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#1
第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第15号
昭和五十年六月二十日(金曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 田中  覚君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 島本 虎三君
   理事 土井たか子君 理事 木下 元二君
      住  栄作君    戸井田三郎君
      葉梨 信行君    阿部未喜男君
      岩垂寿喜男君    岡本 富夫君
      坂口  力君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 橋本 道夫君
        環境庁自然保護
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部長 福田  勉君
        通商産業大臣官
        房審議官    大薗 英夫君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設取得第二
        課長      鈴木 覚義君
        科学技術庁原子
        力局放射能課長 石塚  貢君
        運輸省港湾局技
        術参事官    鮫島 泰佑君
        海上保安庁警備
        救難監     船谷 近夫君
        建設省河川局治
        水課長     本間 俊朗君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
六月十九日
 五十一年度自動車の排出ガス規制緩和に関する
 請願外一件(渡辺武三君紹介)(第三七八四
 号)
 五十三年度自動車排出ガスの規制緩和に関する
 請願(渡辺武三君紹介)(第三七八五号)
 同外五件(浦野幸男君紹介)(第三九一四号)
 トラックの排出ガス規制緩和に関する請願(渡
 辺武三君紹介)(第三七八六号)
 五十一年度自動車排出ガス規制の緩和に関する
 請願(渡辺武三君紹介)(第三七八七号)
 公害健康被害補償法の改正等に関する請願(中
 路雅弘君紹介)(第三七八八号)
 同外二件(岩垂寿喜男君紹介)(第三八一八
 号)
 同(木下元二君紹介)(第三八一九号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第三八二〇号)
 同外二件(岩垂寿喜男君紹介)(第三八八八
 号)
 同(米原昶君紹介)(第三九一五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(水質汚濁
 対策等)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 すでに御承知のように、きのう、石油コンビナート等災害防止法案の連合審査が、商工、地方行政並びに災害、公害環境特別委員会等によって開かれました。その席上で、やはりいろいろ環境的な問題についての論議が積み残されたのであります。その点について、いまこの機会に環境庁長官にお伺いしたい、こういうふうに思うわけであります。
 まず第一番は、石油コンビナート防災法、その法体系は、これは開発計画法の下請法的な、こういうような域を脱していないのではないだろうか、きのうはそういうふうに思いました。その条件を整えれば、その場所の開発を促進されるという、こういうような下請法的な域を脱していないような感じがしたわけです。したがって、備蓄の計画段階から強力な網をかぶせる内容でなければならないのではないかと思ったのでありますけれども、環境庁は、もうすでに提案されております石油の備蓄法の調整過程で、これに何か協議にあずかりましたかどうか。この石油コンビナート法の一つの裏表になっている法律案が石油備蓄法であります。その関係で、環境庁長官、調整の過程でいろいろ御注文をおつけになりましたかどうか。
#4
○小沢国務大臣 ただいま御審議中、また昨日、連合審査をおやりになりましたコンビナートの防災関係の特別立法、これにつきましては当然協議を受け、また、こちらから進んで内容について、いろいろ注文を申し上げました。その具体的な内容については、もし、どういう点を申し入れ、どういう点について特に環境庁から意見を具申したかという内容について御質問があれば、担当局長からお答えいたします。
#5
○島本委員 では、具体的にかいつまんで御報告願います。
#6
○大場政府委員 私どもが一番問題にいたしました点は、コンビナート関係の事業所の新増設に当たって、それが事故を起こして、それが重大なる環境汚染につながるおそれがあるということにならないように、起きてしまってからでは問題はむしろ遅いわけでありますから、未然防止に万全を尽くすというところに特に重点を置いて、法案の立案過程には参画いたしました経緯がございます。
 私どもの意見が反映されました個所といたしましては、具体的には、一つは事業所の新増設の場合の安全確保対策、これは法の五条でございますけれども、安全確保対策の点で、事業者が新増設をする場合には、主務大臣に計画を提出し、その場合には主務大臣は、その計画変更を指示できるという規定がございます。それに当たっては当然、関係行政機関の長の意見を聞くことということになっておりますが、その関係行政機関の長には環境庁長官が入っております。これは政令で定めるという表現になっておりますが、当然に環境庁長官が入るという理解で、私ども法案の作成に参画いたした経緯がございます。そういう形で、環境保全の見地から、コンビナートの新増設の場合に、災害防止の観点から果たして十分な措置がなされているかということにつきまして、十分なるチェックがなし得ると思っております。
 それから、先回の水島事故の経験にかんがみまして、いろいろ防災のための設備の設置あるいは横造の基準、そういったものにつきまして強化する必要があるだろう、こういうことからいろいろ申し入れをいたしましたが、具体的には、たとえば事業所からの石油の流出を防止するための流出油防止提の設置の問題、これはコンビナート法に規定されております。それから、これは直接コンビナート法ではございません、法体系の問題で、消防法で規定されることになっておりますが、防油提あるいは石油タンクの構造基準を強化してもらいたい、こういったことにつきましても、これを消防法の体系で措置するというぐあいに、自治省からの御返事をいただいておるわけであります。
 それから、いろいろ各地で問題になっておりますコンビナートの不等地盤沈下の問題につきましても、しかるべく善処を要求しておったわけでありますが、消防法令の改正の中で具体的に、現在のやや一般的な基準というものを、はっきりとしたクリアな形で安全基準を設定する、こういう御返事をいただいておりますので、そういうぐあいに理解しております。
 それから防災資機材、たとえばオイルフェンス、こういったものにつきましては、原則として必置させる。それから今回の水島の事故の場合に問題になりましたように、油回収船がなかったということがありましたので、油回収船につきましても、一定規模以上の事業所には設置を義務づける、これはコンビナート法十六条でそういうぐあいな担保がなされております。
 それから、緩衝地帯の設置の問題でございますけれども、地方公共団体の長は防災のための緩衝地帯として緑地等の設置を推進するということが、コンビナート法で、これは三十三条、三十四条、三十六条というぐあいに規定がございます。
 それから、残念ながら、以上のような未然防止措置を尽くしましても、不慮の事故のために油が出てしまったという場合の応急措置として、事業者に油の回収を義務づけるということがございますし、それから、限定的ではありますけれども、場合によっては直罰規定も整備するように申し入れて、これもそのように措置をされることになっております。
 大体、主な事柄は以上のような事柄でございますが、その他いろいろ石油コンビナート法の具体的な運営につきましては、事前によく環境庁と連絡して、この運営を図るというぐあいに了解されております。
#7
○島本委員 この石油コンビナート等災害防止法案については、そういうふうな協議にあずかった、これはもうわかりました。
 その表裏の関係にある石油備蓄基地に対しての、これも当然、環境の影響評価をきちっとしてからでないと、これはやってはいけないのではないですか。備蓄基地具体化の際には、これをまずやらせるべきではありませんか。環境面から見れば、石油備蓄法、これを立法化する際に、やはりきちっとそれを手を入れるべきではなかったか。それと同時に、いま現行法になっております。この石油コンビナート等災害防止法案の中でも重要な役割りを占め、そしてこれはまた、それらは全部通産省がいま持っておられる現行の石油業法、この中にも問題があるのではないですか。こういうようなのに対して、環境アセスメントなりまた環境の面から見て、はっきりした義務づけというものをきちっとしてやるべきではなかったのかと、きのうの連合審査の中で、それを感じたわけでありますが、この点等に対しては必要がなかったのですか。むしろ裏表の法律が出ている。
#8
○小沢国務大臣 災害が起こりまして、災害が起こった結果起こる公害というものは、当然、われわれも十分注意していかなくてはいかぬわけでありますが、環境影響評価につきましては、やはりそうした突然起こる災害という場合のことについては、一応、一般的なわれわれが公害を防止するためのアセスメントの仕方、考え方とは少し違ってこなければいかぬわけでございますので、その点はひとつ御理解をしておいていただきたい。そうした大きな、たとえば石油備蓄基地をつくるとか、コンビナートをつくるとかという場合には、アセスメントをして環境の悪化を来さないようにしていかなければいかぬことは当然でございますので、ただその場合に、アセスメントの義務づけなり、あるいはその手法等については、これはやはりいまのコンビナート法に書き入れろということは、少し無理ではなかろうか。われわれの方で、それは独自に別の立法で解決していかなければいかぬのではないだろうか。そういうことで御承知のとおり、いま鋭意研究をしておりまして、次の通常国会には、どうしてもひとつ御協賛を得たいという決意で準備をしておりますから、そちらの方でその問題は解決してまいる、そういう考え方でございます。
#9
○島本委員 では、これは当然、備蓄基地法具体化の際には、やはり必要な環境影響評価、これは現在、法律がまだないから、これはもうできなかった。できたならば、横断してその問題はきちっとこれは規制する、こういうような考え方であります。それならば、やはり出ていないというのは、われわれも環境庁に対してりっぱなものをいま模範を示しますけれども、それにしても出ていなかったというのは、どうもざんきの至りであります。また、環境庁自身も、水質汚濁防止法、瀬戸内海環境保全臨時措置法、また大気汚染防止法、こういうようなものにおける特定施設に、備蓄施設類を当然見なければならないのではありませんか。これに対して、これからは事務当局、どう考えますか。
#10
○大場政府委員 水質汚濁防止法それから瀬戸内海臨時措置法、これも同様でございますけれども、特定施設を指定して、それから出る排水につきまして規制をしているわけでありますが、その特上定施設の形としては、やはり排水をコンスタントに排出する、こういった施設が特定施設の要件になっておりますので、単にタンクだけで排水をふだんは出さないというものは、その水質汚濁防止法の指定の要件には該当しないので、タンクそのものを水質汚濁防止法で指定することはちょっと困難かと存じます。もちろんコンビナートの中でいろいろ石油精製設備がございます。そういった排出水を排出するものにつきましては、現在特定施設として指定をしてございます。
#11
○島本委員 これは備蓄基地として今度これが具体化するための前提条件になる法律なのですから、その点は今後これに十分対処して、まして九十日の備蓄も考えられておるようにも聞いていますから、その際、やはり環境、公害、この両面から環境庁としては後手に回らないように、これはいつも先取りするのでないとだめなのですから、この点は事務当局も長官も、もう事後に絶対に回ることのないように、今後、対処しておいてもらいたいということを、私からこの機会に、各省庁の方の人も来ていますけれども、これは強く環境庁長官に要請しておきたいと思います。
 それでは通産省さん、どうも御苦労さんであります。それで、ちょっとお聞きしますが、石油コンビナート等災害防止法、きのう連合審査の中で、通産省さんに対する私の質問に対しての答えが、私としてはどうも納得できない。その件について、これはどうなのですか、重ねてお伺いするのですが、石油タンクの設置などは通産省が事実上許可しておるのに、一たん事故が起きれば、これは全部責任が消防庁にいく、かぶることになる。一方、この法律でも、単独立地ということで石油基地の届け出は必要ないことになっているのです。そうすると通産省は、石油業法で許可した以上、石油タンクについてもあとの保安、防災までめんどう見るのがあたりまえだし、責任を持つのが当然ではないか。したがって、この見地に立って、工場立地法の改正を今後考えるべきではないかということなのでありましたが、これは具体的に答弁いただかないうちに、三十分ですから、大臣が十分もしゃべっていたら、あと二十分ですから、ついにこれを逸したわけであります。きょうは、ゆっくりこれはお伺いいたしますが、この点いかがですか。
#12
○大薗政府委員 工場立地法を改正をいたしまして、単独の石油のタンク群に対しても規制したらどうかという先生の御指摘だと思います。
 昨日、御答弁を申し上げましたけれども、工場立地法の目的が、現在は環境という面に中心を置いて、環境面からの規制をするという形になっております。環境の問題と申しますのは、主要点は公害でございます。それで、ただいまコンビナート防災法等で問題になっております。その防災というふうな観点を、工場立地法の中でどういうふうに取り扱っていくかという問題でございますけれども、立地法の中には、先ほど申し上げましたように環境面をとらえておりまして、防災面をとら見ていない。したがって、防災面をとらえるのをどちらの法律でやったらいいだろうかということで、コンビナート防災法の検討の過程でも私ども、検討をいたしたわけでございます。しかし、コンビナートの防災を直接の目的にして今回、コンビナート防災法ができるわけでございますから、防災問題は、このコンビナート防災法において取り扱う方が適当であろう、こういうふうな判断に立ちまして、今回のコンビナート防災法におきまして、設置の規制というふうな規定を盛り込んだような次第でございます。
#13
○島本委員 それでは工場立地法の改正は、こういうふうな問題を踏まえて、今後は考えないということになりますか。
#14
○大薗政府委員 立地法の改正の問題につきましては、現在、当面のコンビナート防災法との関係におきましては、ただいま申し上げたようなことを考えているわけでございますけれども、先般、予算委員会において御答弁申し上げましたように、一つの検討事項であろうとは、私ども思っておるわけでございます。
#15
○島本委員 次に、自治省か消防庁来ておりますか。
 きのうのこの法案の中で、環境公害の関係では全くもう困った答弁が一つありました。御存じのとおりですけれども、石油コンビナート等災害防止法で、新設計画に対しては関係知事や関係市町村長の意見を聞く、こういうことになっておりますが、関係地域住民の意見を反映させるようにすべきではないかということに対して、その必要がない、知事は住民の代表だから。こういうような答弁があったのですが、やはりそういうようなことで一貫しているのですか。
#16
○森岡政府委員 昨日、消防庁長官がお答え申し上げました趣旨は、都道府県知事、市町村長の意見を聞くわけでございますが、都道府県知事、市町村長が意見をお出しになる場合には、当然地域住民の意向といいますか、あるいは考え方と申しますか、要請と申しますか、そういうものを十分踏まえて意見が出てくるもの、そういうことを考えておるわけでございますので、地域の人たちの意見は、いまの仕組みによりまして十分反映できるもの、かように考えておるわけでございます。
#17
○島本委員 やはりその基本的な態度は同じようであります。もちろん、これは委員長も御存じのように、石油コンビナート等災害防止法案が出る端緒は、水島の三菱石油の重油流出事件だったわけです。その点から見ると、この問題は少し疑問を持たないとだめなのです。三月四日にやはり関係者を集めてここで公聴会をやった。そして貴重な意見の陳述を受けた。その際に言われたのは、当初は水島は水深が三メートルくらいで、一千トンくらいの船しか入れなかったのです。ところが三菱石油誘致のために行政側が、知事が、逆に二十万トンを入れようとして奔走したわけです。逆でしょう。その結果、昭和三十三年十月に、三菱石油と姉妹関係にある、合併でしょうか、アメリカのタイドウォーター副社長が来たわけです。そして十五万トンのタンカーを入れるために十五・五メートルの水深が必要だと言った途端に、岡山県知事は即座に十六メートルに掘りますと答えています。当時は十三メートル掘る技術しかなかったところに、そういうふうに言ったということです。会社側から、瀬戸内海を大型船が通航するのに難点がある、不安だ、こういうような意見が出された途端に、県の方から課長が運輸省の方に飛び、運輸省の港湾局長に陳情した。そして、その名刺の裏に瀬戸内海の大型船通航を何とか考慮しましょうと書いてきた。その墨つきで昭和三十三年十二月二十八日に、暮れの御用じまいの日に三菱石油の企業立地決定がなされた。したがって、四十八年十月十六日、運輸省の港湾審議会のこの計画部会で、その当時まで十二万トン以上の船をこの港に入れないという申し合わせをしたが、一切それでパアになってしまっている。その結果の事故なのです。したがって、これはもう県知事自身が先に走ってやっているのに、どうして県知事が住民の意向を代表してここへ反映できるのですか。現実にこういう問題から発したのです。方々にいま公害のトラブルが起きていますが、それは行政側と住民との間の意見の違いがあるからなのです。一致してないからなのです。それなのにここでもって、一世紀も前にやったような、住民の意見はすべて知事が代表する、市町村長が代表する、この考えで出してきて、完全な防災ができると考えますか。これは重大な問題です。この考え方は一世紀遅い。こういう事態から発した事故であっても、あなたはやはりこれが正しいとお考えですか。
#18
○森岡政府委員 水島のコンビナートの立地あるいは創設に関しまして、いま御指摘のような経緯があったという話は、私ども伺っております。
 問題は私どもは、その時点における地方公共団体のいわば民意反映の状況と現在とでは、かなり相違があると思っております。どちらかというと、地方公共団体としては地域住民の意思を非常にくみ上げまして、行政に強く反映しておるということが言えるのではないかと私どもとしては考えておるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、そういう事例があったといたしましても、現時点におきましては、私どもは、知事なり市町村長というものは、十分民意をくみ上げて意見を出してもらえるものというふうに期待ができると考えておるわけでございます。
#19
○島本委員 それはもう全く現在の公害紛争時点を知らない人の言です一長官、そのとおりでしょうかね。長官の意見を聞きます。
#20
○小沢国務大臣 コンビナート法で、直接的に住民の声を聞く手法について、あの規定の中に盛り込ませるということは少し無理ではないでしょうか。やはりそれは私どもの環境アセスメントについての、いま検討しております法体系の中に取り入れていくべきものであって、いままでの消防法のたてまえから見ましても、防災のいろいろなやり方から見ましても、住民の意見を聞く場合に、都道府県知事なり市町村長ということに、法制上はしまして、そして市町村長なり知事がその意見るを出すときには、自治省が、十分住民の意向を吸い上げて地域住民の正しい世論というものを反映するように、指導なり、あるいはその他の方法でやっていくということは、コンビナート法のあれから見ますと、これはやむを得ないのではないだろうか。直接的に住民のそれを反映さす方法、あるいはその結果の公表等については、これは私どもの方で検討しまして、将来解決をしていきたい、かように考えます。
#21
○島本委員 水島に発して生まれたこの石油コンビナート等災害防止法が、水島の実態から離れたような様式を取り入れ、それをもって、また信頼の上に立っていこうとするような行き方、これは私の方はもうはっきり言っておきますが、この考え方の基礎は間違っております。これはもう本案成立に対しては重大な一つの要件だと思います。私は御注意しておきます。そんな考え方ではだめであります。
 それと同時に、立入点検と定期点検とごっちゃにしているのではないかと思ったのです。この特定防災施設、これに対する定期点検は、事業者に任せないで公共機関で厳正に実施すべきではないかと言ったのに対して、これはやはり業者がやっているほかに立入検査も行えるから大丈夫だというのです。立入検査をやるといったって、大概の場合は一年に一回ないし二回しかやらない。また、やるほどの能力がないのです。人員もいない。立入検査をやるから大丈夫だ、どうもこの点についても、石油コンビナートの防災法の中の手法が甘い。これはきのうも指摘しましたが、やはり立入点検をやるから、業者に定期点検を任しておいて大丈夫だと言われても、これをやってないからこその事故なのです。立入点検、立入検査をやるといっても、一年に一回か何年に一回、この程度のことで事故を未然に防ぐということは不可能に近いから、したがって、公共機関で厳正に実施すべきだと言ったのですが、やはり前と同じような考えに立っておる。
 それから、点検と記録義務を怠った事業所に対して罰則規定を設けるべきではないかと言ったのに対して、これもあいまいなのです。怠っているのですよ。怠った者に対して、なぜ甘くこれを迎えてやらなければならないのですか。これが水島の油の流出事故に対して対策としてとられた石油コンビナート災害防止法としてやるに至っては、まことに内容は甘過ぎるのです。やはりこれと同じ考えなのですか。もう一回聞かせてください。
#22
○森岡政府委員 ただいまの御指摘の点検、検査の問題でございますが、十五条の三項で定めておりますのは、御承知のように第二次防油堤でございますとか、あるいはその他の防消火設備でございますとか、そういう各種のいわゆる特定防災施設につきましての定期点検を、企業に義務を課しておる。それで地方公共団体、消防当局、その他各種の保安当局の方の立入検査規定はもちろん別途設けております。それによって企業にも定期点検を義務づけ、かつ立入検査もあわせて行いまして、両々相まって、この特定防災施設等の十分な保全を維持させるということを考えておるわけでございます。もちろん公共団体が行います立入検査につきましては、これはいまお話しのありましたように、人員の不足とかそういう問題に災いされまして、どちらかといえば、いままで不十分であった点は否めないと思いますが、これは私ども十分指導いたしまして、立入検査権に基づく検査は密に行うということにいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 なお、点検を怠った場合の措置でございますけれども、点検を怠った場合に、やはり点検を徹底的にやらせるということに主眼を置いて、その担保を考えたわけでございます。したがって、点検を行えという措置命令を出し、それに従わない場合には使用停止の命令をかける、それで点検を十分行わせるように担保をするという措置を考えたのでございます。
#23
○島本委員 罰則は。
#24
○森岡政府委員 そういうことでございまして、罰則といいますよりも、むしろ使用停止命令によって担保する方が強力ではないか、こういう考え方をとっておるわけでございます。
#25
○島本委員 やはりその点の甘さが目につくわけであります。
 それともう一つは、陸上の施設の防災対策はわりあいに整っていますが、海上、水面その他湾内のすべてについては全部、今後にゆだねられてしまった。しかし、実際は海からの危険性の方が高い。いわゆるコンビナートの欠陥港、これに対して十分調査しておったのではないかと思うのであります。私どももこれは三月四日の陳述を聞いて唖然としたのであります。これは海員組合の調査でありますけれども、ちょっと古いのですが、四十七年から八年にかけて、港の浅いという原因について、不相応の大型船が入ってくるというのが三六%、防波堤のない港、四四%になっている。そしてあとの残りは風や波に遮蔽されていない港、こういうようなことのようであります。この水島の場合には二十万トンのタンカーが入る。三菱の場合、幅が約四百メートル、その中へ三百五十メートルの船が入ってくる。どっちへも向けない。こういうようにして無理やりに港を使用する。入れ物が小さい中に大きいのががばっと入ってきたならば接触事故が起きる。この欠陥港の調査、コンビナートの中の港の調査、こういうようなことを十分指導して、そして今後のこれに対する対策は得ておりますかどうか。
#26
○鮫島説明員 お答えいたします。
 ただいまお話しのございました全日本海員組合のものにつきましては、直ちに私どもの方で各港湾管理者に、こういう資料を運輸省にいただいたということで流しまして、それに対する港湾管理者の考え方を問うたわけであります。
 それから実際の私どもの問題といたしましては、毎年度、翌年度の予算の要求をするわけでございますけれども、その際、特に最近におきましては安全問題というものについて十分に考慮して、それに基づきまして翌年度の予算要求をするように指導しております。そういうような意味で、通常的に申しましても毎年一回、そういう確認がなされるわけでございますが、もちろんそれ以外に管理者は常時、安全問題につきましての検討というものは続けているというふうに考えているわけでございます。
#27
○島本委員 水先案内人などは港内しか出ない。それも老齢の人を入れて、四百メートルの幅しかないところに三百五十メートルの船も入れる。こういうようなことをいままでずっと認めてきているのですね。もっとも、あれは港湾局長の方がやれと言うてやった港だそうですから、それはそうなるでしょうけれども、やはりこういう無理な港の使用というようなものは、もうすでにきちっとすべきではありませんか。この港には何トンのタンカーまでしかはいれない、無理して入らぬように、こういうようなことの規制はきちっとしてやるべきではありませんか。まして水島の場合は十三万トンが最大であると皆さんの方でも認めておる。それだのに平気で二十万トンの船が入っておる。そういうような場合には入港を制限させるような措置。また桟橋やタンクの間の距離、こういうようなものに対してもきちっとさせる、コンビナート内で安全上からしてやはりそれを十分確保する、こういうような措置をするのでなければならないと思うのであります。陸上の方は陸上の方として、海の方にわたって、いまのように無理して入れる、そこから事故が発生する。四十六年から四十八年までの間に四隻も中で座礁しているでしょう。それも御存じでしょう。無理して無理して企業活動を促進させるから、こうなる。安全を主にしてやったら、こんな指導はできないはずであります。今後、日本全国のこういうようなコンビナートを点検して、無理させないようにするのが何より災害防止になると思うのです。この点、運輸省、しっかりしてもらわないとだめなのです。諸悪の根源は通産省と言われておりましたが、だんだん移行してきているようであります。そういうような点を考えて、いまのようなことにしないように、これは十分今後、指導すべきだと思います。お考えを承ります。
#28
○鮫島説明員 お答えいたします。
 御承知のとおり一昨年港湾法の改正をいたしましたけれども、その際に港湾の施設の技術上の基準というものを決めるということで、昨年その省令を出したわけでございます。ただいまお話しにございました航路の幅員、それから参考人等のお話しにございました船回し場等につきましては、実は二十万トンを超えるタンカーにつきまして考えましても、この基準を満足しておりまして、私どもは安全であると考えております。ただ喫水の問題がございます。船の深さの問題がございます。それで、その喫水の問題につきましては、現実にこういう水深であるということは海図上に明記されているわけでございます。御承知のとおりでございますけれども、水島港の航路は十六メートルに一たんしゅんせつをいたしましたけれども、部分的に十五メートル未満のところがございます。しかしながら、そういうような現実の水深というものに合わせまして、船の方の喫水を考えまして、そして安全に航行できるということで指示をされました船が入港するという手続になっておりまして、港湾の施設の面におきましては、先ほど申しましたように航路の幅であるとかあるいは航路の屈曲の角度であるとか、あるいは船回し場の面積というものは、長さの大きい二十万トンクラスの船に対しまして適切であると思います。水深につきましては、そのように現実に合わせまして水深の調整をして入っているということでございます。
#29
○島本委員 適切にやっておるのに、なぜ四十六年から四十八年の二年間に大型タンカーが四隻座礁したのですか。それが適切なのですか。言ってくださいよ、それは。適切だ適切だと言ったって、あれはコンビナートではありませんか。
#30
○鮫島説明員 ただいま申し上げましたのは、港湾の施設という面から私ども、お答え申しております。そして船の入港そのものにつきましては、港長の指示によりまして行われるというわけでございます。その際に当然、安全というものを考慮した上で港長が指示をするわけでございます。実際の座礁の事故というようなものにつきましては、その原因等については、私の方、港湾施設の面を担当しております港湾局といたしましては、ちょっと詳細を承知しておりません。
#31
○島本委員 実態はそういうことなのです。コンビナートの中ではまだまだ甘過ぎるような気がしますね。
 それから、環境庁もいろいろ御注意を申し上げ、そしてでき上った法律、大部分取り入れられているようでありますけれども、しからば本法による災害の防止の必要なことははっきりしておりますけれども、被害者の救済、補償、これも迅速に行うようにしておいた方がなおいいのではないか。こっちの方面はどういうふうなことになっておりますか。
#32
○森岡政府委員 コンビナートで事故が起こりました場合に、被害者に対します救済の問題でございますが、これは申し上げるまでもなく油の流出あるいは火災というふうな事故原因は明々白々でございますので、原因者は当然、明確に決定できるわけでございます。そこで、その被害を補てんする義務についても疑いを入れないわけでございます。そういうことから、これは当然、民事上の問題といたしまして処理されるということになるわけでございますが、そこで私どもも、このような防災法の中で、民事法の特例的な仕組みがとれないものかどうかということをいろいろ検討いたしましたけれども、なお、現段階でこれを公法的な義務として構成することにかなりむずかしい面がございます。したがいまして、本法におきましては、油を流出いたしました場合に、その回収義務を明確にし、それを行わない場合の代執行規定を設けまして、その代執行いたしました場合の費用は当然徴収するという規定を置くことにいたしたわけでございます。
 なお、その被害者救済のための制度といたしまして、たとえば保険制度とか基金制度というふうないろいろなことも、一つの課題としてあるわけでございますけれども、なおこの点につきましては今後、種々検討を尽くしてまいりたいと考えております。
#33
○島本委員 それと同時に、われわれ公害環境保全の立場からして、やはり水質汚濁防止法、これによって、油や汚物が流れる、こういうようなものに対して、これは厳重に取り締まりがなされており、防止をするように努めておる。PPmではかったりして、これはやっているわけです。いわゆる公害罪処罰法もあるわけであります。昭和二十六年の水産資源保護法、こういうようなものもできているそうであります。その中に「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつ」した場合には、これに該当するということになっておる。そうすると、今度、三菱水島のような場合には、量が多過ぎるのですが、こういうようなものに対しての関係がどうもしっくりしないわけでありますが、こういうような場合には、いかなる法の対象にもならぬでしょうか。
#34
○森岡政府委員 水島事故に関します刑事責任につきましては、法務省あるいは警察当局においてもいろいろ御検討願ったわけでございますけれども、現行法のもとにおきまして、実定法の処罰規定に該当するということはなかなか困難なように伺っております。私ども、このコンビナート防災法を立案するに当たりまして、やはり重油の流出とかその他の事故の発生を防止いたしますためには、強力な処罰規定が必要であろうということで、種々検討いたしました。ただ、油の流出という事態一つとらえましても、コンビナート地域だけの問題ではございません。同じような不法行為が出ました場合に、それにつきましては、コンビナート地域外においても、同じような処罰をしなければなるまい。これはやはり刑の均衡として問題があるということがございます。そこで、消防法でそういう規定を設けたいということで、これまた種々検討いたしたわけでございますが、消防法は火災防止ということ、あるいは火災の鎮圧ということに主眼が置かれておりますことから、御承知の本法案の附則で消防法の一部を改正いたしましたけれども、やはり「火災危険を生じさせた者」に対する罰則ということに、率直に言ってとどまったわけでございます。したがいまして、およそ油を流出して公共に危険を生じました場合の処罰ということになりますと、これはコンビナート地域の内外を問いません。全体的な不法行為といたしまして、別の立場からの処罰規定を考えねばなるまいということで、関係方面ともいろいろ現在、御相談しておるところでございます。
#35
○島本委員 まして、これは港への船舶の出入までとめられてしまった。そうなってしまうのなら、これは公害罪処罰法あたりも当然、私としては考えられるような気がします。また、何万トンの油を流してしまっている。これで水質汚濁にならないということはどうしても言えない。あれによってまた大いに水が汚れ、赤潮発生の一因にもなっておるというのならば、「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつ」の方に入るわけでありまして、こういうようなものを考えた場合には、どうも私としては、今後こういうような対策だけはきちっとやっておいた方がむしろいい。いまこういうようなものにまだ迷っているのでして、今度は迷わせないようにきちっとしてやって、それを設置者並びに企業側に対してはっきりした自覚意識を持たせないとだめだと思うのです。どうもこの内容はちょっとそういうような感じがいたしました。
 もうそろそろ終わりますけれども、それと同時に、防災のための緑地の設置、こういうような場合は、設置を必要とするかどうかの基準を設けるとともに、地方公共団体に対して、必要の場合の設置を義務づけるべきではないかと思います。やってもいい、やらなくてもいいということになっておりますが、ことに環境保全の立場からも、今後の運営の中からも、この辺はきちっとしておいていいのではないかと思うのです。これはやってもいい、やらなくてもいい、また自治体がやらなくてもいいというならば、やらなくてもいいものなのですから、もし、やらなければならないというのなら、やるべきであるとか、やる義務があるとかなんとか、もう少しきちっとすべきでないかと思うのですが、この辺の考え方はいかがですか。
#36
○森岡政府委員 コンビナートのような危険物が集積いたします地域におきまして、周辺市街地への被害の拡大を防止するためには、一定の安全空間が必要である、これはもう申し上げるまでもないことでございます。その場合に、たとえば石油で申しますと輻射熱が非常に問題になります。高圧ガスで申しますと爆発範囲が問題になります。そういうふうなことから企業に、保安距離といたしまして、自分の敷地内で安全な距離を確実にとらせる、これは第一次的に必要でございます。それにつきましては、高圧ガス取締法なりその規則も改正されまして、私どもの方も消防法の政省令を改正いたしまして、これを大幅に拡充したいと思います。
 ところで、緑地でございますが、これは、そういう保安距離を十分とりましても、なおかつ万が一の場合、大変、規模が大きい災害が発生いたしました場合に、それを食いとめるという趣旨で設けようというものでございます。同時に、それは平常時の場合には公園緑地といたしまして、地域住民が十分利用できるような施設として考えていきたい。そうなりますと、これは都市計画に基づきます公園緑地として設置する方が望ましい、こういう考え方に立ったわけでございます。そういうふうなことから、都市計画として実施するということになりますれば、それは当然その地域の実態、コンビナートの大きさ、あるいは周辺市街地の状況、その辺によりまして非常に多様な形の公園緑地が考えられるわけでございますので、やはり地方公共団体がみずからの都市計画の中で計画していただいて、それに政府が十分指導もし、また協力もしていく、財政措置も行う、さらに企業の負担も求めるということで、こういう公園緑地を設置して、遮断帯としての効果を持たせたいということで立案したものでございますから、一定の基準で義務づけるということにつきましては、なかなかむずかしい面があります。しかし、私どもといたしましては、この遮断緑地を各コンビナートにぜひ設置するように、強力に推進していきたいと考えております。
#37
○島本委員 それならば法文の訴え方は弱いですね。そういうような指導はすべきであります。それが本音ならば、あの法文はもっときちっとすべきであります。それだけ申し上げておきます。
 防災関係はこれが最後になります。これはすべて陸上で、水上の方は全部残された。どういう法律を今後、考えているかと言ったら、保安庁も運輸省も余り出てこないようであります。しかし、石油コンビナートの災害防止であるならば、何としても海の面をやって、いまからでもきちっと規制を考えておかないとだめなのであります。陸上はできたが、海上の方はできておらないというようなことでは全然だめであります。これは海上消防法を考えているのかどうか。桟橋やシーバースに消火器の据えつけの義務、消火装置をつける義務、防火管理者を置く義務、少なくともこういうものをきちっとしておいて、海上の防火体制をきちっとさせるとか、または石油港湾の防災法というようなものも必要ではないか。できるならばシーバースの規制や港湾に合わせた入港トン数をきちっと決めてやる、むちゃをさせないためにですね。桟橋に最新式の自動放水銃であるとか赤外線の油夜間監視装置を置くとか、または監視用のテレビを置くとか、自動浮沈式オイルフェンスを置くとかいうようなことをきちっとやって、こういうようなものがない以上は、危険物と思われるような大型タンカーは着岸させないとか、水先案内人は内海であるならば義務づけろという声もあるのですが、そういうふうなものにするとか、または内湾防災法などをやって、これはきちっとすべきではないかというちまたの声あるいは参考意見が大きく出ていたのであります。この意見よりもまだ後退しているようでありますけれども、海上保安庁並びに運輸省としては、こういうような意見に対してはどうお考えですか。今後、こういうようなものを総合してやるのですか、やらないのですか。
#38
○船谷説明員 海上におきます防災に関連しまして、予防面では、きのうも申し上げましたが、船舶の交通の安全を図るということで……(島本委員「それは伺いました。いま言ったようなものを取り入れてやるかどうかでいいのです」と呼ぶ)われわれは、まだ内容的に固まっておりませんけれども、いま先生がおっしゃいましたことを大いに検討し、取り入れる方向で考えたいと思います。また、流出油の事故の場合の災害対策協議会というのを各地に置いてございますが、それも法的に何らかの位置づけをしたいと考えておるところでございます。
#39
○島本委員 きょうは、この後、廃棄物、ことに放射性廃棄物についての今後の処理、これも十分聞くつもりで準備してきたのでありますけれども、それに入る暇もついになくなってしまいました。しかし、やはり一言だけこの問題について触れておきたいと思います。
 産業廃棄物というものは、四十六年九月施行の廃棄物の処理及び清掃に関する法律と廃棄物処理施設整備緊急措置法によって、もうすでに原因者いわゆる工場側が第一責任を持つ、そして、やらない場合は県がこれを行い、費用は工場から取るということになっていたはずであります。最近は下請業者の方にこれをやらして、むちゃな投棄が相当摘発されておる。企業責任を零細事業者に負わせているのではないかと思うのであります。せっかく呼んでおいたのに申しわけないと思いますが、厚生省、農林省、通産省、科学技術庁に環境庁、今後の廃棄物処理の体系、その実績、それから無害化してこれを処理するということが行われているのかどうか、そしてだんだんよけいになってきている排出物――これはとんでもなくよけいになってきておりますが、こういうものに対して、将来はどういうように対処するつもりなのか、これらを残して、この次に聞きたいと思いますから、ひとつ準備しておいてもらいたいと思います。
 たとえばジルコニウム95の半減期はただの六十五日であるというのがあるのでありますけれども、ストロンチウム90の半減期は三十年、セシウム137の半減期は三十年、プルトニウム239の半減期は二万四千年というやつもあるわけです。こういうのも廃棄物の中に入れて処理するということになれば、また公害発生の一つの大きい原因にもなる。これらの同位元素に対してどういう処理をしているのか。それから処理の方法としては、宇宙投棄、極地あるいは海底投棄、放射性元素の人工変化あるいは地層内部への投棄というのがあるようでありますが、どの方面を指向して現在、しておるのか。これはこの次に残しておきたいと思いますので、これを完全にしていただいて、次回に伺うことにして、きょうわざわざ出てきていただいたことを心からおわび申し上げます。ただ、いまのようなことは調べておいてほしいということを端的に申し上げておきます。
    〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕
 一番最後に、これは聞くわけでありますが、きのう問題になったタンクそのものの耐用年数、これをはっきりさせてやらないと、せっかくコンビナートの災害防止法ができても、これはまた問題が起きますよ。耐用年数はきちっとすべきではないか、ましてパイプのジョイン卜部分が一番ポイントではないかということを言ったのですが、この辺はどうもあいまいな考えに終始したようです。これはやはりきちっと耐用年数を置いて、どの部分は何ぼ、スチールの部分は何ぼと、はっきりしたらいいではありませんか。この辺の考えは今後、取り入れますか、取り入れませんか。これが最後ですから。
#40
○森岡政府委員 タンクの本体の構造につきましては、腐食でありますとか摩耗でありますとか疲労でありますとか、そういういろいろな問題がございます。したがいまして、厳密な保安基準をつくりたいと思っておりますが、その場合、お話しのように一定の年限がたちますれば、それに応じた腐食なり摩耗なり疲労が出てくるわけでございますから、税法上の耐用年数は御承知のように十五年というふうに決まっておりますけれども、定期的な点検も含めまして、一走の耐用年限的なものを一つのルールとして研究してまいりたい、かように考えます。
#41
○島本委員 きのうの積み残しをやって、また顧み残しをしてしまいました。次回にひとつ希望をかけて、また出てきてもらいたいと思います。
 では、これで終わります。どうもありがとうございました。
#42
○田中(覚)委員長代理 木下元二君。
#43
○木下委員 私は、環境庁が去る十八日に報告をいたしました水島重油流出事故の環境影響総合調査の結果について、まず伺いたいと思います。
 流出重油は一月末までに大部分が海上から回収、処理されたとのことであります。どれだけの数量が回収されたのでしょうか。また、回収されなかった油は海岸に付着し、水中に分散し、水底に沈降し、または揮散したものと思われるというが、どの程度が海岸に付着しておるのでしょうか。水中に分散、水底に沈降または揮散したのはどの程度でしょうか。
#44
○大場政府委員 水島製油所から流出いたしました油は、七千五百キロリットルから九千五百キロリットル間というぐあいに推定が発表されておりますが、その除去状況につきましては、水島から流れた油の漂着した海岸線は、延長にいたしまして約四百六十九キロでございます。これに対しまして、事故直後から自衛隊の応援も得ましたし、それから漁民、会社が清掃に当たりまして、四月の中旬で一応清掃が完了した。その後パトロール体制に切りかえて、気温上昇に伴って再流出がある場合には、直ちにそれを清掃する、そういった体制に切りかえているところでございます。その結果、その後、気温の上昇の結果、流出したことがありますので、問題の個所につきましては再清掃し、手当てをしておりますが、残余につきましては、現在パトロール体制をしいて、再び流出が出てくるような場合には、直ちにそれを清掃するという体制を組んでおります。
 ただいまお尋ねになりました、どれだけが海上から取られ、どれだけが付着しているのか、そういったことにつきましては、何分、海水と混入いたしておりますし、また、砂に付着しておりますものの計量というものは非常にむずかしゅうございますので、数量的にはちょっとお答えしにくい状況でございます。
#45
○木下委員 大部分が回収、処理されたというふうに書かれておりますので、これは一体どの程度なのかということを伺っておるのですが、数量的には、おおよそのことは言えないのですか。
#46
○大場政府委員 ただいま御説明いたしましたように、大部分が海岸に付着して海岸を汚染した、こういったことでございますが、それはいまも申し上げましたように清掃作業を完了いたしました。しかし、残余の海中に残っておりましたものにつきましては、これは計量のしようがございませんので、一昨日環境庁が取りまとめた結果では、CODその他、油分測定値から水質等を判断いたしました結果、事故後の一月時点におきましては、かなり濃度の濃い油分が摘発されたわけでありますけれども、二月、三月になりましては、油分は事故発生前と比べて少なくなっているということでありますから、そこで揮発、拡散したというふうに推定をいたしたわけであります。
#47
○木下委員 どれだけ回収されたか、数量的にも明確にできないような漠然とした話のようであります。では、海岸に付着をしたということでありますが、特に現在においても付着が認められている海岸というのは、どういうところでしょうか。そしてどの程度、付着が残っておるのでしょうか。どのように現に処理をしておりますか。
#48
○大場政府委員 先ほど、パトロール体制に切りかえて、流出があった場合には清掃する体制をとっているということを申し上げましたが、四月の半ば以降やはり流出がございましたので、香川県の三十五カ所について再清掃の必要が認められ、二十二カ所は現在までに完了しております。残りにつきましても、現在清掃を完了すべく作業を実施中ということでございます。
    〔田中(覚)委員長代理退席、委員長着席〕
主な個所といたしましては、具体的にどこそこという資料は持っておりませんが、香川県といったところが大部分を占めているというふうに聞いております。
#49
○木下委員 このいただいた資料によりますと、大部分が回収されて、いかにも流出重油問題は事が終わったかのような印象を受けるのでありますが、しかし、海岸に近い海底や浜辺には、まだ大量の重油が残っているというのが現地の声であります。現地をくまなく回って、本当に調査を尽くされたのかどうか、疑わしいような結果もあると私は思います。
 さらに、調査結果では、水質は事故後二、三カ月で事故前の状態をほぼ取り戻した。底質は沿岸部に油状の沈積物が一部見られたり、油分濃度が高かったりするが、沖合い部はさしたる変化はない。魚介類等生物には顕著な影響はないという内容のものであります。結局、流出重油は三月時点で瀬戸内海の水質、生物体系にほとんど影響を与えていないというものになっております。果たしてそうでしょうか。徳島などではタイなどの漁獲は決定的な打撃を受けております。油づけになった海岸線にはアオサなどの海草が生えなくなった、あるいはワカメにも影響が出ているという報告が出ております。こうした被害の実情や海岸の状態をつぶさに調べた上の調査結果とは、どうも思えないのです。
 民間の瀬戸内海汚染総合調査団が五月にまとめました、重油流出で藻場や底生生物が打撃を受けたという結果とも大きく食い違っております。これについて調査団団長の星野芳郎氏は、政府の調査は漁民からの聞き取りを余りしていない、その結果、差が出てきたのではないかというふうに言っておるのです。この点をどうお考えでしょうか。
#50
○大場政府委員 政府の調査は、客観的なデータに基づきまして判断をいたしました結果、現在までのところ、流出油によって魚類あるいはベントス、藻類等には顕著な影響は認められなかった、こういったことを申し上げているわけで、これは絶対的に今後、影響はないということを申し上げておるわけではございません。現在までのデータではそういうような影響は顕著には出てきていないということを、単に客観的に申し上げているわけでありまして、今後、影響が出てくることはないだろうということを、そこまでは敷衍はしていない、こういうふうに理解しております。もちろん生物に対する影響、生態系に対する影響というものは、この二カ月あるいは三カ月というような短い期間だけで、あるいはそのデータだけで判断することは早計でありますから、今後そういったものの推移というものは継続的に監視をしていく必要がある、それに伴って調査というものも必要であろうというぐあいに、調査結果というものは判断しているわけであります。
 それから、いま御指摘になりました星野芳郎さん等の調査ということにつきましては、漁民の方々の魚がとれなくなった、こういった御言い分につきましては、それはよく聞く必要があると思います。思いますが、データとしてはやはり客観的なデータに基づいて、推論なり評価というものはしていくべきものだと考えております。もちろん、そういった単なる聞き取りだけではなくて、漁獲が現実に減ってきて、どの魚種がどういうぐあいに変化してきているというデータがございますれば、当然、今後の調査の中にそういったものは反映していくし、われわれはそういったものを用いていくというふうに考えております。
#51
○木下委員 客観的なデータは結構ですが、少なくとも、流出油が生物に与えた影響の点では、魚介類や藻場などがどんな被害を受けたのか、その実情がどうであったかということについては、実際にその現場で働く漁民の生の声に、私は耳を傾けるべきであったと思うのです。この点ははなはだ残念であります。環境庁を中心に各省庁、関係住民の協力で、一億一千六百万円かけて実施された、世界に例のない重油汚染調査であるというふうに言われておるわけでありますが、この肝心な点が欠落をしておる、こういうことでは困るではありませんか。この調査というのはまだ終わったわけではありません。これからの問題といたしまして、私は海のこと、魚のことは、だれよりも漁民が一番よく知っておると思うのです。この漁民から実情を謙虚に聞く、そういう態度で進めてもらいたいと思います。もとより、その客観的なデータ、科学的見地に立って判断をするのは、これは環境庁など政府側であります。しかし、瀬戸内海という広い海域の実情の認識、実情の把握という点で、もっと漁民の力をかりる、漁民の声を聞く、このことが大事ではなかろうかと思うのです。環境庁長官いかがですか。
#52
○小沢国務大臣 調査は、御承知のように各省分担をいたしまして、今日までの取りまとめの結果を、環境庁で全部まとめまして、それで特別、先生方に集まっていただいて、一応いわば中間的なまとめをやったわけでございます。当然、水産庁が調査を分担をいたします中に、そういう魚の問題について調査があるわけでございますから、今後もこの調査を続けてまいりますので、御趣旨のような点は、確かに魚のことは一番漁民が知っているという、いろいろな過去のあれから言いましてもそのとおりだと思いますから、そういう足りない点があれば、できるだけ補っていきまして、今後も調査を続けていきたいと考えておりますから、その点はひとつ足りない点は補うということで御了承願いたい。
#53
○木下委員 補うのでも、どうでも結構ですが、漁民の声をよく聞いて今後の調査を進めていただきたい。そういう意味では、調査のやり方を、ひとつ今後の問題として改めていただきたいというふうに思うわけです。この点はよろしいでしょうか。
#54
○小沢国務大臣 調査の方法等について、これはやはりいろいろ学問的、科学的な点もございますから、調査のやり方について漁民の考えを聞け、そうでなければどうもいかぬというお説には、ちょっと私は直ちには同調できない。いろいろ、いままでの他の調査につきましてもやはり欠けた点が、いわば実態の面とかけ離れた点が出てこないようにしなければいかぬことはもちろんでございますから、そういう水産生物に対するいろいろな影響等の調査をいたします場合に、漁業に携わる方々のいろいろ意見を聞いたり、あるいはまた、その結果について意見があればよく聞きまして、その結果、足りないなという反省をすれば、さらに調査を補足するというような、そういう態度を私は御返事申し上げたわけでございます。調査の方法等については、これはやはり科学技術的な、いろいろ技術屋さんの方で考え方がございますから、それについてどうも漁民の声を聞かなければいかぬのだというような考え方に立てるのかどうか、この点は技術関係の問題ですから、よく聞いてみなければわかりませんが、どうも一概に先生のおっしゃることに賛成だというわけには私はまいりません。
#55
○木下委員 いや、私は何も漁民から科学的な判断を聞けなどとは少しも言っていないので、科学的な見地に立って政府、環境庁として判断をしていただきたい。その資料等を、海底のこと、のこと、あるいは海流のこと、水質のこと、そうしたこと等について漁民からいろいろ、それはもうもちろん体験的なことであったり、もっと素朴な話になろうかと思いますが、そうした実情について漁民からよく声を聞いていただきたいということであります。そのことはよくわかっていただいたと思います。
 そこでさらに申したいのは、この漁民や沿岸住民の最も関心が強い赤潮問題については、今度の調査結果が触れていないという点であります。大変残念であります。被害漁民の怒りは絶頂に達しております。一体、これからの環境影響調査において、環境庁は赤潮問題をどのように取り扱おうとしておられるのか、この点を伺いたいと思います。
#56
○大場政府委員 今回の調査結果では、直ちに油と赤潮との関係を断定するような知見としてはきわめて不十分であるということで、赤潮問題についてはコメントは避けておるわけであります。しかし、油と赤潮との関係を追跡、分析することはきわめて重要なことであるということにつきましては、諸先輩方もみんな一致した意見であります。したがいまして、今後いろいろ生物相の研究を継続調査すると同時に、赤潮の問題につきましてもよく調査をすべきだ、こういう御意見がございましたので、私どもはそういう御意見に従って問題を処理していきたい、かように考えております。
#57
○木下委員 いま油と赤潮ということを言われましたが、まず三菱の流出重油と赤潮との関係、この点については因果関係があるかないか、よく研究、検討をするという答弁も、以前にあったと思います。もちろん、その結果、因果関係があるということになれば、これは当然その補償協定に基づいて補償の協議を進めるということになると思うのです。また、単に赤潮だけではなく、流出重、油と魚介類などの被害との関係についても因果関係があるとすれば、またこれは補償の問題になる、こういうことになると思いますが、一体、その見通しというものはどうなのか。これは率直に伺いたいのです。どうでしょうか。
#58
○大場政府委員 油と赤潮との関係について追跡調査をするということを申し上げましたが、その中には、もちろん水島から出た油と赤潮との関係というものも含まれます。しかし現実には、今回の調査結果でも触れておりましたが、果たして、ほかの油と、たとえば具体的に底質などの問題でありますけれども、水島の油との区分が非常にむずかしいということがありますが、しかし、それは今後の課題として追跡する必要があろうかと思います。
 それから、御指摘のとおりに水島の油で魚の被害が出た、漁業の被害が出て、その相当因果関係がはっきりしている場合、すでに補償は一応けりはついているわけでありますが、それで不十分である場合には、当然、それは補償の追加ということはなされるように、両当事者間の話もなされているというふうに聞いております。
 これは見通しはどうかということでございますが、率直に申し上げまして、やはり現在の科学的知見からすれば、これは相当慎重にやらなければなりませんし、そう簡単には結論は出ないだろうというふうに思っております。
#59
○木下委員 この三菱流出重油が赤潮の原因だと断定できなくても、瀬戸内海に流れている重油、これが赤潮の原因と認められた場合には、三菱に対する補償問題というのはどうするのかという問題があると思うのです。これはもちろん、そのいろいろな条件、自然条件なり、あるいは富栄養化といったような条件がまざり合う問題でありますが、そうした条件がまざり合うとしましても、重油が赤潮の大きな原因になっているという場合、その補償問題をどうするのか、こういう問題があると思うのです。
 また、この不特定な重油、これは三菱のものかどうかわからないという不特定な重油が、底質や藻場を荒らし、魚介類などに悪い影響を与えているというふうに認められる場合には、これまたどうするのか、こういう問題があります。
 この場合、流れている重油の中には、三菱の重油が当然入っておると思うのですね。入っていないという証明があれば、これはまた別でありますけれども、入っている。いろいろな油が流れて一々特定できないけれども、そうした油が不可分一体になっている、こういう状況だと思うのです。そして、そういう状況の中で、昨年十二月に一度に一万キロリットル近くも三菱の重油が流出した。したがって、いま瀬戸内海にある油というのは、つまり正確に言いますと、水中の油分、底質の油状の沈積物、海岸に残っている油などは、特定できなくても、相当量が三菱流出のものであることは間違いないと思うのですね。したがって、不特定な重油でありましても、赤潮その他によって漁業被害がもたらされているという因果関係が明らかになった場合には、これは三菱に責任を負わしてよいのではないか、私はこう思うのです。いかがでしょうか。
#60
○大場政府委員 まず基本的に、油と赤潮との関係につきましては、いまのところ明確な知見は得られておりません。むしろこの間も当委員会で諸先生方をお呼びして御意見を伺ったわけでありますけれども、油については害作用があるわけでありまして、油がプランクトン等の増殖作用を果たして持つのかどうかということにつきましては、知見はきわめて少ないわけでありますから、今後その知見を集積していって解明するという必要があろうかと思います。油とプランクトンとの関係が明確になった上で、果たしてその中で水島の油がどういうウエートを占めているのかという議論になるわけでありますけれども、これはまた率直に申し上げて、なかなかむずかしいことだと思います。具体的に今回の調査でも明らかになりましたように、底質中に入っている油分の濃度を調べた結果、たとえば、これは当然のことでもありますけれども、汚染域の外の方が、場所によっては油が濃いというようなこともございました。たとえば大阪湾の中の底質が、むしろ今回の汚染域よりも濃い、あるいは燧灘の底質も濃いということもありましたので、その辺の寄与関係ということにつきましては、きわめて不明確な要素が多分にありますので、これはにわかには断定できないと思います。
#61
○木下委員 どうも私の質問に答えていないのですがね。三菱の油を特定することは困難であろうということは私も認めるのですよ。けれども、その瀬戸内海に流れている油の中に三菱の重油があることも、これは客観的な事実なのですよ。ただ不可分一体になっておって、特定できないということでしょう。こういう場合に、一つの仮定に立つわけでありますが、その油一般とその赤潮との因果関係あるいは漁業被害との因果関係が明らかになった場合には、これは当然三菱が補償をすべきではないかということを、私はその見解を伺っているのです。それに対してはお答えがないのですか、いかがですか。
#62
○大場政府委員 水島の油が瀬戸内海の赤潮を誘発するということが、科学的知見として明確になって、しかもその寄与度がはっきりしておれば、その寄与度に応じてやはり責任を負うべきものだと考えております。
#63
○木下委員 そこで私はこの問題は、たとえば大気汚染ではすでに結論は出ていると思うのです、よ。大気汚染の場合に、この汚染はだれの汚染のものか、そんなことを一々特定できないわけですね。加害者が明確にできない。発生源がたくさんある。それで、この汚染発生源が数多くあるときは、一定の場合に共同不法行為として連帯責任が認められる、これはもう四日市判決がはっきり認めておるわけです。大気の場合と海の場合とどう違うのか、同じことです。だから、瀬戸内海にある重油によって被害を与えている、その、不特定な重油、発生源はいろいろありましょう、三菱の流出重油も入っておるでありましょう、この不特定の重油によって被害を生じている。これは赤潮も含めて、あるいは赤潮ということではなくて、いろいろな漁業被害ということもありましょう。そういうことになれば、これは当然、三菱も連帯責任を負う。もちろん法的なことを言えば、もとよりこのほかの不法行為要件というものがそろっての上のことであります、私が言っているのは。故意、過失とかといった問題あるいはその行為者間の関連共同性といった問題がありましょうけれども、そういうことはそれとして、私は、その大気汚染の場合と海の場合と、共同不法行為という考え方において同じように考えて当然だと思うのですよ。長官、その点いかがでしょうか。
#64
○小沢国務大臣 木下委員もいろいろな、こういう問題があればとか、あるいはこういう条件があればとかとおっしゃっておられるように、そういう不明確な要素が多い場合に、責任と補償というような重要な問題で、行政官庁が軽々に答弁ができるものではありません。したがって、御意見としては十分承っておきます。これが私の結論でございます。
#65
○木下委員 いや、私は何も事細かに先々のことを仮定して論を立てておるわけではないのです。要するに、大気汚染の場合の被害者救済の論理、これと、海の汚染の場合の被害者の救済の論理、これとは同じように考えるべきではないのか、根本において同じ考え方のもとに、その救済を進めてよいのではないか、こういうことを私は言っておるのですよ。それともあなた方の方では、この四日市判決のような裁判の結果が出ないとだめなのだというわけですか。そういう後追い行政では被害者は救済されないと思うのですよ。私は、これだけ漁民が深刻な被害を受けておる、こういう中で、やはり行政は、被害者救済のこれまで打ち立てられた論理を使って救済をしていただきたい、こう念願するからお尋ねしておるわけであります。この点については長官、ひとつ私が提起しました問題を真剣に前向きで考えていただきたいと思うのです。いかがですか。
#66
○小沢国務大臣 ただいま私ども、相当数の先生方に委嘱しまして、財産被害についての補償の問題を検討していただいておりますから、いま先生の言われた立論、これを一応、私どもも参考にいたしまして、この点も含めてまた先生方にもお伝えしまして、よく検討していただいて、結論を出してから明確にいたしたいと思います。
#67
○木下委員 その問題はそれで結構です。
 そこで、一つ伺っておきますが、この三菱の重油流出ばかりではなく、石油は全体として瀬戸内海にどのくらい流れておるでしょうか。
#68
○大場政府委員 これはタンカー等による流出だけでありますが、四十五年から瀬戸内海に流出した油の累計は約二千六百キロリットルというふうに聞いております。
#69
○木下委員 長官は六月五日の答弁で、昭和四十五年から今日まで約三千五百トンないし六百トンの油が流れていると言われております。特にタンカーとは限定しなかったわけでありますが、これはタンカーのおつもりで言われたといたしましても、いまのお答えと数字が約一千トンばかり違いますが、どうして違うのですか。
#70
○小沢国務大臣 いま資料を持ってきておりませんが、あのときに私が申しましたのは、昭和四十五年から海上保安庁等で流出事故のいろいろございましたものをトータルしました数字が、たしかいま局長が言った約二千六百トン程度のものだったと思うのです。ところが、それでは保安庁がつかんだ油濁以外に全くないと想像することも少し無理ではないか。これはなぜかと言いますと、御承知のように、海上保安庁等がいろいろ監視をいたしまして、この水島事故のときに私が現地へ行ったときにも、やはりそういう声を聞いたのですが、便乗的なそういう汚染、何か抜くといいますか、そういうこともあるのだということが現実に言われておりますから、四十五年から今日まで五年間といいますと、やはり大事をとって考えれば、三千五、六百トンのものが流れたと推定するのが、むしろ実態ではないかなという意味で申し上げておるわけでございまして、何も食い違いがあってどうだというものではありません。それは明確なものだけ取り上げてやるのならば、もう一度資料をもって後でお答えいたします。
#71
○木下委員 そうすると、それはやはりタンカーから流れ出たということを前提に言われているわけですか、長官。
#72
○小沢国務大臣 タンカーからといいますか、瀬戸内海における流出油総計として、昭和四十五年に何件、何件とございまして、その総計が出ておりまして、それを合わせてみますと、昭和四十五年から四十八年までの統計が出ておりますから、それを合計したものを局長が申し上げたわけであります。ところが、この統計は十キロリットル以上の油汚染の発生件数ですから、したがって、私は、そのほかに推定値を入れますと、ほぼそれぐらいのものはやはり流れたと見なければならぬのでないか、こういう意味で申し上げて、その数字の違いがあるわけでございます。
#73
○木下委員 何もその点をあえて追及しようとは思っていない。違いがあるから聞いただけのことなのです。
 タンカー以外のほかから流出する分、これは環境庁としてはつかんでいられますか、どうですか。もう時間がありませんので、つかんでいるかどうか、簡単にお答えいただきたいのですが。
#74
○大場政府委員 申しわけありませんが、いま手元に資料は持っておりません。
#75
○木下委員 手元に資料はなくても、つかんでおられますか。
#76
○大場政府委員 自信ありませんが、帰ってみて調べてみます。
#77
○木下委員 この瀬戸内海汚染の重大な原因が油なのですよ。これは自信がないということでは困りますよ。その流出油の実態さえつかんでいないということでは困ると私は思いますので、ひとつ、これは取りまとめてお出しいただきたいと思うのです。これはタンカーばかりではありません。いろいろな流出油があるのです。これについてはある学者も推計をいたしております。いま申し上げてもよろしいが時間もありませんし、ひとつこれは環境庁の方として先にお出しいただきたいと思うのです。
#78
○大場政府委員 調べてみて、得られるデータはお届けいたします。
#79
○木下委員 それでは、その問題は出ましてから論議するといたしまして、もう一つの問題に移ります。
 やはり瀬戸内海汚染にかかわる問題でありますが、埋め立ての問題であります。埋め立ての問題につきましていろいろお尋ねしたいのですが、きょうは時間がありませんので、一つだけ伺っておきます。
 米軍使用の岩国基地を、沖合いを埋め立てて移転するという計画が進められておるようです。環境庁はその計画なり、あるいは現に進められている調査について関知しておりますか、どうですか。
#80
○大場政府委員 環境庁はそういうような計画につきましては関知しておりません。
#81
○木下委員 施設庁は来ておりますか。施設庁に伺いますが、岩国移設計画の概要と、これがつくられた経緯を述べていただきたいと思うのです。時間がありませんから簡単で結構です。
#82
○鈴木説明員 経緯から申し上げますと、岩国市議会におきまして二回にわたって埋め立てについて決議されております。さらに、山口一県議会におきまして同様な決議がされております。これは飛行場を沖合いに移設するという決議でございまして、それに基づきまして、私どもといたしましては所要の調査を実施しております。これはあくまでも予備調査でございますので、埋め立てが技術的に可能であるかどうか、その辺のところの調査でございますが、現在、調査の段階でございまして、まだその結論は出ておりません。
#83
○木下委員 その移設計画の中身あるいは骨格といったものを述べていただきたいと思います。
#84
○鈴木説明員 四十八年度から調査を実施しております。所要経費は八百四十万円でございます。これは漁業の経営調査、それから生物資源の調査、ボーリング調査、それから土質調査。四十九年度におきましては所要経費一千万円、これは飛行適性調査それから深浅調査、土取り予定地の地表面の地質調査。さらに五十年度におきましては千三百八十万円の予算をもちまして、いままでの調査の補充調査を実施したい、内容については現在、検討中でございます。
#85
○木下委員 調査のことは大まかに言われましたが、その移設計画というのはどの程度の規模なのか、どこに移転をするということなのか、そういったこと、そしてまた、いつごろ完成をするということなのか、それを含めて言ってください。
#86
○鈴木説明員 規模でございますけれども、地元の要望は、現在の飛行場を沖合いに持っていってほしいという希望でございます。私どもといたしましても、現在の飛行場の機能をそのまま沖合いに移設する。したがって、規模は現在の飛行場とほぼ同等というふうに考えていただけば結構と思います。
 さらに、いつという話でございますが、これはやはり先ほど来、議論になっております環境保全の問題、いろいろな問題がございますので、それが結論が出るまでには、なお相当な時間がかかる、かように考えております。
#87
○木下委員 沖合いといいますけれども、これは私、きのう聞いたところでは、初めて知ったのですが、瀬戸内海の沖合いかと思っておると、現にいま基地になっておりますのが海岸ですが、それに引き続いて陸地続きで基地を建設するということのようですが、間違いないですか。
#88
○鈴木説明員 間違いございません。
#89
○木下委員 その調査の目的はどういうことですか。技術的にここに基地をつくることが可能かどうかということにしぼって、進められておるというふうにも聞いておるのですが、そうですか。
#90
○鈴木説明員 あくまでも、埋め立てして沖合いに移設することが技術的に可能であるかどうかという点を、現段階においてはしぼって調査しております。
#91
○木下委員 そうしますと、その予備調査はいつごろまでやるのか。本調査はいつごろ、どのくらいの期間でやるのか。そのおよその見込みはあるのかないのか。いかがですか。
#92
○鈴木説明員 少なくとも本年度は予備調査でございます。来年度どうするかという問題は現在、検討中でございますが、少なくとも現在の予想からいきますれば、本調査という形の調査にはならぬであろうというふうに一応、事務的には考えております。
#93
○木下委員 その本調査はいつごろやるのかということは、見込みが立たないということですか。
#94
○鈴木説明員 現段階におきましては、見込みを立てるのは困難だということでございます。
#95
○木下委員 この調査なり建設計画というものが、住民の要望に沿って進められておるかのように言われたのですが、私は決してそうではないと思うのです。住民は本当にこの瀬戸内海の真ん中に米軍基地の建設を望んでおるのでしょうか。とんでもないことです。そんなはずはないのです。もともと岩国市民の間には、この米軍基地を撤去せよという要求はありました。そして事故なども起こりました。そういう中でこの要求が一層高まってきたのです。そういう状況のもとで、この基地移設問題が起こってきたのです。つまり、この住民の基地撤去の要求を分断していく、そういう意図を持ったものとしか考えられないような、この基地移設計画というものがつくられていったのです。決してこれは住民の要求に根差したものではございません。住民の要求をくみ取ってこれを進めていくというならば、この調査をやめて、基地撤去、これを実現するように努力してみてはどうか、私はこう思うのです。いかがですか。
#96
○鈴木説明員 大変むずかしい問題でございますけれども、昭和四十三年六月十四日、四十六年十月二十二日の市議会において議決されております。さらに四十九年三月二十六日に、山口県議会において同様の議決がされております。かような点から私どもといたしましては、そういうふうな先生いま御指摘のような点は十分反映されておるという前提で、予備調査を実施しているわけでございます。
#97
○木下委員 決議があるから、だから住民が納得し要望しておるということではないと思うのです。住民の要求と市会や県会に出てきた決議というものと違う場合が、これは多々あるわけです。
 ひとつどのような調査がされたのか、すでに二年間経過しておりますので、これまでの調査結果について資料を出していただけますか。
#98
○鈴木説明員 二年間の調査の結果につきましては、私の方でいま取りまとめ中でございますけれども、何分、調査の段階でございますので、いずれ適当な時期にこれは提出、公表いたしたい、かように考えております。現段階で公表はできません。
#99
○木下委員 どうも際限なくずるずる調査をやっておるという感じがするのです。いまも言われましたけれども、一体いつまで予備調査をやるのかということもわからない。本調査をいつやるのかもわからない。基地撤去の住民運動をそらせるということが目的だとすれば、これは何らかの調査をやっているということだけで意味があろうかと思います。しかしそれでは困ると思うのです。二年間経過したこの段階で、あるいはこの段階が無理だというならば、少なくとも近い段階で、結果を発表していただきたい。いかがですか。
#100
○鈴木説明員 問題が大変むずかしい問題でございますので、なかなか簡単に結論が出て実施の方針が決まるというふうなものとは考えておりませんが、やはりなるべく早くこれは公表して、各界各層の意見を聞くというのが適当だろうと思います。
#101
○木下委員 もう時間が来ましたので、最後に長官に伺いますが、いまお聞きのように、防衛施設庁が瀬戸内海上に米空軍基地移転のための大規模埋め立てをやるための調査を進めておるのです。しかも、ここは御承知のように埋め立てば極力避けるべき海域として指定されているところです。瀬戸内海の汚染がこれだけ深刻化しておるのに、米空軍基地の大規模埋め立てをやるなどというのはもってのほかだと私は思うのです。防衛施設庁の調査を、環境庁として何一つ文句も言わずにやらしてきたことだけでも、私は問題があると思います。この美しい瀬戸内海を守り抜くために、暴挙に等しいようなこの環境破壊は断じて許してはならないと思います。ひとつ長官、この美しい瀬戸内海を取り戻すためにがんばり抜くという決意を、ここで表明していただきたいと思うのです。
#102
○小沢国務大臣 おっしゃるように瀬戸内海は、よほどのことがなければ大規模な埋め立てなり、またそこに新しい施設をつくっていくというようなことは極力避けなければなりません。私、きょう初めてこの問題があることを聞きました。調査を三年も相当の経費をかけてやっているということも初めて聞きました。ここがやはり各省庁と環境庁との関係がスムーズにいってない点ではなかろうかと思います。この点は十分私として瀬戸内海を守る立場から慎重に検討してみます。きょう初めて聞いた問題ですから、どの程度どういう事情で、また、先ほど先生も若干疑念をはさんでおられましたが、何といいますか、いろいろ政治的な考え方から調査をやっているのか、本当につくるつもりでおるのか、その辺もよく検討してみませんと、いま先生は、もうつくることになっているが、そんなことは許せないではないかとおっしゃいますけれども、その辺やはりまた防衛に関する協定との問題もありますから、何も知識のない私が、いまここでちょっと明確にはお答えはできませんが、瀬戸内海を守る立場の私どもとしては、それはもう看過するわけにいきませんから、よく調べてみたい、かように思います。
#103
○木下委員 では終わります。
#104
○渡辺委員長 坂口力君。
#105
○坂口委員 きょうは、地盤沈下の問題をひとつお尋ねしたいと思うわけでありますが、御承知のように、全国各地域におきまして最近、地盤沈下が非常に大きな問題になってまいりました。前回の調査によりましても、十七都道府県、二十地域において非常にこれが進んでいるという発表があったわけでございます。中公審の地盤沈下部会からも地盤沈下の予防対策について出ておりますし、その中を見せてもらいましたが、早急にこれに対する手を打つべきであるという意見書が出ているわけでございます。今国会において地下水規制の法案等も出るやに初め聞いていたわけでありますけれども、出ずに今日に至っております。この地盤沈下に対する全体的な取り組み方というものにつきまして、大臣、お時間の点があるようでございますので、先に承っておきたいと思います。
#106
○小沢国務大臣 地盤沈下は、先生おっしゃるとおり相当各地で進行しておりますから、何としてもこれをとめていかなければなりませんので、私どもは、これはやはり行政措置ではいけませんから、立法化をして、ぜひ地盤沈下の防止のための施策を強力に進めていかなければいかぬという考えでございます。政府が提出したいのですが、なかなか関係各省とのいろいろな問題がありまして、でき得れば議員立法で、国会の意思でやっていただいた方がいいのではなかろうかというので、まずとりあえず与党の方にお願いをして、いろいろ調整をしていただいておったわけでございます。いいところまでいったのでございますけれども、いまだにまだ代替用水の確保との調整問題がうまくいきませんで、まとまっていないのは、はなはだ残念でございます。
#107
○坂口委員 そういたしますと、今国会に出にくかった主な原因は、用水等との調整問題が最も大きなネックになっているということでございますか。
#108
○小沢国務大臣 大体その点が、いま最後の調整事項になっておるようでございます。
#109
○坂口委員 もう今国会も残り少なでありますから、これはぜひ次の国会では立法化をやらなければならない、こう思います。そういう意味で、次の国会においては必ずやるという大臣の御決意をひとつ聞かせていただきたいと思います。
#110
○小沢国務大臣 私としては、先ほど来申し上げているように、非常に重大問題ですからぜひやりたい。ただ、通産、厚生、建設、大蔵と、主たる関係官庁でもこれだけございますので、できましたら各党それぞれいろいろ御協議を願って、御協力をむしろ側面からいただいて、ぜひやりたい。この次の通常国会までには何とかまとめていきたい、かような決意でございます。
#111
○坂口委員 まあ、地盤沈下は見た目にそうわからない。たとえば騒音でありますとか、大気汚染でありますとか、あるいは水質の汚濁でありますとかというものに比べますと、同じ公害の主要な六項目の一つに入っておりますけれども、急激にすこんと下がるものではない、長い時間をかけて少しずつ下がっていくものですから、見た目にわかりにくいということもございまして、わりに軽く見られる傾向がある。しかしながら、一たん事が起こりました場合、たとえば防潮堤等が低下をして、大きな台風が来て非常に大きな災害が出るというようなことになりましたときに、初めてこれはいかぬということになるのだろうと思うわけです。あるいはまた、そのほか地下水等の問題はございますけれども、そういうことで存外目に見えにくいということがありますために、捨ておかれる可能性が大きいと思うわけです。ただ、あの伊勢湾台風のように非常に大きな台風が参りましたときに、初めて地盤沈下というものがいかに恐ろしいものであるかということをまざまざと見せつけられると思うわけであります。
 非常に地盤沈下の進んでいるところも多いわけでありますが、いも申しました伊勢湾は、特にその中で地盤沈下のひどいところであります。あの伊勢湾台風の後で八百億円から投じられて、そして六メートル前後の防潮堤が築かれましたけれども、それから十二年ぐらいの間に一メートル半、ひどいところでは二メートルも沈下をして、大体、伊勢湾台風当時の高さになってしまっているやに聞いているわけであります。私も先日、伊勢湾のそういったところを二、三見せてもらってまいりましたけれども、かなりひどいところがございます。たとえば、その防潮堤の表面はコンクリートで固めてありますからいいのですが、中が恐らく地盤沈下をして空になっておるのではないかと思われるような節もあるわけであります。と申しますのは、潮がさしてまいりますと、それを越えまして逆の方に潮水がずいぶん噴出してまいりまして、民家の床下に、ひどいところでは三十センチ水がつくわけであります。潮が引いていきますと、それも引いていくわけでありますけれども、潮がさしてまいりますと、床下に二十センチから三十センチ水がついているという大変ひどいところもあるわけであります。そういうふうな状態を見ますと、これは早急にこれらの点を考えていかないと大変なことになる。特に台風は毎年やってまいりますし、伊勢湾等は台風銀座と言われるほど毎年たくさんの台風の通るところであります。大きいのがこの二、三年来ないからいいようなものの、大きいのが来れば一たまりもないという気がするわけであります。
 そこで、各県の段階におきましても、あるいはまた建設省、いわゆる国の段階におきましても、それに対する手は少しずつではありますが打たれております。たとえば三重県側の、いわゆる焼きハマグリで有名な桑名がございますが、揖斐川という川がございます。それから員弁川という川がございまして、その両方にはさまれました部分は特にひどいところでございますけれども、この揖斐川は一級河川でございますので、建設省の方で着々手を打っていただいているようでございます。しかし、いずれにいたしましても、一年間に行われます距離と申しますか場所が非常に少ないために、なかなか全部できていかない。海岸に面しておりますところは県の方が中心になってやっておるわけでありますけれども、一キロぐらいありますところを、年々百メートルぐらいづつしかやっていかないわけです。そうしますと、昭和四十八年にやりましたところ、昭和四十九年にやりましたところが、言われなくても見ただけでもうわかる。と申しますのは、一年、一年、やったところがまた下がっていくものですから、段がついているわけですね。ここは四十八年の分、ここは四十九年の分、ことしやりますとまた段がつくというので、二十センチぐらいの段がついている。それほど、やりましても次々に下がっていくわけです。こういうふうなことを繰り返しておりますと、十年かかって一番端までいったころには、初めのところはまた沈んでしまって、もうそれが使いものにならない。また初めからやらなければならない。こういったことを繰り返していては、いざというときの対策にならないというふうに考えるわけであります。
 そういう意味で、これは早急に手を打たなければならない。県の段階でこれが十分でき得ればいいわけでありますけれども、できない面には、国の方でより積極的な対策が講じられなければならないと思うわけであります。建設省の方、お越しいただいておりますので、その辺の御事情をちょっと御説明をいただきたいと思います。
#112
○本間説明員 お答え申し上げます。
 員弁川の左岸側あるいは海岸に面した地区、城南地区と申しております。それから右岸側から海岸の方にかけまして、これは川越海岸と申しておりますが、この地区につきまして、建設省で実施する考えはないかという御質問とお伺いいたしますが、海岸法の第六条に「主務大臣の直轄工事」という項がございまして、そこに条件が書いてございます。四つほどあるわけでございまして、第一番目が「海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事の規模が著しく大であるとき。」これが第一でございます。それから第二に「改良又は災害復旧に関する工事が高度の技術を必要とするとき。」これが第二番目、第三番目は「工事が高度の機械力を使用して実施する必要があるとき。」それから第四番目が「都府県の区域の境界に係るとき。」この四つがございます。この地区の海岸の事業につきまして、以上の四つの点を照らし合わせますと、いずれも該当するところがございませんので、直轄工事とすることは適当でないというふうに考えております。
#113
○坂口委員 大臣、結構でございます。
 いま、お話し伺いますと、四つの中に当てはまらないということでありますけれども、しかし、このいわゆる海岸線に向かった部分、この部分はどういう理由で沈下がはなはだしいのか。この沈下をとめるということはできますか。
#114
○本間説明員 沈下いたしましたところに対する防災対策事業につきまして、海岸課で所管しておるわけでございます。沈下についての原因につきましては、所管ではございませんので、お答えを控えさせていただきたいと思います。
#115
○坂口委員 私が申しておりますのは、いま皆さん方は先ほど挙げられた四項目の中に当てはまらないというふうにおっしゃるわけですけれども、しかしながらあの地域、これはあの地域だけに限りません、愛知県側に回っても同じことだと思いますけれども、非常に地盤の沈下が著しい。これは特にあの地帯に多くの地下水のくみ上げがありますとか、そういうこともあそこはないわけであります。そういうふうなこと以外に、自然現象として非常な勢いで沈下をしていくわけであります。ですからその著しさから言えば、先ほど挙げられました項目の中に、私は入れてもいいのではないかという気がするわけです。もう一つ、伊勢湾台風からこちらにかけまして十二年たっているわけでありますが、この間に、ひどいところでは二メートルも下がっているわけでありますから、これが普通の地域とは、はなはだ状態を異にしておるということは、これはもう数字が示すところである。そういうふうな意味で、特別にこういうふうなところに手を加えていかないと、大きなことが、台風あるいは地震等が起こりましたときに起こることは当然だと思います。そのことについてはどうお考えになりますか。
#116
○本間説明員 先生の御質問は、第一段階は地下水のくみ上げあるいはそれ以外の構造的な沈下と申しますか、そういうような特殊な原因の沈下があるというお話しでございます。こういう沈下の原因につきましては別にいたしまして、次の御質問の、沈下した堤防に対してどう考えるかということにつきまして、お答え申し上げます。
 先生申されますように、昭和三十六年以降、確かに一メートルから一メートル九十センチほど沈下しております。これは大変なことでございます。しかし伊勢湾高潮対策事業によりまして、堤防が天端それから裏のり、全部被覆済みでございます。しかし先生が言われますように、漏水が激しいというようなことがございまして、確かに老朽しておるわけでございます。しかし、これらの堤防は計面高潮位に対しては、まだ高さは余裕がございます。したがいまして越波による災害が起こり得るということでございます。これに対しまして、昭和四十六年度から沈下に見合う堤防の機能復旧を図るために、越波防止対策事業といたしまして、堤防前面に前小段を施工する、こういう事業を実施しております。それから、先生が先ほど申されましたような漏水の防止と申しますか老朽化に対する工事も実施しておりまして、今後五カ年くらいで概成するように努力していきたいというふうに考えておる次第でございます。早急にやらなければいけないということを十分承知しております。
#117
○坂口委員 直轄事業の初めのところ、もう一遍言ってください、直轄事業にできない理由、四項目、先ほど挙げられましたけれども。
#118
○本間説明員 四項目を読み上げます。
 「海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事の規模が著しく大であるとき。」二番といたしまして「海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が高度の技術を必要とするとき。」三番「海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が高度の機械力を使用して実施する必要があるとき。」四、「海岸保全施設の新設、改良又は災害復旧に関する工事が都府県の区域の境界に係るとき。」以上でございます。
#119
○坂口委員 私も実は専門的なことはよくわからないのですけれども、先日、土木関係の方に説明を受けましたら、伊勢湾の、特にいま申しております地域の地層等の状態からして、どうしても沈下を抑えることができないのだそうであります。まだ当分このままで沈下が続く、こう考えざるを得ない。それを防止する方法があるのかということを聞きましたら、それに対しては、できるけれども、非常に高度の技術を要するということでございます。できないことはないのだそうであります。高度の技術を要することが行われない限り、その沈下を防ぐことができない。それでは、それができなければどうするのだということを聞きましたら、結局少しずつまた堤防を積み直していくという操作を繰り返さなければならない。ところがその操作を、一年に百メートルぐらいしかできませんから、常にさいの河原のごとく、いつも少しずつやっていなければならない。そして、しまいまでできたころには、初めからまたやり直さなければならないというようなことを繰り返さざるを得ないという。いま話を聞きましたら、「高度の技術を必要とするとき。」というのが、どういうことに当てはまるのか、よくわかりませんけれども、少なくとも私が土木関係者の皆さんから聞いたところによりますと、これはかなり高度の技術を要するということでございましたが、その点いかがでございますか。
#120
○本間説明員 海岸法の第六条に響いてございます「高度の技術を必要とする」件でございますが、ただいま先生が言われましたような地域全般の沈下を防止するということは、これには入っておりませんで、海岸堤防をつくる際に、局部的な地盤の軟弱であるとか、そういう特殊なことに対する高度な技術ということでございます。(坂口委員「そういうことを聞いているのです、こちらも。それを言っているのです」と呼ぶ)はい。ただ、付近の堤防を支える地盤の沈下だけを防止するということにつきましては、確かに先生言われるように、高度の技術を要するものでございます。しかし、これを海岸事業として実施することについて、技術的にどういうものであるかという点の関係が判然としないような感じがするわけでございます。
#121
○坂口委員 お話しはよくわかりません。おっしゃる意味がどういう意味かよくわかりませんが、私は少なくともいまおっしゃることに匹敵すると思うのですよ。私は全体の地盤沈下のことを言っているのではないのです。海岸線の防潮堤の話をしているわけですから、それに対して非常に高度の技術を要する。全体の土地の沈下をさせない、これはむずかしいことですから、防潮堤の部分を何とかして食いとめようとするのに、はなはだ高度の技術を要する。私はそれに対して当てはまらないかということを聞いているわけです。
 それで、ここであなたと押し問答しておりましても、これはなかなか決まらないことだと思いますし、あなたの方は、でき得ればそうではないということを言いたいのだろうと思いますけれども、そうではなくて、そういうふうなところはどこかということを積極的に判別してもらって、やらなければならないところは積極的にやるという態度をとってもらわなければいかぬと思うのですよ。そうでしょう。そういう意味で、いまお聞きした中では、はっきりしておりませんので、建設省の直轄事業になるかならないかということを、もう一遍、調査されますか、どうですか。
#122
○本間説明員 現在の海岸法の先ほどの条項に適合するかどうかということでございますが、ただいまの解釈では、高度な技術を要するということに当てはまらない問題ではないか。それより範囲が相当に大きな問題ではないかというふうに考えるわけでございます。
#123
○坂口委員 いや、そうではないのだ。範囲というのはたかだか一キロ、まあ八百メートルぐらいかもしれません。実際の長さですね、堤防のといいますか、防潮堤の横にやっております長さは。両方の川と川との間です。それが州になっておるわけです。そしてその防潮堤のところがだんだん進んでいくのですが、州になっておるところは全部危ないわけですが、範囲としては非常に限られておるわけですよ。それで県段階におきましても、これは県の段階ではいかんともしがたいということを言っておるわけです。そして県段階では、建設省の直轄事業にこれはしてもらえる項目の一つだと思う、こうも言っているわけです。これは事務系の人が言っているのではなしに技術系の人がそう言っているわけです。だから、これはいまお聞きして、それはもうはっきり調査してもできないのだ、こう言われるのなら別ですけれども、いまお聞きするところによると、皆さんの方もはっきりしていない。だから、もう一度この件については、はっきりと調査をしてもらいたい。そうして、それによって当てはまるかどうかをもう一度これはやってもらいたい、こう言っているわけです。
#124
○本間説明員 八百メートルほどの幅にわたりまして地盤が沈下しないようにする工法、これにつきましては、土木技術的にもただいまではできるということはないと思います。県の土木の方で聞かれて、できる、非常にむずかしいができることではあるというお答えのようでございますが、必ずしも自信があるわけではないというふうに思っておる次第でございます。
#125
○坂口委員 いや、あなたがむずかしいとおっしゃるのはよくわかるし、そして、いまここではっきり言いにくいということもよくわかるのだ。だから、もう一遍、調査をやり直すかどうかということを、調査をやられるかということを言っているわけです。八百メートルというのは、奥行き八百メートルということを言っているわけではないですよ。海岸線に沿った距離が八百メートルか一キロということを言っているわけですよ。ですから、これが、先ほどおっしゃった四項目の中に当てはまるかどうかということについて、いわゆる建設省直轄事業にすることができないか、どうかということについての調査を、もう一度やり直されるか、どうかということを言っているのです。やり直せと言うと、一遍やられたことになりますけれども、これをやられるかということを言っているわけですよ。これが当てはまるかどうかをやられるのは皆さんの仕事ではないですか。
#126
○本間説明員 地盤の沈下はかなり深いところからも起こっております。(坂口委員「それはわかっておる」と呼ぶ)先生御承知のとおりでございまして、これに対する土木的な工法というものが確立されておらないというふうに私、考える次第でございまして、そういう研究は今後必要だとは思いますが、この直轄に取り上げるかどうかということに関連いたしまして、そういうことを調査するということは、いますぐにやる考えはございません。
#127
○坂口委員 いや、技術的な面で技術的な方法をどうするかというのではなしに、建設省直轄事業にするためには、高度の技術を要するものもその中に入る、そういうあなた方の答弁でしょう。高度の技術を要するものは直轄事業の一つになり得るという皆さん方のお話しなのですよ。それはそうなのでしょう。それで、それに当てはまるべきものかどうかということについては、これは調べないとわからぬではないですか。だから、何が何でもこれをやれと私は言っているのではないので、これがそれに当てはまるべきものかどうかということについて、調査をすべきだということを言っているわけなのです。だから、これを直轄事業にすべきだということを私はもろに言っているわけではなしに、それに当てはまらないかどうかということを、皆さんの方でもう一度詳しく見てくれということを言っているわけです。
#128
○本間説明員 ただいまの御質問の、第六条第一項第二号にございます「工事が高度の技術を必要とする」ということにつきまして、沈下を抑えるということが当てはまるかどうかということにつきまして、調査いたします。
#129
○坂口委員 最後に環境庁の方にお聞きをして、時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、いずれにいたしましても、この地盤沈下の問題は地下水等とのかかわり合いもございまして、非常に重要な問題でありますので、環境庁の方もひとつこれに対する対策というものを、どうしても強化してもらわなければならぬと思うわけであります。そういうふうな意味で、特にひどい地域について、環境庁としての対策をどうするかということについて、今後、早急に検討してもらいたい、こう思います。いかがですか。
#130
○大場政府委員 私どもといたしましては、先ほど先生が御指摘になりましたように、中公審の答申をいただいておるわけでありまして、できるだけ早く新法をつくりたいという努力をいたしたいと思います。
 しかしながら、それまでの過程におきましては、現行法に与えられている手段を有効に活用して、地域の指定を逐次広げていって対処していきたい。それから同時に、単に厳しい規制を加えるだけでは、問題の本質的解決にはならないわけでありますから、累次、先生が御指摘なさっていらっしゃるように、代替水の供給、そういった面の対策というものをあわせて実施して、それはもちろん建設省を初めとする各省庁の御協力を得なければなりませんが、そういった代替水の供給確保とあわせて、規制の強化というラインで、この問題について対処していく考えであります。
#131
○坂口委員 終わります。
#132
○渡辺委員長 次回は、来る二十四日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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