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#1
第075回国会 大蔵委員会 第21号
昭和五十年六月二十四日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     辻  一彦君     赤桐  操君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桧垣徳太郎君
    理 事
                河本嘉久蔵君
                山崎 五郎君
                辻  一彦君
                鈴木 一弘君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                嶋崎  均君
                土屋 義彦君
                中西 一郎君
                鳩山威一郎君
                藤川 一秋君
                細川 護熙君
                柳田桃太郎君
                吉田  実君
                大塚  喬君
                寺田 熊雄君
                藤田  進君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                渡辺  武君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  後藤 英輔君
       大蔵政務次官   梶木 又三君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        西沢 公慶君
       大蔵大臣官房審
       議官       岩瀬 義郎君
       大蔵省主計局次
       長        田中  敬君
       大蔵省主税局長  中橋敬次郎君
       国税庁次長    磯辺 律男君
       国税庁直税部長  横井 正美君
       国税庁間税部長  星野 孝俊君
       国税庁調査査察
       部長       渡邊 喜一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       国税庁間税部酒
       税課長      高木 壽夫君
       国税庁間税部鑑
       定企画官     川島  宏君
       食糧庁業務部長  戸塚 金郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   高橋 保司君
       日本専売公社副
       総裁       泉 美之松君
       日本専売公社総
       務理事      斎藤 欣一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○製造たばこ定価法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○寺田熊雄君 大蔵大臣に御質問いたしますが、今回の酒税の引き上げにつきましての是非を考えます場合、それだけを独立させて考えますと、必ずしも不当なものとは思えません。昨日の連合審査におきましても、大蔵大臣か七年間これを据え置いておる事実を重く見ていただきたいということを言われました。それから衆議院の大蔵委員会の議事録を読んでみますと、四十三年の個人所得が三十九兆四千億で、所得税が一兆六千百三十一億、その割合は四・一%である、同じ年度において酒税は五千七十九億で一・三%であった、ところが四十九年度を見ますと、個人所得がはるかに伸びまして、百十四兆一千四百億円で所得税は五兆五千四百二十億、その割合は四・九%に上昇しているのにもかかわらず酒税は八千八百五十億で〇・八%に下がっている、政府は一定の財政需要が動かしがたいものがある以上は、間接税でこの程度お願いするのは当然ではなかろうか、それは負担の公平を実現するゆえんであるというような趣旨をるるとお述べになっていらっしゃる。それはそれなりに私は説得力を持っていると考えております。しかし問題は、税制全般からながめました場合に、果たしてそれが負担の公平という税制の大きな理想にかなうものかどうか、そこからながめてみなければいけないと思います。
 それからもう一つは、徴税行政それ自体が公正に行われておるかどうかという問題があります。これはまあ御承知の、きょうも大きく新聞紙上に取り上げられているところの田中金脈の問題がございます。これなどは果たして大平大蔵大臣がおっしゃるような、この酒税法の改正にまでさかのぼってそれが負担の公平を実現するゆえんなんだという説得力をみじんに砕いてしまうものじゃなかろうかというふうに私は考えるわけであります。
 もう一つは、酒税そのものの体系あるいは構造の問題があると思います。それは現行の酒税の体制、それが果たして合理的に組み立てられているであろうかどうか。酒造業界の実情に即しているものであろうか。その分野の中での負担の公平の実現というものに役立っているであろうかどうか。あるいは消費者の利益を犠牲にしてメーカーや販売店、とりわけ大メーカーの利益擁護に走ってはいないかという問題があります。
 そういう点にスポットを当てながら、これから質問を続けてまいりたいと思うんでありますが、まず、きょう大きく新聞に出ておる田中金脈の問題、これは徴税が果たして適正に行われているだろうかどうかという点について大きな問題でございますのでお聞きをいたしたいのであります。
 この田中金脈の問題は、一応この五月七日、決算委員会に大蔵大臣並びに国税庁の次長から報告がございまして、一応の決着を見たというふうに言われておるわけであります。ところが、その速記録を読んで見ますと、国税庁次長からこういう報告があるわけですね。「調査の結果といたしましては、現在、個人、法人を通じ事実関係の調査は終了いたしました。この結果、税務上全体として特に大きな非違は発見されておりませんけれども、所得計算の誤り、税務当局との解釈の食い違い、その他通常の税務調査で見られる否認事項が発見されましたので、これら是正を求めるべき点につきましては、それぞれ修正申告を徴し、または更正処理を行うこととしております。」こういう報告があるわけです。ところが、今回の東京地方検察庁の特捜部の捜査によって明らかになりましたところを追ってみますと、この四十九年二月に新星企業は大林組から東京都港区西新橋の宅地、建物を二億七千六百余万円で買いましたものを即日共和不動産に四億九千百余万で売却をし、一日に二億一千五百万円をもうけた。それから、四十九年の九月十七日には渋谷区鶯谷町の宅地を八千四百万円で買って、九月十三日に、このまだ他人の土地であるその土地を、一億一千三百余万円で竹中不動産に売買契約をして、二千八百余万円の利益を上げたということが報ぜられておるのであります。ところが、新星企業の税務署への申告というのは、ほとんど毎年言うべき利益を上げておらない。わずかに四十四年に二千六百余万円の利益を報告したのが最高だというのであります。これをしも別段非違行為が発見されなかったといって処理すべき案件でございましょうか。いかがでしょうか。これは大蔵大臣の御所見を伺います。
#4
○政府委員(横井正美君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘になりましたような不動産の売買につきましても、これを織り込みまして税務調査を進めておるわけでございます。
 ただ、報ぜられておりますごく最近の取引、たとえば四十九年の秋ごろの取引につきましては、新星企業の決算が三月でございますので、四十九年の秋の取引につきましては五十年三月の決算、申告は五十年の五月ということになっております。したがいまして、これにつきましては私どもそういうことを承知いたしました上で調査を進めておりますけれども、同社の申告書といたしましてはごく最近提出されたばかりでございます。したがいまして、これについて今後必要があれば調査をするということになりますが、全体といたしまして、報ぜられております不動産の取り扱いにつきましてはすべて織り込んだ上で調査をいたしましたということを御報告さしていただきます。
#5
○寺田熊雄君 そういたしますと、今回起訴になったと報ぜられております四十四年十二月十七日から四十九年の九月十七日にわたる合計十七件の違反取引というのは、これは全部国税庁で今回の見直しにその資料として的確に把握したと、そして決定をしたとおっしゃるんですか。
#6
○政府委員(横井正美君) そのとおりでございます。
#7
○寺田熊雄君 そういたしますと、この四十九年の二月十二日の大林組に売った件は、これは三月期決算の中には入っておらなかったとおっしゃるんですか。
#8
○政府委員(横井正美君) 同社の決算は三月でございますので、四十九年の二月の不動産取引につきましては、四十九年三月の決算に計上されておったわけでございます。
#9
○寺田熊雄君 そういたしますと、その非常な二億円に上る利益というものは、これはありのままに申告されておったということですか。
#10
○政府委員(横井正美君) 金額につきましては申し上げることを御遠慮させていただきますが、同社の不動産売買の利益が計上されており、私どもそれを見直し調査をして、その結果見直すべき点については適正な処理をしたということでございます。
#11
○寺田熊雄君 これは当初の確定申告にはあったんですか、なかったんですか。
#12
○政府委員(横井正美君) ございました。
#13
○寺田熊雄君 それで、あなたの方はそれを調べた上で修正を命ぜられたんですか。で、修正申告がなされたんですか。どうですか。
#14
○政府委員(横井正美君) 新星企業の過去三年のもろもろの税務関係を見直したわけでございます。その過程で更正処理をすべきものにつきましては更正をいたしましたが、ただいま御指摘の西新橋の関係につきましては特別に問題となるべき点は見当たらなかったわけでございます。
#15
○寺田熊雄君 そうすると、当然この新星企業の、これは四十八年の決算になりますね、これは当然公示されなければならぬほどの利益を上げていることになりますが、公示されましたか。
#16
○政府委員(横井正美君) 同年度の申告につきましては公示の対象になっておりません。
#17
○寺田熊雄君 なっていない。
 そうするとこれは法人の公示される利益の最低限度は二千万でしたね、たしか。どうですか。
#18
○政府委員(横井正美君) 一年決算法人の場合、四千万でございます。
#19
○寺田熊雄君 そういたしますと、この新星企業の四十八年度の確定申告による利益というものは四千万に達していなかったという結論になりますね。
#20
○政府委員(横井正美君) 御指摘のとおりでございます。
#21
○寺田熊雄君 そうなると大きな疑惑が消しがたいものが残りますね。何となれば、新星企業の四十八年度の利益が四千万に達していない。それを国税庁もそのままに是認した。ところが四十九年の二月に大林組から二億七千六百余万円で買った西新橋の宅地、建物を、即日共和不動産に四億九千百余万円で売却して、一日に二億一千五百余万円の利益を得たというこの事実から、どうしてそういう結論が出るんでしょうか。これが四千万円の利益さえ上げ得なかったというどうして結論に結びつくんでしょうか。
#22
○政府委員(横井正美君) 御承知のとおり、法人の所得は、大きく申しますと収入マイナス経費が所得ということであります。で、私ども収入金及び経費の諸項目につきまして十分見直し調査をいたしました結果、その水準に達しておらないということが実情でございます。
#23
○寺田熊雄君 新星企業というのはいままでにもしばしばこの委員会の論議にもなりましたけれども、事務所も持っていない、電話も持っていない、従業員も持っていないという俗にいうペーパーカンパニーですね、幽霊会社といわれる。それが二億一千五百万円の利益を、一つの案件で上げているのに、多額の利益が経費の名目で落とされて、経常利益が四千万円にも達しないという驚くべき事実があるのでしょうかね。これはどういうふうに国民に説明できますか。何でそんなに二億一千五百万円もの利益を一つの売買で上げたものが、それか経費で――その利益か四千万円以下になってしまう。そんなことが通常の会社であるだろうか、どういうふうに国民に説明するのですか、国税当局は。経費といったって経費の内容はどういうことですか。
#24
○政府委員(磯辺律男君) 先生御承知のように、法人税の税額を計算いたしますときには、当年度のいわゆる利益だけじゃなくて、これは繰り越し欠損金を抱えております場合には、前回の繰り越し欠損金というものを相殺いたしまして、当年度分の法人税の取得というのは計算されるわけでございます。したがいまして、ある一定年度に対して、当該取得の取引について、たとえば十億円の利益を出したということがありましても、その前回の繰越金が十二億ございましたら、その当期は二億円の赤字ということになるわけでございます。したがいまして、個々の、一つの取引というものを、一年度の一つの取引というものをそれだけをもって当該法人の申告所得と言うには若干早過ぎるかと思います。
#25
○寺田熊雄君 赤字が遡及できるのは五年間でしたかね、法人税法上では。そうすると、二億一千万円の利益をも消してしまうような繰り越しの欠損が五年間の間にたまっておったという、そういうふうに理解したらいいのですか、あなたのおっしゃるのは。
#26
○政府委員(磯辺律男君) はっきりした数字をここで申し上げるのは御遠慮さしていただきたいと思いますけれども、当該取引についてはそういった利益があったかもしれない。しかし、その他の取引については欠損があるということになるわけであります。しかも、その場合の当該取引というのは仕入れ価格と それから売却との間の関連でございますけれども、しかし同時に、それ以外に借入金の利子であるとか、あるいは各種の経費、そういったもの。それから同時に前年度からの繰越金、そういったものを全部相殺いたしまして、当該年度の取得というものが計算されるわけでございまして、その結果、ただいま先生御指摘になりましたような結果になったということでございます。
#27
○寺田熊雄君 ただ検察庁の捜査によりますと、それ以外の取引というものはないように思われますがね、起訴されていないのは。当然宅建業法違反に問われるべきものでしょう、取引ということは。あるいは何か大きな不動産でもその間に取引をしておるのでしょうか。これは仲介でなくして自己の不動産を売買したとか。しかし、それが損をして売るというようなことも考えられないしね。だから、その経費というのは何なのか。新星企業なるものが、そんなに過去にこれだけ賢く立ち回る会社が大きな赤字を抱えておったのであろうか。もうちょっと国民が納得するように説明してください。
#28
○政府委員(磯辺律男君) 具体的な各年分についての所得につきましては、公示所得以外のことでございますので、ここで御答弁申し上げるのは御遠慮さしていただきたいと思いますけれども、その前期の申告等、これを見ますと、繰り越し欠損金を少し抱えてきているということは事実でございます。
#29
○寺田熊雄君 何ですか。
#30
○政府委員(磯辺律男君) 前期からの決算を見ますと当期以外、つまりいま問題がありました事業年度以前の繰り越し欠損金を抱えてきているというのは事実でございます。
#31
○寺田熊雄君 そうしますと新星企業というのはこれはこれだけの違反取引を、四十四年の十二月十七日から四十九年の九月十七日まで十七回にわたって起訴の対象となった違反取引をしておる。その中には、四十四年の十二月などは仲介手数料を、著しく取引金額にふさわしくない巨額の手数料である一億円を取得している。あるいは四十五年六月には同じく仲介手数料として五千万円を取得しておる、こういうような、かなりらつ腕を振いながら、なおかつずっと赤字決算を続けてきたと言われるのですか。
#32
○政府委員(磯辺律男君) そのとおりでございます。
#33
○寺田熊雄君 これはやはりそういうところに、税務当局が自分たちは公正に徴税行政を行ってきたということを国民に言われても、これは国民がとうてい理解しがたい、納得しがたいものがあるわけです。新星企業がずっと赤字決算を続けてきて、一挙に巨額の二億を超す利益を得たけれども、過去の赤字で利益を全部消してしまった、そういうとうてい信じられないようなことを現在の国税庁はなさっていらっしゃる。それでこの酒税法やたばこのように、法に違反して悪賢い金もうけをしている人間にはいろんな税を逃れる便法を容認している。そして大衆には、こういう税を、酒税の引き上げというようなものを負担させる。これでは、やはりわれわれはどうしてもそういうものに国民感情は耐えられない。そういう国民感情に耐えられないものは、われわれとしてもどうしても国会で代弁せざるを得ないということになります。
 なお、この新星企業の株式というものは、全部現在国際興業に譲渡されているということは事実ですか。その点お調べになりましたか。
#34
○政府委員(磯辺律男君) 国際興業だけではございませんで、その関連会社を含んでおりますけれども、いわゆる国際興業グループというものの方に株式が移っております。
#35
○寺田熊雄君 そのときの株式の売買代金が六億円と言われておりますが、いかがですか。
#36
○政府委員(磯辺律男君) これははっきり端数までここで御答弁するのは御遠慮申し上げたいと思いますけれども、大体そのとおりでございます。
#37
○寺田熊雄君 そういう赤字決算を続けている会社の株式が六億円という価格で売却されるということだけを見ましても、赤字決算なるものの連続ということが、どうしても理解しがたいように思いますけれどもね。最後にその点いかがですか。また改めて、きょうは余り長くこの問題に触れませんけれども、その点はどうでしょう。
#38
○政府委員(磯辺律男君) 赤字決算をしておる会社でありましても、実際の株式の取引に当たりましては、単にその含み資産とかそういったものだけ、当該年度の収益だけを標準に考えて株式の取引を行うわけでなくて、含み資産であるとか、あるいはその会社ののれんであるとか、いろいろなその会社の総合的な価値というものを判断して株式の取引が行われるというのが実情でございます。したがいまして、その当事者間においてそういった価格で株式の取引が行われたということ、これは単に新星企業の株式の譲渡だけではございませんで、一般の株式の取引等については間々あることでございまして、特にそれは税務当局の方でとかく申し上げることではないというふうにわれわれは判定しております。
#39
○寺田熊雄君 国税庁に対する質問はまた別の機会に譲りまして、ちょっと会計検査院の方にお尋ねしたいのですが、この田中金脈に関する税の徴税行政というものが適正に行われたかどうかという点では、会計検査院の方でも責任を持って検査をなさるというお約束でしたけれども、これはもう終了いたしましたか。
#40
○説明員(高橋保司君) 三月の十四日に申告所得税に関する修正申告書が出され、それを受けまして申告所得税関係の実地検査は四月の二十一日から四月の二十五日にわたり東京国税局並びに関東信越国税局に対しまして、お邪魔いたしまして調査官五名をもっていわゆる実地検査をやっております。
 それから、関連法人の法人税につきましては、五月の十五日にいわゆる更正の手続がとられたという通報を受けましたから、五月の十九日から五月の二十三日にわたりまして、同じく東京国税局並びに関東信越国税局に対しましてお邪魔いたしまして、五人の調査官でいわゆる実地検査を終了いたしました。その結果、現在まだ完全に国税当局と意見の交換を済ましていないものがございますが、大筋におきまして国税当局の今回の是正措置は妥当であったものだと考えております。
#41
○寺田熊雄君 いま問題になりました大林組の不動産を買って、それから共和不動産に売って二億一千五百万円の利益を得たというような問題も、全部その中に含まれておりますか。
#42
○説明員(高橋保司君) 含まれております。
#43
○寺田熊雄君 最後に、大平大蔵大臣にお尋ねしたいんですが、こういうふうなこの田中金脈に関する関連企業が起訴され、そしてこれからいよいよ法廷で重要な関連企業の実態というものが明らかになってまいるわけですね。国民の疑惑というものは一層拡大していくわけですが、それでもなおかつやはり大平大蔵大臣としましては守秘義務を盾にとって、たとえば修正申告の内容であるとか、われわれがいままで公開を求めておりますかなめといいますか、かぎになる部分の発表はなさらぬおつもりでしょうか。これは消しがたい疑惑を国民に残しますし、また私どもがいままで親しくおつき合いをしておった大平さんの政治的な将来というものを、われわれも非常に大きな期待を持っておるんですけれども、大平さん御自身の政治家としての廉潔さとか信頼感とかというものも、そういう守秘義務で臭い物にふたをしてそのまま過ごすということは、結局そういうものを傷つけるゆえんになると思うんですよ、私は。この際思い切ってやはり一切を公開して、国民の疑惑を晴らすんだということの方にウエートをおかけになるお気持ちはないでしょうか。それを最後にお尋ねします。
#44
○国務大臣(大平正芳君) 税務当局といたしましては、今回の問題につきまして誠実に責任を果たしてまいったつもりでございます。ただいままでの事実の処理につきましては、一応遺漏なくやってまいったつもりでございますが、地検等でいま別件で問題が審査されておるようでございますけれども、そういうことについてまた新たな事実が起これば、そういうことに対しても税務の処理をするのは当然と心得ておるわけでございます。国税をあずかる者の立場としては、本件は田中さんといえども一納税者として厳正に処理をしてまいるという態度を貫いたつもりでございます。したがいまして、田中さんの場合に限ってこの調査内容を公開するというようなことは、すべきでないと考えておるわけでございます。これは、国民の税務当局に寄せる別な大きな信頼を担っておる私どもといたしましては、当然の態度でなければならぬと心得ております。
#45
○寺田熊雄君 次は、酒税法の改正についてお尋ねいたしますが、今回、酒税法の改正で増収を予定しておられる金額というのは一千七十億だというので、これは五十年度に予想せられる租税及び印紙収入十七兆七千四百四十億円の中でわずかに〇・六%にしかすぎません。こういう全体から見ますと、それほどでもない金額をあえて大衆の負担にかぶせていかなくても、ほかに増収の見込みがあるんじゃないか。ことに、まあこの一千七十億の中身を調べてみますと、そのうちの七百七十億円というのはビールの税金の引き上げによるものでありますが、これは、まあいままでしばしば当委員会でも議論になりました、大衆の飲み物ということが言えるわけであります。そういう点で、これらの増収を生み出す方法として他に方法はなかったか。まず考えられるのは、しばしば論議になりました、租税特別措置法による大法人に対する特別措置を整理していく方法であります。また法人税法の分野で受け取り配当の益金不算入にメスを入れていく方法はとれなかったか、あるいは配当軽課課税というようなものを廃止していくことはできなかったのか、とりわけ税制調査会の答申にあります医師の診療報酬に対する特別措置を廃止すれば、即座に一千三百二十億円の増収が得られるのじゃないでしょうか。この点はいかがですか。
#46
○政府委員(中橋敬次郎君) 今回酒税法の改正によりまして五十年度に増収を五月一日から予定をいたしましたのは、おっしゃるとおり千七十億円でございます。その金額が、お示しのように他の税目の収入に比べてそんなに大きいものじゃないのじゃないかということでございますけれども、それもそのとおりでございますけれども、税収十七兆と言いますのは、一つ一つの小さな納税者の納めていただく金額から成り立っておるわけでございまするから、今回お願いをいたしております千七十億といえども、私どもにとりましては酒税として非常に重要な要素を占めておるものでございます。直接税、間接税、また間接税の中でのバランス、酒税の中における従量、従価税率のバランス、こういうことから言いましても、今回の増税はぜひ必要なものというふうに考えておった次第でございます。さらに、そういうものをあえて今回の酒税の増税によって賄わないで、お示しのように、たとえば現在の租税特別措置で賄えるではないかとおっしゃることも一つのお考えではございますけれども、毎々お答えを申し上げておりますように、租税特別措置はそれぞれの政策目的を勘案して法律でもってお願いをしておるわけでございまするから、それはまた別途の政策的な配慮とその効果というものを考えながら、ときどきに応じて改廃を御審議いただくつもりでございます。
 たとえば、医師の社会保険診療報酬の特例でございますけれども、これも前の租税特別措置法一部改正法案のときの御審議にお答えしましたように、政府といたしましても、次回診療報酬改定の時期には、昨年末税制調査会から御答申をいただきましたような案を基礎にぜひ改善を図りたいというふうに考えておるわけでございます。また、法人の配当課税につきまして、たとえば配当軽課税率を廃止するということ、あるいは法人の益金不算入の制度を改正するということ、これも一つの御議論がございました。私は、これにつきましては法人税制の基本的な仕組みに関連いたしますものですから、後二年間現在の税制調査会の委員の任期もございまするから、特に今回の税制調査会におきましては特別部会も設けまして、そういう法人税制の基本的なあり方というものを御検討をいただいておる際でもございまするので、そういう検討とともに私どもも勉強いたしたいというふうにお答えをしたつもりでございます。そういうことも、いろいろタイミングとしまして、あるいは体系としましてございますけれども、やはり今回の五十年度税制改正の中では、しばしば大臣からもお答えがございますように、七年間のお酒の従量税制の調整をあえて図っていただくという意味において、特にお願いをいたしておるわけでございまして、全体、総合的な観点というのは、常々私どもも忘れてはならないというふうに思っております。
  〔委員長退席、理事河本嘉久蔵君着席〕
#47
○寺田熊雄君 いや、七年間、わかりますけれども、いまの医師の診療報酬のこれは二十年来の提案でね、七年どころじゃないんですよ。
 それから、調整の問題も大事ですけれども、たとえば金融機関の貸倒引当金の問題などもこれはもっと長い問題でしょう。それなどはいまの金融機関に対する貸倒引当金の繰り入れ限度を思い切って下げてしまって、これは現在でも大臣なり局長が決意をすればなし得るものじゃないですか、どうでしょうか。
#48
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かに今日の貸倒引当金の率の内容は政令にゆだねられております。したがいまして、行政府といたしましてその率について改廃を決心いたしましたならば行い得るのでございます。
#49
○寺田熊雄君 これを、私どもの調査では、たとえば四十九年の九月期の大銀行上位十三行の例をとってみますと、引当金の残高が七千四百三十三億円に達しておるというんですが、いかがでしょうか。ところが、四十八年一カ年の貸し倒れの実績はわずかに二十一億円であるというのですが、そういうお調べもございますでしょうか。もしそれが事実だとすれば、このような実態に合わない措置によって大銀行の利益を擁護するということになると、いまの税務行政全体に対する負担の公平というか、とてもこれは求むべくもない、国民がとうてい納得しないと思いますがね。どうでしょうか。
#50
○政府委員(中橋敬次郎君) 貸倒引当金につきましては、引当金そのものは私ども持っております貸付金の評価の問題でございまするから、制度としては必要でございますけれども、それを幾ばく税制上認めるべきであるかということは、常々実態と勘案しながら定めなければならないということもお答えしておるとおりでございます。そういう観点から、特に金融・保険業につきまして、四十七年、四十九年と二回引き続きまして従来の千分の十五を千分の十というふうに三分の二まで引き下げたわけでございます。
 それから、特に今回の税収の事情でございまするので、これも当委員会でお答えしましたように、いろいろ検討項目を私どもも勉強し始めておる最中でございます。そこで、もちろんその一つの項目といたしまして各種引当金、特に貸倒引当金につきましても最近実態調査を行っております。これはもちろん銀行だけに限りませんで、製造業、卸・小売業、全面的にわたりましてサンプル的にいま調査をいたしております。そういうものをもとにしまして今後の検討を進めてまいらなきゃならないと思っております。
 金融機関につきましては、手元にちょっとお示しの、たとえば上位十三行というようなものの具体的な数字は持っておりませんけれども、もちろんかなりの引当金を積んでおりますし、現実の貸倒償却金額というのはかなり低いということも事実でございます。私どもは従来からも、これもお答えをしておりましたように、ある一時点、ある一時期におきますところの実績そのもので貸倒引当金そのままを判断いたすのか、もう少しさかのぼりまして、かなり過去においての高い貸倒償却の実績というものも見なければならないのかという問題も今後私は検討課題だと思っておりますけれども、おっしゃいますように、かなり実績あるいはそれのアローアンスを相当見ましたものと比べましても、現在の引当金の率というのは相当水準は高いことは私どももそう思っております。
#51
○寺田熊雄君 そうすると、そういう現実に合わないものが現在行われておる、それは大蔵大臣や主税局長の決意次第でいまにもやろうと思えばできるという状態にあるわけですね。それをじんぜん手をつかねてやらないというのもおかしいんで、それは、その決意を実施、実行に移す時期というものは大体いつごろなんでしょう。いつごろやるということの御決意なんでしょう。
  〔理事河本嘉久蔵君退席、委員長着席〕
#52
○政府委員(中橋敬次郎君) まず、先ほど申しましたように、いまやっております実態調査の結果をまとめましてそういうものを勉強しなければなりません。それからもう一つは、特に金融保険業でございますけれども、昭和四十九年に行いました千分の十二から千分の十に切り込みました効果といいますものが今日進行しておるわけでございまして、それを上回って積み増しをするときが実は税収としては効果が出てまいるわけでございます。そういう時期も勘案しながら一体どの程度これを実行できるか、それから金融保険業だけでございませんで、先ほど申しましたように他の業種につきましても相当の開きがあるのじゃないかというふうに思いますから、そういうものも総合的に検討しなければなりません。それからもう一つは、各種引当金について、その他の準備金につきましてもいろいろ検討を開始したところでございます。確かに政府の権限でできますのは一番大きなのがこの貸倒引当金の率でございますけれども、ある程度のそういうその他の検討項目というものについても近く税制調査会においても御議論を始めていただくつもりでございますので、そういうものとの関連で、必要がございますれば、なるべく早い時期に政府間で判断もできることでございますので行わなければならないと思っております。
#53
○寺田熊雄君 これは局長どうなんでしょうかね。必要がありますればというのでは、あなたは現在ではやはりこれを是正する必要ありというお考えではないんですか。その点どうなんでしょう。
#54
○政府委員(中橋敬次郎君) 一つには実態調査の関連でございますけれども、もう一つは、先ほど申しましたように、税収として実際に効果がございますのは果たしてこの九月期であるのか、もう少し後であるのかという実態の調査も必要なんでございまして、といいますのは、先ほど申しましたように四十九年に行いました措置、それが経過的にずっときておりますから、そのいわば経過的な効果というものが切れましたときに積み増しが始まるわけでございます。そのときに税収としては実際上の貸倒引当率の効果が生ずるわけでございます。そういうものとの関連も必要であるというふうに考えております。
#55
○寺田熊雄君 大臣、いかがですか、いまのメスを入れてこれを是正する必要ありとお考えですか。
#56
○国務大臣(大平正芳君) 五十年度は御案内のように三カ月目に入っているわけでございまして、いまの政府の姿勢といたしましては、歳入歳出とも先般国会で成立させていただきました予算の忠実な実行ということに全力投球するという姿勢でございます。したがって、いま新たな歳入増収の措置をこういう方法でいつ講ずるかというようなことを具体的に決意する段階ではないと考えております。ただ御案内のように、ことしの財政はよほど緊張した状況において運営しなければならないということ、とりわけ歳入財政はよほどの緊張を見るであろうというようなことも予想されまするので、主税当局に命じまして、いまの税制の中で行政府で措置をとり得ることにはどういう問題があるかというような点はいま検討を進めておるところでございます。したがって、その中には、いま御指摘の金融機関の貸倒引当金も検討のテーマにはなっておりますことは御案内のとおりでございます。ただ金融機関、そしてこれは一つの具体的な検討に値するアイテムであると私も考えておりますけれども、同時に、金融機関は寺田さんも御案内のように、たとえば預金準備というような形で日本銀行に一定割合の預金を無利子でしなければならぬ義務も別途持っておるわけでございます。インフレ対策に協力せなければならぬ立場にございまするし、預金者の保護にも当たらなければならぬし、金融秩序の維持に対しましては大きな責任を持っておる機関でございまして、これに対してどういうタイミングでどの程度貸倒引当金等の措置で勉強を願うか、そういった点につきましては、総合的にいろいろ判断せなければならぬ問題が財政当局としてはあると考えておるわけでございまして、せっかくいまそういった点は検討をいたしておるわけでございます。いずれ時期がまいりましてわれわれが決断するというような段階になってまいりますならば、当然のことといたしまして本委員会にはあらかじめ御報告申し上げる予定でおります。
#57
○寺田熊雄君 常に何かはっきり言うことを自分の権威が落ちるもののようにお考えになっては困るんですよ。またこの委員会の質疑というものを、何かごまかして通ればいいんだというようなお考えでは困るわけですからね。いま大臣に預金準備のことなどをお尋ねしているわけじゃないんです。それから現実にいま実情にそぐわない貸倒引当金の繰り入れ限度をどうするか、それがいま大臣は今年度の歳入が非常に緊張状態にあるから、そこからその必要かどうかを判断するというようなお考えを述べられたんですけれども、そうじゃないんでしょう、一体この税負担の公平の見地から考えていかなければいかぬのでしょう、大法人に非常に現実に合わないような甘い措置をとっておいて、そして七年間上げてこなかったのが税負担の調整上困るからというので大衆に負担をかぶせる、そういうアンバランスがいま問題になっているわけですよね。だから、この視点を変えていただかなければいけません。それからいまもう貸倒引当金というものを、そうすると大臣としてはやるべきか、この問題に手をつけて決意をもって断行なさるお気持ちがあるのかないのか、その点どうなんですか。それから負担の公平の見地から考えてどうなんでしょう。歳入が緊張状態にあるというそこからお考えが出ているんですか。それとも負担が公平でない、大法人に甘いからこれを是正しようというお気持ちはないんでしょうか。
#58
○国務大臣(大平正芳君) 最初の、本委員会の御審議に当たりましてもっとざっくばらんでやっていいんじゃないかという御指摘でございますが、私もそう思います。ざっくばらんで臨みたいと思いますけれども、しかし、きょう申し上げたことをあすまた変わるような状態において御審議をいただくことは非常に非礼だと思うんで、やっぱり政府としてちゃんとした用意を持って権威ある御審議をちょうだいする意味におきまして寺田さんから言うと、少し慎重過ぎるのじゃないかという御指摘でございますけれども、それは委員会の権威を重んずるがゆえに考えておることだと御理解をいただきたいと思います。
 それから第二の点でございますが、税の公平の見地からどうだということでございますが、私ども税制の公平というのは、常に公平を期すべく努力をいたしておるわけでございまして、不公平でありながら、それを十分承知の上で金融機関に対して今日まで黙ってこれを温存してきたというようなことではないのでございまして、今日持っておりまする法人税制というものは、私は公平、公正な見地から間違っていないと思います。商法上も御案内のように認められておる制度、そして会計原則の上からも認められておる制度をその範囲内において税制としてどのように対処していくかということについて苦心してとってまいりました制度でございまして、決して不公正とは考えていないのでありまして、できるだけ企業という、国にとって大事な担税の主体が健全な状態においてあること、これは国の財政にとって非常に大事なことでございまして、できればその体質が健全であってほしいと念願をするわけでございます。財政に余裕がございますならば、もっともっと力をつけていただくことが望ましいと考えておるのでございますけれども、今日、財政は御案内のように大変緊張を呼ぶ事態になってきておりますので、難きところ、どういうところに増収の余地がないものかということにつきましては、われわれの責任上検討を進めなければならないということでやっておりますのがいまの私どもの姿勢でございます。
 第三の問題といたしまして、いまやるのかやらないのかということでございますけれども、いませっかく検討を始めて、このアイテムばかりじゃなくいろんな問題点の究明をいま始めたばかりでございまして、始めるにつきましては、これを財務当局といたしまして究明いたし、どう取り扱うことにつきましてほぼ固まった考えを持つに至れば、これは税制調査会にも付議しなければならぬ義務はございませんけれども、税制調査会にもお諮りをせなければなりませんし、行政府に委ねられたことでございましても、やはり国会の当該委員会には御報告申し上げていかなければならぬ性質だと思うのでございまして、いませっかくそういう意味で検討を始めておるという段階で、それ以上まだいついつどういうぐあいでというところまではまだ申し上げられないわけでございます。
#59
○寺田熊雄君 大臣がいまのような、いまの大法人に対する税制の適用、税制そのものが不公平でないのだというような考え方をお持ちになっていると、これは大蔵省の税務当局が何ぼそういう負担の公平を図るために税制を改めていこうというようなアイデアを持っても、なかなか大臣のそういうお考えが障壁になって実現しません。もうちょっと実態を見て、大企業べったり――これは色をなしてあなた怒られたでしょう、いつか、大企業べったりじゃありませんと言って。しかし、これはどうしたって大企業べったりとしか考えられないじゃありませんか。
 それから、受取配当の益金不算入制度、これをやめたらどれだけの増収になるんでしょうか。これは主税局長で結構ですから……。
#60
○政府委員(中橋敬次郎君) いまはっきり金額的につかまえておりますのは、四十八年度の数字でございますが、いわゆる受取配当益金不算入額は約三千億円でございますから、仮にそれを課税いたすということにしまして四〇%掛けますと千二百億円程度になるわけでございます。
#61
○寺田熊雄君 外国に受取配当の益金不算入と、所得税の配当軽課税率を両方とも採用している国がありますか。
#62
○政府委員(中橋敬次郎君) 法人の受取配当を益金不算入に配意をしている国はほとんどでございます。たとえば当委員会においても非常に問題がございました、いわゆる個人の受取配当、所得税の段階で配当を控除いたします基本的な考え方は、法人形態におきましての利得を法人税で課税をいたしますのを受け取る個人の段階で調整すべきであるという考えでございますけれども、そういう考えをとっていないのがアメリカでございます。ところが、アメリカでも連係法人間配当は益金不算入でございますし、一般の法人間におきましても八五%は益金不算入でございます。
 それから、調整すべしという考え方に立っております国、たとえばイギリスでございますとか……
#63
○寺田熊雄君 いや、それはわかっているんです。
#64
○政府委員(中橋敬次郎君) そういう国はもちろん益金不算入でございます。
 配当軽課を現在とっておりますのはドイツでございますけれども、ドイツにおきましても原則的に全額益金不算入でございますが、子会社から受け取る配当は全額益金不算入ということになっておりますから、おおむね世界の考え方は、法人間におきます受取配当につきましては、その段階においての法人税についてはかなりのしんしゃくを要するというふうに考えておると考えております。
#65
○寺田熊雄君 あなたのおっしゃるのは主要な国がインピューテーションシステムをとっているという意味でしょう。そういう意味じゃなくて、受取配当の益金不算入と株主の所得税にそれがいった場合の配当軽課税率とを両方ともダブル適用している国があるかという質問なんですよ。
#66
○政府委員(中橋敬次郎君) 配当軽課と申しますのは、支払い配当の、配当を支払います法人に対する法人税の問題でございますし、インピューテーションと申しますのは、その法人の段階で課税されました配当を、受け取る個人の段階で、その所得税において配当について支払いました法人税を調整するという際に考えておるのがその方式でございます。したがいまして、いま御指摘のように、いわゆるインピューテーション方式的な考えをとっていない国は、先ほど申しましたようにアメリカでございます。アメリカにおきましては、ほとんど法人利得について法人税を課税しますけれども、その法人税は受取配当についてはしんしゃくする必要はないという、一番いわばきつい考え方でございますけれども、そういう国におきまして法人が受け取ります配当は八五%益金不算入、それから連係法人間の配当は全額益金不算入ということでございまするから、調整を要するという国におきましても、法人間の配当というものにつきましては、しんしゃくを要するというのが、大体国際的な考え方でございますということを申し上げたのでございます。
#67
○寺田熊雄君 じゃ、配当軽課はアメリカの場合は幾ら……。
#68
○政府委員(中橋敬次郎君) 配当軽課といいますのは支払い配当についての法人税でございまするから、私は、受取配当についての調整問題とはやや違うと思いますけれども、もちろんアメリカは配当軽課はとっておりません。配当軽課をとりましたときには、この次わが国で考えておりますように、むしろ今度は受け取り個人の段階における所得税についてしんしゃくをするということで、わが国ではすでに三十六年に配当軽課税率を法人の段階でとりましたときには、その配当を受け取りました個人の段階における配当控除率をカットいたしたわけでございます。そういうことで調整をとっております。
#69
○寺田熊雄君 この受取配当の益金不算入というのは、大体どういう業種が一番恩典を受けているんでしょうか。それからまた、資本金が一億円と十億円と百億円に分けた場合に、どういう資本金の会社が最も恩典を受けるんでしょうか。
#70
○政府委員(中橋敬次郎君) これはすでに公刊いたしております国税庁調べの昭和四十八年の「法人企業の実態」という統計資料でございます。それによりまして見ますと、受取配当の益金不算入額の中で、もちろん資本金階級別に申しますと資本金の金高の大きい方が大きいわけでございます。たとえば百億円以上の資本金の会社は千六百五十三億円ぐらいでございます。
#71
○寺田熊雄君 何年度ですか。
#72
○政府委員(中橋敬次郎君) 四十八年度です。
 それから、業種別に申しますと、金額的に一番多いのは、もちろんこれは機関投資家の代表でございます金融保険業でありまして、千百十一億円ぐらいでございます。それに続きましては機械工業、四百四十五億円ぐらいでございます。
#73
○寺田熊雄君 これは私どもの調べでは、金融・保険と機械工業と卸売業、この三つが最も恩典が大きくて、益金不算入の六〇%を占めているというんですが、間違いないですか。
#74
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほどお答えしましたように、法人間におきますところの受取配当で益金不算入になっております金額が約三千億円でございます。それで金融・保険業で、先ほどお答えしましたように千百十一億円、それからその次に大きいのが機械工業で四百四十六億円、その次に大きいのがお示しのように卸売業でございまして三百八億円でございまするから、その三つを足しますと約六割ぐらいになります。
#75
○寺田熊雄君 その六割を占める金融・保険と機械工業と卸売業というのが、最も租税特別措置法の恩典を受けている会社でもあるわけだ、こういうんですが、間違いないでしょうか。
#76
○政府委員(中橋敬次郎君) そのときには恐らく租税特別措置といいますものを非常に広義に解釈をされまして、各種の準備金、引当金、その他租税特別措置法で認められおります措置についての減収額を全部総合的に入れられておるのではないかというふうに思っておりますが、いわゆる私どもが考えております狭義の租税特別措置におきましては、一番大きいのは、何といいましても取得機械の特別償却でございまするから、その恩典を受けておりますのは、むしろ企業の中ではメーカー関係、機械を多く持っておる業種ということになります。それから益金不算入というのも、私は、これは先ほど申しましたように、法人税の基本的仕組みでございますから、いわゆる特別措置の範疇には入らないというふうに思っておりますけれども、それをしも恩典と申すのでございますれば、その恩典を受けておりまするのは機関投資家である金融・保険業あるいは子会社等の系列企業を持っております各種の機械産業あるいは卸売業、先ほど申し上げました業種が当たるのではないかと思います。
#77
○寺田熊雄君 そうしますと、主税局では受取配当の益金不算入の問題にメスを入れるというお考えは現在のところはないわけですか。あるんでしょうか。
#78
○政府委員(中橋敬次郎君) この法人利得に対する法人税と、それを受け取りました側における課税の調整の必要性の有無、その程度ということにつきましては、今後の検討に待たなきゃなりませんけれども、私が毎々申しておりますように、仮にその調整の程度がもっといまよりも進めなければならないと申せば、いよいよ法人の受取益金不算入というものの必要性が増してくるわけでございます。それから、そういう調整をする必要がないと、いわば先ほど申しましたようにアメリカ的な考え方になったとしましても、法人間におきますところの受取配当につきましては相当のしんしゃくが必要ではないかというふうに思っております。
#79
○寺田熊雄君 どうも主税局のお立場もちょっとそういう大企業に偏しておるように思われますがね。これはまたさらに私どもとしましてはこの問題にメスを入れる点で質問を続けていきたいと思います。
 その次は、交際費についてお尋ねしますが、この交際費も見直しをするというふうに、この間、藤田委員の御質問にこれは回答しておられますね。これはいま四百万円とプラス資本金の千分の一でしたかね、それを七五%をオーバーしたものが損金不算入でしたかね。そうですね。どうでしたか。
#80
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在の制度では、いまお示しのように四百万円と資本金の千分の一というものがいわば基礎控除みたいになるわけでございますけれども、それを超えました部分の七五%が益金に入るわけでございます。
#81
○寺田熊雄君 益金に……
#82
○政府委員(中橋敬次郎君) 益金に入るわけでございます。
#83
○寺田熊雄君 そうすると、この問題にメスを入れてということになると、どこをいじるおつもりなんでしょうか、いま主税当局として。四百万円にメスを入れるんですか、それともその千分の一にメスを入れるんですか、七五%にメスを入れるお考え、どちらでしょうか。
#84
○政府委員(中橋敬次郎君) 交際費につきましては、先ほどお答えしましたように要素が三つございます。一つは資本金基準、千分の一でございます。二つ目は四百万円という絶対の基準でございます。三つ目は、損金に入れます割合、七五%でございます。この三つのかみ合わせで実はいまの交際費の課税といいますものが行われておりますから、その三つの要素について検討しなければならないというふうに思います。
#85
○寺田熊雄君 これもぜひ早急に実現していただきたいのですが、これも政令の改正でできますか。できるんですね。
#86
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど申しました制度の中身は、租税特別措置法でございますので、法律の改正を要します。
#87
○寺田熊雄君 その次は広告費の問題に入りますが、四十八年、四十九年の、これは資本金仮にまあ一億円なら一億円以上というものを基準にしても結構ですが、日本の企業が支出した広告費の総額というのはどのくらいになりますか。
#88
○政府委員(中橋敬次郎君) 広告費につきましては、私どもはまだ調査をいたしておりませんけれども、電通で毎年調べたものがございます。それによりますと、四十八年におきまして広告費は八千三百十一億円、それが四十九年には九千四十二億円というふうに報告をされております。
#89
○寺田熊雄君 これは、いまの電通の発表した統計によったようですけれども、資本金別とか業種別とかいうものの内容はわかりませんか。
#90
○政府委員(中橋敬次郎君) 私どもが手元に持っておりますのは媒体別とそれから業種別のものを持っております。業種別でちょっと申しますと、金額的に一番大きいのは四十九年では食品、飲料業種でございます、千三百六十四億円。それからその次に多いのは住宅建材業、これは八百六十八億円。その次に多いのがサービス・娯楽業六百五十一億円となっております。
#91
○寺田熊雄君 この広告費については、後でまたいろいろお酒の広告の問題でお尋ねをするんで、ここでひとまずおきまして、最近、先ほど大臣の言われた歳入が非常に緊張しているとおっしゃったんですが、ここで法人税の付加税を設けるべきであるという考え方が主税局の一部にあるというようなこともちょっと伺ったんですが、それは事実でしょうか。着想としてで結構ですから……。
#92
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在は会社臨時特別税というのを二年の期限をもって実施せられておりますが、法人税につきまして付加税を取るという考え方は主税局の中には着想としてもございません。
#93
○寺田熊雄君 会社臨時特別税はたしか今年度で終了しますね、あれは限時法だから。ただその代役といいますか、その後を補充するという意味合いで法人税付加税を設くべきだという考え方もないですか。
#94
○政府委員(中橋敬次郎君) 五十年度におきましては、会社臨時特別税は二千六十億円見込んでございます。これは来年の二月期をもって終わることになっておりますが、その税が終わりました後で、仮にそれに当たる税収が必要であるという場合には、総合的に全体の税体系の中でどういうところにこれを求めたらいいのかということは考えるべきであると思いますが、単に二千億円の税収を上げますために同じような形のものを法人の付加税ということで取るべきではないと私は考えておりますけれども、これはまた、いずれその時期になりますれば、税制調査会等との御論議もございましょうから、この段階で私は、全く個人的な意見を申し上げて恐縮でございますが、私自身はそういうように思っております。
#95
○寺田熊雄君 大臣いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(大平正芳君) 特別税の方は、仰せのとおり、立法の趣旨に従いましてエクスパイアすることになると思いますが、それにかわるべきものをどうするかというような点につきましては、まだ私考えておりませんので、ここで申し上げる用意はございません。
#97
○寺田熊雄君 最近の日経新聞で見たんですが、原料用のナフサに対する課税を考慮していると、これに対して、揮発油税の課税対象に現在法制上はなってるんだそうですね。ただ、租税特別措置でその適用がストップしているんだということですが、これはそういう考え方がありますか。つまり、原料用のナフサに課税するという考え方。
#98
○政府委員(中橋敬次郎君) 現在租税特別措置によりまして、特定の石油化学原料といたしております揮発油につきまして免税措置を講じておることは事実でございます。しかし、それを今日改めるという考えは私どもはまだ持っておりません。
#99
○寺田熊雄君 これは多少消費者物価にはね返るかもしれませんが、この租税特別措置の適用をやめれば、何か一兆円の税収を得られるんだというのですが、これは間違いないですか。
#100
○政府委員(中橋敬次郎君) 今日におきます揮発油に対する揮発油税、地方道路税といいますのはかなり重い負担になっております。単純にその税率を現在石油化学で免税しております原料となっておる揮発油についてかければ、それは相当な金額になることは事実だろうと思います。
#101
○寺田熊雄君 いままでの論議を通じて、主税局長がこれは善意でおっしゃったんでしょうけれども、わずか二千六十億円の歳入を得るために法人税付加税を課するのはどうだろうかというお話があったんですがね、あなたいまおっしゃったんですよ。わずか千七十億円の税収を得るために大衆の負担を増すこういう酒税法の改正というのをするのはどうだろうかと、同じ考え方がやっぱりあるんですがね。だから、これはもう少し主税局長、あなたも一生懸命やっていらっしゃるんだからどうということはないんだけれども、いまの法人税付加税であるとか交際費課税の強化であるとか、この点にもうちょっと真剣になられていいんじゃないですか、どうでしょう。
#102
○政府委員(中橋敬次郎君) 私は、約二千億円のために法人税の付加税を取るべきではないとお答えしたつもりではございません。私が申しましたのは、法人税の付加税といいますのも、やはり法人税の基本的な仕組みに非常に影響するものでございます。今日とっております会社臨時特別税といいますのも確かに一つの付加税的な形態でございますが、それはそれなりにあの狂乱物価のときにいろいろな御議論の末にでき上がったものでございまして、それなるがゆえに私は当初から期限を切って設けられた税制であると思っております。それがなくなった暁におきまして、同じ税収をそれではどういう税目でその収入を得なければならないのかというときに、仮に法人税あるいはそれに近い形で考えるといたしましても、私はなぜそれを付加税という形で取るのか、本来の法人税の増徴という形で取る方がいいのではないか、そういうような問題もあわせて考えなければならないという意味で、私は基本的な形としまして申し上げたのでございます。
#103
○寺田熊雄君 次に、酒税法それ自体に関する問題についてお尋ねいたしますけどね。これは従量税と従価税の問題は、すでにもうほかの委員の方が御質問になりましたので、これは特に申し上げません。ところで、大酒造メーカーが原料のお酒をおけ買いで取得しているというその事実ですね、これがいままでもかなり問題になりましたが、このおけ買いの量というものについては把握しておると言われましたか、把握しておったらその量についてちょっと御報告願いたいと思います。
#104
○政府委員(星野孝俊君) 四十三年度と四十七年度について申し上げます。おけ買い量が四十三年度は三十八万二千キロリッター、四十七年度が五十万一千キロリッターでございます。
#105
○寺田熊雄君 中間を抜かしたのは何か意味があるんですか。四十三年と四十七年。
#106
○政府委員(星野孝俊君) 四十三年度と四十七年度の数字でございます。いま手元に実は四十三と四十七しか私ここに持っておりませんので、大変失礼ですが、申し上げたわけでございます。
#107
○寺田熊雄君 このおけ買いの価格ですね、取引価格、大メーカーが地酒メーカーから買い入れるおけ買いの価格、これは大体一升当たりどのぐらいに換算されるんでしょうか。
#108
○政府委員(星野孝俊君) これはいろいろ取引の実態が異なりますので、正確に幾らということは個々の企業別に異なりますので申し上げかねますが、大体平均で現在一・八リットル当たり二百五十円前後ではないかと思います。
#109
○寺田熊雄君 これは私どもの調査でも二百四、五十円だということですね。ですから、それで結構だと思うんですが、この二百五十円程度の酒を買い入れてレッテルを張って市場に出るとこれが特級酒になって、一挙に現在の価格で千五百七十円にはね上がるというのは、これは税金も非常に高くなっておりますけれども、これどういうふうに国民に説明したら納得が得られるか、非常に疑問だと思うのですがね。国税当局としては、この価格のからくりについてはどういうふうに把握しておられるでしょうか。つまり二百五十円で買ったものがどうして特級酒の千五百七十円に化けてしまうのか。
#110
○政府委員(星野孝俊君) この問題につきましては、先般も当委員会におきまして御質問がございまして、清酒メーカーにつきまして、大規模メーカー、中規模メーカー、小規模メーカー、それぞれにつきまして、具体的な名前は明示いたすことを御遠慮申し上げたのでございますが、計算のサンプルを御提出いたしました。その資料でもございますように、やはりおけ買いされました酒は、自製酒とブレンドされて市販酒になるわけでございますけれども、この酒の価格を構成する要素としましては、いま申し上げましたおけ買い酒の原価のほかに、当然でございますが、自製酒の製造原価も入るわけでございます。それ以外に容器、包装材料費それからびん詰めのための経費、それから販売費、管理費、さらには金利等が商品原価になるわけでございまして、それにさらに酒税が加わるわけでございます。そういうふうにして、メーカーから流通に販売されるわけでございますが、さらに流通の段階でそれぞれの卸マージン、小売マージン、こういうものが追加されまして、それぞれの特級、一級、二級の価格になるわけでございます。
#111
○寺田熊雄君 問題は、おけ買いの対象になったお酒というのは二百五十円前後で取引されて、それがその地方では二級酒として消費者の食膳に上がるわけでしょう。どうですか。
#112
○説明員(高木壽夫君) 先ほどの部長の説明に若干補足させていただきたいのでございますが、おけ買いの価格は二百四十円、あるいは二百五十円、多少その月によって動きがあるわけでございますが、二百五十円という数字をもって申し上げてみますと、おけ買いメーカーの製造原価の中で、これはごく一部でございまして、メーカーによりまして、自製酒の割合がどうであるか、おけ買いの割合がどうであるかということによりまして、その特定の大規模メーカーの製造原価の中で、おけ買いの、単位当たりとしては二百五十円ということで買ってまいりましても、その占めているウエートといったようなものは、それは企業ごとによっていろいろあるわけでございます。そういったことで、あるメーカーにおいてはどの程度に反映されているかということは、企業ごとによって違う実情であります。そういった、いわばウエートというものを加味しまして、そうして特定メーカーとしての製造のコストといったものが出てまいるわけでございますので、二百五十円という価格が一応の、ただいま部長の説明にございましたように、最終的には、一級で言えば千百八十円という価格になるわけでございます。特級でございますれば千五百七十円という価格になりますが、二百五十円と千百八十とか千五百七十という数字とは直結はいたしていないという点を補足させていただきます。
#113
○寺田熊雄君 直結をしていないというのは、結局、薄めたり、自分の本来の自製酒とブレンドしたり、あるいはびんに詰めたり、包装したり美しい化粧箱に入れたりと、そういうことなんでしょう、内容は。何かそのほかに新しいものを、非常に高価な原料をつけ加えるというようなものはないわけでしょう。
#114
○説明員(高木壽夫君) ただいま申し上げましたのは、自製酒とおけ買いによって買ってまいりました酒を、メーカーによってその比率は区々まちまちでございますけれども……。
#115
○寺田熊雄君 ちょっとよくわからぬ、もっとはっきり。
#116
○説明員(高木壽夫君) メーカーによりまして自製酒とおけ買いによって買ってまいりますおけ買酒とのその割合、まぜる割合は区々でございますけれども、いずれにしましてもその両者をまぜ合わせまして、特定の銘柄を構成するわけでございまして、そういった意味で、先生がただいまの格別のものを加えるのかという御質問に対しましては、特にそういったことではないというお答えになろうかと思います。
#117
○寺田熊雄君 結局そうすると、その二百五十円のもの、メーカーによってはそういうおけ買いの酒の方が本来の自製酒よりも上回る大メーカーというものがあるようですね。それは把握しておられますか。
#118
○説明員(高木壽夫君) 自製酒よりもおけ買酒の方が多いというメーカーはございます。
#119
○寺田熊雄君 すると、それをブレンドして、そして別段何かそれ以外に非常に価値のあるものを添加するのじゃなくて、そうしてでき上がったお酒がたとえば千百八十円とか千五百七十円とかいう一級酒、特級酒に化けていくというのは、あなたとしてはそのかぎというのはブレンドする技術というか、ノウハウというか、そういうものにあるというふうにお考えなのか、それとも、いや、そうじゃありません、化粧箱に金がかかるんですとか、あるいは広告宣伝費に金がかかるんですとかいう何らかほかに原因を求めておられるんですか、どうなんでしょう。
#120
○政府委員(星野孝俊君) 実はこのおけ買い酒の場合でもすべてが二級の価格で買うわけではございませんで、再々御説明申し上げておりますように、おけ売りメーカーからおけ買いメーカーがお酒を買います場合に、現在ではかなりおけ買いメーカーの方から技師等を派遣しまして、いろいろな制度上の技術指導その他をやっておりますので、たとえば一級酒規格のものをつくろうというときにはこのような規格のものを、お酒をつくらして、ケースによりましては現地で一級審査を受けた上でこちらへ買い取る、あるいはまた場合によっては一級審査を受けないでこちらへ買い取って、そしてブレンドした上でこれは一級酒になりますと、一級酒としてのおけ買い価格でもって代金を支払うわけでございます。そういうふうになっておりまして、一級と二級とのおけ売りする方の酒が全く同じものだというわけではございません。
#121
○寺田熊雄君 最後がちょっとよく聞こえなかったのですが。
#122
○政府委員(星野孝俊君) 一級のものは一級、それから二級ものは二級ものと、こういうふうな形でおけ買いが行われていると聞いておるわけでございます。
#123
○寺田熊雄君 いま二百四、五十円とおっしゃったのは、私の調べでは一級品の価格のようですがね、これは何か二十度換算で三百十円なんだそうですがね。それが十五度から十六度に薄めるというか、直しますと二百四、五十円になるのだと、これは一級酒の換算なんだということなんですが、どうなんでしょう。
#124
○説明員(高木壽夫君) 価格の点でございますが、二十度で三百十円ということでございますると、ただいまおっしゃいましたように、十五度の市販品に換算いたしますれば二百三十三円、十六度ということであれば二百四十八円ということでございまして、先生のおっしゃいましたようなことであると存じております。
#125
○寺田熊雄君 ですから、いま間税部長の言われるように、何かおけ買いにも一級酒と二級酒があるんだと、何か価格が非常に違って、一級酒で買った場合には元来原料の価格が高いんだというようなことは当たらないように思うんですがね。だから、結局二百四、五十円で買ったものが、何でそんなに千百八十円になったり、千五百七十円になったりして売られるんだろうか、そこの一番のかぎは国税当局としてはどこに把握しているんでしょうか、そこを説明してもらいたい。
#126
○政府委員(星野孝俊君) この前御提出した資料で御説明いたしますと、大規模のA−1で申し上げますと、製造費が二百八円という数字になっております。これはおけ買いしたものと製成したものと混和したケースが考えられると思うのでありますが、その場合に、それ以外に容器包装代が百三十円、それから人件費が十円、その他十二円で、以上の詰め口関係の経費が百五十二円でございます。それ以外に販売関係で販売並びに管理費が、人件費それから広告宣伝費、配達運賃等で百三十八円となっております。それ以外に営業外支出としまして金利等が四十円かかりまして、総原価で五百三十八円、こういう形になりまして、これに製造者の利益が若干つきまして、さらに酒税が一級の場合ですと三百十三円、こういうことで生産者価格が八百五十八円と、こういう形で売られるわけでございまして、それに卸、小売のマージンがつくわけでございます。
#127
○寺田熊雄君 そうするとあなたのおっしゃるのは、要するに大塚委員の要求で答えられた資料、これで一切説明は尽きていると、こういうことになりますね。
#128
○政府委員(星野孝俊君) これは私ども、企業の実態の資料をちょうだいしまして御提出したものでございますから、このとおりの数字であろうと思います。
#129
○寺田熊雄君 そうすると、特級の千五百七十円というのは、あとは税金だけの問題なんですか。何かそのほかに新たな要素が加わるんですか。
#130
○政府委員(星野孝俊君) 特級の場合の実は製造原価は私ども把握いたしておりませんけれども、やはり原料米の精白ぐあいとか、あるいはアルコールの使用量あるいは包装容器とか、そうしたもろもろの面でやはり一級酒よりも原価は高くなろうかと思います。
#131
○寺田熊雄君 私どもとしましては、いまの御説明で必ずしも納得しないんで、原料米の値上がりというものはきわめてそう大きなものじゃありませんしね。それからアルコール添加についても同様で、結局包装代とか、あるいは広告代とかいうような不生産的なものが主要なものになって、それからマージンが非常にふえていると、こういうふうに把握しておるわけですね。だから問題は、その中身は、結局本質的に相違はない。それは化学的な、あるいは物理的な中身というんじゃなくて、味であるとか香りであるとか風味であるとか、そういうものが全然変化がないのに、片っ方は特級となり、片っ方の地酒メーカーは二級でそれを売らざるを得ないという、その社会的な不公正といいますか、なぜ地酒メーカーはそれを特級で売り得ないのかということなんですね。なぜ一級で売らないで二級で売らなきゃならぬのか。結局それは大メーカーのように名前が売れてないからということに尽きるわけでしょう、その点はどうなんですか。どういうようにあなたは考えていらっしゃるんですか。
#132
○政府委員(星野孝俊君) 私どもとしては、やはり上級酒になるほど、先ほど申し上げましたように精白ぐあいなり、あるいはアルコールの添加率なり、そうしたものがコスト高になっているものと思っております。しかし、先生のおっしゃるように、確かに地方の地酒メーカーで、かなりいい酒をつくっているメーカーもあるわけでございまして、それが必ずしも本来審査を受ければ一級酒で売れるであろうものを二級酒の価格で売っておるという実態はあり得ると思います。それは先生のおっしゃるとおりにいろいろな要因があろうと思いますが、一つには、やはりブランドが売れてない、したがって、何といいますか消費者になじみが薄いといいますか、そういうことで一級酒の価格ではなかなか売れない、こういうふうな事情もあろうかと思います。
#133
○寺田熊雄君 そこで、結局一般大衆にいまの地方の地酒メーカーが本来高く売ることができるものを、名前が売れてないために安く売らざるを得ないという、そこの不公正ということも一つありますけれども、それ以上にわれわれが黙視できないのは、一般消費者が大衆が、つまり二級酒でも――味においては特級や一般に劣らないんだ、それをいわゆる広告によってだまされて高い特級や一級の酒を飲まされているという、そこが問題なわけです。ですから、私としましては、これはウイスキーの問題についても当然後で触れなきゃいかぬのですが、本来味においても中身においても変わりないものを、高い一級がいいんだ、あるいは特級はさらにいいんだというふうに思わされている大衆、その誤りを正すには、結局大メーカーの広告にメスを入れざるを得ないんです。ことに、サントリーなどの広告なんというものはすさまじいもので、これはウイスキーの分野だけれども。だから、どうしても広告というものを無制限に放置していることに対してわれわれは何とかこれを是正しなきゃいかぬ、税制の面でそれを是正する方法はないだろうか。だから、結局広告費に課税をして、そういう点をチェックすることができないかということなんですが、これは大臣どうでしょうか。そういう過剰な広告で大衆が欺かれて、本来二級酒飲んでいればいいものを、一級酒、特級酒でこれがいいんだと思わされて飲まされている、そういう現実をどういうふうにお考えになるか。そしてその広告について、税制の面からこれにメスを入れるという必要をお考えにならぬのかどうか、この二点大臣から御所見を伺いたいと思います。
#134
○国務大臣(大平正芳君) 今日自由社会でございまするし、かつ情報社会でございまして、情報の媒体としての広告というようなことについて、これがひとつ産業としての地位を確立しておるような状況でございますことは御案内のとおりであります。こういう状態を政府として有権的に是正する道はいまないわけでございます。せめて税制で何とか規制ができないかというお話でございますけれども、税でやるべきかどうか、また税で仮にやれるとして、それが効果があるものかどうかという点につきましては、なお究明しなければならぬのじゃないかと思いますので、いま御質問に対しまして断定的に自信を持ったお答えを申し上げる用意はありません。
#135
○寺田熊雄君 大臣、情報伝達の社会であるということはわかるんですけれども、正確な情報を伝達するという問題じゃないわけですよ、いまの問題は。そうじゃなくて、むしろどちらかというと虚偽の広告で、そうして特級がいいんだ、一級がいいんだ、二級はだめなんだという印象を与えるような過剰な広告、これは情報伝達の分野じゃないと思いますよ。これは過てるプロパガンダですからね。それに対してあなたは、まだこれをチェックする方法はないとおっしゃったけれども、たとえばイギリスなんかでは、テレビではウイスキーの広告は許されない。アメリカでも民放――アメリカは民放ですから全部、NHKみたいなものないですから、これは自主規制で二十三度以上のアルコールについての広告は自粛しているわけですよ、テレビでやらない。ビールとかなんとかはやっているけれども、そんなにがぶがぶ――日本のあれみたいにがぶがぶ飲むことを奨励するようなテレビはないわけですね。だから、方法はあるわけですよ。税制面にしたって、そういう大衆を過つような、そして大メーカーだけあるいは大企業に利益させるような広告というのは、これは明らかに害悪なんです、社会的な害悪なんです。だから、当然これは税制面でもメスを入れるべきだと思いますが、主税局長どうでしょう。いま英米の実例は主税局長は御存じでしょう。
#136
○政府委員(中橋敬次郎君) まず、アルコール飲料に対しまして社会規律として非常に厳しい国、おっしゃいますようにアメリカとか、イギリスにつきましてそういったものの広告の規制というのが行われておるやに聞いております。ただそれを税制でいろいろ措置をしてやることができるかということになりますと、私どもは収入確保の新しい道ということで確かに広告に対する課税問題も検討しなければならないと思っておりますが、交際費につきましていろいろ課税措置を従来から講じてまいりました。二十九年から始めて、だんだんその課税措置も強化してまいりましたけれども、交際費の支出そのものは依然として伸びておりますから、私は、広告費に対する課税というのは、広告費を抑制するという目的のためには使えないのではないかというふうに、交際費の実例から思っております。
 それから、今日のお酒の広告が、いま寺田委員は中身をいわば消費者にごまかしているのではないかという御疑問でございますけれども、仮にそういう誇大広告、虚偽広告でございますれば、当然公取の方で御所管になっておる法律でもっていろいろ処置をなさると思いますが、私は、今日のお酒の消費の高級化、二級から一級へ、特級へという動きは、これはそういう広告が過って内容をあたかも特級の方がいい、一級の方がいいということで消費者をそこへ引きつけておるとは考えておりません。むしろ、何といいましても所得が非常に伸びてまいりますと、ついつい高い物がいいという、これは必ずしも私はいい風潮だとは思っておりませんけれども、あらゆるものについてどうもそういう傾向が出ておるようでございまして、お酒についても、いままで九百円の二級酒を飲んでおった人は、つい千五百円の特級でも何でもなくなってくるというようなことから、清酒についても一級が非常に伸びてきた、特級もかなり伸びておるというような事態を招来しておるのじゃないかと思います。現に、二級ということを非常にセールスポイントといたしまして、安い、しかもいいお酒ということで、全国的にここ十数年の間に非常に伸びてきた銘柄もございます。また、それも広告によって、自分のお酒がそういうセールスポイントで非常にいいんだということを世の中の人に知らせてきた、その効果も私はあったと思っております。したがいまして、必ずしもいまの広告が何かあたかも内容を欺いて税金の高い、上等のお酒に消費者を駆り立てておるということではございませんで、むしろ、消費者が、所得の上昇、他の物価との権衡からいって、どうも高級、値段の高い物に手を出す傾向があるのではないかというふうに思っております。
#137
○寺田熊雄君 いや、高い物がいいというのは、これはよほどの資産階級が考えることで、たとえば備前焼なども、岡山で、安い価格だと売れない、三越で途方もない値段だと飛ぶように売れるということがあるんですよ、だけれども、酒の問題、ウイスキーの問題は、やはりこの広告で、たとえば何かよく芸者が出たり、貴ノ花が出たり、俳優が出たりして、盛んに広告をする。
 それからもう一つは、あなたは広告に虚偽はないと言われるが、サントリーの広告なんか、たとえばモルトが、原酒、これが何か「山崎の里に眠る」とかいって、何年も眠っているように広告しているけれども、一体、じゃ、あのサントリーの中に入っているモルトの量ですね、これは国税当局としては実際どのぐらいに把握しておられますか、特級、一級、二級……。
#138
○説明員(川島宏君) ウイスキー原酒の混和率でございますけれども、酒税法の施行令で特級につきましては、二三%以上、それから一級につきましては、一三%以上二三%未満というふうに定めてございます。また、二級につきましては、最低七%以上一三%未満混和するようにということを指導いたしておりまして、現在各社とも各級それぞれこの範囲内でウイスキー原酒を混和しているというふうに承知いたしております。
 なお、原酒のブレンド技術というものは、非常にウイスキーの品質に与える影響が大きうございますので、各社ともノーハウの分野に属しております。各社別の細かい混和の割合の詳細ということにつきましては、ただいま把握いたしておりません。
#139
○寺田熊雄君 いまのモルトの混入度合いというのは、そのとおりだと思いますけれども、サントリーの場合は、非常に、特級の中に占めるシェアというのが非常に多いですね、そうして特級というものの生産が非常に多いわけです。そうして平均するとモルトの度合いというものが二〇%ぐらいになるんだということなんですが、どうですか。
#140
○説明員(川島宏君) 現在のところ、詳細につきましては、よく承知いたしておりません。
#141
○寺田熊雄君 いまあなたの方では、このサントリーの年間の出荷量というのは把握していらっしゃるでしょうか、これはどのぐらいですか。
#142
○説明員(高木壽夫君) 概略は承知いたしております。把握いたしております。
#143
○寺田熊雄君 じゃ、おっしゃってください。
#144
○説明員(高木壽夫君) サントリーでございますですね、ウイスキーにつきまして、四十九年の数字から若干さかのぼりながら申し上げてみます。
 四十九年が十三万五千六百九十八キロリットル……
#145
○寺田熊雄君 何年ですか、それ。
#146
○説明員(高木壽夫君) 四十九年でございます。
 それから四十八年の数字を申し上げます。十二万二百五十一キロリットルでございます。
#147
○寺田熊雄君 もうその程度で結構ですから、両二カ年で。
 その中で占める特級の割合がわかりますか。
#148
○政府委員(星野孝俊君) それは私の方で把握いたしておりません。
#149
○寺田熊雄君 この中に、仮に二〇%のモルトを入れるとすると、平均して。一体必要な原酒の量というのはどのぐらいになるんでしょうか。
#150
○説明員(高木壽夫君) 二〇%であればどうかというお話しと理解いたしますが、ただいま申し上げました数字に二十を掛ければ、ある数字が出るわけでございますが、先ほど企画官も申しましたようなことで、その数字がどういう意味を持つかということは、大変問題があろうかというふうに存じます。
#151
○寺田熊雄君 だから、その問題は、二〇%のモルトというものがとてもあれでしょう、あのたるが全部で何リットル入りますか、よくたるがあるでしょう。
#152
○説明員(川島宏君) 正確には記憶いたしておりませんけれども、いろいろございまして、百八十−十八、そこら辺の単位だと思います。十八リッターから百八十リッターというような……。
#153
○寺田熊雄君 ですから、百八十リットルだったら、それはもうそれ入れるのに何万たるというものが必要になっちゃうんでね、だから、山崎の里に眠るモルトなんていうのは入れるわけがないんで、だから、どうしてもそれは輸入に頼らざるを得ないわけですよ。
 輸入の原酒の量というのはわかりますか。
#154
○政府委員(星野孝俊君) ただいま手元に資料ございませんので、調べさせていただきたいと思います。
#155
○寺田熊雄君 これはですから一体、その生産量に二〇%のモルトを入れるとすると、何万たるのモルトが必要になるのか。それがいまのサントリーの工場でそんな何万たるも何十万たるもあるわけないから、しかも、それも広告によると、モルトというのは三年から五年の古い寿命を持つんだということだから、そんなことはできるわけはないんで、だから輸入のモルトでブレンドしているんだということは明らかなわけでしょう。だから、さっきも主税局長の言われるように、広告には偽りがないんだというふうに断定はできないわけで、やっぱりそういう点を考えていきますと、やはり広告によっていまの酒とか、ウイスキーとかというものは消費者をだましているわけですね。非常に欺瞞しているわけですよ。そうして本来低価格のものでもいいものを、われわれは高いものがいいんだということでだまされて、それを飲まされているわけですね。だから、そういうものに対しては、ちょうど自動車の排気ガス規制の問題で、これは主税局長や大臣ともこの間お話を大分ここで論議をしましたけれども、大臣は懲罰的な課税というものは、ペナルティータックスというのは同意できないということをおっしゃったけれども、奨励的な課税とか、あるいは懲罰的な課税とかいうようなものをそう神経質に考えられずに、やはり広告というものの害悪を直接把握して、これに対して適切なやはり課税をすべきだと思うんですがね、どうでしょう。大臣と局長、両方の御意見を伺います。
#156
○政府委員(中橋敬次郎君) 広告の内容が真実であるか、それよりどの程度遠いかということは別にいたしまして、私どもは、この際広告に対しての課税も検討いたしていることは事実でございます。ただその際にも、やはり一番問題になりますのは、広告といいますのは交際費と違いまして社用消費、それを費消するその便益を受けるのがもっぱら個人であるというのと違いまして、効果は広告を行います会社に帰属いたしますし その損金となりました広告費はそのエージェント、広告実施機関に入って課税を受けるわけでございますから、交際費課税を起こしましたときとはかなり違った発想が当初あるんだろうと思います。
 それからもう一つ、広告費につきましてはやはり新しい分野に新規参入をしようという企業にとっては、それ以外に消費者に訴える道がなかなかないということがございます。確かにいまおっしゃいましたように、サントリーの広告というのも、一つには、ビールという業界にはサントリーは一番後発、劣弱のメーカーでございますから、それについてのサントリービールというイメージを消費者に植えつける気持ちがあるとか、たとえば非常に洋酒全体の日本の歴史を考えてみますれば、何といいましても、スコッチウイスキーというものに対するイメージに対して、わが国でつくるウイスキーというものを、わが国の消費者に植えつけるという意味において、確かにそういう広告の効果というものに非常に依存しておることも事実だろうと思います。それは別にいたしましても、あらゆる業体でやはりそういう一般数多くの不特定多数の消費者に直接訴える広告というものが、最近媒体の発達とともに非常に進んでまいっておりますから、そういうものについてどの程度のしんしゃくを加えることが必要なのかどうか、そういった観点もやはり広告に対する課税ということを考えます場合には、やはり慎重に検討しなければならないと思っております。そういう観点、いろいろむずかしい点もございますけれども、今後、私どもも他の先ほど来申しました引当金、準備金、交際費、広告費、それからギャンブルその他いろいろのものの検討項目数々ある中の一つとして研究をいたしたいと思っております。
#157
○政府委員(星野孝俊君) 先ほどの御答弁で若干不十分の点ございますので、補足並びに訂正させていただきます。
 サントリー社の特、一級、二級別の販売数量は、私どもの方で掌握しております。
#158
○寺田熊雄君 おりますか。
#159
○政府委員(星野孝俊君) はい。
#160
○寺田熊雄君 それ、一覧表にして出していただけませんか。
#161
○政府委員(星野孝俊君) はい、承知しました。
#162
○寺田熊雄君 それからいまのモルト二〇%の含有量とすると、幾ら要るのか、何たる要るのか、それから輸入が幾らだというようなこと。
#163
○政府委員(星野孝俊君) はい。
#164
○寺田熊雄君 それで結構ですから……。
#165
○国務大臣(大平正芳君) 広告に対する考え方でございますが、私ども銀行行政をやる場合に、預金者の保護を考える、証券行政をやる場合に、投資者の保護を考える、産業行政の場合に、消費者の保護を考える、いま寺田さんのお話を聞きながら感じるのでございますけれども、消費者がだまされる、消費者の立場に対する御配慮があるようでございますが、消費者自身も自主的にいろいろ御判断願わなけりゃならぬと思うのです。政府や国会がしつらえた花園でというのでなくて、いろいろな問題の中で御選択をいただくということが大事ではないかという感じが一ついたします。
 それから第二に、しかしながら、これまで高度成長経済の中では、世界的に広告というのが大変な大きな役割りを果たしてきたと思います。消費者のニーズとは別に、メーカーと広告という媒体が一緒になりまして需要を創造してきたということでございまして、そういったことが一体健全なのかどうかということに対して、私も疑問を持ちます。とりわけ、こういう経済の状況になってまいりまして、資源も節約せにゃならぬというようなことになってまいりますと、もう少しやり方があるのではないかと思うのでございますが、これは全体として国民も考え、政府も考えていかなければならぬ大きな課題でないかという感じ、感想を私は持ちます。しからばこれに対しまして、税制といたしましてどう対処してまいるかということでございますが、私としては税制というものの限界はやっぱり考えなければいかぬと思うのでございまして、税制をむやみに駆使するということも慎まなければならぬが、しかし税制が、あなたも御指摘のように臆病であってもいけないわけでございまして、そのあたり、いませっかく広告税につきましても、事務当局をして検討をさせておりますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
#166
○寺田熊雄君 この酒の問題、まだまだたくさん質問事項ございますので次回に譲りまして、きょう後はたばこの問題について御質問をいたしたいと思います。
 大臣、酒、たばこの問題で、衆議院の大蔵委員会の速記録を拝見いたしますと、銀行法の改正について、週休二日制の実現についてかなり前向きの御答弁をなさっていらっしゃいますね、これはやはり大臣としては、今後も前向きにおっしゃったこの答弁、これを堅持して推進していかれる御決意があるでしょうね、ちょっと再確認したいと思います。
#167
○国務大臣(大平正芳君) 衆議院で申し上げたとおりでございまして、閣議におきましてもそのラインに沿いまして、内閣に対しまして閣僚協議会の開催を早期にお願いするよう要請いたしております。
#168
○寺田熊雄君 大臣が主管大臣ですからして、関係閣僚の協議でも大臣がやはりそのイニシアチブをお取りになるわけでしょう。どうですか。
#169
○国務大臣(大平正芳君) 必ずしもそうではないのでございまして、その速記録をお読みいただきましてもおわかりいただけますように、週休二日制の問題というのは、金融機関の問題ばかりでなく広く行政、産業、国民生活全体にかかわる大きな問題でございますので、私も参加することによって、内閣の責任におきまして関係閣僚全部の集まりで検討していただくということでなければならぬと思うのでございまして、私が主管と申しますよりは、それを主管するのは恐らく総務長官じゃないかと思います。
#170
○寺田熊雄君 そうしますと、総務長官とタイアップして、「関係閣僚懇談会」これを「なるべく早く御招集いただきまして、私から御提議して、週休二日制の結論をなるべく早く見出すように努力しますというお約束をいたしたわけでございます。」、こういう速記録になっていますね。ですから、総務長官になるか、大臣になるかは別として、「私から御提議して、」「なるべく早く見出すように努力」すると約束したということですから、なるべく早く総務長官と連絡をおとりになって、これを、関係閣僚協議会というものを開催していただきたいと思うんですが、これはどうでしょうかね。
#171
○国務大臣(大平正芳君) それはすでに閣議に諮りまして内閣に要請いたしてありますので、国会が終わりまして、内閣の方で都合を見まして、なるべく早くそういう機会を配慮されるものと期待しておりまするし、私もそれを提議いたしました者でございますので、促進してまいりたいと思っております。
#172
○寺田熊雄君 これは日本の働く者、勤労者階級にとりましては大変大きなメリットのあることですので、重ねて早期の実現をお願いするわけです。
 それから、専売公社の副総裁いらっしゃいますね。――これは専売公社の従業員の団体行動権、一番問題になっているのはスト権ですが、これはまあ専売公社だけでありません、他の二公社、それから五現業全部に関する問題ですけれども、専売公社の場合は、いままでに阪田総裁、東海林総裁以来、一貫してスト権の制限排除を自分としては支持するというふうにおっしゃっていると聞いておりますがね、また国会の速記録を拝見いたしましてもそのようになっておりますが、その方針は現在でも一貫してお持ちでございましょうね、お伺いしたいと思います。
#173
○説明員(泉美之松君) 専売公社といたしましては、昭和三十九年の第四十七回国会であったと思いますが、当時の阪田総裁が専売公社の事業の性質から見て、一般労働法の適用を受けさせるのが適当ではないかという発言をいたしまして以来、労働基本権の制限排除の方向を支持するという基本的態度をとってまいっております。これは歴代総裁それぞれそれを踏襲してまいっております。もちろんこの場合におきましても、専売公社の経営者側が当事者能力が現在相当制限されておりますが、その当事者能力を相当程度付与していただかないと、スト権を与えても円滑にはまいりませんし、また労働組合の方におきましても、スト権を得たからといって、自制をしてもらわなければならない面も出てこようと思います。いずれにいたしましても、専売公社といたしましては、近代的な労使関係の安定した基盤というものをつくっていくのでないと、専売公社の事業を、国民の負託にこたえて健全にして能率的な運営をやっていくというわけにはなかなかいかない、どうしても労使が対等の立場に立ってお互いの相互の信頼関係というものをもとにして、その上にやっていかなければいけない、このように感じております。
#174
○寺田熊雄君 いま当事者能力という問題がございましたけれども、これは当事者能力という表現は、私決して妥当なものだとは思いませんけれども、結局公労法十六条の問題ですね。この十六条がありますと、仲裁裁定があっても、国会の承認がないと当事者を拘束しているのがだめになってしま、予算措置ができない、支払いができないということになります。もちろん当事者間の合意あるいは労働協約によるものも同じ結果になるわけですね。ですから、結局専売公社としては、公労法を、そのもののらち外に出たいというお気持ちなのか、あるいは公労法十六条を専売公社に関する限り不適用の規定を設けてもらえばいいというふうにお考えなのか、その辺のところは固まっておられますか。
#175
○説明員(泉美之松君) 三公社五現業の職員に争議権を与えるかどうかという問題は、御案内のとおり目下閣僚協議会で検討されておるのでございまして、いずれにいたしましても、その閣僚協議会の結論を待ってやっていかなければならないわけでございますが、専売公社としましては、現在の公労法第十六条の規定のらち外に出るということを考えておるわけではございません。労使の関係で労使が対等の立場に立って交渉いたしましても、労使間で片づかない問題は、結局第三者的な機関、まあ現在の状態でございますと、公労委の調停、仲裁ということによらざるを得ないと思うのであります。その前に、現在のところ専売公社の職員につきましては、給与総額制というのがありまして、予算で決まっておるわけでございますが、その給与総額制につきまして、現在よりもやわらかな運用ができないものかと。現在労使の間で交渉いたしておりましても、結局有額回答をするようになったのは昭和四十五年からでございますけれども、しかし、その有額回答につきましてもう各三公社五現業の実態というものは無視されまして、一律に有額回答をするという状態になっております。これは給与総額制のせいが多分にあると思います。そういった点につきましてその運用の改善をお願いしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#176
○寺田熊雄君 たばこの製造に関しましては、各国で専売制をとるところもありますし、アメリカのように純粋に民営のところもありますね。そのことはひとまずおいて、たばこの製造に携わる労働者からストライキ権を奪っているという国がございますか、文明国の中で。
#177
○説明員(泉美之松君) 世界の全部の国を調査したわけではございませんのであれでございますが、私どもの承知いたしておるところでは、いわゆる発展途上国を除きましては、先進国の中では、たばこの専売制をとっておる国、たとえばフランスであるとかイタリアであるとかオーストリーなどでありますが、それらのいずれの国におきましても、法律をもってたばこの製造に従事している職員のストを禁止しておる国はないと承知いたしております。
 それから、申し上げるまでもないことでありますけれども、アメリカとかイギリスとか西ドイツのように、たばこの製造が民営になっておるところでは、もちろん一般の労働者と同様にスト権が与えられておると承知いたしております。
#178
○寺田熊雄君 これは、大臣も閣僚協議会の一員でいらっしゃいますか。
#179
○国務大臣(大平正芳君) さようでございます。
#180
○寺田熊雄君 世界の中で、いまお話ししたように、先進国の中では専売の労働者のストライキ権を禁止している国というものはないわけですよ。ただひとりわが国だけがそうなんです。もっとも先般秋田地方裁判所でこういう規定が憲法違反だという、これは地方裁判所の段階ですけれども、そういう判決がございました。いま高裁に控訴中のようですが、そういう事情を踏んまえて、大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#181
○政府委員(西沢公慶君) ただいま泉副総裁から御説明がありましたとおり、スト権の問題につきましては、当事者能力の問題それから経営形態の問題、そういう問題と密接に関連いたしておると思います。で、当事者能力の問題といたしましては、給与総額制の問題あるいは予算統制の問題あるいは料金の法定の問題、こういうふうな問題も複雑に絡み合っておると思います。で、現在の組織、制度下におきましては、なかなかこの当事者能力を現状よりも――われわれとしては現状でも相当程度弾力化されていると思いますけれども、これをさらにいま一歩現在の制度化におきまして当事者能力を強めていくということはきわめて困難ではなかろうかというふうに考えております。しかし、それはわれわれが当面考えておることでございまして、先ほど来お話がありましたとおり、現在公共企業体等関係閣僚協議会におきまして、経営形態を含めてスト権の問題が議論をされておる最中でございます。したがいまして、この段階で軽々にお答えすることについては差し控えさしていただきたいと思います。
#182
○寺田熊雄君 私は大臣の御意見を伺ったんだけれども、監理官が軽々にお答えするのはいかがかと、大臣の答弁をチェックする発言を行った。これは驚くべきことで、忠誠心のあらわれだと思いますけれども、私は、そうじゃなくて、軽々にそれは大臣としておっしゃることはなかなか困難だろうけれども、やはりそういう先進国の問題それから日本の状態を見て、前向きに検討する決意があるかどうかの問題だと思うんですよ。いかがですか。
#183
○国務大臣(大平正芳君) いま監理官、非常に忠実なぼくの補佐官として、かわって御答弁をいただいたわけでございまして、監理官がいま申し上げたような段階でございますので、私として国会でいまこの問題につきましての発言につきましては慎重でなければならぬと思っておりますので、先ほど監理官がかわってお答え申し上げたとおり、ひとつ御了承を願いたいと思います。
#184
○寺田熊雄君 なかなかデリケートな問題ですから、それは、大臣のおっしゃることを無理に私がどうしてもはっきり言えというようなやぼなことは言いませんけれども、これはぜひひとつ、そういう先進国の中でただ日本だけですからね、ストライき権を奪っているのは。それも憲法二十八条に違反するという違憲の問題すらあるわけです。最高裁の顔ぶれがもう少し合理的な思考能力を持つ人々にかわれば、これはもう先般の薬事法の判決と同じような判決がきわめて突然にあらわれてくる可能性もあるわけです。そういう点を踏んまえて、前向きに検討をしてくださるように重ねて要望をいたしておきます。
 それから、専売公社の中の週休二日制の問題ですね。これは現在でも私隔週の二日制をとっていらっしゃるというふうに承ったんですが、間違いございませんか。
#185
○説明員(斎藤欣一君) 週休二日制、私ども厳密な定義は存じませんが、週のうち、日曜日は当然でございますが、土曜日も休むということでございますと、ある程度数年前から行っております。全体の勤務時間は四十二時間ということになっておりますが、その四十二時間を月曜日から土曜日までどう配置するかということで、工場におきましては平素の勤務時間を若干延ばしまして、そうして月に四日平均いたしますと土曜日がございますが、そのうちの三日を休んでおりまして、一日はそのかわり夕方まで働くと、そういうことで、週休二日制じゃなくて、二日制を月のうち三週間実行しておると。それから一般の、たとえば本社を初めとした事務的な部署もございますが、そこでは同じようなことで、隔週交代で土曜日は休む、そのかわりに、さっき申し上げましたように、ほかの日の勤務時間を延ばす、そういう意味で実行をいたしております。
#186
○寺田熊雄君 これは完全週休二日制を実現しても業務に支障はないと承っていいでしょうか、どうでしょうか。
#187
○説明員(斎藤欣一君) これは公社の場合、業務に、大きく分けまして、外と関係のある、一般社会と関係のある業務と、それから公社の中だけで余り外との関係のない業務と、こう二種類に分けられると思います。大ざっぱに申しますと、たとえば工場の中ではたばこをつくっておると、これは大体においてふだん外と交渉のある仕事は全く少ない仕事であります。したがいまして、時間さえ確保できりゃ、極端に申し上げますと、時間さえ確保できますれば、それはどこでその時間を働くかというふうなことは比較的世間に影響はなくて、ただ、外と関係がある仕事、たとえば営業の仕事でございますとか、あるいはある程度行政権限も持っておりますそういった仕事につきましては、この点やはり完全に週二日休んでしまいますと若干の支障というものが起こってくるものであろうと思います。
#188
○寺田熊雄君 次に、葉たばこの収納価格の問題についてお尋ねをいたしますけれども、これは昨年は四四・三三%引き上げられましたね、大蔵大臣何か断腸の思いのようにおっしゃっていましたけれども。大変これが日本の葉たばこの耕作者を刺激して、生産意欲を非常に高めたと、耕作反別が非常にふえたというふうに聞いておりますが、いかがでしょうか。
#189
○説明員(泉美之松君) 昭和五十年度の葉たばこの耕作面積は、私どもたばこ耕作審議会にお諮りいたしまして、五万六千四百ヘクタールの作付面積を公示いたしたわけでありますが、耕作希望が相当多くございまして、それを千ヘクタール以上上回る数字の作付が行われたのは事実でございます。その原因が昨年の四四・三三%の葉たばこの収納価格の引き上げによるものか、あるいは御存じのように、昨年来の不況によりまして出稼ぎ等の収入が減りまして農業の方に依存する傾向が強くなってきておりますが、そういったことに基づくものか、それらの点につきましては、まだなお十分検討しなければならない点があろうかと思っておりますけれども、しかし、いずれにいたしましても、そういうふうに作付面積がふえましたのは、昨年の値上げの影響が相当程度影響しておるとは考えております。
#190
○寺田熊雄君 私どもも現地に、農民に当たりまして、たとえば、麦価の引き上げなどはとてもまだ、町に近い農家の方々がこんな引き上げじゃとてもそりゃ麦はつくれませんと、われわれはやっぱり出稼ぎに、日雇いに行った方がいいですと、こう言っておりますがね。だから、四四.三三%の引き上げというものが、山間の葉たばこ耕作者の生産意欲を刺激したということは間違いないと思うんです。
 そこで、さらに今年度の収納価格になりますが、今度は物価も前年度ほどは上がってないと、こう言われておりますけれども、それでもやはり一四%、それからこの収納価格の中では労賃部門というものがかなりありますね。この労賃部門も、他の一般製造業に携わる労働者の賃金というものが平均して一四%ぐらいはこれは上がっておりますから、そういうことも考えますと、当然葉たばこの今年度の収納価格も、そういう物価の上昇、一般賃金の上昇に見合った引き上げが当然図られるべきであると思いますが、いかがでしょう。
#191
○説明員(泉美之松君) 葉たばこの収納価格につきましては、御案内のとおり専売法第五条で、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」と、こういうふうに規定されておるわけでありまして、公社といたしましては、まず第一には、葉たばこの生産費を補償するということに重点を置きまして、農村の物価や労賃の動向を参酌し、さらに葉たばこの生産と使用の関係というようなものを考慮いたしまして、さらに他農作物との価格のバランスと、こういった点など総合的な立場から収納価格をきめることにいたしております。御存じと思いますけれども、葉たばこの収納価格は、たばこ耕作審議会に諮問して、その審議会の答申に基づいて決定する、こういうことになっております。で、生産費は、過去三年の生産費を基礎にいたしまして、それにいまお話しの物価、労賃の上昇率を考慮して、収納価格の算定を行うわけでございます。したがって、その過去三年からの物価、労賃の変化率というものが当然考慮の中に入ってくるわけでございます。
#192
○寺田熊雄君 それでまあ結構です。当然この収納価格の中にいままでの物価上昇率や賃金の上昇率が資料として入ってくるんだということであれば、それで結構ですから。まあ農家の人々に生産意欲を刺激するようなぜひひとつ措置をとっていただきたい。それでないと、次第に耕作者がなくなっていくという恐ろしい事態がいま起きておりますので、これはぜひそういうふうにお願いしたいと思います。
#193
○説明員(泉美之松君) 葉たばこの耕作者の方の立場としては、葉たばこの値段が高ければ高いほど耕作したいということになるのだろうと存じますけれども、専売公社といたしましては、やはり葉たばこを収納いたしまして、それを製品にして製造たばことして国民の消費に供するわけでございまして、そういった点からいたしますと、やはりわが国の葉たばこの価格が現在でも諸外国の葉たばこの価格に比べまして比較的に割り高になっておりますので、そういう点からいたしますと、そうそう引き上げるわけにはまいりかねるのでありまして、何といたしましても、国内の葉たばこに依存していかなければならない点は重々承知いたしておりますけれども、しかし、ただ値を上げるだけが能ではないと思いますので、私どもといたしましては、従来からもやっておりますけれども、設備の近代化あるいは共同作業といったようなことを通じまして、生産性の向上というものを図っていきまして、それによってコストをできるだけ低く抑え、他の国の葉たばこの価格と競争し得るような立場に持っていく必要があろうと、このように感じております。
#194
○寺田熊雄君 次に、きのう物価等特別委員会との連合審査で、鳩山委員が御質問になりました百円たばこの問題ですね。これは、あのときの御答弁というものは必ずしも明快な答弁とは言えないように思うんですね。で、私この間、大蔵委員会の調査で、浜松の工場に行きましたときに、「エプソン」ですか、エプソンという試作品を一つだけいただいたわけですが、あのエプソンというのは、これは幾らのたばこで、いつごろ発売するのか、そういう点についてお尋ねをしたいと思います。
#195
○説明員(泉美之松君) 専売公社といたしましては、常に少なくとも三、四種類ぐらいは新しい銘柄としてどういうたばこを今度出すかということを検討をいたしておりまして、浜松の工場で御入手されたというエプソンはその一つと存じますが、このエプソンは、まだエプソンという名前で出すということは決めておりません。エプソンというのは、御存じだと思いますが、イギリスのある競馬場の名前でございますが、アスコットの方が競馬場としては有名のように聞いております。エプソンという名前で果たして日本で売れるかどうか、いろいろ問題もありますので、まだ検討をいたしておる段階にすぎないのでありますが、しかし、このものは、公社の銘柄のうちでは比較的高級のものといたしまして、国際的な競争に耐え得るようなものにしたいということでいま検討いたしておるのでありまして、価格はしたがって最高級品に近くなっていくものと思います。
#196
○辻一彦君 関連。
 いまの寺田委員の問題に関連して四、五点伺いたいと思います。この質問は、もう少し基本的な問題を論議してその後でいいと思ったんですが、たまたまきのうも論議がありましたので、若干の関連もありますからお伺いしたいと思います。四月二十三日の衆議院大蔵委員会で私の方の佐藤委員、それから四月二十四日の同衆議院大蔵委で武藤委員の質問に泉副総裁答えられておりますが、またきのうも連合審査で大蔵大臣からも御説明があって、答弁されました。百円たばこの問題について触れられています。そこで一つは、その商品体系から見て検討していると言いますが、それはどういうことを意味しているか、時間の点が余りありませんから、要点だけで結構です。
#197
○説明員(泉美之松君) 商品体系からいたしますと、今度の定価改定を行いました後、わかばなどの八十円銘柄と、それからハイライト、おおぞら、エムエフといったような百二十円、銘柄との間に四十円の開きができるわけでございます。で、そういった点からいたしますと、その間、四十円の開きがあるのはどうか、百円というその中間の銘柄があってもいいんじゃないかという考え方が、一つ、あるわけであります。ただ、それにつきまして、昨日の答弁が明確でなかったという御指摘がございましたが、昨日私は、百円銘柄のたばこにつきましては、いろいろ検討はいたしておりますけれども、平均単価より低くなるという点におきまして、専売益金が減ってまいるという点に難点がある、それから、葉組みの問題であるとか、香料の問題その他、葉たばこのどういうものを使うかという点についてもいろいろ問題がございますので、まだそういった点を慎重に検討しなければならない段階であって、現在、百円たばこを出すとか、出さないというようなことの決定はいたしておりません、こういうことを申し上げたつもりでございまして、そういう意味では百円たばこの問題は慎重に配慮しなければならぬと考えております。
#198
○辻一彦君 衆議院の記録でも、百円たばこはそのようにゆっくりしてはおれない、早い機会にしないと意味がないと、こう言われておるし、きのうも、一年もかかるようでは意味がない、こういう御発言がありますね。これは早く出すことのできる可能性を示唆していると、このように受けとめていいのか、どのぐらい期間かかるのか、その点いかがですか。
#199
○説明員(泉美之松君) 先ほども申し上げましたように、百円たばこにはいろいろむずかしい問題がございますので、そういった点を検討いたしておるのであります。
 それから、出すということをもし決定したならば、どれくらいの期間で出せるかということになりますと、これは物によって違いますけれども、通常の銘柄でございますと、そういう新しい銘柄を出そうとして、先ほど寺田委員からエプソンについてのお話がございましたが、ああいうものを検討いたしますときには、最初に着想してから本当に市場に出るまでに一年ぐらいかかるのが通常でございます。しかし、問題の百円たばこについては一年もかかったんでは意味もないという御指摘もございますので、しかし、そういう通常の手続をとらないで果たしてそういうたばこを出せるかどうか、そういうふうにできるかどうかということを考えますと、いろいろ難点がございますので、いまのところ、それではいつ出せるかというようなことはちょっと申し上げかねます。
#200
○辻一彦君 同じ御答弁で、つまり、通常の手続を省略してどうやっていくかと、こういうふうなことを言われておりますが、通常の手続を省略してどうやっていくことができるんですか。
#201
○説明員(泉美之松君) 通常の手続と申しますのは、まずどういう名前で、どういう意匠で、それからどういう葉組みで、どういう香料を使って、それからどういう長さの、どういう巻きの大きさの、そういったものからずっと検討いたしまして決めていくわけであります。そういった点につきまして、従来経験がある面におきまして、それを省略していくということ、それからもう一つは、通常の場合には発売前にテストマーケットにかけます。そのテストマーケットというものを従来は六カ月かけてやることにいたしておりますが、それを六カ月の期間を短縮するとか、そういういろんな点が問題になるわけでございます。
#202
○辻一彦君 そうすると、通常の手続を省略すればどのぐらいに縮まりますか。
#203
○説明員(泉美之松君) 目下のところ何カ月ということはちょっと申し上げかねます。
#204
○辻一彦君 半年以内ですか、以上ですか。
#205
○説明員(泉美之松君) それもちょっと申し上げかねますが、先ほど一年を超えて、もかかってはと申し上げたわけでありますが、半年も超えてもというふうな感じはいたしますけれども……。
#206
○辻一彦君 そうすれば、半年以内にというような示唆に受けとめますが、何カ月ということはまだ御発言できる段階でないとすれば、それはまたそのときに伺います。
 それでは、すでにその検討されている新製品の素材といいますか、銘柄――銘柄というような表現はできないでしょうが、素材といいますか、そういうものは現実に御検討されているんですか。
#207
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、私どもとしましては、常に三ないし四種類の新しい銘柄につきまして検討いたしておりまして、その検討の結果、いろいろ各方面の意見が一致いたしまして、これを出そうということになりますれば、それを出すということになっておりまして、その都度そういう銘柄別にどういう葉組みにするかというようなものは常に検討いたしております。
#208
○辻一彦君 その常に御検討されている三、四種のうちに、百円たばこに該当するのはあるわけですね。
#209
○説明員(泉美之松君) 目下のところ百円たばこのものは検討中の中に入っておりません。
#210
○辻一彦君 そうされると、その六カ月超えたんじゃ長いと、六カ月以内までにと、こう言われるのと、目下のところ検討されていないというのとはちょっと食い違いがあるんだがどうなんですか。
#211
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、常に三ないし四種類検討しておる中には、いまの百円たばこは入っておらないということでございまして、それだけにいつ発売できるかということが目下のところお答えにくいわけでございます。
#212
○辻一彦君 常に検討される三、四種以外で、これについて検討されておるんですか。
#213
○説明員(泉美之松君) それは、先ほどお話がございましたように、衆議院の大蔵委員会におきまして百円たばこについてのお話がございました。したがって、先ほども申し上げましたように、いろいろ難点はあるのでございますが、それについて検討はいたしております。
#214
○辻一彦君 衆議院でも、今後の情勢を考えて検討したいと、こうやっているんですが、自来二カ月かかっておりますが、諸般の情勢を検討していまどう判断されていますか。
#215
○説明員(泉美之松君) いずれにいたしましても、その百円たばこは定価改定を行いました後出すかどうかの問題でございまして、目下のところは定価改定を一日も早くお願いいたしたいということで頭がいっぱいなのでございます。
#216
○辻一彦君 いや、いまやはり定価改正の問題をめぐって論議をし、それに関連して衆議院以来論議をされているんですが、ちょっといまの御答弁では私はいただきかねる。
 そこで、答弁の中には、現実に出そうと思えば出せるような準備を整えつつあり、それも出そうとすれば、六カ月以内に何とかしなくちゃならないという考えがある、そういうことが示唆されているように思うんですが、最後に、今国会中にこの問題について明らかにされる用意がおありですか、いかがですか。
#217
○説明員(泉美之松君) これは定価改定をいつ実施するかという問題といろいろ関連してくることになろうかと思いますが、そういった関連で決意をしなければならぬ事態が起きるのかもしれませんけれども、目下のところはそこまで考えておりません。
#218
○辻一彦君 国会開会中に明らかにされるお考えはいかがですか。まだ大分ありますよ、十日、一週間。
#219
○説明員(泉美之松君) いまのところわかりません。
#220
○寺田熊雄君 酒、たばこともまだ質問が残っておりますので、これは木曜日に残しておきたいと思いますから。
#221
○委員長(桧垣徳太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時五十分まで休憩いたします。
   午後一時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#222
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 午前に引き続き、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#223
○矢追秀彦君 私は、前回鈴木委員が質問いたしましたお酒の表示問題につきまして引き続いて質問をいたします。
 昭和四十九年の八月二十一日に決定をされ、さらに九月二十七日に追加決定になった日本酒造組合中央会全国会長協議会における「清酒の表示に関する基準」、こういうのが出ておりますが、これの趣旨とこの法律的な根拠、また現在の状況、これを御説明いただきたいと思います。
#224
○政府委員(星野孝俊君) 先生御指摘のように、四十九年八月二十一日に決定し、四十九年九月二十七日に追加決定されました「清酒の表示に関する基準」でございますが、これにつきましては、その趣旨は、清酒の表示に関しまして、不当景品類及び不当表示防止法の趣旨にかんがみまして、消費者の商品選択に資し、かつ、公正競争秩序を維持するため、準拠すべき表示の基準を定める、こういうことで実施されたわけでございまして、その内容を申し上げますと、当面製造年月日の表示、それから原材料の表示を実施する、また比較表示、受賞、推奨、製造方法等の表示並びにその他誤認を招くおそれのある表示に関し表示の基準を定める、こういうことになっておりまして、現在のところ製造年月日の表示等につきましてはこの一月の一日から実施に入っております。
#225
○矢追秀彦君 いま言われましたように、これができましたのは「「不当景品類および不当表示防止法」の主旨にかんがみ、」と、こういうことになっておりますが、これができたということは、いままで製造年月日とか、あるいは原材料を表示していなかったということは、この法律にひっかかっておったと、こういう問題があったと、こういうことと解してよろしいですか。大蔵省と、それから公正取引委員会と、両方からお答えいただきたい。
#226
○政府委員(後藤英輔君) 不当景品類及び不当表示防止法では、一般広告表示でもって、その広告してある内容、表示してある内容が実際と比べまして著しく優良であるとか、あるいはまた著しく有利であるとかいうような誤認を消費者に与える場合には違反だということになっておりまして、必ずしも製造年月日を表示していないからということだけでもって、直ちにこの法律に違反するとは言い切れない問題でございまして、ただ、一般消費者がやっぱり商品選択をする場合に、著しく優良であるとかいうような誤認には至らないとしても、年月日というものは商品選択のやっぱり要素になるであろうということでもって、こういうふうなことを表示することが消費者の商品選択に好ましいという趣旨でもって業界の方でもって自主的にやり、また公取といたしましても公正競争規約でもってきちんとそういうふうに書かせるというふうに指導する方が消費者の保護という意味において、より適切であろうという趣旨でございます。
#227
○矢追秀彦君 直ちに違反ではないが、消費者にとってはやはり入れた方がいいということで行政指導すると、こういう御趣旨だと思いますが、いまは製造年月日の問題ですが、ここでは原材料の表示ということが問題になっておりますが、お酒の場合も、最近のはきちんと原材料が出されるようになりましたが、これも同じ趣旨ですか。材料の点についてはどうですか。
#228
○政府委員(星野孝俊君) 同じ趣旨からそういう原材料の表示を実施しているわけでございます。
#229
○政府委員(後藤英輔君) 同じような趣旨でもって、やはり消費者が選択する場合に、アルコールが添加されているものであるか、あるいはまた糖類が添加されておるものかということは、選択の基準になろうということで、消費者の選択に資するという意味でこういうふうな表示を現在指導しているところでございます。
#230
○矢追秀彦君 お酒の場合は問題が――私は、この業界の取り決めによりまして現在では製造年月日も出ておりますし、原材料もきちんとラベルには出るようになりましたが、ビールの場合、まだこれは問題になっていないわけですが、まず大蔵大臣、ビールというのは何ですか。ちょっと変な質問で恐縮ですけれども、ヒールの材料。どう受けとめますか、消費者という立場から考えて。
#231
○国務大臣(大平正芳君) もっと御質問特定していただかないと、ちょっと……。
#232
○矢追秀彦君 ビールの材料は何ですかと聞いている。
#233
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税法上「「ビール」とは、」「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの」、一つ、そう典型的に書いてございます。それからもう一つは、「麦芽、ホップ、水及び米その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。」、もちろんこれには重量制限がございます。この二つのグループでございます。
#234
○矢追秀彦君 実は私もビールというのは麦芽とホップと水というふうに実は解しておったんですが、いま言われたように、ほかの物がやっぱり入っているわけですね。たとえば米とかコーンスターチとか、もちろんこれは大体三〇%ぐらい入っているわけです。にもかかわらず、この表示は全然ビールにはないわけですね。その点で、いま大蔵大臣にお伺いしたのは、やはりビールの場合もお酒と同じように書かなければならぬのじゃないか、原材料を。というのは、ビールというのは本当に麦芽とホップと水と思っておったのが、それが入っているわけですよ、いろんな米とかコーンスターチとか。ところが、実際、私、びんここへ持ってきたんですけれども、全然出てないわけですよ。委員会に酒、持ち込んで恐縮ですけれども。余りよけい出しては……。きょう買ってきたんですけれども、これは全然書いてないわけですよ、原料を。しかも製造年月日も入っていません。アルコールの度数も入っていないわけです。この点について、いままで、極端な言い方をすると、一応法律ではいま言われたように書いてありますけれども、実際は消費者の立場から見ると、ビールの本体というのは余りわかっていなかったわけですよね。そういった点で、やはり今後この表示はきちんとしなければいかぬのじゃないかと思うんですが、まずビールの原材料について、その点は法律的にどうなのか、それからここにやはり表示をする必要があるのじゃないかと、こう思うんですが、大蔵省と、それから公正取引委員会、両方にお伺いしたいわけです。
#235
○政府委員(中橋敬次郎君) 先ほど申しましたビールの第一分類の純粋な「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの」のほかに、もう一つ、「その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。」というのがございます。もちろん、これは先ほど申しましたように、その重量は麦芽の重量の十分の五を超えない物に限るということでございます。わが国のビールは第一の分類のように麦芽、ホップ及び水だけでできておるものじゃございませんで、かねてより米を使っておるように聞いております。ただ、それが非常にわが国のビールがおいしいというゆえんであるようでございまして、必ずしも麦芽、ホップ以外の原料を加えるということは、ビールの味覚を下げるものではないというふうに考えております。
#236
○政府委員(後藤英輔君) ビールの製造の実態については、私どもの方まだ十分調査をしておりませんけれども、いま主税局長からの御答弁もありましたように、麦芽、ホップ以外の穀物も使われているということは聞いております。ただ、麦芽、ホップ以外の穀物を使っているからと言いましても、これはたとえばガソリンに灯油を入れてそれをガソリンと売っているというような事例のような、代替物でコストの安いものを使っているというような、これは明らかに不当表示として私どもの方問題といたしておりますけれども、そういうものとは性質が違って、このような原材料配合もビールの製造方法の一つであるという趣旨で、不当表示防止法違反とは言えないと思います。ただ食品の表示の原則といたしまして、一般的に主要な原材料を表示するということは、これは消費者の方としても当然関心を持ち、選択の場合の要素になっていると思われますので、一般的に食品の表示の原則といたしまして、やはり主要な原材料を表示すべきであろうという方針でもって現在指導をいたしておりますので、ビールについてもそのような方向でもって、私どもの方としては指導してまいりたいと、そう思っております。
#237
○矢追秀彦君 大蔵省に伺いますが、いま指導してまいりたいと言われますが、そうすると、清酒の表示に関する基準と同じように、今度ビールについてもきちんと原材料を入れると。いま米やコーンスターチを入れた方が、日本のビールが外国よりおいしいということであれば、よけい私は表示に入れた方が宣伝にもあるし、プラスだと思うんです。一向に入れて差し支えないと思う、こう思うのですが、まず原材料をこのラベルに入れるという点については、いまの公正取引委員会の見解に基づいて大蔵省としてもきちんと業界を指導されるおつもりなのかどうか、これお伺いした。
#238
○政府委員(星野孝俊君) ただいまの御質問のとおり、公正取引委員会の方と十分連絡をとりながら、その実現の方向で業界を指導してまいりたいと思います。
#239
○矢追秀彦君 その場合、いま申し上げた原材料、それから製造年月日、もう一つはアルコールの度数、これも入ってないんですよね、ビールの場合。一つだけ入っているんです。ギネススタウトというのが入っているんです。これは恐らく理由はわからないんですが、ほかのは入ってなくて、これだけアルコール分八度というのが、私よくわからないんですが、この理由も聞きたいんですけれども、まず製造年月日、それからアルコールの度数、それからいま言った原材料、この三つとも表示されるように指導をされるおつもりなのかどうか。それからもう一つは、いま申し上げたビールの中で、アルコール度が全然入っていない。ただギネススタウトだけ入っている。その理由についてお伺いしたい。
#240
○政府委員(中橋敬次郎君) わが国でビールと申しますと、ちょうど輸入されたとき以来、大体ビールといいますのは、いま私どもがビールという概念のもとにおきまして考えておりますものは、アルコール分がまあ四%前後のものでございます。もちろん、ドイツなりイギリスにおきまして、ビールの中のものとして、いま先ほどお示しのようなギネスとかスタウトとかいうようなものについては、度数の強いものがございまするから、そういうものは特に従来から考えておる一般的なビールと違うという意味で、恐らくそれをことさらに表示をしたものではないかというふうに思っております。したがいまして、ビールという称号、これについて私どもも、税金の関係がございますから、かつてビールに似た発泡酒というものが出ましたときにも、ビールという称号は使わせないようにいたしたことがございます。したがいまして、ビールという呼称のもとに呼ばれるものについては、一般的には度数としては四%前後というのがもう固定した概念でございますから、私はあえてそれを表示しなければならないとは思っておりません。
 それから、特に先ほど清酒の表示について端を発しましたけれども、私は従来からのものでなぜ表示が行われなかったかという御質問に関連して考えるわけでございますけれども特に最近米の入手が非常に自由になってまいりまして、いろいろその米の程度あるいは糖類の添加の程度というのが違ってくるように清酒のメーカーでも工夫をこらしてまいりました。その工夫のこらし方に千差万別あるにもかかわりませず、それぞれがまた本格清酒でございますとか、本醸造でございますとか、純粋清酒でございますとか、いろいろな呼称を特に目立って最近使い出したのでございます。それが、まさに消費者からすれば、一体従来からなじんでおった清酒、これもきのう、先日来いろいろ御議論ございましたけれども、私は、従来からもう三十何年間なじんでおったと思っておりますが、その中でまた新しく本格だとか純粋だとか本醸造だとかいろんなことが出てまいりましたから、それを明らかにする必要があるんではないかということが緊急に出てまいったわけで、それにこたえたものだと私は考えております。したがいまして、ビールその他につきましてはまだそういった非常に消費者がビールと言われたときに、一体それがどれであるかというような混乱を招くという事態にはなっておりませんから、清酒について先ほどお話のありましたような表示が行われたから、直ちにビールについて、ウィスキーについて、各種の酒類について行うべきであるかということになれば、それは私はなお研究の余地があるんじゃないかというふうに考えております。
#241
○矢追秀彦君 いま言われたのは、ビールは大体四%前後で固定しているからもう心配ないんだと。そうすると、いわゆるお酒というか、アルコールというのは、いわゆる飲料用として、何%以上ということになっているんですか。まあ例としてこのサッポロライトありますね、これは清涼炭酸飲料となってますが、これはアルコールじゃないわけです。これはアルコールが入ってるんですか、入ってないんですか。これとビールとの区別はどこでつけるんですか。その点はどうですか。
#242
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税法上酒類の定義としましては、アルコール分が一度以上ということになっておりますので、すべて先日来いろいろ御議論のございました酒類は、全部アルコール分一度以上の飲料のものでございます そこにいまお示しになりましたいわゆるサッポロライトと言われておりまするのは、一%未満でございます。まあ〇・五前後じゃないかと思いますけれども、とにかく酒税法に言いますところの酒類ではございません。
#243
○矢追秀彦君 そうすると、一%以上であるとやっぱり私はビールの場合もちゃんとパーセントを表示した方がいいんじゃないかと思います。その辺はどうですか。いま言われた、たとえば五%以上がいわゆる本当の酒だと、ビールは四%で大したことないから、そういうのを見分けなくても消費者の方は酔っぱらうこともないわと、そういうようなことで書いておられないとするなら、これはビールだって酔っぱらう人は酔っぱらうんですよ。私だって、こんなたくさん飲めませんよ。わりあい強い方ですけれども、だけれどもそう、やっぱり三本ぐらいが限界だと思いますね、一遍に飲めば。がっぱりこれは四度ある。ギネスの方はちゃんと八度と書いてあるんですからね。八度以上なら書くんだと、四度以下なら書かないんだと、それならそれで法律に私は決めるべきだと思うんです。法律でなくても、あるいは政令でも指導の基準としてですね。何も決めてないわけでしょう。いま言われた一度以上がアルコールということになるなら、やっぱり私は四・三なのか、五なのか、六なのか、ラベルに印刷するのには、印刷機かえるだけでいいわけですよね。どうして、いま政府の、大蔵省のお考え聞くと、何かこう書かない方向、書かない方向というような答弁に聞こえるわけですけれどもね。その辺やっぱりこれだけお酒の種類もふえましたし、消費者もかなりビールを飲むようになっておりますし、女性も飲んでいる時代ですから、やっぱりアルコール度はこれぐらいあるんだと、自分の体のぐあい、あるいは健康状況等を考えて、これはこれぐらいでやめなければだめだと、それからカロリー計算も大体ビールの場合は二百五十カロリーと言われていますけれども、そういった面からいろいろやっぱり私は消費者の健康やそういうことを考えれば、入れるべきじゃないかと思うんですがね、この辺いかがですか。
#244
○政府委員(中橋敬次郎君) ビールは確かにアルコールを含んだ堂々たるお酒でございます。そういうことで、私は度数の表示は要らないと言ったのではございませんで、もう長い間わが国におきましてビールというのは四%前後の度数を持っておるということは、もう消費者一般に理解をされておるところでございますし、ビールといえばすなわち四%前後と思っていただければよろしいんでございます。それがある特殊のビールにおきましては四%前後でない、いまお示しのようなスタウトであれば七%とか八%という高い度数でございますから、まあ特にそれを表示したものでございましょうし、またそれなりの意義はあると思いますけれども、あえてビールに四%とかいう表示をする必要はないのじゃないか。清酒がなぜそういう表示が必要であったかということは、私は最近の米の事情から非常に加速的に必要になったという事情を考えますれば、ビールについてそんなに表示の問題というものは喫緊の問題として考えることは必要ないのじゃないかということをお答えしたつもりでございます。
#245
○矢追秀彦君 まあ私非常に八%にこだわって恐縮ですけれどね、じゃ、八%を出すという根拠はどこなんですかと言ってんですよ。アルコール分八%になるとこれは高いから出すようになっているのか、あるいは普通のビールとは違って倍ぐらいあるから書いてあるのか、その辺はどうなんですか。
#246
○政府委員(中橋敬次郎君) それは恐らくメーカーとしましては、いままで人口に膾炙いたしておりますビールと違ったものであるというつもりをはっきりと消費者に認識していただこうという意味において、スタウトにつきましては独特の度数を表示したものと思います。
#247
○矢追秀彦君 そうするとね、ギネスは――また引っ張り出して恐縮ですけど、これビールと書いてあるんですけどね、日本語で。英語のこのラベルの方は確かにビールと書いてないですよ。ギネス・エクスポート・スタウト・セント.ジェームズ・ゲート・ダブリンですか、これビールの「ビ」の字も出てこないですけどね。日本でビールというこれラベル、輸入して張っているわけですよ。いま言われたビールと違うということで八度と書くという、そういうように聞こえるんですけどね、その点どうですかね。
#248
○政府委員(中橋敬次郎君) ビールと表示しましたものは、一般的には四%前後という理解が普及をいたしておりますから、あえてその度数を表示することは私は必要ないのじゃないかと思っておりますけれども、そのビールという範疇の中で独特のもの、いまお示しになりましたスタウトはその一般のビールと違う、度数も四%どころでございませんで、八%とか一〇%とか一二%とかいうのがございますから、そういう独特のビールでございますという意味においてその度数を表示したものであるというふうに考えております。
#249
○矢追秀彦君 何かビールは出さなくてもいいということで大分抵抗されているようですけれども、それじゃ、先ほどの公正取引委員会のお考えからいって、今後ビールについては依然としていまのままでいくのか、あるいは原材料は入れるのか、製造年月日は入れるのか、度数は入れるのかと、その点、いまの話だと度数はまあ入れないと、いまのままでいいというふうに聞こえますが、じゃ、あとの二つはどうですか。
#250
○政府委員(星野孝俊君) まず、製造年月日の問題でございますが、現在業界が公正取引委員会の指導を受けて検討しておりますのは、とりあえず詰め口の日にちではなく旬を、上旬、中旬、下旬ですね、それを表示してはどうか。といいますのは、日表示をやるということになりますと、実は非常に大量生産でしかも高速のびん詰め機を使っておりますので、それに日付けを表示するということになると非常に技術的にむずかしいんだそうでございます。で、それをまあ方向としてはそういう方向で検討しておりますが、とりあえずは旬で表示して、それでなるべく早い機会に日にち表示をすると、そういう方向でいけないだろうかということで、現在この辺は公取の指導を受けて検討中と聞いております。
 それから、原料等の表示につきましては先ほどお答え申し上げたとおりでございます。
#251
○矢追秀彦君 いま上旬とか中旬、下旬と書く、日にちはいますぐなかなか書けない、大量生産との関係と言われますけどね、まあどういう方法にするにせよ、ラベルを張るにせよ、このラベルに印刷するにせよ、どうせあの一つの機械でコンピューターでやればちゃっとできるわけですからね。同じ上旬で入れるなら日にちまで入れちゃっても、私は全然変わらぬと思うのですけれども。毎日毎日日にち変わることはできるでしょう、機械。あのビールの製造工場の最末端のところで一つ機械をつければいいわけでしょう。それはいまから、あしたからすぐやれと言ってもこれは無理かもしれません。たとえば三カ月なら三カ月、あるいはことしの夏は無理としても、この秋から、ビールのちょっとこう製造の落とすような時期に機械を入れかえてやるということは可能だと思うのですよ。やっぱりそこに、私何か、われわれの飲んでいるビールというのは大分古くさいの飲まされているのじゃないかというような感じもせぬでもないのですよ。だから、別に問題ないんじゃないですか、ほか皆そうやっているわけでしょう。あのジュースにしたって、あるいはいわゆる清涼飲料剤と言われるものはほとんどいま入っていますよ。ただまあ日付が入っててもわからないのが残念でしてね。これは公取で――これはまあお酒の問題と違いますから要望だけにとどめておきましてこの問題詰めませんけれども、たとえばかんジュースなんかありますね。製造年月日かんの裏に書いてありますって、裏見たってわからないですよ。42513とかね。何かこう記号で書いてあって消費者にはこれはいつできたものかわからないので、ついつい古いのを飲んでいるかもしれぬですが、まあその問題別として、少なくとも書いてあるのがかなりあるわけですよ。ところがいまビールについては十日単位ならできるけれども、日にち単位はできないという理由は機械の問題じゃないと思うのですよね。その点いかがですか。
#252
○説明員(高木壽夫君) ただいまのお話でございますが、部長からも申しましたように、ビールの各会社におきましては鋭意目下検討中でございますが、その製造の年月あるいは年月日、製造時期につきましてどういう表示をするかという点でございますが、やはりこれはまあ最終的には当然日というところに至るべきであるという考え方を私は考え方としては十分持っておると思います。それからまた技術的にもこれは可能であるという認識を各社とも持っておると私承知しております。ただそれを実施いたしますためには、つまり日表示ということで事を実施いたしますためには、これはまあ当然ながら何がしかの新しい設備が必要だと、それはよろしいのですが、そのことをもって若干準備のための日数がかかるというふうに聞いております。そこでまあビール各社におきましては、少しでも早く消費者の御要請におこたえするという立場から、とりあえず旬であるという形で表示してまいろう、そういう考え方を基本にして目下取り組んでおる、このように私承知しております。
#253
○矢追秀彦君 それはぼくの質問に対する答えにならぬですね。その日にちは、最終的には日にちを入れたいと、しかしおりあえず旬であると、この理由ですね。私はいま言った技術的な面の余裕は見ると言っているのですよ。何もこの夏からすぐ入れろとは言ってないですよ。機械もつくらなきゃならぬし、それに対するお金も要るでしょうし、それは準備も要るでしょうから、余裕の問題はぼくは論じないですよ。だから、来年一月からやるならそれで結構なんですよ。ただいま言われたね、とりあえず日にちはやめておくと、とりあえず旬にする、同じ機械入れるのでしょうが旬にしたって機械でいくわけでしょう、十日単位に。十日単位にカチャカチャ回る機械になるんでしょう、どうせ。どういうのか私もよくまあプリントの機械余り詳しくは知りませんけれども。要するに第一段階は旬で、その次は日という理由はどこにあるのかと聞いておるのです。
#254
○説明員(高木壽夫君) 全く同じ機械でもって旬あるいは日ということに対応することではないようでございまして、私も詳細な御説明をする能力はないのでございますけれども、やはりこの日表示にいたします場合には、旬表示をいたします場合と比べまして所要の機械その他必要な設備が大分違うようでございます。したがいまして、日表示を実施をするという決意をいたしまして、それから実施をするという場合の期間は、およその話でございますけれども、二年ほどはかかると、こういうように私一応理解しております。そういったようなことで、ともかく早く御要請に対応するという観点からは旬ということでまあ出発いたします場合にはこれはかなり早くできる、そういった日数を早く具体をするという点に力点を置いた姿勢だと私は思います。
#255
○矢追秀彦君 その点の理屈がわからぬのですね。じゃ、聞きますけど、現在お酒の方はどういう機械で製造年月日の印刷をされておるんですか。
#256
○政府委員(星野孝俊君) 私も余り技術的なこと詳しくないので、正確な御答弁があるいはできないかもしれません。後ほどもし誤っておりましたら訂正さしていただきたいと思いますが、一部では手でスタンプで押しておるところもあるそうでございます。それからやはり酒の製造のびん詰めのスピードが非常におそいですから、そのスピードに合わせて日付を打つ機械、これは現在でもあるんだそうでございます。で、それでやっている。ただビールの場合には非常に高速になりますので、高速印字機をまずつくらにゃいかぬということと、それからもう一つは、これも素人学問ですが、インキが何か速乾性のもの、すぐ乾くというものを開発しなくちゃいかぬ、こういうふうなことを聞いておるわけでございまして、その点は旬でいきますと、実は現在の機械で何かラベルに切り込みを入れるというふうな形で表示ができるんだ、こういうふうに聞いておるわけでございます。
#257
○矢追秀彦君 いまラベルで切り込み言われましたけれども、ラベルで切り込みなら、日付もできますよ、これは、簡単に。そんなことないですよ。私も機械屋じゃない。素人同士で議論してもだめかもしれませんけれども、それはおかしいですよ。だから、機械だけの理由なんですね、ということは。いまの日本のコンピューターにしても何にしても、かなり進歩していますよ、印刷機械だって何だってインクだって。できないことないですよ。だから、私あしたからやれと言っているんじゃない。余裕があったら来年の一月でも結構ですと。冬場でも結構ですと。いまの答弁だと違うんでしょう。まず、第一段階は旬にしておいて、その次にあれにするというんでしょう。二年間の余裕をもってというんでしょう。何で二年間かかるんですか、そんな開発に。日本の技術はそんなにおくれてないですよ。
#258
○政府委員(星野孝俊君) 私どもが説明を聞いておる範囲では、全く機械による理由だというふうに聞いておるわけでございます。しかし、何分にも素人でございますから、その点につきましてはさらによく勉強してみたいと思っております。
 それから……
#259
○矢追秀彦君 要するに二年と言われたでしょう、さっき。何で二年かかるのか。
#260
○政府委員(星野孝俊君) 二年と言いましたのは、若干の日にちがかかるということでございまして、実はビール会社としてはなるべく早く消費者の需要に応じて供給をしたいという希望を持っておるわけでございまして、できればことしの夏ぐらいからでもやりたい、それに間に合わせるには、やはりとりあえずは旬でやらざるを得ないんだ、こういうことのようでございますが、さらにこの辺のところにつきましては、御質問の趣旨もよくわかりますので、私どももその点よく勉強してみたいと思っております。
#261
○矢追秀彦君 それじゃその勉強していただいて、結果また御報告願います。要するに旬でやる機械と日にちの機械とはどれだけ開発に違いが出るのか。ただし、ビール会社に検討さしたらいかぬですよ。別に日にちを打つそういう機械をつくるメーカーの方からの報告としていただきたいんですよ。いいですか。そうでないと、またビール会社ごまかすからね。自動車の排ガスの規制と同じなんですよ。企業は絶えず、いや技術的にできませんとか何とか言って必ず延ばすんですから。日本の技術でできないこと絶対にないですよ。お酒やってるじゃないですか、現実に。機械だってスピード速くなったらそれだけスピード速めればいいじゃないですか。それだけの機械をつくればいいじゃないですか。私は絶対にやる気ならできると思うんですよ。
 それからもう一つ、原材料の表示はされるような方向で指導されますかどうですか、その点は。
#262
○政府委員(星野孝俊君) 最初の方の御質問につきましては、そのような方向で検討さしていただきたいと思います。
 それから原材料の表示は、先ほどから公取の方からもお答えがありましたように、そういう方向で努力したいと思っております。
#263
○矢追秀彦君 私は政府の姿勢として、お酒には非常に厳しく、零細企業でありながら、大変なところを、判こで押したり、日にちは、それからその機械をわざわざ、大変なところをそういう機械をつけてやっていらっしゃる。それからいろんな原材料の表示もそれは大変ですわ、印刷一つするにしてもね。これ全部いろいろ出しておられる。清酒業界にはえらい厳しいが、ビールには非常に弱いんですよね。だから、大蔵省の方は皆さんお酒に強くてビールに弱いのかと、こう言いたくもなってくるんですよ。その点ひとつやっぱり同じやるなら平等にしてもらいたい、同じ酒ですから。この点大臣いかがですか。
#264
○国務大臣(大平正芳君) 仰せの点、御指摘の点よく検討いたしまして、できるだけ御意に沿うように考えてみたいと思っております。
#265
○矢追秀彦君 私ビールばっかり質問して恐縮ですけれども、きのうから――恐らくきょうの衆議院の本会議でどういうような結論が出ますか、独禁法の問題で修正可決というようなことが出てくるわけですが、ビール業界におけるシェアの問題が絶えず問題になっておりますけれども、もし仮にいまの独禁法が参議院も通過をして施行されるとなった場合、現在ビール業界で最高峰と言われている麒麟麦酒は企業が分割になるのか。もし分割になる場合はどういうふうなことをお考えになっておるのか。これは公取と大蔵省とからお伺いしたい、仮定の問題で恐縮ですが。
#266
○政府委員(星野孝俊君) 独禁法が仮に成立した場合どうするかということでございますが、独禁法の運用の問題につきましては、当庁としては直接意見を申し述べる立場にございません。ただ私どもとしては、麒麟麦酒のシェアが非常に大きいということは事実でございますので、その結果いわゆる寡占状態にあるわけでございますけれども、しかし、私どもとしては寡占の弊害が生じないように、できるだけ麒麟社に対しましても指導いたしまして、また麒麟社といたしましても、企業努力によりまして、たとえば生産設備の増設を控えるとか、あるいは計画出荷するとかというふうなことをやりまして、現在シェアの拡大を防止するように努力しているところでございまするが、そういう方向で私どもの方も今後とも寡占の弊害が生じないように指導してまいりたい、このように考えております。
#267
○政府委員(後藤英輔君) 私、直接担当とは違いますのでお答えするのはいかがかと思いますけれども、一般的に今度の法律についての理解しているところから申しましても、今度の非常に独占的な状態になっているという業種につきまして、それがたとえ正常な企業努力の結果なったものであったといたしましても、その結果、たとえば新規参入を著しく大きく強く制限をしている、あるいはまた、価格を非常に高いところに維持できるような状態が続いているとかという寡占の、独占の弊害がある程度顕著になった、そういう時点をつかまえて営業譲渡等の措置がとれるという一つの独占の状態についての弊害の除去、予防という観点からああいう法律が今度できたわけでございまして、果たして麒麟麦酒がいままでそういうような独占的な地位にあることは間違いございませんけれども、それが果たして新規参入というようなものをそれによって抑え込んでいくのか、あるいはまた非常に高い価格というものを維持できるような状態にあるのかどうか、法律でいろいろな弊害の要件が定められておりまして、直ちにそれに該当するかどうかということは相当やはり慎重に検討しなくちゃならない問題ではなかろうかと思うわけでございまして、したがって、この法律が通りますと直ちに麒麟に何らかの措置がとられるかということにつきましては、慎重にやはり検討いたさなくちゃならない問題だろうと思っております。
#268
○矢追秀彦君 大蔵大臣、いまの問題についてはどういうふうな認識ですか。やはりいまの公取の方のお立場だと慎重にやる、大蔵省の御答弁だと、そういう寡占状態にならないようにまず業界を指導する、製造の本数等を抑えるような努力をしていくんだ、こういうようなお話でございますけれども、そうなると、独占禁止法がたとえ修正されて可決されたとしても、何かその趣旨と逆を行くような感じがないでもないんですけれども、その点も含めましてこれは仮に通ったと仮定をした場合どういうふうに対処されるか。あくまでもその時点で麒麟のシェア等いろんな関係を見て企業を分割しなさい、そして第二麒麟麦酒という名前にするか新しい名前にするか、いろいろな問題あると思いますけれども、どういうふうな方向で対処されるのか、大臣からの所信をお伺いして、この問題またこの場所とは違いますので、新たな問題としては別な委員会になりますけれども、大臣の所信をお伺いしたい。
#269
○国務大臣(大平正芳君) まず、改正法がどういうことになりますかまだわからない段階で、仮定の議論は慎んだ方がいいんじゃないかと考えておりますが、いずれにいたしましても具体的な問題でございまして、その時点における法律の適用、運用の問題につきましては、具体に即してよく吟味の上間違いないように処置しなければならぬと考えております。
  〔委員長退席、理事山崎五郎君着席〕
#270
○矢追秀彦君 時間もわりあいたってまいりましたので、お酒の方はこの程度にいたしまして、次にたばこの問題に入りたいと思います。
 昨日の連合審査でもいろいろ議論をされておりましたけれども、重ねてお伺いしたいと思いますが、今回の値上げで、お酒も含めてになりますけれども、歳入欠陥との関係でどうしてもというふうに言われておりますが、今度の歳入欠陥はまだ状況としてはわかりませんけれども、一応方程式どおりいけば九千億円というふうなことも一、この間当委員会で出てまいりましたけれども、現在の景気の状況等を考えまして、やはりかなりふえるのではないか。しかも、私最近心配しておりますのは、災害も少し出てきておりますので、本年の年末における補正予算において、もし災害が多発をした場合には相当の補正になるのではないか。たとえ米価が低く抑えられたと仮にしても、またベースアップというものが仮に低く抑えられたとしても、そういう問題が出てきた場合、現在の景気の浮揚状況等考えまして九千億程度ではとまらないような状況も出つつあるのではないか、こう思うわけです。そうなった場合は、やはり公債の発行ということになり、しかも、三兆五百億の枠を超える可能性も出てくるわけです。そうなりますと、このたばこ、酒の値上げによって税収が仮に入っても、それはそう大きな救いにならないんじゃないか、そうなれば、いま国民が非常に心配しておるこの物価の問題で、仮に私たちはもっと延ばしてもらいたいんですけれども、ある程度時期を延ばすとか、あるいは値上げ幅を変えるとか、あるいは昨日も質問が出ておりましたが、新しいたばこをつくるとか、何かいろんな方法があるように思うんですけれども、まずその歳入欠陥と、今回のたばこと酒税の値上げによる歳入、いわゆるプラスですね、その点との関係で基本的な考えをお伺いしたいんです。
#271
○国務大臣(大平正芳君) ことしの予算の仕組みから申しますと、すでに歳入におきまして二兆円の国債発行を予定いたしておるわけでございます。これは国債の依存率を若干低下させる方向に財政を持っていきたい、去年よりも国債発行を少なくしたいという願いを込めて二兆円に抑えたわけでございまして、そういう前提で税収入並びに税外収入をあんばいして歳入予算ができ上がっておるわけでございます。すでに歳入欠陥問題、すなわちそういうものが起こらない場合でもそうでございますので、歳入欠陥の心配が起こってくれば、一層税並びに税外収入の必要性は高まってくるわけでございまして、この酒、たばこの改正法案によりまして期待いたしておりまする増収は、ますます大事になってまいると心得ております。
#272
○矢追秀彦君 そういう考え方が非常に国民に対して、特に庶民に反発を呼んでいるわけですよ。結局、お金がなくなったから大衆課税と言われるたばこやお酒に税をかけて、そうして庶民の生活を苦しめる。これはちょっと古い世論調査でありますけれども、昭和四十九年の十二月九日、ある新聞社の調査ですが、七二%の方が、国の財政は大事だが、それ以上に国民のことを考えるべきだということで七二%、国の財政を助けるためには値上げはやむを得ないというのが一三%なんです。余りにも大幅であるということで反発しているのが七割、減らすか、やめるかというのが三九%というようなデータが出ておるわけでして、まあ、これは一つの新聞社のデータですから、全国民すべての調査としていいかどうかは、それはいろいろ議論があると思いますけれども、大体の傾向としてはこういうふうなことになるのではないか。しかもその中で、たばこを吸う人で値上げになったらどうするかというので、量を減らすという人が三一%、吸うのをやめるというのが八%、安い値段のものにするというのが三%、いまと変わらないというのが五四%です。要するに半分以上の人は値上げになってもしょうがないから、やっぱりいままで吸っておったセブンスターを吸おうと、こういうことになっているわけです。ますますやっぱり大衆課税という方向になってきて、国民の負担になる。だから、やはり私たちとしては、税をもっと取れるところから取るべきだ、大衆にはなるべく負担を軽くすべきだ、こういうのが税制の公正化になると思うのですけれども、そういった意味で相当の歳入欠陥が生じるんなら、どうせ国債出されるんでしょう、その場合、果たしてこれがどれだけの救いになるか。歳入欠陥になったからますますこの財源が必要でございますといま大臣力説をされますけれども、私は何も永久にやめろと言っているんじゃないんです。確かに四十三年の値上げから七年もたって、いまごろ五〇%も値上げするからみんなかちんとくるんですよ。もう少したばこの値段についてのルールというものができなかったのかどうか。これをもっと国民にわかりやすい形で、国民の合意を得られる形で、たばこの値段はこうあるべきであって、仮に値上げをするとした場合もこういうルールなんだということぐらい、これは七年間に何か示されればこれはまた話はわかりますけれども、突如こういうふうに出てきているわけでしょう。そういった点で、やっぱり国民の立場から考えますと、非常に大衆に対する負担としての不満がこのような形で出てきておるわけです。
 それで重ねてお伺いしますけれども、いま仮定の問題で答えられないと言われるかもしれませんが、私は、最終的には赤字公債出さなければならぬ状況になると思うんですよ、この年末は、残念ながらね。反対ですけれども。そうしたのは政府の責任ですけれども。その場合これがどれだけの救いになるのか、この点いかがですか。
#273
○国務大臣(大平正芳君) 一つの問題は、御指摘のようにこういう税源をあさるよりは、ほかにもっと税源がなかったかという問題が問われなけりゃならぬと思うのです。その点については矢追さんと私と若干考えが違うかもしれません。私は、現在の税制が公正にできておると考えておるわけでございます。これはしたがって、ここで税金、ここで歳入を調達するということが私は最も適当だと考えておるわけでございます。
 それから、第二の点でございますが、しかしどうせ歳入欠陥になった場合公債を出すじゃないかと、四千億、五千億というふうなものに別にこだわらぬでもいいじゃないかという大変な気前のいいお話でございますけれども、私としてはそう気前よくなれないわけでございます。国民といたしましては、その方があるいはイージーな行き方でございますし、私といたしましてもその方が評判がいいかもしれません。しかし、私はそういうことをやるべきじゃないと思うのでありまして、袋だたきにされましても、やっぱり赤字公債というふうなものは出さない方がいいんだし、公債にお願いするにいたしましても、できるだけ少なくしなけりゃならぬのは、私の当然の務めだと思うのでございまして、ここ百億、二百億という金は決して小さい金じゃないんでありまして、百億、二百億円を笑っておりますとそれに泣かなけりゃならない日が出て来るだろうと思います。
#274
○矢追秀彦君 何も私は笑っているんじゃなくて、これは真剣に財政のことは考えておるわけですよね。いま言ったように、災害ことし起こったら本当にこの補正予算どうされますか。財源出てきますか。ちょっと私最近のまだ気象庁の詳しい予報データ見ておりませんけれども、そういう予感がするんですよ。ことし災害来たらこれは大変だなと思っているところへ、もうきのうあたりから豪雨でしょう。新幹線もとまっておるわけですね。ちょっとひょっとしたらことしは災害が多いんじゃないか、しかも大体災害は隔年に来てるんですよ。ことし来る年なんですよ。そういう意味で本当に大蔵大臣これ、大変な問題なんですよ。だから、そういう意味を含めまして、だから、よけいほしいというふうに言われると思いますけれどもね。この辺でそういうふうに補正予算を考えた場合、本当にどうするのかと、先日来もこの委員会で歳入欠陥のいろいろな税のことをおっしゃっておりますが、その点本当に真剣に検討されて早急にやらないとこれは大変なことになってくると思うんですよ。その点含めまして所信をお願いしたい。
#275
○国務大臣(大平正芳君) 災害の話でお話しでございますけれども、去年はいままでの経験から言いますと、異常に災害が多かった年でございまして、私ども予想以上に災害の手当てが多くかかった年でございまして、しかし、これからおてんとうさんがどのように、どういうことでわが日本に対応されますか、これはわかりません。わからないのでございますけれども、申すまでもなく、災害対策というのは第一義的に財政当局として考えなけりゃならぬことは御指摘のとおりでございまして、今後の財政運営につきまして矢追さんおっしゃるとおり、災害対策費というものはいつも念頭にある問題でございますことは、御指摘を待つまでもなく心得ておるつもりでございます。
 それから、ことしの補正の問題でございますけれども、これは冒頭この本委員会でも私がたびたび申し上げておりますとおり、まだ年度が始まったばかりでございますので、大変紋切り型の説明になりまして恐縮でございますけれども、いましばらく補正の問題を語るには条件がまだ整っておりません。材料が整っておりませんので、これは秋になりましてからお願いをいたしたいと思います。ただ、ことしは大変緊張した財政運営をやらなけりゃならぬ、覚悟せにゃならぬことは御指摘のとおりでございますので、財政当局といたしましても、歳入、歳出両面にわたりまして、可能な限りいろいろな検討をいま進めておる次第でございます。そういったことが固まってまいりますならば、また本委員会に御相談申し上げるときがあろうと私は思っております。
#276
○矢追秀彦君 まあひとつ財政面については慎重にやっていただきたいんですが、先ほども私少し触れましたが、四十三年からことしまで全然値上げをしてこなくて、突如五割というふうな形で来たんでは、国民にとっては非常な反発になるわけです。この七年間というのはどういうふうな経過でずっととめられてきたのか。その間もしどうしても専売益金をある程度確保しなければいかぬということになれば、何らかのルールづくりというものができて、それがむしろ国会で審議をされて、そうして国民も納得する形の上での何らかの方途がなかったのか。それを何もしないで来て、いまぱっと五〇%というのは、これはやっぱり国民にとっちゃ反発が出ますよ。その点大臣どうですか。
#277
○政府委員(西沢公慶君) 先生御案内のとおり、昭和四十三年に定価改定をやりましてから以降、専売事業益金率は六三%に回復し、その後四十七年までは六一、二%で推移してまいったわけでございます。その間もちろん物価も、原価もそれなりに上昇しておったわけでございますけれども、その間専売公社の企業努力をもちまして、こういった益金率が維持されてきたものと考えておるわけでございます。四十八年度になりましてから、石油ショックのため専売公社の企業努力をもってしてもいかんともしがたいような事態が発生したわけでございまして、そのために今回の定価改定をお願いいたしておるわけでございます。しかしながら、昨日の当委員会におきましても、ただいま先生のような御提案がございましたけれども、こういった長期間にわたって据え置いた結果、非常に大幅な値上げになるということにつきましては、やはり問題がなきにしもあらずであるということでございまするので、将来の問題としてはそういったことがないようにする方途がないものか、今後の検討課題であろうかと思います。
#278
○矢追秀彦君 大臣はどうですか。
#279
○国務大臣(大平正芳君) きのうも連合審査会で申し上げたんですが、その間私は大蔵大臣の職にはなかったわけでございますので、責任をもってお答えを申し上げる資格はないわけでございます。私は、しかし矢追さんの言われた説に賛成でございまして、一挙にこう上げるというようなことはよくないことでございまして、なだらかに処置していくことが適正な対応策であると思います。でございますから、ことしさらにこれを延ばしておりますと、来年またこれ、もっと多くなるわけでございますので、遅きに失したきらいはございますけれども、ことしここで踏み切らしていただいたわけでございますので、あるいは私これをやらないで通すことがそれはイージーな道かもしれませんけれども、これもそういう意味で来年以降にまた問題を残すわけでございますので、そのように決心さしていただいたわけでございますので、そういった事情もひとつおくみ取りをいただきたいと思います。
#280
○矢追秀彦君 たばこはきょうはこの程度にとどめまして、また続きを申し上げますが、基本的に益金率の割合についてはどの辺が妥当なのか、どういうふうな方程式で現在の、先ほど六〇%というような話がございましたけれども、やはり今後としてそういうふうな方向なのか、あるいはもう少し国民の負担を軽くする道はないのか、その点はいかがですか。基本的な問題伺って、これはまた細かく詰めたいと思います。
#281
○政府委員(西沢公慶君) これも当委員会におきましてたびたびお答え申しておると思いますけれども、専売事業を営んでまいりまするときの手法としましては、われわれは益金率六〇%をめどとしてきておりましたし、今後ともそれを目途に事業運営を図っていくべきであるというふうに考えております。もちろん六〇%そのものずばりという法的な根拠もございません。しかしながら、過去の経緯を見ましても六一、二%をたどってきておりますし、また諸外国のたばこに対する税負担の割合を見ましても、仮に六〇%にいたしましても、決して高きに失することはないという現実があるわけでございます。しかしながら、今回の定価改定におきましては六〇%をめどとしつつも、やはり物価対策等々いろいろな情勢を踏まえまして、結果的には益金率が五六・九%という案で五月一日実施をお願いいたしておったわけでございます。ただいま五月一日がおくれてまいってきておりまするので、この五六・九%もさらに落ち込んでいるのではないかと思われます。
#282
○渡辺武君 私は清酒酒造業界の問題について幾つかの点を伺ってみたいというふうに考えております。
  〔理事山崎五郎君退席、委員長着席〕
 いま清酒酒造業界、特にその中での中小酒造業者、この状況が非常に深刻な不況状態にあるんじゃないかというふうに思われますけれども、大蔵省の方ではこの実態をどのように認識しておられるか伺いたいと思います。
#283
○政府委員(星野孝俊君) 先生御承知のように清酒製造業者は三千数百軒ございますが、そのうちの九九・六%まで中小企業で占められておる、こういう実態でございまして、そうした実情を反映しまして、清酒の製造業者の経営状況も相当苦しい、こういう特に中小規模の業者の経営は非常に苦しい、税引利益五十万円未満のものが五割以上を占めている、こういうような状況でございます。これに対しまして、去る四十四年から清酒業界も自由化されるということになりましたので、この過渡的な措置として構造改善事業を実施いたしましてその体質強化を図ってまいったわけでございまして、これは今回終了したわけでございますが、なおかつ現在においても清酒業界全体の方向というものは必ずしも非常に良好な状態である、こういうふうにはなかなか申せないような状態にあるわけでございまして、そうした状況を踏まえまして私どもとしましても種々対策を講じておるわけでございますが、今後ともできるだけ業界の助成、合理化等につきまして努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#284
○渡辺武君 いただいた資料を見てみますと、最近五カ年間の課税移出数量ですね、酒類の、これの伸び率で見てみますと、清酒は合計して最近五カ年間年平均一・二%ずつしか伸びていない、増加率が。ところが、ビールは五・九%、それからウイスキーが一一・九%、伸び率からして格段の相違を示しているわけであります。恐らくこういう実態でありますから、酒類全体の中での清酒の占めるシェア、これは逐年低下している、しかも、かなり急速に低下しているんじゃないかというふうに考えられます。数字があったら後から教えていただきたいんですが、こうして一方ではビールやウイスキーの競争の圧迫で清酒業界がかなり困難な実態になって売れ行き不振、しかも、かなり大量の在庫を抱えざるを得ないという状況になっていると思うんですが、特にその中でいまおっしゃった九九・六%を占める中小酒造業者、これがほんの比率から言えばわずかな大手酒造業者の圧迫でかなりの欠損会社が生まれているというのが事実だと思います。いただいた資料で見てみますと、昭和四十八年の調べで、五十万円未満の企業者数、千六百八十九社の中で欠損企業数は五百二十九ということになっておりますから、約三分の一が欠損会社、こういう実情になっているわけであります。私はこれは恐らく一時的な不況というわけにはいかないんじゃないか。一時的な不況であれば、時がたてばまた好況に変わるということもあり得るわけでありますけれども、しかし、いまの清酒酒造業界の直面している実態というのは、こうした一時的なものではなくして、むしろかなり長期の構造的な不況というのが実情じゃないかというふうに考えます。今回の酒税の大幅な引き上げが、こうした構造的な不況のもとであえいでいる特に中小の清酒メーカーに大きな圧迫になるのじゃないかというふうに考えられるわけでありますが、現在の不況の実情ですね、いま申しましたように一時的なものと考えておられるのか、それとも構造的なものと考えておられるのか、その点をまず伺いたいと思います。
#285
○政府委員(中橋敬次郎君) まずお尋ねの、最近におきますところの各種類の酒類がどのようなシェアの変動を示しておるかということでございます。それはおっしゃるように、たとえば昭和三十七年におきましては単純に三十七年から四十三年まで清酒全体としますと一・五倍の数量になっております。それに反しまして、ビールは同時期において一・七倍でございますし、ウイスキー類は二・一倍になっております。それから四十三年から四十八年まで同じような伸びを見てみますと、清酒全体は一・二倍でございますが、ビールは一・五倍、ウイスキー類は一・七倍になっております。ところで、清酒全体ではそうでございますけれども、清酒の特級、一級だけを別に引き出してみますと、三十七年から四十三年では特級は一・二倍、一級は四・八倍、四十三年から四十八年では特級は一・七倍、一級は一・九倍ということでございますので、清酒全体の比率としては確かにお示しのような傾向を示しておりますが、むしろそこは、消費の高級化に伴いまして特に一級が非常に伸びておるということが言えると思います。
 そこで、今回の増税でございますけれども、清酒につきまして、二級は税率を据え置きにいたしておりますから、その点におきましてはむしろ税差は二級と一級、特級との間においてはさらに広がってきたということになります。現在の清酒二級の酒税は一・八リットルで約百五十四円でございますが、一級では三百十四円程度のものにさらに四十七円程度増税を図りますから、またその税差が開いてきたということは、むしろ二級メーカーにとりましては相対的に税制では有利になってきたということが言えると思います。しかし、最近おきますところの規模別と申しますか、そういう観点からの清酒メーカーの経営状況はおっしゃいますような事情でございます。
 ただ、そこで考えなければなりませんのは、清酒業全体といたしますれば、もちろんその零細業者も含めまして、つい先日までは原料米の状況からしまして、かなり生産面では限定的な事情のもとにおきまして有利な構造を示しておったと思っております。それが原料米の関係から、ようやく自由競争の時代に入ってまいりましたから、私は、清酒業界だけがいままでのような構造上の利点を持ちながら、全体がいままでと同じように利益を上げ、存続をし得るかということは非常に疑問だと思っております。あらゆる業態が自由競争のもとで非常に生産性の向上に努力をいたしておりますから、清酒製造業といえども、そのらち外にいつまでもおるわけにはまいりません。そういう観点から、やはり各個の清酒企業体としまして、生産性の向上ということを十分考えていただかなければなりませんし、業界に関係いたしております私ども、あるいは国税庁といたしましても、そういう観点から近代化ということについて同じ業界の人たちの動きというものを促進するように努力をいたさなければならないというふうに思っております。
#286
○渡辺武君 かなり厳しい実態だということは言外にお認めになっているように伺いましたけれども、しかし、同時にかなり冷然たる突っ放し方という感じも非常に強く印象として受けたわけですね。ビール、ウイスキー、特にビールは、やはり今回も税率が引き上げられるわけですけれども、酒と同じようにですね。しかし、いままでやはりビール、ウイスキーの圧迫で清酒が非常に伸び悩んできたという実態のあるその上に税率の引き上げが行われる。まあ税率引き上げが行われない二級酒ですね、これはずっと生産が低下していたやつでして、いまおっしゃるように、若干相対的には有利な面が出てきたといっても、いまのこの窮状を打開するための有力な手段ということにはとうてい私はならぬと思うんですね。こういう実態をやっぱりかなり見ていただいて、そうしてそれに対する大蔵省としての対応策を考えていただかなければならぬじゃないかというふうに思うんです。
 大蔵大臣は、四月十八日の衆議院大蔵委員会で、わが党の増本議員の質問に対して次のように言っておられます。中小酒造業者を擁護し、大資本との間の調整を図る、これは私どもの権能でできることであるので、事態の推移に応じて対応していきたいというふうに言っておられます。具体的にどんなふうな対策を考えておられるのかおっしゃっていただきたい。これは大蔵大臣の御答弁ですから、大蔵大臣から伺いたいと思います。
#287
○国務大臣(大平正芳君) 酒類製造業は、産業の中で大蔵省が所管いたしておりまする数少ない産業の一つでございます。そして税の徴収等の関連におきまして、製造過程全体にわたって相当綿密な介入をいたしておるわけでございまして、この産業の消長ということに対して大蔵省としては国全体として大きな責任を持っておりますこと御指摘のとおりでございます。しかも、この三千有余に及ぶ酒類製造業者のうち、ほとんど全部がいわゆる中小企業でございますことも御指摘のとおりでございます。したがって、今日中小企業一般が陥って経験いたしておりますような困難から酒類製造業も自由であり得ないことも容易に理解できるところでございます。したがって、この経営の維持、存続につきましては、あらゆる産業政策としても金融政策といたしましても、中小企業において講じておるような政策を逐次とっておりますこと御案内のとおりでございます。過去におきましても、構造改善あるいは整理統合という姿において体制の整備、補強を何回かやったわけでございまするし、また、税制改革におきましても、いま現に二級酒を据え置くというような配慮も、中小零細の企業を守るという趣旨も含めての措置であることは御案内のとおりでございます。その他企業全体につきまして、生産過程の中に入りまして介入をいたしているわれわれでございまして、この企業の安定につきまして今後ともあらゆる面について御相談に乗って配慮してまいるつもりでございます。
#288
○渡辺武君 私もう少し具体的に伺いたいんですよ。と申しますのは、先ほども御答弁の中でありましたが、三十八年から四十三年にかけて、中小企業近代化促進法に基づく第一次近代化政策というのが行われましたね。それから四十四年から五十年三月まで構造改善事業を主とする第二次計画というのが実施された。それでこれはことしの三月でもうすでに終わっているわけですよ。現在はいわば全く野放し状態というのが実情だと私思うんですね。しかも、この二次にわたる大蔵省の政策がどういう結果をいま生んでいるのか、それなりにいろんな効果もあったでしょうけれども、実情は、先ほど中橋さんが言わざるを得ないように、かなり深刻な状態、総体的には余り効果がなかったというふうに私は断定して差し支えないと思うんですね。そこへ今度の酒税引き上げでしょう。影響は私は大きいと思うんですよ。ですから、具体的にどういう対策をお進めになるのか、この点を私は伺いたいんです。
#289
○政府委員(星野孝俊君) 御指摘のように、三十九年度から中小企業近代化促進法に基づく第一次の近代化事業、それから先ほども申し上げました四十四年からの第二次の構造改善事業を実施してまいったわけでございます。先ほどもお答え申し上げましたとおり、この構造改善事業によりまして、企業合同あるいは一部転廃業等も行われ、また各種の合理化等も行われまして、それなりの成果が上がったわけでございますが、今日におきましても、なお先生御指摘のような幾つかの問題点が残っておるわけでございまして、そうしたものにつきまして今後とも機構の改善に取り組んでいく必要があることはもちろんでございますが、そこで、いま私どもが考えております、並びに実施しております施策を申し上げますと、一つには、中小企業近代化促進法の改正案に盛り込まれておりますような関連業者、たとえば販売力のある酒類販売業者と事業提携をする、こういうふうなことによって協業化して業者の構造改善事業を促進していく。それからまた、とりあえず本年度につきましては中小企業近代化促進法の業種指定をもう一年継続してもらいまして、企業合同に基づく設備に対しまして高度化資金の低利融資の助成措置をつないでいくこととしております。
 それから第三目番には、中小企業近代化資金助成法に基づく特定設備に対する無利子の融資対象企業につきまして、従来年間製成数量が百五十キロリットル以上のものに限られておったのでございますが、これを規模の制限を外してもらいまして、百五十キロリットル以下のいわゆる零細な企業でもこの助成が受けられるようにしたということ、それからさらに、融資の対象を、従来ありませんでした発酵タンク等も取り入れまして、中小企業の合理化のための必要な設備を今度その対象として包含することができるようにしております。それで、いま申し上げましたような措置のほかに、小規模業者の強化を図りますために、協同組合あるいはまたは協業組合への組織化、協業化等を進めまして、これら組合員に対する税制金融上のいろいろな優遇または助成措置を積極的に活用させるというふうなことも考えております。
 また、再々この委員会の席上でも御提言がありました地酒の問題でございますが、この地酒の振興につきましても、やはり中小企業対策として地酒の振興を図っていくということも非常に必要であると思いまして、県産酒の愛用運動に対する側面的な支援や、あるいはまた、現在、東京局管内で実施しております「辛口」という統一銘柄がございますけれども、これは各社がそれぞれ独立した形でありながら「辛口」という銘柄を使うと、こういうふうなことによりまして新しい酒の販路を開拓すると、こういうふうなことも実施しておりますので、そういうものについての品質面とか技術面の指導、そういうものにつきましても私どもの方からひとつ支援してまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#290
○渡辺武君 全然やってないよりも、いま伺ったようなことをやるということも結構なことだと思いますけれども、これはある業界紙に載っていた記事なんですけれども、こういうことを言っているんですね。酒は酒税を取るだけの方策としか考えられていない。業界を育成しようとか国民酒を育てようなど片りんも見られない。というような言葉が業界紙に載っているというような実情であって、これはかなりいままでの大蔵省の特に清酒業界に対する対策が、これがまあ酒税を取るための対象ということが主になって、いわば金の卵を産ませるのが一生懸命で、それで肝心の産む方の鶏を育てる方が少しお留守になったんじゃないかというふうに考えられるわけですね。この辺は十分に考えて今後の対策を行っていっていただかなきゃならぬと思うんですが、大蔵大臣が酒税の確保を酒造業の発展とは両立させねばならないという趣旨のことを言っておられますが、その点改めて、どんなふうな対策をとられるのか、この点も伺っておきたいと思います。
#291
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、酒類業界の消長は大蔵省として大変責任を感じておるわけでございます。同時に、多額の酒税の徴収をお願いいたしておるわけでございまして、両々相まってお国のために酒造業の、酒類産業の発展というものを庶幾してまいりたいと思います。これに対しましての措置といたしまして、先ほど事務当局からもいろいろ御説明がございましたけれども、今後も事態の推移に応じまして積極的にこれらの施策を推進してまいるつもりでございます。
#292
○渡辺武君 私は、先ほど御答弁のあった各種の対策、非常に不十分だと思うんです、率直に言わしてもらうと。どの点が不十分かと。――まず第一に申し上げたいのは、ビールやウイスキーの圧迫、これに対して清酒産業を清酒産業としてどう育てていくかという問題意識からの対策がないんじゃないかという感じがします。先ほど数字も御答弁いただきましたが、清酒のこのシェアの低下、ビール等に圧迫されている、その原因はどこにあるとお考えでしょうか。
#293
○政府委員(中橋敬次郎君) これはまさに国民の消費生活がかなり変わってきたということだと思います。ビールにしろウイスキーにしろ、むしろ私どもは税金としましてはかなり重く取っておりますが、そういうことにかかわりなしに、むしろ高いものでもあえてこのごろの食生活に合っておる、あるいは生活様式に合っておるということから、どうもウイスキーとかビールの消費が伸びておるように感じております。
#294
○渡辺武君 大蔵省といえばまあ経済政策の中心的な役所だと私は思うんですね。その役所の担当の皆さんがそういう認識じゃ私は満足できませんよ。それは確かに酒類は嗜好品ですよ。ですから、国民の嗜好の変化ということ、これも重要な原因であろうことは否定はいたしません。しかし同時に、日本の経済というのはこれは資本主義的な経済法則に基づいて動いているわけでしょう。私はやはり、ビール、ウイスキーと清酒との間でやっぱり価格競争というのがあると思うんですね。清酒はその価格競争で負けてきてるということが一つの重要な原因だと思いますが、その点どう思いますか。
#295
○政府委員(中橋敬次郎君) その価格競争の中で、一番割安である清酒二級が清酒一級、特級にも負けておるんでございます。その点私は、単に価格ということだけではないということで、先ほど申し上げた原因を挙げたのでございます。
#296
○渡辺武君 それでは、その伸びていると言われる清酒一級ですね、これとビールの大びんの価格の比較ですね、これをちょっと申し上げてみたいと思うんですが、いただいた資料によりますと、昭和九年から十一年、清酒一本はビールの四・四本分の価格であったわけですが、それが昭和三十七年は五・六本分、四十三年は六・四本分、四十九年は七・四本分となっている。なるほど二級酒の伸びは絶対的に落ちている。しかし同時に清酒一級、これの伸びをビールの伸びと比べてみれば、やはりビールの伸びの方がはるかに大きい。価格競争で負けているという数字がここにはっきり出ているんじゃないでしょうか、その点どう思いますか。
#297
○政府委員(中橋敬次郎君) ビールは昭和九−十一年約四十銭、一本四十銭足らずでございます。これが今日の百六十円といたしましても約四百倍程度でございます。一般の食料品の価格は約千倍ぐらいになっておると思いますから、はるかに高い税率をとりながらも安くなっておりますのは、生産性の向上ということがこれをしからしめたものだと思っております。その生産性の向上というのは、実は清酒にはなかなか期待できない。それをどういうふうにやったらいいかということは、私が先ほどお答えしましたように、やはり清酒の各企業体が今日の冷厳な事態を認識して、どういうふうにすれば生産性向上できるかということを、先ほど国税庁からも申しましたように、共同事業としてどういう部面が入り得るか――生産におきまして、販売におきまして――そういう観点をみんなで考えてやっていかないと、なかなかこの競争というのは政府の保護だけではできないということでございます。
#298
○渡辺武君 もう一つ例を挙げたいと思うんですが、清酒特級とサントリーオールド、これは特級ですね、これの価格比較、これも、ビールと清酒一級との関係と同じように、やはり価格面で清酒の方が相対的に不利な関係に逐年なっているという状況です。
 昭和三十九年を基準として四十九年には、清酒は六七%上昇しているのに、サントリーオールドは二五・七%しか上昇していない。この原因が、あなたのおっしゃるような、つまりビールやウイスキーの業界での合理化の進展と、そうしてそれに対応した価格の相対的な低さということにあるのか、また別のところに原因があるのか、これはなおよく検討しなければならぬ問題だと思うが、いずれにしても、ただ単純に国民の嗜好が変わったから、だからだという、そういう割り切り方ではこの実態は私は説明できないと思う。これはどう思いますか。やっぱり価格問題という問題をよく考えなければならぬじゃないでしょうか。
#299
○政府委員(中橋敬次郎君) それは、私も価格問題は考えなければなりませんけれども、これを左右いたしますのは、やはり何といっても生産性でございます。生産性を、零細なる、しかも数の多く散らばっておる清酒業界においてどういうふうに向上させていくのかというのが今後の課題であることは、先ほど来申し上げておるとおりでございます。
#300
○渡辺武君 私は、生産性の問題を全然抜きにして考えなければならぬとは言っておりません。しかしやはり、生産性の向上等々のほかにもう一つ考えなければならぬ重要な問題があると思うんです。それは何かと言えば、酒の原料、ビールの原料、ウイスキーの原料、この原料の価格の上昇の差です。清酒の場合で言いますと、製造原価の約六八%は酒米でしょう。同様に、ビールの場合の大麦、ウイスキーの場合の輸入原酒といいますか、モルト、これは大体製造原価の中のどのくらいのパーセンテージを占めておりますか。
#301
○政府委員(星野孝俊君) 個別原価につきましては、私の方で把握したものがございません。
#302
○渡辺武君 それはやっぱり、この清酒業界はもとよりですけれども、ビールについてもウイスキーについても、全体として問題をつかんで施策を進めていっていただかなければならぬわけで、そういう原価構成も調べてないということじゃ、適切な施策の手の打ちようがないんじゃないでしょうか。
 私は、この委員会の審議が終わるまでの間に、これをぜひ資料として提出していただきたいと思います。その点どうでしょう。
#303
○政府委員(星野孝俊君) いまこの席ではっきりお約束いたしかねる状況でございますが、できるだけ考えてみたいと思います。
#304
○渡辺武君 それでは、酒米と、それからビールの原料になる大麦ですね、これ、ここ数年の間の上昇率、これはわかりますか。
#305
○政府委員(星野孝俊君) 酒米の場合の上昇率、これは調べればわかります。
 それからビール用の大麦、これの価格の平均的なものであればその率はわかります。
#306
○渡辺武君 それじゃ、その資料をいただいてから改めて論議もしたいと思いますが、いまここでは、時間もないので、私の手持ちの資料で若干議論したいと思うんです。――いまわかりますか。
#307
○政府委員(星野孝俊君) すぐに計算いたしまして御提出いたします。
#308
○渡辺武君 じゃ、数字がわかったらまた言ってください。
 いまのところ、私の手持ちの資料で質疑を進めたいと思うんです。
 これは玄米の六十キログラム当たりで、ですからかなり推計に近いものになりますが、昭和三十五年七月を一〇〇として、四十九年十月の米価の改定、このときの価格で数字を出してみますと、四十五年七月に比べ二・三六倍というのが米価の値上がりの率であります。ところが、大麦の政府売り渡し価格、これは、同じ三十五年七月を一〇としますと、四十九年の十月、これは一四・二%の値上がり率という状況であります。ですから、清酒業界が製造原価の六八%も占める酒米を使っている、その酒米の上昇率に比べて、ビール業界が使っている大麦の上昇率、これは全く低いんです。まさに、この原料価格の上昇率の著しい差、ここにこそ、あなた方は合理化合理化とおっしゃる、それも確かにあるでしょうけれども、この原料価格の上昇、ここに、清酒の価格、これが相対的に価格競争の中で不利に陥らざるを得ない重要な原因があると思う。その点どう思われますか。
#309
○政府委員(星野孝俊君) 確かに、原料の価格面で、清酒業界は、他のビール業界等に比べますと不利な状況になっておるということは事実であろうかと思っております。
#310
○渡辺武君 これは大蔵大臣に伺いたいんですが、いま麦価、米価の改定が問題になっております。新聞などでうかがいますと、生産者麦価は多少引き上げても、消費者麦価はこれは据え置きになるだろうということが言われております。他方で米の方は、生産者米価、消費者米価、これをいわばこう連動さして、生産者米価を上げたら消費者米価もかなりそれに近い数字で上がるだろうというようなことが言われているんですけれども、こういう問題についての大蔵大臣のお考え、現在のですね、これはどうでしょうか。
#311
○国務大臣(大平正芳君) 麦価の方は、明日から米価審議会が開かれまして御審議に相なると思うわけでございますが、御指摘のように、生産者麦価につきましては、これまでのパリティー指数による計算によりまして諮問価格が提示されて御審議をいただくことになると思います。消費者価格の問題につきましては、明日の審議会にはまだ付議することには、消費者麦価につきましては至っていないわけでございます。
 米価につきましては、ただいままだ政府として決めておりません。
#312
○渡辺武君 端的に伺いたいんですが、消費者麦価は据え置きになるということが新聞などによく言われている。消費者米価の方は、パーセンテージはいずれにしても、上がるだろうというふうに言われていますが、その辺どうお考えですか。
#313
○国務大臣(大平正芳君) いまお答えしたつもりなんでございますけれども……
#314
○渡辺武君 わからなかった。
#315
○国務大臣(大平正芳君) つまり、あすの審議会には消費者麦価は付議しないということでございますけれども、据え置きと決めたわけではございません。米の方のことにつきましては、まだ決めていないわけでございます。
#316
○渡辺武君 どうも奥歯に物がはまったような御答弁でちょっと困るんですけれども、まあ恐らく消費者麦価の方は国際価格も下がっていることだから据え置きになるだろう、それから消費者米価の方は、これはいま歳入欠陥等々を盛んに大蔵大臣強調しておられるんで、生産者米価が上がればこれは上がらざるを得ないだろう、これは大体常識な見方だと見て差し支えないんですが、もしこんなことになりますと、いまお認めになったこの原料価格面で清酒業界は不利だという、その不利な状態が一層拡大してくるという状況に私はなってくるだろうと思うんですね。その点はどうですか。
#317
○政府委員(中橋敬次郎君) 確かに、清酒はまさに原料米に大きく依存をしておる産業でございまするから、その原料米の価格というものが大きく影響することは確かでございます。しかし、それは清酒の宿命でございます。ある一時期にはかなり長い間いわば保護された米価で清酒業界も成り立っておったわけですけれども、今日ではなかなかそれは許されません。ある程度の政府の援助はいただいておりますけれども、それを大幅にやり得るかということになりますれば、やはり高いお米に大きく依存をしなければならない清酒業界の実態というのを離れてなかなか清酒業界の将来は考えられない。したがいまして、私はそこで清酒業界の将来を打開するものは、やはり何といっても各企業におきますところの、あるいは各企業間におきますところの生産性の向上に努力しなければならないということを言っておるのでございます。
#318
○渡辺武君 私はそこが問題だと思うんですよ、あなた方自身が、原料の価格で清酒業界が不利だということをはっきり認めていらっしゃるわけでしょう。だとすれば、税金を取る対象として考えるだけじゃなくして、清酒業界を全体として一個の産業として育てていくためには、ビールやウイスキーなどとの競争上の不利な条件、これについて政府が適切な手を打たなければだめじゃないでしょうか。酒米について何の対策もないんですか。どういう対策を考えていらっしゃいますか。ますます今後不利になってくるんですよ。生産性向上をやれと言ったって限界はあります。やはりこの原料上の不利というのは、生産性が接近すればするほど決定的な要因になってくるんです。酒米についての対策をおっしゃっていただきたいと思う。
#319
○説明員(戸塚金郎君) ビール大麦のことについてちょっと申し上げておきたいと思います。
 ビール大麦は生産者と工場とが大体契約栽培的に直接買われておりますので、先ほど渡辺先生がおっしゃられましたような、政府から管理した麦をお売りするというのでなくて、直接買っておられます、工場が生産者から。したがいまして、実際の政府買い入れ価格よりも少し高めに工場が買っておられますので、先ほどちょっと先生計数を間違えておられましたが、三十五年の状況に比べますと四十九年で約二六〇%という比率になっておりますので、念のために申し上げておきます。
#320
○渡辺武君 酒米に対する対策。
#321
○政府委員(星野孝俊君) 清酒の主原料がお米でございますので、従来、酒米につきましては助成金を出していただいておるわけでございます。そういうときの事情によりまして原料の一部をカバーいたしまして清酒を生産いたしておりますものですから、こしにつきましてはまだ米価も未決定でございますので、業界の方といたしましては、この助成につきまして御検討を願いたい、こういうふうな声があるわけでございますけれども、現在のところ米価も未決定でございますので、この段階での御発言は遠慮させていただきたいと思います。
#322
○渡辺武君 たとえば、昨年十一月の消費者米価の改定のときに、確かに酒米になる自主流通米について助成策が講じられておりますよ、私ども調べてみますと。流通促進奨励費一俵当たり千六百五十円、銘柄奨励金一俵当たり二百五十円、たしかいまおっしゃった数字はこの数字だろうと思いますが、これで考えてみましても酒米の価格の上昇はそれ以前に比べて三千五百円も上がっているという状況です。これでは、私は、清酒業界はなかなか苦しいと思いますよ。いま伺えば、今年度の米価改定について、自主流通米についての、特に酒米についての助成策というのはまだわからぬというような状況で、今度の酒税の引き上げだけは強引に進めよう、これはひどいんじゃないでしょうか。大蔵大臣、どう考えられます。これは、特に財布の口を握っておられるわけだがら、大蔵省の意向もずいぶん作用すると思いますが……。
#323
○政府委員(田中敬君) 本件酒税と酒米の問題につきましては、国庫大臣としての大蔵大臣の立場と、それから所管大臣としての大蔵大臣の立場がございますので、まず、国庫大臣の立場として御答弁申し上げてみたいと思います。
 酒につきましては、先ほどから御指摘がございましたように、嗜好品でございますし、現在自主流通米制度に乗っかりまして約千六百五十円、一俵当たり、補給金を出しております。これは主食と全く同じ取り扱いにいたしております。この千六百五十円の存続の問題、あるいはもっとこの助成を拡大すべきではないかという御意見かと存じますけれども、主食につきましての助成以上に、こういう本来酒のコストとして吸収されるべき原料米、しかも、嗜好品であるという点に着眼いたしますと、年々この酒米の財政助成につきましては、いろいろの議論を呼んでいるところでございますので、私どもは、従来、これを恒久的な措置といたしませず、年々、これをその年その年の協議として処理してまいるという方針で今日までまいっております。いま申し上げましたような議論もあることでございますので、財政大臣としての立場からは、一概に酒米の助成を続けていくということは言いがたい立場にあろうと存じます。
#324
○渡辺武君 主管大臣としてはどうですか。
#325
○国務大臣(大平正芳君) また時節が参りますとそういう要請が参るだろうと思います。そのときになりましてよく考えてみたいと思います。
 ただ、今度の増税の問題でございますけれども、これは、お酒屋さんにお願いするわけじゃなくして、消費者に負担をお願いするわけでございまして、この増税によりまして製造酒類関係業者が経営が困難になるというような事態にならぬようにいろいろ配慮してまいりたいと考えております。
#326
○渡辺武君 どうも抽象的な話で、これじゃ安心して酒税の引き上げ、これを賛成いたしますとはとうてい言うことできないですね。これは消費者にとっても非常に不利ですが、同時にやっぱりお酒をつくっているところにも不利ですから。酒米についてはこれはいま自主流通米になっているわけでありますが、こういう自主流通米というような形でなくて、これはもとの政府管理米に戻して、そうして清酒酒造業界を育成していくために特別に安い価格で渡すというような措置をとれば、私はビール、ウイスキー等々との競争上の不利な問題はかなりの程度解決していくと思うのです。そういう条件の上で生産性の向上、経営の近代化等々を進めていけば、相当の力は私はついてくると思うのですけれども、その点どうでしょう。特に農林省の方に、政府管理米にする意図があるかどうか。
#327
○説明員(戸塚金郎君) 酒造用の原料米につきましては四十四年産の、四十四年度に自主流通米が始まります前から政府売却価格はコストでお願いをする、買い入れ価格に必要経費を乗せたコストでお願いをするということできておりまして、したがいまして、四十四年以降自主流通米が始まりましたときにも、最もこの制度になじむのがこの酒米であるというふうな考え方できたわけでございます。そういうことでございますので、酒米の自主流通に若干助成をするということにつきましては、食管のたてまえといたしましてはやや問題があるわけでございますが、いろんな今年産の価格の事情その他によりましてまたそのときで検討さしていただきたいというふうに考えております。
#328
○政府委員(田中敬君) 自主流通米の創設の趣旨は、いま農林省から説明がありましたとおりに、いろいろそういう需要者の嗜好に応じたものの生産、流通を捉進していくというたてまえでできたわけでございまして、酒米というものはこれに最も属した、いわゆる自主流通として最も的確な制度が酒米制度であろうかというふうに考えておりますので、これを自主流通米から外すということは考えておりません。ただ、先ほどから御指摘のありましたように、自主流通米でありながらも、これに対する価格差補給金なり何なりというものをどうするかという問題につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、その年その年の事情に応じまして今後協議を進めてまいりたい、こういう姿勢でおります。
#329
○渡辺武君 大臣その点少しはっきりさしていただきたいと思うのですが、ことしは酒税の引き上げでそのやっぱり波はどうしたってこの清酒の製造業界にはかぶりますよ、いきますよ。そういう点も考えながら酒米についてどういう助成措置を講じられるのか。いま助成措置と言われたので、その点特に具体的に伺いたいと思います。
#330
○国務大臣(大平正芳君) 酒米について特例を設けるという考えはいま持っておりません。けれども、清酒業界につきまして大蔵省は大きな責任を持っておるわけでございまして、渡辺先生も米という主原料との関連におきまして、原料対策上配慮してやらないと経営の改善を図っていく上に支障が起こるのではないかという御懸念だろうと思いますが、経営全体につきまして、その改善を図り、体質の強化を図っていくという上におきまして、大蔵省としてはあらゆる手段を講じていかなければならぬ責任を持っておるわけでございまして、ひとりこれは酒米の処理だけではないと心得ておるわけでございまして、酒類業界につきましてわれわれは責任を持って対処する用意があるのだという意味で御信頼をいただきたいと思います。
#331
○渡辺武君 まだいろいろ伺いたいことたくさんあるんですが、もう時間もほとんどなくなりましたので端的に伺いたいんですが、例のおけ売りおけ買いの問題です。かなりの中小酒造家が大手のメーカーにおけ売りをやっている。ところが、これが漸次、いままでの売り先からだんだん注文を断たれてきているという実情になってくるだろうと思うんですね。特にいまのように酒造業界が漸次全面的な自由化というような方向になってまいりますと、大手のメーカーによる設備の拡張あるいはまた新設なども大蔵省どんどん認めていくのじゃないかというような感じもしますし、中小の酒造業家が整理淘汰されていく傾向というのはかなり急速に進むんじゃないかというふうに非常に心配されるわけです。
 私どもはこのおけ売りおけ買いそのものについてのよしあしはきょうは時間がありませんから論じませんけれども、しかし、そういう制度があるということは事実でありますので、そういう客観点な事実の上に立って中小酒造メーカーを、清酒のメーカーをどういうふうにして保護していくか、守っていくかという点から伺いたいと思うんです。
 御承知のとおり、一般の下請企業については下請事業振興法という法律があります。この法律には、親企業は下請企業に下請を発注する場合にはできるだけ長期の計画を示して、そしてその計画に基づいて下請業者が安定的に経営を維持することができるようにするという趣旨のことが中心になってうたわれているわけです。私はこのおけ売りおけ買いについても、大蔵省の指導の中で大手のメーカーがやはりかなり長期間にわたっておけ買いの計画をしっかりと示して、そしてこれに基づいて中小メーカーの市場を確保する、確保してやるというようなことをやる必要があるんじゃないかと思いますけれども、その点どう思われますか。
#332
○政府委員(星野孝俊君) 御指摘のように、業界が自由化されてまいりますれば、大手メーカーの自製酒の比率というのは次第に高まる。消費者等の要望もありまして、できるだけ自製酒率を高めたいという動きが出つつあることは確かでございます。ただしかし、現状を申し上げますと、このおけ買い制度というのは、過去の酒米が、統制時代が長く続いたわけでございますが、その間におきまして販売量の方は自由化されておりましたので、この生産量と販売量との間のギャップを調整するための手段としての一つの歴史的に発生してきた制度でございます。
 現状を申し上げますと、やはり大手メーカーが自製酒の比率をふやそうといたしましても、現在なかなか設備投資等にコストが高くつきますので、新設の蔵でお酒をつくるということになりますとかなり割り高になるようでございます。したがって、いま当面の問題としては、直ちにおけ買いおけ売りの関係が急速に崩れて、先生の御心配のようなおけ売り業者が淘汰されていくという、そういうことが急速に進展するというふうには私どもは思っておりません。しかし、基本的にはやはり自由化が進みますれば、どうしてもおけ売り業者が不利になってくるということは事実でございますので、先ほど申し上げましたいろいろな施策を講ずると同時に、こうしたおけ売り業者、これを先生がおっしゃるような形で大手おけ買い業者と提携関係あるいは系列関係に入りまして、そして大手の方におきましてもおけ買い業者を保護育成すると。それからまた同時に、それだけですと隷属化というふうな問題も心配されますので、あわせておけ売り業者同士の間での今後協業化あるいは協同組合化、そういうことによる横の連帯を強化いたしまして、そういうおけ売り業者の団結を図りまして、それで業界の中での繁栄を確保していくと、こういうふうな両面の政策が必要であろうかと、このように考えているわけでございます。
#333
○渡辺武君 お酒の問題はまた次回に譲りまして、たばこの問題についてほんの一言だけ伺いたいと思うんですが、いただいた資料の中で、たばこ事業益金率というのと、たばこ事業総合納付率というのを出した数字がございますが、この数字の中で、たばこ事業益金率、四十九年度は五四・三%、五十年度、もし改定がなかった場合は四六・五%で、改定があった場合は五六・九%だという数字が出ております。この数字の内容を知りたいんです。つまりたばこ消費税ですね、これがそれぞれの年度一体幾らなのか、それから専売納付金がそれぞれの年度幾らなのか、それから公社の内部留保ですね、これが幾らなのか、これを知りたいんですが、もう私の手持ち時間ありませんので、これはひとつ次回までに資料としていただきたいと思うんです。いかがですか。
#334
○政府委員(西沢公慶君) かしこまりました。
#335
○渡辺武君 じゃ……。
#336
○栗林卓司君 まず、清酒の酒造業界の問題について一、二お伺いしたいと思います。
 前の質問につながってお伺いする形になりますけれども、おけ売買の問題であります。で、現在相当の規模でおけ売買が行われていることは否定できませんし、これを全部いけないからと排除ができない状況でございます。むしろ見方を変えれば、それが今日一つの制度として組み込まれているという見方もできるんだろうと思うんです。そのような趣旨の主税局長の御答弁もあったと記憶しておりますけれども、そんなものを踏まえながら、今日のいわゆる自由化の中でおけ売り業者をどのように守っていくのか。で、お伺いする前に一つ確認でお伺いするわけですが、現在は年契約、毎年おけ売買の契約をしながら、来年は来年と、こういう形になっていると思いますが、これは間違っておりませんか。
#337
○政府委員(星野孝俊君) 御質問のとおり、毎年の契約になっております。
#338
○栗林卓司君 そこで、自由な契約関係ということから言えばそれで済むようなことかもしれませんが、おけ売り業者というのは、おけ買い業者に対して、いわば下請的な立場に立つことは否めない事実だと思うんです。そこで、ことしはこういう契約ができた、来年は一体どうなんだろうか、再来年はどうかという不安感が実はおけ売買の底に沈んでいる問題ではないんだろうか。そこでおけ売買というものをひとつ見方を変えますと、おけを売っている立場から見ますと、酒を売る販売を向こうに売り渡したかっこうになるわけです。したがって、翌年あんたのところはいいよと言われても、これはにっちもさっちもいかない、その意味でそういう特殊な関係におけ売りおけ買い業者が相対しているということから考えますと、おけ売買契約の締結というのは、ある程度地域的な責任というものが、より強い立場にあるおけ買いをするものにしょわされてもいいんではないんだろうか。たとえばおけ売りをするものの責めに帰さない事由にもかかわらず、上の方からばっさりと切ってくるということは、それはできないというものを、一つのおけ売買の商慣習の中に法的な保護として与えていくような配慮ができないだろうか。これは外国の例では上請、下請の関係ではありませんけれども、販売契約の面ではそういう例もあるように聞いておりますし、これまでの古来の清酒業界の生い立ってきた姿というものを考えますと、単純に無味乾燥な自由契約関係だから来年は知らぬということでもないんじゃないだろうか、それはこれまでの取引関係で大丈夫だということかもしれませんが、やはり法律の面で、おけ売買契約というのは付随的にそういう義務をおけ買いをする方がしょうのだ、向こう数年間あるいは何がしかについておけを売るものの相当の同意がなければ、約款の変更ができない云々しかじかというところまで踏み込んでいかなければいけないんじゃないかとも思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#339
○政府委員(星野孝俊君) 現在はまだそういう形になっておりませんけれども、私どもとしては、確かにおけ売買の関係で、おけ売り側が非常に不利な立場になるというおそれがありますので、実は二年ほど前からこれ、一つの方法といたしまして、注文生産制という形を取り入れるように業界指導しております。これは要するに末端のフリーでおりますと、いつ生産注文を切られるかわかりませんので、その年の生産に入る前に本年度のおけ買い量は幾らにするということを政府の方で量を決めてもらう、そうすることによっておけ売り業者が安心して生産できるような形にする、こういうことを一つやっております。
 それからもう一つは、これは構造改善事業の中でも実施した事業でございますが、やはりフリーのおけ売買でございますと、かつてはおけ売り業者が非常に高く売れて有利だったわけでございますが、次第にこういう状況で自由化されてきますと、おけ売り業者が不利になりますので、できるだけいわゆるフリーのおけ売買ではなしに、できれば提携をする関係に入る、またさらにもっと望ましいことは系列おけの関係に入りますと、非常に、何といいますか、資本のつながり等もございますので、毎年の生産関係、それから発注関係等が安定してまいるわけでございます。そういう形で現在も系列おけ、これの取引形態を進めているところでございます。
 なおそれからもう一つ、先ほどの御質問の中にもございました下請振興法がまず適用できないかどうかということでございますが、これは現在のところまだそこまでいっておりませんけれども、酒造組合中央会の方で、このおけ取引に関する部会を設けて、いまおけ売り側の方とおけ買い側の方の両方の意見をいろいろ聞いておりますので、それらを踏まえてそうした将来の問題に対処してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#340
○栗林卓司君 今後の検討課題として急ぎお考えいただければ結構だと思うんですが、注文生産制といっても、これは一年だけの安心代ですから、来年どうかってわからない。じゃ系列おけに入るといっても、なかなか資本的な系列関係に入るというのは、それも容易じゃない。そこでむしろ平たく言って、去年お取引をしたんだから来年切ったら義理が悪い、その義理の悪さを法律の面に書き込めないかというのが、私が申し上げている面でして、そんなむちゃなことがあるかというけれども、外国にも例があることですから、そういうものがこうつながり合いながら、一つの仕組みとして清酒をつくっているわけですから、その意味でおけ売買というものが清酒をつくる中で、いわば一つの安定的な制度として組み込むんだというならば、法制の面でも十分保護するようなこともお考えいただきたいと思います。これ、意見として申し上げるにとどめます。
 そこで、おけ売買はそういうことでお考えいただくとしながら、全部が全部おけ売買をしているわけではない。一部は自分で直売買をしながら地酒として伸びていくんだ、そこで、どうやってそれを売っていくのかという問題にくると思うのです。これは先ほども同僚議員の質問にもあったんですけれども、なぜ地酒というのが正常な販売ルートに乗ってこないのかということになると、最大の阻害要因は大手のブランドイメージなんだという話が出てまいりました。そこで、これはキリンビールなんかも一番端的な例なんですけれども、そのブランドイメージというものをどうしていくのか。独占禁止法という観点から言えば、分割しろと言うならレッテルを二つに割るのかという話になると、キリンビールの魅力も本当はなくなってしまうかもしれないという素朴な疑問から立ってまいりますと、余り巨大なブランドイメージが育たないように、実は宣伝のやり方というものもおのずから制限があってしかるべきではないのだろうか。これを半分意見として申し上げて、あと御見解を伺うにとどめますが、先日いただいた一級酒、二級酒の一本当たりの原価の表を見ましても、そこの中に入っている広告宣伝費というものは、大規模、中規模、小規模で余り大きく違っておりません。というのは、量が大きくなればなるほど飛躍的な販売力を持つという仕組みにどうしてもなってしまう。そうなると、いまおけ売買しているものが、協業化しながら地酒として自分のびんでということを言ってもなかなかむずかしくなる。その意味で広告宣伝というものはいまのあり方でいいのかどうかということも、これは真剣に考えていただく課題ではないのだろうか。キリンみたいな形にしてしまったら間に合わないわけですから。その意味で、清酒についても、いまのおけ売買というものが、将来清酒における寡占形態にいく途中かどうかも、途中だと言えないこともないわけですから、ぜひこれはお考えいただきたい気がするのです。
 ついでに申し上げますと、それではそういう地酒をどうやってその地域で直売していくのかということになりますと、やはり地域の酒は地域で飲んでくれないか、その点で各国税局管内でその点御協力をされているという御返事もございました。それを一歩進めて、これも御意見として伺いたいわけですが、たばこ消費税にならうわけではありませんけれども、その県内産の酒がそこで売れたら、そこの地方に税が回るような仕組みというものもひとつ工夫したらいいのではないだろうか。
 以上、取りとめもない意見を含めながらですが、御所見を承りたいと思います。
#341
○政府委員(星野孝俊君) 広告宣伝の問題は、これは企業の経営政策の問題でございますから、余り深く行政が介入するというのは私どうかと思うのでございますけれども、ただ大手企業が非常に宣伝力にものを言わせて過大な広告をするというのは、果たして現在のような時代に適当であろうかどうかという問題はあろうかと思います。私どもとしては、大手業界に対しましては、広告宣伝費につきましては、ひとつできるだけ自粛をするように、現在強制はできませんけれども、一つの行政指導として、大手は広告宣伝についてはできるだけ自粛してほしいということを要請しております。またその要請に対しましてビールあるいはウイスキーの各社、それぞれかなりの広告宣伝費の削減を実施しておる状況でございます。
 それから地酒の振興でございますけれども、これにつきましては、現在それぞれの地域で、それぞれの酒屋さんが主体になりまして、いろいろ地酒の宣伝振興策をやっておるわけでございますけれども、私ども国税局、税務署におきましてもできるだけそうした業界の地酒振興のためのいろいろな行事に対しましては側面からひとつ協力する、こういう形で現在対処しておるところでございます。
#342
○政府委員(中橋敬次郎君) 清酒におきましていま一番大きな銘柄を上からとってみましても、実はそのウエートというのはビールなどとは比べものにならないぐらいでございます。ただその広告宣伝力といいますのは、おっしゃいますように、何といいましても一本当たりのわずかな広告費をとりましても、量が多うございまするから、それの宣伝力というものはかなりのものでございます。そういう点については私ども十分注意いたさなければなりませんが、何と申しましても、地酒につきましては、私は先ほどお答えしましたように、いろいろの部面における協業化というものが進んでこなければならないという点につきましては、やはり販売面において各銘柄がその銘柄として売るという力というのは、何としましても量的に限られるものですから、そういう面で共同びん詰め、共同銘柄、共同宣伝というようなことを一つは工夫をしてみる。それから、独特の銘柄で売るにしますれば、やはり大分このごろ出てまいりましたような独特の醸造方法で特色を出すというのが一つの道ではないかというふうに思います。それで、その地酒を地元でできるだけ消費してもらうために、御提案の消費税でございますけれども、たばこは確かに買えば、これは全部日本専売公社で売っておりますたばこの税金を地元に還元することはできやすいのでございますが、お酒になりますと、たとえば灘、伏見ものを、あるところでどれだけ飲み、地酒をどれだけ飲んだかということで、その地に地酒の部分の酒税をもたらすということは、実は非常に技術的に困難でございまするから、やはりそういうやり方ではなかなかむずかしいので、地元の人の地酒に対する愛好というものをやっぱり銘柄を通じまして私は伸ばすより手はないのではないかというふうに考えております。
#343
○栗林卓司君 それでは、たばこの問題で予備的に一、二お伺いしたいと思うのですが、平均値上がり率四八%ということでございますが、実際に四八%まるまる売り上げ高がふえるかというと、中身が変わってまいりますから落ち込んでまいります。落ち込んでくるというのは、これは「製造たばこの定価改定と同定価法の改正について」という専売公社の資料でございますけれども、そこのところに「定価改定(案)にもとずく専売納付金等」ということで五十年度「定価改定なし」「定価改定あり」と並んでおりますが、この「定価改定あり」の金額と「定価改定なし」の金額との割合というのは、その名目的な値上がり率ではなくて実質効いてくる値上がり率だと、このように見てよろしいのでしょうか。この表です。
#344
○政府委員(西沢公慶君) 名目値上げ率四八%でございますけれども、銘柄の転移がございまして、単価面で見ますると、御案内のとおり、実質的な値上げ率としては大体三一%程度になるわけでございます。お手元の表の十本当たりの単価のところでございますが、定価改定なしの場合には四十四円八十二銭になっておりまして、定価改定ありの場合は五十八円九十三銭で、四十四円八十二銭を一〇〇といたしますると五十八円九十三銭は一三一・五になります。それから実質的な売り上げの増加率になりますると、その下に国内販売金額の欄があろうかと思いますけれども、定価改定なしの場合には一兆三千十一億円、定価改定ありの場合が一兆六千百一億円、これが定価改定なしの場合を一〇〇といたしますると定価改定ありの場合が一二三・七となっておるわけでございます。
#345
○栗林卓司君 不勉強で恐縮です。いまの一二三・七と一三一・五の差というのは簡単に言ってどう考えてよろしいでしょうか。
#346
○政府委員(西沢公慶君) 四八%と三一%の違いと申しまするのは、まず一つに銘柄転移の問題がございます。それから実施時期が四月一日からではなくて五月一日からという問題でございます。さらに三一%と二三%の開きは、節煙、禁煙、この二つの要素で百七十一億本と見込んでおりますけれども、それが響いてくるわけでございます。
#347
○栗林卓司君 そこで、公社にお伺いするわけですが、四八%平均で値段をお上げになった、五十年度の場合これは五月一日からの施行ということですから、余り上がったからもうたばこやめるよという人も含めて四八%ほど伸びない。見ますとおおむね二三%ぐらいしか五十年度では残念ながら総定価代金が伸びないと、こういうことなんですが、四八%お上げになったということは、いつの日か実質も四八にするということでございますか。あるいは実質も四八というのは、それはどんなに努力してもだめなんでという御判断でございましょうか、その点はいかがですか。
#348
○説明員(泉美之松君) たばこの定価を改定いたしました場合に、需要の変動によりましてどの程度名目値上げ率から実質の値上げ率になるかということにつきましては、よその国の経験もございますが、わが国では、戦前の資料は余り当てになりませんので、昭和四十三年の資料しかございません。そのときの経験から見まして、四八%の名目値上げ率を行いましても、実質的には三一・五%ぐらいしか実質値上げにはならない。しかし、それはそういう定価改定の場合やむを得ないことだと感じております。ただ、それが、二三%ぐらいになる分は、これは年の月日が経過いたしますとだんだん消費がある程度もとに戻ってまいりますので、その二三%というのは三一%ぐらいには戻ってくると思いますが、三一%が四八%になることはまず望み得ないことでございます。
#349
○栗林卓司君 そうすると、今後どんなに販売努力をしたとしても、表づら四八%上げたものはもう実質では三一%ぐらい、言わばへこたれたまんまで回復はせぬのだというのが専売公社の今後の売れ行きに対する御判断だと、こう考えてよろしいですか。
#350
○説明員(泉美之松君) それはもちろん公社といたしましては、三一・五%のままにとどまっていいというつもりではないのでありまして、できるだけそれを大きくするように努めたいわけでございますけれども、しかし、定価改定がありました場合に需要の変動がありますことはとうてい避け得られませんので、四八%にはとうてい達し得ません。しかし、三一・五で公社としては満足しておるというわけではございません。できるだけ販売努力を重ねましてそれを引き上げるように努力いたしたいとは存じております。
#351
○説明員(斎藤欣一君) ちょっと補足さしていただきます。
 これは、消費者の側におきます、まあ言ってみれば消費に対する消費金額といいますか、ふところ勘定といいますか、そちらの方にも関係がございますかと存じますが、年々単価というものは若干上がってきております、二、三%、過去。そのためにはやはり公社としていろいろ新しい銘柄も運んできたり開発しましたわけですが、仮にそういうことが今後続くといたしますと、四八%、三一%のギャップというものはいままでのプレートでいきましても年々二、三%づつは近づいていくということでございますけれども、かなりの年数がかかるということであろうと思います。
#352
○栗林卓司君 公社にお伺いしますけれども、名目幾ら上げたというのは余り関係ないんです。実質どうかというのが経営計画を組む場合の眼目のはずですね。眼目のところが、とにかく努力をいたしますが、何%かちょいとこれはわかりませんというのは、商売になってない。そこで、四八は無理だとおっしゃるんだが、どこまでいきますか、そのめども立てておいでにならないんですか。
#353
○説明員(泉美之松君) したがって、昭和五十年度におきましては三一・五%ということを目途に経営をやっていくつもりでございます。しかし、これが五十一年度になりますと、当然もっと、昭和五十年度の定改なしの場合に比べまして十本当単価はもっと上がっていくわけでございます。それから五十二年度になればもちろん上がっていく。しかし、先ほど申し上げましたように、四八%増の姿にはなかなかなり得ない、もうそのころには、もう一ぺん定価改定をやらなければならない事態になってくることだと存じます。
#354
○栗林卓司君 四八%から三一・五を引きますと、相当大きなパーセントになります。それだけで、まあ引きますと、一七%前後でしょうけれども、一七%だけでもりっぱに人がぎょっと驚く値上げ率なんです。ですから、その辺のところ、どこに落ちつくかわからぬけれども努力をいたしますということでは、私は困るとまず申し上げておきます。
 そこで、次いでもう一つお伺いしますけれども、いま四八%と三一・五というのをお並べになりましたが、これは本当はとっている期間が違うと思う。四八というのは、十二カ月分、中のいろんな構成を含めながら、表づら四八ということでございます。三一・五というのは、五月一日施行ということを前提にした数字ですから、四八と見合うとしたら、三一・五ではなくて、幾つになるんですか。
    ―――――――――――――
#355
○委員長(桧垣徳太郎君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。
    ―――――――――――――
#356
○説明員(斎藤欣一君) ただいま栗林先生の御質問、計算をいたしまして、後ほどお答えします。
#357
○栗林卓司君 では、私が申し上げます。三八・九%です。四八が三八・九に見合うんです。三八・九%が一年まるまる、その四八はとても無理な相談としても、十二カ月分なったとすればという勘定なんです。三八・九%、総定価代金が上がってきたとして、益金率というのは一体どのぐらいの数字になりますか。
#358
○説明員(泉美之松君) たびたび申し上げておりますように、昭和五十年度の益金率は、五月一日に定価改定を行ないました場合に五六・九%になっております。これは、御案内のとおり、四月が旧定価でございますので、新定価になった後の益金率といたしましては五八・七%。
#359
○栗林卓司君 いや、いまのお話は、とにかく二三%というのはひどいんで、三一・五%までは努力いたしますとおっしゃったから、そのあとのお話をしているわけです。
 繰り返しますと、総額でいって、定価改定なしの場合には一兆三千何がしというものが定価改定前で、定価改定後が一兆六千何がし億円、こうなりますけれども、その比率が二三%ぐらいだ、三一・五と違うじゃないかということは、おやめになる人かおります――どうなりますかと聞きましたら、二三という数字はひどいんで、三一・五ぐらいには近づけてまいりますというお話だったもんですから、それを一年まるまる値上げが適用されたものとして勘定し直しますと、それは三八・九になります、三八・九が努力目標で、それが名目四八%に見合う数字ですと、こういうことで、では、益金率をという計算をいたしますと、改めて出していただきたいと思いますが、簡単に計算したところでいきますと、おそらく益金率は七〇に近いと思います。益金率は六〇とおっしゃいました。五月一日から変わる五十年度の話をしているんではないんです。まるまる一年間やった場合に、益金率がどうかというのが六〇がいいか悪いかの問題だったと思います。私の仮の計算ですから、もう一ぺん改めて先ほどの論議の経過に踏まえながら、まるまるやった場合に益金率が幾らになるのか。もし六〇を出ているとしたら、それは先取りなんですということも含めて、次回お答えをいただきたいと思います。
 以上で終わります。
#360
○野末陳平君 酒とたばこの値上げが予定どおりいかないようで、大分税収の方の見込みも違ってきたと思うんですけれども、いままあそちらは五月一日ぐらいを予定していて、いまもう六月の末になりました。二カ月おくれた時点で、どのくらい見込みが違っているんですか。酒とたばこに分けてちょっと数字で説明してください。
#361
○政府委員(中橋敬次郎君) 酒税につきまして、五月一日実施で千七十億円でございまするので、単純に計算をいたしますと、一カ月あたり約百十億円でございます。
#362
○政府委員(西沢公慶君) たばこにつきましては、いろいろの前提を置いた上で計算をいたしますると、一カ月あたり三百六十億から八十億程度と見込まれますけれども、これは二カ月分になりますると、仮需要の動向等も勘案しなくちゃいけませんけれども、単純計算としては二カ月で七百二十億から七百六十億程度と見込まれます。
#363
○野末陳平君 そうしますと、二カ月おくれてもう大体一千億ぐらいというような感じでかなり見込みが狂っていますね。そうすると、ここまで来たんだからもうそんな急がなくたっていいんじゃないか。さっきはまだそういう話にも、大蔵大臣はいやじゃなくて、かえって一日も早くと逆のことをお答えなっていましたが、いままでの審議で一つ興味があったのは、お酒について特級、一級、二級とこう分けてあるけれども、それは味がいいというか、品質が特にいいということを基準に分けたとは必ずしもそういうお答えじゃなくて――そうでしたね。むしろ、税金をいろんな角度で負担してもらうというような含みを持った上で特級、一級、二級が分けてあるように受けとったんですけども、そうでしたね。
#364
○政府委員(中橋敬次郎君) そうでございませんで、一つには、まずメーカーの販売政策といたしまして審査を受けるか受けないかというのは自由でございまするから、二級酒を、二級酒で安い税金負担で売るということをセールスポイントにする企業は、あえて特級、一級の審査をとらないで二級で売ることができますから、二級についてもかなりいい味のお酒がありますということをお答え申し上げました。それから、一級、特級につきましては、それぞれメーカーの自発的な申請によりましてそれぞれの認定をいたします。そのときには、それ相応の官能検査に合格いたしますればその認定をいたしますから、それだけの税負担をしていただき、それだけのまた売り値で売れるということでございます。
#365
○野末陳平君 そうすると、たばこの場合はまあ販売政策というほどのものがないわけですから、改めてお聞きしますけれども、製造たばこ定価法に、一級、二級、三級とやっぱりこれもたばこは紙巻きたばこを例にとりますけれども、一級、二級、三級とこう分かれておるわけですね。それで「品質」という欄にまあ部分的にちょびっとこう違うように書かれていますが、このたばこの場合には等級別というのは具体的にどういう差があるということなんでしょうか、これは。簡単にお願いします。
#366
○説明員(泉美之松君) 製造たばこ定価法第一条にありますように、たとえば紙巻きたばこで申し上げますと、一級品というのは一般的に上位等級の葉たばこ、つまり「上質の葉たばこを主原料に用い、精選した他の原料葉たばこと配合」すると、そして「上級銘柄としての特色及び品位を保つように調製したもの」ということになっておるわけであります。三級品の方は「中質及び下質の葉たばこ」、したがって、まあ余りよくない「葉たばこを主原料に用いて調製したもの」、二級品はその中間で、「上質及び中質の葉たばこを主原料に用い、選別した他の原料葉たばこと配合し、中級銘柄としての特色」ここには、品位が落ちておりますが、「特色を保つように調製したもの」こういうふうになっておるわけであります。したがって、現在の製造たばこ定価法では、主として原料葉たばこの品質によって一級、二級、三級と分けていると御理解いただいてよろしいかと存じます。
#367
○野末陳平君 そうしますと、原料葉たばこの品質というのは、常識的に考えますと、上質というのは値段が高い、中質は少し安くなって、下質という一番悪いのは恐らく安いんだと、こういうふうに思いますけれども、現実にやはり上質が高くて下がるに従って値段も安いわけですか。
#368
○説明員(泉美之松君) 原則としてはそうなんでございますが、国内葉と輸入葉とで、従来わが国の国内葉は外国からの輸入葉に比べまして比較的安かったのでございますが、昭和四十一年ごろからだんだんと国産葉の値段が上がってまいりまして、その結果現在は国産葉の値段が比較的高くなっております。したがって、香味、味及び香りの点から見ますと、必ずしも値段の高いものが品質良好とは言いかねる事態か起きております。日本の国産葉自体では、その国産葉の中では品質のいいものが値段が高いということは言えますけれども、輸入葉と対照しますと必ずしもそうは言えない、こういうふうになってまいっております。
#369
○野末陳平君 じゃ、輸入と国産の葉っぱの値段と品質のこの関係が最近前とは変わってきたということですね。
#370
○説明員(泉美之松君) はい。
#371
○野末陳平君 じゃ、それについてはまあ後から伺いますけれども、先ほどいわゆる一級、二級、三級の差が、要するに原料葉たばこの品質だということでした。そうなると、公社はまあ言わばメーカーですからね、メーカーとしてそのたばこの一個当たりの値段を決めるというのは、これはもう公社が自由に決められるということで、現実にもそういう決め方をしているということで考えてい
 いですね。
#372
○説明員(泉美之松君) たばこの銘柄ごとの価格につきましては公社が自由に決めることができるわけではございませんで、大蔵大臣の承認を経なければなりません。大蔵大臣の承認を経た上で決まることになっております。
#373
○野末陳平君 まあ最終的に承認でしょうけれども、要するに承認をしてもらう数字は公社が決めるということですからね。それでつまり最高がこのたばこ定価法に出ている、そうですね。
#374
○説明員(泉美之松君) はい。
#375
○野末陳平君 そこで、そのいまいろいろな一級、二級、三級に分けて値段がばらばら、いろいろありますけれども、三級といわれるバットとかしんせいとかこのグループですね。これはどちらでもまあいいですけれども、三級品の原価と二級、一級の、まあ二級はハイライトのグループ、ハイライトになりますかね。それから一級品ではどれをとってもいいですが、セブンスターですか、一級品は。一級品からはセブンスターでもいいんですが、とりあえずですね、一級、二級、三級、これ原価が幾らになっているのか、それをお願いします。
#376
○説明員(斎藤欣一君) 一級、二級、三級、それぞれ複数の銘柄のたばこが出ておりますし、二級の場合は値段は一本でございますが、一級、三級の場合は各クラスの中で値段が違ったものが出ております。したがいまして、いまの先生の御指摘にもございました、たとえば三級品でワンパック五十円というたばこをこれを平均――これはエコー、しんせいなどがそうでございますけれども、それを平均で見まして原価は地方消費税を込めまして昭和五十年度の予定で五十六円になっております。それから、二級品と申しますのはほとんどハイライトでございますけれども、ハイライトのほかにエムエフだとかおおぞらというものが入っております。ほとんどハイライトとお考えになっていただいていいのでございます。これが六十二円。それから一級品で、セブンスター、チェリーといったかなりたくさんの銘柄がございますが、それを平均したもの、これの原価が六十六円ということになっております。
#377
○野末陳平君 いまの地方消費税も含めての数字ですけれども、地方消費税は決まっているわけですから、原価もそれで大体、いわゆる原価と言っていいですか、コストですか、想像できますが、三級品が五十六円、それから二級品が六十二円、一級品は六十六円という数字をいま聞きまして、さてこれが、さっき言った上質だとか中質だとかいろいろ差があるように聞きましたけれども、葉っぱの品質には。しかし現実にこの原価の差が六円とか四円とか、非常に狭いというか、ないですね、これ。一級、二級、三級と分けてあるにしてはちょっとこの原価が接近し過ぎていると思うんです。この原因が、さっき言ったあれですか、国産の葉と輸入の葉の値段が大分違うとか、そんなようなことが原因なんですか、これ。
#378
○説明員(泉美之松君) その点は、先ほど申し上げましたように、地方消費税を含んでおりますが、地方消費税は一級も二級も三級も同じ額になっておりますので、したがって、そこでは差が全然出ておりません。
 それから、マージンが、定価が違うと違いますけれども、一〇%ということでございますので、そこでもそれほど大きな差は出ません。ただ、ここの定価の十分の一の差は出てまいりますけれども。
 それから、それ以外は、先ほど申し上げましたように、定価法ができた当時は上質の葉っぱというのは外国の輸入葉で、それは当然、値段の高いものという前提でできておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、近年国産葉の方が高くなってまいりましたので、輸入葉の混入割合の高いのが一級品になっておるわけですが、しかしコストは必ずしも高くなってきていない、むしろ国産葉の使用割合の高い三級品の方がコストとしては葉っぱの値段が高くなってきておる。そういうためにその差がだんだん小さくなってきておると、こういうことでございます。
#379
○野末陳平君 じゃ、その原因についてあれこれ考えても始まらないんですが、それは次回にまた国産葉それから輸入葉の問題のときに改めて触れることにしまして、この三級品、二級品、一級品、これが今度幾らになるんでしたか。五十六円のやつは幾ら、六十二円は幾ら、六十六円は今度新価格で幾ら、もう一度確認します。
#380
○説明員(泉美之松君) 三級品の三十円と申しますのは今度四十円に引き上げ、五十円のものは七十円に、六十円のものは八十円に、それから八十円の二級品は百二十円に、それから一級品のうち百円のものは百五十円に、それから一級品のうち十本入りのピース、ホープは、現在五十円でございますがそれを七十五円に、それから二十本入りの百二十円のものは百七十円に、こういうふうに改定する案になっております。
#381
○野末陳平君 そこで、さっき言ったいわゆる地方消費税とかマージンなどをいろいろ考えたところで、いわゆる公社の製造コストといいますか、製造コストを推測した場合、あるいは地方消費税を加えて考えてもいいんですが、たった三級と二級は六円しか違わない。それから二級と一級は四円しか違っていないんです。ところがわれわれが買う値段はそんなもんじゃなくってですね、三級と二級の場合は三十円のやつが四十円になるんでしょう、五十円が七十円。これが一級上に上がっていくと八十円が百二十円になるんだけれども、さっき聞いた原価とそれから買わされる値段との差があり過ぎる。何でこんなに差がついちゃっているのかがちょっと不思議なんですけれども、これはどういうわけですか。
#382
○説明員(斎藤欣一君) これは、一口に申し上げますと、いままでのいろいろな経緯の中からこういうことになっておると申し上げたらよろしいかと思います。御案内のとおり、外国、たとえばアメリカあたり、御承知だろうと思いますが、たばこの値段は銘柄によってほとんど差はございません。まあ一本価格と申し上げてもよろしいかと思います。ヨーロッパの国々におきましても、日本ほど差のあるところはございません。日本の場合は、現行の価格でたとえばバットが三十円、これに対して百五十円といったような五倍ぐらいの差になっております。
 で、もともとたばこというのはそうなかなかそれだけの差はつけにくいものであるということ、それからもう一つは、ここ四十三年以降のコストの推移を見てみましても、各銘柄ごと大体同じぐらい上がってきておるということも御説明しておる次第でございますが、そういったわけで、私どもとしてはできるだけたばこの銘柄間の値段の格差というものをなくしたいと、縮めていきたいという気持ちはあるわけでございますが、いろんな関係から一挙にそうはまいれないということでいまのような状況になっている次第でございます。
#383
○野末陳平君 いや、その辺がね、いろんな関係からって、そこがちょっとわかんないんですが、ね。三級品と二級品と一級品と、それぞれの原価の倍率というものを考えれば、さっき言ったように、六円とか四円の差ですから何倍というほどはありませんね。せいぜい一・二倍とか三倍とかその程度です。ところが今度新価格で比べると、三級と二級、二級と一級、この格差というのは、値段は少なくとも三倍、四倍、こうなる。どう考えてもこれは、買うお客、消費者からすれば、原価はほとんど変わらないのに何でこんなに値段がそんなばかな話があるかということで、ちょっとだれが考えてもわかんないんじゃないかと思うんです。いま、いろんな関係でということを言われますけれども、しかも、差はつけにくいんだと。上級と中級、それから下級ですか、まあ一級、二級、三級、差はつけにくいと言ったって、値段のこの差というのは、これはすごい差である、こういうふうに思います。
 普通の商品だったら、原価がそれほど違わなければ価格もそんなには違わない、これは常識ですね。そうすると、この常識から余りにもかけ離れた価格が専売公社によって決められ、大蔵大臣がそれを認可しておるということになると、大蔵大臣に改めてお聞きしたいんですが、これ、たばこの値段のこのつけ方のルール、これはあるんですか。
#384
○説明員(泉美之松君) いまお話しのように、三級品、二級品、一級品の間に原価に余り大きな差異がないのに、最終の小売価格にかなり差があるではないかというお話、ごもっともでございます。これは一に専売納付金の負担をどのようにさせるかという点にかかっておるわけでありまして、先ほど申し上げました三級品の現行価格三十円のものは、益金の負担がなしにマイナスになっておるのであります。したがって、この現行定価ではどうにもならないということで定価の改定をお願いしておるわけでございます。それからまた、一級品の方の値段が高いのは、そういうところで専売納付金をかせぐということに相なっておるわけでございまして、したがって、消費者のためを思えばこの定価の差というものはできるだけ小さくしたいというのが公社の念願でございますが、物価政策等の関係もございますし、なかなかそううまくまいらないのが実情でございます。
#385
○野末陳平君 いや困っちゃったな、それは。――まだ何かあるんですか。
#386
○政府委員(西沢公慶君) ただいまの副総裁の説明にちょっと補足をさしていただきます。
 原価事情だけから参りますると、確かに先生がおっしゃるとおり、価格との間に何かゆがんだ関係があるように思われるかもしれません。しかしながら、原価事情だけからまいりますると、したがいまして、定価改定のアップ率も上下ともに四八%なら四八%に上げるのが本来の筋であろうかと思います。しかしながら、ただいまも副総裁が申しましたように、そこはやはり低価格品につきましては別途の考慮をすべきであるという政策考慮が入っておりまするために、下の方の銘柄については価格のアップ額を減らしております。そういうことがありまするので、諸外国の場合には、もう上下が二倍の開きがあるようなところはほとんどございません。けれども、わが国の場合にはそれが現在五倍、今度定価改定をいたしまするとさらに開きまして、七倍ぐらいの開きになるわけでございます。
#387
○野末陳平君 いや少しわかりましたが、つまり普通の商品ならばまあ原価があってそれを基準にいろんな要素を入れて価格を決めるということが常識ですね。そうすると原価の大体何倍とか、まあものによってもちろん違いますけれども、大体常識的な納得できる線がある。このたばこの場合は、先ほど言ったように、原価事情で考えるとわれわれが買う小売価格はちょっと常識で考えられないような場合になっている、これは原価事情以外の政策的考慮だということですね。その政策的考慮というのは結局税金負担を高いたばこにかぶせて、安いたばこは赤字でもいいからこれを売っている、端的に言えば高いたばこは買わしてここは税金をぱっと取って、安い方は取りにくいからこれを取らないで、それでうまいことこの間をとって合計幾らと、こういう政策だということですね、簡単に言っちまえば。
#388
○政府委員(西沢公慶君) 概略御説のとおりでございます。
#389
○野末陳平君 そうなると、まあまだ時間もたっぷり――きょうはないですけれども、まだ何回も私も質問さしてもらえるだろうと思っておりますから、ゆっくりやりますけれどもね。要するに三級品というのは安過ぎるということですか。要するに赤字でも売っているわけでしょう。安過ぎる。なぜこんな赤字で売らなければならないか、なぜ安過ぎる値段をつけなきゃならないかということもちょっとわからないですね。いまの説明でまだ少しわからないんですがね。
#390
○説明員(泉美之松君) 三級品の三十円のものは昭和二十四年に三十円で発売されて以来今日まで価格が改定になっておりません。したがって、その間のコストのアップはもう大変なものでございますので、したがって現在は、専売益金が出ない赤字の銘柄に転落してしまっておる、こういうことでございます。したがって、まあ今後私ども検討したいと思っておるわけでありますが、一体たばこの各銘柄別にこの税金相当部分はどうなっておるのだろう、またどうすべきなんだろうということをはっきりさせないと、現在はもう定価を決めるときにそこのところを、一応の益金率の計算はありますけれども、それを決めた後に年数がたちます間にコストの状況がすっかり変わってまいりますので、そういった点からいたしますと、この銘柄のたばこについては消費税に相当するものは幾らだということを決めていく必要があるのではないか、そうすることによって国民にもこのたばこを吸うと消費税としてはどれくらい負担している、もちろんそのほかに専売公社の利益がありますれば、その利益の中から現在第二次納付金といって納付しておりますが、そういうものも加わることになりましょうけれども、少なくとも消費税相当部分は幾らなんだということがわかるような姿にしておかないといけないのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#391
○野末陳平君 いまのお答えにはたばこ消費税という考え方が大分入ってきていますから、これはまた機会を改めて、私も興味のあるところで、お聞きしたいと思っています。きょうのところはそこまでとうていいけませんが、いままでの質疑で大蔵大臣、要するに原価事情を考えると非常にゆがんだ価格がついているわけですね。しかし公社、いわゆるそちら側としては原価事情ではなく、政策的考慮なんだから、こういう価格が、原価が違わないのに小売価格が余りにも違う、これはやむを得ないんだということをさっきから言われている。なぜそういう政策考慮をしなければいけないのか、あるいはその政策考慮が果たして妥当なものかどうか、その辺のところは次回にお聞きしますよ。いままでのところでどうしてもわからないのは、要するに一級、二級、三級、こういうふうに分けているけれども、この分け方の意味がほとんど現実的な効果を持っていないじゃないか。上質のたばこだから一級品だというけれども、その上質の葉っぱが必ずしも高いものでなくて、輸入を主に使えばこれ安い。今度は原価の方は三級は原価が事実安いかというと、一級に比べて小売価格に占める原価の割合はほとんど、小売価格はばか高いが、原価は一級、二級、三級それほど差はない。いろいろ考えると、級別というのが意味が全然なくて、結局はこれは原価とそれから値段というもの、値段のつけ方ですか、原価と値段のつけ方というのは、普通の商品並みに考えて銘柄別にここもいま副総裁もそういうことはちらとありましたが、一級、二級、三級で分ける考え方はやめて、銘柄別に考えて原価はこれは幾らで、だからこういう理由でこういう値段がついているというようにもうちょっと消費者にわかりやすい値段のつけ方をしないと、いま幾ら何でもうやむやのうちに、煙吐いているうちに税金取られているという、その取られ方がちょっとぼくは不合理で常識でどう考えてもわからないというふうに、ここまでで思うんですよ。大蔵大臣どうですか。原価事情で値をつけるのはたばこに限ってこれは違うんだ、原価事情を考えてコストが差があるというのは、これはおかしいんで、これは税負担を考えない政策考慮なんだから、これは少しもおかしくない、一級、二級、三級も分けておいていいんだというふうにお考えなんですか。ぼくはそれはもう級別は意味ない、銘柄別にやれ、しかも、原価が幾らだから値段がこうだというようなすっきりした考え方に、そういう方向に持っていかなければだめだ、こういうふうに思いますが、大蔵大臣いかがですか。
#392
○政府委員(西沢公慶君) 個別銘柄を法定をしていったらどうであろうかという問題が一つと、それから税率あるいはコストと比例したかっこうで定価を決めていってはどうかという二つの問題になろうかと思います。
 第一番目の問題につきましては、現在の製造たばこ定価法が施行されまする前には「製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律」というのがあったわけでございますけれども、その場合には各個別の銘柄の値段が一つ一つ法律で決められておったわけでございますけれども、やはり消費者の動向に即応した販売ができますようにということで現在の製造たばこ定価法ができ、一級、二級、三級という級別もでき、それぞれの最高価格が決められて、その範囲内で機動的、弾力的に運用できるように変わってきたわけでございます。われわれとしては現在の製造たばこ定価法の方が専売事業の円滑な運営の上では必要ではないか、またより好ましいのではないかというふうに考えております。
 二番目の問題は、せんじ詰めていきますると、やはり消費税制度を導入するという問題に帰着するのではなかろうかと思われます。消費税制度の導入につきましては、これは専売公社の方もわれわれの方も基本的にはやはり望ましいんではなかろうかということを考えておるわけでございます。現に消費税制度を導入するために四十三年の定価改定の後に消費税制度を導入すべく努力をいたしたこともございます。しかしながら、消費税制度につきましては関係者の理解と協力もございます。
 それから、現在の製造たばこ定価法との関連をどうするかという問題もございまして、なかなかそこに複雑な問題が絡んでおります。しかしながら、基本的にはやはり帰着するところ、消費税制度というのが望ましいのではないか。そうすれば、どういう消費税制度の決め方をするということでございますけれども、先生のただいま御議論になっておられますような方向に非常に近くなるんではなかろうかというふうに考えます。
#393
○野末陳平君 最後に一つ、大蔵大臣の立場でもうすでに二カ月で一千億ぐらい見込みが狂ってきていて、まだ、これが一日も早く成立して値上げが決まった方がいいと思って、大蔵大臣には同情するんですけれども、しかし、どう考えても今度決まる新価格のいわゆる値上げ理由というか、こういう値段にした根拠が不明確といいますか、余りにもちょっと常識を外れていると、原価と比較してですよ。そこでこの値段を大蔵大臣決めるんでしょう、最終的に、認可。大蔵大臣がいろんな新しいたばこの値段を決める、それを認可するときに、いま私がここでお聞きしましたこの原価事情とこの関係、全然おかしく、不自然と思わずに認可なさるんですか。それともやっぱり疑問だなと、それどっちなんですか、感想、いままでの。また次回やりますが、きょうまでの感想をちょっと一言聞いておきたい。
#394
○国務大臣(大平正芳君) 野末さんもなかなか合理的な考え方をされる人だと、先ほどから御質問を聞きながら感じておったのでございます。ただ現実の世の中は、原価主義とか計算とかいうことばかりで動いていないんで、のではないかと、たばこの原価を考えながらたばこをのむと、買うというような方は非常に少ないんじゃないかと思うのでございまして、過去長い間、専売制度ができまして、たばこという財政商品についてそれに生涯を投じて検討、研究もしてまいられた諸君、愛煙者の嗜好にどうすれば投ずることができるか、どうすれば財政当局の期待にこたえることができるか、どうすれば国民衛生の立場から、最小、害がないようにできるのか、どうすれば関係業者の方々に対していい結果を生むことができるかというようなことについて、経験を持ち、見識を持ち、学識も持ち、技術も持ち、そういう方々の真剣なアルバイトの結果は私は尊重したいと考えております。
#395
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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