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#1
第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第13号
昭和五十年六月十三日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 田中  覚君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 土井たか子君 理事 木下 元二君
      戸井田三郎君    八田 貞義君
      阿部未喜男君    金瀬 俊雄君
      馬場  昇君    三浦  久君
      岡本 富夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        科学技術庁原子
        力局次長    福永  博君
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 橋本 道夫君
        環境庁自然保護
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
        運輸省港湾局長 竹内 良夫君
 委員外の出席者
        文部省体育局学
        校保健課長   倉地 克次君
        食糧庁業務部需
        給課長     宮崎 武幸君
        水産庁研究開発
        部長      佐々木輝夫君
        通商産業省立地
        公害局立地指導
        課長      滝沢 宏夫君
        通商産業省立地
        公害局公害防止
        企画課長    山田 勝久君
        通商産業省立地
        公害局公害防止
        指導課長    弓削田英一君
        工業技術院総務
        部技術振興課長 福島 公夫君
        運輸省航空局飛
        行場部環境対策
        第一課長    井下登喜男君
        海上保安庁警備
        救難部長    山本 了三君
        日本国有鉄道常
        務理事     内田 隆滋君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     金瀬 俊雄君
  角屋堅次郎君     馬場  昇君
  米原  昶君     三浦  久君
同日
 辞任         補欠選任
  金瀬 俊雄君     岩垂寿喜男君
  馬場  昇君     角屋堅次郎君
  三浦  久君     米原  昶君
    ―――――――――――――
六月十二日
 五十三年度自動車排出ガスの規制緩和に関する
 請願外七件(浦野幸男君紹介)(第三六三六
 号)
 トラックの排出ガス規制緩和に関する請願外四
 件(浦野幸男君紹介)(第三七五七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 公害対策並びに環境保全に関する件(大気汚染
 及び水質汚濁対策等)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 この際、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。
 地方行政委員会において審査中の石油コンビナート等災害防止法案について、地方行政委員会に連合審査会の開会申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡辺委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間の協議により決定されますので、さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
#4
○渡辺委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
#5
○岡本委員 私は、きょうはカドミ問題につきまして質問をいたしますけれども、最初に、長官が衆議院の予算委員会におきまして、イタイイタイ病の厚生省見解なるものが四十三年に出ておりますけれども、これにつきまして、完全な学問的究明がされていないのだというような、そして一年以内にもう一度結論を出すという御答弁をなさったという報道がございます。非常に注目されておりますけれども、これについて、ひとつ明らかな見解をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#6
○小沢国務大臣 御承知のように厚生省見解が出ましたのは、当時得られました医学的、科学的な知見をもとにいたしまして、腎から骨軟化に至る過程に何らかカドミが関与しているという考え方のもとに、また一方、患者の保護というものを急いでやらなければならない、患者の保護という面を特に重視した決断であったというふうに私は見ているわけでございます。その当時与えられた医学的、科学的な知見というものが完全であるかどうかということについては、なお、いろいろ疑念を持つ医学者等もおりますので、引き続き厚生省においても、また、厚生省から環境庁に引き継がれても、相当の調査費を計上して検討を進めてまいっている事実があるわけでございます。その総合的な、いわばまとめの段階に、いま調査が入っているわけでありますから、その総合的な医学的な検討の結果を、一年以内にできるならまとめてみたい、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#7
○岡本委員 そうしますと、この報道は、厚生省見解は完全でない、したがって一年以内に洗い直すのだ、そういうような報道になっておるわけですけれども、長官は、御真意はそうではないわけなのですね。
#8
○小沢国務大臣 厚生省見解は、先ほども申し上げましたように、当時における科学的な、医学的な知見をもとにした見解というものは、私はそれなりに間違っているとは一つも考えておりません。ただ、御承知のとおり腎から骨に至る過程で、どの程度カドミが影響しているかという点につきましては、いろいろな意見等も出ておりますから、さらに医学的にあるいは科学的にこれを検討をしていくということは、私のときに急に出た問題ではないのです。これはもう御承知のように、予算を計上して何年も研究をやっているわけでございますから、そういう過程を踏まえて、私はさらにその科学的な究明を続け、その結論をできるだけ早い機会に、少なくともこの一年ぐらいの間には得たいというふうに申し上げているわけでございます。
#9
○岡本委員 その次は橋本保健部長に聞きますけれども、厚生省ですかね、公衆衛生協会で慢性カドミの研究がされておるということでありますが、この発表はいつごろできるのか、ひとつ聞きたい。あるいはまたどういうふうになっておるのか、中身について聞きたいと思います。
#10
○橋本(道)政府委員 いま先生の御質問のございました慢性カドミウム中毒の研究ということをはっきり言い出しましたのは、四十四年度に、四十三年度の見解を踏まえて、これからどのようなぐあいにイタイイタイ病やカドミの汚染の対策を組んでいったらいいかというときに、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒に関する研究というのを始めたわけでございます。その基本の考え方は、イタイイタイ病はもうすべてがカドミウムの中毒だけで説明し切れるものではないという認識に立ったことが一つと、まず、腎が冒されるということならば、腎が冒されるポイントにおいて早くつかまえて、必要な治療等をすることができればいいのではないかということで、それ以来ずっと毎年研究を続けてきておるわけでございまして、その点につきましても、ことしの三月にも四十九年度の研究発表集会がございましたが、毎年いたしました研究は必ず公刊をいたしております。研究発表のあったもので外に出てないというものは一切ございません。
 そういうことで、ことし一体どういうぐあいに取り組んでおるかということで簡単に申し上げますと、昨年のちょうどいまごろでございますが、カドミの汚染地域ではどうもカドミの腎細尿管の機能障害を持っている人が多いと言えるのではないかということが、およそ調査研究班の意見として出たわけであります。ただ、その腎の機能異常ということ即、腎の病気であるか、あるいは腎症というような名前で呼んでいいかということにつきましては、腎臓の病気の専門家の方から、これは病気とまでは言えない、また、それを治療するといっても、治療するようなものでもないということがあったわけでございまして、そういうことで、この例のカドミの汚染と腎の機能障害という問題をより正確につかまえるためのスクリーニングのやり方を、昨年一年間テスト的に集中的にやりました。そうして方式がはっきりしてまいりましたので、それをことし、この問題の地区できっちりやって、コントロールを設けてやってみるということをいたしておりますことと、もう一点は、さっき申し上げましたように、腎症とは言えないのではないかという意見が腎臓の専門家の意見でございまして、そういうことで、ことしは、この腎臓の機能障害という点につきましての医学的な評価を、ちゃんとやりたいということを進めておるというのが、現在の段階でございます。
#11
○岡本委員 労働環境衛生の方では、すでに慢性カドミ中毒は一つの病名ではないでしょうか。そういう点について。
#12
○橋本(道)政府委員 労働衛生の分野では、慢性カドミウム中毒という腎障害の事項があることは事実でございます。日本では、イタイイタイ病の問題の四十四年の研究が始まってから以降に、初めてその問題が出てきたということでございます。ただ、研究を進めてまいりますと、腎障害の程度が非常に違うということでございまして、片っ方は病気と言える程度に出てくる、片っ方はまだ病気とはこれでは言えない、これは機能障害程度だという所見があることと、もう一つは、労働衛生でいきます慢性カドミ中毒の場合のパターンと、カドミの汚染地域で出てくる腎細尿管障害のパターンとは、どうも少し違いがあるというところに問題があるわけでございます。そういうところがいまの現状でございます。
#13
○岡本委員 そこで、いま環境庁でカドミ汚染の地域指定をしておりますね。その付近の人たちの健康診断をやっておるわけです。その健康診断の中に相当カドミ中毒と目されるような人たちが出てきておるわけですね。病気のことですから、その原因あるいはまた過程というものは非常にむずかしかろうと思うのですけれども、いま指定されておるところの人たちの検査を、ずっと各地方自治体でもやっておるし、特に環境庁はやっておるわけですが、そうしますと、カドミ汚染のされた地域の人たちと、それからそうでないところの人たちとの対照をとって検査もやっておるそうでありますが、そこで、カドミによるところの腎障害というものが明らかになっておる。労働環境衛生によるところの調査も、やはりカドミを使用しているような職場、こういうところではそういうカドミ中毒が出ているということになりますと、労働環境衛生の方ではカドミ中毒というのが病名になっている。カドミ汚染の地域の人たちも同じように腎障害がある。こういうことになりますと、これはイタイイタイ病という名前は、あれは通称ですからね。結局カドミ汚染によって、カドミ中毒によってそういうような病気がほかには見当たらないということですから、そうしますと、イタイイタイ病というよりも、当委員会で一遍提案したこともありますが、慢性カドミ中毒症、こういうような見解に立たざるを得ないのではないか、こういうふうに考えられるのですが、いかがでしょうか。
#14
○橋本(道)政府委員 まず第一のポイントは、労働衛生でちゃんと認定されているカドミ中毒は確かにございます。その基準でいったら、てんでひっかかりません。汚染地域の腎の機能障害というケースは、事実それにひっかかってまいりません。それよりも非常に軽いレベルの機能障害をわれわれは発見して、それを評価しなければならないというところにきているということを、一つ申し上げておきたいと思います。確かに腎の機能障害と言いますが、非常にパターンも異なっておるし、程度も異なっておるという点が一点です。そういうことで、私どもは非常に健康すれすれの議論を、一体どこでちゃんと評価をして踏み切るかということでやっておりまして、先生の御指摘のように慢性カドミ中毒の病気として扱えるということが医学的にも納得がいくものならば、当然これは指定疾病になりますが、そこのところがどうかというところをいまやっておるわけであります。
 どういうポイントが問題かといいますと、一つは、やはりわれわれは調査研究ということをやっておりますが、具体的に頭にありますのは、指定地域というような問題の条件にはまり得るかはまらないかということが一つの大きな議論でございます。ですから汚染があるということと、それから疾病が多発している、その二つの条件にはまって物が言えるか言えないかということでございます。
 そこで見ますと、いまの汚染地域と非汚染地域で比べてみますと、差のあるところと差のないところとございます。それからその汚染の程度の高いところほど多くて、低いところほど少ないかというと、それがどうもいま必ずしも明らかでございません。そういうことで、汚染と、それによって生じている障害との関係を、もう少し客観的につかまえなければ、なかなかむずかしいということが一点。
 それからもう一点は、腎の細尿管障害ということを、いろいろ別の角度で老人をずっと調べてきますと、八十から九十の老人で、同じパターンの腎細尿管障害というのはわりあい高率であらわれてくるというデータがございます。このカドミ汚染地域で出てくるデータを見てみますと、大体五十歳ぐらいのところからそれが上がってくる。そこらのところを一体どういうぐあいに考えて評価をすればいいのかという問題が一点。
 それから先ほどの病気としての評価の問題で、これはもし早い時期でも病気としてちゃんとすることがあれば、それはもう当然やるべきだと思います。そういうことで腎障害としての評価という問題につきまして、不幸にして亡くなられた方の解剖例もございます。もちろん腎で亡くなられたわけではございませんが、そういう解剖例とかあるいは腎障害としてマークされている患者さんの経過、機能障害等を評価をしてみて、それだけについての議論が、医学的にこれならば蓋然性ありと言えるかというところになれば、確かに先生のおっしゃるように、慢性カドミ中毒としての腎障害として、指定疾病としてやれると思いますが、いまそこにいくにはまだ少し、そこまでは到達をしておらないというところが実情でございます。
#15
○岡本委員 そこで企画調整局長、このカドミは有害物質に今度指定されておりますね。これは基準を決めたところはどこだったですか。有害物質に指定されていますね。
#16
○大場政府委員 土壌汚染防止法の対象にはなっております。
#17
○岡本委員 そうしますと、カドミというものが有害物質に指定されておるということは、害があるということですね。そこで、これは斉藤寛先生の報告を読んだのですけれども、慢性カドミ中毒において、その腎障害を介して骨軟化症が発症しておる、この先生はこういう見解をとっておるわけでありますけれども、そうしますと、カドミによって腎障害を起こされる。またカドミは、いま御答弁ありましたように有害物質であるということになりますと、橋本環境保健部長、あなたのお答えでは、労働環境衛生のカドミ中毒より軽いから、これはまだ病名にならないのだと言われるが、かぜを引いた、かぜでも非常に軽いときはかぜ引きでないのだというような論法になるのではないかと私は思うのです。そこで、こういう病気はなかなか治るものではない。まだイタイイタイ病になった人たちの病気が完全に治るという治療法もなかなかない。また、腎障害にかかった人の完全治癒の治療法もないということになりますと、私は、軽い間に、もう人間が廃人にならないうちに、健康を守っていくのが大切ではないか、こういうふうに考えられるのです。その点について長官の総合的な御意見を承りたいと思います。
#18
○橋本(道)政府委員 ちょっと長官のおっしゃる前に、一言だけ述べさせていただきたいと思います。
 軽いからという御意見でございますが、確かに先ほどお話し申しました老化の現象というものと非常によく似たものがあるということでございまして、世界的に、このような状態のところを見ているのは、いま日本だけでございます。どこの国も全然このことをやっておりません。これは四十四年以降必死になって調べてみて、そのようなノーマルからのずれというのをわれわれは発見してきて、どう評価をするのかというところに入っていることでございまして、非常に予防的な角度から入っているということが一点と、それから食品衛生では一ppm以上はいかぬということが決まっておるわけでございますから、当然、食品衛生の方でそのことは手が打たれておりますし、あるいはその汚染地域の人が米の交換を望む場合には、〇・四から、それ以上のお米でも、かえてほしい人にはかえるという形をとっているわけでございます。病人でない人を医学的に病人とまで言うというのは、医学としてはなかなかそこは承服できないという議論も一方にあることは事実でございまして、私どもは、いま先生のおっしゃったことは、心の中にはその気持ちは持っております。持っておりますが、その気持ちの問題と医学の問題と法律の問題をどこでちゃんと接着をさせるかというところに入る問題でございますので、このことについての最終検討は、われわれは学問的に技術的に、少なくとも一年ぐらいかかるのではないか、こういうぐあいに見ておるわけであります。
#19
○小沢国務大臣 いま申し上げておりますように、何らかの障害があるのではないかということまでは、これはいろいろいままでのデータからして言われているわけでありますが、これが疾病というものになるのかどうかということについて、いま検討しているわけでございます。したがって、カドミの結果、その影響によって疾病にまで至っているかどうかという判定が医学的に下されない以上は、私どもの方の橋本君がいま言いましたように、法律上の措置までつながるかどうかという点が明確にならないわけでございますので、その点はひとつ調査研究の結果を待っていただきたい、こう思っております。
#20
○岡本委員 そうすると長官、この研究が進むまでは、疾病ということの対象には法律的にはできない、こういうことでありますが、少なくともカドミというのは有害物質ですね。それから、これが結局厚生省見解では、慢性カドミ中毒が腎障害を起こして、そこからイタイイタイ病の原因になった、それ以外には見当たらないというような結論が出ているわけですけれども、昔から君子危うきに近寄らずということがあって、カドミの入ったものをどんどん食べさせるということで、やはり腎障害を起こして、いよいよ疾病になったというときには、これは治すのはもう本当に大変だというのは、いままでの経過を見ておりまして、骨にまでいろいろ異常が出て、骨軟化症にまでなったときにはどうにもならないというようなことであります。私は、いま日本で一番おくれているのは予防医学だと思うのですよ。したがって、そういう有害物質が入っておるものは食べないのが一番いいのではないですか。基準以下だから食べてもいいというよりも、これは食べない方が、そういう腎障害も起こされないということで、本当はいいのではないか、私はそう思うのですが、長官の御意見をひとつ。
#21
○小沢国務大臣 ですから、厚生省の食品衛生法では、食品の規格というものを定めている中で、〇・四から一ppmまでの米はいいけれども、それ以上のものは、食品の衛生上の見地から、食用にすることを禁止しているわけでございます。まさに君子危うきに近寄らずでございまして、しかも農林省では〇・四から一ppmまでのものを、そういう先生のようなお気持ちを十分そんたくをして、買い上げの対象にしても、なおかつ食用としての配給には回してない、もうこれがまさに君子危うきに近寄らずという行政のやり方だというふうに御理解いただきたいのであります。
#22
○岡本委員 時間が三十分という約束でしたので、あれですけれども、では農林省、食糧庁ですね、あなたの方の答弁では、これを見ますと、あなたの方は最初は〇・四ppm以上はぐあいが悪いのだというような、これはたしか最初に発表されたのです。それから厚生省が基準を後で決めて、そして一ppmになったわけですけれども、これは農林水産委員会で、まぜて食べさせるとか、あるいはまた何かインドの方の非常に食糧に困っておるところへ回したらどうかというような御意見の方がいましたけれども、私はやはり、いま長官からも話がありましたように、君子危うきに近寄らずということもありますし、また、お米というものは毎日食べるものでありますし、それから成人でなくして小さな幼児、あるいはまた病人、こういう人たちが食べるものでありますから、このカドミの入った、少なくとも有害物質の入ったお米というものは、これは配給しない方がいい、こういうように考えるのですが、この点について農林省の方からひとつ。
#23
○宮崎説明員 お答えいたします。
 ただいま先生言われましたように、昨今、〇・四から一ppmまでのお米につきましては、厚生省が定められました安全基準以下でありますから、そういうものは普通のお米とまぜればいいではないか、あるいはその他いろいろ原材料とか、直接主食ではない用途には使ってもいいではないかという御議論が非常にあることは事実でございますが、食糧庁としましては、現在のところ、そういうことはやっておりませんし、〇・四から一ppmまでのお米を配給に回すという措置はとっておりません。
#24
○岡本委員 あなたはこれの答弁できないかわかりませんけれども、この答弁を見ますと、回したいのだけれども、国民感情、これがあるからなかなか配給をしないのだ、こういう考え方なのですね。私は、国民の健康を守るという立場から、何と申しましても国民の大切な食糧ですから、しかしその根本の考え方が、ただいまのところは配給には回しておりませんと言うけれども、では将来はどうなのか。そして、まぜて食べてもいいというような人があったが、こういう人たちに毎日食べてもらったらいいというくらい、私はけしからぬと考えておるのですけれども、国民だったらどら犠牲にしてもいいという考え方ではいけないと思うのです。したがって、ここであなたの答弁ではちょっとぐあいが悪いかわからぬけれども、いまあなたが最高責任者で来ておるわけですから、将来にわたって、有害物質であるところのカドミの入ったお米は、〇・四ppmから一ppmまでの間もこれは配給しないのだというような見解を、ひとつ明らかにしておいていただきたい、こういうように思うのですが、これはできますか。
#25
○宮崎説明員 農林省といたしましては、一番最初から、〇・四以上一ppmまでのお米は有害であるから、配給しないという見解はとっておりません。有害ではないけれども、消費者感情を考慮して、配給は差しとめようというのが、従来からの方針でございます。そういうことでございますので、御質問ではございますが、先ほどからも環境庁等でもいろいろ御研究等が続けられているというお話もございますし、あるいは私どもがこういう措置をとっておりますのも、ただいま申しましたように、国民一般の御理解等を前提としての措置でございますから、そういった消費者感情等あるいは今後の研究の進め方等が、私どもの措置に大いに関連いたしますので、いま私の段階で将来の措置はどうするということは、なかなか私といたしましては断言いたしがたいということでございます。
#26
○岡本委員 時間が参りましたから、最後に長官、この厚生省の最初のデータの一ppmというのも非常に論議があるのですね。この計算方法、厚生省が出した算出方法というのをいろいろ調べましても、ある学者は、あの計算方法でいくと〇・三五だとか、あるいはまた〇・四だとかになるのを、何か数字の中でどうもおかしいという説もあるのです。したがいまして、この際、そっちの方の洗い直しもしてもらいたい。ただ、一部の人たちで、この米を配給したらいいではないか、まぜてもいいではないかとか、あるいは一ppmというのもまだおかしいではないかというような意見の人もいるわけです。しかし何と申しましても、国民の健康、またこれからの次代を背負うところの青少年、こういう人たちの健康というものを考えましたときに、私はこれはおろそかにしておきますと取り返しのつかないことが起こってくるのではないか、こういうことが考えられますので、こういう面の洗い直しもひとつしていただきまして、そして今後の国民の健康を守る、これはもう厚生省と環境庁以外ないわけですから、環境庁長官にこの点を要望したいと思うのですが、この答弁をいただいて終わりたいと思います。
#27
○小沢国務大臣 人の健康を守ることは、私並びに厚生大臣の最大の使命でございます。しかし、あくまでも科学的な根拠に立ってやらなければいかぬと思うのですよ。それを何にも考えないで、ただ君子危うきに近寄らずという姿勢だけでいくのは、われわれの方はいいですけれども、今度、全体のことを考えますと一体そういうようなことでいいのか。もっと科学的にこれを厳密に十分検討した上で、科学的根拠に立って、その十分な健康を守る政策というものを確立していかなければいかぬ。私は、常に環境庁というのは、すべて科学する心というものが基本にならなければいかぬという考えであります。そう考えてきますと、現在の厚生省の食品規格、〇・四から一までは大丈夫なのだ、これはいろいろな検討の結果決められておる、しかも相当な安全度を見ておる、こういう話であります。しかしそれについても、果たしてこの米が一ppm以下なのか以上なのかという、検査の方法によって大分違うといういろいろな問題が起こっております。また、一体〇・四から一ppmというものが安全なのか、むしろWHOのように摂取量というものを考えて、その量を規制をするというのが本当ではないかというような考え方も出ております。そう考えてきますと、先生おっしゃるように、とにかくこの問題についてはあらゆる面からもっとよく検討して、ただ感情論だけで大事な米を、しかも農民が汗を流してつくった米をのりにしてしまうというようなことが、私は必ずしも国家のためにいいとは考えてないのです。しかし、先生おっしゃるように国民感情の中には、どうも危険のようだ、そんなものをおれたちに食わすのかという感情がある以上は、これはやはり農林省も政府としても大事をとって、配給に回さない、食用にしないという政策をいまはとっているわけであります。したがって、この辺のところをもっと科学的にはっきりした見解を固めて、そうして国民の理解を得ていかなければならない、私は基本的にはこう考えております。
#28
○岡本委員 長官、私が言うているのは、感情的に物を言うているのではなくして、やはり国民に明らかに、これなら大丈夫、これはだめですという、もう一度科学的根拠に立って出してもらいたい。そして、その根底には、大事な米を農民がつくったのだから、そういう感情を捨ててもらいたい。逆に食べる方の消費する国民感情から見て、そして科学的な調査をして、そして確かに〇・四以上一ppmまでは大丈夫なのか、こっちの方も私はやらなければならないと思うのです。したがって科学的な実証、これは必要だと思います。ですから、そっちの方もしていただくと同時に、何と申しましても国民の健康を守るという立場から科学的な調査をして、そしてやってもらいたい、こういうことを言っているわけでして、この点、取り違えてもらったのでは困るわけです。それだけを最後に要求いたしまして、ちょうど時間が参りましたから、これで終わります。
#29
○渡辺委員長 阿部未喜男君。
#30
○阿部(未)委員 長官、若干申し上げにくいのですけれども、私は環境庁のあり方として長官の所信をお伺いしたいのですが、悪口を言う人たちは、環境庁ではなくて公害後始末庁だと、こういう悪口を言われるほど、今日までの環境庁の仕事は、すでに発生をした公害の対策あるいは環境保全の後始末に追われておるというのが私は実態だと思います。確かに、いま国の行政の面で、すでに起こったところの公害やあるいは環境破壊についての後始末というのが大きな仕事であることは、私、否定しません。当然それはあるべきだと思いますけれども、同時に環境庁のもう一つの大きい仕事は、自然破壊なり公害を未然に防止するというのが大きい仕事でなければならない。
 幸い、環境庁でも将来の開発等が環境に及ぼす影響等についていろいろ研究をされて、たしか中央公害対策審議会の中間報告は、四十七年の暮れだったと思いますけれども、一回出されて、これが大体それに該当するものだと思っておりますが、さらに四十九年の六月には環境影響評価小委員会の報告もあったようでございます。これからの行政は、その意味で環境庁は自然破壊を未然に防ぎ、公害を未然に防ぐ、そのためには、開発が行われる場合に、それが一体環境にどういう影響を与えるだろうかということを評価をし、もう一つは、先ほど岡本さんから出ていましたけれども、長官は科学的にとおっしゃいますが、今日、科学で解明できない多くの問題があるし、その中には、おっしゃったように自然の景観等に対する住民の心情といいますか、そういうようなものも含まれると私は思うのですけれども、そういう点について早い時期に環境庁として、開発が環境破壊に与える影響等について事前に調査をし、住民の意思を聞きながら環境の保全を図り、公害の未然防止を図るというふうな対策について、長官、どういうお考えをお持ちか、承りたいのです。
#31
○小沢国務大臣 私は、先生のおっしゃるように、確かにそういう環境行政については、率直のところ反省をしなければいけない面があると思います。したがって、環境破壊というものを事前に防止するということの方にうんと力を入れなければならない、これはもう先生の御意見のとおりだと思います。謹んで反省をしつつ傾聴しておったわけでございますが、その一番大きな問題としては、対策としては、私はやはりアセスメントというものをしっかり制度的に確立していくことだと思いますので、そういう面に私としては最大の力をいたしてみたい、かように考えます。
#32
○阿部(未)委員 全く同感で、アセスメントがやはり大事だと思うのですけれども、そうであるならば、長官、せっかくいま対策に取り組むわけでございますから、具体的な日程と申しましょうか、そういうものについてお考えがありますならば、この機会に承っておきたいのです。
#33
○小沢国務大臣 大ざっぱに言いまして、来年の通常国会には、ぜひ環境影響事前評価の法律を提案いたしたいと考えております。
#34
○阿部(未)委員 長官はいつまで御在任かわかりませんけれども、私は大きい期待をもって、来年の国会には環境アセスメントが法律として大体提案をされるということを了解して、この質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次の問題に移りたいと思います。
 七十一回国会のこの公害対策の委員会で、大分の新産都の鶴崎地区における、当時、特別措置法による公害病の認定を行うべきではないかということを私は提起をしたわけでございます。当時、環境庁長官はお見えにならなくて、坂本さんが政務次官だったかと記憶しておりますけれども、それから船後さんがおいでになったと思います。特に、坂本政務次官から、大分の新産都地域における大気汚染等に係る公害病の地域指定等について、現地の調査をしてみたい、そういうお話がございまして、私ども期待しておったのでございますが、その後、いわゆる健康被害補償法が制定をされたわけでございますけれども、大分のこの新産都地域における大気汚染に係る健康被害の関係についての調査が行われたのか、行われておるとするならば、その結果がどういう状況であったのか、承りたいのです。
#35
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたその国会の後、私どもの方の公害保健課の担当官も現地に行ってまいりまして、その後、県の方をいろいろ指導いたしまして、県が健康影響調査ということをいろいろやって、医師会や大学等の協力を受けてずっとやってまいっておりますが、県自身が独自にやりましたものと全国的なものとなかなか比べられないというような問題もあるということで、環境庁の方から十分いろいろ指導した結果、四十九年八月から三佐、家島の環境汚染調査を特に細かく行い、四十九年十月に呼吸器症状の有症率調査を、県は国のものと全部比べられる形でやるということでやっておりますので、七月の中旬を目途に、現在、取りまとめ中であるということでございます。そのような状況でございます。
#36
○阿部(未)委員 せっかくの調査中でございますから、いろいろ申し上げるのもかえってどうかと思いますけれども、実は本年一月、この新産都の地域の中で日岡という地区があるのですが、ここの方々が約百名ほど、大気汚染に係る公害病だということで、ぜんそく等の関係で県の方に、県でも条例があるわけなのですけれども、県の方の条例の適用を申請したのですが、確かに問題はあるようだけれども、いわゆる国の基準にも達していないので、なかなか条例の適用はむずかしいということで、あるいはこれは裁判になるのではないかというように想定されるのですが、大分県側から何かそういう連絡を受けていますか。
#37
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございました件につきましては、大分県の方から、そう細かい話ではございませんが、聞きました。また、その新聞の記事等も、私どもの担当の者がこれを見ております。
 この点につきましては、四十九年十一月に、中央公害対策審議会が地域指定の問題を行います場合に、調査を発動する場合の条件及び今度は指定する場合の条件ということを、この有症率の問題と汚染レベルの問題とで、汚染レベルは現在SO2の問題に限られておりますが、出しておりますので、それと合わせてみると、これは合わないということでございます。ただ、いま申し上げましたように、四十九年度の秋以来の調査がございますので、それをもう一度、出てきてみて、果たしてそこのものにはまるかはまらないかという問題で、調査を発動すべきところかどうかという問題になるかというぐあいに私どもは考えております。
#38
○阿部(未)委員 専門家に対して大変申し上げにくいのですけれども、亜硫酸ガスの場合でも、たとえばこの地域が年間平均で〇・〇二一ppmぐらいになっているわけですね。基準が〇・〇二二ppmですからね、この公害病患者の場合にたしか〇・〇五ですね、こうなっている。そうしますと、先ほどからも議論があっておりますように、いまの時点で調査をすれば、SO2が〇・〇二一ppmであったとしても、かつてそれ以上のSO2が排出されていなかったということが一体、立証できるのかどうか、私はその問題がたくさん残ってくると思うわけです。したがって一つには、有症率という問題が起こってくるのだと思いますけれども、ぎりぎりの有症率、ぎりぎりの排出量、そういうようなところで、これは基準にはまりませんという基準をどこかに設けないわけにいかぬと思いますが、しかし、これは基準にはまりませんというその決め方というものは、さっき長官もおっしゃっていましたけれども、その地域住民の感情からしても、やはりなかなかむずかしい問題が残るのではないか。だからかねて主張するように、公害病等の場合にはこれは逆にそうではないという立証ができなければ、相当数の有症率があり、相当数の排出量があるとするならば、原因があるとするならば、私は認定をするという方向で議論すべきだというふうに思うのです。これはもう政治的な判断ですが、そういう点について長官はどういうふうにお考えですか。
#39
○小沢国務大臣 方々でそういう問題にぶつかって、私も心を痛めるわけでございますが、公害健康被害補償法というものは、やはり一定の定型化というものをやらないと、どうしても法律の制度としては成り立たないものですから、結局そういう矛盾が出てくる、一般の国民感情と制度との間のずれがどうしても出てくるわけでございます。したがって、これは私はやはり別の考え方で臨んでいかなければいかぬのではないだろうかというふうに思います。
 そこで、どういうふうにしたらいいか、たとえばいま設例がありましたような、どうも汚染の程度はあるようだが、基準以上だけれども有症率が少ないとか、有症率は相当のものだが、実は現状において調べてみると環境基準以下であるとか、そういういろいろの問題がございます。また、御承知のとおり、水俣病についてもその他の病気につきましても、認定審査会というものが一定の医学的な判定を下す。ところが一方、患者の方は、そのほかの病気ともあわせて、いろいろ病気そのものに苦しんでいる現状を、国の方が放置していいのか、何とかしてくれなければいかぬではないかという国民感情もあります。そういうような点をいろいろ考えますと、この公害健康被害補償法という制度は制度として、これは一応定型化されたものですから、厳格に運用していかなければいかぬが、そのほかの面で、健康を守る意味において住民の負担をどうやって軽減をし、また治療の道を開いていくかということは、ひとつ別途、検討させていただきたい。これはあるいは厚生省所管のことになるかもしれませんけれども、この問題があることは事実でございますから、この辺のところは今後の検討の課題ではないか、かように考えております。
#40
○阿部(未)委員 長く議論をするつもりはありませんけれども、しかし先ほど議論がありましたように、たとえばカドミ含有の米の場合に基準として一ppm以上はいけない。しかし、実際政治の面では〇・四ppmから一ppmの間の米も売らないという行政的な措置がとられておりますね。そのことは大臣も否定しないと私は思うのです。同じようにこの公害病の場合にも、かりにSO2が〇・〇五ppm以上だという基準があったとしても、その過去においてどのぐらいのSO2が排出されておったかという立証が、企業の側なりあるいは科学的にできなかったとするならば、それも一つの要素たり得る。あるいは〇・〇二二ppmと〇・〇二一ppmを比べれば、排出基準から言えば基準の下かもわかりません。しかし、それでもその排出された期間は一体どうなるのかとか、いろいろな要素が含まってくるし、その辺に手抜かりがあろうとは思いませんけれども、しかし、ただ基準だけにこだわると、救済しなければならない者が救済できないような問題も起こってくるだろうと私は思うのです。ですから、一番いいのは、この前から言っているように現地を調査していただいて、その実態に基づいて判断をされるのが、行政としては一番正しいのではないかと思いますが、その場合に、いま長官のおっしゃるように単に科学的、科学的という数値だけを対象にして判断をするということになりますと、これは結果的に必ずしも科学的でない、立証できない分野についていろいろな問題がある。毎日そこに煙が出ておることを見ておるだけでも、人間の精神的に与える影響というのは相当大きいものがあるだろうと私は思うのです。これは厚生省に長くおられた長官に釈迦に説法ですけれども、大体、病気というものはそういう性格を持っておりまして、悪いと思うとよくても悪くなるし、おれは元気だと思えば悪くても元気になるようなもので、毎日排出される煙を見ておるという精神的な圧迫だけでも、私は相当なものがあるのではないかと思う。やはりそういう点を配慮するのが政治でなければならない。そういう意味合いから、部長がおいでになりますが、余り基準にこだわらない判断というものができないのかどうか、その辺の見解をちょっと。
#41
○橋本(道)政府委員 先ほど指定地域の場合の条件を非常に手短かに申し上げましたので、誤解を受けたところがあると思います。私どもは、実は指定地域の調査を始めるときには、十年ぐらいさかのぼっております。そうして手がかりが何かあるかということで、いろいろその当時の燃料の統計から工場の生産や施設等の統計からすべてとりました。あるいはもとシミュレーションをやったものがあれば、それをとってくるということで、先ほどの汚染の程度のこの数字にぴしゃり合わなくても、別の短時間のピークとか季節別とかシミュレーションで非常にひどい問題が出ておったというようなこと、そういう問題があった場合には、指定の中に入っているケースが中にはあるわけでございます。しかし、十年間さかのぼって調べてみて、客観的な証拠がないというのは、これは反証できないという話とは事情が違うというぐあいに私は考えております。しかし影響がありますれば、これはたとえ相当前の影響でございましても、慢性気管支炎というのは正直なもので、やはり跡が残っております。ですから有症率の方は、どうしても跡が残りますから、その方ではひっかかってまいるということでございますので、一応の基準というものは設けてやっておりますが、私どもの方もこれは条件としまして、いま申し上げましたようなできるだけ長い年次を振り返り、しかも、いろいろなデータをできるだけ集めて検討するのが、指定地域の調査になっているという点は、ひとつ御了解をお願いしたいと思います。
#42
○阿部(未)委員 いま申し上げたように、私は専門家とここで議論をしようとは思っておりませんけれども、私が申し上げたのは、数値だけで出てこないいろいろな問題があるだろう。たとえば幾ら部長が言ってみても、今日、複合公害の問題について明確に部長はお答えできないと私は思っています。光化学スモッグ一つとってみても、われわれだって疑問に思う点がたくさんあるわけなのです。単にオキシダントだけで決定するものだろうかというようなことをいろいろ考えさせられる点があります。だけれども複合公害などに至っては恐らくそれだけの数値で決められるものではないと思うのです。そこで有症率の問題などいろいろありますとおっしゃいますし、私もそれは否定はしません。否定はしませんけれども、それだけで、いわゆる数字だけで物事を決めていく、ある数字が必要だという長官のお考えはわからないわけではありませんが、それが金科玉条になってしまうと、救済しなければならない人の救済までできなくなってくる。私がお願いしたいのは、その間に十分な政治的な配慮というものが必要ではないか、その意味です。これは長官の分野です。
#43
○小沢国務大臣 先生も政治家、私も政治家でございますから、そういう面から考えれば、先生のおっしゃることは十分理解できるわけでございます。したがって先生のお気持ちのような考え方で、ある程度救うにしましても、やはり問題が残ると思うのです。これは、いま十年前からのあれを調べ、いろいろ有症率も緻密に調査をして決定していくわけですから、そこに県当局とこちらの方とで、できるだけ先生のおっしゃるような気持ちをそんたくしてやりましても、どうしても脱落する人が出てくる。その脱落した人はやはり同じような疑問といいますか、感情が残るわけでございまして、したがってやり方としては、できるだけ御趣旨を体しながら、健康被害を受けた人を救うという見地を主にしてやりつつも、一方、制度的に定型化されたこの制度とのずれの問題をどうやって解決するかという点も、十分ひとつ検討していく。
    〔委員長退席、木下委員長代理着席〕
 両々相まって、そうした国民の健康を守る仕組みというものを粗漏なく進めていかなければならぬのではないか。ただ、私やると申し上げているわけではありませんので、検討しなければいかぬというふうに申し上げている。そうでありませんと、これは私の所管なのか厚生省の所管なのか、いろいろそういう点もありますし、制度的にどうやったらいいのか、財政当局との関係もございますものですから、やむを得ず慎重にならざるを得ないわけでございますが、その点は問題点として私どもも今後、十分ひとつ検討を加えていきたい、こういうことで今日の段階では御了承いただきたいのであります。
#44
○阿部(未)委員 わかりました。
 それで環境部長、七月の段階で調査の対象にするかしないかの結論が出るという先ほどのお話でしたので、その段階で結論が出たならば、そのデータをいただきたいと思うのですが、これはよろしゅうございましょうか。委員長ちょっと諮っていただきたいと思います。
#45
○橋本(道)政府委員 いま申し上げました県の調査は県単でやっておりますので、私どももそのデータをもらいたいと思っておりますし、また、先生の地元でのそういう御要望があるということも県に十分話をしまして、納得のいくような措置をとりたい、こういうように思っております。
#46
○阿部(未)委員 わかりました。
 それでは、次の問題に移らせていただきますが、通産省お見えでしょうか。大分の新産都の第二期計画で造船立地はどんなふうになっておるか、造船関係の立地はどうなっておるか、わかっておったら知らせていただきたいと思います。
#47
○滝沢説明員 現在まで六号地については石油精製それから石油化学ということで、あと残りの地域に三菱グループが機械製造という形で、造船も含めて内定しているというふうに聞いております。それからさらに七号地につきましても、同じく造船を含めた機械製造というような形で、三井グループが内定しているというふうに聞いております。
#48
○阿部(未)委員 三菱の造船は予定されておりませんか。
#49
○滝沢説明員 現在、造船そのものは運輸省さんの所管になっておりますので、通産省は直接タッチしておりませんけれども、県の方のパンフレット等によりますと、三菱グループの造船、修理、改造といったものが予定されておるように聞いております。
#50
○阿部(未)委員 わかりました。
 そこで環境庁の方にお伺いするのですが、これは水質の方になると思うのですけれども、いままで大体、造船関係は無公害だということがずっと言われてきて、誘致に当たっても造船をなるたけやりたい。最近はちょっと造船も行き詰まったようでございますけれども、そういう関係から、大分の新産都の場合にも造船誘致がかなり大きいウエートを持ったというふうに私は理解をしておりますが、さて造船が果たして無公害だろうかということについて、いろいろ議論が起こっておるわけです。先ほどからも申し上げておりますように、この種の問題は事前に十分にチェックして未然に防止をするというのが、住民のためにも企業のためにも大事なことだというふうに私は考えます。その意味で、長崎の立神造船所と、それから新しい香焼島の造船所の沖合いのムラサキガイを採取して、これは民間の団体ですが、重金属の調査をしたデータがあるのですが、こういうものについて環境庁は水質の何かお調べになっておりますか。
#51
○大場政府委員 長崎の三菱重工の造船所香焼工場あるいは立神工場の沖合いで、学者の方々がムラサキガイを採取して、その中の重金属を調べたということは私どもも聞いております。その結果によりますと、別府湾、これは正常なところであるというので、比較の対象として採用されているようでありますが、別府湾に比べましてかなり高い重金属が出ているというように聞いております。私ども、そのデータをいただきまして、早速、長崎県で改めて調査をしてほしいという依頼を申し上げました。その結果をいただいておりますが、私どもがいま長崎県からもらっている結果では、特に重金属の濃度というものは濃くはない、こういう結果を受けております。
#52
○阿部(未)委員 そうなると、こっちのデータというのはまるっきりでたらめだということになると思うのですけれども、私どもが承知をしておるのでは、いまお話があったように立神沖のムラサキガイの採取で、まず亜鉛については八四・七ppmが検出されておる。それから銅については二二・〇ppmが検出された。マンガンについては一七・〇ppm。これはいずれも別府湾等の正常と言われるところの数値に比べますと、何倍あるいは何十倍という数値になっておる。大分県で佐賀関の日鉱製錬所のところの海域が、重金属で一番汚染されておると言われておるのですが、これに匹敵するほどの重金属が、特に立神沖のムラサキガイから検出された、こうなっておるわけです。
 そうしますと、県がおやりになったのだから、行政としては県の方のを信頼されるのは、私はわからないわけではありませんが、民間の学者が分析をされた結果と県がおやりになった結果が明らかな食い違いを見せる場合に、環境庁としては何らかの措置をとる必要があるのではないでしょうか。
#53
○大場政府委員 ただいま申し上げました県の分析結果、これは県もまだ地元に発表されてないようであります。ですから、同じものを調べた結果、二つの異なったばらつきが出てきているわけですから、これはどちらがリライアブルであるかということにつきましては、両方すり合わせする必要があるのではないかと思っております。
#54
○阿部(未)委員 大臣にお願いですが、悪口を言うわけではありませんが、ともすれば、行政は開発というものについて大きい関心を持っておりますし、特段、直接に人体に被害がないのならば何とか開発を進めたい、これが率直に言って今日の過疎に悩む行政の姿勢だということを、私は理解できないわけではございません。しかし先ほど申し上げたように、長い目で見て、それが地域住民の健康被害につながり、あるいはそれが企業のためにも決してプラスにならないというのが、今日までの公害のいわゆる後始末庁として処理をされてきた環境庁のお考えだろうと思うのです。そういう意味合いからしまして、いますり合わせというお言葉がございましたけれども、大きい食い違いがある場合には、ひとつ環境庁の方でも積極的に乗り出して、正しい調査、住民の納得できるような調査をしていただいて、仮に大分に立地するにしても、そういう心配はないという上で立地をしてもらわなければ、そういう心配を内蔵しながら立地をするというようなことがあってはならないと私は思うわけです。これはひとつ公害の未然防止の立場から、環境庁は責任をもってすり合わせをやってもらいたいと思いますが、長官、ようございますか。
#55
○小沢国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。県に早急に指示をいたします。
#56
○阿部(未)委員 もう一点お伺いをしたいのですが、運輸省お見えになっていただいておりましょうか。公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づきまして、きのう、ちょっと私ニュースで見たのですけれども、近い時期に特定空港の指定を大分おやりになるというように聞いておるのですが、いま法律で定められておるのは成田の空港一つでございますね。あとはそれぞれ指定をされてきておるということになるわけでしょう。どうなのですか、新東京国際空港は法律でも初めから決まっておるわけですね。あとはずっとおたくは指定をされるわけでしょう。これで新しく特定空港に指定をするところはどういうところでございますか。
#57
○井下説明員 実は本日の閣議で政令を通しまして、十七日に公布する予定でございますが、北の方から新潟、大分、熊本、那覇の四空港を今回、指定するわけでございます。
#58
○阿部(未)委員 わかりました。これで、空港設置者の資格にもよりますけれども、特定空港に指定されないものはどのくらい残りますか。
    〔木下委員長代理退席、委員長着席〕
#59
○井下説明員 航空機騒音防止法では、運輸大臣が設置する空港及び成田新東京国際空港、こういうことになっているわけでございます。現在までに新東京国際空港を含めまして十三空港が指定されるわけでございます。残りはまだということでございます。
#60
○阿部(未)委員 特定空港に指定をされますと、九条の三でございますか「空港周辺整備計画」というのがございますが、これに自動的に該当するわけですか。これはまた別に指定するわけですか。
#61
○井下説明員 九条の三の「空港周辺整備計画」、これは当然にこの計画を立てるわけではございませんで、現在のところ大阪国際空港だけがこの計画をつくっております。それ以外はつくっておりません。
#62
○阿部(未)委員 そうすると、法第六条の「共同利用施設の助成」等は、法律の根拠はどこになるわけですか。
#63
○井下説明員 法律第六条に基づきまして、これは市町村に対して助成をすることになろうかと思います。
#64
○阿部(未)委員 そうすると、これは特段、九条の三の「空港周辺整備計画」に該当しなくとも、四条の特定飛行場の使用者の責務ですか、どこにこれは該当するのか。六条の「共同利用施設の助成」を行うというのはどこからくるわけですか。
#65
○井下説明員 これは空港周辺整備計画をつくりませんでも、特定飛行場でございますれば一般的な施策は行われるわけでございます。空港周辺整備計画をつくります空港につきましては、相当大規模に周辺整備計画を行う必要がある空港にだけ、この計画をつくっているわけでございます。法律の根拠はこの六条でやっているわけでございまして、九条の三は直接の関係はございません。
#66
○阿部(未)委員 それで、特定空港に指定をさるれば、自動的にというと問題がありますが、この空港整備ができるのかとお伺いしたのは、そういう意味だったのですけれども、そうすると、必ずしもそうではないが、特定空港に指定をさるれば、この六条の適用はあり得る、あり得ない場合もある、そう理解していいのですか。
#67
○井下説明員 六条の適用は、特定飛行場に指定いたしますれば当然にございます。したがって、大分空港の例で申し上げますと、今年度、約二千四百万程度の助成を実は予算で予定いたしておりまして、一カ所の共同利用施設をつくる予定にしております。
#68
○阿部(未)委員 「共同利用施設の範囲及び補助の額等」というのが施行令の五条にございますね。その一項に「運輸大臣が定める額」というのが一つございますね。これを受けて今度は運輸省告示の百六十一、百七十八ですか、これになるのだと私は理解をしておるのですが、そういう理解でいいですか。
#69
○井下説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#70
○阿部(未)委員 そうですね。そこでいまの運輸省告示の四十五年六月の百六十一と四十六年五月の百七十八によって、「一般住民の学習等の用に供するための施設に係る補助の額」、これがいわゆる「運輸大臣が定める額」という第一項になるのだと思うのですけれども、その額の中で「一種」「二種」「三種」と「種別」を分けて規定をされておりますが、この額は現行ではないのではないでしょうか。
#71
○井下説明員 この「種別」は、その集落の世帯数によりまして種別を分けているわけでございまして、「補助額」の方は毎年変えているわけでございます。
#72
○阿部(未)委員 では「種別」は変わらないが、(四)の「補助額」は年々変わっておる。これはいまどんなふうに変わっていますか。
#73
○井下説明員 たとえば一種の「一〇〇世帯以上」でございますが、五十年度では、特に大分の場合を申し上げますと、補助額が九百万円でございます。
#74
○阿部(未)委員 いや、大分の場合ではなくて、一種、二種、三種、別々に言ってください。
#75
○井下説明員 全部でございますか。――これは実は地域別に、冷房を要しない地域、冷暖房を要する地域、それぞれの種別がさらに細かく分かれておりまして、A、B、Cの三地域に分かれているわけでございます。
 一種で申し上げますと、上の方の「世帯数」「面積」等は変わりはございませんが、A地域の補助額が七百二十万円、B地域が九百六十万円、C地域が九百万円。二種を申し上げますと、A地域で一千八百七十万円、B地域で二千四百八十万円、C地域で二千三百四十万円。三種を申し上げますと、A地域で三千二十万円、B地域が四千十万円、C地域が三千七百七十万円でございます。
#76
○阿部(未)委員 そこで、あなたがさっきおっしゃりかけた大分の場合はどれに該当するのか、ちょっと知らしてくれませんか。
#77
○井下説明員 大分の場合はC地域に該当するわけでございます。
#78
○阿部(未)委員 何種のCに該当するのですか。
#79
○井下説明員 ちょっとこれは正確には把握しておりませんが、二種のC地域に該当するかと存じます。
#80
○阿部(未)委員 二種のC地域は、いまのお話ですと二千三百四十万という数字になりますね。この前、私がちょっとお伺いしたときには、三千二百三十三万七千円で国費が二千四百二十七万円ぐらいではないかと聞いておったのですが、少し数字が食い違うようですけれども、どういうことですか。
#81
○井下説明員 国費二千四百万円というのは予算のときの数字でございまして、その当時には、本年度分のこの基準が実はまだできておりませんでしたので、若干食い違ってまいるわけでございます。
#82
○阿部(未)委員 そうしますと、細かいことで恐縮なのですけれども、実際の数字はいまお話しになった二千三百四十万という数字になると理解をしていいわけですか。
#83
○井下説明員 そう御理解いただいてけっこうでございます。
#84
○阿部(未)委員 そうすると、この補助の出し方は一体どういう形ですか。恐らく市町村に出すのだと思いますけれども、そこから計画が上がって竣工したものに対して出すのですか、もう最初からその町村に交付をして、町村でやらせるのですか、これは。
#85
○井下説明員 できたものについて交付するわけでございます。
#86
○阿部(未)委員 そうすると、それは決定をしてから竣工するまでの期間の制限とか、そういうものはございませんか。
#87
○井下説明員 特別に制限を設けておりません。
#88
○阿部(未)委員 これは長官に言ったって仕方がないのですが、いま地方自治体でこの種の問題が非常にたくさん起こっておるわけですね。学校建設は、建設計画当時にたとえば五千万かかるとして、その八割補助を国が決定をした。期間が長引いたので実際は六千万も七千万もかかる結果になって、しかも、国は一遍決定した予算ですから、五千万に対する八割しか出さないということになるわけですね。空港整備の場合にも、すぐできればいいが、期間が長引くような場合は、そういう問題が起こってくるのではないか。もし、そういうことになれば、これは大臣の裁定事項のようでございますから、何らかの考慮が払い得るものかどうか、ちょっとお伺いしておきたいと思うのです。
#89
○井下説明員 実は共同利用施設につきましては、定率の補助ではございませんで定額の補助を実施しているわけでございます。おおむね四分の三程度の補助にはなっているかと思いますけれども、地方公共団体におきまして、なるべく早く仕事をしていただきますようにお願いいたしたいと思っております。
#90
○阿部(未)委員 長官、やはり政府を代表される方でございますから。いわゆる地方自治体の超過負担というのが今日、非常に大きい問題になっております。いまこの空港周辺の整備についても定額で補助をやる、当初の計画としては四分の三という目標でお出しになるわけですけれども、長引けば資材の値上がりとか人件費の値上がり等で、地方公共団体が思わぬ大きい負担を背負い込む結果になりがちでございます。政府全体の問題として、ひとつ長官の方でも閣議等で、この種の地方自治体の超過負担の問題については特段の配意をお願いしたいと思いますが、御意見があればひとつ聞きたいのですが。
#91
○小沢国務大臣 七割五分の補助率というものは、この種の公害関係のものでございますので、特別な高率の補助になっておるわけでございます。二割五分は、やはり自治体においても、その地域住民の健康なり生活環境を守るという責任の一端を表明してもらいたいということで、決まっておるわけです。それが長引いたら、資材の値上がりその他で七割五分が七割になる、あるいは六割五分になる場合があるではないか、その分を何とかしろ、こういう御意見だろうと思います。それが超過負担という趣旨になるかどうか、この点は、法律上四分の三の補助をすると決めておいて、それが結果的に六割の補助しかならぬという場合の問題と、そうではなくて、実際上四分の三になるように運輸大臣が処置したという場合と、超過負担の考え方に違いが出てくると思うのでありますが、いずれにしても生活環境を守るための施設を、国と地方公共団体が協力してやる、その協力の度合いの問題でございますので、この点は、私どもの地元でも今度、指定になった空港等もございますが、実態等をよく見まして、現実にいま地方財政が苦しいものですから、これではできないということで、余り住民の騒音防止のための生活環境の保全ということができないようなことになっては困りますから、そういう面では私どもの方も発言権があるわけでございますので、そういう実態をよく運輸省から聞いてみまして、いやしくも地元の財政状況によって、せっかくの住民の生活環境の保全対策ができないということのないように、できるだけ私もひとつ力をいたしたいと思います。
#92
○阿部(未)委員 くどいようですけれども、私が申し上げておるのは、補助の率で定めておけば、竣工したときに金をやるということになれば、その割合で金を負担すればいいわけですから、私は率でもって定めるということは賛成なのです。ところが、当初、計画の段階で金額を決定してしまうから、結果的にでき上がったものについては、七割五分の補助であったはずのものが六割しかなっていないというのが、今日各地方自治体と国の補助との間で行われている、単にこれは空港整備だけではございません、全般的に起こっている問題なので、閣僚の一人として、この種の問題についてひとつ十分な配慮をお願いしたいという要望でございます。おわかりになっていただけたと思いますから、終わります。
#93
○渡辺委員長 金瀬俊雄君。
#94
○金瀬委員 私は、いま問題になっております鉄の公害、東京湾の汚染問題、首都圏の大気汚染問題、これらに関係いたしまして御質問いたします。
 初めに、鉄の公害対策についてお尋ねいたします。時間も余りございませんので、きわめて率直に御質問いたしますので、御答弁も結論で結構でございますので、簡単にお願いしたい、かように考えております。
 製鉄所の公害対策は、何といってもその中心は焼結炉の脱硝技術の開発にあると思っても差し支えない、さように考えておりますので、その点について質問いたします。
 脱硝装置の研究開発のために、高炉鉄鋼九社が鉄鋼業窒素酸化物防除技術研究組合というものをつくって、通産省から補助金を受けて、そして現在までにいろいろ開発研究を進めているということでございますが、この補助金の総額はいままでにどのくらいになっておるか、お知らせ願いたいと思います。
#95
○福島説明員 四十九年度に鉄鋼業窒素酸化物防除技術研究組合に対して交付決定をしたのが二件ございます。一件は焼結炉排煙のアンモニア還元による脱硝技術の開発となっております。もう一件は、電子線照射による脱硝技術の研究開発となっております。
 本件につきましては、従来から補助金の金額については申し上げないことになっておりますが、研究組合という性格もございますので、これが前例とならないという意味で申し上げますと、前者については約一億二千万円、後者については約二千万円の補助を出しております。
#96
○金瀬委員 その組合の下に三つの組織を持って、それぞれ研究しておるということでございますが、SR部会というのが千葉の川鉄、ER部会というのは新日鉄八幡、NR部会というのは住金であるということを聞いておりますが、それぞれの部会にいまの一億二千万ですか、補助金はどういうふうに分けられておりますか。
#97
○福島説明員 第一番目のSR法が一億二千六百万円でございますか、それから二番目のER法というのが二千万円ちょっとでございまして、三番目のNR研究は独自の金でやっておりまして、補助金は出ておりません。
#98
○金瀬委員 三つの研究部会の現在までの開発状況は、もし、わかりましたらお知らせ願いたいと思います。
#99
○福島説明員 SR法につきましては、三月三十一日現在で年度報告というのを受け取っておりますが、これは主として二月、三月の二カ月間だけ研究が行われたために、現在まで出た成果では、ダストの量、質、それからアンモニアをどういうふうに注入するか、そのスピードはどうするかというような技術的な検討をやりまして、その結果では大体九〇%から九五%ぐらいの脱硝率という成果を上げております。しかしなお、アンモニアの回収あるいは熱の回収、それから年間を通じての安定操業というような検討を、今後一年間やっていって、来年の三月末までに完成するという報告を受けております。
 それから二番目のER法につきましては、これは残念ながら基礎的な研究に少しミスがございまして、ペンチスケールでの研究におきましては、電子線の照射と脱硝率というものとが比例して、非常にいい成績をおさめたわけでございますが、これを大きなスケールに持っていくと、途中でサチュレートしてしまって、照射線量をふやしても、それ以上回収できないという問題にぶつかりまして、これを現在、原因を調査して検討しておるために、それを用いた脱硝技術全体としての研究というものは現在ストップしております。
 それから三番目のNR法は、まだ研究が始まったはかりで、成果としてはまだ上がってきておりません。
#100
○金瀬委員 住金の鹿島でやっておる方法については、いまおっしゃったとおりで、どうせこの研究をやってみても、役に立つようなものはできないのではないかということで、関係者の間でストップしているという話を聞いております。それから新日鉄でやっております脱硝装置も、いま試作されるという段階になってないということを聞いておりますが、あなたの方でとっておる情報ではどういうことなのですか。
#101
○福島説明員 民間独自でやっている分野について、まだその辺の報告を受けておりませんので、はっきりわかりませんが、余り進んでいるという報告は受けておりません。
#102
○金瀬委員 そこで、川鉄千葉で担当しておるいわゆるSR法というのは、川鉄が当初自己資金で出力毎時二百立方メートルの脱硝装置を試作して、第四焼結炉に接続した。昭和四十九年八月から三千時間稼働させ、試験して、九五%の高率を示したということが言われておりますが、それは事実ですか。
#103
○福島説明員 四十九年度の補助金を交付する際には、当時千立米程度の研究というものを進めておった。これは川鉄というよりも日立造船が開発した技術で、触媒というものを利用しての研究をやっておったということを聞いております。それを五千ノルマル立米パーアワーという規模へのスケールアップを現在、開発しておるということでございます。
#104
○金瀬委員 ある程度、実験段階では成功したということが言われるわけでございますが、この試験段階の成功ということを、このまま実際の大きな溶鉱炉に適用することはできますか。
#105
○福島説明員 最終的には、先ほど申し上げましたように来年の三月まで安定操業の実験の研究をやっていくわけでございまして、その研究が終わった段階で、成功認定というものを通産局を通じてやっておりますが、その結果、成功ということになれば、当然利用できると考えております。
#106
○金瀬委員 次に、科学技術庁に御質問申し上げます。
 科学技術庁と荏原製作所で共同研究ということでやっておって、亜硫酸ガスを取ることと窒素酸化物を取ることと、両方一緒に除去することに成功した、しかも、その成功率は非常に高いものであるということでございますが、事実そういうものが開発されましたか。
#107
○福永政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から科学技術庁と荏原製作所の共同研究、こういうお話でございましたけれども、実態は私どもの監督いたしております日本原子力研究所というのがございます。その原研の高崎研究所というのがございまして、ここが放射線化学の勉強をしておるわけでございます。この高崎研究所が、放射線化学の研究の一環としまして、荏原製作所と共同研究で、ただいまのお話の件を開発したわけでございます。四十七年から八年にかけまして研究をしたわけでございますが、その結果は論文としても発表いたしております。ただ、そのときは、原子力研究所でございますので非常に基礎的と申しましょうか、基本的な研究をしておるわけでありまして、多少、量的に申しますと、当時としては十立米パーアワーといった程度のものでございます。この程度の規模ではございますが、当時の論文としましても非常にいい除去率をおさめている、こういう報告をしておるわけでございます。
#108
○金瀬委員 この原子力研究所で出しておる広報の中に、確かに高崎の研究所ということも書かれておりますが、荏原製作所と共同で研究したということが書かれておりますので、これは両方でやったと思いますが、その中に、亜硫酸ガスと同時に、窒素酸化物の除去率が「一〇〇%を除去することができる。」ということが書いてあります。こういうことでございますと、除去率というのが非常に高いということでございますので、これが成功すれば、今後、鉄の公害というのをある程度除去することができることが確実になるわけですが、これを実際に運用する場合に、採算ベースの問題あるいは実験の場合には少ない量でやっておるので成功することはあるけれども、それを大きな溶鉱炉へ持っていった場合に実際に実用化することができるかということが疑問だと思いますが、その点はどうですか。
#109
○福永政府委員 高崎研の研究の成果につきましては、ただいま先生のお話のとおりでございます。
 ただ、これが大きな装置、大量に工業規模において処理するということになりますと、たとえば電子線の照射の割合ですとか、いろいろと技術的な開発要素がまだ残っているのではなかろうかと思うわけでございます。その辺につきましては、先ほど通産省の方からの御答弁にもあったとおりでございまして、十立米程度のもので成功して、それが直ちに工業開発規模の大きなもので成功するというためには、まだまだ、いろいろエンジニアリング上の問題ですとか解決しなければならない問題が多いかと存じます。
#110
○金瀬委員 通産省では、いま発表がございました原子力研究所のそうした脱硝設備が成功したということを知っておりますか。
#111
○福島説明員 先ほど御説明申し上げましたER法というのが、この荏原製作所と日本原子力研究所が共同で実施した研究の成果を利用して、これを受けて計画しているものでございます。それで先ほども申し上げましたように、ベンチスケールテストでは非常にうまくいったのでございますが、百倍にスケールアップしたところでいろいろと検討してみたら、非常に問題がいろいろ出てきた。細かいことになりますけれども、たとえば粒をつくっていくわけでございますが、これがどうも自然に崩れてしまうというような問題もございまして、やはりベンチスケールと実際というところのギャップというものが非常に大きな問題でありまして、これを解決するのにかなりの時間がかかるということもございまして、現在そちらの基礎研究の方を再び力を入れてやっているという段階と聞いております。
#112
○金瀬委員 それではこの研究は、試験段階では成功したけれども、実験段階に移すためにはなお研究を続けなければならないというふうなことであろうと思いますが、第二期の共同研究を開始するということは、これは大きな溶鉱炉へ持っていっても活用できるようにまで研究をするというふうに解釈してよろしゅうございますか。
#113
○福島説明員 現在、研究組合の方で第一期、第二期という名称で呼んでおりますが、第一期基礎研究というのが、先ほど申し上げましたように荏原製作所と原子力研究所で共同したものを使った実験でございますが、いま第二期になったのは、第一期でどうもうまくいかなかったということに関連しまして、少し基本的なものに戻ってさらに検討してみたいということでございまして、これの基本的な成果がはっきりあらわれた段階で、実際のスケールまで持っていくかどうかを決定していこう、現在の段階では、いまの技術でそのまま本装置に使えるかどうかという結論まで出ていないようでございます。
#114
○金瀬委員 鉄鋼連盟では六十億から七十億の基金を集めて、窒素酸化物を除去するための研究を、大学の教室に委託して進めておるということでございますが、そういう事実はございますか。
#115
○弓削田説明員 そういう事実はございます。
#116
○金瀬委員 それでは、その鉄鋼連盟で集めた基金がどういうふうに各大学の教室に配分されて、どういう研究の成果を上げておるか、後で文書でお知らせ願いたいと思います。
 それからその次に、日本の公害関係、特に窒素酸化物に対する環境基準は、世界的に見ても厳しい基準であるということが言われておって、鉄鋼界においては、この環境基準を見直してくれるように、見直しされることを期待しながら、いま盛んに運動が行われておるということがうわさに上っておりますが、国は環境基準を後退させる考えで再検討しておるかどうか、これは長官にお伺いします。
#117
○小沢国務大臣 環境保全のための大事な点は、やはりある程度厳しいリードラインというものを設けまして、そこへ引っ張っていく。だからそういうことがあるから、これだけ熱心にいろいろな脱硝技術についても研究開発を進める意欲が出、また、それについて投資も行い、熱心にやるわけでございますから、私は基本法の中にあります望ましい基準というものについて、いま直ちに再検討するという考えは持っておりません。世界的に、アメリカの基準の五倍というような、非常に厳し過ぎるではないかという批判は、私も承知いたしております。おりますが、やはりもう少し厳しいリードラインでみんなが努力するという、この体制だけは非常に大事な点でありますから、私はいまのところそういう要請も受けたこともございませんし、また、われわれが環境基準見直しの作業をしなければいけないとも、現在のところは考えておりません。
#118
○金瀬委員 国民感情から言っても、国民の合意が得られるということは考えられませんので、いま長官がおっしゃったように、自動車の排気ガスのように後退しないように、ひとつがんばって進んでいただきたい、さように要望しておきます。
 それから、これはことしの五月二十八日づけの新聞に出たわけですが、いま新聞を持ってきておりますので、お見せしても結構でございますが、通産省は、民間産業が工場の新増設を図るために、工場のある地元の自治体、市とか県とかと、国の排出基準を大幅に上回る公害防止協定を締結した場合、公害防止投資を行う場合に、その企業に対して開発銀行の融資順位を後回しにするような、行政上こらしめを課するというようなことが出ておりましたが、こういう事実がございますか。
#119
○山田説明員 国及び地方公共団体の公害規制が強化されるに従いまして、企業の方では公害防止投資を行っております。たとえば全体の投資中に占める公害防止投資の割合は、四十八年度の一〇%から四十九年度に一六%、そうして本年度、五十年度の計画では二〇%になるわけでございます。したがいまして、国といたしましても公害防止事業団とかあるいは日本開発銀行の公害防止枠とか、そういったもので融資、助成を行っているわけでございます。しかし、その金額は、本年度で申しますと、開発銀行の例をとりますと九百二十三億円ということに相なっておりますが、通産省あるいは日本開発銀行が別個に、最近の情勢を、企業にアンケートをとって、どのくらいの需要があるかを調べますと、大体二千億円を超える程度の需要があるわけでございます。したがいまして、現在の段階では相当の資金の需給上の不足がある。しかし、私どもは大蔵省に対しましてできるだけ増枠のお願いをいたしているわけでございますけれども、その不足という事態に対処いたしまして、できるだけ効率的に政府の資金を使っていく、こういう観点から、かねてから関係各省庁間で連絡をとりながら、何らかの優先順位というものを使って、有効に政府の資金を使っていくことを検討中なわけでございます。まだ最終的な結論を得ておりませんけれども、基本的な考え方といたしましては、案件の緊急性というものに着目いたしまして、環境基準達成のために必要不可欠な規制を守るための案件は、その規制の根拠が国であろうとあるいは地方公共団体の条例でございましても、あるいは防止協定でございましても、いずれを問わずに緊急度の高いものといたしまして、それ以外のものを融資比率を下げるとか、あるいは少し待っていただくとかいうことではどうかということを検討いたしておるわけでございます。実施する際には政府全体としての方針として行われることに相なろうかと思います。
 ただいま先生御指摘の新聞等の記事は、全く私どもの意図と違うところでございまして、何も自治体なりあるいは企業なりが一生懸命公害防止投資をやっているのに水を差すような立場というのは、全くとっておりません。あくまで環境基準達成という一つのめど、それに対して現実の資金需給上の不足、こういう事態に対処するため現在打開策を検討中、こういうのが実態であります。
#120
○渡辺委員長 金瀬君にちょっと希望しますが、答弁者が非常に多岐にわたっておりますから、なるべく答弁者の名前を指定してください。
#121
○金瀬委員 いまの方に御質問申し上げます。
 この新聞を見ますと、通産省では行政判断で基準を設けて選別をするということが明確に書かれております。いまあなたのおっしゃったことは、そういうことをしないということを断言しております。そうなってまいりますと、この新聞に書かれておることがうそであるということになりますが、そう考えてよろしゅうございますか。
#122
○山田説明員 新聞の記事は二つございまして、一つはそういう資金の需給がアンバランスであることから、どうしても何らかの選別をせざるを得ないという事項と、それから何か通産省が、公害防止協定を地元の地方公共団体と企業が結ぶのに水を差しているという事項、この二つから相なっているかと思いますが、前段につきましては、先ほど御説明したように資金のアンバランスということから、何らかの優先順位をつけざるを得ない。そうして従来でも、開発銀行の融資基準というものを、私どもの推薦基準を毎年つくっておりますので、その中で、関係省庁つまり公害防止事業団でございますと環境庁でございますが、また大蔵省等関係各省庁と御相談の上、合意が得られれば、そういう方向に持っていきたい。ただし、後段の点につきましては、全くそういう意図はないということでございます。
#123
○金瀬委員 こういう意図は全くないということでございますので、新聞が誤報をしたというふうに解釈して、先に進ましていただきます。
 それでは次に、東京湾の汚染の問題について御質問いたします。
 昨年の暮れに大きな事故が東京湾に起きたわけでございますが、この問題の補償がまだ解決されないうちに、わずか半年たってから今度は栄光丸が座礁した。二十三万トンであり、幅員が五十メートル、長さが三百二十メートルぐらいのマンモスタンカーだ。輸入の油を満載しておりましたので、第十雄洋丸と同じように衝突しておったら、東京湾は瀬戸内海以上の大混乱になったのではないか、さように言われておりますが、海上保安庁の関係者が全力を挙げて被害防止に当たりましたので、被害が最小限に済むことができた。そのことは不幸中の幸いである、さように考えております。
 この事故によって油が流され、中和剤が使われたわけでございますが、この中和剤を五十三トン使ったと言われております。この五十三トンの中和剤が適当な量であったか、あるいは中和剤による第二次汚染の心配はないかということにつきまして、せんだって環境庁から、東京湾、伊勢湾の汚染は深刻であるということが発表されました。ですから、第二次汚染で赤潮の発生や、あるいは異臭魚がとれるという心配はないかどうか、その点につきまして環境庁あるいは海上保安庁、水産庁に御質問をいたします。
#124
○大場政府委員 油処理剤の問題につきましては、日本にもいろいろ過去の経験がございますし、海上保安庁を中心といたしまして低毒性の処理剤を開発して、一ころに比べましては、はるかにオーダーの低い毒性のものが開発されているというように聞いております。しかし、過般の瀬戸内海に起きましたケースに教訓を得られておりますように、やはり処理するに当たりましては、処理すべき場所の問題だとかあるいは漁場との関係とか、そういったことを考えて、注意深く処理すべきものと私どもは考えております。
#125
○山本説明員 海上保安庁からお答えいたします。
 栄光丸の海難によりまして流出いたしました油の量につきましては、私ども百トン前後であろう、そういうふうに一応考えておりますが、いま海難の処理の中途でございますので、正確な流出量についてはまだ算定されておりません。こういった流出推定量をもとにいたしまして、中和剤の使用量等から、その被害等について考えてみますと、中和剤の使用量は先生御指摘のとおり約五十三キロリットルでございまして、流出いたしました油の約半量ということになろうかと思います。
 中和剤の規格につきましては、先生御承知のとおりだと思いますが、海洋汚染防止法の施行細則にその規格基準を定めております。この規格基準でございますが、先年起きました新潟におきますジュリアナ号の事件等に比べますと格段の進歩をいたしておりまして、その毒性はきわめて低くなっておるということでございます。
 なお、使用基準につきましても四十八年に定めておりますが、これは生物学者あるいは化学者等の学識経験者によります協議を経てつくられた基準でございまして、これを関係各省が合議のもとに出した、そういうものでございます。
 こういった規格の処理剤を、そういった使用基準によりまして散布いたしますと、私ども、二次公害はまず起こらない、そういうふうに考えております。栄光丸の場合、流出いたしました油の約半量でございます。この程度のものでありますと、私どもとしては二次公害は起こらないであろう、そういうふうに考えております。
#126
○佐々木説明員 今回流出しました油は、さっきの話のように量は少のうございますし、処理剤も大量ではございませんけれども、その周辺の漁業、魚族に影響が万一起きては大変であるということで、現在千葉県の水産試験場が関係業者の協力を得て、事後の影響についての調査を実施中でございます。
#127
○金瀬委員 海上保安庁に御質問いたします。
 これは私の調べたところですが、原油の場合は、中和剤は一五%か二〇%まけば十分であるということでございます。ですから、百トンでございますと、二十トンが限度ということでございます。それから重油の場合は、中和剤は二〇%か三〇%というのが標準になっております。そうでございますので、東京湾に今回まかれた中和剤というのは、油の流出量から比べますと五〇%でございますので、相当多量にまかれたということになります。中和剤を多量にまきますと、いま海上保安庁のまき方は、海水を中に入れてまぜてまくという方法をとっておるようでございますが、この方法は大変いい方法だから、そうしたことが望ましいということを漁民が言っておりますが、ただ、民間の船が出かけていってまく場合には、むやみにまく。だから、量が適正量を超してしまう。それが結局第二次汚染を招くということを言っておりますので、その点については、この前も申し上げましたが、ひとつ今後海上保安庁の方で十分まき方を指導していただきたい。秋までに基準をつくるということでございますので、なるべく早くこの基準をつくって、第二次汚染が起こらないように処理していただきたい、さように要望いたします。
 次に、港湾局長に御質問いたします。
 この事件もこの前の事件も、中ノ瀬航路で起きた事件でございます。そしてこれが海洋汚染につながったわけでございますが、海図を見ますと、この中に浅い場所が五カ所ございます。恐らく沈船がある場所であろうと言われております。大型タンカーはこの場所を通ることはできませんので、中ノ瀬航路の西側を通っておるということでございます。そうしたことが今度の事件にもつながったわけでございますので、終局的には大きなタンカーが東京湾に入ることを防止する、総量を規制するということと、この航路を掘る、しかも沈船を早く片づけることが、東京湾の汚染を防止することにつながるということでございますが、そういう計画があるかどうか、その点についてお伺いします。
#128
○竹内(良)政府委員 いま先生のおっしゃったとおり、現在、中ノ瀬航路には浅いところが四、五カ所あるようでございまして、そのうち三隻ぐらいの沈船があるというような話でございます。そのために大型船は中ノ瀬航路を北上できませんために、中ノ瀬航路の西側を経由して北上するという点がございまして、そのようなことが事故の一つの遠因になっているという点でございます。
 この沈船の状態につきましては、早速、海上保安庁の方で調査を実施いたしまして、その結果を待ちまして、どのように対処するかということを決めることになっております。
 私の考え方といたしましては、東京湾の危険の問題、安全の問題等は、やはり航路を整備することとうらはらの問題でございますので、できればそのような方向に向かって努力いたしたい。しかしながら航路の整備と申しますと、やはりいろいろな関係者がございまして、早い話が、東京湾の入り口の第三海堡という暗礁は、明らかに航路の方から見れば撤去した方がよろしいわけでございますけれども、いまだに漁業関係者の全面的な了解は必ずしもとられていないというような状態でございますので、この中ノ瀬航路のことにつきましても、やはり関係者と十分話し合いながら進めていかなければいかぬというふうに考えている次第でございます。
#129
○金瀬委員 最後に、大気汚染問題について御質問申し上げます。
 ことしになってから光化学スモッグの被害者が大分出ております。去年、おととしは、いまごろは入院するとか重体になるとかいうことがなかったわけでございますが、ことしは、千葉県におきましても東京におきましても、大分そうした状況になっております。これに対する、環境庁あるいは文部省そうしたところで、どんな対策があるか、御質問申し上げます。
#130
○春日政府委員 ただいま御指摘ございましたように昨年及び一昨年につきましては、いわゆる重症被害という届け出がほとんどなかったわけでございます。ことしは、五月三十日、東京町田及び千葉におきまして、いわゆる重症被害、ことに町田市では四名が入院、それから佐原市では一名が入院と、もちろん翌日あたり退院いたしておるわけですが、重症が出たということは、私どもも十分注目しております。ただし、昨年に比べましてことしは、五月末の比較でございますると、注意報発令回数は、昨年の五月末で六十三回、ことしはその三分の一の二十一回であるということも事実ございます。しかしながら、先ほども御指摘のとおり光化学スモッグと申しますものは重症被害も出ておるわけでございますので、推進会議の決定した線に沿いまして、積極的に推進することといたしておるわけでございます。
 細かい問題を簡単に申し上げますと、特にNO工の固定発生源の排出規制の強化とか、小型トラック、ディーゼル、こういった排ガス規制の検討、あるいは炭化水素の排出抑制のためのいろいろ細目の対策の検討、あるいは要因物質の発生源対策を進めるということ、前日予報による発生源の事前規制の対策の推進、また発生機構の解明を図るために、もろもろの基礎的な研究を進めていくということでございますが、要するに、今後とも関係省庁あるいは地方公共団体、民間各位の御協力を得ることが、この光化学スモッグ対策に非常に大切なことであろうと思います。そういう意味で、被害の未然防止対策に全力を挙げてまいりたいと思っております。
#131
○倉地説明員 文部省といたしましては、昭和四十五年七月に、光化学スモッグなどの発生するおそれがある場合の措置などにつきまして、各都道府県へ通達を出した次第でございます。その結果、各都道府県におきましては、そのような場合の大体の措置の基準などをつくりまして、各学校へそれを通知し、そのように指導しておるわけでございますけれども、最近の被害の発生状況を見ますと、必ずしもその趣旨が学校の末端まで徹底していないようなうらみも見られますので、私ども、その趣旨を学校の末端組織まで徹底させるよう指導しているところでございます。先日の六月四日の都道府県の主管課長会議におきましても、この点を強く要望した次第でございまして、今後ともそのように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
#132
○金瀬委員 最後に、環境庁長官に御要望申し上げます。
 千葉県の教育委員会で、最近、生徒のぜんそくを調査いたしました。ところが工業地帯、いわゆる京葉工業地帯における発生率というのは百人に一人を超しておる。だからもう許容限度を超えたものである。それから工業地帯でない場所、いわゆる太平洋岸の方はほとんどぜんそくの患者がいない。そういうことでございますので、何といっても発生源は工場側にあるということで、いろいろな計画を立てておるし、また、いろいろな統計が出てきております。
 それから、北と南から風によって工業地帯の煙に責められて、もらい公害の中心になっております木更津市では、医師会が中心になって、いろいろと調査しております。その中で学校保健医の藤代善次郎という人が学童十数名にわたっていろいろ調べた結果が、全国のそうした会合で発表されて、ぜんそくの恐ろしさとか大気汚染の恐ろしさということを言われておるわけでございますが、この参考資料は環境庁の方へ差し上げておきますので、ひとつ十分検討していただきまして、発生源ができるだけ少なくなるように、今後の開発の進め方を検討していただきたい、さように御要望申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#133
○渡辺委員長 馬場昇君。
#134
○馬場委員 私は水俣病対策について、環境庁と運輸省に特に御質問を申し上げます。
 三木さんが環境庁長官のとき、四十八年五月ですから、ちょうどいまから二年前になるわけですけれども、水俣病救済に新しい方向を打ち出したいと意気込んで、水俣に三木さん行かれました。そしてあの悲惨な状態を見て丁政治をやる者として責任を痛感するという立場で、厳粛な約束を実は現地の患者、住民にされた。その中の一つに、水俣病総合センターというのをつくりますという約束をなさいました。三木さんのそのときの約束の言葉をそのまま申し上げますと、水俣病の研究、治療、リハビリ、作業などを行う総合センターを水俣に設置する、そのため近く患者を含む地元関係者、学識経験者を含む委員会を環境庁の中に設置をする、そして公害の原点の水俣に、世界に通用するようなりっぱな施設をつくりたい、こういうことを約束をなさったのです。その水俣病総合センターの設置計画がいまどうなっているかということについて、最初、御質問申し上げます。
#135
○小沢国務大臣 三木さんの約束が大変おくれておるわけでございまして、この点は私も申しわけないと思っておるわけでございます。就任早々、予算折衝がございましたから、ことしはどうしてもこの予算措置をいたしたいというので、御承知のような予算の計上をいたしました。したがって、まず場所を決めまして、それから先ほどおっしゃいました、この約束に基づいてできました懇談会の先生方の御意見で、どういう規模のものをつくるかの設計にかかりまして、できるだけ早く実現をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#136
○馬場委員 もう二年もたっておるわけですね。二年もたっておる中で、いまのような何かわからないような答弁では、恐らく患者さんたちも地元も納得できないと思うのです。
 具体的に申し上げますけれども、患者を含む地元の関係者並びに学識経験者で、その設置のための委員会を環境庁内につくると約束されておりますが、この患者を含めて学識経験者、そういうもので委員会がいつできて、どのような検討をしたのかということを、まず具体的にひとつ答弁してください。
#137
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のありました委員会というのはまだ設けておりませんが、四十八年から、これはまた非公式の、構想についての懇談会というのを持ちまして、そこで知事さんとか市長さんとかあるいは大学の先生に可能性の問題を、人を得たりするという問題もございますから、その問題等や考え方を、いろいろ御意見を賜ったということでございます。これは委員会ではございません。
 それから、これからの問題といたしまして、ことしから正式に予算が入ってまいりましたので、参考人として、患者さんの方がいろいろな立場の方がおられますので、できるだけ幅広く意見を聞きたい。また機会を求めて、私どもが現地に参りましたときも意見を聞き、そして整理をしていきたい、そのような予定でおります。
#138
○馬場委員 二年経過していまのような状態では、押し問答したってしようがないのですけれども、長官に約束を守るかという立場から念を押しておきたいのですが、三木さんが約束いたしました患者を含めた委員会を、現在までつくられていないわけです。これをつくるかどうか、三木さんの約束を守られますかということを、まず環境庁長官にひとつ。
 それからこの総合センターは、研究、治療、リハビリ、作業、こういうものを目的とするセンターであると三木さんが約束されましたが、そのようなセンターを約束を守っていくか、そしてこれははっきり国立で水俣につくるということを、世界的な規模でとおっしゃったわけですけれども、国立で水俣につくりたいということ、それから大体いつごろ着工するのかというめど、これについて具体的に考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#139
○小沢国務大臣 検討委員会は今年、発足をさせたいと思います。ただ、先ほど保健部長が言いましたように、患者さんの御希望というのは、先生、最も詳しいわけでございますが、患者さんのグループ、いろいろございますので、委員としてというよりは、自由に参考の意見を聞けるような仕組みにしたい、かように考えます。
 それから私どもは今年、予算を決めますときに、もうこの問題については何億かかろうと、予算を渋るような気持ちはありませんでした。私、着任しまして、二年前の約束だというので、えらいおくれておるな、だからことしは何とか解決しよう。ところが、まず土地を決めなければいけませんし、それからどういう構想かということも、やはり患者さんの納得を得なければいけない。それだというのに、建築費まで計上しても、年度内にそれが全部使い切るかどうかということも、まだはっきりしませんものですから、とりあえず必要な一億見当のものを予算として計上したわけでございまして、できるだけ早く土地を決めていただいて、そしていまの検討委員会で患者さんの御意見も聞きまして、どういうものをつくるかという内容を固め、それができ次第できるだけ早くやりますから、何も約束をほごにする意思もありませんし、これは一日でも早くつくりたい。場所が決まらぬということはなかなか困りますので、この点を県にもお願いをして急いでいただいておるわけでございます。約束は十分守るつもりでございます。
#140
○馬場委員 三木さんが約束されたときに、その前に大石長官、いろいろな長官おられましたが、水俣の患者さんたちは、政治家が来てうそばかり言う。言うたことを少しも守らない。しかし、三木さんが来られて余り大きい約束はなされなかった。本当の約束されたのはこれ一つなのです。だから非常にみやげが少なかった。というのは、あの人はまじめな人だから、やはりやろうと思う、できることしか約束されなかったのだといって評価を受けたのです。それがこんなに延びておるということは、政治に対する不信、水俣病のあれだけの問題に対するいろいろな問題がありますけれども、その原因になっているわけですから、ぜひ三木さんの約束を守って一日も早くつくっていただきたい。土地の予算は組んでありますけれども、私が調べましたのでは、いま何ら手を打ってないのですよ。組んでありますけれども、県も環境庁も手を打っていない。そういうことはだめですから、ひとついま長官が三木さんの約束をすべて守るとおっしゃいましたので、ぜひ早くやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に認定の問題です。これは長官十分御承知ないかもしれませんので、担当の橋本部長でもいいのですけれども、現在三千人近い認定申請者が出ておちます。結論だけ答えてください。これでいつまでに、この三千人が全部審査が終わるかということを、結論だけ言ってください。
#141
○橋本(道)政府委員 私ははっきりした数字としてお約束はいたしかねますが、努力目標として、月に八十人の人を審査できるようにしたいということは、熊本県も考えておられるところでございます。そういうことで三千数百人の方を八十人ということになりますと、やはり少なくとも三年弱ぐらい、いまの三千人の人だけでもやはり三年弱ぐらいはかかるのではないかというぐあいに考えております。
#142
○馬場委員 申請している人で認定もされずに死んでいく人もおるのです。重症で非常に苦しんでいる人もおるのです。それを三年間待たせる、法の精神は、速やかに救済するというのが法の精神でしょう、この三年間というのが法の精神に違反してはいないかと私は思うのですが、それに対する見解をまず、ひとつ。
 次に、水俣病認定検討委員会というのを、この間、五月二日に発足させておられます。これの法的根拠と、これは何の仕事をするのか、このことについて、あわせて御答弁願いたい。
#143
○橋本(道)政府委員 いま申し上げましたことが、この法の精神の速やかに救済するということから見てどうかということでございますが、私どももこれは非常に心を痛めております。ただ、先生も御承知のとおりやはり認定につきましては、権威のある審査もちゃんとしなければならないという問題、これは患者さんの側も社会のどなたも考えておられるところでございまして、そういうことで、幾ら早くしょうと思っても、なかなかできないところがあるというのが、私ども非常につらいところでございますので、一年以上待った人に医療費を出すということを、今度の制度で踏み切ったわけでございます。非常に私ども心を痛めておるわけでございます。
 それから、次の検討委員会でございますが、この水俣病の検討委員会と申しますのは、鑑別診断の場合に、診断のためのいろいろな判断条件というものがあるわけであります。特にここで強調して申し上げますが、基準ということではございません。よく基準と言われますのですが、一つの基準があって、それで線を引いて、それから上が患者、それから下が患者でないというようなことも、医学的には、一人ずつ非常に相違があってできない。いろいろな判断条件があるので、その医学的な判断条件をいろいろ検討していただくということで、水俣病の問題を持って一番頭を痛めておられる熊本県の問題が中心ですが、それに鹿児島県と新潟県の各審査委員会の方々から、神経内科の方あるいは眼科の方、耳鼻科の方あるいは整形科の方というような方を選んで出していただいて、そしてそこで御議論を願うということでございまして、法的に根拠のあるものではございません。
#144
○馬場委員 三年間もかかるというので悩んでおるということはわかりますけれども、私は、これは明らかに法の精神に違反しておる、だからどんなに努力をしてでも、法を守らなければならぬ、精神を生かさなければならぬという努力はぜひしてもらいたいと思うのですが、いま認定検討会は医学的な判断条件を研究してもらうのだ、こうおっしゃいました。よくわからないのですけれども、各県ばらばらであるから、これを統一したいのだということですか、それとも、かつての次官通達というものをより具体的に、もう一歩進んで言うと、疫学等を重視しながら、その新しい鑑別条件といいますか判断条件といいますか、私どもの言葉で簡単に言いますと基準といいますか、そういうのをつくるのか、それとも水俣病像というものを徹底的に追及するのか、そのどちらですか。
#145
○橋本(道)政府委員 第一の先生御指摘の、各県ばらばらであるからかということでございますが、この水俣病の認定審査の基本的な問題につきましては、すでに公害健康被害救済特別措置法のときに、ちゃんと通牒が出ておりまして、そしてその後、不服審査に伴って次官通牒というのが出ております。そういうことで教科書的な、基本的なところについては、何らお互いにそう差がないということは事実でございます。ただ、先生も御承知のように新潟の場合には、患者さんのすぐ横に大学病院がある、熊本の場合には、患者さんのすぐ横に熊大病院はないというような、お医者さんのアクセスの問題の相違が相当ございます。そういうことで、この検査をしていくときの検査の項目、検査の方法という問題、そのデテールを、いままでこの三つの審査会の方々が、研究会では自由な研究者としてお話しになりましたが、三つの審査会で必要な検査ということについての項目、方法ということについて、確かに紙で書いた簡単なところはみんな一致をしておるのですが、そこのところをひとつよく細かく話し合ってみよう、それが鑑別診断の判断条件をつくっていく第一の問題であるということでございます。次官通牒に従って認定していく、これはもう認定そのものが知事の責任で、行政の問題でございます。そういうことで各審査会の、確かに私ども、そうばらばらであるとも思っておりませんが、条件の相違があることも事実でございますので、初めてここで医学の先生方にできるだけオープンにお互いに話し合っていただいて、そして円滑に進むように、特に熊本の問題に何らかスムーズにいくような、役に立つような進め方をしたいということでやっておるわけでございます。
#146
○馬場委員 それでは、一応基準は同じだけれども、条件でいろいろ違いがあって、各県ばらばらとまでいきませんけれども違いがあるから、それを統一するためにこういう検討会をつくったのだということで、少なくとも次官通達をさらに進めるというような意味で、新しい基準というのをつくるものでもないし、水俣病像というものを徹底的に追求するという機関でもない、こういうぐあいに理解してよろしいかどうかということを、イエス、ノーだけで答えてください。
 次にもう一つ。これは橋本さんは一生懸命やっておられるのは知っていますけれども、私がこの前、十二月に質問いたしましたときに、本委員会で、いまのようなことは大体一月ごろ出しますと私には約束をなさっているようですけれども、その約束が守られておるのか、いまのと同じなのか、ちょっとそこも聞いておきたいと思います。
#147
○橋本(道)政府委員 イエス、ノーで言えとおっしゃるのは、なかなかこれは無理でございまして、水俣病像の追求というのは医学の基本的な研究課題であるということでございまして、行政に対して、どこの認定審査会でも適切な意見を言えるようにするということが基本であるということで、私はお答えいたしておきたいと思います。
 一月というときに私は申し上げました。あの時点におきましても各先生方に全部私ども個別にいろいろな考え方を当たっていっておりまして、それでやっと、この認定検討委員会ですか、六月の初めに初めて動き出したわけであります。ですから、それまでに個別の先生にはいろいろの御意見を承っております。その場合に、やはり疫学の問題と臨床の問題、臨床の中で神経内科の問題、精神神経科の問題、眼科、耳鼻科の問題、整形科の問題、いろいろの専門分科の先生方や個別の先生方によって、私どもはある程度、何とか簡単にいけるようにできないかということで考えてみるわけでございますが、やはり医学の先生方も、水俣病として少なくとも半分以上ぐらいは蓋然性があるというところと行政が認定するのと――行政の認定というのは、やはりそういうところを踏んでおるわけでございまして、そこのところになりますと、医学の方の方々の意見にも、どう言いますか、余りめちゃくちゃな踏み越えたようなことはできないというような問題で、現在まで検討委員会を組むのに時間がかかった、そのようなことと御了解をお願いいたしたいというように思っております。
#148
○馬場委員 この前、私に約束されたのと違うのですけれども、そこは追及をきょうはやめますけれども、私はこういう検討会をつくるのも結構だろうと思います。
 しかし一つ、ここだけはっきりしておいてもらいたいことは、これは昭和四十六年の八月七日に、当然環境庁も考えておられると思いますけれども、裁決があって、この次官通達が出ておるわけですから、結局この次官通達を、患者を救済するという方向で前進させるものではあっても、患者を切り捨てるという立場で後退させるというものであっては絶対いけないと私は思うのですが、その原則は当然環境庁持っておられると思いますけれども、そのことについて一言御見解を、これは長官の方に聞いておきたいと思います。
#149
○小沢国務大臣 これはもう先生のおっしゃるとおりの趣旨で、この委員会を始めたわけでございます。
#150
○馬場委員 私は環境庁も苦労しておられるのをよく知っていますし、私も地元だから知っているのですけれども、とにかく審査がおくれておるというのは事実です。これからいろいろな問題が起こっておるのは事実でございます。その中で、いろいろまずい点もあると思いますけれども、どうやって促進するかということで頭を悩まされておるようですけれども、私はやはりこの審査会に対する患者の不信感というものを除かなければ、どんなことをやったって認定審査の促進ということはあり得ない、こういうぐあいに基本的に考えるわけでございます。
 私が先ほど申し上げました昭和四十六年八月七日の裁決に基づく次官通達、これにはこう書いてあります。有機水銀の影響が否定できないものは水俣病とする、こういう趣旨ですが、私はこれが患者と行政の共通の土俵だろう、こういうぐあいに思いますし、私も二十年水俣病にかかわってまいりました。この裁決次官通達というのは、水俣病の歴史だけではなしに、私はわが国の公害史上、行政がやった空前絶後ただ一つのよかったことだろうと思います。私は、患者さんたちもこれは評価しておると思うのです。この共通の土俵というものを見失わない、生かしていくという努力こそ、認定促進、患者救済になると思います。
 そこで、現在の審査会を私が見てみますと、第二次の審査会は、この次官通達の趣旨にのっとって審査をいたしました。非常にスムーズにいったのです。去年の四月、これの任期が終わろうとするときに、認定を促進する検討委員会、認定促進という言葉はいいのですけれども、そういう委員会が九大の黒岩教授を中心にして行われました。この人たちが集中検診をやったのです。やりましたところが、まさに水俣病のみの字も知らないような人たちが、おまえたちは補償金目当てに検診を受けに来るのかというような態度、そういうようなでたらめな集中検診が行われました。ここで完全に患者さんたちとの信頼が断ち切られました。そうこうするうちに第三水俣病が、はっきりしないのに行政的な意味も含めてシロとなった。あるいはシロとしたと思うのでありますけれども、シロになりました。そういたしますと、信頼があった第二次審査の委員の先生たちは、審査会に入っておれないという状況が出てきた。そういう中で、認定促進検討委員会といって押しつぶそうとした人たちが、今度の第三次の審査会に入ってきた。このことは環境庁裁決、次官通達を後退させるものである。そこに対する患者さんたちの不満、不信感というものがいろいろなもめごとの原因になっておる、私はこういうぐあいに思います。だから、すべてを四十六年八月七日の次官通達の線に戻して、審査会もそういう押しつぶすような審査会にしなくて、それを尊重し発展させるというような審査会に引き戻す。その辺から患者と行政の信頼を取り戻してスムーズにいくようにしなければならぬと私は思うのですが、これについて特に長官と、部長が直接担当しておりますので、両方から御意見をお伺いしておきたいと思います。
#151
○橋本(道)政府委員 有機水銀の影響が否定できないという前に、「認定申請人の示す症状の全部または一部が「有機水銀の影響によるものであることを否定し得ない」」場合、これを全部一そろえとして御理解をお願いしたいと思うのです。全くこの線をはっきり守ってやっていただくということで、私も今度の再開の第一回の審査会に参りまして、一時間以上にわたって、このところだけは非常に心を尽くして御説明をしてお願いをしたわけでございますし、また、去る五月二十四日のこの認定審査会の終わった後で、認定審査会を開始するに当たってという審査委員の先生方から出されたこの声明書の中に「私達は水俣病の審査に際しては、いわゆる次官通知の趣旨を尊重し、かつ前期審査会の方向を踏襲し、疫学的、臨床的に十分収集された資料をもとに、広く患者を救済するという立場から慎重に審査を行う方針を申し合わせました。」ということで、この方針に沿って、一つには、「新しい医学的知見を取り入れて十分医学的論議を尽す。」二つには、「ただ一回の審査で水俣病でないと判断することはせず、二回以上審査を尽して判断する。」三つには、「診直し検診の方法については、その都度審査会において十分検討して行う。」四つには、「専門委員も審査委員と同様に発言をして審査に参画する等を取りきめました。」ということで、誠意のあるところを示しておられるわけでございます。
 また、信頼問題につきましては、確かにずっと時間的に起こってきたことから、患者さんの側から、あのような批判の気持ちがあらわれたということは、流れから見ると確かにそういうことも起こり得るかと思います。しかしながら、認定審査を促進することは、熊大だけでは絶対にできません。また、参加された先生方も一生懸命おやりになったことは事実でございます。ただ、人間関係としてお互いの中に問題を生じたということは事実でございますので、私どもはこの問題の解消ということにできるだけ力を注ぎたいということでございます。
 信頼という点で基本になっております精神神経科の先生につきましては、先生御承知のとおり、知事さんからの要請もあり、私も大臣の命を受けまして、非常な努力を何度も重ねまして、精神神経科の教授からお入り願うということでやりまして、原田助教授ということになったわけでございますが、いま、まだもう少し様子を見てというところでございます。私の承っておりますところでは、この審査会の先生も、一日も早く原田助教授が審査委員になっていただくことを要望しておるということを、お知らせ申し上げておきます。
#152
○小沢国務大臣 この問題の処理で一番大事なことは、先生もおっしゃっておるように、患者さんと私ども、あるいは患者さんと認定審査会の先生方との人間的な信頼関係が基礎にありませんと、なかなか進んでまいらない、これが一番大事だと思うのです。過去にはいろいろあったと思いますが、とにかく橋本君が本当に涙ぐましい努力をされまして、大部分の患者さんとは非常にその点の信頼関係の回復ができ上がったのではないか。また、お医者さんの側の問題も、非常に最近はスムーズにいきつつございますので、これからは私は非常に順調に促進をされていくものだろうと思っております。
 医療というのは、何といっても医師と患者との人間関係が優先しなければいけませんので、そういう点で先生方のお力もかり、われわれも努力をいたしまして、要は認定の促進を図り、次官通知の精神にのっとった患者救済の措置をできるだけ促進をしていくということにあると思いますので、地元の、しかも熱心な、古くから関係のある先生でございますから、ぜひ御協力をいただきたいと思っております。
#153
○馬場委員 これは気持ちの問題で押し問答したってしようがないのですが、やはりいまの長官の答弁なり部長の答弁では、言葉は非常にきれいです。しかし、現状をそのまま肯定なさっておる。これでは信頼感を取り戻せない、発展はしない。もう少し掘り下げた現状認識というのは、こういう場所では言えないかもしれませんけれども、さらに十分患者さんなどと話し合っていただいて、一生懸命やっていただきたいと思うのです。
 次に私は、非常に重大なといいますか、考えようによっては偶然ですけれども、そういうことを知ったのです。熊本は審査が大体この間再開したばかりですけれども、鹿児島の認定率を見ますと、四十九年、五十年を見ますと、申請者の中の大体一五%ぐらいが認定をされております。ところがチッソが、資金問題はきょうはここで言いませんけれども、大蔵省に経理計画あるいは再建計画というか、そういうのを出しているのです。その中に、チッソはどこでどう計算したのか知りませんけれども、いま三千人近い申請者があるわけですが、この中で一五%患者が出るという想定のもとに、それに幾ら補償する、そういうような計画を出しておるということでございます。まさに水俣で一五%認定されつつあるというのと、だれも知らないところでチッソが、三千人申請しておる中で一五%が認定されるのだといって資金計画をつくっておる、このことが偶然に一致しておるわけでございます。私は、ここで偶然か故意かという議論はしませんが、事実を知りたいのです。チッソが大蔵省に出しておるその資金計画といいますか、特に一五%を認定されるであろうという形で、今後の経理計画をつくっておるということですが、それを資料として私に、ここに大蔵省を呼んでおりませんから、環境庁の方で取り寄せていただいてお示しをいただきたい。その後に私は議論をいたしたいと思います。
#154
○橋本(道)政府委員 私の担当のところだけ申し上げますが、一五%というような数字につきましては、私ども一切関与しておりません。認定される人は認定されるのだということしか、聞かれたときも申しておりません。
#155
○馬場委員 私がここで言ったのは、だから、だれが担当か知りませんが、この認定というのは環境庁の関係ですから、そういうことが大蔵省の人から出ておるということを私は聞いておりますから、その資料を取り寄せて提示していただきたいということですから、これに対して、どなたが担当か知りませんけれども、お約束をしていただきたいと思います。
#156
○小沢国務大臣 私どもはチッソの経営状況については直接タッチをいたしておりませんので、そういうことは全く聞いておりません。大蔵省にそういうものを出したのかどうなのか、これも不明でございます。いま先生から伺ったのが初めてで、先生はそういうのがあるはずだから出せ、こういうお話でありますが、私もよく調べてみないと、ここでイエスともノーとも回答できません。よく調べてみます。
#157
○馬場委員 では調べてください。
 次に、四十八年の七月に、長年の患者さんとチッソのトラブルがあったわけですが、その補償の協定書ができました。その中で、環境庁長官と熊本県知事が選定をして委員をお願いして、水俣病補償ランク付委員会をつくるということになって、発足しておりました。これがこの間、実は全員辞表を出されたわけです。これは長官十分御承知でないかもしれませんが、橋本さんは御承知だと思います。だからこれは経過なんか要りません。辞表を出されたから、なくなったようなかっこうになっていますが、これはいま保留中で今後、再開するのか、これにどう対処するのかということを、簡単にひとつ。
#158
○橋本(道)政府委員 この問題につきましては、私どもも非常に驚いておるわけでございます。また、これは非常に心を痛めております。
 そこでこの協定のときの立会人の先生方がおられるわけでありまして、私どもの長官を初め馬場先生も加わっておりますし、熊本の知事さん及び水俣の日吉さんがこれに加わっております。やはりそのときの方と一度お話をして、そしてどういうぐあいに円満に解決ができるかということを考える以外には、道はないのではなかろうかというようなことと考えております。
#159
○馬場委員 次は、港湾局の方にヘドロ処理の問題について御質問申し上げます。
 実はヘドロ処理については、もう局長御承知のとおりでございますが、技術委員会と計画委員会というのが、熊本県を中心に運輸省、環境庁なども入って、去年の十月に処理計画案というのができました。私ここに持ってきております。これを私にも説明がありました。現地の患者さんたち、漁協の人たち、あるいは市その他にも全部説明が行われたわけです。私どもが見て、どうもこれはおかしいのではないか、いや絶対間違いはありません、そうして具体的に言いますと、ここで二五ppm以上含んでいる汚泥は七十万立方メートル、これを除去するのだということが、このトップに書いてあるわけです。ところが、私どもとしてはそれは少な過ぎるのではないか、二百三十ヘクタールくらいで百五十万立方メートルくらいは除去すべきではないかということを、当時一つの書き物にもして批判をいたしております。
 ところが案の定、補完調査というものをやったところが、七十万立方メートル処理すればいい、間違いないと言っておったのが、その倍の百五十万立方メートルあったのだ、こういうことになりました。そしてしゅんせつをする。これだけの地域から二五ppm以上の汚泥があるのだというが、それ以上のところにも一〇〇ppmの検出が行われたという汚染の状況があります。だから私どもは信用できないわけです。これはもう経過は私は知っておりますから要りません。また、きょう、あす、熊本県で運輸省からも行って、環境庁からも行って、計画委員会、技術検討委員会をやっておるそうですか、今度の計画は信用できるのですかということだけ簡単に、時間がありませんから、お答え願いたいと思うのです。
#160
○竹内(良)政府委員 計画を樹立する場合には、その時点におきまして最高の力といいますかエネルギーを入れてやっている次第でございます。当初、県がつくった計画と申しますのは、それまでの調査結果に基づいた上の計画でございますが、その後いろいろな御批判もあり、自分でも反省するところあって、補完調査を行った結果、七十万立方メートルが百五十万立方メートルになったというわけでございます。その中身といたしましても、調査の方法等はより正確を期するような形で実施したわけでございまして、今回の結果につきましては、より自信のある計画である。一〇〇%絶対ということは、なかなかこれは言い切れるものではございませんが、非常に慎重にやった上の新しい計画であって、自信をもってつくり上げたものと言っていいと思います。
#161
○馬場委員 批判は別なところでするといたしまして、私はいまここで特に問題にしておかなければならないのは、結局ボーリング方式でやった、エクマンバージ方式といいますか、とにかく船の上から汚泥を調査をした、それが七十万立方メートルであって、今度、潜水夫がもぐって手で採取したら百五十万になった、こういうことでございまして、結局、船の上からやった方式では、今度、潜水夫でやりましたら、堆積ヘドロの上に五十センチか一メートルくらいのいわゆる腐泥層というのがあった、これがつかまれていなかったのだ、こういうような説明を私は聞いております。それであれば、もう答えは要らないのですが、ところがこの前の計画というのは、そういう計画で工法も大体やっておられるわけですけれども、今度はその堆積汚泥の上に五十センチから、あるいは一メートル近くも腐泥層があるという中では、私は作業をするときに第二次汚染というのが必ず出るのではないかと思います。もし、これが一メートルもあるものが、七十万立方メートルくらいある腐泥層が工事によって拡散されて第二次汚染が起こったら、これはいまの五倍も六倍も悲惨な水俣病をまた引き起こすということになると思うのです。そういう点について、とにかく二次汚染のおそれは絶対にないか、そしてまた、ないようにするとおっしゃると思いますけれども、その辺は念には念を入れて私はここで質問をしておきたいと思うのです。
 それからざらに私の考えでは、そんなおそれがあって、今日の水俣病の五倍も六倍も、もし第二次汚染が起これば悲惨な状況が起こるという心配があるならば、汚染源を断ってしまえ、そういう意味で水俣湾は完全に埋めてしまいなさい、あるいはヘドロは外海から遮断して埋め立ててしまいなさい、この方法しか安心できる方法はないのではないかと私は思うのですが、これについて御意見を承りたいと思います。
#162
○竹内(良)政府委員 二次公害をなくするという問題は、技術的な最大の問題であると思います。その点に最も重点を置きまして、県は技術委員会を開きまして、それの検討をしてまいったものでございます。この技術委員会の結論によりますと、従来の普通のしゅんせつ、どろの取り方でもよろしいというような結論ではございますけれども、実際の県の施行の案といたしましては、それだけではなく、たとえば中でかき回して吸い込むやり方でなく、ストローで吸い込むような方法をとる、しゅんせつをする場合にそのような方法をとる、また、御承知のあの地形におきましては流れがございますけれども、その流れをとめるために仮締め切りというのを行いまして、流れをとめたような形で実際の工事を進めるというような方法をとりまして、より安全な方策をとっていきたい、このようなのが原案でございます。絶対ということは何といっても申し切れませんけれども、そのような形でより安全な、二次公害のない防止策を考えながら実施をするという計画でございます。
 なお、工事の実施の最中には、環境庁の水質保全局長の方で出されました底質の処理・処分等に関する暫定指針というのがございまして、二次公害防止のための監視計画が非常に明確に示されておりますので、それに従いまして二次公害が発生しないような方法を十分指導してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#163
○馬場委員 時間も来ましたので、最後に長官に三点御質問して終わりたいと思うのです。
 いろいろ問題ありますけれども、実は四十八年、いまの総理大臣の三木さんは、それからそのときの本会議でも時の田中総理大臣も、四十八年度中に水俣湾の堆積汚泥の処理、しゅんせつに着工するということを約束されておるのです。四十八年ですから、四十九年、ことしはもう五十年です。実はこういう問題は発生してから二十年たっているわけですが、あの汚れはそのまま。もう本当に水銀の微量摂取で、それが胎児にでも入ったら大変で、まだ発生しつつある現状なのですよ。これは二年もたちましたが、着工の見通しについて、いつごろ着工するのだ、現状のままでいったらいつごろになるのだ、その見通しについてお伺いいたしたいと思います。
 それから私は十二月に長官に、この場所で、水俣を、あるいは患者を見ずして水俣病を語ることはできない、だからぜひ現地に行ってくれということを言いました。そのとき長官は、去年の十二月の話ですから、年内は時間がやはりない、正月早々は予算がありますから、そのときだけ外して速やかに行きますと私に答弁されました。私は、いろいろの問題があるから逃げておられるのではないかと思いますけれども、これは問題があればあるほど行くべきだと思うのです。もういつと言ってください。いつ行くのかということをひとつお願いしたいと思うのです。
 それからもう一つ、私ここに持っておりますけれども、チッソは現在、協定書などで、とにかく患者発見の努力も、治療も、訓練も、社会復帰についても、職業のあっせんについても、海をきれいにすることについても、行政と協力して責任持ってやりますということを厳粛に誓っているのです。このチッソが、最近、自分も被害者だというような顔をしている。私はけしからぬと思うのです。このチッソが環境庁に対して、たとえばこの海をきれいにするとか、患者の発掘をこうするとか言ってきたことが、この二年間ありますか、私はないと思うのです。そういう意味におきまして、この協定書を完全に履行し、社会的責任を果たすように、いま一たび環境庁でチッソに対して行政指導をしていただきたいということを、私はお願いしておきたいと思うのです。
 以上三点についてお答えください。
#164
○小沢国務大臣 加害者であるチッソに対する指導は厳重にいたします。
 私の水俣現地視察でございますが、私、実はできるだけ早く行きたかったわけでございますが、先生は一番よく御承知でございますけれども、認定審査会の再開もめどもつかないような状態では、なかなか行けません。それがようやくいま軌道に乗りつつございます。また、先ほどお話しの第三問に関連するわけでございますが、ヘドロの処理の問題、それからセンターの建設問題、こういう点でも、いろいろある程度見通しをつけて参りませんと、最高責任者が行って、その辺はよく検討しますでは、これはとても患者さんの納得を得られません。患者さんと信頼関係があってこそ、この問題はすべての問題がスムーズに解決していくわけでございますから、行って不信を増すようなことになってはいけないわけでございます。行くことは容易でありますが、そういう慎重な配慮も当然して、行かなければならぬわけでございますので、それと、国会の状況等もございますので、今日まで延び延びになっておったわけでございまして、いまの気持ちでは、また同じような答弁で恐縮でございますが、機会を見て、できるだけ早く参りたいと思っております。
 それからヘドロの処理、しゅんせつ。港湾の問題につきまして一番大事なことは、これもやはり地元の皆さんが納得する工法でなければいかぬ。いろいろ技術的な説明を加えても、なかなか納得を得られない場合には着工できません。それと漁業補償の問題等で、やはりこれも十分納得していただいた上で、着工に至らなければなりませんので、どうやら検討委員会の作業は相当進んでいるようでございますから、今度はそんなに遅くなることはないだろうと私は思います。三木さんが約束をした二つの大きな問題が、二年もそのままになっておるわけでございますから、われわれ後を継いだ者としては、この趣旨に沿ってできるだけ早くする、しかも、その約束の御本人が総理大臣でございますから、私どもは、そのもとの閣僚でございますので、当然これを何とか考えねばならない。まあいままではいろいろな事情があっておくれたのだろうと思うのです。何も怠慢であったわけではありません。工法の技術的な検討もありますし、また、センターにいたしましても、いろいろこのやり方等について検討の結果が出ない。ただ、やたらに勝手に適当な国立病院みたいな設計でつくるというわけにもいきません。そういうような点もございまして、約束が延び延びになっていることははなはだ遺憾でありますけれども、われわれ後を継ぐ者としては、御趣旨に沿うように、一日でも早く着工の運びになるように努力をいたします。いま先生がおっしゃったように当初の見込みが大幅に狂ってくる、当然工法も変えていかなければならない、そういう問題もありますので、私の所管ではありませんが、しかし、この影響というものは、私にとっては非常に大きな関心のある問題でございます。また大事な影響のある問題でございますから、私は素人でありますけれども、技術委員会で検討した結果どういうふうにやるのかも、私みずからが聞いた上で決定をしたいと思っているわけでございまして、そういうような慎重な手順を踏むためにおくれている、これもやはり患者さんなり二次公害を出さないように、患者さんのためを思ってのことでございますから、この辺のところはぜひ指導者である現地の先生にも御指導願いまして、全部が人間的な信頼関係の上に立って、一日でも早くあらゆる問題が解決の方向に向かうように、御協力も切にお願いをいたしたいと思うわけでございます。
#165
○馬場委員 これで終わりますが、私は同じことをもう何回も質問しているのですけれども、もうこの次にはできたような話をしてもらいたいし、もし、この次までできませんでしたら、私は、やはり総理大臣にここに来てもらわなければいかぬ、そういう気持ちでおりますから、それを伝えておきたいと思います。
 それから、やはり港湾局長に、漁業補償と、それから現地の納得というのが行われたならば、どのくらいの手順で作業は進むかということ、その不確定要素を抜きにしたならば、決まれば、どのくらいで進むか、着工の見通しが立つかということを一言、最後にお答えください、それで質問を終わりますから。
#166
○竹内(良)政府委員 その間いろいろ手続ございまして、たとえば公害対策審議会、これは知事が行います。それから地方港湾審議会を行います。それの後で運輸省といたしまして港湾審議会がございます。それと並行ないしはその後で、公有水面埋め立てに関する手続をしなくてはいけないといういろいろの行事がございますが、一言で何カ月ということはやはりなかなかむずかしいのでございますが、できるだけ本年中の中でがんばっていきたいというような感じがしております。
#167
○渡辺委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後一時三十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十二分開議
#168
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。木下元二君。
#169
○木下委員 私は新幹線公害の問題についてお尋ねいたしますが、まず、環境基準についてであります。
 春日局長に伺いたいのですが、この新幹線騒音問題について質疑を行いました五月二十三日の委員会で、長官は、「環境基準というものは、その時期における技術的な予見というものを基礎にして決めるべきものであることは、各種環境基準について常に明確に環境庁がお答えをいたしておる」と述べておられます。そして国鉄が、いま提起をされておる環境基準にいろいろと反論をしておるのは、これは予測される防音技術をめぐって問題があるからだ、つまり技術的困難があるからだということを述べていられるわけであります。決して困難はないというふうに私は思うのでありますが、この点はさておくといたしまして、いま私が問題にいたしたいのは、伺いたいのは、私がいま引用いたしましたような答弁を、いつ、しておるのか。つまり環境基準というものは、技術的な予見というものを基礎にして決めるべきものであるということを、各種環境基準について常に明確に環境庁が答えておるというのは、環境庁のだれが、いつ、そのような答弁をしておるのでしょうか。おわかりでしょうか。
#170
○春日政府委員 ただいまの御質問に対するお答えでございますが、だれが、いつ、したかということを、私、必ずしもいま記憶いたしてはおりません、何月何日というふうに。しかし御承知のとおり、環境基準と申しますものは、公害対策基本法の第九条一項あるいは三項に示してあるとおりでございまして、まあそれに尽きておるわけでございますが、私ども、環境基準の基準値と一体をなす達成期間があるわけでございますが、こういったものは、環境基準が行政上の努力目標であるという趣旨にかんがみまして、いろいろな行政施策の実施に、当初あわせて勘案する必要があり、その限りにおいて技術開発、実施体制、財源措置、こういった見通しとの関連における、いわゆる達成可能性というものはもちろん考慮する必要がある、こういう意味でございます。
#171
○木下委員 ちょっと質問以外のことは答弁いただかなくても結構なのです。いま覚えていないと言われるなら、ひとつ、これはお調べになった上で、まとめて資料としてお出しいただきたいと思うのです。よろしいですか。
#172
○春日政府委員 私、覚えてないと申し上げましたのは、そのとおりでございまして、調べろという御要求でございますから調査はいたしますが、速記録で調査いたしたいと考えております。
#173
○木下委員 局長自身はそういうことをおっしゃったことはないわけですか、確かめておきますが。
#174
○春日政府委員 私自身はそういう御質問をいただいたことはございませんので、したがって答えておりません。
#175
○木下委員 この環境基準というものは、その時期における技術的な予見を基礎にして決めるべきものだという考え方、すでにこの問題性に気づかれておると思いますが、私は重大な問題発言だと思います。環境基準というものは、人の健康を保護する上で、また生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であります。公害対策基本法九条が明記をいたしております。そして大気汚染に係る環境基準、水質汚濁に係る環境基準、土壌汚染に係る環境基準、そしてさらに騒音に係る環境基準、これらの環境基準があるわけであります。これらの環境基準というのは、科学的に究明された汚染、汚濁等の量と人の健康ないし生活環境との関係を基礎として設定さるべきものであります。そうした観点から、科学的な調査研究の結果をもとに合理的に定められているものだと思うのです。つまり、その公害が健康や生活環境に及ぼす影響はどうなのか、その科学的な判断を基礎にしたものだと思うのです。したがって、環境基準がいつ達成するかといった、その技術的な予見というものを基礎にすべきものではないと思います。この点は長官、いかがでしょうか。
#176
○小沢国務大臣 恐らく科学的な技術的な知見をもとにしてという表現が、そういうことがいろいろな審議の過程で話が出ておると思います。ただ、そのときの前後をよく勘案して御理解をいただかないといけないと思いますので、私は、いま先生が言うように、環境基準というのは、基本法にいわゆる環境保全のために必要な望ましい基準ということは法律の事項でございますから、それは当然、現在の技術水準並びに将来の予見し得る技術開発の状況等から見た判断も、そればかりではありませんよ、だけれども、やはりそれも中に含めて、当然決められるべきものだと思うのです。全くそれとは無関係に、ただ望ましい基準ということだけで環境基準を決めますと、全く実現の可能性と関係なく環境基準を決めるというようなことは、これはやはり現実問題としては妥当な行政ではないと私は思うのでございまして、先生のおっしゃることもよくわかりますが、同時に、それらも踏まえた環境基準というものでなければ、現実に動いていかないということになっても困りますので、その辺のところは、やはり将来予見される技術開発等も含めた望ましい基準であるという要素は、どうしても否定しがたい。この点は御理解をいただいておかないと、いろいろな問題にぶつかったときに、議論が混乱するのではないかと私は思うのでございます。
#177
○木下委員 私は、長官のその考えが非常に混乱しておると思うのです。これは局長が初めに私の質問に対してお答えになった点ともずれておるのです。それぞれの環境基準として、これは一定の数値が定められているのですね。これは私が先ほど申しました科学的な判断、つまりその公害が健康や生活環境に及ぼす影響はどうなのかという、その科学的な判断を基礎として設定されるべきものなのです。だから、これがいつごろになれば達成できるかどうかということは、そういう見込みと申しますか予測、予見、それはもちろん、その技術開発に関する予見的な判断でありますが、そういうものによって、この環境基準の数値がはじき出されるのではないと思うのです。だから、いつごろになればできるかどうかということは、これは達成期間の問題であります。達成期間として定めるものだし、また、環境庁がこれまでそれを定めてきたのであります。だから、この達成の技術的な予見を基礎に環境基準を定めるという見解は、私は初めて聞くのです。一体、環境庁はいつからそういう考えに立ったのか、これはもう驚き入った見解であります。私は大変な後退だと思います。長官の考えに混乱があるわけですから、私ははっきりとこれは取り消していただきたいと思います。
#178
○小沢国務大臣 私は先生の考え方を否定して申し上げているのではないのですよ。それは人の健康を守り、環境を保全していく上に立って望ましい基準というものは、そういう意味でつくられなければいけません。しかし、それを決める際に、現在の科学的な与えられている知見、あるいは将来予測される技術開発の見通しというものと全くかけ離れて、そういうことを決めるのも、実際上の問題としてどうかなということを申し上げているので、私は、本筋は先生の言うとおり、私ども環境庁はそういうような考え方でいっていますよ。いっていますけれども、しかし、それと同時に、やはりいま私が申し上げるようなこともあわせて考えに入れていかなければいかぬのではないか、こう申し上げているだけなのです。
#179
○木下委員 それは長官、これまでの環境庁がとってきた考え方とも大きくずれておると私は思うのですよ。そうではないと思うのです。それはもう達成期間の問題であります。だから、もし長官の考えに立つならば、これは別に達成期間というものを設ける必要はないのですよ。その技術開発の見通しは一体どうなのかということを予見する、このことは必要であります。予見をして達成期間を定めるのです。その予見そのものをもって環境基準を定めるということになれば、では、なぜ環境庁がこれまでこの達成期間というものを定めているのですか。これは要らぬことになりますよ。だから私は、その点において環境庁長官の考えは、これまでの環境庁の考えからもかけ離れておるし、それは混乱がある、こう思うのです。
#180
○小沢国務大臣 私の言葉がどうも説明が足りなくて、先生のおっしゃる環境基準の決定というものは、まさに先生がおっしゃったような考え方で決めているわけであります。ただ、排出基準等を決める場合あるいはいまお話しの達成期間、それをいろいろ勘案するときには、当然、私の言うような知見も、あるいは予測される知見というものも、技術開発の状況というのも考慮に入れてという意味で申し上げておるので、環境基準と排出基準と区別してきちっと申し上げればよかったのですけれども、見解の相違はございません。
#181
○木下委員 長官が言われておるのは排出基準だ。排出基準は確かにそれでいいかもわかりませんけれども、環境庁長官が言われておるのは環境基準について言われておるのですよ。技術的な予見を基礎にするということを、環境基準の問題として言われておるから、私は問題を指摘して、それはおかしいのではないかと言っておるのであります。だから、そうではない、言っておったのは排出基準に関する問題だと言うのなら、これはまた別であります。だから環境基準についてそのように述べたことは、これは間違っておったということはお認めになりますか。
#182
○小沢国務大臣 おっしゃるように、もし表現しているとすれば、これは私の説明の仕方が足りないか、または間違っているか、どちらかでございます。ですから、環境基準はあなたのおっしゃったような考え方で私どもはやっている。これはもう基本法の精神がそうでございますから、当然そのとおりでございます。達成期間なり、あるいはまたいま申し上げました排出基準なりと絡んで説明を申し上げているのが、そこが何か説明が足りなかったので、環境基準を設定する考え方として受け取られているのではないかと思いますので、そういうような誤解のある答弁があれば、それはただいま取り消しをいたしておきます。
#183
○木下委員 書いてあったとすればと言われますが、ここに会議録がありますが、その環境基準について「あの望ましい基準というものは、その時期における技術的な予見というものを基礎にして決めるべきものであることは、各種環境基準について常に明確に環境庁がお答えをいたしておるところでございます。」と答弁をしておるのです。だから、これは明らかに誤りであります。どうもこういう誤解、混乱が環境庁長官の頭にあるということは、私は困ったものだと思うのです。
 これはなぜこういう混乱があるのか、推察しますのに、あの旧公害対策基本法九条二項というのがございますが、これは削除になったわけであります。「生活環境に係る基準を定めるにあたっては、経済の健全な発展との調和を図るように考慮するものとする。」このいわゆる調和条項、これが削除されました。これは基本法の一条二項の目的における調和条項の削除と軌を一にすることは言うまでもありません。どうも長官の頭の中には旧基本法があって、そして錯覚をしておるのではないか。こういうことでは困ると私は思うのです。そうではございませんか。
#184
○小沢国務大臣 それは全然関係ありません。私がその答弁で申し上げたのは、頭の中にこういうことがあるからです。予見というのは、たしか私の言葉が正確に伝わらなかったの、だろうと思うが、知見と考えていただいていいのではないか。
 それからもう一つは、やはり先生そうおっしゃいますけれども、たとえばNOxの一日平均〇・〇二というものを決める場合、これはやはり医学的な人体に対するいろいろな影響というものは当然考えなければいかぬでしょう。これは技術ではないですか。これは医学ではないですか。それを全然度外視して〇・〇二が決められるとは私は思っていないのですよ。そういう意味で申し上げているので、何も先生が後段に言われたような考え方で、私が環境基準というものを、その当時知られている科学的、技術的な知見をもとにしてというふうに誤解をされないで――それは当然ではないでしょうか。NOxの環境基準を決める、あるいは炭化水素のあれを決める、いろいろなものを決める場合、人の健康ですから、人の健康を守るわけですから、人の健康というものは医学技術に関係がないというふうにおっしゃるのはおかしいので、これはやはり当時の進んだ医学技術のあれをもとにして、そしてどの程度あればどういう障害があるということから、人の健康を守るために、これだけの基準が必要だと決めるのがあたりまえではないですか。そういう意味で私は申し上げているので、その点はもし誤解があれば、私の説明不十分、こういうことでお許しをいただきたい。
#185
○木下委員 考えを改められるということですので、私はそれ以上追及いたしませんが、これはいま言われるのを聞いておりますと、知見と言ったのを予見と間違えたか何かのように、あるいは言い違えたかのように言われますが、決してそうではありません。いま長官がいろいろ言われましたけれども、それは私はさっきから指摘しているのですよ。人の健康ないし生活環境との関係を基礎にして環境基準は決められる、そういう点から言うならば、科学的な判断というものが基礎になるのだ、これは当然のことであります。そのことと、その環境基準を決めるに当たって、技術的にそれが可能かどうかということを予測するということとは別個のことなのですよ。長官は予見とか予測ということを言っているのですよ。それは一言、私がいま指摘をしましたけれども、その点だけではないのです。その後を読みましても、これはどういうところで言っておるかといいますと、結局、基準値を専門委員会で決めておる、ところが「それについては、現在の技術の評価についての意見が分かれるのではなくて、やがて恐らくできるであろうと予測される防音技術についての所見も含めて、専門委員会で御決定になっているから、したがって、それをめぐっていろいろ部会でなお慎重の議論が行われている」というふうなことを言われているのですよ。だから、これは決して知見ではなくて、将来のその技術の予見の問題として述べられている。それを基礎として環境基準を決めるのだ、こういうこと。これはひとつお帰りになって会議録をよくお読みいただきたい。それは考えを改められるということですから、私はそれ以上こだわりません。よろしいですか。
#186
○小沢国務大臣 繰り返し申し上げますが、要するに環境基準は、健康の保護と環境保全の見地から見て望ましい基準という法律の精神は、私は十分理解をいたしております。もし、それに誤解があれば、私がきょう申し上げたのが正しい見解でございますから、ひとつ誤解を解いていただきたいし、ただ、私が先ほど申し上げましたように、各種の環境基準も、それが人の健康の保護のためにつくられる、あるいは環境保全のためにつくられるという場合に、どうしてもそこに、その当時得られておる医学的な見解というものをやはり基礎にしなければできないではないか。(木下委員「それは当然のことです」と呼ぶ)先生も当然だと言われていることだけを私は申し上げているので、それはちっとも違わないのです。
 それから新幹線の場合に、いま速記録を読み上げられましたが、達成期間と同時に七十か七十五か、あるいは七十五か八十かというような議論のあったときに、そういう議論もあったことは間違いないのです。とうていできないものをどうだこうだという議論があったことは事実で、それは、私が専門委員会のいろいろな審議過程というものを係官から聞いておるときに、そういう議論があったことは聞いております。ただ、それが環境基準をつくる際のことよりも、達成期間と、それから新幹線騒音の基準というものは、何かNOxみたいに、環境基準と排出基準とそれから水質の関係みたいな、そういうあれがないものですから、達成期間というものが、いわば環境基準と排出基準があるような関係でない、これが一本化されたようなものでありますから、そういう意味で、そういう議論が達成期間との絡み合いでいろいろ出ておることは事実なのです。それは否定できないのです。そういう意味で私は説明を申し上げておるわけでございますから、観念の混乱はありません。
#187
○木下委員 見解を改められたと思いますので結構です。
 次の問題ですが、もう一つ、環境基準の点について伺います。
 大気局長、この環境基準というのはどのような層の人たちを対象に含めて設定をするのかという点です。この点について大気局長は前に答弁をいたしております。五月二十三日であります。読んでみます。「環境基準の設定でございますが、これは何と申しましても単なる平均的な健康者のみならず、先ほども申しましたように、健康その他で感受性の非常に高い病人等を含めて、あるいは老人、幼児等も含めて設定しなければならないものと考えております。」こういうふうに言われておる。これはこれなりに結構だと思いますが、この考えはいまも変わりないと確認してよろしいでしょうか。
#188
○春日政府委員 私の申しましたのは、恐らく窒素酸化物等の環境基準について、いわゆる大気汚染の原因物質に関する環境基準の設定についてであろうと思います。この場合、感受性の高い一つの集団というものがその地域社会にあるのだ、これはたとえば直接、窒素酸化物と医学的に密接に関係のある特殊集団のことを私は言っておるわけです。したがいまして、平均的な健康者のほかに、重病人、たとえば胃潰瘍であるとか、あるいはほかの病気でぐあいが悪いというような方々は入れないわけです。そこまでは考えておらないのです。要するに、窒素酸化物と医学的にきわめて密接な感受性の関係のある特殊集団については考慮しなければいかぬということを言っておるのです。
#189
○木下委員 そういうことをこの前言われてないのですがね。しかも大気汚染の場合に限定して言われたように言われますが、この二十三日は大気汚染のことなど聞いてないのですよ。騒音のことをやっておるのですよ。騒音のことで質問があって、それに対してそういうお答えをしておるのですよ。だから、これは大気汚染だけではなくて、騒音も含めて、環境基準一般についての考え方として言われておるのですよ。局長、ちょっとこれ見てください。
#190
○春日政府委員 ただいま速記録を、私、覚えていませんでしたので拝見いたしましたところ、まさに騒音、振動のところでお話をしておると思いますが、これは一般の感受性の高いと申しますか、音に特別敏感なある種の集団、そういったものを一応予測しておるのであって、単に老人と申しますか、病気が重いとかあるいはぐあいの悪い人、そういった意味ではございません。音に非常に敏感な方々の一つの層を推定しておるわけでございます。
#191
○木下委員 どうもあなた、言われることをそう変えられたらいかぬですよ。ここに私いま引用しましたように、「健康その他で感受性の非常に高い病人等を含めて、あるいは老人、幼児等も含めて設定しなければならないものと考えております。」これはあなたのいま言ったことと違いますよ。あなたは老人、幼児等は含めない、こう言われたけれども、そうでなくて、ここで言われておるのは、そうした抵抗力の弱い人たちも含めて設定をするものだ、こう言っているのですよ。私はこれは結構だと思うのですけれども、これは間違いですか。
#192
○小沢国務大臣 先生、私が最高責任者ですから申し上げますが、新幹線騒音に絡んでその話が出たのです。私も聞いておりました。確かに速記録にあるように局長が答えております。この意味は、沿線の住民、全部健康者ばかりではないのですよ、その中には老人もおりますし、子供もおるでしょう、あるいは病弱の人もおるでしょう、そういう一つの生活の集団というものを考えて、環境基準というものは決めるのですというふうに答えた意味なのです。いま局長の答弁も私、聞いておりまして、私はそう思って聞くせいかもしれませんが、それと全く同じであります。ちっとも変わっておりません。
#193
○木下委員 局長のこの前の答弁と、いまの局長の答弁とは食い違いがある、その点は指摘だけしておきます。
 そこで、私がこの問題を申しましたのは、長官がいまちょっと答弁されましたけれども、長官の考えはどうも違うようなのですね。これはこの前の会議録を私、精査しましたけれども、どうも違うのです。これも正確を期して会議録から引用してみますと、環境基準について「病人あるいは老人あるいは幼児、赤ちゃん、そういう方々の場合の望ましい基準というか、そういう方々を基準にする場合と、それから、やかましくても大したことはないやというような普通の健康な人と、どっちを基準にしてつくるのだと言われますけれども、これはやはり人の健康を保護し、生活環境の保全ですから、平均的な、一般的な人ということで、病人を基準にした望ましい基準というものは、基本法の想定するところではないと私は思うのです。そういうような健康上支障があるようなことのないようにすることが、やはり人の健康の保護と法律上書いてある意味だと思いますから、」というふうに答弁しているのですよ。
 そこで、前の局長の考えと、この長官の考えには大きなずれがあると思うのです。これは困ると思うのです。伺いたいのは、こういうふうに指摘をしましたように、環境基準の設定をどのような層の人たちを含めて行うのかという問題で、ずれがある、食い違っている、これは否定できないところであります。
 私、第一に思いますのは、少なくとも行政官庁として、このような環境基準という重大な問題について、不統一、食い違いがあるというのは何事か。これはいかに否定をされましても、会議録の上で明確であります。
 それから第二に、これはいずれかが間違っておる。私は長官のいま引用しました答弁が間違っておると思うのです。これは後退というよりも間違いであります。この誤りを認められるかどうか。この二点について。
#194
○小沢国務大臣 私がそこで申し上げているのは、こういう趣旨なのです。少し言い方がどうも足らなかったと思うのです。環境基準というのは、病人とか極端に感受性の強い子供とか老人とか、そういう方々を対象にした環境基準ではない。しかし、一般的な健康人だけを対象にしたものでもない。それらが含まった、平均した人間の集団というものが存在するのだから、その平均された集団の健康を守るための基準をつくるのが環境基準であります。そういう意味で申し上げたので、そこで平均という言葉を使っているわけですから、いま読み上げられたのは少し誤解を与えると思いますので、いま申し上げた答弁が、環境庁、上も下もみんな一致している考え方であると御了解願いたい。
#195
○木下委員 誤解を与えると言いますけれども、「病人を基準にした望ましい基準というものは、基本法の想定するところではない」と、もう明白に言っているのですよ。これはやはり病人あるいは老人、幼児、こうした抵抗力の弱い、最も保護されなければならない人たち、弱い層の人たち、これらを基準にして考えるということは、もちろんこれだけを基準にするということではありませんよ、けれども、これらも基準に入れて考えるというのは当然のことであります。この長官の答弁は、そういう弱い層の人たちを切り捨てる考えであります。貧乏人は麦飯を食えと言って物議をかもした大臣がありましたけれども、私はこの発言はもっとひどいと思うのですよ。これは病人、老人、幼児、こういう弱い人たちは死んでもやむを得ないというのに等しいです。これはもう国民が知ったら、だれでも憤慨いたします。これははっきりとこういう人たちも含めて、こういう人たちを基準にして環境基準を設定するのだということを明らかにしてもらいたいと思うのです。
#196
○小沢国務大臣 私はそういう方々を切り捨てるとか見殺しにするとか、そんな考えは毛頭ございません。いま木下委員もおっしゃっているように「それらを含めて」そのとおり申し上げて答弁申し上げておるわけでありますから。ところが、先生も「含めて」と言われたり、「その人を対象にしたり」とおっしゃって、そこにやはりみんな考え方が少し違ってきているのではないかと思うのですよ。だから、あなたの言われた最初の、それらの人も含めた人間集団が普通の集団でございますから、それらの方々を含めた集団に対する健康を守る上に必要な基準である、これをひとつここで確定しましょう。それから議論してください。
#197
○木下委員 その点も、ここで見解を明らかにされ、これまでの間違った考えを修正されたというふうに受け取りまして、それでは結構だと思います。
 特に私この点、指摘をしておきたいのは、環境基準をどのようにして定めるかという点で参考にされますのは、WHOの示しておる報告であります。この報告と申しますのは、昭和三十八年大気汚染専門委員会で発表されておりますが、人体への悪影響を四つの段階をもってあらわしておる。第一段階が「現在の知識によれば、直接的にも間接的にも何らの影響もみられない、またはそれ以下の濃度やばくろ時間」第二段階が「感覚器を刺戟したり、植物に有害であったり、人の視野の減少あるいは環境に対するその他の不利な影響をもたらしそうな、またはそれ以上の濃度やばくろ時間」。この第一段階と第二段階の間に環境基準を置くということは、環境庁がこれまでしばしば明言してきたところだと思うのです。第三段階というのは「慢性疾患や寿命の短縮をおこすかも知れない変化や生理的機能の障害を起こしそうな、またはそれ以上の濃度やばくろ時間」第四段階が「感受性の強いある人々の集団に急性疾患や死をもたらすかも知れない、またはそれ以上の濃度やばくろ時間」ということになっております。
 この第四段階に環境基準を置いても、老人や幼児や病人などを含めることになるのです。ところが実際の環境基準というのは、いま言いましたように、環境庁は第一段階と第二段階の中間に置くと言ってきておるのですから、もっと厳しいです。このことを私ははっきりしていただきたいと思うのです。どうも長官の考え方が非常にあいまいになったり、長官は誤解、誤解と言われますけれども、誤解でも困ると私は思うのです。そういうことのないように、環境行政に本当に真剣に、本腰を入れて取り組む環境庁として、その長官として、やはりこうした問題についてはもっと厳しい態度をとってもらいたいと私は思います。よろしいですか。
#198
○小沢国務大臣 全体の趣旨はおっしゃるとおりでございます。
#199
○木下委員 最後に、国鉄にいろいろ質問したかったわけでありますが、時間がありませんので、一つだけ要望したいのでありますが、先般、要求をいたしまして覚書、協定書のたぐいを資料としていただきました。この協定書等を見ますと、「新幹線の公害、実害が発生をしたときに、速やかにその対策、補償等必要な措置を講ずる。」ということが明文化されております。私は沿線住民からも被害について若干聞いておりますが、どの地域でどんな実害が発生したという苦情があり、それに対してどのような対策あるいは補償を講じてきたのかという、その実情につきまして資料を提出していただきたいと思います。よろしいですか。
#200
○内田説明員 後刻提出させていただきます。
#201
○木下委員 時間が来ましたので終わります。
#202
○渡辺委員長 三浦久君。
#203
○三浦委員 環境庁にお尋ねいたしたいと思うのです。
 いま非常に遺憾な事態が進行いたしております。それは瀬戸内海の汚染が、高度成長政策の結果、非常に激しく進行いたしておることであります。それで、国民も関係都道府県も国も、いま、この瀬戸内海をどうやって保全していくかということで、さまざまな施策を行っていると思うのです。ところが、この瀬戸内海の中で特別景色のいい、また特別われわれが保護しなければならない国立公園が埋め立てられているわけなのです。そして、その施行主体は国であります。北九州市であります。国の所管は運輸省ですけれども、護岸工事でもってこれを施行しています。それからまた北九州市も埋め立ての施行主体としてやっているわけですね。公園が埋め立てられているだけではないのです。自然公園法に基づいて、国は届け出をしなければならない、通知をしなければならないのに、そういう手続も怠っていま違法に埋め立てが進められているのです。
 瀬戸内海国立公園関門海峡普通地域といいますけれども、ここの田野浦地区というところは、もう三十一万八千平方メートル埋め立てられてしまいました。そして、いま太刀浦というところが埋め立てが進行中でありますけれども、ここも港湾計画の第一期計画、第二期計画と二つ、計画があります。第一期計画については四十数万平方メートルですけれども、そのうちすでにもう三十万平方メートルが埋め立て済みであります。ところが、こういう違法な行為、瀬戸内海の環境を破壊する、こういう行為をしておきながら、運輸省も北九州市も、口では申しわけございませんでしたと言っておりますけれども、港湾計画はそのまま続行しますというふうに開き直っているわけであります。私は大変けしからぬ話だと思っておるわけなのですけれども、この問題について環境庁はどういうふうにお考えになっているのか、またどういう御措置をおとりになったのか、お尋ねをいたしたいと思うのです。
#204
○柳瀬政府委員 御指摘のとおり、関門海峡地域の国立公園の普通地域におきまして、自然公園法上届け出なければならない事業を、届け出なしにやられておったということは大変遺憾なことだと存じておるわけでございまして、その措置につきましては、運輸省あるいは県とも協議をして厳重な措置をとっていきたいというふうに考えております。
#205
○三浦委員 運輸省の港湾局長にお尋ねしますけれども、前回、私が運輸委員会で御質問したときに、この計画は変更しない、北九州の経済発展の長期的な立場から計画したので、これは変更する意思はないのだ、こういうふうに言われておったのですが、いまでもその意見に変わりはないのですか。
#206
○竹内(良)政府委員 現在の太刀浦付近の港湾計画は、過去におきまして港湾審議会の審議を経て決めたものでございまして、現在のところはこの方向で進んでいきたいと思っております。ただ今後、先ほど先生がおっしゃいました第二期の計画等がございますけれども、この実施の速度等につきましては、いろいろ考えていかなければいけないのではないか。また、所定の手続の点につきまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、いままでのところ、まことに遺憾な点がございましたけれども、今後この実施に当たりましては、所定の手続を経て、知事、環境庁との十分な協議が必要であると思っております。
#207
○三浦委員 局長、一体ここをどこだと思っているのですか。瀬戸内海なのですよ。瀬戸内海というのは、特別の議員立法までできて、瀬戸内海の美しい景観を子孫に残そうということで、いま国を挙げていろいろな施策をやっておるところなのです。そしてまた、そのうちで特別に保護しなければならないという国立公園に指定されておるところですよ。普通地域は海面だけです。すぐそばに、下関側には火ノ山の特別地域がある。それから門司側には古城山の特別地域、和布刈公園があるのですよ。その地域には三大潮流の一つである早鞆ノ瀬戸がある。壇ノ浦の合戦場の古跡もあるのです。非常に風光明媚なところであって、これはそのままの形で子孫に残していこうという立場をとらなければならないし、そういう立場がいまの国の方針なのです。それに対して全然反省しないで、いやこれから速度を緩めますよ、しかし、もう決めてしまったものだから、これからどんどんやっていきますというのでは、われわれは承服ができない。
 そこで環境庁にお尋ねしますけれども、この関門海峡の付近は何で昭和三十一年五月に国立公園に指定されたのですか、どういう目的があって指定されたのですか。ちょっと港湾局長に聞かしてやってください。
#208
○柳瀬政府委員 国立公園地域の指定は、もちろん自然景観のすぐれた地域で、自然環境も保全しなければならないという地域を指定するわけでございますが、この地域につきましては、眺望地点として、保護並びに利用に資するために必要だということで指定をしたわけでございます。
#209
○三浦委員 そうすると、やはり瀬戸内海の中でもすぐれた景勝地であるということは事実なのですね。いかがですか、そのとおりですね。そうすると、長官、いまどんどん埋められて、さっき言った田野浦地区というのは、セメント工場やら化学会社、肥料をつくっている小野田化学ですが、こういうものが進出してきている。そして埠頭がどんどんつくられているのですよ。下関側から、また古城山という特別地域からこれを見たら、そこだけが工業地帯になって、あとはもう青々とした緑ですよ。こういう自然破壊というものが現在進められているわけです。
 それで環境庁の局長にお尋ねしますけれども、この海域が普通地域に指定されていますね。これはどういう意味なのですか。
#210
○柳瀬政府委員 国立公園地域でも、その自然景観の重要さ等によりましていろいろランキングがございまして、特別保護地区、それから特別地域の第一種、第二種、第三種、それから普通地域、そのほかに海中公園地区というのがございますが、この地域は普通地域ということで指定されているわけでございます。
#211
○三浦委員 大したことではないみたいな答弁ですけれども、私はそういうことを聞いているのではないのですよ。やはりこれは自然の景観を保護するということと同時に、海の汚染というようなものを防ぐ、そういう見地もあるのではないかということをお尋ねしたいわけなのです。どうですか。
#212
○柳瀬政府委員 当然、普通地域と申しましても国立公園の地域でございますから、いろいろなことをその中で行う場合に、自然環境の保全上必要な措置というものはとらなければならないというふうに考えております。
#213
○三浦委員 そうしますと、この国立公園の中の海が、少々ではなくて六十万平米も埋め立てられる。全部の計画からすれば百数十万平米ですよ、全部実行されたら自然の海岸線はみんななくなってしまうのです。この国立公園の門司側の自然海岸線というのはみんななくなってしまう。こういうような大量の埋め立てが行われて、そこに煙をもうもう吐く工場が誘致されたり、大きな埠頭がどんどんできたりするということは、国立公園に指定した趣旨と合致しているのですか、反しているのですか。ちょっとお尋ねしたいと思うのです。
#214
○柳瀬政府委員 国立公園内の環境の保全というのは当然図られなければいけないわけでございますが、ただ国立公園地域の中でも、その地域によりまして、海に面した地域でそういう埠頭がつくられる、あるいは臨海工業地帯がつくられるという場合も間々あるわけでございまして、そういう場合にも必要な自然環境の保全上のいろいろな考慮が十分払われなければいけないというふうに考えているわけでございます。
#215
○三浦委員 局長、一般的なことを聞いているのではなくて、この関門海峡、いま埋め立てが行われているでしょう、田野浦も太刀浦も。ああいうふうに全面的に自然海岸線が全部なくなってしまうような大規模な埋め立てが行われて、工場が建てられる、埠頭がつくられる、こういうことが国立公園に指定した趣旨に反しているのか、していないのかということ、関門海峡の問題について聞いているのです。
#216
○柳瀬政府委員 ただいまの地域における埠頭の建設につきましては、これはやむを得ないものと思っておりますが、ただ、その実施の上において、自然保護の観点から非常に安易に過ぎる点があるというふうに考えておりますので、そういう点についてやはり十分な考慮を払わなければいけないというふうに考えております。
#217
○三浦委員 答弁をはぐらかしているね。あの瀬戸内海国立公園の関門海峡普通地域においては、現在もう田野浦地区は三十万平米埋め立てられている。太刀浦も三十万平米埋め立てられている。そして工場がたくさん建ち、埠頭がつくられている。こういうことが国立公園に指定した趣旨に反しているのか、合致しているのかと聞いているのです。どうですか。問いに答えてください、時間が制限されていますから。
#218
○柳瀬政府委員 田野浦地区に埠頭がつくられるということは、やむを得ないものと考えておるわけでございます。国立公園地域につきましても、特別保護地区あるいは特別地域、それから海中公園地区というようなところは、瀬戸内海保全の臨時措置法でも極力避けるべきであるというふうになっておるわけでございますが、普通地域につきましては、それよりもやや緩い規制といいますか、法的な手続につきましても、先ほど申し上げました地域は許可制になっておりますが、普通地域については届け出制になっておるというのも、そういう点の違いがあるわけでございます。
#219
○三浦委員 とんでもない答弁ですね。田野浦地区の埠頭の建設についてはやむを得ないものだった、そういうことはどうして言えるのですか。どうしてやむを得ないのですか。それでは理由を聞かしてください。とんでもないことを言うな。それは届け出もされてないのだ。
#220
○柳瀬政府委員 これはやはり埠頭をつくるということの国益との相関になることだとも思いますが、港湾計画で審議をされて、これはどうしても必要であるということで、普通地域であるという点で、自然保護上の十分な注意を行うことを条件として、やむを得ないものというふうに私どもは判断しておるわけでございます。
#221
○三浦委員 長官、ちょっと問題の発言だと思うのです。田野浦地区は確かにもうすべて埋め立てが完了しています。ですから原状に復帰させるということはほとんど不可能でしょう。しかし瀬戸内海国立公園に指定されているところですよ。いま国立公園に指定されてないところでも、瀬戸内海全般を保存するということで瀬戸内海環境保全臨時措置法というものができて、さまざまな施策を行っているわけでしょう。その中でも特別国立公園なのですよ。これについて埠頭をつくるのはやむを得ないのだということは、一体どういう考えなんですか。これは環境を保全しようという職務を放棄しているではありませんか。
 それから、普通地域というけれども、海面というのはほとんど全部普通地域でしょう。特別地域になっているところはないじゃありませんか。そうですよ、あなた。それでは言うてください。海面で特別地域になっているところありますか。海面というものはみんな普通地域でしょう、どうですか。長官、いまの埠頭をつくるのはやむを得ないというような答弁でいいのですか。
#222
○小沢国務大臣 私どもの仕事は環境保全が第一優先の仕事でございます。したがって、自然環境の保全ということは第一に考える。先ほどもお話がありましたように、基本法の中では経済の発展との調和は削られているわけですから、われわれは人の健康を守り、自然環境を守るということに全力を挙げなければいけない役所であります。そういう意味でございますが、しかし一方、国民のいろいろな経済活動あるいは消費活動というものが毎年どんどん進んでいくわけでございます。したがって、われわれは経済の発展との調和は頭におきませんけれども、これらの国民の全体のいろいろな活動というものを、環境保全の見地から適切にコントロールしていかなければいけない、統御をしていかなければいけない、これがわれわれの基本的な当面する非常に困難な問題の一つでございます。皆さんが先生方でも、ひとつ一切車もお使いにならぬで、あるいはお歩きになってくだされば、車公害の問題もないわけでありますが、しかし、人間生活をやっている以上は、そうはなかなかいかないのです。そうしますと、それらの活動について起こるいろいろな問題を、環境保全の面から適切にコントロールしていかなければならない、統御をしていかなければならぬということが起こってくるわけでございまして、自然公園の問題でも、国定公園の問題あるいは国立公園内の問題でも、日本のこの狭い国土を利用して、日本の国家全体が経済的なあるいはいろいろな消費活動をやっていく場合に、必要な施設というものがどうしても出てくる、それとわれわれの方の自然保護の問題とをどうやって調和していくかということを考えなければいけないわけでございまして、その意味で、国立公園でも先ほど言ったような段階を設けて、大事なところはあくまでも規制を厳しくしているわけでございまして、普通地域は御承知のように届け出だけでこれがいいということに、いまの制度でなっているわけでございます。
 これからの問題としては、それは今日までいろいろ経済の発展のテンポも変わってきておりますし、考え方も変わってきておりますから別でありますけれども、従来はそういうたてまえになっておるということから見ますと、届け出をしなかったのは確かに違法な処置ではあるけれども、現実に進んでいることを、国定公園の普通地域として考えてみますと、局長が、まことに遺憾ではあるがやむを得なかったのだと言わざるを得ない立場も、御理解いただかぬといかぬわけでございまして、私どもはこういうことは望ましくないことに決まっておるのです。環境庁としては当然です、あらゆる海岸を守り自然を守るということが私どもの任務ですから。しかし、世の中は環境庁だけで動いていないわけでございますから、そういう意味で一つの制度として、普通地域については届け出でやむを得ないというたてまえになっている。ということは、そこで必要な経済活動が行われることは、ある程度やむを得ないものということで進んできている全体のたてまえでございますから、局長としても、本当はこれは相なるべくんば、そういうことはやめてもらって、本当に自然の海岸を残してもらいたいと思っても、このたてまえから言って、まことにやむを得ないということをお答えせざるを得ない、この立場だけは御理解しておいていただきたいと思うわけでございます。
#223
○三浦委員 いまの大臣の発言は、いろいろ問題を含んでおります。経済との調和の問題は考えない、頭にないと言ったけれども、腹の中にはあるわけです。ちゃんと結論では、その調和の問題を言われているわけでしょう。ブルータスおまえもかと、私は長官の話を聞いていまそう思いましたよ。
 それから、届け出の問題も言われましたけれども、これは単なる手続上のミスという問題ではないのです。届け出ればそれでいいというものではないのです。自然公園法に基づきますと、届け出をいたしますと、環境庁は、それに対してその行為を禁止したり、制限をしたり、その他必要な措置を講ずることができる、そういう権限がある。そうでしょう。そうすると、そういう権限が行使されるのがこわくて、それで無断でやっているということだって当然あり得るわけです。
 それで私は、環境庁がこんな答弁をすると思わなかったので、ちょっとよけいな時間を食ったようですけれども、運輸省にお尋ねしますが、これが自然公園法に違反をして埋め立てが行われていたということに、いつ気がつかれました。
#224
○竹内(良)政府委員 運輸省が知りましたのは本当に最近でございまして、地元の北九州市等の議論は、恐らく四月の半ばごろ明確になったようでございます。
#225
○三浦委員 これは運輸省にお尋ねしますけれども、昭和四十六年に瀬戸内海環境保全対策推進会議というものが設けられまして、そして運輸省もこれのメンバーになっているわけなのです。そして昭和四十六年の十二月二十一日の日に、瀬戸内海環境保全対策推進会議各分科会中間報告というのが行われているのです。それで環境六法にはその要旨が載っております。第一分科会赤潮問題、第二分科会水質汚濁問題、そして第三分科会が自然保護問題で、第四分科会がマスタープラン問題というふうに報告が行われているのです。第三分科会の自然保護問題について、運輸省はこの分科会のメンバーになっておりましたか。
#226
○竹内(良)政府委員 運輸省の担当の者が、その分科会のメンバーになっていたようでございます。
#227
○三浦委員 第四分科会のメンバーにはなっておりましたか。
#228
○竹内(良)政府委員 第四分科会もなっておりました。
#229
○三浦委員 そうすると、この第三分科会の報告要旨によりますと、「当面の施策」として「(一)調査」という項があるのです。ここにはこう報告されております。「瀬戸内海沿岸の自然環境を保全し、今後望ましい姿で後代に継承するためには、この一帯の過去から現在に至る変遷、現況、今後の開発計画等を調査し、これに基づき、マスタープランの作成をおこなう必要があるので、早急に調査を実施するものとする。」とあります。そして、その「検討のための対象範囲」というのは、ちゃんと「関門」というのが入っています。そうすると、この分科会の報告要旨によりますと、昭和四十六年、この時点で、すでに関門付近の開発というものが、この保全対策推進会議によって調査されているということになりますね。これに基ついて調査をしていると思うのです。調査をされましたか。
#230
○竹内(良)政府委員 この一連の調査は、いま聞くところによりますと、当時は環境庁が中心になりまして、この会議を開きまして、その後の調査を実施するスタイルになっていたのではなかったかと存じます。運輸省としては直接、調査はしていないようでございます。
#231
○三浦委員 第四分科会の報告の中にこういうのがあります。「開発計画のヒアリング 各府県の開発構想とその環境への影響を十分掌握する必要があるため、瀬戸内海に係る各府県開発計画のヒアリングを来年一〜二月に行なうこととする。」こうあります。このヒヤリングは運輸省は行いましたか。
#232
○竹内(良)政府委員 これはやはり環境庁が中心になって実施したわけでございますが、その際、運輸省は参画しております。
#233
○三浦委員 そうしますと、調査は第三分科会の問題は環境庁がやった、第四分科会の問題については環境庁がやったけれども、運輸省も参画しておる。そうすれば、当然いま問題になっている瀬戸内海国立公園の関門普通地域、これについてもヒヤリングを行ったり調査を行っているはずです。環境庁が入っているのだから、これが自然公園だ、国立公園に指定されている地域だというのは、当然知っていたはずでしょう。それはどうです。
#234
○竹内(良)政府委員 まことに残念なことなのですけれども、どうも例の田野浦のあの地区につきましては、昭和十七年ごろからずっと継続して仕事をしてきたというような経緯がございまして、やはり気がつかなかったというのが本当のところでございます。
 なお、この一、二月におけるそのヒヤリングと申しますのは、府県の開発計画を調べたということを聞いております。
#235
○三浦委員 これは府県の開発計画だから、北九州市のやったことは知らぬ、こういうわけですか。そういうでたらめな答弁はだめです。
 それで当然、環境庁というのが入って調査しているわけだ。あんなでかい埋め立てが、あなたたちの目に入らないはずはない。そうでしょう。そうすれば、これは環境庁も運輸省もこの当時、いわゆる昭和四十六年の末から初めにかけて、国立公園が埋め立てられているということをちゃんと認識しておったということではありませんか。そういうことではありませんか。あなたたちが幾ら弁解をしようと、そういうふうに客観的に見られますでしょう。そしてまた環境庁の局長さんのお話によれば、やむを得なかったと追認しているわけなのだから、そういう態度というのは、もうこの当時から環境庁も運輸省も国立公園だと知っておった。しかし、余りどでかい違反をやったので、これはそっとほっかぶりしておけということで、ずっと違法行為を続けに続けてきた。そして事態をここまで大きくした、そういうことが言えると思うのです。あなたたち、遺憾でしたが知りませんでしたとか気がつきませんでしたとか、所管の環境庁がかんで調査をしておって、そんな言いわけは言いわけにならないのです。どうですか。環境庁と運輸省、答えてください。
#236
○柳瀬政府委員 届け出なければならない工事につきまして届け出がなかったということを、私どもが承知するのが遅かったのは、まことに申しわけないと思っております。
#237
○竹内(良)政府委員 何回も繰り返すようでございますが、当時、気がつかなかった、このたび気がつきまして、それを改めていきたい、こういう考え方でございます。
#238
○三浦委員 環境庁長官、どうですか、いまの答弁は。気がつかなかった、両方とも気がつかなかったと言っているのですよ。それでは何のために対策推進会議でいろいろな調査をやったのですか、特に瀬戸内海の問題について。ここは瀬戸内海の国立公園に指定されている地域ですよ。これについて調査をやったりヒヤリングをしたりして、国立公園だったということを知りませんでした、工事が行われていたのは、自分がやったのだから知っていただろうけれども、そんなでたらめなことが世間で通用しますか。あなたたちは共犯ではないですか。昭和四十六年の末から四十七年の初めにかけてからの問題というのは、少なくともここに動かぬ証拠があるのですよ。ただ、気がつかないで申しわけありませんでした。瀬戸内海の景観を、かえがたい瀬戸内海だから、こういういろいろな努力をして子孫に伝えようといって努力をしているときに、こういうことを平然とやっていて、すいませんで済むと思いますか。
 それからもう一つ言いましょう。あなたたちがグルになっていたということ。
 北九州市で私は六月の九日に市議会を傍聴したのです。そのときに市長の答弁というのはこうです。これは初歩的な事務的なミスでございました、こう言っています。大したことではないのだ。届け出れば環境庁はちゃんと盲判を押してくれるのだ、届け出なかっただけが悪いのですと、こういう言い方をしている。自然環境の破壊に対する何の反省もない。それは港湾局長と一緒だ。ところがこれも少なくとも去年からは知っておったという動かぬ証拠があるのです。それは環境庁の方にも資料がいっていますけれども、北九州の長期構想というものが昨年の三月か策定しているはずです。ちゃんと冊子になっています。それの中に図面があって、ここの瀬戸内海の国立公園の地域ずっと緑を塗ってあります。だから公園だということを知っているわけです。それなのに埋め立てをした田野浦地区、いま進行している大刀浦、ここだけはその緑地から外しているのです。公園の範囲から外しているのです。同じようなことは響灘の問題についてもあります。ここは玄海の国定公園ですけれども、そこでも原発のところだけ、開発したところだけ抜かしているのです。公園から外しているのです。これを市会議員が追及したら、いや印刷が悪かった、印刷がずれた、こう言っている。ずれたというのは、またこういうふうにもとに戻せばすぽっと入らなければいかぬですね。ところがそういう印刷ではないのです。この国立公園をずっとかく場合に、故意にこの地域を、いま開発をされている、不法に埋め立てをされているところだけ除いて国立公園だと表示しているのです。ということは、もう北九州も少なくとも去年の三月、これを策定したのは、恐らくつくるのはもっと前でしょうから、四十八年の後半期以降は国立公園だということを知っていたということです。それでずっと違法な工事を運輸省と一緒になってやってきたということなのです。これは私は非常に重要な問題だと思うのです。国の場合はうまいぐあいに刑罰がないのです。二十条違反だけが刑罰の対象になって、四十条でもって特例になっていて、国は通知だけすればいいということになっているのです。通知違反は処罰の対象になってない。しかし、これはだから国が幾ら悪いことをやってもいいということではないのですよ。国は悪いことをしないということが前提になっていて、こういう法律になっているわけです。北九州市はちゃんと罰則の対象になるわけです。五万円以下の罰金という刑罰が科せられ、そういう行為をやっているわけです。
 それで過去の問題はともかくとして、私は、運輸省が先ほどの答弁で、第二期計画についてはその速度、そういうものについては十分に考えていきたい、こういうふうに言っておりますので、その点についてお尋ねしますけれども、あなたたちはあくまでも、これから埋め立て免許の申請をする第二期計画についてまで、これを実行しよう、そういうふうにお考えになっていらっしゃるわけだが、埋め立ての問題について、いま国というのはどういうような措置をとっているのか、政策をとっているのかおわかりですか、おっしゃってみてください。瀬戸内海の問題についてどういう政策を持っているのか。
#239
○竹内(良)政府委員 埋め立ては、その申請に基づきまして埋め立て免許権者がいろいろ議論しているわけでございますが、国の段階におきまして認可の手続がございます。運輸省といたしましては、その埋め立ての目的、それからそれに関する環境の問題等の十分基準に当てはまったものについて認可していくというような考え方を持っております。
#240
○三浦委員 何か頼りのない答弁ですね。あなたの方は開発ばかりやっているから、自然環境の問題も頭にないのですよ。
 たとえば昭和四十七年六月六日の閣議了解というのがあります。「各種公共事業に係る環境保全対策について」これでも「自然環境の破壊等環境保全上重大な支障をもたらすことのないよう今後いつそう留意するものとする。」と、ちゃんとあるのですよ。
 それでは、瀬戸内海環境保全臨時措置法というものが議員立法で一昨年つくられましたね。これについては埋め立ての問題について、どういうような基本方針を持っているのか、お尋ねしたいと思うのです。
#241
○竹内(良)政府委員 この法律の一環といたしまして、瀬戸内海環境保全審議会によりまして基本方針がつくられました。その方針に従いまして考慮していくということになると思います。
#242
○三浦委員 どういうふうになっているのですか、内容をちょっと説明してください。運輸省に聞いておるのですよ。運輸省にお尋ねしますが、その基本方針はどういうことに留意してやらなければいけないようになっていますか。運輸省が埋め立ての申請をするわけでしょう。
#243
○竹内(良)政府委員 この趣旨は、瀬戸内海の特殊性を十分考慮するということでございますけれども、瀬戸内海の特殊性を十分考慮した上の環境問題についての考慮を図るということでございます。
#244
○渡辺委員長 三浦君、申し合わせの時間がはるかに経過していますから、ひとつ簡単に結論をまとめてください。
#245
○三浦委員 はい、わかりました。
 ちょっと重要な問題なので、もうちょっと時間をいただきたいと思うのですが、この基本方針によれば、埋め立てする場合は「次の各項目毎に十分配慮されたものであることを確認すること。」その中で、「自然環境保全上の見地」として、「埋立て、埋立地の用途及び埋立工事による自然環境(生物生態系、自然景観及び文化財を含む。)への影響の度合が軽微であること。」軽微でなければならないというふうになっているのですよ。そうしますと、これは国立公園に指定されていない地域でこういう配慮を払わなければならないということなのです、瀬戸内海の中は。それを国立公園に指定されている地域をこれからどんどん埋め立てていくということが、景観に対する影響が軽微だというふうに言えるのかどうかですよ。これは非常に問題ですね。そして環境庁の方で通達も出していますね。これは「瀬戸内海環境保全臨時措置法の施行について」という昭和四十九年一月九日環水規五号、環境事務次官から瀬戸内海関係府県知事、各政令市市長あて通達、これによると「埋立て等についての特別の配慮」という項目があります。ここではどう書いてあるかといいますと、「法第三条の瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない。」と書いてある。また、瀬戸内海の特殊性というのは何かといえば、「瀬戸内海がわが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものである」こういうふうに書かれていますね。これはあなたたちの通達です。そうすると、こういう瀬戸内海一般についての埋め立てについても、これだけの配慮がなされなければならない。国立公園の場合にはさらに自然公園法に基づくチェックがもう一つある。それほど重要な場所なのです、瀬戸内海保全という立場から言えば。そういう地域を埋め立てていくということが、景観に対する影響の度合いが非常に軽微であるというふうに認められるのかどうか、それをちょっとお伺いしたいと思います。それは港湾局長にお願いしましょう。
#246
○竹内(良)政府委員 今後の計画を実施するに当たりましては、公有水面埋め立ての手続をちゃんととります。そういたしますと、その間におきまして運輸省また環境庁長官が、先ほどの御趣旨に沿った、瀬戸内海環境保全に関する趣旨に沿った手続ないしは対策を必ず実行するというような形で進めていきたいというふうに考えております。
#247
○三浦委員 これはだめですよ、そういう答弁では。あなたたちは申請して、後は環境庁に任せます、そんな無責任さがありますか。あなたたちだって国の機関の一つとして瀬戸内海の環境保全という問題にもっと力を入れて、自分の頭でそれが軽微なのかどうかということを判断しなければいけないではありませんか。そんな無責任な答弁は認められない。
 それで、時間がもうない、ないと、さっきから何回も委員長から御注意を受けていますので、やめなければいけませんけれども、最後に、では私、環境庁長官にお尋ねします。
 この問題について、埋め立ては第二期計画ですよ。まだ埋め立ての免許の申請が全然出されていない、近いうちに申請すると言っていますよ。そういうときに環境庁としては当然、公有水面埋立法に基づいて意見が求められることになると思うのですよ。それからまた自然公園法に基づいて、それを禁止したり制限をしたり、それからまたその他必要な措置をとることができる、二重のチェックをやる立場に環境庁があるわけですけれども、第二期計画の埋め立て免許の申請があった場合に、環境庁としてはそういう自分の権能を、どういう立場でどういうふうに行使されるのか、私、お尋ねしたいと思うのです。
#248
○小沢国務大臣 先生が先ほど挙げられまして、運輸省の港湾局長が答えましたように、瀬戸内海の環境保全の臨時措置法に基づきまして埋め立てについての運用の基本方針というものがありますね。これは瀬戸内海の国立公園以外の一般の瀬戸内海の問題ではないのです。国立公園を含めた瀬戸内海全体の基本方針なのですよ。ちょっとさっきの言葉を聞きますと、それと分けて何かお話しのようだから、その点だけ、まず第一点申し上げておきます。
 その中に、「記」の事項に大きな1と2があって、2の中には「次の(1)に示す区域での埋立ては極力さけ、」いろいろ程度を違えて書いてあるわけです。たとえば特別保護地域あるいは海中公園あるいは原生自然環境保全地域、特別地域、海中特別地域というようなものは極力埋め立てを避けなさい。それから水産関係のものについては、これに準じて十分配慮せいということがあります。いま先生がおっしゃった「影響の度合が軽微であること。」は、それは環境保全上の見地として基本方針の中にあるわけでございます。ですから私どもは、これは元来普通地域ですから、先ほど申し上げました制度のたてまえで、普通地域というものは届け出さえすればできる。しかし三十日以内に、これこれのどうだとか条件だとか、いろいろ言えば、それはできるようになっておる。制度上はそうなっておるわけでございますが、普通地域というものは、大体そういうようなものを認めるという前提に立った制度の仕組みだから、結局そういうようなやり方になっておるわけなのです。無届けというものはこれはけしからぬですよ。だけれどもそういうことになっておるから、したがって埋め立ての禁止というものは、この基本方針でも環境保全審議会の答申で埋め立てを極力避けろという地域にはなっていないわけです。そこで、影響の度合いというものは軽微にしなさいと書いてありますから、その軽微にするやり方をどうやったらいいかということを、自然環境保全の見地から、私どもは、既存の埋立地についても、また今後行われるものについても、十分この基本方針にのっとるような、しかも自然環境を保全する私どもの任務から見て必要な対策をとるよう指示し、それを聞かなければ、これはひとつ運輸省と相談をし、あるいは地元にも話をして、当然これは守ってもらえると思いますが、そういうような点で、極力自然環境保全の影響の度合いが本当に軽微になるように、また現在やられたところについても十分緑化措置等もやらせまして、この行われたことについてははなはだ遺憾ではありますが、自然保護上の、環境を保全する見地から十分ひとついろいろな対策を講じていくようにいたしたい、かように考えております。
#249
○三浦委員 大変申しわけないのですが、私もう質問やめようと思ったのですけれども、また、いろいろ具体的に言われるものですから、もうちょっとまた言わなければいけないようになってしまったのですがね。(小沢国務大臣「あなたの質問があったから申し上げたのです」と呼ぶ)何か、どっちを向いた答弁をしているのかというふうに私は思うのですよね。環境保全という立場に、環境庁しっかり立たねばいかぬと思う。
 この自然公園法違反というのを、届け出ればそれでもう認めるというのが前提になっているのだ、こういうようなお話なのですね。とんでもない話です、それは。あなたたちの通達がありますよ。時間も、あまり皆さんに迷惑をかけてもいけませんから、また別の機会にじっくりやりたいと思いますけれども、「国立公園及び国定公園の許可、届出等の取扱要領等について」という通達が昭和四十九年二月一日、出ている。(小沢国務大臣「許可と届け出の制度のたてまえを……」と呼ぶ)
#250
○渡辺委員長 私語を禁じます。
#251
○三浦委員 いいですか、いま私が読み上げた通達によると、「許可、届出等に関して、次に掲げる方法により関係者を指導し、違反行為の予防、発見及び措置に努めるものとする。」とあります。そして「巡視を励行すること。」とか、また「都道府県知事は、違反行為を発見したときは、違反事実をできる限り正確に把握し、必要と認める場合は刑事訴訟法第二百三十九条及び第二百四十一条の規定により告発の手続きをとること。」と、こういうようなことをあなたたちが関係都道府県にずっと出しているわけですよね。そうするとこれは、ただ届け出なかったというのは形式的な違反なのだ、認めることが前提になっているのだ、そんな法律ではないということです。刑罰でもってこれは禁止されているし、あなたたち自身も通達の中で各都道府県に対しては、違反事実があったら、必要があったら告発までしなさい、こういう指導をしているほど重大な犯罪的な行為だということを私は指摘しておきたいと思うのです。そしてまた後でじっくり御意見を交換いたしたいと思います。私はどうしても、この第二期計画というものは、あの瀬戸内海を保全するという意味でやめてもらわなければならない、そういうふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#252
○渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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