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1974/01/23 第75回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
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1974/01/23 第75回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号

#1
第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
昭和五十年一月二十三日(木曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 登坂重次郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
   理事 木下 元二君
      田中  覚君    戸井田三郎君
      橋本龍太郎君    渡辺 栄一君
      阿部未喜男君    井上 普方君
      久保  等君    米原  昶君
      岡本 富夫君    坂口  力君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 海部 俊樹君
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        水産庁次長   松下 友成君
        通商産業政務次
        官       渡部 恒三君
        通商産業省立地
        公害局長    佐藤淳一郎君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        海上保安庁長官 寺井 久美君
        海上保安庁次長 隅  健三君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 中西 正雄君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        参  考  人
        (三菱石油株式
        会社社長)   渡辺 武夫君
        参  考  人
        (三菱石油株式
        会社水島製油所
        所長)     大島 俊夫君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
 委員の異動
一月二十三日
 辞任         補欠選任
  阿部未喜男君     井上 普方君
  岩垂寿喜男君     久保  等君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 普方君     阿部未喜男君
  久保  等君     岩垂寿喜男君
    ―――――――――――――
昭和四十九年十二月二十七日
 公害対策基本法案(中島武敏君外一名提出、第
 七十一回国会衆法第一八号)
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案(中島
 武敏君外一名提出、第七十一回国会衆法第一九
 号)
 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案(中島
 武敏君外一名提出、第七十一回国会衆法第二〇
 号)
 騒音規制法の一部を改正する法律案(中島武敏
 君外一名提出、第七十一回国会衆法第二一号)
 公害委員会法案(中島武敏君外一名提出、第七
 十一回国会衆法第二二号)
 環境保全基本法案(島本虎三君外四名提出、第
 七十一回国会衆法第四三号)
 公害に係る事業者の無過失損害賠償責任等に関
 する法律案(島本虎三君外四名提出、第七十一
 回国会衆法第四四号)
 環境保全基本法案(岡本富夫君外一名提出、第
 七十一回国会衆法第四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 公害対策並びに環境保全に関する件(水島の重
 油流出による瀬戸内海汚染問題)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 まず、本件に関して、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 水島の重油流出による瀬戸内海汚染問題について、本日、参考人として三菱石油株式会社社長渡辺武夫君及び三菱石油株式会社水島製油所所長大島俊夫君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡辺委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○渡辺委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
 本委員会におきましては、水質汚濁対策問題、特に瀬戸内海環境保全問題につきましては、瀬戸内海環境保全臨時措置法を全会一致で議員立法するなど、万全の措置を施してまいりました。
 先般、三菱石油水島製油所のタンク事故によって瀬戸内海を汚染し、大きな社会問題になっております。
 本日は、事故の当事者である参考人に御出席を願い、本問題の経過及び油濁対策並びに被害者への補償問題等について御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
 なお、議事の整理上、御意見の開陳は、お二人で十五分程度に要約して簡潔にお述べいただき、その後委員の質疑にもお答えをいただくようお願いをいたします。
 それでは、渡辺参考人、お願いいたします。
#5
○渡辺参考人 渡辺でございます。
 今回の事故によりまして被害をこうむられました方々にはもちろんでございますが、大きな社会問題となりまして、国民の皆様にたいへん御迷惑をおかけする仕儀と相なりました。ここに深くおわび申し上げる次第でございます。
 事故の原因につきましては、このような大きな社会問題と相なりますと、関係者だけの調査では世間が通りません。国による調査が現在とり進められておりますので、その結果をお待ちいたします。軽々しく原因について発言いたすことは慎みたい、かような気持ちでございます。原因を問わず、事故の第一当事者といたしまして、この事故の善後策につきましては誠意を尽くして当たりたい、かように考えております。
 まず、流出油の回収でございますが、この点につきましては、政府、地方自治体の御指導、当の被害を受けられました漁業関係者の方々の御協力、海上保安庁、自衛隊の御出動まで得まして鋭意努力いたしておる次第でございます。一日も早く出漁ができますように、これをのみ念願しております。
 被害の補償につきましては、誠心誠意これに当たる考えでございます。
 従来会社といたしまして、災害の防除につきましては十分意を尽くしてまいった、かように考えておりますが、現実にこのような大きな事故が起きまして、これは予期しない事故とか、不測のとかという甘えは許されません。厳しく受けとめておる次第でございます。これを機会に一層今後の対策につきまして十分の努力をいたしたいと思いますし、国による原因の調査がいずれ出されることと思いますが、これを踏まえまして万全の体制をしく考えでおりますので、御了承いただきたいと考えます。
 重ねて本事故につきましての責任を痛感し、おわび申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
#6
○渡辺委員長 次に、大島参考人から経過報告をお願いいたします。大島参考人。
#7
○大島参考人 水島製油所長の大島でございます。
 このたび水島製油所からの大量の流出油によりまして、地元はもちろんのこと、瀬戸内沿岸、漁民の方々初め皆様方、また日本国民全体に非常に御迷惑をおかけいたしました点、深くおわび申し上げます。
 二度とこのような事故を繰り返さないよう今後全力投球で、皆様方の御指導を得まして、私自身のほうでも積極的に取り組みまして対処してまいりたい、そういうように考えております。
 では、事故の概要にについて御説明いたします。
 昨年の十二月十八日午後八時四十分ごろ、わが製油所の五万キロの重油タンク、このタンクは直接脱硫装置からの積み込み、脱硫した重油を受け入れるタンクでございます。そのタンクから油が漏れているのをパトロール中の保安係の者が発見し、直ちに流動接触分解装置の計器室に参りまして、その直員がタンク管理課の方に電話連絡いたしました。
 タンク担当課は直ちにタンクのレベルを見まして、スイッチを入れることによってタンクレベルが指示されるわけでございますが、それが急激に低下していくことを確認いたしまして、これは相当の油が漏れているということを気づいたわけでございます。直ちに直長は直員四名を現場に派遣しまして、自分は保安係あるいは各装置関係に一斉指令で事故の模様を通報いたしました。後ほど自分も含めて二名、計六名が現地に参りまして、いろいろのバルブ操作の指示をしております。
 当時このタンクのレベルといたしましては、油量の液面でございますが、もう一つのタンクとに相当の液面の差があるということで、われわれの通常の石油会社としてのいままでの経験上からの操作でもちまして、タンクを低い方にレベルするなり、あるいは急遽多い方のタンク、導油しているタンクをほかのタンクに移動するという作業を直長は指示いたしまして、そうして八時五十分ごろ、積み込みタンクを二百七十番から二百七十一番に切りかえまして、なおそういう作業をやったわけでございます。
 九時五、六分ごろ、タンクのレベリングという作業でございますが、タンク二百七十番の方の元バルブをあけてレベルするために、現場でスイッチインをするや否や、大音響とともに、かつ恐らくびりびりという音がして、どかんという音が激しくあったわけでございます。直員はスイッチインのまま導油とは反対の方向に退避いたしました。
 一方、これはこのとき時点におきまして異常な大量の油、しかも高温の油が噴出した、音も激しいということで、同僚のコントロールルームから、人命をおもんばかりまして救急車の要請を九時十一分ごろいたしました。
 一方、そのうちの直員二名はタンクの反対側に走り回りまして、隣接工場の協力会社の仕事場がございますが、そこで使用している石油ストーブ、そういうようなものを自分でもとめたり、あるいはとめてもらうということをやりながら、桟橋のほうに回りまして、操油課の自分のコントロールルームの方に携帯無線機でもって、油が海上に流出し始めたという通報を桟橋の上で報告しております。それまでの距離といたしましては一・五キロぐらいあるわけでございますが、現場の連絡を受けた操油課長は通関課長に連絡いたしまして、海上保安部に二十一時三十八分、五万キロの重油タンクから油が漏れましたという報告をいたしました。
 一方、装置関係は、油が大量に噴出するとともに左右に油が広範囲に広がりましたので、当然当該直接脱硫装置がシャットに入りましたが、残りの装置も漸次緊急シャットするように指示が九時十五分になされております。
 海上流出油がありと報告を受けた操油課長は、直ちに直員に命じまして、すぐオイルフェンスの展張を指示するとともに、協力会社の船の発動も依頼しております。十時五分、当所岸壁の第七桟橋から切り込み港湾を閉鎖する目的で、オイルフェンスの展張作業を始めた次第でございます。
 以上、簡単でございますが、事故の経過のみ御報告いたします。
#8
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 参考人からの意見の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○渡辺委員長 それでは政府並びに参考人に対する質疑を行います。
 なお、本日の質疑時間につきましては、理事会での申し合わせに御協力をお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#10
○島本委員 ただいま三菱石油株式会社の社長並びに水島製油所所長、それぞれの参考人から、いままでの経過とそれに対するいろいろな報告がなされたわけであります。私は順次いまなされた報告に基づいて真意をただしてみたい。今後のために必要だと思いますので、ぜひそれに対する的確な御答弁を願いたいのであります。
 まず、政府にお伺いいたします。
 去年の暮れ十二月二十二日にわれわれは第一回の調査に行ってまいりました。それに基づいて社会党としても政府に四項目の申し入れを二十五日に行いました。環境庁の長官にもこれをなしたのでありますが、緊急対策本部を設置すること以下四項目でありまするけれども、これらは全部そのように実施なさいましたかどうか。
 それと同時に、コンビナート、こういうようなものに対しては、いままでは相当程度の災害が起きております。そのたびごとに、再び災害を起こさないという確約があるのでありますが、依然として災害が起こっておるのであります。こういうようなことに対する根本的なメスを入れなければならないはずでありますが、たとえば通産省などは、高圧ガス関係であると立地関係以外は知らない。消防庁なのか、それは確かに施設の検査や消火に対しては責任がある、その他のことは知らない。じゃ運輸省はどうなんだ、港湾設備についてはわれわれの責任である。労働災害はどうなんだ、それは労働省。全体ばらばらの指導が行われているんじゃないかとさえ思うのでありますが、われわれの申し入れに対して、それをどういうふうにして評価し、今後のコンビナートの管理に対してどのようにしてこれをやろうとしているのか。まず、所管は通産省でありますが、大臣としては環境庁長官にも申し入れてありますので、二人からこれに対する対策を聞きたい。
#11
○小沢国務大臣 今回の事故は私どもにとって大変遺憾なことでございます。程度はともかくとして、たびたびそういうような事故が起こっておりますことも事実でございましたので、この点については、今回のこの事故を契機にいたしまして、徹底的な安全対策に対する検討とその結果に基づきますそれぞれの防災体制の警備という点について、関係各省それぞれの立場から十分な対策をとる、こういうことになって、先生御承知のようにそれぞれ逐次手を打っておるわけでございます。
 四項目につきましては、私どもも承知いたしておりまして、特に対策本部を早急に設置をしなければならないという御要望が国会を通じてございましたので、その日のうちに私から官房長官、総理にも進言をいたしまして、御承知のとおり対策本部が内閣で設けられました。また、現地を視察の結果、現地にも対策本部をつくるべきだということを感じましたので、直ちに正月の六日に申し入れをいたしまして、御承知の、十三日から岡山県において自治政務次官を長とする対策本部を設置した、こういう経過になっておるわけでございますので、先生方の御意見を十分ふまえて、また政府としても、この事故の重要性からかんがみまして、遺憾のない措置をとって今日まできたと考えておるわけでございます。
#12
○佐藤政府委員 コンビナートの保安対策につきましては、コンビナートに存置されておりますところの各工場が非常に複雑な機構になってまいっておりますので、それぞれの各省庁の持ち分に応じまして、それぞれ監督をいままでやってまいっておるわけでございますが、立地的に申しますと、同じ個所にそういうようないろんな工場が密集いたしておりますので、法律的にはそれぞれ守備範囲、持ち分というものが決まっておりますけれども、コンビナート総体として保安対策を確立しなくてはならないという問題が、先生御指摘のとおり、あるわけでございます。
 特に高圧ガスの関係におきましては、一昨年来相当の事故が頻発いたしたわけでございまして、それを契機に、われわれの方といたしましては、コンビナートの保安対策につきまして、通産省だけの立場で保安対策をやっていくのは十分でないということで、消防庁と労働省と、この三省の間に、コンビナート保安等関係三省庁連絡協議会を設置いたしております。これは局長レベルによりまして、こういうようなことを問題を定期的に検討いたして、災害防止対策の推進に万全を期してまいっておるわけでございます。
 さらに、先ほど申し上げました一連の高圧の事故の後の措置につきましても、いろいろ改善策を検討もいたし、あるいは事故の原因を究明いたすために、事故調査委員会というものも設けまして、これは関係省庁の御参加を得まして検討をいたしておるわけでございます。
 それから、これは通産省の指導でございますが、各コンビナートごとに保安防災協議会というものを設立いたしまして、各省庁の出先機関との連絡協調を配慮いたしまして、穴のもれないようにやってまいってはきたわけでございます。
 それから、全国の通産局ごとに、化学保安対策本部というものを設けまして、これは都道府県の消防部局の御参加を得まして、化学保安の対策を講じてまいったというような経緯になっておるわけでございます。
#13
○島本委員 重ねて長官、いわゆる一番大事なのは、いま通産省自身もこれをやっているという報告がありましたが、いままでやらないことはないのです。四十八年のあの一連の爆発事件にしても、次から次からやっているのです。いまでも通産省中心に指導しているというが、やはりこれは企業中心の指導であり、対策じゃないかと思うのです。全般を含めた安全性の取り締まり、こういうようなものに欠けている点があるのではないかと思う。
 ことに瀬戸内海の場合、水島を含んで今回の場合、瀬戸内海の環境保全臨時措置法、これも三年間の時限立法で四十七年のCODの汚濁負荷量を三十七年のころにまで下げる、いわゆる二分の一にするという重大な使命を帯びた第一年なんです。それにしてももうすでにこういうような状態なんであります。それをまたしても同じような状態のままにしておいていいのかどうか。もうすでにこの辺で仏の顔も三度、三度じゃありませんか。コンビナート管理、これについて瀬戸内海のこのような場合には、特に管理法のようなものをつくって、通産だけに任しては同じようなことがまた起きますから、これを強力に取り締まり、指導するという体制が、責任者である環境庁、ことに瀬戸内海環境保全臨時措置法、これの施行者であります環境庁、これが一番あなたたちの必要とするところじゃないかと思うのです。少なくとも瀬戸内海を含めたこのコンビナートの管理、これについて特別立法をして規制する意思があるかないか、この際、明確にしておいてもらいたい。
#14
○小沢国務大臣 私、四日の日に視察に参りまして、行政管理庁あるいは私どもの職員に、瀬戸内海のタンクはどれくらいあるか、それから従来どれくらいの事故が、タンクのみならず海上のタンカーその他から汚染があったかということを至急資料を調べろ、こういう命令をいたしまして帰ってきたわけでありますが、その結果を最近聞いてみますと、瀬戸内で一万キロ以上のタンクが千三十一基ある、私も非常に心配をいたしました。それからこの瀬戸内の油の汚染が、十キロリッター以上の汚染と考えられる事故が、たしか瀬戸内だけで三十件ないし三十五件あったように、その調査を聞きまして記憶いたしております。それから船の事故その他いろいろなものを含めますと、いまの規模以下のものを含めまして、百十六件四十八年度に起こっておるように、私の調査を命じた結果で出ております。
 このことを聞きまして、私も先生と御同様に、瀬戸内海環境保全臨時措置法を主管する者として、これは大変なことだ、今後起こらぬとも限らない、起こらないという保証がないわけでございますので、この事故を契機に、徹底的に防災体制の確立やら、あるいは指導、徹底をしていかなければいけない。
 そこで、この法律改正、特別立法の問題でありますが、いま御承知の水島事故に対する対策本部を内閣で設置いたしております。これでいろいろいまの防災体制をどうするか、その他万般を含めまして、ただ、いまの後始末だけでない、将来の建設的な政策立案に資するような意味での、対策本部としての機能も発揮してもらいたいというお願いをいたしております。そこでいろんな問題点が出てまいりますので、それを見た上で、私どもは必要な行政措置でいいのか、いまの瀬戸内海臨時措置法をさらに強化する意味の立法上の手続が要るのか、どちらにしましてもその対策本部の結論を見まして、必要であれば当然与党とも相談をして、この法律上の問題も考えに入れながらやっていく。ただ、いまその結論がまだ出ませんので、ここですぐ一体立法措置が必要なのかどうかという点についてはお答えしかねるわけでありますけれども、必要ならばいつでも私どもはそういう手段も考慮していきたいと考えております。
#15
○島本委員 したがって、もうそれは必要な時期になっているんじゃないかと思いますから、その結果に基づいて考慮すると言いますけれども、早くその立法化をして、コンビナート全体に対する安全性の確立、ことに瀬戸内海は重要ですから、瀬戸内海環境保全臨時措置法の面とあわせて、強力に二本立てで措置すべきだ、このことを私は思います。結果を期待しております。私、前向きだと思っております。
 なお、社長と所長はこの次になりますから、まず先に行政措置を聞かしもらいたいと思います。
 今度、中和剤を大分使用したようであります。中和剤と申しますか油の処理剤でありますけれども、種類として十七種類、それから使用量は百万リッター、そうして八〇%を水島の港内、そして港外は二〇%、これは漁民の了解を得て散布している、海上保安庁、そういうように聞いているのでありますけれども、対生物毒性についてはどうなっているのか、基準があるのかないのか。そうしてその毒性に対してはどうなっているのか。それから検査、こういうようなことに対してはどうなっているのか。この対生物毒性と検査の問題あわせて、ひとつこの際はっきりしてもらいたい。
#16
○寺井政府委員 ただいま御指摘の油処理剤の毒性の問題でございますが、この毒性の基準につきましては、四十六年のジュリアナ号事件のときに毒性の問題がクローズアップされました。その後、政府におきましてこの毒性の問題についてはいろいろ検討をいたしました結果、四十八年の二月に処理剤の基準というものを決定いたしました。その後制度が変わりまして、四十九年の七月に型式承認というかっこうでこの処理剤の基準を決定いたしておりまして、処理剤の認定を行っております。現在まで六十一種類の処理剤の認定が行われております。認定いたしました処理剤の規格等につきましては、随時その内容の再検討を行っております。また、この処理剤の基準を決定いたしますに際しましては、水産関係の学者が中心になって取りまとめたもので、それに基づいて決定されております。
#17
○島本委員 対生物毒性、これについては基準に合格しているんですか、していないんですか。
#18
○寺井政府委員 今回使用いたしました油処理剤は、この基準に合致したものを使用いたしております。
#19
○島本委員 ジュリアナ号によるあの事故の際に、長官、この中和剤使用については毒性のあるものは使用しないようにする、毒性の少ないものを開発せよ、こういうような何か報告書がございました。それに基づいてやっていると思うのであります。しかし、基準には合格している、基準以下である、こういうようなことのようであります。現地の保安本部並びに保安庁では、この成分やそれに対する影響、こういうようなものは全部知っているのですか、知っていないのですか。現地ではほとんど知らないで使用しておるように、私ども調査でこれを確かめてきておるのでありますが、こういうような基準に合格している、これはほとんど毒性はない、対生物毒性はない、検査でも十分である、こういうようなことのようであります。じゃ、下部の人はこれを十分知ってやっておるのでありますかどうか。当然知っていなければならないはずですが、これは知っていますね。これは簡単でいいです。
#20
○寺井政府委員 この毒性の基準は非常に詳細な基準になっております。したがいまして、保安部の水質汚濁関係の担当官は、その詳細について十分知っておるはずでございます。
#21
○島本委員 一体検査、研究、こういうようなものは実際はどういうふうにして行いましたか、具体的に言ってください。たとえばこの油類の処理剤、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、この中にはっきり示されておりますが、こういうようにしてやったのですか。
#22
○寺井政府委員 この基準を策定いたします際に、委員会を設けまして、先ほど申し上げましたように海洋学者あるいは生物学者等が参加いたしまして基準を策定いたしました。その基準の項目といたしましては、引火点、動粘度、乳化率、生分解度、対海産物毒性、こうした項目についておのおの基準を設けまして、その基準に基づいて製品を検査いたします。その検査の結果、この基準値以内であれば合格というような段取りになっております。
#23
○島本委員 なお、これは重要な問題であるから、重ねて質問しておるのであります。
 そうすると、これは安全である。したがってこれはもう基準と合致している。いわば基準以下である、こういうような結論が実験によって出されている。その実験の中で、この処理剤として、はっきり発がん性の試験をしておったのか、催奇形性試験をしておったのかどうか、代謝試験をしておったのかどうか、繁殖試験をしておったのかどうか。これを国の機関で十分調べたのかどうか。これはもう十分基準に合格しているとするならば、この処理剤についてこういうようなはっきりした点、問題になる点、こういうようなものに対しても結論が出ているはずであります。こういうようなのも全部明らかにしないで、基準だけはもう合格している、これじゃ通らないのであります。果たしてこれがはっきりとして実験されたのかどうか。そして、そうだとするならば、化学薬品名並びに構造式、こういうようなものをはっきり発表すべきでありますが、いかがですか。
#24
○寺井政府委員 ただいま先生御指摘の発がん性の検査をしたかどうかという点につきましては、私の知っております限り、しておらないはずでございます。ただ、先ほど申しおくれましたけれども、この処理剤の使用基準あるいは基準そのものについて、常に見直しを行っておりまして、その見直しに基づいて詳細な使用方法等も指示をし、また逐次改善をしていくということになっております。
#25
○島本委員 この試験に対して、淡水魚であるアカメダカを使用して試験しているのですね。今度のように際戸内海は塩水ですから、こういうようなものでやっても、具体的にこれが証拠にならないじゃありませんか。海の魚に使用してみてこれは安全です、こういうような結果が出ているのですか、出ていないのですか。出ていないはずです。出ていたならば答弁願いたい。
 それから、昭和四十二年にトリー・キャニヨン号事件というのがございましたけれども、これは英国のプリマスの海洋研究所で、中和剤の毒性の研究をその後ずっとしておるように承っておるのです。それによると、芳香族がないとこれは役に立たない。しかし芳香族には毒性がある。だから、処理に芳香族が必要だ、必要だからこれを使うと毒性がある、大体こういうのははっきりしているわけです。したがって、これはメーカーの開発だけに任しておいて、それをうのみにするようではだめであります。もっと国の機関ではっきりした調査をしてないとだめなんだ。そういうようなことからして、また次にこの点も重要ですから対策を聞かしてもらいたい。
 と申しますのは、この三菱石油の水島製油所の重油流出事故について、今度は汚染被害、これは科学的に徹底的に解明の必要がある、そのためには緊急に予算を措置することを政府に求めなければならないという決議を、きのうの日本学術会議の総会できめたようであります。私はこれを見て、流れたのはC重油ですね、C重油そのものの中に三・四ベンツピレンという物質が含まれている。これは発がん性の強い物質である、油である。したがって、処理剤を流してこれを海底に沈めると、C重油は処理剤を使っても使わなくてもいつかは沈むのですが、そうなるとすぐ魚類に影響を及ぼす。そして、においのするものだけこれに対する措置をするけれども一、においのしないも一の、こういうものの中にはもうすでにべンツピレンが溶けて少しずつ魚類までしみ込んでいるじゃありませんか。そうすると、においのするものだけに対処しても何にもならないということになる。したがってこの点、臭い魚だけに対して処理しても問題解決にはならないわけです。臭くなくても一五年、十年たったならば水俣病のような被害が起きないという断定はできない。したがって、沈んでいる重油はどう処理するのですか。これは会社にも責任がある。
 表面きれいになっても、いま言ったように三・四ベンツピレン、これが強力な発がん性の物質であるというような点からも見て、これがC重油の中にあって、この対策をはっきりしない以上、今後に不安を残すことになるじゃありませんか。したがって、どれくらい魚の中にベンツピレンのごとき発がん性の高い物質が含まれているのか、検査すべきじゃありませんか。そしてこれは短期で済む問題ではありませんから、長期的な検査の体制が必要だと思いますけれども、こういうようなことに対してはっきりしているのですか、していないのですか。これは出すことを指導し、毒性がないと言った以上、保安庁にも責任があると思う。これは環境庁にも当然責任がある。そのもとの責任は三菱さん、あなたですけどね。対策としてはこれがある。これを無制限に、これはもう毒性がないのだと言って使わせた保安庁、どうなんですか。私のいま言ったこと、これは具体的に調査によって明らかです。学術会議もこれを指摘しています。これでも安全性があるのですか。
#26
○寺井政府委員 ただいま先生御指摘のベンツピレンがどういうかっこうになるかという点につきまして、現在のところつまびらかでございません。ただ、油処理剤について申し上げますと、油処理剤そのものには三つの型があるわけです。沈降型と凝固型と乳化分離型、この三種類ございます。現在、先ほど申し上げました基準で使用いたしております油処理剤は乳化分離型でございます。したがいまして、油を乳化させて海中で非常に微粒子に変えて処理をするという性質のものでございます。
 それから誤解があるといけませんので付言いたしますが、現在使用いたしております油処理剤、基準に合致するものでございますが、全然毒性がないというものではございません。多少の毒性は残っております。ジュリアナ号のときに使用いたしました処理剤に比べますと三十分の一程度の状態になっておるとは聞いておりますが、したがいまして、使用の方法、局地的に非常に大量のものを投入いたしますと二次災害が起こる可能性がございます。そういう観点から、私どもは海底の状態、水の状態につきまして早速調査を始めるという段取りにいたしております。
#27
○島本委員 調査をするということは、沈んでいる、底にある重油の処理もする、こういう意味ですか。調査とそれとは別だということですか。これはそうなると環境庁の方にも当然影響してくるわけです。水質汚濁です。これはただ調査するだけでは済まない。こういうようなものをそのままにしておくことは瀬戸内海環境保全臨時措置法をつくった趣旨に反する。こういうようなものをばらまく。そして毒性があるということもわかっておる、発がん性の高いものであるということもわかっておる。そのままにしておくのですか。
#28
○小沢国務大臣 私、再三申し上げておりますように、今度徹底的な総合調査をいたします。その調査の対象の中に、いま先生御指摘の点も含めましてやることにいたしております。これは関係省庁と連絡をとりまして徹底的な総合的な調査をやる。その結果に基づいて対策を考えていかなければならないことでございますので、まず徹底的な調査をやる、こういうことで、これは今年度の予算措置もやりまして、もうスタートをいたしております。そういう意味で、その総合的な徹底した調査の結果を待ちまして、しかるべく処理を考えていく所存でございます。
#29
○島本委員 あと二、三は後へ回しまして、せっかく三菱石油の渡辺社長も大島所長もいらしてございますので、先月の二十二日に私も調査に参りまして調べてまいりましたが、その調査とあわせて、ふだん私が不可解とする点がありますので、二、三質問させてもらいたいと思います。答弁は簡単で結構なんです。
 マラッカ海峡のタンカー事故、この荷主も三菱石油だった。水島のタンクの事故、これと同じ会社。そうすると、この事故の原因というものの解明、こういうようなものに対してはやはりわれわれも神経がいら立ちます。
 まず、水島の場合はコンビナートで、あれは埋立地でございます。十分地盤が沈んで安定して、それからタンクを建設する、こういうようなのが、耐震、耐火、それからいかなる強震にも耐えるという措置にかなうのではないか。こうしないで、すぐ建ててしまったという点に対して、企業努力というか、誠意を私として若干疑わざるを得ないのであります。
 それからタンクの直径を縮小して高く上に伸ばす工法をとったということ、これは土地の値段も考えて効率的にやったのではないかという点。それから材料そのものも、高張力鋼という熱に弱い材料を使用してコストを下げたのでないかと思われる点。これは結局は、会社自身、備蓄を急いで安全性を怠ったのではないか、こういうようなことが総体的に考えられるのです。ましてマラッカ海峡のあの祥和丸事件は国際問題でございます。こうまでして資本の利潤を上げることにきゅうきゅうとしているこのやり方は、少しモラルとして反省をすべきではないか、こう思うのでありますが、いかがでありましょうか。
#30
○渡辺参考人 タンクの建設につきましては、事前に十分の検討を加えて行ったつもりでございますが、結果的にこういう仕儀に相なりまして、大変申しわけないことと思います。
 なお、御指摘のいろいろの原因につきましても、先ほど申し上げましたように、一に国の調査をお待ちしておる、かように考えます。
 マラッカ海峡も御指摘のとおり私どもが荷主でございます。こういう大きな問題が二重に重なりましたこと、何と申し上げてよろしいか、まことに残念に考えます。
#31
○島本委員 それから、昭和四十九年十二月二十二日と二十八日、二回にわたってわれわれは調査させていただきました。二十二日は私も参りました。その際には、その流出量について四万八千二百キロリッターくらいである、そしてこれは海に流れたのは、九対一の割合で約四千キロリッターぐらいじゃないかと思われる、こういうように工場の責任者からの説明がございました。そうして、十二月二十八日に再び行ったときには、今度流出量は四万二千八百八十八キロリッター、またこれも変わっております。そして、今年の一月七日には、海上保安庁の推定によると二万キロリッターぐらい海に流れているんじゃないか、こういうようなことのようであります。
 自分のタンク、自分が管理しているタンク、それから流れたこの油の量、これがなぜこう調査によって全部変わらなければならないのですか。これはもう海上の流出量の不明というか、これはわれわれに対する報告はうそであります。一体何のために、こういうようにしてわれわれにまでうそをつかなければならないのでしょう。これは工場の方へ行って聞いたんですが、この問題については大島参考人から承りたい。
#32
○大島参考人 いま先生御指摘の十二月二十二日の件、私は全く承知してございません。当初十二月十八日の事故から十九日の朝にかけまして、非常に防除活動に全力投球いたしまして、私は各所管の三部長を、それぞれ海上流出油防除隊長、地上流出油の防除隊長、緊急停止装置の停止隊長というグループに分けまして、それぞれその指示によりまして、海上のものはすぐ海上保安部と水島災対協の指導のもとに、人員、機材、作業船あるいは石連の機構の回収船の手配、そういように忙殺されました。また陸上流出油につきまして、砂袋あるいは協力会社の人員の確保、そういう点で大いに集めに苦労し、防除活動に従事したわけでございます。また装置も安全に、しかも二次的な火災を起こさないという前提で非常に努力したわけでございますが、翌日の海上における量を二百キロリッターという点、私は過小評価するとか、そういう意図は毛頭ございませんでしたが、結果的にはそういうことになりまして、すべてはこの数字から端を発しまして、今日先生の御指摘のような、数字的な面でいろいろな混乱その他がございまして、世間をお騒がせいたしました点、重々おわび申し上げます。それで、最終的には、先生おっしゃった四万二千八百八十八キロ十五度C換算ということで統一いたした次第でございます。この間どうも申しわけございません。
#33
○島本委員 初め二百キロリッター、それから三百キロリッター、それから四千キロリッター、それから八千キロリッター、現在約二万キロリッター。なぜ初めからこういう発表をはっきりさせないのです。
 私、これで今度は社長に、基本的なひとつ皆さんのコンビナートにある企業としての姿勢をきちっとしてもらいたい。四十九年十二月十八日八時四十分からこの事故が起きて、三十三分後に倉敷消防署に電話をかけて救急車の出動を要請し、救急車が来てみて、これは大変だというので、消防署の要請によって化学消防車を要請しておるという点。それから三菱石油自身が全装置を停止させたのは、事故が発生してから四十五分後であるという点。しかも消防署の命令によってこれを行ったという点。これらの点からして、企業秘密、これが事故の対策をおくれさせているという点と、可能な限り装置を停止させないという、コンビナート企業の利潤第一主義から一歩も出てない結果が、こういうような事故を拡大したのではないか、こう思われるのであります。いまのような点、これはわれわれの調査によってわかったことですが、企業の姿勢として、まずこの安全性の確立が第一ではありませんか。こういうふうにして可能な限り装置を停止させないという企業の利潤第一主義の考え方、そのために当然通告する者に対しても控え目な通告をする、通告をおくらせる、こういうようなことは許さるべきではないと思うのでありますが、社長としてこれに対するお考えを承りたいのであります。
#34
○渡辺参考人 通告の点、数量の点、冒頭来所長からも御説明申し上げましたのですけれども、確かに御批判を受けた点がございまして、大変残念に思いますが、所長からも申し上げましたように、過小に報告する、このような意図は全くございませんでした。その点御了承いただきたいと思います。
 なお、終局的に二万キロという海上流出の量の御指摘ございましたですが、海上に流出いたしました数字は、過日国の対策本部からも御発表ございましたですが、七千五百キロから九千五百キロの幅になるではないかということでございまして、会社としても大体その辺にあると現在は推定いたしております。非常にあいまいな、しかも長時間をかけましてあいまいな推定でございますが、これらにつきましては、回収いたしました油が水分を混入しておりまして、一度熱処理をいたしませんと水分がどの程度含まれているかということも判明いたしがたい状態でございまして、さような幅になっておる次第でございますが、この点についてもなお一層調査を進めたい、かように考えます。
#35
○島本委員 最後に渡辺社長に対しまして、損害はもうすでに出ておりますが、あらゆる被害者に対しても可及的速やかに補償、これを打ち立てることをしてやることが、いま世界の焦点が集まっておりますから、一企業だけの問題ではなくなっておりますから、これは大事だと思います。これだけはひとつ十分にやってもらいたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
#36
○渡辺参考人 お話ございましたように、漁業関係者の方々につきましてはもちろんでございますし、間接被害の面につきましてもたくさんのお申し入れをいただいております。今日まで回収に大変手間取っておりましたことも、言いわけにはなりますが、ございましたし、間接被害の場合でございますと非常に多様でございまして、漁業の直接被害と異なりまして、判定と申しますか、非常にむずかしい面もございますが、被害を受けられた方々から事情をよくお聞きいたしまして、公平に、誠意をもってこの面の補償にも当たるつもりでございますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
#37
○島本委員 次に消防庁、来てございましょう。
 消防法上の技術的な許可基準について、あのタンクの場合にはどうなってございますか。合致してますか。少しでもこの点について合致しない点がございましたか。
#38
○永瀬説明員 消防法の規定の中におきましては、タンクの構造基準は政令によって定めておりますが、これはタンクの板厚の最低を定めておりまして、タンクの容量に応じまして使用すべき板厚、これは法令上は必ずしも明確にいたしておりません。しかしながら、現実にはJISの規定あるいはアメリカの石油協会の規定等がございまして、これを一般的に基準として使用している現況にございます関係上、それ以上の細かい規定を現実には板厚について持っておりません。またタンクの検査につきましては、現在、実質的には底板の真空テスト等は現実には行っておりますけれども、法令上におきましては水張り検査によりましてタンクの漏洩及び安全を確かめるという形になっております。
#39
○島本委員 結局はこれはもう消防法上の技術的な基準に合致している。C重油についても特別の取り扱い、こういうようなのはすべて法的には合致しているようであります。これは今度は通産省と環境庁になるわけですが、技術基準に合致しているのに今回のような事故が発生する。いま調査中でありますけれども、少なくとも技術基準どおりやったならば事故は起きないということが前提じゃないですか。それがやはり技術基準どおりにやって事故が起きている。そうすると、いまの技術基準でいいかどうかという点がまた問題になってくる。他に考えられる点はないのかどうかというような点が問題になってくる。同時に改正の必要はないかどうかということが問題になりますが、これに対してどうお考えになりますか。
#40
○永瀬説明員 先生御指摘のように、最初建設いたしましたときに技術基準に適合いたしておりましても、その後の時間的な経過あるいは使用の状態等によりまして、技術基準に適合しなくなる場合は多々ございます。したがいまして、使用中におきましても技術基準に適合するよう維持することが、法令的には義務づけられております。現実に今回の事故に徴して考えますと、先生御指摘のように技術基準に完全に適合している、あるいは技術的に完全なものであれば、そのまま維持されているものであれば、事故は起こらなかったであろうと考えられます。したがいまして、何らかの原因がそこに存在いたしておりますか、あるいはまた技術基準の中におきまして不備な点、欠けた点があったかもわかりません。
 この点、私どもにおきまして現在鋭意進めておりますこのタンク事故の原因の調査委員会、大学の先生方を中心に構成さしていただいておりますが、この先生方の委員会の結論を待ちまして、それに従って必要な措置を講じていきたい、特に技術基準の強化の方向で考えていきたい、かように考えております。
#41
○島本委員 当然これは強化の方向で考えなければならない。ただこの中にあらわれてきた表面だけがすべてじゃないということ。ただ立ち会えばそれでもってすべての基準はこれで合致した、こういうようなことにもならないということ。たとえば通産省を含めて、環境庁ももっとこういうふうな問題に対してメスを入れないとだめなんです。それに従事している人の意見を聞いてみたことございますか。これはもう何か起こるかもしれないという予感があったと言っているのです。これだけ基準に合致していながら、働いている労働者、建設労働者はなぜこの予感がするんですか。建設に従事した労働者、これは大手の方が請け負う、それもすぐ請け負ったまま次の請負人におろす、そうするとその請負人からまた孫請の方におろしてやる。そうして一週間足らずの溶接講習を受けてきた人が、いわゆる出かせぎ農民といわれる人たちが溶接に携わる。何が起こるかわからないという不安はこういうようなところにもあるんじゃありませんか。きちっとできたとしても、そういうような一つのやり方、やらせ方、こういうようなことに対しては十分考えないとだめなのではありませんか。
 それと同時に、臨海工事の埋め立て、さっき言ったとおり、これは埋め立ての場合は特に考えないといけないはずです。底盤基礎工事の段階で不均等な沈下現象が起きておったということを労働者は知っているのです。
 防油堤の問題一つとってもこれはあのとおりです。合致したとおりなんです。基準に合っているのです。ただし、六つのタンクが満タンのときに、一斉にもし何か事故があったらどうなりますか、これは全然だめなんです。もう一歩やるならば、海岸の方に流れないための、もう一つぐらいの防油堤、こういうようなものの考え方ぐらいあってもしかるべきじゃありませんか。また瀬戸内海なんです、これは。そこが破れたらすぐ流れてしまうような状態にしておいて、これが技術基準に合致している、こういうような考え方は甘過ぎる。企業本位であって、利潤追求本位だからこんなことになるんです。諸悪の根源は通産省の指導だ。全くこれはなってない。ですから、こういうような点も十分考えて、今後も強化する必要があるのじゃないかと思うのです。環境庁、これに対する答弁を求めましょう。
#42
○小沢国務大臣 私は、視察に行ってすぐ対策本部にも意見を出しましたり、言っておりますように、先生いまおっしゃった防油堤がどうもいまの基準では安心できない。もし事故があった場合には、第一防油堤が破れても第二防油堤でせきとめる。それから、海に接したところに、一応最悪の事態を予想して、さらに最後の何らか防油設備を考えていく必要があるのじゃないかということを感じまして、すぐ申し入れをいたしております。当然防油堤については、これから取り締まり当局でその面の改正も一考えていただいて、現実に通産省を通じまして、それぞれの企業に防油堤の設備の増強をはかってもらいたい、かように考えております。
#43
○島本委員 環境庁、もう一つ大事なことはこれは大型タンカーの航行規制です。ことに瀬戸内海の場合は、瀬戸内海環境保全臨時措置法、これを実施している最中に大きい問題になっているわけです。この大型タンカーの航行の規制、これに対して考えがあるのかないのか、このことについてもはっきりしてもらいたい。と申しますのは、これはきのうでしょうか、午前二時三十分に愛媛県西宇和郡の瀬戸町志津沖で、これまたタンカーの岩陽丸七百トンの座礁がありまして、C重油五百五十キロ、ドラムかんにすれば二千七百本ぐらい流れたという事故がもう起きていますね。しかし、荒天であって不安定な状態のときには、これは航行させないくらいの配慮は当然してしかるべきなんだ。
 現にこの問題については、瀬戸内海環境保全臨時措置法、これの提案理由の説明をした自民党の林義郎君、昭和四十八年の九月十四日ですが、その中ではっきりこの問題に触れているのです。
 「タンカーの油の処理の問題につきまして規制をしていったらどうか、さらにはタンカーの航行規制をやったらどうか、特に夜間航行の規制をやったらどうかというような御議論もございましたが、海上交通安全法との関係もございますし、さらにこの辺につきましても締めていただく、こういったものも含めまして環境保全審議会におきまして御議論をいただくという形にしております。」これは提案理由の説明ですよ。この問題も当然もう議論して結論を出さなければならない。こういうような責任は環境庁にもある。運輸省だけの問題ではない。
 ましてこれは当時の社会党の修正意見、われわれの方から出して一致したものなんですが、ちゃんとこの中にもあるのです。「タンカーの規制問題については、船舶安全法、海上交通安全法の一部改正により実施するものとする。」こういうようなものをやった結果、話し合いの結果がいま言ったようなことになったのです。ですから、環境庁のこっちの方で環境庁自身がこれをやることになっているのです。どうも環境庁もこの点については少し手抜かりではありませんか。これはどういうことでございますか。
#44
○小沢国務大臣 ですから私参りまして、先ほど申し上げましたように、まず、現実に瀬戸内海のタンカーによる事故はどれくらいあったのか、大小問わず調べろということで調べてみたら、四十八年度中だけで、細かいのを全部入れまして百十六件、十キロ以上のものが三十件。先ほど三十五、六件と言いましたが、三十件でございます。そういう状況がわかりましたので、当委員会においても申し上げたと思いますけれども、瀬戸内海で一年間に航行する大小の船舶の数、これは正確にはつかめませんが、やはり四、五千あるのじゃないか。そうしますと、やはり車が都内で走っていれば交通事故が経験法則上何件か出てくると同じように、これは非常に重要な問題だから、おっしゃるように対策本部で至急私からも運輸省に申し入れをして、いま水島に目を奪われておりますけれども、そういうような点についてどうやったらこういうような事故を防げるのか、私の方は、海上交通安全あるいはその取り締まり、あるいは実態について環境庁がタッチをいたしておりませんし、また専門家でもありませんので、運輸省の方でそういう点を十分考えていただくように申し入れをいたしました。
 瀬戸内海環境保全臨時措置法の中の審議会がございますから、私としては早急に審議会でその点もひとつ審議会の議題にしていただいて、その結果に基づいて運輸省にいろいろとお願いすべきものはお願いしていきたい、かように考えております。
#45
○島本委員 いよいよ最後の質問になってしまいました。時間も迫ってきたからであります。まだあるのですけれども……。
 法務省から刑事局長来ておりますか。――消防法から見て、または貯蔵物の貯蔵取り扱いの基準、こういうところから見て、または通報が大分おくれているという点から見て、同時に、公害罪処罰法という現行法律がございますが、これらの点から見て、人体に対する影響云々ということもございましょうけれども、相当程度の事故であるというような点、これは現行法に触れ、当然刑事事件になるべきじゃないかと考えられますが、これに対していかがでございますか。
#46
○安原政府委員 いまのお尋ねの点でございますが、具体的な問題でございますので、まだ調査中の段階でございますから、本件が、具体的なケースが刑事事件になるかどうかということはお答えを差し控えたいと思いますが、検察庁の姿勢といたしましては、本件は重大な事件でございますので、重大な関心を持ちまして関係機関との連絡に努めておりまして、事実関係、法律問題についての検討を進めておることは事実でございます。ただ、ただいま海上保安庁あるいは消防庁あるいは警察等におきまして、第一線の調査機関が調査中でございますので、その調査の結果を待って事件の処理に当たりたい、かような態勢でおるわけでございます。
 ただ抽象的な問題といたしまして、本件の関係が刑罰法令に触れるとすれば、検討を要する法律関係といたしましては、ただいま島本先生御指摘のような公害罪法に触れるかどうか、あるいは消防法の関係法令に触れるかどうか、あるいは水質汚濁防止法に触れるかどうか、あるいは水産資源保護法に基づきます岡山県漁業調整規則の違反になるかどうかというような点は、法律問題としては……(島本委員「海洋汚染防止法もありますよ」と呼ぶ)海洋汚染防止法というようなものを含めて、どれに触れるかというようなことは検討すべき課題である、かように考えております。
#47
○島本委員 実はこういうような大事な、ことに政府自身でさえも知らないで使っておると言えばそれまでですけれども、発がん性があるようなもの自体も調査不十分のままでやっている。そしてこれほどの被害を与えても、まだ検討しておる、こういうようなことであります。しかし、発電所の建設で漁場が失われる。これに反対して、そしていろいろといままで補償の問題や、それから今後の問題について話し合いをしておった、そういうような問題については、今度は強行突破をしてまた被害を起こしているようなことを一面やっている。こういうような大事な問題はこれから慎重に審議します、その調査結果に基づいてと言う。
 きのうの一月二十二日の朝の七時三十分、北海道の伊達で不祥事件が起こっているじゃありませんか。室蘭の海上保安部の巡視艇が、第一管区、第二管区、これから全部で二十二隻出て、航空機一機さえ繰り出している。そして今度機動隊は三百名も繰り出している。漁民でしょう、それが発電所の建設で話し合いをしていたでしょう。その結果、今度は強行接岸して機材をおろそうとした。それを阻もうとしたら三名逮捕している。そのうちの一名は五百トンの船にはさまれて命からがら逃げ出した。その人はその場で逮捕だ。業務威力妨害という名で逮捕されている。片や命がけで自分の漁場が失われることを守るためにやっておる者を、こういうような大がかりな、ちょっとした小さな戦争を思わせるような行き方で、ほんの七十名ぐらいの漁民を排除しようとしている。片やこれほどの被害を与えながら、研究結果を待っておる。これは何百億になるのですか。全然公害に対する態度がおかしいじゃありませんか。これはきのうの話で、詳細な報告はまだわれわれは受けておらない。これは余りにも天と地が違い過ぎる。私はそれに対してどうなっているのか、わかっていたらこの機会にはっきりしてもらいたい。はっきりわからなければ、急いでこの現状を調査して、何のための業務威力妨害なのか、そして何名出動したものに対してこれを行ったのか、漁民はどういうことをして逮捕されたのか、これに対して詳細に報告してもらいたい。いまわかっていたら、答弁してもらいたい。
#48
○安原政府委員 ただいまの伊達火力発電所の関係は、むしろ警察当局からお聞きをいただきたい事柄でございますが、島本先生御指摘のような検挙が行われたことの報告は受けておりますが、どういう事情でそういうことになったかは詳細わかりませんので、別の機会に御報告申し上げたい、かように思います。
 ただ、先ほど水島重油事故については慎重の上にも慎重で、これについては軽率ではないかという御指摘でございますが、私どもは、刑事事件として水島重油事故の事件は直ちに法令に違反すると判断するには、余りにも複雑な関係にあるということでございまして、検察当局の態度といたしましては、刑罰法令の適用については慎重にやるという心構えでおることは、いかなる事件につきましても、いかなる者の犯罪につきましても同様でございますので、御理解いただきたい、かように思います。
#49
○島本委員 これは慎重にやることは、双方で話し合いをすることが慎重の一つのやり方です。話し合いをしていたのです。ところが、それに対して第一管区それから第二管区からも巡視艇二十二隻でしょう。航空機一機までも出している。どういうことなんですか、これは。これが慎重ですか。これは保安庁も来ているでしょう。保安庁もこんなところにまで何のために出すのですか。有害なC重油であるとか中和剤なんか何の研究もしないで投げておきながら、こっちの方にはもうすでに二十二隻、航空機一機を出している。これは余りにも物々しいというほかない。
 話し合いをしていたのですよ。それなのに強行しようとしていたのに対して、漁民は漁場を守るために当然じゃありませんか。話し合いを継続させればいいんだ。一方的にそれを守ってやる、これがあなたの態度ですか。これは刑事局長は知らなくとも、保安庁長官は知っているでしょう。
#50
○隅政府委員 昨日、伊達火力の物揚げ場におきまして、海上保安庁におきましては巡視船艇二十二隻、航空機一機を出しまして警戒に当たりましたのは事実でございます。
 ただ、これは先生も御存じのように、第一管区、北海道の気象条件が非常に悪うございました。万一のことがございまして、海中転落というようなことになりました場合には、これは人命の安全にもかかわりますので、われわれといたしましては、それらの警戒も兼ねまして、できるだけの不祥事を避けていただくための出動というふうに考えておったわけでございます。(島本委員「それが逮捕か」と呼ぶ)
 漁民の方の逮捕につきましては、海上保安庁において逮捕したかどうか、まだこれについての詳細の報告はいまのところ受けておりませんので、報告があり次第お知らせに上がりたいと存じます。
#51
○島本委員 じゃ時間にもなりましたし、刑事局長の方から警察庁の方へ詳細にこの報告、それから保安庁の方では、これに対してなぜこれを出動したのか、出動したならば、安全にしなければならないのに検挙者を出すようなやり方、二十二隻も出して航空機を一機出していながら、これじゃもうせん滅作戦じゃありませんか。こういうようなことは、私は本義に反すると思う。詳細に調べて、これはひとつ報告してもらいたい。
 それに基づいて、次回以降においてこの問題にはっきりした態度をとらせてもらうことを申し上げまして、私の質問を終わらせてもらいます。長い間ありがとうございました。
#52
○渡辺委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時七分開議
#53
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。久保等君。
#54
○久保(等)委員 今回の水島の重油流出事件によって、瀬戸内海が大変な汚染を見て、いろいろ未曽有の被害が出ておるわけなんですが、渡辺社長さんの方から、最近会社の方で、何か社内に原因究明委員会というものをおつくりになって、会社は会社として自主的にこの原因究明のための何か調査をおやりになっておるようなことを聞いておるのですが、先ほど来お聞きいたしますると、政府の調査の結果によってというお話なんですが、この委員会の方はどういう活動をしておられるのですか、結局開店休業ということなんですか、お尋ねいたしたいと思います。
#55
○渡辺参考人 お答えいたします。
 会社としてももちろん原因につきましては調査は進めておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、会社内の原因究明とかという問題ではございませんで、一に政府の調査に待つ、かようなつもりでおります。
#56
○久保(等)委員 それから所長がおいでになっておるので、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、私も昨年の暮れに現地を調査に参った者ですが、あそこにあります六基の同じようなタンク、これが竣工を見て、使用されて間もなくああいう事件が起きたわけなんですが、最近、例の政府でつくられた原因調査委員会、ここでの調査もまだ調査過程だと思うのですけれども、委員長の何か新聞記者団に発表せられたお話によると、要するに簡単に言えば、タンクの構造なり、あるいはタンクの建設自体がきわめて安上がりの設備になっておる。したがって工期も非常に短い工期であり、それから経費の方もできるだけ節約をした、そういったような設備をしておるところに問題があるんじゃないか、したがって少なくとも五倍ぐらいの経費をかけて、しかも期日ももう少し時間をとって、それこそ堅実にしかも慎重に、十分に調査も行った上で建設をすべきではなかったかというようなことをちょっと発表せられておるのですが、一体この六つのタンクは同時期につくられたものなのかどうなのか。それから基礎工事あるいは着工した時期、それからでき上がった時期、一体期間はどのくらいの期間でやっておられたのか、その関係をひとつ、他の五つのタンクとの関係も含めて、簡単にその事情をお聞かせ願いたいと思うのです。
#57
○大島参考人 御質問の点でございますが、タンク二百七十番につきまして、これは事故のタンクでございますが、これは四十八年十二月十五日に完成検査終了いたしまして、四十九年二月二十八日、わが社に検収引き取りをしております。(久保(等)委員「着工、着工」と呼ぶ)なお、設置許可が四十八年九月六日で、完成検査が先ほどの十二月十五日でございます。他の二百七十一、二、三については、ちょっといま資料を持ち合わしておりません。(久保(等)委員「着工と竣工のその時期をお聞きしているのです、着工はいつ」と呼ぶ)二百七十番についてのみで、あとのデータについていま持ち合わしておりません。(久保(等)委員「その二百七十は着工はいつですか」と呼ぶ)二百七十番が水張りが十一月六日でございます。設置許可が九月六日でございます。(久保(等)委員「設置許可はいいですが、実際工事にかかった時期」と呼ぶ)直ちに工事開始でございます。
#58
○久保(等)委員 あまり詳しくお聞きする時間的な余裕はないのですが、九月六日に認可がおりた、それですぐに着工に取りかかったということで、そうすると十一月ごろにはでき上ったということですから、その間の期間というのは、これがまあ適当な時期かどうか知らぬですけれども、ただ、原因調査委員会の専門家の委員長のお話だと、いま言った工期そのものが非常に短い、さらに、かけておる経費そのものが非常に安上がりだというようなことを言っておられるのですが、こういったことについて、今度の事故が起きたことから関連して、一体会社側の方でどういう判断をしておられますか。そう言われればもう少し経費もかけ、もう少し期間もかけてやるべきであったのじゃないかというような反省を持っておられるのかどうか。これは、私、またいずれこういった場で専門家の御意見なんかも聞きながら判断しなければ、判断がどうにもつかないのですけれども、ただそういうことが専門家で、しかも現地へ行って調査せられた結果言われておるわけですから、ちょっといまお聞きした限りにおいては、非常に何か工期が短いような感じが私もするのです。しかし、実際お使いになった、しかも結果がこういう結果になったという立場から、これは委員長の非公式の発言ではあろうけれども、言われていることに対して、会社の責任者として一体どういうふうに御判断になっておられますか。
#59
○渡辺参考人 このタンクは比較的新しい工法でございますので、この設置につきましては事前に十分の検討を加えて着手しております。その基礎におきましても普通の基礎方式によるわけでございまして、期間が短過ぎたとかということになりますと、ちょっと私も答えにくいのでございますが、結果は別といたしまして、十分の検討を加えて建設にかかった次第でございます。
#60
○久保(等)委員 だから問題は、専門家が、やはりかけた期間、工期も非常に短かったじゃないか、それからさらに経費の面から言っても――これは経費もお聞きしなければわからないことだけれども、しかし、要するに一言にして言えば非常に安上がりのタンクだ、だからそういったところにも一つの原因はあったのじゃないだろうかというようなことを、この木原委員長が言っておられるわけなんです。
 いまのお話は、あまりそれに対する的確な御答弁になっていないのですが、ただ、最近また二十日から倉敷の消防本部でタンクについて何か点検をしておられるようです。そうすると、調べた十六基全部がやはり不等沈下を起こしておる。もちろん、それが六センチから十センチぐらいで、許容範囲内じゃないかと言われております。まあ十センチ以上超えるとこれはもう非常に危険なんだけれども、十センチ以下ならばと言われておる。こういった現象が、現実に調べた十六基全部についても起きておるわけですね。そうすると、その事故は単にたまたま、それこそ万一という言葉があるけれども、万一出た事故じゃなくて、こういったところにも何か非常な不安を感ずるわけですね。
 だから少なくとも、これは単に国の方で調査をしておられるから、その結論待ちだというのじゃなくて、これはおたくの方がとにかくおつくりになった過程もよく知っておられると思うのですね、工事は実際直接やらないにしても。だから、そういうことについてやはり補強工作なり工事なり、何らかの緊急手当てをやられる必要があるのじゃないかと思うのですね。十センチだからいいのだ、十一センチになったら問題があるのだというような問題じゃないと思うのですね。だからそういったところにも、単に政府の権威ある調査任せというのじゃなくて、おたく自体の問題なんだから、会社がもう少し積極的にこういった問題について点検を行い、補強工事をやっていく。いまのところ操業は停止されておるはずなんですから、そうだとすると補強工事なんか比較的やりやすいのじゃないでしょうか。
 私は、時間がないから続けてお尋ねもし、要望もしたいと思うのですが、工場周辺にやはり防油堤を張りめぐらす、こういうことは政府にも実は申し上げたいし、お聞きしたいと思っておるのですけれども、われわれ素人の立場で考えて、緊急にまず工場全体をとにかく、簡単にぶっ壊れるような防油堤じゃなくて、しっかりした防油堤を張りめぐらす。もちろん外部から一たん事が起きた場合には入らなければならぬですから、出入口は適当に設けて、そこのところは一たん何か問題があれば土のうでも持っていってぱっとふさげるというようにして、周囲をとにかく、絶対どういうことがあっても油は外へ漏らさない、海人はもちろんのことですね。これは絶対外に漏らして迷惑をかけるようなことはどんなことがあってもあり得ないのだという安心感を、素人のわれわれ、一般住民の方々にも与えるような措置の必要を、これは特に私は先般現地を見て痛感しているのです。
 もうそれこそ浜辺というか、テーブルの端っこからすぐ海へ落ちてしまうような状態だったら、これは側溝を伝わってのんびり油が流れていくというのじゃなくて、私は、おそらくはどっとあの海岸に直接流れた油も相当あるだろうと思うのですが、いま私の申し上げた特に防油堤を周辺にめぐらすという問題について、これは一つの範を、実際事故を起こされた立場から言っても私は示すべきだと思うのです。それこそ何十億、何百億あるいは何千億あるいは何兆円になるのじゃないかとさえ、将来の海底のヘドロだとか沈でん物の第三次公害、第四次公害を考えたら起こすんじゃないかとさえ言われておるような事故を起こしたのですから、この際思い切って、とにかくひどい工場ではあっても、防油堤をつくることはこれはもう技術的には問題ないことだし、おやりになるお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思う。
#61
○渡辺参考人 お答えいたします。
 最初の沈下の問題でございますが、これにつきましては、沈下を認められます場合は砂入れと申しますか、上げることを心がけております。この点につきましては、十分にやっていきたいと考えております。
 第二のお尋ねにつきましては、現実にこういった事故が起きたわけでございますから、早速先生御指摘のような施設といいますか、これを考えるようにいま検討しております。消防関係ともよくお打合わせいたしましてこれを実現いたしたい、かように考えております。
#62
○久保(等)委員 この問題に関連して、やはりいまの問題非常に緊急にやってもらいたい、またやるべきだと私は思っておるものですからお尋ねしたいと思うのですが、とにかくこういう石油コンビナートなんかの地帯には防油堤を、もちろんブロックごとには防油堤というものをつくっておるわけですけれども、これは私も先般現地を見てきましたが、本当に申しわけ的なものですよ。一つのタンクがパンクしてしまったら、それだけでも収容する能力がない。ましてや二つ、三つが同時に亀裂を生じたというようなことになったら、あれは全く大した役に立たぬと私は思うのですよ。結局外にあふれてしまうということになりますから、仮にそういう事態があっても三重、まあ時と場合によったら三重が必要かもしれぬのですが、とにかく私の言うのは工場周辺全体に防油堤をめぐらすということを少なくとも消防法の中で、しかもこれは何か規則でやっているんじゃないですか。高さあるいはどういう構造にするか、そういったことは消防法に基づく規則で指示してやっておられるようですが、したがって、そういったことは法律改正を要する問題じゃないのですから、規則を改正をするとかなんとかということで十分間に合うのじゃないかと思うのですが、消防庁の方からひとつお聞きしたいと思うのです。
#63
○永瀬説明員 先生御指摘の、もしタンクから油がこぼれた場合におきまして、防油堤を越えてさらに構外に流れ出した場合において、これを工場の敷地外に流すことがないように周囲を高くするとか、あるいは土堤を築く、あるいは防潮堤のようなものを築く等のことを考えまして、極力事業所の構外には油を出さない方策を、先生御指摘の消防法に基づきますところの保安基準でございますか、これは法律直接じゃございませんで、政令、省令の段階でございますのでこれを検討いたしまして、御趣旨に沿うよう考えたい、かように考えております。
#64
○久保(等)委員 課長の方からの答弁、これは大臣の答弁とも理解しておきたいと思う。
 それから、検討中という言葉が出ているので、ちょっと言葉じりをとらえるようでなんですが、私は緊急にやってもらいたいと思うのです。検討とかなんとかいうほどのむずかしい問題じゃないのです。これは水島だけの問題じゃないので、私の言っておるのは全国的なコンビナート関係の、タンクのあるところについての問題として申し上げているのですけれども、このくらいのことはぜひひとつ早急にやってもらいたいと思うのですね。しかも、いま言ったように規則でもってやれるわけですから、省令でやれるわけですから、ぜひお願いしたいと思いますし、これはひとつ繰り返してはっきり申し上げておきたいと思いますが、いかがですか。
#65
○永瀬説明員 先生のお考え、御指摘の構外に出さないこと、このほかに現在の防油堤の構造等につきましても、さらに防油堤から外へ出ないための方策、これをまた考える必要がございますし、さらにまた問題は排水溝の処理の問題がございます。これから外へ出たのでは困りますので、その辺が、現在の実情からいたしますと、かなりの工作をいたしませんと流れ出すおそれがなしとは言えませんので、これを含めまして近々中に政令、省令の基準を改定する作業を続けて、近いうちに改正したい、かように考えております。
#66
○久保(等)委員 それはぜひ緊急にやっていただきたいと思うし、それからもちろんその関係の省との連絡協議等もあるでしょうが、いま言われた側溝なんかへ流れていくというようなことは、これは金はもちろんかかるでしょうけれども、こんなことも非常のときにやることですから、常にそこを閉鎖するわけじゃないので、緊急のときにやれるような措置は、こんなことは技術的に簡単なことだと私は思うのですが、ぜひ緊急に実施をしてもらいたい。このことを申し上げ、環境庁長官もおいでになりますから、ひとつ側面的にぜひその実現方について御配慮を願いたいと思います。
 それから被害の関係ですが、これに対する補償は、先ほど来、誠心誠意完全補償をやるようにいたしたいという社長の御答弁で、私はそれは当然のことだと思うのですが、ただ問題は、特に間接被害といいますか、こういったような問題について、何か社長はそのことについては第三者機関の公平な判断にまちたい、こういうふうなことも新聞記者団の会見なんかで漏らしておられるようですが、そういう御心境ですか。
#67
○渡辺参考人 間接被害につきますと、業種もさまざまでございますし、また地域の事情の違いもございまして、一様に考えられない面もございます。できるだけ被害を受けられた方の実情をお聞きいたしまして、公平に誠意をもって対処したい、こういう気持ちでおります。
 第三者と申しましても、これはお互いに納得できることでございますれば、必ずしも第三者の仲介を必要といたさないことと思いますが、そういった面で、必要に応じまして県当局とかいろいろな公平なお立場の御判断を待つこともあり得るのじゃないかと考えておる次第でございます。さような意味でございまして、必ずしも第三者が入らなければ処理しない、さようなことは私の真意ではございません。
#68
○久保(等)委員 その間接被害と目される、いろいろあるわけですが、鮮魚の卸から始まって小売、あるいはすし屋さん、それから釣り具商の方、いろいろあるのですが、大体四十一業種ぐらいあるそうでありますが、こういった方々と、やはり私は、いまできれば話し合いできめたいというお話ですが、それは結構だと思うのです、だからこれを精力的にぜひひとつ続けられて、早急にやはりこういった問題についても被害者の方が納得できる線で解決をしてもらいたいと思うのです。
 ところで、昨年の年末に、一応越年資金的なものは直接被害者の場合について支出をせられたようですが、その後この支払いが行われておらないようですけれども、最近やはりこういった内払いというか概算払いというか、そういうような形の支払いを具体的にお考えになっていますか。
#69
○渡辺参考人 お話のように、昨年末、もちろん不十分ではございますが年末一時金をお支払い申し上げました。その後、作業に御協力いただいておる漁業関係者に対しますお支払いも逐次続けております。
 なお、作業の面また補償の面を含めまして、月末ないし月初めにはというお話もございますものですから、その面につきましては鋭意お打ち合わせいたしております。
#70
○久保(等)委員 ことしになってお払いになったことがございますか、あればその金額をちょっと述べていただきたい。
#71
○渡辺参考人 ただいま現在におきましては、年末約六億円ほどのお支払いをいたしております。
#72
○久保(等)委員 何かこの漁業補償の問題をめぐって、児島漁連ですかが、非常に会社側で、回答そのものが余りどうも期待したような期日までなされない、誠意がないというようなことでもって、海上封鎖をやろうかという話も私、新聞で見たんですが、非常に憂慮せられる問題だと思うんですが、この問題、何かあすから、二十四日からというようなことも言われておったようですが、この問題についてはどんなになっていますか御存じですか。
#73
○渡辺参考人 その点につきましては、国の対策本部、県、市のお話もございまして、封鎖につきましては行われないで、引き続き誠意ある折衝をいたすということで昨日解決した、かような報告を受けております。
#74
○久保(等)委員 ただいまのお話で、昨年の年末の越年資金の支払い以後、ことしになって、ただいまのお話だと六億円の支払いをされたというんですが、これは恐らく回収作業なんかに対する手当というか、そういったようなものだろうと思うんですが、少なくとも生活のつなぎ資金ですね、そういった問題そのものも、推定するところ恐らくこういった中に余り入っていないのじゃないかと思うんです、わずか六億という金額では。そうすると越年資金以後ほとんど支払いされていない、こういったことについては当該の被害者あるいは作業を現実にやられた方々、作業といってもいろいろあるわけでして、船を使って作業をやられた人たちもおられるでありましょうし、生活的な不安なんかも非常に増大してくると思うんですね。そういったことで補償問題について金額的にも、それから手続的にももう少し迅速に、もちろん結論が出るのはよほど先の方になるでしょうから、とりあえずの概算払い、内金払いということで処理していかざるを得ないと思うんですけれども、そういったことについても、もう少し積極的にやらなければならぬと思うんですけれども、その点、いかがですか。
#75
○渡辺参考人 お答えいたします。
 きょうまでの漁業補償は二十七億ほどでございまして、防除作業費が七億二千万ほどになっております。
 それで、今後の問題につきましてといういま御指摘の点につきましては、私ども鋭意沿いたいというつもりでおります。御承知のように何分被害が四県にわたっておりまして、各地の事情も必ずしも一様でございませんし、それから実際のたとえば単位漁業組合というようなことになりますと、百数十組合から二百組合に及ぶ組合数になりまして、私どもといたしましては、できれば関係の県漁連の方々と一本といいますか、そういった形でお話し合いができれば、かようなことはかねがね申し上げてまいっておりまして、各県の漁連で協議会も一つくっていただきまして、そういった面を取り進めておる次第でございます。私の方もその後の支払いが主として作業の支払いになっておりますものですから、漁連さんともよくお打ち合わせいたしまして、御指摘の面につきましては十分誠意ある対処をいたしたい、かように考えております。
#76
○久保(等)委員 やはり生活のかかっておる問題ですからね。だから誠心誠意おやりになるというお話ですから、それを私は信頼したいと思うのですが、問題はやっぱり口で言われる問題じゃなくて、実行で示すことだと思うんですね。だからそういう点で迅速に、できるだけ早急にこういったものを逐次支払っていくというふうに取り運んでもらいたいと思うんです。それがやはり感情にまで発展してまいりますと、後非常に収拾がしにくくなる、話そのものができなくなるというようなことになる可能性が非常に強いと思うんです。私もちょっと心配だから児島漁連の話もお聞きしたんだけれども、結局もたもたしているとそういった問題が次から次へと出て、今度はエスカレートしていく。しかもこれが関係するところは非常に広範多岐にわたっておるだけに非常にむずかしいと思うのですが、誠心誠意はひとつ具体的な事実でもって、しかも支払い等の面においてぜひお示しを願いたい。
 もちろん政府の方でもこのことについて円滑に、スムーズに支払いされるようにいろいろあっせんなりあるいは助言なりされると思うんですが、水産庁の方にお尋ねしたいと思うのですが、この問題についてはぜひトラブル等が起きないように、早急に、少なくとも話し合いの軌道に乗っけて、それからいろいろ支給基準というか、そういったことについての基本的なことを少なくともまず相談しなければならぬと思うんですね。そういったことについてひとつお願いをしたいと思いますし、同時に、どういうふうなお考えでおられるのか、お伺いしたいと思うんですがね。
#77
○松下政府委員 今回の重油流出による漁業被害の補償は、原因者負担の原則によりまして、当然これは原因者であります三菱石油の負担においてなさるべきものというふうに考えておるわけでございます。水産庁といたしましても、漁業被害の発生状況の迅速な把握に努めますと同時に、この原因者負担の原則に基づきまして、漁業者側と三菱石油との話し合いによって、先ほど先生御指摘ございましたように、適正な補償が円滑にかつ効率的に行われるように、関係者の指導に当たっておるところでございます。
 漁業補償に関します漁業者側と三菱石油の話し合いは事故発生直後から始められまして、当面、いまのいわゆる越年資金につきましては、先ほど御指摘ございましたように、四十九年中に支払われたわけでございます。一月十三日に現地岡山におきまして対策本部が設置されましたが、この対策本部が設置されました以後は、この本部が中心となりまして、補償その他の問題に取り組んでおるわけでございます。漁船、漁業の休業被害の取り扱いでございますとか、あるいは重油の防除作業費、そういいました共通の基本的な問題についての考え方をやはり統一する必要がある。それからまた第三者の鑑定機関の依頼等につきまして、関係者を指導しているわけでございますけれども、さらに三菱石油に対しましても、補償の早期支払いを申し入れているところでございます。
#78
○久保(等)委員 環境庁長官にお尋ねしたいと思うのですが、例の汚染の総合調査を現に実施をしておられる、瀬戸内海総合環境調査の打ち合わせ等もおやりになっておるようですが、もちろん今後長期にこの調査そのものが必要だと思うのですね。しかし、このことも並行して、早急にできるだけ結論が出せるものはどんどんその結論を出して、実施に移していかなければならぬ。
 たとえば表面からはある程度重油が姿を消したということになりましても、最近NHNのテレビなんかを見ても、海中に非常に浮遊物がある。だんだん下に沈でんしていって、それで例の油ボールというようなものになって沈でんする。あるいはそうでなくてもヘドロみたいな状態になって海底に沈んでいくというような状況が現に出てきておると思うのですね。だからこういった問題になってくると、海底のそういったものを一体どう排除していくか、回収していくかというような問題も当然出てくると思うのですが、こういうことについては環境庁が中心になってやってもらわなければならぬ問題だと思うのですが、そういうことについて一体どの程度のめどを置きながら調査をやっておられるのか、あるいは調査の中間的な報告なりといったものがいつごろまでに出ることを期待しておるのか、この瀬戸内海総合環境調査というものをどういう形でやっておるのか、ひとつ概略をお聞きしたいと思うのです。
#79
○大場政府委員 ただいま御指摘になりましたように、今回の油汚染が残念ながらかなり瀬戸内海の環境に後遺症を残すんじゃないかというおそれがありますので、環境庁といたしましては、各省にも御協力を願いまして、広範な環境調査を手がけている最中でございます。
 考え方といたしましては、魚の問題、これは異臭魚の問題が懸念されるわけでありますが、そのほかにも魚の産卵だとか、あるいは生育環境への悪影響はどうなっているか、それから魚だけではありません、微生物を含めましてほかの生態系への影響がどうなるか、あるいは海岸、海水浴場その他の環境がどういうふうに悪化するか、そういったこともございます。そのほかに水質の問題がどうなるか、それから先生御指摘のありました海底の汚染がどうなるか、こういったこともあるわけでありまして、そういったことを今年度からすぐにも着手し、そしてその都度結果を発表してまいりたいと思っております。もちろん後遺症が残念ながらある程度残るということが予想されますので、この調査はある程度長期間にわたりましてフォローしてまいりたい、調査結果はわかり次第漁業者の方々にも一般の方々にも御披露申し上げたい、かように思っているわけであります。
#80
○久保(等)委員 ですから調査の仕方にしても、何か一つのプロジェクトチームみたいなものをつくってやっていくというふうにやってもらいたいと思います。
 それから同時に、これは関係知事あるいは市長あたりからの要望もあるようですけれども、とにかく最近次々といろいろな事故を起こして瀬戸内海が汚染をされていっているのですね。われわれが非常に努力してつくった環境保全臨時措置法というものが、やっとどうにか少し成果を上げつつあると思ったら、それこそ一遍にそういったものが吹っ飛んでしまうということになってまいると、瀬戸内海の環境保全をいかにしてやってまいるかということは、よほど腰を据えてやらなければならぬと私は思うし、同時にこれは科学技術的なことが非常に含まれるものですから、できれば瀬戸内海環境科学総合研究所というようなものをつくって、そういったものと徹底的に取り組んでいく。研究所をひとつ設置してもらいたいという要望が、関係知事あるいは市長会あたりからも出ているのですが、このことについてどう考えますか、私はぜひ設置をしてもらいたいというふうに考えますが。
#81
○小沢国務大臣 私もその要望のあることは承知いたしております。これは今度の油事故の前から瀬戸内海環境保全臨時措置法ができまして以来、実は関係県、三大市の連絡協議会でそういう要望があることを承知いたしておるのですが、どうも研究所の設置は環境庁の力だけでなかなかいきませんし、そこで私の考えは、水島の対策本部をつくりまして、各省庁みんな集まって対策本部ができまして、そこで各県とも連絡したりいろいろやっております。これをだんだん、そのままいまの総合調査に絡んで残しつつ、各県の連絡、協議の場もそこで実体的に積み上げていきまして、いま御承知のとおり行政機関の設置というものは非常な制約がございますので、積み重ねによってそこで何らか将来、ひとつ来年度においてはこれを形のはっきりしたものにしていくようにいたしたい、実は私はそういう気持ちを持っておるわけでございます。
 ずばり研究所の設置なんと言いますと、いまの行政管理庁やあるいは大蔵省、内閣全体の方針で、それはどうだこうだということでなかなかいきませんので、そういう点をうまくひとつくぐり抜けながら、しかも実体的に効果を上げるようなということで発足をして、これをうまく使いながら調査を本当に徹底してやらなければいけませんし、まあ、そんなことで努力をいたしますから、もうしばらくひとつお待ちを願いたい。
#82
○久保(等)委員 私も、だからこういう組織をつくって、こういう人員を配置して、いきなり研究所という名称でスタートすることがどうかという問題、最近のいろいろの状況から見て非常に困難だと思うのです。ただ、先ほどちょっと質問者が言われておったように、たとえば中和剤の問題一つをとってみても、そのものを実際使った結果が一体どういう結果になるのか。これは現場の瀬戸内海にそういった研究所を設けないと、たとえば中和剤一つの研究も、聞いてみると何かアカメダカを使ってやる。とにかく瀬戸内海に住んでおる主たる魚について実際それを食べさしてみて、結果がどうなったかというようなことを長期的に研究したことはないというような、要するに散発的な、単発的な、短期間の、そのとき出たとこ勝負みたいな研究では、これは本当の意味の対策にならぬと私は思うのですね。
 今度の場合、これだけの大事故を起こし、しかもそれが特定の狭い範囲に何かそういう事態が起きているのなら、そこの海底のどろならどろを持って帰ってまた検査するという手もあると思うのですが、非常に広範な地域ですし、もともと瀬戸内海はわれわれが言うまでもなく単なる瀬戸内海ということでなくて、国立公園であり、世界的な有数な観光資源でもあるわけですね。こういったことを考えると、私は大変な事件を起こした、事故を起こしたと思っておるのですけれども、その海を取り戻し、本当に恵まれたあの瀬戸内海をもとの姿に返していくということはわれわれの重大な責任だと思うのですね。単にだれかれの問題でなくて、国全体の責任でもあるし、国民全体の、現代のわれわれの責任でもあると思うのです。そういう点を考えると、やはりたまたま臨時的につくった調査機関程度ではそういう問題と取り組めない。しかも、それが仮に油が浮遊している状態を全部解消してしまったとするなら、そういう必要もあるいはないかもしらぬけれども、いま要するに現実にどんどん沈下していっているわけですね。そういったようなものが一体今後どういう影響を及ぼしてくるのか、そういう生態の変動というようなものもつかんでいくとすると、やはりその現地に常置した、しかも相当な権威のある研究機関を置いてやっていかなければいかぬ。
 長官の言われることも私はわかります。現実、行政組織を拡充する、新設するということはなかなかむずかしいこと。だから、でき得べくんばとにかく常置してもらって、たまたま、ときどき行って見るという程度ではなくて、常置した機関で、かっこうはどういうかっこうでも結構ですししますが、ぜひひとつそういう定着した形でしっかり取り組むという体制をつくってもらいたい。
 これは基本的に、設置することそのものについて長官が反対しておられるとは理解しない。そういう方向は望ましいが、ただ現実に研究所という銘を打ったものを置くことはなかなか困難だということを言っておられるのだと思うのですが、もう一遍その点、基本的ないま私の申し上げたようなことには当然賛成してもらえると思うし、これは環境庁長官が中心にならないと推進できない問題です。形式的に言うならばこれは科学技術庁の所管だと私は思うのですね。研究所だとか何だとか名前がつくものをつくると、これはすぐ科学技術庁の所管になるのかもしらぬけれども、実際の中身についての所管は環境庁だと思うのですが、そういう点で環境庁長官に、実質的な意味でこれが実現するように、ぜひひとつ御努力を願いたいと思います。
#83
○小沢国務大臣 先生の御意見、もう私としては大変賛成でございます。中和剤の点もこの機会に、どういうような影響を及ぼすのか、この総合調査の一環の中に取り入れて徹底的にやりたいと考えております。いま研究所を現地になければという、これは確かにあればいいことでございますが、たとえば水産試験場も広島には相当りっぱなものもございます。各県にも衛生試験場が機構も相当整備されております。そういう点もひとつ協力を得、使いながら、いまの総合調査をやりつつ、しかも結論を見、またやるというような方向で、御説のようなことが実行できていくようにいたしたい、かように考えますので、ひとつ御了解いただきたいと思うわけでございます。
#84
○久保(等)委員 基本的には長官も御賛成のようですから、ぜひひとつ実効が上がるような機関で恒常的にやってもらいたいと私は思うのです。これは同時に強くお願いをしておきたいと思います。
 それでは次にお尋ねしたいのは、海上保安庁の方にお尋ねしたいのですが、先般の事故に対して実際とられた措置、先ほど来お話があったように後手後手になったような面もあるようですし、従来からあるオイルフェンスを使ったり、あるいは中和剤の散布、吸着材、そういったようなものを使ったようですが、ああいう大事故になりますと、これがきわめて無力であったということを、私ども直接現場へ行っていろいろ聞かされたわけです。そういう点を考えると、もう少しこういった防災関係の資材なり機材なりの技術開発というか、やはりそういったことについて、この際、真剣に取り組む必要があるのじゃないかというふうに考えるのですが、これは職制上海上保安庁の所管になっておるようですから海上保安庁にお尋ねするのだけれども、これも本当を言えば、技術的な問題が多分にある問題で、他の省庁でお考えいただかなければならぬ問題だと思います。環境庁にしても、あるいは農林省あたりにしてもそうだと思うのですが、そのことについて、所管は運輸省だし海上保安庁ですからお尋ねしたいと思いますが、これもひとつ何とか、ああいう原始的なやり方で回収する、あるいはひしゃくを使っていろいろやっておる、こういったようなことについて、何とかもう少し積極的に技術開発をやらなければならぬのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#85
○隅政府委員 お答えいたします。
 今度の事故に対しまして、海上保安庁のオイルフェンスの展張その他につきましていろいろの問題があったことは事実でございます。われわれといたしましても、これを十分教訓といたしまして、今後の対策に万全を期したいと思います。
 やはり一つは、先生のおっしゃいましたような資材の改良と備蓄でございます。
 その二は、この訓練でございます。やはりオイルフェンスをどこにしまう、これをすぐの連絡で直ちに船に積み込む、あるいは積み込んだ船をすぐに動かすということを、常に訓練としてこれを行う必要があることを痛感いたしました。
 また、資材につきましても、オイルフェンスの性能の向上、それから中和剤につきましては、先ほどのお話もございましたように、この研究はさらに続けてまいりますけれども、中和剤の改良、それから油回収船の設置、この油回収船につきましてはいろいろのタイプを考えておりますけれども、いまだに、これが最もいい機能を持つというところまでいっておりません。当庁におきましても、現在二基の油回収装置をアメリカに発注いたしまして、間もなく到着いたしますけれども、これの拡充と、さらに性能の向上につきまして、やはり海上保安庁といたしましては万全の対策を立てたい、そして、今後の大量流出油に対して、完全にこれを事前に、あるいはできるだけ少ない被害で食いとめるという検討をいたしたいと考えております。
#86
○久保(等)委員 大型油回収船の問題もお尋ねしたいと思ったのですが、いま若干触れて御説明があったのですが、十分な効果を上げ得る油の回収船であるかどうか、技術的な面ではまだ開発の余地があるようないまのお話なのですが、ぜひひとつ大型の油回収船を、技術的なそういった問題は十分に開発をせられて、適当な場所に配置をしておく必要があるだろうと思うのです。これはもちろん予算を伴う問題ですが、そういうことにぜひこの際積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 それから、瀬戸内海の汚染の状況を監視する常時の体制、こういったものをもう少し強化すべきじゃないか。それから、飛行機等も使って空中から、高いところから監視をするのが一番効果的なようですね。われわれも下の、海のところを小さな船なんかで通ったんじゃ、横から見たんじゃほとんどわからないのですが、上空から見ると非常によくわかるんですね、こういった汚染状況というものは。だから、そういう意味から言うと、飛行機なんかによる監視は私はぜひ必要じゃないかと思うのです。これもぜひひとつやってもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
#87
○隅政府委員 瀬戸内海の状況を常に監視して把握をしておくという点につきましては、関係官庁ともよく連絡いたしまして、この体制の整備を完全にいたしたいと思います。当方では、水路業務用船というものがございまして、測深だとか海流、潮流の調査もいたしております。これは東京湾でもいたしておりますし、瀬戸内海でもこれはさらに続けてやっていきたいと思います。
 なお、航空機につきましては、実は今度の事故対策で高松に一応臨時の航空基地を設けまして、高松からヘリコプターを毎日瀬戸内海へ飛ばしまして状況の把握に努めまして、これは十分成果が上がったと思います。今後、広島の航空基地あるいは八尾の航空基地、それから、それに配属いたしますヘリコプターの性能の向上ということに努めまして、先生のおっしゃるような対策をさらに進めていきたいというふうに考えます。
#88
○久保(等)委員 それでは次に労働省にお尋ねしたいと思うのですが、今度のこの事故によって現実に労災関係で問題が起きておるのかどうなのか。あの事故そのものが、当時きわめて高温のC重油が噴出をしたということ、しかも時間的には夜であった。したがって、われわれ素人が考えて、現場に駆けつける、しかも、それが単なる淡水の熱湯ではなくて、非常にどろどろしたようなものの九十度程度の高熱のものが吹き出たというようなことになると、やけどその他の事故等も考えられると思うのですが、そういったことがあったのかなかったのか。それから、その後いろいろ回収作業を連日にわたって非常に広範な地域でやっているわけですが、そういったことについて一体被害を受けられた方がおられるのかどうか。十二月二十七日に過労でもって亡くなった方もおられるようですが、そういったことについてひとつ労働省の方から御答弁願います。
#89
○中西説明員 ただいま先生から御指摘のありましたような労働者の災害、それから健康障害につきましては、ただいまのところ労働省では報告を受けておりませんので、なかったのではなかろうか、こう思っております。
 なお、皮膚障害等につきましては油症のおそれがございますので、現地の監督署から三菱石油の水島製油所に対しまして、油回収作業に従事している労働者に手袋等を使用することを指示いたしまして、現在ビニール塗りの手袋を使っておりまして、障害者は出していない模様でございます。
#90
○久保(等)委員 それでは、私、これで一応やめます。
#91
○渡辺委員長 ただいま海部官房副長官がお見えになりましたが、出席時間の制約がございますので、理事間の申し合わせのとおり、各党別割り当て時間で集中的に質疑をお願いいたします。藤本孝雄君。
#92
○藤本委員 官房副長官の御都合で、まず副長官に対する質問を集中的に行いたいと思います。
 官房副長官も御存じのように、現地では油の回収にいま全力を挙げておる、こういう状況でございます。それで、特にその油の回収に働いておる人は、被害を受けた被害漁業者が多いわけでございまして、被害を受けながら一日も早く操業状態に入りたいというために、この漁場からの油の回収、それから漁港、海岸の清掃に従事しておるわけです。ところが、きわめて原始的な方法を主体にしておりますので、ひしゃくでやっておる関係で、くめどもくめども海岸の油が減らない。いつまでこういうことをやらなきゃならないか、こういう気持ちが非常に強いわけでございます。対策本部を政府が設置されまして、回収の問題、それから当面の措置としては漁業被害補償を円滑にするという問題、それから恒久対策としてはコンビナート工業地帯における防災体制であるとか、環境調査というような問題を主に対策本部の役割りとしてされておるように理解しておりますので、まず、その回収のめどをはっきりさせていただきたい、かように思うわけでございます。その点、本部長の代理とし、官房長官の代理として海部さん来られておるわけでございますので、御答弁を願いたいと思います。
#93
○海部政府委員 藤本委員おっしゃるように、大変な事故でございましたので、政府としては、それぞれ所管の各省の連絡を緊密にするとともに、現地に対策本部を設けまして、可及的速やかに一日も早く油の回収処理ができるように、ただいま全力を承げるように指示をいたしておりますが、初めての経験といいますか、いままで経験したことのないような大きな規模の問題にぶつかっておりますので、いまのところ御指摘のように、たとえば何月何日までにこれが完全に回収できるとか、かくすればかくなるというめどは具体的にここでお答えできるほど詰まっておりませんけれども、ただ全力を挙げて、人事の限りをつくしてやれという指示はいたしておりますので、御理解いただきたいと思います。
#94
○藤本委員 よく事情はわかっておりますので、よくわかるわけでございますけれども、やはり回収のめどは、ある時期には出していただきたい、かように思いますので、その点は十分に御配慮をお願いいたしたいと思います。
 それから次に、漁業補償の円滑化の問題でございますが、これはまあ原因者負担の原則で、三菱石油の方にお尋ねをして、それから海部官房副長官にお尋ねするというのが順序でございますけれども、時間の関係で官房副長官の方に先にお尋ねをいたしたいと思います。
 いま重油の流出事故が起こりまして、その後被害総額はだんだんと金額が大きくなってまいっております。現在わかっております被害総額は四県で約百六十億、こういう金額が発表になっております。これからさらに間接被害であるとか、それから将来予想される後遺症の問題、この問題なども補償の対象と考えていくと理解しておるわけでございますけれども、そうなりますと被害に対する補償の額は、当初考えておりましたよりも大変多額なものになるだろう、こういうことは現地で容易に想像されておるわけです。
 そこで、今度被害を受けました漁業関係者の中でいま一番心配されておりますことは、受けた被害の補償が完全に実施されるのであろうか、こういうことが最も大きな不安になっておるわけでございます。その点について、今回の被害の補償に対して三菱石油の方から政府の方へ何らかの要請があったように聞いておるわけでございますけれども、そういう要請について、もし御存じであればお答えをいただきたい。もし御存じでなければ結構でございます。
#95
○海部政府委員 ただいま御指摘の結論の点は、現段階では政府の方へ具体的な要請はまだないというふうに聞いております。
#96
○藤本委員 これはまた後で三菱石油の方にお尋ねをするわけでございますけれども、常識的に考えまして相当多額の、うわさされている金額を言いますと、三百億になるだろうとか五百億になるだろうとか、こういうことがうわさされておるわけです。
 そこで、その補償を一度にするというようなことは、これはできれば一番いいわけでありますけれども、もしこれが、過去のいろいろの補償、特に水銀なんかの補償の場合でも論議された問題なんですが、一度にどうしても原因者である三菱石油の方から補償ができないという場合に、政府としては、これは原因者負担であるからもうそれはそれまでで仕方がないということでは、やはり済まされない問題であると思うわけでございます。そういう場合に、たとえば融資をあっせんするとか何らかの措置を講じて、原因者である三菱石油が被害を受けた漁民に対する補償を完全にできるようにすることが必要であると思いますが、その点について、私のこの考え方に御賛成であるかどうか。また、そうしなければならないということであるかどうか、お答えいただきたいと思います。
#97
○海部政府委員 藤本委員のお気持ちは私もよくわかるわけでありますし、大変心配していらっしゃる漁民の皆さんの立場に立てば、そういったことをいま一刻も早く結論として聞きたいというお気持ちだろうと思いますが、これは三菱側の努力をわれわれは期待しておるわけであります。しかし、おっしゃるように補償額がまだきちんと算定されておらぬとか、あるいは三菱側が一挙に出しにくいような状況等のときには、昨年末もそうでございましたが、被害者の皆さんの方への融資とか、あるいは金融機関を指導、督励して、御不自由のないように融資に特別の考慮をするとか、いろいろな努力はしてまいりましたが、いまのところ具体的に三菱さんの方へ直接融資をするとかどうするとかいうようなことは、まだ検討いたしておりません。
#98
○藤本委員 それでは角度を変えまして申し上げてみたいと思いますが、原因者である三菱石油が被害を受けた漁民に対して完全に補償ができるように、政府が援助をするというか配慮をする、こういうことについてはいかがでしょう。
#99
○海部政府委員 できるだけ三菱の努力によって完全な補償が行われることを期待しておりますし、また、そういうように対処してほしいということをわれわれとしては考えておりますわけで、三菱側の努力と被害漁民との間に時間的なずれとか、申し上げるように三菱側の、補償はするけれどもいま一時にはできないというような物理的な事情があるときには、被害者の救済のためには政府側としてできるだけのことはしよう、こういう決心でおります。
#100
○藤本委員 いまの官房副長官の御答弁でつきておると思うわけでありますけれども、さらに、いまの御答弁の中に関係があったのでございますが、今度の事故が発生して以来、被害を受けた漁業関係者から最も強く政府に要望されておりましたのはつなぎ資金の問題であったわけです。最終的に被害の状況が把握されて、その交渉が関係者で妥結するまで、やはり常識的には相当長期間かかるであろう。その間、被害を受けた漁業関係者はきわめて零細でございますから、生活に困窮をするということは当然考えられるわけで、その間つなぎとして政府から何らかの措置をしてもらいたい、こういう要望を何回も私は政府にお取り次ぎをした経験もあるわけでございます。その点について本部長としての御見解を、いまのつなぎ資金についてどうされるか、またこれからどうされようとしているのか、その点について御答弁いただきたいと思います。
#101
○海部政府委員 水産庁が参っておりますので、きょうまでやってきました経過とか具体的なこととかについては、水産庁からお答えをいたします。
#102
○松下政府委員 ただいま官房副長官からお話がございましたように、対策本部といたしましては、汚染者負担の原則に基づきまして、汚染者でございます三菱石油に対しまして補償措置をとることを要求しておるわけでございますが、政府といたしましても次のような措置をとっておりまして、今後も実情に応じまして必要な措置をとってまいることとしておるわけでございます。
 第一番目といたしましては、漁業者等に対しましてすでに貸し付けておりますものに対する条件の緩和、そういった措置につきまして、すでに一月四日付をもちまして水産庁長官名で各金融機関に依頼してございます。
 それから第二番目といたしましては、被害の漁業者等に対しまして、昨年末の越年資金でございますけれども、これの緊急措置として一部系統から支出させております。
 今後もこういった被害漁業者等の実情の把握に全力を挙げたいと思いますし、当然のことでございますけれども、原因者負担の原則にのっとって実態に即したような措置をとってまいりたいというふうに思うわけでございます。
#103
○藤本委員 いまの段階で、香川、岡山、徳島、兵庫四県で約百六十億、香川県だけで約八十億、こういう被害が出ているということがわかっております。それに対して、いまお聞きのように年末には一時金を払われたけれども、その後交渉は継続されておるかもわかりませんけれども、何ら措置がなされていないというのがいまの現実なんです。それではいつごろこの交渉が妥結をして、被害漁業者がその補償を受けるかということは、いまのところまだはっきりわかっていない、こういうことでございますから、やはり被害を受けた漁業関係者の現状を考えてみますと、たとえば二月の終わりまでにはとか、三月の終わりまでにはとか、いまのわかっている百六十億の中でどのぐらいはどうするということを、これはもちろん三菱石油がやらなければいかぬことでございますけれども、そういう指導といいますか、そういうことを政府対策本部としてもやっていかなければならぬと思うわけでござますけれども、その点についてどうでございますか。
#104
○海部政府委員 心構えの問題も大切でありますが、具体的にやはり事実として回答が出ていかなければいかぬわけでありますので、今月の月末には実行ができるように、月末につなぎ融資が出るように、いま鋭意努力をさせておるわけでございます。額の点については、まだきちんと詰まった額が出ていませんので、いまここでお答えできませんけれども。
#105
○藤本委員 終わります。
#106
○渡辺委員長 久保等君。
#107
○久保(等)委員 私、官房副長官にお尋ねしたいと思うのですが、きのう現地の左藤本部長が帰ってきて官房長官に状況報告をしたようです。ところが、その報告が、総括的に言うと現地から見ると非常に甘い報告をしておる。予定どおり油の回収も進んだ、回収の問題については大体峠を越したといったような報告がなされ、当初一月末を目途にやった計画も、ほぼその計算どおりに進んでおる、補償の支払い等の問題についても、今月末を目途に作業を進めてきたが、大体これもほぼ達成し得る見通しだというようなことを何か報告したやに新聞が伝えておるのですが、それに対して直ちに現地の方では大変な不満が出て、政府は一体本当にこの問題について真剣に取り組んでいるのだろうかといったようなことについて、強い不満の声が上がっておるようなんです。
 左藤現地本部長がどういう報告をしたかはもちろんわかりませんが、先ほども実は長い間いろいろ質疑を交わしておったのですが、少なくとも表面の浮遊しておった油は、これはもうある程度回収できたと思います。しかし、それももちろんまだ残っておるのですが、しかし、それにしたところで、特にそれがボール状になって沈でんしていく、あるいは海中に拡散していくという問題は、表面にこそ見えなくなったが、これはむしろ時間がかかれば、分散したりあるいはかたまったりしながら当然沈んでいくだろうと思います。そういう問題をも含めて油の回収という問題は考えてもらわなければいかぬと思います。
 だから、現地の人たちが、じゃ一体海がある程度きれいになったから、直ちにワカメの養殖なりあるいはその他の養殖関係をやれるのかといったら、とてもじゃないがそんなものはやれるような状態ではない。海浜における汚染状態は、なかなか思うように海上に浮遊しているものを回収するほど簡単に実は防除できないのですから、そういう問題も残っておるわけですから、左藤現地本部長の報告も、そういう意味では現地から見ると非常に甘い報告をしていてけしからぬという声が出ているのです。だから、私はもう少しそういう被害地域そのものを立体的にながめ、総括的にながめて、やはりもう少し腰を据えてやってもらわぬといけないと思うのですが、副長官、どんなふうにその点お考えになっておりますか。
#108
○海部政府委員 御指摘のように、左藤本部長から昨日報告があったわけでありますけれども、ただ楽観的に油がなくなったというだけのことではなくて、非常にいろいろ詳しく書いておりますので、重複することを避けますが、ただ、瀬戸内海の海面上に油が見られなくなってきておるということは状況に出ておりますが、しかし湾内とか、いろいろ付着しておる部分とかにはまだ油が残っておる。現実に略図等もつけまして、ここにはこういうふうに残っておるということも、本部長、報告しておりますので、必ずしも全部うまく楽観的にいっておるというような甘い考えばかりではなかったと思います。
 さらにまた、その作業を促進させるために自衛隊の大量動員等も考えて、一刻も早く、これが完全に解決するように努力をしておる、こういうふうでありますので、とにかく本部としては、人事の限りを尽くして一刻も早く回収するように努力をしてほしい、こういう考えでありますし、この指示もいたしておりますので、御了解をいただきたいと思います。
#109
○久保(等)委員 現地本部がどういう方法でどういう程度の調査をやっておられるのか、これはよくわかりませんけれども、いま私が申し上げたように、むしろそういう油そのものが形を変えた形で海中なりあるいは海底に沈んでいっておる、そういう状況をぜひこういった調査委員会で私は調査をしてもらいたいと思うのです。そうしないと、ただ飛行機で上から見て海面だけに浮いている油の問題は進んでいる、これはもちろんいままで延べ何万人に及ぶ人たちで回収しておったのですから、確かに当然そういう成果が上がってきたし、そういう関係者に対してはわれわれも大いにその労を多としたいのですが、問題は、だからといって海面に浮かんでおるものが少なくなったから、ある程度峠を越したと言えるのかどうか。特に海底に沈でんしてヘドロ状態になってみたり、あるいはボール状態になってみたり、あるいは海底のあちこちに付着したりなんかしてということになってきますと、そういう問題の解決は非常にむずかしいわけなんですけれども、そういったことについてもひとつ政府が積極的に一層努力をしてもらいたい。これはひとつ強くお願いしたいと思うのですが、副長官いかがですか。
#110
○海部政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、沈んでおりますヘドロとかボール状になっておるものの問題については、環境調査は環境庁が責任をもってやるようになっておりますので、このことについては環境庁にもさらに強く指示をいたしまして、御心配を少しでも取り除くように努力をいたします。
#111
○久保(等)委員 それから事故原因調査委員会というものがつくられて、例の専門家で現地を調査せられて、木原委員長のお話を間接的に聞くと、大体結論が出るのは一年あるいはひょっとすると数年もかかるのじゃないかというようなことも、ちょっと新聞で伝え聞いておるのですけれども、この事故原因の調査委員会というものが、もちろん技術的にやることですから、われわれ素人がとやかく言える問題じゃない問題があると思うのですけれども、それにしても少し時間がかかり過ぎるし、ある程度中間報告を正式に求めて、その中間報告に基づく措置をやはり緊急にとらなければならないと思うのですね。単に水島だけの問題じゃないので、全国的に抱えておるコンビナートにおける工業地帯の貯蔵タンクの問題、これは緊急に措置しなければならない問題があると思うのです。この問題についていま申し上げたように中間報告を早急に求めて、とりあえずという問題はとりあえずという問題でひとつ解決してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#112
○海部政府委員 おっしゃるように、いつまでも二年も三年もかけて原因の究明をしておったのでは、とても間に合わぬ問題でありますから、鋭意作業を急がせておりますが、いまのところの目標としては、三月の末までにその結論を出して御報告をするようにいたしたい、こういう心構えで作業を進めております。
#113
○久保(等)委員 それと、全国的に貯蔵タンクの再点検をやってもらいたいということで、われわれ党としても申し入れをし、また現にそういった方向でいろいろ全国的に点検をしておられるように聞くのですが、その成果というか、その結果が早くもあちこちで出ておる。たとえば名古屋の港湾地帯の埋立地に設けられております石油タンク、これが実は傾いておる。ものによっては三十六センチぐらい傾いておるといったようなことも伝えられておるのですが、こういうことを考えると、まことにどうも全国的に貯蔵タンクそのものがいわば非常に不安な危険状態にあるというふうにも判断せられるわけなんですが、政府がやっておられる全国的な再点検、これは一体どういう状況なのか。
 あるいは副長官の方でちょっとお答えいただくのがむずかしければ、所管庁のほうからでもけっこうなんですが、これはしかし単に環境庁あるいは通産省とかいう問題じゃなくて、これもこの際、やはり官房長官が例の連絡会議の議長にもなっておられるわけだし、副長官もやはりそのメンバーになっておられるようですから、ぜひこれを当面の問題として緊急に再点検を完全に実施をして、それに対してやはり早急に手直しをしなければならぬ問題、補強しなければならぬ問題、そういったようなものには現実的に手を打っていただかないと、事故は単に水島の問題だけではないし、また水島そのものもあそこで起きたらもう再び起きないという保証はない。水島自体も、先ほど指摘したのですが、十六ばかりタンクを調べたら、やはり全部少し傾いておるということが指摘されておるのですね。だから、それは全般的な問題として、ひとつこれも官房長官のところでやはり総合的に、この際だから再点検の問題についてはひとつ統轄的にやってもらう、それに対する手当てをやってもらうということが当面の緊急課題だと私は思うのですが、そのことについてひとつ現状の報告なりあるいは対策等をお聞きしたいと思うのです。
#114
○海部政府委員 たいへん悲しむべき事故であった水島事故は、もう二度と繰り返してはいけないことは当然の心構えでありますが、やはりそのためには全国のタンクの保安状況といいますか、安全施設の再検討というのは、水島の問題の事故の原因究明とともに急いでやっていかなければならぬ再発防止の方の問題でございますから、これは対策本部でも重点を置いてやっておりますが、現在どのような状況になって、どうなっておるかという実情につきましては、関係庁のほうから御答弁したいと思います。
#115
○永瀬説明員 水島の事故にかんがみまして、現在ございます屋外貯蔵タンクの点検を緊急に実施することにいたしまして、昨年の十二月二十八日付で全国の消防機関に対しまして、一万キロリットル以上の大型の貯蔵タンク及び高張力鋼を使っておりますタンクにつきまして、緊急点検を指示いたしております。この点検はタンクの漏洩あるいは傾き、そのほか防油堤等その安全性の確保のための点検でございますが、実施期間は、緊急を要しますので本月いっぱいをもって実施し、二月十五日までに消防庁の方にその結果を報告するという形で指示をいたしております。
 新聞に報道されましたごとく、名古屋においても多少大きな不等沈下を示しているタンクも出てまいりましたので、本日付をもちまして、大きな不等沈下の現象があらわれておりますタンクにつきましては、直ちに油を抜き取りまして内部のタンクの板の変化の状態等を緊急に検査をして、安全性の確保を図るということをやるように指示したところございます。
#116
○久保(等)委員 私の最後の質問を副長官にいたしたいと思うのですが、それはやはり補償の問題です。先ほど藤本委員の方からもお尋ねがありましたが、この問題は生活保障の中身も含まれておりますしするだけに、非常に切実な問題だと思うのです。したがって、この問題は先ほどもちょっと私申し上げたことなんですが、副長官がおられなかったから繰り返すようになりますが、いろいろ処理に不手際がありますと、感情問題なんかが出てまいりますと、非常に解決がむずかしくなってくると思うのです。だからそれだけに、先ほど来社長も誠心誠意ぜひひとつ補償の問題についても片づけていきたいという答弁があったのですが、それを事実をもって示さなければ意味ないことで、ぜひその点については内閣でもって十分あっせん、指導、助言といいますか、そういったことに配慮を願いたい。
 生活費的なものになるとこれは早急にやらないと、先ほどのお話だと今月末くらいだというお話ですが、そうすると昨年の年末にほんのわずかばかりの越年資金的なものをもらったというだけで、正月は全然手に入らないというかっこうで、ずいぶん多くの方々が生活そのものに脅威を感ずるというようなことにもなってきていると思うのです。そういう点でぜひひとつ円滑かつ迅速な支払いが行われるように、格段のひとつ御努力を願いたいと思うのですが、いかがですか。
#117
○海部政府委員 おっしゃるとおりだと思います。そこでわが方といたしましても、今月末に予定されております補償の問題については、政府として、三菱に対してできるだけ誠意をもってお払いするように指導といいますか、配慮したいと思います。
#118
○久保(等)委員 私、終わるに当たってちょっと時間を下さい。
 けさの新聞記事にも出ておるのですが、結局現地で、政府の取り組み方そのものについても、さっきちょっとお尋ねしたように本部長の帰って報告されたことについても、そういうふうにいわば神経をとがらして非常に注視をしておるわけですし、非常に関心を持っておるのですが、これは当然のことだと私は思うのです。そういう点でも、今後こういった問題に対して、本当に真剣に、じっくり腰を据えて現地対策本部も取り組んでいただきたいというふうに思うのです。きわめて短期間のうちに駆け足的な調査をやってそれで終わり、後は適当な機関に引き継ぐというようなことでは済まされない問題だと思うのです。せっかく現地の対策本部を設けたのですから、われわれから言うともう少ししっかりと、政務次官が本部長になっているのですけれども、もう少しこれを増強する必要があるのじゃないかとさえ考えられるのですが、いずれにしても、現地で腰を落ちつけて、政府としてもこの事故対策をやっていくのだというふうな取り組み方を要望しておきたいと思います。そのことも一言副長官の方からお答え願いたいと思います。
#119
○海部政府委員 先ほどの御指摘の問題は、帰っております左藤本部長にも私から正確に伝えて、もしそういうような感触で取り組んでおられるのだとするならば、それは遺憾なことだと思いますから、そんなことはないと思いますけれども、念のために申し伝えておきたいと思います。
 それから先生御指摘のとおりに、現地対策本部でもきちんとけじめをつけて解決に当たるように、本部としても対処していきたい、こう考えます。
#120
○久保(等)委員 結構です。
#121
○渡辺委員長 米原昶君。
#122
○米原委員 理事会の決定に従いまして、ごく短時間でありますが、官房副長官だけに簡単にお聞きしたいと思います。
 私は、水島の流出事故が起こりまして翌々日の十二月二十日に水島に行きました。その後も二十六日、二十七日と二日間行きまして、きょう参考人として出席されております大島俊夫所長からもいろいろ事情を聴取しました。その中でつくづく感じたことは、やはりあのコンビナートの建設自体、災害という問題に対してはあまり準備がなかったのじゃないか。何としても生産第一主義といいますか、伺いまして三菱石油の出しておられるパンフレットを見たのですが、生産設備の点についてはコンピューターシステムで完備していることが書いてある。しかしあの災害が起こったときに、災害防止の点ではあの近代的な施設がほとんど役に立っていない。災害の点じゃ明らかに軽視されていたのじゃないかということをしみじみ感じた。これはまあ恐らく三菱一社の問題じゃなくて、ああいう現在つくられている方々の臨海工業地帯で共通に見られているのじゃないか、非常に不安を感じたわけであります。どうしても思い切った手を打たなければいけない。
 私たちは、十二月二十三日でしたが、党としましても内閣に、この問題で緊急の措置を何ヵ条かにわたって申し入れました。そのときの一つの問題として、全国の原油基地、石油精製施設の安全と汚染防止体制の総点検を速やかにやってもらいたい。その点で、先ほどもお話があったが、消防庁ではすでに幾つかの点検をやっておられるようでありますけれども、全体としてはどういう措置をとられておるか、この点について簡単に聞きたいのです。
#123
○海部政府委員 米原先生御指摘のように、安全対策をおろそかにしたコンビナートというものはやはりよくないことでありますから、安全対策に十分力を入れなければならぬのは当然のことでございまして、それぞれ関係者を督励して全国の調査等をしておりますことも、今後事故の再発を未然に防ぐための政府の積極的な努力の一つでございますが、具体的に安全対策に何をやっておるかということについては、私も実は専門家でございませんから詳しく存じませんので、関係者からお答えさせていただきたいと思います。
#124
○米原委員 先ほどもちょっと消防庁の方から話がありましたが、新聞に出ておりますように、名古屋の市消防局が二十日から五日間の日程で名古屋港の九号地の巨大石油タンク群の立入検査をやっておる。二十一日にその中間結果が公表されておりますが、最大の三十六メートルタンクの一方が不等沈下を起こしておる。全体でも検査した二十六基のタンク中約四分の一が不等沈下を起こしておる。中間報告でありますが、ごく一部の簡単な検査でもすでにそういう事態だということがわかっておるわけであります。
 御存じのように、名古屋の九号地というのは広さが三十万平方メートルの人工の島で、大小五百六十基のタンクが設置されておるというところでありますが、岡山県の水島のコンビナートに匹敵するようなところであります。ところが、その中のいま言いました二百十三番タンクが予想を超える不等沈下をしておる。そのほかにも、五センチメートル以上の不等沈下をしていたタンクが六基もある、こういう報告が出ております。それだけでなくて、調べてみると、防油堤の方も無数に亀裂が入っていて、そのうちの一ヵ所はずれができておって改修を必要とすることがわかった。
 新聞に報道されておるのは大体この程度ですが、これだけでも私は大変なことじゃないかと思う。しかも、そこの当事者に聞いてみると、若干傾いていたことは知っていたと言うのです。しかしまさかと思っていた。調べてみたら予想以上の不等沈下が起こっておる。水島の事件というのは決して一ヵ所偶然に起こったのじゃなくて、こういうことが方々にあるとすると、いつどこでこういうことが起こるかわからぬという点なんです。
 そういう意味でも思い切った調査にいま入る必要がある。全国でそう見られておる相当のタンク群があるわけです。一応危険と見られるところは全部総点検をやる必要がある。事故が起こってから行ってみると、なぜこんな程度の防災設備しかなかったのだろうかということを水島でもつくづく感じた。まさかと思っておられるのが起こっておるわけです。しかも、ここまでの事故はなかったけれども、ほかにもこれに似たような事故はその後も起こっているわけです。こういう点から見ましても、いま思い切った防災措置をとる必要がある、徹底的に調査する必要がある。この点について副長官の政府としての見解をお聞きしておきたいのです。
#125
○海部政府委員 御指摘のことは、今後の再発防止のためにも非常に重要な問題でございますので、全国にあるこれらの心配されるような状況等については、やはり国として再点検、調査をして、それがために事故が再発したということがないように、事前に打つべき手があったら全部打たなければならぬ、こういうふうに考えております。
#126
○米原委員 それと同様に、緊急にどうしてもやらなくちゃならぬのは、たとえばマラッカ海峡におけるタンカーの座礁の事件。ところがこれが報道されて間もなく、一昨日ですか、今度は愛媛県の松山の沖でやはり、これは小さいタンカーだったから、重油がまだ漏れているそうですか、大した大きな事故じゃないかもしれぬ。しかし、とにかくこれも暗礁に乗り上げて重油が流出している。このタンカーは問題の水島港から油を積んで出て運んでいる途中ですね。タンカーの暗礁に乗り上げる事故は、御存じのように瀬戸内海でもいままで何回も起こっている。昨年も起こったはずですね。そうしますと、このタンカーの事故防止についてもいま思い切った点検を行い、手を打つ必要があるんじゃないだろうか、こういう点について政府の方針を聞きたい。
#127
○寺井政府委員 タンカーの事故防止につきましては、大型タンカーから小型タンカーまで非常にいろいろの船型がございますけれども、特に東京湾とか瀬戸内海、こうした船舶交通の激しい場所につきましては、大型タンカーにつきまして航行のために先導船をつけるとか、あるいは一方交通を行うとかいう指導をいたしております。抜本的にという御指摘でございますけれども、非常に幅広く、きめ細かい指導をやっております。ただ、遺憾ながら海難が後を絶たない状態でありますので、今後ともそうした指導を続けていきたいというふうに考えております。
#128
○米原委員 いまのような状態でこういうことが繰り返されていますと、全く瀬戸内海は死んでしまう。今度の事故で瀬戸内海東半分は死んだとも言われておりますけれども、絶対に繰り返されてはならい。そういう意味では、瀬戸内海をタンカーが通ることを禁止するくらいの措置をとるべきだ、あるいは内海に製油所を増設することはこの際もう禁止すべきだ、このくらいに実は考えております。そのくらいの手を打たないと、政府は一応調査するとかやるとか言っていても、いまのままでは有効な手は全く何も打てないのです。こういう点について、政府は思い切った措置を考えていただきたい。
 それからもう一つ、もう時間がありませんから簡単に申しますが、学術会議がきのう総会を終わりました。この学術会議でも、今度の水鳥の重油流出事故の被害についての決議というのが行われております。その中で、これは非常に重大な問題だ、今度の流出事故はただ水島に限られた問題だというふうに見てはならぬ、総点検をやり、科学的に全部調査をして、瀬戸内海の汚染状況、今後の方針についても科学者の総力を挙げて調査研究して、そうして抜本的な方針を出すべきだという決議なんですね。そういう趣旨に従って学術会議では調査のための予算を要求する決議を政府に対してやっております。これに対してどういう対処をされるか、これだけ聞きまして、いまの質問を終わりたいと思います。
#129
○海部政府委員 いまの前半のお話は先生のお考え方として私ども承りましたので、いろいろ対策本部等へ帰って報告をして、話を煮詰めてみたいと思いますが、いろいろ問題があることでございますので、いまここでそのようにいたしますとか、そうするように努力するとかはお答えできませんけれども、研究をさしていただきたいと思います。
 それから二番目の問題は、いま確かめましたところ、まだそういうような具体的な御要求を聞いておらぬようでございますが、もしお話がありましたら、それはまた帰ってから検討をさしていただきたい、こう思います。
#130
○米原委員 終わります。
#131
○渡辺委員長 岡本富夫君。
#132
○岡本委員 海部副長官が非常に短い時間なので残念ですが、あなたにだけしぼって質問いたします。
 三菱石油の水島のこの問題につきましては、私ども早速調査団を派遣しまして、年末に越冬資金を、これは直接漁業者の皆さんの御要求で六十万円要るということだったのですが、とうとう結局は二十万ぐらいしか出さなかった。非常に困っているところもあります。しかしあなたの方で、三菱さんが出す前に今月中に融資を決定しておる、こういうことですが、じゃその総金額はどのくらいかというと、これがわからない。こんなことでは私はもう一つ合点がいかない。そこでどういう機関からどういう方法で融資するのか、この点をひとつまず明らかにしていただきたいと思います。
 海部副長官、どうもここで先ほどから聞いていますと、一々皆に聞かなければわからない。これでは私は、この問題に本当に真剣に取り組んでおるという姿勢が、まあ予算もあるのでしょうけれども、先ほどから見受けられない。これはもう現地では大変な問題になっている。だから私どもも調査して、あなたの方に直接申し入れをしたわけです。もう少し真剣にあなたの方で何をこうする、ああする、そして指示をしていくということでないと、どうなっておるのかを関係機関に一々聞かなければわからないということでは、あなたの指示でなくして向こうに指示されているようなことになる。こういう態度はぼくは改めていただきたいと思うのですが、まずどういう機関から融資をするか、この点をはっきりしてください。
#133
○海部政府委員 岡本委員にお答えいたしますが、私が専門家じゃないためにいろいろ聞きますことが大変お目ざわりのようでおしかりを受けたわけで、申しわけないと思いますが、いいかげんなあいまいな不十分な答弁もできませんので、専門的なことはどうしても聞かなければなりません。一生懸命、真剣にはやっておりますから、お許しをいただきたいと思います。
 今月末でございますけれども、三菱の方から補償をする、その金額についてはまだいまここで幾らと申し上げられませんので、御了承いただきたいのですが……。
#134
○岡本委員 海部副長官、これはもう一度確かめますよ。先ほど藤本委員に対して、この月末に融資することを決定いたしております。こういう話でした。そういう答弁で結構ですと彼は言った。では、要するに三菱さんが支払いできるまで、この融資はどういう機関からするのか。農林中金とかそういうようなところが出すのか、その点をひとつはっきりしてください。
#135
○松下政府委員 お答え申し上げます。
 月末を目途といたしまして、三菱の方から補償の内払いとして漁業者に渡すように対策本部の方が努力しておるということでございます。
#136
○岡本委員 そうなると、努力しておる、それは水産庁で努力しておる、対策本部で努力をしておるわけですね。
 これはついでだから関連して、三菱さんの方はこの月末に幾ら出せるのですか。その点はっきり、関連だから。
#137
○渡辺参考人 ただいま県漁連の方と月末お支払いする補償の内払いにつきましてお打ち合わせ中でございます。もしお話ができますれば、月末を待たないでもお支払いいたしたい、かように考えております。
#138
○岡本委員 総金額は、あなたの方の資金繰りもあると思うのです、ですから大体三百億とか相当なことを言っていますけれども、これは県漁連の方から言うてきたものは全部お払いするということじゃないのでしょう。資金繰りもあるでしょうから、大体どれぐらいか、それだけひとつ。
#139
○渡辺参考人 ただいまお話し合いしておりますのは、内払いについてでございますから、御指摘のような巨額のものではございません。
#140
○岡本委員 巨額なものでないと言っても、一円とか二円というものではないのでしょうけれども、もう一つはっきりしません。これは後でもう一度あれしましょう。
 それで官房副長官、漁業者の被害もこれは大変なんですけれども、仲買人がほとんど休んでおります。淡路島あたりでもですね。それから旅館が全部断られて、客を当てにして皆やっておったところがもう商売にならない。こういうところに対するところの、関連企業と申しますか、これに対してはあなたの方はどういうような指導をなさるか。
#141
○海部政府委員 岡本委員御指摘の間接被害といいますか、関連被害といいますか、関連業界がこれによっていろいろ被害を受けたという問題については、これはやはり実態をいま調査しておる最中だそうでございまして、現地対策本部においても、被害四県の商工関係担当者を招集して打ち合わせをし、どのような状態でどのような程度におこたえしていったらよいか、その対策を本部で検討を続けておるというところでございます。
#142
○岡本委員 検討ばかりじゃ困るのですよ。そのつもりでみんな融資してもらったりして、そしてたとえば旅館でしたらその設備をしたりいろいろやったわけですよね。ぼくの知っているのもそうなんです。いろいろ返さなければならないし、お客は来ないし、断られた、こういうこともありますから、きょうあなたは全部答弁できない、いま聞いているとまだ検討中でありますというのでは話にならないから、もう少しはっきりした状態を把握していただきたいと思いますけれども、補償はさせるように指導するということだけは、政府としてひとつきちんとしておいてもらいたいと思います。仲買人と関連企業ですね。
#143
○海部政府委員 関連の問題になりますと、いろいろとどの辺まで、どの程度までが相当因果関係があるかということ等もあるようでありますので、御期待にこたえられぬかもしれませんが、とにかく検討いたします。
#144
○岡本委員 とにかく検討では話にならぬ。
 それでは最後にもう一問、対策本部ですね、これはどれぐらいの期間置くのか。御承知のようにこれからいろいろと調査をしなければならぬわけです。同時にこの瀬戸内海の保全について、今度のこの三菱、石油さんの被害がどういうようになっていくか、いろいろと先ほどもお話がありましたように、影響あるいはもとのきれいな海になるかどうか、こういう問題も相当調査もしなければならぬ。それに左藤本部長を中心として十八日に打合会を午後一時から行った、これは岡山の県庁ですか、そのときには、内容も非常に不備なことで、現地の皆さん方の本当の意見も聞かない、あるいはまた総合対策の打ち合わせもないということで非常に不満を訴えて、そうして徳島県の、石川水産部長等、二人の部長は途中で中座してしまったというようなこと、相当記事に出ましたから直接聞いてみたのですけれども、現地で非常に不満なんです。ですから、もっとはっきりした対策がとれるような本部でなければならないのですが、同時に相当長期的な本部でなければならない。この性質として、緊急の対策本部なのか、それともこれからずっとこの瀬戸内海の環境保全のための本部なのか、この性格をひとつはっきりしておいていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#145
○海部政府委員 現地の対策本部は、やはり緊急のものとして設けた現地の対策本部でありますから、先ほど来御指摘のありました油の回収とか、その他にきちんと一応のめどがつくと、現地の対策本部というものは一応その任務を解消すると思いますが、その後のことは中央の方において、将来の大きな、いま御指摘のような問題については引き続き取り組んでいかなければならぬ問題であることは言うをまたないところだと思います。
#146
○岡本委員 もう二分ですね。
 それで官房副長官、政府の姿勢として、こういった瀬戸内海の環境保全のために、今後石油基地、こういったものを許可をしない、当分とめる、こういう考え方はありますか、その点いかがですか。
#147
○左近政府委員 ただいまの問題につきましては、先ほど環境庁長官もおっしゃったわけでございますが、今回の事故の原因調査がはっきりいたしまして、その原因の内容を調べた上で関係の各省庁と御連絡をしながら、それに対する検討をいたしたいというふうに考えております。
#148
○岡本委員 それではこれで終わりますが、いまのようないいかげんな政府の姿勢では困るのです。もっと瀬戸内海に対して強力にやってもらいたい、せっかく環境保全法もつくったのですから。
 次は控えていらっしゃる環境庁長官にまたバトンタッチしますから、一応、しばらく終わります。
#149
○渡辺委員長 井上普方君。
#150
○井上(普)委員 私は、今度の事故といいますか災害を与えたことに対しまして、国民がともかく瀬戸内海をされいにしなければいかぬという非常な熱意のあるときに、このような事故が起こされたことに対しまして、はなはだ残念に思うと同時に怒りを覚えるものであります。
 そこで、それはともかくといたしまして、時間がございませんので、先ほど来三菱の社長さんのお話を承っておりますと、漁業補償あるいは間接補償につきまして誠心誠意をもってやるのだ、こうはおっしゃるが、具体的にどうするのだということについては何らお答えにならない。はなはだもって残念であります。同時に私はこの三菱に対して、誠意があるのかないのかはなはだ疑わざるを得ないのであります。そこで、月末に一体どれだけお払いになるのか、これをひとつお伺いした
いのです。直接被害の漁民に対してどれだけお払いになるのか、お伺いしたいのです。
#151
○渡辺参考人 誠心誠意ということについて大変御不信をいただきましたが、この金額の問題につきますと、先様との御相談が前提になりますものですから、いまの段階では月末幾らということは申し上げかねますが、誠意をもって払うようにお話し中でございます。
#152
○井上(普)委員 それでは具体的に伺いましょう。
 昨年の年末に、信用漁業協同組合連合会等々が被害漁民に対しまして合計で七十一億融資をいたしております。これはこの月末にお払いになる御意思がございますか、どうですか。
#153
○渡辺参考人 七十一億というのはどこでお支払いになっておるのでございますか、まだ聞いておらないのでございます。
#154
○井上(普)委員 あなた社長さんでしょう。そしてまた、この事態については誠心誠意をもって当たるとおっしゃっておる。ここで信用漁業協同組合連合会など系統金融機関が、四県の被害漁民に対しましての融資、香川で七十一億、徳島で三十七億、岡山で五億一千万、兵庫で四億七千万の約百二十億円。このうち香川は三十億円、徳島県が十一億六千万、岡山が八千万、兵庫一億三千万の合計四十四億の返済期限が、来月の初めから三月の末までと迫っておるのです。だから、これをひとつお出しになるお気持ちがあるのかと聞いているのです。
#155
○渡辺参考人 わかりました。先ほどもちょっと御報告いたしましたのですが、年末に二十七億漁業補償いたしております。並びにその後の防除作業費七億円、合計三十四億ほどとりあえずお支払いしております。このうち二十四億は現金でお支払いを申し上げておりまして、九億八千万は私の方で裏書きないし金融機関に預託いたしまして貸し付けになっております。この問題につきましては、保証並びに預託につきましては、もちろん私の方で期日にはお支払いすることになるわけでございますが、いま先生から言われました農林金融金庫の漁連の金融は、従来の漁連さん関係の金融の支払い期限ではないかということでございます。したがいましてその面につきましては、漁連さんから、こういう従来の借り入れがある、返済がある、その金融もあるから今度の補償の面としてそれを出してほしいとかということであれば、また御相談に応じますけれども、それについてはお話は聞いておりません。
#156
○井上(普)委員 聞いていないとおっしゃいますが、これは現地対策本部でこのことについて話し合いがなされておる。これは政府機関においてやられているのですよ。社長はいまお払いになるというお話ですから、私どもは安心をいたします。誠意をもって支払いをしていただきたい。
 それからもう一つ、補償関係につきまして、直接被害を受けた漁業者の方々とは会社側は直接にお話し合いになるのですか、第三者機関をつくられるのかどうなのか。
 それからもう一つ、間接被害につきましては、実情を聞いて公平に対処すると社長は先ほどおっしゃられた。しかし、これも直接に取引をなさるおつもりなのか、あるいは第三者機関をつくられてやられるのか、この点明らかにしてもらいたい。
 誠心誠意をもってやられる、やられると口で言われるよりも、私は具体的に一体どういうようにして補償していくのだという方向づけをひとつお示し願いたいのです。
#157
○渡辺参考人 間接被害につきましては、先ほども御質問がございましてお答え申し上げた次第でございますが、必ずしも第三者の機関を経なければお話し合いしない、こういうことではございません。被害を受けられた方々によく事情をお聞きしまして、できることなら直接にお話しできれば一番結構だと思っておりますし、また業種も非常に多くわれわれの知識も足りませんし、お互いの話がうまくいかないというような場合は、県なり本部なりにそういった場合の御裁定を仰ぐということがあるかもしれませんですが、できるだけ自分でお話ししたい、かように考えております。
 それともう一つ、先ほどの漁連さんの金融返済の問題でございますが、これにつきましては私どもは直接関係いたしておりませんが、こういった不幸な事故が起きまして、漁業者の方から、この返済に資金繰りがつかないから漁業補償の内払いとして支払え、こういうお話でございましたら御相談に乗りたい、こういう意味でございます。重ねて申し上げます。
#158
○井上(普)委員 ただいまのお話は、間接被害の問題にいたしましても四十数種類の業種がある。それが一々あなたのところに言っていけると思いますか。そして、あなたの方の会社は窓口をいまつくっておりますか。あなたは私の方に言ってきてくれとおっしゃるが、ではどういうような窓口をつくっているのです。しかもこの四十何種類の間接被害をこうむった人々の中には、零細な方々もたくさんおるのです。直接言ってこいとおっしゃるが、どこに言っていくのですか。東京本社へ言っていくのですか、水島の工場へ言っていくのですか。どこへ言っていくのです。
#159
○渡辺参考人 間接被害の点につきましては、ただいままでたくさんお申し入れはいただいております。今日まで油の回収に追われておりまして、お申し入れを承るという程度にとどまっておるのが非常に残念でございます。しかし、各地にこの窓口となってお話を進める窓口をつくってございます。水島、大阪、高松、徳島に対策本部が置いてございまして、そちらでよくお話し申し上げたいと思います。そしてもう一つ、先生の御指摘のように、それを一々おまえたちだけで処理し切れるかという問題もございます。本来なら、こういったお話し合いは直接同士のお話し合いが誠意あることと思いますが、件数も多く、必要に応じ県なり市なり、そういった自治体におきまして御心配していただけるというのでしたら、こちらも結構でございます。
#160
○井上(普)委員 窓口の問題にしましても、恐らく零細なる業者が数多くあるのであります。したがいまして、自治体を窓口にしても結構だというお話でございますから、早速この点につきまして、私どもも会社の意思がわかりましたので、会社側に要求する段取りをつけたいと存じます。
 まだまだ言いたいことはございますけれども、時間が来ましたのでこの程度にさしていただきます。
#161
○渡辺委員長 藤本孝雄君。
#162
○藤本委員 今回の重油の流出事故の対策につきまして、まず当面の処置として補償問題にしぼって三菱石油の方にお尋ねをしていきたいと思います。
    〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕
先ほど私が官房副長官にお尋ねをしておりましたことに関連をして、今回の被害の補償に関して、三菱石油として政府に協力もしくは援助の要請を、社長の名前でされたようにテレビで拝見したように思うのでございますけれども、そういう事実がありますかどうですか。あれはどういう内容でございますか。
#163
○渡辺参考人 お尋ねの政府への御援助につきましては、現在まで具体的にお願い申し上げておりません。これは、何から何まで政府におすがり申し上げるということも不本意でございますし、会社の責任においてまずなすべきことをいたしまして、力に余る場合は政府にもおすがりを申し上げたい、かような考え方でおります。
 と申しましても、会社の資金繰りの面で、せっかく話ができました補償なり作業費なりの金額が、会社の資金繰りで支払いできないで延期する、なおかつ政府にもおすがりしない、こういう意味ではございません。
#164
○藤本委員 現在被害を受けました漁業関係者の間で、先ほど私申し上げましたように一番心配をしております問題は、だんだんと被害総額が巨額のものになっていく、それに対して、受けた被害を完全に補償してもらえるのであるかどうか、こういうことが直接の声として、私、大勢の人から聞いているわけです。それに対して、原因者である三菱企業としてどのようにおこたえになられますか。
#165
○渡辺参考人 これは、被害の総額につきましてはいろいろ言われてもおりますし、推測もされておりますですが、この被害の額につきましてこれから、従来もそうでございますが、漁連さんの方とよくお打ち合わせ申し上げたい、かように考えておりますものですから、先ほどのまず自分でできるだけ、もちろん何から何までおすがりするという意味ではないと申し上げたことは、こういった場合でございますから、会社としても有価証券を処分するとか、土地、不動産を処分するとか、こういったことも懸命にいたさなくてはならないと思っております。そういうことでできるだけの力をいたしまして、だんだん被害総額も明らかになってまいると思いますし、力の及ばないときは政府にも御援助いただきたい、かように考えておる次第です。
#166
○藤本委員 次の問題でございますが、つなぎの金でございますけれども、内払いということでもいいわけですが、これを一月の月末に、関係者とよく話し合いをして、そしてまず第一回目といいますか、まず最初の内払いと言ってもいいですし、つなぎと言ってもいいわけですが、金を出していきたい、こういうことでございますか。
#167
○渡辺参考人 先ほどもこの内払いの額を明示せよというお話がございました。ただいま漁連様とこの額について協議いたしておりますですが、私の考えでは、それに要する手当ては御迷惑かけないで一月末にお支払いできる、かように考えております。
#168
○藤本委員 それで、その話し合いはもうすでに行われていますか、まだですか。
#169
○渡辺参考人 先日来お話は続けております。
#170
○藤本委員 次の問題でございますが、同僚の委員の皆さん方からの御質問の中にもございましたが、間接被害に対する問題でございますが、いろいろ油の回収などに全力を挙げておる関係で、関係者からの話は聞いておるけれども、まだそれに対してお話し合いをするまでに至っていない、こういうお答えでございましたが、内容を検討した結果、これはもっともなといいますか、関係がある、確かに重油の流出と関係がある、こういうことがわかったものについては、間接被害は会社としてはいたします、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#171
○渡辺参考人 さようでございます。非常にいままで取り紛れて、十分のお話し合いもできないことを大変申しわけなく考えておりますが、これからできるだけ事情もお聞きいたしまして、お話がつきましたものについては逐次お支払いしていく、かように考えております。
 ただ、この問題について、先ほども御質問がございまして、第三者に任せるというのも不誠意じゃないかという御意見もございましたし、ただいまも、たくさんの件数を会社と一々話できるはずもないじゃないか、できるだけ地方自治体なりの第三者のごあっせんにまった方がいいじゃないかというお考えも拝承いたしました。この問題につきましては、従来もそういった趣旨のことをお願い申し上げたこともございますが、場合によりますと、ときに自分で努力してほしいというお答えもございますし、この点につきましては、私としてはこだわっておりません。できるだけ直接のお話も進めますし、地方自治体、こうした第三者によるごあっせんが望ましいという場合はぜひお願いしたい、かように考えております。
#172
○藤本委員 この間接被害の問題につきまして、二十二日に政府の現地の対策本部で関係者を集めてこの問題の会議をしたのです。そしてその会議の前に、対策本部として三菱石油に対して、三菱石油の代表をお呼びして、そして間接被害の実態を早くつかんで補償をするよう要請した、こういう話を聞いておりますが、それはそのとおりでございますか。
#173
○渡辺参考人 はい、そのとおりだと思います。そしてまたこちらもその御趣旨に沿いたいと考えております。
#174
○藤本委員 それから、補償問題で最後にお尋ねいたしたいわけですが、将来、来年、再来年と後遺症が出てきて、そして被害が生じた、こういう場合の問題はどのようにお考えでございますか。
#175
○渡辺参考人 将来の問題は、明確になりました上で誠意をもって対処したい、かように考えております。
#176
○藤本委員 再三誠意をもってこの被害の補償には当たる、こういう御答弁でございますし、また、先ほど会社の財産も処分をして、全力を挙げてやる、こういうお話でございますので、問題は、その考え方を現実に早く処置をされるということが、申し上げるまでもなく最も大事でございますから、早急にこの被害の関係の調査を完了していただいて、関係者との話を早急に妥結するようにぜひお願いいたしたいと思うわけです。
 それから次に恒久対策についてお尋ねをいたします。時間の関係上ごく簡単に申し上げてみたいと思いますので、御答弁の方もよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、恒久対策の一つの問題といたしましては、コンビナートの工業地帯における防災体制を整備する、これは今度の事故を経験いたしまして、その教訓としてぜひ行わなければならない問題だと思います。そして国におきましては、まず防災関係行政の一元的、総合的運営が可能になるような所要の法体系の整備、それから制度の改善を急がなければならぬと思うわけでございますが、その点につきましてどのようにお考えになっておられるか、また、今後今度の事故を教訓としてどのようにされようと考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
#177
○佐藤政府委員 コンビナートにおきますところの保安体制の問題並びに防災関係の二つの問題があろうかと思います。
 まず最初の保安体制の問題につきましては、通産省といたしましては、一昨年、高圧ガス関係の事故が相続きましたことにかんがみまして、消防庁と労働省と三省庁の連絡会議を設けまして、コンビナートの保安体制の万全を期すべく、局長レベルの定期的な会合を続けてまいっております。
 さらに防災関係につきましては、まず第一に自主的の保安体制を確立してもらおうということで、四十三年以降、各コンビナートごとに保安防災協議会というものを設置いたしまして、事業所間の共同保安組織の整備あるいは相互工場の応援体制あるいは保安技術の共同研究、地元消防機関等の協力を得ました共同防災訓練等を実施してまいっておるわけでございます。
 そういうことでいろいろやってまいっておりますけれども、現実に今度のような事故が起きましたので、この体制で果たして万全であったかどうかということを反省いたしまして、十分に検討しなければならないという感じを私は持っておるわけでございます。
    〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕
#178
○藤本委員 そこで、協議会その他の体制は一応そういうことを考えて設置をして、こういう事故が起こらないように協議をしたり体制をつくったということですけれども、現実にはやはり大きな事故が起こったわけでございますから、その点、今度の事故を教訓にして、十分に一元的な総合的な運営ができる行政上の体制をぜひ整備をしていただきたいと思います。
 それからさらに大規模な爆発であるとか火災事故を想定して、企業に対しましても従来以上の厳しい防災体制、また防災関係の資材、機材、こういうものを十分に整備するように監督を強化するとか義務づけするとか、そして不幸にしてそういう事故が起こった場合には、その事故が起きた企業内でそれがとどめられる、外には絶対出さない、こういうことができるような、そういう指導を義務づけて監督をしなければならぬと思うわけですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
#179
○小沢国務大臣 ただいまの体制はそれぞれ各省が各省別に責任を持っておるわけでございます。私、今回の事故を経験しまして、先生おっしゃるように、どうしても瀬戸内海についてはもっと総合的な、どこかで責任をもって皆にいろいろ指示できるような、先ほどもちょっと質問ございましたのですが、そういうことが必要ではないかというふうに感じます。
 国が油回収船についてもいろいろ整備をやっておりますが、毎年一隻ずっというようなことで、堺に一隻、水島に一隻だけだ、しかも一時間三十五トンぐらいの能力のものでございます。近代的な最も進んだものがいま三月に入るんだと言っておりますが、そんな調子でございますので、コンビナートごとに必要な防災体制と同時に、一たん緩急の場合に処置できるような設備をやはり義務づけていく必要があるのではないか。それはいまのところではそういう法律上の義務づけをするところがございませんので、通産省が行政指導で企業別にお願いをする以外にはない。果たしてそれでいいのかどうか。
 いまの防油堤にしても、先ほど久保先生から、二重、三重にやるべきだとおっしゃるのですが、その責任を、自治省のほうの消防の立場から、政令なりあるいは省令改正でこういうものはいけると思いますけれども、しかし法律上の義務というのは御承知のようにやはり必要最小限度にとどめ、それ以上うんと安全なということを、一定の義務を法律上国民なり企業なりに与えるという場合、それが法律理論として一体そこまでいけるかどうかという問題もあります。しかも全国いろいろ海洋に面している日本ですから、同じように規制を考えていく必要があるのか、あるいは瀬戸内海という特殊事情をとらまえて、そこでとりあえずいま先生がおっしゃった、あるいは朝来、先生方から言われるような措置を、瀬戸内海の議員立法の臨時措置法がありますから、あの中で何か考えていく方がむしろ手っ取り早いんじゃないかという気もしますので、この点私も責任をもって検討さしていただいて、いずれ回答を出したいと思います。
#180
○藤本委員 恒久対策の二番目の問題は、大量に流出した今度の場合のような油の事故対策、こういうことについて恒久対策で何をするかという問題でございますけれども、幾つかの対策がございます。時間の関係で一点にしぼって、これは環境庁長官にお答えいただきたいと思うわけです。
 この間のあの重油の流出事故、長官も現場をごらんになられ、私も見たわけですが、後から考えてみますと、あの場合に切り込み港湾の入り口を閉鎖をして、それで船の航行なんかも全部禁止をしてしまえば、もっと対策が十分にとれたと私は思うわけなんです。
 事故時の航行規制という問題について、やはりこういう大きな、今度の場合のような事故を経験してみますと、これは真剣に考えてみなければならぬ基本的な問題、重要な問題だと私は思うのです。船舶の航行制限につきましては、長官も御存じのように港則法第三十七条という法律がございまして、「船舶交通の安全のため必要があると認めるときは、特定港内において」「船舶の交通を制限し又は禁止することができる。」とあります。法律上、この「船舶交通の安全のため必要があると認めるときは」という読み方では、今度のような事故が起きた場合、船舶の航行を制限、禁止するということは運用上私はちょっとむずかしいと思うし、また、この法律の考え方からしても、船舶の安全航行中心でございますから、今度のように油が流出した、それが湾外に出ていくと環境上大問題を与える、その環境上の側から見て、当然これはもう港湾閉鎖だ。そういう影響が外へ出ないために港湾閉鎖とそれから船の航行制限、禁止ということを、環境保全上から見てこれはやらなければならぬ。これは今度の事故を見まして、恒久対策としては一番大きな問題だと私は思うわけなんです。
 このいまある法律上は、いろいろ聞いてみたのですが、「船舶交通の安全のため必要があると認めるとき」というこの「必要があると認めるとき」という解釈ではなかなかむずかしいと思いますので、このあたりを、この「必要があると認めるとき」を読むようにするか、それとも読めないということであれば、別に改正もしくは法律をつくって、それで環境保全上、港湾の閉鎖も、それから船の航行の制限も禁止もできるということをやはりやらなければならぬというふうに思うわけなんでございますが、国務大臣として、また環境庁長官としてどのようにお考えでございましょうか。
#181
○小沢国務大臣 確かに後になって考えますと、あそこでオイルフェンスを破って船が出た、開いたのか破って出たのか、あるいは港則法のたてまえから言えば、船の危険が迫って外へ出なければいかぬという事態に対して、油を外へ出したくないからこれをとめるということができなかったのか、あるいはそういうことは一方の港則法なりその他の運輸省の関係から言うと、船舶主体に考えた法律のたてまえで、残念だったができなかったのだというのか、この辺は今度の問題の非常に重大なポイントだと私は思っております。
 いずれにしても、結果的に見ますと、私どもの方の瀬戸内海の今日のような汚染の状況を、もしあの事態で防ぎ得たとしたら、これは実は現状と比較して大変な大きな違いでございますので、こんなに大問題にならなかったわけでございますから、先生おっしゃる点は十分私もよくわかります。私としてはそうすべきだと思いますけれども、ただ、船舶の航行あるいは港湾のいろいろな取り扱いについては、運輸省としての立場のいろいろな問題が他にやはりあるようでございますので、この点はただ環境の立場から、船を監督しあるいは港湾を整備し、これをいろいろ取り締まっていく立場と別に、全然そちらの方と関係なく、環境保全の立場から、ある場合には禁止し、ある場合には通航の許可を与えるということが妥当なのかどうか、そういう点を含めまして運輸当局とも相談をして、何らかそういう非常の場合にできるような方途をいま検討をいたしておるわけでございますので、もうしばらくお待ち願いたい。おっしゃる御趣旨は私もよく理解いたします。
#182
○藤本委員 ありがとうございました。
#183
○渡辺委員長 土井たか子君。
#184
○土井委員 今回のC重油が海に流れ出た事件というのは天変地変じゃないので、やはり人のなしたわざであります。人のなしたわざであるけれども、廃棄物という概念には当てはまらない。事故ということでありましょうから、港則法の対象にはならない。海に流出をしている油については消防法や災害対策基本法が対象にはしていない。そこで、海に流れ出た重油に対しての防除ということに対しては、第一義的にだれがなすべきなんでしょう。海上保安庁長官お見えですが、企業なんですか、海上保安庁なんですか、消防署なんですか、自治体なんですか、いかがです。
#185
○寺井政府委員 海上に流れ出ました油の応急措置と申しますか、これは海上保安庁の業務になっております。ただ、原因者がはっきりいたしております場合には、原因者もこの防除に最大の努力をしなければならないというふうに考えております。
#186
○土井委員 ちょっといまの御発言は現行法から推して怪しげな発言です。本当にそうですか、いまおっしゃったとおりに理解していいですか、長官。
#187
○寺井政府委員 海上保安庁の庁法に基づきますと、警備、救難、そういう災害防除が海上保安庁の業務になっております。したがいまして、油の場合の災害防除ということも海上保安庁の業務の一部だというふうに考えております。
#188
○土井委員 災害ということはもちろんですが、この場合、海を汚染しているという事実があるのじゃないですか。先ほどからの補償の中身は、一にかかって海が汚染された結果出ているいろいろな被害に対しての補償を切実な問題として要求されているわけであります。
 海洋汚染防止法からするとどうなっているのですか。
#189
○寺井政府委員 海洋汚染防止法から申し上げますと、海洋汚染防止法の油の流出のもとになりますのは、船舶を対象といたしております。したがいまして、今回のような陸上から直接出てまいりました油については、一応海洋汚染防止法の対象にはならないというふうに解されます。
#190
○土井委員 有権解釈というのは大変都合のいいものでありまして、これはだれが見たってそんな条文になっていないのですよ。有権解釈のみ、そういうふうに理解なさるのかもしらぬ。海洋汚染防止法第三十八条、御承知だと思います。こんなことは釈迦に説法のたぐいですが、三十八条を見ますと、そこには「油が積載されていた船舶又は管理されていた海洋施設その他の施設(陸地にあるものを含む。)に関する事項を直ちにもよりの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。」云々とありまして、三十八条以降については「その他の施設(陸地にあるものを含む。)」になっていますよ。これはやはり陸地にあるところの油を貯蔵しているタンクなども入るのじゃないでしょうか。いかがなんです。
#191
○寺井政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の「その他の施設」の中にタンクが入るか入らないかという点でございますけれども、私この省令の細かいところ、ちょっといま記憶いたしておりませんが、タンクは入らないというふうに了解いたしております。
#192
○土井委員 省令と法律とどっちが法的秩序から言って、法的体制から言って、上に考えるべきですか。省令というのは法律に拘束されるのでしょう。省令に法律が拘束されて、解釈がゆがめられるなんということは断じて許すべきじゃないですよ。こんなことむちゃくちゃだと思うのです。はっきりしてください。
#193
○寺井政府委員 ただいまちょっとお答えが間違っておりましたので、訂正さしていただきます。
 三十八条以降につきましては、タンクは入るということでございます。
#194
○土井委員 こんな問題について、いまのようなあいまいな態度では、海上保安庁長官、困りますよ。これは大変大きなことです。
 そうなってくると、もう一度最初の質問に戻りますけれども、海に流れ出たC重油に対して、これを防除するという作業の第一義的に考えられなければならない立場の人はだれなんですか。海上保安庁なんですか、消防署なんですか、自治体なんですか、企業なんですか。先ほどは海上保安庁であるがごとくにおっしゃったので、これは大したことだと思って私は聞いておりましたが、いかがですか。
#195
○寺井政府委員 ただいま土井先生から改めて御指摘がございましたが、この流出した油に対する第一義的な防除責任者というのは設置者でございます。海上保安庁は応急的な措置をする義務がある、こういうことでございます。
#196
○土井委員 そのとおりですね。ですから第一義的には今回だって企業側にある。したがって、三十九条以降、三十九条の二についてもそうでありますけれども、当然防災のためにやっておかなければならないオイルフェンスであるとか薬剤であるとか、その他の資材というものを備えつけておくべき義務があるわけです。しかし、これをフルに使ってもなおかつ防除が十分にできないと考えたときに、初めて四十一条によって、海上保安庁が作業に出ていくというかっこうになっているわけですね、そうでしょう。
 海上保安庁長官、もう一度尋ねますが、いま海上保安庁は現地で一生懸命ですよ。回収作業に対して連日大変な御苦労だと思うのだけれども、これは四十一条から考えますと、この条文はこういうことになっているのです。「当該排出された油、廃棄物その他の物が積載されていた船舶の船舶所有者又はこれらの物が管理されていた海洋施設その他の施設」の設置者に、ここで講じたことに対する費用を負担させることができる旨が規定してあるのですね、そうでしょう。今回海上保安庁としておとりになったいろいろな作業で必要になった費用というものは、先ほど来は、漁民の方を初め、漁業関連事業の方々、もう一つ広く言うと一般沿岸住民の方々、それぞれに及ぶ被害があるわけでありますから、これは膨大なものになるわけでありますけれども、その被害補償にかてて加えて、海上保安庁とされては必要経費についてやはり企業者に負担をさせるというふうなお考えが現におありになるのかどうか、この点いかがですか。
#197
○寺井政府委員 今回の防除作業等に要しました経費と申しましても、非常に範囲が広うございますけれども、海上保安庁といたしましては、たとえばオイルフェンスとか油処理剤、あるいは吸着材等の費用はもちろん請求いたしますし、それから、船舶の運航に要する燃料費といったもの、あるいは旅費に類するもの、こうした程度のものを請求するということで、いま準備を進めております。
#198
○土井委員 それは海上保安庁御自身がお使いになった資材に対しての経費を請求なさるということだと思うのですが、海上保安庁からの要請を受けて、また協力を求められて、沿岸住民の方や漁民の方が、いま油回収の作業に従事なすっている事実がございます。こういう問題に対しての作業費をどこから捻出するかという問題は、今後だんだん大きなことになっていくのですよ、これは一日、二日じゃございませんから。したがって、こういうことに対しては、海上保安庁としては、やはり協力を要請なすったというお立場がある。これはあくまで企業者負担ということに私はなると思うのですけれども、この点については海上保安庁としてはどういうふうな心づもりでいまいらっしゃいますか。
#199
○寺井政府委員 先生御指摘のように、こうした除去作業に従事いたしました漁民の方その他の作業費と申しますか、こうしたものは、企業者が負担すべき筋合いのものと考えております。
#200
○土井委員 それについては、それは当然なことなんです。当然なことなんだけれども、海上保安庁から、どうか一緒に出てやらないかというふうな要請があってみたり、また協力しながら作業をやっていらっしゃる漁民や沿岸の方々に対しては、海上保安庁の方からも、そういう作業費に対して会社側が負担すべきであるということに対して、やはり協力なさらなければならぬと思うのです。そういう意味で私はいま質問をしているわけですけれども、そういう御用意がおありになるかどうかを聞かしてくださいませんか。
#201
○寺井政府委員 海上保安庁といたしましては、こうした民間の方々の御協力を得るには、油の流出災害対策協議会というものを使ってやっております。したがいまして、もちろんその場においてこうした経費というものは原因者に負担をしていただくというたてまえでやっておるはずでございます。
#202
○土井委員 それから、これは海上保安庁、続けざまにお尋ねするわけですが、先ほどから問題にしている海洋汚染防止法の条文を見た場合に、四十八条に従って海上保安庁長官は、オイルフェンスであるとか、薬剤であるとか、その他の資材を備えるべき場所に備えられているかどうかということに対しての立入検査をすることができる権限がございますね。海上保安庁とされては、いままで三菱石油さんの方に立ち入りをされて検査をされたという事実がございますかどうですか、これをひとつお知らせください。
#203
○寺井政府委員 お答え申し上げます。
 水島の三菱石油の製油所に対しましては立入検査をした事実がございます。昨年の十一月から十二月にかけまして全国的な一斉取り締まりを行ないました。その際に並行的に行っております。
#204
○土井委員 そうして、立入検査をされた結果、これで大丈夫というふうに御認識になっていたかどうかなんです。今回これは大変なこういう流出事故が起こってから、大あわてにあわてて、回収船が一隻もないということが明るみに出てみたり、オイルフェンスが全く不十分なあり方であったということがあってみたり、それから処理剤等々についても十分でなかったということが明るみに出たりいたしました。先ほどは、処理剤などについては第二次公害の問題があったりいたしまして、これ自身がやはり問題視されるべき点を持っておりますけれども、一応備えおくべきこの中身が不十分であったということが非常に問題視されておりますけれども、立入検査をなすったときに大丈夫と海上保安庁としてはお考えになったのですかどうですか。
#205
○隅政府委員 お答えいたします。
 水島保安部からの報告によりますと、水島製油所で備えつけるべき法定量が、オイルフェンスで千四百メートル、これが実際に備えつけをしておりますのが八十メートルオーバーの千四百八十メートルを持っております。なお油処理剤については八千リットル以上を備えつけるべきでございますが、これが一万九十八リットル、油吸着材が三千二百キログラム以上でございますが、三千三百二キログラムでございまして、法定よりもわずかに上回った数字の報告を得ております。
#206
○土井委員 そうすると、いまは回収船の説明は何一つなかったわけでありますけれども、いずれも法定を上回っている数量であって、しかもなおかつ、こういうふうな実際問題になってみると防除できないというふうな事実になっている。そうなると、その法定基準そのものが問題になるのか、それとも今回のようなコンビナートを建造する場合のつくり方そのものが基本的に問題にされていかなければならないのか。私は両面あろうと思うのですが、この防除の体制について、いまの基準を上回るようないろいろな備えつけがあったにもかかわらず、こういう始末でありますから、その基準の点については考え直さなければならないというふうに海上保安庁としてはいまお考えになっていらっしゃるかどうかをちょっとお聞かせください。
#207
○寺井政府委員 まず基準の点でございますが、海上保安庁といたしましては、こうしたコンビナートの一つの地区として全体でどのぐらい必要であろうかということは一応想定して考えております。一つの製油所が持つべき量として、三菱の場合、先ほど次長が御説明申し上げましたような量が法定の基準になっております。現在のところこれで大きな食い違いはなかったのではないかというふうに考えておりますけれども、先生御指摘のようにこうした機材で防除ができなかったというのはあくまで事実でございまして、これはオイルフェンスの性能あるいは油回収船が現場にまだ配属されていなかったというふうなこともございます。こうした点を総合的に検討の上、やはり基準を改める必要があれば改めなければならないというふうに考えています。
#208
○土井委員 港則法上特定港というものに指定されておる港湾がございますね。水島港の場合には港則法でいう特定港に指定されたのは一体いつでございますか。それから水島港のごとき石油港湾、これは日本全国についてすべて特定港に指定されているのであるかどうか、この点いかがでございますか。
#209
○隅政府委員 水島港が港則法によります特定港の指定になりましたのは、昨年、四十九年の四月十二日でございます。
 なお、いま先生の後半の御質問で、石油コンビナートで特定港に入っていないという港はあるかどうかという御質問でございます。厳密に申しますと、たとえば大型タンカーが着きますシーバースが設置されておるところで、特定港になっていないところは二、三ございますが、ただいまその資料を取り寄せまして御報告いたしたいと思います。
#210
○土井委員 これはまた大変なことに私は恐らくなると思うのですね。それで、これは海上保安庁の方にお尋ねしましょう。
 まず、今回の問題になっている三菱石油にございます六号棧橋というのは何万トンのタンカー用に建造されている棧橋でございますか。
#211
○隅政府委員 お答えいたします。
 この水島港の三菱の六号棧橋でございます。これは当初はそれほど大きい大型タンカー用のバースはなかったようでございますが、昭和四十年の十一月に計画上十八万重量トンの船舶を係船する能力を有する棧橋として建造したようでございます。
#212
○土井委員 さて、そこまで確認しましたよ。先日、私は岡山の水島の現地調査の一員として参りました。そして三菱石油さんの方から「水島製油所」という、こういうパンフをいただいたわけであります。このパンフを開きますと「原油の受入れ」という項目が書いてあるページがございまして、ここを見ると「遠く海外から十−二十万トン級の大型タンカーで運ばれてきた原油は当所の第六棧橋から」云々とずっと書いてあるのですね。いまお聞かせいただいたとおり第六棧橋というのは二十万トン級のタンカーにとうてい対応できるような規模のものではないです。規模のものという表現は少し語弊があるかもしれませんが、施設その他から考えて適正な棧橋と言えるかどうかということになると、私は不適当であるというふうに言わなければならない内容だと思うのですね。長さ三百五十メーターのタンカーが棧橋前面というのは四百メーターしかないところに持ってこられる。航路水深はあそこで約十六メーターくらいなものだろうと言われている。二十万トン級のタンカーになりますと御承知のとおり喫水二十メーターです。これに対しては喫水線を変えるという操作もしなければならない。ところが、現にこれは水先案内人の乗船というものは義務づけられてもいないわけでしょう。そこへもってきてこういうタンカーの乗り入れをこの第六棧橋に対してやっているというのが現実だと思うのでありますが、こういう事情についてきょうせっかく御出席の所長さん、どういうふうにいままで取り扱いを進め、どういうふうにこの問題に対しては対処をなすってきたかということを少しお聞かせいただきたい。
#213
○大島参考人 いまの先生の御質問でございますが、確かに現在の第六棧橋には十八万デッドウエートトン以上のものは着けません。したがいまして、大型タンカーが着く場合には、当社ではまず川崎製油所でハーフカーゴー荷を揚げまして、それで積み荷を減らしまして、そのタンカーで入ってくるということでございます。したがいまして、確かに大きいタンカーは入ってまいりますが、荷は軽い、そういうことでございます。
#214
○土井委員 いろいろ無理があるような調子でございますね。それで、そういうふうな苦慮をなすっていろいろ操作をなすっても、危険物荷役棧橋というのは消防法の適用外になっておりますね。これは消防施設の義務が現にないことになるわけですね。だから、原油なんというものは危険物中の危険物だというふうに私は思うわけでございますから、そういう点からすると、消防法の適用外で消防設備の義務づけがないということとも兼ね合わせて、現在のままである限りはどうも不安がつきまとうということはもう理の当然なんです。これは所長さんもお認めになるだろうと思うのですね。したがって、そういう点は何とかしなければならぬ。今回の場合はC重油であってこのさまでしょう。これが原油だったらと思うとぞっとしますよ。原油だったら、恐らくもう取り返しがつかぬことになっていると思う。いまC重油でも瀬戸内海はもはや取り返しがつかぬありさまでありますね。しかし原油だったらもう一つ悲惨な事故に発展して、犠牲者がたくさん出ているという可能性も十分にある。その点考えると私はぞっとするわけでありますが、こういう問題に対して、少なくとも十万トン以上のタンカーの入港は禁止すべきだと考えるのが、私は一般の考えじゃないかと思うのですよ。海上保安庁としては、どういうふうにこういう問題についてお考えなんでしょうか。
#215
○隅政府委員 ただいまの、水島に大型タンカーが入ります場合には、工場長さんがおっしゃったように二港揚げで、川崎その他で一部の荷を揚げて入るというお話でございました。水島港長といたしましては、大型タンカーが着淺いたしますときに、着棧のスピードを安全性を確保できるまで落とすということ、それから入港喫水を十分余裕を持たすということ、それから入出港、着淺あるいは棧橋から離れることにつきましては必要数のタグボートを必ず配備すること、それから棧橋に着いております間は消防能力を有する警戒船を配置しておくこと、それから気象、海象によります荷役制限を厳重に行うこと、このような条件がかなえられた場合に一応大型タンカーを水島港に入れております。各港につきましても、それぞれ各港の特殊性に応じまして、危険物積載船の入港それから荷役、出港につきましては厳重なる注意を与えて、いままで指導をしてきておるわけでございます。
#216
○土井委員 何かどれもこれもお伺いしていると大変な苦心の作のようでありますけれども、大型タンカーで多量の原油を運んできて、それを貯蔵するタンクも小型からだんだん大型化していく、しかもその数がふえる一方である、これを立地するところの土地を収用することにたいへん難儀する、したがって海を埋め立てる、埋め立てたところに大型タンクを増設していく、こういう現象がこのところずっと昭和三十五年来引き続き今日まで至っている現象だと私は思うのです。
 その中で、依然として使われている従来の施設は補強しないまま、あるいは根底からつくりかえないまま、あるいは基準値というものは一向にそういう状況に合わせて考えないまま今日に来ている。無理にさらに無理が重なって、屋上屋を重ねるようなかっこうで今回のような事故になっているとも一考えられるのですね。この点はもう重々に私たちは考えなければならぬ問題だと思うのですね。
 そこでひとつ、私は先日あの水島の現地に行かせていただいて、調査をしながらちょっと気がついたことがございますので、いま申し上げたことを念頭に置きながらお聞かせいただきたいと思うのですが、いま防油堤というのは一・五メーター以下ということになっています。ところがタンクについては、昭和三十年ごろ一基について二万キロリットルぐらいのタンクの大きさというふうなものが大体考えられているわけであって、防油堤だって、これは一基についてそのぐるりを囲むというものが、一応当初の常識として考えられて今日に及んでいるのじゃないかと私は思うのですね。ところが、水島の現場に行きますと、防油堤というのも、一基についてぐるりを囲んでいるようなありさまでつくられているのではなくて、二基あるいは六基を一かたまりにして、そのぐるりに防油堤が築かれているということでありますし、しかもなおかつ、私は先ほど原油について、もしC重油でなくて原油がこの際外部にあふれ出ているということになったら、もつと悲惨な事故にあるいはなっていたかもしれないと言った、そのことも予想しながら原油のタンクを見ると、原油のタンクの周辺の防油堤というのは、一メーター五十はおろか一メーターもない、五十センチもあるやなしやというふうなかっこうであったようであります。
 しかも、これは消防庁の方にお伺いしたいと思うのですが、技術上の指導基準からしますと、一応防油堤については波返しというものを用意しておかなければならないわけです。ところが、現場に行って私はあの防油堤を見たときに、波返しがないのですよ。ある場所とない場所とある。防油堤というかっこうさえつくっていればよいというものでは防油堤はないので、いざというときにその役を果たさなければ防油堤じゃない。これはもう当然であります。今回防油堤を乗り越えて油が外に流れ出たという事情からしても、私たちは防油堤を非常に注目したわけですね。したがいまして、いまこの防油堤に対して、指導基準というふうなものが現に守られているか守られていないかということを、消防庁はどういうふうに、いろいろと現場に行って監督をなさっているのか。私から言わせると、完成検査の中に、技術上の基準に適合していなければならない、適合しているというふうな認定があって、初めて完成検査をパスさせるということでなければならないのに、現在は完成検査の中に、この技術上の基準に適合しているかどうかということの判定が入っておりませんね。一度完成検査が済んでから後、こういう技術上の指導基準に従っていろいろ防油堤についてもつくられるというふうないきさつもあるようであります。したがって、消防庁の方に、本来はやはり完成検査の中に技術上の基準に適合しているかどうかということも含めて審査をすることがあってしかるべきだと私は思うことに対して、どういうふうにいままで取り扱いがなって、そしてしかも私がいま申し上げている問題についてどういうふうなお考えがあるか毒ひとつお聞かせいただきます。
#217
○永瀬説明員 タンクの周囲に設けます防油堤の規定につきましては、先生御指摘のとおり、最高の高さが一メートル五十でございまして、最低は三十センチ、その間の高さでなければならないという規定を、いろいろ災害時の応急の防災措置等の活動等を含めまして規定しております。
 なお、この防油堤の規定の遵守につきましては、防油堤というのはタンクの付属設備と考えておりまして、今回のタンクにつきましても、タンクについての水張り検査、タンク部分の検査が終わりました後、防油堤の検査もいたしまして、これらがすべて基準に適合している場合におきまして完成検査済み証を交付することにしておりまして、今回もそのような手続で、防油堤も含めて完成検査がなされております。しかしながら防油堤の構造の細部につきましては、技術基準の指導要領と申しますか、指導基準として波返しの点はたしか指導していたと思います。御指摘のごとく、今度事故を起こしましたタンクの周囲にございました防油堤には波返しがついておりませんが、これは、指導の甘かったという点は反省しなければならないと思います。しかしながら反対側の、向かい側の原油タンクの防油堤、これは一メーター五十ございますが、この方には波返しがついておりました。
#218
○土井委員 そこでちょっとお伺いしたいのですが、タンクも現在は非常に大型化して、大体日本にある最大の原油タンクというと、例の茨城県の鹿島コンビナートの十六万キロリットルというのがさしずめ有名なわけでありますけれども、タンクに油が満タンであるというのは、一体どれくらい入っているときを指していうのですか。それから、タンクが空っぽだと通常言いますね、空っぽだと言われる時点では、どれくらい油が入っている時点を指して言うのですか。どういうことでしょう。所長さん、お願いします。
#219
○大島参考人 正確な数字はいま手元に持っておりませんが、たとえば今度の事故のタンク、といたしまして五万キロリッターでございますが、消防関係の許可容量は四万八千キロリッターでございます。それが最高でございます。それから最低は、通常いわゆるポンプで引く、吸引ノズルと申しますか、そのノズルの高さまでの油面が一応底部に残る、これが大体三十五センチぐらいでございます。容量にいたしまして幾らになりますか、そのぐらいが底部の最低容量でございます。
#220
○土井委員 だんだんタンク自身が大型化して、いまおっしゃったような、満タンであると言われるような場合には大変たくさんそこに油が入るというような実態から考えて、いまのような防油堤の高さと構造のままでよいかどうかということも一つはあるわけですね。それから、細部にわたっての指導基準に合っているか合っていないかということに対する具体的な現場での指導に、少し不十分さがあったということも先ほどお認めになっている。それやこれやを含めまして消防法について、危険物を内部に多量に貯蔵しているこういう石油コンビナートなんかに対してのいまのいろいろな規制基準を、やはり改正の一つの要点として考えてみなければならないというふうにお考えになっていらしゃるかどうかをちょっと聞かせてください。
#221
○永瀬説明員 今回の事故にかんがみて検討いたしてまいりますと、確かに従来の考え方の防油堤容量につきましても、現在の容量の規定は、最大タンクの五〇%に残りのタンクの、これは二基以上ある場合でございますが、残りのタンクの容量の一〇%を加えたもの、これ以上の容量がなければならないという規定になっておりますが、この場合、二基のタンクが同時に壊れるということは実はあまり想定はしていなかったわけでございまして、したがいまして、このような防油堤の構造、容量等につきましてもいろいろ検討いたさなければならない点がございますので、さらに先ほど御質問が出ました、全体の第二次的な防油堤の考え方等を含めまして、保安基準について検討を加えていきたい、これもできるだけ早急に行いたい、かように考えております。
#222
○土井委員 もう時間が来たので、あとどうしても私は通産省と環境庁にだけお尋ねをして終わりたいと思うのですが、今回の事故原因についていろいろ調査が進められる段階で、本来埋立地であったために地盤が軟弱であり、不等沈下ということが原因になっているんじゃないかというふうな調査の結果もだんだん出てきております。
 そこで問題になるのは、埋立地にタンクを建設しましてコンビナートというのをつくっていく場合に、全国にこういうふうな埋立地を利用してタンクを建造するという計画が現に大変進みつつあるわけですね。御承知のとおりに備蓄量を六十日から九十日にふやしていかなければならないことのために、石油備蓄公団というのが発足をして、そして考えられている五年計画での備蓄量の中身というものも、年を追ってふえていくわけでしょう。したがいまして、そういう点からすると、私は、立地条件として、本来埋立地にこういう大型の石油タンクを建造するということ自身が果たしてどうなのかという問題が基本的にあるだろうと思うのです。現に日本では、タンクの安全を保障する構造設計には日本独自の規格、基準がなくて、アメリカの石油学会、APIがつくった規格に従っていろいろいままで製作してきたという実情もあるわけですね。そこには、地盤が軟弱であるとか、地震帯であるとか、あるいは不等沈下なんというものは計算の外だと思うのですが、そういうことからいたしますと、私は、いま現に進められつつあるこのコンビナート計画、特に埋め立てで大型の石油タンクを建造する計画のあるところは、こういう問題についてはっきりした安全性を保障する日本独自の規格ができ上がるまでは、一時中止するということに持っていって当然だと思うわけでありますけれども、通産省としてはこういう問題をどうお考えになっているかをひとつ聞かせてください。
#223
○佐藤政府委員 コンビナートにおきますところの立地につきましては、従来とも、環境、保安両面で事前にアセスメントをやってきたつもりでございますけれども、現実こういう問題が起きましたので、こういう事実を踏まえまして、いまおっしゃったような問題につきまして、いま消防庁の方でいろいろ原因を追及されておりますので、その結果重油タンクというものが埋立地で不適当なのかどうか、保安上の消防庁からの調査結果を待ちまして、検討いたしてまいりたいと思います。
#224
○土井委員 これは切実な問題ですから、こういう問題に対してはひとつ厳重に取り扱いをしていただかなければ困るわけです。各地で埋め立てがあって、大型のコンビナートがここに建造されるのであるということで、住民の方々が埋め立て自身に対して反対の運動を起こされる。それはいろいろ理由はほかにもありますけれども、こういう問題が出てまいりますと一層です。一層、地方の住民の方々からすると安心できる問題じゃない。したがって、安全性の確認なくして建造を急ぐということは、これは禍根を残すということにもなりますから、そういう点からすると、いま言われた消防庁を中心に調査をされた結果を待ってということでありますけれども、重々そういう点については安全性の確認ということを、どこまでも忘れずにおやりいただきますようにという点から、さらに言いたいのは、内閣にいま石油流出事故対策連絡会議というのがありますね。このメンバーをずうっと見てまいりますと、いま私が申し上げている点からして、こういう問題を取り扱う局はどこでございますか、恐らく通産省の立地公害局長さんあたりじゃないでしょうか。入っていませんよ。これがすっぽり抜けているのだ。どうなんです。これはいつごろ恐らく地盤が原因の一つかもしれないと皆考えたのですか。私が現地に行ったのは十二月二十二日です。当時すでに、原因についてはいろいろ考えられるけれども、地盤が不等沈下を起こしたり、地盤そのものに原因があったのではないかということがだれしも考えるところでありますと言われていた。初めからわかり切っている問題ですよ。こういうことについて、内閣に石油流出事故対策連絡会議をわざわざ置きながら、この問題についてはもちろんのことながら、これからにかけて非常に大事な通産省の立地公害局長が中にすっぽり抜けているということはどういうことですか。
#225
○佐藤政府委員 一般的にこういう埋め立てのみならず、工場を立地する場合、特に大規模工場地帯につきましては工場立地法でいろいろ規制をやっておるわけでございますが、この場合に、いまおっしゃったような保安対策の面につきましては、高圧ガスの工場を建設する場合は通産省、それからこのような重油タンクの設置の場合は消防庁がおやりになっておりまして、これは製造並びに操業につきましては、建設の段階からそれぞれ持ち分を持っております所管の官庁が、いまおっしゃったような点も含めまして、当然許可するわけでございますから、そういう地盤を含めまして製造許可ということに当然つながらなければならないわけでございます。ただ現実問題として、そういうたてまえになっておりますけれども、現実そういう問題が発生いたしておるといたしますと、やはり現状やっておりますやり方について十分に反省していかなければならない、こう考えております。
#226
○土井委員 これは環境庁長官、最後に私はもう時間ですから申し上げますけれども、やはりこういう政府の中にある石油流出事故対策連絡会議の中には、いま申し上げたような原因がどこにあるかということが、少なくとも調査を具体的に進める以前に可能性として考えられる関係の省庁の方々が中に入って、直接の対策とこれからの対策というものを含めてお考えになることがやはり至当だと思うのです。したがいまして、いま私が指摘した点は、抜けているのじゃないかと私自身は思うのだけれども、環境庁長官自身がどうお考えになるかということが一つ。
 それから、最後にこれだけはやはり聞かなければならないのは、瀬戸内海環境保全臨時措置法との兼ね合いであります。この中に審議会を設けることができる。この審議会に対して長官は調査を諮問されることができる。今回の事故後、こういう事故によって瀬戸内海が汚染されているわけであります。返らぬ海になったとさえ言われている。こういう問題に対してこの審議会に諮問をされているかどうか、また、諮問がされていなければ、これからそういう御用意があるかどうか、これが一つと、順番に言いますからひとつ一括して答えてください。
 それから二つ目には、御承知のとおりにこれは三年の時限立法ですから、三年かかってCOD汚濁負荷量を昭和四十七年度の二分の一にするということが数値として決められたわけですね。そうして関係各府県にそれぞれの割り当て量というものが割り当てられて、いま大変に努力を積み重ねている最中にこんなことが起こったわけですよ。したがいまして、三年かかって努力をしている最中にこのような事態になったということで、当初の計画の中身、CODの汚濁負荷量を四十七年の二分の一にするということからすると、やはり今回の問題に対しては相当調査を詰めて、どのようにして当初考えられた数値のところに持っていくかという努力があってしかるべきだと思うのです。こういうことに対していろいろ長官として御配慮をどのようになさるかという問題と、最後にもう一点だけ、これで終わりたいと思います。
#227
○渡辺委員長 時間が来ましたから取りまとめてください。
#228
○土井委員 これで終わりです。
 大型タンカーの規制を、当初この法案を審議する際に私たちは事あるごとに問題にしました。ところが、それは海上交通安全法の対象にして考えられていいんじゃないかということで切り捨てられたわけであります。やはりこうなってまいりますと、陸上の石油コンビナートは言うまでもなく、これはそこに行くところの大型タンカーに対しての規制ということも、瀬戸内海の環境保全という点からして考えられるべきではないかという声が、また以前に増して強くなるはずであります。この事柄に対してどういうふうに長官としてはいまお考えをお持ちであるかをお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
#229
○小沢国務大臣 対策本部に立地公害局長が入っていない、必要があれば追加は幾らでもできますので、通産省の方で相談をしまして、私が内閣の方へ申し入れをいたします。
 それから、審議会は開く準備をいたしております。臨時措置法に基づきまして、できるだけ早くやります。
 それから、CODの汚濁負荷量を二分の一にするということでございまして、今度の問題で本当に残念でございますが、これは総合調査を進めていきまして、その観点からいまのお説のような考え方もひとつぜひ入れていきたい、かように考えます。
 それから、瀬戸内海につきましての大型タンカーの規制、これは現在コンビナートが相当多数あり、一万キロリットル以上のタンクが千三十一瀬戸内海にございますから、これでいまタンカーを規制するというわけにもいきませんが、問題は航行のいろいろなやり方、航路あるいは小型なもののふくそうの状況等を運輸省とよく相談をして、タンカーの大中小を問わず事故の起こらないような方途を厳重に申し入れをしまして、それがどうしても不可能な場合は、やはりある程度規制をしていかなければならぬだろうと思っております。瀬戸内海についてのお話だと思いますので、そういう点お答えしておきます。
#230
○土井委員 終わります。
#231
○渡辺委員長 米原昶君。
#232
○米原委員 私、先ほど官房副長官に対する質問のときにも簡単に申し上げましたけれども、特にこの水島のコンビナートというのは、いわゆる新産都市の第一号であります。私たちは、新産都市というものができたときに、この法律にも実は反対した。これは結果としては、このやり方でいくと結局自然を破壊し、人間の生活を破壊するような面の方が出てくるのじゃないか。不幸にしてそういう事態が起こったわけであります。非常に重大な問題点を含んでおります。
 いままで進めてきたいわゆる高度成長型のコンビナートというものが、生産を進めている場合には非常に大きな生産力を発揮し、その点で喜んでおられたのだろうと思うけれども、それが一たん災害を起こすとなると、いままで考えられなかったような災害になってしまう。残念ながらその中で、現場に行ってみますと、これはまだ細かい調査まで私も入っているわけじゃありませんが、やはり何としても生産第一というところにウエートが置かれていて、火事に対する準備はあったようですけれども、まさかこういう事故が起こるとは予想されていなかったようであります。そのためにすべてが後手になってしまったという印象です。そういう点でやはり今後のやり方としては、いままでの生産第一主義じゃなくて、何としても災害を起こしちゃならない。災害が起これば生産そのものも逆の結果になってしまうのです。そういう意味でも思い切った実情の調査と同時に、これにならって全国的な石油コンビナート、製油基地というものの調査をやる必要があると思う。
 そして、いままでよく環境アセスメントということを言われてきましたが、災害アセスメントともいうべき新しい手法を打ち立てるべきじゃないか。とにかく工場を建てる場合に、絶対に災害だけは起こさないというような姿勢で全国的な再点検をやる必要があるのじゃないか。災害を起こした場合には、いままでせっかくつくっていたものが全く御破算になってしまうのです。このことを考えれば、やはり災害を予定して、その場合にどういう準備をしておくべきかという立場から、工場の立地条件を考えていかなければならないんです。
 そういう調査、先ほど官房副長官に質問したのは、最近消防庁がやっておられる名古屋の製油基地の問題、事実としてもう出ております。そこでも予想以上の地盤沈下が起こっているわけですね。そうすると、これは決して水島だけの問題じゃなくて、ほっておいたら同じような災害がどこでも起こるような条件に置かれているわけです。そういうものをとにかく環境庁としては率先して進めていただきたいというのが、私の第一の希望なんです。
 いま土井委員からも質問がありましたけれども、瀬戸内海環境保全臨時措置法にも規定されているわけですから、この審議会に諮問して、瀬戸内海の環境を保全するための措置をやはり打ち出してもらいたいわけです。あの臨時措置法できまっている方向というものは、今度の事件で簡単に実行できない事態になっているわけです。これは環境庁として責任をもって手を打ってもらいたいということなんです。この点について長官の御意見を最初にお聞きします。
#233
○小沢国務大臣 総点検につきましては、この水島事故が起こりましてから早速閣議でも問題にいたしまして、関係大臣がそれぞれ、消防庁は消防庁の立場で自治大臣の命により、通産省は通産大臣の命によりまして総点検を実施をいたしております。
 それから瀬戸内海の環境保全につきましては、先生方るるおっしゃるとおりでございますので、私ども、この法律そのものが排水だけを規制し、しかも、排水の規制のための特別施設、特定施設というものについての規制をやっておるのでございますが、今回の事故にかんがみまして、その他の要件も入れていくべきでないかというような考え方もございますので、先ほどお答え申し上げましたように、いま審議会を早急に開く準備をしておりますので、審議会の御意見を承りまして善処をいたしたいと思います。
#234
○米原委員 では私、まだ全面的な科学技術的な調査を完了していないので、ああいうタンクが破損したような原因がどこにあったか、まだ明確になっていないので、その問題は今後もっとはっきりさせなくてはなりませんが、きょうは私が参りまして直接感じた点について、何としてもいままで準備がなかったせいもあったでしょうが、打たれた手が非常に後手後手になっているんですね。その点ほんとうに痛感したんです。その点で、私どうにも理解できない点が二、三ありましたのでお聞きします。
 それは、水島製油所の大島所長に私、暮れに二回もお会いしていろいろお尋ねしたんです。その中で、たとえば、何回もお会いしているのに、重油が一体実際にどのくらい海に流れたか、このことがいつまでたっても明確にならない。大体は、どのくらい油が流れたかということぐらいは、それはもちろん正確な数字がわかる道理はありません。むしろ、最大だったらどのくらい流れたぐらいは早く出してもらったほうがよかったんじゃないか。このことを後でも痛感しております。
 実は、製油所に行きましてから、その後であそこの児島の漁連の方たちにお会いした。児島の漁連の方たちの言っているのは、会社にすぐ飛んで行ったところが、所長が海に流れたのは二百キロ、このことをしきりに言われたと言うのですね。二百キロなら確かに――二百キロでも少ないとは言えませんが、二百キロと言われた。二百キロどころじゃないということはだれが見たってわかる。しかしどうしてもそう言われる。
 ところがもっと重大なのは、私たちの方の議員がやはり対岸の香川県の方に行きました。そうすると坂出の漁連の人たち、ここに行って聞いてみても、その問題が一番不安なんです。流れたのは二百キロだと言う。二百キロなら大丈夫だろう。しかもこれは実は会社が言ったのではなくて、海上保安庁の方からそう言ってきたという。二百キロという数字から考えますと、海上保安庁も恐らく会社の言っておられる数字をそのままおっしゃったんじゃないかと思う。とにかく責任のある海上保安庁の方が二百キロだと言うので安心してしまったのです。もっと多くの量だということがわかっていたら、たとえばハマチの養殖をやっているわけですが、魚をほかの場所に移すことができる。ところが、思いがけない油の量がどっとやってきたために養殖魚が全滅してしまった。
 ですから、流出量をなぜこんなにわずかだったというふうに発表されたのか、その後どのくらいかということを私聞きましたけれども、所長さんはどうしても言われなかった。言われないというよりわからないとおっしゃった。わからないというのが事実かもしれません。正確な数字はわかりっこないのです。しかし、推定して大体どのくらい流れたか、最大限はどのくらいだとむしろ多目に言って、それだけの措置を早くとるということの方が、この場合重大じゃなかったか、こういうことを痛感するのです。
 最近になりまして本部の発表があって、七千五百キロから九千五百キロ大体流れておるだろうという結論がどうも一応出たようですけれども、実を言いますと、私たちもそのくらい、約一万キロの重油が流れているだろうと思ったのです。当時所長さんからも数字を聞きました。二つのタンクから流れたのですから、合わせて四万二千八百八十八キロのものがタンクから流出した。それで、陸上で回収したのが大体いまのところで二万五千キロと所長さんはおっしゃいました。そうしますと、その差額だけで一万七千八百八十八キロあるわけでして、その中の大部分はむしろ海に流れたのではないかと思うのが当然で、約一万キロというのはちっとも不思議じゃない、こういうふうに思ったのです。しかし、一万キロということはおっしゃらない。実は私たちが行っていた二十八日でしたか、地元の山陽新聞が約一万キロと推定されるというような新聞記事を出した。そうしたら海上保安庁にえらいしかられている。なぜこんなことを海上保安庁はしかったのか私はわからない。この点非常に不明瞭ですが、なぜ少な目に少な目に発表しておるのか、この点について所長さん、ひとつ率直な意見を聞かしてもらいたい。
#235
○大島参考人 先ほども、午前中でございますが、ある先生の御質問がございましたのでお答えいたしましたが、二百キロの問題につきましては、事故の当夜非常に防災活動に追われまして、翌日の朝の状況で海を見たところから判断いたした数字でございますが、このときの数字がいま先生から御指摘がありましたように非常に過小評価したのじゃないかというような、結果的にはそう思われてもいたし方ございませんが、私どもといたしましてはそういう意図で推定したわけではございませんが、そういう数量をとにかく発表してしまった。
 これの事の重大が一々後に尾を引いてまいりまして、われわれの発表する数字は全くでたらめじゃないか、そういう御批判も得た次第でございます。流出数量もそうであるし、地上拡散範囲の問題もそうでございますし、あるいは防油堤のやられた長さにつきましても、翌日の私が近寄れないところで遠くから見た感じと実際は違っております。そういうように一から万事違いまして、まことに御迷惑をおかけしたという点、先ほどの先生暮れにいらっしゃったときも、今度発表するときは、ほぼ確実と思われる数字で御発表いたしませんと、国民の方々に最初に非常に御迷惑をかけたのだから、さらに御迷惑をかけるに違いないということで、ある程度の数字が固まるまでは発表しない方がいいのじゃないかということでおもんばかりまして、そういうことを申し上げた次第でございます。先生御指摘の初期の数量で非常に御迷惑をおかけいたしました点、深くおわび申し上げる次第でございます。
#236
○米原委員 それでああいう場合で、むしろ会社の当局者の方がかえってつかみにくい点もあったろうと私もわかる。しかし、どうして海上保安庁がそれと同じような、二百キロだ、二百キロだということをわざわざ香川県の漁連の方にまで通知されたのかということが私は不可解なんだ。しかも私が行ったときに、山陽新聞が一万キロと書いたら海上保安庁はかんかんに怒った。どうして怒ることがあるか。私はあの海上保安庁の態度は全く理解ができない。それをひとつ説明していただきたい。
#237
○寺井政府委員 香川県漁連への通報の関係の御質問でございますが、香川県及び香川県漁連に対しましては、事故の起こりました十二月十八日の午前一時に通報をいたしております。その通報の内容は、流出量は不明であるけれども、五万キロリッターのタンクに亀裂が生じて油が流れておるということで、先生御指摘のように二百キロリッターというようなことを言った事実はないと聞いております。またその後、その同日の午前二時ごろ、県の水産課の方から連絡がありまして、そのときにかつて水島の港外で事故を起こしました船の例を引きまして、至急に対策を講ずるように要請したというふうに報告を受けております。
#238
○米原委員 では、私が会っているときに、その場で山陽新聞の記者はけしからぬということをおっしゃったが、やはりそういう見解だったのじゃないですか。一万キロと発表したらけしからぬと言いましたよ。私たち国会議員が四人ほどいる前で地元の責任者がそういうふうにおっしゃいました。
#239
○寺井政府委員 そういういきさつがあったかどうか、私ども聞いておりませんが、当時流出量が明確でなかったということは事実でございます。
#240
○米原委員 香川県の方に出された文書は、いまお読みになったのでわかりましたが、しかし現地ではそういうふうに言われていたし、そしてヘリコプターに乗って水島まで飛んできているわけですからね。それで念を押して、そのときにやはり二百キロと聞いているわけですよ。そういうふうに私たちは詳しい報告を受けて、文書でも出ております。とにかく非常に不明確。まあここではそれを議論しても、これは議論の問題にならないと思いますが、あればおっしゃってください。
#241
○寺井政府委員 私ども二百キロということについては全く聞いておりません。
 ただ、あるいはと思われますのは、先ほど申し上げました水島の港外で事故を起こしましたときの船が流した重油が二百キロリッターちょっとでございました。したがいまして、その例を挙げて至急対策を講じるように、つまり香川県まで流れる可能性があるということで警告をしたわけでございますから、あるいはその二百キロが非常に頭に残られたのかもしれません。その辺私、事実関係がつまびらかでございませんので単なる想像でございますが、県の方に流出量幾らということを申し上げた事実はございません。
#242
○米原委員 とにかくその問題では、香川県の漁連の方では最初にもう少し大体の量でもわかっていたらということをしきりに言っているのですよ。それがわかっていたら事前の処置がまだ時間があったのでとれた。それが二百キロというふうに聞いたために安心していて、朝起きてみたらどっと押し寄せてきて、全部養殖のハマチなんかやられてしまったということです。その点経過の問題としては非常に手落ちがあったのじゃないかという印象が強い。
 それから、もちろんそれだけじゃありませんが、もう一つお聞きしたいのは、流出事故が起こったときの経過ですけれども、私が聞いているのでは、三菱石油で事故を発見されたのが午後八時四十分。そうしてすぐ操油課に通報されて係員が現場に急行した。そして重油の大量の流出が始まったのが九時十分。九時十一分に消防署へ救急車を要請されておりますね。そうして九時十五分に緊急運転停止、従業員の緊急呼び出しというような経過のようですが、ここで消防署への連絡、海上保安庁への連絡がずいぶんおくれていたという点ですね。まあ一時間近くかかっているという点が、当時の処置としてはやはり一番残念ながらまずかった点じゃないかと思うわけですが、なぜこんなにかかったのでしょうか。一時間近くも通報されるまで結局かかっておりますね。
#243
○大島参考人 いま先生言われました八時四十分ごろでございますか、事故が発生いたしまして油が漏出したわけでございます。必要なバルブ操作をやりましたが、その間一応消防体制として、まあ防油堤の中で油の処理ができるであろうということで、バルブ操作その他をやっていたわけでございますが、九時五、六分ごろ、大きな音とともに、恐らく長さ十三メーターぐらいに亀裂しているわけでございますが、それが一遍にびりびりっとこういって作業用はしごの基礎を吹き飛ばしたときに、うちの従業員もそばにいたわけでございますが、これが操油課のタンク管理のその地区の現場員が六名いる、高温の重油のところにあるいは巻き込まれているのじゃないかという判断でもって、九時十一分救急車をとにかく、要請いたしました。
 残りの直長、われわれ直をやっておりますので、直長とその次席の者がこの漏洩個所と反対側に退避いたしまして、隣接工場の、いわゆる工事現場がございます。そこで石油ストーブもたいておりますので、そういうものの引火を防止するために、その直長はみずからその火をとめ、かつ火を全部消してくださいという指示を与え、約一・五キロの間を第九棧橋の上にたどり着いたわけでございます。そのときすでに高温の重油はそこに流れ着いておりまして、棧橋の上を歩くことができないので、先生ごらんになりました、こういう海の上の壁を歩きまして、初めて油が漏油しているのをそこで認めたわけでございます。九時六分から、そこまで一・五キロ走っていろんな処置をしているわけでございますので、恐らくこれも推定でございますが、九時二十五分か三十分かと思います。その時点で油の漏出を発見しましたので、無線でもって操油の担当課に連絡しまして、それからそこに課長がいますから、通関課長経由で九時三十八分海上保安部さんに、五万キロの重油タンクから油が漏れましたという御報告をいたした次第でございます。
 したがいまして、私ども何も言いわけは申しません。ただ判断といたしまして、九時六分の大量流出という時点からの時間ということではないかとわれわれ自身は考えている次第でございます。
#244
○米原委員 恐らくいままでない事故ですから、手を打つのが非常におくれてしまったという感じは否めないのです。この経験からしまして私としては、あれだけ生産の設備についてはコンピューターシステムで非常に完全にできておる。こういう事故が起こったときに、何かボタンを押せばすぐどこにも通じる、あそこの地域のほかの工場にも、事故が起こったときにすぐわかるようなシステムをつくるべきじゃないかということを切実に感じたのです。そうでないと、事故を会社内だけで小さくおさめてしまおうということに全力が注がれてしまって、予想されないような事故が起こったときにはどうにもならない。ことに火事についてはいろいろ予防措置が組まれておるようですけれども、ああいう油が流出するなんということは、実際上は予想されてなかったのじゃないか。ですから、そういう災害が起こったときはどういう手を打つかという準備が全然ない。それからそういう体制もない。そういうことが起こったときに会社員がどう動くかという予防訓練も全然ないわけです。このことを痛感したのです。これはもちろん事故が起こって後で考えたことには違いありませんが、やはりこの点を今後のコンビナート対策として全般的な方針にしてもらいたいわけなんです。
 もう一つ、実際には海上保安庁の本部に通報したのも約一時間後の九時三十八分ですね、ほかの企業にも大体九時四十分ごろ。それでオイルフェンスを最初に張られかかったのは十時五分ごろと聞いておりますが、そこでオイルフェンスの問題について聞きたい。
 オイルフェンスを切り込み港のところの入り口に張られるのに、大変な油が流れてきて、何回も何回もオイルフェンスが押し流されて切れてしまって、大変苦労されて二時間ぐらいかかった。午前零時二十分にやっと一応張り終えた。しかし油は川のように流れて、オイルフェンスの上と下からどんどん外に流れてしまったということを海上保安庁でも聞きました。しかもまた、午前二時半ごろには三ヵ所、四ヵ所でオイルフェンスが切れている。あの切り込み口のあそこに張るだけで、港そのものの入り口にどうして張られなかったかという点なんです。船を通すためにあそこをあけてしまった。どうしてそういう措置をとられたか。これが私たちは一番不思議でならないのです。港のところに思い切って張ってしまえば、海に流出した分をある程度まで抑えることができたのじゃないか。あの流れ方から見ますと完全には無理です。そういうことははっきり言えますけれども、少なくとも港口に張るべきではなかったか、このことを痛感するわけですが、この点で海上保安庁の説明を聞きたい。
#245
○隅政府委員 水島港におきますオイルフェンスの展張の現状を御説明いたしますと、いま先生のおっしゃいましたとおり、二十一時三十八分に三石の水島製油所から連絡がございまして、直ちに二十一時四十分、二分後に中型消防艇でございます「ぬのびき」とPC二十三メートル型の「きよなみ」に出動を命じております。「ぬのびき」は直ちに二十二時五分に行動を開始いたしまして現場へ参りました。なお、これと同時に作業船、これは鶴見輸送あるいは水島ポートサービスの作業船にオイルフェンスを積み込んで、直ちに展張をするようにという指示をいたしまして、その展張の指導に当たりまして、先生のただいまお話しになりましたように、十九日の零時二十分に水島の切り込み港湾のオイルフェンスの展張を終えました。
 それから直ちに川崎製鉄のところで第二、第三と、川鉄化学について第四、第五というふうにオイルフェンスを展張してまいりましたが、いま先生のおっしゃいました、なぜ水島港全部にオイルフェンスを展張しなかったかというお話でございます。
 一つは、この佐野安ドックがございます川鉄からの間が千四百メートルございます。潮はちょうど引き潮でございまして、相当の潮の流れもございました。風浪も相当高い風浪でございました。現在のオイルフェンスといたしましては、千四百メートルの長距離の展張、ことにこれを丸くするのではなくて直線で張るということは非常にむずかしい問題でございます。それから港内航路のところには非常に濃い油の流れも認められなかったということで、一番油が流れておりますその両域についてオイルフェンスを展張した。一つは、千四百メートルの長い河口、港の口を全部防ぐというほどの性能は、現在のオイルフェンスにはないというのが一つの原因でございます。
#246
○米原委員 私が説明を聞いたのでは、これは海上保安の方から聞いたのですが、結局、一万五千メートルのオイルフェンスが一応あそこに用意がある。張ったのは五千メートルですね。一万メートルがまだ残っておるわけです。これは結局張らなかったわけですね。第一、私は一万メートルも残したのが不可解なんです。なるほどいまのオイルフェンスは不十分です。しかし、後でとられた措置を見ますと、海に流れてからもオイルフェンスを方々に張って油を揺すったり、いろいろなことをやられておるのを見ましても、なぜ一万メートルもオイルフェンスを残して使わないようなことをされたか。結局あそこのコンビナートの中にあるいろいろな大工場に原料や製品を運送する船を通すということの方に重点が置かれていて、海上汚染を防ぐということが犠牲にされたんじゃないか、こういう感じが否めないのです。まだ一万メートルもオイルフェンスは残っているのにそういう措置を全然とっておられない、この点は全然理解できないです。
#247
○隅政府委員 御説明いたしますと、切り込み港湾についてはその後直ちに航行禁止をいたしました。それから水島港の出入を全部とめなかったと申しますのは、このときにはもうすでに両岸に重油がべったりついておったということと、オイルフェンスをできるだけ展張をしたということで、港内への全面的な入港禁止は相当早くこれを解除しておるのが実情でございます。
#248
○米原委員 私が海上保安本部で聞いたのでは、とにかく何回も切れてしまうので、第五回目に戦術転換をやったんだという説明でした。それはもう流れるのに任せてしまって、油が港外に出るのをほったらかしておいて、中和剤を散布するほうに戦術を切りかえた、こういうことだったのです。
 この中和剤の散布について聞きたいのです。海上保安庁の方から連絡されたそうですか、あるいは県の方からも連絡があったらしいけれども、漁連の了解を得るというので児島漁連に電話で連絡があった。そうして会長が港の中だけならということで承諾したらしいのですが、実際は港の中だけでなくて外でもやっておるじゃないかというので、漁連ではずいぶん問題になっておりました。港の中だけで大体千二百トンほどの中和剤をまかれたと聞きましたが、実際どうなんでしょうか。しかも、その後で実は港の外に海上保安庁の船が出て中和剤をまいているというので漁民が抗議を申し込んだ。こういう経過も漁民から聞きました。この点について、どうしてそういう措置をとられたのか聞きたいのです。
#249
○隅政府委員 先生のおっしゃいましたとおり、十九日の零時十五分に児島地区の漁業組合連合会の南条会長に油処理剤の使用について電話連絡をいたしました。港内であれば使用はやむを得ないであろうという回答がございました。それで港内においてまきました。その後直島であるとか、その都度その都度、油処理剤の使用につきましては関係漁業組合の了解をいただいて使用をいたしております。
#250
○米原委員 経過は一応わかりましたが、時間がありませんからもう一つだけ消防庁の方にお聞きします。
 それは先ほどから問題になっている防油堤の問題です。危険物の規制に関する規則第二十二条第二項、これによって防油堤の基準というのは決められておりますね。こういう一応の基準は、ある意味で一般的、抽象的な決め方ですが、私の聞きたいのは、実際の防油堤になると、この適用の仕方がどうもそれぞれ違っているようだということです。たとえば問題の水島の場合の容量の決め方、それから東京都の消防庁が出しております「火災予防査察便覧」に出ております東京都の規定あるいは千葉県の規定、これは全部適用の仕方が違うようなんです。この点、消防庁としては御存じでしょう。具体的な適用の仕方が違う。
#251
○永瀬説明員 お答えいたします。
 消防法に基づきますところの危険物規制につきましては、市町村の条例等による規制は委任がしてございませんので、そういう規定はないはずでございますし、私どもとしましては、実際の運用が各地において異なるというようには認識しておりません。
#252
○米原委員 それでは、これはぜひ消防庁で調べていただきたい。というのは、これはもう現実にわかって、倉敷の市議会で問題になっております。これは倉敷市の条例というよりも、何かこれに基づいて各地の消防本部、消防署で一応の規定をつくってあるのです。この容量のとり方です。一番大きなタンクの二分の一、それから小さいタンクの十分の一ですか、そういうやり方でやるんだが、このタンクそのものの容量をどこまで入れるかという問題では千葉県が一番厳しい。東京都は主要なタンクについては厳しい。ところが、水島のやり方が一番緩いのです。それが全部違うのですよ。東京都でやっているやり方を水島でやっていたら、あの油は防油堤でとめられた。もっとも、防油堤が壊れたから流れていますが、もしも壊れてなかったなら、あの油は全部実は防油堤の中に入っているはずなんです。そのあたりもひとつ点検される必要がある。
 防油堤の問題は再検討されるという話でしたが、各地でこの規定の実際の実行の仕方が違う。ことにこういうコンビナートのような重要な地帯は、むしろ逆にかなり厳重な規定にした方がいいんじゃないか。そのためには、面積をたくさんとりますから、狭いところに林立することは、結局厳重にやると不可能になりす。しかし、その手をやっていかないとこういう危険防止はできないんじゃないかという印象を受けております。その点ひとつ検討してもらいたい。
#253
○永瀬説明員 先生御指摘の防油堤の容量の計算の運用の仕方、これは御指摘によりますと多少違っているようでございますので、十分調査いたしまして、これらの運用の仕方が違うことのないようにいたしたいと思いますし、また、いま御指摘のような運用の程度でございますれば、そんなに面積をよけいとるというほどのことにはならないと思いますので、十分検討いたしたいと思います。
#254
○米原委員 問題点はまだたくさんありますけれども、今後のことにしまして、木下君に関連した質問をしてもらいます。
#255
○渡辺委員長 木下元二君。
#256
○木下委員 関連した質問といたしまして、私は渡辺参考人に一つだけお尋ねしたいのですが、先ほど、この問題についての間接被害に対する補償の基本的な考え方を述べられました。間接被害というのはさまざまな被害があって、一様に考えられない、実情に応じて公平に誠意をもって対処したいというお考えを述べられましたが、では、直接被害に対してはどのようなお考えでいられるのですか。
#257
○渡辺参考人 直接被害につきましては、一番大きな被害は漁連さんに属する被害でございます。漁連さん関係、これにつきましては、漁連さんと被害の実態をよくお打ち合わせいたしまして損害額を出したい、かような考え方でおります。
#258
○木下委員 私が伺っておりますのは、直害被害と間接被害では、どう補償していくかということについて基本的な考え方が違うのかどうか、違うとすればどういうふうに違うのか、これを伺っているわけです。
#259
○渡辺参考人 直接被害の場合は、この査定基準と申しますか、そういった面が比較的はっきり出てくるのじゃないか。間接被害の場合は、同種の業種でございましても、地域とかそういうことで、必ずしも直接漁業被害のように基準の問題が明らかでないというようなことがあるのじゃないか、かように考えます。
#260
○木下委員 結局は、その実情に応じて公平に誠意をもって対処するというふうに間接被害の場合に言われましたけれども、その考えは直接被害の場合も同じだと思うのです。いま言われましたように、査定基準という言葉を使われましたけれども、認定を具体的にする場合に幾らか複雑な場合が起こり得る、そういうことだと思うのです。これも間接被害の場合すべてがそうだということではなくて、そういう場合があり得るということだと思うのですよ。もともと言えば、直接被害といい間接被害といい、これはそういう法的概念があるわけじゃないのですよ。直接と言おうが間接と言おうが、相当因果関係の範囲であるかどうかということが問題なわけですね。だから、相当因果関係の範囲にあるならば賠償義務がある。一体その範囲に含まれるかどうか、その限界がはっきりしないものが間接被害の場合にはあり得る場合がある、こういうことだと思うのです。これは私もわからぬでもありませんけれども、しかし間接被害がすべてそうだということではありませんし、だから、間接被害だからといって直接被害と区別した扱いをされるということは私は理解できないのです。被害の額から言いましても、間接被害の場合が大きい場合だってあり得るし、あるいはより緊急な場合だってあり得るわけなんです。だから、この被害をどういうふうに補償するかという点では、これまでの扱いを見ておりますと、劣後的債務と申しますか、何か直接被害のほうを優先して扱って、間接被害は劣後的に扱うというふうなそういう取り扱いが見られるわけなんです。そういう点は私は困ると思うのですけれども、いかがでしょうか。
#261
○渡辺参考人 先ほどもおわび申し上げましたように、油の回収に非常に紛れておりまして、間接被害のお話は、承ったという程度にとどまっているのが非常に残念でございましたが、できるだけ実情もお聞きいたしまして早急に進めたい、そういうように考えておりますので、御了承いただきます。
#262
○木下委員 先ほども、越年資金的な補償が若干なされておるというお話がありましたけれども、これもまあ不十分だと思いますが、間接被害のほうにはされておりませんね。
 たとえば、私も淡路などに行ってまいりましたけれども、漁場にある、この魚を扱うところの卸売組合だとか仲買組合だとか、こういうところは、もう漁民のほうが水揚げがないものですから、これと直結をいたしておりますし、水揚げがなければもうこの仲買組合や卸売組合もお手上げの状態なんですよ。開店休業であります。そういう状態がもうずっと年末から続いておるのです。また、旅館なども魚釣りの客等のキャンセルが続出をいたしまして、これも開店休業の状態であります。だから、この総額をどういうふうに決定するかということはいろいろ問題がありましょう。ではなくて、内払いというふうな形でも結構でありますが、一定の補償はこうした間接被害の方々にも早急にされるべきだと思うのです。いかがですか。
#263
○渡辺参考人 御指摘のとおり努力いたします。
#264
○木下委員 そうしますと、先ほど、今月末に補償をする、その補償の内払いとして補償をするということを言われましたけれども、これはできる限り間接被害も対象にして補償をする、こういうふうに約束をしていただけますか。
#265
○渡辺参考人 この点につきましては、同じように考えてまいりたいと思います。ただ、くどくなりますが、補償額につきましていろいろ問題点も出てくると思いますものですから、内払いというような形もしくは場合によりますと御用立てというような形、その辺は誠意をもって処したいと思います。
#266
○木下委員 結構です。
 それからもう一つお尋ねします。会社のほうの対策本部でありますが、これもさっき言われましたように、大阪とか岡山とか香川にはつくられておるようですが、淡路島にはないのですね。私も淡路に行きましたときにその会社側の人と会いましたけれども、責任ある立場の人がいないのですよ。漁民などが話し合いに行きましても、取り次ぐようなかっこうで、大阪と連絡をとるなどして、もうほんとうに、端的に言いますと子供の使いのようなかっこうで、話にならないわけですね。ですから、これは特に淡路島というのは島として独立して離れているのですから、ここに対策本部を置いていただきたい、こう思うのです。いかがですか。
#267
○渡辺参考人 よくわかります。当初大阪に対策本部を設けましたのは、当時の回収のための諸資材の手当てというのが先決でございまして、大阪に設けたわけでございますが、回収も皆様の御協力でだんだん進んでおりますし、これからは補償の問題、そういった問題が大切になってまいりますものですから、早急に検討いたしたいと思います。
#268
○木下委員 それはひとつぜひしていただきたい。淡路の人が、漁民やあるいはいろいろな被害者が、わざわざ大阪やあるいは神戸のほうへ行って補償の話をするということでは、これは話になりませんから、ぜひひとつ淡路につくってもらうように、よろしいですね。では終わります。
#269
○渡辺委員長 岡本富夫君。
#270
○岡本委員 時間が相当遅くなりましたから、簡潔に質問しますから簡潔にお答えいただきたいと思います。
 最初に大島参考人にお聞きいたしますけれども、現在破壊しましたこのタンクを製造してあなたのところに据えつける、そのときの所長さんはあなたですか。それをちょっと。
#271
○大島参考人 はいそうでございます。
#272
○岡本委員 このタンクはどこが設計施工したんですか。これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#273
○大島参考人 総括契約者は千代田化工建設でございます。それでタンク本体は石川島播磨重工、基礎は熊谷組でございます。本体は、設計は石川島播磨重工でございます。
#274
○岡本委員 そうしますと、設計施工は石川島播磨重工ですね。
#275
○大島参考人 タンク本体のでございますか。
#276
○岡本委員 ええ。
#277
○大島参考人 はい。
#278
○岡本委員 この事故がありましたときに、私どものほうの調査団も参りましたときにわかったことでありますが、このタンクの側板、これは二十二ミリ、それから底板、これは十二ミリの設計、こういうことでありましたが、間違いございませんか。
#279
○大島参考人 最底部の側板は二十七ミリでございまして、底板部は十三ミリでございます。
#280
○岡本委員 あなたのほうがこのタンクを受け取るときに、その底板部は十二ミリありましたか。この私どもの調査によりますと、九ミリしかない、こういうことになっておるんですが、いかがですか。
#281
○大島参考人 底板部のスケッチプレートが十二ミリで、底板の板は九ミリでございます。
#282
○岡本委員 そうすると、このタンクは設計どおりできていたということは間違いないわけですか、もう一度。
#283
○大島参考人 いわゆるAPIその他の規格にマッチして、完成検査も合格しておりますから、できているものと思います。
#284
○岡本委員 消防庁にお聞きしますけれども、このタンクは、C重油が平均何度で計算されておるわけですか。何度で計算されて、このタンクなら間違いない、こういうことになっておるのですか。この点ちょっとお聞きしておきたい。
#285
○永瀬説明員 タンク設計及びそれの審査につきまして、内部の温度というものは特に規定をいたしておりません。また考慮をいたしておりません。
#286
○岡本委員 三菱さんの方はどうですか、わかりませんか。これは温度が十五度平均で大体計算して設計がされているらしい。ところが、事故時には八十五度の温度になっておる。こういうことが私どもの調査ではっきりしたわけですが、この点についてはいかがですか。
#287
○大島参考人 おっしゃるとおりでございます。
#288
○岡本委員 そうしますと、このタンクの検査というかあるいは規格というか、こういうものが、実際このタンクにC重油を入れて、これは貯蔵するに適するのかしないのか。
 もう一つは、三菱さんにお聞きしますが、あなたの作業日誌を見てもらったらわかりますけれども、あのタンクのところから絶えず油がにじんでいた、こういうことがあるのですが、いかがですか。
#289
○大島参考人 伺っておりません。
#290
○岡本委員 私ども、あなたの方へ行ってよく調べたら、そういう事実が次々に出ているわけですがね。ですから、これはできてまだ非常に新しいですね。一番最初の検査、タンクができたときの検査と、それから、そのタンクが最初からこれだけの重油を貯蔵するだけの能力に欠けていたのじゃないか。そういうことについては三菱さんは全然試験もせずに、持ってきてもらったら、ああそうですかと簡単に受け取っておるのかどうか。この点について、伺っておりませんとか言うが、私ども行って調べたんです。絶えずあの辺に油がにじんでいた、こういう事実を聞いてきておるわけですがね。そうすると、あなたの方は、その石川島播磨さんから持ってきたやつを、熊谷組さんですか、あるいはまた千代田化工ですか、これが施工したそれを、そのままうのみに受け取っておるわけですか。その点ひとつ聞いておきたいのです。
#291
○大島参考人 完成検査と水張り検査は立ち会いしております。
#292
○岡本委員 それだけですか。
#293
○大島参考人 はい。
#294
○岡本委員 どうもこういう姿を見ますと、石油コンビナートあるいはまたこうした石油の貯蔵をする会社、企業が非常にずさんな、ただ水だけ張って、これは出ません、こんな簡単なことでこれからいけるのかどうか、私はこれを見ますと非常に心配なんですがね。やはり会社は、普通自分のところで機械を買ったりするときにはよく点検して、調べて、これなら間違いないということになって、それからお金を払うということなんですが、こういった面を見ますと、あなた方の方もただもう試験通ったからこれでええ、あるいは消防庁が来たからこれでええ、こういうのは非常に企業として、勉強もしないというのか、あるいはまたそこまでの調査もしないというのか、これはこんな恐ろしいものですからね、危険なものですから、それに対して非常に安易ないままでの企業の姿ではないかと私思うのですが、社長はどういうふうに考えられますか。
#295
○渡辺参考人 先ほども一度申し上げたところでございますが、このタンクは比較的新しい工法でございまして、これにつきましては十分検討の上設置したものでございます。たまたま大島参考人は製油所長ではございますが、いわゆる運転の管轄をしておりまして、建設の関係につきましては建設部というのがございまして、そちらが全部やっておりますものですから、非常に不的確なお答えになっておるように、私もそばにいて考えておるわけですから、どうぞ適当な機会に当の責任者を御召喚していただきましたら幸いだと思います。
#296
○岡本委員 どういうわけでこうなったか、建設に対するミスがあったのか、あるいはまた設計がどうだったとか、少なくとも所長さんやあるいは社長さんは、その原因も建設部あるいはいろいろなところから聞いて、そしてやはり把握しておくだけの責任がある。それでなかったらきょうは大島さんに来てもらうことなかったのだ。そういうことを聞かねばならぬというわけでお二人においでいただいたわけですよね。何にも知らぬ人が来たって話にならぬね、これは。まあお帰りになりまして、もう一度その点をよく建設当時からの――法務省もおりますけれども、ここらがあなたの方の大きな、これからの一つの原因調査やら、大問題になってくると思うのですよね。それをおろそかにしておかれたんじゃ、私はちょっとおかしいと思うのです。またそれがはっきりして初めて次のあちこちの、これから備蓄もしなければなりませんので、そういうものの大きな今後のわが国の、一つの災いを転じて福となすという、その経験の種になるんじゃないかと私は思うのです。まあこれだけ言っておっても仕方がありませんから、その点はよくもう一度お帰りになって検討してください。
 次には貯蔵タンクの地盤沈下の問題ですが、これはできてから非常に間がないのですが、この地盤沈下の問題につきましてもちょっとお聞きしようと思ったけれども、これも所長さんわからぬでしょう。わかりますか。全然わからぬのですね、これは話にならぬ。何も知りませんなんてのは話にならないですよ。しょうがないな。わからぬのに質問しても仕方ない。後ろの人わかっているのですか、全然わからないのですか、もう一遍ちょっとはっきりしておこう。
#297
○大島参考人 御質問によってお答えいたします。わかるものはお答えいたします。
#298
○岡本委員 じゃ、このいまのタンクの地盤沈下が、据えつけてからこっち行われているのか行われていないのか、これについてわかりますか。先ほどからも話がありましたように、たとえば名古屋におきましては三十何センチも傾いているわけですよ。そういうことについて、このタンクは全然傾いてはいないのですか。地盤沈下の問題との関係でどうなっているのですか。これをお調べになりましたですか、いかがですか。
#299
○大島参考人 いま現在は亀裂部から奥の方に相当えぐれておりますから、当然地盤沈下というか傾いているのは事実だろうと思います。それで、はかってはおるはずでございます。数字はいま私は持っておりません。
#300
○岡本委員 結局わからぬことじゃないですか。質問したってわからぬということじゃないか。わかっていることは答えますなんて言うけれども、結局わからぬことじゃないですか。こんなことではお話になりませんね。
 次は十二月の十八日、事故当時に消防署にはあなたの方から連絡をしておりますけれども、海上保安庁の方には全然連絡をいたしておりませんですね。いかがですか。
#301
○大島参考人 九時三十八分に御連絡申し上げております。
#302
○岡本委員 これは事故が起こったのはいつですか。
#303
○大島参考人 十八日の午後八時四十分ごろでございます。
#304
○岡本委員 海上保安庁は消防署からの連絡を受けて、そしてこの事故を知った。しかもその前に、消防署が三菱さんの正門前へ行ったら、正門では事故のことを知らなかったというのです。これはNHKの放送で向こうの消防署長がそう言っているのですね。
 それから、いま言いました海上保安庁は消防署から連絡を受けて三菱石油のこの事故を知った。それもあなたがおっしゃったように二十一時三十八分ですか。あなたの方は海上保安庁にほんとうに連絡したのですか、どうですか。海上保安庁聞いていますか、いかがですか。
#305
○隅政府委員 当方の記録によりますと、二十一時三十八分、三菱石油水島製油所からわが方の水島保安部警救当直松岡警救係長のところへ、次のとおり連絡があったという記録がございます。すなわち、五万キロ重油タンクに亀裂ができて九号棧橋から重油が海上へ流出しているという報告を三菱石油から受けております。
 なお、二十一時五十五分に私の方から水島警察と消防署に連絡したところ、警察も消防もすでに三石から情報は得ているという返事をいただいております。
#306
○岡本委員 そこで、海上保安庁はその報告を受けて非常に海上保安庁の出動がおそい。たとえば一夜明けた十九日の朝、重油の拡散を心配した第下津井漁協の小山克巳組合長が、午前六時ごろ海上保安部に、漁船を出して回収作業に協力しましょう、こう言うと、保安部で処理できるからわれわれに任しておいてもらいたい、こう言って断ったと言う。また十九日の午後に高松の方の漁連からも、協力するから何とかひとつ海上保安部でやってもらいたいと言っていったところが、これも断られた。こういうようなことで、あなたの海上保安庁の方の出動といいますか、あるいはこれに対する対処が非常に遅かったのではないか、こういうような現地からの情報があるんですが、いかがですか、この点について。
#307
○隅政府委員 二十一時三十八分に報告を受けまして、二十一時四十分に全員に非常呼集をかけております。中型の消防艇「ぬのびき」は二十一時五十七分にすでに保安部の前の岸壁、巡視艇の船着き場から出動をいたしております。それから二十二時十分に「きよなみ」が、これは二十三メートル艇でございますが、出動をいたしました。なお、玉野、坂出それから下津、関係の保安部からもその日の二時ないし三時ごろから全部行動を起こしまして、水島に船が参っております。
 なお、漁業組合とのお話し合いにつきましては、当方でも非常に心配いたしまして、保安部長あるいは現地に問い合わせをし、保安部と漁業組合とのお話し合いを注意をいたしまして調べましたところ、乳化剤の問題につきまして、零時十五分に南条会長さんとお電話をしたとか、あるいは、その日の十九日の二時四十五分に組合長さんたち、そのほか七名の方が来部して、いろいろな問題をお話をした。それから漁船を全部出すからというようなお話、それはこのときに事態が非常に急迫いたしておりましたので、そういう電話連絡があったかどうかという点をただいま調査をいたしておりますけれども、その点は明確な記録が残っておりません。
 なお、香川県につきましては、われわれは一時に高松保安部から香川県漁連に御連絡をいたしまして、一時間後の二時には高松保安部に漁連の関係の方と水産部の課長さんがお見えになりまして、事態を検討いたしております。
 われわれといたしましては、事件の突発当初、連絡は十分にいたしたつもりでございますけれども、やはり早急、火急の間にいろいろの手落ち、あるいは連絡漏れがあったということも反省をいたしておりまして、こういう点につきましては、やはり将来にわたっていろいろの教訓を得たいというふうに考えております。
#308
○岡本委員 漁連では、要するに船を航行させないようにしてくれというような意見まで言っているんですが、あなたの方では船の航行を許して油をさらに拡散さしたということで、非常に地元の漁民の皆さんは海上保安庁のやり方については厳しい批判を持っております。
 こればかり言っても仕方がないし、時間があれですから、次に環境庁長官、実は東京大学の西村肇助教授が「瀬戸内海の石油による汚染」という論文を発表しておりますけれども、これを見ますと、タンカーの事故、こういうのもありますけれども、まず、石油の荷役に伴って瀬戸内海に排出されるところの油が約百五十トン、これは処理水を一〇〇ppm、そういう基準に見て百五十トン、それから石油化学工場から出る、それが年間約千二百トンから二千トン、それから石油類の処理過程で排出されるものが年間二千五百トン、こういうようにずっと一つ一つデータを取って出しておりますから、この瀬戸内海は、油によるところの汚染というものが相当進んでいるわけですよ。しかもそこに今度の水島のこの問題がありまして、要するに現在の基準といいますか、油は何ppmという基準は普通の基準です、これは全国一律ですから。そこへ今度水島のこの油の汚染でしょう。そうなりますと、これはこのままいくわけですから、絶対この瀬戸内海はよみがえらない、こう判断してよいと私は思うのですよ。
 そこで今度いろいろ見まして、タンクは消防庁、それから流れた油も、油の流れているところが川の上だったら環境庁、海へ行ったら海上保安庁、沈んだら水産庁と、あらゆる行政がめちゃくちゃに入り乱れているわけでしょう。したがって、私この前もあなたに提案しましたように、われわれが瀬戸内海環境保全基本法、この臨時措置法の前でしたが、そういうのを提案したときに、実施本部というものをやはりつくらなきゃいかぬ、そして全部のものをチェックして、そして強力な環境対策をやらなければ、これは瀬戸内海どうもならない、こういうように私も提案申し上げたのですが、先ほども審議会の話がありましたが、審議会あたりではこれは間に合いません。そうでしょう、陸上のやつまでありますからね。ですからその点について、瀬戸内海環境保全実施本部、こういうのをあなたこの前検討するとおっしゃった。先ほど海部副長官が来て、環境庁に命じて何か今後の環境調査をやらせます、どっちがほんとうの環境保全の官庁かわからないですよ、これは。ですから、もう一つ勇断をもってあなたが閣議でいろいろ話して、そしてこの瀬戸内海環境保全実施本部をばちっとあなた本部長になってやる、そういう決意がなければ、これは瀬戸内海はどうにもならなくなりますよ。この点について、ひとつ決意のほどを伺っておきたい。
#309
○小沢国務大臣 私は、着任以来、瀬戸内海の環境保全の本部長になったつもりで、実は各省にいろいろ注文をつけてやっているのでございますが、いま現実に整備本部を現地に置くかどうかということについては、私としても、御意見のように、ぜひそうしたい。ただ、役所の機構をつくるということは大変むずかしい問題なものですから、そこで、先生方の御意見があったので、早速現地対策本部を設けまして、これを総合調査との絡みで何とかひとつそういうところまで持っていきたいと思っておりますので、おっしゃることは同感でございますが、実際行政機構ということになりますとなかなか容易でありませんけれども、私も全力投球でひとつやってみたいと思います。
#310
○岡本委員 緊急対策本部はできたのですよ。これは先ほど聞きますと、緊急対策本部だからじきに解体してしまうらしいですね。それで後は環境庁にやってもらうということです。環境庁の権限というものが非常に弱いです。長官の、大臣になったその位によって変わるのじゃ話にならないですよ。ですから、どうしてもあなた、もっと環境問題については本当に意欲を出して、そして、その縦割り行政のいろいろなぐあいの悪いところがいま出てきたわけですから、これを契機にしてやっていただかないといけない。これを一遍見てください。あなたもごらんになったと思うが、まだこういう油のこんなのがずっと瀬戸内海の中にあるのです。ひしゃくでちょこちょこやるのは原始時代の話です。なかなか取れない。これが船で行くとぎらぎらしまして、もう帯状になってまだいっぱい流れていますよ。これを全部取るということは大変なことですよ。だから、あなた本当に真剣になってやっていただかぬと話にならぬと思います。それは要望しておきましょう。
#311
○渡辺委員長 答弁、よろしいですか。
#312
○岡本委員 答弁しますか。
#313
○小沢国務大臣 本当に先生おっしゃるような気持ちでひとつやりますから……。
 この水島事故の臨時対策本部というものは、それは臨時のものでございますから、この水島の対策が終わればそれぞれやめるだろうと思います。ただしかし、私がねらっておりますのは、せっかくその機会に総合調査もやりますから、それをひとつ実体的に残していって、おっしゃるような効果を挙げていきたいと考えております。そこを突破口にして何とかひとつつくろうと思っております。それからこちらのほうでは本部長になったつもりで、閣議でもあるいは関係省庁に対しても最大の努力をいたします。
#314
○渡辺委員長 坂口力君。
#315
○坂口委員 最後になりましたので簡潔に質問させていただきすので、ひとつ御答弁も簡潔に、しかも適切にお願いをしたいと思います。
 けさからるる皆さん方からの御答弁もございましたし、この水島製油所の重油流出事故というのはまことに不幸な出来事であったわけでありますが、この結果はわれわれに多くのことを教えているというふうに思うわけであります。
 まず最初に、昭和四十六年の十一月にリベリアのタンカー、ジュリアナ号の事件がございまして、七千キロリットルでございましたか、流出した事件がございました。そのときに、その後でいわゆる国の確認事項というのがつくられたと聞いておりますが、これがどんなものであったか御存じでしょうか。御存じのところ、ひとつお答えいただきたいと思います。
#316
○寺井政府委員 ジュリアナ号の事件が起こりましたのが四十六年の十一月三十日でございますが、十二月三日の閣議で油処理剤を含めた化学剤についての管理、取り締まり、整備のため、内閣官房において必要な調査及び措置をとるということが合意されました。これを受けまして内閣官房長官決裁で、化学剤の管理取締体制の整備に関する関係各省庁連絡会議が設置されまして、この関連の調査及び対策を協議することになったわけでございます。
#317
○坂口委員 国が、一応確認事項として四項目がなされたということを承っております。一、事故発生と同時に着手できる油の防除体制の確立、一、十分な防除資材の備蓄、一、各省庁、自治体、民間の一元的総合対策、一、事故防止のための総点検、この四つがあの直後に確認されたということであります。見せていただきますとまことにりっぱな確認事項でございまして、この確認事項が四十六年の十一月以降いかに守られてきたかということだろうと思うのです。このときに確認だけしておいて、その後は今日まで何もやってないというのではぐあいが悪い。この確認事項の後どういうふうなフォローがなされたかということについて、もし環境庁の方で何かございましたら、ひとつお答えをいただきます。なければ結構です。
 まことにりっぱな四カ条の御誓文があるわけでございますけれども、いかにりっぱなものができましても、その後これがフォローされていなければ何にもならないわけであります。恐らく今回の事件の後でもまた幾つかの確認事項が出されるであろうと思いますけれども、そのときに、ただ確認されるということだけではいかんともしがたい。やはり今回のこの不幸な出来事を二度と繰り返さないように、ひとつ今後の体制というものを確立をしていただきたいと思うわけです。
 先ほども議論がございましたけれども、この発生源が船舶でなかったために海洋汚染防止法の適用ができなかった。あるいはまた事故であるために港則法からもはずれておりますし、海上でありますために消防法だとかあるいは災害対策基本法からもはずれている。こういったことで、先ほど藤本さんでしたかの御質問にもありましたけれども、こういったものをひっくるめた一つの法律なるものをおつくりになるお気持ちがありますかどうか、この点、環境庁長官の御意見を承っておきたいと思います。
#318
○小沢国務大臣 先ほども、実はちょうど参議院へ抜けている間にあちらで同じ質問が出ました。先生方の考え方としてはごもっともだと私は思うのです。私も政治家として考えますと、そういうものが必要だなという感じはいたしますが、何分どうも現在の日本の行政のそれぞれ権限、責任分担というものが非常に専門によって分かれております。したがって、どういう法律でそういうようなことを実現をしたらいいのかという点を考えますと、お説のような趣旨の総合立法というものはなかなか困難ではないか。つくりましても、結局それを実行する者がそれぞれの責任庁になりますので、非常にめんどうじゃないかと思うのですが、ただ、ここで私がいまひそかにというと大変恐縮なんですが、自分だけでいろいろ考えておりますのは、たまたま瀬戸内海の環境保全臨時措置法というものがございますので、この法律をひとつ徹底的に勉強しまして、これを整備することによってそうした目的を達成できないかということで、これは先生方の御協力でできました法律でございますが、所管は私どもの所管でございますので、しかも、海上の汚染を考えた場合には、他の地区は外洋に接しておりますけれども、瀬戸内海は特殊な地域でもございますし、その意味でこの法律を何とかひとついろいろ検討いたしまして、御要望にこたえるような方向に持っていきたいと目下検討中でございます。
#319
○坂口委員 検討いたしますというお得意の御答弁というふうに承っておきます。
 三菱の社長さんに一つだけお聞きをしておきたいと思いますが、沿岸漁民等に対します直接あるいは間接の補償問題につきましては、先ほどから幾つか議論をされました。もう一つ、この海域がひどく汚れたわけでありますけれども、それによりまして海の中の生態系にどういうふうな影響を与えているかは、これは調べてみなければわからぬと思うわけでありますが、その海底調査や研究に対しても負担をなさる御用意があるかどうか、その一つだけ承っておきたいと思います。
#320
○渡辺参考人 先ほどもちょっとこの問題に触れましたですが、将来明確になりますれば、誠意をもって考えたいと思います。
#321
○坂口委員 先ほども出ましたが、名古屋やらあるいは四日市市で石油タンクの不等沈下が調べられておりますが、これは消防庁が保安面でチェックをしておいでになると思うわけでありますけれども、地盤の強度についての公式な基準がないということでございますが、この不等沈下の非常に激しかったものに対してどういうふうな処置をとられるのか、これはそのままで基準がないからとほっておかれるのか、行政指導をどういうふうになさるのか、その辺のところ、いかがでございましょう。
#322
○永瀬説明員 先生御指摘の不同沈下の報道につきましては、昨年の十二月に全国一斉に指示いたしまして、今月中に不等沈下あるいはタンクの漏洩その他を検査するよう指示したことによる結果でございますが、報道されましたように、名古屋において非常に顕著な不等沈下を来しているタンクが発見されましたので、本日付をもちまして、不等沈下の著しいタンクにつきましては中の油を抜きまして、中からもタンクの底板、側板というようなものの安全性を確認するよう指示したところでございます。
#323
○坂口委員 もう一つだけお聞きをしておきたいと思います。
 政府は、五十年度から五ヵ年計画で九十日備蓄を行うという方針を出しているわけでございますが、これは環境庁長官にお尋ねをしたいと思いますが、いままでのようなコンビナート建設の計画というものに対して、今回の事故を含めた現状を踏まえて、変更を進言するお気持ちがおありになりますかどうか、ひとつお聞きしたい。
#324
○小沢国務大臣 変更という御趣旨がよくつかめないのでございますが、私は備蓄は国家的に必要なことだろうと思いますけれども、その設置の場合には、今度は将来事故が絶対に起こらないように、私どものほうからも強くいろんな注文をつけたい、かように考えております。
#325
○坂口委員 長官、最終的に今回の事故を振り返られて、そしていまおっしゃったように今後の大きな計画にも直面しておいでになるわけでありますが、いま長官もおっしゃったように、これを二度と繰り返さないために特に注意をしなければならないこと、これは幾つかあると思いますが、現在長官が頭の中に描いておいでになりますもので、特にこれだけは厳重に注意をしておきたいというものがございましたら、ひとつこの際発言をしていただきたいと思います。
#326
○小沢国務大臣 私、本日の質疑応答を通じましていろいろ考えておりましたのですが、まず防油堤の問題は、これはもう少なくとも現在のような防油堤ではだめだ。御承知の一つのタンク群に防油堤をつくっているだけで、しかも二つのタンクの二分の一、他は一割ずっという、全体から見ますと、五つあれば大体一基分というようなことでございますし、それから先ほど来いろんな質疑応答がありましたように、二重、三重にこの防油堤をつくらなければいかぬではないかという点も、水島へ行って痛感をいたしております。この点を徹底したい。
 それから、それぞれそういうような備蓄基地といいますか、あるいは今後石油基地についての防災体制については、あらゆる官庁にすぐ事故の発生が連絡できるような近代的な通報システムを持たせる義務を負わせるべきじゃないか、あるいはみずからコンビナートには少なくとも、先ほど米原先生から一万メーターのオイルフェンスが何かむだになったというお話がございましたが、私どもは使わなかったのがあったのかということは、私の方の聞いている範囲とは少し違うのでございますけれども、少なくともそういうオイルフェンスについて、あるいはまたその他の防除資材について十分な設置を、海上保安庁は国の予算で毎年一隻、二隻というような程度でなくて、やはり共同してそういうような回収船を含めた設備を十分持たすべきじゃないか、こんなことを特に私はこの事件と、その後いろいろ委員会での質疑応答を通じまして感じている点でございまして、これらの点はやはり国としても、将来はともかく、現状においてもできるだけ関係各省に要望しまして、指導、督励をしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#327
○坂口委員 終わります。
#328
○渡辺委員長 以上をもちまして政府並びに参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人各位には御多用のところ長時間にわたり御出席いただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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