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#1
第075回国会 大蔵委員会 第20号
昭和五十年六月十九日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桧垣徳太郎君
    理 事
                河本嘉久蔵君
                山崎 五郎君
                辻  一彦君
                鈴木 一弘君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                土屋 義彦君
                中西 一郎君
                鳩山威一郎君
                藤川 一秋君
                細川 護熙君
                柳田桃太郎君
                吉田  実君
                大塚  喬君
                寺田 熊雄君
                野々山一三君
                藤田  進君
                吉田忠三郎君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局長     熊田淳一郎君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  後藤 英輔君
       大蔵政務次官   梶木 又三君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        西沢 公慶君
       大蔵大臣官房審
       議官       旦  弘昌君
       大蔵省主計局次
       長        辻  敬一君
       大蔵省主税局長  中橋敬次郎君
       国税庁間税部長  星野 孝俊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局審査部第
       一審査長     妹尾  明君
       大蔵省主計局主
       計官       宮下 創平君
       国税庁間税部酒
       税課長      高木 壽夫君
       国税庁間税部鑑
       定企画官     川島  宏君
       厚生省環境衛生
       局食品化学課長  宮沢  香君
       食糧庁業務部需
       給課長      宮崎 武幸君
       日本専売公社副
       総裁       泉 美之松君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○製造たばこ定価法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(桧垣徳太郎君) 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○大塚喬君 ちょっと酒税課長、お尋ねいたしますが、四十九年度成人当たり、日本人は、清酒がどのくらいの数量、どのくらいの金額、ビールがどのくらいの数量、どのくらいの金額、それからウィスキーがどのくらいの数量で、どのくらいの金額を消費したでしょう。日本のアルコール消費の現況をひとつ教えていただきたいと思います。
#5
○説明員(高木壽夫君) 四十九年暦年でございますが、清酒につきましては、一人当たりの数字で申し上げたいと思いますが、清酒につきましては、一升びん、一・八リットルで、十二本ちょっと、十二・三という見当のようです。それからビールにつきましては、六百三十三ミリリットルのいわゆる大びんで、成人一人当たり年間で七十七本強というような状況のようです。それからウイスキーにつきましては、七百二十ミリリットルを単位といたしまして、四本弱という状況で消費されているということのようでございます。
 金額という御質問がございましたが、ちょっとその点につきましては若干時間をちょうだいいたしたいと思います。
#6
○大塚喬君 いまの質問で清酒が十二本余飲んだと、こういうことですが、一体金額にしてどのくらいになったものか。それからビール、ウイスキー、それぞれどのくらい消費をしておるのか。総額でどのくらいの金額で、そのうちで成人一人当たりお酒の税金がどのくらい納めておるのか、ひとつ後ほど資料として出していただきたいと思いますので……。
#7
○政府委員(星野孝俊君) 御質問の点、後ほど調査いたしまして提出いたします。
#8
○大塚喬君 そのいまの酒の消費が最近横ばいになっておる、減少ぎみだということを耳にするわけですが、五十年度の見通しは一体それぞれどういうぐあいに現在大蔵省把握をされておりますか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#9
○政府委員(中橋敬次郎君) 五十年度の酒税収入の見込みの基礎となりました数字を申し上げますと、清酒特級は十万キロリットル、清酒一級は八十六万六千キロリットル、清酒二級は六十二万一千キロリッル、清酒合計では百五十八万七千キロリットル、ビールは四百万九千キロリットル、ウイスキー類は二十八万五千キロリットル、その他三十四万八千キロリットル、総計で六百二十二万九千キロリットルとなっております。
#10
○大塚喬君 いまの数字が四十九年度の分と、どう動くかということが私、懸念と申しますか、知りたいところなんです。で、そこのところをひとつそれぞれについてどういうふうな動きの見通しを立ててこのたびの税制改正、並びに予算案を作成をされたものかお聞かせをいただきたいと思います。
#11
○政府委員(中橋敬次郎君) 五十年度の税収の見込みを立てまして、いま申し上げました数値は、その当時四十九年度にこの程度課税の基礎になるであろうという数字をもとにしたわけでございます。それとの関連で申しますと、清酒全体について申しますと、五十年度は横ばいよりはやや減少する九八%程度になるであろう……
#12
○大塚喬君 何がですか。
#13
○政府委員(中橋敬次郎君) 清酒全体の課税数量は、その当時の四十九年度課税見込みに比べますと、若干下がって九八%程度になるであろうというふうに見込んでおりました。ビールは同じような数値で申しますと一一〇%になるであろうというふうに見込み、ウイスキー類については一二〇%程度になるであろう。お酒全体で申しますと、一〇六・四%になるであろうというようなことで、先ほど申した基礎数値を見込んだわけでございます。ところが、最近までにだんだんまとまってまいりました四十九年度の大体課税の基礎になりました実績見込みと申しますか、そういう数値と、先ほど申しました五十年度の税収見込みとの関係を率で申し上げますと、清酒全体についていいますと、横ばいより少し下がったところ、率で申しますと、九九・三%、ビールは一〇九・七%、ウイスキー類は一三〇・七%、お酒全体で言いますと、一〇七・三%ということでございますから、一番初めに御説明しました五十年度の見込み策定時の伸びと大体同じでございますけれども、若干先ほど申したように少しずつ違ってきておるということでございます。
#14
○大塚喬君 いまの四十九年度のこれは移出数量ですが、どの程度まで、いつ現在のものの数字でしょうか。そういうウイスキーについては伸びたということを私も承知しておるんですが、その他のものはもっと数量が、いまあなたがおっしゃったものよりは少ないんじゃないですか。いつ現在のそれは資料ですか。
#15
○政府委員(中橋敬次郎君) 大体四月収入になりますものでございますから、四月の税収になるものですから、したがいまして、大体二月に製造場を出たようなもののベースでございますので、これが税収にあらわれた根拠データでございまするから、大体これが課税上は正確な数字とお取りいただきますようにお願いいたします。
#16
○大塚喬君 まあ、私が調査したところによれば、ウイスキーは確かに伸びておるということですが、ビール、ブランデー、それから甘味果実酒、清酒、軒並みに対前年度比からは減少しておるという数字を持っておるんですが、いまのその主税局長の答弁だというと、これは総消費量も対前年度比から減っておらないという感じを受けたんですが、その数字がやっぱり五十年度の消費見込みということに大きく関連するもんですから、そこのところをひとつ重ねてお尋ねしたいことと、このような消費の傾向が起こされた原因というのは一体何なんだろうか。大蔵省主税局としてはどういうふうに把握をされておりますか、この問題をひとつ回答いただきたいと思います。
#17
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど私が伸びを申しましたのは、お尋ねの五十年度酒税収入の基礎になりました数値が四十九年度に対してどのように見ておるかという数字を申し上げたのでございます。いまお尋ねの点は、四十九年度の課税実績が前年に比べてどのようになっておるか、下がっておるものがあるんじゃないかというふうなお尋ねのようでございます。まさにそのとおりでございます。ですから、したがいまして、伸びの率は基礎の年が違いますから、いま改めまして四十九年度の対前年に対する伸びを申し上げますと、清酒では九〇・五%になっております。それからビールは九五・九%、ウイスキー類は一一一・八%、その他は九〇・三%、お酒全体では九四・五%でございます。それで、ウイスキー類はいま申しましたように、前年度に比べまして一割以上伸びておることは御指摘のとおりでございます。それからビールが約四%程度減少いたしておりますのは、主としましては基本的に全体お酒の消費が落ちたということは、私はやはり経済情勢の影響を受けておると思いますけれども、特にビールにつきましては、昨年の夏の天候がやはりビールには余り有利ではなかったということが影響しておると思います。それから清酒につきましても、全体的にはやはり経済情勢の絡みがあると思いますけれども、やはり他の種類のお酒との競合、それから二級酒の数量の減退、そういったものが影響しておるのではないかというふうに考えております。したがいまして、五十年度の四十九年度に対しますお酒の伸びが、先ほど冒頭に御説明しましたようなものになっておりますけれども、大体ごらんいただきますように、ウイスキー類はこれまでの伸びを続けるであろうというような見込みでございますし、清酒は大体横ばいに推移するであろうということでございます。それからビールだけは、これはまた天候にも非常に影響を受けますけれども、約一割弱伸びるのではないかというふうな見込みを立てておる次第であります。
#18
○大塚喬君 どうもいまの数字をお聞きして、何かこう先入観があって大変悪いんですが、先ごろ税の収入欠陥があり、八千億という穴をあけた、で、大蔵省関係が依然としてやっぱり頭の中を支配している問題が、いわゆる高度成長時代、こういうものがあって、そういう時代の名残が頭の中に残っておって、昭和四十九年度の酒の消費実績というのが、現実、清酒では約一割近く、一〇%近く減じているわけですね。それからビールは約四%減っておる、そうすると、酒類全体の消費量というのも、これはもう酒とビールが王様ですから、こんなに減っておる、こういうことで一体酒税見積もりというようなことが、大蔵省の考え方の中で過大見積もりという、そういう危険がひそんでおるという心配をしておるわけなんです。で、そこのところは、いま酒の総消費量については、四十九年度対前年度比の数字がお聞かせいただけなかったわけですが、どの程度減って、この傾向というものは五十年度にあらわれないのかどうか、そこらのところをどういうふうに主税局としてはお考えになったのか、お聞かせいただきたい。
#19
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど御説明いたしましたように、全体的な経済情勢はもちろん酒類の消費に大いに影響することは確かでございます。その中で特にビールにつきましては、もう一つ天候という要素が非常に、毎年の消費動向を見てみますと、あるようでございます。昨年はたまたま夏場の天気がビールに幸いしなかったという事情がございますから、大体中期的な傾向から見まして、落ちました昨年度のビールの消費に対して一割程度伸びるであろうということは、私はそんなに過大なものではないというふうに考えております。
 それから、清酒につきましては、これも先ほど申しましたように、落ち込みました四十九年度の大体横ばいと見ておりますから、そんなに過大に見積もっておるつもりはございません。清酒については確かに他の種類のお酒との競合というのが最近非常に見られますけれども、これはこの前にも御説明いたしましたように、たとえば中期的にその傾向を見ますれば、対前年度減っておりますのは昭和四十二年度、それから昭和四十六年度ということでございまして、それ以外の年はやはり五%程度は漸増しておるということでございまするから、大体前年度の横ばいというぐらいのものは決して過大ではないというふうに考えております。
 ウイスキー類につきましては、これは先ほど大塚委員も御指摘のように、やはり最近の消費動向から見ましてかなり伸びております。したがって、このぐらいの程度の伸びは期待できるのではないかというふうに考えております。
 お酒全体の伸びにつきましては、先ほどお答えしましたように、四十九年度の大体実績になるであろうと見込まれておる数字に比べますと、七・三%の伸びでございます。各種類のお酒の動向についてはただいま御説明したとおりでございます。
#20
○大塚喬君 酒の消費の見通し、これは一年間過ぎてみれば一番はっきりわかるわけですけれども、四十九年度が対前年度比相当額減少しておる。今回酒の酒税二二%アップ、さらにこれに業者の便乗値上げというような、そういうことが絡んでくる、そういう要素を、一体、いまのお話しいただいた消費見込みということにはね返って、それで算出をしておるのかどうかということになると、少し甘過ぎると率直に私は考えるのですが、今回の値上げが酒の消費に及ぼす影響、これはどういうふうにはじいておられますか。
#21
○政府委員(中橋敬次郎君) その問題は、一にかかりまして私は賃金あるいは家計と酒類の消費に影響されると思っております。これも前から御説明いたしておりますように、たとえば四十三年度と最近におきますところの家計の状況、あるいはその中に占めますところの酒類消費資金というような状況から見ますれば、賃金は二・七倍になっております。それに比べまして家計消費の中における酒類消費資金の占めるウエートというのはむしろ減少いたしております。そういうことから考えまして、今回いわば調整的に増税をお願いいたしておるわけでございますから、この程度の酒税の増税、それがはね返りましたところの価格の上昇というのは、私は、四十三年度と比べて、かなり伸びました実収入あるいは消費支出の中におきましては、消費の動向としては影響がそんなにないだろうというふうに考えております。
#22
○大塚喬君 御承知のように五十年度の賃上げと申しますか、給与引き上げは一三%といわれていますね。そういう現状の中で過分な消費力、これが家計の中に生み出されたかどうかということになると、いろいろの新聞等の資料を見るというと、家計が窮屈になってきておる、こういう家計調査の実例がよく報道されておるわけですが、そういうところを考え、このたびの大幅な値上げということは、これに足を引っ張るというか、消費の伸びということを考えた場合に足を引っ張るという意味ですが、私は、どう考えてもいまのような見通しというのはきわめて甘い。この値上げの影響が、大蔵当局が税金を確保したいと考えておる数字には、やっぱり酒税の面でも必ず大穴があくと、私はそういうふうに考えるんですが、そこのところは確信ございますか。
#23
○政府委員(中橋敬次郎君) 私が申し上げましたのは、昭和四十三年からの賃金の上昇あるいはそれに伴いますところの実収入、消費支出金額の拡大ということの中における酒類の消費という問題を取り上げたつもりでございます。したがいまして、ことしだけのベースアップが何%になったから、それについて酒の消費が非常に影響を受けるというよりは、たとえば昭和四十三年におきまして、収入の中で、家計調査によりますれば、酒に投ぜられました金というのは一・三%でありました。ところが、これは、四十八年、四十九年の推計値を加えてみましても一%程度に下がっているわけでございます。そういうことから見ますれば、私は、今回の増税、それに伴いますところの酒の価格の上昇というのも十分吸収されるのだろうと思います。そういうような観点で、先ほど申しましたように、五十年度の酒の消費、それに伴いますところの酒税収入を見込んでおります。これについてどうなるかということは、もちろん今後の推移を待たなければなりませんけれども、私どもとしますれば、あの当時見込みました数値は決して過大ではないというふうに考えております。
#24
○大塚喬君 これは、五十年度の消費見通しということを、それに酒税の確保ということの問題ですから、いまは、現在はそれぞれの立場から主税局長は大丈夫だと、こうおっしゃっておるんですが、論より証拠、それは一年過ぎてみれば一番はっきりわかるので、新聞などで辞令として私どもがお聞きしているところは、近く何か国税庁長官という、そういう要職に転ぜられるということですが、もしそうなった場合でも、ひとついまの問題がどっちが正しいのか、また大蔵委員会に御出席を願って、今後の国の財政という問題もありますから、そこのところを意見をお互いに闘わしたいと楽しみにいたしております。
 大蔵大臣、ちょっと眠そうですから大蔵大臣にお尋ねいたしますが、大蔵大臣は酒というものをどういうふうにお考えになっていますか。酒というのは何ですか。
#25
○国務大臣(大平正芳君) 酒と人生ということになりますと、大変多彩な論議をお願いしなけりゃいかぬことになりますが、大蔵大臣の立場では、酒税法の所管大臣といたしまして、アルコール分一度以上含む飲料をとらえて、それの持つ、その消費の持つ担税力をどのようによけい税収において確保するかということでございます。しかし、これは現行税制の上でどのように工夫してまいるかということでございますが、私の立場は、同時に、時代の推移に伴いまして酒税法をどのように改めてまいるかにつきましても、立案をし国会の御審議をお願いせなけりゃならぬ立場にあるわけでございます。で、今日お願い申し上げておりますように、お酒の税金を若干増税さしていただくということに至りましたゆえんは、たびたび本院におきましても御説明申し上げておるところでございますが、これは決してぞんざいに考えておるわけじゃないのでありまして、物価政策の上から申しましても、国民生活の立場から申しましても、無理でない範囲内におきまして、また、そういう無理のない方法におきまして、お願いしてしかるべきじゃないかという判断に基づいて御審議を願っておるつもりでございます。ただ、この本院の御論議を通じまして、酒とか、たばことかいうようなものが非常に高い税金を担っておるということに対しての御批判がございますので、その点だけ一点私の見解を申し述べさしていただきたいと思います。
 諸外国、古今東西を問わず、どこの国も酒とかたばことかいうものを財政商品といたしまして非常に高い負担をこの商品を通じてお願いをいたしておるようでございまして、これ日本だけでございません。このことは、このごろ非常に国民の生活の態様が多彩になってまいりまして、消費も多彩になってまいりましたので、ひとり酒とかたばことかでなくて、担税商品はほかにも見つかるようになってまいったわけでございますから、何もこればかりにとらわれる必要はないんでございますけれども、先進諸国におきましても依然としてこの二つは担税商品として高い、重い立場を持っておるわけでございます。それだけに酒とかたばことかというものは、人間生活におきまして古来非常に深い関係を持ってきたし、今後も持つであろう、酒とたばこを離れて人生は考えられないというぐらいに私は深い関係を持っておるんではないかと思うんであります。それだけ深い関連を持っておるがゆえに、そこに着目いたしまして恒常的な巨額の財源をここに期待するということを各国の政府はその知恵として考えてきたんじゃないかと思っておるのであります。わが国の政府もその例外ではないのでございますが、わが国の政府は、よその政府に比べまして特にそれを高くお願いしておるとかいうものでは決してないと私は確信いたしておりますが、きわめて常識的に、酒やたばこの消費に期待できる担税力をこの程度、この時期に、こういう方法でお願いいたしますことは決して無理でないという判断で、各般の政策との整合を考えながら御相談を申し上げておるわけでございます。冒頭に申しましたように、税と離れまして酒とかたばことかというものをどう考えるかということになりますと、これはまた非常ににぎやかな議論になると思いますので、一応税との関連におきましての私の考え方を申し述べさしていただいたわけでございます。
#26
○大塚喬君 いま大臣の答弁をお聞きしてわかりました。まあいろいろお話がございましたが、大蔵大臣としてお酒というのはもう税金を取る手段、道具だと、こうお考えになっておると、頭の中で、一生懸命に首振っても、何か答弁は、いまのそういう答弁の趣意じゃないですか、皆さんお聞きになってんですから。
 で、今度は立場を変えて、税金を取る大蔵大臣、今度は毎日毎日ビールだのお酒だの買う人――消費者、国民の立場、この立場に立って考えると、お酒というもののとらえ方というのは、大臣の考え方とは違う考え方をとっておると思うんです。国民にとっては、お酒というのは嗜好品であり、生活を潤す潤滑油、楽しみ、憩いをとるものだと、まあこういうふうに考えておると思うんです。それで、税金というのは、いまの法律で定められているから仕方なしに買うときに払うんだと、で、大臣のお考えというのは、ともかくいろいろおっしゃったけれども、お酒というのは税金を取る道具なんだと、こういうことがやっぱりその本筋に流れておるというふうにお聞きしたわけですが、そうではなかったですか。
#27
○国務大臣(大平正芳君) お酒は人生におきまして、喜びのときも、悲しみのときも、得意なあしたも、失意の夕べも、やはりお酒というものを離れて考えられないわけです。したがいまして、日本語というのは、非常に表現の妙を得ておりまして、祝い酒とか、やけ酒とか、迎え酒とか、寝酒とか、朝酒とか、それから花見酒とか、月見酒とか、ぼくは非常にこの人生とお酒というのは、先ほど申しましたように、これは大変な文学になると思うんです。で、私もそういう呼吸を解しない、ものの哀れを知らない人間ではないわけでございます。けれども、いま大蔵大臣という立場で税金をちょうだいしておるものの立場で、税金に関連して先ほどお答えを申し上げたわけでございますので、お断りいたしましたように、国民がこのお酒に託して、古来どういう喜怒哀楽をこのお酒に託してきたかということ、歴史はおそらくこの酒があることによって変わってきたんじゃないでしょうか、そういうようなことは私もわからぬわけじゃありません。そういうことを全然もう無視して、ただもう担税商品であるということをドライに割り切って考えておるほどやぼではないつもりでございます。ただ、税の関係を担当いたしているものといたしまして、税に関連してだけいまの立場を申し上げたわけでございます。
#28
○大塚喬君 いま一、二のやりとり、問答をお願いしたところですが、私がこれから主張したいことは、いわゆる酒の行政という問題できわめてまやかしというか、ごまかしということが横行しておる。それは酒類の表示の問題について私はいまから主として論議をいたしたいと、こう願っておるところですので、初めに大臣の見解をお聞きいたしたわけでございます。
 商品の表示というものは一体何のためにあるんだ。お酒に関して、私も一生懸命最近デパートなんかを歩いて酒の、あるいは酒類の表示を見てまいりました。率直に私が感じましたことは、一切合財大蔵省の厳しい監督にある酒類というのが、税金を取るための表示であり、業者が宣伝のための表示であり、先ほど私が申し上げたような、消費者が生活の潤滑油として楽しみにしております憩いの飲み物、こういう立場から考えると現在酒の消費というのは全くめちゃくちゃなでたらめなものであると、こういう感じを持ったわけであります。消費者の基本的な権利というのは、商品の表示に選ぶ権利を十分に発揮させる、そういうもので商品の表示がなされなければならない。厳重な監督をしておる大蔵省の管下の商品である酒類に関しては全くそういうことは考えられないで、税金を取るだけ、業者がもうかるだけ、宣伝するだけという表示だけに終わっておるという感じを私は率直にいたしたわけでございます。
 現在、たとえば清酒なら清酒について申し上げますと、等級は一応わかります。それから小さい字でアルコールの度数もわかります。一番大きくわかるのは銘柄がわかるようになっている。それから一応値段というものは、どこでも大体どの銘柄もほとんど同じ値段なものですから値段についてもわかる。で、一体消費者がその商品を買おうとする、楽しみのお酒を買おうとする、こういうことについて必要な中身は何ら表示をされておらない。忠実に中身を表示する、そういうことが全然行われておらない。これから先いろいろウイスキーやワインの問題についても多年の大蔵省のこのような放置してきた問題に私は責任を追及したいわけですが、前回お尋ねいたしましたいわゆる合成酒、清酒――合成酒にしても三倍増、醸法ということで、アルコールで三倍まで薄めることができるような現行の法律。そこで、アルコールで薄めたものが清酒として全部商店に並んでおる。こういうことについて私は大蔵省というのはただ税金を取るために業者がどんな空宣伝をやってもいいんだ、消費者がどんなに犠牲になってお金をもうけられても構わないんだ、こういう私は現状にあろうと思うわけであります。
 このお酒が本物かにせ物か、上質か劣っておるか、こういうために私はいまから提案を申し上げ見解をお聞かせいただきたいわけですが、いままでこの酒類の販売について、商品の表示について大蔵省はどういう基準を設けて過去数十年間この酒の行政をやってきたのか。このひとつ歴史的な経過をお聞かせいただきたいと思います。
#29
○政府委員(中橋敬次郎君) 前回にも大塚委員の御質問にお答えをいたしました。その際、清酒につきまして、ずっと昔には確かに米から醸造されましたアルコールのみででき上がっておるものしかなかったわけでございますけれども、それがいまから三十数年前から確かにアルコール添加という方法が導入されたわけでございます。それを全くのにせの清酒であるというお立場に立てば、今日の酒税法上におきますところの清酒の中にはそういうものがございますけれども、私どもは、長い間の技術の進歩というものを考えますれば、決して米からのみできておるアルコールででき上がっておるものだけを清酒というのは当たらないのではないかというふうに思っております。
 そこで、その分界は一体どの辺におくのかということで、これも前回お答えをいたしましたように、合成清酒の定義、あるいは清酒としましていろいろなものを添加いたしますときの制限、そういうようなものから清酒と合成清酒というものの分界を定めておるつもりでございます。したがいまして、今日私どもは、清酒という表示をするように、あるいは合成清酒という表示をするようにというものの区分によりまして、十分そのおっしゃいますところの清酒本来の分野というものと、合成清酒本来の分野というものとの認識は明らかであるというふうに考えております。
#30
○大塚喬君 ずいぶん独断的な答弁をされておると私は受けとめました。国民消費者がいまあなたがおっしゃっているようなそういう受けとめ方を現実にしておりますか。清酒と言えばともかく米、米こうじ、水を原料にしてつくったものが清酒だと国民一般はみんなそう受けとめています。
 それで、もし一歩譲って、そういうアルコールを添加した三倍増醸ということで水で薄めたものが清酒だと、大蔵省はそう言うんでそれはわかっているはずだと、こういうことをおっしゃることを一歩譲ってあなたの立場を認めたにいたしましても、そうだとすれば、これだけのたくさんの税金を国民から負担させる酒税法というものが、醸造方法、これはまるっきり米と米こうじと水でつくりましたと、こういうものと、アルコールを添加いたしましたと、そのアルコール添加の事実の有無というものは、少なくとも商品表示の中に消費者がわかるようにやるのがこれは当然の義務じゃないですか。このことをいまの表示については何らか規制をいたしておりますか。
 それから、もう一つ先ほどの質問でお答えいただけなかったのは、何十年間という、どんな商品に増しても酒の表示ほど乱れておったものはないと思います。これほどでたらめな表示を、しかも、からだに重大な影響を持つアルコール、酒類の販売について何一つそういうことがいままで何十年間ということで改善されずに放置をされてきた。後ほど具体的ないろいろのことで例を挙げて申し上げますけれども、歴史的なこういう経過については局長どういうふうに答弁をいただけますか。
#31
○政府委員(中橋敬次郎君) 大塚委員のお立場は、米と米こうじと水というものででき上がっておる古い時代の清酒、それは確かに長い間の清酒でございました。それだけが清酒であるというお立場であります。そういう確かに時代もありましたけれども、もう三十数年の間アルコール添加という技術が非常に進歩してまいりまして、しかも、そのアルコール添加をされました清酒というものも、消費者に愛好せられてこれだけの伸びをしてきたわけでございます。もちろん、その今日の状態の中では、また昔のように米と米こうじだけでもってつくった清酒というものに郷愁を感ずる人には、そういうものとして売るというメーカーも出てまいりました。しかしそれは消費者の選択でございまして、そういうものをとる人もあれば、またアルコール添加をされて、しかも糖分を加えないようなものを選ぶ人もございます。あるいはまたさらに、もう少し糖分を加えて従来のようなアルコール添加の清酒でもって長年親しんできた人はそれを選ぶということも今日の消費の態様でございます。それを一律に過去のお米及び米こうじでできました清酒だけに返れと言われることは、私は、今日の消費から申しまして適当ではないのじゃないかというふうに考えております。
#32
○大塚喬君 私は本物の酒、そういうことに返れ、こういう主張を申し上げておるのじゃありません。局長の答弁は、私の質問ととらえ方がちょっと違っておると思います。
 私が言うのは、消費者が選択をするために事実を表示しろと、だから、私が一つ申し上げたいことは、アルコールを添加したものは、清酒のような形をしておるものですから、清酒という名前を使っちゃいけないということは言いません。しかしそれは合成清酒でしょう。純然たる清酒ではないわけですね。そうだとすれば、この酒の分類というのは、私は清酒と合成清酒、それは三倍増醸による清酒と、いま言われて分類されておる合成清酒と、このものがやっぱり両方合わせて合成清酒であると。消費者が選択をする権利を守るためには、アルコール何%添加という事実を、消費者の前には酒のレッテルの中にはっきり書いて明らかにすべきだと、私はこういう立場が本当に行政をあずかる者の公正な立場じゃないか、私はそういうことなのですが、この点についてはどう考えますか。
#33
○政府委員(中橋敬次郎君) アルコールを添加したものは合成清酒であるといういま御指摘でございましたけれども、そういう立場を現在の酒税法はとっておりません。先ほど申しましたように、合成清酒というのは、本来合成清酒の名にふさわしいようなものでございまして、そこに若干の香味料としての清酒的なものを加える、ごく限られた米の重量制限というもので行われておるわけでございます。したがって、私どもが考えております清酒というのは、昔の米及び米こうじからできました清酒から、添加するものが米の重量を超えない限りにおきますところの今日の三倍増醸酒を清酒と考えておるわけでございます。したがって、そういうものの中で業界個々の中で、先ほど申しましたように、昔の本格的醸造と称する米及び米こうじでもってつくったものをそういう表示をして、そういうことで宣伝価値を求めておるものもございます。私どもはそういうような分界というものは、酒税法上決めておりますのは、先ほど申しましたように米の重量五%までのところは加えてもいいという限られた合成清酒と、それからそうでない従来からの清酒というものの制限との分界、それでもって十分であるというふうに考えて今日までやってきたわけでございますし、それ以上の表示というのはやはり将来の商策と申しますか、自分の商品のメリットを高める一つの手段としてやってもらっていいのではないかというふうに思ってきたわけでございます。
#34
○政府委員(星野孝俊君) 若干補足させていただきます。実は清酒につきまして米だけでつくったもの、それからアルコールを添加したもの、あるいは香味を添加したもの、それぞれ表示すべきではないか、こういう御意見だと思いますが、実は本年の四月から日本酒造組合中央会におきまして表示の自主的な基準を策定いたしました。これは実は公正取引委員会の指導を受けてやったわけでございます。それで現在四月一日から自主的な基準に従いまして表示を行っておるわけでございますが、米表示には、たとえば米と米こうじだけを使った酒類については原料のところに米、米こうじ、こういうふうに記載することにしております。
 それから醸造用アルコールを添加してつくった酒につきましては原料欄に米、米こうじ醸造用アルコール、このように表示することとなっております。さらに糖類等を使用している場合には米、米こうじ、醸造用アルコールそれから醸造用糖類、こういうふうに原料を表示することにしております。
 それからまたたとえば米、米こうじだけでつくった酒には、たとえば純米醸造というふうなレッテルを張っております。それから醸造用アルコールを白米一トン当たり百二十リットル以下添加したものについてはたとえば本醸造添加物、こういうふうな形で実は四月一日から実施を始めたところでございます。
#35
○大塚喬君 いま間税部長の方から話の導入をいただくようなお答えをいただいたものですから、だんだんそちらの方へ入っていきたいと思いますが、主税局長の立場はさっきお答えいただいたように、現在の酒税法というのを金科玉条これはもう絶対正しいのだ、こういうことを盾にして答弁を繰り返されておるわけですが、消費者というのは、その消費者ということは一切合財ないのだ、さっき大臣に酒とは何だ、こう聞いたら、税金を取る道具だと、あなたもそれに徹してともかく税金を取るためにはどんな本当のことを言わなくたってごまかしたって構わないのだ、こういう立場に立って一生懸命強弁をされておる、私はそういう受けとめ方をしておるわけです。いま間税部長から、四月一日から自主規制、自主規制を設けたこと自体、酒の表示にいままで誤りがあったということから自主規制をされて、そういうことに本物とこのことを区別するためにそういう表示が、自主規制ということでとられてきたものと私は理解をするわけです。
 ところで、一つの問題は、そういうことを自主規制ということで今回から四月一日から取り入れた、こういうことですが、大蔵省が長年やってきてワインだの、ウイスキーだの日本酒だのという中に、私は全くごまかしの表示宣伝が繰り返されてきたということを受けとめておるわけですが、これらの表示を、自主規制というようなことでなくて、これは義務づけをすべきではないか、これこそそのほかのがんじがらめの酒税法に基づく政令、規則、こういうものに先駆けて表示を義務づけして、消費者の立場、この立場に立って。税金を取るだけの手段だ、ごまかしたっていいんだ、こういう酒の行政のあり方でなくて、少なくともこれを義務づける必要がある、しかも、その義務づける内容は、どんな銘柄に対しても共通の物差しで中身がわかるようなそういう表示をしてこそ、初めて高い税金を払うその消費者にも私は納得してもらえるせめてもの一助の手段として大蔵省が罪滅ぼしになすべきだ、これはなさなければならない、こういう考え方なのですが、この点いかがでしょう。
#36
○政府委員(星野孝俊君) ただいま御説明しましたように、現在は中央会の自主的な規制ということで実施しておるわけでございます。実はこれいろいろなかなかむずかしい問題がございまして、業者の立場もありますし、消費者の立場もありますので、その辺の調整がなかなかやっぱりむずかしい問題もございますので、現在は一応自主規制ということでやっておるわけでございます。実はこの問題につきましても公正取引委員会の方からもいろいろ御指導を受けておりまして、できるだけ早く経営方法によりますところのいわゆる公正規約、これは先生のおっしゃるような趣旨のものだと思いますが、これに移行するようにということで、現在業界の方でも公正取引委員会の方の指導を受けまして検討中でございます。
#37
○大塚喬君 検討中ということなんですが、そういう表示についてそういう規則、こういうものを設ける、こういうことで理解をしてよろしいですか。
#38
○政府委員(星野孝俊君) もちろん前向きの姿勢で検討しておるわけでございます。
#39
○大塚喬君 そういうことは、これは十年先になってやっても――いまおっしゃったことですね、これはどうなんですか、ごく近い将来、年内あるいは明年度というようなそういうことで理解をしてよろしゅうございますか。
#40
○政府委員(星野孝俊君) 実は非常に私ども急いでおりますが、いろいろ調整を要する問題もございますので本年中はちょっと無理があると思います。ですが、来年には何とかその辺のところへ持ち込みたい、このように考えておるわけでございます。
#41
○大塚喬君 大変こう前進した答弁をいただいて私もその点は納得というか、大変好感を持ってお聞きをいたしました。ぜひひとつ私はこの場合には醸造方法、それはもうアルコールを添加したんだと、あるいは添加しないものだと、これはひとつ間違いなくその中に表示の項目として考慮してほしいと、これが一点。
 それから第二点は、使用原料、添加物、これは後ほど、厚生省にも出席願っておりますので、その方からもお答えをいただきたいと思うわけですが、使用原料それから添加物名、こういうものもひとつぜひ入れてほしいと、それから産地の表示、先般お聞きいたしましたように、月桂冠、大倉酒造では自分のところでつくっているのが二五・一%、後七四・九%というのがおけ買いの酒だと、この間行ってきて調べたところが、全国三百余の醸造場からおけ買いをして買ってきているんだと、それが全部月桂冠、しかも、三百余の工場でつくっておる製品が大倉酒造のものは二級は一つもありません、みんな特級と一級。こういう事実から見ると、一体酒の級別という問題に疑問を感ずるわけですが、その問題は後に譲ることにいたしまして、ともかく銘柄が月桂冠であっても、これは東京の月桂冠、その産地の表示をひとつこれは何が何でもやっぱり入れてほしい。
 それから、製造年月日、私なんかよくお酒をもらうというか、お中元、御年始をもらうことがあります。これは率直に、もらうんですからお話を申し上げるんです。ところが私も大蔵大臣と同じく下戸の組です。兄弟みんなやるんだけれども、私はどうも意気地なしで、一年三百六十五日置いても減らない。結局ほかの人に回す。そうするとその人が仮に私と同じように、大平さんと同じように飲まないということになるとまた回す。それを知らないで繰り返していると、場合によっては、一年も二年も三年も飲まないであっちこっちぐるぐる回りをしておるようなことがあるかもしれない。(笑声)笑い事じゃなくて、私は実際ビールなんか一年過ぎて飲まないものだから持っていけと言ってこうやることがあるんですが、ともかく製造年月日を、これはいつかひとつぜひ明示をさせてもらいたい。
 それから、特に声を大にして言いたいことは、いわゆる税の負担、これは税率か税額かどちらか、これほどべらぼうに高い税金を取る種目はほかに何にもない。どなたかから前にぜいたく品の税金の問題と比較をされた論議がなされましたが、もうこれは化粧品に比べても、貴金属に比べても、酒ほどべらぼうに高い税金取るのはない。現在どんな税金だってその納税告知書の中には、あなたの税金は幾ら幾らですと、そういう通知を受けて、それを見て納得をして税金を納めているわけです。酒の税金一兆三百億円、こんなべらぼうな税金を取るのに、この買ったお酒の中からその人が税金を負担する額が幾らだかわからないで、やみくもにだまかして税金を取るようなだまし討ちのそういうやり方ではなしに、月桂冠一本買ったら、いいですか、あなたのこのお酒を飲んで納める税金は幾らですよと、税金を国民から取るんですから、だから、この税金の額を必ずひとつそれぞれのびんに、ウイスキーならウイスキーの角びんに、オールドならオールドのだるまに、ひとつ明示をしてほしい。このことをひとつ私は、主税局長、間税部長、いいですか、わかりましたか、ひとつこの問題についていまお願いを申し上げたわけですが、どうなされるお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
#42
○政府委員(中橋敬次郎君) 税負担をびんに表示するという御提言でございます。私どもも確かに税負担についてそれぞれ、直接税であれ間接税であれ、国民が認識していただくことは非常に重要なことだと思っております。そういうことでございまするから、機会あるごとにその負担も明らかにいたしておりますが、絶対額を一体それではお酒のびんごとに表示することの必要性あるいは重要性はどの程度であるかということでございまして、私どもは今日級別課税を行っておりますものについては、その級別の表示を義務づけております。そういうことによりまして、たとえば清酒の中では一級、二級に比べ特級の方が税金がうんと高いということはその表示でもって明らかにされておるわけでございます。絶対的な金額を書くというのも確かに一つの方法でございますけれども、それとほとんど同じような効果はいまの級別の表示で十分行われるわけでございます。それからたとえばビールにつきましてはもちろん級別がございませんから一本幾らということははっきりわかりませんけれども、もうこのごろ、これはいろんな機会に明らかにされておりますから、よく若い人たちがビールを飲んでおりますのを横で聞いておりますと、この中には六十七円も税金が入っていて高くてしゃくにさわると言いながらビールを飲んでいただいておりますんで、やはりそういうようないろんなPRを兼ねてやらしていただくことで、一本一本のビールに金額を表示するということは、しばしば別に税額を変えることもないのでございますけれども、そういうような税負担ということはいろんな機会を通じて国民に認識をしていただくということで、その税額の認識を高めるということについての手段を御了承いただきたいのでございます。
#43
○大塚喬君 いまの主税局長の言うことはさっぱりわからないですよ、それは。いろいろな機会を通じて税金をわからせるというのならびんに書いておくのが一番わかるでしょう。なぜそれをやらないんですか。
#44
○政府委員(中橋敬次郎君) ですから私は、びんに、びんというのはやはり一つの嗜好品に対する商品でございまするから、やはり商品として、特に嗜好品として、美観と申しますとおかしいですけれども、そういうような観点というのも実は必要じゃないかと思っております。確かに級別の表示をいたしますときにも、一体どういうような表示をこれでやったらよろしいのか、たとえば清酒のびんを買う消費者も、余りにも如実にそういったなまなましさを受けるよりは、間接的に税負担がわかるというような方法の方がむしろ私は嗜好品としては適当であるのじゃないかというような感じを持っておりますので、絶対額を書くよりは、そういうような表示方法、あるいはいろんなパンフレットとかPR手段を通じまして負担がどのくらいになっておるかということを知らせる方が、お酒の売れ方、そういうようなことも考えますれば、より適当ではないかというふうに思っております。
#45
○大塚喬君 どうも主税局長はなかなかいいことを言うね。なぜ数字で税金書くことが美観を損ねますか、これは。たとえば税率でこのお酒は何%の税率だと、わからせるんなら、国民の納税という意識を育てるなら、書いた方がはっきりするでしょう。あなたの答弁をお聞きしていると、ともかく何とかしてごまかして高い税金を取り上げるんだと、一生懸命どうやって逃れようか、ごまかそうかと。それで私は局長の答弁を聞いていて、局長について大変失礼ですが、あなたは閻魔様にべろを抜かれるのじゃないかと思っている。針の山、血の池地獄、あなたはそういうところへ、国民から一兆三千億円も税金を取るのですよ。こんなひどいことをしておって、三億円のこの間のあれがなかなかつかまらないで大騒ぎをしていますね。三億円、一年三百六十五日取ったって一千幾ら二百億かそこらですよ。あなたはそれの一年間三億円ずつ取った。それも九年分も十年分も取り上げるのだから。だから、あなたはハスのうてなにはとても座れない。もう少しはっきり答えてください。これは税金か、税金の額を明示することが当然であると考えるのですが、そのことについては大蔵省としてはどう考えておるのか、もう一度ひとつお聞かせをいただきたい。私はぜひこの問題は、消費者に選ぶ権利がある。こんな高い商品を買って、私はそのためにこれだけの税金を払うのだ。これはもう近代国家の税制としては当然のあり方だと思うのです。どんな税だって、税額を明示しないで税金を取るなんていう、そんなだまし討ちの方式はない。これは税額なり税率なり、はっきりこの商品の中に、大蔵省が一切合財監督して、もう何から何までがんじがらめにして指導する商品が、そういうことで野放しにされているということは許されない。ひとつ重ねて考えをお聞かせいただきたい。
#46
○政府委員(中橋敬次郎君) 私は税負担について国民が十分認識をしていただきたいということは毎々申し上げているとおりでございます。その方法でございますけれども、税負担の認識は、私はやはり税法というものがこういう国会で御論議になる、それを通じまして国民が認識をしてもらうということが一番重要なことだと思っております。一つ一つの物品について、そこの価格の中に何円何十銭たとえば入っておるということを知らせなければならないというお立場も、それは一つの立場としてわかりますけれども、そういうことと、また認識をそういう別途の方法でやることによりまして十分徹底できるという際には、やはりびんならびんというものについての一つの商品というものも配慮してやらなければならないと思っております。いろんな商品、外国からのお酒のびんを見てみましても、ほとんどその価格あるいはそれに含まれておりますところの税額というものはもちろん表示はございません。やはり一つの買いそそるというような気持ちを得るためには、ラベルの仕方から全部いろいろ検討してやっておるようでございまして、そこに組み込みますような文字、数字というものもやはり相当の配慮をしてやらなければ、心持ちをそそられて買いたいという嗜好品にするためには、そういった配慮も十分やらなければならないと思っております。それがなければ、それでは国民が税負担がわからないということでございますれば、私もそういう手段は最後としてとらなければなりませんけれども、先ほど申しましたように、税法あるいはそれを通ずる論議その他のいろいろな手段がございますから、そちらの方に譲っていただいても、税負担というものの認識は、国民、消費者としては十分できるのじゃないか、そういう観点で申し上げているのでございます。
#47
○政府委員(星野孝俊君) 税金、税率以外の問題につきましてもいろいろ御意見を承りまして、先ほど申し上げましたとおり、現在業界の自主規制におきましても原材料の表示等はすでに実施しておるわけでございますので、いずれにしろ来年には公正競争規約に移行したい、こう考えておりますので、ただいま先生からございましたいろいろな御意見、これにつきましては、その間におきまして関係省庁とも十分協議をいたしまして対処いたしたいと思っております。
#48
○大塚喬君 間税部長の答弁は、まあそういうことを各省庁と検討をされるということで、私もぜひそうしてほしいと思うのですが、主税局長の答弁、あなたはやはり何とかだまかして税金を取るのだ。そういう根底がありありと見えるのですね。
 それで大蔵大臣、大蔵大臣に先ほど酒とは何ですかとこう聞いたのですが、その大臣の考え方が、酒というのは税金を取る道具なのだ、こういうことを親方が、一番上の大将がお考えになっているから、下の方も皆、ともかく税金を取ればいいのだ、それで税金は、うんと税率を表示をすれば国民がなかなか税を納めなくなっちゃうから、ごまかして伏せといて、それで強奪するのだ。そうでしょう、だってだまかして取るのですもの。だから、私は、一兆三百億円もそういう重い税金を取る。これは三億円の犯人が悪いなんというよりも、もっと悪いことをあなた方はしている。だからそういう悪いことをしたら閻魔様に抜かれますよ、と、私はこういうことを言っているのですよ。抜かれないようにひとつ、いま間税部長が言ったようにやってくださいよ。どうですか大臣。酒の税率あるいは税額について、納税する消費者に、国民に明らかにして、公正な税の徴収の手段を講じたらいかがですか。私はそういう主張を申し上げているのですが、大臣この点についていかがでございましょう。
#49
○国務大臣(大平正芳君) 御提言はそれなりの理由がありますし、理解できないわけじゃございません。それからまた主税当局から申し上げておりますことも、大塚委員がおっしゃるように、悪意に満ちた、術策に満ちたものであるとは私は思っておりません。しかしいずれにいたしましても、これは公正取引当局と政府の方で相談をいたしているようでございますので、業界も交えて相談をしておるようでございますから、その検討の結果を待ちたいと思っております。
#50
○大塚喬君 どうもはっきりしませんが、これはまず私は今後の大蔵委員会で必ずひとつずっと続けて、ペテンにかけるな、ごまかさないで税金を取りなさい、そういう主張を繰り返しやって、大蔵当局の国民に対する酒税法という、一切合財もう何から何までほかの人の口の出せないようながんじがらめの法律をつくっておって、その中で税金だけ取ればいいのだという考え方の行政は改めてほしいと、こういう願いでこういう発言を今後も続けさしていただきます。
 ところで、いまの問題に絡んで――公正取引委員会はおいでになっておりますか。大変失礼ですが、どういう役職のどなたでございますか、初めにお聞かせをいただきたいのですが。
#51
○委員長(桧垣徳太郎君) 公正取引委員会の後藤取引部長及び妹尾第一審査長が出席をいたしております。
#52
○大塚喬君 公正取引委員会にお尋ねをいたしますが、酒の行政というのは、公正取引委員会のいわゆる取り扱っておる所管、この範囲外ですか、範囲内ですか。初めにそこのところをひとつはっきりとお聞かせをいただきたいと思います。
#53
○政府委員(後藤英輔君) 公正取引委員会の所掌をしております仕事は、業界に公正な自由な競争をさせることによって、業者の創意、工夫をもたらして、それによって経済が生き生きとして動き、それを通じて消費者の利益が確保されるという趣旨でございますので、あらゆる業種についてその法律の適用は一応ございます。したがいまして、酒につきまして、税とかそういうような問題は別にいたしまして、酒の業界の公正な競争のあり方ということについては公取の所掌しているところでございます。
#54
○大塚喬君 そうしますと、現在までの清酒の販売、それからポートワインといわれるそういうものの販売、それからウイスキーの販売、これが景表法の第四条の規定に触れる、あるいはそういう問題についてどういう調査をされてきておりましたか。その清酒についてはどうか、それからウイスキーについてはどうか、それからワインについてはどうか、そのひとつ経過をお聞かせいただきたいと思います。
#55
○政府委員(後藤英輔君) 酒に関係いたします問題といたしましては、先ほど来先生の御指摘のございました表示に関係する問題が非常に多うございまして、それに関しましては、不当景品類及び不当表示防止法という法律でもって、消費者を誤認させて、いかにも優良な品物である、あるいはいかにも有利な品物であるというような、消費者が商品選択をする場合に、重要な事項について誤認させるような表示はしてはならないという法律の規定がございます。そういう法律のたてまえから申しまして、酒のいろいろな不当表示の問題につきましては、私の方でもってこれは規制してまいることになっております。具体的な問題としては、たとえばどこの会社のどういう広告あるいは表示が問題だというような形では余り問題になっておりませんで、清酒につきましては、一昨年、消費者団体の方から消費の表示がいろいろ乱れておる、そのために消費者が商品選択をする場合に困る場合があるということでこれを是正するようにという要望がございました。清酒の表示の問題は、これは先ほど来お話もありましたように、いろいろ歴史的な日本の古来の酒でございますので、製造方法、それからそれに付随いたしました表示、広告の問題、非常に歴史的ないろいろな問題がございまして、業界一般の問題ということで、個々の表示、広告がどうだというよりも、業界全般のやはり消費者を誤認させないようなそういうルールをつくる必要がある、そういう角度でもって業界に対して、景表法の十条でもって、公正競争規約という、公取も間に入って、消費者の要望それから業界の立場等も入れたルールづくりの規定、制度がございます。これにのっとって業界の表示、広告の適正化を図っていくべきではなかろうかということで指導してまいっております。その過程におきまして、ことしの一月あるいは四月に、製造年月日を書くとか、あるいは原材料はこういうふうにして書くとか、あるいは受賞とか推奨とかいうような表示をする場合には、こういうルールで書こうというようなものが、業界のこれは自主的な規制というので出てまいりました。私どもの方といたしましては、その内容は、確かにこれまでの清酒業界のルールのない表示、広告競争に一つの秩序を与えるという意味では一歩前進ではあろうかと思いますけれども、なお消費者の方の意見等を聞いてみますと、それでは不十分な点もいろいろあるようにも思われますので、そういうような点について現在指導しておりまして、これは国税庁と十分御協議しなければならない酒税法の範囲だとか他の法律との範囲内においての問題がございますので、公正競争規約をなるべく早くつくらせるということで指導してまいっております。
 それから、洋酒、ワイン、あるいはビール、甘味果実酒というようなものにつきましては、これは余りいままで私どもの方に表示で問題になった事例はございませんが、しかし、昨年の十二月に、これもやはり消費者の団体の方から、洋酒が非常に最近伸びてきておりまして、したがって、消費者が選択する場合にいろいろとやはり問題がある、たとえばウイスキー等なんかでは、やたらに外国の文字で書いてあって、いかにも外国のものであるかのような錯覚を起こさせるような表示が一般にあるとかいうような問題とか、あるいはビールなんかでは、保存がきくようなものについても「生」というようなものが使われているというような指摘がございました。これにつきましては、まだ私どもの方も実情をよくつかんでおりませんので、実情をいま調査しております。と同時に、洋酒関係は外国から入ってくるものが最近非常に多くなっておりますので、やはり外国ではその規格とか表示、そういうものについてどのような取り決め、規制があるのかというような実態もやはりつかんでおらなくてはならぬということもありまして、それらのことも現在私どもの方も調査いたしておりますし、また国税庁からもいろいろと実情についての説明などを聞いておりまして、これもできますれば、公正競争規約というきちんとした制度にのっけたルールづくりの方向を、必要があれば進めてまいりたい、現在そのように努力しておるところでございます。
#56
○大塚喬君 いまお答えをいただいて、現在までの表示については、少なくとも、何というか、適正というか、妥当な表示でなかったということになるわけですね。――それで、私はさっきから質問しているんだが、さっぱり答弁ないんですが、酒の行政が乱れておったというのは、一つは大蔵省の何十年間の酒類行政のやっぱり責任が依然として残っておるし、そのことをやっぱり温存しようという、税金を、税を保全するために、私はそういう感じがまだまだどうしてもより一層強く残ってきます。
 それから、そういうことをいま公正取引委員会から答弁をいただいたんですが、こういう調査についてきわめて消極的な、何か腰をぐっと後ろへ引いているような、そういう感じを受けるのですが、そういうことありませんか。ただ大蔵省というのが、そこに大平さんがおいでになって、財布握っているから、事大蔵省の関係だというと、もの言えばくちびる寒し、後でしっぺ返しをされるのがおっかないから、公正取引委員会も酒のことだけはともかくタブーだと、こういうことで、及び腰になっておるのと違いますか。どうでしょう、その点は。
#57
○政府委員(後藤英輔君) 私どもの方は、景表法でもって、一般消費者を誤認させるようなそういう表示、広告で商売を伸ばしていこうというのは、法律では厳重に規制するというたてまえになっておりまして、またそのために公取は職権を行使するにつきまして、職権行使の独立という権限も法律で認めておいていただいてありますので、それについて必要な消費者の誤認を避けるというような点につきまして、法律で定められているところは、決して酒の問題であるからというようなことで、主務官庁があるからということで及び腰になるというようなことは毛頭ございません。ただ、いろいろ実情等につきましては、主管官庁としての実情をよく御存じであるので、私どもその内容は教えていただくということでございます。
#58
○大塚喬君 じゃ、いまのことでちょっとだけもう一つお尋ねいたしますが、その誤認のおそれがあるという表示ですね。さっき主税局長と、これはもう前回もやったんですが、いわゆる酒には清酒と合成清酒とあると、その清酒という中には、三倍増醸酒というのがあって、アルコールで三倍まで薄めたものも清酒として売っているのだと、これがもういまなれて、だれも清酒だと思っているから心配ないのだということで、主税局長何度も繰り返し答弁をいただいておるわけですが、清酒、そこへアルコールと水で三倍まで薄めたものが天下の銘柄として売り出されている。これは誤認されるおそれはありませんか。私は、そこのところをさっきも大蔵省に質問したんですが、アルコールを添加したものは醸造用アルコール、たとえばどういうアルコールの種類かわかりませんけれども、そのアルコールの種類を明記して、何%この酒にはアルコールが入っている、そういう酒だと、こういうことを国民に知らせるのが親切な行政であり、公正取引委員会のこれは務めじゃないでしょうか。その点について、ひとつ公取の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#59
○政府委員(後藤英輔君) 清酒、合成酒等の清酒の種類についての定義、これは酒税法で決められておりますので、これにつきましては、私どもの方は、他の法律で決められている範囲内において、一般消費者が商品選択をする場合に誤認されるようなおそれのある表示ということでございますので、法律の範囲外のところまでこちらの方でもって指導をする、あるいは表示について義務づけるというようなことはできないたてまえになっております。ただ先ほどおっしゃいました、先生の御指摘のございましたような場合に、たとえば本造りだとか、あるいは本仕込みというような言葉を使う場合、あるいはまた純生とか、純というような言葉を使うというような場合に、これはどういうものについてこういうような名称が使えるかというようなこと、これはやはり一般消費者が商品選択をする場合に重要なことでございますので、それについてのやはりルールというものは業界でもって決めて、それは必ず書く、必要な表示事項として決めるべきではないかというようなことで指導をいたしております。
 さらに書くべき事項といたしましては、原材料の書き方として、米あるいは米こうじ醸造用アルコール、あるいはまた糖類というようなもの、これを表示するようにはいたしております。ただ先生の御指摘のように、パーセントまで書かなくてはいけないかどうか、パーセントまで書かなければ、そのパーセントが、消費者が選択する場合に重要な商品選択の基準になるかどうかということにつきましては、消費者の方からも、その点についてはさほど強い意見と申しますか、それは出ておらないように聞いております。したがいまして、私どもの方といたしましては、消費者が商品選択をする場合に重要なポイント、これについてはちゃんとルールを決めて、そしてそのルールに従った表示をするようにということで指導をし、それについては消費者側の意見も十分聞いておるところでございます。
#60
○大塚喬君 いまおっしゃったことで、よその縄張りの法律にはその範囲内でやるんだと、こういうことはわかりました。ですが、私がどうしても納得できないのは、たとえば特級、一級でアルコールの度数が表示をされている、で、いまの現行法で言えば、三倍増醸酒というのが認められて、アルコールを添加して、三倍まで水で薄めて堂々たる銘柄、レッテルを張って売ることができるんだと、さっき主税局長は、そういうものももう口がなれたんだから清酒として通用しているんだと、こうおっしゃっておるんですが、それは消費者に誤認を与えませんか。そういうことでアルコールを添加して、薄めて堂々たる銘柄で清酒を売り出している。そういうことは消費者が誤認を受ける一番大きなもとになるんじゃないんですか。みんな清酒という名前を使っているから、ともかくほとんど全部、米と米こうじと水でつくった純然たる米のお酒だと、本物のお酒だと、こう思って飲んでいるのが実際はにせ物でしょう。そういうことで公正取引委員会はこういう問題について何ら、これは大蔵省がおっかないから、そういうことを口出ししない方がいいと言うんですか。
#61
○政府委員(後藤英輔君) 公取が業界を指導して、公正競争規約をつくらせる、その内容につきまして、他の法律の改正までしなくてはならないようなところまでの指導は、先ほど申し上げましたようにできない……
#62
○大塚喬君 だから清酒は清酒というレッテル張っても構わないと、だけれども、それを明記しないで、誤認されるおそれはありませんか。
#63
○政府委員(後藤英輔君) それはアルコールを使ってある、添加してあるとかいうようなことで、原材料表示のところに、あるものにつきましては米と米こうじ、あるものについては米、米こうじ、それから米に由来しないアルコールを添加しておる。さらにまた糖類を添加しておるというようなことを、原材料表示を書かなくてはならない事項として決めて、それが書いてあれば、それでもって消費者は十分酒にはアルコールが添加されておるのか、あるいは糖類が添加されているのかいないのかということがわかって、それに従って自分の好みに応じた商品選択ができるのではなかろうか、そういう意味では消費者の誤認という点は少ないのではなかろうか、そのように考えております。
#64
○大塚喬君 国民は、公取というのは正義の味方だと、こう思っているのですよ。ですから、ひとつここのところは、この乱れている酒の行政については、これは大蔵省と十分ひとつ、まあ、それ達慮がちなところはわかりますから、そこのところはひとつよく協議を願って、ともかく消費者をだまかさないで、あなたが言っているように誤認されるおそれがないような、そういうことでひとつこの問題を解決していただきたい、こうお願いを申し上げます。
 あわせて公取の方がせっかくおいででございますので、ビールの引き上げ、価格改定の問題について、これは再販価格、一時、電気製品、それから化粧品、こういうものについての再販価格について、公正取引委員会が、大変国民からも拍手喝采の態度をとっていただいたと思うのですが、ビールについては、現在再販価格がとられておると、こう認めておられますか、再販価格は現在とられておらないと、こう受けとめておられますか、いかがでございましょう。
#65
○政府委員(後藤英輔君) 再販売価格の維持につきましては、これは原則として末端価格までメーカーが指示して、そうしてそれを守らせるようにいたしますのは、不公正な取引方法として禁止されております。したがって一般には、再販売価格を拘束してはいけないということになっております。酒の価格につきましては、現在再販が、一般価格維持が認められておられない商品でございます。現在再販売価格を指示、拘束してもよろしいというのは、化粧品と医薬品のそれぞれ一部だけでございます。酒については再販売価格をメーカーが決めて、そうして守らせるようにするということは認められておりません。
#66
○大塚喬君 いまの答弁私もそのとおりだと思うのですが、清酒、それからビールは、再販価格は現状とられておらないと、こうお認めですか、そういうものはないのだと。
#67
○政府委員(後藤英輔君) 現在、酒の価格、末端小売価格について、メーカーからの希望の価格はあるものがございますと記憶しておりますけれども、それを絶対に守らなくてはいけない、それを守らない場合においては出荷停止をするとかいうようなことでもってメーカーが拘束するというふうな、いわゆるやみ再販的な行為というものが行われているというふうには聞いておりません。
#68
○大塚喬君 ビールの例で申し上げますが――大変失礼ですがビールお上がりになりますか。
#69
○政府委員(後藤英輔君) はい。
#70
○大塚喬君 奥さんがお買いになっておると思うんですが、ビールをお買いになって、たとえば、あるいは町で買う、下町で買う、あるいはどっか横浜あるいは田舎の方へ行って買うそのビール、これは大びん一本どっか価格が違うんだ、こういう実例をお聞きになったことがありますか。全国、これは北海道へ行ってもどこでも同じなんだと、どういうふうに受けとめておられますか。
#71
○政府委員(後藤英輔君) ビールの末端価格がどのようになっているかということを私もつまびらかには知りませんでございますけれども、大体ビールのようなかなり似たような製品については、競争上むしろ一物一価というような形でもって同じような価格でもって売られているのでは、小売店でもって一般消費者が買う場合においては同じような値段で売られているのではなかろうかと思います。ただ、若干店によって、あるいは値引き等の行為があるかもしれませんですけれども、その点については、実態については余りつまびらかにいたしておりません。
#72
○大塚喬君 大蔵大臣、ビールがいま百六十円、今度百六十円が百八十円に値上げしたところもあるようですね。これを仮に百八十円より安く売ったり高く売ったりした人がいると、こうなったときには、税務署はその売った業者についてどう処置をされるお考えですか。
#73
○政府委員(星野孝俊君) ビールは自由価格でございますんで、たとえば百六十円のものを百五十五円で売っても百六十五円で売りましても、それは何ら税務署が介入するという筋のものではございません。
#74
○大塚喬君 そうすると、いまの答弁は絶対間違いございませんね。税務署が介入して後、業者にいやがらせをしていじめ抜くなどという、そういうことはありませんか。
#75
○政府委員(星野孝俊君) そういうことはございません。
#76
○大塚喬君 そうすると、いまの措置を、たとえば酒あるいは清酒あるいはビール、そういうことを、これはどういう手段で業者並びに各国税庁の末端機関、税務署、こういうところへ周知徹底をされておりますか。いままでなさってきたことをひとつどういうことをやってきたのかお聞かせいただきたい。ビールは昭和三十九年六月以降自由価格だと私も承知をいたしております。ところが、現実にこの自由価格であるはずのビールが、これが消費者のために幾らかマージンを安くして売ったと、お酒もたとえば――あんたも首の病気になってるんですか。首を盛んに振っているけれども、大蔵省の高官連中はどうも首振り病という病気にみんなかかっている。どうもおかしいね。価格に格差があってもいいと思うんですが、全国至るところでそういうことが、厳重な再販価格、管理価格、こういうものが厳しく守られておるという現実を、私はそういうふうに理解をしておるわけですが、そういうことを何かそうでなくていいんだ、自由価格なんだ、こういうことを消費者のために何か適切な措置をとってこられた、そういう実績がありましたらひとつお聞かせいただきます。
#77
○政府委員(星野孝俊君) 私ども国税庁の内部、税務署等に対しましては、これは種々会議等もございますので、当然のことでございますが、そういう趣旨は徹底してございます。それから業界等に対しましても、そういう、たとえばいまお話がありましたような、再販価格を誤認されるようなこと、あるいは何か談合があるのではないかと思われるようなこと、そういうことは一切慎むようにということを私ども強く申し入れてありますので、それはもう十分徹底していると思います。
#78
○大塚喬君 それじゃ清酒の場合で具体的な例でお尋ねいたしますが、清酒を売る場合には、その価格を税務署に届け出をすると、こういう制度はいま現在残っておりますか。
#79
○説明員(高木壽夫君) ただいま先生御指摘のようなものが制度的にあるわけではございません。
  〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕
そうではなくて、値上げが行われました場合におきまして、清酒につきましては従来税務署の方に連絡はしていただくということは実際上やっておるようでございますが、それ以上のことではございません。
#80
○大塚喬君 値上げの場合だけ届け出をさせると。安く売る場合も届け出をさしておるんじゃないですか。そして、その届け出をして、安く売るというような場合には、幾日たっても税務署がそれを握りつぶして見向きもしない、こういうことがどこの税務署でも行われているんじゃないですか。
#81
○説明員(高木壽夫君) 税務署に値上げの場合に連絡をしてもらっておるということを申し上げたわけでございますが、それはメーカーから税務署への関係でそういうことをやっておるということでございます。小売段階等々の流通の方からそのような御連絡をちょうだいするということはいたしておりません。それから、メーカーからの連絡はちょうだいするということを申し上げましたけれども、値下げという場合の御連絡はちょうだいいたしておりません。つまり、メーカーから値上げが行われましたときにのみ御連絡をいただいておる、こういう取り扱いをいたしておるのでございます。
#82
○大塚喬君 そうすると、その値下げをするという届け出は絶対にありませんか、そういう必要は。はっきりしてくださいよ。
#83
○説明員(高木壽夫君) 値上げが行われました場合にのみちょうだいいたしております。
#84
○大塚喬君 実際には、値下げをする場合にも税務署は実際の行政指導として報告さしているんじゃないですか。絶対にないですか。
#85
○説明員(高木壽夫君) 私どもはそのようには承知いたしておりません。
#86
○大塚喬君 末端の税務署でそういうことが事実あったとすれば、それはどう処置されます。税務署に、値下げをして安い酒を消費者に飲ましたいんだと、こういうときに、そういうことをやったらそれは行政処分、左遷、首、そういうことになりますか。どうなんです。
#87
○政府委員(星野孝俊君) その値下げという御質問の趣旨が実を言うとよくわからないんでございますけれども、
  〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕
もし、何かそういう非常に適当でない、いま私どもが申し上げている趣旨に反するようなことを税務署がやっているならば、直ちに私の方からそれは是正させます。
#88
○大塚喬君 そういうことをやって、その業者に後でいびり出すような小じゅうと根性を起こすことありませんか。
#89
○政府委員(星野孝俊君) 税務行政でございますから、そういう特定者に非常にえこひいきをするとか不公平な取り扱いをするとか、そういうことはございません。
#90
○大塚喬君 酒は自由価格だと、まあこういうことで大蔵省もはっきりお認めになり、このことについては今後本当に消費者という立場に立って、まあそれぞれ原価、コストがあることでしょうから、安い酒が――べらぼうに安くなるなんということはあり得ないと思うんですが、そういうことが市場に現出しても、そのことについては国税庁はいちゃもんつけないと、はっきりそう理解をしてよろしゅうございますか。
#91
○政府委員(星野孝俊君) 原則としては御質問のとおりでございます。ただ、非常に特異なケースは考えられるわけでございます。たとえば仕入れ価格を著しく割って乱売をする、そのためにその地域の市場全体が非常に混乱する、それでその酒類業者の経営自身が非常に不安定な状態になって、酒税の確保自身もおぼつかなくなる、そういうふうな異常な事態が出た場合にはそういう仕入れ価格以下で売るというふうなことはなるべくしないようにというふうな指導をするということはあり得ると思います。
#92
○大塚喬君 原則としてという言葉が大変含みがある言葉ですと思います。で、率直に、その問題について論議があるものですから、先刻お願いをいたしました資料をぜひひとつお願いをしたいと思うんですが。
#93
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#94
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
#95
○大塚喬君 私がここで論議したいことは、酒の流通過程が大変旧態依然たるもので、消費者が非常にその犠牲をこうむっておる、そういう問題について論議をしたいために資料をお願いしたわけですが、その資料が出ないということになれば大変残念ですので、まあこれは次の機会にひとつ重ねて時間をつくっていただきたいと思います。
#96
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#97
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
#98
○大塚喬君 公取に今度はお尋ねいたしますが、いま大蔵省も重ねて言明されましたように、大蔵省も酒は自由価格だということをおっしゃってます。
 ところで、ビール値上げの経過、これを歴史的にずっと全部調べてみました。昭和四十三年九月、このときには公正取引委員会はあったんですか、なかったんですか。
#99
○政府委員(後藤英輔君) 公取は昭和二十二年からございました。
#100
○大塚喬君 このときに百二十七円から百三十円に値上げをされました。それでこれは四十三年九月ですけれども、このとき前に、四十三年の数字を国会の際に酒税の値上げが行われて、四十三年五月からその酒税が引き上げられて百二十円から百二十七円になっていたわけです。このときに九月になってその三円分を値上げをしたわけですが、その口火を切ったのはサッポロ。で、理由は原材料費の値上げ、人件費のコストアップ、こういうことが理由になって値上げをされました。しかし、その四日後にはアサヒ、サントリー、キリンの順で一斉に値上げをされました。これは現行までの独禁法の違反の疑いがあると思うんですが、このときにはどう公取では処置をされてまいりましたか。実はこの今回のビール値上げの問題のやっぱり前提になる話ですから、どういうふうに公取でこの問題を取り扱ってきたのか。これはもう明らかに独禁法違反、カルテルの疑いが十分にあると、こう私は認めるものでございますが、どう処置されてまいりましたか。
#101
○説明員(妹尾明君) 価格が一斉に引き上げられたということだけをもちまして独禁法に違反するカルテルがあったと即断することは実はむずかしいんでございまして、そこに何らかのやはり一斉の行為が共謀によりまして、業者間の話し合いによりまして行われたというふうな関係の事実がございませんと正式に事件としてなかなか取り上げがたい、こういう状況でございまして、四十三年のときどういう調査の経過があったかという点につきましては、ちょっと私いま詳しくは存じていないのでございますが、従来からビールの値上げにつきましては、どうも何度か調べたこともございますが、そういった共謀といいますか、話し合いの点についてはその都度明らかになっていないと。むしろビールにつきましては市場構造そのものの方に問題があるのじゃなかろうか、市場の構造自体でございますね。非常に寡占的な、代表的な寡占の業界である。その辺に問題があるのじゃなかろうか。一つのいわゆる管理価格の代表というふうな形で非常に取り扱いがむずかしいというふうな状況に推移してきておるというふうなことだと思います。
#102
○大塚喬君 ビール業界の特殊な形態と申しますか、寡占状態というお話がありましたが、前に公正取引委員会で幾つか分類をされましたね、寡占度の。これはビール業界というのはいま寡占の特殊なものだというお話がありましたが、ビール業界というのはそのうちのどの分類に入りますか。
#103
○説明員(妹尾明君) 私ども事務局におきまして生産集中度の調査というのをやっておりまして、何年ごとかにまとめまして確かに集中の状態によりまして、産業というものを幾つかのタイプに分けて、寡占につきましても幾つかのタイプに分けていろいろ調べておることは事実でございますけれども、ビールがその調査におきまして、何型に属しておったかということはちょっと私いまはっきり覚えておりませんので、この場ですぐお答えいたしかねるのでございます。ただビールそのものは、いわゆる世間で言われるガリバー型寡占といいますか、非常に第一のメーカーが高いシェアを占めている。しかも、競争者が非常に少ない、そういう意味で寡占の中でも特に典型的な寡占であるということは通常認められておるところでございます。
#104
○大塚喬君 そのどういう形態かお聞きできなかったのは大変残念なんですが、ともかく分類した中で最もやっぱり寡占状態の進んだものであるという私は印象を受けるわけです。
 それはそれとして、このビール値上げのまたも繰り返されるいま、サントリーとキリンがまだ行われておりませんけれども、値上げ茶番劇が繰り返される、こういうことなんですが、四十五年十月の値上げを見ますと、アサヒがトップになって、今度はその後サッポロが続き、サントリー、キリンが続いた。それから四十八年十一月。四十五年のときにはこれは百四十円になったときですが、それから四十八年十一月、これが百六十円になったときにトップがサッポロでアサヒ、サントリーで、四十九年の一月にキリンが上がっている。今回五十年の三月に今度はサッポロですか、百七十五円。アサヒが四月に百七十五円。キリンはがんばれるだけがんばるということでまだ値上げになっておらないようですが、小売、卸業者の方は先手を打って値上げをした、こういう過去の一連のいきさつを見るというと、公取の方で物証主義だと、証拠がはっきりしないんだと、こういうことをおっしゃっておるんですが、それほど公取というのは、大変失礼な言葉で言いますが、無能あるいは怠けておるのか、そこのところを私は国民の一人としてどうも納得できないのですが、これはだれが考えてみても、このような一連の値上げ劇というのをこうやってみると振り返ってみると、これはカルテルじゃないかと、みんな同じく値段やるんですから。もう片方が、オーダーが決まって、だれがトップバッターになってその次二番、三番という、その次はまた打順が入れかわって、だれがトップでだれが二番ということで、いつでもこうなってきている。で、自由価格だと、こういうことで、これはもう業界の中には確かに経営が苦しい業界もあると思うんです。だけども、経営の苦しい業界が値上げをするんだと。そうするというと、経営のいい悪いということは抜きにして、次々にみんな乗っかっていくと、こういうことの現実でしょう。これはカルテルという国民は疑問を持っても当然だと思うんですが、公取はその問題についてはいままでどういう作業をし、これを解明するために何らか力を尽くしてきた、そういうことがありませんですか。ないんですか。
#105
○説明員(妹尾明君) 先生が御指摘なさいますように、ビールの価格形成が自由な競争状態のもとで行われているかどうかという点につきまして、そういった御不審の点がお感じになられるのは確かにもっともだと思います。これは、ただ問題はこういった行為を独占禁止法で問題といたします場合には、カルテルの禁止規定、独禁法の第三条の規定でございますけれども、この規定において調べる、とその規定の違反の行為として正式に事件といたしますにつきましては、単に価格がそろっておると、一斉に引き上げられたという事実をもってしては、正式に事件として調べることはむずかしいというのが、一応現在の私どもの考え方でございまして、競争状態に、価格の形成の状態に非常に競争上から見ていろいろの問題があるということは御指摘のとおりでございます。しかし、現在の法律からしますと、それだけをもって独禁法三条に違反するカルテルありと即断することはむずかしいと、これが実情であるということでございます。
 なお、管理価格の問題としてはいろいろ過去調べた経緯はございます。ビールの価格形成の実情につきまして、競争政策の立場からいろいろ調べた、こういう経緯はございます。
#106
○大塚喬君 ちょうど管理価格の話が出ましたから、そういう事実の有無、それに対して公取としてはどういう処置をとってこられましたか。ひとつお聞かせいただきます。
#107
○説明員(妹尾明君) 私がお答えするのが適当かどうかは何でございますけれども、実は今国会に上程されております独占禁止法の改正案の中で同調的値上げの問題が取り上げられておるわけでございますが、この辺も一つそういった、ビールだけということではございませんけれども、そういう高度の寡占的な業界がふえてまいりまして、同調的な値上げの問題が非常に競争政策上問題になってきておるということが背景になって出てきた問題である、こういうふうに考えております。
#108
○大塚喬君 どうもはっきりしない答弁で残念なんですが、この管理価格、再販価格の問題で今度は大蔵省にひとつお尋ねをいたしますが、自由価格だと。私の主張する立場というのは、どこまでも高い税金を払っておるビール、酒あるいはウイスキー、こういうものについては業者が自由競争をやって、できるだけやっぱり低廉な価格で国民の嗜好品中の嗜好品、憩いの種を、本当に大きな犠牲を払わないで手に入るようにやっていただければと、こういう願いが腹の中にあるものですから、特段ここでお尋ねをするわけですが、いまお話いただいたように、現実の問題としては再販価格、管理価格、こういうものが厳然として酒の行政の中には残っておると。そうでない、首振っておられるようですが、現実にはそういうことだと思います。これは論より証拠、間税部長が全国あっちこっち行ってビールを買ってみてくださいよ。そうすりゃね、どこへ行ったって同じ銘柄、あるいは違う銘柄の物であっても価格は変わらないはずです。そういうことが自由価格だということで盛んに逃げられるものですから、私も大変憤慨をしているんですが、困っておるわけです。そういうことが現実に行われておるというのは、ここで、国会の審議でどんな答弁をいただいても、現実には税務署というおっかない役所が、国税庁という日本一おっかない役所が目をみはっているから、消費者が犠牲になっておるんだと、私は率直にこう受けとめております。何か、そういうことを、これから先余り消費者をいじめるというような立場でなくて、行政の民主化という立場からこの問題について余りおせっかいをしないでほしいと。安く売る値段についてはともかく、酒税が保全されると、こういうことが守られればいいわけですから、それ以上におせっかいを出すのは、国税庁の行き過ぎ行為だというふうに思うもんですから、そういうお願いを申し上げたわけでございます。
 それで、話は一時二十分までというのでちょっと時間を心配しておりますので、ウイスキーの問題に入ります。これはまず宣伝の文句を申し上げましょうか。ウイスキーの宣伝ほど巧みな、国民を、何というか、たぶらかす広告は、表示です。――私は一生懸命国民のためを思っていま質問を申し上げているんですから……。初めに公正取引委員会にお尋ねをいたしますが、洋酒の広告表示について、公正取引委員会はいままで調査をされたことがございますか。
#109
○政府委員(後藤英輔君) 洋酒の広告の具体的な例につきまして調査を特に進めたということはございません。ただ、先ほども申しましたように、昨年の十二月に消費者連盟からの情報が入りまして、その際に、幾つかの事例をこちらの方で承知いたしまして、それに関連いたしまして、実情についてこれからなお深く調査をしてまいりたいということで、現在のところ余り詳しく実情については調査しておりません。
#110
○大塚喬君 いまの洋酒の表示の問題について、景品表示に関する公正取引競争規約、こういうふうなものを実情を調べておつくりになると、こういうお考えでございますか。
#111
○政府委員(後藤英輔君) 消費者の方から具体的な情報がいろいろと昨年来参っておりますので、実情を調べまして、清酒と並びまして必要があれば、やはりこれについても公正競争規約というきちんとした業界のルールをつくって、そのルールのもとに消費者が誤認することのないような表示をさせるように指導してまいりたいということでございます。
#112
○大塚喬君 何か及び腰の答弁で、私はどうも釈然としませんが、この問題についてはともかく、公正競争規約をつくる考えがあると、こうでございますね。
#113
○政府委員(後藤英輔君) そういう考え方でもって進めてまいりたいと思ってやっておるところでございます。ただ洋酒につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、外からいろいろ輸入されるものなんかもございまして、果たしてそういう場合に製造年月日等の表示がどうなっているかということなんかも実情をつかまえなくてはなりませんので、そういうような実情をつかまえまして、できるだけ公正競争という形でもって、清酒の業界の規約推進と並んで、洋酒についても公正競争規約をぜひつくるように指導してまいりたいというふうに考えております。
#114
○大塚喬君 そこでお願いをしたいことは、さっきも清酒のところで申し上げましたように、原材料、添加物それから製造年月日――これは容器詰めの年月日、それからその保存上の注意、容量。
 それからもう一つお願いをしたいのは、ウイスキーでもビールでも横文字――私も、ちょっと、中学二、三年ぐらいの語学しかないと思って、自分でも大変遺憾に思っているわけですが、いろいろ調べてみるんですが、辞書を引いて調べてみても、余り大したことないことを全部横文字で書いてあるんですね。この表示の問題について、これはぜひ日本語で書いてほしいと。現在まで、こういうことを許してきた大蔵省にお尋ねいたしますが、酒、ビール、これは大蔵省が指導監督して、ともかく国民をごまかすのに横文字で書けと、こういうことでやってきたんですか、いかがでしょう。何でそういうことをやってきたんでしょう。
#115
○政府委員(星野孝俊君) もちろん現在、酒類価格が自由化されておりますし、それから嗜好商品でございますので、これにつきまして、大蔵省なり国税庁がこういう表示をしなさいと、こういう広告、レッテルをつけなさいというふうなものは、酒団法で規定する必要な事項以外は一切私どもは干渉しておりません。
#116
○大塚喬君 こういうことを多年大蔵省が勧めたんじゃない、やってきたということなんですが、それじゃ、これを認めてきた、黙認してきたという理由は一体どういうことなんでしょう。
#117
○政府委員(星野孝俊君) これは一つは、わが国の問題は、消費者とそれから販売業者といいますか生産者といいますか、その辺の関連が一つあると思うんでございますが、何といいますか、従来から比較的舶来品を尊重するというふうな傾向が、全般的かどうかわかりませんけれども、一般的にはそういうことが見受けられるように思うのでございまして、やはり何か、外国語で表示すると、何となく高級品のような感じがするというふうなところも一つ影響しておるんじゃないかと、こんなふうに私ども考えておるわけでございます。
#118
○大塚喬君 高級品のような感じを受けるから黙認してきたんだと、こういうことなんですか。
#119
○政府委員(星野孝俊君) 黙認といいますか、実は、私どもは、酒団法で特定の事項は全部書かなくちゃならぬことになっておりまして、たとえばアルコールの度数とか、それから種類とか、そういうものは書かなければいけないことになっております。これは私ども規制しておりますが、あとは自由商品でございますから、その辺は奨励したとかなんとかいうことではなしに、業界の自主的な判断でやってきたと、こういうことでございます。
#120
○大塚喬君 そうすると、公正取引委員会にお願いしたいことは、いまの日本語による表示、これは誤認を受けないようにするということの一つの大きな要素になると思うんです。これは規約をつくる、こういう場合にはぜひ検討してほしい、検討というのじゃなくて、入れてほしいと、それから当然アルコール分ですね。
 そこで、ウイスキーについてお尋ねいたしますが、論議に入る前に、酒税法に定めるウイスキーというのは何ですか。
#121
○政府委員(中橋敬次郎君) ウイスキーは、「ウイスキー類」として定めてございますが、実はその中にはいわゆるウイスキーとブランデーがあるわけでありまして、いま御質問のウイスキーでございますけれども、「発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの」、それが一つの種類でございます。
 「又は発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの」、それが一つ。
 それからもう一つありまして、「発芽させた穀類を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したもの。」若干条件がついてございますけれども、大まかに言えばそういうことでございます。
 もう一つございまして、これはウイスキー原酒といいますのは、いま第一の分類と第二の分類で申し上げたものですが、それに「アルコール、スピリッツ、しょうちゅう、香味料、色素又は水を加えた酒類で、香味、色沢その他の性状がウイスキー原酒に類似するもの」、以上でございます。
#122
○大塚喬君 これは社会通念上というか、世間一般でウイスキーというのは、原酒、モルトを使ってつくる酒だと、一口にこういうふうに世間一般ではこう受けとめられておると思うんですが、その原酒については、酒税法には何ら定める必要は、これはありませんか。
#123
○政府委員(中橋敬次郎君) いま申し上げましたように、第一の分類は、いまおっしゃったようなウイスキー原酒、「発芽させた穀類」あるいはその発芽させた穀類で発酵させたアルコール含有物をさらに蒸留したとか、そういうようなものの分類でございます。
 それから第二の分類は、「発芽させた穀類を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したもの。」でございまして、第三の分類も、ウイスキー原酒にアルコールその他を加えたものでございまするから、いわゆるウイスキー原酒というものが一つの素材になっていることは事実でございます。
#124
○大塚喬君 そうすると、一度に言えば、その原酒を使っておると、こういうことですね、いまの、一、二、三とお話しをいただいた……。
 それでこの原酒というものは、これはスピリッツ――何というのですか、適当なことばがあれなんですが、もう蒸留したものはすべて原酒と、こういうふうに大蔵省ではとっておられるわけですか、その酒齢と申しますか、熟成年数というようなものは何ら考慮なしで、モルトというものを理解、そういうふうに規定をされておるわけですか。
#125
○政府委員(中橋敬次郎君) いまお尋ねのウイスキー原酒でございますが、まず第一のお尋ねの、第三の分類も、先ほど申しましたように、ウイスキー原酒にアルコールその他のものを加えたもので云々と書いてございまするから、ウイスキー原酒というものが素材になっておるわけであります。
 それからウイスキー原酒というものを申しましたときに、そのためには、一体貯蔵期間を最低何年間持つべきであるというような規定はございません。しかし、やはりウイスキー原酒なるものが、ウイスキーの中の素材として用いられるためには、やはりある程度の年限がなければどうも口にもよく合わないということで、事実上、ある程度の年限貯蔵されておるようでございます。
#126
○大塚喬君 ウイスキーということになれば、原酒ということになれば、ある程度というお話しがありましたけれども、大蔵省はこれだけの税金を取っておるものに、そのモルトについては何らその正確な、明確な基準というのはつくられておらないんですか。
#127
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在、法的にはそういう制限を設けておりません。
#128
○大塚喬君 じゃ、極端な言葉で言えば――実際にはそんなことはできっこないと思うんですが、きょうつくったものをあした使っても、これはもう原酒として大蔵省は通用するんですね、そんなことは、実際には何らかの期日を経なければモルトとは言わないと思うんですが、大蔵省の規定からいえば、きょうつくったものをあした使って、そうしてそれを水で薄めて高く売っても、これはモルトということになるわけですね。
#129
○説明員(川島宏君) モルトウイスキー、いわゆる原酒でございますけれども、たるに貯蔵いたしませんと、いわゆる本来の香味が出てもまいりません。わが国におきましても、カシのたるに相当期間貯蔵しているということでございます。一般的に言いましても、貯蔵期間二年以上というのが、常識、また、実態もそのようであるようでございます。
 それからモルトウイスキーとしての使用にたえる品質にいたしますために、貯蔵期間のみならず、貯蔵期間中のいろんな条件、温度でございますとか、湿度でございますとか、そういうことが非常にまた関係いたしますので、二年以内におきましても、そういうモルトウイスキーとしての品質を保持するに至ったというものにつきましては、使用していることも、間々あるようでございます。
 それ以上の非常に詳細なことにつきましては、国税庁としましては、酒税法に貯蔵期間の規定をいたしておりませんので、細かいデータは持ち合わせいたしておりません。
#130
○大塚喬君 そうしますと、いまおっしゃったのは、法律、法令あるいは規則にはないけれども、大蔵省としてウイスキーモルトとして認めておるものは二年以上のもの、間々その中でそれより短いものも認めておると、こういう答弁の趣旨と理解してよろしゅうございますか。
#131
○説明員(川島宏君) はい、期間にあくまでもこだわっていないということでございます。
#132
○大塚喬君 期間にこだわっておらないということになれば、現実に、ともかく極端な言葉で言えば、つくってすぐに原酒として使ってもいいんだと、こういうことも認められるわけですね。
 それでいまモルトウイスキーということがありましたけれども、モルトウイスキー、それからその以外にいまの――企画官はどういうふうな日本の現状のウイスキーの中で、種類があって、たとえば一番大衆に普及しているものはサントリーですからお尋ねいたしますが、サントリーの中の白とか赤とか、角とかだるまとか、いろいろありますね、その上にも。モルトウイスキーというのは、それはどれとどれですか。
#133
○説明員(川島宏君) 個々の会社の製品につきまして、モルトがどうだということについては、先ほど申し上げましたように詳細は承知いたしておりません。
#134
○大塚喬君 じゃ、そういうことで、どうも大分あっさりと逃げられるようですが、その中でウイスキーの級別区別の基準という問題でひとつ論議を進めたいと思うんですが、私が申し上げたい趣旨は、これも級別の基準というのがきわめてあいまいなものであり、消費者がごまかされておると、私はこういう立場から論議をいたしたいと思うわけです。
 それで、いまモルトウイスキーというお話が出ましたが、モルトウイスキーというのは、一体どういうふうに私ども理解すればよろしいですか。
#135
○説明員(川島宏君) これはイギリス、スコットランドが元祖ということになっておりますが、そこにおきます製法、大麦の麦芽のみを原料といたしまして、単式の蒸留機で蒸留したものと、こういうふうにお考えいただいてよろしいのじゃないかと思います。わが国におきましてもスコッチと同じような製法をとっておるようでございます。
#136
○大塚喬君 そうすると麦芽と水だけでつくったものがモルトウイスキー、それ以外にはまじっておらないものがモルトウイスキーと、グレーンウイスキーというのはどういうことですか。
#137
○説明員(川島宏君) グレーンウイスキーは、麦芽と麦芽以外の穀類を原料といたしたもので、単式の蒸留機じゃなくて、連続的に蒸留するというようなものであるというふうに覚えております。
#138
○大塚喬君 そのウイスキーの級別の区別の基準ですが、酒とそのウイスキー級別区分の違いは、どういうことでウイスキーが特級、一級、二級という区別を国税庁がつけておられるのか、ひとつ簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
#139
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税法上清酒につきまして特級、一級、二級の区分をいたしておりますのは、前回御説明いたしましたように、もっぱらその味のいかんによりまして区別をいたしております。
 それから、ウイスキーにつきましては、アルコール度数及び含有ウイスキー原酒の混和割合によっておりまして、ウイスキーについて申し上げますと、原酒の混和割合が特級は二三%以上、アルコール分は四十三度以上ということになっております。それから一級は、原酒の混和割合が一三%以上、アルコール分は四十度以上、二級は、したがいまして原酒の混和割合は一三%未満、アルコール分は四十度未満ということになります。
#140
○大塚喬君 酒税法施行令第十一条を見てみますと、そのいまの三つウイスキーをつくる方法を先ほど答えていただいたわけですが、一番目、二番目、三つお話しいただいた中の一と二の項、この原酒だけをブレンドしてつくったものは、これはまあ特級になるわけですね。それは一級、二級としても売ることはできないんですか。酒の場合には、ともかく申請をして検査を受けてやれば特級、一級になる、受けなけりゃ二級になってしまうわけですが、ウイスキーの場合にはもうそれは無条件で特級になるわけですか。
#141
○政府委員(中橋敬次郎君) 清酒につきましては、これも前回御説明いたしましたように、その醸造家のいわば企業政策にもかなり依存をしておりまして、どれくらいの値段で売るかということも頭にあり、級別の認定を受けたものが一級になり、あるいは特級になるわけでございます。したがいましてそれを受けないものは味がよくてもある程度安く売れれば二級として通用するわけであります。
 ウイスキーにつきましては、そういった、いわゆる清酒の味の差といいますものよりは、むしろ度数なり、いまおっしゃいましたようにウイスキー原酒の含有分などによりまして、かなりそのものの価値というものが左右される度合いが強いものですから、そういいました企業家の自発的な認定ということを待たずに、いまおっしゃいますように、一定の規格によりまして級別をつけておるわけであります。
#142
○大塚喬君 ウイスキーの級別というのはそのある規格によって決めるんだと、で、その規格というのは、それは検査や何かなしに――まあ検査ということも一つありますな、検査ということになればそのアルコールの度数が四十三度以上ということになればこれはどんなあれのものであっても全部特級になるわけですか。
#143
○政府委員(中橋敬次郎君) ウイスキーにつきましては、度数というものの要素が非常に大きいので、そういうことになります。
#144
○大塚喬君 そこで、考えれば考えるほど消費者の立場からごまかされているという感じするわけですが、原酒の割合には関係なくて、アルコールをうんと入れて四十三度以上にすれば全部それは特級品だと、こういうことになるわけですね。
#145
○政府委員(中橋敬次郎君) そういうことになりますけれども、問題は、やはり消費者がそのウイスキーの味を鑑別するわけでございまするから、非常に味のよくないものを四十三度以上にしてなかなか特級では売れないということがございます。
#146
○大塚喬君 まあそこの問題はひとつ後楽しみにして私の方も論議をさしていただきたいと思うんで、そうすると現実に、もう一度確認をいたしますが、原酒の割合は関係なく、その添加したアルコールの度数によってウイスキーの特級、一級、二級というのは区別をされるんだと、たとえ一滴のモルトでもまじっておればそれはもうウイスキーとして、特級として通用するんだと確認をいたしたいわけですが、そう思って間違いございませんか。
#147
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど御説明いたしましたように、ウイスキー原酒の混和割合で申せば二三%以上なければ特級にならぬわけでございます。したがって一滴だけで特級にはなりません。それからそういうウイスキー原酒というものの混和割合を全然判断いたしませんで、アルコール度数が四十三度以上になりましても、これは特級になるわけであります。
#148
○大塚喬君 そうすると、いまの二つの基準、これは両方合致しなければ特級にならないと、こういうことですか。いま大蔵省がやっておる特級、一級、二級の級別区分というのは、そのうちの一つを満たせばそういう級別のあれにやっておるのと違いますか。
#149
○政府委員(中橋敬次郎君) 後におっしゃったとおりでございまして、いずれかの条件を満たせばそれぞれの級に入るわけであります。
#150
○大塚喬君 そうすると、これはまああとそれ味という話で、味のことはひとつ午後十分にやらしてもらいますが、ウイスキーというのは率直に言って、ともかくモルトが一滴でも入っていれば、ともかくアルコールの度数で味つけして、人工香料なり甘味なりくっつけてやれば、もうアルコールの度数が高ければ高いランクの級別認定を受けられる、こういうことで確認をしてよろしいですか。
#151
○政府委員(中橋敬次郎君) 恐らくそれは先ほど私が申しました第三の分類でございまするから、ウイスキー原酒にアルコールその他を加えて「香味、色沢その他の性状がウイスキー原酒に類似するもの」という条件はもちろんかぶりますけれども、そういう前提のもとにおきましては、四十三度以上のウイスキーであれば特級になります。
#152
○大塚喬君 私は、そこに一つのまあ問題点があると思うんですが、私ども一生懸命、実は私は、昭和三十五年から佐治敬三さんの「洋酒天国」という、世界の名酒めぐりという本を読んで洋酒に実は取りつかれたんです。洋酒の本はその後何十冊か買って、一生懸命まず洋酒のオーソリティーになろうと思って勉強してきた、そういう内幕があるんです。それでお尋ねをするわけですが、いまのアルコールの度数だけで日本の行政が級別を決めるということに私は疑問、不満、納得できない、こういう気持ちなんです。このウイスキーがこんな高い値段で消費者に売り渡されておるということからいえば、当然法律上の規制という問題が、私は、消費者の立場から当然叫ばれてくる問題だと思うんです。先ほど企画官か、答弁だというと、ともかく二年ということが一応たてまえになっているけれども、それ未満のものでも使っている。業界の話を聞くと、まあ一年物でも幾らでも使っておるという話も耳にいたしました。そういうことで一般的にたる詰めをして熟成をしたものがモルトだと、これはだれもそう思っているんですよ。そうだとすればこの原酒というもの、これについては当然法律的な規制をして、いわゆる宣伝と中身が食い違わないようなことをするのが、当然消費者の側に立った大蔵省の酒税行政だろうと思うわけですが、このモルトについては熟成の期間、こういうことについては何ら今後検討する必要ない。薬用アルコール、醸造用アルコールをうんと入れれば、それはもう税金をうんと取れるから、そういうことで原酒の規定はしないで、いまのままに業者に幾らでももうけさせるように、それから国税庁が幾らでも税金がうんと入るように、こういうことをするお考えですか、改めてお伺いをいたします。
#153
○政府委員(中橋敬次郎君) これも清酒のときにお答えいたしましたように、私はやはり消費者といいますものは、かなり嗜好品についても舌というのは肥えております。したがって、おっしゃいますように全然味の悪いものを、単に度数が非常に高いからといって高く売れるものではありません。それからまた、そんなに長続きするものではないと思っております。そこはやはり消費者というものは賢明でございまするから、またそれに応じた企業の対応策というものがございまして、そんなに長続きして売れもしないものはやはり特級としてはそんなに長く続かないというふうに考えておりまするので、そういった規制というのは必要ないと思っております。
#154
○大塚喬君 味という話を再三繰り返されるわけですが、味の話は午後に譲ることにいたしまして、本物とごまかしと、私はその区別をするためには当然モルトについては少なくともイギリスなんかでは十年、十二年というような規制を設けておるという話もある本で読んだことがあります。ところが日本の場合には、そういうことは野放しでやっておるわけですが、当然ここらのところは、そういう乱れておる形のものでなくて、酒齢というものが三年以上とか何とか、ある程度のやはり規制というものが当然設けられるべきだと、私はそういう意見なんです。今後この、こんなにべらぼうに金もうけをしておるウイスキー、こういうものについては大蔵省としては税金が入ればいいのだということだけでモルトについては法律的な規制の必要はない、こういうことで考えておられる、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#155
○政府委員(中橋敬次郎君) 大蔵省が消費者を全然不在のままに、税金だけ取ればいい、あるいは業者がもうければ、いいということで酒税法を考えていることはございません。もちろんいわゆるウイスキー原酒の貯蔵期間について、最低の期間を制限、最低の条件をつけるということも検討の対象ではございますけれども、もう一つ考えなければなりませんのは、いま大塚委員のおっしゃっておりますのは、もっぱらウイスキーの特級に関してでございましょうけれども、いまのわがウイスキーの中におきましては、一級二級というものもございます。それはまやかしであるというふうにもおっしゃいますけれども、これも長年ウイスキーとしてある程度のウイスキー原酒が入っておれば消費者に愛好せられてきたものでございます。それはまたある程度安い価格でもって多数の愛好家に愛されてきましたことを考えますれば、ウイスキー原酒の貯蔵期間を長くしなければならないということになりますと、ひっきょう金利負担が高くなってまいりますから、ウイスキー原酒というのは高くならざるを得ないわけでございます。それを含むところのウイスキー全般が特級から一級、二級まで全部その影響を受けるわけでございまするからそういう質のいいものをなお高くして売るということも一つの方法でございましょう、そういう制限をあえて法律に規定をしなくて、企業の選択に任せまして、貯蔵期間を長くして、金利負担をこうむってウイスキー原酒を高くして、そうしてウイスキーが高くなってもいいという企業もございますれば、今日のような程度のものでやってもいいということは、やはり法律上は余り決めなくてもいいのではないかというふうに考えて今日まで至ったわけでございます。しかし、もちろんウイスキー原酒の貯蔵期間についての制限というものはなお今後も検討いたしたいと思います。
#156
○説明員(川島宏君) 先ほど令十一条のところで、アルコール度数だけでも特級なり、一級なり――というお話がございましたけれども、実は国税庁の方の指導で七%以上のウイスキー原酒をまぜなければ二級にもしないというような指導をいたしております。そういうことでございますので、わずかの原酒が入っておりまして、アルコール度数が高いだけで特級になるというようなものは現在市場に出ていないはずでございます。
#157
○大塚喬君 級別の区分がそのモルトが七%以上入っておらないものは特級ということに認めない、こういう答弁でしたか。
#158
○説明員(川島宏君) 二級の場合でございます。
#159
○大塚喬君 一級――そういう私は一生懸命調べたのですが、どこにも出ておらないのですが、それは何か法規の中に、この間税関係法規集あるいは直税関係法規集I――どこにそういうのが出ているのですか。一生懸命私も調べたのですが、そういうのがどうも見当たらないで……。
#160
○説明員(川島宏君) 長官通達で通達いたしております。
#161
○大塚喬君 どこに出ています……。
#162
○説明員(川島宏君) 酒税法基本通達でございます。
#163
○大塚喬君 酒税法基本通達――この法規集の方ですか。
#164
○説明員(川島宏君) それには出ていないかと思います。
#165
○大塚喬君 何に出ているのです。
#166
○説明員(川島宏君) 通達集に出ております。
#167
○大塚喬君 通達集に――はい。わかりました。大変私も初めて耳にしたことを教えていただいて、ひとつこれで勉強になったと思って喜んでいます。一級というのはモルトが七%入っていれば一級なのですね。
#168
○説明員(川島宏君) 二級でございます。七%以上でございます。
#169
○大塚喬君 七%以上。そうすると、これは行政指導でやっておられるわけですか。このウイスキーの級別の区別の基準、この表とは別個な規制が行われておる、こういうことなのでしょうか。
#170
○説明員(川島宏君) はい、そうでございます。
#171
○大塚喬君 そうしますと、いまの指導で今度は一級、特級はそれぞれどういうことになっておりますか。
#172
○説明員(川島宏君) 特に決めてございません。
#173
○大塚喬君 それじゃ質問が中途で、おいでを願った自治省、それから厚生省関係の方には大変申しわけありませんが、午後ひとつ、このウイスキーの添加物、味の問題で論議をさせていただきますので、大変申しわけありませんが午後の方にひとつ譲らせていただきます。
#174
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#175
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
 午前の質疑はこの程度とし、午後二時十分まで休憩いたします。
   午後一時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十七分開会
#176
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 まず、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案について、物価等対策特別委員会からの連合審査会開会の申し入れがございました。これを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会の開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#178
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#179
○委員長(桧垣徳太郎君) 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#180
○大塚喬君 午前に引き続いて質問を続行いたします。
 初めに、午後の休憩前に清酒一・八リットルびん詰め価格構成表をいただきました。内容としては、こちらでお願いをいたしましたものとは隔たりがあって不満でございますが、ないよりはましですので、一応これを基礎にして質問をいたしたいと思います。お手元に皆さんお持ちでしょうか。
 そうしますと、一番左の大規模業者のところで、そのうちのA−1、総原価五百三十八円、まあこういうことになっております。これで見ますと、この数量は一番下のところを見ますというと一千百八十円というので、これは一級品の物と理解をいたすわけであります。それで、その一級酒につきましては、酒税が三百十三円七十四銭。こうなりますと生産者価格が合わせて八百五十八円。で、それが卸のところへ出てくるわけでありますが、卸マージン九十三円入って九百五十一円。小売りマージンがそこに二百二十九円入って一千百十円と、まあこういう価格構成になっておることをこれで承知をいたしたわけでございます。ところが、ここで問題にしたいことは、この酒類業界のきわめて古いしきたりと申しますか、必ずその売り渡しが行われる際に、二本つき、三本つきというようなことは常習の販売手段として現在も行われておることを承知をいたしておるわけでございます。そうしますと、ここにある卸マージンと小売マージン、こういうものの関連で、大変私は疑問に思うわけでございますが、主税局長にお尋ねをいたします。この二本つき、三本つき、一ケース買って、その業者によって二本つけるところもある、三本つけるところもある、これはもうどこのお店へ行って聞いても必ずこれはついております。こういうものは、この中のどこに入っておるんでしょう。
#181
○説明員(高木壽夫君) ただいまの御質問の御趣旨は、メーカーが二本なり三本なりの現品を販売促進の目的でつけているんではないか、そこがこの御提出申し上げましたこの表の中のどの費目から支出されているのかという御質問かと存じますが、ちょうど真ん中あたりの位置になりますが、販売促進費という費目がございます。
#182
○大塚喬君 販売促進費。
#183
○説明員(高木壽夫君) はい、販売費及び管理費のいわゆる一般管販費の一部でございますが、販売促進費という費目がございますが、そこからという理解ができると存じております。
#184
○大塚喬君 そうしますと、現在十本一ケース入っている分に二本なり三本なり必ずついてきてるんですよね。
  〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕
そうしますと、総原価五百三十八円、販売促進費二十九円、これは販売促進費というと、そのいわゆる添付サービス、これの金額とは実際に合わないですね。現実はどうなってるんですか、ここは。私は、問題はやっぱり消費者という立場を考えて、そういう古い、大蔵省が一生懸命温存しようとしておる酒の流通機構の近代化、合理化ということを図って、少なくともそういうものは消費者に還元されなければならないと、こういう立場に立って意見を述べており、大蔵省の見解をお聞きしておるわけですので、十本のうち三本も添付サービスがついて下へ渡っていくと、こういうことの場合に、販売促進費の二十九円なんという額でとてもおさまる、一本が五百三十八円も総原価してるんですから、そんなべらぼうなはずはないでしょう。
#185
○説明員(高木壽夫君) 販売促進費と申します経費は、販売促進の目的、そういう見地からいたしまして支出されるリベート、これが主たるもんであろうと存じております。そしてこういったリベートと申しますものは、おおむね実情といたしまして業務店どまりというのが実態だろうと存じております、そういう意味で、先生御指摘のように、消費者にまで還元されていないということは否めない事実であろうかと思います。先生の御質問は、二、三本というのをこの二十九円との関係でどう理解したらいいかということであろうかと存じますが、ここに示しました総原価として五百三十八円になるこのケースは、ある会社の、この下の注に書いてありますが、昭和四十八酒造年度生産清酒、そういう時点におきまして一年間の原価の実態というものを一升当たりに還元してみた数字でございます。そういたしますると、販売促進費としては五百三十八円のうち二十九円、他方、この二本なり三本なりというものにつきましては、仮にそういった事実がありとすれば、二本なり三本というものは、そう常時そういうことが行われるはずはない。これはその会社の経営という立場から見まして、そういうことはあるはずはない。仮に二、三本という、好ましくないと私ども思っておりますけれども、そういったビヘービアが仮にこの会社に、仮にでございますよ、全く仮にでございますが、そういうビヘービアがあったとしても、それはまあある特定の地域で、ある時期にそういうことはあるかもしれない、こういう理解でございます。
#186
○大塚喬君 二本つき、三本つき、これはもうだれに聞いたって現実にいつでも行われている慣例ですよ。それを、私はこの価格構成表を見て、卸マージンがあり、小売マージンがあり、そこへそういうのがついておると、こういうことになると、どうもこの酒の流通機構というものが、まあ箱入り行政の中で保護されて、そして消費者がそこでその犠牲になっておるという疑いがぬぐえないんですよ。だから、そこのところの金というのは、この一体どれなんだと、どこなんだと、そうして、そういうことが行われている分だけ本当なら、自由価格だというんなら消費者に渡る値段がもう少し下がってもいいんじゃないかと、まあ酒の行政は大蔵省が、もう繰り返し言うようですが、もう厳重監督下にあって、末端価格まで大蔵省の監視の目が光っておるという、そういうことについての文句もあるもんですからお尋ねをしてんですが、もう一度ひとつその二本つき、三本つきという原価のものを、現実に行われておるんですから、どこの費用の中からそれは捻出されて出ておるのか、ひとつお聞かせをいただきたい。
#187
○政府委員(星野孝俊君) 先ほどから御説明を申し上げておるとおり、販売促進費から出ておるわけでございますが、もし本当に常時そういうことをやるとすれば、しかも、その販売促進費、そういうリベート等がこの販売促進費の枠の中でカバーできないということになれば、赤字覚悟でやっていると、こういうことになるわけでございます。
 しかし、実際問題として、常時赤字ということは、会社の経営が成り立ちませんから、結局やはりある地域、たとえば新しい市場を開拓しようとか、非常に競争の激しい地域に売り込もうというふうなときに、そういうスポット的な景品として二本つき、三本つきというような。そういうリベートが出ておるのだろうと、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、先生がおっしゃいました、そういう余裕があれば、それは消費者に還元すべきではないか、ごもっともな御意見だと思います。私ども実は現在の商慣習から申しますと、どこの業界でも値引き、リベートというようなものはある程度行われておるわけでございまして、これは酒の業界に限らぬわけでございますが、酒の業界の場合に、それが主としてたとえば料飲店等へ流れる、それからまた一部は小売業者の経費に充当する、まあこういうふうな形になっておりまして、消費者に余り還元されておらない。これは事実でございます。しかし、私どもとしても、これは実は長い商慣習の問題がございますので、なかなか一朝一夕にこれを抜本的に改正するということは非常にむずかしいことだと思いますけれども、私どもの姿勢といたしましては、やはりそういうもし余裕があるならば、それはひとつそれを価格に反映さしたらいいじゃないかと、それで実勢価格に反映させまして、それだけ価格を安くして消費者にサービスする。そういう努力があってしかるべきではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
#188
○大塚喬君 私が、いま清酒のことについて申し上げたわけですが、洋酒のメーカーの有価証券報告書、全部これ調べてみましても、その酒の業界が古いしきたりの中に眠っておるということの証拠が、たとえば一つの例としてサントリーの報告書を見てみますと、販売促進費という名目ですね、これはその会社の従業員給料が二十八億一千八百万円に対して、実にそれの約八倍も出ておるんですよ。これはもう麒麟でもサッポロでも朝日でも、どこを見ても販売促進費という額が人件費の数倍から十倍近く出ておるんです。そういうものが、これはどこかにそれらは出ているんだと思うんですが、しかも、その中身はマージンだと思うんですが、そういうものがあなた方がやっている行政の中では、その酒の価格というのは厳重に統制をされて、もう統制価格と同じようなことが末端にあらわれておる。どこの会社のあれを調べても、洋酒の会社で清酒の会社の引例にはどうも大変適切ではないかと思うんですが、酒の業界というのはそういう慣習が依然として残っておるんじゃないか。従業員の給料の実に八倍もの販売促進費というものがついておる。そうなると、先ほどいただいた資料のこの販売促進費というものが一本当たり二十九円というようなものは、私はどうも現実に、清酒がそういうことが行われておることを承知しておりますがゆえに、どうもこれらの資料というのは妥当な正確な資料ということには認めがたい。その会社の決算書を調べてみてくださいよ。販売促進対策費というのはべらぼうな金を使っている。
#189
○説明員(高木壽夫君) ただいま、洋酒あるいはビール会社におきまして人件費に数倍する販売促進費が出ておるようだがというお話でございましたが、私どもの理解しております限りにおきまして、人件費に数倍するようなリベートが出ているといったようなことはちょっとありそうもないという感じがいたしておりますが、目下、数字が手元にございませんので、これを十分そういう目でもって検討をいたしたいと考えておりますが、ただいまの感じとしましては、人件費に数倍するリベートをそういう会社が出しておるという理解は、ちょっと私どもいたしておらない次第でございます。
#190
○大塚喬君 あなた、国会審議ですよ。私はその有価証券報告書を各社のをちょうだいして持っているんですよ。いまあなたがおっしゃるのは、数倍じゃないというのはどこがあります。
#191
○政府委員(星野孝俊君) ただいま私、これ、某社の有価証券報告書を見ておるわけでございますが、この有価証券報告書を見ますと、確かに販売促進費及び手数料という数字が人件費より多くなっておって、人件費――従業員給料並びに役員報酬をプラスしたものよりも多くなっております。これは単にリベートだけでなしに、いわゆる卸の手数料がこの中に入っておるのではなかろうかと、この会社はたまさか二段階制の会社でございますので、卸の取り扱い手数料が支払い手数料として計上されますので、それがこの販売促進費及び手数料のところに入っておるのではないかと、こういうふうに思いますが、なおよく調べてみます。
#192
○大塚喬君 事実は全く違いますよ、あなた。これは各社のずっと見てごらんなさいよ。非常に私はここに酒を大蔵省が一生懸命囲いの中に入れて世間の波から防ごうとしておる酒の行政の中で近代化、合理化がおくれておって、消費者がそのために犠牲になっておるということのその数字を、私は各社の報告書を見せていただいて、そういうことを理解したものですから申し上げてるんです。ともかくどこの会社だって調べてみて数倍ないところはないじゃないですか、販売促進対策費で。ここに酒の行政の私は古臭さが残っており、酒によって消費者が大変負担を強いられておる、こういうことをはっきりさせて、そういうものの改善のために今後努力をしてもらいたいという、そういう趣旨があるためにお話を申し上げてるんです。だから、あんたが言っている、どこの会社があるかちょっと言ってみてください。
#193
○政府委員(星野孝俊君) これは麒麟麦酒社の数字でございまして、正確な数字を公表するのはちょっと遠慮させていただきたいと思うんですが……。
#194
○大塚喬君 いや、これはもう公表されているものですから、いいでしょう。
#195
○政府委員(星野孝俊君) 失礼しました。ビールの販売奨励金と、それから清涼飲料販売奨励金、ここで二十九億五千九百万でございます、上期でございますが。
  〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕
#196
○大塚喬君 上期。それは百三十五期ですか。
#197
○政府委員(星野孝俊君) 百三十五期でございますね。
 それから、百三十六期について申し上げますと、ビール販売奨励金が七億五千五百万、清涼飲料販売奨励金が十一億九千九百万、合計で十九億五千四百万、こうなっておると思いますが、これに対しまして、人件費の方は、一般管理・販売費の方の関係での人件費が百三十五期で三十九億八千四百万、それから下期で三十五億八千百万。それ以外に、いわゆる製造部門の労務費がございますので、製造部門の労務費をプラスしますと、人件費計で百八十六億五千百万、それから百三十六期の方でいきますと百六十九億三千百万、こういうことでございまして、パーセントで言いますと、販売促進費の合計を人件費で割りますと一五・九%、これが上期、下期が一一・五%、こうなると思いますが……。
#198
○大塚喬君 おっしゃるとおりですね、麒麟のマージンというのが大変少ない。で、そのところへ、後、運搬費補助ということで金を出したり、それから現品給与を出したり、それから株の配当をしておるということを私は聞ておるんですけれども、じゃ、その他のサッポロ、朝日の方はどうですか、いま麒麟の例だけお話しいただいたわけですけれども。
#199
○政府委員(星野孝俊君) これ、ただいま手元にサントリーの資料がありますので、それでよろしゅうございますか。
#200
○大塚喬君 はい。
#201
○政府委員(星野孝俊君) サントリーの資料で申し上げますと、四十七年四月から四十八年三月期まででございますが、これの販売促進費及び手数料というものが百六十四億一千八百万円でございます。それから人件費がちょっとここに計が出ており……
#202
○大塚喬君 出ておりますよ、従業員給与というものが。
#203
○政府委員(星野孝俊君) これに載っておりますのが、二段に載っておりますのが、一般管理費・販売費系統の人件費がここに載っておるわけでございまして、それ以外に製造原価の方の人件費はまた別にあるわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたとおり、この百六十四億一千八百万、それから四十九年三月期の百九十二億二千九百万。これはサントリービールの場合に二段階制をとっておりますので、卸売業者の商品取り扱い手数料、ビールの取り扱い手数料、これは一度会社の収入に入りまして、そして会社の方から卸売業者の方へ手数料として払われるわけでございます。したがいまして、その手数料がここに合わせて計上になっておるわけでございます。そういう関係でこれはふくれておると、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
#204
○大塚喬君 これはまたひとつ、将来のうんと続く問題ですから、そこの論議はそれでいま時間切れてしまうと大変ですからあれしますが、ともかく酒の流通機構の問題で私が要望したいことは、余り箱入り娘にしておるというと、余りあれやこれやはしの上げおろしにまで大蔵省が口を出すと、ほかの業界がどんどん近代化していく合理化していくという中で、酒の業界だけが立ちおくれを来して、その分だけ消費者が負担を強いられる。こういう問題について私は警告を促す、こういう立場に立っていまの質問をいたしたわけです。論議はこれからずうっと大蔵省委員会を続けて、この中でひとつそういう私の主張も明らかにしたいと思いますので、時間がありませんのでちょっと別な形で質問を移ります。
 公正取引委員会――帰っちゃったかな。これはまことに残念でした。
 それでは、アルコールの、いわゆる酒類保存のために酒類に混和することのできる物品の指定告示、昭和三十七年四月十三日国税庁告示第六号、これの内容についてひとつ質問をさせていただきます。
 この告示の制定というのは、これは大蔵省が独自で制定をいたしたものでございますか、あるいは厚生省なりその他の機関と合議をしてこの決定をなされたものかどうか、初めにこの制定のいきさつをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#205
○説明員(川島宏君) この告示物品を決めますときには、私ども国税庁サイドで検討いたしますけれども、厚生省当局とも食品衛生法上に問題があろうというような場合には御相談申し上げております。
#206
○大塚喬君 厚生省の方お見えになっていますか――。
 初めにお尋ねいたしますが、厚生省としては、この酒類の規制の問題について食品衛生法、これは全面的に適用されるものですかどうですか、初めにお聞かせいただきたいと思います。
#207
○説明員(宮沢香君) お答えいたします。
 食品衛生法では、第六条に、私どもは化学的に合成された化学物質、そういうものを食品に使用する場合には、安全性と必要性というものを見た上で厚生大臣が指定するその指定によって初めてそれは食品に使用できる、こういうことになっております。
#208
○大塚喬君 そうしますと、酒類、ウイスキーなどに添加される化学薬品等は、これは食品衛生法の規制を受けると、こういうことで理解をしてよろしゅうございますか。
#209
○説明員(宮沢香君) 化学的合成品である食品添加物は、食品衛生法で指定されたもの以外は使用できない、こういうことになっております。
#210
○大塚喬君 それでは国税庁にお尋ねをいたしますが、現在ウイスキーを含む洋酒に許可されている食品添加物、着色について許されておる添加物は何と何と何ですか。
#211
○説明員(川島宏君) ウイスキーにつきまして色素というものが原料として上がってございます。色素につきまして酒税法上特にどれどれという規定はございません。すべて食品衛生法上の範囲内で使うということになっております。
#212
○大塚喬君 その色素というのは、これはタール色素と違いますか。
#213
○説明員(川島宏君) タール色素であっても酒税法上は使用可能でございます。もちろんこれは食品衛生法上の範囲内でのことでございますが、現実にウイスキーに使っております色素はカラメルだけでございます。
#214
○大塚喬君 そうだとすれば、このようなタール色素赤色二号とそのアルミニウムレーキ、こういうふうな十以上の許可されたものがありますね。現実には使っておらないなら、なぜこういう法規を現存させておくんですか。
#215
○説明員(川島宏君) 酒税法で酒に混和できるというような規定をつくります場合には、すべて一次的には食品衛生法上の範囲内でやるわけでございまして、化学的な合成品である色素を使っておらないから、そういうのはもっと規制してどれか一つにしろというふうな御質問だと思いますが、現在ではその必要がないということでございます。
#216
○大塚喬君 着色はカラメルしか使っておらないということならば、なぜ現行の法規の中で着色にタール色素を使用することを認めておる。そういう使っておらない、現実に使わないというんなら、こういう法規は、一日も早くそういう疑問を持たれるような危険なものは除いたらどうなんですか。
#217
○説明員(川島宏君) おっしゃることよくわかりますので、十分検討さしていただきたいと思います。
#218
○大塚喬君 そうしますと、有害、危険なタール色素は今後洋酒の添加物としてはそういう規制は外すと、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
#219
○説明員(川島宏君) 先ほどからの御質問はウイスキーについての御質問でございまして、ただいまは洋酒というお話でございますが、洋酒となると非常に幅が広うございまして、すべてにそういう着色料をいま直ちに禁止するというようなわけにはまいらないと、かように考えております。
#220
○大塚喬君 そうしますと、洋酒全般にはこういう危険なおそれのあるタール色素についても引き続き添加物としての使用を認める方針だと、こういうことでございますか。
 それと、酸味をつけるためにフマール酸というのが許可になっていますね。これはクエン酸と併用して一・五%までいいと、こういうことになっていますが、このフマール酸についてはどうですか。
#221
○説明員(川島宏君) ウイスキーにつきましてフマール酸はどうだという御質問でございますが、これは税法上はいわゆる香味料というところに入ろうかと思います。そういうことからいきますと使用は可能でございますけれども、ウイスキーにはそういうものを使用する必要がございませんので使用いたしておりません。
#222
○大塚喬君 着色、それから酸味をつける、こういうものについては、そういう添加物が使用を認められておると、こういうことであっても現実には使っておらないと、こういうことなんですね。じゃ、うまみをつけるために使うDL−アラニン、それから変・退色を防止するために使う重合リン酸塩というのは、これはどうなんですか。
#223
○説明員(川島宏君) DL−アラニンにつきましてもいわゆる香味料の税法上では範囲に入るかと思います。そういうことでございますので、使いましても酒税法上では違反ではございません。ただし、実際には使う必要がございませんので使っておりません。
 それから、重合リン酸塩でございますが、これも使用は可能でございますけれども使用されておりません。
#224
○大塚喬君 じゃ、一つ一つそういうことならお尋ねしますが、酸化防止のために使うグリシン、それから粘ちょう剤に使うためのグリシン、それから脱色のための活性炭、それからろ過するための珪藻土、ここらのところは比較的に余り問題にならないと思いますが、問題は香料だと思います。さっき主税局長が味だと。味というのは色も香りも甘味、そういうものが入ってくると思うんですが、リキュール香料、これは現状どうなってますか。うまみの種というのはみんなこの人工香料でつけておるのと違いますか、主として。
#225
○説明員(川島宏君) お答え申し上げます。先ほどリキュール香料の御質問でございますけれども、税法上は使用可能でございます。それから、すべて合成の香料ではないかという御質問でございますが、大部分は、もし使っておる場合には合成の香料が多かろうと思いますが、天然香料も使っているはずでございます。
#226
○大塚喬君 私が、特に問題にしたいのは、いわゆる石油製品の添加物について問題にしたいわけです。厚生省にひとつお尋ねをいたしますが、お手元にウイスキーを含む洋酒に許可されている食品添加物の表はお持ちでしょうか、どうでしょうか。
#227
○説明員(宮沢香君) ございます。
#228
○大塚喬君 持ってますか。それで、その着色と、いわゆる香料、この香料は主としてもうほとんどこれ全部石油製品じゃないですか。いかがでしょう。このうちでタールのうちの十一、それから香料のうちのリキュール香料、シソ香料、果実香料の中で九、全部で二十の香料と着色の材料が使われておりますが、この香料というのはどれとどれが石油製品で、どれとどれが石油製品じゃありませんか。
#229
○説明員(宮沢香君) 申しわけありません。いまのその表は実は持ち合わせておりません。
#230
○大塚喬君 リキュール香料の中で、じゃ、具体的にお尋ねいたしますが、アンスラニル酸メチル、これはメチルアルコールとアンスラニル酸からつくっておるという原料のようですが、これは石油製品ではございませんか。それからエチルバニリン、これは石油製品ではありませんか。きわめてこれからずうっと毎日毎日飲むような人が、石油製品を毎日毎日微量であっても飲んでいくと、こういうことになれば、大蔵省が決めて、現在は許可されておるけれども使っておらないと、こういう問題をそのまま放置することにはやっぱりできないと思うんです。そこのところを、人体の保健管理、特に遺伝人類学というような立場から大蔵省が使っておらないものも旧態依然としてそういう規則を温存さして使わせることができる。業者はそれを使って、色づけアルコールで香料をつけて、局長が言うようにうまみをつけて、うんと金もうけをしておる。国税庁はそこに乗っかって税金をうんと取って、特級、一級ということでたくさんお金を取っておると、こういうことは私は社会正義の上からも許されるべきではないと、こう思うわけですが、この石油製品についてどれとどれが人体にどういう影響があるものか。私の時間が後一分しかないものですから大変あせってんですが、この問題はひとつこれは人類の、日本人の今後の問題もあるものですから、ひとつぜひはっきりさせていただきますように、で、私の時間が切れたんで、残念ながらこれで座ります。
#231
○委員長(桧垣徳太郎君) 宮沢課長に申し上げます。
 いま大塚委員から御質問のありました表は、厚生省にお持ち帰りになって、検討の上、御質問の趣旨に対する答弁の資料を提出してください。
#232
○鈴木一弘君 再び酒税についてちょっとお伺いしたいんです。
 前回要求いたしました資料をいただきました。一つは、諸外国における酒類の製造販売に対する規制の資料でありますが、日本の場合は、認可が距離制限あるいは一般免許要件、人的要件等いろいろなものがあって厳しくなっておりますが、外国の場合はこの条件等がはっきりわかりませんけれども、特になしとか不明とかそういうのもございます。免許のところもあるらしいというふうな感じでありますが、特にこれ一つ伺っておきたいのは、フランスではアル中防止の見地から、アルコール度の高い酒類を扱う場合には、ライセンスを要する場合があるということで、あとは卸、製造は担保を提供すればもう申告で許可されるということになっております。わが国の場合は、国税の酒税の保全上ということが一番大きいものになっていて、こういうアルコール度が高いから、アル中防止の見地からというような、そういうものは全然配慮がないのかしらんということを、これを見てすぐ感じたんですけれども、その点はいかがでございますか。
#233
○政府委員(中橋敬次郎君) いまお示しのように、その国その国のアルコールに対する基本的な考え方がやはりこういう免許制度に影響を、反映いたしておると私どもは考えております。それで、確かにわが国の免許制度、製造に関しますあるいは販売に関します免許制度は、そういうことを与えます場合には、酒税の保全上需給の調整ということを配慮いたしますけれども、その基本にあります免許制度ということを考えますれば、やはり根本的には一般にお酒というものについての、アルコール致酔飲料であるという性格に着目したものであると思っています。それで、そういうアルコールを含有いたしております致酔飲料に対する社会的な規制というものをかなり強く要請する国柄、たとえばアメリカとかイギリスにおいてはごらんのように免許というものが一般的でございますし、フランスというようなヨーロッパの国においてはそういうものが全般的ではないというところでございますけれども、お示しのようにフランスにおきましては、その中ではやはりアル中防止の見地から、度数の高いものはわが国において酒一般について考えておると同じような考えから、こういう免許制度をとっておるのではないかというふうに思っております。したがいまして、わが国においてはやはりもう一度以上のアルコール含有の致酔飲料につきましては、かなり厳しいそういった規制というのを必要とするというのが背景になっておると思っております。
#234
○鈴木一弘君 ずいぶんおかしな答弁で、一度以上という、一度でアル中になったというのは聞いたことがないですけれどもね。一度以上というので……。非常にそういう強いてこじつければそういう答弁もあると思いますけれども、これは厚生省の、先ほどおられましたですね、課長さんだと思いますが、わが国のアル中は一体どのぐらいの量いるんですか。その点の患者数や何かわかりましたら教えていただきたいと思います、被害者。
#235
○政府委員(辻敬一君) 本来厚生省からお答えすべきところだと思いますけれども、承知しておる限りにおいてお答え申し上げます。
 アルコール中毒患者の数でございますが、四十四年の精神障害者の実態調査によりますと、アル中患者の数が一万四千九百八名でございます。いま精神障害者で病院に収容されております者の約六%ということになっておるようでございます。したがって、その六%の数字でただいまのところ推計いたしますと、アル中患者で施設に収容されている者の数は約一万六千名というように推定いたしております。
#236
○鈴木一弘君 それはその程度にします。
 それから、前回の要求いたしました資料の中で、距離制限によって許可にならなかったのはどのぐらいかということについて資料いただいてないんですが、これは非常に調査が困難なんですか。
#237
○政府委員(星野孝俊君) 前回御質問がございまして、帰りまして国税庁にあります資料を調査したんでございますが、やはり距離制限を理由に免許を拒否した件数という、そういうふうな具体的な把握できませんでした。そこで何とか一部の局ででもそういう具体的な実態を把握できないかということで若干手配してみたんでございますけれども、やはり作業が相当複雑でございまして、煩雑でございまして、時間的に間に合わなかったことを大変申しわけなかったと思っております。
#238
○鈴木一弘君 ところがもう大変調査が困難であれば、時間かけてくださってもけっこうですから、ぜひ調べ上げたら資料として出してください。時間がかかるでしょうけれども、資料として後で出してください。
#239
○政府委員(星野孝俊君) 過去数年にわたって調査するということになると、これ非常にまた大変でございますので、できますれば、たとえば四十九年度に限定するというふうなそういう条件をつけることをお許し願えますならば、わりに作業が簡単であろうかと思いますので、できましたらそのような御了解を得たいと存ずるわけでございます。
#240
○鈴木一弘君 それはそれでけっこうです。
 それから、前回も質問いたしまして中途半端に終わっているんですけれども、衆議院の大蔵委員会で昭和四十五年の四月二十八日に社会党広瀬委員から当時の吉國国税庁長官に酒の小売の免許のことで質問がありました。その中でこういう答弁がされております。「もう少し酒類の供給の正常化、酒類全体の消費の状況が安定をいたしますまで、やはり小売り免許は据え置くべきであるというのが私どもの考え方でございます」と、こういう言い方なんです。その「もう少し」という酒の供給の正常化、また全体の消費の状況の安定、これはどういうのを指しているのか、よくわからないんですけれども、当時に比べて現在は供給が正常化されていない。消費の状況も安定していない。いまだにそういう状況だと、こういう考えでございましょうか。この辺は、このときの答弁の状況とそれから五年たったいまの状況と、消費、供給ともに安定を欠いているのか、少しでも前進していればここは「もう少し」という答弁なんですから、これはもう免許はかなり自由にされていっていいんではないかと思うんですが、いかがですか。
#241
○政府委員(中橋敬次郎君) 前回お示しのようなやりとりがございまして、私ども速記録で検討いたしました。ただその当時吉國政府委員がお答えになりました中でも、やはり「他の物資と違いまして、酒の場合小売り価格について三〇%前後の税が含まれている。」ということから、販売業免許の必要性というのを説いておられます。そうしていま鈴木委員がお話しになりました「もう少し」云々というのの前に「酒税確保の見地から申しますと、」ということを言っておられます。こういうことをあわせ考えますと、やはり酒税の高さ、先ほど申しましたように「三〇%前後の税」というふうに当時も言っておりますけれども、そういう高さと、それからそういう高さを含みました酒類の販売、供給の正常化あるいは全体の消費の状況が安定をするということでございまするので、今日のようにかなり、先ほども大塚委員が御指摘のような景品つきというような状態もございますし、あるいは小売販売店におきましても、この間近藤委員がお示しのように、かなり大きな値引きをして売っておると、競争はやはり非常に激烈でございます。なかなかそういった酒類全体の消費の状況が安定しておる、あるいは酒類の供給の正常化という事態はどの程度まで確保できれば、酒税の確保という見地から免許制度を排除してもよろしいかということは、ちょっといまの状態では見当がつかないと私どもは考えております。
#242
○鈴木一弘君 そうすると、この供給の正常化とか消費の状況の安定ということは、これはそのときの言い逃れの言葉にしかすぎなかったと、そういう国会を適当にごまかすために吐いた言葉であると、大蔵省の意思として。こういうことですか。
#243
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど申しましたように、「酒税確保の見地から申しますと、」云々というふうに言っておられますから、やはり酒税確保という見地から、その酒税がなぜ確保できないのかということを裏返しに申せば、供給が正常化していない、あるいは消費の状況が不安定であるという事態があると、酒税の確保という見地からは免許制度が必要であるというふうに答えたものと思いますので、決してその場の一時逃れということでなしに、やはり私が前回にお答えしましたように、小売免許制度というのは、酒税確保の見地ということと非常に絡まっておりますということを同じように言われたものだと私は解釈いたしております。
#244
○鈴木一弘君 それは押し問答になるばかりでございますからあれですけれども、供給の正常化というのは、お酒の場合は統制経済ではあるまいし、国民一人当たりウイスキーがどのくらい、ビールが幾らというのは、正常化されたかされないかということじゃないと思うのですね、消費についても供給についても。やはりそういう言葉よりも、本当は酒の税を確保するには小売店を押さえておきたいということだろうと思うんですけれども、そうすると、この間も質問したように、憲法二十二条の問題とぶつかってくるわけです。これはいつまでもいつまでも従量税というような形をとっているから、こういう結果にならざるを得ないんじゃないかという感じがするわけですけれども。従価税ということになればもうこれは変わってくるわけですから、様相が。その点はどうお考えですか。
#245
○政府委員(中橋敬次郎君) 販売業の免許制度というものは、税金の従価税制度かあるいは従量税制度かということとの関連、どの程度あるかということについて考えてみますと、私はやはり従量、従価の制度いずれにしましても、ある程度負担が重いという段階では同じ効果を持つんではないかというふうに考えております。それとは別に従量か従価かという問題は、やはり酒税問題を考えます場合には、今後私どもとしても研究していかなければならないと思っております。
#246
○鈴木一弘君 これはこのぐらいにします。
 前回も御答弁いただいたんですが、はっきりした数字を当時いただけなかったんですが、例の昭和四十五年に通りました清酒製造業の安定に関する特別措置法で構造改善が昭和四十三年に開始され、四十八年度末終了ということであったわけでございます。これは当初の目標と大分違った形に私はなったんだと思うんですけれども、たとえばあのときの御答弁は、地場直売型が二百キロリットル以下、それが千三百あるのを一千九十九にする、おけ売り型の三百キロリットル以下というのは千五百十三軒を九百七十軒にする、広域地域への卸売型、これは一千キロリットル以上は六十六あるのを百八十八にする、狭い地域の卸売型が四百キロリットル以上は七百三を六百二十三にするというような、こういう答弁もありますし、計画があったわけですね。これは一つ一つはどうなったか、これを聞きたいんです。というのは、先日も浜松の酒造へ行きました。おけ売りの型ですね、ここは大体。そこをよく見てみますというと、地場直売ですかね。ところが、これは売り上げの純益が実際は六%必要だけれども、実際にはわずか二%程度だと、毎年毎年ここ三年ぐらい下がってきているということを言っております。つまり、構造改善をやっていても恩典がないんじゃないかという感じがしてならないんですがね。そういう問題も含まれているだけに一体どういうふうな推移をたどってきたのか、現状は、現在この当時の描いた四十八年度末、四十九年三月終了ですけれども、それまでにできたというこの整備の姿というのは、いまの四つの型のおのおのが何軒ずつになったか答えていただきたい。
#247
○政府委員(星野孝俊君) ただいまの御質問の卸売型、直売型、おけ売り型、それぞれの推移でございますが、実を言いますと四十九年度現在の数字がまだとれておりません。大変古い数字で申しわけございませんが、四十七年度の数字しか現在手元にございませんのでそれでお許しをいただきまして申し上げますと、まず広域卸売型でございますが、四十三年度に百四軒ございましたものが四十七年度は三十九――これ企業数でございます、三十九になっております。それから狭域卸売型でございますが、これが四十三年度は七百五十四ございましたものが四十七年度六百四十になっております。卸売型合計で申し上げますと、四十三年度八百五十八ございましたものが四十七年は六百七十九になっております。
 次に、直売型でございますが、直売型について申し上げますと、四十三年度九百六十九企業数ございましたものが四十七年度は八百八十、このようになっております。
 それからおけ売り型でございますが、これが四十三年度千五百六十五企業数ございましたものが千三百七十五、こういうふうになっております。
#248
○鈴木一弘君 総計では幾つが幾つになったんですか。
#249
○政府委員(星野孝俊君) 四十三年度に総企業数は三千五百十二ございましたものが四十七年度は三千百二十八になっております。
#250
○鈴木一弘君 結局これは三百ぐらい、現実は二千八百程度になる予定でしたからね、大分おくれてきたということだと思うのです。それについてあとはこの間の質疑でそれから以後どうするかということはございましたから、きょうはとどめさしていただきますけれども、このとき審議された法律で廃止するものに対して給付金を給付するということが決められている。酒造組合中央会は、清酒製造業者から納付事業の費用を徴収することができるとあったわけでございますけれども、この納付事業の経過はどういうふうになったか。当時昭和四十四年、そのときに見込んだ数がいろいろございました。総合計で四十八年までに七百社が転廃業するたろうという見込みがあったわけですけれども、現実はどうなったのですか、これは。
#251
○政府委員(星野孝俊君) 転廃給付金の御質問と思いますが、御指摘のように当初の見込みと実績との間に大分ずれがございます。それは先ほどの資料でも御説明したとおりでございます、転廃業者の数が減少したわけでございますが、実績を申し上げますと、当初計画を立てまして、その後四十七年度に実は見直し作業を行ったわけでございます。そうして見直し作業を行った結果四百八十四社、十六億八千万程度になるのではなかろうかと、こういうふうに見ておったわけでございますが、結果的にはここまでまいりませんで、実績といたしましては二百二十一社、九億九千四百万円、こういう数字になっておるわけでございます。なお、これはなぜこのように減ったかといいますと、その一つの理由としては、もちろん計画と実績との食い違いがあるわけでございますが、それ以外に他の業者にこの基準指数を売った方、これは転廃給付金が出ないことになっておりますので、そういうものも影響いたしましてこういう数字になったわけでございます。
#252
○鈴木一弘君 これは非常な大きな私は見通しの失敗だと思うのですね。中間で見直しをしたときに四百八十四社、最初は七百社くらいあったんですがね、それが四百八十四社、十六億云々というふうに見ていたのが二百二十一社になって九億九千四百万円の給付金になったということですけれども、そういうふうになるというのも、大変な結局見通しの誤算ということがここにあらわれたんじゃないか。当初いわゆる自主流通米制度、こういったものもございますし、いろいろな点についての認識の甘さ、結局当時の基準指数という財産になっていたものが一遍に失われてくるということになったわけですから、そういう点の見通しの甘さというのがこうなったんじゃないかというふうに思わざるを得ないのですけれども、その点はどうでございますか。
#253
○政府委員(星野孝俊君) 当初にこの計画を立てます際に、これはもちろん当然のことでございますが、これは政府で立案した計画ではございませんで、業者の自主的な立案、そういうものになる計画であったわけでございます。しかし、何分にも清酒製造業というのは非常に伝統的なしきたりのある産業でございまして、やはり長年の間家業として続けておると、なかなか愛着があってそう簡単に転廃業というものはやりにくいと、そういうふうなことがやはり一つの大きな要因になってこのような数字になったのではないかと、このように考えておるわけでございます。
#254
○鈴木一弘君 次に、これは農林省の方来ていると思いますけれども、いわゆる清酒の醸造米の問題でありますが、主要銘柄と産地数量をちょっと教えてほしいと思うんです。それから全体の使用数量ですね。
#255
○説明員(宮崎武幸君) 酒の原料米でございますが、御案内のように、酒に使いますのは元米とそれから掛け米がございます。掛け米の方は、いわゆる通常のウルチ米――主食にいたしますのと同じものを使いますので、もっぱら御質問は、ただいまのは特別なお酒用の銘柄を持っております元米についての御質問かと思いますが、元米につきましては、ただいま品種としまして二十二品種、これが三十二の府県で生産されております。したがいまして、何県の何という銘柄で数えますと、現在六十五の産地品種がございます。で、この六十五の産地品種につきまして、あるいは二十二の品種につきまして、一つ一つ数量申し上げますと時間かかりますので、主なものを申し上げます。最もよく使われておりますのは、たとえば五百万石という銘柄のお米がございます。これは新潟あるいは北陸地方を中心にいたしまして、八県で生産されておりますが、約三万一千八百トン、それから山田錦というのがございますが、これは主として兵庫県でございますが、これが約九千六百トン、それからたかね錦というのがございます。これはまあ長野県が主でございまして、そのほか兵庫等五県で生産されておりますが、これが約一万九千七百トン、こういった状況でございまして、主なのは以上のような生産状況でございます。
 それから、これが全部、ではどのぐらいの数量が流通しているかということでございますが、四十九年度におきましては、お酒用の米としましては、五十六万トンの流通量であるというふうに見ております。この五十六万トンのうち、先ほど申しました元米につきましては、七万九千トン、それから掛け米が四十八万一千トンと、こういうふうに見込んでおります。
#256
○鈴木一弘君 これの流通経路はどういうことになってるんでしょうか、食管法で決められてはいると思いますけれども。
#257
○説明員(宮崎武幸君) 酒米につきましては、現在全量自主流通米の制度で運用されております。自主流通米制度につきましては、御案内のように、政府の需給計画の中には組み入れられておりまして、私どもの計画の中の数字ではございますが、食管としましては、政府が買い入れ、受け渡しは行わない、いわゆる指定法人から直接酒造業者等実需者に対して売買される、こういうルートをとっております。
#258
○鈴木一弘君 その指定法人というのは全農とか、そういうのですね。
#259
○説明員(宮崎武幸君) さようでございます。
#260
○鈴木一弘君 そこから直ちに実需者、酒造メーカーに売るということになっているというんですけれども、いろいろ報道とか、あるいはいろんなことで伺いますと、商社の代行による扱いというのもあるということ聞いております。どういうところが代行をやっているのか、またその扱い高ややり方はどういうものなのか、それをちょっと教えてください。
#261
○説明員(宮崎武幸君) 自主流通米のうち酒米あるいはモチ米のような原材料用のお米につきましては代行制度というのを認めておるわけでございます。代行のやり方につきましては、これは非常に千差万別でございまして、一律にはなかなか申し上げにくいわけでございますが、いわゆる実需者、まあ酒屋さんでございますが、そちらの方からの委任に基づきまして指定法人との間で、いろいろたとえば契約の締結事務あるいは現品の引き取り、輸送あるいは精米その他の加工事務とか、いろいろな事務がございますが、それのうちの一部をやるという形でございまして、個々の契約によりまして内容は一律じゃございません。一番多いのはやはり輸送事務の代行と、それから資金の立てかえ払いといいますか、そういう形の代行が一番多いというふうに聞いております。
#262
○鈴木一弘君 いわゆる資金の立てかえというのは一体扱い高はどのぐらいあるかわかりますか。
#263
○説明員(宮崎武幸君) ただいまの御質問に関する資料は持ち合わせておりませんので御了承願います。
#264
○鈴木一弘君 いわゆる商社金融ということになるんだろうとぼくは思いますのでね、これは資料の御提出はしていただけませんか。
#265
○説明員(宮崎武幸君) 個々の契約でございますので、ちょっと私どもの方でわかりかねるのではないかというふうに考えます。
#266
○鈴木一弘君 それでは大体その商社の代行による扱いというのはどのぐらいあるだろうかという推定も出ないんですか。
#267
○説明員(宮崎武幸君) 何らかの形で代行で扱われているという数量でございますが、代行そのものにつきましては、先ほど商社のお話も出ましたが、商社以外にもいろいろ問屋さんとかそういったものもございます。で、酒米につきましては先ほど全部で五十六万トンと申し上げましたが、そのうちいわゆる七大総合商社が代行をしているというものは十四万五千トンと見られる――酒米総数量に対し約二六%程度ということでございます。
#268
○鈴木一弘君 この十四万五千トン、二六%というのは輸送の方ですか、それとも立てかえの方ですか。
#269
○説明員(宮崎武幸君) これはすべて、何らかの形で代行をしているものすべてでございます。
#270
○鈴木一弘君 そのほかは醸造の、いわゆる実需者の子会社みたいなところもやってるんだろうと思うのですけれども、そういうところの扱いはどのぐらいありますか。
#271
○説明員(宮崎武幸君) 代行がすべてで十七万五千トンであろうというふうに見ております。したがいまして、ただいまのいわゆる七大総合商社が扱いました十四万五千トン及びその他の商社扱い一万二千トンを引きますと、その他、まあ言うなれば小さいところが代行等の事務をやっております数量はその差額でございまして、一万八千トンですか、そのぐらいであろうと見ております。
#272
○鈴木一弘君 酒造用の指定銘柄米といいますか、この作付面積等の変化はどうなっているんでしょうか。
#273
○説明員(宮崎武幸君) いわゆる元米の作付面積でございますが、四十九年度におきましては一万五千九百ヘクタールでございます。
#274
○鈴木一弘君 一万五千九百ヘクタールで五十六万トンと、こういうことですか。
#275
○説明員(宮崎武幸君) 違います。ただいまのは元米でございますので七万九千トン。
#276
○鈴木一弘君 その前年等はわかりませんか、四十七年とか八年とか。
#277
○説明員(宮崎武幸君) 過去それでは五年間を申し上げますと、四十五年は一万七千九百ヘクタール、四十六年一万八千四百ヘクタール、四十七年一万七千四百ヘクタール、四十八年が一万七千四百ヘクタール、四十九年が一万五千九百ヘクタールでございます。
#278
○鈴木一弘君 だんだんというか、四十九年は急激に減ってきておりますけれども、これは実際需要が減ってきたということなんですか。
#279
○説明員(宮崎武幸君) 面積はただいま申し上げたわけでございますが、元米の流通数量等を見ますと、必ずしも減少傾向にあるとは言えないと思います。反収その他の関連もございますので減っているということは言えないと思います。
#280
○鈴木一弘君 実際のお酒も四十九年は減っているわけですからね、どういう意図か知りませんけれども。
 その次は、清酒の原料の使用の量ですが、私のところは四十八年七月から四十九年六月の一年間というのは、私もいただいてわかっているんですけれども、これは清酒の生産高、使用のお米の高、アルコールの量、使用糖類の量、これひとつその前の年、そのまた前の年というふうに知らせていただきたいのですが。
#281
○説明員(高木壽夫君) 四十七年から、順次さかのぼって申し上げたいと思いますが、まず四十七年度、四十七BYの量でございますが、白米につきましては、四十五万二千六百八トン、アルコール、これは百度ですが、十二万八千七十一キロリットル、それから糖類はいろいろございますので計で申し上げますが、三万九千五十七トン、それから酸類、これも合計してまとめまして申し上げますが、三百二十二トン。そういうものを原料としてその年度に製成されましたところのお酒の量、これは二十度で申し上げますが、百四十三万四千五百十八キロリットルでございます。
 四十六年を申し上げます。白米四十三万四千八十八トン、アルコール十二万三千七百六十九キロリットル、糖類三万八千三百四トン、酸類三百十トン、できましたお酒が百三十八万四千二百八十三キロリットル。
 四十五年申し上げます。白米四十一万三千三百十六トン、アルコール十一万八千五百七十九キロリットル、糖類三万七千九百七十九トン、酸類三百十トン、お酒が百三十一万一千四百三十三キロリットル。
 四十四年申し上げます。
#282
○鈴木一弘君 いいよ。これを見ると、だんだんふえてくる感じなんですが、一方は作付面積が減っていると、元米の生産高もこれは落ちているわけですか。作付面積が減っているけれども、元米の生産高はどうなんですか、上がっているんですか、落ちているんですか。
#283
○説明員(宮崎武幸君) 過去数年の元米の流通量を申し上げますと、四十五年では七万二千トン、四十六年七万六千トン、四十七年八万トン、四十八年が八万八千トン、四十九年は七万九千トンということでございます。
#284
○鈴木一弘君 わかりました。これでもう農林関係は結構です。食糧庁は結構です。
 次は、お酒の自動販売がいろいろ問題が出てきたり、いろいろしているわけでございますけれども、現在の設置台数はどのぐらいあるでしょうか。
#285
○説明員(高木壽夫君) 自動販売機の設置台数でございますが、昭和四十九年十一月一日現在で調べました数字がございますので、その数字を申し上げますが、総台数八万六千九百七台ということに相なっております。
#286
○鈴木一弘君 これはいろいろ夜間に売ってはいけないではないかとか、未成年者の手の届かないところに置かなきゃいけないんじゃないかとか、あります。私のうちのそばでもアル中の人がいて、お金を持って行ってはかってに飲むので家族の人がずいぶん困っていたことがございました。好きな人がやるんだからしようがないという面もあるんですけれども、この自動販売機で売る場合も、これは全部酒類の販売免許があるんだろうと思います。人のいるところもあるし、昼間でも店があいていても当然やるのもあります。人がいなくて、これだけを朝から晩まで売っているところもあります、酒だけの。いわゆる自動販売機だけの販売、そういうのはどのぐらいあるんですか。
#287
○説明員(高木壽夫君) お尋ねの自動販売機だけの販売の免許と申しますものは、実は昭和四十八年の七月三十一日以降は原則として付与しないという扱いにしておるわけでございますけれども、その措置をとる以前にすでに免許しておったという場数が若干あるわけでございます。その数は全国で八十六でございます。
#288
○鈴木一弘君 主にどんな主要都市にあるんですか。
#289
○説明員(高木壽夫君) ただいまの八十六がどういう地域にあるかということにつきましては、現在全く把握いたしておりません。
#290
○鈴木一弘君 では、先ほどの八万六千九百七台ですか、四十九年十一月一日現在の設置台数、その中、これを銘柄別というんですか、それはどのぐらいになるのでしょうか。これはいろいろ見ますと、ワンカップ何とかとか、いろいろなものがありますけど、わかりますか。
#291
○説明員(高木壽夫君) 総台数八万六千九百のうち種類別に、つまり清酒用あるいはビール用といった数字はわかりますが、銘柄別にはわかりかねます。清酒用で申し上げますと、三万七百六十三台、ビール用が五万四千五百四台、ウイスキー用が一千五百七十三台、しょうちゅう用というのもございまして、これが六十七台、合計が先ほど申し上げました八万六千九百七ということに相なります。
#292
○鈴木一弘君 これがいろいろ、いわゆるアル中の問題があるとかなんとかということで非常にいろいろ取りざたをされるんですけれども、そういう点についてこれは国税庁の方と、それから厚生省の方といろいろ話し合いもあったんではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。
#293
○政府委員(星野孝俊君) この問題につきましてはいろいろ各方面から御意見がございまして、国会でも問題に、御意見が取り上げられたこともございますし、あるいは各地方の県警本部等からもいろいろ要望等もございまして、実は私どもかねがねこの自動販売機につきましては、ドライバーの飲酒禁止、それから未成年者は飲まないようにというふうなステッカーを張るということで指導してまいったわけでございますけれども、なかなかそれだけでは思うように徹底いたしませんので、昨年からいろいろ小売の業界とも御相談しまして、それで小売の業界の方で、自主的にこれはひとつその辺を規制しようではないかということで、本年の四月一日から午後十一時から午前五時までの自動販売機による酒類の販売は自主的にやめることにしようと、こういう申し合わせができまして、現在相当部分ですでに実施中でございます。まだ一部機械等が整わないところで実施をされていないところがございますが、近々のうちにそれも実施の段階に入る、こういうふうな段取りになっているわけでございます。
#294
○鈴木一弘君 現実に販売機でお酒を飲んでぶつけるなんという若い人の事故もありますから、その点は十分気をつけていただきたいと思います。
 酒税の問題ですけれども、特級、一級、二級と、そういうメーカーによって、地域によって同じ特級でも値段が違うというようなこともあるし、二級の中でも非常においしいものもある。そういうことでありながら、全体としての商品の伸びは、いままで二級の方が伸びていないと、逆に減少という、そういう姿はお酒の税体系そのものから出てるんじゃないかという疑問があるわけでありますが、その点はどういうようにお考えになっておりますか。
#295
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税制度がおっしゃいますように、清酒の級別の消費に影響いたしております点は、確かにそれは価格に反映をいたしますから、その点において影響することは否みがたいと思いますけれども、やはり全体的には、私は消費は、所得の上昇に伴いまして高級化するにつれまして、清酒といわず他の種類のお酒につきましても、高級化の傾向が見られます。したがいまして、清酒の中でも従来二級が大半を占めておりましたけれども、今日ではむしろ一級の方が非常に大きくなっておるということは、消費生活の中で、清酒を飲むならば一級酒の方がいいという消費者が多くなっておるためであろうと思っております。同じように、やはり特級酒の伸びも二級のそれに比べますればはるかに大きいわけでございまして、そういうことから、清酒の特級、一級がかなり二級に比べて大きなウエートを占めてきたという原因になっておると思っております。
#296
○鈴木一弘君 いわゆる酒税制度のために片っ方は高い酒になり、一方はそこまでいかない、こういうふうないろいろになると。そうして二級と一級と特に大きな差がなければ、金額のですね、いま言われたような、どうしても本来は二級がお酒の中心のはずでありますけれども、それが一級であるとか、あるいはさらに純米醸造というようなものに走っていくと、こういうことだろうと思うんですけれどもね。そういうことになると、わざわざ安い二級の消費というものを政府みずからが減らさしているというような結果になっているんじゃないか、そういうふうな感じを持たなきゃならない場合が出るんじゃないか。だから、その点はいかがでございますか。
#297
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かにどうも、たとえば清酒を買いに参りましたときに、値段よりも二級という呼称がいかにもより程度の悪いお酒という印象を与えるのは、私は事実だろうと思っております。
 で、級別課税といいますのは、前回も御説明いたしましたように、あの当時のマル公制度というのを頭に置きながら、より高いお酒についてより高い負担をしていただくというために、しかも、それを従量税の形で取るというようなことから発足いたしたと思っております。それが、一面におきましては、先ほど言いましたように、その級別制度に伴います呼称がどうもイメージをあるものについては傷めたということが、全体的な消費生活の向上の際に一つ阻害要因になったということは事実であると思っております。
 それから、もう一つは、やはりこの級別課税制度の中におきましては、どうしてもある程度の価格帯というものを想定しながらそれに相応する従量税率でございまするから、その価格帯の枠内において何としてでもやりくりをしなければならないということになりますと、いろいろメーカーのアイデアを生かす余地というのがかなり制限をされてまいっておりました。それは、一層、今日のように米の入手が自由になった段階におきまして、これも今朝来のお話のように、昔ながらのようなお米だけの清酒をつくるというような形、あるいはもう少し味の違ったものをつくる、またびん型で独特のアイデアを出すというようなことになりますれば、いよいよその価格の展開ということが必要になってくるわけでございます。価格が展開しなければならないというときのどうしても一つの桎梏になりますのは、この級別課税制度でございます。したがって、そういう意味から申せば、やはり本来の消費税の原則に立ち返りますれば、高い価格を投じて消費をする方に高い税負担をしてもらうということを、今日のような級別従量税制度でもって果たすのがよろしいのか、ごく一部酒税制度の中にも導入をいたしておりますけれども、従価制度というものを考える方がよろしいのかという問題が実は基本的にあるわけでございます。で、これはかねていろいろ私どもの方でも勉強はいたしておりますけれども、何しろ長い間酒税の根幹となっております従量税制度を一般的に従価税制度に切りかえるということについては、それぞれのまた障害がございまして、今日までこのような形をとってまいっておることもまた事実でございます。
#298
○鈴木一弘君 課税方法が、いま話されたように、従量税であるけれども従価税も高級なのはとっていますね。それでその両方をとっている、今度の改正案を見ても、従量税の引き上げということで、まあいままで以上に級別の課税差というのはそうすると大きくなる。いままでの二級と一級との差あるいは一級と特級との差よりも、今度の方が二級と一級、一級と特級の差というものが拡大してくる。いままで一級と特級との差が十一万幾らですか、キロリットルですね。片っ方は十四万円に今度はなってくると。そうなってくるということ自身、もうこの辺で従量税というもの自身を考え直さなけれいけないところへ来ているんじゃないのかと。一級だから少なく、特級だからたくさん取らなければならないという、そういう級別の従量税の考えというのは、もうぼつぼつ変えるときが来ているんじゃないかというように思う。だんだん差が大きくなるということは問題です、これは。本来なら、この間に一級、二級、三級、四級、五級というようにこうすればまだいいんでしょうけれども、段差、差が大きくなればなるほど、いわゆる級別の課税差が大きくなるほど、これは従量税本来の姿としては好ましくないというふうに思わざるを得ないわけですが、その点はいかがですか。
#299
○政府委員(中橋敬次郎君) いわゆる高級酒類につきまして、増税の回を重ねてまいりますと、御指摘のように級別の税差が拡大をいたしてまいります。その点は確かに一つの問題点でございます。それをたとえば従価税制度を採用いたしましたときに、一・八リットルの清酒について、たとえば二千円で売っておるものと、九百円で売っておるものにつきまして従価税率を同じにしていいかという問題は、やはりなお従価税制度のもとにおきましても研究をしなければならない問題でございまして、私どもはやはり、従価税制度をとったとしましても、一本二千円の清酒と九百円の清酒についての税負担率というものが同じであるよりは、やはり高級な酒類についての負担率というのは高くなくてはならない。したがいまして、従価税制度をとりましたときにも、ある程度の段階税率というものは想定せざるを得ないというふうに思っております。しかし、ただ、その場合にも、いまの従量税制度のような格差が果たしてよろしいのか。もっと価格差に応じましたところにかなりきめ細かい税差というのが出る方がよろしいのかというのは、従価税制度の問題研究の際には一つのテーマでございます。
#300
○鈴木一弘君 どう見ても従量課税でもって日本酒の税の徴収上の理由からいろいろ差がつく、それで、従量課税ですからつく、そのために税額に大幅な差ができてきた。そうなったならば、いま言うように確かにランクを細かくするかしかないわけですね。あるいはそうでなければ従価税に持っていく以外にない。昭和四十六年八月の長期税制答申にも、「さらに、清酒については級別を前提とした従量税制度により商品の多様化とそれに伴う価格の自由な展開が阻害されるという問題がある。」とはっきり指摘をされている。この中で、「今後における酒税のあり方としては、わが国における酒類産業の動向等に配意しつつ、より一般的に従価税制度を導入する方向をとるべきである」と、ここにはっきりと出ているわけです。これは、言えば、もういまの級別の従量税制度というものよりも、従価税制度に入らなければならないということになってきているわけです。長期税制答申でここまで出ているのに、非常にのんびりしているというか、今回の改正も従量税だけであるということで、その点一体、政府としては検討をするということでありながらしないということになると問題だと思うんですが、どうなんですか。
#301
○政府委員(中橋敬次郎君) 従価税制度について、もちろんいまお話しのような税制調査会の答申の前後から研究をいたしているわけでございます。従価税制度については、先ほど私が申しましたようないい点も多々あるわけですけれども、またその反面、それは一部のお酒にとりましては従価税制度のメリットを阻害してしまうという反論もあるわけでございます。たとえば従量税制度でございますれば、価格の上昇がありましても税負担は一定でございますから、そういう心配はありませんけれども、従価税制度になれば、コストの上昇によって価格が上昇いたしましても、それに伴って税負担がふえるわけですから、どうしても加速度的に価格が上昇せざるを得ないということになりますから、そこのところで販売する側に立ってみますれば、コスト上昇のための価格引き上げのときには税負担の上昇を伴うということまで考えなければならないという難点があるわけであります。そういう点を一体どういうふうに今後考えていったらよろしいのか。なかなか一挙に、先ほど御指摘のような、産業界の動向を勘案しつつ従価税制度に移行する方向という指摘がございましたけれども、その辺の調整をうまくやりながら、しかも新しい、先ほど申しましたような価格の展開と、清酒の新規分野を開拓する方向とをかみ合わせながらやっていかなければならぬと思っております。
#302
○鈴木一弘君 これは昭和四十六年八月の長期税制答申ですよ。その中にはっきりと「従量税制度によっているため、酒類に対する消費支出の伸びに対応した税負担を求めるのには必ずしも適当な仕組みとなっていない」と、こうはっきりと言っているわけです。ということは、従価税制度を考えなければだめですよということの、これは一つの間違いない点だと思う。それに対して、昭和四十七年六月です。これは、大蔵省の中から出た改正試案という酒税制度、清酒の改正試案がございます。こういうのを見るというと、級別制度を廃止するとか、いま主税局長が心配していたようなことを取り除くために価格群別従価税制度にしろとか、そういうことの問題点まで指摘をされている。私は、そういう点で、非常にこれは前進的なものを考えてきたんだなと。話によれば、こういった試案を出した後、これはぽしゃっとつぶされたという話も聞いているのですけれども、こういう点から見ると、もはや、いつまでもいつまでも従量税制度にして、そうして一級、二級、特級という形にしておいて、そのためにどんどん課税差が大きくなるばかりという非常に変な負担なんですね、ですから。確かに、局長の言うように、お金のある人は高い酒を飲んで税金をたくさん納めればいいだろうと言うけれども、その中間の人は一体どうするんですか。それじゃ、特級と一級の間を飲みたい、そのくらいの負担が適当だという人だってあるかもわからない。となれば、やはり確かに価格群別な従価税制度というものを考えなければいけないところに来ていることは間違いないと思うのですね。私は、そういう点で、大臣はこれはいかがお考えでしょうか、その点ひとつお伺いをしたいと思うのですが。
#303
○国務大臣(大平正芳君) 一般論として、従量税、従価税、それぞれのメリットもあり、デメリットもあるわけでございますが、今日のような状態におきまして、従量税から従価税に移行すべきであるというお説が、私はより実態にも合っておりまするし、説得力を持っておるものとも思うのでありますが、制度の改正は重要でございますので、今後とくと検討させていただきたいと思います。
#304
○鈴木一弘君 これは、とくと検討、と。本当にそういうところに来ていると思いますので、特に大蔵省の中からこういう試案が出たぐらいでありますから、さらに検討を進めていただきたいと思います。
 それから時間があと二分だそうでありますので、資料を要求して終わりたいと思いますが、ビールの寡占問題について、国税庁長官の諮問機関として、ビール寡占問題研究会がつくられている。昭和四十八年十月に中間報告をされた。その内容をひとつ聞かせていただきたいと思うのです。時間がございませんので資料として出していただきたい。
 いま一つは、この研究会はその後どういうように検討を進め、また今後どう進めていくかという日程等が私はあるだろうと思います。それについての資料と、両方を御提出を要求いたします。
#305
○政府委員(星野孝俊君) 後ほど、資料取りそろえまして、提出いたします。
#306
○委員長(桧垣徳太郎君) もう一度。よく聞こえなかった。
#307
○政府委員(星野孝俊君) ビール問題研究会の内容でございますが、後ほど御提出申し上げます。
#308
○近藤忠孝君 お昼前からの議論の中で清酒の製造過程でのアルコール添加のことが問題になりました。私は、その是非は別問題としまして、清酒をつくる上でのアルコールの原価への影響について質問したいと思います。
 その前提として、まずお伺いしたいのは、アルコール専売事業の中から、酒造用アルコールは外されておるようですが、なぜ外されているのか。いつごろからそうなったのか。このアルコール専売事業の趣旨とも関連させて御説明いただきたいと思います。
#309
○政府委員(中橋敬次郎君) ちょっと正確な経緯を持っておりませんので、記憶で恐縮でございますけれども、アルコール専売事業は、第二次大戦の中で、いわゆるアルコール、酒造用原料でないアルコールの必要性から生まれたものと思っております。したがって、そのときからこの酒税の対象といたしますアルコールとは別個の取り扱いをしてきたと思っております。
#310
○近藤忠孝君 通産省から聞いたところによりますと、もともとは一緒だったものが途中から別になった、このように聞いておるのです。別にするにはそれだけの理由もあると思うのですが、どうしてそうなったのかについてはおわかりになりませんか。
#311
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど第二次大戦のさなか、途中と言いましたけれども、正確には昭和十二年からアルコール専売事業というのが始まったようでございます。もちろんそのときには飲料としてのアルコールというよりは、当時の燃料自給政策に対応いたしましてアルコールを専売的につくるということでございます。したがいまして、酒税法はいわゆる致酔飲料としてのアルコールを規制するというものでございますから、本来目的を異にいたしております専売アルコールは、その対象外としたということでございます。
#312
○近藤忠孝君 昔はアルコール専売事業として酒造の原料の方も供給しておったようですが、これがむしろ酒造メーカーの方からみずからつくるようになって、だんだん離れてきた、こういうように聞いておるのですが、そういう経過はないのでしょうか。
#313
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かに、専売アルコールを酒類の原料用アルコールに使っておったという時代はございます。もちろんございます。
 それから、おっしゃいますように、たとえば清酒メーカーが大同団結しました会社をつくりまして、そこで原料用アルコールをつくっておった時代もございます。戦後ももちろんこの専売アルコールといいますものを酒類の原料用のアルコールとしてずっと使ってまいりましたけれども、だんだんその需要はむしろ酒類業者の方からなくなってまいりまして、専売アルコールといいますものはまた別途の、本来の事業目的に大部分使われるというようなことになってまいりましたけれども、その間におけるまた競合関係というのも今日存在しておるようでございます。
#314
○近藤忠孝君 制度の趣旨として酒造用のアルコールを別にしておくというそれだけの意味ですね。なぜ別になっておるのか、この点をちょっと御説明いただきたいと思います。
#315
○政府委員(中橋敬次郎君) 本来酒税は、先ほど申しましたように、致酔飲料としての酒類に対して税金を取るのが目的でございますから、一たん仮に専売アルコールも含めまして一度以上のアルコール含有物について税金を取るということにいたしましても、最後の用途が、たとえば専売アルコールは大部分致酔飲料にならないものでございますから、還付をしなければならないというような事態が恐らく手続上起こってまいりましょうから、アルコール度数か何かで初めに分けてしまいまして、およそ原料用アルコールとして動きますようなときには、まず酒税をかけないでおきまして、最終の、致酔飲料としての最終消費段階に至りましたときに酒税をかけるというのが、この酒税制度の本来ではなかったかと思っております。
#316
○近藤忠孝君 それはもちろんわかるのですけれども、ただ、実際これも調べてみますと、アルコール九十五度の一キロリットル当たりの値段ですが、専売事業の方は大体十五万円ぐらいで販売しておる。ところが、民間アルコールメーカーの方は大体二十五、六万円である。こういう価格差が出ているわけです。なぜ出てきておるのか。同時にこのことが逆に酒造原料としての原価の高くなってくる、そこにつながってくると思うのですが、この辺についてはどう理解しておられますか。
#317
○政府委員(中橋敬次郎君) やはりアルコールをつくります場合には、原料によってかなりコストが違ってまいると思います。たとえば、カンショでん粉からつくります場合あるいは外国から輸入します糖蜜を主とします場合によってはうんとコストが違ってまいりますから、恐らく専売アルコールはおっしゃるように非常にコスト的には安い値段で売られておるようでございまして、それはそういったコストの問題、それから人件費の問題、いろいろな要素が絡み合っていると思っております。問題はやはり、そういうコスト差がありますものが同じような分野で競合いたします場合に確かに一つ問題が生じておるということでございます。
#318
○近藤忠孝君 単にコストの問題だけではなくて、民間のアルコールメーカー、ということはこれは独占大企業ですね、となりますと、かなりカルテルその他の方法によって値段を上げていくことが可能じゃないかということを私は申し上げたいんです。現にこれは昨年の三月三十七日の参議院の物価等対策特別委員会において共産党の沓脱議員が、昨年の段階で、このメーカーの間でカルテルがあったんじゃないか、あるいは不公正な取引があったじゃないか、こういった指摘があったわけです。これはあるいは御存じないかもしれませんが、この点について公正取引委員会にお聞きしたいんですが、このときの指摘に対してどう受けとめ、どう調査をされたか、御答弁いただきたいと思います。
#319
○政府委員(熊田淳一郎君) 昨年、ただいま御指摘の御質問がございまして、公正取引委員会といたしましてまず予備的な調査をいたしました。これはカルテル事件というようなものになりますと、これを公にいたしまして調べるということになりますと、どうしても証拠を隠滅されてしまうおそれがあるというところから、私どもといたしましては、できるだけ相手方にわからないような方法でまず予備的な調査をいたします。それによりまして、共同して行われたかどうかという共同行為の有無につきまして、まずいろいろな資料を収集するわけでございます。その作業をいたしたのでございますが、遺憾ながらその資料からは共同行為があったということを裏づけることができなかったのでございます。そこで、私どもはカルテルにつきましては、立件をすることがむずかしいという判断をいたしました。
 それから、不公正な取引方法の有無でございますが、これも不公正な取引方法を立件をいたします場合に非常にむずかしい点は、この行為が現に行われておるかどうかという点でございます。いろいろな覚書を交付をしたとか、あるいは文書を交付したとかいうような点がございますけれども、すでにこれは既往の行為になっておるわけでございます。そういうような点もございまして、この点も正式の事件として立件することが非常にむずかしいというふうに私どもは判断をいたした次第でございます。
#320
○近藤忠孝君 これは午前中のビールの問題と同じように、お互いの共同行為があったかどうかむずかしいということがありますけれども、それはどういう資料で判断されたのかということなんですね。これは沓脱議員も示したように、たとえば協和醗酵工業株式会社から各酒造メーカーに回された文書、さらにそういった文書を回しておいて、覚書というようなものですね、で、どうしてもそれは契約しなければいかぬような――しかも、その契約によりますと、すでに供給されている分の半年もさかのぼって上げてしまうというのですね。いわば弱味につけ込んだ、そういう取引まであった、こういう状況があるわけです。で、具体的に国会の段階でそれだけの資料が示され、さらにそれ以上の調査をしたのかどうか。あるいはこれだけの調査で、これだけの資料で判断されたのかどうか、その点いかがですか。
#321
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいまお話のございました資料だけで判断したわけでございませんで、私どもはそのほかにいろいろと資料の収集はいたしました。具体的にはこれは審査の内容にわたりますので申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういういろいろな資料をもとにいたしまして判断をしたわけでございます。
#322
○近藤忠孝君 一々全部具体的に明らかにしろとは申しませんけれども、ただその他の資料と申しましても、それだけで果たしてやったのどかうか、なかなかやっぱり疑問に思うわけです。と同時に、昨年のいまごろ――三月ごろにいろんな便乗値上げ等々にありまして、公取もずいぶん忙しかったんだろうと思うんですね。となりますと、これは十分調べられなかったんじゃないかという、こういう疑問もありますし、現に三月二十七日の委員会では、沓脱議員はかなり激しく迫っておるんです。ところが沓脱議員のところへは一向に報告もない。一体どうなっているのか、この辺についてはどうですか。
#323
○政府委員(熊田淳一郎君) 確かにあの当時いろいろな案件を抱えておったことは事実でございますけれども、しかしながら、本件につきましても、私どもはできるだけの予備調査はいたしました。
 なお、沓脱議員に対しましてその結果につきまして御報告が漏れておったということは、これははなはだ申しわけないと思いますので、これからでも申し上げたいと思います。
#324
○近藤忠孝君 共同して行ったという資料は確かにむずかしいと思うんです。ただ、一定の外形的事実から見ましてかなり推定できる部分もあるんじゃないかと思うんですね。これは確かに沓脱議員が指摘したとおり、たとえば四十八年十二月からいままでの額に比べて二万四千七百円を、たとえば三楽も、さらに協和醗酵も、宝酒造もです、要するにでかいところ全部一斉に上げたわけですね。しかも、一斉にメーカーにその値上げを求めているという、それだけの事実もありますし、さらに不公正な取引と見られる部分、たとえば過去にさかのぼってこれだけの値段を上げろというんですね。そういうような要求も現にあるという。しかも、覚書ということで判まで押させようというんですね。そういうような状況まであれば、これは相当程度疑わしい、その疑わしさが推定できると思うんですけれども、この点そう判断されなかった根拠はどうでしょうか。
#325
○政府委員(熊田淳一郎君) カルテル容疑につきましては、最初に申し上げましたように、共同行為があったかどうかというところが一番のポイントになるわけでございまして、同じような値幅で値上げが行われたからと申しまして、それによって共同行為があったというふうに推定をすることはこれは困難でございます。したがいまして、その値上げの実態と同時に、そういうような値上げをすることについて共同謀議が行われたかどうか、それについての資料がございませんと、カルテルの立証ということが困難なわけでございます。
 それから、不公正な取引方法でございますが、これにつきましても、最初に申し上げましたように、そういう過去にさかのぼって値上げを強制するというところに不公正な点があるのかどうか、これももちろん一つの点ではあると思いますが、むしろそれよりも一番基本的な点といたしまして、不公正な取引方法というのは、現にその不公正な取引方法が行われておりませんと、私どもは問擬するわけにまいりませんので、過去におきまして仮に不公正な取引方法が行われたといたしましても、現時点ではそれが行われていない場合には問擬することが不可能であると、こういう点から私どもはむずかしいというふうに判断をしたわけでございます。
#326
○近藤忠孝君 そうしますと、昨年のこの事例の場合にはどちらなんですか、現に行われてなかったのか、その点どうなんですか。
#327
○政府委員(熊田淳一郎君) この御質問がございましたのは昨年三月二十七日でございまして、そういう行為が行われておりましたのは四十八年の十二月ということでございます。
#328
○近藤忠孝君 そうしますと、過去に十二月に行為が行われておったと、その事実は認定されたわけですね。
#329
○政府委員(熊田淳一郎君) それが不公正な取引方法に該当する行為であるかどうかということは認定がまたなされておらないわけでございまして、その疑いがある行為でございますね、疑いがある行為は四十八年の十二月であったということでございます。
#330
○近藤忠孝君 ですから、四十八年十二月の段階に疑わしい行為があったと、そこまで認定されたわけですね。しかも、具体的資料から見ますと相当程度疑わしい。しかも、これは具体的な生産量、特にシェアなどを見ますと、もうほとんど独占的に扱っておりますし、片や、これも午前中から問題になっておるとおり、日本中の清酒メーカーは特にやっぱりアルコールがないと実際にやっていけない状況でありますし、さらに一番大きな協和発酵、ここなどは、日本の酒の二分の一は自分のところの影響力があるんだと、そうまで豪語しているそうですね。となりますと、こういう大きな力を持ち、しかも、影響力を持っている、そういう地位を利用して、こういう覚書まで書かせようとする。なれば、当然疑わしさどころか、かなりな具体的事実と認定ができるところまでいくべきだと思うのですが、そこをなぜこれだけの事実がありながらそう認定されなかったのか、そのことをお伺いしたいのです。
#331
○政府委員(熊田淳一郎君) これはもうたびたびお答え申し上げておりますけれども、違反行為の行われておったか、おらなかったかというところで、まず私どもは正式の事件とするか、しないかというところを区別をいたすわけでございまして、その点から私どもは正式の事件にしなかった、こういうことでございます。しかしながら、こういう寡占的な業界におきまして相当な値上げが、協調的といいますか、同調的といいますか、同じような時期に行われるという問題につきましてはその間にカルテルが介在するとか、あるいは優越的地位の乱用行為が介在をするとかいうようなことがあってはならないのでございまして、そういうような点につきましては、今後私どもはさらに監視の目を光らせていきたい、こういうふうに考えております。
#332
○近藤忠孝君 そうしますと、正式の事件としては取り上げなかったけれども、監視の目を光らせていくということでありますが、監視の目を光らせているのは対外的にはわからぬわけですね。となりますと、正式に事件として取り上げなかったけれども、そのほかの措置は何かおとりになりましたですか。たとえば具体的に注意するとか、そういったようなこと。
#333
○政府委員(熊田淳一郎君) その警告とか、そういうような指導の方法がございますけれども、昨年三月二十七日の御質問のこの案件につきましては、そういうような措置はとっておりません。
#334
○近藤忠孝君 要するに上がりっぱなしになったということだと思うのですが、そこで次にお伺いしたいのは、この段階で二万四千七百円、一キロリットル当たりですね。その少し前にも値上がりになっているということで、ずっと値上げが激しかったわけです。これが清酒の製造原価にどの程度影響を及ぼしたのか、これはどちらでおわかりになるのでしょう、公取でしょうか、大蔵省でしょうか。
#335
○説明員(高木壽夫君) 一升当たりで申し上げまして四、五円程度と見ております。
#336
○近藤忠孝君 そこで、具体的な製造原価の問題について入っていきたいと思います。
 これは大塚委員の方の要求によって出された表を利用させていただきたいと思うのですが、この表を一読して奇異に感ずる点は、大メーカーの製品の方が原価が割り高になっておるということ、実際いろいろな面でかなり経費のかかるはずの、そしてまたいまも問題になりましたようなアルコール等の値上げが直ちに響いてくると思われる中小、特に小規模メーカーの場合の方が割り安になっているという、この辺でこの表自身に私は相当な疑問を感ずるわけであります。
 そこで具体的にお伺いいたしますと、たとえば原料費の中で、この表では「米代」と「その他」となっています。これを小規模業者で見てみますと、C−1はその他は二十九円でありますけれども、果たしてその他の原料費がこんな二十九円程度で済むものかどうか。私の別のところから入手している資料によりますと、とてもそんなものじゃもたぬ、もっともっとかかっている、こういう具体的なデータがあるんですが、果たしてこのような原価なのかどうか、この点いかがですか。
#337
○説明員(高木壽夫君) 「米代」の下の「その他」でございますが、二十六円、二十九円といったような数字が出ておるわけでございますが、これの中身は、一つはアルコールそれから糖類、そういった副原料代がその中身でございます。
#338
○近藤忠孝君 ですから、私がお聞きしたのは、二十九円で済むのかどうかという、もっと実際これをかなり上回っているんじゃないかというのが私の質問の趣旨なんです。
#339
○説明員(高木壽夫君) 御質問でございますが、これは四十八酒造年度生産清酒の原価ということでございまして、こういった数字をお示しする以上に、私、目下、先生の御質問にお答えするような材料一切持っておりません。
#340
○近藤忠孝君 そちらが材料をお持ちでなければ、私の方の入手した一つの資料を申し上げますと、米代は同じですね。それに対してアルコール代は二十三円五十三銭、それから糖類は十円二十七銭、その他が二円三十一銭全部で百四十円三十銭になるわけですね。失礼、もっと高いです、全部で労務費その他を含めますと、百七十九円十九銭なんです。そういう点では、私はこのデータはどこからお取りになったかわかりませんけれども、そういう点では小規模メーカーについてはかなり割り安に見ているんじゃないか、実際にもっともっとかかっているものを割り安に見ているのじゃないかと、逆に大規模メーカーは、先ほど大塚委員の御指摘もありましたけれども、これは少し高く見過ぎているんじゃないか、こういう疑問を感ずるんですが、いかがでしょうか。
#341
○説明員(高木壽夫君) 製造費のところで、大規模と中小とを見てみますると、大規模の方がおよそ二百円、それから中小へまいりますと百六十円といったようなことで、大ざっぱに見ましても、四十円程度の開きということになるんでございますけれども、どうしてそういうことになるのかなということを考えてみますと、一つには、自製酒とおけ買い酒というものがあるわけでございますが、大規模業者の場合に、そういったおけ買いという行為があるわけでございます。したがいまして、恐らくこのA−1のケースあるいはA−2のケースにおきまして、おけ買いという部分があるに違いないと思っております。それに比しまして、中規模あるいは小規模の四つのケースにおきましては、そういう部分はないに違いない、こういう一つの多分合理的であろうと思われる推定ができるわけでございますが、その点があるということと、それから自製酒自体で比べてみました場合にも、大規模業者の場合におきましては、製品におきますアルコール分が高いとか、あるいは米の使用割合が多いとか、比較的高価な米を使用している、そういったようなことが働いているに違いない、このような理解を一応しているわけでございます。
#342
○近藤忠孝君 そういう点での製造費についてもかなり疑問がありますが、同時に詰め口の関係で申しましても、国税庁提出の資料ですと、容器包装費等、それは小規模の場合七十三円と七十四円、こうなっております。ところがこれ、私の入手している資料によりますと、容器代だけで百八円、それから包装材料費は二十七円、となりますと百三十五円も実際小メーカーはかかっているわけです。となりますと、ますますこの表の確実性がだんだん疑わしくなってくる。というのは、私の持っている資料が疑わしいのか、国税庁の出したのが疑わしいのか、どちらかこれは実際調べてみればわかるんですけれども、そういう点で、この表は本当に自信を持って出されたものかどうか、この点いかがですか。
#343
○説明員(高木壽夫君) 容器包装材料費について見てみますると、大規模では百三十円、それから中小では七十円、八十円ということになっておりますが、この容器包装代の中身は、お話のようにびん代であり箱代であり、細かくなりますが、ラベル、王冠、そういったものがそれの中身であるわけでございますが、どうして大規模の方が数字が高くなるのかという点は、大規模業者は、これは一般的な話になりますが、全国的な広い市場を持っている業者が多いということ、それからそういうことからびんなり箱なりを回収することが困難である、それから仮に回収したといたしましても、その方がコスト的に高くつくということでございますから、そういうような事情がございますので、どうしても新しいびん、それから新しい箱というものを比較的多く使わざるを得ない、そういう事情があるわけでございます。他方中小におきましては、一般論になりますけれども、大規模業者が流通場裏に投入しましたびんなり箱なりを回収して、つまり中古と申しますか、そういったものを使用しているというケースが一般的である、こう申し上げ得ると思うのでございます。そういったことからいたしまして、当然ながら新びんの方、これを使いまする大規模業者の方がこのびんのコストは高くつく、そういう理解を私ども一応しておるわけでございます。このケースとして六つのケースを御提出いたしておるわけでございますが、これについて自信があるのかという御質問でございますが、なかなか答えにくいのでございますけれども、やはりこれは一つの実例だという意味で私どもは自信を持っておる、こういうことでございます。
#344
○近藤忠孝君 大規模メーカーの方が容器包装材料費等に比較的よけいにかかるということは、一つの説明としてはわかります。ただ、一面大量生産できるわけですから、それはまた経費も浮きますから、そういう点での別の安くなる面もありますので、そう一概に言えないと思うんですが、私が指摘したのは、特に小規模メーカーの場合、容器代だけで百八円、包装材料費二十七円を含めますと百三十五円もかかり、ここに七十三円から七十四円とある数字がどうも根拠がないんじゃないかということなんです。念のため申しますと、人件費は十六円から十八円になっておりますが、私の資料によりましても、十八円です。これはいいと思うのですが、ただそのほかに、その他が十六円ということですが、これもほぼ私の資料と同じです。となりますと、大体私どもの資料も国税庁の資料も、ほぼ同じようなところから出ているのだと思いますが、しかしそれにしても、容器包装費がこれほど違ってくるということは、これは大分この資料の信憑性が疑われる理由になってくると思うのです。そういう点では、これはもう一度十分に調査されまして、もっと確実なものを出していただきたいというぐあいに考えます。
 そこで、さらに先に進みますが、そういった幾つかの指摘がありますが、結局合計でどうなるのかということになりますが、国税庁の資料ですと、総原価がC−1の場合には四百九十一円、C−2の場合には四百八十三円、こういうことでありますが、私の方の資料は、先ほど指摘した幾つかの問題点ありますので、合計しますと、五百二十四円なんです。かなりの違いになってきますね。現に大規模メーカーに比較しまして、やはりどうしても割り高になってくるというのは、これはやっぱり実感でありますし、私ども調査してそのことは確実にわかるわけです。となりますと、そういう点でも、全体の比較から見ましても、この資料をもう一度検討をしていただきたいというように考えます。
 そこで、次に指摘したいのは、これは一昨日も指摘しましたけれども、中小メーカーの場合には、この上さらに値引き問題とかリベートとかいう問題ありますし、これも具体的にビラで示したように、かなりな無理をして売っている。たまたまその「雷王」の件の場合には、これは出血ではないようでありますけれども、そのほかに出血して売っている例がずいぶんあるということを申し上げたいんですが、そこで、出血して売っている結果実際どうなっているのか。これは、たとえば日本酒造組合中央会の資料によりましても、欠損企業数がずいぶんふえていますね。欠損企業数が、この中央会の資料によりますと、四十六年の段階で、全企業三千三百二十二社のうち七百二十八社、それから四十八年になりますと、これが三千百九十二社のうち七百三十五社、全体の企業数が減って欠損企業数がふえているわけでありますから、パーセントから見ますと二一・九%から二三%にふえている、こういう事態です。この欠損企業増加は、これは国税法でもつかんでおると思いますが、私の手元にはこの二年しかありませんので、もしおわかりになればこの前後何年か御指摘いただければありがたいと思うんです。
#345
○政府委員(星野孝俊君) ただいまの欠損企業の比率、調べまして、暦年出ておりませんもんですから、必ずしも御期待に沿えるような数字あるかどうかわかりませんが、至急調べてみます。
 それから、先ほど小規模業者の原価のところで、五百二十円というお話がございましたんですが、そういうことになりますと、この現在の二級酒の一般的な価格、九百三十円となっているわけでございますが、その場合の生産者価格というものは大幅に原価を割り込んでしまうわけですね。そういうものをスタートから想定して赤字の価格を設定するということは、まあ常識では一般的にはなかなかあり得ないんじゃないか、やはり価格を設定する際は、大体の企業は収支とんとんないしは採算がとれるというところで価格が設定されてしかるべきもので、初めから赤字を想定したそういう価格決定ということは従来の常識からするとちょっとなかなかない。最近は特に実は若干需要が落ち込んでおりますから、コストが上がってもそのコストを直ちに価格に転嫁するということはなかなかむずかしいような情勢のようでございますけれども、従来の経緯から言うと、そういう初めからコストが割れるような、そういう価格を生産者が設定するということはあり得ないように思いますので、私もちろん近藤先生の数字は根拠のある数字だと思いますが、私どもの数字もこれは何ら作為もございませんので、その点はひとつ御信用いただいて、この数字で御了承願いたいと思うわけでございます。
#346
○近藤忠孝君 あるべき姿と、現実にある姿とはやっぱり違うんだと思いますね。そして、いまのように、間税部長のように、そういうのんびりしたことを言っておれば、私が指摘したような欠損企業が二三%も出てくるということはあり得ないわけです。現実に中央会の資料によって具体的に明らかなように、欠損企業が七百軒以上も出ているわけですから、となれば、私が指摘したようなこういう原価で実際にもう泣く泣く製造している中小メーカーがたくさんあるということは明らかじゃないでしょうか。少なくとも七百軒以上あるということは明らかだと思いますし、また、この資料によっても、欠損には至らないけれども、年間の所得が五十万円未満の企業、これもたくさんあるわけですよ。これも、中央会の資料で申しますと、四十六年の場合には一千七百二十四、それから四十八年の場合には一千六百八十九です。恐らくこれは何億と売っているはずです。何億と売っておって、あるいは数千万円売っていますね。そしてそのうち利益が五十万円未満というのは、本当にこれは割りの悪い、それはもう赤字すれすれのところだと思うんです。それが数で申しますと、四十六年の場合には五一・九%です。それから四十八年の場合にはやはりふえまして五二・九%、となりますと、もうほとんどの中小メーカー以下が赤字もしくは赤字すれすれでやっておる。となりますと、先ほどの原価の問題も、国税庁の出された一定の利益が出るような原価と、私が示したもうそれはぎりぎりか、あるいは赤字になる原価の状況と、どちらが正しいかというのです。まさに、客観的事実が示しておると思うんですが、いかがですか。
#347
○政府委員(星野孝俊君) 欠損企業の実態について申し上げますと、四十七年度が二二・七%でございます。それから四十五年度が二一・八%、四十三年度が二〇・九%、こういうことでございます。それで、確かにおっしゃるように、こういう数字が示しておりますので、それからまた先ほど先生が御指摘のように、税引き利益が五十万円未満というような非常に利潤の少ない企業、そういうものが相当なウエートを占めておる、これも事実でございます。したがって、確かに先生のおっしゃるように、この原価以上に実際に経費がかかる。たとえばそれはどこでかかっておるかわかりませんが、先生のおっしゃるようにあるいは原材料費でかかっておりますか、あるいは他の、たとえば大手企業との対抗上、たとえば販売促進費を払わざるを得ない、こういうケースも非常に実は多いと思うんです。そういうことで、確かに収益利益は余りよくない、それからまた赤字企業が相当ある、これは私も決して否定するものではございません。ただしかし、この数字そのものは、何か作為した数字がどうかという、何か若干そういうニュアンス――まあ先生の数字が正しいか、こちらの数字が正しいかということでございますが、恐らく私は、この数字も正しいし、それから先生のお使いになったその数字も、その企業についてやはりまさに実態を表現しておるものだと、このように思っております。
#348
○近藤忠孝君 ですから、少なくとも国税庁の出した資料というのは、四十八年度で申しますと、二三%の企業の実態をあらわしていないと、さらに場合によりますと、五十万未満の企業ですからね、こんなのはもう赤字そのものだと思うんですよ。となりますと、五二・九%の企業の実態も示さない。そして残った四七・一%の企業の状況を示している。となりますと、半分以下の実態しか示さないものを国会に出して、それが原価でございますと言うのは、これはちょっとやはり国会の審議に協力する態度とは言えないと思うのですが、どうですか、大蔵大臣、その点につきまして。
#349
○政府委員(星野孝俊君) 先生のおっしゃることも確かに、私どもの数字から見ましても、赤字企業があるということは事実でございますので、この小規模企業のC−1、C−2のケース、さらにはみ出す、実態的に言えばさらに経費がかかって、実質規模の生産者利潤が三角になっておるという企業が確かにあると思います。事実あることは間違いないわけでございます。しかし、それは事実でございますけれども、この数字そのものは決して、これ自身はこれで正しい数字だということをひとつぜひ申し上げておきたいと思うわけでございます。
#350
○近藤忠孝君 ですから、私は、それがうそを書いたとは、それは言ってないんです。ただ、少なくとも実態をあらわしたものではないという指摘だけをしたわけなんです。
 そこで、大蔵大臣、助け船があったので別の質問をいたしますけれども、このように五二・九%の企業が五十万以下の状況だと、そのうちさらに二三%がもう赤字であるという、こういうような状況に日本の中小酒造メーカーは置かれているわけです。で、こういった酒造メーカー、これは二級酒ですから今回の値上げには直接つながりませんけれども、しかし、こういう赤字もしくは赤字すれすれでやっと営業している企業にこういう多額の税金をかけるというその実態そのものをどうお考えになっておるか、この点御答弁いただきたいと思います。
#351
○国務大臣(大平正芳君) たびたび私申し上げているように、産業経済がございましての税金でございまして、税金に健全な産業経済が生み出すしずくでございます。したがって、経済が非常に冷え、疲れておるとき、力の弱いとき、重い税金をお願いするなんということはできないはずで、そういうことはすべきではないというわけでございます。で、私どもといたしましても今回酒税法改正をお願いするにいたしましても、そういった点は私どもなりに考えてあるつもりでございます。
#352
○近藤忠孝君 私の指摘した問題は、経済の冷え込みもさることながら、もっともっと大きな問題、要するに日本の中小酒造メーカーが具体的には原価から見ましてもなかなか採算の合わない状況に来ているという、そういう実態だと思うんです。じゃ、やめちゃえばいいじゃないかという意見もあるかもしれませんけれども、しかし、これは実際に日本の清酒を守っているのは、支えているのは、ほかの委員からも指摘ありましたけれども、いわば地方の酒ですね、地酒というようなものがまさに本当に日本の酒を守っておると、むしろそれこそ本当に今後発展さしていかなきゃいかぬという、こういう意見もありますし、そういう点から見てみますと、まさにそこの地酒をつくり、各地方の中小メーカーが原価の関係でこういう困難な状況になっている、となりますと、そこに大きな税金を期待するということ自身について問題がありゃしないか。
 そこで、私は一つの提案を申し上げるんですけども、同じ清酒メーカーでもこれは相当程度利益を上げているところありますから、そこからちゃんと取ってしかるべきだと思うんです。となりますと、同じ清酒につきましても、規模とかその他の状況を考えて税額に差をつける必要はあるんじゃなかろうか。現に、これはとっぴな意見じゃなくて外国ではそのような制度もあると聞いておりますし、そういったことを考えますと、本当に日本の清酒を守って伝統を守り抜くという、そういう面から見ましてもそういう思い切った措置を考えられないかどうか、この点いかがでしょうか。
#353
○国務大臣(大平正芳君) ちょっと問題を整理さしていただきたいと思うんです。あなたのおっしゃる税金というのは間接税のことを言っておるのか、直接税のことを言っておるのかよくわかりませんけれども、間接税だといたしますならば、これは酒造業者に御負担をいただくものではないのでありまして、これが転嫁されてまいりまして、消費者に負担していただくということでございます。ただ、余りそれだからといって間接税を重くお願いいたしますと、そのために消費が減ってまいる。そして生産が、生産者に大きな影響を及ぼすというようなことになりかねないので、そういう点につきましては私も先ほど申しましたように、それなりの配慮をいたしてあるということでございます。直接税につきましては今回そういった増徴をお願いしているわけじゃないことは近藤さんも御承知のとおりでございます。そうして間接税を、しかし、それはそれとして御了承いただくとして、間接税をじゃどのように、それじゃ若干の増収を酒税に期待するとして、そのやり方でございます。もっときめ細かく担税力のあるところからお願いするようにしたらどうだという趣旨のことと思いますが、私どももそういうように考えてあるわけでございまして、あなたの御指摘のように、二級酒その他につきましては今度は全然増徴を考えていないということも御案内のとおりでございまして、この選択の仕方がなお切り込み方が足らないという御批判があるのかもしれませんけれども、私どもとしては、それなりに、あなたの言われるような趣旨の配慮はいたしてあるつもりであります。
#354
○近藤忠孝君 もちろん私が問題にしておりますのは間接税でありますし、またいま大臣が言われたような間接税のその趣旨も十分理解した上で言っておるわけです。もしこれ直接税であれば直接税でこの困難な状況にある中小メーカーを救うことはできないわけでしょう、もともと利益全然ないんですから。いかに直接税大平さんが思い切って考えましても、これはどうしようもならないのです。で、問題は、間接税というそういうまあ制度の限界がありながらも、この際思い切って、同じ清酒の中でも段階をつけるということは考える余地はないのかどうか。ですから、二級酒であれば据え置くのでなくて下げるとか、そういったことを考える余地はないのかどうか、それが私の質問ですがいかがでしょうか。
#355
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほどおっしゃいましたように、同じ規模のものでもこれほどの低い利益でないところがあるということを言われました。私もそのとおりだと思います。規模が同じであっても利益の度合いというものがかなり違っておる状態があると思います。それをたとえばドイツでやっておりますように、製造の規模別によりまして、低い製造をやっておる業者の間接税を低くするということをわが国でとってはどうかという御提案だと思いますけれども、私は、少なくとも清酒の二級なら二級というものだけに着目しまして、量的に少ない課税石数しか持たないものに低い税金をかけるというのは、どうも間接税である酒税という性格からしてなじまないのではないかと思っております。同じような価格で売られるものでありますれば、やはりその消費者としては同じ税負担をするというのが間接税でございまするから、それを生産いたしております業者の規模によってこの負担が違ってくるというのはどうもなじまないような気がいたします。それは非常に直接税に性格が近くなってきた間接税ではないかと思います。ただ、そういうような観点から、実は先ほども鈴木委員にお答えしましたように、わが酒税におきましては特級、一級、二級というように級別の税差を設けております。これは従量税であれ、従価税であれ、そういったものがございますけれども、それは一面におきましてはまた、いまおっしゃったような配慮も効果としてはあるわけでございます。特級、一級というのはやはり強いメーカーの産物でございまするから、それに伴いますところの税負担は弱いメーカーの産物である二級よりは重い負担をしておるということで、大体今日の酒税の課税制度というものは私はそういった配慮はかなりできておるのではないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、先ほど来いろいろ言っておられます清酒製造業者の五十万円未満の企業数が半分あるとか、赤字が二割を超えるとかいう数字でございます。私もこれは非常にいつもわからないのでありまして、長い間こういう状態を続けながら、しかも、やはり清酒製造業者というのは数が減りません。先ほどもお話しのように、ある一時期においては国からもお金を出し、業界からもお金を出して、業界全体の構造の再編成ということをやろうではないかと言ったんですけれども、それに応じてくる業者というのは非常にありません。いまでもこういった状態は、大変だ大変だと言いながら、清酒製造業をやっておられるということは、清酒製造の企業だけに着目をしませんで、それを取り巻きますあらゆる経済状態の集約としては、清酒製造業をやっておられる方のいわばふところが深いと申しますか、かなりやはり従来からの名望家が多うございまするから、何かそれを支えるものがあるんではないかなという気が実はいたしております。
#356
○近藤忠孝君 いまの最後の方ですけれども、しかし、いかに名望家であって、まあ昔のお大尽で資産がたくさんあったところでも、こんな状況が長く続けばそれは蔵もどんどんつぶれていきますね。もうそろそろそういう時期に来ているんじゃないかとも思いますし、そういった点では単にわからないというだけじゃなくて、もっと実態を正確にとらえ、やはりまさに税金を生み出すところなんですから、そういう点での保護政策をもっと積極的に打っていくように、これは要望して、時間の関係で次の問題に進みたいと思います。
 そこで、これは間税部長にお願いしたいんですが、先ほど私のデータの問題について、欠損企業について四十七年、四十五年、四十三年とこれは御回答ありました。しかし、私の知る限りでは、この間の点ですね、四十二年、四十四年のデータあるはずであります。ですから、それもあわせてお願いしたいのと、このすべてについて欠損企業と五十万円未満の両方、ぜひとも資料として御提供いただきたいと思います。
 そこで、次の質問に進みたいと思います。これは一昨日も質問した点でありますが、酒販免許の問題であります。特に大きい百貨店もしくはこれに類するスーパー等々について、免許付与について反対があった件数、そしてそのうち免許を付与したかどうか、その点についての御説明をいただきたいと思います。
#357
○政府委員(星野孝俊君) まず、欠損企業と五十万円未満の利益の企業の数字でございます。実はこれ、隔年の数字しかとっておりませんので、後ほど調べて……。
#358
○近藤忠孝君 その点は私の知っている限りでは逆の隔年、四十二、四十四、四十六、四十八という、そういう隔年の資料を……。
#359
○政府委員(星野孝俊君) それは調査年度がそうでございまして、その実態はその前の年度の実態になっておるわけでございます。四十八年度に調べたものは四十七年度の実態、こういうことになっております。
#360
○近藤忠孝君 そうしますと、先ほど答えいただいたのは、私の理解する四十二年度というのは四十三年度。
#361
○政府委員(星野孝俊君) そういうことでございます。調査年次の前の年の実績を把握しておりますので、そのように御理解願いたいと思います。
 なお、その数字は後ほど御提出をいたします。
 それから、もう一つの御質問でございますが、スーパー、百貨店等に対する酒販免許のうち、反対があったにもかかわらず免許をした件数はどうなっておるかということでございます。一昨日も御報告しましたとおり、四十九年度において免許したスーパーが四十一件、それから百貨店二十九件でございまして、これについて実態を調査してみました。そうしますと、その結果を見ますと、百貨店の場合にはほとんど反対がございませんでした。これはたまたま四十九年度のケースでございますが。それからスーパーに対してはやはり当初反対しているケースがかなりございます。しかし、その後の推移を調べてみますと、地元の酒販業界とそれから免許を申請した方と、その間でかなり時間をかけて十分に話し合いをいたしまして、最終的にはその話し合いがつきまして免許が出ております。したがいまして、反対を無理に押し切って税務署が付与したというケースは四十九年度の場合にはございません。これはたまたま四十九年度がそうであったんでいつもこうであるというわけにはいかないと思いますが、四十九年度の場合はそういう結果になっております。
#362
○近藤忠孝君 そうすると、四十八年以前においては反対があったけれども、押し切って免許を下付したと、そういう例はあるということですか。それはわからないということですか。どうです。
#363
○政府委員(星野孝俊君) それは実態はわかりませんけれども、たてまえといたしまして、免許は必要があれは需給調整上必要が、消費者の利便を考えてどうしても免許を出さざるを得ないという場合は、仮に反対があった場合でも出さざるを得ない場合もございます。
#364
○近藤忠孝君 しかし四十九年度の場合には幸いなことに全部片がついた、だから、国税局としても安心をして免許を下付したと、こう聞いてよろしいんでしょうか。
#365
○政府委員(星野孝俊君) やはりこれは同じ同一地元で営業されるわけでございますから、余りトラブルがあるままに免許がなされ、それで営業が行われるということはやはり後々まで余りいい影響がございませんので、やはりできるだけそうした話し合いといいますか、そういう地元の酒販組合の意見を聞くということになっておりますけれども、そういう形で処理されることが望ましいと思っております。
#366
○近藤忠孝君 そういたしますと、今後は反対がある場合には時間をかけて反対をなくした上で免許を下付していくという、そういったことを方針的にも考えていかれる、こう理解してもよろしいんでしょうか。
#367
○政府委員(星野孝俊君) できればそうあれば一番望ましいわけでございますけれども、必ずしもすべての場合にそのように参るというお約束はちょっと現段階ではいたしかねます。
#368
○近藤忠孝君 今度免許を下付した場合、百貨店もしくは大型スーパーですね。反対があったけれども納得したと。しかし、納得の場合にはしぶしぶ納得の場合もあるわけですね。そしてその後そのスーパーや百貨店ができたためにいままであった業者が経営困難に陥って、そして転廃業していくというような事例はいままでのところ聞いておりませんか。
#369
○説明員(高木壽夫君) 私どもただいままでのところ先生のそういったお話に当たるような例として聞いたことがございません。
#370
○近藤忠孝君 しかし、今後出てくることもあるかと思います。
 で、時間の関係で、本当はきょう、まあいまの答弁では反対がないから一応認可した、免許を下付したという御説明でしたけれども、しかし、場合によったら反対があっても下付するかもしれぬということですからね。となりますと、一般の場合とは違う基準、しかも、一昨日の質問でも、一般の場合よりも少し基準が緩められるんじゃないかという心配もあるわけです。となりますと、これが国税局長の恣意によって行われる可能性も客観的にはあるわけですね。そこでその基準を実はお聞きしたがったんですけれども、きょう時間ありませんので次回にお伺いしたいと思いますので、どんな基準をもって行われるのか。先ほどちょっと雑談で聞いたところでは基準なんかないという話ですね。なかなか答えづらいということですけれども、基準がなくちゃ困るわけですから、ひとつその問題については十分お考えいただいて次回に質問さしていただきたいと思います。
 以上。
#371
○栗林卓司君 前回国税庁に清酒とビール、ウイスキーの競争関係ということで、清酒については相対的に高い米が主原料でございますし、ビール、ウイスキーの方は相対的に安い輸入材料が主原料である、この辺のところでこの競争力格差をどうしますか、これを放置すると清酒は衰退を余儀なくされるんではありませんかという趣旨のことをお伺いしましたところ、国税庁の方からは、財政事情等の問題もあるけれども、今後原料米に対する助成、これにつきまして関係当局に御検討をお願いしてまいりたいという御回答がございました。まず、間違いがないかどうか確認でお伺います。
#372
○政府委員(星野孝俊君) 一昨日もお答え申し上げたわけでございますが、まあ現段階では米価の問題はまだ未決定でございますので、私どもとして特にその辺のところは意見を差しはさむべき問題ではございませんが、まあ従来酒造米につきましては、自主流通米と同様に御配慮を願ってきているわけでございまして、今後につきましても、関係当局におきまして十分に御検討を願いたい、このように考えておるわけでございます。
#373
○栗林卓司君 原料米に対する助成と言われた。で、その前段では、財政事情等の問題もございますので、その辺の事情も十分慎重に考慮いたしまして――平たく聞けば、財政上の点も考慮しながらその範囲も考慮して助成をしていきたい、そうとしかこの議事録読めないんですが、これは言葉の不備ですか。
#374
○委員長(桧垣徳太郎君) 間税部長に申し上げますが、もう少し大きい声で答弁してください。
#375
○政府委員(星野孝俊君) 私どもとしては御検討をお願いしたいという立場でございます。
#376
○栗林卓司君 私がお伺いしている前提は、酒造業界について国税庁が産業政策的な配慮も含めて責任をとる部署だからということで前回お願いをしたわけです。したがって、助成ということをいま御否定にならないで、御検討をお願いしたいということなんですが、それは助成を検討していきたいというのが酒造業界に対して産業政策の面で責任をとる部署としての意見表明だ、こう聞いてよろしいですか。
#377
○政府委員(星野孝俊君) 実はまあ米価の問題の所管庁は農林省、食糧庁でございますので、私どもで決定するというふうなわけにはこれはまいらぬわけでございまして、私どもとしてはお願いをするという立場でございます。
#378
○栗林卓司君 そうすると、助成という言葉を使われたのは、具体的にどういうことを想定して言われたわけですか。
#379
○政府委員(星野孝俊君) 酒米に対する流通促進奨励金等でございます。
#380
○栗林卓司君 この流通促進奨励金はどういう形で出ていくのでございましょうか。
#381
○政府委員(星野孝俊君) 私、そちらの方の、農政の方の事情に余り詳しくございませんので、もし間違いがありましたら後ほど訂正さしていただきたいと思いますが、この奨励金は食糧庁より関係農業団体に対しまして買い上げ数量に応じて交付されるものと承知しております。
#382
○栗林卓司君 これ確認いたしますが、食糧庁の方から――私も知らないから聞いているんですよ。食糧庁の方から出ていくというのは、財政処置を講じないで、全体の中でどこかに負担を求めながらその助成金まがいのものが出ていくということでございますか。
#383
○政府委員(星野孝俊君) 私も詳細は存じませんが、食管会計の中より支払われるものと承知しております。
#384
○栗林卓司君 食管会計の中ということは、どのような形で途中の道筋をつけるかは別として、財政上の配慮をすると理解してよろしいわけでございますか。
#385
○説明員(宮下創平君) お答え申し上げます。
 ただいま御質問に対しまして国税庁当局の方から御答弁のありましたように、現在酒米につきましては、流通促進奨励金、いわば価格差補給金なるものと、それから銘柄奨励金でございますが、この銘柄奨励金につきまして主食用米と同様な助成を行っております。その財源措置は食管会計の中で措置して一般の飯米用と同じように措置しておりますから、一般会計から当然その赤字分は食管の調整勘定に繰り入れるという形で処理しております。
#386
○栗林卓司君 そこで、最初の質問に戻るわけですけれども、国税庁は酒造業界の産業政策面での主管庁と言いながら、大蔵省の中にある。いろいろな財政処置も大蔵省として決めてまいるわけですが、そういったことを十分想定されながら、今後のことにつきましては――途中抜きます、今後、今後ですよ、原料米に対する助成、これにつきまして関係当局、これは農林省だけではないはずです、の御検討をお願いしてまいる、こういうことになるのでございましょうか。したがって、この酒の問題で議論している中で今後の問題にわたるわけですが、そういった方向で政策がさらに厚く乗せられてくると各酒造業界が期待してよろしいのでございますかという質問です。
#387
○政府委員(星野孝俊君) 現段階では私どもとしてはそこまで申し上げることは困難であろうかと、このように考えております。
#388
○栗林卓司君 そこまで申し上げることは困難だということであれば、前回の私の質問に対する国税庁の御回答はきわめて不用意である、言辞において不備であると言わざるを得ません。
#389
○説明員(高木壽夫君) 私ども酒類業界、清酒の業界をいわば通常の言葉で申しましてまあ所管という立場にいるわけでございますが、そういう立場におる人間といたしまして、従来過去を振り返って見ますると、流通促進奨励金といった形の、まあ助成という言葉はお許し願いたいと思うのでございますけれども、助成をいただいてきたという経緯はあるわけでございます。
 じゃ今後につきまして、仮に、仮にでございますが、そういった助成がいただけないという事態を想定いたしますと、私どもが私どもの立場で清酒業界を見ました場合にこれは大変苦しいことになるだろうという事態は容易に想定されますので、今後につきましてということを勘案した場合には、できることならば私どもとしては今後も続けていただきたいという、そういう希望を背景にいたしまして諸般の状況の中で関係方面にお願いしてまいりたい、こういう趣旨で部長は前回答えられたと私は理解しております。
#390
○栗林卓司君 いま御丁寧に言い直された内容だから困ると申し上げているんです。それは農林省の問題わし知りませんというのは、産業政策を主管している部署の態度ではございません。またそういう財政事情が絡む問題について当方としてはということが言えるほど国税庁は大蔵省の外にありません。ですから、これこのまま見れば期待するわけですよ。いまあなたがお認めになったようにもし万一この助成――助成という言葉は御遠慮いただくとしてとおっしゃいましたが、いずれにしてもこの種配慮がなければ酒造業界は困ったことになるとお認めになっている、どうなさいますか。私ここまで聞くつもりなかったんですよ。ただこれは誤解を招く表現だから冒頭にお伺いをいたしますと、きのうから申し上げてあるはずなんです。にもかかわらず、そこまで御丁寧におっしゃれば改めて伺いますし、大臣の御見解も伺います。
#391
○国務大臣(大平正芳君) まあ米は清酒の主原料でございまして、原価の中でかなり重い比重を持っておりますことは御案内のとおりでございます。で、これまでそのような点を考慮いたしまして、清酒用の自主流通米につきましても一般の自主流通米とほぼ同様な助成を食管会計を通じて配慮いたしてまいりましたことは、いま主計局からもお話がございましたとおりでございます。これはいままでの経緯がそういう経緯であったということでございます。これからことしどうするかということでございます。ことしの米価はこれから御相談に入るわけでございまして、目下のところまだ白紙でございます。
#392
○栗林卓司君 大臣にお尋ねいたしますが、先ほど担当局もその実情の苦しさというのはよくわかるという意味で、今日の清酒とビール、ウイスキーの原料価格相対差というものは放置はできないんだと、これは自主流通米という一般的な対策ではなくて、しかも、清酒とビール、ウイスキーは競争関係にあるわけですから、しかも、清酒というのは古来のいわば伝統産業としての面が多々ある、なくすわけにいかぬ、それも含めながらというと、この部分に限っての何がしかの競争力格差を補うような政策がもし清酒業界というものを今後も温存し育成していくとしたら必要になってくるんではございませんか。その点については、そのことしの生産者米価がどうこうなるという話を越えた清酒、ビール、ウイスキーを含めた酒業界に対する政策の問題として問われてくるんじゃないか。私は助成だけだとは言いません。税もまた対策の一つだと思いますが、少なくもこういう問題についてどうお考えでございますか。
#393
○国務大臣(大平正芳君) まあ酒類産業全体としていろんな問題がございますが、とりわけその中で清酒業界というものが非常にむずかしい問題を抱えておりますこと、御指摘のとおりでございまして、これにつきましては、国税当局そして大蔵当局としても当然いろんな角度から配慮して、その経営の安定を図ってまいらなけりゃならぬことはわれわれの責任であろうと考えておるわけでございます。これはひとりこの主原料である米の対策ばかりではございませんで、いろんな面についての配慮を検討していくことがわれわれの責任であろうと考えておりまして、恐らくことしもいま国税庁の方で予想いたしておりますように、時節がまいりますとこの問題も取り上げられてわれわれの検討すべきアイテムになってまいるのではないかと私は思っております。けれども、いまの段階でこれをどうするんだという国会での御質問になりますと、まだ政府としてことしの米価につきまして何らのまだ決定が行われてない段階でございますので、目下のところ白紙でございますとお答えするよりほかないわけでございます。
#394
○栗林卓司君 責任のお立場でございますから、これ以上くどく追いかけてお尋ねはいたしませんが、ことしの米価だけじゃなくて、実は従来からも存在した問題であるし、今後もあるという問題の所在はお認めいただけたと思います。
 では、少し別な角度からお伺いしたいと思いますが、先ほど大塚委員の要求でいただいた資料について、一応これを素直に拝見しながら幾つかお伺いしたいと思います。
 一つは、製造費をながめてまいりますと、規模の利益というのは余り認められない印象を持ちました。大規模業者、これは一級をつくっているということですから、米代とかより大きな分類のその他が、わりにかさんでいるということは理解できますが、そのほかの原価項目を見ると、小規模、中規模、大規模、こう並べてみて、そう大きな規模の利益というものが見られません。そう見てよろしいのかということと、それがいわば酒づくり、清酒づくりの特徴なんです、そこまで理解してよろしいかどうか、まずお伺いします。
#395
○説明員(高木壽夫君) 御質問でございますが、十分自信を持ってお答えできないわけでございますけれども、この製造費のところでは確かに規模の利益というものは顕著に出ていないように私も感じます。それが清酒の特色であると言えるのかどうかにつきましては、ちょっと何とも申し上げかねる次第でございます。
#396
○栗林卓司君 平たくお伺いをし直しますと、蔵を大きくしたからといってそう安くなるものではございません、これはおじゃましますと、よく伺うことなんです。という意味で、この数字というのはなるほど酒づくりの場合には規模の利益というのはそうあからさまには出ないという面があるのかというお尋ねなんです。
#397
○政府委員(中橋敬次郎君) それは確かに御指摘の点はあると思います。清酒は醸造過程をごらんになりますれば、一タンク一タンクの単位でございますから、その単位を醸造過程におきましてどんどん大きくするというわけにはまいりません。やはり効率的な単位というものがございまして、メーカー自体として移出石数が多い蔵でございましても、一つ一つに分けてまいりますれば、全部昔の三十石タンクがベースになっております。それをある程度つくりました一蔵というもののそれが一番基本単位でございますから、おっしゃいますように、清酒につきまして私は製造コストに関します限り非常に規模の利益というのはないだろう、むしろその後のところの宣伝広告費とか、そんなようなところにそういうようなものが出てくるのじゃないかというふうに考えております。
#398
○栗林卓司君 そこでお伺いしたいのは、昨年終わったと伺います構造改善事業、主たる目的が企業合同、集約化、共同化、いわば規模の利益を求めていくことを一つの大きなねらいにした構造改善事業を進めてきたと伺ってまいったわけですが、清酒づくりというのは規模の利益はなかなか期待し得ない特性があるということとの見合いで、この構造改善事業というのはどこに本当のねらいがあったのか。現在約三千に近い企業があるわけですけれども、構造改善事業が終わって今日ある三千というのは、それぞれもう存在するだけの理由というものを、少なくもこういう製品価格という面で見ると持っている。これ、あと集約したところでそうそう安くなるものではございませんと受け取ってよろしいんでしょうか。
#399
○政府委員(中橋敬次郎君) そういう構造改善事業のやっぱり焦点といたしますれば、醸造の前後の過程にあったと思います。現に構造改善事業の主たるねらいといたしまして、一つには、たとえば精米の共同化というようなことがございます。あるいはびん詰めの共同化ということがございます。そういうところで共同化を非常に進めてまいる、あるいは銘柄の統一ということがございます。そういう点が清酒業界におきますところの構造改善のねらいではなかったかと思っております。
 それからもう一つ大きくありますのは、先ほど鈴木委員が御指摘になりましたようなやはり転廃業というのがあのときにかなりあるということで想定を立てました。そういうことも一つの大きな構造改善と考えておりましたけれども、その方は余り進捗いたしませんで、むしろ先ほど申しましたような醸造の前後過程におきますところの共同化というものが進んできたと思っております。
#400
○栗林卓司君 そうしますと、現在ある企業数に対してそのスクラップ化が進まなかった。進んでいったら一体どのぐらいになるのか、それが現在の需要量の中でどう落ちついていくんだろうかということは改めてお伺いしたいと思うんです。
 もう一つこれを見て、いまと違いますが、気がつきますのは、一級酒と二級酒の単位当たりの価格差というのは余り開いてない。製造費のところで見ますとせいぜい三十円そこそこではないか。実際の小売価格を見ますと二百五十円開いている。開いている中身が何かというと、一つはもちろん税です。もう一つはマージン。一級酒というのは原価計算してみたらせいぜい三十円から四十円ぐらいしか高くないんだけれども、高い税金と高いマージン率で高いお酒を飲ませている、そういうことでございますか。したがって、一級、二級というと、いかにも中身のある品質格差のように見えますが、実態というのは税制とマージン率だと。そうとしかこの表は見えませんが、いかがでございますか。
#401
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かに特級、一級、二級のメーカー手取りの格差といいますのはそんなに大きくないと思っております。だんだん今日米の統制ぐあいというのが、まあ米の入手が可能になってまいりましたものですから、そういうところでの差というもの、あるいは米だけから生じましたアルコールのウエートを高めるというようなことからその差は漸次拡大しつつあると思いますけれども、そんなに大きな差であるとは思いません。しかし、そこに一つありまするのは、いまおっしゃいましたように税金でございますけれども、その税金はなぜそんなに格差が出てきたかといえば、私はやはり最終の小売販売価格というものによったものでございまするから、余りコストが違わないのに、なぜそういう最終の小売価格の格差が出てきたかということは、やはり嗜好品であるところの特徴としましてブランドの差というものがあると思います。そういうものはやはり長い間の伝統で培われてきました値打ちというものが漸次消費者の間で出てきておりまするから、そういうものがだんだん消費者の間で珍重されておる。したがいまして、そういうものによって小売価格も違ってまいりますから、それに対応したところの税金をどうしてもいただかなければならないということから、やはり税金が大きく違っておるということでございますけれども、税金は私はむしろ原因よりは結果だというふうに考えております。
#402
○栗林卓司君 そのブランドと言われますけれども、平たく言い直せば羊頭狗肉ということになるわけです。というのは、どれほど一級酒と二級酒が品質において差があるのか。少なくも価格で見たら三十円から四十円ですよ。ところが、安いから買うかといったら、やったら、やっぱりちょっと高い方がというものがあるから、つけ込んで、ブランドとおっしゃるんなら羊頭狗肉である。そこで税を高くして、マージン率も高めながら、必ずしも高めていると言えませんが、マージン率を乗せながら千百八十円、平均価格に、標準価格にしたらまあこんなに売れちまったから、さあそれでは羊頭狗肉の幅の税もまた上に乗せようか、こういう理屈でございますか。そうとしか思えません。したがって、需要がふえてるんだから、当然その分は御負担願わなきゃいけないと言うんですが、ふやしてきた、摩訶不思議なものをつくってきたのは一級酒と二級酒を分けてきた政策であり、それを価格差に維持してきた税制とマージン率じゃないのか。何のことはない、羊頭狗肉でだまされて、ああいいと思って飲んでたけれども、実際そんなに味が変わんなかった。やっぱり二級酒より一級酒の方がちっとは気分がいいやと思っているうちにまた一五%税率アップですか。いかがですか。
#403
○政府委員(中橋敬次郎君) 羊頭狗肉とおっしゃいますけれども、やはり私は一級ならば一級を買った人の満足を得られないと、幾ら一級という証紙を張ってみましても永続しないものだと思っております。ブランドに対する信頼があってこそ、そのブランドを掲げております清酒の企業も今日まで続いてきておるわけでございまするから、やはり内容というものがかなりあると思います。それからもちろん嗜好品でございまするから、その内容ということと離れまして、ブランドに対する愛着というものがありまするから、そういうものが絡み合いまして、千百八十円の物と九百三十円の物との差がありながらも、なおあえて千百八十円の物を買ってくれる人もおりますし、九百三十円の二級酒を買ってくれる人もおるわけでございます。
 この淵源はそれじゃどこにあるかと申しますと、私はむしろやはりこの前もお答えしましたように、造石税が昭和十五年にいろんな難点を持って改められたということがございます。それはなぜかと申せば、同じ税負担であったのに、売り値が非常に違っておった。灘物は普通の地方メーカーのお酒の倍以上の値段でもっても十分売れたということで、税負担としてはおかしいじゃないかということから、一律の造石税が今日の移出課税になってきたことでございまするから、やっぱり淵源は私は税でなくて、ブランドの力でないかと思っております。
#404
○栗林卓司君 そのブランドの話を伺っている時間がありませんので譲りたいと思うんですが、ただ二級酒が減って一級酒がふえてきた中で、実態はその品質格差がどの程度あるかということになると、まあ嗜好品ですから何とでも言えますが、再々申し上げるように、製造費の単位当たり格差というのは三十円から四十円。じゃ、一級酒というのは税とマージン率を乗せながら相対的に安く見えてきたんだろうか、売りやすい方に。というのは、二級酒は割り高だったんだろうかという面で見てまいりますと、生産者価格に対する卸マージン率、卸価格に対する小売マージン率は、一級、二級比べますと二級の方が高い。本当は一級の方がその分だけマージン率が高いのかと思ったら、決してそうではございません。二級のマージン率の方が高い。一級と同じマージン率をそれぞれ二級に適用しますと、目下九百三十円は九百十六円になる勘定なんです。したがって、二級が減って一級がふえてとおっしゃいますが、結局国民を相手にした二級を減らして一級をふやしながら、より高い税という、総体の量としては、額としては、マージン額が多いわけですから、大きい需要分野に向かって国民を誘導してきた販売政策、結果としてあったと言わざるを得ないんではないですか。本当はそこまで立ち入った管理を私は国税庁はすべきだと思いますが、いかがですか。
#405
○政府委員(星野孝俊君) マージンについて指導したらどうだという御意見かと思いますが、酒類につきましては、再々申し上げておりますように、これは自由価格でございまして、私どもとしては生産者それから卸、小売、それぞれのマージンに介入を現在いたしておりません。したがって、これは業界が自主的に、業者で決めるということになっておりますので、御提言のようにこれを指導するということは現段階では考えておりません。
#406
○栗林卓司君 時間ですから大臣に一つだけお願いの意見を申し上げておきたいんですが、先ほどビール、ウイスキーとの関係で清酒の、競争力格差、これは一つは日本の農業政策から来ているわけですから、それをどんなぐあいにお互いに分担し合うかということに一面ありますが、同時に日本古来の産業である清酒づくりをどう守っていくのかということと絡んでくるわけです。そこで、助成ということを私は申し上げるつもりはありませんが、と言ってこれだけの税をかげながら、その税がいろいろ国民の需要動向にも及ぼすような役割りを持っているとしますと、この税の面で産業政策的な配慮を私はしていってもそう不当ではないんではないか。今回の税率引き上げも、清酒とビール、ウィスキーということでながめますと、一級、二級という問題ありますが、一応上の方は一律二二%、おおむね。ということを考えますと、どうもそういうことで見ていく時代ではなくて、経済そのものもへたってきたし、だんだんと需要の方もそう伸びないということになりますと、その中での選別の問題になるわけですから、その意味でもこの税というものを、産業界に甘えた政策をとれという意味ではなくて、将来を展望しながらもう少し産業政策的な配慮を織り込んでいいのではないかと思いますので、御意見として申し上げて質問を終わります。
#407
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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