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#1
第075回国会 科学技術振興対策特別委員会 第13号
昭和五十年六月二十五日(水曜日)
    午後一時十八分開議
 出席委員
   委員長 八木  昇君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 田川 誠一君
   理事 竹中 修一君 理事 前田 正男君
   理事 石野 久男君 理事 米内山義一郎君
   理事 瀬崎 博義君
      梶山 静六君    羽田  孜君
      湯山  勇君    近江巳記夫君
      内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      佐々木義武君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     片山 石郎君
        科学技術庁原子
        力局長     生田 豊朗君
        科学技術庁原子
        力局次長    半澤 治雄君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局原子炉規制
        課長      中村 守孝君
        法務大臣官房訟
        務部第三課長  奥平 守男君
        資源エネルギー
        庁公益事業部開
        発課長     松尾 成美君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十五日
 辞任         補欠選任
  堂森 芳夫君     湯山  勇君
同日
 辞任         補欠選任
  湯山  勇君     堂森 芳夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(原子力の安全性
 確保に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○八木委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米内山義一郎君。
#3
○米内山委員 原子力船「むつ」のことにつきましては、先般来のいろいろな審議の速記録を見た上でいろいろ質問申し上げる予定ですので、きょうはたった一問だけお尋ねしておきます。
 ある意味で、これからあの原子力船「むつ」はどうなるかということよりも、何に役立てるのか。いままでずいぶん時間と金をかけたのだからやめられないというだけでは、これをやっていく意義がまだ半分しかない。本当に原子力船というものを産業的に開発するためには、下手なものにひっかかっているとかえって損をするということも考えられないわけでもないわけですから、この点で、今後あの原子力船を所期の目的に沿うてどう利用して、活用するかということをお尋ねしたいと思う。
#4
○佐々木国務大臣 「むつ」の本質は、実験船であることは御承知のとおりでございまして、その実験の途上でああいう問題が起きたんですけれども、これを修理、総点検いたしまして、安全であるという立証がつき次第、また本来の使命である実験船としての運航をするわけでございますが、二年ほど大体運航をしてみまして、実験の目的もほぼ達したという場合には、現在までのところでは、特殊な貨物船のような使用がいいのではないかという御議論もございまして、大体それに沿うように船体等はつくってあります。しかし、場合によっては、あるいは訓練船、あるいは青年の船のような考え方等も考えられるのじゃないかというふうな御議論もいろいろございまして、実験船以後の利用方法に関しましては、もう少し検討してみたらどうかというふうに実は考えております。
#5
○米内山委員 けさかきのうの新聞報道ですが、関西電力がどこかに二百四十万キロの原子力発電を計画しているということを見たのですが、それでも日本一だと、こう言われる。これはいまどういう段階になっておりますか。
#6
○生田政府委員 私どもも新聞で見ただけでございまして、関西電力から説明は聞いておりません。
#7
○米内山委員 私は、先般青森県の東通村にこれの十倍、二千万キロという世界に例のないものができるんだが、御存じかと言ったら、知らないとあなたおっしゃった。古くて忘れたのですか、それとも公式に書類の上で関知しなかったということですか、まるっきり知らないということですか。
#8
○生田政府委員 新聞雑誌等でそういうことは読んだことはございます。しかし、公式にも非公式にも会社から説明は受けておりません。
#9
○米内山委員 そこで、私はなぜ知っているか知らないかということを聞いたかというと、きわめて常識上の問題として、ああいう狭い環境に、百万キロの炉を背中合わせに三百五十メートル置きに十ヵ所、つまり二十の炉をつくるという計画なんです。こういうのが常識から考えて可能性があるのか、安全が保障されるのか、こう質問したら、そのときでなければわからないとあなたおっしゃったでしょう。これはおかしいんだよ、そういうあいまいな答弁では。できるかできないか知らないけれども、安全か安全でないかということであれば、私らはあなたが、安全だと考えていると理解してもいいし、安全が伴わないおそれもあるという理解と、二つの仕方しかないわけです。ですから、いまの段階において、あなたの職務上きわめて常識的に知っている知識を、そんなことは、できるかも知れないが危いものだとおっしゃるかどうか知りませんが、この点をはっきり答えてください。
#10
○生田政府委員 下北半島のどの辺にどういう地形、あるいはどういう海流を前提にいたしまして、どの程度の規模のどういう型の炉が建設されるのか、そういう具体的な条件が与えられませんと、それについて私どもは判断はできないわけでございます。ただ一概に、下北に二千万キロワットは安全か安全でないかという御質問をいただきましても、その段階では、何ともお答えいたしかねるわけでございます。
#11
○米内山委員 そんなにむずかしく聞いてないですよ。正面は海岸線に沿うて四キロ、山の方に一キロ半ぐらいの面積の中に、百万キロの炉を背中合わせに二つ、三百五十メートルごとに十カ所、二十個つくるということで、中学生に答えると思ってお答え願いたい。
#12
○生田政府委員 ちょっとむずかしい御質問でございますけれども、ただいま先生の御質問ですと、四キロの一キロ三百でございますか。そうしますと、大体五百万平方メートルぐらいになろうかと思います。いま調べましたところ、福島の第一発電所が三百四十万平方メートルで六基原子炉を置く計画になっております。それからごく簡単に算術で計算しますと、八百万キロワットから一千万キロワットぐらいまで、これは個々の原子炉の出力によって違ってまいりますけれども、福島との単純な算術計算をいたしますと、その程度は入るのじゃないかと思います。
#13
○米内山委員 私は、なぜこんな子供みたいなことで質問するかというと、決してあなた方を困らせる意味じゃないのです。こういう入り口のきわめて簡単なことに対しても歯切れが悪過ぎるのです。地元の住民はいろいろな学者、専門家から聞いてこれはとても大変だという知識を得ている。私は去年、先般の国会でこの問題を書面で質問したら、田中総理大臣が、五十万キロワットについて一秒間に六十トンないし七十トンの温排水が出る、これを一日に計算し、二千万キロにやると、およそ一億トンの温排水が出る。日本の全河川の流量は年間に四千億トンというときに、あの一カ所から日本の全河川の平均流量の十分の一近いものが七度、八度の温度をもって海に流れたら気象まで変わる。これは子供の知識なんです。
 そこで、私はなぜこの問題を取り上げるかというと、原子力の立地というものを考えた場合に、安全が大事なことはもうわかり切ったことです。安全性というのは、炉に対する安全性だけが安全性じゃないのですよ。環境と、その地域の漁業の状態とか人の生活、漁業に対する依存度とか、こっちの方の安全がまず最初に大事なんです。放射能なんていうのは、欠陥があったり故障が出れば、後から出るものなんです。私はそういう意味で、この東京電力と東北電力の計画というものは一種の詐欺だと思っている。できもしないものを中身を大きくして、広い土地を買い占めようという手段にすぎないと私は見抜いているわけなんです。
 この詐欺の申請に対して、農林省はすでに農地転用の許可という行政処分をしておる。ここではすでに原子力立地が進行形になっているのです。こういうふうに考えた場合に、この問題は今後の安全審査の中で重要な問題なんです。ところが、こういう進行形になっても横のつながりがないために、新聞では知っているが正式には知らないということになったら、こういう安全性の調整というものはできないでしょう。
 そこで、私は皆さん政府にお聞きしたいのは、たとえば、原子力なり電力をやるときには電調審の審査というものが必要なんです。これは一体どういう仕組みになっておるものなんですか。この法律によって電調審に行くまでは、会社がそういう計画を持ったときからどういう順序で進むことになっていますか。これはエネルギー庁の方からお聞きしておきたいと思います。
#14
○松尾説明員 ただいまの御質問でございますが、電源開発調整審議会が、これは実際にその電源開発に着手する前の段階で、その年度計画に具体的な地点を掲上してそれで基本計画の中に組み入れることになっております。したがいまして、それについての各省間の調整というのは、その基本計画をつくります前の段階で、事務局としては各省の間の調整を行います。
 したがいまして、時点としては原子力発電所の着手の以前の時点、その前に他に安全審査等々の手続が入ってまいりますが、実際に工事が始まるときから比べれば、二年くらい前と考えてよろしいかと思います。その時点で各省間の調整を行いますが、大体その前の時点で、いわゆる電気事業法に基づきます施設計画というものの提出がございます。その時点で通産省としては正式に知り得る事態になるわけでございまして、事実上はそれが起点となっております。
#15
○米内山委員 ちょっと聞き直しますが、私はこう聞いているのですよ。東北電力なら東北電力が東通に原子力発電をやるという計画を持ったときは、二年前に届けなければならないという規定があるというのですが、それはどういう意味ですか。
#16
○松尾説明員 電気事業法の上では、実際にその工事に、ある特定年度、たとえばことしでございますと五十年度でございますけれども、五十年度と五十一年度、これから二年の間に着工するものについては、五十年度が始まる四月一日、そこでこれを正式の届け出をすることになっております。
#17
○米内山委員 そうすると、そこに原子力発電をつくろうとするときは二年前に届け出、それから電調審にかかるのですか。そういう意味ですか。
#18
○松尾説明員 二年間ございますから、最終の時点を考えますと二年前ということであります。
#19
○米内山委員 それから、今度は発電所をつくるという許可の段階になるのですか。
#20
○松尾説明員 まず、政府として電源開発調整審議会という組織がございますので、これの基本計画に組み入れられるというのが、すべての手続、最終的な電気事業法の手続の出発点になってまいりますので、まず電源開発調整審議会の議に付され、基本計画に組み入れられるというのがありまして、その後で電気事業法に基づく正式の許可認可の手続の申請がございまして、それが進行をするという順序になっております。
#21
○米内山委員 その次には安全審査ということになるのですか、局長さん。
#22
○生田政府委員 電調審を通りまして設置許可の申請が出されますと、安全審査を始めることになります。
#23
○米内山委員 実は、この東通の場合には、四十七年に第一号炉に着手するという許可申請なんです。それがいま五十年でしょう。四十六年に土地を買って農民をみんな取りのけてしまった。会社は安い時期に広い土地を買ったかもしれないが、この農地はどうなっているか。金を受け取って他に職業を変えた人は、このために難民になっているのです。そこで今後は、出発点にこういう詐欺みたいなことで、安全審査とは別かもしれないが、政府なり企業者が住民に対して重大なうそをついた場合には、後で本当のことを言うても信用されなくなるのはあたりまえでしょう。当然のことなんです。
 「むつ」のことを振り返ってごらんなさい。これに反対する者は火を恐れた原始人のようなものだ、出港を阻止する者は科学に挑戦するものだと言って、開発を進める側が根も葉もないことで住民の心を逆なでするからああいうことになる。これはやり方いかんによってはここまで来なかったかもしれない。しかし、いまとなっては、政府がああいう公式の約束をしたから、長崎へ行くかどこへ行くか、行かざるを得ないでしょう。こういう出発点の、理屈の問題じゃなくて、姿勢の問題で誤るから、開発も何も時間がかかり、むだ金がかかるという結果を来す。
 だから、今後の開発に当たってはこういうことのないようにするために、最初から横の連絡をとって、そうして農地転用の許可も、一連の地域的な安全性、農民や漁民の利害、住民の利害というものと炉の科学的、技術的な安全性と一致させない限り、どこへ行ったってこの狭い日本ではこれは成立するものじゃない。しかも、日本の漁民なり農民はこの狭い国土の中で零細な漁業、農業をやっているんだから、アメリカのようなわけにいかないのは当然なんです。ですから、今後はこういう計画があるならば、最初から行政の中で横の連絡をとるような制度なり、そういうことをやる必要が私はあると思う。それは原子力開発利用のために役立つことだが、どうです大臣、こういう考え方は。
#24
○佐々木国務大臣 電源開発調整審議会の元法は電源開発促進法でございます。私がまだ経済企画庁の計画部長をやっておった当時つくった法律でございますので、当時の状況はよくわかっておりますが、当時は、大水力の開発を進める上におきまして、あの種の調整審議会があって、水利権の調整なり費用配分の調整なり、いろいろ数県にまたがるような問題ですから必要だったのでつくったように記憶いたします。
 ただ、その後原子力発電というものが出てまいりまして、調整審議会の調整をどういうふうにするかという問題のときに、これは新しい事態ですからやはりそれに即応する、そういう考え方というものは私はあったのじゃないかと思いますけれども、従来のシステムをそのまま踏襲いたしまして、そのかわり、安全の問題は原子力に関しましては特有の問題で、大変これはめんどうな問題だし、一番重要な問題なので、普通の発電のような形式で一応電調審が済んでも、安全の審査、検査は別途にやりますよ、それはさらに丹念にやりまして、その許可を伴うものは、その許可がなければ原子炉としては動かされませんよという仕組みにいたしまして今日に至っていると思います。
 したがって、いまの制度そのものが、私、安全というものを主体にして考えれば、必ずしも悪いことだとは思いませんけれども、しかし、お説のように水力を中心にした電調審でございますので、原子力発電とはおのずからまた、いろいろ電調審で扱う場合にもそれに即応した考え方というのも、工夫のしようによってはあるいはあるかとも存じます。しかし、これは少し深くやってみませんと、いまここでお説のとおりと言うわけにもまいりませんので……。
#25
○米内山委員 実は、私の説明もまだ言葉も足りないわけですが、私は、決して原子力発電の設置のことについて、農林省とも共管にせよとか、大蔵省とも共同管理せいという意味じゃないのですよ。こういう情報を横に連絡して、そのために企業者を呼んでヒヤリングするような必要があると思うのですよ。ですから、そういうことがないから、四十七年に着工するという計画を原子力局長が知らないというようなばかなことが、そういう欠陥のために起きているのです。そのために重大な不安を与え、不信を買うのですから、そういうことを原子力局長が知りませんと答えて当然なような開発の進め方じゃ、ちっとも改良にならぬだろうし、私、そういう意味で、今度これは考慮していただくことを、大臣がひとつ決意をしていただきたいと思います。
#26
○佐々木国務大臣 やはり原子力発電という特殊な発電が新しく誕生してきたわけですから、その審査の過程等に対して新しい工夫も必要かと存じますので、研究さしていただきたいと存じます。
#27
○米内山委員 では、私、終わります。
#28
○八木委員長 次に、近江巳記夫君。
#29
○近江委員 関西電力が、今度京都の久美浜町の蒲井地区の方で発電所建設のための事前環境調査を実施したいので、協力してもらいたいと文書で要請したということが明らかになったという問題でございますが、この点について科学技術庁は御存じでございますか。
#30
○生田政府委員 新聞記事で初めて知った次第でございまして、会社側から説明は受けておりません。
#31
○近江委員 きょうは通産省も来ておられるわけでございますが、まず電調審にそうした計画を会社から出す、それから科学技術庁の方にも回ってくる、こういうことになっておるわけですが、いつも問題になるのは、事前においてそうした問題をチェックできないかということなんですね。結局、公聴会をやり、住民とのそうした対話のルール等については政府もいろいろ考えておられるわけですが、いずれにしても、用地も確保した、莫大な投資もした、少々のことがあったって押さなければというのは、これが企業側の考えじゃないか、私はそのように見るわけでございますが、やはり事前におけるそうした話し合いといいますか、指導といいますか、そうしたことが当然あってしかるべきだと思うのですね。
 ところが、そうした打ち合わせのときに、はっきりした計画というのは事前にはないと思うのですね。その辺が問題じゃないかと私は思うのです。政府としても何らかの連絡等については当然やっておられると思うのですが、日ごろはどういうようにやっておるわけですか。そういうことは会社の方から出されないわけですか。
#32
○生田政府委員 電力各社の発電所の建設計画につきましては、毎年各社の施設計画というものをヒヤリングすることにしております。これは通産省がヒヤリングをするわけでございまして、原子力局の担当官も一緒に聞いております。その段階におきましてその年度の計画、さらにその年度から始まります今後の計画、数年間の計画というものを聞くわけでございます。
 ただ、ただいま先生御質問のようなかなり先のものにつきましては、その段階では出てこないのが通常でございまして、たとえば今後何年間に何万キロワットというような計画は出てまいりますが、地点といたしました場合に、まだその辺の、たとえば土地の手当てその他準備が整いません場合、会社としてもそこに果たして立地できるかどうかはっきりしないわけでございますので、そういうものは、たとえばA地点、B地点とか、X地点、Y地点とかそういう抽象的な、個々に何県のどこということを示さないような形で出てまいります。
#33
○近江委員 そうしたX地点なりY地点というようなあらわし方であれば、私は何ら事前におけるチェックということはできないと思うのですね。そういうアルファベットでいかにも生臭いそういう示し方というのは、私はよくないと思うのですね。この点は年度がわりのときに定期的にやっておられるということでございますが、今後は事前の何らかの指導であるとか、接触というものがあってしかるべきだと思うのです。そうやっていくためには、今後定期的に電力会社と通産省、科学技術庁交えてやっていく、ある程度計画されておる点につきましても明確にさしていく、そういう事前評価といいますか、その辺に対して政府は今後どのように取り組んでいかれるわけですか。
#34
○生田政府委員 私ども必ずしも、その設置許可の申請が出るまで、どこの電力会社がどういう計画を持っているか何も知らなくてもいいということを考えているわけではございません。
 ただ、先生御承知のように、電力会社が一つの発電所をつくりますについては、いろいろな手続なり事前の措置なりが必要なわけでございまして、その辺が一応の水準に達しますまでは、会社としてもなかなかそこに立地をするということが決めかねる状態でございますので、たとえば新聞に一部、こういうことで会社が地元に対してこういう要請をしたとか、あるいはこういう調査をしたとかいう段階におきましても、それが直ちにそこの地点にもう発電所をつくる計画が固まったというふうには、必ずしも判断できないように考えております。
 ただ、私どもといたしましても、電力会社から今後の計画につきましていろいろ説明を受けておりますし、われわれの方からも説明を求めるようなこともございますので、いろいろただいま御質問がありましたような点につきましては、今後ともなるべく電力会社から事情をよく聴取するようにいたしたいと思います。
#35
○近江委員 では、具体的に久美浜町の件につきましては、このように明らかになってきたわけでありますから、これは電力会社を呼んで事情を聞かれますか。
#36
○生田政府委員 御質問がございましたので、早速関西電力を呼びまして事情を聞いてみようと思います。
#37
○近江委員 これはこのように、そういう要請があったという時点でわかりましたので、いろいろ総合的な立場からこの検討ができるわけでございますが、わからなければ、いわゆる電調審を通じて来た時点でなければわからない、こういうようなことではどうしようもないと思うのです。そういう点で、いま関電を呼ぶということをおっしゃったわけでございますが、今後、でき得る限り電力会社とのそうした定期的な連絡会議等を設けられてキャッチをしていく、そういうことが大事ではないかと思うのです。その辺の今後の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#38
○生田政府委員 電力会社そのものを所管いたしますのは通産省でございますけれども、私どもといたしましても、いろいろな段階で電力会社と意見の交換をするような機会をつくっております。たとえば、大臣と各電力会社の社長との会合を時折やっておりますし、それから各社の立地問題担当あるいは原子力担当の重役クラスの方とわれわれとの会合というものも時折やっておりますし、さらにそれ以下の事務レベルの接触もいろいろございます。そういうものを今後もできるだけ強化してまいりたいと考えております。
#39
○近江委員 電力広域化というような問題も出てきておるわけですが、やはり各社にとっては、そうしたいろいろな計画というものは秘密に属するということもあろうかと思うのです。そうすると、一堂に会したところで、しかも事務的なことは、社長クラスはそこまで知らない。知らないというか、細かい点に至るまで知らないということがあるわけですね。そうしますと、もっと煮詰めた接触がやはり大事じゃないかと思うのです。その点、たとえば各社別にやるとか、いろいろな方法があろうかと思うのですが、その辺についてはどのようにお考えですか。
#40
○生田政府委員 その各社別のいろいろな情報はなるべく集めるように、今後とも努力してまいりたいと思います。
#41
○近江委員 特に久美浜町の原発については、一基百二十万キロワット、二基で二百四十万つくる、これは恐らく世界においても最大規模のものではないかと思うのです。ですから、やはり規模の点におきましてもこれは非常に問題であろうかと思いますし、いまよく事情を聞いてということをおっしゃっておるわけでございますから、事前の段階において十分指導すべき点があれば、現時点においてその点はよく指導していただきたい、このように思うわけであります。
 今後、そのように接触をし、事情も聞いて、事前のそうした評価といいますか、その点を高めていくということは非常にいい傾向だと思いますし、それはいわゆる行政ベースにおいてそうされるわけですが、今後それを義務づけていくとか、そういうようなことはお考えですか。
#42
○生田政府委員 その義務づけということになりますと、実は非常にむずかしいわけでございまして、それぞれ関係各省庁の権限、責任に応じました事務の分担がございますので、その段階でやってまいりませんと、義務づけるということになりますと、極端に申しますと、たとえば会社が不確定ではあるけれどもごくラフな計画をつくった、その段階でもすぐ安全審査を始めてしまうというようなことにもなりかねないわけでございます。そうしますと、たとえば地元の住民の納得が得られないままに安全審査を済ませてしまうということにもなりかねないわけでございますし、あるいは安全審査は合格したけれども用地の取得ができていない、あるいは漁業補償が終わっていないということにもなるわけでございますので、この事前の接触と申しましても、それを制度的にやるのは非常にむずかしいわけでございます。
 その辺の各省それぞれの権限と責任に応じましてやりました行政的な処理を持ち寄りまして調整するのが電源開発調整審議会、いわゆる電調審の仕事でございまして、それが果たしていまのままのようなやり方でよろしいのか、あるいは今後改善すべき余地があるのかどうか、この辺は、先ほど大臣の御答弁にありましたように、内閣の原子力行政懇談会でも検討しているところでございますので、制度化をどういたしますか、その結論は、行政懇談会の審議の結果によることになろうかと考えております。
#43
○近江委員 いずれにしても、そういうことは行政的にどしどしできることでございますから、大いに今後やっていただきたい、このように思うわけであります。
 それから、電力会社の社長会におきまして、今後いわゆる共同開発を進めていくとか、あるいは電源開発の両角総裁が同趣旨の発言もしておりますし、今後のエネルギー需要の増大に対応していく上での長期の戦略目標は原子力開発である、こうした趣旨の話もしておりますし、国に期待するところまことに大であるとも話しておる。これは結局、資金面と同時にいわゆる立地の問題、その他原発建設に付随する種々の重要なそうした問題について政府のバックアップが欲しい、こういうことじゃないかと私は思うわけでございますが、しかし、政府に期待するというのはいろいろな意味があるのじゃないかと私は思うのです。金の面からいけば、財投資金であるとかいろいろあろうかと思いますが、いわゆる科学技術庁のやっておられますビッグサイエンスの目玉として、この原子力あるいは宇宙、海洋、いろいろあろうかと思うのですが、いわゆる民間との負担の問題でございますが、現在FBRの高速増殖炉につきましては実験炉で、それからさらに新型の場合は原型炉になっているわけですね。
 それで、いままでお聞きしておったのは、いわゆる実験炉は政府がやる、原型炉については国と民間が負担をする、折半でやるということを聞いているのですが、たとえば高速増殖炉の場合、当初計画では原型炉は大体三百五十億ぐらいであったのが、現在、聞くところによると二千億ぐらい、あるいはそれ以上かかるだろうということを聞いているわけですね。そうなってきますと、もうこれは巨額の金が要るわけですし、折半するとしても国民の血税一千億をつぎ込むことになろうかと思うのです。最近は電力会社が非常に厳しいというようなことで、さらに政府の負担といいますか、期待するところ大であるということを盛んに言っておりますが、そのことはこういう負担の割合等についても言っておるのじゃないか、私は非常にそういう気持ちがするわけですが、こういう問題についてはどのようにお考えなんですか。何でもかんでも政府にやらせばいい、いいところだけを取っていこう、こういう企業の姿勢というのは、私は非常によくないと思うのですよ。国のお金と言ったって、これは国民の血税じゃないですか。その点についてのお考えを聞きたいと思うのです。
#44
○生田政府委員 先般、電力十社の社長と総裁が集まりまして、ただいま先生の御質問にありましたようなことを結論として、そういう結論に到達したということを新聞でも承知いたしましたし、その後電気事業連合会の方から、詳細は追って説明するけれども、とりあえずこういうことだというようなメモをもらっております。まだちょっと暇がございませんで詳細の説明を聞いておりませんので、その新聞の報道とそのもらいましたメモだけで判断する段階でございますけれども、各社が共同開発をするというようなことは、これは一つの合理的な方法であろうと思いますので、まあ個々のケース・バイ・ケースの話にはなりますけれども、方法としては結構なことじゃなかろうかというように思っております。
 ただ、政府の援助を大いに期待するという点につきましては、これは現在の電力会社の経理内容その他から考えますと、そういう意見が出るのは大変もっともな点もございます。ただ、ただいま先生の御指摘のように、いま困っているから金のかかるもの、やりにくいものは全部政府がやれ、金がかからなくてやりやすいものは自分の方でやるということは、これは当然許されないことでございます。その民間と国との分担には当然合理的な分担の割合なり、あるいは経費の負担の割合がなければいけないものでございますので、その点、むずかしいから全部政府に押しつけるということではなくて、何らかの合理的なラインを、関係の業界とも十分協議いたしまして決めていかなければいけないというように考えております。
#45
○近江委員 それは全般的な、いわゆる折半の基本的な考え方、割合の基本的な考え方をおっしゃったと思うのですが、こういう原型炉の場合なんかは二分の一ということが決まっているわけですね。こういう割合を、今後変えていくというようなことはありませんでしょうね。確認しておきます。
#46
○生田政府委員 高速増殖炉の原型炉の問題でございますが、実験炉につきましては約二百九十億円建設費がかかっております。これはたてまえといたしまして、実験炉は開発の経費を全額国が負担するというたてまえでやっております。原型炉につきましては、現在動燃事業団が原型炉を建設しておりますのは新型転換炉、いわゆるATRでございます。これが約六百九十億円の建設費でございますが、この原型炉につきましては、国と電力業界とが五〇、五〇で分担するというたてまえにいたしております。
 御質問の高速増殖炉の原型炉でございますが、これはまだそのサイト問題、立地問題に多少問題が残っておりまして、建設の計画がはっきり決められないわけでございますけれども、計画といたしましては、電気出力三十万キロワットのものをつくるということで動燃事業団が計画いたしております。
 ただ、その建設費の見通しでございますけれども、当初の見通しは、ただいま御質問にございましたように、三百五十億円程度でできるというような腹づもりでおったわけでございます。そのころといいますか、その腹づもりをいたしましたころは、世界的に大体この程度の高速増殖炉の原型炉につきましては、一億ドルぐらいでできるというのがほぼ常識でございましたので、当時の為替レートから考えまして約三百五十億円というように考えたわけでございますが、その後、欧米諸国におきまして実際に原型炉の建設が始まってみますと、非常にその経費がかさむわけでございます。これはその後の世界的なインフレの状況もございますけれども、やはりかなりの高度の技術を要するものでございますので非常に経費がかさみまして、たとえば、米国でつくられました原型炉が三千六百億円かかっております。約十倍でございます。それから西ドイツのものが千六百億円かかっております。ということでございますので、わが国で高速増殖炉の原型炉を建設いたします場合どのくらいかかるか、まだ詳細な見積もりはないわけでございますが、こういうアメリカあるいは西ドイツの例から考えますと、二、三千億はかかるのじゃないか。つまり、当初の三百五十億円に比べまして、六、七倍ぐらいの膨大な建設費がかかるのじゃないかというように考えております。それでもこの高速増殖炉につきましては、エネルギー資源の点から考えまして、わが国ではどうしても開発し実用化しなければならないものでございますので、これを新型動力炉開発の本命として開発を進めたいと考えております。
 そこで、ただいま御質問の建設費といいますか、そのコストの分担の問題でございます。私どもは、いまも申しましたように、原型炉につきましては五〇、五〇という原則を立てております。そういたしますと、仮に二千億かかりますと、国が千億出し民間が千億出すということになるわけでございます。それに対しまして、たとえば国の側から、その財政の面から申しましても、三百五十億だといたしまして、それが五〇、五〇といたしますと百七十五億円ずつになるわけでございます。それが、国が百七十五億円負担すればよかったものが一千億にふえるのではないか、その八百数十億というのは一体どうするのだという問題が、財政当局からは当然指摘されることになると思いますし、それから民間の方でも、民間の負担はやはり百七十五億でよかったのが一千億になる、民間の負担が八百数十億ふえるのは大変であるというような声が出てくるのは当然でございます。
 それで、特に民間といたしましては、こういう巨額の建設費、開発コストを要するものにつきましては、国の負担の割合をふやしてくれという意向がかなりございます。現にこの高速増殖炉の原型炉につきましても、アメリカの場合は政府が七六%、民間が二四%、つまり四分の三が国の負担、四分の一が民間の負担ということでございますし、ドイツの場合は九二%が国の負担、民間の負担が八%ということで、かなり国の負担の割合がふえております。こういうことを一つの例としまして、五〇、五〇よりももっと国の方に負担の割合を傾斜させるべきではないかという意見がございます。
 ただ、その財政面あるいはその電力業界の負担の面、両面から同じような問題点が提起されておりまして、両方を満足させるということは不可能でございますので、いまのところどういうふうにいたしますか、この五〇、五〇の原則を貫きますか、あるいは別の比率にいたしますか、決めかねている状況でございますので、今後原子力委員会の専門部会をつくりますので、そこにおきまして、こういう問題もじっくり検討して結論を出したい、かように考えております。
#47
○近江委員 この専門部会で検討されることもわかるわけですが、やはりいま共同開発ということを通じまして、電力業界はとにかく政府にもたれようという姿勢が非常に強過ぎる感じがするわけですね。こういう点においては現在もこうやって、ATRにつきましては六百九十億ということをいまおっしゃったわけですが、フィフティー・フィフティーでやっておられるわけですね。ですから、やはり政府の金といったところで、何回も申し上げておりますが国民の血税でありますし、そういう業界の姿勢に押しまくられるということは、私は非常によくないと思うのですね。ですから、専門部会で決めるということをおっしゃっておりますが、政府自身はどのようにお考えですか。
#48
○生田政府委員 いま、どうこういう方針は持ち合わせていないわけでございますが、ただ、この問題につきましては、電力会社の電力料金は政府の認可制になっております。いわば公共料金の一種でございます。したがいまして、自由競争の原則というのは電気事業につきましては働かないわけでございます。一種の地域独占料金の公的な規制という体制をとっているわけでございます。確かに先生のおっしゃいましたように、民間の負担を少なくしようと思いますと、国の金というのは国民の血税でございますので、一般の納税者が負担するという形になるわけでございますが、それでは国の負担を小さくして電力会社の負担を大きくするということになりますと、電力会社は当然その分を電力料金に転嫁するという形でしか負担のしようがないわけでございます。これは結局電力のユーザーといいますか、電力の消費者が負担するということになってくるわけでございまして、電力の消費者と一般の納税者とはほとんど範囲が同じであろうかと思います。ただ、その所得の配分の問題あるいはその所得の支出の問題でいろいろ差はあろうかと思いますが、そこの辺の判断になってまいります。
 ですから、この問題は、たとえば国鉄を合理化します場合に、国鉄の料金を値上げして国鉄の利用者の負担で合理化をするか、それとも国の経費、財政的な援助を増大することによって、一般納税者の負担によって国鉄の増強をするかという、公共料金一般の問題と同じでございます。その辺のところをどういうふうに判断いたしますか、非常にむずかしい問題でございますので、各界の専門家を集めまして、専門部会で慎重に御討議いただきたいと思っております。
 近江委員 そういう研究開発の負担が即料金にはね返ってくるといっても、しかし、九社で頭割りでいきますと、それぞれの各社の負担は違うとは思いますけれども、電力会社の規模からいきまして、頭割りの金額からいくとそんなにすぐ電気料金にはね返ってくるという考え方は、私はイコールじゃないと思うのですね。電力会社としては、そうした企業の経営の合理化であるとかいろいろな中で研究費を生み出していくという姿勢は当然だと思うのですよ。ですから、いままで科学技術庁はフィフティー・フィフティーでそうした原型炉についてはやってこられたわけでありますから、これが大きくなったからといって安易に企業寄りになっていくということは、私は非常によくないと思うのですね。
 ですから、やはり政府の考え方としては、少なくともいまの方針を堅持するか、さらに企業側にもっと負担をさせるか、むしろそちらの方向に考えるべきじゃないか、このように思うわけです。ですから、専門部会ということでありましょうが、政府としては少なくとも原則としては最低折半という考え方、そういう方向にお立ちになるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#49
○生田政府委員 先ほども申しましたように、現在は原型炉につきましては折半という原則を持っております。
 ただ、この問題につきましては非常に大きな問題でございます。ほかの国のナショナルプロジェクトとして開発いたしますビッグサイエンスの場合の経費の負担、分担割合の問題、そういうものとも関連いたしますし、それから電力料金問題、ただいま御指摘がございましたけれども、公共料金を総体として抑制するという政策のもとで電力料金そのものの査定をいたします場合、相当ぜい肉を落としましていっぱいいっぱいの査定を通産省がすると思いますので、その場合に、仮に各社別に割り振りますと、それほど大きくない経費でございましても、果たしてその余裕があるかどうかというような、その辺の通産省の電力料金政策との関連もございますし、いまここで五〇、五〇の原則は断固堅持するということを申しましても、果たしてそれで開発が進むかどうか、その辺の確信を持てない次第でございますので、先生の御意見は十分承っておきたいと思いますが、その具体的な決め方につきましては、やはり専門部会の審議にお任せしたいと思っております。
#50
○近江委員 同じ問題を大臣はどう思いますか。
#51
○佐々木国務大臣 これは国自体の性格にも影響する問題でございまして、また応用度と申しますか、その度合いによっても変わってくるでありましょうし、配分のレートをどうするかという問題は非常にむずかしい問題と存じます。いろいろな要素を考えて決めるべきでございまして、大蔵省的な、主計官的な考えでいきますと、なるべく民間の投資をよけいにしていくということになりますけれども、しかし、それが必ずしも妥当かという問題になりますと、大変これまた問題がありまして、やはり局長のいうように、余り短兵急な結論を出さないで、専門部会等でみっちり勉強して決めたらいいんじゃないかというふうに考えます。
#52
○近江委員 これ以上この問題は押しても平行線になろうかと思います。いずれにしても私が申し上げたいのは、いわゆる経営が苦しくなったから、研究開発はおろか、そうした原発の開発に至るまでできるだけ政府におぶさっていこう、こういう安易な姿勢ということです。だから、この点については今後十分電力会社とも煮詰めて真剣な話し合いをしていかないといけない。これはわれわれの血税じゃないですか。ですから、その点は十分検討されるように申し上げておきます。
 それから、これは連合審査の前の内閣委員会で出た問題ですが、原潜の放射能測定の問題です。これはいわゆる法律違反ではないわけですね。ちょっと確認したいと思うのですが、どうなんですか。
#53
○生田政府委員 原子力潜水艦と申しますか、潜水艦に限らず原子力軍艦でございますが、原子力軍艦がわが国の港に入港いたします場合の環境放射能の測定につきまして、これは科学技術庁が担当いたしております。先生の御質問は、それが軍事利用ではないか、平和利用に反するのではないかということではなかろうかと思います。この辺のところは、まだ法制局とは詰めておりません。
 ただ、一つは、この業務は長年やっておることでございますし、もう一つ、核爆発実験によりますフォールアウト、放射性降下物でございますが、それの分析も同じく科学技術庁でやっております。これは実は、その業務が科学技術庁設置法の中の業務の一つに入っているわけでございます。入っておりますから、その段階で当然法制局の審議を受けたわけでございますので、原子力基本法との関連についても検討したと思います。検討いたしまして、その核爆発実験との関連におきましては、必ずしも平和利用の範囲を逸脱するものではないということになったのではなかろうかと思っております。
 したがいまして、それとの関係で考えますと、原子力基本法に直接違反するということではないと考えております。
#54
○近江委員 直接違反ではないという、その辺が明確じゃないわけですが、しかし、精神的にはおかしいんじゃないかと私は思うのですね。法的な点はさらに法制局と詰めていただきたい。委員長にもこの点お聞きいただいて、法制局の見解も一遍正式にいただきたいと思うのです。
 そういうことで、この問題については本来は防衛庁なり――向こうにはそれだけの体制がないと言えばないかもしれませんけれども、やはりこの辺については、平和利用についての疑いもあるわけです。われわれはそう考えるわけですけれども、このままずるずるといっていいかどうかの問題です。科学技術庁として将来切り離すというような考えはないわけですか。これはどうなんですか。
#55
○生田政府委員 法律違反であるかどうかという問題につきましては、法制局の意見も聞いてみたいと思っております。
 ただ、法律違反でないといたしましても、それでは法の精神に照らしてどうであるかということになりますと、これはいろいろ解釈があり得るものであろうと思いますけれども、私どもは、この原子力の平和利用を進めるためには、これがやはり軍事利用と明らかに一線を画されたものでなければならない。その辺があいまいであると、とかく痛くない腹を探られると申しますか、あたかも腹の底では軍事利用を考えて平和利用を進めているというような疑惑を持たれがちでございますので、そういうことがありましては、平和利用の非常な阻害になるというように考えております。
 そういうことがございますので、この潜水艦の問題はそのボーダーラインすれすれの問題であろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、でき得ることであれば、切り離す方向におきまして検討したいというふうに考えております。
#56
○近江委員 恐らく法的すれすれの問題でありますし、ひとつ十分煮詰めてすっきりした形にすべきじゃないか、このように私は思います。
 その次にお伺いしたいのは、原発の所在地、各府県ですけれども、そこに連絡調整官というのを置いておられるわけですね。水戸は十名、それから福井は二名ですね。それから福島が二名。今度それぞれ予算がつき、浜岡なり島根に一名ずつということも聞いておるわけですが、環境放射能の測定をする場合、その敷地内、エリア内においては電力会社、外側は国と県ですね。そうすると、あれだけの集中地域においてわずか一名や二名ということで本当にできておるのですか。何か、たとえば魚介類にコバルト60が検出されたとか、いろんな問題が出たりするわけですね。やはり厳格にそうした測定等はやっていかなければならぬわけですが、こんな貧弱なことでできるのですか。こういう問題についてはどうお考えなんですか。
 たとえば、通産省は全国に地方支局を持っていますね。そういうような原子力局の地方支局を設けるとか、そういうことは考えられないのですか。これではただ形だけですよ。連絡調整官一名、二名で一生懸命がんばって奮闘されておることについて、私は別にけちをつけるつもりはありませんが、これは総定員法の関係でいろいろと苦労があろうかと思うのですけれども、こういうようなことで実際のそういう業務ができるのですか。どのように政府は考えているのですか。ただ単に連絡事務所を置いておく、そんなことで責任が果たせますか。どうなんですか、その点。
#57
○生田政府委員 原子力発電所その他原子力施設、主として発電所でございますけれども、それの環境放射能の測定につきましては、まず電力会社でございますが、電力会社は保安規程というものをつくりまして、これを科学技術庁が認可することになっております。その認可いたしました保安規程によりまして、発電所の中、それから必要に応じまして、その外におきましても環境放射能の測定をしております。それから、発電所の敷地の外につきましては、電力会社と県の協定によりまして、主としてその所在の県当局がやっております。
 このモニタリングの設備につきまして、相当の経費がかかるわけでございますので、それについて、県に対する国の援助が欲しいというような御要望がありましたので、昨年成立いたしました電源三法によります電源開発特別会計によりまして、それから交付金を県に交付いたしまして助成しております。国は、その環境放射能の測定、いわゆるモニタリングの方法の基準化を図る仕事、あるいは全体の電力会社あるいは県当局が行っておりますモニタリングの指導、助成、あるいは環境放射能測定の研究開発の促進、推進というようなものをいたしておりまして、そのほかに、水戸の原子力事務所、それから福井の連絡調整官事務所におきましては、国みずからモニタリングも分担してやっております。以上申し上げましたのが現状でございます。
 その連絡調整官でございますけれども、水戸につきましては、ただいま先生もおっしゃいましたように、水戸原子力事務所という地方支分局をつくりまして、十人の職員を置きまして業務をやっております。これは東海大洗に原子力研究所あるいは動燃事業団を初め原子力施設が多いわけでございますので、これを十年前に設置したわけでございます。その後原子力発電所が各地にできますに応じまして、その地元に国の駐在官を置いてほしいという御要望がありまして、まず福井に連絡調整官を置いたわけでございます。次に福島に置きまして、いずれも二名ずつ事務所を持ちまして勤務いたしております。さらに、五十年度予算におきまして、静岡県の浜岡とそれから島根、これは松江でございますけれども、それに連絡調整官を置く要求をいたしまして、それぞれ一名ずつ定員がついておりますので、配置をする準備を現在進めております。
 そういう状況でございますが、先生の御質問のそういう一名、二名の職員で一体何の役に立つのかという御指摘は、大変ごもっともでございまして、大変表現が悪くて申しわけないわけでございますが、一名、二名と申しますと、いわば駐在所のお巡りさんのような存在でございます。したがいまして、いろいろ相談を受けましたり、説明をいたしましたり、援助をするということはできるわけでございますけれども、国が環境放射能の測定あるいは原子力の安全、全般につきましていろいろの業務、仕事をやらなければいけないというのに対応して、この一名、二名の連絡調整官で十分かということをおっしゃられますと、これは不十分でございますと申し上げざるを得ないわけでございます。
 それではどうしたらいいかということでございまして、その対策を原子力局の中におきましてもいろいろ検討しておるわけでございます。たとえば、ただいま御指摘のありましたように地方支局、これはたとえ話でございますけれども、地方原子力局というものをつくりまして、相当の人数、たとえば一カ所百名というような人数を置きまして、相当大規模な仕事をするということも案としては考えられます。さらに、環境放射能の測定というのは全部地方自治体、県に任せてしまって、国はむしろ基準を与えるだけ、あるいは財政的な助成をするだけということにするのも一案であろうかと思います。いろいろな案があるわけでございまして、この辺の問題は、有沢先生の行政懇談会におきまして、原子力の安全確保に伴う国と地方自治体との分野の調整という形で問題が提起されております。どういう結論になるかわかりませんけれども、私どもとしましては、もう少しこの辺をはっきり割り切りたいという考え方を持っております。
#58
○近江委員 そうした、通産省におきます地方通産局のような地方原子力局というのですか、これは総定員法の問題で相当政府としてはひっかかるのじゃないかと思うのですけれども、大臣は、いま局長がおっしゃったように、そうしたあれを設けますか。
#59
○生田政府委員 大臣の御答弁の前にもう一言申し上げますが、地方原子力局のようなものというのは、たとえ話で申しましたけれども、いわゆる行政的な常識から申しますと、科学技術庁のような総理府の中の一つの庁、科学技術庁以外でも経済企画庁あるいは環境庁というような各庁がございますが、これは各省の総合調整機能を持つという本来のたてまえでございますので、防衛施設庁のような特殊な例はございますけれども、一般的に申しますと、総理府の中の一つの庁が、かなり大きな規模の地方支局を持つということは、非常に例外的なものだと思います。
 したがいまして、先ほど案としては考えられると申しましたので、あるいはちょっと説明不足でございましたけれども、そういう考え方というのは、全体の行政制度から申しますと、非常に実現がむずかしい案ではなかろうかと思っております。
#60
○近江委員 そうすると、連絡調整官のこうした一名とか二名とかに対する手当てが科学技術庁としてはできない、できないがゆえに地方に全部それを押しつける、こういうことですか。どうなんですか。
#61
○生田政府委員 その辺が問題でございますので、私どもどうしたらいいという案を持っておりません。
 ただ、比較的実現可能性のある案といたしましては、ただいま申しました地方支局を設けるという案よりも、たとえば権限的には全部地方自治体に移譲して、あと技術的あるいは財政的な援助を国がするというのは、全体の組織の形から言いますと比較的よく割り切れた案だろうと思います。もちろん所在の県の受け入れ体制もございますので、そう簡単にはまいらないかと思いますが、方向としてはそれが一つ考えられるかと思います。
 あと、ほかの案といたしましては、現在ございます関係各省の出先を利用する案とかいろいろ考えられると思いますが、その辺、非常に大きな問題でございますので、内閣の行政懇談会の御検討にまちたいと思っております。
#62
○近江委員 長官はどう思いますか。
#63
○佐々木国務大臣 連絡調整官を置きました趣旨は、たとえば当該地帯に所在する研究所等の常時監査、監督と申しますか、あるいはモニタリング等やりました際の判断と言いますか、いろいろ誤差のないように指導したり相談に乗ったりというようなこともあるでしょうし、あるいは特に必要だと思われますのは、地方を回ってみますと、企業体の安全に対する説明もさることながら、やはりどうも安全なら安全に対して責任を持っている官庁の方たちの説明を聞きたいという話が非常に強うございまして、いわゆる住民との対話の一助にもなるんじゃないかといったような、いろいろの複合的な意味を兼ねたものじゃなかろうかと思います。
 したがって、いままでの正規の地方官庁あるいは中央の出先官庁と違いました、いわばルーチンに基づいたやり方よりは、もっと機動的な面も含んだ性格のものだというふうに実は考えておりまして、いままでのような官庁の方式で地方局のようなものをつくるなんということは毛頭考えていないわけでありまして、少数であってもそういう機能を果たせるようなものであればいいんじゃないか。しかも、それも当面必要なものであって、末長く常置するというようなことは、やはりいろいろ検討の必要があるんじゃないかという実は感じがいたします。
#64
○近江委員 その辺が、政府のいわゆる方針がはっきりしていないわけですね。いずれにしてもこれは中途半端ですよ。だから、これはもっと充実すべきじゃないですか。政府として地元のそういうのは非常に困る、だからこれは地方へ渡してしまうんだ、そういう考えというのは私はどうかと思うのですよ。だから、こういう点をもっと徹底して充実しなさいよ。大臣、いろいろ壁があろうかと思いますけれども、これだけ原子力問題が大きな問題になってきているわけでしょう。そこを予算を獲得して人員をもっとふやすとかしていけば、これは解決する問題でしょう。それは大臣が努力すべきじゃないですか。
#65
○佐々木国務大臣 私の狭い経験ですけれども、人の多い少ないという点に対する地方の住民の要求よりは、むしろそうじゃなくて、来た人たちが間借りするような、何が何やらわからぬというかっこうで来ているのは困る、そうではなくて、やはりすっきりした形で、権限を持つなりその他の役所としての形態を整えるなりして、地方民の要望にこたえるようなかっこうにしてもらいたいという希望は非常に各地からございます。近江さんのおっしゃる趣旨もわからぬでもございませんが、総理府といういわば官庁の官庁のような総合官庁におきまして、安全行政だけは別だと言えば、これは実務行政的に近いものもございますから、特殊なものも考えられますけれども、ただ必要だからといって、のべつにどんどん整備拡充していく要があるかどうかというと、これはまたなかなか性格上むずかしい問題でもございますし、ただ安全等のサイドからいろいろ工夫をこらすべきだという意見も、これまた現実において非常に各地から強いわけでございますから、そういう点を踏まえまして、有沢機関等の結論もおそらくそういう問題にも触れてくるのではないかと思いますから、そういう結論待ち、あるいはそれまでに予算期にもなってまいりますので、庁内でもいろいろ検討してみたいと存じます。
#66
○近江委員 これは一例を申し上げたことでありまして、原子力についてはまだまだ体制が整っていないのですよ。ですから、こうした点をもっと真剣に取り組まないと、これは国民のそういう信頼を得ることができないと私は思うのです。いまの御答弁を聞いていましても、大臣と局長の答弁というのはどうもぴったりしていないですね。局長は地方へこの際すっきり渡したい、大臣は、ふやせるものならふやして充実していきたい、それではしようがないと思いますね。非常にむずかしい問題であることはわかりますが、そういうように一つの問題を取り上げてもこういうことなんですよ。ですから、本当に国民の理解と協力が得られる体制を一日も早くつくってもらいたいと思うのです。
 それから、通産省に聞きますが、先ほど科学技術庁に聞いたんですが、共同開発であるとか、いわゆる電力会社の広域化という問題もあるわけですね。それで資金のことも、立地のことも政府は悩んでくれ、何もかもそういうようにおぶさってくるという感じが非常にあるのです。いま一例を申し上げたのですが、いわゆる高速増殖炉の場合を見ますと、当初は一億ドルぐらいでできるんじゃないか。ところが、先ほど聞きましたところ、二、三千億かの金がかかる。原型炉については民間と政府で五〇、五〇の負担をする、こういうことも負担の比率を変えてもらいたいというような意向も相当あるのじゃないか。こういう姿勢でいいんですか。民間が安易に政府にやってもらえばいいんだ。政府の金といったって国民の血税でしょう。こういう点についてはどう思いますか。
#67
○松尾説明員 ただいまの御質問でございますけれども、実はいまのFBRの問題は私、専門ではございませんので、正確に承知しておりませんけれども、そういう議論があったということは耳にしております。
 その問題については、結論が出たというふうには私は承知しておりませんが、今後いろいろな段階で検討され、議論されるということになっておるのじゃなかろうかというふうに承知いたしております。
#68
○近江委員 そんな答弁じゃ答弁になっておらぬですよ。こういうことも根本的な大きい問題だと私は思うのですね。要するに煮詰まっていないことが多過ぎるわけですよ、政府のいまやっておりますことは。大臣おわかりでしょう。もっと真剣にいろいろな問題と取り組んでもらわないと困りますよ。
 それから、もとへ戻りますが、先ほど原潜の放射能測定については、将来切り離すということをおっしゃったのですが、そうすると、これはどこが担当するのですか。
#69
○生田政府委員 これは、現在の段階では何とも申し上げられないわけでございます。原子力潜水艦というのはまた次々に入ってくると思いますので、その辺、譲り合いをしまして、原子力潜水艦が入ってきて、だれも放射能の測定をする者がいないという事態が起きては大変でございますので、そういう空白の期間ができないように十分配慮いたしまして、防衛庁、外務省等の関係省庁と協議いたしたいと思います。
#70
○近江委員 それではこれで終わります。
#71
○八木委員長 次に、湯山勇君。
#72
○湯山委員 この前、私はこの特別委員会で、四国電力の伊方発電所原子炉設置許可処分の取り消し裁判、これに関連して、松山地裁の裁判長から、原告である住民の側からの文書提出命令の申し立てを受けて、五月二十四日に被告側に対しまして文書を提出せよという決定がなされた、その問題についてお尋ねをいたしました。
 ちょうどそのときは、まだ政府の方でどういう態度をおとりになるか検討中だということでございましたので、その結果を待っておったわけですけれども、五月三十一日に決定取り消しの即時抗告を申し立てられたということでございます。
 この件に関連してきょうはお尋ねをいたしたいと思うのですが、もちろん抗告人は内閣総理大臣三木武夫ということになっておりますけれども、指定代理人は法務省訟務部の奥平守男課長がなっておられまして、ちょうど筆頭指定代理人ということになるのだろうと思いますので、そういうお立場でもひとつ御答弁をいただきたいというふうに考えております。
 そこで、抗告の理由として一番大きく取り上げておられるのは、民事訴訟法三百十二条三号後段、つまり挙証者、これが原告側に当たると思いますが、その挙証者と文書の所持者との間の法律関係について、それの存在する、しないということについての理由であるように見受けました。なお、それについては特に松山地裁が、この法律の解釈を誤っていると、これはかなり厳しい御指摘だと思うのですが、何しろ相手も裁判長ですからそう素人ではないのですけれども、とにかくこの条文の解釈を間違えているということが主なる抗告の理由のようであります。それから、それに引き続いて、「かつ、本件文書中、職務上の秘密、技術又は職業上の秘密に関する事項を記載した文書が存在することを看過した違法がある。」こういうことが指摘されております。
 それで、一番重要な理由である法律解釈の問題については後回しにいたしまして、この抗告の理由として挙げておられる文書でなおわかりにくい点がありますので、その点を先にお尋ねいたしたいと思います。
 後段の方の、「本件文書中、職務上の秘密、技術又は職業上の秘密に関する事項を記載した文書が存在することを看過した違法がある。」この中で、職務上の秘密というのはだれの職務上の秘密になるのか。通常の私どもの理解から言えば、公務員、つまり被告側の職務上の秘密というように解釈しておるのですが、それでいいかどうか、まずお伺いいたしたいと思います。
#73
○奥平説明員 御指摘の事件につきまして、国側が即時抗告の申し立てに及びましたことは、ただいまおっしゃられましたとおりでございます。その中に、国側が抗告の理由として述べております点につきましても、御指摘のような点を踏まえて主張を展開しております。
 それで、ただいまおっしゃられました職務上の秘密の意味につきましては、これも民事訴訟法のたてまえとの兼ね合いで触れております事柄でして、本件に即して申し上げれば、内閣総理大臣ということになるわけでございます。
#74
○湯山委員 よくわかりました。
 それからその次の、「技術又は職業上の秘密に関する事項を記載した文書が存在することを」云々とありますが、この「技術又は職業上の秘密」というのも、また同時に抗告人であると判断されるのですけれども、この点はいかがでしょうか。
#75
○奥平説明員 「技術又は職業上の秘密」という問題は、これは直接的には、被告である内閣総理大臣の秘密ということよりは、むしろもっと広い意味がございまして、本件に即して申し上げれば、いわば四国電力の側から提出された関係文書の中に含まれている事柄についての、企業側の秘密というような方向をとらえて表現しているものでございます。
#76
○湯山委員 それは、前段の職務上の秘密と後段の部分とは違っておって、前の方は総理大臣の職務上の秘密であり、後は四国電力の「技術又は職業上の秘密に関する事項を記載した文書」だということですが、これだと私は、総理大臣自身の技術といいますか、あるいはもっと言えば、その所管にある科学技術庁の安全審査の技術とかあるいは職業上の秘密と解すべきで、この文章そのものから、四国電力ということは出てこないのではないかということ。同時に、こういう抗告に当たって、企業のそういうものを取り上げて果たして理由になるのかどうか、これも問題があるのではないかというように感じるのですが、その点はいかがでしょうか。
#77
○奥平説明員 即時抗告理由の中身の細かい問題に入ってまいりますと、高等裁判所の方に判断を求めている案件の中核を構成する事柄ということになりますので、裁判所の判断待ちの事項について、私がここで議論めいたことを申し上げるのはいかがかとも思うのです。
 しかし、御指摘の点につきましては、内閣総理大臣に対して提出命令が発せられた案件につきまして申し立てた即時抗告でありますので、ここで問題になっている職務上の秘密は、内閣総理大臣が職務上知り得た秘密であり、「技術又は職業上の秘密」というのは、企業者の方が、原子炉設置の許可機関である内閣総理大臣、もちろん下部機関も含むということになるとは思いますけれども、そこに提供された資料に含まれるものを意味しているわけであります。
 ただ、おっしゃられますとおり、内閣総理大臣が最終的にはその文書を握っているという意味において、内閣総理大臣の職務上の秘密につながっているということは言えるかと思います。
#78
○湯山委員 よくわかりました。私もそうではないかと思うのです。そうであれば、あえて電力会社ですが、そういうものの内容を挙げなくても、内閣総理大臣の職務上の秘密ということの中に包括されるということになるのではないかということを、実は結論的にお尋ねしたかったわけです。その点はそれでいいのですか。
#79
○奥平説明員 現実に、事業者側の秘密を現在は内閣総理大臣ないしは委任を受けた所管行政庁が責任を持って保管しているというたてまえになっておりますので、内閣総理大臣の職務上の秘密ということに帰着するかとは思いますけれども、裁判所に対して証言とかあるいは文書の提出とかを拒み得る根拠となっておりますところの民事訴訟法のたてまえから申しますと、内閣総理大臣その他の国務大臣の職務上の秘密というものと、それから一般の証人が技術または職業についての秘密にわたる事項については証言を拒み得る、したがって、文書の提出も拒み得るというたてまえとが別々に規定されておりますために、抗告理由の中では、別々に表現したというようないきさつになっております。
#80
○湯山委員 私は、若干これにはおっしゃる意味と違ったことを申し上げたいと思うのです。それは、出せと命令を受けたのは総理大臣である。ですから、企業の秘密があろうが何があろうが、それは一括して総理大臣の立場で、つまり職務上の秘密ということでやるべきであって、ここへ、いまおっしゃったように、正確に言えば企業の秘密、技術書とかそういうものを出すということは、ひょっとするとこの抗告人は企業寄りになっているのではないか、企業に対する配慮を、自分の職務上の問題ならばともかくも、しかもそれは自分が知り得ていることで、出す出さないの判断は抗告人がしなければならないというのに対しては、少しよけいなことを言い過ぎておるのではないかという感じがいたします。これは私の感じですから……。
 それから第二番目、そういうことを書いた「文書」というのですが、職務上の秘密というのは、そういう職務についておるために知り得た事項であって、それは知っておることの内容で、文書という形のものはどうなのかというと、法律から言えば直接ではなくて、解釈によって文書が入ると思います。そうすると、本来文書というものは、手紙とか、いつか外務省で問題になりました特殊な電報とか、そういうものはそれはそうですけれども、審査するために審査員全部に配付するというようなものとか、あるいは少なくとも印刷された文書というのは、印刷そのものの目的というものは、なるべく能率的に多数の人に、たくさんつくるための印刷ですから、そうすれば、文書というものを直結して――それに入るのがあることは否定しません。けれども、こういった何々の研究などで発表になっているようなもの、そういうものを含めて文書というものを一括して職務上の秘密の範疇に入ると言うことは、多少無理があるのではないだろうかということが一点。
 それから、そういう内容の「文書が存在することを看過した違法」とあります。看過というのはどういうことなんでしょうか。知らないでやったというのではなくて、知っていて、しかもそれをやり過ごした、意図的かあるいはつい不注意かは別として、とにかく内容的には知っておってそのものを無視した、故意か故意でないかは別として無視したということだと思うのですが、その辺はどのようになっておるのか。実は、この裁判長が総理の職務上の秘密に属することの内容を知っていなければ看過したということにならないのではないか。こう内容をお示しになっておるからなんですけれども、知らないのならば看過したということは言えないのではないかなというように感じまして、これを一つお尋ねしてみたいと思うのです。
#81
○奥平説明員 訴訟中の非常に細かい問題点に入ってまいっておりますので、お答えしにくい面が多々ありますし、あるいはまた裁判所に対する関係上お答えを差し控えるべきが筋かとも思いますが、概略申し述べさせていただきます。
 前段の、印刷された文書につきましては、個々の文書内容については、これは所管しておられる科学技術庁の方で把握しておられるわけですけれども、なるほど印刷するということは、だれかにそれを見せるという趣旨が恐らくあるかとは思います。しかし、本来の文書の意義あるいは印刷の目的との兼ね合いで、おのずから配付してよい範囲というのは限定されてくるのではないだろうかというふうに考えます。したがいまして、関係文書が印刷されているということとの兼ね合いから、直ちに何人にも見せるということを前提にしている趣旨ではないのだろうかという疑問に、結びつける必要はないのではないかというふうに考えております。したがって、印刷された文書についても、提出すべきものであるかどうかは、本来の訴訟法のたてまえとの兼ね合いで決せられるべき事柄かと存じます。
 それから、後段の秘密について第一審裁判所が看過したという表現は、なるほど理由の中にとられているところでありますけれども、実際に裁判官がその点について承知をした上で看過されたのかどうかというところは、私どもとしては知る由もございませんけれども、第一審の決定の理由中に、その問題に全然言及されていないという意味合いにおいて、民事訴訟法の一つの問題点を素通りしてしまっているということを念頭に置いて、抗告理由の中で表現したものでございます。
#82
○湯山委員 看過というのは、書いてない場合は看過だというふうに決められるかどうか。特に、最初に指摘いたしましたように、四国電力の「技術又は職業上の秘密に関する事項を記載した文書」云々ですから、それを看過したというのですから、見落としたというのか、見たけれども無視したというのか。看過というのは、通常、見ておったけれども無視した、見落としたというのと看過したというのと違うのじゃないかというように思うのですが、その点はいかがですか。もしこれを見ておったにもかかわらずそうだとすれば、提出を要求しておるのは裁判長なんです。裁判長は見ておるのならば、もはや今度の場合だって裁判長の命令ですから、裁判長のところへ出せというわけですから、そんなもの出さなくとも見ておるわけだし、見ておるということは、守秘義務というこのものはもう破られているというふうに、どちらになっても矛盾が出てくるのじゃないかということでお尋ねしておるわけです。
#83
○奥平説明員 裁判中の微妙な事柄ですので、細かい点にわたる意見の表明は差し控えさしていただきたいのですけれども、少なくとも第一審裁判所に対しまして関係文書をあらかじめ見せて、それで判断を受けたというようなことは全くございません。見せようともいたしませんし、裁判所の方も、当事者の一方に裁判所にだけは見せろというようなことは全く言われる筋ではありませんので、そのようなことはございません。
 看過の点につきましては、あるいは表現上の問題として、御指摘のような問題点はあるかとも思いますけれども、今後の参考に供させていただきたいと思います。
#84
○湯山委員 いまのことにこだわるようですけれども、看過したというふうにはっきり表現してありますね。それでお尋ねしているわけで、看過したということは、ここでは非常に重要な言葉になっておると思うのです。それが、あるいはそういう言葉が適当でなかったかもしれないということだと、非常にそこには問題があるというように思いますけれども、いま高裁で判断中なので、あるいはお述べになりにくいということであれば、以上でこの看過したということについてのお尋ねは一応終わることにいたしましょう。
 さて、その次にお尋ねしたい点は、一番大きな理由として挙げておられる民事訴訟法三百十二条三号後段の解釈ですけれども、抗告では、法律関係は存在しないということに対して、裁判長の判断では、これは地域住民がこのことを訴え出ているというところから、当然法律的な関係は生じておるんだ、したがって、それまでの過程においてつくった文書等においても、また同様に関係があるという判断ができるというように、ここは大変大きく食い違っておりますし、それに対して抗告人の側は、それは間違いだ、こうきめつけております。これは非常に厳しいきめつけ方なんですけれども、果たしてそうなのかどうなのか、私はここでひとつ裁判に疑問を持つに至ったわけです。
 というのは、三百十二条の解釈ということで、しかもだれとだれとが争っておるかというと、決定をした裁判長と、それから抗告人をも含めて指定代理人、これまた法務省の関係の人である。つまり原告を抜きにして、原告というものはもうそこに存在しないで、ただ三百十二条の三号の解釈はどうなのかという純粋な法律論になっておるわけです、いまここに関しては。そういう形で、裁判所と法務省の法律論になっておって、何を出す出さないというのでなくて、そうじゃない、この解釈が違っておる、こういうことの論議であって、しかも、高裁はいつまでに出すという期限はございませんですね。
 それから、それと直接関係はございませんけれども、きのう教えていただいたところでは、高裁で決定がなされた、しかし、その決定が憲法に関係のある場合には、また最高裁まで持っていけるということです。たまたまこのことが、直接憲法につながるかどうかはわかりませんけれども、ただ、抗告書の中には、守秘義務の、あるいは秘密事項に関連しては憲法に触れられております。だから、かなり憲法と際どいところ、これはどういう点で財産を守っていくという問題でしょうか、生命、財産、そういうものとの関連では、これは憲法の問題にも触れてくるというような場合、この場合はそこまではいかないかもしれませんが、いかないとも言えない。
 そうなってくると、最高裁の決定までには期限がありませんから、十年かかるか二十年かかるかわからない。その間、それは裁判長の決定を見ますと、本件の決定には非常に重要だということが書いてありますから、出なければ裁判が進められないということになって、結局、純粋な法律論争がずっと何年も続いて、こちらの方はそのままになっておるという事態も起こらないとは言えないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#85
○奥平説明員 裁判所の判断がどの程度期間を要するかという問題は、私どもが軽々に予測して申し上げ得る事柄ではございませんけれども、通常この種の決定手続によって裁判所が判定を下す性質の事柄については、相当にスピーディーに処理されているものと承知しております。
 したがいまして、仮に予測するような問題点が生じたりしましても、そのことによって、第一審裁判所に係属中の大もとの事件が、不当に停滞するという事態が起こることは、希有なことではないかというふうに考えております。
#86
○湯山委員 私も、もちろん希有以上に非常に大胆に仮定を設けて、そうした場合ということですから、いまおっしゃったように希有のことではないかというのは、そのとおりだと思います。
 ただ、申し上げたいのは、結局、この法律解釈をめぐっての議論というものは、これは大きく言えば、国対国の法律論であって、いまこの議論では、原告は置き去りにされているということになるんじゃないでしょうか。
#87
○奥平説明員 今回の即時抗告の申し立ては、第一審裁判所の判断の是正を求めるということでありますけれども、訴訟法のたてまえにのっとって、原告と被告である内閣総理大臣との間の事柄について、高等裁判所の判断を受けようとするものであります。したがいまして、あくまでも即時抗告の申し立てにつきましても、その手続の相手方は、もともとの事件の原告ということになっております。したがって、一審裁判所と内閣総理大臣とが対立関係に立って高等裁判所に案件が持ち上げられたということではございませんので、そのように御了解いただきたいと思います。
#88
○湯山委員 その辺、専門的なことですからわかりかねますけれども、実際は裁判所の決定というものが解釈を間違えておるという指摘ですから、これは原告が間違えておるんではないのです。裁判長が間違えておるのを、それをおまえのは間違っておる。したがって取り消せ、こういうことですね、この抗告は。ちょっといまの点大事ですから、そうならそう、そうでなければないとお答え願いたい。
#89
○奥平説明員 その点はおっしゃられるとおりでございます。
#90
○湯山委員 したがって、国の裁判官の解釈が間違っておる、直して取り消せというのですから、その相手は決して原告じゃなくてその裁判官である、こういうことになりましょう、その範囲で言えば。
#91
○奥平説明員 第一審裁判所の判断について、是正を求めるというたてまえから即時抗告の申し立てをいたしました関係上、第一審裁判所の判断の不当性を突くという形で理由は組み立てられております。
 しかし、これは行政訴訟という問題につきましても、司法裁判所が管轄するという現在のたてまえからいたしますと、第一審裁判所の判断に不服がある場合には、常に国側あるいは行政庁側が上級裁判所に対して不服の申し立てをするということに伴って起こり得る現象でございます。その場合に、上級の裁判所において審理される事柄というのは、あくまでも第一審における原告と被告がそのまま当事者として、上級裁判所においても口頭弁論を展開するといったふうな形で事件は推移いたします。
 したがいまして、第一審裁判所の判断を批判する主張を展開しておりましても、これはあくまでも原告対被告の事柄について、あるべき結論はどう判断されるべきかという点の主張でございますので、相手方は一審における原告ということに尽きるわけでございます。その点は、訴訟上のたてまえとして御了解いただきたいと思います。
#92
○湯山委員 裁判というものは確かにそうだと思うのです。しかし、ここの場合は裁判長の判断に対して、おまえは法律解釈が間違っておるんだということなので、しかも挙げておる理由は、全部裁判官の言ったことに対しての反発です。これは一つも原告は出てこない。だから法律論争というのは、国の役所のやったことに対して、もう国の役所がやっておることであって、しかもそれは法律論争である。そういうものは高裁へ持っていくというのが、たてまえはそうなっていますから、それをとやかくは申しませんけれども、おっしゃったように裁判で原告、被告の関係、そのおおよそ範囲、地域的なもの、そういうものがあって、そこで起こったことで、そこのことだからそこの上級裁判所へ持っていくというのは、それは意味があると思うのです。しかし、純理論的な法律の解釈論をここで展開するというのは、それは高裁へ持っていっても意味のないことだと私は思います。
 だから、内閣の法制局なりあるいはもっと違った権威のある機関でやってしかるべきもので、いま申し上げたことをちょうど裏返しにしたようなことをこの抗告書はうたっておるのです。それは、こういうような資料を求めるということは、「訴訟をいたずらに科学論争に引き込むものであって妥当性を欠く」という指摘があります。これはそのままお返ししたいのです。この抗告の一番重要な点、この法律解釈論というものは、これをいたずらに抽象的な法律解釈論に引き込むものであって妥当性を欠くということで、そのままお返ししたいという感じがいたしております。
 そこで、私は、いまのようなものが純粋な民事の中でならば成立するというのを認めることに決してやぶさかじゃありません。けれども、とにかく国の機関と国の機関との間の実態は法律解釈の争いなんです。そうなりますね。いまこの点だけにしぼって言えば、国の機関と国の機関との間の法律解釈の争いだということになると思うのですが、どうですか。
#93
○奥平説明員 先ほども申し上げましたように、第一審裁判所の判断と内閣総理大臣との間に見解の相違が生じていることは確かでございます。しかし、高等裁判所に即時抗告の申し立てをした趣旨は、あくまでも第一審裁判所と被告である内閣総理大臣の間に、おっしゃられるような紛争が生じたという趣旨のものでは全くないというたてまえを、御了解いただきたいと思います。
#94
○湯山委員 もちろん国と国ですから、そういうことになっては困るのだろうと思います。ですから、たてまえはそうですけれども、実態はそうなっている。その両者の間の解釈の争いだという形になっている。
 そこで、この抗告人が内閣総理大臣であるということから、内閣総理大臣と原告との間に法律関係がないという解釈、それはお出しになっている文書を拝見しますと、そういう解釈もないとは言えないと思います。しかし、内閣総理大臣と国民との間には、それは一方が内閣総理大臣であり、一方が国民であれば、大きく言えばすでにその間に法律関係というものが存在しているのじゃないか。
 そこで、よく申し上げるのですけれども、たとえば憲法の第二十五条の最低生活の保障、あるいはこの例でもお引きになっている憲法の財産権保障との関係から見ても、調和点は企業秘密の保持に求められるべきであるという御指摘、これにもちゃんとあります。したがって、こういけば、これはもう相手がたとえば四国電力の社長であるとか、あるいは相手が東京大学の学長であるとかいうのじゃなくて、内閣総理大臣であるからには、それらについての、これは困る、これはこうしてもらうべきだというようなことから提起するということは当然であって、この間に内閣総理大臣対国民ということになれば、それは一人であれ集団であれ、それを取り上げて訴訟になってきておるということであれば、この間に法律関係がないと断定するというのはいかがだろうか。憲法というのは、いまのように抗告人自身もお引きになっておられるし、憲法の財産権保障との関係というふうに挙げておられるのですから、これは当然ここへもできてきておるわけで、それは法律関係じゃないか。ただ、憲法というのは非常に大ざっぱだけれども、いろいろ考えてみると、道路交通法なども、何かあって、そのときにそれに対してこれは不当であるということになれば、やはりそれをやっておる政府、それが相手になって法律関係が生じてくる。法治国で総理大臣対国民という関係は、何か取り上げなければあたかもないかのごとくですけれども、何かあれば、やはりそこには法律関係が生じてくるのであって、それは当然であって、ここで、それはないのだという断定はいかがなものだろうか。
 それから、私の言うのは非常に学問的ではありませんけれども、そういった意味の学説もないではないということもお聞きしておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
#95
○奥平説明員 高松高等裁判所に係属中のただいま問題にされている案件の一番中核にわたる事柄ですので、再々申し上げておりますように、裁判所に対する判断を求めている現状と、御質問いただいております事柄にここでお答えして、一つの御意見ないし御判断をいただくこととの関係をどのように考えたらよいのか、私、非常に正直なところ迷っております。余り深入りして、裁判所でいま判断しようとしている事項について、意見を申し述べることは差し控えさしていただきたいと思いますが、この申し立て理由におきまして述べておりますところは、あくまでも民事訴訟法の文書提出命令という制度の成り立ちというか、法律上要件として規定されている法律関係というのはどういう意味を持つものなのかということとの兼ね合いにおいての主張を展開しているわけでございます。
 それで、政府あるいは内閣総理大臣、政治家、こういう立場にある機関が、国民に対する関係でそれぞれ責務を負っているということは御指摘のとおりですし、国民が主権者としていろいろな権利を持っているということも御指摘のとおりだと思います。しかし、民事訴訟法三百十二条の言うところの法律関係というものは、あくまでも特定の、私どもの言葉で申し上げると実体法的な内容を持った一つの具体的な権利義務関係によって結ばれている、そういう関係を言うのだという前提をとっております。その法律関係の意味を、広く解釈しろという立場があることも御指摘のとおりでございます。けれども、しかし、いずれにしましても、内閣総理大臣対国民は常に法律関係があるじゃないかという立場から、三百十二条の文書提出命令の制度が運用されるという余地は、全くないものと理解しております。
#96
○湯山委員 三百十二条についての法解釈の問題ですから、それはいまの御答弁にありましたように、たとえば総理大臣対国民、それから県知事対県民、市町村長対市町村民というのは、それは明らかに法律関係にある。ただ、何か事件が出てきた場合にはそれが顕在化してくるのであって、起こらなければもちろん潜在しておるということは当然だと思うのです。いまおっしゃったように、学説としてもそういう意見を述べている人もあるということですが、私はここいらの問題、いまのような非常にシビアな法律論を離れて考えてみて、今度は総理大臣としての判断というものをするときには、総理大臣としてもっと幅があってもいいのじゃないか。それは何かと言うと、三木内閣の政治姿勢が対話と協調だというようなことまで引っ張り出す意思は持っておりません。しかし、原子力行政において安全性の問題というのが非常に重要な問題である。今日起こっているほとんどすべての問題というものは、安全性につながりを持っていると言っても決して言い過ぎではない。
 そこで、その理解がたとえば不十分だとして、不十分な原告に対してあえて三百十二条というようなものをシビアに解釈して、これでもうぴしっといけば一つも出さなくてもいい、もしこれが入れられた場合には、この解釈だけから言えば一つも出さなくてもいいということになってしまうのじゃないでしょうか。
 そうじゃなくて、私はもっと、憲法とまでいかなくても、総理大臣対国民というそういう法律関係があると思う。あるいはそうでなくても、別な角度から裁判長は法律関係はあるのだという判断をしている。これは決して原告の側が、自分に都合のいいようにそう言い立てておるんではありません。言い分を聞いて判断をして、そして公正な裁判長が法律関係はあるという判断をしている。それならば総理大臣は、多少問題はあるかもしれない、しかし、国の機関である裁判所もそういう判断をしている、それならもう抗告なんかしないで、しかし他の面から、いまの守秘義務なら守秘義務、そういうことに関連して、出さないものについてはこうだというようなことで、ある意味ではもっとそういうことに対して啓蒙するのにも非常にいい機会なんだし、そういうものを出せるものを出せば、納得する部分も出てくると思います。現に、具体的な例を申し上げますならば、「国際経済」という月刊雑誌があります。その雑誌へ、これは六月号ですけれども、四国電力の山口社長がインタビューに答えていろんなことを述べておる、そういう記事が出ておりました。このことについて、私どもはこういう雑誌も知らなかったのですけれども、地方の新聞はこんなに大きく、「原発建設は早過ぎ」とか、「安全審査批判も」とか、こういう大きな見出しで出ておるのです。山口社長の言っておられることは非常に多岐にわたっておりますけれども、その中で、御本人も多分お認めになると思われる部分、こういうことは言ったけれども、こういうことは言ってない、真意が伝わってないというような御本人の談話もありますから、それとこれとを合わせてみて一致する点で言えば、安全審査についてはいろいろ論議されておるということは言っておる。それから、その安全審査が安全審査そのものになっていない面はありましょうというような言葉ですね。それから美浜一号、それについては、万博のときに原子力の火をというようなことから無理をして早くやったために、あれには事故が多いというようなこともある程度言っておられる。それから、これは伊方が早過ぎたということじゃないのです、全般的にはやはり少し急ぎ過ぎているんじゃないかとか、それから、こういう言葉は当然おっしゃらなければ出てこないのだが、関西電力の社長も、どういう言葉でしたか、正確に言えば、早かったという感じを持っておったとか、非常に緩やかな言い方ですけれども、そういうようなことをここで述べております。それから核燃料サイクル、これは早く確立しなければならない、日本はまだそれができていないというようなこと、そういうことが出ています。
 これだけのことが出ますと、現地の人たちはどう言っておるかというと、やはり山口社長はわれわれと同じ気持ちだ、よくわかっているところもあるんだ、このことに対する評価は実に腹蔵のないことを述べておられる、それから正直に述べておられるというようなことを、また新聞にもそう言っておるのです。だから、御本人は心配しておられるだろうけれども、むしろこのことがお互いに感情的に相通ずるものがあるということで、逆にその地域住民に、いまの正直な人だ、腹蔵のない人だというある種の親近感を与えておる。
 これは、私はプラスかマイナスかと言えば、むしろこういうことを率直に言っておることはプラスであったと思っています。いままではとにかくがんこ一徹というような印象を受けておった人が、なおかつそういうことを非常に率直に述べておるわけです。まだいろいろありますけれども、それらについては御本人も否定しておられるし、そういう点は申し上げる必要もないことですが、この資料も、三百十二条の三号云々で、これは間違いだということで決めつけて、一切出さないように網に入れてしまうというようなことは、私はむしろなさらない方がいいんじゃないかということを感じております。
 そこで、今後の問題としてですけれども、素人考えから言えば、これで抗告が認められて、そしてこの命令は撤回されたということになったならば、もう三百十二条で出せと言われたものは一切出さない、むしろ科学技術庁としてはいいそういう条件をつくってもらったわけですから、もうこれは一切出さないのだ、たとえば守秘義務の範疇に入ろうが入るまいが、秘密になろうがなるまいが、とにかく出せということ自体が法律違反だから、もし高裁でそういうものが出た場合には一切何物も、一枚も出さないということができることになりますね。いかがでしょうか。
#97
○奥平説明員 高等裁判所において御指摘のような判断が下された場合には、出せと言われる形において出さなければならないという事態は解消するということは、御指摘のとおりでございます。
#98
○湯山委員 そこで、そこから向こうはこれは科学技術庁の判断になるのか、それから奥平課長の方の判断になるのかわかりませんけれども、今後裁判を進行していく過程において、いろいろ資料として求められたものは、必要であり、これは出してもいいというようなものについては出すことができるのかできないのか、この点、いかがでしょうか。
#99
○奥平説明員 高等裁判所におきまして、第一審裁判所の提出命令が取り消されて提出をしないでもよいということになったといたしましても、その後の一審裁判所における訴訟の推移との兼ね合い上、所管行政庁と協議して、立証の必要から、今回の提出命令の対象となっている文書を任意提出するということは、これは決してないことではないというふうに理解しております。少なくとも高等裁判所は提出命令を取り消したことを盾にとって、何でもかんでもその対象文書については提出することはかたく閉ざしてしまう、からに入ってしまうということは、訴訟担当者としてはあり得ないことと考えております。
#100
○湯山委員 むしろその判断は、これは科学技術庁側へ回ってくるというように感じられるのです。裁判長も、取り消し請求訴訟においては、「本件文書が右争点を解明するうえで極めて必要かつ重要な証拠方法であって、原告らにおいて他に立証上有力な資料を持ち合わせていないものと認めうるから、本件文書の提出を求める必要性は、これを十分肯認することができるものというべきである。」こういう理由のもとに命令を出しています。こういう理由も一つは加わって、法律の解釈は解釈、同時に、つまり住民の側にはいま申し上げたように有力な資料を持ち合わせていない、やはりこの文書が一番有力な資料だ、そこで裁判長もそれが必要であるとしておる。そうなってくると、いまのように、じゃ出すか出さないかというのは被告側の判断によることですけれども、先ほど、あえて四国電力の社長の談話も申し上げましたが、必ずしも拒否しなければならないという文書だけではないと思うのです。確かに当時は秘密事項であったものでも、たとえば日本では秘密となっていても、アメリカではすでに公開されているというような資料もあると聞いております。果たしてそういうのがあるかどうか、具体的に科学技術庁の方のどなたか専門の方、そういうのがありますか。
#101
○中村説明員 お答えいたします。
 先生のおっしゃいましたことは、参考資料の中にいわゆる企業機密というものがあって、それがアメリカでは公開されているにもかかわらず、日本では依然として企業機密というものになっているのじゃないかという御質問かと思いますが……
#102
○湯山委員 ちょっと違うのです。私のは一般論で、この中にある、なしは問いません。
#103
○中村説明員 一般論でそういうものがあるのではないかということだろうと思いますが、わが国におきまして、たとえば原子力発電所を建設いたしますときに、日本のメーカーがアメリカの企業と技術導入の契約を結びます。その技術導入の契約を結びます際に、外国の企業のいわゆる企業機密については守ってくれという一項が入るわけでございます。そういうことで、向こうで公開された、これは企業機密ではないから公開してもいいぞという通知があったものは、もちろんこちらでも公開するわけでございますが、アメリカですでに公開になっていたとしても、こちらでは承知していないものもございます。そういう種類のものについては、個別に向こうの企業に問い合わせませんと、その点がいまでも企業機密になっているのか、なってないのかわからない点がございます。そういう意味で、若干のそういう差はあるかと思います。
#104
○湯山委員 ということを申し上げるのは、この抗告書にある企業秘密のところで、四国電力対アメリカというようなのが出てこないのです。だから四国電力は、この範囲からすれば、直接アメリカとの間には提携とか秘密とかいうものは持っていない。そうではなくて、三菱重工業株式会社がウエスチングハウス社と締結した技術契約、それに守秘義務を持っている、それから三菱重工業自体が開発をした設計等もそうなっているということで、四国電力自身がそういうような関係はないわけですね、これから見ますと。
#105
○中村説明員 外国の企業と直接に契約を結んでおりますのは日本のメーカーでございますが、四国電力が日本のメーカーに建設設計を依頼するわけでございます。その際に、日本のメーカーからいろいろな資料を出させるということになります。それは日本の企業と外国の企業との契約に基づいて企業機密にかかわるものであっても、設置許可を受けるために国に対して書類を提出する必要性があるときに、提出資料についてはその限りでないというのがございます。そういうことで出される種類のものについては、四国電力が規制法上は設置許可の申請者になりますので、四国電力経由で出されることになります。そういう書類は、もともとが日本の企業と外国の企業との間に結ばれた守秘義務に関することでございますので、四国電力も当然そういう守秘義務を守っていなければ、三菱からも資料が提出されないということでございまして、そういう関連におきまして、直接は四国電力の名前が出てこないということでございます。
#106
○湯山委員 いまので結構です。
 そこで、三菱とだけの問題、三菱で開発した技術、そういうものもあるわけですから国内的に、時がたてばもうそれはいいというのもできるだろうと思いますし、それからその他のものでも、年数の経過によって必要がなくなるというようなものもあるだろうと思います。したがって、いまのように、このことがもし高松高裁で抗告が入れられたとしても、それによってもうどれも出さないというのではない、そういう意味ではないのだという御答弁でしたが、科学技術庁としてはそれは出した方がいい、いまの納得させるというような意味も含めて、できるだけ出せるものは、必要があれば出した方がいいのだという姿勢をおとりになってしかるべきではないかというように私は感じますし、また行政のあり方としても、そうなければならないのではないかということを感じるのですが、その点ばいかがでしょうか。
#107
○生田政府委員 私は、二つの点で先生にお答え申し上げたいと思います。
 一つは、ただいま直接のお尋ねではございませんが、その前の質問のときに、四国電力の山口社長が、「国際経済」という雑誌の対談に出ましたそのことを御引用になりましたが、実は私もその雑誌を見まして非常に驚きまして、かつ、非常に怒りを覚えたわけでございます。
 ただいま先生は、むしろその雑誌の記事が出たことによって山口さんの人柄がよくわかった、好ましい結果だとおっしゃいましたけれども、正直申しまして、どういうことで先生がそういう御心証をお得になったのかはなはだ私は理解に苦しむわけでございまして、私自身はあれを見ましたときに、こういうことを言うようでは、四国電力には原子力発電所の建設の資格がないというように思いました。それで山口社長に来てもらいまして、あれに述べられておりますことを一言一句確かめたわけでございますが、多くの点において非常に自分の真意が伝わっていないというような御説明でございました。で、御説明を聞きますと私どもは一応理解したわけでございますが、何と申しましても活字になってああいうふうに出たものでございまして、これは非常に大きな問題ですので、山口社長の責任において、必ずそれと同じような効果を持つマスコミの手段を通じてその真意が伝わるようにしてほしい、そういうことをやってくれなければ、われわれとしても行政的に重大な決意をせざるを得ないということで厳重に注意を与えまして、そのとおりにするという約束を得ておりますので、いまその結果を見ているところでございます。
 したがいまして、私どもは、先生がおっしゃる御意見と違いまして、ああいう考え方は非常に間違っておるというように考えております。
 それから、第二の点でございますが、資料の点につきましては、今回の訴訟のいかんにかかわらず、私どもとしては、出せる資料はできるだけ公開するという方針で来ているわけでございます。
 ただ、公開の原則という原子力基本法の三原則の一つが、そのときに必ず引き合いに出されるわけでございますけれども、これはあらゆるものをすべて公開するということではございません。これは公開すべきものと公開の必要がないもの、公開できるものとできないものという区別でございます。したがいまして、私どもは、公開できるものはできるだけ公開するという態度でいままでも臨んでおりますし、今後ともその方針で臨むつもりではございますけれども、公開できないものは公開できないのでございます。そこのけじめははっきりつけまして、そうかといって、たとえば企業機密というような名前に隠れまして、公開すべきもの、公開できるものもしないということは一切いたしません。公開できないものは、しかるべき理由があって公開できないということは明らかにいたそうと思いますけれども、公開できないものはできないのでありまして、そのかわり公開できるものは極力公開する。その辺、公開できるのかできないのかわからないけれども、何となく責められているうちに公開してしまったというようなことはいたしません。その辺は、はっきりできるものとできないものの区別を明らかにいたしまして、できるものは極力公開するということにいたしたいと思っております。
#108
○湯山委員 もう終わろうと思ったのですが、非常に重大な御発言がありましたので、その重大な問題の方は後回しにして、先にただいまの後の方をお尋ねいたします。
 いまのように、公開できるものはするということをはっきり御答弁になられたので、それは私も結構だと思うのです。そこで、たとえばこれで見ますと、資料として挙げられておる文書は全部で大体百五十くらいあると思います。一々についてはお聞きする時間もありませんし、またお聞きしても私たちにはわかりませんから、その中の大体どの程度のものは公開できて、どの程度はできないというように御判断になっておられるか、それをまず承りたいと思います。
#109
○生田政府委員 公開の原則の適用に関します従来の政府の統一見解でございますけれども、これは昨年の国会におきまして科学技術庁からも、あるいは法制局からも御答弁申し上げた次第でございますけれども、先生御承知のように、原子力基本法の公開の原則と申しますのは、成果の公開でございます。したがいまして、その成果というものをどういうふうに解釈するかというところが一つの問題でございまして、政府の統一見解といたしましては、成果というのは、必ずしも一つの作業なり検討なりの結果そのものだけには限定しないけれども、ある程度のまとまりを持ったものが成果である。したがいまして、たとえば中間報告あるいは中間的な取りまとめというようなものは成果に入るわけでございますけれども、その過程のあらゆるものが公開の対象になるかということは、必ずしもそうではないという解釈でございまして、私どももそういう考え方を持っております。
 それからもう一つは、先ほど原子炉規制課長からも御説明いたしましたように、企業機密の観点でございます。この企業機密という概念がとかくあいまいでございますので、恐らくすべて企業機密だという名前を冠して、出せるものも企業機密だからだめというように一概に言ってしまうのではないかというような御疑念が時折あるわけでございます。私どもは、そういうあいまいな企業機密という名前を冠しまして、公開し得る資料を公開しないという考え方はとっておりません。企業機密の概念をできるだけはっきりさせたいということを考えておりますけれども、その一つは、先ほど規制課長から御説明いたしましたように、技術導入に関連いたしまして外国の会社、たとえば四国電力の原子炉の場合はウエスチングハウスでございますけれども、それからノーハウその他に関連いたしまして守秘義務を課せられているものについて、それに違反しました場合は、今後の技術導入等に重大な影響を与えますので、それは不可能でございます。その他憲法との関連におきまして、これは原子力基本法といえども当然憲法の制約を受けるわけでございますので、憲法の財産権の保護に該当するものは公開できないということでございます。まだほかにもあるかと思いますが、代表的な例といたしましてはそういうものであろうかと考えております。
#110
○湯山委員 いまおっしゃったのに該当するのが、いまの百五十件ばかりの中でどの程度あるとお考えになっておられますか。あらましの数字で結構です。
#111
○生田政府委員 正確にはわかりませんが、一割ぐらいではなかろうかと思います。
#112
○湯山委員 この資料として挙げられておる百五十ばかりの文書があるわけです。その中の一割程度は公開がむずかしいと言われるので、それは私はよくわかりました。やはりその程度のものは何らかの形で公開され得るということであれば、私は、この抗告について非常に疑義を持っておったのですけれども、それは大分晴れたような感じがいたします。ぜひそういう方針でやっていただきたい。
 実は、もう古い話ですけれども、原子力基本法が議員立法でなされたときに、中曽根さんが提案者で説明に参りまして、私自身も質問もしましたし、そして最終的には基本法には賛成いたしました。そういういきさつもありましてよく存じております。ただ、せっかくここまで来たものが、いろいろなところでこういう問題を起こしてぎくしゃくしておるのは非常に残念ですから、そういうことのないようにぜひしてもらいたいという意図から、いろいろお尋ねもしたわけです。
 それから、当初この抗告文を見たときには、いかにもおまえは法律で飯を食っている裁判官でありながら、この解釈を間違えるとは何事かということで、ずいぶん姿勢の高い抗告文だという印象を受けておりました。そういうことで一体いいかと。そうなったら、これを盾にとって一つも出さないというようなことにもなりかねないという懸念を持っておりましたが、とにかく、およそ九〇%程度は公開できるんだという局長の御説明で、そういう懸念もなくなりましたので、ぜひひとつそれらの原則を守るようにしていただきたい。
 それから、いまの四国電力の社長の問題ですね、私はこういう観点で申し上げたのです。それは、とにかくこの雑誌に書いたのは、長時間にわたってやったものをずいぶんつづめておって、ここにありますように、真意を伝えていないという社長の言うことを尊重して申し上げたということは、最初お断りしたとおりです。
 それなら、私が取り上げた事例、たとえば少し早過ぎたようだというようなことだとか、それからサイクルがまだできていない、早くやらなければいかぬとか、それから安全審査は問題だとか、これらは当然なことなんで、そういうことに対しては原告側も好意を持っておる。逆に言えば、非常にマイナスばかりかというと、そうじゃないんだということを申し上げたつもりです。しかし、局長の方は、この真意を伝えていないと言うのに呼びつけて――私は本当を言えば、あなたがそういうふうに社長を呼んでそうやって言われるならば、ここへ参考人で呼んでもらいたい。そして徹底的にいまの点審議するということを要求したいのです。それは怒ったりする問題じゃないんじゃないですか。
 それでは、こう言うことのどこが一体気に入らないのか。とにかく、企業でやってもうけるということを言ったのが気に入らないのか。確かに、政府も余り熱心じゃないとこれにはありますが、それが気に入らないのか。しかも、これは自分の真意を伝えてないと言っておりますからね。
 さらに、たとえば何を言ったかというと、問題の記事は約二カ月前に受けたインタビューがまとめられたものだが、必ずしも私の真意を伝えていない、安全審査の行い方について論議されていることは話した、しかし、伊方原発の安全審査について問題があると言ったことはない、こういうようなことです。それから、原発ラッシュは早過ぎたとの記事について、それはそうだけれども、私は伊方のが早過ぎたということは一切言っていない。それから、核燃料サイクル問題については、まだ確立されていないと言ったので、それは国際分業で行うべきもので、日本でも将来濃縮などを分担していかなければならない、しかし、核燃料サイクルが未確立のままで原発の建設を進めることは問題だとは言っていない、こう言っておりますから、これを入れて、この中のあなたの腹を立てるようなところはのけて、その辺を取り上げている。しかも、それに対して、ここに川口寛之伊方原発建設反対八西連絡協会長は、山口社長発言は、実に腹蔵のないもので驚くほどだ、こういうような評価をしております。
 ですから、これを見て、どこが一体そんなに腹が立つところですか。それから、お呼びになってしかったりするような筋合いのものじゃないんじゃないですか、これ自体は。
#113
○生田政府委員 ただいま先生がお読みになりました山口社長の後の釈明でございますが、その釈明と同じようなことを、私のところに来てもらいましたときに、直接御本人から伺ったわけでございます。伺いましたので、私もそれで了解いたしましたけれども、これは私だけが了解してもしようがないのでございまして、一たん活字になったものでございますので、そういうことをやはり同じような形で周知徹底させていただきたいということを申し上げたわけでございます。
 実は、それは恐らく地元の新聞をお読みになったものだと思いますが、こちらでは新聞で承知しておりませんので、直接御本人から伺ったわけでございます。ということで、先生いま一緒におっしゃいましたけれども、私、実は後の方の新聞を読んでおりませんので、その新聞で御承知になったことを直接御本人から伺った、そういうことでございます。
#114
○湯山委員 ですから、これはもう一遍よくお考え願いたいのは、いまのような指摘はしたわけです。ただ、それが具体的に伊方へどうこうということではない。それから、核燃料サイクルができていないから発電を直ちにやめろというようなことは言っていない。ただ、万博の問題とか、他のどこかの社長さんもそういう感じを持っておったというようなことは、それは言わなければ書けないです。だから、そういうふうにとにかくきちっとしたところだけ、もし私の言ったことを山口社長が後でお読みになっても、それについて、これは間違ったことでけしからぬとはおっしゃらぬように用心して申し上げた。それについて、いまのように、これも新聞のとおりですが、とにかく、腹蔵のないもので驚くほどだとあるし、それからもう一つは、私たちが主張して来たことを、社長がそのまま話している、まことに正直な発言でと、こういう感想を述べておるのを、これはそのまま申し上げたわけです。
 ですから、けしからぬと怒るような問題じゃなくて、そういうことであれば、そういう誤解を解くとか、そういうために努力せいということは言われてもいいけれども、それを、けしからぬなんということはおっしゃらぬ方がいいと私は思うのです。長官、そうじゃないですか。
#115
○佐々木国務大臣 私は、その文章も余り丹念に読んでおりませんし、また、四国電力の社長にも会っておりません。
 ただ、私がかつて原子力局長時代に、私の部下だった方が四国電力に入っておりまして、通産省出身でございますが、私のところに参りましたので、余り誤解を招くようなことは、君がついておって言わさぬ方がいいぞ、三思一言だぞという話をしておきました。
#116
○湯山委員 終わります。
#117
○八木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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