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#1
第075回国会 内閣委員会 第12号
昭和五十年六月二十六日(木曜日)
   午前十時五十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長         加藤 武徳君
    理 事
                世耕 政隆君
                林  ゆう君
                上田  哲君
                片岡 勝治君
    委 員
                岡田  広君
                源田  実君
                戸塚 進也君
                中村 太郎君
                八木 一郎君
                山本茂一郎君
                野田  哲君
                秦   豊君
                太田 淳夫君
                峯山 昭範君
                河田 賢治君
                内藤  功君
  衆議院議員
       内閣委員長代理  越智 伊平君
  国務大臣
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
       運 輸 大 臣  木村 睦男君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       植木 光教君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       佐々木義武君
  政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長兼内閣総
       理大臣官房審議
       室長       原   徹君
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       総理府人事局長  秋富 公正君
       総理府恩給局長  菅野 弘夫君
       科学技術庁長官
       官房長      片山 石郎君
       科学技術庁原子
       力局長      生田 豊朗君
       大蔵政務次官   梶木 又三君
       大蔵省主計局次
       長        高橋  元君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  杉浦 喬也君
  事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
  説明員
       人事院事務総局
       給与局次長    角野幸三郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       米山 武政君
       大蔵省主計局共
       済課長      岡田 愛巳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き、これより三案の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○上田哲君 総務長官、恩給の質疑に当たりまして、私は大変非常識的かもしれませんけれども、ちょっとひっかかる言葉なんですがね、恩給そのもの。恩給という言葉は、これは古いんじゃないか。そもそもこれは歴史的に見ても、ことしは恩給制度の百年だそうでありますけれども、意図するところが恩恵的給与であるのか権利であるのかと、このあたりが大変あいまいなまま百年を経過したのではないか。ある程度熟している言葉をもとに戻せということだけではありませんけれども、その辺のところに恩給というものが大変二次的な給与体系の中では幹となり得ないことになるのじゃないかと、そんな気持ちがしてならぬのであります。
 言葉の問題だけではなしに、長官、基本的な理念として恩恵的給与であっていいとは私は思いませんから、権利としての理念を、たとえるならばその言葉についてもひとつ考えてみるということはありませんか。
#4
○国務大臣(植木光教君) 御指摘のとおり、非常に長い歴史を持っている制度でございまして、明治九年に初めて恩給という言葉が採用せられまして今日に至っているわけでございます。しかし、この内容といたしますものは、社会全体の中で退職公務員が占めております経済的地位を、退職当時のままに維持するために毎年給付の改善を行ってきているという状況でありますことは、御承知のとおりでございまして、これは恩恵的なものではございませんで権利でございます。ただ、この恩給という言葉は古いではないかということでありますが、事実そのような感じが私もいたします。ただ、恩給の給付を受けておられる方にはなじみのある言葉でございますので、いまのところこれを変えるという考え方は持っておりません。
#5
○上田哲君 実務的には恩給局長、やはり恩給という言葉――言葉でそうなっているとは思いませんけれども、やっぱり恩給という言葉からにじみ出してくるような古さ、よどみ、そういうものがあるんじゃないか。できるならこういう言葉も変えた方が、もらう方もすっきり若々しくなるのじゃないかと私は思うのですがね。実務的な感触を含めて、言葉を変えるか変えないかということを私は強いて詰めようとは思いませんけれども、そういうことも考えてみられなきやならぬ百年目じゃないか、実務的にはどうですか。
#6
○政府委員(菅野弘夫君) 恩給の語源なり、それから考え方につきましては総務長官お答えしたとおりでございますが、確かに出発のときにおきましては、何といいますか、まだその権利というあれがいまのようにははっきりしておりませんで、お願いをするというような形のものも、中には形式的にはあったわけでございますけれども、これがやはり明治の中期にはっきりと法律で権利として確定をされて今日に至っておるわけでございますので、その点については長官がお答えしたとおりでございます。実務的にというお話でございますけれども、言葉自体について言いますれば、やはり大臣お答えいたしましたようにかなり熟しておりまして、考えてみると恩給だけじゃなくて、たとえば給与というような言葉がございますけれども、これだって問題にすればやはりそういう感覚があるわけでございますが、給与もそうでありますように、恩給も熟しているというふうに思います。ただ、中身の問題として、さびとか、よどみが恩給の中にはないのかというお話でございましたけれども、これは制度が非常に古いということ、それから恩給の場合には、先生御案内のように、何度も何度も改正に改正を続けておりまして、しかもそれはかなり大きな改正と申しますか、百年の歴史を持っておりますので、恩給自体の中にもいろんな問題もございますし、外の問題としての公務員制度の問題あるいは社会経済の問題等々は、いろいろな意味でかなりの変革をいたしているわけでございますので、そういう改正の積み重ね等によりましてぎくしゃくした点がないとは言えないというふうに思っております。
#7
○上田哲君 そこで一つ、二つ、そういう古さの中から脱却できてない点をお尋ねしてみたいと思うんですが、その一つは、扶助料の支給要件が夫と妻では条件が違う。これはちょっと国際婦人年からすると逆の方にいくところでもあるんですがね。遺族が妻である場合はやかましい要件はない、ところが遺族が夫であるとそうはいかないわけであります。「不具癈疾ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキトキニ限リ」と、こういうことになっておるわけですね。これは四十六年の改正で「不具廃疾ノ継続スル限り」は「扶助料ヲ給ス」と、こういうただし書きがつけられて条件が緩和されたということではありますけれども、それでもこの場合、夫の条件は妻の無条件というのとはかなり違う。これは恩給局長からお答えいただけばいいのでありますが、そもそもこのただし書きがつけられた動機が、恩給審議会の答申によると「わが国の家庭における一般的な生計依存の実態からみて、夫については妻と同じ条件によって扶助料を給することは必ずしも適当ではない。」と、こうなっておるわけでありまして、まあ夫の評価を高めてもらうのはいいかもしれないんだけれども、およそこういう状況になった場合を想定しての立場で言うなら、この辺のところは不当に夫の立場が強調されているのではないか、また妻が無能力であったとされていた時代、そういうときとは違うんだし、もし男女同権を言うなら、やはりこういうところにも逆な目で、恩給をもらうというのはとにかくそういう活力のあるときではない状態を指すわけですから、夫が病気の場合もあれば老齢の場合も十分にあるわけでありまして、ほかの制度ではみんな夫とか妻とかと言わずに配遇者ということになっている。ここでは夫と妻ということになっている。これはどうも恩給制度の古さがこういうところに百年のよどみとして積み重なっていると、まあ大げさに言えば、これは夫の側からする憲法違反じゃないかということにもなるかもしれない。国際婦人年で言うのは少しぐあいが悪いんですけれども、しかし、相ともに権利を高める、フィフティー・フィフティーでなきゃならぬということからすると、先ほどの恩恵的給与でない、権利だという立場からしてこの辺の不平等さというのはやはり考えられてしかるべきではないか、局長いかがでしょうか。
#8
○政府委員(菅野弘夫君) ただいま扶助料の支給要件の場合に夫と妻が違うという点の御指摘がございまして、これが恩給法の古さの一つではないかという御指摘があったわけでございます。確かに御指摘のような経過がありまして、なおかつ現在においてもそういうふうに支給条件が違っているわけでございまして、これは恩給審議会の答申を引用されましたけれども、一般的な生計依存の状態は違うというのは、あるいは事実であるというふうに思いますけれども、その場合に、それでは一般的には違うけれども個々には違わない人もいるわけでございます。そういうことでおかしいのではないかという御指摘だと思いますけれども、われわれも問題点の一つであるようには認識をいたしております。一般的に、先生御指摘のように、ほかの法律でございますと、こういう場合には大抵配偶者という一括したとらえ方をしているわけでございますので、この点につきましてはわれわれとしても前向きに検討を続けていきたい、できるだけ早くこの問題の結論を得て前向きな解決をしていきたいというふうに現在思っております。
#9
○上田哲君 はい、わかりました。
 長官、その夫と妻と配偶者。これは配偶者ですね。夫と妻と、こういうんじゃなくて、配偶者の方向で考えということで……。
#10
○国務大臣(植木光教君) ただいま恩給局長が答えましたように、私もこれは一つの問題点であるという認識を持っているものでございまして、こういう条件をつけるのではなしに、配偶者として遇するという道をなるべく早い機会に開いてまいりたいと考えております。
#11
○上田哲君 大変結構です。ぜひひとつそういうことでお願いをしたいと思います。
 また、恩給制度の古さといえば古さなんですが、そちらで出していらっしゃる「恩給」というのがありますが、これを見ますと、七五年の三月号ですか、「改定証書の作成は手書き」をやっていると、こういうことが出ているんですね。手書きというのは実に前時代的でありまして、本当にそうですか。ついでに、国家公務員共済の方はどうなっているのか、ちょっとそのことを。局長でいいです。
#12
○政府委員(菅野弘夫君) 恩給のことをお答え申し上げますけれども、手書きといっても、別に毛筆でやっているわけではございませんけれども、手書きでやっております。
#13
○上田哲君 これは私は調べてみましたら実に二百七十万人分なんですね。二百七十万人分をみんな手書きでやっておるんですね。これは私は責めようとは思っていない。やっぱり手書きでもらう方がうれしいというのもあるらしい。だから、そこは悪いと言っているつもりはないんだけれども、実態を見ると、二百七十万人を手書きというのはこれはもう実に天文学的な数字でありまして、だから事務的に問題が起きる。たとえば受給者の手元に証書が渡るのは大変遅くなるわけだし、まして、いま恩給局、総理府で懸命に努力をされており、事実前進であったのは、支給期日が従来の十月から九月、そしてさらに八月になって、来年以降は四月に行こうと、これはもう前進なわけですけれども、こういう前進を図っていくことに賛成である立場から考えると――一方の共済は機械化をやっているわけですな。
#14
○政府委員(高橋元君) 国家公務員共済組合、これは年金の受給者は大体遺族年金を含めて二十一万ございますけれども、これにつきまして、おおむね四十八年から機械を導入いたしましてコンピューターで証書をつくっております。
#15
○上田哲君 一方二十一万、一方二百七十万だと。これも最近のようですからね、明治の初めからということではもちろんないけれども、明治百年の伝統を踏まえるのもよくわかるけれども、これはまあアルバイトまで集めてみんなフル動員でやっているという実態だそうですね。これは御苦労さんではありますけれども、これはまあひとつ、同じことをやっている二十一万の共済の方はそれでやっておられるのだから、気持ちはわからぬではないけれども、ひとつその四月実施ということにも合わせて能率的におやりになるというのが、名前、看板を変える変えないは別にしても、恩給制度の効率的な運用ということになるんじゃないかというふうに思うんですよ。だから、その辺の実態の苦しさがあれば訴えてもいただき、そうしてできるならやっぱりそれは共済並みに、アルバイトを集めて職員を動員してみんなで手書きで証書を書いてというのは、事実もう四月実施ならもうどんどんそれは渋滞して困ることは明らかでありますから、その辺はやっぱり考えていただいたらどうか。もっとも私は、これはそうするとまた合理化になって人手がどうのということになっちゃ困る。そのことを言いたいのでは全然ないんで、そういうところはちゃんとしていただいた上での話ですから、これはもう大きいくぎを一本入れておくんだけれども、そんなところで人手をどうのこうのというんじゃなくて、もっともっと使うところはどこでもあるでしょうから、それはそれ、これはこれとはっきり区別した上で、この辺のところは効率的におやりになるというふうになすったらいかがだろうか。これは実務的な局長と、また長官のひとつ御判断もあわせて……。
#16
○政府委員(菅野弘夫君) いま種々御指摘をいただいたわけでございますが、いろいろな問題がございます。先ほど先生も言われましたように、受給者の気持ちというのもあるわけでございますけれども、しかし現在のような状態でございますし、それから昔のように毛筆で書いているわけではなくて、手書きといっても複写をとってお送りするというようなことでございますので、私は、いろいろ御指摘がございましたのは一々ごもっともでございまして、特に支給時期の繰り上げがこうして本年八月まで進ましていただくというようなことになりますと、それの準備をして、法律が通りましてから受給者の手元に届くというのにやはり時間がかかり過ぎてはいけないわけで、一刻も早く証書をもらい、それをお金にかえたいというのが受給者の気持ちであろうと思います。と同時に、それがまた私たち行政に携わる者の気持ちでもございますので、機械化の問題については、私もそういう必要は必ずある、しかも、だんだんそれが強くなるというふうに認識をいたしております。したがいまして、恩給局の中でも昨年ごろから検討にぼつぼつ入っております。ただ、いろいろなむずかしさがございますので、そういう研究期間、準備期間、そういうものを、あるいは先ほどのお話のようなPRの期間も必要でございましょうし、あるいは当初においては予算もかかることでございますし、そこら辺も踏まえましてこれはぜひ前向きで検討をし、そういう方向に持っていきたいというふうに思っております。
#17
○国務大臣(植木光教君) 貴重な御指摘でございます。いま局長がお答え申し上げましたとおり、私どもとしては準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#18
○上田哲君 ひとつくれぐれも、いまの合理化問題なんということじゃなくて、受給者のための能率化を図るということで、これは長官の御発言はできるだけ早くそういう方向に持っていこうと、前近代性の克服ですから、これは非常に私も前向きに承っておきます。
 それで、次に内容の問題が一つあるんですが、今度の改正の中に、低位号俸の繰り上げというのがありますね。これは非常に低い号俸の人、十一号から十七号を全部十八号に持っていくというのは画期的な改善だと、これは私は非常に前向きに評価していいと思うんです。かなり御努力があったということだと思います。ところが、そういう低額受給者に対する配慮が、アップ方式が一律アップということになるので、これはさきに同僚議員からも御指摘がありましたけれども、一律アップ、率アップということになると、なるほど率は同じかもしれないけれども額の点はますます上下開いてくる。現職公務員の給与引き上げの上薄下厚傾向を取り入れた方式に、それにひとつ速やかに転換すべきだと思うんですね。どうもアップ方式というのが、何というんですか、機械的というのか、一からげ式というのかへどうも言い方によってはあめとむちみたいな感じがしないではない。この辺はいかがでしょうか、局長。
#19
○政府委員(菅野弘夫君) 一律アップの問題はたびたび御指摘をいただいているわけでございまして、前からお答え申し上げておりますように、これは前の恩給審議会方式の時代からそうでございますし、それから四十八年以降、公務員給与そのものにスライドをするというとき以降においても同じ方式をとっているわけでございますが、公務員給与そのものによるということになった以上は、公務員の給与の傾向、現在続いております上薄下厚の傾向というものをもっと考慮すべきではないかという御指摘をいただいているわけでございます。
 そこで、私たちもいろいろ考慮しておりますけれども、この問題については、考え方の問題として一律アップというのも一つの理屈がございますので、それを上薄下厚というものにどういうふうに移していくかという考え方の問題並びに技術的な問題として上薄下厚の数字をどこにとっていくか、あるいはどういう刻み方をしていくか、そういう技術的な問題がございますのでいろいろ苦慮しているわけでございます。この問題につきましては、しかしながら非常に大きな問題であると同時に、すでに附帯決議においてもその趣旨のことを言われているわけでございますので、私たちとしても、いまの考え方の問題並びに技術的な問題、両方絡めましてこれからも検討し、なるべく早く解決の道を見出していきたいというふうに思っております。
#20
○上田哲君 私が申し上げるのは、今度の改正の中の低位号俸の繰り上げというのは大きな前進だと、非常に大きい前進であるということで評価するわけです。評価するので、この上薄下厚をしかし考えないと画竜点睛を欠くであろうということを申し上げるのでありまして、まあいますぐでなくても、これはひとつ長官、来年度に向けてこの方針でひとつ取り組むということを大蔵当局もともどもに、ひとつ総務長官、来年度に向けてはその方向でいきたいという基本方針をお述べいただいて点睛していただきたいと思うのです。
#21
○国務大臣(植木光教君) 五十年度から上薄下厚の体系を取り入れるべく努力をしたのでございますけれども、いろいろ技術的な問題がございまして、これを詰めることができませんでした。実現することができませんでした。ただいま部内におきまして、どのような考え方で、どのような方式を採用すべきであるかという案を練っております。できるだけ五十一年度から実現をしたいという姿勢で取り組んでおるのでございまして、御理解をいただきたいと思います。
#22
○上田哲君 結構です。ひとつぜひその方針を強めていただきたい。大蔵省もその方針に大いに協力するというのを約束をしてください。
#23
○政府委員(梶木又三君) 今回の恩給の改正は、御承知のとおり一律アップでやっておりますが、この一律アップは方式が簡単、わかりやすいという利便もございます。しかし、これだけでなくて退職者の方々の相互間のバランスを崩さない、こういうことも一つ大きな考えの中に取り入れておるわけでございます。それで、現在の方法でも最高限度も設けておりますし、それからまた、年金の最低の保障制度も設けておるというような点で、いま上田委員が御指摘のような点は、私ども相当緩和されておるんじゃないか、このように考えております一しかし、いま総務長官御答弁ございましたので、総理府ともよく検討いたしまして善処したいと、かように考えております。
#24
○上田哲君 それから、低額受給者の救済ということと関連しまして、老齢福祉年金との併給制限。恩給が幾ら改善されてもやっぱり扶助料等では低いものがあるように思えるわけで、少々の恩給、扶助料をもらっているために七十歳になっても老齢福祉年金がもらえない、あるいは制限があって二十四万円との差額しかもらえない。これはやっぱり矛盾であることは間違いないわけですね。一般の人は七十になればもらえるんだ、しかも恩給というのは――どうもこの恩給という言葉はまたひっかかりますけれども、恩恵的給与であるとか、ただでもらうというのじゃなくて、長い間公務に尽くした人が、あるいはその遺族が、そういう理由のもとに権利としてもらうのだというものであるならば、この併給制限というのは思い切って撤廃すべきである、あるいは限度額を思い切って上げなければならないのではないか、局長どうですか、これは。大臣でもいいですが。
#25
○政府委員(菅野弘夫君) ただいま御指摘の問題は、恩給そのものの問題ではございませんで厚生省所管の問題でございますので、私どもからお答えをするのはいかがかと思うわけでございますが、厚生省の方はそういう問題についていろいろ研究をなさっているんじゃないかというふうに思います。老齢福祉年金の性格等からいって、なかなかむずかしいというふうな私たちは仄聞をいたしております。ただ、限度額については本年も十六万円から二十四万円でございましたでしょうか、そういうふうに制限額を上げるということでいろいろ御努力をされているように聞いております。直接、恩給の問題でございませんので、歯切れの悪い答弁でございますが、そういうことでございます。
#26
○上田哲君 しかし、私の言うことはお認めいただくはずですから、それは所管がいろいろあると思いますけれども、限度額の引き上げ、制限額の引き上げとか、あるいは思い切った撤廃とかいう方向に向けてひとつ御努力をいただくというのは、方向として長官いかがですか。
#27
○国務大臣(植木光教君) 厚生省に対しましてただいまの御意見を直接伝え、できるだけ御期待にこたえるように私どもも努力をしてまいります。
#28
○上田哲君 それで結構です。ぜひがんばっていただきたい。
 がんばっていただきたいということを申し上げるについて、所管の問題が出たからひとつ申し上げるわけだけれども、国家公務員共済制度の所管が、いろいろ出ておりますけれども、そもそもが大蔵省主計局というような国家財政をつかさどるところであって、これまでのいきさつで非現業国家公務員の共済に関する仕事を大蔵省が所管している。この必然性は全くないんじゃなかろうか。まあいまも当委員会で、退職公務員の年金制度である恩給と並べてこの審議が行われているわけですが、片や大蔵省、片や総理府、大臣を並べるのも大変だと。委員会のこれはもう悩みの一つにもなるわけです。また、この当委員会ではしばしば現職公務員の給与を審議しているわけでありますけれども、その所管も総理府人事局で、現職公務員の給与または退職公務員の恩給、どっちをとっても総理府が扱っているんですから、これはひとつそうした行政の一貫性から言って大蔵省じゃなくて総理府に移すのが筋じゃないかと。まあ観点変えてみましても、大体国家財政全般を見なきゃならない大蔵省主計局に公務員共済業務があるというのは、大蔵省から見てもナンセンスじゃないか。まあ人事局というような役所がないときなら別でありましょうけれども、四十年にこれが新設をされている。それまで主計局で扱っていた国家公務員退職手当も人事局に移ったと、そういういきさつから考えれば、まあどうも主計局にそのまま残っている感じでしかないわけですから、この際、その公務員の給与等を扱う総理府人事局あるいは退職公務員の年金を扱う総理府恩給局、こういうところに移されるのが至当ではないか。さっきの話とはちょっとずれて所管だけの問題でありますけれども、ひとつその辺を整理されるということをお考えになってはいかがでしょうか。
#29
○政府委員(梶木又三君) なるほど、いま御指摘のように国家公務員の共済組合制度は、これは私どもの方の大蔵省がやっております。それから、退職金、給与は、これは総理府の方で所管されておるわけでございますが、これは御指摘のとおりそのとおりで、いまのところは事実でございますが、上田委員も御承知と思いますが、三十年にいまお話しのとおり人事局ができましたときも、共済年金は国の一方的な負担によるものでない、そういうこと。それからまた、総合調整という見地から見ましても特に問題が認められない、こういうことがございましてあのときも人事局の所管にならなかった、こういう経緯もございます。それから、御承知のとおり、長い間の歴史も持っておりまして、そういう沿革的な理由もございまして、いままでのところ別に支障が起きたというような点もございませんので、御指摘ではございますが、いまのところ所管を一本化するという気持ちは私の方は持っておりませんので、ひとつ御理解をいただきたいと、かように考えます。
#30
○上田哲君 なわ張り根性を聞いているような感じがするんですが、いっぱい問題起きるわけですよ。第一、委員会審議でも大変困るわけで、私はそれは整理されてしかるべきところへ来ていると。各省に属せざるところはすべて総理府の所管ということなんですが、そういう意味で植木国務大臣、いかがですか。
#31
○国務大臣(植木光教君) いま大蔵政務次官からお話がありましたような経過並びに現在の状況でございまして、まあ特に支障が生じているということはない状況でございます。実際上問題が生じないように、必要に応じまして十分大蔵省と連絡をとってまいりたいと存ずるのでございまして、現在のところこの点につきましては、なわ張り争いとかそういうようなものとしてではなしに、まあ沿革的な問題、あるいは人事局設置の際の協議等によりまして、いまのようなあり方が決められているわけでございますから、一本化ということにつきましてはいまのところ必要ではないのではないか、このように考えます。
#32
○上田哲君 まあこれはいかに障害があるかというところは、後ほどたっぷり時間をかけて同僚議員から質疑をいたしますので、そういうさまざまな障害が明らかになった暁には、ただいまの御言明どおり直ちに機構の整理をしていただくと、なわ張り根性などはさらさらないはずというお話でありますから、もう機能の能率化の前進のためには速やかにひとつ処置がしていただけるものだという御確言と理解をいたします。
 それで、最後の問題ですが、来年度のことをやはり考えておかなければならない、これは長い制度でありますから。そういうことで言いますと、まあ本年度の前進は私は評価しておるんです。非常に素直に評価もしておるし、それはまたその上に立っての話なんでありますけれども、その評価するがゆえにこそ、ことしの改善分が来年どういうふうに変わっていくのかということに心配をしないわけにはいかない。さなきだに激しいインフレ、スタグフレーションは、政府の施政なおとどむるもあらずと思いますから、そういうことを考えるならば、こういう社会的に弱者と言うべき人々を対象とする制度の厚みというのは、まさに政治の要諦でなければならぬ。
 そこで、あえてこういうふうに大上段に振りかぶって申し上げるゆえんのものは、来年これが平年度化するとどういう規模になるか。そもそも新聞なんかで報ぜられているところによると、来年度の概算要求は本年度の二〇%増までということになると。この二〇%増ということを仮に前提として計算をいたしますと、平年度化だけでいずれにしてもこの恩給は二〇%を超えてしまう。それも、まあベースアップもあるでしょうから、まさに恩給会計そのものがもうパンクをしてしまうのであって、これはもうせっかくの改善がしりすぼみになってしまうという心配があります。その状況をどのように判断されますか。
#33
○政府委員(菅野弘夫君) まあ私たちは来年度のことまで、本年度はすでに予算が通っておりますけれども、法案を御審議いただいておる段階でございますので、なかなか来年度のことまでは頭が回りませんので、来年度のことを詳細にまだ検討する段階になっておりませんけれども、御指摘のように、今年度いろいろな改善が行われておりますが、これを平年化するということは、これは容易に推算ができるわけでございまして、そういう平年度化する数字はそれだけで約千五百億ぐらいになるのではないかというふうに、一応推定をいたしております。千五百億を超すのではないかと思っております。そういたしますと、恩給の予算は六千八百億余でございますので、それだけで二〇%を超すということに相なります。そのほかいま御指摘のようなことがございますので、そういう点については大変来年度の予算編成に当たってどういうふうになるのかということを危惧をいたしておりますけれども、先生御指摘のような性格のものでございますし、この点については今後の予算編成、概算予算の請求から予算編成に当たりまして、財政当局とも十分お話し合いを重ねてまいりたいというふうに思っております。
#34
○上田哲君 長官、これは基本的にはやっぱり社会福祉費関係、特に恩給というものを含めて、これは枠外で二〇%とか、平準的な頭打ちじゃなくて枠外で考えていかないと、特にこういう経済状態のもとでは意味がないと思うんです。その辺は恐らく与党の皆さんも全く私がきょう言っていることはもう全部御賛成に決まっているんだから、全会一致の問題になるわけでありまして、これはバックアップの力も強いんですから、ぜひひとつ自信を持って、勇気を持ってこういうものは枠外でやっていくというような決意を、これは来年の話ですからね、来年度に向けては大いにひとつがんばっていただかないと、話が半分になったって残るところは残るんでありますから、その決意をひとつ長官お願いします。
#35
○国務大臣(植木光教君) 五十年度の予算編成に当たりましても、大蔵省に対しまして強い要請をいたしまして、二五%増という枠でございましたけれども、この枠を超えて予算を獲得することができたのでございます。財政的に大変苦しい状況であるということはもう御承知のとおりであり、私どももそのように認識をいたしておりますけれども、枠外でこういう弱い立場の人々に対する給付の増額ということについて強い決意を持って臨んでまいります。
#36
○上田哲君 結構です。これはもう、この部分にはやり過ぎてやり過ぎることはありませんので、ぜひひとつ御努力をいただく。私は恩給という言葉がすでに古いんじゃないかという、その感覚を言葉の上から改めてみるぐらいの気持ちで、やはり長い年月、社会のために貢献をされた方々に大いにひとつ報いるところは権利として確立せにゃならぬということを、名称の上からも申し上げたいし、積み重なった努力の結果とはいえ、積年の弊はやはりこの際システマチックに変えていくべきであるということを申し上げたわけです。その中で、たとえば夫と妻という古い対比を配偶者という形でしっかり近代的なたてまえとして見直そうということも、非常に強く要望されましたので、私は結構だと思います。
 ちょっと余談になりますけれども、私は恩給局長と中学の同窓でありまして、私の先輩であります。上級生としては非常にやさしい、いい先輩でありました。試験の朝など教えてもらって、本当に私はいまでも感謝しているわけですが、それが弱い人々を助ける局長としてあらわれたというのは、大変私は適役だと思っているんです。ですから、そういう人柄で、まさに一灯、二灯を点じて人々に希望を与え、安らぎを与えるという努力はぜひひとつがんばってもらわなきゃならぬということを、私情ではなくて、これは御激励を申し上げておきたい。どうか長官、いろいろお約束はありましたけれども、これはまた恩給制度は過去も長かったし、これからも長い制度でありまして、一朝一夕に直ちにすべてを百点にせよとは申し上げないけれども、特にこういう社会情勢、経済情勢の中であってみれば、この部分に政治がやはり大きな努力が集中されてしかるべきであると思います。仮にもこのところに苦しいしわ寄せがもたらされるということのないように、これはひとつ総理府、さまざまな所掌をすべて引き受ける非常に繁多なところではありますけれども、この部分に強い光を当てていただくように強く要望をいたしまして、質問を終わります。
#37
○野田哲君 ただいま、上田委員の方から共済組合の所管の問題について質問が行われ、それぞれお答えがあったわけでありますが、梶木大蔵政務次官並びに植木総務長官のただいまの答弁は、一昨日の大平大蔵大臣の、この問題についての片岡委員の質問に対するお答えとちょっとニュアンスが違うと思います。一昨日の片岡委員の質問に対する大平大蔵大臣のお答えは、検討に値する課題であるということで、今後の検討を約束をされた、こういうふうに私は聞いております。そういう面からちょっとニュアンスが違うので、もう一回、これはそれぞれ関係各省庁で協議をしてもらいたいと、こう思うんです。
 そこで関連をして伺いたいと思うんですが、総理府設置法第六条の三、人事局の所管業務が規定をされています。この人事局の所管業務として国家公務員等の厚生に関する事項というのが規定をされています。総務長官並びに人事局長に伺いたいと思うんですが、一体総理府として、この国家公務員等の厚生に関する業務としていまどんな業務を担当しておられるか、あるいは将来これをどう拡充、強化されていこうと考えておられるか、この点をまず伺いたいと思います。
#38
○政府委員(秋富公正君) ただいま御指摘のございましたように、総理府設置法に基づきまして、人事局におきましては福利厚生に関する事務を所掌いたしております。で、具体的にどういうことを行っているかということでございますが、いわゆる福利厚生と申しますと、保健の問題、あるいは安全保持の問題、レクリエーション、こういったような、非常に各般にわたっておるわけでございますが、現在どういうことを行っているかと申しますと、まず一つには、いわゆる各省庁の行っています、こういった福利厚生計画の総合調整を行っているわけでございまして、たとえて申し上げますと、毎年度ございます各省庁の職員厚生経費、こういったものにつきましても、定例的に厚生担当課長会議をいたしまして、それぞれの各省の計画を承知しながらその統一的な要求というものを大蔵省にしていく、これを獲得していくというようなこともございます。あるいは国家公務員の安全週間、これは七月一日から一週間でございます。あるいは健康週間、これは十月一日からの一週間でございますが、こういった面におきましての職員の安全あるいは健康の促進ということを、統一的、計画的に決めておるものでございます。また、いわゆる職員のレクリエーションの促進という意味におきまして、現在船橋につくっておりますが、公務員体育センターの建設、これの広く利用といったようなこと、あるいは公務員の財産形成貯蓄、いわゆる持ち家制度の促進と、こういった面についての促進方を行っておる以外に、たとえて申しますと宿舎の整備、あるいはその環境の改善、こういった面につきまして各省の計画を総合的に調整しつつこれの促進ということをやっておるわけでございます。
#39
○野田哲君 いまいろいろ人事局長の方から羅列をされましたけれども、一言で言えば大したことはやってないわけですよ。わずかの金額の福利厚生の予算の獲得というか、計上、あるいは船橋の施設とか、財形とか、いろいろ言われましたけれども、実際に職員が厚生面で直接かかわっているのは、何といっても国家公務員の共済組合によっての保養施設の利用であるとか、あるいは保健給付であるとか、あるいは住宅の資金の借り入れ等の、国家公務員共済組合によって行われておる業務というのが、非常に広範な範囲を占めていると思うんです。言うならば、国家公務員の福利厚生という面はほとんど大半を共済組合の方によって補完をされている、こう言ってもいいと思うんです。そういう意味から言えば、先ほど来、大蔵省で所管をしておって別に支障はない、こういうふうに言われておるけれども、職員の側からすれば、やはりこれを一元化してもらいたい、こういう強い意見を持っておるわけです。国家公務員の職員団体等がいま待遇改善を政府に求めていく場合でも、やはり窓口は総理府になっているわけです。退職金の問題をやろうとすれば総理府の人事局へ行かなければならない。大先輩の人たちの恩給の問題をやろうとすれば恩給局へ行かなければいけない。共済制度の改善をやろうとすれば大蔵省に行かなければいけない。給与の問題で言えば人事院にも行かなければいけない。こういうふうな形で、担当所管庁が非常に多岐にわたっているということは、あなた方の方では別に支障は感じていないと言うけれども職員の方から言えば大変に支障を感じているわけなんです。そういう面から、これはやはり簡単に支障を感じていないと言うのはあなた方の立場であって、職員の方は大変支障を感じておるわけでありますし、一昨日大平大蔵大臣も、検討に値する課題でございますと、こういうふうに言われたわけでありますから、これはやはり、従前から大蔵省でやっておるということを固執をしないで、素直に――私はやはり国家公務員の、公務員になってから死亡するまでの一生涯の問題は、総合的に、トータルに一つの人事を所管をしておる総理府で、計画的に総合的に扱われることが最も妥当な措置ではないか、こういうふうに思うんですが、重ねて見解を承りたいと思うんです。
#40
○政府委員(植木光教君) 先ほど上田委員にお答えをいたしましたのは、恩給と共済の場合、それぞれ沿革や仕組みが異なりましていろいろな問題があるという点と、特別支障を来していないということを私は承っておりましたので、先ほどのようなお答えをしたのでございますが、なるほど、受給者の面、あるいはまたそれぞれのお立場の方々からいたしますならば、一本化すべきであるという御意見は傾聴するに値するものであるというふうに存じますので、私どもといたしましても、十分今後検討させていただきます。
#41
○政府委員(梶木又三君) 共済制度には、国家公務員の共済制度のほかに、御承知のとおり地方公務員あるいは公共企業体、それから私立学校の先生方のやつ、農林漁業の団体、こういうものがいろいろございまして、それぞれの所管省で所管をいたしておるわけでございまして、これとの調整問題等もあるわけでございます。そういうことで、いま直ちに一本化ということになりますと、先ほど上田委員にお答え申し上げましたように、現在それほど支障もございませんので、いますぐにはなかなか移し得ないという点があるわけでございます。しかし、先ほど上田委員御指摘ございましたように、将来いろいろな点で大きな支障が出てくる、こういうことになりましたら、それは私どもとしましては、当然その支障排除ということで懸命な検討をしなければならぬ。恐らくうちの大臣がお答えをいたしましたのもそういう意味における検討に値する問題じゃないかと、こう私は解釈いたしておるような次第でございます、
#42
○野田哲君 この問題は今回初めて提起をされている問題ではないんですね、これは。昭和四十八年の本院においても、鶴園委員から、坪川総務長官、現在亡くなられておる愛知大蔵大臣に対して、私どものいま主張しておることと同様の指摘を行っておりまして、当時もやはり坪川総務長官、愛知大蔵大臣、それぞれ十分検討いたします、御意見については十分検討いたしますと、こういうお答えをされているわけなんです。こういうふうに、従前にもこの問題が指摘をされて、検討する、こういう約束をされていながら、言うならばその場しのぎに終わっている。こういう点、やはり私どもとしては国会での審議を余りにもないがしろにし過ぎるのではないか、こういうふうに考えるんです。この点は重ねて大蔵大臣の一昨日の答弁、検討に値するということを言われておるわけでありますから、これは言葉だけの問題ではなくて、十分これはやってもらいたい。こういうふうに思います。
 そこで次に、先ほど同じように上田委員から御指摘をされましたが、恩給制度について、一律アップ方式になっているという点、改善された面はありますけれども一律アップという方式、これは御承知のように、今回の場合には昨年の公務員の給与の改善を基礎にしてこの措置がいま提起をされておるわけです。昨年、一昨年と、ここ二、三年来の公務員の給与の改善の実態を見ると、金額的には上厚下薄、こうなっておりますけれども、引き上げ率については上薄下厚、こういう形で、アップ率は下が厚く上が薄い、こういう形がずっと今日、ここ当分続いているわけなんです。だから、これを単純に一律アップという方式でいくときには、退職後の生活の一番よりどころになっている恩給にまで在職当時の上厚下薄という制度がそのままストレートに移行してしまう、しかも、その格差は拡大をしていく、こういうことは歴然としているわけであります。恩給制度が賃金のスライド方式を採用した以上は、この本質的なスライドということを考えていく場合には当然、一律方式ではなくて厳密にそれぞれの引き上げ率をスライドしていくということは、技術的にはむずかしいと思うんですけれども、これを何段階かに分けて、やはり下に厚く上に薄い、そういう改善率でもって措置されるのが正しいスライド方式ではないかと私は思うんです。かつて昭和四十二年ですか、年齢別に三段階方式によってアップをしたという経過もあるわけでありますから、これはやはりとり得ない措置ではないと思うんです。私が承知しておるところでは、恩給局の方では何段階かのスライド方式というものを検討をされたはずだというふうに承知をしているわけなんです。結論的にはそれが大蔵省の段階で一律アップ方式に改められた、こういうふうに伺っているわけでありますけれども、この点についてまず基本的な考え方と、ことしの場合の改善措置について恩給局としては何段階かに分けたスライド方式というものを検討をされたのかどうか、また、大蔵省はこれに対してどういう考え方をとったのか、こういう点について伺いたいと思います。
#43
○政府委員(菅野弘夫君) 今年度の予算ができますまでの御質問でございますので、事実を申し上げます。基本的ないろいろな問題は別といたしまして、事実だけを先に申し上げますと、一律アップにも、利点もあるけれども問題もあるというのが私たちの認識ではあります。そして、一律アップをどういうふうに展開していくかということになりますと、その考え方の基本の問題並びに技術的な問題があるということで、先ほど申しましたようにいろいろな面で苦慮をいたしておりますけれども、最終的に理想的な形ができなくても、そういう傾向を何らかの形で取り入れる必要はやはりあるのではないか。本院の附帯決議も昨年なされたことでございますし、そういうことから、理想的な状態はなかなか技術的にも詰めるのに時間がかかりますので、昨年はいわば暫定的なと申しますか、とりあえずということで、いま何段階かでやる方法もあるじゃないかと言われましたけれども、実は三段階の形をつくりまして予算要求に及んだわけでございます。三段階の内容は、これは技術的になりますが、八十二号俸まであります号俸の中の四十五号俸以下のところと、それから四十六号から六十二号俸の真ん中の段階と、六十三号俸以上の上位の段階と、こういう三つに分けまして、真ん中の段階は、前と同じ、ずっと去年もおととしもやりました同じ形の同じ考え方に立った同じ率を使ったもので計算をする。これが六・八を入れますと三八・一ということになるんですが、そういう形をとりまして、下の方はそれよりも少しよくする、上の方は少し率を下げるということで、下の方は三九・二、上の方は三六・四という、こういう率を掛けた予算要求をいたしたわけでございます。結果的にそれが全部三八・一という一律になったわけでございますが、これは折衝の段階におきましても、いろいろな技術的な問題等が出てまいりまして、ただ大蔵省が削ったということではございませんで、両方の意見が一致し、閣議においてもそのとおりになったわけでございまして、私たちとしましても、やはり技術的な問題をさらに詰めて、もう少し理想的な案にさらに近づくようなものをこれからもつくっていきたいというふうに思います。
 概略、経過だけを申し上げました。
#44
○野田哲君 それでは、あと残った問題、午後に譲りたいと思うんですが、今回の改善の措置、総理府恩給局としては相当努力をされたと私ども認めるにやぶさかではないんでありますけれども、いまの一律引き上げ方式という問題と、もう一つ私は重大なやはり問題がある。それは時期の問題です。改善の時期の問題、総務長官に伺って、重ねてあと午後大蔵大臣が見えてからこの問題引き続いて伺いたいと思うのですが、八月からの改善措置と、それから積み残し分について来年の一月から。こういうふうに二段階に分けてあるわけでありますけれども、今回の場合の八月、そして積み残し分六・八%の一月、これについては一体具体的に、必然性といいますか、何を根拠にこういう時期が決められたのか、この点を伺いたいと思います。
#45
○国務大臣(植木光教君) 御承知のとおり、過去二十年くらい十月が実施時期でありましたのが、昨年九月になったわけでございます。で、予算折衝のいわば内幕でございますけれども、大蔵省としてはやはり十月にという主張がございましたのを、少しでも繰り上げるべきであるということで、最終的に八月ということで合意を見たのでございます。ただ、御承知のように公務員のベースアップ率が大変高うございまして、二九・三%という率になったものでございますから、したがって、格差補てん分の六・八%については非常に難色を示されたのであります。これもしかしながら、最終的に一月実施ということで合意をしたということでございまして、私どもといたしましては、二年間でこの格差を是正する、補てんをするということはもう至上の命令であるということで、五十年度に何とかして実現したいということで、六・八%を、まあ非常に満足はいたしておりませんけれども、一月ということで実現を見るに至ったのでございまして、財政的にきわめて苦しい中で、一方は八月実施、一方は五十一年一月実施と、こういうことになったのでありまして、大変努力をいたしましたことと、最終的には財政当局も理解を示してくれましたことをひとつ御理解いただきたいのでございます。
#46
○野田哲君 総務長官からいま御説明があったわけですが、恩給という一つの公的年金制度のたてまえからいって、この一月に提案をされている六・八%の積み残し分、これは順序から言えば逆なんですね、逆なんです。これはもうすでに措置されていなければならなかったものが積み残されて今日に及んでいるわけです。それが実施が後回しになって、そうして昨年分のスライド分が八月になるというのは全くこれは順序が逆になっているわけです。だから、一歩下がって、私ども八月という問題にも問題があるけれども、その場合でも六・八%については少なくとも四月とかあるいは七月とか、これが前に来ていなければいけないんじゃないか、たてまえから言えば。こういうふうに考える。それが後回しになっている。この点は妥当性という点では一体どうお考えになりますか。
#47
○国務大臣(植木光教君) 理論的にはいま御指摘になりましたとおりだと存じます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、二五%増という枠を超えまして、私どもとしては恩給増額のために全勢力を傾けたのでございまして、ベースアップ分をスライドさせることを、やはり率としては高いわけでございますから、私どもとしては一日も早く実現をしたい、補てん分については当然まあ四月からという考え方が出てこようと思いますけれども、先ほど来申し上げましたように、非常にスライド分の率が高いものでございますから、最後までこの問題が残りまして、何とか五十一年度に見送らんかというような意見もあったのでありますが、これは何としても五十年度中に実現しなければならないということで、最終的に理解と協力を得たというような次第でございます。理論的にはおっしゃるとおりでありますが、予算編成の過程におきましては、非常な困難な中でこの作業が進められましたのでございます。どうぞその点御了承をいただきたいと存じます。
#48
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#49
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こして。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十五分再開することとして休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#50
○委員長(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
 大蔵大臣が出席をされましたので、まず大蔵大臣に対する質疑から順次御発言を願います。
#52
○片岡勝治君 一昨日の質問に引き続いて、大臣に一点だけ質問をしたいと思います。
 御承知のように、最近のようにインフレ、物価高が大変激しいこういうときに、一体国民はどうして生活を守っていくかといえば・労働者は団結をして春闘を大いにがんばって賃金を引き上げたりするということで生活を守っていくわけであります。この春闘によって、いわば、もちろんいろいろ問題はありますけれども、一定の国民的な賃金水準というものも出てくるわけですね、好むと好まざるとにかかわらず。公務員の場合はその賃金水準を受けて人事院の勧告が行われて、公務員の給与も四月一日から引き上げられると、こういうシステムになっているわけなんです。その労働者の賃金水準に、まあ何といいますか、この枠から外れた人たち、端的に言えば年金受給者に対して、一体国民的な賃金水準にどう適応させるか、対応させていくかということが非常に重大な課題になってくるわけであります。これは何も恩給や共済年金だけではなくて、厚生年金あるいはその他の公的年金全般にかかわる問題であります。いままでの質問によりますと、総理府を初めとして関係当局の方の努力を私どもは率直に言って評価もしているわけでありますけれども、しかし、予算がないから、あるいは財政も逼迫しているんだからといって、年金受給者に対して新しくできた賃金水準の適用をいわば実施時期をおくらすことによって、国家財政というか国の財政を賄っていくということについては、私どもは耐えられないんです。最も弱い人々の層に当然四月一日から適用する年金の増額に対して、ことしの今度改正する約三〇%の引き上げは、本来ならば去年四月一日からやらなければならぬ引き上げですよね。これを、財政が逼迫しているんだからといって一年四カ月もおくらして実施することはわれわれとしては耐えられない。最も弱い人々の犠牲において財政を賄っていくという、そういう政治姿勢については根本的に改めていかなければならないと思うのであります。国家財政を賄うには、私は、もし節約するという課題に迫られればほかにあると思うのです、ほかに。この点についてむしろ私は総理に基本的な考え方をお聞きしたいんですが、まあ財政全般の責任的な立場にある大蔵大臣の意見をお聞きしたい。私は、これは三木内閣の、つまり政治的な姿勢、性格、そういうものを端的にあらわす指標になると思うんですよ。年金受給者を何カ月おくらして実施するかということは、今後の三木内閣の福祉政策に対するいわば基本的な指標でありますので、この際、大蔵大臣の明確なお答えを聞きたい。
#53
○国務大臣(大平正芳君) 基本的には物価の安定を図りましてあらゆる給与の実質価値を保障してまいることが財政経済政策の基本でなければならぬと思います。そういうことを通じまして年金額の実質的価値を維持するということは、仰せのとおり財政政策の基本でなければならぬと考えるわけでございまして、私どもといたしましても、財政の許す限りそういう方向に最善の努力を傾けなければならぬと考えておりまして、現在までもそういう方向に、難きところ努力は重ねてまいったわけでございますけれども、必ずしも満足すべき状態にまだ参っていないことは御指摘のとおりでございまして、今後ともこの方向にさらに鋭意努力をいたしてまいるつもりでございます。
#54
○野田哲君 大蔵大臣に、まず公共企業体の共済組合の関係について伺いたいと思うんですが、公共企業体の共済組合に対する国庫負担率一五%ということになっておりますが、私が申し上げるまでもなく、厚生年金については二〇%の国庫負担を行っているわけであります。同じ公的年金制度の中でなぜ厚生年金の場合の国庫負担率と公共企業体の場合の国庫負担率が異なるのか、この理由をまず大蔵大臣に伺いたいと思います。
#55
○政府委員(高橋元君) 大臣から御答弁のあります前に、技術の問題でございますので若干申し上げたいと思います。
 公的年金に対する国庫負担をどのようにしていくかということは非常に大きな問題でございますが、まあ現在掛金のみをもって十分な給付ができないとか、事柄の性質上その制度の被保険者から拠出を求めることが適当でないとか、低所得者を広く制度の対象としておるようなそういう年金制度というようなものにつきまして、優先的に限られた財政の中で国庫負担ということをしてまいるということであろうかと思います。現在の制度は、ただいま野田先生からお話のありましたように、厚生年金は二割、それから、共済は農林と私学をのけますと一五%ということに相なっております。それで、厚生年金と共済年金の給付水準の差というものを考えてみますと、厚生年金は共済年金の大体六割ということに相なろうかと思います。これは支給される平均の年金額、それから支給開始年齢が厚生年金の場合には六十歳、共済年金の場合には五十五歳、そういうことを考えますと、大体六割ということに相なっておりまして、厚生年金の給付に対する国庫の負担二割というものは、共済に直しますと一二%ということでございます。それを裏づけますように、一人当たりの国庫負担額というもので申し上げましても、大体現在のところ共済年金の方が厚生年金よりもやや大きくなっておる。そういうことで、公的負担といたしましては共済年金と厚生年金は現在の制度のもとでバランスがとれておるというふうに考えております。
#56
○野田哲君 いま主計局次長の方から、バランスの問題について、そういう見方をすればこれは一つの見方としてそういう理屈が成り立つと思うのだけれども、現実にしかし、一五%と二〇%、こういう差がある。このことについて、いま賃金水準等の関係からいろいろの説明がありましたけれども、従来大蔵省としては、公経済という立場からこれでいいんだと、こういう主張をされておったというふうに伺っているわけです。そういう点で大蔵大臣に直接聞きたいわけでありますけれども、この厚生年金の二〇%、共済制度の一五%という負担率、これは今後改正をするという考え方は一切持たないのかどうか、この点を大蔵大臣から伺っておきたいと思うのです。
#57
○国務大臣(大平正芳君) いま事務の方から申し上げましたように、実質的に申しますと、厚生年金の場合と共済年金の場合、負担がむしろ共済年金の方が大きいのが実態じゃないかという意味のことを申し上げたわけでございます。しかし、制度的には野田先生のおっしゃるとおり形の上で差がありますことは御指摘のとおりでございます。しかし、これをそれでは改めようといたしますと、今度はまた新たな不均衡が生まれることにもなりまするので、大蔵省といたしましては、ただいまのところ現在の制度を改定しようという考えは持っておりません。
#58
○野田哲君 賃金水準の問題から先ほど説明があったわけでありますけれども、共済組合の組合員一人一人を考えてみると、賃金の高い職員もおれば賃金の低い職員もいるわけであります。厚生年金の受給者よりも、はるかに賃金の低い職員も国家公務員の共済組合員あるいは公共企業体の共済組合員にはいるわけであります。したがって、一人一人の立場から考えてみると、厚生年金の対象者については国が二〇%の負担をしている、国家公務員や公共企業体の場合には国が一五%しか払っていない、明らかにこれは不平等、不公正が生じているわけであります。こういう点は、今後やはり制度としては改善をすべき問題点を提起をしておるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。この点については、大蔵省の関係団体等に対する説明では、公経済という立場から、たとえば国鉄の場合、日本国有鉄道に対して、共済組合には二〇%は出していないけれども別の面で国鉄に対しては財政負担をしておる、こういう説明がよく行われているわけでありますけれども、これはやはり、この共済組合の適用を受けるのはそれぞれ組合員一人一人が受けるわけでありますから、その場合には明らかに国の負担率というものはアンバランスという形がそのまま出てくる、こういうことになるんじゃないですか。その点は、制度として大蔵大臣はどうお考えになりますか。
#59
○政府委員(高橋元君) 二つの問題がございまして、一つは、給付に要する費用を厚年の場合には二割、共済の場合には一割五分を国庫が負担をいたしているわけであります。したがって、給付に要する費用、それは厚年の場合は総平均標準報酬額を基礎といたしますし、共済の場合には退職前一年、公企体の場合は退職時の俸給を基礎といたしますので、したがって給付水準に差があるということを先ほど申し上げました。数字で申し上げれば、国共済は五十年の新規発生の年金が月額十万四千円、厚年の場合には七万一千三百円というふうに推定されます。したがって、それの一五%を負担いたしました場合には、国家公務員共済組合は一人当たりの国庫負担は一万五千六百円、厚年の場合には一人当たり月一万四千二百六十円、こういうことになってバランスがとれておるということを先ほど申し上げたわけであります。
 第二の問題は、公企体共済の公経済主体の負担というものが国庫から公共企業体に繰り入れられることがないということでございます。その点は地方公共団体と同じような理由でございまして、年金制度と申しますか、広く社会保険制度というものを推進してまいるという目的のために、公経済主体たる公共企業体、または公経済主体たる地方公共団体が、ただいま申し上げております一五%の負担金というものを出すということがこれらの国庫負担の趣旨でございますから、したがいまして公共企業体の場合には、従来から国が行ってまいりました仕事を公企体という形でやっていただく。それには必然的に公権力というものもございますし、独占というものもございます。したがって、その事業に関する限りでは公経済主体という地位にあると思いますので、したがって公企体の場合には、いま申し上げましたように公経済主体として、公企体の財政の中で一五%の負担をしていただくという制度になっておるわけでございます。
#60
○野田哲君 答えは平行線で、大蔵大臣の時間も限られておりますので、もう一つの問題について大蔵大臣の見解を伺いたいと思うのです。
 今回提案をされている恩給、年金の改善について、実施時期が八月実施、それから従前の積み残し分六・八%が来年の一月実施、こういう形で実施時期が二回にわたっている。しかも、いま片岡委員の方から質問があったように、今回の二九・幾らかの改善についても、これは一年四カ月のおくれということになっているわけであります。その上にさらに積み残し分について翌年の一月から、こういうことになっているわけです。これは明らかに逆転をしておるわけであります。午前中の質問でも総務長官に質問したわけでありますけれども、本来から言えば六・八%というのは、すでに実施されていなければならないものが今日に持ち越されて、しかも来年一月、こういう形になっているわけです。これは大蔵省の昭和五十年度予算の査定段階でこうなったということは、経過として明らかであります。そこで大蔵大臣に伺いたいのは、本来、この八月からの改善措置、来年の一月からの改善措置、公的年金制度としてこういう時期が具体的にどんな根拠を持って今回提案をされているのか、この点について伺いたいと思います。
#61
○国務大臣(大平正芳君) これは先ほど片岡委員にもお答え申し上げましたように、年金額の改定ということにつきましては、物価の上昇にかんがみまして、できるだけ実質的価値を保障して差し上げなきゃならぬという政治の責任があるわけでございます。したがって、われわれといたしましては、御満足がまいりますようにできるだけ配慮してまいらなきゃならぬ責任があるわけでございます。したがって、財政上の制約というものの範囲内で可及的に財源の捻出に努力をいたしました結果、総理府総務長官とも鋭意折衝を重ねました結果、ぎりぎり御提案申し上げているようなところで今年はお願いすることにいたしたわけでございます。これが理論的に適正であるとか何とかということをわれわれは強弁しようとは思わないのでございまして、全く精いっぱい政府として努力した結果であるというふうに御了承賜りたいと思います。
#62
○野田哲君 これが適正と強弁しようとは思っていないということでありますが、そうであるとするならば、私はやはり適正な実施時期に向けて早めていくという展望を持たなければ、受給者としてもなかなか素直に納得をすることができないと思うんです。従来、今回の改善の基礎といっている公務員の給与についても、従前十月実施、こういう形が長年の慣行として行われておったものが、昭和四十一年から数カ年の間に漸次前進をして、五月からの完全実施になり、今日では四月から公務員の給与が引き上げが行われるということはもう常識化しているわけであります。したがって大蔵大臣、この際、これが適正であると強弁しようとは思わないということであれば、今後の取り扱いについて、少なくともこの年金、恩給を唯一の生活の支えにしておる受給者に対して、将来に希望を持たす意味からも四月実施に向かって具体的にどう前進をさしていくか、こういう点についての展望をぜひこの際大蔵大臣、それから植木総務長官、両大臣おそろいのところでありますので、それぞれ聞かせていただきたい、こういうふうに考えます。
#63
○国務大臣(大平正芳君) まあ、先ほど財源問題でぎりぎりのところを考えたということを申し上げたわけでございますが、そのほかに他の年金制度との均衡を図るのは政府として当然のことでございまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、そういったいろいろな問題点を踏まえまして、年金の実質的価値の保障のために前進していくということに最善の努力を払ってやってまいりたいと思います。いま野田委員の御指摘の点につきまして、具体的な展望という点はいま提示するまだ私自信がないわけでございますが、本年の予算で提示いたしましたことが政府として決まりましたことでございまして、今後のことにつきましては将来とも鋭意努力するということで御了承いただき、われわれといたしましては、明年度以降の予算の編成を通じましてそういう方向に努力をしてまいるということで御了承賜りたいと思います。
#64
○野田哲君 そういたしますと、具体的な実は展望を聞きたかったわけでありますけれども、時間も参りましたので、最後に、そうすると将来前進させるという方向で努力されると、こういうお気持ちであるというふうに承っておいてよろしいですか。
#65
○国務大臣(大平正芳君) まず後退があっては大変だと思います。前進しなければならぬと考えております。
#66
○太田淳夫君 それでは、大蔵大臣に質問させていただきます。
 この国会で、政府からILOの第百二号条約、すなわち社会保障の最低基準に関する条約の批准を求められております。これが批准をされるということは大きな意義があると思います。私たち日本の国は、いままで経済大国でありながらそういった社会保障については最低基準さえ満たしていない、このように言われてきましたけれども、この百二号条約が批准されるということは、一応国際的な最低基準を受け入れると、そういうことで素地ができた。これも国際的な目安を持ちながら日本の社会保障制度というものが検討もされていく、そういう大きな門口に来たんじゃないか、まあこういうふうな感じがするわけでございますけれども、そこでこの社会保障制度の一環であります共済制度、この共済制度を所管されております、まず大蔵大臣ですね、その百二号条約と共済制度の関連、あるいは今後の共済制度の給付の内容ですね、今委員会でもいろいろ問題になっておりましたけれども、改善について、ILO条約の批准と関進して今後どのような基本的な考え方あるいは方向で前進を図られるのか、そのことをちょっとお聞きしたいと思います。
#67
○政府委員(高橋元君) ILO百二号条約で、今回わが国が義務を受諾を必要といたしておりますものは、御承知のとおり傷病給付と失業給付と老齢給付、業務災害、四種類でございます。この中で共済制度に含まれておりますものは傷病給付と老齢給付でございますが、そのいずれにつきましてもILO百二号条約の基準を優に満たしておると、こういうふうに考えております。そのほかの医療、母性給付、廃疾、遺族、家族、この五つの給付につきましては、まあ一般の社会保障制度の中で共済に関連のありますものは家族給付以外の四つでございますが、これらはいまだ義務を受諾を留保しておるという状況でございます。それで、義務受諾を留保しました部門につきましても、ほかの社会保険制度の動向というものとの関連をとりまして、関連の中でそれらの動向を見守りながら均衡をとって改善に努めていきたいということでございます。
#68
○太田淳夫君 では、次へまいりますけれども、いま日本の年金体系というものは、御承知のとおりに厚生年金、国民年金を中心として各種共済年金に分かれております。いま国民皆保険という立場から、それぞれどれかの年金制度の適用者になっておりますけれども、これらの年金制度には給付水準の同じものもありますし、いろんなばらつきもございます。特に厚生年金と共済グループとの間には、給付水準あるいは国庫負担でまちまちな点がありますし、そういった制度の統合ということは、まあいろんな事情から困難かと思いますけれども、今後この統合ということもますます声が上がってくると思います。そういった中で、財政の当局者であります大蔵大臣、将来の総理大臣とも言われております大平大蔵大臣、現在のこの年金体系の現状というものをどのように把握されておるか、あるいは将来どういうふうにこういった年金体系というものを持っていかなければならないか、お考えがありましたら所見をお聞きしたいと思います。
#69
○国務大臣(大平正芳君) わが国の年金制度、近時著しく改善をおかげさまで見てまいったと考えておりますけれども、しかし、御指摘のように多くの年金制度が分立してばらつきが見られること、御指摘のように問題があると考えております。しかしながら、多くの年金制度の分立は、それぞれの特殊事情や沿革的な理由がございますので、これを機械的に統合するということは容易なわざでないことは御理解いただけると思います。で、われわれが所管いたしておりまする共済制度に即して申し上げますならば、制度の単純な統合よりは、他の公的年金制度とのバランスを考慮しながら、制度の基本的部分につきまして厚生年金制度との調整を図りながら共済制度の特色を出していきたいと考えておるわけでございます。
 なお、共済年金の実質価値の維持、その水準の向上につきましては、財源並びに他の公的年金とのバランスを考慮しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
#70
○太田淳夫君 ここに衆議院の地方行政委員会の附帯決議がありますが、これを見ますと、第一項ですか、「公務員関係共済制度における基本問題を調整改善するための関係閣僚協議会の設置について早急に検討すること。」、こういう第一項がございます。お話しのとおり、共済グループにつきましても、国家公務員共済年金を中心として各種の共済グループがあります。その中で、給付水準や国庫負担にいろいろ差異があり、それぞれ歴史的な沿革もあるようでなかなかむずかしいと思いますけれども、この附帯決議にありますように、「共済制度における基本問題を調整改善する」と、そういうことのためにはこのような関係閣僚協議会というものが私どもも必要であると、このように思いますが、その点についての御見解をお聞かせいただきたい。
#71
○国務大臣(大平正芳君) 私の聞いておりますところでは、われわれの持っておる問題としては、共済組合制度の中に問題があるのではなくて、多くの調整すべき問題は、公的年金制度全体の中での共済年金との関係、そういったところに問題があるように思うのでございます。したがって、こういう公的年金制度の構造との関連においていろいろな問題を取り扱っておる審議会というのが、すでに、公的年金制度調整連絡会議でございますとか、あるいはもっと大きな立場で社会保障制度審議会というようなものがすでにございますわけです。したがって、こういうところになずんだ問題でないかと思うのでございまして、共済組合制度自体につきましての関係閣僚協議会を設置するという積極的理由は、私はそんなにないのではないかというように考えております。
#72
○太田淳夫君 ただいまお話がありました公的年金制度調整連絡会議というのは、確かに四十二年七月から四十八年にかけていろいろ検討されたようでありますが、公務員グループにつきましての年金の増額方法についてだけだと思いますけれども、これにつきましては、要するに結論を得るに至らなかったと、こういうような報告がされていると思います。この会議というのは、構成メンバーというのは大体事務担当者の集まりではないかと思うのでございますけれども、そういった方々の集まりであっては、このような歴史も沿革もある諸制度につきまして結論というものは出せない、これも当然だと思いますが、この辺でさらに統合問題というものを考えられまして、政治的な決断を下せるような、やはりそういった協議会というのが必要ではないかと、こう思うわけです。したがいまして、この附帯決議にありますような関係閣僚協議会の設置ということ、これはどうしてもやはり必要ではないかと思うんですね。繰り返して申し上げますけれども、審議会等で審議されていてはなかなか結論が出ない、さらに大きな立場でそういう責任を持った方々の会合でこういった基本問題の調整、改善のための協議がされるべきだと、このように思うわけです。再度大蔵大臣にちょっとお聞きします。
#73
○国務大臣(大平正芳君) むしろ総務長官の方が……。
#74
○国務大臣(植木光教君) いま御指摘のように、関係事務次官会議の決定によりまして公的年金制度調整連絡会議を設置し、そしていろいろスライド制の問題等について検討が行われましたが、ある程度の成果は上がりましたけれども、現在のところ、社会保障制度審議会にいろいろな問題について詳細な御検討をいただいているという段階でございます。きわめて専門的、技術的な問題でございまして、政治的な判断だけでなかなかこの統合問題というものはできるものではございませんので、もう少しその専門的な立場で検討を深めていただくということがよろしいのではないかと考えております。
#75
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#76
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
#77
○野田哲君 大蔵省の関係に伺いたいんですが、昨年の制度の改正で、共済組合の組合員について短期給付について一年間の期間で任意継続という制度が発足をいたしました。これは期間が一年でありますから、この制度ができて直ちに任意継続の期間に入った関係者については一昨日をもってこの期間が満了ということになっているわけであります。この任意継続制度というのは、長年にわたって公務員として働いて、その間長期にわたって短期給付の掛金を掛けてきた組合員の間では、かなり掛け捨てという形に現実になっている職員が相当いるわけであります。まあこれは保険制度でありますからやむを得ない面ではありますけれども、少なくともこの掛け捨てになるようなことを少しでもカバーをしていきたい、こういう形で一年間の期間で短期給付の任意継続制度というのが発足したと思うんです。ところが、すでに一番この制度の適用を受けた早い人はその期間が満了をしているということになっておるわけであります。したがって、これはいま少しこの制度を活用をしていくためには、期間について延長をすべきではないか、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この点について大蔵省としてはどういうふうに考えておられますか。
#78
○政府委員(高橋元君) 仰せのように、確かに所得の稼得能力が高い、それから、比較的健康な状態で永年勤務をしてこられた組合員の方が、退職後所得の稼得能力が下がった、また病気にも年をとっておられますのでかかりやすくなられた、そういう段階で共済組合から短期の共済給付が受けられなくなる、したがって、国保なり厚年というものに移行していかれるということは問題があろうかと思います。昨年いろいろ検討をいたしまして、国会での御決議もありましたし、私どもの国家公務員共済組合審議会でもいろいろ検討いたしまして、いまお話にありましたような任意継続組合員に対する医療の継続給付という制度を開いたわけでございますが、この制度は健康保険に実はいろいろ制度をとったわけでございます。健康保険の制度と申しますのは、これは組合健保、また政管健保、それらを通じて、転々と職場をかわっていかれる方が民間の場合にかなりおられる。そういう方々が一つの職場の健康保険から出て次の職場の健康保険に入られるまでの間、つなぎの制度として設ける。その間、雇用主負担のない高い健康保険の掛金を掛けていかれれば健康保険の給付が受けられる、ただしそれは一年間である。一年間であるゆえんは、いま申し上げましたように、職場から職場へ移られるつなぎの期間のものである。こういうことでつくられておりまして、したがいまして、各種の共済組合の給付につきましてこの任意継続組合員制度を導入いたしました際にも、この母法であります健康保険の制度の枠を出ないという制約を受けておったわけでございます。
 先生からも御指摘があり私も冒頭に申し上げましたように、永年勤続せられて退職をした方々の退職後の医療をどうするかという問題は、それとはまた別個の重要な問題であろうというふうに考えます。これは各種の短期の健康保険制度、長期の社会保険制度、そういうものの全部を統合した、いわば新しい退職者医療制度というものをつくりまして、それに共済組合も乗っていくという形で解決を図るべきであろうというふうに考えておるわけでございます。現在の短期の任意継続制度では、一年以上勤務した方が全部さらい込まれてしまうということで、それはそれ自身悪いことではないんでしょうけれども、現存の組合員に対する負担はまた非常に大きいという問題もございますので、そこで、いかにして新しい制度をつくるか、それも早期にそれをつくっていくかということについて、われわれはいま一生懸命検討をし、各省とも協議を始めておる段階でございまして、そういう形で、いま野田先生からお話がありましたような退職者医療制度というものを新しい入れ物に入れていくということに努力をしていきたいというふうに考えております。
#79
○野田哲君 いま主計局次長の方から説明があったわけですが、母法である健康保険の例にならって一年間の制度をつくったということですけれども、いま説明の中で言われたように、民間の健康保険制度の適用者については、説明で言われたように、職場から職場へ移る、ある職場を失業した、次の職場に再就職をする、この間のつなぎ、こういう性格を持ってできておる制度だと思うんです。これは、これを例にして今回の一年間の任意継続制度、公務員の場合の共済組合の場合の任意継続制度というものを考えることは、やはり私は比較に問題があると思うんです。対照の仕方について問題があるんじゃないかと思うんです。それは公務員の場合、この任意継続制度の適用を受けるというのは、いま次長の説明にあったように、ある職場をやめて次の職場へ移る、職場を転々とする間のつなぎという形とは根本的に形態が違うわけであります。中には中途で公務員を退職をして民間の企業へ移るというような場合もあろうかと思いますけれども、大多数の場合、この任意継続の制度を受けたいと思っているのは、一定の年齢に達して職場で退職勧奨を受けるというような年齢になるとか、あるいは定年退職という形でその後の医療給付をどうするかというのが一番問題になっているわけなんです。ですから、いま言われた健康保険制度のもとでの任意継続制度とはかなり質が違うということを考えてもらわなければならないと思うんです。公務員の共済組合、あるいは公企体の共済組合でこの制度の適用を受ける場合には、すでに退職をして再就職の機会はもうなかなかあり得ないという、そういう状態の人が適用を受けておると思うんです。ですから、これはやはり母法である健康保険制度、これに固執をすることではなくて、新たな観点に立って、長年にわたって健康で公務員として働いてきたその間にかなりの巨額の掛金を掛けておる、これを少しでも退職後にも活用をしていく、こういう基本的な考え方に立っていかなければならないんじゃないかと思います。そこで、一体そういう考え方に立ち得ないものかどうか。
 あわせて、いま次長の説明では、いろんな公的年金制度、健康保険制度のもとで総合した退職者医療制度というものを考えておるという説明であったわけでありますけれども、これをもう少し具体的に、それではいつから発足をさせようとしているのか、どういう具体的な内容のものであるか、もう少し具体的な内容を説明してもらいたいと思います。
#80
○政府委員(高橋元君) 確かに、昨年の改正で任意継続組合員制度を取り入れました際には、健康保険の枠の中でという形でやりましたものでございますから、いま御指摘のありましたように、永年勤続した公務員が退職して、退職後国保に移るというような場合には十分カバーし切れない面があったわけでございます。そこで、いろいろ私どもの方でも検討をいたしておりますのですが、長期継続して勤務された方々が退職された後で退職後一年と限らずもう少し長い期間になろうと思いますが、長い期間にわたって医療給付の激減を避けるために継続して従前の共済組合から医療給付を受けられるような制度というものを目指して新しい制度をつくるべく、これは、こういった短期の健康給付に関する制度というのがたくさんございますので、厚生省初め各省といま鋭意折衝を始めるところでございます。したがいまして、私どもとしてはできるだけ早くこれを実現させたいと思っておりますし、現在の一年にとらわれないで、より長く医療の給付を受けられるような制度にしたいというふうに考えております。しかしながら、現在の任意継続組合員制度と一番違います点は、退職した組合員が全部が受けられるという形のものでなくて、永年長期に勤務した組合員、この方々が退職された場合、標準的に申せば年金の受給権があるという方々が退職後医療給付が受けられるというような制度に持っていくべきではないか。ただ、具体的な内容をいまここで述べよという仰せでございますが、私どもそういうつもりでそういう趣旨に適合した制度をつくっていきたいということで折衝いたしておりますが、各種の制度にわたることでございますので、いま詳細ここで申し上げるあれを持っておりませんけれども、いままでるる申し上げたような趣旨に従ってできるだけ適合した制度をつくってまいりたい、かように考えます。
#81
○野田哲君 いまの説明ですと、まだ具体的なところまで構想が固まっていないというふうに私どもは受け取るわけであります。発足もいつになるかまだここで明確にできない。それじゃ一体、すでに期限切れになった者はもう見捨てられてしまう。まああなた方の方では、国民健康保険があるじゃないか、こういうふうに言われるんだろうと思うんだけれども、いま大蔵省の説明のように、年金受給者を対象にして、各公的年金を総合した形での退職者医療制度というものを構想をしておるということであれば、その構想が実る、具体的に発足するまで当分の間という形で、いまの一年間というのを期間を延長する、こういう立場には一体立てないのどうか、もし後にそういう構想があるんだとするならば、そこまでつなぐ、これが私は妥当な措置、適切な措置ではないか、こういうふうに考えるんですが、その点いかがですか。
#82
○政府委員(高橋元君) やや繰り返しになるようでございますが、長期に勤続した組合員の方々についてだけ退職後相当期間、つまり一年とは言わず数年間医療が継続できる制度を新しくつくりたい、またつくるべきであるということでございます。したがいまして、現在の制度をそのまま続けていくという場合には、一年以上勤続した組合員の方は一応全部いまの認定制度に乗っかるというたてまえでございますので、制度としての食い違いがある。私どもはそこのところで、いま御指摘のように一年と限らず二年にしようという仰せについて、それが実現しがたいという考え方を持っておるわけでございます。
 で、新しい制度ができた場合に、過去に退職した人をどう入れていくかという調整の問題で、私どもはそれを考えておりますし、それから、これは一年間にわたって認定組合員であった方々が、認定組合員期間中に発病されておった場合には、認定組合員の資格を失った後もなお引き続き五年間同一の疾病については給付が受けられるという状態にございますので、差し迫った問題はそういう形で解決ができるんではないか、また解決されるようになっているんではないかというふうに考えております。
#83
○野田哲君 いまの問題の引き続きですけれども、先の制度というものが具体的にならない間に切ってしまう、病気になった者はつないである。これではぼくはやはり共済制度としては少し情がなさ過ぎると思うんです。だから、この点は引き続いて、これはいま期限はもうすでに切れた者もいるわけでありますけれども、後々の退職者の医療制度、総合的なものを考えるということでありますけれども、早急にこの後につないでいく制度というものについて具体的な構想を明らかにしてもらいたい、こういうふうに思うんです。ただ、いつどういう形のものができるか、こういうことであっては、これはやはり該当者としては非常にせつないと思うんです。で、それではいま説明されたような形がいいかどうかということになると、これはやはり中身がないので私ども具体的な意見は言えないわけでありますけれども、それぞれの諸制度があるわけでありますから、今後の問題については十分関係者の意見を取り入れてよりよい制度を考えていく、こういう立場にぜひ立ってもらいたい、こういうふうに考えるところです。
 次に、大蔵省に引き続いて伺うわけでありますけれども、現在私どもが審議しておるのは、国家公務員の共済制度、それから公共企業体の共済制度を審議をしているわけでありますけれども、国家公務員の共済制度というのは他の共済制度の母法という形で、地方公務員とか私立学校とか各共済制度に非常にこれは大きな影響を持っているわけであります。
 そこで、共済制度全体の問題として伺いたいと思うわけでありますけれども、特に地方公務員の共済制度の問題を考えてみた場合に、地方公務員には非常に中途採用者の占める率が多いわけであります。特に地方公務員の現業職員、いわゆる行政職第(二)表の適用者、中途採用者が非常に多い。国家公務員の場合も、いま私も昼休みの時間に国家公務員の方がたくさんお見えになっておりましたけれども、やはり行政(二)表適用の職員には中途採用者が非常に多い。農林省の現場で仕事をしておる人とか、こういうふうに非常に中途採用者が多い。そういう点を考えて、現在の年金制度の中で二十年という期間があるわけでありますけれども、これを、期間をもうワンランク早めた十五年年金制度というものを共済制度の中で考えていくお考えはないか、この点を伺いたいと思います。
#84
○政府委員(高橋元君) 昭和二十九年に厚生年金保険の制度、現在の法律ができたわけでございますが、その際に、できるだけ年金の成熟度を高めたいということで、原則である二十年年金のほかに十五年年金というものが設けられております。その十五年年金という制度を、その後国民皆年金というものが実現してまいっておりますので、それ以外の分野に拡張をしていくということは年金制度全体の進むべき方向というものを考えます場合に矛盾があるんではないかという考え方を私どもは持っております。厚生年金制度と共済年金制度の調整ということを、長期的かつマクロの立場で図っていくということは望ましいというふうに考えますけれども、ただいま申し上げたように、経過的な制度、年金制度の成熟を図るための経過的な制度というものまで共済年金制度に広げてまいるということには多々問題があるという考え方でございます。
 御指摘の地方公務員の場合には、非常に、三十年代その後の地方財政の危機の時代に、正規の地方公務員として採用されなかった方がおられます。しかし、同種の仕事で他の地方公共団体では地方公共団体の職員として採用されておられる方がおられる。そうしますと、正規の職員であった方となかった方とが、団体によってアンバランスができてくる。片や年金制度の適用を受け、片や適用を受けないという問題が起こってくる。ちょうどそれが最近になりまして年金年齢に近くなってこられ、かつまた年金の受給資格が発生する、その不権衡があらわになってくるという時期でもありましたので、ことしの地方公務員共済組合法の改正の際に、それを救う限定的な規定を地方公務員共済法に入れられたということを聞いております。しかしながら、国の場合には、いまの先生のお話でございますけれども、私どもいろいろ共済の担当者に話を聞いておるわけでございますが、国家事務については、そのように、一の団体では行政事務であり他の団体では行政事務に類する事務であったけれども、国家公務員以外の方の資格でやっておられたというような例があったということを聞いておりませんので、したがって地方公務員共済組合独特の問題というふうに考えておるわけでございます。
#85
○野田哲君 まあその点につきましては、いろいろ年金制度全体との見合いということがあるんだろうと思うんだけれども、年金制度全体の見直しという問題の中で総合的に今後の課題としてぜひ検討をしてもらいたいという要望を申し上げて、次の問題に入っていきたいと思うんです。
 共済組合の掛金、特に長期給付の掛金、長期経理については相当な金額が積み立てられているわけであります。で、この積み立てた金の、どう言いますか、管理運営、具体的に言えば金融機関等を指定する場合にはどういう手続でもって指定をされておるか、この点を伺いたいと思います。
#86
○政府委員(高橋元君) 国家公務員共済組合法の十九条でございますが、その規定によりまして、「組合の業務上の余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的」に応じて「安全かつ効率的にしなければならない。」という規定がございます。これを受けまして、施行令、さらには省令であります国家公務員共済組合法の施行規則によりまして、資金の運用の方法が定められておるわけでございます。
 具体的に申しますと、金融機関としては臨時金利調整法一条一項に規定する金融機関が長期の預託先として指定されております。それで、それは銀行、信用金庫、相互銀行、保険会社等々、労働金庫を含む金融機関ということになっておりますが、これらは当座の支払い資金を預託することができるということに限定されておりまして、当座の支払い資金以外の長期の預託にありましては、長期の銀行預金または郵便貯金によるというのが現在の定めであります。
#87
○野田哲君 いまの説明でありますけれども、その中にあった労働金庫、これは具体的にはどの程度取り扱いが行なわれておりますか、これを伺いたいと思います。
#88
○説明員(岡田愛巳君) お答えいたします。
 先ほど次長からお答えいたしましたように、当座の預貯金という形で若干の組合が預け入れを行っておりますが、現在普通総計で約五百万というふうに承知をしております。
 なお、長期については、先ほど申し上げたように預託の対象になっておりません。
#89
○野田哲君 五百万というのは余りにもこれは過少だと言わざるを得ないんです。労働金庫も外してはいないよという単なる名目にすぎないと思うんですよ。それから、長期については対象になっていない。こういう点はやはり私はもう少し目を開いてもらいたい、こういうふうに思うわけです。特に労働金庫というのは、もう私が大蔵省の皆さんに申し上げるまでもなく、各県にあって、業務の運営については大蔵省、労働省、二つの省から厳しい監督を受けて経営に当たり、運営を行っているわけであります。しかも、労働金庫は、国家公務員、それから公共企業体、それぞれの職員の預貯金を預かり、あるいは住宅資金とか、あるいは生活資金とか、こういう面に対する融資を行うなどして、公共企業体の職員や国家公務員の生活には非常に大きなウエートを占めているわけであります。もっと言えば、公共企業体の労働者や国家公務員の非常な低賃金、こういう面を労働金庫がかなり補完をしていると思うんです。そういう金融機関が、同じ労働金庫の出資者であり、そして構成員である国家公務員あるいは公企体の職員で構成されている共済組合が非常に冷たい扱いをしておるということは、これはやはり問題を感じざるを得ないわけであります。先ほど申し上げましたような形での公企体の職員や国家公務員の生活にとっては唯一の金融機関として、福利厚生面でも非常に大きな補完の役割りをしているわけであります。そういう面について、同じ構成員で組織されている共済組合の運用としては、もう少し取り扱いについて、対象金融機関として目を開いて、もっと重要視をする扱いができないものかどうか、この点について重ねて見解を伺いたいと思います。
#90
○政府委員(高橋元君) 先ほどもお答え申し上げましたように、共済組合の資金というものは安全効率的に運用するというたてまえで、運用先につきましても、政令さらには省令の規定で具体的に運用割合まで決めておるわけでございます。
 そこで、支払い資金、支払いのための余裕資金というものは、なるべくネットワークの広い金融機関を使うということで、各種の金融機関を網羅してそこを利用し得るようになっておるわけでございますが、長期の預託につきましては、郵便貯金または長期の銀行預金という形に限定をいたしております。現在、ほかの公的な機関、公庫、公団いろいろ長期資金、余裕金を生ずるところがあるわけでございますが、そういう資金の預託は、大体において、いま申し上げましたように国債なり郵便貯金なり銀行預金というものに限定されておりまして、共済組合または連合会の場合もそれと同じ取り扱いということで考えられてきておるわけであります。
 そこでまた、国家公務員共済組合連合会あるいはその傘下の組合、その辺からも、長期の資金の預託先としてもっと金融機関の種類を広げてくれというお話もいまのところ参っておりませんので、これから先の運用をどうしてまいるかということの問題の一環として、総合的な見地から検討を進めるということであろうかというふうに考えております。
#91
○野田哲君 いまの説明で、これは私のひがみかもわかりませんけれども、次長の説明は安全かつ効果的ということに特にアクセントをつけておられるように思うのですが、労働金庫は、私は大蔵省自身が厳密な監査をやり監督をやっておられるんだから、安全かつ効果的ではないというふうには理解できないのです。全国各県にある労働金庫が倒産をしたというような例はいままで発足以来一件もないわけであります。しかも、全国的なネットは現に持っておるし、近々、これは各都道府県にある労働金庫を統合して、全国的な一本の労働金庫という形に統合するということも具体的に進められているわけであります。そうして、毎月掛金を掛けておる共済組合の組合員、この組合員にとっては三菱銀行とか三井銀行というのは縁もゆかりもないのです。労働金庫というのは自分たちが出資をしてつくっておる金融機関です。そういう点も含めて、大蔵省令というのは皆さん方がつくっている大蔵省令なんだから、目を開いて、変えようと思えば変え得ることができるわけでありますから、そういう点をぜひ重ねてその実情を認識して今後の運営に当たってもらいたい、このことを最後にお願いをして、ちょうど時間が参りましたので終わりたいと思います。
#92
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#93
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
#94
○太田淳夫君 それでは、先ほどに引き続きまして、まず恩給法の方から質問さしていただきます。
 先ほども上田委員からいろいろお話がありましたとおり、一昨年の石油ショック以来の狂乱物価、その中で、やはり社会的に立場の弱い方々、特に年金で生活される方々が非常な犠牲を強いられてきたと言っても過言ではございません。しかもまた、今日の状況におきましては、酒、たばこ値上げ法案も審議されておりますし、また、米価あるいは国鉄運賃、私鉄運賃等の公共料金の値上げもその動きを示しておりますし、政府も努力されておりますようですけれども、消費者物価もまた再び騰勢を見せるんじゃないか、こういう心配もいたしております。こういう状況の中で、やはり年金で生活される方々の生活の不安というものがますます増大をしていく。今回の恩給の改善につきましては私たちも評価いたしておりますけれども、そういう状況の中で、年金あるいは恩給で生活されている方々の生活実態というものを総務長官はどれほど把握されて、またその処遇改善についてどのように対処されているか、将来にかけての基本的な見解を承りたいと思います。
#95
○国務大臣(植木光教君) 恩給は勤務年数と俸給により計算されるものでありますために、その受給額はきわめて広範囲にわたっておりますので、生活実態にはそれぞれ差があるというのが事実でございます。低額の受給者もしたがって相当あるわけでございます。また現実に恩給だけで生活をしている者は多数あるものと思われます。その方々は、現在の経済事情のもとにありましてはなかなか大変な生活を強いられているというふうに考えるものでございます。恩給制度は長い歴史を有するものでありまして、したがって、一つの枠があるわけでございますけれども、これらの方々の処遇につきましては、広い意味の社会保障制度の一環としての配慮も加えなければならない、そして恩給の給付水準の向上に努力しなければならない、そう考えているのでございまして、五十年度もその点につきましては配慮したものがございます。
#96
○太田淳夫君 いまお話しのとおり、恩給制度百年という歴史も持ってみえますし、内容も大きく変動期の中で変容されていると思います。特に、戦後におきます改正の内容というのは画期的なものが続いていると思いますし、恩給制度の創設当時の目的、性格、こういう点から見まして、恩給制度というものが大きな変容をしてきたということははっきりいたしておると思います。その点につきまして、総務長官のお考え、ちょっとお聞きしたいと思います。
#97
○国務大臣(植木光教君) お説のように、戦前にはございませんでしたものが恩給制度の中に組み入れられてまいりました。たとえば最低保障制度、あるいは老齢者に対する優遇措置等が取り入れられたのはその例でございます。時代の流れとともに、先ほども申し上げましたように広い意味での社会保障の一環としての役割りも果たすように変化をしてきておりますし、今後も配慮してまいらなければならないと存じます。
#98
○太田淳夫君 これは第七十二国会ですが、衆議院内閣委員会で小坂総務長官から、恩給改善の三つの柱、三本柱ということでたしかお話があったと思います。いままでの恩給審議に当たりましては、政府としては恩給制度の本質を守りながらも順次社会政策的、社会保障的な改善措置を講じていくと、このようにおっしゃって、三本柱として公務員給与を基礎とする恩給年額の引き上げ、二番目はいまおっしゃった最低保障制度の改善、そして三番目には老齢者に対する優遇措置と、こういうことを挙げてみえるわけです。改めまして、植木総務長官からもこの三本柱につきましての今後の方針ということを承りたいと、このように思います。
#99
○国務大臣(植木光教君) いま挙げられました三つの問題は、いずれも恩給改善上の大変重要な問題であるという認識を持っております。したがって、本年も各種の改善措置を提案をしているのでございます。
 第一番目の公務員給与改善率による増額という点につきましては御承知のとおりでございまして、今後とも公務員給与を指標とする現在の方式を続けてまいりたいと存じます。上薄下厚の問題が出ていることは先ほど来から論議せられているところでございまして、今回これを実施するに至りませんでしたが、さらに検討を続け、実現をいたしますように努力をしてまいりたいと存じます。
 第二番目の最低保障制度の改善でございますが、これは本年も三十二万から四十二万に上げるというように大幅な改善を行うことといたしております。今後とも努力をしてまいります。
 第三の老齢者に対する算出率の特例でございますが、本年も八十歳以上の者につきまして特例措置を講じまして、今後も老齢者に対する配慮についてはいろいろな角度から検討してまいりたいと存じます。
 同時に、私といたしましては、社会経済事情の変動に対応し得る恩給年額の調整、これはベースアップにスライドする問題でございます。それから低額恩給の是正、これは最低保障の充実、上薄下厚の調整方式の検討、それから三番目には、社会的ハンディキャップを負っておられます老齢者さらに傷病者、遺族への配慮、これを三本の柱として努力を続けてまいりたいと存じているのでございます。
#100
○太田淳夫君 最初に、まあ一つの柱であります恩給年額の改定方法についてお聞きいたしますけれども、この恩給年額改定方式につきましては、この委員会でも同僚の議員からもそれぞれ問題を提起されていままで審議されてまいりました。この恩給年額の改定方式につきましては、昭和四十一年に恩給法の第二条ノ二が設けられ、その後四十三年に恩給審議会の答申が出されて、それに基づいて四十四年以降は恩給審議会方式がとられていままで来た。特に四十八年以降につきましては、公務員給与の改善率にスライドする方式ですね、いわゆる賃金スライド方式が実施せられてきておりますけれども、このスライド制の基準につきましては、物価指数、あるいは賃金指数、あるいは生計費指数と、どれを選ぶかいろいろな論議もあると思います。政府は、いまどの基準によることが一番望ましいと考えてみえるか、その点につきましてちょっと御説明をいただきたいと思います。
#101
○政府委員(菅野弘夫君) いろいろな指数があるわけでございますし、また法律もいま言われましたようないろいろなものを挙げているわけでございますけれども、御案内のように四十八年以降は、それぞれの物価なり、あるいは生計費なり、その他のいろいろな事情というものも、公務員給与の中そのものにも十分反映をしているというふうに思いますし、また、恩給受給者というものは、かつて公務員であった者でございますので、そういうものを総合勘案をいたしまして、現職公務員の給与の改善率というものが一つの重要な指標であろうということで、昭和四十八年以降、四十九年、そして本年御提案を申し上げておるものと、以上三年続けまして給与の指標というものを最重点にいたしておるわけでございます。
#102
○太田淳夫君 そうしますと、この賃金スライド方式というものは、今後ずっとお続けなさるつもりかどうかお聞きします。
#103
○政府委員(菅野弘夫君) ここでずっと先のことまで断定を申し上げられるような力はございませんけれども、現在のところはそれが最もよい指標であるというふうに思っておる次第でございます。
#104
○太田淳夫君 この委員会でも問題になってきましたが、最もよいその方式で、いま賃金スライド方式をとられてみえております。まあ四十八年以降ずっとこれが実施されて三年間来た、その実績を評価しているわけでございますけれども、この委員会でも、よく、その法制化ということがなぜ今回できなかったかということが中村委員からも先回指摘されました。この賃金自動スライド制の法制化、これができないというのは、やはりほかの公的年金制度に関連があるためにできないのか、あるいはその障害はどのようなものであるのか、あるいは解決策は果たしてないのかどうか、今後の法制化についての方針、総務長官にお聞きしたいと思います。
#105
○国務大臣(植木光教君) 昭和五十年度におきましても、四十八年度来引き続きまして最新の給与改善率による恩給年額を増額しますほか、従来、恩給審議会方式によって増額してまいりましたために生じました、公務員給与と恩給との水準差を完全に補てんすることといたしているのでございます。公務員給与改善率によって恩給年額を増額するという方式を制度化すべきであるという御意見は、私も承知をいたしております。現在、このようにほとんどその方式が定着をしてまいりました状況でございますので、改めて制度化することが必要であるかどうか、その点についてはいましばらく時間をかけて検討さしていただきたいと存じます。
#106
○太田淳夫君 そうしますと、その問題については今後も審議をされていくと思います。先ほど関係閣僚協議会の設置ということを申し上げましたのも、その審議の場所として、もっと権威のある場所というものを私たちも設定してもらいたい、こういう最低限の趣旨じゃないかと思って申し上げたわけでございますが、社会保障制度審議会で今後そういった問題を検討されるのか、あるいはさらにもう一歩高度な検討の場所をつくられてその内容等の改善について努力されるのか、もう一度お聞きしておきたいと思います。
#107
○国務大臣(植木光教君) このいまの方式の制度化は、これは社会保障制度審議会の問題ではございませんで、政府独自で判断ができるものであろうと思います。したがいまして、ここ両三年、ずっとこの方式が定着化しているのでございますから、これはこのまま制度化しないでもやっていけるのではないかと思いますし、制度化する必要があるならば制度化しなければならないというようなことでございまして、先ほど申し上げましたように、しばらく時間をかしていただきたいのであります。
#108
○太田淳夫君 次は、問題変わりますが、やはりこれもいままで審議されてまいりましたが、一律アップ方式の再検討についてちょっと質問させていただきたいと思います。
 恩給の年額改定につきましては一律アップ方式でいままで行われてきました。先ほども野田委員から指摘されましたように、公務員の方々の給与改善の率を基準にして恩給年額を改定する。そうなりますと、やはり問題としては公務員の方々はいま上薄下厚のアップ率で行われておりますけれども、恩給の場合は上厚下薄という傾向をますます強くしていく。こういう点、もう一度私どもお聞きしたいと思いますが、そのアップ率の改定というものをどう考えてみえるかもう一度お聞きしたいと思います。
#109
○政府委員(菅野弘夫君) 先ほど来いろいろ問題になった点でございますが、一律アップの問題は、先ほどもお答え申しましたように、昭和四十八年に公務員給与そのものによったということ以前の恩給審議会方式時代からそういうことでございまして、一律アップの特色はやはりその当時の年金をもらっている方々の序列と申しますか、そういうものを全く崩さないで上がっていくというところに一つの意義があるのではないかと思います。ただ、公務員給与そのものに指標を求めた以上は、御指摘のように公務員給与の傾向というものをもっと著しく反映すべきではないかという御議論を賜っているところでございまして、こういうふうに何年もその方式を積み重ねてまいりますと、やはりそこには問題が生じていることは私たちも認識をいたしているところでございます。そこで、その考え方の問題のほかに、技術的な問題と申しますか、数字としてどこの数字をとってくるのか、あるいはどういうふうな数字の収斂をしていくのか、あるいは、他の年金制度にも影響があるところでございますが、そういう場合に他の年金にもどういうふうに波及をしていくのか等々の問題がございますので、そういう点を含めまして、今後とも御趣旨の線に沿って十分検討してみたいというふうに思っております。
#110
○太田淳夫君 この問題は野田委員からも相当突っ込んだお話がありましたので、これ以上私も申し述べませんけれども、先ほども同僚の議員からお話がありましたように、やはりこういった経済事情のもとでは社会的に抵抗力の弱い年金受給者の方がいつも犠牲を払っている、こういうことをよく御認識いただきまして、そういう社会的に立場の弱い方々を守るという、そういう姿勢でこの恩給法改正の三本柱であります低額の方々を守っていく、そういう点から一律のアップ方式を改めていく、そういう方向で進んでいただきたいことをお願いしておきます。
#111
○国務大臣(植木光教君) その方向で努力をいたします。
#112
○峯山昭範君 総務長官に、この際でございますので、ちょっとの時間をおかりいたしまして見解をお伺いしておきたいと思います。
 それは、私は当内閣委員会におきまして労働基本権の問題を前々から取り上げてまいりました。総務長官になりましてから質問するのは初めてでございますので、きょうはその問題について総務長官の見解をお伺いしておきたいと思います。
 この問題は、もう相当前々から問題になっていることでございますけれども、特に八年間にわたる、また三次にわたる公務員制度審議会の答申というのがなされておりますんですが、昭和四十八年の九月に出まして、総理大臣に当時最終答申ということで出してからもう二年ぐらいたっているわけですね。しかもその間、相当国鉄のストやら、その処分やら、あるいは春闘の問題やら相当もめてまいりました。もめてというのはおかしいかもわかりませんが、相当問題を提起してまいりました。それで、昨年の四十九年の四月の十日に政府はそのスト権に関する問題について内閣官房長官を座長にいたしました十一名の閣僚からなる閣僚協議会を設置いたしまして、それでこの二年間をめどに三公社五現業のいわゆる労働基本権についての結論を出すということできているわけであります。最近の報道によりますと、組合との話し合いも含めましてことしの秋をめどに結論を出すと、こういうぐあいに言われております。また、ことしに入りましてからも、先日の六月の三日でごさいますか、長谷川労働大臣が衆議院の社労の委員会で、事実上スト権回復について前向きの姿勢を示唆したということで、それが相当評価されまして新聞にも相当報道されました。ところが、その後一部の方面からは、労働大臣の前向きの発言はスト権を認めると約束したものではない、そういうふうな発言が出ております。しかし、こういうふうな問題、非常に私はこれから重要な問題になってまいりますし、私、内閣委員会でこの問題、もうたびたび取り上げてまいりましたので、この際明らかにしていただきたいのですが、総務長官も閣僚協議会のメンバーの一人でございますし、特に公務員の皆さんの給与という問題を抱え、あるいは恩給、共済等も含めてその基本的な立場に立っていらっしゃいますので、一つはこの労働大臣の発言をどういうふうに評価していらっしゃるかということと、それからもう一つは、今後、閣僚協議会はどういうふうになっていくのか、また協議会にどういうふうな態度で総務長官はお臨みになるおつもりなのか、この二点の一所見をお伺いしておきます。
#113
○国務大臣(植木光教君) 私が直接担当いたしておりますのは非現業公務員でございまして、この非現業公務員の労働基本権につきましては御承知のように公制審におきまして、たとえばスト権については両論併記でございましていずれの結論も出しておられない。したがいまして、政府といたしましては、先般の参議院の本会議でも御答弁を申し上げましたけれども、非現業公務員に対するスト権というものは与えない方針であるということを申し上げたのでございます。現業公務員につきましては、まだ正式の閣僚協議会がこの労働基本権については開かれておりません。したがいまして、まだ政府としての方針がどうなりますかは全く未知数の状況でございまして、いずれ国会が終わりましたならば、この秋にかけまして協議会が開かれると存じます。
 私自身の考え方はどうであるかということでございますが、いま非常にむずかしい微妙な状況でございますので、この際は御答弁申し上げることを控えさしていただきたいと存ずるのであります。
#114
○峯山昭範君 非常に大臣が答弁しにくいであろうということは私も予想して質問しておるわけでございまして、後ほどまた、大臣が非現業部門の座長をしていらっしゃるということも後で質問するつもりだったのですけれども、大臣から答弁がございましたので、その点も後で触れますが、いずれにしましても、この閣僚協議会はことしの秋、年末を一つのめどとしているわけです。しかし、日にちは数えてみると余りないわけですね。そういうふうないろんな観点から考えてみましても、早急に政府としてはある程度の何か見通しを立てないといけない、こういうことになるであろうと私は思います。実際問題、閣僚協議会の中にも専門委員会、それぞれ懇談会が設けられていらっしゃると私も聞いておりますのですが、国鉄問題小委員会ですか、それから、そのほかいろいろあるようでございますが、その結論については、実際問題、沖繩海洋博等もありますし、実際にやるのは九、十、十一と三カ月ぐらいしかないわけですね。そういうぐあいになっていきますと、総務長官としてはことしじゅうに結論を出すというお考えは、これは持っていらっしゃるわけですか、この点はどうですか。
#115
○国務大臣(植木光教君) この閣僚協議会は、御承知のように官房長官が主宰をしておられるのでございます。したがいまして、官房長官の御意見を伺わなければ、ここでいつどういう結論を出すということについてはお答えしにくいという事情を御理解いただきたいと存じます。
#116
○峯山昭範君 それは、官房長官の御意見を伺わなければどうしようもないということでは実際は困るのでありまして、やっぱり総務長官は、要するに公務員の皆さん方の生活権を握っていらっしゃるわけです。そういうふうな意味で、やはりそこのいろんな問題からスト権とか労働基本権とか、いろんな問題が起きてくるわけですね。労働大臣はそういうふうな意味から積極的に発言をしていらっしゃるわけです。そういうふうな意味では、やっぱり総務長官も何らかの発言をしないといけないのじゃないか。だから、総務長官としてのお考えをちょっと教えていただいたら幸いだと私は思うのですが、これはどうです。
#117
○国務大臣(植木光教君) 先ほど申し上げましたように、私の担当は非現業公務員でございまして、それについては私も答弁ができますが、現業公務員につきましては、御承知のように三公社五現業それぞれ職場の態様、職務の内容が違うわけでございます。したがって、そういう状況の中で事務的な段階でいろいろ専門的に検討が行われている最中でありますので、ここで総務長官の意見を述べよとおっしゃられるそのお気持ちはよくわかるのでありますけれども、私の答えられない気持ちも少し察していただきたいと存じます。
#118
○峯山昭範君 どうもこれは前にいきませんね。
 大臣も御存じのとおり公務員制度審議会の答申は、特にこの三公社五現業の現業部門の答申は一本化したものじゃございませんで、結局スト権を認めるべきではないとする意見と、それから国民生活への影響の少ない部分についてのみ認めるという意見と、それから内閣総理大臣の要請によるストの停止命令という条件をつけてスト権を認めるという、この三つの意見があったわけでございますね。それで、この三者の意見が並列になっておりますけれども、実際問題、公労協の意見などを踏まえて、本当はこれはぼくは総務長官としては何らかの方向を考えないといけない、ある程度の見通しをつけないといけないというふうな時点に来ておると思うのです。実際問題、総務長官が先ほどから何遍もおっしゃっておりますように、非現業部門については、総務長官を座長として公務員問題連絡会議ですか、こういうのを何かつくっていらっしゃると聞いておるのですが、そちらの方はそうやっていらっしゃるということで、そちらの方の議論も本当はお伺いをしたいのですけれども、実際問題、三公社五現業の問題についても、私はやっぱり、ただ、いま調査中というよりも、私たちはスト権という問題については非常に大事な問題だと思っておりますので、当内閣委員会でもたびたび議論をいたしております。きょうはそれ以上余り私は詰めませんけれども、やはりいろいろな角度からこの問題については議論をしなくちゃいけないと思いますし、それから給与という問題、あるいは恩給あるいは共済という問題、こういういろいろな角度から問題が絡んでくるわけであります。そういうような意味では、やっぱり総務長官としての立場から、この場で多少議論ができるような体制にしてほしいと思います。そうでないと、私ここでいろいろな角度から質問いたしましても一歩も前進ございませんでして、きょうはこういうふうな恩給、共済の質疑でございますからこれ以上深入りはいたしませんが、そういうふうな意味での議論も私はぜひやって、一歩前進した、いわゆる日本の組織的な体制にしていかないといけない、またそれぞれの問題についても国民の目に明らかにわかるような体制にしないといけない。まあ私は、全面的にスト権を回復せよ、当然そう言うべきでございますけれども、それぞれ答申も三つに分かれているわけでございますし、その中のどれか一つを実現するということも非常に重要な意味も含んでおりますし、そういうような意味で、今後ぜひとも大臣、この次のときにはこの問題についても議論できるように、一歩前進ができるような何らかの御研究をいただきたい。以上申し上げておきたいと思います。大臣、いかがです。
#119
○国務大臣(植木光教君) 公制審の現業部門に関する答申は私も十分承知いたしておりますし、これに対処してまいりますために、私自身の考え方も現在まとめつつある段階でございます。今後十分論議ができますようにさらに研究を進めてまいります。
#120
○太田淳夫君 それでは、先ほどに引き続きまして恩給法の問題について御質問をさしていただきます。
 扶助料の問題でございますけれども、今回この扶助料の給付水準の改善につきましては、新たに衆議院の内閣委員会で附帯決議もつけられましたけれども、現在各扶助料の年金額等の実情はどのようになっておりますか、またこれに対する附帯決議の趣旨をどのように理解されておりますか、お聞きをしたいと思います。
#121
○政府委員(菅野弘夫君) 扶助料の一般的なものは、率は先生御存じのとおり、普通扶助料につきましては公務扶助料の半分ということになっているわけでございます。公務扶助料につきましては、さらにそれに割り増しをつけているということでございますし、また増加非公死というのもその間にあるわけでございます。以上のようなことでございますけれども、現在、先ほど言われました衆議院内閣委員会の附帯決議等につきましては、私たちも十分これからも研究を重ねていかなければならないと思いますけれども、ここにもいろいろな問題がございまして、先ほど申しました普通扶助料の場合の普通恩給に対する率が二分の一であるという問題につきましては、これは恩給法が始まって以来ずっとそういう率でございますので、なかなかむずかしい問題をはらんでいると思いますが、他の年金のいろいろな動向もございますし、まあ扶助料自体についての遺族の生活の実態ということもございますので、あらゆる角度から勉強さしていただきたいというふうに思っております。
#122
○太田淳夫君 まあ扶助料の年額というのは普通恩給の半額ということでいまありましたが、これは厚生省では厚生年金の遺族給付率を五十一年度に七〇%に改善をする方針というのを固めてみえるという、ここには厚生省の方お見えになりませんからあれですが、そういう作業に入っていると言われますけれども、やはり扶助料ですね、遺族の方々の生活をお守りするという、そういうことから考えてまいりますと、配偶者であるから半分ということじゃなくて、やはり厚生省が一つの目標にしておりますような十分の七の方に改善をするとか、そういうふうに今後進んでいっていただきたいと思います。また、私ども野党としましても、組合員期間が二十年以上であるものについては遺族年金については八〇%にすべきじゃないかと、このように共済組合法につきましては私たち提案をいたしております。また、ILOの百二号条約もここで批准される方向にありますし、さらにこの扶助料の改善を積極的に行っていただきたいと思います。特に、私ども問題と思いますのは、いまお話が出ました増加非公死扶助料でございますが、この増加非公死扶助料を現在支給されている人数であるとか、あるいは受給者、支給を受けている方々の年齢別の実態というのはどの程度であるか、掌握になってみえればちょっとお聞きしたいと思います。
#123
○政府委員(菅野弘夫君) 増加非公死というのは、おわかりにくいと思いますので説明をいたしますと、傷病恩給の中で、不具廃疾になる、要するに重い程度のいわゆる項症の傷病恩給をもらわれた方が、その病気、要するに公務であるその病気が原因で亡くなられると、これは公務扶助料がいくわけでございますが、そうでなくて、その公務のために負われた傷が原因ではなくて一般の病気でお亡くなりになる場合に支給される扶助料でございますけれども、現在その増加非公死の扶助料を受けておられる人数は、これは遺族の場合にも妻子の場合と父母の場合がございますが、両方合わせまして約一万一千八百人ぐらいでございまして、一そうして年齢は妻子の場合が六十二歳、それから父母、祖父母の場合は約八十歳でございます。これは、いまのは平均でございます。
#124
○太田淳夫君 簡単な例でちょっとお聞きしたいと思いますが、たとえば第一項症の兵の場合の増加恩給の増額の今度改正案がどのぐらいになるのか、あるいは公務扶助料の場合はこの改正案でどのぐらいになるのか、あるいは増加非公死扶助料の場合は改正案でどのぐらいの金額になるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#125
○政府委員(菅野弘夫君) 増加恩給の一項症の兵の場合で御説明を申し上げますと、現行の基本額は百五十八万八千円でございますけれども、これを五十年八月、それから五十一年一月というふうに二段階で改善をいたしました結果、二百十九万三千円というふうに改正が相なります。いま申し上げましたのは、増加恩給の一項症の方の兵の場合の例でございますが、基本額としていま申し上げましたような額でございます。そのほか、御存じのように増加恩給と申しますのは、当然に普通恩給が出ておりますので、先ほども申しましたようなその普通恩給の半分の額でございます普通扶助料が出ますし、それから一項症というのは非常に重い程度のものでございますので、二項症以上の方に対する特別加給というのがございます。また、奥さんがありますれば、妻加給というのもございますので、妻加給があったというふうに計算をいたしますと、総額が百八十四万六千円程度でございますが、これが五十一年一月から二百五十八万三千円程度に相なります。これが増加恩給一項症の改正額でございますが、増加非公死の場合には、現在二十七万四千九百八十五円というのが最低でございますけれども、それが五十一年一月になりますと三十七万九千五百円、それから公務死の場合には、現行の最低保障額が三十六万六千六百四十七円が、現在御審議をいただいております法案が通りますれば五十万六千円というふうに相なります。
#126
○太田淳夫君 先ほど実態についてはもうお話がありましたが、全国的には約一万一千八百人の方がおみえになりますし、あるいは受給者の年齢別な構成でも、父母の場合は約八十歳、妻子の場合でも六十二歳と、相当の高齢の方がおみえになります、そういった高齢の方でございますので、家族の場合でも、非公死で、公務に起因しない、その傷病によらないで死亡された場合には、実際本人がいたときの増加恩給に比べますと約七分の一ぐらいに減ってしまう状況ですね。実際はこれらの家族の方々、まあ高齢の中で生活されてみえましたし、ほかにも就職できない。あるいは本人が生存しているとき、まあ病気で長く休んでいるような場合には看護に追われているということも実情じゃないかと思います。ですから、ここで私お願いしたいことは、このような非公死扶助料ですが、もう少し増額をすることはできないかということですね。実情に合わせてもっと改善すべきじゃないか、本人が死んだらもう六分の一、七分の一に減ってしまうというようなことではなくて、もう少し家族の方々が老齢の中で守られるような、そういう改善をすべきだと、このように思いますが、いかがでございましょうか。
#127
○政府委員(菅野弘夫君) これは基本的な問題でございまして、傷病恩給というものの性格に絡むんではないかと思います。傷病恩給の場合には、普通恩給等と比べまして、性格的にその傷病に着目をした給付でございますので、そういう傷病に着目をした給付である以上は、これが直ちに遺族の問題として残っていくというのは、なかなか考え方としてむずかしいわけでございます。全般的にしかし遺族全体の生活のことを考えますれば、扶助料全体の問題の中で、やはりこういう問題も十分検討されなければいけないと思いますし、給付水準なり給付額というものについても努力をしなければいけないというふうに思っております。
#128
○太田淳夫君 それではその点はあれですが、公務関係の扶助料につきましても、普通扶助料に一定の倍率を乗じて算出をすると、こういうふうになっていますが、この普通扶助料の支給率の改善と一緒に、それぞれの倍率の改善もやっぱり行っていかなきゃならないんじゃないかと、このように思います。特にこの倍率につきましては、四十五年の改正以降に改善が行われていない。この公務関係の扶助料の引き上げ等の改善についてどのようにお考えになってみえるか、お聞きしたいと思います。
#129
○政府委員(菅野弘夫君) この倍率でございますけれども、これは先ほどの上薄下厚のお話ではございませんけれども、兵の方を厚くするという従来からの体系をそのまま踏襲しているわけでございまして、上薄下厚の率になっておるわけでございます。ただ、この率をさらに改善をしろというお話でございますけれども、実際の問題といたしまして、公務扶助料は最低保障額というものをおつくりいただきまして、それを年々改善をいたしておりますので、現在最低保障額、先ほど申しました五十万六千円ということになりました場合に、実は公務扶助料関係でその該当者というのは、最低保障と申しながら実は九五%を超える方が最低保障で救われているわけでございます。したがいまして、現在、最低保障といいながら九五%は最低保障で救っているような体系でございますので、私たちもこの最低保障額をさらに充実をし、改善をするということに主力が注がれるべきであるというふうに考えております。
#130
○太田淳夫君 恩給制度につきましては、物価保障という観点からお話もありましたし、どっちかというと本人が中心、主になっていると思います。それから、最近のこういった経済事情というものを考慮いただきまして、またさらに、遺族に対する生活の保障の面ということを重視していただきたいと思いますし、積極的に社会保障的な政策をさらに推進をしていただきたいと思います。
 最後に総務長官に所信のほどをお聞きして、恩給の方は終わりたいと思います。
#131
○国務大臣(植木光教君) 恩給と申しますのは、申し上げるまでもなく、老齢者あるいは傷病者あるいは遺族に対するものでございます。いずれも弱い立場の方々に対するものでございますので、今年度もいろいろな面で改善を図ることができましたが、まだまだ多くの問題点を残しているのでございまして、今後層一層努力を続けてまいります。
#132
○太田淳夫君 それでは、共済制度についてお聞きしたいと思います。
 最初に、これは先ほど大蔵大臣にもお尋ねしたわけでございますが、いよいよILOの百二号条約の批准をいま行われております。わが国の社会保障制度もいよいよ国際的に承認をされる一つの門口についたんじゃないかと思いますが、そういった意味で、三公社の公共企業体の職員の共済制度を所管されております運輸大臣から、百二号条約と共済制度の関連あるいは今後の共済制度の給付内容の改善について、基本的な考え方をまずお伺いしたいと思います。
#133
○国務大臣(木村睦男君) 社会保障の最低基準に関しますこの条約は、医療、業務災害あるいは老齢等、九つの部門の社会保障給付の基準を規定しておるのでございますが、今回の批准に当たりまして、その義務を受諾するところの傷病、失業、業務災害及び老齢給付の四つの部門につきましては、健康保険法等国内の法令によってその基準を充足をいたしておるわけでございます。今回の批准に当たりまして、義務を受諾しておりませんところの医療あるいは遺族給付等の部門につきましては、諸条件の成熟するのを待ちまして、随時受諾するのが適当であると、こう考えられます。公企体の共済制度におきましても、今後ともわが国における社会保障制度の発展のため、他の公的年金制度の動向等を見守りながら給付の内容等の改善に努めていきたいと考えております。
#134
○太田淳夫君 それでは、細かい問題ですが、だんだんお聞きしていきたいと思いますが、いまのILO百二号条約に関連することですけれども、共済制度の中では何といってもその中心になりますのは退職年金です。特にILO百二号条約によりますと、これは老齢給付の水準というのは、拠出もしくは雇用について三十年、居住について二十年を資格期間として要求し、妻を有する標準受給者に対し従前所得または未熟練労働者賃金の四〇%、このように規定しております。この要件につきましては、わが国の公的年金の中心をなしております厚生年金の中の老齢年金におきましては、加入期間三十年、平均標準報酬月額は八万四千六百円、配偶者を有する場合には月額五万七千七百八十円、このようになっておりますし、平均標準報酬に対する比率は六八%です。この条約の給付内容を上回っておるわけでございますけれども、一方の共済年金は、給付率だけで見ますと二十年で四〇%、一年を加えるごとに一・五%ずつ増加していくので、この三十年で五五%となっているのは御承知だと思います。しかし、ILO条約で言いますこの従前所得という見地から見てみますと、四〇%というのはこれは本俸の四〇%だと思いますが、公務員の方の場合の従前所得の中には期末あるいは勤勉手当という、そういういろんな所得がこれは含まれていて、四〇%というのも実質的にはもっと少ないんじゃないか、このように思えるわけです。そこで、掛金をするかわりに給付もするという見地から、期末、勤勉手当を含めたものに対する四〇%ということにならないかどうか、この点について大蔵省あるいは運輸省の考え方をお聞きしたいと思います。
#135
○政府委員(高橋元君) ILOの条約の従前の所得は「所定の規則によって計算する。」ということが六十五条に書かれてあるわけでございますが、この「所定の規則」とは、「国内の法例により又はこれに基づいて定められていることをいう。」というのが条約上の定義でございます。したがいまして、年金の給付水準をはかる場合には、現在の国内法に従って四〇%または先ほど仰せのありました三〇%という水準を超えておるということでございます。そこで、現在の共済組合の掛金でございますが、これはもうおっしゃるとおり本俸に対して掛金を徴しまして、本俸の基準として年金の支給率を出すということになっております。一方で厚生年金保険では、第三条の一項八号という定義規定がございまして、その中では「報酬」というのは「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。」と、こういう規定がございまして、一見、賞与、つまり期末、勤勉手当、公務員で申しますればそういうものも厚生年金保険の対象になる報酬の中に含まれるというふうに見えますけれども、その同じ条文の中にただし書きがございまして、「臨時に受けるもの及び三箇月をこえる期間ごとに受けるものは、この限りでない。」ということで、年に大体二回支給されますような形での期末、勤勉手当というものは、厚生年金の標準報酬の中からは外されておるというのが通例でございます。したがって、現在の法制、共済組合の掛金及び給付の算定基礎として本俸をとっておるということ、これにつきましては、国内法令及びILOの両方から見て問題はないと私どもは考えております。
#136
○政府委員(杉浦喬也君) ただいまの御質問の見解につきましては、大体いま大蔵省次長が申し述べましたとおりでございまして、公企体の制度におきましても、退職時の俸給というのは本俸でございまして、この中に期末、勤勉手当は含まれておりません。全体の共済制度の問題でございますので、これらを入れるかどうかにつきましては、それによりまする負担の増というものも当然考えなきゃいけませんわけでございますので、なかなかむずかしい問題ではなかろうかというふうに思います。
#137
○太田淳夫君 もうちょっとお聞きしたいと思いますが、昭和三十一年の七月から三公社は恩給から共済年金に移って、公務員の方は当時の雇員全体と五現業の官吏が昭和三十四年の一月から共済制度に移行してきました。非現業の官吏が同年の十月から共済制度に移行してきたわけですが、そこでその当時のことを見てみますと、昭和三十一年当時は、年間の特別給ですか、つまり期末、勤勉手当は合計しても二・四カ月、三十四年当時は二・八カ月、これは今日では五・二カ月になっているわけですね。給料は十二カ月分であるので、三十一年当当時は十四・四カ月分のうちの十二カ月分の四〇%、三十四年当時は一四・八カ月分の中の十二カ月分の四〇%、それが今日では十七・二カ月分のうちの十二カ月の四〇%、こういうようになっているわけです。本俸ということが法律で定められているからということでございますけれども、同じ四〇%であっても従前所得がこのように変わってきているわけですね。ですから、四〇%が四〇%の意味を持っていないんじゃないかと、このように私たちも考えるわけです。年金の中心になっています退職年金の四〇%ということは、さらに六〇%なり八〇%にしていかなきゃならないんじゃないかと、このようなに思うわけです。先ほど国庫負担の問題で野田委員からもいろいろとお話がありましたけれども、その国庫負担をいま厚年が二〇%であるけれども、共済年金は一五%。あるいはこれを一八%にして農林あるいは私学共済と同一にするなどして、この点の改善というものはできないものかどうかお聞きしたいと思います。
#138
○政府委員(高橋元君) 社会保険に対する国庫負担のあり方については、繰り返しになりますが、およそ基準が三つあろうかと考えております。一つは保険料のみで適当な給付水準を確保することができない場合、第二番目が被保険者の範囲が低所得層に及ぶ場合、第三がその事故の性質上被保険者と事業主だけに負担をさせることが必ずしも適当でない場合、これらが社会保険に対する国庫負担のあり方を考えます場合の基準であろうかと思います。そこで、限られた財政の金を最も有効に使いますためには、国庫負担の必要性の緊要度というものを、いまのような柱に照らして考えましてやっていくことになるわけでございますが、一方で国家公務員の共済組合、これの長期給付がどのくらいの水準に現在それではあるのかということでございます。これは先ほど他の委員の御質問にお答えして申し上げましたことでございますが、五十年の新規裁定で推定いたしますと、ことしの国家公務員の共済組合の新規裁定年金は平均しまして月十万四千円ぐらいになろうと思います。二一・八%のスライドをしますと、厚生年金が同じく計算いたしまして八万一千二百円くらいと推定されます。そのほかに共済組合の方が支給開始年齢が五年間早いという制度になっております。実情でも数年間早くなっております。そのようなことを考えますと、共済組合の年金を一〇〇としますと、厚生年金の平均の年金というものは大体六割に相当するというふうに考えます。仰せの厚生年金に対する国庫負担二〇%というものを実質の給付に割り掛けてみますと、国共の場合一二%あれば大体厚生年金とパラレルになるんではないかということになると思います。十万四千円の年金に対して一五%の負担をしておるわけでございますから一万五千六百円、厚生年金の場合には八万一千二百円と申しましたのは三十二年換算でございますが、実際に発生します年金に換算しますと、一万四千二百六十円、かような数字になりまして、厚生年金に比べて国共済の場合、組合員の受けます年金に対する国庫の負担というものが逆に国共済の方が多い、こういう制度でございます。
 農林、私学について国庫負担率を一八%にしておるということはどういうわけかということでございますが、これは農林年金――農林団体職員共済、これは農林団体の職員の共済でございますから、比較的給与水準が低い、したがって掛金率が非常に高くなっておりまして、千分の九十六というような高い率の掛金をいただいておるわけです。したがって、ほかの給付の改善なり過去勤務債務の増加に従って掛金率を引き上げていくとしましても限度がございますので、それらのことも勘案いたしまして一八に上げておる、私学についても大体同様のいま事情にございます。そういうふうに、共済の財政に特別の事情がある場合に一五%という国庫負担率を上げていくということはございますけれども、共済年金としては一五%の国庫負担をもって他の公的年金とつり合いがとれておるものというふうに考えておる次第でございます。
#139
○太田淳夫君 そうしますと、いまのところ、その本俸の四〇%という線は変えないということですね。
 次に、ちょっとお聞きしたいことは、退職年金の支給開始年齢についてですけれども、いまお話しのとおり、共済年金は五十五歳から、あるいは厚生年金は六十歳から支給が開始されておりますけれども、最近厚生年金サイドから公務員共済の五十五歳は早過ぎるというような批判も一部にあるようでございますし、厚生省の局長の中には、公務員共済年金の支給開始年齢を五十五歳から六十歳に上げたいと、こういうような発言をしているような向きもあるようでございますけれども、この公務員の共済年金は恩給を引き継いでおりますし、また恩給は五十五歳支給であった関係から今日でも五十五歳支給になっていると、こう思いますけれども、この支給開始年齢だけは厳然と維持されて私はしかるべきだと思いますけれども、その点についての大蔵省、運輸省の見解をお聞きしたいと思います。
#140
○政府委員(高橋元君) 御案内のことでございましょうけれども、厚生年金及び国民年金のサイドから見て共済年金、つまり公務員の受け取ります年金の方がどうもレベルが高いんではないかという批判はございます。公的年金制度を調整してまいりますために給付水準というものを合わせるべきでないかという議論が、主として民間の年金のサイドからそういう主張があるわけでございます。その場合に、仰せのありました五十五歳の支給開始年齢というものについても、民間の退職年齢に合わせて六十歳に引き下げた方がいいんではないかという批判がございます。確かに共済年金というものは公務員の受け取ります厚生年金の代行の部分を含んでおるわけでございましょうけれども、それ以外に、共済年金には公務員の勤務の特殊性というようなことを考えました、何と申しますか、いわゆる企業年金的な意味合いもあわせて持っておる、そういう意味で、直ちには両方の年金の水準というものを金額及び年齢の両方にかけて等しくしなければならないとわれわれは考えてはおりませんけれども、給付開始年齢及び給付の水準、ひいては勤務年数等、年金の率でございますが、そういうもの全体について長期的な観点から年金制度の総合的な対比というものを行ってまいりまして、漸次調整を図っていく必要はあろう、そのために共済組合の審議会、それから各種の公的年金の審議会それぞれにおいて、そういった面の検討がなされておるわけでございますが、私は先ほど申し上げましたような考え方で、退職年金の支給開始年齢繰り下げということは、全体の年金を通してまいります場合には問題になってくる一つのテーマだというふうには考えますけれども、それを直ちに六十にすべきかどうか、また国年に合わせてさらに六十五の方へ持っていくかどうかということにつきましては、これから社会経済の移り行きというものもよく見て、年金の真のバランスというものをとりながら考えていってみたいという考えを持っております。
#141
○太田淳夫君 次は、支給開始年齢と定年制の関連についてちょっとお聞きしたいと思います。
 現在では、一般職では検察官、国立大学の教員に定年制が設けられておりますが、また特別職では裁判官、会計検査院の検査官、公正取引委員会の委員長及び委員並びに自衛官に定年制が設けられております。この自衛官を除いて他の職種には五十五歳未満停年がないので問題ありませんけれども、私、ちょっと問題にしたいのは自衛官の場合ですけれども、これは将官で五十八歳、将補で五十五歳、一佐で五十三歳、二佐、一尉、二尉、三尉、准尉並びに一曹はいずれも五十歳、二曹で四十五歳、三曹で四十三歳という、これはかなり若い年齢で停年が設けられております。それは自衛隊の何か特殊性もあると思いますけれども、このように見てみますと、五十五歳という年金の支給開始年齢というのは、これは自衛官を無視してつくられたんじゃないかと、そういうような感じもするわけです、現にこの国会にも請願が出されております。自衛官の停年と退職年金制度の矛盾の是正に関する請願、こういうのが出ておりますけれども、まず、この定年制と退職年金の支給開始年齢との関連について、基本的なあり方をまず大蔵省からお聞きしたいと思います。
#142
○政府委員(高橋元君) 共済年金、これは退職を支給事由として発生します年金でございます。そういう意味で退職年金でございますけれども、同時にその実質は老齢年金、老齢になって所得稼得能力が下がってまいりました退職した公務員に対する年金という性格を強く持っておると思います。そこで、若年にして公務員を引かれた方にどこまで年金を完全に支給するかということが常に問題になるわけでございまして、現在の制度では、民間の年金から見ていろいろの批判があることは先ほど申し上げましたとおりでございますが、五十五歳というところでその線を決めておるわけでございます。その公務員の中の特殊な分野の方々の定年制は五十五歳を下回っておると。したがって、退職をされたら直ちに年金を支給すべきだと、こういう御議論でございますけれども、これにつきましては、やはり老齢年金的な要素というものをどこまで考えていくべきか、老齢年金的な要素を取り上げまして、厚年、国年、そういった他の公的年金制度とのバランスが常に問題になっておりますので、年金の相互の関連の問題として調整検討しなければならぬと思いますけれども、いまのところ退職即年金の支給ということで五十五歳以前にこの制度をつくるということは非常にむずかしいという考え方を持っております。
 なお、一言つけ加えますと、現在五十五歳以前で退職年金を取得します場合には、一年について四%の割り引きという形でいわゆる減額年金というものが支給されることになっております。
#143
○太田淳夫君 この減額年金を選択した場合ですね。五十五歳前で定年をしまして、いまおっしゃった四%ずつ一年について減額をしていく減額退職年金というものを一たん選択してしまうと、これは五十五歳になっても満額の年金にはならぬのでしょうか。
#144
○政府委員(高橋元君) 五十五歳になりましても、減額年金はもとに復さないということになっております。と申しますのは、一年について四%ずつ割り引きして五十五歳以前の支給開始をいたすということは、総体の年金として受け取ります金額、将来の予想の年金の支給額というものを割り引きまして、それによって年金の数理計算をやっておるわけでございますので、したがって、その人が在職中に払います掛金の総額と、その人が退職後受け取る年金の総額というものを、大まかに申しますれば割りて年金の掛金率を出しておるわけであります。それに直ちに響いてまいりますので、現在のところ五十五歳を基準にして、五十五歳以前に年金の支給を希望される方があれば、その方は五十五歳から通常の残存余命の間、四%割り引いた年金を受け取られることでちょうど年金の数理が成り立つ、ほかの年金受給者の方とバランスがとれる、こういう計算でございます。したがいまして、五十五になってももとに復するということはありませんので、この点は恩給の若年停止と全く制度を異にしております。
#145
○太田淳夫君 恩給の方はどのような措置になっておりましょうか。
#146
○政府委員(菅野弘夫君) 恩給の方は、これはもう前からある制度、もちろん年齢は逐次変わっておりますけれども、若年停止と申しまして、四十五歳以下は全額でございます。それから四十五歳以上五十歳の間につきましては十分の五、それから五十一歳から五十五歳の間が十分の七ということで、もう一度申しますと四十五歳以下は全額停止、それから四十五歳から五十歳の間は五割停止、五十五歳以下の五十歳の間は、これは三割停止という制度になっております。
#147
○太田淳夫君 五十五歳以上になると一〇〇%支給されるわけですね、いま。
#148
○政府委員(菅野弘夫君) そういう停止をやっておりまして、五十五歳になれば全額ということでございます。
#149
○太田淳夫君 厚生年金でも、支給開始年齢というのは異なっていても、六十歳になると復元すると聞いていますけれども、共済年金だけは復元できない。それは本人の掛金に不足するからだというお話でありますけれども、いろんな定年制との関連が出てくると思いますけれども、復元措置ということを大蔵省として検討することはできないかどうか、もう一度お聞きしたいと思います。
#150
○政府委員(高橋元君) 先ほどるる申し上げたことでございますが、五十五歳で退職されるということを基準にして、財源率と申しますか、掛金率を定めておりますので、したがって五十五歳以前にやめられた方が五十五歳になって減額をもとへ戻すということであれば、そこに掛金の不足という問題が起こってまいります。と申しますことは、考え方を変えて申しますと、減額退職年金を受け取られた方が、五十五歳になって完全な満額の年金を受け取られるとすれば、ほかの方の積立金を食って年金を持っていくということでございますから、年金の設計を基本から変えていくということでないと、いまの仰せのようなことにはならないと私どもは思っております。
#151
○太田淳夫君 いまのところ、そういう年金の根本的な設計の検討にはまだ入る段階ではないでしょうか、どうでしょうか、この点は。
#152
○政府委員(高橋元君) だんだんと平均余命というものが延びております。また実際問題として退職年齢とか在職期間というものが延びてきておりますので、一般的な傾向として大部分の公務員をカバーする共済年金という制度としてみますと、むしろさきに御質問のありました支給開始年齢の繰り下げの方が問題になってまいると思いますけれども、減額退職年金の減額率をもとへ戻すという形の問題の提起というのは、非常にむずかしかろうかというふうに考えております。
#153
○太田淳夫君 時間もありませんので、あと二問だけにしぼります。
 これは去る三月二十四日の読売新聞ですね、厚生年金の遺族給付は五〇%から七〇%に改善を図るように検討すると、こういう厚生省の五十一年度方針というのが大きく出ておりましたが、これは五十一年度実施に向けての検討だと思いますけれども、原生年金が変わると、当然共済の方も手直しがあるだろうと思うわけですが、アメリカでも五五%までなっておりますし、遺族年金の早急な充実ということを図っていかなければならないもう段階じゃないかと思います。この遺族年金の改善について、今後の基本的な考え方について、ひとつお聞きしたいと思います。
#154
○政府委員(高橋元君) 先ほど、ILOの基準に対してわが国の年金がどうなっておるかという御説明を申し上げました際に、遺族年金につきましてはILOの基準を満たしていないということをお答えを申し上げました。遺族年金の支給率は、たしか大正の中ごろに恩給が従前の三分の一から二分の一にされたと。その場合の公務扶助料というものは恩給の従前の三分の一から二分の一になって今日に及んでいる。それをもとにしまして各種の公的年金につきまして、本人と遺族との割合というものは全部二分の一ということにしておるわけでございます。したがいまして、遺族年金の支給率を上げてまいるということは、各種の公的年金制度を通じてそれぞれの掛金、または保険料率に非常に大きな影響を及ぼします。そういった組合員の財政負担、また国の財政負担、そういうもの全体を見渡して考えていかなければならぬことだと思いますが、長期的に見ますと、遺族年金の支給率をどういうふうに直していくかということについて検討の時期に入ったように聞いておりますが、各種の公的年金制度を通じて、厚生省及び総理府、それらの審議会で御検討が進むものというふうに私どもは伺っております。
#155
○太田淳夫君 それでは最後にお聞きしますが、今回の法案に対して、国家公務員の共済組合審議会の答申を見ますと、検討すべき諸点として九項目に上る事項が列記されております。その中に「国庫負担の在り方」「財政方式の在り方」というものが挙げられております。特にこのうち財政方式のあり方につきましては、かねてから賦課方式への移行ということは、われわれも主張しております。いま直ちに賦課方式へ移行することにつきましては、現在の国庫負担のあり方等でむずかしい点があると思います。しかし、今後年金を拡充して強化していくということを考えてみますと、少なくともいまのシステムでは非常に無理が生ずるんじゃないかと思います。いずれ賦課方式を採用しなければならないような時代が来るんじゃないかと思いますけども、共済制度としてはどのようにこの点を検討しておられるのか、あるいはこれに移行していくにはどのような問題がそこにあるのか、そういった点を大蔵省あるいは運輸省の両省から御意見をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#156
○政府委員(高橋元君) 国公共済の方から先にお答え申し上げます。
 積立式を賦課式に切りかえてまいるということは大きな問題でございますけれども、現在の共済制度は、御案内のように、三十四年に恩給と旧雇用人に対する共済組合というものを統合して発足したものでございまして、発足後二十年近くを経過しておりますけれども、まだ現在完全な意味での新法の組合員というのはないわけでございます。そういう意味では年金制度として未成熟で、過去の恩給または旧法の共済というものとをくっつけて共済年金が支給されておるという形でございます。今後成熟が進んでまいります段階で、賦課方式に移るということになりますと、それは現在の組合員の負担に対して将来の組合員の負担が非常に過重になる、これはもう御承知のとおりの問題が出てまいるわけでございます。世代間の連帯ということも重要な問題でございますけれども、同時に、現在の組合員が将来の組合員に対して大きな負担を残していくということは、そこにやはり均衡の問題、限度の問題というのはあろうかと思います。私どもは、このように年金の成熟が今後急速に進んでいくという共済組合の現状、それから人口の老齢化が進んでまいるということ、したがって、それに伴って年金の受給者が急速にふえていくということを見通しますと、いま積立方式を賦課方式に切りかえるべしという結論にはなかなか到達しないわけでございます。
#157
○政府委員(杉浦喬也君) 賦課方式の問題につきましては、これを採用いたしますと、ただいま大蔵省から申し述べましたように、現在の組合員の負担に比べまして、将来の組合員の負担が過重になるという難点がございます。そうしたことによりまして、世代間に負担の均衡を欠くというような問題もございます。また、積立方式によります積立金の活用という点におきまして、現在は各種の福祉事業等も行っておるわけでございますが、これらが行われなくなるという問題もあろうかと思います。こうした問題ございますので、現在直ちにこれを賦課方式に改めるということにつきましては適当ではないんじゃないかというふうに思いますが、なお将来の問題といたしまして、全体の公的年金制度のあり方につきまして、十分慎重に検討してまいりたいと思います。
#158
○河田賢治君 きょうは恩給と共済法の問題ですが、ずっと前、委員会で大蔵当局に、特に関税局の問題ですけれども資料を要求したわけです。これは私個人の資料でなくして、委員会としての決定をいただいて、そして委員長さんから大蔵関係当局の方へ要求されておるわけです。ところがまだ、いまだに出てこないんです。かつて参議院で、渡辺議員が数年前ですけれどもその資料を要求した、個人として事前に要求したことがありますが、このときにはある程度出ているんですね。それが今度まだ一度も出ていないし、これについてずいぶん電話もかけてみましたが、なかなかはっきりした返事が出ないわけなんです。一体この問題について、まずおくれている理由ですね、これをお聞かせ願いたいと思うんです。
#159
○説明員(米山武政君) 先生からの御要求の資料でございますが、これは全国税関八つございますが、そこに基礎資料があるわけでございます。先生の御要求は、過去十年にわたって非常に詳細な資料の要求でございますので、私ども古いものは手元に全然ございません。それで、現在税関にその資料を取り寄せて集計をしているところでございます。
#160
○河田賢治君 本省にないので各税関から必要な書類を取り寄せているというお話ですか。
#161
○説明員(米山武政君) 八つの税関、本省にございませんので税関から取り寄せて集計しているわけでございます。
#162
○河田賢治君 私もこの前ずいぶん、この恩給や共済関係は大蔵当局との関係になりますので、できるだけそのときに間に合うようにしてくれと。私もこの問題をいつまでもつついているわけにはいかぬのですよ。だから、出していただくのは、大してこれは時間のかかる問題じゃないと思うんです。今回からいろいろな書類をとるとかいうような問題じゃないですし、八つの税関からとりましても、これはすべて大体保存されているわけでしょう。保存の義務がありますね、御存じですか。
#163
○説明員(米山武政君) 私ども、基本的な資料につきましては手元にございますが、先生の御指摘は過去十年ということでございます。最近三年程度のものは私ども手元にございますが、保存期間というのが特に決められてございませんので、古い資料、先生の御要求でございまする数字、きちっとつくらなければいけないと思いまして、現在古い資料につきましては手元を捜してもなかなか見当たらないものもございますので、税関に問い合わせて資料を送らしているわけでございます。
#164
○河田賢治君 各税関ごとにその程度のあれをつくれば、これは一括してやれば総計が出ますわな。この資料にしましても、これは永久に保存することになっているんじゃないですか、どうですか。
#165
○説明員(米山武政君) 人事の資料はいろいろございますが、資料につきましては保存期間というのが特に決まっておりません。
#166
○河田賢治君 それはちょっとおかしいですね。第一、それは御承知のとおりこういう問題があるでしょう。この給与のあれで、人事院の通知の三二六号の第三十七条関係の6、「この条の第一項の規定」、これは勤務の優秀な特昇者ですね、「により職員を昇給させた場合は、そのつど特別昇給者名簿を作成し、保管しなければならない。」となっていますね。「なお、当該名簿には、各年度ごとに次に掲げる事項を記載するものとする」。ですから、大体もう毎年毎年そのような結果が何らかの形で残っているはずなんです。一人ずつのことを私は要求しているんじゃないんだから、全体として数字は出ているはずなんです。七つありますけれども、時間がありませんから余り詳しくは読みませんけれども、「昇給定数および特別昇給定数を用いて昇給した者の数」と昇給した者の官職、氏名、年度ごとに昇給順の一連番号を付すること、これは私の方で個人の名前は要求しておりません。それから「特別昇給直後の職務の等級および俸給月額」「特別昇給の時期」「特別昇給直前の俸給月額を受けていた期間」「次期昇給の予定の時期」「特別昇給に際して適用したこの条の規定」、こう第三十七条関係の6に規定されておるんですから、これは保管しなければならないというんですから、これはどこの税務署にもあるはずなんです。
 それからまた、勤務評定を私は要求しておりませんけれども、勤務評定制度、元の人事院総裁の浅井さんが本の中で、勤評の非公開、これは公開しない――勤務成績の評定の手続及び記録に関する総理府令(昭和四十一年二月十日総理府令第四号)の第九条の二項の解釈において次のように述べておられるんです。「ここにいう非公開とは、一般的な統計的な結果の公開を禁ずるものではない」と、これは特に勤務評定の問題ですけれども、こういうふうに言っておられるんです。ましてや特昇になれば、これは勤務評定よりもやや緩いものになるわけですね。だから、これは人事院の以前の総裁の浅井さんも、このことを統計的な結果の公開を禁ずるものでないと言われているんですから、これはもう当然あなた方の方でつくろうと思えばいつでもつくられるし、またつくっていなきゃならぬとしてこの三十七条関係の6に規定されてあるわけですから、これが国内遠くにしましても、日本の国は長いようではありますけれども、それでも郵便ならば二日か三日で手元にも着き、これを整理するんでもそんなに一週間も二週間もかかる問題ではないと思うんですよ。あなたの方ではいつ出すおつもりなんですか、もう国会済んでからいいかげんに出しておこうというおつもりなんですか、第一、問題にしますのは、言っておきますけれども、国会というものは法律をつくるでしょう、責任もってつくるのです。その法律が行政の面でどのように実行されておるかということをまた私たちも点検することも必要です。そしてこの間の委員会では、人事院の方々と、それからあなた方の方は同じように人事院の規則は守ってますと言われた、そうでしょう。だから性別の差別もない、思想的な差別もない、あるいは職種の差別もない、こういうことをお答えになって、そして、私の方ではそういう差別のことはやらずに人事院の規定どおりにやっておりますと、もしも必要ならば資料は提出しますと、委員会で決定されるなら。こうおっしゃった。委員会で決定してもあなた方の方でまじめにこれを追求して資料出されないんですよ。国会終わってからでも出すおつもりなんですか。それともここ一日二日のうちにでもお出しになるわけですか。私はその資料を見て一言だけ、わずかもう十分もかからぬですよ、結論的なことを申し上げておきたい、こういう考えだったんですよ。それがきょうまでに間に合わないんですね。一体どういうおつもりなんですか。
#167
○説明員(米山武政君) 私、資料を保存してないと申し上げましたのは、本省で保存してないと申し上げたわけでございまして、任命権者であります各税関長はこれを保存する義務がございますので、それぞれの一人一人の資料が各税関にはあるわけでございます。それを、私ども基本的な資料は本省に取り寄せておりますが、先ほど申しましたように、過去十年、それに相当詳細な資料でございますので、これは手元にございませんので、保存しております税関からいま取り寄せているわけでございます。大変おくれて申しわけないわけでございますが、現在集計相当進んでおりますので、次回の委員会、この委員会開催日までには提出するように努力してまいりたいと思っております。
#168
○河田賢治君 この委員会の開催日というと、まあ二日置きにありますな。これはいつごろになります。もう大体済みそうなころですか、来月。その辺はっきりしておいてくださいよ。
#169
○説明員(米山武政君) できるだけ早くやるように努力しております。一日に本委員会があると私ども聞いておりますが、その日までには必ず提出するように努力してみたいと思っております。
#170
○河田賢治君 じゃ、今度、法案が別のものを取り扱いますから、できるだけその法案の審議を妨げないように私はしていきたいわけなんですよ。だから、恩給や共済はかなりこれと密接な関係ありますので、ここで質問を一応終わりたいと思っていたわけですよ。そうすると来月三日ごろまでですか、この委員会ありますが、それまでに出るというお考えですか。はっきりしておいてくださいよ。
#171
○説明員(米山武政君) それまでに出せると思います。
 ただ、一言お断りしておきたいと思いますのは、先生の資料要求、非常に詳細かつ膨大なものでございまして、それからこれは私どもとしては、できない資料と、それからなかなか人事管理上出すのがちょっとむずかしいような資料も多少含まれておりますので、その点だけはちょっと御容赦いただかなければならないものが一部あると思っております。できるだけ御要求に沿うように努力したいと思っております。
#172
○河田賢治君 そう言うなら、もっと早目に、この資料はこういう点で不都合があるとかおっしゃればいいでしょう。それを黙っていて、この場に来て、これは出せるけどまあこれは出せぬというのは、ちょっとあなたの方は誠意がないと私は思うんですよ。それは確かに時間的にはずいぶん長いやつあります。ありますけれども、私たちはこの人事院規則に従って、本当にこの特昇制度がどの程度実施されているか、公平に実施されているかどうか、私の方は疑いを持つわけですから、あなたはその反証として、そういうことはないといういわゆる反証明のためにそういう統計を出していただけばいいわけなんですから、そう別に秘密事項でも私はないと思うんだし、まあとにかく来月三日ごろまでですか、それ待ちますし、余りこれは秘密だなんてそのとき削らぬようにしていただきたいと思いますよ。じゃこれでその問題は一応打ち切ります。
 それから委員長さん、理事会の決定でございますから、ここのやはり責任として大蔵省に要求されたんですから、ひとつできるだけこの内閣委員会の権威のためにも、行政の方にずるずる引っ張られるようなことがあっては立法機関はだめだと思うので、私はそういう見解を持っておりますから、ひとつ御努力をお願いします。
#173
○委員長(加藤武徳君) 承知いたしました。
#174
○河田賢治君 それでは、恩給の問題については総理府長官にこの間話しましたし、従来共産党はかなり軍人恩給というものに、特に職業軍人の恩給に反対してきたわけです。ことしはもう調べてみますと、職業軍人の方々も非常に少なくなっておる。それから恩給の内容も徐々に改善されておるというので、衆議院でもこれは賛成することになりました。同時に、共済なんかもありますが、大体衆議院でも相当しゃべって、いろいろ質問もしておりますし、また共産党のしゃべるころになりますと、大体もう、ここでも細かい各一条一条が質問もされておりますので、私はこの共済に関しては、むしろ根本的な、今日職員の方々が病気にならないように、あるいはまた不幸な、何といいますか公傷なんかも受けないとか、いろいろなこれらの人々の健康なんというものが大きな要素になるわけです。したがって、そういう意味で共済組合の問題に入りまして、一応現在私たちが実例としまして、これらの労働条件、特に勤務条件の問題について一つ二つお聞きしたいと思うのです。
 これはまた税関の問題でございますけれども、御承知のとおり羽田の税関の監視交代勤務職員の問題についてお尋ねするわけです。私、ことしの一月の二十一日に羽田の税関の監視部旅具部門を視察してきました。非常に、御承知のとおり国際線の旅客なんかはまるで国電並みなんですね。ラッシュをかなり少ない職員でさばいておられるわけです。まさに殺人的とも言えるような業務に追い回されている実情を見てきました。私はこうした実情を踏まえて、職員の勤務体制また社会生活あるいは健康の面の改善、国民や乗客サービスの向上等々関連いたしますので、この問題について、まず当直勤務の拘束時間をもっと短縮すべきじゃないかという考えを持っておりますが、まず人事院にお聞きしますが、国家公務員の行(一)の職員で二十四時間拘束を含む変則の三交代と申しますか、そういう勤務体系をとっておるところが税関以外にあるかどうか、ひとつ人事院の方おわかりでしたらお聞かせ願いたい。
#175
○政府委員(中村博君) 手元に完璧な資料を持っておりませんが、大体先生のお尋ねに該当するような職種は、たとえば気象庁の予報、通報関係、それから外務省の電信課来電関係等々の職務があるのではないかと存じます。
#176
○河田賢治君 私の方でまあそれを調べましたが、ほとんどが二十四時間勤務と申し上げても二交代制勤務が一般的で、あとはまあ若干変則的なのもあります。外務省の電信課が三交代とか、あるいは皇宮警察や海上保安庁が変則の二交代とかありますが、しかし、二十四時間拘束というのはこれは税関だけが二十四時間拘束であって、たとえば農林省、法務省は十七時間三十分とか、これは最高。運輸省の航空管制ですか、これが十五時間十分とか、あるいは外務省が十二時間、最低ですね。こういうようにして二十四時間拘束というのは非常に少ないわけですね。税関だけが二十四時間いわゆる拘束になっておるんですが、この点は人事院にお尋ねしますけれども、こういう割り振りは人事院規則の一五−一ですか、第九条ですね、当然人事院の承認を得てやはり作成されたものと思うんですが、これはいかがでしょうか。どういう判断で、二十四時間拘束となる特別勤務制、これは後で申しますけれども、勤務が容認されたのかですね、これ、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#177
○政府委員(中村博君) ただいまのお尋ねの件につきましては、人事院規則の一五−一「職員の勤務時間等の基準」に関します六条、七条、八条、これに適合いたしますれば特に承認は必要ではないと、こういうことになっております。
#178
○河田賢治君 そうすると、これはそういうことで承認がないとすると、この場合に仮眠時間が三時間三十分になっておるんですが、たとえば羽田の監視ですね、これは労働基準法の施行規則の第二十六条、法三十二条の特例ですか、「一昼夜交替の勤務に就く者については、夜間継続四時間以上の睡眠時間を与えなければならない。」という規則に三時間三十分だとこれは違反するということになるんじゃないかと思いますが、これはどうでしょうか。
#179
○政府委員(中村博君) 国家公務員の場合には労働基準法の適用はございません。したがいまして、その時間をどうするかという問題につきましては、国民に対する公務サービスをいささかも欠落させることのないように、各省庁におかれましていろいろ業務の実情等も勘案し、また職員の健康その他も御勘案の上、決定なさっておることでございます。したがいまして、その時間の長短を、実情を詳しく知らない者がうかつに評価をすべきではなかろうかと存じますけれども、いろいろな事情で、いま申し上げましたような基準からそれぞれの実情に応じまして、職員の健康その他も十分御考慮の上決定されておるものと考えております。
#180
○河田賢治君 では税関にお伺いしますが、二十四時間拘束というものが、これはまた後で触れますけれども、始終やられますと、これは大変なことなんですね。第一、家庭生活なんてほとんどもう破壊――破壊とは言いませんけれども、まあ家庭生活も十分にそれを享楽するということもできませんし、また本人の健康もこれはもう非常に有害なものをもたらすわけなんですが、こういう問題について税関で少しはお考えになったこともあるんですか。とにかく組合は十五時間以内ということを盛んに言っているわけですが、こういう問題について大体どういうようなお考えですか、二十四時間拘束という問題について。
#181
○説明員(米山武政君) 羽田の勤務というのは、御承知のように全く受け身でございまして、旅客機が入ってきますとその検査をするということになっております。最近の旅客機の到着状況を見ますと、夕方の四時ころから夜の十一時ころまでに大体七割か八割くらい入る。しかもいろいろ時間の変更等がございまして、毎日一機程度は夜中から朝にかけて入るというふうな状況でございまして、できるだけ夜間勤務をやめられればそれにこしたことはないわけですが、そういう状況でどうしても夜間勤務、特に夜間に人を厚く配置するというのが必要な状況は御承知のとおりでございます。それで、その際、二十四時間拘束がいいのかどうかという問題ですが、二十四時間拘束と申しましても、たとえばそれじゃ夜十一時に仕事が終わって帰ればそれは拘束にならないわけですが、そのころになりますと非常に交通機関も少なくなる。それを無理に帰すといってもなかなか帰れない。しかももう一つは、拘束と申しましても一応そこには、先ほど先生申しましたように仮眠時間はもちろん休んでおりますし、飛行機が入ってないときは実際は休んでいると同様な状態でおるものでございますので、それほどきつい、ずっと起きっ放しというような形になっておりません。しかも翌朝までそこで勤務しますと、その次の日はまるまる一日休める。中途半端に十時とか何とかに帰りますとまた翌日から出てこなきゃいかぬと、こういうふうなことも一部には出てきまして、職員としても必ずしもそうした二十四時間制と、いま言ったような夜十一時ごろ帰ってまた翌日出てくるという形がいいかどうか、いろいろ議論があると聞いております。そういう特殊の勤務状態というのが解消できればいいと思いますが、どうしてもいま言った飛行機の入る状況がそういう状況、それから羽田の交通の状況、夜、なかなか帰りにくいというような交通の状況もございますので、現在のところこの二十四時間勤務制をやめるのはなかなかむずかしいと思います。ただ、いずれ週休二日制とか、あるいは成田の方に移転したというふうな場合には、これはいろいろそうした宿舎状況、交通状況等も勘案して、この二十四時間制については十分検討する余地があるのではないだろうか、そういうふうに考えております。
#182
○河田賢治君 この拘束時間中、まあ勤務時間というものは、監視職員の勤務体制の中で、当直のときには十六時間の勤務をして四時間三十分の休憩時間と、仮眠時間が三時間三十分ということになっておりますが、これに対して賃金はどの部分だけに払われるのでしょうか、人事院の方、ちょっとお聞かせ願いたい。
#183
○説明員(角野幸三郎君) 先生お尋ねの問題は、羽田の監視官の交代制の長い夜勤の時間の中に、拘束時間の中に含まれております休憩時間あるいは仮眠時間、それに対する給与上の評価、処遇の問題をお尋ねと思いますが、夜勤の勤務時間の間にはさまっておりますそういう休憩時間、仮眠時間は勤務ではありませんので給与の対象にいたしておりません。しかしながら、もう当然のことではございますけれども、このように交代制で深夜をくぐります夜勤につきましては、午後十時から翌朝の五時までにわたります深夜分につきましては、もちろん一般の深夜の割り増し賃金に当たります二五%の相当額の割り増しをいたしておりますのは当然でございますが、そのほかに、こういう税関監視業務の夜間の特殊性を評価いたしまして、特殊勤務手当として、たとえば深夜の全部を含みますような勤務の場合には一回につき六百六十円という金額の夜間特殊業務手当というものを支給いたしておる次第でございます。
#184
○河田賢治君 六百六十円をどうおつけになるか知らないけれども、拘束されておりまして賃金が二割五分というだけでは、これはちょっと私は不合理じゃないかと思うのですよ。どのくらいがいいか、これは組合の方も要求していることでしょうから、その辺は妥当な点で妥協すべきだと思いますけれども、とにかく皆さん考えてごらんなさいよ、深夜作業なんていうものは長いことやってたらこれはもうたまったもんじゃないですよ。それから、たとえば当直の回数を月七回以内にしてくれという要求がいまでもありますが、特勤Bですね、
  〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
その勤務合わせて当直回数が月に十二回、年間百四十六回にもなるのですよ。異常な勤務体系になっていると思うんです。だから、私もいつかちょっと計算してみましたけれども、気象庁とか、その他やはり夜勤を要するところとこの税関とは、超過勤務がうんと本給に比べてたくさん支出されているわけですね。だから、そういうものだけで間に合わしていこうというのは、これは少々の金をもらいましても健康は害する一方ですよ、これは。この辺やはり私はあれだと思いますが、とにかく今日のこのような拘束時間について、ちゃんと賃金なんかについてももう一遍お考えを願うべきじゃないかと思うのです。これは人事院でできるか、あるいは関税だけでできるか知りませんけれども、この点について一応考え方をお伺いしておきたいと思うのです。
#185
○説明員(角野幸三郎君) 羽田税関の例でございますが、このように一日の勤務が非常に長くなりますというのは、もともと税関の監視業務という仕事の性格上、それはそれなりにやむを得ないかと思われますけれども、しかし、結果的にはやはり職員の拘束時間をそれだけ長くしておりますということでありますので、それはいまお答えしておりますような給与面からだけの問題ではなくて、その勤務のあり方を含みます勤務条件全体の問題として検討していただきたい、検討していくべきものだと考えております。先ほどもちょっと税関の方からお答えがございましたけれども、民間の方で現在交代制勤務を含むこういう変則勤務者に対する処遇の問題が、週休二日制の問題と関連いたしまして非常に動いております。私ども給与局といたしましても、こういう民間企業で問題にされているそういう傾向、それに対して非常に関心を持って現在研究をいたしておりますが、そういうこととあわせて今後検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
#186
○河田賢治君 これはまたさっきと同じ答えが出るかと思いますが、休憩、休息時間を確実に保障されてない。先ほども、たくさん飛行機が来て、ときには飛行機がおくれてくる。飯を食う暇もないような場合があるわけですね。しかし、一応、税関の方で出されております職員の勤務体制というものの中には、日直のときには三十分しかないのですね、お昼が、三十分。前後にちっとも休息の時間もないわけですよ。これっきりですよ。最初のAの当直のときには一時間三十分ありますから、この間、飛行機が来なければ確かに食事はできます。こういうふうに非常に、相手の飛行機の着陸や発進、こういう状態によって変わりますから、この辺は相当余裕を持った時間帯をやはり設けなくちゃならぬのじゃないかと思います。しかし全然これに対して、普通は休憩時間以外に休息時間を与えなくちゃならぬ、四時間勤務の後には与えるとか、十五分とか、いろいろありますが、こういうことが規定にちっとも入っていないわけですね、羽田の。人事院は、これは各省の長官に任されているから休息時間はなくてもいいというお考えなんですか。
#187
○政府委員(中村博君) さような考えは持っておりません。したがいまして、先ほども申し上げましたように、規則の一五−一の八条では、「できる限り」という限定はしつつも、十五分の休息時間を置かなければならぬと。これはあくまで、先生先ほど来御指摘のように、やはり職員の健康ということを考えて置かれた規定でございます。もちろんいろいろ特殊な状況によりましては、たとえば十五分を四時間の真ん中に置けないので五分刻みにするとか、あるいは前後に置くとか、そういうときに現実に私どもの方で業務の実情を十分審査いたしまして特例を認めておる、こういう場合もありますけれども、いま御質問のように、全く置かないとすればこれは問題であろう。しかし、私どもが税関にこの御質問をいただきまして調べましたところ、やはり現実的には先ほどお話しのような形態でございますから、常に飛行機が入港しているばかりじゃございませんので、この点は十分考えられて置かれておる、かような御意思の表明がございましたので、それでは九条の承認は必要ではないのだ、かように考えておるのですが、望むべくんば、そのようなことも、なかなか文字の上では表現がむずかしいかもしれませんが、できるだけお触れいただければそういう誤解を生じないという意味合いにおいても、また職員の方が安心なさるという意味においてもよろしいのではないか、かように考えております。
#188
○河田賢治君 そうしますと、やはり税関の方、これは多少時間が出たり入ったりすることはありますけれども、やはりこの間に十五分の休息をとるべきだとかいうようなことは書いた物をつくりませんと、いま人事院の方も言われたように――やっぱりいわば人事院の最低の規則なんですね、労働時間の勤務についての。それをやはり税関の方は守るような態度を示してもらわなければならぬと思うんですよ。これはどうもこういう点が非常に私たちはあれだと思います。
 これと、あともう一つ、同じ問題を含んだ――休憩時間に超勤を強制するということはかなり法律上は違法なんですね、普通は。あなたの方では、今度はこれは長官の決定事項だとおっしゃるかもしれませんけれども、普通には休憩時間中に超過勤務をするとかというようなことが――仮眠時間八時間中四時間を、同じく特勤Bでは五時間中三時間十分を超勤として強制的に命令し就労させている、こういうことになっているわけですね。しかもこれが日常化して、普通、超勤といえば自然の大きな災害があるとか、万やむを得ないときはこうですけれども、一体の毎日毎日の日常的な業務になっているわけですからね、こういう問題――について一体税関当局はどういうふうにお考えですか、強制的に超勤にしてしまうというようなこと。
#189
○説明員(米山武政君) 先生、二つの御質問でございますが、一つの、休息時間を明文化するようにというふうなお尋ねでございますが、先ほど何回も繰り返して申し上げましたとおり非常に不規則でございます。しかも、不規則で忙しいばかりかと思いますと、飛行機が入らないときにはわりあいゆとりのある職場でございますので、それを明文化して、何分問いつどこでとれということはなかなか規定しにくいわけでございます。しかし、人事院規則一五−一の八条に書いてございますように、この精神は私ども十分守るように職場には常々指導しておりまして、時間的には多少不規則な時間にはなりますが、時間として見ますと、ここに規定された時間は十分与えているつもりでございます。
 それから、第二の休憩時間について強制的に超過勤務をつける、しかもこれは恒常化しているということにつきましては、私どもそういう事実は聞いておりません。それで、職員組合の方からもそれについて何ら苦情をいままで聞いたこともございません。
#190
○河田賢治君 そうおっしゃいますけれども、とにかくいろいろな要求も出たり、実際また、基準法じゃなくて人事院規則に、あなたがさっきおっしゃいましたけれども、いろいろちぐはぐなところも出ているわけですよ。だからこの辺で、あなたが幾らこれは大丈夫、そのとおりやっていますと言っても、私たちは余り信用できないのですが、いずれにしましても、休憩時間や休息、こういうものをもう少し制度の中にはっきり取り入れるということが私は必要だと思うのです。確かに特殊な業務ですから、普通の工場のようなぐあいにはいきませんけれども、しかし、その範囲内でも私はそういうことをやり、そしていたずらに超過勤務あるいは超勤の命令で仕事をさすということのないように、その辺はひとつ前進してもらいたいと思います。さっきも話しましたが、これは人の関係になると思うんですけれども、一年に百四十六回の当直があるということは、ほかのどこを見てもこんなのないんじゃないかと思うんですよ。私調べたのをもらっていましたけれども、ほかの方でちょっと調べましても、法務省の入国審査ですか、これがまあ最高で八回か九回だと、あるいは外務省で五回、これは最低ですね。農林省で六回、警察や海上保安庁が十回程度だと、その他も含め大体平均が七、八回というふうに言われているんですね。ところが、税関だけは、とにかくもう人間は惜しげもなくこの方に回していけというんで、年に百四十六回、月十二回と、こういうことになっていますね。これではやはりこれらの職員の健康を守る上からも、また本当に社会生活をやり、あるいは家庭生活を営む上からも、こうあなた当直をさせられたんではまるきりガードマンの夜勤ばかりをやっている人ね、これに等しくなっちゃうんですね。こういうところは、やはりどうしても必要な人員はこれこれ要るといってあなた方要求する必要があるんじゃないかと思うんですよ。大蔵省というのは非常になんですけども、同じ大蔵省の管内ですからな、そこは大蔵大臣や政務次官あたりはよく心得て、必要な国民へのサービス、それから職員の処遇の問題で、何もよそよりもよくせいとは言っているわけじゃないんですから、普通にほかの職員との均衡が保てるような、そういうやはり労働条件をつくり上げるということが私は必要じゃないかと思うんですよ。とにかくこの問題についてもひとつ税関の方はどういうお考えなのか、まず一応聞いておきたいと思うんです。
#191
○説明員(米山武政君) 先生御指摘のように、当直が非常に多いということで、これはまあ減らせれば私ども減らしたいと考えているわけでございますが、先ほど申しましたような、最近の飛行機の発着状況、それから羽田というその交通機関の問題、それから宿舎事情というものをいろいろ勘案しますと、むしろ夜遅く帰す、そしてしかも翌日また出勤させるということの方が、いまの制度とどっちがいいかというような議論もございまして、なかなかむずかしい問題でございます。しかし、先ほど申しましたように、週休二日制というような問題もいろいろ議論されているときでもございますし、また、成田に移りますと宿舎事情も大分よくなりますので、そうした機会もございますので、いろいろの意見を聞きながらひとつできるだけ御趣旨に沿うような検討を行ってまいりたいと考えております。
#192
○河田賢治君 いずれにしましても、三交代、変則の三交代勤務ですね、当直から次の当直までの間隔がしかも三十時間しかないと、だから深夜勤務という特殊性、また年間回数が多いという点を考えて、もう少し時間をやっぱり広げる、いろいろのですね。これをやはりやっていただくと。それからまあ御承知のとおり、いまお話しになりましたように、確かにこういう飛行場などはかなり出勤やなんかの、夜勤なんかをやれば時間の不規則があるわけですね。そうすれば、できるだけそこに働く人々に、少なくとも国家公務員の宿舎をそういうところにふやしていく。税務署やなんかの役人のおるところはそうふやさんでも、これはもう税金取りにいくのに何も税務署のそばでなくちゃならぬわけでもないんだし、だから、こういう点をやっぱり国家全体として、国全体としてどういう場所に住宅を建てるのが一番必要か、どういう労働条件をもたらすのがいいか、こういうものはやはり総合的にやってもらわなきゃならぬと思うんですよ。それもまた、あなた方自身がそういう要求をしませんと、なかなか実現もしないと思うんですよ。確かに一時間も二時間も通って羽田まで行けば、朝、幾ら九時の出勤になりましても朝早く出なきゃならぬ。そうすると、また翌日はそれこそ夜までもいなくちゃならぬとか、こうしてまるきり当直や、あるいは夜勤が続くようなものです。だから、この辺はとにかく皆さんが十分今後あれしてもらいたい。とにかくこの十年間、入国者の数は大幅にふえまして、大体総数において四倍と言われているんです、十年間。日本人だけは七倍ふえている。ところが、これに応ずる職員の数ですね、監視部門だけはまだ一・八倍だというんですよ。だからこの比率から言いましても、何も同じ数とは申しませんけれども、やはりそれだけの乗客が乗ったりおりたりすればこれにふさわしい職員の数はふやし、そうして、いま非常な無理になっているこういう労働条件というものをやはり直さなくちゃならぬじゃないかと思いますよ。さらには、御承知のとおり、いま人事院も発表しておりますように週休二日制というものが問題になってきつつあるわけですね。そうすると、よほどこういう改革のときにきちんとした無理のない制度をつくり上げませんと、これはまた、つくってはまた直すまた直すじゃ、これは全く定見のないことにもなりますし、できる限りその方向を目ざしてやはりこの問題に取り組んでもらわなきやならぬと思います。少なくとも、いま一班十五名以上の増員が必要ということを今日職員の人々は言っておるわけですがね。これはあなたの方で多過ぎるとお考えになるかしれぬけれども、まあ一応そういう要求をしているわけですからね。あなたの方で大体どのような計画を、まだ腹案でもいいですから、お持ちになるのか、一応持っておられたらお聞かせ願いたいと思うんです。
#193
○説明員(米山武政君) 先ほど宿舎事情等の話が出ましたんですが、成田へ移りますと、成田の近辺に宿舎が整備されて、いまもうあいてはいるわけですが、宿舎等については十分配慮しているわけでございます。それから、人員につきましては、いま先生御指摘のように、非常に事務量ふえております。それで、私ども税関としましても、できるだけ、他の分を削ってでもそういう忙しいところに配置すると、こういう人員面の配置だけでなくて、仕事のやり方につきましても、御承知のように従来は無差別に、課税物件を持っている者も持ってない者も全部窓に殺到していたわけですが、最近はあそこにグリーン・アンド・レッド・チャンネル制度という非常に進んだ制度を導入しましたり、あるいは税率のもう簡単な簡易税率表というふうなものをつくりまして、仕事を非常に能率化するというふうなこともやっております。人員の面もできるだけ中でやりくりしまして重点的にやる、仕事の面もいま言いましたように合理化すると、こういうようなことで対処していくつもりでございます。
#194
○河田賢治君 まだ少し時間があります。
 この税関の方々は、どうも、いま労働組合なんか、交渉をですね、これを非常にいやがったり、あるいは理性がないというようなことが言われているわけです。
 そこで、一応人事院にちょっとお尋ねしますけれども、東京税関で九つの全税関の分会があって、横浜税関に十分会あるんですが、今年度の春の闘いで三月十日に当局に交渉の申し入れをして、どの分会も一度も所属長が応じていないという事実があるわけですね。また、すべてではないが、そのほとんどの分会が二年から三年にわたって実際の交渉が持たれていない驚くべき実情にある。まあこういうふうにわれわれはちょっとつかんできたわけなんですが、こういうような実情をどのようにお考えですか。
#195
○政府委員(中村博君) いま先生、分会がとおっしゃいましたが、分会が果たしていわゆる交渉単位かどうか存じませんので、その問題について、まあ具体的な問題について格別な御意見を申し上げることはできませんが、国公法の規定では、事前に交渉手続を了して議題、人員、日時その他ございました場合には、登録団体につきましては、その当局は交渉に応ずべき地位に立つものと、こう先生御承知のようになってございますね。したがいまして、いわゆる事前交渉手続、合致すれば、それは当然交渉に入るということになるわけでございますが、まあその点をどのような手続をなすったかどうか存じませんので、軽々に申し上げられませんが、一般論として言いますれば、やはり職員団体とはその要求に応じて、また当局の方でもいろいろな御都合がございましょうけれども、時間の許す限りできるだけ会っていただくということがいいんではないかと、一般論としては私はそう考えております。
#196
○河田賢治君 もう一つ、またお聞きしますが、これも一つの材料なんですけれども、これは東京の国公共闘ですね、これは国家公務員の共闘会議というものがありますが、ことしの五月二十日ごろ、人事院の関東事務局ですか、そこへこの実情を訴えて、税関当局の早急に団交に応ずるよう申し入れましたと。ところが人事院の担当官が、係長ですか、その実情に驚いて、そして調査を約束し、そして大蔵省に調査に出向いたんですが、結局、大蔵省は手ごわいですという感触で引き下がったという実例があるんです。人事院の方、こんなことを聞いておりますか。
#197
○政府委員(中村博君) 手ごわいですということは、本当にその職員が言ったかどうか私は存じませんが、さような不正確な職務執行はいたしておらぬと思います。
#198
○河田賢治君 いずれにしても、人事院にも訴えて、こういうふうな実情を訴えているわけですね。それで、人事院の方自身もびっくりされるような状況があるわけです。確かに私も、この分会と交渉団体、どういうことかわかりませんけれども、いずれにしましても税関当局は、まじめに下の方のいろんな分会とか、いろんな労働組合の組織と胸襟を開いて話し合うと。お互いのそれは意見もあるでしょう、上から言われてやれないこともあるし、またそこの小さな役所だけで、窓ガラスが破れたといえばこれをかえることもできますし、いろんなことがあるわけですわな。やはりそれに応じて会っていくことが、私は労使の紛争といいますか、国と職員組合との紛争なりあるいは感情の疎外というものを私はなくすことができると思うんですよ。どうも頭が古くてなかなか、労働組合なんというものはこれはけしからぬと、昔は国賊のように思われましたから、新しい憲法になってから組合が認められたけれども、頭が非常に古いわけなんです。
 人事院に聞きますけれども、やはり組合から交渉の申し入れがあれば、分会であっても当局は誠実にこれに応じなければならない。予備交渉ですね。国公法の百八条ですか――なる名目でもってむやみに引き延ばすことは許されないと思うんですが、どうでしょうか。
#199
○政府委員(中村博君) 登録職員団体から適法な、先生おっしゃた事前交渉手続ですね、これを充足するような形で申し込みの後にその合意があれば、当局は時間の許す限り、またいろいろな事情を勘案いたしまして、できる限り会って、それこそ先生のおっしゃるように胸襟を開いて、できることはできる、できないことはできないと明確な意思表示をなさるということが、一般論としては大変望ましいと思います。
#200
○河田賢治君 税関当局に、これはここへ私の方もちょっと材料得ただけなんであれがありませんけれども、ことしの四月に名古屋の中出張所分会ですか、の書記長が電話で交渉の申し入れをしたところ、管理課長が、君はいま年休をとって電話をかけているのだろうねと、こう言って、余り相手にしなかったという話があるんですが、こういうのを税関、わかっていますか。
#201
○説明員(米山武政君) いまの中出張所の問題につきましては、私は何も聞いておりません。ただ、先ほどから先生が、東京、横浜等の分会の交渉の申し入れに対して当局がこれを拒否しているというふうなお話がございましたが、私どもは組合からの申し出に対して拒否するようなことは絶対にするなという指導をしておりますし、いろいろの会議がある都度、その点実情を聞いておりますが、拒否した事例はないと、こういうふうに聞いております。
#202
○河田賢治君 私の方もそれぞれの関係者から聞いているわけなんですけれども、とにかく組合が職場の切実な要求を掲げて交渉の申し入れをしているのに、予備交渉でもって、管理運営事項はだめだとか、あるいはこれは権限外だからだめだとか、これは交渉にならないというような調子で、それぞれ理由をつけて事実上交渉を引き延ばして、そして予備交渉すらやらぬという事態が生まれているわけですよ。こういう態度をずっととり続けているというふうに聞いているのですが、交渉権は明確に認められているものであるんですが、分会交渉のあり方なんかについて早急に改善を、それぞれの段階に小さなあるいは大きな交渉権があると思うのですが、そういうものについて関税当局はこれを改善する意思があるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います、最後に。
#203
○説明員(米山武政君) 法律に基づきまして、適正な、法令にのっとった要求に対しましては、私どもこれを拒否することはできませんし、またそういうことをしないように教育しておりますし、今後もその方向でやっていきたいと思います。しかしながら、いま先生がちょっとおっしゃられましたように、権限外事項とか管理運営事項というのは、これは公務員法でもやってはいけないことになっておりますので、そうした点の要求につきましては応ずるわけにはまいりません。ただ、それからもう一つ、非常に簡単なことで、たとえば黒板をこっちへ動かせとかなんとかというようなことを税関長交渉でよく申し出るわけですが、この点につきましては予備交渉の段階で総務課長がそれは承知したということでほとんど話がついております。そういうものにつきましても、予備交渉の段階でほとんど話がついたもの、あるいは権限外事項等につきましてはいま申しましたように応ずるわけにいきませんが、適法なものにつきましては、これは法律に従いまして応じてまいるように指導してまいります。
#204
○河田賢治君 とにかくあなたの方でいろいろおっしゃるんですけれども、とにかく交渉したいという当事者は、いろいろなほかの各省を調べて、そしてこのように、ここにありますけれども、A省、B省、Cとか、Dとか、これはこういうふうな形で、何人ぐらいの人で、そして何時間ぐらいの交渉をしているとか、こういうことがあるわけですよ。ところが大体において、大蔵省と言わず全部かもしれませんが、税関ではそういう交渉なんかに対する不満があるわけですね。それだけやはりあなた方が、いろんな資料を要求してもなかなか渋っておられるところにも私はこういうところがあると思うんですが、ある外国人が言ったそうですが、とにかく日本は科学的に、技術、これはもう二十世紀だと、ところが経済やその他はこれは十九世紀で、それからまた政治、これはまあ役人諸君の政治もこの中に入りますよ、これは十八世紀ですか、そういうふうに言っておりますよ。確かに明治憲法で皆さんがずっと鍛えられてこられたから、新しいこの昭和の現代の民主的な、民主主義を守るという、こういう立場で本当に職員なんかを見ておられないようなのが多いと思うのです。だから、あちらこちらの官庁でマル生運動とか、やれ何といいますか、いろんな差別をして、労働組合をできるだけぶつ壊すとか、
  〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
第二組合をつくらすとか、この方はかわいがるとかというような問題が始終これまで起こっているわけです。徐々に改善はされておりますけれども、とにかくそういうふうな今日状態が続いておるんで、もっともっとやはり国家公務員の組合あるいは国家公務員の職員に対する態度というものを上の人は変えないと、私は政治自身がもう規則にも違反し、いろいろな法律もあえて犯しながらやっておられることがあるわけですね。
 こういう点で、私は特に最後に申しますが、いずれにしましても、私の要求しましたもの、一日に出ればひとつ出していただきたい。若干、このどういうところに抜けがあるかもしれませんけれども、まあ後でそれはお伺いして、そしてとにかく基本的なものを早く私はいただいて、そして恩給や共済組合の問題は、これで、また大蔵省とのこういう問題はこれで一応けりをつけたい、こう思っているわけです。いずれにしましても、あなた方がこの人事問題あるいは職員の問題について一〇〇%自分たちは正しいことをやってきたと言うことはできぬのじゃないかと思うのです、お互い人間ですからな、神様でない限りは。そうすれば、そういう少しでも間違ったこと、あるいは誤ったことがあればやはりこれをどんどん直していただく。われわれもやはり立法上十分でない法律があればこれはどんどん改定するにやぶさかではないわけですから、こういう点も申し添えまして私の質問を終わります。じゃひとつ頼みますよ。
#205
○委員長(加藤武徳君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#206
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようでありますから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 三案の以後の審査は後に譲りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#207
○委員長(加藤武徳君) 次に、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐々木科学技術庁長官。
#208
○国務大臣(佐々木義武君) 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 原子力の開発利用は、現下のエネルギー問題に対処してわが国エネルギーの安定供給を確保するため、大きな役割りを果たすものであり、政府としては、その推進に努めてきたところであります。
 しかしながら、その安全性については、必ずしも国民から万全の信頼を得ているとは言いがたい状況にあります。政府は、原子力平和利用の推進に当たっては、まず第一に、その安全性確保のために万全を期し、国民の理解と協力を得なければならないと考えております。このため、研究、開発と安全規制とを同一の局で行っている現行の原子力行政体制の中から、原子力の安全規制等原子力の安全確保に関する機能を分離、独立させ、これを強化することにより、安全確保の明確な責任体制を確立することがぜひとも必要と考えるものであります。
 なお、これとあわせて安全を確保するために必要な試験研究等についても、抜本的な強化を図り、安全の確保に万全を期したいと考えております。
 この法律案は、このような観点から、現在の原子力局の事務のうち、核燃料物質及び原子炉に関する規制に関する事務、原子力利用に伴う障害防止に関する事務等原子力の安全規制に関するものを分離し、これを一体的かつ効率的に処理する体制として、新たに原子力安全局を設置するとともに、その所掌事務を定めようとするものであります。
 なお、これらの改正とあわせて、科学審議官の定数を三人以内から一人に減じ、原子力局の次長二人を廃止して原子力安全局に次長一人を置くため、所要の改正を行っております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。原子力の安全の確保の重要性について、皆様の深い御理解をいただき、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#209
○委員長(加藤武徳君) 引き続いて、本案の衆議院における修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員会委員長代理理事越智伊平君。
#210
○衆議院議員(越智伊平君) ただいま議題となりました科学技術庁設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案では、本改正案の施行期日は「昭和五十年四月一日」となっておりましたが、衆議院における議決の時期がすでにその日を経過しておりましたので、これを「公布の日」に改めた次第であります。
 以上が修正の要旨であります。
#211
○委員長(加藤武徳君) 以上で説明は終わりました。
 本案の審査は後に譲りたいと存じます。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#212
○委員長(加藤武徳君) 速記を起こしてください。
 本日はこれで散会いたします。
   午後四時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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