くにさくロゴ
1974/06/30 第75回国会 参議院 参議院会議録情報 第075回国会 本会議 第19号
姉妹サイト
 
1974/06/30 第75回国会 参議院

参議院会議録情報 第075回国会 本会議 第19号

#1
第075回国会 本会議 第19号
昭和五十年六月三十日(月曜日)
   午後五時二分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十九号
  昭和五十年六月三十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(中小企業基
  本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭
  和五十年度中小企業施策について)
 第二 国務大臣の報告に関する件(地方財政法
  第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況
  について)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、議長不信任決議案(二宮文造君外四名発
   議)(委員会審査省略要求事件)
 一、商工委員会において審査中の私的独占の禁
  止及び公正取引の確保に関する法律の一部を
  改正する法律案(閣法第六五号)について速
  かに商工委員長の中間報告を求めることの動
  議(桑名義治君外二名提出)をこの際議題と
  することの動議(黒柳明君外三名提出)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○副議長(前田佳都男君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 二宮文造君外四名発議に係る議長不信任決議案は、発議者要求のとおり、委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(前田佳都男君) 御異議ない、と認めます。よって、本案を議題といたします。土屋義彦君外一名から、賛成者を得て、
 本案の議事における趣旨説明、質疑、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#5
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。
 これより発議者の趣旨説明を求めます。鈴木一弘君。
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#6
○鈴木一弘君 私は、発議者を代表いたしまして、ただいま議題となりました参議院議長河野謙三君に対する不信任決議案の趣旨説明を行います。
 まず案文を朗読いたします。
   議長不信任決議
 本院は、議長河野謙三君を信任しない。
 右決議する。
   理由
 一、議長は、第七十五会国会において「公職選挙法一部改正案」「政治資金規制法一部改正案」の審議において、いまだ公職選挙法改正に関する特別委員会において審議が続行、話し合いの中途であるにもかかわらず、昨二十七日のあつせん案を呈示した。しかも議長があつせん案を出すことに対し、我が党はしばしば警告を発して来たにもかかわらず行つたものであり、この行為は議長としてあるまじき委員会審議への過剰介入である。
 二、しかも国民の多くがつよく反対している二法案に対して、多くの疑問点が解明されないまま強行採決への道を開こうとする暴挙は、議長としての中立性をはなはだおかすものであり、議長の中立公正な運営を期待している国民を欺くものである。
 三、しかもあつせん案といいながら他方には申し合わせというように、局面局面を糊塗するやり方は、二法案が議会制民主主義の根幹であるだけに許し難い。
 四、また、国民生活優先の立場から国民が強く成立をのぞんでいる独占禁止法の改正案は五党一致の修正で衆議院より送付されたにもかかわらず、議長は一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ないとして事実上成立に歯止めをかけた。
 五、このような議長の行為は、参議院の民主的改革を叫んで来た当人として、その信条をみずから破るものであり、議長の権威を失墜するものであり、信任できない。
   これが本決議案を提出する理由である。
 以上につきまして、以下具体的に理由を申し上げたいと思います。
 参議院のあり方について、かねてよりその卓見をもって改革の必要性を主張し続けてこられた議長河野謙三君に対して、このように不信任案を出さなければならないということは、まことに遺憾であります。しかしながら、今日の参議院運営の最高責任者たる議長河野謙三君の公職選挙法改正案などの取り扱いについての言動に関する限り、良識の府の議長に相ふさわしい行動とは言えないものであります。
 まず、第一の理由であります議長の委員会審議への過剰介入があったということについて申し上げます。
 議長河野謙三君は、わが参議院の公職選挙法改正に関する特別委員会において、いまなお審議中の公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案に関して、二十七日あっせんに乗り出しあっせん案を提示したのであります。しかもわが党は、議長があっせん案を出すことについてはしばしば警告を発してきたにもかかわらず、これを無視してあえてあっせんに乗り出した行為は、院の秩序を保つべき議長としてあるまじき委員会審議への過剰介入であるからであります。すなわち、今回の公職選挙法の改正案の内容には、選挙法が議会制民主主義の根幹であるにもかかわらず参議院地方区定数の人口実態に即した改正が盛られていないのであります。そのために、公職選挙法改正に関する特別委員会では、昨年十二月、公職選挙法改正等調査小委員会を設け、その定員数の改正について各小委員が鋭意努力を続けてきたのであります。いままでに十数回も開催され審議を続けてきたのであります。しかも六月二十三日に自民党は剱木試案として地方区の定数是正について回答を示したのであります。これは自民党委員案として自民党執行部の了解のもとに試案としての提出があったものであり、いままで全国区地方区一括論を唱えていたものとは違い、地方区のみであり、これならば話し合えるという点で高く評価ができるものであります。剱木試案は六名減、六名増というものでありますが、当小委員会ではこの試案をもとに歩み寄りができるのではないかという空気があったのであります。そうした政治的な状況をも十分にわきまえず、かつまた、二十七日に小委員会は休憩となり、決裂にも至っていないのに、議長河野謙三君は自社両党の調整あっせんの申し入れを受けて、地方区定数と全国区制の改正に関する合意書を調整した。このことは、小委員会が決裂していればまだしも、なお定数について審議継続中であるだけに、議長が不当に小委員会審議を取り上げてしまったものであります。これでは、議長独裁と言うよりほかなく、委員会の存在は何のためにあるのか全くその理由がわからないことになり、この不当介入、過剰介入を是認すれば、今後の委員会審議に悪影響を与えるものであり、この際、過剰介入を許してはならないと思うものであります。
 次に、第二の理由であります議長の中立性を侵したということについて申し上げます。
 すなわち、公職選挙法一部改正案並びに政治資金規正法一部改正案に対する多くの疑問点がいまだ解明されないままに強行採決への道を開こうとする暴挙に対して、わが党は、議長河野君の議長としての中立性を侵すものとして強く批判するものであります。すなわち、議長は、憲法第四十一条に規定された国権の最高機関としての国会において、その秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表するという職務権限を持っているのであります。したがって、その職務の遂行に当たっては、公平、公正、中立を要求され、またそれを保持しなければならないのは当然のことであります。そうでなければ秩序の保持も院の代表としての権威も保てないからであります。
 しかるに、今回の議長河野謙三君の行動は、その中立性を著しく侵すものと言えるのであります。
 去る六月二十七日、自民党、社会党両党の議員会長が議長河野謙三君に会い、地方区定数是正に対して調整の労をとるように要請したのであります。それを受けて河野議長は調整に入ったのであります。わが公明党と共産党の両党が、議長があっせんをすること自体するべきでないとしばしば警告、反対をしてきたのでありますから、五党へのあっせんは不能であるということが当初からわかり切っているのであります。当然、議長の中立性を保つためには、あっせん調整の依頼を断るべきであったはずであります。しかるに、二党反対を承知の上で自、社両党の要請を入れて、無分別にも調整あっせんに乗り出し、自、社、民三党と議長の連署で合意書を作成したのであります。まさに、議院全体の議長と言うより、自分の都合と判断の前には議長職として守るべき中立性を放棄したものと言えるのであります。しかも、あっせんに公明、共産両党が応じなかったことに対し、「反対の立場上呼びかけに応じないのは仕方がない、国会運営は各党の共同責任だ」と述べているのであります。
 この言葉は二つの意味があります。一つは、呼びかけに応じないのを承知で、自、社のなれ合いに加担し、中立性を侵したことをみずから証明したことであります。二つには、国会運営は各党の責任と言いつつ、みずからその言葉を破り、委員会審議への介入という自己矛盾を露呈したことであります。都合のいいときはみずから中立性を破って介入し、都合の悪いときは各党の共同責任とは無責任もはなはだしく、あいた口がふさがらないとしか言えないではありませんか。聞くところによれば、自、社両党は本日選挙二法、一日に酒税、たばこ、郵便料金等の値上げ三法案をそれぞれ委員会で採決、二日の本会議に五法案を一括上程して可決する考えと言われております。(「それはでたらめだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)このような国民が望まない、国民生活に悪影響を及ぼす値上げ法案と党利党略法案である選挙二法を、生活関連重要法案であり、しかも五党一致の独占禁止法改正案を犠牲にして強行可決しようとしているのであります。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)この強行採決の道を大きく開いたのが今回の議長河野謙三君の一連の行動であり、まさに国民の期待していた中立、公平、公正な運営を踏みにじったものであります。
#7
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。
#8
○鈴木一弘君(続) また、去る昭和四十六年、そして四十九年……
#9
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#10
○鈴木一弘君(続) 河野謙三君に議長選挙で一票を投じたわれわれは、中立、公正な運営を心から願い、また行うものと期待し、信じていただけに、今回のこの行動はまさに背信の行為であり、裏切られた思いを禁じ得ないのであります。これが第二の理由であります。
#11
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#12
○鈴木一弘君(続) 第三の理由の、議長は信義、誠実に欠ける言動を弄したということについて申し上げます。
 自民党、社会党にはあっせん案と言いながら、他方には申し合わせと言うように、局面、局面に応じて巧みに言葉を使い分けるなどしたことは、事が議会制民主主義の根幹にかかわる……
#13
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#14
○鈴木一弘君(続) 重要法案に関することであるだけに、まことに許しがたいと言わなければなりません。
 議長河野謙三君は、六月二十三日、三木総理との会談後の記者会見の席上、おおむね次のような話をされたことはまだ記憶に新しいところであります。すなわち、「法案を処理するということは、何も成立を意味するものではなく、継続審議、廃案の場合をも含めて処理することだ」と述べ、また、「公選法、政治資金規正法両改正法案は……
#15
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#16
○鈴木一弘君(続) 党利党略的一面を持っており、議長としてこの問題であっせんをする考えはない」と語っているのであります。しかるに、その舌の根も乾かぬうちに、参議院地方区の定数問題に関するあっせん案なるものを自民党、社会党、民社党に提示したのであります。それが良識をもって鳴る議長河野君の議長たるにふさわしい行動と言えるかどうか、まことに疑わしい限りであります。
 議長河野君は、かねてより、参議院議長の立場についてはきわめて公正無私に努められ、その姿勢は憲政史の上に輝かしい一ページを飾ることができると……
#17
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#18
○鈴木一弘君(続) だれもが期待していたのであります。また、御自身も、議長就任後直ちに党籍を離脱し、その第一歩においてみずからの所信を示されたのであります。
 以来四年、常に超党派の議長の指揮ぶりは定評があったのであります。参議院が良識の府として国民より負託された使命を全うせんとしてきた議長河野君の存在は、いよいよ重きをなしてきたのであります。その同君の豹変ぶりには、ただただ驚くばかりであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)
 あっせん案と申し合わせとの……
#19
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#20
○鈴木一弘君(続) 言葉の使い分けは、今回のあっせん案を見ても明らかであります。
 議長の調整による合意書には、「参院地方区の定数については、人口の動態の著しい変化に基づき、これを是正する要あることを認め、次期参院通常選挙を目途として実施するよう取りはからう。この場合、公選法改正の過去の事例を参照するものとする。
 なお、全国区改正については別途検討する。」とあります。しかし、全国区、地方区が一括なのか……
#21
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#22
○鈴木一弘君(続) 分離したものなのかはっきりしていない。読みようによっては、分離とも一括ともとれるものとなっており、また、地方区是正は、総定数をふやすのかふやさないのか、言いかえれば減員区ができるのかできないのか、実現は本当にするのか、努力すればそれでよいのか、読みようによってはどうにでも受けとれる政治的玉虫色を……
#23
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#24
○鈴木一弘君(続) 呈したしろものであります。したがって、この合意書こそ言葉の使い分けの芸術的作品であり、まやかしの最たるものであります。(拍手)まさに、日本の民主主義の将来を誤らせるものであり、厳しくここに糾弾をするものであります。
 第四の理由の、独占禁止法の一部改正法案の成立を妨げ……
#25
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#26
○鈴木一弘君(続) 国民生活優先を阻止したということについて申し上げます。
 議長河野謙三君は、一党でも慎重審議を求めるというところがあれば慎重審議をせざるを得ないというもっともらしい理由を立てているが、五党一致の修正で衆議院より送付されてきたことを考え合わせるならば、今日にでも成立させるべきが議長としての本道であると言うべきであります。すなわち、昭和四十八年の石油ショック以来のたび重なる物価高騰により……
#27
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#28
○鈴木一弘君(続) 国民生活は著しい圧迫を受け続けてきたのであります。しかも、この増勢は今後とも変わらないと見られております。まず原油価格については、一バーレル当たり一ドルないし二ドルの値上げが予想され、これがもたらす影響ははかり知れないほど大きいと考えざるを得ないのであります。また、本七十五国会が終了すると同時に、これを待って……
#29
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#30
○鈴木一弘君(続) すべての商品の一斉値上げが控えており、それに加えて公共料金の値上げも予想されており、それを受けて国民の中には、当然寡占対策を厳しくせよとの声が満ち満ちており、独禁法改正に対しての国民の期待ははなはだ大きいのであります。公選法は審議を尽くさないままさっと通し、独禁法は慎重審議と称して後回しにするということは国民の期待しないものであり、かつ、各党反対の強いものを優先するということになり、国民がこぞって期待し、かつ、五党が……
#31
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#32
○鈴木一弘君(続) 一致して成立させることができる生活関連法案を抹殺することになると言わざるを得ないのであります。こうした国民生活優先の法案の実現を妨げ、独禁法改正案を……
#33
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#34
○鈴木一弘君(続) 事実上廃案に追い込んだ議長河野謙三君の責任は、国民の要請を踏みにじるものであり、まことに重いと言わざるを得ません。(拍手)
 第五の理由であります、以上のような行為は、参議院の民主的改革を叫んできた御当人として、その信条をみずから破るものであり、議長の権威を失したということについて申し上げます。
 議長河野謙三君は、昭和二十八年衆議院議員より転じ参議院議員になったそのとき以来……
#35
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#36
○鈴木一弘君(続) 参議院の民主的改革を常に主張し続けてこられたのであります。そして、大学立法で国会の内外が大きく揺れ動いていた昭和四十五、六年当時の参議院の内外には、九年もの長きにわたって参議院議長席にあり、王国とまで称された重宗雄三議長に対する厳しい批判が起こっており、その議長の権威もとことん落ちてしまったのであります。議長河野謙三君は、こうした事態を憂い、昭和四十六年七月七日……
#37
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#38
○鈴木一弘君(続) 「選挙を終えて」と題する一文を全参議院議員に送り、その信ずるところを明らかにされ、大変な反響を巻き起こし、続いて昭和四十六年第九回参議院議員選挙直後の特別国会において、ついに長年の主張を実らせるべく議長選に出馬し、当時の参議院自民党有志十数人の擁立を受け、また全野党の支持を受けて、自民党推薦の対立候補をみごとに打ち破り、劇的な当選をいたしたのであります。当時の新聞に「河野新議長と参議院への期待」と題する社説が書かれたほどであります。
 そのときの議長河野謙三君の就任のあいさつにはこのようにあります。
#39
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#40
○鈴木一弘君(続) 「すでに御承知のように、本院については厳しい国民の批判の前に立たされており、私はこの国民の声にこたえて、でき得る限り党派を超えて良識を発揮し、本院の使命を達成せんことをかたく決意するとともに、皆さんの一層の御協力、御理解をいただきたい」、このように述べているのであります。
 しかるに、今回、非常に残念なことは、ここにありますような、党派を超え、良識を発揮してというのを、一党に偏り、参議院の良識をここで踏みにじってしまったことであります。まさに九仭の功を一簣に虧くということであり、百里行くべきところを……
#41
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#42
○鈴木一弘君(続) たとえ九十九里まで行ったとしても目的は達成されないのに、そのまた半分にも満たない二、三十里でもはや改革をあきらめ、良識を壊し、そして本参議院の使命を逆に踏みにじったことは、まさに議長の権威を落とすものであり、院自体の権威をも踏みにじったものであります。
 また、議長河野謙三君は、四十六年の議長就任以来、参議院改革ということで、たびたび改革のための懇談会を持ち……
#43
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、簡単に願います。
#44
○鈴木一弘君(続) その具体化を進推してまいりました。いろいろありましたけれども、その中で実現できたのは、議長、副議長の党籍離脱だけで、しかも、それも今回は議長のみの党籍離脱ということだけが実現を見たわけであります。
#45
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#46
○鈴木一弘君(続) そのほかには何一つ実現を見ていないという実情であります。これでは、本当に改革の熱意があるんだろうか、疑わざるを得ないわけであります。
 しかし、私どもはやはり議長河野謙三君、議長みずから提唱した参議院改革には、何としてもそれを実現したいということで真剣に協力をし、また、同僚議員諸君とともに努力を続けて、したがって、民主的改革を貫こうとするならば、あくまでも委員会にあるうちは委員会の審議に任し、万一それが決裂、あるいは政治的に重大な破滅に陥ったときには議長が整理するのは当然としても、それまでの間は、あくまでも民主的に議事を任せるべきであります。
#47
○副議長(前田佳都男君) 鈴木君、時間が超過しております。簡単に願います。
#48
○鈴木一弘君(続) それを早計に、しかも軽々に過剰介入したことは……
#49
○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。
#50
○鈴木一弘君(続) まさにみずから言い出した改革自体をも踏みにじったものと言えるものであり、まことに情けない次第であります。(拍手)われわれは、ともに参議院の改革を心がけてきただけに、信頼を裏切られたことに対して、その強い強い不満の意を禁じ得ないのであります。
#51
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#52
○鈴木一弘君(続) 河野謙三君は、明治三十四年、神奈川県小田原市に生まれ、そして早稲田大学専門部商科を卒業されたのであります。御承知のように、長兄の故一郎氏は、自民党河野派の総帥であり、長らく保守政治の一方の旗頭として活躍し、数多くの顕職を経られたのであります。
#53
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#54
○鈴木一弘君(続) その弟としての河野謙三君は、大学を卒業後、大手の肥料会社へ就職され、昭和二十四年の衆議院議員選挙で当選され、政界への第一歩を踏み出されたのであります。
#55
○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。
#56
○鈴木一弘君(続) 昭和二十八年、第三回参議院議員選挙で当選をし、以来、昭和四十年から三年間副議長を務め、昭和四十六年には議長に就任されたのであります。私どもは、このような経歴を持ち、人柄もよい河野謙三君が、なぜこのようなことをしたのか、全く理解に苦しむところであります。(拍手)
#57
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#58
○鈴木一弘君(続) しかし、犯したことは犯したことであり、院の権威を守るために議長の不信任案をここに提案をするものであります。
 これが本決議案を提出する理由であります。
 何とぞ速やかに御審議の上、全党一致で御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#59
○副議長(前田佳都男君) 質疑の通告がございます。順次発言を許します。矢追秀彦君。
   〔矢追秀彦君登壇、拍手〕
#60
○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま提案理由説明がありました参議院議長河野謙三君の不信任決議案について、提案者に若干の質問をいたすものであります。
 質問に先立ちまして、私の心境を少し申し述べてみたい。
 思い起こせば、去る四十六年七月十七日、私は同僚黒柳議員とともに、急遽モスクワより予定を変更して駆けつけ、河野議長に一票を投じ、僅少差で河野議長が誕生したのであります。あの時の情景がいまなお鮮明に残っているのであります。就任のあいさつで河野議長は、「本院につきましては、ただいまきびしい国民の批判の前に立たされております。私は、この国民の声にこたえて、でき得る限り党派を越えて良識を発揮し、本院の使命を達成せんことを、かたく決意する」と述べられ、以来、参議院問題懇談会をつくられ、「参議院運営の改革に関する意見書」が出され、参議院改革への意欲を私は高く評価してきたのであります。
 しかしながら、このような形で河野議長の不信任決議案に賛成する立場から質問を行わざるを得ないということは、まことに忍びがたいものがあります。しかし、参議院の改革を提唱している河野議長の犯した過ちは余りにも大きく、議会制民主主義を守り、もって国民の負託にこたえなければならない大義の前にはいかんともしがたく、泣いて馬謖を切るというのが私のただいまの心境であります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、拍手)
 質問の第一は、今国会における公職選挙法の一部改正案並びに政治資金規正法の一部改正案の審議に当たって河野議長の果たした役割りが、本院の議長として適正であったかどうかということであります。
 議長の立場は、本院の議事運営をつかさどる最高責任者であり、その立場は不偏不党でなければならないことは申すまでもありません。したがって、不偏不党の立場に立って、多数党の横暴を戒め、少数意見を尊重し、国会の正常な運営に力を尽くすべきが当然であります。
 ところが、河野議長は、当初、個々の法案の中身には介入しないと言っていたことをほごにし、十分な審議が尽くされていないにもかかわらず、議長があっせん案を示し、これに自民、社会、民社の三党が合意した申し合わせ書なるものをつくり上げ、公選法、政治資金規正法の両改正案の成立を図る策謀をしたことは容認できないことであります。こうした議長のとった措置は、委員会審議への過剰介入であり、議長の行動としては行き過ぎであるとお認めになりますかどうか。しかも、わが党はこのような事態にならぬよう、しばしば警告を発してきたのであります。
 質問の第二は、公選法、政治資金規正法改正案の持つ問題点についてであります。
 公職選挙法については、政治活動自由の立場に立って改善を進め、主権者である国民有権者が、選挙権行使に当たって、政党の政策や過去の活動状況を具体的に知り、あるいは候補者については、政党が責任を持って有権者に示すことが保障されている状態こそ目指す方向であり、戸別訪問を含めて、選挙自由化に向かうべきであります。
 にもかかわらず、公選法改正案は、このような選挙近代化、選挙自由化に逆行し、現行よりも、選挙に関する報道、評論を掲載した機関紙誌の発行、配布の宣伝活動について改悪され、いわゆる号外発行、配布の禁止という言論抑圧、政党活動規制、さらに有権者の知る権利の侵害が露骨に出ているのであります。さらに、修正案では、機関紙誌類にかわって個人ビラ二種を認めることで有権者の知る権利を保障したとのことでありますが、政党機関紙誌類といわゆる個人ビラとは異質のものであり、いわば候補者活動の新設ということであり、これをもって政党の政策宣伝活動自体に代替するべきものではありません。
 また、政治資金規正法改正案については、企業献金の廃止を見送るばかりでなく、企業献金の最高限度額を一億五千万に決めているのであります。これまで年間一億五千万円もの多額な献金をしている企業がないことからすれば、改正案は企業献金奨励法とも言うべきもので、国民世論に大きく逆行しているのであります。提案者は、この両改正案について、ただいま指摘した点についていかにお考えかお伺いしたい。(拍手)
 さらに、地方区定数是正の申し合わせ書の内容について、定数増なのか、定数減を含む定数是正なのか全く不明確であり、昨日のNHKの国会討論会においても、自民党、社会党両党の代表の意見は全く食い違っております。このような、どちらにも読める、いわゆる玉虫色なる申し合わせ書は全く無意味であると思うが、考え方をお伺いしたい。
 また、全国区についてもワンパッケージなのかどうかについても不明瞭であるが、この点も重ねてお伺いしたい。
 質問の第三は、第一の質問にも関連しますが、こうした多くの問題点を含んでいる両改正案の委員会審議は、いまだ時間的にも内容的にも不十分であります。しかも、参議院の定数是正については、公選法特別委員会小委員会においてまだ話し合いの段階であり、決して決裂状態にまで至っていないのであります。にもかかわらず、自、社、民、なれ合いによる両改正案成立へ手をかし、強行採決への道を開こうとする暴挙は、全く議長の中立性を侵すものであり、容認しがたいのであります。
 さらに、過去における筑波大学法、防衛二法、人材確保法に見られれごとく、委員会強行採決、そして審議中断、その後議長からの働きかけで法律的には有効、政治的には問題ありとして本会議で補足質問、そして成立という新たな強行採決のパターンが定着しつつあったと思います。
 このような前例を思うとき、今回の議長の措置は中立性を欠き、少数意見を尊重せず、一方に加担し、強行採決への道を開こうとする意図があったと考えるのでありますが、提案者の御意見を伺いたいのであります。
 質問の第四は、議案審査の優先順序についてであります。参議院に送付された重要法案と言われるものについては、まず第一に送付されたのが酒、たばこ値上げ法案、次いで郵便料金値上げ法案、そして公職選挙法及び政治資金規正法改正案、その次に独占禁止法改正案であります。しかし、最後に来たとはいえ、独占禁止法改正案については全党一致であります。それなのに議長は、これについては、一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ないとして事実上成立に歯どめをかける行動をしたのであります。他方においては、このように一党でも慎重審議をする党があればじっくりやろうと言いながら、公選法改正案については強い反対があり、しかも審議時間がいまだ二十時間余しか経過していないにもかかわらず、これを最優先にして成立を図ろうとしたことは、議長として非常に片手落ちであります。
 さらに、この法案の強行採決への意図は、酒たばこ、郵便値上げ法案の強行採決にも道を開くものと考えるが、この点についてのお考えも伺いたい。
 そして、参議院審議は、やはり法案送付の順序と各党の意見の一致の度合いとを勘案して審議、成立を図るべきであると思うがどうか、お答えいただきたい。
 われわれは、最初にも述べたように、議長のいままでの参議院の民主的改革への意欲については敬意を払い、それに対し、われわれもわれわれなりに協力体制をとってまいりました。しかし、これまでどれだけのことが具体的に進んできたかははなはだ疑問であります。参議院問題懇談会からの参議院の運営に関する意見書には四つの基本方針と具体的な案が出されていますが、これがどこまでやられたか、その評価について具体的に御答弁願いたい。
 以上をもって質問を終わります。(拍手)
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#61
○鈴木一弘君 矢追秀彦君にお答えを申し上げます。
 御質問の第一の、本院の議長としてその行動が適正であったかどうか、こういう御質問でございますが、提案理由でも申し述べましたように、今回の議長の行動につきましては、全く議長本来の責務をはなはだしく踏みにじるものと言わざるを得ないと思っております。すなわち、去る二十七日に出された議長のあっせん案なるものは、その時期においても、またそのあり方についても、議長の過剰介入ととる以外にないと思うわけでございます。
 まず、時期については、公職選挙法特別委員会においては順調に審議が行われてまいりました。そして、質疑が十分に尽くされていない。現在までに二十時間程度を経過したのみであります。また、地方区の定数是正についての話し合いをしている公職選挙法特別委員会の小委員会におきましても、野党の一致した案に対して剱木試案が自民党から出され、これに対し、これから話をしようとしているそのやさきに議長はあっせん案を提示したわけでございます。このあっせん案に自民、社会、民社の三党が同調され、申し合わせ書なるものをつくり、これによって公職選挙法改正案を強硬に成立させようという暴挙に出てきたわけであります。このように、強行採決への道を開こうとする意図のあるこの議長のあっせん案なるものをこの段階で示すということは、やはり議長の過剰介入であり、議長の権限をはなはだしく逸脱したものと、このように思うわけでございます。このようなことはとうていわれわれとして承服できないものであり、したがいまして、ここに議長河野謙三君に対する不信任決議案を提出するに至ったわけでございます。
 しかも、その前に、こういう事態が起こらないようにということで、しばしば介入をしないようにと、何度も何度も警告を発してきたのにこのようになりましたことは非常に遺憾であり、警告をしてきたことも事実でございます。
 質問の第二番目の、公職選挙法並びに政治資金規正法の改正についての問題点についての御質問でございますが、質問者である矢追秀彦君がお述べのとおり、この公職選挙法は、政党活動の自由を圧迫し、また国民の知る権利、表現の自由、それを奪う全くの悪法であると言わざるを得ません。しかも、修正案で個人ビラが認められたといたしましても、政党機関紙とは違うものであり、しかも、その個人ビラが、たとえば全戸配布されるほどの部数でもない配布のあり方も公正を欠くし、こういうような内容のものであるならば、この個人ビラは何の意味もないものと言わざるを得ませんし、このようなものがつけ加えられた修正案といえども、私どもはこれは賛成はできない、反対の立場をとるのが当然だと思います。
 また、政治資金についても、企業献金の禁止ではなく、むしろ奨励になっていることは全く矢迫君の御指摘のとおりでございまして、事実はそのとおりでございます。
 また、地方区の定数是正については、申し合わせ書の内容で見る限り、定数の範囲ははなはだ不明瞭であります。全体の定数増とも受け取れますし、また総枠を変えないで、そうして増減を図るといういわゆる剱木試案でもよいともとれる、こういうような、どちらともとれる申し合わせ書を取り決めた議長及び自民、社会、民社三党の真意を私どもは本当にはかりかねております。
 NHK討論会のことに触れておられましたが、私もその席には出席しておりましたが、自、社両党の解釈は確かにはなはだ食い違っておりました。結局、この申し合わせ書は玉虫色ということになると思います。そういう政治的解決の、本当に国民サイドに立ったものではないということは実にはっきりいたしております。
 全国区についても、矢追君の考え方に同調せざるを得ない不明確なものとはっきり申し上げられると思います。
 また、御質問の第三番目でございました、例の議長の過剰介入と一緒に中立性を侵す点についてどうかというお尋ねでございますが、これについても全く同感でございます。議長河野謙三君が就任後、重宗前議長やそれ以前の参議院におけるあのいまわしいオール・オア・ナッシング的な強行採決は確かに姿を消しました。最後はたしか大学立法のときであったと思います。一言の発言も野党がしないうちに、委員会においても本会議においても強行突破をしたときのあのむなしい気持ちは、いまもって私は忘れることができません。そういった強行採決は、河野謙三君が議長に就任以来姿を消したことは一応評価をされますが、だからといって、強行採決が全く姿を消してしまったと言うのは、御指摘のとおりにオーバーな評価でございまして、筑波大学法であるとか、防衛二法、人材確保法のときのように、委員会で強行採決をさせておいて、一応議長がそれを取り上げ、本会議で補足質問をするという新たな強行採決への道をつくったというその御指摘は、全くそのとおりであります。まだまだ話し合いの余地はあるはずでありますのに、一方において強行採決へのパターンを定着化され、今回もこれをねらったのが真意ではないか、このように思えてならないのであります。しかも、後に付託され、反対のあるものを先に強行に成立させてしまおうという実にけしからぬことでございますし、そして、少数意見を葬ってしまうということは、御指摘のとおり、まさに中立、公正を欠くものと断定せざるを得ないわけでございます。
 それとともに、次の御質問でございます独占禁止法との関係を思いますと、特にそれが言えるわけでございます。言うまでもなく、独占禁止法改正案は全党一致で送付されてまいりました。これについて議長は、不思議にも、一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ない、このように申して、事実上成立に歯どめをかけた、このように申してもよろしいと思います。全党一致の法案については、それを促進させない、成立も阻もうとする。五党のうち二党が反対をし、しかも審議が尽くされていない段階で、矢追さんのおっしゃるとおり、公選法の強行採決を許そうとする。全くこの二つを比べてみると、中立、公正を欠いている扱いで、その議長の立場を侵害したとはっきり言えると思います。
 また、お尋ねのございました法案審議の順序の問題でありますが、全く同感であります。酒、たばこ、郵便料金値上げ法案、そうして公職選挙法案、独占禁止法改正案というように、その順序で送付されてまいりました。それにもかかわらず公職選挙法案、政治資金規正法案を強行成立させようという全く参議院の良識を無視した暴挙というわけであります。ですからこそ、私どもは先ほどのように議長不信任案を提出したのであります。
 最後の質問でございました民主的改革の点についてでありますが、私自身も民主的改革の意欲には敬意を払ってまいりました。しかしながら、参議院改革に対する前進はまだまだ実現しておりません。たとえば議長、副議長の党籍離脱が四十六年においては実現をいたしましたが、昨四十九年においては、ここにおられる副議長は、残念ながら自民党の党籍の離脱が行われておりません。これも逆行であります。議長、副議長党籍離脱も中途半端に終わっているのであります。また、自由討議制が取り入れられる点には少しの前進と思われたのでありますが、まだ自由討議が行われている委員会もごくわずかでございますし、これでは本当にまだまだ改革はと言わざるを得ない状況であります。また、審議日数の確保についても、一応は守られつつありますけれども、不十分でございます。その他、予算委員会における質疑者の一巡方式など、重要な改革の多くの点については依然として実現をいたしておりません。このように参議院改革は、提唱された議長の意欲は認められるのでありますが、現実は一歩も進んでいない。これははやり議長としてのリーダーシップの欠如と、こう言わざるを得ない、断定せざるを得ない、このように思うものでございます。
 以上、諸点についてお答えを申し上げたわけでございますが、何とぞ先ほどの不信任案の成立を心からお願いを申し上げる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#62
○副議長(前田佳都男君) 塚田大願君。
   〔塚田大願君登壇、拍手〕
#63
○塚田大願君 ただいま提案されました議長河野謙三君に対する不信任決議案に対しまして、私は日本共産党を代表して、以下五点について質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、議長河野謙三君は、本院公職選挙法改正に関する特別委員会における公職選挙法一部改正案、政治資金規正法一部改正案が審議され、その審議を通じて、両改正案の反動的本質がますます明らかになりつつあり、また、同委員会小委員会においては、参議院地方区定数是正問題の協議が各党の合意のもとで継続中であるにもかかわらず、去る二十七日、突如としてみずから定数是正問題のあっせんと称して、わが党と公明党の再三の申し入れを無視しながら、同委員会小委員会の審議と運営に対して不当な介入を行ったのであります。これは、院の公正な運営に責任を負うべき議長の職務を著しく逸脱した重大な越権行為であると思うのでありますが、この点につきまして提案者の御所見をお伺いしたいのでございます。
 第二に、議長河野謙三君の行動は、院の公正な運営に責任を負うべき議長の責務を著しく逸脱したものであるばかりでなく、同時に、このあっせん案自体、公選法特別委員会の審議に介入し、両法案の強行成立に手をかすものであったことは、同あっせん案の提示後の同委員会理事会の運営に端的に示されていると思うのであります。同委員会の中西委員長は、異常とも言うべき深夜の午後十一時四十五分に理事会を招集し、「翌二十八日の公聴会終了後委員会を開会し、総理に対する質問を行う」ことを一方的に宣言し、各党理事の発言を全く無視して、わずか十秒間で散会するという暴挙に出たのであります。との一事をもってしても、いわゆる良識、理性の府と言われる参議院の運営がいかに乱暴に踏みにじられているかが明瞭であると思うのであります。しかも、同改正法案は、外国にも例を見ないものであり、かつ、田中内閣さえもできなかったような反動的な言論弾圧法であります。同時に、この改正法案がいかにずさんなものであったかは、過ぐる本院の予算委員会におけるわが党の上田議員の質問に対して、選一挙に関する報道、評論を載せた機関紙号外の範囲の問題では、三木総理、福田自治大臣、自治省当局がそれぞれ三者三様の見解を述べ、追及された後に、ようやく政府の統一見解なるものを出したのであります。しかし、今度はその統一見解に対する統一解釈なるものを出さなければならないというていたらくでありました。とどのつまり、この法律の違反認定は警察任せという驚くべきファッショ的実体が明らかにされたのであります。したがって、このような民主主義をじゅうりんする反動的法案の成立に手をかすということは、中立、公正を旨とすべき議長の職務を著しく逸脱したものと言わざるを得ないのでありますが、この点についての提案者の御所見を伺いたいのであります。(拍手)
 第三に、議長河野謙三君は、当初、みずから両改正案に対して「党利党略のにおいがする」と評しておきながら、後になってはその成立に協力したというのでございますけれども、このことは言行不一致もはなはだしいと言わなければなりません。そもそも「党利党略のにおい」とは何を指したのでありましょうか。今日の事態から見るならば、これは明らかに「自社共闘のにおい」と言うべきでありましょう。
 議長河野謙三君は、議長の立場からこれを十分に知りながらあえてこれに協力したのであります。このことは、単に言行不一致というだけではなく、みずからが党利党略に加担したことを意味するのであります。このことは、公正、中立であるべき議長の行為としては全く許すべからざる背信行為と言わなければなりません。
 さらに、あるときは「あっせん案」と称し、あるときは「申し合わせ」などと言を左右にすることは、院と国民に対する重大な侮辱であると考えるのであります。公正、中立であるべき議長のとるべき態度でないことは明らかでございますが、この点につきまして、提案者の御所見を伺いたいのであります。
 第四は、選挙二法の場合には、野党第二党の公明党、野党第三党の日本共産党が反対していることを重々知りながら、あえてこれを無視してあっせん案なるものを示し、他方、独禁法改正案の場合には、衆議院において全会一致で通過し本院に送付されてきているにもかかわらず、この独禁法改正案の審議、成立に関しては、「一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議せざるを得ない」として、事実上自由民主党の同法案阻止の陰謀に手をかしているのであります。本来、これは全く逆でなければなりません。なぜならば、独禁法の場合は、国民の切実な生活防衛の要求に基づくものであり、したがって、改正案が目標に比べて……
#64
○副議長(前田佳都男君) 塚田君、時間が超過しております。簡単に願います。
#65
○塚田大願君(続) なお不十分なものであっても、なおかつ成立させることが妥当なものとして、衆議院では全会一致で通過したのであります。したがって、参議院においても可及的速やかに成立させるべき義務を負った法案であると考えます。これに反して選挙二法は、単なる重要法案というだけでなく、日本の議会制民主主義の土俵づくりであり、ルールづくりの問題であります。したがって、政党はもちろんのこと、中央、地方の公聴会も……
#66
○副議長(前田佳都男君) 塚田君、時間が超過しております。簡単に願います。
#67
○塚田大願君(続) わかってます。
 公聴会も十分に開き、国民の意見をよく聞いた上でやっていくというのが当然ではありませんか。そのためにこそ十分な日時をかけ、慎重にも慎重な審議が必要であると考えます。しかるに、議長河野謙三君は、みずから議長の公正と中立性を侵しながら、特定の党、会派に偏した党利党略の立場に立ったと断ぜざるを得ないのでございますが、この点について提案者の御所見を承りたいのであります。
 最後に……
#68
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#69
○塚田大願君(続) 河野謙三君は議長就任以来、参議院の改革なるものを提唱し、審議の充実、小会派の意見の尊重、国民の信頼の確保などと公約してまいりましたが、今回の行動はまさにこれに逆行するものであり、真の議会政治家の態度でないと考えます。したがって、河野謙三君は議長の職にふさわしいと言えないと考えるのでありますが、この点についての御所見を伺いたいのであります。
 以上五点につきまして、提案者鈴木一弘君の率直にして明快なる御答弁を切にお願いいたしまして私の質問を終わります。(拍手)
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#70
○鈴木一弘君 塚田大願君にお答え申し上げます。
 慎重で適切、明確なというお話がございましたんですが、そのような答弁になれるかどうか心配しながらでありますが、申し上げたいと思います。
 まず最初の御質問は、議長河野謙三君のあっせん案は公職選挙法改正特別委員会、同小委員会の審議と運営に対する不当な介入であり、越権行為であると思うがどうかという御質問でございますが、さきに、先ほどの提案理由でも申し述べましたように、今回のこのあっせん案なるものは、全く御指摘のとおり、不当な介入であり、越権行為であると思うわけでございます。
 その理由は、公職選挙法の質疑はまだ十分に行われていなかったということでありますし、定数是正についても話し合いの最中であったわけでございます。このような段階で、自民党、社会党、民社党、三党の協力を得て河野議長がこういうあっせん案なる申し合わせをつくったことははなはだ行き過ぎである、こう思わないわけにはいかないと思います。
 そもそも議長があっせんをする場合というのは、対立が現場において決裂をいたしまして、どうしようも収拾の方法がなくなってから、議長の権威と院の秩序を保持する立場から乗り出していくのは当然でありますが、まだまだ会期末まで日数もあり、しかもまだ委員会においては順調に質疑が続けられておりました。さらに、小委員会においても定数是正について話し合いがまだまとまる可能性も残されていた。そういう状況でございましたのにもかかわらず、このような暴挙に出たことは、全くもって質疑者の言われたとおりである、このように思うわけであります。
 二番目の御質問の、議長河野謙三君のあっせん案によって公職選挙法改正特別委員会、同小委員会の審議に介入し、結果的に両法案の強行成立に手をかしたものである、このことは中立、公正を旨とするべき議長の責務を著しく逸脱するものであると思うがどうかと、この御質問でございますが、これにつきましても、質疑者のおっしゃるとおり中立、公正を欠いていると思います。要するに、公職選挙法改正案の成立に手をかしたことは全く事実であります。
 先ほども申し述べましたように、自民党、社会党両党の議員会長から河野謙三議長に対して調整の申し出が行われた。それに対して、公明党、また貴党の両党が強く強く介入するべきではないと反対をしていたわけでございますから、当然あっせんは成立をしないわけであります。しかも、委員会で審議をやっている。それを介入したということは自社のなれ合いに入ったものでございまして、間違いなく公正、中立を欠いたものと、このように思うわけでございます。
 いま一つは、おっしゃるとおりに、法案が送られてきた順序から言いましても、酒、たばこの値上げ法案、郵便料金値上げ法案、そして公職選挙法改正案、政治資金規正法改正案、独占禁止法改正案、この順序であります。そのうち、この五つの法案を見てみますと、独占禁止法については全党一致でございます。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)他の三法案については賛成、反対が対立をしている。そういうことになりますと、法案送付の順序からいっても、また各党対立の状況からいっても、公職選挙法が先に成立するということは非常におかしなことでございます。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)しかも、まだ二十時間程度の質疑しか終わっていない。まだまだ会期末まであと何回か委員会がある。それにかかわらず、これを一昨日の土曜日に強行に総理を呼んで採決をしようとする、このような段取りが公職選挙法特別委員長の手によって先ほど御指摘のとおりに行われてきております。これは議長のあっせん案を契機に出てきたことでございますから、これでは両法案の成立に手をかしたということになるわけでございます。貴党の決議案の提案理由にもあるように、成立強行に道を開いたものであり、許しがたいものである。まあ当然でございますし、先ほど塚田さんが御指摘になりましたビラ規制の統一見解、それに対する統一解釈を出したといういいかげんなもの、しかも、政令を出すと言いながらいまだに出ておりません。こういうことの成立に手をかすということは、実に中立、公正を打ち破ったものと、このように言わざるを得ないと思うわけでございます。(拍手)
 第三番目の御質問は、議長河野謙三君は、当初みずから公職選挙法、政治資金規正法の両改正法案に対して、「党利党略のにおいがする」と話しておきながら、最後にその成立に協力したことは言行不一致もはなはだしい、また、あるときは「あっせん案」と言い、あるときは「申し合わせ」などと言を左右することは、院と国民を侮辱するものであると思うがどうかと、まあこういう御質問でございました。
 この言行不一致であるという点、この点は質疑者のおっしゃるとおりであると、このように思います。わが党には、あっせん案かと聞いたら、そうでないと答えました。さらに、合意書というか、あっせん申し合わせ書といいますか、あの内容についても全国区、地方区が分割なのか、一括なのか、分離しているか一括なのか。定員は増があるのかないのか、減もあるのか。定数はふやすのか、ふえないのか。時期は果たして通常選挙までに完全にできるのか、それとも努力しさえすればできなくてもいいのか、全くわからない玉虫色というような内容でございます。まさに御指摘のとおりに、あっせん案自体も非常におかしなものでございますし、さらに御指摘のとおり、両法案は「党利党略のにおいがする」と言われたことはまさにそのとおりでございます。先ほどもお答え申し上げましたように、自、社両党に力をかしたという点では、党利党略に手を入れたということで間違いはございません。この点については、質疑者の御意見に賛成でございます。まさに院と国民を侮辱したものである、これは間違いないことだと思います。
 次の、第四番目の御質問は、公職選挙法改正案の場合は、公明、共産の有力な二党が反対していることを知りながら、あえてこれを無視してあっせん案を出しながら、他方、独占禁止法改正案の場合には、一党でも反対であれば成立は無理だなどと発言し、自由民主党の同法案阻止の陰謀に手をかしていることは、議長みずからが特定の党、会派に偏して、党利党略の立場に立つものであると思うがどうかという御質問でございますが、確かにそのとおりであると言わざるを得ません。独占禁止法は、先ほども申し上げましたように、全党一致でございます。国民の立場から見れば、このインフレ、狂乱物価に悩む国民にとっては非常に重要な法律案であり、いままでの独占禁止法から見れば一歩前進であると評価し、衆議院において修正案に同調し、こちらに参ったものであります。ですから、この法案の審議を促進し、成立を図るべきであるにもかかわらず、これについては一党でも反対があれば成立は無理、慎重審議を要求する党が一つでもあれば慎重審議をせざるを得ない、こう言っております。独占禁止法は通さない、公職選挙法改正案については反対が強くても通す、全党一致のところは成立を延ばす、反対があるところについては反対を押し切っても通す、こういうやり方は、全く片手落ちであるどころか議会制民主主義の破壊であり、議長の政治的横暴、越権行為である、このように全くそのとおりだと思います。(拍手)全く特定の党に偏った、不偏不党という立場を捨てたものであると、このように思う次第でございます。
 最後の御質問は、議長河野謙三君は議長就任以来参議院の改革なるものを提唱し、審議の充実、少数会派の意見尊重、国民の信頼の確保などと公約しておりながら、今回の行為はこれと逆行するものであり、真の議会政治家の態度ではないと思うがどうかと、こういう御質問でございます。
 この参議院改革については、先ほどもお答え申し上げましたように、就任以来の意欲は認め、また高く評価もいたしますが、問題は意欲だけでは片づかないわけでございまして、現実においてはまだまだ実現をされておりませんし、その提唱をしていた議長が今回このような暴挙に出られたということについてはなはだ迷惑をし、また、われわれの期待と信頼を裏切っていると言わざるを得ないと思います。審議の充実と言いながら、小委員会、公職選挙法特別委員会に不当に介入して充実をやめさせる、少数会派の意見の尊重と言いながら、それを踏みにじって押しつぶして自社なれ合いに入る。国民の信頼の確保と言いながら、このような事態を招いて信頼を裏切る。まさに議会政治家のあるべき姿ではないと、私どもは心からそう思いまして、今回不信任案を提出した次第でございますので、どうか塚田君におきましても御了解をいただきたい、このように思う次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#71
○副議長(前田佳都男君) 土屋義彦君外一名から、成規の賛成者を得て、
 質疑終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#72
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。
     ―――――・―――――
#73
○副議長(前田佳都男君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。増原恵吉君。
   〔増原恵吉君登壇、拍手〕
#74
○増原恵吉君 ただいま議題となりました議長河野謙三君に対する不信任決議案に対し、私は自由民主党を代表して反対の討論を行うものであります。(拍手)
 不信任案の理由の第一は、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の審議の過程において、去る六月二十七日議長があっせん案を提示したことは本委員会審議への過剰介入であるというのでありますが、私は、この見解は、議長の真意を誤解した当を得ないものであると考えます。
 本院では、会期末を控え衆議院より送付せられた酒、ただこの値上げ法案ほかについてすでに五十六日間、郵便法の一部を改正する法律案については五十四日間、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案については二十六日にわたって審議が行われたにもかかわらず、いまだに審議終了を見ていないところであります。
 なお、これら法案のほか、衆議院より送付せられた法案は、本院において十九件を残しておるところであります。
 参議院議長が、これらの事情について重大な関心を寄せられることは当然のことであろうと存じます。したがって、議長は六月二十六日、各党に対し審議の促進を要請せられ、安井自由民主党議員会長は、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案について、社会党、公明党、共産党、民社党の各最高責任者と個別に会談し、それぞれ審議の促進について協議を重ねたのでありまするが、事態は一向に進展せず、議長はさらに各党の最高責任者に対し、相互の折衝により局面の打開を図るよう要請されたのでありますが、これまた不調に終わったのであります。
 ここにおいて、六月二十七日、議長は国会の円滑な運営のため、やむなく仲介の労をとられたのであります。しかるに、そのゆえをもって不信任案を提出されたことは、議長としてはまことに心外のことであろうと存ずるところであります。私どもは、むしろ議長のあっせんの労を多とするものであります。(拍手)
 不信任案の理由の第二は、選挙関係二法案に対してなお多くの疑問点が解明されていない時点において、強行採決への道を開こうとする暴挙であるとされているのでありますが、議長は就任以来一貫して、強行採決、審議引き延ばし等の異例なる審議を改善して正常なる運営を図るため、熱意と誠意をもって各党の協力を求めてこられたことは衆目の一致するところであり、強行採決への道を開こうとするがごとき意図があるとは、とうてい考えられないところであります。
 理由の第三は、一方では「あっせん案」と言いながら他方では「申し合わせ」という、局面を糊塗するやり方であるということでありますが、すでに申し述べたとおり、議長にはそのようなこそくな態度は一切なく、ひたすら国会の円満な運営のために努力をしてこられたところでありまして、このような批判は議長の真意をことさら歪曲するものと考えられるところであります。
 理由の第四は、独占禁止法の改正案が衆議院より五党一致の修正で参議院に送付されたにもかかわらず、議長は一党でも求めるものがあれば慎重審議をせざるを得ないとして本案に歯どめをかけたとせられておりまするが、議長はかねがね各党の賛成を得て、重要法案については本院において二十日間以上の審議日数が必要である旨、衆議院に対して強く要請されてまいったことは御承知のとおりであります。独占禁止法の改正案は、去る六月二十四日本院に送付せられ、会期末までの日数十一日間であります。本法案は経済憲法とも言われるように、経済の基本に関する重要な法案でありますので、慎重審議を尽くすことは本院当然の使命であり、議長がこのような考えを持つことは至極当然のことと思うのであります。成立に歯どめをかけたと言われることは、議長の真意に対するはなはだしい誤解と考えるものであります。
 以上、私は議長河野謙三君に対する不信任決議案に対し反対の態度を明らかにいたし、討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#75
○副議長(前田佳都男君) 原田立君。
   〔原田立君登壇、拍手〕
#76
○原田立君 私は、公明党を代表して、ただいま提案になりました議長河野謙三君の不信任案に対して賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 昭和四十六年七月十七日未明、三日間にわたって空転していた参議院議長の座は、憲政史上まれに見る劇的な結末となったことは、いまだ記憶に新たなことであります。
 河野議長の誕生は、参議院の独自性、自主性を発揮させるという良識の府としての期待を担ったものでありました。
 議長は、国会、参議院の権威の象徴であり、国会の権威は国民の主権に由来するものであります。したがって、議長、副議長は、政党の代表ではなく、国民の代表であるとの認識のもとに、議会運営に当たっては不偏不党、厳正公平な立場で臨まねばならないのであります。それによってこそ議長としての権威が保たれ、同時に国民の期待を得ることができるのであります。
 しかるに、本院で審議されております公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案は、議会制民主主義の根幹にかかわる重要な問題であります。
 政治が国民の信頼を回復し、かつ、その基礎の上に行われるためには、政党の健全な発展と政策本位の選挙が実現されなくてはなりません。そのためには、国民に対して政党の政策を十分理解する機会を保障するとともに、いやしくも金権によって国民的意思の形成をゆがめるようなことがあっては絶対にならないのであります。いまこそ金権政治、腐敗選挙をめぐる国民の批判にこたえ、公正な国民意思の形成を図る制度を確立することが目下の急務とされるのであります。
 公職選挙法第一条には、選挙が「公明且つ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的」としているのであります。この目的とする公正かつ適正な選挙ということは、最近における選挙の実情とそぐわないことは明らかであります。
 今回の改正法は、衆議院の総定数を十一選挙区で二十人ふやすことだけで、参議院地方区の定数是正は行われないのであります。参議院地方区は、衆議院より定数不均衡が著しく、早期解消を図らねばならない問題であり、憲法第十四条のすべての国民は法のもとに平等という、その精神を尊重するならば、参議院地方区の定数是正を実施すべきであります。(拍手)
 次に、選挙の公営化についてでありますが、公営化といっても、そのお金はすべて国民の税金から支出されるのであり、どうしても公営化にしなければ選挙の公平が保たれない場合にのみ公営にすべきであります。
 また、機関紙誌の号外等に関しては、最も大きな問題を含んでいるのであります。今回の改正においては、「選挙の公正確保」の美名のもとに、本来自由であるべき政治活動を党利党略的な意図から規制しようとする以外の何ものでもありません。国民に正確な政治の実情を報告し、行おうとする政策を国民に知らせることは政党の義務であり、その手段となるのが機関紙であり、機関紙号外であります。この政党の重要な政治活動の一つである機関紙の号外を一方的に選挙運動ときめつけ、規制したことは、政治活動の自由を侵し、国民の自由な政治意思形成を妨げようとする暴挙と言わざるを得ないのであります。(拍手)選挙を明るくするためには、選挙運動の自由化が拡大されなければならないのであります。戸別訪問も一定の基準を定めて自由化し、選挙を対話の場として生き生きしたものにすべきであります。これこそ国民的立場から自由な政治的意思の形成を保障するという、民主国家としての基本姿勢でなければなりません。
 また、政治が金で動かされてはならないという国民の世論にこたえるには、企業からの政治献金を廃止し、個人献金のみとした政治資金規正法の改正こそ、国民の政治不信を回復する根本的な条件であります。(拍手)今回の改正案では、政治資金が規制されるどころか、ますます奨励されることになり、金権政治、金権選挙に対する歯どめが全くなくなっていると言っても過言ではありません。企業献金は、派閥などの分を含めて最高一億五千万円まで可能となっております。これでは、制限どころか、企業献金を奨励し、企業献金依存の金権的体質を一層強めていくことは明らかであります。
 このように、言論の自由と憲法の精神を否定する公職選挙法の一部を改正する法律案及び企業献金の全廃等を明確にしない政治資金規正法の一部を改正する法律案が、いまだ多くの疑問点が解明されていないのであります。
 また、参議院地方区の定数是正についても、公職選挙法改正に関する特別委員会の小委員会で順調な審議が続いているにもかかわらず、自民、社会両党からの調停申し入れに対し、両党にくみしたあっせんを行ったことは、議長河野君の審議に対する過剰介入であり、軽率、無節操、無定見、無見識の行動であります。(拍手)しかも従来、議長河野君は、「党利党略の争いになるのが当然である公選法改正案に介入するわけにいかない」と主張していた言動に全く反するもので、中立性をはなはだ侵すものであり、議長の中立、公正な運営を期待している国民を全く欺くものであります。しかも、「あっせん案」と言いながら、わが党に対しては「申し合わせ」と言うように、局面、局面を糊塗するやり方は、二法案が議会制民主主義の根幹であるだけに断じて許しがたいのであります。
 また、国民生活優先の立場から国民が強く成立を望んでいる独占禁止法の改正案は、五党一致の修正で衆議院より送付されたにもかかわらず、議長河野君は、「一党でも慎重審議を求めるところがあれば慎重審議をせざるを得ない」として、事実上歯どめをかけているのであります。その上、最終的には国民生活を破綻に追い込む酒、たばこ、郵便料金等の公共料金値上げ法案を自民、社会両党のなれ合いのもとに成立させるのではないかとも言われているのでありました。このような道を開いた議長河野君の暴挙は、まさに議長としての議会運営に当たっての不偏不党、厳正公平な立場を逸脱した策謀にすぎないのであります。参議院の民主的改革を叫んできた当人が、みずからその信条を破るという背信行為を断じて断じて許すことはできないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)議長の権威を失墜せしめ、憲政史上に一大汚点を印した以上、いまとるべき道は、ただ潔く参議院議長の席を退席することであり、それでこそ国民へのせめてもの償いであろうと判断されるのであります。したがいまして、議長河野謙三君の不信任決議案に対し、心より心より賛意を表明して私の討論を終わります。(拍手)
#77
○副議長(前田佳都男君) 向井長年君。
   〔向井長年君登壇、拍手〕
#78
○向井長年君 ただいま議題となりました公明党の二宮文造君外四名発議の参議院議長河野謙三君の不信任案に対し、民社党を代表いたしまして反対の討論を行います。(拍手)
 先ほどから提案の趣旨説明、あるいは公明党、共産党の賛成討論及び質問を伺っておりますと、公明党と共産党の理由説明の内容は若干な違いがあると私は判断いたします。たとえば公明党は、審議途中において議長が過剰介入をしたとの理由であると言われております。これは公明党の皆さんの大きな誤解ではありませんか。公選特別委員会の定数是正問題については、野党と与党の主張が相対立し、平行線で、これ以上続けても結論が出ないから各党間の折衝にゆだねるべきであると自民党から提案がされ、その決定に基づいて行われたものであります。したがって、議長の手元で、各党を呼び申し合わせをしたらどうかと示唆されたものと私は理解いたしております。公明党、共産党の諸君は、議長から呼ばれましたが、出席をしなかったようであります。しかし、共産党の理由は、ファッショ的本質の露呈であるとか、議長のとった態度は強行に道を開くものであり越権行為であるとか、あるいは独禁法の成立阻止に手をかすものであると言われておりますが、その理由は全く当たらないと思います。他に目的があるかに私は思います。
 思うに、議長は、七十五国会もいよいよ会期末を迎え、重要法案が本院に山積し、慎重審議を続けているのであります。これについて与野党それぞれ主張が異なり、賛否が入り乱れるこの段階にあって、議会運営に思いをいたし、主張と賛否は別として、円満に審議の進行をこいねがっていることは当然と言わなければなりません。その一環として、与野党間の争点である問題に対して各党に示唆したものであり、何ら介入したものではなく、不信任案に値する過剰介入とは言えないのであります。
 公明党諸君の気持ちはわからぬことはございませんけれども、不信任案は、逆に公明党諸君のその考え方が過剰ではありませんか。(拍手)しかし、共産党の不信任の理由は、私が河野議長に接触する範囲では全く当たらず、他の目的のため不信任案を提起したのではないかとさえ思われるのであります。恐らく社会党の諸君もそのように考えているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。(笑声、拍手)
 私は、一つ一つ指摘して反駁しようとは思っておりません。しかし、ここで議事引き延ばし戦術としてとられるならば別でありますけれども、与野党の諸君等を含めて、私は静かに今日までの経緯を考えてみたいと思います。
 議長が、会期末の迫った今日、今後の重要法案をめぐる与野党の攻防を見るときに、今日までの、衆議院に対しあるいは政府に対して参議院の重要性を認識させ参議院の権威を高めてきた経緯から、参議院改革路線が万一失墜するようなことを心配されるのはあたりまえと言わなければなりません。私は、これはただ議長だけではなく、各党も心配するところであります。いま、争点である公選法問題一つとらえてみましてもわかるように、自民、社会、民社は賛成。しかし、わが党は、地方区定数是正が実現の方向を明確にしなければ廃案も辞さない、この強い態度を堅持してまいったのであります。したがって、著しい人口増については定数是正を地方区は行うべきであるということを自民党に強く申し入れてまいったのであります。これは社会党諸君も同様でありましょう。公明党、共産党も、地方区定数是正については野党一致の共通問題であったはずであります。しかし、このまま推移すれば与野党の対立がますます激化し、独禁法も含め全法案に影響をもたらすことは必然であります。これに対して議長が、院全般の問題として心を配られるのは当然と言わなければなりません。議長の責任であり、議長の責任としてとった措置であると私は考えるのであります。不信任には絶対当たらないと思います。
 私は、ここで、この機会に議会制民主主義を守る参議院運営の立場から申し上げたいのでございますが、昭和四十六年河野議長就任するまでの過去の本院運営はどうだったでしょう。時代が変わり、人が変わり、私も三代の議長のもとに野党の議員として議会運営にともに携わってきた貴重な体験を持っておりますが、年中行事のごとく強行採決、単独審議、またこれに対抗して審議放棄、牛歩戦術、ときには乱闘の続出であったはずであります。私も初めて国会に出たときは、これが良識の府という参議院かと驚いたほどでありました。いまは過去の思い出となりました。昭和四十六年、自民党所属の河野謙三君が、人格、識見を高く評価され、河野議長誕生となったのであります。河野謙三君は、議長に就任すると同時に、院の運営に当たる責任者はいかなる圧力にも屈せず、一党一派に偏すべきではなく、これを国民の前に明確にするために、自民党を離党して、どの党にも左右されない完全中立の立場をとられたのであります。本院の長い歴史、貴族院時代一の名残、院の施設の改善、続いて過去の衆議院の従属性の排除、及び、政府の意のままにならない院の独自性、すなわち二院制度の機能の回復、議会運営は、議会制民主主義を基調として、参議院改革を与野党に呼びかけ、その成果を着々とおさめつつあるのであります。この河野謙三君が、議会人として、自己の野心を捨て、全精力を傾けてこられたことは全議員の知るところであります。したがって、河野謙三君参議院議長就任以来、強行採決、牛歩戦術、乱闘は一度もなく、今後も一党のみの単独審議は許さない、今後も単独審議は許さない等について、私は高く評価するところであります。
 昭和四十九年、議長改選に当たり、挙党一致で河野謙三君が議長に推薦されたのも、参議院の歴史に一ページを飾ることでありましょう。
 わが党は、河野議長の功績をたたえ、保革伯仲の本院の今後の議会運営を考えるとき、河野議長の公正な職責を自信を持って果たされんことを期待しておるのであります。同時に、各党の諸君も、議長の権威を高めるため、今後、誤解を招くようなことのないよう留意することを私は付言して、不信任案に断固反対の意を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#79
○副議長(前田佳都男君) 渡辺武君。
   〔渡辺武君登壇、拍手〕
#80
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、公明党鈴木一弘君提出の河野議長不信任決議案に賛成の討論をいたします。(拍手)
 最終日まであとわずか五日間、差し迫ったこの参議院は、いま国民の注目の的となっております。それは、政府・自民党によって、不当にも公職選挙法、政治資金規正法両改正案など国民の言論と政治活動の自由を奪うファッショ的法案や、国民の暮らしを脅かす酒、たばこ、郵便料金値上げ法案などが強行採決されようとし、この反面で、国民にとって有利な独占禁止法改正案などの成立が阻まれようとしているからであります。河野議長は、参議院の公正な運営について責任ある立場にありながら、この重大な責務をみずから踏みにじって、政府・自民党の暴挙に手をかし、参議院の名誉を著しく傷つけたのであります。
 特に、参議院地方区の定数是正問題については、野党間には、この国会で二十六人増を実現させるとの意見の一致がありました。ただ、自民党が不誠実にも道理に合わない態度をとって、剱木試案なるものを提示するだけで、党としての具体案を示さないことが最大の障害であったにもせよ、公職選挙法特別委員会の小委員会では、自民党の正式回答を待ってこの問題の審議を煮詰めていく段階にあったことは否定することのできない事実であります。
 ところが、河野議長は、二十七日、自民、社会両党など特定の政党の要求によっていわゆるあっせんなるものに乗り出しました。しかも、わが党が再三にわたって、「議長は院の公正な運営に責任を持つべきであり、その立場から、定数問題は小委員会の審議を尊重し、これに介入すべきではない、議長はむしろ、採決強行の動きが出ている公職選挙法の正常な審議の続行や、独占禁止法改正案の成立促進にこそ努力すべきである」という、条理を尽くした申し入れを行ったのにもかかわらず、これに耳もかさない。また、公明党の強い反対をも無視して、自民、社会、民社三党申し合わせなるものをつくり上げたのであります。とのことは、議長みずからが手を下して小委員会の審議を無法にも打ち切り、また、国会審議を一部政党間の裏取引にすりかえるものであり、越権行為もはなはだしいものと言わなければなりません。(拍手)
 しかも、この申し合わせなるものは、どうともとれるあいまいなものであります。自民党は、昨日のNHKの「国会討論会」において江藤国対委員長が述べているように、この申し合わせば、定数の枠内での不均衡是正を内容とした剱木試案に通ずるものだ、そして全国区問題と一本のものだ、また、次の選挙までに努力すればいいものだ、このように理解しているのであります。また、社会、民社両党は、これとは別様に理解していると称しているものにすぎないのであります。このようなあっせん案を提示した河野議長は、国民と国会を愚弄するもはなはだしいと言わなければなりません。また、このようなあいまいな申し合わせに調印した社会党、民社党両党は、「全国区問題と切り離して地方区定数二十六名増を今国会で実現させる」という点でともに闘ってきた共産党、公明党両党を真っ向から裏切ったものと言わなければなりません。しかも、定数是正問題の解決が自民党の理不尽な態度でおくれていること、社会党がこの問題では共産、公明両党とともに闘ってきたことが、公選法など二法や値上げ法案の成立と独禁法改正案のたな上げを望む政府・自民党にとって厄介な荷物となっていたことは、江藤自民党国対委員長が、「定数問題が全法案に影響していた」と述べていることからも明らかであります。特に公選法、政治資金規正法両改正案は、参議院での審議が進むにつれてますますその反動的な本質を暴露し、国民の反対はますます強く広範なものになってきていることは、議長自身も知らないはずはありません。
 わが党議員の審議を通じて明らかになった点はまことに驚くべき事実であります。まず、選挙に関する報道、評論、まことにあいまいきわまりないものなのであります。もともとこの問題が明らかになりましたのは、本院予算委員会におけるわが党の上田議員の質問からでありました。選挙に関する報道、評論、これは政府の答弁に立ったそれぞれの担当者がそれぞれの見解を述べて、食い違っているというありさまだったのであります。内閣総理大臣は、機関紙号外には顔写真や候補者の名前が載っていなければ出すことができるんだ、このような答弁をしておりました。土屋選挙部長はどうか。選挙期間中はどんな政策を発表しようとも、これは結局選挙に関する報道、評論と解釈しなければならないという趣旨の答弁をしていたのであります。わが党の上田議員の要求によって政府が統一見解を出しましたが、この統一見解なるもの、まことにあいまいもことして危険きわまりないものであったのであります。その後、委員会におけるわが党議員の質問によって、福田自治大臣は、選挙に関する報道、評論、この概念にかからないものとして、たとえば過去に発表した政党の政策あるいは地方選挙中には国政について行われた報道、評論、たとえば安保問題等々は、これはかかりません、このような答弁であったのであります。しかしながら、一体選挙に関する報道、評論とは実体的にどういうものを指すのか。やはりまことにあいまいもことしており、この判断を行うものは最終的には警察であるというのが政府の正式な見解なのであります。もともと選挙に関する報道、評論なるもの、政府の統一見解に述べられたその文言は、昭和三十五年七月十四日、東京高裁で行われた国労静岡事件の判決の中に述べられていた文言であります。この判決の中では、何よりもここで強調しなければならないのは、適法に行われる選挙に関する報道、評論、これはこのようなものだと述べている点であります。政府は、裁判官が適法の範囲として述べたその範囲をそっくり統一見解の中に盛り込んで、これこそは規制の対象となるべきものだと主張しているのであります。裁判官が国民の侵すべからざる権利として保障したその選挙に関する報道、評論こそ、いまの三木内閣の手によってまさに抑圧し、規制しなければならない範囲として国会に提起されているのであります。この点にも、このたびの公職選挙法改正案がどのように国民の言論、報道、表現の自由を奪うものであるかということがはっきりとあらわれているのであります。これでは、選挙期間中の政党機関紙の号外、事実上全面的禁止に追い込まれるおそれがあります。それだけではありません。選挙期間中の政党活動そのものが警察の手によって抑圧される危険を持っているのであります。しかも、この条項には驚くなかれ禁錮二年、罰金二十万円という罰則がつけられているのであります。
#81
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#82
○渡辺武君(続) 戦前のあの軍国主義、天皇制政府でさえも、ビラをまいて禁錮二年の刑に処したという例はないのであります。いまの自民党の三木内閣、戦前のあの天皇制政府以上に国民の自由を厳罰によって奪おうとする内閣であるということがはっきりあらわれているではないでしょうか。(拍手)
#83
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#84
○渡辺武君(続) わが党議員の質問によって明らかになった点の第二は、労働組合機関紙の問題であります。もともとこの問題については、労働組合の機関紙の無料配布は、街頭で不特定多数に配る以外にはいままでどおり自由であるという宣伝がなされておりました。しかし、わが党議員の質問によって、たとえば工場の門前で組合が機関紙を配った場合、第二組合の組合員あるいは臨時工あるいはまた労働者の家族、これらに対する無料の配布、これは禁止されざるを得ないということが明らかになりました。
#85
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。
#86
○渡辺武君(続) 福田自治大臣は、労働組合の規約の中に機関紙を購入するということが盛り込まれていれば大丈夫だと言っております。しかし、皆さんこれほど実情を無視した答弁はないのではないでしょうか。
#87
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#88
○渡辺武君(続) 労働組合が、その組合の規約に、第一組合からの機関紙を購入するというようなばかばかしいことを書き込む、このようなことはとうてい考えられないのであります。(「議長」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 また、わが党委員の質問によって明らかになりました第三の点は……
#89
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、簡単に願います。
#90
○渡辺武君(続) 政治資金規正法で述べられている「政治活動を行う団体」、この中に、労働組合はもとより、公害に反対し、あるいはまた……
#91
○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#92
○渡辺武君(続) 住宅を建てることを要求するなどの市民団体も事実上含まれるということであります。つまり、これら労働組合や市民団体は、選挙期間中公害を防ぐための、物価を値下げさせるための運動、その他当然国民の権利として行うべき民主主義的な活動は……
#93
○副議長(前田佳都男君) 時間を超過しております。簡単に願います。
#94
○渡辺武君(続) 一切抑圧される危険を含んでいるという点であります。しかも、このような抑圧を行うために、警察当局は日常これらの団体の規約や構成員や活動の内容を掌握しておく。国会で答弁しております。これこそはまさしく日本の国民に憲法によって保障された民主主義的な活動の自由を……
#95
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#96
○渡辺武君(続) 真っ向から弾圧する内容を盛ったものであると言わなければなりません。(「議長」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し、拍手)
#97
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#98
○渡辺武君(続) この世界の主要国に例を見ないファッショ的な法案に反対する労働組合を初めとする市民団体……
#99
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#100
○渡辺武君(続) 婦人団体、その他の行動は日増しに大きくなり、国会への請願署名は……
#101
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。
#102
○渡辺武君(続) わが党に寄せられたものだけでも実に百二十万人を超えているのであります。しかも、委員会での質疑はまだ……
#103
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#104
○渡辺武君(続) 序の口に入っただけであり、明らかにしなければならない問題点は山積しております。わが党議員は二十三項目の質問を準備していましたが(発言する者多し)
#105
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#106
○渡辺武君(続) これまでに質問できたものはそのうちのわずか三項目にすぎません。それにもかかわらず、自民党、社会党両党がなお尽くされていない質疑の打ち切りと採決強行の動きを露骨に示し始めたのも、審議を通じて……
#107
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、時間が超過しております。簡単に願います。
#108
○渡辺武君(続) この法案の犯罪的内容が一層明らかとなり、国民の怒りがますます大きくなることを恐れたものであることは明らかであります。
#109
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君の発言を禁じます。(議場騒然)
   〔渡辺武君「河野議長が、もし公正な国会運営の責任を感ずるならば、自、社両党のこの不当な動きを抑えて審議の徹底にこそ努力するはすであります。しかも、審議されているものは議会政治の土台をなす選挙についての法案であります。審議が民主的に行われ、質問点が徹底的に解明されるよう特に努力することこそ、議長としての当然の責務であります。ところが議長は、公選法は……」と述ぶ。〕
#110
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、発言をやめなさい。
   〔渡辺武君「党利党略のぶつかり合いだ、おれは介入しない、などと公言し、これを口実として自、社両党の動きを野放しにして、他方ではその口の下から……」と述ぶ。〕
#111
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君の発言を禁じます。
   〔渡辺武君「定数是正問題にだけ公然と介入して、両党にとっての厄介な荷物を取り除くことにあえて手をかしたのであります。このことは、河野議長が国会の公正な運営に努めなければならない重大な責務をみずからかなぐり捨てて、自民、社会両党の意を受けて……」と述ぶ。〕
#112
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、発言をおやめなさい。
   〔渡辺武君「ファッショ的な選挙、政治資金二法の採決強行に道を開いたものであることを明確に示すものであり、議会制民主主義を破壊する暴挙と言わなければなりません」と述ぶ。発言する者多く、議場騒然〕
#113
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君の発言を禁じます。
   〔渡辺武君「野党第二党、第三党が反対している選挙二法の強行採決になりふり構わず協力しながら、驚くべきことには、国民にとって利益となる独占禁止法改正案などに対しては、これが与野党一致して……すぐ終わりますよ。すぐ終わりますよ。そうあわてなくたっていいよ」と述ぶ。発言する者多く、議場騒然〕
#114
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、発言をおやめください。
   〔渡辺武君「それが与野党一致して衆議院を通過したものであるにもかかわらず、一会
派の中でも強い反対意見があれば……」と述ぶ。〕
#115
○副議長(前田佳都男君) 渡辺君、発言を禁じます。
   〔渡辺武君「慎重に取り扱わなければならないなどと強弁して、この成立をたな上げしようとする財界、自民党の要求にこたえております。(議場騒然)残念ながら時間がないので打ち切らざるを得ません。あとは速記録に掲載させて、討論にかえたいと思います。」と述ぶ。拍手、議場騒然〕
     ―――――・―――――
#116
○副議長(前田佳都男君) 土屋義彦君外一名から、成規の賛成者を得て(発言する者多く、議場騒然)……土屋義彦君外一名から、成規の賛成者を得て、
 討論終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#117
○副議長(前田佳都男君) 過半数と認めます。よって、本動議は可決されました。
     ―――――・―――――
#118
○副議長(前田佳都男君) これより議長不信任決議案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#119
○副議長(前田佳都男君) 少数と認めます。よって、議長不信任決議案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#120
○副議長(前田佳都男君) 桑名義治君外二名から、賛成者を得て、
 商工委員会において審査中の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第六十五号)について、速やかに商工委員長の中間報告を求めることの動議が提出されております。
 また、黒柳明君外三名から、賛成者を得て、この中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議が提出されました。
 よって、中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#121
○副議長(前田佳都男君) 少数と認めます。よって、本動議は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#122
○副議長(前田佳都男君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(中小企業基本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度中小企業施策について)
 通商産業大臣から発言を求められております。発言を許します。河本通商産業大臣。
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#123
○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業基本法第八条に基づきまして、先般、政府が国会に提出いたしました「昭和四十九年度中小企業に関する年次報告」及び「昭和五十年度において講じようとする中小企業施策」の概要を御説明申し上げます。
 まず、中小企業の動向から御説明いたします。昭和四十九年の中小企業の事業活動の動向について見ますと、総需要抑制策の効果が浸透したこともあって、生産は大幅に減少し、在庫率も著増を示し、しかも期を追って停滞色を強めてまいりました。このような中で、企業倒産も年間を通じてきわめて高い水準で推移し、中小企業の事業活動を取り巻く状況はきわめて厳しいものとなりました。一方、生産活動の停滞、需給の緩和を反映いたしまして、中小企業性製品の物価は鎮静化の傾向を示しております。このような厳しい状況のもとに置かれておる中小企業は、さらに中長期的に見ても多くの変革を迫られる問題を抱えております。
 まず第一に、高度成長から安定成長への転換期を迎えたわが国経済の今後の望ましい産業構造を中小企業との関係からとらえ、中小企業の地位に及ぼす影響、今後発展の期待される中小企業分野等を見てみますると、安定成長への移行のもとで国際分業の進展など中小企業が厳しい対応を迫られる面もありますが、一方では、福祉型経済の進展や、サービス経済化の進展など中小企業の活躍する分野の広がりが期待される面もあります。
 個々の中小企業が安定成長への移行という新しい経済環境に対応するためには、次のような経営理念の転換が必要であります。すなわち、その一つは、量的拡大から質的充実に重点を置いて経営力を充実し、安定的経営を目指すことであります。他の一つは、企業を取り巻く経済環境との協調、調和を図ることであります。
 次に、第二の問題といたしまして、中小企業の個々の事業経営の内部における経営力充実の方向について見ますると、経営活動の効率化の一層の推進、省資源・省エネルギー化の推進、技術力の向上、人的能力の向上、適切な事業分野への転換等が従来にも増して強く要請されるところであります。特に、安定成長下における経営力の充実に当たっては、技術力の向上、人的能力の向上の果たす役割がきわめて大きいものと考えられます。技術力の向上は、経営の効率化を促進するのみならず、製品の高級化、高付加価値化を図る前提となるものであり、需要の伸びが相対的に鈍化する経営環境のもとにおきまして経営力の強化を図る基礎となるものであります。また、人的能力の向上は、従業員の能力を高め、技術力の向上等の企業の経営努力を人材面から支える役割を担うとともに、従業員に生きがい、働きがいを与える職場を醸成していくという観点からもその重要性が認識される必要があります。
 ざらに、第三の問題といたしまして、中小企業を取り巻く経済環境との協調、調和の具体的方策につきまして見まするに、国内他企業との協調、調和、国際分業の進展に対する中小企業の対応、国民生活への中小企業の積極的貢献を図っていくことが重要であります。
 まず、国内他企業との協調、調和のあり方におきましては、事業協同組合における共同化事業の一層の推進、経済環境の変化に対応した下請関係の改善を進めていくことが必要であります。また、中小企業と大企業との競争の問題、すなわち、中小企業分野への大企業の進出問題につきましては、消費者をも含めて、それぞれの立場によって評価が異なっていることもあり、慎重にその実態を見きわめまして適切な配慮を払っていくことが肝要であると存じます。
 次に、国際分業の問題といたしまして、は中小企業の輸出入環境が発展途上国の追い上げ等によりまして最近急速に厳しくなってきております。輸出型産地を初めといたしまして早急な対応が迫られております。中小企業は製品の高級化、高加工度化等を通じまして、国際分業の進展の要請に真正面から対応していくことが必要であると存じます。
 また、中小企業の事業活動と国民生活との問題につきましては、物価安定への国民的要請の高まりの中におきまして、中小企業も経営の合理化、省力化等によりましてコストアップ要因を吸収する努力を続けるとともに、社会的責任を十分に認識した企業行動によりまして、物価安定に大きく貢献していかなければならないものと考えられます。
 以上、安定成長下における中小企業の経営のあり方につきまして御説明してまいりましたが、最後に、中小企業の中でもとりわけ重要な地位を占めており、しかも経営の実態等が複雑多岐にわたる小規模企業につきましては、経営階層別、地域・立地別等にその経営意識なり経営の実態等を十分に把握し、実情に即したきめ細かい施策の展開が必要であり、また、小規模企業自身におきましても、じみちな経営改善努力が一層強く要請される次第であります。
 今後、安定成長経済へ移行する中におきまして、中小企業は従来の経営理念を再検討し、量的拡大から質的充実を重視する経営へと転換を図るとともに、中小企業の特殊性である創意性、小回り性を十二分に発揮しながら、新しい経済環境に適応していくことが特に必要であると存じます。
 政府といたしましては、従来から中小企業施策の充実に格段の努力を払ってまいりましたが、昭和四十九年度におきましても、小規模企業対策の一層の強化、拡充、中小企業の構造改善の推進と中小企業振興事業団業務の充実、指導事業の強化、中小企業に対する金融の円滑化を図るなど、中小企業施策の拡充に努めますとともに、昭和四十九年七月に中小企業庁に新たに小規模企業部を設置いたしまして、行政機構の強化を図ったところでございます。
 次に、昭和五十年度におきましては、次のような施策を中心に中小企業施策の展開を図っていく所存であります。
 第一は、今国会において改正されました中小企業近代化促進法の施行であります。すなわち、業種指定要件といたしまして、従来の国際競争力の強化に加えまして、新たに国民生活の安定を追加いたしますとともに、関連事業者を含む構造改善計画制度を新設し、構造改善の多様化を図るほか、新たに商品を開発し、新分野に発展する中小企業を支援することといたしました。
 第二には、小企業経営改善資金融資制度の貸し付け規模を四十九年度の千二百億円から二千四百億円へと大幅に拡大いたしますとともに、貸し付け条件の改善を行うほか、経営指導員の大幅増員を図るなど小規模企業対策を一層充実することといたしました。
 第三には、中小企業を取り巻く経済的、社会的環境の変化に対処いたしまして、中小企業振興事業団に小規模企業共同工場建設譲渡事業及び広域高度化事業を新たに設けるなど、その業務の拡充を図ることといたしております。
 第四には、指導事業の強化を図るほか、中小企業振興事業団の中小企業研修所を大幅に拡充することにいたしております。
 第五には、中小企業従業員の自立の道を開くことにより、定着性と勤労意欲の向上を図るため、いわゆるのれん分け融資制度を創設するなど、中小企業の従業者対策を進めることといたしております。
 以上の施策のほか、従来からの中小企業諸施策につきましても、政府関係中小企業金融機関の貸し付け規模の増大等による中小企業金融の円滑化、税制面における措置の拡充等一層の充実を図ることといたしております。
 以上が「昭和四十九年度中小企業の動向に関する年次報告」及び「昭和五十年度において講じようとする中小企業施策」の概要であります。(拍手)
#124
○副議長(前田佳都男君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。森下昭司君。
   〔森下昭司君登壇、拍手〕
#125
○森下昭司君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十九年度中小企業白書及び昭和五十年度中小企業施策について質問をいたすものであります。
 わが国の中小企業は、企業数で約五百万、従業員数では約三千四十万人に及び、産業構造の中で重要な役割りを果たしているのであります。しかしながら、戦後の高度経済成長以来、経済の二重構造と言われるように、大企業の発展の陰に、その下積みとして犠牲を強いられてきたのであり、特に最近二カ年間にわたる深刻な不況により、中小企業は大きな危機に直面しているのであります。
 第一に、不況対策についてお尋ねをいたします。四十八年の後半から原材料の不足、価格の上昇、石油問題、金融引き締め浸透の影響により増加を強めた倒産は、四十九年に入って、不況型倒産の増大で、倒産件数は一万一千六百八十一件で、前年を上回る大幅な増大となっているのであります。過去最高を示した四十二年の倒産を上回り、しかも負債金額十億円以上の倒産が二百五十六件と大口化しているのであります。しかも、今回の不況の特色として、中小企業の生産が大幅に落ち込み、五十年一月にはほぼ四十五年の経済活動の水準にまで低下したのであり、さらに業種別に見れば、四十八年十一月の景気のピークに到達する以前にすでに景気後退の局面を迎えた業種に繊維があり、四十九年の末には、食料品等の一部業種を除いて、ほとんど全業種が停滞状況に陥ったのであります。政府はごく最近第三次不況対策を決め、その中で市中金融機関及び政府系中小企業金融機関の融資の促進、円滑化を図るというのでありますが、河本通産大臣は、この程度の対策で景気を浮揚させることができるかどうか疑問だと、不満の意を表明したと報道されているのであります。
 また、衆議院物特委員会で参考人として出席した土光経団連会長は、二カ月前に実施されればもっと効果があった、政府の対策はいつもタイミングがずれると、財界側から見て政府の景気対策が不十分であると、強い不満を示しているのであります。中小企業の危機の打開のため現状の不況をどう認識しているのか、また、今後の不況をどう克服するのか、その基本的な方針について三木総理の見解をお尋ねする次第であります。
 第二は、低成長時代における中小企業の長期的ビジョンについてであります。最近の厳しい不況は構造的要因によるものと言われているのでありますが、わが国の中小企業は、全体の経済の中での経済政策の重要な要素として、ナショナル単位での政策と同時に立地地域単位での個別的な政策の運用が図られていかなければならないという二様の性格をあわせて有するものとなっているのであります。従来の中小企業政策は、高度成長に向けて、そのための目標を達成することに視点が置かれていたのでありますが、不況下のもと、生産体制の整備、下請の改善整備、雇用調整など、低成長時代に対応した動きが出ているのであります。
 白書は今後の課題として、第一に福祉型経済の展開、第二に国際的分業の進展、第三にサービス経済化の進展、第四に需要構造の変化に対応する個々の業者の付加価値を高めることを強調しているが、中小企業の中でも、全体の八〇%は、工業の場合、従業員二十人以下、商業、サービス業の場合、従業員五人以下の小規模零細企業で占められており、こうした小規模零細企業対策に十分な配慮がなされなければ、真に国民福祉型を目指した中小企業政策はあり得ないし、小規模零細企業対策に熱意を示さなければならないと考えるのであります。低成長時代の中小企業の今後の長期ビジョンについて三木総理の所信をお尋ねするとともに、河本通産大臣の具体的考えをお伺いする次第であります。
 第三は、発展途上国との問題についてであります。わが国の中小企業各種製品の輸出が鈍化している大きな原因としては、発展途上国が相対的に低廉な労働力に依存して、特に軽工業製品の輸出を増大させてきたためであると指摘されているのであります。たとえばアメリカ市場における一九六二年から十カ年間、糸及び繊維製品、衣類など、いずれも発展途上国が最大の伸び率を示し、特に衣類の場合は、西ヨーロッパ諸国を含むその他地域への輸出の伸びも、わが国を上回って、高い伸びを示しているのであります。さらに、軽工業製品のわが国への輸入も年々ふえ、一九六九年から七三年までの四カ年間に、発展途上国からのシェアは三〇・二%から四一・四%へと拡大されているのであります。今後、発展途上国の追い上げ、国際競争の激化等により、軽工業製品を中心とする輸入増加が一層加速化する反面、輸出の伸び悩みが予想され、海外投資を含め、貿易面における中小企業の構造並びに発展途上国への対策はどうあるべきか、通産大臣にお尋ねする次第であります。
 さらに、具体的問題として、繊維業界は、繊維の輸入規制を要求し、数量の規制、方法、時期、規制対象地域について具体的に政府の施策を期待しておりますが、通産大臣の所見を求めるものであります。
 また、わが国の伝統産業も、韓国などにより、大島つむぎ、しぼり、友禅、西陣などの問題をめぐり、業者は死活の問題として受けとめ、政府に善処を求めているところであります。わが国の通商政策の貧困さを感ぜざるを得ないのでありまして、伝統産業の振興についても通産大臣の所見をあわせてお伺いする次第であります。
 第四は、下請企業に関する問題についてであります。現在の下請中小企業数は、全体の約五七%を占めており、大企業になるほど下請企業を利用している企業が圧倒的に多く、一企業当たり平均八十九企業を利用しておりまするが、中小企業の内部において不況が長期化し深刻化するにつれて、親企業は、これら零細な下請企業への発注を減少してみずからの経営の安定に努めており、したがって、零細な下請企業の経営は苦しくなってきているのであります。零細下請企業は、もともと家族労働力を主力として成り立っているので、受注減や安い工賃に耐え得る力を持っていると言われているが、受注の減少から仕事を求める企業が急速に多くなっているために、親企業の単価切り下げ、長期の代金支払いなど、過酷な条件を押しつけられているのであります。公正取引委員会の四十八年度年次報告によれば、支払い手形の最長は、四十九年一月の調査で、二百三十七日というものがあり、四月の調査でも百二十日を超えるものは、調査した手形数の四一%を占めているのであります。同年度の立入検査を受けた七百十六事業所の中で、下請代金支払遅延等防止法第七条に基づき勧告を受けたもの十七事業所、行政指導を受けたもの五百六十九事業所に上っているのであります。しかるに、これらの事実があるにもかかわらず、下請法第六条により、中小企業庁長官は公正取引委員会に対し、適切な措置を求めることができるにもかかわらず、四十八年度一件も措置要求がなされなかったのは遺憾なことであり、当局の行政姿勢を追及せざるを得ないのであります。これらの現状の上に立って今後の下請企業、わけても零細下請企業対策をどう考えているのか、通産大臣にお尋ねする次第であります。
 第五は、中小企業の事業分野の確保についてであります。大企業の中小企業分野への進出は著しいものがあり、各地で問題となっており、今日まで大規模小売店を初め軽印刷、クリーニングあるいは豆腐の各業界への大企業の進出は業者の死活問題となっているのであります。最近も、製薬業である大塚製薬のダミーで、資本金十四億円で設立されている大塚家具は、静岡市内で地元静岡県家具組合連合会が行った見本市の開催中に、静岡駅前のビルで対抗的に家具展覧会を開き、見本市に集まる全国の販売業者をマイクロバス、タクシーなどを使用して強引に自社の展覧会へ勧誘し、目に余る行為を行ったのであります。静岡県は、戦前より鏡台、家具等木工家具の生産は全国第三位の産地であり、静岡の家具は同県随一の地場産業であって、この不況下、年一回の見本市にすべてをかけている中小生産メーカー、問屋はもちろんのこと、二人、三人で細々と生産している約千五百事業所の下請生産者、生地、塗装業者にとって重要な影響を与えたのであります。このように大企業の中小企業への進出は、中小企業にとってその影響は見逃すことができない大きなものとなりつつあるのでありまして、事業分野確保のため法制定を要求する声は、当該中小企業のみならず、全国中小企業団体中央会を初め広く取り上げられているところであります。政府は、中小企業団体法など現行法による話し合いを強調し、大企業に自主的倫理綱領をつくらせて妥協を図ろうとしておりまするが、実際には弱肉強食のさまを呈しているのであり、それによって大企業の進出を阻止することはできません。法制定について決断されんことを熱望するものでありまするが、通産大臣のお考えをお伺いする次第であります。
 第六は、中小企業と大企業との格差、特に賃金についてであります。白書によれば、昭和四十九年度、大企業を一〇〇とした場合、従業員三十人から九十九人の規模では七六・四.五人より二十九人の規模では六四・二と低く、それ以下の規模ではさらに低い指数であることは容易に推定できるところであります。製造業においては、一人から三人までは、中規模企業を一〇〇としても、わずか一八%という驚くべき状態になっているのであります。これら中小企業に働く人々の賃金を、大企業との格差をなくすために政府は努力すべきであると存じます。昭和四十五年に中央最低賃金審議会は、今後における最低賃金制度のあり方について答申を出しているのでありますが、その中で、「最低賃金はすべての労働者が何らかの形でその適用を受けることが望ましい」、さらに、「低賃金労働者が多数存在する産業、職業または地域から逐次最低賃金を適用し、すべての労働者に包括的に適用を及ぼすという姿勢が肝要である」と述べているのであります。したがって、野党四党の共同提案による最賃法が今国会に提出されており、現行法との相違の中で、最低賃金の決定の基準として、「最低賃金は、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な生計費を基本として定めるものとする」、あるいは全国一律最低賃金制度を提起しているのでありますが、これらの点について労働大臣の見解をお伺いする次第であります。あわせて大企業との格差是正についても見解をお示しいただきたいのであります。
 第七は、中小企業に働く青少年の勉学の機会を確保することについてであります。その一つは、企業の倒産、操業短縮等の定時制及び通信制高等学校生徒に及ぼした影響についてであります。これら倒産、短縮企業に勤務し定時制高校に通学していた生徒の中で、再就職できない、再就職をしたものの場所的時間的に通学できない、また、勤務形態が変更になったために通学できないという理由で勉学を断念せざるを得なかった者もいるのであります。これら不況倒産、操業短縮等の企業に働く人々に対しどのように措置してきたのか、労働、文部両大臣にお尋ねする次第であります。
 さらに、通学のため早目に勤務を終えることなどから同僚や事業主への気がねから向学心が生かされない事例を見るのであります。勤労青少年福祉法第十二条で、職業訓練または教育を受ける勤労青少年に対する配慮が規定されており、事業主は教育を受ける者のため必要時間を確保するよう定められているのであります。これら中小企業に働く人々に勉学の機会を与えることは当然であるが、これまでどのように対応してきたのか、また、今後どのように指導していくのか、文部、労働両大臣の見解をお聞きする次第であります。
 最後に、中小企業省の設置についてお尋ねをいたします。多様な中小企業政策を進推するために、中小企業省の設置は必要であると考えるものであります。田中前総理は一度は検討すると約束し、全国の中小企業者は一日も早い設置を期待したのでありますが、いまだ日の目を見なかったのは残念なことであります。三木総理は、中小企業の振興とその繁栄のため中小企業省を設置し、全国の中小企業者の期待にこたえる考えはないか、その所信をお尋ねし、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#126
○国務大臣(三木武夫君) 森下議員の御質問にお答えをいたします。
 一つは、不況下における中小企業の現状をどのように認識しているかという御質問であったと思いますが、まあ中小企業をめぐる景況は若干の好転の兆しは見えるわけでございます。すなわち、生産は三月から上昇に転じて、三月は前月比一・二%増、四月には〇・七%増と、非常にその増加の幅は少ないんですけれども、しかし上昇に転じた数字が出ております。在庫調整も進展しており、倒産件数も四月から千件を下回っておることは事実でございます。しかしながら、生産の水準というものはまだ低く、ほぼ昭和四十五年の水準であります。景気の現状は中小企業にはきわめて厳しいものがあると認識しております。政府としては、中小企業対策には十分配慮しており、第三次不況対策でも中小企業金融の円滑化と返済猶予の適切な実施、官公需について中小企業者の受注機会の増大等、いろいろな対策を講じている次第でございます。
 不況の対策をどうするかという問題でございますが、森下議員も御承知のごとく、物価の安定ということが今日の最優先の経済政策であることは、これは何人も異存はないと思いますが、しかし、同時に景気の回復を達成しなけりゃならぬ。一方においてインフレと不況というものが同時にやってきておるという、いままでの経済教科書にはないような事例が起こってきておるわけですから、やはり物価の安定を第一義的にいたしますけれども、しかし、不況対策というものもこれはとらなけりゃいかぬ。先般の六月十六日でしたか、第三次の不況対策――住宅建設に四千億円、また公共事業に四千五百億円、あるいは公害防止とか安全対策とかいうものに五百億円、全体で九千億円の需要喚起をいたしたわけで、この波及効果は政府は一兆八千億円ぐらいの波及効果を持っておると考えております。そういうことで、この効果というものをしばらく見守りたいと思っておるのであります。わが国の経済は資源的な制約もございますし、また、環境問題なども非常にやっぱり大きな問題を提起しておりますので、従来のような高度経済成長に戻ることは不可能であり、また、世界各国とも景気はいいところないんで、どこも停滞をしておりますから、急速に景気の回復することは期待できないけれども、秋以降になれば着実に回復するという考えでございます。
 また、森下議員の御指摘になった高度成長から低成長への大きな変わり、変化の中で小規模零細企業対策などの重要性ということは御指摘のとおりだと思うんです。しかし、わが国の中小企業というものは、事業者数では九九・四%占めておる、就業人員は七八%、生産の約半分を占めておるわけでありますから、わが国経済の基礎をなしておるものでございます。中小企業というものの経営の安定と発展がなければ、わが国経済の発展は私はないと思うわけでございます。中小企業も高度成長の時代には大分潤った面もありましたけれども、今後は安定成長に移行して、また国際的分業を進展するなど、環境は厳しくなるものと予測されます。しかし、一方においては他面に、国民の生活、国民の福祉を充実していこうというのが今後の大きな方向でございますから、そういう意味で、住宅産業とかサービス産業など中小企業の活躍する分野もいままでよりも広がっていくことは事実だと思いますので、大きく見て、日本の中小企業の将来は私は暗いものだとは思っていないわけでございます。政府は、今後とも中小企業対策には特段の努力をする考えであり、中小企業の近代化、構造改善あるいはまた診断、指導の充実、事業活動の不利の点を是正するなど、きめ細かく各般の施策を講じていかなければ、中小企業対策というものはなかなか達成をできません。そういう意味で、小規模企業などに対しては、指導あるいはまた設備の近代化援助などに対しては特に気を使わなければならぬと考えておる次第でございます。
 最後に、私に対する御質問の中に、中小企業省を設置したらどうかというお考えでございます。私も、もし中小企業省というものを設置して、そのことが中小企業というものの発展のために役立つというなら、置くことにやぶさかではないのであります。しかしながら、どうもいたずらに官庁機構のみを肥大するということでは意味がないわけで、だから、現在のところは、中小企業庁の内部をもっと充実していこう。たとえば小規模企業部というものを設置いたしまして、そして小規模企業に対しての施策というものの中心になる部局を置いたわけでございます。そういうことで、やはり中小企業省というものをいま置くという考えではなくして、やはり中小企業庁内部の行政機構も整備し、また、いろいろなきめの細かい中小企業対策を充実することによって、中小企業の対策を推進していきたいという考えでございます。
 お答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#127
○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業全般の問題及び現在の中小企業の置かれております現状等につきましては、総理よりお答えになりました。さらにまた、高度成長から安定成長へ日本の経済が移っていくわけでございますが、その移行の過程における中小企業の今後の進路いかんと、こういう問題につきましても総理からお答えがあったわけでございます。
 次に、小規模零細企業対策というものが非常に大事ではないかと、こういう御指摘でございますが、日本の中小企業の中で特にこの数が多いのは小規模企業でございまして、これの対策が非常に大きなウエートを持たなければならぬことは当然でございます。政府のいま考えております一つの方法は、やはり何と申しましても資金対策が大事でございますので、資金面での格段の配慮を払いまして、小規模企業に対しましては、昨年に比べまして約倍の二千四百億円という金額を出すことにいたしております。
   〔副議長退席、議長着席、拍手〕
 さらにまた経営指導員をことし千人ふやしまして七千人にする、経営指導員を七千人にするという、同時に経営指導員の質を改善しなければなりませんので、そのために中小企業大学等を設置する、こういうことをことしの予算から始めまして、この面からするところの小規模企業に対する経営指導というものを強化していきたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、発展途上国、特に近隣の発展途上国とこの中小企業との関係はどうかということでございますが、原則的に申し上げますと、問題は、発展途上国から繊維初めいろんな安い品物が入ってきて、そして中小企業に非常に大きな影響を及ぼしておるが、輸入の制限あるいは禁止、こういうことをしてはどうかと、こういう御質問の御趣旨であろうと思いまが、これはやはり何と申しましても、近隣諸国との貿易全体のことを考えますと、軽々に輸入の禁止あるいはまた輸入の制限等を行うということは避けなければならぬ。なぜならば、日本の場合は、資源のない国でありまして、そしてまた外国から買い入れた資源を加工いたしまして輸出する、その貿易によって生活をしておるということを考えますと、自由貿易ということがあくまで原則でなければなりませんので、輸入の制限あるいはまた輸出の制限というふうな、いわゆる貿易に対する制限というものは、これはあくまで回避しなければならぬわけであります。特に、ごく最近は新国際ラウンドという新しい自由貿易を確立しようじゃないかという動き等も出ておるこのやさきでございますので、この点は慎重に対処しなければならぬと考えておる次第でございます。
 同時に、これに関連をいたしまして、伝統産業を育成強化せよと、こういう御意見でございますが、伝統産業を育成強化するという、そのお考えには全く賛成でございます。その点は構造改善事業等を通じまして、政府もそれに対して積極的に援助する方針でございますが、ただやはり、この問題を輸入制限という問題との関連において考えますと、その点は、先ほど申し上げましたような原則に従いまして、やはりあくまで慎重に対処しなければならぬと、かように考えておる次第でございます。
 次に、下請関係の問題でございますが、下請関係と親会社とのトラブルが最近非常にたくさん発生をしておるわけでございます。この点につきましては中小企業庁におきましても十二分に調査をいたしまして、その内容等を一々チェックをいたしまして、そういうことのないように行政指導をしておるところでございます。
 さらにまた、中小企業事業の分野調整の問題についてのお話しがございましたが、これはやはり中小企業問題では最大の課題であろうと思います。法律によりまして、一定の企業に、一定の仕事に大企業が入っていけない、こういうことをいたしました場合に、いろいろな問題があると思うのでございます。たとえば、技術の近代化あるいは企業の近代化ができないという問題であるとか、あるいはまた消費者に対して果たしてどういう影響があるか、こういうことを考えますと、このこと自体は非常に大切な問題でございますけれども、法律によって事業分野を決めていくということは政府はとらない方針でございます。そのかわり、政府といたしましては、行政指導によりまして大企業がみだりに中小企業の分野に入っていかないように、これまでも指導してまいりました。何回かトラブルがございましたけれども、大部分は行政指導によりまして解決をしたわけでございます。先ほども具体例を挙げての御説明がございましたが、そういう場合にも政府は積極的に行政指導を行いましてこのトラブルを解決していきたいと、かように考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣長谷川峻君登壇、拍手〕
#128
○国務大臣(長谷川峻君) お答えいたします。
 最低賃金は御承知のように労働者の生計費、それから類似の労働者の賃金、それから事業場の支払い能力、これを考慮して最低賃金の法律の中に入っておりますので、生計費は当然に中心になって考えているということを御理解いただきたいと思います。なお、地域最賃あるいは業種別最賃で実効性の上がるものを年々歳々改定しているところでありますが、それをさらに進めることが必要でありますが、お話しの四野党が提案した全国一律最賃の問題につきましては、四団体の統一要求の文書とあわせて、最低賃金審議会の方に重要参考資料としてこれをよく検討してもらいたいと、こういうことでいま諮問をしておりまして、その推移を見守っているということで御理解をいただきたいと思います。
 さらに、定時制の学生諸君が就職ができない、あるいはまた通学ができない、こういうことでございますが、私も愛知県で繊維でそういう諸君がたくさん出ているところを現場で拝見しまして、早速戻ってまいりまして文部省に話をする、あるいは県の教育委員会の方に話をつけたりいたしまして、大分そういうことは解消しておりますが、何さま働きながらの学生諸君でございますから、特にこういうところに配慮をしながら、いまから先も職安の機関を利用し、早期発見あるいは事業主の説得、一方では文部省と連絡をとりながら、こういう諸君を守ってやりたい、こう思っております。(拍手)
   〔国務大臣永井道雄君登壇、拍手〕
#129
○国務大臣(永井道雄君) 森下議員のお尋ねになりました、中小企業で働きながら勉強している諸君の問題でありますが、ただいま労働大臣が申されましたように、倒産あるいは操短の措置をとっている中小企業で働きながら勉強している諸君については、もう昨年来非常に大きな問題がございますので、文部省としては非常に重大なことと思っております。
 これをどうするかという問題でありますが、第一は、昨年の十月以来調査を始めました。そこで、どのぐらいの数の諸君が就学がむずかしくなっているか。これにつきましては、本年の三月三十一日に調査結果が出たわけでございますが、定時制ないしは通信制で就学が非常に困難な状況に立ち至った人が二百四十人いるという結果が出ております。
 そこで、それに対する対策でございますが、これは労働大臣が申されましたように、まず第一に、非常に就学が困難になりまして、そうしてほかの企業に移る、あるいは企業に移らないでまだしばらく職を探している、しかし、なお勉学を続けたいというような人の場合、転学が容易になりますように、都道府県の知事やあるいは教育委員会で、入りたい学校が受け入れるように、われわれとしては指導をしてほしいというふうに連絡をいたしている次第でございます。
 しかし、もちろんそれだけでは不十分でございます。で、昭和四十九年以来、定時制高校で勉強している人たちに対しまして就学奨励金の貸し付けを行っておりますが、これを、いまのように勉強ができなくなった人たちについてどうするかという問題がございます。勉強ができて卒業いたしました場合には返還の義務が免除されますが、中途退学した場合これをどうするか、これが一つの問題でございますので、一年ないしは二年は返還の猶予というものも検討するという立場で、でき得る限り、そうした非常にむずかしい状況において勉強していきたいという若い人たちのチャンスをつぶしてしまうことがないよう、条件を整えるために努力をいたしている次第でございます。
 なお、第二のお尋ねの点でございます勤労青少年福祉法第十二条というものを実現していく上で、労働省は当然企業に対して、勉強ができるように、働いている人たちに対して指導をするということがございますが、文部省はどうしているかということであります。これにつきましては、私たちは文部省と労働省が協力をいたしまして、一方において労働省が中小企業に対してこの法の実現というものを指導していくのに対しまして、私たちは定時制ないしは通信制の学校教育関係者と会合を開きまして、その趣旨を徹底していくように、そういう努力を続けている次第でございます。そういたしますことによって、先ほど申し上げましたように、就学奨励費というものの利用も図ると、そういう形で、これらの人々が非常にむずかしい状況にありながら勉学の意欲に燃えているのでありますから、でき得る限りその勉学の意欲を生かす条件をつくるためにわれわれとして努力している次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#130
○議長(河野謙三君) 桑名義治君。
   〔桑名義治君登壇、拍手〕
#131
○桑名義治君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十九年度中小企業白書に対し、三木総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
 わが国の経済は、すでに三年越しの悪性インフレのもとで、国も赤字、企業も赤字、そして家計も赤字という重大な危機に臨んでおり、本白書発表の時点以降、不況はますます深刻の度を加えつつあります。特に中小企業においては、消費需要の長期にわたる停滞、原材料並びに金融費用の増高等のコスト上昇により、倒産のやむなきに至る企業が増加しているのが現状であります。
 以上の見地から、私は今後の中小企業対策について政府の見解をただしたいと思います。
 第一は、政府の第三次不況対策の効果についてであります。
 十六日決定の第三次不況対策は、二回の公定歩合の引き下げを含め、その実施が遅きに失しているということであります。景気対策で何よりも重視すべきはタイミングであるにもかかわらず、春闘での賃上げ抑制を重視する余り、政策発動の時期が遅きに過ぎ、その効果が危ぶまれております。さらに内容についても、たとえば政府が対策の目玉としている住宅金融の拡大は、下期分の繰り上げにすぎず、全体の枠そのものをふやしているわけではなく、民間住宅ローン引き下げの具体策をも明示されておりません。また、その他の対策についても、時期的なずれに加えて、内容の貧困さが短期的、即効的効果を著しく弱めることになると懸念されるのでありますが、政府は、この第三次不況対策の効果がどのように及んでいくと見ているのか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、このような不十分な対策ゆえに、不況からの脱出は長引くおそれがあり、第四次不況対策の要請すら生じていますが、どのような措置を講ずるつもりか。あるとすれば、その時期と内容を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 第四次不況対策の必要性もさることながら、第三次の公定歩合の引き下げもすでに日程に上っております。歳入面の制約から財政面での思い切った対策が打ち出せないならば、公定歩合の引き下げよりも、住宅ローンの拡大など量的緩和による金融面からの需要創出を図るべきだと考えるのでありますが、量的規制緩和についての政府の見解をお伺いしたいのであります。
 第二に、中小企業の事業分野調整問題について通産大臣にお尋ねいたします。
 昨今、大企業の中小企業分野への進出は著しいものがありますが、この動きに対し、関係の中小企業の業界は、業種を超えて事業分野確保法促進協議会をつくり、法制化を目指して決起集会を開くなど、みずから大企業の進出阻止に立ち上がっております。こうした業界は小規模零細企業者が多く、地域社会と密着し、国民経済に重要な役割りを果たしてきました。しかし、大企業のこれらの業界への進出は、地域産業の振興に大きく寄与してきた中小企業の存立基盤を侵すのみならず、そこに働く従業員の生活をも奪うことになり、このまま放置しておくことは絶対にできません。そのため、中小企業分野調整のための立法措置を強く訴えるわけでありますが、通産大臣の御所見を承りたいと思います。
 第三に、繊維製品の輸入問題について通産大臣にお尋ねいたします。
 最近の繊維産業においては、発展途上国の追い上げが著しく、かつて主要な繊維輸出国であったわが国は、輸出先をこれらの国に侵食されることはもとより、国内市場においても、外国製品の大量輸入により関係業界は大きな脅威を受けております。そのため、何らかの輸入規制対策を講ずる必要があるという声が強いのでありますが、政府はこれに対してどういう措置をとってこられたのか、不況問題に悩む繊維産業の救済対策の点から輸入規制問題をどう考えるか、御答弁を願いたいと思います。
 また、特に韓国つむぎの輸入急増にかんがみ、国内生産者を保護するため、いわゆる伝統産業法の改正がさらに検討されておりますが、これについての政府の考え方もあわせてお伺いいたします。
 第四に、中小企業に対する官公需の促進対策について通産大臣にお尋ねいたします。
 官公需については、できるだけ中小企業に受注の機会を与えるように法律で規定されておりますが、その実態は、官公需の中小企業向け発注比率は、地方自治体の場合は七、八割に達しているのに対し、国の場合は公社、公団等を含めると三割程度にしかすぎず、その割合の拡大が望まれるのでありますが、これについての政府の方針を伺います。
 また、公共事業の場合には、国のほか地方自治団体の費用負担分がかなりあり、特に最近の自治体財政の窮迫状況から見ますと、地方財政に対し強力なてこ入れがないと公共事業の促進が困難であると思われますが、この点についてどのような対策を講ずるのか、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
 第五に、失業対策問題について労働大臣にお伺いいたします。
 大臣は、「失業は人生最大の不幸である」と言われましたが、その最大の不幸がいま日本全土を覆っているのです。最近の政府統計によれば、完全失業者数は百万人前後を記録しており、失業率は昭和三十年代後半以降最高の数字を示し、特に失業の波は中高年齢層に及んでおります。景気は底をついたとはいえ、その上昇の兆しはまだ見えません。このような社会不安が広がる中で、大臣は現在の失業に対しどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
 また、昨年十二月の臨時国会において雇用保険法が成立しました。その主要な内容の一つである雇用調整給付金制度はことしの初めから実施されておりますが、その適用状況、さらに業種指定の拡大及び今月末で適用切れになる業種の期間延長問題についてどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
 第六は、低成長における財政需要の財源をいかに求めるかということであります。
 大蔵大臣は、さきの財政危機宣言において、税の選択的増収を図るとして、広告税、ギャンブル税創設の意図を明らかにしておりますが、近い将来には、容易にして多額の税収を上げることのできる付加価値税の導入を検討していることも事実であります。改めて言うまでもなく、付加価値税は消費者にその負担が転嫁されることを予定した税であり、きわめて逆進性の強い税目であり、その負担が直ちに物価に上乗せされることなど、物価対策から見ても是認しがたい税であります。また、取引の各段階において、相対的に力の弱い中小企業は、逆にその負担を転嫁することができず、自己の負担となることが予想されるなど、経済的弱者により重い負担が課せられることは火を見るよりも明らかであります。付加価値税導入以前に、現行税制に見られる社会的不公正な取り除き、租税全体の負担が、各階層を通じて、付加価値税を導入してもなお適正な負担状況となり得るような環境をつくることが先決だと思うのでありますが、大蔵大臣の見解を明らかにしていただきたいのであります。
 最後に、今回の中小企業白書においては、わが国の経済が従来の高度成長から安定成長に転換するに伴って中小企業はどうあるべきかという点について問題の提起をしております。その中で、今後の中小企業の向かうべき方向として、高付加価値化、高加工度化、そのための小回りを生かした技術力の向上と自助努力の必要なことが強調されております。今後、中小企業者が、厳しい環境条件の中でみずからを守り、さらに発展を目指していくためには、企業の自助努力はもとより、中小企業の実態に合ったきめ細かな政策の拡充をはかることがぜひとも必要であると思いますが、安定成長に向かうわが国経済の中で、国民福祉を目指した中小企業政策の基本的な方向はどうあるべきなのか、政府の所信を伺って私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#132
○国務大臣(三木武夫君) 桑名議員の御質問にお答えをいたします。
 第一に、政府の不況対策は遅きに過ぎたのではないかという趣旨の御質問であったと思いますが、政府は二月に第一次の不況対策、三月に第二次不況対策を講じ、まあその効果もあり、景気はおおむね底入れしたと見られますが、まだまだ経済活動の水準は非常に低いわけであります。物価安定の定着を図りつつ、景気を着実に回復の軌道に乗せるために、去る十六日に第三次の不況対策を決めました。森下議員の御質問にお答えしたように、この処置によって、波及効果も加えて一兆八千億円ぐらいの有効需要の創出が可能であると考えられておりますので、この効果を当分見守りたいと考える次第でございます。
 また次には、この安定成長下における中小企業政策の基本的な方向について御質問があったと思いますが、まあ中小企業をめぐる環境というものは至って厳しいことは、御指摘のとおりであります。高度経済成長から安定経済成長への移行ということでありますから、まあ中小企業も量的に拡大するというのでなくして、質的な充実を図っていかなければならぬ。そのためには経営というものも効率化されなければならぬし、なるべく資源を使わない省資源の推進ということも必要でございましょう。また技術の開発、また人的な能力というものもこれは向上させなければならぬし、また新しい分野への転換という問題などもございます。さらに、製品の高級化、高加工度化などを通じて、いま桑名議員が御指摘になりましたように、発展途上国の追い上げがあるわけです。これに対して、発展途上国のその産業というものを日本が先頭に立って抑えていくということは適当ではありませんから、日本の製品を高級化して、そうして国際分業の進展の要請に正面から対応していくことが必要であると思います。政府としては、このような中小企業の自助的な努力に応じて、中小企業の近代化、高度化の助成、経営や技術の指導、中小企業の活動の機会の拡大、労働対策、福祉対策など、各般の施策をさらに充実をして、わが国の中小企業というものが長期にわたって安定した経営ができるような基盤を築きたいと願っておる次第でございます。
 お答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#133
○国務大臣(福田赳夫君) 不況対策は遅きに過ぎたというような御意見でありますが、景気だけを考えておりますれば、これは積極的な施策がいつでもできるんです。しかし、同時に物価問題、これを踏まえておらなければならない。そういう両面の立場から申しますと、政府といたしましては、まずまず適時適切な対策をとってきたと、かように考えております。
 なお、今後の見通しはどうか、第四次対策を考えておるかというお話でありますが、第三次までの政策効果、これが逐次あらわれてくると、私は今後景気はなだらかな上昇過程に向かうと、かように考えております。ただ、経済は生き物でありまするから、まあその成り行きにつきましては慎重に推移を見守ってまいりたいと、かような考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#134
○国務大臣(河本敏夫君) まず第一番に分野調整の問題でございますが、この問題につきましては、法律によりましてこれを行うということはやはりいろいろ問題がございますので、これまで政府のとってまいりました方策は、行政指導で話し合いをさせて、それによってトラブルを解決していくと、こういう方針でやってきたわけでございます。これまでも十分成果があったわけでございますから、当分の間今後もこの方針を続けたいと思います。
 なお、場合によりましては、現行法に「中小企業団体の組織に関する法律」がございますが、これに基づきまして特殊契約制度というのがございます。これは中小企業の分野に大企業が出てまいりましてトラブルを起こしました場合に、大企業と商工組合との間に、主務大臣の認可を得て、当該大企業が進出計画を変更すると、そういうことを内容とする特殊契約を締結させる、こういうこともできるようにいまなっておりますので、現在のところ、法律によって分野調整をしないで、行政指導、場合によりましてはこの「中小企業団体の組織に関する法律」を活用いたしましてやっていきたいと、かように考えておる次第でございます。
 また、小売業等に関しましては、「小売商業調整特別措置法」等がございますので、これによりまして調整をしていきたいと考えております。
 次の問題は輸入規制の問題でございますが、特に繊維品の輸入規制の問題についてお触れになりましたが、最近の繊維製品の輸入は、国内の不況を反映いたしまして、月を追いまして鎮静化の傾向にございます。たとえばことしの五月には、一昨年のピーク時に比べますと約四〇%の水準に落ち込んでおるわけでございます。特に近隣諸国との関係を見ますと、日本からの貿易が大幅に出超になっておると、こういうことも考慮しなければなりませんし、日本があくまで自由貿易をたてまえとしておると、自由貿易でなければ日本がやっていけないと、こういうことを考えますと、このことによりまして他産業への連鎖反応が起きると、こういうことも警戒をしなければなりません。そういうことで、輸入規制、つまり輸入制限であるとか、あるいはまたこの輸入禁止と、こういうことは直接とりませんで、できるだけ秩序のある輸入をいたしますように輸入業者を指導する、自粛を要請する、あるいはまた関係輸出国との間に官民相互間の話し合いを進めていく、こういう方針でやっていきたいと、かように考えておるわけでございます。たとえて申しますと、先ごろも伝統産業に属します大島つむぎの韓国からの輸入問題につきましてトラブルが発生をいたしておりましたので、通産省から政務次官を団長とする使節団を派遣をいたしまして、韓国政府と交渉いたしまして、ことし以降は一定の数量に制限をすると、また同時に韓国製品であるという表示も明確にすると、こういうことで、先方の政府も十分了承をいたしました。こういうふうな官民によるところの話し合いを通じましてそして問題を解決していくと、こういう方向で進めていきたい、輸入規制は直ちにとるべきではない、こういうふうに考えておる次第でございます。
 さらに、中小企業向けの官公需の拡大政策いかん、こういうお話でございますが、これは政府の基本方針でございまして、「中小企業者に関する国等の契約の方針」ということを閣議でも決定しておりまして、中小企業者に対しまして、その受注の機会をできるだけ増大させるように努力をいたしております。最近は大分ふえてまいりまして、おおむね三〇%前後になっておりますが、さらにこれを増加させるように努力中でございます。府県等におきましては、六五%とか七〇%というふうな契約率になっておりますが、これは仕事の内容が違いまして、府県の場合には、中小企業に仕事を回すことが比較的簡単でございますが、国の場合には、その仕事の性格上から申しまして、そう急に大幅にふえるということは若干の問題があるわけでございますが、お説のように、できるだけ官公需の受注の拡大等に努めてまいりまして、中小企業の育成、強化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 その他の問題につきましては、総理より御答弁になりました。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#135
○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、景気対策のために、金融の量的規制緩和の一助といたしまして、住宅ローンの拡大に努めなければならないではないかという意味の御質問でございました。仰せのとおりでございまして、政府といたしましても、民間の金融機関を督励いたしまして、住宅ローンの拡大に努めておるわけでございます。本年三月末、全国銀行の貸出残高は、前年同月比におきまして一一%の増加でございますが、住宅ローンは三五%の増加でございました。着実に拡大を見ておるわけでございますが、今後とも御趣旨に沿いまして努力をしてまいるつもりでございます。
 第二の御質疑は、地方における公共事業の推進のために、地方財政上の困難をできるだけ除去すべきではないかという御指摘でございました。政府といたしましても、御案内のように、まず予算を策定し、地方財政計画を策定いたしまして、それに見合った財源を用意いたしておるわけでございます。ことしの公共事業におきましては、上半期契約を七〇%にまで促進しようといたしておりますけれども、その限りにおきましてこれに必要な財源の用意はいたしておるわけでございます。したがって、私といたしましては、地方公共団体がこの計画に沿って、できる限りその消化に努めていただきたいことでございまして、若干の地方公共団体でそのとおりやってまいることに問題があることは私も承知いたしておりますけれども、できる限り計画どおり御推進を願いたいものと思っております。
 第三の問題は、低成長下の財源といたしまして付加価値税というようなものを取り上げるべきでないという桑名さんの御指摘でございました。私もそう考えております。これは税制上も、執行上も、中小企業対策上も、物価政策上も問題の多い税目でございまして、直ちにいまこれを検討し、実施に移すべくお願いをしようとは思っておりません。あなたが御指摘のように、現行税制の公正な充実が前提、先決であるという御意見につきましては、私全く同感に存じております。(拍手)
   〔国務大臣長谷川峻君登壇、拍手〕
#136
○国務大臣(長谷川峻君) お答えいたします。
 まさにおっしゃるとおり、完全失業者四月に九十八万、そして失業率は一・九、特にこの完全失業者の中に、御心配のように男子中高年齢者の割合が非常に高まっていることは情勢の厳しさを示すものだと思っておりまして、この対策につきましては、雇用保険法に基づく失業給付、さらにはまた、雇用対策法に基づく職業転換給付金を支給しながら、訓練、紹介、こういうものを実施しながら、早期再就職に全力を挙げているところでありますが、幸いにいたしまして、四月に施行されました雇用保険法において、就職のむずかしい中高年齢者に対しましては、手厚い措置を講ずることになっておりますので、こういうものを活用しながら、積極的な求人の開拓、あるいは安定した職場の確保ができるように、労働省といたしますと、こういう苦しいときこそ一生懸命やろうという気持ちで、前向きの姿勢でやってまいるつもりであります。
 次に、お話しの雇用調整給付金、これは中小企業に対しましては三分の二、大企業に対して二分の一の給付金を出しておりましたが、この効果が非常にあらわれたと私たちは自負しておりますが、おっしゃるように、一月から実施しまして六月で切れるものがございます。これは、こういうときでございますから、七月以降も三カ月間延長して、中小企業の業種を中心にして、この適用を延長してまいる、こういうふうな考えでおりますことを御理解いただきます。(拍手)
#137
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#138
○議長(河野謙三君) 日程第二 国務大臣の報告に関する件(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況について)
 自治大臣から発言を求められております。発言を許します。福田自治大臣。
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#139
○国務大臣(福田一君) 地方財政法第三十条の二の規定に基づいて、先般政府が国会に提出いたしました地方財政の状況につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十八年度の地方財政のうち、普通会計の決算について申し上げますと、決算規模は、歳入十八兆二千百七十一億円、歳出十七兆四千七百三十九億円でありまして、これを前年度に比べますと、歳入において二〇・七%、歳出において一九・五%とそれぞれ増加しております。また決算収支は、二千五百二十三億円の黒字となっており、前年度と比べますと、六百五億円黒字が増加しております。
 次に、歳入の内容を見ますと、国庫支出金や地方債の伸びが鈍化したのに対し、地方税や地方交付税を中心とする一般財源の伸びが大きかったため、歳入総額に占める一般財源の割合は前年度と比べまして高まっております。
 歳出の内容を見ますと、投資的経費は、総需要抑制策によりその伸びが鈍化しましたが、他方、人件費を中心とする義務的経費は著しく増加し、財政硬直化の重大な要因となっております。
 次に、地方公営企業につきましては、昭和四十八年度の決算規模は、四兆一千百八億円でありまして、前年度と比べますと一九・七%と増加しております。収支の状況を見ますと、単年度純損失は千三百十四億円、累積欠損金は、四千三百六十八億円に達しております。
 今後の地方財政につきましては、地方公共団体が、増大する行政需要に対処して、よくその責務を果たし得るよう地方財源の充実強化を図るとともに、各種施策の推進に当たっては住民福祉の向上のために必要不可欠な事業を重点的に実施し、あわせて全般的な行政経費の節約、合理化を図り、財政硬直化を打開していく必要があると存じます。
 なお、公営企業につきましては、原価の上昇に対応して経営の合理化をさらに徹底するとともに、適時適切に料金の適正化を図るよう努力を払う必要があると存じます。
 以上、地方財政の状況につきまして、その概要を御報告した次第であります。(拍手)
#140
○議長(河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。野口忠夫君。
   〔野口忠夫君登壇、拍手〕
#141
○野口忠夫君 私は、日本社会党を代表し、昭和四十八年度決算に係る地方財政の状況に関する報告に関連し、地方財政対策のあり方及び今後の措置等について、政府の所信をただしたいと思います。
 昭和四十八年は、改めて指摘するまでもなく、田中前内閣が放漫インフレ施策を強行し、また、石油ショックを初め海外事情の変化などの影響も加わって、それまで産業界の高度経済成長路線の後押しをしてきた政府の経済政策が挫折し、一大転換を迫られた年であります。
 当時を振り返ってみますと、政府は、昭和四十八年度の国の経済政策について安定した成長路線に定着させ、経済成長の成果を活用し、福祉志向型経済の実現を目指して、生活環境の整備を中心とする社会の資本の整備、社会保障の充実、地価対策の推進一物価安定等の諸施策を重点的に講ずると言明し、地方財政計画についても、例年のごとく、国の方針と同一基調で策定することとしたのであります。政府の言っていることは、言葉はまことにりっぱであります。したがって、政府の施策がそのまま実現されておれば一応問題がありません。しかし、現実は政府の説明とは全く違った推移をたどることとなったのであります。
 すなわち、昭和四十八年は、年初めから物価の騰勢が勢いを強め、そのため政府は、公定歩合の再々引き上げや、金融の窓口規制を一段と強化せざるを得なくなったし、せっかく無理をして通した四十八年度国の予算も、公共事業等は予算の成立直後から執行を繰り延べるという手段をとらざるを得なくなったのであります。したがって、地方財政計画に計上された学校及び福祉施策、道路などの普通建設事業費は、その前年度比三五・八%増という大盤振る舞いをしましたが、貨幣価値の下落や物不足から、現実の投資効果は前年度よりも後退するという状況になってしまったのです。お金はたくさんばらまきましたが、行政効果は、それに相応した成果を得られなかった。地方財政白書はこのことを数字的に明確に物語っております。
 以下、具体的に政府の見解を求め、その所信をただしてまいりたいと思います。
 まず、地方財政における経費の効率的運用を図るためには、国の安定した経済政策が前提となるという問題についてであります。
 昭和四十八年度の地方財政計画は、政府の説明をかりると、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、積極的に住民福祉の向上を図るということでありました。そして、公共事業については、前にも指摘したように、前年度に比し三五・八%増の経費を計上し、特に生活環境の整備については七四%増、厚生労働施設については四八%増の経費を配分したのであります。しかし、地方財政白書は次のような数字を挙げて政府施策の失敗を示しております。すなわち、公営住宅は四十七年度には十万八千六百戸増したのでありますが、四十八年度の増は五万九千三百戸と落ち込んでいるのであります。幼稚園は四十七年度四百十二園増加いたしましたのに、四十八年度は二百五十八園増加したのにすぎません。保育所は五百二十五カ所増に対し、六百二十一カ所増と若干増加していますが、その伸び率はわずか六・四%にすぎないのであります。これを計画における経費の伸びに比べてみると、全くお話にならない少ない数字なのであります。政府は、なるほど福祉施設に対し資金をたくさん配分するような姿勢を見せました。しかし、建築費の高騰、地価の上昇、物不足などにより、その現実の行政効果としては、前年度の実績すら確保できなかったのであります。自治省は、口を開けば、地方自治体に対し経費の効率的使用だとか、財務指導だとか申しておりますが、政府の経済運営が根本的に誤っている限り、地方財政の健全性は取り戻すことができません。これは白書の示す現実であります。こうした事態を一体どのようにお考えになっておられるか、総理の所見と反省とを求めたいと思うのであります。
 また、地方における行政水準の向上には、何といっても物価の安定が絶対に必要であります。福田副総理はしばしば、五十年度内物価上昇率九・九%以内、五十一年度を五ないし六%以内にとどめたいと述べています。しかし、このことは三木内閣の最優先案として、総理自身の口から、内閣の命運をかけても必ず実現しますと明言されなければならないと思います。総理の御所見を伺いたいと思うのであります。
 次に、地方財政における決算と地方財政の乖離について伺います。
 昭和四十八年度の地方財政の計画規模は、純計で、歳入十八兆二千二百億円、歳出十七兆五千億円でありますが、当該年度の地方財政の規模は十四兆五千五百億円であります。つまり、地方財政計画は歳入決算比で三兆六千七百億円、歳出決算比で二兆九千五百億円とまことに著しい開きがあるのであります。もとより地方財政計画は、年度当初に策定されるとその後補正を行わないものであるなど、地方財政計画の策定の方法とか技術上の問題からくる当然の差というものがあることは承知していますが、そうした観点を考慮いたしましても、なおかつ、計画と決算の開きは余りにも大き過ぎます。それは政府が地方財政計画に当然計上すべき必要経費を計上していないからであると思うのであります。
 たとえば人件費の基礎となる四十八年度地方財政計画上の職員数は百九十二万六千二百七十人ですが、昭和四十八年の指定統計調査の結果により、実際の人員はそれより二十万人も多いことが公式に明らかにされています。しかし、自治省自身がその後の計画に算入したところの必要職員約十六万人余もあるのであります。つまり、十六万人分の人件費は四十八年度において当初から計画から外されて、その金額はざっと見積もっても三千億円以上になるのであります。自治省は、五年に一度行われる地方公務員の給与実態に関する指定統計の結果を見て、後年度若干の規模是正をすることにしております。しかし、それはあくまでも後追い的な措置にすぎません。前向きに定数増を織り込む方法があるにもかかわらず、悪い慣行を墨守しているにすぎないのであります。地方財政計画の職員定数の是正にはもっと前向きに取り組むべきであると思いますが、自治大臣の所見を求めます。
 また、計画と決算の乖離の原因には超過負担の問題があります。昭和四十八年度の地方財政計画では、超過負担の解消措置として二百八十三億円を計上したということですが、この程度では自治体の実際の超過負担は解消されません。超過負担の解消は、単価差のみならず、対象差、数量差も含めるべきで、そのためには国と自治体が対等の立場で意見を交換する場を公式に新設する必要があると思います。関係大臣の明快な御答弁を求めたいと思うのであります。
 次に、普通建設事業費における土地取得のための地方債財源問題についてお尋ねいたします。
 地方自治体が公共施設の整備を促進する上で用地取得は欠かせないものであります。四十八年度の地方財政における用地取得費は、都道府県、市町村合わせて一兆一千七百二十九億円に及んでおりますが、その財源を白書によって見ると、地方債が四三%、一般財源が二七・七%、国庫支出金一八%で、地方債の占める割合が何と半分近く占めているのであります。用地取得のための地方債の比率は年々増加の傾向にあります。五年前の四十四年度地方債比率はわずか二二・九%にすぎなかったのであります。用地取得における起債依存度を低下させるため、一般財源の増強、国庫支出金の増加を図るべきであると考えますが、政府の見解を求めます。
 次に、地方税について伺います。
 地方財政白書は、四十八年度の地方税について、その税収の前年度比伸び率は二九・七%と大幅増であったと述べております。しかしながら、こうした税収の伸びにもかかわらず、地方財政は好転どころか、悪化の一途をたどってきたことは周知のところであります。それは貨幣価値の下落や物不足、総需要抑制策の浸透、経済不況の長期化の影響がまともに地方財政を襲ったからであろうと思います。しかし、地方財政悪化の要因には、政府の財政経済政策の失敗と地方財政の構造的なものとがあると思われるのであります。特に不況期における大企業の地方税負担については徹底的に再検討する必要があると思います。地方行政はその性質上、常に着実に行政水準を向上さしていく必要があります。そして、そのためには、景気に敏感な税と安定した財源との適当な組み合わせが必要であります。特に日本を代表する大企業あるいはその他の大企業で地方自治体の行政サービスに密接な関係を持つ事業主体が、不景気に際して事業税を払わなくてもよかったり、住民税ではわずかな均等割りを支払えば済むというような現行規制はきわめて不合理な制度と言わなくてはなりません。
 また、租税の特別措置にも問題があります。現在、国の租税特別措置による減税、あるいは地方税独自の特別措置により減税となる地方税減収額は年々増大し、その額は昭和五十年度見込みで約三千九百八十億円に達し、それは四十九年度に比し五百億円も増加していると言われます。この中には、税負担の公平の見地から当然整理されてよいものがあろうと思います。政府は、来年度税制改正の方向として、大企業に対し外形課税による地方税課税の強化を図り、また惰性的な非課税措置の廃止についても英断をもって臨むべきではないかと思います。社会的公正を看板とする政府の所信の明示を求めたいと思うものであります。
 次に、公共料金問題と物価の安定対策との関連等の問題についてただします。
 去る五月十六日、自治省は、「地方公営企業の料金については、適時適切に料金改訂を実施するよう格段の努力をされたい」という公共料金値上げの次官通達を出し、各方面に物議を醸しました。企画庁のクレームにより、一応この問題は政府部内の意思統一ができ、国会での責任追及を回避いたしましたが、実は、自治省が物価情勢を顧みず、常に地方公営企業の料金値上げを指導してきたことは明らかであります。昭和四十八年度は物価問題の一番むずかしいときでありましたが、自治省はその四十八年度地方財政白書の中で、地方公営企業の経営がさらに悪化したのは、コストの上昇が著しかったのに、これに対応する料金の適正化がおくれたのだと指摘し、物価抑制ということが当時の重大な政治課題となっていたことについては一言も言及していなかったのであります。今回の公共料金値上げの次官通達問題は、まさにそうした積年の自治省的体質を端的に示したものにほかなりません。
 国の物価抑制のため、地方公営企業の料金引き上げ時期を延ばしたり、引き上げ幅を少なくすることは当然考えられなくてはならない措置であります。そして、そうした場合に生じた公営企業の赤字補てんについては国でめんどうを見、また自治体においても、一般会計から補てんする制度も当然認められなくてはならないと思うのであります。政府は、原価主義に基づいて行う地方公営企業の料金の値上げを物価政策上抑制する場合もあり得ると考えているのか。また、その場合の不足財源について、国からの助成措置や一般会計からの赤字補てんを考えているのかどうか、政府の明確な答弁を求めたいと思います。
 次に、農業政策について伺います。
 高度経済成長の大きなひずみの現象の一つとして過疎問題が取り上げられ、種々の対策が講ぜられ今日に至っております。しかしながら、今日までの施策が過疎問題の解消に十分成果を上げてきたと考えられないのであります。私は、その大きな原因の一つに、農政に対する政府施策の一貫性の欠如があると思います。四十八年度の地方財政の決算では、水産業費、農業費、林業費、農地費等は、いずれも前年度の増加率を下回っておるのであります。地方財政白書はこれについて、総需要抑制策により普通建設事業費の伸びが鈍化したためであると説明しておりますが、農漁村の振興なくして過疎問題を根本的に解決することは不可能であります。農林水産行政が一時たりとも後退は許されません。農業では生活ができないという今日的現状を、今度の生産者米価の決定に当たって農林大臣はどのような見解でこれを定めていかれようとされているかをお伺いしたいと思うのであります。
 最後に、危機に直面する地方自治体に対する総理のお考えをただしたいと思います。
 地方自治団体の財政危機の今日の状態をつくり出したものは、四十八年白書の示すとおり、高度経済成長政策の挫折に伴う物価高と不況の中に生まれてきたのだと思われます。
 直接住民と接する地方自治団体は、いま必死になって、巻き込まれたこの国の過ちからの脱出と立ち直りに一生懸命であることは、過日の地方行政委員会に参考人として出席された長野市長、国立市長のお話でも明らかであります。多様化した住民要求の前に増大する需要、追いつかぬ収入、福祉社会実現を公約した三木内閣にとって、その先手としての地方自治体の安定した行政水準の確保は当然の責務であります。
#142
○議長(河野謙三君) 野口君。野口君。
#143
○野口忠夫君(続) 国と地方の財源の配分は、この一点に集中してあるべきものと思います。
 従来の国の枠内にとどまり……
#144
○議長(河野謙三君) 野口君。野口君。
#145
○野口忠夫君(続) いたずらに人件費の問題……
#146
○議長(河野謙三君) 野口君。野口君。野口君。
#147
○野口忠夫君(続) 福祉先取りの批判、料金値上げの強要など、一片の通牒で……
#148
○議長(河野謙三君) 時間が経過しております。
#149
○野口忠夫君(続) 済ますことのできないような大きな課題の前にある地方自治体対策について、総理の深い決意を求めたいと思うものであります。
 以上をもって私の質疑を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#150
○国務大臣(三木武夫君) 野口議員にお答えをいたします。
 昭和四十八年度の地方行政水準を停滞さしたのは、政府の経済政策の誤りでないかという御質問でございます。
 いわゆる過剰流動性の処置など、結果的に見れば、財政金融政策に適切を欠いた面もあることを率直に認めます。しかし、野口議員も御理解願えますように、昭和四十七年という経済の混乱については、国際通貨制度の動揺や石油の危機など、海外要因が非常に大きかったということは御理解を願いたいのであります。それゆえにこそ、三木内閣としては物価の安定と不況打開を最重点課題として、わが国の経済を安定した経済成長の軌道に戻すために目下懸命な努力を払っておることは御理解願えると思うのでございます。
 また、次に、三木内閣の最優先施策としての消費者物価、来年の三月一けた台にするという決意があるかというお話でございますが、物価の安定ということは、結局国民生活のこれは基礎であります。最重点に置くことは当然だと思います。消費者物価については、基調としては落ちついてきておる方向にあると思いますが、まだ上昇の傾向も非常に根強いものがあります。このようなむずかしい情勢でありますが、各般の物価対策を推進して、本年度末の消費者物価の上昇率を一けた台にとどめるように万難を排して努力をする決意でございます。さらに、できるだけ早い機会に、少なくとも定期預金の金利の水準程度には抑えていかなければならぬと考えております。
 さらに、この地方行財政の危機打開、危機打開を図るためにどのような施策をとるかということでございますが、最近の経済情勢のもとにおいては、国、地方とも財政運営というものは非常な困難に直面しておるわけであります。高度成長下では、地方財政も各般の施策を急速に拡充していくだけのゆとりを持っておったわけでありますが、現在の情勢はそういうゆとりはない、非常に厳しいということを、これは認識をすることが必要だと思います。しかしながら、この地方の団体の役割りというものは、今後はやはりいままでよりも非常にふえてくる。福祉行政にしても、教育にしても、生活にしても、やはり地域住民と一番密接な関連を持っておるのは地方の自治体でございますから、今後、その果たすべき役割りというものは非常に重くなってくる。しかし、自主性を持つと同時に、責任ある地方行政を実現することが必要であります。また、あれもこれもやるというのでなくして、やはり地域の実情とか住民の要望にこたえて、重点的な選択ということがこれから必要になってくると思うのであります。
 国としては、超過負担の解消、補助金の整理など、適正な地方財政運営が阻害されないように、今後は一層努力いたします。また、現在の地方財政の硬直化を打開するためには、その具体的方策について地方制度調査会に審議も願っておるわけで、その結果も、これはいろいろ今後の施策を具体化していく上において参考になるものと考えております。
 農林漁業振興については農林大臣からお答えをいたします。
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#151
○国務大臣(福田一君) 野口議員にお答えをいたします。
 地方財政計画とその実績、決算との開きが大きい。特に地方財政計画上、職員定数の算入をもっと正確に行うべきではないかという御質問でありますが、政府は、地方財政計画の策定に当たりましては、法令の改正等によりますところの地方公務員の増加所要数については、できるだけ的確にこれを算入するよう努めているところでありまして、今後もこの方針で対処してまいる所存でございます。
 なお、地方財政計画の性格上、地方における公務員数の増加実績をそのまま追認するようなことは適当とは考えておりません。
 超過負担の抜本的改正のために、国と地方自治体とが話し合う公式の場を新たにつくれというお話でございます。この点につきましては、御指摘のような話し合いの場として、すでに全国知事会等、地方六団体が地方超過負担解消対策特別委員会を設置いたしておりまして、自治省といたしましては、この委員会から参加要請を受けてこれに参加し、意見を交換しておるところであり、それに基づいて適当なる措置をとりたいと考えておるところでございます。
 地方の建設事業における用地取得費の財源について、地方債充当率を引き上げ、一般財源、国庫支出金を強化すべきであるというお説でございますが、、これについては大蔵大臣あるいは建設大臣からお答えがあるものと存じます。
 なお、大企業に対する法人事業税、住民税、それから租税特別措置等の問題についていろいろ御指摘がございました。われわれといたしましては、事業税については、最近の経済動向から、業種によっては税収入が著しく不安定になっていることにもかんがみまして、基本的には、その課税標準に、所得金額のほかに、事業規模ないし活動量を的確に示すことのできる外形基準を導入することが望ましいと考えております。しかしながら、外形基準を導入する場合には、各企業の負担に相当の変動が生ずることになり、さらには国、地方を通ずる企業課税の基本的なあり方にも関連する問題でございますので、今後とも引き続き税制調査会等の審議を煩わしつつ検討してまいりたいと存じます。
 また、地方税における各種の非課税、軽減等の措置については、個々の政策目的と、租税における公平の原則との調和という見地に立って、適宜見直しを行い、そうして既得権化や慢性化の排除に努めるとともに、社会経済情勢の進展に即応いたしまして、随時、流動的改廃を図っていくこととすべきであると考えております。ただ、国税の租税特別措置の中には、地方税においても同様な軽減を行うことが適当なものもあり、また、国税の租税特別措置を地方税で回避することが課税技術上困難なものもありますので、このような事情をも勘案いたしつつ、可能な限り整理、合理化を努めてまいる所存でございます。
 次に、地方公営企業の公共料金の引き上げにつきまして、次官通達を例に引かれましていろいろ御質問がございましたが、地方公営企業の料金の改定につきましては、安易な値上げに堕することなく、まず経営の合理化によってできる限り経費を吸収し、吸収できない部分について利用者負担の原則、この利用者負担の原則を基本的観念に置いて、そうしてあわせて物価政策との整合性を保ちつつ適時適切に行うべきものである。この趣旨の次官通達を出したのでございまして、自治省は例年このような次官通達を出しておるわけでございまして、したがって、この趣旨に沿って今後も処理をしてまいりたいと考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#152
○国務大臣(大平正芳君) お尋ねの地方財政問題につきましては、大方自治大臣からお答えがございました。ただ一点、用地取得費の問題についてお答えが残っておるようでございます。
 この問題につきましては、御案内のように、用地自体が助成の対象になる道路でございますとか、公園でございますとか、あるいは農業基盤というようなものと、それから学校とか、保育所とか、あるいは公営住宅とかいうように、用地自体は補助の対象にならないものと二つございまして、政府といたしましては、それぞれの性質によりまして、事業の推進が可能になるように、それぞれの財源措置を講じてまいっておるつもりでございまして、助成でまいる場合、あるいは地方債でまいる場合、それぞれ適切な財源措置を講じて、事業の推進に遺漏のないようにできるだけ努めてまいるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣仮谷忠男君登壇、拍手〕
#153
○国務大臣(仮谷忠男君) お答えをいたします。
 公共事業用地は、本来、当該事業年度の事業費または債務負担行為によって確保することが原則でありまして、これは御指摘のとおりであります。このことについてはただいま大蔵大臣からお答えをいたしたのでありますが、特に私ども建設省としましては、事業を効率的に円滑に推進するために、たとえば地価が引き続いて高騰をする場一合、あるいは緊急に事業を施行する必要の場合、また用地を一括して取得する必要の場合、そういう場合には先行取得ということをやっておるのでありまして、この方針で従来は指導いたしてまいったのであります。ただ、最近御承知のように地価がだんだんと鎮静をいたしてまいりましたので、今後は、この方針自体は再検討をする必要があると思っておりますし、特に地方財政の圧迫要因にならないように十分配慮をしていかなければならぬし、そのために努力をいたしてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
#154
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御指摘のように、農林漁業の振興を図ることは、わが国の食糧自給力の強化のためのみならず、やはり農山漁村地域の振興を図る意味からもきわめて重要であると思います。このため、従来から、政府といたしましても、農林漁業関係の公共投資の拡充につきましては力を尽くしてまいったわけでありまして、昭和五十年度予算においても、公共事業抑制の方針のもとではございましたが、農業基盤整備事業を初めといたしまして各事業の予算額を前年度予算を上回るように措置をいたしたところでございます。今後とも、これら事業の地域振興に果たす役割りを十分に認識し、施策の総合的な推進を図るべく、より一層に努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、本年度の生産者米価につきましては、これは食管法の趣旨に基づきまして、米価審議会の答申を尊重し、再生産が確保されるように適正に決めてまいりたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#155
○議長(河野謙三君) 神谷信之助君。
    〔神谷信之助君登壇、拍手〕
#156
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま報告された「地方財政の状況に関する報告」及び、それに関連する政府の地方財政対策について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、今日の地方財政をめぐる基本問題についてであります。今日、地方財政は昭和二十八年から三十年にかけて全国を巻き込んだ赤字団体転落の時期、四十年不況の時期に続いて戦後三度目の深刻な事態に直面しているのであります。しかも、今回の危機は、高度成長政策の完全な破綻と不況・インフレの長期化によって、とうてい一時的な危機でとまり得ない点、さらには住宅、交通、公害を初めとする都市問題や、異常なまでの人口急増、過疎問題の激化など、積年の高度成長政策が引き起こした膨大な住民要求の解決が切実に迫られているもとでの危機であるという点で、従来のどの時期にもない特別の深刻さがあり、政府の対策いかんによっては、戦後民主主義を支えた根幹とも言うべき地方自治を根底から損なう重大な局面にあると言わねばなりません。
 そこで、三木総理に伺いたい。今日の地方財政危機の根源が、各種の高度成長型税財政制度、とりわけ国に偏重した税財源配分、大企業への租税特別措置、産業基盤整備事業にはなくて、生活基盤整備事業にのみ莫大な超過負担を押しつける国庫補助負担制度、機関委任事務の増大などにあることは地方制度調査会の数度の答申によっても指摘をされ、また、保守、革新を問わず、すべての知事、市町村長がその改革を強く要求しているところであります。にもかかわらず、三木総理は、日本経済への影響とか、答申待ちとか、さまざまな口実を設けて意図的に回避するのみか、この地方財政危機を逆用して、人件費や国を上回る福祉行政を攻撃し、自治体の課税権を抑え、水道、交通など公営企業料金や使用料、手数料の引き上げを強要しているのであります。まさに、大企業には厚く国民には厳しい三木内閣の政治姿勢の本質を示すものであると考えなければなりません。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)したがって、地方財政危機打開のためには、この政治姿勢をこそ転換すべきであるが、この点について総理の所見を伺うものであります。
 さらに、不況とインフレによる中小企業の倒産、失業者の増大、農林漁業の危機などの一層の深まりのもとで、地方自治体の行政需要の増大は必至であります。政府は直ちに地方財政の抜本的拡充措置を講ずることこそが緊急の課題であると考えるが、この点について総理並びに自治大臣の答弁を求めるものであります。
 次に、地方交付税制度の改善についてであります。周知のように、昭和四十一年の税率改定以来、地方交付税は、国家財政の産業基盤への重点配分を図る立場から、不当にも国の財政硬直化要因とみなされ、一貫して削減の対象とされ、交付税法の趣旨を踏みにじって、九年間にわたり政策的にその税率が据え置かれてまいったのであります。
 そこで、政府に伺いたい。地方自治体の九十数%が交付税交付団体であるというかつてない今日の事態によって、もはや地方交付税が本来果たすべき財源調整、財源保障機能を果たし得なくなっているにもかかわらず、なお交付税率引き上げを拒否しているのはなぜか、この点、明確に御答弁いただきたいと思います。
 さらに、交付税所要額積算の基礎である地方の財政需要額算定を、現行税率の枠内に無理やり低く抑え込む不当な逆算定方式によって、地方の実態と著しくかけ離れたものになっていることは、今国会の論議を通して改めて浮き彫りにされたところであります。このような現行税率を固定化するための不公正な交付税積算方式を改めるだけでも、わが党や地方団体が要求する四〇%への引き上げが必要になることは明らかであります。政府は、危機打開の第一歩として、この不公正かつ不当な措置を是正する意思があるかどうか、明確に答弁願いたいのであります。
 次に、五十年度歳入欠陥に関連して伺いたい。五十年度予算成立後わずか二カ月足らずで、一兆円ないし二兆円の歳入欠陥が喧伝されること自体、政府の責任が厳しく問われるべきであります。しかも、歳入欠陥に伴う地方財源の落ち込み、赤字国債発行の可能性含んだ景気対策的な公共投資の増大が、危機にあえぐ地方財政に拍車をかけることは必然であります。
 政府はこうした事態を引き起こさないために、四十年不況時の歳入欠陥、国債発行に際して行った臨時特例交付金や交付税率引き上げ措置のごとく、地方財源不足分の全額を政府の責任による一般財源で措置し、いやしくも地方財政計画の削減や地方債等によって地方負担をもたらすことのないよう措置することを確約すべきだと考えるが、どうか。
 次に、自治省次官通達に示された政府の反動的な地方自治介入、統制の問題であります。この通達は、財政危機の責任を挙げて地方団体に転嫁する政府の態度をきわめて露骨に打ち出すとともに、政府の地方債許可権をてこにして、事実上すべての地方自治体に、人件費、人員削減、機構の統廃合、各種料金値上げ、福祉行政切り捨て、これらを盛り込んだ財政健全化計画策定を強要し、その推進のために財務調査官制度まで新設し、地方自治体の行財政運営に介入し、統制しようとするものであります。
 総理並びに自治大臣に伺いたい。これはまさに三十年代の地方財政再建促進法で地方自治体と住民が味わわされた過酷な住民犠牲と、国による地方自治支配の再現ではありませんか。しかも、今回は法律にも基づかず、一片の通達と行政権限によって行おうとする態度は、政府の責任をたな上げにし、国民に転嫁するという許すべからざるものであり、地方自治と民主主義を踏みにじる三木内閣の強権的政治姿勢を示すものであります。わが党は直ちにその撤回を求めるものであるが、この点について見解を伺うものであります。
 さらに、健全化計画強要のてことなっている政府の地方債許可権は、地方自治法第二百五十条の、当分の間、許可制とする、とした規定によって、二十八年間にわたり地方財政への国の統制手段となってきたものであり、諸外国にもその例を見ない自治権に対する侵害であります。政府が、地方自治体の責任と自主性を口にするなら、まず自治体の地方債発行権を尊重し、都道府県にその権限を大幅に移すべきだと考えるが、この点についての明確な答弁を求めるものであります。
 最後に、私は、当面の地方財政危機打開と、地方財政制度の民主的改革の一環として幾つかの提案を行うものであります。
 その第一は、地方財政危機打開のためにも、過去五カ年間の累積超過負担の調査、解消のため、地方自治体代表を含めた調査特別委員会を今年度中に設置し、直ちに解消措置をとるべきであります。
 第二に、国庫補助負担金の算定、地方交付税の算定と配分を民主的に決定するための機関として、地方自治体代表を含む地方財政委員会を設けることであります。
 第三は、危機の影響を最も深刻に受けている人口急増、過疎自治体への財政措置を強化するため、人口急増地域財政特別措置法を制定し、生活関連公共施設等への国庫補助の特例、交付税算入措置を強化すること、及び、過疎法の抜本的改善を図ることであります。
 これらの具体的措置について、総理はきっぱりとその実施に踏み切る決意があるかどうか、この点を最後に伺って私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
#157
○国務大臣(三木武夫君) 神谷君の御質問にお答えをいたします。
 高度経済成長型の税財政制度をそのまま温存して、地方財政を圧縮して、住民を犠牲にするような矛盾を犯すのではないかという意味の御質問でしたが、国も地方も高度経済成長期に形成された仕組み、慣行、物の考え方、これはもう温存しようとしても、条件が変わったわけですから、温存をすることは許されません。全面的に見直しを必要とするわけでございます。まあ、ただ国と地方との関係というものは、車の両輪のようなものであって、これは協力することが必要であると考えております。国民のための福祉行政を推進するものであり、そうすることが国民のための福祉行政を推進するものであり、対立的に国と地方とが考えるということは、福祉行政を推進する道ではないと思うわけでございます。国としては、地方団体に人員や経費の負担を強いるような施策は、極力避けることにしたい。そして、超過負担の解消などを努めて、地方における自主性と責任をもって厳正な財政運営を行うように望んでおる次第でございます。
 その中で、御質問があった租税特別措置法は、これはやっぱりある政策目的を達成するためにそういう制度を設けたわけでございますが、既得権化することは、これは避けなければならぬ。毎年これを見直していくことによって、新しい時代に対応した行財政のあり方ということに、これはいたしてまいりたいと思うわけでございます。まあ、こういう問題については、地方制度調査会にもいま諮問しておるわけで、その答申も政府の施策の重要なこれは参考になると考えておるわけでございます。
 それから、歳入欠陥の問題については大蔵大臣からお答えをいたします。
 それから、起債のことについては自治大臣からお答えをいたします。
 ただ、神谷議員は、調査特別委員会、地方財政委員会というものを設置する考えはないかという御質問でございました。過去の補助負担金について地方からの交付の申請があって、国の交付決定なども手続が完了しておって、また必要に応じて実態調査を行ってできる限りの処置をいたしてきたところでありまして、改めて過去の超過負担の調査委員会を設ける考えはございません。
 国庫補助の負担金については、自治省が地方六団体などと意見を交換をしております。また、地方交付税の配分については、地方財政審議会の議に付しておるわけでございまして、したがって、新たに神谷議員の御指摘のような地方財政委員会を設ける考えはないわけでございます。
 あとは関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#158
○国務大臣(福田一君) 神谷議員にお答えを申し上げます。
 大企業に与えておる特権の減免廃止の問題については、総理からもお答えがございましたが、われわれとしては、この地方税における各種の税の非課税、軽減等の措置がございますが、個々の政策目的と租税における公平の原則との調和という見地に立って適宜見直しを行いまして、既得権化や慢性化の排除に努めますとともに、社会経済情勢の進展に即応いたしまして、随時流動的改廃を図っていくこととすべきであると考えております。ただ、国税の租税特別措置の中には、先ほども申し上げましたが、地方税においても同様な軽減を行うことが適当なものもあり、また、国税の租税特別措置を地方税で回避することが課税技術上困難なものもありますので、このような事情をも勘案しつつ、可能な限り整理をいたしたいと存じます。
 事務、財源の再配分等政策転換の要になる地方行財政制度の改革に直ちに取り組むべきではないかということでございますが、これについては総理からお答えがございました。
 現行交付税率の枠内に基準財政需要額を押し込める不当な逆算方式をやめなさい、地方財政計画を確立するためにも交付税率を四〇%に引き上げるべきではないかということでございますが、これは大蔵大臣からもお答えがあるかと存じますが、地方交付税率の引き上げにつきましては、国、地方を通ずるそれぞれの財政状況を十分に検討しながら行うべきものでございまして、今日のような低成長な時代に当たって地方交付税率の引き上げを行うことは、国においてもきわめて困難な事情が生ずるのではないかと考えておるところであります。
 歳入欠陥に伴う地方財源不足補てんは一般財源で措置すべきではないかという御質問でございますが、昭和五十年度における税収については、年度開始後三カ月を経過しているにすぎませんので、的確な見通しを得ることは困難でございますが、現段階においては、計上された税収入を確保することができるよう努めることが先決であると考えております。ただ、今後御質問のように地方税収入が大幅減になり、地方財政計画計上額を確保できないような事態が生じた場合には、地方財政の運営に支障が生じないよう所要の措置を講ずる所存でございます。
 次に、次官通達の問題に触れられまして、同時に地方債の許可権を無視した地方財政健全化計画策定の強要をしておるというようなお話でございますが、実はこの次官通達というのは、これは毎年同じような通達を出しておるのでございまして、何も今年に限って通達を出したわけではございません。公共料金の問題等につきましては、先ほどもお答えをいたしたところでございますが、原価主義というものが、これが原則にならなければならないことは御理解を願えると思うのでございまして、これらの点を十分勘案しながら、しかも物価に悪影響が出ないようにやるべきであるということでございますからして、われわれとしては、次官通達をここで撤回する意思はございません。
 また、地方債の許可権を乱用しておるということでございますけれども、これは御案内のように、もう法律でもって策定してあるところでありまして、それを実際に運営をいたしておるというところでございます。法律がそうなっておりまするので、この点はひとつ御理解を賜り、今後の問題としてわれわれとともに検討をしていただきたいと思うのであります。
 次は、過去五年間の超過負担解消を図るために調査特別委員会を設けろというお話でございますが、過去の超過負担につきましては、国庫補助負担金の交付申請、交付決定等の手続が完結をいたしておりまして、また、その実態調査は、関係書類の保存等の関係で事実上不可能なことでもあります。したがって、過去の超過負担解消のための特別委員会を設けることはわれわれ考えておりません。
 次に、国庫補助負担金の算定、地方交付税の算定と配分等を民主的に決定するために、自治体代表も参加した地方財政委員会を設けるべきではないかということでございますが、これはただいま総理から御答弁がございました。
 なお、人口急増対策財政特別措置法の立法化の意思はないかということでございますが、人口急増市町村に対する財政措置につきましては、公立小中学校の用地取得費に対する国庫補助制度の創設、小中学校の校舎建築費、幼稚園園舎建築費及び消防施設整備費にかかわる国庫負担率の引き上げなど、われわれはこれを昨年来強力に進めております。そうして、それぞれ各省の法律改正や予算措置を通じて着実に改善を進めるようにいたしておるところでございますが、しかし、今後ともこの点は強力に努力をしてまいりたいと存じております。
 なお、地方公営企業の独立採算制の廃止と投資的経費の補助制度の拡充についてもお話がございましたが、先ほども申し上げたところでございますけれども、交通、水道等の公営企業の経営は、受益者負担の原則に基づいて独立採算によって行われるべきものであると考えております。なお、公営企業の経費のうち、料金収入によることが適当でないものがございます。そういうようなものについては、国庫補助制度の拡充を図っていかなければならないと考えておるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#159
○国務大臣(大平正芳君) 地方交付税率の改定でございますが、自治大臣からもお話がございましたように、私もただいま改定の意思を持っておりません。御指摘のように、九年間これが据え置かれているという事実自体が、この率を軸といたしまして、中央、地方の財政調整が問題なく長きにわたって行われてきたことを実証いたしていると思います。
 第二の歳入欠陥問題でございますけれども、景気の衰退とともに、国庫並びに地方の財源――税収が減退の傾向にありますことは御指摘のとおりでございまして、こういう段階になってまいりますと、中央も地方も、適正な歳入歳出規模を踏まえた上で、自重した財政運営をやらなければならぬと考えておりまして、それを基本にいたしまして、今後慎重に財政運営に当たらなければならぬと考えております。
 四十九年度の超過交付分五百五十四億円につきましては、これを五十年度の補正予算で措置すべきか五十一年度の予算で措置すべきかは、今後地方財政の推移を見ながら自治省と相談してまいりたいと考えております。
 五十年度の問題につきましては、これが年度が滑り出したばかりでございまするので、どのような状況に歳入が推移いたしますか、まだ見当がつきかねておりますので、この段階でお答え申し上げる用意を持っておりません。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#160
○国務大臣(福田赳夫君) 財源欠陥問題と関連いたしまして、五十年度の経済見通しは達成できるかとの御質問でございますが、本年度の経済見通しは、年度当初から経済が緩やかな上昇過程に転ずる。そこで、結果といたしましては四・三%の実質成長となるであろう、こういうことを根幹としておるわけですが、その年度初頭からというのが、多少ずれておるのです。したがいまして、四・三%成長というのが、あるいは下回る場合なきにしもあらずと、さように考えておりますが、これからなだらかな景気回復を見るであろうという見方につきましては、そのようになるであろうと、こういうふうに考えております。
 なお、経済見通しをこの段階で改定する考えはあるかというお話でございますが、年度が始まった早々のことでありまして、まだ改定のことは考えておりませんです。(拍手)
#161
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト