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#1
第075回国会 本会議 第9号
昭和五十年三月三十一日(月曜日)
   午前十時五十三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
  昭和五十年三月三十一日
   午前十時開議
 第一 国際電気通信条約及び関係議定書の締結
    について承認を求めるの件
 第二 日本国と中華人民共和国との間の海運協
    定の締結について承認を求めるの件(衆
    議院送付)
 第三 公共企業体等労働関係法の一部を改正す
    る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律
    案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 特許法等の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第六 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改
    正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 放送法第三十七条第二項の規定に基づ
    き、承認を求めるの件(衆議院送付)
 第八 畜産物の価格安定等に関する法律の一部
    を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
    付)
 第九 緊急質問の件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第一より第九まで
 一、一般職の職員の給与に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、所得税法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、法人税法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、関税暫定措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、国会議員互助年金法の一部を改正する法律
  案(衆議院提出)
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、国会における各会派に対する立法事務費の
  交付に関する法律の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 一、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一
  部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、国立国会図書館法の規定により行政各部門
  に置かれる支部図書館及びその職員に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、参議院事務局職員の定員に関する件
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、行政監理委員会委員に大槻文平君、栗山益夫君、住本利男君、東畑精一君、林修三君、宮崎輝君を、
 旧軍港市国有財産処理審議会委員に市川四郎君、江澤省三君、櫛田光男君、黒川洸君、勝田龍夫君を、
 運輸審議会委員に杉本行雄君を、
 鉄道建設審議会委員に荒木茂久二君、五島昇君、駒井健一郎君、日向方齊君、森本修君、田實渉君、角本良平君、片岡文重君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、旧軍港市国有財産処理審議会委員、運輸審議会委員、鉄道建設審議会委員及び行政監理委員会委員のうち、大槻文平君、住本利男君、東畑精一君、林修三君、宮崎輝君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、いずれも同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(河野謙三君) 次に、行政監理委員会委員のうち、栗山益夫君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(河野謙三君) 日程第一 国際電気通信条約及び関係議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 日本国と中華人民共和国との間の海運協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長二木謙吾君。
   〔二木謙吾君登壇、拍手〕
#8
○二木謙吾君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、国際電気通信条約は、通常五、六年ごとに新たに作成される国際電気通信連合の基本的文書でありまして、今回の条約は連合の組織、国際電気通信業務の運用等に関して旧条約に若干の改正を加えたものであります。また、関係議定書は、この条約関係から生ずる紛争を義務的仲裁に付することができるようにするものであります。
 次に、日本国と中華人民共和国との間の海運協定は、日中共同声明に基づいて交渉が行われた結果、昨年十一月に署名されたものでありまして、日中間において、船舶の開港への出入りの権利、港に関する規則及び手続等、港における待遇、乗組員の出入国、海難救助等に関する事項につき相互に最恵国待遇を与えることとしているほか、船舶の国籍の認定、積量測度証書の互認等について定めたものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。
 去る二十七日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#9
○議長(河野謙三君) これより両件を一括して採決をいたします。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両件は全会一致をもって承認されました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(河野謙三君) 日程第三 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長村田秀三君。
    ―――――――――――――
  〔村田秀三君登壇、拍手〕
#12
○村田秀三君 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案は、公共企業体等労働委員会の事務の円滑な遂行を期するため、同委員会の委員の定数を、公、労、使、各側それぞれ二人増加して、公益委員を七人に、労働者委員及び使用者委員を各五人にすること、これに伴って、公益委員の政党所属に関する規定を整理することを内容とするものであります。
 委員会におきましては、委員の適正な選任、三公社五現業における職員の労働基本権、労使関係の正常化、強制労働の禁止に関する条約の扱い等について質疑が行われた後、採決の結果、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決しました。
 以上報告をいたします。(拍手)
#13
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(河野謙三君) 日程第四 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長多田省吾君。
    ―――――――――――――
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#16
○多田省吾君 ただいま議題となりました犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を報告いたします。
 本法律案の趣旨は、中央更生保護審査会の委員四人のうち二人を常勤とし、調査及び審理の機能を強化しようとするものでありますが、二人の委員を常勤とすることに伴い、委員長に事故ある場合は、常勤の委員がその職務を代理することとし、また、常勤の委員の給与を定めるため、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正しようとするものであります。
 委員会におきましては、質疑を終わり、討論に入りましたところ別に発言もなく、次いで採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 次いが佐々木静子委員より、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、各派共同提案になる附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上報告いたします。(拍手)
#17
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(河野謙三君) 日程第五 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長林田悠紀夫君。
   〔林田悠紀夫君登壇、拍手〕
#20
○林田悠紀夫君 ただいま議題となりました法律案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、工業所有権制度の国際化の進展、わが国産業の技術水準の向上、商標登録出願の増加等工業所有権制度をめぐる最近の情勢の変化に対処するため、化学物質等の発明について特許を認め、特許及び実用新案について多項制を採用するとともに、三年間使用されていない登録商標については存続期間の更新登録をしないこと等を主たる内容とするものであります。
 委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、実施態様の記載方法等の不明確さ、新規性調査機関の充実、商標の出願手数料の値上げ幅の是正、特許法第九十三条の「公共の利益」の解釈、審査官、審判官等の待遇改善問題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、実施態様の記載方法等の明確化、発明の要約を記載した書面の整備、新規性調査機関の充実、特許法第九十三条の「公共の利益」の明確化、審査官、審判官等の待遇改善等について努力すべき旨の附帯決議が付されました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#21
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(河野謙三君) 日程第六 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長小野明君。
   〔小野明君登壇、拍手〕
#24
○小野明君 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、現在の奄美群島振興開発特別措置法において、国の負担または補助の割合の特例の対象となる道路は県道及び市町村道に限定されておりますが、一般国道の路線の指定に伴い、その対象範囲を、道路法第二条第一項に規定する道路に拡大して、一般国道の新設、改築または修繕に要する経費に対する国の負担の割合についても十分の九以内にしようとするものであります。
 本委員会におきましては、熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録で御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#25
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#26
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#27
○議長(河野謙三君) 日程第七 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長竹田現照君。
   〔竹田現照君登壇、拍手〕
#28
○竹田現照君 ただいま議題となりました案件について、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 本件は、日本放送協会の昭和五十年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めようとするものであります。
 その概要を申し上げますと、収支予算においては、事業収入一千三百十三億三千万円、事業支出一千五百二十九億一千万円で、事業収支は二百十五億八千万円の赤字となっております。
 これはカラーテレビの普及の頭打ちによる受信料収入の伸び悩み、加えて事業運営費の増高等によるものでありまして、この赤字は、資本収支の差額をもって補てんすることとしております。
 また、事業計画では、新規施策等は極力これを抑制し、その重点を放送網の拡充、放送番組の刷新、営業活動の積極的な推進などに置いております。
 委員会におきましては、各般にわたり慎重審議をいたしましたが、特に放送の政治的中立性の確保、難視聴解消対策の促進、財政難の克服施策、今後における経営基盤の確立方策などの諸点について質疑が行われました。
 去る二十七日質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもつてこれを承認すべきものと決定いたしました。
 なお、委員会は、放送の不偏不党の堅持、抜本的な難視聴解消対策の早期確立など、六項目にわたる附帯決議を付することにいたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#29
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#31
○議長(河野謙三君) 日程第八 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長佐藤隆君。
   〔佐藤隆君登壇、拍手〕
#32
○佐藤隆君 御報告いたします。
 本法律案は、最近における肉用牛の生産、需給事情等に対処するため、一定規格の牛肉を指定食肉に追加して、畜産振興事業団の安定価格帯による売買操作により価格の安定を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、肉用牛の生産、需給事情、特に飼料及び子牛価格の安定、流通の近代化対策、畜産物価格安定制度のあり方並びに牛肉の輸入等各般にわたり質疑が行われました。
 質疑を終わり、神沢委員より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブの五派共同に係る修正案が、また、塚田委員から日本共産党の修正案が提案されました。
 討論に入りましたところ別に発言なく、採決の結果、日本共産党の修正案は賛成少数をもって否決、五派共同の修正案及びこの修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決すべきものと決定されました。
 可決された修正案は、牛肉の輸入の一元的運営について規定したものであります。
 なお、指定食肉たる牛肉の規格の追加等九項目の附帯決議を行いました。
 以上であります。(拍手)
#33
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(河野謙三君) 日程第九 緊急質問の件
 秦豊君、塩出啓典君、立木洋君から、それぞれ沖繩県における米海兵隊の実弾射撃訓練に関する緊急質問が提出されております。
 これらの緊急質問を行うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。順次発言を許します。秦豊君。
   〔秦豊君登壇、拍手〕
#37
○秦豊君 私は、日本社会党を代表して、去る三月十一日、沖繩のアメリカ海兵隊訓練基地キャンプ・ハンセンで引き起こされたまことに許しがたい日米一体の過剰警備、県民圧迫の事件を取り上げ、昨今、ともすればおしなべて重度の沖繩忘却症に陥っている三木総理を初め関係閣僚の猛省を促し、かつ、責任と誠意ある答弁を求めたいと思います。
 特に佐藤政権当時の外務大臣としていち早く核抜き・本土並みを提唱され、ために、いまやノーベル平和賞とかに輝く佐藤氏をして、あのような外相を選んだことは私の不明とまで嘆かせた三木総理からは、とりわけ沖繩の現状を踏まえ、魂と格調のこもった答弁をあらかじめお願いしたいのです。
 事件の発生は三月十一日の午後一時過ぎであった。この日アメリカ海兵隊は、沖繩県民の生活道路である県道百四号線を封鎖し、百五ミリりゅう弾砲の実弾演習を強行する構えをとっていた。
 今回の演習は復帰後十回目に当たるが、これまでにも県民の根強い反対によって一回は完全阻止、二回は一時中止に追い込まれるなど、キャンプ・ハンセンの実弾演習に反対する県民ぐるみの行動はいまや復帰後最大の反基地闘争としての広がりを示している。
 当日も、演習開始が予定された午前八時前には、ブート岳の着弾地点を目指し、六つの方向から百人を超える行動隊がのろしを上げながら展開をしていたが、沖繩県警もおよそ五百人の機動隊員を動員し、県道の封鎖地点や山中の警戒に当たっていた。
 一方、那覇市内でも現地に呼応して数百人のデモ隊が那覇防衛施設局、沖繩県警本部に対し抗議の波状デモを組織したが、そのころには県道の封鎖地点では、デモ隊と機動隊員の衝突によって双方に数人の負傷者が出ていた。
 事態を重視した屋良県知事は、正午過ぎ沖繩四軍調整官デビット少将と会見し、訓練の中止を強く申し入れたけれども、米軍と県警、防衛施設局は、演習を阻止された腹いせからか、午後一時過ぎ方針を一転し、あたかもベトナム戦でのゲリラ掃討作戦を思わせる体制で阻止行動隊員の強制排除を開始した。使用されたヘリは海兵隊攻撃中隊のシーコブラ三機など七機である。まずブート岳山頂に、県警機動隊員三十九人が輸送され、待機した。このシーコブラは本来がゲリラ掃討作戦用のヘリであり、地上すれすれに降下したその風圧で灌木や草むらをかき分け、ひそんでいる阻止隊員を発見するという全くのベトナム仕込みであった。シーコブラがこうした方法で阻止隊員を発見すると、山頂に待機中の機動隊員が米軍のヘリで直ちに現場に急行し、保護に名をかりた手荒い検束に当たるという、まさに渾然一体、緊密無比の日米共同作戦としか言いようがたい。もっともおよそ三時間にもわたったこの大仰な作戦の成果が、展開していた阻止隊員の一割にも満たないわずか六人を排除しただけという、まことに御苦労な結末であったことはぜひともつけ加えたい。
 沖繩県議会は、翌十二日の緊急本会議で、超党派――超党派全会一致をもって、海兵隊による実弾演習の即時中止を要請する議決を採決したし、すでに衆議院の各委員会においてわが党の議員が鋭く追及をし、国家公安委員長が一応の釈明をしている。しかし、関係大臣が一度や二度釈明をしてそれで済むほど安直な問題では断じてあるまい。ここに露呈された驚くべき鈍感さ、米軍と自衛隊、沖繩県警によるまさに三位一体の県民圧迫、傲慢な基本姿勢が許せないのである。
 ここには、沖繩の復帰とは果たして何であり得たのかを疑わせるきわめて根深い問題が噴き出している。
 この点について、まず三木総理の一般的な見解と、同時に国家公安委員長には、事件後とった具体的な措置について答弁を求めたい。
 言うまでもなく、沖繩県は七二年五月十五日、日本に復帰はしたが、やがて三年を迎えようとする現在も、なお沖繩の土地と沖繩の人権は凍結され、アメリカ四軍による総合機能はむしろ強化の一途をたどっている。いわゆる沖繩返還によってアメリカ占領軍は在日アメリカ軍となったが、核攻撃と報復の機能、出撃待機、前線兵たん機能、心理、謀略、通信機能、哨戒観測訓練等、六つの総合的な基地機能は、相次ぐ再編と集中によってかつてない水準を保っている。ちなみに在日米軍に占める沖繩四軍の比率であるが、海兵隊と海軍がおよそ八〇%、空軍五八%、陸軍五七%など、在日全米軍の六九%が沖繩に展開し、基地の面積でも五三・四%が沖繩に集中している。言いかえれば、いまやあらゆる意味で沖繩はアメリカの極東戦略を支える文字どおり基軸であり、自由に使える恒久基地であるが、とりわけ第三海兵水陸両用軍の指揮下にある第三海兵師団と岩国を拠点とする第一海兵航空師団との連動によって、コンバット・レディー・フォース――戦闘即応部隊としてのきわめて危険な役割りを果たしている。この部隊は常時千五百人の上陸部隊と中型ヘリを第七艦隊の第七十九機動部隊に派遣をしているが、現在もヘリ空母「オキナワ」を初め、第七艦隊の一部艦艇がインドシナ情勢の急変に対応して、ベトナム海域やシャム湾に展開し、難民救済という名の臨戦体制に入るなど、絶えず理解力あふれる日本政府の協力によって形骸化久しい、いわゆる事前協議制の妙味を思うさま満喫し、きわめて自由潤達な作戦行動を常時展開している事実は、この際改めて想起されねばなるまい。外務大臣と防衛庁長官はこの点について答えてもらいたい。
 政府は、口を開けば日米安保条約あるいは地位協定を援用して米軍による一切の行為を正当化しようとする。しかし、沖繩の不当な法的地位について、かつて一度でも本質的かつ歴史的な省察を加えたことがあるのか。沖繩の法的地位の一つの基本は、五十二年九月に調印された対日平和条約の第三条である。この第三条によってアメリカによる軍事占領の継続が正当化された。本来アメリカは沖繩の割譲をねらっていたが、ポツダム宣言、カイロ宣言などの国際的拘束によってそれはあきらめ、第三条というあいまいな条項を編み出した。その張本人が故ダレス国務長官である。第三条は、日本がアメリカの提案、すなわち沖繩を国際連合の信託統治制度のもとに置くことに同意をし、国連でその提案が可決されるまでの間、アメリカは沖繩領域での行政、司法、立法のいわゆる施政権を有する、日本は沖繩の残存主権しか保っていないという内容であるが、国連の信託統治制度そのものが政治的、文化的に最も後進的な地域の自治と独立を促すのが目的である以上、わが沖繩に該当しないことは改めて言うまでもあるまい。また、当時の国際連合では、沖繩の戦略的信託統治はもとより、一般的信託統治でさえ可決の見通しは全くなかったのである。満たすことのできない条件を条件とした平和条約第三条は、したがって、国際法上の合法性を持ち得ないことはもはや自明の理ではないのか。つまり、法律家ダレス氏の発想は、どこから見ても国連憲章とポツダム宣言の精神と規定を正面から踏みにじったものであるが、さらに加えて、五六年十二月十八日、日本の国連正式加盟によって、信託統治制度は加盟国となった地域には適用しないとする国連憲章第七十八条が効力を持って以来、いよいよその法的不当性を拡大した。立場に窮した日米両国政府は、その後六九年十一月二十一日の佐藤・ニクソン共同声明と沖繩返還協定をきわめて政治的かつ作為的につくり上げ、沖繩の実質的な軍事支配の継続を企図したが、このことは不法の上にさらに築かれたより大きな不法としか言いようがない。三木総理、あなたの御見解はいかがでしょう。外務大臣、あなたの認識も伺っておきたい。
 一九七二年五月十五日、沖繩のいわゆる施政権返還に当たっても、アメリカによる国際法的な不当性はいささかも緩和されなかった。本来、施政権の返還とは軍事占領の終結を意味しており、軍事占領終結に当たっての最大の基準が原状回復の原則であることは国際法上すでに確立をされている。また、軍事占領の終結以後他国の領域に継続的な基地を建設し使用することは、ハーグ陸戦法規においても認められてはいない。仮にこれを百歩譲るとしようか、沖繩返還に際してアメリカがなすべき最低の義務は、二十七年にもわたって拡大と強化のみを図ってきた一切の軍事基地と施設を撤去、返還して、原状を回復し、違法、不当な使用によって生じたすべての損害を補償することではなかったのか。特に、米軍による継続使用を認めなかった地主に対しては、何をおいてもまず返還すべきではなかったのか。また、日本政府は百万県民にかわってこのことを堂々と要求するのが、主権者たる国民から負託され、憲法に基づいて国政を行ってきた者の当然の義務ではないのか。ところが、日本政府はこの当然の義務をさえ怠ったばかりか、沖繩返還協定の第四条によって正当な請求権を無原則に放棄した上、さらに憲法違反の疑い濃い沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律によって、米軍はおろか、新たに配備される自衛隊が強制的に用地を取得できる道をさえ開いた。日ごろ、法の遵守を説いてやまない政府が、何ゆえに沖繩に対してだけ、土地収用法に定められた収用手続さえ無視するような乱暴な措置を強行したのか。用地の暫定使用期間が五年という長きにわたる異例さとともに許さるべきではあるまい。三木総理、宮澤外務大臣、坂田防衛庁長官、次々に立って答弁を願いたい。
 再びキャンプ・ハンセンの問題に立ち返ろう。問題の県道百四号線は、沖繩本島の金武村と恩納村をつなぐ生活道路であり、キャンプ・ハンセン訓練基地を横断している。名称のとおり、県道に指定されたのは復帰後であったが、百四号線は全区間がキャンプ・ハンセンの施設・区域として米軍に提供されている。防衛施設庁はおそらくは、道路用地の地主に対しては契約によって賃貸料を払っているし、米軍との地位協定によってこの立場は一〇〇%合法的であると言うだろう。しかし、改めてこの際地位協定の第三条三項を読み返してもらいたい。ここには「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわ」ねばならないとある。この「作業」という表現は、英文ではオペレーションとなっており、米軍による演習、訓練は常識として含まれている。しかも、道路という生活空間と機能を米軍の施設・区域として提供をするということは、米軍による使用権を一方的に認めたことになり、道路の持つ本来的な機能とは根本的に矛盾することになりはしないか。また、道路の通行禁止などを決定する権限、これは米軍にではない、道路管理者たる沖繩県に属しているのではないか。米軍は三月十一日以来演習を中止しているが、その演習中止の理由は何か、また、一体いつまで演習中止の保証があるのか、今後政府はどのように対処をしようとするのか、以上の点について漏れなく外務大臣、防衛庁長官に伺っておきたい。
 三木総理、復帰後やがて三年を迎えようとする沖繩に対する日本政府の基本姿勢は、県民への配慮より米軍への追随とサービスをのみ旨とし、膨大な基地体系を無原則に放置することによって、平和と安定を求めてやまない沖繩県民の心を踏みにじった。さらに、基地依存型の経済構造を押しつけ、本土大企業の進出による乱開発や地場産業の圧迫など、政府による第一義は、一貫してアメリカの極東戦略と本土資本の優遇でしかなかった。経済格差の是正をうたった日本政府によって、では沖繩はどれほど豊かになったと言えるのか。最新のどの資料によっても、県民所得、住宅事情、医療、民生のすべてが全国のなお最低ではないのか。軍事基地は一体どれほど減ったと言うのか。去る三月二十四日現在で二億七千万平方メートル、どうでもよいような基地だけを切り捨てて、わずかに五・六%減っているだけではないか。沖繩の「核抜き・本土並み」なる言葉が、今日何とそらぞらしく響くことか。沖繩に戦術核弾頭の配備されている疑惑は、私が昨年十月ワシントンで会談したラロック氏の証言等によってもいよいよ濃厚である。復帰三年にして沖繩がかち得た「本土並み」とは、ただ一つ、県民の暮らしを追い詰めたインフレと高物価だけではなかったのか。沖繩百万の県民がひたすらに求め続けてきた真の復帰とは、基本的人権と国民としての誇りを守り、裏づけてくれる平和な祖国日本と、その公理たる憲法への全面的な回帰であり、これこそがあくまでも沖繩問題の原点だと私は思う。しかし、いまここで結論的に言えることは、沖繩に対する差別と切り捨ての歴史的な構造は何ら緩和されてはいないということである。
 三木総理、あなたは、歴代宰相のどなたもが持たなかった清新な理念と感覚をお持ちだと、少なくとも私は信じています。沖繩の現状を踏まえた、沖繩県民の琴線に触れる答弁を最後に要請をし、日本社会党を代表しての緊急質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(三木武夫君) 秦君の御質問にお答えをいたします。
 キャンプ・ハンセンの問題に関して、いろいろ御批判をされながら政府の見解を求められました。キャンプ・ハンセンの今回の事件については、警察としては、本来警察が保有する装備とか機材によって任務を遂行するということが本筋ではございますが、あの場合に、多数の人たちが着弾地域に入って来たわけです。その生命、身体の安全を確保しなければならぬという緊急の事態であって、これに対処するために、緊急の処置としての判断から米軍のヘリコプターに同乗をしたわけでございまして、この住民の安全確保という場合からいって、やむを得ない処置だと私は考えておる次第でございます。
 また、秦議員は、沖繩の法的地位というものが基本的には合法性を持ち得ないといういろいろお話がございましたが、平和条約及び沖繩の返還協定ともに憲法上正当な手続を経て締結されたものでありますから、その合法性をいま否定するという御見解には賛成をいたしかねるわけでございます。
 また、その施政権の返還は即軍事占領の終結ではないかと、占領の終結に当たって原状回復と補償を怠っておるではないかと、また、公用地の暫定使用に関する法律は土地収用法違反であるという御見解をお述べになりました。昭和二十七年のサンフランシスコ平和条約によって、そこでやっぱり戦争状態は法的に終結をいたしたわけです。講和条約の締結があって法的にこの戦争状態は終結したのであって、施政権の返還というものは軍事占領の終結の場合とは法的な性格を異にするものと考えております。そこで、やはり請求権の問題については、講和条約から施政権返還の間に至るいろいろな請求権の問題は、アメリカ側においてやるべきものはやり、やり残したものはやってもらうということでございます。また、日本がそれに対して救済をしなければならぬものは、これを調査をして、関係各省でいろいろ検討をいたしておるわけでございます。
 したがって、沖繩の復帰ということに対して、いろいろいま申したような、土地収用法などに対してのいろいろのお話がございましたけれども、しかし、土地収用法の場合は、今度の場合は県民の生活とか、条約の義務の履行、国の防衛などに対する支障が生じないようにするためには、どうしてもやはり暫定的に、契約または土地収用法などによって使用の権原を取得するまでの暫定的措置というものが必要になってくるわけでありまして、公用地等の暫定使用に関する法律が制定されたわけでございます。それによって暫定的措置をとったわけでございまして、いわゆる土地収用法というものに違反するという性質のものではないと考えるものでございます。
 また、沖繩が復帰して三年になるがその現状をどういうふうに見るかというお尋ねであります。沖繩が特殊な条件下にあるということについて、沖繩住民の感情というものに対して、私はよくわかるわけでございます。政府としては、したがって、いろいろ秦さんは足らないではないかと、本土格差の是正の問題なんかをとらえてお話がございましたけれども、政府としては、県民の福祉の向上、民生の安定、自立発展のための基礎条件の整備ということに対して諸般の施策は進めてまいっておるわけでございまして、沖繩の復興開発事業というものは、いろんな御批判はありましょうけれども、一応進んでいっておると認識をいたしておるわけでございます。しかし、最初に申したように、沖繩の特殊な事情というものに対してはよく理解ができますから、今後は沖繩の実情に沿うて諸般の施策というものを特に力を入れていく責任があることは十分に自覚をいたす次第でございます。できるだけのことは政府はやっておる。しかし、沖繩の特殊な事情などを考えて、今後まだまだ沖繩というものに対する復興、開発というようなことについては、よほど力を入れていく必要があるということはわれわれも考えておるわけでございます。
 他の御質問については、関係大臣からお答えをいたすことにいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げます。
 現地よりの報告によりますと、去る三月十一日午前八時から午後四時まで、キャンプ・ハンセン演習場において米海兵隊による実弾射撃演習が行われることになっておりました。ところが、反対派の一部が前日から着弾地周辺に侵入し、再三の警告にもかかわらず立ち退かなかった。しかも、着弾地周辺には不発弾も多く、これらの破裂事故の発生も懸念されました。沖繩県警察では、米軍の要請もあったことから、緊急に侵入者を排除する必要性に迫られましたが、現場は山丘地帯でもあるので、当時同演習場の警備に当たっていた米軍ヘリに便乗して着弾地周辺へ赴き、安全地域に排除したものであると聞いております。
 警察が米軍ヘリコプターを使用することにつきましては、明文の規定はありません。しかし、地位協定では、日米間の相互協力につき、施設・区域としてアメリカに貸与した財産権の保護等を規定しております。この趣旨にのっとり必要な限度において協力し合うことは差し支えないものと考えますが、米軍ヘリを使用することについては疑義を招くおそれがありますので、今後における警察諸活動は、警察が保有する装備資器材をもって対処するよう配意いたしました。
 米軍演習のとき沖繩県警はキャンプ・ハンセン内を通る県道百四号線を封鎖いたしましたが、これは、キャンプ・ハンセン演習場において米軍が道路越えの実弾射撃演習を行う場合、沖繩県警察においては、万一の危険に備えて、道路における危険防止のため、道路交通法第五条に基づき、時間、区域を限定して通行禁止の措置を講じたものと聞いております。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(宮澤喜一君) 沖繩返還協定におきましては、サンフランシスコ講和条約第三条に定めました、これによって米国に与えられました権利、利益を米国が日本のために放棄をし、わが国が権能及び責任を引き受けたわけでございます。御承知のとおりでございますので、戦争状態そのものはサンフランシスコ条約で終結しております。したがって、沖繩に軍事占領が続いて返還協定で軍事占領が終結したというふうに考えるべきでないことは、もとよりであると思います。返還協定によりまして、沖繩のいわゆる内地並みということ、本土並みということで安全保障条約が本土並みに適用されるに至った。法的にはこういうことで疑いがないと思いますが、ただ、政府といたしましては、安全保障条約によってわが国の平和と安全を守るということが国益にかなうと考えておりますけれども、そのような条約の結果として、非常に他県に比べて重い負担が沖繩県民にかかっておりますことは事実であります。そのことを常に政府としては施策の念頭に置いておく必要があると考えておりまして、積極面、消極面、両面から沖繩県民の負担を少しでも軽からしめるように考えなければならないことはもちろんでございます。そのために、基地の整理統合でありますとか、あるいはいわゆる施設・区域の整理統合、使用方法の改善等について常に政府としては最善を尽くしていかなければならないという点では、御質問の御趣旨はそのとおりであるというふうに考えます。
 このたびのいわゆるキャンプ・ハンセン基地において起こりました問題も、そのような背景において理解をすべきものと考えますが、御承知のように、この基地は県道百四号を含めまして地域施設として米軍に提供されておるものでございますから、したがって、演習の態様によって道路の規制が行われるということは、本来その部分を含めまして提供されておりますだけに、法律的にはこれはやむを得ないことである。ただ、そういう場合でないときに県民の使用ができるだけ便宜に行われるように、あるいはまたさらに進んでは演習そのものがそのような県民の利益をも考慮した上で、できるならばそういう方法で行われるように政府としてはさらに努力をいたすべきものであるというふうに考えております。
 なお、返還協定と米軍に対する請求権の問題についてはすでに総理大臣がお答えになりましたが、つまり、返還協定第四条によって米国は自分の国の法令あるいは現地で定めました法令上救済の責任を有すべきものは、これは責任を有することは当然でありますが、さらにこれを越えまして多少その点法律的に問題のありました軍用地の復元補償漏れあるいは那覇軍港の海没地問題などにつきましても、米軍の自発的な支払い及び埋立地の処分という形で解決するようにいたしましたことは御承知のとおりでございます。(拍手)
   〔国務大臣坂田道太君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(坂田道太君) お答えをいたします。
 最初の御質問は沖繩の軍事基地としての総合的機能はむしろ強化されておる、沖繩はいまや野放しの恒久基地ではないかというお尋ねかと思います。沖繩の米軍基地は日本及び極東地域の平和と安全に寄与するものでございまして、この点については何らの変わりもないのでございます。沖繩の米軍基地の機能が強化されているのではないかとの御質問の趣旨のようでございますが、返還時に比較いたしますと、兵員総数におきまして数千名の減があり、これは陸軍のナイキ、ホークの部隊や空軍のF105の飛行隊等の削減を行っていることもありますので、総合的に見まして機能が強化されたというようなことはないものと考えております。
 次は、公用地等の暫定使用に関する法律により県民の土地を強制収用しているが、土地収用法違反だと思うがどうか。これは総理大臣あるいは宮澤大臣からもお答えがございましたが、沖繩復帰に際しまして、公用地等の取得は原則として土地所有者等の同意によって行うこととしましたが、沖繩の復帰という特別な事態のもとではすべての土地所有者等の同意を得ることが期待できなかったので、県民の生活、条約義務の履行、国の防衛等に支障が生じないようにするため、契約または土地収用法等により使用権原を取得するまでの間の経過的、暫定的な措置として沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律が制定されたものでございます。現在提供施設等のごく一部が本法により正当な補償のもとに暫定使用されておりますが、これは土地収用法に違反するという性質のものではないと思います。
 県道百四号線の封鎖等の決定権限は、米軍ではなく県当局にあるのではないか。米軍の行動、演習等は地位協定三条を無視、逸脱した権限行使ではないかというお尋ねでございます。県道百四号線の交通規制は、警察が道路交通法に基づいて実施していると承知をいたしております。キャンプ・ハンセンは、県道百四号線を含めまして演習場等として米軍に提供した施設及び区域でございまして、米軍は本施設の設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置をとることができることになっておりますので、本演習場におきます米軍の行動、演習等はこの権限の範囲内であると考えます。今後の演習をやるかやらないかは、いま承知をいたしておりません。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○議長(河野謙三君) 塩出啓典君。
   〔塩出啓典君登壇、拍手〕
#43
○塩出啓典君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました沖繩における米海兵隊の射撃訓練について緊急質問をいたします。
 総理も御存じのとおり、米軍基地キャンプ・ハンセンにおける米海兵隊の百五ミリりゅう弾砲の実弾射撃訓練の問題であります。この基地の中には、先ほどお話のありましたように、県道百四号線が通過しており、米海兵隊の射撃訓練はこの県道をまたいで行われるため、沖繩の日本返還以前は、基地内のこの県道を封鎖して射撃訓練が行われていたのであります。しかし、沖繩県民の念願の日本への返還が決定された後、県民の生活道路である百四号線を一方的に封鎖するやり方について、沖繩県民の反対の声は徐々に高まってきたことは、沖繩の歴史を振り返るときに、自然の感情の発露と言わなければなりません。
 今日までの経過を振り返ると、昨年の二月二十日の射撃練習においては、県道百四号線の封鎖に反対する住民が車に乗って交通規制区域に立ち入ったのであります。そして、引き続いて同年十月十六日、十七日の両日、着弾地付近に住民の座り込みによる反対運動が行われました。そして、本年三月十一日の射撃訓練のときはさらに過激になって、機動隊との小競り合いから数人のけが人が出るという事態にまでなっているのであります。
 身の危険も顧みず、実力によって射撃練習をやめさせようという沖繩県民のその姿に対して、総理はどのような見解を持っておられるのか、まずお伺いしたいのであります。
 今回の事件について調査を進めてまいりますと、数々の疑問にぶつかるのであります。いままでの練習は道路を封鎖して行ったが、今回の処置は封鎖をしないで実弾射撃の合間を見て交通を可能ならしめる方法をとったのであります。しかも、県道の管理者である県当局の承認を得ていないし、県民の代表である沖繩県議会も与野党こぞって反対し、名護市議会等も全会一致で反対をしているにかかわらず、保安条約の地位協定を盾に射撃訓練を強行するやり方は断じて許せないと思うのであります。地位協定に基づく基地の提供も、あくまでも国民の大多数の合意の上にあるべきは当然であります、政府は、すべからく、県道百四号線をまたいで行われる米海兵隊の射撃訓練を、沖繩県民の納得のいく処置が決まるまで、直ちに中止させるよう、総理の責任のもとに米政府に申し入れるべきであると思いますが、総理のお考えを聞きたいのであります。
 そして、沖繩本島の全面積の二一%に当たる二百六十平方キロメートルという広大な面積を米軍基地として使用していながら、沖繩全県民の反対を押して県道百四号線をまたがなければ実弾射撃ができないということは全く理解に苦しむところであります。日本政府は、日米合同委員会において提案をし、少なくとも県道百四号線を施設及び区域の一部として米軍に提供することを直ちにやめるべきであります。外務大臣にその決意があるかどうか、お伺いするものであります。
 また、さきに述べたとおり、今回の訓練においては県道を封鎖しないままでの実弾射撃を日本政府は認めたと聞いているわけでありますが、まことに人命を軽視した御都合主義の処置と言わなければなりません。人命の危険には万全の配慮をするべきが第一であり、日本政府は、日本人の生命を守るため毅然とした姿勢で米軍当局に臨むべきであります。今回の処置は人命よりも射撃訓練を優先させたやり方であり、根本的に改めるべきであると思いますが、防衛庁長官の見解を聞きたいと存じます。
 さらに、今回の阻止行動を封じ込めるために、沖繩の防衛施設当局が米軍の山道の拡張や鉄条網張りなどに協力していたと報ぜられております。公務員が公務執行以外のために参加をしていたことは国家公務員法の違反であります。住民の間では、防衛施設庁は日本の施設庁なのか米国の施設庁なのかと疑っているのであります。このような態度が住民の反感を生じた原因であったと言っても過言ではありません。今後は改めるべきだと思いますが、重ねて防衛庁長官の見解をお聞きいたします。
 しかも、安保条約に基づく協定の実施に伴う刑事特別法によって安易にこれら住民の行動に対して適用させることは、かえってトラブルに油を注ぐようなことになりかねないのであります。すでに何名か検挙者が出ていることについては総理も御存じだと思いますが、さらに、先ほども話がありましたように、沖繩機動隊員が米軍のヘリコプターに乗って着弾地付近の反対派の捜査に当たっているのであります。しかも、このヘリコプターは実弾射撃訓練の一環として出動したものなのであります。公平に処置すべき県警機動隊が、このような緊迫した事態において米軍ヘリコプターを使用するということはまことに無神経で、これもまた住民をして、県警までが米軍に従属をしているのではないかと不信感をつのらせてしまっているのであります。国家公安委員長はどのように反省をしているのか、重ねて答弁を求めるものであります。
 最後に私は、沖繩における緊急かつ重要な二、三の問題について政府の見解をただしたいのであります。
 過去二回の安保協議委員会で、基地の整理統合計画についてアメリカ側と話し合いがあり、合意されているのであります。しかしながら、さきの米国議会におきまして、シュレジンジャー国防長官あるいはブラウン統合参謀本部議長の報告によって明らかにされているように、沖繩を韓国の後方支接基地として、米極東戦略のかなめとして強調されているのであります。これは明らかに日米安保協議委員会の合意を無視したものであり、日本国民の総意に反するものと言わなければなりません。政府は、米国側に基地の整理統合の実行について厳しい姿勢で申し入れをしなければならないと思うのでありますが、政府の見解をお聞きしたいのであります。
 続いて、在沖繩米軍基地従業員の解雇の問題であります。
 昨年七月、米軍当局が陸軍の再編に伴い約千三百人の従業員が解雇されるであろうとの見通しだったが、今回発表の九百八十八人を含めると千六百五十三人となり、当初の予想を三百人も上回っているのであります。そして、このたびの大量解雇通告によって失業者数は二万人突破の記録が更新され、不況による民間部門の失業者の増大と合わせて、すべて予想以上の最悪の事態になっているのであります。しかも、沖繩の抱えている産業構造は脆弱であり、現在の混乱を避ける立場から、解雇に対しては最小限にとどめ、また、基地雇用にかわる労働力の吸収、再配置を可能にする素地を早急につくる必要があると強く主張するものであります。政府の具体策をお聞きしたいのであります。
 さらに、日米安保条約、日米地位協定によれば、基地内に居住できるのは軍人・軍属、その家族となっているにもかかわらず、沖繩の基地には一般外国人約二百人を居住させていると報ぜられているが、事実かどうかお伺いしたい。このような不法居住がもしありとせば、日米両国の友好親善に悪影響を及ぼすものであり、即刻に改めるべきと思いますが、政府の対策を聞きたいのであります。
 次に、沖繩の米空軍嘉手納基地の軍当局は、米空軍のF4のファントム戦闘機隊二部隊が台湾の防空任務に当たっていることを認めております。このことは、日中国交正常化以後の日本の外交姿勢から考えて好ましくない、また、これら戦闘作戦行動のために沖繩の基地を使用している事実は、あくまでも安保条約の事前協議制に照らして何らかの制限ないし制約を加えるべきであると思うが、もう一度この点について政府の答弁を期待するものであります。
 世界に誇る平和憲法を持ち、世界において最も平和を愛する日本国民また沖繩県民の気持ちの上に立って、政府の誠意ある答弁を強く要望し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(三木武夫君) 塩出君にお答えをいたします。
 キャンプ・ハンセンは地位協定に基づいて米軍に提供しておるわけでありますから、政府として米軍の演習をやめさせるという立場にはないわけです。しかしながら、地域住民の安全確保についてはわれわれとして重大な関心を持つことは当然でございますから、米側との間に安全確認ということについては従来もいろいろ緊密な連絡はとってまいりましたが、今後一層連絡を緊密にして、住民の安全確保ということに対しては一段と注意をいたしていく所存でございます。
 また、あの道路というものは、どうしてもやっぱりバイパスをつくって、そして百四号線というものがバイパスによってかわるべき道路をつくるということが一番必要なことでございますので、政府においても予算はすでに計上をいたしておるわけでございます、一部でございますが。これを早急にそういうふうな建設を急ぎまして、できるだけ地元民への迷惑を少なくするようにしたいと思うわけでございます。
 まあとにかく、われわれとしても地域住民の安全確保というものに対しては非常に重大な関心を持っておりますから、アメリカ側との交渉、バイハスの建設等によって、できる限り住民の安全確保には一段と政府は気を配ってまいる。しかし、いまここで、地位協定にあるキャンプ・ハンセンは施設・区域に入っておりますから、これをいま演習を中止せよということを言う立場には日本はない、そういうことは御理解を願いたいわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国が米軍に施設・区域を提供いたしますことは、安全保障という国益にかなったものであると考えておりますことは先ほども申し上げたとおりでありますけれども、そのような施設・区域の使用に際しまして、当然に地元の人々の人命尊重、安全の確保ということはこれは不可欠であります。そういうふうに施設・区域の利用側にも考えてもらわなければ困るわけでありまして、そういう意味で、ただいまの問題につきましても、そういう見地から米側がこの施設・区域を利用するということにつきまして、続いて協議をしてまいりたい考えであります。
 それから、おっしゃいますように、従来、ことに沖繩におきまして施設・区域の整理統合計画を進めてまいりました。第十四回、第十五回の安保恊議委員会でそれを決定しております。それについてシュレジンジャー米国国防長官の先般の言明、確かにそういう考え方があらわれたようでありますが、これは韓国防衛というものを論じたときに、その背後地としての沖繩というものについて言及をしたというふうに了解をしておりまして、特に沖繩の基地としての機能を強化することを申したのではないというふうに考えております。
 それから、沖繩の米軍基地に外国人――米人以外の第三国人がいるという問題でございますが、これにつきまして調査をいたしましたところ、百十人余りの米国人以外のいわゆる第三国人、その家族がおるようでございます。主として語学関係、言葉の関係で雇用されておる者が多いようでございます。この点、その範囲でこれは安保条約及び地位協定上別に問題とするに当たらないと考えておりますけれども、もちろん、それらの外国人は米国人と違いまして地位協定上何らの特権を有するものではありません。わが国の法令の適用をそのまま受けるわけでございます。
 それから、米軍のF4ファントム中隊が沖繩から台湾に派遣されているのではないかというお尋ねでありまして、そのような事実があるようでございます。その場合に、それらの飛行機はわが国の在日米軍の指揮から離れまして、フィリピンに司令部を置いております別の米国軍の指揮に入る由であります。このようなことは、別段、したがいまして直接の戦闘行動云々ということに関係はございません。事前協議の対象になるとは考えておりません。
   〔国務大臣坂田道太君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(坂田道太君) 塩出さんにお答えを申し上げます。
 キャンプ・ハンセンの米軍演習で県道を封鎖しないで射撃訓練を認めたことがあるが、地元住民の安全性等を考えると、その理由は何なのかというお尋ねかと思いますが、昨年二月及び十月の演習に際しましては、道路封鎖に反対する人たちが封鎖区間に立ち入りまして、着弾地に座り込むなどの事態が発生しました。このような経緯にかんがみまして、今度は、地元民にむしろ迷惑をかけないように、道路の封鎖をしないで人や車が通らないときに射撃をする方法について、米軍、地元とも調整をし、道路上、着弾地等の安全確認の方法についても米軍と十分調整の上実施することとしたのでございます。
 次は、那覇防衛施設局職員が鉄条網を張るのを手伝ったようだが、米軍の権力を守ることのみに終始している行動について、事実及び見解を伺いたいというお尋ねでございますが、那覇防衛施設局が施設・区域内の要所に看板及びフェンスを設置したものでございまして、これは施設・区域であることを明示し、立ち入りに伴う危険を防止するためのものであり、周辺住民の安全確保を図るためのものでございます。
 シュレジンジャー報告によりますと、沖繩を韓国の後方支援の永久基地化するようである、整理縮小の方向で努力すべきと思うがどうかということでありますが、政府は今後とも引き続き日米安全保障条約を堅持していく考えでございます。その目的を達成するために必要な施設及び区域を米軍の使用に供していく考えでございます。しかしながら、急速な市街地化に見られるがごとく、わが国の社会的、経済的発展に伴って施設及び区域のあり方について調整を要する側面が生じていることも否めない事実でございます。政府は、従来から施設及び区域の合理的な整理統合に努めてきたところでございますが、人口稠密地帯において深刻化しておる土地問題にかんがみ、昭和四十八年一月、第十四回日米安全保障協議委員会におきまして、那覇地区空軍、海軍施設の整理統合について合意を見、以来、その実施に努めているところでございます。さらに、沖繩の特性にかんがみまして整理統合を進める必要がございますので、日米双方におきまして協議、検討の結果、昭和四十九年一月の第十五回日米安全保障協議委員会におきまして整理統合方針が合意をされ、これにつきまして逐次実施に移しているところでございます。政府は、今後とも、米軍基地の整理統合について、地元住民の要望と日米安全保障条約の目的達成との調和を図ることを目的として努力を続ける所存であります。
 六月に九百人もの駐留軍従業員が解雇されるが、長期展望に立った解雇計画や一方的解雇中止を米側に強く申し入れるべきであると思うがどうか、また、離職者対策の具体的措置を伺いたいという御質問でございます。
 米陸軍の再編成に伴う人員整理が昨年七月すでに長期的な予報として出されました。今回の整理はこれに関連するものでございます。人員整理に当たりましては、このように長期予報するよう、常々米側に要請し、その実現に努力しているところでございます。
 なお、離職者対策といたしましては、駐留軍関係離職者等臨時措置法を軸とし、関係政府機関の協力のもとに援護救済に当たっておりますが、近年におきます大量人員整理の発生状況にかんがみまして、昨年四月、中央駐留軍関係離職者等対策協議会におきまして駐留軍関係離職者対策の大綱が決定、四月三十日閣議に報告され、関係省庁はこれにより所要の対策を進めているところでございます。特に沖繩につきましては、その特殊性から特段の配慮が必要とされ、この線に沿いまして関係省庁で努力中でございます。防衛庁としましても、五十年度予算におきまして特別給付金の増額、在職中の職業訓練に一段の強化を図ることといたしております。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 県民感情をよく考慮して行動をとるべきではなかったかというお尋ねでございますが、沖繩県の警察におきましては、提供施設内におきますところの米軍の演習を安全かつ円満に行わせること及び着弾地周辺に侵入いたしました反対派の排除と生命、身体の安全を確保するため緊急を要するとの判断のもとに行ったものでございます。
 ただ、わが国の警察が米軍ヘリを使用することについては、疑義を招くおそれもあるので、今後における警察諸活動は、警察が保有する装備、資器材をもって対処をすることにいたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#48
○議長(河野謙三君) 立木洋君。
   〔立木洋君登壇、拍手〕
#49
○立木洋君 私は日本共産党を代表して、沖繩県における米軍の県道を封鎖しての不当な実弾射撃演習について、三木総理並びに関係閣僚に対して緊急質問をいたします。
 米軍は、沖繩県恩納村喜瀬武原地域において、同村住民にとって必要不可欠の生活道路である県道百四号線を封鎖し、復帰以来本年三月十一日までに、十回にわたり百五ミリ、百五十五ミリりゅう弾砲の実弾射撃演習を強行し、あるいは強行せんとしてまいりました。また、現在いつ強行されるかわからない事態にあります。
 総理、いやしくも独立国において、自国国民の生活道路であり、公共の用に供されている県道も封鎮し、その頭越しにりゅう弾砲の実弾演習を行うことを外国の軍隊に対して許しておる国が一体どこにあるでしょうか。
 米軍は、二月十八日の演習では、県道百四号線の各所に「米海兵隊施設−立入り禁止」、「許可なき立入りは、日本国の法律で罰せられる」との標示を行い、さらに発射地点付近の民間地域にまで同様の標示を掲げて、その奥にある農家の出入りを封じ込めてしまうという傍若無人の行為をとったのであります。
 また、三月十一日の演習では、米海兵隊は着弾地点に近接した地域に沖繩県民がなお存在することを知りながら、射撃を強行しようとしたのであります。こうした、県民を全く無視し、県民を危険に陥れる米軍の行為を何と考えておられるのか、日本の総理として明確に御答弁いただきたいのであります。
 今日の事態に対して屋良県知事を初め沖繩県議会、関係各議会、県民が一致して断固米軍に抗議しているのはまことに当然のことであります。沖繩県議会の決議は、在沖米海兵隊は県民の強い抗議にもかかわらず、三月十一日に県道百四号の交通を規制し、実弾射撃演習を行うと通報してきた、県道百四号は県民の生活道路であり、たとえ一時的にせよ、これを封鎖することは県民生活を無視する行為である、このことは米軍優先政策のあらわれであり、絶対に許すことはできない、よって本県議会は、県民の生活と生命、財産を守るため、在沖米海兵隊による実弾射撃演習に対して再度厳重に抗議するとともに、同演習を即時中止するよう強く要請する、と述べているのであります。この決議は、沖繩県の自由民主党を含むすべての会派が参加して全会一致で行われた沖繩県民の総意であり、心からの叫びであります。総理、あなたはこの県民の要請を直ちに無条件に支持し、米軍に対して演習の即時完全中止を申し入れるべきであると思うが、その意思がおありかどうかお伺いいたしたいのであります。
 政府は、沖繩返還に当たり、「本土並み」を声高に宣伝し、国会においてもわが党議員の質問に対し、日本の道路については一切米軍の意思による制限とか禁止とかは受け入れないとか、また、公共の道路の使用条件は、復帰後においては全く本土における公共の道路の使用状況と同様の条件になるとか明言してまいりました。しかし、今日の沖繩の状況を見るならば、このような言明は沖繩県民と全国民を欺く全くの偽りではございませんか。
 かつて政府は、沖繩を利用しての米スパイ機SR71のベトナム民主共和国領空侵犯偵察についても、国際法違反であり、そのような任務を持つ飛行機の駐留は認めないと言明しました。また、伊江島での核模擬爆弾の投下訓練につきましても、投下訓練はしない、そういう方向でやる、こう表明したのであります。しかし、道路の使用の問題と同様、これらの約束をほごにしているのであります。政府はなぜ約束を守らず国民を偽ってきたのか。当然、国会で答弁したとおり実行すべきであると思うが、責任あるはっきりとした答弁を求めるものであります。
 三月十一日の米軍の演習において見逃すことができないのは、沖繩県警の機動隊が米軍の要請と称してキャンプ・ハンセン区域に出動し、米軍のヘリコプターをみずから借り受け、三回にわたり数十名搭乗し、基地内山中で実弾射撃に抗議する県民三名を逮捕したことであります。日米地位協定によれば、基地内における警備は米軍の責任となっており、日本政府は米軍の要請があったとき、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、基地に隣接し、またはこれらの近傍の土地で関係法令の範囲内で必要な措置がとれるだけのはずであります。一体、地位協定のいかなる条項に基づいて米軍の装備であるヘリコプターを使用し、基地内で日本国民を追跡降下し、逮捕したのでしょう。先ほどの国家公安委員長の答弁は全く理由になっていないのであります。緊急措置というのであるならば、日本国民の生命と財産を守るため、当然、演習の即時中止をこそ申し入れるべきであると思うが、明確な所信のほどをお尋ねしたいのであります。
 米軍はなぜかくも強硬に無法な演習を実施しようとしているのでありましょうか。こうした最近の沖繩に駐留する米軍のあわただしい動きは、インドシナ情勢と無関係でないことは明白であります。サイゴンの米軍当局すら認めている、嘉手納を基地とするスパイ機SR71のベトナム民主共和国領空の侵犯偵察飛行、米第七艦隊所属のヘリ空母「オキナワ」が在沖米海兵隊の実戦部隊を乗せてのカンボジア沖への出動、キャンプ・ハンセンの米四海兵隊、キャンプ・シュワーブの米九海兵隊の隊員にジャングル・シューズと戦闘服が支給されての緊急出動体制、これらのことは、三木内閣がどのように言われようとも、重大な事態を示すものであります。インドシナ情勢の新たな転機を迎えた今日、インドシナヘの米軍再介入の危険な可能性は依然として存在しておるのであります。この場合に、基地沖繩が公然と使用されることになることもまた余りにも明白であります。また、沖繩の米軍基地は、アジア侵略体制強化のために一層拡充され、核部隊、核機能すら強められている状態にあります。米軍のインドシナヘの軍事的再介入への加担は絶対許すことができません。総理、あなたは、アジアのすべての諸国民との平和、友好を唱えるのであるならば、沖繩の基地をこのような侵略行為に利用させないことを明確にアメリカ政府に通告すべきであります。その意思がおありかどうか、明確に御答弁をお願いいたします。
 三木総理、私は最後に、重ねて米軍の実弾射撃演習の即時中止を要求すると同時に、日本国民の平和と安全のために、こうした事態の根源である米軍事基地の撤去を強く要求し、総理の見解を求めて私の質問を終わりといたします。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#50
○国務大臣(三木武夫君) 立木君の御質問にお答えをいたします。
 先ほど塩出君の御質問にもお答えいたしましたごとく、われわれは、日本の平和と安全を守るために安保条約が必要である、こういう立場に立って地位協定を結んでおるわけです。そして、米軍に提供すべき施設・区域の中にキャンプ・ハンセンが入っておる。こういう立場にございますから、米軍に演習をすぐやめさせるという立場にはないわけでございます。しかしながら、地域住民の安全を確保するということに対して重大な関心を持たざるを得ないことは当然でございます。そういうために、これを射撃の訓練場として使用するにしても、地域住民の安全の確保と両立する方法を考えなければならない。そういう点で米軍との間にも十分な連絡調整をとりまして、安全の確保ということに対しては今後とも十分の注意を払っていきたい。先ほども申したように、新しくバイパスの道路をつくるということもこれは必要でございますから、このような建設を急ぎたいと考えております。
 また、いろいろ地位協定のことについてお話がございましたが、この地位協定に基づいて百四号という一つの公共の道路、これにいろいろ制限するのはおかしいではないかという御質問の趣意があったと思いますが、昭和四十七年の五月十五日の合同委員会の合意で、米軍の活動を妨げない限り、施設・区域内の百四号線の地元民による使用を認めるというような決定があるわけでございます。したがって、これは一般の公共道路とは違っておりまして、地位協定によって提供した施設・区域内の道路でございますから、一般に言われておる公共道路、いわゆる基地外の公共道路とは性格を異にするものでございます。いずれにいたしましても、地域住民の安全を確保するということは、御指摘のとおり重要なことでございますから、今後十分な細心の注意を払ってまいりたいと存じます。
 また、米軍の基地というものの役割りから考えて、それを全部撤去を求めるべきではないかというような趣旨の御質問だったと思いますが、安保条約は、日本の安全、極東の平和と安全の維持に寄与するという目的の範囲内で、沖繩を含むわが国の基地の使用を認めておるわけでございまして、沖繩米軍の基地の使用が右のような安保条約の目的に合致していると考えておるわけでございますから、米軍の沖繩の基地を全面的に撤去を求めるという考え方は持っておりません。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(宮澤喜一君) ハンセン基地の道路の問題につきましては、総理大臣がすでにかなり詳しくお答えになりました。前回における政府の答弁との矛盾と言われたわけでございますが、これはそうではありませんで、申し上げておりますことは、施設・区域の外側にある道路、この場合でございましたら十六号線というものが問題になっておったわけでございますが、復帰後はこれを遮断するようなことはいたしませんと、こういうことを申し上げておるわけでありまして、区域の中にあります道路、百四号というようなものについて申し上げたわけではございません。この解決策として、先ほど総理が言われましたように、何といっても地元住民の人命、安全の尊重ということが不可欠でございますから、やはり使用方法の改善であるとかあるいは迂回道路等についても、十分地元と話し合いをして、できることではないだろうかというふうに、迂回道路については考えるわけでございます。
 それから、SR71の問題につきましては、他の委員会でも立木委員に申し上げたところでございますが、その行動が国際法違反であるとは考えておりません。
 それから、最後のお尋ねの、インドシナ半島の現状にかんがみての米国の再介入の危険性といわゆる基地との関連でございますけれども、米国議会における決議等々、いろいろなことから判断いたしまして、米国が非常に攻勢的な形で、攻撃的な形でたとえば地上軍を投入する、再投入するというようなことは、事実問題としてきわめてありそうもない事態であると私どもは判断をいたしております。が、しかし、仮想の問題として、そういうことがあったときにどう考えるかということであれば、それは、わが国の区域・施設が安全保障条約との関連で米軍に提供されているということの本義にかんがみまして、そのような具体的な行動がわが国の安定、極東の平和、安全に不可欠であるかどうかということによって判断をすべきものでありまして、そのような利用の態様、具体的な態様によって判断すべきものであるというふうに考えます。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#52
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 重ね重ねお答えをいたしたところでございますが、警察が米軍ヘリコプターを使用することにつきまして、明文の規定はありません。地位協定では、しかし、日米間の相互協力について、財産権の保護等も規定しております。お尋ねの件については、反対派がキャンプ・ハンセン演習場の着弾地周辺に侵入したのは刑特法違反の行為でありまして、しかも、侵入地域は不発弾も多く、侵入者自身の生命、身体に危険が及ぶことも懸念されましたので、緊急を要するとの判断のもとになされたものであり、現行犯鎮圧のための制止と警察官職務執行法第四条の避難の措置として排除したと聞いております。しかし、米軍ヘリを使用することは疑義を生むおそれがありますので、今後は警察が所有する器材をもって目的を達成することにいたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#53
○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長加藤武徳君。
   〔加藤武徳君登壇、拍手〕
#55
○加藤武徳君 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告をいたします。
 本法律案は、三月十七日の教員給与改善に関する人事院勧告を完全実施するため、教育職俸給表(三)の俸給月額を改定するとともに、義務教育等教員特別手当を新設をし、本年一月一日から実施しようとするものであります。
 なお、均衡保持の趣旨から高等学校等の教員の給与につきましても所要の改善を図ることといたしております。
 委員会におきましては、教員給与改善の基本的な考え方と今後の改善方針、教員給与の改善に関する自治省通達と自治体の自主性との関連、今回の改善内容を本俸と手当に区分した理由、幼稚園教員の処遇改善等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、日本社会党の片岡委員から、一般教諭の一等級への昇格、産業教育手当等受給者に対する特別手当の支給及び学校事務職員に対する給与改善について検討すべき旨の各党共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 以上御報告をいたします。(拍手)
#56
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#57
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 これにて休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後十一時二分開議
#58
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 所得税法の一部を改正する法律案
 法人税法の一部を改正する法律案
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長桧垣徳太郎君。
   〔桧垣徳太郎君登壇、拍手〕
#60
○桧垣徳太郎君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案外二法律案について申し上げます。
 所得税法の一部を改正する法律案は、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除等の引き上げ及び退職所得控除額の引き上げによりその負担の軽減を図るとともに、医療費控除を拡充し、山林所得等の特別控除額等を引き上げるほか、所要の規定の整備を図ろうとするものであります。
 この結果、給与所得者の課税最低限は、夫婦子二人の場合で昭和四十九年分の百五十万円より昭和五十年分百八十三万円に引き上げられることとなります。
 法人税法の一部を改正する法律案は、中小企業の内部留保の充実に資するため、同族会社の留保所得に対する課税についての控除額を引き上げるとともに、改正商法の施行に伴い、確定申告書の提出期限の延長制度を拡充するほか、所要の規定の整備を図ろうとするものであります。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案は、利子・配当課税について、源泉分離選択課税の税率を二五%から三〇%に引き上げる等の改善及び土地譲渡所得課税の適正化を行うとともに、海外投資等損失準備金制度及び価格変動準備金制度の縮小等、既存の特別措置の整理合理化を図るほか、農地に対する相続税の納税猶予制度の創設、老年者年金特別控除制度及び住宅貯蓄控除制度の拡充等、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三案を一括して質疑を行うとともに、参考人からも意見を聴取いたしましたが、質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑終了後、三案についてそれぞれ日本社会党及び公明党の共同提案による修正案が提出され、趣旨説明が行われました。
 次いで、三案の修正案及び三案の原案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して大塚委員より、公明党を代表して鈴木委員より、民社党を代表して栗林委員より、それぞれ三修正案には賛成、三原案には反対、日本共産党を代表して近藤委員より、租税特別措置法の修正案及び三原案には反対、自由民主党を代表して河本委員より、三修正案には反対、三原案には賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、三案の修正案について採決の結果、いずれも少数をもって否決することに決定いたしました。
 三案の原案について採決の結果、いずれも可否同数となりましたので、委員長これを決し、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案に対し、栗林委員より各派共同の附帯決議が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、関税負担の適正化等を図るため、関税率について所要の調整を図るとともに、低硫黄燃料油製造用原油等の減税範囲を改める等、関税の減免還付制度について所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#61
○議長(河野謙三君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。大塚喬君。
   〔大塚喬君登壇、拍手〕
#62
○大塚喬君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております所得税法、法人税法、租税特別措置法のそれぞれその一部を改正する法律案について、反対の討論を行わんとするものであります。
 三木内閣は、保守政治の危機と言われる中で、田中金権内閣の後を受けて登場し、国民の信をつなぐために、社会的不公正の是正を第一の公約として掲げてまいりました。三木総理は、現行税制が従来から社会的不公正の最も最たるものとして指摘をされてきたことは、一体御承知ないのでございましょうか。五十年度税制改正は、三木総理がこの公約を実現するために、実にその最初のチャンスであったわけであります。三木さんは誠実な人だからということで国民はかなりこの改善を期待しておったものであります。しかるに、このたびの税制改正は、不公正税制の典型とも言われ、現行税制の最も黒い個所とも言われる医師、利子・配当、土地課税の特別措置改正を不徹底に終わらせたばかりか、所得減税を小幅にとどめ、大衆課税であり、逆進性の強いたばこ、酒に関する間接税の強化を行っておるのであります。これは不公正の是正どころか、まさに不公正の温存であり、不公正の拡大であります。税の本来の機能である所得再配分の措置は一体どこで実現しようとするのでありましょう。このたびの税制改正について、三木総理の公約がいかにそらぞらしいものであったかということを国民の前に暴露したと言うべきでありましょう。
 以下、私は反対の理由を具体的に明らかにいたしたいと思います。
 その第一は、所得税の超ミニ減税、実質は大幅増税ということであります。五十年度所得税減税は、当面は需要面から物価刺激要因が生ずることのないよう抑制的に経済を運営することが要請されており、税制上においても、所得税や住民税については大幅な減税を行うことは避けなければならないとして超ミニ減税にとどめたのであります。しかし、インフレーションによって政府は膨大な歳入を獲得しており、インフレーションの最大の利益者は政府であります。
 シカゴ大学ミルトン・フリードマン教授によれば、インフレーションから政府の得られる歳入増は、その一つは、予定外の税収入、いわゆる税の自然増と言われておるものであります。二つは、通貨政策によって不換紙幣の追加発行によるもの。三つは、未決済債務、すなわち国債など実質的軽減によるものと述べておるのであります。
 インフレーションによる税の増収は、個人を高いランクに入れ、累進課税によって重税を取る、税の自然増と言われるものは実はこれであります。昭和五十年度成長率が政府見通しで実質四・三%、税の自然増収が減税分を差し引いた残り三兆五千七百八十億円、実はそのきわめて大きな部分がインフレーションによって水増しされた税金であります。そして、それは従来のインフレ調整などの論議の中で示されたものよりははるかに膨大な税額となるのであります。政府の言う減税、実は超ミニ減税、そして実質は大幅な増税と言うべきでありましょう。
 第二は、見送られた医師特例の廃止であります。社会保険診療報酬計算の特例は、昭和二十九年以来今日に至っておるのであります。これは土地、利子・配当の特例措置とともに悪評高く、かねてからその廃止を求められてきたものであります。政府の税制調査会においてすら、昭和三十一年以来、実に九回にわたってこの是正が提案をされてまいりました。特に昨年十二月二十七日の答申においては、この際多年の懸案となっていた特例是正の第一歩を踏み出すべきである、最優先とすべきであるとして、きわめて控え目ながら妥協的な案が出されたのであります。これすら政府は圧殺をして、そして全くこの改正は見送られたのであります。三木総理は、一体、一部の者が、そして特定の人たちだけが特別に優遇され、そして極端に不合理な税制がまかり通ってよいものであるとお考えでございましょうか。
 第三に、延長された分離課税の問題についてであります。資産所得重課という観点から要請されていた利子・配当所得の分離課税の廃止、すなわち、総合課税化についても何ら行われずに、選択税率を単に現行二五%から三〇%に引き上げただけの形で終わっておるのであります。しかして、その理由がまさに傑作であります。利子・配当についても総合課税を行うことが望ましいものであるとしておりながら、しかし、利子・配当を完全に把握する体制が整備されないまま一挙に総合課税化を図ることは新しい不公平を招くおそれがあると説明しておるのであります。それならば、なぜ新しい不公平を心配する前に、既存の不公平、大きな不公平を是正しないのですか。これが税制改正の本筋ではありませんか。
 また、この問題は、配当所得や、あるいは架空名義、無記名預金等の問題は分離課税成立当初からのものであり、この間、大蔵省はこの完全把握のため一体何をやってきたというのでありますか。どんな努力をしてきたのでありますか。また、これから先五年間、完全把握のために何をする気でありますか。銀行の窓口にポスター一枚張って、そしてお茶を濁す考えでございますか。これでは決して国民は納得いたしません。しかして、この問題は、公害対策についての自動車への課税、交際費課税の問題、大蔵委員会でもこれらの問題はそれぞれ指摘をされたところでございますが、この税制改正案は多くのゆがみを持ち、著しく不公正が温存されておると言って過言ではございません。
 今日、わが国は従来の高度経済成長政策から安定成長へ、そして国民福祉の拡大へとその転換を求められておるのであります。そのためには、ここ二十年来とり続けられてきた資本蓄積擁護の税制は当然改められなければなりません。税制改正もまた福祉税制へと移行すべきであります。にもかかわらず、三木内閣は、福祉拡大に伴う財政需要を、高福祉、高負担、この名のもとに、勤労国民の税負担を高めることによって賄おうとしておるのであります。インフレ抑制を勤労者の犠牲によって果たそうとしておるのであります。これが五十年度税法改正の偽らざる実態でありましょう。まさに国民不在の税改正であります。社会的公正の実現のためにいかなる租税政策がとらるべきであるか、税制改正においてどこに重点が志向されなければならないか、それは明白であります。それは、いままでの大企業優先、資産所得優遇の税制をそのままにしては絶対に不可能であります。資産所得優遇措置を廃止し、法人課税を強化し、インフレによる被害者対策とその負担調整を図ることによって税制改正における真の社会的公正実現の道が開かれるのであります。
 このたびの所得税法等三法の改正は、社会的公正実現とはまさにかかわりのない無縁なものであります。逆に勤労国民大衆の負担と犠牲を増大、強化するものであります。
 以上私は租税三法に対し、概括的ではありますが、厳正に批判を述べ、その論拠を明確にして反対をいたすものであります。与党の皆さんも重ねて御再考を願い、良識の府、参議院の議決が、社会的公正実現のために万誤りなきよう心から要請を申し上げ、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
#63
○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決をいたします。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#64
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#65
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#66
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十七票
  白色票           百二十票
  青色票            百七票
 よって、三案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十名
      平井 卓志君    林  ゆう君
      寺下 岩蔵君    中西 一郎君
      寺本 廣作君    林田悠紀夫君
      山本茂一郎君    前田佳都男君
      最上  進君    望月 邦夫君
      森下  泰君    梶木 又三君
      岩上 妙子君    宮田  輝君
      藤川 一秋君    福岡日出麿君
      鳩山威一郎君    秦野  章君
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      有田 一寿君    井上 吉夫君
      石破 二朗君    糸山英太郎君
      中村 登美君    吉田  実君
      松岡 克由君    藤井 丙午君
      桧垣徳太郎君    原 文兵衛君
      中村 禎二君    細川 護煕君
      菅野 儀作君    上田  稔君
      石本  茂君    長田 裕二君
      中山 太郎君    小林 国司君
      宮崎 正雄君    久保田藤麿君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      内藤誉三郎君    玉置 和郎君
      岩動 道行君    西村 尚治君
      鍋島 直紹君    新谷寅三郎君
      上原 正吉君    青木 一男君
      迫水 久常君    小川 半次君
      徳永 正利君    八木 一郎君
      神田  博君    丸茂 重貞君
      志村 愛子君    片山 正英君
      柴立 芳文君    嶋崎  均君
      棚辺 四郎君    夏目 忠雄君
      永野 嚴雄君    中村 太郎君
      戸塚 進也君    高橋 誉冨君
      山東 昭子君    岩男 頴一君
      大島 友治君    大鷹 淑子君
      岡田  広君    上條 勝久君
      斎藤 十朗君    高橋 邦雄君
      古賀雷四郎君    黒住 忠行君
      河本嘉久蔵君    金井 元彦君
      川野 辺静君    土屋 義彦君
      山崎 竜男君    久次米健太郎君
      初村滝一郎君    鈴木 省吾君
      世耕 政隆君    高田 浩運君
      増田  盛君    江藤  智君
      藤田 正明君    高橋雄之助君
      楠  正俊君    岡本  悟君
      平泉  渉君    橘直  治君
      安井  謙君    剱木 亨弘君
      吉武 恵市君    増原 恵吉君
      伊藤 五郎君    鹿島 俊雄君
      大谷藤之助君    小笠 公韶君
      亘  四郎君    温水 三郎君
      橋本 繁蔵君    坂野 重信君
      斎藤栄三郎君    亀井 久興君
      佐藤 信二君    今泉 正二君
      稲嶺 一郎君    山崎 五郎君
      安田 隆明君    矢野  登君
      町村 金五君    加藤 武徳君
      二木 謙吾君    植木 光教君
      木村 睦男君    源田  実君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百七名
      太田 淳夫君    矢原 秀男君
      野末 陳平君    喜屋武眞榮君
      下村  泰君    相沢 武彦君
      塩出 啓典君    青島 幸男君
      市川 房枝君    柄谷 道一君
      内田 善利君    峯山 昭範君
      桑名 義治君    上林繁次郎君
      阿部 憲一君    三木 忠雄君
      藤原 房雄君    栗林 卓司君
      黒柳  明君    矢追 秀彦君
      原田  立君    鈴木 一弘君
      宮崎 正義君    柏原 ヤス君
      中村 利次君    田渕 哲也君
      二宮 文造君    白木義一郎君
      小平 芳平君    多田 省吾君
      中尾 辰義君    福間 知之君
      矢田部 理君    案納  勝君
      久保  亘君    青木 薪次君
      野田  哲君    対馬 孝且君
      秦   豊君    浜本 万三君
      赤桐  操君    大塚  喬君
      小山 一平君    片岡 勝治君
      田  英夫君    鈴木美枝子君
      神沢  浄君    前川  旦君
      竹田 現照君    山崎  昇君
      村田 秀三君    小野  明君
      野口 忠夫君    栗原 俊夫君
      茜ケ久保重光君    瀬谷 英行君
      森  勝治君    羽生 三七君
      戸叶  武君    田中寿美子君
      竹田 四郎君    戸田 菊雄君
      森中 守義君    志苫  裕君
      森下 昭司君    近藤 忠孝君
      山中 郁子君    粕谷 照美君
      片山 甚市君    目黒今朝次郎君
      橋本  敦君    安武 洋子君
      内藤  功君    寺田 熊雄君
      佐々木静子君    辻  一彦君
      小巻 敏雄君    神谷信之助君
      小谷  守君    工藤 良平君
      和田 静夫君    松本 英一君
      小笠原貞子君    立木  洋君
      沓脱タケ子君    鈴木  力君
      中村 波男君    沢田 政治君
      加藤  進君    渡辺  武君
      塚田 大願君    安永 英雄君
      吉田忠三郎君    松永 忠二君
      小柳  勇君    須藤 五郎君
      岩間 正男君    星野  力君
      阿具根 登君    野々山一三君
      秋山 長造君    藤田  進君
      加瀬  完君    河田 賢治君
      野坂 參三君    上田耕一郎君
      春日 正一君
     ―――――・―――――
#67
○議長(河野謙三君) 次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#68
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#69
○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長原文兵衛君。
   〔原文兵衛君登壇、拍手〕
#71
○原文兵衛君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案は、住民税の所得控除の額の引き上げ、事業税の事業主控除額の引き上げ、料理飲食等消費税の免税点の引き上げ、ガス税の税率の引き下げ等を行い、あわせて都市環境の整備改善に資するため、目的税として事業所税を創設するほか、地方税制の合理化を図るため規定の整備をしようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人より意見を聴取する等審査を行いましたが、その間の質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。
 質疑を終わりましたところ、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブの共同提案として、住民税の基礎、配偶者、扶養者の所得控除額を一律二十四万円に引き上げる。個人事業税の事業主控除を二百二十万円に引き上げ、法人事業税の制限税率を標準税率の一・二倍とする。電気税の産業用非課税措置を廃止する。事業所税の課税団体は限定せず、非課税措置の範囲等についても条例で設けることができるものとすること等を主な内容とする修正案が提出されました。
 別に討論もなく、まず修正案について採決の結果、賛成多数をもって可決され、(拍手)次いで修正部分を除く原案について採決の結果、賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決定した次第であります。
 なお、修正案に対して福田自治大臣から、個人住民税の課税最低限及び個人事業税の事業主控除の引き上げ、事業所税の課税団体の拡大、産業用電気の非課税措置の廃止等については、修正案の趣旨を尊重しつつ前向きに努力し、一・二と要請されている法人事業税の制限税率については今後なお慎重に対処し、タクシー等における中小企業に対する事業所税の軽減については、地方団体において、その実態に即して、適宜、適切な措置をとるよう指導したい旨の発言がありました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#72
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 まず、委員会修正案について採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#73
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#74
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#75
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十七票
  白色票            百七票
  青色票           百二十票
よって、本修正案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百七名
      太田 淳夫君    矢原 秀男君
      野末 陳平君    喜屋武眞榮君
      下村  泰君    相沢 武彦君
      塩出 啓典君    青島 幸男君
      市川 房枝君    柄谷 道一君
      内田 善利君    峯山 昭範君
      桑名 義治君    上林繁次郎君
      阿部 憲一君    三木 忠雄君
      藤原 房雄君    栗林 卓司君
      黒柳  明君    矢追 秀彦君
      原田  立君    鈴木 一弘君
      宮崎 正義君    柏原 ヤス君
      中村 利次君    田渕 哲也君
      二宮 文造君    白木義一郎君
      小平 芳平君    多田 省吾君
      中尾 辰義君    福間 知之君
      矢田部 理君    案納  勝君
      久保  亘君    青木 薪次君
      野田  哲君    対馬 孝且君
      秦   豊君    浜本 万三君
      赤桐  操君    大塚  喬君
      小山 一平君    片岡 勝治君
      田  英夫君    鈴木美枝子君
      神沢  浄君    前川  旦君
      竹田 現照君    山崎  昇君
      村田 秀三君    小野  明君
      野口 忠夫君    栗原 俊夫君
      茜ケ久保重光君    瀬谷 英行君
      森  勝治君    羽生 三七君
      戸叶  武君    田中寿美子君
      竹田 四郎君    戸田 菊雄君
      森中 守義君    志苫  裕君
      森下 昭司君    近藤 忠孝君
      山中 郁子君    粕谷 照美君
      片山 甚市君    目黒今朝次郎君
      橋本  敦君    安武 洋子君
      内藤  功君    寺田 熊雄君
      佐々木静子君    辻  一彦君
      小巻 敏雄君    神谷信之助君
      小谷  守君    工藤 良平君
      和田 静夫君    松本 英一君
      小笠原貞子君    立木  洋君
      沓脱タケ子君    鈴木  力君
      中村 波男君    沢田 政治君
      加藤  進君    渡辺  武君
      塚田 大願君    安永 英雄君
      吉田忠三郎君    松永 忠二君
      小柳  勇君    須藤 五郎君
      岩間 正男君    星野  力君
      阿具根 登君    野々山一三君
      秋山 長造君    藤田  進君
      加瀬  完君    河田 賢治君
      野坂 參三君    上田耕一郎君
      春日 正一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百二十名
      平井 卓志君    林  ゆう君
      寺下 岩蔵君    中西 一郎君
      寺本 廣作君    林田悠紀夫君
      山本茂一郎君    前田佳都男君
      最上  進君    望月 邦夫君
      森下  泰君    梶木 又三君
      岩上 妙子君    宮田  輝君
      藤川 一秋君    福岡日出麿君
      鳩山威一郎君    秦野  章君
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      有田 一寿君    井上 吉夫君
      石破 二朗君    糸山英太郎君
      中村 登美君    吉田  実君
      松岡 克由君    藤井 丙午君
      桧垣徳太郎君    原 文兵衛君
      中村 禎二君    細川 護煕君
      菅野 儀作君    上田  稔君
      石本  茂君    長田 裕二君
      中山 太郎君    小林 国司君
      宮崎 正雄君    久保田藤麿君
      山内 一郎君    柳田桃太郎君
      内藤誉三郎君    玉置 和郎君
      岩動 道行君    西村 尚治君
      鍋島 直紹君    新谷寅三郎君
      上原 正吉君    青木 一男君
      迫水 久常君    小川 半次君
      徳永 正利君    八木 一郎君
      神田  博君    丸茂 重貞君
      志村 愛子君    片山 正英君
      柴立 芳文君    嶋崎  均君
      棚辺 四郎君    夏目 忠雄君
      永野 嚴雄君    中村 太郎君
      戸塚 進也君    高橋 誉冨君
      山東 昭子君    岩男 頴一君
      大島 友治君    大鷹 淑子君
      岡田  広君    上條 勝久君
      斎藤 十朗君    高橋 邦雄君
      古賀雷四郎君    黒住 忠行君
      河本嘉久蔵君    金井 元彦君
      川野 辺静君    土屋 義彦君
      山崎 竜男君    久次米健太郎君
      初村滝一郎君    鈴木 省吾君
      世耕 政隆君    高田 浩運君
      増田  盛君    江藤  智君
      藤田 正明君    高橋雄之助君
      楠  正俊君    岡本  悟君
      平泉  渉君    橘直  治君
      安井  謙君    剱木 亨弘君
      吉武 恵市君    増原 恵吉君
      伊藤 五郎君    鹿島 俊雄君
      大谷藤之助君    小笠 公韶君
      亘  四郎君    温水 三郎君
      橋本 繁蔵君    坂野 重信君
      斎藤栄三郎君    亀井 久興君
      佐藤 信二君    今泉 正二君
      稲嶺 一郎君    山崎 五郎君
      安田 隆明君    矢野  登君
      町村 金五君    加藤 武徳君
      二木 謙吾君    植木 光教君
      木村 睦男君    源田  実君
     ―――――・―――――
#76
○議長(河野謙三君) 次に、原案について採決をいたします。原案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#77
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#78
○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、
 国会議員互助年金法の一部を改正する法律案
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
 国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案
 国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案
 国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案
 (いずれも衆議院提出)
 以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長鍋島直紹君。
   〔鍋島直紹君登壇、拍手〕
#80
○鍋島直紹君 ただいま議題となりました国会議員互助年金法の一部を改正する法律案外四件について御報告申し上げます。
 第一は、昭和四十五年四月三十日以前に退職した者等に給する互助年金について、基礎歳費月額を四十万円とする額に改定し、国庫納付金を歳費月額の百分の八・四相当額に改めようとするものであります。
 第二は、永年在職表彰議員に、特別交通費として月額二十万円を支給しようとするものであります。
 第三は、立法事務費の月額を二十万円に改めようとするものであります。
 以上三件は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 第四は、秘書の給料月額を、第一秘書については秘書官六号俸相当額に、第二秘書については秘書官二号俸相当額に引き上げようとするものであります。
 第五は、環境庁に国立国会図書館の支部図書館を設置しようとするものであります。
 以上二件は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#81
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。
 まず、国会議員互助年金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#82
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#83
○議長(河野謙三君) 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#84
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#85
○議長(河野謙三君) 次に、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#86
○議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#87
○議長(河野謙三君) 次に、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案並びに国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#88
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#89
○議長(河野謙三君) この際、参議院事務局職員の定員に関する件についてお諮りいたします。
 議長は、本件につきまして、議席に配付いたしましたとおりの「参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規定案」を議院運営委員会に諮りましたところ、異議がない旨の決定がございました。
    ―――――――――――――
#90
○議長(河野謙三君) 本規程案に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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