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1949/12/22 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第5号
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1949/12/22 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第5号

#1
第007回国会 水産委員会 第5号
昭和二十四年十二月二十二日(木曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 夏堀源三郎君 理事 平井 義一君
   理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君
   理事 中西伊之助君 理事 小松 勇次君
      小高 熹郎君    田口長治郎君
      田渕 光一君    玉置 信一君
      冨永格五郎君    井之口政雄君
      奧村又十郎君
 出席政府委員
        水産庁長官   飯山 太平君
 委員外の出席者
        農林事務官  松任谷健太郎君
        農林事務官   久宗  高君
        農林事務官   奧田  孝君
        農 林 技 官 林  眞治君
        農 林 技 官 十川 正夫君
        農 林 技 官 志道 吉次君
        農 林 技 官 兼友 大助君
        農 林 技 官 石川 東吾君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
十二月二十一日
 委員松野頼三君辞任につき、その補欠として田
 渕光一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員派遣承認要求に関する件
 水産行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 議題に入ります前に御報告申し上げます。昨二十一日委員松野頼三君が委員を辞任され、その補欠として同日議長において田渕光一君が委員に選任されました。なお去る十九、二十、二十一日の委員異動に伴い、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員、漁港に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員各一名、漁業制度に関する小委員、漁船並びに水産資材に関する小委員各二名それぞれ欠員になつておりますので、その補欠選任を行いますが、これは先例にもありますように、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 御異議なしと認め委員長より指名いたします。水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員、漁港に関する小委員及び水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員に田渕光一君を、漁業制度に関する小委員、漁船並びに水産資材に関する小委員には田渕光一君及び奧村又十郎君をそれぞれ指名いたします。
 なおまた漁港に関する小委員中西伊之助君辞任の希望がありましたので、これを許し、その補欠として井之口政雄君を漁港に関する小委員に指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○石原委員長 御異議なしと認めさよう決します。
 それではこれより昨日に引続き水産行政に関する件を議題といたします。つきましては昨日いわゆる五大会社と資本漁業と沿岸漁業の点につきまして、相当意見が鬪わされたのでありまするが、要するに今回決定可決されました漁業法案のごときは、その大部分が沿岸漁業に属するものが多いのでありまして、また遠洋漁業等も非常なる強化進出を要する時代であります。いずれにしても沿岸漁業と遠洋漁業、いわゆる資本漁業と大衆零細漁業者との調和というものは、日本の水産の増強に非常なる重要性を持つものと思うのでありまして、私個人の意見といたしましては、沿岸漁業が沿岸漁業課という一課でよろしいかという点にも大いに不安を持つものでありまして、そういうような点から、本日は昨日御出席のほかに生産部長並びに沿岸漁業課長にも出席を求めた次第であります。なおそのほかに経済課長久宗君にも出席を求めましたが、十一時以後には他に重要な出席を要する点があるそうでありまして、何かそれまでに質疑があれば質疑をしていただきたいという希望であります。まず最初に水産物の運賃に関する件を議題といたします。冨永君。
#5
○冨永委員 ただいま議題になりました運賃問題につきましては、大体運輸経済の面からそれぞれ検討をせられておるのでありまして、結局運輸省、物価庁、安定本部等の考え方も、もちろんわれわれとしても了承すべき点は了承しておるのであります。たとえば運賃が高くなるから、その公定価格も上るのだというようなことを答弁されておりますが、現在の国民生活の経済状態から見まして、運賃が上るだけ公定価格を高くすることによつて、生産増強の面に何らかの支障がないかというような点を考えました場合に、私どもは重大なる関心を持たざるを得ないのであります。しかも鮮魚、冷凍魚はほとんど指定貨車取扱いになりますから、御承知の通り五割高にもなりますし、また当然氷を使わなければならぬので、それだけ運賃を鮮魚の価格に課せられることにもなるし、また主食と同様に扱われておる現在の観点等からかんがみましても、これらに対しましては、それぞれ級の引下げ等も要望しなければならないと思うのでありまするが、すでに実施期間も迫つておる関係等から考えまして、委員長におかれましては、委員の皆さんにお諮りをいただきまして、この場合これらの要綱を取入れた要望書を政府に提出いたすようなおとりはからいを願いたいと思います。なおこの要望書の文案等につきましては、委員長に一任するということでおとりきめを願つて、ただいまのような趣旨を織り込んだ要望書を提出したいと思うのでありまするが、委員長から委員にお諮りを願つて御決定を願いたいと思います。
#6
○石原委員長 ただいまの冨永君の動議に対して、動議の通りとりはからうことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○石原委員長 御異議ないようでありまするから、ただいまの冨永君の動議の通りとりはからうことにいたします。
#8
○鈴木(善)委員 ただいま冨永君の御提案によりまして動議が決定したわけでありますが、この際、私からこの運賃の等級の調整について希望意見を申し上げたいと思うのであります。この運賃引き上げに伴いますところの等級の調整の問題は、従来からいろいろ書物の等級の間に、非常に不合理な矛盾した点が多々あることにも起因いたすのでありまするから、水産物の等級の要望書を提出いたしまするときには、主食、あるいは野菜、その他の、主要食糧及び生鮮食料品等の関係を、特に御検討を願いまして、適正な等級をこの際要求されんことを特に希望いたすものであります。私見をもつていたしますならば、現在野菜は十級であります。鮮魚が六級、冷凍魚が六級、塩魚及び干魚がそれぞれ八級、十級、こういうぐあいに相なつておるのでありまするが、私どもは、十級になつております野菜と同様に、この際鮮魚及び冷凍魚は十級として取扱うべきである、こういう見解を持つものであります。ついては委員長におかれましては、これらとの関係を十分御勘案の上で、最も妥当なる等級を御決定いただくようにお願いしたいのであります。
#9
○松田委員 ただいま冨永委員の運賃の問題は委員長に一任されたのでありまするが、現在の鮮魚の状況から行きまして、統制を撤廃されておる鮮魚は、その需給の点から行きまして、場合によつては相当の高低があるのであり、しかも統制が撤廃されたために、鮮度の点が著しくよくなつて、われわれか主張しておるように、統制時代のあの鮮度の悪い、品の悪いものが改善されて来たのであります。それに伴つて、十八品目の統制されておるものも、相当にその鮮度の点が向上されておる現段階でありますが、この統制されておる十八品目の魚価と統制を撤廃されておるものとの間に著しい差を来しておる。しかも今日、それならば安い統制されておる品目のものがどのようになつておるかと言つたならば、公定価格をはるかにまだ下まわつているような現状にあるのであります。そのときに、統制されていないものは、場合によつては安く、場合によつては高く、こうしたことによつて均衡を保つことができるのでありまするが、統制されているものは品物が不足であつて、りつぱなものが出て来ても、依然として公定価格があり、今日のように非常に多くの入荷を見たときにおいては、いかのごときものはわずかにその半額に充たない五〇%の程度まで下つておるのであります。こうしたならば、統制品目というものは、それを漁獲しておる者の漁業経済の上から言つたならば、とうてい收支の償わない点が十分にあるのであります。ゆえに私は、運賃の値下げというものに対しては、これは絶対に必要があると同時に、一日も早く全体の水産物に対して統制の撤廃をやらなければならないものではなかろうかと考えるのであります。しかもわれわれは常に申し上げているように、全面的に統制撤廃を叫んでおるのでありまするが、今日まだ十八品目が依然として統制されておるような現状において、水産庁の現段階がどのようになつておられるか、またどのような気持を持つてこの点に対して善処されておるかを承りたいと同時に、一日も早く統制撤廃を実現させていただきたい、かように考えるものでありまして、この点を伺いたいと思います。
#10
○石原委員長 飯山長官から、運賃の問題に対して、運輸省との折衝その他、何か参考になるべきことがもし御発表願えるならば、ついでにお話を願いたいし、それがさしつかえあるならば別にお話を伺うことにいたします。
#11
○飯山政府委員 ただいま松田委員から、運賃並びに関連して統制撤廃という問題が出たのですが、この問題は昨日も当委員会の席上において問題になりまして、その際速記を止めてもらつてその情勢を御報告いたし、また私どもの考えを申し述べたのであります。もしできますならば、この点は昨日も申し上げたような方法で申し上げたいと思うのであります。
 それから運賃の方の関係でありまするが、これは先ほど冨永委員からも御提案がありましたように、水産業にとりましてはまことに重大な事柄でありますので、この運賃の値上げ問題が起りまして以来、水産庁としては運輸省当局にいろいろ要望いたしたのであります。その経過につきましては、統制課長の方から御報告申し上げたいと思いますので、さよう御了解を願いたいと思います。
#12
○奧田説明員 運賃値上げの問題につきましては、先ほどからいろいろ御発言がありましたように、水産物といたしましては、運賃を値上げしても、その分だけ値上げをすれば、それで問題が解決するような事態ではございませんので、われわれといたしましては、運輸省並びに国鉄当局に対しまして、水産物の運賃の値上げは、もしいたしますにしても、できるだけ軽くしてもらいたいという要望をいたしましたし、また各業界の方と国鉄の首脳者との懇談会等もいろいろ催しまして、水産業界の意向を十分運輸当局の方へ伝えることを努力いたした次第であります。しかしこの際運賃の値上げは絶対に必要であるということから、一応われわれとしてはやむを得ないということになつたのでございます。しかし問題はなお将来に残つておるのでありまして、具体的には、それは先ほどから問題になりました運賃の等級の問題であります。それからもう一つは急送品輸送能力の増強、その他サービスの改善という問題がございますが、大きな問題といたしましては、この等級の改正の問題と、それからいわゆる急送品の輸送能力の増強と、この二つがあるわけであります。運賃の等級の改正につきましては、国鉄の首脳者の方も今後十分考えるというような言明もありました次第で、本日この水産委員会の御要望が決定したわけでありますので、その御要望に沿うために、私たちは万全の努力を盡したい、かように考えておる次第でございます。
 なお急送品の輸送能力の増強につきましても、いつでしたか、夏堀委員から特に東北方面の急送品輸送能力が足りないということを御指摘になりましたが、われわれも資料によりましていろいろ調べてみますると、そういう事実がたしかに認められるわけでございます。ただいま東北方面からの急送品輸送列車としては、八五〇と八五二という二つの列車がありますが、この列車によりましては、時に十月から十二月にかけての鮮魚の輸送の際には、ほかの急送品貨物と競合いたしまして、能力が足りないということも、資料ではつきりいたしましたので、その資料に基きまして、ただいま国鉄の当局と交渉を始めておる最中でございます。この点につきましては、十分われわれとしては努力をしまして、当水産委員会の御要望に沿うべく努力をいたしたいと思います。
#13
○川村委員 ただいま統制課長から、急送品の問題で、十月から年末まで、不足をしておると言われたが、私は逆だと考えておる。十月から年末は、少しくらい遅れても魚は腐りません。四月、大体五月から九月一ぱいというものは魚が腐るわけなんです。水産物に関する限りは、急送品ということは、そういう腐る時期に有も適切な言葉でなかろうか、かように考えるのであります。あなたの考え方は、年末云々といつて正月に魚を食わさせるといつたような考え方で、急送にそれを当てはめて運行するといつたようなお考えでありますが、私たち生産者の立場から言いますと、腐る時期に最も早く消費地に到着さして、鮮度を落さないで消費者に食わせるということが一番必要だ。いわゆる時期的に腐らないといつたようなものは、それはもちろん急送もしなければならぬ場合もありますけれども、それ以上急ぐものは、やはり腐敗のおそれのある時期に最も急がなければならぬのでありまするから、むしろ逆に暖かい時期に急送車を一本のもりは二本にふやせということを強く要求されんことを、私の方から要望いたします。
#14
○奧田説明員 ただいま十月、十一月、十二月の期間に急送品の輸送能力の足らないような資料が一応出ていると申し上げたのでありますが、それは一応そういう資料が出ておると申し上げたわけでございまして、この点が誤つておりますれば十分御意見を拝聽いたしまして、その正しい線に沿つて国鉄の万と交渉いたしたいと思います。どうぞそういう点はまたいろいろ御指摘願いたいと思います。
#15
○鈴木(善)委員 ただいま奥田説明員及び川村君から、急送品の問題が出たのでありますが、これは期間に限定をつけませんで、東北、北海道の需給事情にかんがみまして、鮮魚列車を増発すべしという一本の要望にしていただきたい。なおあわせて御要望したいのでありますが、魚の等級の問題だけでなくて、鮮魚に最も関連の深い氷の等級も、非常に高い運賃になつておるので、冨永委員の動議の要望書には、氷の等級をも調整することを加えるよう委員長に要望いたします。
#16
○石原委員長 この問題はこの程度にとどめたいと思いますが、石炭、木材、薪炭一鉱石等の部門に属する官庁においては、今日までその運賃引下げについて非常なる努力を拂つておるようであります。水産物に対しては、ややもすれば軽く見られておるような感じがあるのでありまして、これが三月までの暫定措置であるということのために、水産庁がそれに甘んじておるようなことがあつたならばたいへんだと思うのであります。三月までの暫定は、すなわちその次の永久的な問題の基礎となるものでありまして、非常な重大性を持つておると思いまするから、その点を十分認識の上、善処あらんことをここに要望しておきます。
 次に時間の関係上経済課長に御質問の点がありますればお願いします。
#17
○鈴木(善)委員 これは仄聞いたしておることでありまするから、そういう事実があるかどうかということを、経済課長及び長官からお伺いしたいのであります。水産庁の内部機構を近く改めたいということで、いろいろ構想を練つておられるように仄聞いたしておるのでありますが、現在の水産庁の行政事務能率を、高度に実施いたしますために、機構改革の必要等も考えられるわけであります。しかしながらこの新しく構想されております内容いかんによりましては、行政の監督指導を受けますところの一般業界に及ぼす影響はきわめて深刻であり、かつ重大であると、われわれは重大な関心を拂つておるものであります。つきましては、もしさような御計画があります場合には、あらかじめ当委員会にその構想を開陳されまして、国民の代表として、業界の代表の立場にあるわれわれも、官庁のそとから、実際にそれによつていろいろ制約を受けるところの国民の側から、その機構の適否を検討いたしたい、こう考えておるわけであります。つきましては、さような構想をお持ちになつておるのであるかどうか。またそういう機構改革等をなさいます場合には、当委員会にあらかじめ御協議なさる御意向であるかどうか、この点をお伺いしたいのであります。
#18
○飯山政府委員 ただいま鈴木委員の水産庁機構改革の件についてお尋ねでありますが、現在御承知の通り、水産庁の機構は昨年の七月一日に水産庁に発足した当時、大体水産局そのままの定員あるいは予算ということで出発したのであります。従つてその内容も、一部の変更はありましたが、そのままになつておりますので、協同組合法の制定、あるいは特に前国会における漁業法の制定というようなことによりまして、非常に行政の内容が重大変化を来すわけであります。従つてこれに適切に順応するためには、どうしても内部の機構をかえなければならぬということになつたのであります。しかしながらいまだ部内の一応の成案にまでは達しておりません。いずれ草案ができましたならば、これは当委員会の漁業制度の小委員会もあるようでありますし、この小委員会及び当委員会に諮り、また一面においては、業界に今お話の通り重大な関係がありますので、その方面の意向もただして、できるだけ適切なものにしたい、かように考えております。
#19
○川村委員 ただいま鈴木君から機構のことについて質問がありましたが、私はそれ以上に大きく水産行政というものを見た場合に、いささか水産庁に遺憾の点がありますので、自分の意思を表示いたしまして、委員各位の協力と、さらに行政の確立を期すためには、委員会と水産庁と渾然一体となつてやることこそ、いわゆる日本の水産の進展のために寄與することができるという建前から、わずかの時間を拝借して申し上げたいと思います。
 水産庁はあえてわれわれにことを隠すという気持はないでありましよう。もちろん水産庁内の内部的まとまりのつかないものを発表するということは、これはいけないのであるから、祕密を守らなければならぬのでありますけれども、たとえて言えば、統制の問題にしても、また先日の資材の議論のあつた問題にしても、漁業法の問題にしても、いずれにいたしましても、大体水産庁の意見がまとまれば、われわれ委員会に、また小委員会のあつた場合には、小委員会に逸早く発表をして、そうして意見を聞く。意見の一致を見た場合には、いわゆる水産庁とわれわれ委員との間に真に渾然一体となつて、他所の関係のあるものは他所に、あるいは内閣に関係のあるものは内閣にいろいろと折衝することこそ、すみやかにその案の実現を期すということに相なるのでありまして、それがいわゆる基礎となつて水産の進展がはかられる、かように私は考えておるのであります。ところがこれまで見ますと、何か一つ内部にまとまりましても、新聞やあるいはその他外部から漏れて来たことによつてわれわれが知ることができる。そうしてすでにこれの実現がもう目前に追つた時分にわれわれの手元に渡るといつたようなことで、非常にわれわれには不満があるのであります。そこででき得れば、案を立てる場合に、まずわれわれはこういう構想を持つているのだが、どうか。そうすればわれわれ委員会、あるいは小委員会でもよろしゆうございましよう、その気持をまずもつて探つて、そうしてよいという場合には、すみかやにそれを立案して、われわれと相談して、やはりそれぞれの部署に委ねて検討もし、またそれぞれ他所との交渉を続けることこそ、ほんとうにすみやかに実現することと考えるのであります。ところでまた市場法も研究しておるということでありますが、これもわれわれには示しておりません。それからさらに漁業協同組合の改正をするということも、大体構想があるということでありますが、これもまたわれわれに示しておりません。それから漁港法の問題も、以前第四回か第五回の国会だと思いますが、これらも、われわれには案があるのだと言つてまだその運びにもなつておりません、資材の問題にしてもそうである。すべてこれまでは、私らと渾然一体となるという気持ではあるけれども、真になつておりません。こうしたようなことでは、いつでも議論をこの議場で闘わせるだけであつて、実現は相当におそくなる。おそくなることがいわゆる水産の阻害になるということになりますので、長官初め各課長には、われわれの意も体して、自分たちの計画遂行をすみやかにするとすれば、議員にもまる裸になつて働いてもらわなければならぬという気持を、少し持つてもらいたい、かように考えるのであります。いやしくもわれわれは、水産庁の示された案をもつてやろうという約束をした以上は、これまではみないずれの議員もまる裸になつて働いておるはずでありますから、今後はいかなることでありましても、案を立てる前、それから草案ができたならばその草案を示し、さらに結果等もすみやかにわれわれに明示いたしまして、事実上の渾然一体となつて、水産行政のために、ひいては水産の発展のために寄與されんことを、この際要望しておきます。
#20
○井之口委員 経済課長さんにちよつとお伺いしたいのですが、瀬戸内海の漁業につきまして、いろいろな取締規則はあるのでありますが、各県別にこれがまちまちになつておるらしい。そういう実情の点を、どんなふうになつておるか、全般的にわたつて、簡單にちよつと説明願いたい。それがまちまちになつておりますために、たとえば大阪湾においては地びき網が許可になつているというので、岡山辺から、いろいろなところからやつて来る。その途中で沿岸をみな荒らしてしまつて、他の県は許可されていないにかかわらず、その方面も被害をこうむる。またそれを取締る海上保安隊の力が非常に弱いというようなことで、沿岸漁業は最近大分荒らされておるというようなことを聞いておりますが、その辺の点を統一して、何らか稚魚の育成、その他魚族の繁栄をはかるような方法をお考えになつていないか、その辺をひとつ伺つてみたい。
#21
○志道説明員 今経済課長に御質問でありますけれども、ただいままでやつております所管事務が、私の方に今まで関係が多うございますので、沿岸漁業課長の立場において、御説明申し上げたいと思うのであります。
 今御質問の点でありまするが、瀬戸内海における漁政のあり方がどうなつているか。これについては、御承知のごとく瀬戸内海漁業取締規則というものが制定されておるのであります。これに準拠いたしまして、各府県で漁業取締規則ができており、本法にもうたつてあるのでありまするが、蕃殖保護に影響を及ぼすと思われます比較的大きな漁業につきましては、ともかく各府県の地方長官の許可を必要とするとりきめになつておるのであります。この取締規則によりまして各府県はそれぞれ漁業種目をきめまして、各府県がその、取締りに当つておるのであります。ところがただいま仰せられましたごとく、各府県でそれがまちまちじやないかという御意見でありまするが、これはおのずから各沿岸県におきまする漁業の状態、あるいはまた海の状態によりまして、それを許可する、あるいはしないという問題に対する考え方に、各県によつて大きい差違があるのであります。従つて甲の県の許可を乙の県の許可と比較いたしまして、非常にそこに開きがあるのは当然で、県の海の状態なりあるいは漁業のあり方によつて大分違つて来るのであります。しかしながら先ほども申しましたごとく、根本的には、漁業法によりまして、瀬戸内海における漁業種目はきめなくちやならない。いわゆる許可にしなくちやならない藻手繰網あるいは藻漕網、藻打瀬網、藻びき網、空釣縄漁業、潜水器漁業、こういうものにつきましては、一応各府県の許可になつております。その他について許可するかしないかという問題につきましては、各府県によつてそれは考え方が違つて来るのであります。従つてこれらの問題は、調整の問題にもなつて来るのでありまして、この問題につきましては、関係県――たとえて申しますならば、兵庫県と徳島県の間のお互いの県の事情で、お互いの入会いの関係なんかは、話し合つて、緊密な連絡をとつて許可しておるようであります。むろんこういうものは全部許可漁業についてでございますが、中には従来から持つております専用漁業権というふうな漁業権の内容をなしておるものもあるのであります。これらにつきましては、むろん入会い入漁権というふうな形で、そうしたものを行使されておるものもあるのであります。ともかく県によつて、あるものは許可漁業になつておるし、あるいは自由漁業になつておるというものはむろんございまするけれども、しかし先ほど申しました数種のものにつきましては、瀬戸内海におきまする沿岸各府県は、一様にそれは許可漁業にしなくちやならないことになつておるのでございます。あの種目を除きましたものにつきましては、一応自由になつておるものもあるだろうと思います。今のお話の具体的な例はどういうところにございまするか、あるいは打瀬のごとき問題か、あるいは藻手繰のようなものについてのお話じやないかと思つておりますが、これは漁業制度の改正に伴いまして、瀬戸内海におきまする各般の調整といたしましては、根本的に見直さなくちやならないと考えております。のみならず、それまでに非常に大きな問題が出て来ますることも予想されますので、瀬戸内海におきまする現行の取締規則につきましては、一部できるだけ早いうちに何らか手を打つて、改正をし、現在の矛盾を是正したい、かように考えておるのでございます。今の御質問は大体そんな点でひとつ御了承を願いたいと思います。
#22
○井之口委員 この問題は非常に今日大きな問題になつて来ているようでございます。その間に統一がないために、その間をくぐつて、さまざまな自由かつてなことが行われているようでございます。なお取締規則の罰則が非常に軽いために、ほとんどあつてなきがごとき状態に立至つております。この点も十分考慮されて、瀬戸内海全般に対する漁業権を統一して、国家的見地から、ひとつ魚族全体の育成を考えたらよかろうかと思う次第であります。特に私が経験しておりますことは、淡路の由良においてでございまするが、あの海峡を隔てまして、出入りする船はたくさんございます。この出入りのたびにみな地びき網か底びき網とかでそつくり持つて行かれてしまうために、内海全体の椎魚に至るまでほとんどとられまして、海岸にその稚魚がみなほされておるような状態であります。こういう状態でありましたならば、大阪から淡路方面の沿岸の漁民に、大きな影響を数年を出ずして及ぼすと思う。現にすずきのようなものでも、今まで何百万貫ととれたものが、もうほとんどとれないということも聞いております。しかも海上保安庁にこれを交渉してみますと、取締る力が足りないというようなことも言つておるようであります。この点に対しまして、現行の取締法を実施するにつきましても、何らかの良法があるか、この点を聞いてみたいと思います。
#23
○志道説明員 ただいまの御質問につきまして、現行法規による取締りの矛盾に直面しておるという問題に対する御質問と思いますが、手繰りあるいは打瀬の範囲で、機船底びき網漁業をやるということは、瀬戸内海ではできないという原則になつておるわけです。従つて今行われておるのは、非常に小型のものか、あるいはえさをとる目的に使用されるごときもので、手繰りや打瀬が次第に動力化し、また戰時中の名残りによつてそれが多くなり、これは等級をつけられてやつておると思いますが、何と申しましても現在の法規においては底びき網漁業は瀬戸内海においては使えないのであります。ただこれが取締りの面から考えると、各府県の零細漁民を擁護する立場からいいますと、できるだけそれを緩和したいというのが、各府県所属の漁民に対する親心だと考えるのであります。しかしながらこれを野放しにいたしますと、資源的に見ても、非常に大きな影響を及ばしますし、漁民みずから首をくくるような結果になつて来ますから、この点は十分自粛してもらわなければならぬと思いますけれども、現在の矛盾をどの程度までなくし、他の漁業への影響、あるいは資源的に見て影響がないようにすることは、おのずからある限界が出て来はせぬかと考えるのであります。むろんこれについては、海上保安庁方面とも、この取締りについては今日相当緊密な連絡をとつてやつておるのでありますが、海上保安庁としては、先ほど申しましたように、各府県の意向に対して、できるだけ穏便主義にというような気持も持つておりますし、あるいは瀬戸内海全般にわたる取締りは、はつきりどうもつかめないという気持も多少あるかと思うのであります。こういう点から瀬戸内海における、零細な底びき漁業であり、しかも資源的に見てそう影響がないものについては、これが取締りの方針を、規則の改正と同時に、こういうふうなものに対しては取締つてもらいたい。こういうようなものはこうしてもらいたいというふうな、はつきりした線を画き出そうというので、先般からいろいろ集りまして、一刻も早くこの問題を解決したいということで、その話を進めているわけであります。その点成案を得まして、できるだけ早く取締りの管轄庁にも連絡いたしたいと思つております。
#24
○鈴木(善)委員 ちよつと議事進行について。地方的な問題にいろいろ入つて行きますと、きようの委員会の主要な議題となつております案件が進行いたしませんので、議題になつております水産庁長官からの予算の内示、その他港湾法の提出が、けさの新聞によりますと、関係方面からの覚書によりまして、十二月三十一日までに政府は提出するようにと指示されている等の事情にかんがみまして、本委員会がかねて研究いたしております漁港法の取扱い等について、緊急御協議を願うことが必要ではないかと考えますので、委員長におかれましては、しかるべくおとりはからい願います。
#25
○石原委員長 久宗経済課長はもう御退席されますので、ちよつと委員長からお尋ねしておきたいと思います。
 それは漁業法案が制定されたのにつきまして、差当りの問題は、海区の設定及び調整委員の選挙ということが重大な問題になると思うのでありますが、これに対して水産庁は地方に対してどういう考え方を持つておられるか、またどういう方針をとつておられるか、すでに方針をきめてやつていることがあれば、その点を説明していただきたい。
 なお時間的に都合が悪ければ、その御説明は次の機会にお願いしたいと思います。
#26
○久宗説明員 海区の問題と委員会の選挙の問題でありますが、まず海区の問題につきましては、この法案の審議過程から、しばしば主務課長会議を開きました際に、大体府県の方の意見を元にして、一応の案ができているわけでございます。ただこれをすつかり固めますまでには、もう一度確認いたしたいと考えておりますので、施行の順序として一月の上旬に主務課長会議を開きまして、さらに三月施行直前にもう一回開きたいと思いますが、その一号の際に最終的な案に固めるところまで持つて行きたいと考えているわけであります。
 それから選挙の問題でありますが、これは非常に大事な選挙でございますし、また参議院の選挙とも時間的に関連して参りますので、本法の施行は大体三月の上旬に予定しております。それから手続的に申しましても少くとも三箇月はかかります。そこでできるだけ漁民の方々が地元においでになる期間というものを考えて、夏の盆ごろに第一回の選挙を持つて行きたいと考えているわけであります。その間に相当の時間を與えておりますのは、農地委員会の場合でも非常に問題になりましたように、改革内容の普及宣伝あるいは徹底ということが非常に問題になると思いますので、相当の期間をとつているわけでございます。
 なおこれについての詳細な御質問でございましたら、別の機会にお願いしたいと思うのであります。実はきよう地方税制の問題について、行政官庁内部で相当最終的段階の会議がありますので、できればはずさせていただきたいと思います。
#27
○石原委員長 この問題は委員会においても、長い間その調査研究に苦心をいたしたものでありまして、漁民並びに今後の水産の発展に至大な影響があると思うのであります。従つて委員会においても意見を持つているわけでありますから、意見をただす方がよろしいというお考えであつたならば、公式、非公式は当局におまかせしまして、後日支障の起らないように、十分この点処置されんことを要望いたしておきます。今日はこの問題はこれで打切りまして次に移ります。
 漁港法案に関することを議題に付します。
#28
○川村委員 日本の漁業にとつて漁港は重要な役割をなすということは、私が言うまでもありません。むしろ漁港なくして日本の沿岸漁業の発達はない。また将来の遠洋漁業の発達はないと極言してさしつかえないと考えるのであります。しかるに今まで漁港は、ただおざなり式に築設されておつて非常に混乱をしておる。これでは大事な漁港の完成はいつになつたらできるかということを、われわれは憂慮いたしまして、これを法文化して、予算の裏づけをして、逐次計画的に漁港の修築をし、あるいはそれぞれの施設をして行くことこそ、水産の進展のために最も大事なことであるという考えのもとに、ずつと以前の国会からこれを取上げておつたのでありますが、遺憾ながら法文化することは今日でもできない現状にあるのであります。ところが先ほど鈴木君も言われたように、また私も本日の新聞を見て参りましたが、運輸省の方では以前から研究をして、もうすでに覚書までとりかわして、本国会にそれを提出して法文化すというところまで進んでおるということでありまして、その内容はここに持つて参つております。と同時に、われわれが研究を重ねて議論をして参りました漁港法の草案も出て参つたのであります。いずれにいたしましても、この法案を見まするときに、国を思い、海を思い、漁業を思つている精神にはかわりはないのでありますけれども、漁港には漁港としての特殊性能を持たなければなりません。一律一体に運輸省が考えているようなことには参らないのであります。運輸省が制定しようとするところの港湾法は、運輸省の関係に特に近いのであるから、これはもちろん運輸省で考えればよい。しかしわれわれは漁業、すなわち水産を本体として考えておりまするがゆえに、漁港法は独自の立場において取上げて制定すべきであると考えるのでありまするから、両草案の内容をつぶさに検討して、一日も早く漁港法の制定を見るように、議員提出でもいいから、この際提出すべきではなかろうかと考えまするので、この場合委員長より各委員並びに政府委員に諮つて、説明や検討を要する事項はそうしたいと思います。
#29
○鈴木(善)委員 ちよつと速記をとめていただきたいと思います。
#30
○石原委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#31
○石原委員長 速記を始めてください。
#32
○夏堀委員 運輸省では港湾法につきましては、早くから準備を進めて、関係筋の方と折衝しておるように私は聞いております。それと並行して漁港法案のことについては、これを押えようとするような行動に出ておるということも私は聞いております。こうした点について、ただいま鈴木委員からも申された通り、関係筋の方で、はたしてこの取扱いをどのように考えられておるかということは、非常に重大な問題でありますが、今日ここに至るまで水産庁としてどの程度関係筋の方に御折衝なさつたのであるか、その内容を伺いたいと思います。
#33
○飯山政府委員 ただいま夏堀委員から、漁港法案について、関係方面とどの程度の折衝をしておつたかというお尋ねでありますが、御承知のように、漁港法は非常な重要な法案でありまして、できるならばこれは政府案として出すべきであつたのであります。しかしながら予算その他の関係から見まして、非常に御迷惑でありますけれども、第五国会において議員提出としてこれが御計画を願つた。またその御計画に対しまして、私どもも現在の案については、水産庁の考えも相当織り込まれて成案ができておるように承知しております。従つて水産庁自体がこれを政府提案として提出するよりも、議員提出にしていただいた方が、これが実現にむしろ有利であろう、こういう考えのもとに直接に今日まで関係方面には折衝はいたしておりません。そこで私どもとしましては、この機会に幸い議員が中心となりまして、従来私どもが考えておつたような点を十分に含んでおる案でございますから、私どもの希望といたしましては、ぜひともこの際議員提出としてのおとりはからいを願いたい、かように思います。
#34
○夏堀委員 水産長官の御答弁によつて、政府はまだ関係筋に何らこの問題に対しては折衝しておらぬということがはつきりいたしました。漁港法案は前々議会から委員会において取上げた問題ではありますけれども、この漁港法案を今度の委員会に初めてかけて、この問題は正式に論議された程度であります。そうした点から考えて、港湾法案なるものと比較検討して二歩も三歩も遅れておるということははつきりしております。けれどもやはり漁港の重要性にかんがみまして、その際に水産庁としても、小委員会といたしましても、共同の行動をもつて、先ほど鈴木委員からも申されました通り、まず関係筋の方の意向を承つて、そして積極的にこの漁港法案に対する進み方をはつきりしておくことがいいだろう。もしこれがいろいろ遅れたことだから、非常に困難なことであつたならば、これに対する対策は、やはり政治即政党政治としてのあり方において、各政党との関連において、漁港即日本水産のあり方を明確にするために、その基盤となるこの漁港法案の重要性を十分に強調して、この問題を推進されんことを希望するものであります。
#35
○小高委員 漁港法という漁業関係に特殊の銘打つたものをつくろうとする動機がなへんに存するかということを考えますとき、そこに先ほど来論議されておりまする港湾法、大づかみに見ました商港と漁港を一括したものの力よりも、もつと専門的なへ強力な施策が望ましいというのが、本法案を論議せんとするわれらの目的であるのでございます。こういうことから考えますと、岡には道路法というものがあり、ちよつと破損いたしましても捨てておかないにもかかわらず、この漁港には何ら強力な手が打たれておらないというところから、何とか岡の道路あるいはそれ以上にも重要であるところの漁港の悩みを、一刻も早く解決して、正しい増産の姿に持つて行かなければならない、かように私どもは考えておるのでございますが、この際港湾法というようなものが研究されておる、そうなりますと、結局これは漁船の検査の場合に見るごとく、海上保安庁が漁船の検査をする。これは普通一般の運送船を第一義として、第二義的に漁船が取扱われておるというような気持がいたしますと同様に、またこの港湾法によつて漁港が第二義的に取扱われたならば、一体わが国の経済再建上どういうような影響が来るであろうか、ここが漁港法を制定して、すみやかに漁港の建設を期し、あるいはまた現在悩んでおるところの修築等をすみやかならしめんとするゆえんであることを考えますとき、どうしてもこの漁港法という專門的な、独自の法律をつくりたいのでございます。ただ先ほど同僚議員からいろいろ御意見がありましたが、これはへたにやつて運輸当局とにらみ合いになつて、宙に迷うようでもいけませんので、この点は、今承りますれば水産庁対運輸省の話がまだ進んでいないということであるとするならば、この委員会において愼重審議をし、ある程度の成案をまとめ得たものが宙に迷うようなことがあつては、はなはだ当委員会の見識にかかわる、かようなことを考えますので、どうか委員長におかれましては、この点十分御考慮の上、われわれがこの法案を熱心に進めるならば、ーつの見通しを確然と抱いて進むということにしていただきたいと思うのであります。希望意見として開陳しておきます。
#36
○井之口委員 ただいま長官から、漁港法を出すについていろいろ困難の項目といたしまして、予算の裏づけがない。予算の点で非常に困難しておるというようなお話でございました。まことにそうであろうと思うのでありますが、そのためにも、現在進んでおりまする漁港の修築なりあるいは新設なりにつきまして、新聞なんかの報ずるところによりますと、約二百六十一港もあつて、うち百十二港も継続事業になつておるということが報ぜられております。もしもそういう予算面が二十五年度においてもとれないということになりますと、こうした継続事業が中途半端になつてみなこれ荒海の中に巻き込まれて、今までこしらえたものでもみな消滅するというようなことに立至るでありましよう。いわんや公共事業費からこういう方面に要求された額は、約四十五億ぐらいを水産庁の方で要求されたそうでありますが、それが八億円にも削られたということになりますならば、さつぱり日本の漁業問題が発展しないという状態に立至るのではなかろうかと思います。それらの関係で、この漁港というものに対しても、政府は重要性を認めない結果に立至つておるのではなかろうかということが推察される。それについては、その裏に漁港法案を出してはいかぬというふうな関係方面からの指令か何かがおありになつたのかないのか。そういう方面に対して、もつと日本の漁業の発展のためにぜひとも漁港が必要なんだから、これを発展させなければいかぬという交渉をされたかどうか。また大蔵大臣とももつとこの予算の点を追究して、公共事業費を組む以上は、この重大なる問題に支出してもらいたいと交渉されたかどうか。その辺の具体的なことをお話願いたいと思います。
#37
○飯山政府委員 ただいま井之口委員の御発言について、お答えいたしたいと思います。関係方面から、この漁港法を制定することに何か指令があつたかというお尋ねでありますが、全然そういう指示はありません。のみならず、われわれとしては、天然資源局の水産部に対しましては、二十五年度の公共事業費の増額についても、相当の協力を実は求めたのであります。しかしながら関係方面の意向といたしましてはいろいろ見解がありまして、遺憾ながら全面的の協力を得なかつたのであります。しかし幸いに当委員会におきまして非常なる御協力を仰いで、少額ではありますけれども一般の修築費としての七億五千万円、それから災害用としての四億四千万円――大体の概数でありますが、これを獲得し得たということは、まつたく当委員各位の絶大なる協力になるものであります。従つてその数字は、今お説明のようにきわめて少額でありますけれども、なお今後私どもとしましては、この際漁港法の制定ができまして、これが予算の獲得の上に基本になりますならば、まことに漁港建設のために非常なる結果を得られるのではないか、かように期待いたすのでありまして、決してこの漁港法そのものを私どもは軽視いたしておるとか、あるいは予算がとれないだけでこれを出さなかつたというのではありません。それから二百何港のうちの百河港というお話もありましたが、現在百十二港は継続になつております。さらに二十五年度におきましては、新規もその予算の範囲において――もちろん十分ではありませんけれども、相当数を修築開始ができるように、目下折衝を続けておるわけであります。従つてこの漁港法については、幸いにして当委員会におきまして先ほど来のお話のように、これが提出をされるというようなことになります場合には、私どもといたしましては、事務的に関係方面との折衝に、微力ながら最善の努力と拂つて打きたい、かように考えております。
#38
○川村委員 漁港の重要性から、漁港法の制定は一日も早く議員提出ですべきであるというような意見が多いようであります。また政府当局、すなわち水産庁長官のお話によりましても、これはどうしても漁港法を制定してもらわなければ、港漁の完成を期することができないという意見もありますので、この場合この委員会において、この漁港法を議員提出とするということに基本方針をきめて、英訳すべきものは英訳し、すみやかに委員会としてこれを関係方面に折衝すべきであり、また水産庁といたしましても、事務的に関係方面と折衝して、一日も早くこの漁港法の制定を見ることが、われわれとしては望ましいのであります。従つて委員長は各委員に向つて、この方法をいかにすべきかおとりはからいを願いたいと思います。
#39
○奧村委員 この漁港法の必要は、第五国会からわれわれ力説して、それがため漁港法案に関する小委員会を特別につくつて、そうしてその小委員会において、今までいろいろ努力して来られたものであります。小委員長の手においてまた司令部との関係の交渉もなさつておられたはずであります。われわれは水産庁に話を持ちかけるよりも、むしろ議員自体として、この法律を出すということが既定の方針である。それで、その以前の漁港小委員長が、司令部とどこまでの交渉をなさつたか、この議案提出にどこまでの準備をなさつたか、これをまず一応承つておきたい。すでにこれは議員提出としてこの国会に出しておるべきはずである。この点についていろいろいきさつがあろうと思いますので、小委員長に、今までのいきさつをお伺いしておきたいと思います。
#40
○平井委員 私漁港小委員長といたしまして、議員提出による漁港法案を国会に提出したいという考えで、法案の作成に当つたのであります。前国会におきまして、ぜひとも提出したかつたのでありますけれども、漁業法その他の問題で、非常に多忙でありまして、第七国会まで延びて来たのであります。その間におきまして、司令部の水産部長ヘリグシトンさん並びにネビルさんとも二度交渉したのであります。その交渉の日にちは覚えませんけれども、漁港の重要性という点につきまして話し合つたのであります。御承知のごとく、戰後におきまして商船は非常に減つたけれども、漁船が非常にふえた。また日本の行くべき道は水産業にあり、その水産業の根底は何としても漁港であるという建前から、しばしばこれを説明したのであります。総司令部の水産都の意見は、非常に賛成である。しかしながらこの漁港という問題において、これが法律となるという点においては、アメリカはそういうことはない。港湾も漁港もアメリカは一緒である。そうしてこの両方を一緒にした審議会――アメリカでは陸軍省がすべてこれをやつておるそうでありますが、日本の漁港の重要性は認めるけれども、港湾と漁港を一緒にした中央審議会をつくつて、これで重点主義に漁港をつくつてみては、どうかという話があつたのであります。しかしこの法案に対しては、アメリカの水産部といたしましても反対ではないのであります。しかしながら御承知のごとく、先ほど長官のお話の通り予算が非常に少い。海国日本で非常に水産が大事であるということは承知しておるのでありますけれども、政府当局並びに国会議員の大多数は漁港に対する認識が薄いと考えるのであります。昭和二十五年度の漁港の予算にいたしましても、林漁港課長に非常に活躍していただいたのでありますけれども、大蔵当局は非常に認識が薄いために、われわれが想像したよりも非常に少い予算が見積られたのであります。その節も私当時の小委員長といたしまして三度予算課のモスラーさんに面会いたしまして、満足ではありませんけれども、何とか新設漁港もいくらかできるまでにこぎつけたのでありまして、私はこの第七国会に必ずこの法案を提出して、日本の漁港を完全なる漁港といたしたい、こう考えておる次第であります。これはアメリカにも十分話してありますし、今後アメリカの水産部に折衝すれば、必ずや賛成していただけるものと確信をしておりますから、次にこれを担当される小委員長として、ほんとうに御苦労でありましようけれども、努力を願い、また党内におきましても、幹部以下全代議士に賛成を願つて、すみやかにこれを議員提出の形で国会にはかりたい。こう考えておるのであります。関係方面の方も決して反対でない、われわれの努力いかんでは必ずこの法案が通ると確信しておる次第であります。簡單でありますが、当時の小委員長としての御報告を申し上げる次第であります。
#41
○中西委員 ただいま議題になつております漁港法でありますが、次に港湾法というふうに案として出ております。私まだ詳しく内容を検討しておりませんが、前の委員も言われた通り、どうも漁港法と港湾法とは表裏一体をなすような気がするのであります。最近仄聞いたしますと、日米漁業協定が協定の運びになるというふうなことを聞いております。これはもう御承知だろうと思いますが、大体においてマツク・ラインを撤廃してアラスカ漁場等を許可する。この撤廃から日本といたしましては漁場が拡張するのでありますが、同時に日本の領海にアメリカのラインが、これは保護的な立場から十分にこれを監督、保護、警戒することになるように言われておりますが、もしそういうことになりますと、将来わが国の独立も非常に危險になつて来ると思いますが、長官にお尋ねいたしますが、そういうふうな日米漁業協定はどうなつておりますか。これは日本にとつて漁港もしくは港湾を通じての重大問題だと存じます。その点水産庁あるいは政府ではどういうふうな見解をとつておられますか。それをお伺いしたいと思います。
#42
○飯山政府委員 ただいまの中西委員の日米漁業協定というような言葉を拜聽いたしたのでありまするが、現在といたしましては、何ら具体的にそういう話は私どもまだ受けておりません。従いましてこの日米漁業協約というようなものが、かりに結ばれる場合に、どういう内容を持つかというようなことについては、これは事柄が非常に重大でありまするので、もちろん水産庁の問題のみではありません。当委員会あるいは民間の要望、いろいろ重大な要望があることと存じますので、私どもはそういう要望をできるだけ出していただいて、そうしてそれに基いて進まなければならぬというような考えだけは持つておりまするけれども、まだ具体的に内容を説明するというまでには至つておりません。
#43
○石原委員長 お諮りいたします。漁港法案は議員提出として今期国会に提出するという方針をきめることに御異議ありませんか。
#44
○石原委員長 満場一致御異議ないものと認めます。議員提案として今期国会に提出することの決議をいたします。つきましては非常に日が切迫しておりまするから、たとい自然休会中におきましても、漁港小委員長初め小委員諸君等におきましては、特にこの点を急速に実現するようにお取運びを願いたいと思います。御異議ありませんか。
#45
○川村委員 ただいま漁港法の問題に関しまして、委員が満場一致で議員提出とすることに決定いたしましたので、同法に関係ある小委員長として、各党出身の委員の方にお願いいたしますると同時に、政府当局にもお願いいたしておきます。各党出身の委員におかれましては、これが議員提出となりまする以上は、でき得れば本会議において満場一致の賛成を得て制定したいのであります。いかなる場合におきましても過半数を要しますので、各党派出身の委員の方々には、自党の方を十分おまとめくださるように、ひとつお願いをいたします。さらに政府当局におかれましては、一日も早くこの英訳をしなければ折衝することはできません。従つて英訳をまずもつて急ぐこと、さらに当局におきましては、事務的に十分その間御折衝を願うように、小委員長としてお願いをする次第であります。
#46
○石原委員長 ちよつとこの際申し上げます。水産物の鉄道運賃に関する件につきまして成案ができましたから御報告申し上げます。
  水産物の鉄道運賃に関する件
  現在の水産物なかんずく魚介類及び冷凍魚類の需給状況に鑑み水産物の鉄道運賃を左記の通り改定し、即時実施されんことを水産委員会の議決により要望する。
  なお東北地方及び北海道は大衆魚即ち統制魚類が最も多く且つ延着事故等が多いのに鑑み、鮮魚輸送專用列車数の即時増発をなし、魚介類及び冷凍魚類の輸送を円滑ならしめることをあわせて要望する。
    記
 一、魚介類現在「六級」を「十級」とすること
 二、冷凍魚類現在「六級」を「十級」とすること
 三、魚介類の氷蔵用氷は、現在魚介類と同様の運賃を支拂つているが、この魚介類の氷蔵用水の運賃も、魚介類と同様「十級」とすること
 昭和二十四年十二月二十二日
   水産常任委員長 石原 圓吉これを内閣総理大臣、運輸大臣、農林大臣あてに本日提出することにいたします。
#47
○鈴木(善)委員 物価庁の長官にも出してください。
#48
○石原委員長 なお関係小委員長におかれましても、特に一応直接当つていただくことが情勢上よかろうと思いまするので、希望を申し上げておきます。
#49
○井之口委員 漁港法案の委員会決定について結論だけ……。漁港法案は、漁港を保護し、そして国民生活安定ということの目的のために、法案を出されることにはわれわれ賛成でございますが、この内容の点につきましては、今からまだ検討しなければならぬ問題でございますから、その点は御了承のほどをお願いしたい。
#50
○石原委員長 了承いたしました。
 ちよつとお諮りいたします。まだ予算の内示等もありまするし、大分残つておりますから、これをもつて午餐にいたしまして、午後一時からさらに開会したらいかがでしよう。
#51
○石原委員長 それでは午後一時再開することにいたします。
 暫時休憩いたします。
    午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時二十五分開議
#52
○石原委員長 これより再開いたします。
 当委員会といたしましては、午前に引続く問題は、ただいま漁業権課長、漁政部長、沿岸漁業課長、資材課長、遠洋漁業課長等お見えでありまするけれども、時間の関係でこの程度にとどめたいと思います。なお本国会の審査を一層充実ならしむるために、先刻説明のありました水産研究所、第二水産講習所、その他現地調査をする必要を多分に認めるものであります。よつて委員を派遣して現地調査を行いたいと思いますが、いかがですか。
#53
○石原委員長 御異議なしと認めさよう決しますが、この委員派遣については衆議院規則第五十五條により議長の承認を必要といたしますので、この際議長に提出する委員派遣承認申請の派遣の目的、派遣人員、人名、派遣の期間等、その他の手続に関しましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
#54
○石原委員長 御異議なきものと認め、委員長においてさようとりはからいます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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