くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 災害対策特別委員会 第3号
昭和五十年三月六日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 金丸 徳重君
   理事 宇田 國榮君 理事 越智 伊平君
   理事 島田 安夫君 理事 田村 良平君
   理事 高鳥  修君 理事 柴田 健治君
   理事 柴田 睦夫君
      今井  勇君    志賀  節君
      竹中 修一君    萩原 幸雄君
      旗野 進一君    増岡 博之君
     三ツ林弥太郎君    宮崎 茂一君
      森下 元晴君    金瀬 俊雄君
      辻原 弘市君    古川 喜一君
      山本弥之助君    三浦  久君
      高橋  繁君    宮田 早苗君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        審議官     横手  正君
        消防庁次長   森岡  敞君
 委員外の出席者
        国土庁長官官房
        災害対策室長  杉岡  浩君
        農林省農林経済
        局保険管理課長 市川 博昭君
        食糧庁業務部長 志村 光雄君
        通商産業大臣官
        房参事官    下河辺 孝君
        資源エネルギー
        庁長官官房海洋
        開発室長    志賀  学君
        資源エネルギー
        庁石油部精製流
        通課長     松村 克之君
        運輸省船舶局首
        席船舶検査官  謝敷 宗登君
        運輸省港湾局技
        術参事官    鮫島 泰佑君
        海上保安庁警備
        救難監     船谷 近夫君
        気象庁観測部地
        震課長     末広 重二君
        建設大臣官房人
        事課長     関口  洋君
        建設大臣官房技
        術調査室長   高秀 秀信君
        建設省都市局都
        市政策課長   豊蔵  一君
        建設省河川局治
        水課長     本間 俊朗君
        建設省河川局防
        災課長     田原  隆君
        建設省道路局企
        画課長     浅井新一郎君
        国土地理院測地
        部長      鈴木 弘道君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        消防庁安全救急
        課長      矢筈野義郎君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 豪雪地帯の冬期保安要員制度創設に関する請願
 (中川利三郎君紹介)(第一〇〇七号)
 桜島火山災害対策の拡充促進に関する請願(山
 中貞則君紹介)(第一〇〇八号)
は本委員会に付託された。
二月二十二日
 三重県の災害復旧事業促進に関する陳情書外一
 件(三重県議会議長長岡栄太郎外一名)(第一
 六五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 災害対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○金丸委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今井勇君。
#3
○今井委員 時間がきわめて限られておりますので、簡潔に質問をしますから、簡潔に御答弁を願いたいと思います。
 まず最初に、農業共済の問題を取り上げてみたいと思います。
 農業共済の補償制度は、逐年制度の拡充改善が行われてまいりまして、昭和五十年度の農業共済予算は、農林省の防災予算二千九百億円の約三割弱になっておりまして、農業経営の安定ということには大変貢献をしてきていると承知いたしております。
 ところで、現在、制度の仕組みが収穫保険であります。したがって、農家の減収を補てんするということをねらっておりまして、一般の保険の理論からしても、経済現象であります価格変動を保険の対象とすることは非常にむずかしいということはわかりますが、現に愛媛県では温州ミカンの所得共済を試験実施いたしております。農林省では、その内容をどの程度御存じか、まず御答弁を願いたい。
#4
○市川説明員 お答え申し上げます。
 愛媛県におきましては、御承知のように温州ミカンが四十七年に大暴落いたしまして、それを契機といたしまして、先生おっしゃったように、減収に加えまして価格変動を加味した、いわゆる所得共済というものを四十八年度から試験実施に入っております。試験実施期間は五年でございまして、私ども現在やっております果樹共済の対象地区で、かつ共同出荷率が九〇%以上の果樹農家を対象にいたしまして、しかも試験実施でございますので、八百ヘクタール、七百八十五戸という農家が加入して、現在、県と農業共済連の指導のもとに試験実施をやっております。
 これによりますと、過去一定年間の農家の手取り額の平均の六五%を補償する、しかも、減収に加えまして、価格が低落した場合の補償もやるということで、四十八年から実施しておりまして、四十九年の成績を見ますと、二千万ほどの赤字になっているようでございます。大変むずかしい共済でございます。私どもも、こうした愛媛県の試験実施の成果を、来年度実績を分析するということで、予算も要求している段階でございます。
 以上でございます。
#5
○今井委員 先般政府は、六十年の長期見通しということで、自給率の向上ということをいま真剣に考えております。国内で生産できるものはできるだけ生産させよう、どうしても海外からの輸入を仰がなければならぬものはやむを得ないということでありますが、その政府の目標を達成できるかどうかということは、いろいろな問題があろうと思いますが、要は、本当に各農家農家が意欲的に生産に取り組むかどうかということがキーポイントだと思います。どんなりっぱな絵をかいてみても、それを現実につくる農家が本気にならなければできやしません。それにはやはり農家の方々に、自分の所得が安定をして確保できるということが納得できなければ、私はできないだろうと思います。
 したがって、所得を確保させるという施策を同時に並行しなければいけない。そのためには、現在でも自然災害に対しましては共済制度というものがありますが、必ずしもこれが十分ではない。また価格の変動に対しては、やはり政府が支持価格を決めまして、一定の限度から下がった場合には価格の補償をするという制度を、農産物全般にわたってとるようなことが必要であろう、こう思います。
 国でも、愛媛県の所得共済の問題からいろいろ各国の制度というものを勉強していると聞いておりますが、その前に、現行制度でも改善をするところがたくさんあります。たとえば、現行の収穫共済の基準収穫金額、これは基準収穫量に果実の単位当たりの価額を掛けたものでありますが、その決め方が低い、あるいは実情に合わないという声もたくさん聞きます。また、現在の農業共済の対象作物は、総生産額で申しますと、全体の六割ぐらいだと聞いておる。そうすると、あとの四割がまだ農業共済の対象作物になっていないということで、現行制度においても、まだたくさん画すべきところが私はあると思う。まずその、私がたとえて申した二点についての農林省の考え方を聞かしていただきたい。
#6
○市川説明員 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるように、現行の農業共済制度の共済対象は、農業総生産額の約六割を占めております。しかし、現行制度につきましても、なお改善の余地がある。たとえば基準収穫量または単位当たり価額、これが実態に比して低いのではないかと御指摘がございます。特に果樹共済につきましては、四十八年度から本格実施に入りまして、制度発足の当初におきまして、まさに先生のおっしゃるように、どうも基準収穫量または単位当たり価額が実態に対してかなり低いという御批判をいただきまして、私ども四十九年度予算におきましては、基準収穫量を、やはりこれは果樹でございますので樹齢の成長に伴いまして収量もふえるわけでございます。したがいまして、樹齢の伸びを二年ほど加算するということで、基準収穫量の底上げもやっております。また、単位当たり価額の問題につきましては、五十年度の予算で現在要求中でございますが、やはり最近の果実価格の動向にかんがみまして、過去のデータだけではなくて、やはり将来を見まして推定すると申しますか、趨勢値をとっていくということで、現在五十年度の予算で要求しておるところでございます。
 それに加えまして、現行の農業共済制度は対象作物がまだ少ないということで、私どもも四十五年から、肉豚、それから地域特産物といたしまして、お茶とかイグサとかたばことか、それから内地の大豆、小豆、落花生、こういうものについて調査を始めております。
 御承知のように、やはり保険でございますので、保険設計を組むためには、過去の被害率を調査いたしまして料率を決めるということでございます。したがいまして、現在調査を開始して、過去の被害率の調査をまとめ、また農家の保険需要を聞きながら、逐次対象作物の拡大、拡充をやってまいりたい、こう考えております。
#7
○今井委員 そうすると、第一点の基準収穫金額の改定は早急に行うというふうに理解してよろしいですか。ちょっと再答弁を願います。
#8
○市川説明員 お答え申し上げます。
 果樹共済につきましては、基準収穫金額は、基準収穫量掛ける単位当たり価額でございまして、この基準収穫量については、四十九年度からもうすでに実施をしております。単位当たり価額の改善につきましては、五十年度から改善をするということでございます。
#9
○今井委員 日本の農業の将来を考えてまいりますと、現在は専業あるいは一種兼業が減りまして、二種兼業というものがふえておりますが、実際、今度の農振法の一部改正等を考えましても、プロ農家というものを育てまして、プロ農家が、所有権は移転しなくても、利用権の移転を図ってきて大規模な経営をしていく、そして他の産業と負けないような所得を上げるというふうな物の考え方にだんだんなっていかざるを得ないだろうと思います。また、そうなってまいりますと、勢い一つの作目だけをつくっていくというのじゃなくて、複合といいましょうか、たくさんのものをつくっていって、そして一つのものが、あるいはできが悪くても、他のものでその所得を補うというふうな農業形態というものに、わが国も移行していくのが将来の姿ではなかろうかというふうな気もいたします。
 そこで、農林省にお伺いしたいのですが、先ほどあなた方が各国の共済制度、何か特に経営保険的な制度を勉強されていると聞いておりますが、私は、日本でも個々の単品の共済制度ではなくて、いま言うように、あなた方も農業共済の対象作物をふやすんだ、こう言っておりますから、そうすると、それらを合わせて複合した作物保険というふうな制度に移行していって、その収穫が落ちたら、収穫的に落ちたものを補うというものじゃなくて、その農家全体の生産額といいましょうか、作物の生産額のその損失を補てんするという物の考え方に立って、この共済といいましょうか、保険制度をやっていくのが将来の趨勢ではなかろうか、こう思います。
 そこで、まずあなた方の勉強の結果を聞かしていただきまして、私の申し上げているようなことにいくことが正しいのかどうか、まずその見解を承りたい。
#10
○市川説明員 お答え申し上げます。
 先生のおっしゃいますように、農家の経営全体の安定ということになりますと、やはり農家はお米だけをつくっているのではなくて、中にはたばこをつくったり果樹をつくったり、いろいろなものをつくっております。そしてその経営全体が安定するということが最も望ましいわけでございまして、私どもも、そうした意味におきまして、現行制度は単品主義でございますけれども、やはり将来の方向といたしましては、農家が栽培している作物全体を一括して保険に掛けるということが望ましいと考えておりまして、四十六年度から経営保険というものの構想を抱きまして、研究を始めているところでございます。
#11
○今井委員 それでは具体的に、私はスウェーデンでそういうふうなことをすでにやっておる、こう聞いておるのでありますが、そのスウェーデンの実態と、あなた方のいまの経営保険の勉強の結果をひとつお教えをいただきたい。
#12
○市川説明員 お答え申し上げます。
 現在経営保険と言われるものを実施しておる国は世界でスウェーデンだけでございます。過去にアメリカで一部実施いたしましたが、評判が悪くて、現在はほとんどやっていません。
 スウェーデンでございますが、昭和三十六年から経営保険を始めております。その内容は、二ヘクタール以上の農場を対象にいたしまして、強制の保険でございます。この中身の特徴は、農家が栽培しております作物全体を一括して保険に掛ける。ただ、ここではあくまでも減収保険でございまして、価格の変動については対象にいたしておりません。ただ、御承知のように、スウェーデンにおきましては、主要な作物について政府が価格支持政策をとっております。それから、もう一つのスウェーデンの特徴でございますが、地域保険と申しまして、全国を四百二十の地域に分けまして、その地域ごとに農場の基準収穫量、基準単価というものをいわば一律に決めておる。したがって、個々の農家は郡単位に価格ないし反収というものが一定になるということでやっております。
 御承知のように、スウェーデンの国土面積はかなり大きいわけでございますが、耕地面積は三百万ヘクタール程度でございまして、農家の人口もちょうど愛媛県の農家の人口程度でございます。したがいまして、かなり農家のウエートは小そうでございます。しかも、一定の価格支持政策もやっておりますので、かなり強制保険がそこで成り立っておると考えますが、翻りまして、私どもの日本にそうした制度を適用できるかということでございまして、一つ問題になりますのは、作物全体を保険に掛けておりますので、一年間の収穫が終わり、経営収支が明らかにならないと共済金の支払いがない。現行制度は、お米が被害に遭いますと、直ちに共済金が支払われる。したがいまして、農家が一作ごとに豊作、減収という観念を持っておりますと、なかなかなじみにくい。それからもう一つは、やはり経営全体でございますので、共済金の支払いを受けるチャンスが現在に比べますと少ない。そうした意味で農家感情に合うかどうか、アメリカはこの点で失敗しているわけでございます。
 それからもう一つは、地域保険でございますので、かなり機械的に収量等を決めております。ところが、わが国の場合には非常に気象条件並びに土地条件が千差万別でございまして、自分のところの土地は非常にいいという場合に、それをたとえば郡単位に反収を一定されるということが果たして農家の感情に合うかどうか、私どもの制度に取り入れるについて、かなり研究すべき点が多々あるわけでございます。
 私どもも四十六年から経営保険の研究をしておりまして、やはりスウェーデンのこの経営保険を参考にしながらやっておりますが、現在私どもお米につきまして一筆方式と農家単位方式をやっております。ところが、一筆に比べまして、当然農家単位の方が合理的なてん補方式でございますけれども、なかなかこの農家単位が普及しない。ましてやこの農家単位をさらに広げました農家の作物全体の保険になりますと、保険需要としてもまだまだ十分でない。これはやはりわれわれの保険設計をいろいろ研究すると同時に、農家のPRに努める必要があるのではないか、こう考えております。
#13
○今井委員 重ねて言いますが、確かに農家そのものに対するPR、保険の制度そのものに対する認識というものはあろうと思いますが、農家そのものは、やはり昌頭申し上げたように、自分の所得というものが確保できるかどうかということが非常に大きな問題であって、そのようなことができるかできないかによって、その農業を続けていくかどうかということを実は真剣に考えているわけであります。愛媛県の所得共済もまさにそのような意味合いから県が試験を実施しておるわけでありまして、この問題は、いろいろ問題点のあることは私も承知しております。しかし、問題点があるからできないということではなくて、これをいかにすればできるのか、その方策はどうだということを前向きで検討をして、なるべく早くその結論を出していただきたい。いまのスウェーデンの一つの例もありましょう。
 そういうことで重ねてお伺いしておきますが、農林省の果樹共済、特に愛媛県で試験実施しております所得共済に対する研究、それからそれに対する答え、なるべく早く出していただきたいと思いますが、農林省の決意だけお聞きして、私のこの問題についての質問を終わりますが、どうですか。
#14
○市川説明員 お答え申し上げます。
 共済制度の方向といたしまして、私ども経営保険の方向に進むべきであると考えております。したがいまして、この経営保険の保険設計上の技術上の問題点というものを今後早急に詰める必要があろうと思います。同時に、やはり農業共済制度は農家の経営安定である、そのためにはやはり経営保険が最も農家にとって合理的なてん補方式であるというPRも、今後農家に機会のあるごとにそうした趣旨をお伝え申し上げ、また、現行の農家単位方式を普及し、その上に経営保険を持っていく、そういうスケジュールで早急に調査、研究も詰めてまいりたい、こう思っております。
#15
○今井委員 それでは、その次に話題を変えまして、この間水島で起こりました油流出事故の油の回収船のことについて質問をいたしたいと思います。
 時間もありませんので、私の知り得る範囲を申し上げますから、各省そのとおりで間違いないかどうかということだけをお知らせ願いたい。
 まず油回収船が、海上保安庁の報告によりますと、二十七隻出動した。この出動した時期についてはいろいろ時間的なばらばらはありますが、合計で二十七隻出動しまして、大変な御努力を願ったのですが、幾つかの理由、たとえばまず最初のトラブルは、油と一緒にそこに浮いておりますごみ、海草、わら、あるいは不用意に投げ込まれたまま回収されずにおった吸着マットというものが一緒になってきた。あるいは油が粘っこいC重油で、普通のような、当初考えていたようなやわらかい油でなかった。あるいは非常に潮流が速くて、最初食いとめようと思ったところがなかなか食いとめられないでしまった。あるいは船が急速にその周辺に集まらなかった等々でありましょうが、要するに、結論から言うと、油の回収船というものが十分働かなかったことは、どうも間違いない事実のようであります。
 そこで、それに対してどうするんだ、こういうことで、私はこれをいろいろ御検討なすっておる三つの省について聞きました。
 まず最初は通産省でありますが、通産省が海洋開発室というようなところで、こういうものを多分予測されたのでありましょう、四十八年度から予算をもらいまして、これは調査費でありますが、補助金を出しまして、油の大量流出処理システムの開発をやっておられます。四十八年が約一千四十二万七千円、四十九年も同じく一千百万オーダー、五十年度はこれは最後の年だそうですが、六百七十万程度でありまして、ある協会に委託をされておる。また海上保安庁に聞きますと、海上保安庁はこれの大もとでございますから、いろいろ御検討なすっておりますが、その大要はお聞きしますと、こういうたくさんの機器があるようでありますが、国内で開発するにしても膨大な金がかかる、急速に間に合わないというところがありまして、世界各国からいろいろ聞いて、このうち、これならよかろうというものを判断されて、すでにクリーン、スイープというものですか、それを二隻、五十年度でさらに一隻、三隻そろえられて、一たん緩急に備えようとしておられる。
 また運輸省は、現実に二隻油の回収船をお持ちでございまして、一隻が横浜、一隻が神戸にある。これは様式が少し違うようでありますが、これは一隻はせき方式と申しますが、もう一隻はヘドリック方式と言いまして、油が水とまじってきたものをせきでうまく調節しまして、油と水とを分けて吸引しようということのようであります。またさらに運輸省は、自分で動くことのできるしゅんせつ船をすでに三隻お持ちでございまして、その船がだんだん古くなりましたので、この際建造をしたいが、建造するからには、しゅんせつするだけじゃなくて、アタッチメントを変えれば大量の油も回収できるようにしようという意味で、いま五十年度に三千万の予算を取って、いろいろどうしたらいいかという御研究になっている、こう聞いております。
 まず、私のいま申し上げたことが大体正しいかどうか、それぞれの御担当の省から御答弁をお願いしたい。
#16
○志賀説明員 お答えいたします。
 資源エネルギー庁といたしまして、四十八年度から先生御指摘のように、大量流出油の処理システムにつきまして研究をやっております。これは荒天候下での大量の流出油の処理システムというところに新味があるというふうに私どもは考えております。御指摘のとおりでございます。
#17
○鮫島説明員 お答えいたします。
 ただいま運輸省の港湾局におきましては、先生おっしゃるとおりのことを実施しております。
#18
○船谷説明員 海上保安庁におきましても、先生のおっしゃるとおりでございます。
#19
○今井委員 そこで、私は実は申し上げたいのは、三省がそれぞれ御研究でございます。目的は一つ、それしかないのです。ところが、いま私が申し上げたように、実は三省ともややニュアンスの違う御研究をなさり、開発をされようとしております。
 ここで海上保安庁に特にお聞きしたいと思いますが、海上保安庁は何といっても、こういう事故が起こったときに第一線に立たれる省だと私は理解をいたしております。その省が、私の記憶に間違いなければ、自己研究というものをやるよりも、海外から開発したものを買ってきて、それでやろうということも大事でありますが、やはり国内でいま三省ともそれぞれ独自の立場で研究されているのですから、これらの省と密接な連絡をとられまして、そこでそういった成果を踏まえ、さらにあなた方の海外の状況もあわせ考えて、これなら一等よろしいということの結論を出すのが至当であろうと思います。
 と同時に、運輸省は現実にいま三千トンの大きなドラグサクションを持っておられて、それを改造されようとしておる。多分、同じ運輸省でありますから、お互いに連絡は十分とっていると思いますが、念のために、まず最初に運輸省に十分連絡をとっておられるかどうかということを聞いて、それから海上保安庁には、私の最初申し上げたような三省との間の連絡がうまくとれているかどうか、それを踏まえた上であなた方がこの機械の購入というものをされているのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
#20
○鮫島説明員 お答えいたします。
 一般的に海上保安庁が特に中心でございますので、従来の回収船の開発等につきましても、特に海上保安庁とは緊密に連絡をとってやってきたつもりでございます。
 なお、ドラグサクションにつきましては五十年度からでございますから、いままでにどうということはございませんけれども、海上保安庁及びそのほかの関係省庁とも、従来も情報等をちょうだいしておりますけれども、さらに緊密に連絡をとって今後進めたいと思っております。
#21
○船谷説明員 海上保安庁といたしましては、トリー・キャニオン事件以来、大量流出油に関しての研究を至急に進める必要があるということを痛感しまして、直ちに研究に入り、いろいろの開発につきましても懸命に努力してきたところでありますが、なお、これは世界的な非常に新しい問題として提起された次第でして、各国がいろいろな研究を進めてまいりました。もちろん、先生おっしゃるとおりに、国内におきましても船舶技術研究所等の国の機関、また民間でのメーカーも、いろいろの防除資機材の研究をいままで進めてまいりまして、われわれが民間の指導をし、あるいは国家機関がやることについてのいろいろの横の連絡をとりながら、システムを含めまして研究をしてきたところでございまして、水島の事件もまた一つの契機になりまして、なおその必要性を痛感しておりますので、今後とも官民ともに緊密な連絡のもとに研究を進め、整備を進めていきたいと存じております。
#22
○今井委員 大体私の言わんとするところは尽きましたが、最後に一つだけ海上保安庁に言っておきますが、いずれにしても、どのような機器を買うにいたしましても安い物ではありません。一遍買いますと、これがまずかったからといって直ちに買いかえるわけにもいかない、しかもこれは国で持たれる以外に、あなたの先ほどの御答弁でも、各会社にこういうものを持たせるような行政指導もなさろうとしておるように私は聞いておる。したがって、この機種選定につきましては、十分慎重の上にも慎重を期せられまして、万遺漏のないようにしていただきたい、それだけ要望いたしておきます。
 時間もないので、もう一問、これは建設省に承ります。
 建設省には、実は現業官庁でございまして、第一線に出張所というのがあります。この出張所というのは、河川あるいは道路の建設あるいは道路、河川の維持というものに当たる第一線のものでございまして、特に災害であるとか、あるいは豪雪というときには、出張所長以下全員が、それこそ深夜長時間にわたって身の危険を冒して出動をしまして、国民の皆さん方に御迷惑のかからないようにということで、日夜励んでいるところでございます。ところが、そういう役所でございますが、給与の問題で一つ問題があります。
 ということは、出張所長というのは管理職でございまして、管理職手当が一二%ついております。ところが実態を調べてまいりますと、これは東北地方建設局におきます昭和四十八年度の一年間の実態でございますが、一年を通じまして出張所長の総平均の超過勤務でございますが、一人当たりで二十二・九時間、それからその中で非常に多いのが道路の改築で二十五・三時間、それから道路の維持で三十・九時間ということでございます。これは月平均でございます。一方その一二%に相当する超過勤務時間というものは何時間に当たるかと思って調べてみると、大体十八時間ぐらいにしか当たらない。そうすると、結局出張所長さんというのは、自分の実際勤務したものを、まともに超過勤務としてもらうであろうとするならば、特に道路の維持というふうな出張所長さんでは、それの半分ぐらいにしか現在の管理職手当が当たっていないという実態であります。
 そこでしからば、超過勤務だけで、その管理職手当のない、たとえば同じ出張所の係長さんあるいは係員という者と比べてまいりますと、これは上越国道という雪の多いところの事務所の、これは昭和四十八年の十一月から四十九年三月までの五カ月で、これは延べでございますが、出張所長さんが全体で超勤の場合にもらうであろう金が五十三万五千円、それに対して管理職手当は七万円にしかなっていない。で、係長さんは超過勤務手当をまるまるもらっておりますから、これが五カ月で四十万六千円、それから係員は十三万二千円から二十九万三千円であるということでございます。
 で、私ここで指摘したいのは、現在のやり方でございますと、確かに管理職手当が出ているので、まあこれは出張所長さんにしてみれば決して悪いことではないのでありますが、その管理職手当の率というものが他の均衡において低目にあらわれておりますので、こういうふうな実際不合理なことになるのではなかろうかと思います。
 そこで根本的に灯すためには、この支給割合を変えるということが、まず第一段階でございますが、この問題が非常にむずかしいとするならば、少なくも非常の場合、たとえば水防であるとか災害時というふうな場合の勤務に別枠の意味の手当が支給できないか、それから管理職が夜間の工事監督などをした場合に、不時の宿泊手当というようなものができないかどうか、こういうことを私は実は考えておるわけでありますが、まず建設省に、出張所長のこの一二%という現在の支給割合というものが均衡上変えられないものかどうか、それをお聞きして、それからその次の、私の申し上げた二つの諸手当が併給できないものかどうか、これをひとつ御答弁願いたい。
#23
○関口説明員 ただいま先生から御指摘がございましたように、建設省としては、出張所長の皆さん方は、御指摘のように第一線で建設行政の推進に当たっておられ、いろいろと御苦労が多いポストであるということは、十分承知いたしております。こういう点から、従来、いま先生のお話しのございましたように、一二%の管理職手当を支給いたしておるわけでございますが、そのために、いわゆる超過勤務手当との併給ができない、そこでいま御指摘のような問題が生じておるということも十分承知いたしております。
 そこでしからば、いまの一二%の支給率をもう一段階引き上げたらどうだというのが、ただいま先生の御指摘でございますけれども、この一二%をもう一段階引き上げるに当たりましては、実は他の省庁の同種の出先機関の長とのバランスの問題がございます。実は他の省庁におきましては、私ども聞かされておる範囲内では、私どもの出張所長の管理職手当より支給率がやや低いようでございます。したがいまして、私どもだけがこれ以上管理職手当の支給率の引き上げを求めるということは、そういう意味で困難な実情にあるわけでございます。
 そこで第二の、いわば災害時と申しますか、非常の場合の特別な手当を新設したらどうだという御意見でございますが、実はこの先生の御趣旨に従いまして、災害時等危険、困難な作業についての手当の新設を要求いたしまして、この五十年度から、いまのところ名称は仮称でございますが、公共土木施設の災害応急作業手当というような形で新設が認められておりますので、目下人事院とその支給基準について御相談中でございますす。それによって解決を図っていきたい、かように考えております。
 なお、もう一つの御提案の、それにしても休日出勤あるいは深夜の出勤、こういう問題について、もっと改善を図るべきではないかという先生の御提案につきまして、私どもとしても、そのような考えで実は一昨年来、関係省庁と折衡しておるわけでございますが、この問題も実は管理職手当の考え方との調整を要する問題でございまして、申しわけございませんが、ただいまのところ、まだ解決の見通しが立っておりません。なお一層解決に努力したい、かように考えております。
#24
○今井委員 人事課長、私、もう一つ具体的に言ったのです。あなた方の御努力、これは大変多といたします。特に、いまのように緊急災害のときの手当というものを新設してくれた、これは大変ありがたいと思います、その額については必ずしも十分ではございませんが。もう一つ私は、管理職が、管内の夜間工事監督の場合、不時宿泊費、思いがけなく泊まるということですね、そういう費用というものは支給できないかということを聞いたのですが、それはどうですか。
#25
○関口説明員 ただいま先生の御指摘は、実は私ども、建設省の勤務しております現場の職員につきまして、日額旅費を支給いたしておるわけでございますが、その日額旅費の支給対象が、いわば旅行中の宿泊ということでございますので、旅行中であればよろしいのでございますが、先生御指摘のように、あるいは出張所の中で寝泊まりした場合等の対応策ということでございますと、これはもう少し検討さしていただきたい。どういうふうな取り扱いになっておるか、いまのところちょっとまだ検討が十分でございません。
#26
○今井委員 私の言わんとするところは、建設省における本当の第一線の出張所、その中の長というのは、なかなか責任が重いのです。特に最近は管理の責任を問われるものが非常に多うございまして、あなたも御存じのように、とてつもない山のてっぺんから石ころが落ちてきても、訴訟をやりますと負ける。あるいは小さな穴ぼこをやっておきまして、そこで車が故障を起こして事故でも起こしますと、必ずこれは大変な問題になるということで、やはり日夜出張所長は出張所長なりに細かい注意をし、非常に気苦労をしておるのでございます。やはりそういう者に対しては、給与の面でも温かい思いやりをしてやらないと士気を阻喪するおそれがあるんじゃなかろうかと私は思います。そういうことで、万が一にも給与の面でそのようなことがあっては、これは相ならぬというように私は思います。
 わが国の教育と出張所長とを同じにするわけでもありませんが、人確法におきましても、わが国の教育を誤らせぬために、先生方には十分な給与を差し上げて、そしてりっぱな教育をしてもらいたいというところから人確法ができたと私は理解しております。同様に、やはり現場で、しかも紙と鉛筆だけでなくて、現場で本当に実際に努力しておる人たちに対しては、それ相当の給与をもって報いるというのが、私は至当であろうと思います。建設省も十分そういう意味には御理解しておると思いますが、今後なお一層、そのような気持で彼らに温かい思いやりを示していただきたい。その決意のほどだけを聞いて、私の質問を終わります。
#27
○関口説明員 先生から御指摘がございましたように、一番大事なポストだということは肝に銘じております。そういう意味から、級別定数の改善等を含めまして、全体の問題として現在までも努力してきたつもりでございますが、今後ともなお一層努力してまいりたい、かように考えております。
#28
○今井委員 終わります。
#29
○金丸委員長 次に、柴田健治君。
#30
○柴田(健)委員 時間の関係上、積み残しが出ると思いますが、いずれ改めて論争したいと思いますが、私は、水島の三菱石油の油流出に関連をして、関係当局にお尋ねを申し上げたいと思います。
 まず、消防庁にお尋ねしたいのですが、今度の油流出に関連をして事故原因の調査委員会ということで、調査委員長に東大教授の木原さんをお願いして、いま原因究明に当たっておられると思いますが、この調査委員会の結論というものは、いつ出る見込みですか、その点をお尋ねしたいと思う。
#31
○森岡政府委員 事故原因の調査につきまして、御指摘のように事故原因調査委員会を消防庁に設置いたしまして、学識経験者によって鋭意審議を進めていただいております。最終的な結論を得ますためには、御承知の底板の亀裂部分などの切り出しなどもいたしまして相当綿密な実験、試験研究もやらなければなりませんが、その作業が、作業上の安全を確保いたしますために、若干おくれております。したがいまして、そういう意味合いで完全なる結論は六月ないし七月にならざるを得ないのじゃないかという見通しでございます。しかし、それでは私ども所期いたしております今後のタンク等の貯蔵施設の安全性の確保対策を早急に立てる、そのための結論をいただきたいというのには余りに遅過ぎますので、現在、三月中に一応の中間的な結論を出していただく、それに基づきまして今後の防災面での必要な安全基準についての指針を出していただこう、かような段取りでいま審議を進めていただいておるわけでございます。
#32
○柴田(健)委員 完全にこの原因がはっきりするまでの調査というのは六月、七月ごろになる、しかし一方法案の作業をしなければならぬというので三月中に中間報告、その中間報告を見た上で、消防庁の方は消防庁の関係する法案については改正をする、もう原因の完全な調査の発表がなくても法案改正の作業はやる、この国会に出す、こういうことですか。
#33
○森岡政府委員 危険物関係の施設の安全確保のための各種の法令の改正でございますが、まず先般来、総理の指示に基づきまして、私どもが各省庁と協議いたして取りまとめております、いわゆるコンビナートの総合対策立法、これにつきましては、個々の危険物施設の単体の保安基準とか安全基準とかいうものではなくて、むしろ各省庁がそれぞれ所管いたしておりますコンビナートに対する安全対策なり基準それぞれを、ひとつ総合的な体制が立てられるような方式を考えていこう、そういうことを中心に考えておりますので、率直に申しまして、事故原因調査委員会の結論とは必ずしも関係なしに進められるものと考えております。
 それから、個々のタンクでありますとか、その他の施設につきましての保安基準の問題につきましては、これは事故原因調査委員会の結論を得なければ、なかなか技術的な基準を定めにくいものがございます。たとえばタンクの構造でありますとか、あるいは地盤に見合う基礎工法でありますとか、そういう技術的な基準になりますと、具体的な事故原因調査委員会の結論が出ませんと、なかなか決めにくい。しかし反面また防油堤の構造でありますとか、あるいはさらに進みまして、一たん流出油が出ました場合に、それを事業所の外に出さないような第二次あるいは第三次の防油堤を義務づけるとか、そういう問題になりますと、これは事故原因調査委員会の結論をまたずして政、省令の改正ができるということでございますので、いわば二段に分けまして考えてまいりたい、かように考えております。
#34
○柴田(健)委員 今度の事故は、一般の国民感情から言うと、あれだけの大事故を起こしながら企業は社会的責任というか、補償の責任は持っておるようですが、刑事責任もその他一切処罰の責任を受けない、こういうことで住民感情、国民感情からは非常に割り切れないという気持ちを持っておるのですが、今度の消防法の改正その他でそれぞれの、通産省その他関係があると思いますけれども、処罰の規定を設ける意思があるのかどうか。個人と言わず企業と言わず、これだけの事故を起こすということについては社会の秩序を乱す最大の犯罪行為として処罰規定を設ける意思があるかどうか、その点をまず聞いておきたい。
#35
○森岡政府委員 現在それぞれの保安あるいは規制の法律におきまして、それぞれの義務ないしは措置に違反した場合の罰則規定がございます。しかし、それが必ずしも企業の責任を明確にする、本当の意味で明確にするという意味で抜けている点があるじゃないかという御指摘ではなかろうかと思いますが、それらの点につきましては、総合的な立法をいたします際に、あるいは個々の法令の規制を強化いたします際にあわせて検討してまいりたい、かように考えます。
#36
○柴田(健)委員 この事故が発生して以来、全国の石油コンビナート基地のタンクの一斉調査をした。もう全部完了したんだろうと思いますが、その中で不等沈下、不等沈下というのは、傾いておることを不等沈下だ、こうわれわれは判断しておるのですが、そういう傾いているタンクを、どこのコンビナート基地には数がどのくらいあるんだ、こういうことを確認せられて、新聞にも発表せられた。そういう傾いておる、不等沈下しておるタンクの改善命令、改善措置というものはどういう指導をしているのですか。
#37
○森岡政府委員 不等沈下が生じました場合に、その程度が特に著しいという状態でありますと、底板あるいは底板と側板の溶接部分などに相当なストレスがかかりまして、それがタンク損傷の原因になる危険があるということでございます。
 そこで、私ども調査いたしました結果、特に不等沈下の程度が著しいもの、これを一応の目安といたしまして、タンク直径に対して不等沈下量の割合が二百分の一を超えるものを、特に不等沈下が著しいものという目安で整理したわけでございますが、それにつきましては、油を抜きまして、底板その他につきまして綿密な非破壊検査を行って異常がないかどうかをチェックをするということを現在進めております。
 そこで、その結果異常が認められました場合には、当然それを是正するわけでございますが、仮に異常が認められません場合でも、不等沈下の状況が著しくて、将来やはりこの地盤修正をする必要があると考えられますものは、私どもは必要な地盤修正をいたしまして、安定度を高めるという措置を講ずるように消防当局に指導いたしております。ただ、個々の立地の状況も違いますし、現在ありますタンクの状態も違うものですから、その地盤修正がかえってタンクの安定度を損なうということになっては、これは大変でございますので、個別に慎重に企業の意見を聞きながら、私どもも相談を受けて地盤修正その他の是正措置をやって、タンクの安全性を確保するような措置を指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
#38
○柴田(健)委員 いまの現状を見ておると、いつまた大災害が起きるかわからないという非常に危険性の高い今日の現状。その中で三木総理大臣は、水島の事故なり、引き続いて四日市の火災事故なり連続してコンビナートの事故が発生しておるわけですが、そういうものを憂えて、石油コンビナート基地に対する特別の総合的な立法措置、保護というか、そういうものをつくるということを総理大臣は正式に発表しておるのですが、そういうものが現行のいろいろな各省にある、二十五、六あると思うのですが、そういう法律を度外視して、それらは改正をせずに石油コンビーナト基地だけの特別立法、総合的な立法措置をしてこれを守れるかどうか、われわれは非常に疑問を持っているのですが、総理大臣の考え方というのは余りにも思いつきというか、単純なというか、そういう気がするのですが、消防庁としては、ああいう総理大臣の構想に対して、どういう考えを持っておられるか。
#39
○森岡政府委員 現在私ども取りまとめまして各省庁といろいろ意見を申したり、あるいは承ったり、協議をいたしておる段階でございますが、個々の単体といたしましてのいろいろな危険物施設に対する規制、それを全部一本の法律にまとめてコンビナート地域について特別の立法をする、これは私は率直に申して余り意味がないような感じがいたします。むしろ問題は、総理も指摘されておったわけでございますが、各省庁にわたりましして、それぞれの所管に応じてかなり一生懸命やっておるわけでございますけれども、その間の総合的な体制が抜けているじゃないか、あるいはまた地方公共団体におきましても、府県と市町村がそれぞれやっておりますけれども、その間の総合的な体制というものにおいて欠ける面があるじゃないか。そういうふうな一体となって、予防あるいは災害応急対策などに取り組む体制というものを考える。これはやはりコンビナート立法を考えます際の基本ではなかろうか、私はかように考えておるわけであります。
#40
○柴田(健)委員 消防庁は、あのタンクの使用許可その他についての取り締まりの総元締めですから、お尋ねするのですが、タンクが設計どおりでき上がった、その使用許可を、検査をやる、そしてテストをやるということになるのですが、要するにタンクの上部構造については、いろいろ基準はすぐわかるのですが、下部構造について、いままでどういう方法で下部構造をしておったかということをよく知っておったかどうか、それを聞きたいのです。
#41
○森岡政府委員 地盤なりそれに見合います基礎工法等につきまして、もとよりいろいろ検討はしておったわけでございますけれども、率直に申しましてタンクの地盤あるいは基礎工法に関する保安基準としての明確な規制については私は欠けるところがあったと思います。これは、やはりその点が非常に大きな問題でございます。早急に先ほど御指摘のありました事故原因調査委員会の結論を待ちまして、地盤ないしは基礎工法につきましての施工設計基準を含めました厳密な保安基準、技術基準というものを定めてまいりたい、かように考えております。
#42
○柴田(健)委員 私たちがそれぞれの石油コンビナート基地を見て感じることは、タンク間の距離が余りにも密集しておる。同時に、油の種類が多いわけですが、防災訓練等する場合に、いま全部ひっくるめて油という名前がつくのは全部危険物だという先入感を持って、危険度の高い、可燃性の高い油も、この間流れ出たC重油のような可燃性の低い油も、同じような考え方で防災対策があるというのは大きな誤りがある、こういう気がするのです。油によって、この事故の大小というものが変わってくる。事故の被害が大きく、災害率も大きい小さいが出てくると思うのですが、タンクの距離それから油の種類における防災対策というものの考え方をお聞かせ願いたいと思う。
#43
○森岡政府委員 タンクに貯蔵しております油の種類によりまして、御指摘のように事故が起こりました場合の態様に大きな違いがございます。引火点の低いものにつきましては、当然火災なり、それが大火災、大規模火災になっていくという危険を包蔵いたしておりますし、また、今回のC重油のようなものでありますと、それが海上に仮に流出しますと、漁業被害その他大変な被害をもたらすということでございますので、御指摘のようにタンクの内容物によりましていろいろな規制を、実態に即したような考え方に変えていくということが、ぜひども必要だと思います。その場合に、たとえば保安距離のほかに自動的な消火設備なども含めまして、タンクの内容物に応じた保安基準をそれぞれ実態に合うように改善していくということを今後さらに進めたいと思います。
#44
○柴田(健)委員 現在のタンクの距離は、あれが適切な距離かどうかということを聞いているんですよ。
#45
○森岡政府委員 現在のタンクの距離については、いろいろ御意見もあるところでございますが、私どもといたしましては、基本的にはタンク間の距離は広い方がいいという気持ちは持っております。今後どういうふうに考えてまいりますか、さらに検討を進めてまいりたいと思います。
#46
○柴田(健)委員 ちょっと通産省に聞きますが、水島で三菱でも日本鉱油でも、当初のころ、工場誘致というか、立地整備をするためには、十五万バーレルというのが基準、そういう生産能力を持つ工場建設ということで、われわれはそういう理解をしておったのが、いま通産省の方は、三菱の方は二十七万バーレルで、日本鉱油の方は二十三万五千二百バーレル、いつの間にこんなに生産能力をふやしたか。それは通産省は、国の方は、そういう工場用地の面積は度外視して、面積が広かろうと狭かろうとそのことは別にして、日本の石油の需要量に見合わして、どこの石油会社には何万バーレルを生産しなさいというような割り当てをした可能性が強いという気がするのですよ。
 それから、そういう工場の立地条件を無視し、工場用地面積を無視して膨大な生産能力の割り当てをしたというような感じを持つんですが、通産省の方はそういう割り当てをするために、あの密集した石油タンクの貯蔵方式、保安というものを無視して、要するに、やはり工場をつくるためには、生産、保安、環境、この三つが完全に守られなければならぬのにもかかわらず、ただ生産だけにこだわって、保安も環境も無視して、あれだけの生産能力の割り当てをしたということは、通産省の重大な誤りがあると私は思うのですが、通産省、これはどうですか。
#47
○松村説明員 お答えいたします。
 石油業法に基づきまして精製設備の許可をいたしていることは先生お話しのとおりでございますが、その際に、決して私どもといたしましては、生産第一ということだけを頭に置いたわけではないわけでございますけれども、結果といたしまして、やはり現在、消防法その他の保安の諸法規を十分に守っているとはいいましても、それにしても、結果としてこういった甚大な被害を社会に及ぼしたという点については、先生お話しのように、今後関係諸官庁とも十分連絡をとって対策を強化していきたい、かように考えているところでございます。
#48
○柴田(健)委員 通産省は、保安の方は二の次だということで、生産上の割り当てを、たとえば三菱二十七万バーレル、そのためにタンクを密集して並べて建てなければならぬ。一つ爆発したら、少々防油堤をつくろうと、二重防油堤をつくろうとも、いまのタンクの距離間から見て、一つ事故が起きたら、それは大変なことになる。よその国の方は保安基準があって 相当のタンク間の距離が置いてある。日本はなぜタンク間の距離を短くしたか、外国の約三分の一にしている。そういうことは消防庁の方は、なぜ気づかなかったかという気がするのですが、消防庁はどうですか、これ。
#49
○森岡政府委員 タンクが過密になりますことは、当然それに伴いまして、一たん事故が生じました場合に被害が大規模なものに進展をするという意味合いで、きわめて重要な問題であると私ども認識しております。
 そういう意味合いにおきまして、先ほども御指摘があったわけでございますが、タンク間の距離の問題を、私どもは今後かなり基本的に考えていかなければならないと思いますが、同時に、事故が発生いたしました場合に、付近の地域住民に被害を及ぼさないということもあわせて考えなければならない。といいますよりは、むしろその方を重点に当面考えていくことが必要じゃないだろうか。そういう意味合いでコンビナート立法でありますとか、あるいは消防関係法令を今後改善いたします際に、その点に重点を置いて進めてまいりたい、かように私は考えております。
 いままでの保安距離につきましては、御指摘のように、いろいろ改善をしなければならぬ面が多いと私は思います。
#50
○柴田(健)委員 この法案作業はそれぞれの党、また政府当局も法案の作業をやっておられると思いますが、われわれもそういう法案の改正その他立法措置を考えるなり準備をやっておるわけですが、いずれ論争を深めていかないと本当にいいものにはならぬ、こう思っておるわけです。
 まず、港湾局、運輸省の関係に聞きますが、港湾局は水島港で、われわれ長い間苦労して昭和二十八年から取り組んできたのですが、そして十万トンの船を入れるというのが基準で、運輸省の方もそれでいいということで水深十六メートルの水島航路をしゅんせつした。それが昭和四十二年三月に竣工したわけですが、その後十万トンの船を入れる。一方では三菱や日本鉱油は十五万バーレルという生産の能力を基本に置いて、十万トンという関連的な総合的な判断に立って水島港の港湾整備をやったわけです。それが今日二十万トン以上の船が月に二隻以上入っておる。港則法に基づいて港長が入港出港の権限を持っておるから、危険性がないから入れるというような言い方は、私はまことに法治国家としては許すべき発言ではない、行為ではない。
 十万トンという船を入れる基準を決めた港に二十万トンを越す二十五万トンの船、一方では、船舶局の方は、それぞれの日本の各港の水深は度外視して、コストを下げるためにでっかい船をつくる。いま最高四十七万トンのタンカーをつくっておる。まだ、これ以上大きいのをつくるのだろうか。もうこの辺で考え直さないと、あのマラッカ海峡で座礁した祥和丸のような事件が起きた時分に日本はどうするのだ。国際的に信用をだんだん失ってくるというような気がするわけです、
 特に、瀬戸内海には十万トン以上の船を入れてはならぬ、こういう気がするわけですが、港湾局と船舶局、片一方は無制限に大きな船をつくればいいんだという考え方、それで港湾局の方は、もう港湾の整備の責任の監督官庁です、十万トンしか入らないということは決まっていて、知っておるはずです。それを港長の責任で、万一事故――まあそれは処罰規定がないんだから、唯々として逃げられるかもしれないけれども、事故が起きた時分に港湾局は責任をとるのかどうかということを明確に答弁願いたいのです。こういうむちゃなことをさせて、港長の責任があるからといって、事故が起きなかったらいいかもしれない、起きた時分には、運輸省の港湾局は重大な責任がある。絶対責任をとるということだけお答え願いたい。
#51
○鮫島説明員 お答えいたします。
 先生おっしゃいましたように、この港内の船の安全の問題は、やはり私は海上保安庁の方の問題だと思います。
 この港湾計画につきまして、おっしゃいますとおりに、この計画を決定いたしましたときに、十万トンクラスのタンカーというものを予想して港湾計画を立てたわけでございますけれども、その計画におきまして立てられましたいろいろな航路なり泊地なりの施設があるわけでございますが、そういう施設の現況に照らしまして安全に入港できるという判断が下されました以上は、それでよろしいものかと私は考えるわけでございます。
#52
○柴田(健)委員 あれは水深十六メートルですね。その後船長は海図を持って――保安庁の水路部がやるわけですが、あれはどうですか、港湾局の方は、埋まっておると思われますか、埋まってないと思いますか。
#53
○鮫島説明員 お答えいたします。
 水深測量の結果、十六メートルが浅くなっているところは現実にございます。
#54
○柴田(健)委員 船舶局は、これ以上でっかい船をつくる計画ですか。われわれは、瀬戸内海はもうでっかい船を入れてもらっちゃ困る、こういう気持ちです。無制限に大型タンカーを今後つくって、瀬戸内海に入れる気持ちですか。
#55
○謝敷説明員 お答え申し上げます。
 タンカーの大型化につきましては、先生御指摘のように、四十七万トンまで、国内の船主の船としてできておりまして、その後五十一万トンの船、これは大きさ、深さ、ほとんど同じようなものでございますが、ここでとまっております。
 この問題につきましては、世界の石油の需給状況とか、あるいは生産地精製主義とかいろいろな要素がありますのと同時に、油によります海洋の汚染防止という観点から、四十六年に、条約に取り入れられておりまして、これにタンカーの大きさの制限が出ております。その関係から、どこまで大きくなるかという点につきましては、私どもとしては、新しい構造の考え方で対応しなければならないと考えております。したがいまして、現在のところは、これ以上大きい船は出ておりませんし、注文も来ておりません。
#56
○柴田(健)委員 保安庁に尋ねますが、今度の事故が発生して企業から連絡がある、その場合に企業に対して海洋汚染防止法の第三十八条、三十九条の項、防除措置を講じることを命じなければならぬことになっておるのですが、どういう防除措置を講じなさいということを命じられたか、その点お答え願いたいと思います。
#57
○船谷説明員 先生御指摘のように、海洋汚染防止法三十九条によりまして、海上保安庁長官は、原因者が排出油の防除のため必要な措置を講じていないと認めるときには、防除措置を講ずるよう命ずることができることになっております。
 そこで、この間の事故の発生の際でございますが、海上保安庁の水島の海上保安部がその通報を受けまして、直ちに――水島港湾災害対策協議会というものを設置してありまして、それを招集し、それに対して防除措置についての要請をいたしました。これに基づきまして、官民ともに直ちに立ち上がって、事故発生後、約二十分後には作業船六隻が出動したという状況でございます。そして三菱の会社としまして、またその協議会としまして、その他の作業船の出動手配とか、それから処理剤や吸着剤の集中手配とか回収船や陸側からのくみ取り作業の手配がなされました。
 そのような実態でございましたので、この組織の活動に入りまして非常に早く立ち上がり、早く処置されたということでございましたので、あえて海洋汚染防止法上の防除措置命令を発する必要がなかった次第でございます。
#58
○柴田(健)委員 どうも海上保安庁は後手後手の感があるわけですが、なぜこんなことになるんだろうかという気がするのです。機構が悪いのか人員がないのか、いろいろ内部的に矛盾があるのではなかろうか、こういう気がするわけです。
 今度のオイルフェンスを張るのに、たとえば三菱の方の側と川鉄の方の側との第一の切り込み港湾の入り口に一カ所だけオイルフェンスを張った。中に船が十隻あった。それを港長の権限で出した。オイルフェンスを張った上に船を出すんだから、切れるのはあたりまえなんですよ。あそこにおる港長はもう重大な誤りを犯しているんだから、転勤させてもいいと思うのです。あれは首にしてもいいと私は思うておるのですが、それは権限がないから言うだけ言うのですが、とにかく無責任なことをやっている。
 それから、もう一つ総合的な判断力から言うと、日本鉱油側と川鉄側の第二段のオイルフェンスを張るべきだった。あそこに海底ケーブル、パイプラインが敷いてあるのですが、あの辺が直線八百メートルだから、八百メートルぐらいの距離なら、この三菱と川鉄、日本鉱油と川鉄側と二段でオイルフェンスを張ったら、そして船を動かさなかったら、あれだけの被害は起きなかった。そういう総合的な判断力というものが――あの港長というものは重大な誤り、先ほど言うたように、十万トンしか入れない港へ二十万トン、二十五万トンの船を平気で入れるような港長、オイルフェンスが張れないような、その適切な判断力もない港長、そして船を勝手に動かすような無責任な港長、こういう港長を持っておる保安庁の責任というものは、重大なものです。この点について保安庁はどう感じているか。
#59
○船谷説明員 事故が発生しまして、オイルフェンスの展張状況でございますが、作業船によりまして第一次のオイルフェンス、先生が占われました切り込み港湾の入り口に張りましたのが第一次のオイルフェンスでありますが、そこの展張作業を始めましたのは二十二時でございます。われわれが通報を受けまして約二十分後でございます。そこで張り始めまして、同時に、C重油ではありましたけれども、八十度に熱せられた油でございまして、その付近はもうもうと水蒸気が立ち上がっている状況でございました。それで、万一火災になった場合には、岸壁係留の船の乗組員は陸上へ上がれますけれども、錨泊中の小型船、八隻ございましたが、その船の人たちは非常に危険になるというところから、二十二時四十五分までかけまして、その八隻を港外に退避させました。そのときには、まだあの切り込み港湾の入り口は全部を張り終わっておりませんので、船が出たときに切って出たということは絶対にございません。その点の御認識はいただきたいと存じます。
 オイルフェンスにつきましては、その一次を終わりまして、その次に少し南の方に二次、三次、四次、五次、そして東側に六次、七次というオイルフェンス、全部で五千メートル余りを展張いたしましたが、大体第五次までは、朝の五時までに張り終わっております。したがいまして、このオイルフェンス、そしてまた第一次に張りました入り口のオイルフェンスは、その後二時四十三分に一回切れまして、また午後の十四時四十五分にもう一度切れたということでございますけれども、その補修はいたしました。
#60
○柴田(健)委員 いま答弁の中で霧がもうもうと――霧がもうもうと立つのはあたりまえです。あのC重油は九十度以上の熱度を持っておるから、やけどをしちゃいかぬ、人体に影響しちゃいかぬということで――大体油に水をかけるものじゃないのですよ。それは燃えないということは、会社のほうはちゃんと知っているから。C重油は燃えないから水をかける、冷却水をかけた。あの熱いものに冷却水をかけるから、霧がわくのはあたりまえなんです。これは常識の問題なんですよ。
 それから、平素からそういう防災に対する観念がないから、油が流れたら火災が起きるというのは単純な考え方なんですよ。それから会社の方は、C重油はもう可燃性がないから水をかけてもいいんだ、冷却水をどんどんかけた。その冷却水の量と油の量とが一緒になって、どっどっ出るものだから、それは大変なことなんですよ。そのくらいの予測ができなかったというところに保安庁の重大な誤りがあるし、そしてまた平素のそういう防災観念が全然なかったということです。
 それから、水島港には公共岸壁というのは少ししかない。あとはそれぞれの企業が管理しておる。企業が管理をする港に対して、もう少し保安庁は責任を持って、権限を持って指導すべきです。それを企業べったりの港湾管理運営をやっている。それから船でも、でたらめの航行をやっているということになるわけです。もう少しあの水島港の運用について保安庁は責任を持って明確に、節度のある運営をさし、また防災訓練においても適切にやらせるべきだ。一般の者が実際入れないという港がどこにある。われわれでも入れてくれない。上から望遠鏡でながめなければわからないというような港の使い方なんですよ。
 きょうは時間がないから、いずれ論戦を深めなければならないと思いますが、とにかくこの海上保安庁は四県も五県も広がっておる。片一方は神戸にある第五管区、岡山県から香川県は第六管区、なぜ瀬戸内海に二つの管区を置いて十分な措置がとれないのかということですよ。これは一本にすることはできないのか。瀬戸内海は一本の管区にする必要があると私は思うのですが、保安庁はどうですか、これ。
#61
○船谷説明員 海上保安庁が担当しております業務は、海難の救助あるいは海上における犯罪の捜査、逮捕、また新しく重大な仕事として付加されました公害の防止あるいは防除といったことでございまして、御存じのように第五管区は兵庫、和歌山、徳島、それから高知の方を担当しております。その他の瀬戸内海の大部分を六管区が担当しております。
 われわれの管区割りといたしましては、ほかの、たとえば海運局は四国に海運局を持っております。また中国側にもありますが、そういった分け方では、われわれは海が主体の仕事でございますので、ほかの行政官庁との連絡が余りスムーズにいかない点はありますけれども、あえて海面を重視して、そして性格の非常に似通った点の区域として六管区を置いてある次第であります。したがって、五管区と六管区を一緒にするとなりますと、四国の南側の高知までも六管区の広島でやらなくてはいかぬということになりますし、また、では神戸の五管区の方に置いたらということについては、瀬戸内の西のほうについては非常に遠くなります。そういったところから、できるだけ細かい目の届く区域といたしまして、これが最善であるということで管区割りをしてあると考えております。
#62
○柴田(健)委員 時間が来ましたから、きょうおいでいただいた国土庁、建設省、水産庁、いずれ次の機会にさせていただいて、保安庁にもう一つ飛び入り質問しておきますが、姫路の新日鉄の埋め立てに関連して、日本の大手企業、しゅんせつ会社では大きい五洋建設が海の中へ爆弾を、これは不法投棄でなしに、意識的投棄をしたらしいですが、こんな悪らつなしゅんせつ、建設業者があるとするならば、これは日本にとっては大変なことなんですよ。大変なことなんです。それで海上保安庁はこれを取り締まり、告発し、捜査を始めておるようでありますが、真相はどうなのか、簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#63
○船谷説明員 その件につきましては、目下捜査を続けておるところでございまして、まだ最終的な段階に至っておりません。したがいまして、非常に厳重な捜査をいたしております。そして、ある程度のことはわかっておりますが、いまの段階では一部しかわかっておりませんし、もう少し全容がはっきりいたしましてから御答弁させていただきたいと存じます。申しわけありませんが。
#64
○柴田(健)委員 いまの事件について調査を、この災害対策特別委員会の方へ経過報告を求めるようにお願いしていただきたい、こう思います。
 以上、終わります。
#65
○金丸委員長 次に、金瀬俊雄君。
    〔委員長退席、柴田(健)委員長代理着席〕
#66
○金瀬委員 私は、この前の災害特別委員会で提案されました災害予算の中で通産省関係のことについて、まず最初に質問いたします。
 コンビナート等におけるプラント類の耐震設計の検討等ということで四十二億二千八百万の予算が計上されていますが、これはどういうことに使われますか。
#67
○下河辺説明員 お答えいたします。
 ただいま先生の御質問の点でございますけれども、私からはコンビナート等に関係のあります事業所等に関する地震対策につきましての予算について、従来からの経緯を踏まえまして、御説明いたしたいと思います。
 まず、四十六年から通産省としましては、コンビナート関係の地震対策につきまして作業を進めてまいっておりますが、第一番にやりましたものは、コンビナート事業所等に数多く存在しております球形タンクの耐震性に関しましての一連の実験を開始しております。その予算額でございますが、四十六年度が千五百十万円でございます。四十七年度が二千二百二十六万円でございます。それから四十八年が五百八十七万円でございますが、このように四十六年度から三年間にわたりまして、まず球形タンクの耐震性の一連の実験を実施したわけでございます。それから四十七年からでございますが、タンク等に使われております高張力鋼の防災対策費といたしまして、四十七年が千二百四十三万円、四十八年が二千三百二十七万円、四十九年度が二千二百六十八万円、五十年度が千九百七十九万円、このように、これは委託費でございますが、外部に研究を委託いたしまして調査を進めてきておるわけでございます。
 なお、それ以外に地震に対します、特にコンビナートにおきます地震の防災システム全般につきまして、広い視野から検討する必要があるという観点に立ちまして、四十六年と四十七年にわたりましてコンビナート防災システム開発調査というものを実施いたしております。これは予算規模といたしましては四十六年が七百三十万、四十七年が六百九十万というようなものでございますが、このような調査を実施したわけでございます。また設備の技術基準を作成するための調査費といたしまして、四十九年度に約七百万でございます。五十年度も同じく七百二十万程度のものを要求している次第でございます。
 また、以上の一連の実験あるいは委託の調査というようなものを踏まえまして、昨年の十二月から地震対策分科会というようなものを設立いたしまして、コンビナート等におきます高圧ガス設備についての耐震設計基準を作成するための検討作業を開始しておりまして、この分科会の作業は、なるべく早い機会に結論を出して実施に移したい、このように考えておる次第でございます。
#68
○金瀬委員 コンビナートの災害については、四十六年ごろから検討を加えておったということでございますが、いま示された予算の中でどういうことが検討されて、どういうことが通産省に報告されておるか、その資料を出していただきたい。
 それからもう一つは、これは要望しておきますが、その検討の中から、今回三菱のああいう事故が起こる。これは地震でなくて起きたんですよ。自然に起きたんですよ。だからそういうことが起きることは検討されなかったかどうか。
#69
○下河辺説明員 先生のただいま御要求のありました資料につきましては、さっそく取りそろえましてお届けいたしたいと思います。
 それから、先生の次の御質問でございますけれども、高圧ガスと石油類とは若干その性状も違っておりますし、そのタンクの構造、基礎等にも若干差がございます。われわれといたしましては、現在の高圧ガスのタンク等につきましての設計そのものについては、現在のところ大きな誤りはないというふうに考えておりますけれども、現実の問題としまして、ああいう事故もあったわけでございますので、現在高圧ガスタンク等の一斉点検を進めているところでございます。まだその報告は参っておりませんが、そういうような形で、現在実態の調査に当たっているというのが現状でございます。
#70
○金瀬委員 その次に消防庁。石油コンビナートの防災診断等ということで七十九億九千七百円、予算組んであります。これはどういうことに使っていますか。
#71
○森岡政府委員 石油コンビナートの防災診断の予算は、四十九年度と五十年度の二カ年の継続としてやっております予算でございますが、四十九年度は四百二十六万円、五十年度は五百六十四万一千円でございます。
 この事業は、消防庁に石油コンビナート防災診断委員会というのを設置いたしまして、構成メンバーは主として学識者と、それから各省庁の保安防災に関連いたします職務を担当しておられます方々をお願いいたしまして、それらの方々でもって編成いたしました委員会によりまして、四十九年度は川崎、清水、岩国・大竹の三地区を防災診断をいたしまして、それに基づきまして、各市町村の消防当局が今後安全確保のためにいろいろ防災上の検査指導をやっていきます、いわば一種のマニュアルを作成したいということでやっておるわけでございます。五十年度はそれに引き続きまして、川崎をもう一度診断いたし、そのほかに千葉、鹿島、四日市、水島、大分等を診断いたしたいと考えております。
#72
○金瀬委員 いままでのコンビナートの防災診断ということについて、水島の三菱の石油タンク、このことについて何か予感というか、こういうものが起きるであろうということで、予防措置というのをしなかったのはどういうわけか。こういう予算を組んでいろいろ検討しながら、そういうことをしなかったのはどういうわけか。
#73
○森岡政府委員 先ほど御説明いたしました防災診断は、企業のレイアウトから個々の施設に至るまでかなり幅広く診断をして、今後の安全確保のための診断マニュアルをつくるということでやってまいったわけでございます。そういう意味から申しますと、当然御指摘のように、今度のような事故についても十分予想し、予知をし、考えておかなければならなかったんじゃないかという御指摘、ごもっともだと思います。
 これは率直に申しまして、どちらかといいますと、私どもはいままでコンビナートあるいは危険物に関しましては、火災というものを主眼に考えておった面が大きかったと思います。もちろんタンクの損傷という事態が起こり得ますことにつきましてのいろいろな研究、検討は行ってきたわけでございますけれども、そういう意味合いにおきまして、ダンクの構造とか、あるいは地盤とか、そういう点につきましてのもっと掘り下げた研究、勉強が必要でありまして、それに基づく保安規制の強化ということが必要であったと思います。今後早急にそれに取り組みたいと思いまして、いま鋭意検討を進めておるわけでございます。
#74
○金瀬委員 これは私が大学の建築の先生を呼んで聞いたのです。ところが、三菱のタンクは一番安くて一番ルーズな設計だと言われているのですよ。これはフローティング、浮上式というのがある。それが一番強いと言うのです。その次がコーンルーフ、かさ型というのが、その次に強いと言うのです。それからドームルーフというつり上げ式が一番壊れやすいと言うのです。この三種類あるということを知ってますか。
#75
○永瀬説明員 先生御指摘の、タンクの形式に三つあることは承知しております。その場合に、それぞれ形式が違いますので、タンク自体の側板と屋根を含めた強さというものは、それぞれの形に応じて違いがございますが、底板に対する問題としましては、工法あるいは中に入ります油の種類、また高さ、こういうものによって異なってくると考えております。
#76
○金瀬委員 この水島で起きた事故のタンクというのは、この中で一番安くて一番大きいタンクだった。つくるときに一番安くできて一番簡単な方法でつくったタンクだと言われておりますが、それは間違いありませんか。
#77
○永瀬説明員 水島の事故を起こしましたタンクは、重油を入れる目的でつくられたタンクと聞いております。したがいまして、フローティングルーフの場合とは目的が違いますので――フローティングルーフのタンク、いわゆる浮き屋根式のタンクは、中に入っております油の蒸発を防ぐ構造でございますので、これはガソリンだとか、あるいは原油、またナフサに多く用いられるタンクでございまして、重油の場合にはかさ型のコーンルーフか、あるいはドームルーフタンクが用いられるのが普通でございますので、コーンルーフでなくて、ドームを用いたというのは、おそらく径が大きいために、屋根を支えるのに最近は柱を使いませんので、屋根を支える構造の方からそれを選んだのではないかと考えております。
#78
○金瀬委員 これは私が聞いたところによると、このつり上げ式というのは一番安い方法だそうです。タンクをつくるのに一番安い方法。こういう安い方法でつくる場合には、必ず鉄板が非常に厚いので、溶接等が非常に困難であるということをはっきり言っているのです。ですから、はしごが、らせん状じゃなくて縦にできているのはこれだけですよ。こういう方式だけですよ。あとはらせんのように上がっていくのですよ。だから、これは一番安い方法であるということをあなたは認めますか。
#79
○永瀬説明員 私どもの立場といたしますと、そのタンクの建設費が幾らであったか、先生がおっしゃいます高い安いということは実は調べておりません。
#80
○金瀬委員 これは安全性を無視した非常に安かろうという、安い基準でやったから、こういうことが起きたんですよ。だから、その点については企業に大いに責任があるということは事実ですが、これは二十トンの重いはしごをつけてあった、これは事実ですか。あのはしごが二十トンあった、非常に重いものであったということは事実ですか。
#81
○永瀬説明員 あの事故を起こしましたタンクについておりました乗降用の階段でございますが、一般のタンクの乗降用階段は、先生御指摘のとおりに、タンクに踏みしろ、足を乗せますところを溶接してタンクに沿って上がっていく階段でございます。ところが、事故のタンクにつきましては、タンクの横の方の、基礎にごく近いところにコンクリートの基礎を置いて、そうして、ちょうど建物の特別につくりました屋外避難階段のような形でできているものでございまして、これはほかに余り例のない階段でございます。基礎につきましては、先生御指摘のように非常に重い基礎が地盤面の高さ程度まで打ち込まれていたと承知しております。
#82
○金瀬委員 結局、安全性ということを考えなかった会社にももちろん責任があるわけですが、そういう建築を許可した消防庁にも、これは何か欠陥があるのじゃないですか。
#83
○森岡政府委員 タンクの構造につきましては、御承知のように水張り検査とか、そういう検査を行いまして、その安全性を確保するための検査をしておるわけでございますけれども、地盤なり基礎なりというふうな面についての検査が、率直に申しまして十分でなかった面はあると私ども思います。それにつきまして何度も繰り返して申し上げて恐縮でございますが、私どもといたしましては、技術基準をさらに強化をいたしまして、その点について十分な検査を行うような体制を早急に立てたい、かように考えておるわけでございますす。
#84
○金瀬委員 おたくの消防庁の方には建築のことがわかる技師が何人ぐらいいるのか、報告書を求めたのですが、まだ報告書が来てません。一級建築士が何人いて、地下構造のわかる人が何人ぐらいいるのかということを調査して報告してくれと言ったら、資料が来ませんのでわかりませんが、おおよそ、たとえばいままで事故が起きた消防署に、こういう地盤の検査とか、あるいは建物の安全基準の検査ということができる技師は何人ぐらいいますか。
#85
○森岡政府委員 政府の消防庁といたしましては、いろいろな技術上の基準をつくりましたり指導をいたしたりしておるわけでございますが、各市町村の消防本部あるいは消防局におきまして具体の検査、指導は行っておるわけでございます。それで、各市町村の消防局なり消防本部におきます技術職員の数なり、あるいはその内容につきましては、これは市町村によりまして相当格差がございます。たとえば政令指定都市でございますと、相当の技術職員を擁しておりまして、かなり徹底した調査検査、指導が可能な状態になっております。しかし小都市に参りますと、その点技術職員の数も少ないという面がございます。それから建築関係の職員につきましては、これは率直に申しまして、数が非常に少ないということは、御指摘のとおりでございます。
#86
○金瀬委員 この水島のタンクの竣工検査をやった人、中間検査をやった人、それから起工式のときに行ってどういう基礎をやっておるかということを検査した人はいますか。水島にいないはずですよ。
#87
○永瀬説明員 これは必ずいると思いますが、まだ私どもの方に報告を取っておりません。
#88
○金瀬委員 消防庁でこういう大災害が起きた場合に、そのタンクがいかにしてつくられたかということを、基礎調査から竣工までの間どういう調査をしてあるか。竣工検査をやってあるはずだから、やってあれば、ちゃんと判は押してあるはずですよ。中間検査に行けば、ちゃんと検査に行ったということを判を押してあるはずですよ。だからそれを取り寄せてください。恐らく水島の消防署には検査官がいないはずですよ。中間検査も何もやっていないはずですよ。
 それから消防署というのは、大体タンクとタンクの距離とか、防油堤との距離とか、そういうことをはかるだけで竣工検査を終わらしていますよ。
#89
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、市町村によりまして格差があるということは、私は事実であると思います。水島につきまして御指摘の件につきましては、当然それは事跡があるわけでございます。たしか私ども取っておったと思いますので、後刻御報告いたしたい、かように思います。
#90
○金瀬委員 これは建設省に質問いたしますが、建設省、消防庁、通産省、そういうところが一緒になって、タンクの許可はいかにあるべきかということを検討して、もう一度初めからやり直す必要があるのですよ。ですから建設省としては、一番この建築については責任者と申しますか、責任ある立場の人がいるわけですから、建設省がい主の消防庁では不安であるという考えを持っていると思うのです。だから、そういうことについて建設省の考えを聞きたいと思います。
#91
○田原説明員 建設省でそういう面を担当いたしておりますのは住宅局の建築関係でございますが、ただいま担当官が見えておりませんので、御趣旨を十分伝えまして、後日報告さしていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#92
○金瀬委員 この間建設大臣にこれを質問しましたところ、建設大臣はいまの消防庁の機構では、また人的配置では、とてもタンクの基礎から、建物から、一切を見ることのできるような技術者が少ないということをはっきり指摘しています。ですから、これは早急に、このコンビナートのタンク、そういうものをつくる場合には、建築許可基準というのを改めて建設省に移すなり、あるいは建設省と消防庁で一緒になってやるなりしなければ、とても精密な検査というものはできない、さように考えていますが、その点についてはどうですか。
#93
○森岡政府委員 消防庁におきましては、建築関係の技術者が少ないことは、先ほど申し上げたとおりでございます。私どもの努力が不十分でございまして、消防庁の機構がなかなか強化されないということでございますので、大変反省をいたしておるわけでございます。
 しかし、安全を確保することは、これは早急に必要でございますので、建設省ともよく協議をいたしまして、万全を期したいと思います。
#94
○金瀬委員 その次に、建設省に質問しますが、この予算の中で、新しい耐震設計法の開発等地震対策に関する研究というので予算が盛られておりますが、これはどういうことを研究しますか。
#95
○高秀説明員 お答えいたします。
 いま先生お話しの、七億六千二百万ということになっておりますが、そのうち主なものは、いま先生からお話のございました新耐震設計法の開発ということで一億三千八百万、それから国土地理院が測地的方法による地殻変動調査ということで五億一千六百万、それから七千万は、土木研究所及び建築研究所が一般的な調査及び地震計の設置その他で使うという予定にいたしております。
 なお、先生いまお話しの新耐震設計法の開発でございますが、これは従来はどちらかと言いますと、私ども専門用語で静的設計法というようなことで、地震が働いた場合に、土木建築構造物の耐震設計法としてはその構造物の重さの一部が地震力としてかかわるというような設計をしておりますが、いろいろ学問的にも問題がございますので、早急に私ども動的設計法の開発をするというような基本方針のもとで、いまの新耐震設計法の開発ということに取り組んでいるわけでございます。
 具体的には、たとえば地域別、地盤種別、地震力のデータの解析であるとか、地盤の液状化判定法及び土の動的強度試験法の開発、構造部材及び接合部の動的破壊実験、地盤と構造物の地震時における振動観測及び解析というようなことをねらって試験開発をしたいというふうに考えております。
 なお、これにつきましては、いろいろ学問的にも問題がございますので、専門学者の方々の入っていただいております耐震設計部会というようなものを設けて、いろいろ御意見を伺っているということでございます。
#96
○金瀬委員 これによっていろいろ新しい研究をなさるようですが、いまの地下鉄を含めまして地下街、それから地下道、地下室というものが、いまの地震に対して安全であるかどうか、お答え願います。
#97
○高秀説明員 私、専門的には上木でございますが、いま先生具体的に挙げられた構造物につきましてどうこう言うことは、ちょっといま手元に資料がございませんので、一般的概念としては、先ほど申し上げました、現在の構造物は静的設計法のもとに、いわゆる安全率その他を考慮して設計しておりますので、その範囲においては安全であるということが言えると思います。
#98
○金瀬委員 これも大学の先生に聞いた話でございますが、それによりますと、これは安全でないという議論の方が多いですよ。非常に危険だという議論が多いですね。特に人が相当死ぬのではないかということで、地下街なんか、たとえば地震が来ますと割れ目が起きます。そうすると酸欠状態になるということだし、それから火災が起きて煙が出たという場合に、非常に危険な状態になる
 ということをはっきり言っていますが、その点についてどうですかな。
#99
○高秀説明員 いま私が申し上げましたのは、たとえば構造物としての安全の問題を申し上げたわけでございまして、先生いま御指摘のように、もし火災になったらどうかとか、いろいろな問題については、私どもの都市局その他においていろいろな検討をしているということでございます。
#100
○金瀬委員 そのことに関連して消防庁に聞きますが、これはおたくの予算説明の中にあるのですが、大震火災対策設備等の整備ということが載っていますが、これはどんなことですか。
#101
○森岡政府委員 予算の大震火災設備関連の経費でございますが、大地震が起こりました場合に一番問題になります避難、初期消火、延焼防止という点に着目いたしまして、水利が非常にだめになりますので、耐震性貯水槽を、これは百トンの地下貯水槽でございますが、避難地の周辺に張りめぐらしたい。
    〔柴田(健)委員長代理退席、委員長着席〕
同時にその水を使いまして初期消火を行いますように、可搬式の動力ポンプをそれに加える。そのほか避難あるいは情報伝達その他を考えまして、電源車でありますとか、あるいは情報伝達のための無線移動車でありますとか、あるいは特殊装甲車でありますとか、そういうような特殊車両を各消防当局に整備をさせる、そのための補助の経費でございます。
#102
○金瀬委員 きのうの夜、千葉のデパートで火災避難訓練をやっていました。それで、日本で一台しかないという酸素を放出する機械を持ってきてやっておりましたが、三越の中に観音様がございますね。あれは火災とどういう関係がございますか。あれは火災になった場合に煙突のような役割りを果たして非常に危険な状態になりませんか。
#103
○矢筈野説明員 お答えします。
 火災の場合に吹き抜け部分というのは非常に危険であるというふうに考えておりますが、三越の場合は各層の床面との間に防火シャッターを設けまして、その点の措置について一応配慮しておりまして、上部にスプリンクラーヘッドを設けまして、初期の段階における散水効果も担っております。御存じのように、百貨店においては火災による危険性というものが非常に大きいものですから、具体的には防火管理の面から、その安全を確保するように措置いたして現地の消防で指導いたしております。
#104
○金瀬委員 三越と同じように吹き抜けのものをつくることを今後許可しますか。あれと同じようなものをほかの百貨店でつくる場合に許可しますか。
#105
○矢筈野説明員 お尋ねの件につきましては、これは建築基準法に基づく建築構造上の問題でございまして、縦及び横の区画について厳重なる規制を今後加えられるよう検討が進められておる段階でございます。
#106
○金瀬委員 いま審議されておる新しい建築基準法で、ああいうことは大丈夫になっておりますか。
#107
○矢筈野説明員 先ほども申し上げましたように、百貨店における防火区画については、現行基準によりましても三越の場合は不適当でございまして、新しい基準では許可されないと覚えております。
#108
○金瀬委員 そうすると、いまの三越でやっておるあれは不適格であるということは、断定してもいいわけですね。
#109
○矢筈野説明員 正確なところは、建設所管でございますので、よく相談してお答えしなければなりませんけれども、私の記憶によりますと、不適格であると思っております。
#110
○金瀬委員 それでは最後に、農林省の食糧備蓄というところに予算が十二億八千九百万ついていますが、これはどこに食糧を備蓄してありますか。
#111
○志村説明員 いまお尋ねの食糧の備蓄でございますけれども、食糧庁といたしましては、災害用の食糧備蓄に該当するものといたしましては、乾パンがございます。乾パンにつきましては、大体二十五万食程度のものを本年も用意いたしております。そのほか米につきましては、これは食管の物資でございますから、そういう想定も含めて消費地には相当の量を積み込むように配慮いたしております。小麦につきましても、海外から入ってくるものですから、ある程度の、具体的に申せば二カ月以上のものを持つようにいたしております。
 以上でございます。
#112
○金瀬委員 近ごろ百貨店で乾パンを備蓄用の食糧として売っていますね。中に昔の金平糖といまの乾パンが入っています。あれは防災食ということで銘打って売っておりますが、食糧庁でこれはいいものであるということで推薦したのですか。
#113
○志村説明員 いまのお尋ねでございますけれども、食糧品は全部自由になっておりまして、ただこういう食糧問題がいろいろ世界的にも言われておりますし、国内でも食糧危機が叫ばれております折からでもございますので、適当にメーカーがそういう配慮で製造し、売っているのだろうと思いますが、食糧庁としては、こういうものについて推薦したというようなことはございません。
#114
○金瀬委員 最後に、出光の爆発事故について御質問申し上げます。
 ことしの正月、出光で高圧ガスの爆発がございました。このことについて、どのくらい被害が出てどのくらい人が死んだか、明細な報告をお願いいたします。
#115
○下河辺説明員 お答えいたします。
 本年の一月三日の午前八時五分、出光興産中央訓練所、場所は市原市の姉崎でございますが、ここでLPガス配管実習室においてLPガスが爆発いたしまして、実習棟、二階建てでございます、及び宿泊棟、四階建てが損壊いたしました。また付近の中小工場及び民家にも被害が及んでおります。
 被害の状況でございますが、千葉県から私どもに入りました報告によりますと、まず人的の被害といたしましては、同訓練所の寮監をしておった方が一名死亡されております。また打撲傷一名、軽傷十二名でございました。また物的の被害でございますが、家屋の倒壊が一むね、大破が九むね、それから中破といたしましてガラス、ドア、シャッターの破損六十一軒、ガラスの破損等が四百八十四軒という報告が入っております。
#116
○金瀬委員 これは正月の三日に起きた事故ですから、ほとんど人のいないところだったのです。もし人がいたとすれば、普通の日だったとすれば、どのくらいの人的被害が出たか、これはおよそ想像がつかないほど非常に多かったのじゃないかと思いますが、そのことについて出光にはどういう処置をとったか。
#117
○下河辺説明員 お答えいたします。
 先生ただいま御指摘のように、仮に平常の作業日でございましたら、ここに相当の人員がおったわけでございますから、かなり大きな事故になったかと思います。
 現在の状況でございますが、警察及び千葉県におきまして現在、調査を行っている段階でございまして、まだその結論が出てないようにわれわれ聞いております。したがいまして、千葉県といたしましても、別段特に本件につきまして会社側に対しまして明快な刑事上ないしその他の処置をとっているというふうには報告を受けておりません。
#118
○金瀬委員 このことに関連しまして、ミツウロコという会社がありますが、プロパンガスを売っている会社です。これは非常に大きな会社のようですが、御存じですか。
#119
○下河辺説明員 ミツウロコという会社があることは、承知いたしております。
#120
○金瀬委員 この会社が充てん所をつくるということで、充てん所の許可というのは、おたくの方で許可しますか。その許可の基準というのはどこでやっていますか。
#121
○下河辺説明員 LPガスの充てん所の許可関係は、高圧ガス取締法に基づきまして各都道府県知事が行っております。
#122
○金瀬委員 これはかなり高圧なものを許可するのに許可がとれないというために、田をつぶす場合に農地法五条の許可を申請するについて、隣近所の人たちの同意書をとる必要があるわけですね。同意書をとるのに、倉庫とかそれから事務所という名前で許可をとって、とってしまったら、今度は充てん所だということで許可を申請して、いま現地で非常にもめております。このことについて、こういうような非常識な会社があるということは、非常に重大なことだと思うのです。農地だということで、農地を転用する場合には倉庫だとか、あるいは事務所だとかいう許可をとって、その後で充てん所だということに直して申請するということですね。だから、こういう会社は許可を取り消すべきだと思うのです。こういうような不誠実なことをするような会社は、とにかくそういうことの販売を停止する処分をすべきだと思いますが、どう思いますか。
#123
○下河辺説明員 ただいま先生のおっしゃいましたミツウロコの紛争につきましては、千葉県の方から全然報告を受けておりませんので、私、何も承知いたしておりませんが、すでに県が許可をしたというようなお話もございましたが、そういうことであるとすれば、県といたしましては適法な申請があり、審査の結果、法律的に違反がないということで許可をいたしたのだろうと思います。問題といたしましては、農地法の御指摘にもございましたが、その点につきましては、われわれちょっと何とも申し上げられるようなものを持っておりませんので、千葉県の方にも、先生からただいま御指摘のあった点を特に申し伝えまして、実態をよく調べるよう連絡いたしたいと思います。
#124
○金瀬委員 この問題については、ひとつ十分な報告を千葉県から求めて、こういう違法な行為は許さないように、またこの付近は住宅密集地域です。この場所だけが残っておったという農地なんですが、そういうところへ高圧充てん所というのをつくることは、保安上からもよろしくないと思いますので、ひとつ十分な配慮を願いたい、さように考えております。
 以上で終わります。
#125
○金丸委員長 この際、午後一時二十分まで休憩いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十三分開議
#126
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続けます。柴田睦夫君。
#127
○柴田(睦)委員 消防庁の方に伺うわけですが、この水島の重油流出事故をきっかけとして、自治省の指示が出されて、各地方自治体が危険物貯蔵タンクの緊急点検を実施して、その結果の概要が先般発表されたわけです。それによりますと、点検対象が、一万キロリットル以上のタンク及び高張力鋼使用タンク、合計二千六百九十七基だけであるわけですが、調査の結果を見てみますと、一万キロ以下のタンクについても点検が必要だということを痛感させられるわけであります。消防庁としては、そういう必要性を認識しておられるか、またやる気があるか、その点から伺います。
#128
○森岡政府委員 お答えいたします。
 十分認識いたしております。十二月二十八日に、水島事故にかんがみまして各都道府県、市町村に緊急点検の通知を出しましたが、その通知の中でも、一万キロリットル以上のタンク及び高張力鋼を使用したタンクについて、当面、一月中にやってもらいたい、その余のタンクにつきましても引き続いてやるようにと、通達の中でもコメントいたしておるわけでございます。
 何と申しましても、大型タンクほど問題が大きゅうございますので、限られた期間内、一月中にやりますには当面それにしぼった、したがって、また、受けました報告も一応そういうところでまとめておるわけでございますが、すでに各市町村におきまして、一万トン以下のタンクにつきまして点検を進めているところもございます。これからというところもございます。全部のタンクにつきまして、安全確保のための点検を進めたい、かように考えております。
#129
○柴田(睦)委員 次に、今回の点検の結果、直径に対する沈下量の割合が二百分の一を超えるものを目安として、これも不等沈下の著しいものとして百九基のタンクについて、貯蔵している油を抜き取って、タンク内部の非破壊検査を実施するように指示されました。ですが、沈下量二百分の一というのは一応の目安であって、これを超えたから全く危険とは言えないということが言われますけれども、それと同じように、また、これを超えないから全く安全ということも言えないはずであります。たとえば千葉県には〇・五を超えるものが十基あるわけですけれども、〇・四を超えるものは市原市だけでさらに十六基出ております。市原市には沈下量の最高の数値を示しました丸善石油の十一万トンのタンクがあるわけです。
 今回の指示によって非破壊検査が行われ、その結果、検査対象のタンク本体に補修を行うよう指示されるものが出る場合、その付近の地質や地盤やまた構造その他いろいろな要素の関係によっては、〇・五以下の沈下率のものであっても、内部検査が必要になることもあると思われますが、これは〇・五以下のものについても、将来は油を抜き取って内部の検査をするということも考えなければならないと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
#130
○森岡政府委員 不等沈下と、それが原因となりますタンクの損傷の危険の可能性の因果関係につきましては、率直に申しまして学説あるいは企業の製造工法、それぞれとりましても、いろいろ議論がございまして、これという確定的なルールは見当たらないというのが現状でございます。しかし、また、不等沈下が著しくなりますと、タンクに損傷の危険の可能性が出るということ、これは否定できない事実でございます。行政といたしまして緊急点検を実施したわけでございますので、やはり一定の基準を目安として決めまして、それに基づいて安全点検を徹底的に行うべきものは行うという行動をとらなければならないわけでございますので、私どもはいろいろな説なり考え方を踏まえまして、一応〇・五%を超えるものを開放検査を行うことにしたわけでございます。
 ところで、問題はそれ以外のものでございますけれども、それらにつきましては、私どもは、不等沈下の推移を時系列的に少し今後見ていく必要があるのだろうと思っておるわけであります。一遍だけの点検で事柄が終わるわけでございませんので、一定の間隔を置きまして、不等沈下がどういう状況で推移するのかということを継続的に検査してまいりたい。そういうふうな検査を踏まえまして今後の指導を進めてまいりたい、かように考えております。
#131
○柴田(睦)委員 不等沈下あるいは波打ち沈下、それから均等な沈下ですか、こういう沈下というのは非常に危険を一般的に予想させるわけです。学説上はいろいろ言われておりますけれども、われわれの目から見れば、大きな沈下というものは、特にタンクの場合は非常に不安を感じさせるものですが、そういう沈下がどうして起こるかということになりますと、そこには地盤や地質に大きな原因があるということは言うまでもないと思うのです。
 ところで、危険物の規制に関する政令の第十一条第五号は「屋外貯蔵タンクは、自治省令で定めるところにより、地震及び風圧に耐えることができる構造とする」と決められて、さらに危険物の規制に関する規則の二十一条で「地震又は風圧に耐えることができる構造は、地震動による慣性力又は風荷重による応力が屋外貯蔵タンクの側板又は支柱の限られた点に集中しないように当該タンクを堅固な地盤又は基礎の上に固定したものとする。」というふうに定めているわけです。ここで言っております「堅固な地盤又は基礎」と認めるためには、具体的にはいままでどんなものを適格としてきたか、そのことをお伺いします。
#132
○森岡政府委員 政令及び省令で規制いたしております内容は御指摘のとおりでございます。
 堅固な地盤の上に築かなければならないという場合の堅固なりや否やの判断の基準と申しますか、それの技術的な基準につきましては、これは率直に申しまして具体的になかなか決めにくいということもあったと思いますが、それほど明確なる指針が示されておりません。これは私どもといたしまして、やはり今後早急に検討しなければならない問題だと思います。ただ、タンクの地盤等の堅固さと、それから構造の強さと、その両方をあわせ考えなければならないという問題があるように考えますので、双方の関連で考えていくということを、今後技術上の基準として掘り下げていく必要があろうか、かように思っております。
#133
○柴田(睦)委員 この点については当然反省があるかと思うのですけれども、建築基準法の関係を見てみますと、施行令の九十三条で「地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、建設大臣が定める方法によって、地盤調査を行ない、その結果に基づいて定めなければならない。」ということにされておりますし、建設大臣はその調査方法やその工法についての告示をちゃんと出しているわけです。これに比較して見ますと、建物、まあビルディングなんかについては、そうした基準が建設省で詳しく出ておりますけれども、もっと危険だと思われる石油タンクについて、そうした基礎工事の問題についていままで具体的な基準が示されていないということは率直に反省しなければならないし、悪く言えばそうしたものが石油産業の発展の中で犠牲にされてきたというように考えることもできると思うのですけれども、現在の時点に立っての考え方をもう一度伺いたいと思います。
#134
○森岡政府委員 タンクその他の危険物施設につきましての安全確保のための基準につきましては、どちらかと申すと、火災というものに対処するための基準に重点が置かれてまいってきたように私ども考えるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、御指摘のように、基礎あるいは地盤に関する基準というものについての具体的な示し方が十分でなかったということは率直に認めるわけでございます。そういう意味合いで、ただいまお話のございましたような御意見も踏まえまして、建設省とも十分相談をしながら早急に基礎地盤等についての具体的な保安基準を定めるように努力してまいりたい、かように思います。
#135
○柴田(睦)委員 ちょっと具体的になりますが、今回の報告では、千葉県の市原市にあります丸善石油のタンクが全国一の不等沈下量五十五・三センチメートルを示しております。このタンクの沈下率も〇・五を超えて〇・六八、千葉県では一番になっております。このタンクの基礎工事であるサンドパイルがどのくらいの深さまで打ち込まれたか、この点について調査をされておれば、お答え願いたいと思います。
#136
○永瀬説明員 先生御指摘の丸善石油の千葉製油所のタンクでございますが、あそこに使いました砂ぐいは約六メートルの長さでございまして、これが埋め立て層を貫いて、その下にございます砂層にまで達していることになっております。なお、砂ぐいの本数は、タンクの直下部分及びその周辺、盛り土のすそあたりまで打ってございまして、合計で二千八百十一本打っていると聞いております。
#137
○柴田(睦)委員 このタンク周辺の地域の桟橋や堤防、これは会社の方に行って聞いたのですけれども、ここでは五十メートルから六十メートルのコンクリートパイルを打ち込んでいるということでありました。丸善石油のタンクがあります五井南海岸埋立地では、沖積層が二十メートル以上に達しております。その上を埋め立てているわけです。ですから、地盤のやわらかい沖積層が二十メートルも続いているというようなところに六、七メートルの砂ぐいを打ち込んだというやり方が、これは危険物の規制に関する政令や規則の言う堅固な基礎に該当するというように考えられたか、また現在も考えられておるのか、お伺いいたします。
#138
○永瀬説明員 先生御指摘の点でございますが、私どもの手元に入っております資料といたしましては、埋め立ての粘土層が、問題の十一番タンクの場合五・五メートル程度の深さがございまして、その下にさらに五・五メートル程度の沖積砂層があります。その砂層の下に沖積粘土層が約十五メートルばかりございます。その下が洪積層になるわけでございまして、本来言えば、洪積層まできちんと打ち込めば、これはよろしいわけでございますが、従来のタンクの一般的工法としましては、沖積砂層までサンドパイルを打ち込むというのが通例になってきておりまして、その関係上、沖積砂層まで打ち込めばよろしいという考え方が従来あったわけでございます。なお、この沖積砂層を越えて下までサンドパイルを打っていくという工法が、これは必ずしも確かなことではございませんが、いままでなかったというようなことを聞いておりますので、従来の工法がこれ以上の方法がないということから「堅固な地盤」とみなす考え方に立っていたことは事実でございます。
#139
○柴田(睦)委員 ついでに言いますと、この丸善石油と同じ市原市にあります極東石油、ここでも沈下率が〇・五以上になっているタンクが二個存在しておりますし、ここでは沖積層が三十メートル以上になっております。ここでも砂ぐいは丸善と同じように六、七メートルということですけれども、地質学者に意見を聞きますと、沖積層というのは、やわらかい土地である、決して堅固な基盤というように言えるものではない、こういうことであります。そうしますと、二十メートル、三十メートルとある沖積層、そこに六メートルくらいの砂ぐいを打つということでは、どう考えても常識から言って堅固な基礎とは言えないし、むしろ砂上の楼閣である。こういうことから見ますと、現実に不等沈下もこういうところでひどく起こっておりますし、まさに起こるべくして起こった問題であると思うわけです。
 ですから、いまの説明によりますと、砂ぐいが沖積砂層に達するまでしか工法がなかったということでありますけれども、今度の沈下というものの調査を見てみました場合に、今までの認識では全く誤っているんじゃないか、こういう疑いが非常に強くなるわけです。この基礎工事について、堅固な基礎あるいは基盤という問題について反省があるかないか、お伺いいたします。
#140
○永瀬説明員 先生御指摘のように、従来の工法につきましては必ずしも十分な、完全な工法であるというようには考えておりませんで、工法での不等沈下の原因がどの辺にあるのか、また今後の、いわゆる堅固な地盤として考えてしかるべき基礎工法というものはどういうものであるのか、この点も今後十分研究、検討いたしまして、しっかりした基準をつくりたい、かように考えております。
#141
○柴田(睦)委員 そうした基準の問題が、いままでも指摘されながら現実性のある基準ができていなかったということから見ますと、これは早急につくらなければならないと思うのですけれども、現在、水島の事故調査委員会が活動していますし、三月には中間報告がなされるという午前中の説明でありました。そうした基準を早急につくると言われますけれども、それは具体的にどの時期になるのか、お伺いしたいと思います。
#142
○永瀬説明員 水島のタンク事故の事故原因調査委員会の報告の中には、やはり基礎の問題にも触れていただこうと考えておりますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、従来の考え方あるいは従来の工法からすると、さらに進んだ工法はどのようなものが実際上とり得るかという点になりますと、かなり時間を要するであろうと思いますので、事故原因の調査委員会の報告が出ます時期に、その基準ができるということよりも、むしろさらに検討を加えて、おくれざるを得ないんじゃなかろうか、現在ではもう少しおくれるように考えております。
#143
○柴田(睦)委員 すでに水島のような事故が起きているし、そういう指導の基準になるものがおくれるということであれば、現実的には国民の不安がすでに大きいわけですから、現在の段階でもやはり対策が立てられなければならないと思います。そうなりますと、一つは、現在不等沈下が著しいものについては、早速その補強安定というような指導が必要になると思いますし、また埋立地なんか、その地質の関係を調査して、地質の関係から言って、どうしてもタンクをつくれば地盤が沈下する、不等沈下が起きる、あるいは波打ち沈下の可能性もあるというようなところについて、新たなタンクの設置を規制するというようなことが考えられなければならないと思うのですけれども、その点はどのように考えておりますか。
#144
○永瀬説明員 現在すでに設置されておりますタンクの基礎、これにつきましては改良の方法を見つけ出し得るか。現在見通しは持っておりませんが、見つけ出す努力をしなければならないと思います。また過去の実例からして、あるいは調査の結果からして、非常に弱かった地盤、あるいは弱かった基礎の土質改良の部分につきましては、現在ある技術及び工法の範囲内において、まずとりあえず砂ぐいの突き固め方とか、あるいは間隔とか深さとかいうものを、現在のすでにあります工法の中から適切なものを選び出すということが第一要件であろうかと思います。それからその後、先生が先ほど御指摘になりました新しい工法を見つけていくという二段構えで、実は考えたいと思っております。
#145
○柴田(睦)委員 日本の石油産業が高度成長の担い手として拡大してきたわけですけれども、この拡大の仕方というのもきわめて野方図であった、このように見ております。霞が関ビルの本体重量を聞いてみましたら、あれが十一万五千トンであると聞きました。そうしますと、十万トンのタンクが全部満杯になれば、あの霞が関ビルの重量と変わらなくなるということになると思うのですが、こういうビルディングの方については、建築基準法の関係法令で一応の基準を設けて基礎固めもさせております。ですから、ああいうビルディングについては基礎固めについて一応の指導をしているので、聞いてみますと、不等沈下などは実際上ない、こういうように聞くわけですけれども、最も危険性の多いタンク、これは巨大なタンクも含めて基礎についての効果的な指導、規制がなされていなかった、こう見るのが現在の常識だろうと思うのです。
 そうしますと、結局政治の全体から言いますと、石油産業の発展を大いに図るというけれども、そこから生じる危険性、国民を守るための安全性の方については犠牲にされてきた、そういう態度があらわれているんだ、私はこのように見ているわけです。そういう意味におきまして、この危険物、タンクの監督をする機関である消防庁、これは石油産業あるいは石油の備蓄という問題も出ておりますけれども、こういう中で本格的に安全性を守る、そういうもっと強い立場をとらなければならないということを言っておきたいと思います。
 それから、水島のタンクは、タンクに亀裂が生じて、結局あの大事故になったわけですけれども、このタンクの亀裂という事故は、単にこれが初めてではなくて、日本においても、外国においても、すでに例があることであるわけです。さきに挙げました市原市の極東石油のタンク、これは水張り中のタンクの亀裂でありました。また山口県小野田市の山口製油所の事故、これも水張り中だったようですけれども、これらのそういう事故があったということを踏まえて、これからつくられる新しいタンクについて、どういう点を注意しなければならないか、検討しなければならないか、要するにタンクの亀裂を防ぐためには、どうすればいいかというような角度から、水張り中に亀裂したタンクの、その経験を踏まえて教訓を得る努力をしたかどうか、お伺いいたします。
#146
○森岡政府委員 極東石油及び西部石油のタンクが水張り試験中に亀裂を生じて漏水をしたという事実が御指摘のようにあったわけであります。これはいずれも完成検査前でございました。そういうふうなことから完成検査に至るまでに補修、是正が行われたわけでございます。したがいまして、この補修、是正を行うことによって完全な構造のものができた、こういう経緯をたどったわけでございますが、私どもといたしまして、いま振り返って考えますと、その時点におきまして、いまたびたび御指摘を受けておりますような地盤の問題、基礎の問題、そういう問題を含めまして、総合的に根本的な究明をいたすべきであった、こういうふうに率直に反省をいたしております。その時点におきましては、やはりタンクの工法に問題があったので、それを補充して一応完全なものができた、こういうふうに推移してまいったということでございます。
 なお、たびたび申し上げておりますことでございますが、現在事故原因調査委員会で根本的な原因究明をやっていただいております。それを踏まえまして、総合的なタンクの構造、地盤、基礎を含めました安全基準の制定をいたしたい、かように考えております。
#147
○柴田(睦)委員 そうしますと、当時のタンクの亀裂事故については修善がされた、完全なものになったということで、事故原因の究明というものは消防庁としては行わなかったということですか。これは、そういう事故があれば、補修をする方、施工者の方では当然原因の調査をして、それを補修に使うということになると思うのですけれども、そうなりますと、事故原因の調査が企業の範囲にとどまってしまって、本来事故の発生を防ぐために監督する責任のある消防庁において、そういう原因を解明して将来のタンクの設置についての参考にする、教訓にするという積極的な態度がなかった、こういう点も言えると思うのですが、いかがですか。
#148
○森岡政府委員 通常水張り検査中に極東あるいは西部のタンクに生じたような事故というのは、出ていなかったわけでございます。そういう意味合いでは、現地の消防本部、消防署は極東なり西部の水張り検査に当然立ち会っておるわけでございますが、根本的に、当該タンクについては他のタンクに比べて設計なり施工が悪かったのであって、それを直すことによって措置ができた、こういう判断であったと思うのであります。そういう意味合いで、先ほど来申しておりますように、これを他の事例に比較いたしまして、あらゆる角度から検討するという点に欠けたということであったわけであります。
 今回の事故原因調査に当たりましては、極東、西部の石油タンクの亀裂状況、その原因などにつきましても、あわせまして詳細な資料を提出さして、いろいろ検討いたしております。それを踏まえまして安全を確保したい、かように考えております。
#149
○柴田(睦)委員 結局、コンビナートの事故、石油タンクの事故というようなものは、決して起こしてはならない性質のものだと思うのです。起こせば瀬戸内海じゅうを汚染する、鳴門海峡まで汚染する、こういうところまでつながっていく事故ですから、これは本来決して起こしてはならない問題だと思いますし、特に住んでいる人に被害を及ぼす、人に影響を及ぼすようなところでの事故は一切あってはならない性質のものだと考えます。
 そうしますと、いままでのやり方について、ちょうど総反省の時期になっておりますけれども、一つ一つの事実が生じた場合に、それを企業任せにしない、あるいは部分的な問題にしないで、監督する立場で、決して事故を起こさないために、すべての問題を教訓にして生かしていくということも必要でありますし、そういうことから、今度総点検という問題が起きておりますけれども、その中から、防油堤のあのたくさん不備があったというような問題から考えてみましても、常時点検をやる、そして完全な改善をしていく、こういうことが必要でありますし、そういうことがちゃんとやられなくて、単に石油のさらに大型のタンクをつくる、大型タンカーをつくるというような問題に発展さしてはならない。そういうものがあれば、当然完全な安全が保障されるような、そういう立場を消防庁は貫かなければならないと思いますので、最後にそのことを要望して、質問を終わります。
#150
○金丸委員長 次に、高橋繁君。
#151
○高橋(繁)委員 私は、最近新聞紙上で騒がれております京浜地区の地震の予知の問題と絡んで、その京浜地方の地震の対策ということで質問をいたしたいと思います。
 新聞には、この予知という問題は、いつ、どこで、どれくらいの震度の地震が起きるかということを予想されることが一番大事な問題でありますが、その三つとも新聞紙上では、ここ一、二年のうちに、しかも震度五、場所は京浜地帯、こうはっきりと公表をされております。そのことについては、予知連絡会で一部に反対もあった、だけれども、あえて強行してこれを発表したということは、かなりの確信があるやに私は受け取りますが、国土地理院の調査の結果並びに地理院としての京浜地区の地震についての予知という問題について、御意見をまずお聞きをいたしたいと思います。
#152
○鈴木説明員 御説明申し上げます。
 国土地理院が行った水準測量の結果、多摩川下流地域の一部に局所的な地盤の隆起が認められました。しかし微小地震など他の地震前兆と思われるような現象は何も観測されておりませんし、この地盤隆起が直ちに地震発生に結びつくものではございません。特にこの地域は、御指摘のございました、かつて地下水のくみ上げによる地盤沈下が著しかった地域と、おおむね一致しているというところから考えまして、地盤沈下現象との関連において生じたものではないかという疑いも当然あるところでございます。しかし、このような異常と思われるような地盤の隆起が認められました以上、万が一を考慮いたしまして、今回の現象の実態をつかむため、各種の観測を集中的に行う必要があるというのが地震予知連絡会の結論でございます。
 このためには、この地域に関係する地方公共団体等の御協力をいただくことが必要であります。そのために、今回の地盤隆起の件について、あらかじめ地震予知連絡会の見解を公表しておくことが、かえって人心を不安に導かない方法であると考えまして、昨年の十二月二十六日に見解を述べた次第でございます。
 その後、関係機関がこの地域の調査を計画、実施しているわけでございますが、二月二十七日の地震予知連絡会までに得た情報によりますと、地震活動には変化は見当たりませんが、地下水位の資料を解析いたしました結果、地盤隆起の地域と地下水位の急激な上昇地域との間に相関があるように見受けられます。この上昇が地震発生に関係するような地殻内の異常によって起こされたものか、あるいは地表から供給されたものかは、まだ明らかではございません。このため、従来の諸観測に加えまして、地球科学的な調査も行う必要があろうという見解を述べた次第でございます。
#153
○高橋(繁)委員 いまの説明からいきますと、地盤の隆起と、それに伴って地下水の異常があるということで、それぞれの機関で観測を強化しなければならないということで、いまやっておるというお話ですが、先ほどお話ししましたように、新聞で、最近一、二年以内に、しかも震度五、京浜地帯、こういう発表がなされますと、予知連絡会というものが、この地理院で出しましたのを見ましても、各分担機関の緊密な連絡あるいは協力、しかも各種観測データの能率的な処理、いろいろなものを総合判断して、この地震予知というものは発表されるのが当然のように私は思います。
 ただ、いまの地理院の話だと、観測を強化しなければならないと判断して、その強化に努めておる。実はこういう一、二年以内に震度五、京浜地帯という的確な、しかもかなり信憑性の強い発表というものがなされておるわけですが、その辺の信憑性といいますか経過なり、もう少し詳しく説明してほしいと思います。
#154
○鈴木説明員 ただいま申し上げましたように、川崎地区の地盤隆起というものにつきましては、水準測量の結果がまずございます。しかし、それ以外の結果は、当時、出てなかったわけでございます。これが本当に地震に結びつくものかどうかということについては、今後の観測をまたなければ、はっきりしないものだと思うわけでございます。そういう点につきまして観測をやることが、当面必要なことだと考えたわけでございます。この観測をやりますためには、この地震予知連絡会としての見解を公表しておくことが必要だという判断でございます。
#155
○高橋(繁)委員 予知連絡会として、公表しておくことが正しい……。その公表が、一、二年であり、京浜地区であり、震度五である、こう判断してよろしいわけですね。
#156
○鈴木説明員 ただいまの、今後一、二年、それから震度五というようなことは、もし先ほどの地盤隆起が地震に結びつくものであれば、この程度のものになるのではないかと、そういうことでございます。
#157
○高橋(繁)委員 いまの、地理院が観測をし、そのように発表をしたのは、地殻の異常の変動ということを基本にしておると私は思うのです。まあそれが基本だろうと思うのです。それに伴って地下水の問題、その地下水のただ盛り上がっている問題も、あるいはトリチウムとかラドンとか、いろいろな調査をしなければ、そういうものが的確に出てこない、こう判断をした上で、確実な情報のもとでこういう発表をすべきではなかったかと私は思います。もちろん、いつ来るかわからない災害ですから、そういうことは予想されれば、いち早く公表することも大事であると思いますが、その辺の関連性といいますか問題については、別にお考えにならなかったわけですか。
 しかも、それよりも急を要する、一、二年という問題ですから、あしたということも考えられるし、一月後ということも考えられる、あるいは二年後ということも考えられるわけですが、そういうことを予想して、こういう発表になったかと思いますが、その辺をもう一度お答え願いたい。
#158
○鈴木説明員 昨年の十二月二十六日に見解を公表いたしました時点におきましては、はっきりしたデータとしては地盤隆起だけだったわけでございます。その後、ことしの二月までの調査によりまして、地下水位の上昇の方のデータが出てきたわけでございます。このような地下水位の観測のようなのを含めまして、今後ともこういう観測を続けるつもりでございますが、そういう観測をやるためにも、見解を公表しておくということが、先ほど申しましたように必要と判断したわけでございます。
#159
○高橋(繁)委員 それでは、そういうことで、先ほどから申し上げております、一、二年以内、震度五、あるいは京浜地帯ということを予想して、国土地理院は、観測を強化するとともに、そういう事態が考えられるという判断の上に立って、以下質問を続けていきたい、この辺でよろしゅうございますか、そういうふうにとって。
#160
○鈴木説明員 これは先ほどから申し上げましたことでございますが、連絡会の結論でございまして、国土地理院はその事務局をやっておるわけでございますので、私の方が連絡会の結論を申し上げたわけでございます。
#161
○高橋(繁)委員 国土地理院が、いまいろいろお話をされましたが、そのことについて気象庁の地震課ではどういう判断をし、またどのように対策を立て、これについて対処されているか、具体的にお伺いをいたしたい。
#162
○末広説明員 御説明申し上げます。
 ただいま国土地理院の方から御説明申し上げましたとおり、今回地震予知連絡会が発表に踏み切ったのは、川崎地区は非常に大切なところであるから、万々一を考慮して各種の観測をして、もう少しできれば正確な判断を行いたい。そのためには、われわれが担当地区へいろいろ出入りするわけでございまして、そのため地元の方に妙な不安感をお与えしてはいけないということで、手持ちの材料その他を公表に踏み切ったわけでございます。
 この観測強化の中には当然地震観測も含まれるわけでございますが、ただいま地震観測をやっておりますのは気象庁のほかに防災センター、それから各大学の研究陣がございます。それぞれ観測の仕方に特徴がございますので、その特徴を生かして能率のよい協力体制をつくりますために、昨年末新たにできました地震予知研究推進連絡会議で、各関係機関の間の連絡調整を行いました。私ども気象庁はこの連絡調整を受けまして、私どもの持っております既設の観測網を用いまして、同地域に発生する地震を特に注意深く監視し、被害地震発生につながるか否かの判断に役立つ資料の収集に努力する、こういうことをただいまいたしております。
#163
○高橋(繁)委員 調査の段階に入ったばかりだと思うのですけれども、現状で異常が発見できるのか、できているのか、この現状について、もしおわかりになればお話し願いたい。
#164
○末広説明員 御説明申し上げます。
 私どもはまず第一に、この多摩川下流域で過去にどのような地震がどのような起こり方をしているかということを精密に調べました。この結果によりますと、これはしかとした周期ではございませんが、大体百年といったような単位で地震があの地区で、局部的ではございますが、被害地震が繰り返し起こっております。一番最近は昭和二年でございますので、その辺からまいりますと、過去の地震観測あるいは地震発生状況ということに限りますと、まだもう少し次の地震まで余裕があるのではないかと思いたくもなるわけでございます。
 それから現在は、先ほども国土地理院の方から申し上げましたとおり、格別にあの地域で異常と思われるような地震は発生しておりません。ただ、御承知のとおり、非常に小さい地震といいますのは数が多うございますから、そういうものを利用いたしまして、最近言われております大きな地震の前にその地域を通過する地震の波の速さが変わるという現象が果たして起こっておるか否かということを突きとめようと努力中でございます。
#165
○高橋(繁)委員 いま少しお話にありましたが、こうした予知の問題について大学あるいは官庁、そのほか関係機関で各種の観測が進められていると聞いておりますけれども、そういう連絡の機会を持って、具体的にもう少し、どことどことどこで、いまそういう観測を進められているのか、おわかりになればお答え願いたい。
#166
○末広説明員 御説明申し上げます。
 これはいま申し上げましたとおり、地震予知研究推進連絡会議が連絡調整いたしましたので、本来ならば科学技術庁の研究調整局がお答え申し上げるべきと存じますが、お見えになっていらっしゃいませんようで、私がお取り次ぎさせていただきます。
 先ほど来各種の観測ということが出ておりますが、いま問題の発端になりました水準測量の繰り返しは国土地理院、さらに上下の変動だけではなくて、水平にも土地が縮んだり伸びたりしているかということも、これは国土地理院がもうすでに観測をお始めになっていらっしゃると思います。そのほか水路部、それから東京大学の地震研究所、それから東京大学の理学部、それから防災センター、気象庁、地質調査所等がそれぞれ重力測定あるいは地磁気の測定、それから傾斜計による観測、それから地下水位、水質の調査、それから地下水に含まれております成分の化学分析といったような非常に幅広い各分野で協力するような体制がとられております。
#167
○高橋(繁)委員 そういう体制がとられておるわけですが、その観測された結果について、ある一定の、三月なら三月あるいは四月なら四月という時期を設けて、その結果を持ち寄るとかいうような相談はなされておりますか。
#168
○鈴木説明員 ただいま気象庁の方から御説明いたしましたような観測をただいま続けておりまして、この次の地震予知連絡会を五月の八日に予定しておりますので、そのときに、それまでの結果を持ち寄ることになると思います。
#169
○高橋(繁)委員 ちょっと前後しますが、地下水の調査をしておるということでありますが、これはなかなかむずかしい、あるいは数週間を要するということでありますが、そうしますと、五月八日までには概略地下水のトリチウム、ラドンの問題は解決をされると思いますが、その辺までには大体できますか。
#170
○鈴木説明員 ただいま御指摘のとおり、地下水の地球化学的観測、これはなかなかむずかしいものと私も聞いております。この結果を出すのに相当な日時がかかるようでございますが、五月までに、そのときまでの観測結果については出るものではないかと思っております。ただ、これの観測はそこで終わるものではなくて、これからもずっと続けていくということになると思います。
#171
○高橋(繁)委員 以上のような地理院あるいは気象庁、その他各関係機関で、連絡会が発表された京浜地区の地震について観測を進められておるわけでありますが、先ほど申し上げたように一、二年ということでありますので、これはそう短兵急には調査も観測もできないと思いますが、住民は大変なショックを受けておりますので、早急に確実な情報を提供することが大事であると思います。それにつれて、地震予知連絡会がそういう発表をされて、今度は政府として、中央防災会議等では、この問題についてはどう論じられておりますか。その辺についてお答え願いたい。
#172
○横手政府委員 お答えいたします。
 政府では、かねてから大都市の震災対策、これにつきましては、その推進を図ってきておるわけでありますが、昨年末の地震予知連絡会の発表に対応いたしまして、一方において観測関係の強化を図りますとともに、また一方、国土庁におきまして関係省庁の連絡会議を持ったわけでございます。そして、この連絡会議で従来から進めてまいっております震災対策、これをさらに積極的に推進いたしますとともに、必要があれば、その見直しを行うということを申し合わせたわけでありますが、この申し合わせに基づきまして、関係各省庁では関係の都県、市と緊密な連絡をとりながら、危険箇所の点検整備、あるいは緊急時の出動体制、警備、避難、誘導の体制、初期消火の体制あるいは食糧等の備蓄あるいは調達、こうした面の見直しを行っておるわけでございます。特に都県あるいは市において、そうした面、万全の措置が講ぜられるよう今後とも指導してまいりたい、かように存じております。
#173
○高橋(繁)委員 その連絡会議はいつ持たれたわけですか。
#174
○横手政府委員 地震予知連絡会の発表がありました直後に持っております。
#175
○高橋(繁)委員 それに関連しまして、京浜地区では地方自治体でもいろいろな対策が練られているやに聞いておりますけれども、国が関連をしております道路であるとか橋であるとか、あるいは防災遮断帯、建築物、公共の建物ですね、それと、そうした地震、震度五という発表でありますので、それに対する対策というものはどのようにお考えになっておりますか、お答えを願いたいと思います。
#176
○横手政府委員 公共施設等の点検整備等でございますが、これは関係省庁それぞれ、その省庁の所管する施設についての見直しを行っておるところでございます。私どもの方も、さらにこうした関係省庁の行っておりますところを詳細に取りまとめまして、今後なお整備を進める必要がある個所については、その促進方を要請してまいりたい、かように存じております。
#177
○高橋(繁)委員 建設省、いま来ていらっしゃると思いますが、いらっしゃいましたら、一応お答え願いたいと思います。
#178
○田原説明員 お答えいたします。
 建設省では、本来国土保全という任務がその中にございますので、地震については一般的にかねがね注意してまいっているわけでございますが、特に四十六年にロサンゼルス地震がありました直後、全国におきます所管施設について、その耐震性について一斉点検をやってまいっておりまして、その結果について、重要な地区についてはいろいろ整備をしてまいっております。このたびの川崎地区の地盤隆起が地震予知連から発表されまして、これは直ちに地震に結びつくものではないということではございますが、建設省としましては、各関係部局に、この異常現象についての情報を周知徹底させまして、そして改めて点検をいたしたところでございまして、その後引き続き、常時の巡回点検を徹底的に指示してやらせております。これと並行いたしまして、これらの地域につきましては、緊急に整備することが必要な遮断帯とか遮断緑地、避難緑地、避難道路等につきまして、可能なところから優先的に整備をしていきたい、そういうように考えております。一般的にそういう措置をとっておる次第でございます。
#179
○高橋(繁)委員 見直しをやり、点検をしている、こうおっしゃいますが、大体いつごろをめどとしてそういう見直し、点検をやるのか、あるいは緊急整備として一体いつから着手をしようとしているのか。もう来年度予算は大体通過する見込みが立っているわけですが、そういうめどはどういうふうにお考えですか。
#180
○田原説明員 当面直ちに必要な点検はいたしたわけでございまして、それに対する処置はやっております。ただ今後の対策につきましては、関係部局、数がございまして、それぞれが地震対策、この川崎に対する対策ということに目的をしぼって一致した足取りで進めているわけでございますが、担当の方からお答えさせたいと思います。
#181
○浅井説明員 道路についてお答えいたします。
 ただいまお話し申し上げましたように、ロサンゼルスの地震の直後、総点検をやりました結果、全国で道路といたしましては約三千二百ヵ所の橋梁と、トンネル百九十ヵ所について一応整備を要するということで、それ以後、逐年これの整備に努めてまいっておりまして、昭和五十年度までで約四六%の整備が終わる予定でございます。(高橋(繁)委員「京浜地区だけでいい」と呼ぶ)京浜地区だけについて申し上げますと、川崎で緊急に整備をする橋梁は大体二十一ヵ所ございましたが、このうち十八ヵ所の手当てをすでに終わっております。そのほか、こういう手当てと同時に、地震の予告以後、特にこの二月八日未明の地震直後、直轄におきましては特別巡回等をやりまして、落橋の防止施設等についてのチェックをやっております。
 そのほか対策としては、地震予知の確度の向上を待って、応急資材の準備等をぼつぼつ準備いたしております。ベーリー橋の準備あるいはH鋼、それから覆工板等の準備に入っておるわけであります。
#182
○本間説明員 お答えいたします。
 河川におきましては、京浜地帯の地震に関係ある区域といたしましては、直轄河川では多摩川、鶴見川の二河川でございます。それから東京都におきましては、海老取川並びにこれに流入する河川でございます。それから神奈川県につきましては、二級河川の帷子川がございます。横浜市におきましては、準用河川の入江川がございます。それぞれにつきまして現在点検中でございます。なお、一部におきましては、点検を計画しておる河川もございます。また実施のための予算につきましても考えられつつございます。
 いつごろまでかという御質問に対しましては、ただいまそういう点検が終わり次第なるべく早く終わるように計画する所存でございます。どうぞよろしくお願いします。
#183
○豊蔵説明員 地震対策の一環といたしまして、広域避難地であるとかあるいはまた避難路、また遮断緑地等につきましては、かねてから特に三大都市圏におきまして、危険箇所等の点検を通じまして、これらの施策を具体的に事業計画にいたしますため、現在地域防災計画におきまして、これらの計画の内容を固めるよう指導してまいっております。これらの計画が定まり次第、国としても積極的に助成をしてまいりたい、かように考えております。
#184
○高橋(繁)委員 積極的にお願いしたいと思います。
 次に、先ほどから石油タンクの問題がありますが、総点検を消防庁の方でやられてその結果出ておりますが、この神奈川県下だけで不等沈下をしているものが三十二、それから修理を要するというもの、本体補修が四、付属物の補修が一、防油堤が六十一、配管弁が十二、それから消火設備が三十七、その他二十二ですか、ありますが、この不等沈下が三十二という石油タンク、こういうものが震度五という予知をされている地震に対して、一体万が一震度五という地震が来た場合、こういう点検の結果、不備とされている石油タンクについては、どのようにお考えですか。
#185
○森岡政府委員 消防の危険物関係の政令、規則におきましては、水平設計震度〇・三に耐え得るような力を持った構造にするようにという規制をタンクについて行っております。水、平設計震度〇・三と申しますと、御指摘の、震度五よりはさらに強い地震というふうに考えられるわけでございます。そういう規制を行っておりますので、それに耐え得るものであれば、いま予想されておりますような地震が仮に起こりましても、タンクの損傷はないということになるわけでございますけれども、しかし、現実の問題といたしまして、御指摘のような不等沈下がいろいろ出ておるというふうなことを考え合わせますと、なかなか問題が多いと思います。したがいまして、先般行いましたタンクの緊急点検につきましても、横浜市、川崎市は地震予知連絡会の報告も踏まえまして、非常に厳密に調査点検をいたしたわけでございます。その結果、お話のように、著しい不等沈下のあるももの三十二という形で出てまいったわけでございます。これらにつきましては、内部の油を抜いた開放検査を実施いたしまして、必要なものは地盤修正も行わせるということで、いま着々と進めております。それらの補強策を講じまして、仮に地震が起こりました場合にも、タンクの安全性が確保されるように、いま鋭意作業を進めておるという状態でございます。
#186
○高橋(繁)委員 その地震予知をされた京浜地区について、特別なそういう措置を講じておるわけですか、全国全般的なそういう対策ですか。
#187
○森岡政府委員 ただいま申しましたのは、全般的な緊急点検に基づく措置でございますが、横浜市や川崎市におきましては、そういう全般的な措置に加えまして、地震が起こりました場合の危険物施設、これはタンクだけでありませんで配管とか各種の施設につきまして、地震に耐え得るような耐震性を、改めてチェックをし直すという通達を企業に出しております。それに基づきまして、地震に耐え得るような施設、構造をもう一遍再点検をする、必要なものは補強するという措置を企業にとらせるように、たしか一月でございましたか、要請をいたしております。私どもも、両市と協調いたしまして、コンビナート地掛の危険物施設について、地震が起こりました際の安全性を確保するように進めておる次第でございます。
#188
○高橋(繁)委員 それは早急にひとつやっていただきたい。ということは、全国不等沈下百九のうち約三〇%の三十二が京浜地帯にあるわけですから、厳重な調査とともに、事態は急を要すると思いますので、お願いをいたしたいと思います。
 あと一点だけ。災害の問題で、起きた場合に災害の復旧事業をやるということですが、これは四十九年から改正になったわけですが、災害の額が十万円から五十万円まではきわめて書類が簡素化されて、地方自治体では大変喜んでおります。これは四十九年度から実施されたことでありますが、最近の災害の復旧の事業費というものはかなり大きくなってきておりますので、十万から百万という単位にして、この事務の簡素化を図って、災害復旧の緊急事態に対処できるような方向に、せっかくいい制度をつくってくれたわけですから、一年やった結果、すでにそういう要望が出ておりますし、金額にしても百万ということであれば、そう問題ないと思いますので、この書類の簡素化について、どういうようにお考えになっているか、それをお聞きして終わりたいと思います。
#189
○田原説明員 お答えします。
 災害の特定災害というものは、昭和四十九年四月からやられた制度でございますが、いま先生おっしゃいましたように、これを実施しましたもともとの気特ちは事務の簡素化にあったわけでございまするので、一年実施いたしましてその反応を見たわけでございますが、ただいまおっしゃられましたように、非常に枠の拡大の希望が出ておることは私どもも承知しております。
 ただ、査定業務を簡素化いたしましても、その査定した結果の総合計画が、実施のときに足りないようなことになってはいけない、逆に言いますと、査定の総額が予算額になるわけでございますが、そのときの誤差がないようなものにしなければいかぬということで、いろいろコンピューターなどを使いましてやりました結果は、百万が四十九年のときでは妥当であったわけでございますが、その後だんだん資料も豊富になってまいりまして、いまもう少し拡大できるのじゃないかということで鋭意計算をやっておりまして、もうしばらくすると、大体結論が出るのではないかと思いますが、財政当局とも御相談いたしまして、拡大の方向でいくということだけは意見が一致しておりまして、その枠が百万がいいのか百五十万がいいのか、ちょっといまのところ、先ほど申しましたような理由から制度が合わなければいかぬものですから、いま検討している最中でございます。
 いずれにしましても、次の五十年に起こるかもしれない災害に対しては、拡大された方向で適用できるように努力してまいりたいと思っております。
#190
○高橋(繁)委員 自治体で喜ばれていることは、どうぞひとつ実現をして簡素化を図っていただきたいと思います。
 以上です。
#191
○金丸委員長 次に、宮田早苗君。
#192
○宮田委員 私も最近の地震問題について質問をいたします。
 前の方の質問と重複する面もあるわけでございますが、何しろ対象になっております地域住民の方々の不安、同時にこの対策によって不測の事態に備えてもらわなければならぬという切実な時期だけに、あえて重複であったといたしましても、そいう面をお考えになってお答え願えれば、幸いかと思っておるところでございます。
 まず最近、大都市におきます震災対策が俎上に上がっておるわけでありますが、こういうときになりますと、必ずと言っていいほど、行政の一体化というものが問題になります。一昨年実施されました行政監察後の勧告でも、随所にこの問題点が出ております。
 最近、川崎市周辺に直下型地震の発生予想が地震予知連絡会から出されたわけでございますが、これに対する対策、いまも答弁で承っておりますように、検討をされ、一応の方向というものが出されておると聞いておるところでございますが、この行政監察の勧告がどれだけ行政面に生かされておるかということが、最近、対象になっております地域住民の非常に大きな関心事かと思っておるところであります。
 本来なら、関係全省庁個々にお伺いをしておきたいところでございますが、何しろ時間の関係もございますので、本日のところは国土庁に代表していただきまして、この行政の一体化を今後どう進めておいきになるものか、その点をお伺いをいたします。
#193
○横手政府委員 大都市震災対策についましては、中央防災会議につきまして、昭和四十六年でございますが、大都市震災対策推進要綱というのを決定いたしております。
 この決定に基づきまして、関係省庁で各般の対策の推進を図ってまいってきておりますが、特に、お話しのように、震災対策は各般の行政、広範に及ぶわけでございまして、中央防災会議の主務庁でございます国土庁といたしましては、関係省庁、十八省庁でございますが、この関係省庁によります大都市震災対策連絡会議、こういうものを設けまして、各般の対策の総合一体化を図ってまいってきておるところでございます。
 なお、昨年行管から震災対策につきまして勧告、指摘がございましたが、こうしたことに対しましても、この大都市震災対策連絡会議の下に、都市防災、防災体制、避難対策、救護対策、情報通信対策、研究、こうした六つの分科会を設けまして指摘を受けました事項を中心に、さらにそれ以上の対策も含めまして、この分科会で検討を進めてまいる、こういう体制をとっておるわけでございます。
#194
○宮田委員 その対策自体の実際の行動を起こしますのは自治体ということになろうかと思いますが、その対策そのものが自治体に、この場合は川崎市あるいは神奈川県ということになるかと思いますが、その方向がいま受けとめられて実行に移されておると思いますが、その実行の状態というものは、それぞれのところに報告として上がってきておるのではないかと思います。詳しくとは申しませんが、どの程度その地域で、それの実現化がなされておるかということをお聞きします。
#195
○横手政府委員 お答えいたします。
 具体的に川崎地区問題、この地域のためにとりました対策、措置、こうしたものについて御説明申し上げたいと存じます。
 地震予知連絡会の発表がありましたのは昨年暮れの、十二月の末でございましたが、ある程度そうした情報は私ども耳にいたしておりましたので、十二月に入りまして、東京都、神奈川県、横浜市川崎市、こうした関係都県並びに市の震災担当者を招きまして、消防庁と一緒に各地方団体でとっております震災対策、この現状の説明を聴取いたしたわけでございます。そして、今後さらに、予知連絡会からの発表等も頭に入れまして、当面、震災対策についての促進方を要請いたしたわけでございます。
 御承知のように、都県市では、すでに震災対策のための詳細な計画は立てられております。問題は、この計画に掲げられております各種の対策が適切に震災時に発動できるかどうかということにかかってまいっていると存じます。
 なお、市町村に対します指導と同時に、関係省庁におきましても、地域の防災計画の指導につきましては、消防庁の方で、耐震性貯水槽あるいは可搬式の動力ポンプ、こうした消火施設の整備についての指導をされております。
 また、緊急時の出動態勢につきましては、警察庁の方で緊急の警備態勢を検討され、さらに避難誘導の態勢あるいはそのあり方、あるいは避難誘導に当たっての広報のあり方、こうしたものの検討と同時に、必要とする装備、資器材の再配置、こうしたものもされております。
 また、防衛庁あるいは海上保安庁、それぞれ緊急時の出動態勢、こうしたものの検討をすでに終えられております。
 また、コンビナート対策は、本日それぞれの省庁から説明がありましたような各般のコンビナート対策を通産省なり消防庁の方で講じられておるわけでございます。
 また、公共施設等の点検でございますが、先ほど建設省の方から説明がありましたように、必要な措置、こうしたものの整備あるいは指導を図っておられます。運輸省の方でも、関係部局に周知させる等、あるいは国鉄その他の関係機関にも周知させまして、必要な施設の点検を実施しておられる、かような状況にございます。
 このように、現在のところ、国の方もあるいは地方団体の方も、挙げて川崎対策に取っ組んでおるのが現状でございます。
#196
○宮田委員 関連をするわけでございますが、特に地域が川崎、横浜という地域でございますだけに、石油化学コンビナートの震災時の防災対策上、最大の住民の心配事と言えば、防災遮断帯ということではないかと思います。いまのところ皆無ということを聞いておるわけでございますが、その用地確保を自治体に任せっぱなしのような気がするわけでございますが、国土庁長官や建設大臣は、東京周辺の過密解消は遷都ということを言っておられますが、それはそれといたしましても、現実には地震、コンビナートの火災、あるいはまた居住地域への廷焼という事態が予想できるわけでございますので、この防災遮断帯の用地確保策というのを国土庁あるいはまた建設省の担当者はどういうふうに手を打っておいでになるものか、その点をお聞きいたします。
#197
○横手政府委員 コンビナート対策の一環としまして防災遮断帯の必要性、これは言うまでもないことでありますが、この問題につきましては、先ほど建設省の方から説明がありましたように、地域防災計画等において、その作成を通じて指導しておられるところでありますが、やはり問題点の一つには資金、財政上の問題があろうかと存じます。ただ、財政的な問題につきましては、地方団体が必要とする防災遮断帯、こうしたものに必要土地の買い上げ資金、こうしたものにつきましては地方債の適切な運用が図られる、こういうことになっております。
 ただ、川崎地区等につきましては、そうした財政上の措置だけでなしに、必要な土地が入手できるかどうか別な問題もあろうかと存じます。こうした点につきましては、市町村の方ではっきりとした都市計画、こうしたものの策定が必要になってまいるわけでありますが、そうした市町村の計画に基づきまして、必要とする土地を買い上げるというような場合には、地方債をもって適切な措置を講じてまいる、こういう方向で考えております。
#198
○宮田委員 もう一点お伺いいたしますが、建設省は、去る四十六年でございますか、危険施設の総点検を実施されておるわけでございますが、この点検結果が行政面でどう生かされておるか。いまの報告を聞いておりますと、その遮断帯にいたしましても、そのときの点検の結果からいたしましても、ある程度必要性ということもお考えになったんじゃないかと思っておりますが、あれから何年かたつにもかかわらず、その点についての対策が講じられていないというような気がするわけでございますし、その点をお伺いしたいということと、また、今日のこの状態からいたしますと、もう一遍その点検をやらなければならないのではないか。もう一遍ということでなしに、今後何回も点検をやらなければならないじゃないかというふうに思っておりますが、その点は続けておやりになる意思があるかどうか、これもお伺いいたします。
#199
○田原説明員 お答えします。
 建設省におきましては、ただいま申されましたように、ロサンゼルスの地震以降、非常にそういう災害の重要性にかんがみまして全国的な点検をやってまいったわけでございますが、その中でも特に緊急を要する都市問題等につきましても、逐次必要なものから実施いたしてまいっておりまして、四十六年、その点検をやった年にすでに三百五十億円程度に相当する施設の改築等をやっておりますし、また、その後四十七年から四十九年までの間に、合計で約千七百億円くらいに相当する施設をやってまいっております。
 恒久的には、今後さらにいろいろな研究並びに事業の推進ということで努力しておるわけでございますが、今後、ただいま問題になっております川崎につきましても、地震予知連絡会の発表がありました直後、直ちに関係各方面に情報を周知徹底させるとともに、きわめて密度の高い点検を指示いたしておりますし、また、常時の点検もさせているわけであります。その他、がけ崩れに対しましも、これは全国的な点検をその後、四十六年以降にやってまいっておりまして、ただいま重要なものから、その施設を施してまいっておるわけでございます。このように、今後ともその都度都度点検を繰り返していきまして、そして遺漏のないようにやっていきたいと考えているわけでございます。
#200
○宮田委員 地震予知連絡会は川崎周辺の異常隆起の原因を地下水の水位上昇ではないかと予測しているようでございますが、この連絡会の定例会のいう場での議論の内容、これは非常に発表しにくい面もあろうかと思いますが、発表できる範囲内で報告していただければ幸いじゃないかと思っておるところであります。なぜかといいますと、新聞、テレビで報道をしていただく、タイアップするということは大変よろしいことかと思いますが、案外に連絡会議で発表されましたそのものが、そのまま報道されるということでなしに、それに付随をする、極端に言いますと、やれ疎開をするとか、子供を田舎にやったとかいうような記事が出てまいりますと、結果として不安を助長するようなことになりかねない。こういうことから考えますと、ある程度の議論の内容というのは、地域住民の方々の不測の事態に備えるという意味から発表してよろしいのじゃないかと思いますが、できるなら報告をしていただきたいと思います。
#201
○鈴木説明員 地震予知連絡会の席上におきまして、地盤隆起の顕著な地域が地下水くみ上げによる地盤沈下の著しかった地域とおおむね一致するというところから、地下水、地盤沈下現象との関連において生じたものじゃないかという疑い、これは連絡会で議論されたところでございます。それから、こういった地盤の隆起が地震発生に結びつくものかどうかということにつきましても、議論されたのは当然でございます。こういうようなところの一つ一つの議論につきましては、これはなかなか全部発表するという点については問題があるかと思いますが、連絡会の方へ提出されます情報につきましては、これは連絡会の方から印刷したものも出ておりますし、すべて発表されておるわけでございます。
#202
○宮田委員 多摩川の下流域の地盤の隆起の原因究明というのは当然続けられるというふうに思いますが、そうすると、他の地域ではどういうふうな状態かということであります。地下水のくみ上げ規制というのは、他の臨海工業地帯でもやっておることでございますから、地盤隆起が地下水くみ上げの量と関係あるのかどうかわかるのじゃないかというふうに素人考えでは思われるわけでございますが、この点はどういうことでございますか。
#203
○鈴木説明員 国土地理院では、全国の水準測量を行いまして、その結果、地殻変動の大勢を把握するように努めておるわけでございますが、特に地盤沈下の著しい地域につきましては、繰り返し測量の周期を早くいたしまして水準測量を行いまして、地盤沈下の現象の把握に努めておるわけでございます。ただ、国土地理院の方でやりますのは幹線だけでございまして、細部の測量は地方公共団体に任されておるわけでございます。そういった過去の測量の結果は現在いろいろ調査中でございまして、特に地下水のくみ上げと関係があるかどうかというようなことにつきましても調査いたして、これは地震予知連絡会の方にも資料を提出しておるわけでございます。
#204
○宮田委員 次に、食糧対策の問題について、これもさっきの質問と重複すると思いますが、質問をいたします。
 東京周辺の自治体の緊急対策を調べてみますと、食糧確保については乾パン、かん詰め、さっき申し上げましたが、備蓄が大変多いようでございまして、主食でございます米の備蓄の問題、全国総体的なことについては午前中の質問で答弁されたわけでありますが、特に川崎周辺におきますところの主食の備蓄、あるいはまた輸送体制というものについて大変大きな問題とは思いますが、これは仮の問題でございますが、川崎地震を想定した主食の供給体制というものは、どういうふうになっておるかということをお聞きをしたいわけであります。特に地域住民の方は、そうなった場合に食糧は大丈夫かという不安もあるかと思います。私、これは経験して、皆さんお笑いになるかもしれませんが、戦時中、これは爆弾、焼夷弾のあれでございますけれども、ここにおりましたところ、せっかく備蓄をしておきました倉庫が火災によって何もならぬというようなことになった事実を目の当たりにしておるだけに、この川崎周辺におきますところの食糧対策というのは、そういうことまで勘案をして対策をしておかないと、私は不安解消にはならぬ、こう思っておりますが、その点について農林省の方、どういうふうにやっておいでになるか、お聞きいたします。
#205
○志村説明員 災害に対します食糧の配備の問題でございますが、私たちの方は、国全体といたしましては、災害には米を充てるという原則を持ちまして、それを補うのに乾パンで補うということで考えております。
 それから、そういう考えのもとに、現在配給米につきましては、主要消費地に通常災害等あるいは一般の操作のゆとり等も入れまして、一・五カ月程度を目途に積み込むことを考えておるわけですが、ことしは貨車事情あるいは倉庫事情、他の貨物が非常に少なくなっておりまして、食糧の輸送体制が非常に伸びておりまして、二月末で、主要都市で大体二カ月以上積み込んでおります。そういうことで、特に御指摘になりました神奈川の川崎地区等についても、国全体の姿から見ますと、従来よりも相当多目のものを積み込んでおるということです。
 それから、川崎地区の地震に伴います食糧対策でございますが、これは非公式に、内々の打ち合わせのようでございますけれども、御質問等がありましたので、私たちの出先でございます食糧事務所を通じて話を聞いてみますと、大体川崎を中心にいたして半径六キロの地帯が被害になるだろうというようなことを想定をいたして、大体人口で七十八万人を対象に米をどうやって配るかということで、その被災地の範囲の外にある大精米所を対象にいたしまして、大体いま二月末現在で、精米で何トン、それから玄米で何トンというように組み合わせをいたしまして、先生おっしゃいますように、火災等も想定をいたして、被害地区以外の地域から、大精米所でございますと、トラック等も相当持っておりますので、そういうような計画をいま県、関係団体と、私ども出先も入りまして、協議をいたしておるように聞いております。ですから、米の方につきましては万々問題はないというふうに私たちは確信をいたしております。
#206
○宮田委員 通産省にお尋ねをいたします。
 大都市震災対策の見直しの中で、通産省は可燃性ガスと高圧ガス保有量の減量の努力とか、夜間あるいは休日の保安体制強化等を川崎地区の主要工場に要請をしたというふうに聞いておりますが、それに対する企業の反応と申しますか、協力体制はどういうふうになっておるかということ、それから、高圧ガスの保有量の減量の基準のつくり方、また夜間、休日の保安体制では、人員配置まで行政指導で細かくやろうとしていると思いますが、その点はどうか。特に高圧ガス取締法の一部改正案が提出されておりますので、そういう点も加味して質問をしたところでございますので、この点についてお答え願いたいと思います。
#207
○下河辺説明員 お答えいたします。
 昨年十二月に、地震予知連絡会から川崎地区の地盤隆起につきまして発表があったわけでございますが、その翌日、神奈川県を通じまして、川崎、横浜地区のコンビナート関係の事業所の責任者にお集まりいただきまして、いろいろと県を通じまして指示をいたしたわけでございます。
 その内容を簡単に申し上げますと、まず神奈川県としましては、従来から高圧ガス関係の設備の耐震強度の見直しをやっておったわけでございますが、当初の計画では五十三年度を目標としておったものを五十年度に繰り上げて、この工事を完了するようにというのが第一点でございます。それから次に第二点としまして、この際に緊急遮断弁とか除害設備、それから保安設備の作動状態の点検を十分にやるようにというようなことが第二点でございます。第三点が、先生がさっき御指摘ございました可燃性ガス、毒性ガスの保有量を極力少なくするように努力するということが第三点でございまして、第四点といたしまして、夜間、休日におきます保安体制を強化することというような四つの点を指示いたしまして、その指示いたしました点を実行させるために、その後の実施状況なども調査いたしておるわけでございます。
 現在まで判明しております実施状況につきまして御報告いたしますと、五十三年度末に完成させるよう指導していた塔槽類の耐震性向上改善工事につきましては、現在約六〇%程度の設備につきまして対策が終わっているようでございます。それから、夜間、休日の保安体制強化につきましても、現実の問題としまして実施されておるようでございます。それからまた、地震時の設備の作動状況の調査等につきましては、実は県が披き打ち的に、地震発生訓練を先月中旬ごろ一部の地区で実施いたしたようでございますが、そういうことを通じまして、その進捗状況を把握しているというふうに聞いている次第でございます。
 なお、その設備の改善計画につきましては、約四割程度のものがまだ済んでいないわけでございますが、これの改善につきましても、なるべく早い機会に完成するように指導してまいりたいと思っておりますし、特に毒性ガス等の設備につきましては、大体六月末を目途にいたしまして工事を完了したい。それから、その他につきましても危険度の高い物から順次完成させたい。またこの防災訓練等につきましても、他の地区につきましても、順次これを実施していきたいというようなふうに、一応県の計画としては承知しているわけでございます。
 なお、特に夜間、休日における保安管理体制の問題が一つ大きな問題としてあるわけでございますけれども、夜間、休日につきましては、先生御承知のとおり、工務とか保全あるいは総務関係、あるいは具体的に申しますと事業所長とかあるいは管理者クラス、あるいはその他の技術スタッフというものが休みをとって現場にいないというような状態になるわけでありますが、このような管理者層がいない場合に、運転上のトラブルなんかあった場合に、その対応を誤ったり、あるいは事故等の場合の対策がおくれるというような問題も生じやすいわけでございますので、現在こうした問題の解決のために、管理者クラスの人に、休日あるいは夜間であっても、宿日直させるように指導しております。
 また、設備類の運転の開始あるいは停止というようなことは、どうしても若干の危険を伴うものでございますから、保安上万やむを得ない場合を除いて、原則として、そういうようなときにはやらないというような措置をとるよう、これは特に強力に指導しているわけでございます。
 以上のように、それぞれ対策をとっておるわけでございますが、特に今回高圧ガス取締法の改正を考えておりますが、その中には、この保安管理組織の強化、特に各プラントごとあるいは直ごとに、国家試験に合格したような知識、経験、技能を持った技術者を責任者として置かせるというような措置をとることによりまして、異常時においてもより的確な判断、処置がとれるように措置をさせたい、このように考えております。
 なお、もう一点でございますが、現在、塔槽類あるいは入っております高圧ガスなどの保有量につきましては、上限というものはいまのところ、現在の規則では別段いたしておりません。
 以上でございます。
#208
○宮田委員 最後に要望を申し上げておきたいと思いますが、何しろ、この地震という非常にむずかしい問題でございますだけに、その対策もまた非常にむずかしいんじゃないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、この問題についての万全を期すという以外に道はないのじゃないかというふうに思っておるところでございます。中でも、いま通産省の方からもおっしゃいましたコンビナート地域に対する特段の指導、もう一つは地方自治体に対するいろいろな煩瑣なこれに対する仕事、こういう点については、私は大変困っておるのじゃないかというふうに思っておるわけであります。予算の面におきましても、あるいは人の面におきましても、また地方自治体対住民という、こういう問題に対しましても大変むずかしい問題かと思いますが、そういう点は国として、政府として特段の配慮をして、万全の備えということにしていただきますようお願いしまして、質問を終わります。
#209
○金丸委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策の基本問題に関する小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいとの小委員長からの申し出があります。つきましては、同小委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選及び参考人の出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト