くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第14号
昭和五十年六月十七日(火曜日)
    午後零時三十五分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 田中  覚君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
      住  栄作君    戸井田三郎君
      葉梨 信行君    岩垂寿喜男君
      角屋堅次郎君    米原  昶君
      岡本 富夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁自然保護
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
 委員外の出席者
        北海道開発庁企
        画室長     大西 昭一君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   吉崎 正義君
        厚生省医務局国
        立病院課長   浅野 一雄君
        林野庁指導部長 藍原 義邦君
        自治省行政局行
        政課長     大橋茂二郎君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(自然環境
 保全対策等)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 きょうは、公害と裏表になっている自然環境の破壊、この問題に対して大臣をうんと激励する、この意味も含めて、私は若干質問を展開していきたいと思うのです。
 まず、林野庁の方にお伺いしておきますが、この恵庭岳を初めとして冬季オリンピック大会終了後の跡地は完全に整備するということになり、緑化の整備を完全にするということになっておりますが、その後の整備の状態は進んでおりますか。
#4
○藍原説明員 冬季オリンピックの跡地につきましては、恵庭岳滑降コースにつきまして着実に造林等、林地の復旧をなしておりまして、おおむね五十年度には完了する予定になっております。
#5
○島本委員 そのほかの回転コースその他、恵庭岳以外にもあるはずですが、その方面はどうなっていますか。
#6
○藍原説明員 恵庭岳のほかに手稲山に滑降コースがございましたけれども、これにつきましては、その当初からコースを復元するという計画はございませんで、現在もスキー場として利用されておるというふうに聞いております。
#7
○島本委員 スキー場として、どなたが利用しているのですか。
#8
○藍原説明員 スキー場として一般のスキー客が利用しているというふうに聞いております。
#9
○島本委員 どなたが管理していなさるのですか。
#10
○藍原説明員 財団法人手稲ランドが管理いたしております。
#11
○島本委員 その財団法人手稲ランド、これとの間に林野庁では何かはっきりした取り交わし、または約束のようなものがございますか、それを整備するというふうな。
#12
○藍原説明員 特に約束はございません。
#13
○島本委員 それなら、おかしいではありませんか。恵庭岳のコースだけはきちっと整備する。そのほかの男子回転コース、このものは手をつけない。そのまま管理は林野庁の方に移っている。それを直接見ておるのは、いま言った法人団体である。これで緑が破壊されているかいないか、その山の管理がどうなっておるか、こういうようなことに対して、林野庁は全然相談にもあずからないのですか。また、この点は環境庁はどういうふうに見ておりますか。特に環境庁には、前任者の時代に、この問題に対しては林地に復元するように、重大なる申し入れをしてあるはずです。林野庁と環境庁、この点は、まず恵庭岳の場合は進んでおる。これは私も了承します。ただ手稲山の男子回転コース、この辺はそのままに放置してある。自然破壊をそのままにしてある。これは当初の約束違反ではございませんか。これはどうなっておるのです。
#14
○藍原説明員 オリンピック終了後、恵庭岳につきましては復元をするという取り決めになっておりまして、手稲岳の方のスキー場については、一般の市民のスキー場として利用するというふうに、当時の取り決めがなされておるやにわれわれは聞いております。
#15
○島本委員 環境庁はどうなのですか。
#16
○柳瀬政府委員 スキーのコースということで、自然が非常に荒らされるということであれば、これは好ましくないことでございますので、実情をいろいろと調査いたしまして、要請する問題があれば要請をしていきたいというふうに思っております。
#17
○島本委員 林野庁には、特にこの点は注意を喚起しなければなりません。と申しますのは、この地図もございますけれども、旧男子回転コースです。それも財団法人でありますオリンピック記念手稲ランドが管理することになり、造成の許可その他は、もうすでに円満にいっているようであります。それは女子の回転コースと、男女の両面を合わした場所のいいところだけなのです。険しい最も保護に力を入れなければならないところの男子の回転コース、ここは全然利用価値がないままに放置されているのです。こういうようなちぐはぐな保護行政というのがありますか。そして野草だけが群生している。荒れるに任せてある。もちろん急斜面ですから、逆にこの急斜面は大量伐採で周辺の樹木までが枯れてしまっているのです。その頂上付近の急斜面は、オリンピックの会場になった二つのコースもありますけれども、これは無残な状態で放置されてある。まさにここを調査した人たちが唖然としてきた。その人の話を直接聞いて、私も唖然とした。樹木の伐採は、四つあるコースのうちで五〇%以内に抑えるプラン、こういうようなことになっているそうです。しかし、そのとおりに進んでおらない、こういうような状態です。こういうような状態になった場合には一体どうなるのですか。
 林野庁も環境庁も、世界的なオリンピックの跡地の整備、このあたりは一番大事ではありませんか。この自然破壊のために冬季のオリンピックを拒否した国さえあるでしょう。日本は成功したと言いながらも、一番焦点になった恵庭岳だけはきちっとやっておる。そのほかは財団法人に任せて、あとは全然知らない。こういうような環境保全はございません。明治四十四年以来、この男子の回転コースのあるところは水源涵養林ではありませんか。これはちょっといただけないのでありますけれども、この点、林野庁は、財団法人手稲ランド、この方面からの連絡や打ち合わせば全然ないのですか。
 もう一言言うと、あると思うのです。というのは、このやさしい、これから解除しようとする方面のものにはきちっと入れている。それから外れている、急斜面であって手のつけられないようなところは、一緒に管理する責任のある財団法人が全然手をつけないで、荒れっ放しにしている。目を覆うばかりになっている。こういうような管理の仕様では、営利目的だと言われてもしようがないではありませんか。これは私としてはちょっといただきかねる。その管理について全然相談がなかったのですか、あったのですか。
#18
○藍原説明員 先生いま御指摘のスキー場の管理につきましては、林野庁には、いままでの段階では相談その他はございません。私どもとしては市民のスキー場として有効に活用されておるものというふうに理解いたしております。
#19
○島本委員 理解されていない場合の、この管理とその責任はどっちになるのでしょう。
#20
○藍原説明員 森林の管理につきましては林野庁の管轄でございますけれども、スキー場そのものといたしますと、林野庁の管轄ではございません。
#21
○島本委員 民有林の場合には知事権限になっていますね。一ヘクタール以上の開発で林地以外に転用しようとする場合には、あらかじめ許可を得ることになっていますね。それにしてもオリンピックコースは荒れほうだいになっているわけですね。国有林の多い手稲山のオリンピックコースは、もとに戻すという約束でやったはずですが、終わった後、もとへ戻していない。これは市民に利用させるということになっているが、余りにも急斜面であるために、その男子回転コース一つだけは全然利用もされていない。もてあましたままほったらかしてある。これは約束違反ではありませんか。
 そして、いま言ったオリンピック記念の財団法人手稲ランド、これは民間ですか、道ですか、市ですか。どういう構成でやっているのでしょうか。開発庁あるいは林野庁、知っていたらこれははっきりしてください。
#22
○藍原説明員 いま申し上げました財団法人手稲ランドは、道と市と王子緑化、三菱金属等の第三セクターという形になっているように聞いております。
#23
○大西説明員 ただいまの手稲ランドの財団法人は、私どももそういうふうに伺っております。
#24
○島本委員 それである程度了解できました。
 そうすると、手稲ランドというのは、理事長は札幌市の平瀬助役ですね。それから副理事長は北海道副知事の樫原さんですね。そうして幹事には民間の三菱金属、王子緑化、こういうような人も幹事に入っておられますね。大体、間違いございませんか。
#25
○藍原説明員 林野庁では、責任者につきましては調査いたしておりません。
#26
○大西説明員 先生いまお話ありましたように、札幌市の平瀬助役、それから道の樫原副知事というところまではわかっておりますが、その先、どういうふうな構成で、どういう管理をしておるかは、私どもも現在、知っておりません。
#27
○島本委員 そういうようなことですけれども、いま私がお伺いしたいのは、この財団法人手稲ランドの幹事をしておる王子緑化株式会社、ここが主になって、いままでの回転コースを含めて四ヵ所に、膨大なスキー場をまた建設するために、北海道の方に払い下げの申請を行ったということなのですが、これはもうすでに解除の許可は出ておりますか。
#28
○藍原説明員 ただいま北海道庁から調査いたしたところによりますと、手稲山にスキー場をつくるということで、林地開発規制許可の申請が道庁になされたということでございますけれども、書類の不備によりまして、正式の受領はまだいたしていないというふうに聞いております。
#29
○島本委員 オリンピックの跡地を含めての利用計画、この問題が問題なのです。この問題が問題だというのは、自然破壊をそのまま認めるような、こういうような行為に対して、そのまま了解してはならない、この考え方からいま聞いているのです。
 ゴルフ場建設、こういうようなことが問題になりまして、最近では緑の砂漠だ、こういうふうに言われているのです。今度はスキー場建設のために、昭和四十七年告示五百四十四号で北海道の自然保護条例によって指定されている、札幌市民緑のオアシスと言われているこの手稲南自然景観保護地区、これが一部指定解除の申請がなされた、こういうふうにいま承りましたが、まだ受理をしていないようだ。私は五月二十七日にもう審議会では、これを解除するということでまとめた、こういうようなことを承っておりますが、まだこれはやっていないわけですか。
#30
○藍原説明員 私の申し上げましたのは、森林法に基づきます林地の開発許可についての許可申請が提出されたということを申し上げましたので、それについてはまだ書類の不備のために、正式の受理をしておりませんということでございますが、先生のおっしゃいました手稲南自然景観保護地区、これの問題については、すでに一部解除されたやに聞いております。
#31
○島本委員 開発庁、そのとおりですか。
#32
○大西説明員 いま林野庁から御答弁ありましたように、私どもも昨日の調査の結果わかっております。
#33
○島本委員 その日の午前中。そして午後に、同じその地区を含めて周辺地域を新たに道立の自然公園に指定する考えを、また明らかにした。これはちぐはぐ環境行政ではありませんか。その理由として、これは北海道内の国立、国定、道立自然公園を合わせて二十一カ所あるのだ、面積は約七十七万五千二百ヘクタールだ。面積の比率では全北海道の九・八%、全国平均の一三・五八を下回っている。したがって、その目標を近づけるために、現在の道立自然公園、襟裳に日高山脈を合わせて、日高山脈、襟裳と暑寒別、これを国定公園に昇格させ、新たに天塩岳、札幌周辺、斜里岳、十勝海岸、これを道立公園にする。そして公園の面積の比率を一一・四二%まで高めたい、こういうようにしているようです。そして、この札幌周辺とは何ぞや。道立公園は手稲連峰である。したがって、スキー場建設に伴う自然景観保護地区の指定を一部解除した手稲山について、その山を含めた手稲連峰道立公園に指定して自然景観を守るのだ。これは何のために解除するのですか。これは二度手間行政ではないですか。解除しておいて、また自然公園に指定する。これはどういうことですか、開発庁。
#34
○大西説明員 ただいま先生から御指摘ありました道立自然公園の問題につきましては、私どももちょっと聞いておりませんので、事情を調査さしていただきたいと思います。
#35
○島本委員 自治省の方ではどうなのでしょうか。指導的立場にある人が、こういうような二度手間行政や、自然環境に対してのちぐはぐ行政では、いまこの時期に問題ではないですか。つい先ほど環境週間が終わったばかりでしょう。それなのにすでにこういうようなことを平気でやっている。ちょっと理解しかねる。一体これはどういうことなのでしょう。
#36
○大橋説明員 ただいま開発庁からお話ございましたが、私の方も事実関係を明らかにしておりませんので、ちょっとお答えしかねますけれども、それぞれ地方公共団体は自主的なしかも責任ある判断をもって行動をしているものと、私どもは一応信頼いたしたいと思っております。
#37
○島本委員 それに対して連絡、協議または調整、こういうようなものによって、全然自治省では地方行政に対して関与してないのですか。
#38
○大橋説明員 自治省といたしましては、地方行政、財政一般に関する問題につきましての、いろいろな指導あるいは監督等をいたしておりますが、ただいまのような自然保護その他の問題は、それぞれの所管の省庁において指導されているというふうに承知いたしております。
#39
○島本委員 所管の官庁は環境庁。これは大臣、ちょっとおかしくないですか。
#40
○柳瀬政府委員 北海道庁におきまして国立公園、国定公園の地域、地種区分等につきましての見直し作業を行っているということは承知しておりますが、その手稲山の地域がどういう地域として検討されておるかということについては、詳しく承知しておりません。
#41
○島本委員 知っていないのでは、これは困るのです。それだけではないのです。これは、二度手間行政で手間をもう一つやったくらいならいいのですが、もうすでに申請によって解除してしまっている。してしまった後、それだけを除いて全部また自然公園にしてしまおうとする。解除されたのは、いまいろいろ話があって皆さん御存じのあの王子造林である。その王子造林がまたオリンピック記念の財団法人である手稲ランドの幹事である。その幹事がこれをやっている。二度手間行政ならいいのです。第三セクターだといいながら、これはただもうけるための、環境破壊するための施設であったならば、環境庁として十分調整権を発揮しないとだめでしょう。これを知らないということになっていたら、なお悪いのであります。そうなりますと、王子緑化株式会社がやったこと、それだけは手をつけさせる、あとの方は全部手をつけさせないぞという援護射撃を、また環境保全の名においてやってやる、特定の大きい会社だけがそれによって利潤を追求することができる、こういうような結果になってしまうおそれはありませんか。どうもそういうような点は私は心配なのであります。この点について柳瀬局長、いま私が言ったような心配はありませんか。
#42
○柳瀬政府委員 手稲山の自然景観保護地区、これは北海道の条例に基づく制度でございまして、自然公園法あるいは自然環境保全法に基づく指定地域ではございませんので、権限的とか法的に環境庁としてどうこう指導、指示するというような場所ではないわけでございますが、指定の解除をする、しないは別といたしまして、やはり環境の保全ということには十分考慮を払った対処の仕方をしていただくということが望ましいことだと思っております。
#43
○島本委員 また、そうでなければならないということです。開発された自然はもとに戻らない。これは日帰り圏のスキー場であるからやむを得ないのだ。これに対してはまた、日帰り圏のスキー場よりも日帰り圏の緑こそが大事ではないか。商業ペースの開発を認める、認めてしまえば、そういうような開発に疑念は残らないか、当然そういうようなことが浮かび上がってくる。小手先だけで自然環境の保護ができる、こういうのがいままでのやり方だとしたら、今回は環境週間を終えてこういうような実態があるということ、これはちょっと困るのではありませんか。人間と自然との深いかかわり合い、この理念を欠いた自然保護行政は、こういうのがある限りは、第二、第三の指定解除がこれから出てくる可能性もある。そうでしょう。この辺も、もう少し自治省もきちっとしておいて、環境庁も指導しなければならないのではないか、こう思うのです。オリンピック跡、これはやはり緑地に還元させる、こういうような約束で、あれは許可になっているのです。恵庭はよろしい。そのほかのところは環境庁も自治省も林野庁も全然関知していない、また報告も来ていない。実際は男子回転コースはそのまま放置されて、見るも無惨な状態になっておる、こういうようなことです。実際この山の中まで私、入りません。しかし行ってきた人は、この地図を示しながら唖然としておるのです。よくこういうような状態にして環境庁は放置するものだ、林野庁はこういうようなことをよく許すものだ、北海道開発庁がこういうようなことをよくやるものだと言って憤然としておるのです。私、こういうような状態からして、今後この点は十分考慮しなければならない問題点ではないかと思っております。道のことであるから道がやればいいのだということには直接ならない。
 では、もう少し具体的な問題でいかなければなりません。林野庁もおりますけれども、林野庁は、実際にあの辺の林地を見たことがございましょうか。
#44
○藍原説明員 あの周辺は大半が民有林でございまして、林野庁として直接管理しておりませんけれども、道行政を通じて十分管理するように指導はいたしております。
#45
○島本委員 民有地もありますが、国有林はあの辺はないのですか。
#46
○藍原説明員 国有林は千二百五十ヘクタールほどございますが、総面積三千二百六十ヘクタールでございまして、その大半が王子緑化株式会社の所有地でございます。
#47
○島本委員 その国有林は、明治四十四年に水源涵養林に指定されたままになっていますね。片や王子緑化でしょうか、王子製紙でしょうか、こっちのほうは水源涵養林の指定を受けていましたか、受けていませんか。
#48
○藍原説明員 ただいま詳細はちょっと私も認識しておりませんけれども、民有林につきましては保安林の指定は受けていない、こういうように記憶いたしております。
#49
○島本委員 そこなのです。受けていないのです。というのは、このオリンピックコースに指定された国有林との間、この東側に発寒川という川があるのです。その川から東側の方が国有林、これは水源涵養林の指定を受けている。そしてこの王子緑化株式会社がいま着工しようとする部分は、全然その水源涵養林の指定も受けてない。これでいいのかということなのです。こういうような状態では何のための水源涵養林なのか。そのそばにきちっと区画をはっきりしたようになって林があっても、それは問題にならないわけです。みんな切りっ放しなんだ。もちろん水源涵養保安林の指定を拒否したままになっている。それはしていません。そうしてそのそばにある男子回転競技場、これは全然手を入れないまま荒れほうだいだ、こういうようなことであります。したがってちょっとわからない点は、これは審議会がございますけれども、審議会が決めたことに対しては、自治省は現地を調査しているのかいないのか。しないで、そのままそれを許可したということになると、これは住民に対しても手落ちになる。こういうようなことを考えて当然指導すべきだと思っているのです。
    〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕
 急いで五月二十七日にこの問題の審議をし、午前中にそれを終了した。その審議会は全然現地を見ておらない。そして住民から現地を見た上で態度を決めろ、こう言われながらも、その言葉も取り上げない。そうして一般にわからないままに、審議会は現地調査もしないでそれを決めた。そういうようなことでは少し問題ではありませんか。これは教育委員会か社会教育課が、こういうようなところはスキー場として適当だ、その方面が体育上必要だ、社会教育上必要だ、こういうようなことならわかる。自然環境を保全しなければならない保護課が、それをスキー場として必要だといって解除するのは何かおかしいではありませんか。北海道庁のこのやり方、これは当然なのでしょうか。ちょっとでもおかしいところありませんか。自治省、いかがなのですか。
#50
○大橋説明員 先ほど申し上げましたように事実関係が明らかでございませんので、当該審議会が法に基づくものか、あるいは条例に基づくものか、その他のものか明らかにいたしませんので、ちょっと明確なお答えをしかねますけれども、自然保護という観点に立って、それぞれの所管の省庁の指導のもとに適正なる措置を行っているというふうに私は考えております。
#51
○島本委員 その措置が、いま言った事実に基づいて私はやっているのですけれども、まことにおかしい措置なのですよ。それも自治省が知ってないということになったら、なおおかしい。自治省というのは何にもならぬですね。行政課長でしょう。自治省の方で、地方行政の自然環境保全というようなものに対して、あるいは公害に対して指導する部か課はないのですか。
#52
○大橋説明員 先ほどお答えいたしましたように、行財政一般につきましていろいろ所管をいたしておりますか、たとえば自然保護あるいはその他の部分につきましては、それぞれの省庁の所管がございますので、自治省としてはそのための特別の部課というものを設けてございません。
#53
○島本委員 それでは、自治省の大橋行政課長、その辺だけの答弁なら、何のために来たのですか。私は環境保全についてはっきり、これは指導できる責任者をよこしてくれと要請したら、あなただといって推薦してきた人なのです。一つもわかっていない。あなた、もう帰ってもいいです。そんな答弁ありますか。もう帰りなさい。もうあなたに対して質問する何物もないではありませんか。
 それに対して王子緑化との間で協議することが歯どめになっている、その協議さえ、協定かまだないのですよ。ないのに着工することができるのか。おかしいではありませんか、自治体の方でやっているのは。それを住民が心配しているのです。北海道開発のあり方として、そういうようなことはどうもおかしい。これは協議が歯どめなのです。これは協定が歯どめになるのです。その協定もできないうちに実施するということ、これはおかしいではないですか。歯どめは全然ないままに何の環境保全ですか。大西さんの方でこれに対してどうなのです。
#54
○大西説明員 私どもが北海道庁から聞いておるところでは、王子緑化との間に道と市が、自然環境を十分守れるという協定を結ぶということが前提になって解除したというふうに伺っておりますので、解除の処置をとったから直ちに、協定ができないうちに工事に着工するというふうなことは恐らく起こらないだろうと思っております。
#55
○島本委員 この王子緑化株式会社というもの、これが今度、ここに私が持ってきている図面で、旧男子回転並びに女子回転を合わせた残された場所、この残された場所をそのまま使わせるということではないのです。その周辺に今度は百八十八・四二へクタールを解除さして、スキー場の規模面積は五百三十七・二五六平米、この中にスキーコース五百七平米、それからリフト、駐車場入れて三十・二五六平米、それでリフトか四基三千六百三十メートル、駐車場十一・二二六平米、道路四百三十平米、それで協定は未締結、この中で進めようとしているのです。それがここにあるいろいろな図なのです。これが解除されるということ。これは膨大な場所です。これは解除しなくても、スキー場にするだけならできるのです。許可申請すればいいではありませんか。何のために解除するのですか。こういうような点について環境庁は十分知っていますか。それとも北海道開発庁、何のためにこの膨大な解除をさせなければスキー場にできないのですか。
#56
○小沢国務大臣 私がいままでいろいろ聞いておりまして、ちょっと先生と自治省、あるいは北海道庁、林野庁あるいは私の方の自然保護局長との質疑応答で、事実関係の認識について、中央官庁はどうもまだ不十分な点がたくさんありますから、したがって適確なお答えができないわけでございます。自然環境を守ることは、中央では私どもの仕事でございますので、十分よく調査をしてから、先生のいろいろな疑念のある点については、道庁の意見も聞き、実際の状況がどうなっておるか調査の上で、後刻ひとつ質疑をしていただければ、明確になるのではないかと思います。どうも事実関係の認識が十分でないのに、いろいろお尋ねになっても、なかなか各省庁それぞれお答えができないようでございますから、この点はひとつ保留をして、いずれまたの機会にやっていただければ、できるだけ早く、どういう事実関係になっているのか、この点を調査をして、それからひとつお答えをいたしたいと思います。
 それから、先ほど自治省が何も知らぬからというおしかりがありましたが、これは自治省という役所は地方公共団体のやることを何から何まで全部監督指導している役所でありません。これは中央庁の中で、自然環境行政については当然環境庁がやる、あるいは林野行政なりその他については農林省の林野庁がやる、そういうことでございますから、自治省の担当部長が知らぬからといって怒られましても、これは少し、所管がそれぞれございますので、その辺のところは、むしろ私どもの方でよく調べまして、問題のポイントは、先生の御意見によりますと、自然環境を保全しなければいけないような民有林等を中心にして、自然をむしろ手を加え破壊をすることによってスキー場をつくり上げることの是非論のようでございます。スポーツの振興ということが、青少年あるいは国民の健全な生活を維持する上に大事なことでもございますが、それと当該地域の自然環境の保全というものと、どちらを優先をすべきかの問題のようでございますので、ただ、それには根本として、地域における現在の実情、また道が自然景勝地の何か道独自の指定をやったものを解除し、さらにそのスキー場の部分だけを除いた他のもの全体を自然公園法なりその他の法律に基づいた指定をやろうとしているようにも、先生のお話では承ったわけでございますが、それらを含めまして全部詳細に調査をして、その結果でひとつ、いろいろ質疑応答をさしていただきたい。私、聞いておりまして、そういうように感ずるものですから、どうも事実関係の認識に先生とこちらの方で大分ずれがございますし、よく調査をさせてからお答えをさしていただきたい。
#57
○島本委員 やはり現地を見たり現地のいろいろな意見を聞いたり、それは調査してもらいたい。これは私も要請したいと思っていました。大臣から先に、調査に入るということですから、それならばそれでいいわけです。私の方の質問は、それで行ってきて、その後でもう一回やるということなら結構です。
 ただ、その間、参考資料として、この手稲山の南自然景観保護地区の一部解除についてのいきさつが、急ぎ過ぎているのです。四月八日に北海道自然環境保全条例に基づく届け出書が王子緑化株式会社から札幌市に提出されたら、四月十六日に札幌市から道にその届け出の報告があり、二十八日に道から札幌市に一カ月の期間延長の要請があり、そして五月二十日に道から札幌市に条例に基づく意見の照会があり、二十三日に札幌市から道に回答があり、二十四日に審議会への諮問案が決定し、二十七日に自然環境保全審議会を開き、そこへ諮問したら、二十八日に自然環境保全審議会から答申があった、そして六月三日に告示しておる。あんまりこれは急ぎ過ぎているのです。聞いておわかりでしょう。
 このために、一部の人しか知らない。この審議会自身も現場へ行ってこれを見てない。そして、これに不満を持った自然環境保全連合の人たちが調査に入っているのであります。六月十三日、これが決まってしまってからです。北海道保護団体連合会の人たちが調査に入っているのです。そして、これでは大変だということで抗議をしているわけです。
 そういうようなことからして、もしこのままで着工したならば、座り込みもやむを得ないだろうというところまでいっているわけです。とんでもない事態に進展しているのです。したがって、この辺は十分調査してほしい、こう要請するところだったのですが、大臣の方から先に調査するというのですから、現地の方へ林野庁もひとつ行ってみてくださいませんか。開発庁も、開発には全然関係ないわけではありませんし、それと同時に、環境庁の方でも、現地を十分理解するようにしておいてもらいたい、このことであります。
#58
○小沢国務大臣 この地域は北海道庁だけでやっております自然景観保護地区という地区であったようでございます。それが、いま先生が言われるような法的な手順を経て、北海道庁では自然保護審議会にかけて、その了承を得て地区の指定を解除したのではないか、承ってそう思うわけでございます。
 そういたしますと、これはやはり自然公園法なり、あるいはそういう法律に基づいた地域指定ではありませんので、北海道独自の条例による制度ですから、本来なら、これは地元で、住民の意見を代表する道議会というのがあるわけですから、そこで一応論争すべき問題ではないかと思うのです。ただ、もし自然環境保全の見地で重要な、いろいろトラブルがありまして、私どもの方が何らか指導をしなければいけないような事態であるとすれば、当然これは自然環境保全の見地から、道庁に対しては適切な指導をやっていかなければいかぬと思っております。
 しかし、どうも国定公園でもない、また自然公園法に基づく、法律上の制度に基づくような指定地域でもないような場合には、地方が適法な手続で全部終わってしまっているものを、中央で、それはおかしいではないかというようなことが果たして法的にできるか。法的には私は非常に困難だと思うので、この辺のところはよく実態を見ないとわかりませんから、北海道庁からよく話を聞いてみたりいたしまして、必要があれば環境庁の方で調査もしますけれども、ただ、地方のトラブルがあるから、すぐ環境庁が中央から出かけていって全部調査をするということになりますと、これは人が何人あってもなかなか大変でございますので、その辺は、一回、基礎的な調査をしまして、その後、ひとつ態度を決定させていただきたいと思います。
    〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕
#59
○島本委員 いま大臣からそういうような答弁があったが、大臣にこれを見せてやってください。
 しかし、前に伊達火力で機動隊が出て、そしてトラブルが起き、またその後、工事の過程で赤潮が発生した。これを調査に、水産庁と一諸に環境庁が行ったではありませんか。意欲があればすぐそれだって可能なのです。今度の場合には、いま言ったように自然環境保護団体が全部反対しているのです。それをむちゃくちゃなことをやり、それに、国が当然跡片づけをしなければならないこの男子回転競技場、オリンピック跡地の整備、これも不完全な状態にして、はげ山にしておいて、そしてその辺を逆にスキー場にしようとして、いま言ったようにして、オリンピック記念財団法人手稲山ランドに入っている人たちが逆に環境破壊をやっているのです。それのみか王子緑化株式社会社では、手稲そのものをレジャー化する計画で、測量を入れて、約六千万円近くの金を投資して基本設計を依頼しているのです。王子緑化そのものは、この財団法人手稲ランド、その幹事としているとのことです。そのいる人たちが計画を立てて、そしてオリンピックの跡地を当然始末しなければならない林野庁も開発庁も、同時に環境庁も、全然そんなことは知らない、自治体の方だからそれはそっちでやってくれ。こんなことはいままでかってありませんよ。伊達のときには、余りにもあの伊達の騒動がひどいということで、環境庁がわざわざ出向いたのですか、水産庁も出向いたのですか、そうして調査してきて、それによってきちっとしたではありませんか。あれだって北海道庁がやらなければならないはずですよ。むしろあれは北海道電力ですよ。それまで環境庁が出ていってやったのに、これに対して行かないなんてだめです。
 むしろ今度は別な環境破壊の計画があるかもしれないおそれもあるのです。この場所はスキー場だけならば、解除しなくても、許可申請だけでもできるはずなのです。ところがあえて解除した。その膨大な場所、これだけあります。これも見てください。ですから、この環境破壊に対しての進行がぐっと進められて、後からやったのでは遅いから、計画の段階で十分これを考えたらどうだ、指導したらどうだ。まして環境庁は設置法の段階で調整権もあるではありませんか。余り環境保全のためにそれは遠慮なすってはならないと思うのです。私はこのことだけを強く言っておきたい。
 これはどうしても調査に一回入ってみて、その現状を見てから話し合ってみてください。現地では、座り込みまでしてもこれは阻止しなければならない、こうなっているのです。のんきなことを言っているのは長官ですよ。このごろあなたの笑い顔がよくなったと思ったら、こんなだらしないことで遠慮なすっている。これはもう現地をはっきり見た上で、話し合いをし、指導してやってもらいたい。このことをどう考えますか。
#60
○小沢国務大臣 ですから、私が申し上げているように、いまここで早速係官を飛ばせましょうということになりますと、やはりそれぞれ中央、地方の権限の問題もありますから、まず基礎的に道庁からよく状況を聞いてみまして、そして必要性がこれはあると認定すれば、当然全国の自然保護の関係の問題については私どもの責任でありますから、適当な指導をするためにも現地を見なければならないわけでございます。伊達火力のときには、ああしたいろいろ長い経過があって、非常に大きな制度上の問題にもつながってまいりますので、当然これは中央からも調査に行きました。この問題のところがそういうような重要性を持つという事実認識について、先ほど来申し上げているように、どうもまだ先生とこちら側の方との十分な事実認識の点が至っておりませんから、したがって、その点を十分調査をして、もちろん必要があれば私どもも現実に調査に参ります。この点でひとつ御了承をいただきたいと思います。
#61
○島本委員 ことに私がいま指摘したように、行政分担が違うというだけではなくて、オリンピックの跡地の整備、この点に対しては林野庁もはっきり関与しなければならない問題です。開発庁は全くそのとおり。皆さん自身も中へ入って、あの恵庭の場合にはオリンピック組織委員会、そして、それがもうすでに林野庁の方に移管されている。しかしながら、この手稲の男子回転競技場、これはオリンピック記念の財団法人である手稲山ランドが管理しているといいながらも、そのまま放置してある。このことを黙って見ているということは、これはいけないではありませんか。まして今度はその横に、その他の回転コースを利用し、そのほかに、その辺の木を切って四つのスキー場をつくろうとしているのです。そうしてそれは王子緑化株式会社。しかしながら王子緑化というのは、王子製紙の子会社、王子造林、これは製紙の一〇〇%資本の子会社ですが、それと一緒になって同じく一〇〇%資本でやっている、名前の違った会社なのてす。それがいま言ったようにして、財団法人である手稲山ランド、こういうようなものの一員となって、第三セクターの名に隠れて環境破壊をやっている。道も関係し、市も関係して、これらを進めている。こんなことを、向こうがやっているからそれでいいのだと、黙って見ているなんて愚の骨頂ではありませんか。こんなことで環境を守るなどということは全然できません。その意味でも林野庁も十分戒慎してもらいたい。本当に緑を守るのは林野庁だ。
 長官、いつも口癖に言っていたではありませんか。環境庁もできてから、こういうようなことがオリンピックの跡地も不十分なままにしてあるということは、これは実際、恥ずべきことです。全部に警告をして私、やめたいと思うのですが、最後にもう一回、長官、これに対処する決意を聞かしてみてください。
#62
○小沢国務大臣 十分よく調査をいたしまして、その結果でまた御報告をいたします。
#63
○島本委員 残念ですが、これでやめます。どうもありがとうございました。
#64
○渡辺委員長 米原昶君。
#65
○米原委員 産業廃棄物の処理の問題について聞きます。
 近年、ごみ処理の問題が社会問題化して、東京ではごみ戦争と言われるまでの大問題になっておりますが、これと並んで産業廃棄物の処理の問題も大きな問題であります。この産業廃棄物の問題では、昨年八月、すでに行政管理庁が行政監察に基づいて、その処理が非常にずさんであるということを指摘しております。
 そこで厚生省に聞きますが、この産業廃棄物の総量はどのくらいか。また、その中で法に基づいて適正な処分がなされているのはどのくらいか、伺いたい。
#66
○吉崎説明員 まず、産業廃棄物は総量どのくらいあるかということでございますけれども、私どもはただいま一日当たり二百万トンという推計をいたしております。ですけれども、これは大阪でございますが、一定地域の調査を基礎にいたしました推計値でございます。
 産業廃棄物の総量を把握いたしますのは、方法的にもなかなか困難な面がございますので、私どもといたしましては産業廃棄物の排出及び処理に関する基礎的調査研究というものを現在、行っておりまして、それからまた、産業廃棄物の分類及び実態調査の手法に関する調査研究というものも行っておりますが、こういう調査研究に基づきまして、さらに正確な調査をいたしたいと考えておる次第でございます。
 それから、これが適正に処理されているかどうかということでございますが、都道府県、政令市とも、大いに努力をしておるわけでございますけれども、残念ながら必ずしも一〇〇%完全に処理されておるとは言えない実情でございます。不法投棄等もまだ後を絶たない現状でございまして、私どもといたしましては、さらに都道府県、政令市に努力を促したいと考えておる次第でございます。
#67
○米原委員 まだ実態は十分に把握されていない。いま述べた昨年の行政管理庁の調査によると、問題の多い汚泥について、三〇%の事業者か処分地を確保していない、こう出ております。また、ことし東京都の行った調査によると、調査した工場の半数が無許可の処理業者任せにしているなど、ある意味で非常にめちゃくちゃな実態であります。廃棄物の処理及び清掃に関する法律が制定されてから、すでに五年が経過しようとしております。それにもかかわらず、このような実態が放置されているのは非常に問題だと思いますが、これをどう思いますか、見解を聞きたい。
#68
○吉崎説明員 先ほどもお答え申し上げましたけれども、残念ながら一〇〇%十分に行われておらないのが実態でございます。法第十九条によりまして、都道府県知事は環境衛生指導員をして立入検査等をさしておりますが、この件数は大体年間二万四千件程度でございます。必ずしも十分とは思いませんけれども、指導員の数も逐年増加をしておりますし、御指摘にございましたように、産業廃棄物の処理は重大な環境問題でございますので、さらに努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
#69
○米原委員 いまおっしゃいました廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、全く当然のことではありますが、その第十条で「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。」と、事業者の責任を明確に規定しております。また、その義務を守らせるために、いまおっしゃった第十八条で企業から報告を徴収し、第十九条で立入検査ができるようになっております。こうした少なくとも法律に書いてある条文を活用して、大量の産業廃棄物を出す大企業については直ちに報告の徴収、立入検査などを実施して監督を強化するべきだと思いますが、この点どうでしょう。
#70
○吉崎説明員 御指摘のとおりであろうかと思います。これまでも都道府県、政令市とも努力をしてまいっておりますけれども、さらに御意見の趣旨に沿いまして一層、指導監督を強化するように、これまでも担当者会議、主管課長会議等でそういうことを申しておりますけれども、さらにその強化を図りたいと考える次第でございます。
#71
○米原委員 さらに聞きますが、この法律の第十一条では、都道府県知事か産業廃棄物に関する処理計画を定めることになっております。現在幾つの県がこの処理計画を定めておりますか。
#72
○吉崎説明員 昭和五十年三月末で二十七県、策定を終了しております。他の府県につきましては現在、準備中でございます。
#73
○米原委員 これも法律が制定されて五年もたっているのに、まだ四割もの県が処理計画を策定していないわけです。二十七県と言われました。これが全体の産業廃棄物の処理の基礎となるもののはずでありますから、まだつくっていない県について早急につくらせる必要があると思いますが、どうでしょう。
#74
○吉崎説明員 御趣旨に賛成でございます。先ほど御紹介のございました行政管理庁の勧告の趣旨にもございまするし、私どもといたしましては、時に応じて、早く作成するように都道府県に指示をしておるところでございます。
#75
○米原委員 さらに最終処分地の問題について聞きます。最終処分については埋め立てと海洋投棄があります。有害な産業廃棄物などについては、無公害化の処理をし、完全密閉の上で埋め立て処分をするのが最もよい方法だと思いますが、どうでしょうか。
#76
○吉崎説明員 この点につきましても、御趣旨に同感でございます。有害物を含む産業廃棄物につきましては、これを無害化するのが最も適当であろうかと思います。私どもといたしましても、そのために、コンクリート固形化の技術というのを目下、土木学会に委託をいたしまして、研究を進めているところでございます。
#77
○米原委員 最後に、実際問題について聞きますが、この産業廃棄物については、やはり大口排出者である大企業の廃棄物と、小規模排出者である中小企業や公的機関の廃棄物については、分けて考える必要があるのではないか。大企業は大量の廃棄物を出しますし、また、そうした大量のものを処理する処理装置にしても、やる気になればやり得ると思うのであります。また、PPPの原則から言ってもこれは当然であります。しかし、中小企業などについては、有害な廃棄物は比較的少ない、しかし、有害なものがある場合には、どうしても共同の処理施設や共同の最終処分地などが必要であるし、単独でこうしたことをやるのは、いろいろな点でむずかしいと思うのです。もちろん、こうしたものについても当然PPPの原則は適用されるべきだとは思いますが、どうしても大口排出者と小口排出者に分けて考えて、都道府県の処理計画も立てるべきだと思うのです。政府もそうした点を配慮した行政をするべきだと思いますが、どうでしょうか。
#78
○吉崎説明員 ただいまの点につきましても、基本的に同感でございます。
 排出者処理の原則というのは、これはあくまでる、したがいまして、排出者処理の原則を外れない範囲で、やはり公共が関与する必要があるのではなかろうかと考えまして、四十八年の十一月に厚生省に産業廃棄物処理問題懇談会を設置をいたしまして、この問題の御懇談をいただいておるところでございます。
 御指摘にもございましたけれども、特に中小企業の場合には問題が多うございますので、中小企業というだけでは公共関与の正当化にはならないけれども、中小企業から出る廃棄物の態様その他によりまして、公共関与をしてもよろしいのではないかという基本的な原則につきましての御意見を、昨年の八月中旬にいただいておるわけでございます。目下、具体的にどういう場合で、どういう形で公共関与をすべきであるかという点につきまして、鋭意御意見の交換をいただいておるところでございまして、私どもといたしましては、できれば本年中ぐらいにお答えをいただきたいと期待しているところでございます。
#79
○米原委員 法律では第十条で、必要な場合は産業廃棄物であっても、市町村や都道府県がその処理を事務として行うことになっております。もちろん、これはPPPの原則もありますから、慎重に行うべきだと思いますが、現在こうした措置は実際はほとんどありません。そこで、中小業者や公的機関は、勢い処理業者に任せているのが現状です。
 そこで聞きますが、たとえば病院ではレントゲンフィルムの現像などで、大病院になると相当量の有害な廃液が出ます。厚生省の所轄にも国立病院がありますが、こうしたところから出る有害廃棄物はどのように処理されておりますか。
#80
○浅野説明員 お答えいたします。
 国立病院、療養所におきましては、先生がいま御指摘のとおりの写真の廃液がございますが、定着液につきましては、各病院ごとに処理業者と売買契約を締結いたしまして、処理しております。なお、現像液につきましては、一般の排水処理方式で処理いたしております。
#81
○米原委員 いまおっしゃったように、国立病院などの公的機関を含めて、中小規模の排出者の多くは、処理業者にその廃棄物の処理をゆだねておると思うのです。ところが最終処分地がないために、そうした処理業者は困り果てているという事実があります。こういう実態を厚生省はつかんでおりますか。また、こうした実情についてどう考えられるか伺いたい。
#82
○吉崎説明員 昨年の八月三十一日現在で、産業廃棄物処理業者の許可件数は二千二百八十一件ございます。このうち最終処分をその業の一部あるいは全部としております者は三百九十五件でございますけれども、御指摘にございましたように、産業廃棄物のみならず一般廃棄物でもそうでございますけれども、最終処分地の確保が非常に困難な状況になっておるのが実情でございます。
 これに対してどう考えるかということでございますが、行政管理庁の勧告にもございましたけれども、基本的にはこの廃棄物、産廃の場合には特に、産業廃棄物の処理に関する公共関与のあり方というものを確立するのが大前提ではございますけれども、現実の問題として最終処分地の確保が困難となっておりますので、都道府県等に対しましては、できるだけその確保の便宜を図ってくれるように依頼をしておるところでございます。
#83
○米原委員 最終処分地の問題です。全国でこの最終処分までの営業許可を受けた処理業者は四百以上あると聞いておりますが、これらの業者は十分な最終処分地を確保しているのかどうか。昨年の行管の調査によると、こうした業者はあっても、大企業の専属業者があってみたり、もう最終処分地が限界に達しているものがあると述べております。こうした業者は全体でどの程度の最終処分地を一体、確保しているのか伺いたい。
#84
○吉崎説明員 許可業者の件数につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、最終処分を業の全部または一部といたします場合には、都道府県が、その最終処分の態様が十分法の定めるところに従っておるかどうか確認をいたして、許可をしておるところでございます。したがいまして、最終処分は埋め立てのみならず海洋投入もございますが、海洋投入と埋め立て処分と、およそどれくらいの割合になっておるか、大変申しわけございませんが、把握をしておりませんけれども、仮に全部が埋め立て処分もやっておるといたしますれば、少なくとも許可件数だけの埋立地はある、このように考えておるところでございます。
#85
○米原委員 さらに聞きますが、水銀、鉛などが含まれる有害産業廃棄物の最終処分地は、全国でどのくらいありますか。
#86
○吉崎説明員 大変申しわけないことでございますけれども、お尋ねのございました有害物質を含む産業廃棄物の埋立地が全国でどのくらいあるか、ただいま把握をいたしておりません。
#87
○米原委員 私の聞いているところでは、全国一つもない、これが実情だと聞いております。どうでしょう、あるのですか。
#88
○吉崎説明員 総数については、私どもただいま把握をしておりませんけれども、一つもないということはございませんで、たとえば福島県のいわき市にもございまするし、あるいは愛知県、福井県、石川県等にもございます。いずれにいたしましても有害物質を含む産業廃棄物の問題は重大でございますので、先ほど調査研究のことを申し上げましたけれども、そういう結果に従いまして、さらに正確な情勢を把握いたしたいと考えておるところでございます。
#89
○米原委員 多少のものはコンクリートで固めて海洋投棄などの処分がされているとしても、大部分は最終処分地もないまま不法な処分がされているのが実情ではないか、この点なのです。どうでしょうか。
#90
○吉崎説明員 大部分が不法だとは私ども実は考えておりません一先ほども申し上げましたけれども、都道府県、政令市がそれぞれ大いに努力をしておるところでございます。ですけれども、警察庁の調査によりましても、不法投棄は後を絶っておりませんのが現状でございます。今後さらに指導、取り締まりを強化するように、都道府県にも指導いたしたいと考えておるところでございます。
#91
○米原委員 たとえば最終処分地を確保したとしても一そこにはほかの県の廃棄物を持ち込んではならないという県が多いのであります。これは県単位で独自の処理計画をつくるのが法のたてまえだから、ある面では当然であります。しかし処理業者が少なく、また、その中で安心して任せられる業者は非常に少ない。とすれば、良心的で優秀な業者は、全国で契約を受けながら、その処分地をそれぞれの契約地で見つけなければならない。そんなことは事実上不可能であります。こういう矛盾があるわけでありますが、この点について見解を聞いておきたい。
#92
○吉崎説明員 確かにお説のように、産業廃棄物処理計画は、都道府県知事の管轄する区域内の産業廃棄物について計画を立てるわけでございまして、計画につきましては、当該区域内に起源を有するものにつきまして基本的な事項を定めておるのが現状でございます。しかしながら一方、先ほど御指摘にもございましたように、埋立地の確保というのは非常に困難になっておりまして、産廃、一廃を問わず、埋立地は広く全国的な規模で考えていかなければならぬのではなかろうかという情勢にきておるのだろうと思うわけであります。それで、よその県のものを自分の県に持ってくる場合には、やはり都道府県知事の許可の対象でございますので、その処分の方法が適切であるかどうか、十分調査をしていただきまして、そうして大丈夫である場合には、やはり許可をしてもらわなければならぬと思うわけであります。また、この産業廃棄物の利用などということを考えてみましても、これはやはり一県の単位では処理できない面がございますので、当該都道府県の区域内で処理できるものと、それからやはりもっと広域で考えなければいかぬものと両様あろうかと思うわけでございます。
#93
○米原委員 そういう点から言いますと、有害産業廃棄物の最終処分地は、少なくとも各県に一ヵ所程度設けて、公的機関や中小企業の廃棄物を処理することがどうしても必要だと思うのです。こうしたことを各県の処理計画に盛り込んでいくことが、環境の保全上必要だと思いますが、どうでしょうか。
#94
○吉崎説明員 御指摘のとおり、産廃の中でも特に有害物質を含む産業廃棄物の処理は重大な問題でございますので、まことに申しわけないのでございますけれども、ただいま全国の状況を把握しておらないのでございますけれども、その最終処分地がないというようなことは大変なことであろうかと思うわけであります。各県に一カ所ということでございますけれども、まあ一カ所以上必要であろうかと思うわけであります。ただこの場合に、先ほども申し上げましたけれども、公共がどんなかっこうで関与するか、これにつきまして目下御検討いただいておるところでございますので、そういう結果と合わせまして、対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#95
○米原委員 こうした実情の中で、もぐりで営業をする業者も多いと聞いております。有害廃棄物を不法投棄する悪質な業者などは、もちろん徹底的に取り締まることが必要であります。だが、それだけではまずいと思うのです。良心的な業者で本当に困っている業者も少なくありません。こうした業者の実態をよく調査して、最終処分地の確保など十分指導してやる必要があるのではないか。特に厚生省は、国立病院などから出す廃棄物、これは言ってみれば厚生省自身の廃棄物で、これも許可を受けた良心的な業者に任したから、後は知らないでは無責任になると思うのであります。こうした公的機関や中小企業の廃棄物を扱う良心的な業者については、当面、国が責任をもって最終処分地が確保できるようにすべきだと思う。これはぜひやってもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
#96
○吉崎説明員 産業廃棄物の処理につきまして、事業者の責任を補完する意味で、処理業者の占める地位は確かに大きなものがございます。そうしてまた最終処分地につきましては、非常に確保が困難になってきておるのが現状でございます。この点御指摘のとおりだと存じます。
 そこで私どもといたしましては、処理業者に対しまして金融、税制上のいろんな措置を、関係省庁と協議をいたしまして講じておるところでございますけれども、一方、排出者処理の原則ということがございますので、これとの絡み合わせを目下検討しておるところでございます。先ほども申し上げましたが、特に最終処分地の確保につきましては、早急に産業廃棄物処理問題懇談会の結論をいただきましたならば、その範囲で排出者責任の原則と背馳しない範囲で対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#97
○米原委員 いろいろ事情はあるのでしょうが、この最終処分地を何とかして確保するように指導してもらいたい。良心的であるがゆえに、全国で廃棄物の処理の契約を受けて、それを自分の無公害化する処理施設に運んで無公害化して、また処分地へ運ぶということになります。たとえば大阪から東京へ運ぶとすると、実に十三カ所で許可を受けなければならない、こういうことになっておるのであって、良心的な業者にとっては非常な困難があるわけです。ぜひ何らかの改善の方法を考えてもらいたい。
 最後に環境庁長官に聞いておきたいのでありますが、産業廃棄物の処理の実態は、いまお聞きになったように、まだまだ大変ずさんな状態であります。実態すら十分にとらえられていない。特に有害産業廃棄物は大量に排出されているにもかかわらず、一体どこでどのように処分されているのか、実態はさっぱりつかまれていない、こういう状態だと思うのです。環境庁としてもこうした事態を解決する責任があると思う。全体的にひとつこの問題を今後考えていただきたい。どう思いますか、長官の御意見を聞きまして、私の質問を終わります。
#98
○小沢国務大臣 産廃の問題は、法律上あるいは制度上、厚生大臣の責任になっておるわけでございますけれども、その結果起こる公害問題ということを考えますと、これは私ども等閑視できないわけでございますので、厚生大臣と協力をしまして、できるだけそういうような問題が起こらないように、いろいろなネックを解明して、そのネックを一つ一つ解消していくだけの努力をしていかなければいかぬと考えております。
 いまお話のように、事業者が責任をもって処理しなければいかぬのですが、処理しやすいような体制は、やはり国なり公共団体が関与してやりませんと、いろいろ御提言のような問題等もございますので、この問題は両大臣よくひとつ相談をし、産業廃棄物行政がおくれておりますので、この体制の整備のために、今後とも一層私も努力をさせていただきたい、かように考えます。
#99
○米原委員 終ります。
#100
○渡辺委員長 次回は、来る二十日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト