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1949/12/17 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第2号
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1949/12/17 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第2号

#1
第007回国会 水産委員会 第2号
昭和二十四年十二月十七日(土曜日)
    午前十一時二十五分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 平井 義一君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林  好次君 理事 中西伊之助君
   理事 小松 勇次君
      川端 佳夫君    五島 秀次君
      田口長治郎君    玉置 信一君
      冨永格五郎君    永田  節君
      井之口政雄君    奧村又十郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
 委員外の出席者
        農 林 技 官 石川 東吾君
        農 林 技 官 塩谷 隆雄君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員会設置に関する件
 水産資材に関する件
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長代理 これより会議を開きます。委員長の都合によりまして、私が委員長の指名によつてその職務代行いたします。
 本日の議題は、小委員会設置に関する件及び水産資材に関する件でありますが、日程を変更いたしまして、まず水産資材に関する件を議題にいたしまして審査を進めることにいたします。
#3
○奧村委員 水産庁の資材課長及び関係係官がお見えでありますから過般来われわれ委員会で取上げて問題になつておりまする綿糸チケツトの現物化問題について、水産庁の側としての事情を承つてみたいと思います。第六国会中において、われわれ水産委員会において、通産省の綿業課長に来ていたがいて、第二・四半期以前の綿糸の現物化についていろいろ調査いたしました結果、チケツトの回収数量とそれから現物化の数量とが非常に食い違つております。その間いろいろの疑惑も持たれております。またオーバーしたチケツトの現物化についても、補給金とからんで非常に困難な情勢にあると思います。これらの点について、水産庁の資材課においてその後お調べになつた事情について、数量その他明細について御報告をお願いいたしたいと思います。
#4
○石川説明員 私ちよつとこの二日ばかり休みましてこまかい数字ははつきり頭に入つておりませんから、担当官から御説明申し上げます。
#5
○塩谷説明員 第二・四半期以前の調整割当の点につきまして、水産庁といたしましては受註制度に切りかえを行いまして、第三・四半期の割当が済んだ直後から通商産業省といろいろ打合せをいたしまして、第三・四半期の原料割当の際に第二・四半期以前の受註オーバー分の調整を図るということに協議決定したわけであります。それで水産庁といたしましては、通商産業省に還元の数字を報告する。通商産業省は原料割当の数字を集計する。その差引に対しまして受註がどれだけオーバーされておるかという点に問題が置かれたわけであります。この調査は十一月十五日を締切りとしまして調整を行うという点で仕事を進めて行つたのでありますが、私どもが最初考えておりますよりも非常に内容が複雑でございまして、相当手数がかかつたために、結論的な数字の出方が非常に遅延したような次第でございます。それで通商産業省の数字と水産庁の割当てした数字を申し上げますと、通産省では昭和二十二年の第三・四半期から昭和二十四年度の第二・四半期までに、総割当といたしまして五百六十三万三千百三十二玉、通産省は各メーカーに割当しておるわけであります。これに対しまして水産庁の総割当は五百四十四万四千三百四十九玉割当をやつております。ところが、通産省の原料割当の数字の中には、事故による原料の損失、それからたな上げによる原料の未入荷の数中が含まれておるわけであります。たな上げの数字が二十八万六千四百二十六玉、事故による損失が一万五千二百三十三玉合計いたしまして三十万一千六百五十九玉が通産省の割当の中から差し引かれておるわけであります。従いまして通産省が各メーカーに割当した数字の中で、各メーカーが現物化したと考えられる数字が五百三十三万一千四百七十三玉となつております。これに対しまして水産庁の割当はただいま申し上げましたように、五百四十四万四千三百四十九玉でありますから、この差が十一万二千八百七十六玉出ておるわけであります。この差額の数字につきましては、安定本部からのわくに対しまして、水産庁の割当した数字と通産省の数字上の食い違いが一万一千百三十七玉含まれております。その他の分につきましては、通産省がたな上げまたは事故分として水産庁の方に通報されました数字が十九万九千九百二十玉、昭和二十四年度の第一・四半期以前分の未現物化数量として通報があつたわけであります。これに対しましては水産庁で二十四年度の第二・四半期の割当のわくの中から十九万九千九百二十玉だけ差し引いたわけであります。ところが、十一月十五日の締切までの調査におきまして、この数字が増加した。事故、並びにたな上げ分の数字がこれよりもふえまして、先ほど申し上げましたように、三十万一千六百五十九玉という数字になつたわけであります。それで三十万一千六百五十九玉と、十九万九千九百二十玉の差と、わくの違いの一万一千百三十七玉、これの合計が水産庁の消費割当の数字と通産省が実割当した数字との食い違いになるわけであります。なおこれに対しまして、昭和二十四年度の第二・四半期のいわゆるオーバーして製造業者が注文を受けた数字が四十六万二千五百九玉でございます。これに対しまして各メーカーが原料の割当をもらつて注文がない、未受註の在庫数量が十四万七千九百七十三玉になつております。これを差し引きますと、三十一万四千五百三十五玉、これだけの数字が通産省側では調整困難な数字と一応決定されているわけであります。ところが、この三十一万四千五百三十五玉という真のオーバー分の中から、先ほど申しました原料のたな上げ、わくの食い違い分の十一万二千八百七十六玉を差引きますと、二十万一千六百五十九玉、これだけの数字が発註がオーバーしているが、その原因がどこにあるかという点にいろいろ疑問が持たれるわけであります。この数字中には先ほど申し漏らしましたが、昭和二十二年の第三、四半期以前に行われておりましたひもつけの残量がこれに引続いて計算されておりますので、そのひもつけ残量当時の割当証明書の還元数字の数量と、割当証明書を発註した地方庁の報告の数字の食い違いが現在約十三万玉ほど出ているわけであります。これによりまして、割当証明書が実際発註された数字より約十三万玉オーバーしているということが考えられるのであります。この割当証明書の内容につきましては、水産庁といたしまして各製造業者に対しまして、調整割当とは別個に現在調査をいたしておりまして、近日のうちにこの集計はできると思つております。これによりまして、割当証明書の食い違いが相当程度訂正される可能性があるということが考えられるのであります。なお、割当証明書の数字以外のオーバーにつきましては、不正購入券が多分に含まれているということが考えられるのであります。それで昭和二十四年度の第二、四半期以前の受註数量の中に、通産省から発註券を水産庁に預かりまして各発券官庁の真偽鑑定を行いました結果、偽造券が相当量この中に含まれておつたという事実も出ているわけであります。それで割当証明書の食い違い、それから不正発註券の整理をいたしますと、これらの数字はまだ相当圧縮されると考えられるのであります。大体数字的には以上の通りであります。
#6
○奧村委員 ただいまの御説明では数字があまりに広汎に、また細かく渡つておりますので、單なる説明ではおそらく各委員としては十分頭にのみ込めぬと思いますので、一応これは謄写版にでも印刷して、委員会に御提出を願い、その精細な数字によつてなお審議を進めたいと私は希望する次第であります。また、二十八万玉のたな上げがある、そのたな上げに対する整理が、どれだけ水産庁の方でどうしたとか、こういうお言葉もいろいろありますが、この数字についても簡單に受取れぬ点もあります。なおまた二十万玉のオーバーの分には、偽造チケツトが相当たくさんあるという官庁側みずからのお話でありますが、それならその偽造チケツトを一体どう始末つけるかということもいろいろ問題になる。しかしこれは昭和二十二年度以来のこういう統制機構の不備欠陷がここに現われておるので、今の当局を私どもは責めるわけではありませんが、しかしともかくこれらの欠陥の結果をどうまとめるか。最後において相当のオーバーしたチケツトの現物化及び補給金の問題、それによる漁業者並びに漁網生産者に対する影響、こういうことでいろいろお尋ねしたいこともありますが、どうやらそのほかに緊急の問題もあるようでありますから、私の御質問は保留いたしまして、緊急の御質問をお願いいたしたいと思います。
#7
○鈴木委員長代理 ただいま奥村委員から御要求がありました塩谷説明員が御報告になつた数字は、次回の委員会までに資料として本委員会に提出されるように、委員長から御要求をいたしておきます。
#8
○奧村委員 なお水産庁の資材部長及び係官については、今しばらくお残りを願いまして、緊急質問が済んだ後なお重ねてお尋ねしたいことがありますので、お願いいたします。
#9
○玉置(信)委員 本日幸いにここに政務次官が御臨席になつておられますので、この機会に緊急質問ということでもないかと存じますが、かなり重要な問題について当局の御方針を承つておきたいと思います。
 その一点は、水産食料品の荷受機関が荷受けせる食料品の妥当でない措置をなした場合、さらに具体的に申しますと、食料品の荷受けをいたした市場が、その勘定面において生産者に不当な清算をしておるという事実があつた場合、それから次は、市場の一方的な手落ちによつて生産者に損害を与えておきながら、なおかついろいろの口実をもつてその責任を果さず、生産者に迷惑をかけた場合、こういう場合には、市場の取締法と言いますか、規定によりまして、当然こうした行為のあつた市場は取消しをさるべきものであろうと私は考えておるのでありまするが、こうした場合に、第一次監督官庁である農林省当局はいかなる御方針で臨むか。いかなる措置をとられるか。そういう直接の取締りは、東京都内においては東京都庁でやるということになつておるものとは存じまするが、前段申し上げましたように、その第一次監督官庁の農林省当局において、これが処置をすべきではないかと考えますので、この際政務次官に、その取消しの措置、あるいは今後に対する御方針等を、明らかにしていただきたいと思います。
#10
○坂本政府委員 お答えをいたします。今日行つておる鮮魚介の統制方針に基きまして、荷受機関を指定いたしておるのでありまするが、この指定につきましては、政府といたしましては、十分なる愼重な調査をして、その上で許可をいたしておるのでありますが、ただいまお話のございましたように、いろいろ精算上、あるいはまたその業務執行上におきまして、不正な事実があるといたしまするならば、これは十分究明しなければならないと考えております。もちろんその直接の監督は都道府県において、やつておるのでありまするが、最終的な処置につきましては、農林省自体がやるのであります。ただいまお話のありました点は、きわめて抽象的でございまするが、具体的な事例につきまして十分調査をいたしました上で、かような不正の行われないように十分取締をいたす所存でございます。
#11
○玉置(信)委員 ただいまの政務次官の御答弁で大体了承いたしましたが、なお万一そうした不正のあつた場合には、農林省と都庁との間の連絡において、取消しを命ずるということにまで、断固たる処置をとられる決意があるのでありましようか。この点も伺いたいと思います。
#12
○坂本政府委員 いろいろな場合が想定されるのでありまするが、極端な場合におきましては、許可の取消しということもあろうかと思うのであります。
#13
○井之口委員 瀬戸内海の沿岸の漁業について、ちよつと緊急質問をしたいと思います。終戰後瀬戸内海沿岸の漁業が非常に荒されておるのであります。これは普通の大きなトロール船でもありませんが、小さな石油発動機によるたいがい三十馬力ないし七十馬力ぐらいの馬力を持つた小さな発動機船によつて、淡路方面では普通手繰網と称しておりますが、そういうようなもので地びきでずつとやつてしまうのであります。それがずつと沿岸近くまで荒しておりますので、そこの一本づりの漁民は非常に困難しております。最近淡路方面の由良沿岸の漁民の状態を調べてみますと、配給米でさえもほとんど受取ることができないというくらいの窮迫状態に立ち至つております。今まで数百貫の漁獲物があつたところが、最近それもとんといかないというような状態で、ますますこの人たちが貧困に追い込まれて、社会問題が起つて来そうな状態であります。これは淡路沿岸だけに限りませず、瀬戸内海沿岸についてずつと見られるところの一つの現象であります。ひいては日本全国における沿岸漁民の痛切に味わつているところの社会問題だと思うのであります。法律の建前からいたしましては、そういう漁船による地びき網で沿岸を荒らすことはできないことにはなつているが、その罰則がきわめて軽いものであり、事実それを犯してどんどん沿岸の方に入つて来て、どうにもならぬというのが実情なんであります。これに対して、政府の方ではどういうふうにしてこの弊害を除去しようとなさいますか。あるいは今のままで放任される意思でございましようか、どうでありましようか、この点について御返事を願いたいと思います。
#14
○坂本政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘がありました、瀬戸内海方面におきまして、小型トロールによつて沿岸漁民を圧迫しておる事実があるというお話なのでありますが、実は私たちもよりよりさような事例があることを伺つておりまして、その事柄自体については放置できない問題であろうと思います。もちろんこの取締りについてには、各府県当局が十分その衝に当つておるわけでありまして、われわれといたしましても、その実情を十分調査した上で、嚴重なる取締りを行いたいと考えておりまして、沿岸漁民の保護については、さらに一層の努力を傾注いたす所存でございます。
#15
○鈴木委員長代理 委員各位にお諮りいたしますが、本日の議題であります水産資材に関する件を中心として御審議願いたいと存じます。松田委員
#16
○松田委員 漁業に対する重油の配給は、従来統制されておつたとき、ある程度までの漁獲すなわち出荷を対象として配給の率をきめられておつたのが、今日は基本配給となつて、配給の操作をされておるように私は考えるのでありますが、絶対量の足りない重油に対して、基本配給として出された場合においては、多く漁獲をする、または長い遠洋漁業をやるものが、その配給の数量が全般の船に配給されたために、非常に不足になつておる、こうい事実が東北、北海道において非常に大きな問題になつておるのであります。この配給の方法は、資材課長は北海道の調整事務所に在職中においてもよく知つておるはずである。しかるに一番やさしい配給の方法は基本配給である。これを地方々々の、また漁業々々の実態をよく知つておる資材課長が、最も簡易な方法によつて配給せられておるのでありますが、資材課長は今後この配給に対してどのような考案があるか。現に昨日夏堀委員からもこの問題を取上げておつたのであるが、資材課長をお呼びしたにもかかわらず来られなかつた。今日も十時半から資材課長を呼んでおつたのであるが、これまた今ようやく委員会が開かれるような状態である。司令部にいろいろ重要な問題で打合せに行かれたのであるか、一昨日からこの委員会を開くべく資材課長の出席を求めておつたのに、二時間以上も遅れて出席されておる。この自分の所管である配給の方法が、はたして今日の実態に即しておるかいなかは、御本人自身がよく承知しておることだと私は考えております。それにもかかわらず、一番簡易な方法をもつて自分の責任をのがれんとしておるが、資材課長は将来どのような構想を持つておられるか。また足らないがために重油のやみ行為が相当行われておる。またやみ価格よつて、その地方の油の不足、または多いということがはつきりわかるという御意見もある人々が言うておられる。こういうことも資材課長はよくわかつておられるにもかかわらず、最も簡易な方法によつてのみこれを配給しておることは、資材課長の責任はたしてどこにあるかということを、私は疑つておるのであります。これに対する資材課長の将来の御計画をお話し願いたい。またこの計画を遂行するのに、長い間御苦心をなされたというお話であつたが、今まで一回も委員会に対して、こういう方法でやりたいからという相談を受けたことがない。われわれは資材に対して、あらゆるものに対して、もし水産庁の事務的な方法によつて遂行のできない場合は、国会を通じてこの獲得に努力するということを、何回も声明しており、またその実行に移しておるものであります。しかるに委員会に一回の相談もなくして、今はこのような配給方法をやつておる。この点に対して、国会をほんとうに重く見ておるか、官僚の政治によつて国会を牛耳ようとするのであるか、この点をも私は承りたいと考えるのものであります。(「ヒヤヒヤ」)
#17
○石川説明員 本日のこの委員会に私が遅れましたのは、午前十時に参議院の水産常任委員会に呼ばれて、先ほどまで参議院におつたわけであります。たまたまその中間にお呼び出しを受けたのでありまして、すぐに委員長の了解を求めたのでありますが、もうしばらく待つてくれということでこちらに参れなかつたのです。再三催促しました結果、もうよろしいからというので、向うの済み次第ただちにこちらに参つたのであります。その点は一応御了承願いたいと思います。
 御指摘の石油資材の問題に関する御意見でありますが、主として十一月から、いわゆる基本割当にかえた点が非常に悪いという御意見に帰着するかと思います。まず第一の点は、基本割当が従来のリンクの割当に比べて、非常に簡易な、容易な方法であるという御指摘があつたのでありますが、これは実は全然逆なのであります。
    〔鈴木委員長代理退席、委員長着席〕
 リンクの方の割当制度は、陸揚地に出荷されました魚の数量に応じて、ある定められたリンク率によつて割当するので、これは割当技術上から見るときわめて容易なのであります。それにもかかわらず、なぜこの非常に手数のかかる基本割当制度にかえたかと申しますと、御承知の通り十月の十五日ですか、水産物の配給統制が緩和を見まして、従来統制をとられておつた魚のほとんど大部分が統制からはずされて定められた指定の出荷機関に出さないでもよくなつたわけであります。リンクの制度で行きますと、どこまでも産地における出荷機関に出したものの数量を抑えて、その数量に応じて一定のリンク率から油を割当するわけでありますので、このリンク制度を継続するならば、統制をはずしたものも、一応どこかの出荷機関に出さなければならないという矛盾に陥るのであります。これはそういうことをやらなければ、一体何がゆえに水産物の統制をはずしたのか、そういう大部分のものをはずした理由がなくなりますので、その水産物の配給統制の改善に即応して、この基本割当にかえざるを得なかつたのであります。もちろんこの考え方としては、それでは統制魚についてはリンク制度をとり、非統制魚については基本割当をやつたらいいじやないかという御意見もあると思いますが、これは実は末端において、その事務を担当する資材調整事務所の事務の分量を倍加することであつて、現在の資材調整事務所の陣容ではできないのであります。もちろんこの基本割当の制度にもいろいろ欠陥がありますが、従来のリンク制度の割当についてもいろいろ欠陥があるのであります。たとえばこれからある漁業が始まつて、これが盛漁期に入る。ところが前の月の漁獲が非常に悪かつたために、翌月の出るための油が前月のリンクでもらえない。これを一体どうするか。これは実は根本的の対策は何もないのであります。またはかつお、まぐろのごとく、二月くらい出るものもありますが、前月まではかつお漁業であつた。ところが今度来月からはまぐろ漁業になる。それには約五十数日出なければならないが、かつお漁のときには幾らも漁がなかつたので、油が幾らももらえなかつた。ところが現実には二月分の油がなければ、次のまぐろ漁業に出られない。こういういろいろな矛盾があるのでありますので、実は前々から、できれば根本的にリンクの割当をやめて、いわゆる基本の割当にかえたい、かように考えておつたのであります。たまたま水産物の配給統制が改善されまして、十月十五日から実施を見ることになり、先ほど申し述べたように、非統制魚に対してはリンクの制度が実施できないから、それをいい機会にひとつ基本割当にかえて行こう、こういうような構想で、関係方面に折衝しましたところが、それはいいだろうということで了解が得られたのであります。実はこの制度にかえますためには、何しろ石油の統制が始まつて以来やつておりますリンク制度を、新しい制度にかえますので、当然いろいろな混乱が予想されますので、実は数箇月間の猶予を願つたのであります。私の考えとしては大体三月間ぐらいあれば、いろいろ資料の收集だとか、末端の準備だとかできるのではないかと考えておりましたので、できれば二十五年の一月ぐらいからこの制度に切りかえたらいいのではないかということで、約三月ほど猶予を願つたのでありますが、その制度がいいとなつたら、早速実施しろというようなことでやむを得ず急遽十一月から実施したのであります。そのために起きるいろいろな混乱は、はなはだ残念でありますが、あとの措置として現在いろいろ努力しておるわけであります。それで結局先刻御指摘のように、従来漁のあつた漁船は、従来のリンク率でもらう方が確かにいいと思います。しかしこの基本割当という言葉がしばしばこの制度の内容を誤解されておるのでありますが、この基本割当とは必ずしも漁船の馬力数だとか航海時間だとかだけを基礎にしておるのではないのであつて、稼働する漁船と稼働しない漁船があるでしようが、その稼働する漁船に油を出す。それから稼働する漁船の航海日数または航海時間、そういうようなものを一応基礎にいたしますが、なおその漁船がとる漁獲物が統制魚が主であるか、非統制魚が主であるか、または輸出水産物を主としてとるか、こういうような内容まで検討しまして、その出荷の実績だとか、またはその漁獲される水産物が、今日のようないろいろな種類がありますので、そういう点をあわせ考えて割当をしておるわけであります。従つて従来のリンク制度でやつておつたほど明確に、魚をたくさんとつておる者に油をよけいやるということにならないかもしれませんが、とります魚の数量または統制魚をとるか非統制魚をとるかによつて、その漁獲の数量または内容によつて、相当割当の数量がかわつて来るのであります。ただ問題は、リンクの制度でやりましようが、またはただいま実施しておりますいわゆる基本割当でやりましようが、帰するところは全体の石油のわくの問題になると思います。このわくが不十分である限りはリンク制度でやつても、いわゆる基本割当にかえましても、結局はどこかにむりができるのでありまして、実は私どものもつと大きなねらいは、この基本制度に切りかえることによつて、根本的に足りない油の数量をはつきりつかんで、それでできればそういうような資料を、わくをふやす一つの資料にして行きたい、かようなねらいもあるのであります。單に従来のリンク制度だけで行きますと、これはリンク率は一定に押えられておりますし、漁があればただ油を出すということだけであつて、基本的に日本の漁業というものを根拠にして、これだけ油が足りないという数字がどうしても出て来ないのであります。それを基本に切りかえることによつて、日本の漁業別の漁船数、馬力数、航海時間、あるいはもつとこまかく言えば稼働延馬力数になりますが、そういうものを押えることによつて、もつと的確に足りない油の数量がはつきり出るのではないか。それをつかんだ上で、わくをもう少しふやすという方向に持つて行きたい、実はかように考えておるねらいがあるのであります。
 なおわくの増加につきましては、従来いろいろ努力しておりますが、遺憾ながら私どもの微力でその目的を達しておりませんが、最近北海道方面にさんまの漁場がしばらく定着して動かなかつたのであります。そのために、もつと早く南下する計画でおりましたのが、漁場が遠いために非常に油がいる。こういうようなことで十月、十一月にそれぞれ千五百キロの油をふやしてもらいました。また九月二十一日東方のまぐろ漁場の拡張によつて当然漁場が遠方になりますので、それに対する石油の増加を要請しまして、十一月、十二月それぞれ約二千キロばかりふやしてもらいましたく、なお今後の月も若干ふやしてもらうような実情になつております。それで今後私は石油の問題と綿糸の問題が、私の課としては一番大きな問題になつて来ると考えておりますが、そのわくの増加について、もつぱらやつて行きたいと思つております。従来の大体のやり方は、各地方の資材調整事務所に割当をすることが主であつて、また割当の結末については地方の報告をとるだけで、大体これを完了したとしておつたのでありますが、どうもそれでは末端の事情がよくつかめませんので、これは最近ぼつぼつ始めておりますが、末端の各府県の陸揚地について拔きとりの調査をやつて、その土地の漁業を拾い、その漁業の中のある特定な人を拾つて、一体油がその月には幾らいるのか、それに対して正規の割当は幾らあつて、幾ら現物化したか、足りない油は一体どういうふうにして入手したか、こういう問題を、末端の実際の事情を調べることによつて資料を集めて、現実に各漁業者がどれだけ油が足りないかという問題を調べて行きたい、かように考えております。これは油だけでなくて、綿糸やマニラ麻についてもやつて行くつもりであります。そういうような資料も、実際の末端の事情がこうなつているのだからということで集めまして、そういうようなものも基礎にして、油のわくの増加について使つて行きたいと考えております。なお油の割当の問題だけでなくて、綿糸もマニラ麻もそうでありますが、従来言葉の上では簡單に、せつかく連合国軍の努力で輸入してもらつた資材だから、これをもつと効率的に使つて、漁獲をたくさんあげるという抽象的な言葉で表現しておつたのでありますが、現実には一体効率的にこの資材を使うことはどういうことかということになりますとこれはただその時期に漁獲が多い漁業に重点的に出すということになるかと思いますが、実はこのことは言葉の上では簡單でありますが、実際の問題としては、日本の水産業をどういうふうに持つて行くかという全体的の漁業の指導方針に関するのであります。この問題がはつきり解決して、今後日本の各種の漁業をどういう方向に持つて行くかということ、並びにそれに関連して漁船の行政をどういうふうに持つて行くかという問題もあわせて考えて水産業全体の持つて行き方をこういうふうにやるから、石油はこれだけいる。綿糸はこれだけいる。マニラ麻はこれだけいる。それでどれだけの漁獲をあげて行くのだ。こういう総合的な計画を立てるのでなければ、実はほんとうの資材計画はできないのではないかと考えております。こういうことを言うのははなはだ妙なのでありますが、最近漁業法とかいろいろの法律が整備されて参りましたので、それに伴つて、水産庁としては日本の沿岸漁業その他の漁業の調整をやるという方向に向つておりますが、そういう問題を中心にして、はつきり日本の漁業の指導方針がきまるならば、資材の問題も根本的に解決する時期がやがて来るんじやないかというふうに実は考えておるわけであります。いろいろ不徹底な点がありますが、御質問に応じて一応私の考えておるところを申し上げたわけであります。
#18
○松田委員 私先ほど議会を尊重しないという言葉を申し上げたのであります。みずからが私は微力であるという言葉をただいま申された。もし微力であるという認識を持つておつたならば、議会を尊重してこそ初めてG・H・Qの方との折衝も円滑に行くと私は考えておるのであります。港湾の予算の問題にしてもしかり、六億の予算を議会に――港湾課長は今年の予算がこのようである。何とか協力を願いたい。こういう切なるお話もあつたので、水産常任委員会はこぞつてこの問題に対して集中して、幸いにして七億五千万円の予算を獲得することが承認を得たのであります。しかるにみずからが微力であると自覚しておりながら、その微力な課長一人でG・H・Qに行つていかに解決できるか、しかも三箇月なり六箇月なりの猶予期間を置いて、その期間中にいろいろの操作をしたいというようなことも、先方に申し入れたと言われておる。もしその問題をわれわれ委員会に前もつてあなたが発表されて、この方法をいかにしたらいいかということをわれわれに相談があつたならば、結果が今日と同じような結果になつておつたところで、われわれにも責任があるのである。またその点に対してわれわれまた協力する方法がないとも言えない。しかるに官僚独善じやないか。みずからがみずからの考え方によつて、議会を尊重しない証拠ははつきり現われておるじやないか。そうして自己を微力と考えておつて、議会を尊重せず、あなただけの力をもつてやつて、日本の水産というものがどういうことになるか。今お話のうちには、水産長官よりもつと大きい構想を述べられておる。水産長官と何もかわらぬ構想を持つておられる。その構想に対してはわれわれも敬服するが、かつてわれわれはこの資材を獲得するためには、統制経済を撤廃して、統計を完全にしなかつたならば、外国からの輸入資材は円滑にならないのだということも、議会において水産庁に対して意見を述べておるのである。あなたはいかに勉強されてりつぱな役人かは知らないが、衆知を集めればもつといい方法があるのである。しかるにあまりにもうぬぼれがはなはだしいために、自分みずからの成案のみを先方に交渉されておつて、この結果を来しておるじやないか。あなたが現に油のやみの価格によつてその地方の油の多い不足ということがわかると言つたじやないか。しからばその油のやみの価格の高いところにはどういう問題が起きておるか。水産庁はやみを奨励しておるようなものじやないか。やみというものはどつから出るか。余つておるものを売つておるのだ。その責任はあなたにあるじやないか。資材課長の責任じやないか。あなたの職権から離れておることであるから、よそのものはやつても知らぬと言うかもしれぬが、現にあるものを、それのやみの価格というものを知つておるじやないか。どこは幾らくらいしておるということをあなたは知つておる。知つておつたならば、そのやみの油はどこから出るか。あなたの切つた切符によつてやみが出て来る。そうしておつて一番めんどうな配給の方法だとあなたは言うが、これは一番簡易な方法だ。委員会の全部の議員はあなたの来ない前に、あなたのやつておる配給方法は一番簡易な方法だと言つておるのだ。こういう方法をやつておつて、どうしてわれわれが――あなはが知つている以上は、G・H・Qだつて知つておるのだ。やみは幾らしておるかということを知つておるのだ。こうしたことを平然とやらしておつて、それが一番めんどうな配給の方法だとあなたは言われるのだ。なぜこの問題を議会に相談をしなかつたか、協力を求めなかつたか。議会に協力を求めたら、もつといい方法はあつたはずだ。もしこれが最善の方法だつたら、あなたの今の案と同じように行つても、あなたにこの責任はないのだ。それを官僚独善、かつてにやつて、議会に相談しないじやないか。アメリカに対してばかり相談したと言うじやないか。そんなことで議会は黙つていられるものじやない。議会をなめてかかつておるじやないか。そんなことで水産常任委員会が成立するか。水産常任委員会というものに対するところのはつきりした見解を聞こう。
#19
○奧村委員 ただいまの松田委員の御発言の御趣旨についてはまことに私は賛成であります。しかし形式としてこの水産委員会で速記をとつてこういうふうに言うことははたして妥当か、どうか。多少私は形式において考えねばならぬと思います。申すまでもなく国会は立法機関であり、資材課長は行政機関の担当員であります。従つて立法機関の国会が行政機関の分野にまで立ち入るということについては、そこによほど形の上においては考えねばならぬと思います。ただ水産庁としては非常に政治力が弱い。従つて国会の水産常任委員と一体になつて政治力を強くし外部に当る、こういう気持をもつてやつていただかなければ水産行政の発展は期し得ないというので、その精神を十分くんでもらいたい。私こしては松田委員が、立法機関として歩まり行政機関に対して直接口を出す、これはしかし松田委員の熱意のしからしむるところであるから、そこの御了解をよくなすつて、われわれ水産委員会の水産行政に対する熱意をくんで、水産庁としてもう少し水産委員会を尊重し、また水産委員会の力を借りてやつていただく、こういうふうにしてこの法律上の誤解もないように、ただいまの御発言を御解釈になつていただきたい。これを私は希望として申し上げます。
#20
○永田委員 今の奧村委員の言われたことに私ちよつと不審な点があります。立法機関と行政機関の観念はもちろんわれわれは承知しておるが、立法機関は要するに法律を定めて一国の政治を監督するのであつて、その意味において、国会が一応行政機関に指示を与え、警告を発する、これは当然われわれに課せられた任務であろうと思うのであります。その意味からして、ただいま資材課長君の答弁と松田委員との質疑応答の経過を静かに批判してみますと、われわれが最も警戒するのは、官僚独善によるところの国政のあやまちである。この根本を解決しなければすべての問題の解決はできないのであります。翻つて考えてみますと、明治維新以来、武士が帶刀を取上げられまる腰になつておる。政治家もみな入れかわつておる。すべての報道機関もみな入れかわつておる。ひとり官僚のみが平然として今日首がつながつておる。ここに私は社会的に大いに改めなければならない原因があると思う。官僚と軍閥の、戰争時中の惠まれた時代になれておる官僚諸君が、今日その習慣を平然として繰返しておることを、私は実に遺憾に思う。今日は政党政治である。その政党政治であるということをよくしてもらいたい。そうしてまず国民にお互いに責任を負わなければならない立場にある以上、政党政治ということに目ざめていただいて、占領軍に交渉せられるときはわれわれと協力してやつてもらいたい。そうして遺憾なきを期して行かなければ、やがて官僚諸君がみずから墓穴を掘るような事態に立ち至るということを、私は断言しておく。
#21
○奧村委員 永田委員は私の発言に対して批判を加えられましたが、この点を私は明らかにしておきたいと思います。大体水産委員会においては、行政機関の責任の立場にある大臣を呼んで審議すべきであるが、水産庁、水産委員会の審議の事情上やむを得ず関係係官のみを呼んで審議しておるので、多少ほかの委員会とは事情が違つております。
 またもう一つ、与党の民自党の方々が行政機関の方々とかような御審議をなさる場合は、あるいはただいまの御意見はごもつともであるかもしれぬ。しかし社会党その他の反対党の諸君の立場から考えればさような、御意見は成り立たない。すなわち行政機関の責任が明らかにならぬからである。行政機関と水産委員会とが密着して、水産委員会が直接行政機関にいろいろな指示、さしずを行うといつた場合、その行つた事柄において責任上の問題が生じた場合、一体その責任は国会が負うか、さように明らかでないようなことでは審議はできない。水産委員会の権威にかけて私はこの点を明らかにしておきたいと思います。
#22
○川村委員 ただいま議論がなかなか複雑になつておりますが、この議論を何時間しても本質にはいかないと思いますので、ちようどお晝でございますし、一応休憩をして空気をやわらげてから、午後あらためて十分検討して行くことがいいと思います。
#23
○五島委員 重油の問題が、いかなるところに松田委員の意見を起した原因があるかは、私は残念ながらまだ聞いておりません。しかし松田委員も十分に意見をはかれたので、ここで一課長を糾彈するべく大きな声をすることはこの程度にとどめていただきまして、要するに部長あり、長官がございますので、川村委員と同意見といたしまして、この辺であまりはつきりした結論を出さないように一時打切られんことを、議事進行上お願いいたします。
    〔「賛成」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#24
○井之口委員 官僚論議は、いずれ所管大臣の責任でございますからしてその方が官僚制度というものを撤廃するように当然民自党の内閣は責任があると思います。ひとつここは委員会といたしまして、現在の漁業行政の内容についてもつと実質的な研究をして、そうしてもつと漁民自身の利益に漁業行政というものがなるように、そういう方面からひとつ質問してみたいと思います。
#25
○石原委員長 井之口君、答弁が済んでからお願いします。
#26
○石川説明員 私の従来やつておりましたことについて、いろいろ御批判を受けたのでありますが、実は私がこの制度を実施しますについては、私一存だけでこの問題をきめたわけではありませんでして、当然私は上司の指揮を受けまして、いろいろ議論をした結果、この方向に行くべきだという結論に達しまして、対外的の準備をいたしたわけであります。従つて私のこの問題の処置の可否については、一応上司の方面にも伺つていただきたいと思うのでありますが、もし私のやつておりました点について悪いところがありましたら、今後十分気をつけて参りたいと思つております。
#27
○松田委員 私は課長の先ほどの私の質問に対しての答弁が、水産庁長官より以上の構想を持つた答弁をされておるのだ。あなたの資材課としての資材というもののみの答弁じやない。水産全般に対しての御答弁のように私は聞くのだ。われわれはその弁解に対してまことに了とするのであつて、初めてあなたの偉大なる構想も聞いたのだ。資材課長でなく、これは水産庁長官と同等だ。実際において感服しておるのだ。しかし一例を先ほどもあげたが、港湾課長は予算の獲得に対して、われわれに対し議会おいてもこのめんどうな問題を何とか協力を願いたいと言つて、事前にこの問題をわれわれに発表して、われわれはこれをなしとげたのだ。これが奥村君の言うように、われわれが命令ではない、あなた方に協力して行つて、水産常任委員会の責任を果したい、こう思つているのだ。あなたは先ほど自分の考えから関係方面に行つて了承を願つて来たのだ。ただいまの答弁は、上司に対してこの問題を論議して、その成案を得てでき上つたのだ、こういうのだ。これは上司に対してあなたがこの意見を申し上げて論議をすることも、それはあなたの立場上どうしてもしなければならない。いかに大きな構想を持つておつても、あなたは一課長にすぎないのだ。部長もおれば、次長もおれば、長官もおるのだ。あなた単独でもつてやつたとは私は考えない。しかしあなたが水産庁長官と同等な答弁をする以上は、われわれの水産常任委員会というものの性格、また責任というものを知つておるはずだ。この水産常任委員会というものを、少しもあなたは考慮の中に入れていない。この点を私は指摘するのだ。今までわれわれの委員会に対してあなたが相談をしたことがあるか。他の課長はあらゆる点に対して水産常任委員会にその内容を発表して、事前にやつておる。それが効果をあげているのだ。あなた一人がやらぬじやないか。それであなたの実績があがるのか、大衆漁民が利益を得ろのかというのだ。自分の力が微力だというのであつたならば、それはあなたが考えればいいではないか。もつとりつぱな人があるはずだ。水産常任委員会と密接に連絡して、上司と向うと折衝するだけの雅量を持つている人はあるはずだ。力がないというなら、力のない方法をとればいいじやないか。われわれはあなたに対してこんなことをやられて協力できるか。私どもの協力をさしてくださいと言つてやつて行かれるのか。他の課長はほとんど全部が協力を求め来ている。ゆえにわれわれはできるだけその点に対して仕事をして来たのだ。これをあなたはどういうふうに考えるかというのだ。ただ一つの重油の配給問題のみならず、こんなことでこれからあなたが仕事ができるかというのだ。毎日の委員会にあなたが非難攻撃を受けなければならぬじやないか。これに対するあなたのはつきりした答弁を聞きたいのだ。
#28
○冨永委員 本日の水産委員会は、資材課長の言辞から非常に混乱を起しましたが、しかし資材の配給はそうした重大な関心を持たなければならないほど、問題が非常に大きかつたということもあわせて考えられるのでありまして、私どももやはり水産常任委員会を軽視しているかのごとき感を与えられた点に対しては、不満の意を表明するものであります。なお重油の基本配給に対しては反対せざるを得ないのであります。先ほど資材課長の説明の中にも、あるいはリンクの配給をし、しかも撤廃をしたものは本配給することがいいのかもしれないけれども、そうすることをするためには調整事務所の職員が足らないというお話もありましたが、私はリンクの配給をすることと基本配給をすることが水産の増強上非常にいいんだということが前提であるならば、資材調整事務所の職員の足らないものは、これは別な角度から検討すべきであつて、職員が足らないから、いいと思つてもやらないのだいうことは、少くとも私は課長としては重大なる責任のある言葉だと考えざるを得ないと思うのであります。なお先ほどの説明の中に、基本配給は非常にめんどうだ、しかも船の力ばかりではなく、稼働能率も考えるのだというお話がありましたが、その稼働能率必ずしも数字に現われていない問題があるがゆえに、さらにこの内容を複雑性ならしめ、これをはつきり申し上げるならば、その係の人の鉛筆の先だけでいかようにもなる危険性を含んで、非常に問題を起しつつあるという話も開いておるのでありまして、私は確実にだれがこういう事実があつて、こういう手かげんがあつたということを申し上げるのではありませんが、そういう危険性を含むということを述べたいと思うのであります。
 なお配給の問題をめぐりまして、私はこの場合北海道だけのことを申し上げますが、突然に基本配給にすることは、実は自分も賛成でなかつた、余裕を置きたいと言われる。いかにもその通りで、余裕を置けばよかつた。それを突然やられたために、御承知の通り今日の燃油タンクは、必ずしも水産用ばかりを貯蔵いたしておりません。従いまして、漁業者は足りないだけは燃油を使わなければならない関係から、課長の言うように机上の空論ばかりを考えないで地方の有力な配給業者の人人が漁業者とよく協議いたしまして――この場合申し上げなければ話の筋が通りませんから、いやだが申し上げますが、前貸しいたしておる事案がある。しかしこれは波及するところ必ずしも小さいと思いませんから、申し上げませんが、数字もはつきりしておる。それは、あるいは課長は御承知ないかもしれないと思いますが、そういうことをぴたつとやられて、基本配給に制度がえをせられたために、この方面におきまして非常な混乱を起して、極端なことを申し上げるようですけれども、事実ですから申し上げますが、出漁どめになつた事実もあるのであります。従いまして、先ほど松田委員から述べられました通り、議会軽視の傾向がなく、よくわれわれに御相談くださるならば、私は決して立法機関が行政機関に命令するとか、指示するとか、そういつた越権的な考えはございません。その分は十分知つておるつもりでありますけれども、水産庁の課長の方々がおとりになつておるような態度でなかつたならば、そうした突然の混乱、生産の増強どころか全然出漁ができないというような事態は起らずに済んだのではなかろうか、かように考えるのであります。きようは時間がありませんから、私は松田委員の質問に関連して以上のことを申し上げますが、答弁は必要といたしません。
#29
○石原委員長 松田委員にお諮りします。非常に重大な問題であつて、この際課長の答弁は保留して、次の機会までによく考慮していただいて、御答弁を願うことにいたしたいと思いますが……
#30
○松田委員 けつこうです。
#31
○石原委員長 では、さようにお願いいたしまして、井之口君。
#32
○井之口委員 今回、今までのリンク制を廃止して、基本制による油の配給をやつており、これは当然民主自由党の責任において行われておるわけであります。ところが先ほど課長さんのお話では、まだ漁業行政の根本がよく確立しておらぬというふうな意見をしきりに述べておられました。これは非常に意外とするところでありまして、こうした明瞭なリンク制度を廃止して、基本制度をとるという以上は、その行政がぴたつと根本的にきまつていなければならぬはずで、その運営の転換以来、自信を持つて行政をやつておらなければならないはすでありますが、それに対してしきりに、欠点だらけであるようなお話を承つております。
 まず第一に、私たちか考えてみまするに、油の輸入量は一体どれぐらいのものであるか、今日日本全体において石油の輸入量さえもよくわからぬし、またその消費先さえもよくわからぬのでありますが、漁業方面にまわされておるところの油の量は、一体どのくらいになつておるものであるか、いろいろ原油で日本に持つて参りまして、日本でこれを精製いたしまして、そうしてその配給の先々がわからぬ。これでは日本の漁業方面に将来必要とする石油の量もわからぬし、さらにどういう計画を立てて将来漁業を発展さして行つてよいかもわからないのであります。まずその輸入量の点を明瞭にしていただきたいと思います。
 それから今度は、油の配給について幾分の基本をきめておるようにおつしやいましたが、その点が実際行われておるところを見ますると、中小の漁業者には油の配給がほとんどないと言つてもよいくらいの結果に立ち至つておる。一体これを決定するところの権限はだれが持つておるのか、この点がもつと明瞭にされなければならぬし、またそれをもつと民主化して、中小の漁業家に対しても油が十分に行きわたるようにできないものだろうか、そういう方針を持つておられないかどうかということを、ひとつ御質問いたします。いろいろ私たち聞くところによりますれば、中小以下の者におきましては、ほとんど油はやみで買わなければならなくなつておるような状態である。しかるに反対に、福島の江名の方では、油問屋の方に大分たくさん油がたまつておるようなことを聞いております。そうして中小企業の方面には配給されないで、やみでよそから出て来るものを仕入れて漁業をしなければならないというふうなことになつておる。それで実際配給されるところの油は、大きな外国向きの漁業をやつておる人たちだとか、それから馬力の大きいところというふうなものに片寄つておるということが、われわれとして考えられるのでありますが、そういう点をどうして除去して行こうとなさいますか。現に枕崎の方面では、船が二十五隻くらい従来動いていたものが、現在は油の配給がないために九隻しか動いていないというような報告も、地方から受けておるのでありますが、こういうことになつて参りますと、今度リンク制を廃止して基本制による油の配給制度をおとりになつたということは、まるで日本の漁業を破壊して行くことになりはせぬか、これをわれわれはおそれるのであります。こういう方面から、政府の漁業行政がとかくいろいろの欠点を現わす。先ほどもおつしやつておられましたが、これはもつともなことで、それを除去するような方法を至急にやらなければならぬと思うのでありますが、これに対してどういうお考えを持つておられるか、承つておきたいと思います。
#33
○石川説明員 初めの方の輸入量の問題でありますが、水産用の油は一九五〇年度、つまり本年の七月から来年の六月まででありますが、重油その他各種の製品をまぜて四十六万キロリットルであります。これに対して一九四九年、昨年の同期が四十五万五千キロリットルになつております。これは若干の増加を見ておりますが、実際は漁船がふえておりまして馬力数において相当増加がありますので、相対的には足らないわけであります、私どもとしては、最小限度五十四万キロリットルはどうしても確保しなければならぬ。これは最小限度の数量であつて、実際はもつと必要なことは言うまでもないのであります。
 それから中小漁業者の油の少い問題と、その割当を民主化しなければならない問題、それからなお、油の配給の実権がどこにあるかという問題でありますが、各府県の油の割当は、水産庁から地方の農林省の資材調整事務所に出しております。その場合の資材調整事務所に対する割当の計算の基礎は、その県における各種の漁業別の操業隻数、馬力数、時間並びに漁獲高等を見まして、その県に割当をしておるのであつて、県内において個々の漁船に割当を実施する機関は、地元の資材調整事務所であります。その場合に、石油の配給規則の方でははつきり規定がないのでありますが、これは規定を設けることによつて束縛を受けるのではないかということで、水産も農林も同じ歩調をとつておるわけでありますが、できれば地元で関係の者をもつて何か委員会のようなものを設けて、そこで民主的にやつてもらえばなおいいのじやないかというふうに考えておりますが、これはそうすることがいい場合もあり、悪い場合もありますので、はつきり強制はしておりません。何かそういうことによつて、今のような民主化の方法ができるのではないかと考えております。
#34
○石原委員長 ちよつと速記をやめて……
    〔速記中止〕
#35
○石原委員長 速記を始めて……
#36
○井之口委員 今質問の江名におけるところの油問屋に油がたまつていて、そうして事実漁民の方へまわらぬというのは、やはり今度の基本割当法でもつて起つておる。これに対しては、何か実情を調べていらつしやいますか、どうですか。
#37
○石原委員長 ちよつと速記をやめて……
    〔速記中止〕
#38
○石原委員長 速記を始めて……
#39
○井之口委員 このわくが漁業に対して配当され、しかもそれが、県に油がありながら漁民に配給することができないという状態、どうしてもこのわくを広げるには、先ほど松田委員さんもおつしやられた通り、これは大きな国民的な大運動を起さなければ、まつたく広げることはできぬと思います。これはもつともなことであります。官僚が単に一人、二人のかけ合いぐらいでは、こうしたことは行かない。ほとんど外国資本によつて握られるようなことにでも将来立至りましたならば、日本の漁業の死命を制せられることになりますから、どの点については、われわれもひとつ大きな運動を起してやりたいと思つております。しかしわくが足りなければ、これはなおさらそこにいろいろな不正が起る。そうして少いものの取り合いが起りまして、大物がこれを握つてしまつて、そして日本の沿岸の多くの中小の漁業家というものが、片つ端からつぶれて行くというように、ひどくなつて来るのであります。この点も十分にお考えになりませんで今のような基本法によるところの配給をやつておりますと、大漁業家がまた水産庁と結託いたしまして、そして自分らの方にだけいいものを取り込むというふうなことが間々起こる。いろいろ例の薪炭需給特別会計などにおいても不足額が――たくさん欠損が起つて参つております。ああいうようなことは、これは直接同じなものではございませんけれども、しかしこの油の配給ということは、非常に漁業の死命を制するものでございますから、その点は十分お考えになつて何よりも早くこれの配給の民主化ということが必要だと思います。そういう点は、近く今度何か法案また政令というふうなものででも出す意思はないですか。
#40
○石川説明員 わくの増加の問題については、御指摘の通り非常に大きな問題でありますので、この点については水産常任委員会その他の応援を得て、少し大きく展開して行かなければならぬというように考えております。
#41
○井之口委員 先に前貸しされたやつは、それは前貸しした者に対してリンク制で魚が入つておりますか。そうしてもし今新しく前貸しの方にとられて今度の基本法になつてからでも不足しておるような場合には、どうやつて善後策を講ずるおつもりでありますか。
#42
○冨永委員 今、井之口委員から前貸しの問題かいろいろ質問せられておりますが、私もこの場合関連して一言お聞きしておきたいと思います。それは先ほど資材課長の答弁の中に、前貸しの点は一箇年程度にぜひ清算するようにという通牒を水産庁から出した、こというお話がありましたが、私が現在承知いたしておりまする通牒は、水産庁の通牒は実は知らない。ただ通産省資源庁鉱山局長名をもつて、前貸しは絶対相ならぬ。ただちに清算しろという指令が出ておるわけであります。私は通産省の責任者方面に、その問題を現在いろいろと話し合いをいたしておるのでありまするが、一体この通産省の指令が重いのか、水産庁の指令が重いのか、一応資材課長の御見解を質しておいて、速記録をいただいて、北海道に持ち帰りたい。また通産大臣にも話し合いをいたしたいと、かように考えますので、一応課長の御見解をお聞きしておきたいと思います。
#43
○石川説明員 通牒は水産庁からは地方の資材調整事務所に出しております。それはもつばら漁業者側に対する注意事項を述べているのであつて、その場合は整理期間が一年とはつきり言つておりません。できるだけ早い機会にやれという意味であつて、はつきり期間は言つておりません。
 次に前貸しの数量の点でございますが、それは一応リンク制度の欠陥に基くことも一つの理由になりますが、一応は従来の規則に基いて割当をし、従つて割当を受けた者もその規則に基いて処置をしなければならないのであつて、一応前貸しということは、規則に照していけないことであるから、特別にその跡始末を官庁の方では負うことができない。もしそれを負うことにすれば、前貸しを受けた者が得であつて、前貸しを受けない者は非常に損をするということになりますので、その跡始末については、今後普通に割当をする者の中から、その受けた数量の範囲内においてだんだん回収する措置を講じて行く、こういう措置をしております。
#44
○石原委員長 資材に関する問題は次の機会に譲りまして、本日はこの程度にいたしたいと思います。
#45
○石原委員長 次に小委員会設置に関する件を議題にいたします。これに関しましては、去る十三日提出いたしました国政調査承認要求書に対し、昨十六日議長の承認を得ましたので、これに基きまして、調査の方法につき理事会において種々協議いたしましたところ、本委員会におきましては、前国会に設置いたしました小委員会のうち、まず水産金融に関する小委員会、漁港に関する小委員会、水産資材に関する小委員会、水産物集荷配給に関する小委員会、水産資源維持に関する小委員会、水産貿易に関する小委員会の、六つの小委員会と、新たに漁船に関する小委員会、漁業災害補償制度に関する小委員会及び水産業協同組合及び漁業制度に関する小委員会の三つの小委員会を、今国会において設置することに決定いたしたのでありますが、この際お諮りをいたします。理事会の決定通りに、とりあえず以上九つの小委員会を設置することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○石原委員長 御異議なしと認め、以上の小委員会は設置することに決定いたしました。
 なお次にこれら小委員会の各小委員及び各小委員長の選任方法でありますが、これにつきましては、各委員諸君の御意見、御希望もあると思いますので、委員長の手元へそれぞれ希望の旨をお届け願いまして、それを参照し、次回の委員会において決定いたしたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○石原委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。何かはかに御意見ありませんか。
#48
○井之口委員長 先ほど中途半端になつてしまいましたが、瀬戸内海の漁民の問題でございます。これは非常に急迫している問題でございますから、この問題を審議するために、近日のうちに何らかの機会を与えられんことをお願いいたします。
#49
○石原委員長 了承しました。
 本日はこれをもつて散会いたします。長時間ありがとうございました。
    午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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