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#1
第075回国会 地方行政委員会 第5号
昭和五十年三月十四日(金曜日)
   午後二時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     赤桐  操君     寺田 熊雄君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     寺田 熊雄君     赤桐  操君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         原 文兵衛君
    理 事
                金井 元彦君
                安田 隆明君
                野口 忠夫君
                神谷信之助君
    委 員
                安孫子藤吉君
                夏目 忠雄君
                橋本 繁蔵君
                赤桐  操君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                福間 知之君
   国務大臣
       自 治 大 臣  福田  一君
   政府委員
       自治省行政局長  林  忠雄君
       自治省行政局公
       務員部長     植弘 親民君
       自治省財務局長  松浦  功君
       自治省税務局長  首藤  堯君
       消防庁長官   佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       自治省財政局財
       政課長      石原 信雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和五十年度自治省及び警察庁の施策並びに
 予算に関する件)
○市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和五十年度自治省及び警察庁の施策並びに予算に関する件を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○上林繁次郎君 何点かお尋ねいたします。
 地方財政が非常に張大な需要、そしてその結果逼迫を来しておる。こういったことなので、何とかこれを解決しなきゃならぬという――まあ当然のことです。しかし、そのいわゆる逼迫してきた原因がどこにあるかという問題、これは私どもと政府の考え方とすれ違ってしまっておるところもあるわけですね、どうしても。そこで、やはりその原因というものがお互いに明らかになった上でなければ本当の解決というものはできないのじゃないか、こう思うわけですね。そういう意味で、この地方財政がここまで逼迫してきた最大の原因、これはいろいろ何点かあると思いますけれども、政府のその原因についての考え方をひとつお聞かせ願いたい、こう思います。
#4
○国務大臣(福田一君) きょうの本会議でも御質問いただいた問題でもございますが、私は地方財政が今日このような事態になったことについては、いわゆる超過負担というのが一つの大きな原因であるということについては、何も異議を差しはさむべきものではないと思っております。ただ、地方財政が今日になった一つの原因としては、私はやっぱり人件費もあるんじゃないかと思います――今日までのことですよ。ずっと四十五、六年ごろからのこの人件費の問題を調べてみましても、国家公務員との比較におきましては、ある程度やっぱり地方公務員の方が上回っておることは、この比較で、数でもって割ったような場合には国家公務員の方が高いじゃないかとか、いろいろなあれもありますけれども、いわゆるラスパイレス方式というもので見てみますと、どうしても、いままででも過去五年間も高かったと思うのです。これは間違いない。それを、国家公務員に準じた、公務員法の規定に従って準じたようなやり方でやっておれば、かなりの程度、やはり地方公共団体の財政事情はいまほどに悪化しないでも済んだんじゃないかという判定もあり得ると思うわけです。これは、事実調べればそうです。しかし、今度は一方において、じゃ超過負担が全然なかったのかということになれば、私は全然なかったというようなことも断定はできない。もちろん、私は断定できないと思います。ただ、超過負担ということになりますと、これが数量とかそれから質という問題等になりますというと、はっきりした基準というものは、一応の基準はあるけれども、学校を建てる場合に廊下まで見ろとか、いや、へいまで見ろとか、こういう数量の問題になってきますと、なかなか質とかという問題になるとむずかしい面があって、容易にこれを判定することは、これは一分一厘間違いないのだというような判定の仕方はむずかしいと思いますけれども、これは皆さんがおっしゃるように、超過負担が一つの財源不足の原因になったということも私たちは認めざるを得ません。
 それからまた、これはいかがかと思いますけれども、いわゆるプラスアルファというようなものを出しておるというようなことも、そんなものはそれはもう当然地方の自治という問題で、自治体が決めていくものだから当然だというお考えもあるかもしれませんが、国家公務員などと比較しますと、やっぱり期末のプラスアルファなどというものは、やっぱりその意味では一つの財政圧迫の原因になっておったのじゃないかと私は思います。
 それからもう一つ、そのほかの面で挙げていけばいろいろありますが、いずれにしてもそういうわけですから、人件費というものと超過負担というものとが、ともに私は今日の地方公共団体の財政窮乏をもたらした原因だと思っておりますが、さあこれからということになりますというと、どうするかということになれば、やっぱりいまのところでは、われわれのこれはあれでおしかりを受けるかしりませんけれども、地方公務員の給料と俸給というものは五十年度においては七兆五千億円と言われておるのですから、ラスパイレス方式が間違っていないということで一割ぐらい高いのだということになると、七千五百億円というものが高いということになる。それからまた、プラスアルファが千億円くらい出ているようにわれわれは計算いたしておりますが、その他いろいろ合わせるとやっぱり一兆円くらいじゃないか。われわれが一兆円という数字を挙げているのは、そういう根拠に基づいてやっておるわけなんですが、そういうことでございますので、今後地方財政を運営していただくという意味では、やはり人件費の問題にも大きなウエートを置いて見ていただきたい。
 そうして同時に、これからはやはり福祉行政というものをやらなきゃいけないんですから、その財源というものを求めるには新しい税源というようなものもあるし、国からの収入をふやすというか、交付税の額をふやすというやり方もありますが、同時に、振りかえといいますか、支出の振りかえをやればかなりの程度この福祉行政もできる面があるのではないか、こういうような考え方を一応持っておるわけでございます。
#5
○上林繁次郎君 先ほどの本会議でも問題になったわけですけれども、この地方財政逼迫の原因が超過負担、これがいままでは最も大きな問題じゃないかということで取り上げられてまいりました。で、いまの大臣の話を聞きますと、人件費、これも相当な比重を占めているのじゃないか、こういうことなんですけれども、そこで、確かに私も全然そういう要素はないとは申し上げません、人件費の問題でですね。しかし、御承知のように、国家公務員と地方公務員との仕事のいわゆる内容といいますか、これは大きく違っておることだけは間違いない。これは先ほど本会議でも指摘したとおりであります。ですから、そういった問題もこの問題についてあるということを頭に入れておかなきゃならぬだろうと思いますね。ただ頭から、人件費が計算の上でこうなるから国家公務員よりも高いのだという、いわゆる計算上で云々するという、これでは少し早計ではないか、こう考えます、この点についてはですね。もっとやっぱり突っ込んだ立場からこれを検討していかなきゃならないのじゃないか、こう思うわけですね。
 そこで意地悪な質問かもしれませんけれども、相当人件費に比重がかかってきておるという、私たちの立場からすれば政府は人件費が人件費がと、こういうふうに受け取られてならないわけですね。非常にそれが強く私たちに感じられるわけです。ですから、その点が、ただ人件費だけ解決すればこの地方財政の逼迫、これを打開できるんだと、こういう考え方に引きずり込まれるというか、こんなような感じもしないわけではないんで、その辺のところを、やはり人件費だけ解決すればすべて地方財政の逼迫は解消できるんだと、こういうものではないというふうに私は考えますけれども、その点いかがですか。
#6
○国務大臣(福田一君) 私就任したときに、ある新聞社から、どういう抱負を持っておるかということがございまして、問われたので、人件費の問題と超過負担の問題をこれはやっぱり解決しなければいかぬということを申しておるのでありまして、実を言うと、二の人件費人件費と、われわれは何もそう特別そこだけウエートを置いて言っているわけじゃないんですけれども、これは世の中の流れというものは妙なものでございまして、一遍そういう流れが出てくるというと、何も言わないでも自然とそっちの方へ流れていってしまうという傾向もあるので、それをわれわれがそういう指導をしたというようにおとりになると、これはわれわれとしては心外だと思うんです。しかし、私はいつでも言っておるんだけれども、そのときにも言いました。それはまだ大臣になったばかりで、だれもあなた、局長が私のところに言ってきたわけでもないんだけれども、人件費の問題と、そしてこの超過負担の問題とは解決しなければならぬ、しかしウエートを考えればやっぱり人件費の方が多いのだということを言うておったので、その時分にはまだ一兆円なんという言葉は言わなかったんですがね。その後だんだん調べてみたらそういうことがわかってきたので、ときどき一兆円というようなことを言っておりますけれどもね。
 私は私自身の気持ちで言うと、決して人件費だけを取り上げてそうすればもういいのだというような物の考え方ではございません。それからまた政府部内その他におきましても、まあ超過負担の問題は、どちらかというとだんだん国としちゃ財源が要りますからね、この問題は。だから、あんまり触れてもらいたくないような印象があったことは事実なんです、実際問題として。まあどこの省がとは言いませんけれども、そういうことなんです。だから、私はもう終始一貫してそれを言っているので、そしてまた皆さん方の御援助もあって、大分超過負担もやっぱりこれやらにゃいかぬということになったことも、これはこの国会の審議において皆さんがお骨折り願った結果だと思うんです。しかし、それだからといって、超過負担の方が大きいんだから、人件費はさておいて超過負担をということになると、いささかわれわれは御同意をいたしかねる。やっぱり人件費というものを十分見直してもらう、超過負担の問題ももちろん見直してもらっていいけれども、人件費の問題というものをこの際はひとつやっぱり十分に地方自治体が考えてみなければいけないんじゃないかということです。
 それから、先ほど申されたように、仕事の内容が違うからというお話もございます。これはもう仕事の内容はそれぞれの公共団体によってみんな違うでございましょう。しかし、デスクワークというような一つの考え方から言えば、大体まあまあ似たような仕事であるし、それから地方公務員というのは大体――東京なとはとうか知りませんが、田舎などへ行きますと、そこの村の人なり町の人がみんな役場へ通っていまして、そして住宅の問題も、その他交通関係でも、自転車でも行けるとか交通費もかからぬというので、最近はどっちかと言えば地方では公務員に志望される人が多いし、東京などでも非常に志望者がことしは多かったということもございますから、それはいろいろの意味において好ましい職場であるということになるわけですね。好ましいというのは、俸給がいいというだけでもなくて、やっぱりいま言ったようなものも好ましい職場の一つになっておると私は考えておるのでございまして、そこいらはわれわれとして考えなければならない面ではあるけれども、地方公務員なるがゆえに国家公務員よりはいい待遇を受けて差し支えないのだというようなふうにはわれわれは考えておらないわけでございます。
#7
○上林繁次郎君 いま超過負担の問題が出まして、そして大臣から数量差とか対象差というお話もありました。まあ、決して大臣にいやみを言うわけじゃありません。ただ、このへいとか机とかというのは、これは大臣数量差とおっしゃったけれども、これは対象差になるのじゃないかと思いますけれども、その点ちょっと誤っていらっしゃるのじゃないかと、こう思いますが、これは一応申し上げておきます。
 で、いずれにしても、人件費も政府は問題であるとこう考える。しかし、われわれとすればいままで言い続けてきたことは、超過負担の解消ということをまず第一義として取り組んできたつもりです。ですから、これからの超過負担をどう解決していくのかというこの見通しですね。それはどれだけかの手当てはなさってきておる。だからといって、もうこれは前々から超過負担に対する手当てをしてまいりました。しかし、依然として超過負担というものは解消されたわけではない。これからも、今後も超過負担が増大してくるであろうと、こういう見通しが立てられるわけですけれども、そういう中で、どうやったら本当に超過負担というものがなくせるのかという問題、この点について、どうもこの辺になりますと、いままで何かこうはっきりしない状態で、徹底した解決策でなくて、当面の小手先の解決策といいますか、そういったもので何となくごまかされてしまっているみたいな感じがするわけですが、もっと根本的にこうやれば解決できるのだというものを何か政府は用意しておられるのかどうか、この点ひとつお聞かせ願いたい。
#8
○政府委員(松浦功君) 超過負担問題、非常に重要な問題で、ただいま大臣からお答えがございましたように、政府が積極的に前向きにこれに取り組むべき責任を負っておるということも間違いないことだと思います。
 そこで、超過負担ということについての考え方を一体どのように理解するかによって結論が物すごく違ってくるわけでございます。私どもは、超過負担は、いわゆるものの本には、先ほど大臣からお話ございましたように、単価差、それから数量差、対象差と三つに分けて書いてあるようでございますが、私どもが超過負担ということを厳密な意味で考えておりますのは、単価差についてのみでございます。数量差及び対象差については、これは補助金政策の問題であって、その決め方に当たっては、政府は、社会的あるいは経済的なその時点における常識にマッチするような形で整えていくという意味の道義的な責任とも言うべきものはあるかと思いますので、それら二点については、今後も大臣の御指示のもとで、経済情勢、社会情勢に合うように各省にお願いをして、常識外れの補助対象や補助数量にならないようにしていただくという努力をこれから繰り返して重ねていくべきだと思います。
 それはひとまずさておくといたしまして、問題は単価差ということになってまいります。たとえは四十九年度で、私どもとしては、よくここまで大蔵省が理解をして協力してくれたと思うくらいの超過負担を私どもとしては解消したつもりでございます。事業費金額にいたしまして千二百億円、住宅と社会福祉施設、それと学校でございます。したがって、この三つについて私どもは超過負担は現在ないと考えております。なるほど、いろいろ地方の方の御意見を伺ってみますと、たとえば今度、先般七万五千円、四十九年度で学校を直して、今度は八万一千四百円ということになっておるわけでございますが、それを地域別にある程度差をつけて配りますれば、高いところは九万円に近いような単価になってまいります。それでもできないで十万円だとおっしゃるわけでございますが、これは四十九年度のときに、全部書面調査をいたしました上で、さらに現場に参りまして実態を検討をいたしております。その場合におきまして、なるほど書面調査では八万円かかっております、そう言っておりますが、補助の基本には、文部省の中に仕様というものがあるわけです。材料はこういう材料で、ここはこういうふうに仕上げると。ところが、それと違った仕上げを現実に皆さんしておられる。そうすると、そこだけで単価が高くなってまいります。その部分については、もう基本からこういう仕様での補助だということがわかっておるわけでございますので、高い単価を見るわけにいかない。書面調査と実態調査との間には、大体五%から十数%、平均いたしまして差が出てくるわけです。したがって、文部省の定めておる仕様に従ってやれば、四十九年度で直しました単価、さらにそれに物騰率を掛けました五十年度の単価では、私どもとしては問題が出てくるとは考えておらないわけでございます。
 ただ物価の推移が、私どもが予想しておるのと違って異常に高騰するというようなことになりますれば、また単価が離れてくるということがあろうと思います。そこいらの点については、私どもも十分に見守りながら、また大臣の御指導のもとで、乖離が出てきた場合には、各省にその際にすぐに直すようにということを申し入れをする、こういうやり方をすべてにわたって慎重に検討していけば、その時点、時点で、大臣がおっしゃるように、一銭一厘違わないというようなことは、精算方式でもとらない限りはできないと思いますけれども、おおむね超過負担と言われるようなものが出ないような形での運営は私どもはできると思っているわけでございます。
 そこで、ただいまも申し上げました三建設事業はそういう形で私どもは超過負担の解消が図られていくと思います。それ以外についてまだ調査していない部分がございます。それからまた、調査はいたしましたけれども、運営費等についてはまだ完全に片がついておりません。したがって、調査をいたしましたもので片のついておらないものについて早く片をつけると同時に、調査をしていないものについては、できるだけ早い機会に、私どもは五十年に入ればすぐに調査をいたしたいと思っておりますが、調査をした上でこれを是正すると、こういう方向で考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
#9
○上林繁次郎君 いま、たとえば仕様と違うものをつくる、そういうところにいわゆる足が出るという、そういった結果が生まれておる、それがやはり超過負担の原因になっておると、こういうことですね。そこで、まあこれは確かに、仕様のとおりに何でもやればそれはきちっとこの一つの枠の中におさまるということは言えるでしょう。しかし、いろいろなものが変化してきていると同時に、そういう仕様についてのやはり地域の、いわゆる地域ということは、地方公共団体の実際現地の考え方、仕様はこうであるけれども、やはりもう一歩こういうふうにした方が非常に使いやすいとか、あるいは子供のためであるとか、こういった問題が出てきていることは間違いない。だから、そういういままでの仕様ということにこだわることなく、やはりそういった点も見直して見るという必要があるのじゃないか、こう私は思うのですね。
 それともう一つは、これも同じような意味になるかもしれませんけれども、たとえば学校を建てる、これは何年たてばとても現在の校舎では間に合わぬ、しかし、いままでのいわゆる社会経済情勢から言えば、土地にしても何にしても、学校にしても、値上がりをしないうちにつくっておきたい。言うならばそういう考え方も経費を節約しようとする意図のあらわれですよ、これは。だけれども、そういうものに対しては対象として認められないわけでしょう。ですから、そんな問題もあわせてやはり検討しなければならないんじゃないか、こう思いますが、この点どうですか。
#10
○政府委員(松浦功君) 私が申し上げておりますのは、仕様を永久に固定しておけという意味ではございません。仕様が定められておって、その仕様を超えた部分は継ぎ足し単独ということで観念をしていただくべきであって、超過負担という御主張は私の方では納得できませんと申し上げているだけでございまして、仕様が、先ほども申し上げましたように社会常識に合わない、そういうものはできるだけ仕様の内容を高めて、やはり現在の日本の国の経済力に匹敵すると申しますか、社会情勢に合うと申しますか、そういうところまでは高めていくという努力は常にやはりすべきだと思います。その点は全く先生の御意見に一致をしておると思うのでございます。ただ、現実にその仕様が上がっておらない、だから、そこへ金の継ぎ足しが出てくるのは超過負担だから国の方の責任だと言われては、私ども別に国費を払う立場にはございませんが、大蔵省もこれはかなわないと思うのでございます。その辺のところを御理解いただければ、私は、対象差なりあるいは数量差なり、いまの仕様の問題というものは、あくまで社会経済の状態に応じて時々刻々に高められていくということであってしかるべきだと思いますし、住民の皆さんの御感覚にも合うように、われわれとしては各省にもその引き上げをお願いしていくという努力を続けてまいりたいと、こういう気持ちでおります。
#11
○上林繁次郎君 それからもう一点、たとえば学校の例を挙げましたけれども。
#12
○政府委員(松浦功君) いろいろ先行きを見通して、こういうことをした方が便利じゃないか、その方がかえって経済だというような場合がいろいろあるようでございます。その辺については、全体の補助政策のやり方の問題ではあると思いますけれども、国全体の大きな立場で、本当にむちゃな決め方をしているようなものがわれわれに感得されるところがありますれば、これを是正するようにお願いをすべきじゃないかということを私どもとしては考えておりますので、先生の御主張には全面的に賛成でございます。
#13
○上林繁次郎君 これはお答えをいただかなくても結構ですけれども、いまの仕様の問題ですが、確かにいままでは仕様どおりにできない、いわゆるそこからはみ出す、それを超過負担と言われたんではたまったものではないと、こういうことなんです。そういったお話はわかります。わかるけれども、やはり時代の要請というか、地域の要請というものが大きく変わりつつあるということだけは間違いない。そういう中でそうせざるを得ないということですね。だとするならば、やはり早急にそういう仕様という問題についても考え方を変えていかなきゃならぬ、こう思います。ですから、それはいつまでも固執する考えはないかもしれぬけれども、やはり早急にこの仕様の内容というか、これについても検討をし、是正をしていくという姿勢で取り組んでいただきたい、こう思いますね。やはりこれからの超過負担の――そういったものは超過負担じゃないと言うかもしれないけれども、やはり事実金を出すのは地方自治体とすれば、地方自治体がそれによって財政が圧迫される、こういうことも、これはもう間違いない事実ですからね。ですから、理屈でなくて、現実というものをやっぱりもっと踏まえて、いままで決められたものに対してもこれを見直す、そして変えるべきものは早急に変えていく、で、今後の地方自治行政の運営に当たって支障のないように取り計らってやろうという前向きの姿勢が大事ではないか、私はこう思います。これは答えていただかなくてもいいです。
 それから次にお尋ねするのは、昭和四十九年度の都道府県の決算見通しについて朝日新聞等が集計したものを見ますと、実質収支の赤字団体は東京、大阪に続いて石川、滋賀県、これが加わることが確定的になっているわけですね。そしてそのほかに七府県が赤字転落寸前と、こういうふうに言われているわけです。で、五十年度は、本会議でも言いましたけれども、税収の落ち込みで赤字団体がますます増加するという予想がなされるわけですけれども、現状のまま推移をしますと、五十年度にどのくらいこの赤字団体が生じてくるのか、これを自治省でどの程度考えているのか、見通しているのか、ひとつお答えを願いたいと思います。
#14
○政府委員(松浦功君) どうも五十年度のことを言われましても、なかなか適確なお答えができかねますが、四十九年度自体を考えてみて、年末ではほとんどの地方団体が、特定のところを除いて、どうも形式的に収支決算が赤字になりそうだというようなことを言っておられたのでございますが、最近になりますと余りそういう声がなくなってまいりました。私どもが考えていまして心配していたよりは、非常におさまりぐあいが予想よりはいいような気がいたします、四十九年度に関しましては。ただ、四十九年度は御承知のように繰越金を持っておりましたし、あるいは積立金がございました。そういうものを取り崩したという形で最終的に収支バランスがとれたといたしましても、五十年度になりますとそういった余裕もございません。したがって、今後は都道府県の運営の方向によって五十年度の収支が変わってくるかと思いますが、いままでのような形で人件費等の運営をしておられる、していかれれば、私は大半の団体が赤字になる、ならざるを得ないだろうという見方をいたしております。
#15
○上林繁次郎君 そうすると、いままでのようなやり方をと、こういうことなんですが、しかし、適切な指導あるいはまた財源的な特別な事情が生まれてこない限り、やはりいままでのような形に陥る以外にないだろうと思うのですね。だからそれを、いままでのような状態でやっていれば相当落ち込みが出くるだろうと、こういうお話なんですけれども、それじゃその辺に歯どめをかけなければならぬでしょう、歯どめを。その歯どめをどういうふうにするつもりなのか。
#16
○政府委員(松浦功君) 四十八年、四十九年度の実態を見ておりますと、すでに国家公務員の給与水準を上回っている団体において国家公務員と率で同じ給与改定を行う。そうなりますと、一割高かったところが国家公務員と同じ給与改定を行いますと、一割部分についての改定分だけは完全に財源措置がないわけで、穴があいてしまう。その意味で、それだけ財政が圧迫になるわけです。しかもそれに加えて三短、六短というようなものをつけ加えておりますから、ますます給与は大きくなっていく、ラスパイレスが高くなって財政を圧迫しているという現実が今日を生み出している。そういうような形が繰り返されますならば、もうとても都道府県は持ち切れまいということを私は申し上げているわけでございまして、その意味で、先ほど大臣が御指摘になられましたように、四十九年度においては、国家公務員より非常に給与ベースの高いようなところはできるだけ国家公務員に近づけるような努力をする、あるいはプラスアルファをやめていただく、あるいは職員に欠員が三人ありましたら二人しか埋めないでいただくというような形で、職員の合理化も御努力を願うというようなことによって人件費からくる圧迫を避けるという形でございますれば、私はそのまま四十九年度程度の財政運営ができると、こう考えているわけでございます。
 ちなみに、大臣がおっしゃられました一兆円の問題でございますけれども、四十七年度の決算において、計画と決算との乖離は七千三百億円ございます。これはすでに計数でお示しをしてあるところでございます。四十八年度は現在決算集計中でございますが、恐らく一兆前後の乖離が四十八年度分について出てくると思います。四十九年度におきましては、これもあくまで推計でございますが、これまでの傾向等を勘案しながら推定をいたしますれば、恐らく一兆四、五千億の開きになると思います。それを前提において五十年度を考えますならば、恐らくそれがまたさらにふえます。ただ、人員の規模是正を行っておりますのが三千四百億円ばかり計画の方がふえますので、それが減ってくるということで、結論的に、このままのような状況で進めば五十年度には恐らく一兆四、五千億の乖離が出てくるだろう、これはもう本当の推計でございますが、私どもとしてはそういう見通しを立てております。一兆四、五千億の金の圧迫というものは、どこかで住民サービスを切るという形か、赤字要因かになってどうしても出てくるということだけは、これは算術計算をしていただいても先生におわかりをいただけるはずでございます。
 御承知のように、地方財政計画におきましては、国家公務員の給与水準における単価、これしか財政計画に入れていないわけでございます。いま申し上げた一兆数千億という金は、財政計画と見合わない外で支出をしなければならない。それに対する見合いというものはないわけでございますから、サービスの圧迫か、そうでなければ赤字要因というかっこうになってどうしてもはみ出してくるという形になろうと思います。これでは将来の地方自治のために本当に困るという気持ちで、われわれは地方自治の将来を考えて、もう少し本当に人件費というものについて真剣に取り組んでいただきたいということを声を大にして地方団体にいまお願いをしておるところでございます。
#17
○上林繁次郎君 いまの話を聞いておりますと、全く人件費を節約をする、節約というか、いわゆる国家公務員並みにすれば、まず昭和五十年度は相当な赤字団体が出るだろうという予想、これをいい面で裏切って、そういうものはまず出てこなくなるであろう、まずないと、こう断言できますか。
#18
○政府委員(松浦功君) それぞれ地方公共団体にはいろいろの特殊性がございますから、すべて必ずそうなるんだということは申し上げかねますけれども、おおむねの団体はいまのような困るような情勢にはならないはずだということは一般論として申し上げて差し支えないと思っております。
#19
○上林繁次郎君 これ、お尋ねしましてもあまりはっきりした結論は出ない、初めからそんな考え方でお尋ねするのはどうかと思うけれども、本会議で総理も答弁をしておりましたけれども、いわゆる地方交付税率の引き上げという問題は、もう毎回この時期に論じられ、そしてまた地方財政を豊かにするためにはこの税率のアップをやる以外にないんだと、こういったことで論議が交わされてきたわけですけれども、やはりまた同じ時期が参りまして、当然われわれの立場とすれば、この点、現時点においてはどう考えるのかと、こういうふうに聞かざるを得ないわけなんですがね。総理の先ほどの答弁ですと、非常に後ろ向きですね。自治省としてはどういうふうに地方交付税の税率アップということについて考えているか、あるいはまたこれから先どういうふうにしていけばいいかという、その辺のところを、毎年毎年話が出てくることですから、やはりどれだけかの適切なるお考えがあるのじゃないか、こういうふうに期待をするわけなんです。ひとつその点お聞かせ願いたいと思います。
#20
○政府委員(松浦功君) 地方交付税の問題でございますが、先生御承知のように、地方財政計画の収支がとれるか、とれないかということの一応のめどとも言うべきものと思いますが、地方財政計画というものを策定をいたしまして、抽象的なものではございますが、全地方公共団体の歳出とそれに見合う歳入があるかどうかということを毎年当省として検討さしていただいて、そしてそれを国会に御提案申し上げておるところでございます。
 ことしの地方財政計画自体をごらんをいただきますとおわかりいただけますように、例年でございますとこういった経費は入れておりませんものが約五千億円入っておるわけでございます。一つは、人間の規模是正の三千四百億円、臨時土地対策費の千五十億円、それからいままではベースアップ財源として八%を計上しておりましたものが本年度は九%、これが六百億円、約五千億、これだけのものを計上ができましたということは、交付税が一兆を超えて伸びたということに起因をしておると思うのでございます。交付税の伸びが悪ければ恐らく採算がとれなかったと思う。やはり地方交付税なりあるいは地方税なり、地方に対する財源というものが十分であるか、不十分であるかということの一つの判定は、この財政計画というものから出てきて差し支えないのではなかろうかと思うのでございます。そういう意味では、五十年度の地方財政は、交付税率を引き上げないでも理論的に作成をするのにそう計数的に苦労はなかったということが実態でございます。
 その点についてはいろいろ先生の方からも御反論もあろうかと思うのでございますが、私どもは財政計画を超えて出ておりまする給与費が問題だと言っておるわけでございまして、財政計画の中身自体に問題があるとは考えておらないわけであります。そこのところの若干考え方の相違がいろいろ議論の相違になってあらわれてくるのだと思いますけれども、地方財政計画を毎年編成をいたしますに際しまして、いままでのようなやり方で歳出をすべて見た場合には歳入が足りなくなってしまう、こういうような事態が参りますれば、これは本当に真剣に交付税率の引き上げなりあるいは税制の改正なりというものを基本的に考えるべき時期が来た、こういうことになろうかと思うのでございます。さしあたり五十年度についてはそういう要素はございませんので、交付税率の引き上げということについては考えておらない。五十一年度以降どういう経済状況になりますか、あるいは国の税収入がどういう形になりますか、それらとの関連において、必要な時期が参りますれば交付税の引き上げということは当然検討さるべき問題であろうかと思います。
 ただその場合に、基本的に一年間の歳入、歳出のバランスがとれる、とれないということでなくて、交付税法には、引き続きそういう状況が続くときにはということも書いてあるわけでございます。それらの問題を考えた場合には、いま、大臣の方から地方制度調査会に、事務配分、それに伴いまする財源配分等についても御答申をいただくようにお願いをしておるところでございます。それらを十分拝見をいたしまして事務の再配分、そういったものを基盤に置きながら、もう一度地方交付税制度について考え直すということは決してむだなことではないんではなかろうかというふうにわれわれとしては考えております。
#21
○上林繁次郎君 いまのお話ですと、一つの財政の枠の中でやっていけば問題ない。しかし、それをはみ出る――たとえばいまお話があった人件費の問題ですね、はみ出る、こういったお話がありました。それで、いわゆる地方財政の一つの枠、これは決められている。その枠をはみ出すのは人件費だけじゃないだろうと思いますよ。そのほかのものだって、いわゆる地域の実態に沿って、国からすれば実態とは見ないで計算の上からどうだ、こうだと、こう論じているんじゃないかと私は思う。そこで、実際地域の実情からすればこれはどうしてもやらざるを得ない。それがいわゆる財政の枠からはみ出す、こういうものもあるわけですよ。ですから、やはりその辺のところは人件費という物の考え方だけでなくて、そのほかにも地域の実情に応じてどうしてもやむを得ないものが出てくる。そういうものに対してはどうするかという考え方もやはり当然持っていかなければならない、真剣に検討をしていかなければならない、こういう問題だろうと思うのですよ。これは指摘をしておきます。
 そこで、本会議でもちょっと申し上げましたけれども、そういったいわゆる国税三税の三二%が地方自治体に交付される。それで当然足りない。何とかそれをカバーしてきたものは、これはどう考えてもいわゆるわが国の経済の高度成長、こういう中で年々自然増収というものが増大してきた。この自然増収というものが地方自治体の苦しい財政をどれだけかは補ってきた。こういうことが言えると思うんです。ところがこういう不況の中で考えられることは、恐らく今後のいわゆる自然増収というものは余り見込めない、相当落ち込むんではないか、こういうことが言われているわけです。事実そのとおりだと思います。その辺も、いままでのたとえば四十八年、四十九年、五十年、こういったいわゆる自然増収の見通し、これをどういうふうに自治省はつけておられるのか、この点ちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#22
○政府委員(松浦功君) 非常にむずかしい御質問だと思いますが、四十六、四十七、四十八、そういった高度成長の時代には税収入の大幅な自然増もあった、と同時に、国税三税の自然増があれば当然交付税も増額があると、こういう形になってまいったわけであります。本年度につきましても、地方税の自然増収あるいは地方交付税の増収というものがどれだけ出てくるかということで非常に危惧の念を抱いたのでございますが、御承知のように法人系統の税は非常に冷えて落ち込みが厳しい状況にはなりましたけれども、逆に、ベースアップから出てきます所得税の増、これが住民税なりあるいは交付税なりにはね返ってくるという形で、四十九年度の一般財源の伸びとそれから五十年度の一般財源の伸びとにはそう開きが出てきておりません。税収入の伸びは若干落ちましたけれども、交付税の伸びが逆にふえると、こういう形になっております。したがって、地方財政全般の問題としては、地方税と交付税の割合がこれでいいのかどうかという問題はあろうかと思いますけれども、どちらかが悪くなるとどちらかがよくなるというような形で補完をし合ってきているというような形になっているような気がいたします。日本の経済も、これ以上冷え込んでは国自体が非常におかしくなると思いますので、私どもはこれ以上悪化することはないと思いますので、あるいは非常に安易な見方だとおっしゃられておしかりを受けるかもしれませんけれども、今後の地方税の増収あるいは交付税の増収ということについては、先行き大きな不安を持たなければならないというほどの事態ではないんではなかろうかというふうに一般的にわれわれは見ております。
#23
○上林繁次郎君 いまのお話ですと、昨年――昨年ということは昭和四十九年、昭和四十九年度のいわゆる自然増収、これと五十年度の自然増収分、こういったものはそう変わりはないんではないか、したがって、地方に交付する交付税は、まず前年度と変わりはないんではないか、こういうふうにお答えになったわけですね。私はやっぱりそれは、確かに計算の上から言えばそういったことが成り立つのかもしれない。絶対にそういうわけにはいかぬと、こう断定するわけにはいかぬと思いますよ。だけれども、物価というものは相当な勢いで上がってきたわけですね。こういった問題を考えたときに、前年度、四十九年度と五十年度の自然増収の率が――率というか、額が変わらないとしても、いわゆる物価諸情勢、そういったものを踏まえた場合に、これは同じだからいいというわけにはいかぬだろうと思うんですね。その辺やっぱり十分頭に置いて、やはり自然増収が落ち込めば――そういう意味での落ち込みですよ、いま言っていることは。そういう意味での落ち込みがあった場合に、当然やはり前年度の地方財政の苦しさ、それから五十年度の苦しさというものは大きく変わってくるであろうということが予想できるわけですね。そういったものをやっぱり十分踏まえた上で、もしそういった結果が出た場合、なるほど自然増収の状態は変わりはないけれども、物価諸情勢をにらんで、やはり同じでは地方財政が苦しむであろう、その苦しんだ分は何とかしなきゃならぬという対策を考えてあげなければならないのじゃないか、こう私は思うのですね。その辺を、もしそういうようなことが起きてきた場合にはじゃどうするのだというような、いわゆる腹案というか、これがあるならば、私は、その点を聞かしていただきたい、こう思います。
#24
○政府委員(松浦功君) 物価の高騰あるいは経済状況の変化ということは、これは地方財政だけではなくて、国庫財政も同じ影響を受けておるわけでございますので、私どもといたしましては、地方団体にだけどうこうということはこれはできないわけでございます。仮に地方団体がそういう影響を受けるからということで国から金をくれということになれば、国の方が金が足りなくなります。そうなれば、国としてもまたどこかに財源を見つけなければならないということになるわけで、これは全体的に非常に大きな影響が生じてくる問題でございます。経済の影響あるいは物価の影響というものは、地方財政といえども、国庫財政といえども、あるいは個人の経済といえども、平等に受けるという形については、これをどうこうという形で地方財政にだけめんどうを見るということは、私どもとしては非常に問題であろうと思って、そういうことについては現在の段階考えておりません。
#25
○上林繁次郎君 これ以上のお話をしても全くすれ違いになってしまうだろう。まあいずれにいたしましても、いまおっしゃったこと、そのとおりだと思いますよ。地方だけの問題ではない、国も同じである、そのとおりだと思います。だからといって、やはり現実は、実態はどうかといえば、それは国も地方公共団体も同じ立場で苦しい立場に追い込まれなければならない。それをどうするかという、それは同じなんだから地方だけは見られないのだよという、それだけでは能がなさ過ぎる。やはりそういうすべてを踏まえた上でどうするかという姿勢が、考え方が、私は国にとっては大事ではないか、こういう意味で申し上げておる。ですから、その点をひとつはっきり認識をしていただいてやっていただきたい、こう思うわけです。
#26
○政府委員(松浦功君) お説のとおり、国も地方もそれぞれ、こういう経済の激変の波をかぶっていろいろ問題があることは御指摘のとおりだろうと思います。そこで地方財政については、先ほど来大臣からお話がございましたように、計画でバランスをとりましても、それを超えておる非常に大きな人件費部分があるわけでございます。これは赤字要因または住民サービスの低下ということに必ず姿があらわれてくるわけでございますので、これについて合理的なメスを入れていただきたい。もちろん地方だけに責任を問うわけじゃございません。大臣からも御指摘ございましたように、超過負担については全力を挙げてこれの解消に努める。さらにいろいろと御議論がございます、いまの事務配分と財源配分が適正であるかどうかということについても、前向きに検討いたしまして、結論が出ればそのとおりに直すということによって地方財政の将来というものを見守っていかなければならないのじゃないかというのがわれわれの考え方でございます。
#27
○上林繁次郎君 結構です。
#28
○神谷信之助君 先ほどから話が出ていますが、実は改めてお聞きをしたいと思います。
 大臣、今日の地方財政の困難な状態の最大の原因は、端的に言えば、人件費と福祉の先取り行政、これが財政圧迫要因の最大のものだというようにお聞きをしておるのですが、それでよろしいですか。
#29
○国務大臣(福田一君) これは上村さんにも先ほどお答えをいたしておるのでございますが、私は、決して人件費だけと考えるべきではない、やっぱり超過負担の問題もあると思います。ということは、まだ運営費等についてはなかなか四十九年度においても余り処置ができなかった。五十年、五十一年にするということになっておりますし、それはどちらにウエートが大きいかということであれば、私は明らかに人件費であるということは申し上げますが、それだけでいいんだということは申し上げることはできないと思っております。
#30
○神谷信之助君 そういう人件費がどんどんと増大をしてきた原因について、どのようにお考えですか。
#31
○国務大臣(福田一君) 増大をしてきた要因には、私はまあ二つ三つあると思いますが、まず第一には、国家公務員との比較において、地方公務員の方がまあまあ高くなっておる。どうしてそうなるかということになれば、非常に好況の時代におきまして、余り地方公共団体なんかに就職することをみんな好みません。そういうことが一つはまあ初任給の値上がりということにはね返ってきておる。これも私たちはよくわからないわけではないわけです。しかし、それだけではなくて、三カ月とか六カ月とかなんとかいうようなところでどんどんどんどん昇給をさしていくというような昇短のやり方があるとか、それから、渡りといって、係長や課長になっていなくてもそれと同じような俸給を認めるようにするとか、まあいろいろのこともあるということもこれは認めないわけにはいかないと思うわけです。
 それから、一つには定員の増という問題もありますが、私は定員の増は、教育とか、警察とか、消防とかいうようなものがかなり相当のウエートを占めておりますから、それほど大きいウエートではないと思いますけれども、それにしても、教員の場合でも、地方の場合は相当中央に比して高くなっているというような面もありますし、いろいろの原因がやはり重なってきておるわけであります。
 しかし、一番それじゃその中のうちでどういうことかと言えば、やはり国家公務員と比較した場合に地方公務員の給与は高いということが一番大きな原因ではないだろうかと、こういうふうに私たちとしては認識をしておりますし、それはなぜそうなんだと、どうしてわかるかということになれば、御案内のようなラスパイレス方式というので、年齢あるいは学歴とか、あるいは経験年数とかいうようなものをあれして、そうして調べてみるというとそういう数字が出てくる。これはもうすでに御案内のように、国家公務員の給与をベースを上げる場合に、民間団体と比較してやるということになっておりますが、その民間団体との比較はラスパイレス方式によってやっておるわけでございまして、このラスパイレス方式というのは全然間違っておるんだということにはわれわれとしては認識できない。それはそういうことであるというと、国家公務員のベースアップというのは根底から崩れてしまうことになるのであります。私たちとしては、そういう意味で調べてみますというと、どうしても地方公務員の俸給は国家公務員に比して相当高い。
 それに、俸給というのは、御案内のように、生活という問題と、それから国家公務員に準じてということと、そしてもう一つは、やっぱりその地域の民間ベースというものと、この三つを考えて定めなければならない。そして条例で決めるということはこれは法律で決まっておるわけでありますから、実際を言いますと、山村等におきましては、これはもう国家公務員より俸給が少ないところもあるんですから、そういうような僻地以外のところを考えてみると、一〇%というのをそれを除いて考えれば、これはもっと上回るかもしれません。現実に三五%、四五%というようなところも出ておるというようなことになるわけでありまして、それがもう少し上になるかもしれないんです、実際は。そういうものを切り捨てて考えると、そういう数字も出てくるわけであります。
 いずれにしても、準じてということでございますから、私は、国家公務員が一〇〇だという場合に、きちっと一〇〇にせいというようなことは言えないと思いますけれども、やっぱり一〇〇――まあまあ準ずるというのは五%ぐらいまではアローアンスがあっていいと思いますので、それ以上は、やはりそれに近づけるというようにしていただかなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。
#32
○神谷信之助君 私は、国家公務員に比べて地方公務員の賃金が、あるいは給与水準が高くなってきた原因についての御理解が、いまの大臣のような状況では私は大変遺憾だと思うんです。何といっても、やっぱり自治省なり、自治大臣が、地方団体、自治体の問題についてもっと実際の姿を、実情をよく把握して認識をしてもらわないと、この問題はなかなか解決できないんじゃないかというように思います。
 大臣も御承知のように、自民党の方も、新聞報道によりますと、地方財政危機の主な原因が地方公務員の高過ぎる給与水準と定員増にあるということで、これを来るべき地方選挙の争点として、とりわけ、革新自治体攻撃のてこにするというような方向決定をされたというように聞いています。それからさらに、新聞や雑誌その他のマスコミで報道されるキャンペーンの内容は、大臣は単に人件費の増大だけが原因ではないということを強調されているんですけれども、集中的に人件費問題がいま大議論になっている、そういう状況になってきている。ですから、こういう状況を私は大変重大だというように思うんです。本当に今日の地方財政のこの困難な状態がどこに原因があるのかということを国民的に認識を統一をしていく、そういう方向を進めるのじゃなしに、逆に、あるいはまた言いかえると、今日の地方財政の危機をもたらしてきている政府・自民党の責任をたな上げしてしまって、そうして自治体が気ままに人件費をどんどん上げてきているところに原因があるかのようにしてしまう。さらに、自治体労働者と地域住民との間に対立を起こさせる。そうして財政難によるそういう犠牲を、自治体労働者だけじゃなしに、そのことによって同時にまた住民サービスの切り捨て、切り下げ、こういうことで住民にも犠牲を転嫁をさせる。さらには、革新自治体というのは金がかかるということで、そういう宣伝をして露骨に革新自治体攻撃をやるという、許すことのできぬ謀略的な世論操作を含めた攻撃が私はやられてきているというように思います。そうしてこういう問題を通じて、私はきわめて危険なものとして危惧をしているのは、いわゆる指導とか助言とかいうことを口実にして、自治体に対する指導監督、これを強化する。そして自治権に対する介入、ひいては憲法違反の自治権の侵害を意図するものではないかという疑いすら持たざるを得ないと思うんです。
 したがって、きょうはそういう意味から、人件費問題を中心に、そしてさらに、これは解決をするというように決意を述べられておる超過負担問題ですね、この辺を中心にしてひとつ質問をしたいと思うのです。
 まず最初に、五十年度の地方財政計画ですが、あれで計画の規模が二十一兆五千五百八十八億円、それは前年比で二四・一%の増だけれども、給与関係費は前年に比べて四四・八%伸びている、したがって、歳出に占める給与関係費の割合というのは三四・七%、十年ぶりに投資的経費いわゆる三二・八%を上回るという状況になって、財政硬直化のきわめて深刻な状況があらわれているというのが、地方財政計画を発表するに当たっての自治省の説明のように聞いておりますが、それでいいですか。
#33
○国務大臣(福田一君) 前段の問題について私から一言だけ、前提として申されたことについて。
 私は自由民主党がどういう宣伝をしておるか、私、まだそういうことについて自由民主党と打ち合わせをしたこともなければ、そういうことは全然考えておりません。自由民主党の党員であることはこれは肯定いたしますけれども、私はやはり国務大臣という立場で私が仕事をしておる以上は、自由民主党の悪いことがあれば悪いと言わなければなりません。また共産党のお方であろうとも、いいことがあればいいと言わなければ私の務めは勤まらないと思っている。私はそういう立場で政治に当たりたいと、こういう気持ちでいつも考えておるのでありまして、間違っておればいつでも謝る。そのかわり、自分が正しいと思えば、まあ百万人といえどもわれ行かんという言葉もありますが、断じておりないと、こういう気持ちで政治をやりたいというのが私の考え方なんです。これはまあ勝手なことを言うて恐縮でありますが、私はそういう気持ちでやっておるので、ちっとも、自由民主党がやっておることにまで私に責任をあれして御質問いただいても、これはお答えをすることはできません。
 それから今度は、もう一つ、まあいままでのやり方等々を通じて、何か自治省が指導をして新聞やテレビを指導したかのような御質問がありますけれども、私はそういう意味でやったことはございません。私はいつも申し上げておるので、私が自治大臣になった初めてのときに新聞記者会見をやって、そして、人件費の問題とそして超過負担の両方を解消しなければならない、しかし、ウエートは人件費の方が多いでありましょうということを言っておるので、何もここにいられる自治省の高級官僚の人から指導を受けたわけでも何でもないのです。私は私の信念としてそう思っておるので、何も幾らここにいられる人が私に言うても、ちょっと私もがんこなところがありますから、なかなか言うことを聞きやしないのです、そんなことを言うても。それを新聞が書く、指導して書いているんだと言うけれども、それは新聞社はやっぱりニュースをとるのが当然ですから、それは自治省へも来るだろうし、私のところへも来るし、方々行くでしょう。だけれども、そういう一つの、やっぱり人件費が高いということを、住民が、いわゆる国民がそういうことに対して非常に関心を持ったということから、関心を持ったことについてはやっぱりニュースを報道せにゃいけませんからね。私も二十年新聞記者やっておったのですから、それは一つの流れというものは、一人や二人、私がもう絶対にそんなことはないんだと、超過負担だけの問題なんだから、人件費の問題はもう新聞記者書かない方がいいよと、こう幾ら言ったって、そんなことを承知するようなものでもない。それじゃまた新聞の使命というものも勤まらないと思うのです。それぞれ、やはり私は新聞というものもテレビというものも自主性を持ってやっていられるのだと。私も二十年間、新聞記者しておりましたからしてそれはよくわかる。幾ら役人が何とかかんとか言ったってそんなことを聞くような新聞ではないですよ。また、そんなことを聞くような新聞記者なら、これはもうおやめになっていただきたいと思う。こんなことを言うと、ここにたくさんおいでになるから申しわけないんですけれども、私は二十年問そういうつもりで新聞記者をやってきたつもりです。まあ軍に使われたこともいささかありますけれどもね。しかし、そんな、いまの新聞社はそんなものじゃありませんよ。何もわれわれが指導したからそんなものに乗るなんて、そんな新聞界ではないし、テレビでもないと私は確信をしております。だから、前段の問題について、自民党とか新聞のことについてお触れをいただくのは、またそれを私が指導し、あるいは自治省が指導したように言われることはひとつごかんべんを願いたいと思います。
 後段の問題については、これは財政局長その他からお答えをさせていただきます。
#34
○政府委員(松浦功君) おっしゃられましたような趣旨の説明をいたしました。
#35
○神谷信之助君 前段に言ったのは私の見解ですからね。自治省が指導したとか、新聞記者の皆さんにそういう指導をやっているとか、そんなことは言っていないんですよ。私は政治的にそう判断せざるを得ない。したがって、そういう問題として今日の自治体の人件費問題というのを、われわれは地方財政が今日の状態に陥った根本の原因にやっぱり率直にお互いに立ち戻って、そしてやらないと、今日の地方財政、地方自治は重大な危機に発展をする、そういう重大な問題です。特に自民党はいまその点で、大臣は別ですけれども、自民党はそう言っていますから、これは間違いないです。
 そこで、地方財政計画の問題ですが、五十年度は、人員の規模補正なり、それから例の補助職員等の組みかえ措置をやられていますね。ですから、四十九年度の対前年比を、四十九年と五十年をそのまま単純に比較をしただけでは、これは何ぼ伸びたから大きくなったということには言い切れない内容になると思うのですが、この辺を考慮したら、どういう、たとえば給与関係費の増は何%になる、あるいは歳出の中での給与関係費は、四十九年度と同じ仕組みで計算をしたらどの程度になるという点はどうでしょうか。
#36
○政府委員(松浦功君) ちょっと計算をいたしておりませんので、いま計算をいたしてみます。それをひとつ後で。
#37
○神谷信之助君 自治省で出されている資料その他で聞いた話では、大体こうなっているんですね。五十年度の発表されておりますものからいくと、給与関係費は四八・八%だけれども、それは四十九年度並みに戻してみれば幾らかというと、大体四〇.二%前後なんですね。それから、歳出に占める給与関係費はどうかということで調べてみますと、これも三四・七%が実際は三三%前後――五%までいくか、これはとり方がちょっとありますから、細かく私もわかりませんが、こういうことですね。ですから、これはそういう仕組みが一般の人にはわからないで、そして去年に比べたら給与関係費は四八・八%、五〇%近く上がったんだという言葉がこれは先行するわけです。したがって、この点では、何といいますか、きわめて意図的に、人件費が増大をしていることを、しかも、四十九年と五十年と比べてみてもそれだけ大きくなるのだということを意図的に浮き彫りにする、そういうからくりまでしているんじゃないか、そういう疑いさえわれわれ持たざるを得ないという発表の仕方なんですね。ですから、そういう違いというのは、この問題に相当タッチしている者なら、しさいに見たり、それから発表のときにも書いている部分あるんですよ、規模是正の問題についてね。ですから、それらをちゃんと引いて計算をしてやればそういうことがわかりますけれども、ああいう発表の仕方では、私はどうも素直に、人件費増が重大な原因になっているということを強調されればされるほど、そうは受け取れないという問題がある。
 それからもう一つは、あの地方財政計画に出ている人件費、給与関係経費あるいは自治体の予算とか決算における人件費というのが、実際に自治体で働いている人員なり給与の状態を、実態のすべてを正しく反映しているものかどうかという点はどのようにお考えですか。
#38
○政府委員(松浦功君) ちょっといま何か、いかにもためにするような数字のつくり方じゃないかというような御発言がございましたけれども、規模是正の問題は、国会議員の与野党を問わず皆様方から早く直せということを言われておる問題を直したまでのこと。それから振りかえの問題は、決算と御承知のように計画とがいつも乖離をする原因が、補助職員が一般行政費に入っておることが大きな原因であるということを常々先生方から御指摘を受けていたものを、私ども思い切って振りかえたのでございます。その結果については、こういう振りかえが入っていますということをよく発表のときにも御説明を申し上げた上で私どもは発表しているつもりでございます。あえて一言だけ弁明をさしておいていただきたいと思います。
 人件費の地方財政計画の組み方でございますが、単価につきましては全く国家公務員の給与水準、これに置き直した形で単価を算定をいたしております。人数につきましては、五年に一度給与実態調査というものとあわせて規模是正を行うということで、今回はちょうど四十八年度の給与実態調査がございましたので、去年とことしであわせて十六万二千人。十六万二千人の規模是正を行った、こういうことでございます。
 したがって、単価においても、それから一部定員においても人数においても、財政計画と実態とには当然乖離がある。その乖離が、先ほど申し上げているような一兆数千億に推定される給与の差になって出てくるとわれわれは理解をいたしております。
#39
○神谷信之助君 あれですよ、規模是正を行ったり、補助職員の組みかえをやったというのが悪いというのじゃないですよ。そのことをやって四八・八%上がりましたよと言ってもわからないじゃないですか。実際は四十九年度と五十年度とが比較する対象が違ったわけですからね、給与関係費という中身が。そこへ入り込んでおるものが、四十九年度は七つ分しか入っておらぬのが今度は五十年度は十入っているんですから、七つと十と比較して単純にやったって、これは四八・八%上がったということにはならぬわけです。それを同じ仕分けにすればさっき言った四〇%前後の増になる。そこのところをはっきりさせないというところに私は問題があると思う。それを組みかえを変えたということを問題にしているわけじゃないです。
 それはそれとして、まず事実今度の補助職員の人件費を給与関係経費の中に組み入れる、これもまだ全部済んでいないわけですね、この間御説明になったように。いろいろ自治体によって、実際の事業の形態の違いで、人件費に組み込まれたりあるいは事業費に組み込まれたりあるいは一般行政経費の中に組み込まれている人件費というのは相当残っているわけですね。ですからそういう意味もありますし、それからたとえば清掃事業を直営から民間委託に変えれば、これはもう人件費は委託費となってしまって一般行政費の方に計上されるというような問題もあります。ですから、そうやれば今度は、人件費というやつは減るという形に、委託をしてしまえばなってくるというようになりますから、構成比だけを見ておっても、それが十分な人数なりそれから給与の実態をそのまま反映をするということにならないということになる。そういう一面を持っておるというのも、この点は間違いないわけですね。
 さらに自治体の場合は、これは先ほど大臣もお認めのように、学校の先生方とか福祉施設の職員とか、保母さんとかあるいは清掃の職員なんかのように、自治体の職員が存在をして初めて住民サービスがやれるという種類の仕事が非常に多い。こういう自治体の特殊な側面があるということが言えると思います。しかもこれを見ますと、そういう教育あるいは福祉あるいは環境保全、こういう事業を強化をすればするほど、それだけ人がよけい要るという。ですから、そういう事業の拡充強化というのが比較的ストレートに人件費に影響する。しかし、御承知のように一般の土木事業なんかですと、人件費の占める率は大体五%程度ですね。ですから、どんどんと高度成長のもとで事業費が、補助事業も含めてふえていくという状況の中で、事業費が伸びる率に比しては人件費はそうふえないけれども、今度は総需要抑制ということで公共事業を抑えられると、事業費はうんと減るけれども、人件費にはそう大した影響は起こらない。
 ですから、こういった点を考えてみますと、たとえば公共事業をうんと抑制をして事業費が減ってくると、減ってきた割りには人件費は下がらない、こういうことになりますね。それから、教育や福祉事業をふやせば、事業費の増に比べたらうんと今度は人件費がふえる。こういう状況があるわけです。だから、こういった問題を含めて今日の人件費問題を自治省はお考えになっているのか、あるいは自治大臣は御検討になっているのですか。この点をお聞きしたい。
#40
○国務大臣(福田一君) いまの御指摘でございますが何も比率の問題、人件費とあれとの比率の問題をそう大きく取り上げてものを言うべきではないんじゃないかというあなたのお考えには私は何も特別反対はしません。しかし、一つの要因にはなります。たとえばいまあなたのお話しのあったうちで、清掃関係とかあるいは交通事業なんかに従事している人とか、それは特殊な人もあるからであるけれども、そういう人が年齢がずいぶん上までやっている、八十幾つになってもまだ勤めているなんというようなことは社会的な通念から言うとおかしいじゃないかというような問題もあるので、定員の問題を言うときには、そういうようないわゆる高年齢の人の――定員法をどうするとか、こうするとかということとは別ですよ、まあ六十以上の人がどれくらいおるとか、おらないとか、そういうことを何とか処理をできないか。またおっても、その人が七十になっても八十になってもどんどん昇給していくような姿がいいのだろうかというような問題が一つの問題点として浮かび上がってくることも、これはお考えを願わねばいかぬと思うのですが、われわれが一番問題にしているのは、同じような立場におる人の俸給というものが差があるということは、これは社会的公正という意味から言ってわれわれとしては認めるわけにはいきません。その点をひとつ直してもらわねばいけない。それが直った上でなおかつ地方財政というものは相当な赤字があるということになり、また財源が得られないということになれば、これはわれわれとしては国と一諸になってやはり問題を解決する義務がある。そういう意味では私たちはちゃんと考えておるのでありまして、いまあなたがおっしゃった、比率の問題が記事の上で出たとか、私たちがしゃべる上で出たからと言って、それを一番の大きな原因にして人件費の問題を私は論じておるのではないのです。いま言った、ラスパイレス方式によって比較した場合にそれは非常に差があることは困るのだと、こういうことを言っておるのですから、ひとつそれは誤解のないようにお願いしたい。
#41
○政府委員(松浦功君) ただいま大臣からもお答え申し上げましたように、地方財政計画において人件費が何%であるかということは、私どもは余り気にしておりません。先生がおっしゃられたように、また景気がよくなって公共事業費がべらぼうにふえるというようなことになれば人件費比率は落ちてくる。ただ、いまのような状況でございますと、人件費の割合が高ければ財政に一般的に弾力がないと、そういうことは一つの傾向として言えるかもしれないという程度のことであります。問題は、財政計画でかみ合っておらない部分が、財政計画の外に大きな人件費があって、それに見合う財源がないというところに問題がある。それを大臣が御指摘になっておる。私どももそう理解をしておる。その問題をどうするかということを真剣に検討しなければならぬということを申し上げておるのです。
#42
○神谷信之助君 国家公務員と地方公務員で同じような仕事をしている者が賃金の差がある、不公正だという問題、これはまた後で触れていきますが、いま言っているのは、この人件費問題について、高いという問題について幾つかの議論がされて出ていますから、その意見の一つに、いわゆる構成比というものが一つの問題になっています。ですから、いまこの構成比の問題というのが、それだけで人件費が大変なことだという問題、それだけでまた財政の実態をつかむことができない、これはその点は大体お認めいただいたと。私は、そういう意味でこの地方自治体の財政の赤字というのを、単に数字の上の赤字がどうか、赤字になっているのかなっていないのかということだけで見るというのは、これはやっぱり問題があるというふうに思うんですね。この間も自治省の方に、自治省の側から見て模範的な財政運営をやっている県というのはどこだと聞いたら、そうするとそれは岐阜県と香川県だというわけですね。それはどうしてそうなっているんだい、いや大体ほとんどが事業をしていませんよと。だから、ある意味で言ったらそういうことも起こりますね。だから、国が指定をした事業以外にはしない。それこそ財政の見通しを持たないで、老人医療の無料化なんかはやらないというようなことになるんでしょう。しかし、問題はそれで果たして自治体の仕事というのを済ましておいていいのかどうかということが問題だと思うんですね。住民の利益を守るためにどれだけの仕事を実際にやっているのか、そういういろんな要求に十分にこたえ切れなくても、こたえる努力をどのようにしているのかということとあわせて財政の実態というものを見ないと、単に数字の上で赤字がどうのこうのという論議ではこれは進まないだろうというふうに思うんです。この点をひとつ意見として申し上げておきたいというように思います。
 その次は、なるほど人件費の比率が高くなれば、特に財源の伸びがない場合にはそれが弾力性を失うことになってくる、こういうことは私もそう思うんです。問題は、それじゃ財源の問題になるでしょう。そこで、今日まで私は特にこの人件費の問題で、本当に政府は十分に当然な人件費は保障してきたということを言い切れるのかどうか。人件費問題について、その財政措置について、政府に今日まで何らの責任はないということができるのかどうか、この点をまずお聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(松浦功君) 技術的な問題があって、人数の算入について給与実態調査というような権威のあるものでなければ是正できないということで、若干のおくれの出る面はございます。それ以外には、単価は国家公務員の給与水準で見ております。政府には何ら責任はないと私どもは確信を持っております。
#44
○神谷信之助君 そうすると、人員の点では、これもいままで今日までの国会でも論議されておりますように、五年ごとに政府規模で今度は一挙にやらなければならぬ。年次に少しずつは是正をしておられますけれども、自治省の資料によりましても相当毎年ずれが出ていますね。自治省自身がお認めになっている人数においても、その分の財政措置というのはそれだけ累増しているということ、これは事実の問題、これはお認めになると思うんです。
 しかし、同時に私は、知事会なんかが問題にし、また地方制度調査会の方からも何遍も答申をしている例の機関委任事務について、これの整理その他がおくれている。それに必要な人員なり財政措置がやられていない問題、あるいは補助金行政、この中でそのために要らぬいろんな経費を必要としていると、こういう問題もあると思うんです。これは東京の四十八年度の決算の中で、歳出の中で、機関委任事務の経費について調査をしてもらったのですが、機関委任事務経費が決算では四百九十一億六千万円、それに対して国庫負担基本額は二百七十四億七千六百万円、差し引き二百十六億八千四百万円、東京都がこれだけの超過負担があると。もちろん、東京都の給与費とそれから自治省のおっしゃっている国公並みの賃金というのとでは大分差がありますから、そういう差をも含まれていると思いますが、それにしても相当大きい問題を含んでいる。
 あるいは補助申請のいろんな不合理な事務、繁雑な事務、これは知事会の調査によると、こういうことを言っています。国道改良事業でですね、一億円の工事について、予算要求のヒヤリングから施工、工事が終わって精算までで、延べ七回上京して五百二十七人の延べ人数の職員が従事をしなければならない。あるいは県営圃場整備事業で全工事三十六億円の事業ですね、これも同じように八回の出張で延べ千四百六十四人。こういう資料もたくさんまだ出てますが、一、二拾ってみると、そういうのがあります。
 こういった問題について、政府の方が特に事務の再配分とその財源措置、こういったことは地方制度調査会でも何遍も、第九次答申以来やかましく出てきてますが、いまだに解決をされない。そういう許認可事務や補助申請にわたる事務の改善、こういった問題の合理化が今日まで進められない。こういう問題について、そのために多くの人員を必要するという問題が、これはいろんなデータを出して、知事会なんかも自治省に説明をしていると思うんですが、こういった点についてはどうお考えですか。
#45
○政府委員(松浦功君) どうも先生の御質問の御趣旨がよくわからないので、少し、機関委任事務と地方財政法に基づく全額負担金あるいは補助金の問題とこんがらがっちゃっておるんじゃないかという気がするのでございますが、機関委任事務の中には、たとえば戸籍のように、全然国が一銭も金を出さないというものも入っております。恐らくただいま御指摘をいただいたものは、国が補助を出しているものの足りない部分を指しておられるんじゃないか。そうでございますと、それは超過負担の問題であるわけでございまして、われわれはそういう角度から、今回も委託費について、超過勤務手当を除くすべての手当について補助対象にしてもらうというような努力を大蔵省とかけ合ってしておるわけでございます。先生がおっしゃられたように、東京都の超過負担というのは現実に給与が高いということからくるものもございましょうから、国家公務員並みに計算をして、そして納得のできるところまでは、大臣も申し上げているように、今後われわれとしては最大の努力をするということを申し上げているわけでございます。
 ただ、問題を、この問題と給与の問題とを結びつけるのは非常に私はおかしいと思うのでございます。と申しますのは、超過負担が解消されれば、それだけ地方団体に財源的な余裕ができて、住民サービスに金が回せるということも事実でございます。だから、われわれはそういう方向で努力をするということを申し上げておりますが、超過負担が解消される前に人件費を合理化していただければ、それだけはまたそれも同様に住民サービスに回ることになるわけでございます。だから、これは両々相まってということでなければいけないのであって、超過負担が解消されないから非常に人件費を地方団体がかぶっておるという議論には、私は相ならないと思うのでございます。しかも、四十八年度の給与実態調査に基づいて、現実におります職員はほとんど財政計画の中に織り込んで、税と交付税でバランスが合うようにしてあるわけでございますから、国がいろいろ仕事を頼んだことによってふえた人間まで、その中に、財政計画の中に織り込んでおるのでございます。その点を御理解いただけると、いまの議論については、私はどうもせっかくの先生の御指摘でございますが、御賛成いたしかねる、こういうことにならざるを得ないと思っております。
#46
○政府委員(林忠雄君) 機関委任事務、団体委任事務その他を含めまして、事務の合理的な整理ということは、確かに何度も地方制度調査会あるいは臨時行政調査会その他のりっぱな答申が出ているにかかわらず、この進捗ぐあいがはなはだ遅いという御指摘は、私たちもまさに同感の面が非常に強いわけでございます。これは当然まあ政府の行政機構もございますし、国の行政体制にもいろいろ原因があるかとも思いますが、これは地方団体ともども、われわれもこの合理的な推進に努力をしていかなければならない。また、そのために、今回、地方財政、国家財政の硬直化を打開する一つの手段としても、地方制度調査会あるいは財政審議会、そういったところでこれの検討をさらに続けておる次第でございますから、これらの結論をできるだけ早くいただき、さらに従来にも増してその方面に努力したいと考えております。
 ただ一つ、一番最初に先生がおっしゃいました、東京都の例をお引きになりまして、機関委任事務に対する配慮が足りないということをおっしゃったんでございますけれども、これはしばしば各方面から、機関委任事務の整理、これが進まなければ機関委任事務は返上するというような議論で世上言われておる点がございます。しかし、私はこの考え方と申しますか、それの理解の上で一つ誤解があるんじゃないかということを常々考えておりますので、この機会をおかりして少しそのことについて御説明さしていただきたいと思うんでございますが、機関委任事務というのは、本来国の事務を、地方団体の首長を国の機関とみなしてやってもらうのが機関委任事務だと言われておりますので、それが即機関委任事務というものは国が直接利害関係を持つものであり、地方団体の住民には関係ないんだと、したがって、その経費は全部国が持つべきだと、そこへ結びつけられて議論されている場合が非常に多いんでございますけれども、これは実は大変な誤解でございまして、機関委任事務の中にも、国の統計調査とか、あるいは自衛隊の募集とかいう、国だけが利害関係を持っているものがございますが、これはもうほんの一、二の例外でございまして、機関委任事務の九割何分というところは、その事務そのものがその地域の住民の福祉の増進に非常に関係があるから、国の事務ではあっても、国の出先機関を使わないで地方団体の首長にお願いして自治の場の上で処理していただくと、こういうのが機関委任事務のもう大半といいますか、ほとんどでございます。したがって、それの経費に関しては、その受益の割合において国が半分持つとか、あるいは国が三割、地方団体が七割持つとか、それらがそれぞれ地方財政法で決められておりますので、機関委任事務は即国のみに利害関係があるという誤解が非常に世上に流れており、いまのような議論が展開されていることを私は常々心配しておりましたので、ちょっとこの場をかりて、先生の御質問のお答えという形で御説明をさしていただいた次第でございます。
#47
○神谷信之助君 その問題は、戸籍の問題やその他もありますがね。あるいは地域住民に直接密着をした仕事を国にかわってやるというものがあると。それをやるのにどれだけの人員が必要で、どれだけの金が要るのか。それを国と地方とが分担をして、国も出し地方も出す、こういう形になる。だからそれに必要な人員なり必要な経費というのが正しく見込まれていない。だから、おっしゃる意味で言うように、超過負担の一部です。そういうものがあるんですよね。だから、はっきりそれはもう自治体にその仕事はおろしてもらって、それに必要な財源はちゃんと財源として与えてもらう、そして自治体としては、それらを含めて、住民に必要な仕事をどこに重点を置き、どのように進めるかというのをやれるようにしてもらいたいと。これはなかなか国の機関委任事務というやつが残っておるものですから、そうは簡単にはいかぬし、しかし必要なだけの経費なり人員は見てもらえない、ここのところから、いま委任事務の返上の運動なり、超過負担解決への一つの戦術ですか、そういう動きも起こっておるんですよ。私は、ああいう戦術がどうのこうのという問題じゃなしに、問題は、国と地方との事務の再配分とそれに必要な財源をもう一遍きちっとやらないかぬ。これをやるということは、はっきりと地方制度調査会が初めできたときからもやかましく言われながら今日までなお放置をされてきているし、そのところが、いろんな国と地方との間で解釈の違いや、それは超過負担と言えるとか言えぬとかいういろんな問題を持って、本当に地方の行財政の実際のあるべき姿というのを見れなくしているところに問題がある。私は、だから、これは地方にも責任があるというよりも、国自身がそのことが、まあ前回も問題になっていましたように、いろんな各省のなわ張り争いといいますか、官僚的なセクト主義や、そういうこととも相まって解決されていないところに問題があるというように思うんですよ。
 その次は、先ほどからやかましくおっしゃっている給与水準の問題ですね、これについて話を進めていきたいと思いますが、盛んに国家公務員並みにひとつしてもらいたい――まあ大臣の方は五%ぐらいまでの幅はあってもいいというお話でしたが、ところが、いままでの自治省の指導というのは、国家公務員並みにせよというところで財政措置もすべてそれで計算をすると、国家公務員給与を基準にして。そういうことになっていますね。だから、その点では実態とは合わない。矛盾があるでしょう。その点はどういうようにお考えですか。
#48
○政府委員(松浦功君) 私ども、給与は国家公務員の水準に合わしてほしいということを二十年来繰り返して申し上げてきているところでございます。したがって、財政措置も、全く国家公務員の行政水準以上に財政措置をするという考えは持ち合わせておらないところでございます。
#49
○神谷信之助君 財政措置を国家公務員並みにしかしないということの根拠、法律的根拠はあるんですか。
#50
○政府委員(松浦功君) 全国を平均してならしてみて、人事院勧告というもので地方公務員の――これはあとで行政局長の方からお話があるかと思いますが、生計費あるいは民間給与、他の地方団体、それとのバランスがとれると。したがって、私どもは地方公務員法二十四条の解釈は、国家公務員に準じてほしいということを二十年来繰り返して申し上げてきております以上、それ以上のものは見れないということは当然だと思います。
#51
○神谷信之助君 しかし、地方公務員法の二十四条の三項は、地方公務員の給与水準が全国一律であることは何も期待をしていないわけでしょう。全国一律でなければならないというたてまえにはなっていないでしょう。それに、国家公務員の給与を基準にして、それでしか財政措置をしないというのはどういう根拠ですか。
#52
○政府委員(松浦功君) 先ほど来申し上げておりますように、自治省としては、二十四条の解釈というのは、国家公務員に準ずべきだという解釈をとっております。したがって、国家公務員以上に措置はしないということでございます。
#53
○政府委員(林忠雄君) 御指摘のように、国家公務員に準じろという明文の規定はないわけでございます。いま御指摘になりました二十四条の決まりは、四つのことを参酌して決めろと書いてございます。で、その四つのことを参酌して決める場合にどういうふうにしたらいいかという行政指導として私の方が二十年来言っているのが、国家公務員に準じたらいいということを言っておる。それは人事院というものがございまして、これが民間の生計費を計算し、全国のいわゆる民間の給与とのバランスの上で国家公務員に対する給与の是正の勧告をしております。そこで、人事院のその勧告が出るまでの間に、地方公務員法で言う要件はそこで全部含まれておる。したがって、地方団体としては国家公務員に準じて給与を決め、そのとおり運用すれば、それは公務員法の定める要件を満たしている、こういう考え方からでございます。
 それから先ほど大臣が申され、いま質問でお引きになりました五%というような御議論はございますけれども、それはあくまでも、どこまでも五%ぐらい高くてもかまわぬという意味ではございませんので、地方公務員の給与というのは、やはりいま言った地方公務員法の四つの条件を勘案いたしますと、たとえば山村僻地では国家公務員よりもやや低い給与がそこに妥当するところもございますし、あるいは都会地などでは、その辺の民間給与は国全体に引き比べてやや高いので、そのやや高いところにある程度合わせて配慮するということもあり得るかもしれない。しかし、それらの条件を合わせても、非常に高い、二十だ三十だという高いところを支給する合理性はないので、ある程度高いところは低い方に向かって努力をしてもらいたいという意味の目安としておっしゃったのだと思います。私の方の従来の指導方針、国家公務員に準じるという考え方は、さっき申しましたような考え方によってこれは妥当であるのではないかと、現在でも考えております。
#54
○神谷信之助君 だから、どうにもわからぬのですね、その辺が。なぜ国家公務員の給与水準で一本でなければならないのか。で、たとえば教員の場合ですね、教職員の賃金も人事院勧告に基づき、また実態は地方人事委員会の勧告なり報告でやっていますね。ところが、教員の財政措置については、実額と定数とで財政措置の基礎額を出すわけでしょう。教員の方は実額を基礎にしながら、地方公務員はなぜ国家公務員の給与ベースというやつを――これは実額とは関係ないわけですからね。そういう一定の自治省の水準を基礎にして出すことにしている。これはえらい矛盾があるんじゃないですか。
#55
○政府委員(林忠雄君) その前に、いまの私の御説明でちょっと舌足らずのところがございましたのですが、補足させていただきます。
 自治省が従来国家公務員に準じるのが一番妥当だと言って指導してまいりましたことは、繰り返し申しましたとおりでございます。しかし、これは何が何でも、どんな団体でも、山村僻地の団体でも、あるいは都会地の団体でも、すべて国家公務員どおりにしなきゃいけない、ラスパイレスで言えば一〇〇でなければいけないという意味ではございません。地方団体はそれぞれ、府県で言えば人事委員会もございますし、自分の団体の特殊性に応じて給与を決める自由がございます。自主性がございます。したがって、あるいはさっき申しましたように、山間僻地のような村では、国家公務員の水準には仮に届かなくても、その地域の民間給与、たとえば農協の月給あたりとの均衡をとるという必要性も配慮することが必要であろうと思います。そういうところまで何が何でも一〇〇でなければいけない、それからある程度の都会地でも何が何でも一〇〇でなければいけないと言っているわけではございませんので、そこは御了解いただきたいと思います。
 そこで、この給与をどうすべきかという指導方針と、それから財政措置というのはおのずからまた違う面があると存じます。財政措置の場合は、給与費として、たとえば地方財政計画に見合い、あるいは交付税の単価ということで国家公務員に見合う財政措置をいたしましたとしましても、その団体の実情に応じて、給与費がそれよりも幾らか低くて、そして住民のサービスに回る経費をよけい取る団体、あるいはその逆に、その地域の実情に応じてやや給与費をよけい払う団体、そういうことがあることまで、こちらの指導に違反しているからけしからぬと言っている意味ではございません。その間の自主性というものはそれぞれの団体にあるだろう。ただ、それが余りにもかけ離れ過ぎておって、いかに山村僻地といえども国家公務員の半分にも満たない給与になっておったり、いかに都会地であっても四割も五割も高い給与であると、これが妥当でない。そこで、そういうのは国家公務員に近づけるような努力をしていただきたいというのが私たちの技術的助言といいますか、指導といいますか、そういうものでございます。財政措置をどこまでするかということ、文部省が教員についてどれだけのものを財政措置をするかということとはおのずから別のことではないかと考えております。
#56
○政府委員(松浦功君) ただいま義務教育国庫負担金制度のお尋ねがございましたが、これは実員実額で二分の一を負担するという財政制度でございますから、それを素直に財政計画の中には受け入れております。したがって、若干高い部分は財政計画に人件費としてよけい入り込んだ形になっておりますけれども、交付税計算におきましては、どこの団体が給与が高いか低いかとは関係なしに、同じ単価で全部算入をするという形をとっておりますので、片一方、財政制度というふうにお考えをいただければそれで御理解をいただけるのではないかと思っております。
#57
○神谷信之助君 だから、財政制度、法律上そういうことになっているから、教員の場合は実額を基礎にしてやるが、地方公務員の場合はそういう財政制度として法的にも実額を基礎にするということが明確でないからしてないということですか。そういうことになりますね。
#58
○政府委員(松浦功君) あちらは、義務教育国庫負担金というのは、国と地方とでどう財源を持ち合うかという基本的な制度でございます。したがって、文部省でおつくりになられた制度というものを、こちらで実額に置き直して算入をするというすべがないわけでございます。したがって、義務教育国庫負担金の倍額だけを財政計画に計上するという措置をとらしていただいている、こう申し上げておるわけであります。
 そこで、それじゃ高いところと低いところには、高いところにはよけいの交付税を配るのかという御質問が出ては困りますので、高かろうと低かろうと、全部同じ単価で交付税の需要は算入をいたしております、ということをお答え申し上げたわけでございます。
#59
○神谷信之助君 じゃ、教員の場合は高く、交付税の場合は、高かろうと低かろうとどの基準にするんですか。それは人勧の基準でやっているわけですか。
#60
○政府委員(松浦功君) 国家公務員の基準で配りておるわけでございます。
#61
○神谷信之助君 これはどうもその辺が、給与の実態に基づいて、文部省の方は、そういうことで実額を基礎にして二分の一国庫負担の金額を出して補助をするわけですね。ところが、今度はそれが自治省に来たら、そうじゃなしに、今度は交付税の算定の場合は、国の基準に押し直して交付税を計算する。そうしたら、同じ二分の一の分を、はみ出た分はそれぞれの自治体が勝手にやっている、こうなるわけですね。だから、同じ政府機関で、自治省と文部省とで、国庫が負担する人件費の考え方がそういう矛盾をしておるということは、一つは重大な問題だというように思いますし、しかもそれが国の基準、国公基準でしなきゃならぬという法的な根拠もなしに、しかも地方公務員法の二十四条三項は、人事委員会やその他を置いて、各自治体が個々の賃金を決定をする、そういう制度を仕組んでいるんですから、一律のものはもちろん期待していない、違う水準ですね。だから、国家公務員の基準というのは準ずる一つの参考であるけれども、それぞれの地域の生活水準や、その他に見合うことになっておるのですね。
 ですから、たとえば労働省の四十八年の賃金構造の基本統計で見ましても、東京や神奈川、大阪と、それから青森、福島、鳥取、鹿児島というようなところと見ますと、大体三割ぐらいの賃金差がありますね。平均賃金は東京、神奈川、大阪ですと大体十万二千から十万六千円ぐらいの賃金ですし、それから青森から鹿児島というようなところは、七万二百円から七万一千円ぐらいのところですね。ですから、大体三割前後の地域差、民間賃金でも差が出てくるわけです。だから、地方公務員の場合にそういう差が現われてくるというのも当然だし、ということが一つ言えると思うのですね。
 それからもう一つ、私が地方公務員の給与水準が上がってきた原因について最初お尋ねをしたら、まあ大臣の方も、初任給を上げざるを得なかった――ああいう高度成長時期にですね、余り好んで来てもらえなかった時期があって、実際そうだったと思うのです。ですから、自治体の職員の中で、六十年代というのは、どんどん技術職員とか優秀な人はスカウトされて、民間へ引き抜きされるというような事態さえ起こっておりました。そういう中で、一方、御承知のように行政需要は非常に多面的になり高度化してきましたね。ですから、いままでのように、大臣おっしゃっているように、家から通勤をしているというような状況の、そういう村や町もまだ残っていますけれども、いわゆる給与水準が高いと言われているところは、そういうところじゃなしに、下宿をしたり、アパートで生活をして通う、そういう職員が圧倒的に多くなっているのです。持ち家を、自分の家を持たないそういう職員の比重が、国家公務員の水準と、東京なり大阪の地方公務員の実態調査をしてみますとうんと差が出ている。国家公務員の場合は官舎があったりしています。官舎なり公舎なり公務員住宅から通っている。これは東京、大阪、その他のああいう衛星都市その他を調べてみますと、自分の家から通勤をする、あるいはそういう公舎、公務員住宅、こういうところから通勤するというのは、比率を比べるとうんと少ない、半分以下です、こういう実態がいままでです。ですから、そういう要件の中で優秀な人材を得ようとしたら、どうしても初任給の基準を考え直さなきゃいかん。ところが、一方自治省の方は、そういう初任給基準は国公基準を守りなさいということになりますから、できるだけそれを手をつけないでやろうとすれば、盛んにこのごろ言われている短縮昇給をやらざるを得ないという状況が起こっているのですよ。まあ、採用はとりあえずして、国家公務員の初任給の水準で雇うけれども、あと一年ほどの間に短縮昇給して少しは色をつけるから来てもらいたい、こういう状況になっておりますね。
 あるいは、渡りの問題が盛んにこのごろ何か言われだした。これも一つは、私はいまの年功序列型賃金に職階給与体系を加味をした現在の給与体系自身の矛盾が一つはあらわれているのじゃないかと思う。上の等級にならなければいわゆる頭打ちになってしまう、昇給期間が十二ヵ月が十五ヵ月なり十八ヵ月に延びてきますね。あるいは昇給金額が減るという問題が起こってくる。これは私自身も経験があるんですけれども、頭打ちをして、天井に頭打ちになって、そうして一定数、それが二年、三年たまりますと、今度はどうしても人事管理上そのまま置いておくわけにはいかぬという問題が起こってくる。これは自治省の方も、内部指導で相当職その他のやつを使って上へ上げるという措置をせざるを得なかったでしょう。
 ですから、単純にラスパイレスで、国家公務員と地方公務員の一般行政職を学歴差とそれから経験年数だけで単純に見るだけでは、そういう地方公務員と国家公務員の状況の差、違いというのを単純には指摘できないというように私は思うんです。たとえば構成を見ましても、東京都で大学卒の人が四十二年には二〇・四%です。それに対して、今日四十八年現在では二三・三%というようにふえてきています。国家公務員の大学卒は、四十八年四月現在で見ますと一〇・九%です。ですから、人口の過密の中で、しかも都市問題を抱えているようなそういう大都市で計画的に行政を進めなきゃならぬ、そういう企画能力を持った者、そういう者を緊急に大量に養成しなきゃならぬ、こういうところで、一定の賃金水準を引き上げざるを得ない状況というやつが生まれてくるというのが実際の姿じゃないでしょうか。この辺は自治省の方でどのようにお考えになっているかをお聞きをしたいと思うんです。
#62
○政府委員(林忠雄君) 御指摘のように、民間給与がたとえば東京とあるいは鳥取、鹿児島というところで三割もの差があるだろうということは、まさに事実であると思います。そこで、もし公務員の給与がその地域の民間給与に肩を比べるならば、それだけの差が同じ都道府県の東京都と鹿児島県の職員の間にあってもいいということになりますが、実はそうではなくて、公務員法はその民間給与も参考にしている。しかし、他の地方公共団体、つまり同じ都道府県であれば東京も鹿児島もというような議論にもつながりますし、かつは他の民間の生計費という問題も含めます場合に、東京と鳥取との間に民間給与にそれだけ差があっても、同じ都道府県の職員にそれだけ差があるというのは合理的ではないだろう。鹿児島県と福岡県の職員が同じような学歴で同じような経験年数であれば大体同じであるという、そちらに志向する気持ちもあろうと思います。
 そこで、人事院の勧告をもとにして国家公務員に準じてという指導をしておりますが、そこで現実にそういう民間給与と差がある場合に、山村僻地に近い方はある程度低い、一方、人間を集めるための必要性として、生計費の高い都会地はある程度高い給与を払わなければという事情も出てくるだろうと思います。しかし、これは程度の問題でございまして、民間給与の場合、全国の平均を一〇〇といたしますと、東京都の場合は一一二という数字が出ております。そこでこの一〇〇対一一二に対して、御承知のとおり、東京とか大阪とかそういう都会は、そういう生計費の高いことを参酌して調整手当というのを東京、大阪あたりは八%つけておりますので、この一一二からその八%分を差し引くと一〇四という数字が出ております。そこでその一〇四という数字ならば、たとえば東京は合理的であろうという議論はできるかもしれませんが、これが一気に一二〇になったり一三〇になったりするということは、いかに先生の御指摘のような事情があろうとも、その程度が大き過ぎる。それの大きい程度というのはそのまま財源に響いてまいります。その意味で、その程度を考えながら、妥当な線でそれぞれの地方団体で合理的な線に決めていただきたいというのが従来の趣旨でございます。
 それからラスパイレス数字の合理性についての御質問がございましたが、全く仕事も違い、構成も違い、使命も違う二つのたとえば国家公務員と地方公務員という場合に、あらゆる意味において完全に比較できる方法というのはもちろんありません。そこで、このいろいろなそういう事情を参酌しながら学歴と経験年数に置きかえて、しかも一方の構成を全く他方も同じ構成をとったと仮定して比較するこのラスパイレスという比較方法が、現在得られる最も真実に近い数値を得られるということで、これが人事院の調査にも採用されておりますし、この数値で比較することが、そういう差を考えながらも最も合理的な一番頼れる数値である、そういうことでこれを採用しておりますわけでございます。
 したがって、ラスの数値が必ずしも絶対ではない、国が一〇〇ならどこの地方公共団体も一〇〇でなければならぬということは出てまいりませんけれども、結局その程度の余り激しいところについてはやはりそういうことに考慮をしてもらいたいという意味でこちらも行政指導を進めてまいるわけでございます。まあ、先ほど大臣のお話しになりました、一〇五ぐらいはいいじゃないかというのも、このラスという数値があらゆる意味で絶対的でないというところを見れば、一〇三であるものをおまえ一〇〇にしろと言う必要はないという意味での一〇五でございます。
#63
○神谷信之助君 確かに、いま局長おっしゃったように、他の公共団体との比較というのも一つの条件ですね。しかし、たとえば東京と福岡、あるいは東京と鳥取とかあるいは東京と鹿児島というのを、鹿児島がそれだから東京もそうしなければならぬということにはならないし、逆にまた、東京と同じように鹿児島もそうしなければならぬということにはならぬわけでしょう、規模もころっと違うのだから。ですから、そういったいろんなものが一つは要素に入らなければならないわけです。特にラスパイレスですと、大学卒の一定の経験年数を持った者は、全国家公務員でありますと非常に大きな数字になるでしょう。それを今度発表されたように市町村の単位までいきますと、今度は対象人員はうんと少ないのです。ここではちょっとした変動が大きく数字に出てきます。ですから、全国家公務員のラスと地方公務員で比較して一一〇ぐらい、これは一定の一つの目安にはなると思う。しかし、仮にこの市町村の単位までやって、そしてそれを比較をするという数字では非常にいろんな問題が出てくるし、しかもいまの地域差が、調整給八%あるいは六%あると。それで十分賄えるというわけにもいかぬ。事実、それだけ民間賃金なんかの賃金差を見ましてもこれは非常に大きいわけですね。ですから、生計費、消費者物価指数やあるいはそういうものだけじゃなしに、いろんなそういう労働省の出している賃金統計なんかも含めて、総合的にやっぱり判断をしなければならぬだろうと思うんですよ。
 それからまた実際に、民間の労働者の賃金の上昇と地方公務員の最近の賃金の上昇とは、それほど大きくかけ離れて地方公務員の賃金水準が上がったのかというと、これもいろいろ調べてみますとそうじゃないでしょう、これは六〇年から七
○年の十年間の伸び率ですが、地方公務員の人件費について、これは自治省の出している地方財政白書から計算をすると一八二・一です、指数は。労働白書で民間賃金の伸び率を見ますと一七六・九、日銀統計局の資料で見れば一八二・五ですよ。ですから、民間労働者の賃金の六〇年から七
○年にかけての伸び率と地方公務員の賃金の伸び率というのはほとんど一緒、変わらない状況ですね。しかも、この日本の民間労働者の賃金というのは、御承知のように世界的にもべらぼうに低いので有名な、そういう低い水準の賃金です。ですから、この十年間のインフレ高度成長のもとで、自治体労働者が団結をしていろんな闘いの中でやっと民間の労働者並みの賃金水準の引き上げをかち取ったというにすぎない、こういう状況でしょう。私はそういうように思うんです。
 問題は、そこでそのことをかりに認めても、最後におっしゃるのは、しかし高過ぎるのは困るじゃないかという問題を盛んにおっしゃるわけですね、大臣も、これは不公正だと。しかし、われわれも高ければ高いほどよいというふうには考えてないです。公務員の人間は多ければ多いほどがいい、仕事は楽であればある方がいいというふうにも考えてない。やっぱりこれは住民サービスの仕事をするわけですから、基礎は税金ですから。ですから、それにふさわしいやっぱり自覚で仕事をしなければいかぬし、それにまた必要な賃金の保障や生活の保障が当然のものとして確立をしなければいかぬ。この立場は私どもは堅持をせにゃいかぬというように思うのですが、しかし問題は、だからそれに対して一つは、実際にやっておられるかやっておられぬかは別にしても、たとえばこの間の各都道府県の総務部長会議でも、そういう団体については、給与水準の高いところについては起債をもう見ませんよと、あるいはそういうところが盛んに言ってこられても話に応じないよというような、そういう脅迫なり報復的な態度をとるということとか、あるいはきのうもおっしゃっていましたがきょうの本会議でもおっしゃっていましたね――プラスアルファについては、これはその分は特別交付税から減額をするという問題ですね。そういった問題を私はどうしても許すことができぬと思うのです。先般の予算委員会でわが党の近藤議員がこの問題を質問したら、これはどうして減額できるかという減額の法律的根拠について質問をしたら、大臣は交付税法の十五条だということですね。しかし、交付税法の十五条をいかに見たって減額をするという規定はないのですが、この点はいかがですか。どのようにお考えなのですか。
#64
○政府委員(林忠雄君) いまの御質問の前の部分について、二、三御説明させていただきます。
 ラスパイレスの数字というのは、確かに先生のおっしゃいますとおり、対象が非常に小さくなる場合にその信憑性の限界はございます。大学卒が二人しかいないような町村であれば、その一人がやめるとか、あるいは新しく二人採用するというようなことで大いに動くことはある。したがって、そのラスの数字が一〇〇でないからといって国家公務員並みでないとか、そういうことは言えない面はございます。しかし、都道府県ぐらいの規模になれば、これはその誤差というのはコンマ以下の数字になりますので、都道府県ぐらいの規模になれば、ラスの数字というのは大体の比較をする上において非常に信憑性の高いものでございます。したがって、このラスの数字が個々の町村、特に小さい町村についてあまり云々されることは、あるいは場合によって現実に的を射ないという点は懸念されるわけでございまして、おっしゃるような限界があることはそのとおりでございますが、たとえば市とか、ことに都道府県の段階になりますと、これはもう九九%、ほとんど正しいとも思われますし、それから同時に、ラスのほかにフィッシャーとかパーシェとかいう方式がございますので、ラスで比較して去年とことしとあまり変化の多いようなところでは、今度はフィッシャーで比較し、パーシェで比較してそれらの加重平均でもとります場合には、これも相当信憑性の高いものになり得ることだということでございます。この点が一つ、おっしゃいますようなラスの数字の限界というものがございますことは、私たちも十分承知しております。
 それから、給与差が鳥取と東京でずいぶん違うと、これもまあ事実でございますが、ただこの給与の偏差というのが、国民一般の民間の所得の場合、全国を一〇〇としまして最も高い方が東京の一一二でございまして、低い方は八〇を切り七〇台になる。一〇〇を中心として、低い方がずっと実は幅が深いのでございまして、高い方は、最も高い統計が一一二でございますので、調整手当の八%ということでその相当大きな部分がカバーできます。したがって、いわゆるラスでいう本俸の比較であれば仮に東京が高いといたしましても、一一二全部満足するためにどれだけ上げればいいかと言えば、わずか四%にすぎない。で、低い方は、むしろ実際に民間の給与が低いのに国家公務員並みに県庁の職員の給与を払うということになりますと、民間の給与の低いのに比べて相当民間よりも高いものをもらっているということが、県の数にしては相当多くなっておりますので、この民間給与の差に対する穴埋めは、調整手当の八%ということで、まあ言ってみればその大半は埋まっているというふうに考えて差し支えないのではないかと考えております。
 後段につきましては財政局長から。
#65
○政府委員(松浦功君) 給与水準が高いからということで地方債にかげんをしたり、そういうことは一切いたしておりません。ただ、いろいろの会合で特に私が言ったことをお取り上げになられていろいろおしかりを受けましたけれども、私が申し上げていることは、給与制度が非常に乱れておるために、非常に多額の給与費があってそれが財政を圧迫しておる、そのために財政が苦しいからといって地方債を認めてくれと言っても相手にはなりませんよと、こう申し上げておるわけです。これは当然のことであって、私は脅迫でも何でもない、あたりまえのことだと私どもとしては思っております。
 それから、特別交付税におきまして、支出をいたしましたプラスアルファの九割を減額いたしております。これは地方交付税法の第十五条の規定に基づきまして、そういうプラスアルファを出すような団体には、財政的に余裕があるというふうにみなしまして、昭和三十九年以来、すでに十数年にわたりまして減額項目を立てております。このことは、競馬、競輪等のいわゆるギャンブル収入についても同じ取り扱いをいたしておるところでございます。
 なお、きょうまことに申しわけないのでございますが、私うっかりめがねを忘れてきまして法令が読めませんので、お許しいただけるならば財政課長にひとつ法律を読んで説明をさせますので、お許しをいただきたい。
#66
○神谷信之助君 減額できるというところだけ言ってください。ほかのところはいいです。
#67
○説明員(石原信雄君) では御説明いたします。
 特別交付税の算定につきましては……
#68
○神谷信之助君 説明は、時間もあるからいいですから、いま十五条で減額ができる規定があるというのだけれども、具体的にどの文言が……。
#69
○説明員(石原信雄君) 交付税法第十五条で、特別交付税の交付事由として、災害でありますとか……
#70
○神谷信之助君 だからどの文言です、引いてよいと書いてあるのは。減額してよろしいとどこに書いてありますか。
#71
○説明員(石原信雄君) 減額はずばり書いておりませんが、「基準財政需要額の算定過大又は基準財政収入額の算定過少を考慮しても、なお、普通交付税の額が財政需要に比して過少であると認められる地方団体に対して、自治省令で定めるところにより、当該事情を考慮して交付する」と。これらの、どのような事情を普通交付税の算定過少と考えるかは自治省令にゆだねられているわけであります。したがって……
#72
○神谷信之助君 いや、ここに書いてあることは全部上積み規定でしょう。ちょっと待ってくださいよ。補足されなかった特別の財政需要があること、その場合は上積みすると。それから、十四条の規定によって算定された基準財政収入額のうちに一部過大に算定された財政収入があると。収入のほうを多く見積もったから、実際そうはいかなかったのでプラスしましょう、これも財源プラスでしょう。それからその次も同じです。災害でよけいに財政需要がかかり、収入が減った場合にはプラスしましょう、そういうことで……
#73
○説明員(石原信雄君) だけではありません。その次に、「基準財政需要額又は基準財政収入額の算定方法の画一性のため生ずる基準財政需要額の算定過大又は基準財政収入額の算定過少」、これは全部減額要因でございます。
#74
○神谷信之助君 これも基準財政需要額を……
#75
○説明員(石原信雄君) 算定過大ですね。
#76
○神谷信之助君 多く見積もったんでしょう。
#77
○説明員(石原信雄君) そういうことです。それから基準財政収入額を少なく見積り過ぎたと。これらは基準財政需要額というのは、財政需要全体として捕捉する方法であります。基準財政収入額は、その団体の財政力を算定する方法でありますから、それが普通交付税では画一的に計算されておりますので、そこから落ちこぼれてくるといいましょうか、基準財政需要額を大きく見過ぎている場合、あるいは財政収入額を少なく見過ぎている場合においては減額を考えてもいい……
#78
○神谷信之助君 違いますよ。そうやってみても過大に算定したり、過少に算定をした、そういう点を考慮してもなお交付税の額が少ない場合にはプラスしますいうことであって、そういう要因を全部入れて考慮してみても、やっぱり足さなければいかぬという場合に足しますということ。
#79
○説明員(石原信雄君) そういうことです。
#80
○神谷信之助君 だから足すわけでしょう。
#81
○説明員(石原信雄君) 最後は足すわけです。ですから、特別交付税の、マイナスの特別交付というのはないわけです。常にプラスだけでございます。ただ、幾らをプラスするかの計算過程において減額要素を働かせるということです。それは財源超過額ですとか、あるいはギャンブルですとか、その他のたくさん減額項目がありますが、その減額項目のうちの一つとしていまのプラスアルファ額を書いているわけです。
#82
○神谷信之助君 どうもわれわれが多くの人と一致している点とは大分違います。いずれにしても、さらにもっと検討しなければいかぬと思いますが、プラスアルファを出すということは違法ではないんでしょう。
#83
○政府委員(植弘親民君) 形式的には、条例によって議会で議決すれば違法性は免れますが、それにいたしましても、地方公務員法二十四条三項の、先生よく御承知の均衡原則から言って問題があります。
#84
○神谷信之助君 そんなものは均衡原則から言って問題になりませんよ。それは、まさにそういうふうに言ったら、国以外のことをやったら全部均衡原則から違反になる。それじゃ何じゃないですか、人事委員会があり、自治体の議会があって議決をするというのはまさに必要がなくなります。そういう考え方、発想が、私は憲法九十二条の地方自治の本旨から言っても大いに逸脱するといいますか、外れているというところにあると思うんです。ですから、私どもこの点がどうしても納得できないし、そういう問題は――住民自治ですからね。住民なり、そしてその代表である議会なり、それらが論議をして、一定の民主的な方法をとっていく過程の中では、いろんなジグザグのコースをとるわけですから、その立場に立っていくのかどうかというところが問題だと思うんですよ。これは大臣、きのうでしたか、例の地方債の「当分の間」という問題でもありましたけれども、自治体に任せたら一体どういうことになってしまうかわからぬという、そういう自治体に対する不信なり、そういう発想を基礎にしていろんな制限あるいは統制を、指導と助言という形でやるというようにわれわれは受け取らざるを得ぬというところに今日の重要な問題があるというように思うんです。そういう法律違反のものでもないのにそれに対していろいろ減額の措置をするとか、あるいはそういうことをやればもう起債は認められませんよというようなことを言われたって、実際には――あなたのおっしゃるのは給与のための起債とおっしゃる。しかし、実際にはいろんなそういう事業をやるための起債も認めないということになれば、ますます――自治体が実際に事業をやる場合に、起債のない事業というのはそうよけいないです、大きい事業というのはどうしたって起債に頼らざるを得ぬわけですから。だから、そういう状況の中でそういうことが言われてくると大変な問題になってくるわけです。みんなそう思っているんですよね。何ぼあなたのところは給与が高い――申請をするときは、道路事業なり何なり、学校を建てるという問題で起債の申請か頼みに行く。しかし、あなたのところは給与が高いから、ここで起債を認めても、この金は実際に給与のほうに回されてはたまったものではないということを言われれば、実際には大変なことになってくるわけです。実際に、自治体の長なんか、自治体の知事さんや市長さん――まあ知事さんなんか余り言いませんけれども、市長あたりにいきますとそういう話をされるわけですね。
 で、そういう権力、権限を持った人が、その意図があるなしにかかわらずそういう言葉をお使いになるということが、いろんな波紋をいま地方自治体の方々に与えているし、しかも発想の底に、自治体自治に任すという立場、民主主義の原則を断固として守るという立場にないところに、私は今日の地方自治の重大な問題があるというふうに思うんですよ。逆に私どもから言わせたら、たとえば去年の暮れから国会で私どもやかましく言っている、例の解同朝田派の暴力に屈服をして不公正な行政がやられている。これはまさに地方自治法の違反であるし、あるいは憲法違反であるという、そういう問題については何らの措置をしようともしていない。片一方では、法律に違反をしていないこういう人件費問題について制裁を加えるということは、私はどうしても納得することができないというふうに思うんです。そしてしかも、もう時間がありませんから、あと特にこの点はもう返事は要りません。ひとつ、考えてください。――言い分があるなら聞きましょう。
#85
○政府委員(松浦功君) これに対して私の方からはっきりお答えを申し上げなければちょっと困るのですが、人件費に対する起債などということは地方団体が言ってくるはずはないわけですよ、法律上認められないものですから。事業費を認めてくれと言っておいでになります。しかし、私どもが地方債を許可をする場合に、一定のルールをつくって、どういう団体であろうと公平にまず配ってあるわけです。それを年度末になって、給与が高くて赤字が出そうだから特別に起債を認めてくれと、ある事業を持っておいでになるんです。それ、認められますか。そんなことは認められるはずがない。そうすると、赤字を出したところだけに起債を認めるということになって、まじめにやっているところにはかえって不公平になるわけです。われわれとしてはそういうことは絶対にできない。だから、給与費が高いから、赤字が出そうだから起債を認めてくれと言われても、私どもは起債はお認めしませんよと。そうじゃなくて、単独事業で、たとえば体育館がある、あるいはたとえば市民会館がある、こういうものを一般に詮議をする際に、おまえのところは給与費が高いから起債は認めませんよなどということを言ったことは一度もございません。財源をちゃんとお持ちですねと、これをおつくりになることによって赤字ができないようにちゃんと積立財源をお持ちですねということは聞きますよ。その上でお認めしております。そうじゃなくて、年度末になって、給与費が高いということから財政的に圧迫が出てきて、何とか金をめんどうを見てくれというやつは私の方はお相手いたしませんと、こう申し上げておるわけでございます。
#86
○神谷信之助君 しかし、去年の暮れの国会で、たとえば例の愛知県と神奈川県は、御承知のように税収の落ち込みがひどいだろうと、したがって、赤字になって人件費に困るだろうと、だから、それについては各委員から大分、そういう落ち込みのところについてどうするかという質問が出て、そうすると松浦局長がはっきりと答弁していますよ。それについて、人件費のための起債というわけにいきませんから、起債を持ってこられたら、それを人件費に回してもらうとかという方法もあって、そういう措置をやりますと。これは明らかに、人件費の不足分に回すことを承知をして起債を認めるということもあり得るということですよ。
#87
○政府委員(松浦功君) 違います。
#88
○神谷信之助君 そのことを言うのです。もちろんそのことを前提にして貸すのじゃなしに、一応形式的にはちゃんと要件を整えるでしょう。また、そうしなければ起債を認めるわけにはいきませんよ、おっしゃるように。人件費のためには起債の措置は認められないですよ。あたりまえですよ。しかし、その不当に高い、あなた方の言うように不当に高い人件費を出したために赤字になっているか、税収の落ち込みによって赤字になったかは別にしても、赤字のために人件費を払うことができないから、別に起債の面でめんどうを見ましょうという措置はやりますということをちゃんと言っているじゃないですか。
#89
○政府委員(松浦功君) 大分おっしゃられていることが飛躍しているように思うのでございますが、私どもが言っている神奈川県と愛知県の問題は、不交付団体の問題でございます。交付税をもらっておらない団体で議論をしているわけです。一般的にはほとんどの団体が交付税をもらっているわけでございまして、交付税をもらっている団体は、税収入が減れば交付税がよけいいっているわけでございます。したがって、財源調整ができているから問題がないわけでございます。これらの団体は、いかような理由があろうとも、金が足りなくなったからという形での起債は、姿を変えてもお認めするというのは筋が違うのじゃないかと申し上げたわけでございます。
 愛知と神奈川の場合は、これは不交付団体でございまして、超過額というのがあるわけでございます。これが極端に減ってきたわけでございます。しかし、交付団体にはならない。そうなりますと、財政的には物すごい激変でございまして、人件費が多いとか少ないとかという問題ではなくて、財政全般として財政的にやっていけない、そういう観点からの見方をせざるを得ないような極端な状況でございましたので、それについては財政事情を十分勘案をいたしまして検討いたしたいということを申し上げたわけでございまして、今月の末には向こうの財政状況をよく聞いて、どれだけの起債を認めるかを検討いたしたいと、こう思っております。これは全然ベースの違う問題だというふうに御理解をいただきたいと思います。
#90
○神谷信之助君 ですから、そうなるとますますもって財政措置を国公基準一本やりでしか見ないという、そのところにやっぱり実際には合わないところが圧倒的に多いわけですわね、今度の調査を見ましても。一〇〇以下のところの団体というのは府県ではもうないわけでしょう、府県ではね。ですから、都道府県の場合ですと、自治省の財政措置というのは常に実際の給付から言うたら下回っているという状況になっているんですよ。それで実際には、賃金の水準が国家公務員並みでなきゃならぬという規定もなければ、またそのことを無理やりにも言っていない。それで、できるだけ近づけてくださいということで二十年来見ておられる。それで実際に、今後の自治体にとっては、何ぼラスパイレスで見ようと何をしようと、とにかく国並みでなければだめだということも言っていないのだ。若干のでこぼこが起こるというのは認めている。財政措置は全部一律に、もう一〇〇を皆超えているのに見ない。そこの矛盾というのが常にずっと積み重なってきているわけでしょう。われわれは、全部が全部――いいですか、さっきから言っている。もう高過ぎるものをそのまま置いておきなさいとは言ってないし、だから一定の水準というのは要ります。それはその地域住民が納得する水準でなきゃならぬというのは、これは原則です。納得のできないようなことになればいろんな問題が起こるのはあたりまえです。しかし、そのような条件でいろんな差が出てくる原因というのにはいろんな条件があるわけでしょう。今日までこの十年間の高度成長、特にインフレの中で賃金を上げなければならぬ、そういう条件があるし、しかも人を、優秀な人材を大量に採用しなきゃならぬという、そういう条件の中で無理をしなきゃならぬという面も当然起こってくるし、そして初任給を一定以上上げなければそれまでおる人との間に調整もせんならぬという問題も、いまの給与体系はそうなっているんですからね、もう序列ですから、そういう必要性も出てくる。大臣、だからそう言っている意味では、いまの給与体系自身も、本当にあるいは公務員の仕事の実態に合った賃金体系と言えるかどうかというのも、いま今日ではもう重大な問題に私はなっていると思うのです。そういったいろんなものが含まれているし、しかも、政府自身が解決をしなきゃならぬ問題が、超過負担の問題にしてもあるいは事務の再配分の問題にしても、いろんな問題であるわけですね。そういったものを全部総合して解決をしていく方向というものを考えないと、私は問題の解決にならないと思うのです。
 そこで、もう時間がないので、最後に一つだけお聞きしたいんですが、超過負担は何としても解決するのだといまおっしゃるのですけれども、先ほども出ていましたが、解決する方法、これは私の共産党の方も提案をしますし、公明党さんも今度の議会に出されていますし、社会党の考え方ももうすでに出されています。それから自民党の皆さんにしても、個別にいろいろお話しすると、超過負担問題は解決しなきゃならぬとおっしゃっているし、大臣の方も、超過負担は何としても解決をしなきゃならぬというふうにおっしゃっている。
 そこで、解決をする方法ですがね、松浦さんは、超過負担というのは単価差に限る、それ以外の問題は補助金政策の問題だというようにおっしゃっています。そこでその場合、標準が仕様基準これがむちゃな場合についてはちゃんとやっぱり改善をしていかなきゃならぬ、経済の発展やいろいろな情勢の変化で改善をしなきゃいかぬというようにおっしゃっているんですが、問題は、この標準が実際の実情に合わないむちゃな問題だというようにお考えなのは、具体的にはどういう問題ですか。
#91
○政府委員(松浦功君) 前段の問題については、国家公務員並みで財源措置をしているのがいかんということでございますが、これは繰り返して先ほど来申し上げておりますように、私どもとしては改める考え方はございません。
 二番目の、超過負担で仕様に合うとか合わないとかいうのは、私ども必ずしも専門家でございませんものでございますから、むしろこの問題は、先生方がもしいろいろ問題点がおありでございますならば、各省にお申し出をいただきませんと、私どもにはなかなか理解できない面もございます。われわれも勉強をせいぜいさしていただきたいと思っておりますが、たとえばいままで窓枠は鉄のサッシじゃなきゃいかぬ、アルミだといかぬと、こういうようなことを言っている。しかし、いまの世の中で、さびてくるような鉄よりはアルミがいいことはあたりまえなんで、もうこんなことは世間の常識だからアルミに直したらどうだ、こういうようなことも出てくると思います。あるいは小学校の床について、セメントの打ちっ放しの木張りというようなことを言われておりますが、それを、何かみがき上げと言いまして、少しかっこうよくやるようなものが出ておるようでございます。そんなものに改めるとか、いろいろな問題があると思います。たとえば、補助対象の問題でございますと、門、さく、へいが対象になっておらない。それを起債で私どもは逆にカバーする、こういうような形をとっておりますようなものとか、いろいろあると思いますけれども、これはやはり経済状況の変化あるいは国民生活の向上、そういったものともからんで時々刻々に変化してくると思います。それらの点については、できるだけ各方面からの御意見を承りながら、納得していただける方向に向かって各省に御協力をお願いをする、こういう態度をとっていきたいと思っております。
#92
○神谷信之助君 それで、各政党も大臣も、この問題は早く解決をしたいということなんですがね。超過負担とは何かということで、自治省の側なり、各省ともいろいろ意見もあるようだし、それから政府の側と自治体側と大きな意見の相違が非常にあるわけですね。この点を一つは解決しなければならぬということと、それからいまおっしゃったような、具体的にどういう点が実態に合わないかというのも、実際の現場の自治体の代表なんかも含めて考えなければならないということで、大体いま私ども共産党から社会党、公明党、各党が出しているのでは、超過負担の問題について、政府側の代表と、それから自治体側の代表と、それからさらに学識経験者を含めてそういう調査委員会をつくって、そういうものについてはっきり確定をして、そうして今日までの分の問題をどうするか、あるいはこれから起こさないためにはどうするか、そういう制度的な保証までひとつ民主的に決定をしたらどうかという、細部にわたってはいろいろな違いがありますが、大体そういう方向については一致をしているわけです。こういう点について大臣、前向きでひとつ検討される気持ちはありませんかどうか、これを最後にお聞きしたい。
#93
○国務大臣(福田一君) その前に、前段の問題で財政局長から申しておりましたが、財政計画はああいうふうなやり方でやっていくことをこれからもやろうと思っております。したがって、人件費が不足してきたからということで、何かいままで公共事業でやっていたようなものに振りかえて出すようなやり方は、われわれとしては認めるわけにいかないという態度をとっておることだけは私からも申し上げておきます。
 それから、いまの後段の、超過負担の問題につきまして何かそういう民主的なことをやっていきたいということでございますが、これにつきましては、ただいま知事会その他でつくっておる団体、六団体でつくっておる超過負担解消に関する委員会等もございますから、こういうところへわれわれは出ていっていろいろ意見も聞き、そうしてそれを政府に連絡するというようなことについてはやるつもりでおりますが、いまのところ、政府にすぐにそういうものをつくることにつきましてはいまの段階においては考えておりません。これを申し上げさしていただきたいと思います。
#94
○神谷信之助君 任意団体としていまつくられている委員会には積極的に出ていくけれども、政府の機関としてそういう委員会をつくる考えはいまのところないというのですね。しかし問題は、やっぱりそういう政府あるいは自治大臣の、本当に超過負担を解消するという決意が本当のものといいますかね、実際に実効を上げていくためにも、ひとつ各党が、少なくとも野党のそろって提案をしているそういう方法、政府の中にそういう機関をつくって、そうして政府が、自治大臣が、特に責任をもって解決をするという立場を制度的にも確立をするということを特に強く要求をして、きょうの質問をこれで終わります。
#95
○委員長(原文兵衛君) 以上をもって、所信に対する質疑は終了いたします。
    ―――――――――――――
#96
○委員長(原文兵衛君) 次に、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
#97
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 現在、市町村がその地域の実情に応じ、住民の自主的な判断に基づいて、合併しようとする場合には、その障害を除去し、合併が円滑に行われるよう特例措置として、合併市町村の議会の議員の定数または在任期間の特例を設け、たとえば編入合併の場合においては、編入する区域との人口比率により、編入される区域からも議員が選出されるようにすること。地方交付税が合併後一定期間に限り、合併前の合算額を下らないようにすること。合併後一定期間内に災害が生じ、国の財政援助を受ける場合には、合併市町村が不利益とならないようにすること。都道府県議会の議員の選挙区を、合併後最初に行われる一般選挙において選出された議員の任期が終わるまでの間に限り、従前のままとすることができることなどを内容とする市町村の合併の特例に関する法律が定められております。
 この法律は、昭和四十年三月二十九日に公布施行され、本年三月二十八日をもって失効することとなっておりますが、この法律の施行後今日までの約十年の間に百二十二件の合併が行われ、百八十八の団体が減少しております。この傾向は、最近の住民福祉の向上等を目的とする行政水準の高度化の要請、隣接市町村との間における広域行政の必要性が増大する中で、今後とも続くものと思われますので、市町村が自主的に合併しようとする場合には、その円滑化を図るため、特例措置を引き続き存置させることが必要であると考えられます。
 したがって、この際現在の法律による特例措置はそのままとして、その有効期限のみを改正することとし、これを昭和六十年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 以上が市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#98
○委員長(原文兵衛君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。本日はこれにて散会いたします。
  午後四時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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