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#1
第075回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第9号
昭和五十年六月四日(水曜日)
    午前十一時三十分開議
 出席委員
   委員長 小澤 太郎君
   理事 奥野 誠亮君 理事 吉川 久衛君
   理事 久野 忠治君 理事 小泉純一郎君
   理事 小山 省二君 理事 阿部 昭吾君
   理事 山田 芳治君 理事 津金 佑近君
      石井  一君    小島 徹三君
      佐藤 孝行君    笹山茂太郎君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      増岡 博之君    村田敬次郎君
      大柴 滋夫君    佐藤 観樹君
      広瀬 秀吉君    山本 幸一君
      林  百郎君    浅井 美幸君
      林  孝矩君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 福田  一君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      茂串  俊君
        警察庁刑事局長 田村 宣明君
        自治省行政局選
        挙部長     土屋 佳照君
 委員外の出席者
        衆議院法制局長 川口 頼好君
        衆議院法制局第
        二部長     河村 次郎君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  秋山陽一郎君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  山本  武君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月四日
 辞任         補欠選任
  田中 榮一君     増岡 博之君
  木島喜兵衞君     広瀬 秀吉君
同日
 辞任         補欠選任
  増岡 博之君     田中 榮一君
  広瀬 秀吉君     木島喜兵衞君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六〇号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六一号)
     ――――◇―――――
#2
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林百郎君。
#3
○林(百)委員 匿名寄付の禁止が制度として今度は出てきたわけですけれども、一切の匿名寄付――われわれは、もちろん大企業あるいは大きな労働組合、大きな団体からの匿名での寄付は、選挙の公正、それから政治資金の透明度を暗くするものとして賛意は表しません。しかし、これによりますと、何らの下限も何物もなくて、一切の匿名寄付は禁止する、こういうことになりますと、たとえば五百円なり千円なりのカンパをした、そういうものも、カンパを受けた方、それからカンパをした方、それは三年以下の禁錮、二十万円以下の罰金になるということになれば、大衆に依拠した政党並びに政治団体としては、これは本来のそういう財政的な規模を奪われることになりますし、それからこの政治資金規正法の基本理念によりましても、これにも反するものじゃないか。五百円でも千円でも、たとえばカンパというような形でしたものも、みんな禁止されて処罰対象になるのですか。
#4
○土屋政府委員 お尋ねがございましたが、少額の寄付というものを集める、それは確かに非常に必要な場合が多いだろうと思います。そういった寄付を一体無記名と申しますか、匿名でやるのがいいのかどうかということになりますと、確かに浄財を少し寄付しようということで、なるべく名前は出さないというような人もおられましょうし、日本の古来の美風といったような点もあろうかと思うのでございますが、基本的には、やはり金を出す、すなわち寄付をするという場合は、ちゃんとだれがどうして寄付をするということがたてまえであろう。これは政治資金として受け取る以上は、そういうものを整理しておくのがたてまえであろうと思いますし、御承知のように、現行法では選挙に関して匿名の寄付をしてはいけないということになっておりますし、また政治資金としてもそういうことを受けてはいけないということで、そういった寄付はすべて現行法でも寄付をした者の名前等を整理をしておくということがたてまえになっておるわけでございます。寄付があれば、それは整理をする、これが基本的な原則であろうかと思うのでございます。
 しかし、今回政治資金規正法を改正いたしまして、政治資金の公明さというものをはっきりさせるためには、選挙に関すると否とを問わず、要するに寄付のあったものははっきりさせるということがたてまえだと思うのでございます。したがいまして、ただいまおっしゃいましたように、少しの寄付であっても、原則としては小さいものは公開はいたしませんけれども、受けたものは帳簿に載せておくというたてまえをとっておるわけでございます。もちろん、その帳簿に全部の名前を書かなければならないというわけではございませんが、まあたとえばよく街頭あたりでちょっと署名してとったものを、その帳簿のかわりにそういった記入をして、寄付をされたそういうものは、何と申しますか、補助簿というかっこうでとっておいてもいいわけでございましょうし、やりようはいろいろあろうかと思いますが、従来からの原則としては、寄付があればそれは帳簿につけておくというたてまえをとっておるところでございます。
#5
○林(百)委員 政治資金規正法の基本理念に、拠出される国民の浄財であることにかんがみて、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されるということになっているわけですね。二十二条の六によりますと、今度は改正になって、「何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない。」「何人も、前項の規定に違反してされる寄附を受けてはならない。」これはあなた改正ですよ。改正案で新しく出ているわけですよ。そうすると、現実に合うかどうかということですよ。
 たとえば政党並びに政治団体が一万人の集会をやる。そこで、皆さんひとつ浄財を集めてください、わが党はそういう皆さんの零細な資金によって財政を賄っておるのですから。そういう場合に、カンパ袋を回す、あるいはカンパを箱の中に入れてもらう、それに一々名前を書けると思いますか、あなた。それは一定の限度以上ならわかりますよ。そういう多額のものだけは匿名にしないようにして、透明度を明らかにしておくということはわかりますけれども、しかし、大衆的な団体、大衆的な政党で、そこでカンパを求めるというときに、一々あなたの年齢、職業、住所、名前、まあ年齢は別として、そういうものを一々書くなんてことができますか、実際問題として。しかもそれが処罰に関連してくるということ。これは全く現実を無視した立法じゃないですか。
#6
○土屋政府委員 たてまえの立て方というのはいろいろあろうかと思いますが、現在でも選挙に関して匿名の寄付は禁止されておるわけでございます。それを全般的に今回政治資金の公開原則等をもとにして整理をいたします際に、政治資金規正法に移したということでございます。したがって、考え方の基礎としては、その点は変わってないわけでございまして、「選挙に関し」というところをとった点は変わっておりますけれども、一応寄付されたものは整理するという点は変わってない。いまおっしゃいましたように、たくさんのときはやりにくいということもございましょうが、やはりその寄付したものをはっきりと整理しておく、この原則に立ちます限りは、簡便な方法ででもそういう取り扱いで受けていただくということが法のたてまえだと考えております。
#7
○林(百)委員 あなた変えてない変えてないと言うが、選挙の期間中と一般の政治活動、日常ふだんの政党の活動あるいは政治団体の活動全部にこれは今度適用されるのでしょう。そんなことが実情に合うと思いますか。あなた、派閥の献金は百万円までは届け出なくていいなどというこっちの方は非常に寛大な制度をとっておる。また寄付の量的制限の方、これを超えたものは何も国庫に帰属するのじゃない、それはそのままそちらに入るわけでしょう、寄付を受けたものの方に。
 しかも罰金はずっとこれより――罰金は二十万円以下の罰金ですが、そういう百万円ぐらいものはかからなくて、五百円や千円のものは全部ひっかけていくのだ、それは日常ふだんの政党活動、政治活動全部に適用していくのだ、こういうことが公正だと考えられますか、あなた。何でこんな制度を設けたのですか。いままでのがなぜいけないのですか。
 われわれはいまのだってそれは問題があると思います。また、今度の案も、もし大きな金額で常識的に考えてこれ以上の匿名寄付というのを受ければ、その政党の財政の透明度を暗くするからということはわかりますよ。しかし、この法律でいったら、五百円、千円が入っちゃうわけでしょう。それは仮に匿名の手紙で、私はだれだれさんの演説を聞いて、非常にあなたの党の政策に感激いたしました、どうかこれを何かにお使いくださいと、その中に金が千円入っていたらどうしたらいいのですか、手続言ってください。
#8
○土屋政府委員 基本的な考え方は、先ほど申し上げましたように、寄付というものはすべて受けて整理をしておくのだという考え方に立っておりまして、先ほど公開のお話がありましたが、公開については、それは別に少額なものはやることはないわけでございます。だれから受けたということで整理をしておくという原則を立てておるということでございます。実際問題として匿名でだれからか来たという場合の取り扱いでございますが、これはそういった匿名のものは受けてはならないということになっておりますので、党の資金として受けるということは法律的にはちょっとむずかしいわけでございます。それをどういうふうに扱うかということについて、いまにわかに私もここでこうすべきだということはちょっと申し上げかねるわけでございます。
#9
○林(百)委員 どうするかもわからない。どうするかもわからない法律をつくってどうしたらいいのですか。大臣、どうするのですか。あなた方みたいに何十万とか何百万という献金のあるところとは違って、大衆のカンパに依拠して政治活動をやっている政党はどうしたらいいのですか。匿名の手紙が来て、その中に、どうかこれを浄財として使ってください。あなた方が派閥に対して百万円までの寄付は届け出なくてもいい、こういう制度を設けたのは本人の自発的な意思を尊重するのだ、そういうことを言っていたでしょう。本人の自発的な意思を尊重すると言うなら、五百円、千円を、名前は言われませんが、これを浄財として使ってくださいというのを受け取ってなぜ悪いのですか。なぜ処罰までされるのですか。出した方も処罰されるのですよ。しかもそれは全部国で没収するというのでしょう。福田さん、ちょっとあなた言ってくださいよ。手紙で千円来たらどうしたらいいのですか。大臣、答えてください。これは基本的な人権に関する問題です。
#10
○土屋政府委員 ちょっと不十分な点がございましたので申し上げますが、いまの匿名の場合の寄付にかかる金銭または物品の提供がありましたときは、その所有権は国庫に帰属するということになっておりますので、その手紙の中で、住所はわからぬが、名前でもあればその名前でこういうふうなかっこうで来たという受け入れもできるかもしれませんが、何にもわからない、本当の白紙で金だけ送ってきたという場合は国庫に納付する手続をとっていただく、こういうことになろうかと存じます。
#11
○林(百)委員 だから千円が匿名の手紙で来た場合に、国庫に帰属するという場合、その政党としてはどういう手続をとるというんですか。国庫に帰属するという抽象的な言葉はわかりますよ。その手続については政令で定めるとかなんとか言っているのでしょう。具体的にどうしろと言うのですか。――大臣、答弁してください。
#12
○土屋政府委員 現在公職選挙法に匿名の寄付の禁止がございますが、それに関する手続というのは政令の百二十九条に書いてあるわけでございまして、寄付物件の保管を開始した日とか、それから寄付物件が金銭であるときは幾らであるということ、それから物件が物品であるときは物品の種類と数量、それから保管者の住所というものを記載しまして、それを都道府県知事に提出するというような手続になっております。知事はそういった提出を受けて、物件の提供を受けたときには収納して領収証書を交付する、こういった手続が書いてございます。そういったことを今回も政令で決めるということにいたしております。
#13
○林(百)委員 それじゃ一万人の集会でそういうカンパが、たとえば千口なら千口集まったという場合に、一々そういう手続をとれというのですか。
#14
○土屋政府委員 そういうカンパの際は、こういった法の規定があります限りは、やはり簡単に名前等を書き込んで寄付してもらうということに、そういう集会ではやりやすいわけでございますが、できれはそういう方向で――できればと申しますか、法の趣旨に従ってそういうことでやっていただくというのがたてまえだというふうに考えております。
#15
○林(百)委員 あなたは実情がわからない。演説している最中に、十分か二十分の間をとってカンパを訴えてカンパをしてもらうときに、一々名前を書いて届け出て、将来国庫に帰属する手続をちゃんととってそしてカンパをしてもらうなんて、そんな余裕が演説している最中にありますか。常識で考えてごらんなさい、あなた。こんなものは全く実情に合わないものだということです。
 それで、もしかれが匿名でやった、これをだれかが見ていた。それを記帳してなかったとか、あるいは寄付したものをだれかが見ていた。これは政治資金規正法二十二条の六に違反している。そういうようなことを認定したとすれば、それを口実に警察が捜査に入れますか。――大臣ちっとも答えない。大臣、答弁してください。これは基本的な人権に関する問題ですよ。――ちょっと待ってください。私は答弁を大臣に求めているのですよ。
 あなた方の政党とわれわれの政党とは違うのですよ。われわれは大衆の浄財で、それこそ文字どおりの浄財で公然としてカンパを求めて、それをわれわれの運動資金にしているのですよ。そういう場合、一々五百円、千円を寄付した者も罰せられる、受けた者も罰せられる、国庫に帰属する手続をしろ、そんなことが実際問題としてできるのですか。一定の額以上なら、それはまた話は別ですよ。また大企業だとか大きな団体からやるというような場合はわかりますよ。そうでなくて、金額にも何にも限界もなくて、一切の匿名寄付を受けた者もあるいはした者も処罰される。処罰されるという認定をすれば、仮に五百円でも千円でも警察は捜査の発動ができるかどうかということですよ。それは国家公安委員長としてあなたに聞きます。国家公安委員長としての福田さんにお伺いします。――委員長、答弁しない時間は時間に入らないでしょうね。大臣ちっとも答弁しないのですが、困りますよ、そんなことでは。――いや、国家公安委員長に聞いているのです。あなた、後でいい、これは捜査の問題ですから。そういう千円の匿名カンパをしたと見れば、仮にそこに警察がいるとすれば、捜査はやろうと思えばできることになるのですか、どうですか。
#16
○福田(一)国務大臣 政府委員からまず答弁させます。
#17
○土屋政府委員 お説のように、いろいろ大きな集会等で零細な寄付等を集めることがあるかと思いますが、それもいま申し上げましたように、原則としては、寄付をした者が私はこの党に寄付をしたということは明らかにするということだろうと思うのでございます。
 ただ、その中で非常に取り紛れてたまたま記帳しないようなものが入っておった、それは国庫に帰属させる手続もとれないというような場合に、まあそういうことがあるかわかりませんが、だれか見ておって告発をしたといったような事態が起こったらどうかということでございますが、それは事柄の性格にもよるものだろうと思います。そういった悪いことをしようと思って匿名で特にやったということでないとか、いろいろな事態がそれについてあると思うのでございます。まあ告発が仮にあるとすれば、それは調べなければならぬと思うのでございますが、私は警察当局ではございませんが、それは当然情状に応じて判断をされるべきもので、そうすれば直ちにそれじゃ三年の禁錮がつく、そういったたぐいのものではあるまいというふうに考えます。
#18
○林(百)委員 あなたからそんな刑法理論を聞こうと思っていない。あなたは自治省の選挙部長ですから選挙のことだけ言っていればいいのです。私は国家公安委員長に聞いているのですよ。処罰規定がある。匿名で寄付をした者も受けた者もいかぬとある。そうすれば、そういうものを認定した場合は、一般的には捜査の端緒になって警察がそういうものに手を入れる可能性があるかどうかということを聞いているのです。
 情状だとか紛れてやったかどうかというのは外形からわからないですよ。そんな刑法の講義をあなたから聞く必要はない。国家公安委員長、どうですか。これは基本的な人権に関する重大な問題ですよ。あなた、笑っていますけれども、あなたみたいに――あなたみたいにと言っては失礼かもしれないけれども、大口の寄付を受けているような方々とは違うのだから。われわれは大衆の……(「それは言い過ぎだよ」と呼ぶ者あり)言い過ぎなら言い過ぎでいい。それじゃ実態を言いましょうか。それじゃ福田さんの派閥の献金を言いましょうか、あなたがそう言うなら。私の方は調べています。いいですか。(「知らぬよ」と呼ぶ者あり)知らぬでしょう。二年で一億近くも寄付を集めているのですよ。そういう人とは違うということを言っているのです。言いますよ、あなたがもしそんなにあれなら。私はとにかく一般論を言っているのですよ。どうですか。
#19
○小澤委員長 答弁してください。
#20
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。
 今度のこの政治資金の問題は、額のいかんを問わず公明にすべて明らかにするというのを目的にして出しておりますので、額のいかんを問わず、これは法の対象にいたしております。しかし、その法を適用する場合には、その事情等を十分勘案して、そうして良識の範囲内で法の適用が一般の通念から見て不当に重いというような形にはしないというたてまえで法をつくっております。したがって、先ほど国家公安委員長としてどうするかという御質問でございますが、そういう場合にも私がいま申し上げたような立場において処理をいたしてまいりたい、かように考えます。
#21
○林(百)委員 処罰を重くするとか軽くするということは、裁判所が決めることで何もあなたが決めることじゃない。捜査の端緒になるかどうかということを国家公安委員長としてのあなたに聞いているのです。その結果裁判にかけて、裁判の結果がどうなるか、それは司法、裁判所がやることなんです。
#22
○福田(一)国務大臣 選挙資金を明らかにして、いやしくも疑義を差しはさまない、一般の国民の皆様から何らの疑義を差しはさまないというか、指弾を受けないようにするという根本原則を今度の政治資金法で一応立てておるわけであります。したがって、その意味では全部一応包括的に規制をいたす、こういうことになると思うのであります。
 その場合に、それではどういう限度までやるのか、取り締まりの規定としてどういう限度までやるのかということについては、私はその事案に応じて警察としては処理をいたすべきものであって、それが過度にわたるようなことはすべきではないと思いますが、それは原則というものを立てるということがいま一番大事なことなんですから、その原則を立てることについては、このような法の規定を設けることが正しいというのがわれわれの考え方であります。
#23
○林(百)委員 私の質問に答えてくださいよ。基本理念を言い合うなら、基本理念は拠出された国民の浄財であることにかんがみ、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように適切に運用する、国民の自発的な意思で零細な金をあの革新的な政党に出そうということがあったら、それがカンパであってもむしろ尊重してやるべきではないですか。
 しかし私はその基本理念をあなたと争っているのじゃなくて、原則的に罰則がある以上、捜査の端緒になり得るかどうかということなんです。情状によってこうだああだということではないのです。そこをあなたに聞いているのですよ。情状なんというものは右にも左にもどうにもなり得るのですから、これ一般が原則的に捜査の端緒になり得るのだということになれば、これは重大ですよ。
#24
○福田(一)国務大臣 先ほども申し上げましたように、政治資金の公明度というか、それを正確にあらわすというたてまえから言えば、これは全部この規制の対象とすべきであります。しかし、その場合に故意にそういうことをする、いわゆる善意でやっている場合は別といたしまして、故意にそういうようなことをした場合には、これは捜査の対象になると私は考えております。
#25
○林(百)委員 大きな会場でカンパをする場合に、その人が故意か善意かということをあなたはわかりますか。どうやってそれをやるのですか。だから私は、原則を聞いているのです。原則に答えてくれればいいのですよ。原則として今度こういう法律ができた以上、かりに零細なカンパであろうと、匿名でやる場合は、受けた方もやる方も、それは捜査の端緒になり得ます、そういうことをあなたに聞いているのですよ。それは修飾語は入れなくていいですよ。
#26
○福田(一)国務大臣 原則は先ほど申し上げたとおりですが、いま林さんの言われるのは、たとえば演説会場においてそういうようなことをやったらどうかということでありますが、そのときの事実関係において善意であったかどうか、どうしてもそこまではできなかったんだ、そこで帽子を回して金を集めたというような場合等々ではできなかったんだということであれば、私はこれは捜査の対象にはしないでいいと思っております。
#27
○林(百)委員 そうすると、こう聞いておいていいですか。基本的には規制をされるし、そして犯罪になるのだけれども、その事情によってそれを捜査の端緒にするとか、そういうことはしない場合もあり得る、こう聞いておいていいのですか。それでいいのですか。何だか帽子を回したらそれはいいんだ、それじゃ紙袋はいけないんですか。その辺が何だかちっともわからないんです。
#28
○福田(一)国務大臣 私の申し上げておるのは、事実関係が――帽子を回したというのはいいと言えば紙袋を回したらどうとか、そういうふうなことになるといけませんから、事実関係が捜査の対象になるかどうか、いわゆる法の精神に反して行われておるかどうかということが、事実関係でこれが法違反であるという場合には捜査の対象になる、かように考えております。
#29
○林(百)委員 匿名カンパというのはもともと人がわからないんでしょう。たとえば会場でカンパした場合そういうのを一々調べる、あなたは善意だったか悪意だったかと言うが、善意、悪意ということを何でいうのか、法律があるけれども法律を知らなかった場合は善意と解釈するのか、あるいはそうでないのか、その辺ちっともあなたははっきりしないのですよ。だから、基本的にはこうです、しかし情状によってはこうですというならわかりますよ。しかし、基本的なことを言わないで何か情状を言ってみたりするから混乱しちゃうわけなんですよ。基本的にはこういう態度です、しかし情状によってはこうですということなんですか。
#30
○福田(一)国務大臣 これは何度お答えしても同じでありますが、たとえば寄付を集める方の側が当然寄付される人を明らかにできるような事態であるかどうか、そういうこともありますが、いずれにしても原則は集める方もできるだけその名前を明らかにして出していただきたい、ごう言うべきものだと思うのであります。そして出す方もできるだけその名前を明らかにしてそして出すようにしていただきたいというのが法の精神であります。法のたてまえは曲げるわけにはまいりません。
#31
○林(百)委員 矛盾していますよ、あなた。できるだけそうしてもらいたい、法の精神は曲げるわけにいかない、一体どういうことなんですか。結局福田さん、あなた答弁できないならできないで――法のたてまえは、たてまえはと言うか、たてまえは大衆カンパを処罰することになっているじゃないですか。じゃできるだけやってくれなんということは通らないはずでしょう。
#32
○福田(一)国務大臣 私はできるだけやってくれなどということを申し上げているのではありません。法のたてまえは、出す方も集める方もこれは明らかにするというのが原則であります。これを申し上げておるのです。
#33
○林(百)委員 何を答えているかよくわかりませんが、まあ要するに大衆的なカンパ活動、すなわち国民の国政に参与する権利というのは大きく分けて投票権、意見を述べる、あるいは積極的に選挙運動をする、さらにカンパをする、そのカンパの形態はいろいろあると思うのです。しかし私も無条件で、何も匿名寄付を全部禁止するなとは言ってませんよ。大口なもの、企業あるいは団体からのものはいいかもしれないが、全然上限のない、そして下限を設けなくて五百円でも千円でも犯罪にしようと思えができるような、国民を網にかけるようなこういう立法は慎むべきじゃないかということを言っているのですが、幾ら言ってもあなた適切な返事が出ませんからやむを得ません。
 先ほど、あなたのような大口なカンパを受けて成り立っているものと違うというような意味のことを私がちょっと言いましたら、それに対して若干自民党さんの方から不規則発言があったようですから、改めてあなたにお聞きします。
 今度届け出書類の監督上の措置の権限を中央選管から自治大臣に移されたわけですね。私たちはこれに一定の意見があるわけです。ところがそのあなたが、第一自民党の党籍を持っているあなたがこの届け出書類の監督上の措置を公正にできるかどうかということが第一問題。それから第二には、あなた自身が後援会から相当の金を受け取っている、そういう人が一体人の届け出書類の監督が十分できるかどうかという点に私は多大の疑問を持たざるを得ないわけなんです。これはやはり中央選管、これでいいというように私は考えているわけです。
 そこで、念のために先ほどの私に対する不法な不規則発言に対して私は事実を明らかにしたいと思いますが、一政会と国際政治経済総合調査会、これはあなたとどういう関係のある団体ですか。
#34
○福田(一)国務大臣 私の関係する人がやっておる団体でございます。
#35
○林(百)委員 そうすると、これは政治団体であなたの後援会みたいなものですか。政治団体ですね。――いやあなたは関係ないでしょう。福田さんに聞いているのですよ。人の後援会のことなどわからぬでしょう。
#36
○福田(一)国務大臣 いま事務当局が行ったのは届け出てあるかどうかということを言いたかったようであります。
 これは私は政治団体だと思います。
#37
○林(百)委員 そこで、この政治団体が、一政会と国際政治経済総合調査会、この二つのあなたの後援をする政治団体から四十七、四十八、四十九年の上期まで幾らの献金、寄付を受けていますか。
#38
○福田(一)国務大臣 私、記憶ということはいたしておりません。
#39
○林(百)委員 あなたを後援する政治団体からあなたのところへ幾ら金が入ったか知らないと言う、それは答弁になりませんがね。それじゃ表をお見せしまし上うか、私の方で調査してありますから。届け出てあるのですよ。
 それじゃ土屋さん、選挙部長わかりますか。この二つの団体が四十七、四十八、四十九年に幾らずつ金を集めているか、そして届け出てあるかということがわかりますか。
#40
○土屋政府委員 手元に資料がございませんのでいまはわかりません。調べればすぐわかると思います。
#41
○林(百)委員 それじゃ土屋さん、ちょっとこれを見てください。これはおたくの方から取り寄せた資料です。
#42
○土屋政府委員 届け出られたものは官報でこれは告示しておるわけでございますから、官報で見ればすぐその内容はわかるわけでございますが、ちょっと手元にそれを持っておりませんので……。
#43
○林(百)委員 私の方の調査によりますと、四十七年の上期に二つの団体で六百四十八万円と千百二十四万円、下期に一政会の方が六百七十九万円、それから国際調査会の方が千九百五十五万円。四十八年の上期に一政会の方が六百三十二万円、国際調査会が千八十三万円、四十八年の下期が一政会が七百三十三万円、それから国際調査会が千四百八十五万円。四十九年の上期、いま四十九年の上期しか出ておりませんが、一政会が六百七十三万円、それから国際調査会が千百三十四万円、合わせますと約一億になるのですね。
 今度あなた自身が監督しなければいかぬわけですね。中央選管から届け出書類の措置についてのいろいろな助言をしたり、あるいは訂正を命ずる場合もあるし、いろいろするわけですね。そういうのをあなた公正にできると国民は思いますか。自分自身がこういうものを受けている。そしてあなた自身は監督を受ける自民党の出身の大臣である。何で中央選管から自治大臣に移すのですか、理由を述べてください。それじゃ、まず土屋さんから、それから自治大臣も答えてください。
#44
○土屋政府委員 現行法では政党、協力その他の団体は、選挙に関してされた寄付その他の収入と支出につきまして選管に報告書を提出すべきこととされておるわけでございますが、これらの収支も年二回の収支の報告の際にはすべての収支とあわせて報告をするということにされております。選挙の際のものだけを別に報告書を提出するといういままでのやり方というものは、これはそれほどの実益もないであろう。すべてあわせて報告をすることになるわけでございますから、そういうことで今回の改正では、選挙時の収支の報告を廃止をいたしまして、すべて年一回の収支の報告の中で取り扱う、こういうことにいたしたわけで、全部そこへ届けられるわけでございます。
 したがって、全国区の選挙に関してのみ中央選管というものはタッチしておるわけでございますから、いまのようなことになりますと、選挙に関する収支の届け出もなくなるわけでございますから、監督規定も総体的なものとあわせて自治大臣ということにいたしておるわけでございます。
#45
○林(百)委員 それは理由になりませんよ。中央選管でそれをやったっていいじゃないですか。届け出があったって、中央選管が監督上の措置をしたっていいじゃないですか。第一監督というのは、国民が客観的に見て信頼する人がやるのが監督なんですよ。それが、自分自身が監督を受ける政党に所属し、しかも、自分自身が献金を受ける、寄付を受ける団体を二つ持っていて、二年半のうちに約一億の寄付を受けている。それも自分が監督する、そんなことが合理的な改正だと思いますか。だれが考えたって、そういうことと関係ない中央選管がそういう届け出書類の監督上の措置をするという方が公正だと思うのじゃないですか。そんなことば常識ですよ。
#46
○土屋政府委員 選挙に関する寄付以外の寄付は、収支は現行でもすべて自治大臣のところでやっているわけでございます。ただ、いままでは選挙に関する収支だけを別個に届けておりまして、最終的には政治資金ではそれも含めて届けておるという二重のシステムになっておった。それが今回は、そういった選挙のときだけをやらなくてもどうせ一緒に集めるのだということで一本化している。ご承知のように、中央選挙管理会というものは全国区の選挙の管理、執行のみをやる機関でございます。そこで、選挙に関してはそうしておりましたが、今回そういうシステムをやめましたので、だからその点は中央選管は関係ない、一般の政治資金というかっこうで、自治大臣の従来どおりの指揮監督下といいますか、そういう形式になっておる、そういうことでございます。
#47
○林(百)委員 選挙に関するときほど、こういう献金だとか寄付だとかそういうものの報告を厳重に公正に措置することが必要でしょう。それが、いままでも選挙以外は自治大臣がやっていた、だからどうせ選挙のときも含まれてくるからそれも自治大臣に任した方がいいだろう、こういうことは論理が成り立ちませんよ。
 だから、ことに選挙のときが重要だということなら、その選挙のときば中央選管に届け出の書類の監督措置権を与えておいたっていいじゃないですか。何もそれを無理に自治大臣に移すことないじゃないですか。前どおりなら、どんな不便があったかというのですよ。理由になりませんよ。
#48
○土屋政府委員 いま申し上げましたように、従来はその選挙に関してといっても、今度はそのものが届け出なくていいとはいっていないわけでございます。その分も含めてやっているわけですね。中央選管は御承知のように全国区についてのみの問題でございます。だから、それもそういった選挙のときだけを別個に取り分けてやらないということになりますと、その点は直接的に関係がなくなるわけでございますから、従来からと同じような扱いにするということでございまして、中央選管は直接関係がないからということでそれははずしたというだけの事務的な整理にすぎないわけでございます。
#49
○林(百)委員 私の言うのは、そんな便宜的なことでこの重要な選挙に関する、あるいは日常の政党、政治団体に対する寄付関係もそうでありますが、資金関係についてのその監督上の措置は、だれか見ても公正さを維持することのできる――自分自身が監督を受けなければならない政党に所属し、自分自身が監督を受けなければならない団体から二年ちょっとの間に一億近くの金を受けている。それを自分自身がその届け出の書類に対して監督上の措置をしなければならない。そういうことが公正にできるかどうかということは国民は疑惑を持つのが当然なんですよ。
 だから、それは従来どおり中央選管でいいじゃないか。どんな不便があってどうしても自治大臣に移さなければならないのかということなんですよ、私の聞いていることは。客観的に見てどちらが信頼度がおけるかということですよ。だから自治大臣に移すなら、自治大臣のそういう権限をむしろ中央選管に移したっていいですよ。
#50
○福田(一)国務大臣 政治家というものは法律をつくっていろいろやりますが、そういう場合に、政治家個人の立場と、そしてわれわれが政党政治家として内閣をつくって内閣の一員に列しておるという場合にはこれは別人格でございますから、私に個人的にもし過ちがあれば、私がこれを裁くということは当然でございます。そういうことが認められないということであれば、代議政治というものはできません。だれかがそういうことをしなければならないということになる。法律をつくって、そうしてそれを公正に私が処理をしておるかどうかということは、国民の皆様が、選挙区の皆様がよく判断していただくでしょう。また野党の皆さん方も私に対して御判断をしていただくだろうと思うのであります。党内においても私に対して批判をしていただけるもの、それが民主主義でございます。
 でありますから、何も私が自治大臣としてそういう問題の監督をしておったからといって、私が過ちを犯せばそれは私が悪い。私が悪いという意味は、自治大臣としてこの福田が責任をとらなければならないということであります。またその決意を持っておらない限りにおいては、内閣に列することは私は間違いだと思っております。
#51
○林(百)委員 私はあなたの決意を聞いているのじゃなくて、国民から見て、少なくとも政党政派に直接関係のない中央選管の方がそういう政党並びに政治団体に対する財政上の届け出書類の監督権は、だれが見ても国民が見て中立性があると考えられる。そういう中央選管にむしろ権限は委譲しておいた方がいいじゃないか、あるいは現在あるものはそのようにした方がいいじゃないか。自分自身が監督を受ける政党に所属し、自分自身が監督を受ける団体から金を受け取っている人が監督をする、新たにそういう権限を持つということは、国民の側から見れば、あなたの決意がどうであろうとそれは信頼度は薄いということですよ。この問題はこれでいいでしょう。時間の制限も与えられていますから、次の問題へ移っていきます。
 政治資金規正法の附則の十条、この中に二百一条の五あるいは六、八、九、十三、これはもう言うまでもなく土屋さん御承知だと思いますが、この政治団体を政治活動を行う団体というように読みかえてますね。この政治活動を行う団体というのはどういう団体なんですか、そしてこれに関する定義をなぜ設けないのですか。
#52
○土屋政府委員 御承知のように、従来公職選挙法上の政治団体というのは、政治資金規正法上の政党、協会その他の団体と同様に解釈をされておったわけでございます。当該団体が政治活動を行うことを本来の目的とするものでなくても、政治活動をする目的を有するものはすべてこの政治団体としての取り扱いを受けるものとされてきておったわけでございます。
 しかし、改正法では一応書き方を変えておるわけでございますが、政治団体の定義を明確にいたしまして、政治上の主義、施策の推進または候補者の推薦、支持を本来の目的とする団体及びこれらの活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体というふうに規定をいたしておるわけでございまして、従来のいわゆる協会その他の団体、一般的にいう政治団体の範囲よりも限定をされるということになったわけでございます。
 これに伴いまして、私どもとしては従来の公職選挙法における政治団体と同範囲の規定とするための法文整理をしたつもりでございます。したがって、ここでいう政治活動を行う団体というのは、その代表的なものとして政党というようなことがございますように、従来の規定による政治団体と同じように、政治活動を行う目的を有する団体というものを考えておるわけでございまして、単に選挙期間中何らかの政治活動を行ったというような事実だけで判断されるものではない、従来と同様、政治活動を行う目的を有するような程度に至っておるかどうかというような実態で論議をし判断をすべきもので、趣旨としてこれは変えておるつもりではございません。
#53
○林(百)委員 何かちっともわからないのですが、いいですか土屋さん、これは政治活動を行う団体ということになりますと、第一定義がないわけでしょう。定義がないことは認めるでしょう。定義がないのに選挙期間中の規制を全部受けるわけですね、二百一条の六そのほかの各条文の。これに違反すれば三十万円以下の罰金でしょう。そうでしょう。それはあなたわかっていますね。認定いかんによってはそういう罰則を受けるような可能性を持っておるのですよ。
 そういうことになる団体については、その団体の定義はこれとこれとこうだ、あなたの言うように政党あるいは政治団体について今度規定を設けたのはわかりますよ。この政治活動を行う団体という定義がはっきりしなければ、認定いかんによって、選挙期間中の禁止規定に違反しているからおまえはこれで三十万円以下の罰金だという、そういう対象になり得る可能性あるのじゃないですか。
 たとえば労働組合がスト権を奪還する、あるいは官公労だとかそういうような組合が、スト権を奪われているのは不当だ、そういうことを一貫して主張してくるとすれば、それは政治活動を行う団体になるのですか。あるいはキリスト教の団体が靖国神社法には賛成だあるいは反対だ、こういう活動をやれば、それは政治活動を行う団体になるのですか。あるいは農民団体が、米価が安いから米価の値上げを要求するのだ、そういうことを一貫してやれば――一貫してやらなくても一回でいいのか、一貫してやるのかも、これもわからないわけです。
 だれが一体認定するのですか、これは。しかも、これが選挙期間中の禁止条項に違反すれば犯罪になるわけでしょう。犯罪になるものの団体の定義もなければ、認定権がだれだということが決まっていなければ、第一にそれを認定をして捜査なら捜査を始めるということになる、これまた警察が第一の最初の段階の認定権を持つことになりませんか。どうなんです。
#54
○土屋政府委員 従来の解釈におきましても、ただいま例示がございましたが、労組その他のいろいろな団体が活動を行う場合に、これはたとえば労働組合の場合でございますと、労働組合法二条によって、本来政治活動を行うようなものではないわけでございますが、それがやはり政治的な目的をもってやるということもあり得ると思うのでございます。したがいまして、従来からやはりそこらが二百一条の五以下の規定の違反になるかどうかといったようなことは、基本的にはそういった目的を有するに至っておるかどうかということで判定をされておったわけでございまして、その点は先ほど申し上げましたように、今回は一応政党その他の政治団体の定義がはっきりしましたために、それ以外の団体等でも従来から言われておりました政治的目的をもって政治活動をするという場合の規制が当たるということがはっきりしなくなるから、そこで政治活動を行う団体ということで書き方を変えたわけでございます。考え方としてはあくまでも先ほど申し上げましたように、政党、これははっきりいたしておりますが、その他の政治団体という場合に、政治活動を行うことを目的とする団体だ、そういう趣旨で書いたわけでございまして、基本的にも従来と変わるつもりは毛頭ないわけでございます。
#55
○林(百)委員 従来と変わっていますよ、大いに。この判断いかんによってはどうでも広げることができるわけでしょう。だれが認定するのですか、それじゃ。あなたの団体は、今度の改正によって政党と政治活動の定義が決まりました、その範疇に属している団体です、それが選挙期間中、たとえば宣伝カーを出した、あるいはポスターを張った、それは違反ですよ、いやおれの方は政治活動を行うためにやったのじゃない、経済的な要求からやったのだという争いがある。第一次的にはだれが判断するのですか、罰金を科すか科さないかというような問題が起きてきた場合に。
#56
○土屋政府委員 法で禁止しておる行為について違反行為があった場合は、違反行為については捜査当局にならざるを得ないというふうに考えます。
#57
○林(百)委員 それはあたりまえのことなんですよ。しかし、一体だれが認定するのですか。最初に警察にまかしてしまうのですか、あなた。自分たちは市民団体として、大衆団体として靖国神社法についての賛成、反対をやっている、あるいは農民は米価の闘争をいろいろやっている、どうもそれは今度の改正によって政治活動を行う団体の範疇の中に入るぞというようなことになれば、それがもし選挙の期間中にたまたま運動が入ってきて、そこでポスターを張った、これは違法だというようなことをだれが認定するのですか。
 あなたの言うにはそれは司法の諸機構が判断するのだ、当初に判断するのは、やはり違反するかどうかということになるから警察だということになるのですか。じゃ警察の判断いかんによって、その団体が政治活動を行う団体であるかどうかの認定は、第一次的には警察にまかせられるということになるじゃないですか。
#58
○土屋政府委員 先ほどから申し上げておりますように、政党その他政治活動を行うことを目的とする団体であるという考え方をとっております。その点については現行法と変わっていないということでございまして、現行法においても実際上政治的な目的を持って活動しておるかどうかということは、たとえば自分たちが一定の決議のもとにそういう政治活動をやる、政治団体には至らなくてもそういうことをやっておるということでございますれば、基本的にこういう法の趣旨に従ってこれはやるべきであるかどうであるかということは、その団体自体がお考えになることだろうとわれわれは思います。場合によっては、そういった目的を有しているかどうかということ等については、あるいはわれわれの方にでもそれは御質問があるということもあるかもしれませんけれども、法の考え方はそういうことで、政治的な目的を持ってやっておるということで、何もそういう目的を持たないで、集会があって、たとえばその帰りにちょっと何かPRをしたとか、そういうようなことまで一々やるということは今回の法でも考えていないわけでございます。従来と取り扱いは同じであるというふうに私どもは考えております。
#59
○林(百)委員 従来は政党並びに政治団体の定義はあったわけなんですよ。あなたの言うように、何が政治団体かということについての定義は一応あったわけなんですよ。今度は政党と政治団体に対する定義がきちっと決まったから、それから外れたものは政治活動を行う団体だとあなたは言うんでしょう。そうすると、定義がきちっと決まったものはそれでいいことにして、外された方は今度は定義が決まらないことになっちゃうわけでしょう。前の政党並びに政治団体を規定した条文がなくなっちゃうわけなんですから。そうすれば、政治活動を行う団体として認定するかどうかという基準は何もないじゃないですか。あなたは政治目的を持った団体だ、政治目的を持った団体だと言うけれども、では政治目的であるかどうかという判断はだれがするのですか。あなたがするのですか。
#60
○土屋政府委員 先ほどもお答えいたしましたが、労働組合については労働組合法第二条があるわけでございますが、これとても政治活動をやるということはあるわけでございます。そういった場合については、現行法でもそれは全部いいということにはなっていないわけでございまして、やはりそういった目的を有するかどうか、そういったような状況で判断をしておるということになっておるわけでございまして、その点では今回も変わっていないつもりでございます。
#61
○林(百)委員 現行法では政党並びに政治団体についてはそれぞれ規定があるのですよ、その十分不十分は別として。ところが、今度は新たに政党並びに政治団体はこれこれだということを政治資金規正法の適用の上で決めてしまったから、従前の政党並びに政治団体の定義というのはなくなってしまったわけなんですよ。
 そうすると、あなたは従来適用されていたとかどうとか言うけれども、その団体が政治目的を持っているかどうかということが主になると言うけれども、ではその政治目的というのは何を言うのですか。しかも、これは場合によっては犯罪になるわけでしょう。犯罪になるのに犯罪の構成要件がはっきりしないような、その団体の規定が条文上はっきりしていないような法律がどこにありますか。罰則を適用する以上、そういう罰則を受ける団体はこれこれこういうものだよということを言わなかったら、法的な保護というのはないことになってしまうじゃないですか。恣意の認定によって、あなたの団体は政治目的を持っていますよ、いや、あなたは持っていません、ああ、あなたは持っていますよ、結局第一次的には捜査の任務を持つ警察の判断ということになっちゃうじゃないですか。あなたのところにたまには問い合わせが行くかどうか知りませんけれども、犯罪になるかどうかという重大な問題になれば、あなたの前に警察の判断が優先的になるじゃないですか。そうなりませんか。
#62
○土屋政府委員 御承知のように現行法でも「政党その他の政治団体は」ということで、公選法上はこの政治団体の定義がないわけでございます。そこで、一応解釈として、この政治資金規正法上の「協会その他の団体等」というものがこれに当たるという考え方をとっておるわけでございまして、この「協会その他の団体」というのが「政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するもの」、こういうふうにされておるわけでございまして、判定しますにはその団体がそういうものであるかどうかということで判定せざるを得ないわけでございます。
 したがいまして、今回においてもそのような意味で政治活動を行うことを目的としておるのだというふうに解釈をする、解釈はできるということで、私どもとしては取り扱いを従来とちっとも変えるつもりもございませんし、そのとおり同じことであるというふうに考えておるわけでございます。
#63
○林(百)委員 しかし、政党と政治団体は定義をはっきり決めたわけでしょう。それならそれから外れるものを、取り扱いだけを従来どおりするということでなくて、なぜ定義をはっきりしないのですか、なぜ定義ができないのですか。しかも私がこのことをあなたにくどく聞くのは、犯罪として認定される可能性があるでしょう。そういう場合に、定義がわからなかったら何が犯罪の構成要件になるかわからないじゃないですか。そんな定義のはっきりわからないような団体、従来どおりの取り扱いであります、取り扱いだけが犯罪の構成要件になる。自治省の判断、警察の判断で犯罪になるかならないかが決まるわけですか。そんなばかな話はないですよ。
 大臣、どうですか、認定いかんによっては犯罪にもつながるようなことは。新しくそういう範疇ができたとすれば、そういう団体の扱いは従来どおりだとかなんとか土屋さんは言っていますけれども、しかし、そういうものに対してはっきりした定義がなければ犯罪の構成要件を決めることはできないじゃないですか。大臣、答弁してくださいよ。これは重大な問題ですよ。大衆団体や市民団体から言ったら、いつ自分たちが政治活動を行う団体と言われるかどうかわからないということになってしまうじゃないですか。何でこれは定義をはっきり決めぬ。どうなるのですか。――いやいや、今度は大臣に聞きます。基本的人権に関する重要な問題です。委員長、私は大臣に求めているのですよ。(「附則でそんなことを決めるのが間違っているんだよ」と呼ぶ者あり)
 不規則発言もありましたが、本来政治資金規正法の方へ、しかもその附則へこんなものをもぐらしてくるわけでしょう、それも重大な問題なんですよね。その点補足しておきますが、大臣、答弁してください。――委員長、これは困ってしまうんですよね。これで一時間だなんて言われたら何も聞かれやしないですよ。しかも私は弁護士ですから、罪になるかどうかということについては普通の人より一層敏感なんですよ。それはおわかりでしょう。だから私は一生懸命聞いているんですよ。これは大変ですよ。
#64
○小澤委員長 政府は答弁できますか。答弁を早くやってください。
#65
○林(百)委員 いやいや、大臣に聞いているんです。土屋さん、だめですよ。――委員長のお指図はわかりますが、これは基本的人権に関する重大な問題だし、それからいろいろの市民団体の行動の自由にもかかわる重大な問題ですから、政治的な責任のある福田さんから責任のある答弁を求めて、後条文上だとか技術的な点で補足するなら、それは土屋さんでいいかもしれない。基本的なことは大臣から聞かないとこれは大変なことになるのです。警察の判断いかんによってその団体が政治活動を行う団体になったりならなかったりしてしまうのですもの。これは大変ですよ。
#66
○福田(一)国務大臣 政府委員からまず答弁させます。
#67
○土屋政府委員 先ほどから何度も申し上げておりますように、従来の政治団体という定義も政治資金規正法の「政党、協会その他の団体等」ということの「協会その他の団体等」ということでございまして、これは目的を有するとかどうとかいうことで判断をされておったわけでございます。その意味でやはりそういう実態に応じて判断をしておったということは事実であり、その判断は、まずその団体がそういった目的を持っておるかどうかということで、自分たちで、法の規定に当たるか当たらぬかということはまず第一義的に判断なさる事柄だと思うのでございます。実際問題としてそれが当たるか当たらぬかということになりますと、最終的にはそれを判定するのは司法当局だということにならざるを得ない、こういうことになります。
#68
○林(百)委員 福田さん、あなた、これは重要な問題です。重要な問題になると、あなたは答弁を避けていますが、土屋君の答弁には重大な過ちがあるわけです。従来の政治資金規正法の第三条においては「政党とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し」云々、こういう規定がある。それからこの範疇からはずれる「この法律において協会その他の団体とは、政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し」云々と、こうある。これが今度の新しい第三条によって「政治団体とは」どうということになったわけですよ。
 だから、旧来の第三条というものはなくなってしまっているわけですよ。このことは認めるでしょう。そうすると、新しく、いま私が聞いております政治活動を行う団体というのは定義のないものになってしまうんですよ。従来はまだ政治資金規正法の第三条の二項によって、これがどうなるかこうなるかという問題はあったにしても、今度はこれすら全然ないんですよ。これすらなくて、全く任意の、従来の取り扱いだとか、政治目的を持っておるとかどうとか、だれが一体それを判断するのですか。いままでなら、不十分さはあっても三条に一応あったわけですよ。政党あるいは協会その他の団体というようなものがあったわけです。これが今度はなくなってしまうわけですから、そうすると、全く規定のない、定義のない団体ができてくるわけでしょう。だから、拡大しようと思えば幾らでも拡大できることになる。そうでしょう。従来の取り扱いだと言うけれども、従来の取り扱いは、何もそれが法律的な規制力を持つわけではありませんし、だから自治大臣にこれを聞いている。
 それで、その団体は選挙期間中は禁止事項を全部適用になるわけです。その禁止事項に違反すれば三十万円以下の罰金になるのですから、だから政治活動を行う団体として認定されるかどうかによって犯罪を構成するかどうかになる。しかも、その犯罪を構成するかどうかの主体的な団体の定義自体はこの法律の中にはどこにもない。従来の扱いだ。それじゃ、その団体が政治目的を持っているかどうか、そんなことで判断されたら大変ですよ。
 だから、それは福田さん、はっきり答弁してくださいよ。土屋さん、いいですよ、あなた。あなたの言うことはわかっている。いいですよ。これは重要な問題ですよ。
#69
○土屋政府委員 大臣から後でお答えいただきますが、先ほどから私が申し上げておりますのは、結局現行の政治団体という公職選挙法上の規定というものは、これは公選法上定義がはっきりいたしておりませんで、そこで考え方として、政治資金規正法上の協会その他の団体ということがそうであるということになっておったわけでございます。したがって、そういう意味では、現行の政治団体という場合でも、それはたとえば労働組合の例でとりますと、労働組合はいわゆるこの政治団体ではないかもしれませんけれども、それが従たる目的として政治活動を行うことはある。それが政治的な目的を持っておるということであれば、この二百一条の五の規定等の適用はあるというふうに従来からも解釈されておったわけでございまして、それはいまと変わっていない。別にその点においてもぴったりとした定義が公選法にあったわけじゃございません。
 ただ、そういうことで政治的活動を目的とするような団体は、やはりその適用があるのだという解釈でまいりますと、今度、政治資金規正法上で政治団体という言葉が、公職選挙法の政治団体と同じ言葉が、範囲が狭められましたので、それでは従来より取り扱いが狭まることになるということでございますから、今回のように「政党その他の政治活動を行う団体」、それは先ほどからはっきり申し上げておりますように、従来と同じように、政治活動を行う目的を有する団体なんだということで、その点は変えていないということをはっきり申し上げておるわけであります。
#70
○林(百)委員 それはあなた、勝手な解釈で、そんならそう書いたらいいじゃないですか。いいですか。あなたの言う、従来は包括的だった。三条の二項に「この法律において協会その他の団体とは、政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するものをいう。」これで包括的に入っているわけですよ。
 ところが今度、政治団体というものは政治資金規正法の三条ではっきり決まったものだから、これはもうなくなってしまうわけでしょう。旧来の政治資金規正法の三条というものはなくなってしまうわけですよ。ところが、突然として政治活動を行う団体というものが出てくるわけです。それに対する定義というものは何にもないじゃないですか。要するに、従来もそう取り扱っていたからその取り扱いに従うだけですということじゃないですか。従来の取り扱いがあるなら、その取り扱いをどういうように集約しているのか、それを定義として出さなければ、犯罪になるかならないかの基準がなくなってしまうじゃないですか。従来の取り扱いだけでその人が犯罪視されたりされなかったりということは、それは犯罪に結びつくことです。あなた、立法の常識ですよ。
#71
○小澤委員長 午後一時半再開することとして、暫時休憩いたします。
    午後零時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十六分開議
#72
○小澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。林百郎君。
#73
○林(百)委員 午前の質疑の中断は、政府側の答弁が統一できなくて、しかも事は基本的な民主団体あるいは市民団体あるいは労働組合の活動にもかかわる重要な問題でありますので、私、質疑を繰り返してきたわけであります。
 そこで、政治資金規正法の十条で政治団体を政治活動を行う団体に読みかえた。土屋部長の言うには、従来政治資金規正法の三条で政党並びに協会その他の団体ということで包括的に規定されて、そういうものも入れて扱っていたのだ、だからその取り扱いをそのまま続けていけばいいのだ、仮に政治団体について政治資金規正法で新しい規定ができたとしても、こういうお話でありました。
 しかし、従来の扱いによってその団体が刑事責任を負わなければならないというような場合が想定されているわけなんですから、罪刑法定主義からいっても、そういう団体の定義がどこにもないということは、これは法律の体制をなしていないと思うのですよ。だから従来の扱いをどういうように扱っていたか。もしあなたがそうおっしゃるなら、従来の扱いをちゃんと定義づけたらいいと私は思うのです。そうじゃないでしょうか。そうでなければ罪刑法定主義でこれは判断のしようがないじゃないですか。裁判所の自由な判断に任せる、あるいは捜査当局の自由な判断に任せるということになってしまうわけです。そうすればわれわれ国会議員としてそういうあいまいな、しかも事は刑事責任を負うに至るようなそういうところまで発展する団体の定義をあいまいのままでこの法案を通したという責任を将来負わなければならないことになるわけなんです。しかもそれは非常に広範に判断によってどうにもなるし、また民主的な諸団体に影響することが非常に大きいので、それで私、聞いているわけなんです。
 できたら私はこれは自治大臣に、非常に重要な問題ですから、選挙部長でなくて、自治大臣が十分お打ち合わせしても結構ですから、三木内閣の解釈としてこうだという、あるいは三木内閣の考えとしてこうだということを、これは後世記録に残るわけなんですから、そしてある団体が犯罪の規定が適用されるかどうかということにもかかわってくる問題ですから、これはやはり福田自治大臣にまず答弁を願いたいというように思うわけです。
#74
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。
 大変長い間お待たせをいたしたわけでございますが、従来公職選挙法上の政治団体は、政治資金規正法上の協会その他の団体と同様と解釈されまして、当該団体が政治活動を行うことを本来の目的とするものでなくとも、政治活動をする目的を有するものは、すべて政治団体としての取り扱いを受けるものとされてきたところであります。
 改正法案におきましては、政治団体の定義を、政治上の主義、施策の推進または候補者の推薦、支持を本来の目的とする団体及びこれらの活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体と規定し、従来の政治団体の範囲より限定されることになったわけであります。そこでこれに伴いまして、従来の公職選挙法における政治団体と同範囲の規定とするため、法文の整備をいたしたものであります。したがって、実質的には従来の扱いを踏襲したのでありまして、選挙期間中の政党活動の幅を何ら変更するものではない。
 これを要するに前の法文の趣旨を読み変えることができるように、私たちとしてはそのように解釈をいたしておる、こういうことでございます。
#75
○林(百)委員 扱いや解釈を聞いているわけじゃないのですよ。大臣の言うとおりに従来は協会その他の団体とはと言って定義があって、その中にあなた方の今度考えておる政治活動を行う団体も含めていたかもしれません。しかし、これは新しい政治資金規正法の三条によってすっかりなくなってしまったわけなんですよ。なくなってしまって、これはよりどころにならないわけなんですよ。従来は扱っていましたから、そのとおりの扱いをいたしますといっても、従来の扱いというものがどういうものなのか、それはなくなっているのですから、法的な基準はなくなっているわけなんですから、従来の扱いなら従来の扱いはこうだったということを、政治活動を行う団体とはこうだということを新しく定義づけなければ、罪刑法定主義で、裁判するにもしようがないじゃありませんか。従来こう扱っていたからおまえは有罪だよ、こんな裁判はできないのですよ。
 これは福田さんならおわかりだと思います。選挙部長は選挙のことを専念されているかもしれません。仮に裁判官になった場合は、判決の下しようがないじゃありませんか。政治活動を行う団体とは云々だとは何もないわけでしょう。いままでならば三条の二項があって、この解釈はこうだ、こうだといっているのですが、今度はこの解釈をする基準が何もないのですから、政治活動を行う団体とは、旧来の廃止された法律の政治資金規正法の第二項のこの中の政治活動を行う団体の扱いに従うものでありますと、そんなことは言えないですよ。何か曲がりなりにも法律の規定があって、この解釈はこうだといって裁判所がするならそれはわかりますよ。その裁判所が解釈する基準は何もないのですから。それでしかも、犯罪にならないなら別ですよ、犯罪になるんですもの。これは重大な欠陥で、これはこのまま通すわけにはいきません。
#76
○土屋政府委員 先ほどから申し上げたことを総括的に申し上げますと、この二百一条の五の規定というのは、御承知のように選挙期間中における政党その他の政治団体が、選挙にまぎらわしいことになっても困るということで禁止をしておる、そういう趣旨がまずあるわけでございますが、そこで政治団体という場合の定義というものは、おっしゃるように従来は公職選挙法上は定義がもともとないわけでございまして、解釈上、この政治資金規正法上の現行法の三条の二項の規定によって示されておるわけでございます。
 そういう規定があったところに、今回政治団体ということの定義というものが新しくつけられた。そこでそれでやると従来と幅が違ってくるということがありますので、その点について従来と同じような形にしたいということで政治活動を行う団体としたわけでございますが、政治活動という言葉が、いろいろと定義というものが、現行法でも政治活動ということは今回の改正法でも言葉としてはあるわけでございまして、だからそれを行う団体というのは、先ほどからるる申し上げておりますように、政治活動を行うというのは、結果的には従来から言われております第三条第二項の「政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し」ということをやるのが政治活動であるという解釈になっておるわけでございます。
 したがってやれ歌声運動とかボーイスカウトとか、そういったものがちょっと何かやるということはそれは政治活動でないという定義ははっきりしているわけでございまして、三条の二項がないからといって、政治活動を行う団体というものの意味合いが違うわけじゃございませんで、政治活動を行う団体というのは、まさにその政治活動を行おうとして、その目的としておる団体なんだというふうに私どもとしては当然解釈ができる。その点については従来と変わってないという解釈をしておるわけでございます。(「明快だ」と呼ぶ者あり)
#77
○林(百)委員 明快でも何でもないですよ。それは第三条の二項があって、二項の解釈の中で、この解釈は、いわゆるあなたの言う政治活動を行う団体も含めている。この解釈はこうだということで、それはその解釈の基準があったわけですよ。その基準が十分不十分、抽象的かそうであるかないかは別として、とにかく従来は三条の二項というのがあって、これはあなたの言う政治活動を行う団体の範疇もこれに入れられていたわけですよ。しかし、それが今度はすっかりなくなってしまうわけなんですから、だから政治活動を行う団体の解釈の基準というものが、どの法律のどの規定に基づくかということはなくなってくるわけなんですよ。
 しかもそうして、それはあなたの言うような判断とか従来の扱いによるということになりますと、それが刑事責任まで結びついてくるということになりますと、そんな法律はありませんよ、どう考えてもありませんよ。だからなぜ政治活動を行う団体とはこれこれだ、政党と政治団体との規定があるわけなんですから、政治活動を行う団体とは何か。いままでは三条の二項に包含されていた、あなたの言うように。それなら話は別ですよ。政治団体と政治活動を行う団体とは違うわけなんですから。
#78
○土屋政府委員 政治活動を行う団体といたしましたのは、先ほどから申し上げますように、政治団体という定義が変わってきた。従来の政治団体というものは、たとえば協会その他の団体と同じでございますが、届け出てあるものはぴしゃっとわかるけれども、そうでないようなものというのは、結局あそこで書いてあるような政治活動の目的というものを、それが目的を有するかどうかということで従来から判断をしておったわけでございまして、それと同じ意味において、政治活動を行う目的を有する団体というものが今回はそれに当たるのだということで言っているわけでございまして、政治活動を目的としておるかどうかという点において従来と判断は変わるところはないわけでございます。
#79
○林(百)委員 それは幾度か言うようですけれども、従来は政治資金規正法三条の二項に、あなたの言うように協会その他の団体というものがあって、この中に今度決められた政治活動を行うそういう団体の範疇も広範に入れていた。ところが今度は政治団体というものを新しい政治資金規正法三条ではっきり決めたから、それがはずれてしまう。いままで政治活動を行う団体というものははずれてしまう。はずれてしまったものはどう解釈するのか。はずれたものははずれたものとして、これ以外のもののこういうものという規定がなければ、解釈の基準がないじゃないですか。罪刑法定主義ですよ。罪にするには法定でなければ罪をきせることができないわけなんですよ。その法律がなくて、おまえは三十万円以下の罰金だというようなことができないのですよ。それはあなたの言う選挙法だけでいえばそうかもしれません。しかし、裁判所の方が判断する場合は罪刑法定主義ですから、これは法律でしっかと決めてなければ困りますよ。
#80
○土屋政府委員 御承知のように、定義というものは非常にあいまいな場合はこれはぴしゃっと書かなければいかぬということは言えると思うのでございます。ただ、たとえば選挙運動にしても、その法に従っていろいろなものが書いてございますが、選挙運動とはというような定義もないし、政治活動という定義もないわけでございますけれども、政治活動といえば、従来からいまの「協会その他の団体」に書いてありましたような、そういったものが政治活動だということは熟しておるわけでございます。したがって、そういった政治活動を行うことを目的としておる団体がこれに当たるのだということで、あれで読めるということで私どもとしてはその点ははっきりしておるつもりでございます。
#81
○林(百)委員 それはおかしいので、もしあなたがそうおっしゃるなら、三条第二項のうちから新たに政治団体というものを定義をしてこれを除く、他のものは三条二項そのまま生かしておく、それならわかりますよ。それでなくて三条二項はすっかりなくなってしまっているわけなんですから、あなたの言うのは解釈なんですから、しかもなくなってしまった法律、すでに抹消されてしまった法律を、かつてこの法律に基づいてこう解釈していましたから今度もこう解釈しますということは成り立たないのですよ。それは定義がはっきりするとかしないとか、その定義が包含されている法律が明確であるとかないとかいうことは、これは話は別として、とにかく政治活動を行う団体というものはこれこれだというものは、十分不十分はあっても、法律がなければ裁判で有罪にするかしないかということはできないのですよ。これは罪刑法定主義で日本の刑法上の大原則なんです。
 法律にもないものをいままで解釈でこうやっていた、この解釈に基づいてこの団体は政治活動を行う団体だ、これが選挙期間中こういう違反をした、だからおまえは罪になるなんて、そんなことはできないのですよ。あなた、基本的人権というものは非常に重要なんですから、そんな単なる選挙法上の技術あるいは政治資金法上の技術だけで問題は解決しないのですよ。そこのところをあなたよく考えてくれなければ困るのですよ。そうでしょう。政治活動を行う団体、政治活動もはっきりしていない。従来の基準も扱いはこうだったという。しかし扱いにしろ基準にしろはっきりしないのだから、解釈によってどうにでもなるわけでしょう。少なくとも、それならば十分不十分はあっても一つの基準がなければ罪にするということはできないですよ。解釈の基準の法律がなくなってしまっているのですもの。
#82
○福田(一)国務大臣 いろいろお話を聞いておりまして、あなた御疑問があるようでありますが、私は、今度の法律でどういうことを規制するかということが明らかになればいいのではないかと思う。あなたのおっしゃる趣旨は、前の関係とかなんとかということもありますが、どういう者がどういう行為を選挙期間中にしてはいけないということが明らかになればいいのだと思うのであります。どういう団体がどういう行為を選挙期間中にしてはいけないということをこの第三条、今度の第二百一条の五で規定をいたしておるわけであります。
 それでひとつこの条文を読んでいただきますと、「政党その他の政治活動を行う団体は」、その「政治活動を行う団体は」ということについては、いまあなたがいろいろの御疑問を出されましたが、「その政治活動のうち、政談演説会及び街頭政談演説の開催、ポスターの掲示、立札及び看板の類の掲示及びビラの頒布」(林(百)委員「わかっていますよ、いいですよ」と呼ぶ)いやいや、そこが議論になるところですよ。答弁をしている間ちょっと待ちなさいよ。「頒布並びに宣伝告知のための自動車の使用については、衆議院議員の総選挙の期日の公示の日から選挙の当日までの間に限り、これをすることができない。」こういうふうに、実態はどういうことをしてはいけないということがこの条文によって明らかにされているわけです。だから、いまあなたのおっしゃる法定主義ということであれば、その内容はどういうことであるかということが決まっておらなかったならば、これは私は正しくないと思いますけれども、どういうことを選挙期間中にしてはいけないということはちゃんと法定してあるわけですね。
 そこで今度は、問題は前に返って、あなたがおっしゃった政治活動を行う団体、こういうことなんですが、しかしわれわれは選挙期間中には政治活動を、いままでふだん行っておっても、その選挙の期間中はこういうような行為をしてはいけませんよということを書いておるのですから、はっきり法定されておると思うので、あなたのおっしゃる法定されてないということは私は理解できないと思います。私は十分それで法定されておると思います。
#83
○林(百)委員 自治大臣、あなたはこれこれこういう法律に違反すれば処罰されますよと書いているじゃないか、こう言いますけれども、その違反する団体が政治活動を行う団体だと言うのでしょう。そうでしょう。あなた、それは附則の十条を見ればそう書いてあるでしょう。そのこれこれに違反すれば処罰されますよという、処罰される主体の定義がどこにもないのですよ。その主体がないのに判決でおまえは有罪だと言うわけにいかないでしょう。あなたはこれこれに違反してはいけませんよということは書いてあるという。しかし、その違反をしてはいけないという主体たる団体の、政治活動を行う団体というのはどこに定義があるのですか。それははっきり聞きましょう、どこに定義があるのですか、はっきり言ってくださいよ。
#84
○福田(一)国務大臣 私はその定義の問題ではないと思うのです。それはあなたのおっしゃるように法定主義ですから、だからだれだれがこういうことをしてはいけないということをあなたははっきりさせろ、こうおっしゃるわけですね。だれだれがこういうことをすると罪になりますよ、それが法定主義でしょう、あなたのおっしゃるのはそういう意味なんです。
 そこで政治活動を行う団体と、こう言うが、これは非常に広範ですね。あなたそれは、政治活動を行う団体というのは、その考え方で、そんなものを全部網羅して、そうして明らかにすることは非常に私は困難だと思います。そこで、そういうように網羅できないからといってむやみに罰せられては困るから、こういうことをした場合には罰しますよ、こう書いてある。そこで、もし罰しようと思えばこういう行為をした者でなければ罰しられないのですから、私は法定主義、ちっとも差し支えない、法律の規定としてちっとも誤っておらないと信じております。
#85
○林(百)委員 対象になるものが非常に広範だから一々規定できない、しかし処罰規定があるから処罰できるということなら、何でも処罰できることになるのですか。いまはその広範な団体について、一応の定義は政治資金規正法の三条二項にあるのですよ。それは非常に抽象的だけれども、一応それを含めた定義があるのですよ。今度は定義も何もないのですよ。なくて、あなたの解釈から言えば、非常に広範だから一々示すことはできない。その広範に共通する何かの定義がなければ、違反した場合には処罰されると言っただけでは、違反とされる対象が広範で定義できないなんて、そんな危険な法律というのがどこにありますか。しかも警察がいつでも手を入れるといったら、これはファッショ的な法案ですよ。こんなばかなことはないですよ。何を言っているのですか、ますます危険ですよ。
#86
○福田(一)国務大臣 あなたは法定主義ということをおっしゃいますけれども、しかし罪を決定する場合には、ある者がこういうことをしてはいけないということを書くのが、これが法定なんですね。しかしある者が非常に広範囲であっても、いま何々してはいけないと書いてある、その何々をしてはいけないという条件に合わなければ絶対に罰しられませんよ。それがどういうわけでいけないということになるのですか。私は法律を決める場合に、条件主義ということは認めますが、しかしだれがということと何をということと実際にやったかどうかということなんです。何もやってなければ罰せられる道理がない。われわれはそこの選挙法の公正を期する意味で、こういうことをしてはいけないという具体的な例を挙げておるのでありますから、それで十分に法の体系をなしておる、こういうふうに解釈をしております。
#87
○林(百)委員 法の体系から言いますと、よく……。
#88
○福田(一)国務大臣 まあちょっとお待ちください。
 そこで、そういうことはやはり一つの物の考え方の相違になるのですよ。あなたはそういうことをおっしゃると……(発言する者あり)いやいや、そうですよ。われわれはそういう解釈をとって少しも差し支えないと思っている。まああなたは弁護士かもしれぬが、私も少しは法律を勉強したこともあるのです。そんなあなた、そういうことでむやみにでたらめなことを言うているつもりはない。やはり罪というものは、罪人になるかどうかということは、ある人がこういうことをしてはいけませんよと書いてあるのにこういうことをするから罪になるのです。そういうことをしなければ、ある人は絶対に罪になりませんよ。ならない。
 その内容が、いま言ったようにポスターをむやみにこうしたとかああしたとか、その内容が明らかでないというならこれは問題ですけれども、それは政治活動というものは、考え方によってはわれわれは全部みんな一年じゅう政治活動をしているのですよ、実際を言えば。だけれども、それだからといって選挙期間中に、まあ確認政党は別ですけれども、選挙期間中にはこういうことをしてはいけませんよということが書いてあれば、それで十分この法定主義ということははっきり出ているのじゃないのですか。私はそういうふうに解釈をするのが正しいと思う。
 何々をしてはいけないということが書いてあれば、その何々をしなければ絶対に警察だって法務省だってこれはけしからぬなんて言える道理がないじゃありませんか。その何々をしてはいけないということが具体的に書いてないからこれはけしからぬと言うのなら、なるほどごもっともで、われわれも直さなければいかぬけれども、ちゃんとその事実が列挙してあれば、しかも明確にしてあるんですから……(発言する者あり)
#89
○小澤委員長 静粛に願います。静粛に願います。
#90
○福田(一)国務大臣 私の言うのは……(発言する者あり)
#91
○林(百)委員 とにかく説明してくださいよ。
#92
○福田(一)国務大臣 いやいや、説明は、もうあなたと私の間だから、説明すればわかってもらえると思うのだ。要するに法定主義とおっしゃるから、法定主義ならば、それはやはりこういうことをしてはいけない、だれでもこういうことをしてはいけませんよということを決めるのが法定なんですよね、実際は。そこで、政治活動をする者ということを一応冠していますけれども、しかし、こういうことをしてはいけない、ポスターをむやみに張ってはいけませんよ、ビラをどんどん配ったらいけませんとかなんとかいろいろここに書いてある、そういうことがなければ、その政治活動をいままで若干しておったとしても、そういう団体があったって処罰のしようがないじゃないですか。それをどうして処罰できるのですか。それはちゃんと法定されておるのだから間違いないわけなんです。
#93
○林(百)委員 福田さん、あなたは全然附則十条を知らないですよ。附則十条が決めていることは、選挙期間中公職選挙法中の政党並びに政治団体がこれこれこれこれした場合は罰になると書いてあるのですよ。だから二つの要件が要るわけですよ。あなたが言うようにこれこれこれこれしてはいけないというそういう規定と、それから政党並びに政治団体がそういうことをしてはならないというこの二つがくっついて犯罪の成否になっているわけですよ。ところが今度の法律は、これこれこれこれしてはいけないということは書いてあるけれども、その政党並びに政治団体に該当するその政治団体を政治活動を行う団体と読みかえるということになって、その政治活動を行う団体ということに規定も何にもないわけなんですよ。
 だから犯罪を構成する要件が一つ欠けているのですよ。ただ何々してはいけないということだけじゃなくて、何々が何々をしてはいけない、こういうことが選挙法の二百一条の五そのほかずっとなっているわけですね。その何々がの方が全然定義がないわけなんです。選挙部長に言わせれば、従来の取り扱いで今度は政治団体を厳格にしたからそれから外れるものは入れるつもりです、そんなあなたの解釈だけで広がったりされたらこれは困るわけですよ。だから自治大臣は全然わかっていないのだからこれはだめですね。
#94
○土屋政府委員 先ほどもお答えをいたしましたけれども、確かに現行の公職選挙法では政治活動とかいったことに定義はございません。そういった完熟した言葉については一つの定義というのがもう一般にあるわけでございますね。それを行う団体ということはまさにそれを目的とする団体ということでございまして、従来でも、例示で申しますと、たとえば労働組合あるいは青年婦人団体、スポーツ団体、いろいろそういった一般の団体がございましょう。そういったものは一定の政治活動が保障されておったので何でもできたということではございませんで、従来から現行の解釈においても、そういった団体が政治活動を行っておる実態を総合的に判断をして、政治活動を行う目的を持っておったかどうかという程度になれば政治団体として政治活動の規制を受けるという解釈はとっておったわけでございます。
 それはもともと、先ほど申し上げましたが、協会その他の団体といっても、これは届けてあればわかりますが、そうでない一般の団体であれば、一体どういうだれがそれであるかということは判定をせざるを得ないわけなんです。その場合においてやっぱり政治的な目的を有するかどうかということが出てくるわけでございまして、その点においては政治活動を行う目的を有する団体だと言えば、それは一つの言葉として完熟した政治活動を行う団体だということで出てまいりますから、その点は変わってないというふうに私は言っておるわけでございます。
#95
○林(百)委員 余りかみ合わない質問をして時間をとってもなんですけれども、それじゃ端的に土屋さんに聞きますが、一体今度の改正法の中で、政治団体と政治活動を行う団体との区別を規定するそういう条項はありますか。あるいは政治活動を行う団体というものが、これはあなたはいままでそういうものを事実上解釈してきたと言いますが、その事実上の解釈が法文化されたものがどこかにありますか。政治活動を行う団体というものは、要するに何か基準がなければ、あなたの言うまうに従来の取り扱いとか解釈ということだけになってしまうわけでしょう。
#96
○土屋政府委員 先ほども申し上げましたように、政治活動という言葉自体が完熟したものでございますし、その定義というのはたまたま協会その他の団体がとっておりましたような政治上の主義、施策を支持したり反対したりというような解釈でございます。そういうことを目的としておる団体だということでございますから、そういう点では完熟しておるのだと私ども思うのでございます。
 だから政治活動を行う団体といえばおのずから政治活動を行う目的、したがって何ら一般的なそういうことを目的としてないような団体が、たまたま何かそこで集合があった後でスローガンをちょっと言って帰られたからといって、それが直ちに政治活動を行う団体であるということにはならない。あくまでもそこらの目的性を有するかどうかで解釈は決まるというふうに考えております。
#97
○林(百)委員 えらい時間をかけてもあれですから、これは要するに非常な……(「法制局が一言言うから」と呼ぶ者あり)私は法制局の答弁なんか別に求めていませんよ。これは解釈でどうにもなるのです。政治活動を行う団体というのはどうにもなる。いままでの慣行とか解釈なんだから、政治活動を行う団体というのは。しかもそれが何々の禁止条項に触れた場合には三十万円以下の罰金ということになりますから、そうすればその主体となるものが定義されておらなければ、選挙法の法律の体系の中で異質のものになるわけです。これは全くあなた方の解釈で政治活動を行う団体というものはどうにもなり得る、規定がないのですもの、定義がないのですもの。そういう弊害が生ずる。(「弊害はない」と呼ぶ者あり)そういう弊害がないないと言っているけれども、あなた方のやることは当てにならない。
 だから、かつてない非常な危険なファッショ的な法律になり得る可能性が十分ある。私はこのことを警告して、もう一つの質問がありますからそれに移ります。これをいつまでやっていたって切りがありませんけれども、しかし非常に危険な法律ですよ。あなたそう思わないと言っても、あなたの方がどうかしていますよ。従来労働組合がこうやった、何々がこうやった、政治活動とは何か、あなた方の解釈次第じゃないですか、定義がないのですもの。そんなばかなことはありませんよ。政治活動というものはどうにもそのときの政府の都合のいいように定義づけられるでしょう。それが選挙期間中にポスターを張った、宣伝カーを出した、おまえ処罰する、こうされるじゃありませんか。
 その次の質問に移りますが、五月三十日の当委員会において――これは最後の質問ですから。非常に重要ですから。民社党の小沢委員からこういうことが言われているのですね。
 「きのうからビラの規制の問題が、どうも総理の答弁も違っているようですし、質問している方も勘違いしているようだ」「総理の答弁は、どうも選挙期間中のこの二十日間だけは機関紙の号外だけはやめさせたい、こういうことなんです。ところが、それは間違っておるわけです。号外は選挙期間中といえども自由ですから、答弁をする方も間違った答弁、質問する方も間違った質問」「こんなにがつがつ騒ぐような――何でもない問題だ、こう考えますから、総理のいままでの間違った答弁をこの機会に取り消していただきたい。」それに対して総理はこう言っているわけですね。「あなたの明快な解釈のとおりでございます。」こう言っているわけですが、これでいいのですか。
 要するに小沢さんの質問は、号外は選挙期間中といえども自由ですから、答弁も質問も間違っている、総理からひとつ明快な答弁を求めたい、これはもちろん一般的な、一般政策に関する号外についての質問ということだと思いますが、こう言っています。あなたはこれに対してある条件をつけています。これは後でまたあなたに答弁を求めますが、総理答弁はこれでいいのですか、無条件でこんなことを言っていて。大臣、どうですか。これは総理の答弁ですから。
#98
○土屋政府委員 小沢委員のおっしゃったことの精神に応じて答えられたものだと解釈をしておるわけでございまして、ここにございます選挙に関する報道、評論の自由という意味での選挙に関する報道、評論、そういうものが記載されておるかどうかということがここで問題になった。だから、通常の頒布をやります場合に、あるいは通常の頒布の範囲内に入る形での号外ということであります場合はそれができないということになるのは、まさに選挙に関する報道、評論の場合になってくるのだ、そういう趣旨で言われたということに対して、その意をくんでお答えになったものだと私は解釈をいたしております。
#99
○林(百)委員 土屋さん、そうじゃないですよ。選挙の報道、評論じゃないですよ、ここで言っているのは。要するに、一般的な政策についての号外は選挙期間中といえども自由ですから、答弁も質問も間違っている、で、総理は、まことにそのとおりです、こう言っているのですよ。ちょっと福田自治大臣、どうですか、この点。総理が答弁しているのですよ。これでいいのですか。あなたの明快な解釈のとおりです、こう言っているのですよ。――ちょっと待って。総理の答弁はこれでいいのですか。
#100
○福田(一)国務大臣 政府委員から答弁させます。
#101
○土屋政府委員 いまお読みいただきましたように、小沢委員のおっしゃいましたのは、要するに純粋な政策というものを載せたもの、それは号外で出すことはできるのだということでおっしゃったわけでございます。そこには若干、頒布ができるのが自由であるということにおいて、私がいつも申し上げておりますように、何と申しますか、有償性の範囲を越えてまでむちゃくちゃに出るということまでは想定していないわけでございますが、ある程度出せるものについては、政策について、純粋な政策を述べるということは選挙に関する報道、評論の範囲外ではないかということで言われたわけで、それを受けてそうだとおっしゃったわけだというふうに解釈をいたしました。
#102
○林(百)委員 あなたの言う、選挙の報道あるいは評論に関しない一般的な政策に関する機関紙の号外は有償の配布だなんてことはどこの規定にありますか。
#103
○土屋政府委員 この規定自体にはございません。ただ、この二百一条の十四にございますのは、一つは確認団体の機関紙ということと、それから通常の方法で配布をする、頒布をするということでございまして、一つは、機関紙というもので通常の方法で頒布をするという全体の解釈の場合に、全然有償性というものが前提とされないような――機関紙といえども新聞でございますから、新聞というものはそういうことが前提となっておるというような解釈を私どもは従来からとっておるわけでございまして、そういった意味で申し上げたわけでございます。
#104
○林(百)委員 福田さん、よく聞いてください。小沢貞孝さんは、一般的な政策に関する機関紙号外というものは規制される範囲外だから、これは自由にできるはずだ、ここをがたがた言うのはおかしいと言って、それで総理はそのとおりだと言っているんですよ。ところが土屋さんはいま言うように、「現在は通常の方法で頒布をするということでございますから、通常の方法でやるというのがまず第一点。したがって、号外が無償で無制限に頒布できるかどうかということは、これは一つの問題でございます。」と言って、総理の答えた答弁に対して条件をつけているのですよ。
 つまり、総理の答弁と土屋選挙部長の答弁とが食い違っているのですよ。しかも小沢貞孝さんは、こんなことで何でがたがたするのだなんて言って、質問する方も答弁する方も間違っていると言う。そして総理はまことにそのとおりだと言っている。ところが土屋部長の方は、いや、違います、それはやはり一定のこういう枠はあるです。いま言ったように一般的な配布、すなわち有償だということ、それから無制限という配布はありませんと言っているのですよ。それだからこれは重大な食い違いですよ。
 これは福田さん、どうするのですか、あなた答えてください。これは政府の答弁です。これは福田さん、総理答弁と当該選挙部長の答弁と食い違っているのですから、幾ら何だってこういうときぐらいはあなた答弁しなさいよ。聞けばあなただっていろいろ指揮権があるわけなんだから、あなたの考えを率直に言ってくださいよ。
#105
○土屋政府委員 先ほど答えましたのが私の言い方にあいまいな点がございましたので、その点だけ申し上げたいと思います。
 私が申し上げておったのは、二百一条の十四の解釈にからんで言った点があるいは誤解を受けている点はあろうかと思いますが、総理がおっしゃったのは、一般的な意味での選挙等に関しないものを、いわゆる純粋な政治活動的なものでございますから、そういうものを新聞として出すということは自由だという趣旨であったといたしますれば、私がそれにつけ加えたのは、若干違った面で言い過ぎた面があったかもしれないというふうに考えております。(林(百)委員「それじゃ取り消すのですか。取り消すなら取り消すとはっきりそう言ってください」と呼ぶ)ただ、あるいは質問を取り違えておったかもしれませんので――総理がおっしゃいましたのは、一般的な意味の新聞が政治活動に関する、選挙法に関連しないものを書くのは、それは自由だということでおっしゃったわけでございますから、その点についてあるいは私が誤解を与えるようなことも言ったとすれば、それは私の誤りでございます。
#106
○林(百)委員 これは非常に重要ですから、私、ここへ念のために速記録をとってきてありますから、十分でもいいですから、あなたちょっとこれを読んでくださいよ。あなたの言うようなことで、あなたの答弁の対象になっているようなことを小沢貞孝さんは質問しているはずじゃないと思うのですが、もし小沢貞孝さんの質問していることに対してあなたがそんな条件をつけるとすれば、それは自治省の独自な見解になるわけです。
 それで福田さん、あなた答弁してください。これはどうするのですか。間違っているんですか、いないんですか、あなたはっきりしてください。取り消してもいいと言うばかりのことを言っているのです。ビラの配布について制限があるかないかという重要な問題を、取り違えておりましたとか、いまになって取り消しますとか、そんなことを――重要なことですよ。しかも、三木総理大臣の答えたことに対して彼は選挙部長として制限つけているのですから、あなた答弁しなさい。困りますよ。しかも、小沢さんに至っては、がたがたするななんて、こんな大事な問題を質問するのをがたがたするななどと言われては、これもまた困るわけですよ。小沢さんはどういう意味で言ったか知らぬけれども、まあ小沢さんは善意で言ったと思いますけれども……。大臣答弁してください。
#107
○土屋政府委員 いま拝見いたしましたが、小沢先生の質問は、総理からひとつ明確に答弁していただきたい、選挙期間中に機関紙の号外で規制をされるのは、選挙の報道、評論は禁止される、そういった趣旨で、総理のいままでの間違った答弁を取り消していただきたいということで、間違っていないというふうに答えられているわけでございます。私の方が答えておりますのも、当該選挙に関して報道、評論をするということはできませんが、そうでなくて、単なるわが党の政策というものはこういうものですということで出すものはと、私が言っているのがその点でございますれば、それは同じような趣旨のことを言っているといま存じたわけでございます。
#108
○林(百)委員 そうすると、百四十八条あるいは二百一条の政党は別ですが、これ以外の一般的な政策に対する号外だとこれは自由なはずだ、それをいろいろ言うのはおかしいじゃないかという小沢貞孝さんの質問、三木総理もそれはそのとおりだと言っている、それに対してあなたは――余分なところは読まなくていいのですが、あなたの「現在は通常の方法で頒布をするということでございますから、通常の方法でやるというのがまず第一点。したがいまして、号外が無償で無制限に頒布できるかどうかということは、これは一つの問題でございます。」というのは、これは間違いですね。あなたはこの百四十八条の方のことをここで言っているわけですね。小沢さんの質問は百四十八条じゃないですよ。百四十八条、ましてや百四十二、百四十三、百四十六を離れた一般的な政策の号外を言っているわけですから、あなた、これは言い過ぎでしょう。それを認めますか。
#109
○土屋政府委員 全体の質問の意味を十分とり損なった点があろうかと思います。一般的な選挙に関する報道、評論以外のものは、二百一条の十四では特に規制をいたしておりません。一般的な意味で新聞の定義という意味で申し上げたつもりでございましたが、いまのあれを見まして、前の質問と比べますと若干私の言い方が間違っておった点があると思います。その点は訂正いたします。
#110
○林(百)委員 最後にもう一つ。
 先ほどの質問でわからないのは、匿名寄付の問題ですが、匿名寄付禁止の条項、政治資金規正法の二十二条の六ですか、国庫に帰属する、要するに犯罪が成立するということにしましょうか、これは一体いつが基準になるのですか。
 要するに、匿名の封筒で金が送ってこられますね、そうすると、それを受け取ったときにそれが有罪だということになるのですか。匿名の寄付をしたり受けたりしてはならないという二十二条の六ですね。発送したらいけないのか、受け取ったらいけないのか、どっちなんです。発送した方は発送したときいけない、受け取った方は受け取ったときもういけないということですか。
#111
○土屋政府委員 そういった手紙で来たような事例でございますけれども、送ってきたというだけで、意思を持って受け取ったかどうかということが直ちに言えるかどうかわかりません。ただ、それを出してみずから受け取ったというかっこうになれば、そのときに匿名の寄付を受けたということになろうかと思います。
#112
○林(百)委員 送った方はいつからいけないのですか。それは人をひっかけようと思えばそういうことができるわけです。たとえば、だれだれさんをひっかけようと思えば、偽名でもって送っておく、それを受け取って国庫へ帰属したかどうかを確かめて、帰属してない、それであれはもう二十二条の六だ、禁錮三年以下、二十万円以下の罰金ですか、人をひっかけようと思えばひっかけられる危険があるのです。こういうファッショ的な、何の上限も下限もないようなこういう法律、しかも零細な庶民のカンパに依拠しているような政党活動をしている近代的な政党とすれば非常に危険なことなんです。だから、私は繰り返し聞いておるわけなんで、受け取った方は受け取ったときだ、それじゃ送った方はいつこの規制に違反することになるのですか。
#113
○土屋政府委員 偽名で送ったというような場合は、それはその人がその人の名前で受けたのだ、もし本当に自分が受け取るつもりならそういうことで整理をすることになりましょうが、本当に何も書いてないというような場合、そういったことが実際上どの程度あるのか、またそういうものが直ちに犯罪行為として表面に出てくるのか、そこらは私はわかりませんけれども、一応寄付が来たということで本人が受ければそのとき受けたものであり、寄付をしたというのは、やはりお互いが合致しなければいけませんから、やはりその段階ではあるまいかというふうに考えます。
#114
○林(百)委員 私の質問はこれで終わりますが、まずこの点につきましても、非常に危険な、実情に即さない、しかも政治資金規正法の二条に規定された理念、つまり、国民の浄財、それから政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制しないようにする、これにはなはだ背反していると私は思うのです、この匿名寄付の禁止は。しかも下限がないということ。たとえば一例を言いますと、一万なら一万とかなんとか、常識から考えてそんなものを匿名で受けることはどうもということなら、それは話はわかりますよ。しかし、カンパなんというものは五百円でも千円でもあるし、また、ひっかけようと思えば偽名もありますから、そういうようなことをもう少し厳格にしなければ、これは運用によっては非常にファッショ的な法律になると思うのです。
 だから、私はこれは断じて承服できないので、そういう制限を設けるなら設けるということによってこの政治資金規正法改正の理念に沿うようなことにしなければ、私は承服できない、このことをはっきり申し上げて、最後に福田大臣の答弁を求めて、私の質問はこれで終わります。
#115
○福田(一)国務大臣 私は、先ほども申し上げましたように、政治資金を明朗にだれが見ても間違いがないような形で明らかにしていくというのが本来の目的でございます。これだけは何としても政治資金規正法で貫いていかなければならない問題だと思います。それを規定する場合に、いまあなたのおっしゃったような問題は、犯意も明らかでないかもしれぬし、受け取った場合にもそれを犯罪と見るのは少し無理ではないかというようなことでありますが、、そういうものは法適用の場合においては犯意もないのでありますからして、これは罪にはならないだろうと私は考えるのであります。
 法律というものは、そういうことをいろいろ規定をすることもありますけれども、すべて法律は文字どおりに解釈され、文字どおりに適用されるべきものではございません。やはりそこに一応の公序良俗に反しないとか、あるいは常識の範囲であるとか何かそういうような――明らかにそこに犯意があるような場合は問題があると思うのでありますが、しかしまた、いまあなたがおっしゃったうちで、私がなるほど考えなければいかぬと思うことは、これは法律をつくるのですから、私、立法の趣旨で申し上げておきますけれども、たとえば演説会でもやられた、そのときにひとつカンパをしようじゃないかということで集めた、何がしかの金が集まったというようなことまでも適用すべきものかどうか、私はそれは疑問だと思います。私としては、実際から見てみんなの浄財を集めるということが何も悪いことではない。政治資金規正法は、その金をもらうことによって政策を変更するとかあるいはまた大きな利益を相手に与えるとかいうようなことがあるから、そこで政治資金というものは規制しなければいけないということでできたのでございます。
 そこで、それならば演説会でやったのなら何でもいいのかということになると、たとえばある一つの目的を持って、ある会社を援助する目的でこの際この演説会をこういうふうにしたいと思うからというようなことで金を集められたということになると、いま言った政治資金を規制するという本来の目的から見て、これは集めた人に責任がある、また、だれが出したということが明瞭になれば出した人も罪になると私は思います。
 要は、金と政策とが結びつかないということが一番の大きな問題なのだ、そういうような弊害があるからこれはひとつ規制しなければいかぬじゃないかというのが今度の政治資金規正法の目的でございますから、その目的を達成する意味でこういうような法律をつくっておるのでありますから、いま林さんが指摘された問題、たとえば個人がひとつひっかけてやろうと思って封筒の中へ金を入れて送った、そうすると送った者が罪になるか、受け取ったらすぐ罪になるか、そんなものは私はいわゆる罪にはならないものと解釈をいたしております。
#116
○林(百)委員 終わります。
#117
○小澤委員長 山田芳治君。
#118
○山田(芳)委員 最後の質問でございますから、いままでの種々の質問の中でもう一度確認をしておきたい問題を含めて質問をいたしたいと思います。時間も相当たっておりますから、約一時間前後の質問にいたしたいというふうに考えます。
 まず第一点として、今回の公職選挙法の改正においては、選挙公営については、もう今回ぐらいが修正案を含めるならば限界であろうというふうに思うわけであります。私どもは、公営を増加させるということが必要であるけれども、それには国民の立場に立っても、現在の日本の国民の気持ちからいっても、公職の候補者になろうとする者はやはり一定の納付金というものを納めてそうして公営の拡大をすべきだという提案をいたしておったわけでありますが、政府案の中には今度はこういう制度は取り入れられなかったわけであります。しかし、やはり法定選挙費用の範囲内である程度の納付金制度というものをやるということは、かつて昭和二十何年かの時代にはそういう制度もあったのでありまして、こういう制度というものを私どもは提案をしたのであります。現段階においては税金を使ってやるという制度については限界である、今後は、納付金制度というようなものを考えながら公営の拡大を図るということでなければなるまいというのがわが党の提案であったわけでありますが、採用をされていないわけであります。
 政府においては、わが党の納付金制度を採用して公営の拡大をやるべきであるという提案についてはいかにお考えになるか、この際、ひとつお伺いをしたいと思います。
#119
○福田(一)国務大臣 御趣旨のような御要望があったこともあるのでございますが、実はそういうことも踏まえまして、これは性質が違いますけれども、とにかく立候補いたしましたときには一定の金額を供託する、その供託金を今度は相当大幅に引き上げたつもりでございまして、いま申されたような点も考えながらやったわけであります。
 したがって、泡沫候補が出て、そうして国に迷惑をかけるというようなことがないように、一定数に達しない場合には、今度の公営にいたしましても金は渡さない、支給しない、こういうような考え方で、皆さんのお考えになっている点も配慮いたしたつもりでございますが、しかし、今後やる場合には当然そういうことも考えるべきではないかという御趣旨については、十分参考として考えさせていただきたいと存じます。
#120
○山田(芳)委員 次に、わが党の大柴滋夫委員から、テレビの放送の拡大について、東京とか大阪のサービスエリアのところではとうてい政見放送の回数をふやすことはむずかしい、大臣としては、四分三十秒のものをせめて一分でも二分でも増加をさせたい、それから技術的に可能な地域においてはできるだけ回数をふやしたいという答弁を伺ったのでありますが、この際、一番最後の質問として、テレビの拡大についてはこれは法律事項ではございませんから、自治省の見解をもう一度明確に承りをいたしておきたい。
#121
○福田(一)国務大臣 テレビの問題をわれわれが重視すべきことは、世論調査をいたしましても、どういう基準に従って判断をしたか、投票者を決めたかということになりますと、約三十数%がテレビでございます。それから新聞等が二〇%前後、また公報が十数%、それからポスターその他号外というようなもの全部で一〇%というような比率になっておりまして、何といってもその人の性格あるいはその人の抱いておる政見というものを理解いたしますにはテレビというものが非常に効果があることは事実であります。もししかりといたしますれば、テレビを幾らかでも活用していくような方途を講ずることは当然でございますので、われわれとしてはできるだけテレビの回数をふやすとか時間を延ばすということも考慮いたさなければならないと思って、いろいろ関係当局とも話をいたしておるのでございます。
 この間、大柴さんからも御質問がございまして、その後われわれといたしましては、政見放送はいま四分半ということになっておりますが、あれは実際はしゃべれるのは四分十秒なんです。私はずいぶん何回も放送させてもらっていますが、もうあと二百字か二百五十字あるともう少し言えるのだがなあといつも思って原稿を書いておりましたので、私はごもっともな御意見だと思いましたので、ただいま一分を大体目途として、いまは四分五十秒でございますが、できたら五分五十秒、こういうことでぜひひとつやってもらいたいと交渉しておりますが、大体同意は得られそうでございます。ただ、大体という意味は、一分にするか五十秒にするかというような問題がちょっとまだあるようでございますから、これは、テレビ局にはテレビ局のひとつのこともございましょうから、私はそれを必ず一分にせいとも言いかねるのでありますけれども、私はそれは少なくとも一分を目途として今度はこの実現をしなさいということを強く要望いたしておりまして、いま私が受けておる感触では、まだはっきりした回答は得ておりませんが、これは実現可能である、実現する、こう私は理解をいたしておるところでありまして、御趣旨に沿って一層努力をいたしたいと考えております。この方は大丈夫だと思うのです。
 ただ、回数をふやすということになりますと、もうあなたも御存じのように、東京あるいは大阪というような地区になりますと、候補者が多いし、それからテレビの及ぶエリアが広うございますからして、なかなかむずかしい問題があるということもありまして、まだはっきりしたあれはございませんけれども、しかし、これもできる範囲においてふやすように今後も一生懸命努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#122
○山田(芳)委員 また、私どもが提案をいたしておるのは、選挙事務所の看板をもっと小さな規格にすべきである。大きな規格にしてある現行のような形でありますと、どうしても駅の前であるとか繁華街の真ん真ん中に選挙事務所を置きたいということで、相当の経費を出して選挙事務所を借り上げるということになるわけでありますが、選挙事務所は選挙の事務を統括をしていくことをもって足りるわけでありますから、看板の大小ということは必要ないのではないか。
    〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
 一時政府においても選挙事務所に一定の費用を援助するという形を考えておったということを聞いておるわけでありますが、そういうふうに援助することが取りやめになったということ自身いろいろ問題点があったというふうに聞いてはおるわけですが、選挙事務所にそれほど金をかけるということは、金のかからぬ選挙という立場からいっても不必要なことだと思うのであります。選挙事務所の看板を余り大きくしないでもいいというふうに制限することによって、いわゆる繁華街であるとか駅前であるというような非常に高額な選挙事務所の借り上げというようなことをしないで済むようになるのではないかというのがわが党の提案であります。
 この点については考えられなかったようでありますが、どう考えられるか、ひとつこの際お伺いをしておきたい。
#123
○土屋政府委員 いまお述べになりましたように、選挙事務所を表示する立札、看板の類は、四十四年の法改正で規格がほかのものよりも大きくなっております。これは御指摘のとおりでありますが、選挙事務所は参議院の全国区の選挙を除いて通常候補者一人について一カ所でございます。そういったことでございますので、表示する立札、看板等はある程度大きくても差し支えないのじゃないかというようなことでいまのような規格に定められた。
 経緯的に記憶しておるところを申し上げますと、四十四年の法改正の際に、選挙事務所の立札、看板等は数を撤廃してもいいじゃないかといったような議論があったようでございます。しかしその結果、数の制限についてはふやすのはどうであろうかというようなことで従前どおりにするけれども、そのかわりに規格を大きくしようということでいまのような規定がされたという経緯がございますので、いまおっしゃいました御趣旨もわかるのでございますが、そういった経緯を踏まえて今後どうするかということは検討いたしたいと思いますが、現段階では、いまの程度で、一人一カ所でございますから、適当ではなかろうかと考えた次第でございます。
#124
○山田(芳)委員 高級公務員の立候補制限という問題は、私がかつて自治省の選挙局におったころも相当論議がされたわけであります。
    〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕
それが結局地位利用の制限といいますか、地位利用の禁止という罰則を強化することで終わったという経緯がありますけれども、高級公務員の立候補制限、禁止ということについては、政府としては今回の改正において考えられたことがあるかどうか。もうすでにその点については解決済みであるということで考えなかったか、検討しなかったという点があるか、この点をひとつはっきりお答えをいただきたい。
#125
○福田(一)国務大臣 御質問の問題は、実はわれわれも検討をいたしたわけでございます。こういうことをやるときですから、検討いたしたのですが、いろいろの意見がございまして一致を見なかったので、今回は加えておらないというのでございます。
#126
○山田(芳)委員 高級公務員の立候補制限は憲法の問題にもかかわる非常に問題点があることは承知をいたしておりますけれども、地位の利用の罰則の強化等で解決するものとはちょっと次元が違うというふうに考えるので、今後もこれはひとつ考えてもらいたいということを要望をいたしておきたいと思います。
 さて、私どもも、小沢貞孝委員も申しておったのでありますが、これだけ公営も拡大をされてくる、しかも選挙というものは憲法のもとにおける議会制民主主義の手続の問題であるわけで、昨日の参考人の意見の中においても、憲法に準ずるがごとき重要なものが選挙法であると言っておるわけでありますが、これを執行し、管理をしていく組織が自治省の選挙部というのではどうか。
 私どもがかつておったときは自治庁選挙局であったわけであります。庁でありながら局であったのでありますが、いまは省に上がったのに選挙部と格が下がっておるということは、各省一局削減という事態の中で、選挙部ならいいだろうということで選挙局を部に下げたということは、自治省という役所の中で選挙というものに対する感覚が必ずしも十分でないのではないか。むしろ地方財政も大切だ、税も大切である、あるいはまた行政も大切かもしれないけれども、選挙はまた次元の違った立場で非常に重要である。そういう意味では、むしろ選挙庁ぐらいにすべきだという意見が聞かれるほどであります。
 一遍にそこまでいけとは申しません。かつては自治庁選挙局で私どもは奉職をしたことがあるわけであります。せめて選挙局ぐらいに格上げをすることが、このような十数年に一度という選挙法の改正を出された自治大臣としては当然ではないか、それを管理、執行するところの組織としての中央の選挙局あるいは地方の選管事務局の強化ということは当然だと思うのです。私は、公選法の委員をして以来毎国会ごとにこの問題を質問をいたしておりますが、歴代大臣は、努力をいたします、検討をいたします、前向きでいたしますという答弁だけしか伺っておらないで、具体的にちっとも動いておらない。
 もちろん国家財政非常に厳しい時期でありますから、局に上げろというようなことは非常にむずかしいということは、行政管理庁、大蔵省との関係はわかりますけれども、こういうふうに選挙の公営を強化し、また選挙法改正をするという、こういう時期に選挙管理組織というものをもっと強化すべきであるというふうに考えるわけでありますが、この点について大臣の所見をひとつ伺いたい。
#127
○福田(一)国務大臣 私、自治大臣を、短い期間でありますけれども、今度で三度やらしていただいております。そこで、自治省の仕事を見てみますと、非常に広範な範囲の仕事をやっております。その上、現段階においては地方自治体の財政問題等々が非常に大きな問題ともなっておりますし、私はほかの大臣もやらしていただいたこともありますが、自治省の人員は確かにオーバーロードであるということを、身をもって体験をいたしておるのでございます。ただいまはその自治省の中でもこの選挙関係の人員が非常に少ないということを言われましたが、本当に私は感謝にたえません。実はもうこの間うちから、毎日毎日徹夜みたいにして選挙関係の連中ががんばって仕事をしておるので、本当に気の毒だ、これは何とかしたいという気持ちでいっぱいでございまして、私はまた予算編成時期等になれば、当然そういうことを主張はいたしますが、しかし、これはやはり野党の皆様にも御理解を願い、そして御後援を願うということが必要だと思うのでありまして、ここでおっしゃったというだけではなくて、何かほかの機会でもいいから大蔵大臣、総理大臣等にひとついまの御意見を強く主張していただければ幸いだと存ずる次第であります。
#128
○山田(芳)委員 そういう御要望があれば、私もそれではいずれの機会にかそれを申し上げますが、大臣もお気づきのように、自治省というところは天下一に人使いの荒いところでありまして、とにかく超勤も満足に出さなければ徹夜また徹夜をやらせるということで、われわれも仕込まれてきたことがあります。ある意味においては人権じゅうりんではないかとさえ思うほどこき使う役所であります。大臣もその点はひとつ十分考えてやっていただきたいと思います。これは余談であります。
 次に、本格的な質問を申し上げたいのでありますが、先ほどの林議員が質問をいたしましたいわゆる法定ビラ並びに百四十八条の報道、評論の自由の関係の問題でありますが、先ほどから言われておりますように、いわゆる機関紙等の号外においては、選挙に関する報道、評論がないものについてはもちろん自由である、無制限である、こういうわけであります。
 そこで小沢貞孝氏が質問をしたのは、小沢貞孝が代表となって県知事に保育所の要請を出したということを選挙期間中に出すというような程度のことであれば、これは報道、評論でないという解釈をこの間言われたわけですね。それとともに、政策だけであるならばこれは報道、評論に当たらないのである、こういうことを言われたわけでありますが、それならば現に選挙が行われているある党の選挙に関しての公約といいますか政策というものを掲げたものは、その号外は今回のいう選挙の報道、評論にかかわるものではないという解釈のもとに号外は自由であるのかどうか、ひとつ選挙部長御答弁を願いたい。
#129
○土屋政府委員 先般お答え申し上げましたように、政策その他全く純粋の政治活動でございますと二百一条の十四の規定は働かないということでございますが、その中で、これも非常に程度があろうと思うのでございます。私も非常にむずかしい点があるという前提でお答えしたわけでございますが、だれだれがどこどこへどういうことを陳情したとかいうことで、たまたまその代表者がだれということで小さく出ておる程度では選挙に関するとは言えないだろうということでございまして、その名前の書き方でも、ものによっては、やりようによっては、選挙に関して特にその候補者の名前を大きく書いたとかいうようなことが出ますと、それはいろいろ問題が出るだろうということは申し上げたわけでございます。
 そこで、いまお尋ねの選挙のときの政策でございますが、選挙に関してわが党は今回はこういうことで戦っておるのだということになりますと、まさに選挙のために掲げたものを載せるわけでございますから、それは選挙に関しないものであるとはどうも解釈されない。やはり選挙に関するものだと言わざるを得ないのではなかろうかというふうに考えます。
#130
○山田(芳)委員 政党が選挙のときに公約をし政策を掲げるのはあたりまえですから、それはすなわち政治活動であって選挙に関する報道、評論でないということになると、それじゃ一体選挙の報道、評論に関するものといわゆる政治活動との解釈あるいは区分、たとえば私の選挙区なら私の党では私一人であります。複数であれば特定の候補者ということにならないけれども、その選挙区で候補者というのは一人であるという場合には、その党の政策を掲げた号外を配るとすれば、当然それは選挙活動の一環と見られるのか見られないのか、純粋な政治活動と言うのかということになると非常にあいまいであり、これをそうであると判断するのは一体だれか。それは司法当局であるというふうに解釈をされるということであると、これは非常に問題である。そういう点の区分と、その区分に対する解釈は一体だれがするのかという点についてお答えをしていただきたい。
#131
○土屋政府委員 いろいろ法律では条件があるわけでございますから、そういったものに当たるか当たらぬかということになりますと、これは通常簡単な場合はそうでございますが、最終的にはこれは裁判で判定をしていただく以外にはないだろうというふうに考えます。
#132
○山田(芳)委員 そういう解釈は裁判所ということになれば、裁判を提起する者がなかったらいかぬわけですね。裁判を提起してくるという立場になれば、それまでの手続というのは司法当局が介入する中における裁判所の解釈以外には、いまの日本の裁判制度というものは一般的なものを裁くわけではなくて、個別的な権利義務関係が具体的に起こって、それを国家の代弁者である検察当局が起訴をするという手続をとるか、特定の個人がそれによって損失を受けたというような形における訴訟がなければ、その解釈を確定することができないということになっておりますね。
 そうである限りにおいては、最終的にはやはり最高裁判所であろうけれども、それを公権力的にと言うか有権的にと言うのでしょうか、そういう解釈をするとするなら、それは第一次的には司法当局と解釈するのか、あるいは選挙を管理する事務当局であるとするのか、そのいずれかはっきりしていただきたい。
#133
○土屋政府委員 法律にはいろいろな用語がございますし、いろんな規定があるわけでございますから、非常にむずかしい点もございます。たとえばいまおっしゃいましたように、政治活動であるのか選挙運動であるのか、そこらは実態の問題でございますから非常にむずかしい点がございます。
 しかし、選挙に関する報道、評論という場合、選挙に関するでございますから、やはり当該選挙と絡んでおるということからある程度判定はできると思うのでございますが、非常に微妙な点もあるということは御指摘のとおりだと思います。
 そこで、それはだれが判定するのかとなりますと、最終的には私が先ほど申し上げたとおりでございますけれども、第一次的に問題が起こって、これはおかしいのではないかというようなことになりますと、法律違反かどうかということになれば、それはいろいろと私ども実態的に相談を受けることはございますけれども、たとえば罰則等があります場合に、私どもがこうだということにはまいりませんので、その点になるとやはり司法当局ということにならざるを得ないというふうに考えるわけでございます。
#134
○山田(芳)委員 それは非常に問題でして、選挙というものは少なくとも通常のあれではなくて、短期間に、しかも一定の時期に投票という取り返しのつかないことをやるのですから、第一次的には選挙管理当局なり何なりがやるというような法制度を立てていくか解釈をしていかないと、いきなり司法当局へいくということになると、たとえば裁判の結果――百日裁判といってもなかなか行われない。任期中には連座制の適用なんぞないぐらい選挙の裁判は延々とかかるのです。しかし、効果は直ちにあらわれて、もしそういう問題が選挙期間中に発生するとするならば当落に非常に影響を及ぼすというような性格を持っているということでありますから、それは慎重な取り扱いをしなければいけない。
 だから、私がいまわざわざ大臣にまで選挙管理組織を強化せよと言ったのも、そういう点を含めて選挙の管理というものは、責任を持って解釈をし、運営をしていくべきではないかということを考えているからであります。そういう点についてはどうですか。
#135
○土屋政府委員 いろいろな事例がございましょうが、たとえば選挙争訟に持ち込まれるようなものでございますと、これは当該選挙を管理しておる選挙管理委員会、そういうところから次第に順を追っていくわけでございますが、解釈等になりますと、それは私ども全体としての公職選挙法の運営指導をいたしておるわけでございますから、相談があればそういう点については常に応じて、私どものできる範囲内でやっておるわけでございます。
 しかし、それを越えて先の方になってまいりますと、私どもの手の及ばないところがある。そこでたとえば、自治省に何かそういった争訟的なものが提起された場合に、こちらで裁くような制度を入れるか入れぬかといったような問題は残ると思います。こういうことは選挙庁構想とか、いろいろな際に議論もしたことがございますけれども、いま直ちにどうするといったようなところまで詰めた話にはなっていない次第でございます。
#136
○山田(芳)委員 私らが選挙をやり、あるいは人の選挙の応援をしている立場からしますと、選管やその他に聞きますよ。そうしますと、わからなくなると、必ず警察に聞いてくれと言います。事実そうなんです。警察に聞きますと非常にシビアなんですよね。そうするとやめてしまうということになる。ところが、ほかで具体的に同じような事例をやっている。だけれども、それは必ずしも取り締まっているわけでもないというようなものが形式犯と言われるもので、文書等については非常に例が多いのです。
 だから私は、第一次的な解釈というものを少なくとも選挙法は、所管をしているのは自治省なんでありますから、警察もいきなりずばっと手を入れるのじゃなしに、やはり選挙を管理している当局の意見を聞きながらやっていくというような立法政策が必要なんではないか。それは残りますといういまの土屋部長の話ですけれども、選挙というのは非常に短い期間において、何かが起これば当落に非常に影響する。しかも、それの回復には十年の長きにわたるというような例がしばしばであるというきわめて特異な行政執行の問題になるわけでありますから、そういう点を確立していくことが必要なんではないかと思います。これは立法政策の考えですから、これ以上は質問しません。
 次に、機関紙の号外は選挙の報道、評論にかかわらないものならば結構でございます、これは選挙期間中でも号外が出せます、こういうことになっていますね。一方、確認団体の三種類のビラは法定ビラと称して認められております。無制限かつありとあらゆる条件がございません。しかも確認団体のビラは、候補者の名前を書いたり選挙のあれをすることはいけないので、政策でございますというわけですね。機関紙の号外は政策宣伝であればよろしい、こっちも政策宣伝、それじゃ何のために三種類のビラなどというものを、種類を限ったりしてわざわざ法律の条項の中に書く必要があるのか。機関紙の号外を使いなさいというふうにするならそれでいいんであって、わざわざ三種類の号外なんという必要はない。あれは号外でどんどんやられることなのだからはずしておいたらいいのです。号外を禁止することができないなら、あんな三種類のビラを法定した積極的な理由はどこにあるのかお伺いしたい。
#137
○土屋政府委員 選挙運動期間中は、政党その他の政治団体についても、選挙の公正との関係で選挙運動の禁止規定等と非常にまぎらわしい点もございますから、一応禁止をしておる。そういう中で、特に確認団体について一定の行為を広げるということで、いまおっしゃいましたようないわゆる法定ビラと称するもの、これは三種類ということで決められておるわけでございます。しかし、機関紙といったようなものになりますと若干範疇が変わってまいりまして、機関紙といえども広い意味での新聞でございます。そういう意味では百四十八条の報道、評論の自由ということもあるわけでございます。そういう中で許されておる行為をなさるということで、政治活動についていろいろ述べられることは許されておるわけでございますから、そういった点でいまの趣旨はどうであろうかということでございますが、新聞というものの報道、評論の自由は、百四十八条の規定があるわけでございますから、やはりその範疇の中で考えていかなければならないだろう、そういうことでいまのような規定の構成になっておるということであろうかと存じます。
#138
○山田(芳)委員 ちょっとよくわからないのですがね。政党の機関紙の号外で政策を書いたものならば自由に出せます。大臣、ちょっと聞いていてくださいね。たとえば社会新報あるいは赤旗の号外で政策を書いたものだったら、たとえ今度の法律で禁止されても、選挙の報道、評論にかかわらなければ号外を出してもよろしいというわけですね。もちろん、そんなものはだめだということになったら、これこそ憲法違反ですから、それは決められませんでしょうが、政策は自由だということですね。一方で確認団体にわざわざ三種類の法定ビラを無制限に認めておるわけです。これも選挙の報道、評論はだめなんですね。要するに、山田芳治はこんないい男だから当選させろなんて書いたら、これは三種類の法定ビラはだめなんです。わが社会党の政策はこうでございます、わが社会党はこういうことを皆さんに約束しますという政策しか書けない。そうですね。機関紙の号外も同じことを書くわけです。
 そうならば、わざわざ種類を限って法定ビラと称する積極的な意味は一体どこにあるのか。それなら号外だけにしておいたらよろしいということになるのではないか。逆に言うならば、三種類なんということを書かないで、こんなものはもう規定なんかしない方がよろしいということになるのではないだろうか。その点については大臣どうお考えになりますか。
#139
○土屋政府委員 ちょっと一言先生に答えさせていただきます。
 先ほども申し上げましたが、若干繰り返しになりますので簡単に申し上げますと、二百一条の五以下は政党の選挙運動期間中における政治活動の規制の問題でございます。そういう中でビラを出せるということは、その中身は、候補者の名前は出せませんが、わが党の候補をよろしく頼む、そういった意味のことにわたって書くことはできるということでございまして、そういう意味では政党の広い意味での選挙運動の一環でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、機関紙ということになりますと、これは選挙運動なり政治活動用のビラではなくて、やはり新聞という範疇の中で考えなければならぬのだ。それは百四十八条の規定がございまして、「選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。」ということがございます。そういった趣旨から考えまして、二百一条の十四というものは一つの新聞の範疇の中で考えておる、そこの差があるのだろうというふうに考えるのでございます。
#140
○山田(芳)委員 政党の機関紙と確認団体のあれとは違うのだとおっしゃいますけれども、現象として見たら、それが確認団体になっているならば、はっきり言いますと両方やれるわけですね。たとえば衆議院の選挙の場合に、社会党が立候補者を百何十人も立てると確認団体になります。そして届け出の社会新報というものができる。そうすると、その号外は、政策に関する限り、選挙の報道、評論さえ入っていなければ自由でございますというわけです。一方へ確認団体ですから三種類のビラは無制限に出せます。それは個人の名前はいかぬけれども、政策なら結構でございます、こういうことでしょう。
 そうすると、号外でやるのと三種類のビラでやるのと、わざわざそんなことする必要何もない。むしろそっちの方を削っておいて、どうぞ号外でおやりくださいといってやるなら、まだこれはわかるのですけれども、そういうような場合においてはちょっと抜けているのじゃないだろうか。もちろん、たった一つの首長を推薦するときの寄り集まった確図団体六カ月で出てくるというような場合においても、これはその確認団体のものは三種類なんだということは言えるけれども、それにしても、それを推薦している政党の機関紙の号外は、政策だけ掲げるならそれは自由である、こういうことになると、三種類というものを法定した積極的な意味は何もないのではないか。そんなものはやめておいた方がいいのじゃないかと私は思うのですが、それはいかぬですか。
#141
○土屋政府委員 全般的な政治活動のあり方の問題になりますので、いろいろ研究しなければならないと思いますが、一つだけ違っておるのは、先ほども申し上げましたように、ここのビラ、いわゆる法定ビラにおきましては、所属候補者の選挙運動のために使用することができるといった点では若干性格は違っておると思うのでございます。ある意味では選挙運動にわたれるということもございますので、種類も限ったわけだろうと思います。しかし、同時に、いまの機関紙の号外等の実態というものがいろいろと変わってきておって、おっしゃるように非常に多く出されておるということで、その事実と比較しておっしゃっておるわけでございましょうけれども、全体としてそこの取り扱いを、法定ビラなんて自由にしたらいいじゃないかということになりました場合に、いまのような選挙運動のために使用もできるというようなこと等もありますので、一定の制限をいたしておりますが、今後そういうものをどう扱うかということになりますと、これはもう立法政策上の問題でございまして、将来、全体の問題としていろいろ検討をすることになろうかと存じます。
#142
○山田(芳)委員 どう見てもそれはおかしいのだね。これはぼくはちょっと納得ができないのですよ。法定ビラというものをわざわざ法定をしておる。しかも、それは確認団体というものは届け出をします、しかも一確認団体の号外というものは、政策を掲げる限りにおいては結構でございます、こう言うのでしょう。三種類なんてそんなものを決める積極的理由は何もない。むしろそのことに関する限り、私は号外を禁止するという今度の法律案には賛成をする党の立場に立つけれども、いまの解釈が正しい限り、大臣が盛んに言われるビラ公害はなくなりませんよ。これは絶対なくならぬですよ。三種類無制限でございます、機関紙の号外は、政策を掲げる限りにおいては自由でございます、こういうことになれば、号外はなくならないと思うのですよ。そう思いませんか。どうです、その点は。
#143
○土屋政府委員 今回の改正案の趣旨は、選挙に関する報道、評論という形で、それは選挙に関する報道、評論ができるわけでございますから、いろいろ候補者の名前も出てくれば、場合によっては選挙運動に近いような内容まで書かれておる、そういうことがございますので、それは選挙の公正という見地からある程度規制をしようということでございます。
 しかし、こちらの法定ビラの方は、候補者の選挙運動にわたって書けますけれども、氏名等も載せることはできないといったようなこともございますので、そういった意味では全般的にそれほど制限をする必要がないのじゃないか。しかし、選挙運動にわたるから全面的に流すということもおかしいから三種類に縛っておるということでございまして、一方の方では、いわゆる新聞に属するような機関紙ということでございますから、機関紙というのも新聞でございますから、そういった意味で、選挙に関する報道、評論以外のものについては、それは現在新聞に認められておる範疇でやっていただくということでございますから、おのずからそこは政治活動と違っておる点があるだろうというふうに考えるわけでございます。
#144
○山田(芳)委員 いまの答弁おかしいのでして、いままでそういう個人の選挙の報道、評論に関するビラがたくさん出されたから禁止したのです、こう言うのでしょう。いままででもいけないのですよ、それは。そうでしょう。号外においては報道、評論というものは百四十八条の……(発言する者あり)
#145
○小澤委員長 静粛に願います。――質疑を続行してください。
#146
○山田(芳)委員 重要な質問をしているときに、聞いていてくれなければ困りますよ。ぼくは一生懸命質問をしておるのですよ。
 そこで、大体いままでそういうものがあったというのだけれども、それではどうしていままで取り締まれなかったのか、取り締まらなかったのか、その点をひとつ聞きたい。と言う意味は、さっき話のあったように、個人の報道、評論のようなおそれがありましたから今度は号外を禁止いたしました、こう言っているわけだ。そうでしょう。そんなものは号外としては違法なんですよ。おかしいのでしょう。機関紙の方はいけないのですよ、百四十八条のあれによって。
#147
○土屋政府委員 確認団体につきましては、届け出た機関紙に限って、本部で発行して通常の方法で頒布するものはよろしいということになっております。そこで中身が選挙に関する報道、評論でございますから、選挙に関していろいろと事実を伝え、あるいはその事実に関して評論を加え、論評を加える、こういうことは許されておるわけでございます。そういう中でやる場合に、いろいろ中身の書き方があるだろうと思いますが、そういう中で、果たしてそれはもう直ちに報道、評論を逸脱して、いわゆる禁止されておる選挙運動用文書になるのかどうか、そこの判断がなかなかむずかしい点がございまして、過去の裁判例等を見ましても、なかなか解釈上難航しておると申しますか、むずかしい点があるようでございます。そういった点で、物によっては選挙運動用文書の違反になるということもあり得る、それから報道、評論であるというふうに解釈される場合もあるだろう。それは中身によるものだと考えます。
#148
○山田(芳)委員 だから、取り締まりができなかったからそうするのか。そういうものの区分が非常にむずかしいというものがある以上、現実の問題としていまのように号外が今後も出されますよ。今度たとえば号外禁止と言っても、選挙の報道、評論にかかわるものはいかぬということだけであって、政策はよろしいとか、あるいは私の方で修正案を出しますからあれですけれども、ここの政府案によると、小沢貞孝氏が知事に対して保育所をふやせということを言うたという程度のことであるなら、選挙に関する報道、評論ではないというわけですから、それなら今後もそういうものがどんどん出てくる可能性がいまのあれではあるわけですね。しかも選挙に関する報道、評論と政策やいま言った事実の報道だけでは選挙運動にならない、こう言っているのですね。
 そうすると、それはまた号外というものがどんどん出てくることになりはしませんかという質問をしているのが一つと、そういうものが出てくるのなら、法定ビラなんというものをわざわざ三種類に制限する意味は何もないではないか、こういったものをほったらかしておくのはおかしいじゃないか、こういう質問をしている。それはどうも将来の立法政策で云々というのだけれども、それなら、これだけ号外を禁止するときにははっきりそっちの方の手も打っておくべきではなかったか、こう思うのですが、どうです。
#149
○土屋政府委員 確かにいまおっしゃいましたように、純枠な選挙に関する報道、評論を記載したものでなければ、それは特別規制はございませんので、一つの政治活動としてそういったものを載せた文書というものが出てくるということはこれはあり得ると思います。それがどの程度今後どうなっていくかということは私は想像はつきませんが、それがきわめて多量になるということになった場合に、いまの三種類の法定ビラというものとの関連はどうかということになりますと、それはそういった実態との関連において考えなければならないと思うのでございますが、いまの法定ビラというのは、名前は書けぬが選挙運動にわたることができるといったような性格の差は若干あるのだということは申し上げておるわけでございます。それは今後の実態に応じて、一体どういうふうな体系として全体として見るかということにならなければ、こうなったかもしれないという前提ではなかなかお答えしにくいわけでございます。
#150
○山田(芳)委員 時間もあれですから、やめますけれども、これはどうも大臣、ビラ公害とおっしゃるけれども、これはなくなりませんよ。私のところはやるとは言いませんけれども、そういう状況になっているということだけはよく認識してもらわないと、これは困りますよ。
 それから次に、たとえばいまの機関紙の号外で、選挙の報道、評論はしていませんけれども、他党を中傷、誹謗したようなものを選挙期間中に掲載をしてまいた場合に――これは他党をですよ、党をですよ。特定の個人をやればこれはだめですが、ある党を中傷、誹謗したものについて選挙期間中に号外としてばらまいた場合、それは選挙に関する報道、評論になりますかなりませんか。
#151
○土屋政府委員 結局はその中身によるわけでございましょうが、中傷、誹謗とおっしゃいましたけれども、選挙に関連してこういうことを言っておるけれども、これはこうであるとかといったようなことになってまいりますと、それは選挙に関する報道、評論だということになってくるだろうと思うのでございます。
 ただ、それを全然抜きにしまして、そういうことがあるかどうかわかりませんけれども、この党はどうだということでやった場合に、それが直ちに選挙に関する報道、評論になるかどうか、それはちょっと書きようその他、実際に物によって判断せざるを得ないだろうというふうに考えます。
#152
○山田(芳)委員 大臣、号外で党を中傷、誹謗しただけではだめだ、こう言うのですよ。そうすると、態様によると言うのだったら、その態様で、選挙に余り関係しないけれども、〇〇党は大企業からたくさん金をもらっている、それでまるまると肥えているというようなことをもし書いたとしても、別に選挙に何にも関係がない、それは事実だ、たくさんもらった、それは別に関係ないと言うのなら、そういう号外はたくさん出てきて、ビラ公害といってもなくならないかもしれない。また逆に、革新政党の何々は革命を意図している団体であるというようなことをだあっと書く。しかしそれは直接選挙に影響しているという書き方でないというふうに配慮したというようなものがあれば、号外というものは、選挙に関する報道、評論でないとするならば、これはたくさん出てくるおそれがあると思うのですが、大臣、どうお考えになりますか。
#153
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御質問でございまして、選挙に関するという意味の内容でございますからして、非常に幅広く理解すればまた狭くなるし、ある程度幅を広くする場合もないとは言えません。広く解釈できないとここで断定するわけにいかない。というのは、個々の問題でとわれわれは言っておるわけでありますから。私は、そういうことになればやはり一般の選挙民がどう理解されるかということで考えていただく以外にないのではないか。ビラ公害というようなことも言っておるのだが、できるだけそういうもののないようにという精神でわれわれがこういうことをやっておるわけなんですから、それをまた乗り越えてどんどんやることになればそれはやむを得ないと思う。そういうことになればですよ。それを一々細かく規定するということはまことに困難だろうと思う。規定する方法がありとすれば、もう号外は全然認めないということにすれば、またかえって問題がもとへ戻ってしまいます。
 でありますから、そこは良識の範囲で、各政党の皆さんに良識をもってやっていただくという、と以外にはないのではないかと私は考えております。それでやってみまして非常に弊害があれば、またその上で――私はこの選挙法などというものは、今度一回でもって全部片づけるなんて、そんな簡単なものじゃないと思うのですよ。いろいろなことがありますから、そのときはまたそのときで考える、こういうふうに一歩一歩前進をするのだという考え方で問題に対処してまいりたいと思いますので、ひとつ御理解を願いたいと思います。
#154
○山田(芳)委員 とにかく、この問題はもうやめますけれども、今回の号外の禁止というものが、いろいろ論議されているほどに、そう何というか、私は憲法違反の云々ということに対しても、そんなものには当たらないというような状態であるとともに、逆に、これで大いに号外がなくなるのだなどと考えると、これはまた間違いだということを指摘をしておくということで、これは将来の立法上考えておいていただかぬと、私はいまの立法が必ずしも満足すべきものでないということだけは指摘をしておきます。
 次に、これは警察の方にも残っておっていただいたわけでありますが、こういう事実があるのです。昭和四十二年の都知事選挙のときに、告示の前に、市民団体の七団体がYWCAで候補予定者の話を聞く会を催す。これは昭和四十二年でありますから大分前の話を例としているわけで、別に具体的にどうとは言いませんが、その場合に、その話の中にそれぞれの予定者から政策発表をしてもらったのですけれども、特定のことを話をすると利害誘導になるのだということでしかられたというのですけれども、いまの政治資金規正法との関係で、先ほど林委員が盛んに言っておった政治活動を行う団体というものの範疇の中に、いわゆる一般市民団体、婦人有権者同盟とかあるいは公害反対運動の何とか何とかというような会の選挙期間中の活動について、そういう団体が内部的にある候補者の推薦やその他選挙運動をしないというような場合でも、現在は警察では選挙活動をしない旨の誓約書を取られるというようなことがたびたびあるというふうに聞いておるわけであります。
 ですから、そういうような団体が警察から果たして、私もちょっと信じられないのでありますが、一般市民団体が何かするのではないだろうかということを予想して、選挙活動をしないというような誓約書を取られるというようなことがあるのかどうか。そういうことがもしあるとするならこれは大変なことではないかというふうに思うのでありますが、今回、政治団体というものが、さっき言ったように政治活動を行う団体といったように言葉が出てきて、従来とは違わないと言うけれども、政治活動を行う団体というふうに書かれたものですから、そういう一般市民団体がそうでなくても現在でも選挙活動をしないというような誓約書をとられているというようなことが私どもに報告があるわけでありますが、そういうふうにした場合、政治団体と政治活動を行う団体を分けてくると、この種のいわゆる一般市民団体の活動というものが非常に取り締まられるのではないかという危惧が一般市民団体の中にあります。その点をひとつこの際明確に、どういうふうに考えたらよいのかを明らかにしていただきたい。
#155
○田村政府委員 いま御質問のありましたような、いわゆる市民団体というようなものに選挙運動をしないという誓約書をとっておるというお話でございますが、私どもはそういうことはいままでのところ全然聞いておりません。
 それから、方針はどうかということでございますけれども、現行法の二百一条の五以下に政治活動の規制がございますので、そういうものに該当するということがあれば、そういう具体的な疑いが出てくれば捜査をするというのが基本的な方針でございます。
#156
○山田(芳)委員 わが党の佐藤観樹議員が、婦人有権者同盟の紀平悌子さんが警察から政治活動をしませんという誓約書をとられたということを本人から具体的に聞いております。この点、いま刑事局長のお話ではそういうことはないようなお話でありますが、一遍調査の上報告をしていただきたい。非常にそういうことをやるものですから、どなたかの議員の話もありましたように、積極的に選挙運動を、政治活動をしようというエネルギーをそういうところで摘み取ってしまうというようなことがあるのではないかということで、先ほどの政治活動を行う団体という言葉ができたということについても非常に気にしているという点があるということを敏感にいわゆる一般市民団体の人たちが心配をしているという点、この点は後で結構ですから、どういう事実があったのか、ひとつ十分調査の上報告を願いたい、こういうふうに思います。
 それで、時間ももう相当たちましたから、次に参ります。
 政治資金規制法の中で、指定都市の議員に対する寄付については租税特別措置の恩恵に浴さない。この点について大蔵省が非常に反対をしているということを聞いておるわけでありますが、都道府県の都道府県会議員と指定都市の議員というものは、大体制度的に言ってもほぼ同格で法律はいままで扱ってきているわけでありますが、この点について、今回はとにかくとして、次の機会には必ずこれも都道府県会議員に対する措置と同じように措置をするべきであるというふうに思うのでありますが、この点についてはどうですか。
#157
○福田(一)国務大臣 実はどの程度にとめようかということで、私は大蔵大臣とも詰めを行ったのでありますが、物事の詰めというものはどこかで切らなければいけないものですから、今度はああいうふうにいたしましたが、御要望もありますので、今後の問題としては十分検討をさしていただきたいと思います。
#158
○山田(芳)委員 二、三事務的なことを土屋部長に伺いますが、裏打ちのポスターの件ですね、あれは看板の類とみなされるという点で問題があるというのですけれども、これは賛否両論があるので、これは今回はもうすでに質問者もありますけれども、これは大都会においては個人の家になかなか張らしてもらえない。大臣は後援者の家に張ったらいいじゃないかという御答弁を一番最初にうちの佐藤観樹氏にされているのですけれども、それはやはりなかなか個別的に張るわけにもいかないし、後援者といってもそう数あるというふうに必ずしも限らないのでありますから、裏打ちのポスターの方がむしろきれいじゃないか。金がかかるからということでありますけれども、個人の家に張ると逆に風雨にさらされて公害的な要素になるというようなこともあるのですが、これは検討してほしいということで、もうすでに質問をしておりますから……。
 それから次に、いわゆる何々を励ます会の看板はいけないというわけでありますが、個人の家々、たとえば山田芳治後援会の家とか連絡所という、こういう小さなステッカーですね、これは看板の類でもないだろうと思いますし、これは紙でなければいかぬとおっしゃるのだけれども、まさかこのぐらいの小さなものが果たして看板の類と言えるのかどうか。材質がたとえプラスチックでもあるいは木でも――木はほとんどない、最近はプラスチックか、あるいは薄いトタン板ですかに印刷したのを張っておりますね。私ももちろんやっておりますけれども、それもいかぬようになるのかどうか。余りそこらあたりをぎくしゃく解釈をすべきではないのではないかという意見がうちの党の中にあるのですが、どうです。
#159
○土屋政府委員 現行の選挙を行うといたしますと、立札、看板の類とかポスターとかという言葉がございます。これは社会通念上できてきた言葉ではございましょうけれども、ポスターはまさに紙であり、立札、看板というのは、材質は板の場合もありましょうし、プラスチックの場合もございましょうけれども、一応立札、看板というと紙でない、そういうものを考えておるわけでございまして、大きさによらず、いわゆる立札、看板と通常言われてきたようなものは、それは含まると解釈せざるを得ない。したがいまして、ポスターについては先ほど申し上げましたような裏打ち等をしたものはいけないということになっておりますが、それ以外のポスターはいいわけでございますから、そこに実体がございますれば、いまのような後援会みたいなもののポスターをおつけになるということは、これは特に禁止はしてないわけでございます。
#160
○山田(芳)委員 これよりもっと小さいこのぐらいのプラスチックのものを立札だ、看板だと言えますか、何々を励ます会の会員の家とか連絡所と書いたものが。それはビニール張りの紙ならいいけれども、同じそのものであるけれども石油製品であるプラスチックになるとちょっと厚みがあるからいかぬと、そんな解釈はどういうところを通じて出るのか。材質というなら同じ石油製品じゃないか。紙と同じであるか、それよりちょっと薄くてやや板に近いというか、金具に近い、こんなものもいかぬというのは余りにもおかしいじゃないかと思うのですが、これはどうです。警察の方にも伺います。
#161
○土屋政府委員 形態が非常に小さい、それほど厚いものでもないということはわかるわけでございますが、これは従来からの選挙上の取り締まりを含めて長い間の選挙上の解釈がございまして、やはりポスター以外のある程度の厚みを持ったものは立札、看板の類ということになっておりまして、広い意味では包括をして運用してきておるということでございますので、いまのままで、法文そのとおりで解釈を変えるということはちょっとむずかしいというふうに考えるのでございます。
#162
○山田(芳)委員 そうすると、いまの同じようなものでビニール張りの紙ならよろしい、こういうわけですね。紙を地にしてビニールを張るのありますわね、ポスターのように。あれは構わぬですね。
#163
○土屋政府委員 紙質がいわゆる紙でなくて、防水したビニール式のものであるということでございますれば、それはいわゆる立札、看板というもののたぐいではないというふうに考えます。
#164
○山田(芳)委員 看板というのは、字に書いたように、板でございますと言って、こういうビニールが出てくると、それはいかぬ。そんなことはあんまりね、その程度のものはいいんじゃないかと思います。これはこんな委員会でやるほどのものではないですけれども、余り規則を、えらい厳重なところがあるかと思うと、選挙に関する問題と、政治活動の範囲のようにあいまいのようなやり方をやっていくというようなことではこれは非常に問題がある。しかもそれが直ちに司法当局があれをするということになると、これは問題がある。
 だから、私は、将来の立法論として選挙法の解釈は第一次的には選挙を管理する機関がまず行う、第二次的に司法当局であるというような立法政策を私は提案をしたいというふうに思います。最後にこの点をひとつ大臣から聞いて質問をやめます。
#165
○福田(一)国務大臣 先ほどから承っておりまして、具体的な例を出先の方で余りあれするというと、ちぐはぐになる可能性もありますし、極力やはり自治省で一応は統一的な考えを持って処理をした方がいいのじゃないかと私思いますので、御趣旨に従うようにいたしたいと思います。
#166
○山田(芳)委員 最後にお願いをしておきますが、だから、地方の選管の会議等がありますから、そのときに、解釈等について選管に質問すると、警察に聞いてくれということでなしに、まず自治省に遅滞なく連絡をして、選管当局がまず第一次的に解釈をきちっとやるということだけを、この際、ひとつ大臣もそう言われるのですから、通知を出し、そしてその指導をして、候補者その他は選管に聞く、すぐに警察に聞きに行けということでなしにやっていただきたい、それだけひとつ注文しておきます。
#167
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御意見なんですが、実際に選挙をやりますときに自治省の選挙の事務をやる者が少な過ぎるのですよ。とてもみんないろいろなことをやられてなかなかあれなんで、それが先ほどあなたがおっしゃった問題とも関連いたしております。したがって、原則は私は結構でございますけれども、この機会にもう少し人をふやすことだけは――そのときだけでもいいから集められるのは、それじゃ専門家でないとなかなかまたわからないということになりますので、ひとつその意味で御協力を特にお願いをいたしたい。
#168
○山田(芳)委員 関連をいたしまして佐藤観樹君から質問がございますので、お願いします。
#169
○佐藤(観)委員 実はこれは非常に重要なことなんで、私もかなりしつこく私の質問の中で、ポスターの裏打ちをしたものはいかぬのだということで、これは政治活動の禁止になるということでお伺いをして、この部分について私は反対の意向を出しておいたのですが、よくよくこれも党内で検討してみますと、要するにこの百四十三条のポスターにベニヤ、プラスチック等の裏打ちをしたものについては掲示をしてはならないという項目ですね、これは百四十三条でありますから、冒頭の「選挙運動のために使用する文書図画は、左の各号の一に該当するものの外は、掲示することができない。」ということになるわけですね。したがって、この新しい法律では百四十三条の十四の二ですね、これは要するに内容が選挙運動あるいは事前運動と思われないものならばいい、政治活動の、たとえば各県本部が主催をして何々演説会をやる、成田委員長来る、地元の県本部の委員長、参議院議員、衆議院議員というような形でやる大政談演説会的なものは政治活動として、この禁止の条項から外れている、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#170
○土屋政府委員 確かに百四十三条では「選挙運動のために使用する文書図画は」次の「一に該当するものの外は、掲示することができない。」こうなっておりますが、この第十四項はごらんの、ように「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者」、もちろん現職は含むわけでございますが、その「政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名」あるいはそれが「類推されるような事項を表示する文書図画」こういうことでございますね。だから、そういうものであれば、いまのようなだれだれ来るでも、そのまさに公職の候補者等ということでございますと、これはこの範疇に入るわけでございます。
 それ以外には、その公職の候補者等を後援する団体の政治活動のために使用される当該団体の名称を表示する文書図画でございますが、これはそこにございますように、「第一項の禁止行為に該当するものとみなす。」と十四項で書いてあるわけでございまして、第一項に書いてある禁止規定に入るのだ、こういう趣旨でございまして、したがって、この第二号の「ポスターで、当該ポスターを掲示するためのベニヤ板、プラスチック板その他これらに類するものを用いて掲示されるもの以外のもの」ということにされておるわけでございますから、第一項へまた返っていくということになるわけでございます。
#171
○佐藤(観)委員 要するに、そうしますと、いま私が具体的な例を申し上げましたように、政党が主体で行う演説会、つまりたとえば私なら私を励ます会とか、いわゆる公職者とか、公職者になろうとする者、そういった者の名前を大書してするのではなくて、社会党の大演説会だ、成田委員長来る、そうして地元の参議院議員、衆議院議員と、こういうふうに明らかに個人の名前を大書して、それを売り込むのじゃなくて、政談演説会としてやるものについては、これは百四十三条というのは「選挙運動のために使用する」でありますから、日常の、通常の政治活動として除かれる、こう理解してよろしいですね。
#172
○土屋政府委員 ここは、私が先ほど申し上げましたのは、政治活動のために使用されるものであっても、第一項の禁止規定に当たるということで当たるのでございますが、いまの御質問の内容を聞きますと、政党はということでおっしゃったわけでございまして、ここで禁止しておりますのは、後援団体の政治活動のために使用される政治活動用の文書でございます。したがいまして、政党の場合は特定の候補者とかどうとかは特に推薦しておる公職選挙法上の概念に入りませんので、それは外されておるということで、いまのようなお話はよろしいということでございます。
#173
○佐藤(観)委員 それで大分誤解が解けたのですけれども、どうもやっぱり皆さんこれはあらゆる形のポスターはいけないと、土屋さんも私もあれだけしつこく質問したけれども、そういうあれがなかったものですからね、私はこれは大変なことだと思ったわけですね。それでいま申しましたように、政党が主体になってやるそういった種類の演説会は、ベニヤとか、プラスチックとか裏打ちをしてやることは構わぬ。
 ただ問題は、そうなってくると、先ほど山田委員の質問のように、一体じゃあどういうポスターならいいか悪いか、主催といっても各地区の支部とかなんとかにして佐藤観樹を励ます会で、佐藤観樹の字が三分の一にもなっているようなものは恐らくいかぬだろうし、そうなってくると、その形態が問題になってくるわけですね。ポスターのかき方が問題になってくるわけですね。そのあたりが一つの問題でしょうけれども、いずれにしろ政党が主体になってしかも個人の売り込みのためではなく、あくまで政党が政治活動としてやる、そういった演説会、これはいま申しましたようなポスターはベニヤあるいはプラスチック等のそれに類するものを張っても構わない、こういうふうに理解してよろしいですね。
#174
○土屋政府委員 これは公職の候補者等の氏名、あるいは氏名が類推されるようなものを表示する文書とか、あるいは後援団体の政治活動のために使用される名称を表示する文書とかでございますから、いま申し上げました、ように、政党自体がそういう後援団体、特定なものでない限りはそれは外されておるということでございますから、できるということでございます。
#175
○小澤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
     ――――◇―――――
#176
○小澤委員長 この際、公職選挙法改正等調査小委員長より発言を求められておりますので、これを許します。久野小委員長代理。
#177
○久野委員 この際、公職選挙法改正等調査小委員会の審査の経過を御報告申し上げます。
 本小委員会は、公職選挙法改正等について調査を行うため、第七十三回国会及び第七十四回国会に引き続き設置されたものであります。
 小委員会においては、昨年八月二十日の理事会において合意を見ました五項目、すなわち、一、衆参両院の定数是正、一、政治資金の規正、一、金のかからない選挙、一、参議院全国区制度の検討、一、その他のうち、まず衆議院議員の定数是正問題について、第七十三回国会に引き続き協議してまいりましたが、去る三月二十日の小委員懇談会におきまして、
 衆議院議員の総定数は二十名増とし、各選挙区別の議員定数は従来どおり三人から五人とする。
 区割りについては、人口比、自然的条件を勘案し、従来の行政区を尊重して自治省に試案の作成を依頼して小委員会で決定する。ことなどについて各党の合意を見ました。
 一方、小委員会で合意した二十名増員を一部内容とする公職選挙法改正案が四月八日内閣から提出されましたが、政府案の分区についてもこの小委員会で決定することに意見の一致を見、昨日、自治省より分区についての試案が提出され、小委員会においてその説明を聴取いたしました。
 自治省から提出されました試案の内容は、
 埼玉県第一区を与野市、大宮市以北及び荒川以西の志木市、朝霞市、和光市、新座市をもって三名の一区とし、浦和市、川口市、戸田市等をもって三名の一区とする。
 千葉県第一区を船橋市、八千代市、習志野市、千葉市、市原市をもって四名の一区とし、残る市川市、鎌ケ谷市、松戸市などをもって三名の一区とする。
 東京都第七区を旧北多摩郡のうち府中市、調布市、狛江市を除いた区域をもって四名の一区とし、ただいま除かれた各市及び町田市、八王子市、青梅市等をもって四名の一区とする。
 神奈川県第一区を鶴見区、神奈川区、西区、中区、港北区、緑区をもって四名の一区とし、残りの南区、保土ケ谷区、戸塚区等をもって四名の一区とする。
 第三区は、相模川以東の藤沢市、茅ケ崎市、海老名市、相模原市等に津久井郡を加えた区域をもって三名の一区とし、残る厚木市、平塚市、小田原市等をもって三名の一区とする。
 大阪府第三区は、淀川以東の枚方市、寝屋川市、守口市等をもって三名の一区とし、淀川以西の高槻市、茨木市、吹田市等をもって四名の一区とする。以上であります。
 その後、懇談会を行い協議した後、小委員会において、自治省の試案のとおり分区すべきものと決定いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。
#178
○小澤委員長 これにて小委員長の報告は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#179
○小澤委員長 ただいま内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民社党共同提案に係る小泉純一郎君外六名提出の修正案並びに日本社会党及び民社党共同提案に係る山田芳治君外六名提出の修正案がそれぞれ提出されております。
 まず、両修正案について、提出者から順次趣旨の説明を求めます。小泉純一郎君。
#180
○小泉委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 本年四月八日、政府は、衆議院議員の総定数及び各選挙区別定数の是正等を含め、公職選挙法の一部を改正する法律案を本院に提出したのであります。
 この法律案によりますと、衆議院議員の定数の改正については十一選挙区にわたって二十名の議員定数が増加することとなるのでありますが、このうち埼玉県第一区、千葉県第一区、東京都第七区、神奈川県第一区及び第三区、大阪府第三区の六選挙区については、その定数が六人ないし八人となることとなっているのであります。
 翻って、わが国の現行の衆議院議員の選挙区制度を見ますと、大正十四年の普通選挙実施以来、一選挙区につきその議員定数を最低三人、最高五人を配当するといういわゆる中選挙区制度を採用しているところであります。したがって、今回の定数是正に当たっても昭和三十九年の法改正の例にならい、現行の中選挙区制のたてまえを維持し、六人区以上となる区は分割することが必要でありますが、この点につきましては、昨年来行われた各党間の話し合いでも合意を見ているところであります。また、この間の事情について政府にただしましたところ、政府の真意は、国会の審議の過程において十分検討の上、結論を出していただきたいとのことでありました。
 よって、自由民主党、日本社会党及び民社党といたしましては、選挙区の分割を行うためこの修正案を提出した次第であります。
 選挙区の分割に当たっては、
 一、分割により設定される各選挙区の人口及び将来人口が配分定数との関係においてなるべく均衡のとれたものとなるようにすること、
 二、行政区域を尊重し、この区域を分割することとならないようにすること、
 三、分割後の選挙区の区域が、それぞれ地勢、交通、産業、行政的沿革等諸般の事情を考慮して合理的なものとなるよう定めること、
 四、分割後の選挙区の区域が、それぞれいわゆる拠点を中心として地域的なまとまりを示すこととなる等社会的、経済的観点からも地域的一体性を保持することとなるよう配慮すること、等の原則を基本とし、かつ、地域の特殊性を勘案して分割いたしたのであります。
 以下、各選挙区の分割について特に留意した事項について申し上げます。
 埼玉県第一区については、それぞれ議員定数三名の選挙区に分割することといたしておりますが、分割に当たっては、特に選挙区の形状、荒川による一部地域の分断という特殊な地理的事情、南北両地域の拠点を中心とする地域的一体性の事情と将来人口の推移による人口の均衡化に重点を置くとともに、道路交通の事情、行政的沿革等諸般の事情をも考慮して定めたのであります。
 千葉県第一区については、議員定数四名と三名の選挙区に分割することといたしておりますが、分割に当たっては南北に長い選挙区の形状を考慮して特に人口の均衡化に重点を置き、南北両地域の交通の事情、社会的経済的一体性の事情をも考慮して定めたのであります。
 東京都第七区については、それぞれ議員定数四名の選挙区に分割することといたしておりますが、分割に当たっては、人口の均衡化を図るとともに、あわせて地勢、行政的沿革と交通の事情、社会的経済的な地域的一体性の事情等を考慮して定めたのであります。
 神奈川県第一区については、それぞれ議員定数四名の選挙区に分割することといたしておりますが、分割に当たっては、人口の均衡を図るとともに、あわせて行政的沿革、地勢等の事情と社会的経済的な一体性の事情をも考慮して定めたのであります。
 神奈川県第三区については、それぞれ議員定数三名の選挙区に分割することといたしておりますが一分割に当たっては、相模川がこの区域を縦断していて、自然の大きな境界線をなしているという特殊な地理的事情に重点を置くとともに、行政的沿革、社会的経済的な一体性の事情をも考慮して定めたのであります。
 大阪府第三区については、議員定数四名と三名の選挙区に分割することといたしておりますが、分割に当たっては、人口の均衡を図るとともに、淀川がこの区域を縦断していて自然の大きな境界線をなしているという特殊な地理的事情、行政的沿革、社会的経済的一体性の事情を考慮して定めたのであります。
 なお、分割後の各選挙区の名称については、改正されない選挙区の名称については変更を加えないこととする方針に立ち、現行の各選挙区の編成順位に従い、それぞれその順位により名称を付することといたしたのであります。
 以上が修正案の概要であります。
 何とぞ御賛同の上、御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#181
○小澤委員長 次に、山田芳治君。
#182
○山田(芳)委員 私は、日本社会党及び民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨につきまして御説明を申し上げます。
 本年四月八日、政府は、衆議院議員の総定数及び各選挙区別定数の是正、供託金の引き上げ、選挙公営の拡充、寄付、文書図画の掲示及び機関紙等の頒布の制限の強化、連座制の強化等を行うため、公職選挙法の一部を改正する法律案を本院に提出したのであります。これは、最近の選挙における実情にかんがみ、公正で金のかからない選挙を推進する見地からは一定の前進であると思います。しかしながら、この法案ではまだ不十分な点があり、また現在の実情に即しないと考えられる部分がありますので、これらの点について、ここに修正案を提出し、公正で金のかからない選挙を実現するという趣旨の徹底を期することとした次第であります。
 次に、この修正案の内容について御説明をいたします。
 第一は、選挙運動用のビラの頒布に関する事項であります。
 現行法では、選挙運動のために使用する文書図画は、通常はがきのほかは頒布することができないこととされておりますが、候補者が行う選挙運動の手段を拡充し、有権者の選択の判断に資するため、使用できる通常はがきの枚数を増加するほか、国会議員の選挙に限り、種類、枚数及び頒布方法等につき制限を加えた上で、選挙運動用のビラを頒布することができることといたしました。
 第二は、選挙公営の拡充に関する事項であります。
 政府案は、国会議員の選挙においては、選挙運動用自動車の使用及びポスターの作成を一定の限度内で無料でできることとしているほか、確認団体の新聞による政策広告も一定の限度内で無料としておりますが、国会議員と知事の選挙について、公費負担による通常はがきの枚数を増加するとともに、国会議員の選挙について選挙運動用のビラを無料で作成することができることとし、公営のより一層の拡充を図ることといたしました。
 また、政府案では、確認団体の新聞による政策広告の回数について、所属候補者数に応じて差異を設けることとしておりましたが、これを、いずれの確認団体も平等に四回とすることにいたしました。
 第三は、公職の候補者等の寄付の禁止に関する事項であります。
 政府案では、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党に対してする場合等特定の場合を除き全面的に禁止することとしておりますが、寄付をする公職の候補者等についてのみ規制があり、寄付を受ける側についての規制がないので、修正案では、何人も公職の候補者等に対して選挙区内にある者に対する寄付を勧誘してはならないし、また、親族を除いては寄付の要求をしてはならないものとすることといたしました。
 第四は、新聞紙の頒布の規制に関する事項であります。
 現行法では、選挙期間中に選挙に関する報道、評論を掲載できる新聞紙は、当該選挙期日の公示または告示の日前一年以来引き続き発行するものであることが必要条件の一つとなっておりますが、新聞の実態によっては、このような制限を設けることが必ずしも適当でないと考えられるものもありますので、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙についてはこの条件を緩和することとし、六カ月以来引き続き発行するものであれば、いわゆる適格紙になり得るものとすることといたしました。
 第五は、機関紙誌の頒布の制限に関する事項であります。
 政府案では、選挙に関する報道、評論を掲載した確認団体の届け出機関紙誌の本紙の頒布については、選挙運動の期間中及び選挙の当日においては、定期購読者以外の者に対しては有償でする場合に限ることとしておりましたが、機関紙の性格、実情にかんがみ、本紙については、現行法どおり通常の方法で頒布できることとするとともに、通常の方法の定義を明らかにすることとして、選挙期日の公示または告示の日前六カ月以来平常行われていた方法で、その間に行われた臨時または特別の方法を含まないことといたしました。
 また、政党、政治団体の機関紙誌の号外等については、政府案では、選挙に関する報道、評論を掲載したものは選挙期間中その頒布を禁止することとしておりますが、この改正規定の趣旨からすれば、当該選挙区の特定の候補者の氏名またはその氏名が類推されるような事項が記載されているものは、選挙に関する報道、評論を掲載している号外等と同様に考えるべきものと思われますので、選挙期間中その頒布を禁止することといたしました。
 以上が修正案の概要であります。
 何とぞ御賛同の上、御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#183
○小澤委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終了いたしました。
 この際、午後六時まで休憩いたします。
    午後四時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時三十五分開議
#184
○小澤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 これより両修正案に対し質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津金佑近君。
#185
○津金委員 先ほど社会党の山田委員から修正案の提案説明がありましたが、その中の第一、選挙運動用ビラに関する事項について質問をいたしたいと思います。
 あなたも御承知のように、現行法におきましてもいわゆる法定ビラなるものが認められておりまして、それは三種類という制限がついております。地方選挙の場合は二種類の場合もあります。しかし、枚数制限というものは全然ないわけですね。ところが、今度あなたの方でお出しになりましたいわゆる二種類のビラなるものについては、枚数制限というものがいろいろ具体的に出ておるわけです。その中身については最後に質問をいたしたいと思いますが、法定三種については制限がないにもかかわらず、なぜあなたが新たにお出しになったこの二種のいわゆる個人ビラと称されているこれに制限をおつけになるのか、その根拠について質問いたしたいと思います。
#186
○山田(芳)委員 修正案に出しました選挙運動用のビラにつきましては、これは新しい公営制度として、現在公営としていわゆる選挙公報が選管の手によって各世帯に配布されるわけでありますが、それだけでは必ずしも十分でない、したがって個人的ないろいろの公報を有権者の皆さんにするためには、選挙運動用のビラを新しく設ける、ある意味においては選挙公報の個人版というものを認めていくということがより公営を拡充するゆえんである、こういうふうに考えたわけであります。したがいまして、これに要するところの経費は国庫負担といたします。国庫負担をいたす以上、これについては一定の制限がその面からも必要になってくるわけでありますし、新しい選挙運動用のビラというのは公営でありますから、でき得べくんば多いにこしたことはございませんけれども、やはり新しい公営の手段を確保するためには一定の制限というものはやむを得なかった、こういうことであります。
#187
○津金委員 そうすると、この二種類のビラなるものは個人版公報的な性格を持ったものだ、こういうふうに理解してよろしいわけですか。
#188
○山田(芳)委員 そのように御承知をいただければ幸いです。
#189
○津金委員 いずれにしましても、こうしたものを新たに設定をされた基本的な目的は、選挙に際して候補者の主張、政策、あるいは候補者ですから人柄という問題もあるかもしれませんね、そういうふうなことを有権者に周知徹底させて有権者の自主的な判断の資料を提供する、こういう必要性があったからこういうものをお出しになったのだと思いますが、その点はいかがですか。
#190
○山田(芳)委員 そのとおりでございます。
#191
○津金委員 そうであるならば、当然私は全有権者を対象としてこうした問題は考えらるべきものではないかというふうに考えるわけです。また、公報という性格を持つならば、当然全有権者を対象として出されなければならない、こういうものだというふうに考えるわけです。ところが、現在あなたの方がお出しになった修正案を見ますと、衆議院及び参議院全国区並びに地方区について、それぞれのいわば制限枚数というものが決められておるわけであります。
 具体的な一例を挙げますと、たとえば私の東京第三区の例を挙げますと、東京第三区には大体七十二万の有権者がおります。そしてそこでは定数は四人であります。そうするとこの修正案においては八万枚のビラを出すことができる。この八万枚の枠の中で二種類出せるわけですね。一種類出してもいいし、二種類出してもいい、こういう解釈になっているわけです。そうだといたしますと、その合計は、いずれにしても一種類であれば八万枚しか出せません。そうすれば、私どもの有権者の約一割強、そういう人たちしか対象にできないわけであります。また二種類を出せば、一回のビラにおいて、そのまた半分の、すなわち、わずか五%ぐらいの有権者を対象としたものしか出せない、こういうことになるわけであります。
 他の選挙区の状況も大体大同小異ではないかというふうに考えるわけでありますが、こういうことでいきますと、本来、有権者にその候補者の政策、主張を徹底させ、そして有権者の自主的な判断の資料を提供するという意味で出されたこのビラなるものは、実質的には九〇%ないし九五%の有権者というものはもう対象外にあらかじめ置かれたビラということになってしまうわけであります。これは本来のこういうものを出す基本的見地から見て、私は大変おかしいというふうに考えるわけであります。
 具体的に申し上げて、この九〇%ないし九五%の有権者には政策を知らせる必要がないということに結果的にはなるわけでありますが、なぜそういうことにしたのですか、その理由を明らかにしていただきたいと思います。
#192
○山田(芳)委員 いまのような議論を展開をするとするならば、たとえばはがきを一つとっていただいても、現行は二万五千枚であります。これは非常に少ないわけであります。今回の修正案については、そういう点から言っても、一万枚をふやしたということは不十分であったからであります。したがって、われわれとしてはこの枚数が絶対のものであるとは思いませんけれども、先ほど申し上げましたように、公営であるという点、それからこのビラの枚数を考えた場合に、われわれは世帯というものに配っていくということを前提とするならば、その世帯においては二・四ぐらいの有権者がおると仮定をした場合には、当選を可能にする有権者の皆様方には見ていただけるものである、こういう見地からこの枚数をはじき出したわけでございます。
#193
○津金委員 しかし、現実の問題としては、たとえば参議院の東京地方区の場合においては、現在の約八百三十万の有権者に対して、あなたのこの提案によれば三十万枚が上限にされているわけであります。八百万の有権者というものが除外される。それから全国区になれば三十五万枚でありますから、その枠はさらに広がっていく。
 そういう意味においては、あなたのいま言った説明について、公営であるということを条件にされますが、やはりこういう個人版を出す一番基本的な目的ですね、こういう点から見て、私は非常にこれは本来の趣旨と矛盾するものだ。すなわち、全有権者の正しい判断の資料を提供するという見地からするならば、ごく限られた、圧倒的多数の有権者というものを対象から除外する。戸数に対して配ると言われますが、それによってこの九割の方に対する矛盾というものは、私は基本的に解消はできないというふうに考えるわけです。そういう点についてはいかがですか。
#194
○山田(芳)委員 先ほども申し上げましたように、同じように選挙運動のはがきにつきましても、そういうことであれば現行法においても矛盾があるわけであります。はがきというのは、まさにその有権者の名前を書いて個々に行くわけでありますが、二万五千枚程度ではとうてい当選の可能な有権者に行かないわけであります。しかしながら、これが相当の長い期間据え置かれているということも事実であります。したがって、われわれとしては公営の拡大を少なくともしていくという修正案でありますから、一歩前進、二歩前進、累を追うてまいりたい。もちろん多々ますます弁ずることは当然でありますけれども、国庫の負担の問題もありましょうし、最初の出発点は、少なくともその世帯数が、有権者としては当選可能な人たちに目が通るという程度から始めざるを得ないということで今回の提案をいたしたわけであります。
#195
○津金委員 はがきがそうだからビラもそうでなければならないというのは、私は少し筋が違うというふうに思うのです。はがきの場合でもビラの場合でも、基本は、有権者の自主的な判断の資料を提供するということが基本的な目標なんですね。そうであれば、はがきがそうだからこちらもそうだというのは、私は筋が通らぬと思うのです。
 やはり全有権者を対象とする、より可能な宣伝の方法を保障することが本来の国民の知る権利にこたえるゆえんだと思うのでありますが、そういう意味で、こういう制限をつけたということは、はがきを持ち出したことによってはその根拠はあり得ない、こういうふうに考えるわけでありますけれども、その点いかがですか。より多くの人に知らせることがなぜ悪いか、それをはっきり答えていただきたい。
#196
○山田(芳)委員 先ほど申し上げておりますように、でき得べくんばそういう方に逐次改善をされることを私どもも期待をいたしておりますけれども、初めての試みであり、初めて公営を拡大をする一つの方式でありますから、まずここらあたりから始めていくということが適当であろうと判断をしたわけであります。
#197
○津金委員 私は、こういうビラの問題につきましては、必ずしも公営という形をとらずとも、その政党の日常の努力によってこういう機会を拡大していく。あなたの議論によれば、公営だからということを口実にして、結果的にはむしろそういうことを制限していく、こういうことになるわけです。公営だから一定の枚数にとめるのはやむを得ない、だからそれ以外の有権者に知らせなくても構わないのだという論理になってくるわけです。
 しかし、われわれの考えからすれば、それは必ずしも公営ということにこだわらず、もっと積極的な政党の努力によってそういうものをどんどんやっていくということがあってもいいと思うのですが、あなたの答えは、公営ということによって九割以上の有権者をこの宣伝の対象から外していくということを合理化する考えに結果的には通ずるわけです。それは矛盾じゃないですか。
#198
○山田(芳)委員 政党の政策を大いに普及宣伝するには、先ほど御指摘の三種のビラについては、これは御承知のように数量についても無制限であるわけでありますから、共産党の皆さんの言われるように、いままでの努力の中でそういう配布なりあるいは宣伝活動をされることについては、それを使っていくということで従来もやってこられたわけであります。しかも、先ほど私も政府に質問をいたしましたように、号外については、政策等についての記載であるならば制限がないというようなことにもなっておるのが現状でありますから、大いに政党の政策宣伝ということをおやりをいただくことは、これは従来と何ら変わらないわけでありますから、それにプラスをして新しい公営の手段を確保していこうという修正案でありますから、われわれは一定の努力をしたいという点で御評価をいただきたい、このように思います。
#199
○津金委員 そうした場合に、あなた方のこの修正案によりますと、そういうビラの配布の方法については、「新聞折込みその他政令で定める方法によらなければ、頒布することができない。」こういうふうに書いてありますが、この「政令で定める方法」というのは具体的にどういうことを指しておられるのですか。
#200
○山田(芳)委員 政令で定めるということでありますから、政令というのは政府にお任せをするということであります。したがいまして、われわれの修正案としては政府にお任せをして、今後それについて成立した暁においては考えていただく。しかし、われわれとしては政府に対して希望は申し述べるというふうに考えているところであります。
#201
○津金委員 政府の方にお任せすると山田委員は言っておられるわけですが、お任せされる政府の方はこの問題についてどういうお考えですか。
#202
○土屋政府委員 修正案を拝見いたしまして、「その他政令で定める方法」ということが書いてございます。そういうことでございますので、新聞折り込みのほかに何があるか、いまいろいろ考えておったわけでございますが、郵便もあれば、あるいは個人演説会場等では配ってもいいのじゃなかろうかと思いますし、その他いろいろな方法が考えられましょう。いま私もここですぐ政令の内容を明確に申し上げるわけにはまいりません。十分検討いたします。
#203
○津金委員 山田委員の方は、政令ですからその中身は政府にお任せをすると言う。政府の方はまだ考えていないということを言う。ところがこの法律案は、第二の七項を見ますると、ビラについて前記二から五までの規定の違反に関しては二百四十三条の罰則の規定を適用すると言って、二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金ということだけははっきりそこにうたわれているわけです。どういう方法で配るかということについては全く提案者は政府へあなた任せ、受ける政府の方はまだ何にも考えていない、しかし罰することだけはきわめて明快にここに出されている、こういうことになるわけであります。
 これは先ほど林委員が質問した政治活動をする団体の問題と大変類似をしている共通点のある問題でありますが、こういうことになりますと、中身は不明確のまま、まず政府がどのような政令をつくるか、そういうふうな問題については何も明確にないままに、結論としては、結局政府の言うとおりに結果的にしなければならない、そしてそれに違反すれば二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金になる、こういうものをあらかじめお出しになるというのは、これはずいぶんおかしな話じゃありませんか。その点いかがですか。提案者としてどう考えられますか。
#204
○山田(芳)委員 政令は政府の定めるところでありますから、ここで私どもがこうであるというふうに、政府を構成している政党でない以上、そこまでは申し上げることはいかがかと思います。したがって、われわれとしては、成立した暁においては政令の内容についてはわれわれの意見というものを申し出て、その要望を政府に入れてもらうように考えてはおりますけれども、まだ成立をしておる段階ではありませんから、いまここでそのことをはっきり申し上げるということはいかがかと思います。
 それでは、なぜそれに罰則がついているか。いろいろ議論の過程でありますけれども、たとえば郵便の封筒などに入れて送るというようなことがもしあった場合に、他の違反文書等と一緒に送ったりしたというような場合があればやはりこれは罰則にかかることもあり得るということも想定をされるわけでありまして、そういう意味で政令で定める手続によって配られることを法律は予定をしているわけで、それ以外の方法であるならばそれは罰則である。しかし政令で内容が規定されない限り構成要件を満たすものではありませんから、政令できちっと書くという段階において、それに違反するものは罰則にかかると、こういうことであって、法律上何ら問題はないと思います。
#205
○津金委員 それは非常におかしい問題ですね。先ほど林委員の質問の中で、政治活動をする団体をめぐって罪刑法定主義をめぐる議論もあったわけでありますか、こういうやり方は――結局どういうものがいま申し上げた二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金の対象になるかということについて何ら明らかにされてない。あなたの方は全部政府にお任せする、政府の方は、これはこれから検討するので何も決めてない、しかし罰則だけは明確に決まっている。これは世に言ういわゆる白地刑法というものの典型だというふうに言わざるを得ないというふうに思うわけであります。
 これは、先ほど来の議論を繰り返せば、まさに罪刑法定主義の観点から見ても重大な問題を内包するものと言わざるを得ないのでありますが、その点はどうお考えですか。
#206
○山田(芳)委員 政令において明確に規定する限りにおいては、それは法律に委任される以上、法律の委任がないならば問題がありますけれども、法律に委任をされる以上、それははっきりした構成要件を構成するものと思います。
#207
○津金委員 率直に言って、いまの答弁はどうも何か意味がよくわからないのです。しかし、私が言っていることの意味はおわかりだと思うのです。やはり選挙のこうした基本的な問題を論ずる法案をお出しになる上で、こういういわゆる白地刑法の典型とも言うべきやり方は正しくない、私どもはそう考えるわけです。その点は、実態としてまさに何にもわかってないわけなんですから、そして罰則だけがきわめて明快に規定されておる、こういうことでは、これはやはりおかしいというふうに思うのです。その点はお認めになりますか。そういう重要な欠陥があることをお認めになりますか。
#208
○川口法制局長 抽象的な一般的な問題に拡大しますといろいろむずかしくなりますので、現実のいま出ている修正案を具体の場で――これは御指摘の部分は私どもとしても責任がありますので、きわめて重要に考えた次第であります。
 その結論を申しますと、憲法七十三条第六号には、政令には罰則をつけてはいけない、しかし憲法の条文は、特別な委任、ある事柄を限定して、そこならよろしい、これが憲法の原則でございます。もちろんそこに比重の差がありまして、自然犯的な刑法の原則とかいうふうなものはいろいろ深刻に考えなくてはいかぬ。しかし、一般の行政法規につきまして行政府の判断というものを全然入れないで国会の法律でことごとく行うことは事実問題としても不可能でありますし、そういうことは一般的に法律の常識として委任立法は許されております。
 そこ女じゃ具体的にどういうことになるのだということになると思いますが、政令はそれ自体に合理性を持ち、そうして法律が政令に任した精神にそれが適合していて全体として合理的なものだと判断されれば違憲のおそれはないと考えます。
 さらに突っ込んで、じゃどういうことが判断基準の根本になるかということであります。それは議会の討議、国会における、衆議院、参議院の御討議を通じまして漸次明らかになることでありましょうが、仮に私が私流の判断でこれをそんたくいたしますならば、個人公報とまあ俗に今回の修正案のことを言われておりますが、こういう制度を新しく設けられた趣旨、一方ではできる限り可能ならば世帯に回したいという要請がその中にある。他方において、たとえば戸別訪問の禁止というような問題は厳然として現行法に残っている。この両方の兼ね合いをいろいろ考えられまして、そしていま申しましたような今回の制度が設けられた趣旨というものを政府がまじめにそんたくして合理的な線を引く、これは一つも憲法に違反するものではないと考えます。
#209
○津金委員 あなたの答弁は、私の聞いているところでは問題のすりかえであって、われわれとしては納得できないのです。
 ただ、山田議員に申し上げたいと思うのですが、あなたは、配る方法その他は全部政府にお任せしてあるからわからぬ、こういうことを言っておられるわけですが、先ほどの論議の中では、私が全有権者を対象とし得ないという場合に、その一つの各戸配布というふうな方法というものを前提にして論議をされている。矛盾じゃないですか。自分の御都合のいいところは一つの配布方法というものを前提に論を立てられる。しかし、その配布方法がどうなのかと言って聞けば、それは一切白紙で政府に任せているんだ。これではどうにもならぬじゃないですか。いかがですか、それは。
#210
○山田(芳)委員 少なくとも新聞折り込みという方法は一つ明示してあるわけでありますから、そういう点については法律によって行われる。しかし、それ以外の方法については、これは政府に任せていくというのが法律の内容であるわけです。
#211
○津金委員 それでは、配布方法というのはいろいろあるわけですよ。現在でもいろいろな配布方法が行われています。たとえば、あなたの方としてはその配布方法について政府にいわば全部白紙で委任するようなお話でありますが、政府が配布方法について重要な制限を加えてくるということについても、すべて白紙委任されるわけですか。
#212
○山田(芳)委員 だから、私の方としては、政令を制定する段階においてわが党の意向というものを強く政府に要求していくということを申し上げたわけであります。
#213
○津金委員 わが党として要求されるというならば、そのときわが党としては配布方法についての何らかの制限を要求されるおつもりですか、それとも配布方法については一切制限を設けない、自由な配布方法を認めるというお考えですか、それとも一定の配布方法の制限を強く政府に要請されるお考えですか、そこをはっきりしておいてください。
#214
○山田(芳)委員 それは党において十分相談した上で、一定の配布方法を提言をしていこうと思っております。
#215
○津金委員 どうも配布方法に対してはっきり制限を設けないということはおっしゃらない。何らかの形の配布方法の制限をお出しになる可能性のあるようなお話がありましたが、私はそれは重要な問題だと思うのです。言論の自由というものは、その内容、その言論を伝える方法、いろいろな方法によって言論の自由というのは確保されるので、そういう意味では、もしあなたの方でその配布方法に従って重大な制限を加えられるようなお考えを持っているとすれば、それは重要な問題だというふうに私は思うわけです。
 しかも、最終的決定権については、政令だから政府が行うのだということになれば、やはりこれは結果的にそういう言論の自由を構成する重要な配布方法という部分に関する制限を容認するということにならざるを得ないと私は思いますが、その点ははっきりそういうことはさせないというふうに断言されますか。
#216
○山田(芳)委員 やはり政府に任せた以上は、政府といえども憲法を守る責任もあり、ありとあらゆる法律についても守る必要もあるわけですから、その範囲内において政令は定められることであり、それに対してわが党としては一定の要求というものをしていくということを申し上げているわけですから、その内容については、わが党としては、成立した暁にはできるだけおっしゃるような制限というようなもののないような方向において努力をしていくということを申し上げるにとどまるのであって、どうするかはこれは今後の問題であります。
#217
○津金委員 いまのお話を聞きますと、日本社会党としては、いまの政府は憲法をよくお守りになる政府という御認識のようでありますが、それはあなたとここで議論してもしようがないから、そういうふうに承っておきますが、その場合、さらに、あなた方の提案によれば、第二の三に、このビラの配布に関して証紙を張らなければならないということを言っておるわけでありますが、これは一枚一枚に証紙を張る、そういうふうにこれは読めますが、そういうことでございますか。
#218
○山田(芳)委員 技術的な問題でありますから、事務当局に答えさせます。
#219
○土屋政府委員 この規定を拝見いたしますと、現在参議院の全国区で十万枚のポスターに証紙を張っておりますが、あれと同じ方法で張るという趣旨であると拝見しております。
#220
○津金委員 いまの事務当局の御見解でよろしいですか。あなたの意見を聞いておきたいのですよ、あなたに質問しているのだから。はっきり説明してください。
#221
○山田(芳)委員 この経緯は、枚数の制限がある以上何らかの形において担保をしていかなければならない。その方法については、可能な行政的な技術的な方法をそれぞれの担当者に研究を依頼をいたしたところ、このような方式がよいということの結論を得たので、そういうことで法文を作成したわけであります。
#222
○津金委員 あなたのお出しになった法案を見ますと、選挙区によっていろんな段階がありますが、最高限全国区の場合は三十五万枚のビラが出せることになっておるわけであります。この三十五万枚のビラに一枚一枚全部証紙を張ってお配りになる、こういうことをお考えになっているわけですか。そうですね。それだったらそれを前提にして、三十五万枚一枚一枚証紙を張ってそれでお配りになる、こういう方式をお考えになっているわけですね、ちょっと念のために。
#223
○山田(芳)委員 そのとおりであります。
#224
○津金委員 今日の段階であなたがおつくりになっているビラというのは、ここにその大きさが表示されておりますから大体の見当はつくわけですが、そう大きなビラじゃありませんね。これに三十五万枚なら三十五万枚、一々証紙を張ってお配りになる。私はその点では確かにユニークな発想であることは認めます。確かに前例のないユニークな御発想であることについてだけはしかと確認をいたしますが、実際問題として、今日この三十五万枚のビラに一々証紙を張るというふうなことについては、まさか候補者が一々そんなことをやっていられませんね。これだけを張るには相当の人と手間もいろいろかかる、そういうことについてはどういうふうに考えておられますか。
 お出しになった以上、いろいろ研究されてお出しになったと思うのですが、御参考のためにお伺いしておきますが、たとえば三十五万枚のビラというものはどのくらいの人と手間をかけてこういうものを一々お張りになるのか、その点については大体どういう目安をお考えになってこういうことをお決めになったのか、御参考までにお伺いしておきたいと思います。
#225
○土屋政府委員 先ほども申し上げましたが、現在全国区のポスター十万枚というものが現実に証紙を張って出されておるわけでありますが、それが三十五万枚ということになりますが、これは通常私どもが考えるところでは、一分間に十枚ぐらい張れる。これははがしてすっと張れますから、のりもついておりますし、そういうことで簡単に張れますが、それでいきますと、延べ数がやはり百人くらいの手がかかるだろうというふうには思っております。
#226
○津金委員 結局、こういうふうなことをやれば、いままでビラをまくのにずいぶん金がかかる、やれまき賃もかかる、いろんなお話が当委員会の論議の中でもありましたが、何十万枚ものビラに証紙を一々張るというふうなことになれば、これはかなりの人手や手間もかかる、いろんなことが起こるわけでありますが、それは結局またそれなりの必要な費用がここにかかる、やはり金のかかる選挙というものを助長する結果になりませんか。それはどうお考えですか。
#227
○山田(芳)委員 これは選挙公営を一部で行っているわけでありますから、選挙公営の拡大ということによって有権者の皆さんにいろいろと候補者の紹介といいますかPRをやってもらうということであります。したがって、若干手間はかかりますけれども、先ほど選挙部長から話がありましたように、全国区においてはすでにポスターについては十万枚をやっているわけでありますから、そういう全国区等においては相当の金のかかることについては、これは参考人の意見を聴取したところにおいても、全国区においてはそれはやむを得ないということは認められているということであるわけですから、この点についての、また全国区そのものの是否については、これはまた別途考えていただけばよろしいけれども、とにかく、やはりそのくらいの手間をかけて、個人用の選挙ビラでありますから努力をしていただきたい、こう思います。
#228
○津金委員 いずれにしても、金がかかることになることだけはこれは明白ですよ。そういう意味においては、やはり本来の趣旨その他とはいずれにしても逆行する方向に進むことは間違いない、私はこういうふうに考えるわけです。しかも、こういうことをやれば、いままででもにせ証紙の問題だとか、こういう証紙を横流しするとか、こういうふうな問題などが起こる。そういうふうな意味において、またさまざまな新しい問題を引き起こす要因になりかねないわけであります。
 たとえば証紙を配らなければならない。証紙つきのビラなどというものは私も前代未聞でありますけれども、証紙を張らないビラをまけばこれは違反になるわけです。さっき言ったような罰則の対象になるわけです。ところが、この証紙を最初から張らないで配ったのか、それとも張ったけれどもそれがはがれてしまった、こういう場合もあるわけですね。こういうことの認定というのはきわめてむずかしいのですよ。最初から張らないで配ったのか、それから張って配ってそれが途中ではがれてしまったというふうな問題は、現実の問題として、三十数万なり何万枚のビラの中では起こり得るわけです。しかし、この法規によれば、さっき言ったように、罰則だけはきわめて明快に出ておりますから、証紙のないビラを配れば、これは結局さっき言ったような刑罰の対象になるわけです。ところが、いま言ったような問題が現実的に起こる。
 そうした場合に、これが意図的に行われたものか、そうでないものかというふうな判断はきわめて困難であって、そういうことになれば、こういう点を口実にして、結局警察権力が介入する、そういう一つの口実を与えることになると私は思うのであります。そういうことによって客観的にこういう言論活動に関する権力の干渉の口実を与える、そういう結果は起こり得ないということは私は絶対ないと思うのですよ。そういう意味で、全くこれは非現実的な、やはり結果的にはそういう言論の規制の道を開く、そういうおそれのある問題だというふうに考えるわけですが、その点いかがですか。
#229
○山田(芳)委員 立案の過程において申し上げましたように、枚数に制限を設ける以上何らかの形において担保をしていかなければならない。その可能な技術的な問題をわれわれとしては事務当局にお願いをいたしたわけであります。その間の中においては、たとえば打ち抜きの問題等も検討しました。これとても過去においては偽造というものが行われておるという例も聞いておる。そうするならば、技術的、事務的に可能な問題についてわれわれとしては事務当局の意見を尊重して採用したということであって、そういう点についての技術的な問題については、事務当局が十分検討されていると思いますので、事務当局からお答えさせます。
#230
○津金委員 私がいま聞いているのは、さっき言ったような一つの具体的な例を挙げましたが、証紙を張るという、これが通れば私としてはかつて聞いたことのないようなことを今度はわれわれはやらされるわけですが、そういう場合に、さっき言ったように証紙がはがれるというふうな事態は、これは客観的に起こり得るのですよ。そういうことを口実にして権力が介入する。罰則規定があるのですからね。その最終的な判断は司法当局がやるということになるでしょう。わざわざそういう機会を与えるようなものをつくって、そうして言論の規制に関する権力の介入の道を開く、そういう可能性はないかということを聞いているのです。
#231
○山田(芳)委員 そういう点であれば、全国区のポスター等についても果たして途中から破れたのか、そういう点もあるわけでありますから、その点については同様であるというふうに思います。しかし、それは一切そういうものが偽造されていくということであれば、これは実際実態を現実に調査をする中で、たまたま一枚がなかったからそれは果たして張っていたものがとれたものかどうかという程度については、これは恐らく前後の事情その他を見れば私は判定ができるものであろうというふうに思います。
#232
○津金委員 私の聞いていることについてはどうも明快なお答えがないようでありますが、いずれにしても、私は、ビラに一々証紙を張って配るというふうなことは、確かに私申し上げたように大変ユニークでありますけれども、先ほど申し上げたような問題も含めて、まことに非現実的なものだというふうにこれは断ぜざるを得ないわけであります。
 そこで、先に問題を進めたいというふうに考えるわけですが、あなたの方の第三の項目の中で、日刊新聞の一般紙の配布に関する事項の問題の中で、日刊紙というものの上に「時事に関する事項を掲載する日刊新聞」と、いままで余りなかった一つの言葉をかぶされているわけでありますが、この「時事に関する事項を掲載する日刊新聞」、こういうふうに規定されたのはどういう理由に基づくのですか。何か日刊新聞の中で区別をされるという目的でこういうことをつけられたのですか。
#233
○山田(芳)委員 商法等にもそういう規定がございますが、詳細な点については法制局長からお答えいたします。
#234
○川口法制局長 率直に立法例を申し上げますと、新聞社の株式の譲渡等につきまして商法の特例に関する法律というのがございます。そこに全く同様な文言で規定されております。したがいましで、政府ないし裁判所で、この既存の法律の適用について解釈論が大体筋書きが決まっておると思いますので、それと同じでありますということを申し上げるわけであります。特に新聞のうちで色をつけて特別価値判断を下すというふうな意図は、この字句からはそういう疑いはないものと考えております。
#235
○津金委員 この「時事に関する事項を掲載する」ということの説明と解釈をつけているのじゃなくて、こういうことをこの条文の中で特に日刊紙の上にかぶされたということは、何か特別の意味なり、それからいわゆる従来日刊新聞と言われていたいろいろな範囲がありますね、そういう中に一つの線を引かれるということをお考えになっているのか。従来の日刊新聞ということそのものを言っているのであって、特に意味はない、こういうことなのか、そこを聞いているのです。
#236
○山田(芳)委員 別段意味はありません。(発言する者あり)
#237
○津金委員 それならば、いま不規則発言がありましたけれども、わざわざお書きにならぬでもいいのではないかと思いますが、意味がない、特に何らかの線を引かれるという意図じゃないということで承っておきたいというふうに思います。
 さらにその次にもう一点、細かい問題についてお聞きしておきますが、第五の機関紙の配布に関する事項の中の、通常の方法について、新しい解釈を括弧の中に入れられているわけですね。その中で「平常行われていた方法をいい、その間に行われた臨時又は特別の方法を含まない。」という言葉がありますが、この「その間に行われた臨時又は特別の方法を含まない。」というのはどういうことなんですか。もうちょっと具体的に御説明願いたい。
#238
○山田(芳)委員 立法の趣旨は、まあ津金さんも、先ほど私との話の中でも話があったように、日常のいわゆる運動の量の積み上げというものによって配布なり何なりをやってこられたということを言っておられたわけでありますが、まさにそのことであって、要するにいままでの通常の方法という言葉の定義がきわめてあいまいである。したがって、それはどういうことかというと、確認団体の機関紙誌が認められるためには、少なくとも六カ月間というものを一つの期間として認める基準にしているわけでありますから、その六カ月間は少なくとも経常的に、継続的にずっと努力をしていくということが通常の方法であって、あるときだけばっとやって、これが通常の方法だというのでは、これは先ほど津金さんが言われたように、日常の活動というようなものとは関係のないようなやり方をやったものをもって通常の方法と言うのではなくて、平生からやはり努力をして積み上げていくという運動の中のものを評価してそれが通常の方法である、こういうふうに考えるべきだ、こういうふうに思います。
#239
○津金委員 そうすると、突如としてそのときだけやったというのではなくて、その六カ月以前から継続的、系統的にずっとやってきたという方法であればいい、こういう意味でございますね。
#240
○山田(芳)委員 それが通常の方法ではないか、こういう定義であります。
#241
○津金委員 それでは、同じくこの機関紙誌の頒布に関する事項の問題に関連いたしまして、確認団体の届け出機関紙誌の号外等で、選挙に関する報道、評論を掲載していないものであっても「特定の候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項が記載されているときは」頒布を認めないものとする、こういうのがございますね。この「特定の候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項が記載されている」というのは、私がいま申し上げた事項ですね、これは具体的にどういうことを指しておられるのですか。
#242
○山田(芳)委員 これは過般からの質問の経過の中で、機関紙の本紙は通常の配布の方法に戻しました。機関紙の号外については、これは選挙に関する報道、評論のないものについては自由であるということについては、政府の答弁でもはっきりいたしております。しかしながら、小沢貞孝委員からも具体的な例を挙げて質問があったように、小沢貞孝委員は、県知事に対して保育所の増設の要請を行った等々、報道、評論ではないけれども、その人の名前が出ているという問題、あるいは大きな写真がでかでかと載っておって、そのことがある場合にはやはり報道、評論とみなしていかないと、これは選挙に関する報道、評論外についてはいままでと同じように自由なわけでありますから、一定の制限を行おう、こういう趣旨であります。
#243
○津金委員 そうすると、この間の小沢さんと総理との質疑の中で、いわば記事風な形で、候補者の写真を大きく載せたり名前を大きく出したりというのではなくて、その中に記事風に出てくるような場合という例をあなたが挙げて質問をされましたが、この規定はそういう場合もまずいのだという規定でございますか。
#244
○小沢(貞)委員 先ほど山田議員がお答えしたとおりですが、先般来の私の質問を通じて、確認団体の機関紙等については選挙に関する報道、評論が記載されているものはいけない、こういうことになっているが、一般政策あるいは政党活動等で当該地区の候補者の名前が出る場合があるわけであります。それがだんだん拡大されていって、写真入りでその地区の候補者の談話、実際は候補者と書いてなくとも、何々党委員長何々談、こういうように出てくれば、これは選挙の公正を害する、こういうことで選挙に関する報道、評論と同様これは規制をしなければならない、こういう趣旨であります。
#245
○津金委員 そうすると、そういうのはいわばあなたの言う、小沢貞孝が保育所を知事に対して要求をするというふうなことは、これはさっき言った「類推されるような事項」という範疇に入る、だからこういうものは頒布を認めない、こういう範疇になるという御解釈ですけれども、あなたのこの間の質問では、そういうことを総理に質問されて、そして三木総理はあなたの明快な解釈に私も同感だと、こう答えたわけですね。そしてその後土屋さんが出てこられて、通常の配布ということについてはいろいろな問題があるという意見を出されたが、その点についてはきょう林委員との質疑応答の中で土屋さんはそこのところを撤回されたのです。
 そうすると、あなたは総理に質問をして、そして総理があなたに明快な解釈だというふうな答弁をされて、今度はそれをまたみずから制限されるような御提案をなさったわけだが、民社党はいつから方針を転換されたのですか。小沢さんにお伺いをいたします。
#246
○小沢(貞)委員 実はこの条文では、確認団体の機関紙の号外について、選挙の報道、評論しか制限がないわけでございます。ところが、この法律の趣旨というものは選挙をなるべく公正に、公平にやらなければならない、それとビラ公害を防がなければならない、そういうことから考えると、私の質問したとおりに三木総理が答えたので、これはやはり政党活動、政策活動等について何々地区委員長、こういう談が載ったり、そういうものが写真入りで大きく出されるようなことがだんだん拡大していくならば、選挙の報道、評論の掲載だけを禁止しても意味がないから、そういうものまで規制をしなければならない、こういうようにしたわけであります。
#247
○津金委員 小沢さん、私が聞いているのは、もうあなたの議事録はここで長く読み上げることは避けますけれども、あなたは解釈がみんな間違っているのだ、はっきりさせなければならぬ、こう確信をお持ちになって、あなたの具体的な例を挙げ、三木総理にただされた、そして三木総理もあなたの解釈に賛成だとこう言われた。ところが、この提案はそれはいかぬのだということを提案されておるのです。
 そうすると、あなた方民社党としては、あなたの総理質問のときにお出しになったあなたのそのときの見地、それからそのときの三木総理の見地、これはともに間違いであったということをお認めになって、方針を転換されてこの修正案を共同提案されたのですか、お向いいたします。筋道としてはそういうことになるでしょう。
#248
○小沢(貞)委員 その当時は、この機関紙の号外の解釈がまちまちになって、将来トラブルを起こすであろうという趣旨のもとで、選挙の報道、評論以外にもこういうものが幾らも出せるのではないか、出せます、そういうことでは選挙の公正を害するし、いわゆるビラ公害等の問題に対して国民にこたえることができないから、議員修正でそこを明確にした、こういうことであります。
#249
○津金委員 福田自治大臣にお伺いしますが、小沢さんの解釈に対して、明快にそのとおりだと答えた三木総理の答弁は誤っておる、こういろことをお認めになるわけですか。(発言する者あり)いや、自治大臣に聞いているのです。
#250
○小沢(貞)委員 いや、私の心配しているとおりだから、それではいけないからということで、ここにまた別に議員立法で提案をしたわけです。
#251
○津金委員 ですからね、どうもあなたの発言が首尾一貫しない。それから政府の答弁も首尾一貫しない。だからこそ私、聞いておるわけです。そうやってあなたはそちらの側に座っておられるから、そちらに座っておられるときと、こちらに立って質問されるときと、ずいぶん話の筋道が違うじゃないか、こういうことをあなたに聞いているのであって、それならそれではっきり違うなら違う、しかし考え方を改めてそっちに行ったと、こう言われるのならそれでいいですよ。そこを聞いているのですよ。だから、さっきの解釈論を聞いているのじゃないのです。
 そういう点ではいま言った政府及び民社党の共同修正をめぐるこの本委員会における総理とのやりとりについて、福田自治大臣はどういうふうに受けとめておられるかということを聞いておるのですよ。おわかりでしょう、私の言っていることは。だから、自治大臣の意見を聞いているのです。この修正案に対する政府の考え方をただすことにもなるのです。
#252
○福田(一)国務大臣 政府委員から答弁させます。
#253
○土屋政府委員 選挙に関する報道、評論の載っていないものはどうかということでございまして、それは二百一条の十四の規定ではない。したがいまして、それは規制がされていないということで、小沢議員が言われました。それについて解釈としてそれはそのとおりであるということで総理は間違いない、こう言われたのだと私は思っております。
#254
○津金委員 ですから、さっき言ったように、小沢さんの質問は非常に具体的な問題について質問をされた。そうすると、結論としてこの修正案は三木総理が明快な解釈であるというふうにここで言われ、これをさらに制限する、こういう方向の修正案である、こういうふうに考えてよろしいわけですか。それだったら、政府の、総理の意見と違うでしょう。だから、あなたに聞いたのです。
#255
○福田(一)国務大臣 審議をしておる段階においていろいろの意見が出たり、あるいは質問に対して答弁をしたり、いろいろのことがあるのが、これが審議なんです。それが前の段階において何かあったから、最終的にいま決めるというときには最終決定ということをするわけであります。
 だから、前にどういうことがあったということで、それは絶対に悪であるとか、それはいかぬじゃないか、政治的な責任等々を言われるのは、私はかえって審議というものが自由に潤達にできないということになるのじゃないかと思います。私はその前にいろいろの御意見があっても、いま御提案になったこの修正案に政府としては賛成をいたしておるのでありまして、それがいまの正しい意見だと思っておるわけであります。したがって、政府が修正案に賛成しておるということは、三木総理もこれに賛成をしておるということであります。
#256
○津金委員 ですから、あなたはこの修正案に賛成しているというから、三木さんの答弁とちょっと違うじゃないかということをさっきから聞いているわけなんですよ。
 だから、私が申し上げたいのは、政府の態度というものがやはり首尾一貫性を欠いておる。それはもちろん論議の制限などと、われわれ論議を制限したことはないですよ。総理はここではっきり明快な答弁をされたのですよ、あのときは。それをいま山田議員の質問では、これははっきり制限をされるという方向の修正なんだ、その点に関しては。こうはっきり言われるわけだから、それでいけば、三木総理の答弁と明らかに違う。この点を聞いているのであって、その点政府の考えを聞いているのですよ。政府は変えたのか、三木総理の見解と、いまあなたが、政府がこれに賛成するという間の中には、考え方の訂正が行われたのか、こういうことを聞いているのです。
#257
○福田(一)国務 大臣この間の三木総理の答弁が、質問との関係でいささか不明確な面があったと私は実は思っておったわけでありますが、その後いろいろわれわれの間で検討した結果、そういうような大きな名前も入れて、雑報でもいいから、そういう名前を入れて、そして何々委員長がどうこうしたというようなことを認めると、それでは号数のどれくらいの小さい字を書いたらいいんだとか、そういうことになって、なかなかそこのところの明瞭なけじめというものがつきませんから、そこでそういうものを入れたものはいけないんだ、こう規定すべきだということに改めたわけでございます。
#258
○津金委員 明らかに前回の総理の答弁と、いまの福田さんの答弁との間にはやはり変化がある、こういうふうに言わざるを得ない。それならそれではっきりそう正直に認められればいいのですよ。ところが、そうではないと言い張るから、問題が非常に不明確になるわけです。
 しかし、時間もありません。したがって、そういうふうにどんどん、総理の言っていることがだんだん変わってくるみたいなことになると困りますから、これは念のために、最後にひとつはっきりさしておきたいと思いますが、きょうも本委員会の論議を通じて、いわゆる選挙に関する報道、評論に関するものの制限、それといわゆる写真や候補者の名前が載っていない純然たる政策ビラですね、この問題をめぐっていろいろ論議が行われたと思うのですが、この点もう一度三木総理の前回の答弁、それからきょうの福田自治大臣の答弁などからでも明らかにされたように、選挙の報道、すなわち候補者の写真や、それから候補者の名前などを大きく出す、それから中に、あなたのところの見解でいえば、記事風に出すこともいかぬ、しかし、そういうことば何もない純然たる政策を訴えたそういう号外に関しては、これは一切制限はないのだ、こういうふうにきょうの論議を通じてかなり明確になったと思いますが、この点については間違いございませんね。
 この点については山田委員と自治大臣と両方にちょっとお聞きしておきます。この修正案でまとまりそうだから。
#259
○山田(芳)委員 私も自治大臣にこの点を先ほどただしたわけです。そうしたら、自治大臣も選挙部長も、そのとおりであるというふうな答弁をいただいておりますから、私もそうだと思います。
 なお、念のため自治大臣に聞いてください。
#260
○福田(一)国務大臣 いまあなたが御指摘になったように、そういうような疑義を生ずる文言があるものは、これは認めない、こういうことでございます。
#261
○津金委員 山田さんの答弁でいいですね。
#262
○福田(一)国務大臣 山田さんの答弁で結構でございます。(「誹謗、中傷はだめだよ」と呼ぶ者あり)
#263
○津金委員 誹謗、中傷もいいということになったのですよ。山田さんに聞いてください、それは。あなたはあなたで。
 それではこれで最後にいたします。
 そういうことになれば、これはあなた自身もきょうの質問の中で言われましたが、今回のこのビラ規制云々の問題を論ずる議論の中で、こういう制限をすることは選挙の公正を保つゆえんであるというふうなことを論ずる大きな根拠として、いわゆるビラ公害なるものがずいぶん論議をされたわけであります。総理も、そんな例は私は外国で知らぬと、こう言ったわけでありますが、長谷川参考人の証言によっても、フランスあたりではもう日本どころの騒ぎではないという経験も紹介された。そこで結果的に見て、やはりそういう政策ビラであるならば、何ぼ出してもよろしい。それから三木総理自身が三種類のビラなら何ぼ出してもいいのだ、こういうことを再三繰り返された。
 そうだとすれば、少なくともビラ公害論というのは全くその現実的根拠はなくなった。それは山田さん、あなた自身がそれはだめですねと言われたわけでありますから、そういう意味では今日までのビラ公害論というものは少なくともこの問題の論議においては根拠を失った、こういうふうに私どもとしては考えざるを得ないと思うわけでありますが、これは山田さん、あなたはあなたが質問されている御当人ですから、あなたの考えは大体わかっているから、福田自治大臣、あなたもその点についてはいわゆるビラ公害論なるものはすでにその根拠を失った、こういうことをお認めになりますか。
#264
○福田(一)国務大臣 もう一度質問をしてください。
#265
○津金委員 よく聞いていてください。もう一遍申します。
 少なくともあなたのおっしゃったように、選挙の報道、評論に関する号外はいけないのだ、それからそれに類するようなものもいけないのだ、正々堂々たる政策論争の号外ならいいのだ、これは幾ら出してもいいのだ、こういうことになりました。それからこの間も、三木総理も三種類のビラなら無制限だ、それはどんどんどんどん出せば、いわゆるあなたのおっしゃるビラ公害なる現象というのは起こるのですよ。だから、あなたがいままでこの論議の中で、少なくともこういう選挙の公正を期すために制限が必要だということで、ここで大いに持ち出されたいわゆるビラ公害なるもの、ビラ公害というのは、ビラがたくさんまかれることがけしからぬということなんですから、そういうビラ公害論というものは完全にその根拠を失った。これは、山田さん自身があなたにきょう聞いたところなんですよ。その点についてどう思われるかということをはっきりさしておきたいと思うのです。
#266
○福田(一)国務大臣 ビラ公害ということについて、いま言ったような政党の機関紙の号外を配られるということについては、先ほども申し上げたように、名前を入れたり、そういうことがなければ、これは構わないわけですね。だから、それは出すわけです。
 そうすると、あなたが言われるのは、そういうことを認めるのなら、ビラ公害ということを取り消したらいいじゃないか(発言する者あり)いやいや、それは三種類であるにせよ何にせよ、公害との関係を言え、こうおっしゃる。
 私は、ビラ公害というものに二通りの意味があったと思うのです。実はいままでビラを配布するときに、いやな人にでも押しつけたように配布したり、あるいはまた駅頭でまるでもうちりくずがそいこらにまき散らされるような姿があったり、あるいはまたこれを各戸に配ったりするようなことがあったり、いろいろのことがあります。形態がいろいろあるわけですね。それからまた、中には名前の入って写真の入ったようなものまで配った例もある。これなどは明瞭にいけないわけですね。だから、そういうようなものをまずやめるということ。
 そうしてあなた方は、そんなものは幾ら出しても、それは選挙民が判断するからいいじゃないかということをいつもおっしゃっておられる。私は、良識の、いわゆるみんなが見てなるほどな、まあまあ一生懸命やっているなというくらいの感じのところまではいいが、押しつけるような感じになるといかぬ、物事は良識でやる、やはり行動は良識に基づいてやるということが必要だと思うのでありまして、そういう意味で、そういうことがあったからいままでビラ公害という言葉が出た。もしそうでなければ、ビラ公害なんという言葉は出ませんよ。
 だから、そういう公害というような言葉が出ないようにして、法で認められる範囲内において、できるだけ選挙区の皆さんあるいは国民にそれぞれの政党の宣伝をするというやり方をされることが望ましい、こういう意味で私たちは今度のこの改正案を認めたということを御理解を願いたいと思います。
#267
○津金委員 これで終わりにいたします。
 ただ、いまの論議を通じて、あなたは盛んにビラ公害論なるものを展開をされましたので、いずれにしても、先ほどからの経過は、これはもう提案者の山田委員自身が、きょうの質問の中で、ビラ公害はなくならないよということを言っておるわけでありますから、それは率直にお認めになることをお勧めして、私の質問を終わります。
#268
○小澤委員長 林孝矩君。
#269
○林(孝)委員 昨日、小委員会に自治省の試案、いわゆる区割り案が提出されました。その自治省の試案が、果たして当初自治省に試案作成を依頼したときの条件、すなわち人口比あるいは自然的、地理的環境の条件、行政区の歴史的経緯等、そうした三つの条件に適切に符合しておるかどうかということについて、自治省試案を検討したい、こういうことで、昨日の小委員会の中でわれわれはその検討の時間を要求したわけでありますけれども、昨日は、小委員会がその試案を強行決定という形で押し切られたわけであります。
 その後、私たちは内容に関して、いわゆる自治省試案に関して、いろいろな角度から分析をしてみました。そしてこの三つの条件に符合しておるかどうかということについて、重大なる問題があるということが次第に明らかになってきたわけであります。
 そこで、この具体例を挙げて申し上げますけれども、埼玉一区はどういう条件に基づいてこうした案を出されたのか、お伺いしたいと思います。
#270
○小泉委員 ただいま林委員から御指摘があったように、小委員会は昨日いわゆる自治省から出された分割案というものを自由民主党と社会党と民社党の多数で決定いたしました。そうしていままで自治省に依頼していたその案というもの、それが分割された選挙区の人口がなるべく均衡のとれたもの、そしてまた行政区域を尊重すること、さらに地勢を考慮すること、こういう条件を満たしたものであるとわれわれ自由民主党、社会党、民社党が判断して、これが妥当なものである、そしてそれぞれが合理的であると判断して、この案を出しているわけであります。
 ただ問題は、区割りでありますから、いろいろな合理的な案が考えられると思うのであります。一つの案が絶対なも一のとは限らない、それぞれそういう条件を満たす案というものが考えられております。そこで私たちは昨日自治省が出した案、これは賛成できるものであるという考えで出したわけであります。
 いま言われました埼玉一区の分区案でありますけれども、いま言いましたその三条件に、ざらに、いま大宮と浦和、これがいわゆる拠点を中心として地域的なまとまりを示していることになる。そういう地域的な関係も考慮して出されたということを自治省から説明を受けてわれわれは賛成したわけであります。
 詳しいことは自治省に答弁させたいと思います。
#271
○土屋政府委員 埼玉につきましては、昨日もお話し申し上げましたが、これもあそこの地形、地域的あるいは経済的な一体性といったようなことを考えたわけでありますが、そういった意味では、説明の際にも申し上げましたように、旧新座郡というものは、荒川から離れておる。あの地域はいずれの地域とも一応分離されておるわけでございます。そこでどちらの方にいくかということになりました場合に、一つは浦和以北とそれ以外の南の地域と分けるという考え方も成り立つわけでありますが、一つには、その浦和とそれから大宮というものは、これはもう一つ川口という拠点がございますが、特にこの浦和、大宮という二つの拠点というものがあるわけでございまして、そこらの関連をどう考えるか。いわば対抗するような都市というものは、それぞれ拠点として別に考えた方がいいじゃないか。
 同時に、きのうも申し上げましたが、浦和以北の地域とそれ以外の南の地域を、現在の人口とそれから最近の、四十五年国調以降の住民台帳人口等の移動というものをずっと調べてみますと、いまの例で申し上げた北の地域というものがだんだん大きくなっていく、非常に拡大していく。と申しますのは、その北の方がだんだん人口がふえておるという傾向があるわけでございます。したがいまして、提案いたしましたような選挙区の分け方、そのやり方で見ますと、新しいその案によりますA区とB区との格差というものはだんだん縮まってきておる、均衡がとれてきておるという状況になっておるわけでございまして、その意味では、全般的に見て、将来人口を勘案すれば、まさにその方が、拠点的な意味合いとその人口の移動ということを考えまして、おおむねバランスがとれておるのではないかということで提案をいたした次第でございます。
#272
○林(孝)委員 いま御説明を受けましたけれども、いわゆる浦和市を――これは自治省から提出された書類です。浦和市を北に入れて、下にこの線で区割りをした場合と、現在自治省案で出たこの飛び地、こういう形で区割りをした場合と、人口比という面から考えて、どのように違うか、自治省はわかっていますか。飛び地にした方が人口差が大きいのです。いいですか。数字を明確にしてください。
#273
○土屋政府委員 おっしゃいますとおり、私どもが出した案と、それから浦和以北とそれ以南とを分けた案とを考えますと、後で申し上げた後者の方が、四十五年国調では、人口の差というものは、一人当たり人口で言いますと少ないわけでございます。
 しかし、私どもが先ほど申し上げましたように、拠点的な考え方と、四十八年、四十九年、五十年とその後の人口移動というものを勘案をいたしまして、申し上げたような分区案を出したわけでございます。
#274
○林(孝)委員 小委員会が、自治省に試案をつくるときにつけた条件というのは、そういう拠点なんということは入ってないわけです。かってになぜ拠点ということを入れたかということが、これはまた問題なんです。そういうことを入れて、それを理由にしてこういう飛び地をつくる、そこのところにこの分区案の問題があるわけです。
 人口比という第一条件すら、いま自治省の選挙部長がみずから言われたように、この飛び地の線引きと浦和を北に入れた線引きとでは、四十五年の国調においては、後の方が人口比というのはバランスがとれておるということをみずから答弁された。それをあえて人口比がアンバランスな方向をとって、そしてこうした飛び地をつくったというのは、これは一体どういう理由なんですか。
#275
○土屋政府委員 先ほど来申し上げておりますように、人口比というものももちろん基準でございますし、それは将来人口というものを含めて考えておるわけでございまして、ただいまは、先ほど申し上げましたように、分区案として出しましたものの方が開きは大きいわけでございますが、それが四十八年、四十九年、五十年と住民台帳人口等をずうっと追ってまいりますと、順次、御提案を申し上げた数の方がはるかにこの差が縮まってまいりまして、五十年の二月においては、むしろその南北の差というものは逆転をしておるということでございまして、現在の想定される人口から見ると、その方が均衡がとれておる、そういうことも考えられるのと、しそのほかに、歴史的な沿革といったようなこと等を考えて、浦和、大宮との関係というようなことを考え、浦和と浦和の若干南のあたりの地域とのつながりといったようなことも考えて、お示ししたような分区案を作成した次第でございます。
#276
○林(孝)委員 四十五年から五十年に至るまで、人口の動向を勘案したいということです。それならば、全選挙区そうやっていますか。たとえば東京七区もそうしていますか。ここだけじゃないですか、そういう理由をつけているのは。なぜここをこうした飛び地にして、人口のバランスを崩してまでもこうした方法をとったかということを私は聞いているのです。
#277
○土屋政府委員 先ほどから申し上げておりますように、人口と申しましても、ここの場合においては、その将来人口等も十分勘案をして、まあ、いずれの地区についてもそういったことも考えたわけでございますけれども、この場合は、いまの歴史的な沿革等も考え、地域的な経済的な関係も考えて、むしろ最近の人口ではこの方がバランスがとれておるということで考えたわけでございます。
 そういった意味では、おっしゃいました七区はどうなんだ、あるいはまた、説明のときも私、はっきり申し上げましたが、たとえば神奈川三区あたりで見ますと、現在でも東が、相模川でぴったり津久井郡を除いてやった方が多い。なおかつ、いまのところでは東の方がなお増勢は強いわけでございますけれども、そういう場合には、地理的な関係を考え、また交通の事情等も考えて、最も選挙を行う地域として便宜な地域であるという一体的なまとまりということを考えたわけでございます。いろいろな条件をその地区の特殊性に応じて考えたわけでございます。
#278
○林(孝)委員 いま選挙を行うのに便宜だという話がありましたけれども、この埼玉県は、上から下まで何キロあるかわかりますか、この左右は何キロありますか。――それでは言いますよ。これは南北が四十キロあります。東西が十キロぐらいですね。そうすると、便宜な選挙と言いますけれども、北から南まで飛び地を通って四十キロ走るんですよ。これが便宜な方法ですか。
#279
○土屋政府委員 先ほどから申し上げますように、地域のいろいろな特殊事情というのがあるわけでございまして、したがって、たとえば人口だけにもよらない場合もございますし、何を中核として考えるかという意味で申し上げておるわけで、それはそういった意味では、四十キロとか十キロとかということでございますけれども、交通の事情その他から考えますと、選挙をやるところが、それはきわめて百キロも二百キロも離れておるというならでございますけれども、運動するに困るような地域ではないというふうに判断しておるわけでございます。
#280
○林(孝)委員 だから、地理的な自然的な条件から考えても人口比から考えても、どうしてこういう飛び地をつくったかという根拠は何にもわからない。だれも納得していないのですよ。事実現地の埼玉新聞なんていうのは、各党の県本部の声を載せておりますけれども、この飛び地については反対ですよ。それほど現地がこの飛び地はおかし
 い。こういうゲリマンダーみたいなことをやった歴史は日本の中でありますか。大臣、どうですか。
#281
○土屋政府委員 私どもは、それが一つの全体のバランス、まあ人口やら地形やら交通やら歴史的な事情やらいろいろ勘案して、最もこれがいいというようなことでまとめたわけでございまして、それがゲリマンダーとかどうとか私どもは考えていないわけでございまして、そういったものがあるかどうかと言われましても、その点は私はお答えをいたしかねるわけでございます。
#282
○福田(一)国務大臣 私は実は、事務当局のああいう案を見まして、私もどういうことかということでいろいろ聞いてみましたが、事務が言うように、大宮と浦和というのは、その選挙区の中の二つの大きな都市でございまして、従来ともこれがその選挙区では中心になっておる。そしてこれを分ける場合に、大宮と浦和を分けた方がどうも拠点が二つに分かれるからいいじゃないかということであり、それからまた、いままでの人口増加の状況等も見ると、浦和と大宮をくっつけた場合にはまたすぐに人口が増加してくるということでありますので、事務の方でそういう意見であるということでありますから、私も結構だと思っておる、私はそれでいいと思っております。それが悪いということでございますれば、御批判を賜るだけでございます。
#283
○林(孝)委員 だから私は、昨日の小委員会で、こうした問題が必ず出てくるから調査する時間、検討する時間を欲しい、いま冒頭に言ったとおりです。繰り返しません。いま経済的な面だとかあるいは行政的な面だとか自然的な環境だとか、私たちが、いわゆる人口比とそれから自然的、地理的環境あるいは行政区の歴史的経緯という、この三つの条件でということで、小委員会は自治省に依頼した。自治省はそれに、さっきから話を聞いていると、拠点だとかなんとかというような、勝手に自治省で条件をくっつけて、条件が五つも六つもになっておるわけでしょう。そんな条件をわれわれは言ったのじゃないのです。小委員会の各党の合意というものは、これはもう自民党も含めて各党が合意したことです。それをわざわざ自治省が、拠点というような理由をつけてこういう飛び地をつくった。そしてそれは人口比から考えても、この区割りのあれだったら六万五千の人口の差があります。しかし、浦和を北に入れて線を引っぱった場合は、わずか一万足らずですね。そしてまた選挙の便宜性あるいは地理的条件というものを考えても当然ここに引かれなければならないものが、出てきてみたらこういう飛び地になっておる。そして拠点を考えたと言って新しい条件を自治省でくっつけている。こういう条件をわれわれば要求したでしょうか。小委員会の合意として条件をつけたでしょうか。明確にしてください。
#284
○福田(一)国務大臣 小委員会、いわゆる国会がわれわれに対して条件を付せられることは明瞭であり、またそれをできるだけ尊重するということも必要であります。しかし、政府が、政府としての一つの考え方で案をお示しいたしておるのでございますから、皆様が試案を出せとおっしゃるからわれわれは出したわけなんです。だから、それがいいか悪いかはひとつ皆さんで御判断を願いたい。
#285
○林(孝)委員 だから、これがいま問題になっているわけです。いいですか。私が指摘して、それに対して三つの条件を満たしておるという根拠、説得力が全然ないじゃないですか、だれが聞いても。
#286
○福田(一)国務大臣 そういうような国会からの御意見があったからといって、何でも政府はそのとおりやらなければならないとは私は思っておりません。政府は政府の考え方があり得るわけで、それでありますから私たちはそういう案を出しました。出しましたが、これをもしあなた方が、間違っている、いけないと言うのなら、あなた方がここでまたお決めになったらいいわけであります。
 私たちは、その修正に絶対応じないと言っているわけじゃない。あなた方がここで、その案はいかぬということならば、修正をされたらいいじゃないか。政府としては、一つの案を出せと言われたから出したわけなんです。それはあなた方が言われるように、そういうような一応の条件をつけられたということでございますけれども、条件をつけられても必ずそのままにやるというわけにはまいりません。政府は政府の見解で出しておるのでありますということを申し上げた。だから、それがいかぬということであれば、国会の皆様方から御批判をいただくことは、これは当然でございます。
#287
○林(孝)委員 自治省の試案、これはわれわれが自治省に依頼して、条件をつけて小委員会に提出を求めたものです。小委員会で検討して決定する、こういう順序をそこまで合意してやったわけですよ。しかし、それが昨日のような形で強行決定された。検討する時間、そうした土俵を全然つくらなくて、それでそういうことを言えるということは、これは筋違いです。
 私は、それよりももっと問題は、日本の国の国会でこうした飛び地をつくった歴史というものはない……(「あるよ、神奈川一区に」と呼ぶあり)あれは事情が違うのですよ。こんなゲリマンダーというような状態じゃない。そういうふうなことをこの国会でやったという歴史をつくりたくないわけです。これは後世に必ず批判されます。私は、その点を指摘しておきたい。これは埼玉一区をいま例に挙げていますけれども、こうした自然的な地理的な条件であるとかということになると、ほかにもあるわけですよ。本当にその条件というものが果たして満たされているかどうか、こういう検討をやはり委員会でしていくべきだとわれわれが主張してきたゆえんもそこにあるわけです。
 たとえば東京七区の場合でもこういうことになっているわけです。自然的な地形で分割されていないという根拠を挙げます。南多摩と西多摩の境界は、秋川丘陵自然公園と滝山自然公園によって完全に両方が分離されている。これを分離して考えるということが自然な地形での分割であるということ、これが一点です。
 それから第二点は、道路を基準にして考えても、これを国道二十号線沿いに見ていけば、調布、府中グループ、そして南多摩をつけることば、これは地形に合った自然な形になるだろう。ところがその途中で国立市、ここで原案が分断されておる。しかも西多摩郡は都道でありますから、五日市街道、青梅街道によって国鉄中央線北部の北多摩と結ばれているのが現状なんです。これを分断するという形になっておる。いいですか。特に保谷、田無、東久留米、東村山、東大和、武蔵村山の北多摩各市と瑞穂、青梅など、西多摩の各市をつなぐ地下鉄計画が現在進められておる。これは交通ということです。
 地形、それから自然環境、また交通網、こういうことから考えても、当然七区の場合もそうしたことを勘案した分区にならなければいけない。こういうことについても何ら考えられていない。
 こうした自然だとかあるいは地理的条件、こういうことになってきますと、今回の分区案というものは非常に問題があるわけです。この点について提案者の小泉委員の答弁を伺いたい。
#288
○小泉委員 最初の答弁にもお話ししましたように、自治省からの試案が昨日小委員会に出されまして、われわれはそれを妥当なものと思っておる。ですから、本委員会で皆様方にも、妥当なものであるが御審議を願いたいと思って修正案を出したわけであります。
 詳しい中身は自治省に答弁させます。
#289
○林(孝)委員 提案者に私は質問して、それで中身のことは答えられませんというなら、どうして責任を持った案としてあなた、説明しているのですか。私は、いま、二点について、中身について質問しておるのです。
#290
○小泉委員 今回の分区案については、一つが絶対であるとは限らないと最初に申したはずであります。いろいろな対案がある。合理的な案を考え出そうと思ったら、一案、二案、三案、それぞれ筋が通ると思うのであります。われわれは昨日出した自治省案というものが今回の妥当なものと考えた。それを決めるのが委員会であります。ですから、本委員会にこれを提出した。われわれは妥当なものである、小委員会の皆さんでも検討した結果、賛成多数で決定したわけであります。それで本委員会で今回検討を願っているわけであります。
#291
○林(孝)委員 日程について質問しているのではないのですよ。私はいま二つの中身についての疑問点を挙げた。いいですか、さらに挙げますよ。鉄道関係から見ますと、私鉄の京王線、小田急線、これは府中、調布、いわゆる北多摩と八王子、多摩などですね、こういうグループと結ばれておるわけです。西多摩とは全くつながっていない。西多摩はむしろ西武線によって北多摩と結ばれているわけですね。それぞれ通勤者、買い物客が利用しているわけでありますけれども、こうした交通網の問題も今回のこの区割り案においては考えられない。
 もう一点言いますよ。西多摩郡というのは先ほど選挙部長が人口流動ということを言いましたけれども、ここは今度は逆にそういう言葉で言えばベッドタウンとしていま発展中なんです。通勤着がそれに伴って非常にふえておるという状況です。したがって、有権者が動くそうした中心地域、こうした点をやはり配慮していくべきである、現在の時点でですよ、これは。そういう点が全然考えられてない。だから、考え方がちぐはぐでしょうが。
 だから、先ほどのゲリマンダーのような飛び地をつくったその根拠というものは、非常に党利党略的なそうした案である。また、この七区の場合は、われわれが小委員会で条件とした地理的条件、自然的条件、こうしたものが配慮されてない等々非常に問題のある区割り案です。したがって、私は大臣、それから提案者の小泉委員にこの埼玉一区あるいは東京七区について、こういう根拠で分割したという責任ある答弁を私の指摘を前提にして、してもらいたいと思います。
#292
○福田(一)国務大臣 埼玉一区の問題については、先ほど申し上げましたが、この東京都の七区の問題につきましては、事務から説明をいたさせます。
#293
○土屋政府委員 率直に申し上げまして、東京七区の分割案というのは非常にいろいろな方法が考えられるということでございまして、私ども七つぐらいいろいろな案をつくってみて考えてみたわけでございます。いろいろな観点から見たわけでございますが、歴史的に見てもここは西多摩、南多摩、それから北多摩といったような関係がずっとあったわけでございますし、そういった意味では、北多摩あたりは、御承知のように自然的な多摩川といった形で分かれてもおったということがあったわけでございます。
 そこで、そういうものを考えながらいろいろな方法で考えてみますと、やり方によっては今度は都会議員の選挙区の一部を分割せねばならぬとかいろいろな問題が出てまいりまして、そこで北多摩というものとそれ以外というものは分けて考えていい。しかし、そうなると旧北多摩のあたりは非常に人口が多くなってしまう。そうして地理的に見てみますと府中、調布というものは御承知のように京王線がずっと通っておるわけでございます。その点で、私もここは通ってみたわけでございますけれども、一応形としては日野その他と一緒になっておるということでございまして、比較的ここは分離しやすいということで、全体として見れば、歴史的な意味でもこれはうまく分かれ得るというようなことでこのような分割案を出したわけでございまして、いろいろな意味では、おっしゃるように地理的な問題とかいうことはあるわけでございますけれども、いま申し上げたような理由で分区案をつくったわけでございます。
#294
○小泉委員 私どもは小委員会に出された案を了承して、本委員会に御審議を願う、賛成の意味でこれを提案したわけであります。
#295
○林(孝)委員 この区割り案の最終責任者は自治大臣ですね。最終責任者はだれになるのですか。
#296
○福田(一)国務大臣 出しましたのは自治省の試案でございます。
#297
○林(孝)委員 試案が責任者じゃないでしょう。者というのは人ですよ。
#298
○福田(一)国務大臣 試案をつくったのは自治省でございます。
#299
○林(孝)委員 自治大臣が責任者である、こういうふうに理解していいですね。
#300
○福田(一)国務大臣 そのとおりでございます。
#301
○林(孝)委員 私は、この試案の最終、最高責任者である自治大臣に申し上げておきますけれども、今回の区割り案の中身、私はいま一部分を指摘しました。これは非常に重大な問題であると私は受けとめておるわけです。自治大臣はそうでないという見解に立っておる。私は、その問題点をいま指摘しました。そして現地において、埼玉県においても、あるいは東京都の七区の現地においても、この案に対する批判が起こっております。特に飛び地をつくった埼玉県においては、全県下においてこの区割り案に対する批判が起こっております。こういう現実をよく認識されて、今後の戒めとしていただきたい。
 私は、次の質問に入ります。
 公選法の修正案についてですけれども、先ほど証紙を張る問題がありました。この国庫負担額というのは大体どの程度の予算を考えられておりますか。
#302
○山田(芳)委員 常識的な線において政府において負担をするわけでありますから、政府から答弁をさせます。
#303
○土屋政府委員 予算に関係があるものでございますので、試案の線に沿って計算をいたしました。そういった意味では、きわめて精緻なものではございません、にわかにつくったものでございますが、大体の根拠はこれに合っておると思うわけでございますが、選挙運動用のビラが衆議院において約二億五千万、それから参議院については二億二千万、合わせて四億七千万程度になるというふうに試算をいたしております。
#304
○林(孝)委員 選管の現在の業務能力、それにこの業務が加わった場合に、選管の業務能力の限界を超えるのではないかというあれがあるわけです。それはどのように考えられておりますか。
#305
○山田(芳)委員 私どもは、先ほどの質問においても、自治省の選挙管理の組織並びに地方選管の組織の強化については一層充実をしてもらいたいということを強く要求をしておりますが、この問題について政府の意見を聞いたところ、このことによって非常に困難な実情を来たすというふうには伺っておりませんが、具体的にはそれの所掌をいたしております選挙部長からお答えいたします。
#306
○土屋政府委員 ごらんのように、ビラの制限の公正を期するために証紙というものをつくるということになみわけでございます。したがいまして、これは相当な数になるわけではございますが、いま全国区につきましては全部自治省、私どものところで直接やっておるわけでございます。十万枚というものを業者へ発注して持ってきて、そしてお渡しをするというところまでが私どものことでございますから、注文をしてつくってくるということは直接私どもではございません。したがいまして、配分をする手前、持っていっていただくところまででございますから、そう大きな仕事にはならないというふうに考えております。
#307
○林(孝)委員 それば現地の声を聞かれた上での判断ですか。それとも自治省がそう感ずるだけの問題ですか。
#308
○土屋政府委員 私ども三十人と庁内の若干人の加勢をもらって現在全国区について百人以上の候補者について十万枚の証紙等を処理をしておるわけでございますので、各選管ごとのものになりますと、それは私どもの経験からして可能なことである。一番多いのはこれは全国区でございますし、私ども自身こなせるかこなせないかということは、地方の選管にとってはもっとそれよりは軽いことであろうという感じはいたしまして、それはできるであろうと判断をしたわけでございます。
#309
○林(孝)委員 それから、新聞折り込みの件でありますけれども、この新聞というのは具体的にどういうものを指しておりますか。
#310
○山田(芳)委員 なるべく多くの世帯に配布をされている新聞をお使いになられるということであって、特定の新聞というものを規定いたしておるわけではございませんが、おのずから最も有利な新聞紙を御判断を候補者がされるであろうということを考えておるわけです。
#311
○林(孝)委員 それから、新聞というと業界紙もあれば学園新聞、それから朝、毎、読売、サンケイそうした日刊紙、いろいろ考えられるわけです。もう一回確認しますけれども。
#312
○山田(芳)委員 新聞紙でありますから、別にこの新聞紙については百四十八条等の制限もあるわけではございませんから、どうぞ学園紙であろうと公明新聞であろうと聖教新聞であろうと、ひとつ御随意に折り込んでお使いをいただいて差し支えございません。
#313
○林(孝)委員 それから、この公報の発行主体はどこになりますか。
#314
○山田(芳)委員 これは個人の選挙用のビラでございますけれども、そこの規定の中に発行責任者等を書くことになっておりますから、表の責任者というものはこれはやはりそこの発行責任者が責任を持つという形になりますけれども、その効果の帰属は候補者である、こういうふうに考えるわけです。
#315
○林(孝)委員 効果の帰属が候補者であって、発行主体というのはどこでもいい。それからこの公報の内容でありますけれども、たとえば字数制限であるとか、あるいはその他の制限事項というものは内容についてはありますか。
#316
○山田(芳)委員 ちょっと先ほどの答弁を若干訂正をいたしますが、ビラはこの表面に頒布責任者及び印刷者の氏名及び住所を記載しなければならないということになっておりますから、頒布責任者を書いていただく、それが責任者であるということであります。
 記載の内容については一切制限がございません。字数についても制限ございません。写真を入れられようとどうされようと御随意でございます。
#317
○林(孝)委員 これの国庫負担の問題ですけれども、負担額、個人のつくるものによって単価が変わってくるわけです。それはトータルとして幾ら、それ以上超えてはならない、こういうことになっているわけですか。
#318
○山田(芳)委員 おおむねたとえばポスターにつきましても三十円ないし五十円というような一定の常識的な線を考えておりますと同様に、三円とか二円五十銭とかいうような単価で、常識的な線で政令によって定められるとともに、それの負担の方法は、業者、請求者が選挙管理委員会に請求をするというポスターその他の方式と同一の方式をとるというふうに考えていただいていいと思います。
#319
○林(孝)委員 それから、選挙管理委員会に届け出る場合ですけれども、これは公示の前それから選挙期間中、届け出はいつでもいいわけですか。
#320
○山田(芳)委員 三種類のビラと同様にお考えをいただいてよいかと思います。
#321
○林(孝)委員 それから、申請の期限、これはどうなっておりますか。
#322
○山田(芳)委員 頒布される前であれば、別段、特段の規定をいたしておりません。
#323
○林(孝)委員 基本的な問題についてお伺いしますけれども、この修正案では、現行法の中で当委員会が選挙の公営化であるとか、あるいはビラ公害の問題であるとかいろいろ議論をしてきました。基本的な問題として、この意図はどこにあるのかということです。
#324
○山田(芳)委員 先ほども津金委員の質問にお答えをいたしましたように、個人の選挙運動用のビラにつきましては、これは選挙公営の拡大が不十分であるという点で修正案を出したわけでありまして、選挙用ビラの新設とともに、はがきの枚数も先ほども申し上げましたように不十分でございますから、それを増加をさせていくということが必要であるというふうに考えた公営の拡大の問題が一点。
 それから第二点としては、いわゆるビラ禁等に言われているように、いろいろの問題点が政府案の中にありましたから、少なくともわれわれといたしましては、機関紙本紙については有料でなければいけないというのが政府案でありましたけれども、有料というものをはずそうではないか。通常の方法でよろしい。しかし通常の方法というものの定義が不明確でありましたから、その通常の方法というのは、先ほども申し上げましたように、日常ふだんの運動の積み重ねというものを尊重していくのが、これが通常の方法であって、一時的に売名的にばっとやったようなものが通常の方法ではなくて、一定の継続的、持続的な一定の期間における運動量というものを評価していく限りにおいては通常の方法に戻すべきであるという考え方に立って、政党機関紙、確認団体の機関紙の本紙につきましては、通常の方法というもとの形に戻すということにいたしたわけでございます。
 その他政策広告の公営については、御承知のように立候者数において回数を制限をしていくという考え方は、政党に対する格差、差別を招くものであるから、これは少なくとも政党であり、候補者を立てている限りにおいては平等に扱っていく。三回であったけれどもそれを四回とふやしながら、平等にやっていこうというきわめて合理的な修正をいたしたい、こういうことでございます。
 そういう意味で、意図は、一つは選挙公営の拡大、それからいわゆる機関紙等の制限に対する一定の解除、それから政党間における格差をなくするための公平の扱い等々の内容になっているわけでありまして、総体として、われわれとしては今回の政府案に対する不満足な点について合理的な修正を行ったというのが内容でございます。
#325
○林(孝)委員 あと一点だけお伺いしますけれども、私は三木総理に対しても質問しましたけれども、いわゆる政党が機関紙を持っておって、そして、その機関紙が号外を配布する、それを私は政治活動であるという認識を持っているわけです。この政治活動であるという認識と、それからもう一つは、号外も機関紙であるという認識を持っております。この二点について、これは社会党と民社党両党提案でありますから、両方にお伺いをしておきたいのです。
#326
○山田(芳)委員 これは先ほどの自治大臣に対する質問等においても明らかになりましたように、号外といえども、いわゆる選挙の報道、評論にわたるものについては、これは通常はがきの問題におきましても、今度新しくこういう個人用の選挙ビラを創設したという経緯を見ましても、それは制限はあるけれども、いわゆる政策を宣伝をするということについてならば、現在の法規、改正法規においてもこれは何ら制限を受けないということでありますから、政治活動という部分からいうならば、選挙の報道、評論にわたらない限りにおいては従来と何ら変わらないのでありますから、少なくとも選挙期間中における選挙活動だけの一定の制限というものを加えているという問題であって、政治活動全体としては、これは従来と何ら変わらない、号外も自由である、こういうふうに私は理解をいたしております。
 選挙運動、すなわち、選挙の報道、評論にわたるものについての号外というものについては今回の政府案というものが制限を加えたということであって、政治活動それ自身には制限はない、むしろ選挙用のビラについても新しく創設をした、また、本紙については、政府案においては有償であったものを通常の頒布方法に変えていくという修正案を出しているのでありますから、政治活動の問題については、私は現状と異なっているものであるというふうに理解をいたしておらないわけでございます。
#327
○小沢(貞)委員 機関紙は政党活動だと思います。機関紙の号外も、確認団体の機関紙の号外はその機関紙の一部であろう、こういうように思います。
#328
○林(孝)委員 見解を異にすると言えばそれで終わるわけでありますけれども、私は、いまのは社会党の発言と理解しますし、民社党の発言と理解します。私は、政党がいわゆる政治活動として号外を、多量にでも、あるいは無差別にでも、とにかく配布する、これを私は政治活動として受けとめておる。(山田(芳)委員「内容は何でもですか」と呼ぶ)何でも。それを選挙期間中という一つの時間的な枠の中で、そして今度は内容の面で、こういう内容のものの場合は、これは選挙運動としての扱いをするのだ、こういう考え方については反対の立場を持っておるわけです。あくまでも政治活動であって、そして機関紙も号外も機関紙である、その内容のいかんにかかわらず選挙の報道、評論をしておる、だから、その期間だけ、あるいは内容的にこれは機関紙ではなくなるのだというような考え方は、私は間違っておる、こういうように思うわけです。
 したがって、そういう面から言いますと、やはりこれは選挙のもう一つ基本的な問題になってきますけれども、自由化という方向にそういう面で持っていくべきなのか、あるいはそうした内容的な規制あるいは量的な規制あるいは質的な、あるいは動きの面での規制、こうした形で規制という方向に持っていくのがいいのか、両党の考え方をお伺いしたいと思います。
#329
○山田(芳)委員 先日の参考人の杣教授のように、自由化をしていく、個別訪問を含めて選挙法全体の体系を自由化していくというのも私は一つの考え方であるというふうに思います。しかしながら、現在の選挙法の体制は、制限解除方式であるというふうな表現にも見られるように、全体の体系が、やはり選挙活動の問題については一定の制限をしながら政治活動についてはできるだけ自由にしていこうという法体系のもとにおいて、われわれができるだけ選挙の公正というものを考え、かつ政治活動にはできるだけ自由というものを考えていくならば、現在の法体系のもとにおいては、一定の選挙活動に関する制限というものはやむを得ない措置であるというふうに考えるわけであります。
 政治活動全体として言うならば、選挙運動、選挙活動それ自身も大きな枠の中における政治活動であるということには間違いないわけでありますけれども、選挙期間中における特定の候補者の当選を得せしめる行為という選挙運動、選挙活動というものはそのある部分であって、そのある部分の内容の一定のものに制限を加えるということは、現在においてもはがきの制限、ポスターの制限等に見られるように、一定の制限を加えているという法体系の中において、それを少しでも伸ばしていくために今回の規制、個人用の選挙用ビラというものを創設するなり、あるいは選挙用のはがきというものも拡大をするなり、それなりの努力を私どもはしていこうということであって、考え方については理解はできますけれども、現在の法体系の中で、その枠組みの中で一歩でも二歩でも前進をさせていこうというのが私たちの努力である、こういうように御理解をいただきたいと思います。
#330
○小沢(貞)委員 政党活動を大いに自由化し、伸び伸びやっていこうという林議員の御主張は、よく理解できるわけであります。ただ選挙の間、要するに公示の日から投票日の前日までのいわゆる選挙期間中には一定のルールがあるわけです。選挙運動用の文書図画の中にははがき、今度の改正で二万五千が衆議院の場合には三万五千になるわけでr。そういうものとかポスターとか公報とか、あるいは新聞広告とか、こういうもので、一定のルールで公正に選挙をやろう、こういう選挙法であります。
 そういう中にあって、確認団体の機関紙の号外が、選挙の報道、評論という名のもとに候補者の名前が大きく書かれて堂々と配られて歩くこと、また、ここで修正を求めておるわけですが、選挙期間中における報道、評論以外にも、機関紙活動の号外がいわゆる党活動あるいは政策活動という名のもとに、その地区における候補者の名前が堂々と出されて配られるということになるならば、せっかくの公選法が空洞化していくわけであります。したがって、機関紙の号外には、やむを得ない最低限の規制を加えよう、こういうわけであります。どうぞ御理解をいただくようにお願いいたします。
#331
○林(孝)委員 最後に一点だけ指摘して終わりたいと思うのですが、規制というものを法律によって行った、この重さというものが重大だと私は思うわけです。ルールというものが必要なこと、これは選挙の文書ということで、すでに現行法の上においても、ポスターにしても、あるいはビラにしても、ルールはつくられているわけですね。新たに号外を規制した、それも法律によって規制したその理由は、これはビラ公害である、単なるそうした理由で法律によって号外を規制するということ、ここに私の重大認識があるわけです。
 したがって、こうした法律によって国民の知る権利というもの、また、政党が努力をして国民に知らせなければならないこと、選挙期間であればあるほど、選挙というのは言論戦なのですから、当然のこととしてそうした言論活動を中心にしてやらなければならないのが近代政党だと私は思うのです。そういう観点から言いますと、こうして法律によってそれを規制していくということは、そういう近代政党の道を歩む政党から見ると逆行しておる、私はそのことを指摘して質問を終わりたいと思います。
#332
○小澤委員長 これにて両修正案についての質疑は終了いたしました。
 この際、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する山田芳治君外六名提出の修正案について、国会法第五十七条の三により内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。福田自治大臣。
#333
○福田(一)国務大臣 ただいまの日本社会党及び民社党提案の修正案につきましては、内閣としてはやむを得ないものと考えます。
    ―――――――――――――
#334
○小澤委員長 これより両案及び両修正案を一括して討論に付します。
 討論の通告がありますので、これを許します。小泉純一郎君。
#335
○小泉委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民社党の共同修正案、及び日本社会党、民社党の修正案並びにこれらの修正案による修正事項を除く政府案に対しまして、賛成の討論をしようとするものであります。
 まず第一に、衆議院議員の総定数及び選挙区別議員定数の是正につきましては、昨年来各党間で検討された結果合意を見た線に沿って定数の増加が図られており、これにより選挙区別定数の不均衡の状態は、相当程度是正されるものと考えるのであります。しかしながら、政府案では現行中選挙区制のたてまえを崩すこととなり、また、国会審議の過程において妥当な分区案を検討してもらいたいというのが政府の意向でありましたが、自由民主党、日本社会党及び民社党の三党共同の修正案は、これによって中選挙区制の原則が維持されることになり、その分割も、地勢、交通、社会的経済的事情、行政的沿革、地域の特殊性等諸般の事情を総合的に勘案すれば、妥当な画定であると考えるのであります。
 第二に、社会党及び民社党の修正案について申し述べます。
 その第一点は、選挙運動用の文書図画の頒布についてであります。現行法では、選挙運動用の文書図画のうち、頒布できるのは郵便はがきだけとなっておりますが、修正案では、使用できる通常はがきの枚数を増加するほか、国会議員の選挙に限り新たに選挙運動用のビラを頒布することができることとしております。
 これは、一面、文書図画の頒布の規制を緩和するものでありますが、他面、選挙運動用のビラについては、その種類及び枚数等を制限し、しかもその作成費を国庫の負担とすることとしておりますので、有権者が候補者の政見を知る機会を拡充するとともに、各候補者に平等の条件で選挙運動の手段を提供するものであり、実情に即した適切な措置であると考えられるのであります。
 その第二点は、選挙公営の拡充強化についてであります。この点については、政府案においても選挙運動用の自動車の使用及びポスターの作成並びに確認団体の新聞による政策広告が公営で実施されることとなっており、公営の拡充が図られていることは評価できますが、修正案では、さらに通常はがきの枚数を増加するとともに、国会議員の選挙についてはビラの作成に要する費用を国庫で負担する措置を講じることとし、また、政府案にある政策広告の回数を一律に四回とすることとされております。これらは、最近の選挙の実情にかんがみ、きわめて適当な措置であると考えられるのであります。
 その第三点は、公職の候補者等の寄付の禁止についてであります。
 政府案では、公職の候補者等が行う寄付については、政党その他の政治団体に対する寄付等限られた場合のほかは、選挙に関するといなとを問わず、また名義のいかんを問わず禁止することとされていますが、寄付を受ける側からの規制がないのは片手落ちの感がいたします。その意味で、修正案が寄付を受ける者についても一定の規制を加えることとしているのは必要な措置であって、これによって初めて規制の実効が確保されるものと考えられるのであります。
 その第四点は、新聞紙の頒布の制限であります。
 選挙期間中に選挙に関する報道、評論が許されるのは、第百四十八条第三項のいわゆる適格紙に限られるわけでありますが、その要件の一つに、公示または告示の日の一年前から発行しているものでなければならないものとされています。これは、いわゆる選挙目当ての急造新聞を防ぐのが目的であると思われますが、その意味では、一般的な時事に関する報道、評論をする新聞については、これをそのまま適用するのはどうかと思います。今回の修正案は、これらの新聞について、発行期間に関する要件の一年を六カ月に短縮しようとするものでありますが、選挙に関する報道、評論の自由をできるだけ尊重する意味において実情に即した措置であると考えられます。
 第五点は、機関紙誌の頒布の制限についてであります。
 政府案では、選挙に関する報道、評論を掲載した確認団体の届け出機関紙誌の本紙の頒布については、選挙期間中は定期購読者以外の者に対しては有償でする場合に限ることとしておりましたが、修正案のように、通常の方法の定義を明らかにすることとし、選挙期日の公示または告示の日前六月以来にわたって平常行われてきた方法で、臨時または特別の方法を含まないこととするのであれば、現行どおり通常の方法で頒布できることとする方が機関紙の性格、実情から見て適当ではないかと思います。
 また、政府案では、政党、政治団体の機関紙誌の号外等については、選挙に関する報道、評論を掲載したものの頒布が禁止されていますが、およそ選挙区内の特定の候補者の氏名またはその氏名が類推されるような事項が記載されている号外は、選挙運動用文書と粉らわしい場合が多く、選挙の公正を期する上で問題があると考えられることから、今回の修正案では、その頒布を禁止することとしておりますので、これによって規制の実効が期せられるものと考えます。
 最後に、これら二つの修正案による修正部分以外の政府原案につきましては、最近における選挙の実情にかんがみ、衆議院議員の総定数及び各選挙区において選挙すべき定数について是正を行うとともにい選挙の腐敗を防止し、及びその公正を確保する等のため、供託金の引き上げ、選挙公営の拡充、寄付の制限の徹底、文書図画の掲示及び機関紙等の頒布の制限の強化並びに連座制の強化、その他所要の改正を行おうとするものであって、公正で金のかからない選挙を推進するため、まことに時宜に適した改正であると思います。
 以上のように考え、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する自由民主党、日本社会党、民社党の三党共同修正案及び日本社会党、民社党の修正案並びにこれらの修正案による修正部分を除く政府原案に賛成し、討論を終わります。(拍手)
#336
○小澤委員長 次に、佐藤観樹君。
#337
○佐藤(観)委員 昨年の参議院選挙以来、金がかかり過ぎる選挙、衆参の議員定数のアンバランス、政治に要する金の集め方、参議院全国区制のあり方など、激しい批判の声が渦巻き、公職選挙法及び政治資金規正法の改正が強く求められてまいりました。今日まで一年近く当委員会及び小委員会において長時間の検討がなされ、ここに一つの成果が得られました。
 私は、日本社会党を代表して、公職選挙法の一部改正案に対する両修正案につき賛成、修正部分を除く政府案に対して賛成、政治資金規正法の一部を改正する法律案につき反対の討論を述べます。
 まず、公職選挙法について述べます。
 最初に、定数是正でありますが、この現状については改めて申すまでもないところでありまして、議員一人当たりの定数が最小の鳥取と最大の大阪三区とは四・八倍にもなるというアンバランスは、とうてい放置できるものではなく、今日では定数是正を求める声は裁判に訴えるまでになっているのであります。五党は長い長い協議の結果、十一選挙区二十名増でまとまったわけでありますが、この是正案でもいまだにアンバランス比は二・八倍であります。昭和三十九年の際の是正が二・〇であったことを考え合わせると、決して私たちは満足するものではありません。しかし、十一年ぶりに不十分ながら是正がなされたことに賛成をするものであります。
 また、六名区以上の分区案については、人口比、行政区の経緯、自然的状況を勘案してつくられた自治省案について、おおむね妥当の分区であると考え、賛成いたします。今後とも本年度の国勢調査をもとに、人口と議員定数が改正されるよう常設の定数区割り委員会を設置して、議員定数のアンバランスを是正するように強く訴えます。
 また、今回の政府案では、参議院地方区の定数是正、全国区制のあり方に何ら触れていないことはきわめて遺憾であります。参議院地方区は、そのアンバランス比は五・〇と改正前の衆議院よりも大きく、早急に是正が必要であることは多言を要しないところであります。現在参議院の公選法改正特別委員会で協議中でありますが、今国会中に成案を得て、是正がなされるように強く要望いたします。三木首相も、当委員会でわが党の山本委員の質問に対し、次期参議院選挙までに是正する決意を明らかにしておりますが、ぜひ実現するよう強く要望しておきます。
 また、政府は、参議院全国区制のあり方と絡めてこの地方区の定数是正を考えているようですが、これはあくまで切り離して、できるものから早急に実現させるべきであります。今度の選挙法の改正が金のかからぬ選挙を主眼としてなされていますが、一番費用を要する参議院全国区制はついに何の提案もされていません。わが党は、金がかからず、全国的に有為の人材を参議院に送るために、全国区制の改革は拘束名簿式比例代表制しかないと考えていますが、この問題につき、早急に検討し、結論を出すべきであります。
 次に、選挙公営の拡大の問題であります。
 最近の選挙はインフレの結果、膨大な費用がかかります。選挙に金がかかれば、出たい人も金がなければ立候補できないということで、政治を腐敗させ、議会制民主主義の基盤をも危うくいたします。金のかからぬ選挙制度とは、候補者個人も政党も金をかける必要がない、むしろ金をかけて選挙をやったらそれだけで国民の指弾を受けるようにすべきであります。
 今度の公営の拡大によって、世界に類を見ない新しい選挙制度ができたことを高く評価をするものであります。政府案にある選挙運動用自動車、ポスター、確認団体の行う新聞の政策広告などの公営化、さらに社会党、民社党提出の修正案による選挙用はがきの増加、またテレビの政見放送の回数の増加など、大いに賛意を表するものであります。
 さらに、公営化の一環として、修正案にある選挙文書の頒布は、選挙期間中における選挙の公正、候補者間の平等の思想から言っても、画期的なものであります。有権者数に応じて一定の枚数、候補者の政見、経歴などを有権者に文書で訴える方法が法定化された意義はきわめて大きく、わが党はこれによって政治活動の自由、言論、出版、表現の自由と、選挙の公正を調和させ得ると確信しているのであります。
 第三に、制限及び禁止の項であります。
 事務所、連絡所、後援会等の立札、看板などの規制は通常政治活動にも抵触するので、決して好ましいことではありませんが、現状が地域によっては目を覆うほど立札、看板が林立、はんらんしていることも考え合わせますと、過度の規制でない限り認めます。
 寄付行為の禁止については、わが党も望むところでありますが、社交の範囲なら罰則がないとか、後援会への寄付は認められるなど、法体制の限度もあって、果たして実効がどれだけ上がるか疑問視するところであり、せめて寄付の勧誘または要求に対して禁止するなど、修正案で補ったところであります。
 また、連座制の強化についてもその実効はきわめて疑問的であります。何とか連座制を強化しようとする意思は認め得るも、総括主宰者等の刑確定が当選人の任期中に行われない実態を考えると、この連座制の強化の実効は疑問があります。
 最後に、機関紙等の頒布の制限について述べておきます。
 この問題は、政治活動と選挙活動とを区別して考えるべきであります。政治活動は、憲法の定めるとおり、最大限自由でなければなりません。しかし選挙運動は、一定のルールの中で有権者に政策を訴えるという選挙の公正さ、候補者間の平等の原則をも要求されます。したがって、ポスターの枚数、看板の枚数や大きさ、はがき、選挙用自動車の台数などが決められているのは、このためであります。
 さて、今度の政府案では、選挙に関する報道、評論を掲載した確認団体の届け出機関紙誌のうち、本紙については選挙期間中、定期購読者以外は有償頒布に限るとなっておりますが、わが党は、確認団体の機関紙誌の本紙は明らかに政治活動であって、有償頒布に限るべきでないと考えます。したがって、修正案のごとく、通常の頒布にすべきであります。
 確認団体の機関紙誌の号外については、その実態が選挙用である限り、選挙の公正上からも規制は当然であります。ただし、選挙の報道、評論を掲載しない機関紙の号外は政治活動でありますから規制されていないのであって、これは現行どおり維持されるべきであります。そして選挙用には、述べましたように、個人版の選挙文書を各自が頒布することによって選挙の公正を期すべきであります。
 以上述べてきましたように、細部についてはなお異論がありますものの、政府改正案の欠点を修正案で補い、内容的な前進に努めてきたところであります。したがって、公職選挙法の一部改正案に対する両修正案及び修正案を除く政府案に賛成を表明するものであります。
 次に、政治資金規正法について、反対の理由を述べます。
 今回の政府改正案では、それなりに経理の公開の原則が貫かれたこと、派閥に対する献金が一社百五十万円までに限られたなど、それなりの前進があることは評価をいたします。しかし、まず基本的に献金は個人に限るべきであり、企業の利益や交際費から支出されるべきではありません。これが今日までの自民党の大企業優先の政治をつくり、国民を苦しめてきたことは、もう多くを語る必要はないと思います。
 政府案は、現実を見つめつつという自治大臣の答弁にあるごとく、一定の枠は設けたものの、このような政治献金に対する基本的な態度と、わが党のように個人献金に限るべきであるとする考え方と大きくかけ離れております。
 しかも、個人が働いて税金まで払った給料から出すカンパまで、労働組合が集めたらいけないと、企業献金と労働者のカンパの集積とを同一視する考えは、全くむちゃくちゃと言わざるを得ません。同じ法人といっても、企業は金の集まり、労働組合は人の集まりで成り立っているのであって、同次元に考えることは全く法理論上も誤りであります。
 さらに、政府案では、一定の枠は設けられたものの、派閥への献金を含めて最高一億五千万円まで献金できるなど、余りにも限度額が大き過ぎます。それが政治資金規正法ではなく奨励法だと言われるゆえんであります。
 さらに、公開の額も、政党や政治資金団体に対しては一万円以上はすべて公開するのに対して、派閥への献金は百万円以下は公開しなくてもいいなど、その派閥温存の政治姿勢は厳しく問われなくてはなりません。
 わが党は、参議院に正しい政治資金規正法を提出し、さらに政府案との違いをよりはっきりといたしますが、主に以上のような理由により、政治資金規正法に反対の意見を述べ、討論を終わります。(拍手)
#338
○小澤委員長 次に、林百郎君。
#339
○林(百)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する政府提出の法律案並びに自民党、社会党、民社党三党提案の修正案、社会党、民社党共同提案による公選法改正の修正案、いずれに対しても反対の立場を明確に表明するものであります。
 まず第一に指摘しなければならないことは、政党の機関紙及び一般の新聞雑誌に至るまで、選挙に関する報道、評論を掲載したものの無料配布を禁止し、自由な言論表現活動に不当きわまる規制を加えているのが政府案であります。
 加えて、政党、政治団体の機関紙誌の号外に至っては、有料、無料を問わず配布を全面的に禁止しておるという、かつて見ない言論表現の自由に対する全面的規制が盛り込まれておるのであります。これらは明らかに民主主義と憲法に対する驚くべき挑戦と言わざるを得ません。
 憲法にも明らかなように、選挙は議会制民主主義の根幹であり、選挙に際しては主権者である国民がその権利を行使する上で何物にも拘束されない自由な選択が保障されるべきであります。国民は選挙期間中こそ選挙の争点、政党や候補者の実績とその政策並びに理念などを知る権利が保障されなければなりません。これは何人も奪うことのできない主権者である国民固有の権利であります。また、政党は不特定多数の広範な有権者に対してその政策を主張し、十分に知らせる責務を持っておることは論を待たないところであります。
 しかるに、委員会審議の中で明らかにされましたように、自民党と一部の野党の党利党略的な公正論だとかあるいは一部の現象を意図的にとらえたビラ公害論なるもので言論の自由という根本的な国民の権利を否定するのに利用する、このことはまさに暴論そのものであります。
 さらに重大なことは、号外の配布禁止によって、これまでの選挙で、たとえばわが党に対する反共反動陣営からしばしばまかれたデマや怪文書に対する、あるいは他の政党も同じような立場に立った場合に、その自衛と真実のための反論の機会を奪うという、きわめて不公正な悪法であることであります。政府答弁によっても明らかにされておりますが、これらはいずれも良識ある国民をとうてい納得させ得ないものであることが、新聞論調一つをとってみましても、ますます明らかになってきているのであります。
 ましてや、選挙期間中の二十日間に限って言論規制を強めるなどという三木総理の答弁は、議会制民主主義のもとでは各政党が文書図画を含めた正々堂々たる言論政策戦を十分に展開し、国民に政治選択を求めるという選挙の大原則、このときにこそ最も保障されなければならない権利を真っ向から奪い、これに反するということは、自称議会の子と言う三木総理はいまやむしろ議会政治の敵と言わざるを得ません。
 また、金がかかるとの理由を持ち出していますが、正当な政策宣伝活動に十分の金をかけることは近代政党の望ましい姿であり、国民への神聖な義務でもあります。むしろ自民党などによる買収、供応などの不正手段によって有権者の票をかすめ取ろうとすることや、あるいは企業ぐるみ選挙こそが金権政治の姿であり、これこそが糾弾されなければならないのであります。
 第二に、政治資金規正法改正案についてでありますが、問題の一つは、企業からの献金を新たに条文上でも明記して、これを公認し、あわせて労働組合からの献金を初めて法律上で公認したことであります。
 政治の腐敗の最大の根源は、政党が大口な献金者の意見に左右されるということにあることは言うまでもなく、国民の批判もまたここに集中されているわけであります。政治資金規制の本来の目的は、企業、労組、団体からの大口の政治献金を規制することであります。しかるに、今回の改正案は、一定の限度額を設けてはいますが、これはかえって限度額いっぱいまでは献金をしてもよろしいという奨励をする、政治献金を拡大する法案、奨励法案とも言うことができまして、まさにこれは改悪案であると言わなければなりません。その上、種々の抜け道までが用意されているざる法でもあります。
 労働組合の献金についても、組合員数の規模別に限度額を設けるというやり方で、法律によって組合献金を合法化しようとするものであります。これは、これまで以上に労働組合の平常な財政に献金を組み込めるようにしたものであり、政党と労働組合の不正常な関係をますます強くする危険性を持つものであります。さらに、労働組合員に対しては特定政党への寄付を強制することとなり、憲法で保障されている労働組合員の思想、信条の自由を法律によってゆがめるものであり、断じて容認することはできません。
 第二の問題は、匿名寄付の禁止の問題でありますが、匿名寄付の禁止に名をかりて政党や政治団体に対する不特定多数の国民からの零細な寄付が事実上著しく制限され、処罰されることであります。
 大企業などの莫大なやみ寄付、匿名寄付が禁止されなければならないことは、これは当然でありますが、今回の改正案では、派閥には年間百万円までは届け出義務を果たさなくてもよろしい、事実上やみの寄付を公認していることであります。たとえば三木総理の派閥組織である政策懇談会の昭和四十八年一年間の寄付団体の届け出のうち、八六・二%に当たる寄付団体が百万円以下ということで、やみ寄付の扱いを受けることになるではありませんか。その一方、国民の零細なカンパだとか寄付に対しては、匿名寄付禁止により大きな制限と不当な罰則が科せられ、事実上大衆募金活動が困難になるような、また警察がいつでもこれに介入することのできるような改悪が盛り込まれているのであります。
 これは国民固有の権利である支持政党などへの募金という参政権の行使に対して著しい制限を加えるものであり、憲法に抵触するものであると断ぜざるを得ません。
 第三の問題は、本委員会の運営についてわれわれは批判をせざるを得ません。
 昨日深夜の小委員会における問答無用の強行採決に端的に示されておりますように、三木内閣、自民党が公選法、政治資金規正法両改悪案の審議でとってきた態度は、昨夜に端的にあらわれたように、まさに内容とともにその審議のやり方自体が、かつて国会の慣例に見ないようなファッショ的なやり方と言わなければなりません。
 昨年八月設置された小委員会での五党の合意を初め、審議経過を一切無視して、公選法の改正案を四月八日突如国会に政府提案をしたのに始まり、両改正案の審議をわずか二十時間と初めから審議の時間に枠をはめてこれに限っており、委員会のいままでの運営の慣行に見られないような審議が強行されてまいりました。
 また、共産党が要求してまいりました、これは参考人の供述にも明らかになりましたように、公職選挙法の改正は憲法の改正にも等しいと言われているこの重要な改正案について、公聴会の開催、連合審査を求めたにもかかわらず、これは拒否されて、ごり押しの態度に終始されました。
 衆議院の定数の増加に伴う区割り案についても、各党が持ち帰って検討する余裕、これは当該議員、当該政党の命運にとって重要な影響を及ぼすものでありますから、各党が持ち返って十分検討の余裕を与えられるのは当然であります。それにもかかわらず審議もされず、一部の者の間でそれが進められて、わずか半日のうちに採決を強行したという暴挙は、わが国議会政治史上かつて見ない、むしろ一大汚点を残したものと言わざるを得ません。しかも遺憾なことには、これまで自民党の強行採決を議会制民主主義破壊の暴挙として糾弾してきた一部野党が、事もあろうにこれに積極的に加担した態度は必ずや国民の批判を受けるであろうことを私は断言いたします。
 すでに明らかなように、今回の両改正案の真のねらいが、一方では正々堂々たる政策論争を通じて国民の審判を受けるという本来の選挙戦の正道を極度に規制しながら、他方では事実上買収、供応に道を開くような規定を盛り込んだり、金権政治の根源である企業献金の合法化と事実上の拡大を画策しており、わが党はもとより、広範な良識ある国民は断じてこれを容認することはできないのであります。
 わが党はこのような理由をもって、政府提案の法案に強く反対するものであります。
 なお、社会、民社両党提案の公選法に対する修正案は、言論、表現の自由に対し改正案が加えた不当な制限に対し、国民の批判によって一定の手直しを余儀なくされておるものでありますけれども、何ら根本的な修正を加えたものではありません。むしろ点検してみれば、現行法を後退させ改悪さえしている部分が含まれておるのであります。これは言論、表現の自由を無視し、国民の知る権利を奪うものであって、とうてい是認することはできないのであります。
 よって、社会、民社両党修正案に反対するものであります。
 また、自民党、社会党、民社党提案の修正案、いわゆる区割り案については、実情に照らし合理性を欠く点が多々あります。われわれはこれに反対するものであります。
 以上、四案に対する私の反対の討論といたす次第であります。(拍手)
#340
○小澤委員長 次に、林孝矩君。
#341
○林(孝)委員 私は、公明党を代表して、政府提出の公職選挙法、政治資金規正法の一部改正案、並びに自民、社会、民社三党の提案による公職選挙法の一部改正案の修正案並びに社会党、民社党共同提案に係る修正案に対する反対討論を行うものであります。
 まず、政治資金規正法の一部改正案についてでありますが、現行の政治資金規正法のもとで、会社及び政治資金団体のいわゆる企業献金が長年にわたる企業と政治の癒着を生み、これが政治腐敗、政治不信の根源となってきたことは国民周知の事実であります。
 このような不健全きわまる政治資金のあり方を透明で健全なものとするため、まずは企業献金を廃止することこそが世論にこたえ、政治を国民の手に取り戻すための基本的事項であると考えるものであります。
 しかるに、今回政府提出の改正案は、総理の三年の経過措置の後企業献金を廃止するという当初の公約から大幅に後退し、最高一億五千万円という従来の企業の寄付の実績をはるかに上回る、限度の意味を持たない限度額を設定した企業献金奨励案とも言うべきものであります。
 第二に、本改正案における寄付の限度額、献金する限度額は、献金する側だけの限度額であり、受け取る側の限度額、すなわち総額規制がないのであります。これでは口数をふやせば幾らでも集めることができるわけであります。金は必要によって流れるのです。したがって、総理の言う節度とはまさに受け取る側にこそ設けるべきであると思います。
 第三に、本改正案において、個人の出す会費については全く規制しておりません。無制限であるということは、企業が個人名義で寄付をすることも可能となり、全くざる法と言わざるを得ません。さらに、派閥に関しての寄付は何ら制限を受けておらず、したがって会費で集めて寄付で献金するという従来のパターンは、一向になくならないのであります。
 次に、公職選挙法の一部改正案並びに自民、社会、民社三党の提案による修正案、及び社会党、民社党共同提案の修正案について反対理由を述べます。
 第一に、機関紙の号外についての規制についてでありますが、選挙期間中は選挙に関する報道、評論を掲載してはならないとし、修正案においてもさらに号外の規制を強化しております。号外は機関紙の一部であり、これを規制することは明らかに政治活動を規制することであります。号外の配布を選挙活動と決めつけ、これにかわる選挙運動用ビラの配布を認めたとしても、言論、表現の自由を規制することに変わりはありません。機関紙及びその号外は、選挙期間であるか否かを問わず、政党の重要な政治活動の一つであり、選挙になればその選挙の状況を報道することは、機関紙の性格上また当然のことであります。これを保障することがまさに言論の自由を守ることであると考えるものであります。
 第二に、衆議院の定数是正とそれに伴う分区の問題でありますが、分区というものはその選挙区における人口比並びに地理的条件、また歴史的沿革等に基づいて慎重に検討され、国民が納得のいく形でなされるべきであると思うのであります。ところが、埼玉一区、東京七区等においては、これら客観的諸条件を全く無視し、飛び地による分割を行うなど、きわめて不自然な形で分区がなされております。
 いやしくも分区というものは少数の偽政者の利害によって決められるものではなくて、主権者である選挙民のため十年、二十年先を考えて公平に決められるべきものであります。今回のような偏向的分区案については断固反対するものであります。
 以上の理由によりまして、公職選挙法、政治資金規正法の一部改正案並びに自民、社会、民社三党の提案による公職選挙法の一部改正案の修正案及び社会党、民社党提案にかかる修正案に対して強く反対の意を表明するものであります。(拍手)
#342
○小澤委員長 小沢貞孝君。
#343
○小沢(貞)委員 私は、民社党を代表いたしまして討論をいたします。
 まず第一に、社会党、民社党共同修正による公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正部分、自民、社会、民社三党共同提案によるいわゆる修正部分、分区案、及び両修正部分を除く原案に賛成をいたします。
 公選法や政治資金規正法の改正を要求する世論は、昨年のたなばた選挙、いわゆる参議院選挙後にほうはいとして起こってまいりました。大いにこの選挙の結果を論議しようという臨時国会において、当時の田中総理は、いわゆる見ざる、聞かざる、言わざるで院の構成だけをやったわけであります。これでは国民に対して済まない、こういうことで当時わが党の池田国対委員長の提唱で各党全党一致でもって選挙制度改正に関する小委員会が設置されて、その小委員会において衆議院、参議院の定数是正あるいは政治資金規正法の検討、金のかからぬいわゆる公営選挙の問題全国区の改革、その他、以上五項目を討議しようということでやってまいりました。昨年十二月二十五日の、昨年末の臨時国会においても、選挙の明正に関する決議が全党一致で行われました。内容については、ほぼ同様の内容で、全党一致で決議されたわけであります。
 その後、せっかく小委員会は大変な骨折りで努力をしてまいりましたけれども、政変やら、あるいは小委員会の運営でなかなか一致を見ないまま、衆議院の定数是正だけが合意されて、あとはまだ合意に至らないまま今次政府原案の提案となったわけであります。
 政府原案によりますと、批判はありますけれども、泡沫候補の乱立防止のための供託金の引き上げとか、公営拡大、立て看板の制限、公職等の選挙区への寄付の制限、それからビラ公害と言われるいわゆる機関紙の配布に関する制限事項等々、昨年の小委員会の設置の目標あるいは昨年十二月の臨時国会の明正選挙の決議の趣旨におおむね沿うような提案が出されたわけであります。だがしかし、その中に先ほど来修正をしなければならないような問題が出てまいりましたので、その両修正部分にそれぞれ賛成、そして除く政府原案に賛成、こういう態度を表明をいたしたいと思います。
 なお最後に、政治資金規正法については、昭和四十二年のいわゆる黒い霧事件を受けて第五次選挙制度審議会の答申が出されて、それを受けて政府は前後三回、社公民三党でも議員立法ということで提出をしてまいりました。その後、昨年金脈問題が問題になる等、政治資金規正について抜本的な改正をやらなければならないというような国民世論の背景があったわけであります。こういう背景のもとに、今度政府原案が出されたわけであります。
 率直に申し上げまして、この政府原案によると政治資金の量的制限、いままで野放しであった量的制限、それから質的制限、それから政治資金の公開の原則、あるいはまた個人の拠出する政治資金の税制優遇等々、従来の全く野放しの、ざる法もざる法、そういうような政治資金規正法に比べて確かに大きな前進、評価できる面が多いわけであります。
 ただしかし、先ほど来論議のありますように、寄付のあっせんに関する第二十二条の七の一項、二項等、われわれの納得できかねる部分も多々ありますので、反対の態度を表明いたしたいと思います。
 以上申し上げて、民社党の討論を終わりたいと思いますが、後ほど決議されるいわゆる参議院地方区の定数是正、これは次期参議院選に間に合うように強く政府にその措置を要望いたしまして、討論を終わりたいと思います。(拍手)
#344
○小澤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#345
○小澤委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#346
○小澤委員長 速記を始めて。
 これより採決に入ります。
 まず、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する山田芳治君外六名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#347
○小澤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、小泉純一郎君外六名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#348
○小澤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#349
○小澤委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#350
○小澤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきもあと決しました。
    ―――――――――――――
#351
○小澤委員長 ただいま議決いたしました両案中、公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、村田敬次郎君外二名より、自由民主党、日本社会党及び民社党の三党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。村田敬次郎君。
#352
○村田委員 ただいま議題となりました附帯決議案に対し、自由民主党、日本社会党及び民社党の三党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読し、説明にかえさせていただきます。
   公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 一、参議院地方区の定数是正については、早急に結論を得るよう政府は特段の措置を講ずること。
 二、全国区制度のあり方についても、早急に検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#353
○小澤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#354
○小澤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。福田自治大臣。
#355
○福田(一)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#356
○小澤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#357
○小澤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
   〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#358
○小澤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後九時二十九分散会
    ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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