くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 本会議 第15号
昭和五十年六月九日(月曜日)
   午後零時十四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十五号
  昭和五十年六月九日
   正午開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣
  法第六〇号)、政治資金規正法の一部を改正
  する法律案(閣法第六一号)及び政治資金規
  正法の一部を改正する法律案(参第一八号)
  (趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国土総合開発審議会委員、四国地方開発審
  議会委員及び中国地方開発審議会委員の選挙
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、国土総合開発審議会委員、四国地方開発審議会委員、中国地方開発審議会委員各一名の選挙を行います。
#4
○安永英雄君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#5
○細川護熙君 私は、ただいまの安永君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(河野謙三君) 安永君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、国土総合開発審議会委員に小野明君を、
 四国地方開発審議会委員に前川旦君を、
 中国地方開発審議会委員に秋山長造君をそれぞれ指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#8
○議長(河野謙三君) 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第六〇号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第一八号)(趣旨説明)
 三案について、提出者から順次説明を求めます。福田自治大臣。
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(福田一君) 公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 公職選挙法の一部を改正する法律案は、最近における選挙の実情にかんがみ、衆議院議員の総定数及び各選挙区において選挙すべき定数について是正を行うとともに、選挙の腐敗を防止し、及びその公正を確保する等のため、供託金の引き上げ、選挙公営の拡充、寄附、文書図画の掲示及び機関紙等の頒布の制限の強化並びに連座制の強化その他所要の改正を行おうとするものであります。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 その第一は、衆議院議員の定数是正についてであります。これにつきましては、昨年来国会において各党間で検討された結果、合意を見た線に沿って総定数を十一の選挙区について二十人増加することとしております。
 第二は、選挙公営の拡充であります。すなわち、国会議員の選挙においては、候補者は、供託金没収者を除き、政令で定める額の範囲内で、選挙運動用自動車を無料で使用し、及びポスターを無料で作成することができることとし、また、総選挙及び通常選挙においては、確認団体が、新聞により行う政策広告は、一定の限度内で無料でできることといたしました。
 第三に、候補者等の政治活動のために使用される候補者等の氏名等を表示する文書図画等は、例外として特に認められた立札及び看板の類等を除き、一切掲示できないことといたしました。
 第四に、候補者等が選挙区内にある者に対してする寄附は、一定の場合を除き、禁止することといたしました。
 第五は、機関紙等の頒布の規制でありますが、選挙時に無償の政党機関紙等が大量に頒布され、選挙の公正が害されている現状にかんがみ、選挙に関する報道評論を掲載した機関紙誌の号外等は選挙期間中は頒布できないこととし、一般の新聞紙、雑誌についても、選挙に関する報道評論を掲載しているものは、選挙期間中は有償でなければ頒布できないこととしております。
 第六は、連座制の改正でありますが、総括主宰者等が刑に処せられた旨の通知を受けたときは、これらの者が総括主宰者等に該当しないことを理由とし、当選が無効とならないことの確認を求める訴訟をその当選人が提起しない限り、当選が無効となる制度に改めることとしております。
 なお、衆議院における修正により、衆議院議員の六選挙区の分割を行うこととしたほか、通常葉書の枚数を増加し、国会議員の選挙において新たに二種類以内の一定数の選挙運動用ビラの頒布ができることとし、このビラは供託金没収者を除き、政令で定める額の範囲内で無料で作成することができることとされております。また、選挙に関する報道評論を掲載した確認団体の届け出機関紙の本紙等については、一定の期間において恒常的に行われていた通常の方法による頒布ができることとし、その号外等については、特定の候補者の氏名等が記載されているときは、当該選挙区内における頒布を認めないものとされております。そのほか、確認団体の新聞による政策広告の回数を一律に四回とするほか、一般の日刊新聞紙についての選挙期間中の頒布要件の特例等を設けることとされております。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 政治資金の規正につきましては、昭和四十二年の第五次選挙制度審議会の答申以来、各政党においてはもちろん、政府においても、検討に検討が重ねられてまいりました。顧みますれば、政府も過去三回にわたって政治資金規正法の改正案を提案しましたし、各野党におかれてもそれぞれの立場に立って改正案の提案がされましたが、いずれも審議未了となっております。そして、またその後の国会審議においては、常に政治資金の規正の問題が論議の対象として取り上げられてきたと言っても過言ではありません。
 このような経緯にかんがみ、政府といたしましては、最近における国民世論の動向と政党政治の現状とを考慮しつつ、現実に即した政治資金の授受の規正、政治資金の収支の公開の強化、個人の拠出する政治資金に対する課税上の優遇措置などを講ずることにより、政治活動の公明と公正を図るべく、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 第一は、政治資金の寄附の制限についてであります。
 まず、寄附の量的制限につきましては、個人の寄附は、年間二千万円を超えてはならないこととし、会社、労働組合その他の団体の寄附は、それぞれの団体の規模に応じ、資本等の金額、組合員等の数または前年における経費の額を基準として、一定の範囲内で、ある程度弾力的に制限を加えることといたしました。また、政党及び政治資金団体以外の政治団体や個人に対する寄附については、同一の者に対し年間百五十万円を超えてはならないことといたしました。
 次に、寄附の質的制限につきましては、国または地方公共団体から補助金または出資を受けている会社等のする寄附は、選挙に関すると否とを問わず、一定期間、禁止することとしたほか、赤字会社の寄附、匿名及び他人名義の寄附並びに外国人等のする寄附につきましても、選挙に関すると否とを問わず、これを禁止することとし、寄附のあっせんにつきましては、寄附者に威迫を加えたり、寄附者の意思に反して賃金、下請代金等から天引きして寄附を集めることのないよう措置することといたしました。
 第二は、政治資金の公開の強化についてであります。
 政治資金の収支の状況を明らかにするため、いわゆる法人会費等は、これを寄附とみなして公開の対象とすることとしたほか、政党その他の政治団体の収支報告書等に記載すべき内容等についても、改善、合理化を加え、公開の趣旨を強化することといたしました。
 第三は、個人の拠出する政治資金に係る課税上の優遇措置についてであります。
 政党その他の団体に対する政治活動に関する寄附の個人拠出を奨励するため、個人が政治活動に関する寄附をした場合には、一定の要件に該当するものについて課税上の優遇措置を講ずることといたしました。
 第四は、政党その他の政治団体の概念の明確化等の措置についてであります。
 政党と政党以外の政治団体との区別や党費、会費、政治活動に関する寄附等の概念の明確化等を図ったほか、政治資金のあり方につきましては、さらに検討を重ねることとし、その趣旨を法文に明記することといたしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(河野謙三君) 秦豊君。
   〔秦豊君登壇、拍手〕
#11
○秦豊君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました政治資金規正法の改正案について、提案の趣旨と、また具体的な幾つかの項目について皆様に申し上げたいと存じます。
 御存じのように、吉田政権下の昭和二十三年に制定されました、つまり現行の政治資金規正法は、久しい間、ざる法の典型とされてまいりました。政党、協会その他の団体等の政治活動の公明を図り、選挙の公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的としたはずの現行の政治資金規正法が、その本来的な欠陥と弱さのゆえに、かえって政治腐敗の一つの誘因となったことは否定ができません。制定以来二十七年に及ぶ政治資金規正法の歴史は、自治大臣が先ほどいろいろ申されましたけれども、私をして言わしむれば、一貫して審議未了と廃案、政府・与党による徹底的な抵抗とサボタージュの歴史でもあったわけです。昭和二十九年一月の例の保全経済会事件、同年二月の造船疑獄事件を初め、四十一年夏の黒い霧事件など相次いだ一連のどす黒い事件のたびごとに、一応は政治の刷新と政治資金規正法の改正がうたわれはしましたけれども、それらはいずれもポーズと偽装だけ。膨大な政治献金と選挙制度、あるいは議員定数の不均衡を唯一の武器としてまいりました政府・与党が、みずからの恥部にメスを入れるはずもありません。しかし、去る四十七年七月、あたかも札束で産湯を使ったかのごとく満身これ金権、全身これ利権の権化たる田中政権の誕生と、昨年夏行われました第十回参議院選挙で、まさにその田中戦略の全面展開として闘われました金権あるいは企業ぐるみ選挙の余りにも許しがたい傲慢と腐敗が、ついに七千六百万有権者によるまことに痛烈な反撃と厳しい審判を招いたことは、まことに皮肉としか言いようがありません。「諸悪の根源、積年の弊」、「悪いやつほどよく眠り」、「石が流れて木の葉が沈む」たぐいの田中政治の崩壊と、一見理念型の三木政治の登場は、窮余の一策とはいえ確かに一つの時代的な必然ではありましょうし、同時にまたそのことは、その三木政権最大の使命が、政界刷新、政治と金の浄化にあることはいまさら言うまでもないでしょう。しかし、今回提案されました政治資金規正法の政府原案の一体どこに三木総理の年来の格調と理念を見出すことができましょう。政府原案の幾多の欠陥につきましては、後ほど同僚片山議員との質疑応答の項に譲りたいと思いますけれども、以下、わが党、社会党が提案する改正案の主な点につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 まず、寄附、つまり政治献金の制限についてでありますけれども、会社等営利企業の法人団体は、これはもう一切政治献金ができないことにし、政治腐敗、金権選挙の根を断ち切ることを最大の眼目といたしております。ただし、労働組合の政治的な寄附は、会社等の寄附とは全くその内容と次元と動機が異なるものでありますから、その制限からは除外をしております。もちろん、形式論理的には、同じ団体としまして、あるいは法人としまして、一方を制限し、一方は制限しないというのは、これは法のもとの平等に反するという意見もありますけれども、民主政治を発展させるという原点から、このようないわば平面的な形式論ではなく、むしろ本質論、実体論に立って、この考え方をあえてとったのであります。
 つまり会社は、商法その他によって明らかなように、株式の金額あるいはその総額を会社設立の重要な要件としておりますように、つまり、言いかえれば、「資金の集団」として営利事業を営むために法的な人格を与えられているのであり、このような金の集団としての法人を一律に政治に参加させるということから今日のような金権政治の弊害を生じたことはどなたの胸にも銘記されておりましょう。
 翻って、われわれ労働組合の場合でありますが、労働組合は、憲法二十八条によって労働者、つまり人の集団として特別に団結権、団体行動権を保障され、その集団の力によってみずからの地位の向上を図ることを許されております。そして、憲法に保障されました、以上の諸権利は、密接に政治に参加する、密接に政治にかかわらなければ十分には達成できません。こうした意味で、営利を目的とする会社等の企業と労働組合とは、政治にかかわるかかわり方、政治にかかわる部面において、本質的には全く違う立場に立っていると言うべきでありましょう。またさらに、端的に申し上げまして、政治という行為は、本来、自然人たる人が行うものであり、この意味から言いましても、人の集団である労働組合が政治に参加することは、これは当然であり、むしろ積極的に参加する道を押し広げ拡大することが民主政治を発展させる重要な要素だと考えるのであります。もちろん、個人としての政治参加を制限することは、これは許されません。したがって、会社等の団体に関係する人も含めまして、一般の皆さんが個人として政治的な寄附をすることは、これは自由でありますが、この場合も年間を通じまして百万円を限度といたします。なお、当然のことではございますが、匿名の政治献金あるいは外国人、外国の法人あるいは団体から政治的な寄附を受けることは禁じております。
 次に、政治資金をガラス張りにし明朗にしまして、有権者皆様の信頼を回復をするという問題でございますけれども、この面では、政党及び協会その他の団体、つまり政党やいわゆる派閥の政治資金の明朗化、世にいわれているガラス張り化には特に留意をいたし、報告の義務を厳正、厳格にするための改正を行いました。たとえば、すべての収入支出につきまして報告する義務があることを明記するとともに、寄附については、年間一万円以上寄附をした方は、氏名、住所、職業、金額等を報告しなければなりません。さらにまた政党の党費、いわゆる派閥の会費等につきましても、明朗化を目的としまして報告の義務を規定いたしました。もっとも、本来、この政党の党費あるいは派閥の会費というものは、その性質は全く違っておりまして、同列に論ずべきものではないと私も考えますけれども、しかし、法律上の概念に照らしますると、党費と会費の区分というものは必ずしも明確ではありません。したがって、いまの時期はやむを得ず同列に置いて、年間五十万円以上の党費、会費は、寄附と同じく、氏名、住所、職業、金額等を報告しなければならないことといたした次第です。さらに政党及び協会その他の団体は、当然、これらのために必要な帳簿類等を備えつけ、収支に関する必要な記載を行うことを義務づけ、自治大臣、中央選挙管理会または当該選挙管理委員会が必要であると認めるときは、報告を求め、または資料の提出を求めることができることにしております。
 次の重点は罰則の強化についてでありますけれども、先ほど自治大臣御提案の政府案は、寄附の制限額を侵して高額の寄附をいたしましても、わずかに二十万円の罰金で済むという、言いかえれば、実効性のはなはだ薄いものになっておりますけれども、わが党の改正案は、政治献金の制限に違反をした者は二百万円以下の罰金に処することにし、その他の罰金につきましても、たとえば本法二十二条の外国人または匿名寄附の受領禁止規定の違反につきまして、現行法は五千円以上十万円以下の罰金となっておりますが、これを引き上げまして、五万円以上百万円以下の罰金に処するとか、さらにまた、第二十五条の虚偽の記入など、いわゆる報告違反につきましても、現行のものは五千円以上十万円以下の罰金となっておりますものを、五万円以上百万円以下の罰金に改めるなど、総じて十倍にこれを引き上げ、その実効性を一挙に強めた次第であります。
 以上がわが党提案法案の概要でございますけれども、議会政治の前進と浄化のために、何とぞ各位の圧倒的な御賛同をお願い申し上げまして提案趣旨の説明を終わりたいと存じます。(拍手)
#12
○議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。片山甚市君。
   〔片山甚市君登壇、拍手〕
#13
○片山甚市君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案について、三木総理大臣に質問を行うものであります。
 昨年の第十回参議院議員通常選挙における金権、腐敗ぶりは、世論のきわめて厳しい批判にさらされ、これに端を発し、田中内閣の「黒い霧」、金脈が本院決算委員会で鋭く追及されたことを通じてその実態が白日のもとになるや、国民は挙げて政治道義の確立を求めてまいったのであります。
 こうして世論が戦後長きにわたった自民党政権そのものの大企業べったりの金権体質に直撃を加えるに至ったとき、田中金権金脈内閣は倒れ、三木総理が生まれたのであります。だからこそ総理、あなたは施政方針演説において、この「出直しの機会に、議会政治の本当にあるべき姿を打ち立てようではありませんか。」「政治全体の信頼回復のために、今日の選挙のあり方、政治資金のあり方にもメスを入れようではありませんか。」と訴え、独占禁止法の改正とあわせ、公職選挙法、政治資金規正法の改正を天下に公約せざるを得なかったのであります。つまり、そのような決意表明によってしか自民党内閣の存続を図ることができなかったという意味で、これらの公約は三木内閣の使命そのものであり、存立の意義であったのであります。
 しかるに今回の政府原案は、衆議院における審議を通じて各般の是正が取り入れられるに至ったものの、政治資金規正法など、金権政治をわが国から根こそぎ追放し、公明天下に恥じない政治活動への道を切り開くにはほど遠いものがあり、国民に対する公約をじゅうりんしたものと言わざるを得ないのであります。
 わが党は、いわゆる保革伯仲と言われる現状のもとで、国民の期待に沿い、今日の選挙制度や政治資金のあり方について具体的に改革を進めることが国会の任務であるという立場からその実現を迫ってきたのでありますが、私は、ここでまず第一に、総理が本院におきましても、これからの審議を通じてさらに必要な修正を加えていく意思があるのかどうか、明確に御答弁を願いたいのであります。
 第二に、参議院地方区の定数是正について総理の考え方をただし、決断を求めたいのであります。
 昨年の参議院選挙において、一方においては十七万七千名の支持を得て議席を得、他方において実にその四倍の六十八万八千名の支持を得ながら落選をするという事態が生まれていることは、天下周知の事実であります。世論もこのような不均衡をぜひとも是正すべきものとしているのであります。
 したがって、本院は、公職選挙法改正に関する特別委員会に小委員会を設け、各党の合意によって地方区の定数の是正その他について協議を続けてまいったのであります。そして、わが党を初め野党としてまとまった建設的な提案を行ってまいりましたが、自民党はいままで具体的な案を示すことなく、是正に対し全く消極的な態度をとっている現状にあります。これは改正によって保革が逆転するのではないかなどという、国民の権利を無視した党略が自民党にあると言わねばなりません。
 そもそも国政が国民の厳粛な信託によるものであって、その権威が国民に由来するという人類普遍の原理、議会制民主主義の根幹に照らしても、不均衡と直接関係のない全国区制の検討とは切り離して、何よりも先に地方区の定数是正に当たるべきであります。今日の地方区定数の根拠は、昭和二十一年の人口をもととして最高八名、最低二名とし、その定数百五十名を割り当てたものであって、その後の人口増加と地域的人口の流動を考えるとき、地方区定数の是正を行い、国民の一票の重みの公正を図らなければならないのであります。
 ことに衆議院の議員定数が各党の合意により戦後二回目の是正が行われるのに対し、参議院が一度も是正されていない状況から見て、まさに焦眉の重大な課題なのであります。
 総理、この是正をせずに、本法律案が本院の議決を得られるものと思っていられるとすれば、それはきわめて甘い判断であって、本院の軽視もこれに過ぐるものはないと言わざるを得ないのであります。この際是正を決断し、自民党内に卓越したリーダーシップを発揮すべきであると思うがどうか、総理のしかとした御答弁を願いたいのであります。
 第三に、参議院全国区制の改革についてであります。
 この問題もかねてから幾たびかの選挙制度審議会において改革への道が求められ、金のかからぬ選挙にしていく上で欠かせない課題とされてきたのであります。わが党は、早くから、拘束名簿式比例代表制により、金もかからず、すぐれた人材を議員にすることのできる改革を求めてきたのでありますが、総理は自民党をまとめることができず、何らの提案もなし得ていないのはきわめて遺憾とするところであり、この際、全国区制の改革を速やかにやろうという決意を改めてただしておきたいのであります。
 第四に、選挙公営の拡大並びに言論、出版の自由と選挙の公正の関連についてただしたいのであります。
 「選挙に幾ら金がかかろうとよい、問題は金の出どころや使い方だ」と、衆議院における審議の中で一部の党から言われているが、金の出どころや使い方が問題であることは言うまでもないのであって、同時に、保守であれ、革新であれ、「選挙に幾ら金がかかろうとよい」というがごとき態度は決して認めるべきでないと確信するものであります。
 金のかからぬ選挙制度とは、候補者個人はもとより、政党といえども選挙に金をかける必要がなく、立候補したい人はだれでも被選挙権が行使できるようにしていかなければなりません。政府が、昨年九月以来のわが党の主張を取り入れ、不満足ながら選挙の公営の拡大に当たり、さらに衆議院の審議を通じて修正に応じてきたことは、かなりの前進と評価するものでありますが、なお考慮しなければならぬことも残されています。たとえば公明選挙連盟の行った昨参議院議員選挙をめぐる世論調査によると、全国区を例にとれば、候補者の選定に役立った媒体として、テレビ、ラジオによる政見放送が三三%と発表され、最も主要な判断媒体となっているわけであります。よって、これら選挙公営の拡大についてさらに内閣として努力を払うのかどうか、明確にしてもらいたいのであります。
 さて、いわゆる選挙戦が言論戦であり、政策論争をもととして争われなければならない以上、言論、出版、表現の自由が十分に保障されなければならないことは言うまでもないのであります。同時に、これらの活動が選挙の公正を傷つけるがごとき状態にエスカレートをしたり金がどんどんかかったりしないように、本来なら各政党、各候補が一定の自粛を図ることがなければ、逆に出版、言論、表現の自由の名をもって選挙のルールを無政府化し、結局は、個人、党を問わず、金を持つ者が優位に立ってしまうのであります。これらの間の調和を法に求めねばならぬわが国の現状はまことに残念ではありますが、やむを得ぬ実態にあり、わが党が衆議院で審議、修正に努力してまいったゆえんであります。この結果、政党等の機関紙誌については通常の方法で頒布でき、号外についても、たとえば政策を掲載するようなものの頒布について規制するものでないことを明らかにしてまいりましたが、なお一部にある言論、出版、表現の自由を侵すものという見解についてどう思うか、お答えを願いたい。
 これと関連して私が明確に総理に聞いておきたい点は、政治資金規正法の一部を改正する法律案附則第十条に関してであります。すなわち、選挙期間中に労働組合、婦人団体、消費者団体から文化サークルなど、あらゆる団体に対し、そうした団体が物価や公共料金値上げ反対とか公害反対などの要求を掲げれば、すべて「政治活動を行う団体」と警察によって一方的に認定され、一般的なビラまきもできなくなると主張しているものがありますが、そうなるのかならないのか、明白にしてもらいたいのであります。改正案の当否は別として、改正内容自体を曲げて解釈し、討議をすることは好ましくないと思うので、しかとお答えを願いたい。
 第五に、連座制の強化についてであります。
 史上最大と言われた糸山派の選挙違反について、最高検察庁が総括主宰者と認定した人物の起訴が行われ、連座制の問題が世論を沸かしてきたのであります。あれだけの実弾攻撃、買収供応を責任者がやりながら御本人も登院されているわけでありますから、少しでも良心がありますれば、本人もさぞやつらいことと思うのであります。それを改めるには政府案は全くしり抜けであります。ことに百日以内の判決を規定しておきながら遷延するのはどこに問題があるのか承りたい。
 また、事前運動には連座制が適用されないと解釈されている点を改正すべきであると思うが、総理の御見解はどうでありますか。
 また、責任者が悪質な選挙違反を行ったような当選者は当然道義的な責任をとってもらわねばならないし、所属する公党にもそうした措置を行う責任があると考えるが、前田中自民党総裁はそれをやらないで終わりました。そこで、三木総裁としてはどうなのか、今後のこととして明確にお答えを願いたいのであります。
 第六に、最も問題を残している政治資金の規正について幾つかただしたいのであります。
 まず、私は、政治資金のあり方について、政治資金がどこからどのようにして拠出され、どのように使われているのか、その一切を国民の前にガラス張りで公開することが最も重要な原則ではないかと確信するのでありますが、総理はこの点について「見解に差がない」とお答えいただけましょうか。
 しかるに本改正案では、政治団体に対する寄附については、年間百万円まで報告をしなくともよい、つまり、公開させぬ道をつくり、この原則を著しく曲げてしまっていると言えるのであります。
 次に、企業献金の廃止について、総理は、天下に行った公約を弊履のごとく捨て去ったのであります。すなわち、初めは、政党の経費は党費と個人献金によるべきだと明確に言いながら、次第にトーンを下げ、企業献金は悪とは思わないと言って、三年後には個人献金にしていきたいと試案を出し、下っては、当分の間と称して大幅に献金の上限を定めることによって、逆に企業献金の助長を図るものに、今回の法案をしてしまっているのであります。同法律案附則第八条において、五年を経過した場合について検討を加えるとしているが、その意味は何か、まず、原案の立場を明白にしてもらいたいのであります。
 また、本改正案によれば、労働組合を通ずる労働者の拠金も規制しようとしているのでありますが、これは企業献金とは本質的にその性格を異にするものであって、各労働者個々の意思に基づいた個人カンパの集積にほかならないものであります。それを同律に規制することは、法の不当な介入と言わなければならないのですが、総理の労働組合に対する姿勢をただす質問として、ひとつはっきりお答えを願いたい。
 最後に私は、イギリス下院の特別委員会が全下院議員に対し、本年初めに、議員活動に影響を及ぼすたぐいの事業活動を詳細に登録することを義務づけるよう勧告した事実に留意するものであります。
 そこで総理、あなたは、自民党の危機を救うために、クリーン三木を象徴する一つの方法として、総理の個人資産の公開を行ったのでありますが、これはあなた一人だけにとどめておくつもりですか。閣僚についても同様に公開していく道を指導できないとするならば、三木総理もやっぱり本物でないとなってしまうのであります。法律によらず、道義的に政治家の資産公開をよい慣習としてあなたは育て、広げていく意思はないのですか。田中金脈のごとき恥ずかしい政治家と金の結びつきの疑惑をなくするために、国民の前にわが国の議会制民主主義のために明言を願いたい。
 かく申し上げて、私の総理に対する質問を終わらしていただきます。
 引き続き、ただいま秦議員外二名から提案のありました政治資金規正法の一部を改正する……。
#14
○議長(河野謙三君) 片山君、時間が経過しました。簡単に願います。
#15
○片山甚市君(続) はい。
 政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして提案者に質問を行います。
 議員提案として本案を提案されるには並み並みならぬ事情があったかと存じますが、その真意を明らかにしていただく意味でお尋ねをいたします。
 第一に、政治資金規正法の改正がこれまでどのように無視されてきたのか、その変遷を伺いたい。
 第二に、自民党の結党以来の政治献金はどの程度に上るのか、国民の前に改めて明らかにしてもらいたい。
 第三に、政治不信は特に金権政治に根ざすと思われるが、その裏づけについてただしたい。
 第四に、三木総理の政治資金規正法をめぐる態度。
 第五に、政府案の欠陥。
 第六に、労働組合員による拠金と企業献金との相違について私も包括的に述べたのでありますが、提案者はどのように見ておられるのか。
 それぞれ解明をお願い申し上げ、私の質問を終わらしていただきます。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(三木武夫君) 片山議員にお答えをいたします。
 修正のお話でありましたが、国会の審議にお任せするよりほかにはないということでございます。しかし、これはきれいな政治、選挙に金のできるだけかからぬようにするという強い国民の要請にこたえて、今回、二法案を提出したわけでございます。まあ、百歩の前進を希望する者にとっては必ずしも満足するものではないかもしらぬけれども、しかし、これは戦後最大の改革であります。百歩行かなくても、五十歩、六十歩の前進であることは私は間違いがないと考えておりますから、この機会を逸しますとまた改革が遠のくかもしれませんから、議員各位がぜひともこの機会に、この両法案の成立のために御協力を、日本政治の改革のためにお願いをいたしておく次第でございます。
 また、地方区の議員定数のお話がございましたが、まあ、地方区の議員定数と全国区制度というものは無関係とは言えないわけです。相互に関連があると思うわけでございます。しかも、参議院制度のあり方、また議会政治のあり方という、きわめて日本の議会制民主政治の根幹に触れる問題でもありますので、まあ、各方面の意見に耳を傾けて成案を得たいと、今回は提案できなかったわけでございます。しかし、次の選挙までにはもちろん結論を出したいと考えております。まあ、これも一緒にして、ワン・パッケージで出すことが好ましいことは片山議員の言われるとおりだと思いますが、なかなかそこへいかなかったとするならば、ワン・パッケージでいけるまで改革を待つかという問題であります。従来、ワン・パッケージというのが言いわけに使われてきたような面もあるわけです。で私は、片足でもいい、前進をすることが日本の政治の改革のために必要であるということで、選挙制度の改革の一歩を踏み出して提案をしたわけでございます。
 また、拘束名簿式比例代表制のお話もございましたが、これはいろいろと意見、種々の意見もございます。今後とも十分検討しなければならぬ課題だと思います。
 また、ビラの問題については、いわゆる政党の機関紙のビラという問題は、選挙の公正を期する、フェア・アンド・イコール・チャンス、こういう見地からこれは今回禁止をいたすわけでございますが、片山議員の御指摘になったテレビなどは、これはもうできるだけテレビ時間の延長というものを図りたいと関係当局と検討いたしておる次第でございます。
 なお、御懸念の、「政治活動を行う団体」がいろんな政治活動をすることに対して本法は制限をしたり、言論の自由を侵すようなことを目的とする法案でございませんから、そういう御心配は御無用でございます。
 また、連座制の規定というものについていろいろお話がございました。今度の場合は、当選者が不服の申し立てをしなければもう自動的に刑が確定するわけでありますから、そのまた訴え、不服申し立ても非常に理由が限定されておるわけです。非常に限定された理由がなければ不服の申し立てができませんから、やはり迅速な裁判の処理というものに役立つものだと考えております。
 それから、政治資金規正法の改正でございますが、私の意図するような理想までもいっていないことは事実でございますが、しかし、こういう問題は一歩一歩、こう前進することが現実的であると思います。そこまでいかなければこれはもうこういう改革はやらぬのだという、オール・オア・ナッシングというようなことではなかなか改革はできないのではないかと、こういう点で今回の改正案を出したわけでございます。
 また、百万円までの非公開の問題にお触れになって、ガラス張りという点からお触れになりましたが、まあ、寄附者のプライバシーを守るという見地から公開の法的義務はつけなかったのでありまして、当該政治団体の会計責任者の裁量に任したわけでございます。しかし、これは税法上の優遇処置をとるということになれば、これは公開されなければならぬことは当然でございます。
 それから、労働者の労働組合運動を通ずるカンパの権利を妨げるのではないかというお話でございましたが、政治資金の拠出は拠出者の自由に基づいて行われるというのが基本的な原則でございます。労働組合の資金カンパを制限するような考えはございません。
 また最後に、閣僚の個人資産の公開についてお触れになりました。民主主義国のどこの国でもやはり閣僚の個人資産を公開するという、そういうルールを持っておる国はどこにもない。そういう法律的な規制もないわけです。これは法律以前の政治家の一つの道義の問題であると思います。全閣僚にこれを要求するということになれば、法的処置をとらなければならぬ。私はそういう処置をとる考えはないわけです。しかし、私が政治道義の観点から代表して資金の、資産の公開をやったことは御承知のとおりでございます。そういうことで、全閣僚にこれを要請するという考え方は持っておりません。
 もし答弁が漏れたところがございましたら、関係大臣からお答えをいたします。
   〔秦豊君登壇、拍手〕
#17
○秦豊君 片山議員にお答えをしたいと思うんですが、あなたの御質問の一つ一つがまことにポイントを射ておりますし、(笑声)また的確なお尋ねでありますので、しかも国会終盤の最重要法案でもありますれば、私もまた懇切にお答えをしなければならぬと思います。
 で、質問の順序をあえて私変えさせていただきたいのですが、答弁の場合。つまり、一番重要なポイントをまずあなたにお答えしたいと思うんです。
 それはですね、企業献金と労働組合の献金のどこがどう違うのか。また、私たちの社会党が、それを、いままで言われていた法理論の体系やレベルよりいかに前進的に押し出そうとしているか。まさに私、発議者の苦心はそこにあったわけであって、その点をまずお聞き取りいただきたいと思うのです。
 この問題を考える場合に、企業など営利を目的とする法人の得失というものをまず前提として的確に踏まえる必要があると思うのです。営利法人の存在理由は、私の提案趣旨説明でも若干申し上げたわけですけれども、言うまでもなく営利そのものが第一義の目的でありまして、法人としてのすべての行為が、量的には多かれ少なかれさまざまな差異がありますけれども、とにかく利潤とか金もうけの論理というものでこれは一貫されてます。このような、つまり営利法人の行う政治献金というのは、これはどんな名目をつけようとも、何らかの反対給付といいますか、あるいは物欲しさというか、見返りへの期待なしに全く純粋に献金をすることなんか頭から考えられないわけなんです。これは常識なんです。したがって、この金権政治であるとか、あるいは黒い霧事件などを、これはもう単なる交通事故みたいなものだと、偶発事故なんだと、不祥事なんだというふうに軽くすりかえて忘れようとする傾向があるんだけれども、それは基本的に間違っている。つまり、その根は法律的、構造的に企業献金という行為や慣習そのものの中に内包されているんだと、つまり非常に根源的なこれは癒着なんだという把握が一番わが党の場合大事だと思うのです。(拍手)
 次に、商法その他によって明らかなとおりですけれども、営利を目的とする法人というものは、設立に当たっては資金というものが絶対の媒体、要件になります。つまり、自然人としての結びつき以外に、資金というものを絶対の要件にしなければ本来成り立たない組織なんです。この辺が全く違うんです、労働組合とは。したがって、本来自然人の行為である政治活動というものには、営利法人はそもそも基本的になじまない。これが一番大きな差異なんです。一番食い違っている重要なポイントなんです。これと比べますと労働組合の場合には、まず、労働組合法の第二条をいまさら繰り返すまでもなく、労働者が主体となりまして、自主的に労働条件の維持改善をやる、経済的地位の向上を図るんだということが主目的ですね。そうすると、現在のように、経済への介入というものが国家という大きな膨大な、圧倒的な権力によって大々的になされている時代には、労働組合というものが経済的な地位の向上を図るためには、政治的な活動、政治や政党との連帯というものは、これはもう必要不可欠のものになっている、この認識が必要だと思うんです。これを保障しているのがつまり憲法の二十八条であり、また労働者の団結権あるいは団体行動権等がそれに当たると思います。したがって――ここからが大事なんですけれども――片山議員、労働組合の行う政治活動とか献金というものは、本来営利性は持っていない、営利性皆無。これが営利法人の活動や政治献金とは基本的に違っているんです。これがポイントなんです。また、労働組合は、純粋に自然人としての労働者個々の人間的な、つまり人的な団体、結合体であって、その辺の会社のように、資金というものを絶対の要件とする団体でありません。したがって、労働組合の実体というものは一人一人の自然人たる人間が、労働者が集まってつくった組織であることが特徴なんです。
 片山議員は御質問にはなりませんでしたけれども、参考のためにちょっと先進的な経験をお答えしておきたいと思いますが、イギリスでも一九一〇年に、いわゆるオズボーン判決というのが出されまして、一たんは労働組合の政治的な目的のために組合の基金をつくる、あるいは組合員に対する賦課金の徴収を違法として鎮圧をしたという歴史はあるのです。これは残されております。しかし、このことによりまして、組合活動が一挙に沈滞をし、あるいは団結権に対する制限が加えられ、労働組合の政治参加あるいは政治との連帯というものが大幅に後退をしてしまったわけなんです。そういう苦い歴史がありますので、イギリスにおきましては一九一九年にはイギリス労働組合法によって、このオズボーン判決を覆して、以後、労働組合による献金は、労組献金は、全く堂々と自由となり、今日に至っております。
 以上が、私の申し上げたい一番重要なポイントなんです。
 それから、政治不信と世論につきましてありましたけれども、これは毎日新聞の三月二十三日の世論調査によりますと、まずトップが七四%、これが物価高であります。次いで四一%が不況。それから税金の不公平が四〇%。それから四番目が金権政治への不信感、これが三八%なんです。つまり、言いかえますと、医療制度の不公平が三六%、公害が三一%でありまして、片山議員、この辺を聞いていただきたいんですが、公害とか医療問題を上回って、つまり金権政治に対する反発、不信が政治不信の重要な項目をなしているということをぜひともわきまえていただきたいと思います。
 以上申し上げましたのが、わが党がこの法案を提案いたしました最も枢要なポイントであり、まだ幾つか申し上げたい点があるけれども、一番肝心な点については答弁をいたしたと思います。
 以上で終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(河野謙三君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#19
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました、政府提案の公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案について、総理並びに自治大臣の基本的見解を伺いたいと思います。
 選挙制度及び政治資金の規正に関する改正の適否は、議会制民主主義の発展の根幹にかかわる重要な問題であります。政治が国民の信頼を回復し、かつ、その基礎の上に行われるためには、政党の健全な発展と政策本位の選挙が実現されなくてはなりません。そのためには、国民に対し政党の政策を十分理解する機会を保障するとともに、いやしくも金権によって国民的意思の形成をゆがめるようなことがあっては絶対になりません。わが党は、いまこそ金権政治、腐敗選挙をめぐる国民の批判にこたえ、公正な国民意思の形成を図る制度を確立することが目下の急務であると考えます。
 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する質問の第一は、機関紙等の表現と頒布の制限についてであります。
 総理は、「機関紙等の号外が選挙期間中大量に、候補者個人の選挙運動と変わらない実態において無制限に頒布される限り、選挙の公正確保の見地からこれを規制せざるを得ないのであって、言論、表現の自由とは別のカテゴリーの問題である」と言われていますが、現行公選法は、選挙運動の公正確保のためには、選挙運動にわたる政治活動は選挙運動として規制する、一方において、政治活動そのものであっても、選挙の期間中選挙運動と紛らわしくなるものについては、その事実を明記して、その部分だけを規制し、政治活動の自由と選挙の公正との調和をとっているのであります。
 政府・自民党が、近代的政党として不可欠といわれる十分な機関紙を持たないという勝手な理由で、この現行法体系を破って、機関紙という政治活動の表現と頒布に直接規制の手をつけたことは、言論、表現の自由の確保よりも党略的選挙対策を優先させた措置というだけでなく、自由な選挙、明るい選挙を求める世論に逆行する反国民的措置と言わなければなりません。現行二百一条の五以下の選挙運動の公正と政治活動の自由との調和規定及び国民世論である選挙運動の自由化との関連から考えてもこの規定は削除すべきであると考えるが、機関紙誌号外の頒布に制限を加えた理由とともに、明確に説明されたいのであります。
 質問の第二は、参議院地方区の定数是正についてであります。
 そもそも議員定数の不均衡が違憲問題として取り上げられたのは、昭和三十七年の参議院選挙における定数不均衡の格差が四倍を超していたという問題からであります。四十五年の国調では、その格差はさらに五倍以上となっているのであります。このような格差がありながら十数年間も放置しているという事実は、およそ民主国家の資格を疑わせるものであります。その間、昭和三十九年、四十九年の二回の最高裁判決は、いずれも立法政策の問題として、違憲の判断によって生ずる現実の混乱を回避してまいりましたが、憲法十四条の平等原則に反することは裁判所も認めているのであります。しかるに政府・自民党は、衆議院の定数を是正したこの機会に、参議院全国区の問題とは別個に、野党四党並びに二院クラブが一致して、しかも具体的に参議院地方区の定数是正案を提示しているにもかかわらず、依然としてこれを拒否する態度に出ていることは、党略以外のいかなる理由によるものか、総理の所見を伺いたいのであります。
 選挙制度は国民のためのものであり、民主国家であるかないかは、議員定数が均衡を得ているかいないかの一事にかかっていると言っても過言ではないのであります。地方区定数是正の総理の決意を具体的に伺いたいのであります。
 第三は、選挙運動の自由化についてお尋ねします。
 総理は、きれいな明るい選挙、金のかからない選挙の実現を公約されましたが、国民的世論である自由化の方向とともに、いかにしてこの公約を実現していくおつもりか、今回の改正案の中には具体的にこれらを見出すことができないのであります。国民的立場から自由な政治的意思の形成を保障するという民主国家としての基本姿勢はどこにもなく、むしろこれを圧殺し、企業に立脚した金権体質のままに禁止と制限を倍加したものになっております。その一方では、無原則に公営を拡大して、候補者一人当たり二千万円にならんとする税金による国費支弁をもって、金のかかるもののしりぬぐいをしたにすぎないのであります。総理は好んで「節度」という言葉を口にします。また、対話と協調を政治の基本姿勢とされたのであります。しかし、金がかかるというのは、自民党のする選挙に金がかかるということであります。自民党の金権体質をそのままにして、何が節度であり、また、対話と協調を忘れて、多数をもってかかる民主政治の根幹を揺るがし、どうしてきれいな選挙、金のかからない選挙を実現していくことができるのか、総理の見解を伺いたいのであります。
 さらに、選挙を明るく、金のかからないきれいなものにするためには、選挙運動の自由化が拡大されなければなりません。戸別訪問も一定の基準を定めて自由化し、選挙を対話の場として生き生きしたものにすべきであります。政治家がいつまでも国民の政治的成熟に疑問を持ち続けることは不遜であり、対話と信頼に基づく明るい選挙を実現すべきであると思うが、総理の率直な答弁を求めます。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について伺います。
 総理は、政治が金で動かされてはならないという国民の世論にこたえて、三年をめどに企業献金を全廃する、というのが総理の公約であったはずであります。企業献金を廃止し、財界との癒着を断ち切ることが、国民の政治不信を回復するための根本的な条件であることは、総理も否定しないはずであります。しかるに、今回の改正案では、「五年を経過した場合に検討を加える」という全くふまじめな内容となっているのであります。これは総理の国民に対する裏切りであり、公約違反であります。また総理は、企業献金を全廃し、個人献金に移行するとしながら、一方では、「企業献金は悪ではない」とたびたび言明し、今回の改正案では、政治資金が規正されるどころか、ますます奨励されることになり、金権政治、金権選挙に対する歯どめが全くなくなっていると言っても過言ではありません。「企業献金は悪ではない」という明確な理由とともに、企業献金は廃止するのか、しないのか、個人献金への移行についてどのようにお考えか、総理の所信を伺いたいのであります。
 第二に、企業献金の制限について伺います。
 今回の改正案により、企業献金は、派閥などの分も含めて最高一億五千万円まで可能ということになっております。総理は、従来の企業献金に比較して相当厳しい規制になると言われておりますが、これは制限どころか、企業献金を奨励し、企業献金依存の金権的体質を一層強めていくことは明らかであります。また、企業献金は全廃するという総理の基本方針からすれば、一億五千万円というのは全く過大なものであり、企業献金を奨励し、財界との癒着を強めるもの以外の何物でもないと思うが、この点、どう考えていらっしゃるのか、総理のお考えを伺いたい。
 第三に、寄附の公開について伺います。
 改正案では、政党に対する寄附は一万円を超えるものの公開を義務づけているのに対し、派閥や個人後援会への寄附は、百万円以下であれば寄附を幾ら集めても公開しなくてもよいということになっております。これでは、派閥などが、百万円以下であれば寄附を幾ら集めてもその出所は全くわからず、公開の原則からほど遠いものとなります。総理は、先ほどの答弁におきましても、公開に差をつけた理由としてプライバシーの問題を挙げておりますが、全く本末転倒した考えであります。個人の負担する会費、党費を制限もなく、公開の必要もなく存続させたこととあわせて総理の所信を伺いたいのであります。
 公明党は、機関紙誌等の制限など、言論の自由と憲法の精神を否定する公職選挙法の一部を改正する法律案、並びに、企業献金の全廃等を明確にしない政治資金規正法の一部を改正する法律案の撤回を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇〕
#20
○国務大臣(三木武夫君) 峯山議員にお答えをいたします。
 政党の機関紙のビラ、これを禁止したことに対して、これは憲法で言う表現の自由に対する一つの大きな圧迫であるというような趣旨の御発言がございましたけれども、私は何も峯山議員の言われたような、政党が政策を浸透さすとか政治活動とかいうものに対してこれは制限しようとするものではないわけです。二十日間の選挙期間だけのことなんです。しかも、政策の浸透のためには法定ビラというものは無制限に政党が配布できるんですからね。種類は三種類だけれども、無制限にこの法定ビラは配布できるわけです、枚数の制限ないんですからね。そういうふうな、選挙中といえどもそういうことがあるので、政党の政策を国民に十分理解さすのに、何もこれによって――政党の機関紙のビラを禁止することによってそういう機会が奪われるということは、私は事実に反すると思います。御承知のように、政党の機関紙のビラは、峯山議員ごらんになっても、私ももう全国のを見てみた。これはやはり個人の候補者の写真と、そうして、まあ中には投票の依頼もあって、まさしくこれは政党の機関紙の号外といっても、個人用の選挙文書であると言われても私は仕方がないと思うのでございます。もしそういうことが許されるならば、無制限に、もう無差別にそういうものが選挙中に配布されるということならば、選挙文書を法律で制限してあることは意味をなしませんよ。はがきは何枚とか、ポスターは何枚とかいって、選挙文書というものを何のためにそれを制限したのか意味がない。やはり限られた期間に皆候補者がイコールなチャンスで、フェアに選挙をやろうということでいろんな文書に対して制限を行ったわけですからね。現行の選挙制度においても選挙文書というものは厳しい制限を受けておるのに、政党の機関紙のビラという名目で、これは全国的にいきゃ何億でしょうね、このビラがまかれて。そうしてそのことが現行の選挙法の規定に違反しないというならば、私は選挙の文書制限というものは全く意味がないと思うのでございます。だから、二十日の間それをこう規制をして、皆がやっぱりイコールなチャンスとフェアな立場で選挙をやろうということが、これが表現の自由の圧迫だとは思わないです、これは。そういうことで、この点は少し御心配が過ぎると私は思うわけでございます。政党の機関紙の号外というのを皆さんがよくごらんになれば、これはおかしいと思いますよ、これは。そういうことで、いわゆる無軌道な状態になっておるのを制限をしようということで、表現の自由を圧迫する意思は、そういうことは全然考えていないということでございます。政党の活動も、これは今度はいままでにないような、政党の政策なんかも各党が同じように新聞に三段抜きで広告も皆国費によって認めようというんですからね。政党のいわゆる政策を国民に理解徹底さすためのいろいろな機会というものは、さらにいままでよりもよく与えようとしておるわけでございますから、政党の政治活動に対する圧迫だということは、私はそのまま受け取るわけにはいかないわけでございます。
 また、次に、参議院の地方区の定数是正を行わなかったという、これはできれば私もワン・パッケージで参議院の選挙制度の改革と衆議院の改革と出したかったわけです。ところが、いろいろ問題があるわけであります。これはやはりいろいろ問題があって、まだ一つの結論を得るに至らなかった。これは参議院の構成に対する根幹に触れる問題ですから、まだ十分に慎重に検討もされないものを拙速主義でこの国会に出すわけにもいかなかったわけでございます。それならば衆議院の方も待ったらどうかという御意見があるかもしれない、衆議院も。しかし、ワン・パッケージにならぬから、衆議院の定数是正をそれと歩調を合わせて待つということがいいかどうかということを私は考えた。やはりそれは一歩でも、たとえば片足であっても、衆議院だけですから、片足であっても、やはりこの際その選挙制度の改革に一歩踏み出したいということで、この今回の改正案を出したわけでございますから、参議院の問題を軽視しておるのではないんですよ。頭の中に十分入れて慎重に検討されなければならぬということで、今後、次の参議院選挙までには結論を出すということで検討をいたす所存でございます。
 次に、きれいな選挙、金のかからぬ選挙を実現するための具体的方策というのですが、この二法案をこの国会で成立させてもらうことが、やはりきれいな政治、金のかからない選挙をする私は第一歩だと思いますね。皆さんいろいろ言われますけれども、相当に今度の改正案というものは厳しい改正案です、政治資金規正法にしても、公職選挙法にしても。それは、ここまで百歩前進さしたいという方々には満足はいかぬかもしれませんけれども、御承知のように、いろいろな、これに対して私自身にも行き過ぎであるという非難はいっぱい出たんですよ。そういう中でこれをやったということから考えてみて、現在の段階の中においては、やはり、この二法案を参議院においても成立さしていただくことが、日本の政治、日本の選挙というものに対する粛正の第一歩であると私は信じておるものでございます。
 自民党が姿勢を正せということはごもっともなお話であります。したがって、私も党議の決定を求めて、五年後には自民党の方から党の経常費については企業献金を辞退するという決定を行った、五年後には。これは、自民党自身が五年後には党の経常費については企業献金を辞退するという決定を行ったわけでございますから、こういう決定などを通じて自民党がいかに姿勢を正そうと努力しておるかはおわかりが願えると思うのでございます。
 企業献金というものがまあ悪でないという理由を言えということでございますが、企業といえども一つの大きな社会の単位ですからね。その単位の企業が社会の健全な発展を願うということは当然のことであります。そのために応分の寄附もしておるわけです。政党ばかりでありません。いろいろな社会事業に寄附もしておるわけでございまして、それは善悪の問題ではなくして、問題は政治の道義の問題だと私は思うんです。政党が余りにも企業の献金を当てにして甘え過ぎてはいけない、こういうことから私はこれに対して規正を行おうということにしたわけでございます。
 また、五年後に企業献金を廃止するのかということでございますが、これは、五年後にこの選挙法全般について見直しをやるつもりでございまして、その中に企業献金の問題をどうするかも含まれる。しかし、自民党はそのいかんにかかわらず、党の経常費に対しては企業献金を辞退するという党議の決定を行っておるということでございます。
 それから、寄附の公開額が、百万円以下というのは公開しないということでございますが、しかし、これはプライバシーという意味からこいつは公開の法的な義務を課さなかったわけで、政治団体の経理の担当者の裁量に任すということでございますが、しかし、これが税法上の優遇措置を受けようとすれば、これは公開、届け出なければならぬわけです。今度の政治資金は、市川議員もやはり公明度、公明度ということをやかましく言われるわけですが、今度は会費という制度がないんですから、全部寄附金でございますから、これは政党の資金というものがきわめてガラス張りになるということは非常な前進であると思っております。また、個人の負担の会費とか党費というものは制限をつけなかったのはどうかというのは、これは党員とか会員とかいうものは、規約に基づいてその政治団体を構成しておるわけですから、だから、その会費を払ったり党費を払ったりするということは、債務の履行みたいな形を盛るわけでございますから、それは政治団体そのものの内部の問題でございまして、これを規制することは適当でないということで規制をいたさなかったわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(福田一君) ただいま総理から、ほとんど詳しく御答弁がございましたので、私が追加することはございませんが、一言だけ申し述べさせていただきたいと思いますことは、今回の公選法の問題は、衆議院におきましては、与党と野党五党の小委員会において定数を二十名増加するということがはっきり決まりまして、それを受けて私たちがこの法案を提案いたしておるのでございます。参議院におきましては、ただいま皆様の間でいろいろ御審議をなさっているように承っておりますけれども、五党一致の案ができておるとは考えておりません。ここに一つの問題点があるといいますか、われわれが扱いを異にした意味があるわけであります。
 それからもう一つは、公選法におきましては、衆議院の定数といいますか、衆議院の有権者の数を五年ごとに調べて、そしてこれを改定していかなければならないということが明記されてあるわけでございますが、参議院にはそれはございません。私は、それだからといってこの数の問題を無視していいとはもちろん考えておりません。もちろん考えておりませんけれども、恐らくは、それにはやはり参議院の場合において、やはり地区、その区域というものを尊重している一面もあったんではないか。これはしかし、皆さんがこれから十分に御研究をいただいた上でこの結論を得ますれば、もちろんわれわれとしては異議がないのでございますが、そういうようないろいろの面もございますので、これらの点もひとつ十分お考えを願いたいと考えておるわけでございます。
 なお、総理からもお話がございましたが、われわれといたしましては、政治資金の問題にしても公選法の問題にしても、これがもう完璧、万全なものという意味で申し上げておるわけではございません。大体皆さんの大多数の意向のあるところを認めて、そうして提案をいたしておるのでありますが、しかし、政治資金などにつきましては、これはなかなかいろいろの御意見もあるわけでありますが、そういうことを言っておりますというと、過去十数年にわたって政治資金の規正をしなければならないと皆様方も主張され、国民も主張されておったわけでございます。その内容を完璧なものにしなければだめだということで意見が一致いたしませんというと、いつまでたってもこれは前へ出ません。私は出発点のないマラソンというものはないと思う。やっぱり出発点から何がしか前へ前進して、順次これを是正していくというのは、これが法律、政治の意味ではなかろうかと思うのでございますので、これらの点もひとつ十分お考え合わせの上、御賛同をいただきたいと考えておる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(河野謙三君) 内藤功君。
   〔内藤功君登壇拍手〕
#23
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の公職選挙法改正案並びに政治資金規正法改正案について、総理と自治大臣に質問をいたします。
 そもそも選挙は、議会制民主主義の土台であり、国民がその主権を行使する貴重な機会であります。そのために言論表現の自由、政党の政策を知らせる責務、国民の知る権利が平常よりも一層自由かつ広範に保障されなければなりません。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、国民がいま選挙法や政治資金規正法の改正について熱望していることは何か。金権選挙、企業献金の根絶、選挙運動、政治活動の自由化、参院地方区と衆議院の定数是正、これが世論であります。これにこたえるためにも、両法の改正が強く要望されていたのであります。
 ところが、二法案は、全く国民の世論に背いております。第一に、機関紙号外などの規制に見られるように、表現の自由、政治活動の自由、国民の知る権利を侵すものであります。
 第二に、諸悪の根源たる企業献金を容認しております。労働組合の献金も容認しております。買収、供応に道を開き、金権政治を温存しております。これは各新聞の論説を初め、学者、法曹界、労働組合など各界の意見であり、広く国民の世論であります。
 第三に、特に特徴的なことは、両法案とも犯罪構成要件の不明確なところが多く、政治活動に対する政府、司法当局の介入に道を開くものとなっていることであります。国民の名において、私は、この弾圧法、企業献金拡大、金権政治擁護法を糾弾するものであります。
 以下、具体的にお尋ねしたい。
 公選法改正案は、選挙活動の公正のためと称して、選挙に関する報道評論を載せた号外を禁止しております。衆議院における審議で政府は、禁止されるのは選挙に関する報道、評論を載せた号外だけだ、それ以外の号外は自由だなどと言って機関紙に対する批判をかわそうとしております。機関紙活動は、政党の政治活動の重要な柱の一つであります。従来、選挙の報道、評論をした号外が自由に発行されてきました。それが本改正案で有償、無償を問わず出せなくなるのであります。これは国民の知る権利と政党の政治活動への重大な侵害であり、表現の自由、言論、出版の自由についての憲法二十一条の明白な侵犯であります。
 これだけ政治活動を制限しても、なおかつ政治活動の自由や表現の自由を侵害しないというのであるか。選挙の公正とかビラ公害というような理由で機関紙発行の自由を侵すことが許されるというのか。それならば、その根拠を明示されたい。
 次に、公職選挙法改正案には、禁止条項や罰則の構成要件が明確でなく、漠然としており、結局取り締まりに当たる警察官の恣意的判断と運用にゆだねられ、警察の弾圧介入の余地を残す条項が多いんであります。
 福田自治大臣、あなたは六月四日、衆議院公選法特別委員会の答弁におきまして、選挙に関する報道、評論とは、「幅広く解釈もできるし、狭くもできる」と答えております。一体これ、何ですか。何が「選挙に関する報道、評論」に当たるのか、何が当たらないのか、全く基準が明確でありません。政府の恣意的な解釈にゆだねられてしまうことになります。しかも一方、罰則の方は禁錮刑を含めて明確に決まっておる。罪刑法定主義というものがあります。罪刑法定主義の原則から言って、このような条項は絶対に許されてならぬものであります。もし、このような条項が許されてよいというのなら、その論拠をお示し願いたいと思います。
 同様の危険は、公選法改正案第二百五十二条の三、第一項に言うところの「政治活動を行う団体」の解釈についても指摘できるのであります。「政治活動を行う団体」は、選挙期間中、ビラまき、政談演説会、街頭政談演説、立て札、看板の掲示から宣伝カーの使用に至るまで政治活動を禁止されております。しかるに、その「政治活動を行う団体」とは何であるのか。その定義は法文上に全くないんであります。その認定は警察にゆだねられておる。労働組合、業者団体、宗教、婦人団体あるいは住民運動の団体などなどの団体がこれに触れてくるおそれがあります。まさに恐るべきファッショ的条項であると言っても過言ではありません。このような何が犯罪であるかが法文上全く不明確な条項、罰則は許されないと考えます。なお、許せるのだと言い張るのであれば、その論拠を明確に示されたい。
 次に、選挙運動用ビラ二種類の問題です。この頒布を号外規制の代償として認めております。いままでビラを出していなかった候補者でも、ビラなんというものはお目にかかったことのないようなそういう地域でも、全国すべての候補者が国費でビラを出せるようにしようというのであります。ある新聞の試算によりますと、そのビラの量は富士山の三倍以上になるというんであります。しかも、これは有権者のごく一部、参議院東京地方区に例をとると、二十七人の有権者に一枚のビラしか配布できないのであります。とても全有権者を対象にした政策宣伝にかわり得るようなしろものではありません。しかも、ビラ一枚ごとに証紙を張るなどというのは全く常識に反するもので、選挙制度として批判にたえないようなことであります。このようなことに膨大な国費を欠陥財政の中からつぎ込むことがよいと考えているのか、御答弁を願いたい。
 政治資金規正法改正案については、三木総理の言う「企業献金廃止」は影も形もありません。それどころか、わが党の試算によれば、資本金一億円以上の全株式会社について限度額いっぱい集めれば、五百億円ないし六百億円集めることができるんであります。まさに企業献金奨励法と断ぜざるを得ません。私たちは、また労働組合の組合員は、個人がそれぞれ好む政党に献金できるというのは当然の不可侵の権利であって、これを侵すような組合献金にも反対であることを明確に申し上げておきます。その上、公選法百九十九条の二で買収、供応の抜け道をつくりました。これは「政治教育集会」の美名のもとに、この実費補償という名目をつければ寄附がやれることにされておるのであります。この条項は、買収、供応を公然と法律で容認し、教えてやるようなものじゃありませんか。「必要やむを得ない実費の補償」と言うが、その基準はあるんですか、お尋ねをしたい。
 次に、大企業が限度額を超えて献金してもわずか罰金は二十万円以下ですよ。ところがです、少額の匿名の寄附、文字どおりこれこそ浄財であります。この浄財は奨励すべきなのに、かえって禁錮刑に処せられるという定めになっております。このような条項は、これは絶対に許されないと思うが、どうなんです、これは。
 最後に、私は、地方区定数是正について申し上げたい。四党がすでに一致した二十六人増員の改正を行うことは、何物にも先んじて行うべき先決問題であると思うんであります。なぜ、今国会でこれをやろうとしないのか。自民党に不利であり、参議院の保革逆転を招くためだと言うのなら、これこそ党利党略による反対ではないんですか。この点について総理並びに自治大臣の答弁を求めます。
 終わりに臨み、この二法案に対する衆議院での強引な議事の進め方はファッショ的暴挙以外の何物でもありません。参議院では、法案について国民の前に明らかになるように徹底審議を尽くすべきであります。
 私は、この悪法を糾弾し、撤回を要求して質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(三木武夫君) 内藤君にお答えをいたします。
 峯山議員にもお答えしたように、政府は、現行法や改正法は、この中にあるように合理的な規制をすることは憲法に違反するものではないという考え方でございます。
 また、衆議院の本会議において私がカテゴリーの違いと強調したのは、憲法の言論の自由や表現の自由を侵すというようなものではないと、選挙期間中、号外について選挙の公正確保の点から最小限度の処置を講ずるので、これは憲法に違反するというような性質のものではないということを強調するために使ったものでございます。
 また、ビラの問題についていろいろと効用を説かれました。確かにそういう面もありましょうけれども、また、何億枚というビラが短期間の間に街頭に、各戸に配布されて、非常にやっぱりビラ公害という言葉も起こったことは事実でございます。政党の政策を発表するような手段というものは十分に保障されておるわけでございますから、こういうものを制限したからといって知る権利に対しての束縛になるとは思いません。
 また、参議院の地方区の定数是正につきましては、先ほどお答えしておりますように、この問題は重要な問題でございますから引き続き検討して、次の参議院の選挙までには結論を出したいと考えております。
 また、政治資金を個人献金に限るべきだということでありまして、改正案は企業の献金の奨励法ではないかと。これは最高限というものを、限度を設けたということは、これはしかも会費という制度を認めないんですから、全部寄附になって限度を設けた、また、企業の献金は全部公開主義というものをとったということは、これは相当に厳しいことになりますから、奨励どころか非常に企業献金に対して厳しい規正が加えられるということになると思うのでございます。
 それからまた、政党以外の政治団体に差をつけたということでございますが、やはり、政党以外の政治団体の存在、あるいはまた、それが営む機能を無視することはできませんのでそういうものを認めたわけでございまして、しかも、これはプライバシーという見地からも公開の法的義務はつけませんでした。当該団体の会計担当者の裁量に任せることにいたした次第でございます。お答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げます。
 総理から相当程度お話がございましたので、私は抜けておる点を申し上げるわけでございますが、選挙運動の機関紙の内容は、いろいろ幅広くもできるというようなことを衆議院で言ったじゃないかということを御質問でありますが、私はそのようなことを衆議院で申し上げたことはございません。
 そこで、これは選挙に関する報道、評論を掲載した号外であるかどうかは、その号外の記事全体を総合的に判断して決めるべきものでありますが、たとえば、立候補の状況、選挙に際しての各候補者や政党の政見、公約あるいは選挙戦の模様や見通し等、選挙に関する事項を掲載したものは選挙に関する報道、評論を掲載した号外と考えております。具体的に個々の事例に即して認定せざるを得ませんが、これは選挙管理機関等で従来も認定をいたしておりますし、そうして最終的にはやはり司法当局によらざるを得ないと思います。
 その次に、「政治活動を行う団体」とは何かということでございますが、これも総理からお答えがありましたが、罰則法定主義との関係はどうかということがありますからお答えを申し上げますけれども、そのことは現行法の公選法の二百一条の五以下に言う「政治団体」というのは、解釈上政治資金規正法に言う「政治目的を有するもの」を広く解されていたので、今回の改正案によりまして「政治団体」とは「政治活動を行うことを本来の目的とするもの」、または「政治活動をその主なる活動として組織的かつ継続的に行うもの」と定義されましたので、そこで、従来の政治活動を行っておる団体がその規制の枠外に外れますので、そこでいま言ったような「政治活動を行う団体」というものを入れたのでありまして、現行の法律を拡大したものではございません。しかも、その団体がどういうことをしてはいけないかということについては、たとえばビラを張ったとかあるいは演説会を開いたとかという具体的な個々の例が明示してあるわけであります。
 罪刑法定主義というのは、主体が何であるか、そしてまた行為が何であるか。だれが何をしたならば罪になる、こういうことが罪刑法定主義と考えるのでありまして、その「だれが」はいま申し上げたようにはっきりしております。何をしていけないかということはちゃんと法律を見ていただければ書いてあるのでございますからして、決して罪刑法定主義を無視したものではございません。
 次に、この百九十九条の二の実費弁償の内容等についてお話がございましたが、これはもう常識の範囲内で考えるべきものでありますけれども、そういうような御疑問があれば詳しく申し上げますが、候補者等がする寄附については、きれいな選挙、金のかからない選挙を実現するため、選挙に関すると否とを問わず、禁止することとしました。ただ、政治教育集会に関する実費補償の例外を設けましたのは、候補者が純粋の政治活動としてこれらの集会を開催することは選挙民の政治意識を向上させるためにも望ましいこととわれわれは考えておりまして、これらの集会の参加に要した必要やむを得ない実費相当額を補償することもやむを得ないと考えたからでございます。また、供応接待にわたるようなことがあってはならないことを明らかにいたしておりますと同時に、さらに選挙前の一定の期間及び選挙期間中や選挙区外で開かれる集会においては、これらの実費補償をも全面的に禁止しておるのでございまして、御指摘のように、買収供応の隠れみのになるなどとは毛頭考えておりません。
 それから、少額の寄附をするというと罰則が適用されるではないかということでございますけれども、選挙に関する匿名の寄附は現行法でも禁止されているところでございまして、政治活動の公明と公正を確保するためには、第五次選挙制度審議会の答申にもあるとおり、選挙に関すると否とを問わず、これを禁止の対象とすることが必要であると答申が出ておるのでございます。その趣旨に従って今度の法律をつくったのでございますからして、われわれが恣意に、いわゆる世論を無視してこういう法律をつくったものでないことも御理解を願いたいと思うのでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○副議長(前田佳都男君) 和田春生君。
   〔和田春生君登壇、拍手〕
#27
○和田春生君 公職選挙法と政治資金規正法の改正について、そもそもの動機は、まず第一に、物量戦の様相をとみに強めてまいりました最近の選挙の傾向にかんがみ、選挙に金がかからないようにし、大きな組織や資金力をバックにしなくても、有識の士が候補に立ち、フェアな選挙運動が行われるようにすること。第二には、人口の地域分布が現行公選法制定当時とは著しく変動したため、一票の重みに非常なアンバランスが生じてまいりましたのを是正すること。そして第三には、政治にかかわる金の動きをガラス張りとし、暗い疑惑を払拭するとともに金権政治の弊を断つことにあったはずであります。
 しかるに、政府提出案並びに衆議院修正により本院に送付されました両改正法案は、従来のものに比し一歩前進と評価される点もある程度認められますが、改正の初心が忘れられ、技術的な側面にかかわり過ぎているきらいがあり、まことに残念に思う次第であります。
 そこで私は、民社党を代表し、ただいま議題とされております両法案について、三木総理並びに関係大臣の所信を改めてただしたいと存じます。
 まず、総理にお伺いをいたします。公選法並びに政治資金規正法の改正について、その初心に立ち返り、改正をさらに実りあるものとするため、本院における修正に対し、虚心にかつ誠意を持って応ずる心構えがあるかどうか、基本的な姿勢の問題として明らかにしていただきたいと存じます。
 次に、具体的な法改正の問題につき、以下五点にわたって質問をいたします。
 第一点として、選挙公営をさらに拡大し、何人もできるだけ公平な条件のもとに選挙運動に取り組めるようにすること、そうして理性に訴えるべき選挙の本質をゆがめるような事前及び選挙期間中の物量戦発生の余地をもっと厳しく規制することが必要であると考えられますが、この点は自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 第二点は、選挙公営の悪用と公費の無益な乱費を防ぎ、いかがわしい候補者を制約するために供託の金額をもう一段引き上げる。同時に、得票が不十分であったとしても真摯な立候補者に累を及ぼさないように法定得票数の引き下げを図るのが望ましいと考えますが、自治大臣にお答えをお願いいたします。
 第三点は、議員定数の不均衡の是正についてであります。議員定数のアンバランスが極度にクローズアップされ、世論の強い批判を浴びたのは四年前の参議院議員選挙の地方区においてであります。いま本院に列しておられます市川房枝議員も当時焦点に立ったお一人でありました。次いで四十七年末の総選挙、そして昨年参議院地方区選と、一票の重みの不均衡はますますひどくなってまいりました。にもかかわらず、衆議院議員定数の是正のみにとどめ、参議院地方区の定数是正が見送られようとしているのは、全く片手落ちと言わなければなりません。この点、先ほど来の総理の答弁では、見送るべきまともな理由は何ら見当たらないわけであります。今国会で参議院地方区の定数是正をやるつもりであれば直ちにできることであり、当然実施すべきものと思いますが、総理の所見を重ねてしかと承っておきたいと存じます。
 第四点は、参議院全国区の問題であります。
 総理は、しばしば、参議院全国区制と地方区及び衆議院定数是正をワン・パッケージのものとして扱いたい旨を表明しておられます。しかし、議員定数のアンバランスは、事実に基づく不合理の是正に関する技術的な改正にウエートがある問題であります。全国区制は、選挙の制度そのもののあり方に関する根本問題であって、両者は、その本質を異にしておるわけであります。それをあえて一体のものとして処理しようとするのは、党利党略的なこじつけとしか考えられません。したがって、全国区制は、この際、地方区の定数是正と切り離し、抜本的に再検討を加えていくべき課題と考えますが、総理の意図を確かめたいと思います。
 さらに、総理に対し特にただしておきたいことがあります。
 総理は、参議院全国区の選挙方法について比例代表制を強く主張しておられますが、申すまでもなく、比例代表制とは、政党本位の選挙に移行することを意味しております。ところで、日本国憲法により政党政治を基礎とする議院内閣制は、第一院たる衆議院をその存立の主たる基盤としているわけであります。この衆議院の選挙の方法を政党本位というよりも、むしろ個人選挙の色が濃い現行制度のままとしておいて、衆議院に対するチェックの機能を持つ点で第二院たる性格を備える参議院につきまして、しかも、その中の特殊な存在である全国区の選挙をまずもって政党本位の比例代表制にするというのは、一体どういう意味を持つものでありましょうか。わが国議会制民主主義のもとでは、順逆を取り違えた議論とも考えられますが、総理の本意を明確にお答え願えれば幸いであります。
 第五点は、政治資金規正法についてであります。
 いま審議に供されている改正案は、これまでのざる法に比べれば若干の改善の跡ありとはいえ、まことに不徹底かつわかりにくいものであって、本来の改正意図から見るならば不満足なものと言わなければなりません。実態と立法技術の両面から考えてみまして、まず、政党及び団体等のすべてについて、政治資金収入支出の公開の原則を徹底することにより、政治資金の動きを真にガラス張りとすれば、改正案のごとき、事めんどうな規定を必要としないはずであります。加えて、寄附者のいかんにかかわらず、寄附の制限をさらに強めることとすれば、単純にして明快なものとなり、政治と金に関する国民の不信を解消する上で大いに有益であると存ずるわけであります。特に、政府・与党などの現状から見まして、「個人献金に限る」というような、とうていできそうにもないスローガンをかっこうよく掲げて、その実は、過渡的措置という名目のもとにルーズな規定を設け、しり抜けの余地を残すようなテクニックは、余りほめたものではありません。さしあたっては、できることを確実に行うという趣旨のもとに、寄附の制限強化と、政治と選挙に関する資金の収支すべてを公開とする原則を貫いて、一般国民にもよくわかるようなすっきりした立法とし、その実効を求めていくのが政治の明朗化に役立つものと信じて疑わないわけであります。
 このような立場から、政治資金規正法の改正案について、参議院審議の段階で総体的に見直す意思があるかどうか、総理の所信を最後にお伺いをいたしまして私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(三木武夫君) 和田議員にお答えをいたします。
 修正の問題は国会にお任せをする以外にはないわけですが、せっかく盛り上がっておる選挙、政治粛正の機運を、もし本法案が成立しないということになれば機運をそぐことになりますから、ぜひとも各位の御協力を得て成立さしていただきたいと願う次第でございます。
 参議院の地方区の定数是正は、先ほどから申し上げておりますように、いろいろと与野党の間にも、与党内部の方にもいろいろな意見があって容易に結論を得なかったわけでございますが、重要な問題でございますから、引き続き検討して結論を出したいと思っております。
 全国区のあり方について、これは地方区と切り離すべきではないかというお話でございますが、まあそうも考えられますけれども、しかし、参議院の選挙制度全般として私は関連を持っておると思いますから、これはやはり全体のものとして十分検討して、参議院のあるべき姿、参議院の選挙制度のあり方等も検討して、十分なよい結論を得てもらいたいと願うものでございます。
 全国区の比例代表制、私自身は主張はしていないわけでございます。いま和田議員も御指摘のように、これは二院クラブの方々からも反対であると、参議院のあり方から反対であるという御意見も承っておりまして、しかし一方において、この比例代表制というものは傾聴すべき意見であると賛成する人も多いわけでございますから、将来の課題として、検討の課題であることは事実でございます。
 また、政治資金規正法については、これはやはり大きな、非常に理想的な政治資金規正法をお考えになっておる人には不満足かもしれませんが、一つの限度を設け、公開主義をとったということは、戦後、これだけの改正をやったことはないわけでございます。まあ、これで私も、行き過ぎであるといういろいろな非難を受けながら、ここまで来たわけでございますから、まあ手ぬるいというのと行き過ぎという両方から非難を受けながら、私は自分の初志に向かってこの法案を提出したわけでございまして、今後、これはこれで終わるわけではありませんから、これを第一歩として、完全な政治資金規正法が成立することを希望するものでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇〕
#29
○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げます。
 選挙の公営をもっと拡大してはどうかということでございますが、今度の公営は諸外国に例を見ない程度にまで修正をいたし、拡充をいたしておるところでございまして、また、この選挙公営を拡大して物量戦を規制すべきだという御意見でございますが、今回の改正案においてもその趣旨は盛り込んだつもりでございます。ざらに徹底するということについては、基本的には選挙制度全体のあり方との関連でなお検討をさせていただきたいと考えております。
 それから、供託金の問題にお触れになったかと思うんでありますが、現在の供託金の額は昭和四十四年の改正法で定められたものでありますが、その後経済事情も変わっておるので、選挙の実情を勘案しながら三倍程度に引き上げようとしたものでありますが、現段階でこれをさらに大幅に引き上げることは、立候補の自由との関連等いろいろの問題がありまして、慎重に検討しなければならないと考えております。また、供託物没収点については、真に当選を争う新人の立候補がこれによって抑えられるということはないと考えられますし、今回の改正によって候補者を中心とする選挙公営が著しく拡充されることともなりますので、現行の没収点を引き下げるという考えはございません。
 以上で私の答弁を終わります。(拍手)
#30
○副議長(前田佳都男君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト