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#1
第075回国会 大蔵委員会 第2号
昭和五十年一月三十日(木曜日)
   午後零時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十八日
    辞任         補欠選任
     戸田 菊雄君     藤田  進君
     竹田 四郎君     吉田忠三郎君
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     近藤 忠孝君     小笠原貞子君
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     近藤 忠孝君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     宮田  輝君     山崎 五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桧垣徳太郎君
    理 事
                河本嘉久蔵君
                山崎 五郎君
                野々山一三君
                鈴木 一弘君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                嶋崎  均君
                中西 一郎君
                鳩山威一郎君
                吉田  実君
                大塚  喬君
                寺田 熊雄君
                藤田  進君
                吉田忠三郎君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                渡辺  武君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
   政府委員
       大蔵政務次官   梶木 又三君
       大蔵大臣官房審
       議官       岩瀬 義郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○租税及び金融等に関する調査
 (財政及び金融等の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 本日、宮田輝君が委員を辞任され、その補欠として山崎五郎君が選任されました。
#3
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山崎五郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(桧垣徳太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
 この際、大平大蔵大臣から、財政及び金融等の基本施策について所信を聴取いたします。大蔵大臣。
#6
○国務大臣(大平正芳君) 現下の経済情勢に対処する財政金融政策のあり方につきましては、さきの財政演説におきまして明らかにしたところでございますが、関係法律案の御審議をお願いするに当たりまして、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。
 われわれの目標とすべき経済社会は、人々が相互に調和のある関係を維持しながら安心して生活のできる連帯性の強い公正な社会でございます。また、これは、すぐれた国民的エネルギーの開発とその秩序ある展開が図られるような活力のある社会でなければならないと考えます。
 このような経済社会を築いていくため、私は、次の三つの理念を道標といたしまして、今後の財政金融政策の運営に当たってまいりたいと存じます。
 まず第一は、均衡のとれた発展を図ることでございます。
 今後のわが国経済は、資源、環境、労働力等の制約を考えてまいりますと、従来に比べてその成長のテンポを緩やかなものにしなければならないと思います。緩やかな成長のもとで、物価の安定や国際収支の均衡を確保しながら、できるだけ国民福祉の充実に努め、また資源の節約と活用を図るなど、調和のとれた社会を形成してまいることが必要であると思います。
 このように緩やかな成長のもとにおきましては、従来のような高い歳入の伸びを期待することは困難になってまいりますので、限りある財源の重点的効率的配分に一層留意していかねばならないと考えます。金融面におきましては、資金配分の適正化、貯蓄の推進、資本市場における金利機能の活用、個人投資家層の拡大等に特に留意する必要が生じてまいると考えます。先般来、住宅金融の拡充、金融機関の大口融資の規制等の措置を実施してまいりましたのも、このような考え方に基づくものでございます。
 第二は、社会的公正の確保でございます。
 社会的な公正を図りますことは、ひとり財政金融政策のみならず、あらゆる政策の基本的な課題であると思います。
 とりわけ、一昨年来の物価の上昇が、所得や資産の配分に大きなひずみをもたらしていることを顧みますとき、まずなすべきことば、物価の鎮静化を図り国民の不安と不信の念を解消することであると考えます。
 同時に、社会的経済的に恵まれない立場にある方々に対する社会保障の充実や、相対的に有利な立場にある方々に対する税その他公共的負担の再検討など、社会的公正の確保のための施策を引き続き講じてまいる所存でございます。
 第三は、国際協調の推進でございます。
 今日、各国は、石油価格の高騰に伴う国際収支構造の激変に対処し、また、景気の過度の落ち込みを回避しながら、いかにして根強いインフレーションを克服するかというきわめて困難な課題を抱えております。
 私は、このたびワシントンで開催されました十カ国蔵相会議とIMF暫定委員会を初めとする一連の会議に出席し、これらの諸問題について討議を重ねてまいりましたが、その解決を図るためには、何よりも国際協調の原則を貫いてまいらなければならないことを一層痛感いたしました。
 われわれは、いわゆるオイルマネーの安定的かつ秩序ある還流システムの確立、開発途上国の利益に連なる経済協力の推進、国際通貨制度の円滑な運営等に積極的な役割りを果たしますとともに、ガットの場においてようやく本格化してまいりました新国際ラウンド交渉を成功に導くよう、一層努力してまいりたいと思います。
 私は、当面の財政金融政策の運営に当たりましては、一昨年来の物価上昇による経済の異常な混乱を収束し、経済を安定した成長の軌道にソフトランディングさせることを目標とすべきであると考えております。
 このような観点に立ちまして、一日も早く物価を安定させるため、政府は、財政金融両面からの周到な総需要抑制策を講じてまいりました。こうした政策努力の結果、物価はようやくその騰勢を鈍化しつつあります。
 しかしながら、コスト上昇圧力が依然として根強いことや、国民の間のインフレマインドはいまだ完全に払拭されたとは言いがたいことなどから、物価の先行きには、なお警戒を要するものがあると思います。
 加えて、今後、これまでのように高い生産性の向上が望み得ない状況のもとにおきましては、従来のような大幅な賃金上昇は、直ちに物価上昇となってはね返ってくることが懸念されます。このような賃金と物価の悪循環を回避するため、経営者、労働者の双方が、インフレという共通の敵に対し、理性ある対処をされるよう切に希望するものでございます。
 政府といたしましては、したがって、物価の安定を当面する最大の政策課題として、抑制的な財政金融政策を継続してまいる所存でございます。
 昭和五十年度予算は、以上申し述べましたような考え方に立ちまして、引き続き抑制的な基調のもとに、社会的公正の確保に配慮しながら、国民福祉の向上と国民生活の安定を目指して編成してまいりました。
 まず、予算及び財政投融資計画の規模を極力圧縮いたしますとともに、公債発行額の縮減を行い、公共投資につきましても引き続き抑制を図っております。
 また、公共料金につきましても、真にやむを得ないもの以外は、その引き上げを抑制することとし、改定を行うことといたしましたたばこの小売価格や郵便料金につきましては、その引き上げの幅と時期につきまして特に配慮いたしております。
 同時に、財源の重点的な配分に極力意を注ぎ、社会保障の充実、住宅・生活環境施設等の整備、文教及び科学技術の振興、中小企業対策の強化等各般にわたる施策を積極的に推進することといたしております。
 なお、昭和四十八年度の剰余金について、その効率的活用を図るため、公債等の償還財源に充てる率を二分の一から五分の一に改める特例措置を講ずることといたしております。
 他方、今後の経済情勢の推移に対処するため、予算及び財政投融資計画の執行に当たり、その弾力的運営を図り得るよう配慮いたしております。
 税制面におきましては、最近の経済情勢に応じ、租税負担の調整を図ることといたしております。
 まず、所得税につきましては、基礎控除等の引き上げを行うことといたしておりますが、昭和五十年度は、昭和四十九年度税制改正による所得税減税の平年度化が相当の規模に達しますこと、当面経済を抑制的に運営する必要があることなどを考慮し、減税の規模は、最近における物価情勢等に即応する程度にとどめさしていただくことにいたしております。
 また、昭和四十三年以来据え置いてまいりました酒税の従量税率及びたばこの小売定価の改定を行い、歳入の充足を図ることといたしております。
 さらに、相続税につきましては、昭和四十一年の改正以来基本的な見直しが行われなかったことなどを考慮し、相当思い切った負担調整の措置を講ずることといたしております。
 このほか、租税特別措置につきましては、利子・配当課税の特例、土地譲渡所得に対する課税の特例等を是正するほか、所要の整備を行うことといたしております。
 なお、関税率及び関税制度につきましても、内外経済情勢の変化に対応し、所要の改正を行うことといたしております。
 金融政策につきましても、財政政策と同様の考え方に基づき、現在の引き締め基調を持続していく所存でございます。
 総需要抑制策の長期化に伴い、生産活動は低下し、雇用情勢にも変化が生じておりますけれども、政府といたしましては、このような政策運営が、中小零細企業等に過度にしわ寄せされることのないよう、また、特定の産業部門に致命的な打撃をもたらすことのないよう、きめ細かい配慮を払っているところでございます。今後において、景気が過度に停滞するような事態になれば、再びインフレを刺激することのないよう配慮しながら、必要に応じ機動的弾力的措置を講じてまいる所存でございます。
 最後に、国際収支の動向について申し上げます。
 昨年夏以来、貿易面では、国内経済活動の鎮静化を反映して輸入が落ち着いた動きを示す一方、輸出はかなり高い伸びを見せたこと、長期資本の収支面でかなり大きな改善をなし得たことなどから、最近における国際収支は、全体として望ましい方向に向かいつつあります。内外の情勢はしかしなお流動的で、前途は必ずしも楽観できませんけれども、節度ある財政金融政策の運営を通じて、今後とも着実に国際収支の改善を図り、国際信用の維持向上に努力を続けてまいる方針でございます。
 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。
 本国会において御審議を願うべく予定しておりまする大蔵省関係の法律案は、ただいまのところ十一件でございます。これらは、いずれも昭和五十年度予算に関連するものであり、本委員会において御審議をお願いすることとなります九件は、特に年度内成立が必要なものでございます。それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞ、諸般の事情を御勘案の上、よろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#7
○委員長(桧垣徳太郎君) 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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