くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 社会労働委員会 第9号
昭和五十年三月二十七日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
  委員長の異動
 三月二十六日山崎昇君委員長辞任につき、その
 補欠として村田秀三君を議院において委員長に
 選任した。
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     河田 賢治君     星野  力君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     鹿島 俊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村田 秀三君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                山崎  昇君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                神田  博君
                斎藤 十朗君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                森下  泰君
                片山 甚市君
                浜本 万三君
               目黒今朝次郎君
                柏原 ヤス君
                沓脱タケ子君
                柄谷 道一君
   国務大臣
       労 働 大 臣  長谷川 峻君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     小野 武朗君
       労働大臣官房長  青木勇之助君
       労働省労政局長  道正 邦彦君
       労働省労働基準
       局長       東村金之助君
       労働省婦人少年
       局長       森山 真弓君
       労働省職業安定
       局長       遠藤 政夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       郵政省人事局人
       事課長      岡野  裕君
       労働省労政局労
       働法規課長    松井 達郎君
       日本専売公社管
       理調整本部職員
       部長       後藤  正君
       日本電信電話公
       社職員局長    中林 正夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村田秀三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。
 このたび、私は社会労働委員会の委員長に選任されました。ふなれな者ではございますが、委員の皆様の御鞭撻と御協力をいただきまして、この重責を果たしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。簡単ではございますが、ごあいさつといたす次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村田秀三君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日、河田賢治君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が選任されました。また、昨二十六日、岡田広君が委員を辞任され、その補欠として鹿島俊雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(村田秀三君) これより理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(村田秀三君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に山崎昇君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(村田秀三君) 次に、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○目黒今朝次郎君 この法律の改正の質問に入るわけですが、この前の委員会でこの問題は現在閣僚協議会で検討されておると、そういう大前提がありまして、ことしの八月か十月か、とにかく秋ごろまでには一定の方針を出して、公労法の抜本的な改定を行うと、そういう前提があるわけでありますから、若干おさらいの点も含めて時間の範囲内で質問を進めたいと思っております。
 この公労法は、昭和二十二年に制定される以前においては、一般民間の労働者と同じように、労働組合法及び労働関係調整法の適用を受けておったわけでありますが、公労法の制定で既得権が奪われた、幾つかの変遷があるわけでありますが、この変遷を簡単にまとめて御答弁を願いたい、こう思います。
#8
○政府委員(道正邦彦君) ただいま御指摘がございましたように、終戦直後、昭和二十年の十二月に制定されました労働組合法のもとにおきましては、警察官吏、消防職員及び監獄職員が団結権を認められなかったほかは、三公社五現業の職員を含む公務員も民間労働者と同様に労働基本権を認められておったわけでございます。ただし、その後昭和二十一年九月に制定されました労働関係調整法は非現業の公務員の争議行為を禁止いたしました。その後昭和二十二年のいわゆる二・一スト、昭和二十三年の三月闘争におきまして公務員組合が指導的役割りを演じたことは御承知のとおりでございます。その結果、昭和二十三年七月二十二日、いわゆるマッカーサー書簡が発せられまして、これを受けまして、七月三十日に政令二百一号が制定されまして、現業、非現業を問わず、すべての公務員につきまして争議行為、及び争議行為を裏づけとする拘束的性質を帯びた団体交渉が禁止されることとなったわけでございます。これを受けまして、昭和二十三年十二月には国家公務員法が改正され、また公労法が制定されました。その結果国営事業のうち、公共企業体に移行されました国鉄、及び専売公社の職員につきましては、争議行為は禁止されますが、労働協約締結権を含む団体交渉権が認められることになったわけでございます。
#9
○目黒今朝次郎君 いま説明にもあったとおり、公労法はきわめて異常な経過を経ながら今日まで来ておるわけでありますが、これまた一つの整理を含めて、今日まで常に問題となった公労法の問題点がどういう経過を経て今日に至っているか、これもお互いの確認のために一言、まあ十年代ぐらいのきざみでお答え願いたいと、こう思います。
#10
○政府委員(道正邦彦君) 十年きざみでごく簡単に申し上げます。
 まず昭和二十年代でございますが、この時期におきましては、仲裁裁定の完全実施の問題が最も大きな問題でございました。昭和三十一年に公労法が改正される前におきましては、いわゆる給与総額制との関係で、賃上げに関する仲裁裁定はほとんどすべて予算上実施不可能であるということから、公労法の規定によりまして、国会に付議されるのが通例でございましたが、仲裁裁定の中には一部についてのみ実施されるとかあるいは実施時期をおくらせるというようなことが数多く見られたわけでございます。こういう経過がございました結果、昭和三十一年に公労法の改正が行われまして、その三十五条に、政府は仲裁裁定が実施されるようにできる限りの努力をしなければならないという旨の規定が加えられると同時に、あわせて公共企業体等の予算制度についても改正が加えられまして、仲裁裁定を実施する場合には給与総額の制限に関して特例が認められることとなったわけでございます。この改正と昭和三十二年の春闘の際のいわゆる岸・鈴木会談におきまして、仲裁裁定尊重の申し合わせが行われたわけでございますが、これを契機といたしましてこれ以後は仲裁裁定は完全に実施されることとなったわけでございます。
 次に、昭和三十年代でございますが、この時期におきましては、職員でなければ組合の組合員または役員となることができないという、いわゆる公労法四条三項の削除問題がILO八十七号の批准問題と相関連いたしまして大きな問題となったわけでございます。この問題につきましては、御承知のように昭和四十年のILO八十七号条約の批准並びに公労法の改正によりまして解決を見たわけでございます。
 それ以後は、なお、その間昭和三十年代の後半には、公労法第十七条による争議行為の禁止に違反して行われるストライキが繰り返されるということと相関連いたしましてスト権の問題が大きな問題になるに至ったわけでございますが、これを受けまして昭和四十年代におきましては、三公社五現業のスト権問題が当事者能力の問題と合わせまして大きな問題になったわけでございます。昭和四十年十月に公務員制度審議会に諮問されまして、審議会は四十八年の九月に答申を行ったわけでございまして、この答申を受けまして目下政府といたしましては関係閣僚協におきまして検討を加えているわけでございます。
 以上が従来の概要でございます。
#11
○目黒今朝次郎君 いま経過を聞きますといわゆる仲裁裁定の完全実施、非組合員の四条三項関係、公労法十七条と、こういうふうにずっとまいりまして、いわゆる公制審で長い間議論されて今日に至っておるわけでありますが、これはこの前の質問でも一応お伺いしたわけでありますが、この際もう一度労働大臣に公労協関係のスト権問題についての基本的な見解を聞かせてもらいたいと、こう思うわけであります。もういまさら言うまでもなく諸外国においてはほとんど公労協に類似する産業労働者はスト権がある、場合によっては警察官でもスト権があるというふうに保障されておる国もあるわけでありますから、そういうことを踏まえて、非常に微妙な段階でありますが、労働大臣のいわゆる見解を聞かせてもらいたいと、こう思うんです。
#12
○国務大臣(長谷川峻君) 三公社五現業等のスト権問題は公制審で八年もかけて検討したのでございますけれども、結論が出なかったほどきわめて非常にむずかしい問題なのでして、そこで公共企業体等関係閣僚会議といたしましてはその結論を出すに当たっては各界の方々の専門的意見を十分お聞きする必要があると考えまして、二十名の方方を専門委員に委嘱して目下これの検討を願っているところであります。国鉄や郵政におけるストライキは国民生活やら国民経済に非常な影響を及ぼしますので慎重に検討すべきことは当然でありますが、問題はそれだけではなくて、公制審も指摘しておりますように、事業の経営主体が国であることに伴いまして民間企業と異なって経済原則による争議行為の抑制力が不足する点をどうするかという問題もあります。また、三公社五現業に国民の税金が使われる以上、国会の予算審議権と当局の当事者能力とをどういうふうに調整するかという非常にむずかしい問題もあると思います。私といたしましては、専門委員の方々にこれらの問題点について十分御検討を願った上で結論を出すべきものだと、こういうふうに考えております。
#13
○目黒今朝次郎君 今月の初めですか、の大阪地裁における七〇年春闘に対する十七条に伴う解雇無効の裁判についても組合側が勝訴していると、こういう現状もあるわけでありますし、またILO百三十三次報告ですか、これによりますとわが国の処分の懲罰形態が非常に過酷で、中でも永久的賃金格差を伴う懲戒罰が調和のとれた労使関係を形成するにきわめて妥当でないと、こういう最近の判例なり、ILOの条項もあるわけでありますから、これは私もこの前の委員会でお願いしたとおり、単に税金を使うとかそういうことでなくて、そういういままでの本当に長い間の諸外国の例あるいは公制審の答申など、それから現状における春闘の情勢など十分に勘案した的確な判断をしてもらいたいということを重ねて私は要望をしておきます。それはことしの八月か十月に再び本委員会で議論するとして次の質問に移ります。
 現状で三公社五現業のストライキ権がそういう形態にある以上、やはり闘いを組むには処分というのは常に覚悟されて組まれるわけでありますが、そういうことを望むわけではありませんから、スト権にかわる仲裁制度、第三者機関というものはきわめてスト権にかわる代償措置としての公正、中立性、こういうものがあらなければならない、私はこう思うのであります。そういう点からこの公労法を考えてみますと、私も在野当時再三問題にしたんですが、公益委員の選出の方法ですね、これは国会の同意だと、こうなっておるわけなんですが、私は少なくともこれはスト権の代償である限りは、労使、特に労働者側の同意を得た公益委員を選出するというのがどこまでもたてまえであろうと、こう思うのであります。これは公労法の三十一年の改正ですか、三十一年の改正の前の公労法はこの中労委方式と同じ形態であったわけなんで、あのころわれわれも反対をしたわけですが、ついに国会の過半数で押し切られたと。したがって、今回改めてこの委員の問題を議論するならば、公益委員の選出の問題について、私はやはり労使の同意を得て指名して国会の承認を求める、こういうふうに改正するのが非常に望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
#14
○政府委員(道正邦彦君) 公労委が争議行為禁止の代償機関として十分かどうかということについてはいろいろの意見があろうかと思いますが、少なくとも判例は代償機関として十分なものであるということを認めております。またILOのドライヤー委員会におきましても「公労委の与えた保障は、申立人の申し立てが示唆したより以上に」と、組合側でございますが、「以上に実質的なものであり、また、それよりも大きな代償を関係労働者に対して与えたように思われる。これらの労働委員会は、三者構成であり、公益委員のみによって行われる職務について、必要な程度の公平性が存在してきたように思われる。」というふうに述べております。いずれにいたしましても、公労委の公益委員の任命につきましては労働大臣が労使の委員の意見を聞いて作成いたしました委員候補者名簿に記載されている方々のうちから両議院の同意を得て内閣総理大臣が行うものというふうにされておるわけでございます。この趣旨は公労委の公益委員の職務の重要性及び特殊性に基づくものでございます。すなわち、公労委の公益委員で構成いたします仲裁委員会が行います仲裁裁定は、国会が議決した三公社五現業の予算を超えるような場合でも国会の承認と所定の手続を経ることを条件に速やかにかつ完全に実施されることが要請される、そういう重要な職務を行う公労委の公益委員の任命につきましては両議院の御同意を得て行うこととされておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この制度には十分合理的な根拠があるというふうに考えるわけでございます。なお、労働大臣が公益委員の候補者名簿を作成するに当たりましては、従来から労使委員の意見を十分承って行っておるわけでございます。
#15
○目黒今朝次郎君 この問題ももう長い間の議論で、いまも閣僚協議会なり専門委員会の議論の焦点であることは間違いありませんから、これらについては、いまの説明については同意できないと、われわれとしてはあくまでもやはり労働者の自主性という点から、労働者の意見を持った公益委員というのがたてまえであって、参考意見程度云々ということについては同意できないという見解だけ表明して今後の問題に残しておきたい、このように考えます。
 次は、公制審の答申は三公社五現業の問題について当事者能力という問題について非常に議論をかもしておるわけでございますが、これもまた議論の焦点になって、現在専門委員会で議論されておりますからなかなか発言がむずかしいと思うんでありますが、一応労働大臣としてこの当事者能力に対する考え方をどう考えているかということを一応見解を聞いておきたいと・こう思います。
#16
○国務大臣(長谷川峻君) 三公社五現業の労使関係を改善するためにはやっぱり当局側の当事者能力を強化して、労使の私は自主的な交渉によって物事が決まるようにすることが重要だという意見があることを私も承知しております。しかしまた、一方には三公社五現業には国民の税金が使われる以上、当事者能力を強化しようとすれば国会の予算審議権との関係が問題にならざるを得ないわけでありまして、また国鉄のように経営状況が悪化して独立採算が困難になっている企業体につきましては、経営の状況を改善いたしまして支払い能力をつけるようにしなければ、当事者能力を強化するだけでは根本的な解決にはなるまいという意見もあります。私といたしましては、専門委員の方々にこれらの問題点について十分御検討を願った上で結論を出す必要があると、こう考えて見守っている次第であります。
#17
○目黒今朝次郎君 国民の税金論というのはしょっちゅう出てくるんですがね、これはここの委員会で議論する適当な場じゃないと思うんですが、私も適当な機会に、これは運輸大臣なり、あるいは国鉄総裁なり、あるいは大蔵省というものを呼んで、国鉄の財政、税金、赤字論というだけで、その問題で労働者の基本権が、基本的な問題が転稼されていく、回避されていくということはきわめて遺憾な問題でありますから、国鉄の赤字論については国鉄労働者にどれだけの責任があるのか。これは責任以前の問題として、私は経営の問題に対する抜本的な対策をやらない限り、たとえば長谷川労働大臣が国鉄総裁になっても、あるいは財界の大物が国鉄の総裁になっても、現状の経営形態では決して赤字は解消できない、こう私は確信しています。ですから、その赤字論と税金論を労働者の基本的責任に転稼するということは本来誤りだと、もっと根本的なものがあると、こう思うのですが、その辺の大臣見解があったら聞かせてもらいたい、こう思うんです。
#18
○国務大臣(長谷川峻君) いまのお話は私も長いこと運輸委員もしておりましたから多少先生のおっしゃる模様などもわかります。しかし一方、そういう問題が現実にやっぱり閣僚協の専門委員の方々の会合でも論ぜられながら、どういうふうな姿にこれが将来そこで分析もされ、そしてまたそういう問題も含めての当事者能力をどう強化していくかということがいままで論ぜられて、たしかきょうあたりからは専門委員の方々が基本権の問題に入るというふうなかっこうになっておりますから、それらをひとつ改めて見守っていきたいと、こう思います。
#19
○目黒今朝次郎君 要望になりますが、できれば私は労働基本権の問題と、たとえば運輸なら運輸、こういう問題で大蔵省と、こういう三者共催と言うと変でありますが、一堂に会した問題でやっぱり議論を十分詰めていくと、そういう機会などについても今後社労委を中心に、労働省を中心に考えてほしいというような要望を申し上げたいと思っております。
 それから二十五日でしたか、新聞にいま言った専門委員会の中間報告ですか、閣僚協の中間報告を行うという記事を見たんですが、その後どういう報告があったか、私もちょっと忙しくて見られなかったんですが、わかっておれば閣僚協の中間報告をここで教えてもらいたいと、こう思うのです。
#20
○国務大臣(長谷川峻君) 先日それがありました。そして、いままで事務当局がずっとこの問題についてやっておった模様を報告受けたわけです。一部経営形態の問題と、それから基本的なスト権の問題と、こう二つあるわけですね。その場合に、経営形態の問題について各三公社五現業の現状、そしてまた、どういうところに隘路があるかとか、どういうふうにして、赤字が出ているかという話をいままで研究した、それの大体粗筋の話がありまして、そして改めて今度は基本権の問題に入って、お約束したとおり秋までに結論を出すように作業を進めておりますということでしたから、私は自分の立場上もそれを強く期待して進行をぜひ進めてもらいたい。そして各委員の方々もせっかくいままで出られて経営の問題も聞かれたことであるから、大事な基本権のときでありますから、どの先生方も御熱心であるから、そういう方々のさらに一層の御協力をお願いするようにすべきである。また、私たちもそういうふうな気持ちでこれが早い結論が出ることを期待しているということを私の立場から申し上げておきました。
#21
○目黒今朝次郎君 そうすると、いまの大臣の説明は、今回の閣僚協の中間報告はいわゆる当事者能力、経営形態、それに対するおさらいは一通り専門委員会の段階で終わって、そして、いよいよその問題と関連あるスト権の基本権という問題に入ると、そういうふうに確認していいですか。
#22
○国務大臣(長谷川峻君) ここにそのときの書類もございますけれども、後でまた必要ならお持ちしますが、専門委員懇談会における審議経過概要というものが私たちに配られまして、その中には審議内容、席上に出た主なる意見、こういうものが三公社五現業について話しされ、そしてその回数が何回あって、その場合にこういう意見が出たということが詳細に報告されておりますので、関係の方々がもし御必要でありましたら何か資料を御提供するにはやぶさかではございません。
#23
○目黒今朝次郎君 ではぜひ、その閣僚協中間報告の資料についていただきたいと思いますからお願いいたします。
 それでいよいよ、その問題はその問題として、今度の春闘に入ってくるわけですが、春闘になると公労法の問題で常に問題が出てくるのが、当事者能力論と絡んで有額回答という点が常に出てくるわけですが、この有額回答に対する政府の今次春闘に対する指導方針といいますか、心構えといいますか、それがあったら聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#24
○国務大臣(長谷川峻君) 御指摘の有額回答の点につきましては、最近では公労委に持ち込まれる以前の自主交渉の段階で当局側は相当額の有額回答を行うようになってきていることは御承知のとおりでございます。本年の賃上げについては現在関係労使間で交渉が開始されつつある段階と承知しておりますが、関係労使が民間賃金等の動向をも踏まえて、十分交渉を煮詰めることを期待しております。その過程で関係当局から御相談があれば、各当局ができるだけ当事者能力を発揮できますよう労働省としても援助を惜しまないつもりでございます。
#25
○目黒今朝次郎君 ぜひこの有額回答については前向きに取り組んでもらいたい。
 ただもう一つ、これは失礼な言い方なんですが、きのうの交通安全対策特別委員会でも、運輸大臣に要請をしたわけですが、取られるか取れないかは別問題として、私鉄の賃金と国鉄の賃金というのは公労協関係の春闘の相場をつくる一つの大きな目安になるわけですが、ちまたに、この春闘の土壇場にいくと、ややもすれば運輸大臣の方は運賃値上げをめぐって圧力をかけるし、大蔵省もその辺をにらみながら大蔵省は大蔵省としてにらみをきかす、そういう非常に相関関係があって、中労委、公労委の調停作業を難航させる、そういう事態が間々あるわけですが、いろいろ追及してもそういうことは絶対ありませんと答弁しているんですが、そういう表通りの答弁と裏通りの答弁があると思うんですが、やはり私は今次春闘が非常に厳しければ厳しいほど、いろんな一五%論で言われている点もありますが、少なくとも公労委の段階で、あるいは労働行政全般の段階で、こういう政府から圧力を加えるというようなことがないような指導方針をきちっとこの国会で表明してもらいたい。これは春闘一般にも関係しますから、お願いしたいと思います。
#26
○国務大臣(長谷川峻君) よく一五%論出ますがね、これはどうも私はちょっと私たちの言うている一五%は、消費者物価を、三月末に一五%にすると、そのための努力をしているのが、何か賃金を一五%に政府が言うているように解釈される方もあるわけでして、これは先生御承知のとおり、労使間で賃金はおやりいただく、そのときに自主的交渉をされつつ、しかも円満にやってもらいたいというのが私たちの姿勢でございますから、圧力をかけたりというふうなことはないことをひとつ改めて御理解のほどをお願いしたいと思います。
#27
○目黒今朝次郎君 じゃあ、いまのことについては私鉄、国鉄などを含めてそういう指導で進むということでありますから、それを不言実行するように強く要請しておきます。それがまあ大前提でことしも八月か十月やることですから……。
 今回の委員の改正ですね、委員の増加の問題は直接的な動機は何ですか、委員を増員した動機は。それをひとつ聞かせてもらいたいと思います。
#28
○政府委員(道正邦彦君) 先般大臣から提案理由の中でも御説明いたしましたように、最近におきまする公労委で扱いますあっせん、調停、仲裁等の案件が数もふえ、また複雑多岐になってきている、また一定の時期に集中してこれを処理しなければいかぬということにもなってきておるという経過を踏まえまして、約二十年ぶりに委員の増員をお願いしたいということで御提案申し上げておるわけでございます。
 なお、ほかの委員会と比べましても、たとえば中労委あるいは船員中労委の委員の構成と比べましても妥当なものではないかというふうに考えるわけでございます。
#29
○目黒今朝次郎君 私の認識では、本件問題は国鉄マル生の問題なり郵政マル生、そういう問題が非常に発生して不当労働行為案件がきわめておくれておった、たまっておった、こういう状態があると思ったんですが、こういう過去の不当労働行為などの案件等についてはこの委員の増員によって相当程度改善されると、そういう見通しを持っていいでしょうか。
#30
○政府委員(道正邦彦君) 不当労働行為があってはならぬということはもう当然のことでございます。しかし、不当労働行為があったというふうに関係者が判断された場合には、その是非につきまして、存否につきまして第三者機関である公労委の判定を待つということもそういったときに当然かと思います。で、非常に多いというような御指摘ございましたけれども、現在不当労働行為事件として係属中のものは一件でございます。
#31
○目黒今朝次郎君 まあ、国鉄マル生以来国鉄総裁が謝った関係で、国鉄関係はある程度まああるわけですが、別な面から見れば現在郵政マル生が各地に発生しているという事態もあるわけであります。それで私はまあ、いまは一件とか二件とかなりましたが、今後そういう不当労働行為、あってはならないけれども、もしもあった場合には可及的速やかにこの問題について審判を下す、そういう制度運用についてひとつ、せっかく増員したんですから御努力願いたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
#32
○説明員(松井達郎君) お答えいたします。
 先ほど局長から申し上げましたように、現在公労委にかかっています不当労働行為案件は一件でございます。ただ、それだからと言いまして、いま先生御指摘のように今後かかってこないという保証はないわけでございまして、御存じのとおり、不当労働行為事件がかかりますればこれは公益委員が公益委員会議を開きましてこれを処理するわけでございまして、御存じのとおり、公益委員が今回五名から七名というふうに増員されますので、こういう点からも公益委員会議による不当労働行為事件の処理につきましては迅速化が期待されると存じます。
#33
○目黒今朝次郎君 そのような、ひとつせっかく増員するんですから、増員した効果の上がるような運用をぜひお願いしたいと、こう思うんです。
 それから、不当労働行為の問題が出ましたからもう一件だけお願いなりあるいは今後の検討をお願いしたいんですが、現在の労組法は、地労委が一審で中労委が最終審判と、こういう形で二審制であると同時に、運用が非常に――地域の実情がわかっていると。公労法の場合は、何でもかんでも鹿児島の端で起きても稚内の端で起きても全部東京に持ってこなければ不当労働行為が受理できない。しかもそのつど証人なり参考人が上京してくる。やはり人間だけがふえてもそういう距離的な条件がかみ合わさると結局有名無実になってしまう。こういう点が私はあると思うんです。不当労働行為というのは非常に時間を要する問題で、実態の把握という点がきわめて私は重要なかぎを握ると、そういう点から見ますとやはり公労委の地方機関である地方の委員会、この地方の委員会で第一審を受け付けて、そこでその不当労働行為の問題を可及的速やかに結論を出す。不満があれば初めてその公労委の中央に持ってくると、こういう二審制度をつくるのがより労働者を保護する立場の私は公労法になるんじゃないかと、こんなふうに考えるんで、この点を強く私は、まあ次の改正かあるいは適当な機会にこの点について考えてほしい、そういうふうに思うんですが、お考えを聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#34
○説明員(松井達郎君) 先生からただいま御指摘のありましたように、民間の場合には地方労働委員会と中央労働委員会のいわば二審制、それに対しまして三公社五現業の場合には公労委の一審制という形をとっているのが現在の不当労働行為審査の状況でございます。一審制と二審制を比べますと、それぞれ優劣、長短があると思います。先生のおっしゃいましたように、一審制になりまして地方で不当労働行為事案が審理されますと、申し立てた人、あるいは関係者にとりましては地元でやっておるわけでございますから、これは非常にその点で御都合がよろしいということになるかと思います。また、それに対しまして二審制の短所と申しますか、それを考えてみますと、時間がかかると、手続の慎重さはもちろんそのとおりでございますが、時間がかかるという短所もあるわけでございます。それで、現在の公労委における不当労働行為審査の運用といたしましては、公労法の二十五条の五に、その公労委がやります調査、審問につきましては地方調停委員会に実際の仕事を行わせることができるという規定がございまして、現在では公労委規則も整備いたしまして、この地方調停委員会における調査、審問につきましてはずいぶん活用されておるようでございます。先生のおっしゃいましたことにつきましては、現在の制度の重要な変更になりますので、御意見につきましては将来の問題として慎重に検討させていただきたいと存じます。
#35
○目黒今朝次郎君 まあ、一利一害のあることについては私も表面上はわかるんですが、実際不当労働行為を長い間扱ってきた者として、非常にその点私は実践的には問題があるように考えております。同時に私は不当労働行為の問題について、仲裁委員会の審議では白に出て実際の現場の運動論として黒と出て管理者が謝ると、こういう形態は非常に法の精神から言って私は余り好ましくない。実体の審理では白だと、運動論で突いていかれたらやりました、謝りますと、今後やりませんと言って、当時の礎崎総裁が両方の委員長に一札書くなんということは余りよくないことであって、そういうことはやっぱり不当労働行為が持っておる私は機構上の欠陥だと、こう思って間違いないと思うんです。ですから、いま法規課長の言うことは法律論としてはわかりますが、やはり実体論としてまだまだ根の深いところがあると、しかも国の機関が不当労働行為を行うなんていうのはもってのほかで、郵政マル生、国鉄マル生、いま建設マル生というのがあるそうですが、そういう点を考えますと、やはり不当労働行為については迅速かつ正確に、しかも労働者保護のたてまえで運用さるべきだという主張は、私は遺憾ながら法規課長の説明では納得できません。ですから、これらの問題は、今回の委員の増員にかかわらず関係の問題として今後十分な御検討をお願いしたいし、われわれも議論するにやぶさかでないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#36
○国務大臣(長谷川峻君) いま目黒委員のおっしゃったことは原則論でありまして、まず第一、不当労働行為の起こらぬような近代労働運動といいますか、これだけの加工国日本は勤労者が一番大事ですから、そういうことの起こらぬようにまずやってもらいたいというのが私どもの願い。それから先生から公益委員の選出の方法等についていろいろ御議論がありましたが、私たちは先ほど労政局長が御答弁申し上げた形において従来選出をしておりまして、このたびこの国会でこの法案が成立いたしました暁に増員される公益委員につきましては、必ずや諸先生方の御期待に沿えるような方、そういう人々が国会の御承認を得られるという人選をして御期待に沿いたいと、こう思っております。
#37
○柏原ヤス君 本日の議題は公労法の一部改正についての審議でございますが、この機会に働く婦人の立場から若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず寡婦雇用の問題についてお伺いいたします。ことしの年頭に公明党では寡婦雇用促進法案を発表いたしました。この法案は寡婦を安定した職場に就職させる、そして母子家庭の生活の安定と向上を目的としたものでございます。現在この母子家庭は全国で六十万世帯も超すといわれております。こうした大ぜいの母子家庭の中で母親が家計を支えております。私は自分で働いて何とか自分の手で生活していきたいと、こういう母親の気持ちというものをかなえさせてあげなければならないと思いますが、大臣はこの点どうお考えになりますか。
#38
○国務大臣(長谷川峻君) 寡婦の就業問題につきましては、政府として職業安定機関による積極的な職場の改革あるいは職業紹介あるいは職業訓練を初めといたしまして雇用対策法に基づきまして各種援助制度を活用してその雇用の促進を図っているところでありまして、今後ともこれらの施策の充実に努めてまいる所存であります。なお、寡婦の就業問題については、これらに対してやっぱり社会一般の理解を深めることが大事だと思います。そして寡婦の就業に障害となっている諸問題を一つ一つ克服していくことが肝要であると思い、雇用の義務づけを法定することについてはなおひとつ慎重に検討しなければならないんじゃないか、こういうふうに考えているところであります。
#39
○柏原ヤス君 ところで、こうした母親が就職しようとしますと、職業上の資格また専門技術がありませんので、安定した職場への就職が非常にむずかしい。いま大臣が諸問題があるというふうに御理解くださっておりますが、こうした母親たちは大半が臨時雇いあるいはパートタイマーという非常に不安定な職場で働かざるを得ない。そこで私はこのパートタイマーの労働条件をぜひ改善させるべきではないか、させていただきたいと、こう思うわけです。そこで労働省ではこのパートタイマーの定義をどういうふうにお考えになっているかということをお聞きいたしましたところが、労働時間が一般労働者より短いと、こういう定義でございます。フルタイマーに対するパートタイマーだ、労働省がこのように定義しているならば、私は当然他の労働条件は同じでなければならない、身分が保障されなければならないと思っております。ところが、実際このパートタイマーとして働いている母親、そうした方たちに会ってみますと、まず賃金が安い、これはもちろんです。そのほかに生理休暇は全然取れない、有給休暇はもってのほか、社会保障もほとんど未加入者です。こうした悪条件の中でも働かざるを得ないから働く、このようなパートタイムの労働条件に対して監督及び指導をし、パートタイマーを保護すべきではないかと思います。その点いかがでしょうか。
#40
○政府委員(森山真弓君) わが国におきましてはパートタイム雇用の歴史がまだ浅いせいもございまして、パートタイムの雇用に対します一般の認識が必ずしも十分ではないことは先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、その労働条件につきましてもいろいろと問題がありますことは十分承知いたしておるところでございます。婦人少年局といたしましては、従来からパートタイマーの保護と労働条件の向上を図りますために、労使及び一般社会の御理解を得ますように啓発指導に努めていたところでございますが、特に使用者に対しましては労働条件の明確化というようなことをまたパートタイマーの受け入れ体制の整備のための指導をいろいろと行ってきているところでございます。一方、パートタイマーになられます御婦人方にも、仕事というものについての認識をしていただく必要がございますので、就労に対しまして講習会をいたしましたり、その中で労働基準法の知識を得ていただくというようなことをやっておりまして、職業人としての自覚を高めていただくというふうに努力いたしているところでございますが、労働条件特に労働基準法の監督及び指導につきましては、労働基準局の所管でございますが、パートタイマーという身分あるいはその契約期間が短いというようなことがございましても、雇用労働者である以上は労働基準法の適用があるということは同じであるというふうに解釈いたしております。
#41
○柏原ヤス君 いまのお答え、まだ私もいろいろとお願いをしたりわかっていただきたい、そして婦人局として積極的に、またパートタイマーはほとんど婦人が多いので改善に努力をしていただきたいということを重ねてお願い申し上げます。
 時間がございませんので次に進んでまいります。ところで、この寡婦雇用についてですが、現在の経済情勢を考えた場合に、当面民間企業にこの寡婦雇用の促進を押しつけるということは非常に無理だろうと思います。そこでまず国が積極的にやるべきではないか。国がこういう点を積極的にやることによって非常に私は違ってくると。そこで一つの面を考えたわけですが、国家公務員の採用の場合でも、試験による定期的な採用のほかにも、欠員が生じた場合とか定員外の採用があると、こういうふうに聞いておりますが、その際に寡婦については年齢制限の問題も含めて特別の配慮をしていただきたい、こう思いますがいかがでしょうか。人事院にお願いいたします。
#42
○政府委員(小野武朗君) お答えいたします。
 一般職国家公務員の採用につきましては、競争試験によってなされるべきものと、しからざるものとがございまして、前者につきましては試験合格者の中から、その他の者につきましては選考によりまして任命権を持つところの各省庁が採用をするということに相なっておるわけでございます。人事院といたしましては、御指摘の立場におありになるような方々を含めまして、そのポストと申しますか、官職に要求される能力の実証のある者について、それぞれ各省の方で十分御配慮をいただくように協力を求めてまいりたいと、このように考えております。
#43
○柏原ヤス君 公共企業体、三公社五現業の方にこの寡婦雇用の促進に力を入れていただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。また現状をお聞かせいただきたいと思います。
#44
○説明員(岡野裕君) お答え申し上げます。
 人事院からお話がございましたことでございますが、私どもの部内の職員の採用につきましては、やはり国家公務員法あるいは人事院規則によりまして国家公務員試験あるいは郵政職員採用試験これらの合格者の中からこれを行われるようになっております。これらいずれの試験におきましても、私ども男女の差によりますところ、性別の差によりますところの差はこれを設けておりません。したがいまして、寡婦の方でありましても、寡婦であるからこれをオミットをするという考え方はないわけでございます。したがいまして、寡婦の方でありましてもこれらの試験を合格をなさいますならば、私どもの部内に採用する資格を得ることになるわけでございます。ただ、私どもの部内の職務の内容がございますが、やはり非現業の各省庁とこれは異なりまして、内勤作業におきましても交代制勤務が多うございますし、また外勤におきましても屋外におきますところの集配作業が中心でございます。そのような実態から、現在私ども部内の中で女子職員の占めるパーセントといいますものは必ずしも多くはなっておりません。
 以上でございます。
#45
○説明員(後藤正君) まず背景からちょっと御説明したいと思いますが、先生も御案内のように、大変最近技術革新が進んでおります。そのため、私どもといたしまして労使大変誠意を持った協議を続けまして、そういう近代化を進めております関係上、現在職務内容も大変複雑になってまいってきております。したがいまして、一般的に女子の採用人員というものは最近は減少の傾向にございます。それとあわせまして、逆の傾向でございますが、おかげさまで私どもの方の定着率と申しますか、これは大変高うございまして、現在全体で四万一千職員がおりますが、そのうちの約三分の一が女子でございます。さらにその中で三十歳以上というのが七三%というふうに、大変定着率がよろしい。これが一般的な背景でございます。
 採用関係でございますが、これは私どもがやめていかれる方の状況等を見ながら、各工場別に一般公募ということで現在採用をいたしております。その際、特に年齢とか――性別はこのやめる方の男女別、それからつける職種等によって採用の枠は決めますけれども、年齢とか家庭状況ということで当然差は設けてございません。そういうようなことで現在も採用をいたしておりますし、この考え方を今後とも持っていきたい、このように考えております。
#46
○説明員(中林正夫君) 電電公社におきましても、職員の採用につきましては公募によって広く人を求めると、こういうことで行っておりますけれども、御案内のように、公社の主な業務というものは二十四時間サービスでございますので、夜勤であるとかあるいは宿直とか、そういった勤務が多い関係上、比較的年齢の若い人を中心に採用をしておるということでございます。ただ、公社の職員であった夫の人と死別をされたような場合、そういったような場合はかなり年齢の高い人を採用するとか、あるいは看護婦、保健婦、こういつたような部門においては寡婦をも対象にして採用をしております。大体今後もそういった方針でいきたいと思います。
#47
○柏原ヤス君 まあ、国が積極的にやるべきだということを強く主張をする立場から、さらに意見として、また要望として申し上げたいんですが、寡婦等雇用奨励金、こういうものもございます。しかし、これは民間企業に限りますので、官公庁にはそのメリットがない。しかも、この独立採算制という中で予算上の制約がありますので、この寡婦雇用ということは非常にむずかしい問題であるとは思います。そうした中で寡婦雇用が一定率義務づけられているならば別ですけれども、いまお答えいただいた三業種の内容などもお聞きしてみて、やっぱしむずかしいという感じを受けました。そこで、寡婦雇用促進法、こういうようなものをつくってある程度義務づけなければ、この寡婦雇用の促進は期待できないんじゃないか、まあ、こういうふうに考えまして、国としてこのような立法を検討するお考えがあるかどうか、これをお聞かせいただきたいと思います。
#48
○政府委員(森山真弓君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、寡婦の雇用につきましては、現在雇用保険法におきまして寡婦等雇用奨励金等の対策をいたしているところでございますし、そのほか中高年齢者の雇用対策といたしまして男女ともにいろいろな対策が進められているところでございます。寡婦の雇用を義務づけるということを先生は特に強調しておられるようでございますが、そのことについてはいろいろと検討しなければならない問題があるのではないかと思いますので、なお慎重に研究いたしていきたいというふうに考えます。
#49
○柏原ヤス君 それでは公労法の一部改正についてお伺いいたしますが、公労委の委員の報酬についてですが、委員の手当、現在の額、そして来年度の額は、それぞれ一カ月当たりの平均額を含めましてどのくらいになっておりますか。
#50
○説明員(松井達郎君) お答えいたします。
 五十年度の予算に計上されておりますのは、会長につきましては日額一万五千五百円、これは今年度は一万二千円でございます。それに対しまして、公益委員と労使の委員、これは日額一万四千円、それに対しまして四十九年度は一万一千円、いずれも非常勤の方でございますので、こういうふうに日額でもって報酬が定められているわけでございます。
#51
○柏原ヤス君 先ほどこの問題も出ましたけれども、非常に、公労委は三公社五現業における労使の紛争を調整するという委員会であり、この労使紛争が非常に数も多く、内容も複雑になって、しかもそれが迅速に適切に調整されなければならないという点で、非常に重要性をさらに持ってきた段階でございます。そういう中で一体この現在の委員の手当というのは職責、職務に見合うものかどうか、私は見合っていないと思うんですね。他の行政委員会、公取委員会や公害等調整委員会の委員の報酬と比べますと非常に低い、同じぐらいな報酬にすべきじゃないか、こう考えますが、労働大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#52
○国務大臣(長谷川峻君) こうした公労委の委員の手当についての御同情をいただきましてありがたいと思っておりますが、委員の手当の増額につきましては、おっしゃるとおり、委員の職責の重大性とか、職務内容の複雑困難性も考えて、労働者としてはかねてより努力しているところでありますが、御指摘のほかの委員並みの報酬支給ということはなかなか困難だと思いますが、逐年そういう努力を積み重ねて改善に一層努力をしてまいりたいと、こう思っているところであります。
#53
○柏原ヤス君 三公社五現業の労使関係の正常化についてお聞きしておきたいと思います。この三公社五現業の労使紛争というのは非常にふえております。そのためにこの公労委の委員の定数をふやすというようなことも行われたわけでございますが、やはり私は労使関係を正常化して紛争をなくすということが基本であると、きょうは幸いにもストが回避されましたけれども、この点について労働大臣はどう対処されるか、お尋ねしておきたいと思います。
#54
○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるようにいろんな問題、紛争がありますけれども、不当労働行為、そういうものを先生のおっしゃるようになくしていくというところに労使の方々のやっぱり構えというものが近代工業国家あるいはそういう中における労働運動として大事なことじゃないでしょうか。これは国民全体もそれを願っている、こう思うのでありまして、そうしたやっぱり環境づくりに労使もあるいは組合の方々も気を配りながら働けるような雰囲気というものを私はつくることにいろんな努力をしてまいりたい、こう思っております。けさ、私はこうして朝歩いてみましても、やはりストが回避されたということで、働きに出る諸君が太陽をさんさんと浴びながら職場に向かう姿を見ますと、なるほどこれによってきょう一日無事に仕事ができるんだな、国民がほっとしているんだなという感じ方を持った次第でありまして、これはきょうのことでございますけれども、そういうふうな雰囲気をひとつみんなでつくっていくことが大事じゃなかろうかと、こう思っているわけであります。
#55
○柏原ヤス君 以上です。
#56
○沓脱タケ子君 それでは簡単に公労法の一部改正についてお伺いをしたいと思います。
 一部改正案の提案理由説明を拝見いたしますと、この紛争の内容も複雑多様化する傾向にありということで、委員の定数をふやすという意味のことが書かれて、お述べになっておられるのですがね。これ、いままでもいろいろと各委員から出ておりますが、複雑多様化しており、あっせんの内容がふえてきておるというのが中身は実際には最近は何なのかという点、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#57
○説明員(松井達郎君) お答えいたします。
 最近、公労委が扱った労使の紛争で先生御質問の複雑化、多様化と申しますか、従来余りなかったような事例というものを挙げてみますと、たとえば一昨年、昨年と物価上昇を理由にしました臨時一時金、世上インフレ手当と言われております事件の紛争がかかっております。また、昨年は国有林野事業におきまして特別昇給制度を創設するということをめぐりまして仲裁事件がかかっております。また、最近はいろんな企業内問題というものも公労委に持ち込まれるようになりまして、御存じのとおり昨年秋には国鉄の合理化問題に関連しました退職年齢の引き上げとか、そういうような事件も出てきております。これらは確かに従来、これまで公労委に見られなかったことでございまして、いろんな事件の内容の複雑化を示す例かと存じます。
#58
○沓脱タケ子君 いまのお話を伺いますと、労使間の紛争、あるいは不当労働行為等による労使間の紛争ということもさることながら、特に昨年等ではインフレ手当だとか特別手当、あるいは定年制の引き上げというふうな企業内の要求がたくさんあると、出てきていると、特徴的だというふうに言われているんですけれども、インフレ手当の要求がどんどん出てきているというふうな、これはもういまの政治のもとでは世界に類を見ないほどの激しいインフレですから、これは当然だと思うんですよね。私は、確かに労使間の紛争がふえてきて、それを早く解決をしていくために委員の人数をふやしていくというふうなことについて、これは事務的な解決を促進するという意味で、実際に事務的に進めるために必要であろうということは理解できるんですけれども、そういうもとをつくってきた一つの原因というのは政府のインフレ政策に、いわゆるインフレをどんどんつくってきた経済政策の破綻だと思うんですよ。そういう中で当然生活防衛のための労働者の要求やインフレ手当の要求、そういったものが次々出てきているというふうに思うのですけれども、少なくとも今度ふやさなきゃならなくなったと、委員の数までふやして紛争を早く処理しなければならなくなってきたというのは、その原因をつくってきているのは一つは政府の政策に、施策にあるんじゃないかというふうに思うんですが、これはひとつ労働大臣どうお考えになりますか。
#59
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、政府の施策が悪いからインフレが起こったという御議論も成り立つでしょうけれども、これはやっぱり、逃げ口実じゃありませんけれども、全世界がいまインフレに悩んでいるわけです。これは日本だけじゃない。その原因というのはどこから言いましてもやっぱり四十八年の十月以降の石油危機、あるいは輸入物資の高騰、そういうものからきて、また国内ではかってないことでありますから、ときにはインフレマインドもそれに出てくるというふうなことなどもあって、こういうことからしてもやっぱり物価の安定ということが一番大事なことじゃなかろうか。おっしゃるそういう紛争あるいは調停に出されるようなものをなくすためには物価の安定というところで皆さん方に御審議をお願いしているわけでありまして、私は、だから組合が一昨年の暮れから昨年の三月ぐらいにかけての実質賃金よりも消費者物価が上回ったというふうなときは、やはりああいう、そういうものに相対応するところの要求というものはやむを得ないものもあったと。まあ、いずれにしましても、実際問題としては私はこういうものが円満に解決されることを図るためにも公労委の迅速かつ適切な調整というものが行われることが必要である、こういうところに今度のまた増員の提案をした理由もあることも御理解いただきたいと、こう思うんです。
#60
○沓脱タケ子君 余り私の質問に端的にお答えになってはおりませんけれども、まあ、そうだとも言いにくいでしょうなあ、大臣だったら……。
 余り時間がたくさんありませんから、引き続きお伺いをいたしますけれども、先ほど目黒委員からもおっしゃっておられましたけれども、ILOの結社の自由委員会の百三十三次報告ですか、これによりますと、「不当労働行為に関する申立てについては、この種行為の今後の防止のために、国鉄総裁によってとられた諸措置に関する政府からの情報を関心をもって記録にとどめること、および諸措置が国鉄のすべてのレベルにおいて確固として実施されることを保障するよう国鉄当局に求めること。」というふうに出ておりますが、ここで言われております「政府からの情報」というのはどういうことなのか、その要旨ですね、これをひとつお伺いをしたい。
#61
○説明員(松井達郎君) いま御質問のございました政府から送りました情報をかいつまんで申し上げますと、まず第一点としましては国鉄の総裁が声明を発したことでございますが、それは、その中身といたしましては「純粋な生産性運動がいわゆる不当労働行為によって歪曲して理解された事例があったことははなはだ遺憾でありまして、生産性運動に名を借りて不当労働行為を行なうことは、許されない」ということを国鉄総裁が言明なさった、この声明を一つ情報として送っております。
 それからその次に、同じく国鉄当局より各地方の管理者に対しまして、今後は再び不当労働行為問題を起こさないようにという指示通達を発したことを情報として送っております。
 それで、あわせて政府の方としましては、国鉄内におきましてはその後は不当労働行為が現実問題として起こっていないということもあわせて伝えたわけでございます。
#62
○沓脱タケ子君 いまの国鉄総裁の声明ですか、これで非常にはっきりして、その後国鉄では起こっていないといま言われているんですけれども、これは単に国鉄だけではなくて他の公共企業体等で再びこういうふうな国際的に批判を受けなければならぬというふうな不当労働行為、これは許されてはならないと思うんですけれども、これはないとは言えぬのですね。もう時間がありませんからその点については触れませんが、一括して、国際的な批判を受けるようなことのないようにすることがきわめて必要だと思うんですけれども、非常に大事な点なんで大臣の決意ですか、方針をひとつ伺いたい。
#63
○国務大臣(長谷川峻君) 一般民間企業であれ、あるいは三公社五現業であれ、法律によって禁止されている不当労働行為を行ってならないことは当然であります。三公社五現業の当局においても、不当労働行為事件が起こらないよう、常々十分な配慮をしていると聞いてもおりますけれども、最近では三公社五現業における不当労働行為事件はほとんど見られなくなったというふうに私は承知しておりまして、国際的に日本の恥をさらすようなことのないようにという先生の御意見は私も同感でございます。
#64
○沓脱タケ子君 それから、先ほど申し上げたILO結社の自由委員会百三十三次報告の百四十一項の(b)ですね、「懲戒処分に関する申立てについて」というところで、(i)にこう書いてあるんですね。「日本政府にたいし、制裁の適用における非弾力的な態度は労使関係の調和的発展に資するものではなく、とくにこのような状態は、労働者間に永久的な賃金格差をもたらすような懲戒処分の結果、生じ得ることを再度指摘すること。」、(五)には「公共部門においておこなわれている懲戒処分の硬直性と厳しさを緩和するための諸手だてをとってはどうかと、前に政府にたいしておこなわれた示唆を想起すること。」というふうに言われているんですけれども、公労法制定以来、いわゆる公共企業体労働者からスト権が剥奪をされて以来、そこで一体何人くらい処分をされているか、この二十七年の間に一体何人くらい処分をされたことになっておるか、これ、ちょっと数字を聞きたい。
#65
○説明員(松井達郎君) お答えいたします。
 手元に昭和二十八年から四十八年までの合計分の数字を持っておりますが、それでお答えをさせていただくことにいたしたいと思います。それで、国鉄につきましては、これはかなり大きな表になりますんで、三公五現を通じまして懲戒の種類別に申し上げることにいたします。解雇・免職につきましては八百八十四名、停職につきましては一万三千三百七十八名、減給につきましては十八万一千二百七十五名、戒告につきましては二十九万六千五百九十五名、二十八年から四十八年までの分を合計いたしますとこういう数字になります。
#66
○沓脱タケ子君 いま言われた数字というのは三公社五現業で処分の合計が、いただいた資料によりますと四十九万二千百三十二人で、解雇が八百八十四人となっているんですけれども、これは公労協の方の御調査では百三万になっているのですね。これはどういうふうな――百三万と四十九万と言いますと倍以上違うんで、これはちょっとよくわからないんですけれども、その辺はどうなっているのですか。これは二十八年以降なんですね。両方とも二十八年以降なんですが、二十八年以前にもたくさんあるんですね。これ、総数どのくらいになるのかという点、きょうは、いまおっしゃった資料しか恐らくないんでしょうけれども、一遍教えていただきたいというふうに思うんです。
 で、関連いたしまして、そういった処分を受けた労働者の賃金、退職金、年金を含む総経済的損失ですね、一体どのくらいになっているか。
#67
○説明員(松井達郎君) 私どもといたしましては、先生御指摘のこの経済的損失については計算いたしたことはございません。組合の方ではいろんなことでもって数字をお示しになっておるようでございます。私どもは、その経済的損失につきましては計算も非常にむずかしく、手元に数字は残念ながら持っておりません。
#68
○沓脱タケ子君 これは、そんな計算する義理も責任もないわけで、恐らく政府はわからぬと言ったらしまいだと思うんですがね、指摘されている点では、労働者の永久的な損害の問題という点が指摘をされているので、実際にはどの程度の損害になるかというふうなこと、これが政府が長年にわたってやってこられた労働行政の中での一つの大きな問題点だというふうに思うので、これはお伺いをしてみたわけでございます。
 で、先ほど申し上げた百四十一項の(b)の(ii)に処分が厳し過ぎる、過酷であると指摘されておりましたね、先ほど私読み上げましたが。また政府に対して処分を緩和する手だてを講ずるように繰り返し求めてきているというふうに述べられているんですが、まあ昨日来からのストライキ問題を通じての折衝の中でも処分問題というのがやはり一つの問題点になってきていたように思います。そういった点で、こういうILOの結社の自由委員会等の勧告、こういったものに関して、もうこれは指摘されている事項なんですね。これについてどういうふうに対処してきたか、今後どういうふうに対処しようとしているのか、これをひとつお伺いしておきます。
#69
○政府委員(道正邦彦君) 法治国家である以上、違法なストライキに対しまして処分が行われることは当然かと思います。その方針は、昨年四月十日に閣議決定をもって政府としての方針は確定しております。ただ、処分につきましては、各三公社五現業当局が権限を持つわけでございますが、従来から事案の内容によりまして適正に行うよう努力をされてきているものというふうに考えますが、違反の程度の軽微なものにつきましてはあえて懲戒処分を行わず、訓告あるいは厳重注意等の措置で行っているということもございます。こういうことにつきましてILOもわが国の実情に対しまして理解を深めてきているというふうに思います。
#70
○沓脱タケ子君 いやまあ、いまの法治国家と言うて大上段に冒頭に言われましたが、これについては私ども異論がありますが、これはいまそれを聞いていないんで、それに関連して聞きますがね、それじゃ、スト権問題に。諸外国では公共企業体の労働者のスト権というのはどないなっていますか、これを簡単にひとつおっしゃってください。
#71
○説明員(松井達郎君) いま先生公共企業体とおっしゃいましたが、国によりましてそのいかなるものを公共企業体にするかなかなかむずかしいわけでございますが、国鉄や郵政、これにつきまして、こういう事業につきましてどういうふうになっているかと、こう申し上げてみますと、わが国と同様に国鉄や郵政につきまして職員のストライキを禁止している国としましては、たとえばアメリカにおきましては郵政事業がストライキが禁止されているわけでございます。それから西ドイツにつきましては、これは職員につきまして身分の違いがございますが、国鉄や郵政につきましても管理の身分にある者につきましてはストライキが禁止されているということでございます。それに対しまして国鉄や郵政事業などの職員につきましても、スト権を一応認めた上でストライキにより事業の停廃が国民の日常生活なり経済運営なりに及ぼす影響というものを少なくするために特別の措置を講じようとしている国もございます。こういうような国は、たとえばイギリスとかフランスなんかがこれに当たるのではなかろうかというふうに思います。
#72
○沓脱タケ子君 いまもおっしゃられましたけれども、各国における公務員の状態ですね。これ、もうお持ちですか、あったらそれも含めて。私、先ほど公共企業体と申し上げたから選別しておっしゃられたんだと思いますけれども、それじゃ国家公務員、地方公務員含めて公務員ですね、公務員の状態というのは諸外国ではどうなっていますか。
#73
○説明員(松井達郎君) まことに恐縮でございますが、国家公務員の全般的な状況につきましてちょっと手元に資料を持ち合わせておりません。
#74
○沓脱タケ子君 まあ、私ども承知している資料ではイギリスでもあるわけですね。イギリスも西ドイツもフランスもイタリアもスウェーデンなどが、スト権も含めて国家公務員も権利を保障されているわけですね。そういう点から見ますと、法律で画一的に、先ほど法治国家だと言われたのは、法律で画一的に禁止をしているというのは日本とアメリカ、アメリカもそうなんですね、それから韓国その他ということで、発達した資本主義国では、日本の状態というのはアメリカも含めてですが非常におくれている。そういう中で戦後二十七年間労働者がほんとうに奪われたスト権ということで、スト権奪還の闘いというのがどんどん高まってきているというのは、そういう諸外国の実情も含めて悲願として起こってきているのは当然だと思うんです。そういう中で日本労働法学会の四十八回大会の要望書、これは渡邊事務次官に手渡されたということですが、大臣は御承知ですか。こういう学会の要望に対して考慮して対処するのかどうかですね。これをひとつお伺いをしたいと思います。
#75
○国務大臣(長谷川峻君) 関係閣僚協議会として各界の御意見を十分検討して結論を出そうと、御指摘の要望書はみんな参考資料にさしていただくつもりでございます。その中に渡邊さんに出されたものも入っていると、こういうふうに私は承知しております。ただ、政府といたしましては現行法制が憲法に違反するものとは考えていないのであります。そしてまた、この経営形態のあり方をも含めて、広い見地から抜本的に改正する必要があることが公制審の答申で指摘しているところでして、そういうものも踏まえながらいま関係閣僚協議会において、それから専門委員会において御検討いただいておる、こういうところでございます。
#76
○沓脱タケ子君 それでね、関係閣僚協議会で検討課題になって、しかも基本権問題がいよいよ審議に入ったというふうに先ほどもおっしゃっておられましたけれども、そういう状況の中できわめてやはりこういった要望の内容というのは大事だというふうに思うんです。先ほど局長は法治国家だからというふうに言っておられるんですけれども、私はこれは非常に大事だなあと思いますのは、労働基本権、いわゆる労働法学会ですね、労働法を研究する学会での四十八回大会での要望書というかっこうになっておるという点に特別留意を要する必要があると思うんです。その要望の中の一つは「ストライキ権に関する法規制は憲法の保障する基本的人権にたいする立法上の制約として、憲法秩序の枠内においてのみ許され、それを離れて全面的に政策的裁量の問題に解消することはできない。」二番目には「基本的人権にたいする立法的制約である以上、それは合理性の認められる必要最小限度にとどめられなければならない。したがって、公務員あるいは公共企業体職員というだけでそのストライキ権自体をはじめから全面・一律に否定する現行法制が、この憲法上の基本的要請と両立しうる余地はなく、この全面・一律スト禁止体制の根本的修正ということが、法改正問題の処理にあたっての出発点とされなければならない。」というふうなことが明記をされている。私はこういった点が基本権問題が検討される土台に座るべきだというふうに思うんですけれども、こういった要望書は専門委員会の方々は皆御承知でしょうかね。
#77
○説明員(松井達郎君) 本日午後から労働基本権の問題の審議に入るわけでございますけれども、その中でこの争議権のあり方、あるいは合憲であるかどうか、こういうような問題につきましてはいろんな見解を、私どもとしてはこういう見解も出ていますというようなことで御紹介いたしておるところでございますが、この学会の見解につきましても、その中でこういう見解が出ておりますということを紹介しておるわけでございまして、先ほど大臣から参考資料として検討さしていただくと、こう申されましたが、そのとおりでございまして、私どもとしてはそういうふうにしてこの学会の議論も紹介するということにいたしております。
#78
○沓脱タケ子君 いま参考資料として出されておるということでございますが、これは大臣、そういった労働法学会という、労働法の立場で、いわゆる憲法との関係で、憲法二十八条で規定されている労働者の労働基本権、こういうものを長い間制限をされてきているという点をどういうふうに――労働者の要求に見合って、また二十七、八年も長い間、時代が変わってきているというふうな中で、どういうふうに対処するかという点が一番大事な問題だと私は思うので、そういった点について、本当に憲法の立場で対処されるように心から念願をするわけですけれども、私自身から言えば、これは大体恨みの法律だと思っているのですよ、いまこの審議している法律はね。だから、そういう点が基本的な立場で対処されるのだと思いますが、そういう点、間違いなくやられるかどうか、大臣の御見解をお伺いしておきたい。
#79
○国務大臣(長谷川峻君) 私からも、あるいは課長からも御答弁申し上げたとおり、大事な基本権の問題でございますから、これを参考資料としてお出し申し上げる。また委員の中にはこういう学者諸君もいらっしゃることですから、恐らくその方々も御自身の御意見というものをお出しいただくと、こういうふうに思いまして、慎重な御検討をされることを期待しているものであります。
#80
○沓脱タケ子君 私いまちょっと触れましたけれども、ちょうど戦前から無権利状態の中での労働運動が、先ほど局長が御説明になっておられたように、戦後労働基本権が確保された、保障されたという時期に、私は労働組合運動を国家公務員の一人としてやっておったわけですが、マッカーサー書簡、それに引き続いて当時の芦田内閣時代に政令二百一号が出されてスト権が剥奪をされた。そして憲法二十八条のすべての労働者のスト権が保障されている権利が剥奪されたというのは、当時、私どもも労働運動をやっていた一人として、本当に悲憤の涙を持った闘いであったということを強く覚えているわけです。先ほども申しましたように、日本が経済的にはどんどん高度経済成長で世界の中で比肩をしておる、大きな前進を遂げておりながら、スト権問題についてはスト権後進国だということは先ほど申し上げたとおりですね。アメリカあるいは韓国というようなまさに特殊なそういう国と並んで法律で画一的に禁止するというふうなやり方がやられている。そういう点ではイギリスやフランス、西ドイツあるいはイタリアというふうなところと比べますと隔世の感があるわけですね。そういった点、どうしてもこれは改善を早急にやらなければならない。秋にということが言われておりますけれども、その際に、少なくともスト権後進国の汚名は返上できるようにひとつぜひやってもらわなければならない。
 同時に、それと関連をいたしますと、労働者の基本的な権利を憲法で守っていって労働基本権を回復していくというスト権問題がいま重大な問題になっているときに、ストライキをやったということの理由で処分をやるとか弾圧をやるとかというふうなことというのは、これはまさにおかしいわけですよ。そういう点で、私どもは長年にわたる労働者の悲願であるスト権奪還、まさに憲法に規定されているストライキ権確立のために私どもも闘い抜いていきたいというふうに思いますが、最後に大臣に一言伺って終わりたいと思います。
#81
○国務大臣(長谷川峻君) そういう御意見などもあることも含め、また、いままでの公制審の御答申なども踏まえ、そして大事なときでありますから、私は委員会の方々、閣僚協の方々においてこの秋までにりっぱな結論が出ることを期待しているものであります。
#82
○柄谷道一君 本法の改正案が成立いたしますと、三十一日と予測される本会議で議決される、その後公示、推薦の手続、公益外委員については同意の手続、さらにこれが大学教授であったような場合はその教授会の承認手続、そういうことによって若干の時間が必要であるということは承知いたしておりますけれども、それにしても新委員の任命は可及的速やかにこれは行われなければならないと思うわけであります。紛争はいつ起こるかこれはわかりません。現に近く賃上げ問題で公労委が重要な役割りを果たさなければならない事態も予想されるわけでございます。こういう諸点にかんがみまして、新委員任命の時期につきましては、これらの手続を可及的速やかに進行し、少なくとも四月中旬の本会議において委員任命の手続が終了されるべきであると、こう考えますけれども、労働省のお考えを伺いたい。
#83
○政府委員(道正邦彦君) ただいまの御質問の中でもお触れになりましたように、いろいろの手順があるわけでございます。まず法案をお認めいただきましたら即刻に手続に入りたいと思っております。
 若干細かくなりますが、具体的にどういう手順が必要かということを……
#84
○柄谷道一君 もういいです、あとの質問二十分ですから。見通しだけ聞きたい、四月中旬にやっていただけますか。
#85
○政府委員(道正邦彦君) はい、わかりました。いろいろございますが、それを迅速に進めたいと思います。ただ国会の御承認を公益委員につきましては仰がなければならないということになっておりますので、事務的には鋭意急ぐつもりでございますが、国会の御都合もございますので、なるべく早い機会に国会で御承認いただくように私どもとしては努めたいと思います。
#86
○柄谷道一君 この点につきましては、大臣ひとつ、少なくとも四月中旬ぐらいまでには同意手続につきまして行われるように大臣としてのせっかくの御努力を強く求めておきます。
    〔委員長退席、理事山崎昇君着席〕
 次に、問題を移しまして、地調委の関係でございますけれども、同盟系の組合が推薦する候補者が委員に任命されていないところが大部分でございます。もちろんこれは委員の定数の関係、また組織分布等からそのような結果にならざるを得ないということはわかるわけでございますけれども、しかし組合としては、地調委に紛争の調停をしてもらう場合は自分たちが推薦した人がおってほしいということは、これはもう当然のことであろうと思うわけであります。そこで、こういう問題に対処するために、運用上、北海道、関東、近畿、九州の四地調停委につきましては同盟系の組合が推薦する候補者を調停委員候補者とするという措置が現にとられております。しかし、その他の地域においてはこういう運用上の措置もとられていないというのが現状でございますけれども、全地調委について同様の措置を講ずるべきではないか、こう私は思います。この点に対する労働者の所見を伺いたい。
#87
○説明員(松井達郎君) いま先生の御指摘の北海道、関東、近畿、九州の四つの地調委におきましてはこの調停委員候補者が置かれておるわけでございますが、これが置かれた経緯につきましては、実は関係の組合、公労協関係の組合、全官公系の組合と、労働省も入りましてお話し合いをいたしまして、この四つということにいたしたわけでございます。つまり関係組合の十分な意見の調整の結果でございます。ただ、今後問題も生ずる場合もあると存じますので、先生のいまお話になりました御趣旨、十分念頭に置きながら、公労委それから関係組合とも十分意見を聞きまして、その問題の解決に一番ふさわしいやり方をとっていきたい、こういうふうに存じております。
    〔理事山崎昇君退席、委員長着席〕
#88
○柄谷道一君 これも時間の関係がございますので、大臣、私の意見を十分に生かせるような具体的措置が労働省当局としてとられることを強く求めたいと思います。
 そこで、問題は次に、大臣は御記憶があると思うんですが、ILO八十七号条約の批准に当たりまして、昭和四十年の第四十八回通常国会、国内法四法案の改正が自民党によって強行採決されました。そこで議会は大混乱に陥りまして、六日間の空白を余儀なくされた。そのときに衆議院議長のあっせんもあり、またわが党も積極的に動きまして、当時栗山礼行衆議院議員が自民、社会、民社三党の共同修正案という形で修正提案の趣旨説明を行いまして、第三者機関である公制審でこの問題を慎重に検討し、国内関係四法案の適正化を図るべきであるという形で収束したのは御承知のとおりであります。私は、絶えず民社といたしましては、この適正な解決ということに努力をしてまいりましたし、またそのことに対して実積を上げてきたと自負をいたしております。しかし、いま沓脱先生が指摘されましたけれども、スト権というもののあり方を検討し、公正、妥当なものにこれを修正するという、そういう検討と、現行法を無視していいということとは、私はおのずから問題は別であると思うのであります。法治国家でありながら、現行法が守られないということになるとすれば、これは立法府に属する議員としてはきわめてこれはむなしい問題です。今回、春闘における違法ストに対する処分を凍結することにつきまして、報道するところによりますと、大蔵当局と専売との間でやみ取引があったのではないか。また、三木総理と社会党委員長との間の党首会談で、この種の問題が触られたのではないか。そういう一連の動きを受けて国鉄総裁の談話が発表されたのではないか。私は真偽はわかりません。そのようなことが一般に流布されているわけなんです。私は違法ストを中止させるべきだということはすでに国民世論であろうと思います。しかし、そのために現行法を無視したストライキに対する処分をしないということでありましては、これは法治国家でなくなってしまいます。現に三公社五現業の中にも現在の法律が適当でない、速やかに法の改正を求める、しかし現行法が存在する以上、法は守らなければならない、そういうことでじっと耐えている多数の組合員がいるわけであります。ストライキの処分を行わないということになると、これらの組合は一体どういう立場に置かれるのか。また、同盟の中には電力の組合があります。これもスト権がいまないわけです。しかし、この電力の組合員は、スト規制の排除ということを求めながらも現行法律を遵守しております。いま電力の組合が、仮に電力をとみてみなさい。汽車がとまる、電車がとまるどころじゃないんですよ。大変な大きな問題になるんですよ。それを労働組合の争議手段として使うことは労働組合としては有効な戦術かもしれません。しかし、それを耐えているんです。こういう問題について、私は少なくとも無理が通れば道理が引っ込むというような行政はあるべきではない。労働大臣の率直な見解をお聞かせ願いたい。
#89
○国務大臣(長谷川峻君) 高い時点からのお話でありまして、私も同感するものが非常に多うございます。やはり三公五現の職員が法律で禁止されておる争議行為を行った場合に、厳正な措置をするということは政府が従来から一貫してとってきた態度であります。先生から凍結という話がありましたが、凍結する意思はございません。処分は処分としていたします。また今度のストの問題と、スト解除の問題と、いまの処分の問題等々が混同されているということは私は遺憾でございまして、それとこれとは別でございます。そうして一方においては、おっしゃるとおり、違法ストというものが行われることがないようにというのは国民全体の願い、そういう中に私はこのたびストを行わないで、こういうきょうも無事に、審議ができ、みんなが働けるようになったと、こういうふうに感じております。おっしゃるとおり、電力のストの問題について、私たち終戦後どんなにか家庭の方々が本当に直接生活の問題として悩んだか、そういう方々のいま電力ストの問題等々も御審議いただいている最中でございまして、私はどんな世の中であろうと、どんな場所であろうと、やはり不正がまかり通るような姿であってはまずい、そういう中にこそやはり法治国家なりお互いの姿勢というものがあるものだと、こういうふうに考えておるわけであります。
#90
○柄谷道一君 きょう新聞でも報道されておりますように、同盟は、この種の問題が見過されるというような事態であるとすれば、公共企業体等閣僚会議専門委員会からの委員の引き揚げを行う。同時に中立側委員に対してもこれに対する同調を求めるということをすでに態度として決定しております。わが党は十二時から緊急執行委員会を開きまして、こういう事態であるとすれば、すでに三木内閣というのは行政能力を喪失しているのじゃないか。今日までわれわれは野党ではございましたけれども、政府の提案する法律について、是は是としてこれを容認してまいりました。しかし行政能力を喪失した内閣に対しては、われわれとしては今後全面対決の姿勢をとらざるを得ないということをきょうの緊急中執で決める予定でございます。私は、これは問題は法の本質にかかわる問題である。大臣、いま凍結ではないと言われたのですけれども、厳正に法に照らして処分すべきは処分すると、こう確認してよろしゅうございますか。
#91
○国務大臣(長谷川峻君) ほかの党のことですから、私がとやかく申すわけにはまいりませんけれども、ひとつ従来ともに、やはり国会の中というものは議会政治でございますから、是は是とし、非は非とするという形においてぜひひとつお進みを願いたいと思うのであります。私だけの発言で御信用いただけないとすれば、私の微力でございますけれども、私は先ほど申し上げたような姿勢において、閣内においても、また日本人全体がそういう姿勢を私は行政能力としての内閣に望んでいるところに、毎日の国民の営みが行われると、こう思うのでありまして、関係閣僚協とか、そういうところから委員を早急にお引き揚げになるようなお話が出ましたならば、ひとつ先生、そこに御出席されて、私たちの気持ちというものをぜひお伝えいただきたいと、こう思うのであります。私が申し上げたこと御理解いただくならば幸いだと思います。
#92
○柄谷道一君 私は、法の本質の問題にかかわる問題であるということを指摘しておるのであります。これはいま行われているストライキの収束の問題ではありません。法治国家として、法の尊厳というものが維持されるかされないか、そういうものに対して、けじめをつけ、しかも法律内容に不備があるとすれば、その法律内容の改正に対して真剣に取り組む、そうしてその検討の時期を早める、これは全く私は異質のものであろうと、こう思うのです。この問題ばかり言っておれませんので、ひとつこれ、大臣、この問題に対する措置のいかんが非常にこれは今後重要な問題に私は発展していくと思います。担当する所管大臣として三木総理大臣に率直な直言を行われるようにこれは強く要望して問題を次に移したいと思います。
 私は次に、公労委における調停中にストが行われるということについてこれをただしたいと思うわけであります。調停中に当然のことのように違法ストライキが行われる。そのことについては論外でございますけれども、その法律のあり方は一応別として、同盟系の民間労組におきましては中央労働委員会なり地方労働委員会に調停またはあっせんを申請した場合に、第三者に一応その調停を依頼したわけでございますから、ストライキをやらないというのではありません。ストライキをやっても法的には認められております。しかし、調停あっせん中のストライキの決行というものについてはきわめて慎重な配慮が行われているというのが民主的民間産業労組のこれは実態であります。私はこれは単に現行法の違法であるかどうかというこの問題のほかに、労使慣行という観点から、現行の、現在の姿というものはやはり是正されなければならない問題であると、こう思うわけであります。労使慣行という立場に立って、労働者はこの問題についてどのような考えを持っておられるのかお伺いをしたいと思います。
#93
○国務大臣(長谷川峻君) お互いやっぱり近代工業国家として勤労者の非常に大事なことは、それはわかっておることでして、そういうものからしますというと、やっぱり労使の慣行がスムーズにいくというところに私は国として、またみんなの考え方が必要じゃなかろうかと思います。そういう意味からしまして、労使の正しい慣行、それをつくるために、もう一つはやっぱり無法者がまかり通る世の中ならば、これは野獣の世界と同じで、力の強いやつが勝つわけです。そういうところに、私たちが契約をし、認め合い、そうした中においてお互いの静かなる生活というか、平和な生活ということが行われるのが、これが国をつくっておる鉄則であります。そういうものが破られる、そういうものに不安を持たれるということのないように大いに努力をしてまいるというところに基本的姿勢が私はあるんじゃなかろうかと考えてそれに邁進したいと、こう思っております。
#94
○柄谷道一君 私は、そういう労使慣行を生み出した原因の一つに当局の姿勢というものもあるのではないかと、こう思うんです。穏やかに話しておればなかなか言うことを聞かない、力を加えれば折れてくる、そういう当局の姿勢そのものが正常な労使関係というものを妨げている。これは一つの大きな要因だろうと思うんです。私はいま大臣の言われたような正常な姿をこれからつくっていくためには、やはり当局というものの姿勢ですね、当局というものの労働運動に対する取り組み方というものについてもう一度洗い直してみるべきじゃないか。そこで、その洗い直しの中であらわれてくる問題について、労働大臣はやはり率直に当局者に対して、当事者に対して、そのあり方に対する是正を求めていくべきではないか。そういう労働大臣の真摯な努力というものが私は正常な労使関係を築いていくということに対して効果を波及していく、効果をあらわしていくと私は確信するわけであります。この点について、これまた時間の関係でいつも要望というかっこうでとどまりますけれども、ひとつ大臣、この点も篤と真剣にお考えになってそのような努力を払っていただきたい。
 最後に、もう時間がありませんのでもう一点だけ申し上げます。
 私は、民間であろうと三公社五現業であろうと公務員であろうと、暴力というものはいかなる理由があるにせよこれは否定されなければならないと思います。理由によって暴力が肯定されるということは、この民主法治国家においてはあってはならない問題であります。しかし現に三公社五現業の中においては職場秩序が乱れまして暴力事件が起きている。その事実を私は資料として十分持っております。きょうは時間の関係で一つ一つを指摘いたしませんが、あることは事実であります。そして結局まじめに働く職員というものがばかをみる。こういう状態になっているとするならば、私はそういう環境の中からまた正常な労使関係というものも生まれてこない、こう思います。これに対する労働大臣の所見と、こうした現状を是正するために大臣が今後どのような姿勢と対策を持って対処されようとしているのか、この点を最後に前の質問点とあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#95
○国務大臣(長谷川峻君) 私も職場が乱れているという話を聞きます。また、そういう話があった場合には、微力でありますけれども、関係閣僚に、あるいはまた組合の方々がお見えになったときにそういう話を申し上げまして、正常化するように話をしております。まあ最近は私はそういうものがだんだん正常化しつつあるんじゃなかろうかという期待感も持っております。いずれにいたしましても、私は労働運動――労働大臣の仕事というものはそういういい環境づくりをする縁の下の力持ちだと、うまくいってあたりまえ、こういうふうな感じ方を持っておりまして、いまから先も私は内閣の中において、私自身は微力でしょうけれども、私の後ろには短日働く諸君がいる、その月給をもらって飯を食っている奥さんがいる。けさもストライキが終わった途端に生活協同組合の責任者から電話がかかってきて、君とおれは立場が違うけれども、しかしよくやった、ああいうふうに片づいてよかったと、こういうふうな話をいただきますというと、おのずから、なるほどこういうところに私たちの縁の下の力持ちに対して立場が違っても喜んでくれる人がいるんだという感じを持ったことでして、内閣全体の問題として私は労使の新しい慣行が常に一歩でも二歩でも前進するように献身的な努力をしてまいりたい、こう思っております。
#96
○柄谷道一君 数日の措置を見守っております。
#97
○山崎昇君 大変三十分ばかりの時間ですから、きょうは二、三の問題点だけ指摘をして見解だけお開きいたしたいと思います。
 私も党内で今度の春闘問題の担当の一人でありましたから夕べ遅くまで院内におりました。大変労働大臣には政治的な決断をもって今度の問題の収拾に当たられたことについてはこの席上をかりて敬意を表しておきたいと思います。個々の内容等についてはもちろんたくさんの問題点がありますが、それはいずれまた国会の場で議論されると思いますが、いずれにいたしましても私は政治と事務とはどこが違うかと言えば、昔の人ではありませんが、政治には情があるという言葉を使った人がありますが、まさにそうだと思います。そういう意味では昨日来の労働大臣の本当の御健闘に重ねて敬意を表しておきますが、どうか労働団体との間に信頼感がますます増進できますように一層のひとつ御精進をまず申し上げておきたいと思います。
 そこで第一点お聞きをしたいのは、先ほど来、目黒委員あるいは沓脱委員の質問にも答えられておりましたが、この労働基本権の問題については、いま政府で専門家会議等を持ちながらも検討されておりますが、昨年の春闘で一応確認をされておりますことしの秋までに結論が出されるであろうという日程については、私は大筋、間違いがないんじゃないかと思っておりますが、重ねてこの点お聞きをまずしておきたいと思います。
#98
○国務大臣(長谷川峻君) 昨年実は春闘の最後の場面に立ち合った者は、当時の二階堂官房長官と私です。そしていまの閣僚の中に、当時四月十日の閣議決定、それにサインをして居残っている者が偶然のようにいまの総理大臣、それから福田副総理、さらに大平大蔵大臣、そして私でございます。途中ちょっとやめましたけれども、ずうっとフォローしているつもりでございますし、大事な問題で公制審八年の後、せっかく閣僚協でおやりいただいたことですから、私は、秋までに結論を出してもらうように私の方からも期待をして見守っておる次第であります。
#99
○山崎昇君 私も昨年の三月の予算委員会でこのスト権の問題にしぼって実はお尋ねをいたしました。それから、中身については今後私もまた専門的分野からいろいろ質問をしていきたいと思っていますが、きょうは、いま大臣から重ねて秋までには結論を出すようにしてまいりたいと、こういう話でありますから、この点については終えておきたいと思います。
 第二点目にお聞きしたいのは、ILOの百五号条約の批准について、一体現状はどうなっておって、そしていま政府ではどういう点が問題があってまだ批准ができないでおるのか、この百五号条約の批准について御説明を願いたいと思います。
#100
○政府委員(道正邦彦君) 百五号条約につきましては、その大筋におきましてはだれしも異論がない条約だと思いますけれども、解釈につきましてはいまだ必ずしも明らかでない部分もございます。したがいまして、ILOで解釈につきまして明らかにされることを待ちまして、それを前提に、国内法制との関係もございますので、検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
#101
○山崎昇君 この百五号については、労働省も御存じのとおり、昭和三十二年の第四十回のILO総会で満場一致でこれは採択されているんですね。そして今日まで、私どもの調べたところによりますというと、九十一カ国がすでに批准をされていると聞いておる。言うならば、ILO総会で採用されて以来すでに十八年を経過している。それで、いままだ解釈でわからぬ点もあると、こう言うんだが、どういう点についてそれならわからぬのか、一体この十八年間というものをどういう検討をされておるのか。それから、重ねてお伺いいたしますが、一体今後いつごろをめどにしてあなた方は批准されるというのか、この点を聞いておきたい。
#102
○説明員(松井達郎君) いま百五号条約上どういう点が問題としてわからない点になっておるのか、こういう御質問がございました。それで、私の方としましてそれにつきまして問題点といたしているところを挙げますと、まずこれは強制労働の禁止に関する条約でございますが、法律で罰則をつくります場合には懲役以外に罰金という場合がございます。果たして罰金の場合にこれは本法の違反になるのか。まあ罰金は本法の違反には直ちになるという点については余り関係のないことではないか、こういう御疑問もあると思いますが、罰金が納められない場合には労役場留置というようなことが刑法上決まっておりますので、それとの関係で、一体これは罰金刑が定められているときに本法違反の問題が生じるか、あるいは同盟罷業の制裁としての強制労働というくだりがございますが、それにつきましてはILOでも一定の見解を示しておりますけれども、一定の事情のもとにおける争議行為の禁止についてはこの法律の対象にならないということで、その一定の事情の例として、本質的な業務といいますか、ILOの使っている言葉で申しますとエッセンシャルサービスと書いておりますが、そのエッセンシャルサービスの中にどういうものが含まれてくるのか、これは非常に広うございまして、場合によっては、ILOの挙げている例でまいりますと、公務のほかに、たとえば電気だとかガスだとか、あるいはそのほかにも灯台だとか、いろいろな例が挙がってきておるわけでございますが、それにしましてもILOの現在挙げている例だけでははっきりしない面もございますので、こういうようなエッセンシャルサービスの範囲につきましてもILOの見解がはっきりすればと、こういうふうに思っております。
 いつごろそれがはっきりするか、こういう御質問でございましたけれども、ILOの方では定期的に条約につきまして総合的な調査を行っておるわけでございますが、その総合的な調査をやる場合には各国の立法例なども見ながら結論を出しておるわけでございます。それで総合的な調査のたびごとにはっきりしてくるわけでございますが、私どもこういう総合的な調査の集積と申しますか、それによってILOの見解と申しますか、そういうものが明らかになることを期待しておるわけでございます。
#103
○山崎昇君 大変抽象的でよくわからぬのだけれども、時間がありませんからこれは重ねて聞きますが、一体、あなた方はこの批准の目標というものをどこに置いているのですか。私はあなた方の方でつくったこの資料を見ても、今日までILOに百三十八本の条約があって、日本で批准しているのはわずか三十一本しかありませんよ。事労働関係だとか、社会保障関係のILO条約の批准なんというのは、日本は全く少ない。これだけ先進国の仲間に入ったといばっておりながら、国際的な条約については、ある意味ではサボっているのじゃないかとさえ思われる。そういう意味で言うなら、本当に労働省は労働者のためだというならば、なぜ百五号条約は、いま挙げられた問題点、そのほかにもあるでしょう。しかし考えられるのはいまの点が主点だと思うのです。そういう意味で言うなら、あとことしじゅうにやるんだとか、来年じゅうにはやるんだとか、そういうきちっとした考え方をあなた方は示すべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
#104
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、原則とすると、ようやく日本は、昨年でしたか、私も、皆さんに御可決いただいたもので、ILOのジュネーブに参りまして寄託してまいりましたが、三十二でしたかね――三十二で、国際並み。しかしながら、ただ、ILOの条約の場合は、ここにいるいま説明した松井君はせんだってまでジュネーブに四年間アタッシェで行っておったのですから、これは国際人の中で活躍しておったのだから一番詳しいわけですが、原則論といたしますと、やはり国内でやれるものをちゃんと整備してやらると、日本人というのはとかく、こういうのはいいことですが、条約、法律というものを非常に守る、国際的にはそういう評判がございます。それはいいことだと思います。そういうことですから、批准するに当たっては、国内法というものを整備して、やったら最後、もうよそから文句を言われない、こういう姿勢が大事。そういうところに三十二まできて、ことしはまた一本、たしか百二号条約をお願いするようなかっこうになっておりまして、一つ一つ私はやはりやっていくという姿勢は、いまから先も、先ほども国際的な話が出ましたが、やはり国際的にはそういう問題で肩を並べていく姿勢というものはいまからもとりたい、こう思っております。
#105
○山崎昇君 ぜひこれは早くやってもらいたい。
 いま大臣から日本人の物のやり方の話があったのですが、また逆に言えば、日本の役人というのは升をつくって後から中身を整備するというのだって一つの習性じゃないですか。そういうことから考えれば、当然、条約を批准してそれに合うように法律をいつまでに変えるということも一つのやり方だと思う。だから、私は、やはり一つの方法ばっかりとらずに、国際的なこういう一つの基準ですから、これだけ経済が進んだという日本でこういうことがなおざりにされるということはどうしても放置できませんので、重ねて早急にやられますように要望しておきます。
 第三点目は、最近、各国もそうでありますが、すべて行政対象というものがふえてくる。何でもかんでも行政の対象になってきている。言うならば、役所が手をつけなければ物事が処理できないような仕組みにだんだんなってきますから、専門用語で言えば行政国家になりつつある。そういう点からいきますと、労働行政もその範疇から離れることはできませんで、たとえば一、二最近の法律で言いましても、雇用保険が五人未満まで適用になる、あるいは労災保険も五人未満の事業所まで適用を広げられる。これ一つを考えてみましても、私が調べてみるというと、大体、労災保険で五人未満の事業所というのは百万ある。一体、これを労働省が把握するには、いまの陣容でやれるんだろうか、何年かかるだろうか。私は先般、北海道の札幌でありますけれども、労働基準局長なり安定所なり、青森県の安定所などに二、三行ってみました。実際に労働基準監督一つを考えてみましても、札幌の課長さんの説明だというと、いまの基準で労働基準監督官がいろいろなことを調べるとすれば、十四年に一遍しか事業所に行かれないと言う、監督できない。これではどうしようもないじゃないかと思いますね。あなたがどんなに労働者は保護しますとか一生懸命やりますと言ったって、現実的にはすべて法はつくるけれどもざる法みたいになっている。あってないような存在になってしまう。あるいはまた、今度作業環境測定法ができ上がりました。これもまた私は大変だと思うのです。そういう意味で言うと、私はいずれ私の専門は行政機構論ですから行政管理庁の長官を呼んで定数論をやります、やりますけれども、労働省としてもこれは本当に労働者を守ろうとしたら、いまのあなたの陣容ではどうもならぬのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#106
○国務大臣(長谷川峻君) おっしゃるようなこともわかりますので、私も、定員の増、ことに監督官の問題等々には力をいたしておりますが、一方、また、余りふやすと、あなたのおっしゃるように役人国家になってしまう。労働基準局、そういうところは、御承知のとおり事業所はどんどんふえる。しかし、全部回るとすれば十年もかかると。じゃ順番よく回るということもそれは十年かかるかもしらぬが、一つ抜き打ちすることによって十年分がみんなに警告を発するというふうな効果などもありますので、私は事業所に張りつくだけの人間が必要とも思いませんが、いずれにいたしましても、絶対数の足りないことはよくわかっておりますから、努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#107
○山崎昇君 いや、私の言うのは、そんなむやみやたらにふやすというのじゃない。しかし、経済が発展をして工業化になればなるほど思わざる労災がふえてくる。これはあなたもおわかりのとおりだと思う。そういう意味で言うならば、労働基準監督官なんというのは私は重要な任務だと思う、人の生命に関してきますからね。ですから、そういう意味で、私は、全体的に行政国家になっていくわけでありますから、そこら辺の調整はどうするかは、これは地方行政ばかりではありませんで、行政法学者の間でもかなりな議論のある点だと思うのですが、いずれにいたしましても、いまの労働省の陣容では末端へ行ったらどうにもならない。青森の労働基準局へ行って婦人問題をやっているのは何名いますかと言ったら、室長以下四名だというのです。一体、室長以下四名でどうやって青森県の婦人問題を指導するなり何なりできるのだろうか、これは疑問を持ちますね。そういう意味では私はもう少し第一線の機関というものを充実する方向というものは考えておいてもらいたい。これも要望しておきます。
 それから第四番目にお尋ねしておきたいのは、昨年でしたか、参議院の地方行政委員会で、地方自治法附則第八条についてはこれはもう削除して、いま変則的に置かれております安定、あるいは失業保険、あるいは厚生関係、陸運関係の国費の職員というのは移管をすべきだという決議がなされている。これは全会一致でなされているわけです。そうして、今度のこの七十五国会で、この間予算委員会で三木さんはこの国会に提案をいたしますと、官房長官も、後から――私の方の和田君がやったそうでありますが、和田君のところへ来まして、必ずこの国会に地方自治法の改正案は提案いたしますと約束をしたんです。そうすると、いまの参議院の実情からいけば、地方行政委員会は野党が一名オーバーいたしておりますから、委員会の可決は必至であります。また、きのう与野党の国会対策委員長会談がありまして、委員会で決定したものは多少修正したものであってもこれをみだりに本会議で否決してはいけませんということは合意したと。そうすると、地方行政委員会でこの問題が可決をされれば、本会議が通るということはもう私はあたりまえのことになってきていると思うのです。そこで、私はお尋ねしておきたいのは、そういう情勢から考えると、もし移管された場合に労働省は実務的にどうされるのか、この点についてもう検討されておらなきゃならぬと思うのだが、どういう検討をされておるか、聞いておきたい。
#108
○政府委員(遠藤政夫君) 自治法の附則八条によります地方事務官問題につきましては、もう長年にわたっていろいろ御議論のあるところでございます。私どもこの問題の解決策をいろいろ検討いたしてまいりましたし、七年前の四十三年の十一月には、この問題の一つの解決策として、行管長官、自治大臣、労働大臣、三大臣の覚書も作成されております。閣議でこの点が取り上げられまして、これをもとにして具体的な解決策を検討するようにということになって今日に至っております。ただ、この問題は、厚生省の社会保険関係、陸運関係と若干事情が異なりまして、私どもの方の労働関係におきましては、いわゆる地方事務官と称される都道府県の職員が二千数百名おります。その先に末端の六百の安定所の職員、これは国家公務員であり労働事務官であります。これが一体となっていわゆる職業安定行政、雇用行政を推進いたしておるわけでございます。単に地方事務官の二千数百名の身分をどうするかということだけで解決できない問題でございます。したがいまして、この解決策につきましては、関係各省といろいろ検討はいたしておりますけれども、最近のようなこういう雇用・失業情勢の非常にむずかしい時代でございます。また、身分問題と直接関連のありますこの機構の問題を簡単に解決するわけにはまいりません。したがいまして、そういった現在の置かれております客観情勢等も十分考慮しながらこの問題の根本的な解決を図っていきたいということで目下鋭意検討を進めておる情勢でございます。
#109
○山崎昇君 鋭意検討を進めておると言うが、いまあなたに申し上げたように、政治的にはすでに具体的日程に上って地方自治法の改正案がこの国会に出てくる。出てくれば、地方行政委員会の実情からいって可決される。本会議もそのとおりになってくる。その場合に、いまあなたから説明がありましたけれども、なるほど安定課にいる地方事務官だけがどうのこうのならぬでしょう。それならば、労働省としてそれが移管された場合に、どういう事務の流れにしていくのか、検討されておらなきゃおかしいじゃないですか、あなた方の考え方が示されなきゃおかしいじゃないですか。そういう意味で、これから検討するなんという問題じゃないのじゃないだろうか。大臣、これはいま私が申し上げましたような情勢になっているのです。その場合に、一体大臣としてはどういう検討を部下に命じておるのか、あるいはどういまされておるのか、大臣からひとつお答え願いたい。
#110
○政府委員(遠藤政夫君) ただいまお答えいたしましたように、これから検討するのではございませんで、実は、私どもは先ほど申し上げました四十三年以来検討を進めておりますが、さらに具体的に昨年の衆参両院の附帯決議等もございまして、その以後この問題についての改革準備室をつくりまして具体的な検討にもうすでに着手いたしております。私どもとしましては、できるだけ早い機会に具体策について結論を得たいということで目下鋭意準備を進めておるわけでございます。
#111
○国務大臣(長谷川峻君) 山崎先生から、国会内部のあるいはまた地方行政委員会のそういう姿勢、あるいはまた本会議のそういう関係を私はいま拝聴したことでございます。いずれにいたしましても、いろいろな委員会において地方事務官問題が出ておりましたが、非常に大事な行政の大変革でございます。しかも、私の方は、御承知おきのとおり、こういう雇用不安のときですから、職安の諸君が一生懸命仕事を、ほかの役所もやっておるでしょうけれども、人間の職業に関係することですから一生懸命やっておると思いますが、その辺のどういうことがあっても対応できるようにどうしたらいいかということを苦心をしながらいま申し上げたようなことで勉強しておることを御理解いただきたいと思います。
#112
○山崎昇君 ぜひこの問題は処理をしてもらいたいと思います。
 そこで、もう時間がありませんから、最後の質問に老人対策で私は労働大臣にお聞きをしておきたい。
 春闘が、昨年から――私は弱者救済という言葉そのものに反発を実は感じます。なぜかといえば、老人対策だとか労働者対策といえば、現役で働いている者だけのことを主として考えがちであって、今日まで一生懸命働いた者についてはどうも放置をされる。これは私は労働組合運動から言っても少しおかしいという考えを持っておったのですが、まあ幸い昨年から、どういう言葉を使うにいたしましても、この老人の問題等については年金を中心にして大変運動が進められてきたということに一応敬意を表しているわけなんですが、そこで、私は、労働者を保護するという立場にある労働大臣に、この老人対策というものをお聞きをしたい、いま何か厚生省で国民年金だとか厚生年金ばかりやっているんですが、私はそうじゃないと思いますから少しお尋ねいたします。
 実は、厚生省の人口問題研究所から出された資料を見ますというと、昭和四十五年から昭和五十五年の十年間を展望して、十五歳から二十九歳までの方が約二二%減るという、そして三十歳から四十四歳までが一七%ぐらいにふえる、四十五歳から五十九歳が三七%ぐらいふえる。言うならば平均で物を言えば年輩者が多くなる、わけても傾向として問題になってまいりますのは、六十五歳以上の老人はもちろんでありますが、特に後期の老年層といいますか、七十歳から七十五歳以上の老人が大変率としてはふえつつあるという現状にあると、こう言われております。そしてさらにきょうもらいましたこの国会統計提要を見ますというと、平均余命がまた大変延びてきている。たとえばこれは四十八年の資料でありますが、六十五歳の人は男で十三・二二年生き延びるという、女で十六・一〇年生きるという、そうすると、日本の人口構造というのが若年層が減って、中高年層ばかりでなしに一般的に年齢が多くなってくる、そして平均寿命もさることながら、平均余命というのがだんだん延びてくる、こうなると老人問題というのは、私は働いたという立場から言えば労働省等もっと私は全体的な総合的な施策というものを考えてしかるべきじゃないだろうか、こう思っているんですが、大臣のこの老人対策に対する政策についてお聞きをしたいと思います。
#113
○国務大臣(長谷川峻君) もうわれわれも老人なんですね、年齢から入ると、精神年齢は若いですが。問題は私はやはりこういう方々が敗戦後の日本を本当に苦労して支えてきた人、そしていまの生活環境において平均寿命が七十四歳、七十一歳と延びてきておる、そしてたとえばことしでも中学校卒業生の就職戦線に入ってくる者が十万足らず、となりますというと、やはりこれは大変な問題であり、そしてまた寿命の延びた方々がただ社会施設に入っているよりは働いて生きていく、そしてその中に喜びを感ずるということがまた健康を増すゆえんじゃなかろうか。私はそういう感じからしますというと、やはりこういう方々の就職の問題、あるいは将来は雇用関係として大きな変化が、従来は経済に人間が引っ張られて高度成長を手伝ってきました。低成長の場合にはやっぱり人間の場所を置いて、そこの中に経済をどう発展させるかという時代だろうと思って、実は労働省内部においても雇用関係審議会等々にそういうものを研究しようじゃないかと。もう一つは厚生省の場合では、これは連絡もとっておりますが、年金の問題とやはりこの老人対策の問題を加味して考えなければいかぬじゃないかという感じ方を持つと同時に、私はやはり老人の方々はいままでのように、われわれのおやじが老人になった時代と違って、こういう社会的な変化に対応して働いていく、あるいは技術を身につける――現にフィルハーモニーのカール・べームさんは八十一歳です。あれだけすばらしいタクトをとるのを目の当たりに見た。八十一歳で階段を飛び降りする、そして仕事をしていく姿、こういうふうに年寄りが力を持って、意識を持って動くようなやはり環境というものも大事じゃなかろうか。ですからこれは広範なひとつ問題として、私は自分もどうせ老人になるんですからしっかりがんばってやっていきたい、こう思っています。
#114
○山崎昇君 これはいま大臣から、私はこれはいずれ相当細かに議論したいと思っているのですがね、もちろん産業構造を変えなければならぬでしょう、それから中高年齢層の再就職の問題もあるでしょう、あるいは定年制の問題もあるでしょう、年金の問題もあるでしょう。ただ、私はこの機会に大臣に申し上げておきたいのは、じゃ、いま日本の政治で老人が生き延びれるような全体の政治になっているかというとそうじゃない。たとえばスピード化が図られますから健康者が中心のようなものになってくるわけです。あるいは歩道橋がいっぱいふえていくということは、町中から老人が全部排除されるということになってくる。言うならば政治全体としては私はこれだけ働いた老人がだんだんどこかに蟄居しなきゃならぬような政治の仕組みになっている。そういう意味で言えば、私はこの労働者保護という立場から言うならば、やめた人といえども労働大臣はもっと積極的にやっていいんじゃないだろうか。たとえば年金にいたしましても、これは春闘共闘委員会がつくった資料でありますから多少の差はあるかもしれません、厚生年金一つ見たって、いま平均三万八千二百十円だと、今度少し上がって四万四千円くらいだと、これは一体どういう水準かと言えば、昭和四十七年の人事院の調査による高校卒の初任給よりまだ低い、三十年も四十年も働いて、いざこれから生活しようと思ったら高校卒の初任給よりまだ低いようなものを私どもに与えている。こういう現状を考えるときに私は労働省の立場から年金といえどももう少し私はやはり論議をしてもらう必要があるのではないだろうか、こう思っているのです。時間ありませんからはしょって物を言っておりますけれども、どうぞひとつ労働大臣ね、本当に一生懸命働いた老人の問題でありますだけに、そうして信濃毎日の本じゃありませんが、「みんなの階段」で必ず人はこの階段を登らなければならぬわけですから、そういう意味で言うならば、ひとつこの老人問題については就職あるいは定年制、年金制等も含めまして閣議でやはり働いたという立場から労働省がもっと私は主導権を持って進めてもらいたい、こう思っているのですが、それに対する決意を聞きまして、時間ですから質問を終わります。
#115
○国務大臣(長谷川峻君) 全くおっしゃるとおりでありまして、日本という国は非常にスピードの国です。ですから、急に若年労働者が減ってみたり、また急にこういうふうに寿命が長くなったり、こういう対策というのはなかなか追っかけるのに大変でございますが、そういうところに御留意いただいたそういう気持ちというものを体しながら、私の方が所管の問題については、ほかの役所にも啓蒙しながらやってまいりたい、こう思っております。
#116
○委員長(村田秀三君) 他に後発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(村田秀三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。
 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(村田秀三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(村田秀三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#120
○委員長(村田秀三君) 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。長谷川労働大臣。
#121
○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 中小企業退職金共済法は、中小企業の労働者の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するため、昭和三十四年に制定されたものであります。この法律に基づきまして、現在、中小企業の常用労働者を対象とする一般退職金共済制度と、建設業及び清酒製造業に期間を定めて雇用される労働者を対象とする特定業種退職金共済制度の二種類の制度が設けられております。
 これらの制度に加入している事業主の数は約二十四万、加入労働者数は約二百七十六万人に達しており、本制度は、中小企業労働福祉対策の主要な柱の一つとなっております。
 ところで昭和四十五年の法律改正以降五年間に、一般の賃金及び退職金の水準は相当程度上昇しており、本制度についても、これらの動向に対応して改善を図る必要があるものと考えております。
 政府は、このような観点から、本制度について所要の改善を行うこととし、先般中小企業退職金共済審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般退職金共済制度に関する改正につきまして御説明申し上げます。
 その一は、掛金月額の引き上げであります。
 現行制度では、掛金月額の最低額は四百円、最高額は四千円となっておりますが、賃金等の上昇にあわせて退職金給付の改善を図るため、掛金月額の最低額を八百円、最高額を一万円にそれぞれ引き上げることとしております。
 その二は、退職金給付に対する国庫補助の増額であります。
 現行制度では、退職金給付に関し、掛金月額の最低額である四百円に対応する退職金について、掛金の納付があった期間が三年以上十年未満の場合はその金額の五%、十年以上の場合はその金額の一〇%の国庫補助を行っておりますが、掛金月額の最低額の引き上げに対応して、この国庫補助の対象を掛金月額八百円に対応する退職金に引き上げることとしております。
 その三は、被共済者としての掛金納付月数を通算する条件の緩和であります。
 被共済者でなくなった者が再び被共済者となった場合に前後の退職金共済契約に係る掛金納付月数を通算するためには、一定の条件を満たすことが必要であります。この条件について現行制度では被共済者でなくなってから一年以内に再び被共済者となった場合でなければならないことになっておりますが、この期間を一年延長し、二年以内に再び被共済者となった場合には、掛金納付月数の通算を行うこととしております。また、この場合現行制度では、被共済者の自己都合による退職の場合には掛金納付月数の通算を行っていないのでありますが、本改正案においては自己都合による退職の場合であってもやむを得ない事情に基づくものについては通算を行うこととしております。
 また、今回の制度改正を契機としてこの法律案の施行の日から昭和五十一年十二月一日までの間に掛金月額の増額を行った場合については、掛金月額の増額後二年未満の間に被共済者が退職したときであっても、特別に、増額分については掛金相当額の給付を行うこととしております。
 第二に、建設業及び清酒製造業に期間を定めて雇用される労働者を対象とした特定業種退職金共済制度に関する改正について御説明申し上げます。
 その一は、掛金日額の範囲の引き上げであります。
 各業種の退職金共済組合が定款で定め得る掛金日額の範囲は、現行制度では「十円以上百円以下」となっておりますが、賃金等の上昇にあわせて、これを「六十円以上三百円以下」に引き上げることとしております。
 その二は、退職金の支給要件の緩和であります。
 現行制度では、掛金の納付された期間が三年未満であるときには退職金は支給されないこととなっておりますが、この期間を一年短縮し、掛金の納付された期間が二年以上あれば退職金を支給し得ることとしております。
 その他、この法律案におきましては、その附則において、これらの改正が円滑に実施されるよう所要の経過措置を規定しております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#122
○委員長(村田秀三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。法案の自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト