレスというようなものは、音というものとわりに関係がある、においもありますけれども、やはりその点で、環境を改善するためには、音響、音というものを十分にくみ取ってもらいたい、こういうことを提案しておきます。
 そこで、作業環境の測定結果については、先ほどからたびたび御指摘があって、労働組合あるいは労働者に公開するということを言われておりました。そこで、いわゆる公開する方法でありますが、一定の場所に掲示をするとかというような、工場の中であります、仕事場ですね、やはり一々されなくても、必ずだれか暇なときには見れるような形で義務づけてもらう。そうしてまた、言葉やあるいは安全衛生委員会、こういうことで、特定の人しかわからなかった、しかし、それは必ず伝わったんだろうというのじゃなくて、すべての人に伝わるような形を義務づけていただく、そうしてそのことによって、自分たちのいる作業の環境をよく知った上で仕事に励んでもらえるように、ひとつ工夫をこらしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#179
○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるように、相手は労働者の健康を守ることでございますから、労働者に周知させるような措置を講じてまいりたいと、こう思っております。
#180
○片山甚市君 もし、労働者が疾病にかかり、作業環境の上で何かと考えて、労災の認定、あるいは補償の要求などを起こしたときには、先ほども申されておるように、その測定結果の資料が、作業環境という名前で産業医によって隠されるということがないように――私たちが非常に不信を持っておるのは、町のお医者さんと違って、産業医はいわゆる経営者の側に立って、そこの人たちの環境や、職業の、職場の状態について正しく言わないと思っておる、そういうことがないように、今回のいわゆる測定の結果によって事前にチェックされると同時に、それによって起こったかどうかについては、このデータが正確に使われるような保証を与えられたものと思いますが、いかがでしょうか。
#181
○国務大臣(長谷川峻君) そのとおりでございます。
#182
○片山甚市君 その作業環境測定士もしくは作業環境測定機関は、虚偽の事実を表記したときは登録を取り消すことになっております。一定期間また業務を停止されたりすることになっております。それでも聞かないとぎには刑罰が科せられることになっておるんですが、先ほど柄谷さんの方からも、こういうものは罰するんじゃなくて、いわゆるそういうことが起こらぬようにしなさいと言っておられたようであります。私は測定士は企業内の従業員であり、企業からお金をもらって仕事をしておるんです。測定機関も契約をして、企業との間に約束する関係があって、そういうようなことは間々起こりやすいのではないかと思います。それで無線技師あるいは自動車運転手と同じように、その人が間違えばそのままダイレクトに責任を取らなきゃならぬというようなことにして、私は、こういう測定に関する限りは、健康のことでありますから、むしろ、そんな取り消しじゃの、業務停止じゃのというようなことを言わないで、刑罰に直接結びつく――これは私は刑罰が好きなんじゃないんです、人間というのは、そういうような――私たちが自動車の運転を間違えばすぐに刑罰なんです。雇い主がどう言ったか、こんなことないと、このぐらいの重さがある、それだけの、また、いわゆる有識経験者とは言いませんけれども、高度の技術を持った人間が測定士として選ばれると、こういうふうに思いますが、行き過ぎでしょうか。
#183
○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるように、刑罰することが目的じゃございませんが、その間、おっしゃるような趣旨を徹底させながら、これが実効を上げていきたい、こう思っているわけでございます。
#184
○片山甚市君 作業環境の測定を義務づけているものの、実効が十分に上がっているかどうかということになると私はこれからもなかなかむずかしいだろうと思います。
 そこで測定士制度を置くというわけでありますから、この際、測定結果については何回も言うのですけれども、届け出ということを三六協定と同じようにできないものか、非常に繁雑だとおっしゃるかもわかりませんが、それだけでも大変な、いわゆる自制心になるのです。報告ですね、記録するだけですね。いわゆる報告をするということになりますね。私は報告の義務を持つようにしたらどうか。労働大臣あるいは労働基準監督署が必要とあらば呼んで必要なものはできるのですから、必要だということでなければ、そこへ記録をとどめるという六十五条ですか、書いてあるとおりですけれども、そういうことでなくて三六協定と同じようにやはり報告をさせる、届け出させるというようにこれからやれないものだろうか、こう思いますが、いかがですか。
#185
○国務大臣(長谷川峻君) 目的達成をするためにはいろいろな方法を考えなきゃなりませんので、それもやはり検討の材料にしてみたいと、こう思います。
#186
○片山甚市君 一万名の測定士をつくるだけでも大変な仕事ですし、これから経過期間二年もございます中に、やはり病気というものがやまるために、なくするためにできるだけこの測定士もつくられるし、その機関で行ったことが健康を取り戻すようにするためにお互いがしばりをつける、お互いに苦しいけれども力を合わせていこう、こういうふうにしたいと思う意味で申しました。
 そこで大企業の場合は、こういう義務、私が言うような無理なと思われるような届け出や、そういうこともいいのでありますが、中小企業にあってはこういうようなことについてなかなかむずかしい、出費の要ることだと考えるところです。予算でも労働衛生融資の充実ということで昨年に比べると二十二億円程度拡大を図られておりますが、これは先ほど各先生から言われたようにまだ十分でない、こう思っておるのですが、これについてさらに大臣が努力をされるという、柄谷さんにお答えをしておったようでありますけれども、もう一度お伺いをするのですが、このためにはお金は余り言わない。この間雇用調整給付金の問題のときにはあれだけ言われたのです。あれは企業が労働者を解雇するときの話です。今度は労働者が病気にならないためには去年と違って二十二億円ぐらい増したぐらいで、いま言った二万も三万もの人の病気をつくらぬ方がいい。それよりももっとたくさん要るんだ、このぐらいはきちんと言っていただきたい。私はお金があったらできるというのではありませんよ。設備がなければ、測定機関がなければ、これは先ほど星野先生もおっしゃったように、測定機器を持たずに、またそういう器具を持たずに労働基準監督官やそういうような人が行ってもどうにもならない、こういうふうにおっしゃった諸問題を解決をする、身内から解決をしていく、労働省そのものがきちんとした態度をとる、こういう態度が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(長谷川峻君) 中小企業の作業環境、測定その他について融資そのほか必要なことを考えろということでございますが、まさにお説のとおりでございまして、その方向で大いに努力してみたいと、こう思っております。
#188
○片山甚市君 労働安全を一歩進めるために危険機械などに検定制度が設けられておりますが、これを技術革新の現状に呼応して、さらに拡充していくというような考えはございませんか。
#189
○政府委員(東村金之助君) 拡充する方向で検討していきたい、かように考えております。
#190
○片山甚市君 ありがとうございました。ぜひとも技術革新、新技術の導入などがどんどん行われているときでありますから、そう事態に即応するように努力を願いたいと思います。さらに新技術導入が新職業病の導入にならぬようにしなければならないと思います。そのためには専門家、ことに労働組合を含めた事前のチェックがきわめて重要で、いわゆる新技術導入をやめてでもまず安全ということを確かめる、そして注文をするというようにしたいのです。満足した状態でなければ導入をしない。いわゆるこれから新技術を導入するときに健康を害するかどうかということについて測定をしていく。そして、それで入ってから、病気が出てきてからこれはおかしいというのじゃなくて、新技術の導入のときにはその測定士は先にむしろ測定をしていく、このくらいのことができないか、これは先取りでありますよ。企業主のことですからなかなかあれでしょう。しかし、秘密を守るということになっておりますからね、測定士、測定機関は。こういうことで、これらの有害性の調査を援助できる体制、センターなどをつくってサービスを労働省はされないか。なぜこんなことを言いますかというと、新技術の導入をやるときにはやはり新しい病気が起こらないように体制をとらなければならぬ。その点は調査をしなければならぬですね、実際は。そのためには各企業ごとにどれだけできるかということを探りながら国自体がそれに対して有害性の調査ができる、国がそういうような施設とかセンターをつくってでも労働者の安全を守っていこうというような積極性はございませんでしょうか。
#191
○政府委員(東村金之助君) そういう危険有害な作業工程等が新しく導入されると、問題が起こりますので、法令の上におきましても事前にこれを審査するということになっております。
 それから毒性につきまして、センターを云々というお話でございますが、毒性を検査するセンターを現在建設中でございます。そういうことでございまして、先生のおっしゃるような方向でわれわれも行政を進めていきたい、かように考えております。
#192
○片山甚市君 私の不勉強で失礼しました。それなら非常によろしいです。とにもかくにも労働行政に関する限りは一歩一歩先に進んでもらわないと産業というものは拡大するときには一挙に拡大する、競争関係があるから。そうすると手に負えないと、こうくる。ですからその点で、ひとついまのようなことを申し上げたのは、一つは労働組合というようなものがまともにこの安全衛生をチェックするという機能がなければ、これは人命を尊重することにはならないのですね。きちっと仕事をするかわりにきちっと物を言う。物もよう言わぬが仕事もろくにせぬという組合はおかしいのですよ。わかりますか。仕事を一生懸命やるやつは文句を言うんだから、それは頼もしいのですよ。仕事もせぬと物を言うとったら追放されますよ、会社はつぶれますから、お互いが。ですから、そのところで私はこれから問題は出てきますけれども、もう少しこの中で、労働組合というか、労働団体というか、そういうものを重視をして施策をしますというような演説がいわゆる大臣の冒頭にないわけですが、こういうものをやるときには少なくとも組織された労働者が模範的な工場をつくる、模範的な職場をつくる。このことを四団体、労働四団体などとやかましく言うならとりあえずやってくれと、むしろあなたの方が逆攻勢で労働四団体に文句を言わなければいかぬはずです。それが見本で、中小企業ができないのを、どうして全体が政策して五人とか十人とかという小さい工場まで守ってやるかということを考えるべきだと思うのですね。私はそういう点で意見を述べておきます。
 さて、一番大切なことですが、労働基準監督署の体制充実については毎回言うてまいりましたが、この間の話によれば余り賛成できません。基準監督官は多少増員をするとすぐに事務官を減らします。お話になりません。専門官、技官、あるいは事務官、監督官というようなのが三者が一体となって初めてこういうものはできるのですよ。いわゆる幾ら技官をふやしても専門官をふやしたって、事務処理する人間がおらなくてできますか。いや、だから何千人も人をふやしてもだめだ、こう言って、先ほども職安局長ですか、言うているけれども、何千名もふやせなどと言ってないのです。五十名か百名くらいふやすのにまるで鬼の首でも取ったようなことを言うから納得できないのです。そういう意味で、私は機器の整備、先ほど言ったようにこの監督官や専門官が今度使うところの機器の整備、そういうものも大切でありますね、測定士を監督するためにも。同時にいわゆる省内の体制で言えば、これは労働省にそういうような人がふえることは労働者が守られることなのです。私たちの知っている限りでは労働組合が千二百万人しか組織されていない。それで二千四百万以上の人が未組織でしょう。その人たちを守らなければならぬ。それは労働基準監督官だと思いますね。そういう意味で、何回も言いますけれどもこれはもう一歩さらに努力をしてもらいたい。これだけでは、この間の説明の数だけでは、これは円滑に一万名を目標にして測定士を使い、機関を二百六十ですか、つくってやるのでは不十分だと私たちは思うので、それについて意見を述べてもらいたい。(「意見でなく、質問をしなさい。」と呼ぶ者あり)
#193
○国務大臣(長谷川峻君) これはまさに先生のおっしゃるとおりでして、一生懸命努力はしておりますけれども、今日、毎日のように増大する行政の需要に対して対応しきれないうらみがあります。私は、いまから先もこの問題についてはさらに一生懸命がんばっていきたいと、こう思っております。
#194
○片山甚市君 まあ、ひやかされました。(笑声)労働組合から内閣の方に労災や職業病の関係に数多い要求をしているんですが、大臣のところまで来ておると思いますが、公労協などの。安全衛生に関する要求が来ています。それについては十分に意見をくみ入れて、この法律が通る段階における処理をしてもらいたい、こういうふうに思います。まだ来ていませんが。――来ておらなければやむを得ません。本法施行以前において現にこれら作業環境測定を実施している機関または測定を行っている人材がいるんですが、これらについての経過措置については従前の例にならい、十分な配慮を払うものと理解しておるんですが、それでよろしゅうございますしょうか。
#195
○国務大臣(長谷川峻君) そのとおりです。
#196
○片山甚市君 配慮を行うという方法については、別途これらの関係団体などの意向を十分にくみ入れる機会を労働省として持って、円滑にこれが実施をされることと思いますが、いかがですか。
#197
○国務大臣(長谷川峻君) 関係機関と常に協調しながらやっていきたいと、こう思っております。
#198
○片山甚市君 長く話をしておしかりを受けました。おまえは意見ばかり言っておるじゃないか、もう少し簡単に聞けばいいじゃないか、こうおしかりを受けたのですが、直りまぜずに、そのうちにまた直ると思いますが、次のようなことについて簡単にお聞きをして締めくくっていきたいと思います。
 先ほど申しましたように、私はこの法案について幾つかの疑問を持ちながらも賛成をする立場で、次のようなことについてお聞きします。
 労働者に対する安全及び衛生について、万全の措置を講ずる、こういうふうにおっしゃっておられることについて、間違いでございませんでしょうか。
#199
○国務大臣(長谷川峻君) 御趣旨に沿うように今後とも努力してまいります。
#200
○片山甚市君 職場における労働者の安全及び健康を確実に保持するために事業者を初め管理監督者の安全衛生教育を徹底するとともに、労働者の雇い入れ時、作業内容変更時及び危険有害業務に対する適切な安全衛生教育を促進することについてよろしゅうございましょうか。
#201
○国務大臣(長谷川峻君) 御指摘のとおりでありまして、その方向で努力します。
#202
○片山甚市君 先ほど申しましたが、騒音、振動その他労働者の健康に障害を及ぼすおそれのある作業環境条件についても的確な環境測定を行い、健康障害を未然に防止するよう万全の措置を講ずるものと思いますが、いかがでございますか。
#203
○国務大臣(長谷川峻君) 今後とも作業環境測定その他作業環境改善対策については努力してまいりたいと思っております。
#204
○片山甚市君 作業環境の測定結果、その他職場環境のデータについて、労働組合及び労働者に対し周知させるよう適切な措置を講じられるとおっしゃっておられますが、そのとおりでよろしゅうございましょうか。
#205
○国務大臣(長谷川峻君) そのとおりでございます。
#206
○片山甚市君 危険有害物質の暴露を防止するため、密閉設備等の完備を促進するよう、特に中小企業に対する融資その他必要な措置を拡充することについてお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
#207
○国務大臣(長谷川峻君) 再三お答えいたしましたが、そのとおりでございます。
#208
○片山甚市君 以上の形で、作業環境の整備改善を図るために、融資その他必要な措置を全般的に講じ、先ほども言いましたように、特に中小企業に対する格段の配慮を賜りたいと思いますが、いかがですか。
#209
○国務大臣(長谷川峻君) お説のような方向で努力してまいりたいと思っております。
#210
○片山甚市君 長く質疑をして恐れ入りました。これで、以上で終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
#211
○委員長(山崎昇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 作業環境測定法案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#213
○委員長(山崎昇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#215
○委員長(山崎昇君) 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案及び公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を一括議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。長谷川労働大臣。
#216
○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 今や国民の大部分を占めるに至っている勤労者とその家族の生活の動向は、わが国経済社会の将来に深く関連する問題でありますが、勤労者生活の現状を見ますと、賃金水準は近年改善されてきているものの、貯蓄や住宅等の資産保有の面では、なおいまだ相当の立ちおくれが見られるところであります。
 このような勤労者生活の実情にかんがみ、勤労者の財産形成を促進して、その生活の一層の安定を図るため、昭和四十六年に勤労者財産形成促進法が制定され、勤労者財産形成貯蓄について税制上の優遇措置が講じられるとともに、財産形成貯蓄の一部を原資として、勤労者のための持ち家分譲融資制度が設けられたところであります。この法律によって発足した勤労者財産形成促進制度は、その後三年間で財産形成貯蓄を行っている勤労者の数は早くも四百万人に達し、その貯蓄額は三千七百億円を超えるに至っており、勤労者の本制度に対する期待がいかに大きいものであるかがうかがわれるのであります。
 しかしながら、このような勤労者の期待とその努力にこたえ、その生活を真に豊かで安定したものとするためには、現行制度の内容は、まだ必ずしも十分とは申せません。
 政府は、このような観点から本制度を大幅に拡充したいと考え、先般そのための改正案要綱を勤労者財産形成審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。なお、本法律案のほか、財産形成促進制度の改善措置のうち、住宅取得を目的とする財産形成貯蓄についての税額控除率の引き上げにつきましては、すでに租税特別措置法の一部を改正する法律案に盛り込んで御審議を願っているところであります。
 次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 第一は、勤労者財産形成貯蓄制度の改善であります。
  すなわち、財産形成貯蓄の範囲を拡大し、新たに、一定の要件を満たす郵便貯金、生命保険、簡易生命保険及び農業協同組合等の生命共済、日本住宅公団等が発行する宅地債券等の購入等を加えることとしております。
 また、財産形成貯蓄を行っている勤労者が転職した場合に、転職後も従前と同一の勤労者財産形成貯蓄契約に基づいて、引き続き貯蓄をすることができるようにすることとしております。
 第二は、事業主の拠出により勤労者の財産形成を援助する措置の促進を図るための勤労者財産形成給付金制度及びこれに関する中小企業勤労者財産形成助成金制度の新設であります。
 現在、企業の一部においては、事業主の拠出により勤労者の財産形成貯蓄に対する援助が行われているところであります。このような事業主の援助措置を一層普及、促進させるため、事業主が労使の合意に基づき勤労者財産形成給付金契約により、財産形成貯蓄を行っている勤労者のために拠出をし、これを一定期間運用した後にその元利合計である財産形成給付金を勤労者に支払った場合には、その財産形成給付金について当該勤労者に対し課税上特別の措置を講ずるという勤労者財産形成給付金制度を新たに設けることとしております。
 さらに勤労者財産形成給付金制度の中小企業への導入を容易にするため、この制度を設けた一定の中小企業の事業主に対し、雇用促進事業団が、当該事業主の拠出額の一定割合に相当する額の助成金を支給するという中小企業勤労者財産形成助成金制度をあわせて新設することとしております。
 第三は、勤労者財産形成持ち家融資制度の拡充強化であります。
 雇用促進事業団は、現在行っている持ち家分譲融資のほかに、事業主または事業主団体に対し、財産形成貯蓄を行った一定の勤労者に持ち家取得資金を貸し付けるために必要な資金の融資を、各勤労者についてその者の有する財産形成貯蓄残高の二倍の範囲内で行うこととしております。
 一方、住宅金融公庫等は、事業主又は事業主団体を通じて持ち家取得資金の貸し付けを受けることができない勤労者に対し、その勤労者の有する財産形成貯蓄残高の二倍の範囲内で、直接融資を行うこととしております。
 なお、公務員及び公共企業体の職員につきましては、各共済組合等が同様の持ち家取得資金の融資を行うこととしております。
 また、これに関連して、雇用促進事業団、住宅金融公庫、共済組合等がこれらの財産形成持ち家融資に必要な資金を円滑に調達することができるようにするため、財産形成貯蓄を取り扱っている金融機関等の資金協力義務を定める等所要の規定を設けることとしております。
 その他、この法律案におきましては、その附則において、郵便貯金法、簡易生命保険法、所得税法、法人税法、租税特別措置法、住宅金融公庫法等関係法律の所要の整備を行うこととしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公共企業体等労働委員会の委員の定数は、昭和三十一年の同委員会発足以来、公益委員五人、労働者委員及び使用者委員各三人とされておりますが、近年、同委員会が関与する労使紛争は増加する傾向にあるとともに、紛争の内容も複雑化、多様化する傾向にあり、しかも、同委員会としては、これらの紛争を短時日のうちに集中的に調整せざるを得ない場合が少なくないのであります。このような事情にかんがみ、政府としては、同委員会の事務の一層円滑な遂行を期するために、同委員会の委員の定数を増加することが適当であると考え、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 第一に、公共企業体等労働委員会の委員の定数につきまして、現行法においては、公益委員にあっては五人、労働者委員及び使用者委員にあってはおのおの三人とされておりますが、これを、公・労・使各側それぞれ二人増加し、公益委員にあっては七人、労働者委員及び使用者委員にあってはおのおの五人とすることとしております。
 第二に、公益委員の政党所属につきまして、現行法においては、公益委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなってはならないこととされておりますが、公益委員の定数の増加に伴い、これを、公益委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなってはならないこととすることとし、これに伴う関係規定の改正をしております。
 そのほか、この法律案におきましては、その附則において、増加した定数を充当するための委員の任命手続が進められている間の公共企業体等労働委員会の委員の定数その他について、所要の経過措置を規定しております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#217
○委員長(山崎昇君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。
 両案の自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト