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#1
第075回国会 法務委員会 第10号
昭和五十年六月五日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     中村 英男君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     町村 金五君
     最上  進君     塩見 俊二君
     戸塚 進也君     安井  謙君
     中村 登美君     梶木 又三君
 五月二十三日
    選任          福井  勇君
    選任          郡  祐一君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     初村滝一郎君     岩本 政一君
     郡  祐一君     前田佳都男君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     前田佳都男君     大鷹 淑子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         多田 省吾君
    理 事
                高橋 邦雄君
                佐々木静子君
                白木義一郎君
    委 員
                大島 友治君
                大鷹 淑子君
                福井  勇君
                中村 英男君
                安永 英雄君
                橋本  敦君
                下村  泰君
   国務大臣
       法 務 大 臣  稻葉  修君
   政府委員
       内閣法制局長官  吉國 一郎君
       内閣法制局第一
       部長       角田礼次郎君
       法務政務次官   松永  光君
       法務大臣官房長  香川 保一君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       法務省矯正局長  長島  敦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部公害課長   星野鉄次郎君
       防衛施設庁総務
       部施設調査官   杉森 一秀君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (千葉刑務所における受刑者の処遇問題に関す
 る件)
 (大阪府矢田事件に関する件)
 (水俣・水島等の公害争訟に関する件)
 (沖繩県下における米軍による被害並びに補償
 に関する件)
 (憲法第六十三条の解釈に関する件)
 (宅地建物取引業法違反問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(多田省吾君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 稻葉法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。稻葉法務大臣。
#3
○政府委員(松永光君) 稻葉大臣、健康を害して発言ができませんので、お許しを得て私が発言を代読いたします。
  私は、憲法を改正しない政治姿勢を堅持して
 いる三木内閣の法務大臣として、御承知のとお
 り言動に慎重を欠いたため、この政治姿勢に疑
 惑を与え、あるいは憲法を軽視するかのごとき
 印象を与えるおそれのありましたことにつきま
 しては深く反省し、今後、言動に十分注意する
 所存であります。
 以上でございます。
#4
○委員長(多田省吾君) それでは、稻葉法務大臣には退席していただいて結構です。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(多田省吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 最高裁判所裁判官任命諮問委員会設置法案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(多田省吾君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○佐々木静子君 それでは、私からまず矯正関係のことについてお尋ねいたしたいと思います。
 これは先般来、法務委員会の再開がおくれておりましたために、もう少し早くにお伺いしたいと思っておったわけでございますけれども、この三月の二十二日に、千葉の刑務所で収容中の模範囚といわれている人が管理部長に対して傷害を与えたという件で、刑務行政のあり方ということが広く問題として訴えられているわけでございますが、この問題を起こしました泉水博さんというのが一昨日の六月三日、千葉地方検察庁から起訴されております。起訴状の罪名は公務執行妨害罪と傷害で、そしてこの起訴事実につきましても、私も起訴状を入手させていただいているわけでございますが、この起訴事実の、本人がいま私が申し上げました六月三日に起訴されるに至ったいきさつにつきまして、きょうは若干お尋ねしてみたいと思うわけでございます。
 まず、この三月二十二日に泉水博という収容者が管理部長に対して暴行を働いた事実があるのかどうか、そのことについて矯正局長にお伺いいたしたいと思います。
#10
○政府委員(長島敦君) ただいま先生お手元にお持ちの公訴事実の中に書かれておりますように、私どもの承知しております限りでは、当日そこに書かれておりますような客観的な事実がございました。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(多田省吾君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 前田佳都男君が委員を辞任され、その補欠として大鷹淑子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#12
○佐々木静子君 この起訴状によりますと、被告人泉水が、千葉市の千葉刑務所において受刑中のものであるが、かねてより同刑務所の受刑者に対する医療行為に不満を抱いて、同刑務所の管理部長西條氏を人質に取った上で、刑務所側に対し、これが改善を訴えようと意図して、三月二十二日の午前九時十五分ごろ、同刑務所舎房西舎南側出入り口内階段下付近で、警備及び舎房の状態を視察していたところの巡回中の管理部長を待ち伏せて、背後から襲いかかって傷害を与えたという事案のようでございますが、そのとおり間違いございませんか。
#13
○政府委員(長島敦君) ただいま御指摘ございました客観的事実は、そのとおり私どもも確認しておるわけでございます。
 そこにございます「医療行為に不満をいだき」「管理部長を人質にとったうえ、刑務所側に対し、これが改善を訴えようと意図し」という記載がございますが、この点につきましては、実は被害者が管理部長でございまして、刑務所としては非常な上級幹部でございますので、刑務所の内部で取り調べるのは不適当ということで、事件が起こりましてすぐ検察庁に連絡いたしまして、検察庁で御捜査をいただいております。そういう意味で泉水自身を刑務所は全然調べておりませんので、この内心どういう意図でやったのかということは、私どもには実はわかっていないわけでございます。
#14
○佐々木静子君 そうすると、泉水自身の身柄はずっと千葉刑務所におるわけでございますね。その間、行刑上の処分とかはもとより、教育上からもこの事案については何も聞いておらない、何ら事件のなかったときと同じ状態で、この件について特別の教育を行っておらない、全くこのことにはノータッチで刑務所はいらっしゃるというわけですか。
#15
○政府委員(長島敦君) この事件につきまして、どういう動機でやったとかというような事件自体の調査と申しますか、それは差し控えていたわけでございますが、ただ、こういう事件起こしましたので、本人は非常に心情が不安定になりましたので、その後そういう心情を安定させますためのいろんな処遇と申しますか、職員の接触ということはもちろんやっておるわけでございまして、本人も心情が安定してきております。そういう状況でございます。
#16
○佐々木静子君 起訴状は刑務所内の医療行為について不満を抱いているというふうに記載されておるわけですけれども、刑務所の方から伺ったところでは本人自身が医療を要求したこともなければ、全くの健康体である、目が少し悪いことを除いては全くの健康体であるというふうな話のようにお聞きしているわけです。そうすると、ほかの収容者の医療の行為に不満を抱いてこういう問題が起こったというふうに解釈されるわけなんですけれども、そのあたり、いま千葉の刑務所において医療の状態、収容者に対する医療はどういうふうに行われているのか。やはりこういう問題が起こるところを見ると、相当な不満というものが収容者の中にあるということが考えられるわけなんですが、どうなんですか、そのあたりは。
#17
○政府委員(長島敦君) ただいまも申し上げましたように、泉水自身についていまだ直接聞いておりませんので、実はどの点が不満なのか、私どもにも実はよくわからないわけでございますが、一般的に申しますと、千葉の刑務所の医療体制自体は、全国の刑務所を見ましても非常に上位のレベルにあるものと私どもふだんから見ておるわけでございます。この点は医者の配置からいたしましても、医療設備からいたしましても、あるいは医療関係の職員の勤務体制からいたしましても平均水準を上回っているというふうに見ておりますが、何しろ無期囚とか長期の受刑者が非常にたくさん入っておりまして、長期間社会からいわば隔離された状態で閉鎖的な社会の中に長年おりますと、心理的に、まあ普通でございますとそう刺激にならないようなことを非常に大きく感ずる、所内生活のちょっとしたことに非常に大きく衝激を受ける、あるいは印象を持つ、あるいはいろんなうわさが所内で流れるわけでございますけれども、それが真実かどうかを確かめないで、そういううわさによって感情が激発するというようなこともあるのじゃなかろうかというふうに存じます。
 実は、ただいま御指摘のように、一昨日でございますか、起訴されましたので、これから一応泉水自身について私どもの方で事情を聞くことも許されるというふうに思いますので、もう少しよく事情を聞いてみたいといういま率直な気持ちでございまして、率直に申しましてよく実は私にはわからないというのが心境でございます。
#18
○佐々木静子君 これが新聞で報道されたこととか、あるいはその後一部週刊誌でも当時取り上げられているわけでございますけれども、そのときの刑務所側の責任者の方のお話では、医療問題に不満があったなどということはとうてい考えられないと、そういうふうなすべて否定的な発言になっているわけなんですね。しかし、この起訴状を見ると、やはり医療問題に対する不満が動機となってこういうことをやったという起訴になっているわけでございましてね、これはある程度の事実調べに基づいて起訴がなされていると当然思われるわけなんですけれども、そうすると、そのあたり刑務所側の言われることと、それから検察庁の捜査というものがやはりちょっと違ってきているのじゃないか。そういう点で、刑務所側は何も医療不備などというようなことはとんでもない、十分にやっているというふうに一方的な発言になっているけれども、そこら辺が事実と違ってきているのじゃないか。少なくとも刑務所側がそのように思っておっても収容者は決してそう思っておらない、そういう事実はやはり無視することができないのじゃないか。もうすでに三月の末に起こった事件で、これはたまたま起訴が一昨日になったわけですので、一カ月余りおくれているわけですけれども、そのあたりについて、やはり矯正の当局とするともう少し、捜査中だからということで全然とってのいているというのじゃなくて、もう少し実情調査なさる必要があったのじゃないか。あるいは調査をなさったとすれば、もう少し具体的に調査の結果というものをここに述べていただきたいと思うわけです。
#19
○政府委員(長島敦君) 矯正といたしましては、先ほど申しましたように泉水自体について調べることは差し控えたわけでございますけれども、もちろん医療体制に不備があるかないかというような点も十分に調査もいたしまして、対策も講じてまいりました。先生御視察いただきましたのでおわかりだと思いますが、いま千葉の刑務所は改築作業をやっておりまして、そのためにいろんな面で不便が起こっておりまして、この点は病室その他についても問題がございます。さしあたりの措置といたしまして、病室等についてできるだけの改善措置を実はいま講じておるわけでございます。そういう意味で、全然無視しておったわけではございませんで、この事件が起こりましてから処遇全般についても再見直しをやっておりまして、管区からも管区長初め二、三回幹部職員が見に行っておりますし、所長もかわりました機会に所内の処遇全般を見直しておりまして、あらゆる面でいま再検討をしておるという状況でございます。もちろん、そういう意味で何らかの不満があったということは考えられますので、あらゆる角度からいま検討し、打てる手は順次打ってきておる状況でございますので、御了承いただきたいと存じます。
#20
○佐々木静子君 これはこの事件に限りませず、私ども刑務所から出てきた方から刑務所の事情を聞く機会が多いわけですけれども刑務所の方は万全にやっていると言う。出てきた方にすると、長い間収容されたという不満がいろいろあると思うので、余りよく言わないのが人情の自然だとは思うのですけれども、そこを割り引きしましても、やはり具体的ないろいろな不満を持ってきている人が、これは千葉刑務所に限りませんけれども、大変多いわけでございまして、そのことと刑務所側との意見を突き合わすと非常に話が違うことが多いわけです。そしてそれが、そのような置かれた立場の相違ということから見て、収容された方の言っていられることを必ずしもまるまるうのみにするというわけじゃ決してございませんけれども、しかし、突き合わせてみて客観的な裏づけをとってみると、とれた場合は必ずしも収容者の方の言っていることが事実と違ったということにもならない場合が、いままでの私のわずかな経験から見ても大変に多いわけなんでございます。
 そういうことから考えると、これはやはり刑務所側で万全を期しているから、あるいは十分にやっているからと言われたところで、あるいは請願も出てないから不満はないのだというふうな安易な考え方ではとてもできないのじゃないか。特に長期の受刑者、無期懲役がここは三分の一、二百人余りと聞いておりますけれども、無期懲役の囚人にとっては請願を出すというようなことは、場合によるともうそれこそ再びしゃばへ帰れないというようなことも踏んまえてやらなければならないことだというようなことから考えますと、請願がないから不平がないとか、要求がないから何ら問題はないんだというふうな安易な取り上げ方ではとうてい刑務所内の収容者の人権というものは図れないし、また、満足して刑に服するというようなこともなかなかむずかしいというふうに思うわけなんでございます。
 今度の場合も、これは泉水被告と同時期に千葉刑務所に収容されていた者がその後出所してきて、私も三、四名の方にお会いしているわけですけれども、その方々の言うことが、別々にお会いして聞いても大体言うことが合っているわけですね。きのうも実は刑務所の収容中の方が夜分に急患のときにどのようにして看守に知らせるのかというようなこともお伺してみたのですけれども、前から伺っているとおり、木の札を横にしてすぐに知らせるというお話でございますし、話を聞いてみるとこれはもう一分か二分以内ぐらいにすぐに確知できるのだというお話でございますが、中から出てきた人の話によりますと、なかなかそうはいかないのだ、幾ら知らしても来てくれない。声を出すとまた逆に通声とかなんとかでやられるから声を出して呼ぶわけにはいかないし、なかなか夜分に急な病気にかかったような場合には知らせる方法がないのだということを強く訴えられる。そこら辺、おっしゃることに全く矛盾しているわけなんですね。そのあたり何かもう少しいい管理方法がないのか。いろいろ御検討していらっしゃると思うのですけれども、収容されている人が非常に不満足な状態で置かれないような前向きな取り組みということをもうちょっと考えていただけないだろうか。まずそのことを局長に、さらに前向きな取り組み方ということでいまお考えになっていることをお述べいただきたいと思うわけです。
#21
○政府委員(長島敦君) 先ほど御質問の中に、請願をしたらなかなか出られないというような御質問もちょっとございましたが、あるいは受刑者がそういうことを申しておるかもしれませんが、請願とか情願とかいうのは、監獄法にもございますように権利として認められておりまして、これが出ましたために釈放がおくれるというようなことがあっては実は大変申しわけないことで、そういうことがないように実は努力しておりますので、もし誤解があるといけませんので、その点は申し上げさせていただきたいと思います。
 告知板等の夜間の医療体制の問題でございますが、ごらんのように告知板が出ますと、昼間とか職員が多い場合にはすぐ目につきますから、これはもうすぐ参ると思いますけれども、夜間でございますと職員の配置が少なくなっておりまして、巡回を夜間やっておりますと、もし見えない死角と申しますか、の方へ曲がったようなときにこの告知板がおりたというような場合には、目に入るまでに時間がかかるということがございます。しかし、巡回をやります場合には、少なくとも十五分には一回その部屋へ戻ってくるということでやっておりますので、見通しのいいところでございますれば十五分ももちろんかからないで、十分以内とかあるいは五分以内とかいうので目につくと思います。
 ただ、こういう点につきましては職員の勤務体制と申しますか、職員の数の問題等もございましてなかなかむずかしい問題でございますけれども、要するに根本の問題は、そういう病人が出たというようなときに早く見つけて早く処理するという職員の体制といいますか、気持ちといいますか、そういうものをつくること、これがもう何より基本の問題だと思います。実際は、重病等あるいは急の病気が起こりますと、雑居でおりますような場合には、同室しております人たちがみんなで大きな声を出したり知らしてくれたりしてすぐ感知できますが、独居室におりますような場合におくれるような場合があるかもしれません。しかし、いま申し上げましたように、現在の配置されております人員の中で、巡回等をいたします場合にそういう点も十分に気をつけて巡回をする、少しでも早くそういう事態を発見するというような努力を積み重ねるように、なお指導したいというふうに考えております。
#22
○佐々木静子君 これは上申権があるというふうに最初おっしゃいましたし、またそのとおりだと思うのですけれども、収容者が権利を持っているということと、それから現実にそういう権利を行使できるかということとは非常に違うわけでございますね。口ではそういう権利があるから保障されていると言われるけれども、この囲いの中の、社会から離れたいわば広い密室の中で上申するということが、これがもういかに大変なことであるかということは、これは私は矯正局長ももっとお考えになっていただきたいと思うわけです。むろん、いろいろ世の中に受け入れられなくて、ひがんで物を解釈している方も中にはおられると思いますけれども、しかし、現に出てこられた方のお話では、もう目に余ることがあっても請願したりそういうことはとうていできない、やったら大変なことになるというのが、やはり中に入っていられる方のこれは実際の常識だと思います。
 特に、短期刑ばかり収容している場合はさほどではないでしょうけれども、このような八年以上の人が対象になっており、しかも無期懲役が非常に多いということになれば、実際その人のほとんどの生涯の生活の場がこの刑務所の中にかかってくるということになれば、これはそういう権利があるからというようなのん気なことはとても言っていられないような状態にあるのだということ、これはもっと掘り下げて実情というものをお考えいただかないと、とんでもないことになるのじゃないかというふうに思うわけでございます。
 それから、この刑務所の中の医療設備、私も千葉刑務所を拝見させていただきまして、いま増設中ということで、今度さらに充実したものができるらしゅうございますけれども、いまの設備で特に設備が悪いということはないと思うわけなのでございますけれども、いままでの収容者のうちで病気になっている人、これを伺いますと、収容者のうちで備薬患者というのが昨日現在で十四人、非急要患者が四十一人、そして急要患者、病床にいるのが十五名というふうに伺ったわけです。こういう状態の中で、医療設備が整っているか整っていないかとかいう問題じゃなくて、収容者の医療を十分にやってやろうかどうかという、これは中身の問題じゃないかというふうに思うわけですね。
 そういうことから考えますと、この夜間の救急医療というもの、これは一般の社会においても大変なことですけれども、特に権力で本人の意思に反して収容している以上、これは普通の場合と違ってよほど十分に完備していただかないと、いまのところでは六百人ほど収容しておって保安要員が夜間二十二名、そのうち半分が十名余りで夜間交代している。これらの夜間の医療というものが本当に十分にできるのであろうかということを大変に不安に思うわけなのですが、この現状で矯正局長はいいとお思いになりますか。人員の面だけで判断するということは困難かもしれませんけれども、いまのままで十分に行われているというふうにいまお考えになるのか、やはりこれでは不十分な点があるから、さらに具体的にこういう方法で充実していこうと思っていらっしゃるのか、その御所信を伺いたいわけです。
#23
○政府委員(長島敦君) この点は、もちろん医療は万全を期さなければなりません。そういう見地から申しますと、現在の医療体制、特に夜間の医療体制がもうそれで十分なのかとおっしゃられれば、これは理想的に申しましたら十分とは申せないと思っております。ただ、現在の予算的に認められております人員のもとにおきまして考えますならば、現状、ほかの施設等と比べますと平均的なレベルより少し上回った程度にしておるということでございます。
 全般的にこの矯正の医療というものをもっと強化したいというのは私の強い念願でございまして、そういう意味では一般的にレベルを上げていきたい、その一環としてもちろん千葉の問題ももっとレベルを上げたいと思っておりますけれども、全国的な問題でございまして、千葉だけを特に医療をほかに比べて充実を飛び抜けてやるというわけにも、これもまたまいらないことでございます。そういう意味で、現在おります職員をさらに何といいますか、十分に活用すると申しますか、働いてもらうような体制で、なお考えるべき点があればそれを検討して直していきたいというふうに考えております。ただ、長い将来の問題といたしましては、医療全般を矯正についてもっと充実していかなければならぬというふうに私は信じております。
#24
○佐々木静子君 それから、これもことしの一月から六月までの、これは例示的に千葉を挙げているわけですけれども、千葉の刑務所で亡くなった方を伺ったわけですが、その中で、がんで刑務所内で亡くなっている方などもおられるようなんですけれども、こういう重病の場合は外の一般の病院なり、何か刑務所外で医療を受けるというふうな方法はとれなかったのかということを伺いますと、家族の引き取り手がなかったというお話のようなんですね。こういうふうな重症の場合、ただ引き取り手がいないとかいうことだけじゃなしに、やはりこういうふうな置いておくと時期おくれになって死ななくてもいい人が死ぬというような場合も起こり得ると思うのですけれども、そういう問題について何かもう少し抜本的な手を打つ方法がないのか。そのあたりはどのように今後の方針として考えておられるのですか。
#25
○政府委員(長島敦君) ただいま具体的な例でお尋ねがございましたので、ちょっと触れさせていただきますと、その具体的なケースの場合は、これは未決の被告人でございまして、未決の場合には勾留の執行停止を検察官からいただかない限り処置のしようがないわけでございまして、処置のしようとしてはあるいは医療刑務所へ移すというようなこともございますけれども、この事案は、未決中でごく短期間の収容の後に不幸にして死亡されたというような事故でございまして、恐らく医療刑務所へ送る暇もなかったという状況かと思います。
 既決の受刑者につきましては、これは御承知のように監獄法の病院移送の規定がございますし、全国的にはそういうような刑務所の中で治療が困難だという場合には病院移送等いたしまして、外部の病院に移送して治療をしてもらう、あるいは八王子の医療刑務所とか、この近辺でございますと相当設備が整っておりますが、そちらへ移送する、そうして治療を受けるというようなことをやります。それほどの程度でないものでございましたら、外部の病院へ連れていって診断を受ける、あるいは外部から専門のお医者さんに来てもらって診断を受けるというような点はできるだけ活用すると申しますか、生命が一番大事でございますからやっておりまして、予算的にも年々この分については相当費用を入れてもらってきておるわけでございます。内輪自体の医療体制が足りません点はそういう外部の力を借りまして、できるだけ努力をしたいというふうに方針を持っておるわけでございます。
#26
○佐々木静子君 これは未決で引き取り手がいなかったからというお話なんですが、未決で引き取り手がいない場合は、どんな急患のときでも勾留の執行停止をできないのかどうかという問題が第一点。
 それから第二点が、確定して刑に服している人の場合だと病院へ移送ということが制度上認められているとおっしゃいますが、これが年間どのくらいあるのか。聞くところによると、そういう制度はあるけれども、これは刑務所側もなるたけそのようなことはしたくないし、受け入れる側の病院の方がほとんど受け入れてくれるところがないということで、現実にはもうごく特殊な場合を除いては行われておらないというふうに承っているわけですが、その二つの点について御答弁をお願いしたいと思います。
#27
○政府委員(長島敦君) 最初に数の方から申し上げますと、病院移送をいたしております年間の件数は、おおむね五十件前後でございます。四十七年が四十五件、四十八年が四十九件、四十九年はまだ年末までとっておりませんが、十月末でとりまして四十五件ということでございますから、大体年間五十件程度外部の病院に移送しておるケースがございます。
 それから最初の件でございますけれども、未決の場合は勾留状によりまして収監をしておりますので、これは起訴前でございますと捜査のためでございますが、起訴された後には裁判のために勾留されておりまして、勾留の場合には勾留の場所が勾留状に指定されておりますので、その場所以外のところへ移しますためには、検察官の方から裁判所の許可を得て場所を指定しなければならぬというようなことがございまして、監獄法の規定をじかに使って刑務所長の権限で外部の病院に移すわけにはまいらないことになっております。そういう意味で、重体になりました場合には検察庁にその状況を御連絡申しまして、病院へ移していただくか、あるいは勾留の執行停止ということにしていただいて病院に入れるということが普通の扱いでございます。そういう扱いで勾留の執行停止になっておる事件も相当数出ておるわけでございまして、本件の具体的事例にはどういうわけでそういうふうに段取りよくいかなかったのか、実情がよくわかりませんけれども、そういう方法はもちろんございますし、そういうことをやっておるケースがたくさんあるわけでございます。
#28
○佐々木静子君 いまの後の御答弁いただいた件ですけれども、方法がある、またそのようにやっていらっしゃるということも現実に行われていると思うのですけれども、やはりこれら全部を通じて思うことは、収容されている人の身になってもう少し血の通った行政をしていただきたい。私もたまたま弁護人としてタッチした場合でも、未決の人の場合に、非常に体が悪いからと勾留の執行停止を何度もお願いしている。これは矯正の方へお願いするのじゃなくて検察庁の方にお願いしているわけですけれども、そういうときになかなか、まだ何とかなるまだ何とかなるというふうな拘置所側の御返答で、もういよいよ死にそうだということになってから、これがいよいよ勾留執行停止にしなければならないという拘置所側の御回答で、検察庁の方が執行停止にする。私もたまたまそういう被疑者の弁護を担当しているときなんかでも、早くから言っているのになかなか出していただけなくて、もういまにも死ぬという状態で外へ出される。私も迎えに行って無理やりに車に乗せて病院の手配だけしたけれども、救急車は間に合わないわ、その中で死ぬんじゃないかということで大変に心配したことがありますが、そこでは死ななくて後で亡くなったのですけれども、もう少し本当のお役所サイドだけじゃなくて、被疑者といったってむろん無罪の推定を受けているし、仮りに有罪であったところで、人権においてはこれは何ら変わりないわけでございますから、もっとやはり人権を尊重する姿勢で取り組んでいただきたい。
 特に、国の強制力で本人の意思に反して収容しているわけなんですから、これは普通の人の医療もいま大変に困難ですけれども、それとまた次元が違うのじゃないか。これはもう絶対的に国の責任で不当にその生命を失うことがないように、健康を損なうことがないように、これは万全の御配慮をしていただいて配慮がし過ぎたということには絶対にならないのではないかというふうに思うわけでございまして、今度のたまたまここで問題になっております千葉刑務所の問題一つを取り上げましても、さらにもっと血の通った行政をお願いしたいということをここに申し述べておきたいと思うわけです。
 それからこの泉水博さんのことも、これは事故が起こりましてから間もなくの時点で実は泉水氏の親族の方などともお目にかかったわけなんです。お訪ねいただいて、実はこういうことなんだということを私お聞きしたわけなんです。いま捜査中だというお話であり、また新聞報道その他によりましてもいま被疑事実として検察庁の方で調べていらっしゃるということでありましたので、それでは弁護人を選任される権利があるから、御本人に連絡して弁護人を選任して、その弁護人から事情を聞くようにした方が私の方も事情がよくわかるからということを申して、間接的に弁護人をつけることをお勧めした。また親族の方も来られたので、御本人と連絡がとりにくければ親族が弁護人を選任することもできるからという話もし、その親族の方が本人にそのことで相談にも行かれた。しかし、本人からはいまだに弁護人選任の申し出がないし、また本人を訪ねていった親族の方の話でも、本人に会えなかった。これは刑務所側のお話によると、本人である泉水博が会いたがらなかったというお話なんですが、いまだ親族との連絡はとれておらない。
 そういうことで、事件が起こってから一月以上たっている。起訴されている段階になって、早くに、もういまから一月ほど前に弁護人の話が出ているにもかかわらず弁護人の選任にも至っておらないということは、これはいろいろな事情があると思うのですけれども、本人が刑務所という厚い壁の中にいる現状においては、これはどういうわけで弁護人をつけるわけにいかないのだろうかということについてやはり関係している者は疑義を持たざるを得ないわけなんです。そのあたりは一体、本人の本当の真意というもの、あるいは親族が訪ねていっても本人に会えない、弁護人選任のことについて親族が本人に会いに行っても面会できない。これはしたがらないということですけれども、そのあたりの真相について非常に合点のいかないところがあるわけですね。これは刑務所当局とすると、どのように本人の意思なり、あるいは意思に反して行政の必要からそのようにしていられるのか、よくわかりませんけれども、そのあたりの御見解をお聞きしたいと思うわけです。
#29
○政府委員(長島敦君) ただいまのような点につきましては全く事実を承知しておりませんが、先日、向こうの刑務所長からほかの話のときに聞いたことでございますけれども、泉水のお兄さんか何かが会いに行かれたことがあったようですが、会いに行かれて、兄さん来ておられるからぜひ会ったらどうだというので刑務所の職員が言ったそうですけれども、何か非常に世間を騒がしたこんなことをやって、ちょっと兄に合わす顔がないので、きょうはとにかく勘弁してくれと、どうしても会わないんだという話は聞いておりました。
 しかし、刑務所の姿勢としましては、当然のことでございますけれども、こんな事件について、弁護士をつけるとかあるいは親族の方に会うとかいうようなことについて妨害をするということは全くありませんし、むしろそれを勧奨するというか、便宜を図るというのは当然の立場でございます。そういう点で、私あそこの刑務所長を非常に信頼しておりますけれども、そういうことをやる人ではありませんし、ですから何かやはり、これも私実情を知りませんのでまたよく聞いてみますけれども、本人の事情がまだあって、心情が安定していないという点もあるのかと思いますので、なるべく早くそういう点も心情安定を図って、本人の防御権を十分行使できるような体制をつくる、それに協力するというのは当然のことだと思っております。
#30
○佐々木静子君 本人がお兄さんにその後出している手紙によりますと、私もこれは実物を見ておりませんが、いまの矯正局長のお言葉とちょっと違うことで、自分のやったことは間違ってない、刑務所の医療問題というものは放置できないのだという趣旨の手紙がお兄さんのところへ最近来ているということなどを聞きますと、ちょっといまの局長がお調べになったのと食い違ってくるんじゃないかというふうに思いますことと、それから弁護人選任も、これも私のわずかな経験でも、収容中の人の弁護を引き受けようと思って訪ねていっても当局が、この件じゃありませんよ、いままでの例で、心情不安定だからということで会わせないことが多いわけなんです。
 そういうことから考えますと、この件では刑務所の方が非常に協力的なお立場をとっていらっしゃるという御答弁でございますし、私はその妨害をしていらっしゃるんだという確証は何も持っておりませんから、これは全く今度の場合は当たらないかもしれませんけれども、客観的に見て、本人が間違ったことをやったとは思っておらぬと言っておることと、それからお兄さんが現実に訪ねていっても会えないという事実、それから弁護人選任の話が一月ほど前から出ておるにもかかわらず弁護人を選任せず、そのまま起訴されてしまっているという事実などを考えますと、やはりそこら辺に何かがあるのではないかと、これは外にいる人間は思わざるを得ないわけなんですね。
 そういう点で、今後、刑務行政というものが本当にフランクに、だれからももっともだと思われるような、十分に人権の保障された明るい行政が行われるように御尽力いただきたいと思いますとともに、この問題によって提起されました刑務所内の医療問題、これはいろいろと具体的に、実のところここへ持ってきておりませんが、山のようにいろいろな収容者から医療が不完全であるということについての手紙が私どものところにも来ているわけでございまして、やはり一概に、医療がかなり完備しているのだ、これは中に入っている者が一方的なことを言っているのだとむげに退ける、耳を傾けないという状態ではやはり許されないのじゃないか。
 そのあたりにつきましても、矯正局長は新しい矯正ということについて非常に積極的にお取り組みいただいているということをかねて伺っているわけでございますので、どうぞ血の通った、人権尊重思想の行きわたったところの刑務行政を普及徹底していただくように特にお願い申し上げたいと思います。その点について。
#31
○政府委員(長島敦君) まことにありがたい、また御示唆に富んだお言葉を賜って感謝しております。おっしゃいますとおり、矯正にとりまして、何と申しますか、入っておる人たちの生命とか人権とかいうのは非常に大切な問題で、基本的な事項でございます。おっしゃいましたような方向で今日までも努力してまいったもつりでおりますが、今後なお努力をいたしたいというふうに考えております。よろしく御支援をお願いしたいと思います。
#32
○佐々木静子君 それでは一昨日、六月三日に大阪地裁で判決がございましたいわゆる矢田教育事件の判決について、若干法務省にお伺いいたしたいと思います。
 この判決で、被告となっておりました部落解放同盟の中央執行委員であるところの泉海節一及び戸田政義に対して無罪の判決が出たということ、これは刑事局長、そのとおりでございますね。
#33
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおりでございます。
#34
○佐々木静子君 この判決の中身を、これは私、判決原本をまだ入手しておらないわけでございますけれども、新聞の報ずるところ、あるいは間接に判決に立ち合っている人から伺っているところによりますと、矢田教育事件のこのそもそもの発端となったところの文書というものが、裁判所の認定でこれはいわゆる差別文書であると認定されたこと、そしてこの差別を糾弾することについて、程度を超えない限りの差別糾弾をするということは、解放運動を進める上においてこの事案のこのような場合においてはこれは許されるべき範囲内のことであるというふうに認定された。そこら辺が今度言い渡された判決の中身の主要な点であるというふうに思うのでございますが、そのとおりですか。何かさらに法務省の方で、この判決の要点として補足されるべきところがあるのか、ちょっとその要点だけをお述べいただきたいと思うわけです。
#35
○政府委員(安原美穂君) 本質的にはいま佐々木委員御指摘のとおりでございまして、大阪地方裁判所は、本件につきまして一応監禁罪の構成要件に該当するというふうに考えるということを言いながら、いま御指摘のように、本件の発端となった動機あるいは犯行の態様等にかんがみまして、諸般の事情に照らすと、監禁罪の構成要件に該当しているけれども刑罰を科する程度の違法性はない、いわゆる学名の言う可罰的違法性がないということで無罪にしたわけでございます。
#36
○佐々木静子君 これは私から申し上げるまでもなく、昭和四十四年の、これは同和問題をめぐる教育のあり方あるいは部落解放運動のあり方ということについて大きく問題を投げかけたケースでございまして、この裁判の闘争を通じて部落解放運動というものに対する一つの指針というものがここに示されたというふうに、これは一般の商業紙も、特に本件判決の言い渡された大阪版などを中心に見ておりますと、一般に商業紙の中で歓迎されて受け入れられている。私もこの裁判の要旨を拝見しまして、いわゆる差別糾弾というものに対する常識的な線というものがここで示されたのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 この問題について、これは検察庁の方でもいろいろとお立場があるとは思うのでございますけれども、この矢田裁判というものをめぐって非常に大きな社会問題を生み、また、いろいろな政党の中での対立の激化というものがこの裁判の戦いの中に大きく動きを投げざるを得なかったというふうな問題などから考え合わせますときに、一般の世論がまず解放運動に対しての新しい一つの指針をここに見出したというふうに評価している点なども十分御認識していただきたいと、法務当局に特にお願い申し上げたいと思うわけです。
 この件について、これは無罪であるからぜひとも控訴をして徹底的に戦うと、あるいは検察庁の方はそのようなお考えもお持ちなのではないかということを危惧するわけでございますが、本日、先ほどここへ参ります直前ではまだ控訴の申し立てはもちろんされておらないというわけでございますけれども、この問題につきまして、むろん検察の仕事は政治から全く離れた中立のものであるということは言うまでもないことでございますけれども、こういうふうな社会的背景なり、そしてまた一般にここに示された指針というものが歓迎されているという状況などから考え合わせますときに、ぜひともお願い申し上げたいと思うのは、このようなもうすでにまる六年かかって審理に審理を続けて見出されたこの結論というものをできるだけ検察出局は尊重していただきたい、そして、ただためにする控訴というようなものによって新たにまたこのような紛糾というものをさらに助長するというようなことにならないように、ひとつ検事控訴をぜひともこの際思いとどまっていただきたいということを強く要望申し上げたいと思うわけです。
 その点について法務省とするとどのようにお考えか、最後にお述べいただきたいと思います。
#37
○政府委員(安原美穂君) 御要望は御要望として承りましたが、御指摘のとおり、検察庁は中立公正の立場から慎重にさらにこの判決の内容を検討いたしまして、上訴の要否を決めるものと思いますし、現に大阪地方検察庁からも、判決内容をさらに検討した上で上級庁とも協議の上、控訴の要否を決定したいという報告を受けております。
#38
○佐々木静子君 十分に判決内容を、私も判決文を読んでおらないわけでございます、要旨しかわからないわけですが、この内容を十分に御検討の上、慎重な態度を特に検察当局に望みまして、私の質問を終わりたいと思います。
#39
○白木義一郎君 私、公害問題について、法務省また検察当局の方針について若干お伺いをしたいと思います。
 現在わが国では、人を殴っただけでも刑事犯に問われるというのが現況でありますが、たとえば水俣病やあるいは最近の水島事故で、何百人犠牲者が出たりあるいは海を汚染し、多大の迷惑をかけても刑事責任は問われておりません。これは国民感情や被害者から見れば非常に矛盾である、こう考えざるを得ないわけですが、今後社会正義の立場から、人道上からも、法務省はいかなる方針でこの公害問題について臨まれるか、基本的な方針を最初にお伺いしておきたいと思います。
#40
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり公害問題、公害という問題がいまや検察の面におきましてもきわめて重大な問題であるという認識は持っておりまして、現に公害係検事というものを指名いたしまして、専門にその資料収集あるいは研究ということをやらせるようになっておりまするが、また検察方針といたしましても、公害検察ということは重要な検察方針の一つでございまして、そういう意味におきまして、取り組む姿勢はきわめて前向きの姿勢でおりまするが、一面におきまして、御案内のとおり、罪刑法定主義ということも守らなければならない重要な要請でございますので、そういう意味におきまして、法律を厳格に的確に解釈して、それに触れるものにつきましては厳正な態度をもって臨むという態度でおります。
#41
○白木義一郎君 四月十六日の朝日と毎日新聞で報道されておりますが、熊本県の水俣病の刑事責任を追及するということですが、現在までの捜査状況、またどういう姿勢で、どのような陣容で、いわゆる専従の体制をとって取り組んでおられるか、また最高検の応援を受けているのがどうか、その辺を御説明を願いたいと思います。
#42
○政府委員(安原美穂君) 御案内だと思いまするが、ことしの一月の十六日に東京地検に対しまして、チッソ株式会社水俣工場関係の重役並びにチッソ株式会社本社の重役に対しまして、御指摘の水俣病の関係におきまして殺人、傷害の告訴がなされましたので、しかしながら犯罪地が、いわゆる告訴状に記載されている犯罪の地が熊本でございますので、捜査の便宜ということから、東京地検は四月の十七日に最高検の了承を得て熊本地検にこの事件を移送して、現在熊本地検がこの告訴事件を処理するという態勢におるわけでございます。
 そこで、事柄の重大性あるいは困難性と申すべきか、そういう点から熊本地検では移送を受理いたしますと同時に、主任検事一名、それからそれを補助する検事合わせて二名を指名いたしまして、現在は、きわめて長期間にわたる、きわめて前例のない事件でございますので、基礎資料の調査収集あるいは専門的な知識の獲得というようなことで、いま基礎的な調査の段階におるわけでございます。なお、この点につきましては同じ内容の告訴が熊本県警本部に対してもなされておりますので、熊本地検といたしましては、熊本県警とも合同打ち合わせ会議を行うというようなことで、共同して捜査をするという方針でおるわけでございます。
#43
○白木義一郎君 その熊本のいま御説明のあった問題について、水俣病についてどういう容疑で捜査を進められているのか。すなわち刑法の百九十九条の殺人罪、あるいは二百四条の傷害罪、二百五条の傷害致死罪なのか、それとも二百十一条の業務上過失致死罪の過失犯のいずれで捜査を進めているか、お伺いします。
#44
○政府委員(安原美穂君) これは本件は告訴でございまして、何びとも告訴、告発ができるわけで、したがいまして告訴、告発がございますと、検察庁としてはこれに対して犯罪の容疑を常に抱く、抱かなくてもその事件の内容、告訴事実につきましての捜査をやるというのが訴訟法のたてまえになっておるわけでありますが、その告訴というものの内容によりますると、いま白木委員御指摘の殺人と傷害という罪でございまして、過失致死あるいは過失致傷というような罪名ではございません。
#45
○白木義一郎君 そういたしますと、その場合にこの問題が時効になるかならないか、大きな問題になってくると思いますが、先日の報道によりますと、発病または死亡という結果の出た時点から時効を起算する、そういう考えであると、このように五月五日の朝日新聞に報道されておりますが、これから見ますと結果説をとることになるというわけですが、そのように当局は最終決定をされたのかどうか、この点お伺いをしておきます。
#46
○政府委員(安原美穂君) まさしく御指摘のとおり、時効の起算点につきましてはいろいろの説がございまして、刑法を見ますると、犯罪行為が行われた時からということになっております。行為が行われた時から時効を起算すべきだということになる。そういたしますと、本件の場合には非常に早く時効が完成するということが考えられるわけでありますが、一方、別の説といたしまして、結果の発生をもって時効の起算とすべきだという有力な説もございまして、どちらかというと行為時説の方が有力であるという学界の状況でもございまして、どちらの説をとるべきか、実は検察庁とも相談をいたしておる段階でございます。
 ただ、いずれにいたしましても、捜査当局といたしましては、そのようなことで犯罪の捜査の着手がおくれたために時効になったというようなことは最も恥ずべきことでございますので、その点につきましてのそういう関係の法規の解釈をまって捜査に着手するということではなくて、先ほど申しましたように熊本地検におきましては、むずかしい事件でございますが、基礎資料の収集、あるいは県警本部との相談というようなことを並行してやっておるわけでございまして、この結論が出なければ捜査に着手しないということではないことも御理解をいただきたいと思います。
#47
○白木義一郎君 そうしますと、結果説を強く考慮に入れて今後捜査を進めていきたい、こういうようにお伺いをしたと伺ってよろしいでしょうか。
#48
○政府委員(安原美穂君) 何と申しますか、最も時効の完成の遅い立場というのが結果説だろうと思いますが、そういうものを考慮に入れながら、別途その実態についての基礎資料の収集を初めとする事案の捜査ということの方向で努力をしたいという考えでおります。
#49
○白木義一郎君 御承知のとおり、傷害罪あるいは傷害致死罪では時効が七年、業務上過失致死罪では時効が五年であります。したがって、この問題は早急に結論を出さなければ時効になってしまうおそれがあるわけですが、多発する公害問題について、最初に申し上げたとおりに、刑事問題にいままで取り上げられてなかったというようなことから国民としては非常に不満を持っているわけですが、この熊本地検の捜査、いつごろまでにというめどを設定して捜査を進めておられるかどうか。これは繰り返し述べているわけですが、限度があるわけでありますから、もしこの法律的な限度を超えてしまうと単なる賠償問題で終わってしまう、こういうことになりますので、その点さらにお伺いをしておきたいと思います。
#50
○政府委員(安原美穂君) 捜査につきましては、終着点を決めていつまでにということは、いかなる事件についても申し上げることはできないことでございますので、本件については特にそういうことは申し上げることが非常にむずかしい事件であることを御理解いただきたいと思いまするが、怠慢であってはならない、恪勤精励いたしましてこの事件に取り組む姿勢でおることを御理解いただきたいと思います。
 なお、時効の問題もさることながら、本件は多年にわたります前例のない事件でございまして、そして刑罰法規の適用というのは自然人といいますか、人の行為を中心にして犯罪が成立するかどうかということを確定することが刑罰法規の中心でございますが、多年にわたる間に発生いたしましたこういう悲惨な公害というものが、だれの行為によって、そしてこの結果が出たかというような行為者の特定、あるいは因果関係の問題等、時効を別といたしましてきわめてむずかしい事案でございますので、普通の事件とは違うむずかしさがあって、そう簡単に結論の出せる問題でないということもあらかじめよくひとつ御理解をいただきたいと、かように思いますし、冒頭に申し上げましたように、公害というものは軽視してはならない、重視しなければならない検察の課題ではございますけれども、処罰するだけが万能でもございませんし、なお、罪刑法定主義というもう一つ守らなければならない柱もございますので、その点もお含みの上でひとつ御支援をいただきたいと、かように思います。
#51
○白木義一郎君 いまお答えいただいたように、こういう公害問題を刑事問題として取り上げるについては非常な困難があることはわれわれも想像できるわけですが、しかし、諸般の情勢からなお一層真剣な取り組み方をしていただいて、今後の大きな推進の指標としていただきたいのがわれわれ国民の念願であろうと思います。
 それでもう一つ、新潟県の阿賀野川流域で発生した水俣病について、同じように刑事責任を追及する姿勢かどうかということを確認しておきたいと思います。
#52
○政府委員(安原美穂君) この点につきましては、幸いここに警察当局から御出席をいただいておりまして、本件は警察の方に告訴があったようでございますので、警察当局からその姿勢をお聞きいただければと思います。
#53
○説明員(星野鉄次郎君) ただいまの、ちょっと法務省の方から警察に告訴があったというお話でございますが、新潟の阿賀野川事件につきまして警察として告訴、告発は受けておりません。
 警察といたしまして、阿賀野川流域での水俣病の患者が発表されまして以来、当時四十年ごろでございましょうか、新潟県警察におきまして調査を進めまして、本件が刑事事件になるかどうか調査を進めたわけでございますが、当時の状況におきましては、因果関係とか予見可能性など十分科学的に解明されていない事情がございました。そういうことで、当時刑事責任は警察としては問えないものと判断したようでございますが、その後四十六年の九月に民事判決が出されましたので、民事判決の内容等を検討いたしますととも、新しい資料の収集に努めてまいったわけですけれども、現在までのところ進んで刑事責任ありとして捜査に踏み切るまでの資料は得るに至っていない状況でございます。
 いまお話しの告発の関係は、新聞等で承知しておりますところではそういう動きもあるように承知をしておりますが、もし告発等がございますれば、その時点でまた改めて判断をいたすことになろうかと存じます。
#54
○白木義一郎君 それでは熊本地検をスタートとして、この公害問題に積極的に検察当局が取り組む姿勢を伺った、そのように了解して今後の推移を見ていきたいと思います。
 次に、きょうは、いま国会でも大変問題になっております沖繩の米兵の暴行事件について、外務省また法務省の両方からいろいろお伺いしたいことがあったわけでございますが、ちょうどあいにく外務省関係の方々が衆議院の委員会に出席をされ出られない、また法務大臣は病気で御退席ということで、この件についてはまた次の機会にということでやむを得ないわけですが、先日の衆議院の内閣委員会の議事録で、アメリカ局長あるいは刑事局長の答弁あるいは説明の記録に目を通してみたのですが、やはり世論の非難に当てはまるように、非常に私ども納得のいかない答弁の記録が見られたわけでございますので、この点を明らかにしておきたい。
 もう御承知のとおりの沖繩であります。また、海洋博も目前に迫っているようなことであります。また沖繩県民の気持ちをくみ、あるいは国家的には主権問題にかかわるような考えもわれわれ持っております。残念ながらきょうは外務省、法務大臣もいらっしゃらないので、防衛施設庁の方から、特に沖繩県のみに強く頻発しております米軍の軍人等の暴行、犯罪、それから起きる賠償の問題について御説明を伺って、全般的な問題としては次回に譲りたいと思いますが、大変復帰前もあるいは復帰後も米軍関係の犯罪が多発しているようであります。その犯罪の概況がおわかりでしたら御説明を願いたい。またこの賠償問題も、公務上の問題と公務外の問題、伊江島の事件につきましては公務上であるとかあるいは公務外であるとか非常に議論の分かれるところでありますが、それはそれといたしまして、この何といいますか後始末の賠償の問題について、具体的に沖繩の人人が絶えず被害を受けて、その賠償について、どのような方法あるいは手続によってその賠償を求めたらいいかという立場からお伺いをしておきたいと思います。
#55
○説明員(杉森一秀君) お答えいたします。
 米軍の事故でございますが、米軍の事故の場合に、公務上の事故の場合と、それから公務外の事故の場合と二とおりございます。公務上の事故につきましては、事故が発生しますと、現地のその管轄する局が必ず現地に参りまして、関係機関の協力を得て事故のまず調査をいたします。それからその調査した結果、駐留軍のいわゆる不法行為に基づく事故であります場合には、被害者の方から請求書の提出をいただきまして、その損害額につきまして当庁が査定をいたしまして、それで米側の方と協議をいたしまして、明かにこれは公務上であるという場合には、民事特別法に基づきまして国の方で損害額を支払う、こういうことになっております。それからそれが公務外の場合でありましたならば、わが方で損害額を査定をいたしました報告書をつくりまして、これを米側の方へ交付いたします。米側の方は、それに基づきまして米側独自で判断いたしまして、米側において補償を支払うという意思決定をした場合には、その損害額を示して被害者の方へ同意を求めます。被害者の方がそれに同意をしたら、そこで米側が直接支払う、かようなかっこうになっております。
#56
○白木義一郎君 今度の事件もさることながら、交通事故等頻発しているわけですが、したがって、いま御説明のあったとおりに公務執行外の問題、公務上の問題と、こう二つに分けて、その賠償問題を防衛施設局長がセンターになって扱っている。
 当然、地位協定の十八条に基づいて進められていくわけですが、この十八条というのは、たとえば公務執行外の賠償の問題については、被害者または遺族は損害賠償請求書を施設局長のところへ出さなくちゃならない。施設局長は審査の上、これを米軍の担当官に通知する。一方、施設庁の長官に一件書類を送る。長官は審査、調査の上、合衆国の当局と協議をした上で、公務上であるか、公務外であるかという証明書を受けてこれを局長に送り戻す。局長は、これを公務外であるということを請求者に通知する。そこで改めて再び遺族あるいは被害者は公務外損害賠償請求書を提出をしなければならない。その請求書を受けた施設局長は審査査定して報告書を作成して、一件書類とともに長官に送る。長官は合衆国のアメリカの当局に送付する。合衆国は申し出るか否かを決定する。要するにこの賠償に応ずるかどうかということをアメリカの当局が決定して、そして慰謝料を支払うということが決定すれば、この報告書を長官が受ける。長官は局長を通じてというような、非常にこの地位協定の取り決めでありますから何ですが、沖繩県民であるがゆえに、われわれ内地に在住する国民と違って沖繩に暮らしているがゆえに不当な、安保条約あるいは日米友好という問題の陰に沖繩の人々が絶えず被害を受けている。その賠償を求めるとすれば非常に繁雑な手続を経なければならないということで、復帰後この賠償請求が現実に施設局の方にどのぐらい行われたかどうか、何件ぐらいあったかどうか、その点をお尋ねしたい。
#57
○説明員(杉森一秀君) お答えいたします。
 復帰後の総体の件数については資料の持ち合わせがございませんので、ちょっと調べさせていただきたいと思います。
 ただ四十九年度の沖繩の状況でございますが、合計件数といたしまして、公務上の場合が三百二十件、それから公務外の場合が千四百七十八件、合計千七百九十八件ございます。
#58
○白木義一郎君 いまの数字は四十九年。
#59
○説明員(杉森一秀君) 四十九年度でございます。
#60
○白木義一郎君 公務上の犯罪が三百二十件、また公務外の米軍軍人による犯罪が千四百七十八件。このうちで沖繩の人々が直接被害を受けた方がどのぐらいいるか、その被害を受けた方々の賠償についての問題はどのようになっているか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。
#61
○説明員(杉森一秀君) ただいま申し上げました数字でございますが、これは犯罪というわけではございませんので、いろいろ刑法犯とか交通事故とか、あるいはその他航空機の事故とか、そういうものに分かれておりまして、犯罪というわけではないと思います。
 ただいまの御指摘の四十九年度に処理をいたしました件数は、公務上が二百三十一件、金額にいたしまして三千五百四十三万七千円。それから公務外が三十九件ございます。これが千六百六十万九千円。そのほかに保険会社等その他、示談で解決をされましたものが百八十九件、金額にいたしまして三千四十五万六千円。合計いたしますと四百五十九件、八千二百五十万二千円、かような結果になっております。
#62
○白木義一郎君 これはあなた方の方で無理かと思うんですが、窓口としてこういう賠償問題を米軍当局と地位協定を基礎にして交渉をされる立場ですから無理かと思いますが、一概に一口に言って、こういう米軍と県民の関係から起きた事件、それからそれに伴う賠償問題がスムーズに行われていると判断されていらっしゃるかどうか。
#63
○説明員(杉森一秀君) 私が承知しております限りではスムーズにいっておると、かように思っております。
#64
○白木義一郎君 伊江島の裁判権取り下げの事件については、アメリカ局長は、アメリカ当局が非常に遺憾の意を表してこの山城さんに対する賠償はちゃんといたしますと、そういうような表明もあったので、第一次裁判権は放棄したのではないけれども裁判権を行使しないと、何だかわかったようなわからないような説明をされているわけですが、その伊江島事件の賠償の問題はいま施設局の方でどうなっているか、ちょっとお伺いいたします。
#65
○説明員(杉森一秀君) お答えいたします。
 本件事故が起こりまして、那覇防衛施設局の方では、七月の十八日に被害者の宅を訪問いたしまして、とりあえずお見舞いをいたしまして、八月の十三日に被害者に対して請求の手続について御説明をいたしたわけでございますが、被害者の方から本件が公務上または公務外の決定を待ってから請求をしたい、こういうような申し出がありました。その後再三本人直接、あるいは人を介しまして、役場の助役さんとかそういうところを介しまして本人にその意向を打診したわけでございますが、本人の被害者の方は、やはり公務上、外が決定してからにしたいということで経過をしてまいったわけでございます。さらに、本件が日米両政府間の外交交渉で一応の形が整いつきましたので、その後も役場の方を介しまして本人に請求をするよう指導いたしておるわけでございますが、被害者の方からはいろいろ関係署の方とよく協議をしてから御返事をしたいというようなことで、いままだ請求書が出ていない、お待ちしているという形になっております。
#66
○白木義一郎君 それは昨年のことで、現在ではもうすでに公務上の証明もされているわけですから、今後被害者の方がどのようなお考えでこの賠償問題に当たられるか、これからの問題だと思いますけれども、この事件は御承知のとおり、単なる賠償がスムーズに行われて済むという問題ではなくて、沖繩の県民の感情、またわれわれも含めてわが国の国民全体の問題としてもっと前向きの政府の姿勢をわれわれは望み、また期待をする、そういう意味できょうはいろいろと御質問を外務省、法務省に、法務大臣等に伺いたかったわけですが、先ほど申しましたような事情で残念ながらこの問題は次回にということで、きょうは私の質問はこの程度で終わらしていただきます。
#67
○橋本敦君 きょうは法制局長官に御多忙中わざわざおいでをいただきまして、大変恐縮でございます。
 御存じのように、例の稻葉問題に関連をいたしまして、国務大臣の答弁義務、答弁拒否という問題が提起をされました。稻葉問題は一応の落着をいたしたわけでありますが、この問題は憲法上の重要な問題でありますので、その立場で長官の御意見をきょうはたださせていただきたいというのが質問の第一の趣旨でございます。
 言うまでもありませんが、憲法六十三条では、総理大臣及び国務大臣は議院に出席する権利があると同時に、答弁、説明のために出席を求められたときは、出席をしなければならないと明記をしてあります。この六十三条で言っておるところの国務大臣の国会への出席義務ですが、この出席義務というのは、当然に誠実に議員の質問に答えて答弁をする義務を含むと、こう解釈すべきだと思いますが、この点についてまずいかがでしょうか。
#68
○政府委員(吉國一郎君) ただいま仰せられましたように、憲法六十三条におきましては、内閣総理大臣その他の国務大臣の議院出席の権利と義務を規定いたしております。このことは、内閣総理大臣その他の国務大臣が議院に出席をいたしました場合には、発言をすることができ、また政治上あるいは行政上の問題について答弁し説明すべきことを当然の前提といたしておるのでございます。つまり、答弁し説明をする義務があるというふうに考えております。
#69
○橋本敦君 いまおっしゃいましたように、当然答弁の義務が政治上行政上の問題の質問に対してはあるということですが、逆に言えば議員の方については、この憲法六十三条の反面解釈として、政治上行政上の問題について総理並びに閣僚に対する質問権を憲法が保障しているものだ、私はこう思いますが、その点も御異論ないと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○政府委員(吉國一郎君) 確かに議員においては質問をされる権利がある、憲法上保障しているものであるということでございます。
#71
○橋本敦君 このような議員の質問権あるいは閣僚の答弁義務というものは、当然憲法のたてまえとすれば、国民主権主義、議会制民主主義、議院内閣制、こういう民主的原則から国会の内閣に対するコントロール機能、これを強化をするという立場で、諸国の近代民主的な憲法が一様にこの方向で定めている事例が多い、こう考えていますが、この答弁義務が、議員の質問権との関係において国会の内閣に対するコントロール機能を保障するものであるという御解釈は、法制局としても御容認になりますか。
#72
○政府委員(吉國一郎君) 諸外国の憲法におきましても、特に議院内閣制をとる国家におきましては、議院、議会と申しますか、議会と政府、内閣との関係においてこのような制度が保障されているものだと思います。そうして、この憲法第六十三条のその前にございます憲法六十二条の国政調査権、それと相まちまして、一般的な国会としての政府に対するあるいは内閣に対する監督権と申しますか、統制権と申しますか、そういうようなものを具現する手段として使われるものであると思っております。
#73
○橋本敦君 私もワイマール、ボン憲法、あるいはイタリア、フランス等の憲法を調べてみましたが、同じような立場で、おっしゃるように答弁義務というものが位置づけられておる。ところで、わが憲法は国会を国権の最高機関であるというように規定をしています。このような規定は諸国の憲法でもそうざらにあるものではない。そういたしますと、国会がまさに憲法上国権の最高機関であるという立場から見ても、いま長官がお答えになった民主主義の原則としての国会の内閣に対するコントロール機能の保障という点を深めますと、この答弁義務というものはきわめて重要な憲法上の義務であるし、この答弁義務を軽視することは私は憲法上の基本精神から言ってとても許せないことだと、こう解するわけです。
 ところで、具体的にはあの稻葉問題においてこういう議論がありました。答弁を差し控えさせてもらいたいとこう言っておることは、これは答弁をしているんだという意見がありました。これは稻葉さんに限らず、そのような答弁を差し控えるということが往々にしてあり得ることもあるでしょう。答弁を差し控えたいということは、まさに答弁をしないという大臣の意思表示ですから、それは理由が正当かどうかは後の問題として、答弁を差し控えたいということがこれが答弁であるというようなことでこの重要な答弁義務が尽くされていると憲法上解されるのかどうか。明白に私はこれは答弁をしないという意思表示だから、これは憲法六十三条のたてまえの重要性から見て、それは答弁拒否であるというように言うのはあたりまえだと、こう思うのですが、その点に限って、まず長官の御見解を伺いたいと思います。
#74
○政府委員(吉國一郎君) 国会が国権の最高機関であるという憲法第四十一条の規定は、三権分立をいたしまして、立法、行政、司法、三権のうちで最も立法権を掌握する国会の地位が高いということで、議会制民主主義の基本的な原理を定めてあるものであると思います。そのようなことを前提にして考えまするならば、この第六十三条の内閣総理大臣その他の国務大臣の国会における答弁または説明のための出席義務というものは、まことに厳粛に考えなければならず、その義務を完全に履行するように努むべきことは当然の憲法上の義務であるという点については、全く仰せられるとおりでございます。
 しかしながら、答弁あるいは説明を求められた事項が、全く当該内閣総理大臣あるいは国務大臣の答弁すべき事柄ではないというような合理的な理由がございます場合には、その理由を述べまして答弁をいわば差し控えることがこの義務に違背するということには相ならぬと思います。たとえば全く個人的な事柄について国会で御審議があって、それに対して答弁を求められたというような場合には、この答弁を差し控えるという言葉を申し上げることが答弁になると言い、あるいはその場合には答弁の義務が解除されるんだと言うか、それは言い方の問題でございますけれども、恐らく稻葉法務大臣がそういう言葉を使って先般の審議に際して申し上げましたのは、そういう趣旨のことであろうと思っております。
#75
○橋本敦君 私が長官にはっきりさせておきたいのは、こういうことですよ。原則的には答弁義務があるわけです、政治上行政上の問題について。その場合に、答弁を差し控えたいというのは、これは答弁しないという意思表示ですから、その場合に、答弁しないことがあなたがおっしゃった正当な理由があるかどうかという問題が、これは次に出てくるんです。しかし、私が言うのは、答弁を差し控えるというそのこと自体は、答弁をしないという、つまり答弁を拒否だということ、このことははっきりしているのではないか。問題は、その理由が正当かどうかということに次にかかってくるのではないか、こういうふうに私は質問をしているわけです。そういうように考えて当然だと思うんですが、どうですかと、こういう質問なんです。
#76
○政府委員(吉國一郎君) ただいま申し上げましたように、答弁を差し控えさせていただきたいということで、その答弁を差し控えさせていただきたい理由を述べて申し上げることを、それ自体を答弁であると言うか、あるいはその場合には答弁が行われなくて、ただ答弁が行われないことについて正当な事由とかあるいは合理的な理由があると見るかは、これは言葉の使い方の問題であろうと思います。要するに、この「答辯又は説明のため出席を求められ」と申しますのは、「答辯又は説明」ということで、実体的なあるいは実質的な内容について発言をするということであろうと思います。その意味においては、差し控えさせていただきたいということで申し上げた場合には、そのような実質的あるいは実体的な説明なり答弁なりは行われていないということになると思います。
#77
○橋本敦君 だから、したがって実質的な答弁がなされていないということが、そういう場合がはっきりするわけですが、そこで長官のおっしゃった正当な理由ということが問題になるわけです。
 そこで私は、前段で長官もお認めになった質問権の重要性、答弁義務の憲法上の重要性から見て、この正当な理由というのは、これはよほど厳格な基準に基づく範囲にとどめなければ議会のコントロール機能も果たせないし、議員の質問権もこれは押えられてしまう、こういう問題が関連をして起こってくるわけですね。ところで、長官は、閣僚の答弁義務は一般的には政治上行政上の問題について答弁すべきであるというように先ほど言われた。そこで、あなたのおっしゃった政治上行政上の問題についてというこの範囲ですが、これは全くプライベートなことではない、国政にかかわる行政上政治上の問題についてと、こういうことですからそれは当然ですけれども、正当な理由というのをあなたがおっしゃったわけですが、いま個人的な問題ということを一つ言われた。それ以外に、実質的に答弁をしない、つまり実質的な答弁拒否ですね、これが合理化される理由としてどのようなものがあるとお考えですか。
#78
○政府委員(吉國一郎君) まず、この答弁なり説明をいたしますためには議院に出席することが前提になると思いますが、出席をも不可能にするような事由がある場合、たとえば当該大臣が当日発病をして熱が高くて登院できないというような場合、これについては当然正当な理由ありということで御宥恕いただけるかと思います。その他、出席そのものについて義務を履行できないような場合は多々あると思います。交通事故にあったとか、いろいろな理由があると思いますが、その他、場合によりましては重要な国際案件のために、どうしても当該大臣が重要な条約案件の最後的な詰めを行うとかあるいは署名をするとかいうような場合もございましょうし、その出席自体が不可能になるような事由がまずございましょう。
 それから次に、出席をいたしまして御質疑なり御質問を受けたという場合に、やはりその国務大臣といたしましては、国会に出席する場合にはそれぞれ所管事項を背後に負って出席をいたすわけでございます。たとえば通商産業大臣に対しまして日本の農業をいかに考えるか、これは通商産業大臣の立場で農業ということを考える場合もございましょうけれども、そういう問題を離れまして、本来ならば農林大臣が考えなければならないような問題について御質問があれば、所管事項ではございませんのでお答えできませんとか、あるいはお答えを差し控えますということを申し上げましても御宥恕いただけるかと思います。
 そのように、先ほど一例として全く私的なあるいは個人的な事項ということを申し上げましたけれども、それ以外にも、当該具体的な場合については、答弁を差し控えさせていただきたいということを申し上げてしかるべき場合が少なからずあると思います。ただ、いずれにいたしましても、この説明なり答弁の義務なりは憲法上の厳粛な義務でございますので、その範囲を確定するについてはきわめて厳正に考えなければならないという橋本委員の御意見に対しては、私もそのとおりであろうと思います。
#79
○橋本敦君 だから、したがって、実質的答弁の拒否が憲法上も違反だとされないのは、全く個人的な問題である、それから所管事項外の問題、それから公務上の必要で出席ができないというような客観的な正当事由がある、こういうふうにおっしゃったわけですね。
 そこで私は長官に聞きたいのですが、憲法そのものに関連をする問題は、これはどこが所管事項であるかということになりますと、憲法そのものを所管している省はないですよね。省はないです。基本的にはないと思うんですよね、憲法そのものを専門的に扱っている所管省というのは特にない。それは憲法そのものが国政全体の基本法ですから、内閣自身があるいは閣僚それぞれが憲法の問題については国政上の基本課題として、これは当然所管事項だとは言えない問題に属すると私は思うんですが、まずこの点についていかがでしょう。
#80
○政府委員(吉國一郎君) ただいま行政部内は、まず内閣が最高の行政機関でございまして、そのもとにおいて内閣法の定めるところによって各省大臣が分担管理をいたしております。その分担管理に従って各省庁の所管事項が定められているわけでございますが、憲法に関する一般的見解についてどこが所掌しておるかということに相なりまするならば、これは一応内閣が全面的にその問題に対しては責任を負うべき地位にございまして、憲法に関する一般的な問題についてお答えするということになれば、内閣総理大臣あるいは内閣総理大臣を代理するものとして内閣官房長官、それから場合によりましては、非常に法律的には専門的な事項になるということになれば内閣法制局長官がお答えするということになると思います。もっとも、これは一般論としての憲法論でございまするので、たとえば法務省の所管の法律について、あるいは法務省所管の行政について憲法との関連が生ずる場合がこれは多々あると思います。そういう問題については当然当該、ただいまの例でございまするならば法務大臣もお答えすべき義務がある。ただ、一般的に憲法問題としてお答えするについては内閣が当面の責任者であるということであろうと思います。
#81
○橋本敦君 閣僚も内閣のまさに構成員ですから、内閣それ自体が全体として責任を負う憲法問題について、閣僚もそれぞれの所管事項との関連において憲法問題を当然所管するという立場にある。これはあたりまえですからね。だから、その限りで憲法問題が出たときは、これは所管事項外ということは言えない。これは明白です。法務大臣もしかりです。
 問題は、憲法を改正するとかしないとかいうことを内閣が政治方針としている場合に、いまの三木さんは改正しないという方針を出している。こういう閣僚の政治姿勢、政治方針について言うならば、これに関連する質疑は、総理だけではなくて各閣僚もその方針に従って行動するということになっている以上は、総理に限らず、憲法問題についての内閣の政治姿勢と方針について言うならば、各閣僚もこれに関連しては、内閣の姿勢にかかわる問題ですから、構成員として当然答弁の義務を負うと私は思いますが、いかがでしょうか。
#82
○政府委員(吉國一郎君) ただいま仰せられましたように、三木内閣においては憲法改正はしないという方針を決めておるということを前提にして、三木内閣の構成員である各閣僚がどうであるか、どういう考えを持っておるかということが御質問になれば、もちろん当該大臣は、その方針に従って私はこう考えているということをお答えすべきであろうと思います。
#83
○橋本敦君 したがって、具体的に稻葉問題について言うならば、その三木内閣の方針に誤解を生ずるおそれがあるからということで答弁を差し控えるというのは、本来答弁すべき事項について答弁すべきであるということに私はなると、こう考えるんですが、これは具体的な稻葉問題についての問題ですけれども、長官はこの点についてお答えいただけるか、それともそれはあまり具体的な問題だからということになるのか、その点はいかがですか。
#84
○政府委員(吉國一郎君) 余りにも具体的で、しかも生々しい問題でございますので、お答えすべき限りではないかと思いますが、ただ先ほど、この前の御質疑でお答えいたしました三木内閣の閣僚としてあなたはどうであるかということは、やはり憲法改正問題についての一般的な内閣の方針について質疑をされた場合には、恐らく各大臣とももう異議なくその方針に従っておるということをお答え申し上げると思いますが、そういうことに限っての問題でございまして、憲法改正の内容にわたって答弁をするということまでいまのそれぞれの内閣のもとにおける国務大臣が答弁をいたす限りではないのじゃないかと思います。法務大臣の先般の問題は、法務大臣が法務大臣に就任する前の問題についての御質疑でございましたので、それについてとやかくいろいろ御説明を申し上げることは、いまの内閣、改正をしないという三木内閣の方針に従って行動しておる法務大臣として適当ではないということで、答弁を差し控えるということを申し上げたのだろうと思います。
#85
○橋本敦君 この点はこの程度に置きますが、一般的には私の言っていることをお認めになっておられるわけです。ただ問題は、閣僚が憲法改正するかしないかという内閣の方針にかかわる問題についてそれぞれ答弁義務がある、これは明白ですね。改正しないという立場でありながら、その国会で表明された意見それ自体、それ自体に疑義がある場合に、これは質問をすることは当然あたりまえですね。いかがですか。疑義がなければ質問にならぬのですから。
#86
○政府委員(吉國一郎君) 恐らくその前の段階において国会で憲法改正に……。
#87
○橋本敦君 いや、前の段階じゃない。国会で答弁された内容について。
#88
○政府委員(吉國一郎君) その昨年の暮れでございますとかあるいはことしの五月の初めに国会でお答え申し上げたこと自体が適当ではなかったのではないかということに私どもは考えておりまして、そのような問題についてさらにお答え申し上げたことが適当でなかったということでございますので、それについてさらにお答え申し上げることはなお問題を紛糾を生じさせるゆえんであるということで、答弁を差し控えたいということを法務大臣は申し上げたのだろうと考えております。
#89
○橋本敦君 国会で答弁されたことが前のことであるかどうかじゃないんですよ。国会で法務大臣として出席をして答弁をされた、その憲法姿勢に関連するそのことについて疑義がある場合、質問することは質問権として当然でしょうと、こう聞いているんですよ。
#90
○政府委員(吉國一郎君) 私が申し上げましたのは、法務大臣は法務大臣としての所管事項について、まあ憲法についてもそれは法務省所管の法律なり法令なり行政なりについてかかわる限りにおいてはお答えすべき義務が当然にあると思いますけれども、法務大臣が先般当委員会あるいは昨年の衆参両院の法務委員会で答弁されたと思われますことは、法務大臣としての所管事項について申し上げたわけではなくて、法務大臣となる前に一国会議員として憲法に関する見解を持っておったということについて、法務大臣の職にあったことは間違いないのでございますが、そのことについてお答えをした。お答えをしたことについて、さらにその内容について疑義があるということで御質疑があったものと存じますが、そのことについてさらにお答えを申し上げるならば、前に法務大臣としてお答えしたにしても、それは法務大臣の所管事項についてお答えした事項ではございませんので、本来ならば答弁をその段階において差し控えるべきであった事項についてでございますので、その意味で法務大臣としてはお答えを差し控えたいということを申し上げたものと考えております。
#91
○橋本敦君 これ以上やっても、そこのところは水かけ論になるからもうやめますけれども、法制局長官は原則的には答弁義務の重要性を認めておられながら、いざとなるとよくわからないことになってしまうんですね。法務大臣の職にあるときに発言されたことについての質疑が行われたわけですよ。これはっきり言っておきますよ、いいですか。一国会議員ということになると、また個人と一国会議員と法務大臣の区別になりますよ。そんなことが長官、できますか。だから、私はきょうの長官の答弁きわめて不満足ですが、しかし、少なくとも国務大臣が国会に対して負っている答弁義務というものは、軽々に答弁を差し控えるというようなことは許されない重要なものだということだけあなたもはっきりおっしゃいましたから、一応きょうはこの程度で置いておきます。長官、結構です。
#92
○委員長(多田省吾君) 吉國内閣法務局長官、結構でございます。
#93
○橋本敦君 田中金脈の捜査についてお伺いをさせていただきたいと思うのですが、いろいろ多くの疑惑を生んだ田中金脈、まだほとんどその真相が解明をされていないという残念な実情にあるわけです。こうした中で検察庁は、新星企業について東京地検で特捜本部を設けて鋭意捜査を行っておられるということをお伺いして、もうかなりになるわけですが、現在の捜査状況、それから捜査終結、処分の見通し、これについてお願いをしたいと思います。
#94
○政府委員(安原美穂君) 御指摘の新星企業の宅地建物取引業法違反事件につきましては、ことしの三月二十六日に東京地検は、警視庁から新星企業株式会社の重役であります山田泰司及び竹沢脩に対する宅地建物取引業法違反事件ということで送致を受けて、現在捜査中でございます。まだ終結処分には至っておりませんが、遠からず結論が、起訴、不起訴を決めるものと承知いたしております。
#95
○橋本敦君 いま捜査をなさっておられる容疑は、新星企業の宅建業法違反だけに限られていますか。その他の容疑事実の捜査はやっておられませんか。
#96
○政府委員(安原美穂君) 結論から申しますと、宅地建物取引業法違反事件の捜査をしているということになろうかと思いますが、先ほど橋本委員御指摘のように、三月の二十六日に事件を受理してすでに二カ月余りが経過しておりまして、その間、こういう宅地建物取引業法違反事件の捜査としては余り時間がかかり過ぎておるのではないかという御不審であろうかと思いますので申し上げますと、この事件は四十四年から四十九年にわたります宅地建物取引の業務に関する捜査でございまして、相当以前の事柄でございますので証拠の収集に意を使っておるということもありますし、それから取引のそれぞれの相手方が違いますから、それを詳しく取り調べておるというのが理由でございますが、何と申しましても社会の耳目を集めた事件でもございますので、宅地建物取引業法の違反をするに至ったその犯罪の動機あるいは背景、あるいは事業内容、規模というものについて綿密的確な捜査を行うという意味において日数を要しておるものと御理解をいただきたいと思います。
#97
○橋本敦君 この新星企業は、安原局長ももう御存じだと思いますが、設立以来疑惑の持たれた会社なんですね。設立時どこに本店があったかというと、田中氏の自宅にあった。そもそもここから出発をするわけですね。そして役員の変遷を見ましても、この役員には田中角榮氏の側近ナンバーワンと言われる山田泰司氏、遠藤昭司氏、それからさらには後に入内島金一氏、こういった方々が役員に入っている。一方、東京ニューハウスというこれも幽霊企業だと言われておる会社があるわけですが、その東京ニューハウスは、これは御存じのように日本電建との深いつながりがある。もう一つ幽霊企業の中心企業として室町産業があって、これは御存じのように佐藤昭氏が代表取締役ということで出発をする。まさに田中ファミリーと言っていい会社なんですね。
 ところで、いま安原刑事局長がおっしゃったこの新星企業の宅建業法違反というのが取り調べられている集中的な時期は、大体四十七年を中心に十一件だというように聞いておりますが、まずこの点、間違いありませんか。
#98
○政府委員(安原美穂君) 取り扱い物件が十一件でございまして、取引回数が十五回というふうに承知しております。
#99
○橋本敦君 集中している年度は。
#100
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおりでございます。
#101
○橋本敦君 ところが、その四十七年度の時期というのが、これがまた大変疑惑を持たれる時期ですね。まさに田中氏が総理・総裁へと、こういう道をたどっていかれる、そうして総選挙が迫ってくるという時期なんですね。そうして、この四十七年度に果たして新星企業に会社を代表する役員がいたのかどうか、局長御存じですか、どうですか。
#102
○政府委員(安原美穂君) 捜査中の事件で、いま御指摘のようなことの的確な報告は受けておりませんが、いままで受けた報告によりますと、四十七年中ごろ以降の代表取締役は竹沢脩ということになっております。
#103
○橋本敦君 ところが、法務局の登記を調べますと、山田泰司氏が代表取締役であった時代ですが、この山田泰司氏が取締役を退任したのが四十六年の十月一日なんです。いいですか、四十六年十月一日。その後、いまあなたがおっしゃった竹沢氏が取締役に就任をしたのは登記上いつになっているか、御存じですか。四十七年ではありませんよ。
#104
○政府委員(安原美穂君) 先ほど申しましたように、登記簿等による結果の報告であるかは存じませんが、被疑事実の要旨として報告をされておりますところによりますと、山田泰司氏は四十二年三月一日から四十七年七月中旬までこの新星企業の代表取締役であり、その後は竹沢脩氏が代表取締役であるという前提のもとの被疑事実の報告を受けております。
#105
○橋本敦君 だから、それは法務局によって公証される登記関係と全く違う事実なんです。法務局によりますと、いま私が言ったように、四十六年の十月一日に山田氏を含む役員全員が辞任をして、よろしゅうございますか、その後ずっと役員選任登記はないんです。それで四十六年十月一日に全員が代表取締役も含めて辞任をした後、四十八年の六月、つまり二年後です、四十八年の六月十一日になって、四十八年の五月に就任をしたという、そういう日付で初めて竹沢氏以下役員ができてくるのです。
 そこで私が問題にするのは、二年近くもの間、実際は四十六年に全員が退任しながら、二年近くの間役員がいない。法務局の関係ではですよ。そうして四十八年になって初めて就任登記がなされる。そういうことで、登記簿を調べてみますと、役員が退任していない。まさに幽霊会社がますます幽霊になるわけですが、そういう時期に、いまお調べの宅建業法違反の取引の時期が四十七年に集中しているわけです。おわかりですね。そうして被疑事実としては、登記とは関係なしに竹沢氏が四十七年ごろから取締役になっている、こうなっているわけですね。そうすると、この法務局の登記というのは全く実体に合わない。法務局の役員関係の登記を、二年間も退任したまま選任という登記をしないでほうったらかしておく。そうして実際は取締役がどんどんかわって、実情は竹沢氏が四十七年代表取締役になっているんだ、こういうでたらめなことが行われているわけですね、この会社は。
 こういう実態は一体どこからくるのか、これも含めて、新星企業という会社が一体何のために使われ、どういう役割りを田中角榮氏との関係において果たしてきたのか、ここのところを徹底的に捜査しなければ、宅建業法だけ調べたって本当の疑惑は解明できないですよ。おわかりでしょう。いま私が指摘したように、重大な疑惑があるんです。法務局に調べにいったら、役員がおらぬということになっておる。登記されたままの山田氏の登記は残っておりますよ。だけれど、四十六年に退任したという、四十八年になってからの登記では明らかになっているでしょう。こういう疑惑について、この新星企業がこういう宅建業法違反を繰り返しながら、一体どういうような実体の会社で、田中角榮氏との関係で一体何をやったのか、これを調べなきゃならぬじゃないですか。
 一つの問題としては、この会社が田中角榮氏に多額の政治献金をやった。したがって、取締役は当然会社に不当な、限度を越えた損害を与えたものとして背任罪で取り調べる必要があるということも言われています。こういう観点で捜査をしているのですか、していませんか。その点はっきりしてほしいのです。
#106
○政府委員(安原美穂君) 冒頭御指摘のように、幽霊会社であるということ、あるいは代表取締役というものの登記がなかったというような御指摘がございましたが、本件の被疑事実自体の捜査を完了するに当たりましても、被疑事実は新星企業という株式会社が存在しておることが前提でございますから、そういう実在があるのかどうかということは当然捜査の対象にならなければなりませんし、それから代表取締役であったかどうかということは、もう橋本委員御案内のとおり、行為者はだれであるかということになりますと、それは行為者はその地位のいかんにかかわらず、当該会社の業務に関して違反をやれば違反者ということになるわけでありまするから、必ずしも登記簿上の記載が犯罪の成否を左右するものではないと思いまするけれども、事案の真相というものを究明する立場から言えば、そういうことも明らかにすべき問題であろうと思います。
 先ほども申しましたように、いま捜査の中心はあくまでも対象は宅地建物取引業法の違反でございますけれども、重ねて申しますが、社会の耳目を集めた事件でございますので、単なる形式的な処理に終わらないように、その背景、動機、事業内容、規模等についていま綿密な捜査をやっておる段階でございまして、他の容疑が出たというようなことは、いまだ報告を申し上げるような段階には至っておらないと承知しております。
#107
○橋本敦君 局長がおっしゃるのは、重大な疑惑を生んだ事件だから厳正にやるということはおっしゃるわけですね。本当にそれをどの程度できる方向でやるのか、これはやっぱりはっきりすべきなんですよ。いま私が指摘したように、役員の登記関係、でたらめでしょう。得体の知れない会社だということなんですよ。実際の行為者を宅建業注違反で追及をしていく、これは結構です。しかし、それとの関係で新星企業が、登記関係でなぜこんなでたらめやっているのか。これは言ってみれば、商法で役員選任登記をこれは怠った場合、罰則の制裁がありますよ。そうでしょう。退任した場合は遅滞なく選任しなければならないという商法の規定があって、過料の制裁もありますよ。全部まつわってくるんですよ、犯罪の嫌疑はね。
 一つ伺いますけれども、いま砲台山の問題というのが非常に大きな金脈問題になっている。これお聞きになっておりますか。これは富津というところにある。一日転がしただけで六億円以上のもうけをした。これは捜査をやらねばならぬと私は思いますが、局長、どう聞いておられますか。
#108
○政府委員(安原美穂君) 遺憾ながら、その点についての報告は受けておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
#109
○橋本敦君 報告を聞いていない――。あなたは法務委員会で、私が田中関連企業に関する数々の疑惑について指摘をして、そのときに検察庁を信頼してもらいたい、疑惑を解くべきは検察の威信にかけてもやるんだと、こうおっしゃいましたね。これだけ大きな問題になって、これだけ時間が経過をしている中で、しかもいま砲台山事件というのは、膨大な土地、もとは国有地ですよ。四十七年、これは田中角榮氏が通産大臣をしていたころかと私は思いますがね、その国有地を払い下げたのが、いま転がされ転がされた結果、新星企業の所有物になっておるんです。莫大な利益を生んでおるんです、この間で。この疑惑について、私はあなたにこれは捜査すべきではないかとこう言っているのに、まだ報告を受けていない。こんな悠長なことでは困ると私は思うのですよね。
 たとえば話を信濃川河川敷の問題に戻しましょう。あの問題について、あの信濃川河川敷は、三十九年当初河川法の改正によって一級河川、国の管理になる。そうしてかすみ堤が将来本堤にされて、河川敷を廃川処分にして払い下げになってくる、これを目当てに買ったことは契約上明らかである。これは私は指摘をしました。農民はだれ一人知りませんよ。知っているのは田中角榮氏と室町産業関係者だけだ。これはまさに異常な土地の値上がりを見込んで買ったのだし、その異常な土地の値上がりという将来の計画を全然知らせずに、相手の無知に乗じて買ったのだから、たとえわずかの対価を払っていようとも、詐欺罪が成立することは理論的にはあり得るとあなたはお認めになったんですよ。この捜査はおやりになるべきだと私思いますが、どうですか、局長の見解をもう一遍聞きたいと思います。
#110
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり、こういう関係におきまして取引の相手方に商取引上知っていることを告知することが法令上の義務ということに理解されるならば、不作為による詐欺の成立するということもあり得るという理論的な限界をお話し申し上げましたが、本件につきましてそのような法令上の義務があるかどうかという点につきましてはお答えを申し上げたわけではございませんことを御理解いただきたいと思います。
 と同時に、その後、御指摘もございましたので私なりに、宅地建物取引の際において宅地建物取引業法の中に告知義務というものが規定してございますので、本件御指摘の事案の告知がこの告知義務の対象となるかどうかということも調べてみましたが、御指摘の案件は宅地とは言えないというような観点から、少なくとも宅地建物取引業法の適用によるところの告知義務というものはないのではないかというふうに私なりに理解をいたしておるわけでございまして、そういう意味におきまして、直ちに詐欺罪が成立するという判断には私は達しておりませんが、いずれにいたしましても、捜査すべきではないかという意味において私から検察庁に対して、あるいは法務大臣から指揮をするというわけにもまいらないわけでございますので、検察当局は十分にかようなことが国会その他で問題になっていることは承知いたしておりますので、検察庁の良識ある判断に任せたいというふうに現在では考えておる次第でございます。
#111
○橋本敦君 新潟の方の地検に問い合わせても、現地の関係機関に問い合わせても、全然調べをしていないんですよ、局長。調べをやった結果について検察庁の厳正な良識と処断に待つというなら、これはわかります。だけど、あなたは国会でおっしゃるだけで、いまも指揮をして捜査をやらせるわけにいかぬとおっしゃったわけですが、しかし実際に信頼をしてくれと言っても、捜査をしていないんですよ。捜査をした結果を信頼せよと言うならわかりますよ。これは私は納得できませんね。私が言うのは、宅建業法違反というような小さな範囲の問題じゃなくて、信濃川河川敷について言えば、田中角榮氏の政治的地位を利用したことから出発をした大がかりな詐欺行為だと、こう言って私は指摘をしたんです。だから、宅建業法における告知義務違反があるかどうかはその一つの問題点であって、大きく言えば、将来莫大な価格を生む宅地に変わっていくその可能性を買い主の方は明確に知っていて土地を買う。いいですか。売り主の方は全然それは知らないで、告知もされないで、知らされもしないで、こんな土地は早く売った方がいいじゃないか、役に立たぬ土地じゃないかということで売らされていくということになる。一般的に言って詐欺罪が成立するという基本的な要素はあるんですよ。いいですか、この問題についてなぜあなたは捜査を、あるいは内偵でもよろしい、調査でもよろしい、させるということが御指示できないのか。理由はどこにあるのですか。いま先ほどおっしゃいましたね、指示するわけにいかぬとおっしゃった。これはどこにそういう理由があるのですか。
#112
○政府委員(安原美穂君) 私の立場は、法務大臣の検察に対する指揮権の行使について補佐を申し上げる立場でございますが、具体的な事件については、なるほど法務大臣は検事総長を指揮するということはできるわけで、法律的に不可能であるわけではございませんけれども、伝統といたしまして、法務大臣は指揮権を発動しないで、検事総長以下検察の運営に期待するという信頼関係で今日まで来ておりますので、そういう伝統、信頼関係を尊重するならば、私から検察庁に指示をするということは、法務大臣の指揮権の発動としては差し控えるべきであるという考えに基づくものでありますとともに、そうしなければ検察庁が活動できないというほどに無能ではなく、有能であるというふうに考えております。したがいまして、いま御指摘のようなことは、当然検察庁ではそういうことが問題になっておることは知っておりますので、いまだに検察庁が捜査に着手しないといたしますならば、それはいわゆる犯罪の捜査をするだけの嫌疑を抱いていないのだというふうに理解をするほかはないし、そのように私は理解をいたしております。
#113
○橋本敦君 具体的に局長、どの検事が現場でどういうように検討した結果犯罪の嫌疑があるとかないとか考えているか、これは全然御存じないでしょう、そうですね。だから推測にすぎませんよ、いまの御発言は。そう考えるほかはないという推測でしょう、違いますか。根拠があるんですか、たとえば何々検事に意見を聞いたとか。
#114
○政府委員(安原美穂君) 世間の注目されております案件でございますので、そういうものについて犯罪の捜査に着手するということであれば報告があるはずでありまするが、報告を受けていないことからかんがみますと、捜査は着手していない、したがって嫌疑を抱いていないというふうに理解するべきものと思っております。
#115
○橋本敦君 そう理解するということだけですよね。そうすると、いま法務大臣の指揮権を発動してということは困難だということからおっしゃった面があるんですが、実際に詐欺にかかったと、こう思っておる農民なり、あるいは事実を調査した結果第三者が告発なり、こういった現地で告訴、告発がなされるということがあれば、これは厳正に検察庁としては事件を受理して、当然それに基づく適正な厳正な捜査をすべきだというように私は思いますが、その点はそうなるはずですね。
#116
○政府委員(安原美穂君) 告訴がございましたら、当然にそれについての結末をつけるのが検察官の義務でございます。
#117
○橋本敦君 だから検察庁が、いま私が聞いてもそういうような、私に言わせれば、上からという困難性、そしてまた実際になまぬるいと私どもが思うような状況があれば、もう現地の人たちがあるいは私どもが告訴するなり第三者として告発するなり、検察庁の検察権の発動、捜査権の発動を促すほかないですよ、これ。だから徹底的にやりますよ、これは。その場合に検察庁は断固として処理されることを期待している。
 そしていまの新星企業について言うならば、確認をしておきますが、新星企業の実体そのものを宅建業法違反の捜査を通じて追及をするということは大事だということをあなたはお認めになったわけですが、いま私が聞いて答弁がないのは、田中角榮氏への多額の政治献金がなされているということが役員の背任罪ということの嫌疑もあるという問題についての捜査はやっているかやってないか、これについて答弁がないのですが、その点どうなんですか。
#118
○政府委員(安原美穂君) 検察庁からは、先ほど申し上げたように宅建業法の違反について、社会の耳目を集めた事件であるので、厳格適正に事案の内容について真相の究明に努めておるという報告は受けておりますが、いま御指摘のような事案について捜査をしているというような報告は受けておりません。
#119
○橋本敦君 それじゃ、あなたの方から聞いておいてください、私が指摘したような問題について、当然宅建業法違反の捜査をやっている中で関連してこれは捜査をやるんですからね、やっているかどうか。あなたは一方的に報告を受けただけで、現在では報告にないということですから、聞いておいていただきたいと思うんです。これは聞いておいていただけますか。
#120
○政府委員(安原美穂君) 当委員会で橋本委員からさような御指摘があったことは、当然に検察庁に連絡をいたします。
 ただ、先ほど法制局長官に対する御質疑のように、国会におきましては、私どもは大臣を補佐する者としてできる限りの御質問に対しましてはお答えをする義務があることは十分に承知はいたしておりまするけれども、捜査中の案件等につきましては法律的に答える義務がないとは常に申しませんけれども、捜査中の案件につきましては、捜査のために、あるいは捜査の対象となるであろう人の名誉というようなこともございますので、答弁を差し控えさせていただくようなケースもあることを、そしてそういうことについて御宥恕を願いたいことのあることもひとつお含みをいただければ幸いであると、かように考えております。
#121
○橋本敦君 私も弁護士ですから、捜査の密行性その他について知っています。政務次官もよく御存じですし、局長も御存じですし、だから一人一人名前を挙げて聞こうなんていうのじゃないんです。いま私が指摘をした問題について捜査をやっているかやっていないか、これだけ聞いておいてください、こういうことですから。
 それから、大体宅建業法違反の近く捜査の終結処分の見通しという、近くというのはいつごろのことをおっしゃっているんですか。
#122
○政府委員(安原美穂君) 先ほど白木委員の御質問にもお答えいたしましたように、捜査というのは生き物でございますから、いつまでにということはかえって無理にもなりますので、できるだけ早くということは……。
#123
○橋本敦君 大体の見通しでいいです。
#124
○政府委員(安原美穂君) 私どもの聞いておる範囲では、やはり六月の上、中旬というようなことではなかろうかと考えております。
#125
○橋本敦君 それでは、また後にきょうお願いをした結果なども伺いながら金脈の検察の動きについてはお尋ねをしていきますが、最後にちょっと佐々木先生がお聞きになった矢田事件に関連して、一、二点だけ局長にお伺いさせていただきたいと思います。
 佐々木先生御指摘のように無罪の判決があったわけですが、例の矢田文書そのものについて、大阪地裁の民事部の方で矢田文書そのものが、中央公会堂事件という事件の中の判決では、矢田文書そのものが必ずしも明白に差別文書だとは断定できないという趣旨の判示があったことは、局長御存じでしょうね。
#126
○政府委員(安原美穂君) 実は、そこまで詳しいことは承知いたしていないのが正直なところでございます。担当官がおりませんので、刑事局としては承知しておるものと思いますけれども、局長の私が不敏にして存じません。
#127
○橋本敦君 それじゃお調べしておいてください。
 差別というものはなくさなければなりませんし、差別があったら厳しく批判をして真剣に反省を求める、これは運動の上でも、また民主主義の課題としても大事ですが、いわゆる糾弾ということで脅迫や暴力を手段として行われた場合に、その場合でも暴力や脅迫そのものが是認され容認されるというようなことになっては私は検察としてはぐあいが悪いと、こう思いますが、その点はどうお考えですか。
#128
○政府委員(安原美穂君) 検察庁のいわゆる暴力行為に対する考え方といたしましては、基本的には、政治信条あるいは思想信条のいかんを問わず、法治国家でございますので、いかなる場合においても暴力の行使ということは禁止さるべきであるという基本的な立場からいろんな事件をながめておるわけでございます。
#129
○橋本敦君 きょうはけっこうです。
#130
○委員長(多田省吾君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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