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#1
第075回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第16号
昭和五十年六月二十四日(火曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 田中  覚君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 藤本 孝雄君
   理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
   理事 木下 元二君
      戸井田三郎君    阿部未喜男君
      岩垂寿喜男君    江田 三郎君
      村山 富市君    米原  昶君
      岡本 富夫君    坂口  力君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 橋本 道夫君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        環境庁水質保全
        局長      大場 敏彦君
        通商産業大臣官
        房審議官    大薗 英夫君
        運輸政務次官 小此木彦三郎君
        自治政務次官  左藤  恵君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 宮沢  香君
        通商産業省立地
        公害局公害防止
        企画課長    山田 勝久君
        通商産業省立地
        公害局鉱山課長 嶋田 勝弘君
        運輸省航空局飛
        行場部長    梶原  清君
        郵政省郵務局集
        配課長     大野 敏行君
        郵政省人事局保
        健課長     坂東 定矩君
        日本国有鉄道技
        師長      瀧山  養君
        日本国有鉄道常
        務理事     内田 隆滋君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十四日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     江田 三郎君
  角屋堅次郎君     村山 富市君
同日
 辞任         補欠選任
  江田 三郎君     岩垂寿喜男君
  村山 富市君     角屋堅次郎君
    ―――――――――――――
六月二十三日
 富士見丘小学校に隣接する中央高速道路の公害
 対策に関する請願(金子みつ君紹介)(第三九
 七〇号)
 中央高速道路三鷹料金所周辺の公害対策に関す
 る請願(小山省二君紹介)(第四〇五四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(新幹線騒
 音問題等)
     ――――◇―――――
#2
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 私は、今回の新幹線の鉄道騒音に係る環境基準設定について、環境庁並びに国有鉄道当局に、今後の問題を含めて若干伺いたいと思います。
 まず長官、新幹線の騒音に係る環境基準についての中公審の答申は、いつごろ出る見込みですか。どういう予定になってございましょうか。
#4
○小沢国務大臣 中公審の問題でございますので、私がここで、いつごろかということをはっきり申し上げる立場でないわけでございます。責任者でもありませんし、中公審の部会長なり、あるいは中公審の会長がそれを決めるわけでございます。ただ私ども、答申を早くいただきたい側でございますから、そういう点から見ますと、部会の結論は今月中にはいただけるのではないか。それからその後、総合部会なり総会なり、どういうような手順になりますか、普通は部会の答申を会長が答申としてお出しくださるわけでございますので、期待はいたしておりますが、いまのところ、その程度しか私はお答えできません。
#5
○島本委員 決してそうではないし、いままでの会議の運びなどを見ていたら、新聞報道がわかっていて、長官がわからないわけはないわけであります。
 では事務当局にお伺いいたしますが、いままで何回この関係部会を開いておったかというようなことについて、おわかりになりませんか。
#6
○春日政府委員 専門委員会が二十五回の審議を行いまして、部会に対しまして報告を出したわけでございますが、それ以降、部会におきましては六回の審議を重ねております。
#7
○島本委員 どうも一回一回聞かないと日にちまで言わないようなことでなしに、わかっていることをはっきり言いなさい。六回やった、その六回目はいつですか。そして何日に結論を出すことになっているのですか。隠しに隠す、そんなことをやめて言いなさい。
#8
○春日政府委員 隠す気持ちは毛頭ございませんので、お断わりしておきますが、六月の二十一日に第六回を行いました。この次は二十七日に行うことになっております。
#9
○島本委員 そうすると、新幹線騒音の環境基準答申案作成をめぐって、いろいろ難航しているということを、逆に公害環境特別委員会委員として事務当局に知らしてもらえない、新聞を見てようやくわかる。これはどうもおかしいではないかと私は思っているのです。それほどまで、この委員会や委員は無視されていいものかどうか、もう少し考えてもらいたい。と申しますのは、この二十一日に騒音振動部会でどのような論議がありましたか、お知らせ願います。
#10
○春日政府委員 すでに専門委員会におきまして報告が出されております。その報告のうち環境基準、すなわち七十ホンないし七十五ホンという問題につきましては、部会の審議の段階におきましてほぼ了承が得られております。すなわち、部会全員一致で一応、合意に達しておるわけでございます。ただし、達成期間の問題につきまして、国鉄関係の反対意見がきわめて強いわけでございます。したがいまして、その達成期間を中心に種々論議が交わされたわけでございます。
#11
○島本委員 達成期間を中心に論議を交わされたが、この環境基準の数値に対しては、もうすでに了解済みだ、こういうようなことのようであります。
 そうすると、達成期間は基本的に承認された、こういうようなことになろうかと思います。しかしながら、決定ではないのだ、次回の部会までに政府に物を申す事項を考えて、次回の部会で決めるのだ、大体こういうようなことなのではないかなと思っておるのですが、大体そのとおりですか。
#12
○春日政府委員 ただいまのお話に、大体の問題は尽きておると思います。
#13
○島本委員 いままでの私の根拠は全部新聞であります。新聞の方が先行するのであります。
 そうすると特殊騒音専門委員会、これは楠本正康委員長のもとに、原案どおり、三年から十年以内とするということに、達成期間の問題については大体なったのだ。最後まで期間明示に抵抗してきたのは運輸省と国鉄であった。そして、それを納得させるために、政府に対する強力な助成措置の要請を答申に盛り込み、最終的な責任を、今度は政府の施策に任せる形で決着をつけるという打ち合わせ済みだ、こういうようなことが言われておりますが、大体この方向ですか。
#14
○春日政府委員 確かに、国鉄あるいは運輸省は、三年から十年の達成目標期間につきまして、実際的な意味で非常にむずかしいという発言があったわけでございます。しかしながら、一方ではまた、国鉄だけで、そういった三年から十年の間に達成するということを目途に、種々の音源対策にいたしましても、あるいは周辺対策にいたしましても行うことには、はなはだ問題があるであろう。すなわち、政府関係各省庁がいろいろ協議を重ねて協力体制を決めるということが、国鉄をして、あるいは運輸省をして、達成せしめるゆえんではなかろうかというような論議があったわけでございます。そういったことを中心に、五十嵐部会長はこの次までにまとめよう、こういう運びになったのでございます。
#15
○島本委員 その点ではわかりました。
 そうすると、二十七日の部会までには、関係省庁の協力体制をまず煮詰めて、文案をまとめて、そして長官へ提出の段取り、こういうようなものをつけて、そして二十七日にこれが終わるのである、こういうようなことになろうかと思います。そうですね。
#16
○春日政府委員 部会長がそういうふうにまとめた案をお出しになるということでございまして、その間に実際の意味におきまして、関係省庁の意見調整をするというようなことではございません。すでに関係省庁の御意見というものは、第二回、第三回目あたりの部会の審議のときに聴取されておりますので、その辺は改めて次回、二十七日までに私どもが意見調整をする、こういうものではございません。
#17
○島本委員 そういうものではないとしても、法で与えられている各省庁への指揮権というか調整権というもの、これは環境庁設置法の第六条に明確になっておりますから、今度はそれを実施して、十年以上もほったらかしておいた新幹線公害に決着をつけるときだ、まさにそういうような歴史的な一つの重大性を、環境庁長官として持っていなさるわけであります。
 それで、これは政府にげたを預ける方向の収拾を図っているようであるけれども、長官の諮問機関である以上、答申が出て、これを受けた場合には、行政上の責任は政府が負うことになるのはあたりまえの話であって、行政上の目標や財政援助、これを明示しない以上、政府には責任はない、こういうような考え方に立つわけにはいかないし、そう思ってはならないのではないかと思っているのです。なぜ国鉄がこれにこだわり、なぜこういうようにして基準値並びに達成期間の問題にこだわっているのか、私はこの点ではどうもわからないのであります。これはまさに長官のこの辺に対するPR不足ではないか、こうさえ思うのでありますが、この点、長官はどうお考えでございますか。
#18
○小沢国務大臣 御承知のように、騒音部会では、望ましい環境基準というものは七十ホンないし七十五ホンということで一致をして、いま問題になっているのは達成期間なわけです。
 この前も、この委員会で議論がありましたように、達成期間あるいは規制基準という、環境基準達成のためのそうした二つの手段は、当時、知見される技術というものを中心に、あるいはその他のいろいろなものを勘案して考えていかなければならない。環境基準というものは、そういうものとは無関係に、人の健康と環境保全のための望ましい観点から決めるべきであるという御意見がありましたように、いま問題になっているのは達成期間。達成期間ということになりますと、国鉄がこれを実施しなければならぬわけであります。たとえば三年なり五年なり七年なり十年と決めれば、当然その間に国鉄がこれを実施していかなければならないわけであります。国鉄が実施をすること、これは一つのやはりコストであります。これは公害防止のための投資というものは、いかなる場合でもコストに違いないのです。コストだということになれば、これは企業内部の合理化によってそのコストをできるだけ吸収するか、そうでなければサービスの対価にこれを還元するかしかないわけであります。合理化はなかなかできないということであれば、これは当然何らかの負担増になって国民にはね返ってくるわけであります。
 ところが国鉄の場合は、私企業と違いますから、国会の御協賛を得なければ、立法措置でなければ運賃の改正もできないということであります。それでは運賃としないで、一般の税金からこれを出すかということになれば、いまの国鉄の現状、食管と国鉄というものは大変な赤字を抱えているわけですから、これを出すという場合には、国鉄がやろうと思っても国鉄だけの力ではできないわけでありまして、政府全体がその気になって、この環境基準を達成するために、その期間内において本当に協力をし合い理解し合って、あらゆる財政措置あるいは実質的な検討等も、運輸省から大蔵省から皆、一体になって、その気になってやってもらわなければできないということをるる言っておられるわけでございまして、国鉄そのものは、それはやりたくない、あるいはできない、それだけではありません。これはやろうとしても自分だけでできないことがあるから、そういうことを言っておられるのではないかと思う。それはまたもつともであります。
 ですから、われわれとしては、この環境基準達成のための達成期間というものを御答申いただければ、政府全体が立法措置やその他いろいろな準備をして、そしてこれに対応して、実施機関として国鉄にやってもらう、こういうことを考えないと、政府の責任は全うできません。そういう意味においては、私は答申をいただきました場合に、十分――どうも国会の最近のいろいろな答弁を聞いてみますと、物価問題から、公共料金凍結案が与野党を通じてえらい強い御意見が出ております。それからまた、今年中は運賃の改定等も行わないという、相当、政府の責任者の声明も国会であるようでございます。いろいろな点を考えますと、そういう点では、やはりこれは国民的な合意を得なければ、なかなかできない。その国民の合意を得るためには、各党が御理解をいただかなければできないわけでありますから、環境基準について、あるいは達成期間について、いろいろ先生方が御議論する場合に、ぜひその点も頭に置いていただいて、もう公共料金は三年間凍結だ、五年間凍結だ、一切やるな、それで環境基準は、ひどいところは達成期間を三年以内にやれということは、金がかかるのですから、そういう点も御理解をいただかないとできないので、私は大いにこうやって議論していただくことは大変いいことだと思っておるのです。それでお互いに一致点を見出して、国民的な合意のもとに、私どもは望ましい環境基準を一日も早く達成したいという念願に燃えているわけでございます。
#19
○島本委員 若干、私の質問とかみ合わないのです。と申しますのは、一たんこれが基準として、報告として、諮問に対する答申として出された、それを受けるのはあなた。あなたはそれを国鉄だけにやれというのでなく、当然、国鉄が主になってやります。しかしその場合、これを達成させるために必要な手段、達成させるために必要な方途は、やはりあなたも責任をもってこれを内閣に訴える。ことに内閣総理大臣は前の長官ですから、この事情は一番よく知って、真っ先にこれを解決しょうとした意欲を示したのですから、したがってもう閣議なりに、全閣僚こぞってこれに対して協力せよと、Z旗を掲げさすことだって、あなたの手腕でできるではありませんか。
    〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕
これまでだれも拒否していない。何かこの辺は大分、局部的に考えて、自分らだけが天下の大災害を一人で受けるのだ、こういうような気持ちになっているのではないかとさえ思うのです。私はそう思っているのですよ。どうもこの点で、あなたの答弁とかみ合わないのです。若干あなたはもう運輸大臣のような、料金値上げを認めてもらいたいようなことまで口走るに至っては言語道断であります。私は、そういうように考えてやるのがあなたの責任だと言うのです。これは内閣全体でやるべきですよ。そういうようなことはやはり環境庁として訴えるのです。必要な各官庁、協力するのがあたりまえではないですか。やはり人間の命は地球より重いのですから、そういうような見地ですよ。したがって、こういうようなことに対しては私としては何か割り切れないのです。
 というのは、何か前の会合で部会では、環境基準値については、国鉄側の方では、あくまでも行政達成の目標にとどめて規制基準とは一切しないということ、そうして政府援助や騒音迷惑料の新設などを新たに答申に加えてもらいたいということ、こういうようなことを主張する委員の意向を入れて、大体原案が了承されたということを聞いているわけなのです。聞いているといっても直接、政府からではない、新聞を通じてわれわれは知らされているわけであります。そうすると、なぜ、こうまでして達成に逡巡するのか。これは逆に長官が、こういうようなことに対してきちっとして、内閣こぞってこの協力体制をとれと言って環境基準を実施させる。内閣といったって関係省庁ですよね。そういうようにするのが当然ではないかと私は思っていたのです。ところが、それに対していろいろ条件をつけてきた。
 国鉄当局に伺いますけれども、行政上の達成目標にとどめて規制基準とはしないでほしいという、この根拠はどうなのですか。そして政府援助や騒音迷惑料の新設というようなことを新たに要請しているかのように、私は伺っているのでありますけれども、そういうようなことに対してはどういうことなのですか。
#20
○瀧山説明員 お答え申し上げます。
 いま、部会で国鉄がそのように主張しているというようなお話でございますが、実は部会におきましての内容の詳しいことははばかりますけれども、部会でもって十分な審議をしようではないか、専門委員会から原案が出ましたけれども、いろいろ環境の問題は影響が大きいので、広い立場から審議をしようではないかということで、いろいろ各委員から意見が出ておりまして、国鉄の立場といたしましては、国鉄はこの基準が出ましたら守る、また、いままでも実施について努力しておりますが、ただ、今回の基準値につきましては非常に厳しい内容でございますので、対象家屋が十三万戸にも及びます、国鉄の単独の力ではとても基準達成というのは不可能でございますので、期限を決めるためには、やはり必要な予算措置、最低の場合には一兆円を超すだろうというようなことが推定されておりますし、それからまた技術的な限界もございまして、やはりどうしても急ぐ部分は家の立ち退き、あるいはその家の改築というようなことが起きるわけでございますが、それには必要な行政措置であるとか立法措置とかいうものもお願いしなければならない。また実施いたしますには、地方の住民の方の御協力はもちろんでございますけれども、やはり地方自治団体の積極的な御協力がなければ、期限というものは決められない。こういうものをひとつ政府でもってお決め願って、それを条件でなければ、期限というものを簡単に賛成はできないという立場を、私どもはとっております。
#21
○島本委員 わかりましたが、そうすると、この専門委員会で決まって部会の方に持ち込まれてからも、話がもつれてきている、これは国鉄の態度が硬化しているのが原因だ、委員として部会に参加した国鉄の瀧山技師長は、もう三年から十年の達成期間では、国鉄は絶対にのめないと突っぱねている、専門委員会では国鉄も了承したではないかという他の委員の質問に答えて、これはもうその出席した坂という副技師長、これは専門委員だった一人ですけれども、それは五人の副技師長のうちの一人で、技師長の私の意見が国鉄の全般の意見だ、こういうようにして大みえを切ったということが報道されているのです。そのとおりでございますか。
#22
○瀧山説明員 いま、そういう御質問がございまして、新聞にも報道されております。私は若干の誤解があると思います。それは専門委員会で二年もかかった原案だから、そこにはまた坂副技師長が出ているのだから、これをそのままのむべきではないか、それを修正することは非常に後退だから困るではないかという御意見もございましたけれども、しかし専門委員会で物を進める段階にあたりまして、決して国鉄はそれを認めておらない。にもかかわらず、この案ができておりますし、それからまた部会の顔ぶれは非常に広範囲な方がおられまして、副技師長と技師長というのは立場が違いまして、坂君はいろいろ技術的資料を提供するという立場から参加したわけでございますが、いまの達成期間あるいは運賃、いろいろな問題広い議論が出てまいりますと、そういう立場から私が申し上げるということであって、決して私が感情的に技師長がえらいのだというようなことで言ったわけではございません。そういう印象を与えたとしたら誤解で、訂正さしていただきます。
#23
○島本委員 しかし、そういっても、やはり余りにも官僚的な受け答えだ、こういうように思うのは私だけではないのです。いまもうすでに人の健康よりも新幹線のスピードアップの方が大事だ、こういう時代ではないではありませんか。いま減速経済に移行しているというのに、国鉄だけスピードアップしなければならない、それだけを至上命令としなければならない、こういうような一つの考え方がどうもマッチしない。国全体はもう高度経済成長政策から減速経済に移行しているのです。国鉄だけなぜスピードアップしなければならないのですか。それはそれとしても、まだほかにもありますけれども、どうもその辺が不可解千万である。
 それと同時に、審議会では、運輸省の鉄監局長さんは後藤茂也さんですか、この鉄監局長が、期間を明示されても目標どおり達成実現できる見通しはないと反論の蒸し返しに終始している。しかし、東北大学の二村教授は、この場所で参考人としての意見の陳述にも、資料を示して、それがすでに技術的に可能である、もう実行段階で、あとは調整だけが残っている問題だということをはっきり言い切っているのであります。当然、委員会でもこの問題について論議になったと思うのです。二村教授などの専門家の意見は、これを聞いて論議されたのか、それともこういうようなことを全然無視して、これはできないのだと反論の蒸し返しだけに終始したのか、この辺はどうも私どもとしては理解に苦しむのです。一体これはどうなのですか、環境庁。
#24
○春日政府委員 部会の論議に当たりましては、専門委員会の委員長であります楠本委員あるいは部会長である五十嵐委員がおられまして、二村教授の御意見につきましては十分御承知でございます。そうして、そういったものを通じまして、専門委員会の報告がなされており、あるいは部会の審議も進められたわけでございます。
#25
○島本委員 実現できないという、この反論する根拠は、国鉄側、これはどうなのですか。
#26
○瀧山説明員 実は、二村先生には他の御先生と御一緒に、国鉄の新幹線騒音振動防止技術委員会にも御参加願って、いろいろ御意見を拝聴しておりますし、また、皆さんで意見の交換を一方では行っております。
 昨年、仙台新幹線工事局におきまして、二村先生の御指導のもとに騒音振動の実験をいたしたのでございますが、いまのところ、先生の御指示どおりの実験を行ったにもかかわらず、必ずしも期待どおりの効果が得られてない、まだ実験の段階だと私どもは理解しております。
 結論を申し上げますと、理論的には可能性があるということと、これを直ちに実現して実施するということとは別でございまして、現在の既設新幹線につきましては、これは先生も御承知だと思うのですけれども、短期間にこれを改善するということは不可能である。私どもはそういう意味で、八十ホンというものの非常に過大な期待を与えるようなことでは責任は持てない、こういうことを国鉄は申しておるわけでございます。
#27
○島本委員 その過大な期待を与えることはできないという根拠は、法的にどこにありますか。
#28
○瀧山説明員 これは法律の問題ではございませんで、技術の問題でございまして、いま走っておる新幹線に、先生の御提案のような防音の壁を真ん中に立てるとかなんとかということは、これは不可能なことでございます。それで、私どもは責任をもってはこれに約束できないということを、はっきり申しておるわけであります。
#29
○島本委員 そのほかに、では、スピードを落としたらいいではありませんか。落とされないという根拠はあるのですか。それから、人の健康を犠牲にしても国鉄は突っ走らなければならないという、こういうような憲法はあるのですか。どうしても急がなければならない、住民が困っていても、健康を無視してもやらなければならない、この根拠はどこにあるかと聞いているのです。
#30
○瀧山説明員 先ほどは技術的には不可能だということを申し上げたのですが、さらばそれでは、速度を落としたらどうかということも、御意見はございますけれども、速度を落とすことによる騒音緩和の効果というのは、実は非常に少ないものでございます。ですから、いま基準に出ております。十ホンというものを速度だけで達成いたそうといたしますと、新幹線の速度はいま二百十キロ出しておりますが、これを七十キロに落とさなければならない。在来の路線の特急は百十キロ出しておりますが、それでは新幹線でなくなってしまうという問題もございますので、速度を落としますことは、非常に輸送力の影響もございますし、利用されております新幹線の四十数万のお客の不便もございますので、その辺はどちらがいいかということを、やはり国民経済的な大きな判断で、国民全体がお決め願うべきものがあれば、国鉄はそれに従いたいと思いますので、軽々に速度を落とすということは、国鉄としては申し上げられない立場でございます。
#31
○島本委員 いまここへきて、私は記録を調べてきませんでした。したがって、いま調査室の方でこの根拠を調べてもらったのですが、確かに鉄道営業法第一条「鉄道ノ建設、車輌器具ノ構造及運転ハ命令ヲ以テ定ムル規程二依ルヘシ」ということに基づいて、新幹線鉄道運転規則第三条に基づいて、新幹線運転取扱基準規程五十四条に最高速度二百十キロ、こういうようなのがあるようです。二百十キロとあるから、これで走らなければならない、確かにそう思っているようです。あなたには、国民の健康を犠牲にしてまでも二百十キロで走らなければならないという、こういうような根拠がどこにあるのかと聞いているのです。国民の健康を犠牲にしてまで走る、犠牲にならないのに二百十キロを出すなとだれも言っていないのです。というのは、去年の六月五日、三木環境庁長官の当時、これはNHKの大ホールで自然保護憲章が決定したのです。そのときに自民党から各党全部行ったのです。私も行きました。そうして各党の意思表示もやり、行政はこれをすべて今度行政の中に組み入れる、各党も全部これに協力すると一致して決まった、その第三点には「開発は総合的な配慮のもとで慎重に進められなければならない。それはいかなる理由による場合でも、自然環境の保全に優先するものではない。」とある。自然環境保全、裏を返せば公害防除、こういうようなものに優先するものであってはならない、これが内閣総理大臣以下全部の一つの今後の行政の指針なのです。なぜ、二百十キロで走って国民に被害を与えても、これはやらなければならないのだ、こういうような時代おくれな感覚を持つのですか。いま高度経済成長から減速経済に移行しているでしょう。それをなぜ国鉄だけ突っ走らなければならないという至上命令に立つのですか、そこを考えなければならないと言うのです。私は、この問題に対しては、もっと皆さんの考え方について伺いたい。人の命、人の健康、これを犠牲にしてまでも、何で二百十キロ以上で走らなければならないのですか。去年の六月五日から政府の方針も行政の指向する方向も、きちっとしているはずなのです。これは国鉄の独善ではないかと思うのです。
#32
○瀧山説明員 新幹線を二百十キロで走らすことは国鉄の独善というお話でございますけれども、やはりこれは国民の一尺政府の御方針で新幹線をつくり、またいま運営をしており、しかも日本の経済に、私は非常に大きな役割りを果たしていると思いますので、その経済をどうするかという問題との見合いで、政府が御方針をお決めになれば、私の方はそれに従います。
#33
○島本委員 大臣、いまの答弁に対して、環境庁として、去年六月五日にこれを決めてきた三木内閣総理大臣、当時は環境庁長官、いまの環境庁長官は小沢辰男閣下、いまの答弁に対して、去年の決定を踏んまえて、環境庁長官としての意見を聞きたい。
#34
○小沢国務大臣 私は、部会でなるべく早くまとめていただきまして、達成目標期間というものを設定をして、みんなで努力をしていかなければいかぬと考えておりますので、何よりも人の健康を守るために必要な環境基準というものを一日も早く設定をしまして、それに向かって全力を挙げて政府も国鉄もひとつ努力をしてもらいたいと思います。そういうような意味で、また国鉄も政府の協力があれば、私はいろいろな隘路は打開されていくものだと思いますので、この点は私は、ただ環境基準達成期間を決めればいいという環境庁の仕事だけを、それをまた達成するためのいろいろな働きかけは十分努力をしていきたい、これは国民のためにやりたい、こういうふうに考えます。
#35
○島本委員 これはまた二十七日の部会での決着がつく公算は大きいと聞いているわけです。それでも国鉄や運輸省の反対のまま、もし告示に踏み切ったとしても、基準値も、それから達成期間三年から十年、これはあくまで行政目標としてで、規制も何もないのだ、単なる目標だ、こういうようなことに踏み切りたいという意向があるかのように思うのです。これでは努力しても目標に至りませんでした。できなかったらそれまでなのだという言いわけの口実になるおそれがないか、それでは大変なことになると思います。自動車の排気ガスの問題で後退している、今度は新幹線の問題においても、また振り回される、これでは長官本当に重大だと思うのです。ましてこれは長官の責任たるや重大である。またその姿勢、いまこそ国民に問われる重大な時期になっている。環境庁の命運もかかっている歴史的な瞬間ではないか、こうさえ意識しなければならないと思うのであります。私は、法で与えられている各省庁への指揮権、調整権、これを行使して、本当に十年以上もほったらかされてきた新幹線公害に終末をまさに告げる、これが二十七日の答申になって出るのではないかと思うのです。そして恐らくは余りにも赤字が多いために、国鉄の方では何かそのために幽霊を見ているようにして、ただおびえているのではないか。そうでなければ、それをもとにして、またどこかからごっそり金を取りたいというような、こういうような一つの考え方もあるのではないか、こうさえ疑われるわけであります。
 何より大事なのは国民の健康と命なのです。これを無視してスピードアップ幾らしても、あなた、国民経済に奉仕すると言うけれども、高度経済から減速経済になっていると何回言っていますか。それでもスピードアップだけするのが、これが正しいという考え方、とんでもないではありませんか。私はそういうような点からして、十分これは考えなければならないし、健康を守る上からも、可能な限り達成期間は短くしてやるべきであるのだ、これを考えているのです。そのかわりに長官としては、今度あなたも閣僚の一人ですから、これは全面的に三木さんに言ったりして、各省庁の協力体制を整えるのはあたりまえ、それを口実にして延ばすような考え方は拒否しなさい、またわからなかったら教えてやりなさい、私はこういうように思っているのです。そういうようなことからして、なるべく短くしておくべきだ、こういうようなこと。それと同時に、工事中の新幹線でも開業時七十ホンから七十五ホンを達成するように措置をするのが、住民の健康を守る上から当然である、こう思うのですが、環境庁、いかがですか。
#36
○春日政府委員 これは部会がただいま検討中で、最終的な結論は、おおむね方向は出ておりますが、次の二十七日にほぼ決まるものと私どもは考えておるわけですが、したがいまして具体的にどうということは、いまの段階で事務当局として申せませんが、工事中のものにつきましては、開業時直ちに、八十ホンというようなものはなくしてもらいたい、これは当然であろうと思います。ただ七十から七十五ホンというところは、それぞれ段階をつけて専門委員会では報告がなされておるゆえんは、すでに工事をしておるところでは、やはり一定の猶予期間というものは必要であろう、これが専門委員会の御報告の趣旨でございますので、私どもは、いまの段階におきましては、事務当局としては、その方向というものは十分に傾聴すべき御意見だろうと考えております。
#37
○島本委員 達成期間、これは三段階に分けてやっておりまして、この中間報告によりますと、「工事中新幹線鉄道沿線地域に係る期間」は、「80ホン以上の区域」は「開業時に直ちに」、「75ホンを超え80ホン未満の区域」これは「b」ですが、「イ、ロ」に分けてありまして、これはすべて「開業時から3年以内」、「C」地域「70ホンを超え七五ホン以下の区域」は、在来のものは「10年以内」となっているのを「開業時から5年以内」と、これはやはり三年と五年にしてある。ただし、これは「新設新幹線鉄道沿線地域に係る期間」は「開業時に直ちに」です。いまやっているのも、これも同じではないか、やりかけているのも、まだできないのですから、すなわちこういうようなものに対しても「直ちに」というふうにこれはすべきではないのか、このことなのです。これはできるのです。こういうようなことは大事だと私は思っておるのですが、環境庁、この点に対してはやはり期間を付してあるのです。これはまだできていない。いま、これからやろうとするもの、また、やっているところですから、これはやろうとすればできるわけです。この点も、期間を早めるためにも当然、これから新たに施工する段階の中に入れて処理するのがいいのではないか、こう思うのであります。この点では、環境庁いかようにこれを考え指導するつもりですか、もう一回。
#38
○春日政府委員 ただいまの御意見につきましても、非常に傾聴に値する御意見であろうと思いますが、中公審の専門委員会の報告は、こういうふうに工事中の新幹線鉄道沿線地域にありまして、八十ホン以上のものは「開業時に直ちに」、七十五から八十ホン未満のところは開業時から三年、あるいは七十から七十五というところは五年のリードタイムをやる必要があるという御意見、これまた、まことにごもっともな点でございまして、いずれにいたしましても、そういったものを含めて現在部会で御検討中でございますので、私ども事務当局といたしましては、御答申を得るまでは、その辺の判断につきましては御遠慮さしていただきたいと思います。
#39
○島本委員 少し急ぎますが、指針値七十ホンから七十五ホンでも、沿線の住民はまだ高いと言っているわけです。したがって国民の健康を保護するためには、健康に影響を及ぼさない限度を確保すべきであり、達成できなければ、その時点でその地域のスピードダウンが当然必要だということになるわけです。ことに名古屋のような地盤の弱いところ、またはその他、密集住宅地帯では、一定の距離を住宅との間に保たないか、または振動対策の行われていない個所、これに対してはやはりスピードダウンは当然ではないかと思うのです。それを全地域をスピードダウンする、すぐそういうように極端なことを言う。何でもないところだってあるのですから、その部分だけちょっとスピードダウンしてやる、こういうことだって可能なのであります。だだっ子のようにただ落とせと言えば全部スピードダウンするのだ、上げろといえば二百十キロにも上げるのだ、こういうような考え方に立つのはどうもいけないと思うのです。国鉄も人間のために国鉄があるのであって、人間を犠牲にしてまでも存在するというものではないはずなのです。それから経済の原則からしても国鉄だけ独走するというような考え方に立つべきではないと思うのであります。この点、国鉄の御意見を聞きたいのです。
#40
○瀧山説明員 ただいまの御質問、先ほどにも関係いたしましてちょっと申し上げますと、国鉄は実は非常にこの問題については誠意をもってやっているつもりでございます。人命の大事なこと、環境の大事なことも十分わきまえておりまして、先般出ました指針値というのがございますが、それを守るために技術的な開発も全力を挙げまして、山陽新幹線では高欄を高くするとか、あるいはマットを敷くとか、あるいは構造物は非常に重くするとか、鉄げたは全部やめてコンクリートにするとかいう技術的な開発と同時に、現在八十ホン以上の問題につきましては、全力を挙げまして賠償それからまたいろいろな地元の方に接触いたしまして、基準達成に努力していることは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後につきましても基準を守るということは、決してその骨を惜しむものではございません。
#41
○島本委員 環境庁長官に、これは特に大事ですから伺っておきたいのですが、もしこの二十七日に答申が決まったとすると、名古屋ではもうすでに裁判で住宅地域六十ホン以上では困るということでいま訴訟を起こしているのです。現在、係争中のこれらの訴訟を起こしている人に、この決定は進行中の裁判に悪影響を与えることにならないかどうか。これは考えなければならないと思いますが、この点いかがですか。
#42
○小沢国務大臣 個々の裁判に対する好悪の影響等を考えて、環境基準を決める意思は毛頭ございません。公害対策基本法九条に基づいて、先生が常にるるお話をされておられますように、そういう個々の裁判にいいとか悪いとかというようなことで環境基準を決めるのではなくて、人の健康を維持し、保護し、また環境保全のために維持されることが望ましい基準をつくるわけでございますから、ひとつその点は御理解をいただいておきたいと思います。
#43
○島本委員 もう一つ、新幹線による振動、これは騒音と密接不可分なものなのであります。対策もこれは当然一緒でなければならないものであります。振動の環境基準設定の見通しはどうでございましょうか。
#44
○春日政府委員 新幹線鉄道につきまして、騒音と一緒に振動の問題が沿線地域の方々に非常に大きな問題であり、被害を及ぼしているということは、私どもよく存じておるわけでございまして、環境庁といたしましては、中公審に新幹線振動の対策指針いかにあるべきかという諮問をいたしておるところでございまして、現在、騒音振動部会の振動専門委員会で審議を続けられております。振動につきまして騒音と異なる点は、基本となる測定単位の問題、測定機器の問題こういった問題でなお検討すべきことが多々残されております。したがいまして、委員会におきましてもいろいろな論議が行われておるところでございますが、これは問題の重要性にかんがみ、できるだけ早く御答申が得られますように、私どもは専門委員会にお願いをいたしておるところでございます。
#45
○島本委員 国鉄当局は、振動防止対策についてどのような程度のお見通しをお持ちでございましようか。
#46
○瀧山説明員 いま環境庁の局長がおっしゃいましたように、振動は技術的に非常に測定がむずかしいのでございますけれども、しかし、新しくつくりました山陽新幹線以降につきましては、高架線の寸法を大きくするとか、基礎を下げるとかいうことによりまして、東海道新幹線に比べてはるかに振動の少ない措置を講じております。しかし、既設の新幹線の振動対策につきましては、家屋損傷等の実害に対しましては補償することにいたしております。なお、人家密集地帯で振動の著しい名古屋地区につきましては、新幹線の両側二十メートルの区域内の住居所有者から家屋移転、跡地買い取りの申し出がある場合には、それに応ずることにして、協力しておる次第でございます。
#47
○島本委員 これは沿線住民の場合は、名古屋のような地盤の弱いところはもちろんでありますけれども、いままで十年にわたって被害をこうむってきたわけですが、今後さらにまた十年間耐え忍ばなければならない、受忍限度を超えている、こういうような声さえ聞かされるわけであります。まして、これは単なる行政目標以外の何物でもないという考え方、これでは人間を粗末にし過ぎます。まして、罰則もないのだというような考え方はお持ちにならないと思いますが、そういうような考え方では余りにも大それております。私はこれを申し上げておきたいと思います。同時に、何物にもかえがたいのは人間の命と健康なのであります。その上からも達成期間は短くすべきであるというのが、最後の私の希望であります。
 最近、これも私は委員会から聞いたのでもない、環境庁から聞いたのでもないのであります。ある新聞によりますと、国鉄の総裁は騒音問題について、長年連れ添った古女房、これは在来線のことを言うのでしょう。在来線のいびきはがまんできるが、新しく嫁いできた息子の嫁、これは高速新幹線のことでしょう、その高いびきはがまんできないというようなものではないかと言っているそうです。これはがまんするのがあたりまえだというような意味にとれることです。しかし私はこれを見たときに、これもまた国鉄官僚の思い上がりがある、こういうように思ったのです。確かに古い女房の方は、いびきをかくというのはちゃんとわかって嫁にもらったのです、在来線は。その狭いうちへ無理に同居してきた新夫婦が、障子越しに高いびきを堂々とかいている。かてて加えて金属性の歯ぎしりまで一緒にやられたら、どんなに顔美しい嫁であっても、がまんできないのはあたりまえではありませんか。これをもってしゅうと殺しというのです。すべて人畜に被害なく発展するのでなければ、今後新幹線の発展も国鉄の発展もあり得ない。このことを強く私は国鉄当局に要請いたします。
 時間が来たからやめろと二回も催促がきましたが、もっともっと言いたいのでありますが、長官、これは最後ですけれども、こうまで言った最後の結論が六月二十七日に出されるのであります。これこそあなたの在任中の本当に歴史的な一つの瞬間ですから、この点を踏まえて十分に対処してもらいたい。最後に世界に響くようなあなたの決意を伺って、私は終わりにしたいと思います。
#48
○小沢国務大臣 私の任務は人の健康を守っていくことでございますので、そういう精神に徹しましてできるだけの努力をいたしたい、かように考えます。
#49
○島本委員 ありがとうございました。
#50
○田中(覚)委員長代理 村山富市君。
#51
○村山(富)委員 休廃止鉱山の鉱害防止対策についてお尋ねしたいのですが、昭和四十八年に金属鉱業等鉱害対策特別措置法というものが成立しまして、その特別措置法に基づきまして、通産大臣が「使用済特定施設に係る鉱害防止事業に関する基本方針」を告示されております。その告示を見ますと、大体事業量が三百三十億円が見込まれて、責任者が存在していない施設については、五十二年度末までに鉱害防止事業を完了する、こういう方針が出されておりますが、現在、休廃止鉱山はどれくらいありますか。
#52
○大薗政府委員 六千鉱山ございます。
#53
○村山(富)委員 その中で、閉山してから五年以上経過しているもの、同時に、五年以内でも、破産をしたり能力がなくて実質的に鉱業権者あるいは租鉱権者が存在しない、こういう鉱山はどのくらいありますか。
#54
○大薗政府委員 大体、三千鉱山でございます。
#55
○村山(富)委員 四十八年度に事業を開始されて、現在まで完了されておる鉱山がどれくらいあるのか、あるいは五十二年度までに完了する見通しがあるのかどうか、この点についてお伺いします。
#56
○大薗政府委員 現在までの完了鉱山数については、いまちょっと調査いたしまして、すぐ御答弁を申し上げます。五十二年度までに終了という方向で万全の努力をいたしたいと思っております。
#57
○村山(富)委員 OECDのPPPの原則というのがありますね。この原則に基づきますと、鉱害防止については閉山後といえども鉱業権者に第一の責任があることは当然ですね。ややもすると安易に国や自治体に依存をして責任逃れをする、こういう傾向があるのではないかと思うのですけれども、通産省としては、その原則に基づいて厳しく指導しておるということについては間違いありませんか。
#58
○大薗政府委員 休廃止鉱山の鉱害防止義務につきましては、最終の鉱業権者が鉱害防止の義務を負うということは鉱業法の体系ではっきり決めております。したがいまして、御指摘のように鉱業権者が第一の義務を負うというのはおっしゃるとおりでございます。しかし、資力がない場合につきまして、あるいは鉱山は御承知のとおり大変昔から稼行いたしておりますので、鉱業権者が全くいなくなっている場合もございます。こういうふうなものにつきましては、国、地方公共団体が協力をいたしまして、措置を講じていくべきであろう、こういうふうに考えております。
#59
○村山(富)委員 言葉どおりに受け取ればそうなるわけですけれども、実際に休廃止鉱山等の指導に当たって、やはりできるだけその能力を補足をして、そして安易に国や県に依存をして、その権利者は逃げるというようなことのないようにするような指導をしていますか、どうですかと聞いているわけです。
#60
○大薗政府委員 大変、貴重な国の財源、地方の財源を使ってやっている仕事でございますので、ただいま御指摘のとおりの方針でやっております。
#61
○村山(富)委員 そういう指導をしておるにもかかわらず、いまお話もございましたように、鉱業権者が破産をしたりあるいは資力がなくなった、こういう場合にこの特別措置法を適用して、そして補助事業として鉱害防止をやられる、こういうことになっていると思うのですね。その場合に、金属鉱業等鉱害防止措置法あるいは鉱山保安法あるいは通産大臣が告示をされました基本方針等を見ましても、だれが責任をもってその鉱害防止事業をやるのか、その責任の主体というものが法律的に明確にされてないのですよ。鉱業権者が存在すれば、それが第一の責任があるわけですから、問題がないわけですけれども、その鉱業権者が不存在になった場合、いま説明がありましたように国がやるわけでしょう、あるいは自治体と協力してやるわけでしょう。その場合に、だれが一体そのあとの鉱害防止対策については責任をもって主体になるのかということについての明確な明文がないのですよ。それはどういうふうに解釈しておられますか。
#62
○大薗政府委員 鉱業権者が不存在の場合につきましては、国と地方公共団体が協力をしてこの鉱害防止をやっていく、こういうふうなたてまえにいたしております。
#63
○村山(富)委員 国と県が協力をしてやるというのだけれども、どこに明記してありますか。
#64
○大薗政府委員 法律上明記はされておりません。
#65
○村山(富)委員 そうすると、その責任の所在というのは明確ではないわけですね。
#66
○大薗政府委員 そういう制度で運用しているということでございます。
#67
○村山(富)委員 これだけの大きな問題を、一片の通産省の物の考え方で、制度で運用するというようなことでは、私は問題があると思うのです。これはさっきもお話がありましたように、体廃止鉱山は六千くらいあるのでしょう。莫大な金を使って事業を執行するのに、責任の主体が明確でないということは、私は問題だと思うのですよ。その点どうですか。
#68
○大薗政府委員 鉱業権者が不存在の場合あるいは無資力の場合の鉱山の鉱害対策につきまして、現在の制度を申し上げますと、国が基本計画を作成をする、そうしてそれに基づきまして工事を実施するわけでございますが、県が工事の実施主体になって工事を行い、国がこれに対して補助金を出す、こういうふうな制度になっております。
#69
○村山(富)委員 その制度を規定した法律はどこに書いてあるわけですか。
#70
○大薗政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、法律上明確に書いているところはございません。
#71
○村山(富)委員 法律上明確に書いてなければ、たとえば県なら県がいやだ、できません、こう言った場合には、どこが責任を持つのですか。
    〔田中(覚)委員長代理退席、委員長着席〕
義務はないのでしょう、法律に明記がないのだから。
#72
○大薗政府委員 現在は国と地方が御相談をいたしまして、そうしてそういうふうな事態は起こっておりませんし、今後とも両者協力をしてやっていく体制をとっていきたいと思っております。
#73
○村山(富)委員 それは、起こっているとか起こってないとかいうよりも、三百三十億円の金を使って仕事をやられるのでしょう。それで、これだけの大きな仕事を、法律的にだれが責任を持って、だれが事業主体になってやるのかということが明記されてなくて、ただ制度上運用するだけだ、こういうことでいいのですか。その点どうですか。
#74
○大薗政府委員 現在の制度御説明を申し上げまして、確かに法律上明定をいたしていないわけでございますが、鉱業権者不存在の場合あるいは無資力の場合の工事実施をどういうふうな体制でやるべきであろうか、こういうふうなことについての検討の末、地方公共団体等の御意見もいろいろお伺いをし、御相談を申し上げて、このような制度にいたしたわけでございます。
#75
○村山(富)委員 そうしますと、私がいろいろ調べてみますと、事業主体は地方自治体になる。そして補助要項に基づいて四分三の補助金を出してやってもらう、こういうことになっておるわけでしょう。事業主体に県がならなければならぬという義務が法律的にありますか。いままではそういうトラブルはなかったと言うけれども、これから起こったらどうします。だれが責任を持つのですか。そこを聞いているわけです。
#76
○大薗政府委員 鉱害防止の問題は、これは国民さらに地域住民の健康に関連をする問題でございます。したがって、こういうふうな問題について放置をするというふうなことは許されない問題だと思いまして、そのような問題に対処をしていくのは、国及び地方公共団体の責務であろうと思います。しかし、地方公共団体が、先ほど御指摘のように法律上明定をされていないので法律上の義務ではないではないか、こういうふうなお話がありました場合には、それは確かにそのような御主張のとおりでございます。
#77
○村山(富)委員 その場合だれが責任をもってやるのか。
#78
○大薗政府委員 それはやはり政策として国及び地方公共団体、共同してその責任を持っていくべきであろう、こういうふうに考えております。
#79
○村山(富)委員 これはまた後で触れますけれども、閉山前はもちろんだけれども、閉山後も、鉱業権者が存在をする場合には、自治体には何の権限もないのですよ。そして通産局あるいは鉱山保安監督局が監督指導するわけでしょう。鉱業権者が不存在になったときだけ、そのしりぬぐいを地方自治体にさせるというのは、どうも私は不都合だと思うのですよ。これはやっぱり国が最終的な責任をもってやるというのがたてまえではないかというように思いますが、その点はどうですか。
#80
○大薗政府委員 地域住民の健康を守っていく問題、国民の健康を守っていく問題は、公害対策基本法等にも書いておりますように、国及び地方公共団体の責務でございます。それで、確かに鉱業権の場合には国が付与し監督をいたしておりますが、鉱業権付与の段階におきましては、地域との関連性を考慮いたしまして、都道府県知事に協議をいたしまして、その協議に基づきまして鉱業権の付与等を現在は実施をいたしております。
#81
○村山(富)委員 その鉱業権者が鉱山を再開したりあるいは操業したりする場合に、それに関連をする鉱害防止や環境条件等について地方自治体の意見を聞くということに、たてまえとしてはなっておりますね。なっているけれども、それほど私は実効のあるような意見を聞いた話というのは余り聞いていませんし、現に鉱山については地方自治体には権限がないのですよ。いろいろ問題が起これば陳情するわけですよ。要請するわけですよ。全部、通産省が権限を持っているわけでしょう。そして調子のいいときには通産省は監督指導して、そして責任者がいなくなったあとのしりぬぐいは地方自治体が主体になってやる、こういうやり方というのはやっぱり私は問題があると思うのですよ。いまは行政が上から下へ流れていくような権力を国が持っていますから、やむを得ず聞くのでしょうけれども、これは相当問題がありますよ。そういうやり方については、やはり国が最終の責任を持つということを明確にして、そして地方自治体の協力を求めるというなら、まだ話はわかりますよ。だけれども、地方自治体に事業主体になってもらって、責任をもってやってもらうということについては、問題があるのではないかというように思うのですが、どうですか。
#82
○大薗政府委員 確かに国及び地方公共団体いずれが事業主体になるべきかというところは、御議論のあるところだと思います。昨年以来ことしにかけまして、鉱業審議会の中に蓄積鉱害問題についての部会を設定をいたしまして、この問題も一つの中心課題として、都道府県、市町村の代表の方も入っていただきまして議論をいたしたところでございますけれども、最終的な結論といたしましては、現在のような体制になっているわけでございます。
#83
○村山(富)委員 これは現在、そういう審議の過程を経てそういう体制になっているというのだけれども、あなた御自身は、いま私が申し上げたような意見に対してどう思いますか。不都合と思いませんか。
#84
○大薗政府委員 率直に申しまして、どちらの立論も成り立ち得る、こういうふうに考えております。
#85
○村山(富)委員 それはまた後で若干、時間があれば触れますから、先に移ります。
 具体的な事例についてお尋ねしたいのですが、大分県の緒方町に蔵内金属豊栄鉱業所というのがありますが、これが閉山して、鉱害防止対策についていまいろいろ問題になっているわけですね。この地域は三菱の尾平鉱山と蔵内金属があって、そしていろいろすずやら亜鉛やら銅やら砒素などを主要な製品として採掘しておったわけです。ちょうど四十三年ごろ、たまたま富山県のイタイイタイ病が社会的な問題になって大騒動しているときに、県の鉱害職員のパトロールによって、その流域に流れておる奥岳川という川にカドミウムが相当入っておったということが発見をされて大問題になったわけです。そしていろいろ鉱害防止対策もやり、一億六千八百八十万円の金を投じて土地改良もやって、やっと四十九年に完了した、こういう歴史を持っているところなのですが、こういうことがあったということは承知していますか。
#86
○大薗政府委員 存じております。
#87
○村山(富)委員 環境庁にお尋ねしますが、現状のたとえば水質やらその他の鉱害に関する保全状況は、どういうふうに把握されていますか。
#88
○大場政府委員 土壌汚染の問題につきましては、いま先生が御指摘になりましたように、四十五年から四十九年に多額の事業費を投じて事業したわけであります。それで一応事業は完成している、こう判断しております。対策は完了したと見ております。
 水質の問題につきましては、毎年、基準点をつくりまして水質の監視測定をしておりますが、カドミウムの濃度につきましては検出せずということで、環境基準を満足しております。
#89
○村山(富)委員 相当、地元の負担がかかり、大騒動したあげく、いまお話があったような結果になっているわけです。一応いま落ちついているわけですけれども、たまたま蔵内金属の豊栄鉱業所が閉山をする、破産をしたということから、破産後の豊栄鉱業所の鉱害防止対策がいま問題になっているわけです。この豊栄鉱業所につきましては、大体、昨年七月ごろから不況が言われて、閉山をするのではないかというようなことがうわさをされておりました。そういううわさがあって後、県は再三再四鉱山保安監督局あるいは通産省の鉱山局に、閉山後の鉱害防止対策について、福岡まで足を運んで要請しているのです。もう時間がありませんから経過は詳しく申し上げませんが、八月ごろからずっと何回となく陳情やら要請をしているわけです。ところが、それでやっと福岡の通産局が腰を上げたのは十二月の十六日です。これは通産局の鉱業課長が鉱山調査をやっているわけですけれども、この調査は一体どういう調査をされたのですか。
#90
○大薗政府委員 その点につきましては、いまちょっとよく実態を把握しておりませんので、答弁をお許し願いたいと思います。
#91
○村山(富)委員 たとえば福岡の通産局に鉱業課があり、あるいはもう一つ鉱山保安監督局がありますね。鉱山保安監督局は鉱山保安法に基づいて、一鉱害防止対策などについて保安上の問題を主としてやる。鉱業課の方はむしろ業者の育成指導をする、こういう任務を持っているわけではないですか。どうですか。
#92
○大薗政府委員 通産局の体制でございますが、お話のとおり鉱山保安、鉱害面の取り締まりが鉱山保安監督部で行い、それから鉱業の生産面、技術面に対する指導等は鉱山部の鉱業課において行っております。
#93
○村山(富)委員 まあその調査の内容は後で聞きますけれども、そういう任務をもって行かれたわけですから、豊栄鉱業所、蔵内金属の当時の経営の実態なり事業内容というものは、つぶさに調査されたと私は思うのですね。したがって、そういう状況にあるということは、もう福岡の方でも承知をしておったというように私は思うのです。十二月の二十六日に初めて監督局が社長、所長を呼んで閉山に伴う保安対策を指示しております。ところが三月の二十二日に鉱山は閉山をしたわけです。
 私がお尋ねをしたいのは、もう昨年の七月ごろから、そういう状況にあったことはわかっていたわけですよ。したがって、もっと早く手を打てば、こういう状況になる前にもっと対策はとられたのではないか。さっき冒頭に申し上げましたように、鉱害防止については鉱業権者に責任をもってやってもらうというのが原則でしょう。その鉱業権者がみすみす倒産をして、破産宣告まで受ける状態になるまで、余り機敏な手を打たずにやられておる、こういうことについて私は釈然としないわけですよ。しかも、地元からは再三再四、事情を説明して要請に行っている、こう言うのですね。最初に来たのは十二月の十六日に、これは恐らく事業内容の調査に行ったのでしょう。そして十二月の二十六日に監督局へ呼んで、その保安対策について指示をしているわけです。しかも三月の二十二日に閉山をしてから、三月の二十六日から二十九日までの四日間、本格的な調査に入っておるのです。だからこれは閉山をしてから鉱害防止対策について調査に行ったのです。閉山をするということは、もう前からわかっているわけです。なぜこういう手抜かりがあるのか、こういうふうに手の打ち方が後手、後手になるのか。どうですか、その点は。
#94
○大薗政府委員 破産の問題につきましては、経済情勢の推移等もございますので、なかなか事前の的確な把握というのは困難な面もあるかと思いますけれども、ただ、会社の業態がそのようなおそれがあるときには、十分に事前に手を打たなくてはいけないということは、御指摘のとおりだと思います。
#95
○村山(富)委員 しかも四月の十三日に会社の方が回答している。四日間、現地調査に入って、そして具体的に十四項目の指示をしておるわけですね、八千万円の事業費で十四項目の指示をしておる。それに対してその鉱業所の方は、三百万円程度しか負担をする能力がない、できません、こういって回答しておるわけですよ。その回答を受けて、さらにまた四月の十九日に局長名で再度、局長指示書を出しているわけですね。それに対してまた同じ回答が来ておるわけです。そして監督局は五月の十二日に聴聞会を開いて、そして鉱山保安法の第二十五条に基づいて措置命令を出しているわけです。その措置命令を出したのは十三日ですね。ところが会社の方は五月一日に裁判所に破産の申し立てをしているのです。そして十五日に破産宣告が出ているわけです。おかしいではないですか。もう昨年の七月ごろから、この会社は閉山するぞ、危ないぞと再三再四、県の方からも話をしておる、地元からも話をしておる。にもかかわらず腰を上げずに、生産を落としたり職員の解雇をやったりなどしてトラブルがあった。そのトラブルがあった時点でやっと調査に入って、そして本格的に鉱害防止に対して調査に入ったのは閉山後ですよ。しかもそういう指示書に対して会社は同じ回答を何回もしておるのに、わざわざ聴聞会を開いて、さらに措置命令を出した。そのときにはすでにもう会社は破産宣告をされる二日前であった。この経過に間違いありませんか、ちょっと確認しましょう。
#96
○大薗政府委員 ただいまお話のありました経過は間違いないと思います。
#97
○村山(富)委員 そうしますと、これは結果から言うのではないのですよ、具体的な事実経過だから。
 そうしますと調査に入って、鉱害防止に対する指示書を出して、会社からは二回にわたって同じ回答をもらって、もうこの会社は能力がないということは大体判断がついておったと思うのですよ。にもかかわらず実効の伴わない二十五条に基づく措置命令を出して、そして二日後には会社は裁判所から破産宣告を受けている、こういう関係を見ますと、何か後で問題にならぬようにするために法律的な手続をとった、それまでは全く大した手も打たなかった、こういう通産省のやり方については、やはり大変、私は疑問を持ちますよ。どうですか、その点は。
#98
○大薗政府委員 先ほど命令書の交付のことにつきましてお話がございましたけれども、鉱業権者が鉱害防止義務を負うということは、法律上明瞭になっている義務でございます。したがいまして、この鉱害防止義務を果たすように努めるということは、資力あるいは財政状態の問題と関係ございませんので、鉱山保安法二十五条に基づく命令を交付をいたしたわけでございます。
#99
○村山(富)委員 この会社はいい時代もあったのですよ。それが昨年七月ころからだんだん経済情勢に押されて、そして落ち目になっていったわけですね。ですから、そういう時点からもう少し機敏な手を打っておけば、言われるように鉱業権者が責任をもってやれたかもしれない。それが破産宣告を受ける二日前に措置命令を出すなどということは、どう考えたってこれは私は無責任だと思うのですよ。形式的に法律でこうなっておるから、いまあなたが言われたように資金などには関係ない、当然責任があるのだからやりました、実効を伴わぬではないですか。資力がなければ、あとは国と地方自治体がやるのでしょう。だからどうせ国と地方自治体は、こういう制度があってやるのだからいいわ、こういう安易な気持ちでやったのか、なれ合いでやったのかよくわからぬけれども、そういうふうにとられてもしょうがないではないですか。どうですか。
#100
○大薗政府委員 鉱業権者が鉱害防止の義務を負うということはもちろんでございまして、それで金属鉱業の鉱害復旧の特別措置法につきましては、ただいまのような先生の御趣旨を入れまして、鉱山を稼行している段階から積立金をさせる、そして鉱業をやめた段階に、それを取り崩しをして鉱害防止費用に充てるというふうな制度を、その法律で設けているわけでございます。したがいまして、精神としましては、そのような方向でいままで努力をしてきたつもりでございます。
#101
○村山(富)委員 最初に指示書を出したときに八千万円くらいの工事費で出しているわけですね。それに対して三百万円しか能力がないといって、二回にわたって回答しておるわけでしょう、しかも積立金というけれども、積立金は四十八年からできて、何ぼあるのですか。百八万ぐらいでしょう。そんなことでできるわけないではないですか。ですから、もう能力がない、資力もない、実行は伴わぬ、だけれども、法律でこうなっているから責任追及だけしなければいかぬといって出しているようなものではないですか。結果的に見ればそうでしょう。そういう無責任な監督指導については問題がある。時間がございませんから、後へいきますから、それだけ指摘しておきます。
 そこで今後の問題について具体的にお尋ねしたいのですが、いま、閉山後四人の保安要員が残って管理しているわけです。しかし、この四人の保安要員は、さっきお話しになりました積立金が百八万しかないので、人件費を計算してみても七月いっぱいでもうなくなるのですよ。なくなった後どうなりますか。
#102
○大薗政府委員 豊栄鉱山につきましては、数項目の鉱害防止のための指示をいたしております。その指示に基づきまして、坑口の閉塞等の業務につきましては、豊栄鉱山が自分で実施をいたしておりますが、先ほど御指摘のように資力がないということで、堆積場の覆土のことでありますとか坑水の処理の問題につきましては、現在の資力ではできないということでございます。したがいまして、坑口の処理は会社にやらせますけれども、残りの堆積場の覆土の問題あるいは坑水の処理等の問題は、鉱業権者が不存在の場合の鉱害防止工事の例に従って処理をしていきたい、このように考えております。
#103
○村山(富)委員 私も現地に行ってみましたけれども、坑内水は今度の集中豪雨などで、もうほとんどいっぱいになっていますね。これはあふれ出る可能性が十分あります。同時に、選鉱場などに堆積されている鉱滓というのはもう大変なものです。人がおって操業しておれば十分手が回るでしょうけれども、四人ぐらいの保安要員がおったのでは、手がつくような場所ではないのです。これがまた集中豪雨で流出しますよ。しかも堆積場を見ますと、ほとんどいっぱいになっていますね。こういう状態にあるときに、四人の保安要員はもう来月“いっぱいぐらいでなくなる、こういう状況にあるわけです。
 で、お尋ねしますが、地元との話し合いはどういうふうになっていますか。時間がありませんから重ねて聞きますが、話し合いの状況と、それから事業費は大体どれぐらい出されているか、本格的に工事にかかれるのは大体いつごろと予想しておるのか、その三点について答えてください。
#104
○大薗政府委員 具体的な数字の問題は、担当課長から答弁させていただきます。
#105
○嶋田説明員 お答えいたします。
 ただいまの豊栄鉱山の閉山に伴う措置の問題でございますが、福岡鉱山保安監督局は、従来から閉山後の鉱害防止対策について監督指導を行って、万全を期するために閉山直後に、先ほど先生お話がありましたように監督検査を実施いたしまして、坑口閉塞、堆積場の覆土、植栽等について改善指示を行ったわけでございます。その後、抜本的な対策の一環としての堆積場の補強等が未実践ということで、鉱山保安法第二十五条命令を行ったことも事実でございます。
 それからさらに鉱業権者蔵内金属鉱業株式会社は五月十五日に破産宣告を受けたために、監督局では、破産管財人に対しまして鉱害防止対策について協力を要請するとともに、恒久的鉱害防止対策を休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金制度によって実施するということで、大分県と鋭意折衝を行ってきたわけでございます。その結果、坑水処理施設の財産処分が保留され、六月二十日、大分県知事と監督局長との話し合いで、県で補助金工事により抜本的な恒久対策を実施するということになりまして、現在、実務的な詰めを行っているわけでございます。
 なお、当面必要とされる坑内水処理費、これはいま先生御指摘のありましたように六月二十日の段階で中和処理が必要になってきて、現在しておるわけでございますが、これは鬼ほどの取り崩し金坑内水関係百四十五万四千円というお金で、石灰その他を購入いたしまして、また、これを人件費に充てまして、当面、急速に必要な中和処理を行っておるわけでございます。
 そのほかに恒久対策工事というのがございまして、これは、操業時におきましては、先ほど先生おっしゃられたように操業の人間がおりますので、手当てが入るわけでございますが、その後、閉山ということになりますと、いろいろな心配がたくさん出てくるわけでございます。この工事の内容につきましては、第二堆積場の整形、覆土、水路といった工事に約六千万円かかります。それから第一、第三堆積場の覆土、植栽それから乾燥場の跡地の被覆、植栽、そういったもので二百十七万、陥没個所の上部排水溝三百七十万、選鉱場の残鉱処理五十万、それから流送のといの取りかえが必要でございますが、これが百二十万ということで、現在の見積もりによりますと六千八百万という恒久対策費が必要である。それに先ほど申し上げました水処理でございますが、これが月約百万円必要であるというふうになっておるわけでございます。
#106
○村山(富)委員 私はさっきも申しましたように、実際に現地にも行ってみましたけれども、いまお話があったその工事内容だけでは済まされないのではないか。現に積立金の取り崩しはもう七月いっぱいでなくなる。しかもいま四つの堆積場がありますね、四つ全部でなくたって、この堆積場は土をかぶせて植樹をするのでしょう。そうしますとこれから出てくる坑内水やらいろいろな廃水を処理するためには、また新しく堆積場をつくらなければいかぬ。そうでなければ処理できぬでしょう。どうですかそれは。
#107
○嶋田説明員 お答えいたします。
 坑内水中和処理によりましてやはり残渣が出てくるわけでございます。これは現在の堆積場へ入れながらやっていくということになるわけでございますが、もしこれが今後の正確な調査によりまして、それではならないということでございますと、やはり新たにつくる必要が生じてこようかと存じます。
 そこで、この豊栄炭鉱の今後の恒久対策に、それでは一体、幾ら要るのかということにつきましては、私ども、金属鉱業事業団が、昨年の制度改正ということで、本年から調査、指導に積極的に乗り出すということになってございますので、金属鉱業事業団の方から専門家を派遣いたしまして、正しい見積もりを早急に行いたい、かように考えておるわけでございます。
#108
○村山(富)委員 事業団から調査に行って、正しい工事計画をつくって見積もりをするというのだけれども、さっき申し上げましたように、もう早急に手を打たないとこれは間に合わないですよ。大体いつごろから工事にかかる見通しですか。
#109
○嶋田説明員 お答えいたします。
 これは現在、県と事務的な折衝というようなことで、基本的には詰まってございますので、あと事業団の調査その他につきましても、七月初めから早急にかかるということにいたしてございまして、一方、必要な事務手続につきましても早急に詰めて、余り遅くならない機会に、いまの坑廃水処理を、確かに七月、ないしは若干もちましても八月ぐらいで積立金は終わりになるわけでございますので、それに間に合うように、なるべくならば、これのつなぎというようなことにならないように鉱害防止補助工事をいたしたい、かように考えてございます。
#110
○村山(富)委員 なかなか話が詰まりませんけれども、時間も参りましたので、結論を急ぎます。
 そこで、冒頭に申しましたように、責任の主体はどこにあるのかという問題ですよ。いいですか。いま県との話はうまくいっておって、大体その見通しがあるというふうに言っておりますけれども、私はそうは理解してないのですよ。それは局長と知事との話し合いの中では、そういう話もあったやに聞いておりますけれども、ただ、この地域に関連する町村が二つあるのです、緒方町と清川村。清川村はこれは被害村ですから、もう一銭の負担もできない、むしろこっちは見てもらいたい方だ、こう言ってますよ。それから緒方町は、これはおとといからの議会で、当然これは国が責任を持つべきだ、緒方町は一切責任を持たない、事業主体にならない、議会でこういう議決をしていますよ。ですから、必ずしもうまくいっているとは言えないのです。それは知っていますか。
#111
○大薗政府委員 現在、鉱害防止事業費の四分の主を国が補助金で支出をし、四分の一が地元の負担になっております。この四分の一の負担につきまして、地元の県、市町村にどういうふうな配分をするかというのは、事例によっておのおの異なっておりまして、大分県の場合にどのような配分になるかということについては、私どもまだ聞いておりません。それと同時に、先ほど御指摘がありました地元市町村の議会等の動きについては存じておりません。
#112
○村山(富)委員 ですから私は、県もやはり中に入ったようなかっこうで困っておると思うのだ。町村からは突き上げられる、上からは言われる、むげには断られぬという状況にあるのではないかと思うのですね。ですから、言われるように必ずしもスムーズにいっておらないと私は判断をするのです。その問題はどこにあるのかといえば、やはり責任の所在が明確でないからです。この特別措置法が審議されたときの議事録を見ましても、いろいろ議論されておりますけれども、第一、一般土木事業と違うでしょう。これは専門的な技術を要する特殊な事業です。ですから言うならば、やはりそういう仕事に対応するだけの条件がありませんよ、地方自治体には。これが一つです。そのために事業団が調査をし、基本的な設計をやるのでしょう。マスタープランをつくるのでしょう。それだけむずかしいのですよ。しかも先ほど来、私が申し上げておりますように、これは言葉は大変悪いけれども、調子のいいときには国が監督指導しているのです。調子が悪くなったら、そういう仕事を自治体におっかぶせるのです。責任を持たせるわけでしょう。そして国は金だけ出してやって、そして事業の監督指導は、それは事業団がするかもしれませんよ。こんな割りの合わぬ話はないのですよ、理屈に合わぬ話は。だから町議会が全会一致でそういう議決をするのは当然だと私は思うのだ。これは私は、やはり国か事業団が責任をもってやる、そして地元に協力を求めるというのなら話はわかりますよ。そういうものにすべきではないかというように思うのですけれども、事業団がやるということについては、これはできないのですか。
#113
○大薗政府委員 本件につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、昨年来、検討いたしてまいりまして、現在のような制度になっておるわけでございますが、昨年以来の検討の経緯を申し上げますと、従来、国の補助につきましては三分の二でありましたものを四分の三に格上げをいたしております。地方公共団体の財政力というふうな観点を考慮いたしまして、このような補助率の増加をいたしたわけでございます。それと同時に、従来から金属鉱物事業団におきまして、鉱害防止工事の技術指導につきましては仕事をいたしておりましたけれども、それを画期的に拡充をいたしまして、人員も増員をいたしまして、地方からの技術相談に応じ得るような体制をつくったわけでございます。国といたしましても、ただいま申し上げましたような改正を本年度いたしまして、この問題に対処をいたしてきているわけでございますが、確かに御指摘のように、国及び地方公共団体の責任の分担をどうするかということは、議論のあるところだとは思いますけれども、現在はいま申し上げましたような体制でやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
#114
○村山(富)委員 これは議論の分かれるところですから、ここで議論してもしようがありませんから打ち切りますけれども、今後、仮に自治体に事業主体となってやってもらうにしても、最終的な責任は国が持つ、こういう立場を明確にすべきだと私は思うのです。その上で自治体に協力を求めてやっていただくというのなら、まだ話はわかりますよ。しかも四分の三でしょう。四分の一は地元が負担するわけでしょう。たとえば鉱産税やら鉱区税が入る、あるいは給料をもらうから住民税も入る、だからメリットがあるというふうに言うかもしれませんけれども、この事業所に関する限りは何にもメリットがありませんよ。滞納で入ってないし、鉱区税や鉱産税は何ぼ入りますか。しかも、その事業に投資をしている金から計算をしますと、私は調べましたけれども、大変な出費です。その上に四分の一の負担をしてしりぬぐいをしなければならぬ。こんなばかな話はないです。ですから、この点は議論のあるところですから、今後ひとつ部内で十分検討していただいて、そういう責任ある国の態度を示してもらいたいということを要望しておきます。
 そこで、最後に確認をしておきたいと思うのですが、先ほど申し上げましたように、四つの堆積場は早晩だめになるわけです。ですから、埋めて植樹をするということになるでしょう。そうすると土地もありませんけれども、しかし、いずれにしても新しい堆積場をつくらなければいかぬわけです。新しい堆積場をつくる場合に用地買収費が要るわけですけれども、用地買収費はこの補助金の中に入っていますか。
#115
○渡辺委員長 時間が来ていますから、簡潔に答弁してください。
#116
○嶋田説明員 お答えいたします。
 入っております。
#117
○村山(富)委員 それでは、あと二つですから同時に言っておきますけれども、これはさっきも申し上げましたように、一般土木事業と違うから非常にふなれな仕事をするわけですね。技術的に対応し切れない面がある。事業団は単にマスタープラン、基本計画をつくるだけではなくて、最後まで責任をもって指導するのかどうかということが一つと、それからもう一つは、これはある意味では半永久的な仕事です、坑廃水が出るわけですから。その半永久的な仕事をさせられる事業主体になる。これは県がなるか町がなるか知りませんけれども、仮に自治体がなった、その過程に何らかの被害が起こった、あるいは終了したあとで被害が起こった、こうした場合に、その責任は一体どこで持つのか、この点を明確にしてください。
#118
○大薗政府委員 地元の市町村の実態等につきましてのお話もございましたので、金属鉱物事業団につきましては、十分に指導をするように、私どもの方からも話をしてまいりたいと思っております。
 それから、もし事業を実施をいたしまして、設計あるいは管理等に瑕疵がありまして、それで問題が起こった場合につきましては、その事業主体の責任、こういうふうなことになると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、金属鉱物事業団が十分な指導をして、そういうふうな事態のないように万全の措置をとっていきたい、このように考えております。
#119
○村山(富)委員 これはその工事設計に瑕疵があったり工事施行に瑕疵があったりすれば、それはその工事をやった人間、設計をやった人間が責任を持つのはあるいはやむを得ぬかもしれない。しかし仮に瑕疵がなかったとする。ただしこれは人がやることですからわかりませんよ、しかも、あれだけ広大な複雑な地形の中でするわけですから。何らかの被害があったという場合に、最終の責任はどこが持つのですか。
#120
○大薗政府委員 先ほど来、申し上げておりますように、国と地方公共団体が協力し、責務をもってこの事業をやっているというふうなことでございますので、先生御指摘のような事態が、どのような場合に起こってくるか、ちょっと私、わかりませんけれども、そのような場合には、この鉱業権者不存在の場合の鉱害防止事業に関する責務の観点から処理をされていくべき問題であろうと思っております。
#121
○村山(富)委員 責務の観点から処理をするといったって、責務がどこにあるのかと聞いているのです。ですから私は、もう申し上げませんけれども、法律的にちゃんと責任の所在を明確にして、そしてやはり国民に、住民に安心してもらう、しかも仕事は責任をもってやる、何かあったときには責任を持つ、こういう責任の所在を明確にしなければいかぬと思うのです。法律的にはどこにもありませんよ。仕事をした上、しりぬぐいをした上、多額の投資をした上、何かあったら、またその事業主体が責任をかぶらなければならぬ、そんな不都合な話はないですよ。ですから私は、これは最終的には国に責任がある。これはこの措置法が審議されるとき、当時の中曽根通産大臣は言っていますよ。最終的には健康にして文化的な生活をする保障を国がしなければならぬのだから、国に責任があると思いますと、こう言っているけれども、不明確ですから、ここでだめ押ししたわけです。ひとつ法の不備は十分検討して、そういう方向になるように、最初から責任を持つなら最後まで国が責任を持つという体制を、ぜひともつくってもらうように強く要望して、私の質問を終わります。
#122
○渡辺委員長 米原昶君。
#123
○米原委員 私は、先ほど島本委員から質問のあった新幹線騒音の問題について、もう少し詳しく聞きたい点があるのであります。
 専門委員会の報告は、長い間苦しんできた住民の立場からすれば、まだ非常に不十分なものである、こういうふうに先日も、この委員会で代表が述べておりました。しかし、これすら後退させようとする動きに対して六月五日には、これを心配した住民たちが、そうしたことのないように部会長らに強く申し入れを行っております。環境庁として、いま出されている専門委員会報告を一体、どう評価しておられるのか、そしてこの専門委員会報告を後退させるなという住民側の要求は、控え目で、ささやかで、しごく当然な要求だと私たちは思うのでありますが、その点について、環境庁はどう考えておられるのかということを聞きたいのであります。
 実はこの問題は、すでにこの委員会で問題になって、五月二十三日の委員会では春日局長は、審議中なので事務局という立場から審議内容について意見は言えない、こういうことでそのときは一切、発言されなかった。しかし、きょうの島本委員の質問に対しては、審議の経過について、まだ最終的結論は出てないわけでありますけれども、どこまで問題が煮詰まってきているかについても、ある程度話があったのです、事務局としての答弁かもしれませんが。ですからその点で、最初に春日局長にもう一点、この問題について聞きたいのです。基準値の点では大体一致に達しているが、達成期間について国鉄側が難色を示している点はわかりました。達成期間のほかに、専門委員会の報告の提言の中にあった「運行方法の改善」すなわちスピードダウンの問題です。このスピードダウンの明示の問題がありましたが、これについても先ほど島本委員の質問に対して、どういうふうに考えておられるか、国鉄側の意見もありましたが、これは審議会では一体どのように問題になって、どこまできているか、そういう点についてお聞かせ願いたいのです。
#124
○春日政府委員 スピードダウンの問題でございますが、確かにいままで六回の審議の間に話題に出たことはございます。それについての若干の質問、それに対するお答え等はございましたけれども、それによって最終的にスピードダウンをすべきではないかとか、あるいはしてはならぬとか、そういう結論はなかったように記憶いたしております。
#125
○米原委員 そうしますと、先ほどの島本委員の質問の中で、一体、スピード問題について法的な根拠は何かということで、島本委員の方から話がありまして、鉄道営業法の新幹線運転取扱規準規程の中で、五十四条で最高速度二百十キロという規定がある。法的に言えば、いわばこれが唯一の根拠になってやられているのであって、当然スピードダウンということを考えることは差し支えないことだと思うわけですが、では、この点は結論的にはやるとかやらぬとかということはまだ煮詰められていない、もしくは問題になっていない、こう理解していいわけですか。
#126
○春日政府委員 少なくとも、部会の討議の中ではそういう論議はございましたけれども、それについて明確にやるとかやらぬとか、やってはならぬとか、あるいはやる根拠はこうであるとか、そういう結論は出てなかったように記憶いたしております。
#127
○米原委員 それではさきの問題に返って、さらに質問します。
 先日の春日局長の答弁では、審議中なので、事務局という立場から審議内容について報告は別として、意見を言えない、こういうような答弁があったわけです。もちろん審議会は独立した機関でありますから、この審議に介入しないのは当然であります。しかしこの審議内容をめぐって、被害住民を中心にして非常に切実な意見が多く出されているときに、介入になるからといって沈黙するのは、私、環境庁の方針としておかしいではないか。ここで一定の見解を述べたからといって、審議会に対する介入にはならぬし、むしろ環境を保全し、住民を公害から守る責任のある環境庁として、こうしたことに対して一定の見解を述べる義務がある。環境庁は当然、意見を述べるべきである。これが当然ではないかと私は考えるわけです。この点について実は大臣どう考えておられるか。こういう問題が起こったときに、環境庁がなぜ意見を述べて悪いのか私、不思議なのです。この点について大臣の見解をお聞きしたい。
#128
○小沢国務大臣 私どもが新幹線騒音の基準をつくる必要を感じまして、信頼する中公審の委員の皆さんにお願いをしているわけでございますから、そのお願いをしているわれわれが、まだ答申も出ないのに公のこういうような場で、それについてあれこれ見解を述べるということは余り好ましいことではない。ただ、私どもの立場は人の健康を守るというところにございますので、審議会の事務局としては、審議会の委員の方々や取りまとめの責任者の方々に、いろいろとお願いをしたり、助言をしたり、あるいは説明をしたりということはあろうかと思います。
#129
○米原委員 事務局の立場というのはわかるのですよ。しかし、事務局としてそういう立場で物を言うということと、環境庁は環境行政の直接の一番の責任を持っているわけですから、環境庁として意見を言うことが一切いかぬというわけにいかないのではないか。
 その点で聞くわけですが、たとえば四月二十四日の部会では、運輸、文部、それから経企庁、自治省、建設省、各省庁が、文書でいろいろな意見をこの委員会に対して述べているわけですね。また、二十一日の部会でも運輸省が意見を述べて、それから運輸大臣も記者会見などで、この問題についていろいろ意見を述べているわけです。介入ということをそういうふうに狭く解釈すると、こういう各省庁が意見を述べたことまで介入になるではないか。そういうように各省庁が言っているのに、環境庁は何も言わないというのは、私は非常に不思議なのです。そういう意味で聞いているわけですが、各省庁がこれで意見を述べるのは、私は介入になるのではないと思うのです。むしろ介入にならない、そう思うわけですし、実際、楠本委員長がこの委員会に来られたときも、部会として各省庁の意見を求めたことも述べておられるわけで、各省庁が意見を述べることは介入ではないと思う。ですから述べ方は、事務局としての述べ方とは違うと思いますけれども、環境庁として述べることはむしろ当然ではないか、こういうふうに疑問を感ずるわけなのです。この点、明確にしていただきたいのです。
#130
○小沢国務大臣 私が先ほど言いましたように、事務局としての立場の環境庁がいろいろ言っている、したがって、環境庁の態度、姿勢、考え方というのは十分伝わっております。その点は御心配要りません。ただ、こういう席上で私が責任者として、審議会で審議をしているのに、それについていろいろ申し述べることはいかがか、こういうことで言っているわけでございます。
#131
○米原委員 運輸省やその他の省庁が意見を述べて、環境行政の担当者である環境庁だけが何も言わないというのは、私は全く奇妙な現象だと思っているのです。文部省や経企庁の文書を見ますと、環大特第四十号で依頼の文書があって、特殊公害課長あての回答が出されているわけですね。結果を見ますと、住民を守るべき環境庁の方は何も言わない。そして、専門委員会の報告に水をかけるような各省庁の意見の集約だけを環境庁がやっているわけであります。常識からしまして、こうしたことは全く私は理解できないのです。
 さらに、細かい点を聞くようですが、こうした各省庁の意見の中に、環境行政の上でいろいろ問題となる部分があるのではないか。もしそうした点があるとすれば一これはもう環境庁から一言あって当然だと思うようなことが、この意見の中に出ております。こういうことに対して環境庁が何も言わないというのではおかしいではないか、こういう意味で聞いているのです。
#132
○小沢国務大臣 ですから何回も申し上げているように、御心配要りません、十分意見はちゃんと伝わっておりますから。その点、先生は伝わっていない、何も言うていないと言われますけれども、私どもと審議会の方々との関係の方は、私どもで運営の責に任じているわけですから、そう御心配にならぬで、環境庁の、人の健康を守る立場は十分申し上げてありますから、どうぞひとつ、その点は御安心いただきたい。
#133
○米原委員 それでは具体的に聞きます。たとえば運輸省から出されている文書について聞くのですが、先ほども問題になった達成期間についての記述が、「環境基準及び達成期間は、各交通機関のおのおのについてバランスのとれたものでなければならないと考える。」運輸省の出された文書の中にこういう言葉があります。環境基準そのものについては、違ったものがばらばらに出るとしたら、環境基準というものの性格から言えば、当然おかしいわけです。しかし達成期間については、ほかの交通機関とバランスをとるなどというのは、これまた全くおかしいことではないか。たとえば現在、道路騒音では「五年を越える期間で」とか、航空機騒音では「十年をこえる期間内に」などとなっております。バランスをとるなどという考えは、いままで全くないのです。可能な限り早くというのがむしろ原則であります。こうした誤ったことを、運輸省は文書の中に意見として出している。六月二十一日の部会で、幸い運輸省の意見は退けられたようでありますが、こうしたほかの省庁からの横やりを見過ごすわけにいかないのではないか。いまのこういう達成期間の問題に対して、具体的に環境庁の見解はどうですか。
#134
○小沢国務大臣 いま先生は、できるだけ早くやるべきであると言われました。それをたまたま法律、行政用語に直しますと、「可及的速やかに」という言葉になるわけであります。先生がその意見をお持ちのように、われわれもそういう考えを持っているわけでございます。
#135
○米原委員 いま言いました運輸省の見解は、環境基準という環境行政の分野、すなわち環境庁の分野にまで立ち入って、しかも誤ったことを明らかに述べているのです。そして環境庁、振動部会に圧力をかけて国鉄を擁護している。それに対して住民の側に立つべき環境庁が黙って見ているというのはおかしいではないか、許せないことだ。環境庁はこういう運輸省の態度に――運輸大臣自身が記者会見までやって発表しているのですよ。こういう運輸省の態度に反論をすると同時に、事務当局だからなどといって逃げないで、環境庁としての意見を堂々と一般にも発表すべきだ、こう思うわけです。ここの委員会で言ったらどうかというようなことではありません。相手の方が公然と新聞にまで出て知らせている問題なのです。この場合に環境庁が沈黙しているのはおかしい。環境庁としての意見を表明するのは当然だと思います。この点について大臣どうですか。
#136
○小沢国務大臣 私どもが住民の健康を守る立場に立っておればこそ、非常に厳しい基準がほぼ決定の線に向かって動いているわけであります。だからそれが報道されるに及んで、その実施官庁は、これではなかなかできぬから、何とか緩めてくれということでいろいろ動いたり、声明を出したり、牽制をしたりしているわけでございますから、一々それに答えておったのでは、先生の目的を達する、あるいは先生のいまおっしゃっておるような趣旨から言うと逆になるわけでありますから、その辺のところはひとつ、お任せ願いたいと思っております。
#137
○米原委員 もう一つ聞きますが、運輸省、国鉄の主張によって、環境基準を行政上の目標値とか、達成期間を達成目標期間とするなどという話も出ておるようであります。答申でことさらな、そういう表現がされるというような話もありますが、こうしたことが事実上基準や達成期間の緩和とならないかどうか。特に達成期間について言いますと、航空機騒音に係る環境基準の告示では、中間目標の達成については目標という表現がありますが、最終の達成期間については、こういう目標などという表現は一切ありません。今回の告示でも、こうした目標などというあいまいな表現はすべきではない、こう思いますが、どうですか。
#138
○小沢国務大臣 環境基準は、法律でも、望ましい基準を目標として決めろ、こういうことになっておるわけであります。達成期間は確かにそういう意味では先生のおっしゃる理屈は私もわかります。しかし、とにかくいま御議論でございますけれども、中公審でいろいろそういう点を含めて御審議をしていただいているわけでございまして、その答申を受けてから、私どもがいろいろ検討して態度を決める、その段階に入ったような質疑をおやりになって、私どもがここで答えるということは、答申がまだないこの段階で余り適当ではないと思いますから、明確にお答えできませんので、その点はひとつ含んでおいていただきたい。また、環境庁がどうも、いろいろな各省が意見を出しているのに一つも出さぬ、住民の立場に立つ環境庁が意見を出さぬと言われますが、環境庁の意見が十分反映した専門委員会での答申が出ておりますことでもございますから、この辺は繰り返しおっしゃっておられますが、大分誤解がありますので、ひとつ御了解をいただきたいと思います。
#139
○米原委員 では、こういう場合に、少なくともこれだけは環境庁として、はっきりさせていただきたいのです。達成期間というところを達成目標期間、こういうようなあいまいな表現にすべきではない、環境庁の行政上、原則的な問題です。そういう点で達成目標期間などというようなあいまいなことはすべきではない、こういうふうにこの際、環境庁がはっきりすべきだと私は思うのです。この点どうでしょうか。
#140
○小沢国務大臣 それはだれの意見か私はわかりませんが、答申ももらってないのに、ここで意見を言えとか、言うなとか言われましても、どうにもなりませんので、答申をいただきましてから、私どもは検討いたします。
#141
○米原委員 もう一つ、伝えられるところによると、今回予定されている答申が告示で緩められる可能性があるということも伝えられております。告示で答申が強化されることはあっても、答申が告示で緩められるなどというようなことは、絶対にあってはならないと思いますが、この点、長官どう考えますか。
#142
○小沢国務大臣 私どもは、環境庁設置以来、中公審の答申は尊重するという方針に変わりはございません。
#143
○米原委員 環境庁のいままでやってこられた経過を見ましても、答申を強化されたことはあります。しかし答申を緩められたなどということはないわけでありますから、そういう点はそうである、こう理解していいと思いますが、どうですか。
#144
○小沢国務大臣 答申は尊重するのがあたりまえでございます。
#145
○米原委員 それでは、さらに国鉄の方に伺います。
 環境庁は、すでに三年前に、中公審の答申を受けて運輸大臣に勧告をしました。その中で、いわゆる暫定基準といわれる八十ホン以上のところについては騒音防止対策を十分行うことにして、八十五ホン以上のところについては障害防止対策を行うということになっておりました。ところが、それにもかかわらずこの障害防止対策について言うと、ようやく民家で六十戸ばかり協議が調いそうだということがいま報道されております。そういう段階です。
 そこで聞きますが、国鉄の障害防止処理要綱の対象となる民家、学校、病院等の数は、総数でそれぞれどのぐらいになっておるか、またその工事はいつごろまでに完了する予定か、聞いておきたいと思います。
#146
○内田説明員 ただいま対象となる戸数は約二千世帯、それから学校、病院等は約二百カ所というふうに考えております。また、達成目標につきましては相手もありますことですし、できるだけ、可急的速やかに誠意をもって進めてまいりたいというふうに考えております。
#147
○米原委員 それでは特にそのうちで東京の大田区、品川区で、それぞれどのぐらいになるか伺いたいのです。
#148
○内田説明員 ただいま申し上げましたのは概数でございまして、私の方としては、先生が御指摘ありましたように学校、病院等につきましては、これは規定はございませんけれども、一応七十ホンということを対象として概数を拾ったものでございまして、その拾い方としては、線路からの離れというようなものを対象にして拾ったわけでございますが、実際に措置をする場合には、その学校なり病院に参りまして、そこの環境なり音の状態等を調査してから、措置をしてまいりたいというふうに考えております。したがって、ここでもって確定数や具体的な名前を申し上げるわけにいかないというのが実情でございます。
#149
○米原委員 そうしますと驚いたのですが、そういう方針は一般的に出ているだけで、東京品川で一体どの程度のことをやるのかということもまだ確定はしていないというので、実は驚きました。私、この問題はすでに三年前に、四十七年の三月二十三日予算委員会の分科会で、当時の磯崎国鉄総裁に質問した問題もあるのです。三年前ですよ。そのときに品川区にある大間窪小学校という学校について聞いたことがあります。ここは新幹線と同時に例の品鶴線が通っておりますから、ダブル騒音で、私も調査に行ったことがあります、ひどいときは九十ホン以上の騒音があるところであります。三年前に、四十七年三月二十三日の予算分科会で私が質問した際に、当時の磯崎国鉄総裁は、区役所と相談して措置をとりたいと、その当時、答弁しておられたわけですが、すでに三年も経過した現在、何の話も品川区側にない、これはどうしたわけでありますか。
#150
○内田説明員 先生の御指摘のとおり、そういう御答弁をいたしております。ただ、これは先生も御承知のように、新幹線に対しましては所定の措置をする、また現在線につきましては、あの線をいわゆる東京への通勤輸送の線として、ただいま改良工事をやっているところでございます。それで、その改良工事が完成して電車を通すということを前提にして、たとえば踏切を立体交差にするとか、いろいろの問題がございます。そういうような問題とあわせて、品川区と対策を進めてまいりたいということでございます。ところが、いろいろの事情がございまして、この工事がなかなか進捗いたしませんので、今後、完成のめどを見まして、品川区と相談を具体的にしてまいりたいということでございます。したがって、措置がおくれているわけでございますが、大体、完成のめどもつきましたので、ただいまいろいろの対策につきまして、区役所と相談を進めておるところではございます。
#151
○米原委員 いま品鶴線の問題だと思うのですが、通勤電車に変えていくという問題も、もちろんあるでしょうし、それはそれで話し合いされるのは当然ですが、とにかく三年間も放置されたままなのです。国会で問題になって、一応、当時の国鉄総裁が約束して、しかもいま三年たった後もまだ何もやっていない。防音工事、全然やられてないのです。品鶴線が通勤電車になるという問題は別の問題ですからね。
 とにかく当時の調査でも、新幹線の騒音だけとってみたって、言われている暫定基準よりずっと上なのですから、こういう工事をやられるべきが当然ではないか。区側とどういう話し合いになっているか、私は区側からも何にも聞いておりませんが、おかしいと思う。当然すぐに防音工事に取りかかるべきだと思うわけでありますが、これは総裁の約束されたことでもあり、この点について、いままで非常に怠慢であったと思うのです。直ちにやってもらいたいと思う。答弁をいただきたい。
#152
○内田説明員 国鉄といたしましては、できるだけのことをしてまいりたいと思います。ただ実際問題としては、先生も御承知のように、いわゆる鉄橋、スチールのけたのところは非常に騒音が激しいわけです。やはり国鉄といたしましては、環境が最も厳しいし、また住民に御迷惑をかけているところから推進をしてまいるということで、学校とか病院のあるところの音源対策、それからそういうけたのところの音源対策、これを第一番にただいまやっておるわけでございまして、決して誠意がないわけではございませんが、全線に一遍にかかるということは、いろいろの関係で問題がございますので、できるだけ先生の御趣旨に沿うように今後やってまいりたいというふうに考えております。
#153
○米原委員 区側と相談という話がありましたが、区の方でも相当負担しなくてはならぬ、こういう問題が絡んでいるのではないですか。私、それだとしたら大問題だと思う。騒音を起こしている原因者は国鉄ですからね。原因者負担の原則から言ったって、これは国鉄が実費を全額負担するのが原則だと私は思う。それを区側に一部を持たせるということになりますと、これはむずかしい問題になる。自治体としては、いま大変財政的に困っているところでしょう。そのときに、この問題でも、国鉄が全額実費負担すべきところを区側が幾らか持たされるということになると、これは超過負担になってしまう。この点をはっきりさせないと、これは区と話をするといっても、話がついてこないのではないかと思うわけです。こういう場合に国鉄が公害原因者として全額負担すべきである、こういう原則を一体認められるのかどうか、聞いておきたいのです。
#154
○内田説明員 先生のお話は平面踏切の除却のお話だと思います。これは建設省と国鉄の間に申し合わせ事項がございまして、平面踏切を除却する場合には自治体側も持つという原則がございまして、それに基づきまして区及び東京都が所定の分担金を持つということでございます。したがって、公害対策に対していままで国鉄が自治体に負担をしていただいたという事実はございません。ただ、今後の環境基準の中では、七十、七十五ホンを本当にやれということになりますと、やはり国鉄だけの財力ではむずかしいということもございまして、この財源のあり方というものは今後、御審議を願わなければいけないというふうにわれわれは考えております。
#155
○米原委員 そうしますと、いまの問題は何か私、いま初めて聞いたのですが、直接の国鉄の騒音問題ではなくて、その工事に伴う踏切の問題、それは区が一定の負担をしなくてはならぬ、そう理解するなら、それはそれとしまして、原因者負担の問題ですが、テレビの難視対策の問題です。東京の大田、品川地区を初め全国にいろいろなアンテナが、テレビが見えるようにするために設置されております。これは、それ自体としていいことなのですが、この維持費、更新費等は、筋から言って、これこそ原因者負担として国鉄が負担するのが当然だと思う。この負担が、実際は維持費や更新費の名目で住民が持たされているようなところがあるようですが、この点についての原則的な考え方を聞いておきたい。
#156
○内田説明員 これは基本的には郵政省に基本方針を出していただくということで、国鉄としてはその結論に従うということでまいりたいと考えております。ただ、大きな共同アンテナ等をつくりまして、組合としていろいろの維持費や管理費が要るという問題がございますので、暫定的にそういう経費については国鉄が負担いたしましょう、基本的な方針が国として決まった場合には、その方針に従うということで、国鉄としては各現場に方針を流しておりますので、もし、そういうことで維持費を共同アンテナに対して地元がお持ちだという場合には、それは事務的な措置がおくれているのでございまして、それは当分の間、私の方で持たしていただくということにしてあります。
#157
○米原委員 では、それは非常によくわかりました。明快にわかりました。そういう問題が具体的にあるようですから、その立場で解決させていくようにしたいと思います。基本的にはいまおっしゃったように、この問題については郵政省が今後方針を出す、こういうふうに理解しました。
 もう一つ、品川区の新幹線の通っている大仏鉄橋、ここは依然として何の改修も行われていない、放置されております。これは前から問題になっていて、国鉄当局は御存じだと思います。国鉄側はようやくことし三月、住民側に対して、六月にこの大仏鉄橋の改修に手をつけると約束したと聞いているのですが、六月ももう終わるわけであります。この約束が守られるのかどうか、最後に聞いておきたいと思います。
#158
○内田説明員 ただいま契約寸前でございますので、直ちに契約いたしまして、九月ごろに着工するというようなことで計画をしております。
#159
○米原委員 質問を終わります。
#160
○渡辺委員長 岡本富夫君。
#161
○岡本委員 私は、大気汚染、特に光化学スモッグについて、その対策並びに予防、こういうことで若干、質問をいたします。
 これは朝日新聞さんの記事ですが、各紙、皆一斉に光化学スモッグについて最近、取り上げておりますけれども、四十五年の七月の東京立正高校事件以来、昨年までの被害届が十三万三千九百四十一人に上っておる。昨年は御承知のように気象の関係、長雨というようなことで非常に少なかったわけでありますけれども、本年はもうすでに六千人を超しておる、こういうことでありますが、東京都内におきましても四日間の光化学スモッグの注意報が出されて、そして四人の女子高校生が倒れ、あるいはまた入院をしておる。また六人がひどい目の痛みなどの症状を訴えて、学校の保健室で手当てを受けておる。
    〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
 千葉県下でもすでに五人が非常な被害を受けておる、こういうような報道でありますし、これは私も調査したのですけれども、尼崎市の長州小学校、これは六月九日に体操の準備をしておるときに外へ出ておった。そうすると男子が五人、女子が三人、目やのどに異常の訴えをしておる。こういうようにこれから全国的に非常な光化学スモッグの影響が出てくるということがはっきりしておるわけであります。そこで光化学スモッグの予報あるいは警報あるいは緊急警報、こういうものを出すようになっておりますけれども、これについて環境庁は予報あるいは警報、緊急警報、これをどういうように決めておるのか、もう一度ひとつ説明をいただきたいと思います。
#162
○春日政府委員 光化学スモッグの問題でございますが、確かに御指摘のように本年は六月に入りましてから、かなり急スピードで光化学スモッグの発令回数もふえてきております。ただ、六月十四日現在の全国の注意報の発令回数は三十八回、被害届け出数は六千八百九十七名ということでございまして、昨年同期の発令回数百五回、被害者一万一千百四十九名に比べれば一応、減少しておるわけでございます。ただし先生が御指摘のように、昨年及び一昨年は、いわゆる重症被害が届け出がなかったことも事実であります。ことしに入りましてからも、町田市とかあるいは市原市というようなところで、若干のいわゆる重症被害というものが出ておりまして、私どもは注意報が少ないから、被害者の数が少ないからということで、光化学スモッグの重要性を否定しようというような気持ちは毛頭ございません。したがいまして、光化学オキシダントの発生濃度によりまして、警戒警報あるいは注意報、こういったことを出しておるわけでございます。
#163
○岡本委員 私はその数値を聞いているのですよ。いま、まだ出かけたところですから、数が少ないなどと言うけれども、昨年のものはいっぱいある。これはこれからですからね。そう簡単に考えてもらっては困るのです。だから、政府、環境庁で出しておるところの予報、注意報、警報、あるいは重大警報、この数値をひとつ明らかにしてもらいたいのです。
#164
○春日政府委員 注意報と申しますものは光化学オキシダント〇・一五PPmに達したときでございます。それから重大警報と申しますか、これが〇・五PPmでございます。そのほか各都道府県におきましてそれぞれお決めになっているものもございます。
#165
○岡本委員 私が調査してきたところによりますと、オキシダント濃度が〇・二PPm、これはあなたの方から言うとまだ注意報になっていない。その予報の段階で、もうすでにこういった被害が出ておるわけであります。この環境庁が指示しておりますところの、いま説明のあった〇・一五PPmあるいはまた〇・五PPm、これは公害国会の前、たしか環境庁ができる前だったと思うのですが、そのころに暫定措置として出された基準なのですよ。その後、公害国会が四十七年ですか、そのときにこの暫定基準ではぐあいが悪いということで、私どもは大気汚染防止法の改正に当たって、もっとはっきりした基準を決めるべきである、こういうことを要望したことがありますけれども、その後、この施行令を見ますと、相変わらずそのままの基準になっておる。したがって、あなたの方の基準は現実に合わないわけです。そうすると、これは地方自治体で上乗せができるようになっておる、こういうことをいまお答えでありましたが、全部が全部上乗せができるようになっていないのですよ。その点についてこの施行令を見ますと、十三条の二項で八市にだけ、そういった工場に対しての規制権限、こういうものを与えることができますけれども、その他の都市にはただ事務といいますか、監視とかこういうものだけしか与えていないのです。
 そこで私の要望としましては、これをできない市もありましょうが、できるような能力のある市には、この規制権限を与えていく、こういうように法改正が必要であろうと思うのですが、その点についていかがですか。
#166
○春日政府委員 先生の御指摘はごもっともでございますが、私どもは、光化学オキシダントの測定あるいはそれのモニタリングの十分な体制をとることができる、あるいは適切な人員を配置することができる、そういったところに、そういうことを認めておるわけでございますので、あらゆるところにすべてそういう権限を認めるということは、光化学スモッグ対策がきわめて恣意的に流れてしまいまして、私は問題も出てくるのではなかろうかと考えております。
#167
○岡本委員 長官、いまお聞きのとおりです。大切なまだ学童です。あるいはまた、もういま高校生までいっているのです。ロンドンのあのスモッグ公害によってたくさんの人が死亡した、こういうことにならないようにせねばならぬ。毎年毎年こうしてふえてくる。昨年は天候の都合で非常に少なかったようでありますけれども、これはこの委員会でも、環境庁ができる前から私たちは要望しておる。ところがいまのお答えによりますと、各市に権限を与えると恣意的というのですか、その点が私はいまのお答え、ちょっと判断しかねるのですけれども、何と申しましても大切な人の健康を守る、特に次代を背負うところの青少年の健康を守る、こういう面からいきますと、法改正をして各市に権限を移譲していくべきである。しかも、この権限は機関委任なのですよ。そこまで一歩進んだ検討をなさる用意はないでしょうか。これは長官のひとつ政治的判断をいただきたい。
#168
○春日政府委員 先にちょっとお答え申し上げます。
 光化学スモッグと申しますのは御承知のとおりぎわめて広域性を持つものでございまして、きわめて局部的な問題ではございません。広域性というものを私どもは十分に認識する必要があろうかと思います。そういう意味ではやはり都道府県ベースが妥当ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#169
○岡本委員 これも問題なのです。実はいまおっしゃったように広域性なのです。この間も千葉で、実は訴訟があったということで、私、ちょっと調査に行ったのです。千葉市は工場は少ないですね。発生源はみな隣の市なのですよ。そして千葉市を非常に汚染している。そういうことでありますから、そっちの市にも依頼をして規制をしてもらわなければならない。ところがそれが、要するにあなたの方が権限移譲してない市ということになりますれば、これはどうにもならない。実情を調査いたしますとそういうことになっておる。私は各市に、全部が全部というわけにいきませんけれども、実情に応じたところに全部、権限を移譲していくというようにしなければならないと思うのです。なぜかと申しますと、通産省、あなたの方が、これも報道によりますと、今度の公害防止に対するところの開銀の融資、五百億円の増額をしたということでありますけれども、公害防止協定が厳し過ぎると、そこの市は後回しにする、これは本当ですか。
#170
○山田説明員 厳しい公害規制に対しまして産業は、先生御承知のとおり公害防止投資をいたしまして公害防止活動を行っております。私どもの調査によりますと、昭和四十八年度千四百社ばかりの企業で約五千百億円、四十九年度に九千八百億円、今年度の計画でございますと一兆三千七百億円と、九割増しあるいは四割増しの公害防止投資を行っております。企業の設備投資全体に占める割合は、四十五年度が五・八%に対しまして、四十八、四十九、五十年度、一〇・六、一六・二、一九・八とふえておるわけでございます。先生御指摘のように、これに対しまして開発銀行、公害防止事業団、あるいは中小企業金融公庫で融資を行っております。今年度の公害防止枠でございますが、開銀で申しますと当初枠が九百二十三億円、ただいま先生御指摘の追加の枠が四百億円ございましたので、ただいまのところ千三百二十三億円の枠がございます。それに対しまして、通産省あるいは開発銀行で、四月から五月にかけましてどれくらいの需要があるだろうかということを調べますと、二千億円を少し超えております。したがいまして、私としては今後とも大蔵省に対して増額を要求いたしますけれども、二千億円を超す融資に対して、何らかのかっこうで有効に財政資金を使わなければならない。その場合に、先生御指摘の公害防止協定に水を差すとかいう考え方はございませんで、どういう基準がいいかを検討しております。一つの考え方といたしまして、環境基準を目標とする公害防止投資、これは公害防止協定だろうと企業の自主的努力によるものだろうと、それは問いません。環境基準を達成することを目標とする投資と、環境基準を超えて何か設備を設置しようとする投資と、二つに分けてみよう、こういうことを現在、考えまして、大蔵省、それから公害防止事業団を所管いたしております環境庁の間で検討中でございます。したがいまして、ただいま御指摘の新聞記事のようなことではございません。
#171
○岡本委員 それでは聞きますよ。この記事を見ますと、国の環境基準を超えているものに対しては、そしてさらにそれより厳しくするものに対しては、融資を後回し、こういうことですね。はっきり答えなさい。
#172
○山田説明員 ただいま後回しにするか、あるいは融資比率を下げて融資をするか、まだ検討中でございますが、環境基準というのはただいま大体、国が決めております。県あるいは市の公害防止協定であらわれてきますのは、大半が排出基準でございますが、私どもは国の決めた環境基準、先ほど環境庁長官も申し上げましたように、維持することが望ましい目標としての環境基準というものを一つのめどにいたしておるわけでございまして、特に排出基準ということを主に考えているわけではございません。
#173
○岡本委員 二つ問題があるのです。長官、ちょっと聞いてくださいよ。
 一つは、私が先ほど言うたように、一つの例をとりますと尼崎市などというのは、公害防止協定をしなければならぬのです。そうすると市民を守るためには、国の環境基準が緩い、オキシダントの問題一つとりましても緩いために、公害防止協定で縛る。そういうところには、いま通産省では開銀の融資、これを今度後回しにしてしまう、こういうことです。ですから、一つは環境庁のこの基準を、実際の光化学スモッグによって被害を受ける人たちを守るために、これは暫定基準ですから、本当の基準にする。これを見ると、すでに〇・一一ぐらいのところで被害が出ている。ですから〇・一五では高過ぎる。しかもまた〇・五でないと緊急にならないというのですが、〇・五になったためしはいままでない。〇・三ぐらいで、もう大きな被害が出たわけですから、やはりこの環境基準をもう一ぺん見直すことが一つは大事だ。
 もう一つは、公害防止協定をしなければならないのは、権限が移譲されていないからです。そういうところには権限の移譲をしてあげる。この二つの問題なのです。そうでなければ、今後大気汚染をとめるわけにいかない。この二点があるのです。いかがですか、長官、前向きにひとつ。
#174
○小沢国務大臣 地方に権限を移譲しろ、能力のある市があれば移譲しろという御意見であります。能力のある市の認定の線の引き方を、ああいうことでやっているわけでありますから、御趣旨は私は決して反対はしません。ただ、国会でよく議論をされるのですが、都道府県知事の方にもうんと移譲をして、実際の権限を知事におろしているわけですけれども、おろしていながら、問題は全部私どものところへくるというのも実態でありますから、だから権限を移譲することに、能力のある場合には反対だとか何も私はこだわりません。よく検討さしていただきまして、ただそれでも、国会でもどこでもそうなのですけれども、権限を知事さんにおろしていながら、どうもおまえの方の責任はどうじゃこうじゃといつも言われるものですから、なかなかその辺のところは、どういう中央と地方のやり方をするか、これはよく検討しなければいかぬ問題ではないかと思います。これが第一点です。
 第二点は、いまの環境基準の見直しということの意味はあれなのですが、先ほどおっしゃったのは、地方がいまの環境基準より以上の基準をつくっている場合に、地方は必要に応じて上乗せができるようになっておるのに、それを今度公害防止投資の場合のオミットの材料にするのは矛盾ではないかというお尋ねですね。環境基準の見直しというのは具体的にはどういうことをおっしゃるのか、われわれは、いま方々から環境基準の見直しを言われておりますが、私は環境基準は軽々に変えるべきではないという考えでおります。先生のおっしゃる、まだできてないものを早急につくるというのと、それからいま暫定的に決めている環境基準を、もう少し正確な恒久的な環境基準にしなければならぬという御意見と、それから発生時におけるいろいろな認定の場合の基準は、光化学スモッグ等について警報を出す基準だとかいろいろありますから、具体的にはひとつ限定してお尋ねをいただいて、局長なり事務当局から、そういう問題を答えさせていただきます。
#175
○春日政府委員 先生が環境基準とおっしゃっておりますものは、光化学オキシダントの場合は〇・〇六PPmでございまして、このことを先生はおっしゃっているのではなくて、むしろ注意報が〇・一五、重大緊急時が〇・五、あるいは都道府県によりまして警報をいろいろ出しておる、そういった問題について、さらに検討してはどうか、こういう御趣旨だろうと思うわけでございます。したがいまして、環境基準を即刻見直すべきだという御議論ではないように伺うわけでございます。確かに注意報あるいは重大緊急時の問題につきましては、今後とも私どもは検討し、直すべきものがあれば直してまいりたいと考えております。これは環境基準の問題といささか関係がないわけではございませんが、別の次元の話ではなかろうかと考えておる次第でございます。
#176
○岡本委員 あなたがおっしゃったのは昭和五十五年が〇・〇六PPmにする、こういうことですね。これは環境基準です。それは大分先の話です。それとも、いま〇・〇六PPmとおっしゃったのは現在の基準ですか。
 それからもう一つ、注意報と緊急警報ですか、これは先ほど言いましたようにオキシダントで〇・一五PPmが注意報、それから〇・五PPmというのが緊急警報、こういう環境基準になっておるわけでしょう。これの見直しをしなければならぬ、私はこう言っておるのです。
#177
○春日政府委員 光化学オキシダントの環境基準は「一時間値が〇・〇六PPm以下であること。」となっておりまして、達成期間と申しますものは、光化学オキシダントの場合は「維持されまたは早期に達成されるよう努めるものとする。」ということで、一応、年限を切っておりません。
#178
○島本委員長代理 岡本君に申し上げますが、まだよくわからぬようですから、わかるように言ってやってください。
#179
○岡本委員 それでは一つずつ言います。注意報が〇・一五PPm、緊急警報が〇・五PPm、これは施行令の別表第五に出ているでしょう。まず、これを見直しする必要があるのではないか、これをさっき私は言っているのです。あなたよけいなことを言うものだから、こっちまでおかしくなってしまう。ということは、すでに私が行って調査したところによりますと、先ほど話しましたように〇・一一PPm、ここですでにもうそういった被害が出ておるのです。ですから注意報で、あなたの方では予報になるのだろうと思うのですが、予報で、すでにこうした被害が出ておるのだから、この別表第五の値をもう少し厳しくしなければならぬのではないですか、これを見直ししなければならぬのではないですか。この別表第五の数値は、先ほど申しましたように公害国会以前の暫定措置だった。それで公害国会で、私はこれはきちっと実情に合ったものにしなければならぬということを申し上げたはずなのですね。この見直しはもう一度やりますかということを聞いているのです。
#180
○春日政府委員 その問題につきましては、先ほど私お答え申し上げたつもりでございまして、要するに、注意報あるいは重大緊急警報というようなものは、確かに今後とも検討してまいらねばならぬものの一つでございます。私どももそういったことはいたしておるつもりでございます。したがいまして、結論が出れば当然これは改正してまいりたい、かように考えております。
#181
○岡本委員 では、これは早くやってもらいたいと思うのです。
 その次は、先ほど申しましたように、権限の移譲でありますけれども、いま施行令の十三条で規制権限が委任されておるのは八市。これを、やれる見込みのある、そういう実情に合わした市に、やはり権限の移譲をしていくべきではないか、これを私は言うておるのですが、いかがですか。これは検討いたしますか。
#182
○春日政府委員 先ほども申し上げましたように、光化学スモッグと申しますものは、広域性というところが特徴でございますので、都道府県ベースあるいはそれに準ずるものがベースになるということが基本であろうと考がえております。
#183
○岡本委員 長官、一遍ちょっと見てください。たとえば大阪と兵庫県との間に淀川という川があるのです。大阪市の方はこうした権限が与えられておるのです。ところが、尼崎市は権限が与えられてないのです。そうしますと、尼崎の大気が大阪へいくのですよ。おまえのところは煙ばかり持ってくる、こうやっているのです。ですから、この権限を与えて大気汚染の防止をしなければならない。権限がないから、どうしても公害防止協定を結んだりしていろいろやって、非常に苦心をしておるわけですが、実情に見合ったところに対しては、これからそういった道を開いていく、検討するということがなかったら、いつまでたってもこれは解決しないと私は思うのですが、いかがですか。
#184
○小沢国務大臣 おっしゃるようないろいろ地域的な特殊事情等もありましょうから、私もよく検討しまして、必要であれば地域の指定の拡張といいますか、変更といいますか、そういうものを考えてみますが、もう少し検討させてください。
#185
○岡本委員 時間がありませんから、では、それは八市にとどまらず権限を移譲していくことを検討するということで、きょうはとどめておきましょう。
 それから次は、この測定につきまして、いま地方自治体で非常に困っておりますのは、四十八年の六月十二日に環境庁の大気局長から通達が出ておるのですよ。これは東京都のですけれども、各県にこういうことが出ておるはずなのですが、「二酸化窒素濃度について補正するものとする。」というようにこの測定方法には出ておるのです。この補正というのは、二酸化窒素が少しでも、非常に作用が大きくて、オキシダント濃度が大きくなりますから、「二酸化窒素濃度について補正するものとする。」と書いてある。ところが、その後ろのページでは、上にずっとあるのですけれども、二酸化窒素を除くと書いてあるのですよ。こういうことで測定に非常に困っているわけです。これはいつごろはっきりしたお答えを出すようにいたしますか。もう二年過ぎておるのです。こういういいかげんな通達では、地方自治体は測定するについて困っている。ここらも問題があると思うのですが、いかがでございますか。
#186
○春日政府委員 確かに光化学オキシダントの測定は中性沃化カリウム溶液を用いる吸光光度法と申しますもの、あるいは電量法という方法によって行われておるわけでございますが、いずれもNO2とNOが光化学オキシダントの測定値に一部はかり込まれるという影響がございます。そこで、これらの濃度についての補正が必要であるわけでございます。環境庁といたしましては、光化学オキシダントの環境基準の設定以来、この問題につきまして検討を進めてまいっておるところでございまして、今年度中には補正方法を決定いたしたいと考えておるわけでございます。ただ、問題点は、補正係数というものが測定器の仕様あるいは機種によって異なるということ、それから実験的な検証というものがどうもまだ十分ではないと判断をいたしておりまして、この補正の問題につきましては、なおしばらく検討させていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#187
○岡本委員 これは早くやってもらわないと困るのです。もう二年過ぎてそのままになっておる。
 この問題ばかりやっていると時間がたちますから、次は、ことしの光化学スモッグの原因となるのが、どうも炭化水素型ではないかというような発表をしておりますが、それについて、炭化水素についての環境基準が設定されていない。非常に怠慢のように思うのですね。これは見通しはいかがですか。
#188
○春日政府委員 光化学スモッグに炭化水素型の光化学スモッグという名称があるかどうか、私、明らかではございませんが、いずれにいたしましても、炭化水素の環境基準の問題は、現在、中公審の大気部会の炭化水素環境基準専門委員会に御審議をお願いしておるところでございまして、かなり進んでまいっております。私どもといたしましては、この中公審の答申を得次第、早急に環境基準を設定する予定で作業を進めているわけでございます。
#189
○岡本委員 こんなことをして環境基準を決めずにほっておくと、次から次へとまた被害が出てくるわけですからね。このほか、大気中にあるところの重金属あるいは鉛、いろいろなものがまだ全部できてないのです。公害国会で大気汚染防止法の審議のときも相当やかましく言ったはずなのですが、結局そのままになっておる。これは環境庁の非常な怠慢だと私は思うのです。リンゴと違うのですから、「黙って見ている青い空」では話にならぬと思いますので、ひとつしっかりやってください。
 次に、全逓の西阪神支部の芦屋集配分会では、光化学スモッグの注意報が出れば、郵便配達をストップするというようなことを言っているわけですけれども、これに対するところの対策はいかがに考えておるのか。目薬なんかを出しているように聞いているのですけれども、どうですか、郵政省。
#190
○大野説明員 芦屋のお話がございましたが、確かに、注意報が出れば配達しないというようなお話が、組合の方から出ているわけでございます。光化学スモッグ注意報というのは相当広範囲に発令されますので、その範囲の郵便局が、注意報が出たから郵便の配達をしない、これは郵便の使命から考えますと、そういうわけにもいかないということで、私どもといたしましては、光化学スモッグ警報が出た場合には、目薬を差して局外作業をやるということを指示いたしまして、集配途中で作業上、支障が出た、自覚症状が出たという場合には、郵便局に電話で連絡いたしまして、管理者の指示を受けることにしております。その場合、管理者は、その状況をよく聞きまして、帰局せよという指示をする場合もございますし、また、近くの郵便局に行って、洗眼、目薬を差す、あるいは解除になるまでしばらく待機するようにといった指示をすることにいたしております。したがいまして、今回の芦屋の問題につきましても、従来の考え方で対処したいと考えております。
 医薬品等の関係につきましては、保健課長の所管でございますので、保健課長からお答えいたします。
#191
○坂東説明員 お答えいたします。
 光化学スモッグに対する郵政省の職員に対する保健対策といたしましては、光化学スモッグの情報を早期に把握することが第一だと考えておりますので、地方公共団体等との連絡を十分密にいたしまして、一部の郵便局では警報と同時通信装置等を配置するような形にいたしまして、情報の伝達ルートの確立を図っておるわけでございます。
 健康被害の防止対策といたしましては、ただいま集配課長が申しましたように、大気汚染地区内の集配郵便局にうがい器あるいは洗眼器等を配備いたしておりまして、有害物質を早期に取り除くように指導しておるところでございます。それとともに、これらの地区の外務職員に対しましては、角膜を保護する目的で目薬を配備しておりまして、出発前には必ず点眼を励行するように指導しておるわけでございます。また、そのほか公害健康被害補償法の指定地域内の職員に対しましては、肺機能検査を主とする健康診断を実施しておる次第でございます。
#192
○岡本委員 環境庁長官、お聞きになってくれましたか。こういうように今度は郵便配達もストップするようになってしまうのですよ。ですから、環境庁としては、基準の問題あるいは権限の移譲の問題、こういう問題を全部総ざらいして検討していただきたい。私は、これをひとつ要求しておきます。いかがですか。
#193
○小沢国務大臣 十分検討いたします。
#194
○岡本委員 次に、運輸省に伺いますが、エアバスが入りますと、エアバスの排気ガスが大気汚染にどういうように寄与するのか、これについておわかりのことをひとつ説明していただきたい。
#195
○梶原説明員 エアバスの大気汚染物質の排出量につきましては、高度千メートルのところから着陸して、空港内の誘導路を通って、お客をおろし、再び、お客を乗せ、誘導路を通って、離陸後、高度千メートルに達するまでのいわゆるLTOサイクル。ランディング・テークオフ・サイクルというのがございます。これで一酸化炭素COと炭化水素HCは、現在使っております飛行機に比べまして、同じかあるいは減少いたします。ただ、窒素酸化物NOxは増加するわけでございますが、これにつきましては一昨年の十一月に環境庁の方で報告を出されました「大気汚染に占める航空機の位置調査結果」というのがございます。これによりますと、現にエアバスが就航いたしております東京国際空港の場合、エアバスが全発着回数の一〇%あるとしたときの東京湾地域における航空機の寄与率は〇・一七%と、きわめて低いことが報告されておるわけでございます。したがいまして、窒素酸化物の排出量が増加いたしましても、寄与率は余り大きくならないものと考えておるわけでございます。しかし、排出ガスが増加することは望ましいことではございませんので、現在、国際民間航空機関、ICAOと申しておりますが、この一CAOと製造国で、排出ガスを減少させるための検討を鋭意進めておるという状況にございます。
 なお、大阪国際空港につきましては、現在エアバスが導入されておりませんので、東京のような調査はなされていない段階でございます。
#196
○岡本委員 運輸省の政務次官、たとえばこっちに敷地がある、ここに工場ができて、そこで大気汚染あるいは振動、騒音が出るという場合は、やはり隣の方に相談をして了解を得る、普通はこういうふうにして建設するのではないかと思うのですが、いかがですか。
#197
○小此木政府委員 あらゆる場合に、わが運輸省といたしましては、こういうことは地元の御理解を得て進めておる次第でございます。
#198
○岡本委員 いや、私の言うているのは、たとえば敷地がこうありまして隣には人がおる、そこに工場ができて、そこの煙突から煙が出る、あるいは騒音、振動が出るという場合は、やはり隣の人の了解が必要ではないかと思うのですが、常識的にいかがかということです。
#199
○小此木政府委員 常識的に申しましても、隣の理解を得て、そのことに手をつけるということだと思います。
#200
○島本委員長代理 岡本君、大分時間が経過しておりますから、結論を急いでいただきます。
#201
○岡本委員 そうしますと、理解ということは、理解して、それから了解するということですね。これは隣の了解を得なければなかなかできないのです。普通の工場などはそうではありませんか。あなた、どうですか。ただ理解を得ました、だけではちょっとぐあい悪いのではないですか。いかがですか。
#202
○小此木政府委員 やはり理解を得て、それに手をつけるべきであると私は考えております。
#203
○岡本委員 これはだれが考えても、隣のところにそういった工場をつくり、そして煙を出したり、あるいは音や振動、こういうものを出すときは、やはり隣の方の御了解を得なければ、後がうまくいかないのに決まっているのではないでしょうか。環境庁長官、こういう場合どう思いますか。
#204
○小沢国務大臣 どういう具体例かよくわかりませんが、とにかく基本的には、近ごろは特におっしゃるとおりではないかと思います。
#205
○岡本委員 やはり長官は大したものだ。これは常識なのですよね。隣の方の了解を得てから申請を出して、そして調べに来て、ああ、これなら隣も了解しております。こういうことになると私は思うのです。運輸政務次官、これは常識なのですよ。私、常識論を言っているわけです。
 そこで、昨日も皆さんお見えになりましたが、大阪のエアバス乗り入れ問題につきまして、やはりそういうように理解をしてもらって、御了解を得て、そして導入する、こういうようにするとい、うことが、あなたの方ではっきりすれば、皆さん全部、御相談には応じるというのですよ。そしていろいろと説明も聞くというのですよ。説明を聞いて、ああ、了解しましたというのなら、そのエアバスは入ることができるのです。そうして便数も少なくなる、音も小さくなるというのだったら、これはもってこいではないですか。どうですか。もう一度あなたの方から。
#206
○小此木政府委員 今度は常識的なことでなしに運輸省の方に対する御質問になりましたけれども、そのエアバスの導入につきましては、運輸省といたしましては、従来とも地元の温かい御理解を得てこれをやりたい、この方針には今後とも変わりはございません。
#207
○岡本委員 そうすると、先ほど環境庁長官も言われたように、やはり了解を得てからやるのだ、これが常識だということになりますと、あなたの方は了解ではなしに理解だということになれば、これはちょっと非常識ということになるのですね。そう思いませんか。
#208
○小此木政府委員 言葉のやりとりになって恐縮でございますが、十分な理解を得るために私どもは大いに努力をするつもりでございますので、理解をいただいて導入を図りたいということでございます。
#209
○岡本委員 同じことを言っていたのでは話にならぬ。あなた、そんな非常識なことを言ったらだめですよ。先ほど環境庁長官も言ったように、やはり皆さんに了解を得てやるのがあたりまえだ。どうもまだ一歩進まないですね。大分洗脳されてきましたね、あなた。
 それで、もう時間がありませんから最後に、昨年尼崎市で航空機騒音の調査を市も立ち会いの上で行った。その結果だけをひとつ発表をしていただきたいと思います。
#210
○梶原説明員 結果だけを申し上げます。
 空港に隣接いたしております浄水場のところで
 一週間の平均、WECPNL八十・〇、西昆陽団地の一週間平均、同じく八十一・八、時友の三日間の平均でございますが、WECPNLで七十八・七でございます。
#211
○岡本委員 これで指定地域として民防やいろいろなものの指定地域になることができるのか、これを最後にお聞きしておきます。
#212
○梶原説明員 現在の区域指定はWECPNL八十五以上を基準といたしておりますので、対象外になるわけでございます。
#213
○岡本委員 運輸政務次官にもう一度。先ほど申しましたように、エアバスを導入したい、それで便数を減らしたいというのは、あなたの方の非常な努力なのですから、それに対しては私は了承しますけれども、それならば必ず了解を得るというようにして、そういう一言を出して、そして説明会を開く、そこの道を開かなければ、これはいつまでたってもお互いに押し問答で、できないと私は思うのですよ。だから、言葉の問題だと言うけれども、地元はその点について見切り発車をするのではないかということを非常に心配しておるわけですが、見切り発車はしないかどうか、これを最後にお聞きして終わりたいと思います。
#214
○小此木政府委員 見切り発車することは現在、考えておりませんで、地元の理解を得ることに最大の努力を進めるということが、私どもの今後とも変わらぬ方針でございます。
#215
○岡本委員 説明を受けなかったら、なかなか理解はできない。それで説明を受けて、皆さんが了解するということでないと、これは理解にならない。だからもう一度、運輸省で考えていただくことを要求して、きょうは時間ですから終わります。
#216
○島本委員長代理 岡本富夫君の質疑は終わりました。
 この際、午後二時四十分まで休憩いたします。
    午後一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十二分開議
#217
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。江田三郎君。
#218
○江田委員 去る六月五日の当委員会で、水島の三菱石油の事故について御質問したわけでありますが、その後、事態は進んでまいりまして、私ども正確な内容はつかんでいないのでありますが、倉敷市議会また岡山県議会では、いろいろ問題点は残しながらも、三菱石油の操業再開を認めるという方向が出ているように聞いておるのであります。同時にまた、香川県の前川知事は操業再開には絶対に反対だということが新聞で伝えられておりまして、これは一体どういうことになっているのか。この前の委員会で左藤対策本部長は、倉敷市議会及び被害の大きかった関係四県から意思の表明があれば、その段階において対策本部を開いて、政府としてどういう結末をつけるべきか指導するというように言われたのでありますが、いま、このような状況になりまして、どういう指導をなさろうとするのか、それを承りたいのであります。
 そこで私どもも、その後いろいろ協議をいたしましたが、問題は数々残っておる。第一の問題は、この問題に対する政府の事故原因調査というものが、まだ中間報告の段階であって、最終報告は十月になるであろう、こう伝えられております。その中間報告を読みましても、軟弱地盤の上にAPI規格のタンクが置かれるということにはいろいろ問題があるし、またあの水島地域におけるタンク設置の基礎をつくる、その工事の仕方にも問題があるということが出されておるのであります。またその後、土井委員から質問がありましたように、消防庁の正式の認可のないままに工事に着工したというような問題もあるわけで、したがって、安全点検ということが、パイプが詰まっているかどうか、あるいは二百分の一の傾斜があるかどうかというようなことについては調べられておるわけでありますが、いま私が申しました木原委員会が指摘した問題点から見ても、実は消防庁に、タンクについて、これが間違いのないものかどうかということを判断する技術的な用意がないわけでありますから、不安を感ぜざるを得ないわけであります。
 そこで、まずこの問題について対策本部はどういう指導をなさろうとするのかというのが第一点であります。
 次官が、ほかの委員会の日程があって急がれるそうでありますから、私は問題点を先に並べます。次官が御答弁なさる問題、あるいは環境庁長官から伺いたい問題もありますが、その方が時間の節約になると思いますから、そうします。
 第二は、環境庁の環境影響調査の中で、流出油の影響はほとんどないと受け取れる中間報告が出されておるわけであります。しかしながら、この問題について香川の県当局が独自に調査結果を発表しておりますが、これを見ると、大きな影響が残っているように出されておるのであります。また、現地の漁民の操業の中から得た実感からいたしましても、影響は残っているということを指摘しております。たとえばアオサのようなものが海岸につかなくなったというようなことも言われておるのでありまして、環境庁の影響調査と相当食い違いがある。少なくともあの影響調査に現地の漁民諸君は、とんでもないことを言っておるという、むしろ怒りの声を上げておるわけであります。この点、あるいは小委員会を持って、これから最終結論を出ざれるというのでありますが、そのような漁民の実感なり現地の県当局が独自に調査したもの、あるいは民間団体で調査したものもありますが、そのようなデータについて、どういう評価をなさっておるかということであります。また、最終的の詰めをどのようにしていくのかということであります。
 それから第三の問題点は、これはこの前の委員会でも指摘いたしましたが、私たちはあの事故の経緯にかんがみまして、今後あるべき防災協定においては、陸と海との一元的なものでなければ、その目的を達することはできないのではないかという心配をするわけであります。もちろん現行法のもとにおいて、この一元的な防災協定というのは法律上は問題があるわけであります。しかしこのような、ある意味ではこの措置が今後のモデルケースというか、そういう非常に規模の大きな、日本国じゅうの注目を受けておるような事故でありまして、これを受けての防災協定においては、私たちは、いまの法律の枠を越えてでも、現地において陸上、海上の一元的な防災協定を指導なさるのが適切ではないかと思うのでありまして、そのことをどうお考えになるか。
 第四の問題は、水島港のような当初十万トンタンカーで設計をされた港に、いま一部掘削をして十六万トンのタンカーを入れられている。それも実際に使う船は二十万トン、それ以上のタンカーであって、途中で荷をおろして船足を軽くしながら入ってきているのが実態なのでありますが、この間の東京湾のあの事故から見ましても、前方から思いがけない船が出た、それを避けるために、急にかじを取りかえなければならぬということで、ああいう座礁事件が起きているのでありまして、水島の場合にも、そういう危険性というものは多分にあるわけで、私たちはこの際、とりあえず水島港には大型タンカーの航行を規制すべきではないか、これは将来、瀬戸内海なり、あるいは東京湾なり、もっと広い範囲で規制を検討しなければなりませんが、とりあえず水島の三菱石油の操業再開に当たって、これだけのことは緊急的にやるべきではないかということであります。
 第五の問題は、環境庁の調査によりましても、海の底に油は残っておる。しかし、その油は一面的にあるのでなしに部分的にある、しかも、それはどこの油であるかわからないということを言っておられるのでありまして、どこの油かわからぬということになれば、その清掃責任は、だれが今後、責任を持つことになるのか、国の方で徹底的に責任を負って、この残油の清掃をなさるのか、それも公害PPPの原則からしておかしな話だと私は思うのでありますが、どこのものであるかわからぬというような考え方を出されている政府の方では、この残油の清掃責任をどこが持つべきと考えておられるのか、あるいは放任されるのか。そんなことはないと思いますが、その点が第五の問題。
 それからもう一つは、この前、環境庁長官にも御質問いたしましたが、沿岸一般住民への補償措置をどのようにとるかということでありまして、重ねて申しますけれども、海は沿岸住民の共有の財産なのです。ひとり漁業権を持っている漁民の海ではないわけでありまして、あれだけのものが汚された、その影響は、まだ気温が上昇するに従って砂の中から、あるいは岩陰から、残油がじりじりと出てくるわけでありまして、今後も長く影響を受けなければならぬのでありますが、それに対して事故原因の三菱は補償する必要がないのかどうか。
 その六つの問題が残されておると私たちは思うのでありまして、そういうことからいたしまして、先ほど申しましたように、香川の前川知事は、現段階での再開に反対の意思を、新聞で表明しておられましたし、あるいは他の府県の県当局がどういう答えを出されようと、漁民なり、あるいは一般住民からは、納得ができないという声が相当強く起きてくると思うのであります。したがいまして私たちは、この最終段階で操業を再開すべきかいなかを指導に当たられる対策本部の左藤本部長及び環境庁長官は、どのような指導をなされるつもりなのか、それを承りたいのであります。
#219
○左藤政府委員 三菱石油の操業再開の問題につきまして、いま御指摘のような倉敷市におきます。六月十六日ですか、関係委員会における一つの御了解と、それから二十三日、昨日、岡山県の事故対策協議会で、再開を認める一つの執行部の意向に同意する、承認と申しますか、そういったことが取りまとめられたということは、新聞でも承知いたしておるところでございますが、まだこの問題についての正式のわれわれの方に対します書類というものは、ただいま現在におきましては、私の手元には参っておりません。
 これからどういうふうにするかということの御指摘でございますが、お話のように、実際問題といたしまして四県にまたがる大きな事故でもございますし、内閣でこういった対策連絡会議をつくり、また現地対策本部を設けたりして今日まで対処してまいりましたという、その政府の責任なり、それに対します取り組みというものから考えましても、この問題につきまして岡山県から相談というようなものがございました場合におきましては、いろいろな面で一つの総合的な検討をしなければならない、四県のそれぞれの意向というものも聴取しなければならないと私は思いますので、その際に、四県としても、その漁民の意向とか、それぞれの関係のところの意向を十分聞いて、そうしてそのことについてわれわれの方に報告してもらいたい、こういうふうなことを要望することになろうかと思います。そうした結果も全部集めまして、その上で多角的に総合的に、政府の事故対策連絡会議という形で検討をいたしまして、そこで、いま申しましたような形で、それならば再開することがよかろうという結論になりました場合には、その旨を消防庁に伝えまして、消防庁から岡山県を通じて倉敷市の消防に、そういうことで行政指導として御連絡を申し上げる。最終的な法律的な判断は、倉敷市の消防署においてその判断をするという結果になろうか、このように考えます。
 第一の今後の取り運びの問題については、以上のそういう形で行われるのではなかろうか、私はいまそういうことを予想しておるところでございます。
 それから、第二の問題は環境庁の方からお答えをいただくのがいいのではないかと思います。
 第三番目に先生御指摘の点で、防災協定でございます。
 これも、ただ原文は、まだ私どもの方の手元に参っておりませんが、県から電話でいろいろ聞きました内容というものを基礎にして、お答えをさせていただきたいと思いますが、倉敷市と三菱石油との間の防災協定と申しますか、そういう形だけでなくて、三菱石油だけでなく陸上にあります二十八社との協定という形で、倉敷市で進められておる協定の内容でございますが、海上防災のための防災施設、設備並びに防災資機材の設置を、この内容では企業に義務づけておる。そしてまた、企業に対しまして、海上防災のための防災組織の整備強化につきましても措置されておるというようなことで、海上に係ります防災についても、一応の配慮はされておるものと私は考えておるわけであります。
 現在、国会に提案いたしまして御審議いただいております石油コンビナート等災害防止法案におきまして、陸上と海上の防災の接点につきまして、特定防災施設等として、流出油などの防止堤の設置を義務づける。仮に油の流出がありましても、事業所内でとどまるように措置するとともに、万一に備えて自衛防災組織及び共同防災組織に備えつけるべき防災資機材に、油回収船それからオイルフェンスといった海上における防災のための資機材を含めることといたしておりますが、さらにまた自衛防災組織及び共同防災組織が海上におきます防災活動を実施いたします場合に、海上保安庁の官署の長、たとえば港におきます港長とか海上保安庁の担当の部長とか、そういった方々が必要な指示を行えることといたしますとともに、コンビナート防災本部には、海上及び陸上の防災に関します機関をすべて構成員とする、そして知事の総括のもとに調整を行う、今度の法案の内容も、そういったことにいたしておりますので、今後も先生御心配の点につきましては、十分この法律によって対処できるのではないか、このように考えておりますが、そうした面の一部を、この防災協定は予想してと申しますか、先取りしてと申しますか、そういう形でやっておる、このように聞いておりますので、確かにそういったものでかなりといいますか、完全にそういうことまでカバーできるかということについてのいろいろな問題点はあろうかと思いますが、非常に前進したものであろう、私はこのように評価いたしておるところでございます。
 それからタンカーにつきましては、海上保安庁の方からお答えいただいたらというふうに思います。
 それから先生の御指摘の五番目の清掃の問題でございます。これは残油の問題でございますが、三菱石油の流出油によりまして汚染された海岸は、延長四百六十九キロメートルという非常に長い海岸線を汚染したわけでございますが、一応、本年の三月末で清掃は終了して、それ以降それぞれの県におきまして、われわれからの要請で指導、監督していただくという形で、三菱石油がパトロール班を編成いたしまして、潮間帯の付着油それから低潮線下の海底付着油につきまして、ダイバーなどによりまして常時監視して、汚染を発見し次第、除去するという体制をとって、今日までやってきております。確かに温度が上がってくるというふうな形もございまして、そういったものが出てくるという心配もございますので、今後におきましても、海岸、海底の残油の清掃というのは、この体制で、あくまで汚染原因者の責任で実施するということに取り決めておりますので、これを守らせていくということになろうか、このように考えておるところでございます。
 最後に六番目の補償の問題につきましては、前回もお答え申し上げたと思いますが、直接被害をこうむった漁民の方々とかそういう方々、あるいは間接被害のものにつきましては、三菱石油側も一応、今日まで補償に当たってきております。一部まだ間接的な被害者に対します補償というのは残っておると聞いておりますが、大部分においては間接被害者の補償も終わっておる、こういうふうに思っておりますが、今後もそういったことで、出てきましたものにつきましては、あくまで会社が誠意をもって補償するように指導していきたい、このように考えております。
 一般沿岸住民に対しますいろいろな問題ということにつきましては、当面、三菱石油そのものも非常に大きな被害を受けておりますし、そういったことで、直ちにそういった地域住民の皆さんに対します何か貢献できるようなことを考えるべきではありましょうけれども、いまの段階においては、そういったことはできないであろうと思います。まだ当面の企業を立て直して、会社の再建に努力するということが第一だろうと思いますが、その上でそうした問題についても配慮すべきではなかろうか、このように考えておるところでございます。
#220
○江田委員 環境庁長官にもまだあるのですけれども、あなたがほかの委員会へ出席を急がれるというので、先にやっているのです。したがって私はなるべく早く終わってもらうようにしたいと思うのですが、的確に答えてください、余り決まり切ったことを回りくどく答えられるとしようがないですから。
 第一は、いまの答えの中に、たとえば香川が反対をした場合には、対策本部としてはどうするのかという問題がすぐ出てきますね。関係四県の中の一番被害を大きく受けた香川が反対した場合には、どうするのかという問題が出てくるわけであります。
 それからタンクの安全性について、木原委員会の中間報告もすでに問題を指摘している。消防庁は、これが安全かどうかを認定するだけの技術的な用意はない。そこに不安があるのだが、どうかということについては、いまお答えがなかった。
 それから第三の、今後の防災体制について海上と陸上とが一緒になれるように、今度のコンビナート防災法案でできているはずだと聞いておるということでありましたが、たとえば海に流れた、水島港の中へ流れた油が発火するというようなことも想定としてはあり得るわけです。そのときには、海上保安庁関係の役所は、防災協定を水島で結んでいる二十八社に対して、すぐ協力を要請する措置がとれるかどうなのか。ただ道義的にというだけでなしに、命令というのではないのですけれども、一つの出動を求めるだけのことができるのかどうかということ。
 それから残油については、海岸についているのはわかるのですよ。海の底の問題なのだ。底は潜水夫をもぐらして調べておるということでありますが、環境庁の総合影響調査によると、油は残っているのだけれども、どこの油が残っているのかわからぬ。航行中の船がこぼしたのであるか、三菱の油であるか、あるいは他の企業の油であるかわからぬということであって、だれのものかわからぬということになれば、原因者の責任追及といったって、わけがわからぬことになる。そこに非常に不安があるわけですよ。だからおおむね一定地域に残っている油は、三菱石油のあの事故によるとしか想定できないということは言えるのではないかと私は思うのでございまして、この前、大阪湾でどうとかこうとかいうことは、そんなことは別問題、大体、流れた範囲はわかっているのですから、底に残っている油というものについてはやはり三菱の責任というのでなければ、だれも責任者のない油が残ってくれたのでは困ったことになるわけであります。
 それからもう一つ最後の問題の補償責任というのは、これは人間の活動には生産活動もあります。しかしながらいまレクリエーションというものが非常に大きなウエートを持ってきておるわけでありまして、そういう沿岸住民が、あの海が汚された、その汚れは今後もなお何年か続くということで、やはり被害者なのです。その被害者をほっておいていいということには、私はならぬと思うのです。ただ、会社がいま財政的に非常に苦しい、これはわかります。苦しいならば苦しいで、あるいは将来余裕がある場合にはこういうようなことをしたいと思うというようなことを、道義的に打ち出すのでなければ、沿岸住民としては、漁連だけで話がついてそれでいいのか、釣り道具の商売している人だけの話でいいのか、おれたちはどうするのかという強い不満は残るわけで、そういうことについて何らかの措置をとられることが必要ではないか。金額のことを言っているのではないのです。金額は幾らでもよろしい。やはり筋は通さなければいかぬのではないかと思います。その点どうお考えですか。
#221
○左藤政府委員 まず香川県が反対しておるというふうなことの御指摘でございました。この点につきましても、一つの県が反対したそれぞれの理由が、どういう形で反対するかというような理由もあろうかと思います。そうした意味で、一県でも反対したからどうだというようなことではなくて、そういったことにつきまして、やはり四県でいろいろ話し合った上で一つの方針を考えて、そういったものを対策本部として対策会議にその結果を報告した上で、非常に多角的、総合的に判断すべき性格のもので、反対の内容いかんによっては、非常にウエートの強い場合も、弱い場合も起こってくるのではないか、私はこのように考えるものでございます。
 それから二番目の、まだ事故の原因調査が完了していないのに、そういった問題についてやるということは不安が残るのではないかということですが、このことにつきまして中間報告で一応出ておるわけでございまして、結論的にも、今後そういうものが大きく変わるということはないと思います。ただ、いろいろ詳細なタンクの材質の問題とか、今後のいろいろなそういったことの資料も、そこでしっかりしたデータとして獲得するために、なお調査が続けられておるというような状態でございますし、さらにまた、この問題につきましては、仮に操業再開を認めるといたしましても、問題の二百七十番タンクと、それからその関連施設でございますが、これは最終的な結論が出て、そしてそのときにどういう形で改装させて、そして使わせるなら使わせるというふうなことで、その段階でなければ判断ができないものだ、このように考えております。
 三つ目の御質問の海の油の残置の問題につきましては、これは環境庁の方からお答えいただいた方がいいのかとも思います。
 それから最後の問題につきましては、御指摘の点につきまして、確かにそういった意味の道義的な責任と申しますかは、会社というものも感じておりますが、いますぐに、それではどういう答えができるかということにつきましては、あるいはむずかしいかと思いますが、当然、先生の御指摘のような考え方で会社も進むべきものである。われわれもその点については十分会社の方に話をしていきたい、このように思っております。
#222
○江田委員 岡山県なり倉敷市の方で再開オーケーという態度をとるのも、問題はあるけれども、あの大きな企業が操業ストップする状況で、失業問題もあったり、あるいは下請の経営というようないろいろな問題もあって、いつまでも放置しておくのは気の毒だ。とりあえず認めなければしょうがないではないかというのが、私は底を流れておる考え方だと受け取っておるのであります。岡山県なり倉敷市議会においても、何ら問題なしに、万事これでよろしい、こういうことではないのであって、いろいろな意見が出る、それを県知事あるいは市長として、そういうことについては私が責任をもってやるからということで、一応、了承を得ているわけであります。したがって、最終の指導に当たられる対策本部がどういう態度をとられるかということは、もう決まった決定の上に乗っかって、倉敷市まで、あるいは岡山市まで、ちょっと顔をのぞかせればいいということではないということだけは、あなたの方にも十分考えていただきたいと思う。特に香川県の問題については、まさか一番被害が大きかった香川が反対するのをほっちらかして、ほかの方で話ができたからというわけにはいかぬでしょう。当然、香川の諸君が了承し得るような条件を、これからお互いに相談し合って生み出していかなければならぬわけです。そういうことを生み出す中において、私が先ほど指摘した六つの問題点について、やはり対策本部がもっと明確な答えを用意されることが必要な条件ではないかと思うわけであります。
 三十分以上あなたをつないではいけないということがありましたから、私はあなたに対する質問はこれで終わりますが、これで問題がもう終わったというのではないということだけは、十分考えていただきたいと思います。どうぞ次の委員会の方へ。
 そこで環境庁長官にお尋ねするのは、さっきの影響調査の問題ですよ。明らかに現地の独自調査や漁民の実感とは違って、あの中間報告が出されたときに、何を言っていやがるのだという声が沸き上がっておることは、あなた方も聞いておられると思うのであります。今後あの中間報告に出されたデータだけをもとにして、この小委員会で結論を出されるのか、あるいは地方の独自調査なり漁民の実感から出たそういう声というものを取り上げて、この小委員会が結論を出されるのか、その点がまず第一点。
#223
○小沢国務大臣 総合調査はまさにいろいろな役所の機構を使っております。それから県にも委託しておりますが、それだからといって、実は行政的な調査でありませんで、純粋に私どもは科学的な調査と考えております。したがって、いまいろいろな調査の結果を中間的に取りまとめたものを、まず第一回目の学者の方々が集まった検討委員会に報告をして、いろいろ意見を聞いたわけでございます。これは最終結論でございませんで、生物の生態調査も続けていかなければいけませんし、また、おっしゃるように漁民の方々の感覚から見ると、どうもおかしいではないかということも確かにわかりますので、漁業組合の方々にもこの調査結果を、私どもは秘密の事項もありませんので、全部出しまして、説明でもいたしまして、そうしてまた実際に漁業をやっている側の意見も聞いて、小委員会とおっしゃいましたが検討委員会でございまして、この検討委員会はずっと続けてまいりますから、この点は私ども、おっしゃるようにそういいかげんに考えておりませんで、今後とも十分調査を継続し、また意見も聞き、それから香川の調査と食い違いがあるではないかというお話なのですが、香川県の調査というのは、やはり私どもがお願いして、私どもの調査の一つになってデータが集まっておりますから、その点はございません。ただ香川大学の先生方の意見で、水島の油がより赤潮その他を促進するのではないかという意見等がございました。あの先生も、実はこの調査と関係ありませんが、入っていただいてやっておりますから、今後も検討委員会を続けていきます。
#224
○江田委員 とにかくあの調査報告書を見ると、たとえば、室内実験をやったというようなことが出ているわけですね。だから漁師の諸君から言うと、こんなもの、室内実験なんてばかにするなよということなのですよ。自分たちは毎日海で実験を見ているの、だということであって、やはり今後この調査を深めるためには、漁民の実感というものを十分に踏まえてやっていただきたいと思う。もうすでにイカナゴが減った、そのために回遊が減ったということは異口同音に叫んでおることなのですから。
 それからもう一つの底に残っている残油の問題、これは一体どうするか。
#225
○小沢国務大臣 海底の油は、実は総合調査の結果でもごらんいただきましたように、水島の石油流出事故と関係がないと考えられる大阪湾、燧灘等に、残留の油がよけいあるとか、いろいろなあれがございます。しかも、この前も当委員会で私、申し上げたのですが、とにかく昭和四十五年から四十八年だけで二千六百トンも油が瀬戸内海では流出している。四十九年を入れ、しかもそれは十キロ以上の事故の集計ですから、それ以下のいろいろなものを考えてみますと、やはり三千五、六百トンの油が最近四、五年でこの水島以外でも出ているということを考えなければいけませんし、まず、そういう点を考えますと、政府が関係各省と連絡の上でやって、そしてそれぞれ考えられる原因者に割り当てをしてやる以外にはないのではないだろうか。しかし、どこが一体これを担当すべきかということになりますと、港湾は港湾の責任者が決まっております。港湾以外のところは、建設海岸は建設省が所管し、運輸海岸は運輸省が所管してということになっていますが、それが沖合いまでいっているのかどうか、いままで行政上の権限が不明確でございますので、これらはやはり内閣全体として瀬戸内海の環境保全臨時措置法の施行という面から考えていかなければいかぬことではないかと思って、これから私は検討しようと思っておったところでございます。どこが中心になって、そしてどういう責任を分担させながら、全体をやっていくかということは、もう少し検討させていただきたい。
#226
○江田委員 あなたのところの中間報告なり、それからこの間ここで答弁されたことなどからいくと、どうもこの三菱の事故が原因だとは言えないというところだけが出るのですよ。燧灘や大阪湾は知りませんけれども、しかしあの油が流れた地帯に底に残っておるC重油について、三菱が何%であるか何十%であるか。どのくらいかは別にして、関係がないということは言えないわけなのです。ところが、あの報告書なり答弁を承る限りにおいては、何か三菱は責任をもう感じなくて済むような、親心ではないと思いますけれども、はなはだ変な感じを受けるわけだから、そこのところはそうではないのだ、三菱にも何%か知らぬけれども責任はあるのだということだけは明確にしておかなければ、住民として納得できないわけです。そのことをひとつはっきりさせてください。
 それから、土井さんの質問の時間に食い込んでおりますから、もう一つだけでやめますが、沿岸一般住民への補償、これはあなたもこの前、何か考えてみなくてはならぬ問題のようには思うということを言われましたが、この解決に当たって、操業再開に当たって一歩前進をされる決意はございませんか。
#227
○小沢国務大臣 第一点の、油について水島の影響が全くないような印象を与えたとすれば、これは間違いで、あるのでございます。ただ問題は、それだけではないということを、調査結果から見ますといろいろ疑念も出ますので、申し上げているわけでございますから、御了解をいただきたい。
 第二の点、一般の瀬戸内海沿岸住民の、確かに権利義務までは法律的に云々できないかもしれぬが、しかし、あの海を自分たちのものと考えている人たちの、いろいろな生活の問題というものが影響を受けたことは事実でございますから、これは具体的にどうやったらいいのか、あれでございますが、何らかいわば政治姿勢あるいは企業の社会的責任を果たす姿勢の一つのあらわれとして、考えていくことは必要なことではないかと思いますので、その意味においては何か具体策がないか、これらについて指導もし、また検討もいたします。
#228
○江田委員 いずれにしろ、もう時間がないからやめますが、先ほどの左藤次官が本部長としてどういう態度をとられるか、あるいは特に環境庁長官が、この問題の最終段階でどのような指導をなされるかということを、大いに注目しておるということを申し上げておいて、やめます。
#229
○渡辺委員長 土井たか子君。
#230
○土井委員 ただいま江田三郎委員の方から、水島の三菱石油の流出事故についての御質問があり、そうして三菱石油が操業再開について非常に強い要望のもとに、ただいま各自治体についての説得なり申し入れなりを非常に強くされているという事情について、それを私も伺って知っているわけでありますが、先日、石油コンビナート等災害防止法案を連合審査で審議する席上、水島の三菱石油の油が流出したあの事件について考えていった場合に、水質汚濁防止法という法律から考えて、これは排出口から出ている油があるわけでありますから、これをどう取り扱われるかということについての質問を、私はしたわけでありますが、この質問の仕方がもう一つ不適正であったのでしょう、一般的な油というふうに受けとめられた御答弁しか、いまだ私は承っていないのです。今回のあの三菱石油の水島で流れました油については、水質汚濁防止法の観点から考えて、どういうふうに環境庁としては現時点でお考えになっていらっしゃるかということを、ひとつ承りたいのです。
#231
○大場政府委員 水質汚濁防止法の十二条で、特定事業者は、その排水口において排水基準に適合した排出水でなければ、排出してはならない、こういう規定がございます。そういうことと照らし合わせて、今回の水島事故を考えますと、道路の側溝等を通じて、つまり排水口を経由しないで環境水域に流れているというケースがかなり多うございます。しかしまた、それと同時に、冷却排水系統の貯水池を経由して、排水口を経由して流れている油もかなりあることも事実でございますから、その部分に着目いたしますと、形式的には十二条に禁止している行為に該当するのではないかという考え方も成り立ち得ると考えております。
 私ども環境庁の事務としては、できるだけ積極的にこの規定を解釈したいと思っておりますが、いろいろ政府部内での解釈の統一の問題もございますし、それから事実関係の調査、こういったことも絡み合いますので、その点は捜査当局との今後の打ち合わせにまちたいと思っているわけでございます。
#232
○土井委員 本来、環境庁とされては、環境保全ということで、特に水質汚濁防止法という現行法については、具体的にその事実に対してどういうふうに認識すべきかということをお考えになる主管庁でいらっしゃるわけですから、ひとつその考え方を強く関係各省部局の間で具体的にしていただく必要が、私はあると思います。姿勢を崩さないで、ひとつやっていただかなければならないと思います。
 さて、水島の重油流出事故について、あと一問だけお聞きしておきたいのは、先ほど江田三郎委員の方から、今回、環境影響調査について出されました内容からすると、あの程度のもので調査をしたと言われてはどうも困るというふうな意見が現地にあるという御質問の中身でありました。私もそういう事情については、現地でいろいろな意見も聴取をしているわけです。自治体の方で自主的に調査をされている中身と、かなりの食い違いがあるという点も、先ほどの質問で指摘をされております。
 そこで御答弁では、これで終わりでないので、調査については継続してやっていきたいというふうな御意向でいらっしゃるわけですね。ところが今回、問題になっておりますのは、もうすでに倉敷市の方では去る十六日に、一応、施設使用中止命令についての解除をしてよいのではないかという意向を、市段階でも、もう具体的に話を詰めているようであります。それから昨日は、御承知のとおり岡山県の方で、操業再開についても大体いいのではないかということが具体的に出てきております。さて、その操業再開について三菱側が言われるには、環境庁が出されている調査の結果からすると、大体のところは流出事故による影響というのは余りないというふうなことが言えるのではないか、大体これで大丈夫というふうな線が出ているのではないか、だから操業再開に踏み切っていいのではないかというふうに、いわゆる操業再開に踏み切る場合の理由の一つに、これが取り上げられるという気配が十分あるのですよ。これについて環境庁とされては、恐らく不本意だろうと私は思う。これで十分とはお考えになっていらっしゃらないようです、まだこれから調査をするということを、先ほど御答弁になっていらっしゃるわけですからね。したがいまして、これが操業再開について使われる理由の一つになるということに対して、環境庁としてはどういうふうな御見解をいまお持ちになっていらっしゃるかを、ひとつここではっきりお聞かせいただきたいのです。
#233
○小沢国務大臣 私は、操業をするか、しないかということは、二度とこの前のような事故が起きないかどうかの判定にかかっておると思うのでございまして、すでに十二月十八日ですか、あの事故がございましたものの、影響がもうなくなったからとか、まだあるからとかいうことが判断の材料になるのは、理論的ではないと思うのですね。そういう意味で、先ほど江田先生も言われました、あるいは土井先生もこの前、予算委員会でいろいろ御議論がございましたように、原因の最後までの究明が完全に行われてはいませんけれども、大体、中間的な報告も出たし、今度の法律が出ておりますけれども、その法律の趣旨に沿った防災体制も全部したいし、また、その他点検も全部やって、今後はもう起こり得ないだろうということなど、私は、防災上の見地が判断の基準になるべきで、被害がもう大体終わったとか終わらぬとか、まだ油が残っておるとかいうことが操業とつながるということはない。ただ、感情的にはいろいろな問題がございますから、関係者が全部納得の上でいくことがいいことでございますので、そういう意味では各県の御了解を十分得るなり、そういう客観的な状況というものを中央で把握して、円満にいくようにしたいということが基準の一つにもなる、こういうふうに考えておるわけでございます。
#234
○土井委員 大変含みのある御答弁なのですけれども、要するに、この調査の中間報告といいますか暫定報告といいますか、この報告を操業再開の一つの理由に使われるということに対しては、これは筋違いだというふうな御見解でいらっしゃる。このことは確認をさせていただきます。
 それと、先ほど環境庁長官に、水質汚濁防止法の問題に触れるというふうなことを、環境庁自身はお考えになっていらっしゃるということを承ったわけですが、そういう立場を、政府間でこの問題に対してどう考えるかということを、どこの場所で、具体的にどういうふうに、この水質汚濁防止法と今回の水島の油の流出問題について見解を明らかにされていくことになりますか。
#235
○小沢国務大臣 一番大事なことは、法制局との見解の統一だと思います。先ほど十二条の一項を局長が読み上げましたが、そういう点から見て、それで別表でどのくらいという基準がちゃんと決められているわけですから、形式的には今回あそこから流れた一部のものは、そのままずばり適用になるのではないかということでありますが、そういう考え方から、われわれとしては法制局に、これはやはり十二条違反の問題ではなかろうかということの問い合わせをしているわけですけれども、しかし一方、考えてみますと、この法律そのものも不備だろうと思いますが、本来、排出口に排出をするものの中に、こういうものを入れてはいかぬという趣旨で立法したものですから、どうも今回の災害のような事態を予想してなかったという意味においては、どうもこれを適用することは無理ではないかという意見も出てくるわけでございますので、なお法制局とよく詰めております。
#236
○土井委員 いまの御答弁についてはわかりました。
 さて、私は次の質問に移りたいと思うのですが、いまから、ある食品添加物について、それを使用していると一般に考えられている業界の中で出た文書の一部を読みたいと思います。かつて当委員会においては、AF2や石油たん白の問題などで環境を汚染して、それがいろいろな社会の循環の中で人体についての汚染をもたらすというふうな意味で、質問を展開したいきさつもございますが、ただいまから、まずこの文書を読んで、そうして質問に入りたいと思いますけれども、それにはこういうことを言っております。「最近の消費者アンケート調査によると、たべものに不安を感じているものは、回答者中9割にも達っしております。また国立ガンセンター疫学部長の発表によれば、「妊娠8ヵ月以降の後期死産における先天異常の発生率は20年前に比べ約20倍」このままで推移すれば、昭和65年には、昭和25年に比較して、人工流産で95倍、自然死産で46倍にもなる可能性があるといわれ、これらの原因が「食品添加物」であり、「PCB」などであるとされています。」云々、こういう文書があるのです。まずこれを一つ読んでおいて、ここで取り扱われている食品添加物という問題、これは毎日私たちが口に運んでおります食べ物の中に、知らない間にたくさんいろいろなものが入っているわけでありますが、ひとつきょうは、わけてもその中の一つのサッカリンという問題について、私はお尋ねしたいのです。
 かつて添加物については、七二年に食品衛生法の一部改正がなされておりますが、そのとぎに衆議院においても参議院においても附帯決議が出ていることを御承知だと思います。附帯決議の中の四という個所に「食品添加物については、常時その安全性を点検し、極力その使用を制限する方向で措置すること。」というのが衆議院側の方にあるのです。また参議院側も、その附帯決議の五で「食品添加物の安全性については、その時点における最高の科学的水準により常時点検を強化するとともに、食品添加物の使用は極力制限する方向で措置することとし、」云々とあるのです。だから本来、食品添加物というものは、極力その使用を制限する方向で措置を講ずることが考えられなくてはならない、これが食品衛生法の一部改正についての国会での附帯決議の中身で、はっきり述べられているわけですね。
 そこでお尋ねをしたいのですが、厚生省からきょう御出席いただいているのは食品化学課長さんですね。いまその添加物にはいろいろございますが、サッカリンナトリウム及びサッカリンというのは、これは添加物でございますか。
#237
○宮沢説明員 お答え申し上げます。
 第六条で「化学的合成品」は厚生大臣が指定したものとなっておりますが、その「化学的合成品」に該当いたします。
#238
○土井委員 「化学的合成品」とおっしゃるが、添加物になっていますかということについてはいかがです。
#239
○宮沢説明員 食品添加物として指定されております。
#240
○土井委員 いま食品添加物として認められているというお答えです。ところが食品衛生法の施行令の第一条というところに、サッカリンナトリウム及びその製剤は、製品検査を行うべき添加物に指定をされておりませんね、現在は。以前はいかがだったのですか。
#241
○宮沢説明員 昭和四十七年の法律改正以前は検査品目になっておりました。
#242
○土井委員 そうしますと、なぜ、その指定から解除されるということになったのですか。
#243
○宮沢説明員 お答えします。
 四十七年以前までは着色料のタール色素のほかに過酸化ベンゾイルとかサッカリン等も検査品目でございましたが、ずっと検査しておりまして、一つのルーチンになって、特に合格、不合格等の問題もさして問題もなくなってきた、こういうことで、タール色素と中華そばのかん水を除いた以外のものは検査品目から外してございます。
#244
○土井委員 合格、不合格ということについて問題にする意味がなくなってきたのですか。いまの御答弁からすると、そういう御答弁だったと思うのですけれども、これは時間のかげんがあるからいいです。
 サッカリンについて製品検査を再び行うというふうなことに指定する予定がありますか。
#245
○宮沢説明員 いまでは新しく検査品目にするというような考えは持っておりません。
#246
○土井委員 それでは、現にその製品検査を行わないで発売されておりますサッカリンナトリウムの純度というもの、これは一体だれが、どのような方法で確認しているのですか。
#247
○宮沢説明員 お答えいたします。
 食品衛生法では、監視は都道府県にお願いしておりまして、食品衛生監視員が都道府県、保健所等に配属されておりまして、随時そういった添加物についても抜き取り検査を行って、それが厚生省の定めた基準に合格しているかどうかをチェックしております。
#248
○土井委員 そういうことを聞いているのではないのですよ。製品検査を行わないで発売されているサッカリンナトリウムの純度を、だれがどのような方法で確認をしておりますかということを、私はお尋ねしているのです。
#249
○宮沢説明員 サッカリンの純度と申しますか規格基準については、法律で決まっております。それに合格しているかどうかということについては、食品衛生監視員が収去をしまして、そして確認をしております。
#250
○土井委員 サッカリンを現に製造している会社というのは何社あるのですか。
#251
○宮沢説明員 ちょっと正確にお答えできませんが、六社ぐらいというふうに聞いております。
#252
○土井委員 その六社について、いまサッカリンを製造されている中身は、一体、純度という点から言うとどういうことになっていますか。厚生省としてはどういうふうに把握なすっていますか。
#253
○宮沢説明員 厚生省でサッカリンについての、こういう純度を持ったものでなければならないという規格基準を定めております。それに合格しているものが製造され、市販されている、こういうふうに私ども思っております。
#254
○土井委員 規格基準は結構です。それは調べれば書いてありますからね。現に日本においてサッカリンを製造している会社については、それが合っているか合っていないかをお調べになるのでしょう。したがって、お調べになった結果は、一体、純度はどれぐらいでございますかということを、私はお尋ねしているのです。規格基準について聞いているわけではない。
#255
○宮沢説明員 そういったものが市販されますと、市場から都道府県の食品衛生監視員が収去をして純度を見る、あるいは場合によっては製造業者に立ち入って、ロットごとにサッカリンを適宜、収去して調べる、こういうふうな仕組みになっておりまして、実際に、具体的にどこの会社のものが、どういう純度だというような成績は、私どもは持っておりません。
#256
○土井委員 そうすると、その段階で調べるということは現にないのですね。会社で製造されているサッカリンについてお調べになるということはないのですね。これを確認しておきましょう。
#257
○宮沢説明員 都道府県で製造業者に立ち入って収去したり、市販されているものを収去して検査をする、こういうことは随時やっているはずでございます。そして違反がありますと厚生省の方に報告が入ってまいりますが、違反がないと、そういう報告はございません。
#258
○土井委員 いいかげんなものですね。規格についてお決めになるのは厚生省さんでしょう。それが守られているかどうかということは、もう都道府県に任せきりなのですか。違反があるときだけは聞きましょうという態度なのですか。内容が具体的にどういうことになっているかというのは、厚生省自身が責任をもってお調べになるということはないのですか。規格基準をちゃんとおつくりになるのは厚生省でしょう。いかがなのです。
#259
○宮沢説明員 サッカリンを含め規格基準の定められております食品添加物は、当然メーカーの側では規格基準に合格するものをつくって市販しなければならない、こういうふうになっております。食品衛生法の仕組みで、監視というものは都道府県に私ども、お願いしている、こういう法律体系になっております。そこで各都道府県には何回以上少なくとも監視をするようにということは概括的にお願いしております。そこで違反品が出た場合、それは私どものところに直ちに報告される、こういうことになっております。
#260
○土井委員 いまお答えになっていらっしゃることは、はき違いがおありになるのではないかと思いますよ。都道府県で食品衛生監視員が立ち入って随時調べるというのは、サッカリンの使用基準について守られているか、守られていないかをお調べになるのではないですか。いま私がお尋ねしているのは、サッカリンそのものについての純度を問題にしているのですよ。いかがなのです。
#261
○宮沢説明員 先生の御指摘の食品については、もちろん使用基準がちゃんと守られているかどうかも調べますが、添加物についてもこれはやっております。
#262
○土井委員 やっておりますとおっしゃっても、厚生省さんがおやりになっていらっしゃるわけではないのですね。各都道府県の食品衛生監視員がそれぞれに手分けをして、しかも、これは十分にやっていらっしゃるかやっていらっしゃらないか、そこのところがまた問題だと思う。だから、一たん規格基準というものをおつくりになったら、あとは厚生省は、これは規格基準に沿ってメーカーがつくるのが当然だということでお臨みになっているのが基本線だというふうに考えていいですね。つまり、メーカー任せですわ、製造者任せですわ。まず、そこの点を確認しますよ、いまの御答弁からしたら、そうならざるを得ぬのだもの。だから、そこの点、確認をまずいたします。ふんふんと首を振っていらっしゃるから、それは確認をできたことと私は考えまして、次に進みます。
 現にサッカリンの使われているいろいろな食品がございますが、使用基準がすでにございます食品について、その名を挙げていただきたいと思います。
#263
○宮沢説明員 サッカリンが現在、使用を認められておりますのは、たくあんづけとかその他のつけもの類、しょうゆ、海草加工品、焼きノリのようなものでございます。煮豆とかつくだ煮。飲料では、アルコール飲料を除いた飲料でございます。それから氷菓、ソース、酢、魚肉練り製品、それからみそとか発酵乳、アイスクリーム類、菓子、パン、ジャム、フラワーペーストとかあん類、こういったものが主なものでございます。
#264
○土井委員 そういったものといっても、まだほかにもあるようでありますが、これは挙げていきますと大変な数ですわ。中にはことさらサッカリンを必要としない食品もあるのではないですか。食品添加物の許可基準の中にどういうふうに書いてございましょう。食品添加物は食品製造加工上必要欠くべからざるものでなければならないとなっております。そういう点からすると、これはすべて、それに該当しているというふうにお考えになりますか。
#265
○宮沢説明員 お答えいたします。
 食品添加物を指定する場合に、WHOあるいはFAOで考えております一つの国際的な原則がございますが、わが国におきましても、その線に沿って食品添加物を指定する際の基準をつくっております。それを読み上げますと、まず先生おっしゃられましたが、一番最初、食品の製造加工上必要不可欠なもの、その次に、食品の栄養価値を維持させるもの、それから三番目として、食品の損耗を少なくするため腐敗、変質その他化学的変化などを防ぐもの、それから四番目として、食品を美化し魅力を増すものとか、最後に、その他食品の消費者に利便を与えるもの、こういう五つの項目に沿って、私どもは指定をしております。
#266
○土井委員 特にいま最後にお読みになった点などというのは、消費者としては大変気にかかりますね。特にWHOというのを、事があるとそれを引き合いに出される。ここにおいては、われわれ日本の国会でかつて食品衛生法についての一部改正の折の附帯決議を最初に私が読み上げた点、添加物についてはこれを使わない方向で努力をするという意味を含んでいるのではないですか、附帯決議というのは。WHOよりも、まずこの決議にこたえていただく必要があるように私は思いますよ。その決議にこたえていただくという点から言えば、いまお読みになった幾らかのこの項目の中では、大変聞くのもおかしいという項目があるのではないですか、消費者からすれば、そうしてこの物品の中身を見てまいりますと、果たして加工上必要欠くべからざるものというふうに考えていいかどうか、やはり首をかしげなければならぬものも含まれていると思うのです。これに該当しないというものがありはしないか、このことに対してどうお考えになっていらっしゃいますか。その項目は結構ですから、いま、あるところの使用基準について考えられているそれぞれの食品をずっとごらんになった場合に、やはりこの食品添加物の許可基準から考えてみると、どうもこの点は使われても使われなくてもいい、使われなくてもいいのなら使わない方がいい、そういう点からこれはどうも不必要ではなかろうかと思われる点がありはしませんか、いかがです。
#267
○宮沢説明員 食品添加物の指定に当たりましては、食品が国際的にも流通するということで、各国で幾つかの、ここの国では認めてここでは認めていない、見解も違うというようなことで、よくトラブルがあるわけでございますので、私どもとしてはWHOに加盟した国としてWHOの決めた原則は尊重していきます。と同時に、いま先生から御指摘になったような、本当に日本の国情に照らして、特に外国などに問題がないような、すでに必要でないようなものもあるはずだということにつきましては、昭和四十九年から、実は特に保存料等から始めておりますが、指定された当時は必要であった添加物もあったと思います。しかし現在のような食品工業の技術的な開発によって必要としなくなったものも、これは事実あると思います。そういったことで実態調査を四十九年から始めておりまして、その時点で要らなくなっているようなものについては極力制限をしていく、こういう作業に取りかかっておるわけでございます。
#268
○土井委員 そういう作業に取りかかっていらっしゃるということは、一体、具体的にはいつごろ、どういう形で具体化されるかというのは大変気にかかる問題ですが、先を急ぎますから、ひとつサッカリン本来の問題、本質的なことについてお尋ねをしたいと思います。
 四十八年の四月の十六日に食品衛生調査会食品添加物部会において、サッカリンナトリウムの一般食品への使用禁止措置が決定をされましたね。そうして四十八年の四月の二十八日に、使用基準を改正をして使用禁止を告示なさいましたね。このサッカリンについての使用禁止というのは、なぜ使用禁止になったのですか。
#269
○宮沢説明員 お答え申し上げます。
 実はアメリカのFDAの担当官から、発がん性を疑わせるデータも出たので、近くアメリカも禁止をするかもしれないというような、そういう情報が入ったわけであります。
#270
○土井委員 ところがその後、四十八年の十一月の一日から使用禁止を実施をなさるや否や、これについての解除が引き続き十二月の末にされておりますね。十二月の二十七日でございますね。なぜ、これ使用禁止が解除になったのですか。
#271
○宮沢説明員 お答え申し上げます。
 アメリカでがん原性を疑わせるデータが出たということで禁止をするという情報が入ったわけでございまして、日本ではサッカリンというものが、残された最後の人工甘味料だった。人工甘味料というものは、食品を加工する面で砂糖はどうしても使えないというような多くの食品があるわけでございますが、しかし、がん原性を疑わしめるということになれば、食品をつくることができなくなっても、やはり国民の健康を優先すべきである、こういうことから、一定期限の使用禁止に踏み切ったわけでございますが、その後四十八年の五月の二十五日にアメリカで、サッカリンについて現在、研究中であるけれども、科学アカデミーに委嘱して研究しておりますが、その結論が出るまでは現状の規制を強化しない、つまりサッカリンの使用を従前どおり認めていく、こういうような公式の発表があったわけでございます。そこで日本でも、サッカリンについてがん原性があるということで、消費者の健康を第一義的に考えて一度は禁止の措置をとったわけでございますが、そういう点等についてアメリカは禁止をしないまま研究を続けるということでございますし、日本におきましても幾つかの食品についてサッカリンを全面的に排除した場合に、非常に食品の製造その他の面から差しさわりが出てくる、こういうことから、ぎりぎり最小限度の使用量を認める、こういう措置をとったわけでございます。
#272
○土井委員 昨日、私は要求をいたしまして、その間の資料について手元にいただいておりますが、手元にいただいたいろいろな資料によって見てまいりますと、問題は、使用禁止が解除されたのは十二月十八日の食品衛生調査会の添加物・毒性合同部会で問題にされた結果、結局は十二月二十七日に禁止解除という措置をおとりになっているという事情がはっきりいたしておりますね。
 ところで十二月十八日の、以下、合同部会と私は申し上げたいと思うのですが、合同部会のまとめを見ますと、「現在決定的な結論を出すことは困難であり、さらに各種の実験を追加して行ない、その結果をまって再検討を行なう必要がある。」というふうにまとめながら、その次が大変気にかかるのです。「しかしながら、人工甘味料の必要性という観点もあり、」というふうになっているのですね。この「人工甘味料の必要性」もありというのは、これは全く違った観点ではないでしょうか。これは安全性についての問題を、この合同部会では問題にされているわけでしょう。発がん性ありゃなしや、発がん性だけの問題ではありません。それ以外にこれは安全性確認についてはいろいろな条件がございますよ。そういうことについて大丈夫か大丈夫でないかということを問題にされるのが、この部会の任務だと私は思うのです。そこに突然「しかしながら、」と出てきて「人工甘味料の必要性という観点も」これありと出てくるわけですね。奇異な感がいたします。必要とあらば安全性確認されてなくてもどしどし使えということなのか、こう言いたいですよ。それならば、一体だれが必要視しているかという問題が、その次に出てくるのです。消費者がどうしても必要だから、安全性も確認されていないことはわかっていますけれども、使ってください使ってくださいと言っているのか。それとも人工甘味料というものを使うことによって、お砂糖を使うよりも非常に安く、しかも先ほどおっしゃったように、これは保存料としてもかけがえのない添加物であるということで、使わせてくださいという人たちがあるのではないか。だから、「人工甘味料の必要性という観点もあり、」とおっしゃっているその立場というのは、私は非常におもしろいなと思いながら拝見しました。
 そこで、お伺いをしたいのですが、食品衛生法の六条というところを見ますと、「人の健康を害う虞のない場合として厚生大臣が食品衛生調査会の意見をきいて定める場合を除いては、」云々とございますね。この場合には、「人の健康を害う虞のない場合として」ということが確認されたということを、責任をもりて完全に言い切れると言われますか。いかがです。
#273
○宮沢説明員 お答え申し上げます。
 四十八年の十二月十八日に、食品添加物の安全性について審議をいたします毒性部会と、それからその添加物の必要性というものについての審議をいたします添加物部会、この合同部会で、両面からいろいろ審議をされたわけでございますが、主として安全性について審議されております。その結果、サッカリンそのものの毒性と申しますか、そのものではなくて、アメリカで実験をして、膀胱に腫瘍を認めたという実験が、サッカリンの中の不純物に起因していたのか、それとも投与していた量が異常に多かったのが、何かの拍子に膀胱に結石をつくって、それががんにつながっていった、二次的な原因ではなかろうかとかいうようないろいろな議論がございました。そのときに、衛生試験所でサッカリンのがん原性についてちょうど実験をやって研究をしておったわけでございますので、そのまとめが出るまでの間、少なくともサッカリンが四十八年の四月以前までは野放し状態で、どんな食品に使っても構わぬというようなことで認めておったのでございます。したがって、そういう制度の上に立ってサッカリンを使った幾つかの食品が出たわけですが、この安全性について、そういうことでとにかく決定的なことは言えないが、がん原性についても必ずしも疑いをはさむようなことも、幾つかのデータを見ても、がん原性を報告しておりませんので、暫定的に一ミリグラム・パーキログラムというWHOの決めた基準の五分の一という量を設定した、こういういきさつでございます。
#274
○土井委員 暫定的と言い、便宜的と言い、御都合と言い、いろいろそれについてはございますでしょうけれども、要するに食品衛生調査会でいろいろと審議をなさる基本というのは、食品衛生法の六条、これを遵守するという態度でなければならないわけですね。だから、そういう点から言うと、暫定的とおっしゃるけれども、先ほど申し上げた「人工甘味料の必要性という観点」に重点を置いて、この六条で「人の健康を害う虞のない場合として」と言われる点が、まだ十二分に明らかにされていない段階でお出しになった告示ではなかったかということを、まず私は言いたいのです。
 そこで、さらに続けて問題にしたいのは、これは部会ではなるほどいろいろ討議をなさったということについての資料を、私はいただいております。部会のまとめも出ておりますが、食品衛生調査会常任委員会のまとめの中身はどうなっているのですか。四十八年十二月十八日の問題です。
#275
○宮沢説明員 お答え申し上げます。
 これは毒性部会と添加物部会のそういった審議の結果に基づいて行政措置をとったものでございまして、常任委員会には後ほど報告ということで、特に常任委員会での審議は行っておりません。
#276
○土井委員 それは現にあるところの食品衛生調査会運営規程、これはきのういただいた資料の中にもあるわけですが、これから考えるとおかしいということになりはしませんか。この規程の中には「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」と書いてありますよ。はっきりそう書いてあります。この中身からするとおかしいということになりはしませんか。この条文は食品衛生調査会運営規程の第三条の部分です。
#277
○宮沢説明員 食品添加物の指定に当たっては、先ほど先生御指摘のように、食品衛生調査会の意見を聞いて指定をするということになっておりますが、十二月の使用基準の設定ということは、すでに指定されておったサッカリンについての基準の設定でございまして、これは食品衛生法七条の規定に基づいて厚生大臣が定めておるわけでございまして、この基準にも幾つかの基準があるわけでございますが、従来、そういう基準の設定あるいは改正等につきましては、常任委員会の意見は徴しておらないというのが当時の慣行でございました。
#278
○土井委員 まず第一に、慣行によってこの法規範というものが抜け穴になってしまう、曲げられていくということが、果たしていいか悪いかぐらいは御存じでおっしゃっているだろうと思うのです。
 それから、もうすでにそのことについては、この食品衛生調査会で討議をしているからと先ほど御答弁の中でおっしゃいましたけれども、問題は重大ではありませんか。十二月十八日に問題になっているのは、使用禁止をしているサッカリンについて使用禁止を解除するかどうかが問題になっているのですよ。そして、しかもその中身についてどういうふうに考えていくかということ、一日の摂取許容量について問題にするのですよ。大変これは大きなことですよ。単に量を問題にするという問題ではなかろうと私は思うのです。いまおっしゃったようなことが従来、慣例で認められるというのならば、その慣例を認めていった根拠をひとつ明示していただきたいです。
#279
○宮沢説明員 お答えします。
 サッカリンにつきましてがん原性の疑いがあるということで、四十八年四月に一般食品への使用は全面的に禁止しましたが、糖尿病等特殊な用途の食品については、その禁止はしておりません。
 それから、いまの慣行という言葉がちょっと悪かったのですが、常任委員会の下にいろいろの専門部会があるわけですが、毒性部会についての所管としては「食品、添加物、器具、容器及び包装の毒性、その他必要事項について調査審議する。」ということになっております。それから、添加物部会におきましては、「添加物、器具及び容器包装の規格基準の設定並びに添加物公定書に関する事項その他必要事項について調査審議する。」こういうことになっておりまして、毒性の審議と必要性の審議とは、この両部会に任された事項というふうに私どもは理解しております。
#280
○土井委員 部会は部会で、それぞれの所属部会で審議すべきものですよ。手続から言うとちゃんと明示してありますよ、第三条の中身を読めば。ところが、同じくその第三条に「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」とちゃんと書いてあるのです。しかもこの段階では、先ほど来の御答弁でもはっきりいたしておりますとおり、サッカリンについての毒性は全くございませんということにはなっていない段階ですよ。現在でもそうでありますが、全くございませんとは、まだわかっていない段階ですよ。そうして十二月十八日には「決定的な結論を出すことは困難」だと言い、「各種の実験を追加して行ない、その結果をまって再検討を行なう必要がある。」と言っているではないですか。その段階で決める問題ですから、これは重大だと私は先ほどから言っているのです。軽微なものについても、本来は「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」わけでしょう。ましてや、こういうことについてこの調査会の常任委員会の議決があったか、なかったかということは、私は大きな手続上の問題だと思いますよ。済んだことだからしようがないではないかとおっしゃるかもしれない。しかし、私はそんな問題ではないと思うのです。やはり公正を期すというのが、この食品衛生調査会ももちろんその一つでありますけれども、あらゆる調査会や審議会の要求される大事な要件でしょう。特に食品衛生調査会というのは昨今、大変に注目を浴びている調査会ですよ。われわれの食べている食品が安全であるか安全でないか、これは全く各家庭で一番気にかかっている昨今の大きな問題ですからね。AF2や石油たん白の問題を契機にして、そういうことに対する認識というのは一層強くなっていましょう。いかがです。
 再度お伺いしますけれども、四十八年十二月十八日に食品衛生調査会の常任委員会にお諮りになったのですか、いかがなのですか。
#281
○宮沢説明員 お答えします。
 常任委員会には、こういう措置をとった後で報告しております。このものについて毒性部会、添加物部会の結論を持っていって、そこで審議をしていただいておりません。
#282
○土井委員 そういたしますと、先ほど私が申し上げた食品衛生調査会運営規程からすると、それは違法になるかならないかという問題まであるのだと私は思うのだけれども、好ましい措置であったか、好ましくない措置であったかという点についてだけ言っても、好ましくない措置であったということはまずお認めになりますね。いかがです。
#283
○宮沢説明員 お答えします。
 当時の審議の経過等についていろいろ調べてみましたが、使用基準の一部改正というようなことについては、常任委員会にはあくまでも報告をする、こういうことで当時の私どもは理解しておったわけでございます。
#284
○渡辺委員長 土井君、申し合わせの時間が経過しましたので、結論をまとめてください。
#285
○土井委員 いいです。この点だけはっきりさせて、私はまた次回に続行しましょう。
 いま、そういうふうに理解をしておったとおっしゃいましたが、その理解自身も、先ほど私が申し上げたような観点からひとつ考えてみてくださいよ。この食品衛生調査会の運営規程からすると、書かれているのは第三条で、これはだれが読んでもこのとおりなのです。「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」と書いてある。したがいまして、常任委員会に諮っておりませんということもいまおっしゃった。決めてから後で報告はしております。こうおっしゃった。つまり常任委員会の議決がなかったのでしょう。それを「調査会の決議とする」ことがしてなかったわけでしょう、当時。だから、それからすると、この規程からすれば間違っておりましたね、こう聞いているのです。それでいいと解釈なさっていたかどうかということは、私は聞いていないのですよ。この規程から考えて、そういう解釈というのは間違っているというふうに言わざるを得ぬのです、客観的に考えて。課長さんの御認識はどうあれ、やはり食品衛生調査会というのは公の場所ですから、公の場所の運営というのは、公にはっきり認められている運営規程によって運営されなければならない、これはまず鉄則です。したがいまして、運営規程から見ていって、いまの問題は常任委員会に諮っていない、事後の報告しかないという意味において、常任委員会の議決もなければ、したがって、それを調査会の決議としたということでもなかったというふうに考えられますね。いかがです。
#286
○宮沢説明員 お答えします。
 先ほど申し上げましたように、毒性部会は毒性について審議をすることが任されておるわけでございまして、私どもとしましては、すでに指定されている、すでに使われている添加物の使用基準の一部改正ということでありますので、毒性部会限りで任されておったというふうに理解をしているわけけであります。
#287
○渡辺委員長 宮沢課長、きちっと答弁してください。そういうことでは困りますよ。
#288
○土井委員 これは何遍言っても同じですよ。いまも部会に任されておったというふうにおっしゃる。だから、そうなってくると、いまの運営規程の根拠を示してください、そういうことをおっしゃるなら。それは、そういうことであるならば、そういう決め方をしてあるでしょう。私はどこをどう見でも、そういうふうなことをおっしゃるような根拠がないのですもの、この規程の中に。課長さんもそれはよく御存じだと思います、この規程については。いかがですか。
#289
○宮沢説明員 食品衛生調査会は、重要な事項等について審議をしたり意見具申をしていただくことになっておるわけでございまして、私どもとしましては、その添加物についての指定は、今度は法律改正と同時に食品衛生調査会の意見を聞くことにしておりますが、使用基準の一部改正につきましても、今回のようなサッカリン等について、非常に問題を持って一般の消費者がそれに関心を抱くというような状況になってまいりましたので、今回は常任委員会に御審議いただいておるわけでございます。
#290
○土井委員 もうこれは答弁になっていないのですよ。いまの御答弁からすると、消費者が認識を持ってきたら、これは常任委員会にかけて、認識がまだ薄いなと思われたら常任委員会にかけないということになるのですか。そんな論法があったものですか。私が先ほどから言っているのは、運営規程に基づいて言っているのですよ。運営規程の中に私心をまじえないでいただきたい。そういう価値判断を別のところにおいて問題にしていただきたくないですよ。やはりこの食品衛生調査会それ自身については、この運営規程というものが食品衛生法に基づいてあるのですから、したがって、運営もそれに基づいておやりにならなければ困る。これは御承知のとおりです。いま、運営規程に基づいて言うなら、十二月十八日に、この常任委員会の議決がなかった、常任委員会の議決を調査会の決議とすることがなかった。これはもう四十八年十二月十八日段階のことですから、そうでございましたということをおっしゃれば、それはそのとおりなのです。事実がそうなのだから。そうして、それはこの運営規程からすると運営規程を満たしたものではなかったのですねということについても、それは事実はそのとおりだと思うのです。いかがです。
#291
○宮沢説明員 私どもはその運営規程を十分知っておりまして、十二月十八日の措置は運営規程を満たしておった、こういうふうに理解しております。
#292
○土井委員 それは先ほど来、何遍も言うとおりで、現行運営規程の中にそれはないのです。それが証拠に、それなら、もう一つ私は申し上げましょう。これは私は出さないでおきたいと思ったものですよ。
 最近、食品衛生調査会運営規程(案)というものが出ているのです。お出しになったのでしょう。この中身では、現行にないところが出てまいりましたよ。どういうところかと言うと「常任委員会は、前項の決定を行う場合において比較的軽易な事項であると判断したときは、当該部会の議決をもって常任委員会の議決とすることができる。」こう書いてあるのです。これは今回出されてきた案において初めて出てきた問題ですよ。いつ出されたかというのは、四十九年の五月ごろではないですか。これは責任をもってひとつ御答弁願いますよ。四十九年の五月ごろでしょう。こういう従前にない、つまり現行規程というのは、先ほど私が申しました第三条において「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」としか書いてないですね。お出しになっていらっしゃるこの案は、いまだにこれは通っておりません。認められておりません。案は案であります。案の中でわざわざこういうことをお出しになるというのは、やはりこういう認識を厚生省がお持ちになっていらっしゃるから、こういう案がつくられるわけですね。従前にないものをわざわざここに具体的に持ってこなければならないということは、いまの現行法の中にはこういうことがないという御認識があるのではないですか。いかがです。
#293
○宮沢説明員 ただいまの先生の、その案の中の軽易なものというものは、私ども先ほど来申し上げておるような、使用基準の改正とか、あるいは添加物の純度を改正するとか、そういうような、従来から常任委員会に諮っておらないものが具体的にどういうものかということを整理しておくというつもりで、その案は書かれております。
#294
○渡辺委員長 土井君、時間がありませんから、まとめてください。
#295
○土井委員 はい、わかりました。ただ、御答弁が全然同じところの繰り返しでありまして、私の質問に対してお答えにならないものですから、したがって、それは水かけ論のような調子になるわけでありますけれども。
 そうすると、従来からこういうふうな行き方をなすっていたということは、つまり現行運営規程の中身を十分に理解をし、遵守をするということを心がけてこられなかったというふうに理解してようございますか。
#296
○宮沢説明員 従来から、その運営規程は十分私どもは遵守してまいりました。
#297
○土井委員 してないではありませんか。いま案として出されたようなものは、現行運営規程のどこをどう探してもございませんよ。そうして、しかも「比較的軽易な」というのは一体だれが判断するのです。食品衛生調査会の役割りというのは非常に大きいというふうに考えておりますから、運営の点においても、便宜的な運営を、この運営規程を外れてやられることは、私は間違いだと思っているのです。こういうことに対しては慎重に慎重を期して、行き過ぎでは決してない。慎重に慎重を期してやっていただくのが、やはり食品安全ということに対して責任を持っていらっしゃる厚生省の態度ではありませんか。安全性の確認などというものは、やってもやってもやり過ぎではないと私は考えていますよ。そういう点から考えますと、まことにこの食品衛生調査会の運営というのは便宜主義に流れているというきらいが感じられてならないのです。いま先ほどの、部会の審議があればそれで事足りる、部会でかける問題でございますから、そういうふうに言われている同じ三条に、部会の問題に入る前に「調査会において、別段の定めをした場合の外は、常任委員会の議決を調査会の決議とする。」と書いてあるのですから、調査会の決議というものは一体どこで諮られるかというと、常任委員会の議決なのだということが、この文面から非常にはっきりしているではありませんか。したがって、それからすると、私は、昨日いただいた四十八年十二月十八日の資料について検討した結果、あらおかしいなという気がしたのです。常任委員会の資料がどこにもない。どうなっているのだろう。探してもないわけです。当然諮られてしかるべき常任委員会の資料がない。このことについては、先ほど来お聞きになっていらっしゃる環境庁長官にひとつ客観的な――関係省庁ではいらっしゃいませんから、ですから、関係省庁ではいらっしゃらないという立場で、このことについてお聞きする大臣とは思いませんけれども、しかし、こういう問題については、やはり食品公害というふうな問題が昨今、大変に大きな問題でございますので、環境庁長官とされて、いまのこの食品衛生調査会についての運営規定から考えていって、先ほどの私の質問に対する御答弁、このやりとりについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#298
○小沢国務大臣 これは厚生大臣の所管でございますが、私は所管外の者として聞いておりまして、先生おっしゃるように、恐らくはいままでの食品衛生調査会の運営規程では、部会の結論をもって調査会の結論とするという運営規程はつくってなかったのではないか、しかし恐らく、部会長が調査会の会長等とも相談をして、軽微なものは部会の決議をもって大体それで答申にかえておったのではないか、そういうようなやり方をしておったから、結局、今度新しく調査会の運営規程を直すに当たっては、そういうものを一つ明確に入れておいた方がいいというので、そういう案を事務当局が立案をしておったのではないかと思います。
 いま聞いておりまして、確かに、調査会の運営規程の中に全くないものを、常任委員会にかけないでやるということについては、これは私は、厚生省は運営の事務当局になるわけでございますから、厚生省の食品衛生課なりあるいは食品化学課なりというものは事務当局になる、ちょうど私どもの中公審の事務局を担当しているようなものでございますから、したがって、やはり役人は厳格な上にも厳格に法律なり規程なりに忠実にやっていかなければならない立場でございますから、御批判をいただいても、これはやむを得ぬなと思って聞いておりました。
 今後そういうことのないように、私からも、私は厚生省の先輩としても、厚生省の仕事の運営について非常に重大な関心を持っておりますから、そうした疑惑がいささかも起こらぬように十分やってもらいたいという、先輩としての気持ちもありますから、よく助言もいたしてみたい、かように考えます。
#299
○渡辺委員長 もう終わってください。
#300
○土井委員 時間が来たと、先ほどから御催促であります。実はこれは、いよいよこれからが本題というところで時間切れになるので、私は、この問題については次回に続行させていただくということを申し上げて、ここで一応きょうの質問は終わりにしたいと思います。
#301
○渡辺委員長 次回は、来る二十七日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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