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1949/03/04 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第17号
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1949/03/04 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第17号

#1
第007回国会 水産委員会 第17号
昭和二十五年三月四日(土曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 鈴木 善幸君 理事 夏堀源三郎君
   理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君
   理事 中西伊之助君 理事 早川  崇君
      小高 熹郎君    川端 佳夫君
      田口長治郎君    田渕 光一君
      冨永格五郎君    福田 喜東君
      小松 勇次君    長谷川四郎君
      中原 健次君
 出席政府委員
        経済調査官
        (中央経済調査
        庁査察部長)  吉田 龍雄君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)     松任谷健太郎君
        経済安定事務官
        (物価庁第二部
        生鮮食品課長) 岡崎 三郎君
        経済調査官
        (中央経済調査
        庁査察部食糧課
        長)      關口八太郎君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
三月二日
 委員田渕光一君辞任につき、その補欠として山
 口好一君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員山口好一君辞任につき、その補欠として田
 淵光一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月一日
 水産業協同組合法の一部改正に関する請願(鈴
 木善幸君紹介)(第一六九号)
 漁業用燃油の増配に関する請願(鈴木善幸君紹
 介)(第一一七〇号)
 尾札部漁港拡張工事施行の請願(川村善八郎君
 紹介)(第二一〇〇号)
 伊浜船だまり築設工事費国庫補助の請願(小松
 勇次君紹介)(第一二〇七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員の補欠選任に関する件
 水産物の統制に関する件
 水産金融に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 本日の議事に入ります前に御報告申し上げます。去る二月二十八日、永田節君が委員を辞任され、その補欠として森下孝君が議長の指名により委員に選任されました。また去る三月二日、田渕光一君が委員を辞任され、その補欠として山口好一君が、三日には山口好一君が委員を辞任され、その補欠として田渕光一君が議長の指名で委員に選任されました。
 なお右の委員異動に伴いまして、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員、漁港に関する小委員、漁船並びに水産資材に関する小委員が各一名、漁業制度に関する小委員、水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員が各二名欠員になつておりますので、これが補欠選任を行いだいと思いますが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 御異議なしと認めまして、水産金融並びに漁業災害補償に関する小委員、漁港に関する小委員、漁船並に水産資材に関する小委員は、それぞれ田渕光一君を、また漁業制度に関する小委員、水産物集荷配給並びに水産貿易に関する小委員には森下孝君及び田淵光寿をそれぞれ指名をいたします。
    ―――――――――――――
#4
○石原委員長 それではこれより日程に入ります。まず水産物統制に関する件を議に付します。富永君、御発言を願います。
#5
○冨永委員 この場合私から委員の皆さんに御報告を申し上げまして、なお委員長からも各位にお諮りをお願いいたしたいと思います問題は、かねてから鮮魚の統制撤廃が近く決定されるという事実を目前に控えまして、中央卸売市場法の改正案につきまして、小委員会におきましては数回会議を開き、なお卸売業者と委員との懇談会も数回開きまして、ただいま委員のお手元に御配付申し上げましたような私案をつくつたのでありますが、大体ここに至ります経過につきましては、すでに委員の各位も御承知のことでございまして、今期国会におきましては、政府提案として上程されないという見通しがつきましたので、この場合統制撤廃後の市場混乱を防ぐ意味合におきまして、議員提出の形において出したいと考えてこの処置に出たわけであります。もちろんその場合單行法として出すか、あるいは市場法の一部改正案で出すかというような点につきましても、それ合れ小委員会で検討いたしたのでありますが、関係方面の了解のできる方法で行くことにいたしたいという結論に相なりましたので、先般来水産庁、農政局等とお諮りいたしまして、同行して関係方面の御意見を承つたのでありますが、今日の場合單行法で行く場合も、また卸売市場法の一部改正の考え方で行ぐ場合も、これを改正する点に対しては、必ずしもいまだ同意しがたい点が多々あるというような御意向も、かなり拝見いたして参つたような次第でございます。しかしながらやはりこの場合われわれといたしましては、現在の日本における水産市場における混乱は避けられない。しかも重大な結果さえ招来するのではないかとさえ懸念されておる状況下でございますので、まだ小委員会の徹底的な結論を得たものではありません。これはただ單に私一人の考え方を今申し上げておるのでございますから、小委員各位におかれましても御発言に相なつて、御意見の御発表を願いたいと存じます。きようは本委員会におきまして、以上のような経過を申し上げまして、小委員各位、また常任委員の皆さんの御了承を得られますならば、この單行法あるいは一部改正法というようなものは、この場合さらに検討を続けて行くということにいたしまして、目前に迫る事態に対しましては、水産庁当局におきましては、省令をもつてこれが善処方を要望いたしたいのであります。
 なお水産庁におきましては、御承知の通り、現在すでに東京市場におきましては、仲買い問題等につきまして、相当紛糾いたしている事態にあるのであります。これは單に東京都のことだけを申し上げたのでありますが、そうした関連性のある問題は、全国市町村方面の市場におきましても、やはりいろいろな都道府県知事のかわつた考え方から――もちろんその地方の状況によりまして、一律一体ではないのでありましようけれども、根本的な考え方さえ違つているということを聞く状況にありますので、農林当局、特に水産庁におきましては、中央卸売市場はもちろん、地方における生鮮魚介類の市場のあり方についても、準則のようなものをおつくりになつて地方へお示しするようなお運びに願いたいのであります。その場合やはり委員会にその原案を一応お示しをいただきまして、これが適切な措置をはかるようにされたいと考えるものでありますが、この場合水産庁当局の考え方を一応承つておきたいと思うのであります。
#6
○鈴木(善)委員 ただいま水産物の統制撤廃の問題に対処いたしまして、この原案にあり一まず水産物の集荷販売に対する暫定措置を講ずることにつきまして、冨永小委員長より御発言があつたのでありますが、これに関連いたしまして二、三の点を当局にただし、なお当委員会としても、これに対する方針を急速に委員長の手元で御決定願うことを要望いたしたいのであります。この水産物の全面的統制撤廃に関しましては、四月一日案あり、また仄聞いたしますに、五月十五日全面撤廃案あり、二つの案が今論議されておるようであります。私どもは、水産庁の二十五年度予算案を審議いたしました経過からいたしまして、水産物の全面的統制撤廃は、当然二十五年度讐頭から実施されるものと考えておつたのでありますが、五月十五日にその時期をずらすという案が一部にあるようであります。これば水産物の中で、非常に重要な地位を占めておりまずところのにしんの配給確保の面から、にしん漁業とにらみ合せて五月十五日案というようなものが、おそらく考えられたと思うのでありますが、このにしんの統制問題にいたしましても、生のにしんの統制の面からいたしまするならば、おおむねその時期が一応考えられるのでありますけれども、相当部分がみがきにしんその他の加工品に相なるのでありまして、生のにしんを統制しておきながら、その後において、出荷されますところの加工にしんを中途で統制からはずすというようなことは、生産者並びに加工業者の立場からいいますと、非常に迷惑千万な結果に相なるのであります。私どもは、にしんの配給確保の面からいたしましても、現在の生産、消費の全般の観点からいたしましても、すべからく四月一日に水産物全面的統制の撤廃を断行すべきであると考えるものであります。このごとにつきまして、当委員会といたしまして、早急に意見をとりまとめまして、政府当局に対しましても、また関係方面に対しましても、強くこれが実現を要望する措置を、委員長においてとられることを要請するのであります。
 またただいま冨永委員長から提案されましたところの冨永試案を拝見いたしましたが、これは主として六大都市等の中央卸売市場に対する暫定措置でありまして、私どもが水産物の統制撤廃に対処いたしますためには、この消費地における卸売市場の関係だけを取上げましては、十分な成果を期待することができない。まず生産地におけるところの集出荷の関係を、どう混乱を防ぐように対処するかという問題も、これは大きな問題であるのであります。ことに漁業協同組合が発足いたしまして、日なお浅いのであります。そして協同組合の事業の中心をなしますものは、何といたしましても共同販売であるわけであります。これは漁業者の生産資金の確保の面からいたしましても、この生産地における協同組合を中心としたところの集出荷の態勢を育成強化する措置を、われわれは講じなくてはならないと考えるものであります。その面について冨永試案について、さらに小委員会において検討を加えました上に、適切な措置を講ぜられることを要望いたしたいのであります。
 またこの統制撤廃の問題に関連いたしまして、最も重要な問題は、金融対策であります。この統制撤廃に関連いたしまして銀行方面から、荷受機関あるいは集出荷機関に対する融資の手控え、あるいは今日まで融資したものをこの機会に引上げようという、非常に銀行方面に不安があるようでありますので、これに対して、万全の対策をこの際講ずることが必要であると考えるのであります一そういういろいろな重要な問題があるわけであります。夏堀小委員長の主管になるところの金融小委員会と緊密なる御連絡をいただきまして、さらに冨永試案の全体的な整備を、小委員会において御成案あらんことをお願するものであります。
#7
○石原委員長 冨永委員の発言に対する当局の御答弁を願います。
#8
○松任谷説明員 統制撤廃の問題につきましては、御承知の通り現在はいつからすべきかという問題になつているのでございます。この統制撤廃の時期の問題につきましては、非常に影響が甚大でもございますし、水産庁といたしましては、早くその時期を確定いたしまして、諸般の準備を完了して参りたいというふうに考えているのであります。
 なお撤廃後の市場取引の混乱といつたようなことのないように、適当に善処ができますように、いろいろ各般の案を考えて、目下関係方面と連日折衝いたしているのであります。しかし遺憾ながらまだその時期の問題、撤廃後の処置の問題等につきまして、了解を得られておりませんので、水産庁といたしましては、早く明らかにするように努力いたしている段階にあるのでございます。
 なお鈴木委員からお話がございました時期の問題につきましては、御承知の通り、水産庁といたしまして、初めからいろいろと時期の関係を関係方面に折衝いたして、四月からというというような意向をもちまして折衝しているのでございますが、ただいま申し上げましたような経過でございまして、いろいろと御指導によりまして、さらに明らかにする時期が、早急に決定されるように念願している次第でございます。
#9
○鈴木(善)委員 統制撤廃の時期に関しまして、今日まで逐次いろいろな物資が統制をはずして参つたのでありますか、その統制をはずす際の政府のとつて来た今日までの共通の考え方と申しますか、それには、この統制撤廃にあたつて、一部の業者の思惑等によるところの不当の利益を得るものがあつたり、いろいろ取引上まずい結果を来たすのではないかというような考え方から、統制撤廃の前日までこれを伏せておきまして、突如として発表する傾向が見受けられるのであります。もとよりそういう弊害も一部あると思うのでありますが、しかし大局からこれを考えました場合に、あらかじめ何月ごろから統制をはずす予定であるということを、政府は国民に周知徹底せしめまして、それぞれの関係者をして、それに対処する諸般の準備を行わしめるということが、統制から自由へ移行せしめる場合の混乱を未然に防止し、その後における物資の流通確保を円滑ならしめるゆえんであるとわれわれは考える。それをどういう考え方か知りませんが、祕密主義で、統制撤廃の前日に、われわれ委員会に対してましてもその前日にこれを発表して、突如としてこれを行うというのが、今日までの政府のとつて来た態度であります。これはただいま申し上げましたように、大きな立場から考えて、決して賢明な政策ではないとわれわれは考えるのであります。そういう意味において、すでに水産物の統制撤廃は国民的な要請でもあり、諸般の情勢も完全に熟しているのでありますから、政府はあらかじめその時期を明示されて、業界に十分これに対処する対策を考究せしめるように、時間的余裕をとるように善処されるように希望するものであります。
#10
○石原委員長 この場合ちよつと申し上げておきますが、中央経済調査庁経済調査官吉田龍雄君、同調査官関口八太郎君、物価庁生鮮食品課長岡崎三郎君等も御出席になつております。
 なおこの際委員長より水産当局等へ申し述べておきますか、この統制撤廃によるところの影響は重大なるものがあると思うのであります。またこれは魚価及び統制集出荷の関係、金融の関係等、ここに重大なる問題に直面しておると思うのであります。ただいま漁政部長の説明では、少しも要領を得ないのであります。立法府においてやることと、政府においてやることとは、おのずから限界があるのでありまして、かかる重大時期に直面しておる以上は、確固たる成案があつて、中央はどうする、地方はどうするということに対する案がなければならぬと思うのであります。これを少くも統制の撤廃される直前に、何どきでも施行のできるような態勢があつてしかるべきと思います。それに対してぜひその立案という具体的のものをお示しを願いたい。これは今日ただいまはむりかもし、れませんが、あるいは明日でもよろしいと思うのであります。
 なおこの統制撤廃によるところの影響及び水産金融に関連することにつきまして、御出席の物価庁生鮮食品課長並びに吉田政府委員、闘口説明員等のそれに対する所見を、一応ここで拝聽いたしておきたいと思います。
#11
○松田(鐵)委員 それに関連して調査庁にお伺いしますが、実は昨日北海道から新聞が届いておるのであります。この新聞には、にしんの統制は撤廃しない、そういうようにきまつた、ゆえに配給計画を樹立した、かような記事が北海道タイムス紙に記載されて、昨日届いておるのであります。委員会においては、安本大臣に対しても、また農林大臣に対しても、鮮魚の撤廃はただちにすべしということで、ここで議論をしたのであります。また民自党の政務調査会においても、また党自体といたしましても、鮮魚の統制撤廃すべしという議論に決定を見ておるのであります。ところが十八品目を残されて、その他のものは現在は統制を撤廃されておる現段階になつておる。だが私ども委員会においては、水産庁に対しても、また安本に対しても、ただいま申し上げるような議論をもつて、その委員会の決定を見ておるのであります。前に水産庁長官は、向うさんにも正式にその要望をし、運動をしておるという報告を委員会にしておつたのでありますが、たまたま関係方面に行つて、その説明を聞いてみると、安本からは統制を撤廃するように資料が出ておるのでありますが、調査庁の資料はそれと逆である。それは調査庁の資料は、統制を撤廃した場合においては非常な高い価格になるというような資料になつておるということが、冨永小委員長の調査によつてはつきりしておるのであります。現在の魚価というものは、ここにおられる水産委員の方々は全部わかつておるのでありますが、魚の高くなる時期というものは、二月と八月が一番魚価の高い時なのであります。ところが本年の二月には大きなガラが来ておる。現在の魚価というものは、今までかつてない下落の一途をたどつておるのであります。なぜこのように下落しておるかといいますと、これは十八品目を除いたその他の魚の統制が撤廃されたために、非常に魚の鮮度が高められたということ、それから一つには金詰りのために需要が減退しており、今までの戰時中の統制のようなああした観念、考え方から製造され、また輸送され、ここに集荷されておる惡い魚というものは、相手にされなくなつたために、鮮度のよい、カロリーの十分にある魚でも、統制外のものはどんどん出まわつておる。つまりそうした循環が非常によくなつて来ておるために、二月、八月という魚屋の一番の書入れ時期にもかかわらず、魚の価格というものが、かつて見ないほど非常に安くなつておる現在なのであります。しかもごのにしんの価格というものは、もしこの統制が撤廃されなくても、にしんばかりでなく、すべてのものがそうでありますが、おそらく統制価格なんというものは維持することができないと私は考えておるのであります。今日さばはどういうぐあいであるか。さばは統制価格よりも二割も三割も下まわつて、今日市場に氾濫しているような状態である。にしんにおいてもその通りである。しかもこのにしんは、全部が鮮魚として輸送されるものでなくして一大量にとれるものに対しては、これを加工に持つて行かなければならない。加工に持つて行つたときにおいて、もし統制されておつたときにおいては、今まで同様あの肥料によりでき得ないような、二本どりの身欠きをとるというような状態になつて行く。また塩蔵にしんの価格が高いから塩蔵にしんにするとか、かようなことに漁業者が迷つて行く。そうして最後には、統制品であるから、金詰まりになつてしまつて、商品がわくによつて販売されるというようなことになつて行つたならば、現在でも金詰まりで、どうにもごうにもならぬ状態において、より以上の金詰まりになつて行かなければならない現状であるのであります。しからば、その統制されているがためにそういうことになると、昨年の例を見てもはつきりわかるが、昨年と今日の経済状態というものは、非常に差があるのであります。そこでこのにしんの統制を続けて行くということであつたならば、一体どういうような実態が起きて来るかということを、いま少し親切に勉強された方がいいのではないかと、私は考えるのであります。しかもどうしたヒとか、委員会に対しては、統制はただいまの松任谷部長の言われるように、いともあいまいな御答弁であつ七、統制を撤廃するともしないともはつきりしていない。ところが北海道に対しては統制を持続するという指示を與えている。一体この食い違いはどこから出て来ておるか。その内容をもわれわれに説明もせずに、ただちに北海道へそういう指示を與えておるということは、私どもが常に申し上げる国会軽視の傾向ではないか。一体こういうものはどこに原因があつたか、どこから北海道に対してにしんの統制をするという議論が、また指示が行つたのか、この点であります。しかも、前にもどりますが、調査庁の長官は青木大臣であり、安本の長官も青木大臣である。両方の大臣である。しがも片一方からは統制撤廃すべしという資料が出ておるのに、調査庁からは統制撤廃をしてはいけないという資料が出ておる。一体こうした食い違いは、一人の大臣が、しかも民自党としては統制を撤廃すべし、委員会も統制を撤廃すべし、かようになつておるのに、調査庁だけが統制を撤廃しちや困るという。一体これはどこからこういう資料が出、どこからそういう議論が出ておるのか、この点に対して私は非常な疑惑を持つておる。しかもただいま申し上げるように、国会軽視の傾向がここにはつきりと現われておる。この点に対する責任と、その理由をまずお伺いしてから、いろいろとまた議論を申し上げたいと思います。
#12
○冨永委員 生鮮魚介類の統制撤廃問題につきましては、本日の委員会の議題に相なつておりまするので、当然委員各位から論議されるわけでありますが、実は小委員会といたしましては、本日本委員会散会後、各委員の御参集を求めて御懇談をし、あるいは明後日小委員会を召集いたしたいと手配いたしておつたのでありますが、鈴木、松田両委員よりそれぞれ質疑がありましたので、簡單にこの場合御報告を申し上げ、あわせてただいまの松田委員の質問に対して附加いたしまして、私も質問いたしたいと思うのであります。
 生鮮魚介類の統制撤廃は、ただいま松田委員からも述べられました通り、党の方針でもあり、政府もそのことに努力せられ、所管大臣も予算委員会におきましてそれぞれ声明せられておることであり、かたぞ、農林省としては、すでに二千三百万円の統制予算は組んでおらないということなのでありまするから、私どもはあくまで三月三十一日を期して統制撤廃ができるものと確信して、小委員会におきましても、今日まで農林省、水産庁並びに関係方面ともそれぞれ話合を進めておつたのでありますが、昨日までの経過におきましては、きようも統制課長は熱心に出ておられるようでありますが、行つたときの話合によりますと、先ほど鈴木委員から話された、いわゆる五月十五日ということが唱えられておるわけでありますが、私はあくまで四月一日ということで参つておるのでありまするが、必ずしもその点は確実化されたものでないことは、私も一緒忙行つているだけに申し上げられるのであります。なおこれは一応小委員会で詳しく御報告すべきであるが、ただ議題になつておりまするから簡單に申し上げたのであります。今松田委員から質疑せられました安定本部と経済調査庁の資料が一致しておらないという点は、関係方面から示されました資料が、主として今日の場合特に信用しておられるからでもありましようが、調査庁の資料を取上げておられるのでありまして、その資料を拝見いたしますと、大体において鮮魚は統制撤廃後相当高まつているという表ができているわけでありまして、私どもは必ずしも調査庁の調査が粗漏であり、かたがた特にさような資料をおつくりになつたものとは考えませんが、しかしながら少くも所管大臣が青木国務大臣である限りにおきましては一今日の実情におきまして統制撤廃に都合のいい虚偽の資料を提出すべきであるというようなことを申し上げる意思は全然ありませんけれども、しかしながらここ十日間なり二週間の間における全国生鮮魚介類の需要供給価格の面を見ましたときに、非常に大きな値下りをしております。特に強く取上げておるすけそだらのごときは価格を上まわつた資料が出ておりますが、公定を上まわるどころでなく、公定の三分の一にさえなり、それですらも買人がないというような驚くべき惨落をしておるという事態にさえ当面しておるという、このきわめて近い状況今まで出したのも正確でありましようが、最近起りつつある、特に統制撤廃を目ざして起りつつある激変の実情を調査せられた資料も、あわせて御提出すべきではないであろうか。その点につきましては安定本部、水産庁の責任もむろん追究しなければなりませんが、調査庁としてもさきに提出された当時の事態と相当大巾な激変が来ておる事態の処理をなおざりにしておられるという点については、私どもはやはり松田委員の質疑に関連して、この場合意見を伺つておきたいと思うのであります。
#13
○吉田(龍)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。安本あるいは水産庁の方から出した資料と、調査庁の出しておる資料についての御質問でありますけれども、調査庁は統制撤廃に対してあたかも反対であるかのごとき資料を出しておるというお話でありましたが、実はただいままで出しておる資料は、冨永委員の御指摘になりました通り、昨年の秋統制が一部撤廃されまして、その際に自由に在りました自由価格の変動というものについて出しておるのでありまして、皆さま方も御案内の通り、相当大巾に統制撤廃後上つたという状況でありましたので、その当時全国的に資料を集めまして出したのでありますが、おそらくその点を御指摘になつたのだろうと思います。今回もし統制を撤廃されたときには、前回と同様に魚価が上るのであるというような、こういうことにつきましては、調査庁といたしましては、関係方面にも費料は全然出していないのであります。おそらく昨年の秋の資料に基いていろいろ関係官が述べていることと思うのであります。なお前の資料ばかりでなしに、最近の魚価の変動についても資料を提出すべきではないかという御要望があつたのでありまして、まつだくその通りであります。私どもの方といたしましては、毎月各地方で行つておりますところの調査をとりまとめまして、それぞれの地方の価格の変動というものを、逐一関係方面にも報告いたしているのでありまするから、決して最近のは全然報告してないというわけではないのであります。なおこの点につきましては、最近も関係方面から、各種の物資のやみ価格等につきまして、なるべく新しいところの価格の変動状況を報告するようにという要請もあるのでありまして、近くこれにつきましても資料を出すようにしているのであります。
 なお統制撤廃についての考えが、安本と調査庁は違うじやないかというようなお話でありましたけれども、私どもといたしましては、統制撤廃についての意見を関係方面等に出した亡とはないのでありまして、私どもの方は、現在動いているところの魚の統制の実態を、ありのままに報告しているというだけであります。今後の統制の方針というようなものにつきましては、これはそれぞれ主務官庁の方で考えるべきものでありまして、私どもの方といたしましては、その方針に基いてその励行を確保するという責任を負わされているのであります。これらについての積極的の意見等は今まで出しておらない。その点御了承願いたいと思います。
 なお北海道のにしんの統制につきまして、あたかも調査庁がごの統制を励行して行くのだという方針を示したようにお話がありましたけれども、これも私どもの方といたしましては、決して北海道のにしんについての統制を徹底的にやれというようなことは、さしずはしてないのであります。おそらくこれは統制が現在持続されているので、にしんの漁期になりましたときに、いかなる事態が起ろうともそれに即応するようにというので、統制が撤廃された場合にはどういう方針で進むか。もし統制撤廃が四月以降に延びるという場合にどういう方針で調査庁は臨むかを、地元の方で一応その準備を整えているということが、あるいは新聞等におきまして、統制を励行させるのだというふうに報道されたのではないかと思うのであります。中央といたしましても、現在の段階におきましては、統制の撤廃問題が非常に微妙な時期にありますので、各地方庁等の活動につきましても、十分にそれに即応するような態勢でもつてその取締り等につきましても、従来とはよほど異なつたところの態度でもつて、これの実際の仕事は行われていると確信しているのであります。北海道のにしんの統制につきましても、おそらく地元としてはそういうような、統制を実施するというようなことは明言しているのではないと私は思うのであります。私どもの方にはまだそういうような報告も来ておりませんし、おそらく何か……。
#14
○冨永委員 ただいま調査庁からの答弁がございましたが、きわめて私どもとしては不満足な答弁であります。それは、統制撤廃は主務官庁がやることであつて、われわれはただ実際現われた結果を調べるだけだというふうにおつしやるのでありますが、しかしながらその調査になつた報告書を出している。その調査の基本をなすもの、調査庁の考え方、調査書類の出し方が、私は根本から聞違つておることを指摘いたしたいのであります。というのは、ただいまのお話になりました、全国からお集めになりました調査資料というものは、主として、というよりもほとんど全部が、小売の実態、極端に申し上げれば十あるいは自由販売の場合は必ずしもそうは申し上げられないかもしれませんが、統制品の場合のごときは、犯罪の対象にさえなるのではないかという、いわゆる何人かの不都合な小売業者の取扱つている価格の資料に基いたものであります。関係方面が必要とする資料は、もちろんそういう場合も必要であリましようけれども、統制を撤廃するかどうかというような場合に必要とする資料は、少くともほんとうの需要供給の経済の流れ、国民生活に即応する価格を調査することが、調査庁の最も重要な使命であろうと私は考えるのであります。従つて卸売市場その他生産地の実態を正確にお調べになつて、しかもきわめて近い統計をお出しになることが、当然の責任であろうと考えておるわけであります。私はこの表を見ました場合に、おそらくこれはただいま申し上げた通り、不都合な小売業者の扱つている価格が主たる根幹をなしているものではないか。安定本部、水産庁方面は主として卸売市場方面から入手した資料に基くものだから、これほど違うのではないかというような感じがいたしたのであります。あるいはそうではないかもしれませんが、私はそう感ずるのです。その点に関しましては、ただいま全国から集めた資料云々という御答弁は、やはり私が今御質問申し上げたような懸念があるものかないものか。この点も一応伺つておきたいと思います。
#15
○吉田(龍)政府委員 私どもの方で出しておりますところの魚価の統計資料は、関係方面の要請もありまして、特に小売の面だけについての要請がありますので、その面だけのものを出しているのであります。なお調査庁は取締りをしているのであつて、違反を摘発した場合に、それらの特に惡い業者の高いやみ価格というものをとつて、これを報告したのではないかというお話でありますが、この魚価のやみ価格等の調査におきましては、そういうような違反というものとは全然離れまして、できるだけその地方の正確な資料を出す必要があるのでありまして、なるべく広い範囲において、また公正にこれを取扱うという配慮のもとに集めておりますので、特に私どもの方で調べたのが、価格が高くなつておるということはなかろうと思うのであります。
#16
○松田委員 いろいろと御答弁を承りまして、まことに私どもは考えさせられる点がたくさんあるのであります。それはお役所におきまして、まじめに自己のお仕事をなさつておるので、そういうように御答弁なさるのだろうとは考えております。ただ私が先ほど申し上げたように、魚というものはいつが一番高くなる時であるかというような、大局的に御調査なざつた方がもつと効果的ではなかろうか。それは先ほど申し上げたように、二月と八月は、今までの日本の経済界の情勢からいつて、魚が一番高い時期であります。これを除くと魚は安くなる。それから五月と十一月というのは一番安い時期であります。魚屋の損するときであります。それからただいま小売屋の価格をお調べなさつたと言われますが、まず東京都の小売商人というものの実態を調べていた、だかなければならぬ。これは今まで戰時中から引続いておつたところの統制の惰性をもつて、わずかな品物を持つていて、これでもつて高く売つて、自己の生活を維持しようと考えておるのが、現在の小売屋の実態である。薄利多売などという自由経済の根源をついておらぬのです。何でもいいから、わずかなものを持つていて、そうしてこれを高く売ろうというのが今日の小売屋の実態である。かりに今東京都内でもつて、一番安いさばを売つておるところでも、まるのまま二十三円という価格でもつて売つておる。これが都内中で一番安いところです。ところが今何ぼしておるかというと、さばは市場においては十円を割つておるというような状態です。それでも倍はもうけておる。今統制を撤廃して、そういうものに対してはどんどん多く売つて、消費者にあの店は安い店だと言われるようにして、商売の繁昌するように国が考えてやらなかつたならば、消費者である東京都民などはいつまでも高い魚を食つて行かなければならぬのです。しかも今日は魚の安くなつておる原因はまだある。肉は腐つてしまうからどんどん売らなければならぬ。こういうような影響もあるのです。こういうものをもつと広義に御調査なさつて、たとえば小売屋というものの価格を調べてよこせといつた御指示があつた場合においても、広い意味においての、魚のそうした実態を特につけてやる必要があると私は思う。私が先ほども申し上げたように、今北海道のにしん漁業は、非常な苦しい状態に立つておる。たとえば五月の十五日までかりににしんが統制されるとしたならば、一体どういうことになるか。にしん漁業は四月で終りになる。そのときにおいても、製品は今までと同じ製品をつくらなければならぬ。同じ販託の方法を講じなければならない。こうしたときにおいて、その製品がはたして販売に適応するか、しないか、こういうことであります。たとえば身欠き一つにしてもその通り、身欠きにしんというものは、背取りのいいところを生身欠きにして出すことによつて、初めて非常に消費があり、しかも金融が円滑になつて行くのである。それを赤くさびるような二本取りのみがきにし碁つて、しかもからくにかわいたものならば、肥料以外に何にもできないという実態にある。またはしりにしんと俗に言うのは、初めてとれたにしんで、これは時の魚としていくら高くても欲しいのです。下宿屋でも初めは喜ぶが、二日日、三日目、一週間目、十日目になれば、今日もにしんかということになつて、そのときになるとにしんというものは下落する。そうして普通の公定価格にまで行かぬのであります。わずかにとれておる時は高く、あとになると安くなるが、いつも全体に安いものがまわるようになることがほんとうの政策でなければならないのであります。こういう点を考えたならば、北海道のにしん漁業を目先に控えて、三月の終りになればとれるのであります、しかもわれわれが知つておるように、水産庁には統制の予算がない。一体どこに統制をする方法があるか。かような結果になつておるのに、この資料に対して万全の方法をとつていただかなかつたならば、あなた方は自分の職責からいつて、まじめな資料を出されることが最もいいことである。但し、それに対して、現在の鮮魚の状況をよくお調べなさつて、それをつけ加えてそのときに出していた、だくように上なかつたならば、向うさんはとうてい何もわからぬのであります。あなた方でさえわからぬのに、向う様が何がわかることがありますか。この点をもう少し御調査していただかなければならない。つまり小さな観点に立つたあなた方の資料によつて、統制を持続されて行つたときにおいては、北海道ばかりではない、この辺の漁民というものは、その資料一つによつて非常な死活問題を起すという現在になつております。当局としても、先ほど申し上げたように、統制を撤廃すべく、水産庁もその意見であり、安本長官もその御意見である。この点に対する十分のお考えをもつて、まじめに今田の魚の状況と、それから十分なる資料を提出していただきたい。向うから持つて来いと言われる前に、どうか急速に資料を提出していただきたい。かように私は考えるのであります。いずれまた小委員長からいろいろと御相談あることと存じます。
#17
○冨永委員 この場合、私は委員長に要請いたしたいのでありますが、先ほどから申し上げました通り、経済調査庁の資料が、統制を撤廃するという問題を決定いたします場合に、非常に大きな関係を持つておるのでございます。従つて小委員会におきましては、これを十分に検討いたしたいと考えますので、委員長におかせられましては、経済調査庁から、この資料の提出をでき得るならば一両日中にでも提出していただくよう、とりはからいをお願いいたしたいのであります。
#18
○夏堀委員 統制撤廃の問題について、各委員の方からいろいろ質疑がありましたので、私は簡單にこの結末について質疑をいたします。
 統制撤廃が一日遅れれば、それだけ生産業者の損害が大きいということであります。そうしてその結果、市場が非常に混乱しつつあるということであります。よつて来る結果として、小売商人はその機をねらつて莫大な利益を收めつつあるというこの点であります。統制の意味はどこにあるかというと、計画配給にあることは当然であります。だがいずれ資料をお出しになつて、どういう資料にその数字が現われるか、私も調査しておりまするが、あまり食い違いのない資料を出していただきたいのであります。私が考えていることは、大体において公定価格を大きく下まわつているのであります。そしてそれは全部自由販売になつでおる。そして産地は統制に服しており、その間に商人が非常なもうけをするのだ、こういうのであります。その時期が一日遅れれば遅れるほど、商人のみもうけて生産者か非常な損をしつつあるということであります。そうしてそのために、金融機関は出荷機関に対してこれはあとで私の所管の水産金融の面で説明を申し上げまするが、金融はもう困つておるというふうな現状であつても、統制撤廃になつた際にどういう方法で行くかわからぬから、金融はできないのであるというようなことが、魚価の暴落にも一因を来しておるのであります。そういうことで四月一日に統制を撤廃するという説あり、五月十五日という説もあるそうでありますけれども、遅れれば遅れるほど、いわゆる生産者が損をする結果になるので、この際に無意味な統制は決して継続するものではないのだということを、あちらにこの前の統制撤廃になつた品目についての資料を出したそのときには、なるほどおる程度魚価が上つたことは私も認めます。そのときと今とはどんでもない違いになつておるのであつて、おそらくあの当時の三分の一下落しておるでしよう。その当時と現在のあり方とよく対照して、あちらの方に説明なさつたならば、無意味な統制はその必要がないということは、どちらの方も考えざるを得ないだろうと思いますので、その点十分に現状を把握し、それに基いた説明によつて、すなわち四月一日までには統制は必ず全部を解くように御努力あらんことをお願いいたすのであります。
 委員長、時間もありませんので水産金融の説明をしたいのですが……。
#19
○石原委員長 どうぞ……。
#20
○夏堀委員 それでは水産金融に関して、小委員長として、とれまで審議いたしました経過及びその結果について説明いたします。なおその次に漁業に関する税制改革に対する要望事項も審議いたしまするので、その経過並びに結果を御報告いたします。
 ただいま申し上げたように、水産金融は、今の統制より自由販売に移行せんとする段階において、非常に混乱に陥りつつある。これを一日も早く軌道に載せなければならぬ。そして過般制定された漁業手形、これも積立さえも行われないというようなことで、日銀は非常に不安の念にかられておると、うような状態になりつつありますので、この機構の整備は早急にやつてもらわなければなりません。先ほど冨永小委員長から申し述べられましたいわゆる各府県への條例は、どういう條例をつくつたらいいかということの準則を、水産庁に早くお示しになつてもらいたい。これは地方によつてはすでに待ち切れないで、もうその條例の作成の準備にかかつておる府県もあるのであります。これはみんな私が今申し上げたような、混乱しつつある状態を軌道に乗せるために、そういう方法をとつておるのであります。これを一日も早く各地方に示してもらいたい。これを希望するのであります。そしてそれによつてこの水産金融を夢道に載せるのでありますが、これについては一応專門員に朗読させたいと思いますが
#21
○石原委員長 專門員をして朗読いたさせます。
    〔齋藤專門員朗読〕
   水産金融に関する件
  最近水産物の統制より自由販売に移行せんとする段階において、市場は大混乱を来し、魚価低落し、漁獲代金の未拙い続出の傾向にあり、水産界は重大危機に陥るの危險がある。これは一般購買力の減少によるところも少くないが、一部商人が自由販売の機をねらつて、金融梗塞を逆用し、買控えその他の掛引操作により不当の利益をむさぼるによるところが多い。
  よつてこの危械を未然に防止するため、政府はすみやかに左記緊急措置を講ずる等適正円滑化をはかることを要求する。
    記
 一、市場機構の整備をはかるとともに、これと緊密なる連繋と操作を強化し、漁業手形の活用を積極化すること。
 二、仲買制度を復活し、保証金制度により金融機関の信用を高め、金融の円滑化をはかること。
 蔓水産加工を奨励して魚価の調整をはかり、倉荷証券、荷為替金融等の利用育成に努め、水産加工手形の日銀再割引による資金の円滑化をはかること。
 四、水産加工品の価格の低落その他の事故に備え、販売金額の一割程度の保証積立を実施すること。
 五、生産者を主体とする組織により、大消費地に冷蔵庫、水産倉庫を設置し、水産物の需給調整並びに魚価の適正をはかること。なおこれが建設には見返り資金の運用をはかること。
 六、漁期を目捷にひかえたにしん、ほつけの買付並びに決済資金については、特に混乱を来さざるよう特段の考慮を拂うこと。
#22
○石原委員長 ただいま金融小委員長よりの御報告に対して、御発言がありましたならばお願いをいたします。
#23
○鈴木(善)委員 夏堀小委員長の水産」金融に関する小委員会の御提案につきましては、おおむね私も賛意を表するものでありますが、ただこの中の第二項に記載しておりますところの、仲買制度を復活し、保証金制度により金融機関の信用を高め、金融の円滑化をはかる、この仲買制度を復活しと、こういうぐあいに割り切つておるのでありますが、各生産地並びに消費地における、その地方々々の実情に即応して、適当な売買の方法を講ずべきであつて、はたしてこのように仲買制度を復活するというぐあいに当委員会として割り切つて結論を出すべきかどうかという点について、若干疑義を持つのであります。生産地におきましても、非常に大量に水揚げされます生産地で、これを迅速に取引を行い、これを出荷する場合に、仲買制度の存続は大きな売買の円滑化の機能を発揮する一つの要素ではありますけれども、他面仲買人の操作によるところの幾多の弊害もそこに伏在いたすわけであります。これらのことは、取引の円滑化とそれに伴うところの件買制度の弊害ということも種々勘案いたしまして、地方々々において実情に即するような取扱いをなすべきであると思うのでありまして、当委員会が、仲買制度の復活を今後における水産物の配給体制として、ここに強く押し出しで行くということについては、若干の疑義を私は持つものであります。この点だけを夏堀小委員長の御見解を承りたいと思います。
#24
○夏堀委員 仲買制度の復活について、なるほどここにはつきり明記したことは、そのためにある程度の弊害があるのじやないかというような御心配もあるだろうと思うのであります。私も実はそう考えましたが、だがこれでは、一つの今後の取引の上におい、信用を高めるという方面においても、ある程度の人員を、これは人員に制限を置く必要はないのでありますけれども、その資格をきめて、その仲買に対して販売するのだ。たとえば小売商であつても私の考えとすれば三段階にすることができる。県外出荷だとか、県内出荷だとか、あるいは地元小売向けとかいうぐあいに、仲買に対しては一つの段階を定めて、適当にその力によつて売買するのだというようなことに考えておりますので、これは一つの業務規定においても、こういう制度を設けなければ非常に混乱をするのじやないだろうか、こう考えたわけで、ここに具体的に入れたわけでありますので、この混乱を防止するために、むしろこういう方向に持つて行つた方がいいのではないか、こういうふうにさえ考えたわけであります。
 第六の漁期を目睫にひかえたにしん、ほつけの買付並びに決済資金については、特に混乱を来たさざるよう特、段の考慮を批うごと、という一項目を加えました、これは小委員会にはまだ御相談をしなかつたので、あらためて本委員会にお諮りするのでありますが、これまで統制撤廃の問題で論議されましたが、これは北海道のにしんの関係であります。それほど北海道のにしんというものは非常に大きな産額であり、そうしてその取扱金額は非常に大きいのでありますので、それでこれが北海道のにしんに対しての決済方は、金額が大きいために手形によつて決済しておつたのであります。そしてその手形は地方の銀行に取立てに来てこれを決済するのだということになつておつたのであります。最近になつて統制が撤廃になるそうだ、こういう声にかられて、地方の銀行では、これまでのように手形によるその責任は持たない。こういうことを言い出して来たのでありますが、おそらく北海道の方の決済方法は、現金を全部持つて行くということは、この金詰まりで不可能であります。そうして結果においてそれは魚価の暴落を来す一因となるのではないだろうか、これを憂慮するものであります。そのために第六項目にこれを明記して、そうして私ども水産庁及び日銀に対して、この操作を十分に督励して、これまでより以上の円滑化を期するという意味で、この項目を加えた次第であります。
#25
○鈴木(善)委員 夏堀小委員長の第二項に対する御意見を拝聽したのでありますが、そこで私若干の修正案を出して御審議を煩したいと思うのであります。それは「仲買制度を復活し」のかわりに「買受人の保証金制度を設ける等、金融機関の信用を高め金融の円滑化をはかる」、仲買制度を復活するかわりに買受人の保証金制度というぐあいにいたしまして、この買受人がある地方では仲買というものにもなりましようし、またある地方では小売業者の組合が清算かその他の売買に参加するというようなことで、あながちそれは仲買制度でなくてもよいと思うのでありますが、要するに買受人が保証金を積む等の制度によつて金融機関の信用を高めれば、夏堀小委員長の意図される信用の向上、取引の円滑化が期待できると思うので、そのように御修正をいただけばたいへんけつこうだと思つております。
#26
○小松委員 夏堀さんにお尋ねしたいのであります。第五項の「生産者を主体とする組織により、大消費地に冷蔵庫、水産倉庫を設置し」云々とありますが、その生産者を主体とする組織とは、全国的の生産者を主体とする組織を計画しておられるのであるか、この内容について重ねて御説明を伺いたいのであります。
#27
○夏堀委員 第五についてお答えいたしますが、これは全国的の意味であります。たとえば今魚価が暴落するのはどういう原因であるかというと、ぜひ鮮魚として出荷しようとするところにむりがあるのであつて、そうした場合に加工をするとか、冷凍をするというような方法によつて、これを調整するのであつて、ただ生産地だけにそういう設備があつても、大消費地には大冷蔵庫及び倉庫というものはまだ不完備なように私は考えておりますので、これがここに明記してあります通り、倉荷証券、荷為替、そういうようなものによつて資金の円滑化をはかり、そうして消費地においても同様の金融措置をとることによつて、魚価の維持ができるものであると私は考えておるのであつて、そのために生産者を主体とするという一項を加えたことは、消費者が主体であれば、消費地の商人がたとえば今日の人気の惡いときに荷物が入つて、それを安く買取つて、十日後人気がよくなつたときに売るという操作を活発にやることによつて、商人の利益をはかるということが行われるのであります。これを防止するために、生産者を主体とした組織によつて、生産者みずからがそういう操作を行うということであるのであります。それによつていわゆる魚価の維持策及びその調整をはかろうという考え方なのであります。
#28
○林(好)委員 この四の問題ですが、水産加工品の価格の低落その他の事故に備え、販売金額の一割程度の保証金の積立を実施する、こういう問題でございますが、これは非常にむずかしい問題だ意い享。いろいろ夏堀さんの御意見を、もう少し掘り下げて聞いてみなければわからないのでありますが、すなわち加工品を生産地において一割程度のものを積立てをさせるというのでありますか。あるいは消費地に積み出したものを、荷受機関が積むというのでありますか、はつきりいたしませんが、もう少しこれを御説明いた、だきたいと思います。
#29
○夏堀委員 これはたいへんむずかしい問題でありまして取扱いはこう考えておりますが、各地区に加工組合及び金融機関を入れた一つの委員会をつくつて、その製品の価格に対して検討する。それに基いて金融の額を定めることにいたしたいと思います。大体売買のたびことに一割の保証金を積み立てるということは、銀行の信用を高めることでありまして、最初から保証金を積むということは、この金詰まりでたいへんですから、取引のたびごとに一割ずつの積立てをするというようになるのであつて、それは事務的に産地及び消費地の両面から、この操作によつて、いわゆる事務的に取扱いをするようにしたらどうかと考えておりますが、具体的には私もまだはつきりいたしませんので、研究してみたいと思います。
#30
○石原委員長 ちよつとお諮りします。鈴木君の御意見にもありましたように、月曜日には統制問題で小委員会を開くことになつておりますから、そのときまで御研究を願つて確定案といたしますか、その点をお諮りいたします。
#31
○鈴木(善)委員 この字句の問題につきましては、夏堀小委員長と私の見解とでは、別にそのねらつておるところは大きな隔りがあるわけではないのであつて、ただ表現の問題だと私は考えておるわけであります。私がこの点の修正を提案いたしましたのは、かつて戰前に仲買制度によつて生産者並びに消費者が非常に苦い体験をしたことを想起いたすのでありまして、今後消費者の面からいたしましても、消費組合あるいは購買組合等の組織により中間商人の介在を排除して、取引の明朗化をはかりたいという方向に、時代は進むものと考えるのであります。そこで、ここは仲買制度の復活というように割切らずに、売買に参加する買受人が保証金を積むことによつて金融機関の信用を高めればいいのでありますから、それは地方々々の実情に即応して選択させることにいたしまして、このねらいは夏堀小委員長とまつたく同じことです。ただこれを仲買制度の復活というように割切つて表現するかどうかという問題だけでありますので、これは小委員長において適当に表現していただけば、私としては異存はないところであります。
#32
○林(好)委員 今鈴木さんの御質問がありました問題は、要するに中央卸売市場法の一部改正の暫定措置法の問題もありますので、これと関連した問題だと私は考えますが、両小委員長において十分合議されまして、適当な処廣をやつていただいたら、われわれはけつこうだと思うのであります。
#33
○中西委員 この問題については、あさつての会議にかけていただきたいと思います。私は今の鈴木さんの修正意見に賛成でありますし、生産者を主体とする組織は非常にけつこうであります。しかし消費者はどういう影響を受けるかということも問題でありますから、われわれも一応検討したいと思いますので、あさつてやつていただきたいと思います。
#34
○石原委員長 それでは水産金融に関する小委員長の案は明後日さらに御審議願うことにいたします。次の統制問題はやはり月曜日に小委員会を開くことといたします。つきましては水産庁当局におかれましても、できる限り明後日までにわかるように努力をしてもらいたいと思います。なおそれによつて生ずる善後措置については、中央地方等広汎な関係を持ちますから、ただいま水産庁におきましては、すいぶん御多端のときであります。従つてこれが不徹底に終ることでは、生産者にも消費者にも非常な迷惑をかけて、混乱すると思いますから、御出席の政府委員の各位も、水産庁と、でき得る限り明後日までにさらに御調査、御研究並びに資料の御提出等を、特にここに要望をいたしておきます。
#35
○小松委員 私はこの機会に飯山長官罷免問題につきまして、委員長を通じてお願いがあるのであります。先般来飯山長官の罷免問題が新聞にしばしば見受けられたのであります。しかし時過ぎておりますので、この問題は單なる新聞の記事に終つて解決しておる問題だと考えておつたのであります。しかるにあにはからんや、本日の新聞を見ますと、罷免権を発動せられたという事実を知るのであります。およそ国家公務員法が制定せられまして、身分の保障せられております今日、罷免権を発動するということは、そこに相当の理由がなくてはならぬと思うのであります。もちろん発動ずる以上、重大なる理由があることと思うのでありますけれども、新聞の伝うるところによりますれば、飯山長官は水産行政に対する非協力者であると、きわめて抽象的な言葉をもつて表現せられておるのであります。さらにまた国家公務員法の七十八條によつて適格性を欠いておる。あるいはその実績が上らなかつたというようなこともその一つに相なつておるようでありますけれども、これまたその内容はきわめて不明瞭であります。飯山長官が、水産庁が設置されると同時に初代の長官として民間から選ばれたということについては、申すまでもなく幾多の理由があろうと思いますけれども、今までの官界の積弊を一掃して、真に水産の体験のあるところの者をもつて、わが国の水産の発展を期そうというところに、大きなねらいがあつたことと思うのであります。しかるにその人が水産行政の実績が上らなかつたということ、あるいは水産に非協力であつたということをもつて罷免権を発動されたということは、われわれ委員会としても、これを黙視することができないのであります。われわれ委員会は、もちろん人事にくちばしを入れるべきでありません。政党も議会もこれにくちばしを入れることは愼むべきでありますけれども、水産の発展を期そうとして協力しておるわれわれ委員会としては、その内容を知ることが、将来の水産の発展のために必要であるということを、私たちは痛感いたすのであります。よつて来るべき水産委員会に、その内容をわれわれは知るために、農林大臣の御出席を求め、この問題の内容を伺いたいと思います。この点を委員長よりおとりはからいを願いまして、月曜日の水産委員会に、農林大臣の御出席を煩わすことをお願いする次第であります。
#36
○鈴木(善)委員 ただいま小松委員から御発言がありました飯山長官の問題については、きわめて重大な問題でございますので、本委員会が散会いたしました後において、各委員の御参集を得て、委員長が中心になられていろいろ御懇談を願い、この取扱いを愼重にお取扱いになられるように希望いたすものであります。
#37
○中西委員 今の小松委員の御発言に対して賛成いたします。近ごろの吉田内閣の人事は実に血迷つておるように思われます。第一には蜷川長官の罷免その他やり方が、実にフアツシヨ的というふうに考えます。飯山長官の罷免のごときも私水産委員としてあまり長くはないのでありますが、日ごろ老練の長官のように考えておりましたが、突如としてわれわれに納得の行かないような理由でもつて罷免するというがごときは、いかに吉田内閣の人事が乱暴であるがということを、われわれは痛感するのであります。今の小松委員の発言は至当であります、この点は政務に重大なる影響を及ぼしますので、ぜひ全会一致をもつて農林大臣、場合によれば吉田総理も呼んで、十分にこの問題を検討したいと考えております。
#38
○田口委員 水産長官問題について、小松委員その他からの申入れごもつともと思います。しかしながらこの問題は、行政府の人事問題に関連しております。従つてこれは一応委員会を散会いたしまして、あらためて懇談会を開かれて、愼重に処置方法について考究したいと思います。私鈴木委員の御発言に対して賛成するものであります。
#39
○石原委員長 小松委員並びに中西委員の御意見ごもつともであります。それから鈴木委員、田口委員の御意見にも、愼重を期する上において必要があると思います。でありますから、もうじきに散会しますから、散会後御懇談の上御決定くださるようお願いをいたします。
#40
○夏堀委員 漁業に関する税制改革に対する要望事項について、簡單な説明を申し上げます。これは小委員会で大体意見をまとめたのでありますが、附加価値税が漁業は課税され、農業及び林業が非課税になるという理論的根拠はどこにあるかとうとことであります。これはシヤウプ勧告案に示めしてあります通り、漁業のことはよくわからないとあちらでも言つておりますにかかわらず、政府がこれを立案したということに対して、まことに不可解な点があります。ここに一々農業と漁業との数字的な比較は要望事項に明記してありますので、このことは各関係大臣にも説明を加えてあります。昨日は司令部の方に参つて詳細にこの説明をしております。この問題に対しては、大体理論的にその根拠はないということは、どちらもほとんど意見が一致しておるようでありますので、この漁業に関する税制問題については、この取扱い方法等は地方行政委員会に提出になつて、審議中に本委員会に合同審議を申し入れてわれわれのこの案対する意見を十分申し述べて修正をしよう。こういう考えも持つておりますので、委員長においても、そういう方法でおとりはからいのほどをお願いするのであります。一応朗読いたします。
   漁業に関する税制改革に対する要望事項
 一 附加価値税について
   政府は漁業に対しても附加価値税を課する旨の立案をしているが、これは農業、林業と同様非課税とすべきである。漁業に課税すべき理論的根拠は薄弱であるから特別な漁業を除き非課税にすべきであるが、万やむなく課税の対照とする場合においては左の措置をとるべきである。
 (一) 家族労働を主とする漁業は非課税とすること。
    理 由
  イ、元来沿岸漁業は必ず農業、林業を兼営しており、税制上も従来おおむね平等に取扱われていたのであるが、この際農業、林業が非課税なるに対し、漁業のみが課税されることはきわめて不合理であり、漁村に與える影響は重大であると言わねばならぬ。
  ロ、シヤゥプ勧告において農業については「販売価格に広汎な政府統制が行われていること、及び地租家屋税の大巾引上げの影響を強く受けること」を取上げ、漁業については「地租の影響をほとんど受けないので、事業税(附加価値税)を納付する力があるように思われる」と言つているが、水産物もその過孚は政府の統制下にあり、農林産物は漸次統制撤廃され主食関係についても漸次撤廃拡大の趨勢にある。なお水産物は副食中最大無二の国民蛋白自給源として、その重要性において主食に毫末も劣るところはない。また漁業においては地租の影響が少いことは当然であるが、固定資産税全部については姫路市近郊の標準的実例により、漁業者と農ところ、漁業者がその所得に対し三八九%を負担するに比し、農業者は三・三〇%を負担するにすぎない。沿岸漁業においてはおおむね負担に劣るところがない、なお一般的には現行の十数倍に及びむしろはるかに負担が大であ為。
    シヤウプ勧告においても「漁業については十分な研究をしていないので確たる意見は述べることができない」云々と言つている次第であり、政府は当然実情により課税を検討すべきである。
  ハ、農業が非課税の場合は昭和二十三年の北陸の農家所毎一戸当り平均二十万千八百五十二円(農林省農家経済調査報告等により昭和二十三年度を推計せるもの、なお全国平均――除北海道――は十一万二千百四十円)が非課税となるに対し、周年の三重県小漁民の附加価値十戸平均十二万三千六百十二円――漁業収入平均二十万五千八百四十六円――(昭和二十三年水産庁漁家調査による漁家は家族従事者三人――五人、傭人なし、刺網延繩採貝採藻)が課税されることとなり、きわめて不合理であるが、なお北海道の農業――農業に附随する畜産業は非課税――及び林業を考える場合不合理はきわめて顯著であり重大であると言わねばならない。なお本年一月一日より漁業用資材の補給金は全廃され、かつ、魚価低落の傾向強く、これが漁業者の負担増加三――四割を予想される際において、漁業に対する課税いよいよ不合理かつ重大であろう。この不合理は免税点の引上げにより打開されるものではなく、家族労働による漁業は当然非課税とすべきであり、なお、北海道農業及び林業をも勘案して常傭二三名以内の漁業は非課税とすべきである。
 (二) 水産業協同組合法に基いて設立された組合が行う漁業は非課税とすること。
   理 由
  協同組合は零細漁民の協同組織であり、また、同法第八十條及び第八十一條により組合員みずからが働き員外被傭者は例外的にしか認めない旨の規定がある点よりするも、その営む漁業は本質的には前記の「家族労働を主とする漁業」に相当する。
 (三) 所得のない年は免税にすること。
   理 由
  附加価値税の本旨よりいつて、所得の有無に関せず課税を考えるのは一応もつともではあるが、漁業が自然の制約を受けることがきわめて強く、不漁、その他不可抗力による赤字を生ずることがむしろ常で、あらかじめこれを考慮に入れた計画的生産、機械的合理化のきわめて困難な原始籏業で、容易に他に転業できない生業であり、なお、漁具、漁獲等につき何ら補償、保險等の制度のない現在においては、漁業いよいよ破滅に導くものであつて、また、シヤウプ勧告で変動所得、損失の繰延べ繰もどしを認めた趣旨にも沿わない。しかし、課税が万やむを得ない場合においては、所得税の変動所得及び損失の繰延べ繰もどしに準じて適切なる措置を講ずべきである。
 (四) 昭和二十七年度以降は廃止すること。
   理 由
  昭和三十七年度からは新漁業法に基いて漁獲高の平均三%に及ぶ免許料許可料が徴收されるため担擁力がない。
 (五)前記(一)及び(二)以外の漁業に対しては、税率を半分(現行案三%の場合は一五%)にするか、または、附加価値を收入金額の四〇%として算定すること。
   理 由
  一般産業の附加価値が総收入の二〇%ないし五〇%であり、税率が四%である場合においては、総收入に対する税額の平均が一・四%であるのに対して、漁業の附加価値は総收入の六〇%ないし九〇%であり、税率が三%の場合において総收入に対する税額の平均は二・二五%となり不合理である。現行事業税において一般産業に比し、個人漁業が軽減せられている点を考慮し、かつ、前述のような漁業特有の惡條件を勘案して、一段の軽減をなすべきである。
 (六)本税收入中相当額を漁業経営安定のための制度の基金として支出することとし、これにより漁船漁具等の災害保險、漁獲保險等の再保險の財源を求め、漁業再生産の基礎を確保し、よつて生ずる将来の税源をつちかうよう考慮すべきである。
 二 漁業権税について昭和二十七年度以降これを廃止すること。
   理 由
   昭和二十七年度からは新漁業法に基いて免許料が徴收される、これは漁業権税と重複するところが多い。
 三 所得税について
 (一) 家族專従者各人ごとに基礎控除を認めること。
   理 由
   主として家族労働に依存する漁業においては他の産業に比して負担が不公平である。
 (二)青色中音は漁業の実態に即して簡便にすること。
   理 由
   シヤウプ勧告に示された漁業経営に重大関係を有する損失の繰越し繰もどしその他の措置を漁業において十分に利用し得るよう、漁業の実態並びに漁業者の実情に印して可及的に簡便にすべきである。
 (三)適正なる必要経費を確定し公示すること。
    理 由
   收入金額より控除の認められる必要経費の認定にはいまだ不合理の点が多い。すみやかに漁業の実情に即した適正な基準を決定し公示すべきである。
 四 法人税について水産業協同組合に対する税率を二五%とすると。
    理 由
   協同組合の特殊性を勘案して税率を現行通りすえ置くべきである。
#41
○鈴木(善)委員 この附加価値税につ」てでありますが、「(一)に家族労働を主とする漁業は非課税とすること」こういたしておるのでありますが、これは内容は私が以下述べる内容とまつたく同じでありますけれども、この取扱い方につきまして皆さんの御見解を煩わしたいと思うのであります。それは、この行き方で参りますと、漁業には原則として附加価値税はかかるのだ。但し家族労務を主とする漁業は非課税とすべきである、こういう行き方になつておるのでありますが、一方畜産につきまして政府が立案しておるところによりますと、畜産関係については原則として附加価値税は課さないこととしておりまして、但し政令でもつてある線以上のものには課税をする。原則は課税しないで、但し政令で定めるものは課税をする、こういうぐあいにいたしておるので嵐ります。結果は同じでありましても、やはり漁業に対しては、畜産と同じように、原則として課税すべきでない。但し日本水産あるいは大洋漁業等の大漁業会社については政令の定めるところによつて課税をするというような行き方の方が、漁業の実態に即すると思うのであります。これは一つの表現の仕方ではありますけれども、今後の税制全般に対して漁業の占める地位、あり方、漁業の実態からいたしまして、そのような取扱い方が妥当であると考えますので、この二点だけを表明いたしまして委員各位の御批判を得たいと思うのであります。
#42
○夏堀委員 ただいまの鈴木委員の御意見に対して、私も立案者として今その説を聞きまして賛成いたします。原則的には、やはり漁業は原始産業であるから、これは非課税にすべきものであるということは、これはどこからどうしてもその通りなので、その原則はやはり原則として破らないようにして、やはり特別の大資本漁業に対しては、政令をもつて定めるのが妥当であると考えますので、さようにこの字句を修正しておきたいと思います。御了承願います。
#43
○石原委員長 ではこの問題も明後日までに御修正を願つて、付議することにいたしたいと思います。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○石原委員長 それでは本日はこの程度でとどめたいと思います。次会は明後日、さらに公報をもつて御報告申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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